宇宙船で漫画原作なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の宇宙船で漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の宇宙船で漫画原作なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.6 1 宇宙船で漫画原作なアニメランキング1位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.8 (60)
249人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

59.2 2 宇宙船で漫画原作なアニメランキング2位
宇宙海賊キャプテンハーロックSPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK(アニメ映画)

2013年9月7日
★★★★☆ 3.5 (36)
159人が棚に入れました
はるかな未来、もしくは遠い過去かもしれない。 銀河の果てまで進出した時代、残されたフロンティアのなくなった人類は、戻るべき場所=地球への居住権をめぐり紛争を引き起こした。この紛争の切札として建造された四隻のデス・シャドウ級宇宙戦艦。その四番艦・艦長の名前をハーロックといった。 しかし、英雄と呼ばれたハーロックは終戦とともに姿を消した。そして次に姿を現した時、彼は艦首に巨大なドクロを刻んだ海賊船を駆る、呪われた宇宙海賊となって政府に叛旗を翻した。 なぜハーロックは姿を消し、海賊となって現れたのか?彼の目的は? そして今…、ハーロック暗殺計画が発令された!!

声優・キャラクター
小栗旬、三浦春馬、蒼井優、古田新太、福田彩乃、森川智之、坂本真綾、沢城みゆき、小林清志、大塚周夫
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大罪を背負い生きる男・・・の物語

■評価
ストーリー : ★★★☆  3.8
演出・構成 : ★★★★  4.0
作画・映像 : ★★★★★ 5.0
声優 : ★★★☆  3.3
音楽 : ★★★★☆ 4.5
キャラ : ★★★☆  3.5

■ストーリー
現代よりも遠い未来が舞台。
人類の銀河探訪の旅が終結し、帰還を望む500億人の
人類が地球に殺到し、移住地を求めカム・ホーム戦争が
勃発。その後、地球は入居禁止惑星として地球連邦政府
から制定され帰る場所を失った人類は鬱屈した世界に
生きることとなります。
そんな世界で、連邦政府に反旗を掲げ抵抗する宇宙海賊
ハーロックと地球連邦政府:元老との戦い、そして
その狭間で翻弄されるイソラ・ヤマ兄弟の物語を描いた
劇場版SFアニメ作品。

■感想
原作は未読・未視聴、初心者レビューになります。
この作品は何故か心に引っかかるものがあり
気になって仕方なかったので、2回目の視聴を
完了してきたのでレビューを更新します。

この作品は二回みても面白い作品でした!!

★★映像と音響★★
まずは作画・映像・音響が素晴らしいです。
3DCGで描ける限界まで挑戦したんではないでしょうか!?
戦艦、銃器類、ボディーアーマー、衣服類は錆び・傷・
質感など細部にわたって作りこまれていますし、今回は
人の表情(毛穴,皺)や効果音まで上手く表現されています。
何よりも、私にとってはアルカディア号を含む艦隊戦や
離発着シーンのデザインや表現はアニメ発想がなければ
描けない秀逸なものだと思ってます。
製作者の熱意を感じます。

★★ストーリーとキャラ★★
心配されるストーリーですが、ハーロックの戦う理由や
過去に犯した大罪、イソラ・ヤマ兄弟の葛藤や苦悩の
物語がテンポよく展開され、起承転結がちゃんと描かれ
てます。また、下記作品テーマが予想外に重く結構見応え
もあります。
『地球と命の輝き』
『人の尊厳と罪』
『人類の発展・繁栄とは何か?』
しかし、テンポやまとまりを意識しすぎたせいか、各キャラ
の背景説明や罪を犯した動機説明が不足しており、人物が
描ききれていないです。あと30分の延長を希望します。

また自分の求めるキャラ(人物像)が描かれているかで
この作品の面白さは大きく左右されます。
私が作品の登場人物に期待するものは、作品の『より厳しい
現実的なテーマ(問題)』に苦悩しながらも、彼らが何かしら
の答えを導き、乗り越える姿(希望)を見せてくれる事です。
そしてテーマ(問題)に対して明確な答えを提示している
もしくは意外性のある答えを提示してくれるものに、より
面白さや魅力を感じます。
本作は私の希望に合致していたので楽しめました!!
 
なので、ハーロックにダンディズムやストイックな強い漢
の姿を求める方、夢や浪漫を求めている方は、この作品の
ハーロックはただ暗くて鬱に見えてしまうと思うので
おススメしません。下手にみると火傷すると思います。

★★声優★★
一番心配である声優は想定通りハーロックと小栗旬さんの
声は全くあっていないので高評価はできないです。
(他のキャラは頑張ってます)
しかし、ハーロックは寡黙な男!!ほとんど喋らず…なので
大体OKぇぇ。原作ファンの方は怒ると思います。

★★考察★★
この作品は中身のある作品で感動できます。
心の引っかかりとなった要因ですが、私の勝手な
妄想ですが、この作品は今の日本社会がどんな状況で
あるのか分かりやすく教えてくれたのでは?と感じます。
これは原発問題を抱える日本の鬱屈した社会と、無知で
あり続けた私自身の罪を投影した作品にも感じました。
ハーロックは許しがたい人物かもしれませんが、私とは
違い自身の罪(真実)と向き合い、逃げずに100年間も後悔と
自責の念を背負い、けじめを付ける方法を探し続けた男です。
小さくても私に『希望』を与えてくれた彼らは、正しく
ダークヒーローです。どうも有難うと言いたいです。

総じて、ネット上の批評板でかなり叩かれている作品ですが
ちょっと可哀想になるくらい・・・です。
私個人としては監督・製作関係者の方々に、この作品に
込められたメッセージをしっかり受け止めました!!
大変お疲れ様でした!!…と言いたい作品です。

視聴前に以下用語は知っておくと良いと思います。
ネタバレはありません。
{netabare}
■デス・シャドウ級戦艦とは
カムホーム戦争時に、地球を防衛するために建造された
4隻の高性能・高出力戦艦の事を言います。
動力機関は古代異星人から伝授されたダークマター
機関を採用しており、銀河最強の戦艦と考えてます。

■ダークマター機関とは?
アルカディア号(デスシャドウ級)の動力機関の名前です。
この機関を使用する事で補給なし無限航行やワープ
艦体のシールド、自動修復機能を可能にしている動力
機関です。まさしく最強の動力です。
しかし、このダークマター機関も暴走すると惑星1個を
破壊・汚染するほどの危険な動力機関でもあるらしい…。

■ガイア・サンクション
銀河系に住む全人類を統治する機関になります。
日本で言うと国会や内閣にあたる機関です。

■ガイア・フリート
ガイア・サンクションを守護する専用の軍事組織です。
{/netabare} 

■説明不足の補完
この作品はハーロックやイソラ・ヤマ兄弟には色々と
説明不足な点があり、誤解を招きやすいです。
この誤解を解くための情報をまとめたので、以下は
視聴した後にみて頂ければ幸いです。
”超長文”と”ネタバレ”になります!!
嫌な方はスルーしてください。

{netabare}
Q1:物語の序盤で、ハーロックは乗船希望者を船から
  突き落として殺すなんて酷すぎるんじゃないのか??
A1:殺していません。湖??に落としただけです。
  乗船希望を『名誉のため』と言っていた男が
  湖から浮き上がっている姿が描かれています。

Q2:ヤマは何故あんな罪を犯したの?
A2:本編ではよく描かれていませんが、彼の母親は
  生物観察官として、火星を第二の地球とし、わが
  子達を鬱屈した世界から救済するために人生を掛けて
  植物の研究をしていたと予想します。
  そんな母から強い影響を受けていたヤマは、ナミと
  一緒に母の夢を実現しようと日々研究に励んでいた
  のでしょう。しかし、何かの悲劇が重なって母の
  夢が実現できなくなった事に絶望し、あの様な事を
  してしまったと考えています。

Q3:イソラは何をしたかったの?
A3:彼は一貫して地球を守ろうとしていました。
  また地球を壊したハーロックと体の自由を奪ったヤマ
  への憎悪に苦しみながらも、愛した人(ナミ)のために
  意志を貫ぬいていました。
  彼こそ隠れたヒーローだと思っています。

Q4:ハーロックは何故あんな大罪を犯したの?
A4:彼は一度は地球を見捨てた人類が都合よく地球に
  戻ろうとカムホーム戦争をおこし、無益な殺し合い
  をしている事を悲しみ、失望していたと予想しています。
  だからこそ、争いの根源である地球を人類未踏の地と
  するために必死に戦っていたのです。しかし、元老達
  の行いにより再び争いの種が撒かれる事に怒り、絶望し
  あの様な事をしたのです。

Q5:元老達はそんなに悪党か??そうは見えませんな!?
A5:悪党らしい悪党ではないですが、大罪人です!!
  彼らは自分たちの利権と保身のために、不都合な
  真実から目を背け続け、一般の国民に嘘の情報を
  植えつけていました。
  何よりも、カムホーム戦争時に和平交渉のため
  という建前で、地球の利権を各惑星の上層部だけで
  牛耳ろうと画策しており、ハーロックの怒りを
  かってあんな事態を引き起こしています。
  諸悪の根源と考えています。

Q6:ラストシーンでハーロックが二人になった!?
  どういう事??何のこっチャイナ??
A6:ダークマターの呪縛から開放された元祖ハーロック
  は最後の戦いで複数の弾丸を身に受け、致命傷を
  受けており、自身の死を持って贖罪を終わらせる
  事を心から願っていた事を考えると、あの後は
  静かに息を引き取ったと妄想しています。
  そしてヤマは新ハーロックとして、元祖から受け
  継いだ意志とアルカディア号で、新たなる戦いの
  ために旅立ちます。再び蒼い地球を取り戻すまで。
  ここからが原作ファンの期待する真のハーロック
  物語が始まると思っています。
  この物語はハーロック・ビギンズだったのです。
{/netabare} 

私の書ける事は全部書きました…ここまでが
私の能力の限界です。この作品のメッセージが
少しでも皆さんの心に届けば幸いです。
長文にお付き合い頂き、ご拝読有難うございました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

想いでの中で飼い殺すか、それとも世代に引き継ぐか

前作からおよそ30年ぶりのアニメ化。
今作の主人公はなんとハーロックではなく、謎の青年「ヤマ」
彼の視点からハーロックの正体に迫っていきます。そしてヤマとは何者なのか!


評判のかなり怪しい映画だったので少し怖かったのですが、思ったより楽しめました。
というのも、序盤でハードルをかなり下げさせられます。

{netabare} ヤマが複数の男たちと、アルカディア号の乗組員の選抜を受けるシーン。{/netabare}

質問者の気に入る解答しないと床の下に落とされるという、お笑いでよく見られる仕掛けを応用。
本来緊張感のあるシーンのはずなのに実際見てみると結構シュールで笑えます。
本編自体もシリアスな話なのですが、些細な不満が積み重なった結果間抜けさを感じる作りに。
海外での先行上映とのことで、そのためか吹き替え感が出ているところにも違和感が。
キャラのルックスも外人さん大歓喜するよう仕様変更。そして金髪のオネーチャン最高。
そしてさらにアルカディア号があられもない姿に・・・。イイ感じにレイプされています。
もうこれは・・・ってことで、亜種として捉えた方が楽しめるなモードに早々と切り替えました。

けど、それぞれのキャラに関して納得のいく描写が与えられ、ストーリーも及第点だったと思います。
結果、こういうハーロックもアリなんじゃないかと思えるまでに。
ただこれを「アリ」とするか「駄作」とするかは旧作への思い入れの強さにもよるのでしょうね。
私は世代ではないし、このシリーズに触れたのは最近のことなので。
旧作を思い出してじんわり感傷に浸るというような楽しみ方は難しいのではないかと思います。

単純に映像はとても綺麗でした。でも想像通りのザ・3DCG!って感じで新鮮さは無かった。
良い意味で印象に残るようなシーンがなかったのも残念。
一つでもガツンとくるシーンがあればまた印象は変わっていたのかもしれない。
あ、でもアルカディア号の頑丈さが完全にネタになっているのは見所かもw
あんな力任せな戦艦戦見たこと無い。
あと、ハーロックのマントがやたらバサバサ仕事しているのも面白かった。
って、全部ネタっぽいものばっかりだなぁ・・・。どこか上滑りしてるんですよね。
そう考えると、セル画ならではの色遣いや独特の渋みこそが
ハーロックのカッコ良さを支えるエッセンスの一つでもあったということでしょうか。

また、個人的にこうして欲しいかったなぁと思うこと↓
{netabare} アルカディア号が今回、幽霊船風なアレンジを受けたのは恐らく、ハーロックの絶望感を反映してのこと。そこでもし、ハーロックの絶望感とアルカディア号の姿がリンクしてるのだとしたら、終盤で彼が希望を見出した際に、アルカディア号の外見に何かしら変化があった方が面白かったはず。電脳化したトチローの精神力で100年前のフォルムに若返えらせるとか。明るい未来への再出発をイメージして。新たなる世界への旅立ちといったような旧シリーズからのロマンもその方が上手く表現できたんじゃないかと。今回の作品に一番足りなかったのは実はそういう演出なんじゃないかと思う。煩わしい権力を跳ねのけて一蹴するような、お前らとは次元がちげーんだよっ!って感じのうっぷんを晴らすような爽快感が無かった。えらそうなこと言って申し訳ないけどw {/netabare}

色々とツッコミどころを抱えた作品になりましたが
「一瞬、一瞬が繰り返されてつながり永遠になる」とハーロックさんが言うように、
ハーロックの活躍する作品がこうして時代の風潮を受けながら作り継がれて
アニメ界に永遠にその名を轟かせ続けるなんてのも面白いかもと、思った。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

福井晴敏が描く宇宙海賊の世界「さあ、ハーロックの時間だ!」

一連の松本零士作品においてメーテルと並ぶ重要人物、「キャプテン・ハーロック」をリブートさせた新作3DCG映画


日本のCGアニメーション映画の最前線に立つ荒牧伸志が監督
『亡国のイージス』や『ガンダムUC』等で知られる福井晴敏が脚本
実制作はセガのゲームムービーや初音ミクのライブパフォーマンスに携わったマーザ・アニメーションプラネットが担当
主演のハーロック、ヤマ、ミーメには俳優の小栗旬、三浦春馬、蒼井優を起用
脇役は沢城みゆき、森川智之など豪華声優陣が固めます


舞台は星間移動が可能となった時代
宇宙開拓の目処が立たず、地球への帰還を余儀なくされた人類だったが既に宇宙で溢れかえった人口を許容できるはずも無く、地球への居住権を求めた人々の争い「カム・ホーム戦争」によって地球圏は疲弊していました
これを収めるべく結成された「ガイア・サンクション」は地球は何人たりとも犯してはならない「聖地」だとして地球圏を永久に封印することを決めた
時は経ち、戦争終結と地球圏封印から100年
戦争の遺産、デスシャドウ級宇宙戦艦4番艦「アルカディア号」は宇宙海賊を名乗る不死身の男、キャプテン・ハーロックの手で蘇る・・・


原作や過去のアニメシリーズとは設定が異なり無関係
純粋に【海賊の生き様】、【アクションエンターティメント】として楽しんで欲しい一作になっています


とにかく注目したいのは美麗なCGで表現される魅力的なキャラクター
不死身の男、ハーロック
かつてのテレビアニメシリーズの「台羽正」をオマージュしたと見れる41人目のアルカディア号乗組員、新主人公「ヤマ」
ハーロックと行動を共にする女性、ケイ


そして、ざっくり賛否が分かれそうなのがアルカディア号の秘密を握る異星人「ミーメ」
ミーメといえば登場する作品によってその容姿や設定がまちまちなことで有名
今作では青白い肌と緑の髪、瞳の無い大きな目と尖った耳
とまあ、思いっきり異形の人として描かれます
(これはオイラ的には正解だと感じてます
下手に媚びた松本美女っぽくならず、『美しい異星人』に仕上がったと思いますし蒼井優の声の演技もミステリアスな魅力を醸し出してます)


ゲスト俳優の演技は良くも悪くも中途半端
決して悪いとは思いませんでしたが物語の後半ではキャラクター達の心情が大きく揺れ動いていくのでその辺りもっと熱の入った声が欲しいとも感じます
かつてのシリーズに思い入れのある人には少し肩透かしを喰らってしまうかもしれませんね
ちなみにモーションキャプチャーを担当しているのは東映特撮ドラマなんかでお馴染みの若手の方々だったりします、こっちの方々は頑張ってますよw


お話の方は二転、三転と展開がスピーディーに切り替わっていくスペクタクル巨編ですが、オイラには少しのめり込める要素が薄かったです
映像は素晴らしいのでCG作品に興味がおありの方にはオススメしたい作品ですね
それとオープニングの酒場で加藤登紀子さん歌声が流れるのはなんかズルイw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15

69.5 3 宇宙船で漫画原作なアニメランキング3位
MEMORIES(アニメ映画)

1995年12月23日
★★★★☆ 3.8 (218)
1039人が棚に入れました
大友克弘が製作総指揮と総監督を務めた、3話から成る劇場用オムニバス・アニメーション大作。遭難した宇宙船を舞台にした、大友の同名漫画を今敏が脚色したSFドラマ「彼女の想いで」。誤って実験用の薬を飲んだ男が巻き起こす一大パニックを描くブラック・コメディ「最臭兵器」。大砲を撃つための街に暮らす少年の日々を綴る大友監督作「大砲の街」。いずれもセンス・オブ・ワンダーに彩られた奇妙な味わいが特徴となっている。

声優・キャラクター
磯部勉、山寺宏一、高島雅羅、飯塚昭三、堀秀行、羽佐間道夫、大塚周夫、林勇、キートン山田、山本圭子、仲木隆司
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

独特な世界観

話の筋がまったく別々のお話が3話入っています。

第一話は未来のお話。
2092年、一仕事を終えた宇宙船がたまたま拾った救難信号。
それが発信された場所へ行ってみるや否やそこはみ見たこともない宇宙のゴミ溜めだった。
しかし救難信号があるということは、生存者の存在を意味することに他ならない。
仕方なく救出に向かうお調子者のミゲルと堅実なハインツ。
そこで彼らを待ち受けていたものは時間と共に凍りついたお城と1人の女性だった。

{netabare}

個人的にはあまり好きではない終わり方でした。
屈折した愛は永遠にまっすぐ飛び続けるということはなく
閾値を超えてしまうと天地がひっくり返るように
まったく別のものとして宇宙をさまよい続けることになる。
ミゲルは見事に夢の温かい泥の中に沈んでいき
ハインツは現実のサルベージを受けることができた。
でもなにも宇宙船で待っててくれた2人まで殺すことはないのにと思いましたね(笑)
結局、あの星にもミゲルにも救いが一切ありませんね。
残酷でした。
またそれとは逆にその星は非常に教訓的で象徴的なメタファーだとも感じました。
思い出は安易な幸福感と充実感のためではなく、
その人自身の原動力となり、生涯の糧となるような熱源であって欲しいですね。

現実的効用のあるストーリーだと僕は思います。


{/netabare}





第二話は笑いの要素を含んだお話。
薬品の研究に携わる研究員、田中信夫。
鈍感で、ちょっと抜けてる彼は風邪をひいてしまい
聞き覚えのあるデザインと同じ薬を飲んだら、あら大変という感じ。

個人的にはこういう話なら両さんの方が面白いと思いました(笑)


第三話は『大砲の街』。
大砲を打ち続ける街に住むある一家に目線を絞りその一日を描いた作品。
画も絵本チックで不思議な作品です。

{netabare}

いもしない敵に向かって大砲を放ち続ける姿は何かの儀式みたいでした。

あの大砲に意味はあるのでしょうか。
何かに怯えているのか。
権力のみせしめなのか。
大砲しかない街が大砲を失わないようにしているある種ひつようなことなのか。
はたまた軍事国家の悲惨さなのか。
無駄なことばかりしている政治の風刺なのか。

いろんなことを考えてしまいますね。

{/netabare}


全体的にこの映画はリアルです。
アニメではあるけれどなにか現実的なところに惹きつけられます。
それは画であったり、人の動きや会話であったりと。

こういった一味違った映画もいいものです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 5
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1995年といったら攻殻劇場公開、エヴァTV放送と華々しく、ジャパニメーションなんて造語も流行ったときで

その同じ時期の作品にして、
当時、ジャパニメーションの御曹司のようにたてまつられ、また、「童夢」とか「AKIRA」とかでMANGAの旗手のようにも言われてた、大友克洋さん原作の3篇の短編からなるオムニバス作品で、大友さんが全体監修兼3作目の監督をつとめたのがこのアニメ。

このみっつの短編なんだけど、
妄想幻覚系SFホラー、SFミリタリー+サスペンスコメディ、セカイ系の元祖みたいな鬱ファンタジー、と、3作3様のアプローチで愉しませてくれる。
まあ全体のトーンは鬱に尽きるんですけども。そして、万人向きではないけれど。「グロは嫌だけど心理的に追い込まれる鬱系作品が好き」な人には、ぜひにとお勧めしたいアニメです。


{netabare}
最初が「彼女の想いで」。宇宙空間での、尻の浮くような不安定感がよく表現されていて、そんな中で、幻覚装置に取り込まれて夢の中を生きることになる宇宙船員と、宇宙に放り出されてしまってひとり漂流していく宇宙船員の、それぞれの孤独な末路が描かれる。
ガンダムでは表現できなかった、宇宙空間の怖さ・寂しさが秀逸。

2番目が「最臭兵器」。間違って飲み薬を飲んだだけで、意図せず無双の殺人兵器化しちゃった山梨の研究所の職員が上司の指示と誤解のために東京を目指す話。無双化というのが、「めちゃくちゃ臭い」というのがポイントで、人を殺すばかりでなく電子機器まで狂わせてしまう。この職員を殺す以外に東京を守るスベはない。ということになって最後は米軍まで繰り出して、という凄惨なはなしをサスペンス風味のコメディタッチで描く。オチが読めちゃうのが難点だけど、この無双化した職員の暴走が面白い。

出色なのが、三作目の「大砲の街」。エヴァの使徒迎撃用要塞都市みたいな、敵を砲撃するための大砲だらけ、砲手だらけの暗い街が舞台なんだけど、はなしの中では、攻撃する相手は一切明らかにされず、ただ大砲を撃って戦いつづける、という軍事に特化した異様な生活が淡々と描かれる。これは、大友監督作なんだけど、まるで押井作品のようでもあり、静かで、陰鬱なトーンが胃の腑にずん、とこたえる。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

Lickington さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3作目が本番!

3部構成の作品

第1部
突然のSOSコールのために探索する宇宙船の話
内容からいうとあまり深いものではなかった
特に,種明かしが全くなくてこのままだとどうしようもないなという感じ
何が伝えたいのか,この物語の主張はなんであるかがまったくわからなかった
視聴者に対してどんな思想的深みを与えられるかに重きを置いた作品が素晴らしいと,私は思っているのでこの作品はあまり心に打たれるということはなかった
よくある展開といってしまってもいいと思う

第2作
風邪をこじらせてしまった主人公が体調を悪くなってしまったところからこの物語は始まる
最終部分でのオチは予想がついたし,前作同様制作が伝えたいところがわからなかった
シニカルな笑いのエンドはそれ以上でもそれ以下でもなかった

第3作
はじめは全く期待しないで見ていた
キャラデザもあまり気持ちがいいものではなかった
しかし結果的には今作は全く毛色の違いものであった
物語は軍事モノの様相を呈している
弾道学がでてきて,ちょっと興味がわいた
農薬がどうのとかいう話もあった

その国では大砲を何発も打つ
そこで少年は聞く
「僕たちはどこと戦争をしているの?」
父はくぼんだ目で一言
「それは大人になったらわかる」
このやりとりはとても心にしみるいい描写だったと思う
荒廃しきった社会で何と戦っているのか
その意味は何であるかを問いかける
(見ている人を疑心暗鬼にさせるだけかもしれないが...)

現代社会においては自分自身が戦いの標的であるということの隠喩であるのかもしれない
そして最後に警報がなってこの物語は終わる
これは俺たちの戦いはこれからだendと全く変わらないだろう
ちょっといい話に感じたが,よく考えると,どうしようもなくくだらない話なような気もする
だけどこれは疑問の答えも示しているかもしれない
不均衡な世界だとしても,人々が成長することで世界に何が起こっているかが理解できるようになる
解決するにはまずそれを十分知らなければならない
そんなこれからの希望が見えてくる作品であったかなという感じ
ぜひ3作目までは耐えて見て欲しい

投稿 : 2025/03/01
♥ : 0

71.3 4 宇宙船で漫画原作なアニメランキング4位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.8 (46)
166人が棚に入れました
「ソラニン」などの浅野いにおによる漫画をアニメーション映画化した2部作の後章。
入試に合格した門出と凰蘭は、亜衣や凛と同じ大学に通い始める。大学では竹本ふたばや田井沼マコトと意気投合し、尾城先輩がいるオカルト研究会に入部する。一方、宇宙からの侵略者は東京各地で目撃され、自衛隊は駆除活動を続けていた。上空の母艦は傾いて煙を上げ、政府転覆をねらって侵略者狩りをする過激派グループの青共闘も暗躍するなど、世界の終わりに向かってカウントダウンが始まるなか、凰蘭は再び不思議な少年、大葉に遭遇する。

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

半端な結末が生み出す不思議なカタルシス。期待以上ですが余韻が薄いかも。

 感想を一言で言えば期待以上にカタルシスが大きかったという感じでしょうか。結末がすべてな気がします。今までの積み上げが意味を持つ瞬間という感じです。いや、意味を失うからいいのかもしれません。

 面白いかと問われると一般的には面白くない…というと語弊はあります。途中から一体どういう物語の着地をするんだろう?という部分に関心が行ってしまいました。それを面白いというのかはわかりません。

 物語は前章でも感じた通り借り物ばかりです。ですので普通に考察していた人は普通に物語の構造は読み取れていたと思います。
 一方含意についてですが、前章で「ドラえもん」「時をかかる少女」オマージュがすごかったですが、後半はどちらかと言えば「エヴァ」が露骨でした。ですがエヴァよりも格段に中途半端です。

 この作品は、その結末の中途半端さ、描かない部分がいいんですよね。要するに人類が続く限り同じことを繰り返すわけだと思います。それが何かハラ落ちというか、胸にきてしまいました。
 となってきたときに結局明確な答えなどない、修正もできない、リセットなんて都合よくできない。誰がいつ死ぬか、何があるかわからない世界で人とつながりを大切にしながら、生きてゆくしかないじゃんという結論になりそうです。

 政府や企業はみんな深く考えているようで、結局場当たり的なところがこの社会の愚かさを適格に表現していた気もします。陰謀論なんて実際はこんなものなんでしょう。

 一方で日常パートですが、都会に生きる生きづらさっていうとそれも違う気がします。生きている方はみんな日常を普通に生きている感じです。好きとか嫌いとか、誰が死んだとかいなくなったのかとか。その感じが重すぎずかといってご都合主義でもなく、非常にその部分にリアリティがありました。
 それを是正しようとしても、結果的にもっと大きな悲劇を生むこともある、というのが前章までの部分です。

 話それ自体は新海誠監督の「君の名は。」「天気の子」のリメイクのような感じも受けます。「君の名は。」を手直ししたような構造ですし、災害ものですから当たり前なんですけど…どうしても助けたい人がいる。文明が子供を苦しめるなら文明など滅びてしまえ、という感じもあります。
 そういう気分をより分かりやすい世界系にした感じはあるんですけど、ただ、世界系と言われるとなんか気分が違うんですよね。選択というより一択というか、積極的に世界なんてどうにでもなれば的な感じがしました。

「インデペンデンスデイ」や「第9区」にUFO的なビジュアルイメージや一部設定は似ているといえば似ていますが、やっぱり本作の方がアメリカの娯楽SFでは到底到達できない人の気分にまでいきつけていると思います。

 最後の方のUFO上のシーン。「未来少年コナン」のギガントとかそういうのを思い出しますが、なんとなくですがそういうすっきりした物語の物語性をどこかで相対化したかったのかな?という気もします。

 総評すると、結論がないような説明がないようなメッセージ性がないようなオマージュの様な中途半端な結末ですが、その中途半端さになぜか非常に深く共感し、納得もし、そして意味不明に感動してしまいました。
 このあと咀嚼してから大人買いしてしまったコミックスを読んで、ひょっとしたら2回目を見に行きます。ただ、この作品は結末の1回目の衝撃がいい作品な気もします。

 前章を見たときにTVシリーズにしたほうが、と思いましたが後半を見ると一気に見た方がいいかもという気もしました。それは結末に向けて収束する感じがいい作品だから、短く見せられても咀嚼しきれない気がしたからです。


追記 原作読みました。

 原作を読みました。意味は劇場版よりわかりやすいです。題名の意味も読み取れたと思います。人類の「希望」をわかりやすく表現していました。ただ、そこまでの部分は劇場版の最後で読み取れるとは言いませんが、想像できる種まきはありましたので、そういうことなんでしょう。

 ただ、私は滅びにもロマンを感じますので、そっちの方向もあり得た方がいいのでオープンエンディングの「開き度」が大きい劇場版の方がよいです。

 トモダチの意味は分かりやすかったかな?劇場版は恋愛メインのような雰囲気はありますが、恋愛は代替可能だし面倒です。大事なのはトモダチですよね、という感じは原作の方が強いです。
 トモダチということと結末の暗示の点で「イソベやん」の意味性はより深かったかなという気はします。

 劇場版で消化不良を感じている人は読む価値はあります。劇場版ではキャラのエピソードの省略もありました。
 前半の意味性については、構成の関係で原作の方が置いた位置はいいかもしれません。時間をおいて後半を見ると、少々トモダチの意味が希薄になる気がしました。

 ただ、やっぱり劇場でアニメで見た迫力…というのは説得力があります。力業ですけどね。その点でも劇場版の方がいまのところは評価高いです。もう一回通しで見たいですけどね。


再追記 2回目見てきました。

 この作品、オマージュかを探すと結構ありますね。あげるときりがないくらいです。それが意図的なのかどうかは不明ですが、ただそっち系の考察はどうなんでしょう?
 ドラえもんと時をかける少女(かどうかはわからないがループものの救済とその危うさ)についてに注目したほうが考える的を外さないかな、という気がします。

 そして8.31=3.11、トモダチ、今の社会の生きづらさは社会のせいでもあるし自分たちのせいでもあるというような2面性、恋愛事情とか、まあいろいろ考えるヒントはたくさんあると思います。ここまでの作品ですからいろいろ入ってはいるんでしょうし。

 最終的に大場の血は赤かったということと、あの場所で終幕したことで想像を広げてゆけばいい気もします。肝心なのは世界かトモダチかという選択ではなくトモダチ一択だったということかな、という気はします。愛の物語とも言えますがやっぱりトモダチと言ってくれてれてますしね。

 それと改めて、声優さんについては、触れるのを忘れるくらい違和感がないですね。ダブルヒロインともにぴったりの声優さんでした。

 なお、2回目を見るのはどうかな?という気はしました。1回目の衝撃が良かった作品なので、考えながら見るよりも初めての時の感情の動きをそのままにしておいた方がよかったかも。



 そして一番の衝撃。幾田りらさんって、YOASOBIの人なの?びっくりしました。イクラさんって別名なのね。アクアさまの声優さんがエライ美人なのでびっくりしたより驚きました。
 それで声優もできるんだ…才能なのか努力なのか…すごい人がいたもんです。正直この作品の面白さは2人の声優さんの力が大きいですからね…




追記 見て数日は最高の作品だと思ったし、今も出来の良さについては同じ印象なんですけど…なぜか、余韻の減衰が非常に速い気がします。まあ、考えるテーマは描き方はすごかったんですけど、内容的には平凡と言えば平凡です。面白さも1回目の「驚き」に依存するところも大きいですしね。

 2回×2回みて、原作も読んでいろいろ咀嚼して、それほど浅い話だとは思わないんですけど、引っ掛かりがないのかも。それと原作の12巻がちょっとノイズになったかなあ…それもまあオープンエンディングではあるんですけど、SFで考えるとかなり限定されたハッピーエンドなんですよね。

 うーん、むつかしいですね。いったんストーリーの評価の5を4に下げます。

 ただ、です。この映画の価値で再認識しているのは、やっぱり原作を読んでなんですけど、ヒロイン2人の声優さんの掛け合いです。これは原作にはない良さです。素晴らしかった。いままでのアニメヒロインの中でもっとも心地よかったかもしれません。2人ともミュージシャンということで声質がいいのか、音楽的なリズムなのかわかりません。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界を変える想いが主人公特権じゃないが故の興味深い混沌

引き続き原作未読で劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
率直に言って、スッキリとは終わらない、凄くモヤモヤする幕引きとの印象を受けました。
ですが興味深いとの感想も得ました。

主人公の“おんたん”こと中川鳳蘭が小山門出を想う気持ちが、
世界に大きな影響をもたらしていたというシナリオ。
本作の場合これが主人公補正の無限チート能力ではなく、
{netabare} “侵略者”から提供された並行世界の別時間軸にシフトする{/netabare} 高度な技術が裏付け。
技術が有限である以上、おんたんの想いが世界を変える力にも限度がある。

さらに、想いで世界を変えたい、一矢報いたいのは、おんたんや門出だけじゃない。

後章、実質3人目の主役ポジだった大葉。
人間のアイドルの身体に“侵略者”の意識を移植した彼もまた、
{netabare} おんたんへの恋慕{/netabare} も交えた想いを原動力に最終決戦に挑む。

“侵略者狩り”集団を率いる小比類巻 健一も、
想い人を喪失した復讐という負の感情から“侵略者狩り”を行い、
人類終了後の新時代主導を目論んだ。
彼もまた、想いで世界に影響を及ぼそうとした一人でしょう。

その他にも、世界にぶつけたい想いを抱えた登場人物は数多くいましたし、
各並行世界に現れる事象というのは、こうした無数の想いが入り乱れて成される。
よって一個人が世界を思うがままに改変したいというのは不毛。
例え、その想いが高度な文明の支援を受けたとしても、
宇宙から、さらに{netabare} 次元越しに存在を瞬時に消滅できる{/netabare} 神の審判レベルに超越した存在が干渉してくれば、大局の主導権は敢え無く奪われてしまう。

やり直しなど無意味とこぼした“侵略者”の警鐘?が、
終盤になるほど重たく鳴り響きます。


個人が世界を変える限界をこれでもかと描写できているからこそ、
世界を決め付ける自称絶対の法則やイデオロギーよりも、
自分にとって絶対なあの人と共に生きることを大切にしよう。
人類終了騒動の顛末と併存する、おんたん&門出のゆる~い日常がかけがえのないものに思えて来ます。

事態は混沌としていましたが、終末を前にした各登場人物たちの想いは整理された良シナリオだったと感じました。

脚本・吉田 玲子氏が私の鑑賞動機の一つでしたが、
人の心を扱う物語をさばかせたら彼女は一級品だと再認識しました。
吉田氏、次は今夏末の山田 尚子監督映画『きみの色』の脚本。
私も終わらない夏休みを夢想しながらw心待ちにしたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・Production+h

巨大円盤とそれに対抗する決戦兵器という想像し易い凄さ、ワクワク感があった前章に比べ、
原理すら想像が付かない未知の存在への畏怖がより強調された3DCG。
黒い護岸ブロックを巨大な浮遊球体として構築したような“ゼロ磁場”から繰り出される超常現象の再現が象徴的。

“侵略者”、人類共に血しぶきを上げて弾け飛ぶなど、
グロ表現も容赦なく、
暴力の是非について鑑賞者に突き付けるのに十二分。

異なる時間軸を行き来したり、覗き見たりしながら、
時系列も前後する複雑なプロット構造でしたが、
碁盤調にワイプする画面演出など、作画の支援もあって、
私は何とか付いていくことができました。
ただ換言すれば、背景、作画からの情報も読み解いていかないと置いていかれるので、集中力は必須です。


【キャラ 4.5点】
大学に進学した、おんたん、門出たち。
平和主義者の竹本ふたばを取り込んでいく“侵略者”保護を叫ぶ集団SHIPと、
それを潰そうとするカウンター勢力など、
我こそが絶対の社会正義だと思い上がるキャンパスの痛い連中も、高解像度で再現。

一方で展開される、おんたん、門出それぞれの恋模様、二人の友情とのコントラストで、
世界を決め付ける絶対のイデオロギーより、個人にとっての絶対であるあの人と一緒にいたいという論点がより明確化。

その流れから、私がずっと追っていたのが、ジャーナリストの三浦太郎。
“侵略者”の扱いを巡り対立を深める両陣営からは距離を置き、
社会正義に血眼になる学生に、
後々、笑い話になることを祈るよと冷めたアドバイスを送る。
だが、彼もまたポジショントークで上手く立ち回っているように見えて、
結局はバランス良く真実を追求する気分を視聴者に与えるコメンテーターという商品を提供、消費される存在に過ぎなかった。
その“商品価値”が毀損されるに及び、訪れた顛末もまた考えさせられるカットでした。

この観点から、おんたんの兄で、“自宅ネット監視員”中川 ひろしも、
SNS等で意識高い系や陰謀論者が続々沸いて出てくる惨状を嘲笑する、
私が前後編通じて、視点を共有しやすい良キャラでした。

終盤には{netabare} CG映像に取って代わられた荻野総理{/netabare} などディープフェイクの要素も絡んで来たりして、社会風刺は上々。
それらを織り込んだ独特のセリフ回しにも含蓄がありました。

私がツボった、かつ可哀想だなと思ったのが、
{netabare} 高校卒業して晴れて“解禁”となった渡良瀬先生との恋愛がイマイチ進展しないことに苛立った門出の腹いせに、とばっちりでク◯リプを投稿された芸能人の件w{/netabare}


あとは、大学のオカ研会長の“ブロッコリー”尾城先輩。
これ見よがしに空を覆う巨大母艦なんてUFOじゃないとのオカルトの主張。
私も全力で同意しますw


【声優 4.0点】
大葉役の入野 自由さん。
無味乾燥だった“侵略者”が人の想いを知って変わって熱くなっていく過程を好表現。

小比類巻健一役の内山 昂輝さん。
躊躇なく“侵略者”を虐殺する圧倒的な暴力を行使し、
非暴力を主張する“侵略者保護”の学生運動にぬるいとマウントを取る言動。
人間が暴力を否定し続けても尚、惹かれてしまう理由。
正論なんだけど怖いし間違っている気がする。
微妙なさじ加減を、おどろおどろしいボイスを駆使して体現。

実力者声優二人の競演が、後章のクライマックスを引き立てる聞き所。


【音楽 4.0点】
後章ED主題歌は幾田りらfeat.ano「青春謳歌」
主役二人がポジションを前章から入れ替えてのコラボソング。
世界をひっくり返す危険性が醸されていた前作よりも、
ゆる~いギターサウンドがリードする日常系で穏やかに締めくくる。

“人類が終わる”その時のシーンでは、
2015年に原作者が作詞でコラボしたアイドルソング、でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」が起用。
こちらも世界が滅びるからって深刻にならず楽観的に過ごす、
本作の世界観を拡張する明るい曲風。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 20
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あちこち良い!って思う所が散りばめられてるけど纏まりはイマイチ

とりまえずドラえもんとエヴァリスペクトがすんごい
最後の名前考えながらメモは要チェックやで笑
他にもセリフの言い回しとか演出は既視感あるの多めで楽しい

肝心のストーリーなんだけど徹頭徹尾言いたいことがあるんや。って感じではなくて現代社会ってこんなとこあるよね、こんなリスク孕んでるよね、てか実際起こってるよねお前ら大丈夫なん?え?あーしら関係なくね?どうせ大丈夫っしょ。的な平和ボケ加減とか
あーあるある。それ知ってるっていう現代社会の中に何世代も先の技術を持つバカでかい宇宙船に乗って現れた宇宙人っていうギャップがすごいし
ちゃんとめちゃくちゃ現代人が皮肉られて風刺が効いてる
けどこれが正解っていう押し付けがあまりないのも良い

ただトランクの中に好きなもの目一杯詰め込んでギリギリ閉じれたようなお終いでスッキリって事はなかった
なんなら、ん???、、、ん?って感じで今も正直よくわからずフワフワしながらレビューを書いている笑
ただ言いたい事はわかったし、ちゃんと面白かった

良いと思った所多過ぎて思い出せんくらいには良い
地味に弟たくさんいる子のデートシーンとかすごいと思う
チー牛には書けない
それに構成が行ったり来たりするからちゃんと集中して登場人物を覚えておいた方がいい
きっと考察要素もありそうだからもう一度見直すかも

作画は良いし声優陣もお見事
まさかあのちゃんぽいなと思ってたらマジであのちゃんだったのね、、上手くて気付かなかった

1番好きなシーンは{netabare} ~ 母艦が遂に爆発してライトなBGMの中、ことごとく身内が爆風にのまれて死に行くシーン。感動してしまった笑{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1
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