女子高生で破天荒なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの女子高生で破天荒な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月24日の時点で一番の女子高生で破天荒なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.2 1 女子高生で破天荒なアニメランキング1位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (815)
3142人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『 FORTUNE LOVER 』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、良くて国外追放…最悪、殺されてしまう…そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!勘違い?人たらしラブコメディの幕が上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、瀬戸麻沙美、柿原徹也、雨宮天、鈴木達央、田村睦心、松岡禎丞、M・A・O、早見沙織、岡咲美保
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ゲラゲラ笑って感動する物語 人生のバイブルになるかも

この物語はゲームの世界へ転生した主人公カタリナが、自分の運命を変えるためにおバカをしたり見当違いなことをしたりする物語です。
カタリナの一挙一動にゲラゲラ笑ってしまうのだけど、気がついたらいつの間にか感動していました。心が温かくなっていました。
この物語は優しさに満ちています。(^_^)


交通事故で死亡した主人公は、ゲームの世界に転生します。ここではカタリナという名前の悪役令嬢のキャストとなっていました。
彼女には、良くて国外追放、悪ければ斬殺される運命しかありません。ほかの選択の余地はないのです。
このゲームの内容や結末を詳しく知っている主人公(カタリナ)は、自分の運命を変えるべく、あらゆる努力をします。

彼女はまず、{netabare}畑を作り野菜を育てます。
上流家庭の侯爵令嬢が農耕用の服に着替えて鍬をふるい、庭に畑を作ります。汗まみれになりながら土を耕{/netabare}します。
その姿は、周りの人の目には滑稽としか映りません。気が狂ったのではないかと思われます。
でもそれは、国外追放された際に一人で生き延びるための準備でした。

そして次に彼女は、{netabare}自分を斬殺する可能性がある{/netabare}男性たちに優しく振舞います。
彼らが悩んでいたら、悩みを聞いてあげたり、励ましたりします。そして彼らの特技を褒めてあげたりします。

さらにカタリナは、{netabare}このゲームの主人公である{/netabare}マリアにも優しくします。
心無い人達から虐められているマリアを守り、彼女がいつも笑顔でいられるように奮闘します。

カタリナの願いは、斬殺だけはされないように、国外追放されても生き延びられるように、その二つしかありません。
でも、人間って不思議ですよね。
自分が生き延びるための行動が、いつの間にかみんなを笑顔にしていました。そしていつの間にか、みんなから慕われていました。


このアニメは見方を変えれば、私たちが生きていくためのバイブルにもなりえます。
自分の環境、境遇には関係なく、周りの人たちを笑顔にするために自分ができることを精一杯する。
ただそれだけで、人生は楽しくなります。(^_^)

ちなみに、これからの日本では年金だけでは生きてゆけない人が大多数になります。破滅フラグがついているようなものです。
カタリナのように今のうちから畑を耕して農作物の作り方を学んでおいたほうが良いかもしれません

投稿 : 2025/03/22
♥ : 56

福松 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

題名だけで避けるのはもったいないです。【絶賛】

ア〇マで無料一挙があったので観てみました。
題名から女子向けだと思っていたのですが、二期が始まっていることで軽い気持ちで観始めました。
ところが、良い意味で裏切られ、視聴途中で「終わってほしくない」という気持ちまで湧いてきました。
話数を重ねるごとにOPの評価もぐんぐん上がっていきました。
転生ものをたくさん観てるわけではないのですが、「これは並みの転生ものではない」と感じました。
未視聴の方はぜひとも軽い気持ちで観始めてはいかがでしょうか。
きっと驚くと思います。
これから二期も観ようと思います。

2022-0103お知らせ
またもやアべマで無料一挙があります。
1月7日(金)10:00まで無料視聴可能です。
この機会にぜひお願いします。殺伐とした心が浄化されていきます笑
なお、一期だけで綺麗にまとまっています。
会議のシーンが好き。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 23
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

麗しき7人の魔法使いと勢女カタリナ

略称「はめふら」。原作なろうweb小説は完結済。
小説書籍版で2巻まで、コミカライズは4巻までがweb版の本編相当。
3巻以降は書籍用の書き下ろしで2020年4月現在9巻まで刊行済。
コミカライズ5巻以降もこれからまだまだ続く予定。

アニメは全12話でweb版本編の結末までを描いて
ちょうどの区切りで綺麗に締め括ってすっきり。

当方原作ファンである。

転生ものというよりも、ラブコメディとしてかなりオススメの作品。
多くの視聴者は、主人公カタリナを愛さずにはいられないだろう。
なぜかは観てのお楽しみ。

声優の実力、マッチング共に申し分ない。

キャラデザは作風にぴったり。
鮮やか、優しさ、癒しなど場面に応じて絶妙に変化する色調の背景。
絵画的でとても気に入った。

OP&ED、そして劇伴のセンスがとても良く
アコースティカルな魅力が素晴らしい。
カタリナ子供時代の宮廷音楽風の音楽、
そして学園編からは、穏やかで癒しのある
素朴で繊細な魅力ある楽曲も加わる。

コメディ要素も劇伴と作画で程よく演出していた。

<あらすじ>
{netabare}
主人公の女子は、木登りの得意な野生児で
小学生までは野猿と呼ばれていた。
そして、中学入学後に出会った親友の影響で
アニメ、ゲームなどのオタクになった。
その無二の親友と一緒の高校に進学。
高校生になっても現実の恋愛にはまるで縁が無く、
成績もぱっとしない残念な子。
学校では、親友とオタクトークで盛り上がる日々。

そんな高二の17歳のある日、
親友推しの乙女ゲーム『FORTUNE・LOVER』にド嵌りして
夜更かしで大寝坊。あわてて自転車で学校に向かう。
しかし制御不能の暴走の結果、交通事故で死亡。

なんと生まれ変わりは、とても裕福な公爵令嬢だった。
両親の愛情にも恵まれ、何不自由なく育った8歳のある日、
初めて前世の記憶が蘇った。

すると間もなく、衝撃の事実に気付く…。
このまま無為に過ごすと8年後に殺されるか、
国外追放されるかの二択の未来が待っている。
人生破滅して詰んでしまう…。

超絶鈍感な頓珍漢だが、
まっすぐで裏表のない明るい性格が取り柄の彼女。
長生きして膝に猫をのせて日向ぼっこして暮らすような
優雅な老後ライフが目標の彼女。

そんな彼女は果たしてその危機を乗り越えられるのか?
{/netabare}

★ 第1話「前世の記憶を思い出してしまった…」
{netabare}
<おでこの×はダメな子の印か?>

アバンで状況説明完了。
そして、ジオルド第三王子と義弟キースの攻略完了。
カタリナ、天然タラシの実力発揮。
それを無自覚なのもカタリナの魅力だ。
打算など出来ないのだ。

カタリナ役の内田真礼は実に巧いしキャラによく合っている。
カタリナ脳内会議の5役の演じ分けは実に見事。
もうこれだけでも声優評価5.0確定
{/netabare}
★ 第2話「王子に勝負を挑まれてしまった…」
{netabare}
<笑顔で会話しているといって仲良しとは限らない>

ジオルドとキースは恋のライバルになった。
カタリナは恋の対象が自分とは思わず、
二人の牽制の会話を意気投合してると勘違い。

カタリナ、前世の記憶覚醒後、
日本人の庶民的行動で母親ミリディアナの悩みの種になる。
成長したキースはそんな予測不能なカタリナのお目付け役となる。

今回は、侯爵家令嬢四女メアリ、アラン第四王子の攻略完了。
メアリとアランは婚約中なのに…だ。
もはや男女問わず今回も恋泥棒としてハートを射抜き絶好調。

アランだけは、自分がカタリナに恋したことに無自覚なのはご愛嬌。

本能とノリで突っ走るカタリナは、重要な攻略台詞を無意識ながら
絶妙なタイミングで真心こめて使っちゃうから攻略できて当然なのだが、
誰も傷付けないから結果オーライなのだ。
しかも、二人の根深いコンプレックスまでも解消しまうとは
もはや恋の達人と言えよう。

今回は、アランの最後の吹っ切れた笑顔がとても良かった。

ところで今回初登場のメアリ役は岡咲美保。
エンドロールで確認するまで「転スラ」リムルのイメージが強過ぎて
彼女とは全くわからなかった。
{/netabare}
★ 第3話「麗しの美形兄妹と出会ってしまった…」
{netabare}
<一体どれだけたらし込めば気が済むんだ...>

伯爵家長男ニコルとその妹ソフィア攻略完了。
カタリナは今回で合計6名の美男美女に愛されるようになった。

カタリナはゲームでの体験から、
友人たちそれぞれの恋の相手を予測するのだが、
実際はそれは妄想。
その対象が自分だけに集中してるとは全く気付かない。
全く罪な女だが、根が善良なので誰も憎めないのだ。

次回はいよいよ学園編。
ゲーム内で主人公の(はずの)早見沙織演じるマリア登場か?
{/netabare}
★ 第4話「魔法学園に入学してしまった…」
{netabare}
<イベント乗っ取り魔はゲーム本編突入後も勘違い>

いよいよ魔法学園に入学。二年間の学園生活のスタート。
一年後の上級生の卒業パーティーが、
カタリナの人生総決算、生死の分かれ目だ。

魔法学園は、少しでも魔法の才能を持つものは
義務教育で必ず入学しなければならない。
カタリナのようにしょぼい魔力でも入学を拒否できない以上、
破滅回避に情熱を傾けるは道理ではあるが...。

周りを傍観してても自身を客観視できないと
カタリナの恋の犠牲者は増えるばかり。

カタリナよ、自身の破滅フラグを折ることに執着するのはもう止めよう。
前世の記憶覚醒後の彼女は、
破滅フラグに恋愛フラグを上書きし続ける日々だった。
彼女の破滅フラグは今やとうに存在してないのだ。
とは言え、視聴者のそんな声が聞こえるわけもない。
だから話はどんどん面白くなってるのだ。

<カタリナ、食い意地の権化が吉と出る>

当面のカタリナの心配は、ゲーム主人公マリアの存在。
マリア攻略を成し遂げるのは誰か、を心配するのはいいのだが
やはり決め台詞はカタリナが使ってしまう。
最終的に、身分差を全く気にしない姉御気質のカタリナの魅力で
マリアを順調以上に攻略し、カタリナへの好感度はうなぎ上りになった。
{/netabare}
★ 第5話「主人公の実家にお邪魔してしまった…」
{netabare}
<カタリナと仲良くなると笑顔の輪が広がる>

前回で仲良くなったはずのマリアだが、
どこかまだ心の距離を感じていたカタリナ。
さらなる蛮勇?でマリアのハートを射抜く。

告白イベント「友達になって下さい」大成功!
マリア、ソフィア、メアリは皆、
カタリナを中心とする親友になった。

カタリナは、友達として大事にするマリアだったが
カタリナの傍では、なぜかマリアの頬に赤みが増す。

そしてカタリナは友人として
マリアの恋をサポートしようと決心するのであった。
マリアにグイグイいく異性がいないのは
実はカタリナのせいなのだが...

<カタリナ、畑好き転じて福となす>

ゲーム主人公マリア攻略はさらに続く。
カタリナとキースの二人は、休日に田舎の畑を初めてお忍び見学。
そしてたまたまマリアが帰省中の村の傍を取り掛かったので
マリア宅を訪問することに。

結果としてマリアとその母親の
ぎくしゃくの原因となっていたわだかまりまでも解消。
マリアの真の笑顔を蘇らせ絆が深まる。

今回は、マリアとその母視点の丁寧な心理描写があったが
そのおかげでキャラの深みが増し感情移入しやすくとても好かった。

また田園風景も実に絵画的で落ち着きと人の温もりがあって癒された。
{/netabare}
★ 第6話「夏休みだから楽しく遊んでしまった…」
{netabare}
カタリナの魔法学園1年生の夏休みはギャグに満ちていた。

「カタリナ・クラエスの華麗なる夏休み」とお題の小ネタ集。
絵日記風の題字背景がとってものどかでグッド!
原作にあるネタも多いけど、ほとんどのオチはアニメオリジナル。

Web版原作結末までストレートに描くためだけなら
アニメではおそらく10話以内で十分と思われる。
今回はそのゆとりを上手く生かし、
前回までの7人の攻略完了のタイミングに相応しい回だった。

しかも、アニメ後半の大筋に向けての伏線も散りばめ、
カタリナと7人のキャラの関係性を丁寧に描いていた。
単なるコメディに収まらない意外と重要な回だったと思う。

<その1 やっこらせいのっ。。。どっこいせい!>
カタリナは努力の方向性はいつもズレてる。
しかしクラエス家の使用人に
すごく愛されていると分かるのがちょっといい感じなエピソード。

カタリナの、中身おばあちゃん的な本質と
母親の顔の皺を増やしてしまう、お約束となりつつあるやり取りを
軽妙に演出していて冒頭から掴みオッケーだった。

<その2 スイカもいいけどトコロテンもね♡>
キースとカタリナの姉弟の絆が本物だと何気に分かる小ネタ。

<その3 カタリナと7人の仲間たち>
湖までの道中、キースの邪魔が入るまでは原作にもあった。
しかし、カタリナ含め8人全員集合の
湖畔ピクニック以降は完全アニメオリジナル。
おそらく、アニメ後半では平和な日常は滅多に見られないので貴重かも。

<その4 カタリナたちのお買い物>
原作では味わえない脳内カタリナズが可笑しい。
魔性のニコルを若干クローズアップ。
たぶんアニメオリジナル。

<その5 アニメ後半の伏線はパーティ会場の中に>
アラン王子が相変わらず自分の想い人が
カタリナだと気付かないのがよくわかる。
また、メアリが意外と腹黒なのも…

<その6 夏休みあるある>
ありきたりなネタではあるものの
カタリナの見た懐かしい夢が意外と重要なエピソード。
{/netabare}
★ 第7話「危険なダンジョンに入ってしまった…」
{netabare}
その大筋はアニメオリジナル。
ダンジョン攻略というミッションでファンタジー感を演出。
学校の課題なのに命がけなのはコメディとしての愛嬌。

カタリナを取り巻く7人が優秀な魔法使いだということを
このタイミングで伝えるのも次回以降の展開のためにも重要と思えた。

今回、原作の「きのこ」ネタを無理やり入れた感あり。
また今回の作画はちょっと微妙だったのは残念。

<当たり前に続くと思っていた日々…終わりは突然やってきた>
何はともあれ、今回の肝はソフィアの見た夢だろう。
宿縁をさりげなく織り込み人間関係に深みを与えている。
個人的に原作が好きな点だ。
{/netabare}
★ 第8話「欲望にまみれてしまった…」
{netabare}
今回もアニメオリジナル。
閑話としてなかなかのエピソード。
前回のアニオリ回よりもよく出来てたと思う。

<台風カタリナの被災者たちはいい迷惑>

またもやカタリナは、ポチっと自爆してトラブルの渦中に。
そして相変わらずカタリナに金魚の○○状態の7人は振り回され、
一緒に魔法書のトラップに嵌ってしまった。
確かにカタリナの傍にいると飽きることのない楽しさがあると妙に納得。
カタリナの食欲は魔法書のトラップをも凌駕するというオチが「カタリナらしくて」いい。

<今回の原作では味わえない、微笑ましかった点>

カタリナの食い意地をギャグとして上手くアレンジ出来ていた。
また、特にCパートでアラン、カタリナ、メアリの
三者の関係性がよく描けていたのが好かった。
未だ自分の恋心に気づいてないアランが純情で好ましい。
青春だ。

次回、カタリナの直属メイドのアンにスポットが当たるフラグあり。
{/netabare}
★ 第9話「パジャマパーティーで盛り上がってしまった…」
{netabare}
またもやアニメオリジナル。
但し、今回のアン絡みのエピソードは原作にもあり。

サブタイトルに騙されそうになるが、
今回はアンとカタリナの関係の方がメインテーマだろう。

<カタリナ様は私を、アン・シェリーと言う一人の人間にしてくれた>

カタリナを取り巻く7人のキャラの心情を
唯一、正確に客観的に俯瞰できるメイドのアン。

令嬢としてはダメダメなカタリナにとって、
アンは自分らしく貴族界で生きていく上でかけがえのない存在。
アンにとっても、
自分の存在意義を与えてくれたカタリナはかけがえのない存在。
そんなエピソードは、個人的に原作の中でも好きな部分で、
アニメでも描いてくれてうれしい。

今回その他、パジャマパーティー他でのギャグ要素は
目新しさが無い分まあまあ。
ただ、全体的に各キャラの持ち味を上手く掴んだ上での
人間模様が描けていた点はよかったと思う。

Cパートで、次回でようやく本筋に復帰しそうでちょっとホッとした。
{/netabare}
★ 第10話「破滅の時が訪れてしまった…前編」
{netabare}
6話から9話迄、閑話要素多めで
破滅フラグ回避の本筋から離れ気味で若干テンポが悪く感じたのだが...

<閑話休題。いよいよお待ちかねの断罪イベント到来なのだ>
8,9話は、カタリナファイブの出番がなかったが、
久しぶりにカタリナファイブ脳内会議復活。
ヒゲ議長を気に入っていたのでちょっとうれしい。

ここで新登場!闇の魔法。
本作のシリアスな負の要素を一手に担う。

カタリナファイブ登場後は、あっという間に
今までのほのぼのコメディ路線から完全脱却。
マリア失踪で動き出す物語。
カタリナもピンチに陥ったのだが…

とは言え、
今回もカタリナの食い意地が無双だったのが最も印象的だった。
{/netabare}
★ 第11話「破滅の時が訪れてしまった…後編」
{netabare}
本作を視聴初期から物語評価5にしたのは、
実は今回の描かれた原作エピソードを非常に気に入っていたからだ。

<Sleeping Beauty 夢で逢いましょう>

失われた過去に戻る夢。
家族と親友との再会。
当たり前だと思っていたあの頃。
あの頃は幸せだった。
カタリナの前世の女子高生の目は
今回、初めて描かれ顔の全体像が分かる。
(名前は相変わらず不明のまま)
原作では、本人曰く母親譲りの狸顔とのことだが、
アニメで可愛く描かれていてよかった。

<学校は楽しい?>

失うなんて絶対に嫌!その想いは皆に伝播し絶望から希望に。
今までのエピソードと細やかなキャラの回想シーンで
伝わる7人のカタリナへの深い想い。
それがカタリナ復活の鍵となる。

<今度はソフィアとしてずっと傍にいるから>

あっちゃんとの本当の別れは切ないがそれでいいのだ。
{/netabare}
★ 最終話「最終イベントが来てしまった…」
{netabare}
<勢女なだけでなく、聖女でもあったカタリナはやっぱり無双>

あなたが苦しんでいるのを救ってあげることは出来ないけど、
傍にいることは出来るから。……だから一人で泣かないで。

カタリナのまっすぐな優しさは、
隠しキャラの亡き母親の愛情と同質で
荒んだ彼の心を完全に解きほぐし、
彼は人生のやり直しが出来るようになった。
すべてのヘイトは、彼に取り憑いていた
怨嗟の塊の怨霊とも呼ぶべき存在が全て被り、
誰も悲しむことなく大団円で隠しキャラ攻略完了。

<これからもずっと、あなたの傍にいさせてください。>

後半、最終メインイベント、2年生の卒業パーティーへ。
カタリナファイブ脳内会議も19,800回目で一応終了のようだ。
結果的にエピローグの状況と化したラストイベントなのに、
カタリナは相変わらずピント外れなのはお約束。
また一人、無自覚にたらし込むカタリナは流石なのであった。

<ゲームのシナリオにはなかった新しい季節がやってくる>
祝アニメ二期製作決定!
学生から学園卒業後の社会人へ。
闇の魔法をめぐる新たな攻防。
新たな人間関係も生まれる。
カタリナの人たらし道はまだまだ続く。

小説版で原作の描かれる範囲にもよるが、
外国も登場し、スケールも広がる可能性ある二期。
どう描かれるか楽しみだ。

新物語へごきげんよう!!

余談だが、エンドロール直前、
ラファエルが就職先で
事務仕事でこき使われてるっぽい一瞬の画に
二期登場の新キャラの一人がいた。
原作の流れでは、まだそこにはいないはず。
時系列がおかしい。
単なる二期フラグのために登場させたのか?
それとも原作カットして登場させるつもりなのか?
ちょっとだけ気になった。
{/netabare}

◎「はめふら」で見つけた新鮮な主人公像
{netabare}
<ダメな子ほど可愛い>

この作品、見事なまでの逆ハーレムなのは明白だが、
カタリナは想われる一方で決して両想いにならない。
それはドロドロな愛憎劇を回避させ、
誰一人傷つくことなく
どこまでも笑えるコメディとして成立させる必要条件なのだろう。

カタリナは、前世からリアルな恋愛には全くの無縁であり
異性に免疫がないから、リアルな求愛アプローチが自分に向かうと
キャパオーバーで対処不可能になり現実逃避になりがち。
理解不能なこと、不都合なことはあっという間に忘れる。

恋愛は、ロマンス小説での疑似恋愛だけでも満足なのだろう。
前世も、ラノベやアニメ、乙女ゲームで満足していたオタク女子。
ゆえに耳年増な恋愛スキルはそれなりで
それがゲーム内の今世では逆ハーレムを作ってしまう。
しかし彼女自身はその現状を全く認識できない可笑しさが本作の肝だ。

カタリナに1ミリでも計算高い狡猾さがあり
この現状を意図的に導いていたとしたら
一気につまらない作品になるだろう。

カタリナの性格は裏表なく真っ直ぐ打算などできない。
一応破滅フラグ回避の打算が働く行動は多々あるのだが
それはズレてて、相手を思いやる気持ちで一杯で微笑ましい。

カタリナの本質は善良、友愛の塊だから
その頼りなさ、単細胞さは周りの父性母性的な保護欲を刺激する。
悪気なく恋愛に鈍感な彼女を恨むことなど誰も出来ない。
結果、カタリナへの恋の犠牲者は死屍累々でも悲惨さは皆無。

<そしてカタリナの老後プランには配偶者や子孫のビジョンがない>

彼女は例え貴族階級からパージされても
農業で自活さえ出来れば構わないという執着心無く剛毅なお方。

出世欲は皆無。
美味しいものを沢山食べ、
ロマンス小説を愛好し、農業という趣味と実益を兼ねたもので
只今を明るく楽しく逞しく生きれればそれでいい。
孤独は嫌だが、多くは望まず最低ペットさえいてくれればいい。
それが彼女の生きる道。

普通、主人公が健全な若い男女なら、
自身が異性にモテることに興味があるのが当たり前なところを
あえて外し、自身の色恋には無頓着にして、
他作と差別化した主人公キャラ。
その徹底したブレなく、かつ脳天気で裏表のない性格。
本作の魅力的な個性で新鮮に思う。
作者のセンスの良さを感じる。

<主人公カタリナ、実は最強説>

異世界転生&召喚系の主人公最強設定のアニメは非常に多い。

ではカタリナはと言えば、
魔法、武術、芸術、学力、知略すべてポンコツ。
一見能無しで残念な主人公。

しかし原作小説を9巻まで読んで感じたことがある。

転生時に、彼女が天より与えられた
世渡りの武器となるギフトと言えば
「強運」じゃないだろうか?
特に、
「出逢い運」「人から愛される運」「問題解決運」
に関しては最強かと。
(まあ意地悪な見方なら、作者のご都合主義の結果、
すべてがたまたま上手くいってる、と言えなくもないが)

ともかく彼女は出会う人すべてに愛される。
しかも、その多くは身分が高かったり、能力が非常に高いのだ。
彼女に接する多くの人は、
権謀術数渦巻く封建階級社会に在って
野心乏しく裏表のない善良さは希少価値で新鮮。
結局、彼女の足りない能力は周りが常にフォロー。
常に多様な実力者から多大な援助が得られ
ピンチもスルリと潜り抜けられる。
彼女は常に向上の努力は欠かさないから怠け者ではない。
的確な努力の方向性を見極めるセンスが無いだけ。

彼女の本質は、自らを卑下することない根明な楽天家。
自分自身にはからっきしだが、他者に対しては
時に人間理解の鋭い正鵠を射た慈愛豊かな直感が発現する。
さらに出会う人を健やかで豊かの人生の流れに変える力がある。

以上から彼女には「無垢なる導師」という称号を与えたい。

今は志が低いけど、
人生いずれ志が高くなるようなことがあれば
「俺TUEE」な主人公より労せずに
よっぽどすごいができる可能性を
秘めているんじゃないないか。

自分が強いことも大切だが、
人は一人では生きていけないのだから、
自分で何でも出来るより
他者に活躍の場を与え、
生き甲斐を与えられる方向に特化したような
そんな彼女の才能もいいもんだと思う。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/22
♥ : 30

62.8 2 女子高生で破天荒なアニメランキング2位
電波教師(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (420)
2802人が棚に入れました
学園を舞台に「やりたいことしかできない」
自称YD病の天才オタク青年 鑑純一郎が、高校教師として個性あふれる生徒たちを独自の価値観と指導方法で成長させていくパワー全開の熱血アニメ。
天才オタク青年・鑑純一郎が繰り広げる学園改革とは…! !

声優・キャラクター
神谷浩史、松井玲奈、雨宮天、三森すずこ、大西沙織、日高里菜、田所あずさ、佐倉綾音、豊崎愛生、細谷佳正、続木友子、高垣彩陽、M・A・O、浪川大輔、花澤香菜、平野綾、松田利冴、松田颯水、種田梨沙、夏川椎菜

wp38 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2期以降はまだなのかな...

コミックで言うと7巻の中間くらいまでがアニメ化されたようですね。
しかも3巻の最後のストーリーが1期の最終話になっていました。
よくありますね、原作とは違う順番になってるアニメって。
まぁ、1話ないし数話で完結の話が多いですから、違和感は感じられ
なかったですね。
あと声優さんについては色々な意見が出ているようですが、個人的には
好きでした。

原作では新章に突入しましたので、アニメもせめてみんなが卒業する所
までは製作して欲しいなって思います。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 7

エアスケ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

大変良質なクソアニメ

電波教師の魅力、それ即ちキャラクターの魅力。
顔面パンチに始まり、変則ツインテールや田中さちこ、アニメっ娘にルーチェなど、こんなに面白可笑しい奴らが揃った作品も珍しい。
また、随所に見られる作画崩壊も、このアニメの雰囲気に絶妙にマッチしていて全く気にならない。むしろ味の一つと言っていいだろう。
最後に、滅茶苦茶面白いエピソードもあるが、死ぬほどつまらない話もそれなりにあるので視聴の際は注意しよう。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 5

こたまろん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白かった〜(*^o^*)

全24話。
あらすじはアニコレのものを参考にしてください。

このようなタイプの 教師と生徒の生徒更生系?は見たことなかったのですが、このアニメは面白くて すいすい見れました(o^^o)
1人1人解決の早さが違い 3話以内で次の人に変わったりしたからか、ほどよいペースが個人的には面白く感じました!!
生徒のキャラの強さや 鑑純一郎のキャラの濃さがすごく自分好みでした(^^)
笑いありはもちろんですが 鑑純一郎が 本当に良い発言をする時もあるので 結構見所があると思います!!

この機会に見て欲しい作品なのでぜひ(o^^o)

投稿 : 2025/03/22
♥ : 5

63.8 3 女子高生で破天荒なアニメランキング3位
劇場版 フリクリ オルタナ(アニメ映画)

2018年9月7日
★★★★☆ 3.4 (60)
237人が棚に入れました
モヤついている高校生・河本カナ。嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた! 煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・。力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?

声優・キャラクター
新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつまでもこのままでいたい!・・・・ そう思ったって良いと思うです。

   久々の初日、初回上映で見れたです。
 かなぶんを中心としたペッツ、ヒジリー、モッさんの仲良し4人組の日常、非日常をそれぞれの視点に描かれたお話だったです。かなぶんと出会ってかなぶんの能力に気づいた、お姉さん自称なのか?宇宙捜査官ハル子が、やたらちょっかいを出してくる展開です。長い上映時間だったです。

 かなぶん、ハル子やたら目立ってたです。敵なのか侵略者だかわからない、突然出てくる機械生物とハル子が戦うです。宇宙だか火星の話が、何の関係があるやら出てくるです。

 4人でバカやって騒ぎつるむ日常は、ありがちな女子高生なでしょうか?です。4人で興味本位に共同制作して作るロケットは、楽しかったと思うです。

 4人それぞれに互いに、何も知らない事情が描かれていたところも見所です。心配なのか?役に立ちたいと思うのか?ハル子の行動に注目です。
 大人だかの恋のことだったり、進路で自分でつかむために進む夢だったり、同年代の恋する気持ちはどういうものか?だったです。自分が思ってきた変わらないでほしいと思う毎日は、友達にしてみればどうだったか?を破天荒に描かれていたです。

 常にハル子が中心にいるようで、絡むハル子の大胆かついたずらにも見える行動があったです。ハル子は、何をしたいのか?あまり私には理解できなかったところがあるです、

 全体を通して、かなぶんが望むいつも変わらない毎日は、自分としてもそんな気持ちは持っていたいと思うです。かな分が望んでいても、一番の親友は実は、どうなのか?、つらい現実も見せられたです。{netabare}最後の方で、人は年を取る、周りの風景も変わる、そんな中でも笑顔は変えないでいいとか言ってたようなセリフは、共感できるものがあるです。{/netabare}

 かなぶんが思うように、いつまでも4人仲良くしていきたいと思うのは、決して悪くない人として当然の願いであると考えるです。このお話は、そんな自分が望まなくても変わるもの、変えてはいけないものを訴えてもいるように見えたです。そこが、面白みなのかもしれないです。「これでいいのか?」な終わり方だったけど・・・・・・・・です。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 6

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんで今更フリクリ?

2000年リリースされたOVAフリクリの18年越しの劇場版アニメ。
なんで今更フリクリ?
あのガーッときてドーンってなって、しっちゃかめっちゃかで、ピロウズのメロディとナオ太とハル子がロボと宇宙人でズゴゴゴゴってなるあのフリクリのアニメ映画です。

OVAの方は視聴済みですが、内容をほとんど覚えていないです。
宇宙人のハルハラ・ハル子は前作から続投ですが、それ以外のキャラは出てこず、前作との繋がりも、多分無いです。
主役はある街の女子高生「河本カナ」と、その友人たちで、彼女たちが青春したり、友情を深めたり、夢を追いかけたり、裏切られたり、それでバカヤローと叫んだりする話になっています。

OVAのフリクリが頭にあった上で視聴しましたが、比較的分かりやすい作品になったと思いました。
OVAは、ギター担いだベスパ女が主人公を撥ね飛ばした挙句、ギターでぶっ叩いて額からロボを出すという視聴者置いてけぼりな内容でしたが、劇場版はストーリーに起承転結がついていて、良くいえばとっつきやすいですが、悪くいえばフリクリらしさが薄れたと感じました。
私的には悪くはなかったですが、本作を見ているのはもう十中八九、フリクリOVAを芳ばしい時期に触れてしまったおじ様たちなので(私も然り)、本作のできについては納得いかない方が大多数なのではないかと思います。
フリクリってさあ、もっとめちゃくちゃだったじゃん、と。
ひとつのアニメ作品として見ると普通に面白いと思いますが、"あの"フリクリをイメージすると肩透かしを食らうことと思います。

130分強の映画ですが、中は6話分のアニメに分かれています。
続編のフリクリプログレでワンクール完結となっている様子ですが、本作だけでも完結しています。
面白かったですが、女の子も可愛いというほどでもないし、マミ美のようなインパクトも無く、OVAの方が高レベルだったように思いました。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 0

70.6 4 女子高生で破天荒なアニメランキング4位
オーイ!とんぼ 第2期(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (77)
164人が棚に入れました
島を出たとんぼの日常は目まぐるしく変化していく――。 高校生となり、熊本での生活をスタートさせたとんぼは、練習場のジュニア生たちとコースでラウンドすることに。トカラで培った自由奔放なゴルフでコースを攻略していくとんぼに対し、1つ年上の実力者・ひのきも決死で応戦。激しい対決を繰り広げる。 とんぼの潜在能力の高さに驚愕したコーチのハジメは、とんぼを5月の九州女子選手権に挑戦させることを決意する。 島で一緒にラウンドしたつぶらや、熊本で出会ったひのきなど、新たなライバルたちとのゴルフを通じて、とんぼがさらに大きく羽ばたいていく!

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とんぼのゴルフは人の心を魅了する

これは第二期です。
第一期をまだ見ていない人は、第一期から見ることを強く強く強くお勧めします。

第二期の舞台は熊本です。
高校生になった大井とんぼが九州女子アマチュアゴルフ大会に出場し、活躍する内容が描かれています。

とんぼのゴルフは天真爛漫です。全く型にはまらないゴルフをします。
それは通常のゴルフ指導者が見ると異質であり、「基本ができていない」と言われるでしょう。
でも、とんぼのゴルフは魅力的です。思わず応援したくなります。
それに、とんぼのゴルフを見ると、いつの間にか心が清められるのです。

とんぼは、勝つためのゴルフをしません。
普通、優勝がかかった一打を打つときは、手堅く打とうとしますよね。
でも、とんぼは勝つことよりも、技術力を向上させる工夫を常にやり続けます。
とんぼは、未来を見つめてゴルフをしているのです。だから応援したくなるのです。
それにとんぼは、一緒にプレイする人の失敗を願ったりせず、いつも人の応援をします。
相手が困っていたら、懸命に助けるのです。
そんなとんぼを見ていたら、自分もとんぼみたいに清らかな心になりたいと思うのです。
とんぼのゴルフは多くの人の心を魅了します。


そして今回は、とんぼの活躍だけでなく、とんぼのライバルである3人の女性の活躍と彼女らの心の声も見逃せません。
特にとんぼの友達である安谷屋つぶらの心の声を聴くと、女子ゴルフは決して美しいゴルフではなく、なりふりなどかまってられないサバイバル競技であることが良くわかります。
また、とんぼの先輩である音羽ひのきの心の声は、人間誰もが持つ心の弱さに対する苦悩が描かれています。
今回彼女は、苦労の末にそれを克服しました。とんぼに出会ったことが彼女の成長につながったようです。
そして、エマ・クリス。大怪我を克服するための彼女の努力と執念は、すさまじいものがありました。
おそらく彼女がこの舞台に立っていることだけでも、信じられないほどの奇跡なのでしょう。

第三期を期待しています。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 23

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あの樹の向こうに何が見える?

オススメのゴルフアニメ
ゴルフは何回か誘われてそれなりにまともに飛ぶようになったくらいなので全然詳しくないけど、とても面白かった

フェードとかアイアンとかゴルフ用語がバンバン飛び交うので何言ってるかわかんないけど、ゴルフってすごく色々なことを考えながらやるスポーツで上手になったらめっちゃ面白そう!!!ってのは伝わってきました
必殺技とか力技とかなく、風とかラインとか専門的にコースを分析して攻略していく様子が地味だけど面白い
とんぼの「勝つためのゴルフ」じゃなくて「純粋に楽しむゴルフ」の魅力に周りのプレイヤーも感化されて成長していくドラマが良かった
大きな樹はゴルフでは障害物でしかないけど、とんぼは障害物とは見てなくて、その先に島のみんなの期待、綺麗なショットを打つ達成感、一緒に回っている仲間との喜びの分かち合い、そんなポジティブな未来を見ている気がします

将来を決める重要な大会を戦っているのに、とんぼの純粋さでゴルフ仲間とワイワイコースを回ってる感になっているのが気持ちいい、こういう子と一緒にやりたいですよね
反対に露骨にマナーの悪い観客や、ルールを誤魔化してしまって罪悪感に囚われるプレイヤーを描くなど「ただ楽しい一面だけを描く」にとどまらないところも良かった
派手さはないけど爽やかで真剣で、ゴルフの楽しさを上手に表現している良いスポーツアニメでした

投稿 : 2025/03/22
♥ : 20
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「インテリジェンス×競技ゴルフ」の見事な融合

【レビューNo.166】(初回登録:2025/1/19)
コミック原作で2024年作品。全12話
1期がよかったので、2期も楽しみにしていた作品ですね。


(ストーリー)
1期でプロゴルファーを目指して島を出る決心をしたとんぼ。
とんぼはイガイガの紹介で、熊本にある「武蔵塚ゴルフ練習場」のオーナーで
ある有働九五郎の家に下宿して、レッスンプロの長男・有働はじめのレッスン
を受けることになる。
そして初めての競技ゴルフ「九州女子選手権」に出場するのだった。


(評 価)
・「インテリジェンス×競技ゴルフ」の見事な融合
 1期のレビューで
 >インテリジェンスが高く、ゴルフの奥深さを提示しちゃんと面白い
 と書きましたが、1期は割と
 ・通称「3鉄」(父の形見の3番アイアン)1本であらゆる球を打ち分け
  → 何故打ち分け可能なのかというテクニカルな部分を解説
 が多かったのですが、2期では
 ・ゴルフとは18ホールをいかに少ない打数で上がるかのスポーツ
  → ではそのためにゴルファー達はどういう思考・方法で挑むのか
 というのを論理的にみせてくれるんですよね。

 とんぼのゴルフは
 ・よくも悪くも失敗を恐れない(失敗をリスクとして考えない)
 ・目の前の1打を”どうやって打ってやろうか”というワクワク感優先
 という「スコアメイキングという概念がない」ゴルフなんですが、本作では
 そこをライバルキャラを通じて面白く描いてくれています。
 ●エマ・クリス
  飛距離を武器とした加点を狙う積極的な攻めゴルフ
 ●音羽ひのき
  バランスに優れ、試合経験の豊富さに裏打ちされた強かさ
 ●安谷屋円
  確率論に根ざしたグレートワンパターンでの緻密な組み立て
 「その1打にどういった意図があるのか」ということをしっかり解説して、
 「競技ゴルフとはどういうものか」というのを視聴者にわかりやすく提示
 してくれるとともに、各プレイヤーの解像度の上げ、より各キャラを魅力
 的に描写してくれていたと思います。
 その辺の描写がしっかりしているから、対極に位置するとんぼの自由奔放
 なゴルフもより際立つって感じですね。

 そしてこんな感じで「1打1打の解説」を事細かに入れてきても、それがウ
 ザく感じずに面白さに繋がっているのは素直に凄いなっと。
 解説内容の適切さや演出や作画といったアニメとしての魅せ方など、原作
 者や制作陣の技量の高さを感じますね。


・王道的な展開もしっかり押さえゴルフに対する愛情も感じられる
 今作は「競技ゴルフメイン」ということで「優勝するのは誰か」といった
 王道展開で物語が進んでいきます。

 上述した1打1打の細やかさだけでなく「ゴルフには流れというものがある」
 という勝負の大局観や駆け引きなんかもきちんと盛り込まれていたので、
 そこはしっかり押さえているなっと。

 そして今回の一番のテーマが
 ・とんぼが体験する初めての”プレッシャー”
 であったりするわけで・・・・
 それを体験することで今までとは違う「本物のゴルフ」というものを知る
 ことができるわけですが、
 {netabare}・「確実」というセオリーに逃げずに、”プレッシャー”がかかっている
  ことを認めた上で全力で立ち向かう{/netabare}
 その辺もとんぼらしい描き方がよかったと思います。

 またメインはライバルたちとの優勝争いなんですが、初日に一緒に回った
 主婦ゴルファー・島道子も印象深かったですね。
 彼女は予選通過できるかどうかのゴルファーですが、皆優勝やプロを目指
 しているわけではなく、それでもゴルフが好きでそれぞれの思いを掲げて
 プレーをしていると、原作者のゴルフ愛を感じるエピソードでしたね。
 上述の論理的な解説といい、原作者の描きたいものをしっかり描いている
 という印象ですね。


「スポーツものはやはり真剣勝負してなんぼ!」
というのもありますが、プレイヤーの数を増やして
「ゴルフの面白さを(ウリのインテリジェンスで)より多角的に魅せる」
という広がりをみせたのはさすがでしたね。
そういう意味でも本作は1期以上に面白かったと思います。
他の要素もバランスよく描けていたと思いますし。

唯一難点を挙げるとすると、スコア表示が少なすぎる気がしました。
「バーディーだ!」と言われても、トータルスコアやライバル達との差とか
が分からない期間が長く、何かモヤモヤするんですよね。
もう少しスコア表示した方が、試合にも緊張感が出てより面白くなったので
は思います。
(まあこまめにスコア表示するのは展開を考えるのが面倒ってのがありそう
 ですが(笑))

また1期ではすっと一緒にいたイガイガとの関係性の変化の描写も興味深かっ
たですね。
1期ではゴルフの師匠や友達という感覚でしたが、離れてみてとんぼの心情に
変化が現れたようで、イガイガに父親像を求めているかのような描写が印象に
残りました。


(追 記)
個人的に驚いたのは、とんぼの”自由奔放”なゴルフをコーチが矯正しようと
する展開(VS それに抗うとんぼみたいな)が真っ先に描かれるものだと思って
いましたが、それが全くなかった点ですね。
やはり普通のスポコンものとは違うんだなっと。
原作者の中で描きたいものは明確なんだなっと感じましたね。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 14
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