友達で東京なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの友達で東京な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月14日の時点で一番の友達で東京なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.1 1 友達で東京なアニメランキング1位
スキップとローファー(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (398)
1181人が棚に入れました
地方の小さな中学校から、 東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。 カンペキな生涯設計を胸に、ひとり上京してきた田舎の神童は、勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。 だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちはやわらかに感化されて、十人十色の個性はいつしか重なっていく。 知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。だれもが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。わかりあえるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。 ときどき不協和音スレスレ、だけどいつのまにかハッピーなスクールライフ・コメディ!
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほんわか学園ストーリーのお気に入り☆

[見終わって・・]※最終話感想は一番下です。
ほんわかした雰囲気、ミツミのキャラに毎回和まされてました☀
能登の方言とかミツミの実家の雰囲気もほんわかしてて好きでした♡私もあそこでお昼寝したい。。
それから、出てくる子たちが悩んだり励まされたり前向きな気持ちになったりしてる姿がとても素敵で、毎回楽しみで仕方ありませんでした(^^♪
OPもEDもすごく良かったし、OPのダンスもEDのミツミが歩く姿やミツミネコも可愛かった。
人気も出たし、2期ありそうかなって思ってますけど・・
これからの展開はちょっと雰囲気変わったりするけど泣けるシーンもあるのでぜひぜひお願いしたいです。

[初回感想]
石川県から東京の高偏差値校に進学した岩倉美津未(いわくらみつみ)とクラスメートたちのほんわか学園ストーリー・・かな。(あえてラブコメとは言わない。。)

原作は月刊アフタヌーン連載中でコミックスは8巻まで既刊。原作既読です。
原作読んで「これ好きだわぁ。。」って思ってアニメ化をすごく楽しみにしてました☆

一応ラブコメ・・ではあるんだけど、私が感じたこの作品の魅力は他のところにあって。

主人公のミツミのまっすぐで天然なところにも和まされたし、周りのクラスメイトたちもそれぞれいろんなタイプの子がいるんだけど、{netabare} タイプの違う子たちがミツミを中心に仲良くなっていく{/netabare}ところもすごく好き♡
あー私も高校生に戻ってこんな風にミツミたちと友達になって学園生活したいなぁ・・なんて妄想しながら読んでましたw

で、期待ハードルを上げつつアニメ視聴!!
1話見た感じだと作画はやわらかい感じで綺麗で好印象☆
なかなか良い感じで、なんとなく久々に毎話感想書きたくなりました(^^♪

1話「ピカピカ」
{netabare} 石川の方言に癒される(´-ω-`)方言ってなんであんなにほんわかして癒されるんだろね。
イケメンに気に入られて友達になる展開はよくある展開ではあるんだけど、後ろの子とも素直に友達になってるところとか、ミツミいい子だな(*'ω'*)
遅刻しそうで思わず裸足で走ったり自己紹介まじめに考えて寝れなかったりとか、和むわ~。{/netabare}

2話「そわそわ うろうろ」
{netabare}人と人との距離感って難しいよね。
でもカンペキな正解なんてないし、ミツミみたいに考えすぎないで自然体でいくのが一番いいんだと思う。それで合わないんであればそれはそれだし。
志摩くんのこと、間違ってサトちゃんって呼んだとこ、私も中学生の時、音楽の先生がなんとなく母に似てて、間違って呼んでしまいすごく恥ずかしかったことを思い出しましたw{/netabare}

3話「フワフワ バチバチ」
{netabare}よく知らないから、見た目とかでその人を判断しちゃったり・・
この人私とはちょっとタイプ違うかなぁとか。
実際はちゃんと話してみたりすると印象が変わる人も結構多かったりするんだけどね・・
でも誠(まこっちゃん)みたいになかなか気軽に入っていけない気持ちとか、結月(ゆづ)みたいにタイプ違うって決めつけられたりする寂しさもなんかわかる。
だからまこっちゃんがスタバでみんなで撮った写真に嬉しくなって背伸びしちゃう気持ちも、メールもらってすごく嬉しいゆづの気持ちもわかるなぁ。
この作品のこういうとこ、すごく好きです♡{/netabare}

4話「ピリピリ カツカツ」
{netabare}兼近先輩に強引に頼まれたことを先輩なりに部活のために必死なんだと思う、と言ったりとか高嶺先輩のストイックなところに素直にすごいなってあこがれたり。
そんな、他人のいいところを自然と見るようにしてるミツミを見てると和みます☀
高嶺先輩も自分のスタイルに固執しないで、ミツミのマイペースなところに学んだりしてるとこもいいな。
この作品のおかげで毎週土曜朝はわたしの和みタイムになっちゃってます♡{/netabare}

5話「チクチク いそいそ」
{netabare}この話、原作読んだときから好きでした☀
心の許さじノートのシーン笑った。。
私がムカツク奴の名前を2つ覚える間に岩倉さんは親切にしてくれた人の名前を1つ覚えるんだ・・
このシーンも良かったけど
その後ミツミがミカに言った言葉がすごく良かった。人格的にはほめてないよもw
ゆづとまこっちゃんが何気ないしぐさとかで仲良くなってるのがわかるのもいいな。
みんなに浅漬け作ってくるというミツミのチョイス和むわ~{/netabare}

6話「シトシト チカチカ」
{netabare}シマくんが学校休んで心配するミツミだけど、他の女子の勝手な噂にちょっと気持ちが揺れて。
微妙にすれ違う二人の気持ち。
でもこういうのあるあるだよね。
本当の気持ちがちゃんと相手に伝わらないもどかしさというか。
ミツミがあらためてちゃんと自分の気持ちをシマくんに話して、お互いに気持ちが通じあって。
これって簡単なようでなかなかできないものだけど、ミツミらしいまっすぐさがちょっと眩しい。
逢いたいのに逃げたい
話したいのに言葉につまる
フミから聞いたそんな恋の気持ちと同じ気持ちになって動揺しちゃうとこ、かわいくて好き♡
あと、ミツミのはい゛とかおはよう゛とかの低音ボイスに笑っちゃいました。。{/netabare}

7話「パタパタ モテモテ」
{netabare}冒頭に流れるほんわかする音楽ですでに和まされちゃってるわたし。
努力して頑張ってる姿は誰かがちゃんと見てくれているものだ、ってよく聞くし、私もそうは思うけど、でもそれが報われることってなかったりすることも多いですよね。
兼近先輩の自分をさらけ出して他人を慰めようとするところ、かっこいいです♡
高嶺先輩のメモ帳、らしいなぁって思いながらも、自分をいい方に変えようってすごく努力してたりしてて、生徒会長からも学ぼうとするところも素敵だなって。
ほんと、この作品に出てくる子たちって精神的に大人な出来た子が多くて、いいオトナの私が毎回気づかされてます。。
あと、石川県産トモダチ100%にクスっと笑っちゃいました。
それから「のきゃ」にも和みました(^^♪{/netabare}

8話「ムワムワ いろいろ」
{netabare}女子4人のお泊り会🌙
4人それぞれの個性というか味が出てるところが見てて面白いし和む。。
変わりたいって頑張ってるけど自信が持てなくて傷つきたくない・・
昔の自分を懐かしく思い出しながら、ミカの背中を優しく押してあげるナオちゃんがカッコ良くて好き♡
4人で見てるホラー映画。まこっちゃんだけ平然としてるのに笑っちゃいました(^^♪{/netabare}

9話「トロトロ ルンルン」
{netabare}能登に帰省したミツミ。
空港からの懐かしい風景を見たミツミの表情。こういう細かいところも描いてるとこ好きです。
ミツミからもらったキーホルダーをさっそく付けてるお父さんとかも。
実家に帰ってお昼寝する気持ちよさ、わかる☀なんか落ち着くんだよね。
懐かしい同級生たちと方言で会話しながら花火したり。。和むわぁ。
嬉しいことをシマくんに無性に話したくなる気持ち・・それはもう恋ですね♡
シマくんの呟いた言葉からOPの眩しくて・・を思い浮かべました。{/netabare}

10話「バタバタ ポロポロ」
{netabare}文化祭!!
ミュージカルをやることになって準備に大忙しのみんな。
ミツミもあの調子で頑張りすぎてちょっと空回り。。
あーこの感じ、私も経験あるのでわかる・・
役のヨハンと自分を重ねてしまうシマくん。
ミツミの、まだ引き返せるって言葉に、起き上がるのムチャクチャ得意なんだからって言葉に勇気づけられて。
二人の即興ミュージカルすごく可愛かった♡{/netabare}

11話「ワイワイ ザワザワ」
{netabare}文化祭って昔の知り合いが見に来たりすることあるよね。
知り合いにゆづのことフォローしてるまこっちゃん見ててちょっと泣けた。。
「まだ半年って感じしないよね、私たち」ってゆづが嬉しそうに言うとこ、そしてそれを聞いたミツミがスキップするシーン、好きです。
「脚本のこととか考えていない自分が想像できない」って兼近先輩のセリフ、何気にかっこいいしうらやましい。
シマくんの弟くん、しっかりハキハキしてるように見えたのは周りに気を使ってたから。
でも身内の姿を見て安心して泣いちゃう気持ちはわかるなぁ。
とうとう次回は最終話。。{/netabare}

12話「キラキラ」
{netabare}コアリクイの威嚇ポーズ笑った。。
幼馴染って深くていいなって素直に思えるミツミがいい子で眩しい・・
文化祭が終わった後の達成感と高揚感と寂寥感と。。
それぞれの子たちの思い、悔しい気持ちも含めていい思い出になるんだろな。
ちょっぴりココロの鎧が取れて、ミツミからはいつもより子供っぽく見えたシマくん。
1期としてはいい終わり方だったと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「だけど俺さ、俺……。学校、楽しいんだ。」

と、レビュータイトルには作中のある人物の台詞をいただきました。

まあ、個人的には「だけど」は付かずに小学校から大学院まで総じて学校は楽しかったわけなんですが、特に中高生の頃って楽しかったですね。

一応の主人公として岩倉美津未(いわくら みつみ)はいるんですが、趣きとしては「ミツミちゃんに感化される同級生や先輩による青春群像劇」といった感じですかね。

ちゃんと「人間」が描けている作品という意味では、大変面白くかつお勧めであります。キャラクターデザインもなかなかに趣き深いです。絵柄的に少女漫画っぽくもありますが、原作漫画掲載誌はかの「月刊アフタヌーン」らしいです。

最近のアフタヌーンは読めていませんが、歴代の名作が揃う名門漫画雑誌というイメージはありますよね。

本作の舞台は都内にある進学校なんですが、ミツミちゃんは東大に進学して官僚だか政治家だかといった形で地元石川県に貢献しようという大志を抱いてわざわざ上京してきたという強者です。

もちろんそんな生徒はレアで、概ね都内もしくは東京近郊に住む人々なのでミツミちゃんはそこにギャップを感じながらも、力強く学校生活に邁進しています。

そんなミツミちゃんの純朴さに「いまどきの高校生」然とした周りの人たちも感化されていく、といった感じのお話です。

原作は読んでいないのですが、このアニメを1クール通して観て、「そういえば高校生の頃って楽しかったよな」としみじみと思い返していたのでした。

我が身を振り返ると高校生の当時は部活であったり文化祭実行委員会であったり予算委員会であったり、子供なりに「忙しい」って思っていたはずなんですが現実問題として大人になってからの方が圧倒的に大変だったりするわけです。

私の出身校にはさすがにミツミちゃんほど遠くからやってきた生徒はいませんでしたが、それでも「2時間近くかけて通学してくる」とか「東大に入って官僚になろう」くらいの人はそれなりにいる学校ではあったので、なんとなくその頃の空気を懐かしむ感じではありました。

ただ、私の高校時代にはスマホや携帯電話はおろか、ポケベルすら高校生は持たないような世の中だったのでコミュニケーション方法には大きなギャップがありましたねぇ…。

余談: 作中作ミュージカル「The Family Singers」がどう見ても「サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)」でした。本当にありがとうございました。← 何が?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

美津未とミカ

アニメーション制作:P.A.WORKS、
監督・シリーズ構成:出合小都美、副監督:阿部ゆり子、
キャラクターデザイン・総作画監督:梅下麻奈未、
総作画監督:井川麗奈、音楽:若林タカツグ、
原作:高松美咲(講談社「月刊アフタヌーン」連載)

第1話から心を掴まれた。
最初から期待値の大きさで高揚感を覚えたのは、
よりもいの1話以来だったかもしれない。

「スキップとローファー」というタイトルが良い。
青春真っただ中というイメージがあるし、
深読みすれば、ローファーでスキップするのは、
ちょっとやりづらい(私だけかもしれないが)。
楽し気にスキップしようとしても、
よほど足にフィットしていないと踵が抜けてしまう。
つまり、ちょっとそぐわない組み合わせ、
少しくらい、性格の違う関係性でも、
一緒にスキップすれば、より学園生活を楽しめる。
という意味で私は捉えていた。
実際は、作者によると「スキップ」と「ローファー」の
どちらも青春にふさわしいものだったので、
組み合わせたということだったそうだ。

でも、「少しのズレがあっても、
ポジティブな思考がみんなを元気にする」というのは、
この作品の大きなテーマなので、
このタイトルは、とても内容に合っているイメージだった。

主人公の岩倉美津未は、石川県の過疎の町から
東京の進学校に主席で合格してやって来た優秀な女の子。
入学式の日、電車を乗り間違えて、途方に暮れていたところを
遅刻して登校しようとしていた志摩聡介から声をかけられる。
一緒に学校まで走って何とか遅刻からは逃れたことから、
仲の良い友だちになる。
志摩聡介は、イケメンでクラスから注目の存在ということもあり、
美津未の周りには多くの人が集まるようになるのだった。

美津未は天然で真っ直ぐな女の子だが、
他人の行動にも思いを馳せることができる。
他者の立場を想像し、慮れる。
他者をフラットな視線で見つめ、
良い部分を発見することに長けていた。
しかし、そんなふるまいや考え方は、
長年やってこなかった人にとって、眩しすぎる。
嫉妬心と憧憬。
そのあたりの機微を上手く見せているのが「江頭ミカ」という
キャラクターだった。

ミカはごく普通の女性の感覚を掬い取ったような存在。
「村重結月、こういうあからさまな美人は誘いたくなかったな」
「ラッキーだったね、岩倉さん。そのまんま受け入れてもらえて。
私みたいに食べたいもの我慢して、キラキラした部活に入って、
キラキラしたグループに入って、
そんな努力しなくても良かったんだもんね」
「飛び切りの美人でもなければ、純粋で真っ直ぐにもなれない。
私を一体…誰が選ぶ?」

幼い頃は肥満児で周りから馬鹿にされていたミカは、
自分を良く見せるために多くの努力を積み重ねてきた。
食事を制限する。キラキラした生活を送るために、
部活にバレーボールを選び、必死になって練習した。
ファッションのことも勉強し、隙のない着こなしができるようになった。
人の顔色も女性特有の男子にまつわる嫉妬や妬みも敏感に察知して、
対処できるようになった。
ある意味、ミカも高嶺副委員長と同じように、
全てのことに愚直に取り組む人間なのだった。

しかし、ミカの場合、これまでの経験によって
出発点で「他者は信用できないから、
つけこまれないようにしなければならない」という考えが、
人間的な根幹になっている。
そして、作者にとって「典型的な女子」という位置づけで
捉えられているのではないだろうか。
群像劇として描かれているこの作品だが、
結月や誠とは、心情の捉え方の深みが
一段階違うように感じる。
それだけ重要なキャラクターということだろう。

{netabare}5話では美津未とミカのふたりが、
1年生が使用日となっていた昼休みの体育館で、
上級生から理不尽な扱いを受ける。
ミカはルールを守らない上級生の苗字を
「心の許さじノート」に刻み付けるが、
美津未は助けてくれた上級生の名前を覚えていた。
そのことに気づいたミカは、自分の思考を反省する。{/netabare}

他者との関わり合いには、すれ違いも「悪意」も必ずある。
そのことを踏まえた上で「いかに私たちは真っ直ぐに生きられるか」と
いうことを問いかけているようにも思える。
ここが、おそらく大切なテーマのひとつなのだろう。
美津未と志摩の淡い恋心を描きつつ、
美津未とミカを徹底的に対比している。

とはいえ、ミカ以外のキャラクターの描き方も丁寧だ。
結月の美術の展示での想い。
誠の偏見と友達に対する考え。
高嶺副院長の学園生活における理想。
志摩の他者との距離感や母親との関係、達観した思考。
どのキャラにもしっかりとしたバックボーンがあり、
そういう意味でもとても好感が持てる。

美津未という理想的な生き方。
失敗ですらプラスに変えていくしなやかさを見ていると、
心が浄化されていくように感じる。

P.A.WORKSの演出も好感だった。
スイカを食べる音でのどかな時間の流れを表現したり、
キャラの心情の見せ方も良かった。
そして、多くの人が指摘している
OPの美津未&志摩のダンスシーン。
初めて観たときから釘付けになったほど、
可愛くてセンスのある動きで、作り手の才能を感じた。
(2023年8月6日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46

75.3 2 友達で東京なアニメランキング2位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (389)
1347人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『夜の街』『耽美』『フェティシズム』『好きになるとは?』

<2022/8/5 初投稿>
原作は未読。
点数はとりあえず5話まで見てのものです。

放送開始前のCMの時から気になってたんですよね。
ノイタミナだから高品質は約束されてるだろうし。

いざ見てみたら、楽しい
「面白い」より「楽しい」作品。

『夜の街』
まず夜の雰囲気が好き。
中学生の頃ぐらいから、夜の街とか夜明け前の紫色の空とか大好きで。
意味もなく徹夜してました。
ANNとか聴きながら

本作では夜の色彩がかなり極端。
でも夜に不慣れな子供の眼からすると、真夜中の街灯や自販機の光ですら相当に刺激的なもんです。
中学〜高校の頃思い出します。

『耽美』
耽美とは
「美を最高の価値として、ひたすらその世界に心を傾け陶酔すること」
なのだとか
漫画漫画したキャラデザなのに、妖しくやらしー美しさを追求しようとしてる。
それがなぜかうまくはまってる。
(この原作者さんの描く女性キャラって妙な色気感じますよね。寄り目だからかな?)

『フェティシズム』
吸血という偏愛の象徴のような行為。
吸血鬼ものの漫画・アニメとか絶えないですけど、それっておそらく「血を吸うという行為に妖しい魅力を感じる人」が多いってことですよね。
本作では一際やらしく、じゃなかった妖しく描かれてます笑(吸うとこは隠してるけど)

こうしてみると「謎の彼女X」とちょっと似てる気がしてきた。
謎の彼女は夜ではなく夕暮れで、血ではなく涎(よだれ)ですが

OP「堕天」、ED「よふかしのうた」はCreepy Nutsの楽曲も映像もクセになる。
他の方のレビューに書かれてたの読んで知ったのですが、本作、元々Creepy Nutsの「よふかしのうた」に触発されて作られた漫画だったんですね。
どーりでぴったりなわけです

そしてED映像。
なずなのイラストにだんだん色がシミのように広がっていくところ
これ、いいなー。
なんか何度も見てしまう

毎話変わるアイキャッチもいいですね。
雰囲気のある丁寧なイラストがかなり良い。
アイキャッチのセンスが良いアニメって、中身も面白いこと多い気がするのは気のせいでしょうか。
「シドニア」とか「DARKER THAN BLACK」とか
今季なら「リコリス・リコイル」もそう


というわけで、あんまりストーリ展開を楽しむ感じではなく、かといって日常ものともちょっと違う本作

自分は『夜の街』『耽美』『フェティシズム』を楽しんでます。

<2022/8/26 追記>
第7話まで見ましたよ。

{netabare}「コウが吸血鬼になるには、コウがナズナを好きになってる状態で、ナズナがコウの血を吸うこと」
{/netabare}
となっておりますが。
前から、これ少し違うんじゃないの?と思ってるのです。
つまり{netabare}「コウとナズナが相思相愛の状態で、ナズナがコウの血を吸うと、コウは吸血鬼になれる」{/netabare}となっておりますが

そうではなく
{netabare}「恋の仕方を知らないのは、コウだけではなくナズナも。そんな二人が恋の真似事を積み重ねながら・・・」{/netabare}という感じだったら可愛らしいなーとか思ったり

実際のとこ、どうなのかはわかんないんですけど
なんかこの方がニヤニヤできそうではなかろうか?

という願望でした。

あと、酔っ払い三人組モブに子安さんがおるとこもツボw

<2022/9/2 追記>
第9話まで見ました

なぜかの「浪漫飛行」
どっちかと言えば「夜間飛行」って感じだけど、まあでも浪漫飛行は名曲ですよ。

それにしても9話良かったですね。
ここまでで一番良い。
ここに来て本作のテーマみたいなものが見えた気も。
良い〜
なので評点UP↑です♪

あとダルオくんの声は吉野さんでしたか
EDテロップ見るまで全然気づかなかった
やっぱよっちんさんは凄腕声優ですね

<2022/9/16 追記>
11話見ました。
また予想外な展開。
ここに来て{netabare}ヴァンパイアハンター{/netabare}Dや、{netabare}傷{/netabare}物語のような展開とは

なんか「ほんわかあったか〜いスープにドライアイスぶち込んだ」ような展開

嫌いじゃない
むしろ好物

<2022/9/30 追記>
最終13話見ました

9話のレビューでも書きましたが、本作の大きな柱となっているのは「人と人との関係」なのかなと

友人関係とか、好きになるとは、とか
そんな人と人の間に芽生える感情について、
先入観やいろんな前提を取り払って、
突き詰めて考えてみようと

もちろんそれは玉ねぎの皮を剥く作業にも似た、不毛な考察ではあるのですが

そういうのも結構楽しい

あとですね
{netabare}コウくんはおそらくもう吸血鬼になりかかってるんでしょうね。
11話の閉まった学校の門を飛び越えるシーン
最終話の歩道橋から飛び降りて猛スピードで逃げ去るシーン
人間離れしてますし。
つまりもう、なずなのこと好きになってんじゃないの{/netabare}

原作がまだ連載中なので、終わりという感じの終わり方ではなかったのは残念。
続き見たいけど、好き嫌いの好み分かれる作品のようだから2期はないのかも。

原作読もうかな。。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

闇夜の憧憬

【感想】
キャラデザとか色使いがだいぶ独特だけど、賑やかなキャラクターが多くて楽しくて雰囲気がいい大好きな作品!
「夜更かし」の魅力が作画と音楽とキャラクターの雰囲気の良さで見事に表現されているところがこの作品の素晴らしいところだと思います

ラブコメとしては「愛」っていうより「憧れ」って感じが強くてあんまりラブコメって感じがなくて、これは同じ作者の「だがしかし」にも同じものを感じたので、ラブコメの面白さよりキャラクターのやりとりを楽しむ作品な気がしました
「だがしかし」は大好きな作品で、本作品も雰囲気は似てるので「だがしかし」が合うならこれも是非見てください!

好きなキャラクターはアキラ!

あまり細かいこと気にしないで雰囲気を楽しんだほうがいいとおもいます!

【私は「よふかし」のアキラと「だがしかし」のサヤちゃん推し】{netabare}
わたしはアキラがとても好きです、コウが夜の世界の魅力にとりつかれていて昼の世界「学校」からドロップアウトしていくのは「友達」として良くないと思って止めてあげてるけど
一方でコウのナズナへの憧れの強さも気づいていて、「友達」として応援してあげている
気持ちを一番尊重してあげつつも、コウ君が「昼の世界」とのつながりを完全に絶ってしまわないように気遣ってあげている
こんなに友達想いな子なかなかいなくて、天使に見えます!

ナズナもいいキャラだけど私はアキラとのラブコメのほうが見たいかも

これって「だがしかし」も似たところあって、ココノツが憧れるほたるさんよりも、
そばでずっと見つめて誰よりココノツを気遣っているけなげなサヤちゃんのほうがずっと可愛いと思ってます

なんか本命じゃないほうのけなげなサブヒロインってすごく応援したくなっちゃうんですよね
最後には泣くことになっちゃうかもだけど、きっとあなたの大切に想う気持ちは相手に伝わるよって

慰めにもなってないけど、そんなピュアな気持ちを持った子はきっといつか幸せになれると私は信じたい
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
ナズナも好きなキャラクターです
下ネタ大好きで恋愛トークNGで恋愛経験がない女子なんて現実にいるのか?って思うけど
男慣れしていてピュアな恋愛が逆に恥ずかしい子ならまだわかる

コウ君はよふかしへの憧れ、夜の街の徘徊、吸血鬼との接触
ただなんとなくで危険なことに首を突っ込んでいき、あんなにいい子が見ててくれるのにアキラには目もくれずナズナに吸血鬼にしてほしいって
破滅願望でもあるのかな?
なんでこんなになんとなく生きてるのかわからなくて、なにがしたいの?って思っちゃう
ナズナに惚れて誘惑されちゃったのならわかるんだけど、それもよくわからないし
ちょっとコウ君の気持ちに共感できそうにないです・・・

だがしかしのココノツもミステリアスで神出鬼没なほたるさんにずっと憧れっぱなしで、作者のこだわりがあるのかもですね
わたしにはよくわからなくて度し難いです

そして、吸血鬼ってとても危険な存在なわけですが、なぜか二人のことを見逃してくれます
アキラが優しくしてくれて強くは止めてくれないから今度は探偵っていうかなり強引なキャラクターが表れて阻止しようとしてきます
でもやっぱり二人にとってそんな障害ってわけでもなくて
結局は二人だけの世界なのかなー?って思うとラブコメとしては微妙かなって思いました

でもコウ君の憧れの気持ちがどんな形であれ彼の成長につながって欲しいなって思います
{/netabare}
【夜更かしの魅力?】
※アニメのシナリオとは関係ない話です、よふかしの魅力についてちょっと考えました
{netabare}
夜の街ってワクワクよりも怖いってイメージのほうが強くて私は共感はできないけど、理解はできるかも?
同じ場所なのに昼間とは違う景色、暗闇を照らす色とりどりのネオン
寝ちゃったら今日は終わり・・・今日をこのまま終わらせるのはもったいない、それなら出歩いちゃおう♪
気持ちはなんとなくわかる

だから「寝れないのは今日に満足していないから」って言葉に、納得しちゃいました
私は夜中に外出歩かないけど、寝る前にアニメもう一話見ようとか、ちょっと音楽聴いてから寝ようとか、明日着ていく服どうしようとか
寝るのもったいない気がしてついいろいろしているうちに遅い時間になっちゃうことは多くて、夜更かししたくなる気持ちはよくわかる

ほとんどの人は寝ている時間なのに外をブラブラ遊びあるく背徳感
私の実家は夜7時には街灯がなくて真っ暗ですが都会だと夜中でも明かりが消えることなくて、
田舎者の私はそれだけですごい!って気持ちが高揚してしまいました

旅行中に立ち寄る深夜のサービスエリア、まだ誰も客がいない早朝のコンビニ、カラオケでオールした後の誰もいない街並
昼間に比べて空いてる施設少なくて残念なはずなのに、なぜかテンションが上がっちゃいます
それはまるで、自分ひとりで町を貸し切りにしたようなVIP感

夜には不思議な魔力があるように思います
{/netabare}
【作画】{netabare}
都会の夜空がすごいギラギラしてますねー、夜の世界のワクワク感を鮮やかすぎる色で表している気がして表現が面白いと思いました{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

74.8 3 友達で東京なアニメランキング3位
三ツ星カラーズ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (443)
1668人が棚に入れました
上野の平和を守るため、朝から夕方まで街を駆け回る小学生3人娘・カラーズの活躍が描かれる。

声優・キャラクター
高田憂希、高野麻里佳、日岡なつみ、田丸篤志、玄田哲章、名塚佳織、朝井彩加、東城日沙子

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何故ロリアニメを見るのか? そこに幼女がいるからだ

上野を舞台に3人の女子小学生たちの日常を描いた意欲作。

はっきり言えば物語的には大して面白くもなんともない。
あくまで日常系なんでカラーズ達の行動と街の住人たちとの微笑ましい交流を眺めてほっこりするのが正しい楽しみ方と言える。

しかし人によっては不快感を覚える場面も多々あるかもしれない。

それは何故か?

カラーズの行動が明らかに行き過ぎてる場面も決して少なくはないからだ。
まるで狂ったYOUTUBERのごとく正気を疑うような行為もあるのは否定出来ない。

子供のやることだからとニッコリ流せる人ならいいがそうでない人ならイライラ限界突破間違いなし。

そういう自分も寛容ぶってるわけでもないが実は前者の人間なのだが子供だから許せるというのとは少しばかり違う。

そう。(可愛い)幼女だから許せるのである。

これが仮に幼男・・・例えば野原しんのすけ辺りが同じことをしたとしたらおそらく時と場合によっては殺意の波動を抑えきれなくなってしまうかもしれない。

そして作品最大の美点。
それは今更言うまでもないが可愛い3人のカラーズたち。
3人とも見た目も性質も違うんでそれぞれ誰がお気に入りかというのは割れる部分かもしれないが個人的には1強状態だった。

誰だ?

琴葉しかいないだろう。

実はこの子の場合1話だかで人の頭を踏みつけてた場面から心を鷲づかみにされていたのだ。
あのルックスにクールを装った愛くるしい性格に毒舌。
完璧すぎて怖い。
そんな子に踏みつけて欲しいなんて願望はM男なら誰しもが思う健全なモノではないだろうか。

それ以来OPから含めて本編でも我の視界の中心には常に琴葉がいた。
やばいストーカーのように琴葉の姿を追い続けたのだ。
千と千尋の顔なしと今なら分かり合えて友になれそうな。そんな気がした。

赤と黄色の2人も可愛いのは間違いないのだが琴葉の前では霞んでしまう。

本来なら黄色のような子は見た目も含めて好みなのだがこの子の場合致命的な欠点がそんな思いを破壊する。

それは何?

品が無さ過ぎる。

うんこうんこ言いすぎやねん。

自分は女の子には一定の気品がないと萌えない性質なんで例え小学生でも譲れないのだ。
気品は大事。すごく大事。

別アニメの話になるがいくら見た目が良くてもはいてないと分かった時点で瞬時に萎えてしまうのだ。
いや穿けよ・・と。
単純に下着描くのが面相なだけではないのかと。

萌えと羞恥心と気品について話すとこれまでの2倍以上の長さになりそうなんで話をカラーズに戻す。

戻してはみたがもう作品について特別語ることもないことに気づいた。

結局は最初の2行~4行目に書いたことがほぼすべてだろう。

萌えなさい さすれば道は開かれん。

そう言えばロリアニメの割りに唐突なシャワーシーンだの事あるごとに映し出されるお尻や太もものアップ等が比較的控えめだったのは良かった。

幼女でそういうのは割りと引く。

「豚ども これで満足か!? ゼハハハハ! ロリの夢は!終わらねえ!」とか言われてるようでなんだかなあ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自由奔放は子供の特権!

原作未読。最終話まで視聴。

東京・上野を舞台に、小学生の少女3人組の日常を描いた、ほのぼのコメディ。
自由奔放に駆け回る少女たちと、周囲の大人たちの優しさが微笑ましい。

この作品の問題点は作画。
タイトルの通り、色使いもカラフルで、綺麗で見やすい絵だったとは思うんだけど・・・。
いかんせん静止画が多過ぎ。
『紙芝居か!』ってツッコミたくなることがしばしばある。
最終話。結衣が腕を振り回している”静止画”が!
『アニメなんだから動かせよ!』
という訳で、作画の評価は±0で☆3です(笑)

【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
私はロリコンになった覚えはないんだけど、何故か視聴しているだけで和んでしまう作品。
上野の平和を守るために「カラーズ」を結成した、小学生の少女3人組の日常を描いた、ほのぼのコメディ。

【第2話】
今回も愉快に遊びまわるカラーズの面々。
前半のかくれんぼの結末は吹き出してしまった。
結衣ちゃんは、別な小学校に通っているのかな?

【第3話】
バナナ、上手に売り切ったな。

【第4話】
ののかのパンVSももかのおにぎりのくだりは面白かった。
後半のパレードはアニメではなく紙芝居(笑)。

【第5話】
後半の動物園にくだりはまあまあ面白かった。
主要な登場人物以外は張りぼてみたいで気持ち悪いけど(笑)

【第6話】
鍋、不味そう・・・。所詮、小学生のすることだからなぁ・・・。

【第7話】
銀杏・・・、確かに相当臭いよね。

ハロウィンからのゾンビゲームのくだりは面白かった。
カラーズの周囲には付き合いの良い人たちが多いよね。

【第8話】
前半の博物館のくだり。
第5話の動物園同様、主要な登場人物以外は張りぼてみたいで気持ち悪い(笑)
後半の福引のくだりは、ののかとの会話が面白かった。

【第9話】
初詣のくだりも静止画多用・・・。う~ん。

タイムカプセルのくだり。10年後のカラーズの面々ってどうなっているんだろう?
本当にののかは付き合いが良いな。


【第10話】
雪合戦のくだり。
対斎藤用の雪玉に、本当に「ウ〇コ玉」が混じっていたとは!

『バレてるぞ』のくだりのオチは、中年男性として少し心が痛んだ(笑)

招き猫のくだり。静かなのに存在感抜群のさっちゃんって!

【第11話】
前半は花粉症。
カラーズの3人は花粉症ではないのだが、どうやらののかは花粉症らしい・・・。
しかし、小学生とはいえ本気のグーパンをお腹にくらったののかちゃん。
お気の毒に・・・。

後半はハイパーかくれんぼ。
斎藤、ヒドい・・・。

【第12話】
前半は、主な登場人物総出演のくだり。
いかにも最終回っぽい。
中盤は、いかにも子供っぽい話。
コロッケ屋のコロ婆、少し可哀想・・・。
終盤は、お花見会場で、何故かイチゴを売る話。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

楽しいことしか楽しめなくなった、大人達へ

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
女子小学生が、「上野を救う」という名目のもと、上野でただひたすらにイタズラをしまくるという、日常系アニメ。

この辺は、多分好みが分かれるところで、ダラーズ、、、じゃなくてw、カラーズのJS3人衆を、「可愛らしい」と思うか、「憎たらしい」と思うかで、評価は真っ二つだと思う。

「みなみけ」の「南夏奈」や、「苺ましまろ」の「松岡美羽」を愛でられるなら、楽しめるアニメだと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品の難点は、作中でカラーズ本人も認めていたけど、ツッコミの不在。カラーズ内での立ち位置は一応、さっちゃんがボケで、琴葉が悪ノリ、結衣がツッコミですが、これがイマイチ微妙? というか、結衣もボケですよねw

ツッコミ的に、唯一秀逸だったのが、2話のかくれんぼのクダリ。

(ようやくさっちゃん達を見つけた結衣が)「どれだけ隠れるの? 照れ屋か!」「いや~、灯台もと暗しだったんだよ、最初は」「灯りから離れすぎても見えないわ!」「でもいっぱいすれ違え(通信でき)たよ」「いっぱいすれちがったよ、気持ちがね!」

と、こんなクダリ(不正確ですが)。これは、シンプルに笑ったわ~w でも、ここだけでしたね。

この作品はツッコミが弱いことを作者は知っていて、上記のような秀逸なツッコミを考えられる作者が、どうしてその後はツッコミをさせないのだろう?

と考えた時、(原作未読だからワカランが)作者(あるいは制作)が狙っているのは、「笑い」ではなく、「優しい(寛容な)世界」なのかな? なんて思ったりもしました。

このアニメでむしろ印象に残ったのは、上野の大人達。

みんな、結衣達に優しい(というより、激甘)w

オヤジはその代表格だけど、同年代の友達のように接する ののか や、結局色々な物をくれる さっちゃんの母。ゾンビゲームに付き合ってくれた一般市民達。齊藤だって、クソガキだのなんだの言いながらも、結局、カラーズに付き合ってあげています。

このアニメに出ている大人達は、みんなどこか子供っぽくて、寛容で、ゆとりがあります。彼ら彼女らのようなスタンス、そういう社会のスタンスこそ、作者が描きたかったのかな、って思います(それが社会的、教育的に素晴らしいかは別として)。

ボケ(ガキの理屈)にツッコム(正論を吐く)のではなく、向き合い、笑ってあげる、大人の余裕。

そんなところですかね。

この作品で一番印象的だった言葉は、6話の「明日は違う事件がおきるんだよ」というオヤジの言葉です。上野は今日も平和で、本当は何の事件も起きていません。でもそれは、大人の理屈であり、子供達にはきっと新鮮な「何か」がおこっているんです。その「何か」を見過ごさず、積極的に楽しもうとしている子供(カラーズ)は、遊びを見つける天才なんだな、と思いました。

いつから我々(大人)は、楽しいことしか楽しめなくなったのかな、、、? なんてねw
{/netabare}

【余談~ もしもカラーズがデュラララにいたらw ~】
{netabare}
きっと、折原臨也も手を焼くに違いない(笑) なんか、悪どい提案をしたのに、さっちゃんに「よし、分かった! うんこだな!」と言われ、呆れながらも降参してしまう、臨也君を妄想して、ほっこりしてしまいました(笑)

他にも、
サイモン「オ~、カラーズ。ロシア寿司ウマイヨ~。」
さっちゃん「なんだ! タダか! くれるのか?」


(ヤンキーにからまれるカラーズを助ける平和島)
結衣「あ、ありがとうございました」
静ちゃん「ガキが気にすんなって。俺はムカつく野郎をぶっ飛ばしただけだからよ」
さっちゃん「なんかその髪、うんこみたいだな!」
静ちゃん「・・・・・。」


とか、いくつでも思い付くな(笑) 多分、デュラララに女子小学生キャラがいなかったのと、デュラララのキャラがしっかりしているからですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
よし、笑ったネタを載せよう。

RPGやん(笑) パンダはその気になれば食べられる(笑)

2話目○
どれだけ隠れるの? 照れ屋か! 灯りから離れすぎても見えないわ! いっぱいすれちがったよ、気持ちがね! 、、、ツッコミが秀逸(笑) エキストラバージン、オイルw

3話目
Bパート、短い(笑) 地下街のリアルさヤバイw

4話目
光ってみて、パー(笑) 説明して?(笑)

5話目
けんだまの武器化、何気に危険だよな(笑)

6話目
雑な草(笑) ゲーム下手(笑) 斎藤はバ~カ(笑)

7話目
展示されているのか(笑) これ3つ下さい(笑) 除夜の鐘までに別れる(笑)

8話目


9話目
量産型か(笑)

10話目
ウンコで、初めて笑ったわw

11話目


12話目
ちょっといい話。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

73.0 4 友達で東京なアニメランキング4位
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (499)
1511人が棚に入れました
片思いした相手にバッサリ振られ、ヤケ酒をした帰り道、26歳のサラリーマン・吉田は路上に座り込む女子高生・沙優と出会った。べろべろに酔った吉田は、前後不覚のまま行き場のない沙優を一晩泊める。…翌朝、ふわりと美味しそうな香りに目覚めると、食卓には味噌汁が。「おはよう」「なんだお前!!なんでJKが俺ん家に!」「泊めてって言ったら泊めてくれたじゃん」「…味噌汁」「昨日“毎日味噌汁を作ってくれ~”って」「ハァ!?絶対言わねェ!!」家出をして行き場のない沙優を追い出すわけにもいかず、吉田は家事を条件に彼女の同居を認めることに…。こうして、家出女子高生とサラリーマンの微妙な距離がもどかしくもあたたかい、不思議な同居生活が始まった―。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

拾うか?届けるか?正直悩む

原作未読

物か人かで事情が変わるのよね。

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』

指摘するまでもなく釣りタイトルでしょう。そしてパクっと釣られる私。
セクシャルな要素入れ込むとわりと賛否別れるのよね。そんな作品です。

神待ち女子高生荻原沙優(CV市ノ瀬加那)を26歳IT企業勤務の吉田(CV興津和幸)が酔った帰りに拾う出だし。そこからの同居生活すったもんだを描くラブコメ。
沙優役一ノ瀬さんのこれまでって、気弱さの中に芯がある配役が多い印象でややビブラートかかり気味な発声が好みの役者さんです。『色づく世界の明日から』あさぎ役と『キャロル&チューズディ』チューズディ役の人って感じ。大事に育てられてるお嬢さん、決してお姉さんにはなれない声です。
それがトーンそのままなのに設定はもろセクシャル。このギャップでおなか一杯になる変態は私だけでしょうか。とどのつまり

 それ(市ノ瀬姐さん熱演)だけでよくね?

と釣られたまま完走です。異論は受け付けます。

そして本題。

 おー未成年略取か…そうかそうか

犯罪の匂いどころかこれあかんやつです。保護するでも児相ならOKで一個人ならNGな法律の建て付け。結局、ここでリリースしたらこの子にとってあかん!と吉田が思ったわけで古き良き昭和のお節介みたいなもんでしょう。それを良しとするか否か。
基本的に家出娘なんて頭のネジぶっ飛んでたりするもんなのに、けっこうな常識人に見えるところがむしろリアリティに欠けるのでツッコミどころはそこでした。設定そのものが許容範囲の内か外かで出だしの評価は分かれるでしょう。

私はわりと寛容的です。
法律を守るのは前提。さりとて現状に則してない法律がわんさかあるのはどこの法治国家だって一緒。近々のコロナでは、ロックダウンして私権制限しようにも法律がその建て付けになってないし、それゆえ制限と引き換えの補償も根拠薄弱で運用でカバー。法の整備を待たずに「主権制限しろ!」と主張してる方々と吉田の行為との根っこは同じ。「現状を良くするための具体的な方策はこれ」という意識なんだと思います。良し悪しは別としてですよ(笑)

 見ず知らずの他人に手を差し伸べるか否か

ぶっ壊れそうな娘を放り出せるか?って自問したのでしょう。
この最初のハードルをクリアできればそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。“違法行為”に目くじら立てるよか“違法行為しちゃう心の動き”に焦点を当てたい。そこはまずまず。拾う動機はわかるんだけど吉田は拾うにあたってもっと葛藤して良い。

その上でセクシャルなの取り扱う作品っておおむね3択だと思います。

1.『D×D』や『エグゼロス』みたいなアニメらしい能天気なやつ
2.とりあえずおまえら○○見たいんだろ?なあからさまなやつ(僧侶枠あたり)
3.山本直樹的な文芸作品(希少)

意外や意外。3.の雰囲気を感じました。全体の展開は中途半端な箇所も散見されますが時折光る部分があるんですよね~。私好きですよ。
1クールでスッキリまとめてラブコメらしい帰着をしており、手の出しやすい良作だと思います。
主人公が娘に出を出すかどうかは見てのお楽しみではあります。



※ネタバレ所感

■その時折光るやつ

・{netabare}バイト先で沙優と再会した矢口くんの一挙手一投足

 ややモブ的立ち位置な彼。これ普通のアニメなら嫌な役回りのキャラにしてお終いでしたよ。そうはなってません。登場からフェードアウトしてくまでの一連の所作が腑に落ちる感じがするのは私だけでしょうか…{/netabare}

・{netabare}自殺しちゃった娘と沙優との関係

 沙優の何もできない感じと自責の念とで堕ちていく感覚はわかるよね。{/netabare}


あっ!でも…
 {netabare}社内でマルチタスクする気にはなりません。こっちが真のリスクかと。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

-----

2021.07.03 初稿
2022.05.28 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ラブコメと呼ぶには気持ち悪い

== [下記は第5話まで視聴終了じのレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで視聴終了した時点で、このレビューを書いています。

スニーカー文庫では有名タイトルだとは思っていますが、カクヨム掲載も含めて原作は未読です。

別の作品を読んでる「月刊少年エース」をBook☆Walkerの「マンガ・雑誌読み放題」で読んでいるのでコミカライズは何度かチラ見してますが、ほぼ読み飛ばしていたのでアニメがストーリー初見と言って差し支えありません。

家出した女子高生が20代半ばの社会人男性に拾われて同居するという、保護者の同意なしに行うと未成年略取に当たる犯罪行為という判例があるらしい設定でストーリーが展開します。その点では原作は良くスニーカー文庫から刊行できたなとも、良くテレビアニメ化されて地上波放送されているなとも思います。

ただ、私は「創作物でも犯罪行為を描いてはいけない」という立場には立たないので、この設定自体に関しては特に問題とは思いません。
(そもそも親告罪なので親がアクションを起こさなければ犯罪ではない。)

ということで設定に関しての議論は横に置いての話なのですが、ラブコメというのは「ラブ(恋愛)」と頭には付いても「コメディ」要素がそれなりにあって欲しいと思うのですが、本作にコメディ要素ってほとんどないような気がするのは私だけでしょうか。

それと、主人公の吉田の職場の先輩に当たるアラサー女子の後藤さんが、面倒くささを極めた「特大地雷物件」としか思えません。

ヒロイン荻原沙優(おぎわら さゆ)の心理描写など見るべきものはそれなりにあって、文学作品的な面白さはちゃんとあると思うのですが少なくとも現在アニメで放送されている時点のストーリーにおいて、本作は断じて「ラブコメディ」ではないと私は思います…。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.29追記:
最終話まで視聴終了しました。

現在コミカライズの連載で差し掛かっている、吉田の高校の先輩(元カノ: アニメでは写真のみ登場)の話をバッサリとオミットして、原作最後までアニメ化したという感じでしょうか。

基本的に好感を持てる人物が見当たりません。敢えて挙げるなら沙優(さゆ)のコンビニバイトの同僚だったあさみくらい?

フィクションとして割り引いて考えても、各キャラクターの行動が「どうしてそうなった?」という疑問に溢れかえるストーリーでした。なんかもう、話題性だけで見続けて完走したようなきがします。

余談: テレビ放送だと提供テロップの後に「次回も観てね」的な1カットが入るんですが、最終回放送後は沙優のドアップでした。

それは良いのですが、テロップで表示されたのが「今度はあなたの家に泊めてよ♥」ってそれ、作品内容全否定のコメントとちゃいますのん…?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
本作は「家出した女子高生と、それを家に泊めるがエロいことはしない社会人との恋愛モノ」という、過去に例のない設定が見処。

とはいえ、これはつまり「美人で金持ちで周りの男子全員からチヤホヤされてる女の子と、それに全くなびかず正論で説教かましてくるネクラ男子のラブコメ」という、王道設定の変化球なんだと思います(皆と違い、なんでアイツだけは、、、的なw)

本作の主人公の行為は、そこに悪意や性行為がなくても「未成年者略取・誘拐罪」にあたり、それに不快感覚える方はそもそも視聴しない方が吉だと思います。

本作を視聴するのであれば、そういう違法行為がある前提で、(主人公達も自らの違法性は認識してますから)その中で悩んだり歩み寄ったりする登場人物達の成長と恋愛を楽しむというスタンスが必須だと思います。

レビューでは、「犯罪、ダメ、絶対」ではなく、もっと内面的な部分で、本作で気になった点を。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私はアニメにおいて、設定は重要視していて、その上できちんと成立していれば褒めるし、破綻していれば批判するのだけれど、本作に関しては、やや破綻しているように感じる点がある。

まず、吉田の聖人君子っぷりが気持ち悪い、、、のは一旦置いといて(笑)、

荻原沙優は、これだけお世話になっている吉田を、「自分が犯罪者にしている」ことに対してどんな気持ちなのだろうか?

バレれば(吉田が)普通に警察に捕まることは理解している。なのに、身バレのリスクが上がるだけのバイトをしたり、あまつさえ初対面(どんな人かもまだ分からない)の友達(あさみ)を連れてくるとか、軽率が過ぎる。

あれ、結城あさみが通報してたら、一撃で吉田は犯罪者。社会的に大ダメージを受けるわけで。

そこに頭が回らないほど、バカなキャラじゃないでしょ、沙優は。

「すぐに身体を求める男→ヤらしてやったから対等の関係(貸し借りなし)→警察に捕まってもそれは自分のせいじゃない」という沙優なりのロジックがあるのは分かる。

でも、吉田の場合はそのロジックの外側にいる存在なわけで。

沙優が吉田を大切に思うほど、吉田の元を去らなければならないと考えるのが自然であり、でも、吉田の元にいたい自分の恋心との葛藤がちゃんと描かれていれば、この作品の設定をきちんと活かした恋愛アニメになったんじゃないかと思うんだよね。

その点は、後藤さんに諭され、矢口に襲われかけて、少しは描かれてたけど、それだと遅いんだよな~。

つまり、順番の問題ですね。

矢口に迫られたり、兄貴が来て初めて危機感を覚えるのではなく、もっと前の段階から葛藤していて、それでもズルズルと甘い汁を吸ってしまっていた自分が嫌で。

この設定でやるなら、こういうドラマだよな~と思うんですよね。

本作の縦軸となっているのは、「沙優が自分の過去を受け入れて、未来に向かって自立する」ことなんだろうけど、本作で1番リスクを背負っているはずの吉田に対し、「まあ、吉田自身がリスクを承知で良いって言ってるんだから、良いでしょ」っていうスタンスで、彼の犯罪行為を責める奴、もしくは吉田の為になんとかして沙優を追い出そうとする奴が誰もいないことが、めちゃめちゃ不自然。

だから、沙優にとって甘すぎる世界が生まれ、沙優が自分のことばかり考えているように見えちゃうんですよね。吉田のことを考えれば、最後の思い出作りに夏祭りになんて行っている場合じゃないし。

学校への不法侵入のクダリもそう。沙優の気持ちも分かるが、吉田のことを考えるなら連れていくべきではない(セキュリティ甘いとか、誰も来ないとかは理由にならない)。

ということで、「沙優の危機感のなさ」=「沙優が自分本意である」という構図になっているのが残念。確かに沙優にも同情すべき理由はあるけれど、ただ(男や友達に)依存体質なだけじゃないかともとれる。

本作の設定ならば、沙優のワガママに吉田が振り回されるよりも、吉田のワガママに沙優が振り回される方が、自然だったと思う。

例えば、吉田が沙優の母に対して正論で説得しきるより、「沙優、結婚しよう」と、吉田がぶちあげ、母親を見限り、父親に結婚の同意をとりにいくくらいが、個人的には好きでしたね(民法上、未成年の結婚は、親権がなくても父母の片方が認めれば可能なはずなので)。

このアニメは、あまりキレイじゃないことをやっているのに、結論をキレイにまとめようとしているところがあって、だから、なんかこう違和感を感じるんだよな。

まあ、(私の案はトリッキー過ぎるので)本作のゴールとしては、しっかり大人になった沙優と吉田が結ばれる、しかないわけで。

その過程をどう魅せていくかということに対して、全ての登場人物(沙優、吉田、後藤さん、三島ちゃん、橋本)の心理描写が雑だったように感じる。

ちなみに、個人的には完全に三島ちゃん推しです。あざと可愛いくて素敵だ思うので、それも吉田の好感が下がる一因でした(笑) 
{/netabare}

【余談~本作を例にし、アニメ(創作物)における犯罪行為について考える~】
{netabare}
例えばドラクエやってモンスター殺しても動物虐待なんて言う人はいない。

バトルものなんて全部暴行罪だし、ラブコメでお風呂覗いちゃうのも完全に犯罪だ(のび太君もw)。

ただしそれは、作り手も受け手も「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」という約束事の中で遊んでいるからであり、この作品に賛否があるのは、作り手も受け手もそこが曖昧になっているからだと思う。

家出女子高生を社会人が自宅に泊める。それはリアルにあること。

そんな女子高生が「ヤッても良いよ」といっているのにヤラずに住ませ続けてあげる男がいる。それはややファンタジー。

まあ、お化け屋敷みたいなもんだね。作り手は極力リアルになるように作る。受け手は、それに全力でのっかって恐がる(楽しむ)か、あくまで作り物という枠内で俯瞰して楽しむか。

私の場合は後者のタイプだけど、前者のタイプの方は吉田の犯罪行為を許せないのだと思う。

本作の場合、なぜここまで批判を呼んだかと言うと、「真似できる犯罪だから」だと思う(悟空がカメハメ波で街を壊しても「真似したらどうする」という苦情は出ないもんねw)。

昔、ドラマでタバコを吸うシーンがあって、ある保護者から「子供が真似したらどうするんだ」というクレームが入って、それに対して、「子供に真似していいことと悪いことの違いを教えるのが親の仕事だ」と言ったコメンテーターに共感したことがある。

本作の行為は犯罪行為であり、それは絶対に許されないことだけど、単純に「真似した奴が悪いだけで、作品自体は悪くない」と思う。世の中で犯罪者が出たとき、「それはアニメの影響だ」みたいな風潮がたまにあって、1アニメファンとして腹立たしく思うことも多い。

と、は、い、え。

本作の場合、「吉田みたいな良い奴がいるかもしれない」と、年端もいかない女の子の家出のハードルを下げてしまう心配はある。

女子高生くらいになれば多少の分別はついても、中学生や、あるいは小学生ならどうだろうか。世の中にはそういう子を狙う変態もいる。

彼女らを家に泊め、セックスをしない人が0人とは言わないが、割合はかなり低いだろう。中には、トラウマになったり、望まぬ妊娠をしてしまったり、命を奪われたり。そういう危険性がある行為であることには違いはない。

「真似して良いかどうかを教えるのが親の仕事」というのは正論だし、私は誰の親でもないからただのお節介なのだけろうけれど、正論をしゃべりたくなる気持ちも分かる。

だから、このように、「低年齢でも真似しやすい犯罪行為」について、あまりに美しく描きすぎることの危険性はあると思う。対比として、沙優の友達(知り合い)とかで、同じようなことをしていて殺されてしまうようなことも、描く必要はあるように感じた。

ということで、「アニメで犯罪行為を描くこと自体は批判しない」が、「低年齢でも真似しやすい犯罪に関しては最大限の配慮をすべき」だと思います(まして今は、たくさんの子供が深夜アニメを観ているからね)。

ちなみに、同様の事例で、「家についていきたい」と言ってきた家出女子中学生を拾った男子大学生は、自室に女性の友達を呼び、2人で女子中学生の悩みごと(父親による家庭内暴力)を聞いた上で、しっかり説得し、警察と児童相談所に通報し、警察から表彰されたらしいですよ、参考までに(笑)

よって、私がこのレビュータイトルにつけようと悩んでいたのが、「ひげは剃れ。そして、女子高生は拾うな」です(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
まあ、ヤるよな、普通は。聖人君子。

2話目 ☆3
会社の後輩、可愛いよな。三島ちゃん。

3話目 ☆3
三島ちゃん、良い子(笑) 沙優は、自分の身体に興味をもってくれないことが、自分に興味をもってくれないのかと思うわけね。う~ん、あまりに良い人過ぎてな、犯罪者であっても。

4話目 ☆3
どうやってコンビニでバイト採用になったの? てか、不用意だな。

5話目 ☆3
男性経験豊富なJkと、処女のアラサーの対決か。

6話目 ☆3
いやいや、それを店長にしゃべったら、通報されて自分も逮捕されるんだから、大丈夫でしょ。ここで吉田のことを心配するのは、まあ、そうだよな。

7話目 ☆3
兄貴ね。完全にバレてる設定で動かないとね。

8話目 ☆4
超正論。三島ちゃん、切ないな~。可愛いのに。花火大会、行ってる場合か? 

9話目 ☆3
世間体しか気にしない母親なら、家庭訪問を月1回とかにしてもらい、その時だけ帰省すれば?

10話目 ☆3
う~ん、感動的な話だとは思うけど、やっぱり、順番がな。吉田にヤキモキするし。

11話目 ☆3
更に不法侵入、とか、叩かれそうだな(苦笑) ビンタの1発で驚いたのは、もっと無関心を想定したからか。

12話目 ☆2
自覚していれば良いってもんじゃない。その通り。だから、そういう母親の性格を知っているなら、沙優は吉田を家に連れてくるべきじゃないよな。母親が訴えたら、どうする? 売り言葉に買い言葉。養子縁組なら、笑える(笑) ここで、法的根拠や正論が、通じるか? 

13話目☆3
ここまできてヤッちまったら、めっちゃ笑うけどな(笑) 吉田、もういっそ気持ち悪いよな、ヘタレ過ぎて。これで、吉田が結婚せず待っていて、沙優が会いに行くの忘れてたら、めっちゃ笑うけどな(笑) もしくは、三島ちゃんや先輩と付き合っていた吉田のとこれに沙優が来て、School Days展開に(笑)  とかって、最終話なのにふざけちゃう時点で、このアニメにハマらなかったってことだよな(苦笑) 最終シーンは、結構好きだけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

74.1 5 友達で東京なアニメランキング5位
アニメ ブルーピリオド(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (279)
887人が棚に入れました
成績優秀で世渡り上手な高校2年生・矢口八虎は、悪友たちと遊びながら、毎日を過ごしていた。誰もが思う"リア充"……そんな八虎は、いつも、どこかで虚しかった。ある日、美術室で出会った1枚の絵に、八虎は心を奪われる。「絵は、文字じゃない言語だから」絵を通じてはじめて正直な気持ちを表現できた八虎は、美術のおもしろさに目覚め、衝動のままにスケッチブックへ向かっていく。そして八虎は、ついに進路を固める。「第一志望 東京藝術大学」実質倍率200倍、入学試験まで、あと650日──!国内最難関の美大を目指して青春を燃やす、アート系スポ根物語、開幕!
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美大を選択するという生き方

アニメーション制作:Seven Arcs
総監督:舛成孝二、監督:浅野勝也
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:下谷智之
美術監督:仲村謙、金子雄司、
美術設定:緒川マミオ、中島美佳
音楽:井上一平、原作:山口つばさ

よく行く飲み屋には、美大出身の人が何人かいた。
多摩美、ムサビ、東京藝大の人もいたように思う。
ひとりはフィギュアを制作する会社に勤めていて、
ほかには、三越に勤務している人や、
飲み屋を経営している人もいた。
彼らと話していると、美大出身の人は
インテリが多いのだと感じさせられた。
幅広い知識を持っているし、音楽や文学、芸術には
やはりこだわりがあって詳しかった。
彼らと話す時間は楽しかった。

今回、美大受験がテーマのこの作品を観ていて、
彼らがなぜ深い知識を有し、面白い話ができるのかが
分かったような気がした。
東京の美大は難関が多いのはよく聞いていたし、
彼らはやはりほかの人と少し違った性質を
持っていたように思う。

それは美大を選択するという困難さ、
そして、受験するに当たり、
自分という人間を深く理解しなければならないという
難しいテーマについて、この若い時期に対峙するからだろう。
しかも、美大に入学したとして、
それが良い就職につながるというイメージはない。
もちろん、美大は優秀なところが多いので、
それなりに良い就職先はあるだろうが、
普通のサラリーマンになることを考えるような人は、
まず選ばない進学先だと思う。
美大を選択することは、将来の仕事というより、
生き方を選択することに近いのかもしれない。

主人公の矢口八虎は、ノルマをクリアする感覚で
楽しく人生を謳歌している人間だった。
頭は良いし、何でもそつなくこなす。
ピアスと夜遊びで、周囲から不良と見られているが、
それは、自分が何を好きなのかが分からないことの
裏返しの行為だった。
趣味のひとつは、サッカー日本代表の試合を
スポーツバーで観戦し、友人たちと騒いで、
喜びを共有することだった。

ある日、八虎は学校で美術を本気で志している人の
F100号という大型サイズの天使の絵を目にする。
そのことによって自分のなかの何かが動く。
美術講師から授業で「好きな風景」の課題を出され、
徹夜明けの渋谷の街が心のなかで膨らむ。
自分の感じたもの、自分の目に見えた渋谷の街を
ブルー基調で紙に表現する。
その絵を多くの人から感じ取ってもらえたことで、
自分の好きなもの、自身の感覚を大切にする
真っ直ぐな生き方に心が動かされる。
そして、絵を描くことで、これまで見えていなかった
現実の景色も、より明瞭に見えるようになるのだった。

この作品は、矢口八虎が美術に出会い、
美大受験に取り組んでいく話でしかないのだが、
内容はとても深く、哲学的ですらある。
物事の「価値」は、一体どこにあるのか。
自分にとって大切なものは、何なのかを
一人ひとりに突き付けてくる。
もちろん、美大受験、あるいは好きなことを
目指すことだけが幸せになるとは限らない。
しかし、自分の好きなことに対して、
真正面から取り組むことは、きっとその人の人生に
豊かな彩りを与えてくれるのだろうと思わせてくれる。

私は美大受験に対して全くの無知なのだが、
東京藝大出身の作者が描くこの世界の論理は
スッと自分のなかにも入ってくる。
結局、東京藝大を目指すには、
「好きなもの」や「表現したいこと」が
自身のなかではっきりしていないといけないし、
そこには誰もが知っているありきたりなものではなく、
自分自身が何度も反芻して導き出した
理屈が必要になってくる。
そこは、企画書作成のやり方に似ているかもしれない。
誰もが分かりやすい表現方法で、問いに対する明快な解答を
オリジナリティを加えながら行わなければならない。

「美術は生き方」だと予備校の大場講師は言う。
人によってゴールの場所が違うし、
ゴールに行くまでの方法は、自分で考えなければならない。
正しい解答があるというよりも、
見た人を納得させられるロジックと技術力が必要なのだ。
これはもう「受験」という部分とは外れているように思える。
一般的な大学と違い、2浪、3浪、4浪以上までが
たくさんいるのもかなり特殊だろう。

受験で興味深いのがスケッチブックを提出すること。
普通の試験なら解答が合っているか間違っているかでしかないのに、
美大受験の場合、作品と一緒にその過程を表現するものも
提出しなければならない。つまり作品を補完する役割のもので、
これがとても重要になってくる。
その解答に至った「過程」や「考え方」を重視するのだ。

受験は人生の重要イベントのひとつだ。
思春期ということもあり、
人によっては色々なことが起こるだろう。
でも、私自身の経験では、やはりかけがえのない日々だったように思う。
自分が将来何をやりたいのかも見えない時期に
ただひたすら勉強ばかりするのは辛くもあるが、
自分の知らなかったことをどんどん吸収できる喜びがあった。
勉強のことしか考えていなかったのに、
未知の世界を旅するような感覚だった気がする。
八虎はそんな時期に龍二の悩みにまで入り込み、
自分自身の問題として捉える。
海に飛び込まないと、冷たさや暗さ、怖さなど、
本当のところが分からないのなら、飛び込むしかないと思える。
これは、八虎が美大受験を通して受け入れた副産物ともいえる
他人に対する考え方でもあったのだろう。

{netabare}東京藝大の一次試験・自画像に続き、
二次試験のモチーフはヌードモデル。
実際に若い裸の女性が現れてモチーフにするという。
こんなテーマが受験で出されることがあるのは驚きだ。
やはり美大受験は一筋縄ではいかない。
八虎は龍二との小旅行時に自分の裸を描いたことで、
自分にとって裸が意味することを理解していた。
毛の生えた薄いゴムのように情けないのが裸で、
だからずっと武装しようとしていたのが
自分自身だと気づいていたのだった。

ありのままを認めること

それが人生において、生き方において
とても大切なことなのだと八虎は最後に行き着く。{/netabare}

受験を通して、主人公が自分自身について深く考え、
成長していく様子をつぶさに見せてくれる。
これはどの世代にも響くだろう。

私は、この作品がとても気に入っているのだが、
はっきり言ってアニメ自体には不満も多い。
いろいろな事情で制作の難しい面はあっただろう。
12話で受験までを構成しなければならないのは、
どう考えても必須だっただろうし、
そのためには、時間をかけずに物語を
進めなければならなかったのも分かる。
ただ、個人的にはメリハリが不足していたと思う。
というのも、内容は良さそうなのに1度観ただけでは、
ぼんやりしている部分が多すぎるのだ。
これは、見せ方や演出、そして捨てる部分を
増やすべきだったのではないだろうか。

内容はとても好きだったので、
アニメを全話鑑賞したあとに、コミックスを全巻購入した。
そして、読後に感じたのが、漫画で大切にして
2ページを使って表現しているような部分を
アニメでは軽く流してしまっているので、
そこが、重要で心に響くシーンなのだということに
気づきにくいのだ。これは演出の問題だと思う。

この作品は作者の「言葉の選び方」も秀逸で、
そこをきっちりと視聴者に伝えないといけないのだが、
アニメでは無頓着に感じる。
原作者との打ち合わせなど擦り合わせが必要な部分も
多かっただろうが、個人的には制作会社の力不足を感じた。

しかし、それはあくまで作品の良さのいくつかを
表現できていないというだけで、
私はアニメを鑑賞して原作購入を決めたので、
十分に奥深い魅力を伝えてくれているとは思う。
あくまで、原作レベルでの良さを
伝えきれていないという意味だ。

おそらく時間や人手不足もあったのだろう。
本編のアニメーションの質自体は、
崩れる一歩手前というレベルの部分など、
観ていて引っかかる場面は多数あった。
美術作品をアニメーションのなかで表現しないといけないという
とてつもない高いハードルもあったので、
仕方ないのかもしれないが、良い作品だけに
余計に気になってしまったのかもしれない。
ただ、OPとEDのアニメーションは、
とても良く出来ていたと思う。美術アニメとしての
イメージを存分に生かして落とし込んでいる。

私の感覚でしかないのだが、
この作品のアニメにおける続編は
BDがよほど売れない限り、
ほぼ期待できないのではないだろうか。
内容がそもそも一般受けしないことに加え、
視聴者に伝わりにくいと思えるからだ。

「青の時代」なのか青春なのか、
それとも全く別の何かなのか。
タイトルへと導く物語の行く末は、
コミックスで最後まで見届けたい。
(2022年2月19日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分の意思で絵を描いたことが少しでもある人には殊更に響く

<2021/10/5 初投稿>
「ずっきゅーん!」
撃ち抜かれました
これは・・・凄い・・・かも

<2021/11/21 追記>
7話まで見ました。
いいですね。
素晴らしく面白い。

音楽ものの物語ってアニメにしろ小説にしろ映画やドラマにしろ数多くあるんですが
「絵画」系は実は少ない。
特に絵画制作における葛藤とかを具体的に真っ向から描いた作品となると全く思い出せない。

例えばハチクロははぐみや森田の天才性を抽象的に表現しているけど、メインは人間模様ですし。
(この手法は3月のライオンも全く同じ)

こういう作品って、実際に美大で真剣に絵画に取り組んだ人には物足りなく感じるかもしれないのですが。
私のように趣味で絵を描いてた時期があるような人間には大大大好物なのです。

ところで東京藝大について少し。
本名は「国立大学法人東京藝術大学」
日本で唯一の「国立」の「総合芸術大学」なのだそうです。
総合なので絵画から音楽まであらゆる芸術を網羅してるんでしょう(よく知らんけど)

そして特定の学科専攻はえげつない競争率と難易度でも有名。
例えばピアノやヴァイオリンとかの「器楽科」や
そして本作に登場する油画や日本画などの「絵画科」も。
さらに言えば学科専攻によって、合否基準にかなりの個性というかクセがあるそうで。
ピアノやヴァイオリンはいくらコンクールで優勝とかしてても関係なく、特定の技術(流派なのか?)を叩き込まれた人の中からだけ合格者が生まれるのだとか。
おそらく絵画科も難易度でだけでなく、かなりクセ強なんでしょう、たぶん。

ただどんな学科専攻でもそんなアホのような難易度とクセ強ではないそうで。
以前、東京藝大の邦楽科卒のお琴の先生に聞いたら「琴なんて競争率低すぎてラクショー」なんて言ってました。
もちろん多分に謙遜が入ってるんでしょうけどね。
でも「全然違う」はめちゃくちゃ力込めて言ってました。

そんなわけで、東京藝大受けるのは他の美大受けるのとは根本的に違うらしいですよ。

ちなみに東京藝大・絵画科出身のアニメ関係の有名人には安倍吉俊さん、そして故・増岡弘さんがいらっしゃいます。

安倍吉俊さんは「灰羽連盟」の原作・脚本・キャラデザなど多数のアニメ作品に携わる名イラストレーター
19の時、先輩の漫画の手伝いをきっかけに絵の道へ進もうと専門学校へ進学。
バイトで学費稼ぎながら勉強して東京藝大の絵画科の日本画に一発合格したのだそうです。
すげえ!

そしてまさかの増岡弘さん!
まさかマスオさんが東京藝大出身とは!
本作で芸大受験する矢虎の声がマスオさんで再生されそう笑

<2021/11/28 追記>
9話見ました。
一次試験と二次の狭間、鮎川龍二がクローズアップ。
前話で久しぶりの登場でしたが、9話は凄かったですね。
声優さんって凄いな、とあらためて。
龍二の声を当てている花守ゆみりさんの演技力が凄すぎる。
龍二という性自認が身体の性と異なるキャラクター。
身体は♂なので声の高い男性声優が演じるという選択肢もあったのかもしれないけど。
(実際、自分は3話くらいまで龍二のことを「たまに男っぽい格好する美女」だと思ってました 笑)
ここまで話が進んでみると花守ゆみりさんで大正解だったんだな、と。
「心が女性の男性」としての男っぽさと可愛らしさを醸し出しながら、そして肝のシーンでは凄まじいまでの迫力。
これ、花守さんも演じてて楽しいんじゃないかな。
もちろん物凄い努力と苦労されてるとは思うんですが。

<2021/12/18 追記>
最終話見終えました。

{netabare}矢虎合格しましたね!
びっくり!
これまでの流れから浪人させるのかな?とも思ってましたが。
これからは世田助くんと共に藝大ライフを送ることになるのでしょうが、どんなふうに展開するのか楽しみです。
でも龍二や森先輩、佐伯先生や大葉先生とか普通に出てほしい。
{/netabare}

ところで毎話予告後の山田五郎先生のコーナー。
内容はごくごく普通なんだけど。
まさかの山田五郎先生。
昔「タモリ倶楽部」で女性のお尻の品評会みたいなコーナーやったて人ですよね。
出てくると毎回笑っちゃって。
Wikipedia調べたら本当に美術に詳しい人でした。
Wikiに書いてあったのですが、この山田という苗字は芸名なのだそう。
この芸名が生まれ、世に広まった経緯が最高に頭おかしいwww

閑話休題。

というわけで本作は、他に類を見ないスペシャルな作品でした。
続きが見たいです。

2期はあるのが当然、と期待していいんですよね。
とにかく待ちます。
んー、でも原作読みたいな。
どうしよっかな

<2022/2/11 追記>
最近知ったのですが「ドロヘドロ」作者の林田球さんも東京藝大卒なんですね。
それも矢虎と同じ絵画科油画専攻。
凄いな。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

青い水平線を駆け抜けていくような

原作未読


芸術で『青の時代』ときたら、あーピカソっすねくらい想像しやすい親切なタイトル。たしかあれも偉大な芸術家20歳前後のゆらぎだったような。
そのピカソの時まで“青”が憂鬱や貧困などの負のイメージと結びつける表現は無かったよとどこかの美術館の説明文で見かけた気がします。

物語は主人公矢口八虎(CV峯田大夢)が高校2年生の時から始まります。彼がとあるきっかけで絵画に目覚め美大を目指して奮闘するストーリー。美大受験とは珍しいテーマです。

そんでもってこちら↓

 『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽
 『この音とまれ!』の箏

共通するのは原作者が実務者であったこと。『響け!』の武田氏は吹奏楽部経験者、『とまれ!』のアミュー氏は一家総出の筝曲家一族で自身も英才教育受けとります。血肉レベルまで落とし込まれている題材への深い造詣が

 知識 +α

αの部分。その題材ならではの心の動きみたいなのが垣間見えて作品のオリジナリティを担保しているところがありますよね。本作の原作者山口つばさ氏は東京芸術大学卒かつ芸術系高校出身のいわばサラブレット。全12話を通して期待したい+αを感じることのできた良作でした。

大多数の視聴者?と同じく当方絵心とは無縁です。噂では狭き門と聞く美大受験も一般受験しか経験したことのない身にとってはこれまた縁遠い。
そんな僕らに美大受験のお作法だったり美大専門予備校の存在だったり、そしてなにより受験に向かう若者のメンタリティを教えてくれました。良きチュートリアル系アニメで自身の見識を広げることに繋がるかもです。



 
※ネタバレ所感

■驚きと納得

芸術畑の人って独自の感性があって空気読むのに長けておらず唯我独尊っていうパブリックイメージ。一方で芯を突いた発言に納得させることも多々で変人と言い切れないハイスペック常識人が実際会った方には多い気がします。なぜか?

理由①{netabare}おかんの観察。デッサンの絡みで八虎の気づきは絵を描いてなければ知り得なかったことと描写されてます。目にはしててもスルーするのか意味を見出すかで断然後者のほうが有能なんでしょう。{/netabare}
理由②{netabare}構図の計算。名画と呼ばれるものは三角形四角形の配分が完璧だとか。これ数式解くのと全く一緒ですやん。{/netabare}
理由③{netabare}手段の多様性。画材いっぱいあり過ぎて(笑) なんだかんだ成果物が出来上がるわけでして、都度都度選択した表現手段に評価が下されるわけです。{/netabare}

対象の本質を見抜いた上で①、整合性を保ちながらプレゼンプランを練り②、相手に納得理解を促す方法を採用する③。
めちゃくちゃ普遍的なことだよね、と納得しました。こんなん若い時分から訓練してたらすごいことになりそうです。


■さらに納得

{netabare}「違うな。矢口さんはご飯食べたりう〇こしたりするのを褒められたらそれに自信持てるの?」

八虎に才能を褒められての高橋世田介(CV山下大輝)のセリフ。結局自分すら客観視できているがゆえに断言できるのだと思います。
徹底した観察を経ての表現(アウトプット)と捉えるならば、こういったキツイ台詞も根拠があるのだな、と。はたから見て「ちょっとユニークね」なのは鮎川龍二(CV花守ゆみり)の女装なんかもそうですね。

“本人なりに突き詰めた結果”と“突発的な奇行”とではまるで違うのでしょう。自省も込めて後者と受け取りがちなところをもしかすると前者かもねと懐深くあたりたいものです。そしてひとかどの芸術家もまた前者であることに説得力のある作品でした。{/netabare}


■アニメーションにも納得…わりと重要

おおむね満足しましたが、一歩間違えれば作品を台無しにしてたかもしれないのが成果物の魅力。ここはアニメ制作スタッフありがとう!です。

{netabare}絵です。これしょっぱいと興ざめもいいとこなんですが描いた絵どれもが美術品っぽい。工程如何に凝りまくっても蘊蓄たれまくっても出てきたものがこれですか?となれば説得力もなにもなくなります。{/netabare}


※余談

■OPって…

一瞬…{netabare}山下達郎かと思った。良い意味でまとわりつくねっとりとした高音。{/netabare}
{netabare}なお、EDはEPOかと思った。どなたか共感できる方おります?{/netabare}


■なんか普通

脱陰キャな主人公はそれだけでポイント高い。
おいそれと都合よくいじめられてたり、ぼっちだったり、ゲームやアニメ好きだったりしないのです。
見た目よかろうが、友達いようが、それなりにコミュ力あろうが、煙草吸おうが悩むものは悩む。

{netabare}「後悔はないですよ。反省は山ほどあるけど」
受験しながら脳味噌フル回転だったからこそ課題が具体的に見えてくる。ものすごい成長です。{/netabare}

{netabare}そしてそんな成長を促すことのできる良い大人がいるアニメってだいたい良作なんですよ。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

-----



2022.02.01 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

56.1 6 友達で東京なアニメランキング6位
黒魔女さんが通る!!(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (80)
459人が棚に入れました
東京の小さな町に住む小学5年生のオカルト好き少女・黒鳥千代子(チョコ)のもとに、紫苑メグ・一路舞・春野百合という3人の少女が訪ねてきた。3人は新しいクラスで一緒になった 美男子・三条ショウが誰のことを一番好きなのかを知りたくて、オカルトに詳しいチョコにキューピットさんでショウの本命を教えてもらおうとした。 しかし、チョコは花粉症で鼻づまりだったため、「キューピットさん、キューピットさん、南の窓からお入りください」というごく普通の呪文が、 「ギュービッドざん、ギュービッドざん、南の窓がらお入りぐだざい」になってしまう。 そして、呼び出されたのはキューピットさんではなく、なんと性悪でおやじギャグの好きな美人黒魔女、ギュービッドだった。ギュービッドはインストラクター黒魔女で、チョコは黒魔女修行をさせられるハメになってしまう。そしてこれが、チョコの長く、険しく、おもしろい黒魔女修行の始まりだった。 児童書ながらに、大人も楽しめるマジカルコメディー。 出てくるキャラクター、特に女性に美形が多いのが特徴。 基本はチョコが住んでいる町を中心とした短編が多いが、時にはひょんなことから魔界に赴いて、ギュービッドや桃花・ブロッサムと一緒に冒険を繰り広げる長編の話もある。

声優・キャラクター
折笠富美子、朴璐美、山本麻里安、松岡由貴、水野マリコ、生天目仁美、小松里歌、松元惠、村中知、富樫美鈴、間島淳司、櫻井智

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

原作をうまく表現した作品でした。

石崎洋司による青い鳥文庫の作品をとある番組の

中で約7分のショートアニメ全60話で放送

したものです。

原作を小学生の頃にハマって子供向けの番組内で

アニメになるとのことで視聴した作品です。

小説の所々の挿絵のみから想像を膨らませていた

のがアニメ化して、形になると

なんかこういうふうだったのかと思う反面

なんかここは違うなと思ったりと結構楽しみ

ながら見れたと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

千秋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

面白かったw

全32話  33話目からが新シリーズの2期になってます♪

普通の女の子・チョコが予定外にギュービッド(濁音)様を呼び出しちゃった。明るく黒魔女修行。
7分のショートアニメ。問題が起こってすぐ解決。単純明快いい意味で子供向け。
夢見る少女の心を忘れない、あなたなら楽しめるでしょう♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

『大!天才てれびくん』の内番組で放送中

視聴中

「キューピットさん、キューピットさん、南の窓からお入りください」→「ギュービッドざん、ギュービッドざん、南の窓がらお入りぐだざい」になったため黒魔女ギュービッドを呼び出してしまったと…

『大!天才てれびくん』の番組内でやっているので小学生くらいがターゲットなんでしょうか?

10分くらいと短いので継続視聴予定

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5

74.4 7 友達で東京なアニメランキング7位
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (178)
399人が棚に入れました
高咲 侑:矢野妃菜喜
上原歩夢:大西亜玖璃
中須かすみ:相良茉優
桜坂しずく:前田佳織里
朝香果林:久保田未夢
宮下 愛:村上奈津実
近江彼方:鬼頭明里
優木せつ菜:楠木ともり
エマ・ヴェルデ:指出毬亜
天王寺璃奈:田中ちえ美
三船栞子:小泉萌香
ミア・テイラー:内田秀
鐘 嵐珠:法元明菜
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

虹色の個性が光る2期

【感想】
期待通りのいいアイドルアニメでした
キャラはとても可愛いし曲もいい、気分の悪くなる展開は起こらない平和で無害なできのいいアニメです

特にライブシーンの演出やカメラアングル、各キャラクターの可愛さがしっかり伝わるように配慮されていて洗練されてます
アイドルアニメに興味ない私でも素直にライブシーンいい!って思えました、ライブシーンは他のアイドルアニメとは段違いで完全に抜けてます
CGと手書きの違和感もほとんどなくて、製作費がちゃんと確保された環境があればこれだけの作品が作れるというのを見せてくれました

また、他のラブライブシリーズと比べてかなりプロデュース方面に力が入っていてアイドルマスターに近い感じで新鮮でした

ただ、特に大きな試練も葛藤もいさかいもなくあっさり事が進み、テンポよく話が進んで「最高だったねー!!」ってテンション高めにはしゃぐアイドル達に気持ちがついていけなくて置いてけぼりになりました

たしかにライブシーンは最高です、でもそこに至るまでのドラマはやや薄く、イマイチ気持ちを共有できなくて
キャラクターの汚いところや闇は徹底的に見せない姿勢は正にアイドルなのですが、汚いところも含めて愛せるのが真のファンなのではないでしょうか?
もっと視聴者を信頼して冒険してもいいように思います
ギスギスしてるよりはいいけどなんか大きく失敗することを恐れて無難にまとめた感じがします

とはいえ、やっぱり夢があってキラキラしていて前向きで、元気がもらえる素晴らしい作品でした

【音楽】
良曲が多く、期待通りです
アベレージが高めでさすがに力が入っています

【キャラクター】{netabare}
人数多すぎなのが欠点だった1期からさらに3人も増えてさらに賑やかになりました
CUEもそうですが、キャラが増えすぎたアイドルアニメはユニットに分けるのが正解でしょうね
キャラは可愛いし個性もあって魅力的です、ただキャラクターが多いのでどうしても掘り下げに差があるのが欠点
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ゆるく、やさしく、勘は鋭く、たおやかに

【物語 3.5点】
基本線は「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の方向性と存在意義の再確認。

「ラブライブ!」大会は目指さない。
ソロ活動がメインだけど緩くまとまる。
好きなことを好きなときに好きなだけやる。

こうした信条を、価値観の異なる新キャラ3人をぶつけたり、
同化したりすることで鍛え上げていく。

新キャラを中心に過去からの重たい悩みも処理されたりもしますが、特に深刻化することもない。
むしろ大会スケジュールや部活の根性論などに切迫されなくとも、
“好き”を動力源に願望を叶えてしまう同好会の柔軟性に包み込まれるノンストレス枠。

中盤には、{netabare}5校合同によるスクールアイドルフェスティバルの開催。
優木せつ菜の{netabare}スクールアイドル活動は内緒にしている生徒会長という縛りを撤廃する。{/netabare}{/netabare}
など、〇〇すべき、〇〇だから夢を追えない。
といったしがらみになり得る残された枠を、さらに徹底的に除去していく純化路線で視界は良好。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・サンライズ

無印、『サンシャイン』とは異なるメンバーの主要スタッフが続投。
過度な紅潮は控え目にして感情の振れ幅を抑制する中でも繊細に心情を読み取らせていく。
自由なカメラアングルが演出するCGライブ動画。
作画カロリー自体も控え目。(最終回のライブはもうチョット動いて欲しかったかも)
など良くも悪くも1期からの作風を継続。

現実→MVの境界を軽快に飛び越えるフリーダムな音楽演出も相変わらず。
吹き抜けの校舎が瞬時にきらびやかに発光するライブ会場に昇華するなど、
校風も相変わらずフリーダム。

が、何より度肝を抜かれた映像は文化祭。
{netabare}学園にウォータースライダーを張り巡らせ“ニジガク号”を完走させた
監修“流しそうめん同好会”の謎の技術力w{/netabare}


【キャラ 4.5点】
同好会に挑戦的な言動を重ねる孤高のソロアイドル・鐘 嵐珠。
が、それに対して柔和な表情を崩さず、ゆる~く受け止めつつ、
嵐珠の裏にある本音もしっかり見抜いちゃってる。
この懐の深さこそが『ニジガク』の極意。

特に3話にてユニットで嵐珠に自分たちのスクールアイドルの形を示した
QU4RTZ(クォーツ)の4人(かすみ、璃奈、エマ、彼方)は、
{netabare}パジャマパーティーで合宿するw{/netabare}など、ゆる過ぎて脳が溶けるかと思いましたw
けれど、関わる人間の本質は見えていて、決める時はきっちり決める。

優しさだけじゃ強くなれないってよく言いますが、
優しさも極めればマッチョとは違ったしなやかさを体得できるのではないか。
ゆるいけど芯は強い彼女たちに諭された気分です。


『ラブライブ!』ゲームアプリにおける“あなた”に当たる高咲侑。
同好会を応援し、楽曲提供するけど、パフォーマンスはしない。
作曲コンクールという道を前に、同好会との向き合い方を再考。
侑もまた嵐珠の作曲担当・ミア・テイラーに接触する中で鍛えられたキャラ。
『ラブライブ!』が夢なのではなく、『ラブライブ!』をキッカケに夢を見つけて追いかけて欲しい。
“あなた”に語りかける役回りも洗練。

もう一人の新キャラ・三船栞子と優木せつなの関係性もそうですが、
従来キャラを刺激した新キャラが、
同好会に恩返しされるように夢に素直になっていく流れは分かっていても心地良かったです。

その観点からマイベスト・エピソードは9話の{netabare}ミア・テイラー。{/netabare}


【声優 3.5点】
鐘 嵐珠役の法元 明菜さん、ミア・テイラー役の内田 秀さん、三船栞子役の小泉 萌香さん。
いつの間にか12人+1人に増殖していた『ニジガク』
法元さんは中国在住経験、内田さんは豪州在住経験も生かした外国系キャラ作りが光るものの、
前半中心にちょっと演技が固いと思うことも。
ただ後半はキャラと共に吹っ切れたのか徐々に良化。

どうも私がラブライブ声優にぎこちなさを感じるのは、
概ね色々抱えてツンツンしている演技の不自然さからが多い気がします。
中の人も本質的に優しい人だからなのかもしれません。
後でデレるのバレバレじゃん(笑)


高咲侑役の矢野 妃菜喜さん。
1期と2期の間には『セレプロ』にて2.5次元アイドルのセンター力も見せた元・アイドル経験者。
この方にパフォーマンスしない役をやらせるのが凄く贅沢なことに思えて来ました。
『ウマ娘』キタサンブラック編のアニメ化実現の願を改めて飛ばしておきますw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は遠藤 ナオキ氏が続投。
アコースティックギターの優しい音色や、ゆる~いキーボード音源を
邪魔にならないバックグラウンドにささやかに流す。
金管、ストリングスを前面に押し出す無印、『サンシャイン』とは一線を画した方針を継続。

その一方で、嵐珠が孤高を貫くシーンでは刺々しいテクノ、EDM風で割って入るなど、個別対応も良好。
同様のアレンジがクールな嵐珠、ミアの挿入歌には新鮮さを感じました。


主題歌も同好会の12人が引き続き担当。
OP主題歌は「Colorful Dreams! Colorful Smiles!」
しがらみが取り払われた大空に、色とりどりの夢が、
サビで、やまびこ風に、どこまでも響き渡っていく構成が素敵♪

ED主題歌は「夢が僕らの太陽さ」
“概念”畑亜貴氏の歌詞がテーマをまとめる盤石のED。
めばち氏によるイラストタッチのED映像も安定。
1期同様、最終回も特殊EDで変に力まず、いつも通りのEDで締めるのも『ニジガク』らしいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

頑なにラブライブ出場を目指さないラブライブ!

作中の他のスクールアイドルの中にはラブライブ!への出場を目指しているグループもいるのですが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はメンバー全員によるグループとしての名前も持たないし、ラブライブ!への出場も目指さないというシリーズ中では特異な作品になっています。

2期目でメンバーも増える中、同好会としての活動の方向性も模索していく2期目なのでした。

本作ではスクールアイドルそのものではないメンバー高崎侑(たかさき ゆう)の存在があるせいか、イベントプロモーションやプロデュース的な描写が他のラブライブ!作品よりも目立っているような気がします。

また同好会の活動も自身がスクールアイドルであることにとどまらず、周囲のスクールアイドルを巻き込んだ「スクールアイドル・フェスティバル」の開催・運営がメインな感じで、他のラブライブ!のシリーズ作品よりも本作は私個人の感性には合っていました。

でも、たぶんラブライブ!作品としては異端なんだと思います。

余談: 空回りしていじられるかすみんはカワイイです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

60.5 8 友達で東京なアニメランキング8位
東京24区(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (129)
366人が棚に入れました
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。 そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。 事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

企画とテーマ〇。SF設定ストーリー×。RGBの判断に筋がなくラストの納得感がない。

 話がつまらなくて一回切ろうかと思いましたが、SFはなるべく頑張ってみようと思い視聴。まあ、テーマとかやりたい事は浅くはないですので見られました。が、やってる事がちょっとなあ、という感じです。


 さて、未来予測がどこまでできるか、ですが、竜巻が地域的に発生する確率を計算することは出来ても、発生した結果誰が死ぬかの予想はできません。落雷も同様です。バックトゥザフューチャーのように未来の情報がないと不可能です。

 これはラプラスの悪魔であり、不確定性原理によりどんなに優れた量子コンピュータがあっても、それどころか神ですら絶対に不可能という結論が出ています。(つまり、ブタ野郎の古賀朋絵ちゃんということですね)

 ここがSFとしては厳しいです。既にSFのクリエータとしては常識ですので、私はVR内のシミュレートとか未来から見ているのでは?と予想しました。が、本作は結局そこの種明かしがありませんでした。つまり、言葉どおりコンピュータの計算で予想できるという結果です。これはいただけません。

 また、RGBその他の目が光る演出ですね。この非人間的な演出も同様です。特定の音楽などにより人間の思考が偏っていく、誘導される、精神状態に異常をきたす、肉体の枷が解放される、のはSFとしていいでしょう。でも、あの目の光り方は人間ではないサイン以外の何物でもありません。そして、主人公の非人間的な能力も同様です。あれが演出で絵の見せ方だということだとしたら、ちょっとミスリードもいいところです。

 そしてなぜシステムに脳を使わなければならないかの設定もあいまいです。

 という具合にSFとしてはガバガバだし、演出もおかしいところだらけでした。


 RGBは結局、法=ルールつまり客観に従う判断、善悪=個人の価値感つまり主観に従う判断、どちらでもない両方救う道の模索の3通りでした。
 この点はいいと思います。トロッコ問題の出題意図は、正解を出すことではありません。哲学ですから徹底的に考えることで、正義とは何かについて考えるプロセスです。アニメでそれを表現しようとした試みは面白いと思います。

 自動運転の車のプログラミングの問題もホットですね。事故が起きそうなときに搭乗者を助けるか歩行者を助けるか。もちろんメーカーとしては搭乗者優先になるんでしょうけど、こんなのは外部に公表できるわけがありません。人間だからこそ許される行為です。

 カルネアデスとは、緊急避難の問題で法律を勉強するときに議論されます。(難破したとき一人しか掴まれない板があったらと言う話)
 オープニングの扉のトリアージという言葉はストーリーには無かったですが、コロナ下で話題になりました。医療がひっ迫したときの治療の優先順位ですね。
 ソーシャルポイント…中国の信用ポイント問題ですね。個人の情報を監視することで人の信用度を図ることです。個人情報の侵害ではありますが、中国や場合によっては韓国でも実施されつつあります。
 日本ではソシャゲのポイントみたいに軽い使われ方をしています。日本でもポケモンゴなどは位置情報をオンにするための誘導ですし、そのスマホで決済すればどこでどんな時にどういう動機で何を買ったかなど簡単に解析されてしまいます。

 残留思念ということで人の生死の問題をクリアしていますが、あれは脳死問題を表現した?明確に語られてはいませんが。
 また、優れた研究者の命は重いか、というのも考えられると思います。

 こういう問題提起があったのは良いと思います。

 重ねていいますが、トロッコ問題は人の生死の問題ですから理屈で考え尽くすことが重要です。簡単に解答があるという人は疑ってかかるべきです。ただ、現実問題としてAIにプログラミングしなければなりません。もっと怖いのはAIが人の命に軽重を付けたら、それがブラックボックスだとしても受け入れるのか?どうするんだ?というのが本作のテーマです。
 なお、最近電車をドリフトさせて両方助けると言う動画が流行っているみたいですね。


 ただ、ストーリー全体ですよね。先ほど言った通りSFとしてはまったく適当です。そして、それぞれのRGBの判断ですね。これが組み合わさって何かを表現していましたでしょうか。いきなり冒頭の選択で第3の選択が成功してしまいます。
 その後、コンフリクトにより失敗とかいろいろありますけど、じゃあ、その個々の判断の判断基準がストーリーに沿って、RGBたちが徹底的に考える、つまりトロッコ問題の意味になっていたか。なんとなく頑なに自分を守っているだけに見えました。

 そして最後の結論。正義を個々人に任せるではポピュリズムになってつまり2022年の現状になってしまいます。せっかくの問題提起が堂々巡りしかできないという感じで、何が主張したかったのかがまったく見えず、お前等で考えろという丸投げな気がしました。


 総評です。生命倫理、個人情報と社会を主題にした企画は良かったと思います。設定ももうちょっとSF的に整合性をとれれば悪くはありませんでした。ただ、脚本、演出、構成、すべてが中途半端です。

 キャラデザ、作画がもうちょっと一般的な形におさまっていれば、まだ誤魔化せたかもしれませんが、特徴がありすぎましたね。

 それとアルドノアゼロとかサイコパスとかの焼き直し感がすごくて、ニトロプラスもいよいよ枯渇したかなあ、という感じでしたね。残念です。

 いいところ悪いところが極端なので全部3で評価しておきます。



以下 視聴時のレビューです(3話まで)。

1話 あー来ましたね。挑戦的なオリジナルアニメ。いいですね。これはSF的などんでん返しをねらったパタンでしょうね。前後編ありましたが面白かったです。

{netabare}  24区の設定が戦後から続くという話ですので、歴史のIFにも見えますが、おそらくはバーチャルリアリティー内の選択と可能性の問題…なんでしょう。若干火災事故の時の2020年5月10月というロゴの変化で3000という数字っぽい余韻がありました。1000年先のコンピュータの内部…なんでしょうか。

 AIが人類の可能性を確かめている感じ?未来における人類の選択…でしょうかね。3人の能力が高まることから考えて、3名が特殊な役割を与えられたプログラム…かなあ。墓地のテクノロジーとか、ドローンやAI関連が若干現在の技術を上回っている気がしますし。

 とはいえ1話ですから確信はないです。ぜひこの推理をいい意味で裏切って欲しいところ。

 マトリックス+サイコパスに「道徳問題」を絡めた感じな気がします。一番わかりやすいトロッコ問題が来ました。まあ、トロッコ問題の解決としては邪道でしたけど。
 その他、バンクシー(落書きアート)も、道徳と芸術の問題がありますし、パルクール(街を障害物に見立ててアクロバティックな動作で移動する)も同じく迷惑行為かスポーツかで意見が分かれます。

 作画がちょっとアレでしたが、演出でチャレンジングなところもあって不快では無かったです。

 というわけでストーリーというよりSF的設定が明かされるプロセスが楽しみです。ちょっと注目したいアニメですね。

追記 冒頭で赤いランドセルの少女が車に轢かれていました。そのそばにいた少年の髪の色が、主人公の気がします。これは何か関係あるでしょうか。少女は線路に挟まれた娘?

 あとRGBってサブタイトルは3人の男の髪の色ですね。三原色…意味があるんでしょうか。{/netabare}

2話 もんじゃの優勝が陰謀って…

{netabare} 陰謀のスケールが小さすぎて笑いますね。モールの店の構成を商店街と同じにしても魅力はでないと思いますし…価格とか品揃えの幅とか…まあ、分かりやすく表現したかったんでしょうけど、こういうところ、しっかり勉強したほうが脚本に説得力がでると思います。もんじゃがモールの看板で優勝したから地上げって…

 翠堂財閥が絡んでいるという事で、その辺でドラマがあるんでしょう。ところでグルフェスって2018年は12月にやってたのに今回は夏なんですね。それとも半年以上準備期間があるんでしょうか。どういう設定なんでしょう?とにかく時間経過でトリックがありそうなのでその辺気になります。

 やっぱり、あすみちゃんの吹っ飛んだ服装が気になるのと、桜木さん、年頃の女子が毎日黄色いTシャツって…もうちょっと頑張りましょう。5月はこの世界線だと真夏なんでしょうか?

 あと桜木さん、あの窓を飛び越えるのは危険すぎるだろうとか気になることがちょっと多いですね。
 RGBって、実際の髪の色?普通アニメの髪の色って心象風景なんだと思っていましたが…全員染めてるってこと?それともVR世界だから?

 あと落書きアートの彼、素性隠してるならスプレーを腰に付けてお好み焼き食ってるのはヤバいでしょう。

 ちょっとディテールの作り込みが甘いところが多くて、全部が仕掛けなのか単なるアニメの質の問題なのかわかりません。考察する意味があるのかないのかが不明です。SFやるならそういうところは気を付けて欲しいところです。

 さて、最後の場面で「観測」と「収束」という言葉がでまあしたね。シュタインズゲート感がたっぷりです。1話のパワーアップの設定と合わせると、マトリックス的なバーチャルな世界でタイムリープをする感じでしょうか。

 EDの曲名255.255.255の意味はサブネットマスクではなく、RGBのことですよね。つまり「白」っていうことでいいでしょうか。未来はわからないあるいは無限の可能性?{/netabare}

3話。ひょっとしてRGBはマギシステム?トロッコ問題の深層学習でしょうか。

{netabare}  もんじゃの陰謀とか作画とか演出とかストーリー展開とか枝葉の部分は置いておくとすると、要はトロッコ問題…つまり命の選択を徹底的に考えろ…と。となると最後は世界系?何かの選択で助かる側と助からない側がいる未来の話になるんでしょうね。それを3人が超進化して全員助けちゃおうぜ…みたいな。

 RGBの3人はどう考えても人間ではないので、マトリックス的なバーチャル世界の中で倫理をつかさどる投票システムAIという感じでしょうか。

 エヴァでいうところのマギシステム…つまりカスパール、メルキオール、バルタザールの3つのコンピュータがそれぞれのアルゴリズムで未来予測して合議制で決める…みたいな感じですね。

 RGBの3人は、シミュレートからの深層学習、つまり「危機」は学習機会だという事でよろしいでしょうか。いや、合ってるかわからないですけどね。

 うーん。話のテーマは面白いけど、そもそもアニメが面白くないなあ。いやストーリーのボディの部分はつまらなくないけど、エピソードの出来と演出が悪いなあ。もんじゃからのキャベツで、最後は竜巻で自己犠牲ですかあ…まあ…。

 興味があるので視聴は継続しますが、風呂敷広げて畳めなくならないようにしてほしいなあ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

ねるる さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

【酷評】令和のアニメ史に残る圧倒的駄作。

2022/01/27 3話まで視聴済み。

3話まで見たけど、全然面白くならない。切りたくなってきた。

主要キャラの3人が1人の死んだ女に囚われすぎだし、3人とも子供っぽくて、独りよがりな厨二病って感じ。今のところ人気声優に任せて視聴率取ろうとしてる作品にしかみえない。面白くなるのかな…。

2022-04-10 全話視聴終了。
〜あらすじ〜
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。そこで生まれ育った幼馴染"シュウタ"、"ラン"、"コウキ"。しかし彼らの関係は、1人の大事な人の死をきっかけに大きく変わってしまう。そんな中、ある日死んだはずの仲間からの着信があり、彼らに“未来の選択”を迫る。3人が選ぶ未来の選択とは_。

最後まで少しも面白くならなかった。
多くを語る気も失せるくらいの駄作。
トロッコ問題から始まり、色んな問題に手を付けたけど、どれも中途半端で整合性がなく、キャラクターの言動も独りよがりで理解し難く、見ててダルかった。
理解しようと思う気持ちさえ湧かないつまらなさ。

メインキャラ3人が協力しあって2択を迫るトロッコ問題を解決していくと思いきや、そんなことも無く、全て悪い方向に進むというお粗末さ。最終回間近の3人で殴り合うシーンも、安っぽいし、ラストの愛してるもポカンだし。意味がわからない。この作品を見て誰が面白いと思うのか。

加えて作画が崩れる回もあり、どうしようもない。
音楽だけ無駄に良いのもなんか無理。

このアニメのまともだったのは1話と過去回だけかな。
2クールものだったら完全に切ってた。

見切った皆さんお疲れ様でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

未来を選べ。

この作品は、オリジナルアニメ作品だったみたいですね。


東京湾に浮かぶ人工島
「極東法令外特別地区」――通称“24区”。

そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、
家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。

しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。
事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。
それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。

3人は、自分の信じるやり方で、
愛する24区マチと人々の未来を守ろうとするが―――

脚本にアニメ初挑戦の下倉バイオ(ニトロプラス)を迎え、
キャラクター原案は多くの女性から人気を集めるFiFSが担当。

「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」など
ハイクオリティな作品を手掛けてきたCloverWorksと、
「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ監督を務める津田尚克が初タッグを組んだ
オリジナルTVアニメーションが誕生!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

東京湾に浮かぶ人工島とか、ストブラの魔族特区「絃神島」を彷彿とさせる設定ですが、こちらの作品には魔族とか、第〇真祖とかいう人知を超える人外生物が存在することから、どちらかというと人間社会から隔離されてきましたが、こちらは24番目の東京を目指した融合路線を走っていたような気がします。

もちろん、こちらの特区でも超常現象や尋常ならざる状況が起きなかった訳ではありません。
人類しか存在しないこの場所に何度も超常現象が発生する方がビックリしますけれど…^^;

その超常現象をサプライズとして括ると、この作品のテーマはずばり「人生そのもの」だった気がしてなりません。
私たちは、生きるために常に選択肢と隣り合わせです。
人生には等しく無限の可能性があり、その中から選択してきた結果が今の自分なんですから…

この作品を視聴するか、それとも視聴しないか…
或いはレビューを書くか、書かないかも自ら選択した結果の行動です。
違うのは、選択の先を見通せないだけ…
でも、それは息をするのと同じくらい当たり前の事です。

だから、全てを自らが選択することに違和感は感じませんでしたし、寧ろ自分の未来を誰かに決めて貰うことの方が遥かに違和感を感じてしまいます。

そもそも自分で未来を決めなければ、もし受け入れがたい結果だった場合、自分で決めていないからと言って無かったことにはできませんし、誰かに責任を転嫁することだってできません。

だから、自分の未来を自分で選択するのは必然なんです。
誰かの言うことを聞くのだって同じ…
自分で「聞く」ことを選択しているのですから…

もちろん、「決める」って簡単じゃありません。
簡単に決められないこと…の方が寧ろ多いかもしれません。
何故簡単に決められないか…それは常に責任が付き纏うからにほかなりません。
誰もが知っているから思い悩むんです。
これが欠落する時…それこそ社会の秩序が崩壊する時なのかもしれません。

オープニングテーマは、Survive Said The Prophetさんによる「Papersky」
エンディングテーマは、蒼生シュウタ(榎木淳弥さん)、朱城ラン(内田雄馬さん)、翠堂コウキ(石川界人さん)による「255,255,255」

1クール全12話の物語でした。
アニメーション制作は、CloverWorksさん…
今期「明日ちゃんのセーラー服」と「その着せ替え人形は恋をする」と一緒に手掛けられたようですが、3作品にクオリティの差を感じたのは私だけでしょうか。
この作品は他の2作よりクオリティが総じて高いとは思えませんでした。
同一クールに3作品も手掛けた影響なのか、或いは別な大人の事情があったからなのか…
詳しいことはよく分かりませんけれど…
でも、全然楽しめなかった訳でも無いので結果オーライだったかな^^;

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

58.2 9 友達で東京なアニメランキング9位
群青のファンファーレ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★☆☆ 2.8 (117)
304人が棚に入れました
競馬学校、騎手課程。入学倍率10~20倍、学科試験のみならず身体・運動機能検査など資質が問われる狭き門である。アイドルグループで人気を博した少年は、自分の心からの夢と初めて出会い――、島育ちの少年は馬とともに駆けることに憧れ――、英国出身の少年は親によって決定づけられた己の道に迷いながら、それでも自分の夢に向き合って――。これは、それぞれに騎手(ジョッキー)を夢見て競馬学校の門をくぐり、3年間を過ごす彼らの、その青春の軌跡の物語。


声優・キャラクター
有村優:矢野奨吾
風波駿:土屋神葉
天音・グレイス:花江夏樹
京力秋樹:糸川耀士郎
桜庭惣司朗:橘龍丸
霜月えり:水瀬いのり
宝生迅人:豊永利行
牧皐汰:小林千晃
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

水色のファンファーレ

オリジナルアニメ


競馬のコース(ターフ)をイメージさせるならタイトル“緑”にしていいところを“青”それも“群青”をもってくるあたり、濃ゆ~い未熟さを表現したかったのかもしれません。ちなみに私の感想は“水色”。
競馬学校で切磋琢磨するジョッキーの卵たち1クール全13話青春群像劇です。

おススメ度合いは低め。個人的にはけっこう好きなお話でした。
競馬学校の朝は早い。早朝の息遣いを画面から感じられます。お馬さんの走りをローアングルから捉えて疾走感も伝わってくる。予算は置いといて何を伝えたいかが垣間見える見た目。
そして次にジョッキーになるためのプロセスや大事なポイントのご説明。競馬学校なる題材を扱うにあたっての最低限のお作法は踏まえているのは好印象です。
最後に物語としても卵たちの諸般の事情のいくつかはシビアな内容を持ってきてます。例えば

 1.{netabare}好きだけじゃどうにもならんエンタビジネスの契約縛り{/netabare}
 2.{netabare}「競馬の騎手とレイバー乗りはちっこい奴に限る(後藤隊長)」な現実{/netabare}
 3.{netabare}キスケの死を巡る各自の葛藤や乗り越え方とかもね{/netabare}

競馬に明るくないためどんだけリアリティあるかは知りませんが、我々が目にするであろう“レース”の前段階のけっして光だけではない陰の部分にも焦点を充てているのもあって、今後お馬さんや馬主に加え騎手にも視点を置けるかもしれない内容にはなってます。


転じてネガティブ要素。卵たちの諸事情いずれも本来なら納得感のある理由ではありますが、その根拠となる部分が脆弱なためキャラへの共感には至りにくい。こちらメインのネガポイント。
サブ的なネガポイントは複数ございます。代表的なのはオープニングかしら。吉本とK-POPの合体ユニットの楽曲そのものが濫造品チックなことはもとよりアイドルものと勘違いさせることに充分貢献してます。BL要素ゼロとは言わんけど不要なブーストかかってたのよね。


前半は主人公有村優(CV矢野奨吾)を軸に物語の芯を作って、中盤の実技編から競馬学校という本来の題材にさらに絞り、いろんなもの乗り越えて「さあ次なるステージへ」な最終回…とこれだけ見れば悪くないんだけどいろいろ足を引っ張る要素がありましたよって作品でした。



※ネタバレ所感

■卵たちの諸事情
こう見ると8人って多くね?というのはあります。1クールで全員拾う限界ってどれくらいなんですかね?よく見かける5人前後がちょうどよいのでしょうか。
さておき各々抱える事情もいろいろで不自然で突拍子なものはありませんでした。具体的には以下

【主要人物】属性と抱える事情
・有村優(CV矢野奨吾){netabare}:元アイドル。回ってるビジネスを捨てるという十字架。{/netabare}
・風波駿(CV土屋神葉){netabare}:馬と話せるGIFT持ち。人馬一体だからこそキスケの死で堕ちる。{/netabare}
・天音グレイス(CV花江夏樹){netabare}:名門で資産家。プライド捨てたら一皮むけるのに。{/netabare}
・京力秋樹(CV糸川耀士郎){netabare}:凡人枠。優推しだった。特になし。{/netabare}
・宝生迅人(CV豊永利行){netabare}:親が教官。成長期にきちんと物理的に成長してることが悩み。{/netabare}
・桜庭惣司朗(CV橘龍丸){netabare}:親が騎手。迅人の良き理解者。名門!?二世の悩みはあるある。{/netabare}
・牧皐汰(CV小林千晃){netabare}:競馬オタクの努力家。才能という壁にぶち当たるべくしてぶち当たる人材。{/netabare}
・霜月えり(CV水瀬いのり){netabare}:女子。男社会を泳ぎ渡る難しさ。{/netabare}

物語上、優と駿は一軍枠。天音と迅人が次。秋樹・惣司朗・皐汰・えりが後塵でしょう。
主戦級はまあ目立つので置いとくとして、秋樹は優のアイドル前後の前部分に意味を持たせる役回りとして、惣司朗は環境/生い立ちに恵まれている者同士迅人の良き理解者として、皐汰は才能だったり環境だったりと持てる者と対極にある持たざる者の代表格として、えりは紅一点として、各々良きスパイスとして機能して欲しい制作陣の意図は感じられました。
これで主戦級のまばゆい光が担保された上で後方枠が輝く物語となると一気にエモくなるんですけどもちろんそこには至ってない。ただし素質はあったよ!ってところだと思います。


■メインのネガポイント
ジョッキーを目指す動機の希薄さ。ものすごく足を引っ張ったのはこれに尽きます。逆を言えばこれさえあれば化けたのに。

{netabare}成功しているアイドル辞めてまでジョッキーを目指すインセンティブってなにかありました?
馬と話せるGIFTを持ったきっかけやそんな天才が数ある職種の中で騎手を志向したのかわかりました?

主戦級ですらこれです。「騎手になりたい」のはわかった。でも「なんでなりたいの?」「なってどんなことしたいの?」がわかりませんでした。
優くんは第一話で「人と馬が一体になれるようなそんな騎乗ができる騎手になりたい」と言ってはいますが、そこに至るまでの原体験はノータッチだったような気がします。
全ての作品に求めるわけではないにせよ、とある職種を目指す過程を描く物語だからこそ避けてはいけないポイントだったのではないでしょうか。{/netabare}


■サブ的なネガポイント
オープニングが合わないという点をあえて挙げました。エンディングも似たようなもんですが…
試しにオープニングアニメーションをご覧あれ。朝か夕方か薄光が差し込む厩舎や馬場のカットで流れる楽曲として打ち込み音が絶望的に合いません。ただしこれは私の感性のお話。一方で感性とは別にそこそこのアニメウォッチャーさんだとこう男性アイドル臭を前面に押し出されると「あー女子向きね」なバイアスがかかる傾向があると思ってます。
脱アイドルしてジョッキーを目指す主人公だし主要キャラ男だらけだし、受け取る程度に個人差はあるのは前提と前置きしつつ…過敏にBL反応せざるを得ない導火線みたいな楽曲だったと思ってます。

{netabare}優が所属していたユニット『Mr.ドクター』メンバーを“JO1”の人が演じられてましたよね。そんなバーター感を目ざとく嗅ぎつけちゃうもんなんです。{/netabare}


※余談

■ドクター繋がり

{netabare}○ネードクターのCM好きですわ。
「ギリギリでいつも生きていたい」デビュー曲から早幾年。すっかり角が取れた感あります。

アニメに戻って若さなりの“ギリギリ”を堪能できるのが青春群像劇の醍醐味だと思うのですが、ギリギリだったのは制作事情だったのかもしれませんね。うーん。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

騎手の卵たちの物語

全13話

競馬学校を舞台にした青春群像劇。入学から卒業までを描いています。

主人公の有村 優は有名アイドルながら、騎手になることを諦めきれずに競馬学校へ入学、まわりの雑音に苦しみながらも他の生徒たちとも徐々に打ち解けていきます。

また、もう一人大きな存在が同じ生徒である風波 駿、音で馬たちを聞き分けること出来る天性のセンスの持ち主、有村 優が深くかかわることとなります。

他の生徒たちのお話もあり、それぞれに抱えているものを同じ同級生同士一緒に克服できるかという感じでした。

最初は学校での訓練編、後半はトレーニングセンターでの研修となりますが、様々なことが起こりますね。

競馬学校といういささか特殊な、あまり知られていない学校のことを知ることができましたね。

レースで競い合うという視点より、どちらかといえば仲間意識が強くお互い切磋琢磨しているところを描いている感じでした。

OPはJO1さん、EDはSawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜&與那城奨 (JO1)さんがでした。

最後に、この作品と全然関係ないですが、まだまだスマホゲームのウマ娘にハマっていますw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

競馬学校、騎手課程 夢に向かって突き進む少年たちのひりひりと煌めく3年間の物語

この作品は、オリジナルアニメだったみたいですね。
wikiをチラ見して知ったこと…

競馬学校の入学倍率って最大20倍なんだそうです。
メッチャ狭き門じゃないですか…

狭き門と言えば声優さんも一緒ですが、プロになってからの在り方がまるで違うのではないでしょうか。
声優さんの中には、声優の仕事だけで暮らしていけない人が沢山いらっしゃると見聞きしています。
だから、仕事の合間にバイトをすることで生活費の足しにすることができます。

一方、一度競馬関係者になったら、きっと副業なんてしている余裕は皆無だと思います。
一口に競馬関係者と言っても裾野が広いので、全ての職業が該当しているとは思いません。
少なくても、騎手を目指すならそんな時間は無いでしょうね。


騎手を目指し競馬学校・騎手課程に入学した有村優と風波駿たち。
1年間のカリキュラムを終えた騎手候補生らは、
栗東と美浦、二箇所のトレーニングセンターに配属される。

トレセンの厩舎実習では、レースに出走する
馬の調教も担当しながら、実地で学んでいく。
現役騎手や調教師、厩務員、そして馬主といった
プロの世界の厳しさに揉まれながら、
馬という生き物と向き合う日々。

馬と人が一体となり夢を追う競馬の世界。
優、駿、そして同期の面々は、果たして変わらずに
その夢を追い続け、競馬学校を卒業できるのか。

競馬に人生を賭けた少年たちが手にする未来とは――?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

JRAが全面協力してるだけあって、これまで知らなかった一面を色々と知ることができました。
競馬学校の授業内容もですが、個人的にはトレセンの厩舎実習が一番興味を持ってみることができました。
騎手、調教師、オーナーの関係なんて、これまで考えたこともありませんが、お互いの立ち位置がしっかり描かれていたのは印象的でした。

そして、難関の入試を突破できたとしても、騎手になれる保証はどこにもありません。
騎手を目指すなら、どこまでも自分を厳しく追い込めないと、到達できる高みではない、というのがハッキリ分かりました。
情け容赦なんてこれっぽっちもありません。
それは競馬学校に至っても然り…
自身の弱さが夢に向かって走り続ける列車から振り落とされる原因と直結しているんです。

今回スポットが当てられた競馬学校の同期は8人でしたが、8人全員が騎手になれるほど甘い世界ではありませんでした。
しかも、進退を決めるのは自分自身…
だから、自分で自分の夢を断ち斬らなきゃいけないんです。

好きだから…折角騎手になる可能性があるのだからと諦めきれなければ、それが周りへの迷惑…強いては大事故にも繋がりかねない世界…
でも例え騎手に慣れなくても競馬に関連する仕事には就けるのが、この業界の裾野の広さだと思います。

それと競馬と切っても切れないのが競走馬との別れです。
その別れは、何の前触れもなくある日突然襲ってくるんです。
「予後不良」とか「安楽死」という単語や意味は分かっているつもりでしたが、例えアニメでも目の前で起こると、相当なショックを受けましたので…

オープニングテーマは、JO1さんによる「Move the soul」
エンディングテーマは、SawanoHiroyuki[nZk]:河野純喜さん&與那城奨 (JO1)さんによる「OUTSIDERS」
個人的にはエンディング曲が好みでした。

1クール全13話の物語でした。
競馬や騎手に対して真正面から真面目に向き合った作品という印象が強いです。
まさにこの作品の醍醐味だったのではないでしょうか。
個人的には総じて楽しませて貰った作品になりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
ページの先頭へ