京都アニメーションで部活なおすすめアニメランキング 20

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの京都アニメーションで部活な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月14日の時点で一番の京都アニメーションで部活なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.9 1 京都アニメーションで部活なアニメランキング1位
響け!ユーフォニアム3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★★ 4.2 (290)
793人が棚に入れました
高校3年生になり、部員90人超となった北宇治高校吹奏楽部の部長に就任した、黄前久美子。久美子たち3年生にとっては最後となる吹奏楽コンクールを控え、練習にも熱が入る。悲願の「全国大会金賞」は達成できるのか? 部長として踏み出した久美子、高校生活最後の熱い青春を描く!

声優・キャラクター
黄前久美子:黒沢ともよ
加藤葉月:朝井彩加
川島緑輝:豊田萌絵
高坂麗奈:安済知佳
黒江真由:戸松遥
塚本秀一:石谷春貴
釜屋つばめ:大橋彩香
久石奏:雨宮天
鈴木美玲:七瀬彩夏
鈴木さつき:久野美咲
月永求:土屋神葉
剣崎梨々花:杉浦しおり
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

【第13回感想&総括レビュー】未来の僕らは知ってるよ

【第13回(最終回)感想】
初回冒頭。「ディスコ・キッド」が流れるシーン。
久美子の夢の中で展開される、北宇治吹奏楽部の春は見知った光景のようで少しずつ違っていて。
視聴者も何処か違和感を覚える内に、久美子は夢から醒めて現実の北宇治へ向かうという不思議な幕開け。

最終回(※核心的ネタバレ){netabare} ラストで、あの夢は吹奏楽部副顧問の教師として北宇治に戻ってきた久美子の未来のビジョンだった、{/netabare} という答え合わせがされる。
シナリオ自体は原作準拠ですが、初回の久美子が夢であの場面を見るというのはアニオリの脚本、演出。

原作組の私は初回冒頭観て、同じ花田 十輝氏脚本の劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』を思い出し、また仕掛けて来たなとニヤニヤが止まりませんでした。
あの劇場版『ラブライブ!』。{netabare} 主人公の高坂穂乃果は、解散が決まっているスクールアイドル・μ's(ミューズ)の最後に何をすべきか煮詰まっている。
が、答えは穂乃果自身の潜在意識の中に既にあって、
障害を暗示する水たまりの飛び方だって幼い頃に知っていたはずで素質も有している。

悩める穂乃果の前に現れる謎の女性シンガー。
神出鬼没な彼女は穂乃果の未来の姿も思わせ、
穂乃果が持っていた物を引き出し、導く役回りを演じる。
自分のあり方を思い出した穂乃果は、まるで未来の自分に引っ張られるように、
潜在意識の中で水たまりを軽快に飛び越え、μ's最後のパフォーマンスへ進んでいく。{/netabare}

進路は、過去、現在の延長線というだけではなく、
未来の自分から導かれる物だという、ちょっとスピリチュアルな筋書き。

変化球でしたが「青春の価値」とは?という本シリーズのテーマとも合致する好演出でした。
久美子が吹奏楽を通じて出会った人々との関わりを通じて、
久美子自身が潜在意識の中に元々持っていた素養が導き出されていく。


そう言えば、先日、言及した、みどりの石原監督にこのセリフが本作のテーマですと言われたという制作エピソード。
答えはやはり青春は未来への種蒔きという件でした。

青春を生きる者にとっては悲痛な挫折に感じるあの瞬間も、
後々振り返れば糧になっていたりもする。

私は、今回のレビュータイトルに『ラブライブ!』の曲名を引用させて頂きました。
“未来の僕たちはきっと答えを持っているはずだから ホンキで駆け抜けて”
但し、あの曲はμ'sではなく『~サンシャイン』2期OPのAqours(アクア)ですがw

未来に導かれ、懸命にあがく若人は、どこまでも輝かしい。
だから「年を取るとな、若者が頑張っているだけで涙腺が緩むもんなんだ」(by“軍曹”松本先生)

『ユーフォ』が音楽アニメとしてだけではなく、青春アニメとしても味わい深い作品であることを再認識させられた3期でした。



以下、総括レビュー

【物語 5.0点】
単なる3期目というだけでなく、シリーズ全体を締めくくる集大成。
青春の傷みと価値を視聴者にも思い知らせる鬼脚本。


北宇治は実力主義だから、麗奈は特別だから。
熱病に憑かれて立ち回って来た久美子が、
今度は部長として、また逆の立場に立たされて、後輩の頃とは違う気持ちを知り、
人間として成長して、進路を見出していく痛切だが価値ある青春ドラマ。

例えば久美子1年時の麗奈VS香織の公開オーディション。
特別じゃないけど足掻いて納得したかった香織先輩や、
そんな香織を応援し続けた“デカリボン先輩”
正直、私も状況は理解できるけど、何であんなエゴ丸出しで号泣する程、思い入れるのか心情までは共有しきれなかった。
が、3期で先輩と似たような立場を経験するとその痛みが分かる。

3期にはこうした、1期以来の過去シーンと対になるような場面が数多く登場します。
それらの場面はシリーズの思い出に浸るオマージュに留まらず、
3期でアニメ『ユーフォ』全体を総括して大団円を迎えるよう、
逆算して緻密に配置されている。

最終話。(※核心的ネタバレ){netabare} 麗奈が「悔しくて死にそう」で幕を開けた本シリーズが、ラスト「嬉しくて死にそう」{/netabare} で幕が引かれるシリーズ構成も綺麗でした。


衝撃のアニオリ回となった第12回。
私も最初は驚きましたが、振り返って、シリーズ全体の中で位置づけてみると、
{netabare} 特別にならない道を選んだ久美子と、特別であり続けたかった麗奈。
それ故の麗奈の究極の二者択一。{/netabare}
という風に、悔しいけど凄く納得できる、あまりにも“正しすぎる”構成、脚本。

展開については今後も賛否は分かれ続けるでしょうが、内容の濃密さについては、あの第12回は間違いなくアニメ史に残る名回。
視聴者の皆が同意でき心地よくなれるシナリオが必ずしも良いとは限らない。
むしろ視聴者の間で色々と異論も出ること自体が青春のリアルを象徴している。
原作は原作、アニメはアニメ。小説、漫画はアニメの台本ではない。
最後まで原作とアニメが刺激し合い、高め合って来た『ユーフォ』
アニメ作品のありかたにも一石を投じた本作は、物語5.0点に値すると私は確信しています。


シリーズ全体を締めくくるという意図を第12回までで思い知った上で迎える最終回最後のコンクール。
私は、演奏中から結果発表まで泣き通しでしたが、
一番泣いたのは{netabare} 結果発表を受け号泣する“デカリボン先輩”こと優子。{/netabare}
全ての登場人物の心情を再認識し、救済、昇華して迎える大団円。
救われなかったのは強いて言えば{netabare} 久美子との再告白シーンをカットされ、ヘアピンで濁された秀一{/netabare} くらい?w
9年シリーズを追って来た私も感無量でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・京都アニメーション

人間ドラマ重視の構成、脚本方針により、作中の合奏シーンが飛ばされて来た3期。
最後のコンクール自由曲もフル尺演奏ではあったのですが、
特盛された、久美子の3年間の回想シーンによるシリーズ総括が優先されましたし。
結局、京アニがフルパワーで合奏シーンを構築できる程、復活できたのかについては疑念が残りました。


人物作画による心情描写については、特に8話以降は圧巻。
泣き顔の大技から、瞳に映る動揺などの小技まで、
原作の小説媒体では拾い切れなかった心理が容赦なく描き込まれており、
こちらは京アニの本領発揮。

人物を描ける兵力は整ったが、楽器を光らせる特殊技能兵はまだ揃っていないということなのか。
相変わらず吹奏楽部員を全員分キャラデザしてくる辺り決して戦力不足ではないと思うのですが。
答え合わせのための劇場版総集編。あっても良いと思います。


放送中YouTube公式にて、毎週各話の制作メイキング映像も配信していた京アニ。
近年のアニメーション制作は手描きの技術だけでなく、
CGや撮影なども重要度を増していると再認識。
大吉山を聖域たらしめているのは、撮影処理で加えられた自然界には存在しない謎の光による心情演出です。


【キャラ 5.0点】
新登場の吹奏楽強豪校からの転校生・黒江真由。
原作購読中、私が“裏ボス”だと認識していた真由。
“裏ボス”というのは換言すれば要するに、原作の真由は本編に組み込まれてない感じがあった。
久美子たちの集大成の当て馬にされた感を抱いたという私の本音の現れでもありまして。

アニメ3期は、その真由をも北宇治の一員として救済してしまったのが白眉。
{netabare} 仲間としてちゃんと泣けた黒江真由。美しかったです。{/netabare}
自分の中で、アニメの真由は“裏ボス”から“真ボス”くらいにはなれたかな?と好感しました。
但し自分にとって、“ラスボス”はやっぱり今回も、{netabare} 自分のわがままを認めよ{/netabare} というアドバイスが容赦なかった、あすか先輩だけですが。


3年になり部長となった主人公・黄前久美子。
北宇治の三年間、三人の部長。
実は私は、原作完結段階で、最強だったのは久美子2年時の“優子政権”だと思っていまして。
“黄前政権”は優子政権の遺産で成り立っていたとの印象を抱いていました。
部長の負担を副部長とドラムメジャーに分散する組閣しかり。
3年生卒業による音の厚みの低下を補うアンコン参加しかり。
優子部長は{netabare} 大会で敗退して陰で涙しながらも直後に来年に向けて{/netabare} 部員に名演説で発破をかける気丈さも持ち合わせていましたし。

ですがアニメにて{netabare} 自らの落選も顧みず「これが今の北宇治のベストメンバーです!」{/netabare} などと部員を鼓舞する久美子の勇姿を見て、
私は、この部長最強だわと脱帽しました。
この点でも第12回の原作改変は計算し尽くされた鬼の一手だったと思います。


そんな久美子を慕い続ける久石奏もまた原作以上の後輩キャラとして期待通り魅せてくれました。
加えて、アニメ3期では釜屋つばめも効いていました。
黄前部長のポジションを取らないでと白眼視される感じで孤立する真由を支え続けてくれた親友つばめ。
3期に先立って、つばめをピックアップしたアンコン編を公開したのは、
単なる準備運動ではなく、意図して組み込んだシリーズ構成だったのだと思います。


【声優 5.0点】
転校生・黒江 真由役には戸松 遥さん。
“ラスボス”あすか先輩役が寿 美菜子さんだったので、
真由は同じスフィアの、豊崎 愛生さん辺りかな?と私は妄想していましたが、
とまっちゃんでした。

その戸松さん。アフレコでは通常、各話ごとに台本を渡される。
“北宇治カルテット”などメインキャストに至っては原作閲覧禁止令まで出される中(※1)、
戸松さんだけには、敢えて結末までシナリオを読ませた上で収録に挑ませる鬼方針(※2)
(俺にはアフレコはもちろん、ネタバレ厳禁のプレッシャーにも耐えられないでしょうw)

真由はセリフ自体は穏やかなのに、どこか引っかかる不穏なムードが醸されている。
真由のあの独特な異物感は、先々のシナリオまで織り込んだ戸松さんの繊細な演技と、素材を引き出すディレクションがあってこそ。


そんな真由の危険性に警戒心を隠さない久石奏役の雨宮 天さん。
今回は語尾の発声をコントロールすることで各キャラとの距離感を表現したとのことで。
穏やかな口調で釘を刺す奏ちゃんの真由先輩への毒舌。胃が痛かったですw

戸松さんに、雨宮さん。
言わずもがなな、黄前 久美子役の黒沢 ともよさん、高坂 麗奈役の安済 知佳さん。
この四者の熱演が交錯する第12回はクドいですが、脚本、作画、演技が極まったクライマックスでした。


新一年生役の新キャスト陣。
アニメのネームドキャラは初担当となる上石 弥生役の松田彩音さんらが、
“三馬鹿”トリオでボケとツッコミを繰り広げ、
緊張感が続くドラマの中で貴重な息抜きスポットを提供する。

その松田さんは『ユーフォ』は中学時代に観ていた大好きな作品だったのでとオーディション合格の喜びを語っており。
ここでもアニメシリーズ展開9年という月日の長さを実感します。


【音楽 4.5点】
OP主題歌はTRUEが「ReCoda」で『リズと青い鳥』を除くシリーズ全作完投。
ブラスバンドの音圧に押し負けない声量パワーと、
作品の細かい要素まで取り込む歌詞でシリーズを支え続けたTRUEさん。
「ReCoda」もまた終盤になるにつれ“後悔も喜びも全部歌に”する意義を噛みしめることができる作品解像度の高い良曲でした。
OPアニメも、卒業した先輩も含めて勢揃いしていく構成が素晴らしいです。

ED主題歌も北宇治カルテットが「音色の彼方」でTVアニメ全3期完走。
1期、2期では楽しげなメロディで和ませてくれた同カルテットですが、
3期では中学テニス部時代の葉月など貴重な過去カット等と共に、
過去と未来を繋ぐ感動系青春バラードを合唱。
こちらも余韻が残る良作なのですが、本編で負ったダメージを楽しさで上書きするタイプではないのも事実。
ここは、{netabare} ソリだけにソリを滑って覇を競うw{/netabare} など何があってもボケ倒すエンドカードに丸投げの方向でw


劇伴担当もシリーズお馴染みの松田 彬人氏。
作中演奏シーンこそ少なかったですが、
神経をざわつかせるような松田氏の心情曲群にはゾクゾクさせられました。

松田氏は、作中コンクール自由曲「一年の詩~吹奏楽のための」も戸川ヒデアキ名義で作曲。
春夏秋冬を多彩なメロディで表現する構成は、久美子の北宇治3年間の回想劇にマッチ。
作中やPV等で流れていたあのメロディも「一年の詩」だったのかとの驚きも、
最後の演奏シーンの集大成感を出す一助に。

ラスト結果発表時に、久美子1年時からの歴代コンクール自由曲や「響け!ユーフォニアム」のフレーズを散りばめていく演出も粋でした。

ただ、今回、私はサントラCDは購入しないと思います。
『ユーフォ』サントラもサブスク配信される時代になり、
「一年の詩」も放送翌日に即配信開始されているというのもありますが。
何より今回のサントラには(※核心的ネタバレ){netabare} 久美子&麗奈ソリver.のifも府大会ver.も補完されないからです。
(1期サントラでは香織先輩ソロバーションの「三日月の舞」という救済策もあったのに)
単に収録してないだけの可能性もありますが、各種コラボ、キャンペーンと商魂たくましい最近の京アニを見るに、
天邪鬼な私は、久美子&麗奈ソリを後々の商品展開の切り札に温存しているのではと穿った見方をしてしまいましてw{/netabare}

邪念もあって今回は4.5点止まりということでご容赦下さい。


【付記】
3期も色々と波乱もありましたが、初回から本気モードで視聴するに値する名作でした。
3期連続お気に入り棚直行の作品で、シリーズを締めくくって頂き、
スタッフ・キャスト陣には心から感謝致します。

初回放送の高揚感に居ても立ってもいられず、
この春、私は花見も兼ねて4年半ぶりに宇治へ聖地巡礼にも行って参りました。
久々に見る宇治は変わらぬ所もあり、変わっている所もあり。

アニメ3期もまた、例えばラスト、{netabare} 片付けられたコロナ対策用の?アクリル板{/netabare} など、
移り変わる時代を切り取った“記録映像”としての価値も有した作品でした。
数年後、未来には無くなっているであろう青春の情景を思い出しながら懐かしむのもまた一興。

『響け!ユーフォニアム』
私にとっても特別で何時までも色褪せない名シリーズです。


【参考文献】(※1)「月刊Newtype」2024年7月号
(※2)Febri「『 響け!ユーフォニアム3』 戸松遥に聞いた黒江真由との向き合いかた」


以下、過去話感想。長くなるのでタグに折りたたみ。

【第12回感想】一生忘れられない恐るべきアニオリ回
{netabare}
今月10日発売された「月刊Newtype」7月号。
特集は『響け!ユーフォニアム3』
表紙を飾った“くみれい”の付録ポスターを壁に貼って、悶えながら拝読したスタッフ、キャストインタビュー。

総じてスタッフたちは、久美子は1年生編にて、親友の麗奈と香織先輩がソロを争った際、上手い麗奈が吹くべきだと主張した。
その久美子が今度は部長として、実力が拮抗した真由と、麗奈と吹くソリの座を巡って、似たような立場に置かれる。
このことを想像以上に意識されているなと感じました。
香織を応援していた“リボン先輩”と対になるとスタッフが捉えている
奏は3期でこそ面白いと再認識もしました。

よって、今回、久美子と真由のソロオーディションを深堀りしたアニオリ回自体は想定した構成でしたし、楽しみでもありました。
ですが、内容は私の想像を遥かに越える衝撃回でした。

正直、久美子3年生編原作では、1期、2期ほどの名場面は生まれないと高をくくっていましたが、
ここに来て、響き過ぎて、感情の整理が追い付かないほどの物をぶっこまれました。
脚本・花田 十輝氏、恐るべしです。
{netabare}
甲乙付け難い久美子と真由を部員の前で再オーディションし多数決でソロを選出する。
ここまでなら、麗奈VS香織の再現。
ですが今回えげつなかったのは、久美子部長から滝先生への提案により、
オーディション時、幕で奏者の顔を隠し、音の優劣のみで選択を迫ったこと。
しかも、それを部員たちだけではなく、視聴者にも強いるのが徹底的でした。

ここまで、私も毎回胃が痛い~wとか感想を述べて来ましたが、
言うて、所詮、視聴者は部外者。青春劇を高みから見物するお気楽な立場でした。
ですが、今回の顔隠しオーディション体験により、視聴者も当事者目線に引きずり込まれ、
防具なしで青春の痛みの直撃を受けることとなりました。

そのオーディション、私も全集中で聞き入りました。
親友の麗奈には遠く及びませんが、私もシリーズサントラを聴き込んで来たからなのか、どちらが久美子の音かは、すぐに分かりました。

真由は指揮者の要求や相手のリズムを掴むのが上手いが、悪く言えば冷淡さも感じる、コンクールで点数が取れそうな奏者。
久美子は優柔不断かもしれないが優しく心が温まる音色。

もっとも、そんなユーフォ聞き分けの無駄スキルが無くとも、
どちらの音が良いか挙手した部員の顔ぶれでヒントは十分ですが。

で、結局、
(※核心的ネタバレ){netabare} 部員の票が割れ、最後の一票を託されたドラムメジャー麗奈が、
久美子の音だと分かった上で、より上手いと思った真由を選び、
原作と異なる、まさかの久美子敗北で決着。
その夜、麗奈は久美子を大吉山に呼び出し謝罪。
麗奈は正しいと強がっていた久美子も、最後は死ぬほど悔しいと号泣する。

多くの視聴者もどうせ最後は久美子と麗奈がソリで思い出作って大団円なんでしょ?と予想していたでしょうし、
原作組の私としても、進路選びの整理が付いた久美子が、晴れやかな顔でソリを吹くと信じて疑いませんでした。

ですが、リアリティを突き詰めれば、音楽に関しては音大に進学せず、奏者としてはここまでにしておこうとした程度の久美子が、
気持ちの整理くらいで、常勝・清良女子のコンクールメンバーの真由に簡単に勝てるわけがない。
実力主義を謳う久美子部長の姿勢を支持しながら、久美子がソリ吹かないなんてあってはならないと思ってしまう読者心理と、それに応えた原作プロットってまあまあ矛盾していまして。

こうした原作に残った、私が嫌いでレビューでは基本NGワードにしている言葉を敢えて使えば“ご都合主義”を徹底排除して、
久美子が見てみぬふりしていた真由の心理同様、読者が見てみぬふりしてきた諸々をえぐり出して、
青春の痛切で視聴者を張り倒したのが、今回のアニオリだったのだと思います。

私も、骨太シナリオに、殴り倒された後、整理して振り返ると、
今回の顛末に向けた伏線も着実に仕込まれていましたし、実に“正しい”プロット。
好きか嫌いかは別として、率直に言うと私は悔しいけど、かなり好きって感じですが、
このエピソードで3期も間違いなく名作に昇華したと感じました。
ラスト1回。お気に入り棚空けて待っています。{/netabare} {/netabare}


これ以上、放心状態で書き連ねてもまとまらないので、今回はこの辺で勘弁して下さい。{/netabare}

【第11回感想】窓は間もなく開け放たれるであろう
{netabare}
ネット、SNS上のユーフォ界隈には“くみれいの日”という#(ハッシュタグ)があります。
9月30日に語呂を合わせて、久美子&麗奈のイラストやらを投稿して、カップリングの尊さを称えようという現象なのですが。
今回のエピソードは、{netabare} 大好きのハグするは、別々の道に進むなら今ここで終わりにしてと麗奈が“乙女心”を爆発させるは。
余談ですが、前回、冗談交じりに麗奈の海外留学言い当てた、あすか先輩怖すぎですw{/netabare}
例年より3ヶ月早く“くみれいの日”が来たんじゃないか?ってくらい、くみれいモリモリで、どうもごちそうさまでしたという心境です。


私も、くみれいに悶えるのもいい加減にしてwそろそろ本題を。
{netabare}
第7回の盆休みシーン。アニメスタッフが原作から敢えて削った、
3日目、音大進学した、みぞれの演奏会。
スタッフは、やはり、この久美子が進路を見出していく重要局面で、スライドして使って来ました。

私が、みぞれ登場を確信していたのは、
3期に先立ち公開された『アンコン編』
みぞれが久美子に「窓開けるのが上手で嬉しかった」と謎の言動を残すシーンを、妙に詳細に映像化していたから。

窓を開けるのが上手いとは、換言すれば、他人の心を開くのが上手いということだと解釈できます。
表面上は、久美子が何を言われているのか意味不明な、
みぞれの不思議ちゃんな生態が強調されるあのシーン。
私は、みぞれが久美子自身も気がついていない良さに気がついていることを示唆する重要シーンとして、
3期で必ず伏線回収してくると、脳裏に焼き付けていました。

今回の音大演奏会後、アニオリで久美子が、みぞれ先輩と同じ音大に入ったらどう思うか?と尋ね、
みぞれに、そんな姿、想像できないとキッパリ言われる件。
このやりとりが『アンコン編』の、みぞれと久美子の会話と対になっていると思われ。

要は久美子は楽器吹くより、人の心の窓を開ける道に進みなさいと、みじょれ氏はおっしゃっているのではないでしょうか。


今回は、みどり氏からも「今の毎日は種蒔きみたいなもので、まだ知らない未来の楽しみをいっぱい色んな所に埋めているようなものなんじゃないかな?」との金言も賜りました。
私は、これがもしかして、先日触れた、石原監督に、みどりの、このセリフが本作のテーマですと明かされたというひと言なのではないか?と思えるくらい青春の核心を突いていたと感銘を受けました。{/netabare}


周囲の人々の忠言にも恵まれ、難航していた久美子の進路選びにも道筋が見えて来ました。
久美子が本当の意味で音楽を奏でるクライマックスへ向けて抜群の手応えで、物語は最終盤を迎えます。

窓は間もなく開け放たれるであろう。{/netabare}

【第10回感想】やっぱり『ユーフォ』の“ラスボス”はあすか先輩しかいません
{netabare}
次の大会を前にギスギスが極まる北宇治。
万策尽きた久美子は、2年生編『~誓いのフィナーレ』にて、
あすか先輩から受け取ったひまわりの絵葉書“魔法のチケット”を行使して助言を求めに行く。

ここに来て、原作からの改変も大きくなってきている3期。
“魔法のチケット”も、そして{netabare} 久美子部長の演説{/netabare} も、原作よりタイミングを前倒して、内容も変更しての展開。

尺の都合?と戸惑う向きもあるようですが、
私は原作者・武田 綾乃氏がアニオリの脚本、構成を“誘っている”部分も大きいと捉えています。
小説家として、自作のアニメ化には刺激は受けるけど、アニメ化の台本なんて断じて書かない。
素材は提供するけど、映像作品として料理するのはあくまでアニメスタッフでしょう。

そう言わんばかりに、この先の原作部分は、そのままアニメ化するには、ますます流用し辛い構成になっていて、
それでいて、アニオリで掘り下げたくなるような要素が盛られています。

今回、決意を固めた久美子は1期12話アニオリ回の如く、再び走り出しましたが、
これはあたかも、原作者が投げかけた素材を、オリジナルも交えた全力のアニメ化で打ち返してやるとの、
スタッフの宣戦布告にも思えました。
今後の原作改変、私は結構ワクワクしています。


で、あすか先輩について。
{netabare} 要は久美子はもっとワガママに自分の思う所を語れば良いとの忠言でしたが、
そこへ導く過程で、久美子の良い子の皮を容赦なくペリペリ剥がして行くあたりが、流石のラスボスぶり。

2年生編の奏は“中ボス”くらいで、3期の真由は“裏ボス”といった感じですが、
やっぱり『ユーフォ』のラスボスはあすか先輩しかいないと再認識。

あすか先輩は2期10話で久美子に自分の心に上がり込まれて、あれだけ言われたことを、
根に持っているのとも、恩に感じているとも違う、“響かされた”ことをずっと覚えていて。
“魔法のチケット”渡したのは、後輩への助け舟というだけでなく、
いつか響き返してやるとの執念にも思えました。
ラスボスはただでは倒されません。

それ以上に原作未読組には衝撃と思われるのが、
香織先輩とあすか先輩のルームシェア。

香織は、あすかのことを特別と思っていますが、
あすかは、かつて、香織のソロオーディション前にも駆けつけなかった。
むしろ、とかく悪役になってしまう、あすかとは反対に、
周囲にナチュラルに良い子と捉えられてしまう香織の天使ぶりに対して、
あすかは、含むところがあるそぶりすら見せてきた。

あすか先輩にズケズケと論評され蜂の巣になる久美子に対して、
香織は響き合っていて「羨ましい」とこぼしますが、
ルームシェア後も相変わらず、香織とあすかは付かず離れずの距離感なのでしょう。

そんな二人がどうして同居を?
気になる方は、原作シリーズの短編集『~北宇治高校吹奏楽部のホントの話』「だけど、あのとき」に、
事の仔細が記されているので、おさらいして悶えましょう。{/netabare} {/netabare}

【第9回感想】空気読解力高過ぎな久石奏の独自目線
{netabare}
いよいよ本格的なギスギスモードに突入した北宇治。
顧問・滝先生への疑念が広がる中、
ドラムメジャー・麗奈はついに“滝先生パトロール”まで始め、
副部長・秀一は“元カノ”久美子の苦境を前に、後輩が困惑する位ふて腐れる。
間に挟まれた部長・久美子は自分の気持ちすら整理できずいっぱいっぱい。

各々、自分は正しいつもりでも、自愛や他愛が瞳を曇らせているとは言い切れない難局。
そして、ついに訪れた{netabare} 麗奈の“部長失格”口撃による、くみれいの破局。{/netabare}
ここまで、アニメでも、くみれい描写が凝っていただけに、
私は原作で分かっていてガード固めていたにも関わらず、痛みに悶絶しました。


初回感想にて、私が注目キャラの一人として挙げた久石奏。
ここまでは求くんに対する月永くん口撃が不発に終わり狼狽えるテンプレなどネタも目立っていた印象w
(因みにネット、SNSのユーフォ界隈には、奏と求の恋仲を妄想して同人誌まで出すクラスターが実在しており、
3期はかなりの燃料投下となったと思われますw)

ですが、部の波乱に呼応して、そろそろ奏も本領発揮。
奏は中学時代、部の空気に傷つけられた過去から、
空気を読み解いてポジション取りすることに細心の注意を払って来た娘。
今回の事態に対しても奏は、{netabare} 自らもオーディション落選しながら、{/netabare} 客観的にあり得た話と、広い視野で状況を俯瞰。

久美子部長に見えていない物が奏には見えていますし、
久美子が親友・麗奈や“元カレ”秀一にも言えないことを奏の毒舌の前では言えている。
2年生編の奏は、小悪魔系“中ボス”位の印象でしたが、
3年生編の奏は、鬼の空気読解力を誇る良キャラに化けた、私の中で評価が一番上った人物。

空気読んで色々我慢して立ち回っている奏にとっては、
空気など我関せず振る舞う存在とは相性が悪く、つい毒づいてしまいがち。
求に月永呼びで、ちょっかいを出して来たのも、そのためでしょう。

そんな奏にとっては真由は天敵。
ここまで奏は真由に対しても“ジャブ”口撃を仕掛けていますが、
対・真由への毒舌は、じゃれ合いレベルの?求くんに対するからかいとは比較にならない、
本気の警戒心から来る物。

この先、アニメでも、奏の真由に対する見解が明かされると思われますが、
私にとっては、そう捉えるのか!?と衝撃を受けたシーンだったので、
映像化の時を震えて待ちたいです。


ところで、来る6月27日。
原作小説シリーズ、久々の新刊として、
久美子3年生編の一年のエピソードを描いた短編集『~北宇治高校吹奏楽部のみんなの話』が発売されます。
ファンとしてはそそる要素ばかりの商品紹介文が踊る中、
私が一番惹き付けられるのが“久美子を慕う奏の視点で一年を描いた物語”の一文。

アニメでも小説でも奏ビジョンには要注目です。{/netabare}

【第8回感想】見えてなかった見たくなかった物に直面する痛みと共に修羅の門が開く
{netabare}
『ユーフォ』3期で特徴的なのは、敢えて深堀りしないで放置しておいた事が、
不意に問題として沸いて出て来てドラマが展開すること。
言い方は妙ですが伏線を張らないことが伏線になっているような脚本、演出なのだと思います。

合宿回となった8話では、久美子がもしかしたら真由に演奏で負けるかもしれないという見たくない現実を、
真由に無邪気に突きつけられて久美子が苛立つ。
久美子は大丈夫なのか?と指摘して来る麗奈や奏を通じて、
集中して音楽に向き合えていない久美子の危ない部分を見える化して空気を重量化していく。

知らなくて良い事もあると蓋をしようとして後になって事態が悪化するのは、
後輩集団欠席回となった3話でも示唆された“黄前政権”の負の傾向。
今回はその短所がいよいよメインストーリーの波乱として噴出する入り口になると思われます。
胃痛に苦しむユーフォ民の皆様。ここからがいよいよ本当の地獄でありますw


ここまでまともな合奏シーンがほとんどない点も3期の特徴。
いや、もっと言えば、先立って公開されたOVA『アンコン編』から、
本格的な合奏がお預けになっていている状況。

これまで、その原因について私は『アンコン編』レビューでも、
復興途上の京アニの制作体制が整っていないのでは?などと述べて来ましたが、
今回見て、これは合奏シーンをクライマックスのコンクール一発のカタルシスに賭ける全体構成なのだろうと予感しています。

久美子が音楽に、今後、音楽とどう付き合っていくのかという将来の問題を直視しない限り、久美子が本当の意味で演奏することはできないし、
みんなの心がバラバラなままでは真の合奏はできない。

この難局を久美子部長がどう打開していくのかが終盤の注目点です。


ところで、先日の、みどりの日にかこつけて配信された『ユーフォ 』「みどりの日ですぅ~生放送」動画にて、
川島緑輝役の豊田 萌絵さんが収録終了後に石原 立也監督から、
みどりの、とある作中セリフの言葉が本作のテーマですと告げられたというエピソードが私はとても気になっていまして。
豊田さんも、だいぶ先のセリフのため、後で答え合わせしたいとのことですが、
この話聞いて以来、私はみどりへのマークを強化しています。

部員を動物に例える独特の観察眼で本質の一端を示唆してきたみどり。
8話でも“仔犬”をおもんばかる、みどりの背中を凝視して一言一言噛み締める私なのでした。{/netabare}

【第7回感想】音に出そうな久美子の進路の迷い
{netabare}
お盆休み回。

夏休みも練習漬けの北宇治高校吹奏楽部が唯一休める三日間となると、
プールも交えた息抜き水着回との印象を受けますが、私にとっては原作組として結構重要な回になると目していたので、気合を入れて視聴しました。

で、今回、アニメでは原作から大きな改変がありました。
ですが私は不快感はなく、むしろこの先どう仕掛けて来るかがますます楽しみになりました。


この盆休みで久美子の心中を占める進路未定の悩みが深まっていく。
そこはアニメでも原作同様。
違うのは三連休なのに描かれたのが二日間だったということ。
描かれなかった三日目というのが、{netabare} 進むべき道を歩む例の先輩の勇姿を拝む、{/netabare}
進路についても吹っ切れた事例を見せる場面。
ほっと一息付ける三日目を抜いたことで、アニメでは進路を巡る久美子の混迷がより色濃くなっている形。
さらには久美子の過去を映す、写し鏡としての真由も真価を発揮し、
より息が抜けない盆休みが描写された印象。


思えば本シリーズは、原作と京アニが互いに刺激を与えながら高め合って来たコンテンツ。
例えば1期第十二回で“上手くなりたい”気持ちを知る久美子アニオリ回を京アニが投げかければ、
原作者が続編で“上手くなりたい”を後輩に伝える久美子を描写して応える。
そのアニメ化では、京アニがそこをさらに深堀りする。
原作に忠実である以上に、理想的な原作とアニメの特別な関係を構築しているのが『ユーフォ』なのだと私は思っています。

今回観ていてボディーブローのように効いたのが、
第4回、久美子が、過去を引きずる求に、気持ちは演奏に出るよと警告した件。
かく言う久美子。進路の悩みと部長の役割に忙殺される中、
今の久美子は“上手くなりたい”ことに集中できているのでしょうか。

1クールに押し込むため求問題解決を第4回に前倒しただけのように見えて、
換骨奪胎して、より焦点絞って心情を描いていく京アニ版『ユーフォ』。
今回幻となった盆休み三日目の内容。
このスタッフたちなら後々、より効果的な場面で使ってくるのかどうなのか?

原作からの変化も刺激に感じながら、後半戦に挑みたいと思います。
{/netabare}

【第6回感想】“後藤夫妻”の穴をどう埋めるか問題
{netabare}
私見では、吹奏楽は最凶の男女無差別級競技だと思います。
体格的に女子より男子の方が肺活量が大きく、出せる音量の差は明らかなのに、
どの高校もA部門コンクールメンバー枠は55名以内。
あっちは男子校で、こっちは女子多いから枠を増やしてというわけにはいきません。
久美子2年生編にて、{netabare} 関西大会で北宇治が男子校の龍聖に敗れたのはリズムを合わせる技術面よりもパワーの差による所が大きいと私は解釈しています。{/netabare}

編成枠が限られる中で、音の厚みをどうやって確保していくのか?
難題クリアこそが北宇治悲願の全国大会金賞達成の絶対条件であり、
この音量確保の点から大変悩ましいのが、昨年まで在籍していた後藤卓也&長瀬梨子。
特に久美子1年生時には2人で北宇治の低音を支える程の技術とパワーを誇った、
チューバ奏者の穴をどう埋めるかという課題になります。
原作では滝先生が、職員室での幹部との会話の中でこの問題に言及したりもしています。

明確に経験豊富で上手いと言えるチューバが鈴木美玲のみという現状で、
技術ド返しで、取り敢えず大きな音を出せるチューバを突っ込むのか。
単純に他の楽器を減らしてでもチューバの人数を補強するのか。
いずれにせよ、後藤先輩らがいた頃の厚みを再現するのは至難。

この観点から、府大会オーディションの顛末や、今回や今後も含めた滝先生の采配を考察していけば、
方針をあまり説明しない滝先生と一部部員との間に吹き始めた隙間風も含めて、
『ユーフォ』3期がより楽しく、胃痛が伴うw人間ドラマに昇華すると思われます。

今回、驚きのコンクールメンバー起用となった{netabare} 釜屋すずめ。
序盤登場時の元・バスケ部アピールは元気娘キャラを強調するネタというだけではなく、
チューバの穴修復“突貫工事”に必須な肺活量の大きさを示唆する伏線でした。{/netabare}
その他、シリーズ通じて丹念に描かれて来た、チューバ初心者・加藤葉月の成長度はどうかなど、
言葉以外も含めた伏線にもアンテナを張って、滝先生の意図の察知に努めていきたいものです。


【付記】3期は佐々木梓の出番が意外にあって嬉しいのですが、これは六華高校編アニメ化の伏線なのか、『ユーフォ』は3期で完全完結なので、外伝は作りませんという免罪符としての佐々木部長のカット多用なのか。
“立ア会”構成員として、何とも胸がざわつく今日この頃ですw{/netabare}

【第5回感想】私も松本先生に進路を相談してみたかった
{netabare}
あがた祭り回。恐らく3期で一番平和になると思われるエピソードでしょうか(これでw)

そんな中でも、{netabare} 久美子部長ら幹部たちは大会ごとのオーディション導入を決断。
黒江“ママ”先輩は、自撮り困難な旧式フィルムカメラで自分だけが映らない写真を撮り始め、
常に主語が“みんな”であることを強調。
(黒江真由は清良女子の時は“みんな”が喜んでくれるから大会ごとオーディション頑張ったと言いますが、
これって要は“みんな”が喜ばなきゃ受けたくないと言ってるようなもので、だいぶ不穏。)
くみれいは、全国大会で自由曲のユーフォ&トランペットのソリを一緒に吹きたいと、ハイリスクな契を交わす。{/netabare}
などなど地雷埋め込みは着々と進み、私の胃痛が収まることはありませんがw

初回感想にて私の注目キャラの一人に“軍曹”松本美知恵先生を挙げましたが、
個人的に3期で密かに楽しみにしていた先生と久美子の進路相談も始まりました。

松本先生には大会では決まって号泣するため、箱ティッシュを持参しているという原作設定がありますが、
この教師、そこまで思い入れるだけあって、生徒たちのことを本当によく見ています。
彼女に3年連続担任された久美子に至っては、
ある部分では、久美子自身よりも久美子のことを知っているのが松本先生と言っても過言じゃないでしょう。

これは私の勝手な持論かつ、かつての恩師たちの顔に泥を塗るようで申し訳ないですが、
世の高校の進路相談など、高ランク大学合格者実績作りのノルマをこなすための発破をかける営業でしかないと思うのですよ。
少なくとも私のいた凋落一途の進学校はそうでした。

面談だけでなく、集会やホームルームで受験戦争を勝ち抜くための激を飛ばせば飛ばすほど、
生徒のモチベーションは落ち、私より優秀だったはずの同級生がどんどん腐っていく。
挙げ句、進路相談室で、大学パンフめくって志望校選びに悩み続ける生徒たちに、そんなことしていても、勉強せねば点数は上がらないとか言い出す。
何でいつまでも進路決めないのか?って言われても、先生方は営業ばかりで進路の相談なんてしてないでしょ?
と内心腸が煮えくり返る思いでした。

愚痴が長くなりましたが、こうした体験を経た私にとっては、
松本先生の生徒の人生に指針を与えようとする親身な進路相談はとても心に染みるのです。

今回も「迷いを怠けの言い訳にするな」などと警告しつつ、
人生など大抵設計図通り行かないから「考えすぎも良くないぞ」と忠言もする懐の深さ。
何より模試の判定ランクで脅しをかけないのが素晴らしいw

原作通りなら、あと1回以上は示唆に富んだ松本先生の二者面談もあるはずで、
1期から久美子が、周りや果てはサボテンと問答するなどw
シリーズ通じて伏線を張った末に導き出される久美子の進路には感動も覚えるはず。

本シリーズの裏テーマ・久美子の進路、松本先生には今後も要注目です。{/netabare}

【第4回感想】求くん問題一挙解決回の是非
{netabare}
求くん深堀り回。
月永求が龍聖学園との間に抱えた問題及び、
“師匠”緑先輩との関係などに焦点を当てる。

3期では1話分に集中的に描写してきた求くん問題ですが、
原作では、作品内時間をじっくりかけて徐々に氷塊していくお話。
原作未読組の方の中には(※核心的ネタバレ){netabare} 求の姉の死{/netabare} という思いがけない重たい話にビックリされた方もいるかもしれません。
原作では、さらに求くんが{netabare} 滝先生に自らの境遇を重ねた{/netabare} 故の北宇治進学など、
もう少し込み入った経緯もあったりします。
(※核心的ネタバレ){netabare} 緑先輩が求の死んだ姉と似ている{/netabare} などの事情についての緑の理解度についても、原作とアニメでは現状異なります。

原作組の方の中には、求くんのエピソードを1話で一気にというのはやや乱暴に感じられる方もいるかもしれません。
因みに、今回、冒頭から盆でもないのに墓参りシーンから始まるのは、
二学期まで求くん問題を引きずる原作より展開を前倒した影響ですw

ですが私は求くん解決編を前半に持ってきたアニメ3期の全体構成はまずまずの良手だと思います。
これから起こる久美子たちの問題と並行して、後輩の問題まで取り扱うのは、
小説という媒体では繊細な群像劇を堪能できて良いのですが、
毎週放送する1クールアニメでとなると、1週間お預けになる要素が多すぎて、焦点が定まらない懸念もありましたから。

特殊ED{netabare} 「愛の挨拶」コンバスのエチュード。{/netabare}
真っ直ぐに音楽を楽しむ緑を見て、今日も良い回だったなと思えた自分がいましたし。

何より、“立ア会”(立華高校マーチングバンドへようこそのアニメ化を待ち望む市民の会)の一員として、部長となった梓の勇姿も拝めて感無量でしたし。


【付記】第4回放送に先立って、NHKラジオFM「吹奏楽の響き」にて『響け!ユーフォニアム』が特集というより50分丸々『ユーフォ』のお話でした。

長年、本シリーズの吹奏楽演奏を提供してきた洗足学園音楽大学教授・大和田先生はお馴染みとして、
ユーフォニアム奏者担当すなわち久美子の奏者としての“中の人”丸山 奈央さんのお話も聞けたのも貴重でした。

芸術文化番組を数多く抱えるNHKならではの番組を横断する『ユーフォ』アピール。
フル尺の楽曲紹介もあるので、
聴き逃し配信。作業用BGMなどにいかがでしょうか。{/netabare}

【第3回感想】強豪校に変貌しつつある北宇治が得る物と失われていく物……。
{netabare}
原作『最終楽章』は前後編。3話でその前編中盤のヤマ場に到達。
{netabare} 1年生たち4人の集団欠席{/netabare} を通じて、
全国金賞に向けて突き進む北宇治から失われていく、
楽しく部活する空気にスポットライトを当てて、
痛みと共に北宇治が着実に強くなっていることを噛み締める良エピソード。

私は、ここを3期の試金石と目していましたが、
部内の異変を察知した久美子部長の動揺を、
松田 彬人氏による劇伴の変調と、傾くアングルも駆使して好表現。

原作消化も1クールで収まる順調なペース。
ここまで飛ばした場面もありつつも、終盤クライマックスでは掘り下げるだけの尺を確保しながら、
ヒタヒタと伏線も仕込まれており、爆発したらどうなることか戦々恐々ですw


視聴者の中には麗奈の“鬼軍曹”ぶりが行き過ぎと感じた方もいるかもしれないので、麗奈推しとして多少の擁護を。

顧問の滝先生が就任した際、述べた方針は、生徒の自主性を重んじる。
振り返れば、久美子1年生時、マーチング練習で激を飛ばしていたのは“軍曹先生”松本であり、
滝先生自らも技術不足を指弾して部員を泣かせたりしていました。

それが今や生徒たち自身が指導役までこなして、北宇治は自主的に上手くなる組織へと進化しつつあります。
今回の部内のヒリヒリした空気も、吹奏楽強豪校の伝統の萌芽とポジティブに捉えることもできると思います。

ですが北宇治の伝統確立はまだ道半ば。
原作シリーズには久美子中学時代の同級生・佐々木梓を主役に、
マーチング強豪校・立華高校(※アニメでは六華)の青春を描いた
『立華高校マーチングバンドへようこそ』がありますが、
そこで描かれる確立された伝統校のスパルタぶりは麗奈なんてもんじゃない鬼っぷり。
練習中泣き出した子に対して麗奈は{netabare}一旦、列から外れるように指示しましたが、{/netabare}
立華は、{netabare} 泣いたら上手くなるわけ?とさらに追い打ちをかけますw{/netabare}

誰も見捨てたくない久美子も、麗奈だってまだまだ成長途上。
何より大人になりたい、なりたいかどうかもイメージしきれていない子供が、
部の幹部として人間にぶつかれば着実にダメージは蓄積していく。

その積み重ねから来る手応えが怖い位ヒシヒシと感じる序盤戦です。{/netabare}

【第2回感想】“ダーク久美子”黒江真由
{netabare}
原作者・武田 綾乃氏は対(ペア)としてキャラを造形する。
冷静で冷めた久美子に、熱く意識が高すぎる麗奈をぶつけて“特別”を意識させる。
適当で面倒臭がりな久美子をカバーする“便利屋”秀一。お似合いの夫婦?
といった具合に各キャラの属性が被らないように“パラメーター”調整しつつ、
凸凹なキャラ同士を人間関係の魔境?w吹奏楽部の中で共鳴させて物語を紡いでいく(※1)

そのため、くみれい、のぞみぞ、なかよし川と、
本シリーズのカップリングは尊さが凄まじいレベルに達するわけですが。

3期より登場する黒江真由は武田 綾乃氏が“ダーク久美子”と“公称”する新キャラ。
久美子が北宇治の吹部で“特別”とも出会わず、上手くなりたいという熱病にも憑かれず。
常に一歩引いた場所で、“良い子”でなぁなぁなまま、楽しく平和ならそれで良いと高校生活を過ごしてきた、もうひとりの久美子が黒江真由(※2)

無邪気に嫌味なく本音をこぼす真由は、うっかり失言メーカー・久美子とはまた違ったタイプの失言王。
鏡面みたいに相手自身の見たくない過去やら自分やらを映し出すピュアな難敵。

そんな真由の片鱗が遺憾なく表現された第2回。
久美子をサポートする幹部、副部長・秀一とドラムメジャー・麗奈もまた、これまで対(ペア)として、
久美子の世界を広げつつも、時に心をざわつかせてきた存在。
幹部トリオの凸凹化学反応の導火線も伏線として着々と張られて黄前政権は波乱ムード?

久美子部長も俺も胃が痛いよw

【参考文献】※1『響け!ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌』
※2『劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ 公式ファンブック』
{/netabare}

【初回感想】3期の注目キャラ。久石奏、滝昇、松本美智恵……
{netabare}
原作シリーズ全巻購読済。

初回から特殊OP&EDでシリーズの有終の美を飾りたいという、
スタッフの本気、熱意、悲願が存分に感じられる上々の滑り出しでした。

主人公の久美子部長や、私の推しの麗奈の鬼ドラムメジャーぶりへの期待が膨らむのは当たり前のこととして、
レビュタイにはその他に個人的に原作で良かったので、アニメでも注目したい登場人物を3人挙げさせて頂きました。

個々の注目ポイントについては、おいおい言及するとして、
この観点から初回冒頭、最初に登場するネームドキャラが{netabare} 松本先生{/netabare} という時点で、
私にとっては先頭打者ホームラン級の手応え。

京アニ並びにスタッフたちは、このアニメが何者なのか何者でありたいのかきちんと考えておられます。

正直、先の『アンコン編』位の出来だったら、
まだ京アニもリハビリ途上なので、多少遠慮して観た方が良いのかな?
とも考えていましたが杞憂でした。

これなら序盤からガチ視聴モードで行けそうです。
私も本気で行きます。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ありがとう久美子 そしてお疲れさまでした。

これは響け!ユーフォニアムの第三部です。初めての方は第一部からご視聴願います。
但し、第二部と第三部との間には『リズと青い鳥』、『劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』、『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト』もあります。
素晴らしい内容だから多くの方々が視聴され、これだけの作品が作成されたのでしょうね。

この第三部では、全国大会で金賞をとるための黄前久美子(おうまえくみこ)をはじめとした北宇治高校吹奏部部員のたゆまぬ努力と苦悩を描いています。
そして、久美子は最後まで正しさと公平を貫いた立派な部長でした。
その久美子の行動には、いつも感動します。
「ありがとう久美子」と、久美子を褒めたたえたい気持ちでいっぱいです。


久美子はいつも巻き込まれキャラです。
今回は、転校生の黒江真由(くろえまゆ)の登場により、久美子が巻き込まれることになります。
真由は全国大会常連の聖良女子学園からやってきたユーフォニアムの奏者。
高坂麗奈(こうさかれいな)や後輩の久石奏(ひさいしかなで)は、真由のほうが久美子よりも上手だと気づいていました。もちろん顧問の滝先生もそうです。

麗奈が「トランペットのソロの練習をするのでつき合ってほしい」と久美子を誘い、一緒に練習しますが、それは久美子にもっとうまくなってほしいため。麗奈は麗奈なりに久美子をせいいっぱい応援していたのです。
奏も、自分が不幸な状況で泣き出してしまいたいほどなのに、久美子のことを真っ先に気にかけて久美子を励まします。
久美子は、奏からすごく慕われているのですね。

誰にでも優しい久美子は、2年生の頃から多くの後輩の相談にのったり後輩の面倒を率先して引き受けてきたので、今では全ての後輩から慕われています。
こんなに人気者の部長でも、オーディションは公平です。久美子が選ばれるとは限りません。
その公平さは、久美子自身が決めたもの。奏からは「いつも自分で貧乏くじを引いている」と心配されます。

カーテンで吹奏者を見えなくすると、久美子の吹奏を聴きなれていない人達は、誰が吹いているのかわかりません。
でも、聴きなれている人には、わかります。
麗奈だけでなく奏も、それに川島緑輝(かわしま さふぁいあ)、加藤葉月(かとう はづき)、塚本秀一(つかもと しゅういち)も、久美子が出す音と真由が出す音の違いがわかるようです。
久美子と真由のオーディション審査での彼女らの挙手の仕方を見ると、
 ①うまさには関係なく、大好きな久美子を勝たせたい 
 ②音楽に嘘はつきたくないが、大好きな久美子を勝たせるためには仕方ない
 ③久美子のことは大好きだが、音楽には嘘をつきたくない
の3つの気持ちが表れているように見えました。

私が二人の吹く音楽を聴き比べたところ、恥ずかしながら1回聴いただけではわかりませんでしたが、2回、3回と繰り返し聴いていると、
真由の音色は、麗奈の吹くトランペットの音を引き立てているような気がしました。(間違っていたらごめんなさい)


ところで、
物語の中で何度も久美子が吹奏する「響け!ユーフォニアム」は、実に心が和む温かい音色です。
この曲は、田中あすか先輩から久美子へ、そして真由や奏へと、さらにはその後輩へと受け継がれていくのでしょうね。
久美子が教員になり副顧問として吹奏部へ来たとき、この曲が今も受け継がれていたことを知ると、久美子はきっと泣き出すほど感動するでしょう。


話は変わりますが、緑と月永求(つきながもとむ)の関係も、私にとっては結構興味がありました。
二人が一緒に弾いたエルガー作曲の「愛の挨拶 」(コントラバス二重奏)は、まるで二人の気持ちを語り合っているようでした。
緑と求の今後の展開が知りたいです。


最後に
京都アニメーションへの放火事件さえなければ、第三部は、もっと早い時期に放送されるはずでした。
第三部は、私達だけでなく、放火事件で亡くなられた方々が待ち望んでいた作品でもあります。
事件で亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高の作品の最高のフィナーレ

初めての方は初めまして!
そうじゃない方はお久し振りです!
約2年半振りのレビューになります

お気に入りの作品の最終章、最高の作品の最高のフィナーレに心が震えました
で、どうしてもこの感動を共有したくなってしまったというわけです(笑)

  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

良く言えば、『この濃密な内容を、よく13話に収めたな!』
悪く言えば、『短すぎ~!』
2クールで、もっとじっくり視聴したかった

これ以外に欠点が見当たらないのが、この作品の最大の欠点(笑)

  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

本作といえば、原作改変についても触れない訳にはいかないでしょう

大きな原作改変が行われ、話題となったのが第12話
{netabare}ユーフォニアムのソリストが原作の久美子から黒江真由に変更になった件

敢えて原作改変に踏み切った京アニと原作者の勇気は称賛されるべきだ

いうまでもなく、原作通りにアニメ化してしまえば無難である
この作品のファンなら、最後に見たいのは久美子と麗奈のソリである
これは絶対に間違いない
ここで原作改変が行われ、原作の久美子から真由に変更になった
結果、ユーフォファンの間で物議を醸す事となってしまった

正直、私も真由に決まった瞬間に、かなり動揺があった

脚本家の提案に、原作者と監督がどういうする形で改変は行われたらしい
この作品を愛し、育んできた人々のベストアンサーがこの形だったのだろう

ここからは考察
かなり私的な意見なので、飛ばして頂いて構いません(笑)
{netabare}
この物語のスタートは、久美子と麗奈が中学3年生だった時
麗奈が『死ぬほど悔しい』と言って泣き崩れた時が起点となる
高校に進学した久美子は、そんな麗奈に触発され吹奏楽にのめり込んでいく
銅賞で終わった1年生の全国大会
久美子は、悔しそうに見えるけど『死ぬほど悔しい』というほどではない
全国を逃した2年生の関西大会
『悔しくて死にそう』と言って泣き崩れたのは、久美子ではなく奏だった
そして集大成の3年生
ラストには全国金賞が待っている
久美子に『死ぬほど悔しい』思いをさせるのは、ここしかなかったのだろう
そして、久美子は麗奈の前で泣き叫ぶ
『死ぬほど悔しい!』
久美子が、3年前の麗奈に追いついた瞬間

麗奈の『死ぬほど悔しい』に・・・
久美子が3年もかかって追い付いて・・・
ラストは麗奈の『嬉しくて死にそう』で締め括る

溜息が出るほど完璧なエンディングに心が震える{/netabare}

原作改変に踏み切った京アニと原作者の勇気に最大の称賛を贈りたい{/netabare}

  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

あまり話題にならないけど、ほかにも原作改変は行われている
例えば第1話
{netabare}1年生の新入部員が入部し、今年の目標を決める場面
『全国大会金賞を目標にする』ことを決める、大事な大事な場面

原作では、この場面に真由は参加している
真由の本心は計り知れないけど、真由はこの目標に同意している

ところが本作では、真由はこの場面に参加していない
真由はこの場面の後に久美子と出会い、転入し、入部している。
このせいで、真由の本心が見えづらくなっている

ここからは考察
かなり私的な意見なので、飛ばして頂いて構いません(笑)
{netabare}
『わたし、みんなと楽しく演奏したいから』(第2話より)
入部直前に、真由が久美子に語った言葉

物語のラストまで、久美子にも視聴者にも、真由の本心が見えづらい演出
我々視聴者は知らず知らずのうちに久美子がソリに選ばれることを期待する
「誘導される」といった方が正しいかもしれない
最終的に、更なる原作改変で裏切られるとも知らずに

しかし、視聴し終わって、少し時間をおいて冷静に考えると分かるはず
久美子が悩み、もがき続けてきた3年間
我々視聴者はそんな久美子の姿を見てきた
だけど、真由だって、立場は違えど、3年間悩みもがき続けてきたんだって
我々視聴者が知らないだけで

だから、真由がソリに選ばれても、何ら不思議なことではないと{/netabare}{/netabare}

  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

最後に、本作の影の主人公・奏について語りたい
私がそう思っているだけだけど(笑)

最初に言ったように、本作の最大の欠点は全13話と短すぎること(笑)
2クールで見たかったシーン
サンフェスの本番の演奏シーン
そして、奏の掘り下げ
{netabare}関西大会向けのオーディションで落選した以降の奏の掘り下げ

ここからは考察
かなり私的な意見なので、飛ばして頂いて構いません(笑)
{netabare}
関西大会、全国大会向けのオーディション
久美子VS真由のユーフォニアムのソリ争いにばかり目が行きがち
だけど、最大の悲劇のヒロインは奏だと思う

奏の落選の理由は『チューバが弱いから』
本来チューバのメンバーは3人の予定だったのに、補強のために1名増員
その枠を開けるために、奏は落選
奏本人は『何となく分かってましたから』(第9話より)って強がるけど・・・

久美子と真由のソリ問題
久美子の立場で言えば、真由より上手くなれば済む話
誤解を恐れずに言えば、久美子は自力で解決できる可能性がある

奏の夢は『最後に久美子先輩と吹きたかった』(第12話より)
つまり、久美子とコンクールに出場すること
残念ながらこの目標、奏1人の力では達成出来ない

解決策その1
チューバ部隊が3人で演奏できるくらいレベルアップする
解決策その2
ユーフォ部隊の2番手以内になる
ただし、同時に久美子も2番手以内になる必要がある
ソリは久美子に吹いてほしいという希望もあるから1位久美子2位奏が理想
現状、ユーフォ部隊の順位は1位真由2位久美子3位奏
1位の真由を久美子と自分が追い抜かないといけない

どちらにしても、自力だけでは解決出来ない
そんな絶望的な状況の中でも、部の目標『全国金賞』に向けて歩み続ける奏{/netabare}

そんな奏の葛藤をもっと、しっかりと見届けてあげたかった{/netabare}

  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

最後に・・・
この先、久美子が副顧問として奮闘するさまを見届けたいと感じたのは私だけでしょうか(笑)

素晴らしい作品に巡り会えたことに心から感謝します!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

91.1 2 京都アニメーションで部活なアニメランキング2位
響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3141)
13948人が棚に入れました
高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部をきめたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

文句なしに良い作品でした

第3期最終話まで視聴後追記。

「学生時代に部活動頑張った!」なんて人には、おすすめのアニメです。
また本作を未視聴の方のために、参考になれば・・・。

本作のジャンルは、『青春群像劇』。
高校の吹奏楽部を舞台とした青春アニメです。
魅力的な部員がたくさん出てきます。
お気に入りの部員さんが見つかると、俄然、視聴が楽しくなります!

以下は、おせっかいな注意書きです。必ずしも見る必要はありません(笑)
{netabare}
◎前半は『鬱展開』が多いけど、我慢!
第1期の前半は、後半~第2期のネタ振り。そのため、前半はかなり『鬱展開』が多いです。
「この作品が嫌い」という方の多くは、この『鬱展開』が合わなかったのかな?と・・・。
私も初見の時は第2話で切りそうになりましたが、我慢して引き続き視聴している内に本作の魅力にハマっていきました。
とにかく「前半は我慢が必要かも?」です。

◎百合展開?
第1期の後半以降は百合展開?と思われる展開になります。
私は「百合」というより「女子同士の友情」だと思いましたが、「この作品が嫌い」という方の多くは、この部分に引っかかったようです。
まあ、どちらにしてもそんなに濃い目の百合の話にはなりませんのでご安心を!{/netabare}

さあ、皆さんも第13話のラストで涙腺崩壊してみませんか!

-------------------------------------------------

原作未読。
作画と演出はさすがの京アニ。
声優陣は若手(だけど実力はある)を主役陣に、他の作品なら主役級のベテランを脇役に配置するなど絶妙。
文句なしに良い作品でした。

{netabare}
主役よりも脇役に感情移入してしまう私としては、一押しは夏紀先輩です。
『夏紀の姿』=『吹奏楽部の雰囲気』
初めは無表情で全くやる気の感じられなかった夏紀の表情が徐々に明るくなり、11話の優子と追っかけっこするシーンなど微笑ましくさえ感じました。

今作のもう一人の主役は香織先輩でしょうか?
せっかくコンクールを前に一致団結していた部員たちが、自分の事を思って分裂し、集中を欠き・・・。
そんな時、滝先生から再オーディションの提案が。
ソロパートを諦めきれない自分の思いと、そんな自分を気遣ってくれる周囲の思い。色々なモノを背負いながら立ち上がったシーンは感動的でした。
3年生の中でも気遣いNo.1の香織は、ソロパートにかける自分の思いのために、そして自分の事を思って分裂し、集中力を欠いてしまった吹奏楽部を一気に立て直すために立ち上がったんだと思っています。
自分だけじゃなく、吹奏楽部のメンバー全員が納得できる形でソロパートを決定できる再オーディションの方法を受けて立ったんだと・・・。

最終話。
滝先生が出発前に話し掛けていた写真の女性は誰?
コンクール会場に姿を見せた少女は?
結果発表を受け大喜びする部員たちとは対照的に一人目を伏せてうつむいたあすかの真意は?

願わくば第2期で明らかにならん事を期待しています!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 212
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Come on!Join us‼︎ & Bravo‼︎(余談3追記)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - 武田綾乃
監督 - 石原立也
シリーズ構成・脚本 - 花田十輝
キャラクターデザイン - 池田晶子
シリーズ演出 - 山田尚子
美術監督 - 篠原睦雄
色彩設定 - 竹田明代
楽器設定 - 高橋博行
撮影監督 - 高尾一也
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 松田彬人
音楽制作協力 - 洗足学園音楽大学
演奏協力 - フレッシュマン・ウインド・アンサンブル
音楽監修 - 大和田雅洋
アニメーション制作 - 京都アニメーション
製作 - 「響け!」製作委員会
放送期間 - 2015年4月 - 6月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


京都アニメーションの新作「響け!ユーフォニアム」

京都アニメーションならではの美しくて繊細な作画と
その中で生き生きと動くキャラクター達。
吹奏楽の魅力溢れる楽器の質感と演奏描写。
ホール特有の臨場感と緊張感。
そして合奏で生まれるダイナミックな高揚感。

アニメ視聴歴の短い私がこの様な事を言うのは大変おこが
ましいのですが、長年に亘って培ってきた京都アニメーシ
ョンの技術がいかんなく発揮されている印象を受けました。

京都アニメーション製作と聞きますと必然とでも言うの
でしょうかやっぱりその作画力に注目しちゃいます。
何気ない街の信号機の押しボタン、音楽室の備品らしい
楽器の傷や黄昏時の公園の背景、夕日や水銀灯が反射し
キラキラと輝く水面。演奏する時の息遣いや指の動き。
何秒も映らないシーンに対してのこだわりと言うので
しょうか、本当に細やかな描画が凄いと思います。
そしてその様な素晴らしい背景の中でそれぞれのキャラ達
が豊かな表情で丁寧に動いています。

私、京都アニメーションの横顔の描き方、けいおんやたま
ラブのレビューでも書かせて頂きましたが大好きなんです。
額から鼻そして唇、顎のライン、つい吸い込まれる様な瞳の
美しさにこの作品でも心を奪われました。
第1話から制作サイドのこれでもかと言わんばかりの熱意が
伝わってくる作画。
まるで映画かと勘違いしてしまうくらいのレベルを維持
しつつ圧巻の最終話までいきます。
凄いです!
ここまで作画に関して書かせて頂きましたが、是非その
目で実際に堪能して下さい。

次にストーリーなのですがお話としては、とある高校の
吹奏楽部の成長物語をヒューマンドラマを交えながら
描いた、ある意味では部活物の王道的なお話です。
しかし高校生ならではの憂い、葛藤、喜び、そして少し
ばかりの恋心を吹奏楽部の成長と共に全く手抜きの無い
リアルな描写で描ききってます。
そのリアルさに何度も心が震え、学生時代の楽しくて熱く
て切ない記憶が蘇りました。
特に吹奏楽部に対しての描き方は吹部在籍者もしくは
経験者も納得の内容だと思います。
そして1クールという短い時間の中でも出来るだけの楽器
の紹介や演奏、お手入れの仕方、吹部内のパート・編成の
説明、全国コンクールまでの仕組みなどの解説もあります
ので吹奏楽未経験の方でも凄く楽しめるかなと思います。
アイキャッチで毎回違う楽器が登場するので、
あっ、これなんだろ?
って興味を持つのも楽しいかもしれませんね。
尺の都合上十分ではないかもしれませんが吹奏楽未経験者
の方でも楽しめる様な配慮がなされている点が凄く嬉しい
です。

どうしても吹部というのは女子率が高いのでキャッキャ
ウフフ、はたまた女子特有のギスギスした関係等想像
するかと思われますが、体育会系並みの練習のキツさや
辛さ、顧問の先生または部員同士の確執、そして音を奏で
る喜びや音楽を通して築かれていく信頼関係や友情等も描
かれていますので学生時代に何か部活に打ち込まれた
方など特に共感出来る部分も多いのではないでしょうか。

アニメのタイプには非現実的でリアルではありえない事を
私達に擬似体験させてくれる楽しさと現実的でリアルで
あり得る事を共感しながら楽しませてくれる作品がある
と思います。
しかしどちらも同じアニメの醍醐味。
この作品は後者の良さが詰まった素敵なシンフォニーです。
少しばかり女の子同士のファンタジーもありますけれど。

胸を熱くさせるセリフの1つ1つ。
葛藤、友情、愛情、情熱のこもったストーリーを盛り上げ
る声優さんの演技もまた素敵です。
メインキャラを務める声優さんは私的に余り存じ上げ無い
方が多かったのですがその周りを固めるベテラン(年齢は
若いですが実力派の方を含め)の声優さんの演技が光って
ます。
エンドロールでおおっ!この人出てたんだ!ってなるのも
楽しみです。

そんな作画、ストーリー、声優陣のバランスのとれた
作品を盛り上げてくれるのが
OPの「DREAM SOLISTER」、EDの「トゥッティ!」
どちらもブラスバンドを取り入れていて、この作品の楽し
さと音楽を奏でる、みんなで合奏する楽しさが凄く伝わる
素敵な曲だと思います。

特に最終話のEDは…これは内緒ですね。是非!

最近視聴したアニメの中で最初から終盤までここまでの
期待感と緊張感を維持したまま視聴したアニメはなかなか
ありません。
ストーリー的な面白さもありますが、人間関係、心情、
音の対比の表現が素晴らしいと思います。

ボキャブラリーの少ない私には多くは語れません。
是非視聴して下さい。
そして感じて下さい。

とここまでなるべくネタばれ無しで感想を述べてみました
けれど、

上手く伝わるかなぁ…ちょっと不安。

でも、私自身初の5点満点の作品となりました

「響け!ユーフォニアム」

音楽とは聴く者の心を打ち震わせ、繋ぎとめる
世界共通の言語。

しっかりと心に響きました。ガチです!


【主要登場人物・出演者】

黄前久美子 - (CV:黒沢ともよ)
加藤葉月 - (CV:朝井彩加)
川島緑輝 - (CV:豊田萌絵)
高坂麗奈 - (CV:安済知佳)
田中あすか - (CV:寿美菜子)
小笠原晴香 - (CV:早見沙織)
中世古香織 - (CV:茅原実里)
塚本秀一 - (CV:石谷春貴)
後藤卓也 - (CV:津田健次郎)
長瀬梨子 - (CV:小堀幸)
中川夏紀 - (CV:藤村鼓乃美)
吉川優子 - (CV:山岡ゆり)
斎藤 葵 - (CV:日笠陽子)
黄前麻美子 - (CV:沼倉愛美)
松本美知恵 - (CV:久川綾)
滝 昇 - (CV:櫻井孝宏)


【主題歌】

オープニングテーマ
「DREAM SOLISTER」(第2話 - 第12話)
作詞 - 唐沢美帆 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - TRUE

エンディングテーマ
「トゥッティ!」(第1話 - 第7話、第9話 - 第12話)
作詞・作曲 - ZAQ / 編曲 - 高田暁 / 歌 - 北宇治カルテット
[黄前久美子(黒沢ともよ)、加藤葉月(朝井彩加)、
川島緑輝(豊田萌絵)、高坂麗奈(安済知佳)]

メモリアルエンディングテーマ
{netabare}
「DREAM SOLISTER (Wind Orchestra Ver.)」
(第13話)
作曲- 加藤裕介 / 編曲 - 松田彬人
{/netabare}


【mio's café】
ここからはネタばれの感想となりますので未視聴の方は…
出来ればご遠慮ください。
それでもという方は…Come on!Join us‼︎

{netabare}
良かった、本当に良かったです。
最初はヒロインらしからぬどこかクールでちょっと
ネガティヴな主人公:黄前久美子ちゃんにこの子この先
どうなるんだろうって不安だったけど、見事に変わって
くれましたね。
周りに良き友人、先輩、先生に囲まれて葛藤しながらも
成長し、本当の自分の気持ちに気付いていく様は見事でし
た。
CV:黒沢ともよさんの演技も普段のクールでグタグタな
低音ボイスから気持ちが高揚した時のちょっと上擦った
感じの声まで凄くメリハリがあって素敵でした。
本当にリアルな女子高生らしさが出ていたと思います。

そんな久美子を序盤で支えたのが超ポジティブ思考の2人
のお友達。
加藤葉月ちゃんと川島緑輝(サファイア)ちゃんでした。
でもこの2人のポジティブさ微妙に違うんですよね。
そのあたりの細かい使い分けも凄く上手だったと思います。
葉月ちゃん演じるCV:朝井彩加さん、
緑ちゃん演じるCV:豊田萌絵さん。
多分初めて名前を見る方だったのですが凄くキャラの魅力
を引き出していて良かったと思います。

久美子と最初にお友達になった加藤葉月ちゃん。
序盤のチューバとの馴れ初めは笑っちゃいました。
こうだと決めたら突進するポジティブ要素の他に以外と
感受性が高くナイーブな感じ。
感動しやすく、お友達の為なら頑張れる女の子。
8話告白シーンでの後ろからのカメラアングルで瞬きする
所、橋の上での緑ちゃんと再開して涙が溢れ出すシーン。
切なかったですね。
逆に9話でヘコむ緑ちゃんを励ます姿が愛おしかったです。

そして川島緑輝ちゃん。
「命かけてます!」
「その言葉待ってました!」
なんと前向きなキャラなんでしょう。
あのちっちゃい体でコンバスってのも良いですね。
後ろは振り向かない前進あるのみの超ポジティブ思考。
事あるたびに久美子にハッパかけてくれます。
そんな緑ちゃんでもさすがに9話ではへこんじゃってちょっ
と心配しちゃった。
8話でのいきなり登場した妹の琥珀ちゃん。
「こりゃ、ヤバいね〜」
葉月ちゃんの言葉そのもの。かなりヤバかったです。

緑ちゃんが背中を押して葉月ちゃんがさりげなくフォロー
する。
タイプの違うポジティブキャラの魅せ方がとても印象に
残ります。

そんな2人に割って入るかの様に久美子の心を虜にした
高坂麗奈ちゃん(CV:安済知佳さん)。
凄いですね。
私の中で「高坂麗奈」という「戦場ヶ原ひたぎ様」に
勝るとも劣らないキャラが誕生しました。
第1話でのあの涙。
凄くわかるんです、あのダメ金の悔しさ。
吹奏楽は一人じゃないからこその悔しさ。
皆んなが1つにならなきゃ取れない代表の座、
だけど一つになっても取れない代表の座。
嬉しさも倍なら悔しさも倍だから…
麗奈の気持ち凄くわかるんです。
リアルですね。
(私が現役の時はダメ金という言葉が凄く嫌いでした。
あの評価方法自体今思い出しても酷だと思います。)

私がこの作品を見始めて凄く興味があったのが、いかに
して金に届くまでの吹部に育っていくのかという事と
第1話で訪れた久美子と麗奈の関係がいかに変わっていく
のかという事でした。
第5話が吹部としての大きなきな転換点、そして第8話が
久美子と麗奈の関係の大きな転換点だったと思います。
作画の美麗さに音楽が優しく重なり、私までなんだか
幻想的な夏の夜の夢を見ているようでした。
背後の夜景が透けて見える白いワンピース。
久美子の顔をなぞる麗奈の白くて細い指先。
「特別になる…」
ユーフォニアムとトランペットでの2重奏。
その曲名も

「愛を見つけた場所」…

背景、音楽、キャラのあまりの美しくしさに背筋が
ゾクゾク。
最後のEDまでドキドキしてました。
近年の京都アニメーションの中でも突出した出来だと
思います。
負い目を感じて後ろ向きだった久美子が麗奈の強くて
真っ直ぐな気持ちの虜になった第8話。
好きな人の為なら全てを敵に回しても構わないという覚悟
の第11話。
この2話に共通していた事が好きな人の為なら死をも厭わな
いという気持ち。
高校生にはちょっとオーバーとか百合展開とか思われる方
もいらっしゃるかと思いますが、私にはそう感じませんで
した。
憧れや人を尊び好きになる気持ちは男女の壁を越えたそう
いう物だから。
人生にそう何度もない出会いが高校生の久美子に訪れた
だけだと思います。

そして麗奈と同じ目線に立てた第12話への大きな導火線
だったと。

「悔しい…悔しくて、死にそう…」

第1話での麗奈と同じ言葉を発した久美子のシーンには
見ているこっちまで心が張り裂けそうでした。
自然と涙が溢れました。
久美子が駆け出すシーンからの作画は圧巻です。
この12話での作画に関してちょっと興味深いツイートが
ありましたので。
以前京都アニメーションでアニメーターとして活躍してま
した斎藤敦史さん(現在はフリーとしてSAO、アルドノア・
ゼロ、ガリレイドンナ等のメインアニメーターとして活躍
中)のツイートなんですが、ちょっと引用させて頂きます。

「ユーフォニアム12話、ちょろっとだけ観たけど
どうやったらこんなクオリティになるのか意味が
分からない。無理〜。
演出がどのぐらい手を入れてたのか気になる。」

凄いですね、プロで同業者しかも元京アニの方が見ても
この感想です。

やはり京都アニメーション、凄いです。

メインキャラとモブ的なキャラの区別がつかないくらい
それぞれのキャラが魅力を発揮するのも京都アニメーショ
ンの作品の特徴の一つ。
今回も沢山の魅力的なキャラがいましたね。
当初から私が注目していたのが
低音パートリーダー田中あすか先輩(CV:寿美菜子さん)
新任顧問の滝昇先生(CV:櫻井孝宏さん)
の2人でした。

最初はあすか先輩の弾けたキャラに魅了され(寿美菜子さん
の演技もまたぴったりです)ていたのですが、お話が進むに
つれて見え隠れする過去と影。
リーダーとしての資質を持ちながらみんなとは一線を画す
あすか先輩の本心というのがとても気になりました。

新任顧問として赴任してきた滝昇先生。
私的にはもう何と言っても櫻井孝宏さんの演技が大好きです。
櫻井さんの顔が滝先生になるくらい素敵でした。
クールで優しい仕草で語りかける言葉の中にある熱い
情熱。
時には残酷ともとれる指導方法をとりますが、大事な所
での言葉はさすがです。

色んな言葉がありましたが最終話でのチューニングルーム
からみんなを送り出す時の言葉は最高でした。

「では皆さん行きましょう、全国に」

これで頑張れないわけがありません。
演奏始まる前から私のアドレナリンが噴出しちゃいました。
吹奏楽に対する情熱と生徒への信頼が感じられる素敵な
先生です。
あんまり言うと麗奈に怒られますね。

でも最終話が終わってもあすか先輩と滝先生2人の中にある
過去というか事情みたいなのが一番引っかかりました。
2期あれば明らかになるといいな。

中世古香織先輩(CV:茅原実里さん)は何と言っても10.11
話での再オーディションのお話が胸に残りましたね。
周りをそして自分を納得させ気持ちよくコンクールに向か
えるように敢えての再オーディション。
最終話での麗奈のソロパートを聴くマリア様のような表情
が全てを物語っていました。

小笠原晴香先輩(CV:早見沙織さん)もいろんな葛藤があり
ましたけれど、お話が進むにつれての成長がとても良かった
です。早見沙織さんの独特の鼻にかかったような声が私的に
は高ポイントでした。

一人一人あげていくと大変なレビューになりそうなので
最後にこの人だけはというキャラを。
中川夏紀先輩(CV:藤村鼓乃美さん)です。
私的に最大のダークホースって言い方はおかしいかもしれ
ないけれど、お話が進むにつれて一番魅力的になりました。
ポニテ先輩最強です!
最初の頃はこの先輩なんだかなぁ〜って感じだったんです
けれど、自身の過去の辛い思い出や久美子のトラウマを
取り払い、再オーディションの時も関係修復の為に影で
支えていましたね。
優子ちゃんとの微妙な関係も凄く好きです。
屈託のない笑顔でコンクールに出場するみんなを支える
姿に癒されました。
最終話では感動する葉月ちゃんの肩にそっと手を回す
シーンに思わず涙。
やっぱポニテ先輩最強!そういえば最終話はポニテ祭りで
したね。
私も翌日、久しぶりにポニテしちゃいました。
影響されやすいタイプなので…

もうキャラ紹介だけのなんだかなレビューになっちゃい
そうですけど、それだけ魅力に溢れたキャラがいる作品
という事かな。

最初から最後まで右肩上がりで楽しめた当作品。
中でも特に好きだったのは第5話、第8話、第11話、
第12話、第13話でした。

私の視聴したアニメの最高評価は4.9というのが何作品か
あるのですがあと0.1点というのが今までの壁でした。
凄く面白かった、感動した、泣いたそれでも充分なんです
がこの作品を視聴してその0.1というのがわかりました。

「心が震える」

これが0.1点の答えでした。

最終話でこの答えが出るかどうか、緊張のスタートです。

コンクール当日の朝、いきなり画面から伝わる緊張感。
目覚ましより早く起きてる久美子がまずリアル過ぎま
した。
静かな朝だからこピリピリ張り詰めた空気感という
のが伝わります。
そしてお姉ちゃんとの微妙な感じ…
そんな空気を麗奈との肘の小突きあいで飛んでけぇ〜って
麗奈も緊張してるんでしょうね、ついほっこりほぐしてく
れました。
現在の私のアドレナリン充填率70%

淡々と準備が進みみんなの表情もどこか硬い…
そんな緊張をほぐすかのようにチーム「もなか」からの
プレゼント。
サブメンバーの屈託のない笑顔に癒されます。
またもやほっこり。
小笠原部長とあすか先輩の掛け声でいざ出陣!
それにしても滝先生のタキシード姿、滝シードでした。
かっこいい♡
私のアドレナリン充填率80%

会場に到着してますます高まる緊張感。
もう私までリアルで見ているかのような気持ちの高まり。
あのホール独特の匂いまで再生されました。

館内で流れるアナウンス、チューニングルームでの音合わ
せであたふたする様子、音に共鳴するペットボトルの水。
凄くリアル。
現在、私のアドレナリンの充填率90%

招集がかかりいよいよです。
そして滝先生の言葉

「では皆さん行きましょう、全国に」

先生と生徒の気持ちが一つになった瞬間でした。
私のアドレナリン充填率100% 一気に噴出…
心が震えました。
そうです、最後の0.1点がきたんです。
しかしこれは序章、「心の震え」第1波です。

緊張の演奏開始。もう合奏を楽しむよりも祈るような
気持ちです。
ライトに反射する細かいダスト。
引きと寄りのカメラワーク。
みんなの気持ちのこもった表情。
「全国に行くんだ」
セリフと共に映し出される久美子の表情。
獲物を狙う野獣のような表情に「心の震え」第2波が
来ました。
凄い、この子達…

譜面に書かれたメッセージ、
「絶対金賞‼︎来年一緒に吹くぞ‼︎」中川
「絶対絶対ゼッタイぜったい‼︎全国‼︎」加藤はづき
「久美子ちゃん。次は火星まで手を伸ばしましょう!
行きますよ‼︎」みどり
「全国、行こうね」麗奈
胸が熱くなります。

いよいよ麗奈のソロパート。あの伸びやかな演奏の始まり
私も緊張MAX…
でもその演奏を聴く香織先輩の表情に「心の震え」第3波が
来ました。
色々あったけど今彼女達は演奏を楽しんでるんだ。
充実しているんだ、良かった…

演奏も終盤、みんなの演奏にも力が入ります。
滝先生も渾身の指揮。
フィニッシュ。涙が溢れました…
みんな凄く良かった、本当に…

いよいよ各賞の発表。
この緊張感、凄いです。
湧き上がる歓声と悲鳴、凄いどこまでリアルなんでしょう
みんなの表情に「心の震え」第4波。

最大の関門、代表校発表。
そうですね、言葉は入りません。表情だけで充分です。
素敵な演出に「心の震え」第5波。

もう私、鼻水まで出てきちゃいました…
どうしてくれるんでしょうか…

言葉では言い尽くせない、感じて欲しい作品です。
素敵な演奏、素敵なドラマを見せてくれてありがとう。
彼女達と京都アニメーションに感謝しています。

最後の集合写真、
屈託のない笑顔の滝先生が印象的でした。

あっ最後に一つだけ、立派な音響設備があれば別ですが
最終話だけはヘッドホンかイヤホンで視聴して欲しいです。
是非‼︎



〜凄く余談〜吹奏楽コンクール〜
{netabare}
この作品を通じて吹奏楽に興味を持たれた方がいましたら
是非、近くの地区大会、支部大会等のコンクールに足を
運んで欲しいです。
7,8月に都道府県、8,9月に支部(関西、九州とか)、11月に
全国というスケジュールで毎年行われます。
日にちをずらして小、中、高、大、般という様にだいたい
行われますが、高校生以上の金を狙う方々の演奏の迫力や
美しさたるもの凄まじいものがあります。

そんな中で私が凄く思うのが小学生の部の演奏を聴いて
欲しい事です。
まだ吹奏楽を生で聴いた事が無いという方がいらっしゃい
ましたら、是非近くのホールに騙されたと思って足を運ん
で欲しいです。
小学生と侮る事なかれ、今の子供達のレベル凄いです。
どんなに小編成のバンドでも心に響くものがあります。
子供達の演奏する圧倒的な音楽を体で感じて欲しいです。
是非!

凄く余談でごめんなさい。
{/netabare}

〜凄く余談2〜リアルユーフォ二アム〜
{netabare}
ご存知の方も多いかと思いますが、昨年吹奏楽界に激震が
走りました。
何が激震なのかというと九州吹奏楽コンクールで長崎代表
の活水中・高等学校が全国コンクールの切符を手にしたん
です。
いゃ〜おめでたいではないですかぁ。
そうなんです。おめでたいんです。

ってそこではなくて、何が凄いかと言いますと、
この活水中・高等学校は九州ではほぼ無名、長崎県大会で
も好成績を残した実績も無く一昨年まで部員不足でコンク
ール出場すらままならない学校だったんです。

そんな学校に昨年の4月に革命が起きました。

九州を代表する吹奏楽の超名門校「精華女子高等学校」
を35年間指導されてきた藤重佳久先生が精華女子高等学校
の定年退職を期に長崎・活水学院の教授に就任。
大学での音楽講義、中・高等学校、大学の吹奏楽部の音楽
監督を兼任する事になりました。

音楽特に吹奏楽は指導者で大きく変わると言います。
私も実際にその様な学校はこれまで幾つも見てきています。

「わかりやすく楽しく、目標を共有する」という指導論を
軸に1980年頃からの創部間もない精華女子を指導し全日本
吹奏楽コンクールには過去19回出場、平成26年には8回
連続・通算10回目の金賞を獲得。マーチングに至っては出
場した15回全てにおいて金賞というまさに吹奏楽界のレジ
ェンド。

就任5カ月での全国出場。
地区大会1回戦負けの常連校がまさかの甲子園という感じで
しょうか?
もちろんこの5カ月の間色々な意識改革、厳しい練習があっ
たと思います。先生を慕って転校してきたり入学して来た
生徒もいるかもしれません。
私立の学校なので施設や楽器にお金をかけたかもしれませ
ん。

でも楽器がいいから、設備がいいから、いい生徒が集まる
からでいい音楽は奏でられないのが吹奏楽なんです。

無名の学校を短期間にここまで成長させハーモニーを作り
上げるのは並大抵の事では無いと思います。
これから毎年藤重先生の指導を受けたいという生徒が全国
から活水学院に殺到するかもしれませんね。

昨年の全日本吹奏楽コンクールは銅賞でしたが、精華女子
高等学校で一つの音楽を作り上げ、活水中・高等学校でまた
新たなる音楽を作り上げようとする藤重先生。

いつか九州吹奏楽コンクール鹿児島開催の時、新しい藤重
先生の音楽聴いてみたいです。
これから楽しみがです♬
{/netabare}

〜凄く余談3〜劇場版公開前に7回目の視聴〜
{netabare}
うん!
何回見てもこんなに心が熱くなれる作品、
やっぱりユーフォです。
何でだろう…
「DREAM SOLISTER」を聴いてるだけで胸が熱くなり
涙が溢れてくる…

やっぱり私にとっては最高の出逢い。

何回見ても感謝の言葉しかありません。

原作・武田綾乃さん、制作・京都アニメーションさん、
「響け!」製作委員会の方々。
制作に関わった数多くのスタッフ、キャストの皆さん。

劇場でまた北宇治吹部のみんなに逢えるのが楽しみです。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 199

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

意欲作(2016.11.2修正: 演奏は第二のアフレコ)

ストーリーについては既に多数コメントがあると思うので違う観点で。

本作は吹奏楽部のお話なので演奏シーンが多い。下手だった演奏が上手くなっていく過程とか、キャラクター毎の演奏技術の差みたいなものを「演奏自体で表現する」というある意味前代未聞レベルのことをやっている。

単に「主人公はあるいはライバルは天才演奏家」みたいな話ではないのがミソで、いわば楽器演奏が声優の台詞とほぼ同等のポジションといえる。
(2016.11.2追補: 劇場版BDのスタッフコメンタリーで、音楽プロデューサーの斎藤氏がまさにこのことについて話していた。あ、厳密には演奏を先に録るからプレスコですが。)

Blu-ray収録のメーキングなどを見ても場面毎に必要な演奏を収録しているし、作画の面でも楽器のピストンや運指が変にならないようにかなり注意していると思われる。

ロボット物の「メカ作監」にあたる「楽器作監」がいたり、吹奏楽自体を描くとすると本作以上の体制であたることはとても難しいだろう。「京アニだからやろうとしたし、できた」と言えるかもしれないが、後世の作品は本作続編も含めてと比べられると考えると、「大変なものを作ってしまったなあ」というのが正直な感想である。

2016.06.26追記:
そういえば本作では「画面が青枠で囲われていたら、実際に起きた出来事ではなく誰かの頭の中での想像上の出来事」という演出ルールがあって、これが徹頭徹尾キッチリ守られていたのが面白いと思いました。なんと、BD/DVD特典OVAの中でさえこのルールは守られていたりします。

逆に過去の回想であっても、作中世界の出来事であれば色調を変えたりはありますがこの青枠がつかない。これ、アニメの演出として意外と良かったんじゃないでしょうか。

…でも、あにこれのレビューだけでなくネット上で感想とかを読んでいてもこれを指摘した人はいませんね。みんな気づいてますよね?

2016.6.29追記: tvkでの再放送を告知するためタイトル変更
他の局はわかりません、すみません。← 再放送は終わってしまったのでタイトルから削除

2017.3.13追記:
2016年の1期目分に続き2期目分も総集編劇場版公開が決定とのこと。祝!

2017.8.25追記: NHK BSプレミアムでの再放送を告知するためタイトル変更
NHKBSプレミアムにて「響け!ユーフォニアム」の放送が決定しました!

【放送局】
NHKBSプレミアム
【放送日時】
本放送:10月1日より(日)前7:30~7:54(全14回)
再放送:10月6日より(金)後11:45~前0:09

2017.8.26追記:
地上波放送されなかったBD&DVD 7巻収録「かけだすモナカ」も第14話として放送されるようです。

2017.12.19追記:
いよいよBSプレミアムでの放送も12/24が最終回です。その直後に続けて番外編「かけだすモナカ」を放送ですね。

2018.1.17追記:
とっくにNHK BSプレミアムでの再放送は終了していましたが放置していましたので、レビュータイトルから再放送告知を削除しました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 179

90.4 3 京都アニメーションで部活なアニメランキング3位
氷菓(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★★ 4.1 (8358)
35385人が棚に入れました
何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。

声優・キャラクター
中村悠一、佐藤聡美、阪口大助、茅野愛衣、ゆきのさつき、置鮎龍太郎、ゆかな、小山茉美、早見沙織、悠木碧、川原慶久、浅野真澄、豊崎愛生、小倉唯、阿部敦、伊瀬茉莉也、入野自由、小清水亜美、広橋涼、秦勇気、山崎たくみ、小西克幸、こぶしのぶゆき、日笠陽子、伊藤かな恵、升望、近藤孝行、森川智之、進藤尚美、茅原実里、寺島拓篤、竹達彩奈、寿美菜子、福山潤、杉田智和、谷山紀章、杉山紀彰、平川大輔、吉野裕行、石塚運昇、永井一郎、西村知道、二又一成、田中正彦、千葉繁、諏訪部順一
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

青春がミステリー

原作既読での感想です。と、言うよりもアニメを見てから原作を買った口です。
加筆しすぎて、ネタバレのところは文体が統一されてないのでご容赦を。

2022年10月、愚者のエンドロール編について追記しました。

原作古典部シリーズは3つの主なストーリーがあり、
このレビューではわかりやすい順、時系列を遡る形で書いていこうと思います。
各話のあらすじを書かないことをご容赦ください。

【クドリャフカの順番編】
{netabare}
話の中にちょくちょく出てきた文化祭の話。個人的にはいよいよ文化祭だなと感じる構成だと思う。
(文化祭のために文集「氷菓」を作る→文化祭の為の映画を見る、の後の話になるので)

聡志の「期待とあきらめ」の発言を軸に見ると登場人物達が何を思ったのか良くわかると思う。
文化祭での聡志の折木への一方的な期待の感情の裏にある自分への諦めの感情は、
こうち先輩と「夕べには骸に」の作者にもいえる。
真犯人とは別の、もう一つの謎、登場人物の気持ちがわかるだろう。
高知先輩が何を思ったのか考えてみてほしい。

また、風紀委員会委員長と生徒会長の関係も、自分への諦めと期待の関係だと思われる。
委員長は生徒会長の才能を認めることで諦めを持ち、期待しているからこそ、
「夕べには躯に」の次回作を書かないこと、才能を持ちながら行使しない生徒会長に対して、
怒りのような感情を持っているのかもしれない。
登場人物が何を思ってそんな言葉を言うのか、それを解いていくのがこの作品だと思っている。

ちなみに聡志の「データベースは結論を出せない」という口癖は、
折木という才能をみて諦めの中からでた言葉なのだろう。
その道の才能が無いから、他の道を探す。それは逃げから来る言葉だが、
クドリャフカ編で犯人を暴こうとした聡志の行動からも、
聡志があきらめ切れないことがわかり、やりきれない。
こういった感情で行動方針を変えようとする辺り、
実に青春をしていて現実の人間らしいのが福部聡志なのだと思う。

また、「まわりがどうあれ基本属性が薔薇色なんだよ」という言葉もあったが、
これは他人から見れば、自分は薔薇色に見えるだろうという諦めが入った感じだった。
「誰かが薔薇色に染めようとしても駄目さ、染まってあげない」というのは、
中学時代の過去とは違い誰かが自分に勝負を仕掛けてきても、
自分は受け流すというスタンスを取りたかったのかなと思う。
聡志は人に流されず自分を見つけたかったのだろうなと思えた。

【伊原の涙について】
高知先輩の話を聞いて、なぜ伊原は涙を流したのだろうか?
「名作は最初から名作として生まれてくるんです」
「ボディトーク、やっぱりこれも良い」この言葉は「夕べには骸に」との比較。
「私のは100枚落ちる」この言葉が高知先輩を自分に置き換えたらどうなる?という意味として捉えてみた。
努力をしてきて生まれた「ボディトーク」という作品が、
努力の先に名作が出来るという気持ちの肯定をする作品なら、
「夕べには骸に」は伊原の「名作は最初から名作としてうまれてくるんです」という理想の肯定に見える。
「夕べには骸に」を肯定してしまえば、圧倒的な差に対して諦めを持ち、
他人に期待をするしかなくなる。
今までの努力はなんだったのかという無力感も感じるだろう。努力の否定になってしまう。
そのことがわかって、自身も努力していつか名作になる作品を書いてやろうと思っている伊原は、
自分の才能のなさへの自覚や自分の無神経さに涙を流したのだろうと思う。

【折木の推理に対する聡の怒りについて】

「どうやってさ!」
折木が真犯人を探し出す手がかりについて、聡の提示した被害にあった部室の共通点や、
十文字のミスでも見つけたかという事に対して、どちらも否定した時の聡の怒りの言葉。
そしてその後に「期待してるよ」

伊原の涙について考えてこの件も整理が出来た。聡が努力して探していた点に対して全く否定する折木。
聡志の努力が無駄であるかのような折木の主張に対する怒り。
そして気付く、圧倒的な視点の違い。才能の差。それを感じてしまったから「期待してるよ」ではないだろうか。
これは、高知先輩と「夕べには骸に」作者との関係とまるで同じではないだろうか。

【生徒会長陸山宗芳がクドリャフカの順番を読まなかった理由】

「おつかれ!」陸山は田辺に向かってわざわざなぜこのように声を掛けたのだろうか?
その言葉を掛けたときの陸山の笑顔からしても、
「クドリャフカの順番を読んだのか」という田辺のメッセージは届いていないように思える。
ただ、田辺が自分に対してメッセージを送ったことには気付いているようにも見える。

では、「夕べには骸に」は陸山にとって、遊びだったのだろうか?
折木の「(あれが遊び?)」という、
夕べには骸にが陸山にとって遊びだと主張した田辺の言葉への反応を見ると、よほどの作画だと想定してみる。

sideストーリーである伊原と高知先輩のラストの会話から、
陸山も高知先輩と同じ方向の事を考えたのではないだろうか?
陸山も高知と同じく漫画をよく読んで、漫画を描いていたのかもしれない。
そして、安城春菜の才能と出会ってしまい、諦めを覚えてしまったのだろうか。
陸山が「夕べには骸を」を読んで、届かない才能に諦めを持ち、さらにその作画を担当することで、
漫画を描くことをやめるほどの感情を持ってしまったとしたら。それは、友達という枠を超えてしまったのか?
友達の原作をほおりだしてまで描かない理由とは?それも原作を1ページも開きもしない理由とは?
とても気になるが、与えられたヒントでは答えの出ない疑問として残された物なのかもしれない。

だが、「おつかれ!」は原作にはないセリフだった。
ただ、「あれが遊び?」や、「原作を開いてもいなかった」というヒントから、
上記の推論も、多少は原作でも成立するのではないだろうか。


{/netabare}
【愚者のエンドロール編】
{netabare}
文化祭で上映するミステリー映画の犯人を当てる話。
今回の、ストーリーの正解を当てる⇔推理小説作家を実はやらされている、
というすり替えのトリックは多くの人がこれに気づいたとき、
自分は身勝手だなと思うかもしれない。
本郷という作り手の人間を無視して、
計算問題のように無機質に問題を回答しようとしたことに罪悪感を折木が感じたように。
(少なくても自分はそのすり替えに気づいたとき、初視聴時にひたすら密室のトリックを考え続け、
本郷の気持ちを考えていないというメッセージも受け取れなかったことに自分の浅はかさに悲しくなった)
千反田がトリック問題が解けない、人の気持ちを誰よりも思いやる心を持っていたからこそ、
折木はその過ちに気づけたのだと思う。

ちなみに折木が最初に出した「万人の死角」の結末(回答)が
「文章問題」と折木自身に言わしめた理由の裏づけとしてだが、
「カメラを気にしていたキャスト」という「オチがわかった行動」をしている人間がいるのなら、
キャスト達に結末を聞けばいい。
それが出来ないのは、結末をキャストが知らないためであり、
カメラを気にしていたのは、キャストが不慣れだったということだろう。

注意深く視聴していくと、イリスの「観方を変える」発言について気付くことができるだろう。
また、千反田がイリスの術中にはまらず、観方が変わっていないことも描かれている。
イリスと折木が対決する茶屋のシーン、そして今後持つ折木のイリスへの不信感は、
他人の気持ちをないがしろにするイリスに対しては当然といえばそうだろう。

だからこそ最後のシーンで自分の視点で動いたことにはしたくなかったイリスが描かれている。
全体のためという大義名分がなくなり、本当にエゴで人の気持ちを利用して、
使い捨ててしまった自分を肯定できないのだから。

イリスは、折木の姉に、クラスメイトが悪い、自分(イリス)は本郷を救ってやった立場という自分の主張を否定された。
「あなたの主観で判断した事に責任を持つ」という折木姉の言葉に、
自分が善か悪かで答えてしまうイリス。
「私はあのプロジェクトを失敗させるわけにはいかない立場でした」という正当化だったが、
「自分の所属するクラス出し物の成功」という自分の利益の為に本郷の脚本を切り捨てていたにもかかわらず、その業を自分で背負わなかったことへの責めは、どうしても自分の人間性の否定に繋がるので反論したかったのだろう。本郷を助けてやりたかったという善人的な目的ではなく、堂々と自身の利益を追求したといえないイリスを、折木姉は批判したのだろう。


【えるの本郷先輩への固執について】
「きっと志半ばで筆を折った本郷さんの無念が、叫びが、隠されていると思うんです」
川原での折木との会話のシーン。この「無念」と「叫び」は、
氷菓編でえるの叔父が文集「氷菓」に隠した思いと同じではないだろうか?
えるが本郷先輩の隠された思いを汲み取りたい理由は、
叔父の時のような悲しい「思い」をだれかが明らかにして、
当事者にとって良い方向に物事を持って行きたい、
もしくはその悲しい思いを供養するような、そういう感情が働いているのだと感じた。

【折木とイリスの対決について~折木の怒りについて】
「だれでも自分を自覚すべきだといったあの言葉も嘘ですか!」
折木はなぜここでこれほど激怒したのだろうか?
折木はイリスに乗せられて推理と称した脚本コンテストに乗せられてしまった。
名探偵を一瞬でも気取り、本郷の思いを無視してしまった自分に対しての怒りと、
そうさせたイリスに対して、あれほど怒るのは自責の念がそれほど強かったからではないだろうか。

2022.10.6 追記
上記レビューの至らなさに反省しきりです。
折木が起こった理由、それはシンプルに「あなたは特別よ」「だれでも自分を自覚すべき」」というイリスの言葉によって自分の器を特別なものと意識させられた、そしてその言葉が建前、嘘であったこと、嘘により利用されたことが理由でしょう。
返して言えば、折木を利用するために折木自身が自分の評価を「特別」であるように思いこませる嘘をイリスにつかれたわけです。
それは折木にとって、自分を自覚する、あるいは自覚した行動、それは自分というものをポジティブに再評価できた、人生の分岐点のようなものだったわけですが、イリスという標識は、折木の人生の利益ではなく、自分自身の利益の為に折木を誘導し、折木はそれにはまってしまった訳ですから、
その自身の利益をイリスに再確認(可能性はゼロでも)せずにはいられなかったのでしょう。イリスの回答がわかっていたからこそ、折木は問い詰めたときに激怒していた、それが私の今の感想です。


【聡志「それにしても、羨ましい限りだね、全く」について】
聡志のこの言葉は、折木に対して言われたものであるが、
探偵役として人に物を頼まれる折木が羨ましく見えた・・・だけではないだろう。
折木が聡志の才能に対するフォローをした後の言葉だったわけであって、
皮肉であると捉えるのもいいだろう。折木は持っている才能が発揮され、
活躍している立場からの聡志への言葉だからこそ、
聡志は自分が日陰者で折木が表舞台に立っているような状態を、
日陰者として皮肉っぽく言ったのではないだろうか。

【江波倉子は何を思った?】
「私は企画に参加していません 興味がなかったので」
「本郷は生真面目で注意深く 責任感が強くて馬鹿みたいにやさしく 脆い 私の親友です」

これが江波の人間性が見えるセリフ。このセリフから読み解けるように、
映画企画は自由参加であり、興味が無い人は参加しなくても良かった。
興味が無いからと参加しないのは、人の輪に交わる必要性を感じていない性格といえる。
エピローグでの本郷のチャットでのセリフからも、
江波と本郷は対照的な人物でありながら、親友であった。
二つ目のセリフは本郷の性格を示すことで脚本の正体を暗に示しているが、千反田の仮説と合わせて考えると、
江波が何を思って案内役を引き受けていたのか、謎が深まっていく。

そして千反田の江波に対する仮説がこうだ。
「本郷さんは脚本の見通しを最後まで持っていたと思うんです 
途中で倒れたとしても 聞くことは出来たと思います 
それすら出来ない容態なら 
親友といっていた江波さんは絶対にクラスの皆さんを許さないくらい怒ると思うんです 
案内役なんて引き受けないくらいに 」

江波倉子は一体どのような立ち位置にいたのだろうか?
本郷の本当の状態を知っていたのだろうか?
イリスによる台本作りに乗って、本郷をかばおうとしたのだろうか?
本郷の脚本の結末を知った上での行動だろうか?
だがその場合、本郷の脚本が出来ているのをもみ消すイリスに対して、江波はどんな感情を抱くだろうか?

そして、台本作りをさせていることをわかっていたなら、古典部にどんな気持ちを持っていただろうか。


江波が本郷に嘘をつかれていたとしたら?本郷は病欠が多かったが、
それがあったために、江波はいつもの事とあまり気にしなかった?本当に?
江波は本郷と親友だと言ったなら、倒れた後に連絡をするはずだろう。
そこで、親友とまで言っている二人の間に嘘が存在するだろうか?
原作者の作品は暗いオチが多いので、それも考えられるが・・・

他薦で脚本は本郷と決まったというが、それは参加不参加の前だったのか、
参加の表明をした後だったのか、それはわからない。
だが、そこの真実で江波の中で本郷の自己責任だったという気持ちがあったかなかったか、
そんな事も考えられるだろう。

【本郷の脚本とえるの結末への興味】
えるが本郷の脚本の結末で気になっていたところ、それは、犯人と被害者が、どういう関係性であったのか、という部分にある。
それは、えるが想像した、密室への回答も含めた本郷の脚本であり、人の心情を考える、というえるらしい興味だと思う。
そこには、なぜその人物がその行動をとったか、という行動の裏付けの動機、確かに感情が存在する。それをえるは考えていたんだと私が気付いたとき、私はまた、この作品に新たな新鮮さと胸いっぱいの暖かさを感じた。
私はまだまだ、この作品を読み解けていないのだなという悔しさも味わいながら。(2022.10.6追記)

{/netabare}
【氷菓編】
{netabare}
文集氷菓を読み解き45年前の真実を解いていくお話。
関谷純が千反田に残した言葉の意味、氷菓二号における文芸部員の言葉の意味から、
時間の経過によって古典になってしまった45年前の真実が解き明かされる。

最後の謎解きで折木がイラついた理由、それは氷菓の示す関谷の残した苦悩のメッセージを、
気づいてやるべき後輩達(自分達)が気づいてくれない事に対してだろう。
関谷の苦悩を知ったとき、叫びたくても叫べない、生きながら死ぬ、
その苦しさや無念に少しでも共感をする事ができたなら、この作品が好きになっていることだろう。

悲鳴も上げられず死ぬとはどういうことだろう。
周りが悲鳴を上げることも許してくれない。
周りがなんと言おうと悲鳴を上げる勇気も必要なのではないか。
だれかに弱いと思われたり、言われたりしても、叫んだり泣く事も自分を守るためには必要なのではないか。
千反田に対して「強くなれ、生きたまま死ぬことになる」といった、
関谷純のその時の感じた恐怖、悲しさ、無念さ、辛さを感じることができただろうか。
(私には、自分にはどうしようも出来ない物事の大きさに恐怖し、
自分が大きな流れに声も上げられず潰されていく苦しさ、
自分の全てが終わってしまったような無念さ、そのどれもが辛く、苦しく共感を覚えた。)

「全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく」
氷菓編にこんな言葉が出てくる。主観性とは、当事者の気持ちであり、
今伝えられているお話は当事者の気持ちが失われたお話であり、それを表面的に読んでも、
当時の人が何を思ったのかは分からないという事だ。
その言葉からも、関谷純の感じた感情が薄らいでいくことへの無常さ、
そういったものがこの作品の儚さに繋がっているのだと思う。

再度書くことになるが、
このアニメは提示された謎解き(氷菓、映画のストーリー、泥棒の犯人)だけが謎解きではない。
登場人物が何を思ったのかを考え、どんな気持ちだったかを考えることが視聴者に送られた謎なのだろうと私は思う。

【薔薇色について】
折木は自分の灰色の高校生活の中で薔薇色に憧れがあったのかもしれない。
そして45年前の真実は薔薇色だったのかに疑問を持つ。
つまり、45年前の事件の真実を知ることで、自分が薔薇色に対して憧れがあるのか?
自分がなぜ他の人間を見て落ち着かないのかに答えを出したかったのではないか?
それが折木を推理に向かわせた原動力ではないだろうか。
そしてその落ち着かなさの理由はは他人が感情に揺さぶられ一喜一憂している姿を見ているからだろう。
最終回でのエア告白では折木は感情に揺さぶられ薔薇色になっているのかもしれない。

【生きたまま死ぬ?について】
これがえるのトラウマになったか、元々死への恐怖が人一倍あったのかは分からないが、
「愚者のエンドロール」編のエピローグで、死ぬお話に抵抗があると打ち明けている。
えるが本郷先輩の脚本にこだわった理由がここからきているのかもしれない。

「今感じた私の気持ち、それが将来どうでもよくなっているかもなんて、今は思いたくないんです」
えるの、人の思いを大切にしたいという気持ちの現れだろう。
時間が惜しいという意味ではない。未来の自分に胸を張りたいという思いでもない。
恐らく、すべての事に意味があると思いたいのではないのか。
対立する2つの事があっても、
どちらにも言い分があるという考えをするのが千反田えるではないだろうか(「大罪を犯す」を見てほしい)。
なにであろうと、無価値と思うことに抵抗が有り、失われていく記憶の中にある思いも、
価値があったと送り出してやりたい、そういう気持ちがあるのではないだろうか。
折木の「お前の中で時効になっていくのかもな」という言葉に反応し、
恥や外聞を捨ててまで45年前の真実を明らかにしようとした事からも、
千反田の性格の根幹にあるものではないか。

{/netabare}

【折木の成長について】
{netabare}
では、折木はこの問題を解いていきどのように成長したのだろうか。
1話目では「保留」千反田という感情の塊のような存在に、
無機質な回答しか行ってこなかった折木は答えが出せず「保留」した。
この保留は「不慣れな者は奇をてらう」という事を身をもって実行したことについてだった。
現状の状態に変化を求めず、様子見をしたかった、という折木の気持ちを福部聡は保留という言葉で言い表した。
しかし、この屈託が高くつくと予想した聡の言葉通り、
千反田は折木の能力を買って折木に頼ることになり、折木は変化を求められることになる。

2~5話では姉に書いた手紙で自分の省エネ主義へ疑問を向けたことを明かした。
折木は自分が周りが青春を謳歌し、なにも楽しめない自分に違和感を感じていたが、
氷菓の事件を追求することで自分の主義は悪くないと確認し、今まであった居心地の悪さを解消した。
少なくとも折木の中で「変化」があったことは確かだろう。
薔薇色と呼ばれる青春時代は誰かの犠牲の上に成り立っているのかもしれない。
そう考えると灰色の青春を過ごす自分には、
薔薇色は誰かを犠牲にしてまで手にいれるものじゃないな、と思ったのだろうか。

折木が氷菓事件の最後にイラついたことからも、問題解決に客観性を持ちつつ回答していくが、
誰かの感情に気づくことが出来るようになったことは人間として、大切な成長を遂げたと思う。
だが、千反田が関谷純との思い出でなぜ泣いたのかが、千反田が4話で疑問を解消できず、
5話で謎が全て解けたときに千反田が思い出して折木はその泣いた理由を知る。
その事からも、折木にはまだ人の感情まで推理に組み込む力はまだないと思う。


8話から11話では自分の能力と向き合い始め、
初めて大きな挫折をすることで、折木が成長する糧になった。
この挫折には、自分が問題の答えを外したから悔しい、ということではなく、
自分が他人の思いを考えてやれなかった自責のようなものが折木の心に深く残ったのだろう。

12話から17話では福部のセリフにもあったように、折木の才能が遺憾なく発揮された。
これは、挫折(愚者のエンドロール編での挫折)を味わったことで折木に成長があったということだと思う。
その成長は計算問題のように謎を解くのではなく、
他人の思いを考えることがより出来るようになったことではないだろうか。

最終話では折木が省エネ主義から脱却しそうになる。
折木の中で少しずつえるの存在が大きくなっていき、
えるに関してのことは「やるべきこと」になっていくのが伺える。
それは、折木の「やるべきこと」が少しずつ見え始めているともとれる。
{/netabare}

以下、1話完結の話のレビューです。
【正体見たり】
{netabare}
1話完結。古典部員達がまやかのツテで温泉旅館に泊まりに行き、
まやかのみた幽霊の正体を解き明かすという話。

この話で何が枯れ雄花なのかというのは、折木からすれば、幽霊は枯れ雄花であり、
有りもしない幻想や妄想に入る。同じくして、折木にすれば仲の良い兄弟など枯れ雄花である。

つまり、折木達は幽霊など存在しないということを明らかにしながら、
仲の良い姉妹というえるの理想も枯れ雄花である現実も明らかにしてしまった。
ラスト前、真実を知ったときのえると夕焼けの空が、
現実を知ることで、大人になるような、儚い気持ちを思わせた。

実はこの話の最後のシーン、原作とは異なる。詳しくは原作を読んでほしいが、
個人的には(兄弟のいる身として)アニメ版は救いがあって良いと思う。
確かに幼い姉妹兄弟はケンカばかりするものだが、
根底では兄弟愛というものが存在しているかも知れないを思う良い改変だった。
{/netabare}
【連峰は晴れているか】
{netabare}
折木の中学の先生がふとヘリを見て「ヘリが好きなんだ」と言った理由を突き止める話。
私は結構人の気持ちがわからないんだなと、改めて思い知らされた話。
折木は、仲間の心配をした先生の気持ちを考えてやれた。
えるは過去の他人の気持ちを考えて上げられる折木に対して、言い表せない感情を抱いた。
(折木が優しいというのもおかしいと思ったのだろう、
あえて言うなら、人の思いを大切にしてくれる人、だろうか)
私は折木の言葉も、えるの気持ちも察することができなかった。
人の思い、その時の感情、それを大切にしたい、
それを考えてやれる人間になりたいと、またひとつ、この作品に教えてもらった。
この話、原作の書籍には載っていない話なので
(野性時代か何かに載っていたのみらしい)漫画での書籍化が非常に楽しみだ。

追記【千反田の興味が折木に向いた】
折木がなぜ小木先生のヘリ好きが気になったか、それが気になってしまった千反田。
それは折木が他人のためには頑張って頭を働かせ、いつも自身の事には無頓着だった折木が、
自発的に自分の疑問を解決する為に動いたように千反田には見えたからだ。
単純に折木が気になるからではなく、
折木という人間をよく観察して人間性を分析しつつ千反田は疑問をぶつけている。
だが、単純に異性に対して「あなたの事が気になるんです」といわれるシチュエーションに折木は何を思っただろう。

{/netabare}

【手作りチョコレート事件】
{netabare}
あらすじ
バレンタインの日、まやかが聡志にチョコレートを渡すつもりだったが、
部室に置いていたチョコレートが誰かに盗まれてしまう。
千反田はチョコレートを盗まれた責任を感じ、古典部男子二人と一緒に犯人を捜す。

この話に関しては、まだまだ、考察しきれていない。
特に折木と橋の上で話したときの聡志の思いが中々難解。
勝ちにこだわった中学時代は高校生になった聡志はつまらないと評した。

そして、こだわることを辞めて、こだわらないことにこだわるようになった1高校時代の今を毎日が楽しいと言う。
聡志に「つまらなかった」と評された中学時代は、他人と自分を常に比較し続け、
自分の価値が、他人より上か下かの判断しかなかった自分に「つまらなかった」といったんじゃないか
その中で、自分のアイデンティティが貧相なことを悟り、こだわることをやめたのではないかと思う。
では何にもこだわらない高校時代を毎日が楽しいと評しているのは、
勝ち負けの世界を抜け出して、他人のいい所を直視し、自分と他人の境界を引き始めたため、
今まで見えなかった世界が見えるようになった、
もしくは他人と自分を比較しない世界(オンリーワンでいられる世界)が気楽で、
「楽しい」という自己評価に繋がったのではないだろうか。

また、「僕はまやかにこだわってもいいのかな」というセリフからは、
勝ち負けの世界からフェードアウトした自分が、勝ち負けの世界がまやかの住む世界や社会だとしたら、
その世界のルールを外れた自分が、まやかを独占することは許されない事、
という思いを持っているんではないか。
まあそんな事(世界の誰かが許さない事なんて)はないと思うのだが・・・。
自分の行いを許さない人が見てるかもなんて、
それこそいるかわからない神様に遠慮してるようなものだろう。
だけどそういう部分に許せない部分(非合理的)があるのが青春っぽくもある。

「あとちょっとでわかりそうなんだ」
聡志が折木に言ったその言葉は、
こだわらないことにこだわることで、
自分のアイデンティティ、進むべき道のようなものがはっきりとわかりそうだと思っているのだが、
でも今はもやに包まれた感じがする。そのような思いなのかもしれない。


{/netabare}

【遠回りする雛】
{netabare}
折木は千反田に頼まれ、いき雛祭りで傘持ちの役をしにいく話。

「しまった…よくない、これはよくない。
多分なんとしても俺は、ここにくるべきではなかった。
俺の省エネ主義が、致命的におびかされてる…」

千反田のいき雛姿を見て、こんな事を思う折木。
折木は千反田の顔が見たくてしょうがなくなる。
ここで、折木は「顔がみたい」という「やるべき事」かわからないことに執着する。
折木の省エネ主義は「やらなくてもいいことはやらない、やるべきことなら手短に」という考え。
やるべきことじゃない事をやろうとしている折木は自ら省エネ主義を壊そうとしている。
それほどに千反田に気持ちが傾いていて、折木の中では1秒が1分にも感じるような緊迫感があり、
しかし期待のようなものを感じてしまうワンシーンです。

「見てください、折木さん。ここが私の場所です。
水と土しかありません。人も段々、老い、疲れてきています。
私はここを最高に美しいとは思いません。
可能性に満ちているとも思っていません。
でも、、、、、折木さんに紹介したかったんです。」

千反田が桜の下で折木に言ったこの言葉は誰にでもいえるものと受け取った。
自分が生まれ育ってきた風景を特別愛しているわけでもない、憎むわけでもない。
千反田は自分がうまれ、見てきた風景を折木知ってほしかった。
折木に自分の事を知ってほしかった。
それは自分の事を知ってほしい相手に対して誰しも思うことがある思いだと感じた。
これは千反田にとっての告白なのかもしれない。
遠回りしてしまった雛のように遠回りな告白。
いろんなしがらみを抱える世界にいる千反田が、
少しでも折木に自分を知ってほしいという気持ちが伝わり、
いじらしく、綺麗なシーン。

折木「・・・寒くなって来たな。」
 千反田「いいえ。もう春です。」

告白とも取れる事を言いそびれた折木は言葉に詰まってごまかす。
寒くもないのに「寒くなってきたな」。その返しが「いいえ。もう春です」。

折木がいつものような会話でごまかす。
それに対し千反田もいつものような会話で返す。
お互いがお互いを理解し、いつもの関係を維持しながらも少し関係が進んだような終わりかたが、
いじらしさと喜びのようなものを感じさせてくれた。

{/netabare}

【持つべきものは】
{netabare}
そもそも省エネ主義をモットーとする折木がバイトをするという時点で、
既に折木に変化があったと見ていいだろう。
このときの折木は省エネ主義がぼやけている。
「愚者のエンドロール編」でのイリスとのやりとりで自分の立ち位置が分からなくなったのだろう。
特別でもなんでもない自分が何か特別な主義主張があるのが嫌気が差していたのかもしれない。
それが自分がモットーにしてきた省エネ主義であったとしても。
特別を気取ってしまった自分に対する嫌気が
「どちらにしろ俺は普通だ」なのではないだろうか。

「(大丈夫だ)」という折木の確認は、自分の気持ちに折り合いをつけたのだろう。
その気持ちは、「めんどくさ」という最後の言葉からも省エネ主義に立ち返ってはいるのだろうが、
「たまに頼られるのもいいな」という言葉からも多少灰色からの脱却も入っている。
頼られることで救われたのは折木だった。
それは折木が特別だとか普通だとかの非日常的な憂鬱な考えにとらわれていた所を、
古典部の面々に頼られることにより日常に戻れたことからの発言ではないだろうか。



{/netabare}

全体の感想として、日常的な青春の感じだけど、非日常な青春も交じり、
非常に羨ましく思う部分もあり、共感できるような出来事や人物の立ち位置、
登場人物に対する感情移入が多く、楽しめた作品でした。

未だに氷菓の本当の魅力を伝えきれずむずむずしています(笑)。
私が氷菓に心を打たれた理由が未だに伝えられない。
今のところ、「人の感情や思いを考えることの素晴らしさ」を気づかされた、
という感じにしか書けませんが、私のレビューで、
氷菓という作品に込められた思いを少しでも感じ取って下さる方がいれば嬉しく思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 216
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

最終回まで視聴完了 満足のいく終わり方だった

<22話最終回の感想>

結論から言うと、満足のいく終わり方だった。
折木は折木らしく、千反田は千反田らしく、それぞれの持ち味を
決して崩さないまま、少しせつなくほろ苦く、だけどリアルで納得できた。

そして景色はリアル以上に毎回美しかった。
はらはらと夕陽の中で舞う桜の花びらに泣けてきた。
夢の中のようなお雛様の行列。
狂い咲きした桜の前に来たときの、えるたんの顔は
折木でなくともぜひ、観てみたかったよ~

観終えた後でしばらく、じわじわきていた。
2クールあった中、1クール目はスピードが緩やか過ぎて
物語を知らなかった分なおさら、退屈になりそうだったけれど
13話から見違えるほど面白くなり、観れば観るほどこの作品の良さや
登場人物たちそれぞれの魅力を強く感じることができるようになって
ほんと、観続けて良かったと思う。

背景の小道具ひとつとっても、人物のしぐさの描写ひとつとっても
必ず意味があって、細かく描かれていたので、
きっとまたしばらくして観直すと、新たな発見があって楽しいかも。

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<21話の感想>

ヴァレンタインデーに里志へチョコを渡そうとする
中学時代の摩耶花も、ラッピングのリボンを真剣に悩む今の摩耶花も
彼女の部屋そのものな乙女チックさが出ていて、かわいかった。
でも、周囲からはちょっと意外に受け取られそうな里志の想いや厳しさは
わかる気がするし、自分も似た部分があるので共感してしまった。

その一方で、振り回されてしまった千反田えるは少々かわいそうだったし
真相に薄々気づいて肩を落としている摩耶花も、ちょっと不憫だった。
それでも、メンバーのそれぞれがメンバーたちを思いやり
やさしい嘘をついたり受け入れたりしている姿に、
ちょっとこみ上げてくるものはあった。

----------------------------------------

<20話の感想>

もう元旦?
えるちゃんの小紋姿がとてもキュート。
「見せびらかしたかったんです」なんて言っても、
それは彼女だから許されるのだよね(笑)
白っぽいトレンチコートの折木くんは、ちょっと背伸びした感じが否めない。
しかし、いつまでも冷淡な態度の折木くんだよなぁ・・

で、いきなりのアクシデント発生。
今回は前回のゆる~い雰囲気の部室でとは違う密室劇が始まった。
でも、さすがは里志。 ちゃんと伏線も回収されているし、
タイトルの「あきましておめでとう」の意味にも、
なるほどそういうことか!と、とてもいい脚本だったと思う。

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<17~19話までの感想>

里志の本音が出るときの表情って可愛い(笑)
そしてそんな彼をみつめる摩耶花の真顔も可愛い~
推理中心のこの3話、19話は特に部室での動きの少ない密室劇。
演出がとても演劇的で印象に残った。
文化祭編のような面白さは少ないものの、吐息の温度や
制服や髪から漂う香りまで伝わってきそうな繊細な描写は
相変わらず脱帽モノ。
----------------------------------------

<14~16話までの感想>
{netabare}
14話=文化祭はまだまだ続く~お料理対決が最高に盛り上がり
折木の機転とまやかの頑張りについ、ぼろ泣きw
古典部の面々、結束力が高まってきてるよね。最高だ!

15話=怪盗事件に絡んだ古典部の面々の、それぞれの焦り。
なぜだか、サトシの想いにアツいものを感じて萌えてしまったw
{/netabare}

16話=文化祭はコレでそろそろ終了かな?
怪盗事件に関する推理を本格的に掘り下げていってて
今回はじわじわした感じで見応えあったと思う。
相変わらず顔出ししない折木くんのお姉さまが、「私気になります!」
-------------------------------------
<13話の感想>

数話ごとに感想をまとめようと予定していたが、
今回の13話も書かずにいられない可愛さでw
前回はえるちゃんと奉太郎がメインだった気がするけど
今回は見せ場として、まやかとサトシがメインだったように思う。

歩くデータベースことサトシは当然クイズ好き。
頭に土星乗っけて参戦(笑)っていうのがまず目立ちすぎ~
でも、遠くからでもよくわかって演出的にもナイスだった。
放送開始当時から感じてたけど、サトシと自分に共通点があまりに多く
個人的になんだかすごく親近感が湧いてしまうw

また、漫研でのまやかと先輩との対立も面白かった。
名作はいかにして名作と呼ぶのか・・・両者とも一理ある意見で
観ているこちらも真剣に考えさせられたりして。
ちなみに、まやかの自室はピンクの壁とカーペットに白い家具で統一され
フリルのついたレースのカーテンなど、姫っぽさ満点。
棚のあちこちに置かれたかわいいマスコットや雑貨類、
TVのフレームまでピンク色、本棚にはコミックがいっぱい。
少しボーイッシュな活発さのある普段の彼女からは、なかなか想像しにくい
いかにも女の子らしい、かわいい部屋だったのが好印象。

奉太郎がえるちゃんのコスプレ写真みつけて、照れながら
じ~~~っとみつめてしまってるシーンも、
その写真の封筒に気づいて慌てるえるちゃんも、
ほんと・・・今回もみんな細かい描写がなんとも可愛く
観れば観るほど愛着を感じてしまう作品になってきてるのを感じる。

--------------------------------------

<12話までの感想>

12話まで視聴済み。2クールということなので、ちょうど折り返しかな。

前半、テンポが遅いように思え、じれったく感じたりもしたけれど
6話くらいから面白くなってきた、というのと、この作品の観方が
つかめてきたのかもしれない。

学校内でのちょっとした出来事や、謎を解き明かしながら
古典部の仲間たちの友情も深まり、温泉回やプール回などもクリアw 
ミステリ物というよりは、まさに青春群像劇といった趣で、
人物描写がとてもきめ細やかなのには毎回驚かされる。
特に会話中の息継ぎとか、瞬きした瞬間の髪の揺れ具合とかね、
そんな何気ない部分やシーンの作り方を観ていると、
これぞ京アニクオリティということか、と。
あぁこれでテンポが遅く感じるなら仕方なかったなと思うほどで。

これまでの話の中、文化祭前日と当日を描いた12話がダントツに良かった。

文化祭を楽しみにする部員たちのそれぞれの夜。
特にフクちゃんの部屋は、彼がこれまで身に着けていた巾着たちや
手芸部で作ったひまわりの衣装なんかも飾られていて、
ごちゃごちゃしながらも、彼らしい雰囲気の部屋が良かった。

それとは対照的な、無駄のないシンプルな奉太郎の部屋。
こういう、細かな小道具にいたるまでの演出にはすごく好感が持てる。
そして嬉しくなってしまう。

また、文化祭当日の、いつもはしっかり者の伊原の困った顔つきや表情に
守ってあげたくなってみたり、出し物を見て無邪気にはしゃいだり
手を叩いて驚いてみたりの純真無垢な、えるちゃんの横顔も可愛くて。
あちこち学校中を走り回りながら出し物に立ち止まってしまい、
はっと我に返って「いけませんっいけませんっ」と走り出す彼女の後姿には
やれやれと思いつつ、妙にツボってしまった(笑)
なんとも、好奇心旺盛な彼女らしい演出だったと思う。

また、12話からは新しいEDがお目見え。
子供の頃に観たような、アニメらしいアニメのEDっぽくて、これも良かった。

残すところあと12~13話だろうか・・
まだまださまざまな展開を見せてくれるだろうし、
個人的には、まだ全貌が現れていない奉太郎のお姉さんが気になってる。

なにはともあれ、今期の新アニメが続々放送される中
この作品を楽しみでいられて良かった。

--------------------------------------

<4話まで視聴>

主人公達が通う神山高校の古典部に潜む45年前の謎。
時代は1960年代、学園紛争が盛んになり始める直前。
過去の文集を頼りに、推理を始める古典部の4人。

何があったのか・・主人公 折木が冷静に推理していく様子を
見ていてふと、京極夏彦氏の小説に登場する京極堂を思い出した。
なんだかめちゃめちゃ似てないか?

ところで、今回もフクちゃんがいい味出していた~
彼の個性あふれるファッションもかわいいのだけど、

「僕は基本属性がショッキングピンク。
 何をしていても 僕は僕だからね。
 誰かが薔薇色に染めようとしてもダメ。染まってあげない。
 染まってるわけじゃないんだ。僕が誰かを貶めるとしたら
 君は無色だって言うよ」

って、このセリフがすごく印象的だった。
あの2人・・なかなか良いコンビだと思う。


(以下 第1話を視聴しての感想)

============================================

米澤穂信氏の原作小説を京都アニメーションがアニメ化。
ということで、放送初日も今期の他のアニメより
遅いスタートだったので、随分と期待の大きかった作品。

舞台と登場人物は・・・
舞台は伝統ある高校。そしてその中の古典部。
何事も合理的に済ませたい主人公・折木奉太郎、
好奇心旺盛なヒロイン・千反田える。
中学からの腐れ縁だという福部里志。

「わたし気になります!」

そんな千反田の一声で、数々の難事件を推理していく。。
という青春学園ミステリなんだそうで、古典に関わることは
特に出てこないのかも?

今のところ、2話まで視聴してみて。
とにかく作画の美しさはハンパない!
繊細に描かれた背景に、やわらかな春の陽射し。
ゆっくりとはらはら舞い散る桜の花びら。
そして、バッハの『無伴奏チェロ組曲』
あまりにも似合いすぎて、思わず見惚れてしまってた。

1話では、このほか・・同じくバッハの『G線上のアリア』
ベートーベンの『月光』が使用され、
1話と2話ではフォーレの『シシリエンヌ』も流れていた。
今後も、さまざまなクラシック曲が聴けるのかと思っていたら
どうやら上記の3曲以外は、オリジナルのサントラになる模様。

それにしても、すごくタイミングよく流れるし、
作品の古風な雰囲気には、ぴったりなので、とても嬉しい。

あと、フクちゃんこと、福部里志の持ち物が可愛くて仕方ない。
例えばカラフルなドット模様の巾着袋とか、
グリーン地に一部だけオレンジ系のチェック模様という雨傘。
少し小柄な彼の雰囲気に、よく似合っていた。

で、えるちゃんは、自分で意識してか否かまだわからないけど、
折木のパーソナルスペース乱しすぎ~(笑)
顔も身体も近づけすぎるし、あんな・・瞳を覗き込むような目で
みつめられたら、しかも折木の背中を包み込むようにして本を見るとか、
なんか・・無防備すぎるんですけど。。

それから、ひとつ気になったのがモノローグ。
小説が原作だとこの問題がどうしても出てきてしまうのだけど、
本来なら、言葉で説明するのじゃなく、
表情や仕草なんかで気づかされるほうが、断然楽しいので
これはけっこう大きなネックかも。

物語の進展は、おそろしくゆっくりなので、
観る人にとっは、そのあたりどうなるかな・・と。
個人的には、時々眠くなってしまう瞬間があるのだけど
引きつづき、楽しみに視聴していこうとは思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ :
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

控えめで遠まわしの告白

名作は、筋書きが頭に入った後の2回目の鑑賞時が一番面白い、といいますが、このアニメはその典型であるように感じました(もちろん1回目から安定して面白い作品も沢山あります)。
以下、1回目と2回目に分けて、視聴後の感想をまとめていきます。

=================== 1回目視聴後の感想 ==================

推理ものアニメという事前情報を多く聞いており、自分が特に進んで見たい分野ではないので、視聴前の期待値はそれほど高くはありませんでした。
ただし、この作品を高評価する方が多く、自分もexperienceとして一度は視聴しておくべき有名作品とは思っていました。

視聴を開始して、すぐに作画・演出のレベルが最高度に高いことはわかりました。
しかしストーリーは・・・謎解きが面白くないことはないが、やはり・・・と斜に構えて眺めていました。
俺も、何とかして省エネ視聴したいよ、と。
まるで奉太郎のように(←ココが肝心)。

そしてようやく迎えたラスト3話。
ヒロイン=千反田えるのキャラクターがはっきり描き出され(※注釈)、それまで微温状態で密かに進行していた心理関係の変化が少しずつ顕在し始める。
ここまで我慢して、視聴して良かったと思います。

もう一度、一話一話を注意深く視聴し直したら、きっと、さらに好きになる作品だと思いました。

(※注釈)千反田えるの好奇心と諦観

「好奇心少女」と公式サイトでも紹介されている千反田えるの本質について。
第1話で、千反田家は神山市きっての豪農という説明がある。
反(たん)というのは田圃(たんぼ)の面積の単位のことで、一反=300坪=約991平方メートル=田圃1つのこと。
それが千反だから、うがった見方をすれば「千反田える」とは「田圃を千反える(=相続する)娘」という意味になる。
実際に作中では、 {netabare} 千反田家の豪邸ぶりが描かれ、第20話(荒楠神社に初参りする話)では彼女が地元の人たちに悪い噂が流れることを極端に怖れる描写があり、そして第22話では彼女が毎年4月の雛行列で生き雛の役を演じることが描出されている。 {/netabare}
そして、フワフワした好奇心の強い少女という描かれ方をずっとされてきた千反田えるが、 {netabare} 奉太郎と二人で歩きながら自分たちの進路を話し合う本編ラスト近くで、「私はこの土地が最良とは思っていません」と前置きしながらも、「ここが私の生きる場所である」こと、そして、そのことを奉太郎に知ってほしかったこと、を唐突に告げるシーンが描かれる。 {/netabare}
これは、言葉や行動は全然激しくはないけれども、{netabare}背負うものが多くそれゆえに控え目で古風な彼女にとっては全身全霊を込めたはずの重い「告白」であって、{/netabare}彼女の、奇矯と思われた好奇心が、 {netabare} 実は彼女の深い諦観の上に成り立っている装いに過ぎないことが、 {/netabare} ここでようやく明らかになる。

おそらくここで視聴者が、ああ成る程・・・と納得するかどうか、がこの作品を評価する場合の分かれ目となると思う。
私は、このラストがとても良いと思ったので、元から高評価していた作画と演出に加えて、ストーリーやキャラクターもかなり高く評価する結果になりました。


※以下は個人的なメモ書きです。

【主要キャラ、時間・期間】

{netabare}
古典部部員=神山高校1年生4人(男2×女2)
時代設定 =現代
期間設定 =高校入学のしばらく後~高校2年の4月までの約1年
{/netabare}

【作品の構成】

本編22話+OVA1話=全23話
本編は以下の4部構成と考えると分かり易い。

{netabare}
====================================================
第1話「伝統ある古典部の再生」 古典部の謎を解く話
第2話「名誉ある古典部の活動」    "
第3話「事情ある古典部の末裔」    "
第4話「栄光ある古典部の昔日」    "
第5話「歴史ある古典部の真実」    "
----------------------------------------------------
第6話「大罪を犯す」    数学教師の勘違いの謎を解く話
第7話「正体見たり」    夏合宿先での幽霊の謎を解く話
第8話「試写会に行こう!」 映画シナリオの謎を解く話
第9話「古丘廃村殺人事件」      "
第10話「万人の死角」        "
第11話「愚者のエンドロール」    "
------------ OP / ED 変更 ---------------------------
第12話「限りなく積まれた例のあれ」学園祭で進行する盗難事件の謎を解く話
第13話「夕べには骸に」       "
第14話「ワイルド・ファイア」    "
第15話「十文字事件」        "
第16話「最後の標的」        "
第17話「クドリャフカの順番」    "
----------------------------------------------------
第18話「連峰は晴れているか」  遭難事故にまつわる思い出を考える話
第19話「心あたりのある者は」  生徒呼び出し放送の謎を解く話
第20話「あきましておめでとう」 荒楠神社の蔵に閉じ込められる話
第21話「手作りチョコレート事件」ヴァレンタイン・チョコが紛失する話
第22話「遠まわりする雛」    水梨神社の旧暦の雛行列に参加する話
----------------------------------------------------
OVA  「持つべきものは」    ※ファンサービスの水着回  
====================================================
{/netabare}

【その他メモ書き】

※『氷菓』というタイトルにも謎が仕組まれている(第一部で解消)。
※第18話のラストの会話はまだ理解できていない(次回視聴時の最重要課題)。
※神山市は原作者の生地である岐阜県高山市がモデル(高山市の「山」と隣りの神岡町(現在は飛騨市に合併)の「神」を組み合わせて「神山」)
※第18話に出てくる3,000メートル級の山々は飛騨山脈(北アルプス)の穂高連峰。
※ただし、作中の45年前の学生運動の描写や登場人物たちの行動パターンはかなり都会的であり、その点でモデル地域と幾分齟齬が生じている。
※ベナレスはインドのガンジス河畔にあるヒンドゥー教の聖地の以前の表記。現在ではバナラシに統一されている。
※プリシュティナはコソボ共和国(旧ユーゴスラビアの一部)の首都。
※第20話・第22話の神社や祭典の作画・演出のディテールが特に秀逸。
※第22話の生き雛祭りは、実際に「飛騨生きびな祭り」として地元の水無神社で4月初めに催行されている。
※第1~5話の終わりに出るテロップ「The niece of time」(邦訳:時の姪)は、英国の推理作家ジョセフィン・テイ著『時の娘(The Daughter of Time)』をもじったもので、時が事件を解決する、という意味。
※第20~22話の終わりに出るデロップ「Little birds can remember」(邦訳:雛は忘れない)は、アガサ・クリスティの推理小説『象は忘れない(Elephants can remember)』のもじりで、わずかな言葉や動作が忘れ難いものとなる、という意味。

=================== 2回目視聴後の感想 =================

推理アニメという先入観があった最初の視聴時と違って、2回目はもっと素直に作品内容を楽しめたと思う。
結局、このアニメは、ミステリーものという表看板の裏で、高校生の少女2人が同級生の男子2人(の心)を「逮捕する」物語だったらしい。

こうした制作者の意図する裏テーマは、次のEDで明確に表現されていると思う。

※ED1(まどろみの約束)は、少女たちが幸福な恋の成就を夢見る歌詞
※ED2(君にまつわるミステリー)は、少女たちが探偵役となって怪盗役の少年たちを追いかける歌詞

★ED1(~11話まで)
まどろみの約束
http://www.youtube.com/watch?v=65LOib5_-d8
{netabare}
歌:佐藤聡美/茅野愛衣
作詞:こだまさおり
作曲:岡本健介

今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
まどろみの約束

芽生えてたぬくもり あたたかくて戸惑う
こんな気持ちをまだ あなたはわからないの

その視線には意味なんて別にないはず
だって友だちにしてるのと同じ

明け方に消えてく ちいさなねがい星
夜のあいだだけの魔法 …気づいてほしい
今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
まどろみの約束

放課後はいつでも 特別な空間で
一緒にいなくても 隣にいる気がする

このままふたり何気ない時を過ごそう
もっとふさわしいはじまりの前に

瞬く星たちに あなたを探してた
すぐに出会えると信じて …ここにいるよ
いつか恋にかわる あたらしい朝が来ても
きっと ねえ 消えないで
微笑みに祈るの

このままふたり何気ない時を過ごそう
そっと胸の中やさしさが満ちる

明け方に消えてく ちいさなねがい星
夜のあいだだけの魔法 …気づいてほしい
今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
微笑みをかわそう

瞬く星たちに あなたを探してた
すぐに出会えると信じて …ここにいるよ
いつか恋にかわる あたらしい朝が来ても
きっと ねえ 消えないで
まどろみの約束
{/netabare}

※ストーリー的には、第11話までは、{netabare}千反田えるが古典部で出会った折木奉太郎の意外な問題解決能力の高さと控えめな優しさに次第に惹かれていく過程を地味に描いたもの、と見ることができる(=千反田えるの恋心が、まどろみの中から次第に芽生えてくる{/netabare}→ED1の歌詞そのもの)。

★ED2(12話~)
君にまつわるミステリー
http://www.youtube.com/watch?v=OgunBNQSAqY
{netabare}
歌:佐藤聡美/茅野愛衣
作詞:こだまさおり
作曲:高田暁

状況は非科学的に 感情のモンタージュ
誰が誰を呼んでる?
振り向けば逃げてく視線 感じる
気のせいじゃつれないよ
アンテナは才能って言うでしょ

だってだって 知りたい 君は違うの?
青春の温度差 今のうち正してあげるよ
明日解決するなら 今でもよくない!?

君のミステリー 解いてみたい
少年のヒミツめいた背中探せ!
今日も君はファンタジー 惹かれていくよ、ずるい
ふくらんだ好奇心 トリックはないのに
気になるよ興味深い どうして?

見えているコトじゃ半分?
なんだって話して やっぱどこかシャイなんだ
目があえばヘンな違和感 ちくちく
恋なんて正解じゃ 君はまだ腑に落ちないね

だけどだけど 聞きたい ホントのこと
難しい顔して 単純なかけひき 教えて
笑い飛ばせば心外? きっと待ってる!

君とシンパシー つかまえたい
届きそうですぐに消えてしまう不思議
だから君にテレポート いちばん傍にいくよ
お手あげの好奇心 バカみたくはしゃいで
ごまかした好きな気持ち 認めよう

ムキになってたのはわたし? 意識されたいくせに
ゆれてる未来 自分次第だけじゃヤダよ

君のミステリー 解いてみたい
少年のヒミツめいた背中探せ!
今日も君はファンタジー 惹かれていくよ、ずるい
ふくらんだ好奇心 トリックはないのに
気になるよ興味深い どうして?
{/netabare}

※ストーリー的には、第12話以降は、{netabare}千反田えるが折木奉太郎に対して抱いた恋心を、遠まわしに少しずつ形に表していく過程を描いたもの、と見ることができる(=千反田えるが、慎重に、しかし用意周到に、奉太郎の心の中に忍び寄ろうと画策する{/netabare}→ED2の歌詞そのもの)。


さて、1回目視聴後に一番気になっていた第18話である。
おそらく、ここでの会話が、第22話での千反田えるの控え目で遠まわしな告白につながっているはずである。

第18話「連峰は晴れているか」ラストの奉太郎×えるの会話
{netabare}
「折木さんは他の人のためには色々力を尽くします。私も何度も助けてもらいました。」
(独白)「とんでもない誤解だ」
「でも折木さんて、自分のことには無頓着ですよね。それなのに、どうして今日だけは、自分の疑問を調べたんですか?」
「う・・・ん」
「済みません。私、どうしても気になるんです。」
「ああ・・・里志から雷のことを聞いて、嫌な連想が浮かんだんだ。」
「はい。そう言ってましたね。」
「その連想が当たっているか、はっきりさせたかった。だから、調べに行こうと思った。それで図書館さ。一週間もかかる大調査だったら別だが、古い新聞をめくるだけのことなら、大したことじゃない。手伝いもいたし、(嫌な)連想が当たっていたら、気をつけなきゃいけないことだからな。」
「気をつける、ですか?」
「実際は、ああいうことがあったのに、小木は、ヘリが好きだったなあ、なんて気楽には言えない。それは無神経ってことだ。そりゃ、さすがに気をつけるさ」
(驚いて)「は・・・」
「ん?分かりにくかったか・・・無神経というか、あれだ。人の気も知らないでっていう感じだ。多分二度と小木には会わないから、人の気も何もないけどな」
「折木さん」
「ん?」
「それって、とっても・・・・あ・・・上手くいえません」
(独白)「こいつは何を言おうとしたんだ?まあいいか。上手く言えないことなら、上手く聞き出せないだろうし」
「じゃあ、ここで。今日は手伝ってくれて助かった。」
「どういたしまして。今日は、折木さんの意外な一面が見られて、よかったです。」
「もう勘弁してくれ」
「あ、済みません。・・・・ではまた。」
{/netabare}

第21話「手作りチョコレート事件」では、
{netabare}
(1)摩耶花は、手作りチョコを渡すことでストレートに里志に自分の恋心をぶつけようとするが、
(2)千反田えるは、摩耶花とは対照的に、奉太郎に通学途中に「私の家では、本当に親しい人にはお中元などの贈り物をしません」と俯き加減に告げて、彼の心を困惑させてしまう。
{/netabare}
このように、えるは、自分の持つ価値をさりげなく(しかし用意周到に)小出しにしながら、奉太郎に遠まわしに自分の希望を伝えようとする(第20~22話)。
そうした過程が新鮮で、興味深い作品でした。

※(5/22)評価点数微調整

投稿 : 2024/11/09
♥ : 151

89.1 4 京都アニメーションで部活なアニメランキング4位
響け!ユーフォニアム2(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (1601)
7177人が棚に入れました
吹奏楽コンクール京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部は、強豪ひしめく関西大会に向けて練習を開始する。
臨時講師の先生も迎えて、レベルアップに勤しむ久美子たち。
しかし、そこへ昨年退部した傘木希美がやって来て……!?

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、藤村鼓乃美、山岡ゆり、種﨑敦美、東山奈央、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、沼倉愛美、久川綾、中村悠一、桑島法子、櫻井孝宏
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第2期も文句なしの良い作品でした!

原作未読。
高校の吹奏楽部を舞台にした『青春群像劇』の第2期。
第1期を未視聴に方は、必ず第1期を先にご視聴下さい。

【第1期~第2期を通しての感想】
この作品の一番の魅力は『リアルさ』だと思う。

京アニだけに作画がリアルなのは言うまでもない。特に背景や演奏シーンなどは圧巻だ。
それだけではなく、登場人物や物語も、物凄くリアルに描かれている。

【主人公の久美子】
彼女は、最近のアニメにありがちな万能型の主人公ではない。
彼女は(誤解を招くかもしれないが)、あくまでも『ストーリーテラー』にすぎない。
事件の核心に触れ、我々視聴者に伝えてはくれるが、事件の解決に直接的な役割を果たす訳ではない。
そのせいで、彼女が事件の解決現場にいなかった{netabare}『あすか問題の解決編』があっさりと片付けられてしまい、本作のファンの間でも物議をかもしたほどだった。(この件については、後述します){/netabare}
しかし、逆にこういうところが実にリアルである。

【夏紀(ポニテ)先輩と優子(デカリボン)先輩】
第1期から良い人全開だったポニテ先輩。
第1期は困ったちゃんだったが、第2期に入って良い人指数急上昇のデカリボン先輩。
この二人は、いつも何だかんだと言い合いをしながら・・・。
実にいいコンビだ。

【サファイアとカトちゃん】
第1期は見せ場もあった二人だが、第2期は作品全体を和ませる、重要な息抜きシーン要員。
あと、吹奏楽や作中の小道具について分かりやすく説明してくれる役割も、自然な形で果たしていた。

【終始圧巻の神回・第5話】
三日月の舞のフルバージョンは演奏が明らかに1期よりレベルアップ。
作画・演出も、新しいカットと1期&劇場版と同じカメラ割のカット(微妙に違うような気がするので、きっと新しく作り直したのではないかと?)を織り交ぜるなど京アニのこだわりを感じられた。
{netabare}
カトちゃん、めっちゃ良い娘。
何か言い合いしているポニテ先輩とデカリボン先輩。「ケンカするほど何とやら」本当に微笑ましい光景。
熱いあすか先輩。これでみんなが燃えないはずがない!
2期に入って良い人指数急上昇中のデカリボン先輩にも、見せ場があった良かった。

演奏中のみぞれが表情豊かに、動く!動く!

麗奈のトランペットソロとみぞれのオーボエソロの間が、私の涙腺崩壊ポイント。
楽しかった思い出たちが涙を誘う。

全国が決まった時の希美先輩の表情が絶品。
Cパート最後の久美子とみぞれの会話で、ここまでの流れを綺麗に総括。
{/netabare}

【多くの人が理解に苦しんだ第10話】
あすか問題の解決編。私も視聴直後の感想は『理解できない!』でした。
{netabare}あれ?こんな解決法で良かったの?
『あすかが全国模試で30位以内』
あのヒステリママがそんな事で許しちゃうの?
わざわざ学校にまで乗り込んできて大騒ぎした、あのヒステリママが・・・。

「しばらく部活を休んだ結果、全国模試で30位以内になりました」では「大学進学を考えたら、部活を辞めることが正解」という結論しか導き出せない。これではむしろヒステリママの思うつぼでは?
むしろ『部活をつづけた状態で全国模試30位以内→その結果を盾に部活を続ける』展開の方が理解しやすい。
(いや、これでは『あすか問題』自体が発生しないのか(笑))

久美子が泣きじゃくりながらあすかに本音をぶつけたシーン・・・。
非常にいいシーンだと思いました。だけど・・・。
そもそも、久美子や部員たちの本当の想いなんて、あすかは誰よりも良く知っているでしょ!
それに、あすかの心を変えるのが目的ではなかったよね?
あすかの母親の心を変えることが、あすかが全国大会に出場するための『条件』だったよね?
いつの間にか、「久美子があすかの間違った考え方を正す」みたいな感じになってしまっている。
「母親から強要されている」あすかが、「母親を説得して復帰する」流れが正解でしょ?{/netabare}

しかし、第1期から愛し続けたこの作品。
『最終話目前につまづいている場合ではない!』と一念発起し、自分なりに1週間必死に考えて、自分なりの結論を導き出してから11話を視聴しました。
以下は、私自身のモヤモヤ感、解消のためのレビューです。原作未読組の独りよがりな自己解釈です。御容赦下さい。m(__)m
そもそも悪いのは、あすかとあすかママの最終決戦が全く描かれなかったせいなので・・・。
あと、飛ばしてもらっても結構です。(^^;)独り言みたいなモノなので・・・。
{netabare}
あすか問題が明らかになるのは第2期7話。あすかの母親が職員室を訪れたことにより発覚する。
しかし、第1期13話の演奏前のあすかのセリフ。
「ずっとこのまま夏が続けばいいのに・・・」
からも推測されるように、かなり前からあすか母娘の間では議論されていたと思われる。そして、母娘の間では『夏までは部活を続けて、秋になれば部活を辞めて受験に専念する』的な約束が交わされていたものと想像される。

ところが、関西大会も勝ち抜いて、全国大会出場が決まってしまった。
副部長としての責任感もあっただろう。
あすか自身も認めるように『欲が出て』しまったせいもあるだろう。
あすかはズルズルと部活を続けてしまう。
恐らく、母娘の間ではその後も話し合いが持たれたであろう。
しかしあすかは「今、副部長の私が抜けることは出来ない」的なことを言って、退部を拒み続けたのではないだろうか?
このままでは「らちが明かない」と考えた母親がとった行動が、あの『学校訪問』ではなかったのではないだろうか?

あすかは、最後の一瞬まで母親の説得を諦めていなかったと思いたい。

初めは簡単にできると思っていた母親の説得が、思いのほかてこずってしまう。
初めは部員たちに「大丈夫!」と明るく振舞っていたあすかも、徐々に余裕を失っていく。
そして、万が一母親の説得に失敗した時のことを考えて、夏紀に後を託したのではないだろうか?
そして部員達には変な期待を持たせないように、復帰を諦めた風に振舞っていたのではないだろうか?

あすかが探し求めていたのは母親を説得するのに必要な『盾と剣』。
『盾』は全国模試。
しかし、『剣』が見つからない。『剣』とは母親に反論を許さない『言葉』。

そして第2期10話の久美子とあすかが対峙する場面。
何度も見返しているうちに、私にはこのように見えた。
  久美子=仮想・あすか
  あすか=仮想・あすかの母親
(さあ、私を言い負かせてみなさい!)
前半。久美子の言葉に対し、理路整然と言い負かすあすか。
ここまでの展開は、直前の、かおりと晴香があすかの説得をしていた場面にも重なる、全く同じ展開だ。
しかし・・・。
「あすか先輩と本番に出たい!私が出たいんです!」
泣きじゃくりながら発した久美子のこの一言から形勢が逆転する。
「子供じみてて何が悪いんですか!」
あすかの反論が止まる。

あすかが久美子の頭を撫でるシーン。
あすかの表情はうかがえないが、顔は紅潮し、口元は緩んでいるように見える。
ストレートに見れば『久美子の気持ちが嬉しい』表情なんだろう。
しかし私には『剣が見つかった!これで母親を説得できる』という表情にも見えた。
あすかが見つけた、久美子から教えられた『剣』とは『自分の本当の気持ち』
理路整然とした大人ぶった言葉ではなく、子供じみた、だけど、自分の心の奥底にしまい込んだ本当の気持ち。
それは『父に演奏を聴いてもらいたい』という気持ち。
このあすかの想いにだけは、さすがの母親も反論できないだろう。

「この前の模試のことで話があるって・・・」
葵の言葉に、その場を走り去るあすか。
あすかは「全国模試30位以内」という『盾』も手にする。

『盾と剣』を手に入れたあすかは母親の説得に成功し、吹奏楽部に復帰を果たす。
{/netabare}
しかし、疑問も一つ残る。それは、あすかの母親はなぜ『駅ビルコンサート』だけは参加を認めたのか?
いや、違う!{netabare}あすかは母親の許しを得て参加したんじゃない!
母親の目を盗んで参加したんだ!
仕事か何かで母親が不在なのをいいことに・・・。{/netabare}

以上、長々と勝手な自己解釈を書き込んでしまい失礼しました。m(__)m

【最後に】
後に『名作』として語り継がれるであろう作品を、リアルタイムで視聴していることに、毎回、喜びを感じていました。

本気の京アニの恐ろしさ。皆さんもぜひご堪能下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 160

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

奇跡は努力の先にあった!(祝:第2期総集編劇場版公開決定)

※他のレビューアーの方からの指摘のあった誤字を修正。(2018.11.24)

原作小説『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部の一番熱い夏~』(第2巻)および『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部最大の危機~』(第3巻)のアニメ化作品です。

先に『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ!~』がアニメ化されており、本作はその続編にあたります。

なお、本作を2期目から観ても良くわからないと思いますので、1期目から観るかもしくはストーリー的には1期目の総集編となっている劇場版をご覧になってから本作を観ることをおすすめします。

たぶん1期目には2期目でキャスティングされるキャラクターたちがちゃんと画面に映っていて、例えば続けて一気見しても違和感なく観られると思うのですが、そのことこそが本作の「奇跡」といえます。

本作でメインキャラクターのひとりとなる2年生の鎧塚みぞれですが、1期目から合奏の場面でオーボエ奏者としてしばしば画面に登場しています。ですが、実は第2巻は1期目制作中には刊行されていなかったのです!

ではなぜ2巻の設定を踏まえたみぞれ先輩が1期目からいるのかというと、原作者の武田綾乃先生から、京アニは2巻のプロットや草稿を提供してもらいそれをアニメに反映したというのです!

傘木希美が1期目最終回で吹奏楽コンクール京都府大会の観客席に現れるのもそういう事情によるものです。

誰にも2期目を約束されていないうちから、本作はそういう努力をしてきたのです。OP「サウンドスケープ」の歌詞にある通り♪奇跡が努力の先にあるなら 限界は私が決める!♪という具合に本作は制作に取り組んで、それが報われたわけなのです!

演出に必要なら同じ曲を異なったイメージに聞こえるように何度も録音し、小説の記述に合うよう作曲し、楽器作監を立て、演奏に合うよう運指やブレスの作画をして、そうした努力の先に奇跡の作品が生まれたと思っています。

本作5話では作中での吹奏楽コンクール自由曲「三日月の舞」フル演奏で、一切の台詞無しに演奏描写のみを見せるという前代未聞レベルの超絶演出をやっていますが、それも1期目からの演奏描写の積み重ねがあって初めて成立可能なのだと思っています。

実に、大変な作品に出会えたと思っています。

2016.12.30追記:
そういえば本作品のもうひとつの奇跡は、こんな作品づくりをする音響監督(台詞/BGMとも)がTVアニメに関わっているってことでしょうか。

特に台詞は、ドラマや洋画の吹替えを連想します。今風のアニメにはあまり無い感じで凄く良い芝居でした!
(これが商業的に正解かは、わかりかねますが…。)

== ↓これにサンキュー下さった方もいるので置いときます。 ==
5話久美子がTV観てるシーンが凄い。(←放送終了まで自重とは書いたけど…)

「フルートの音に苦しむ」から真っ先に連想するのがキカイダーのギルの笛とは、なんというおっさん…。
原作小説既刊分すべて既読です。以下、放送終了まで自重(笑)。(評価も保留)

→ 2016.11.03追記
5話で久美子がテレビで強豪校の演奏を観ているシーンですが、なんと画面からの光で久美子の服の色が微妙に変化しているのです。

予告映像で気づいたのですが、なんというこだわり映像なんでしょう…。
(アホやろ、京アニ…(笑))

→ 2016.10.14追記
第2回「とまどいフルート」においてみんなプールに行ってて水着なのは、原作に沿ったものです。京アニがわざわざそういう演出にしたのではないので、原作未読の方は勘違いなさらぬようお願いします。

なお、明日香先輩と香織先輩の水着が黒白色違いのお揃いというのも原作の記述通りです。

「わざわざ水着回を入れる必要などない」という意見がネット上で散見されたため、念ため。

→2017.1.7追記
ちなみにプールのシーンですが、原作では水着の部長もいました。部長の水着はあすか先輩、香織先輩とお揃いではありません(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 132

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

個性が息づいている作品です

響け!ユーフォニアム2は前半部と後半部とに大きく分かれています。
どちらとも個々の部員の内面にこだわった内容で、涙があふれてきます。

■前半部
今まで全く目立たなかった2年生の鎧塚みぞれを中心に描かれています。

みぞれの心の弱さ、おくびょうな性格には、感じるものがあります。

人間は誰でも心のどこかに弱い部分を持っています。
だからこそ、根暗だったみぞれが、あるきっかけで明るくなったとき、私は嬉しくなりました。

おそらく「自分も変わることができる。成長することができる」と感じたからだと思います。

変化した彼女の吹くオーボエはこの上なく温かく、彼女の笑顔は天使のように愛らしかった。

ちなみに、このときの吉川 優子の頑張りは見事でした。
一生懸命努力したからこそ、みぞれの心に強くうったえることができたのだと感じました。


■後半部
強いカリスマ性を持っている田中あすかを中心に描かれています。

だが、彼女も一人の女子高生でした。
悩みもあるし、涙も流します。

あすかにとって、吹奏楽部の人間関係など、どうでもよいことでした。
彼女はユーフォさへ吹ければ、それでよかったのです。
ユーフォを吹いている時だけが、父親と語り合える唯一の時間だったのです。

そんな彼女に、ある選択を迫られる出来事が発生します。
それは彼女にとって、とてもつらい決断でした。

このときの黄前ちゃんの行動は見事でした。
いつもは人畜無害そうな顔をしているのに、心を貫かれました。


■全体を通して
主人公の黄前ちゃんは、前半部でも後半部でも、巻き込まれキャラでした。
そして、この物語は前半部と後半部とで、それぞれ心を貫く衝撃があります。
珠玉の感動ではありません。まさに心をえぐるような感動です。
見終わった後、見て良かったと必ず思います。

ちなみに、ここではポニーテールの中川夏紀が4月の頃に比べて人間的にも大きく成長している様子がうかがえます。
友達の傘木希美を懸命に応援する姿や、自分へのメリットが全くないにもかかわらず、田中あすかやみんなのために懸命に頑張る姿勢には、思わず脱帽します。
夏紀は来年、誰からも慕われる立派な副部長になるでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 129

85.9 5 京都アニメーションで部活なアニメランキング5位
リズと青い鳥(アニメ映画)

2018年4月21日
★★★★★ 4.1 (572)
2363人が棚に入れました
北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当している鎧塚みぞれと、フルートを担当している傘木希美。

高校三年生、二人の最後のコンクール。
その自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。

「なんだかこの曲、わたしたちみたい」

屈託もなくそう言ってソロを嬉しそうに吹く希美と、希美と過ごす日々に幸せを感じつつも終わりが近づくことを恐れるみぞれ。

親友のはずの二人。
しかしオーボエとフルートのソロは上手くかみ合わず、距離を感じさせるものだった。

声優・キャラクター
種﨑敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、杉浦しおり、黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、桑島法子、中村悠一、櫻井孝宏
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あの子は青い鳥

山田尚子監督作品、脚本吉田玲子。

群像劇としてのユーフォニアムから、
思春期の少女2人の機微な心情に焦点を当て、
より先鋭化した形で描写され提示される、
あまりにも美しく儚い旅立ちの物語。

足音の効果音が印象的に導入され、
2人の未来を象徴するかのように、
違う歩幅で、リズムで共に歩いて行く。
{netabare}ここでは大きな物語は、徹底的に排除され、
日々の練習風景と少女の心情のみが反復される。{/netabare}
少女たちの所作の1つ1つがあまりにも美しく、
その機敏な運動の中に、身体の美を見ました。

内向的なみぞれと明るく社交的な希美。
{netabare}童話「リズと青い鳥」が詩的に象徴するように、
それぞれの現状と未来に不安を覚え始める。
微妙な距離を生む対比された2人の感情、
上手くかみ合わないオーボエとフルート。{/netabare}
小さな青い鳥の幸せとは何でしょう。
ここにあるのは少なからず誰もが通過する、
イニシエーションではないでしょうか。

少女の美しさと儚さの一瞬を切り取り、
残酷さまでもドキュメントした記念碑的作品。
それでも前途ある未来を輝き解き放って欲しい。

私の大切な宝物となりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 127
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

山田尚子監督が目指していたものをやり切った、実写的表現の到達点

アニメーション制作:京都アニメーション、
監督:山田尚子、脚本:吉田玲子、
作画監督・キャラクターデザイン:西屋太志、
音楽:牛尾憲輔、美術監督:篠原睦雄、
色彩設計:石田奈央美、原作:武田綾乃。

揺れるポニーテール、廊下を歩く足、瞬く瞳。
静かな劇伴が流れるなかのふたりの情景。
絵柄は滲んだブルーを基調とし、透明感のある色彩。
響く足音、キャップを開ける音、楽器を組み立てる音。
様々な生活音を拾い上げていく。
細部まで徹底的なこだわりを感じさせる。
思わず息を詰めて観てしまうような静謐感が作品全体に流れている。

私は冒頭のシーンを観たときに、この感覚はどこかで味わったような気がすると、
鑑賞中にずっと考えていたのだが、
それは岩井俊二監督の『花とアリス』だった。
岩井俊二監督のなかでいちばん好きな作品だが、
それを初めて観たときのような鮮烈な印象を受けた。
眩いばかりの透明感を重視した絵作りだ。

『リズと青い鳥』は『響け!ユーフォニアム』シリーズの続編に位置づけられる。
田中あすかや小笠原晴香たち3年生が引退した後の
春から夏にかけての一部分を切り取った物語。
しかし、シリーズ名がタイトルに入っておらず、
単体で観られることも意識して制作されている。
私は原作を全巻既読で、TVアニメも映画も過去作品は
全て鑑賞済みなので断言はできないが、
初見の人でも十分に楽しめるのではないかと感じた。
人間関係は観ていれば、ほとんど理解できると思うし、
基本的には鎧塚みぞれと傘木希美の関係性についてのストーリーのため、
それほど分かりにくくはないと思う。
ただ、もしかするとみぞれと希美の依存といえる関係性が理解できず、
物語に入り込めない人がいるかもしれないが、
そんな友人同士の繋がりもあると考えてもらうしかない。
これは、いびつな形ですれ違い続ける愛と嫉妬の物語だ。

アニメ的な手法よりも実写的なカメラワークを
意識しているシーンが多く見られる。
足の動きや手の動き、会話の「間」などで、心情を表現している。
また、感情を表すような目元のアップシーンが多い。
アニメではなく、実写ではよく使われる手法だが、
この作品では重視されている。
そして、被写界深度を意識した絵作り、
つまりカメラの焦点とボケを意識している点はシリーズと同様だ。
物語にはそれほど大きな起伏がないため、
好き嫌いが分かれるタイプの作風だが、
映画としての完成度はかなり高い。

{netabare} 特に素晴らしいと感じたのは冒頭のシーン。
何かの始まりを予感させる童話の世界から現代の世界へ。
まだ人があまりいない早い時間の学校に鎧塚みぞれが到着して、
階段に座り、誰かを待っている。自分の足を見る。不安げな瞳。
誰かがやってくる。
視線を向けるが、期待した人ではない。
そして、待ち人がやってくる。いかにも楽しそうで快活な表情、
軽快なテンポの歩様、揺れるポニーテール。
それに合わせて流れる明るいメロディ。
フルートのパートリーダーである傘木希美だ。
鎧塚みぞれは、それとは逆に表情が乏しく、口数も少ない。
彼女なりに喜びを表現して希美と一緒に音楽室へと向かう。
途中で綺麗な青い羽根を拾った希美は、それをみぞれへと渡す。
戸惑いながらも希美からもらったものを嬉しく感じるみぞれ。
この青い羽が、閉じられた世界の始まりを予感させる。

校舎に入り、靴箱から上履きを取り出すときのふたりの対比。
廊下に彼女たちの足音が響くが、その音のテンポは全く合わない。
完全な不協和音。ふたりの関係性が垣間見える。
みぞれは少し距離を置いて、希美の後に付いていく。
階段の途中の死角から希美が顔を覗かせてみぞれを見る。
希美は少し驚いたように、目を何度か少しだけ動かす。
教室に着いて鍵を開け、椅子と譜面台の並んだ誰もいない室内に
2人だけが入っていく。
吹奏楽コンクールの自由曲は、「リズと青い鳥」。
この曲を希美は好きだという。
そして、ふたりで曲を合わせてみるところで、
タイトルが映し出される。

この一連のシーンだけで気持ちを持っていかれるだけのインパクトがある。
とても丁寧で実写的で挑戦的な作風だと感じ、
私は思わず映画館でニヤついてしまった。

物語はみぞれと希美のすれ違いを中心にしながら、
それに劇中曲である「リズと青い鳥」の物語がリンクしていく。
童話のほうの声優にちょっと違和感がある。
ジブリ作品を見ているような感覚だ。
みぞれがリズ、希美が青い鳥の関係性として観客は見ているが、
最後にふたりの立場が逆になる。
みぞれの才能が周りをなぎ倒すようにして解放され、
美しいメロディを奏でる。
同じように音楽に真摯に取り組んでいたみぞれと希美の差が
明らかになる瞬間だ。

二羽の鳥がつかず離れずに飛んでいくシーンが映る。
左右対称となるデカルコマニーの表現。
そして、ふたりの色は青と赤。
心があまり動かずしんとした雰囲気のみぞれが青、
情熱的で人の中心になれる希美が赤だろうか。
このふたつの色が分離せずに混ざり合っていく。

みぞれが水槽に入ったふぐを見つめるシーンが度々出てくる。
おそらくみぞれは、水槽のなかのふぐを羨ましいと思っている。
仲間だけでいられる閉じられた世界。
そこが幸せで、ほかは必要ないと考えている。

この作品は意図してラストシーン以外での
学校外のシーンを排除している。
鳥籠=学校という閉じられた空間を強調しているのだ。
閉じられた学校という世界のなかにあって、
さらに閉じられた水槽内にいるふぐ。
それをみぞれが気に入っているというのは、
みぞれの心情を示している表現だろう。

たくさんある印象的な場面でいちばん好きなのは、
向かいの校舎にいる希美がみぞれに気づいて手を振り、
みぞれも小さく手を振って応えるシーン。
そのとき、希美のフルートが太陽に反射して、
みぞれのセーラー服に光を映す。
それを見てふたりがお互いに笑う。
言葉はないが、優しく穏やかな音楽が流れるなかで、
(サントラに入っている「reflexion, allegretto, you」
という曲で、1分20秒と短いがとても美しい)
何気ない日常の幸せをいとおしく感じさせる。

ラストシーン。歩く足のアップ。
一方は左へ、一方は右へと進んでいく。
希美は一般の大学受験の準備ために図書室で勉強を、
みぞれはいつものように音楽室へと向かう。
帰りに待ち合わせたふたりが歩く。
足音が響く。
ふたりの足音のリズムは、時おり合っているように聞こえる。
お互いに別の道を歩くことを決め、そこでようやく何かが重なり始めたのだ。
ふたりの関係がこれからどうなるかは分からない。
しかし、最後に「dis」の文字を消したところに、
いつまでも関係がつながっていて欲しいという作り手の願いがこめられている。{/netabare}
(2018年4月初投稿・2020年5月5日修正)

大好きのハグから続くラストシーンについて
(2018年5月11日追記・2019年3月15日修正)

{netabare}みぞれは希美の笑い方やリーダーシップなど、
希美自身のことを好きだと告白するが、
それに対して希美は「みぞれのオーボエが好き」だと言い放つ。
このやり取りは一見、ふたりの想いのすれ違いだけを
表現しているように感じるが、実はそれだけではない。

友人として以上に希美のことが大好きなみぞれにとって、
とても厳しく感じる言葉だが、これは希美自身にとってもキツイ言葉。
みぞれの才能を見せつけられて、ショックを受けているときだから尚更だ。
それなのに、敢えて言ったのはなぜか。
この言葉には、自分は音大には行けないが、
みぞれには、音大に行ってオーボエを続けて欲しいという
願いがこめられているのだ。
「みぞれのオーボエが好き」という希美の言葉がみぞれに対して
どれだけ大きな影響を及ぼすのかを希美自身は自覚している。
単に希美が自分の想いを吐露しただけではない。
「みぞれのオーボエが好き」は童話における、
一方的とも思えるリズから青い鳥への
「広い空へと飛び立って欲しい」と言った想いと同じ意味を持っている。

それは、帰り道に希美が「コンクールでみぞれのオーボエを支える」と
言ったことからも分かるし、それに対して、
みぞれが「私もオーボエを続ける」と宣言をしていることからも明らかだ。
しかし、このやりとりはどう考えても違和感がある。
つまり、希美はコンクールの話をしているのに、
みぞれは、コンクール後のことについて語っているからだ。
会話がすれ違っているように聞こえる。
ところが、そうではない。
つまり、ここでは希美が音大に行かず、
フルートを続けなかったとしても、
みぞれは音大に行く決意をしていることを示している。
これは希美の「みぞれのオーボエが好き」に対して
みぞれの出した答えなのだ。

実は原作では、音大を受験するかどうかの話を
みぞれが希美に問い詰めるシーンがあるのだが、
映画では、完全にカットしている。
その代わりに、左右に分かれていく足の方向と
図書館での本の借り出し、楽譜への書き込み、
最後の会話によって表現している。
「みぞれのオーボエが好き」という言葉が
みぞれの背中を押したという、別の意味を持たせているのだ。
そのあとの「ハッピーアイスクリーム」で
ふたりの感覚が足音のリズムとともに、ようやく一致したことを描いている。
また、みぞれが校門を出るときに希美の前を歩いたり、横に並んだりする。
切なさはあるが、やはりこれはハッピーエンドといえるのではないだろうか。

音楽については、フルートが反射する「reflexion, allegretto, you」と
ラストシーンで流れる静かだが心地良いリズム感の「wind,glass,girl」、
そして、字幕の時の「girls.dance,staircase」、
「リズと青い鳥」、Homecomingの「Songbirds」が印象的だ。{/netabare}

コメンタリーを視聴して(2019年2月14日追記)

{netabare}昨年発売された脚本付きBDを購入して、
本編とインタビューは手に入れてすぐに観たのだが、
脚本やコメンタリーは後回しになってしまっていた。
脚本を読んでみると、「リアルな速度の目パチ」など、
とても細かい指示がなされていて驚いた。
目を閉じ切らないまばたきも指示されている。
また、作画については「ガラスの底を覗いたような世界観」という
指南書が配られていたという。
映像では山田尚子監督の意図を確実に実現している。

そしてこの作品には3つの世界観が表現されている。
学校、絵本、そしてみぞれ(希美)の心象風景だ。
絵本は古き良きアニメを再現させるよう
線がとぎれる処理を行っている。
心象風景は、よりイメージ感の強い絵作りを意識したという。
希美が走る水彩画のようなタッチ。
左右対称の滲んだ色の青い鳥など。
これら3つの世界観が上手く活かされていて、
物語に彩りを与えている。

それに加えて、BDで解説を聞かないと気付けないのが、
生物学室のみぞれと希美のシーン。
最初から何段階かに分けて色合いを変化させている。
夕方の時間の経過とともに初めは緑っぽかった室内から
オレンジ系に少しずつ色を変えるのと、
カットごとに順光、逆光でも変化させている。
確かに言われてみて確認すると、
生物学室での色合いはとても繊細だ。

髪を触る仕種については山田尚子監督自らの発案。
曰く、みぞれがそうやりたいと言っていたから。
キャラが監督に下りてきていたそうだ。
また、「ダブル・ルー・リード」も監督のアイデア。
これは映画館で観ていたときから、
洋楽好きな監督が考えたことだろうと予想していたので、
インタビューを観たときは、あまりにもそのままで可笑しかった。
印象に残ったのが、スタッフのいわば暴露話で、
内面を描くよりも映像(ビジュアル)で見せたいと
昔に語っていたことがあったそうだ。
監督は昔の話だと恥ずかしがっていたが、
まさにこの作品はその方向性を貫いたといえるだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 122
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Agree to disagree

2018.11.11記


本作鑑賞にあたりTV版1.2期を視聴済


あにこれでも評価の高い、吹奏楽部員らの青春を描いた【響け!ユーフォニアム】のスピンオフ劇場版。TV版にも登場した傘木希美(フルート)と鎧塚みぞれ(オーボエ)の二人の関係に焦点を絞った物語です。
実はユーフォシリーズの出会いは本作がきっかけ。リアルでの飲み友達(非ヲタ)の職場同僚が劇中歌「girls,dance,staircase」{netabare}(Homecomings手前に流れるボーイソプラノのやつ){/netabare}を歌っている方のご家族だったから。…遠い(笑)

事前準備のつもりで観たTV版にドはまりし、本作に関しては、訳知り顔で「キャラのデザイン変わってんじゃん。なんだよー」と知ったかモードで公開から少し日の経った時期に劇場で鑑賞しました。結局・・・


 『間髪入れずに2回め行きました』 余韻忘れられず 『3週間後に3回目行きました』


2回目はひっかかりの解消を目的に、3回目は「みぞれのオーボエが好き」でもう一度劇場で音色を堪能したかったからが理由。当たり前ですが駄作と感じてればリピートはしません。
90分とやや短めの上映時間ながら濃ゆい時間が流れる至福のひと時。「ながら見、ダメ、ゼッタイ」良い意味で観客に緊張を強いる作品です。

TV版の視聴が必須か?は微妙なところです。理解に幅を持たせるためにTV版を観るに越したことないですが、本作は2人の少女の物語としてTV版と独立した作りになってますので単独での視聴も可能です。事前準備するなら、松:TV版コンプしてどうぞ、竹:2期1~5話を押さえてどうぞ、梅:YOUTUBEでそれっぽいの探してどうぞ、といったところでしょうか。
元からのファンはもちろんのこと、TV版がイマイチだった人、TV版観てない人もと間口広めです。タイトルに〝ユーフォ”を持ってこなかったことから意図は明白だと思います。


ざっとあらすじは、
少女(リズ)と青い鳥との出会いと別れを描いた童話「リズと青い鳥」を題材とした同名の楽曲をコンクールの自由曲に選んだ北宇治高校吹奏楽部。その曲中、オーボエとフルートの掛け合いパート、なかなか二人の息が合わなくて、、、
奇しくも掛け合いパートは少女と青い鳥の心情を表現しているとされる箇所。「出会い」「別れ」「リズの気持ち」「青い鳥の気持ち」曲の解釈に懊悩しながら、折しもリアルでは三年生が直面する「進路の選択」なども重なって、希美とみぞれの関係にも変化が生じていく。。。


山田監督の作風まさに真骨頂だと思うのですが、セリフ外の情報が極めて多いです。
背景絵、音、光の表現、表情だけではないキャラの仕草(足や手の動き、目線)、目にうつる全てのことは メッセージになってます。あ!耳もね。観客に緊張を強いる作品たる所以です。
わかりやすくてわかりづらい、解釈を観客に委ねてる分捉え方に幅があり、皆さんの感想読むのが楽しみでもあったりします。
少なくても進級、進学と環境が変わることを控えた局面、今までの関係がそのまま続くことはないことが見えてきたところでの各々の選択と決定に至るまでの葛藤など、時間が有限だからこそ輝きを増す青春というものに抵抗がなければ視聴をお勧めいたします。



以下、鑑賞済みの方向けのネタバレ感想です。

■合意できないことに合意する

{netabare}「disjoint」から「joint」までを見てね、冒頭と終幕の1カットに挟んだ監督からのメッセージはわかりやすいです。
「disjoint」数学用語で〝互いに素”互いに共通の公約数を持たない数の関係性を言うようです。一方「joint」は繋ぎ目や接合部とイメージしやすい単語ですね。
二人で一組、優子先輩もその境地には達することができなかった希美とみぞれの間に横たわる強い関係(とTV視聴組の私は思ってた)が実は混じることない別物で、って展開でした。

これ希美ファンにはしんどいかもしれない。2期1話宇治川のほとりで花火を見ながら高坂麗奈から弱さを理由にいったん逃げたと評された希美の弱い部分、みぞれの才能への嫉妬がはっきりと出てるから。ブランクはやはり大きかったのか?元々の才能の限界なのか?再入部前、〝韃靼人の踊り”の音色に誘われてやって来た黄前久美子に「フルートが好き」と笑顔を見せた希美を私たちは知っています。

一方みぞれファンにもしんどいかもしれない。せっかく2期4話で取り戻したみぞれの情緒がまた不安定になるから。みぞれの病的なまでの希美への依存は強いままだった。希美に拒否されることが何より怖い。希美がいれば羽ばたける。希美のために吹いた関西大会みぞれの〝三日月の舞”エモいオーボエソロ、舞台袖で見守る希美の1カットとともにホッと胸を撫で下ろしたことが昨日のことのようです。

自分にとって大事なものが、希美は『フルートが大好きな自分』、みぞれは『希美と一緒にいられる自分』。演奏にベクトルが向いてる希美と、その人そのものに向いてるみぞれで齟齬が生じてくるのは避けられませんでした。お互い求めるものが微妙にズレていて、その行き違いが切ないったらありゃしないのです。

それが顕著に表れたのがハグしてお互い好きなものを言い合うシーン。観た人には説明不要かもですが、、、
あそこでみぞれが「希美のフルートが好き!」って言えてれば万事解決、オールオッケーだったんでしょうがそうならない。お互いを大切に想っていてもどうしても相手が求めてるものを供給できないもどかしさ。全編通してそんな感じです。{/netabare}

{netabare}じゃあ「joint」とは何ぞや?
融合して一つになった、、、ってことではないですね。またそれがいいんだと思います。
あくまで繋ぎ目や接合部。お互い交わらないことを自覚して、それでもお互いを大切に想う気持ちを大事にしようという一点で繋がった二人。関係性の変化をこれまた冒頭とラストの二人の描写で表現しています。詳しくは言わんよ。

お互いが大事に思ってたはずの『フルートが大好きな自分』『希美と一緒にいられる自分』を相手に求めることを諦め、それでも

『自分を大事に思ってくれているみぞれ』(希美視点)
『自分のオーボエを好きと言ってくれている希美』(みぞれ視点)

を大事にしようと相手を思っての気持ちへと深化した(そう思いたい)、まさに希美とみぞれのためにある物語でした。諦めをともなって痛みに向き合って二人とも大人の階段を一段登りましたね。{/netabare}

{netabare}当初二人に対して感じた“しんどい”思いは、エンドロールが流れる頃には観る側にほろ苦さを残しながらも、今まで以上に希美とみぞれへの愛着を持たせる前奏となったのです。{/netabare}


主役を演じた種﨑敦美さん東山奈央さん。間や空気感を大事にする作品で、行間や吐息ひとつに想いを込める演技は素晴らしかった。特に希美役東山さんは本作のMVP、明るさとカラ元気、嫉妬と焦り、強がりと繊細さをないまぜたとても人間くさい希美を好演されてたと思います。
本職ではない本田望結ちゃんも及第点です。童話パートでの二役、本職でない女優を配置することで本編ストーリーと別物感が出てました。ジ○リっぽかったですね。あえて別物感を出しているけれど“少女と青い鳥”“希美とみぞれ”の心情はリンクはしていてっていう仕掛けは良かったです。{netabare}監督は望結ちゃんに演じ分けをしないよう指導してたとのこと、物語の筋を考えれば納得です。{/netabare}



「切ない真実に、あなたは涙する——」

本作のキャッチコピーです。ネタバレ畳んだとこの骨子に沿うと、{netabare}童話パートと現実パートの意味合い、麗奈と久美子の煽り、楽器に太陽光を反射させ合うシーン、進路で悩む二人、新山先生とみぞれ、みぞれのオーボエソロ、その他諸々、{/netabare}劇中一つ一つのシーンが二人の心情をよく表す計算しつくされた丁寧な仕事のように私には映りました。
劇場版にありがちな尺不足、説明不足を感じなかった、という点をもって高く評価するものであります。



■蛇足

女子ウケ良さそう

萌え萌えしてないし、思春期女子の考えそうなことと大きく脱線してない気もするので、敷居は低いです。女性監督というのも大きいかもしれません。

話のとっかかりとして、お薦め作品聞かれた時の回答として、使えるシーンはありそうです(無責任)。
相手が視聴済の場合には、男性諸氏は希美とみぞれの行動や言動についての共感、非共感を聞いてみると面白いと思いますよ。リアル寄りのキャラ設定ということで、一歩引いての客観的な感想というよりも自身の経験や考えを反映したものを披露してくれそうです。

意中の子だったらなおさら。
相手の考え方が良く分かる試金石になるやもです。その結果、「あ、これ脈ないや」との切ない真実に、あなたは涙するかもしれませんが、それもまた一興です。



-----
2019.02.22追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 93

87.5 6 京都アニメーションで部活なアニメランキング6位
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)

2019年4月19日
★★★★★ 4.3 (423)
1952人が棚に入れました
昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

京都アニメーションについて

はじめに注意書き

本稿は 劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~ の要素をそれほど含みません。予めご留意くださいませ。


-------------

※本作に関する評価は評点にて

実は公開直後の2019年4月に本作品を劇場で鑑賞し、なにかしら書こうと思ってましたが筆が進みませんでした。

 「この続きの物語を早く観たい」

真っ先に沸き上がった感情がこれで、それ以上でも以下でもなかったことが理由です。

鑑賞後の感想が「続編早く観たい」だったので、その後の続編発表はなによりの朗報でした。無名の大学生の小説を発掘し素敵な物語に仕立て、数年かけて育ててきた魅力的なコンテンツ『響け!ユーフォニアム』。拙稿のTV版のレビュータイトルは1期2期を通じて “ モブはいない ” としております。
コンテンツの歩みは仕上げの工房から始まり、地方のハンデを乗り越えながら三十年以上かけて築きあげてきた実績と、一人一人輝きを見せるキャラクターたちは誰一人として欠けてはいけないクリエイター集団としての京都アニメーションという制作会社の実像とイメージを同じくするものでした。



2019年4月。
「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」の公開前後、京都府宇治市にある京アニショップの店頭ボードにはこのようなメッセージが添えられていました。


{netabare} 劇場作品を一本作り上げるには、すべてのスタッフが
一丸となって取り組まなければ乗り越えられません。
 クリエイターが、日々真摯に作品の制作に向き合うの
は勿論、制作を支えるスタッフも、クリエイターが自分たちの
作業に集中できるよう、最適な環境を整えてくれました。
 全てのセクションが毎日細かな情報まで共有し、遠く
離れたスタジオにいるスタッフでも、まるで隣の席にいるか
のように感じることができました。そして、時間との戦い
になっても、一人として諦めることはありませんでした。
 最後は、各スタジオのスタッフが一ヶ所に集まり、この作
品の完成を一心に目指しました。あの時の高揚感は忘
れることができません。一人として欠けては、この作品が
皆様のもとへ届くことはなかったでしょう。

 「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」には、
京都アニメーションとアニメーションDoの“いま”を余すこと
なく詰め込んでいます。映画を通して、私たちの想いを
感じていただければ幸いです。
 
 そして、ここから続いていく劇場作品もまた、同じように
大切な想いが詰まっていて、『京アニ映画year』はそうし
た想いが寄り集まって始まります。

 私たちの想いが、皆様に響きますように-----。

    京都アニメーション・アニメーションDo一同 ※原文ママ{/netabare}



届きました。響きました。


しかし、ここから続いていったであろう大切な想いが詰まった作品たちは現在足踏みまたはゆっくりと歩を進めている状況です。
「今暫く、時間をください。」「必死に戦っていきます。」公式コメントで誓われてる以上、我々は再起を信じて待つほかありません。


次は自分たちの番だと思ってます。


 『一人でも多くの人に京アニの作品を知ってもらいたい』


“ 夢に向かって一生懸命な人たちのプロの仕事を紹介する ” とのスタンスで普段はアニメを観ない層へ働きかけています。けっこうな方が実際の作品を観て感想を寄せてくれました。

『らき☆すた』『CLANNAD』『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』『Free!』『響け!ユーフォニアム』『聾の形』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』etc
アニメに興味のない層はこれらのタイトルを知りませんから、技術的なことや内容よりもクリエイターのモノづくりへの想いに言及することで一般層の琴線に触れる場合が多いと感じております。


あにこれはレビューサイトです。
レビューを書くことは抽象的な映像作品を言語化するというやっかいな作業です。そのやっかいな作業を質量関係なくおこなった経験が皆さんにはおありです。
一介の在野レビュアーごときの世迷い言に少しばかりでも共感してくれて、どこかで思い出して行動に移していただけるのなら望外の喜びです。



願わくば、地上波のゴールデンタイムで京アニ作品が流れるその日まで。



世間の話題に挙がらなくなっても京アニの必死な戦いは続きます。
私たちも決して希望を捨てることなく、また、アニメファン一人びとりがこれからも長く心を寄せ、京アニ再興の道のりを見守り続けていきましょう。


令和元年九月七日 記


※本稿に関するサンキューには御礼メッセージを控えさせていただきます



-------------
2020.03.20追記

○周忌や月命日でもないなんともない日にあらためて更新です。
レンタルなり配信が開始されたのでしょう。レビュー新規投稿なりサンキューをいただく機会が増えました。劇場公開からそろそろ一年。

何かの折にコンテンツに触れられることはありがたいことです。
一方で、消費される宿命にあるのもコンテンツの事実。
忘れない。想い続ける。いざやろうと思っても四六時中というわけにはいきません。


さて、実績報告となります。
事件後、普段アニメを観ることのない4名の知人に京アニ作品を鑑賞していただきました。反応は様々でしたがそれでいいかなと。

引き続き、各々が現実世界で動いていく。
今後更新するかはまったくの未定です。


2019.09.07 初稿
2020.03.20 追記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 75

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ただただ感無量

いやー凄く良かったです。
黄前ちゃんをはじめとして、麗奈、葉月、緑輝、などの懐かしい人達に会えることができました。
この短い映画の時間で、よく一年間をまとめられたものだと、製作スタッフの方々に感謝します。

最初に 「響け!ユーフォニアム」が聞こえてきたとき、
胸がジワーとこみ上げてきました。
あの名曲は、あすか先輩から黄前ちゃんに、しっかり受け継がれていました。

この映画では、黄前ちゃんは2年生。彼女はいつも、巻き込まれキャラです。
今回は、一年生の悩みにいろいろと巻き込まれます。

誰も悪い人はいないのに、悩み、涙を流す一年生たち。
そう、みんな一生懸命生きているからこそ、悩むのです。
奏ちゃんやさっちゃん、みっちゃん、それに求。
一人一人の悩みは違います。でも本人にとっては真剣な問題です。

そんなとき、黄前ちゃんみたいに、気軽に相談できる人がいたら、安心します。
話しを聞いてくれるだけでいいのです。それだけで、安心するのです。
自分は一人じゃなかった。そう感じて安心するのです。

でも、黄前ちゃんは、話しを聞いてくれるだけじゃなく、納得できるまで追いかけてきます。決して手を抜きません。
そして、ときには厳しいことを言って叱ります。
一見、人畜無害そうに見える黄前ちゃんに叱られると、誰もが驚いてしまいます。
でも、それは、相手を思いやって叱っていることに、すぐに気付きます。
だから、みんなは黄前ちゃんを好きになるのです。

ところで、今回も立派だと思ったのは、中川夏紀の行動です。
一見怖そうに見える彼女は、本当に立派な副部長です。
自分に不利になると分かっているのに、あえてみんなのために頑張っている。
一年前も彼女はそうでした。彼女の心は、とても清らかです。

こんな人たちがいる吹部は、素敵ですね。

最後に、あすかのお父さんがつくったあの名曲を、後輩の奏ちゃんも受け継いでほしいと思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想いはつながっていく

製作:京都アニメーション、監督:石原立也、
シリーズ構成:花田十輝、
作画監督:池田晶子、原作:武田綾乃

久美子が高校2年生に進級した
原作の2冊分をまとめた作品の映画化。
ただ、希美とみぞれの関係性を描いた部分は、
『リズと青い鳥』で映画化されたので、
それ以外の部分ということになる。

物語は黄前久美子と塚本秀一のシーンに始まり、
桜が舞い散る新入生入学時に
吹奏楽部員がパフィーの『これが私の生きる道』を
演奏して歓迎するところからから描かれる。

物語は最初から最後まで
久美子と新入生のユーフォニアム担当・
久石奏との関係性が軸になっている。
これはある意味、映画『届けたいメロディー』と
同じような構成だ。
ただ、今回はそれに加えて、久美子の脳裏には、
卒業生のあすかの姿がいつも思い浮かぶ。

2年生になった久美子は、
トランペットの加部ちゃん先輩とともに
1年生指導係となり、後輩たちの面倒を見ることなる。
低音パートには、チューバの鈴木美玲と
鈴木さつきのW鈴木とコントラバスの
月永求、ユーフォニアムの久石奏が
新たに加わり、波乱を巻き起こす。

部活において「頑張るとは何なのか?」と
いうのが、大きなテーマのひとつ。
効率良く技術を上達させていくことか、
それとも部内の皆と仲良くして
溶け込んでいくことなのか。
難しい問題だが、どちらも正解というのが
正しいのだろう。ほかにも正解はあるだろうし、
また、部内の状況によっても変化する。

純粋に正しいことと間違っていることだけで、
部活内は割り切れるものではない。
時には間違っていたと思えることでも、
人間関係によっては
正しいことになることもある。
無理をして何かを合わせなければ
いけないこともある。
久美子はそれらを踏まえた上で、
現在の北宇治において「頑張る」ことに
ついて、踏み込んだメッセージを奏に送る。

{netabare}奏は過去の経験から、部内の人間関係を鑑み、
自分自身の演奏を諦めることを決断した。
そんな奏を諭すために久美子たちが
連れ出した場所は、あすかを説得するときに
利用したのと同じ校舎裏のゴミ収集場だった。
かつて、あすかに跳ね返されたのと
同じ場所だったことは、その時の出来事と
関係性をしっかり対比させる制作陣の意図だろう。
(当時は、あすかも演奏を諦めていた)
1年前、久美子は同じ場所で自分の他者に対する
距離感をあすかから思い知らされることになるのだが、
今回は、距離感を詰めて雨中に飛び出した奏を追いかける。
「気になって近づくくせに、
傷つくのも傷つけるのも怖くて、
なあなあにして、安全な場所から見守る。
そんな人間に相手が本音を
見せてくれていると思うの?」と
あすかから言われた自分から脱却するために行動する。
「本音」が知りたいと久美子は奏にはっきりと問う。
そして自分の経験から本心で
「頑張ることは無駄ではない」ことや
「頑張っている奏のことを
自分たちは見ている」し、
「奏のことを守る」ことを伝える。

かつて麗奈から教えられたように
頑張ったからこそ、コンクールがダメ金で
「死ぬほど悔しい」と思うことができる。
結果が出なくて死ぬほど悔しいのは、
頑張ったことで得られる本物の気持ちなのだ。
あすかや麗奈から久美子に、
そして、久美子から奏、そのほかの部員へと
想いがつながっていく。
今回の物語で監督がこだわったのは、
そういう何かを受け継いでいくことなのだろう。

雨に濡れて、次第に久美子の天然パーマが
ストレートになっていく様や、
あすかに対したときのような熱のこもった
説得シーンには引き付けられた。
これは、奏への説得と同時に
1年前のあすかに対しての久美子の回答でもあった。
そしてコンクール当日にあすかが現れ、
名残惜しそうにする久美子に絵葉書を渡していく。
わざわざ映画で原作のこのシーンを入れたのは、
続編で回収するつもりだろうと考えたい。

時間を短くまとめるために、奏との関係性と
そこから垣間見えるあすかに対する想いを
強調したことで、久美子の成長を軸にした
1本の作品としてまとまっている。
初見のときは、観賞の直前に
また原作を読み返していたこともあって、
展開に無理があると感じていたが、
100分という時間制限を考慮すると、
最初から最後まで計算され尽くされている構成だと思う。

ただ、奏と夏紀の関係性についての描写が薄いため、
問題が起こって解決するまでの経緯が
今ひとつ腑に落ちない感覚に陥ってしまう。
また加部ちゃん先輩との関係性も
積み重ねられていないだけでなく、
先輩の努力などもあまり分からないため
その重大な決断が心に響かない。
時間がないので仕方のないことだが、
久美子が部長になる際の優子や夏紀との
やりとりや黄前相談所創設の説明も
全くなかったことは残念だった。
(黄前相談所創設は、久美子が後輩から
信頼を得て、スムーズに部長として活動できるよう
優子が1年前から計画して行ったことだった)

これらを考えると、本来は2期で入れるべきところを
敢えて無視した秀一との関係を無理して入れる
必要があったのだろうかと感じた。
しかも秀一と別れる理由が原作での
部長に指名されたからということなら分かるが、
映画では曖昧にした上に、
秀一が納得しているのも気になってしまう。
ただ、この関係性を描くことは
石原監督のこだわった部分だったようで、
しかも、秀一との会話を入れることで、
奏と夏紀の関係性や求についてのこと、
麗奈との友情の機微などを表現できているので、
物語全体に深みを持たせられたとは思う。
また進路に悩むということで、原作にはないのに
敢えて久美子が父と将来のことを話すシーンまで
入れている。そこには父の姉に対する
後悔の念も滲んでおり、父親も何かに迷う
ひとりの人間であることを示しているのが面白い。{/netabare}

初見のときは、原作との違いや描写不足から
細部に不満を感じたが、何度か観ると、
限られた時間内での完成度の高さが目に付く。
しかし、やはり描写不足が拭えないのも確かで、
できれば最終章はテレビ放映することを願う。
音楽は相変わらず聴かせてくれて、
部員それぞれの動きも迫力があった。
(2019年5月26日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 68

90.3 7 京都アニメーションで部活なアニメランキング7位
けいおん!(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★★ 4.2 (9680)
36933人が棚に入れました
私立桜が丘高校に入学した1年生の平沢唯は新しいことを始めようとするが何も思いつかず、2週間もの間部活の入部届けを書けずに日々を過ごしていた。同じく1年生の田井中律は幼馴染で一緒に入学した秋山澪と共に軽音楽部の見学に行こうとするが、部員が前年度末に全員卒業してしまったため、4月中に新入部員が4人集まらなければ廃部になると聞かされる。合唱部の見学に来るつもりで間違えて軽音楽部に来てしまった1年生の琴吹紬は、律と澪の掛け合いを聞いているうちに彼女達が気に入り、入部することに同意する。3人は部の存続のため、あと1人を入部させるべく勧誘活動を開始した。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、藤東知夏、米澤円

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

つきぬけるような楽しさ!

原作未読です。

特にやることも決めず、高校に入学した「平沢唯(ひらさわゆい)」。
ちょっとしたきっかけで軽音部に入部することになります。
そんな軽音部で繰り広げられるゆかいな日常。


レビュー用のメモの中で一番多かった単語は「楽しい」でした。
普段、そんな抽象的な言葉は使わないです。
……が、このアニメはとにかく「楽しい」が目立ちました。
全編を通してあふれ出る「楽しさ」。
それが、このアニメのテーマであり魅力でもあると思います。

キャラクターが楽しそうにしていると見ているこっちまで楽しくなってきます。

音楽という身近な素材。
かわいらしくて良く動く、個性的なキャラクターたち。
誰にでもわかる、テンポがいいボケとツッコミの応酬。
みんな仲良しで、見ていてほほえましいです。

全編通して、肩の力を抜いて見れました。
つらさや苦しさといった、「現実だけで十分!」と感じるような要素がほぼありません。

今考えると、学校ってよくできているなと思います。
社会人になってからは、毎日毎日同じことの繰り返し。
でも、学校では、自分からアクションを起こさなくても、イベントがやってきます。
黙っていても新しいことを積み重ねていけるんですよね。

そんな学校を舞台に、理想的な友人関係を築き、学校生活を送る「けいおん!」の世界。
そりゃ「楽しさ」がにじみ出てくるでしょう。


なお、音楽を題材にしたアニメなのに、演奏シーンが少なめです。
毎回演奏会をするような展開や、「努力、根性、勝利」なんかを期待すると面食らいます。
あくまで主な内容は、キャラクター同士の交流にあります。


ただし、BGMを含め、流れる曲自体はとっても良いです。
特にEDテーマ「Don't say "lazy"」は、映像と相まってハイクオリティ!
日本にすると「『サボってる』なんて言わないで!」って感じでしょうか。

活動内容は、

・お茶を飲む
・おしゃべりをする
・お菓子を食べる
・買い物に行く
・そしてたまに練習する(これ重要)

ですからねぇ……。
まさに「けいおん!」のイメージそのものを表してるタイトルです。

・嫌な展開がない
・とにかく楽しさがあふれてる
・良質な音楽のグルーブ感

これだけでも、たくさんの人に合う作品だと思います♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 129
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見ればわかるからっ!

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - かきふらい (芳文社「まんがタイムきらら」連載)
監督 - 山田尚子
シリーズ構成 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
楽器監修 - 高橋博行
美術監督 - 田村せいき
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
編集 - 重村建吾
音響監督 - 鶴岡陽太
音響効果 - 神保大介
音楽 - 百石元
音楽制作 - ポニーキャニオン
アニメーション制作協力 - アニメーションDo
アニメーション制作 - 京都アニメーション
アドバイザー - 石原立也
製作協力 - ポニーキャニオン、ムービック、
京都アニメーション
製作 - 桜高軽音部、TBS
放送期間 - 2009年4月2日 - 6月25日
話数 - 全14話(本編12話+番外編2話)

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫



私がまだアニメに興味を持ち始めるかなり前の話。
アニメに興味が無くても周りから聞こえてくる
「けいおん!」の名前。

ふーん、そういうアニメが流行ってるんだ。
なんかオリコンチャートで松田聖子さん以来の
なんちゃら…

アニソンって凄いんだね。

萌えって何⁇

そんな感じでした。

それから数年後、私の部屋のキャビネットの上に
唯ちゃんのフィギュアが鎮座する事になろうとは
私自身予想だにしませんでした。

人生ってわからないものですね…

アニメって基本的にストーリーの起承転結がしっかり
していて、喜怒哀楽を楽しむものだと思っていましたので、
この「けいおん!」を見た時の「怒」「哀」が抜けた
「喜」、「楽」だけの世界が異様に感じました。
多分、受け止め方は個人差があると思うのですが、
私にはその「喜」、「楽」だけの世界が異様でありながら
も心地良く、一緒に楽しんでる気持ちにさせてくれる
不思議な感覚が日常の生活でのストレスから解放させて
くれる魔法だったのかもしれません。

そんな、とある高校の軽音部を舞台に繰り広げられる
「けいおん!」
前年度の卒業生で部員数0となった桜が丘高校「軽音部」
このままだと廃部の危機。軽音部存続の条件は4人。
入部を希望していた田井中律ちゃんが発起人となり幼馴染
みの秋山澪ちゃんを強引に、合唱部と間違えやってきた
琴吹紬ちゃんを見事勧誘。
あと1人となったところで「軽い音楽をする所(口笛とか…)
」と思いのこのこやってきたのが、天然ドジっ娘の平沢唯
ちゃん。
この4人を中心に毎日お茶したり、おしゃべりしたり、また
お茶したり、たまに練習したり、たまにイベント。

後半になると新しい1年生新入部員の中野梓ちゃんも入部。
グダグダな先輩に喝を入れようと頑張る梓ちゃんだけど、
やっぱり彼女も流されグダグダな毎日。

はっきり言えば毎日グダグダな彼女達です。
でもなぜか彼女達だと不思議と許せちゃうんです。
むしろ見ていて楽しい。

その中にある言葉では上手く言えない様なキラリと光る
いくつもの宝石を見つけられるなら、きっとこの作品を楽
しめます。

作画は京都アニメーションならではの丁寧な作りで
主題歌も劇中歌を含め全てが魅力的な楽曲で構成されて
います。
視聴してみてオリコンチャートなんちゃらも納得。

ストレスゼロの魔法のような「けいおん!」の世界。
ゆっくりまったりと楽しみましょうね。



【mio's café】
視聴後に来てくださいね♪
お茶にしましょう(●'ω')_旦~
{netabare}
見ればわかるからって友達に言われ続けてきたけいおん
は、私にとって京都アニメーション製作の2作目の作品。
(1作品目がCLANNAD AFTER STORYでした。)

CLANNAD AFTERであまりにも号泣した為でしょうか、
どんなに友人に勧められても、見ようとしなかった
作品でした。

アニメを見るきっかけになったのが「とらドラ!」で
その次に見たのが「STEINS;GATE」
その後が「CLANNAD」シリーズでした。

ラブコメ王道からSFタイムリープ大作、涙腺崩壊話題作
どれもが面白くて感動して大好きな作品になりました。

そんな3作品を見てからのひらがなタイトルで

「けいおん!」???

ひゃっ…かるっ…
前に名前だけは聞いた事がある。

キャラは何となく可愛いけれど…

最初はこんな印象でした。

この時の私は日常系というジャンルのアニメを視聴した
事が無く、これといった感動も無くただのほほんとした
アニメかなぁという様な先入観だけで敬遠していました。

ある日、あまりの暇さと友人の根気強いプッシュに
そこまで言うんだったらちょっと、さわりだけでも
って感じで視聴開始。

そしたら、なんと!

かわいいんです♡

ジャケットのイラストだけではそこまでかわいいと
思わなかったのに、実際に動画で見ると動く彼女達、
お喋りする彼女達がいちいちかわいいんです。

ここ大事なので、2度言います。

いちいちかわいんです♡

随所に見られる笑いどころ豊富な小芝居もどきの
ボケとツッコミ。

彼女達がやるからこそなんです。

だから「いいんです!」

ストーリーは、はっきり言って頑張らない
グダグダな女子高生の毎日。

本当なら私でもちょっとイラっとくるくらいです。

だけど彼女達、たまに頑張るんです。

だから「いいんです‼」

彼女達だから「いいんです‼︎」

カビラさんがいっぱい出てきたぁ…
あーなんか訳分んなくなってきちゃったぞ〜

私はそんな彼女達に律ちゃん座長率いる

「放課後新喜劇」と名付けました。

本当に彼女達のやる事が秀逸なコントなんです。
原作が4コマ漫画だからかなぁ。

そんな彼女達のお話を見ていて私が最初に凄いと
思ったのはキャラの表情の豊かさはもちろんの事、
一人一人の脚の描写の多さでした。

その脚の形や動きでの個性や感情表現をする手法に
感動すら覚えるくらいでした。

妙に現実的な脚の太さと長さ。
決して良いとは言えないスタイルがまたかわいんです♡
ごめんね…リアルに健康的って意味なんだよ。

背景やキャラの作画もそこは京都アニメーション。
桜の咲く街並み、茜色に染まる校舎、
迫力のライブシーンなど、どれもこれも素敵です。

その中でも、私がすっごく好きなのは、ライブシーンで
唯ちゃんと澪ちゃんが歌う時の横顔の口の動きなんです。

すみません凄くマニアックで…

もう、本当に間近で熱唱している姿を見ている
ようなんです。

けいおん!を見て思ったんですけれど、
横顔の描き方が凄く綺麗だなって。
おデコから鼻、唇からアゴにかけてのラインとか。

そして特に目、しかも眼球なんです!

横顔の眼球の描き方、私的に凄いです。

すみません、またまたマニアックで…

多分、京都アニメーション:堀口さんのキャラデが
私的にピンポイントだったんだと思います。

そしてもうひとつ凄いなぁって思うのが
登場するキャラクターの層の厚さです。

主要5人のキャラ

田井中律、秋山澪、琴吹紬、平沢唯、中野梓

をとりかこむ通称:モブといわれるキャラのレベルの高さで
した。(モブと呼んでいいのかわからないけれど…)

その代表格が唯ちゃんの妹、平沢憂ちゃんです。
多分彼女は他のチームに移籍しても即クリーンナップを
任せられるでしょう。
唯ちゃんがエースなら憂ちゃんは正捕手。
憂ちゃん無しでは唯ちゃんの活躍はあり得ないくらいの
存在。
唯ちゃんとはまた違う癒しキャラです。

その次にやっぱりさわちゃん先生こと、山中さわ子先生。
神出鬼没の彼女、けいおん!の中で唯一の大人のキャラ
かもです。(隣のおばあちゃんを除いて。)
とにかくそのカリスマ性が凄いです。けいおん部OBで
伝説?のギタリスト&ボーカリスト。
どっちが生徒かわからなくなるような時があるけど、
こんな先生いたら楽しいだろうなぁ。

そして唯ちゃんの幼馴染みの、のどかちゃん。
真鍋和ちゃんは頭良くってマイペース。
でも、けいおん部相手に(特に唯ちゃんに対して)繰り出す
シュールな一言が以外と強烈で面白いです。

その他にも憂、梓の同級生の鈴木純ちゃん。
私的には1番のシンデレラガール!
などなどこのモブキャラの充実度は
のちのけいおん‼︎(2期)においてさらに開花していきます。
多分、1チーム作れるくらいです。
(特に3年2組のクラスメートの子達)

OPの「Cagayake!GIRLS」、EDの「Don't say "lazy"」
をはじめ、どの曲もこれがアニメの曲⁈っていうような
素敵な曲ばかりで、曲と一緒に流れるアニメーションも
とても手が込んでいます。
見ていて圧巻の映像で特に楽器の描き方とか凄いです。

律ちゃんのドラム、今日も走ってる〜♪
あずにゃんのカッティング今日もキレッキレだね♪
的な感じで私はいつも聞いてます。
ここが彼女達の音楽を楽しむ重要なポイント。
彼女達は確かにここに存在しているんです。

そんな、いっぱいある曲の中でもやっぱり、
私的に1番好きなのは「ふわふわ時間」かな♡
このタイトルと歌詞が一番彼女達を表現してる気がするし
桜高祭でのライブで何かにつけて思い出がある曲です。

1年生の時の桜高祭での「ふわふわ時間」。

この時は訳ありで澪ちゃんのリードボーカル。
唯ちゃんのコーラスには最初ビックリしちゃって
笑っちゃうけれど、ハスキー唯ちゃんも可愛かったよ♡
あんな状態でも頑張ってる感があって凄くいいです。

でも豊崎さん、凄いです。
どうやって、あの声出してたんだろう…?

澪ちゃんには怒られそうだけど、最後のハプニング!
「しましま時間」も良かったです♡

2年生の時の桜高祭での「ふわふわ時間」は、もうこれは
私のけいおん!の名シーンでも5本の指に入ります。

一言で言うならムギちゃんの超ファインプレー。
ナイスです、good jobです!

そして唯ちゃんの「もう1かぁ〜い」の時のカメラワークが
また凄いです。
あの臨場感がたまりません。
見ていて鳥肌たっちゃいました。

私がけいおんを大好きになった理由の一つが、彼女達と
時間を共有している気にさせてくれる演出でした。

彼女達が音楽準備室でお茶している時も、
合宿に行ってる時も、講堂でライブしてる時も、
いっつも同じ空気を感じれるんです。
同じ場所にいる気になれるんです。

彼女達と同じ空気を感じれる、本当に不思議です。
説明できない心地良さと共感できる世界観とはまでは
いかないけれど、空気というか雰囲気…

あ〜わかんないっ!

これが「日常系」と呼ばれるアニメの魅力の1つ
なのでしょうか。

「けいおん!」も何がいい、どこがいいって言葉で上手く
説明できない珍しい作品なんです。本当に。

だけど、

「いいんです‼︎」

だから、最後に私は声を大にして言いたいです。

とにかく

「見ればわかるからっ!」って。

結局、友達と同じ事言ってるし…



【主な登場人物・出演者】

平沢 唯 - (CV:豊崎愛生)
秋山 澪 - (CV:日笠陽子)
田井中 律 - (CV:佐藤聡美)
琴吹 紬 - (CV:寿美菜子)
中野 梓 - (CV:竹達彩奈)
山中 さわ子 - (CV:真田アサミ)
平沢 憂 - (CV:米澤円)
真鍋 和 - (CV:藤東知夏)
鈴木 純 - (CV:永田依子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「Cagayake!GIRLS」
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 桜高軽音部
2009年4月22日発売 オリコンシングル4位

エンディングテーマ
「Don't say "lazy"」
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 桜高軽音部
2009年4月22日発売 オリコンシングル2位


【挿入歌】

「ふわふわ時間(タイム)」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - かきふらい/ 作曲・編曲 - 前澤寛之)
歌 - 桜高軽音部
2009年5月20日発売 オリコンシングル3位

「わたしの恋はホッチキス」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 藤末樹)
歌 - 放課後ティータイム

「ふでペン 〜ボールペン〜」
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 川口進)
歌 - 放課後ティータイム

「Maddy Candy」
作詞 - KANATA / 作曲・編曲 - 小森茂生
歌 - DEATH DEVIL
2009年8月12日発売 オリコンシングル9位

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 124

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

私をアニメの世界に導いた作品 その1

言わずと知れた、日常ほのぼの系アニメの王者。

たまたま放送していた本作を視聴し、以来、アニメの世界にどっぷりとハマってしまいました。

OP、ED、挿入歌全てが最高。【とにかく売れましたよねぇ】
声優陣も最高。【当時無名だった5人が、今では揃って超売れっ子に!】
物語のテンポが絶妙。【原作が4コマ漫画ならでは】
作画が綺麗。【写実的な背景とアニメ顔の登場人物が絶妙にマッチしている】
 →特にBGMとぴったり合っている演奏シーンは圧巻です。

2年間が12話にまとめられているので駆け足感は否めませんが、その分、第2期は1年間が24話に。

今更ですが・・・。まずは、第1期を視聴したら、第2期、そして劇場版の順番で視聴する事をお勧めします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 116

89.4 8 京都アニメーションで部活なアニメランキング8位
涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★★ 4.1 (7761)
33244人が棚に入れました
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」入学式後の自己紹介で、このぶっ飛んだ発言をした県立北高校の1年生「涼宮ハルヒ」。成績も運動神経も容姿も優れているのに、傲岸不遜な態度と中学以来の奇人ぶりから、クラスで浮きまくる。その上、普通のクラスメイトをつまらないと拒絶し、ますます孤立していた。そこで、ハルヒの前の席に座るクラスメートの「キョン」が話しかけたことをきっかけに、SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)に加入させられてしまうのだった…。

声優・キャラクター
平野綾、杉田智和、後藤邑子、小野大輔、茅原実里、松岡由貴、桑谷夏子、白石稔、松元惠、あおきさやか

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

京アニによるアニメ化部分は名作と語られるも、原作は未完にて迷走中…。

*2017.10.6: 再放送終了に伴い、タイトル改訂および本文を若干修正。

2017年4月からNHK BSプレミアムで1期目と2期目を合わせた全28話が、2期目を放送したときの話数順(各話の時系列順)で放送されました。

原作は刊行分全巻既読。原作の刊行順序とアニメ化状況は下記の通り。

==
『涼宮ハルヒの憂鬱』済(1期目)
『涼宮ハルヒの溜息』済(2期目)
『涼宮ハルヒの退屈』済(1期目・2期目)
『涼宮ハルヒの消失』済(劇場版)
『涼宮ハルヒの暴走』済(1期目・2期目)
『涼宮ハルヒの動揺』済(1期目)
--
『涼宮ハルヒの陰謀』未アニメ化
『涼宮ハルヒの憤慨』未アニメ化
『涼宮ハルヒの分裂』未アニメ化
『涼宮ハルヒの驚愕』(前編)未アニメ化
『涼宮ハルヒの驚愕』(後編)未アニメ化
==

ちなみに驚愕の前後編は同時発売でした。そしてまだ原作は未完です。続きが書かれるかどうかはわかりませんが…。

ハルヒのハチャメチャぶりに振り回されるSOS団の面々(キョン、長門、古泉、みくるちゃん)という構図で捉えられていると思われる本作ですが、主人公はタイトルに名前があるハルヒではなくキョンくんです。

作中のハルヒの有名な台詞:「ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」に象徴されるように、一応、ストーリーのバックボーンにはSF要素があります。

劇場版ドラえもんでのび太とドラえもんがいなかったらおそらく世界は滅んでいると思いますが、本作の世界にキョンくんと長門がいなかったらきっと本作の人類は滅亡を迎えていることでしょう。

SOS団を中心に起きるドタバタコメディを楽しむか、実は明らかにならないキョンくん一家の謎(キョンくん本人も妹も本名不明他)について考察するかは本作を観るあなた次第…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 96

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

新時代の幕開け

京都アニメーション制作。

高校1年の涼宮ハルヒは入学早々、
ただの人間に興味はありません、
そう高らかに宣言し物語が始まるわけですが、
放送開始からもう随分時間が経ちました。

YOUTUBEやニコ動など、
新しい動画配信サービスが登場して、
アニメをただ見るだけじゃなく、
参加型のコミュニケーションツールとして、
盛り上がっていったのを思い出します。
二次創作の嚆矢となった「ハレ晴レユカイ」、
新時代の幕開け、文字通り世界を改変し、
新しいアニメの消費が始まりました。

涼宮ハルヒのヒットにより、
ライトノベルのアニメ化に弾みがつき、
その想像力と拡散力の強さは、
当時、比類なきものでありました。
到来するであろう新たな時代の波を、
予見していたと言えるかもしれません。
まさにセンスオブワンダー。

ゼロ年代を牽引する傑作SF青春活劇、
ここには魔法以上のユカイが待っています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 87

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

8週に渡る、まさにお茶の間テロ!話題作りにしてはやり過ぎの一声......

全体的に、楽しかった評価です。


主人公キョンはきっと
日企谷八幡の親戚ですw
世の中なんでも斜めから見てるトコが似てました。
ヒロイン達も成分が必要最低限で
観余りません、
ツンデレ団長
ドジっこ
無表情不思議っこ

ちょうどいいんかな?


日常系学園ラブコメと思いきや、
SF設定もねじ込んできますので
中だるみない感じでよかったんだが、

いや


中だるみあったわ  がっつり



これから見る方へ一言、

ネタばれ云々は、どかして
「エンドレスエイト」は飛ばして大丈夫です。
理由は、実際に観てみれば痛感します。
時間のムダ まぢで


時間は有限です。
いかに有効活用できるかでしょう。

睡眠時間削って、視聴していた自分は
かなりの虚無感をブチ食らいましたわ( ゚Д゚)ワー



EDのハレ晴レユカイを
新社会人で入社式に踊らされたのを
今でも覚えてます。
その当時、アニメに興味はなかったんで
ただただ苦痛でしたよ。。
しかもそのときすでにハルヒブームは去っていたにもかかわらず。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 69

91.3 9 京都アニメーションで部活なアニメランキング9位
けいおん!! 2期(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★★ 4.3 (7393)
30948人が棚に入れました
高校1年生の春に、軽音部に入学した楽器初心者の平沢唯。部長の田井中律、恥ずかしがり屋の秋山澪、おっとりした琴吹紬の3人とともに、普段の部室でのお茶を中心に、合宿、学園祭、クリスマスと楽しい日々を過ごしていた。高校2年生時には、真面目な新入部員の中野梓を迎え、軽音部2度目の学園祭を5人のバンド「放課後ティータイム」として大成功を収める。そして、唯たちは高校3年の春を迎える…。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、藤東知夏、米澤円
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

友&愛♡ みんな大好き!

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - かきふらい (芳文社「まんがタイムきらら」連載)
監督 - 山田尚子
シリーズ構成 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
楽器監修 - 高橋博行
美術監督 - 田村せいき
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
編集 - 重村建吾
音響監督 - 鶴岡陽太
音響効果 - 神保大介
音楽 - 百石元
音楽制作 - ポニーキャニオン
アニメーション制作協力 - アニメーションDo
アニメーション制作 - 京都アニメーション
アドバイザー - 石原立也
製作協力 - ポニーキャニオン、ムービック、
京都アニメーション
製作 - 桜高軽音部、TBS
放送期間 - 2010年4月6日 - 9月28日
話数 - 全27話(本編24話+番外編3話)


(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


私に新たなアニメの楽しみ方を教えてくれたけいおん!
アニメのキャラは愛すべき存在である事を教えてくれた
けいおん!

律、澪、紬、唯にとっては高校生活最期の1年、
梓にとっては先輩方との最期の1年間の始りです。

どんな思い出を残してくれるのか、とってもワクワク。

一言で言えばいつもの彼女達に笑っちゃいます。
いつもの彼女達にホッとします。
そして1期より感動します。
グダグダな彼女達なのに泣けちゃいます。
もうズルいです。

楽曲もさらにパワーアップして聞き応えのある曲がいっぱい。
彼女達らしい元気のある曲、意味不明な曲、心にジンと
くるような曲、素敵な構成になっています。

京都アニメーションが贈る「けいおん‼︎」
青春の宝石の輝きをその目で見て、耳で聴いて、
心で感じて下さい。

いつ見ても、どこから見ても楽しい「けいおん‼︎」
いつもそばにいてくれる彼女達。
大好きです!♡


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
今日も美味しい紅茶はいってます(*^^*)

{netabare}
唯ちゃん、いきなりの朝練。
朝起きる時間を間違えたとはいえ、やる時は練習してます。
しかも、必殺技の開発中!
…んっ?

静かな朝の音楽室。
響き渡るギターの音色。
ストロークでの「私の恋はホッチキス」のフレーズ。

いいですね。凄くいいです。

朝の空気の透明感と唯ちゃんの奏でる音の透明感。
なんだか、とっても唯ちゃんとギータの一体感を
感じさせてくれます。

桜舞い散る校舎に始業式で校歌を歌う彼女達。
なんだか、いきなり卒業を意識させる様な演出で、
あぁ、やっぱり彼女達もこの作品で卒業して
いくんだなぁって思っちゃったりもした。

なーんて、しみじみ浸ってるのもつかの間、
1期に引き続き律っちゃん座長率いる

「放課後新喜劇」 が大活躍。

1話のクラス編成のお話から2話のさわちゃん先生の
ギター買取りのお話まで萌え要素あり、笑いありの
怒涛の攻撃なんです。

特に2話「整頓!」は私にとって序盤にして最高でした。
とにかく唯、律がパワーアップしてます。
お片づけのシーンでは澪ちゃんがさりげなく髪を
ポニーテールにする仕草にちょっとドキッ。
細かい仕草なんですけれど、この辺りの山田尚子監督の
魅せ方好きです。

荷物を持ち帰った唯ちゃんに
憂ちゃんの「めっ!」ですよ♡
唯ちゃん「許してつか〜さぃ…」萌え死にしそう…♡
澪ちゃん「姉の威厳まるで無しだな…」あぁぁ…

そしてさわちゃん先生に買取り証明書を追求された後の
みんなで「食ぅ〜え!食ぅ〜え!」の大合唱。

澪、紬、梓まで…
なんですか、これ…

律「ごめんなさい~隠すつもりはなかったんじゃが
余りの金額の多さにオラ気が動転してしもうて~‼︎」
梓「心が汚いですね」
澪「昔からこうなんだ」
律「おまえらに言う資格無いだろっ‼︎」

もうなんなんでしょうか…この三文芝居。
笑いが止まりません。
でもこれこそが「けいおん!」なんです。

1期ではボケ倒しが多かったギャクも2期からは梓が
本格参戦して澪とのダブルツッコミ!
厚みが増してます。
澪ちゃんも何となく心強そう…かな?

4話では修学旅行。
2話に劣らず大好きなお話しです。
修学旅行と言えば高校最大のイベントの1つ。
でもどこに行っても律ちゃんと唯ちゃんはやる事は一緒。
ダブルボケ倒しにあずにゃんのいない澪ちゃんでは
もう太刀打ち出来ませんね。

新幹線の中でも金閣寺でも嵐山でもいつものけいおん部。

修学旅行の夜。
枕投げのシーンは凄くむぎちゃんの気持ちがわかります。
やってみたいですよねー。
枕を確認するムギちゃん、かわいい♡

正確無比なムギちゃんの枕が唯ちゃんの延髄を直撃!
「ボフッ!」スローで倒れる唯ちゃん。
ここかわいい…♡
からの澪ちゃんの顔面直撃!
「むぎゅっ‼︎」
もう、何とも言えません。

そして寝静まった頃の
律ちゃん「リコ…ピーン…」

あのクスクスとなる感覚、何しても楽しい修学旅行の夜。
凄くわかるなぁ。
ムギちゃん笑い過ぎて「ぶた鼻」!
もうダメです…

笑いがツボに入りすぎて咳き込む唯ちゃん。

この辺りの空気感を伝える細かい描写が本当に女性ならで
は素敵で楽しいと演出だと思います。

この後は夏フェスや夏期講習、マラソン大会、U&I誕生
秘話?などなどもう書き出せばキリがないくらいの楽しい
お話やちょっと胸にジーンとくるようなお話の連続です。

特に17話「部室がない!」では終盤の風邪を引いて寝込ん
でしまった憂と唯のやりとりが心に響きました。

「U&I 」
イントロから素敵な曲です。
You & I、う&い(憂)、色んな解釈が出来ますけれど
共通するのは憂ちゃんへの感謝の気持ちを綴った曲
という事。
本当に心に響く曲です。

私はレビューのタイトルで敢えて
「友&愛」という言葉を使わさせて頂きました。

何話をみても笑える、どこから見ても楽しめる!

これこそ、けいおん‼︎なんですね。

でも、そんな彼女達にも確実に卒業の2文字は
近づいて来てます。

最後の桜高祭。

涙無くしては観れませんでした…

今まで何かとトラブルやアクシデント続きだった桜高祭。
初めてまともに出来たライブだったかも。
唯ちゃんの尻もちはあったけど。

さわちゃん先生とクラスメートからサプライズな
プレゼント。
嬉しいですよね。
そして唯ちゃんのMCにジーンと…

おっと、本番のライブはここから!

新曲「ごはんはおかず」から始まっての最後は
神曲「U & I」。
パワフルな演奏と唯ちゃんのグダグダなMC。
ここぞのカメラワークも流石!
でも私的にちょっとだけ不満があるとすればライブシーン
が短いという事かな。

最後のライブもっと見たかったです。

そしてライブの後、夕日の射し込む音楽室。

今日のライブの感想を言い合う5人。
これからの活動予定、来年の活動予定。
自分達はいない軽音部の活動予定を語る
律、澪、紬、唯…そして梓。

5つ並んだカバンのキーホルダー…

「け」「い」「お」「ん」「ぶ」

多くの言葉は要りません。
手を繋いだまま寝ている5人に友情と絆と優しさを感じた
とても素敵なシーンでした。

この後はいよいよ卒業に向けてスピードアップ。
卒業アルバムの撮影や大学受験。
アルバムの撮影では唯ちゃんに笑わせて貰いました。
もう彼女、天才ですね。
今更なんですが…

大学受験ではサクラ咲くのメールを貰った梓の
嬉しさを堪えてる表情がたまりませんでした。

卒業式の前日は大掃除を終えた音楽室でのレコーディング。
放課後ティータイム最初のアルバムの完成です。
そういつものピンクのカセットテープ。
けいおん!のシンボルです。

そして卒業式当日、最後まで本当に笑わせてくれます。
最後まで「放課後新喜劇」です。

最終話は序盤から梓の切ない心の動きがとても表現
されていたと思います。
そして、さわちゃん先生からクラス生徒みんなへの言葉。
黒板に書かれた生徒からさわちゃん先生へのメッセージ。

「消せないじゃない…」

この辺りから涙が止まりません…

いつものゆったりした時間が流れる音楽室。
先輩方にそれぞれ読んで下さいとお手紙を渡して
席を離れる梓。

カバンを置こうとした時、自分と先輩方のカバンの間を
遮る様に置かれていた卒業証書。
今まで堪えていた感情が一気に溢れ出しました…

「卒業しないで下さい…卒業しないでよ…」

見ているこっちまで梓が愛おしくて愛おしくて。
もうダメです。私の涙腺が決壊しました。

ここで梓に桜の押し花を渡す唯ちゃん。
「花びら5枚…私達みたいだね!」
唯ちゃんらしい言葉。

もう、梓に対してこれ以上はない言葉だったと思います。

山田尚子監督、吉田玲子さんブラボー!

最後は梓に贈る曲の演奏。

「天使にふれたよ」

梓の涙で潤んだ横顔…とても言葉にならないくらいです。
素敵と言って良いのかわからないけれど、素敵な作画です。
キャラデ・総作監堀口さん最高のお仕事です。
もう私の涙腺も修復不能でした。

最後はさわちゃん先生、和ちゃんを交えての
「ふわふわ時間」でのエンディング。
やっぱり、この子達にはこの曲ですね。

何気ない日常の中でも確実に育まれる友情と絆。
もう、ありがとうという言葉しか見つかりません。

OP・EDの曲も一段とパワーアップしてます。
OPの「GO! GO! MANIAC」「Utauyo!!MIRACLE」
EDの「Listen!! 」「No,Thank You! 」

映し出されるアニメーションを含めもう凄いとしか
言いようがありません。
オリコン1,2位独占は伊達ではありません。

劇中の挿入歌、BGMも1期に引き続き素晴らしいです。

そして最後に最強モブキャラ軍団。
特に3年2組。
1人ひとり紹介すると大変な事になるので、2期で私が
1番気になったのは「若王子いちごちゃん」です。

ツインドリルにロングスカートのあの子です。
無口でシュールな感じ、しかも「バトン部」に所属。
私としては「たまこまーけっと」に移籍して、
かんなちゃんとコンビを組んで欲しいくらいでした。

私に新しいアニメの楽しみ方を教えてくれたけいおん!
日常のささやかな笑いや喜び、色々な魅力が詰められた
「宝石箱」です。
本当にありがとう。

みんな、大好き!
これからも大、大、大好きだよ!♡


【主な登場人物・出演者】

平沢 唯 - (CV:豊崎愛生)
秋山 澪 - (CV:日笠陽子)
田井中 律 - (CV:佐藤聡美)
琴吹 紬 - (CV:寿美菜子)
中野 梓 - (CV:竹達彩奈)
山中 さわ子 - (CV:真田アサミ)
平沢 憂 - (CV:米澤円)
真鍋 和 - (CV:藤東知夏)
鈴木 純 - (CV:永田依子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「GO! GO! MANIAC」(第1話 - 第13話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 放課後ティータイム
2010年4月28日発売 オリコンシングル1位。

「Utauyo!!MIRACLE」(第14話 - 第27話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 放課後ティータイム
2010年8月4日発売 オリコンシングル3位。

エンディングテーマ
「Listen!!」(第1話 - 第13話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 放課後ティータイム
2010年4月28日発売 オリコンシングル2位。

「NO,Thank You!」(第14話 - 第27話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 放課後ティータイム
2010年8月4日発売 オリコンシングル2位。

【挿入歌】

「ぴゅあぴゅあはーと」(第7話)
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 前澤寛之)
歌 - 放課後ティータイム
2010年6月2日発売 オリコンシングル4位。

「ラヴ」(第10話)
作詞・作曲 - DEATH DEVIL
(作詞 - KANATA / 作曲・編曲 - 小森茂生)
2010年6月23日発売 オリコンシングル7位。

「ごはんはおかず/U&I」(第20話)
作詞 - 平沢唯 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - かきふらい / 作曲・編曲 - bice(ごはんはおか
ず)、前澤寛之(U&I))
2010年9月8日発売 オリコンシングル3位。

「天使にふれたよ!」(第24話)
作詞 - 平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 川口進)

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 104
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

部長の本気を見せてやるぜぃ~!

日常&ほのぼの系の王様。安定の面白さ。しかし、後半は思わず涙ぐんでしまいます。

第1期は2年間で12話なのに対し、第2期は1年間で24話。一つ一つのエピソードが丁寧に描かれています。
OP・ED・挿入歌とも最高の曲ばかり。そう言えば、『けいおん!』きっかけでアニソン好きにもなったような記憶が・・・。

個人的に一番好きなのは11話。理由は・・・。
何故か分からないけどツボなんですよねぇ。
{netabare}
『暑い!』
唯と紬がスク水になったり、澪と紬が着ぐるみを着たり、唯と律がバケツに足を突っ込んでもめたり、トンちゃんの水槽を取りに行ったり、唯と律が生徒会室に乗り込んだり、全員で部長会議のリハーサルをしたり・・・。たった一日の放課後にどれだけイベントがあるの?
で、色々あったけど、最後は『私クーラー苦手なの忘れてた』ってどういうこと?
{/netabare}

もし、この作品を見始めて、少しでも面白いと感じた方は、長く感じるかも知れませんが、我慢してでも24話まで見て欲しいです。
ほのぼの・ほっこりの連続の後、最後には必ず泣けます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 104
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君は天然色

山田尚子監督作品、構成吉田玲子。
私立桜が丘高校、軽音部の緩やかな日常。

初回の冒頭から完璧、唯のギターソロから、
「あっパン、食パン!!」で一気に魅了される。
平沢唯は、驚異的なキャラクターである。

軽音部の彼女たちと共に過ごす放課後、
この日常こそけいおんの真骨頂であります。
音楽活動は世界を広げる要素でしかないのです。
少し中盤は冗長な印象を残しますが、
キャラクターの強さで跳ね返しています。
軽音部顧問のさわ子先生も素晴らしいですね。

無地のキャンパスほど多彩な色はない。
千差万様、それぞれの色をそこに見るのだ。
そんなメッセージがここにはあるのでしょう。

青春の1ページを刹那に切り取った、
NO,Thank You!のジャケットデザインには、
いつもハッとさせられます。

時は過ぎ、卒業を控えると、
{netabare}彼女たちと共に一抹の寂しさがあります。
楽しくて輝いている時間もずっとは続かない。
ずっと続けば良いのにと、私としては、
静かな物語の終幕に余韻があり好印象です。{/netabare}

素晴らしいシリーズでしょう。
ふわふわで楽しい時間がここにあります。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 97

85.7 10 京都アニメーションで部活なアニメランキング10位
中二病でも恋がしたい!戀(REN)(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (2687)
15693人が棚に入れました
色々な事情が重なり、一緒に暮らすことになった勇太と六花。
付き合い始めた二人にとってはどきどきな内緒の同棲!
なはずが…
普通の女の子とも付き合ったことのない勇太には、中二病の彼女はハードルが高すぎた!?
恋愛をどう進めていけばいいか悩む勇太。そして1つ学年が上がってパワーアップした丹生谷、くみん、凸守たち。
さらには十花に六花との同棲がばれて……
またまたドタバタな生活が始まる!

声優・キャラクター
福山潤、内田真礼、赤﨑千夏、浅倉杏美、上坂すみれ、長妻樹里、天野由梨、福原香織、設楽麻美、保志総一朗、井上喜久子、仙台エリ
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

闇の炎に抱かれて聴け★

1期と比べて色々パワーアップしてましたね^^
くみん先輩はすっかりダジャレキャラになりました(笑)
第9話の{netabare}「ビキニ3割引に」{/netabare}は渾身の出来です。

もりサマーは1期に比べて症状が悪化してますね^^
でも、1期ではあまり見れなかった、もりサマーぶりが
堪能できてよかったです。

魔法魔王少女と邪王真眼のキービジュアルは
最終回のあのシーンにつながってたんですね^^
とてもいいシーンでした。

また3期があるといいなぁ^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 100
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

恋愛増量

原作 ラノベ 未読

第二期 
全12話

ジャンル:学園青春ラブコメ


感想だけ

2期は恋愛メインでしたね~

って言っても、二人に進展はあまりなくて残念
まぁ、六花が中二病だし、ウブ過ぎるからしゃーなしだけどw
でも、そんな初々しい六花は可愛いな~っと。(●´ω`●)ゞ

六花のCVが内田真礼さんでしたが、いろんなキャラを声を変えて上手に演じる人ですね~
凄いです!
2014年、第8回声優アワード新人女優賞を受賞したのも頷けます!
今後、要チャックや~!


ストーリー的には
{netabare}
七宮という、六花と同じくらいの中二病の恋のライバルが登場するけど・・・

1期からずっと観てれば、二人の関係は揺るぎない!って分かってたから、結果は予想どうり
でも、七宮が勇太を諦めようと苦しんでるのを見てたら、自分も一緒に泣いてた
あれは胸が痛かったよ・・・゜(゜´Д`゜)゜ 

最終話では、勇太とキスしようと六花が頑張るけど
ホント初々しくてめっちゃ可愛かった
結局、キスするその時、携帯が鳴ってキスできないオチ(苦笑)
まぁ、結果ハッピーEDだからヨシとしようかな^^

勇太と六花、 二人 お似合いでしたね。

しかし、六花ばかりが頑張ってるのに、勇太って何もしていないよね~
七宮の事も、なにもしないで結局七宮自身で解決させてるし・・・
「もうちょと男見せろよ!」っと言いたくなりました。
{/netabare}


僕的には恋愛ものが好きなので、今回は何度もキュンキュンでき、毎週楽しんで観れました
面白かったです。

1期見て良かった人なら観て損はないですね!オススメです。


最後に一言
{netabare}
一色誠!
毎回 髪型等変えて一瞬出るだけ・・・
君はもう 完全に出オチキャラ扱いだったね
可哀想だった ^^;
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これこそ「中二病でも恋がしたい!」だ。<追記;Extra Episode>

中二病と恋、合い反する感情で揺れ動く心を楽しく描いたラブコメです。
2期のスートーリーは単純で、ラブコメに徹しています。

新キャラ七宮登場。
「ニャーハハハ」が鬱陶しい中二病キャラです。
勇太の幼馴染、六花のライバル的立場。
勇太への気持ちを中二病で強引に抑えているのが可愛く切ないです。
六花は六花で、七宮と勇太の関係に嫉妬気味。
中二病と恋愛感情との間で混乱する立花がいとおしいです。

2期ではモリサマと凸守の関係が笑いのツボでした。
喧嘩するほど仲がいいとはこのこと。
微笑ましいいがみ合いについつい頬が緩みがちです。
それと、モリサマの面倒見の良さに磨きがかかっています。
世話焼きの姉御肌に、好感度さらにアップです。
もちろんくみん先輩もいい味を出していました。
明らかに寒いギャグも彼女が言うとかわいいですね。
とくに、5話はくみん先輩の特殊能力がいかんなく発揮されていてシュール全開でした。

1期よりコメディー要素が増量された2期。
これぞ「中二病でも恋がしたい!」ですね。
まだ、2年の2学期。
3期、4期と行っちゃいましょう、京アニさん。

<追記;Extra Episode>
{netabare}ホモサピエンスメスのプリミティブな姿を巡って、六花と勇太の間に紛争が勃発。
秘密裏に水着画像の所有を画策する勇太。
隠密裏にその画像の破壊を画策する六花。
主に、六花の嫉妬心に元凶があると思うのだが・・・。
揺れる乙女心が他愛もなさ過ぎて「勝手にやってくれ!」です。
テンパる六花の可愛さが際立った最終エピソード。
二人は恋人同士なんだから・・・末永くお幸せに!

ついでに、モリサマと凸守も末永くお幸せに!{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72

91.6 11 京都アニメーションで部活なアニメランキング11位
映画けいおん!(アニメ映画)

2011年12月3日
★★★★★ 4.3 (3046)
15469人が棚に入れました
「放課後リターンズ!」「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、米澤円、藤東知夏、永田依子
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

けいおんシリーズの魅力が詰まってる。元気のないときに見ようc(-。-,,)c)~

原作未読。
けいおん1期、2期ともに視聴済み。

1期レビュー→ http://www.anikore.jp/review/408583
2期レビュー→ http://www.anikore.jp/review/413114

劇場版は時系列でいうと、けいおん2期の終盤間際、23~24話の辺りです。
どのようにして24話につながったのか、裏話が描かれています。
視聴後、もう一度、けいおん2期の終盤を見直したくなりました。


けいおんは「日常の中にある楽しさ」がテーマだと考えています。
その日常の中で、「山」となるイベントが含まれています。
その中でも最も大きいであろう山が丁寧に描かれています。

イベントですから、正確には日常ではなく非日常です。
しかし、日常の延長線上にある「ちょっと大きな日常」といってもいいくらい、自然なキャラクターの姿が表現されています。
キャラクターの細かいしぐさ、テーブルの上に置かれた小物、背景のいたずら書き。
そんなさりげない描写ですら、楽しい日常を感じさせてくれます。

「ああ、またボケやツッコミをしながら壁に落書したんだろうなぁ」
「今日あったことをぐだぐだ話しながらお菓子の包み紙で遊んだんだろうなぁ」

なーんて想像してしまいます。

みんなの仲の良さが伝わってきます。
本当に楽しそうです。
こちらまで楽しくなってきます。
何ていえばいいんでしょう。
ペットのしぐさに癒やされる感じでしょうか?
{netabare}あずきゃっとc(-。-,,)c)~{/netabare}

日常の枠をギリギリこえない、楽しさがテーマの物語。
そして、感動も忘れていません。

「けいおんシリーズの魅力とはこういうものだ!」とうまく伝わった作品だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 93
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

卒業は さよならじゃない(点数以外全て更新)

1期、2期 視聴済み
過去視聴作品レビュー

高校の部活動けいおん部。「放課後ティータイム」という5人のガールズバンドの女の子たちの物語です。けいおん劇場版は何度見ても新しい発見や違った感動があります...とても愛があふれる作品です。

けいおん部はとにかくマイペースな部活です。
部活中に楽しいおしゃべりの時間、ティータイム。優しい時間が流れます...

部員は5人。内4人は3年生(唯、澪、律、紬)
あずにゃんこと梓ちゃんは1つ年下の後輩、唯たち4人はこの年に卒業を控えています。この5人で過ごせるのもあとわずか、そんなかけがえのない大切な時間を描きます。

部活動での沢山の思い出。この場所で仲間意識や信頼関係を築き絆を育みましたね。

沢山の楽しい時間を皆で過ごし、辛いことや大変なこともありましたが皆で成長した、けいおん部。
ずっといつまでも、終わらないで..誰もが思ったことでしょう…

{netabare}
刻々と時は過ぎ...
卒業旅行に憧れの地ロンドンへ5人で行きます。
はしゃぐ澪がとても可愛いですね。
後輩のあずにゃんはドタバタした旅行のサポートを行いここでもしっかり者でした。

あずにゃん。唯は先輩ですが数々の頼りない行動に何度も振り回されたけれど、何だかんだいっても大好きで大切なんですよね。唯×あずにゃんとっても良いコンビでした。
時にあずにゃんと唯がお互いに相手を思いやるシーンに感動でした。

「最後に、先輩らしい事をしたい!」という唯達の想い、後輩あずにゃんに残せるものはないか、、そして生まれる歌。この卒業旅行を経てつくられたのですね。

あずにゃんに秘密でつくりあげた、けいおん部の絆と思い出を歌にした「天使にふれたよ!」

4人にとってかけがえのない天使あずにゃんへおくるシーンには感動でした。

先輩4人のありったけの愛情と感謝。この歌声、歌詞はあずにゃんの心に深く刻まれたことでしょう。
{/netabare}

劇場版の最後のシーンがアニメシリーズ最終回の名シーンに続いているのです。きれいにまとまり笑えて泣ける素敵な映画でした。

会えたよ! すてきな天使に
卒業は終わりじゃない
これからも仲間だから♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 82

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ファンには嬉しい大満足の劇場版でした( *・ω・)ノ

■けいおん!!!3期を期待せずにはいられなくなっちゃいますね‥…━━ *  m(゚▽゚* ) ホシニネガイヲ・・・
まさか、生まれて初めて公開初日に映画を観に行くことになるなんて思ってもいなかったです!
それだけ期待もしてたし、好きな作品のひとつだったんですよね(^ー^* )フフ♪
そしていざ劇場へ||ヽ(*゚▽゚*)ノミ|Ю ワタシノセキハドコ♪
上映時間116分・・・「けいおん!」らしさがたっぷり詰まったあっという間の至福の時間でした
♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ
 
劇場版でも、監督に山田尚子さん、脚本に吉田玲子さん、キャラデザに堀口悠紀子さんといった主要どころが女性スタッフ中心に制作されているので、キャラのちょっとした行動や仕草、思考や感性が等身大の女子高生として描かれているところは相変らずでとっても好感がもてました。
それと劇場版「けいおん!」の予告PVでも知らされていたように、卒業旅行で海外へ行く事になるのですけど、ちゃんと海外でも彼女達の「らしさ」が生かされているので、なんだかとっても安心しちゃましたw
それと京都アニメーションの安定感抜群な作画は「これぞプロの仕事」って感じで改めて感心させられちゃいました(゚∇^d) グッ!!

劇場版「けいおん!」はTVシリーズで培ってきた良いところを、背伸びさせずにそのまま詰め込みましたって印象なのです。
TVシリーズの延長線上で違和感なく楽しむ事ができるので、ティータイムに紅茶を飲んで
C=(^◇^ ; ホッ!っとするような感覚にさせてくれました♪
いつもでもどこでも変わらない「け」「い」「お」「ん」「ぶ」が観られるのが劇場版「けいおん!」の良い所なのでしょうね(*゚▽゚)ノ
けいおんファンにとって劇場版「けいおん!」は間違いなく大成功といえる作品だとおもいます!
まだ「けいおん!」を観たことないっていう方は是非TVアニメシリーズを観てから視聴することをお薦めします♪

アタシσ(゚-^*)にとって色々懐かしい気持ちにさせてくれるのが「けいおん!」って作品なので文句なしで観て良かったです(*^o^*)
学生時代の友達との思い出、バンド仲間との時間、海外で知り合いにバッタリ会ったときの感動などなどw
家に帰った後に愛用の楽器たちと戯れたことは言うまでもありません《《《《♪♪(*´▽`*)ノ゛

そういえば、漫画は唯ちゃん達の卒業組みとあずにゃん達の高校生組みが並行してそれぞれ連載中なのでアニメ化を否応なしで期待せずにはいられないですよね♪
また新しい「けいおん」と出逢えることを楽しみにしてます☆⌒ヽ(*'、^*)

2011.12.04・第一の手記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 80

82.1 12 京都アニメーションで部活なアニメランキング12位
Free!(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1779)
9033人が棚に入れました
「七瀬遙」は、「水」にふれること――「泳ぐこと」が好きだった。

小学生のころ、同じスイミングクラブに通っていた「七瀬遙」「橘真琴」「松岡凛」「葉月渚」
彼らは、小学校卒業前の大会での優勝を最後に、違う道へと進んでいく。

やがて時が経ち、高校生活を無為に過ごしていた遙の前に、突然、凛が現れる。
遙に勝負を挑み、圧倒的な強さを見せる凛。このままでは終われない。

そして、真琴と渚が再び集い、新たに「竜ヶ崎怜」を引き込んで、岩鳶高校水泳部を設立。
遙、真琴、渚、怜、そして、凛。
これは、躍動感あふれる男子高校生たちの、水泳と青春と絆の物語――

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央、宮野真守、代永翼、平川大輔、渡辺明乃、ゆきのさつき

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

筋肉賛歌

原作未読。

水泳を通して仲間になった幼なじみの男の子たち。
彼らが高校生になって再び集う。
そして、かつてのチームを作っていく青春物語。

京都アニメーションが絵の練習で作ったアニメです。
ウソです。
でも、そう考えちゃいます。
水の表現や筋肉の描き方にこだわりが感じられました。
特にOP映像は、水の透明感や抵抗が感じられて見事なものです。


さて、男性の水泳を描いたストーリー。
女性向けの色物アニメに見えますが、女性限定の作品ではありません。
男性でも普通に見られます。

しかし、違和感がありますね。
多分、登場人物の渚(なぎさ)が女の子以上に女の子っぽいからだと思います。
それから、腐女子向けの素材になりそうなシーンもあるからだと。
あくまで素材ですが。


テーマは「自分探し」……だと思うのですが、よくわかりません。
主人公の遙(はるか)がマイペース過ぎるうえに、自分を語ろうとしないからです。
無口な人間が無言で勝手に泳いでいる状態から何を読み取れと……w


むしろ、周囲のほうがしっかりと個性立てされています。
特に、サポート役として入った怜(れい)が圧倒的に主人公っぽい。
セリフの量も遙の何倍もあるんじゃないでしょうか。

もっと詰め込んでいいので、遙に関して深く踏み込んだストーリーにして欲しかったです。
伏線も全然回収されません。
この情報はいつ使われるのかなんて待っていたら話が終わります。

そのじらしプレイのおかげで、最後まで見せる力はあります。
しかし、あとには何も残りませんでした。
強いて言うなら、男としてああいう筋肉の付き方は理想だなぁと。
また、江(ごう)ちゃんの筋肉フェチっぷりにはしっかり笑わせてもらいました。
ギャグはなかなか鋭いです。

恋愛要素はまったくないので、見やすいアニメです。
オススメとは言いがたいですが、京アニのチャレンジ精神にしたがって視聴するのもありかもしれません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 74

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

キャラクターの魅力不足により物語は中途半端な印象に、映像面における京アニのクオリティーに助けられた感が否めない。【総合評価:68点】

2013年夏に全12話で放送された京アニ作品。
『中二病でも恋がした!』と同じく京都アニメーション大賞の第2回で奨励賞を受賞、KAエスマ文庫から発き売されている『ハイ☆スピード!』を原案とした作品。
過去の京アニ作品でも度々部活を取り扱った青春物作品はありましたが、今回はその中でも珍しく水泳と言うガチなスポーツ系の部活物となっています。

主人公は、泳ぐことが大好きで、「水」というものに独自の価値観を抱いており、 「水なしでは生きていけない」とまで言われるほど「水」に飢えている。
日常では朝から水着着用で水風呂に浸かり、下着の代わりに常時水着を着用、泳げる機会や場所を見つけるなり躊躇いなく服を脱ぎ出す等 「泳ぐこと」に関しては非常に特異な部分を見せる。
そこまで泳ぐことに執着する反面タイムや勝敗に関心はないのだが、唯一、フリーに対しては強いこだわりを見せているちょっと変わった主人公の七瀬遥。
主人公の七瀬遥は小学生時代、同学年の橘真琴やライバルの松岡凛、下級生の葉月渚と同じスイミングクラブに通い、町内の水泳大会でリレーに出場し優勝。
その後、松岡凛はオーストラリアに水泳留学、この辺りの話は原案となる『ハイ☆スピード!』で主に描かれていますが、本編でもちょくちょく触れられています。

そんな小学生時代を背景に、本作は主人公の遥が高校二年生に進級した時点からスタートします。
とある理由から中学時代に競泳をしまうものの、泳ぐことに関する独自の価値観などは変わらないまま、成長していた。
高校二年に進級し、後輩として小学生時代に共にリレーに出場した渚が入学、遙・凛・真琴・渚のチームがリレーで獲得、タイムカプセル優勝トロフィーを掘り起こすことになり、かつて通っていたスイミングクラブの跡地へと向かう。
すると、そこにオーストラリアにいると思われていた凛の姿があり、数年ぶりの再会を果した四人だが、昔とは違い凛は3人に非友好的な刺々しい態度になっていた。
水泳強豪校に編入していた凛ともう一度泳ぐべく遥達三人は水泳部を立ち上げ、新たな部員獲得や大会に向けた合宿、そして大会出場とスポーツ物としてお約束の展開を進んでいきます。

物語としては、スポーツ系の部活物としては王道的な作りとなっているので悪くない筈ですが、それを演じるキャラクターはデザイン重視な印象を受けました。
凛に関しては水泳に挑む姿勢や夢と現実に苦悩する姿などが描かれていて及第点
遥に関してもまぁ凛とのライバル関係やそれを通して泳ぐことへの価値観の変化、と凛を絡めるとそこそこの魅力を描けていたかも
しかし、その他のキャラクターの魅力に関しては本当に希薄、友情もひとつのテーマとなっているとあり、周囲のキャラクターの魅力不足はかなり致命的。
原案となっている『ハイ☆スピード!』を読むとまた違うのかもしれませんが……
京アニの作画はもう言うまでもないですが安定のレベルの高さ、特に水の描写に関しては水泳をテーマにしていると言うだけあって力が入ってました。
しかし、作画のレベルの高さに対し、物語そのものは及第点ながらもがキャラクターの魅力不足により中途半端な印象になった気がします。

物語自体は王道の部活物にも関わらず、魅力不足でデザイン重視のキャラクターが水泳して友情を深め合う。腐女子向けの作品と言われるのも仕方ないですねww
物語そのものは見られない事もないですが、映像面における京アニのクオリティーに助けられた感が否めない。
京アニのクオリティーだと、物語にも高めのハードルを設定してしまうのが難点、まぁスポーツ物としては王道な展開、作画のクオリティーの高さは抜群ですので、未視聴の方は一度視聴しておいて損はないと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 64
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

これから見る人は要注意。女向けと言うかお姉向け(最終話まで

なんで男が沢山出るとホモって言われるかって?
その理由の1つが
前情報とかなしになんとなく見ていて普通のアニメだと思っていたらホモEND(キスとか)だった。
私はそういうアニメには殺意が湧いてくる。
そういうアニメが増えているので警戒してホモ展開になるんじゃないかと警戒しているのではないだろうか?
まぁいわゆる予防線ですね。


京都アニメーションなので安定の作画クオリティー。
水の表現に力を入れているとかなんとか。
BL展開に流れたら見るのやめます。
きっと京アニだからBLにはならないと願いつつ。
まっ普通に最後まで見る事は確定…しないかも…


■あらすじ(公式引用)
俺とお前の差を教えてやるよ!

「七瀬遙」は、「水」にふれること――「泳ぐこと」が好きだった。

小学生のころ、同じスイミングクラブに通っていた「七瀬遙」「橘真琴」「松岡凛」「葉月渚」
彼らは、小学校卒業前の大会での優勝を最後に、違う道へと進んでいく。

やがて時が経ち、高校生活を無為に過ごしていた遙の前に、突然、凛が現れる。
遙に勝負を挑み、圧倒的な強さを見せる凛。このままでは終われない。

そして、真琴と渚が再び集い、新たに「竜ヶ崎怜」を引き込んで、岩鳶高校水泳部を設立。
遙、真琴、渚、怜、そして、凛。
これは、躍動感あふれる男子高校生たちの、水泳と青春と絆の物語――


■WEBラジオ(wiki引用)
『イワトビちゃんねる』は、2013年6月17日よりランティスウェブラジオと音泉にて配信されているWEBラジオ番組。パーソナリティは、島﨑信長(七瀬遙 役)と鈴木達央(橘真琴 役)。毎週月曜配信。
http://iwatobi-sc.com/radio/


Freedom! [Free! MAD]
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21542456
これには爆笑してしまったw


簡単にこのアニメの説明をすると、男キャラに女っぽい仕草と女っぽい展開をさせてゆるふわストーリーという感じ。
腐向けというよりお姉系好き向き?な感じ。
ホモホモしい所も沢山あるが、キスみたいな露骨な事は最後まで無いが明らかにホモホモしい想像ができるシーンが沢山あるので気持ち悪い。
単純にホモっぽい感じに男っぽい所が見れるのかと思いきや何処の層狙って作られたアニメなのかさっぱりわからないアニメでした。
水泳も適当だしスポ根でも無いしキャラ萌えだけなんだろうなぁと。ストーリーもひどいしなんだったんだろうこれ。


各話感想
{netabare}1話
って冒頭回想だったのか!!
水の表現はうーんなんか微妙な気がしないでもない。
鯖うまそう…水着にエプロンってww裸エプロンかい!
ホント京アニはタレ目好きだなぁ。先生がエルタソっぽい。
今って屋上開放されてる学校ってあるのかな?
飛び降り事件が多発して以来何処も上がれないんじゃないかな?
私は小さい頃から全部の学校で屋上は禁止でした。
砂糖かけてどうするw
劇場版中二病でも恋がしたい。っていつの間にCMになったんだよww全然気づかなったぞw
なんで写真残ってるんだよwトロフィーうめんなw
帰ってきた凛!宮野真守△海外でボロ負けたのかな?
そりゃ水貼ってるわけねぇよなww
ゴウちゃんとか名前がひでぇww浅井長政の三女がゴウだったのか!
なる程凛は水泳強豪校の選手なのか。
なんで脱いでるんだよww
勝手に人の学校で泳ぐなってかなんで開いてるしw全裸水泳ww
昔水泳習ってたけどフリーってなんだっけ。覚えてねぇ…
ライバル関係か。
なんかOPED微妙な気がする…


2話
なんで歯がギザギザなんだ?某忍者アニメのサメみたいなキャラのやつみたいじゃないか。
まぁ怒られるよね。女先生可愛い。
GOちゃんがリトバス鈴にちょいちょい見えてしまう。
まぁ髪型位なんですけどね。
アニキ水泳部じゃねぇのかよ。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工先生水着にならないのかよorz
まぁきっとフラグで後でどうせ水着になるのだろう。
どういう事なんだ。凛がキレる理由はなんだ?ハルが真面目に競わなかった事に腹を立てたのかな?
GOちゃん入るんかーい!なんて無防備な子。ってかあざといと思われても仕方ない。
プール潰れるのか。えw誰だよww佐々部コーチそんな見切れてたのか?w
遙と凛でこっそり勝負してたのか…凛それでグレちゃったのかな?
なる程それで遙も。


気づいてしまった。気づいてしまったんですよ。
違和感がなんなのかわかった。男なのになんで女の仕草してんだよ。
手を組んだり手を握ったりワクワクみたいな手の仕草したり。
リアクションも手を後ろに伸ばしたり。
http://p.twpl.jp/show/orig/nGpBv
喋り方とかもおかしい気がしてきた。なんか変だ。
渚と真琴がひどい。どうなってんだこの二人。後EDだな。
気持ち悪い。これだこれ。ここがホモホモしい原因だったのか。
いやホモってかおねぇってかなんていうかナヨナヨしすぎ。キモい。
京アニは女しか書けないのか?男の仕草がおかしい。
これに気づいてからそこばっか気になってしょうがない。
やばいキツイかもしれない気がしてきた。
EDのミスマッチ加減にもガッカリだ。


3話
なんだやっぱ風邪引いたのかよw
もう一人部員増えるのか。
あれこんなOPだったかな。なんかかっこいい。
あらっ小学生時代を文庫化ってアニメじゃやらないのかな。
イワトビちゃんストラップきもい。
屋内プール高そうだ。
うーん先生がエルに見えてくる。
あれ?竜ヶ崎くんレンズ入ってない?頭脳派なのか。
理論と計算w 何処の牧瀬紅莉栖だよこいつw
うわ棒に刺さりそうでこええ。
合同練習ノリノリだな相手の部長w
うーんやっぱ女臭い手の動きだ。
「すっごく綺麗だったんだよね!」の手がキモい。
ハルちゃんさんw 泳がないって見るだけなのか?
ゴウのエロ妄想が捗ってそうだ。
レイが盛大にずっこけたwww凹んでるw
泳げないのになんで脱いだしw
レイの興味の持ち方が変だ。レイ「ばっ!」ってなんだよw
強引だなレイの入部。
そして相変わらず謎の砂漠ED…


4話
やっと部活発足か。
レイ泳げるようになるのか怪しいなw沈んでるw
しかしまぁ泳ぐ所から始めるとかスポ根ものは望めなそうだ。
大会でてとか熱い流れあるのかなぁ…
えっ二三日で泳げるようにならんもんかね?やっぱり沈んでるw
まぁ背泳ぎとか色々やるなら無理か。
勉強のしすぎで頭が重いってどういう事w
水着関係無いだろ。淡々と日にちが進むなぁ。
度付きゴーグルなんてあるんだな。
あれ?水着って試着できるんだっけ?
凛vsハルで話が進むのかなやっぱ。
県大会なんて出れるのか?泳げない奴いるのにw
進まないww
そういや泳げない友人に毎年海で泳ぎ方教えても泳げるようになってないっけなぁ。
え?なんでいきなり泳げるようになったんだ?
バッタってバタフライ?無理じゃね?あれ程難しい泳ぎ方も無いぞ。
結構適当な水泳知識くさいなこれ。
そういや今回それ程金髪の変な仕草気にならなかったな。
あら?来週休みなのかな?


47 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/09(火) 08:15:26.52 ID:i4/JQwek0
ラジオで韓国からのメール紹介してて
非常に不快だったから苦情送っといた
ほんとメディアは隙あらばチョン関係をねじこんでくんな

174 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/23(火) 15:26:19.25 ID:w/5xIe4G0
またラジオで韓国メール紹介してたな 
きっもちわる 
このタブリエコミュニケーションズってチョン企業なの?
ほんと吐き気がするわ

176 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/23(火) 20:07:27.92 ID:IDIt6CS00
>>174
自分も不快だったからメールで苦情送ったよ

188 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/24(水) 09:14:51.91 ID:OvG/Ut5h0
放送作家誰よ

191 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/24(水) 10:56:35.14 ID:Z886Vj4o0
>>188
南口企画・企画厨房@『Free!』WEBラジオ【イワトビちゃんねる】01回が更新。パーソナリティは七瀬遙役の島崎信長さん・橘真琴役の鈴木達央さん。
ラジオの感想、出演者へのメッセージ、各コーナーへの投稿宜しくお願いします。構成田原

192 名前:声の出演:名無しさん[sage] 投稿日:2013/07/24(水) 11:06:18.07 ID:lSbSaNVE0 [4/4]
>>191
なるほど 韓国推しはこいつの仕業か

うわうわラジオ韓国押しとか狂ってる…


5話
県大会まで48日。
イワトビチャンシークレットってなんだよw
フリーしかって意味がわからないんだが…
フリーのなんだよと。
地獄の無人島合宿。六位とか微妙すぎるwまぁ入賞するだけましかw
部費足らず。
締め付けが微妙に違う…(意味深
キャンプ道具すげぇなぁ。無駄に欲しくなる…
今更気づいたけど無駄に肩幅広いな。
まことの謎トラウマ?
先生何処へ行くつもりなんだその格好w
なんでプールあんだよ…
鯖みてぇな臭いってなんだよ唐突すぎ。
先生とGOだけ民宿とか舐めてんのか。
いやいや無理だろそんな遠泳とか…プールでやれよ。
なんだこの舐めきった水泳は。ありえんだろ。
先生マジ天使!
しかしGO兄妹はナツメブラザーズを思い出すなぁ。
鯖アンドホッケ 鯖アンドパイナップル ねぇよww
ピザのパイナップルだけは許せないって酢豚だろそれ。
ハルちゃんとがいいなぁ~ あっホモ発言。
うわーなんで夜に泳いでんだよ。はい。そうなるよね。
これはひどい展開。クレーム来るレベル。


6話
※夜の海で泳ぐことは危険ですので真似しないで下さい。
なんだこれ。だったら最初からそんなシナリオにすんな。
海荒れすぎだろ。一体ここまでに何十分経ったんですかねぇ…
あっさり救出してるし。
息が弱いと人工呼吸するもんなのか?まぁ未遂だったが。
実にホモホモしぃ…アングルとかのせいもあるのかな。
なんか体つき気持ち悪い気がしてきた。
ハルと一緒に泳ぎたいんだ。なんか気持ち悪い。
えぇっそこ怒るとこだろ…なんで怒るのやめたんだ…頭おかしいのか?
裸にエプロンまた出たww完全にホモアニメだなw
っつうか廃墟の缶詰食うってあり得ないだろ。
そもそもなんでテントに戻らないのか…
玲不遇すぎるだろ3面ってw
金髪がいちいち気持ち悪いなぁ…
3kmの距離で船が沈んだのか。
そんなトラウマあんのになんで遠泳したんだ?意味不。
泳ぎたかったから…動機付けが希薄。
あれがデネブアルタイルベーガ。
なんかこのセリフあちこちで使われるなw
なんで帰らないんだよ。普通事故ったら帰るだろう…ありえん。馬鹿なの死ぬの?


7話
県大会まであと五日。コーチ必要無いのか。
扉開いてるからって勝手に入るか?って夢か。おやじ?
フリーの100に出るのかハルカもリンも。
レイもリレーに出るだと!?その前に普通に泳げるようになれよw
半吉ってなんだ?待ち人きたる。
オヤジって親父?友達?愛称?親父か?わかりづらw
なんで親父の子供の映像が出てくるんだか。
県大会の当日か。一気にすっ飛ばしたな。
ってかなんで県大会なのに必ずリンと勝負する事になってんだ?水泳ってタイム競うからそういうものなのかな?
エントリーの申告タイム順なのか。
リンの勝ちか。予選落ち!?
どうせ遙勝つんだろうとか思ってたからこれは気になる。
こっから後半どうやって遙と凛をまた戦わせる展開に持ってくんだろうか。


8話
二度と泳ぐことは無い。はいフラグですね。
OPなかなか良いだけに内容が…
先生とコーチは知り合いだったのか。
ハルカのシャワーシーンのケツの筋肉おかしくね?腰の位置より高かったぞ…
勝ち負けじゃない別の理由?小学校の頃のリレー?
渚の動きがやっぱり気持ち悪いw完全に女だな。エルの顔にすげ替えたら可愛いかもしれない。
いーけいけいけいけいけまことー!ちょっと吹いたw
なんだろう見せ方の問題なのか競争の緊迫感が伝わってこない。
レイいつの間に泳げるようになったんだよwってやっぱバタフライなのかww
水泳で押せ押せってどういう事ww
なんか泳ぐシーンの作画が結構雑な気がする。
まだ1巻も出てないってのにクリアーファイルだのドラマCDだのキャラソンだの充実してんなぁ。さすが京アニ。売れてるのかな?
なんだ全滅かよ…
二日目だと?個人メドレーとリレーか。リレーそういやハルカやらないんじゃなかったっけ。一悶着ありそうだな。
風呂をGOちゃんが確認するのはどうなのよwwまぁGOちゃんになら覗かれたいかもw
メドレーリレーってクロールとか背泳ぎとか全部やるやつだっけ?
人んちで勝手に何やってんだっていう…ってか親いねぇのか?
まぁその辺アニメだからツッコんでもしょうがないか。
泳ぐんかーい!おいおい今まで拒否ってた理由はなんだったんだよw適当すぎんだろw
荒々しいダイナミックな泳ぎ!なんじゃそらw
手が伸びるような錯覚を起こすストローグ!w
なんだそのバッタはなってねぇ!ここひどいw
そして遙か。
割りと楽しめてるからそこそこ面白いアニメではあるんだけど突っ込みだすとキリがない位色々ひどい所が…


10話
ショタ回か。OP普通にいい感じの曲だよなぁ。
なんかもっとOPみたいなアニメだと思ってたんだけどなぁ…
桜のプールってなんだよw
スイミングクラブも一緒だったのか。
3kmちょっと走って通ってんのかよ。小学生にしては遠くないか?
花壇にって言い訳きつくないかw
なんだ遙急に走って帰るとか対抗意識燃やしてるのか?
水の中にいることが自然だからフリーって意味不。
凛がリレーに拘るのはなんかあんのかな。
花壇の案採用されてるしw
あれこれ1話の話だっけ。見たことのない景色見せてやる。どんな景色なんだ…
ゴローちゃんいつの間にコーチにw
ってかなんでちゃん呼びなんだ。
いやいやいやカメラセットありえんだろwwまぁアニメだからいいかw
遙下手くそになったって事かな?
カニチゲ鍋?ダイエットでもしたいのか?トマト鍋だったのか。
うっわ先生グラビアやってたのかよww水着関係の仕事じゃねぇw
先生清純派癒し系かと思ったのにガッカリした。
露出狂はAVでも出ればいいんじゃないんですか?
なんだろう。グラビアとか芸能界行っちゃう女って露出狂かミーハーにしか見えない俺は偏ってるのだろうか?
凛の親父はイワトビ一期生だったのか。
なんでオーストラリアなんだろう?水泳強かったっけ?
中学1年の冬休みに何があったんだ。
オーストラリアに行ってまで鍛えたのに勝てなくて折れちゃったのか。
レイが熱くなる意味がわかりません。
ってか凛やめた癖になんでまたやってんだろうか。
レイばっくれたか。まさか乗り込むのかよw
凛ちゃんさんってなんだよw凛さんですねでいいだろ。一々ちゃんつけるな気持ち悪いw
そうかこのアニメの違和感はちゃん呼びってのが気持ち悪いのか今更気付いた。
相変わらず意味不明な砂漠ED。曲は悪くないんだけどなぁ。
次回予告のブーメラン眼鏡wwwくっそ吹いたwまもww


11話
凛は世界を狙ってるのか。
ってかなんでそんなブーメラン眼鏡が熱くなってんだかよくわからん。
ほんとだよなぁなんでブーメラン眼鏡に話さなきゃならないんだっていう。
え?嫉妬?女かよこいつwwきもいw男にこの展開は無いだろw
ブーメラン眼鏡意味不明すぎるw当たり屋かよw
心配してくれたんですかってこいつガチホモかよw
あぁそうかホモだと思えば納得の行く展開だな。
「あんな人もういいんです。もう知りません。」発言が完全に女w
お見舞いに結局食べ物買ってきたのかよw
いやぁメロンパンには牛乳じゃないか?
凛は何かあったのか。
行くぞって言われてブーメラン眼鏡嬉しそうだなおいw
イワトビマスコットが気持ち悪いw
そしてこのBGMwwwダメだどうしてもあの動画が脳裏を横切ってしまうw
ヤバイかつ丼食いたくなってきた。
あれそういやなんの試合なんだ?県大会終わったのになんかあんのかな?
え?渚寝てなかったか?なる程レイがいなくなった後だったか。
渚抱きつくとか完全にホモww
今度は凛がブーメラン眼鏡呼び出したか。
海外でズタボロだったのかやっぱ。
リレーのせいでダメになったと思ってるのか。
ってかなんで呼び出したのか謎wまぁ話の都合なんだろうけど。
わざわざブーメラン眼鏡に喋る意味がわからない。
フリーの100だと?リレーに出れないのか。あらら。
来週フリーで遙とやりあって和気あいあいENDかな?


12話
日曜日に池袋アニメイト前に女の子がいっぱい集まってたけどフリーのイベントかなんかだったのだろうか?
凛なんでこんな駄目なんだ。荒れてんな。
ハルなんで一緒に泳げないの?わけがわらないよ。
ブーメラン眼鏡が気持ち悪い…
男の仲直りの仕方じゃないなこれ。
何の時間が無いんだ?凛はなんでハルにあたってんだ?
なんじゃこりゃww色々わけがわからないw
は?凛なんで同じチームになってんの?意味不明wご都合すぎ。リアルでもこういうの有りなの?
なんでハルの飛び込み姿見て( ゚д゚)ハッ!としてんだよww
なんで抱きついたwwwきもいwwアウトだなこりゃw
ブーメラン眼鏡の疎外感がひどいw
結局失格かよwwこれはひどいw
退部すんのかよ。なんじゃそら。なんだ辞めさせないのか。
ニトリの笑顔が気持ち悪いw
うわっこれで終わりかよ。なんじゃこりゃw
っと思ったらおっと凛転校してきたのか?合同練習で来ただけなのか?
最高の仲間に戻りましたとな。うーん感動しないなこれじゃ。
実にホモホモしいアニメだったなぁ。完全に女向けだった。
宮野真守出てなかったら途中で切ってた作品だったかな。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58

76.0 13 京都アニメーションで部活なアニメランキング13位
無彩限のファントム・ワールド(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1214)
6650人が棚に入れました
人間の脳機能に変異が生じた近未来。

人は幽霊や妖怪の類を認識できるようになり、それらを「ファントム」と呼ぶようになった―――。

ホセア学院の高校1年生、一条晴彦はファントムに対抗しうる特殊能力をもち「五行の氣」で戦う先輩の川神舞、『ファントム・イーター』と呼ばれる能力をもつ和泉玲奈、ファントムと孤独に戦う水無瀬小糸と共に苦しくも楽しい〈煩悩溢れる〉学園生活を送っていた。

そしてある事件をきっかけに彼らはこの世界の真実を知ってしまう―――

声優・キャラクター
下野紘、上坂すみれ、早見沙織、内田真礼、田所あずさ、久野美咲、井上喜久子
ネタバレ

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

京アニ史上、最も「揺れた」アニメ。1話完結型の残念系異能学園バトル。

まず最初に、
京アニは揺らしに来ましたね。めっちゃ揺れとった。
........なにがって? おっぱいだよ!(´・ω・`)
露骨にトップレスを書くおっぱいアニメより数倍見応え有。


一条 晴彦(いちじょう はるひこ) CV - 下野紘
 本好きの雑学ヲタ。絵画能力に長けた運動神経ZERO系男子。

川神 舞(かわかみ まい) CV - 上坂すみれ
 両目に涙ぼくろを持つクォーター、格闘系金髪女子(巨乳)

和泉 玲奈(いずみ れいな) CV - 早見沙織
 お嬢様育ちの編入生。百合っぽさも匂わせる大和撫子(大食い)

水無瀬 小糸(みなせ こいと) CV - 内田真礼
 ツンデレ枠1番人気。序盤は謎が多い孤高の能力者。

熊枕 久瑠美(くままくら くるみ) CV - 久野美咲
 ザ・ロリコン 熊の人形に話しかける小学生(オフェンシブな触覚ツインテール)

ルル CV - 田所あずさ
 天真爛漫な性格で、晴彦に好意を寄せる妖精型のファントム。

(久瑠美ちゃんとルルちゃんはラノベ原作にはいない
アニメオリジナルキャラクターみたいです。)



毎回、冒頭に晴彦が得意の雑学を
心理学的側面からボヤいてOPに入ります。
そのボヤキに沿ってストーリーが進行する
1話完結型の残念系異能学園バトルアニメでした。
毎回1話完結型なので、仕事で忙しい方など、
一気見する時間がない方とかは見やすいと思います(/・ω・)/


その反面、次が気になる~!っていう引きがないので、
リアルタイムで観ていた自分は継続視聴が辛かったです(/ω\)
(同時期に僕街という引きが秀逸すぎる作品があり、そっちが気になってましたw)
継続視聴できたのは、京アニという惰性があったからこそでしたね。


ですがそのぶん、作画は綺麗ですし、
表情豊かなキャラの可愛さもポイント高かったな(/・ω・)/マイセンパーイ
ファントムのキャラデザもとても印象に残りましたね。
バトルアニメと銘打ってますが、バチバチやりあうシーンと
憎めない可愛いファントムとやんわり収束....が
バランスよく組み込まれていますし、
異世界空間などファンタジー要素も、ちらっと絡んできたりするので
日常系に飽きた方とかにもオススメでしょうね(^.^)


でねー
やっぱ気になったのが、
京アニの割には、お色気描写が少し目に付きやすかった気がします|д゚)
気になるサービス回は {netabare} 第1回舞パイセンのリンボーおっぱい大激震も該当するやろうけど、やっぱ第8回の温泉回やろうね( *´艸`)舞パイセンのケツに絵の具塗ったくるシーンやら、れいなちゃんのスク水にゃんにゃんポーズやら、なんかイチイチ色っぽい。作画班、どんな顔して書きよったんやろうか.....?w露骨すぎない上質なサービス回あざーす! {/netabare}

前回作が同じ石原監督の青春スポ根「響け!ユーフォニアム」だったので
既定路線の改革を図った感が否めませんでしたね(´・ω・`)ウーン
(これを吉と取るか凶と取るかは、あなた次第.......)



OP「Naked Dive」 歌 - SCREEN mode
=イントロが最高!って声が多い理由がすぐ解りますw機械音バリバリのアガるアップテンポ曲。

ED「純真Always」 歌 - 田所あずさ
聴いてると元気になれるポップな曲。サビの部分で、女性キャラ4人が連続してカットインするとこは最高だぜ??

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

京アニ名物「鉄壁のスカート」健在!

原作未読。最終話まで視聴。

良く言えば、最後まで安定のファンタジー&コメディ&ラッキースケベ。
悪く言えば、最後まで物語に山場が無かったような・・・。

ただ、ルルちゃんにあんな秘密があったとは想像だにしていませんでした。
個人的には、アニメオリジナルキャラのルルちゃんの存在にに救われた作品かと・・・。

{netabare} 舞ちゃんの揺れるオッパイや健康的な太腿の描写とは対照的に、「鉄壁のスカート」は健在です。 {/netabare}

テンポも良く、気楽に見れて割と好きな作品です。
OP/EDとも良い感じです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

伝説のししとう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

リンボーダンスがピーク

結局それだけの作品だったなぁ。
ちょこちょこ感想書いていくつもりだったのに、話の内容が薄すぎてやる気無くした。
終盤は、相変わらず綺麗な作画だけが目当てでしたね。別に私はエロは求めていないので(そのエロも1話がピークでしたけど)。

ラスト2話は良かったと思いますが、全体的に見て特に印象に残った回はありませんでしたね。どうやら原作を超改変しているようで、シリアス要素が少なくなってしまったのは残念。

京アニだから期待しすぎたって言うよりかは、京アニが作りたいものと、視聴者が求めているものがずれているだけなんでしょうね。

まあいいです。そのぶん響け!ユーフォの二期に力を注いでいるのでしょう。多分今年の秋かな。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

71.3 14 京都アニメーションで部活なアニメランキング14位
Free! Eternal Summer(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (743)
4374人が棚に入れました
前回の大会を経て、更に絆を深めた遙、真琴、渚、怜。
いつもと変わらない日常の中、それぞれの成長した姿を見せていた。
一方、凛は過去の自分を乗り越えて自分の夢へと走り出し、
そして新たな仲間と共に最高のチームを作ることを目指す。
岩鳶と鮫柄、仲間と水泳……そして彼らの未来。
彼らは自分自身と向き合い、それぞれの思いを胸に秘めながら、
新たな夏を迎える――。
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

神秘的な異性の領域

制作は京都アニメーション
高校での部活動。水泳、青春、をテーマにした一期から続く二期

女性だけが知る世界があるように
男性にも、男性だけの世界がありますよね
私は自分が入り込めない世界を持ちそこで勝負を争う異性に心惹かれます。
異性の魅力は神秘的な領域...

異性の私は知らない....男子高校生の部活での青春をこの作品から観ました

部活で毎日仲間と汗を流し、笑い、時には涙し...
水泳を舞台に魅せてくれます

作画の綺麗さ。水泳時の描写も細かく水の流れも躍動感に溢れていました。
水の流れだけではなく脱衣シーンまでもが躍動感があります。まるで変身シーンのようで(着るのではなく脱ぐ!!)無駄に格好いいシーンです。
変わらず仲間同士が過剰なぐらい距離が近く、裸と筋肉美の強調。これにもいい加減慣れました。

印象的なのは皆の弾ける笑顔。笑顔って素敵ですよね!!
見てるだけで幸せな気分になれますから!
挑発的な凛の笑顔は一番好き!

青春に悩みや葛藤はつきもの
悩み。。男の人はいつだって私の前では全くそんな素振りを見せない
たまには弱音もはいてほしいんだけど
でも私もあなたのプライドにかけてそんな素振りは見せません...

水泳を通して彼らが成長していく人間ドラマ
仲間たちと心をひとつにしながら何かに打ち込む素晴らしさと輝くその青春のかけがえなさが溢れていました。

不安、挫折、仲間との友情、先輩後輩の励まし、そっと見守ってくれる大人たち。それら全ての思いと積み重ねた練習が最後の夏に泳ぐ一本のレースに繋がっているんだ。

思えば水泳部を作るところから始まってよくここまで来ました
{netabare}
共に未来を見つけることが出きた仲間と見たことのない景色を見るシーンは爽快感抜群でした
友情と絆を手にした表情忘れられません
{/netabare}
見終わった後、爽やかな余韻を残す作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

凛くんの前なら、泣けるかなぁ♡

Free! Eternal Summerを見終わりました。

七瀬遙くん以外はみんなかっこいい♡
(遥、迷っています、という感じ?)

特にお気に入りは、真琴くん、凜くん、宗介くん。{netabare}

真琴くん、とってもやさしいなぁ♡
宗介くん、寡黙で、でも苦しみながらもリレーに参加することで楽しかった選手時代に幕引きをしようとしている姿、とっても潔い感じでした。

それに、鮫歯の凜くん♡ 仲間思いで熱くって、泣き虫でキュンキュンします♡♡
地方大会での宗介くんの心を聞いて大泣きした凜くん、お前は泣くから言わなかったんだと宗介くん、お互い友達思いですよね。
{/netabare}
ドラマ見て泣いてばかりいる私でも、凜くんの前だったら、しっかりしなきゃ!という気持ちになれそうな気がします(♡^^♡)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

爽やか、疾走感、清々しい、声援、爽快感

原作未読 全13話

Free!の2期です。1期から観ることをオススメします。

岩鳶高校の水泳部を復活させた幼馴染の七瀬 遙(ななせ はるか)、橘 真琴(たちばな まこと)、葉月 渚(はづき なぎさ)、そして陸上部からスカウトした竜ヶ崎 怜(りゅうがざき れい)4人と水泳の強豪で鮫柄学園の水泳部で幼馴染の松岡 凛(まつおか りん)が水泳大会を中心に成長する高校生活を描いたお話です。

1期とはまるで性格が変わったような印象の凛ですが、こちらが本来の姿なのでしょうね~ もちろんこちらの方が好きです。

今回は新キャラで凛の幼馴染の山崎 宗介(やまざき そうすけ)が{netabare}鮫柄学園に転校してきて、{/netabare}良い意味でも悪い意味でもみんなを引っ掻きましてくれます。

宗介と遥、他はみんな前を向いて進んでいくのに2人は対照的ではありますが、共通してどうにももどかしい思いが募っているところがうまく表現できていました。

1期より感情のぶつかり合いが多かったように思います。

遙は相変わらず普段は無口で無愛想ですが、1期以上よりよくしゃべり感情の変化も分かりやすくなっていましたね。

最後も綺麗に終わってます。清々しかったですね。作画も水の表現が良かったです。

男子がメインのお話ですが、女の子向けということではなく万人が観れる作品だと思います。

最後に、葉月 渚(はづき なぎさ)役の代永翼さん、同時期にLOVE STAGE!!の主人公 瀬名泉水の声だったので聞いているとついつい思い出してしまいましたw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

64.1 15 京都アニメーションで部活なアニメランキング15位
涼宮ハルヒちゃんの憂鬱(OVA)

2009年2月14日
★★★★☆ 3.6 (427)
2041人が棚に入れました
ぷよによる4コマ漫画とショートギャグ形式、通常のコマ割りの漫画がセットになっている、「涼宮ハルヒシリーズ」のパロディギャグ漫画である。

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

長門がぁ~ B

第2期及び消失 視聴済

見ての通りのデフォルメキャラによるギャグアニメなのですが、短いので、テンポ良く次々視聴することができます。
見所は鶴屋さんの出番が多くなっていることと、何よりも長門が壊れていることです。

この壊れっぷりを堪能するためには本編を視聴しておくことが不可欠ですので、必ず見ておきましょう。
というか、間違ってこちらを先に見ると、何が何だかさっぱり分からないと思います。

鶴屋さんファンの方は同じDVDに収録されている「にょろーんちゅるやさん」と共にお楽しみ下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21

シーチキンフロスティ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

本編見た後だからこそ笑える作品

涼宮ハルヒの憂鬱をすでに観た方でも
こちらは『まだっ!』という方、
多いと思います。

結論。コメディ要素が満載です。

また、朝倉さんが長門にイジられる姿が
たまらなく笑えます。
まさかのキョン殺害を企てた人物が
ここまで引っ張られるとは予想外でしたw

メインヒロイン的存在になっております。

ミニチュアサイズで行動をする姿が
たまらなく可愛いです。

憂鬱どころか気分爽快になります。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

ゅず さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

本編知っていれば本編よりも好きになれるかも

本編アニメではなくマンガと小説でしか読んだことないけれど、キャラクターが濃いからすごく面白かった。

作画に関しては話にあっているので
&みくるちゃんが羊になったりとか
にょろーんちゅるやさんとか
癒しのかわいさだよー

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

68.3 16 京都アニメーションで部活なアニメランキング16位
響け!ユーフォニアム 番外編 かけだすモナカ(OVA)

2015年12月16日
★★★★☆ 4.0 (214)
1199人が棚に入れました
TVアニメ『響け!ユーフォニアム』Blu-ray&DVD第7巻に収録される番外編。
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

只今、青春真っ最中(モナカ)♬

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚

『響け!ユーフォニアム』Blu-ray&DVD第7巻収録
番外編「かけだすモナカ」

春の劇場版公開、そして2期の放送が待ち遠しくて仕方ない
私にとっては今年最後の素敵なプレゼントになりました。

コンクール前のオーディションで落選した10人の部員達。
TVアニメ版ではコンクールに出場する部員達をバックアッ
プ。
コンクール当日の出陣式ではサプライズ「モナカ御守り」
(マカロンに見えましたけど…)を皆んなにプレゼント。

そんなチーム「モナカ」のもう1つのストーリー。

今回コンクールに出場出来なくても腐る事なく自分達も
いつかはあの舞台に立つ事を信じ、頑張ろうと決意。
爽やかで明るいチームワークがとても素敵です。

そして今回のメインヒロインは当作品のサムネにも登場
してますが、久美子でも麗奈でも無くなんと!

「葉月ちゃん」

葉月ちゃんの明るくキラキラと輝く元気一杯なイメージが
背景を含む作画自体にも反映されているみたい。
私的に全体を通してちょっと暗めだったと感じたTVアニメ
版とは対照的な感じで凄く印象的でした。

秀一との関係、久美子との関係。
TVでは見れなかった葉月ちゃんの心情描写が細かく描かれ
ていて痛いくらい気持ちが伝わってきます。

一言で言うならばTVアニメ版では
「Oh, My Kumiko!」
だった気持ちが
「Oh, My Hazuki!」
になっちゃうくらい葉月ちゃんが愛おしく感じれる作品。
そんな感じです。

そしてそしてポニテ先輩こと夏紀先輩ファンの方々。
お待たせしました。
是非見て欲しいです!
めちゃくちゃカッコイイですから‼︎
TVアニメ版でもお話が進むにつれてその好感度の上昇率が
ハンパなかったですけれど、この作品で確信に変わります。
間違いないです!

この作品を見てからもう一度TVアニメ最終話を視聴すると
また一味違う北宇治高吹部のコンクールの姿が見てきます。
ユーフォを好きな方でBlu-ray&DVDを全巻揃えるまでは
いかないけれどやはりメインであるコンクールの裏側で
起きていたドラマを知りたいって方には是非オススメです。
最終話と番外編の収録されているこの第7巻だけ購入しても
良いくらいの質の高い素晴らしい作品になっていると思います。

あっ、そうそうネットでもちょっと話題になっていた
TVアニメ最終話で久美子のタイに付いていた白い物の謎。
作画ミスなのかなんなのか色んな噂になっていましたね。
ここで明らかなになります。
こういう伏線の張り方をする京アニさん、やっぱり尋常で
はないですね。
このリアル以上にリアルな描写や細やかさが他の追随を
許さない京アニたるものの所以なのでしょうか。

そして今回もお約束の「脚芸」も健在です。
カメラアングル、動きの描写がいつにも増して素敵。
そして指先の細やかな動きまで本当に丁寧。

番外編という扱いではなくユーフォ14話と言っても過言
ではないくらいの繊細な仕上がりは流石と言うしかない
です。

京都アニメーションが贈る全く手抜きのない「番外編」
是非、青春の煌めきを感じて下さい。

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


【mio's café】
視聴済みの方だけ見てね♪
ネタバレだから(*^^*)
{netabare}

冒頭から始まる滝先生の言葉。
優しい口調で落選した10人を諭す様に

「今あなた達の心の中にある悔しさ悲しさを、コンクール
メンバー達は持つことが出来ません。」
「それだけあなた達は既に強くなったと言えます。」
「この経験をあなた達は宝物にして下さい。そして飛躍し
ていって欲しいと思います。」

滝先生の言葉を聞く1人1人の表情を捉えるカメラワークが
凄くいいです。
そして10人の元気な返事。
「はいっ!」
もうなんだか最初から滝先生の言葉にそしてチーム「モナ
カ」の清々しさに嬉しくて胸が熱くなっちゃいました。

負けた者だけが得る事の出来る悔しさ悲しさ。
そしてそこから生まれる大きな飛躍。
私の中では本編第1話での麗奈の大粒の涙がリンクしまし
た。
櫻井孝宏さんの優しい声も相変わらず素敵です。

チーム名を決めるシーンでの会話が1年生が多いという事も
あってが凄く可愛かった。
ちょっと私の頭の中でガルパンの「うさぎさんチーム」と
ダブっちゃったかも。
1人1人の表情も凄く可愛い。
今回もモブ的キャラまで全く手抜きはないですね。
京アニしてます。

まぁ兎にも角にも今回の主役葉月ちゃん。
その表情、動き、声、本当に素敵でした。
秀一とチューバを運ぶシーン、緑輝ちゃんとの会話のシーン
の切なさはもう何と言っていいのかわからないくらい心に
響きました。
葉月ちゃんが明るくてポジティブなキャラだからこそ、
一粒の流れ落ちる涙が何倍もの感情を伝えてくれます。
それにしても葉月ちゃんと緑輝ちゃんのコンビはいつ見て
も良いですね。

ダメダメナックル先輩の忘れたマレットを走って学校に
取りに帰るシーン。
木漏れ日の中を走る作画凄いです。
TVアニメ版の12話での久美子が泣きながら走るシーンを
思い出します。
走る事の意味。

「青春=全力で駆け抜ける」

改めてこの事がこの作品で伝えたいテーマの1つなんだなぁ
って思いました。

そしてそしてお待たせしましたポニテ先輩こと夏紀先輩。
ここでも最強です!男前すぎます!
高校2年ながらあの人生を悟った様な貫禄は何なのでしょ
うか?

特に夕暮れの橋の上での葉月を抱擁するシーン。
「なんかわからないけど、お前が愛おしくなった。」
抱きしめたまま後頭部を撫でながら
「よしよし。」
ですよ!

もうダメです。あんなことされたら…
力抜けちゃいますよね…
TVアニメ版でもそうでしたが夏紀先輩の男前っぷりには
同じ女性でもなんだかときめいちゃいます!もう。

コンクール舞台裏で葉月ちゃんの肩をそっと抱きよせる
夏紀先輩の優しさ。
この番外編を見る事でより一層伝わります。

私的にTVアニメ版の中でも印象に残っている出演待機中の
秀一と久美子のグータッチ。
なんと葉月ちゃん見ていたんですね。
思わず「うわっ」って声が出ちゃいました。
でもその後の葉月ちゃんの優しくて穏やかな表情を見て
安心。
本編とリンクするとても素敵な演出だったと思います。

葉月ちゃんCVの朝井彩加さん、夏紀先輩CVの藤村 鼓乃美
さん。
凄く良かったですね。今回の私の中でのMVPです。
そしてちょっとしか出番は無かったけれど久美子CVの
黒沢ともよさん。
あの上ずったような挙動不審な声。もう久美子の声はこれ
しか無いみたいな貫禄さえ感じました。
やっぱりあの存在感は凄いです。

この作品を視聴してやっぱり春の劇場版、2期まで待て無い
気持ちを抑えられずに、原作1巻から3巻まで買っちゃいま
した。
お正月休みの間に読んでみようかな。楽しみです。


{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58
ネタバレ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメ化オリジナルストーリー(2017年10~12月の放送情報を更新)

『響け!ユーフォニアム』Blu-ray/DVD 7巻収録の番外編。

本編との関係で言うと、たぶん9話目終了時点~13話目終了時点の時系列で並行して進んでいる話です。

ちなみに原作では{netabare}北宇治高校吹奏楽部の部員数はアニメよりも多くて、選抜された55人(A部門参加)以外に残った部員でB部門に参加するため、{/netabare}本ストーリーはTVアニメでのオリジナルストーリーとなっています。

コンクールメンバーに漏れたメンバーでチームモナカを結成し、コンクール出場メンバーをサポートすることになります。{netabare}チームモナカに3年生はいなかったので、それはつまり3年生は全員オーディションでコンクール参加メンバーに選ばれたということですね。{/netabare}

チームモナカの中でも、本作は基本的に葉月が主人公と思っていただければ良いです。

TVアニメ本編、特に最終話で『かけだすモナカ』のお話の伏線になっているシーンがいくつかありますので、最終話を見てから本作を観ると良いでしょう。

葉月ファンならとても楽しめますし、そうでなくても本編のファンならそこそこ楽しめるはず。

2017.12.19追記:
NHK BSプレミアムでは2017年12/24(日) 朝7:54より、本編最終回の直後に放送されました。

※昨年の放送情報がもう古いので更新(2018.12.21)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

葉月が愛おしくなった

北宇治高校吹奏楽部が関西大会進出をかけたコンクールに向け追い込みをかける中、
補欠メンバーが奮闘する様子を描いた番外編。

{netabare}あなた方は敗れた悔しさ、悲しさという貴重な経験をしている。
そんな顧問の人生訓で始まる本作。

本エピソードの主役である葉月は、
オーディションで敗れただけでなく、
さらに恋愛でもお祭りトライアングルにて砕け散っている。

連敗続きで下を向いてしましそうな所で、
健気に前を向いて行こうとする……。
唐突にハグしたくなる中川先輩の気持ち分かります♪

そんな葉月の疾走でクライマックスを迎えるわけですが、
これにしたって、悲観的に考えれば、
忘れ物のポカをやらかしたレギュラーの使い走りともとれます。

でもそんなネガティブ思考など微塵も感じさせない爽やかさ♪
と言うより真夏の坂道を全力で上り下り……。
貧弱な心肺機能の私にはとても真似できませんw
チューバの肺活量恐るべし!いや……青春だね~♪ {/netabare}

サブでも二軍でも番外編でも高揚感に浸ることができる良作青春アニメです♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

70.6 17 京都アニメーションで部活なアニメランキング17位
ツルネ ―風舞高校弓道部―(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (262)
1054人が棚に入れました
「弦音」=ツルネ。矢を放ったときに鳴る弦の音。射手にとって美しい弦音を響かせることは喜びであり、その美しい音は人の心をとらえて離さない。同一人物が、同じ道具を使ったとしても同じ弦音を発することはできず、まさに一期一会。一射一射が、一生に一度の<出会い>と<別れ>である。鳴宮湊にとって、弦音が全ての<出会い>の始まりとなった……。果てのない弓の道を歩み始めるのは、若葉のように瑞々しい高校1年生の少年たち。彼らは弓道を通して一生に一度、かけがえのない経験をし、<仲間>を手に入れていく。

声優・キャラクター
上村祐翔、市川蒼、鈴木崚汰、矢野奨吾、石川界人、浅沼晋太郎、小野賢章
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

弓道の所作や音、放たれる矢の美しさ

アニメーション制作 : 京都アニメーション
監督:山村卓也、シリーズ構成 : 横手美智子
キャラクターデザイン:門脇未来、総作画監督 : 丸木宣明
原作;綾乃ことこ

凛とした佇まい。
弓をゆっくり引いていくときの緊張。
矢を放つときの解放感、そして弦の音。
弓道という私にとっての未知の世界。
一連の動作には武道としての美しさがある。

弓を引いたときにタメが利かず、すぐに離してしまう
弓道ならではの「早気」という症状。
そんな心の問題によって弓道を諦めてしまった主人公が、
再び弓の世界に戻り、指導者の滝川雅貴や
仲間とともに競技を通じて自分を取り戻してしていくストーリー。
自社でアニメ化作品の原作を募集して文庫化する
京都アニメーション大賞の第7回小説部門審査員特別賞受賞作。

序盤の展開には引き付けられるものがあった。
弓を引いて矢を放つときの弦音(つるね)に魅せられ、
弓道を始めた鳴宮湊が早気にかかってしまい、
苦悩するところから物語がスタートする。
ある日の夜、近所にある弓道場で美しい射(しゃ)を
見た湊は、そこにいた滝川雅貴とともに
風舞高校の弓道部で再び弓を引くことになる。

弓道を行うときの所作がとても丁寧に再現されていて、
新鮮に感じた。私は弓道についての知識は
全くないが、一連の動きは美しい。
動画などを使用して、忠実に動きを作ったのだろう。
アニメならではの正面から矢が放たれた絵や
矢の回転などの動きには魅せられた。
カメラも多彩に動き3Dならではの楽しみがあったと思う。

ただ、物語全体を見渡してみると、散漫だったのは否めない。
{netabare}湊の早気の克服、海斗という異端と部活としての団結、
静弥のわだかまり、藤原愁との約束、
雅貴の祖父への復讐などがバラバラに感じられ、
なぜか1本の物語として感じられなかった。{/netabare}
原因のひとつとして考えられるのが、
弓道としての技術的なポイントや心構え、
面白さが物語のなかできちんと活かしきれていないことだ。
色々な問題の解決が、弓道とつながっているように感じられない。
この物語は湊の早気がひとつの根幹にあるのだが、
それが、あやふやな形で解消されるため、
どこに視点を定めて観ていけば良いのかよく分からない。
男性部員5名と雅貴との関係性がいちばんの見どころとして
ストーリーを展開したつもりだろうが、
私にとってはリアリティを感じることができなかった。

また、キャラクターの造形の浅薄さも気になった。
特に海斗という人物像だが、私はこのキャラクター自体には
リアリティがあると思っている。
というのも、ごく身近に性格の近い友人がいたからだ。
ただ、このタイプのキャラクターが現実に生きていくためには、
周りに対する気配りや自分に対しての厳しさを
普通の人以上にしっかりと持ち合わせていないと、
その性格を全うしていくことなど不可能なのだ。
それをやっていても、一部の人々からは大きな反感を買ってしまう。
私は海斗が他人にばかり厳しく、自分には甘いところから、
ただの記号的な人物にしか思えなかった。

そして、おそらく多くの人が感じているだろうが、
双子が意味もなく風舞の部員に嫌がらせをしてくる
あり得ない展開は必要なかった。
しかも彼らは強豪校のレギュラー。
昔からの知り合いならまだしも、
初対面の弱者をいきなり蔑んでくるやつはいないし、
武道をやっている人間として考えられない行動だ。
{netabare}その後にひとりが早気になるという、
ドラマに何のプラスにもならない展開にしたのも陳腐だ。{/netabare}
これを今クールの『風が強く吹いている』と比べると違いがよく分かる。
同じように主人公に執拗に絡んでくる他校の生徒がいるのだが、
こちらのほうは、全体の物語にきちんと組み込まれ、
心のある人間として描かれているため安定した話になっている。

弓道という今までに取り上げられなかったスポーツを題材にして、
その魅力を伝えてくれたが、ひとつのドラマとしては、
多くの部分で引っかかりを感じてしまった。
所作や動きの美しさなどには好感を持っただけに残念だった。

京アニのマーケティングとしては
Freeの後を継ぐ、完全な女性ターゲットの作品。
女性視点ではどう映ったのだろうか。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

弓道を求道するに能はず

2019.01.26記


原作未読 全13話


『進撃の巨人3期』⇒『ツルネ』⇒『ピアノの森』と連なるNHKアニメ放送リレー。
進撃の頃から災害報道・選挙特番といった公共放送らしい理由による放送回スキップの影響で、2018年10月22日 - 2019年1月21日と中途半端な日程での放送となりました。進撃観てなきゃ危うく見逃しちゃいますよ。一方で一通り他作品が終了してからクライマックスを迎えるのは悪いことではないかもしれません。


出身の高校に弓道部があったり、家内も高校では弓道部だったりとそれなりの縁を感じたことが視聴動機。なにより袴姿というものは美しい。

弓を引いた時の音“弦音(つるね)”を聞いて弓道を始めた少年が、中学時代に“早気(はやけ)”イップスの一種に罹り一時期は弓を置いてしまう。そんな青年鳴宮湊が、新設の弓道部の仲間たちと再生を図っていく友情物語です。

言うほど京アニ制作はトリガーにはなりませんでした。むしろ男子5人組が主軸で、武道を扱って『Free!』みたいなのを見せられたら敵わんな・・・という不安が強かったと思います。
どういうことかというと、男子同士のあっさりとした友情物語と、心・技・体の一致を目途とした武道の世界との相性の悪さを気にしてたのです。もちろん京アニが自身の過去作をトレースせずに、ユルめの友情物語とは一線を画す物語を製作するという選択もできたと思いますが・・・

その不安は的中します。

なお作品自体は“不可”ではありません。
・マイナースポーツを扱っている。ルール説明があり競技の理解に繋がっている。
・所作や型は綺麗。動作の前後含めて弓を引く姿に違和感がなくリアリティが保たれている。このへんはさすが京アニといえる。
・締めも前向きさを感じさせる良い纏め方。
小さく纏まった感じでした。実力者京アニが弓道をそれなりに取材をして持ってる引き出しを流用しただけ、といったところでしょうか。“型”を突き詰めた描写がないことで競技の根っこの部分が最後まで伝わらず、無難過ぎて“弓道である意味”を見出せませんでした。素材の物珍しさで興味を引いたはずなのにもったいないという印象です。


“弓道である意味”を作品に期待することは求め過ぎでしょうか?

武道(柔道、空手道、剣道、相撲、弓道、合気道、なぎなた)に共通するのは、単に技術を磨くだけでなく、人としての成長をめざすことにあります。“競技の勝敗だけではないよね~”自分が武道をしていなくても広く日本人に共有されてる概念になるでしょう。
なかでも弓道は相手との接触がなく、より自分の内面と向き合うことでの心の在り方に重きを置いてます。ここで見せられるはずだった凄味が決定的に足りない。具体的には、
1.弓道と一体化したようなキャラが不在
2.鍛錬している姿が欲しかったなぁ

Mr.弓道みたいな弓道と一体化したような超越キャラがいても良かったのに。候補となる藤原愁はそれに及びませんでした。{netabare}幼少期の湊との関係が伏線にはなってたものの、{/netabare}強さの源泉に触れる描写はなかったと思います。マサさんも初登場が悪くはないんですが、{netabare}主人公そっちのけで葛藤するキャラと化し、それが物語の肝だったりするためツッコむのも無粋な話と理解しつつ、{/netabare}もっと超然としていてほしかったなと思います。佇まいだけなら桐先高校の主将さんはいい雰囲気でしたね。むしろご老体3人組が最も具現化されていて、なんだかなぁといった感じでした。

鍛錬している姿も同様です。人間関係に重きを置き過ぎておざなりになっていた領域でした。
{netabare}部に入る入らない、弓道するしない、反目するしないの群像劇をやってるうちに6話から大会が開始して・・・{/netabare} 競技の魅力を伝える暇がありませんでした。競技の難しさを早気という素材を通じて訴えかけてくるものはあったものの、いかんせん“足りない”のです。


先入観が邪魔してる可能性はあります。ここまで全て、私の武道への期待値に対して“足りない”といっただけの話です。気にしなければ気にならないでしょう。
朝青竜の勝ち名乗り後の雄叫びや、柔道国際大会で優勝した日本人選手のガッツポーズやくだけたインタビューにひっかかりを感じなければ、全くの杞憂かと思います。繰り返しますが、全13話。ほどよく纏まっている佳作ではあります。

なまじクライマックスの攻防が良いだけに、そこまでの段階の踏み方に素材(弓道)を活かしきって欲しかった。
細かいところでは、小野木海斗のイライラ設定も底が浅いし、千一・万次兄弟も高校部活ではあるまじき悪態のつきっぷりと、武道を嗜む者のメンテリティとして私にとってはそうとう違和感があったのは事実です。キャラの良し悪しというよりも、「これだったら別に他のスポーツ例えば水泳でもいいじゃない」ってことなんだと思います。


会場に日本人が入ると空気が変わる。国際大会で畏敬の念を持たれる存在。それが柔道における日本人である。こう喝破したのはスポーツライターの金子達仁氏でした。
諸説あるものの、スポーツマンシップを超えた柔道家としての矜持あればこそ、ラシュワンは山下の右足を執拗に攻めることはしなかったのです。
競技は違えど、〇〇道と名のつくものに通じる精神の一端でも垣間見えればまた違った見方もできたでしょう。取材はしたけど表層しか見てなかったのか、またはエンタメする上で敢えて削ぎ落としたのかはわかりません。
道場に飾ってあった『礼記射義』に触れてくれても良かったのに。

なんか悔しい。もったいない。

実力者こそチャレンジャーでいてほしいと思う次第です。
期待の裏返しってやつですね。ちょっと概念的な感想でしたが読んでくれてありがとうございます。



※以下おまけ

■そっち方面に振り切っても良かったのに
弓道部の多くは先輩が後輩を一人面倒を見る“師弟子制度”を導入しています。新設で同級生同士の風舞高校は厳しいとしても、伝統校桐先高校では導入してても良かったのにそういった描写はありませんでした。
どうせ作風から腐だ腐だBLだ!言われるんだったら、そっち方面に振り切る材料があったのですが、さすがにそれはやり過ぎ?

■モブ?
白菊さん。
{netabare}下僕Tシャツの男どもへの頼み方が板につき過ぎてたり、大会での全外しや、不遇の女子部員のなかでは印象に残るキャラクターさんでした。{/netabare}

■弓道キャラさん
そういえば弓道部キャラって女子のイメージが強いですね。静謐さだったり凛とした強さを備えた子って感じ。

{netabare}『艦隊これくしょん -艦これ-』加賀、赤城
『アイドルマスターシンデレラガールズ』水野翠
『ラブライブ!』園田海未
『ちはやふる』大江奏(仮){/netabare}



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2019.07.03追記
《配点を修正》



視聴時期:2018年秋期(ややズレありのリアタイ視聴)

そういえばNHK放送リレーは『ピアノの森』⇒『進撃の巨人3期の後半』の進撃全10話をもって通常スケジュールに戻りそう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

NHKらしい堅実さは感じるけど「さすが京アニ」感はしないです。(作画は演出的な意味で並)

タイトルのツルネは「弦音」から。

原作はKAエスマ文庫から刊行されているらしい(←未読)ので、ある意味京アニ自前ストーリー作品ですね。

前クールの同枠の放送作品の放送日時変更(1週遅れ)の余波を受けて、たぶん放送開始が当初予定よりも1週遅れてます。ということでこのレビューを書いている時点では2話目まで放送済みです。

作品タイトル通り高校の弓道部を舞台にしたお話で、主人公は中学時代まで弓道をやっていたが、ある事情で高校では弓道の断念を考えていた鳴宮湊(なるみや みなと)。

湊が入学した高校では弓道部が活動を休止しており、その復活を目論む森岡富男(トミー先生)との出会い、そして同じ中学校で弓道部だった幼馴染の竹早静弥(たけはや しずや)など、この2話目までで主だったキャラクターと思しき人々が続々と登場。

弓道部には女子もおり、男女とも公式試合への個人戦でのエントリーを考えていますが、当面の話としては5人揃えて団体戦にエントリーできるのかといったところですね。

わりと王道的なスポーツ青春物になりそうな気配ですが、ストーリー的な意味でどの程度の出来になるかは今のところ何ともいえません。まあ、途中で切らずに最後まで観るのは観そうです。

作画は、「普通に良い」レベルのような気も。でも、弓道場とか射法八節とかちゃんと描いてるから本当は「凄く良い」んでしょうね。

いわゆる「萌え絵」系統のキャラクターデザインではないので、女性キャラの人気はあまり出ないかも(まあ、それはそれでかまいませんが)。

2018.11.19追記:
第5話まで視聴終了。実は武道なりなんなりをある程度経験したことのある人にとってはストーリー的には結構面白くなりつつあるのですが、そんなのはニッチなターゲットなのでたぶんそろそろ飽きられて切る人が増えてくる頃なのではないかと思う今日この頃。

作画の方は、背景の綺麗さとか動作の正確さという意味ではたぶん「良い」のですが、所作や表情による感情表現やコンテ割り、演出によるシーンの意味付けという意味では別に良くないですね。単なる「絵の綺麗なアニメ」だと思います。

そのあたり、同じ京アニが制作している近年の作品である『響け!ユーフォニアム』や『小林さんちのメイドラゴン』からはかなり劣っているんじゃないでしょうか。この差はおそらく監督および演出を担当している人の実力差なのだと思われます。

この辺りの作画や演出で2018年秋クール最強なのは、私の目するところでは『やがて君になる』です。ここから大きく見劣りしているあたりが「さすが京アニ」感がしないという当初からの感想につながっているんだと思います。

※レビュー更新時のタイトルで「作画は演出的な意味でダメ」と書きましたが、ダメは言い過ぎなので「作画は演出的な意味で並」に修正しました。

2019.1.21追記:
第13話(最終回)を視聴終了。女子部員は不要とまではいわないのですが、3人の区別を積極的につけようと思うほどの魅力は発揮しきれずに終わった感があります。

悪い意味で予想を裏切らないストーリーでしたので、その意味では凡作だったといえます。

武道やスポーツ的な共感がないと退屈に感じてしまい、全話完走が難しいかもしれません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47

67.4 18 京都アニメーションで部活なアニメランキング18位
ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-(アニメ映画)

2015年12月5日
★★★★☆ 4.0 (128)
785人が棚に入れました
水とふれあい、水を感じることに特別な思いを持つ七瀬遙。小学生時代最後に出場した大会でのメドレーリレーで、橘真琴、葉月渚、松岡凛とともに、遙は「見たことのない景色」にたどり着いた―――。そして桜が満開の春。遙は真琴とともに岩鳶中学校へ進学。新たな生活が始まろうとしていた。水泳部に入部することになった遙と真琴は、椎名旭、桐嶋郁弥と4人でメドレーリレーのチームを組んで試合を目指すことになってしまう。考え方も目的もバラバラな4人。そして彼らにはそれぞれに抱えた悩みがあった。そんな中でリレーの練習を重ねるも、上手くいかないままで……。「チーム」となるために必要なこととは何か。過去のメドレーリレーに心が囚われたままの遙が新たな場所で何を思うのか―――。

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央

夢見る先生 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

想像を超えた京都アニメーション

待ちに待ったFreeシリーズの映画化に期待をしている人も多いと思いますが、私は中学時代ということであまり期待してませんでした‥‥制作に携わった方すみません!なんだかアニメでいい感じで完結していたので!
でも、始まった瞬間、Freeらしいサントラとともに素晴らしい作画で一気に興奮してしまいました。
内容は見てからのお楽しみということで詳しく触れませんがいろいろと伏線が張られていてきちんと解決する感じが本当にすがすがしかったです!
また、中学生らしいバカバカしい会話や楽しそうな感じが存分に伝わってきて飽きることなく楽しめました。
特にアニメでは登場していなかった郁也と旭、またアニメではそんなに出ていなかった貴澄がこの映画を盛り上げていて新キャラでしたが大好きになりました。
今年を締めくくるのにぴったりな爽快で心躍る映画です

投稿 : 2024/11/09
♥ : 56
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

アニメは作画だけではないと言うものの・・・

劇場版だとさらに磨きがかかってて良いですね。


2019.02.09記

TVシリーズは1期2期3期と視聴済


劇場版が視聴必須とは知らなんだ (-。-)y-゜゜゜

1期 小学生時代を起点とした高校2年生の話(スパイスに中学生時代少々)
2期 高校3年生の話
これ 中学生時代の話
3期 中学生時代を起点とした大学1年生の話 

やらかしました。Free!の3期を観る前にこの劇場版をおさえておかないとけっこうしんどいです。
これからこの水泳アニメ観る方はご注意ください。予習について、この劇場版は単体でも鑑賞OKですが、事前に1期○、2期△程度の優先順位でおさえておくと理解が早いです。

他でもさんざん言われてきて、女性向けと呼ばれて久しい本シリーズです。TVシリーズ放送の折、コラボ中の某ファミレスチェーン店に立ち寄れば、女性客がやたら多く、ほどなくノベルティは完パケしたとのことでした。
私は数少ない男性視聴者の一人かと思われます。正直なところ男性同士の距離感はファンタジーと言ってよいくらい、現実とのギャップを多々感じるところなので、男子諸兄にお薦めするのは難しいかもしれません。
あいにくそっち系の趣味もない私は、≪水・プール作画≫と≪肩の力抜いて観られる軽めの友情物語≫そして≪納涼≫あたりを目的に本作を堪能してたりしました。

上映時間110分の劇場版。
作画は言わずもがな。ぜひ夏に観てほしい作品です。
心情描写あっさりめの作風はそのままに、ちょっと示唆に富むテーマも含んでました。それは、


“過去の成功体験との決別”


決して重く描かれることはありませんが、TVシリーズ視聴済の方にはお馴染みの{netabare}“岩鳶SC最強メドレーメンバーの呪縛”に端を発した{/netabare}物語は健在です。

そういえば中学時代がモチーフのため、オーストラリア留学中の“凛”とまだ小学生の“渚”の出番は少なめでした。

評判のプール作画を劇場クオリティで楽しみたい。作品のファンだから。3期の予習に。やっぱり涼みたい。。。そんな方へおすすめです。
気になる男性同士の距離の違和感はそれほど感じませんでした。もしかすると麻痺してきたのかもしれません。
意外と観ててきつくなるのは、出てくる男連中がことごとく女々しいことでしょうか。イラッとくる場面多々。しかしながらそれは自分を映し出す鏡。

“女々しい”という言葉で形容される対象はすべからく男性なのです。
自分の認めたくないしょぼいところを露わにされてるようなむず痒さはありました。



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2019.03.03追記
《配点を修正》

指摘されて気づいたのですが、もうひとつの劇場版-Take Your Marks-も3期に繋がるお話だったりします。
ややこいですが、マストがこちら-Starting Days-。そしてベターが-Take Your Marks-
そんな捉え方で大筋はあってると思いますのでご参考まで。


一対一の関係でもやもやする登場人物が多い中で、全体に万遍なくあたれてるのが主人公の主人公たる遥なんですよね。
誰よりも仲間と共に泳ぐことにこだわっていたのも遥だったじゃないかなと思います。

次は2020年東京オリンピックの年に続編をやるようです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

仲間と泳いだ、もう一つのチームの物語

アニメ「Free!」の劇場版であり、
遥(はるか)と真琴(まこと)の中学生時代のお話です。

このシリーズの原案となった小説のアニメ化ですね。
私は読んでいないのですが^^;

高校生版でメインキャラとなる5人+2期で活躍した宗介(そうすけ)は、
何らかの形で登場していました。

時系列的にはこの作品が一番最初の物語ですが、
見るのは2期の後がいいかな。

110分ほどの作品です。


● ストーリー
中学校に進学した七瀬遥(ななせ はるか)と橘真琴(たちばな まこと)。

部活を何にしようか迷っているところで水泳部に勧誘され、
流れで入部することに。

1年生は、遥と真琴、
そして椎名旭(しいな あさひ)と桐嶋郁弥(きりしま いくや)の4人。

この4人でリレーのチームを組まされるが、
それぞれの悩みが邪魔をして、なかなかうまく息が合わない。


スイミングクラブに通っていた経歴があり、
泳ぎには自信がある4人ですが、新しい環境に戸惑います。

それぞれが悩みにぶつかって、もやもやを抱えて、
それが邪魔をしていい泳ぎができない。

思うようにいかないから、
余計もやもやする。

中盤まではなかなか苦しい展開でした。
遥と真琴がすれ違う様なんて見たくないよー(´;ω;`)

遥は小学生でのリレーが楽しくて最高で、
あれ以上のものはできるはずがないという寂しさから、

真琴は自分は水泳が好きではなく、
遥といたいから泳いでいるのか?という悩みから、

旭は今まで泳げていたフリーが
急に泳げなくなった恐怖から、

郁弥は兄に突き放された寂しさから。

でもそれを互いの存在で打ち破ることができた時、
4人は最高のチームに…という、終盤への勢いが止まらない物語でした。

いいメンバーだと思うけど、
本編の岩鳶(いわとび)高校水泳部のメンバーに比べると、
やはり劣ってしまう気がしました。

高校時代の方が、
遥も真琴も生き生きしていたような。笑

1期や2期で中学時代の話が少しも出てこなかったのは、
その後3年間どうだったの?と、不安にもなりましたw


≪ 笑いは少なめ、な雰囲気 ≫

中学生が悩みにもがいている場面が多く、
本編のようなふわふわした楽しさは少なかったです。

メインのキャラが数人変わるだけで、
作品の雰囲気も変わるものだなあと感じました。

個人的には本編の方が楽しかったなあ。
怜と渚の2人(特に渚)と凜の存在が恋しくなりましたw


● キャラクター
遥たちと一緒にチームを組む旭&郁弥は、
それぞれにちゃんと魅力を持っていたと思います。

“バカ旭”の呼び方がこれほど似合う人はいないだろうと思うほど、
単純でムードメーカーな旭と、

素直じゃないけれど、
だからこそたまに素直にデレた時の破壊力がすさまじい郁弥。笑

でも私は二人以上に、
先輩である尚(なお)&夏也(なつや)が印象に残りました。

先輩として、後輩の葛藤を見守り、成長に喜ぶ。
こうして見守る存在って、温かくていいなあと思います。


● 音楽
【 主題歌「Aching Horns」/ OLDCODEX 】

1期と2期でOPを担当していたOLDCODEXが主題歌担当です。

OLDCODEXの曲はこの作品のイメージの一部だから、
今回も違和感はまったくありませんでした。

エンドロールによく合っていました^^


● まとめ
タイトルが「ハイ☆スピード」と、
これまでとは異なる名前になっていることからも、

こちらはアニメのサブストーリーとして楽しむのが
ちょうどいいかもしれません。

特別版の映画や3期にこの中学時代のキャラたちが登場するので、
続編を観ようと思っているならば、見逃せない作品なのは確かです。

高校時代よりもちょっと幼くて、まだ筋肉も未熟な遥たちの、
少し青い物語に甘酸っぱくなりました(*´ω`)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

69.2 19 京都アニメーションで部活なアニメランキング19位
Free!-Dive to the Future-(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (142)
737人が棚に入れました
高校を卒業し、水泳でつないだ絆を胸にそれぞれの未来へ歩み出した遙たち。遙は東京で、かつてともにリレーを泳いだ旭と再会する。中学生の記憶を呼び覚ます遙。その胸に蘇ったのは“あの時”の郁弥の姿だった。遙とともに上京した真琴は、新たな夢に向かって進み始め、シドニーへ旅立った凛は、新天地で意外な出会いを果たす。それぞれの未来で彼らを待ち受けていたのは、新たな戦いか。それとも、残してきた過去との対峙か……?

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央、宮野真守、内山昂輝、豊永利行、木村良平、細谷佳正、野島健児、日野聡、代永翼、平川大輔、宮田幸季、鈴村健一、鈴木千尋、渡辺明乃、阿部敦、松岡禎丞、広橋涼、津田健次郎
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

俺はFree!しか観ない。たぶん観ないと思う。観ないんじゃないかな。以下略

2018.10.03記


1期2期視聴済


おそらく人気の水泳アニメ第3期。
高校を卒業した遥たちが今度は大学の水泳部でどうなっちゃうんでしょう?のお話です。
環境が変わるため、新規の登場人物も大幅増員、人物相関も変化が生じることになります。

別の角度では、期を重ねる毎に男性視聴者がふるいにかけられ、果たして3期まで残って観てる男子諸君ってどんだけいるんでしょう?というのも気になる作品でもあります。
いったん男性視聴者の件は後回しで本作について、、、


 はるちゃんの対人コミュニケーション力が格段に上がってます


セリフが「あぁ」「うん」「そうだな」「俺はフリーしか泳がない」しかなかった七瀬遥が人として成長してるのです。
もちろんこのことは、「キャラ崩しやがって!プンプン」というようなものではなくて、1期2期通じての心境変化だったり、2期最終話の当人の決意などを通過してきた視聴者にはごく自然なこととして受け止められる範疇のものだと思います。
遥だけではない、真琴・怜・凛・宗介たちこれまでの主要メンバーらも一段階昇った「あの時があったからこそ今の君があるよね」という言動や描写がそこかしこに散りばめられています。こういったところ続きものの利点ですし、製作陣も踏まえておりました。
継続視聴組にはうれしいところです。

あっ!渚は安定して渚だったかも。。。


1期2期飛ばしてここに来る方は少ないというかいないと思いますが、本作の視聴にあたっては前の期視聴済みであることが前提になります。
さらに劇場版を観てたほうがいいかもしれません。私にはこれが抜けています。
TV版では帰省していた凛と遥が勝負するくらいの描写しかなかった中学時代だったのが、今回はその中学時代における別エピソードが物語の起点となってます。それは岩鳶中学の水泳部リレーメンバーたちの話。たぶんこれ劇場版で描かれてるんですよね?
そのため、本作の中盤までの主役桐嶋郁弥だったり、椎名旭、芹沢尚は私にとっては“はじめまして”の面々となり、劇場版で描かれてただろう前日譚の情報がないままの視聴となってしまってました。物語を追うのと辻褄合わせに苦労したのでやはり劇場版視聴も必須です。


かっこいいOP,崩したEDは健在。往年ファンの期待を裏切りません。

そして私がというより皆が毎度楽しみにしているプール作画も健在というかパワーアップした印象。Free!を観続ける最たる理由がこれです。


1期2期そして劇場版をおさえてとの前提つきで、おなじみのメンバーの成長っぷりを拝めるありがたい作品となってます。

さらに今回は、

(これまでより)勝負へのこだわりが強くなっている
(これまでより)友情が重層的に描かれ深みが増している
(これまでと違って)幼馴染みメンバー以外の人物に焦点をあててもいる

1期2期の様式美をあえて崩しにきてますが、確信犯でしょう。こちらについては新規登場キャラの収拾がつかないところはあるものの、私は好感をもって受け止めました。




だ・が・し・か・し・・・


作品通じてうっすらと薫ってきてはいた“腐”のそこはかとない香り。
作画の良さと軽めの友情物語で蓋をしてきたパンドラの箱を今回開けちゃいましたね。

{netabare}その名は、遠野日和♂{/netabare}

男性視聴者の減少に合わせた機を見計らって投入された(かもしれない)リーサルウェポン。

ポジション的には遥にとって真琴のような見守り役。
もしくは遥でこじらせちゃった男子(凛ちゃん)にとって宗介のような警護役。
と、柔と剛の違いはあれ対象とするキャラ一人に対しての想いが半端ないという役回りを演じる大学1年生です。彼が対象とするのは郁弥くんになります。

{netabare}で、彼

一言! 気持ち悪い
二言! こんな奴いない

これあまり言いたくないのだけれど、女子ばかりのアニメ観て「わーい」と喜んでる男性諸氏に対して、女性陣が感じている違和感に近いのかもしれません。
すなわち、

 「こんな女、現実にいねーよ」

ひよりくんはまさにその男版にあたりそうです。
{netabare}ちなみに8話まで気持ち悪い奴でその後毒が抜けます。その8話は良い回でしたね♪{/netabare}
なお、よくこんな奴いないと言いつつも長い人生似たよう人物に出会うことはあります。現実的にいなさそうとは、一対一ないし多人数でやり取りする際の会話におけるリアリティの欠如をばんばんに感じるところでしょうか。

八頭身イケメンを揃えたところで男性客は離れていきません。…少なくとも私はね。。。

一例を挙げます。

{netabare}観覧席で隣同士郁弥と日和が座っている。そこに次の試合で郁弥と泳ぐ予定の旭がやってきて、いい勝負しようぜないしお前には負けない的なことを言ったのを受けて、

郁弥「僕が勝ったら何か奢ってよ」

そこで隣の日和はどんなリアクションをしたでしょうか?

1.特に関心を示すことなく無言
2.「俺にもなんか奢ってよ」と便乗
3.「旭!お前が勝ったら高いもんねだっちゃえ」と郁弥イジリ
4.「あー旭には残念だがおごり確定だな」と旭イジリ
5.「郁弥のお気に入りはピスタチオドリンクだよ」と郁弥の好み知ってるぞアピール
6.「郁弥のお気に入りはパクチーサラダ(仮)だよ」と苦手なものを挙げてツッコミ待ち

正解は・・・{netabare}5番でした。{/netabare}
サシの勝負を前にして、男の場合、基本部外者はしゃしゃり出ませんので1.が妥当。またはわりとガチめの火花を散らすかです。ここでは軽口を叩いてリラックスしてやろうよ、との郁弥の意図があるため、その意を組んであげるかという力学しか働かない場面でしょう。次点で2.3.4.6.。
そうなるとまず取らない選択肢が5.。百歩譲って好きなモノはこれだよねと郁弥に断わりか確認をとってというのならあり得ますが当人を差し置いてはまずないです。
{/netabare}
これまだ軽いやつですし、文面上では私の表現の拙さもあるやもなので現物の日和くんを見てもらいたいと思うよ、と宣伝しときます。
真琴でも渚でもなんとか耐え抜いた自分が敗北した瞬間でした。

あー日和で尺をずいぶんとってしまったよ。きちんと見所いっぱいあるのにね。{/netabare}
{netabare}そしてブレない渚。「ひよちゃん」ってさっそく懐に入り込んでたりする。{/netabare}


なお、最終回はきれいな区切りか?と問われると難しいところではあるものの、4期がありそうな幕の降ろし方でした。
今期終盤では、今後ちょい熱めの展開が進展していきそうな含みを持たせており、Free!にあるまじき物語が紡がれるかもしれません。
流しのコーチ龍司さんもいわくつきの過去ありそうですしね。{netabare}亡くなった幼馴染みって凛の父親だったりして・・・{/netabare}


だいぶ日和くんを腐しましたが、作品自体は嫌いじゃないからね。

See You in 2020...


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2019.03.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 28

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もっと遠くまで、もっと自由に。飛び込め、未来へ!

Freeの3期にあたります。

テレビシリーズの1期、2期はもちろん、

劇場版「ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」、
特別版「Free!-Take Your Marks-」
も見てからの視聴をおすすめします。

そうしないと人物の相関図についていけないと思います。
キャラが多すぎるww

これまでのテレビシリーズのキャラはもちろん、
今回から「ハイ☆スピード」のキャラもメインキャラの仲間入りです。

なんかもう、オールスターズ状態ですw

全12話です。


● ストーリー
高校を卒業した遥(はるか)と真琴(まこと)は、
東京の大学に進学した。

遥は大学の水泳部に入り、
そこで中学時代の友人・椎名旭(しいな あさひ)と再会する。

同じく中学時代の友人だった桐嶋郁弥(きりしま いくや)を
新人戦の会場で見かけるが、彼はみんながバラバラになった後、
心を閉ざしてしまっていた。

一方、岩鳶(いわとび)高校水泳部には3人の新入部員が入り、
高校最後の大会に向けて怜(れい)と渚(なぎさ)も新たなスタートを切っていた。


主人公は遥なので、
お話のメイン舞台は東京に変わりました。

コーヒー飲んだり、
都会の大学生っぽいことしてる遥たちに私は動揺w

高校生の初々しいはるちゃんたちを知っているから、
そういう成長や変化は喜ばしいような、寂しいような(´;ω;`)

「ハイ☆スピード」のメインキャラである旭や郁弥が絡むお話なので、
“「ハイ☆スピード」の続編”という印象がありました。

心を閉ざした郁弥、
さらに郁弥を遥たちと接触させまいとする日和(ひより)などの動きもあり、

今までのテレビシリーズと違った空気の重さが…(;´Д`)

「ハイ☆スピード」も空気の重さを感じましたが、
私はテレビシリーズの明るくてアツいノリの方が好きだったんだけどな…。

明るさ担当の渚の出番が少ないのは、痛い。
そして郁弥が絡んでくると、話が重くなる。笑

ラスト2話は全キャラ集合だったので、
いつも通りのFreeの雰囲気を楽しめたので、そこはよかったです^^


しかし最終回が…えー…。

続編のお知らせがあったものの、
あれは賛否両論ありそうな終わり方ね。

これ終わるのか?1時間スペシャルだっけ?という焦りさえ感じるほど、
尺いっぱいいっぱいでした。

いつものFreeなら、スペシャルEDに浸りながら、
もっと余韻を楽しめたんだけどなあ。

今回の最終回は内容が詰め込まれていて、
しかも中途半端な終わり方で、あまりいい余韻がない…。

ひとつひとつのレースは素晴らしかったんだけどな!
いやもう、内容が濃すぎたってことにしておきます!

2020年の、そしておそらく夏に続編放送とか、
もうオリンピックと同じレベルの心持ちで見守らなければいけませんね(`・ω・´)


≪ 水の描写 ≫

作画はさすがです。特に水の描写がすごいです。

最終回の冒頭は水に関する描写がたくさん流れるのですが、
どれもが圧巻。

それだけ、この作品は“水”にこだわってきたのだなあというのが、
強く感じられました。

遥はこれからも水と共に歩んでいくのでしょう。
そういえば、遥はどこでも服を脱ぐという悪癖がなくなりましたねw


● キャラクター
多いなあと思いましたw

だけど、ちゃんとそれぞれのキャラに見せ場があり、
どのキャラのファンに対しても優しいです。笑

そしてキャラの意外なつながりが発覚したりと、
驚きもありましたw

郁弥が絡むと話が重くなりますが、
沈んでいるところから解放されたときの郁弥は、
劇場版同様、反則級にかわいくなりました(*´Д`)あのギャップずるい

1期は渚、2期は真琴推しでしたが、
3期はまたしても渚がかわいくて魅力的でした♪

3年生になって渚も大人っぽくなりましたね。
回想シーンに登場する渚が一番かわいかったですけどw


●音楽
【 OP「Heading to Over」/ OLDCODEX 】

1期と2期同様、
OLDCODEX担当のOPは安定ですね^^

今回もロックでかっこいい曲でした♪


【 ED「GOLD EVOLUTION」/ STYLE FIVE(メインキャラ5人) 】

明るい曲調ですね♪

映像はキャラ全員集合ですごいことになってますw
アイドルみたい。笑

みんなのドレスコードがかっこよすぎ!似合いすぎ!

ただ、今までのEDのような、
不思議な世界観がなくなっているのが残念です(´・ω・`)笑


【 スペシャルED「Blue Destination」
  / STYLE FIVE+椎名旭(豊永利行)、桐嶋郁弥(内山昴輝) 】

今までのスペシャルEDがよすぎたのか、
今回は強く印象に残りませんでした。いい曲だったけどね。

映像もシンプルでしたね。
親族というくくりは新鮮だったw

どういうキャラ選抜なのか?
主人公の遥をはじめとする主要キャラが登場しないという異例さにもびっくりw


● まとめ
キャラが多くて、結果いろんなストーリーが錯綜していて、
まとまりがないなあと思っていましたが、

最終的には大会に絡めて、
うまくまとめてくれました^^

高校生の遥たちの物語がきれいに完結し、
それで十分満足していたので、

大学生編の必要性が個人的には疑問だったのですが、

最終回を見て、大学編は大学編で、
キャラも増えて見どころもあってよかったと思えるようになりました。

絆っていいね♪そんな青春を続編でも楽しみたいです^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

飛び込め、未来へ!

この作品は、「Free!」の3期に相当するモノです。
物語の内容に繋がりがあるので、1,2期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

2期で岩鳶高校水泳部としての最後のレースに出場し、力を出し尽くした遥と真琴は、今期から大学1年生として新たな一歩を踏み出すことになりました。

真琴は水泳の先生に…凜はオーストラリアへのそれぞれ目標を持って動き出していました。
遥は…遅ればせながら世界の舞台で泳ぎたいという夢を見つけ東京の大学に進学しました。

一方、岩鳶高校に残された渚と怜は3年生になり、今年が集大成の年になります。
高校生として全力全開で挑めるのはあと1回限り…

そんな水泳部に朗報が…
遥と真琴の卒業後に、3人もの新入部員が水泳部に入部したんです。
そのうちの一人はマネジャー志望ですけど…
でも、これで岩鳶高校水泳部としてまたメドレーリレーに挑めるということ…
渚と怜にとってこんなに嬉しいことはありません。
こうして一人ひとりが目標を持った状態で3期の物語が動き出します。

物語が動き出して圧倒されるのは、高校時代とは次元の違う速さをみんなが追及していること…
そして感じるのはそれぞれの種目に対する層の厚さです。
私は競泳の世界は良く分かりませんが、簡単に勝ちを拾える世界じゃないことくらいは分かります。

自分の全てをぶつけて…そのために水泳以外のあらゆるモノを投げ捨てないと価値を引き寄せられないのは想像以上に厳しい世界です。
そのためメンタルを含め、本番に向けて調子を上げる必要がある中、昔のしがらみによる呪縛にもがき苦しむ選手が未だ残っていました。
中学時代に遥と同じリレーチームにいた桐嶋 郁弥です。

だから今回は複数の物語が同時並行的に進んでいきます。
遥たち大学1年生らの目標を目標のままで終わらせない意志と行動の物語…
渚と怜たち岩鳶高校水泳部のジャージに込められた誇りと意地の物語…
そして、桐嶋 郁弥を巡る友情の物語…

自らを一歩上のステージに押し上げる事…
言うのは簡単ですが、実践するのはとても難しい事です。
まず、一歩上のステージが何か、具体的にイメージする必要があります。
そのステージには今の自分では辿り着けず、着実な成長を必要としていること。
そして、そのステージを押し上げるための具体策とそれを遂行するスケジュール管理。

こう考えると、人間ってホントに管理の必要な生き物なんだと思います。
間違えるし…勘違いするし…心も弱い生き物だから当然といえばそれまでなんですけどね。
誰かに管理してもらうのが必要な人、自分で自分を管理する必要のある人、状況に応じて様々だと思いますが、人間に総じて言えるのが管理の必要性…
だから誰の手も借りる事無く、自分で自分を管理できるのが一番理想的なのですが、ここに到達するにはそれなりの苦労が必要です。
ここで言う管理というのは、現状の抜け・漏れを防ぐ意味での管理ではなく、自分を着実に成長させるために必要な管理です。

彼ら立っているのは、日々自分を進化させ続けないと淘汰される世界…
コンマ1秒のタイムを削るために自分を徹底的に追い込む必要のある世界…
世界をみるとまだまだ凄い選手がゴロゴロいるでしょうし、挑む上でもプレッシャーは半端ないと思います。
そんな状況の中、彼らがどこまで自分を貫けるか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、OLDCODEXさんの「Heading to Over」
エンディングテーマは、STYLE FIVEさんの「GOLD EVOLUTION」

1クール全12話の物語でした。
最終話のラストで「See you in 2020...」とテロップが入っていました。
これは続編決定ということで良いんですよね。
これで終わったら、ファンから怒りと悲しみの声が殺到すると思いますので^^;
彼らがどんな速さを追い求めるのか…今から楽しみです♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

70.8 20 京都アニメーションで部活なアニメランキング20位
ツルネ ―つながりの一射―(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (81)
334人が棚に入れました
“自分”を探し続ける 弓の道

そこには 彼らの物語がある

想えば想うほど 憎しみに染まる心

求めれば求めるほど 喪われてゆく色

“自分”であり続けるために もがきながら進む

好きを見つめ続ける日々を 疑い 信じながら


さぁ 歩いて行こう

この道は

いつかの“自分”へ つながっている
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

よりいっそう道を極める弓道アニメ

1期劇場版に引き続き原作未読で視聴したTVアニメ版2期目。

【物語 4.0点】
桐先高校に続く新たなライバルとして、「斜面打ち起こし」の射形を貫く二階堂 永亮が率いる辻峰高校が登場。

「美しい射が当たるとは限らない。が、正しい射は大概美しい。」
いや、弓道は競技なんだし、当たれば良いんでしょ?ぶっ潰してやるよ。

団体戦の息合い、5人のリズムが掴めないと苦闘する風舞高校。
そんなもん、各々が自由奔放に射れば良いだけでしょう?

弓道とは“道”と言うが果たしてそうなのか?
二階堂や辻峰高校を続編展開のためのヒール役としてだけではなく、
前作で構築した弓道論に対する反証材料として有効活用し、
道としての弓道描写の探究を極めていく。

最終回、{netabare} 神事{/netabare} で締めくくるというのも本作らしいです。


ただ広義の美少年アニメ枠ということもあってか、
二階堂も、胸襟を開いてみれば、湊や愁への執着も純心から。
少年たちがピュア過ぎて、きれい過ぎると言いましょうか。
加えて神聖さすら感じる弓道の高尚さ。

毒沼恋しき捻くれ者の私にとっては、触れても浄化されて消滅しないように、
毎回視聴するタイミング、心理状態を選んで観る作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・京都アニメーション

前作で弓道描写を突き詰めて、まだやり足りないことがあった求道者・京アニ。
2期では回り込み撮影による、アングル開拓で弓道の静と動をさらに探究。(※1)
私は特に静の描写にグッと来ました。

日常シーンでは作画カロリーをセーブして一休みするカットもある本作。
ですが弓道の場面では人物が静止している場面ですら、その佇(たたず)まいから
少年たちが積み重ねて来た想いやら半生やらを感じて、心が動かされます。

背景では、登場人物の内心を暗示したかのような絵画群も芸術点が高いです。
個人的には辻峰の不破が二階堂のバイト先で、心に踏み込もうとする際に映る、
銀狼を手懐ける絵画などが、二人の関係性を示唆しているようで興味深いです。

スタッフ陣には画壇でも勝負できそうな猛者が揃っているようで。
動画でも静止画でも、アート性は頭ひとつ抜けてる印象です。


【キャラ 4.0点】
『~つながりの一射』ということもあってか登場人物間の様々な絡みが展開。
湊が風舞高校の5人と息合いの歯車が噛み合わなくなると、
その内に{netabare} 七緒と海斗{/netabare} がギクシャクしだす辺りに団体戦の難しさ、少年たちの繊細さが垣間見えます。

中盤以降キャラのつながりの輪は学校の枠を越えて拡大。
7話で{netabare} 愁と遼平{/netabare} が急接近したのは意外な組み合わせでした。
いつの間にか名前読みになっている二人に嫉妬する菅原兄弟が可愛らしいですw

新ライバル・辻峰高校・二階堂の核心に踏み込むに当って、
競技としての弓道の極みも体験し、道としての弓道も悟りつつあるマサさんと絡めていくのも上手かったです。
ただマサさんも良い事言うんですが素直に受け入れられない間で言葉を投げかけるのが何ともw
終盤、{netabare} 二階堂と風舞の静弥 が、マサさん嫌いで一致するの{/netabare} が面白いですw


ピュアな美少年たちを横目に風舞の女子部員3人は相変わらず豪胆。
今回は市民大会で団体戦もやったりと見せ場もありました。
特に妹尾梨可(せおりか)は異性にも同性にもモテモテですね。
{netabare} 辻峰の男・大田黒のアタック&玉砕。清々しかったですw{/netabare}


【声優 4.0点】
辻峰の二階堂役の福山 潤さん。
私怨含みの挑発的な口調で湊や愁に突っかかりシナリオを動かすヒール役を務めるが、完全にヘイトされる領域には踏み込まない感じ。
やがて可愛い一面も表現し、美少年アニメ枠の的は外さない巧みなコントロール。


藤原愁の妹・紗絵を演じた若山 詩音さん。
天然?と思うほどのマイペースを通してしまう気品を好表現。
東条役の森田 順平さんの落ち着いた執事の演技と合わせて、貴種っているんだなぁ~と溜息が出る。
自宅に弓道場があっても、アナログレコード回っていても違和感がない藤原家の上流ムードを演出。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は横山 克氏。
1期劇場版レビューにて私は2期はTVアニメ1期の富貴 晴美氏の方が良いんじゃないか?
と捻くれた願望を記しました。

近年の横山氏。パワーがあって良いBGMだけど、
動、動、動と感動を煽る感じになって、静と動が上手く切り替わらないのでは?との一抹の不安があったからなのですが、終わってみれば全くの杞憂でした。

メインテーマ「Tsurune-The Linking shot」から、
静寂のピアノに、ストリングスを重ねて躍動させていく、緩急で魅せてくれます。

思えば横山氏も昔『四月は君の嘘』劇伴でも緩急自在だったお方。
おみそれ致しました。


OP主題歌はラックライフが「℃」で続投。
バンドサウンドを重ねて、僕らのつながりを表現した爽やか青春ソング。

ED主題歌は丁「ヒトミナカ」
心情も情景も美しい、このバラードの歌詞で、毎回作品を綺麗に締めることができるのは、
瞳に映る景色まで描き切る作画による説得力があってこそ。


完全屋内施設となった全国大会。
グラウンドの端に立て掛けた畳に向かって射撃練習する辻峰高校弓道部。
多彩になったシチュエーションに合わせ“弦音”の素材も新規に収集、作成したとのことで。(※2)
音響もまた前作で極めた表現のさらに先を行っています。

「弓を引くその人の気持ちが音になる」
その音は確かに私の心を射抜いていきました。


【参考文献】
※1 Febri 特集 作りたかったのは「背中を押してくれる作品」『ツルネ -つながりの一射-』山村卓也監督インタビュー
※2 Febri 特集『ツルネ -つながりの一射-』 音響効果・倉橋裕宗が作る「その瞬間にふさわしい音」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お互いがお互いを認め合い弓を引く

原作未読 全13話 1期視聴済・劇場版未視聴

「ツルネ」の2期です。1期より観ることをお勧めします。
今回は全国大会をメインにそこに至る過程を描いた作品です。風舞高校弓道部、主人公の湊に因縁があるライバルが出て来ますね。
また、地区でライバル校である桐先高校弓道部にも色々と変化がありましたね。(1期で良い印象がなかった菅原兄弟も好きになりましたw)
それぞれのキャラの葛藤や心情がうまく表現されていました。風舞高校弓道部女子も大活躍でしたね。
最後は、お互いがお互いを認めて競技で競い合う、そんな素敵な作品でした^^
OPは、1期に引き続きラックライフさん、EDは丁さんが歌っています。
最後に、1期でも書きましたが、ツルネ(弦音)は、心に響きますね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

十人十音

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
青春弓道アニメの2期。「流石、京アニ」という、安定したクオリティですね。

基本は、男子高校生の爽やかな青春と友情といった感じですが、同じく武道をやっている身からすると、武道としての要素もしっかりと描かれていて、充分に楽しめました。

三期も期待ですね!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
特に感動したのは、4話目。

地方大会を機に、自らの射形を見失ってしまった湊が、自分と向き合い、乗り越えようと努力する話。

ゴム弓を命じられた後のカット。本来、必要とは思えない、野球部のノック。その打撃音がやけにリアルだった。

そこで、「ハッ」と思い、以降、音に注目しながら、作品を観ることにした。

すると、本作には様々な素晴らしい音があることに、後ればせながら気付いた。

ゴム弓の軋む音、スマホのマナーモードの音、雨粒が地面を叩く音、自販機から落ちる缶コーヒーの音、踏み切りの警告音、掃除機やタイピングの音、カップがひっくり返る音。

本作のタイトルは「弦音」だから、弓道に関わる音はこれまでも注目してきた。選手一人一人の「弦音」は全員違うし、的に当たる音も、一射ごとに変えていた。それは気付いていたけれど、ここまで、色んな音にこだわって作っていたとは気付かず、聞き流してきた自分を恥じた。

弓道は、武道の中では珍しく、対人競技ではない(他は、空手の型くらいかな?)。

だからこそ、「自分の型(射形)」を追求する武道であり、その「型」は、十人十色で良い。

弓道は、求道。自分の射を、どこまでも求め、己を高めていく個人的な武道。

と同時に、「息合い」。孤独になりがち競技だからこそ、他者と高め合ってい、世界を広げていくことが重視されていた。

息合いは、「生き合い」でもあるのだろう。音楽は、全く同じ音をいくつ重ねても、美しさは生まれない。異なる音同士が重なり、調和するからこそ美しいハーモニーが生まれる。

古来、「殺人」を目指してきた武道は、どの競技においても、「活人」に変わってきた歴史がある。弓道における「活人」の理想形を見られた気がする。

本作のテーマと、弓道の競技性、京アニの技術。

全てが調和し、美しいアニメを生み出していた。

本作のシナリオには、正直、特段の独創性や、天才的な展開があるわけではないと思う。わりと普遍的な(王道の)話を、弓道という珍しいテーマでやっているだけだと言われれば、そうかもしれない。

同じく京アニの「Free」と見比べれば、似てない要素を探す方が難しいとも言える。

ただし、京アニが、「Free」で一番こだわっていたのは、水中の作画シーンだと思う。「音」にこだわる本作とは、演出の方向性が違う。

私が思う京アニの凄さは、「原作の良さ(魅力)を見抜く目」にある。

例えるならば、モデルのスカウトが、「将来どんな顔に成長するか」や「化粧映えするか」「どんな服を着せたら似合うか」を見抜いた上で、事務所に所属させる、みたいな。

この原作の、どこを磨けば、どう光るのかを見抜く目が確実で、それをやりきるだけの技術力があるから、ハズレの作品が極めて少ない。

「けいおん」「ユーフォ」「小林さん」「エヴァガ」と、全て、方向性が違うが、全て名作である。

私はP.A.WORKSも大好きなのだが、あそこは逆に、得意なジャンルや作風が特化していて、そこにハマる原作やアニオリだとめっちゃ面白いけど、ハマらない時は、なかなかフルスイングで空振るからね(笑) まあ、それも含めて、私の二大好きな制作会社なんですがね(笑)

京アニには、これから先も、素晴らしい原作を見抜き、素晴らしい作品を創り続けてほしいと思います♪
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
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