モーターボートおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのモーターボート成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月09日の時点で一番のモーターボートおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.6 1 モーターボートアニメランキング1位
名探偵コナン 水平線上の陰謀 (ストラテジー)(アニメ映画)

2005年4月9日
★★★★☆ 3.6 (232)
1352人が棚に入れました
15年前、北大西洋の海上で貨物船・第一八代丸が氷山に激突して沈没する事故が発生。沖田船長と三等航海士の2人が死亡した。そして半月前、八代造船の船舶設計士・八代英人が車を運転中に心臓発作を起こし、車ごと崖下に転落して死亡した。時を越えた2つの事件は、豪華客船の乗員乗客すべてを巻き込む巨大な陰謀の序章だった。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、茶風林
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小五郎が活躍します。

本作は「水平線上」と言うだけあり、終始豪華客船の船上で物語が展開される。
「タイタニック」を意識した構成で、氷山に衝突する展開や、EDから読み取れる。そして本作は、
大変珍しくいつも道化役の小五郎がコナンのフォローも受けつつ、一人で推理し解決した作品であり、好感である。
序盤で新一と蘭の小学生時代の話が出てきたのは意外だった。

{netabare}
15年前、北大西洋の海上で貨物船・第一八代丸が氷山に激突して沈没する事故が発生。沖田船長と三等航海士の2人が死亡した。そして半月前、八代造船の船舶設計士・八代英人が車を運転中に心臓発作を起こし、車ごと崖下に転落して死亡した。時を越えた2つの事件は、豪華客船の乗員乗客すべてを巻き込む巨大な陰謀の序章だった。

園子の計らいで、豪華客船「アフロディーテ号」の処女航海に招待されたコナンたち。一行はおおいにクルーズを楽しんでいた。ひょんなことから、船内でかくれんぼをすることになった一行。しかし、かくれんぼの最中に園子が何者かに拉致・監禁されてしまう。コナンの推理によって無事に助け出される園子。しかし今度は、八代造船の社長・八代貴江が何者かに刺殺され、会長の八代延太郎も行方不明になってしまう。目暮警部らが到着して捜査が始まるが、容疑者は乗員乗客総勢600名。捜査の難航は必至だった。

一方、佐藤刑事らは八代英人の事故死に不審を抱き、再捜査していた。彼女はシートベルトの金具に残っている不審な痕跡に注目する。

捜査を続けるコナンたちは、延太郎がマリーナのハッチから海に突き落とされた可能性が高いことを突き止める。それからほどなくして、海上保安庁によって海に漂う延太郎の遺体が発見された。一方で小五郎はコナンとも警察とも別の、独自の捜査を展開していた。事件の真相をつかんだコナンは、ウェルカムパーティーの席で阿笠博士の声を借りて推理ショーを展開。犯人を名指し、アリバイトリックを崩して証拠を掲示する。だが犯人は、機関室に仕掛けておいた爆弾を爆発させ、その混乱に乗じて逃走を図る。コナンと探偵団の追跡により無事に犯人は捕まるが、アフロディーテ号では次々と爆発が起こり、船は沈没の危機にさらされ、蘭が船に取り残されてしまう。さらに、事件は解決しているかに見えたが、その裏にはもう一人の犯人による更なる陰謀が隠されていた。アフロディーテ号に残り、もう一人の犯人と対峙する小五郎。その犯人の存在に気づき船に向かうコナン。果たして二人の探偵は事件を解決し、蘭を救うことができるのか!?
{/netabare}

本作は前作と比較して推理要素が回復され、ミスリードを織り交ぜつつも、伏線を張り巡らし、しっかり回収出来ていた。犯人が誰かは終盤まで気付かなかった。
今回は本当に小五郎がよく活躍していて、最後の台詞も名台詞だった。
終盤では{netabare}客船からの脱出で少し不自然な点があったり、蘭が閉じ込められる展開が少し陳腐と感じたが、
スリルがあって、良かったと思う。コナンが見つけに来る展開や、ブレスレッドで間一髪助かるという点も良かった(どう考えてもブレスレッド切れると思うが)。{/netabare}

本作は名探偵コナンの魅力を発揮出来たのではないかと思う。小五郎の活躍が顕著だったことが大変好感。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13

虚言癖 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

やりたかったことはわかるが、どうした!?劇場版『名探偵コナン』シリーズの第9作目ぇ!?

冒頭では少年探偵団の名乗りがあり、思わず期待させられたが……。

はっきり言おう。

今作はサスペンスの構成があまりにも残念だった。
さらにアクションがしょぼい。

王道的な作品からいったん離れて搦め手を狙ったのだろう。
それが失敗に終わったといえる作品だ。

全体的に必要ではないと思える描写が盛り込まれていた。

それとキャラクターの性格、扱いがザル。
あとセリフがくさい、事件に関係ないセリフの臭さたるやもうね。

普段はぬけさくでも毛利小五郎は元刑事であり、
危険の最中、自分自身が目立つためだけの行動はしないはずだ。

さらにいえば、警察側が無能すぎた。
見ていて飽き飽きするくらいには何もしていない。
あと犯人も無能、いや、多少はまし。

アガサ博士の名演技が見れたので、ファンとしては嬉しいかぎりだが。

山場は無理やり作っている感が出ている。
全体的に冗長。
細かい描写の回収で視聴者を飽きさせなかった前作以前の劇場アニメ版。
だが、本作は、べらべらと全部をキャラクターに説明させていた。

全体の構成を考えずに、見せたい演出を
押し付けるとこういう作品になるのだろう。

毛利小五郎を主役として、スポットを当てたかったのだろう。
それならば本作は成功とはいえないできだと感じた。
やりたかったことはわかるが、なんでこうなったよ。

せめて、最後は信念を貫け、貫かせてやれよ。
さらにラストシーンのとってつけたような演出はため息がでた。

名探偵コナン劇場アニメ作品の中では進めずらい。
他の作品をみて、興味が湧いたら手に取るくらいでいいだろう。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

今度は船の上

15年前、北大西洋・海上。貨物船・第一八代丸が、巨大な氷山に衝突し、沈没。船長と一人のクルーが犠牲に。時は流れ現代、西多摩市。大財閥・八代グループの一つ、八代造船の設計士が、車を運転中に心臓発作を起こし、事故死。さらに半月後……。太平洋を航海する豪華客船アフロディーテ号。コナン、蘭、小五郎たち一行は、その処女航海に参加していた。しかし船中には不審な人物が暗躍、ついに殺人事件が発生する。それは、海上というどこにも逃げ場のない空間で繰り広げられる、恐ろしい陰謀の始まりであった。というあらすじ。


豪華客船での殺人・爆発
犯人を見つけたと思ったが、ボートで逃げられという具合。
実はミスリードという話。
{netabare}15年前の沈没が伏線。仕組まれたもので、それで父を殺された娘秋吉さんが主犯だった。船内でウインドブレーカーのフードは怪しすぎるだろ。濡れ衣着せトリックはやるやん。小五郎嫁に似てそうは笑う。苦手というかむしろ好きやん。{/netabare}

珍しく小五郎が本当にかっこいい感じ。格闘シーンは珍しい。最後のほうまでこんなに活躍するなんて
舞台・脚本が劇場版らしいと思う。豪華客船がもったいない。
{netabare}しれっと蘭が取り残されるというお話つき。{/netabare}

主題歌はZARDで夏を待つセイルのように。
ZARD大好きじゃあ。船の上だから、この楽曲なのかな?
EDの映像。せっかくのメダル?を捨てるんかい!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

68.8 2 モーターボートアニメランキング2位
夜明け告げるルーのうた(アニメ映画)

2017年5月19日
★★★★☆ 3.7 (119)
450人が棚に入れました
寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。もともとは東京に住んでいたが、両親の離婚によって父と母の故郷である日無町に居を移したのだ。父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向きのカイ。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。

ある日、クラスメイトの国男と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。

しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう。そして訪れる町の危機。カイは心からの叫びで町を救うことができるのだろうか?

声優・キャラクター
谷花音、下田翔大、篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子、大悟、ノブ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ほとばしる感性

2017年制作のアニメの中では暫定トップ。普段は一度見た作品は基本見返さないタイプの私だが、今回ばかりは何度も劇場に足を運んでしまった。

話の展開自体はいたって単純。進学を控え、思春期特有の悩みを抱えた主人公「カイ」が、人魚の女の子「ルー」と出会い、様々な出来事に触れていくことで次第に葛藤を乗り越えていくというもの。もはや青春モノと経由されうる作品の大抵がこのプロットを踏まえていると言っても過言ではないだろう。

しかしこれだけで終わらないのが湯浅政明という男である。

彼は言うなれば感性主義的なクリエイターで、「動きの総体としての"作画"」を誰よりも理解している。それが一番顕著に表れているのが2004年制作の彼の劇場初監督作品である『マインドゲーム』だ。この作品ほど言語による評価に困る作品はそうそうない。無理やり説明するなら、湯浅の頭の中に広大無辺に広がるイマジネーションの結晶を、「セリフ」や「物理法則に則った作画ルール」といったフィルターを通すことなくそのまま映像にしたようなドラッグムービー、といったところだろうか。

彼ほどに「感性」を「感性」のまま表現できるクリエイターを私は知らない。その精神性は『ルー』の中でも褪せることなく光り輝いている。

基本的にアニメという媒体は「感情の機微の表現」という点において大きくディスアドバンテージを抱えている。漫画ならば、コマとコマの間に我々の想像力が介入することによって、映画ならば演者の演技力によって、これは解決されうるのだが、アニメではそうはいかない。

アニメでは、漫画のコマ割りのように話をぶつ切りすることはできないし、映画に出てくる本物の人間の演者の演技ほど細やかな動きは表現できないのだ。(作画に割くリソースを最大化し、実写と見紛うほど精緻な映像を作ることができる可能性がある以上、「表現できない」と言い切ることには若干の抵抗があるが、もっとも、そうして極限までリアリズムを追求した作品が果たして「アニメ」と呼べるのかという話だが。)

SNSなどでウンザリするほど目にする「原作は面白いのにアニメはつまらなかった」という感想も、きっとこの点に関しての不満の表出なんだろう。

この致命的なディスアドバンテージも、湯浅(と愉快なアニメーターたち)の手にかかればなんということはない。彼は、「アニメは映画に及ばない」というパラダイムを脱却するため、「映画に近づく」のではなく、なんと「映画から離れる」ことを選択し、これを乗り越えた。

「映画に近づく」というのはつまり、実写映画の持ちうる特性をアニメ内にできる限り反映させることで、最近のアニメ映画では『君の名は。』がその代表格として挙げられるだろう。ここまでアニメアニメしていないアニメ作品というのも珍しい。背景美術の荘厳さは言わずもがな、あまつさえ「ジュブナイル×SF」というややアナクロなジャンルを現代風に再構築し、誰もが楽しめる一大エンターテイメント作品に仕上げた新海誠の手腕にはこれからも大きな期待がかかるだろう。

だがしかし、これは本当に「アニメ」と呼べるのだろうか?「作画」という手段を用いただけの単なる「邦画」の一作品に過ぎないのではないか?「アニメでしかできないこと」というものが欠落してはいないか?

これに対し、「映画から離れる」というのは、上述したように、「アニメでしかできないこと」をやることである。

ここで活きるのが湯浅の感性主義だ。頭の中に立ち現れる生きたままの感性を、現実性というフィルターを介さずそのまま絵にする。迸る感性の潮流を、少したりとも堰き止めることなく、そのまま溢れ出させる。これによって彼は、映画内の登場人物の感情を、ハッキリと、言ってしまえば実写映画以上に表現することを可能にせしめた。殊更、『ルー』は10代の若者の感情変化を綴ったセンシティブな作品であるがゆえに、彼のこの制作スタンスがピッタリ合致した。「カイ」たちのビビットな感情が、銀幕の中でキラキラと輝いているのが見えた。

感性の直接表現って例えば何だよと思う方もいらっしゃるだろうので、ここでは彼お得意の「パース崩し」を紹介しておこう。これは読んで字の如く、わざとパースを崩すことによって、普通の作画以上にダイナミズムに溢れた動きを表現する技法である。『劇場版クレヨンしんちゃん(初期)』や『風人物語』あたりを想像してもらえば分かりやすいだろう。

こういったわざと現実の物理法則を無視した動きを取り入れることでかえって登場人物の心情がありありと伝わる。そういえば初期ディズニー映画やポパイやトムとジェリーあたりなんかもこの手法をよく使っていた。

『ルー』の中では、慰霊祭でのダンスシーンやルーのパパが街を爆走するシーンなどがとりわけ印象的だった。まさに「生きた作画」だな、と改めてそう思った。作画班見たら案の定伊東伸高、うつのみや理、末吉裕一郎あたりのドラッグ作画得意マンばっかでビビった。美味しすぎる。

ほとんど作画の話になってしまったが、作品のテーマにもしっかり着目してほしい。

本音と建前、地方志向と都会志向、動と静、現在、と過去といった様々な二項対立が、それぞれどう絡み合い、どんなカタルシスを生み出してくれるのか、そんなことを考えながら見てみると面白いかもしれない。

この映画のテーマソングである『歌うたいのバラッド』も作品内で本当にいい味を出しているのでよーく聴くべし。特に終盤でこれのイントロが流れ始めたらすぐさまハンカチの用意が必須である。

"嗚呼、唄うことは、難しいことじゃない”

現在私はこの映画のBlu-rayを買おうか真剣に悩んでいる。金欠大学生をここまで悩ませるほどの超傑作なのだ。ぜひ見て欲しい。

ぜひ見て、泣いて、映画が終わったら、朝焼けに向かって『歌うたいのバラッド』を口ずさんで欲しい。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「崖の上のゴニョゴニョ」風味(笑) ~才能と才能のぶつかり合いに、是非を問う~

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
アニメ映画。テーマは、「友情」「自立」。

内容、世界観ともに、まるでジブリのようなアニメです。でも、監督の部分でジブリとの違いは出ていたと思います。

監督の「湯浅政明」さんは、「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送した「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思いますので、そういう人は視聴してみても良いのではないでしょうか?


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、映像が素晴らしい。エンターテイメントとして上質です。

音楽も美しい。劇伴も良かったし、「歌うたいのバラッド」の持つ力も感じました。流石、名曲。

そして、脚本も素晴らしい。大まかなストーリーという意味合いではなく、しっかりと絞った言葉選びが効果的でした。

と絶賛しながらも☆は3で、しかも要素を3つに分けたのは、「映像」と「音楽」と「脚本」が、それぞれに自己主張をし、独立して動いていた印象を受けたからです。

監督は「湯浅政明」さん。「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送したの「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思います(私もその一人)。

音楽を担当したのは、ドラマや実写映画だけでなく、アニメでは、「思い出のマーニー」「メアリと魔女の花」など、大作を手掛けている、こちらも一流の方。

脚本は、「吉田玲子」さん。私たちにとっては、「けいおん!」や「たまこまーけっと」、「聲の形」など、京アニ作品での印象が強いけど、脚本を手掛けた作品としては、「猫の恩返し」。シリーズ構成としては、「のんのんびより」など、優しい作品を得意にしている印象です。

この3つの要素のうち、映像と音楽はまずまず噛み合っていたものの、脚本と映像はミスマッチでした。

大まかなストーリーとしては、非常に王道で、異種族の温かな交流と、少年の成長を描いたものです。

とにかくアクの強い湯浅さんの作品のアクを、吉田さんの脚本が上手く中和して、1つの物語としての体裁を保っていたと思います。

この辺、原作組の私でも振り落とされそうになった、「夜は短し歩けよ乙女」に比べれば、ぐっと観やすくなっています。メインターゲットであるだろう子供でも、ちゃんとストーリーを理解できます。

一方で、その「分かりやすさ」が、湯浅さんにとっては、ちょっと窮屈で、個性が爆発しきれていないようにも感じました。この辺をどっちで捉えるかが、評価の分かれ目でしょうか。

私は、「高評価して」「いました」。

映画序盤の静かな展開、それこそ、初めてルーとセイレーンのセッションをしたあたりまでは、☆4の評価にしようかと思っていました。

閉ざされた田舎の、鬱々した感じや、若者の不満みたいなものを、台詞によって説明するのではなく、「言葉」と「映像」と「音」で、感じさせる手腕には脱帽しました。地味ながらも、名作の気配を感じてはいました。

が、海辺でのファーストライブあたりから、徐々に「湯浅さんらしさ」が溢れだしてきて、最後には、アニメの内容同様に、決壊(笑) もう、脚本もクソも関係なく、大暴れしてましたね(笑)

怒濤の映像表現に圧倒される一方、何よりストーリーを重視する私にとっては退屈さを感じ、少し、寝落ちしてしまいました。

本作のラストシーンは、また穏やかな海に戻ってきたよう。映画冒頭と同じ風景を、同じような構図で描きながらも、光が差し込んだことにより、明るい街に変わっていた。全てに無気力で、この田舎街をバカにしていたカイの成長も見られた。

このような明るさは、「お陰岩」が崩れたことによります。しかし、「お陰岩」がなくなり、これまで実は人間を守ってきた人魚達がいなくなってしまいました。では、「お陰岩」は、日無町にとって必要だったのか、不要だったのか。

おそらく、これまで日無町は、「お陰岩」や人魚達に「知らぬ間に」守られていて、それは「親の愛情」に似ている。故郷ってのも、そんなもんでしょう。しかし、いつかは一人立ちしなければならない。

「カイ」は最後、ずっと無視し続けてきた父親に、感謝の言葉を述べました。そして、未来に向かって歩き始めた。そういう比喩としては、よく出来ていたと思います。

ちょっと引っ掛かった点としては、ルーが幼女の設定で、本当に良かったのかな? というところ。内容的には、カイと同じ高校生くらいでもいけるし、崖の上のゴニョゴニョのパクりって言われなくて済んだかもしれないしさ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱポニョじゃねえかw

【あらすじ】
「お陰岩」によって日の光を遮られる町、日無町。日の光を怖がる人魚の伝説があるその町で人々は暮らしている。これからも、この先も。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる★★★★☆
恋愛★★☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
感動系、中学生、進路、ポニョ、君の名、震災

【こういう人におすすめ】
私。

【あにこれ評価(おおよそ)】
65.0点。ポニョかポニョじゃないかという議論。注目度は非常に低い。

【個人的評価】
ポニョだけじゃなくいろいろな「素材」を感じる作品だが、重要なのは私が、「元の素材」より「このアニメのほうが好き」だということ。
『自分のお気に入り』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 「やっぱポニョじゃねえかw」と何回か画面に向かってツッコみましたが、「じゃあ駄作か」と言われると全然そんなことはなく最後まで楽しくみれました。……てかごめん好きだわ。お気に入りだわ。
 これが噂のタイトル詐欺ってやつです!すんません!

 ポニョだけじゃなくて、君の名とか震災とか、『元ネタ』と呼べるものを挙げるときりがないくらい様々な要素にインスパイアされています。しかしあれかね。新海さんの「星を追う子ども」といい、これといい、新進気鋭のアニメ監督は一回ジブリに喧嘩売っとくルールでもあるのかね。

 でもごめん。ポニョより君の名より好きだった。

 ストーリー展開も好きな感じで、見てて飽きなかったし、むしろ最初は「微妙かなあ」と思いながら見てたのにどんどん引き込まれて行って、終盤には「うおおおお」ってなりました。
 序盤に猛威を振るっていた「バンド」っていう要素を惜しげもなく使い捨てる感じや、メインメンバーの男女比、主人公がヒロイン以外になびかない感じ、あそこで猫じゃなくて犬を出してくるセンス(私は猫派ですが、最近各メディアの猫推しがウザい)、そしてストーリーとともに心に募ったモヤモヤがストーリーとともに温かいものを残して消えていく感じ。
 全部私の好みドストライクでした。

 今までは湯浅監督の良さは「原作選び」と「原作への理解の深さ」だと思ってたんですが、ちょっと違ったようです。湯浅監督は「素材を一度かみ砕いて、より"私"が好きな形にしてアウトプットする」人のようです。便利です。
 まあ逆に言えばやっぱ「素材」は感じちゃいましたね。次は本当に湯浅監督の中だけで育ったものをみてみたいなあ。誰も見たことがないようなものが潜んでる気がするんだけどなあ。


・作画と音楽について雑感
{netabare}  作画は最高ですね。キャラとか表情とかも好き。まあ、ヒロインはポニョでしたが。
 絵だけで泣ける新海監督、心が躍りだす石田監督、変化球の湯浅監督。作画に関して、アニメ映画の監督がイイ感じのバランスになってきましたね。細田監督は絵は普通だけど、今挙げた人たちと比べるとストーリーのオリジナル性は一歩抜きん出てるかな。頑張れスタジオ六花。
 いやあ、アニメ映画のカンブリア爆発を感じますねえ。

 音楽について。「デビルマン」と「夜は短し」でもちょっと思ったけど、湯浅監督って結構"音楽"好きなんですかね。「好き」っていうよりは、「音楽のチカラを信じてる」って感じかなあ。
 そういえば四畳半のOPとEDはアジカンとやくしまるえつこだし、ピンポンもOPとED良かったなあ。そしてこの映画のテーマ曲である「歌うたいのバラッド/斉藤和義」も良かった。1997年の曲なのか。かっこいいし全然古い感じしないですねー。これは一回斎藤さん全部聴いとかんとあかんなあ。 {/netabare}


 このままだと次の湯浅監督の作品もべた褒めしちゃいそうなので、一応言っときますけど、より厳しい目でみていきますよ私は!
 私が贔屓するのは世の中で人気ないものであって(それもあかんわ)、湯浅監督なんて今までもこれからも評価されまくるんだから私が贔屓する必要などないのです(笑)
 あ、そういえば「ケモノヅメ」は結構前に見てみたけど意味わかんなくて2話くらいで中断しましたわ!そういえばあれは湯浅監督がストーリー作ってるわ!やっぱやっぱ湯浅監督「素材」ないとダメじゃん!
 ……「ケモノヅメ」気になってきた……。もう一回ちゃんと見てみようかな……。 {/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 30
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