ファンタジーで戦いなTVアニメ動画ランキング 118

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早速見ていきましょう!

87.5 1 ファンタジーで戦いなアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (531)
1695人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 35
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放送のフリ-レン

マンガとアニメは日本が世界に誇るブンカだ、
なんて言葉がけっこう前からあっちこっちで言われておりまして、
それはまったくそのとおりだと拙も思うのですが、

  『どんな』マンガとアニメでも日本が世界に誇るブンカだ、

というのはチガウ、とも同時に思うところであります。
エロマンガだのキャラパク同人誌だの、
ああいうものまで『ブンカ』だとはちょっと呼びたくありませぬ。
(桂あいりさんは『すごい』と思いますが)

こっからはアニメ限定のハナシです。

昨今のアニメで胸をはって『ブンカ』なんて大層な呼び方ができるのは、
せいぜい一割ぐらいなんじゃないかと拙は愚考するわけです。
あとは、好きなヒトたち(拙含む)だけがひゃあひゃあ言ってヨロコんでいるだけ、
ひらったい言い方をするなら『フーゾク』に属する、
使いすて御免のゴラク嗜好品みたいなモノだと思うんですよね。

もちろん、フーゾクにはフーゾクなりの良さというものがあります。
ヲタク上等、マイナ-上等、
  好きなものをスキと言ってなにが悪いんじゃい、
というのはリッパな主張でありますし、
いちいち他人にとやかく言われる筋合いのものではありません。

  ただ、それだとやっぱり『広がり』を期待するのはキビしいのかな、と。

ふだんアニメをあんまり見ない方々、
あ~でもたまにテレビでやってるジブリとか新海作品はけっこう好きですよ、
ぐらいの方々にとって、
いまの量産型深夜アニメの多くはハードルが走り高跳びみたいなもの。
準備運動もせずに飛べるような高さじゃないんです。

 えっと……なんでこの男の子モテてるんですか?
      こういうキャンキャンした喋り方ってあざとくないんですか?
      騎士ってこういうモノの考え方するものなんですか?
      なんでいまだにハリポタの劣化版みたいなのが製作されてるんですか?
      この「ふっ」とか笑うの、カッコいいんですか?
      ゲームやって遊んでるキャラを見てるだけのアニメって楽しいんですか?
      こんなアイドルとか曲とか、売れる道理ありませんよね?

  みたいなギモン、ふつうに感じるでしょうし、
  そこにナットクできる答えを返すのは至難のワザでもありまする。


そういうライト層の方々にとって本作『葬送のフリーレン』は、
まさに絶好の入り口、
ヌマへの招待状なのではあるまいかと拙は愚考するわけです。

 ・わかりやすく、感情移入しやすい物語設定
 ・顔半分が目、みたいなこともなく親しみやすいキャラデ
 ・自然で、細部まで配慮が行き届いた作画
 ・YOASOBIさんによる、イマドキ的キャッチーなうえ世界観ドンピなOP
 ・情感たっぷりな描写・劇伴、ド迫力でかっこいいバトル演出
 ・種﨑敦美さん(フリーレン)、市ノ瀬加那さん(フェルン)のナチュラルなお芝居

おそらくライト層の方々は『さよ花』すら名前も知らないだろうし、
『江戸前エルフ』なんかアナザープラネット。
ですから『エルフの長寿性』というギミックそのものが、
斬新で惹きつけられる構成になっているとも思うんですよね。

というわけで、深夜アニメに対する典型的なヘンケン、
  顔半分が目の巨乳っ子やロリっ子が、
  使い回しっぽいセリフをきゃんきゃん声で言いながら、
  よくわかんない敵と戦ったりヲタDTの妄想を叶えたりするもの、
みたいな偏見を抱えている方々にとっては、
けっこうドギモを抜かれる作品に仕上がっているのではあるまいかと思うわけです。

映像は、ジブリや新海作品しか知らない方でもナットク・違和感ないレベル。
そして、種﨑さんや市ノ瀬さんのお芝居は、
そうした劇場版よりも、品質がはっきりと『上』ですしね。

  セイユ-のお芝居は『つくった感じ』がする、
  もっと自然でストレートな声やお芝居が欲しいんだよね、
  というのは、昭和から平成初期の認識かと。

  そういう『つくった』お芝居は『求められているから』やってるだけで、
  いまのトップクラスの役者(声優)さんたちは、
  フラットでナチュラルな演技もテレビ俳優さん以上にこなせます。

  実際、本作をじっくり堪能していただくと、
  宮崎駿氏や岡田斗司夫氏がいかにいいかげんなことを言ってるか、
  わかっていただけるんじゃないかしら。

  ちなみに
  市ノ瀬加那さん、今回の種﨑敦美さんとの共演で『一皮むけた』感じですね。

  基礎声質に『ものすごい』天性をもってる方であり、
  先の『水星の魔女』スレッタ役でもそこそこの好演をされてましたが、
  本作は彼女のベストアクトと称してもいいんじゃないかと思います。
  種﨑さんから盗めるだけ盗んで、
  さらにワンランク上の役者を目指して欲しいものであります。

  あと、すぐ死んじゃったけど、
  リ-ニエ演った石見舞菜香さんもヨカッタです。
  (そう言えばこの方、『さよ花』のマキア演ってましたよね)

  アウラ役の竹達彩奈さんは、典型的な深夜ワクのお芝居かな。
  それが『悪い』とは言わないけれど、
  もうちょい、キャリア相応の奥行きを見せて欲しいかもであります。


制作がマッドハウスということで、
いわゆる『画はいいけれどコテっとしている』アニメになりそうなところは、
あの『ぼざろ』の斎藤圭一郎カントクが見事にカバ-。

  斎藤監督って、まだ監督二作目なのにほんとすごいですよね。
  アニメ-タあがりなのに『映像重視・音響軽視』の悪いクセがまったくなく、
  ト-タルバランスの調整力がハンパないです。

  さらなる魅力として、拙的にはフリーレンとフェルンの
   『いちいちわめかないバトル演出』がお気に入り。
  アニメバトルは叫ぶもの、
  みたいな大時代的お約束って、好きじゃないんです。うるさいし。
  てか、こっちの方がカッコいいじゃん。

  斎藤監督は2015年に大学のアニメ科卒だから、まだ30歳ちょいぐらい。
  たぶん、学生のときから既存アニメの良点・悪点を分析し、
  そのうえで『これからのアニメはどうあるべきか』を真剣に考えて、
  作品に落とし込んでいる方なんでしょうね。
  まさに、本作の製作コンセプトにぴったしの方であります。


さて、製作コンセプト、という言葉の並びから申し上げますと、
本作の製作(『制作』じゃないですよ)の狙いは、ずばり
  『アニメライト層の取り込み』
であります(いやいや、そんなん言わんでもわかるがな)。

そのために日テレさんは、
わざわざプライム枠の『金曜ロードショー』を丸ごと空け、
さらに23時からという、
『NANA』以来、17年ぶりとなる一般層の可視聴ワクを、
アニメ専用に新設したわけです。

じゃあ、テレビアニメがライト層を取り込むことによって、
  テレビ局やアニメ制作会社にどういうメリットがあるのか
が気になるところですよね(気にならないヒト、ごめん)。

ここからちょっと、
テレビ局とアニメのビジネス関係について考察を。
本作とはあまり関係ないので、
まるっとネタバレで隠しておきます。
興味と関心のある方だけ、ど~ぞ(言っとくけど、長いです)。
{netabare}


テレビ局のビジネススキームというのは基本的にシンプルで、
  原価○○円で制作・調達した番組を放送し、
  その際にスポンサー企業から△△円の広告料をとって、
  その差益で儲けるもの。
というのがその構造のベースになっております。

一千万円で制作した番組で二千万の広告収入があれば一千万のもうけ。
番組によっては
板を出したり有料配信したりといった二次利用もしていますが、
それは収益構造のメインストリームではなく、
あくまでもプラスアルファ、副次的なビジネスであります。

で、その『制作費=原価』というのは曜日や時間帯によって違い、
より多くの視聴が見込める(広告料がとれる)ゴ-ルデンやプライム枠と、
誰が見んねん、という深夜枠では雲泥の差があります。

といっても昨今の不況やネット広告の隆盛で広告収入が減少しており、
そのぶん、制作費も引き締めの一途。
番組の尺がバラバラなんですが60分枠として換算すると、
  ゴ-ルデン~プライム枠 →1000~3000万円。
  一般日中枠       → 500万以下が多数。
  深夜枠         → 300万未満。100万を切ることも。
みたいな感じですね(もちろん例外いろいろありますが)。

  サッカーのワ-ルド杯みたく放映権料がワリに合わないほど高額な場合、
  同じスタジオ・出演者で前フリ番組を延々とやるのは、
  なんとかト-タル原価を抑えようというナミダぐましい努力であります。

  金曜ゴ-ルデン劇場みたく他社の作品を流す場合の放映権料は、
    国内作品で1500~3000万(60分あたり 750~1500万)
    海外作品で2000~4000万(60分あたり1000~2000万)
  あたりがいまの相場かと(もちろん例外はいろいろありまする)。

ここまで例示した数字というのは、
ひと昔前と比べると二~三割安ぐらいの感じです。

もちろん、いまだにじゃぶじゃぶオカネ使ってる番組もありますが、
基本的に制作費というのは緊縮の一途かと。
だって、クライアントの広告出稿が右肩下がりなんだもの。

  そもそも、番組視聴率がダダさがり。
  ネットなどにとられて若者のテレビ離れなんかも進んでおり、
  ちょっとしたドラマで20%越えなんてイマはもうムカシ。
  番宣ばんばんうっても一ケタ中盤というケースが珍しくありません。

  視聴者が少ないということは、広告効果が低いということ。

  クライアントとしてはそこにじゃぶじゃぶオカネ使うより、
  Web広告みたく視聴者を選んでタ-ゲットに届ける、
  セグメント型の広告媒体に資本を回すのが自然な流れですよね。

  というか、すでに2019年、
  Web広告費の総額がテレビ広告費を上回っているんです。

セグメント広告が主流の現在、
テレビみたいなマス媒体が広告のメインに返り咲くって期待薄ですから、
ト-ゼンこれからも番組制作費はシブくなります。

  ちなみにテレビアニメの制作費というのは、
  きちんと手を入れて作ると一話(30分枠)で1500万ぐらいかかります。
  一時間枠に換算すると3000万円。

  これ、キー局が視聴率15%以上を狙って勝負をかける、
  ゴ-ルデン枠番組なみのお値段です。
  全日帯とか深夜枠で見かけることはまずありえません。

  巷ではアニメ-タの所得が低い理由として
   「テレビ局がしぶちん」
   「広告代理店が中抜き」
  みたいなことがしれっと言われてますが、
  なんでそんなウソ平気な顔して言っちゃうかなあ。

  テレビマンに言わせてみれば、テレビアニメというのは
    制作費がバカ高くてワリに会わない
  不経済なコンテンツなんです。
  視聴率との対比で考えたら、丸抱えなんてゼッタイできませぬ。


じゃあなんでこんなにテレビアニメがたくさん製作されているのかと言うと、
アニメはほとんどが『製作委員会』方式であり、
製作投資のリクープを、
  放映時の広告収入ではなく二次利用・副次収益に頼っている。
というビジネスモデルになっているからであります。

あるマンガがテレビアニメになると、当然ながら認知度が上がります。
すると、だいたいの場合『後から』ケーザイ効果が生まれます。
  出版社   →原作本やムック本が売れる。
  音楽会社  →OP・EDの楽曲が売れる。
  グッズ会社 →関連グッズが売れる。
  映像会社  →板(マニアさんの言う『円盤』)が売れる。
で、そういう『利益の共通する』方々が、
オカネを持ち寄ってアニメを作るのが『製作委員会』であります。
(実際はもっとフクザツなんですが、簡略化して書いてます)

これ、多くの場合、テレビ局にはぜんぜん『うまみ』がありません。
ただ「オレたちが放送してやったからそんなに売れたんだろ」
みたいに強引マイウェイな理屈で、
二次売上げの数%を『局印税』として徴収する場合がありますが、
積極的にアニメを放送する理由にはなりません。

ですから製作委員会は、その放送枠自体を買い取ります。
  このワクの広告代をゼンブ払うから、このアニメを流してください
というハナシですね。これなら局印税も発生しにくいですし。

  この放送枠買い取り代(通称:波代)って、
  深夜枠であっても全国世帯の七割以上をカバ-しようとすると、
  局やワクの深さ・タイミングにもよりますが、
  1ク-ルで五千万~一億円ぐらいかかっちゃいます。

  ですから、地上波はお茶をにごす程度、
  好きな人はネットで見てねえ、
  みたいな作品が増えてきているのもしゃあないところなんです。


で、本作『葬送のフリ-レン』に話を戻しますと、
日テレさんの狙いは『安価でそこそこ視聴率のとれる作品を確保』することであり、
製作側の旨みは『視聴者の幅が広がり二次収益が増える』ことです。


まずは日テレサイドのソロバン勘定から。

  初回は二時間枠ですから、制作費は6000万円ほど。
  製作委員会に入って二割ほど負担したとすると、
  この回の日テレ負担は1200万円ほどだったことになります。

  これは、60分枠に換算すると、600万円。
  ふつうに映画の放映権を買ってくるよりも、かなりおトクです。

  それ以降の各話も二割負担だったとすると、
  各話の負担金は300万円、60分枠換算はやっぱり600万円。
  これは、23時台としてはやや高めの数字で、
  このまんまほったらかしておくと、
  局のエラいさんは、あまりいい顔をしてくれません(視聴率にもよりますが)。

  ただし、アニメは二次使用でお金が戻ってくるシステムです。

  二次利用の収益(DVDなど)の一定割合は、
  出資額に比例して製作委員会で配当されることになります。
  また、この番組は『枠買い』ではないので、
  二次利用売り上げの数%を『局印税』として徴収できます。

  この、出資に対して戻ってくる比率を『リクープ率』と呼びますが、
  これが50%あれば、実質的な制作費負担は60分換算で300万円。
  これは、23時台の番組としては、なかなか優秀です。

  もしも100%返ってきたら、
  なんと制作費負担が実質『タダ』ということになっちゃいます。
  こうなるとシャチョ-賞も夢ではありません。

    出資から回収まで時間がかかるのが難点っちゃ難点ですが、
    いまの超低金利、そして日テレの資金調達力を考えると、
    そんなもん、モンダイのうちに入らないわけで。

  ただし、いまのアニメでリクープ率が100を超えるのは、
  1ク-ルで一本あるかないかぐらいです。
  いわゆる『覇権アニメ』でも、そうカンタンに100には届きません。

  ですが、その場合でも『局印税』があるからある程度は戻りますし、
  制作元のマッドハウスが日テレの連結子会社ですから、
  資本の内部循環ということで、最低限のいいわけは成り立ちます。 

    むかしからこういうソロバン勘定はあったのですが、
    とにかくテレビ局は『報道』『バラエティ』『ドラマ』班が強く、
    なかなか編成さんが枠を開けてくれませんでした。

    ただ、ネットやゲームなど余暇競合商品の台頭で、
    看板ドラマやバラエティの視聴率が軒並み一ケタに落ち込み、
    そういう垣根がどんどん低くなってきてるんですね。

    安く作れて視聴率が取れるんならアニメでもいいんじゃね?的な。
 
    この流れというのは『キメツ』や新海作品の連続ヒットなど、
    ライト層にもテレビアニメ需要がある、という具体的な判断材料が、
    いろいろ出そろってきたのが大きいかも知れませぬ。
    (『キメツ』、フジにとられちゃいましたしね)

  劇場版ではなくテレビアニメを
  ふだんから見る習慣のある視聴者が増えてくれれば、
  視聴期待対象者(タ-ゲット)の母数が大きくなりますから、
  いろいろなリスクがさらに低減できます。
  そうなると『低コストでそこそこ視聴率がとれる』勝利の方程式の完成です。

  だからこそ初回に金曜ロードショー枠で、
  まずは作品の視聴体験者の母数を稼ごうとしたんですよね。

  ちなみに本作の世帯視聴率は、
    初回(ゴ-ルデン枠)で 6.8%
    その後の通常(23時枠)で 4.4%(9話速報値)
  と、一般番組と遜色ないどころか『そこそこいい』数字です。
    そして、9話(実質6話)まできているのに、
    ワク違いの初回放送と比較して減衰率35%というのがスゴい。
    想定以上なんじゃないかしら。

  同じ23時からやっているテレ東さんの『SPY×FAMILY』は、
    2.6%。(5話速報値)
  これも決してダメな数字とは言えません。テレ東さんだし。
  ただ、日テレさんの戦略、
    金曜ロードショー枠を使って視聴体験者の母数を増やす
  みたいな仕掛けをしておりませんので、
  ただ23時にやってるだけなのがしんどいところです。

  というわけで、
  いまのところ(11月9日時点)では、目論見どおりの推移ですね。
  担当者は「してやったり」とニンマリし、
  ドラマ班やバラエティ班は苦虫かみつぶしていることでしょう。良き。


で、テレビ局から離れて制作サイドのメリットを考えた場合ですが、
こちらもかなり『おいしいスキーム』になっております。
局印税ぐらいヨロコんで払っちゃう。

  ひと昔前は、視聴率なんて極論『どっちでもよかった』んです。
  というのも、
  リクープの大半を板の売り上げに依存する体質であり、
  『一度放送したアニメを二話5~8000円で購入する』層というのは、
  かなり限られていましたからね。

    視聴率4%で板が2000枚しか売れないアニメよりも、
    視聴率1%で板が6000枚売れるアニメの方がダンゼンもうかる、
    というトホホなビジネススキームだったわけです。

    ナニコレ的な一部ヲタク向けアニメがいまでも多いのは、
    そういう背景があるからなんですよね。
    (だから枠買いしないとテレビ局が流してくんないわけで)

  ところが、いまはネット配信がリクープで重要な位置を占めてきました。
  二話でウン千円なんてとても払う気のない方でも、
  ちょっと面白そうじゃん、で気軽に手が出せるようになってきたんです。

  市場ケ-ザイのイロハとして、
  低価格帯商品というのは、認知度と売り上げが準比例いたしますから、
  こうなると、最初にパイを広げた方がダンゼン有利です。
  さらに、ムリしてヲタ受けを『狙わない』方が需要が見込めますから、
    ちっ、またこんなん作るのかよ
  なんて制作や役者さんがグチを言う機会も減ろうかというもの。

  さらに商品化(絵柄のライセンス供与ビジネス)も、
  これだけ作品の知名度があがると、
  限られたアニメ関連商品のグッズ業者だけでなく
  大手メーカーとのタイアップが充分すぎるほど期待できます。
  (あいつら『知名度』に笑っちゃうほど弱いですから)

  また、本作は絵柄・テイスト的に、海外番販にうってつけなんですよね。
  年齢制限はもちろんかかるんですが、
  ナルトやワンピースぐらいしか見ていない海外ライト層にも、
  きっちりささるものと思われます。
  担当者が相当なアホでない限り、かなりの海外収益が見込めるんじゃないかしら。


というわけで、本作に関してはいまのところ、
テレビ局と製作委員会はWinWinな感じになっております。

テレビ局の番組制作費緊縮が加速する昨今、
製作委員会がネギしょってやってくるアニメが注目されているのは確か。
テレ東の『スパファミ』みたく23時台、
ひょっとしたら22時台というプライム枠にさえ、
アニメが登場する可能性が『ない』とは言い切れない状況なんですよね。
{/netabare}


とまあ、かなり『いいことばっか』書きましたが、
こういうビジネススキームを継続的に成立させるためには、
  ライト層にもマニア層にもささる
アニメを供給し続けることが必須条件となってまいります。

テレビは数字が全ての世界ですから、
はっきり言って『視聴率次第』の下剋上。

23時台のワクを開けて視聴率1%台が続いたりしたら、
いかに制作費が安くても、
次の編成でワクそのものが『おとりつぶし』になっちゃったりするんですよね。

  ご参考までに『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジ23:15~)は、
  平均して7%超えという驚異的な数字でした。
  局のエラいさんのアタマにはこれがしっかりインプットされており、
    さっさと二匹目のドジョ-をさがさんかい
  みたいな側面がなきにしもあらずかと(経営者はムリ言ってなんぼです)。

まあ、いきなりキメツがムリなのはわかってもらえても、
この時間帯のワクを維持するためには、
少なくともスパファミぐらいの数字(2.6%)は維持しなきゃいけない、
というのがリアルなところなんじゃないかしら、

それって、
昨今のアニメ事情をよくよくご存じの方にとっては、
けっこうキビしいハードルに思えるのではと拙は愚考いたします。

  マニアにもライト層にも安心しておススメできて、
  なおかつ減衰率抑えめでそこそこの視聴率がとれるアニメ

なんて、1ク-ルに数本あるかないかってハナシですしね。
アニメ慣れした視点だと良作はもっとあるんですか、
ライト層がハマりそう、という条件がけっこうキビしいんです。

本作『葬送のフリ-レン』と同じスキームでやって、
同等かそれ以上の結果が出せそうなのって、
今年度だと『リコリコ』か『推しの子』ぐらいしか思いつきません。
(あれ、独立局でやったのもったいなかったですよね)

  やっぱ『ヴィンサガ』とか重いしなあ……
  逆に『スキロ-』みたいのが『のだめ』的にウケるかも……
  あ、『無職転生』ならひょっとしていけるか。
  いやいや、そもそもキメツって、なんでバズったんだ?

  なんて考え始めると、とっちらかって収拾つかなくなってしまいます。

日本人は、決してアニメが『きらい』な民族ではありません。
映画の興行収入歴代ランキングで、
  ベスト20のうち14作品がアニメ(3DCG含む)
なんて国、ほかにないんじゃないかしら。
それなのに、
ライト層に安心しておススメできるテレビアニメが存外少ないんですよね。

彼らは『ふつうのドラマ』と同じ視点で見ますし、
マニア層みたく原作者や制作者に身内カンカクでゲタをはかせ、
曖昧さやいいかげんさを許してくれるといった寛容さはありません。

中国人が有り難がってマツタケ食べるとか騎士が土下座をするとか、
そういう基本的な考証ミスを
  『これは架空の国、ファンタジー世界だからいいんだよっ』
なんてリクツでは許してくれませんし、
モテ要素のない男の子のハ-レム展開なんか、たぶん理解不能です。

テイストはファンタジーでもSFでもラブコメでもなんでもいいんです。
ほんと、面白きゃなんでもいいんですが、
ちゃんとした考証と共感できる人物造形は必須条件。
  「いやなら見んな」
とか言われたら、はいはいそうですかと見るのをやめるだけのハナシです。

  拙自身、個人的には『だいすき』なんだけれど、
  だからといってライト層の方々にはおススメできないなあ、
  なんて作品が、ほんとたくさんあります。

  好きなものをスキというのは何も恥ずかしいことではないのですが、
  布教活動は控えめにするというのが、
  現実社会の荒波をのりこえていく一つのコツではないかと思ってもみたり。
  (あにこれは別よ、もちろん)


とはいえ、本作『葬送のフリ-レン』がライト層にもズバっとささり、
大きな成功を収めるだろうというのは、ほぼ既定路線。
二匹目、三匹目のどぜう狙いは、トーゼン『ある』と予想されます。

キ-局が出資してマスマーケットを狙う作品と、
これまでどおり狭い世界の中で、
ニッチなマ-ケットを狙う作品の二極化が進んでいくんじゃないかしら。

10年後ぐらいにアニメ史をふりかえったとき、
ひょっとしたら本作の放送が
エポックメイキングな出来事として語られているかも知れません。

  そんなことを妄想したりしながら
  次の放送をココロ待ちにしているワタクシなのでした。
  乱文駄文、そして長文、ほんとにほんとにごめんなさいね。



以下、オマケです(本作ほとんどカンケ-ありません)。
ほんと、単なるネタなので、
おヒマな方だけ開いてやってくださいまし。
{netabare}

本作のヒロイン『フリ-レン』の名前って、
拙はかってに英語で”Freelen”だと思い込み、
  自由な欧州水泳連盟ってなんだろ?
とか思ってたら、
ドイツ語で”Frieren(凍っている)”だったんですね。

いや、無知とはほんとおそろしいものであります。
というか、
ナマエの音だけでイミを判断するのって難しいですよね。

  ちなみに日本でよくある名前『雄大(ゆうだい)』は、
  英語圏の方々の耳には
  ”You die(おまえ、死ね)”としか聞こえないそうです。

  良く晴れた秋の日のセントラルパーク、
  やさしそうなお母さんが小さな男の子を追いかけながら、
   「おまえ死ね、おまえ死ね」
  と連呼している光景って、とってもシュールだと思いませんか?

  あと、日本名の『麻生(あそう)』さんは、
  残念ながら”asshole”に聞こえちゃうそうです。

  もしも麻生雄大さんがハイウエイでごついポリスに止められ、
  名前を聞かれて
   ” You die,asshole”
  なんて言っちゃうとタイヘンなことになりますので、
  全国の麻生雄大さん、渡米の際はくれぐれもお気をつけくださいまし。
  (気のつけよう、ないんですけどね)
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 28
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

覚書その他

前回の投稿で一応の総括も済ませたので、あとは自分の趣味に走ります(笑)。

ぶっちゃけ本作の理解については、いまだに解消されない不全感が残っており、
本質的と思われるポイントを我流に言語化することで、それに決着をつけたい考えです。
先日のレビューは、その準備作業の意味もありました。

これまでフリーレンとの「対照性」が際立っていたゼーリエが
「葬送のゼーリエ」となったことで、対比関係が「対称性」に移行します。
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」。
前面にあるのは見やすい「対照」であっても、その根底に「対称」が潜んでいる。
ここが着眼点になります。

このシンメトリーの構図は、作品全体にわたって読み取れるものではないか。
あるいは着想の基盤となるような汎用性がそこには認められるのではないか。
つまり、作品を読み解く一つの鍵として有効なのではないか。・・・

こうした観点からあらためて本作を見直すと、
そもそも物語自体がこの構図に基いた構造になっていることに気づかされます。
かつてと今、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
そこでは過去と現在は対立せず、対比的に、さらには相関的に描かれています。
しかも、同じルートを辿り直すという、明確な対称性をも示しています。

この「対称性」を解読格子に用いた読解を試みようというわけですが、
それによって本作のユニークな個性の一端、具体的に言うと
旅や回想に伴うあの独特の"空気"や"手触り"を、説明できるのではと考えています。

で、これから三回ほど覚書(ノート)風のものを追加していきます。
まずは顕著な例として、第13話「同族嫌悪」を再度取り上げようと思いますが、
あくまで興味優先の作業であって、大した意味はありません。


{netabare}「今と今更」

冒険者に憧れながらも結局踏み出せずに、後悔しつつ暮らすザインに、
かつての自分を重ね合わせたフリーレンが、柄にもなくお節介を焼くエピソード。
サブタイトルが示すように、二人は「相似形」であって、対称関係は明白です。
プロット自体も対照ないし対称の、いずれかの対比関係を中心に構成されていて、
整理してみると、二人ずつ二組のキャラにまとめられます。さらに、
組み合わせたキャラには全く同じセリフを言わせて「対称」を際立たせています。

「今更だよ。」・・・これは90年前のフリーレンと現在のザインの言葉。
「私は(僕は)今の話をしている。」・・・これは90年前のヒンメルと現在のフリーレン。

長い年月を隔てて再現される、二つの「今更」。
それをきっぱりと否定する二つの「今」。
この両者の「対照」がドラマの軸になります。

「私は(僕は)今の話をしている」。
このセリフの瞬間、ヒンメルとフリーレンをシンクロさせ、
さらにザインの眼前に手を差し伸べる親友の姿を重ねてみせる演出の意図ですが、
おそらくこれは過去の「想起」なのではなく、まさにこの瞬間、
時間の隔たりを越えて「今」が現前することを表現しているのでしょう。

心の願いを実現するのに、今更とかもう遅いとかいうことはない。
冒険に出発する機会は常に開かれている。それはザインにとってだけでなく、
ここに込められているのは「今」というものについての省察であって、
「冒険」とはすべての新しい試みを意味する比喩でもあります。

ただ、今話のポイントは、こうした一般的かつ教訓的な内容よりも、
旅をとおしてフリーレンの内面に生じた変化を描くことにあります。
そこで、もう一つの「対照」が重要になってきます。
すなわち、フリーレンの「かつて」と「今」。

「私は今の話をしている」。
今話の中でフリーレンはこのセリフを二度言っています。
やや強引ですが、この二つの「今」をこんな風に対比してみます。
最初の「今」はヒンメルに由来するもの。
二度目の「今」は変な表現ですが、フリーレンの"オリジナル”。

「まだたったの十年だよ。いま会いに行かないと近い未来に後悔するよ。」
「なんで今更って思っているでしょ。私は今の話をしているんだよ、ザイン。」

このヒロインがここまで熱くなる理由を説明するのに、
同族嫌悪の心理作用だけでは、どうも単純過ぎるように思われ、
もう一歩踏み込んで考えてみたくなります。

彼女の口から出た「後悔」という言葉。
そこに彼女自身の体験の反響を読み取ることができるのではないか。
物語の原点とも言うべきヒンメルの死に際して、彼女はこう言っています。

「人間の寿命は短いって解っていたのに、なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。」

あらためて実感した人間の人生の短さ。
このときヒンメルに対して抱いた痛切な「後悔」の気持ちが内部に底流しているがゆえに、
ザインの早すぎる諦めに余計に苛立ち、柄にもなく熱くなったのではないか。

他人の「今」に干渉することができるためには、
自分の「今」が確かな支点となっているはずで、
つまりはあの時の涙によって開かれたフリーレンの「今」を、
自分はどうしてもこの行動の中に見出だしたいと思ったのです。


・・・とまあ、こんなような推論をしてみたわけですが、
あらためて考えてみた結果、ピントがズレていたのだと悟りました(笑)。

このエピソードには薄雪草さんの見事な注釈があります。
ヒンメルと出会うまでのフリーレンの一千年に即して、
彼女の「今」と「後悔」の本質を丁寧に読み解かれたレビューを参照すれば、
問題になるような点は最初から無かったのでした。
どうやら初回のフリーレンに過度にこだわってしまったがための、
当方の恣意的な解釈だったようです。 "今更" ですが…。

薄雪草さんのレビューは、こう結ばれています。

 ところで "今更" ですが、同族嫌悪は自己嫌悪のことでもありますから、
 ザインの10年とフリーレンの1000年は、"今を選ぶという点において質も量も違いはない"
 という受け止めが "オチ" なのかもしれません。

エルフが生きる長大な時間と人間に与えられたわずかな時間。
物語の基盤となるこのコントラストは、最終的には等しい価値をもった「今」に収斂され、
そこに「対称」が成り立つ。・・・当方の観点にこじつけるとこんな感じでしょうか。

ご卓見のおかげで、こちらも何とかまとめることができたようで、
いつもながらのご炯眼にあらためて恐れ入った次第です。
因みに本稿のタイトルも一部パクらせていただきました。重ねて感謝です。{/netabare}



以下は先月投稿分。

「心象の花々」

{netabare}レビューではさんざん迷走したものの(汗)、
本作は間違いなく、近年のアニメ界における最高の収穫だと思います。
自分の迷走の原因はむしろ、普通に賞賛の言葉を重ねても意味がない気がして、
無駄に気難しい観方をしたり、無理に深堀りしようとしたためでした。
硬直した思考でこの作品を論評してはならない・・・多分。

その反省を踏まえ、アプローチをぐっと変えて総括に臨みます。

まず取り上げておきたいのは、「花」のメタファーについて。

そもそも人間のいのちの短さ、儚さを「花」によって象徴することは、
記紀神話のコノハナサクヤヒメ以来、本邦にも連綿と続く伝統があるように、
人類史の始まりから存続している最もポピュラーなシンボライズであるゆえ、
本作にそれが及んでいたとしても何ら不思議はないわけですが、
敢えて言挙げするのも気が引ける位、ベタな感じがするのも確かです(笑)。

それでも書いておかねばならないと思った理由は、最終二話にありました。

あらためて言うまでもなく、「千年生きてきたエルフ」という本作のヒロイン設定は、
必然的に物語に二つの視点を導き入れます。すなわち、

エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

驚くべきことに、最終盤でこの両者を同時に我々に示して見せたのはフリーレンではなく、
彼女と対峙したゼーリエの方だったのです。これには意表を突かれました。
・・・というわけで、第27話終盤の場面から繙いてみることにします。


二人の対面は、全編のクライマックスとも言うべき"対決"となります。
愚弄し挑発するゼーリエ。それを淡々と受け流すフリーレン。
そのやり取りの中で、きわめて重要なある経緯が明らかになります。
かつて、ヒンメルがフリーレンを仲間に選んだ、その理由について。

「きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
 ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
 先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。」

本人が述懐するように、ヒンメル少年との偶然の出会いと、
偶然見せた「花畑を出す魔法」がのちに彼らを結びつけるきっかけとなります。
それは魔王討伐の旅というだけではなく、彼女を人間の世界へ、
人間の「時間」へと向かわせるベクトルを内包した、いわば運命の分岐点でした。

こうして「仲間にめぐまれた」フリーレンとは対照的な、孤独なゼーリエの姿を、
皮肉にもこの同じ魔法が照射する、その仔細を辿ってみます。


さて、この対話中、ある花のカットが挿入されます。
六枚の花弁のある白い花。明らかにフランメの墓を包んでいた花畑の花で、
フランメを暗示するメタファーと捉えて問題ないでしょう。が、
実はこのメタファーには、さらに深化した意味合いを含んだ"展開型"が存在します。

フェルンの面接の際、魔力の揺らぎを見破った彼女にゼーリエが弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬、水に散る白い花びらのカットが現れます。
例のフランメの花らしく、ラストシーンでもう一度、意味深に映されます。

さらに回をまたいだ次の最終話、デンケンとの面接の場面にも引き継がれますが、
そのシーンの内容と付き合わせて含意を推測すると、おそらくこのイメージは
老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、つまりは人間の宿命を暗示しているようです。

ただここでは、単に暗示の意味対象や内容を知るのみでは十分ではなく、
重要なのはこの散った花びらがある「心象」を表現していることなのです。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?

花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが捉えられます。
この流れから想像するに、花びらはゼーリエの抱く心象と見て間違いないでしょう。
おそらく、彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、フェルンを見て一瞬、
予感のように心をよぎった・・・そう、自分は解釈しています。
(最終話の、水面の花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりする仕草には、
常に先立たれる者の虚しさとやり切れなさが表れています。)

そのゼーリエの「心」がすべて明かされるのが最終話。
フリーレンがレルネンに伝えた内容として、前回の場面の続きが再現されます。

ゼーリエの前から退く間際、フリーレンが問いかける。

 「この花畑、魔法で作られたものだ。・・・先生が好きだった魔法だ。
  くだらない魔法だって言っていなかったっけ?」

この皮肉に対してゼーリエは意外なほど率直に、自分の心情を打ち明けます。

 「・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。」

広壮な屋内庭園の内部にある、フランメが好きだった魔法で作られた花畑。
その中にはフランメを象徴する(生前好きだった?)白い花も混じっています。
その花々を眺めながら亡き弟子たちの一人一人を思い出し、彼らの短かったいのちを想う。
ここがそんな追憶の場所であったことが、彼女の言葉から想像できるのです。


では、なぜこんなイメージの読み解きが必要なのか?
それは、ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
つまり彼女もまた「葬送のゼーリエ」だったという事実、
その理解をとおして、作品全体を基調音のように一貫する「葬送」のモチーフが、
漠然とした雰囲気ではなく、実感的に把握できるようになるからです。

作中にあらわれる花のモチーフは、フランメの花畑もヒンメルの蒼月草も、
いずれもフリーレンが関わった大切な人間たちの記憶と結びついています。
さらにここにゼーリエの「花びら」が加わることによって、「花」のイメージは
エルフが人間に対して抱く普遍的な「心象」へと昇華され、同時に、
本作の「葬送」のドラマもまた、普遍的な「追憶の物語」に深化されるのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、あらためて俯瞰してみると、本作の物語には二つの軸があり、
それらが絡み合いながらストーリーが紡がれていきます。
すなわち「魔法」、そして「旅」。

それはそのまま、フリーレンの生きてきた軌跡に当てはまります。
生ける伝説となった魔法使いは、魔法の世界ではひとり孤独だった。
彼女を解放し、新しい世界に触れるきっかけとなったのは、仲間たちとの旅。

 ― フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
 ― 私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
 ― くだらない理由ですね。
 ― そうだね。

"くだらない"魔法をよろこんでくれる、馬鹿な人間の仲間と出会ったことで
フリーレンは孤独な一人遊びから脱け出すことができました。

旅は自由な世界。そして魔法もまたそうあるべきだ、と彼女は考える。
作品が高く掲げるものは、自由の価値。関係の意味。そして運命の可塑性。

・・・個人的には一応、こんな総括が可能ではないかと思うのです。{/netabare}



以下は昨年10月の投稿。
第2話のエピソードを、主に演出に寄せて読み解いたもので、
上のレビューの内容をテーマ面から補足するという意味で、残しておくことにします。
序盤が終わったころの投稿だけに、ネタバレ対策が鬱陶しいですが悪しからず…。

「蒼月草と青い魔法」

{netabare}原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が軸糸であるとすれば、
ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}



2024. 5. 6

投稿 : 2024/07/06
♥ : 19

60.7 2 ファンタジーで戦いなアニメランキング2位
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (165)
397人が棚に入れました
全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!! 修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。 召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。 突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。 だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、 ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。 飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。 夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ! ……かに思われたが……。 「死ね」 夜霧はその一言でドラゴンを撃退。 なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!! 元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。 そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼?   やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者? そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが! 前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年とちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

死と世界の構造と道徳と…思想的になる面白い話でした。秀作認定でいいかも。

 結論から言ってかなり面白かったです。秀作認定してもいいかもしれません。しかし、この何でもありのチート設定が、なぜ面白いのかは考える必要があるかもしれません。

 まず、世界観が恐らく作り込まれているんだろうな、というのは感じます。多元宇宙というより多層的な構造を上手く作り込んだのでしょう。
 元の世界のセーフティが干渉してきたと篠崎綺香の組み合わせ、シオンとマナの関係とか重層的な視点がなかなか面白い世界観だなあと感心しました。異世界の適当な設定に見えますが、SFマインドを感じるなかなか深い設定です。

 その多層的な世界の中で、それを相対化してしまうアルファオメガという概念ですね。これが上手く機能していました。まあ、深読みすると死というのは人間どころか宇宙ですら避けられない定めです。どんなに大きな構造をみたとしてもいずれ滅びがくる。それを上手くキャラ化したのは画期的ではないでしょうか。

 その死との付き合い方ですが、それを分かりやすくしていたのが高遠の名前を貰った(職員の)お姉さんのほうでしたね。壇ノ浦知千佳もそうでしたが、死の隣にいて平気だというのは言葉を変えれば「悟り」ですからね。

 ラストのお姉さんの道徳観は…うーん…もうお姉さんの行動で見せて欲しかった気もします…いや、もう見せてくれていた気もしますので無くてもよかったかな?まあ、ラスト数十秒がこの作品の意味だとすれば入れて良かったのかもしれませんけど。

 この物語の行く末がどうなるんでしょうね?私としては主人公が自分に対して殺意を持った場合を見たい気もします。

 まあ、そういうお堅いことを言わなくても、サブキャラが上手くできていたし、シオンという存在の謎も機能していたのでストーリーになっていたので、普通に面白かったです。
 偶然なのか意図的なのか…ワンパンマンに触発されただけなのか…更に上を行く思想があるのか…その辺はよくわかりません。
 普段から死とか強さとか世界とか漠然と考えているだけかもしれません。作者が意図的に思想を上手く物語化して、こういうチューニングにしたのだとしたら、大したものだと思います。

 例えば化物語シリーズに出てくる「暗闇」も絶対的な死ですが、あれは非常に観念的で説明的ですよね。その点では本作の方が死を上手く扱えている気がします。

 一応の結末を描けたのも高評価ですね。もちろん続くのでしょうが、主人公の生い立ちというか、主人公=死が描けていたのでここまででもいろいろ感じることができました。

 この作品を酷評すると殺されるかも…と想像してしまうくらいには作品に入り込みました。

 作画はまあそこそこですが、女の子は可愛かったですね。壇之浦さんは気合いが感じられました。
 世界観、設定、キャラ、ストーリー、思想…どれをとっても良くできていたと思います。音楽と作画が若干ついてこれなかった気もしますが、このくらいのデキの方が帰って見やすかったかもしれません。




 1話目からOP含めて情報量が多すぎてどんな話になるのかまったくわかりません。

{netabare} ちょっと見た感じだと、主人公は昔子供のころにこの世界に来たのか、能力を授かっていた?記憶が残ってない感じもあります。いつものあれ?なんかやっちゃいました?系の俺TUEEE…ですが、もうちょっと自覚的みたいです。
 賢者様のセリフで無能力者に何かがありそうな雰囲気はありましたね。

 魔法ファンタジー世界と未来ぽい感じが混在しているので「勇者、辞めます」みたいに昔に文明あって…になるんでしょうか?「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」とか「聖剣学院の魔剣使い」みたいな設定上等で適当な異世界なのかわかりません。

 OPではヒロインは武道が出来るみたいだし、完全に和風の道場みたいなところでお化けと戦ってるし、お化けは後から仲間になる…みたいです。
 EDがここに来るまでの出来事の説明なんでしょう。サラリと流しておしまいにするのかな?次回からは別のEDになるんでしょうか?

 主人公がゲームをずっとやっているのもちょっと気になりますよね。田んぼとか出てくるから、現代日本が舞台でゲーム世界に入っている?かな、とも思わなくはないですが、なろう系なら題名が異世界である以上異世界だと思います。

 うーん…やっぱり、まだ情報が多すぎてよくわかりません。2、3話見て展開しだいです。

 主人公とヒロインの髪の毛の作画も、絵としての情報量がそこだけ多くて気になります。 {/netabare}


2話 相変わらずの情報量。ヒロインが可愛く見えてきました。

{netabare}  変なお化けでた!で、コンシェルジュ?吸血鬼?で、あのロボットはなに?侵略者ってことは自分で来たの?考察厨の私でも良く分かりません…というか考察する気にもなれず。侵略者?異世界に階層というか座標があるって言ってましたが…本当に情報量が多すぎて全然わかりません。

 ただ、1周回って逆にアリなのか?ヒロインがちょっと可愛く見えてきた…SFみたいな武器とか言っちゃってるし…働く魔王様の初期のチーちゃんみたいなキャラで、ちょっと癒されます。

 文明の設定どうなってるの?とか、キャラデザ適当過ぎるだろう?とか、作画は中盤は本当にひどすぎるだろう?とか、もうこういう話だから全然気になりません。文句言いながら見ちゃう感じでしょうか。{/netabare}


3話 壇之浦さんのメタ視点のツッコミがご都合主義を相対化している?

{netabare} なんだろう…ちょっと面白い…アニメを沢山見すぎて感覚がおかしくなったんでしょうか。シリアス要素がありながらも、世界観も主人公の能力は滅茶苦茶で、正直普通なら見てられない話なんですけど、妙に面白いんですよね。

 で、自分なりに理由を絞り出すと、ヒロイン壇之浦さんがこっちが思っているセリフを先取りして言ってしまうので、すべてのツッコミが相対化されてしまうからかな、と思いました。

 究極の俺TUEEEという点でワンパンマンメソッドと言えばそうなんですけど、違いはジェノスと壇之浦さんの役割の差ですね。ワンパンマンも本作も決して主人公に感情移入できませんが、そのサイドにいる人物の視点になります。

 ジェノスが戦いの主体で引き立て役・狂言回し・解説役であるのに対し、壇之浦さんが物語から遊離してメタ的な存在とマスコットという役割だからでしょう。

 ただ、本作とか「もふもふ」「悪役令嬢レベル99」「俺だけレベルアップ」とかが面白く感じている私は、ちょっと末期かもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 14

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(最終)これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼwww

【レビューNo.110】((最終レビュー)初回登録:2024/3/22)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
まあ少し違った切り口からこの作品を語ってみようかと。

(ストーリー)
面倒なので省略

(評 価)
・大きな括りでみればよくある「低予算なろう作品」
 大括りでみれば、よくある「すっとぼけ系主人公がチート能力で異世界で
 無双する『低予算なろう作品』」になります。なので
 ・粗を探して観れば、いくらでもツッコミどころ満載
 ・「こういうもの」として割り切り脳死で観ればそれなりに楽しめる
 って感じで、視聴者が「どこにハードルを設定するのか」により評価が変
 わってくるという話でしょうか。

・「Z世代」を象徴したような主人公
 しかし見方を変えてみると、結構いろいろ斬新だなっとw
 すっとぼけ系「俺tueee」主人公ということですが、従来の「無自覚系」で
 「また俺なんかやっちゃいました?!」
 というのとまた違うのかなっと。何というか「無欲・淡泊系」というか、
 執着がないって感じなんですよね。
 ・仲間意識が希薄
  この手の作品にありがちな「仲間思いの正義感あふれる主人公」って
  感じが皆無。ヒロインと旅していても「成り行きで飛んでくる火の粉
  を振り払ってるだけ」みたいな。
  観ていて「ヒロインを守るために」って感情とかが薄いんですよね。
 ・恋愛感情・性欲が皆無
  巨乳でかわいいヒロインと2人きりで旅しているのに、「ラッキースケ
  ベにドギマギ」とかがあるわけでもなく、そもそも
  ・「異性として全く意識してないだろw」とか
  ・「根本的に他人に興味ないだろw」とか
  いう感じなんですよね。
 ・守りたいもの→「ゲームをする時間だけ」
  チート能力があっても無欲で、「ゲームをする時間だけあればいいや」
  で面倒ごとは「タイパ重視」でちゃっちゃと終わらせようみたいなw
 思うに原作者は「『Z世代』を象徴した主人公」を描きたかったのに違い
 ないとwww
 執着を持たないなかなか斬新な主人公だなっと。
 (「Z世代」は正確にいうと執着がないのではなく、「失われた30年」の
  あおりをモロに受け、執着をしたくてもいろいろあきらめざるをえない
  状況下にいるのだと思うのですが)
 
・これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼ
 「呪術廻戦2期」は1期以上に作画が凄かったですね。特にバトルシーンと
 か。もうTV版じゃなく劇場版レベルでしたね。
 しかしこのクオリティーを維持するために、人海戦術とかタイトなスケジ
 ュールで綱渡りとか制作現場はかなりの惨状だったという話も。
 (アニメーターさんがTwitterでぼやいていたとかw)
 本作はそんな「呪術廻戦」に真っ向から喧嘩を売っていきます。
 ・主人公が「死ね」とつぶやくだけで、敵がバタバタ死んでいく。
 ・なので本来なら見どころのひとつである主人公のバトルシーンに全く見
  どころがない。というかバトル自体成立してないだろうw
 って感じなのですが、しかし見方を変えてみると
 ・そもそも「低予算なろう作品」が体力ある「呪術廻戦」と勝負しても勝
  ち目あるわけないやん。
 ・それなら極力バトルシーンを省力化した方がいいやん。
  (どうせ低予算でバトルシーン描いても「作画ガー」で叩かれるし)
 ・バトルシーンが省力化できる本作は、お財布に優しい「低予算なろう作
  品」の救世主やん。
  (面白いとはいっていないw)
 思うにこれは「作画至上主義」ともいえる「呪術廻戦」に対するアンチテ
 ーゼに違いないとwww
 これも「コロンブスの卵」的な発想がなかなかに斬新だなっとw

まあ半分ネタとして書いてるわけですが、切り口を変えてみてみるとなかな
かに斬新で面白みのある作品なのかなあっと。
「呪術廻戦」が白鳥の如く、優雅な姿の水面下で必死に足掻いている様を横
目に、こういう作品をぶつけてきたのは個人的には結構ツボりましたね。
作品自体は脳死で観ているので、まあこんなもんかって感じですが。
ここにきて登場人物がかなり増え、いろいろな勢力が思惑をもって動いてい
るような描写もありましたが、あと数話でどう風呂敷を畳むのでしょうか。
バトルロイヤル的なもので主人公が一気に処分してしまうのか、投げっぱな
しENDで放り出してしまうのかw

あとOP曲「Killer Bars/Hilcrhyme」は個人的には耳に残り結構好きでし
たね。綺麗に韻を踏んでるのはさすがHilcrhyme。

一応中間レビューではありますが、最後まで観ても書きたいことは変わらん
だろうなっと。

(2024/3/22追記)
状態 →「観終わった」に変更

・とりあえず思い付くままいろいろねじ込み、カオスな状態にw
・収拾がつかなくなると主人公のチート能力で「処分」
・そしてお約束の「俺たちの戦いはこれからだ」END
しかし風呂敷を広げても、最後は「死ね」で解決できるんだから、制作陣
にも便利なチート能力だよな。
まあ何かと制作陣に優しい作品だったということでw

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ての敵を即死させる最強主人公爆誕!!

この作品の原作は未読です。
タイトルからチート無双系の作品であることは分かっていましたが、まぁ半端ありませんでしたね^^;
なお、原作は全15巻で完結しているようです。


全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!!

修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。
召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、
賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。

突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。

だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、
ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。

飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。
夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ!

……かに思われたが……。

「死ね」

夜霧はその一言でドラゴンを撃退。
なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!!

元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。
そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼? やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者?
そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが!

前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年と
ちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

まぁ、深夜アニメでしか放送できない作品でしたね。
主人公の持つ即死チートのえげつなさがヤバいくらい凄いんです。

主人公らに敵意を見せた相手の命は、きっと真綿より軽い…
そういう場面をまざまざと見せつけられた感じです。

ここまでくると、嫌悪感というより作品への慣れからなのか、あまり何も感じなくなるんですよね。
しかも、その場にいない相手だって即死させられるんだから、一層質が悪いです。

とみたんボイス、ほっちゃんボイスを堪能できたのは嬉しいと思いました。
他にも旬な声優さんがたくさん起用されているんですが、主要登場人物以外の出番はほんの少ししか無かったので、ほぼ印象に残らなかったのが残念だったかな^^;

主人公がダウナー系でヒロインがちょっぴり残念な美少女に位置付けられるんでしょうね。
ダウナー系…周囲の人間の気分を暗くする人、または常に暗い気分でいる人やさまを意味する単語だそうです。
確かにけだるそうにしていたから、一応そんな感じかな。

という事は、とみたん演じる壇ノ浦 知千佳がちょっぴり残念な美少女…!?
主人公にキレッキレのツッコミを入れる美少女の方が合っている気がしますけれど^^;
少なくても私には残念要素は見当たらなかったかな。

wiki先生を見て面白いと思ったのは、主要登場人物に下野さん演じる花川 大門が入っていたこと…
確かに他のクラスメイトと比べたら出番は多かったと思いますが、決して立ち位置的には主要登場人物枠には入らないと思うんですけど^^;

アニメーション制作は、アース・スター エンターテイメントさん。
あの超早口アニメ「てーきゅう」を制作した会社です。
思い返せば、フルタイムの作品を最初に制作したのは2013年に放送された「世界でいちばん強くなりたい!」でした。
当時は「本当に制作できるのか!?」的に自虐ネタで宣伝していましたが、それから10年が経過しようとしています。
時間の流れの速さを改めて感じた気がしました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Hilcrhymeさんによる「Killer Bars」
エンディングテーマは、ウタヒメドリームの桜木舞華(鈴木杏奈さん)による「Haze」

1クール全12話の物語でした。
圧倒的なチート能力を気軽に楽しめる作品…といったところでしょうか。
主人公らは元の世界に帰りたいと言っていました。
果たして本当n帰れるのか…気になったら原作で、という感じですかね^^
総じて楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 9

87.3 3 ファンタジーで戦いなアニメランキング3位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1286)
6337人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

83.6 4 ファンタジーで戦いなアニメランキング4位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (587)
1951人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

本日からサブスク各種順次解禁!

昨日までディズニー独占配信でしたが
本日からほかのプラットホームでも
配信が解禁されています

原作は少年ジャンプのweb版ジャンプ+で連載していた漫画で
完結してすぐアニメ化の発表がありました

紙面の制約を受けないジャンプ+では
かなりたくさんの作品が連載されています
全体的なレベルは掲載作品を絞らなきゃいけない
ジャンプ本誌よりも低いと思いますが
その中の上澄みの部分だけを持ってくれば
本誌に負けないどころか
もしかしたら勝ってるんじゃないないの?
ってくらいにレベルが高いです

サマータイムレンダと同時にアニメ化された
SPY×FAMILY、阿波連さんははかれない
少し前にアニメになっていた彼方のアストラ
既にアニメ化が決定している地獄楽、怪獣8号
読み切りや短期連載で話題になった
ルックバック、タコピーの原罪などなど
そんな中で安定して高い評価を得ていたのがこの作品

作者の田中靖規はもともと
ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦のアシスタント出身で
週刊少年ジャンプで「瞳のカトブレパス」や「鍵人」を連載していました
それぞれオカルト系能力バトルとファンタジー系のバトル漫画で
どちらの作品もあまり長生きはできなかったのですが
バトルシーンの迫力には定評がありました

・・・というところまで知っていれば
この作品がどういう作品なのか
作者がどういうものを描きたいのか
なんとなくわかってもらえると思います

ちょうどアニメが始まってすぐの頃
あにこれのチャットで原作に触れていない人たちと
この作品の話をする機会があって
序盤の2~3話まで見た人たちが
ミステリとかサスペンスみたいな方向を期待していて
ネタバレなしだとほとんど何も言えず困ってしまいました

原作を読まなくてもわかる情報として
田中靖規のそれまでの作風や経歴を話すのが正解だったのかな?
と今では思っていますw

アニメ組同様全く情報がない状態からだったのが
声優キャスティング
特にヒロイン姉妹の二人です

アニメ化が報じられた時の印象は
網代慎平:花江夏樹
また鬼滅便乗か・・・
小舟潮:永瀬アンナ
小舟澪:白砂沙帆
・・・誰?

人気絶頂の花江夏樹に主人公を任せて
ヒロインには売りたい新人を無理やりねじ込んだ
というようにしか見えなかったので
はっきり言って不安しかありませんでした

しかし、ふたを開けてみたら
このヒロイン二人がイメージにぴったりというか
登場シーンの時点でもう
ずっと昔からその子がその声で話しているのを聞いていたかのような
既視感(既聴感?)を覚えるくらいでした

よくまぁいい新人を見つけてきたなぁ
というくらいに思っていたのですが
放送後に実はそうではなかった
ということがトークイベントで判明しました

今回のサブスク解禁の宣伝のために
放送終了記念の無料イベントが開かれ
Twitter上での募集で定員280名に対し
3000名以上の応募があったようですが
無事選ばれたので行ってきました

倍率10倍以上のイベントに当選するなんて運がいい
と思う方もいるかもしれませんが
イベント概要に「抽選で」とはどこにも書いてありません
宣伝になりそうなアカウントを280名選出して招待しているんですね
抽選販売という方法だと恣意的な選別ができなくなるので
宣伝費と割り切って無料イベントを開催するわけです

実際この手の無銭イベントは
ここ数年一度も外れたことがありません
ある程度(数百人で十分)フォロワーがいて
定期的にアニメ関連のツイートをしてれば
高確率で選ばれると思われます

ちなみにこれが私があにこれよりも
Twitterでの活動を重視するようになった
理由の一つでもあります

トークの内容はほぼネタバレなので
視聴後に読むことをお勧めします
{netabare}
それぞれのキャラクターの名シーンを
キャスト・スタッフ・原作者にアンケートを取って
その中から一つずつ劇場スクリーンに流して
トークしていくという企画でした

網代慎平{netabare}

選ばれたのは体育館での演説シーン

花江夏樹:長回しのとこは大体何度も撮り直してる
このシーンは2〜3ページずっと自分のセリフで
台本一回開いたあと心が折れかけて
そのあと2〜3日開けませんでした

渡辺歩監督:それまで人付き合いが苦手だった慎平が
覚悟を決めてみんなと向き合う大事なシーンだと思う
尺をカットすることもできたが花江さんに頑張ってもらうことにした

花江:方言で演技をするのが難しくて
かなり苦戦しました

小泉紀介音響監督:ここは花江くんに
リアル慎平になってもらった
少し時間ずらして
方言のセリフガイドを耳から聞きながらやってる
花江君には2秒先が見えてる
そんなやり方聞いたことない

花江:絶対その方がやりやすいって人もいると思います
次から方言は最初からそれを用意してあげてください
外画の吹き替えなんかに近いイメージです

さらに会場にはいらっしゃらなかった
原作者のコメントとして
「慎平は本来リーダーシップをとれるような性格ではないので
ここはあんまり綺麗なセリフになりすぎないよう
一発書きであえて整えずそのままにした
慎平には思いついたことをそのまま話すことしかできなかった
だから演技も整いすぎていてはダメだと思っていたのが
花江君が覚醒して本当に慎平がそこで喋っているようだった」
というようなものが読み上げられました

原作もアニメも一番盛り上がったのは
ほぼやられる一方だった慎平たちが
背水の陣で真正面から戦う
体育館での総力戦だと思っているので
そこに繋がるこのシーン
とても重要で印象深いシーンでしたね{/netabare}

小舟潮{netabare}

永瀬アンナ:(登壇してすぐ)こういうのは
中学校の合唱コンクール以来なので
すごい緊張してます

選ばれたのは三話の特殊エンディング

脇目も振らず走ってく慎平
cadodeの音楽
遠くで上がる花火

永瀬:エンディングの入り方が神
澪の隣りを駆けてく慎平で
澪せつな・・・って

白洲沙帆:振り返ってくれてもよくないですか・・・

渡辺:ここのシーンには元々力を入れるつもりで
発注するときに原作わたしてここのイメージでって
cadodeに曲を作ってもらった
そしたら思ったより凄いのがきちゃって
アニメが曲に負けないように必死だった
でもこうやってスクリーンで見ると・・・
いいんですけど、もう少し細かくしないと
劇場版としては作り直さないとだめだね

3話のラストは本当によかったというか
あのシーンを見るまでは
原作ファンとして不安な部分も多かったのが
ああこのスタッフはきっと大丈夫だな
って思えるワンシーンでした

さらに追加で流れたシーンが
23話の慎平の告白と
最終回の再会シーン

永瀬:(23話のシーンは)花江さんが潮だけを見てくれて・・・
最初の頃は潮がリードすることが多かったけど
最後はこうやって慎平がひっぱってくれてうれしい
第8話のモノローグとかでも
花江さんに好きって言ってもらえてうれしかった
最後のシーンも何パターンも取り直したので
何回も何回も色んな形で好きって言ってもらえて
ありがとうございますってかんじで・・・

花江:慎平が潮を好きって話だからね!
僕には妻がいるからね!
監督や田中先生と相談しながら
慎平の心情を想像しながら
色々なパターンをやりましたね

白洲:(25話について)同じ収録日で
アンナちゃんと二人だけだったので
ラストのおかえりを録るのを一緒に聞いてた
生で聞いた瞬間それまでのことが
脳裏にふぁーっと蘇ってきて
あ、これだー!って思ったら
ブースの中で大人の人たちも
ガッツポーズして大喜びしてた

永瀬:最終回のおかえりは100回以上やった
最後はだいぶ疲れてたけど
逆にそれがはまったみたいで
スタッフの皆さんがうんうんってうなずいてた

小泉:キャスト陣がやればやるほどどんどん良くなっていくので
もっとやればもっといいものが出るんじゃないか
って欲が出ちゃう

渡辺:正直な話すると
アフレコ終わりたくなかったってのもあった
これが終わったら永瀬さんは潮を卒業しちゃうと思うと
そのままずっとスタジオに閉じ込めておきたかった

ラストに後期EDを流すところに関しては
それまでずっとあの失恋ソングは澪を歌った曲だと思ってたので
いまいちしっくりこなかったんですよねぇ・・・

しかし、新人にしてはよくやってると思ったヒロイン姉妹ですが
ものすごいスパルタで納得のいくものが出てくるまで
ひたすら録り続けてひねり出したんですね・・・
怖い現場だ{/netabare}

小舟澪{netabare}

流されたシーンは窓の再度の告白を断り
慎平に告白して振られるところ

河瀬茉希:ここは失恋ブラザーズ(朱鷺子、窓、澪)で録った

小野賢章:矢印が→なのよ・・・
(当日の席順、朱鷺子、窓、澪、慎平、潮)

白洲:花江さんとご一緒できなくて
まだ声が入ってないところに
一人で告白シーンを入れなきゃいけなかった
うまくできなくてかなり回数付き合ってもらったとき
二人がめちゃくちゃ優しくて
「今の良かったけどなぁ」
「私は好きだけどなぁ」
って後ろで声かけてくれた

河瀬:あ、ディレクションに文句付けてたわけじゃないですからねw

白洲:あとで花江さんの声が入った完成版みて
もう一回画面越しに
澪と一緒に自分も振られたような気がして
悲しくなって泣いた

花江:俺はどちらかというと澪派だからね

一同騒然

永瀬:…
(目が据わってる)

花江:潮はもちろん大前提としてね・・・
ほら、どっちもかわいいよね

原作者メッセージで
「澪と影澪をうまく演じ分けてくださったので
キャラクターの人間性がいろんな角度から見えて
真に迫るものになりました」
というものが読まれて

白洲:澪と影澪の掛け合いは
一番苦戦したところで
遅くまで付き合ってもらって・・・
どうでしたか?

小泉:放送できたんだから
良かったんだと思いますよ

澪は一人二役というか
影澪も前半と後半で大きく変わるので
実質一人三役くらいの重さはあるので
新人に振るのは酷な役だったように思いますね{/netabare}

南方ひずる{netabare}

選ばれたシーンは
最期のシーン

小西克幸:ここは方言がないから
お芝居に集中できるって喜んでましたよね?

日笠陽子:シーッw
第一話の時にひずるは島に忘れ物をして
子供のまんまでいるキャラって言われて
そのひずるが命を使い切るまでに
どれだけ成長したかを表現したかった
あとバトルものをやるときによく
(小泉)紀介さんと話し合っているのが
自分のキャラが今どこに傷を受けていて
それでそういう発声になるのかで
今回のひずるのときもよく話し合ってましたよね

小泉:・・・多分

日笠:なんでわすれてるのー!?
最初の方は喉つぶされて
かひゅかひゅ言ってたり
最期の方は腹をやられて
もう力が入らないとか

渡辺:おっしゃる通り
全身全霊の演技で
本当に死ぬんじゃないかってくらいw
登場したての頃から傷だらけのことが多くて
一番入りが難しいキャラクターだった
龍之介の演技を最初に聞いたときは
小泉さんと二人で椅子から転げ落ちそうになった

日笠:龍之介も私が先に演じなくちゃいけなくて
その時の監督の説明が面白くて
「中二病なんですよ、中二病で慎平にマウント取ってるんですよ」
その監督の独特のセンスで
それでいて真理をついているのがすごいと思う

渡辺:その二面性とあと作家っていう職業の持つ客観性
だから感情を出さないようにってお願いしてました

花江:日笠さんは方言でNGが出たとき
納得がいくまで自己リテイクするのがすごいと思った

日笠:そうだっけ?

花江:監督がもうOKって言ってるのに
今日はもうてっぺんまで行きましょうみたいな

小泉:言ってた

日笠:方言を意識しすぎて
芝居になってないのが自分でわかる
だからできなすぎて自分に切れてた

花江:イントネーションで芝居をしたいのに
方言のせいでそこで芝居ができなくて
どうしたらいいかわからなくなる

日笠:花江君も苦労してたよね
一度花江くんがどういう風に予習してきてるのか知りたくて
台本見せてもらったんだけど
私のと全然違った
花江くんは標準語のとこにマーカー引いて
上がり下がりとかが書き込まれてて
なんか音符みたいだった

花江:アクセント辞典の記号の振り方を参考にしてる
日笠さんの台本はふざけてた

日笠:ふざけてないよw

小泉:顔とか書いてあった

日笠:あ、顔は書いてある

花江:あとは似たようなイントネーションの
別の言葉とかがごちゃごちゃっと書いてあって
逆に普通は無理だしすごいとおもった

日笠:人それぞれってことだよね

他の現場では若手を引っ張っていく役回りの
日本を代表する売れっ子声優のこのふたりが
苦しいって弱音を吐く現場って…
日ごろから舞台挨拶なんかを回ってる身からすると
ちょっと考えられないくらいヤバイ現場だったようです
新人二人にも相当ハードな現場だったはずですが
ヒロイン二人は場数が少なすぎて
現場がやばいのか自分の経験値が足りないのか
あんまり判断ついてないんだろうなぁw{/netabare}

菱形窓{netabare}

ハイライトシーンが
どれも前半のギャグシーンばかり

(その中でも合言葉決めで
山に対してメソポタミア文明と返すシーンを見て)
花江:この前ゲームしてるときに
山って言ったら普通に川って帰ってきた

小野:突然・・・ほんとに突然
山!っていわれて
え?…か、かわ?
ってかえしたら
そこはメソポタミア文明だろ!ってw
あと、ゲームといえば一緒にゲームするとき
台本チェック終わらせてからやるんだけど
分量も違うから僕が先に終わって
花江くんがゲームはしないんだけど
ちょっとゲームしてるの聞きながらやりたい
みたいに言って入ってきて
ミュートにしてチェック頑張ってたりするんだけど
時々そのミュートがはずれてて
あぁ・・・わかんねぇよ・・・
って悲痛な叫びが聞こえてきてた

花江:いや終わらないんですよ・・・
しかも月曜収録だったんで
前日の日曜日が半日台本チェックてつぶれて
どこにも遊びに行けないし
それが本当にきつかった

このふたりプライベートですごい仲いいのが伝わってきますw{/netabare}

菱形朱鷺子{netabare}

11話で朱鷺子が影に協力していたのを明かすシーンと
15話学校のバトルで影澪相手にロズとギルをけしかけるシーン

河瀬:一話の時に一人ずつ方言にダメ出しされて
自分は飛ばされたから
私は完璧か・・・と思ったら最後に
河瀬さんは訂正ってレベルじゃないので
別室でお願いしますって言われて絶望した

アンケートで11話のシーンを上げてたのは
兄役の小野賢章だったという話が上がって

小野:それまではおしとやかというか
物静かな印象だったんだけど
窓は割といつもばーっと言う方なのが
この時はテストのときからばーーーって倍返しされて
窓がはっとするんだけど
リアルに僕もうわってなって
この人は怒らせたらいけないなって思った

河瀬:そんなことないですよw
このセリフはオーディションのときからあって
いよいよこの回が来たかって感じだったんですけど
ほかのみんなはこの三日間戦ってるだけでも
朱鷺子はひとり10年以上秘密を抱えてきてて
そんななかで浮ついたお兄ちゃんの告白を見たりして
どんな感情が胸の内にあったのかなって考えたときに
怒りというよりも悲しみなんかが乗ったセリフだと思う
それでテストでバーンっといってドヤッてしてたら
「ハイ本番はもっと行きましょう」って言われて
本番よしもっとやってやるぞ!ってなったら
「ハイ方言が違います」って言われて
うわー--ってなった

一方15話を上げたのは花江

花江:原作読んでて爆笑しちゃったんだけど
赤ん坊のネーミングセンスとか台詞回しとか
ちょっと厨二病入ってて
自分の思春期を思い出して
そういうのにあこがれた時期があったなぁとw

朱鷺子も序盤と中盤以降とで
大きく印象が変わるキャラクターですね
河瀬さんはその落差を見事に演じられてました{/netabare}

雁切真砂人{netabare}

流れたシーンは
慎平に問い詰められて正体がばらすところから
EDに入って役者名のモザイクが消えていくところまで

最初はシデはクールな感じにして
真砂人とは演技を変えていこうと思った
そうしないとばれちゃうかなと思って
でも監督から
「加工するから大丈夫だよ
真砂人と同じ感じでやって」
って言われて
そのあと少ししてダビング終わったっていうから
どんな感じになりました?って聞いたら
「いやぁいくら加工しても小西君が消えなくってさ・・・」
って言われて小泉さんも
「すごく困りました・・・」
って
まぁでもこのシーンあたりからは
隠す必要もなくなって
楽しくやろうと思って振り切って
どんだけ嫌われられるか?ってテーマでやってました

小泉:このシーンのところは
現場の雰囲気作りが尋常じゃなくて
ブースで二人とも全く話してなかったですよね

花江・小西:うーん・・・どうだったかな?

永瀬:はい、話してないです

小泉:そのくらい緊張感がすごくて
リテイクでブースに入っていっても
うわこれ喋れねえって

小西:それぞれ自分の役のチェックに集中してただけだと思うよ

永瀬:新人に優しく無い現場でした
すごく怖かったです

小西:体を動かしてるバトルじゃないけど
言葉だけで戦ってるのがどうやったら表現できるか
ってのをずっと考えてた

花江:慎平の中ではもう最初から答えは出てたんだけど
それを悟られないようにしつつ
少しづつ表に出していくのが難しかった

キャストのモザイク取れる演出に関して

小西:こういうの見たここ無かったから
粋だなかっこいいなって思いました

監督:あれは最初普通にモザイクなしに変わってるだけだった
V編のときにスタッフが
せっかくずっとモザイクだったんだからって
取れていく演出をつくってれた

小西:あれ素晴らしかったですよ
おー!ってなりました

監督:私もおー!ってなりました

監督まるで他人事w
あそこの演出はほんのちょっとしたところなんですけど
印象深いシーンになってました

小西さんの演技は
前半ものすごい強敵オーラだったのが
終盤はすごい小物臭になってましたが
まぁ原作通りではありますねw{/netabare}

こんな感じでいろいろ収穫の大きいイベントでした
欲を言えばハイネ役の久野ちゃんにも参加してほしかった・・・
久野ちゃんは毎話ごとにTwitterで
その話数のアフレコエピソード等話してくれてたんですが
こういうイベントの会話の中で
ほかのキャラについての話なんかも
聞いてみたかったですね
{/netabare}

序盤からいろいろと仕込んだ伏線を鮮やかに回収していくストーリー
絶望的なまでに圧倒的な敵陣営との手に汗握る攻防
徹底的に妥協を許さないキャストへの演技指導により実現した
原作イメージそのままのキャラクターたち
作画も最後までハイクオリティでした

原作自体が終盤伏線回収が終わったあたりで
本来最後の山場を作らなきゃいけないところで
手札が尽きて失速した感があったので
瑕疵があるとしたらそのあたりでしょうか?

それを差し置いてもとてもよくできたアニメーションで
原作ファンとしてこれ以上ないアニメ化だったと思います

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最終話 視聴の仕方を間違えた気がします。追記 あれ?Dアニに???

 HDD録画が出来ない環境なのでTVerで視聴。1週間しか見られないのでちょっと細かくメモを入れます。あの配信サイトなのでウーン、という感じです。2クールと教えていただいたので、もう1つ独占があるので、6月と9月(7月と10月?)だけ加入かなあ。

 なお、アニメの作品として非常にレベルが高い作画ですが、少年ジャンプということでSF的な深さはそこそこの気がします。構造は非常にテンプレですし。この私の偏見を裏切って欲しいところです。

1話 複製人間の正体は?

視聴メモ
{netabare} レンダの意味がRENDERなのかレンダリングなのか。レンダーなら与える報いる返す。元の意味は形作るという意味です。レンダリングなら3DCGを画面処理するプロセスで良く聞きますね。数字データを画像化すること、でしょうか。

 冒頭のシーン スマホの時刻11;07 Sunday July 22 そして葬儀に帰って来たというセリフの時の日時が7月22日

 通常の視覚から金髪の娘に何かされるとノイズが入りました。手を当てられた前後でVR世界に入る、時間か空間が入れ替わっているなどが起っているのでしょうか。夢から目ざめますので、不連続な何かを感じます。
 プレゼントとは画面の感じから言ってオッドアイですから目の事?なんでしょうねえ。何かを見る力なのか。

 知っている人が知っている人ではない感じですから、人の入れ替わりものでしょうね。寄生獣みたいなものを連想します。

 OPの感じ…巴紋が出ますので神社が関係する。3つ巴なので3人同じ人がいるということ?影とか再生という文字もありました。人のコピーとか再生みたいな絵だったので、やはりそれを裏付けます。2周目3周目という文字とタイムテーブルがあるので、これが謎解きと関係するんでしょうね。

OP文字>>
 〇ルコ様、雁切真砂人、学校4年、島の…成り立ち、天沼矛、天沼、…呂島、紙垂彦、那由他、ハイネ、千代、正子
6;00 品川 新幹線乗る→8;36新大阪着 10;05和歌山着 南海…13;00

7月22日(日)は2周目?11;25、11;18 …フェリーで失礼…
1周目が7月21日?
漁、…ヶ島沖…、木材、…炭…、…漁師
影 ピカー、コピーA
影、コピーA、人間A 右上に首を絞めて殺しているような絵

1945(終戦時?)、髪、和歌山

21;00 南雲先生 境内へ 3周目 ループ 4周目へ

 主人公が銃で自殺するようなシーン。ループを確かめるために何かするんでしょうね。

 主人公 10年前に両親を亡くしコフネ家に引き取られる。
 ウシオの死体はちゃんとある。子供の頃の写真。島を出る日にカレーを食べたがる。葬式が神道。三巴紋だがちょっと違う?ウシオは潮。

 しおりちゃんは目の表現から言ってこの時点で偽物?

 あのおっぱいのお姉さんは何かの組織感がすごいですね。ミオちゃんがいきなり2人ですか。

 この時点で偽物っぽいミオとテンガロンハットの警官(駐在さん)が合う。ああ他殺ですねえ。吉川線というのは自分でつけた引っかき傷なので、誰かに首絞められた跡もある?シオリちゃん溺れる助けに飛び込む。
 貝殻のネックレスは何か個人を特定するギミックになりそう。ミオは殺した奴とはっきり言う。

 7月23日 主人公の偽物もいるみたいだし、行方不明に警官のチッですね。ミオの偽物にやられた?もう入れ替わりが随分進んでいるんでしょう。小早川家全員消えた。借金。しおりちゃんそっくりな女の子、見られている気がする。

 影の病。ヒルコ様…が影への対抗?矛が関係する?神社が対抗手段?
 お姉ちゃんの偽物。で、画面にノイズのようなものがあるので光学的な何かが仕掛けということ?

 やっぱり神社でましたね。そしておっぱいのお姉さんが…最後の演出からいってタイムリープかVRということでしょうか。冒頭のプレゼントの意味ですね。ウシオからもらった能力?あの迷路状の文様が何を意味するか。古代なのか迷い路なのか。{/netabare}

 仕掛けそのものはテンプレですけど、SFでそれを言ってはお終いです。論理性で見せるか、驚きポイントを作るのか。組み合わせでセンスオブワンダーとなるのか。楽しみな1作です。


2話 影 メモ

{netabare} 記憶は残る。スマホは同じく22日11:18。後ろ姿の男の作画はちょっと気になる…けど考えすぎな気も。

沼男 南雲竜之介 画面の文書を読む限り扼殺された男の小説らしい。絞殺と扼殺云々という文章からウシオにつながる?作中は2週間遡って7月10日なので7月24日の話?「鷺森」「親水」公園。電車の作画があるので、やはりタイムテーブルもの?
 これをわざわざ作画したということは何か関係がある?

OPはざっと見ると先週と変わらず。

 ミオちゃん突っ込んでくるのは一緒。ブレーキ切れてる。(先週の作画見たいけど…)、同じことの繰り返し。目の奥がチカチカする。ミオが警官を?つまり他人でも影は他人でも殺してOKのルールらしい。
 カレー喰ってるのが7時50分くらい。ストロボ状態のモノは…なるほど警官の姿形を移す手続きらしい。つまり光学的な処理ということ。
 消去したあとにあとが残る?記憶もコピーできる。思っていたより単純なルールだけど、タイムリープの主体は関係ない?俯瞰…タイムリープ。やっぱりウシオに何か能力を貰った?ソウからの電話でばれる。
 タイムリープのポイントが船内ではなく港到着時になる。

 刺された記憶と意識が残る。いや、あの自転車事故は大けがだろう。死なないの分かっているのに…

 眼鏡のお姉さんの通信。13:02 新大阪 取材0720は日付?
警官に働きかけ。嘘の通報。録画。
眼の色が違うことにここで気が付く。
キャミとタオルの色も位置も一緒の気がする。ただ、この作画が丁寧だしなんども見せるのはなぜ?
 録画は成功。影の話はミオから聞いたけど、「影の病」って1回目でもうちょっと後に爺さんに教えてもらったのでは?

 結果として小説の中身と、洗濯機の上のキャミソールが気になりました。{/netabare}

3話 忌中に夏祭り?大丈夫か?思ったより浅い??

{netabare}23日の8:10にコバマート 影で消される 床を殴った跡 シオリの後ろに大きな影。
俺は影の病に感染した?ストロボ状の光をあびると??影の病の定義は???影の人格というか性格とコピーであることは関係ないということ??
トツムラはもとのまま。
ウシオのスマホ…預かる。
明日(11月24日)夏祭り
ソウ 合言葉 山 メソポタミア文明 
ポスターなおしたのはなぜ?演出?
ミオからシンペイにネックレス渡す。

11月24日 ソウ、トキコ、ミオ、シンスケで夏祭り
調べたい事…忘れてくれ?

 なお、まだ死んで間もないのに、夏祭りで霊が戻ってくるみたいな話はないと思うけど。そもそも喪中…というか49日前の忌中で祭りに出ていいのか?というか親しい幼馴染とか姉とか死んだのに綿あめ喰って笑ってるのってどうなの???そういえば定食屋もやっているし…

 恋愛にしても、そもそもウシオとの関係どうなのよ?人の心理描写が不自然というか甘すぎる?

 パズルだけなんでしょうか?考察するのに値するんですよね? {/netabare}


4話 やっぱりウシオは死んでいたんですね。

 忌中云々の問題がありますがそれをさておいて、ウシオが死んで葬式をやって直ぐに祭りに出て告白するでしょうか。特に若い身内の事故死ですから、普通は喪失感で立ち上がれないと思うんですけど。

 それとパズルが複雑なのはいいんですけど、終盤に新しい設定が明らかになって設定で解決、にはならないですよね?進撃の〇人みたいに。
 新事実ならまあ許せますけど、新しい設定を後半に付け加えないでいただきたい。シラケますので。ちゃんと伏線を見せておくように、それだけはお願いします。

メモ

{netabare}  で、影の他に複製がいる、ということですよね。それがOPの文字でしょうか。影とコピー、オリジナル含めて3人いるということでしょう。そしてタイムリープ(ループ)。
 生きているウシオが何なのか、というのがパズルでしたね。貝殻のネックレスと記憶。

  このあたりはOP映像からいって隠す気はないみたいですね。問題は1話冒頭のシーンになりそうですね。あれはいつ、どこで、なんのウシオなのか。

 影はデジタルノイズのようなエフェクトが入ります。そしてウシオの影は以前には存在したのは振り返りの場面でありました。
 今登場しているウシオは影ではないのは確定です。
 
 オリジナルかコピーということですね。1話冒頭のセリフの記憶がありません。ウシオの登場の仕方からいってどうもオリジナルの雰囲気ですが、ただ、時間軸的に水着のまま何日か飛んでますので保護されていたか、やはりコピーじゃないと辻褄があいません。新しい後付け設定が出てこない限りコピーと思っていたほうがいいでしょう。
 1話冒頭は、本来存在してはいけないコピーが海に帰る場面でしょうか。つまり海でコピーは作られるという感じですね。コピーウシオが自分の真実に気が付いてシンスケに何かを教えて飛び込んで海に帰っていった?つまり最後の方までたどり着いた時間軸が以前あったということの気がします。

お母さんという敵ですが、神社は敵(影)なのか味方(コピー)なのか。

 小説の南雲龍之介という小説家の名前が出てくるのが2回目です。絞殺と扼殺云々という文章が何か関連するんだと思いますが、もちろんウシオの死因でしょうねえ。どうつながるんでしょうか。 {/netabare}


5話 ひぐらしの鳴く頃にのリメイク?マルチエンディングは難しいですが。

{netabare}  南雲龍之介はそうきましたか。これは驚きました。性別と名前を捩じりましたか。そしてあの赤い光の「母」までなら設定として許容しましょう。目の秘密がありますからね。

 でも、あとはキャラとしてあの老人と医者が何者か、南雲の姉とは。そしてウシオの影…あるいはコピーがどういう存在か、ですね。
 設定では神社の設定ですね。何より影の設定の説明にまだまだ何か追加されるか、どうか。

 これから設定がまだ小出しになるんでしょうか。2クールだとしてもキャラと設定過多になりそうです。もし謎解きものならそろそろ謎の考察に集中させてほしいかなあ。

 これ以上キャラと設定を重ねられると飽きてきます。考察の意味がなくなりますので。まあまだ5話なのでいいですけど、影の力を早めに見せられてしまったので、神秘性とかドキドキ感がここで一気に減ります。正直思ってたよりも謎の深さが足りない感じがしてきました。

 ですので、ここからの展開が勝負でしょう。どこに面白さが見いだせるか。

「ひぐらしのなく頃に」を思い出しますね。ディテールは違ってもマインドは似ています。本作はひぐらしに非常に影響を受けている気がします。あれもキャラが小出しで出てきますが、ゲームのマルチエンディングをアニメ化できた非常に秀逸な例です。あれは「ヒトコワ(人怖)」でしたし、敵の正体が最後まで見えなかったのが良かったので、影を先に見せた場合はどうなるんでしょうか。

 次回は軌道共鳴ですか。タイムループする間に事象が干渉して新しい何かが起きる的なことなんでしょうね。それがウシオのコピー?分かりませんけど。 {/netabare}

追記 あーなるほど、舞台と雰囲気、設定はひぐらしのなく頃に、話はシュタインズゲートという感じでしょうか。もちろん本筋となる謎に意外性があればいいですけど、意外性は奇抜さではないです。ウシオが世界線を動かす感じ?SFの類似性は否定しませんし、有りだと思いますが、仕掛けにセンスオブワンダーがあるか、ですね。今のところちょっと心配になってきました。


6話 影のボスが出た後なので、何に注目すればいい?巨乳の主張は何のため?。

{netabare}  一旦影のボス的なのが出てきているので謎の持ち方がどこにあるのか。あのボスを出さないようにするのがゴールイメージ?となるとやっぱりひぐらしかなあ、という感じです。

 小説家の南方…ひづると言ってましたね。過去龍之介という人物に何かあったようですが。
 そして吉川線の定義は誤解がないみたいですけど、索状痕等が無いのに吉川線だけつくんですかね?司法解剖してないなら怪しいのは医者一択じゃんと思ってたらやっぱり怪しそう…にみせて実は…って感じでしょうか。この辺ちょっと気になります。

 あとヘラヘラ笑っている神主。ああいうキャラは闇墜ちが定番ですから多分…だと思いますけどどうでしょう。

 それにしても南雲先生の巨乳が気になります。なんであの服?巨乳を誇ってる?でそして逆さまになるのは影対策?そして最後の推論が牽強付会じゃないことを願います。来週この辺りの謎解きで本作の方向性が見えてくるんでしょうか。 {/netabare}


7話 視聴は継続します。が、シュタゲとかひぐらしと一緒で考えてもしょうがないですね。本作のレビューは…休みます。

{netabare} 基本的に考察の組み立てではなさそうですね。タイムテーブルとか人の動きや出来事を組み合わせて、回避策を考えて解くみたいな展開になったら見る気もするんですけど…この辺やっぱりシュタゲ+ひぐらしですね。
 頭使わないでミステリーホラーの雰囲気を大人しく見ているほうが良さそうな気がしてきました。{/netabare}


9話 ウシオに注目すると面白い話になりそう。

 レビュー休むといいましたが、ちょっとだけ。9話に至るまでウシオが取って付けたような感じで「キャラ」ではなく「設定」にしか見えませんでした。が、この9話でウシオに焦点が当たり出しました。これが良かったです。ウシオの内面が描かれる構成になると物語的に悲しい話になる心配はありますけど、面白そうですね。2クールかあ…感情移入しすぎると最後は泣くかなあ。

 影のボスの能力は示唆されていましたので、これは展開に期待がもてそうです。 



10話 古事記の国造りかあ…妄想したくなるなあ。刑事の不自然なフェードアウトはなに?

{netabare} TVerで視聴中、刑事が警察手帳だしたあと非常に不自然なフェードアウトがありましたが、あれは何?セリフをぶった切った?


 10話で仕掛けが明示されましね。古事記かあ。OPに矛(ほこ)みたいな絵がありました。ヒルコ様ってイザナギイザナミの子供でヒルみたいな恰好だったらしいですね。ヒルコ様=蛭子様ですね。これって日都ケ島が、古事記の国造りのオノゴロ島と関係があるっていうか明示ですね。もうここまで露骨に見せると。

 また、神さまはいろいろくっついたりしますので、エビス様ってヒルコ様と同じってことになってます。オオクニヌシ=大黒様の子供と言うことで、この辺、古事記との関係は民間で流布されているうちに、一緒になってますけど。

 つまり、日都ケ島は古事記の国造りのオノゴロ島のことで、影の親玉=ヒルコ様なのか、ヒルコ様をコピーしたのが影の親玉なのか、影の親玉と対立するのがヒルコ様なのかわかりませんが、舞台の仕掛けとして日本の国造り神話がモチーフということですね。

 これは1話とOP見たら読めたなあ…うまく煙に巻かれました。なかなか面白いストーリ-展開です。


ここから先は妄想です。
 日都ですから、ヒトですね。ヒトの歴史の始まりまで話が行くのか、ヒトガシマはなんとなく鬼が島の対比みたいに見えます。瀬戸内海は桃太郎伝説です。最近だと香川県の島だと言われてますが、以前は岡山でした。当然和歌山にも桃太郎の話はあります。串本でしたっけ?

 ヒンズーの神である恵比須様、古事記のヒルコ様とオノゴロ島、そして考えすぎかもしれませんが、ヒトヶ島と対立する桃太郎の鬼が島?{/netabare}


20話 思っていたよりスケールが小さいし、タイムリープと設定でいろいろ見せられているだけだなあ。

{netabare} 結局タイムリープ…タイムループと設定で、あとはパズル…それも事柄を見せられているだけですし。

 作画とスク水ヒロインが出ずっぱりなのは、すごいとは思います。冒頭数話の期待感も大したものです。ただなあ、話のスケールがこじんまりしていて300年前とか言われてもなあ…宇宙隕石かあ…

 南雲先生の小説というのもあんまり生きてこないし、人間ドラマにテーマ性があるわけでもないし。歴史ミステリーでもなかったし。想像したより頭使わない系で、そうですね、12話くらいから飽きてきて後は惰性でした。

 一応最終回は確認しますけど、想像よりも5分の1くらいの面白さでした。やっぱりストーリー系って、期が終わってからレビューした方がいいのかもしれません。本作は徒労感が…{/netabare}



最終話 20話以降はまとめて見ました。本作の視聴の仕方を間違えた気がします。

 本作の見方は、人物がどう動くか、を見てワクワクするのが楽しいのでしょうね。あまり裏に意味性とか壮大な歴史とか考えないのが正解でしょう。伏線らしきものを考察する努力はやめて、単純に人物を追う。それが正解だと思います。
 なぜ、瀬戸内海和歌山なのか、南雲先生の小説の中身、ヒルコと大黒天の歴史的つながり。釘=鉄と7と言う数字の歴史的意味性、冒頭のシーンにトリックがあるのでは、などというものを脇において、死んでは戻り、工夫して戦って、死ぬ。その展開を楽しめばいいのでしょう。

 私はその点で間違えました。キャラはヒロインと南雲先生、シデが強烈で後はかすんでしまいますが、全体的にキャラ造形は出来ていたと思います。その意味では作品の作りもいいのでしょう。

 ただ、25話ありますので、見方を変えて再視聴は、ディズニーの契約をどこまで続けるかによりますけど。

 ということで低評価はつけ辛いですね。まあ、OPとか初めの数話の雰囲気と演出から、ミスリードされた気もするので作品のせいと言えなくはないですけど、結果的に正しい見方をしていなかった気がするので、第1印象の評価は3.1でしたけど、物語は評価できずの意味で3点、キャラは作画とヒロインで4点をつけておきます。一応観終わったにしますが、断念と紙一重くらいの視聴後感です。

 作画がいいのは認めるところですが、24話後半の作画というか画面の雰囲気、良かったですね。あそこの作画は線の感じが良かったと思います。


追記 いつのまにDアニに…うーん。まちがってディズニーの年間に入ってしまった私の立場は?まあ、スターウォーズとか3Dアニメとかあるのでいいんですけど。


 

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ラストがなぁ・・・

{netabare}
各話の評価の平均というなら80点ぐらいになるんだろうけど、ラスト数話が個人的に納得できなくて最終的な印象としては60点ぐらい、そんなアニメ。
1クール目序盤はめっちゃ面白くて、後半少し落ちて、2クール目の学校回辺りからまためっちゃ面白くて、それでラストでうーんってなってしまった。

書きにくいので良かった点と悪かった点に分けて書きます。

良かった点
とにかく毎回先の読めない展開が面白かった。
ループと言うチート能力がありながらも、相手もそのチートを把握したうえで利用しようとしてきたり、ループものでありながら全話通して常に緊張感がある作りで良かった。
ループものと言っても毎回ループする先々で起こる展開が変わっている(同じであることが少ない)ので安心できる場面もなかったし、単純に絵面が変わり映えしているという意味でも退屈しない作りだった。
あと、タイムリープものは「なんでこれをしない?」と言いたくなる場面が多々あったりするけど、この作品の主人公の慎平の場合はあまりそういうのがないどころか、序盤の影の調査などはこちらが思っている以上のことをやってくれたり、口癖通り俯瞰で何をすべきかをしっかりと考えているのが見抜けていてストレスフリーで見られました。
澪やひづるなど他キャラ含め基本的に有能なキャラが多い作品だったと思います。何もしない凸村さんとすぐに死ぬ根津さんは置いておいて。

戦闘パートはそんな慎平と、同じく頭脳派のシデとの対決と言う感じで面白かったです。主人公だけでなく向こうもループを利用して相手を打破したり、常に行動を呼んで先回りしていたり、最初はシデ倒したら終わりなのかよと思ってたけど、敵役としては不足なしでした。
学校での戦闘が個人的クライマックス、駆け引きの末の勝利と言う感じで熱い戦闘回。
戦闘自体もディズニー独占なこともあってか作画はかなり良かったし、ガラスが飛び散るシーンなど見せ方や構図もかなり良かった。
あと、序盤やヒルコ洞の探索パートは間の取り方が上手く、ホラーアニメとしての出来も高かったと思います。
最初の方は未知の現象や敵と戦っている感があってミステリー色も強めで良かった。そのミステリーアニメ的な展開から、バトルアニメへの切り替えも個人的には違和感なくできていたかなと思います。

悪かった点
まず、全話通してシデとの対決ばかりが行われていて、キャラの掘り下げや過去話などが全然なかったのでキャラクター魅力があまりなかったかなと。
慎平に関してはまだ良かったけど、正直その他のキャラに関しては「主人公と一緒に戦ってる仲間」ぐらいの印象しか残らなかった。
だから途中や最後に恋愛話されても何も面白さを感じられなかった。
キャラクター沢山いる割に決まったキャラ以外は全員大した活躍もなくて...。
正直このアニメ好きなキャラは慎平ぐらいだった。

ラストの3話は本当に駄目だったと思います。
まず、唐突に赤い空の世界に飛ばされるのはまだいいとして、ハイネ辺りの設定や遠隔操作の設定など、さすがに設定に設定を重ねている感、後出しじゃんけん感が強すぎて、なんとも萎える展開だった。
序盤からそんな雰囲気はあったもののこの回はさすがに許容範囲を超えた。
まだそこはいいけど、シデを倒し終わった瞬間、「原因不明に」ヒルコ様が生まれる原因となった場所に飛ばされて、なぜかその世界に干渉できて、それで鯨を殺してハッピーエンドと言うのはいかがなものかと思った。
無理矢理ハッピーエンドしましたよ感が強すぎた。
元々ここで死んだら終わりと言う認識で見てたからそもそも復活というだけでも少し萎えるのに、その復活の理由が良くわからないとなると尚更。
影と言う存在がなかったことになったら未来なんて大幅に変わるだろうに、多少ならまだしもそこが軽視されすぎているのはタイムリープものとしてどうかと思った。

それと、予想はしてたけど、シデの動機がしょうもなすぎ。
ただの狂人でしたパターンはあまり好きではない、こちらも共感できるような動機にしてほしかった。
あと、二重人格や憑依、2秒後先読みなど、異能力バトルモノのような特殊能力は雰囲気を壊しているので辞めてほしかった。

体感としてはもっと楽しめてたはずだけど、評価となると物語☆3.5、キャラ☆2.5になってしまった。
けど、一応今期で10番目辺りに良かったアニメでした。
最後の3話見るまでは今期3-5番目ぐらいのアニメだったけど...。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆10
リープ能力貰った? パンモロ。メモとらないと着いていけなくなりそう。
主人公オッドアイなのが何かの能力持ち感あるな。しおりが首絞めたんか?
設定が多い。ひぐらしみてえだな。
強乳を探してたという主人公の目撃情報があったってことは主人公の影武者が負ったんかな。
こういう謎だらけのアニメほんと面白い。影?
銃声なってんのに近づくなw まるで実写だな。完璧な一話。

2話 ☆10
主人公ここに来る前何してたんすかね。丁寧なタイムリープものだな。
主人公が全然自覚しないw やっぱ家見つめてるの伏線だったんだな。
緊迫感がすごい。てかこれもう明かしちゃうのね。何やっとんねんw
いうて自転車って足で止められるよね? もう島影だらけってことか?w
今更オッドアイに気づくんかよw 音が怖い。体感時間短すぎる。

3話 ☆9
なんで母からは逃げるん。一週目の世界と重複してる?
1週目の主人公が影として存在している? こいつも影かもしれんのに。
ひぐらし要素。
確かに祭りの方が都合がいいな。パスワード結局答えてないやん。
これで信頼されるんかw これ影やろ...いやこれが本物説もある。

4話 ☆10
こいつ本物だろ。こいつもループしてる? ひぐらし感がある。
ひぐらし要素。葬式の翌日に告白w ガイジすぎる。は?
むしろ澪達全員が影説。逆だったか...。盲点、予想できん。
敵も頭いいのがいいな。安直に殺そうとせずに対策練るのが。
握力が強すぎる。

5話 ☆9
影を狙えばいいのか。男? 廃銃刀法違反 ときこ影に協力でもしてた?
ひぐらしの大災害っぽさがある。セーブデータを消そう。
こういうラスボスいらん説はある。
主人公と同じ目。規模大きすぎだろ。
スバルとは違ってリープのことを話せる。制限付き厳しいな。
最初から制限付きと示される作品は少ないよね。

6話 ☆8
? よくわからん。ひづるも元この島の人なのか。棺桶開けるやべー奴
結局どっちのパンツが。
ああ、主人公戻ってこれてない時間だから新平じゃなくてひづる主人公?
まあ新鮮だった。あっ。でかい
そこからタイムトラベラー認定は論理が飛躍しすぎている。
タイムトラベラーの存在を確信出来てたならまだしも。

7話 ☆8
このタイムトラベラー認定の流れはあっさり過ぎるし微妙。
何かしらでタイムトラベラーの存在を知ってたのか? 謎二重人格設定。
影と意志が交互になってるとかじゃないよね。先制攻撃は基本。
潮と状況同じなのか。顔芸。二重人格設定いる? 最後の緊張感。

8話 ☆9
2人でタイムリープ? チェックシート。ギャグ面白いじゃん。
草。顔芸やめろ。影相手なのに普通に。潮が情報送った可能性もあるしな。
顔芸アニメだった。そこで引きかよ…。

9話 ☆6
これ割とエロ枠説。普通ドッペルゲンガー気味悪いだろ。
急に髪動かして戦うのシュールすぎる。普通に回想でいいんじゃないかな。草。けどしおり影になってるんだよね? 何か知らんけど軽いんだよな。
盛り上がらないといけない回なのに何かが足りない。
というかわざわざ回想としてやった割にオチが予想通り過ぎた。

10話 ☆8
白石枠? 貝から出てきたら本末転倒じゃんw
てか影が本体ってことは夜なら最強か?
光で影を大きくして攻撃範囲上げられそう。卑猥。影前提の仕掛けか。
ここ窓の実家なんか。主人公立ち回りで完結してしまってるな。
せやな、潮死んだら終わりかもしれん。
主人公の代わりに実質死んではいけないキャラがいることで緊迫感が。
はよ撃てw

11話 ☆6
このための殺虫剤。正味二人いても襲っても勝てるよな。臭そう。
海水もコピーじゃないんか。治すにはループするしてコピーするしかないな。
影じゃなさそう。バグ治されたらどうすんねん。
影が人災だとわかるのが早すぎて得体の知れないものと戦っているといあホラー感は無くなってしまった。
妙に生物学に精通してる影がシュール。

12話 ☆9
陰って情報共有できるんじゃないの?
影と人間の違いとかの話があるのはいいな。リセット確定。
有能か? 初見プレイ

13話 ☆9
5週目。理解力高杉。前ループの内容伝えられる能力は少し興ざめだな。
OPいいな。ひぐらしかな? プリキュアw 初手ラスボス登場。
やっぱ相手もループか。高校生っぽくないな。EDもいい。

14話 ☆8
事案。慎平の目。四本腕が食べてる絵シュールすぎる。楽しそうに食事すなw やっぱりループ情報共有可能設定はいらないな。
おじさんいっつも真っ先にやられてんな。富竹枠な気がしてきたわw

15話 ☆9
RTAかな? もうラストか。まだあと1回死ねるのね。
ジジイはどうせまっさきに死ぬ。運動会かな?
回によってなんか萎える時と面白い時あるのなんだろうな。
朱鷺子急に仲間として活躍してんな。根津初めての活躍。
小学校で何やっとんねんw 放火じゃねーか。
影倒したとして捕まるやろこれw けど警官もグルだから揉み消せる?w
真空で行き吸ったら酸欠なるみたいなニュース見たな最近。
まあいいけど。顔にガラスが。有能やな。本来はスナイプ対策か。
致命傷とは。こいつ仲間になる気あるんか?

16話 ☆8
影澪こんなにあっさり。影澪の方が責め気味なの草。影の方が人間っぽい
ホラゲーかな? 実の子供を打つ。百合かな。
影で永遠の寿命手に入れたいとか?ちゃんと俯瞰していく。
主人公の家族ら何かあると思ったけど特に何も無いのね。シデが父かと。

17話 ☆8
今回話中心なのね。こいつのことだから死にそう。殺したれやw
影絶対許さない主義。確かに妻を殺したのは事実だしな。
シデと会ったらヤバいやろ。この回想いるんか?
そんな堂々と暴れるんかよw 堂々と銃を使って行く。
影を殺すことへの葛藤を描く回? 1周目殺されてたもんな。
最初に会えなかったキャラとやっと会うの終盤感あっていいわ。
けどこんなあっさり会えるんだw

18話 ☆8
セガかな? まあそういうオチだわな。怖い。顔芸やめろw
はよ打て。はい殺人容疑。まあ警察さんが揉み消してくれるかw
潮あっさりすぎるw 確かに俯瞰が足りなかったw

19話 ☆6
AIRかな? 悪あがき。あっ…。話繋がってきたな。
電話番号は見ること出来そう。そういや2人おるんやな敵、分担か。
能力バトルものかな? 演出さぁ…。

20話 ☆8
時間稼ぎw 確かに慎平の性格なら無駄話戦法は効きそうw アビスかな?
このアニメストーリーばかり進めてるからキャラの掘り下げとかバックボーンがあまりなくてそこは弱い気がするな。一クール目OPで見た。
2回目で1回目のこと学習して倒すとか主人公かな? 退場キャラ出るとは。

21話 ☆7
サブ垢で草。帰ってくるってことはあの時点で湧いたってことになるけど?
ラブコメ要素あんま面白いと思えんな…。そういうことか。
潮そんな強かったっけ?

22話 ☆9
一回死んで位置変更か。本体ってヒルコ堂にあるの? なんか草。
花火にやられる結界って弱そう。引きがずるい。

23話 ☆3
グロいな。久野ちゃんに厳しいクール。シデ何がしたいん?
霊との会話いる? ホラゲー感。分裂設定繋がってなくて微妙だな。
話飛躍しすぎとちゃう? さすがになんか違うな…。
遠隔操作とか何でもありすぎん? ここに来てワースト回な気がする。
作画は今回頑張ってたけど。

24話 ☆4
バトル漫画だな。作画回。銃よけられるんかよ。僕の王の力がああああ
手戻ってこんやんこれ。出血量やばそう。2分経ってね?
実質ループ同士の戦いだしな。
相手もちゃんとループで学習してるのがいいわ。まあやっぱり動機はしょうもないな...。最後の盛り上がりは良かったと思う。
成仏。設定に設定重ねてる感が。エンディングも悪くない。
これ全員生存エンドだとしたら嫌だな。
予想外に過去に戻れて鯨を殺せたことがハッピーエンドにつながるというのは。
しかもヒルコを消したならここまで影に殺された人全員が生きてることになって未来がめっちゃ変わると思うけど。
やっぱりピークは学校回終わりだったかなぁ。

25話 ☆7
パンツ見える? 完全ハッピーにはして欲しくなかったな。
そういや澪好きなんだったな。やっぱキャラ弱いよなぁこのアニメ。

OP1「星が泳ぐ」☆10
ED1「回夏」☆7.5
OP2「夏夢ノイジー」☆7
ED2「失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7

71.6 5 ファンタジーで戦いなアニメランキング5位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (251)
824人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

再評価。キャラの独自性は評価できますが、設定のテンプレは減点要素。

23年10月 再視聴…といってもポイントポイントを飛ばし見ですけど。4点以上の異世界転生ものは冷静に考えると相当良い作りじゃないと付けられないなあと思い本作を再評価しました。

 本作は4.1をつけてました。で、見なおしてもちゃんと面白いです。面白いですけど、ストーリー4.5とキャラ5はないですね。声優も調整点で4.5でした。
 展開は悪くないですがやはり設定をテンプレに頼っている点で独自性がマイナスです。そして2期発表は好感がもてますが熱が冷めるのでストーリーは3.5に修正します。

 キャラで4.5を超える水準はよほど独自性があるか作り込まれてないとなあと思いました。異世界のテンプレを2.5スタートとすると、剣という無機物に転生するのは目新しいのでその点ではいいし、ヒロインのフランちゃんにちゃんの魅力と背景・暗い過去など厚みがあることはいいので4とします。
 声優は、声優さんそのものは可もなく不可もなく。調整点でストーリーとキャラの中間…ですが作品の出来は悪くはないので4とします。


以下 初回レビューです。

「あれ?13話は?」というのが率直な感想です。せっかく面白い作品だったのに、尻切れトンボにしても旅立って終わりならまだよかったと思います。余計な次の展開部分を入れてきました。これが2期めをやるというアナウンスと同時なら許せますが、決まってないなら入れるべきではないでしょう。

 もはや異世界もののテンプレになった手法ですが、誰が得する?となると出版社なのかなあ…と思うと急激に冷めてしまいます。「つづきはWEBで」の販促にしても作品ありきでちゃんと結末をつける方向でやってくれないかなあ。
 こういうモヤモヤする終わり方だとコミックや小説に誘導できるデータとかあるんでしょうか?私に対しては少なくとも逆効果かも。

「転スラ」「盾の勇者」「魔王様リトライ」などこの手法でどんどん作品の価値を落としていっていますし…すごい作品だった「シャドウハウス」も2期楽しみにしてたのに、2期の1話みたらもう集中力が持たなくなっていました。


 さて、本作については、フランと師匠のキャラ造形と掛け合い、父的な視線でフラン萌えで見られる作品作り、完全な俺TUEEEでないところ、展開のテンポの良さなど非常に面白いアニメでした。
 異世界転生した人物に感情移入しつつ、がんばるのは娘的なヒロインというのが目新しかったです。

 作画は高級ではないですが、無難な水準は保っていたし、2人の声優さんも良かったと思います。2期情報あれば評価は変えるかもしれません。

 最終回のせいで評価はかなり落ちていますが、しかし、楽しませてもらったし、低評価を付けるのもどうかと思いますので、楽しんだ分客観的な評価はしますが、うらぎられた感が強く主観的には80点できてたのが55点になった気分です。


追記 2期決定!!??ガセじゃないよね??尻切れトンボ最悪評価撤回。

 あれユーチューブに2期決定報が…なんか本物っぽいですね。このタイミングは不幸中の幸いです。だったら、高評価です。是非、冷める前に半年くらいで来てほしいけど、1年でしょうね。とにかく、尻切れトンボの意味がわかったのでその減点は撤回です。

 ただ、アニメ作りすぎてどれが当たりになるのか読めない制作者が増えすぎですね。2クールのリスクで作らないとやっぱり作品に対する熱量とか構成の面で失敗するかもしれません。
 それに、原作の面白さが読めないというのは、どういうことでしょう?本当に駄作ばかりになるので、そこはちゃんとやって欲しいです。

 とはいえ、フランちゃん最高!ということで高評価でお願いします。
 

以下 視聴時のレビューです。

 

4話 テンプレ異世界を楽しみつつ、「父」として娘の成長を見守る。

{netabare}  3話まで見てレビューしようと思っていたら、なんと無料配信のサブスクがありません。アベマでかろうじて、1,2、4話を無料で見られました。キンドルのアンリミテッドでコミック5話まで読み放題できたので補完はできました。

 さて、モロに「転スラ」「蜘蛛」と同じか?と思っていましたらそうでもなかったです。ロリキャラではありますが、父性的な立ち位置なのでいいですね。「魔王様リトライ」や「うちの娘のためなら」のような感じです。

 大事なのは、ヒロインを「父」として暖かく見る目です。本作のキャラ萌えはこの点が大事でしょうね。

「剣」なのでフロイト的な男性性の象徴もちょっと想像しなくはなかったですが、それはない感じです。

 そして、更に「ギルド、スキル、レベル上げ」要素がかなり強いテンプレ異世界の構造なのも、「頭を空にして純粋に楽しむ」という点でいいと思います。設定は気にする必要がありません。

 ということで、暖かい気持ちでヒロインの成長を見守りつつ、テンプレで頭を空にして楽しむ、という作品でエンタメとしていい出来に仕上がっていると思います。多分、アベマで強制的に毎週見ざるを得ないので見ると思います。なお、コミック5巻まで読みましたが、そこまでは結構面白かったです。 {/netabare}


7話 フランちゃんのような娘が欲しいです。

{netabare} 無料期間のおかげで今のところ全部見られています。アベマに感謝を。で、私は完全にキャラ萌えです。本作の成功要因は剣が主役ではない、あるいは主役だとしても視点が完全にフランちゃんになっていることでしょう。
 つまり、剣の視点は視聴者の視点。それも父の視点になっています。物語世界の構造がそのままこちらの視線になっているということで、これが最高です。この剣の気持、フランちゃんを娘として守りたい、育てたい、喜ばせたいという気持ちに完全に同化できます。

 フランちゃんは、可愛いというかけなげというか、何より謙虚です。この謙虚さがフランちゃんの最大の魅力です。
 それに加えてフランちゃんは、ハンバーグとカレーを喜んで、メインデッシュとか言っている姿も可愛くて良きです。

 ストーリー展開も次週につなげる展開が上手いですね。不愉快な引き延ばしでなく次に何がおきるんだろうという楽しみがちゃんとあります。やっぱり「異世界転生もの」が、つまらなくなったのではなく、工夫の無いテンプレが乱造されすぎてカテゴリーの価値を落としてるんでしょうね。本作のようなテンプレでも、面白くキャラ萌えできる作品なら異世界モノはアニメ作品とは相性が良く楽しめます。

 視聴中は評価点付けないのでここでいいますけど、キャラは5点です。本当は5点満点で10点あげたい。 {/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 20
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

何よりも感性という絶対基準こそが肝要であります

●進化論という学説は進化せずむしろ退化してるという矛盾
結論は、所謂なろう系の典型と言うべき作品でありました。

全般的にかなり緩く、ソフト路線のファンタジーの傾向が強く
更にその上異世界転生もの特有のステータス値設定にその説明が延々と繰り返されるのを
見るのはかなり苦痛であり、生理的にも受けつけないというのは極めて個人的な
問題なのかもしれませんが、物語的に特に惹きつけられるような要素がまるでなかった
というのは、流石なろう系と言うべきなのかもしれません。

ケモ耳キャラに全く魅力を感じない体質というのもあるのかもしれませんが
インテリジェンスウェポンである剣というキャラにもエルフ族の自称ママにも
共感できる要素がまるでないというは逆に驚きの結果であります。

単にキャラが微妙という話に尽きるのではなく、大量生産された
ゲーム的な薄っぺらい世界観の中である種の使命を負ったとしても
その使命にしても命がけのやり取りにしても、ゲーム設定的な軽さが作用し
あらゆる行動・発言に重みが出ず、見てる側にもリアルなものとして伝わってこない
というのが本作最大のマイナス要因であったような気がいたしました。

空回りして滑っていくような物語感覚はある意味斬新でありますが、
異世界転生もの作品に秘められた謎を解くために見てるだけの当方としましては
最後までついていくのは至難の業でありました。

本作を見て得られた唯一の成果は「進化」という概念が異世界転生ものでも
重要ということでありますが、もしも続編があるとしたら異世界転生と「進化」について
明確に描いてくれることを期待したいところであります。

●「グルメ」の道化師が踊る世界
みんな大好き!の例のカレーを作る回でありましたが、何故かハンバーグを {netabare} 作る
シーンもあるという意図不明な描写に脱力感を大いに被った次第であります。

料理の基本味付けは塩胡椒であり、この加減がかなり重要な要素であるはずなのですが
どういうわけか省略していたり、ハンバーグのつなぎにパン粉を入れるも水分がないと
つなぎとして機能せずにパテがボロボロに崩れ去る運命がん無視だったり…
材料の準備もなしにデミグラスソースがあっという間に完成してしまったりと
兎に角突っ込見所満載で突っ込み切れない話にございます。

肝心のカレーも、恐らくは日本人一般になじみある英国由来のシチューが原型の煮込み料理を
作ろうとしているのだと思われますが、だとしたら小麦粉でルウを作らないと
始まらないという話であります。

煮込み料理の旨味は出汁にあるわけですから、野菜を多く入れその旨味を引き出す以外に
道はなく、スパイス適当にぶち込んだらそれが旨味に変わるとかいう出鱈目な発想は通用しません。

アニメに限ったことではないのかもしれないですが、中途半端にグルメを語りたがる
お笑い芸人みたいな道化師たちが、リアクションのみでごり押しする料理の祭典の世界、
そこには夢があり、ファンタジーがありますが
現実的に他人に喜んでもらえるような美味しい料理作るには、 {/netabare} まずは
基本的なことの習得から始めるべきと個人的には強く進言したく思います。

ゴブリン系三部作と言えば
「ロードス島戦記」と「灰と幻想のグリムガル」と「ゴブリンスレイヤー」でありますが
その中でも「ゴブリンスレイヤー」はファーストインパクトにおいては他作品を圧倒するものの
ストーリーという観点においては二作に大きく後れをとるものであると認識するものにございます。

そんな「ゴブリンスレイヤー」の劣化版に過ぎない本作に期待が持てるのかと言えば
残念ながら今のところは劣化版のレベルにとどまっているのが実情であります。

ケモ耳ヒロインが可愛いだけという理由で予想外にウケている側面があることは否定しませんが
この程度の全くもってぬるいストーリー展開で「ゴブリンスレイヤー」超えなどとかいうのは
ほぼ不可能と考えるべきでしょう。



異世界転生もの作品に対していちいち突っ込み入れてたらキリがないので
本作に対する突っ込みは自重するつもりでおりました。

これは異世界転生ものに限った話ではないですが
敢えて「その設定」を踏襲する意味ってあるんですか?的な作品が
あまりに多すぎて辟易するばかりであります。

あまりに怪しすぎる異世界転生ものの乱発、ごり押しに対して
その不自然さについてはいい加減気づくべきではないでしょうか?

要するに本作が「異世界転生ものである必然性」が果たして何処にあるのか?
また、他とまるで同じようなゲーム的ステータス値の表示を馬鹿の一つ覚えみたいに
やたらと繰り返す意図とは何でしょうか?という素朴な疑問
そういう疑問を当たり前のように抱ける視聴者の感性はまともであるという話です。

もしも自分の感性に自信がある人は、言語転換することにより必然性を証明してみてください。

感性が塞がれている人は、ある意味目が見えていないのと同じで、
この先の大穴に嵌ることは避けられないでしょう・・・

異世界転生ものでありながらもその意味が不明なら
視聴者とは何を期待して異世界転生ものを見ているのでしょうか?
という話になるように思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

師匠との関係性は良い

{netabare}
C2Cの転生モノ。
初期設定だけテンプレからずらして他はテンプレの踏襲の、作者だけは独自性があると思ってる系転生作品はあまり好きではないけど、まあその中ではよくやってた方じゃないかなと思う。
どうせ人間体になるんだろと思ったら、意外と最後まで剣だった。

良かった点はキャラ。
珍しく、最後まで主人公のそばにいるキャラが師匠一人だったから、フランにとっての師匠の唯一無二感が感じられて良かった。
いざと言うときに唯一頼れるのは師匠だけ。
随所でフランから師匠に対する信頼感が伝わってきた。
師匠からもフランを守りたい気持ちに必死さがあって良い。
師匠はフランの父親的な立ち位置な気がする。
俺TUEEEでもなく、格上のアマンダに立ち向かうなど、向上心のあるフラン。
主人公が一途だから好感が持てたし、そんなフランをフォローする師匠に関しても印象がいい。
ストーリーよりもキャラを重視する人にはかなりいい作品かもしれない。

駄目な点として、俺TUEEEEではないし、主人公も剣ではあるものの、やはりストーリーはなろうのテンプレに感じるところ。
テンプレを感じさせる要素は俺TUEEEEではなくて、中世世界観(ナーロッパ)やゲームっぽい設定、独自性のない敵、分かりやすい対立構造等にあるからなのかな。
この作品も秋アニメの他のなろうと同じくテンプレだった感は否めない。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆0
親の顔より見た導入。
作者だけは独特なことをやってると思ってるんだろうな。
独特なだけでクソしょうもない設定なのに。
もうこういうのばっかになってしまったなぁ最近のアニメ。
マジで面白くない。何も惹かれない設定。
主人公が違うだけで結局いつものなんだよ。
もう無敵じゃんこの剣。今季こういうの多すぎてため息でるわ。
農民の次につまらん。もうこういうのいいよ。

2話 ☆1
作画の無駄遣い。
結局目的なくダラダラ旅するだけのいつものなろうだよね。
いつものギルド設定。俺TUEEEEじゃない?
てかいつも思うけど冒険者って言う職業はなんだよ。
何でも屋か騎士団でいいだろ。死ぬだろ。いつもの魔石。
脳死ゲーム世界観ほんと嫌い。
部屋めっちゃ汚れそう。いつものチンピラ。
協会内で争いとかあほなんか? EDは名作感ある。

3話 ☆7
アルデラミンみたいなOP まあ不快感は無いなこれ。
作画頑張ってんな。ゴブリン襲撃イベント?

4話 ☆5
邪神ちゃんかな? 結局無双。ガチャ神引き。

5話 ☆7
いつまでゴブリン また俺何かやっちゃいました?
どうせ復活する。一本ぐらい飛んだままなら評価してた。
そんなに俺tueeeじゃないのはいい。
相手噛ませじゃなくて面白いじゃん。

6話 ☆4
戦闘面白いな。普通に復活するんかい。
こういうゲームみたいなスキル設定ほんと嫌い。

7話 ☆4
お前つまんない嘘つくね。はぁ大賢者みたいなのもいるのかよ。
分かりやすい噛ませ 飯食いながら見てんねん汚いなぁ。
成れ果ててて草。

8話 ☆5
天敵じゃなくて仇敵が適切な表現だろ。
なろう主人公がやられてんの珍しいなって思ってしまう。
少ない。イキリモード 即落ち二コマ。一瞬アーニャみたいな喋り方。
取引上手なのか…? どうせならCぐらい行けよ。

9話 ☆6
なろう臭すぎ。親の顔より見た展開。イキリアニメ。
槍って突くだけだから楽そうだな。当たったら死ぬやろこれ。
てか鞭掴めばいいのでは。戦闘面白かったな。
アニメスタッフも有能。

10話 ☆3
ゲームみたいな設定つまんね。テンプレ設定解説コーナー眠い。
これ解説する意味ある? また俺なんかやっちゃいました?
でた、アクシデントw Aランクが何とかしろや。
なろう全般に言えるけど、ダンジョンとかトラップとか誰が作ってるんだよw
魔獣が作れんのか?w 試験もっとちゃんと管理しろや。

11話 ☆8
無能Sランク 剣になんかあるってバレてそう。リョナいいぞ~
モブ男よく生きてるな。モブを適当に殺さんのだけは印象いいわ。
リョナ回。何だかんだちょっと感動した。

12話 ☆6
哀しき過去。また俺なんかやっちゃいました? モブサイコで見た。
進化ってなんだよポケモンかよ。ん?フランの親だったの?
OPで見た飛行。

曲評価(好み)
OP「転生したら剣でした」☆8
ED「more<STRONGLY」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 6

77.4 6 ファンタジーで戦いなアニメランキング6位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (381)
1623人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【ネフィリム】の【生存戦略】

●一見するとスピンオフみたいな今期?

もちろん主人公は登場しますが、わざわざ「エピソード0」みたいな
スピンオフの展開を噛ませてくるのにはどのような意味があるのでしょうか?

本作のアンチである当方には{netabare}「シルフィ」{/netabare}なる耳長キャラには印象が皆無な状態でありまして
正直このキャラが前期で登場したかどうかも記憶があやふやであったりします。

前期では作画を含めかなりの高評価を得た本作でありますが、{netabare}この耳長キャラを
全面的に押し出したような展開には微妙なものを感じた人も少なくはなく、
恐らくは前期と比べると評価の方もかなり厳しいものとなるような気がいたします。

特に今期は、一般的に見て面白いと言える要素はほぼ無く、どちらかというと
マニア向け作品の傾向が強く、例えば円盤が普通に売れない現代にも拘らず
円盤の売り上げで奮闘してる「鬼舞い」に似たものを感じます。

熱狂的なファンには好評であるようですが、そうではない人からしてみると
高評価のポイントが今一つ見えないわけであります。{/netabare}

個人的意見では9話「白い仮面」こそが本作の本筋に繋がる展開でありまして
もっとそちらの描写に尺を割くべきであると考えるわけですが、{netabare}フィギュアやら
獣人族やら阿修羅男爵?やら、一見すると脇道それ過ぎでどうでもいいような話が
多かったような印象を受けてしまいました。

もちろん、裏設定的に考えれば耳長族のヒロインとの絡みに意味があると
解釈も成り立ち、アホ毛同士は結ばれるというのも鉄板法則と言えるのでありますが、
一般論として言えば、{/netabare}特に今期は第三者にお奨めできるほどの作品ではなかったように思います。

主人公のキャラ設定等には当然意味があるのですが、理解はできても面倒くさいと言いますか
{netabare}「ルー」+「デウス」という主人公の名前由来が【ケルト文化】であるように
ケルト、フェニキア、アングロサクソン、等々混血種族の文化的なバイアス負荷が
かかり過ぎているため車酔いにも似た感覚を覚えてしまいます。{/netabare}

「異世界行ったら本気出す」のタイトル回収のために今期の展開は必要不可欠であったと
考えられるわけですが、そのために各種の設定に「諸刃の剣」が仕込まれてしまうのが
本作の致命的な欠陥であると言えるのかもしれません。

{netabare}主人公は中身がおっさんの変態的なエロ人格者でありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」のが本作のテーマである以上
エロくなければ話が成り立たなくなるというわけであります。

結論から言いますと色々な種族と交わり「混血種」を作り出し種族を繁栄させるのが
「彼ら」=【ネフィリムの眷属の生存戦略】であります。

耳長ヒロイン=「シルフィ」の名前の元ネタは「風の妖精シルフ」でありまして
妖精とは【妖魔族】であり、【魔族】ということになります。

魔族の頂点に君臨するのは【魔王=サタン】でありまして、【堕天使ルシファー】であります。

【堕天使】とは人間の女を孕ませる衝動が抑えきれずにこの世に堕天した
【堕落の天使】でありまして、その特性は【エロ】ということになります。

【堕天使】と「人間の女」から生まれたハイブリットを【ネフィリム】と言いますが、
【ネフィリム】の第一世代は【巨人族】であり【鬼族】であるとも言われています。

【鬼族】は【ネフィリムの眷属】でありますので、頭に【角】が生えておりまして
その【角】は【堕天使】の遺伝子に由来するわけであります。

【堕天使】の血が濃い【ネフィリム】はノアの大洪水でほぼ壊滅しまして
現在に生き残った【ネフィリムの眷属】は混血化が進んだ影響もあり、人間化しておりまして
見た目では人間種と区別が不能な状態であったりするようです。

「名家」や「名だたる英雄」こそが【ネフィリムの眷属】のでありまして
例えば【オリンピアの祭典】では【黄金の魂を持つ勇者】を讃えるわけですが
【黄金の魂を持つ勇者】は後の【王家】となり、故に「王侯貴族」は【ネフィリムの眷属】
であるということになります。

「天皇すり替え説」という奇説もありますが、もしも今の天皇に「異能」の類があるとしたら
恐らくは【ネフィリムの眷属】ということになるのでしょう。

もしも「天皇すり替え説」が真だとすると本物の帝は【八咫烏】ということになるでしょう。

通常の人間には魔法の類は使えないのでありますが、【シャーマン】であった【卑弥呼】には
【呪術】などの異能が使えたようでありまして、だからこそ「邪馬台国の女王」に
なれたわけであります。

通常の人間とは違う【ネフィリムの眷属】を表すために頭に「アホ毛」を描くわけですが
その元ネタが「ゲゲゲの【鬼】太郎」の「妖怪アンテナ」であるように
「鬼の魂」を有する【ネフィリムの眷属】には【角】が生えていて然るべきというわけであります。

何度も繰り返される【人狼ブーム】についての詳細は「生首女」の方で書くつもりですが
【獣人族】、「ウェアウルフ」の類の元ネタが何なのかと言えば、神話であり古代宗教
でありまして、【人狼】に限らず亜人種の類は古代宗教の神々である故に
アニメなどでは当たり前のようにごり押しされるわけであります。

「おおかみかくし」という作品がありますが、タイトルが何故「ひらがな」表記
なのかと言えば、ダブルミーニングが仕込まれているからでありまして
「おおかみ」は「狼」であり=「大神」というわけであります。

【獣】の種族である「もののけ姫」の名は「サン」でありますが
「サン」=「sun」は「太陽」であり、従いまして太陽神「天照大神」を暗示しています。

「天照大神」は「あまてらすおおみかみ」ですが
「あまてらす【おおかみ】」とも読んだりもします。

「狼の神」と言えば【アヌビス】であり、【フェンリル】でありまして
【フェンリル】に似たものに【エンリル】というのがいまして
この【エンリル】と【エンキ】兄妹が神社にいる「狛犬」の元ネタであると言われています。

【エンリル】のことを「アッカド語」では「ベール」とも言いまして
「ベール」が転じて【ベル】となり【バアル】となるわけであります。

「狛犬」には「角」が生えていますが、【エンリル】にも「角」が生えており
【フェニキア人】の神=【鬼神バアル】そして【ケルト人】の鬼神も同様であります。

【ケルトの鬼神】その名を【ベル】と言いまして、
「ジングルベル♪ジングルベル♪鈴が成る♪」の【ベル】=「鐘」が教会やお寺に
当たり前のようにあるのは【ベル】が「神の名」を意味するからなのであります。

「12月25日」は何の日でしょうか?
「イエス・キリスト」とは全く関係ありません。
この日のルーツは【ベル】と【バアル】と【ニムロド】の物語に由来しますが
詳細については長くなるため今回は割愛いたします。

要するに【ローマカトリック教会】は謎の宗教儀式を世界に拡散しているのであります。

アホ毛の耳長族エロ女=エリナリーゼ・【ドラゴン】ロード
一見するとどうでもいいキャラのようでありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」というのが本作の主題でありますので
このエロ女キャラも伏線的な意味合いが込められているというわけでありまして
本作【8】話でそれとなく描写された決闘=求婚の儀式につながるわけであります。
獣人族の発情期が「収穫祭」と重なるわけですが、そもそも収穫祭というのは
地母神信仰に基づく宗教儀式でありまして、実りをもたらす地母神=【豊穣の女神】に
感謝の意を示す祭典であります。

豊穣の女神には様々な名があり、【イナンナ、フレア、ヴィーナス】などがありますが
これらは【金星の女神】であり、よって【8芒星】=【イナンナスター】で
暗示されるわけであります。

【金星の女神】は「エロエロ」の女神でありまして、なのでそのエロ属性を持つ
エリナリーゼがクローズアップされ、獣人族の求婚儀式に繋がるわけであります。

「イースター」は春に行われる復活祭という祭典ですが、元ネタは
【イシター】=【イシュタル、アシュタルト、イシス】という女神の名が由来でありまして
復活祭というのは大嘘であり、実は古代から伝わる女神信仰の儀式を単に
リメイクしただけだったりします。

「天空の城ラピュタ」の「シータ」もこの女神の名が由来と言われています。

本来の【イースター】では女神に多産を祈願する意味合いがありまして
そういうことで女神信仰を暗示する「収穫祭」と「子作り」が繋がるわけであります。

エリナリーゼ・【ドラゴン】ロードの【ドラゴン】と言えば【竜】でありまして
オルステッドも【竜神】ということで同じキーワードで繋がります。

【龍】も【竜」も同じわけでありまして、【竜】とは年老いた【蛇】が変化したものと言われています。

【蛇】と言えば「アダムとエバ」を誘惑して【禁断の果実】を食べさせた【サタン】でありまして
【光の天使ルシファー】であります。

【明けの明星】のことをラテン語で【ルシフェル】と言いますが
【明けの明星】は【金星】でありますので「エロエロの女神」と【堕天使ルシファー】は
等号で結ばれ、【女神アシュタルト】が【鬼神バアル】の妻であることから
【堕天使】と【鬼神族】が同じ種族であるのが見えてくるのであります。

そしてバーディガーディは阿修羅であり、カーリー、ドゥルガー、
へカントケイル(百手巨人)と一致します。

阿修羅は【鬼族】であり、へカントケイルは【巨人族】でありますので
バーディガーディ=魔王は【ネフィリムの眷属】ということになります。

【エリス】にもアホ毛が生えていまして、故に【ネフィリムの眷属】と言えるわけですが
名前がギリシア神話の不和と争いの女神でありまして、新型567変異株の名前とも一致します。

ギリシア神話の女神と言えばエロいのが当然でありまして、しかも
先代の最高神【クロノス】が【ティターンズ】=【巨神族】であることから
【エリス】なる女神も【ネフィリムの眷属】であることが確定します。

「白い仮面」の転生者が登場するわけですが、「仮面」と言えば【マスカレード】でありまして
貴族文化の【仮面舞踏会】を意味するわけであります。

【マスカレード】の発祥の地は【ヴェネツィア】でありまして、ここを拠点に
活動していたのが【ヴェネツィアの黒い貴族】であります。

「黒い貴族」と言われる理由は肌の色がスレッタ・マーキュリーのように浅黒い感じだった
からでありまして、中東から来た種族であると言われています。

「黒い貴族」は「ユダヤ人」であるという説もあるのですが、商業や金融業に向いているのは
どう考えても【フェニキア人】でありまして、しかも【マスカレード】はかなり
いかがわしい宗教儀式でありますので、ユダヤの思想とは全く接点がないことからしても
黒い貴族の正体が判明するわけであります。

【マスカレード】とは乱交パーティー的なものであるようでして、
その詳しい内容については「ベルセルク」の原作に詳しく描写されています。

ざっくり言えばダークギャザリング的な黒ミサでありまして、
「ベルセルク」ではドラッグを吸引した上で行われていました。

ヴェネツィア発祥の【マスカレード】の秘密について命がけで暴露しようと試みたのが
今は亡き「スタンリー・キューブリック」監督でありまして、その作品が
「アイズ・ワイド・シャット」であります。

そして【マスカレード】と全く同じような仮装するのが
「ハロウィンパーティー」の元ネタとなった【ケルト人】の【サウィン祭】であります。

悪霊からの攻撃を回避するために悪霊と同じ格好をしたのが仮装パーティーのルーツ
であるようですが要するにコスプレの起源も【ドルイド教】の宗教儀式にある
ということになるわけであります。

悪霊は【ケルト人】にとっての神に匹敵するため、これに生贄を捧げるわけですが
「ガリア戦記」に記されていたように彼らは「人間」を供物として捧げる
【人身御供】を行っていたと言われています。

【ドルイド教】の【サウィン祭】は【ハロウィン】に継承され、大変残念な話でありますが
【人身御供】の儀式も現在進行形で続いているわけであります。

元「サタニスト」であり現在は「クリスチャン」へと転じた「ジョン・ラミネス」の証言によれば
【ハロウィン】では人間の子供を生贄に捧げる儀式を行っているということでありまして
熱狂的な信者の信仰心というものがいかに恐ろしいかを物語るわけであります。

奴隷は【人身売買】と繋がりまして、個人的見解では【人身売買】と彼らの宗教儀式も
繋がると予想しています。

本作では【人身売買】と「ダークギャザリング」が繋がる描写はなかったようですが
【呪術文化】ではドラッグを用いた「儀式」を積極的に行っており、最終的に
主人公のEDを回復させたのもなにかしら薬物であることから、「ベルセルク」で
描写されていたドラッグを用いた性的儀式に通じる要素があると見ることができるわけであります。

「ドラッグパーティ」は芸能界にも普及しており広末涼子やキムタク、酒井法子、
ジャニーズなどがその関係者であるとして名が挙がっています。

現在進行形で騒がれているジャニーズの問題は、ある種の【人身売買】案件でありまして
大規模な人身売買マーケットの起源が何処なのかと言えば恐らくは【古代バビロン】でありますが
それが現在の形に整備されたのが【英国東インド会社】設立の時なのでしょう。

ドラッグとは【呪術文化】の宗教儀式には必須のものでありまして
【偶像崇拝】とは【呪術文化】特有の形態であります。

【呪術文化】では【人身御供】が当たり前のように行われるため人命が軽視され
【人身売買】も気軽に実施されるわけであります。

本作だけの話ではありませんが、人身売買案件を当たり前のように描写するのは
【呪術文化】の思想が背景にあるからであると考えられます。{/netabare}

フィクションなんだから表現の自由を尊重すべきだろうという意見もあるかもしれませんが
主人公の倫理観があまりに破綻し過ぎて話になりません。

倫理観が破綻した性犯罪者みたいな主人公に感情移入できるのかと言えば
それは無理というのが結論であります。

銀魂の銀さんの生き様と本作の主人公を比べると同じおっさんでも
ここまで差があるのには愕然とするしかありません。

年取ったおっさんほど清く正しく美しく生きるべきであるというのが個人的意見であります。


●「ルー」+「デウス」が示す【ケルト人】の信仰

正直ぱっと見は意味不明な変態的フィギュア回であります。
わざわざ{netabare}奴隷{/netabare}を購入してまで行おうとする壮大なるフィギュア構想・・・
更にフィギアに関するただならぬ彼らの拘りから今回事件が起こります。

正tお直当方としてはフィギュアマニアの気持ちは理解できませんので、非常に冷めた目でフィギュア回を
見送るつもりでおりましたが、 {netabare}主人公の「例の下着」に対する異様なまでの信仰心を見て
フィギアの意味するところが見えて参りました。

「フィギュア」は【偶像崇拝】のシンボルでありまして
「例の下着」も同じく【偶像崇拝】を示しているというわけであります。

【ケルト人】は【鬼神】を崇め奉るという意味では【フェニキア人】と一致します。

お宝フィギュアを破壊し侮辱した獣人2匹を拘束し顔に「呪文」の類を書き記します。
「偶像」を侮辱した2匹を断罪する【生贄の儀式】を実施したわけであります。

【生贄の儀式】では「家畜(ゴイム)」が供物として捧げられます。
半人半獣の獣人族ですので【人身御供】の意味合いが秘められているとも考えられます。

主人公は拘束した獣人に対して体を触るというエロ行為に及びますが、
このエロ行為も【偶像崇拝】の儀式を示しているのだと解釈できます。

「刺青」、【偶像崇拝】、【生贄の儀式】や「性的な儀式」
これらはすべて【呪術文化】と密接な関係があり
【ケルト人】や【フェニキア人】に繋がります。

獣人族に辱めを与える儀式を【フリーメイソン】を暗示する「魔法大学」内で
敢えて行うことに特別な意味があったという話であります。

【フェニキア人】がもたらした「黒魔術【カバラ】」と【ケルト人】の【ドルイド教】が
融合され混血の種族が誕生した真実を暗示しているように思えて仕方がありません。

【アシュケナユダヤ人】が褐色の肌ではなく白人種であるのが世界最大のミステリーでありますが
【ケルト人】と融合したと考えれば合点のいく話であります。

「ユダヤ人」とは人種に関係なく「ユダヤ教」を信じている信徒のことでありますが
「バビロン捕囚」以降の「ユダヤ教」は、パリサイ派のラビ(司祭)によって取り込まれた
【バビロニアタルムード】の影響を受け異質なものに変えられてしまいます。

「魔法大学」の元ネタである【フリーメイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを
「ユダヤ神秘思想」【カバラ】というのもパリサイ派による宗教改変が関係している
というように推測できます。

「ユダヤ人」という人種が確実に存在していたのは【ソロモン王】以前のことであり
それ以降に発生した「ディアスポラ(=離散)」以降は「ユダヤ教」や「ユダヤ人」という概念は
曖昧になり、今ではどういうわけか180度違う意味合いのものとなったようであります。

【バビロニアタルムード】を信仰するものが「ユダヤ人」であるなら、【フェニキア人】や
【ケルト人】も「ユダヤ人」ということになり、「ルー」+「デウス」という名の
【偶像崇拝】信者も「ユダヤ人」ということになります。

日本のアニメの主人公やヒロインが白人であるパターンが多いのも、
【アシュケナユダヤ人】=【アシュケナジー】が世界の勝ち組であることを
暗示しているからなのかもしれません。

混血種を続々と生み出し彼らの子孫を繁栄させることが彼らの【生存戦略】でありまして
そして「グレートファミリー」による世界支配の構想が実現するわけであります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公は魔法大学で【カバラ】の真理を会得し
恐らく「グレートファミリー」の眷属になるのでしょう。

「エリートになりたきゃ楽しちゃだめだよ心臓どくどくマヤマヤポン」であります。{/netabare}


●やはり本作は今期人気アニメの筆頭格か?

例えアンチの糞レビューでもそれなりの方々に読んでもらえることは有難いことでありまして
ただ作品を貶すだけではなく、わざわざ読んでくれる人に伝わるものを書くべしと
思うに至るわけであります。

「魔法大学」なるものが登場しますが、もちろん元ネタは「ハリーポッター」でもお馴染みの
「魔法学校」の類でありまして、【フリーメイソン】であります。

現在の【フリーメイソン】はただの社交クラブ化しておりまして、由緒正しき「古代メイソン」とは
まるで違うものになってしまいましたが、本来の「メイソン」は【黒魔術】研究機関でありました。

{netabare}「古代メイソン」で研究していた【黒魔術】のことを(「ユダヤ神秘思想」)【カバラ】と言いますが
「ユダヤ教」を信じてる「ユダヤ人」が【黒魔術】に精通している?という発想はそもそも
ズレておりまして、矛盾しているのでございます。

「ユダヤ人」と言えば「創造主ヤハウェ」に選ばれた「選民」でありまして
創造主との契約により選民性と創造主による特別な庇護を賜ったのであります。

父なる「創造主」は、生み出した子どもたち=「ユダヤ人」に対して律法=戒律を介して
「やるべきではないこと」を教えるわけであります。

純血の種族ユダヤ人が最もやるべきでないことと言えば、「異教徒」に関わり
「異教徒」の思想や文化に染まることでありまして、【偶像崇拝】とはまさに
創造主が最も忌み嫌うユダヤ人の最大タブーでありました。

【黒魔術】とは【呪術】とほぼ同じ種類のものでありまして、【呪術文化】で有名なのは
【古代エジプト】や【古代バビロン】でありますが、これらの【呪術文明】がユダヤ人に悪影響を
及ぼすということで、創造主はユダヤ人保護の名目で【呪術文化】の国々に災いをもたらし
容赦なく次々にこれをぶっ壊すのでありました。

創造主はユダヤ人に安住の地として「カナン」を与えるのですが、そこに住んでいた
先住民=【カナーン人】については聖絶=殲滅してよしとユダヤ人に指示するのであります。

捕虜としたり奴隷として生かす選択肢など全くなく皆殺しの一択なのは、子どもたちに
与える悪影響の芽を完全に摘んでしまおうという創造主の親心の現れでありました。

【カナーン人】は【アモリ人】と同じ血族であり、【呪術文化バビロン】の眷属であります。

【カナーン人】は【モレク神】を信仰しており、
【モレク神】を崇め奉る【偶像崇拝】の儀式にご執心でありました。

【鬼神】をかたどる【モレクの偶像】の下腹の当たりには炉が備え付けられておりまして
そこで火を焚くことができるわけであります。

【モレクの儀式】の際には「ドラム」をガンガン叩いて盛り上げて火を焚いて、そうして
【モレクの像】の火の中に子供を生きたまま投げ入れて【モレク神】に供物を捧げるわけであります。

かなり残酷な【生贄の儀式】でありますが、【等価交換の原則】により「※願い事」が
何でも叶うと言われるこの【偶像崇拝】の儀式に自分の子どもたち=ユダヤ人が嵌ることを
嫌う創造主は【カナーン人】に対して容赦することはなかったのであります。

【古代エジプト文明】は「ユダヤの預言者モーセ」を支援するために発動した
創造主の災いにより衰退し、そして滅び去りました。

【バビロンの王国】も(自分の子どもたちのために)それを望んだ創造主の預言通りに崩壊しました。

選ばれた民=ユダヤ人に対抗する勢力=【バビロン】の血族
最後に残ったのは【フェニキア人】であります。

「ノアの大洪水」、「ソドム」と「ゴモラ」、「バベルの塔」の計画も
勝つのは常にユダヤ人でありましたが、【フェニキア人】の「生存戦略」が功を奏し
「ユダヤ人の選民性」を覆すことに成功するわけであります。

ユダヤ人には創造主の鉄壁なる庇護があるため、まともにやり合っても勝てる見込みがないと
考えた【フェニキア人】は、ユダヤ最強と謳われる【ソロモン王】を懐柔する計略を企て
そしてユダヤ人を異教徒文化に染め上げて【堕落】させることに成功したのでありました。

「イスラエルの国旗」にも記される【✡】=【六芒星】は「ダビデの星」とも
【ソロモンの星】とも言われます。

【✡】を神として崇めたり、神聖視することは【偶像崇拝】と同じ意味があり
「ユダヤ人のタブー」であるはずなのですが、【✡】のことをどういうわけか
【ソロモンの星】と呼ぶのであります。

【ソロモン王】は預言の警告を無視して、【フェニキア】のティルス王である【ヒラム】と関わり
【666】タラントの報酬を得たと言われています。

【6】つの頂点、【6つ】の三角形、内部に【6】角形で構成される
【✡】は【666】を表していると言われます。

ユダヤの【ソロモン王】が【666】=【獣の刻印】を受けたことにより
ユダヤ人の「選民性」は失われます。

【フェニキア人】と交流を持ち異教徒の文化に毒された【ソロモン王】は拝金主義者となり
異教徒の宗教の影響が鮮明に表れた【ソロモン神殿】を建設するのであります。

そしてこの【ソロモン神殿】建設に関わる重要人物が、
【フェニキア人】のカリスマ石工職人の【ヒラム・アビフ】であります。

【ヒラム・アビフ】には高度な建築学の知識があっただけでなく神秘主義的な秘術に精通しており
恐らくそれが【錬金術】と呼ばれるものであります。

石工職人と言えば【バベルの塔】や【ピラミッド】を建設したのも彼らの仕事であると
言われていまして、数学や幾何学やなどに精通していただけでなく、
どうやら【錬金術】の知識もあったようであります。

【錬金術】とはほぼ魔法と同じようなものでありますので、
【黒魔術】であるとも解釈できるわけであります。

【ソロモン神殿】には【ボアズ】と【ヤキン】の柱がありまして、これと同じものが
現在の【フリーメイソン】のロッジにもシンボルとして設置されております。

【古代メイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを「ユダヤ神秘思想【カバラ】」
と言うのですが、【ソロモン王】の堕落と【ソロモン神殿】の建設の逸話は
ユダヤ人的には災いをもたらす駄目駄目なNG行為の事例ということになります。

更に言えば黒魔術の【カバラ】にしても【フリーメイソン】にしても、そのルーツは
ユダヤ人ではなく敵対していた【フェニキア人】にあったと考えるのが妥当でしょう

「魔法大学」の元ネタは【フリーメイソン】であり黒魔術=【カバラ】であるのですが
そもそも【カバラ】と「ユダヤの思想」には明確な関係性などあるはずもなく
【黒魔術】や【呪術】なら【バビロン】の種族に繋がると見るのが自然と言えます。

【黒魔術】の元ネタとして一つに【カバラ】というものがありますが、
もう一つは【ケルト人】の宗教である【ドルイド教】の神官=ドルイドの秘術であります。

【錬金術】と言えば【古代メイソン】の石工職人との関係性が強いと言えますが
一般的な「魔法」と言うなら【ドルイド】の呪術の類というように区分できるのかもしれません。

純血の人間には魔法は使えません。

魔法が使える種族がもしいるとしたら?それはそもそも純粋な人間でない何かの混血か?
特別な【禁断の秘術】をどこかで得たということになるでしょう。

【呪術文化のシャーマン】はドラッグを服用してトランス状態になり
神々や悪霊の類と【チャネリング】します。

所謂「神降ろしの儀式」でありまして、例えば【鬼神バアル】などから啓示を受け
特別な「知恵」を賜るわけであります。

人類に【禁断の知識】を与えたのは【鬼神】であり、【ネフィリム】であり、
【堕天使】であるわけであります。

【呪術文化】に毒されたものたちは【堕天使】の種族であり【ネフィリム】の眷属であります。

「知恵」を得て「目」が開け「明るく」なることを【啓蒙】と言うわけですが、それは
【プロビデンスの目】を得たということでありまして、「光の祝福を受けた」
ということを意味します。

【イルミナティ】とは「光の祝福を受けた」者でありまして、教科書に載ってる
【啓蒙思想家】とは【イルミナティ】のことでありまして、
「フランス革命」を引き起こしたのも【イルミナティ】であります。

「光をもたらすもの」は「エデン」にいた「蛇」でありまして、
アダムとエバに【禁断の果実】を食べさせた【光の天使ルシファー】であります。

【ルシファー】は【堕天使】であり、【デーモン族】の悪魔であるので
頭に【角】が生えているわけであります。 {/netabare}

【堕天使】は人間の女に欲情し女を孕ませるため地上に降りたということで
その性質はエロで満ちております。

本作の主人公並びにエロエルフの女が「アホ毛」ホルダーであるのは
【堕天使】の血族=【ネフィリム】であることを示しています。

「アホ毛」は【鬼の角】を表し、その種族の血統を示すのであります。

「アホ毛」ホルダーは特別な知恵や能力を持っている一方で、【堕天使】のエロエロの特性も
継承しているという表現でありまして、「アホ毛」ホルダーの性格はエロでも
あったりするということであります。



「無職転生」には残念ながら悪い印象しかありません。

今期の0~2話くらいまでは主人公が大人しくしていたのでまだマシだったのですが
やはりこの作品特有の脂っこい感じのエロネタ、エロ表現が炸裂しまして
それを見るとゲンナリするわけであります。

嫌なら見なければいいというのは正論でありますが、{netabare} 何故この作品がここまで評価されているのか
気になり、分析してみたいということで視聴継続しているわけであります。

結論から言えば、前期にしても今期にしても大して面白くもなく、主人公のキャラ設定にクセが
ありすぎて、感情移入することができず、このやり過ぎ設定には多くの疑問が残ります。{/netabare}

「Re:ゼロから始める異世界生活」と本作を比べてみれば一目瞭然でありまして
人気もあり実力もありキャラ設定も機能している「Re:ゼロ」に対して本作は
{netabare}あらゆる面で劣っているわけであります。{/netabare}

前期の作画が良かったと意見については理解はできますが、物語のレベルは
せいぜい「3」がいいところで、{netabare}そこにマニアックなフィギアネタとか下ネタ
エロネタなどなどの要素を減点したら、最悪「1」にもなり得ると個人的には考えております。

一番ひどいのは主人公のキャラ設定でありまして、エロゲーマニア程度なら許容できますが
猥褻性犯罪行為を犯す主人公というのはかなり厳しく、例え原作がそうだったとして
アニメ化するなら自主規制した方が良かったのではないかと思えて仕方ありません。

成長物語を描こうとしているのはなんとなく理解できますが、その点についても
「Re:ゼロ」比べると全く描けていないと言わざるを得ません。{/netabare}

「ルーデウス」という名は「ルー」+「デウス」という形で構成されています。
「デウス」は「神」を意味します。
「ルー」は【ケルト神話】の「太陽神」=「光の神」であります。

主人公が【ケルト人】の神の名を持つことが重要なポイントでありまして
このことが極端なキャラ設定の秘密に関係するとも考えられます。

{netabare}【ケルト人】と言えば【ドルイド教】という宗教でありますが、今ではいつの間にか
日本でも祝われている【ハロウィン】は【ドルイド教】由来の宗教行事であります。

11月1日の【サウィン祭】の前夜祭に当たるのが【ハロウィン】であります。

【ケルト人】は【フェニキア人】とよく似たところがあり、宗教儀式として
【人身御供】を行います。

所謂【生贄の儀式】でありまして、【ウィッカーマン】という木でできた巨大な人型の檻に
人間を閉じ込め火を放ち焼いて供物を捧げるわけであります。

「ベルセルク」では黒ミサ的な儀式の描写が詳しく示されていますが、どうやら
【ケルト人】や他の種族の実際にあった儀式を参考にしているようでありまして
非常にリアリティがあったわけであります。

【人身御供】に最も好ましいのは「子供」でありまして、そもそも「子供」には
「供物」の意味合いがあったと言われています。

「祇園祭」でも子供を生贄に捧げる【人身御供】が行われていたとのことであります。

【フェニキア人】か【ケルト人】か他の民族かは定かではありませんが、子供を
性的凌辱する儀式の類があるようでありまして、「ベルセルク」で性的な儀式の
描写があったのと関係してくるのであろうと考えられるわけであります。

児童人身売買を暴く大ヒット映画「サウンド・オブ・フリーダム」は現実世界のタブーに
触れていまして、【グローバルエリート】たちが「ペドフェリア」であり人身売買に
深く関わっているというネットの噂話を補完する内容が描かれています。

「ペドフェリア」とは「小児性愛」と訳されますが、「ロリコン」よりも
変態性癖が強いニュアンスが含まれる言葉であります。

因みに当方が「鬼舞い」アンチな理由は「ペドフェリア」と関係する
【ジェフリーエプスタイン事件】を知ったからでありまして、ジャニーズの件も含め
現実世界の酷い有様を目の当たりにしたことにより、ロリコン変態は誉め言葉であるという
冗談めいたご意見には全く以て理解不能という立ち位置なったというのがあります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公が「アホ毛」ホルダーであり、猥褻性犯罪を行う
「ペドフェリア」であるのが設定であるとするならば、そこから導かれる結論はやはり
【グノーシス主義】的な宗教思想というのものが作品の背景にあるということなのでありましょう。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 4
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャプテンE.D.

世の中、たいていのことには『良い点』と『悪い点』が混在いたします。
禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。
EDのもつ最大の良点は『腹上死する危険性がなくなる』ところかと。

死というものは万人に等しく訪れますが、
その価値は、ほんとそれぞれ。
欧米では『友のための死が最も尊い』とか言われます。

  腹上死というのはたぶん、
  その対極に位置する存在ではあるまいかと。

もちろん『性欲はオレの友だ』と言い張ることもできるにはできます。
キャプツバ的に『リビドーはトモダチだよ』と爽やかに言うこともできます。
ほんとできるっちゃできるんですが、
それはあくまでも『言論の自由』というケンポ-上の話であり、
うんうんそうだね、と言ってくれるヒトは、
早くその話題を終わらせたいから相づち打ってることをお忘れなく。

  実際の話、そういう大往生をしてしまうと、
  残されたご遺族の心境もけっこうフクザツでありましょうし、
  弔辞の書き方にも困ってしまいます。
  さらに、お葬式の雰囲気も微妙なものになってしまいかねませんので、
  オトコがなるべく避けたい往生の仕方の一つと言えるでしょう。

  その心配がゼロになる、というのですから、
  EDというのもなかなか捨てたものではないのかも知れません。
  (自分がなるのはゼッタイごめんですが)


さて、本作『無職転生Ⅱ』第一ク-ルは、
エリスに去られて自己憐憫をこじらせたルーデウスがEDになり、
魔法大学でシルフィと再会してそれを克服するまでを描いたおハナシです。
完全に前作『無職転生』の続きなので、
まだ見ておられない方はまるっとおいてけぼりですね。

今ク-ルはこれまでの血わき肉踊る異世界冒険譚とは趣を異にし、
どちらかと言うとせせこましい、
ぶっちゃけ半日常系みたいな話がちくちく紡がれていきます。

とは言っても、話のすすめ方がザツ、ということはありません。

0話まるっと使ってシルフィが魔法大学に入った経緯を説明してから、
1~4話がいわゆる『泥沼編』。
大切な放送期間まるまる一か月をかけて、
ルディ(ルーデウス)の見事な自己憐憫っぷりからのED発覚、
そして魔法大学入学までを描きます。

  これを『しっかりと経緯や心情を描いている』と評価するか、
  あるいは『展開が遅くてまだるっこしい』と考えるかは人それぞれ。
  きちんと物語を描きたいカントクの意図はわかりますが、
  昨今はやりの『なぜもへったくれもない』展開になじんだ方々は、
  早よシルフィだせやゴラァ、と思うかも知れません。

  まあ実際、
  そんなに面白い・引き込まれるエピソードでもないし、
  鬱モードに入ったルディがうっとうしいし、
  プロットヒロインのサラがええとこなしでかわいそうなので、
  半分の尺でもよかったかな、とは思うところ。

そして5話からがラノア魔法大学編。

基本的に『魔法学校』という舞台設定は、
おなかいっぱいというか、創造力のないラノベ作家が選ぶド定番であります。
あまりにも亜種が多すぎてよくわかんないほどなんですが、
本作は草分け的存在なので、
発表当時はまだ鮮度が残っていたかも知れませぬ。

ただし、ルディが魔法大学に入学した目的が
向学心のためとか祖国のためとか憧れの師匠に追いつきたいためとか、
そういう内面的かつふわっとしたものではなく、
  EDの治療法を探すため
という『はっきりしていて切実』なものなので、サベツ化は充分かと。
てか、ぶっ飛んでいて好きかもです。

で、ここからはおハナシの趣がガラリと変わり、
けっこう既視感の強い、下ネタおおめの異世界学園ラブコメふうとなります。
旧キャラに加えて新キャラもけっこう出てきます。
{netabare}
  ロキシーがパンツしか登場しないため、
  萌えという絶対領域はシルフィがほとんど一人でカバ-いたしております。
  ドワーフっ子のジュリエットもかわいいっちゃかわいいのですが、
  萌えとしては、上級者向けではあるまいかと。
  ケモナ-さん向けにもふたりご用意しておりますが、扱いがリョナ。

  ナナホシという、
  今後の物語展開でキーパ-ソンになりそうな娘も再登場しますが、
  今ク-ルで何かが大きく動くわけではありません。

  ヒトガミとルディの前世姿の登場も、泥沼編の一回こっきり。
  ルディがこまめに肉体を鍛え、
  ふつうのファンタジーヒ-ロ-っぽく、かっこよくなっていきます。

  つまるところ、
  小さなプロットがけっこうあるものの、何をやっても物語の主たる関心が、
    シルフィがいつ身バレするのか
    ルディがどんなふうにEDを克服するのか
  の二点に帰結してしまうという、
  わりとミもフタもない展開のク-ルだったりするわけです。{/netabare}


それじゃつまんないんですかと問われると、
決してそんなことはなく、
熱狂するような感じじゃありませんが、ふつうに楽しく見られます。

個々のキャラの心情もしっかりと繊細に描かれていますし、
『萌え』『笑い』『シリアス』『業』『バトル』
みたいなものがきちんと、しかもほどよく配合されておりまして、
  ヨ-グルトがけグラノーラ、オレンジジュースつき
みたいな、バランスの良い朝食的仕上がりなのではあるまいかと。

  ただし『ED』というクセの強いシードが含まれているため、
  とりわけ女性の視聴者さんにおかれましては、
    えっと……笑ったらいいんですか?
    それとも同情した方がいいのかしら?
  などと、咀嚼に困惑される場合もあろうかと存じまず。

  どうぞ笑ってやってくださいまし。
  そもそもルディの未熟な自己憐憫が原因ですから自業自得ですし、
  同情なんかされたらそれこそいたたまれませんから。


拙的な本作のおススメ度は、
前期を視聴済みという前提でAランクです。
(てか、第二ク-ルから見はじめる人ってあんまいないよね)

前期みたく、
エンタメ性を存分に発揮しながらも『人間の業』に深くえぐり込む、
というキレッキレ感はあまりありません。
もちろん、ヒトガミやナナホシとの会話などで片鱗は見せるのですが、
通して視聴すると、
やっぱ下ネタおおめの異世界学園ラブコメみたいな印象かと。

  なんでそうなるのかとと言うと、
  物語全体の印象というかインパクトを、
  シルフィ(茅野さん)が全部もってっちゃってるんですよね。
  ひさびさの茅野さん無双でありまする。
   {netabare}
  とりわけラスト二話、
  シルフィの身バレとED完治が同時ではなく別プロットになり、
  茅野さんがそれぞれのプロットで披露したお芝居、
  ゴジョ-先生もまっつぁおの領域展開が、インパクトやばいレベルです。
  
  ふつうのアニメだったら、
  身バレでソッコ-完治、愛はEDを救う、みたくなると思うんですよね。
  だけど本作では、
  『それはそれ、EDはED』
  ということで仕切り直し。キビしいです。

  え~~、やっぱあっちとそっちって違うもんなんですか?
  とか女性の方から聞かれても、なったことないからわかりませぬ。

    ほんとわかんないんですが、
    何となくわかるような気がするかも、
    というのがこっち側の大半の意見なんじゃないかしら。

  でまあ結局、ふたりでクスリ飲んでキメ〇ク、という
  かなり身もフタもない解決方法に至っちゃうわけでありまして、
  まさにディ-プインパクト。ぜひもなし。{/netabare}


作画は、相変わらずの高水準ですね。

ただ、前期に比べると粗くなったという声もあり、
そう言われると確かに、
ロングやモブの描き方がザツだとか仕上げがちょっとアレかなあとか、
前期になかった「ん?」は感じますが、
それでも他社との比較論で言うならけっこうなお点前ではあるまいかと。

  今ク-ルから監督が、
  前期まで副監督を務めていた平野宏樹さんに変わっております。
  また、成長したキャラを描くにあたり、
  キャラデの担当者も前期とは違う方になっており、
  そのへんの影響は、やっぱあるでしょうね。


役者さんは、キャラ替えもなく、全員ハイレベルです。

特にルディ役の内山夕実さん。
前期からルディの年齢が変わって肉体的に成長していますし、
おまけにEDという女性には理解がムズカシイ役どころなんですが、
うまく咀嚼して『青年ルディ』を創り上げています。

その他、今期からは新キャラで
上田麗奈さん(アリエル役)や若山詩音さん(ナナホシ役)など、
旬の実力派役者さんも参加していて百花繚乱。
プロットヒロインのサラを演じた白石晴香さんも、
けっこうアシリパ入ってたけれど頑張っておられました。

ただ、そんな中においても、
インパクトという観点においては、
すでに述べたように茅野愛衣さん(シルフィ役)が無双状態かと。

茅野さんって、
最近はご自身のyoutubeでお酒ばっか飲んでるイメ-ジなんですが、
もともと卓越した演技力をお持ちの方なんですよね。

  彼女のお芝居で拙が「マジすげえ」と思わされるのは、
  セリフの『硬度』と『温度』の使いわけです。
  これはもう、天性のものと呼んでいいんじゃないかしら。
   {netabare}
  本作でも物語冒頭、アスラ王国に飛ばされてきてすぐのときは、
  ガチガチに緊張した、バリカタの声ですね。
  それから『無言のフィッツ』として新生活になじんでくると、
  緊張がややほぐれて声の硬度が一段階さがります。
  (それでも初対面の相手と話すときは硬度かために)

  そして、フィッツとしてルディと会話している時には、
  リラックスできるのか、
  まったく同じ話し方なのに声のトーンはやわらかくおだやかに。

  こうした同じ話し方での『声の硬度』の使いわけ、
  『バリカタ』『かため』『ふつう』が自然にできてるんですよね。
  あの『氷菓』伊原摩耶花役でも披露してましたが、
  なかなかマネできない、ものすごい技術だと拙は思います。
  (たぶん、鳴らす場所や緊張させる筋肉を微妙に変えてるんでしょうね)

  で、それに加えて『声温度』の上げ下げができるんです、この方は。

  ナナホシとの会話などでは、声温度かなり低め。
  ルディとの会話でも、
  感情の起伏に伴って面白いぐらい上がったり下がったりいたします。

  そして、今ク-ルで最大の見せ場は、やっぱ最終話。
  ド-ピングの前後で声温度爆上り。
  その温度のまま究極の最終奥義、オトコ殺しの頂上セリフが炸裂します。

    どうぞお召し上がりください。

  これはあかん。
  わりと身持ちのかたい僕ではありますが、耳元でこれは殺られる。
  まさにアルテマウェポン。奥さんほんとごめんなさい。

  というか、マジなハナシ茅野さんって、
  『声バリカタ冷え冷えで』とか『声やわ激アツで』とか、
  どんなオーダ-にも応えられるすごい役者さんだと思う次第であります。
{/netabare}

音楽は、
劇伴は前期と同じく藤澤慶昌さん。
古楽器を駆使した安定した音作りで、世界観もドンピです。

OP/EDは、
前期は大原ゆいこさんが全部やってたんですが、
今ク-ルのOPはLONGMANさんが担当。
わりといいんじゃないかしら、世界観にもハマってますし。

あと、最終話のEDは大原さんの曲を茅野さんが歌唱しております。
ただし、セリフにかぶせてBGM的に使っちゃったので、
印象としてはかなり薄めかと。
(拙は初見のとき気がつきませんでした。お恥ずかしい)



いずれにいたしましても、
見て損をするようなアニメでは決してありません。
他の『なろう系』を見るぐらいならぜひこっちを、という感じかと。

ただ、前期については、
 『異世界転生もののハイエンドモデル』
と評価させていただいたのですが、
今ク-ルについては、さすがにそこまで言えませぬ。

既に述べたことだけど本作品の通奏的なテ-マは
  『人間の業と再生』
みたいなモノだと拙は愚考しているわけです。

そこんところ今ク-ルは、かなり薄味になっちゃってるんですよね。

そして『テ-マ』ではなく『ギミック』の一つである、
ルディのEDが前に出すぎちゃったことで、
なにがしたいのかイマイチわかりづらいク-ルになっちゃったなあ、と。
{netabare}

  もちろん、ルディがEDになったのって、
  エリスの真意をはかりきれないルディの『未熟さ』と、
  それがゆえの自己憐憫をこじらせちゃったのが原因であります。

  前世で死んだのが34歳だから通算年齢ほぼ50歳、
  ええ歳こいたおっさんがそんなんでええんか、自業自得やんかジブン、
  という意味では『業のなせるワザ』と言えなくもありません。

  ただ、その乗り越え方が、
  なんか頑張ってジブンの弱さを克服した、みたくリッパなものではなく、
    クスリでキメたらうまくいったぜキャホホイ
  という、リアルではあるけれどドラマ性のかけらもないものでして、
  え……あ……よかったね、としか言いようがありませぬ。

  人間の未熟さとか腐った性根というものはカンタンに治んないですよ、
  という背骨の部分は前期から一貫しているのですが、
  だからといってこの展開で、
    何かカンド-したり学んだりしろ、
  なんていうのは、さすがにムリ筋に過ぎるかと。{/netabare}


とはいえ、ルディくんの冒険譚は、まだまだ道半ば。
見てくれがいっぱしの青年になったとしても、
いきなり中身までリッパになられては、お話が回せません。

第二ク-ルは来年四月からとの由、
  とりあえず性的に充足したルディくんにどんな冒険が待っているのか、
  おパンツ以外のロキシーの姿は拝めるのか、
  ヒトガミやフィットア領転移事件の謎は明かされるのか、
  いいかげん下ネタを卒業してドラマにシフトしてくれるのか、
いろいろと興味の尽きないところであります。

今ク-ルはちょっとまあアレな感じでナニな出来ばえでしたが、
それでも面白いっちゃ面白いし、
物語自体はよく練られていてすごく興味深いものなので、
次ク-ルを楽しみに待ちたいと思います。

  あと、レビュータイトルがアレなので、
  某所からクレームが入り、
  BANされたらごめんしておくんなまし。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

失意のルーデウス…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
そう言えば原作は完結しているんですよね。
メッチャ原作の気になる作品ですが、時間が無くて手に取ることが出来ないのが分かり切っています。

時間を捻出するには…
もう宝くじを買って一攫千金を狙うか、仕事を定年退職した年金生活の老後の2択しか頭に浮かびません。
しかし、私たちが老後になった時って、年金ってどれだけ貰えるんでしょうね…^^;
その前に何歳まで働かなければならないのか、さっぱり見当が付きません。

さて、そんなお先真っ暗な状況はルーデウスも一緒…
ルディに課せられた精神的苦痛が、肉体にまで影響を及ぼすようになってきました。
きっとこの辛さは体現した人にしか分からないと思います。

ルディはこの経験を経て、これまで以上に人に優しくなるのではないでしょうか。
そうあって欲しいと期待しています。


「俺は、この異世界で本気だす!」
34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。
両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。

目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!
ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓うー!

ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼馴染、凶暴ツンデレお嬢様、
そのほかの様々な人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。

新しい人生が動き出す!
「人生やり直し」ファンタジー、開幕!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

公式サイトのINTRODUCTIONやSTORYを見ても殆ど物語の内容に触れられていません。
これは切り売りせずとも視聴者を納得・満足させられるクオリティであることを作り手の皆さんが自負している何よりの証だと思います。

こういう潔さって個人的には嫌いじゃありません。
寧ろこの作品「らしさ」を感じる気がします。

TVアニメ第1期ではロキシー師匠とエリスにスポットが当てられて物語が展開してきましたが、今回はまさにシルフィ回でしたね。

これまでルディは過酷な旅路を強いられてきました。
エリスに対する心情の変化も、あまりにも過酷過ぎた帰途の日々であったことも拍車をかけていると思います。

誰もが等しく刻まれる時間を生きてきたシルフィも、やっぱり大変だったと思います。
シルフィは元々引っ込み思案な性格なんです。
それが強制的に独りぼっちで生きていかなければならない選択を突き付けられたんです。
心を許せる人が居ないって、物凄く寂しいと思うんです。
でも、シルフィは見事その壁を乗り越えました。

そんな頑張り屋さんなシルフィも大好物ではあるのですが、個人的にはルディと接点を持った以降のシルフィの方が大好きです。
故あって身分を明かす事は出来ませんでしたが、サングラスの色味を通して時折覗くシルフィの瞳が兎にも角にもヤバい…

見た目だけでもシルフィは十分可愛いのに、演者がかやのんってどれだけ…
もう言葉になりません。
かやのんがシルフィの魅力を限界まで引き出してくれたからでしょう。
終盤は何度も萌え死にそうになりましたよ。
特に「なに…ルディ?」の台詞には電撃が流れました。
流石かやのん…
最高のシルフィを見せて頂きありがとうございます!

これから物語がどの様に動いていくかが楽しみで仕方ありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、LONGMANさんによる「spiral」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんによる「ムスビメ」

1クール全13話の物語でした。
今、視聴順序がメチャクチャなのでBEST10が何時作れるかは自分でも分かりませんが、間違いなくBEST10のトップクラスに入る内容だったと思っています。
第2クールは2024年の4月から放送される予定です。
あと半年…きっとあっという間だと思います。
第2クール、メッチャ期待しています!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21

74.0 7 ファンタジーで戦いなアニメランキング7位
陰の実力者になりたくて! 2nd season(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (225)
890人が棚に入れました
「陰の実力者」に憧れた少年は、道半ばで命を失い、シド・カゲノーとして異世界に転生した。新たな世界で「陰の実力者」設定を楽しむことにしたシドは、陰に潜み、陰を狩る者――シャドウを演じ、付き合いのいい配下の少女たちと闇の教団に対抗する「シャドウガーデン」を組織する。すべては妄想の産物……そのはずだった。ところが世界の闇たる「ディアボロス教団」は実在し、シドの知らぬところで「シャドウガーデン」は教団との抗争を繰り広げていた。次なる舞台は「血の女王」「妖狐」「暴君」の三勢力が統治する無法都市。そこは、ならず者がはびこる弱肉強食の世界だった。吸血鬼たちの支配者「血の女王」の討伐のため、姉のクレアに連行されてきたシドは、またとない「陰の実力者」ムーブの機会に心を躍らせるのだが……。「血の女王」を巡る陰謀が動き出し、無法都市は三つの勢力が入り乱れる。さらに姉のクレアも騒乱に巻き込まれ、シャドウガーデンも独自に行動。混沌を極める中、シドは人知れずシャドウとして暗躍しようとする。赤き月は昇り、覚醒の刻は来た――!
ネタバレ

こま さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

12話最終回視聴。穴に吸い込まれる主人公!そして劇場版制作決定!やったぜ!!

1期視聴済み。マンガは最新刊まで購入済み。2期以降の部分だけ読んでない(あとから読む派)


なんやかんやあって、あんながこんなで、そんながどんなで、これこれこうして、こんな感じがこうなってぇえええ!こうだ!
ワロタw

まあ1期からそこまで経ってないし、ある程度は覚えてるので個人的には問題無いが…2期から観た人は…2期観れるなら1期も観るよねたぶんw
とは言え2期から観ても作品の雰囲気、どんな感じなのかは分かりやすいと思う。
作品紹介も既存キャラ紹介も分かりやすい。

シャドウも7陰も相変わらずで良いなぁ。
ベータも変わらないなぁw

盗られたら盗り返す倍返しだ!
シャドウ、セリフが気に入ったのか同じセリフを繰り返す。壊れたラジオかなw
不穏な空気が漂うもののシャドウはあの感じなのでギャグアニメにしか見えないの笑うw

待ちに待った2期が来た!楽しみ!視聴確定。

2話視聴。
{netabare}〇〇アトミックで終わるw

相変わらずシャドウは壊れたラジオの如く「死にたくなければ逃げろ。暴走が始まる」
「月が赤い…もう時間がない」「死にたくなければ逃げろ。残された時間はあと僅かだ」
人がいるところでひたすら言いまくるwどんだけ気に入ってるのだろうw

今回もシリアス回だが、シャドウが気の抜けた喋り方で登場するのでアレ?シリアス回だよな?とか思ってしまうの笑うw

アレは流石に予想外の出来事だった…。初見で予想出来るわけがないw
登場の仕方を変えたいと言って登場した瞬間終わった()

これから始まる!とか思ってたのにアレはちょっとw
ちなみに3話以降はちゃんとあるよ!やったね!{/netabare}

3話視聴。
{netabare}シャドウ何も考えていなかった事が分かるw
ベータが戦ってるのを見るの初めてかな?
〇〇〇〇がアトミック唱えてるのワロタw
毎回思うが会話が噛み合ってないの笑うw
「ガンバえー」確かに3歳児w
改めて思ったがシャドウってチートだよねコレ…。
そう言えば忘れてたけどこの都市の建物の景観ヤバいなとw
貯金箱とか言ってるぞコイツw

はぁ毎回面白くて良い…。{/netabare}

4話視聴。
{netabare}最初新キャラかと思ったよw
そう言えば地味なあったよなぁ()
話しの内容で察した()
一般女性が盗賊っぽいのに襲われてナイフで服と下着を切ったと思ったら…。

毎回思うけど計画がガバガバなの笑うw
指摘されるもごり押し→深読みした結果驚かれるいつもの展開()
まあ確かに子供なら誰もが考えそうな事だけどもw実行したやつ初めて見たw
そしてデルタ回。いつものように全裸w(下は履いてたか?)
シャドウの上で毎回いろんな体勢でいるのにいつも通りなシャドウ。まあ無いもんねw
「なら1人くらいは良いか」1000は凄いなぁw
コレまた無駄に終わるんだろうなぁ(トオイメ{/netabare}

5話視聴。
{netabare}ガンマの実力が明らかに…ビームサーベルの持ち方が野球のバットの持ち方なの笑ったw
とにかくテキトーに攻撃するが当たらないwただのごり押しである()
そしてひたすら転ぶ…転んだ瞬間終わっていた…。
最後のアレはやりたい事リストの1つなのだろうか?指の動きが無駄にカッコイイの笑うw {/netabare}

6話視聴。
{netabare}匂いで分かるの草wそしてコレ前にも見たなw
そして話しを聞かない噛み合わない同じ話しを繰り返すwうーん、この()
ジョン・スミスの実力が明らかにw
相変わらず糸を使って今度は7陰2人を圧倒。

シャドウ演出を優先するあまり健康を害すw演出<健康とは?
今回は糸を使ってのバトルが凄まじい。相手が強いと戦いが映えるの良いねw
この感じだとこれ以外も使えるのかな?
杉田さんも大概だったけどそれより酷いとかw{/netabare}

7話視聴。
{netabare}まあ簡単に言うとこれの所為で聞こえなかったの草なんだ。
まあ確かに何か聞こえてた気はしてた。
ようつべで確認してああ、なるほど()
なのでようつべで確認するか2度観ることをオススメする。

今回も気の抜けた話し方するのと相手の所為もあってシリアスがシリアスになっていないw
ボイ◯レ◯ーダーで世界が消滅するだと!?血濡れのサン◯ク◯ースとかよく分からん話しになってるよw「アレ?アレ?話しが繋がらないね?繋がらないね!」

今回で2回目だからね仕方がないね!といういつもの展開デスネ。
そして見つかったアレの中身は何だったのか?{/netabare}

8話視聴。{netabare}8話だけ観るのもオススメ!
男の腹筋ピクピクとか乳首なんていらんのよw
モブ2人に関してはいつも通りなので安心して観れると思う(少しだけ見たけど結局…)
相変わらず扱いが酷くてワロタw

とにかく7陰の水着はエロかったw
他にも温泉に裸にウサミミバニーガールにお尻。…に便○薬w
一瞬欲しいとか言ってた気がするが気のせいだろうw
副作用で穴という穴から体液がダダ漏れw〇〇○ピンチ!幼児化wウサミミバニーのお尻w
こんなので良いんだよw回w

前期のOPのアレをここで回収。

そして当然の流れ…2人の戦いはコレからだ!
声すら出ないのは初めてか?{/netabare}

9話視聴。
{netabare}そう知ってる人は知っているドラゴンクエストである!たぶんゾーマな気がする…。
…だけど女の子にこの格好はちょっと…とか思ってたけど、なんか違うからいいか!

最初誰だっけ?とかふつうに思った。名前で呼んでるし親しいよねコレ、学生?先輩?それともそれ以外で誰かいたっけ?と。
そのまま観てると思い出した。暗くてちゃんと見えてなかった気がするけどこの人か!
服着てるとこんな感じなのかー。

そして…女の子が自分の胸を持ち上げていた…ただそれだけ。
たとえどんなにシリアスで女の子が大変な状況でも見てしまうのはしょうがない…しょうがないよね?
久しぶりのシドの弱弱モブプレイ。ボコボコにされお尻が半分とか久々見たなw
「誰だか知らないけど分かってる奴がいるじゃないか!ボクも負けてなられないな!」…うん

「前からやってみたかった囚人生活を堪能しつつ…」!?違うそうじゃないw絶対違うw
スリル&サスペンス!そしてプリズンブレイク!!目立ちつつ目立たないで目立つとは?

欲しい物は殺してでも奪い取る。良いよね?無法都市ルール。ボクは好きだよ?
要するに強い奴が正しい。つまりボクが正義だ!

「社員番号か何かかな?」まあ知らなきゃそんな反応になるよねw
ただ全く何も知らなかったのには驚いたけどw

〇〇…?ローズ先輩が〇〇!?ボクの陰の実力者プレイを捗らせる為には彼女が〇になる事が必要なんだ!待っていろ!ローズオリアナぁぁぁぁあああ!!{/netabare}

10話視聴。
{netabare}テンプレ悪巧みが始まる!と思ったら始まるのかコレ…。

今こそ僕の磨き上げた縮地が輝く時!…まあ飛んでるしね今更だよね。
縮地って聞くと個人的にはネギまかな。あと似たようなのだとBLEACH、ワンピースもかな?

「スライム率99%…重心の移動に合わせて常に微細な魔力操作を繰り返しているカオス理論すら想定した無駄に無駄の無い無駄な努力。〇の努力の賜物かなって。」
ここまで分かるのも凄いがここまでしてるのも大概w

テンプレ悪役w
「モブにすら手を抜かないテンプレ悪役スタイルとは。その生きやよし。」
「みんなの血税の仇は僕が取るよ。」いつものやつw
触手が見えてんの草。
かなり目立ってたけど大丈夫?

メイドさんはスライム率0%!
手を擦って外したのかアレw
年俸制かーw
美女の誘惑を宗教の勧誘てw
確かに落ちかけてはいたような?

足が震えている?少なくとも主人公は震えてない…。てかすごい体制だなw

一言も喋ったことがないのに愛し合ってるとは?
相手の事を全く考えてないとああなるのか(白目 
表情が分からないってスゴイネ!
自分の好きな相手がイケメン王子様に見えるアレかなw

クッキー食べながら真面目な話ししてるんだけどナニコレwそれも喋ってる間中()
シリアスな場面なはずなんだけど…。食べかすも気になってしょうがないw
ただ…「あなたには覇王になって欲しいんだ!」「私の事をそんなに…!」コレである()

またもやお風呂で股パチンする主人公!オシリw
ベータに対するイータのアレは昔からかーwなるほど前回のアレはそう言う事か。

まず中身を確認しようか!
悪者さん色々企んでるんだけど…さて中身はどこに行ったのでしょうか?(トオイメ{/netabare}

11話視聴。
{netabare}握られた手を外そうとするが外れないwそして顔よw
ストーカーは自分がストーカーである事には気付けない!さてストーカーは誰でしょうか?
へのへのもへじ草。
何で裸にネクタイで演奏してるのに皆んな気付いてないんだろうね?

男女2人が部屋に居て男がズボンを履いてるとアレに見える不思議。
黒きバラ…ああ脱獄した後のやつか。リーダーはあの2人w「アレはなんか違ったしなぁ。」
いつもの話しが噛み合ってない花壇のお話し。
地面歩いてると思ったら…。

母親と濃厚なディープキッス!したのは誰でしょう?
ある場面を目撃したが…この顔は初めてかなw
「コレはアカン。異世界ファンタジーじゃなくて○ドラになってる。どうにか夕方6時台に軌道修正しないと。」やってるの草。コレ見せたらあかんやつ()
なるほど一期の黒幕はこの2人か。ああ…うん…なんか…ごめんじゃないw
ここで耳にくるやつ来たー!!

お風呂で体を洗おうとしたら…本物に見えるレベルかー。
相変わらずの比較対象w「よくぞここまで辿り着いた。」
そして一緒にお風呂!まあ見えるわけがないけどね!

やっと気付いたか…おせぇよ!3回同じ事してんのホントw慌て過ぎるのもまあ分かるw
まだ探してるよ()この子はどこにでもいるなぁほんとw

こうなる事を分かっていて託したのか…。分かっていてもああいうの好き。

そして最後!個人的にアレはテンション上がる!こういうの好きな人多いじゃないかな?
…まあでも一言。がんばぇぇぇぇ!{/netabare}

12話最終回視聴。エロいだけじゃなかったメイドさん!
生首二つと体が半分。今回結構グロいかな。

「流石異世界!コウモリもスケールがデカイ」アレをコウモリ呼ばわりw大災害来たー!
やっぱりこのメイドさん有能だったか。

前髪焦げただけで済んでるのホント草。
糸がお気に入りになったシャドウ!観てて楽しいからイイけどね!
モードレットさんアーティファクトフル装備なのに重症!見た感じ体削られてる?
いつもの、みんな死ぬんだからペラペラ喋ろうか回。
イイよね!別世界!神隠しにアトランティス!
オレは逃げるけどお前達は滅ぶのだ!!グシャ()コレもいつもの。

「ラスボス戦みたいで楽しい」「挙げ句エフェクトは使い回しか」
生きてたけどぼろぼろだったので融合!
「典型的な失敗作だな」デルタ以下とか言われるラスボスさんかわいそう…。
そして宇宙…来たーー!!

色々説明してるんだけど途中から分からなくなり何時ものなんやかんや以下略。
「とにかく凄いエネルギーで。まあ原理なんてどうでもいいか」
ここで耳に響く新アトミック!相手は消滅した!
「たまには力押しの脳筋プレイも悪く無いよね?」
アレ?何時ものは脳筋じゃないと?

アトミック放った後に土星?と惑星がいくつか見えた。似た世界なのか?

フラグはいつもの様に立っていた…ので開いた穴に吸い込まれるシャドウ!
ここってもしかして…。でも何か違う?何この終末世界…。
ある人物が救世主扱いなのだが…。酷い目に遭うのは運命なのだろうか?
何とかスレイヤーさんを知ってる人が居るって事は…。

救世主さん見た感じ魔法みたいなの使えてたし魔力があるのかな?
とは言えあっさり捕まってるし、ここはそこまでじゃない?
そうなると最近観た現実世界をも無双する展開になるんだけどいいのかw
さてホントにこの世界にシャドウが必要なのかw
オマケでベータ巻き込まれてて草。

劇場版(続編)制作決定は素直に嬉しい!けど3期も来て欲しい。
まだまだ先になるだろうけど気長に待ちますか。

最初から最後まで楽しく観れるアニメって良いね!終わり。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

3期早く。同時発表しなきゃダメでしょ?追記 やっぱり映画でしたねえ…

 まあ、最後にきてすごい引きでした。世界観の提示とあの方の再登場。途中不満がないわけじゃないですが、上がりの3話が面白かったので、問題ありません。

 そう…物語というのはこうじゃなきゃいけません。伏線とか設定とかエピソードとかそういうのもいいですけど、重要なのは「展開」です。当初は凡百の異世界ワールドかと思っていたら…ですね。1期のOPとかいろいろ仕込んでそうでしたけど。

 本作はテーマ性は薄いですし、シャドウそのものはギャグ・アクション担当です。
 しかし、アルファ、オリアナ、クレア、アレクシア、シェリーなどサブキャラのキャラ造形がとても良くて、そこに感情の部分がはいります。この2重構造が「ワンパンマン」とは違った(いや、似てるか?)究極の俺TUEEEを実現しています。加えて、最終回でこの世界観です。エンタメとはこうでなければ。

 最終回はすごかったですが、オリアナをもう少し描いて欲しかった気がします。

 2期はやっぱり6話のアルファとオメガの対比が一番面白かったかな…単一回の演出というか脚本のうまさでいえばかなり上位に入るくらい良かったです。
 で、スタッフ調べたら、2期は脚本・シリーズ構成が全話加藤還一さん、絵コンテ・監督も全話中西和也さん、総作画監督が1話除いて飯野まことさんという方が担当されたんですね…え、ということは完パケなの?だからクオリティが高かった?

 どうせ人気出るのわかってるなら、同時発表しなきゃダメだろう?と思ってしまいますが…どうでしょう?こういう贅沢な作り方だと3期時間かかるんですかねえ…それとももう準備してるとか…早く発表してほしい。

 続きの発表ないのと、ちょっと面白くない回が2,3話あったので今回はストーリーは満点にしません。4かな。音楽と声優も4。キャラと作画を5とします。
 3期の発表みて、8話を再評価した上でもう1回評価すると思います。え、劇場版かも??考えたくないなあ…


 原作5巻くらいまで読んでて6巻も買ってるんですけど、アニメの方が圧倒的に面白くて途中から寝かしています。もう我慢できないので読みますけどね。



追記 映画かも…といやな予感が走った直後に映画の発表があり、ちょっと落ち込んでます。

 映画…お金はいいんですけど、面倒くさいのと1回だけしかみられないのでコスパと言うより、面白いところを何度もみたいんで…お金取っていいから配信になりませんかねえ…

 それと、テレビだったら見ていた視聴者は離れないんでしょうか?シリーズが下火になって逆効果はないんでしょうか?私は「青ブタ」は面倒になってしまいましたし…せっかく原作ファンだったのに作品そのものから心が離れてしまいます。その辺、マーケティング的な成功失敗は大丈夫なんでしょうか?





1話 話が分からない人は置いて行く潔さが爽快。期待以上です。

{netabare} 2期になってレベルが上がって帰ってきました。この作品を楽しもうと思わない人を置いてけぼりにする展開のスピードが潔くて素晴らしい。登場人物の説明もないです。「死にたくなければ逃げろ」「月が赤い」が気に入って、言いたくなってついでに人助けしている、というのは本作を理解している人に説明は必要ありません。そこが分からない人は1期から見てください、2期なんだから分かる人だけ見ればいいという感じです。
 この作品のクオリティに自信が感じられる無駄を省いたテンポがいい演出が素晴らしい。この制作陣には信頼がおけます。変な課金も独占もないし、風格すら感じられます。

 この超悪乗りでご都合主義の展開が面白く爽快なのは、原作の面白さをちゃんと理解し、マインドをそのままあるいはそれ以上に再現しているからでしょう。
 数多の作品が2期でクオリティを落とす中、大満足の1話となりました。このまま突っ走って欲しいです。{/netabare}


4話 通貨についてかなり面白い話です。
 
{netabare} 信用の本質はやはり感情です。貨幣に疑いが起きればハイパーインフレと取り付け騒ぎになります。そして紙幣の発行は国だけが出来るというのは法律があるからで、その法律が無ければ自治体や私企業でも紙幣は発行できます。その点では本作の今話のやり取りは正しいです。というか、その点を取り上げたのは面白い視点です。複数の紙幣が混在している状況でニセ札による信用のダウンはなかなか物語として理屈が通っています。

 そして、結構鋭い話なのに、相変わらずすっとぼけと真面目が混在して非常に面白かったです。導入の3話のあとで雰囲気が変わらないか見届けました。今期も安定のクオリティですね。{/netabare}


5話 本編が面白いというレビューはもういいでしょう。EDが良いですねえ。癖になります。

{netabare}  5話のEDテトリス花嫁オメガ…よかったですねえ。まあ、そこまでキャラには萌えないのですが、センスといか見せ方というか、とにかくいいです。クセになります。前期のアルファがかなり良かったので、2期はちょっと落ちるかなと思ってましたが、5話で認識を改めました。

 曲ですが、ドラムと管楽器の使い方が面白く、不思議なリズム感がものすごい引っ掛かりがあります。ただ、メロディーを思い出そうと思っても思い出せないという現象で、また聞いてしまうという感じです。
 この難しい歌を平然と…かどうか知りませんが、歌い切る声優さんは本当にすごいですねえ。

 本作はこういうところまでレベルが高いです。原作06巻も届きましたのでしばらくは楽しめそうです。{/netabare}


6話 あれ?信用創造じゃなかったっけ?兌換紙幣なの?俺TUEEEが生み出す歪な構造が、かえって色んな視点の物語を構成している。

{netabare} あれ?換金っていってますが、兌換紙幣だとすると、信用創造の問題じゃない気がするのですが?信用創造の場合は貸付と貸出の規模を裏付けなく「信用」だけで増やすから、取り付け騒ぎが起きるんであって、換金する「金(キンのほう)」があるならその金の範囲でしか、紙幣って発行してないからそもそも取り付けが起きようがない気がするのですが。

(追記 ちょっと調べました。話を追うと金の預かり証としての紙幣の性質と、信用創造をごっちゃにしているみたいですね。信用創造を始めた段階で金本位を止めないと、そりゃあ破綻します。これはニセ札関係ないです。そもそものミツゴシ銀行のやり方が詐欺みたいになってます。金との交換に応じるなら、紙幣と金の量をそろえないと…ドルで言えばそれがアメリカの中央銀行の地下金庫にあったと言われている金の備蓄です。たしか「007ゴールドフィンガー」に出てきた気がします。)

 それはともかく、面白いです。デルタとアルファの戦闘シーンが非常に良かったです。

 そして、俺TUEEEの歪さを逆手にとって立場による違いが非常に興味深い物語の構造になっています。デルタとアルファの知能の差によって、その構造が上手く表現されていました。
 ワンパンマン的ではありますが、本作はアルファ、オリアナそしてシャドウ等々いろんな立場がエピソードで途切れるのではなく、ストーリーの本筋になっているのが秀逸です。6話はそこにデルタが加わったのがいい対比となりました。無条件の信頼の対比ですね。
 1つのストーリーなのに様々な視点から状況を俯瞰するような展開が非常に面白いです。

 アニメの出来も含めやっぱり出色です。6話も非常に満足しました。


追記 デルタとアルファという対極ともいえるけど、もっとも強い2人のキャラとの戦いを1話に入れて、対比を見せるのが工夫したなあと思います。

 そして、その映像化の迫力が凄い。デルタが列車に迫ってくるシーンは鳥肌もので、一方で待ち受けるアルファ。性格が表れています。戦闘シーンも他では見ない丁寧で工夫があるバトル映像でした。

 そしてどちらもシャドウの正体に気が付きますが、その反応の違いがまた良い。
 ストーリーというより演出、画面作り、声優さんの演技も含め、コミカルでもありシリアスでもある見事な映像化でした。{/netabare}


7話 アルファの美しい涙すらギャグにする2重構造が素晴らしい。

{netabare} 本作の面白さが良くでてましたね。シャドウの思惑は矮小で目先の金が欲しい。それ以外のシャドウガーデンや大商会連合は真面目に経済戦争をやります。七陰はシャドウの考えが読めずシャドウの思惑の曲解で一喜一憂している。

 この2重構造が生み出すギャグを端的に見せたような話がこのニセ札編でしょう。
 それはまさにアルファとデルタの対比であり、本編と「かげじつ」の関係でもあります。

 まあ、ちょっと強引ではありますけどね。シャドウというよりはアルファのキャラ性が優れているからこそできる構造でしょう。原作をビジュアル化するときにこの2重性が胆であり、そこを強く意識したんだと思います。それが6話の2つのバトルだったんでしょう。原作にほぼ準拠しているのにアニメの方が各段に見せ方が上手かったです。だから、7話でのアルファの感動の涙がギャグになるということになるんだと思います。 {/netabare}


8話 くだらなすぎて草。逆説じゃなくて本当にくだらなかった。

{netabare} アニオリで期待してたのに…正直あの2人は普段から邪魔だったので、もう出さなくていいです。{/netabare}


9話 少しシャドウの出番を減らして真剣なパートを描いて欲しいかな。

{netabare} オリアナの深刻な想いと、シャドウのいつものフィクサー芸ですね。面白いし、演出はさすがという水準ではあります。

 が、シャドウのコミカル面よりそろそろ女性たちの物語中心に描いていいんじゃないかなと思います。シャドウパートは清涼剤としてコミカル担当で、もうちょっとじっくりオリアナとか他の女性を描いて欲しい。

 まあ、新エピソードのスタート回なのでしょうがないですが、6話のアルファとデルタの対比が素晴らしかっただけに、少し緊張感のある掴みが欲しいですね。{/netabare}


10話 9話よりかなり面白かった。視点なんでしょうか?

{netabare} 9話よりも圧倒的に面白かったです。オリアナ、七陰等の真面目な行動が相対的にギャグになるから、視点をシャドウに合わせない方が面白いということでしょうか?

 そしてギャグと同時にオリアナのシリアスストーリーにも感情移入ができるので、本当に不思議な作品です。 {/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「月が赤い……暴走が始まる……もう時間がない」

引き続き原作未読で視聴継続。

【物語 4.0点】
全体構成は1期の2クールから2期では1クールに。
その中で「無法都市編」「偽札編」「オリアナ王国編」3つのメインエピソードを展開する。

内容は相変わらずシャドウ様が転生異世界にて、
陰の実力者プレイ時々モブムーブを満喫。
シャドウ様が最強過ぎて周りが深読み、翻弄されるループ。
シャドウもレビュタイに拝借させて頂いたお気に入りの決め台詞を何度も繰り返し、
ロールプレイをエンジョイされているようで何よりですw

とは言え、そろそろこのパターンも2期でさらに3ループもすると飽きてくる頃?
と思い始めた矢先の最終回。
(※核心的ネタバレ){netabare} 異空間転移を経て元の世界に戻ってきたシャドウ様。
彼が転生後サイバーパンク気味に崩壊した故郷という{/netabare} 衝撃的なシナリオ転回からの、
続きは劇場版「残響編」で。

これまで私はシャドウの陰の実力者妄想に現実が追い付く物だと思っていましたが、
転生にまで突き抜ける彼のロールプレイ願望そのものが次元レベルの崩壊や新生をもたらす特異点なのでしょうか?
私にとっては近年でもかなりワクワクする続きは劇場版で!の“叡智”の提供を心待ちにしております。

本作は2期1クールというより1クール+劇場版≒2クール相当の企画として捉えた方が良いのかもしれません。


「偽札編」にて信用創造が“陰の叡智”として転生異世界にもたらされ、経済戦争を巻き起こす件。
異世界転生界隈でもこうした経済ネタが提供、消費される素地があると分かったことが収穫でした。

無自覚に世界を振り回す主人公最強同士として『オバロ』のアインズ様とコラボすることが多いシャドウ様。
ここは同じくKADOKAWAが今年4月の新作アニメ放送から再起動を目論む『狼と香辛料』のホロ様との絡みも見てみたいです。
「偽札編」ではケモ耳も多数供給されたことですしw
ジョン・スミスとロレンス中の人同じですし。


【作画 4.0点】
アニメーション制作は引き続きNexus

バンパイアあり、列車上でのワイヤー武器による高速バトルありとバトルアニメーションは変わらずリッチ。

そんな中、作画の力を感じたのは最終回でのデジャヴを狙った対比。
(※核心的ネタバレ){netabare} 崩壊した現実世界にて、1期1話と同アングル、構図を多用して、{/netabare}
1期からの伏線も回収しつつ視聴者にカタルシスを与えたり、{netabare} バール最強{/netabare} のトラウマをほじくり返したりするw絵作りが巧妙でした。
視聴者の記憶を呼び覚ますには、説明都合のセリフや文字情報を長々と垂れ流すよりも、
映像で刺激した方が効果的であることを再認識させられました。


息抜き回となった8話のアニオリ水着回。
巨乳(一部虚乳)揃いのシャドウガーデンの美女たちの水着姿も眼福でしたが、
私が嬉しかったのは1期OPの白スーツの彼女たちの躍動が本編でも見られた事。

あの1期OPは現実世界の高校にヒーローとして身を潜めるシャドウガーデンというネタ映像かと思っていましたが、
2期を完走した上で見返すと、
シャドウが異なる宇宙の自分を観察している感もあって何とも意味深に感じちゃうんですよね。

そんなこんなで2期OPで描かれたシャドウ様の半生振り返り映像風にも、
何かヒントはないかと深読みしてしまう私。
完全に掌の上で踊らされていますw


【キャラ 4.0点】
私が1期で今後一番注目したいと思っていたオリアナ王国の王女ローズ。
「オリアナ王国編」でピックアップされ、おまけにドエム・ケツハットの陰謀も再提供され、
金髪や姫の転落ネタが好物の私は大満足。
シャドウ様はローズに闇の覇王覚醒ルートなどをご所望のようですが、
私は姫にはもう少しピュア路線寄りで救済と幸福をつかんで欲しいと願ってはいます。

もう一人私が1期で、またいつか見てみたいと思っていたヒロインの(※核心的ネタバレ){netabare} 西野アカネ。{/netabare}
意外と早い供給かつ、戦う黒髪美少女という、こちらも好物に再加工され提供され、望外の喜び。
そういう意味でも新作劇場版「残響編」の鑑賞は私にとってマストです。


1期では名前すら把握しきれない内にいつの間にか増殖していた感のあったシャドウガーデンの美女たち。
私は誰が推しかは未だ目移りしたままですが、一緒にいて安心できるのはデルタかなとは思いました。

シャドウに崇高な哲学があると信奉して真剣に迫ってくる絶世の巨乳美女ばかりだと肩が凝りそうでw
それよりはご主人様~♪とペットみたいに懐いて来るデルタ辺りとアホな掛け合いを繰り広げながら、
埋蔵金を発掘したりしている方が楽しいかなとw


【声優 4.0点】
主人公シド・カゲノーことシャドウ役の山下 誠一郎さん。
モブから最強までの振れ幅をカバーする彼の演技をさらに補完するゲストもスパイシーな本シリーズ。

今回は「偽札編」でシャドウが変装したジョン・スミス役に福山 潤さんを起用。
シャドウ様の特徴も捉えつつ、シャドウと既知の中であった狐も騙す変装の説得力も押さえる流石の演技。


“血の女王”エリザベート役に早見 沙織さん、教団第9席モードレッド役に子安 武人さん、強そうだったのにあっという間に退場した{netabare} CV.杉田 智和さんw{/netabare} など、
対峙する勢力の要所に実力者を配しキャスト陣は豪華。
シャドウ様も暗躍しがいがあります。


一方でヒョロ・ガリ役の松岡 茉優さんは、引き続きジャガ・イモ役の松重 慎さんとのタッグで、
アフレコで突如アドリブで{netabare} 「シドくんお金~♪」{/netabare} と高らかに歌い出すwなど、
届かぬ美女ナンパと一攫千金の夢を追い掛けるお約束のモブムーブを磨き上げる。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はOxTが「grayscale dominator」で続投。
これまた複雑なピアノ伴奏にテクニカルに裏声を交える、カラオケで歌えなさそうな難曲でして(苦笑)
余人が立ち入れない世界観を構築し、『オバロ』と比肩するOxTの異世界転生アニメシリーズ主題歌提供は続きそうです。

『オバロ』方面からの刺客と言えば偽札編をバラード曲「Everything is Changing」で締めくくった前島 麻由さん。
楽曲提供は作詞・川田 まみさん、作編曲・中沢 伴行さんの夫妻。
まみさん歌手引退後もこうして音楽活動が続いていることを確認できると私も嬉しいです。


ED主題歌は引き続きシャドウガーデンのヒロインズが持ち回りで「Polaris in the Night」を歌唱したり。
最近知って衝撃的だったのが、ED担当順は監督がサイコロ振ったりして適当に決めていたという事実。
一見ランダムに思える順番にもきっと意味があるはず?と考察しかかっていた私w
やはり私はシャドウ様の言動を深読みし過ぎて踊らされるタイプの凡俗のようでw

そんな単純な私が、ラスト、最終話タイトル回収と共に挿入された{netabare} 1期OP「HIGHEST」{/netabare} で舞い上がったのは言う間でもありません。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15

71.8 8 ファンタジーで戦いなアニメランキング8位
アンデッドガール・マーダーファルス(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (209)
631人が棚に入れました
19世紀末。吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の美少女探偵・輪堂鴉夜が、“鬼殺し”の異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵 “鳥籠使い”として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探してヨーロッパを巡る―――。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

究極のグノーシスヒロイン登場!?

●「名前のない怪物」が宿る場所

今回触れるべき話題は「名前のない怪物」が生まれる背景的なことでありますが
この件は究極のネタバレにもなり兼ねませんのでさらりとこなして別件に進むことにいたします。

「バンケット」とは{netabare}「宴会」や「宴」のことでありますが個人的解釈では
「ダークギャザリング」と同じ意味になるのであろうと推測いたします。

「晩餐会」とは「最後の晩餐」を意識しているとも考えられますが
「前夜祭」とも考えられるわけであります。

前夜祭と言えば宗教行事ということになりますが、本作との関係性で考えるならば当然
【呪術文化】に絡む宗教行事になるのでありましょう。

アニメには「裏設定」というものがあるのですが、それと同じように
「裏テーマ」というものもあるようであります。

「メイドインアビス」のプリンセスファプタや成れ果てたちそして
「天国大魔境」のヒルコに共通する裏テーマは「進化」であります。

「キメラ」という人工生命体を作る秘術が【錬金術】というものでありますが
詳しい話は「ライザのアトリエ」の方にでも譲るとして、ざっくり言うなら
【ボアズとヤキン】という2本の柱を掛け合わせて融合するという発想でありまして
女神転生みたいに?新しい生命体が生み出されるわけであります。

これは禁断の秘術でありまして、もしかしたら【カバラ】と一致するのかもしれません。

「バンケット」なる組織は新たなる種族を創造しようと目論んでいるようですが
それが「名前のない怪物」なのか、人類の救いとなるのかは未だ定かではありません。

そんなわけでここからは現実世界の「生首事件」について言及いたします。

事件の詳しいことには触れずこの事件に関わった「被疑者R」についての情報を記載します。

「被疑者R」の趣味とコレクション
・ゴスロリ
・パンク
・仮面
・黒魔術
・髑髏の置物
・ジャックスケルトン

「ゴスロリ」は「ゴシックロリータ」のことであり小学生当時の「R」が好んだ
ファッションでありまして、特に気に入っていたブランドが「h.naoto」ということであります。

「デスノート」のミサミサもこのゴスロリファッションをしておりますが、パンクの要素も
入っているのが偶然にしては出来過ぎと思えるくらいのシンクロ率であります。

ゴスロリと言えば黒色基調のパターンが多いのでありますが、何故黒かと言えば
当方の個人的解釈によればゴスロリが【堕天使】を題材にしているからであるということになります。

「パンク」と言えば「反体制」や「反発」的な意味合いがありますが、【堕天使】とは
神に背く【反逆者】でありますので両者のイメージは一致するわけであります。

「黒魔術」と言えば【フリーメイソン】であり、【ドルイド教】の【ドルイド】が使っていたもの
であるとも言われておりまして、早い話が【オカルト】であります。
【オカルト】と言えば、【バビロン、古代エジプト、ケルト】などの【呪術文化】と
当然繋がるわけであります。

小学校の同級生の証言によりますと「R」の部屋には本物の髑髏の置物があったという話であります。
髑髏と言えば秘密結社【スカル&ボーンズ】であり、【ケルト人】であります。
【オカルティスト】はグロイものを好むようです。

「ジャックスケルトン」は骸骨のアニメキャラでありますが、要するに【スカル&ボーンズ】であり
「ハロウィンパーティー」の【ジャック・オー・ランタン】と関係性があるものと考えられます。

「ハロウィン」の元ネタは【ドルイド教】の【サウィン祭】でありまして
10月31日は「前夜祭」に当たります。

「バンケット」には「宴」や「前夜祭」といった意味がありますが、
これはただの偶然でしょうか?

そしてついに触れてはいけないタブーに該当する「R」のコレクション
「仮面」について触れてみたいと思います。

「仮面」とはタキシード仮面やセーラーV、美少女仮面ポワトリンなどが付けているものであります。
他にもアイドルのミステリーキッスやアザリエも変態仮面仲間であります。

「仮面」のことを【マスカレード】と言いまして【仮面舞踏会】のことも意味します。

【マスカレード】は貴族文化でありまして、発祥が【ヴェネツィア】であるということですので
当然【ヴェネツィアの黒い貴族】が絡んでくるだろうという推測が成り立つわけであります。

「黒い貴族」とは「褐色の肌を持つ貴族」たちのことであり、つまり
【フェニキア人】であったなどと言われています。

彼らの行う【晩餐会】でありますので当然「宗教的な儀式」ということになります。
そんなわけで【マスカレード】とは貴族特有の文化で、それは
【乱交パティー】であったなどという説が生まれるのでありました。

貴族文化である【マスカレード】の秘密を命がけで暴露しようとしたのが
映画界の巨匠「スタンリーキューブリック監督」でありまして、彼の遺作
「アイズ・ワイド・シャット」では秘密の儀式の一部が暴露されております。
https://youtu.be/k1Q7aCzpEuk

この監督が大成功を収めた背景には当然の如く、「出資者」という計り知れない程強大な存在が
いたからでありますが、自分の実力とは関係なく出来レースみたいな感じで結果が決まる映画業界の
在り方について監督本人のプライドがどうにも許容できなかったようで
命がけの暴露でもって一矢報いようとしてこの遺作を作ったとのことであります。

しかしながら貴族文化の闇を完全暴露するはずだったノーカット版は封印され
彼の願いは叶わなかったようであります。

それでも「アイズ・ワイド・シャット」を見れば【マスカレード】が特別な儀式であり
彼らの思想が濃厚に反映された「宴」であることが、なんとなく理解はできるので
それが唯一の救いであると言えるのかもしれません。

【ヴェネツィア】にいたのは【黒い貴族=フェニキア人】ですが「アイズ・ワイド・シャット」の
「仮面舞踏会」が「ハロウィンパーティー」に酷似してるのが少し妙であります。

しかしながら【ヴェネツィア】に伝わる伝統的な祭りでは実際に「ハロウィンパーティー」のような
奇妙な仮面を被るのは事実のようでありますから、【フェニキア人】と【ケルト人】の文化は
予想外に似ていたということなのかもしれません。

・ゴスロリ・パンク・マスカレード・黒魔術・髑髏の置物・ジャックスケルトン
これらは被疑者「R」の趣味嗜好であり、彼女の思想を解明する手がかりであります。

ざっくり言えば「R」は【オカルティズム】に毒されているわけですが、酒鬼薔薇聖斗のように
儀式めいたことをするならば、それはもはや【サタニスト】ということになります。

「名前のない怪物」が心に宿ると人は【オカルティスト】となり
【サタニスト】になるのかもしれません。

「生首を愛でる」価値観や正当化できる理由が「R」とは別にあるとしたら
それが何なのか是非ともお伺いしたいというのが個人的な意見であります。

【マスカレード】は紳士淑女の変態的晩餐会であります。
「生首を愛でる」趣味嗜好にも同じような変態性を感じます。

冷静に考えれば【グノーシス主義】とは倒錯した価値観の表明でしかないのですが
そんな【グノーシス主義】的な本作のヒロインに何か特別な意味があるのでしょうか?{/netabare}

●カリスマ黒魔術師

モリアーティー教授御一行の中に{netabare}切り裂き {/netabare}ジャックなる人物がいますが
その犯人像は「変態的英国紳士」だとも言われています。

英国名物の英国紳士でありますので、当然それに対を成すのは貴婦人でありまして
カーミラなるキャラが登場するわけであります。

{netabare} 吸血鬼カーミラはレズビアン的性癖があるようですが、その元ネタと言えば
もちろん「現実に存在した吸血鬼」=血の伯爵夫人【エリザベート・バートリー】であります。

「血の伯爵夫人」については語るべき要素が多々ありますがここでは単純に
「変態貴婦人」であったことを強調しておきましょう。

紳士と貴婦人の「とある変態プレイ」は貴族文化を象徴的に示すものでありまして
それ自体がタブーでありますが、その変態性思想について本作に相通じるところがある
現実で発生した「とある殺人事件」と関連付けて、ある種の思想性、つまり
【グノーシス主義】についての解析を行おうということでありまして、現実と創作を関連付ける
という行為はある意味最大のタブーとも言えますが、敢えてリスクを冒してでも、
思想の秘密について暴露して参ろうという話であります。

それについては来週の話になるでしょう。

先に言及すべきは現実に存在した【黒魔術師アレイスター・クロウリー】であります。

【黄金の夜明け団】というある意味【フリーメイソン】のような秘密結社に属し
【黒魔術】を研究していたカリスマ的存在でありまして、そっちの界隈では
絶大なる影響力を発揮していました。

「ヒッピー文化」や「ニューエイジ運動」などもこの「カリスマ黒魔術師」の思想的影響を受けたものでありまして、同性愛を是とするヒッピーの価値観も
【クロウリー】自身が「バイセクシャル」であったことに関係すると考えられるわけであります。

LGBTの思想的先駆者であった「カリスマ黒魔術師」、同じように現代のLGBT
推進論のカリスマである【レディー・ガガ】、そして「L」の傾向が見られる
【血の伯爵夫人エリザベート】、この三者に共通する思想性を示すなら
【サタニズム】ということになるでしょう。

「思想的LGBT推進論者」は【サタニスト】であります。

【サタン】とは【反逆者】のことでありまして、
それは「モーセの十戒」に「反逆する者」であり
「創造主ヤハウェ」に「反逆する者」であります。

創造主は、男のアダムのために女のエバを生み出し、
互いを思い、愛し合うことを望んだのでありますが、
【反逆者】は男と女が愛し合うことに反逆して敢えて同性愛を選ぶのであります。

【サタニスト】とは同性愛が是か非かよりも【反逆】自体に重きを置く人種でありまして
ある意味反抗期の子どもみたいなへそ曲がりであると言えます。

【アレイスター・クロウリー】は【チャネリング】が得意でありまして
エジプトのピラミッドの下に眠る【トート神】と【チャネリング】をしたということであります。

【チャネリング】とは【シャーマン】などが使う秘術でありまして、ドラッグを服用し
普段使われていない脳の部分(松果体?)を活性化させ、神秘的幻想体験の中で
神や悪霊と繋がり、啓示を受ける類のものでありまして、神降ろしの儀式とも言われます。

ドラッグと言えば当然の如く「ヒッピー文化」に繋がるわけですが、
「ニューエイジ運動」とも深い関係性があります。

日本では「ニューエイジ運動」というとあまり聞きなれないものでありますが
日本では「スピリチャル系」という名前でかなり広範囲に浸透しておりまして
少し前のことになりますが日本の若者が、「アヤワスカ」なるドラッグがもたらす
神秘体験を求めてわざわざアマゾンの奥地まで赴くということが一部でブームとなった
ことがありまして、この事例により神秘体験に対する関心が異様に強い「スピリチャル系」
なる謎人種が日本にも意外といるということが見えてくるという話であります。

「黒魔術」に「神秘体験」に「スピリチャル」、早い話が全部【オカルト】でありまして
聖書で「やってはいけない」と記される【サタニズム】の行為と【オカルト思想】が見事に
リンクし【ドルイド教】などの「古代宗教」と【オカルト思想】も見事に繋がるわけであります。

6話で生首女が車に轢かれグシャりましたが、何故そのような描写を挿入するのでしょうか?
何故【アレイスター・クロウリー】?
何故【エリザベート・バートリー】?
何故【アンデッド】?
何故【生首】?

「生首」というのはとても重要であるのかもしれません。
「生首」はタブーとも言えますが、【グノーシス主義】的にはそれこそが
肝であると言えるのかもしれません。{/netabare}

果たして、「生首」の思想性とは如何なるものでありましょう?


●英国紳士は変態プレイを好む

真打登場して駄洒落で落とすというバルス展開は悪くもないとも思えますが
{netabare}「吸血鬼」も「鬼」も同じ「鬼」であり【デーモン族】であるのに「鬼」の攻撃力だけ
チート級に高いという設定には微妙なものを感じました。

肉を食らい血を飲むのが「鬼」であり、【ネフィリム】であります。

【ネフィリム】は【堕天使】と人間から生まれた「ハイブリット」の眷属でありまして
早い話が「怪物」でありますが、【巨神族】とほぼ同じの【鬼神】に比べると
「吸血鬼」は体格も小さく人間に近いという解釈もできないこともありませんので、
より【堕天使】の血が濃い【鬼族】の方が攻撃力が高いという発想ももしかしたら
間違っては無いのかもしれません。

しかしながら真打の芸人が証言している通り「人と怪物は共存なんてできませんよ」
というのは真理でありまして、「吸血鬼」も「鬼」も【ネフィリム】であり、
怪物でありますので、ゴダール卿が目指す人類との共存という理想と彼の家族ごっこは
「悲劇」どころか、「喜劇」でしかないというがこの話のオチであります。

伏線回収は相応に巧く「血は水より濃い」という言葉の通り、【ネフィリム】の一族の独特の血統
故に息子が見事に【優生思想】丸出しの思考回路に染まっていまして、
下等な人間族を見下し、人類との融和路線をぶっ潰す暴挙に出るわけであります。

【グノーシス主義】が目指すものは人類との共存ではなく、支配であり飼育でありまして
何故ならば【ネフィリム】の種族の方が力があり優秀だからということであります。

「創造主ヤハウェ」が純血の種族であるユダヤ人に【カナーン人】を聖絶せよ(=滅ぼせ)と
命じたのも血統の性質により両者が共存するのは不可能と判断したからと推測されるわけであります。

鬼族、巨人族、ヴァンパイア、エルフ、ドワーフ、魔法少女、ネクロマンサー、ポケモン等々
これらすべては怪物であり、【ネフィリム】の血統の為人類との共存は根本的に不可能でありまして
そのことについて一番よく知っているのは【優生思想】に毒されている彼ら自身であります。

しかしながら【ネフィリム】の血族は知能が高いため、争いの原因は人間族が
差別的で好戦的であるからであると責任転嫁のフィクションをでっち上げるわけであります。

亜人種などが人間により差別され冷遇される類の話が腐る程蔓延してますが
すべては【グノーシス主義】に毒された確信犯の仕業であります。

「生首女」と「成れ果て鬼」のコンビが出てくる時点で本作も【グノーシス主義】の影響を
受けていることは明白ですが、【優生思想】に毒された典型的というべき貴族を登場させ
それなりに真実を描いているだけ大分マシと言えるような気もします。

黒幕の謎の「M」が英国紳士だとしたら、スパイ映画「007」の「M」ということになるでしょう。

確かに見た目は「モリアーティ教授」ですが、明治維新や明治政府との関係で考えたら
「M」は英国の諜報機関「MI6」であるように思います。

「MI6」や「モサド」、「CIA」の創設にかかわった「陰の実力者」と言えば
【アイゼンベルグ】という名の「ユダヤ人」であったと言われていますが、
ユダヤ教を信じているはずのユダヤ人が世界の黒幕であるとする「ユダヤ人の陰謀論」の類の理屈は
思想的に言えば完全に本来のユダヤ主義と矛盾しており、むしろ反ユダヤ主義的であると言えます
のでユダヤ人と敵対関係にあった【バビロンの種族】の残党であるところの【フェニキア人】が怪しいという結論に至るわけであります。

英国紳士の中でもとりわけ大富豪が鬼畜であった理由としては、切り裂きジャックの件もありますが
やはり何と言っても【英国東印度会社】による悪行の数々が決定的でありまして
その株主、資金提供者は誰なのかと言えば、英国の有名な金融マフィアや同じような
欧州の金融関係者に、莫大な資産を持つ王侯貴族の類ということになるでしょう。

金の亡者どもの資金ルートを追うとすべては繋がるという話でありまして
陰謀機関であれ、秘密結社であれ、何かの組織を作るには莫大な資金がいるという時点で
そのような資金を出せるような陰の実力者に相当するクラスの人物ならば自ずと
的が搾られるわけであります。

「M」は「MI6」の意味もあるでしょうが、【ジャーディン・マセソン商会】の
「マセソン」の「Ⅿ」とも考えられるわけであります。

【ジャーディン・マセソン商会】は【東印度会社】の系統でありまして、この商会の
「長崎代理店」と言うべきものが【トーマス・グラバー】が設立した【グラバー商会】であります。

【トーマス・グラバー】なる商人こそが長崎を拠点に坂本龍馬などを取り込んで
意のままに操り、明治維新という日本の近代化を仕込んだ工作員と言われる人物でありまして
明治維新の立役者と呼ぶべき英国紳士でございます。

【グラバー商会】の背後には【ジャーディン・マセソン商会】があり、それには
【香港上海銀行(HSBC)】が絡んでいたことから、英国の有名な金融マフィアである
【ロスチャイルド家】に繋がるわけであります。

英国紳士は金稼ぎの「鬼」であり、金儲けの為ならば何でもやる潔い生き方を貫く
変態種族でございます。

なぜそれ程までにポリシー貫けるのかと言えば、恐らくは彼らの血統に秘密があるのでしょう。

【ネフィリム】とは【堕天使】と「人間」のハイブリットであり、
「巨人族」であり、「鬼族」であり
そして力ある勇者、名の知れたものであったと言われています。

勇者は【黄金の魂】を持ち、その能力を発揮して「王」となるわけあります。
【黄金の魂】を持つ種族だから【優生思想】に毒されているというのは辻褄が合う話であります。

優れた種族がより劣った種族を支配するという発想自体はとりあえずは理解はできます。
しかしながら「彼ら」との共存はそもそも無理というのが結論であります。{/netabare}



兎にも角にもアニメアンチの知ったかぶりをまずは披露させて頂きますと
本作は「魍魎の匣」のぱくり、いえ、オマージュ作品であります。

如何にも見世物小屋の客引き名物になりそうな感じの「生首女」の元ネタは
「魍魎の匣」に登場する美少女でございます。

魔法少女と言えば聞こえはいいですが、要するに魔女でありまして
{netabare}魔女と言えば醜い老婆であり、早い話がグロであります。

本来ならば見た目がグロの悪役側である、魔女や鬼族やネクロマンサー、吸血鬼、エルフに
魔王、ドラコニアン、進撃の巨人とか、無理やりデフォルメ美化させて、主人公やヒロインなど
主要キャラに抜擢しあべこべな捏造しちゃうような思想傾向を【グノーシス主義】と言います。

ということで本作の生首アンデッドモンスター娘もグノーシス主義ヒロインということに
なりますが、いい加減ネタ切れのようでありまして、「魍魎の匣」のキャラをぱくっ、いえ、
オマージュしたのでありましょう。

まったく面白くないわけでもありませんし、むしろ粋な会話劇などには好印象を抱きますが
コメディ路線の本作が「魍魎の匣」を越えられるかどうかは定かではありません。

敢えて「魍魎の匣」に喧嘩を売ったのならその意気込みは買いたいところですが
如何せん【グノーシス主義】という自己満足傾向がある作品には加点するよりも
減点するバイアスの方が強く働くのは宿命と言うべきかもしれません。

「匣入り娘(=生首)は粋だ!」という感覚こそが【グノーシス主義】の最たるものでありますが
「マイホームヒーロー」の頭蓋骨も含めて、【スカル&ボーンズ】的な悪趣味性には
いい加減自重を要請したいところでございます。

例えば吸血鬼をヒロインにして、人間から差別されるとかいうパターン
そういうのはもううんざりするほど見飽きたので2度とやらないで欲しいというのが
当方の個人的願望といいますか、率直なアレルギー反応の表明であります。 {/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

評価修正。作品の完成度は高いけど3つ目の話以外は物足りないかも。

 本作は3つの話に区切れていましたが、1つめの話のときはスノビズム臭が強くて「本格推理」のトリックのデータベース紹介を、オカルトと合わせて視点のズラしを狙った作品なのかなあと思いました。

 1つめの話は本格推理として、若干アラは感じますがその狙いが上手くいっていて、オカルト設定を絡めながらフェアな本格推理として成立していることに関心しました。が、まあ面白いけど飽きるかなと思いました。

 しかし、2つめの話で突然ロンドンで恥ずかしいくらいの「有名どころ」を集めて活劇を始めました。アレ?と思いましたが、結構引き込まれて行き、結果的にかなり面白いです。ルパンVSホームズ的な作品の中ではかなりレベルが高いと思います。

 話はベタな予告盗難もので、トリックというよりは仕掛けですが、これの仕掛けの大がかりですが説得力がありました。展開もいいです。主要3人のキャラも立ってきて愛着がわき出すのもあるでしょうが、上手くゲスト・サブキャラと絡まっていました。

 そして、3つめ。この活劇のままで行くのかなと思ったら、また視点が変わりました。〇〇モノと書くとそれだけでネタバレになるので書きませんが、舞台設定とキャラの動き、そして肝心な幹になるストーリーが絡まって面白い、迫力がある、考えさせられる話になっていました。

 本作全体が、推理+オカルトという題材でしたが、3つの話でその方法論が違うのに、主要キャラ・サブキャラの動きに違和感がありません。これは原作者が相当優れたストーリーテラーなんだと思います。

 推理スノッブの人でもそうでない人でも楽しめる上に、ラノベ的な痛快さとキャラ萌えを両立できていると言えるでしょう。

 それを支える作画、美術、演出、声優さんの演技、構成などなどすべての要素の水準が高かった思います。OPとBGMの水準も高いと思います。

 テーマというか作品の構造ですが、仮面ライダー的あるいは人魚伝説的な根底にある不幸と、ゲストキャラの素性の悲惨さで、決して軽いだけの作品ではないです。
 ですが、それを覆い隠すエンタメ要素があるので表層ではまず楽しめる。けどやはり感じるもの、考える素材も提供してくれる感じです。1クール作品としての完成度はかなり高いのではないでしょうか。

 あまりこの辺、作品の構造を詳しく書くとネタバレになるのでこれくらいにします。シリーズとしては、主要キャラの目的は達成できていませんが、逆にもっと続いて欲しいと思わせてくれました。

 今期のアニメ、途中で嫌になる作品が多く、あまり完走した作品は多くありませんが、いまのところ作品の出来としては本作がナンバー1かなあという気がします。
 ただ、この作品を面白がれるかどうかは、人を選ぶかもしれません。その要素は…言わないでおきましょう。一つだけ言うと推理小説が好きかどうかは必要条件な気がします。

追記 23年夏のベスト1にあげていましたが訂正です。3番目のエピソードは深みがあって面白かったし完成度は高かった。ここは高く評価していいと思います。
 真ん中のエピソードは活劇として面白かったですが、ドタバタ劇だったかなあ…ここの評価は下げたいですね。
 本格推理のところも、トリックの壮大さとかハッとする感じではなかったかな。ただ、オカルトと本格推理の組み合わせは良かったです。

 評価4.7でしたが、4.3に修正します。夏の中では良かったほうには変わりないですが、ナンバー1ではないですね。



以下、視聴時の感想です。

3話 「その怪物を殺す独特な方法」による殺人を推理する?首だけの意味を出せるか?

{netabare} 1話目を見ると、初め題名にマーダーが入っているし、頭だけの存在=頭脳で勝負するという感じで、探偵ものかな、と思って見ました。
 なんだ、妖怪もの?という感じで、ただ、話の建て付けは、石ノ森章太郎氏的な改造人間の悲哀とか、人魚伝説のような不老不死の物語のような感じでした。

 ところが2話です。やっぱり探偵かい!というツッコミを入れたくなります。急におどろおどろしい感じが無くなって、古き良き探偵ものの始まりです。完全な頭脳だけで勝負の安楽椅子探偵というのがありますが、この作品は首だけでも動き回るのが面白いところですが、その首だけ設定がどこまで生かせるか?

 現状では首だけというのは、画面と設定としての面白さ以外には、あまり効果的ではないです。首だけだからこその探偵というのが描けるかどうかでしょう。あるいは、不死・改造人間問題がありますので、焦点はそこだけなんでしょうか?だとしたら、探偵ものとして描く必要があるか、です。

 Mでシャーロックホームズがいる世界ですから、オールマイティーの悪役である、モリアーティーだとしたら、ちょっと笑ってしまいますが。
 本格の推理作家の人はシャーロックホームズをネタに使い勝ちです。ですが、シャーロックホームズ的な推理はジョークネタとしてはやっても、肝心な部分の推理の組み立ては「君のシャツのエリは…」ではないと思います。

 少なくとも「ノックスの十戒」を守るとは思います。殺人に関する探偵ものとしては、トリックのズラしとして「その妖怪・怪物を殺す特有の方法」がミソっぽいですね。そこ以外は多分フェアにヒントと証拠を入れてくるのでしょう。

 ということで、設定を活かしきれるかどうかという不安はあるものの、結構妖怪殺人の探偵という流れは面白いです。
 なお、メイドはロベルタにしか見えませんでした。

 それと声優の黒沢ともよさん、さすがですねえ。あの生首っぽい声がだせてます。クレジット見るまでわかりませんでした。
 なんで生首が声だせるんだ?空気漏れないの?という疑問はさておいて。{/netabare}


4話 ちゃんとフェアな推理小説の形式になっていると思います。

 本作はやはり本格推理の様式に乗っ取り「その妖怪の特性」を作中で提示することにより、読者(視聴者)も推理可能な証拠を提示していると思います。ただ、吸血鬼編は3点ほど理解できてない部分がありました。

 ネタバレになるので未視聴の方はご注意を。

以下、トリックのネタバレ含みます。気になる点3つ。
{netabare}

1つめ。 氷のナイフによる殺人というのは非常に古典的な方法でつららを凶器にするなど、さまざまなバリエーションがります。
 そもそも、氷の凶器で人を殺せるか問題は議論があるところですが、本作は推理の古典的様式にのっとっているのでそれは不問とします。

 本作の問題は吸血鬼の弱点として「銀の杭なら殺せる」というミスリードが上手いかどうかです。
 というのは、聖水でやけどするのは明示がありましたが「聖水で殺せる」というのが明示されていない気がします。
 アリバイ工作の銀の杭が、唯一の殺せる武器だとも言っていないので、間違いではないのでしょうし血液のトリックが活きる部分ではあります。しかし、単なる杭でも心臓に突き刺せば殺せるのでしょうか?そうすると、普通の氷でもいいんじゃね?という気もします。やはり銀の杭の代替として聖水は機能するという説明は必要だったのでは?
 それと銀の杭の破壊力から言って、傷口が綺麗すぎるというのもあると思います。名探偵なら気が付くと思いますが、どうでしょうか?

2つめ。左側の血液が少ない…と言っているのは血液を採取したからという画でしたが、説得力あるかなあ?。衣服の上を流れる血液をビンで採取したんでしょうか?それにそんな左右で差がでるくらい左から採るという状況が物理的に分かりません。

3つめ。穏やかな笑顔で死んでいた、といいますが、その伏線回収が弱いです。心臓を貫かれて即死にしても、表情は変わるのでは?息子が犯人だから覚悟して穏やかに殺された、とならないと説得力がありません。本格でわざわざ言うからには、そこの説明は必要でしょう。寝てたからで終わりでしょうか?{/netabare}

 もちろん初見ですので、見落としているかもしれませんが、ここは後でフェアだったかどうか考察したいところです。

 と文句もありますが、行き詰ったジャンルとしてのパズル的な本格推理に古典的で知名度が高い妖怪の弱点を組み合わせたのは面白いところです。
 本格推理は「人が描けない」ことも特徴ですので、メインキャラへの感情移入は難しいでしょう。つまり、首だけ=頭脳の役割、鬼は怪異を殺せる以上のキャラ付けではない気もします。

 それと、予告編で今後の登場人物出てましたね。モリアーティまで出てました。これは興をそがれるなあ。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大乱闘大衆カルチャーブラザーズ

“怪物一掃”が推し進められる架空の近代世界。
鳥籠の中に佇む主人公の“不死”の生首女探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)
半人半鬼の“鬼殺し”真打津軽(しんうちつがる)
鴉夜(あや)に仕える色々な意味でクールなメイド・馳井静句(はせいしずく)
怪物専門の探偵グループ“鳥籠使い”の3人が、鴉夜の奪われた身体を探し求め、
欧州各地を巡り、怪異事件を解決していく。
同名小説シリーズ(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
一応の基本ジャンルは伝奇ミステリーですが、
ルパンやホームズなど誰もが知っているようなフィクションの登場人物との絡みあり、
真打津軽らとヨーロッパでお馴染みの怪物とのバトルもあり、
五体が不満足どころか皆無な鴉夜が繰り出す自虐ネタのノリは落語の小噺のようでもある。

近代は、教育の普及による庶民の識字率の上昇と共に、
彼らに向けた大衆文学や新聞などのマスメディアが急速に発達した時期でもあります。

本作の近代世界においては“怪物一掃”により、
怪物は人間を襲撃せず共存を誓った「親和派」以外は撲滅される一方。
ですが、実際は近代こそが、怪物だの怪盗だの、
庶民の妄想ワールド(切り裂きジャックにまつわるゴシップなども含む)が急拡大した時代。

ジャンル横断的な展開は闇鍋感たっぷりで、悪く言えば的が絞れていない感じもしますが、
本作は大衆文化のオールスター展開により表現された、
近代空想世界の爆発的なエネルギーを浴びる作品なのだと思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ラパントラック

始まり地・明治日本や欧州各地などの多彩なロケーション。
多種多様な怪物たちやその社会性を反映した建物、小物。
再現すべき要素は多いが無難に対応。

バトルシーンも極上と言うわけではないですが、
広い空間を躍動する人物や怪物のスピード感には時々目をみはる。

表情変化の描写もまずまずですが、
脳裏に焼き付くのは、いつ何時でも変わらない生首探偵・輪堂鴉夜の不敵な笑みw
作中では一度、{netabare} 馬車に轢かれて真っ二つになった後でも微笑み続けた{/netabare} 不気味なことこの上ない不死の生首ですが、
900年以上生きている間に鴉夜様が泣いた夜とかあったのでしょうか?

尚、作画も闇鍋なので唐突に部位欠損や出血多量が飛び出したりしますが、
主人公が生首でも視聴するような奇特な方なら心の準備はできているでしょう。


【キャラ 4.0点】
津軽による真打とは名ばかりの前座レベルのネタを
鴉夜(あや)に吹っ掛けてはヤレヤレといった感じで流される。
津軽の落ちないネタを、メイドの静句(しずく)の毒舌に痛打される。
灰汁が濃い掛け合いが珍道中の定番。

生首だの鳥籠だの、こんな濃厚な闇鍋メインキャラ要るの?
となりますが、オールスター級の面子を相手に事件に挑むなら、
むしろ、これくらい濃くないとメインがゲストに負けて埋没してしまいます。

某話にて、{netabare} 鳥籠使いの3人が名探偵らと共に、怪盗の挑戦を受ける展開があって、
これは灰汁の濃い闇鍋が出来上がったな。そろそろ灰汁取らないとアブナイな。
と思っていたら、引きでさらに、怪物界隈の“夜宴(バンケット)”の一味が横槍を入れて来まして。
闇鍋にまだゲテモノを放り込むのかと、私は胃もたれしながらも、ブラックな笑いに酔い痴れましたw{/netabare}


鬼の力を持つ津軽だけが“不死”の鴉夜を殺せる。
死を願う鴉夜に、津軽が、肉体の捜索がてら、もう少し人生を楽しんで頂きましょう。
といった感じで始まったこの欧州行脚。

落ちたら旅も人生も終わってしまう。
だから津軽の話は滑ったまま落ちなくて良いのですw


ただ持ち越しとなったシナリオの方は決着して欲しい所。
鍵となる黒幕の夜宴(バンケット)首魁・{netabare} モリアーティ。{/netabare}
不死を求めていると思しきラスボスが、不死に飽きて来ている鴉夜とどう対峙していくのか。
拡大し続ける大衆文化の妄想ワールドの大風呂敷を鮮やかに畳む一手はあるのか。
鴉夜様の本気。是非見てみたいです。


あとはパリの新聞特派員・アニー。
メディア・スクラムを通じてマスコミの発達と弊害が印象付けられる中、
真っ直ぐな14歳記者がどんな取材で食い込んで来るのか。
私が地味に楽しみだった隠し味です。


【声優 4.5点】
鴉夜役の黒沢 ともよさん。
動けない生首でも、探偵は頭脳さえあればできる職業などと鴉夜様は述べられますが、
数分間、人外含む曲者相手に論理的な推理に傾聴させるなど、
口車が回らなければ出来ない芸当でもある。

津軽役の八代 拓さん。
時に落語の演目も拝借しつつ鴉夜や静句や怪物たちに減らず口を叩き続ける。
こちらもスタミナが要るタフな役柄。

メイン2人には噺家の如き長尺のセリフをオーディションの段階から要求し選出。

前期『スキロー』みつみ役で主演を務めた、ともよさんのロスを埋めるように本作を観始めた私ですが、
田舎出のほんわかJKから不敵な生首探偵へ。この落差w
聞く度に毎回ニヤニヤが止まりませんでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はyuma yamaguti氏。
ジャズやクラシックを軸に伝奇ミステリーを演出。
民族音楽を想起させるコーラスや、電子音なども幅広く取り入れる大胆なアレンジもまた、
ジャンルをまたぐ作品の志向性を後押し。


OP主題歌はCLASS:y「Crack-Crack-Crackle」
明治日本、近代欧州と来て、主題歌はK-POPともはや何でもアリですがw
トレンディーなダンス音楽が、混沌としたOPアニメーションと割りとマッチしていたのが意外性。

ED主題歌はAnna「reversal」
不気味な電子和音に乗せて生首探偵の矜持を述べる怪作バラード。
いくら常識に囚われた人間が浅はかだからといって、
脳の蜜を吸い取ってしまうのはあんまりなので、
鴉夜様落ち着いて欲しいのですw


【余談】
掛け合いも独特な本作の余韻に浸ろうと。
また、落ちない津軽の講釈ばかり聞いてないで、たまにはちゃんと落ちる話を聞こうとw
先日、落語の寄席に行って参りました。

正真正銘の落語の真打の演目はラスト、少々の感動も伴いながら、見事にストンと落ちました。
俺たたENDとなった本作のモヤっとした気分も晴れて、今はスッキリとした気分。

続編のアニメ化は微妙なラインでしょうが、無心で待ちます。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21

67.7 9 ファンタジーで戦いなアニメランキング9位
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (187)
629人が棚に入れました
「解雇ですか……?」 魔族で魔法が使えない無能といわれ、突然の解雇宣告を告げられた魔王軍の暗黒兵士・ダリエル(30代)。 故郷を追放され、偶然、森で助けた村娘・マリーカとの出会いにより、人間族のラクス村に流れ着く。 魔族ではパスできないはずの冒険者登録に受かってしまい、手のひらには人間族にしか使えないはずのオーラが宿る!? 駆け出し冒険者ダリエルとして、のんびりできないドタバタなセカンドライフがいま始まる。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

スローライフ感はないけど・・・

{netabare}
杉田主役の異世界モノ。
転生ではないけど、魔王幹部としての生活に代わって人間としての新しい生活を営むという意味では近いかもしれない。
ただ、この作品はタイトル詐欺で、スローなセカンドライフを送るのかと思いきや、毎回のように魔王軍の部下たちが出てきて揉め事になる。

序盤は村で起きた困りごとをダリエルの半チート能力や魔王軍時代のコネで解決していくという淡々とした話。
ダリエルが強すぎてなんでお前追放されたんだって感じだし、いかにもな悪役が悪事を働くのも、結局のところいつものなろうで序盤はあまり面白くない。
割と終盤の辺りまでそんな感じだったけど、ダリエルの過去や出自が分かってきた辺りからは面白かったかな。
オチが予想外の方向で新鮮だった。
しかも、勇者と同じ技を使えるとかで、伏線もしっかりとしているという。

バシュバーザの話も良かった。
中盤まではいかにもな安直な悪役で、有能な主人公との対比でひたすらに無能に描かれているだけのキャラだったけれど、最後には自分を見つめ直す展開があって好きになれた。
有能なダリエルへの嫉妬、構ってくれない親への苛立ち、と現在の性格に至るまでのバックグラウンドも理解できた。
割と終わり良ければすべて良し的な作品だった気がする。
負の印象しかなかったのに、最終回はそれを覆してくれた。

分かりやすい悪役が多かった作品とは言え、犠牲者は一人もおらず、最終的には全員分かり合って、平和に暮らしているという意味では確かにスローライフなのかもw
どちらかというとスローライフを目指す作品と言った方がしっくりと来る。
魔族と人間の関係というスケールの大きな話も、唐突感なく自然に解決できていて良かったと思う。
全12話で色んな話が出てくるけど全部の話が最終的に綺麗にまとまっていたのはすごい。最後まで見ると、不要な回が一度もない。

私的評価:64点
私的ベスト回:12話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆3
伝説の不採用通知。何回も見た解雇。魔王軍兵士なのに人間なの?
OPいいな。しっぽなedの人か。杉田使えば面白くなると思うな。
見た目人間だしな。どうせ全部使える。
打撲系しかないのかよw 面白くないぞ。出た分かりやすい噛ませw
また俺なんかやっちゃいました?

2話 ☆5
漁夫の利。これで勝ったと思うなよー。
妬まれてること自覚して自重しろ。
そんなちっさい破片でやられるのかよw
まあ噛ませ死亡とかいう展開では無いのはいいわ。
勇者パーティー出てないのに魔王軍パートいる?
結局これもビーストテイマーと同じ感じかよ。

3話 ☆6
そんなとこもう人間側のやつが行って安全なんかw
ゲームでよくある隠密移動。 まあ平和な雰囲気で何より。
労働ストライキ。結局戦闘アニメ。詠唱長すぎて草。
これ軍隊送られてくるだろ。モブサイコで見た。
1人に取り返される鉱山えぇ…。
街賑わうとこまで1話でやる話じゃないw

4話 ☆6
主人公の引き立て役つまんね。魔王性格悪そうで性格よくて草。
頭もいいじゃん。またこう言う安易な噛ませかよ。
なんでよその街の話知ってる。そりゃそうなるだろ。
小島よしおか? 人間不信の採掘者。ホモかよ。
まあ平和的解決なのは良かった。

5話 ☆5
分かりやすい悪役やめろ。フレッシュトマト
ゲームのステータス確認用キャラかな?w 今度ミスリル加工するときに参考にするわ。
こいつがDランクの格では無いこと分かりきってるだろw
どうせ茶番なのにシリアス感出されても。
ミスリル武器かっこいいね。知ってた。顔アップ多くね?

6話 ☆5
ダリエル凄いダリエル凄い。こういう噛ませほんときっつい。
ハーレムじゃないのはいいな。変に引き伸ばさずに結婚までするのも。スミス前回登場したばっかなのに死んでて草。

7話 ☆6
感じてて草。ガシタなんか幼くなってない?
勇者より強いのは当然か。元カノだ。魔王擁護。

8話 ☆6
こいつそんなに強くなさそうw スティール! 安定の杉田キャラ
なんで鏡餅の概念があるw 流石に妻には話してたか。
平和そうでなにより。キャラデザがあいつに似すぎている。

9話 ☆7
人間相手には優しいのか? 緑いつの間にこんなあざとくなったw
とんでもスキル要素。ダリエルの出自かw だから同じ技使えるのか。
おっさんが揃って何やっとんねん。

10話 ☆7
ホモかな。NTRでガシタも落ち込んでて草。閑古鳥が書泣く。
皮肉言われてて草。爆破オチなんてさいてー! やっぱ人間ゴミだな。
魔族ではなく魔物呼び。

11話 ☆6
勇者ってかおじいちゃんだなw
大人になって転ぶと…の話は共感できるな。恨み強すぎやろ。

12話 ☆10
NTRか。これは親父が悪いな。
ただの追放ざまあかと思ったけど結構ストーリーしっかりしてる。
魔王優しいな。優しくなかった。最終回はめっちゃ良かったな。

曲評価(好み)
OP「CHANGEMAKER」☆8.5
ED「Dear Doze Days」☆3.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

俺のセカンドライフはここから始めるんだ。

この作品の原作は未読です。
最近、セカンドライフを題材にす作品が増えているような気がします。

大体は異世界転生モノで、前世ではブラック企業でこき使われたり、病弱で病院の天井を見ながら過ごす日々を続けていたりと、ロクな人生を送れなかった貴方に、生きることの素晴らしさを知って欲しい的なヤツが結構多いですよね。

異世界転生=冒険という構図以外に、様々なバリエーションが生まれるのは
こちらとしてもウェルカムですけれど…


「解雇ですか……?」

魔族で魔法が使えない無能といわれ、
突然の解雇宣告を告げられた魔王軍の暗⿊兵⼠・ダリエル(30代)。

故郷を追放され、偶然、森で助けた村娘・マリーカとの出会いにより、
⼈間族のラクス村に流れ着く。

魔族ではパスできないはずの冒険者登録に受かってしまい、
⼿のひらには⼈間族にしか使えないはずのオーラが宿る!?

駆け出し冒険者ダリエルとして、のんびりできないドタバタなセカンドライフがいま始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

突然解雇とか言われると、普通にビックリしますよね。
それぞれ生活がありますし、自分の居場所が無くなるとと同義ですからね。
前もって教えてくれたら身の振り方を考える時間があるんですけど…

って、自分が解雇される訳ではありませんが、気にならないと言ったらウソになります。
企業の年功序列ではなく成果主義に大きく舵を切っているのは私も正解だと思います。

長く働いたから偉い訳じゃない…
その会社に貢献した分だけ偉くなるのは当たり前の考え方だと思います。
今では、成果を上げられないと降格する企業もあるらしいので、一昔前より企業内でも競争が活発化しているのではないでしょうか。

自分も頑張っているつもりですけど、いつ会社から「今までお疲れ様でした」と言われるか分からないご時世ですので…

だから、ダリエルは結果的に相当ラッキーだったのではないでしょうか。
一時は路頭に迷いました。
それ自体は大変だったと思いますが、そのお陰でマリーカと出会うことが出来たのですから…
この作品は、素直で真っ直ぐなキャラが殆どなんですけど、その中で群を抜くほどマリーカは一途なんですよね。
屈託の無い真っ直ぐな瞳で見つめられたら、誰だってキュンキュンすると思いますよ。
だから、ダリエルの行動は全てにおいて正しかったと思います。

一方、真っ直ぐなキャラが多いことから、ダリエルを解雇した魔族のある特定のキャラについては、余計にひねくれ感が助長されていたような気がします。

確かに、誰にだって承認欲求はあると思います。
その欲求が満たされないのであれば、満たされるまで努力するしかないんです。
若しくは、直ぐ満たされるよう欲求のレベルを下げるしかありません。

生きていくのは大変で、身勝手な解釈や自分本位の言動・思考で行動しがちになることは誰にだってあると思います。
必要なのは気付くこと…そのためなら失敗も止む無しなんですけど、本当は失敗する前に気付きたいですが、いつもそれが出来たら苦労しないですよね^^;

今回魔族にも気付きがありました。
犬猿の仲だと思っていましたが、一筋の光明が見えた気がしたのは、きっと私だけじゃないと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

個人的に気になったこと…
ガシタがメッチャ「FAIRY TAIL」のナツ・ドラグニルでした^^;
声優さんが一緒なのでまぁ、些細で当たり前のことなんですけどね…

オープニングテーマは、Hinanoさんによる「CHANGEMAKER」
エンディングテーマは、あかりんによる「Dear Doze Days」

1クール全12話の物語でした。
結果的に良いお話に纏まって良かったのではないでしょうか。
杉田さん演じるダリエルも良かったですが、個人的には藤田さん演じるマリーカ一択の作品でした。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 9

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

盛りのついた雌犬、パイパイデカ美がヤバすぎるけど、物語の構成上必要だから勘弁してな話。

 最終話(12話)まで観ました。

 みんな和解してハッピーエンドでした。良かったなぁ。

 ダリエル一家はこれで良いのかもしれませんが、魔王軍と人類の戦争はどうなったんでしょうか。  

 魔王様は不老不死の超越者(化物)ですし、人類側の代表が誰なのか不明なので、公式に和解できる状況ではありません。

 魔王軍も人類軍も軍組織で激突してたのに、四天王の一部と勇者が仲良くなっただけで平和になるわけありません。

 前線のムラ付近の話で、割とデカい組織同士の紛争が有耶無耶になるのは、なろうぽいです。

 これ以上話が続くと、この辺の矛盾が爆発しそうなので、綺麗に1期で終わって良かったです。

……………………………………………………………………

 9話まで観ました。ダリエルが村に完全に馴染んだため、マリーカはお役御免のようです。

 記号的ヒロインの典型といった所でしょうか。付き合う前は積極的にセクシーアタックしてくれ!その後は三つ指ついて男の後ろにひかえておれ!と、男性に都合の良い良妻賢母に成り下がっています。

 メインヒロインの座は女勇者に譲ったようです。女性キャラの割と酷い扱いが、中年男性のキモい妄想だ!と、断罪されて、今一物語がイケてない原因かも知れません。

 ギャグっぽかった本作品ですが、ガチで戦争している元勇者アンド魔王軍幹部が出てきて、いよいよクライマックスのようです。

 ダリエルのスローライフ?は、どうなってしまうのか?目が離せません。

……………………………………………………………………… 

 主人公に助けられたとは言え、ヤバすぎる突撃娘マリーカの評判が良くない本作ですが、4話まで観てると、存在意義が分かってきます。

 魔王軍も人間側も、戦争しているのに頭がお花畑です。主人公は魔王軍を追放されたとはいえ、内情を知っている危険人物です。

 人間側も、経歴不明な凄腕を辺境とはいえホイホイ最前線の村に迎え入れるでしょうか?どう考えても犯罪者かスパイでしょう。

 結局、ストーリー上の矛盾を、発情した雌犬ことマリーカが引き受けているために、キテレツな人物として描かれてしまっています。

 主人公が人間側に受け入れられるための保証、恩人で腕が立って、良い人で、恋愛対象にしても安全!をマリーカが体現しているのですが、その演出が過剰なために、色ボケ恋愛脳ストーカーとして視聴者の顰蹙をかっています。

 中年の妄想だキモい!と切り捨てないで、記号的ヒロインとしてのマリーカの活躍を見守ってほしい作品です。

 まあ、オススメはしませんが…。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

67.4 10 ファンタジーで戦いなアニメランキング10位
神無き世界のカミサマ活動(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (202)
571人が棚に入れました
怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。 その世界で彼に待ち受けていたのは...... 神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は......まさかの“0”!? 「うそ...ボクの信者、いなさすぎ...」 征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。 ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら今日も信者集めに奔走する。 果たして、ミタマの信者は集まるのか。そして、征人はこの世界で生き残れるのか――! 神無き世界で繰り広げられる、ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

教祖様は知っている

●人類を照らす欺瞞の神様

皇宮のドーム状の天井を突き破り約束のあれが現れます。

{netabare}いつもの「大樹」でありまして、【世界樹】=【ユグドラシル】であります。
「北欧神話」でもお馴染みですが、【エデン】にも深い関係があるとも言われています。

ロキやアータルに刻まれている「渦巻き模様」は皇国の紋章でありますが、
これはお馴染みの【土星】の南極にある台風の目であり、【プロビデンスの目】を表しています。

4話でのアータルとの対決で御霊様は八百万の神々を「召喚」いたします。「召喚」というのは
「魔法陣」や「魔法」を使用して行われるものですが、基本的に魔法を使うのは魔族でありまして、
特に唯一絶対神であるユダヤ教の神=創造主は魔法の類を忌み嫌う立場にあったりします。

「ユダヤ・キリスト教」の世界では神とは唯一の存在であり、他には存在しない
のでありますから多神教の神々は偽りの神という結論になります。

御霊様曰く、自身を「原初の神」と称し「八百万の神」を統べるものであるかのような
発言をしますが、八百万の神がいる時点で「唯一神」という理屈は崩壊します。

唯一神という肩書は、信者獲得ためにプロフィールを盛ってるのだろうというように考えられます。

ギリシャ神話の神々は非常に人間臭い神々であると言われますが、神道の神々も
御霊様が示すように、より多くの信者が欲しいという衝動から自分を大きく見せよう
とするある種の貪欲さやあざとさが垣間見えられ、「江戸前エルフ」の高耳様と
完全に一致するわけであります。

ギリシャ神話にしても神道にしてもエロには寛容な神々でありますが、
最もエロい宗教が何かと言うならば【密教】ということになるでしょう。

本作に登場する「ダキニ教団」は【密教】そのものであり、儀式と称し
まさに性的行為に精進するのが修行であるということで、かなりぶっ飛んだ宗教なのであります。

中国共産党がチベット仏教を弾圧した理屈を正当化する根拠としてその背景にあるのが
【密教】という宗教の特殊性にあると考えられるわけであります。

宗教の儀式ではドラッグを使うことが当たり前のようにあり、日本では大麻を使用しておりましたが
ドラックにより幻覚作用が誘発され、神秘体験を味わうことができるということであります。

ドラッグと性的快感とのシナジー効果というものは、恐らく想像を絶する破壊力がありまして
体験した信者はこれに泥酔するわけであります。

宗教とは、実は本作でそれとなく描写されている通りに性的快楽だけでなく
快適な(文明的)生活を送りたいなどという人々の願望や欲求を充足させるように
積極的に働きかけるものでありまして、人間の欲求・欲望を取引対象に契約を結ぶのが
その目的であり、本質であるということになります。

日本人が何故神社に参拝に行くのかと言えば、自分の欲望を満たすためであり
自身の欲望充足故に神と契約しに神社に出向いているということになります。

もしも【等価交換の原則】を知らずして神社に参拝しているとしたら、
それは完全に騙されているというわけであります。

神社参拝は日本の風習であり、習慣であるにすぎないなどという話を耳にしますが
契約の儀式を完遂しておいて参拝は宗教とは関係がないというのは、ただの欺瞞であり
騙しの手口であると考えるべきでありましょう。

御霊様には「アホ毛」が生えておりますが、これは「【鬼神】の角」を表しているのであります。

【鬼神】と言えば、【須佐之男命】=【牛頭天王】であり、
【フェニキア人】の神【バアル】であります。

【須佐之男命】と言えば男神であり【バアル】も男神と考えられるわけですが
【バアル】についてはちょっとした逸話があり【両性具有】であるという解釈も成り立つのであります。

「【両性具有】の神」については「ベルセルク」にも描写されておりますが、
ドラッグを使用した性行為の密教的儀式を行う教団のご本尊がまさに
「【両性具有】」の神であります。

【バアル】は【モレク】と一致し、【モレク】は牛の姿をした亜人種の神として表現されますが
「ベルセルク」における教団のご本尊は「黒山羊」の姿をしております。

「サバトの山羊」とも言われるこの「黒山羊」には【バフォメット】という別名があり
ユダヤ教における「贖罪の儀式」をルーツとする【アザゼル】という名の悪魔に一致します。

性交教団のご本尊【バフォメット】、実は【テンプル騎士団】の祭壇に祀られており、
しかも【両性具有】の神が暗示するように団員は【ソドミー】の罪を犯した
などと囁かれていたのでありました。

「ベルセルク」に登場する性交教団では男女入り乱れる乱交状態が描写されております。

黒山羊の【バフォメット】はギリシャ神話の【パン】という名の「獣神」に一致しますが
ギリシャ神話の神々と言えば、性欲を持て余す貪欲な神々であります。

子孫繁栄それ自体は悪ではなく、むしろ望ましいことでありますが、それこそ
節操がない感じで誰彼ともまぐあうような貪欲さが目に余るのがギリシャ神話
=ローマ神話の神々でありまして、古代ギリシアでは同性愛が当たり前のようにあったりと
なかなかにぶっ飛び過ぎている思想傾向が垣間見られるという話であります。

ということで多神教では性的に寛容なところがありまして、同性愛も肯定的であったりします。

「一神教」の神は唯一絶対の「男神」と決まっており例外は認められないのですが
「多神教」では「女神」の地位が高く、【両性具有】の神がいたりもするわけであります。

「一神教」と「多神教」は真逆の関係性があり、相容れないところがあるわけであります。

「唯一の神」と「唯一の正義」しか認めない「一神教」に対して【反逆】の衝動を示したのが
「ペイガニズム」とも呼ばれる多神教連合でありまして、彼らの「【反逆】の意志」が
【グノーシス主義】に繋がるというわけであります。

御霊様の性別は曖昧ですが、この曖昧さこそが【グノーシス主義】的傾向を示しており
【両性具有】とも考えられる容姿からしても、多神教の属する神であるということになるでしょう。{/netabare}


●未来を「予言する」神

宗教や共産主義など思想に対する理解力が完璧すぎる本作には、ただただ脱毛するばかりであります。

話題となってる「ドット絵」でありますが、当然意図的にこれを使用しているわけでありまして
どういうことかと申し上げますと{netabare}「東京五輪」の開幕式で披露された
「ピクトグラム」のパフォーマンスと連動しているということであります。

「輪るピングドラム」というタイトルも「ピクトグラム」に掛けているわけですが、
2次元的記号表現であるものを敢えて3次元で人間が演出するというところに意図が示されています。

つまり3次元の人間が「ピクトグラム化」するという暗示でありまして、それは人間の簡略化とも
あるいは人間のデフォルメ化を意味しているということであります。

本作で登場した皇帝の屍を映像処理で受肉化するというのもある種のデフォルメ化と言えますが
視聴者目線で見たら死んでる皇帝でも、皇国民してみたら皇帝は生きているということになります。

「ゴースト・イン・ザ・シェル」という概念で「存在」を考えてみますと
皇帝は「生きている」と、そのように解釈、定義できるわけであります。

【AI】即ち「人工知能」が人間の知能レベルを超える時代が訪れ、人間の脳は【AI】に
パフォーマンスで劣るということで、「電脳化」構想が動き出すわけであります。

「銀河鉄道【999】」の機械伯爵が示す通りに、人間が「機械の体」を手に入れたり、
AIを脳内に搭載した高性能な人間が近い将来誕生するということになります。

人間という存在は「身体」や「脳」から解放され、データ化するという話でありまして
この構想を実現させるためにあるのが【ムーンショット目標】という国家プロジェクトであります。

まずは人間が生身ではなく「アバター」を介して活動するターンが訪れ、究極的には
人間が「データ化」します。

このような人類の近未来を【ムーンショット目標】の趣旨を踏まえて描いているのが
「楽園追放」という作品でありますので、【ムーンショット目標】を理解するためにも
ご視聴頂くことを推奨します。

本作の皇国は共産主義的な傾向が強い独裁国家でありますが、宗教を禁止する共産主義も実は
宗教と何も変わらない無宗教的宗教であるので、広義の宗教に分類されます。

共産主義が宗教であるならば科学万能主義も宗教になり、教育上やむを得ないところもありますが
日本人の大半は科学万能主義に毒されております。

何が宗教であり何が宗教でないのかを定義することは非常に難しいですが、
例えば言論の自由や個人の思想の自由よりも価値が重いとされ、かつ
個人の意思に反して思想的に強制されるものが宗教であると考えられるのではないかと思います。

宗教とは集団幻想でありますが、この幻想を無理やり押し付けたり、真実を偽り騙すような形で
無理矢理引き入れるものこそ宗教ではないかということになるわけであります。

アニメ作品内では表現の自由が認められて然るべきなのですが、例えばLGBTをごり押ししたり
真実を偽る形で「神道」をやたらと美化するような片寄った表現を繰り返すのは、思想的には不健全で
ある種の宗教的ないかがわしさを感じずにはいられません。

「嫌なら見なければいい」というのは正論でありますが、「共産主義」も「科学万能主義」も
宗教ということならば、受け取り側が気をつけようとも半ば強制的に思想注入されますので
個人の意思ではこれを跳ねのけるのは中々に難しいところがあるように思います。

そしてアニメ作品においても「信者」という存在がいることからして、結局のところ
アニメも宗教というようにカテゴライズされるわけでありますので、ただ視聴者が気をつけるだけ
でなく作品の作り手側の倫理観も問われてしかるべきではないかと言わざるを得ないのであります。

しかしながら現実では、ジャニーズの事例が示す通り、マスメディアは真実を隠蔽し
臭い物には蓋をし、我らの経済は安泰であり、世の中には何も問題がない
という風にして同じ日常が繰り返されるのであります。

共産主義の国に生まれたら共産主義の思想に染まるのは、ある意味当たり前であり、個人でこれに
抗うのは無理があるのですが、当然マスメディアの方も思想統制に加担していますので
結局は個人で情報集めて対処するしかないということになります。

幸い今の時代にはネットなどの情報源がありますので、政府マスコミによる情報統制網の隙間を
潜り抜けて、平和ボケ信徒になる道を回避できるわけですが、ある意味共産主義国家並みに
情報統制されているこの国の未来に希望が持てるのかと言えば、残念無念の境地の極みでございます。

無力な個人にできることは
宗教には気をつけましょう。
マスメディアなどがごり押ししてくる偽情報には気を付けましょう。
とそのように言うだけに留まります。{/netabare}



本作はただの宗教アニメではありません。

宗教の本質を熟知していなければ絶対に描けない、かなりマニアックな知識がバックボーンにある
究極の宗教アニメと呼ぶべき作品であるように感じました。


主人公が首にぶら下げているものは、 {netabare}「勾玉」でありまして、その形は【6】でございます。

確信犯の教祖様たる父親は5個、主人公は1個これを持ち、合わせて【6】個であります。
6×6=36→3×6=18=9+9=6+6+6

【18】=の関係性から引っ張られる数字は「369」「567」「666」
これらすべて【ミロク】と読みます。

「御霊様」は恐らくは【弥勒菩薩】の化身ということになりまして、ゲゲゲの鬼太郎が元ネタである
「アホ毛」が生えておりますから【鬼族】ということになります。

帝都で行われた「修正」という儀式でありますが、言うなれば共産主義でお馴染みの「粛清」であり
日本の過激派左翼はこれを「総括」なんて言うておりました。

転生した世界では、「進撃の巨人」と似たような設定が施されていまして
早い話が「人口問題」を抱えておりその解決策として余剰人員を「間引いてる」
のではないかと予測いたします。

「魔法」がないのではなく魔法ないし魔道具は【禁断のテクノロジー】として
思想統制によりその情報は封じ込められているようなところがあるようです。

辺境の村の住人は「修正」されるべき存在であるようですが、その理由として考えられるのは快楽都市【ソドム】と同じ、「堕落の罪」であると思われます。

「アホ毛」持ちのヒロインと同じく「アホ毛」のロリコン男子も共に「エロキャラ」であります。
エロは【ソドム】の罪故に「修正」されねばならないという理屈でございます。

背景には宗教関連グッズが多く散りばめられ、しかも「片目」強調描写が
異様に多いようであります。

「片目」強調描写にしてもアルコーンの左目にしても、元ネタはみんな大好き
【プロビデンスの目】でありますが、【土星】の南極にある「台風の目」がそのルーツであります。

帝都で「修正の儀」が行われていた際には【6】人が横一線に配列されていましたが
その背景にあった「石碑」は恐らく【ジョージアガイドストーン】
を意識しているのではないかと予想いたします。

【ジョージアガイドストーン】には世界人口の理想の数が記されており、
「人口削減」を示唆しているとも言われる謎多き石碑であります。

幼女や性転換などを当たり前のようにぶっ込んでくるのは本作に限った話ではないですが
ある種の思想的歪性を特定の宗教思想と関連付ける形で描いてくれる展開に期待しつつ
冷ややかな目でこれを注視ながらも、やはり秘密の大暴露の予感に期待値は高まるのでありました。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 2
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

な、なんじゃこりゃああああああ

朱白あおい(原作)、半月板損傷(作画)による原作漫画は、現在、『わいるどヒーローズ』(ヒーローズ)で連載中(既刊8巻、原作未読)。
アニメは、全12話(2023年)。監督は、稲葉友紀。制作は、『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』などのstudioぱれっと。
(2024.6.2投稿、6.25一部追加)

タイトルの通り、な、なんじゃこりゃああああああというよくわからない作品(笑)

話数とともに次第に「崩壊してゆく作画」、初めからチープ感を狙ってやってるのか単に作業量節約のためなのかよくわからない「ドット絵」の挿入、「雑なCGモンスター」とセル画の融合、実写のコンバイン画像を雑にコラージュなどなど…

「宗教」という割と真正面から扱うことがためらわれる題材

「ごちゃまぜの世界観」と「ぶっ飛んだストーリー展開」

「ゲスい主人公」

性別転換とともに声優が諏訪部順一さんから富田美憂さんになって、元が男だからなのか(笑)、ストーリーと全く関係なく、際どいサンバの衣装を着ていたり、セクシーシーン満載のチョロすぎる「騎士ベルトラン」(※アニオリらしい)

あと、もう人妻になったからなのか(笑)、花澤香菜さんや小松未可子さんにそんなこと言わせていいの⁉︎と思ってしまうような「際どいシーンの数々」(見処ともいえる…)

という感じで、一般的に人を選ぶといわれる要素であったり、クソアニメ要素が満載なので、観る価値もないという評価がされても全然納得できる(笑)
ただ、私は、なんか単純に駄作と切り捨てられない妙な魅力を感じてしまったんですよ。

おそらくその理由は、作画とかストーリーとかがハチャメチャなんだけど、「割とちゃんと考えられた設定」と「声優の演技力」で何とかギリギリ物語としての説得力を確保していると思えたからでしょうか(もっとも、全然ギリギリじゃないよ!という評価もあると思います(笑))。


【割とちゃんと考えられた設定(※説明の範囲でネタバレ有り)】
{netabare}本作は、否定的な未来を描いたディストピアものではよくある、欲望まみれの人間をそのまま放置しておくと勝手に滅亡しちゃうので、AIによって徹底的に管理された異世界が舞台(ただし、「軽トラ」や「高度AI」が出てくるので、ごちゃまぜな世界観ですが、基本的な文明レベルは中世から近世ヨーロッパぐらい)。

そこで生きている人間は、喜怒哀楽のない生存に必要な最低限の欲望しかなく、単に人という種族を維持することだけが目的に(そんなんで生きてる意味あるの?という状態)。

そこに、全知全能の神とされる「ミタマ」(CV.鬼頭明里)を崇拝する教団の教祖の息子である卜部征人(うらべ ゆきと:CV.榎木淳弥)が、教団の儀式の最中の事故で死亡して異世界に転生。

主人公は、欲望や感情を否定し人の生死まで管理する徹底的な管理社会である異世界に疑問を持ち、欲望と同様に不合理なものとしてその存在を異世界で否定されていた「カミサマ」を利用して、その管理社会を壊そうとします(※異世界の「カミサマ」は信者の数が多くなればなるほど超常的な力を発揮できるという設定。)。

したがって、「カミサマ」は、主人公にとってあくまで目的のための手段であって信仰の対象ではない(つまり、主人公にとって「カミサマ」と「神様」は別物)。
だから、主人公は、教祖の息子として世間から冷たくされ、それまで忌み嫌ってきたはずの父親の教団拡大のリアルな手管を「ゲス顔」で躊躇なく利用し、信者を獲得していきます(転生前の境遇や知識が活かされている。)。{/netabare}
(→『神無き世界のカミサマ活動』)

こんな感じで大枠の設定は、割とちゃんと説明できて、すべて真面目にやっちゃうとすごく重い話になってしまうので、本作を好意的にみるなら、エンタメとして極端に軽い話にしたのかも?しれません。


【声優の演技力】
また、本作の声優は、榎木淳弥、鬼頭明里、花澤香菜、緒方恵美、上坂すみれ、諏訪部順一、富田美憂、悠木碧、 高橋李依、小松未可子、小清水亜美、速水奨など他作品で主役を張るような錚々たる顔ぶれ(敬称略)。

本作は、上にも書いたようにストーリーの大枠はしっかりしているものの、細部はぶっ飛んでいるので(例えば、世界観ガン無視でアイドル活動とかしてます…)、そのシーンだけ見るとよくわからない話なんですが(笑)、声優の演技力で押し切られているように感じました。

この低予算(多分?)アニメで、このメンツを揃えた意味がわかるというか、荒唐無稽とも思える話にリアリティを持たせてしまう声優の演技力って、すごいと思いました(実際に存在しないものであっても迫真の演技をされると、実際にあると騙されてしまうアレ)。


【禁欲主義と神様】
こっからは余談ですが、例えば、西洋のキリスト教は、「七つの大罪」に代表されるように、「色欲」、「嫉妬」など人間を罪に導く可能性があると見なされてきた欲望や感情を抑圧する「禁欲主義」です。なので、本作が描く徹底的な管理社会は、キリスト教的な禁欲主義の「成れの果て」という見方もできます。

これに対して、本作に登場する「カミサマ」、例えば、「荼枳尼」(ダキニ:CV.高橋李依)は、ダーキニーというインドのヒンドゥー教を起源とする東洋の神様で、一部の密教では性愛(SEX)を司る神と解釈されているようです(参照:Wikipedia)。
要するに、本作でも禁欲主義とは反対の快楽主義的なカミサマとして描かれています。

なので、本作は、キリスト教的な禁欲主義社会を快楽主義的な神様が破壊し、欲望という人間性の根源を回復していくお話ともとれます。まあ、話がぶっ飛びすぎで、少なくとも観てるときは、そんな高尚さを微塵も感じさせないんですが…


【最後に】
決して手放しで面白いといえる作品ではないのですが、単なるエロアニメとはいえない骨太の設定や声優の演技力があって、やりたい放題にキャラたちが動き回っても何とかお話として成立している(多分)。
なんか単純に駄作とも切り捨てられない妙な魅力を感じる作品なんですよね。
ちなみに、思いっきり途中で終わってます…

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異世界で信心を創り出すポンコツ神ファンタジー

この作品の原作は未読です。
出演されている声優陣が凄いです。
あかりん、香菜ちゃん、すみぺ、碧ちゃんにりえりーですよ^^

最近は、作品に関する情報がほぼ無い状況で視聴を始めるので、それはこの作品も然り…
途中まではリアルタイムで視聴していましたが、前クールの作品の視聴に時間を取られて、終盤のみ一気見しました。


怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は
「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。
その世界で彼に待ち受けていたのは…

神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。
どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、
信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は…まさかの“0”!?

「うそ…ボクの信者、いなさすぎ…」

征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、
また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。

ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら
今日も信者集めに奔走する。
果たして、ミタマの信者は集まるのか。

そして、征人はこの世界で生き残れるのか――!

神無き世界で繰り広げられる、
ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

宗教というより、信じる人の心はとても弱く、誰かに必要とされ居場所がちゃんとあることに兎に角固執する生き物であることを痛感しました。

宗教については…正直良く分かりません。
ただ、宗教の違いから発する衝突やトラブルほど巻き込まれたくないモノはありません。
だから今の私はいわば「無宗教」の状態です。

はっ…もしや、私にガチャ運が徹底的に足りていないのは信心深く無いから…!?
なんて仕方の無いことなんか思ってしまってみたり…^^;?

世の中には様々なレールが縦横微塵に敷かれているので、基本的には既定路線を進んでいけば概ね間違いはありません。
ただし、ヒトは弱みに付け込まれる生き物なので適宜路線の修正は必要あと思いますけれど。

ですが、征人は宗教に関して既定路線の無い世界で新たに信者を集めようとしているんです。
これって並大抵のことではありません。
規定の路線が無いから、自他共に進み方が分からず迷走してしまうのがオチです。

異世界で何の規定路線も無い征人が一歩を踏み出せたのが、リアルの世界で叩き込まれたノウハウ…
思い出したくも、使いたかったわけでも無いと思います。
それでも、自分の古傷を抉らなきゃ前に進めないなら、自分を犠牲にしても前い進むことを選択する征人です。
順風満帆ではありませんが、少しずつ征人の理解者が増えていき…物語が動いていきます。

この作品を完走して振り返って思う事…
神様であるミタマ様の扱いが、あまりにも雑過ぎじゃありません…!?

ミタマは基本的に信者が居ないと神の力を行使することはできません。
ただ、唯一の例外を除いては…ですけれど。
だから、自分の唯一無二が絶体絶命の時、ミタマは自身を微塵も厭うことなく神の力を行使し続けるんです。
それが例え自分を信仰してくれる信者がいなかったとしても…

ミタマ、征人、そして二人の理解者が宗教という概念の無い異世界でどの様な物語を紡いでいくのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、来栖りんさんによる「I wish」
エンディングテーマは、ミタマ(あかりん)による「Steppin’Up Life!」

1クール全12話の物語でした。
完走後にレビューを書くためにwikiをチラ見して気になったことがあります。
物語の冒頭に絵巻物がスクロールしながら何やらブツブツとナレーションが入っていましたよね。
セリフのテンポも速く聞き取れなかったのですが、もしかするとあれはサブタイトルコールだったのではないでしょうか。
「カケマクモカシコキ…」と言っていたような気がします。

さて、第1クールが終了した訳ですが、物語がこれから更なる盛り上がりを見せようとする段階で終わってしまいました。
「つづく…?」との事でしたが、?マークが取れるのはいつになるんでしょうね。
楽しみに続編の情報を待ちたいと思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 19

63.9 11 ファンタジーで戦いなアニメランキング11位
七つの魔剣が支配する(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (138)
452人が棚に入れました
舞台は名門・キンバリー魔法学校。 ここでは卒業までに2割の生徒が、魔道の探究により再起不能や行方知れず、または発狂した末に死に至る。 いわゆる、“魔に呑まれる” という——。 その入学式、覚悟と共に学園の門をくぐる1人の少年・オリバー=ホーン。穏やかで理性的だが、その胸の奥底に秘めたる意志を感じさせる。そんな彼を中心に、様々な出身、背景を持つ少年・少女たちがこの学校に集い、魔法使いとなるべく切磋琢磨していくが、魔境と呼ばれるキンバリーの脅威が彼らに牙をむく。 仲間と出会い、様々な困難に立ち向かうオリバーを待ち受ける運命とは——

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

俺たちの茶番はこれからだ!キンバリー魔法学校は全てが茶番の地獄ってこと?

 最終話(15話)まで観ました。2023.10.15

 サキュパスパイセンは、何やら古の契約により、昇天しました。噛ませ犬のミランダパイセンは、触手でめちゃくちゃに殺られましたが、大丈夫だった様です。しぶとい奴ですねぇ。

 いきなりフタナリのカルロス先輩との因縁が〜とか言われても困りますねぇ。キンバリーならこれが当たり前ぇ〜で片付けるので、全てが茶番に観えます。セリフで説明しないでよ…。

 結局、主人公たちは何もしてないやん…。なんだろうこの、意味が無かった感は?オリバーの復讐も、どうでもいい脇道にフラフラしているので霞んでいます。

 壮大な話っぽいのですが、とっ散らかった話を回収する前に打ち切りになりそうな煮えきらなさを感じます。

 魔に飲まれるといっても、キャラがみんな普段からイカれているので、ワザワザ闇堕ちしなくてもと思います。

 強ければかなり悪さをしてもOKで、先生達も平気で生徒を殺しにかかる様な学校で魔に飲まれる意味とは?

 面白くないわけでは無いのですが、何かこれじゃない感があるファンタジーでした。

 「大重」さんがレビューされている通り、この世界の人々の価値観が良く分からないため、感情移入がしにくく、ただ視聴者が眺めているだけになっているのが良くありません。

 ラスト、サキュパス先輩の闇堕ちも、犠牲者が出ているのに関わらず直ぐに皆んな興味を失うとの描写がありましたが、一事が万事この調子で、事件が起きても全てが茶番として処理されるのは、何とも言えない雰囲気です。

 結局、茶番なので視聴する必要も無い様なアニメに仕上がってしまったのは残念でした。

 物語で一番重要なはずの主人公オリバーの復讐譚も、「ヘェ~すごいでござるねオリバー、拙者も先生達を切ってみたいでござった。」で流しそうな人間性の欠落したキャラばかりなので、緊張感もありません。

 終始、何を観せられているのか?という雰囲気なので、あまりオススメのアニメとは言えないです。

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 14話まで観ました。2023.10.07

 後1話で最終回です。変則ワンクールだった様です。サキュパス先輩推しの話が続きます。

 ゆっくりサキュパス先輩の過去を回想していきますが、みんなそんなにサキュパス好きか?

 この魔法学校、キレるとすぐに同級生を殺すので闇落ちしなくても良くね?とか思います。強きゃ良いんだろ?

 先輩がどうなるのか別に気にはなりませんが、最終回楽しみです。

 主人公達に一撃されて、ごめんねぇからの復帰になりそうですが、今までも茶番劇が続いているのでそれもありかと思います。

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 11話まで観ました。2023.09.17

 後1話でワンクール終了ですが、物語の展開がものすごく速いです。

 9話、10話で仲間とともにダンジョン探索して、先輩からラボを貰って、BBQしてお泊り会して、11話でイキナリ仲間の親戚が名家のボンボンとともに喧嘩をふっかけてきて…。

 仲間がハーフエルフだったり、敵が人狼だったり、ボンボンが俺は家柄が良いから偉いのだぁと言いながら襲ってきたり…。

 しまいにゃ、先輩が闇落ちして、モジャモジャモンスターに仲間達が拐われて…。

 う〜ん。原作小説はもっとゆっくりなのかな?ポンポンと驚天動地な展開が襲ってきて、何か消化不良な感じです。

 原作のストーリーラインをなぞっただけのような展開は、賛否ありそうです。

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 8話まで観ました。2023.08.26

 5話で1話の伏線を回収して、悪いパイセンを倒し、6話でいきなりオリバーの復讐劇が始まり、7話で仲間のメガネが性転換し、8話でイキリ関西弁野郎とバトル…。何がしたいん?

 学園モノは、無制限にキャラを出せるので、上手くやらないととっ散らかるんですが、まさに沼にはまっています。

 オリバーも学園生活をエンジョイするつもりなのか、復讐するのか、場当たり的なので、緊張感がありません。

 復讐するつもりなら、もう少し目立たない方が良いのでは?どうも女侍を始め、キャラを持て余している印象です。
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 4話まで観ました。 2023.07.31

 横暴な同級生、上級生魔導師達にコロシアムでザマァ展開なのですが、そもそも何故に魔導師達はこんなにイキってるのか背景が良く分かりません。

 魔術師達は、良く分からんけど強い神獣が出てきたら、もう駄目ぽ〜。゚(゚´Д`゚)゚。と言ってピーピー泣き喚くだけで、物理攻撃でバタバタやられてしまいます。神獣はマッシュか?アニメ間違えて出てきたのかな?

 そして、トンチキ女侍の説教が始まります。単なるバトルジャンキーにあれこれ言われてもなぁ…。

 特異な倫理観を得意げに語るんですが、何なのコイツ?とぽか〜んです。葉隠の価値観でもありません。殺人鬼の自己正当化を聞いているようです。

 イキナリ刀で斬りつけておいて、相手が死んだら気合が足りないからだ。私のせいではないとか言い放ちそうです。

 異常な人物達の繰り広げる異様な学園生活は、観ていて疲れるなぁと思った4話でした。
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 3話まで観ました。2023.07.24

 「たくすけ」さんが書いてらっしゃる様に、女侍がウザ過ぎます。死に場所探して学園うろついてるなんて、誰得?

 本作品、バトル中にイキった会話をしながら戦う系の話ですが、女侍が出てくると、ござるござるでただでささえウザい会話のウザさが爆発します。気になると、イラッとします。

 しかも、戦国時代の日本人がモデルなので、トンチキぶりが目立ちます。

 戦国時代の侍は、殺人剣を習得した殺人鬼ではありません…。女侍は、騎馬武者なので、それなりの家出身で郎党もいるはずですが、家とかどうした?もう、死後の世界なの?

 なんか、6人の仲間内で盛り上がっている感じです。視聴者は蚊帳の外…。キャラが立っていると言うことなんですかね?う〜んな3話でした。

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 2話まで観ました。2023.07.15

 女侍はトンチキで浮いています。世界観に合って無い感じですが、みんなは真面目に魔法学校で学生やっています。

 皆様のレビューにあるように、ハリポタですね。夜の学校は理不尽な世界で、怪しい上級生が徘徊しています。

 学生に対する安全配慮義務は無いの?とかツッコミは野暮ですね。なんせハリポタですから!

 まぁ観れなくは無いので、気楽に視聴継続しようとおもいます。

………………………………………………………………………

 1話観てのレビューです。2023.07.10

 なんや分かりませんけど、主人公達は2割の生徒が卒業出来ない魔法学校に七年通うそうです。

 んで、入学初日に一癖も二癖もありそうな6人の男女が、なんやかんやあって少し仲良くなりました。

 そのうちの一人が話題の女侍です。モンスターに日本刀で斬りかかったり、気分は常在戦場で死ぬ覚悟は常に出来てるとか言いだしたり、戦場帰りだとアピールしたり…。

 何か凄い情報量で、何なのこいつ?という疑問の方が先行します。

 しかも、早朝噴水で水垢離したりしています。背中に随分刀傷があるんですが、武士としてこれは良いのかな?敵に後ろを見せてるってこと?

 1話から、相当な奇人の登場で、主人公の意味深なエピソードもどこかへぶっ飛んでしまいました。

 つかみはOK?ということで、取り敢えず様子見です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 6
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

馬鹿の一つ覚えは繰り返す

●黒魔術【カバラ】による「生存戦略」しましょうか?

魔法学園と言えば【フリーメイソン】でありまして
【カバラ】(=「生命の樹」)について研究していたと言われています。

そして【フリーメイソン】と言えば【錬金術】であります。

【錬金術】とは金を生み出す秘術であり、化学や物理学に相通じる要素もあるわけですが
【カバラ】という発想を踏まえて考えてみると{netabare}物質に限らず人間の肉体や魂をも練成する秘術
であるということになるわけであります。

不老不死や人工生命体キメラを生み出す秘術、それが【カバラ】であるということになりますが
それ故に【禁断の秘術】ということになります。

【禁断の秘術】は「神々」から授かった「知恵」でありまして、
それ故に【フリーメイソン】では神の「全能なる目」=【プロビデンスの目】を
シンボルとして掲げるわけであります。

「バカの一つ覚え」のいつものパターンでありますが「邪眼」持ちの先輩が
当たり前のように登場いたします。

石化させる「邪眼」とかよくあるパターンでありますが、【プロビデンスの目】の表現で
本質的に重要な要素は限られたエリートしか知らない特別な知識を示すことでありまして
邪眼先輩の能力の本質は「人体実験により生命の神秘に触れることができる」
ということになるわけであります。

恐らく【カバラ】には【遺伝子操作】の秘術が封印されており、亜人種を人間化するというよりは
【カバラ】により人間を亜人種化させたり、別の生命体に変えることを
意図してたのではないかというように考えられるわけであります。 {/netabare}


英雄は「エロ」を好みます。

その理由は勇者が【ネフィリム】の血族であるからです。
【ネフィリム】とは【堕天使】と「人間の女」の間に生まれた「ハイブリット」であります。

初期のころの【ネフィリム】は恐らく【堕天使】の因子が強かったせいか?外見に特徴があり
{netabare}【巨人族】や【鬼族】の姿をしていたわけであります。

時が経ち外見が変化した【ネフィリム】は人間化し、
純血の人類と見分けができないようになります。

見た目は人間でもその優れた遺伝的な能力故に勇者や名家として名を揚げるものたち
それが【ネフィリム】でありまして、やがては貴族となり王となるわけであります。

「天才的なアイドル様」なども典型的な【ネフィリム】の眷属でありまして、
才能や能力は天下無双であるのですが、その反動なのか性格に致命的問題があり
唯我独尊のエゴイストであったり、自己顕示欲が異常だったり、サイコパス
であったりするわけであります。

ヨーロッパ貴族が【優生思想】に毒されているのも恐らくは彼らの血筋が
背景にあると考えられるわけであります。

【堕天使】は支配欲が強かったせいか?「生存戦略」のためか?
兎に角自分たちの子孫を増殖させることに必死でありました。

故に【堕天使】には「エロの特性」があったと言えるわけであります。

「アホ毛」は【デーモン族の角】を表し、
【堕天使の血族】=【ネフィリム】であることを示します。

本作の「ござる侍」も「アホ毛」ホルダーでありまして、【ネフィリム】の眷属故に
剣術に優れているわけであります。

「ござる侍」も一応はヒロインでありますので【ネフィリム】の眷属だとしても
「露骨な性表現」はできないということで、よりソフトな性表現として主人公に
キスを強請るわけであります。

「鬼舞い」に登場する主人公の妹「みはり」も酔うと「キス魔」になりますが
これも「馬鹿の一つ覚え」のパターンでありまして【ネフィリム】の眷属は
エロくなければならないという拘り?があるからなのでありましょう。 {/netabare}




ハリーポッターでもお馴染みの「魔法学園」でありますが
その元ネタは【フリーメイソン】であります。

そもそも【フリーメイソン】は【黒魔術】研究機関でありまして
【フェニキア人】のカリスマ石工職人【ヒラム・アビフ】がその設立に深く関わっております。

ユダヤ人と【黒魔術】研究機関が無関係というわけではないのかもしれませんが
ユダヤ人が【黒魔術】に精通していたと考えるには根拠が乏しく、【フェニキア人】から
学んだと考えるのが妥当なわけであります。

{netabare}【フェニキア人】は情報戦にめっぽう強いらしく偽装工作はお手のものでありまして
【フリーメイソン】で研究していた【黒魔術】のことを何の因果か?
「ユダヤ神秘思想」【カバラ】と言うようになりました。

【カバラ】=「生命の樹」は【ユグドラシル】と相通じるところありまして、
アニメ内でもちょくちょくそれとなく描写されたりします。

このような表現を繰り返すのは要するに【フェニキア人】の宗教思想のごり押しでありまして
「魔法学園」も【プロビデンスの目】も「アホ毛」も【フェニキア人】に関係していると
いうことであります。

そして馬鹿の一つ覚えは繰り返されまして、亜人種差別や虐待の描写でもって
怪物よりも人間の方が劣ると必死に主張するわけであります。

「不死少女殺人喜劇」の「真打津軽」が証言する通り「人と怪物は共存なんてできませんよ」
というのは道理であり真実であるのですが、亜人種と人間は仲良く共存すべきであると
荒唐無稽な価値観を誇示するのであります。

「かつて神と呼ばれた獣たち」を崇め奉るのが【フェニキア人】であり【ケルト人】でありますが
太古の昔【鬼神】や【巨神】など亜人種の神々は地上を支配しておりました。

「約束のネバーランド」などで示された「人間と鬼の盟約」は、恐らく「真実」でありまして
少なくとも【鬼族】への食糧提供は約束していたようであります。

しかしながら貪欲な【鬼族】は人間の与える食料では満足せず、人間を喰い
それでも飽き足らず共食いを始め、あまりに悍ましい有様故に創造主の怒りが
限界点に達し、すべて滅ぼす大洪水が引き起こされることになりました。

【鬼族】即ち【ネフィリム】の中には怒れる創造主を恐れ、許しを請いに赴いたものも
いたようですが、悔い改めがなされなかっため【ネフィリム】は滅ぼされたということであります。

「ひぐらしのなく頃」の「【鬼神族】の羽生」がしたように「ごめんなさいごめんなさい」
と謝罪したのに全く聴き入れない「創造主」は独りよがりで傲慢な神であるとするのが
【フェニキア人】の考え方でありまして、この恨みを未来の【ハルマゲドン】で
晴らしてやろう決意するのであります。

本作では「闇落ち」=「成れ果て化する」生徒が描かれていますが、それも
【フェニキア人】の意図するところであります。

【天国大魔境】の「人食い」や「ヒルコ」と「成れ果て」は同じようなものであり
テクノロジーの進歩により、恐らくは「進撃の巨人」も生み出すことができるのでありましょう。

本作の雑な描写では視聴者に亜人擁護の感情を芽生えさせるのはかなり無理な話でありますから
亜人擁護ゴリ押しには何か別の意図があるということになるのでしょう。

【カバラ】(=生命の木)には【遺伝子操作】の秘密が隠されており
それをこれから解禁すると考えると【予測プログラミング】として意味が通るわけであります。

もしも将来人間が「亜人種化」するならば確かに「人権派」と呼ばれる人たちの主張も
一理あるということになるわけであります。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 0
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

パッケージとして高いレベルにあると思う。

全く知らないタイトルでしたが、非常に高いレベルでまとまっている作品との評価です。
ライトノベル発で、数年前に「このライトノベルがすごい!」などで話題になったそうですね。
恥ずかしながらと言いましょうか、年齢相応と言いましょうかライトノベルを手に取ったり、読みふける事はとんと無くなって久しいのです。

ですので、あにこれの放送時期別ランキングを参考に視聴を決めた作品になります。
あと、「七つの魔剣」!!そそりますねェ。


率直に言うと、どこかで見たり聞いたりしたような設定、舞台装置はゴロゴロ出てきます。
これを突っ込みたくなるって言うのは人情だとは思いますが、この作品は、まぁまぁうまく取り込んでいた方ではないかと思います。

今の世の中で「あきらかなパクリ」レベルであれば叩かれても当然だと思いますが、いろいろとネタ的にも成熟していますし、ある程度は許容せざるを得ないと思いますって言うのが私の感想なのですが、ここら辺のさじ加減は、ちょっと難しいですかね。


個人的には、この手のジャンルが苦手な方は仕方が無いとは思うのですが、そうでなければ、観てみて欲しい作品だと思っています。
何と言うか、全体的に高いレベルでまとまっているとの評価です。
物語も、このクールでは全くと言って見えていないと言っても過言ではないでしょう。
視聴後の感想としては「大作感」というか「大きい物語感」はすごく感じます。

・世界で一番有名な魔法使いの映画が好きな方
  ⇒いけますw観てみて下さい。

・何が飛び出すかわからないでっかい穴が好きな人
  ⇒いけますwかすっている部分あります。

・いろいろな種族やジェンダーを越えた感じが好きな方
  ⇒いけますw一応、いろいろ考えている風に見えます。

・仲間が増えていく感じが好きな方
  ⇒いけますw現在、いろいろと人間関係作っているレベルです。カタルシス散らばってます。

・魔法学校での学生生活に興味がある方
  ⇒いけますwいまんとこそこが舞台です。学年を越えての交流、対立などいろいろあります。

・いかれた系のキャラが好きな方
  ⇒いますいます、学生で先輩なのにヤバいヤツ。何なら講師陣もイッてます。

・サムライマインドが好きな方
  ⇒いけ・・・るかなぁ・・・、ちょっとクセがあるけど慣れれば大丈夫。

・家柄とか、格とかにあがなう構図が好きな方
  ⇒ちりばめられてます。今後もあるかもしれません。

・○○劇、サスペンス要素、カタルシスを感じたい方
  ⇒ちりばめられてます。〇〇劇は一つ終わったところです。これからまだまだありそうです。

まだまだ、明らかになっていないことが多く、見えてこない点も多く、解らないことがたくさんありますし、知りたい事もたくさんあります。
・・・そういう意味では、少しだけ、説明が足りない感はあるかなぁ。
ですが、そこらへんの未消化な部分も含めて、今後の期待感を高めている作品ではないかと思っています。



一つ、主人公:オリバー=ホーンの{netabare} 復讐劇がメインストリーム {/netabare}だという事はあるエピソードではっきりしています。
しかしながら、その中で非常に多くの長短入り混じった、いろいろなキャラエピソードが展開されています。
そして、作品タイトルにある「七つの魔剣」についても、いくつかの情報が描き出されただけで、大きな進捗はありません。


作画についても、だいぶ力が入っていると言うか、カロリーを使った作品だとの印象です。
特段の破綻もないですし、カットもぐりんぐりん回りますし、雑さや手抜き感も感じませんでした。


声優さんも、いつもの私の評価ですw。
特に問題があるとは感じませんでしたし、視聴の障害になるような部分は見受けられませんでした。


音楽も力が入っていたとの印象です。
OPはそれ単体で聞いたら、どうかなぁ、どこにマッチするのかなぁって感じですが、作品のOPとしてはマッチしていると思います。
いい雰囲気作り出していたのではないかな、との所感です。
EDも同様です。
OPよりも個人としては、こちらの方が好きだったかもしれません。


さてと、だいぶ褒めてきたとは思いますが、今のところ、ここが弱点かも・・・、と思ったのがキャラでした。
念のため、最初に言っておきますと、これが問題や障害となって視聴感が悪くなったという事はありません。
充分、物語を堪能した上で、あえて言うとココかなぁと思ったと言うところです。

非常に多くのキャラが登場してくるのですが、ガッツリ立ったキャラがあまりいない・・・という感想です。
もちろん、学校生活が主という事で、登場人物はたくさんいますし、個性も描かれてはいるのですが、これがかなり抑制的で、昨今流行りのケモ耳入れとくかとか、ロリキャラ入れとくかとか、露出の多いキャラ入れとくか的なノリではない感じなのです。
私は、これが逆にこの作品の良い所と思って入るのですが、それでも、華が無いと言えばそうかもなぁとの思いがよぎりました。

まぁ、前述した箇条書き部分にある「サムライ」さんはキャラが立つっていうよりも、悪めだちに映って苦手な方もいるかもしれないなぁ、との印象を持っています。
という事で、まずは「キャラが少し弱い」。

そして、これらから引き続いて「登場キャラが多い」。
ストーリーを追ってみているうちは大丈夫だけれども、ちょっと間があくと混乱しますw(オジサン特有の脳みそ由来の可能性もあります)



実際、一番印象に残ったのは悪役と言うか、
ヤな奴で登場してきたのに、いい先輩やってんじゃんと思った「ヴェラ=ミリガン」でした。
ただ、この作品の持つ空気から考えると、この後どうなるかわかりませんけどね。



ま、ここら辺も、今後観ていけばどんどん変わるかもしれませんし、キャラが立ってくるかもしれません。
また、新しいキャラが登場してくることもあるでしょう。



それより、何よりも、この物語を最後まで見せてくれるスタミナがあるのかどうかが心配です。
このクオリティで今後がも作り続けるメドが立っているのでしょうか。
「私、気になります!!」

というか、見たいのでよろしくお願いをいたします!!。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16

69.2 12 ファンタジーで戦いなアニメランキング12位
贄姫と獣の王(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (88)
262人が棚に入れました
99番目の生贄として魔族の王に捧げられた少女・サリフィ。しかし彼女は自分の運命を受け入れ、王を恐れず歩み寄ることを決めていた。新月の夜、サリフィは生贄の儀式へと向かうが、そこにいたのは魔族ではなく、人間の姿をした王であった。 サリフィを妃にすると決めた魔族の王は、彼女からレオンハートという名を与えられ、人間と魔族の共生を目指し共に歩み始める。

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

リアタイ時は何かと間が悪く0話切り →2023年アニメでもトップクラスの面白さ

【レビューNo.120】(初回登録:2024/4/21)
コミック原作で2023年作品。全24話。

(ストーリー)
決して人間を寄せつけない禁忌の世界、魔族の国「オズマルゴ」。
そんな魔族の国に、99人目の生贄として捧げられてしまった少女サリフィ。
しかし彼女は自分の運命を受け入れ、王を恐れず歩み寄ることを決めていた。
・(今までの生贄と違い)恐れ慄くことなく短気な王様を嗜める大胆な行動
・天啓の夜に知る王様の隠された真実
サリフィを妃にすると決めた魔族の王は、彼女から「レオンハート」という名
を与えられ、自らの理想とする国家を創設するために彼女と共に歩み始める。

(評 価)
・リアタイ時は何かと間が悪く見送っていた
 本作はホントいろいろと間が悪かったんだよな。
 ・キャラデザが(最初は)好みではなかった(中途半端みたいな)
 ・それに前期でやっていた「ノケモノたちの夜」の主要キャラ「マルバス」
  と魔族の王が「ライオンキャラ丸被りやんけ!!」で一気に萎えたw
 ・偶然観たのが、魔族の王の尻尾でサリフィが”もふもふ”してるシーンw
  「やっぱりそういう系の作品かよ!」でトドメを刺された
 で、もういいやとw
 でも交流あるレビュアーさんは軒並み高評価だったので、ずっと気にはなって
 いたんですよね。
 先日ABEMAで一気見配信をやっていたので、「ちょうどいいわ」で視聴し始め
 たら、あまりの面白さに止まらなくて(笑)
 正直「2クールってどうなのよ?!」って感じでしたが、
 ・1クール目にしっかり中締めしてきちんと面白さを提示しつつ、後半にも期
  待を抱かせる構成
 ・2クール目から1クール目に蒔いた種を芽吹かせ、中だるみすることなくラ
  ストに向けて一気に解放
 と、文句のつけどころがないですね。
 むしろ「2クールだからこそ、この作品には価値がある」って感じですね。
 キャラデザもちゃんと作品にマッチしていたと納得しましたし。

・王道展開を丁寧にサブキャラも魅力的に描いている
 ・本作の格子はシンプルで王道です。
  ・ヒロイン・サリフィと魔族の王とのピュアラブストーリー
  ・魔族の王が思い描く、愛に満ちた理想の国家創設のために邁進する姿と
   それを支えるサリフィの献身の物語
  ・差別扱いされている人間サリフィが、少しずつ周りに認められて人(?)
   の輪を築いていくサクセスストーリー
  そこを奇をてらわず、1話1話丁寧に創ってる感じが非常に好感が持てます。
 ・それに本作の一番の魅力はキャラ描写、特にサブキャラがしっかり魅力的
  に描かれている点ですかね。
  例えば「人間サリフィ=差別対象」は分かりやすい設定ですが、本作はこ
  こに「種族間の差別意識」といった世界観も盛り込み、キャラを深堀して
  いきます。これがスパイス的に機能してキャラへの思い入れがより深まる
  って感じですね。
  もちろんそれだけでなく、ベースの描写がしっかりしているのですが。
 ・また少女漫画っぽい
  ・爬虫類族のアミト姫
   サリフィの親友的ポジションで、自身も親衛隊隊長ヨルムンガンドに想
   いをよせる健気な乙女
  ・宰相アヌビス
   嫌われ役ポジションで、人間サリフィを快く思っておらず何かと無理難
   題をふっかけてくる
   (これも根底には、王への忠誠から国家の大局という観点で思慮を廻ら
    せているという描写がよかった)
  というキャラに加え、ヨルムンガンドやイスタン海軍といった男気ある、
  男性が共感しやすいキャラを配している点もポイント高いかなっと。
  個人的には、サブキャラの中でも重要度の低い「部隊長ケイリン」にすら
  「カッコいい」と心奪われるとは思わんかったわw
 ・少女漫画って結構
  ・ヒロインと王子様の2人の世界が至高
  ・サブキャラは2人を引き立てたり、エピソードを創るための駒扱い
  という感じの作品も多いですが、本作は
  ・物語を大きく俯瞰して全体像がしっかり創られている
   (また何気に細部も配慮されている)
  ・サブキャラをしっかり描いて、主人公との相乗効果を生みだしている
  こういうことがきちんと出来ている作品だと思いました。
  やはりサブキャラが活き活きと躍動している作品は、物語に厚みや深みが
  生まれて面白いなっと。
  (それに尺が十分割けるのも2クール作品の強みですね)

視聴前からの手のひら返しが凄いですが、これまで0話切りしてたのを後悔する
ほどに、2023年アニメの中でもトップクラスの面白さじゃないですかね。
まあ作画は覇権アニメクラスに比べると(予算が違うので)さすがに見劣りし
ますが、J.C.STAFFさんはやるべきことをきっちりやってるって感じですね。
そういう点も踏まえた上で、覇権アニメにも劣らないっていう個人的な評価で
大健闘といっていいのでは。
(少女漫画的なポイントを押さえつつも、男性でも十分楽しめるテイストに仕
 上がっている感じで、完結まで綺麗に描いてくれている点も高評価)

(追 記)
テナさんの
>ただ、この作品に関してはイッキに見るのがいいかも?
には同意ですかね。
ストーリーが王道で単純な分、リアタイだと毎回気持ちがリセットされ、少々
退屈感や2クールは長いと感じる部分はありそうなんですよね。
最初に感じた面白さのまま、勢いで一気見する方が向いているように思います。
そういう意味では間が悪くてよかったのか(笑)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 14

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

久しぶりに大団円の作品を観た気がしますが、長かったなぁ〜。

 最終話(24話)まで観ました。2023.09.28

 やっと終わりました。連続2クール長かったです。ラスト2、3話であれよあれよと話が展開してハッピーエンドで綺麗にまとまった感じです。今までじっくり描いていた物語が結実しました。

 見ごたえはあったと思いますが、ここまでじっくりやると、脱落してしまう視聴者が多い様な気もします。

 恋愛モノで、イチャコラを楽しむためのもので、お話をドキドキしながら観る系の話では無いので、1話の時点でオチは読めました。

 果たして、何人ついてこれたのか…。中々連続2クールの恋愛モノを作るのは勇気があるなぁ〜と思います。

 中盤中だるみしたので、フェンリル編とか、幼なじみ編とか切っても良かったかもしれません。タイパ的には1クールで良かったような…。

 まぁ、ノケモノ達の夜よりは面白かったことは確かです。キッチリ終わりましたしね!

………………………………………………………………………

 19話まで観ました。2023.08.25

 フェンリル他、キービジュアルに出てくるキャラクターがやっと出揃った感じです。いやぁ長かった…。

 そして、フェンリルあっさり退場…。王様のロリコンパワーが勝利したようです。

 愛や絆よりも強い力、それが少女への性愛なのだ!ケモノ形態だから良いですが、イケメン形態だと凄く気持ち悪いデスネ!

 しかし…、王様もフェンリルも、主人公に手を出してきません。フェンリルはロリコンじゃないからかもしれませんが…。

 ビジュアル的に露骨な獣姦はちょっと引きそうですが、画面に映ってないところでもうやってるのかな?

 後少しなので、なんとしても完走したいです。盛り上がってきましたよ〜とは、ちょっと言えないのが寂しいです。
………………………………………………………………………

 14話まで観ました。2023.07.16

 主人公、まだ王妃代理です。そして、宮廷内外の魔族達をたらし込めていきます。

 主人公に戦闘力等は無いので、優しさが武器です。何か…みんなチョロいです。

 魔王様は、主人公とマジで子供を作る気満々です。血の濃い種族の形質を受け継ぐので、あまり問題無いようです。

 魔族と人間の境界すら怪しい世界ですが、魔族は人間を食うんですよね。魔王の寵愛一本で渡り歩く主人公の肝の太さは大したもんです。

 2期に入っても別に特に盛り上がってませんが、ゆるりと観て行きたいと思います。特に宮廷内の陰謀とかも今の所ありません。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2023.05.15

 4話まで我慢して観たかいがありました。

 他の花嫁候補のケモ姫様達が色々と主人公にちょっかいを出してきます。

 ロリコン王の気を引くのは大変です。しかし、女三界に家なし。部族の興廃もかかっており、みんな真剣です。

 特に女猫がエロくてよいです。主人公に、私の本気(マジ)を見せてやる!的な感じで挑んできます。

 グジグジしていた主人公 も王妃になる覚悟完了です。いや〜少女漫画全開の展開です。

 ドロドロした宮廷闘争に期待大です。

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 1話観ました。2023.04.20

 肝のすわったヒロインが、獣の王と仲良くするお話のようです。ヒロインの胆力が半端無いです。

 前期にも同じ様な話を観たような気がしますが、良く覚えていません。

 少女漫画全開な感じですが、少し先が気になるので、視聴継続です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

毛が生え始めたくらいの子供と一緒に見るのもよいかもしれんなと思いました。

いやはや。

2023年の秋アニメはあれもこれも見たいものだらけにもかかわらず、この作品にはまってしまってですな。

とりあえずこの作品を見終えてから秋アニメにかかろうとゆうですね、そう思ってたのですがなんとこの作品。24話もあるやないすか!

うわーこれはたいへんだー。などと思いつつ最後まで実に興味深く拝見いたしましたですよ。

おかげで秋アニメはまだ全然見れてなくてですね、ま、幸い11月は祭日も多いので連休に取り返そうかとゆうつもりでおります。


まあそんなボクの予定はどおでもよくて、この作品。
おもしろいです。

贄姫(にえひめ)と読むんですね。知りませんでした。
いけにえひめと思ってましたがいけにえは生贄と書きますのでふつーに生(いけ)贄(にえ)で分解すればわかるやんけと(滝汗)。

さてこのハナシ、サリフィとゆう女の子が魔物に生贄として捧げられるところから話は始まるんですけど、このサリフィとゆう主役の少女が実にいいんですな。

見終わってから感じましたけど若い頃の宮崎駿センセのヒロイン(クラリスとかラナとか)を彷彿したキャラだったかなと思いました。

なんちゅうか聡明で気高くそして自己犠牲がひどい(笑)。
でもそおゆう少女の活躍ってのに世の男性諸氏は弱いのですな。


そのサリフィの声を花澤さんがやっとんですが、これがまあピッタリでしてね。
胴の鐘の音色とゆわしめたいつぞやの島本須美さんに勝るとも劣らずといった感じでしたぜ。素晴らしかったです。

対してサリフィを生贄とした王様レオンハートに日野聡氏。
芝居的にはアインズ様でしたがこの人も様々な声色を扱える人ですよね。これもすごいよかったです。


ばりくそ長いハナシなんでストーリーについてあれこれ語りだすと日が暮れますので書きませんが、花とゆめに連載されてた少女漫画とは思えない(まあ花とゆめを読んだことないんで実はよくわからんすけど)骨太の社会派ドラマに仕上がっております。

だいたい2~3話で一つのテーマを描いてゆく手法で、その一つ一つが外交・人種・宗教・テロ・統治等難しいテーマを絵本を読み聞かせるような優しい描き方でお話を紡いでおり、毛が生え始めたくらいの子供と一緒に見るのもよいかもしれんなと思いました。

またそれぞれのシークエンスのラストシーンには必ず泣かせてきたりしますんで、監督の今千秋さんの腕には感服いたしますとゆわざるをえんのですよ。

ちなみ浪速恋しぐれを都はるみさんと歌ってはった人は岡千秋さんです。かんけーないですね。

とりあえず時間に余裕がある方には一度ご覧になられることをお勧めいたします。

日本版美女と野獣を東映が作ったらこんなかんじかなみたいなよくできた物語です。

あとボク個人的に好きだったのはネコにしか見えんサリフィの親衛隊隊長のハイエナ氏がサリフィに忠誠を誓うシーンと。あれはなぜか泣けました。

それとレオンハートがサリフィにチューするシーン(ハナをサリフィの顔につけるのね)がなんかかわいかったっすわ。


とゆうわけで見どころ満載野村萬斎です。
おススメです!!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

88.1 13 ファンタジーで戦いなアニメランキング13位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1682)
9102人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見紛う事なき傑作!

小野不由美原作の古代中国思想(周)を基盤にした
異世界ファンタジーアニメ。全45話。
文庫本の売り上げは、シリーズ累計750万部以上。
本作は原作の
月の影影の海 上下巻
風の海迷宮の岸 上下巻
書簡
風の万里黎明の空 上下巻
乗月
東の海神西の滄海
をアニメ化している。
乗月と東の海神西の滄海は、
アニメでの反響が予想以上に良かった為、
追加で製作された。
よって39話で視聴完了も可能(アニメ脚本集は40話までしかない)。

あらすじ

何処にでもいる平凡な女子高校生中嶋陽子は、
他人から嫌われることを恐れ、八方美人な優等生を演じていた。
常に周りに合わせ自己を抑圧する日々。
そんな彼女は寝るたびに恐ろしい気配に迫られ、日々その距離は縮まっていった。
ある日彼女の前に「ケイキ」と名乗る謎の男が現れる。
ケイキは彼女を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う彼女を異形の獣が襲撃。
ケイキは陽子と友人二人を連れ、
月の影の向こう、地図に無い世界へと出発する。

以下のネタバレは世界観に関するものである。
未視聴で視聴意欲のある方は、是非既存知識無しで視聴いただきたい。
{netabare}
十二国記の舞台となるのは、山海経に登場するような神仙や妖魔の存在する世界である。その名のとおり、12の国が存在する。文化、政治形態は古代中国(特に周王朝)に類似しており、絶対的な王制である。しかし世襲制ではなく、12の国はそれぞれ神獣麒麟(きりん)が天意に従って選んだ王により統治されている。王は諸侯を封じ、政治をさせる。王や一部の高位の官は神仙として不老長寿(だが必ずしも不死ではなく、胴や首を冬器という特殊な武器により断たれれば死んでしまう)の身体を得て、天意に従う形で国を治めることを求められている。麒麟が失道の病にかかりそのまま死・禅譲するか、誰かに討たれない限り王は死なない。王とそれを選ぶ麒麟、そして天意とは何なのかという問いが、作品全体の主題となっている。
{/netabare}

全章概要(ネタバレなので視聴前は観ない事をお勧めしたい)

月の影影の海
{netabare}
日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で楽俊が「台輔にお目通り願うか?」言った事から陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に対し陽子は「私にとっては一歩の距離しかない」と楽俊に言い、それに楽俊は「おいらにとっては三歩だ」と返事をして今まで通りの接し方をしようとする。楽俊から慶王保護の延台輔宛ての書状を受け取り陽子らを妖魔の襲撃から助けた延王から「王は麒麟に跪かれた時点で人として死に、麒麟の霊力で神として生かされる」、「日本に戻ればお前は短い間しか生きられず、その上、慶国の民が大勢犠牲になる」と聞かされ、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫られる陽子であったが、見るに見かねて「無きものとして振舞え」(陽子が体が勝手に動くのと冗祐の感触を嫌がったために下された命令)という主の命令を破った冗祐から言われた「玉座を望め。そうすれば道は開ける」という言葉に従い、延王の助力を受け、慶国に立った偽王・舒栄を討つことを決意する。
{/netabare}

風の海迷宮の岸
{netabare}
蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果・泰果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、泰果が流されてしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して使令にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

同じ麒麟として慕った景麒が慶国に戻り、麒麟としての自覚を持てないまま戴国に麒麟旗が掲げられる。泰果の失踪により長年王不在が続いていた戴国の民は喜び、昇山者が続々と先を競って蓬山に集ってくる。天啓が何なのか判らないながらも女仙に付き添われて昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した騎獣狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、泰麒が嫌な胸騒ぎを感じた直後、内部に潜んでいた妖魔に襲撃される。李斎が囚われ、驍宗も弾き飛ばされ、泰麒は一人で強大な妖魔・饕餮と対峙することとなる。それまで一度も妖魔を折伏できずにいた泰麒であったが、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出す。泰麒の姿は、燐光を放って夜を駆け上がっていく漆黒の獣と化していた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、景麒から彼が舒覚を王に選定した時も「この人は王になるべきではないと感じた」と聞かされ自分が運命に身がすくんでいたと言われる。
{/netabare}

書簡
{netabare}
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
{/netabare}

風の万里黎明の空
{netabare}
陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして景麒の「下の人々から見くびられます」という悲鳴のような諌言を無視して初勅として「人は敬意を持つものに対しては自然に頭を下げる」と平時の伏礼を廃した。
{/netabare}

乗月
{netabare}
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
{/netabare}

東の海神西の滄海
{netabare}
延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。ある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯の驪媚と共に元州城に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたがこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の対岸に堤を築くよう指示する。雨の中で対岸にのみ堤を築かれることに危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、驪媚の決死の行動によって六太は自由の身となるが、地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の人となりを知り、斡由は民のためにならないと確信する。六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。
{/netabare}

感想

本作はホラーで有名な小野不由美が手がける異世界ファンタジーである。小野不由美独特の作風が大変好感である。
元々は「魔性の子」(泰麒が蓬莱に戻った時の話・ホラー)という小説の派生作品で、世界観の精巧さには感服するばかりである。世界観を把握する前に視聴する「月の影影の海」と、知った後での視聴は見方が180度変わる程である。
なので、事前知識無しで観ていただきたい作品である。

また、主人公を始めとした登場人物の成長物語であり、私達の人生観に大きな影響を与える作品である。
精神の糧になる話も多かった。
登場人物が皆、精一杯生きているのが十二分に伝わってくる作品だったと思う。キャラクターは大変魅力的。

私は本作が大変気に入り、原作を購読したのだが、アニメでは原作の設定をより視聴者に理解させ易くする為、
杉本と浅野を陽子と一緒に「あちらへ」連れて行っている。
この点は非常に評価すべきだと思う。
また、月の影影の海に原作ではあまり登場しない塙王が多く登場した点は高く評価している。
只、未完なのと地名・官職名などがやたら面倒なのが、たまに傷であるが・・・
未完なのは待つとして、(おそらく2014年頃に新作が出るはず)地名・官職名は何回か視聴すると覚えるので、2,3回の視聴をお薦めしたい。

39話の初勅のシーンは琴線に触れる素晴らしい出来である。
台詞を乗せると、(脚本集より)
{netabare}
「私は慶の民の誰もに、王になってもらいたい」
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、昇絋、呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。そしてまた踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことのためにうまれるのじゃない」
「他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正であれば正すことを恐れず」
「獣(けだもの)に媚びず―私は慶の民にそんな不羈(ふき)の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に」
「そのためにまず、他者の前で毅然と首(こうべ)を上げることから始めてほしい」
「諸官は私に、慶をどこへ導くのだと訊いた。これで答えになるだろうか。」
「その証として、伏礼を廃す―これをもって初勅とする」
{/netabare}

総評

独特の世界観と、他作品には見られない「名言」や、主人公を始めとした登場人物の成長が本作の魅力だ。
ファンタジーなのに魔法は使えず、日本での生活以上に苦汁を嘗めることになる世界観には感服である。
原作を読めば分かるが、この濃密な世界観に私は引き込まれてしまった。
アニメでは語られていないストーリーとして主なものに、「黄昏の岸暁の空」「魔性の子」が挙げられる。
この二作は風の万里黎明の空の直後の話で、
風の海迷宮の岸で語られた戴のその後の話である。
アニメでも2期を想定してか、杉本と高里を会わせて、魔性の子へ繋げようとしていた事が伺える。
また私の一番好きな作品として、恭州国の供王珠晶の登極に至るまでの話である「図南の翼」も是非読んで欲しい。
(他にも映像化されていない短編が7つ(漂舶を入れれば8つ)あるので其方も読んで欲しい。)
アニメ脚本集と云う本が講談社から出版されており、細かい設定なども記載されていて大変面白かった。興味の有る方は是非原作共々読んで欲しい。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 36
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

王になるまで(14話まで

原作未読。ハイ・ファンタジー。全45話。
『十二国記』(じゅうにこくき)は、小野不由美の一連の小説作品群の呼称である。古代中国思想を基盤にした異世界ファンタジー作品。2013年時点で未完。


■関連URL
NHKアニメワールド:十二国記
http://www3.nhk.or.jp/anime/12kokuki/
ビクターサイト
http://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/tv/junikokki/
講談社サイト
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/junikokki/
新潮社サイト
http://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/


ストーリー性のあるアニメだかの掲示板で紹介されていたので見始めました。


各話感想
{netabare}1話 「月の影 影の海 一章」
謎の夢?髪の毛の色は地毛で赤毛なのか。
天然記念物のガングロwまだいるのだろうか?
委員長なんだ。ショートカットの女の子無視しちゃっていいのか。杉本って言うのか。
中島は委員長続ける事になるのか。杉本嫌われてるのか?いじめ?
やっぱり中島が隣になったか。
夢のなかで杉本に殺される夢を見てたけど何かあるのかな?
浅野くん彼女いたのかな?ん?金髪だったのに黒髪?血の匂い?消えた…
夢に何かありそうだな。陰湿な女子校だな。
なんだ?白髮ロングは誰なんだ。追手が来る?何が起きた…
コチョウ?狼を召喚したのか?今度はカイコを召喚?
ケイキって名前だったのか。なんか色々召喚出来るんだな。
キョウキもしゃべれるのか。今度はジュウサクっていうゴリラか。
ジョウユウって水の化物みたいなのが体を操ってるのかな?
杉本wkwkしすぎだろwショック?あちらの世界へのゲートかな?
浅野と杉本どうなったんだろう。


2話「月の影 影の海 二章」
虚海。浅野と杉本も来てるのか。碧双珠。ゴーユ?また追手か。
剣落としちゃったのか… え!?怪物に変身?ってまた夢か。
剣もちゃんと握ってたか。杉本は誰を見ていたんだ。ケイキ?
渦巻きだらけの海…ってかいきなり孤立とかどうすんだこりゃ。
日本?いやいや怪しいだろ。人にも会ってないのに。
カイキャク?捕まっちゃった。杉本生きてたのか。
え?記憶が無いのか?中島じゃない?作画のせいか顔の違いがわからない。
色黒になったってことかな?
ジョウユウの力のせいで言葉がわかるのかな?
淺野は別のやつと動いてたのか。コチョウ強すぎる。ケイキもやられちゃったのか。
工国。海客って事かな?県庁?覚悟の付かない女だなぁ。
良くて幽閉?悪くて死刑って…やっぱり淺野かw
妖魔なのか…一体誰が妖魔を操ってるんだ?


3話「月の影 影の海 三章」
ケイキの手下だと?助けられたのは白い狼じゃなかったっけ?
杉本なんでそんなやる気満々なんだw
どうしても何もヨウコにしか使えないって言ってたじゃないかw
玉はもってくのにサヤ持って行かないのか…
子供は女の腹から生まれるのが当たり前じゃないのか…
杉本中二病すぎて適応力高いなwお?ケイキ生きてたか。
盗人に走ったか。まぁ懸命だな。杉本w
おばちゃんいい人すぎる…タッキっていうのか。
まぁ杉本正論だな。怪しいよなぁタッキ。
神様や仙人がいるだと?信仰心なのか本当にいるのかわからんな。
碧双珠べんりだなぁ。
ケイ国からの難民山ほどいるんだな。猿まわしとかいるんだな。
お芝居まであるのか。ケイ国の話なのか…恐ろしい国だな…
おいおいハグレるの速すぎるだろ。
夢のなかの奴は誰なんだ一体。


4話「月の影 影の海 四章」
夢の続きか。仮面。皆の本音か。タッキやっぱ怪しいのか。
なんだこの国でも髪の色駄目なのか。ってか分離させるとかますます怪しいな。
言葉の通じるじいさん?!
杉本警戒心強いけどまぁそっちのほうが正しいな。
体を売り払う気満々だったのか。杉本のほうが狙われてたか。
妖魔を呼び寄せた?もしくは召喚?追手か。
ケイキみたいな影がちらつくのはなんなんだ。
じいさんは仲間だったか。第二次世界大戦の頃の人だったのか。
取り乱しちゃったか。なんだじいさんまでも敵だったのかよ。
誰も信用出来ないなこの世界。
杉本は一々正論だな。淺野おいしい立場だなぁw
夢のなかの奴は剣の主かなんかか?どっかの国の女だったな。


5話「月の影 影の海 五章」
あぁ助けてくれた奴はこいつだったのか。選ばれた?杉本頭大丈夫かよw
私の物語w完全にぶっ飛んでるなw
ケイキがお帰りになられただと?ケイキ何してんだ…
背のちっちゃい奴強いな。淺野まるで危機感無いな…
学校の先生よく見てるな。
剣の主らしき人物は闇堕ちを薦めてるのか?
杉本は何処の国の使者になったんだろう。飴売りの子だったか。
生きていくのに辛い環境だな。流れがリアルすぎる。
淺野駄目男すぎる…wそういう事普通言わないでおくもんだろ。
淺野食われたか…
ジョエン様?ケイ国の王女様?
タイホって名前だったのか。ケイキ角を封じられてるのか。
コウリン?杉本…駄目だこりゃ完全にぶっ飛んじゃったw
コウリンは好戦的では無いのかな?鳥が煽り役か。
そろそろ腹減りとか体力限界っぽいな。


6話「月の影 影の海 六章」
ケイ国の内戦ってとこかな?
シュジョウは何処の国の人間だ?杉本どうなったんだ?
暮らすことは許されたが戦士を剥奪ってところかな?
今度はネズミが匿ってくれるのか…怪しいなぁ。
しかし三日も寝てたとかどうなんだろう。
ユウコだいぶ成長したな。楽俊。
コウオウ様は海客が国を滅ぼすと言っているが迷信なのか。
エンに行く事になったのか。
お母さんは人間…なのか?もいだ?あのもげなかった木の事か?
リボックって言うのか。あれから子供が生まれるのか…
カンキュウまで三月だと!?遠すぎる…
ネズミ頭いいのか。なるほど半獣ね。エンは差別が無い国なのね。
杉本凄い荒れた何も無い土地に置いてかれたな。
なんだ神様なんてやっぱいなかったのか…
神や妖魔もいる?あれ?どういう事wコチョウが三羽も…


7話「月の影 影の海 七章」
やめろってなんだよ。コチョウ倒さないと皆死ぬだろ。
うわっ街の門を閉めたのか…
ヨウコ色々変わっちまったな。ネズミ放置するのか。
ネズミを処分するのか…ちょっとずつ毒されていくな。
心の葛藤のイメージなのか剣の呪いなのか一体何がこんなに追い詰めているんだ。
「優しくしたいから優しくする。信じたいから信じる。」また1つ成長したな。
見返りを求めなくたっていいじゃない。
また飴売りの女の子か。淺野は諦めてネズミなのか…
神様がどうしてこの地を作ったか?って芝居をしてまわるのか。劇団員なのか。
劇団の用心棒になるのか。
なんだ杉本食べ物はあるんだな。監視付きだけど。
シュセイってなんだろ。旅人かな?
荒れ地に畑を作ったんじゃなくて畑が荒れ地になったのか。
杉本壊れてるなぁ… ユウコ芸で役人から逃れたか。
楽俊のおかげなのか?うーんなんか違う気がする。


8話「月の影 影の海 八章」
なんだ杉本復帰するのか。戦いに出したくないのか。
顔の改変したのか?男っぽくなったな。
あれ?この芝居はもしかしてユウコの劇団か。
中国の神話と違うとな。
杉本はユウコって気付いたのか?何故放置した?
劇団員皆でエンに往く事になったのか。ってかお兄ちゃん呼ばわりはどういう事w
あら?ユウコ何してんだ?コウテツさん…
売り飛ばす人はもっと親切な顔か。まぁそうだな。
コウテツさん妹死んじまったのか。これでシュセイの身分を得たわけか。
コウオウが出動?道を見失う事?最初にキリンが病にかかる?
ヨウコと杉本同じ船に乗ったのか。
半獣の反乱か。ヨウコは杉本に気づかないのかやっぱ。
ってか杉本なんでヨウコ放置なんだ?
やっぱ戦闘になるのか。ここは私の世界ってまだ言ってんのかこいつwどんだけ中二病なんだよw
コチョウどんだけ沸いてんだよ。船ごと沈める気か?
海竜みたいなの出てきたけどこれは…妖魔を食う妖魔だと!?一体なんだったんだ。
ヨウコは杉本を助けるのか…


9話「月の影 影の海 九章」
遂にエン到着か。杉本とまたPT組むんだろうか?
ネズミ生きてたのかよ。同じ船に乗ってたのか?先に来てたのか…
楽俊良い奴だった…のか?うーん。信用しづらいなぁ。
杉本とは別行動するのね。エンの難民は裕福なんだな。
強引だけどここの人はいい人ばっかなのか。
日本国の住所と電話番号だと!?日本語通じるのかよ。
日本と行き来があるのかもってどうなってんだ…
タイホは杉本にくっついてるのか。ってか日本語通じるのかこいつ。
一緒に浴びるってヨウコどんだけ貞操観念無いんだ…
髪の毛染めないのか…赤毛で捕まるフラグ。
タイカ?なんかまた新しい何かに。元々こっちの世界の人間だったのか。
言葉にふじゅうしないのはアヤカシだったのか。ケイ国のキリンだと?
ケイ国の王なのか。謎の女王がいたから反逆しないといけないわけか。
杉本やっぱクズだったか。
助太刀に入ったのは誰だ。エンの王だと!?タイホはエンの国の奴だったのか。


10話「月の影 影の海 十章」
コマツナオタカ。エンシュウ国王。シレイ?司令?
タイホウ?あら?なんか名前がわけわからんくなってきた。
フウカン様?500年続いてるのか。あら?剣が抜ける?サヤ死んでるのか。
水禺刀。水鏡となって心が見えるのか。幻を見せるのか。
猿を見せるのね。やっぱり剣の幻だったのか。
エンキ?ケイ女王?わけわからん。死靈?じゃないと妖魔は扱えないのか。
楽俊は身分で差別すると言うのか?ってより区別だな。
というかヨウコがあまりに自分の身分をわかっていないような感じだな。
カンキュウ山でかすぎ。階段長すぎるだろっと思ったけど魔法?呪?術?
空の上に海があるって雲海違いかよ…
楽俊は最初から男ってか雄だっただろうが。
この国には十二の国があり天帝が選びます。キリンだけが誰が王か知ることが出来て選ぶことが出来る。
名君にたる王を。名君とは民を虐げない王。名君でもその知性は永遠に続かない。王は神に据えられ不老不死になる。
世襲は許されず、キリンが次の王を選び天は王を監視し続ける。
キリンは世界の中心ホウザンに生まれる聖獣で正義と慈悲で出来ている。
キリンは王の言葉に絶対服従する。
王が道を誤るとキリンが病に。キリンが死ねば王も死ぬ。王が死んでもキリンは死なない。
王のいない国は水が枯れて妖魔が現れて荒れ果てると。
エン国は難民で困っててケイ国を助けるのか。ケイキも助けたいのかエンのキリンは。
杉本どんだけ中二病なんだwwわけがわからないよw自信過剰すぎんだろw
エン王もエンキもタイカなのね。
領地を失おうとしてる男。エン王の話かな?エンキの話かな?


11話「月の影 影の海 十一章」
500年前に京都が燃えたのか。タイホはその炎の中にいましたってそこで生まれたのか?
キリンだったのか。あれ?タイホ?エンキ?なんかよくわからなくなってきた。
ホウザンの主なのね。エン国の王なのか。
あれ?もしかしてくぎゅうの人かな?仙人になったのか?
飢え>子供って事か。
ショクを起こして和にって日本に来たって事か。3年もいたのか。
コマツサブロウナオタカ。エンを滅ぼす王?何故滅ぼす?良い殿様じゃないか。
根絶やしか…海賊の出だったんか。エンに戦を呼ぶかもしれない。だから滅ぼすって事なのかな。
民無くして国は成り立たずだな。良い民だな…と思ったらこれはひどい…
なる程そうしてエン王が…


12話「月の影 影の海 十二章」
前のケイ王は自殺したのか。ヨウ王?ヨウって名前なのか?
ギョウテンに女はいらぬ。これあの芝居の話が本当だったのか?恐ろしいBBAだ。
退位を申し出たのはケイキを救う為だったのか。
杉本またコウ王の元で働くのか。
タイキもタイカなのかってタイカってなんぞ。
タイ国のキリンもいないのか。タイ国は内乱中なのね。
なんか言葉が一々ややこしいなぁ…
まさかコウ王がエン王と会談するとは。ケイ国を支配する気なのか。
左翼革命かよ。杉本ご乱心…
人が見えないところではどんな浅ましいことでもやった。
見えるところでも浅ましい事してるじゃねぇか杉本。
ジョウユウやっと出てきたか。愚かな頼みとは?
ヨウコの刀はヨウコを挿しても死なないのか。
ケイのタイカを道連れにするだと…コウ王しょぼいな。
杉本やっと和解したか。


13話「月の影 影の海 終章」
コウリンはシュツドウの病にかかってたのか。コウ国はもうだめだな。
コウリンがかばっただと?血の中に沈んでいったがどうなったんだ…
キリンが死ねば1年と永らえる事は出来ないのか。
偽王?を倒すのかな?
ヨウコだいぶ変わったってかもはや別人だな。
「王になって締め付けられりゃあ早くましな人間になれる…」
「貧しい人間で貧しい人間関係しか作って来られなかった」
ネズミなんで全裸なんだよww前は服着てたじゃないかw
国を奪還する時がやってきたか。
そういやケイキは角を封印されてるんだったっけ。治せるのか。
ジョウユウの命が解けたか。これで自由に話せるのかな?
なんだそのまま変身すると裸なのかw
ヨウコもいよいよケイ王陛下になったか。
ジョエイは金波宮をのっとったけどあっけなく陥落とな。
ひと月で全土統一。ケイの国を統一したのか。
「どっちを選んでいいかわからない時はやるべき方を選ぶ」
ヨウコの物語か。杉本の物語もあるのか?淺野くんまだ生きてるのか?
杉本帰るのか…いやいや子供いっぱい生むとかまず相手見つけろよ。
ヨウコの親に何しに会いに来たんだよ。
タカサトカナメ?何者?


14話「月の影 影の海 転章」
玉座、国、国土。枝は筆になった。
国土とは民を、国とは法律を、筆は歴史を、玉座とは王の徳目である人道、すなわちキリン。
この世は十二の国に十二のキリンがいる。ヨウコのキリンがケイキ。
麒麟とは霊獣。麒麟だけがその国の王を選ぶことが出来る。王が道を外せば失道の病に倒れる。
雄の麒麟は麒(キ)。雌なら麟(リン)。
名君とは民を虐げない王。王は神に据えられ不老不死になる。この辺復習か。
麒麟が死ねば王は死ぬ。王が死んでも麒麟は死なない。
完全に復習回だな。
コウ王はタイカの王が誕生するのが許せなかったのか。ケイ国を乗っ取る気なのかと思ってた。
声を届けてくれる鳥。どういう仕組み何ですかーw


15話「迷宮の岸 一章」

{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「異世界転移もの」の「古典」ともいうべき作品

『ゴーストハントシリーズ』などの小野不由美による原作小説は、現在は「新潮文庫」(新潮社)にて刊行中(既刊15巻、原作未読)。
アニメは、全45話(2002年)。監督は、『英國戀物語エマ 』などの小林常夫。制作は、『東京喰種トーキョーグール』、『キングダム』などのぴえろ。放送はNHK。
(2024.5.8投稿、5.30一部推敲)

本作は20年以上前の作品です(GW中に長い「古典作品」を見直しておこうと思って観始める)。
改めて見直してみると、画面サイズが4:3で作画の雰囲気も今と違うし、声優の演技も声優の起源である舞台俳優っぽさを残している感じがしました。
もっとも、一人の女子高生が大人として自立していく姿を描いた普遍性のある成長ストーリーなので、今でも色あせない魅力があり、異世界転移ものの「古典」といえるような作品です。

また、本作は、『薬屋のひとりごと』と同じ、いわゆる「中華風ファンタジー」なのですが、そこに留まらない独特な世界観をもった作品で、テンプレ的な異世界ではない様々な不思議と遭遇する楽しさもあります。

こんな感じで主人公の成長する姿と不思議な世界にまつわる秘密が気になり、一度観始めると先が知りたくなって止まらなくなる作品です。

さて、本作は、45話と長編なのですが、大きく分けると4章立てになっているので、章ごとにあらすじとその見処を書いていこうと思います。

【第1章「月の影 影の海」(第1話~14話)】
舞台は現代の日本。主人公の女子高生・中嶋陽子(CV.久川綾)は、学級委員長を務める「優等生」であったが、両親、先生、クラスメイトなど周囲の期待に応えることに息苦しさを感じ始めていた。そんなある日、薄い金の長い髪、中華風の黒い服を着た異様な男性(景麒(けいき):CV.子安武人)が突如として教室に入り、陽子の眼前に立って彼女を主と呼び一方的に主従の契約を交わそうとする。突然の出来事に戸惑う陽子であったが、異世界から来た怪鳥に襲われ、これを撃退する成り行きで、クラスメイトの杉本優香(CV.石津彩)、浅野郁也(CV.うえだゆうじ)と共に、「月の影」の向こう地図にない異世界へ連れ去さられる。しかし、異界へ行った後も陽子たちへの執拗な攻撃は続き、3人は景麒とはぐれてしまうのだった…

【1章の見処】
主人公の陽子は、ただ周囲の期待に応えようとしていただけなので、自分が何をしたいかがなかった。特に1章では、そんな受け身の主人公が過酷な環境の異世界に放り出されれば、状況を積極的に把握できず、ただ元の世界に帰りたいと泣き叫ぶだけの普通の女子高生がよくシミュレートされています。

加えて、陽子は世間知らずのいわゆる純粋培養の「お嬢様」なので、人を疑うことや争うことを好まない。
したがって、もはや約束された長編アニメでしか描くことが許されない、ダメダメな主人公が様々な失敗を経て大人になっていく過程を描いた成長ストーリーがメインになってます(久川さんのオドオドした序盤と自分に自信を持ち始めた終盤の演じ分けがすごい)。

一方、このグダグダな主人公と対照的に頼もしく見えるのが主人公と一緒に異世界に行くことになった杉本(3人の高校生の関係が「ただの友達」ではなく、実は互いに屈折しているのが重要になってくる。)。彼女は、高校で浮いていたため、この異世界こそが自分が本来いるべき世界なのだと思い込む。

正に、突然、異世界転移した高校生が「あなたは救国の英雄に選ばれました!」と王様に言われたにも関わらず、「あーよくラノベとかである異世界転移ってやつね」とあっさり受け入れてしまうアレ。

しかし、今まで周囲の期待に応えようとだけしてきた主人公と、王様に言われた使命にただ従うだけの杉本の二人は、一見対照的に見えて、結局のところ自分で自ら進むべき道を選んでいないという共通点をもつ。

さて、二人は、過酷な異世界で自らが進むべき道を自ら選ぶことができるようになるのか!?
特に陽子が異世界で過酷な扱いを受け人間不信に陥った後に、人とネズミの姿になれ人でも獣でもない半獣の楽俊(CV.鈴村健一)の優しさに触れ、これを素直に受け入れるべきかどうかで葛藤するところが見処の一つとなっています。


【第2章「風の海 迷宮の岸」(第15話~21話)】
本作では、そのタイトルの通り十二の国が存在する。その創造主は、十二国の王を選ぶ十二頭の幻獣・麒麟を誕生させた。その麒麟は「卵果」という木の実から生まれるのだが、卵果の状態であった戴極国の麒麟(泰麒:CV.釘宮理恵)は突如発生した異界とのゲートである「蝕」に巻き込まれ、我々の世界(蓬莱)に転移して普通の人間の子として育てられることに。
その十年後、泰麒は、蓬莱で発見され異世界に連れ戻される(蓬莱では神隠しにあったことに)。もっとも、泰麒は、他の麒麟と違う育ち方をしたため、人の姿から麒麟の姿に変化することができず、自分が「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。しかし、その悩みを他所に麒麟の使命である戴極国の王の選定が始まるのだった…

【2章の見処】
私がオススメする2章の見処は、その独特な異世界設定。

本作の世界観は、「天は己に成り代わって王朝に地上を治めさせるが、徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけたとき、「革命(天命を革める)」が起きる」(引用:Wikipedia)とされる「易姓革命」という中国の思想を下敷きにしていると思われます。

ただ、「革命」のために王を選ぶという重大な使命を帯びている麒麟が十年もいなくなってしまうなど(しかも王がいない国は危険な妖魔が出て国が荒れてしまう。)、この創造主が作った世界が割とポンコツ(笑)。

でも、こういう完全じゃないところが人間的な神様が作った世界の魅力なのだと思います(逆に完全な世界はSF的な管理された機械的なイメージ)。

惜しむらくは、泰麒が現在は蓬莱に戻って高校生をしているという謎がアニメでは解明されていないところでしょうか(原作小説が2019年に再開されたようですが、アニメの続編も作って欲しいですね。)。


【第3章「風の万里 黎明の空」(第23話~39話)】
慶東国の王である景王に即位した陽子は、政治に無関心で異世界の世情に疎く、これまで慶東国を治めてきた王が政治を官僚任せにしてきたこともあり、実際の政治を動かしていた官僚たちに政治の実権を握られてしまう。
陽子は、王とは名ばかりで官僚の顔色ばかりをうかがう今の姿を過去の自分と重ね、このままではダメだと感じ、世情を知るため市井での暮らしを始めるのだった…

【3章の見処】
3章は、王となった陽子が官僚の権力闘争に巻き込まれ、一人の剣士として国情を査察して官僚の悪企みを暴き、これを懲らしめるという時代劇の「暴れん坊将軍」に近いお話。

そこに陽子の100年ほど前に蓬莱からきた大木鈴(CV.若林直美)と、過酷な法による処罰により民の反感を買って弑逆された芳極国の先王の娘・祥瓊(しょうけい:CV.桑島法子)という陽子と「見た目は同年代」の二人の女性が絡んでくる(※麒麟によって王に選ばれると不老になり、王の一部の家来・家族も仙人として不老となる。したがって、同じ王による治世が数百年続く場合がある。)

まあ、この鈴と祥瓊の二人が出始めの頃が特にムカつくんですよ(笑)。

鈴は自分の境遇を哀れむばかりで自ら何もしようとせず、祥瓊は自分は何も知らなかったので自分の父親である王による圧政の責任がないと、他人のせいにしてばかり。

3章は、この二人と陽子が、様々な人と出会い、色々な経験をしてさらに人として成長するというお話にもなっています。


【第4章「東の海神 西の滄海」(第41話~45話)】
雁州国の王である延王・尚隆(しょうりゅう:CV.相沢正輝)の話。尚隆は、戦国時代の瀬戸内水軍の国人領主・小松家に生まれ、戦で領地が滅ぼされたところを雁州国の麒麟である延麒(CV.山口勝平)により延王として連れ去られた過去を持つ。
その20年後、雁州国内の一州である元州で、尚隆の治水政策に対する不満を理由に謀反が起こるのだった…

【4章の見処】
4章も基本的には、延王・尚隆の「暴れん坊将軍」的なお話。

また、この延王、陽子が異世界にきた時には既に500年以上にわたって雁州国を治めていた名君なのですが、その名君たる由縁を紹介するエピソードでもあります。

「権力は腐敗する」という格言があるように、かつて名君と呼ばれた王であっても、権力欲にとりつかれ、いつの間にか堕落するなんてことは歴史上よくあること。

民のためといいながら自分のため(自己満足)になってはいないか、王として常に自問自答すべき、あるべき為政者の姿とは?


【国民一人一人がしっかりしなきゃダメ(感想)】
さて、本作を理想的な王様の話とまとめてもいいのですが、もう少し話を進めるなら、本作は、民主主義って各国民が主権をもって国を治める王様みたいなもんだから、国民一人一人がしっかりしなきゃダメなんですよということを中華風ファンタジーを用いて説教臭くなく説明した作品だと思うわけです。

私がそう思う理由は、有名な景王(陽子)による初勅(施政方針演説)のシーン(第39話)。

{netabare}「私は人に礼拝されたり、人の間に序列あることが好きではない。
相手の顔が見えないことが嫌だ。人から叩頭されることも、叩頭する人を見るのも不快だ。
これ以後、礼典・祭典・及び諸々の定めある儀式・他国からの賓客に対する場合を除き、伏礼を廃し、跪礼・立礼のみとする。
他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない。
それよりも人に頭を下げるたび壊れていくものの方が問題だと私は思う。」
「人はね、景麒。真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が下がるものだ。
他者に対しては礼をもって接する。そんなことは当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ。」
「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れたものの末路は、昇紘、呀峰(謀反人)の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを受け入れた人々が辿る道も。」
「人は誰の奴隷でもない。そんなことの為に生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心。
不正があれば正すことを恐れず、獣に媚びず、私は慶の民に、そんな不羈(ふき)の民になって欲しい。己という領土を治める唯一無二の君主に。」
「そのためにまず他者の前で毅然と頭を上げることから始めて欲しい。」{/netabare}

この初勅では、「徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである」(引用:Wikipedia)とした孔子の政治思想である「徳治主義」の影響を感じます。そして、「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。」、「己という領土を治める唯一無二の君主」という表現は、いってしまえば「民主主義」を目指すということでしょう。

その心は、民主主義って一人一人が国を治める王様みたいなもんだから、他人任せにすることなく、それぞれがしっかりしてなきゃ、いつかあるべき道を「失道」して、因果応報、世の中が乱れることになりますよってことだと思うわけです(文字にすると途端に説教臭くなりますね(笑))。

特に3章の鈴や祥瓊は、政治に対して文句をいうだけで何かするわけでもなく、また、自ら知ろうとする努力もせず自分は何も知らないから責任がないと言い逃れようとする現代的な大衆のメタファーともとれます。

まあ、そこまでの内容と捉えないとしても、特に一人の女性が自立するまでを描いた成長物語としても秀逸な作品だと思います。さすがNHKというべきか、是非、青少年に観て欲しい作品です。

ただ、いずれにせよ単なる娯楽作とは言い難い内容なので、昨今の異世界転移ものと同じように異世界で無双する冒険譚を期待しているなら、肩透かしを食らうかもしれません。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

54.8 14 ファンタジーで戦いなアニメランキング14位
とあるおっさんのVRMMO活動記(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.5 (110)
279人が棚に入れました
超自由度を誇る新型VRMMO「ワンモア・フリーライフ・オンライン」の世界にログインした、フツーのゲーム好き会社員・田中大地。 モンスター退治に全力で挑むもよし、気ままに冒険するもよしのその世界で彼が選んだのは、使えないと評判のスキルを究める地味プレイだった! やたらと手間のかかるポーションを作ったり、無駄に美味しい料理を開発したり、時にはお手製のトンデモ武器でモンスター狩りを楽しんだり―― 冴えないおっさん、VRMMOファンタジーで今日も我が道を行く!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

MMO墓場へ埋葬!いや…、ゴミ箱行きかな?

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.20

 主人公のアースさん、観ていて引くほど大人気ありません。NPC相手にマジでぶち切れます。

 俺に構うなって言ってるだろ〜!…。何、ゲームにマジになってんですか。ゲーム進行上のシナリオか何かでしょう?NPCとプレイヤーキャラの区別がついてない危ない人かな?

 どうも、なろう作者はMMOとかをやったことが無い疑惑が真実味を帯びてきます。

 本作品のアースさんも、面倒は御免と言いながら強い装備やアイテムはNPCに貰って、イベントに首を突っ込みます。ソロプレイしてれば、楽しむためにそうなりますよね。

 ゲームの運営側の人物が少し出てきて、棒振りみたいに一部突出したプレイヤー対策の話をしますが、弓の能力を抑えようとか、いや…工夫の余地が無くなって可愛そうだとか、アースさんがいかに道化かが分かる様なメタ発言をしますが、良くないですね。

 アースさん、オンラインゲームで遊ばせて貰っている存在に過ぎないのに、NPC女性に「お前は俺のことを理解してくれていると思っていたのに!」とか、ヤバい台詞を吐きます。

 強敵相手に戦う時も、ブツブツと痛い独り言を喋りながら戦うし、ソロプレイでこれは、精神を病んでいるとしか思えません。

 メイプルさんやサンラクさんの様に、プレイヤーキャラの友人もたくさんいる、ティーンエージャーならまだ許せますが、社会人でこれでは、会社でも嫌われてそうです。

 おっさん設定、ソロプレイ設定、目立ちたくない陰キャ設定、ヤレヤレ男っぽいけど、強度のかまってちゃん設定とか、どれも主人公にヘイトを集める狂った設定としか思えません。

 こういうのが良いと思われていた時代もあった…と、言うことでしょうか。観ていて悲しくなる地獄の様なアニメでした。
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 11話まで観ました。2023.12.12

 ここまで観ても面白くありません。企画者は、過去作の失敗や成功を分析してないのかな?マーケティングとかどうなってんの?と疑問に感じるアニメです。

 低クオリティなので元々成功するつもりも無いのかもしれませんが、こんなゴミを制作させられるスタッフや声優の皆さんが不憫です。

 VR(フルダイブ)MMOモノの過去作がどうなったか考えたら、本作品が成功するハズが無いことは分かりそうなものです。

 大ヒットしたソードアートオンラインやログ・ホライゾンは、プレイヤーがゲームからログアウト出来ず、デスペナルティがリアルな死だったり、大事なものを失ったりする緊張感がありました。

 初期作品の.hackも、未帰還者問題を絡めた人間ドラマが面白かったです。

 大したデスペナが無いのに、ゲーム内キャラになりきってイキっているインフィニット・デンドログラムや七星のスバルは感情移入が出来ず面白くありませんでした。

 棒振りのメイプルの様に、他のプレイヤーとともに楽しそうにプレイしている作品ならまだ、観る意欲も湧きますが、本作品の様に他のプレイヤーと絡まず、デスペナも無く、NPCとしか遊んでない都合の良い事しか起こらないVRMMOなんて、ヒットするわけありません。

 資源と人材の無駄遣いの駄作の制作は、もう少し考えた方が良いと思います。無謀や蛮勇は挑戦とは違うんやで!

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 10話まで観ました。2023.12.05

 アースさん、妖精国に行ってから、全然MMOじゃなくなっています。もう、NPCとしか交流しません…。他のプレイヤーはどこへ行ったのかな?

 フェアリークィーンとかにモテてもなぁ…。悲しくならないのかなぁ。

 もう、普通のゲームをプレイしているのと変わらず、主人公の都合の良いことしか起こりません。MMOの看板は下ろした方が良さそうです。
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 8話まで観ました。2023.11.21

 アースさん、妖精に好かれ過ぎてるとかいう謎の理由からフェアリークィーンがチートスキルをくれます。

 贔屓されすぎです。他プレイヤーは単一スキルに特化しないと遊べない仕様に変更されるというのに、酷くね?

 もう、生産職やるプレイヤー居なくなるでしょ。クソゲー確定MMO、過疎りそうですね。

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 7話まで観ました。2023.11.17

 主人公のアースさん、MMO内で楽しく冒険します。最初の不遇職やら何やらの設定は忘れてしまったようです。

 ゲーム内で活躍する物語は、安定感があって良いですね。所謂、決定事項下で優秀さや出世を争っている感じです。

 エリートは、大企業や官庁、軍隊、学校等の強固な組織内で切磋琢磨する存在です。

 組織の決定事項下で一つでも上を目指すのが、エリートに期待される態度です。野に下ったら、いくら優秀でもエリートではありません。

 本作品みたいに、ゲームという強固な組織の決定事項の代替としての環境下で強くなっていくというのは、競争に破れたエリートやそもそも強固な組織に加入すら出来てない非エリートの癒しでしかありません。

 主人公のリアルな状況は年齢が38歳と、サラリーマンということしか公開されていませんが、OPでは、C級、D級サラリーマンであることが示唆されています。

 物語が欲望の代替というのは、悪いことではありませんが、やはりアニメ化の時期が悪いというか、遅すぎるというか、設定に手垢が付きすぎてるというか、既視感がアリアリでアニメのクオリティも低いというか…。

 ぶっちゃけ原作が古すぎです。癒やしを目的に視聴するにしても、昔の原作を今更このクオリティでアニメ化しても駄目だろ!視聴者舐めすぎですね。

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 5話まで観ました。2023.11.01

 フェアリークィーンとバトル!主人公、ゲーム内で有名になります。

 しかし…、NPCにゲーム内でモテてもなぁ…。38歳…、サンラクさんと違って痛すぎます。後、20年若ければ微笑ましいのですが…。

 おっさん設定、キツすぎます。無くても良かった様な…。アニメ、ゲームに寛容になった現代でも、同僚がMMO内ではっちゃけてたら、引きますね。

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 4話まで観ました。2023.10.26

 課金してやり込んでいるであろう、一流プレイヤーをイベント中に他のプレイヤーの前で辱めて、何もしていない主人公に恩恵を与える…。

 運営酷くね…?何なのこのクソゲー?別にゲームのルール内で暴れまわっても犯罪じゃないし、ここまでやられる必要ある?

 課金したり、やり込んだりするのがバカらしくなります。後、ゲーム内キャラに成り切っているのは引くレベルです。どういう精神状態でプレーしてるの?

 主人公アゲが凄まじく、運営との癒着を疑うレベルです。こんなクソゲー、誰がプレイするの?

 メイプルはまだ、ガチ攻略勢だったので許せますが、ヤレヤレでやっているオッサンに便宜を図る意味が不明です。誰得の妄想なんでしょうか…。

 どこまで酷いことになるか、目が離せません!
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 3話まで観ました。2023.10.19

 明確に面白くありません。常に、だから何だよと思ってしまい、ツッコミすらする気になりません。

 防振りのメイプルは女性で、ゲームを楽しんでいたのでまだ面白味がありましたが、ヤレヤレ系のおっさんが主人公の話にどう興味を持てと?

 MMOで男性主人公が女性主人公と同じことをやってウケるわけ無いだろ…。

 観るのが苦行になりつつあります。ユニークスキルの方がまだ命と生活がかかっているのでマシでした。年間ワーストも視野に入りそうです。

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 1話観ました。2023.10.03

 転生や帰還出来なくなるわけでは無いまま、ゲームで38歳男性が活躍するお話です。

 ゲーム内で主人公にひたすら都合の良い展開が1話から続きます。クソゲーかな?

 ゲームしているだけの話は、失う物が何も無いので、嫌ならログアウトするだけだし、どうも観ていて面白いと感じません。

 もう、私、視聴のハードルが下がり切っており、不快じゃ無きゃいいか?になっているので、一応視聴は継続しますが、オススメは出来ない感じです。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

クオリティ低い… 主人公のプレイスタイルが意味不明で実況ものとしての面白さも微妙

さて、MAHOフィルムと言えば低クオリティ作品を連発していますね。
某監督以外は微妙に面白いと感じるケースもあるのですが、本作は駄目ですね。

まず普通に低クオリティです。作画が萎える。
同期にシャングリラフロンティアがあったのが残念でしたね。あちらが雲でこちらが泥です。
まあ別にあっちが無くてもこちらのクオリティが上がるわけではないですが、
あちらは「すごい面白いゲームだ」「確かに面白そうだ」
こちらは「すごい面白いゲームだ」「は? どこが?」
となるので、一目瞭然で差が有りすぎですね。

それはさておき… クオリティの低さを置いとくとしても、キャラの心情なども理解し難いというか、主人公のプレイスタイルは一体何なんでしょうか?

不遇とされているジョブやスキルをあえて選ぶスタイルというのは有りではあるのですが、その目的が他人から声をかけられたりパーティに誘われたくないからというよくわからんもので…。

いやそんな自信ある? 私はネットゲーム多少は触りましたけれど、自分からよほど能動的に動かないと、そんな積極的に周囲から誘われたりしないと思います。仮に誘われても、嫌なら断れば済む話。

つまり『他人は自分のことを放っておくわけがない』という意味不明な自信があるんですよね。
それだけの自信があるなら、全てのゲームで頂点を極めてきた天才とか、それにふさわしい経歴があるのでしょうからちゃんと説明してくれませんかね? そうじゃないと本当に意味不明なんですよ。

その後主人公が上がるのも、弓についてはプレイスキルで逆転したというのはまだ良いですが、薬に関しては仕様改悪によるものという。
普通こういう不評なアップデートを行うとユーザー離れを起こすのですよ。
閉じ込められてデスゲーム化しているのでなければ、糞アップデートが入ったら引退者続出しますよね。

なんかこの手のネットゲームは世界にこれ一本しかゲームが無い前提で作られていますが… そういう設定なんですかね?

とまあ、控えめに言ってもダメダメですね。
ただあまりダメダメだと、どれだけ駄目か逆に見たくなる面もあったりしますけれど…。

ま、今期は本数も多いのでそういう楽しみ方をする余裕は無いと思うのですっぱり切ります。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

ゲーム感皆無

{netabare}
いつもの。
外れだと思われていた職業/スキルが実は強かった!系。

目立ちたくない→弱い職業を選ぼうという考え方の時点で意味わからない。何のためにMMOやってんだよと。
しかもその職業が実は使えると分かってからは結局目立つ行動ばかりするし、何を考えてるんだか。
なろう系はやたらとはずれスキルが実は強かった設定を好んでる印象があるけど、それって主人公ではなくそのスキルが強かっただけであまりかっこいいものではない気がする。

まあそこはいいとして、このアニメの一番駄目なところはゲーム感が全くと言っていいほどないところ。
シャンフロのウサギも全然ゲーム感ないけど、このアニメを見た後だとかなりマシに思える。
ゲームなはずなのに、キャラクターや話が異世界モノなろうにしか見えない。

まず、プレイヤーにプレイヤー感がない。
最初に出てくる噛ませプレイヤーは知性がまるでなくて現代人のプレイヤーというより異世界人のチンピラにしか見えない。
何人かいる仲間のプレイヤーもしゃべり方がゲームプレイヤーではなく異世界人のそれ。
防振りとかは結構ゲームプレイヤー感あったんだけどね...。

NPCもNPCに見えない。
女キャラが主人公にだけきっついノリをかましてくる光景は完全に異世界モノの光景でしかない。
主人公にだけ発生しているような出来事も多く、これのどこがゲームだよって感じ...。
というか後半の方はプレイヤーではなくNPC関連の話ばかりでゲームである必要性を疑う。
そのNPC関連の話もなろうテンプレで死ぬほどつまらない。

OPとEDは両方ともいい。特にEDは好き。
作画はかなり微妙、やる気を感じられない。
こんな内容でやる気が出るわけもないけれど。
あと、主人公の見た目が完全にキリトくんなのはどうにかならないのか。

私的評価:6点
私的ベスト回:なし
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

79.3 15 ファンタジーで戦いなアニメランキング15位
天鏡のアルデラミン(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (901)
5001人が棚に入れました
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝歴905年。それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の皇女と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北"へと向かう、物語の発端である――。

声優・キャラクター
岡本信彦、種田梨沙、水瀬いのり、金本涼輔、間島淳司、千菅春香
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

内容の詰まった戦記物でキャラクターを見るのも楽しい

2016年夏アニメ。ライトノベル原作、全13話の戦記物です。
原作は2巻途中まで読了。ペースとしては原作3巻までのアニメ化のようですね。
原作より全体的に地味な印象に作られたアニメというのも珍しいかも。

キャラ物と戦記物のバランスの良さが良いですね。これは原作の良さでもあり、きちんとアニメにも反映されていると思います。
原作からのカットや短縮が沢山あるだろうと思っていたのですが、原作の内容もかなり詰まっているのであまりカットしていませんね。全13話でストーリーをキリの良い所まで進めるためにどうしても詰め込み気味になってしまった印象。
カトヴァーナ帝国の斜陽ぶりがわかりにくくなっていることと精霊の活躍が少なくなっていること、軍事関係のシーンが少なめになっているのも勿体無い点ですが、原作の進み具合からしてここしか切りようがなかったと思われます。
必要な情報を言葉での説明に頼らない(あるいは尺のために削らざるを得ない)ため、繰り返し視聴する人向きだと思います。

キャラクターは全体的に個性がわかりやすくイクタ以外のメインキャラクターが皆常識的なので、かなり見やすいと思います。人間関係もさっぱりしていてとても印象がいいです。
イクタは女たらしだったりと癖のある性格で、何話か進まないと良い所がはっきりと出てこないので苦手な人は苦手だったようですが、私はとても好きですね。{netabare}「人材の適材適所」という考えがイクタ本人にあるため、汚れ役を引き受けることが多くて痛々しいシーンもあるのですが、そこが良いバランスになっています。{/netabare}

キャラクターの配置も上手で、完璧系キャラと成長型キャラの両方が味方におり、それぞれに抱える問題・はっきりした美点欠点が設定されているため、誰にも感情移入できるし、好みのキャラクターは見つけやすいと思われます。

精霊も可愛くて好きですね!
見た目はちょっと癖がありますが動きや仕草が可愛らしく、主人に対する献身が健気ですし、物語に必要な存在として大切に描写されマスコット然としていないのが好印象です。……ねじまき要素は原作でも大分後にならないと出てこないという話。それはちょっと残念です。

キャラクターデザインに原作イラストよりずっと地味な絵柄を選択したのはチャレンジだったと思います。
でも堅実な世界観を作るという明確な意図が感じられて面白いですし、それぞれ良し悪しはありますが、個人的にはマシューのキャラクターがしっかり嵌っているのはアニメ版の絵柄だと思います。

戦闘シーンに作画全力投球というのが徹底していて素晴らしいです。接近戦に力が入るのは勿論ですが、長距離狙撃のシーンも本当に丁寧な作画ですし。
他の部分も常にきちんとしていて、コンテ演出も常に安定していて映像面で違和感は全くありませんでした。

OPは絵と歌詞の意味が物語が進むにつれ分かって行く作りで、最後まで見るととても感慨深かったです。じわじわ嵌って行きました。

{netabare}
第5話で子ども時代のイクタのヤトリに対する「君がいないと僕怪物に食べられちゃう」の台詞が色々想像させられますね…怪物とは狼の群れなのか、他の何かなのか。
むしろ人間を襲撃したものの返り討ちにあい、群れを崩壊させられた狼達のほうが喰われた側という描写なのが意味深です。
狼たちも幼少のイクタとヤトリも、戦った理由は生き残るため。弱肉強食ならぬ弱肉弱食とでもいうべき構図がやりきれない。
(※「弱肉弱食」という言葉は何年も前にどなたかのブログで見かけました。ブロガーさんのことも内容のことも今ではうろ覚えなのですが、酷く象徴的なこの言葉が忘れられません。)

人間もまた、正常な感性を持ち泥を被ってでも誰かを守ろうとする人(リカン中将、トァック少佐、カンナ、デインクーン)ほど腐った国に、あるいは周囲の大きな意思に喰われ飲み込まれていきました。
主人公であるイクタでさえ相手を納得させる言葉を用意することで自分の意志に他人を巻き込んでいくのですが、そこに理性と誠意があるからやりきれないものにはならずに済む。
他者と関わり合いながら生きていく上で人は「喰らわずにいられない存在」なのかも知れませんが、喰うか喰われるかの関係にならずに済む方法も、イクタの生き方によって明示されているのが良いなと思います。

第9話「ささやかな面目の行方」での食堂のシーンは正直その時は笑って見ていたんですが、「戦士」「勇者」にさらには「騎士」と次話で「ケダモノ」という言葉が飛び出したことで、人間のサガと理性、第5話で示された喰うものと喰われるもの、第8話「いつか、三度目に」から繋がる守りたいものと守れないもの、と明確にテーマ性が纏まっていく興味深い構成になっていると感じました。
……まさか伏線なんて思わなかったよ、あの猥談シーンw 考えてみれば尺がカツカツなんだから無意味なシーン入れるわけ無いですねw

「戦士」と「勇者」を飾らない自分だとすれば、「騎士」は他者にいかに誠実に向き合うかという理想を自分自身に課す在り方なのではないかと思います。
そして「ケダモノ」は自分のために他者を食い荒らすことに抵抗感を持たない存在。それは仔のために人間を襲った狼にさえ劣る在り方です。

シャミーユが願う国の在り方は、国を人に見立てるならば「騎士」に近いものなのでしょうね。しかし、シャミーユは自身の目的のためにイクタを喰らい飲み込もうとしています。敗戦国の軍事最高責任者なんて、正しく“すり減らされて捨てられる英雄”であるのは間違いないのですから。
イクタにとっては大事な存在(ヤトリ)を喰われないために逃げ出すか、人を喰らうばかりでない国を作るかという二択になるわけですが、どちらにせよ、仲間や身近な人が喰らわれる可能性は非常に高い酷な選択です。

イクタとヤトリの信頼関係を象徴する演出として二人の背中合わせの構図が一貫して強調されてきましたが、向かい合うシャミーユとイクタは全く正反対の関係性なのですよね。喰うか喰われるかという緊張状態にさえ見えてしまう。
第1話からずっと見て来たこのOP、本当によく出来ているなと思います。
{/netabare}

他の人の感想にもあるとおり、先がすごく気になる作品になってしまいましたが、本作単品でも十分に楽しめるようにはなっています。
色んな理由で1クールでの構成が難しい作品だったと思われますが、ヤスカワショウゴさんのシリーズ構成凄く良かったです。
物語の入り口という形にはなってしまいますが、気になる人にはオススメします。(2016.11.17)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あれ…ねじ巻きはどこに行っちゃったの…!?

この作品の原作は未読ですが、種田さん、水瀬さんが出演する事を知って視聴を決めた作品ですが、序盤の視聴ですっかりこの作品の魅力にハマってしまいました。

この物語の主人公は、17歳のイクタ・ソローク…彼は軍の名門イグセム家の令嬢であり幼馴染でもあるヤトリシノ・イグセムと高等士官試験に臨むため船出するところから始まります。

その船には、狙撃手のトルウェイ、旧軍閥のテトジリチ家の長男であるマシュー、衛生兵のハローマ…そしてなぜか帝国第三皇女シャミーユも乗船していたのですが、船が嵐によって沈没してしまうのです…

一行は地上に流れ着き一命を取り留めるのですが、流れ着いた先は帝国と戦争状態にある隣国のキオカ共和国だったんです。
彼らの選択肢は二つ…自国の領土まで逃げ延びるか、捕虜となって捕まるか…
紛争中の国境近くでもあるこの場所は敵の見張りの目も厳しく、簡単に逃げられる場所ではない事を認識させられるイクタ達…
きっと帝国第三皇女であるシャミーユ殿下は恰好の交渉材料となるでしょう…
でもそれは一つ間違うと戦局の大きく影響の出る可能性を秘めている…
こんな困難の中から物語が動いていきます。

この作品で第一に感じるのは、主人公であるイクタと幼馴染であるヤトリシノとの関係です。
ヤトリシノのCVが種田さんである事も相まって、彼女に流れるイグセムの血を重んじ、騎士として凛とあろうとする姿は堪らないくらいに魅力的…
でも、彼女が凛としていられるのは、傍らに必ずイクタがいるからにほかなりません。

このイクタ…「食わせ者」とは、正に彼の事を指す言葉といっても過言ではありません。
常日頃からいかに怠けるかを考えており、「怠ける時は怠けるが、怠けるための努力は惜しまない」が彼のモットー。
でもその実態はイクタが師と仰ぐ科学者アナライ・カーンの弟子一人で、彼が口にする「怠ける」とは「効率が良い」事と同義なんです。

例えば1日かかる仕事をやり方を工夫する事で半日しかかからなかった…
余った残りの時間は自分で好きなように使う…これがイクタの言う「怠ける」です。
人は面倒くさい事が嫌いで「安心・安全・安泰」が大好き…というのは本当だと思いますし、文明の発達もこの発想に基づいた部分が多いと思います。

でもイクタが怠ける事を追い求めた結果、彼に待っていたのは彼の人生における3重苦でした。
ただイクタにとっての3重苦が世の中全ての3重苦とはならない事を彼は知っており、軍人としての道を歩き始まるのです。
でも、イクタが軍人として歩むようになってからが面白さの本領が発揮された作品だったと思います。

それとこの作品の登場人物として重要なのが「精霊」の存在です。
火・水・風・光の4種類に分けられた精霊は手のひらサイズで、人間一人につき一体の精霊をパートナーとする事ができるんです。
精霊は武器の動力として使用できるだけでなく、人間に忠を尽くす存在なので一部では神から遣わされた存在として崇められています。

実はこの作品のタイトルを一目見た時から気になっていた事があります。
「ねじ巻き精霊戦記」です。精霊とねじ巻きって、アンマッチ過ぎ…だから物語の中でどの様な関わりを持っていくのかが楽しみで仕方ありませんでした。
でもそれは結局作品の中で触れる事はありませんでした…原作は10巻まで発行され、さらに連載も続いていますが今回アニメ化されたのは原作の3巻まで…つまりまだまだ序盤という事なので、そのうち制作されるであろう続編の中で明らかにされるのかもしれません。

イクタの前に広がるのは、見方の圧倒的不利な状況ばかり…
後に「常怠常勝の智将」と呼ばれるイクタでも味方の犠牲を一人も出さずに…という訳にはいきません。
それに智将よ呼ばれる人物は、この世でイクタ一人…という訳でもありません。
どんなに最善を尽くしても守りきれなかった命は一つや二つではありません。

自らの判断が…命の優先順位が間違っていると罵られた事もありました。
きっと普通に諭すことができるなら…そんな状況が許されるなら罵られる事もなかったでしょう…
でも戦争がそんな言い訳すら許してはくれないんです。
誰もがイクタの様に状況を俯瞰できる訳じゃない…
少しでも味方の犠牲を減らしたいだけなのに…
身に付けていたモノだけが淋しげに残されている…そんな状況を見たくないだけなのに…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
私にとってダークホース的存在の作品でした。

この作品の続編は是非とも見たいところですが、乗り越えなければいけない壁があるのも事実だと思います。
最大の壁は声優さんの復活だと思っています。
この作品には、ヒロインのヤトリシノ・イグセム役に種田梨沙さん、そして藤原啓治さんも出演されていますが、お二人とも現在療養中です。
幾つかの索引では代役も決まったようですが、既に世に出回っている作品の出演者が変わるのは淋しい限りですし、ヤトリシノ役は種田さん以外は考えられないと思っています。

でも…wikiで彼女の出演した作品を見ると病気になるのも仕方ないような気がします。
出演される殆どの作品はメインキャラで、テレビアニメ、OVA、WEBアニメ、劇場アニメ、ゲームにドラマCD…それに吹き替えやラジオにまで出演しているんです。
それだけ彼女のニーズがあるからなんですけれど…
これだけ忙しかったら、自分の出演した作品もまともに見れていないのでは…と思ってしまいます。
絶対元気な姿をもう一度見たい…そう願っています。

オープニングテーマは、岸田教団&THE明星ロケッツさんの「天鏡のアルデラミン」
エンディングテーマは、鹿乃さんの「nameless」
相変わらず歌い辛いですが、岸田教団&THE明星ロケッツさんのオープニングは恰好良いの一言です。
しっとりとしたエンディングも好きでした。

1クール計13話の作品でした。物語的にも見どころがあり出演している声優さんも豪華…しっかり堪能させて頂きました。気になる続編…の前に療養されている声優さんの復帰を祈念しています。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 26

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「殴りたいときに殴るのが原始人、攻めるべきときに攻めるのが軍人、そして、言うべきことを言いたいときに全部言うのがイクタ・ソロークだ!」

宇野朴人による原作小説は、『電撃文庫』(KADOKAWA)にて刊行中(全14巻、原作未読)。『第2回ラノベ好き書店員大賞』3位、『このライトノベルがすごい!』作品部門2位(2014年)。
『転生したらスライムだった件』などの川上泰樹によるコミカライズ版は、『電撃マオウ』(KADOKAWA)での連載が終了(全7巻、コミカライズ版既読)。
アニメは、全13話(2016年)。監督は、市村徹夫。制作は、『葬送のフリーレン』、『AIの遺電子』などのマッドハウス。
(2024.5.16投稿、5.27一部推敲)

本作は、単純にいうと、『進撃の巨人』、『銀河英雄伝説』、『ヘヴィーオブジェクト』、『幼女戦記』、『戦場のヴァルキュリア』、『終末のイゼッタ』、『86』あたりの「軍師」、「戦略・戦術」、「ミリタリー」要素高めだが、リアル志向に寄りすぎず、そこにファンタジー(非現実的)要素を追加した作品が好きだとハマる可能性が高いです。

ただ、いくつか人によって好みが分かれそうなところがあるので、そこを説明しつつ、個人的に好きな作品で続きが観たいので応援する意味を込めて今回レビューを書きたいと思います。


【あらすじ】
本作は、気球や狙撃銃(ライフル)が出始めの頃であることから19世紀のヨーロッパ的な世界観を基礎として、そこに「火・水・風・光」の四大精霊が人間のパートナーとして生きるファンタジー要素を追加した架空の世界が舞台。
そこに、貴族・官僚の腐敗により国力が衰え皇帝が傀儡と化した「カトヴァーナ帝国」、帝国からの難民や科学者などを積極的に受け入れ急速に勢力を拡大した「キオカ共和国」、両国に匹敵する国力と軍事力を保有しアルデラ教の総本山である「宗教国家ラ・サイア・アルデラミン」が鼎立。
(ちなみに、「アルデラミン」とは実在するケフェウス座のα星で、この星を調べるとネタバレに…)

カトヴァーナ帝国に住み、「昼寝と徒食と女漁り」を愛する主人公のイクタ・ソローク(CV.岡本信彦)は、幼馴染で「皇室の剣」であることを運命づけられた軍部の名門イグセム家出身の二刀流剣士ヤトリシノ・イグセム(愛称ヤトリ:CV.種田梨沙)を主席合格させるため、ヤトリと共に帝国の高等士官試験に臨む。しかし、その途上で船が嵐により沈没、同じ受験生や、まだ幼き帝国第三皇女シャミーユ(CV.水瀬いのり)と共に、帝国と戦争状態にあったキオカ共和国に漂着する。そこから彼らは、イクタが一計を案じて帝国に無事帰還することに成功し、「帝国騎士」に叙勲されることに。しかし、それはイクタが絶対になりたくないと思っていた軍人、貴族、そして英雄になることを意味していた…


【独特の世界観】
まず、19世紀ヨーロッパぐらいの文明レベルを持ちながら、精霊が実在するという独特の世界観が魅力的。例えば、ライフルの動力源が風の精霊だったりします。

ただ、この精霊、本作では謎があることをほのめかす程度ですが、本当に精霊なのかも含めて謎に包まれた存在です。

あと、主人公とその仲間以外の人たちが、あっさり死にます。また、民族差別や宗教問題なんかも出てくるので、この辺はリアル寄りの描写になってます。


【「常怠常勝の智将」イクタ・ソローク】
次に、本作は、後に「常怠常勝の智将」と呼ばれることになる主人公イクタのロジックに基づいた知略が見処になってます。

ただ、本作では、准尉という一番下の士官で本来動かせる兵員が少ないにもかかわらず、戦争の大局に影響を与えてしまうような活躍をするので、若干ご都合主義展開と感じるかも。

また、イクタは、その生い立ちに秘密があって、「常怠」と評されるように、ちょっと性格に一癖あるキャラクターになってます。

例えば、「殴りたいときに殴るのが原始人、攻めるべきときに攻めるのが軍人、そして、言うべきことを言いたいときに全部言うのがイクタ・ソロークだ!」なんて彼の自己紹介にそれがよく表れていると思います。

もっとも、そんなイクタも困難な状況に直面し物語の進行とともに成長していきます。


【イクタとその仲間たち】
あと、イクタが嵐にあって一緒に漂流し、その後仲間になる面々、イケメンが嫌いなイクタから嫌われるも人が良すぎて許される狙撃兵トルウェイ(CV.金本涼輔)、本作の普通の人枠で上昇志向が強く小太りの突撃兵マシュー(CV.間島淳司)、癒し系かと思いきや悪気なく本音を言ってしまう衛生兵ハローマ(CV.千菅春香)のキャラが立っていて、そのやり取りが面白い。

特に、お互いに複雑な事情を抱え明確な恋愛関係にはないけれど、言葉の要らない強い信頼関係に基づいて抜群のコンビネーションをみせる、軍師イクタと剣豪ヤトリの関係性が本作の見処の1つ。


【最後に】
もっとも、本作では、イクタとヤトリの今後について、これから二人が抗うことの難しい運命に翻弄されるような匂わせがあるものの、そこ止まりで終了。続きを作ってくれないかなあ…

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

80.3 16 ファンタジーで戦いなアニメランキング16位
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (802)
3980人が棚に入れました
「ゲームで魔王やってたら、異世界に召喚された!?」MMORPGクロスレヴェリにおいて坂本拓真(さかもとたくま)は、他プレイヤーから『魔王』と呼ばれるほど圧倒的な強さを誇っていた。ある日、彼はゲーム内の姿で異世界へと召喚されてしまう。そこには「私こそが召喚主」と言い張る少女が2人いた。拓真は彼女たちから召喚獣用の奴隷化魔術をかけられる――しかし固有能力《魔術反射》発動!奴隷と化したのは少女たちで……!? 魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、開幕!

声優・キャラクター
水中雅章、芹澤優、和氣あず未、原由実、大久保瑠美、加藤英美里、種﨑敦美、森嶋優花、千本木彩花、置鮎龍太郎、石田彰、大塚明夫
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ロールとペルソナ

*誤記修正


また妄想充足型の異世界転生無双ハーレムものか、と思いつつ視聴すると、設定や描写の各所が奇妙なバランスを見せていて、不思議な視聴感がある。
不思議と感じるのは、このバランスが意図しているのか偶然なのか判然としないせいで、どう捉えたらいいのかモヤモヤした感想を喚起するためだろう。


引きこもりの最強ゲーマーが、ゲーム内の最強スキルごと異世界に召喚される冒頭は、これからゲーム的「異世界」で無双するチート願望全開の妄想が展開されると予期させながら、意外にも妄想にブレーキをかける慎重な設定がなされていることが明かされる。

{netabare}主人公の「最強スキル」は、「異世界」の中でも異常に強力なものだとされていながらも、「世界」の根本を捻じ曲げてしまうような「異質」なものではなく、異世界なりの「ことわり」の範囲内にある能力であり、「チート」と言えるほどの「主人公に不利なことは絶対に生じさせない」妄想実現力を保証されてはいない。

この「異世界」に向き合う主人公の姿勢も、固有の歴史性をもって自生した、無数の他者によって構成されている「世界」であるという、この種の物語では異常ともいえる極めてまっとうな認識に支えられている。

ラノベ的な、妄想と「世界」を直結させて他者のいない幼児的な全能感の満足を目指すのではなく、私とは無関係に他者によって構成された「世界」の中に「この私」の居場所を探していくという一般性のあるストーリーは、しかし、ラノベ的な「引きこもりのヘタレ」が「社会」との接触に慌てふためくという設定が生み出しているのであり、ラノベ的指向の視聴者と妄想には距離感のある一般指向の視聴者を、共にまたがって引き付ける巧妙なバランスを見せている。
このバランス感覚が、意図的なのか偶然か判然としないのが本作の特徴かもしれない。


他者=社会との交渉に忌避感のある「ヘタレ」主人公は、RPゲーム内の「ロール」であった「魔王」のキャラクターを「ペルソナ」として纏い、何とか交渉をこなそうと奮闘する。
この内面の「ヘタレ」とペルソナとしての「魔王」キャラとのギャップの面白さがアニメとしての見どころだが、ストーリーが進み、主人公が社会に居場所ができてくるに従って微妙な変化を見せることになる。

社会とのかかわりが深まり、社会の中で「ディアブロさんという人」が認知されていくにつれ、ゲーム内のロールであった「魔王ディアブロ」を模した「ペルソナ」は主人公の「仮面」であることを逸脱し、社会の構成員=一員としての「ディアブロさん」という役割〈ロール〉へと再帰してゆく。


以前に、別作品の感想の中で、大人が職業を持って社会参加することは、個人としての人格を超えて社会内での役割〈ロール〉を演じることである、と書いたことがある。

普通に働く大人は、仕事においては、個人としての「好/嫌」や「損/得」の判断を切り離して、役割の命じる職業的な判断をもとに行動して役割〈ロール〉を果たす。それが社会的な存在としての「大人」=社会人だ。

主人公が「ヘタレ」の個人的感情を抱えながら、異世界での社会的存在=社会の一員である「ディアブロさん」として振る舞うギャップは、普通の大人の日常的な仕事の比喩でもある。

そう、内心で戸惑いながら、「魔王」=ディアブロさんとして本心とは違う行動をする描写は、引きこもりくんが社会人デビューして職業人になろうと奮闘するメタファーになっているのだ。

自己肯定感の乏しい「ヘタレ」が「異世界」でチヤホヤとされる居場所を得る展開は、ラノベ的妄想の共有感ではなく、普通人の普通の職業生活のメタファーが支えている。

社会の一員=「ディアブロさん」の役割〈ロール〉を全うしようとする主人公が、単なる「無双」のチート野郎とは異なる印象を与えるのは、こうした設定とストーリーの微妙なバランス感覚のせいだろう。


繰り返すが、こうしたバランス感覚が、意識的に生み出されたものであるのか少しばかり怪しいのが、本作の弱点かもしれない。

コメディとしての笑いを支える「ヘタレ」と「魔王」のギャップは、召喚という設定によって持ち込まれた、主人公の「現代日本人」としての価値観や思想が、「異世界」のそれと違和しているというギャップに根拠づけられている。

半裸の美少女に迫られて手出しできないという「ヘタレ」ぶりも、現代日本人の感覚に規定されている。
異世界の倫理・価値観であれば、奴隷の少女たちをどのように弄んでも何の問題もない。
が、現代日本の倫理観が、手出しをできないヘタレぶりと同時に、「奴隷」化は本人の自由意思による合意であるという「言い訳」を生み出す。

自由意思による自己決定が高い価値を持つことは、現代日本では支配的な価値観ではあるし、視聴者には説明抜きで共有されている。

だが、もしも本作のバランス感覚が本当に意識的なものであったなら、制度に縛られ「個人」や「自由」の概念が存在しない「異世界」に、「自由意思」という革命的な「新思想」を持ち込んだことが主人公のモテモテを支えているのだという描写を、作中で明確なものとして挿入できたのではないか。

その果てには、自由意思が徹底されるなら、一対多数の恋愛という「自己決定」もあるのではないかといった、「現代」の制度性を逆照射することまで射程に入れられたはずだ。

残念ながら、ここでは視聴者の常識をあてにするばかりで、日常感覚を異世界と対比して対象化しきっていない印象がある。

こうした、ちょっと詰めの甘い感じが、バランス感が意図的なのか偶然か不明のモヤモヤにつながるようだ。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

今はこれが精一杯

1話感想{netabare}
異世界転生…ってよりもこれは召喚だね。
タイトルからして「うわぁ」と思ったが、見てみたら案外抵抗を覚えなかった自分に驚愕。
…。
なんでじゃろ?
ってことで異世界転生や召喚モノで自分的にOKなのとダメなのを比較して考えてみたらちょっと答えが出て来た。
召喚したヤツ(自分はよく「黒幕」って表現する)は絶対どこかに居るハズで、悪い言い方するとそいつに“誘拐された”ってのが実状なワケで…主人公は自ら「異世界行きたい」として行動(思うだけじゃダメよ)したワケじゃないじゃん?
登場人物がそいつに視線を向ける作品だと結構平気。
また黒幕には黒幕なりの理屈・事情があって共感できる・出来ない場合は対峙すべき存在として描かれてないとどうにも気持ち悪い。
あれだ、ずっと前にSAO(二期)の感想でも書いたっけか、一期は召喚(比喩)したヤツが黒幕で敵対対象で、そいつの用意した世界なんてブチ壊しても構わないって状況だからチートでも気にならなかったのに、二期では云々。
幼女戦記では存在Xの考えに全く共感できなかったうえに主人公の行動も(敵対してるかのように振舞ってはいるが)迎合してるだけでダメだった。
イセスマでは1話の段階で不快感そんなに抱いてない頃(ダメだと判断下す前)に書いたなぁ、転生させた神様が実は黒幕なんじゃね?みたいなこと。
オバロは風呂敷広げるばかりでいつになったらそっちに話進むんだろう?と様子見。
デスマは鳥居とかそれっぽいことを提示してはみたけど結局掘り下げなくて残念だった。
ナイツマは…知るかあんなの、ナイトブラッド以下。
桃色パラドックスではちゃんと事情が描かれてた。
織田信奈の野望では黒幕は出なかったけど主人公は世界への違和感は常に感じてた(誘拐犯に用意してもらった世界が自分の干渉によって崩壊するのを恐れてた)。
…他にもOKだったのとダメだったの色々あるんだろうけどパっと思い出せるのを羅列してみるとこんな感じ。
要は召喚したヤツ(人ではなく現象であっても)に迫ってくれないと、結局「その場」を主人公のために用意してくれた誘拐犯の掌の上で踊らされてるだけにしか感じずダメっぽい。

答えが出るもなにも、前からちょくちょく語ってはいたんだけど…より一層明確になったというか、この反射にも似た反応は一貫できてると再確認。


前フリ長くなったけど話をこの作品に戻すと…
召喚に初挑戦したレムは内に魔王を封印してて、それの作用によって誤作動起こして地上人を召喚しちゃった、って感じじゃないかな。
まだ1話だしそこまで詳しくは迫ってないけど、多分そうじゃないかなー?
で、原因は事故であっても構わない、事故の原因を突き止めて解決(この場合元の世界に戻るか留まるかの選択権を得る)って方向に話が進んでくれるのなら。
「なんでオレはこの世界に来ちゃったんだろう?」と疑問に思うこともなく「異世界たーのしー」ってだけに終始する内容だと困っちゃうワケですが…果たして今後どうなるかね?
ってかタイトルで損してないか?これ。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
原作未読だけど「原作では○○なんじゃないかなー」ってのは想像できて(合ってるかどうかは不明)。
で、感じるのは、原作は“百錬~”といい勝負なんじゃねーの?ってこと。
実際この作者の他の作品のタイトル見てみたら…ある意味凄い、「そん時ウケてる他作品のパクり」ばっかりで、これって編集から「今○○がウケてるからそれやって」って言われたのをソツなくこなしてる職人らしい。
仕事でやってるんだからそれで正解なんだろうけど、けどこれって…どうしてもソツのない・無難な作りになってしまうのも想像に難くない、器用貧乏とでも言いましょうか。
んで実際、「なんでこの世界に来てしまったんだろう」「どうやったら元の世界に戻れるんだろう」って探索はどこかにすっ飛んでしまい、これも恐らく“参照”してる他作品がそうだからってことなんでしょう。
多分「元の世界に戻るための探索するのがウケてる」ってなったらそういうの書くんじゃね?

で、これらはアニメから感じる原作の推測でして…これはまぁここで書くのは適切じゃない。
が、そんな原作でありながらアニメスタッフはどうにか面白いものにしようって意気込みを強く感じまして。
お色気押しって実は気を使うんだねぇ、イセスマや百錬はそれやっても「不快」のほうが先に来るのだけど、こっちはそこら辺注意してたんじゃないかな。
主人公最強も頑張って嫌味を消し、他の男性キャラの扱いが悪いのも改善し、一応ピンチらしい演出も入れる、と。
原作からそうなんかも知れんけど、そこをちゃんと辺汲み取ってアニメスタッフは強調してたんじゃないかな。

とはいえ、だ。
やっぱりTVアニメじゃ限界はあって。
序盤街中に現れた魔物を始末するシーン、背景に倒された衛兵や冒険者を映して欲しかったけど、それが無い。
流れで「そういう状況」ってのは分かるけど、そのシーン(主人公が魔物を倒す)だけ切り取って見ると残虐行為してるだけになってたり。
あと川でエデルガルドと接触のシーンもやけに唐突だったような…?
う~ん、やっぱりこれが限界だったんじゃないかなー。
まぁ結局はおっぱい押しが(この作品を魅力的に見せるには)正解だってことで落ち着いちゃった感じでした。


総評としては、テンプレラノベアニメをどうにか面白くしようと頑張ったアニメスタッフの意気込みを見るのには良いかも知れない。
やる気無しで作ったらイセスマや百錬と同程度になってた気がする。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異世界転生枠

異世界転生+ヒキオタ+最強+エロのテンプレ暑中見舞いギフト。
ついでにヒロインは金髪巨乳+黒髪貧乳のこだわりよう。

第2話まで見たけどこれが意外と面白い。
なぜなのかは知らんが面白い。
スマホ太郎や綴る主人公よりは遥かに期待できるかも?
絵がよく動くのも劇伴がいいのもポイント高いわ。

・3話目
はぁ.......{netabare}エロ要素が薄くても十分面白いじゃねーかwww{/netabare}
止め絵が多くなってきたような気がするけど、上手くやりくりして欲しい。

・4話目
ここにきて.....{netabare}今期全アニメ最高の熱い展開wwwwwwwwすげぇ!{/netabare}

・5話目
前回と比べるとかなり大人し目。
{netabare}なんだかモゾモゾする展開。(意味不明)
あと主人公のソリロキーがちょっとしつこい。
多用し過ぎるとテンポが悪くなる。
まぁ新キャラの顔見せ回ということで。{/netabare}

・6話目
あ~..........
{netabare}エロエロエロエロエロエロエロエロエロエロ石田wwwwwエロエロエロエロ
エロエロエロ石wwwww田wwwwwwwwwwwww{/netabare}
.......な回でした。
なおネット上の情報では、放映局の違い(自主規制?)でエロ度に天と地の
差があるもよう(笑

・7話目
今回もエロい、そして熱い。
{netabare}引き篭もりの素が出てしまった豆腐メンタル崩壊から、仲間パワーによって
一気に持ち直すというありきたりの展開なんだけどなぁ。
ここまで楽しくさせる制作スタッフはスゲーわ。
劇伴も絵もよかったし、何より石田wwwwwwが頑張ってた。
ここまでシェラにかなり比重が置かれているけど、8話目で決着とすれば、
残りの9~12話がレムの話になるのかな?
まだEDのロリっ子も出てきてないしね。{/netabare}
つーか既に2期望んでますよハイ(笑

・8話目
強敵とのバトル回
{netabare}ちょっと一部(というか男キャラ)の作画が崩壊してませんかね?
あと強敵x2との対戦にしては動きがイマイチ。
主人公のソリロキーで解説する時間も多過ぎる。
今回はもっと作画に力を入れて欲しかったし、そうすべき回だったはず。
その辺が残念だったので、評価も若干下方修正。
ラストは安定のエロ落ち。
しかも放映アニメでは触れてはいけない場所に手を出してしまったなwww{/netabare}
そうそう、今度はスマホ向けにゲーム化されるそうで(笑
コケずに稼いで2期3期と作ってくださいよ!

・9話目
水着回(嘘
{netabare}しかしあれだな、露出度が高いほどエロさが薄れていく典型だわ。
強敵っぽい聖騎士様が手下に担がれて退場していったのには笑えた。
それにしても、レムの体臭は何だったんだろうか?
ディアブロの方がよっぽど臭そうだけど。{/netabare}

・10話目
出産回(嘘
{netabare}まあエロやり過ぎて、肝心の戦闘シーンがおざなり気味というか......。
もうちょっとディアブロの強さを映像でしっかり出して欲しいわ。
残り2話?でメガネっ娘と聖騎士様とロリ魔王のオチつけられるのかな?
2期決まってるんなら無理にまとめなくてもいいけどさ(笑{/netabare}

・11話目
エロ無し回!!!
{netabare}......の割にはイマイチ熱くなれない。
怒り覚醒の展開がありきたりだからか?
ディアブロの活躍自体がほとんど無かったからか?
いや違うな。
アリシアが悪魔崇拝者として人間を憎む立ち位置がピンとこないからだ。
ここまでの展開で一番のマイナス要素だと思うわ。
魔族の大集団が進軍してくるシーンはもっと盛大に描かないとダメだろ。
聖騎士様の消え様も捨てキャラ扱いで実にあっけない。
今回の見所はレムへの拷問&オーバーキルだけだったな。
それすら映像的には物足りなかったけど。
終盤の尺不足はエロを詰め込み過ぎた弊害なのか?
このアニメ、絵的にもエロ方面には全力で肝心の部分が手抜き状態。
そこはホント残念でならない。
つーか、レムに刺さってた剣はどこ行ったんだよ(笑{/netabare}

・最終話
ん~前回の感想そのままというか。
{netabare}結局アリシアの絡みが話をつまらなくさせてしまったような?
魔王vs魔王の対決シーンも薄味でパンチ不足。
終盤の構成に難有りだと思う。
エミールだけはいい味出してたけど(笑{/netabare}
俺の中での評価は下方修正となったが、もし2期があるならこの先の展開に
期待したい。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

72.0 17 ファンタジーで戦いなアニメランキング17位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (331)
1103人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みにくい白鳥の子

(2021.5.2初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 略称『ツキミチ』1クール全12話
  ※ 最終話後、第2期制作発表あり。

🌕 ❰全話試聴して❱
{netabare}
 本作は原作ファンとして今期の期待作のひとつだった。ゆえに期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタートして視聴中に修正。最終的には、原作を100点とするなら80点の満足度でとても楽しかった。

 主人公と従者達を主軸にして話の寄り道をせず、キャラの登場を制限したことが吉となったと思う。コメディ演出でライトな作風だったことも結果的によかった。作画は彩り豊かな亜空風景が印象深い。とりわけ優秀な作画という訳でもないが、作風との相性が良く、見せ場に相応のリソースが割けていたので不満は全くない。

 最終話後に2期制作も発表されて頼もしい。2期で主人公は、人と魔族との戦争にどのように対応していくのか。主人公とある意味同じ立場の新キャラ2名が、主人公とどう関わるのか。

 1期は原作にあった上記の新キャラに纏わるサイドストーリーは潔くカットされた。それを2期に持って来ることは間違いないだろう。そこに構成の妙を感じる。1期が亜空建国が主軸なら、2期は主人公の亜空外での商売上の人間ドラマが主軸に、と色合いが明確になりそう。

 必ずしも原作通りに進むとは限らないだろう。場合によっては、1期では省略された豪商レンブラントの真実の深堀りも描かれるかもしれない。2期が実に楽しみだ。
{/netabare}

以下、放送前投稿 (2021.9.23推敲)
{netabare}
 原作は、2012年2月から2016年8月迄『小説家になろう』にて連載された。現在、なろうアカウントは無くなった。

 2013年5月からアルファポリスより書籍が刊行。2021年7月時点で既刊17巻(本編16巻+番外編1巻)、コミカライズ既刊9巻。2021年4月時点でシリーズ累計発行部数170万部突破、アニメ放送直前には200万部突破と勢いある作品。

 アルファポリスサイトで無料で読める小説は、書籍のダイジェスト版。漫画は最新の一部のエピソードは無料で読めるよう。

 本作は2020年10月に「2021年アニメ放送決定」のニュースがあった。それがきっかけでコミックを読み始め非常に気に入った。その後ラノベも読み始め現在2周目突入中。

 2021年4月28日、昨秋の特報に次ぐPVが公開され、そこで本作が同年7月放送開始と初めて告知された。

 同時期放送作には、大好きなラノベ原作異世界ファンタジー作品が多い。本作以外では、「はめふら2期」「転スラ2期第2部」「現国」「精霊幻想記」と合計5作品もある。個人的にアニメに費やす時間がますます増えそうだ。

 上記の中では最も遅い告知となった本作、PVを視聴してお笑いの真打ち登場の感。キャストが豪華で皆さんの演技が楽しそう。PV最後の劇伴がツボだった。以上の中でコメディ要素は「はめふら」といい勝負だろう。日本神道の神様が登場したり、日本の時代劇かぶれの主人公の配下がいたり、と他作品とは一味違った日本推しがなかなかユニーク。

 監督は『ログ·ホライズン』『FAIRY TAIL』などの長期シリーズが代表作の石平信司氏。ファンタジーにコメディを馴染ませ長期人気を保った実績がある。本作でも期待している。
{/netabare}

❰主人公について❱
{netabare}
 17歳の高校2年生の深澄 真(みすみ まこと)は、両親と神との昔の契約で理不尽にも勇者として片道切符で異世界に召喚させられた。

 彼は異世界では日本での年格好のまま。配下の多いカリスマ最強主人公となるが、飾らない人柄で天然。だが、ある事情で勇者にはならなかった。それでも異世界での彼の魔力量が人外。戦闘力もチート。さらに周りの助力も大きく、商材にも恵まれ彼の立ち上げた商会はどんどん大きな存在となる。彼はその甲斐性と性格の良さから、ハーレムも可能なほどの財力と地位をじわじわ築くがその気が全くなく特定の異性との色恋とも無縁。

 そんな所は転スラのリムルによく似ている。但し容姿が日本基準では平均、本作の異世界基準ではブサイクという設定で、人型時の美形なリムルより親近感がある。

 個人的に真に魅力を感じるのは、弓道で一芸に秀でている所。所属していた高校の弓道部では彼は副部長だった。弓道の才能以外は全てにおいて平均的だが、地道な努力家で面倒見も良く彼を慕う美人の部員が二名いた。しかし鈍感で恋愛には不器用。女性から告白されてもギクシャクするのが関の山。弓道があるので恋愛優先になることはなかった。ありのままの自然体で、まだ若いのにどこか落ち着いてる彼。しかし道理や礼節を弁えない存在は、たとえそれが神様であろうと堂々と立ち向かう。そんな鷹揚な雰囲気と反骨精神を持つ主人公像が好ましい。

 弓は異世界で彼の戦闘手段として最大の武器となる。彼は召喚後も、時間があれば無心に的を射る鍛錬を欠かさず、弓道を精神修養の一貫として続けている。そこに禅定の静寂美が感じられるが、弓道ならではの魅力だろう。一芸に秀でその道を極めんとする彼。普段は一切の力みが無いが、いざという時は極限の集中力を発揮して敵を討つ彼。なかなか格好いいと思う。
{/netabare}
❰配役について❱
{netabare}
 初回は声優の配役で、シン(巴)の声に個人的にかなりミスマッチ感があったので評価を下方修正。

 美女になってからの巴の外見上の声はあやねるでも合ってるが、竜体の声は誰ともわからない下手な物真似を聴かされてる気分で失笑した。まあ竜体の声は1話以外は出番ないだろうし、アニメは原作よりギャグ主体で作風が軽い。その内に忘れて気にならなくなるかもしれないが初回はがっかりだった。

 巴は外見が美女に変化して後、ヲタクで残念な部分もある。が、本質はこの世界を管理する女神も干渉できない何千年も生きている最強の上位竜の一柱である。その賢さと強さは半端ない。原作中、マコトは巴を頼りになる兄貴のようだと表現したことがある。やはり相応の落ち着きと滲み出る風格も感じられる演技とそれに合う声を期待する。

 姉御肌感が自然に滲みでる声優に演じて貰いたかった。女性らしい声のみならず、時に男前でドスも効く声色が出せる、例えば沢城みゆき、本田貴子、田中敦子あたりの幅広い演技力ある声優が理想。

 その後、巴役の佐倉綾音の演技は田中敦子に似てる感あり。しかしまだ若い。滲みでる年輪が足りない。やはり人生経験豊かな30代半ば以上の声優演じる巴が望ましい。

 それ以外のキャスティングは概ね満足。特にハイランドオークのエマ役の早見沙織。キャラの透明でキラキラの瞳以外は早見沙織の声に全く合わない、というのがギャグとして笑える。

 2話から登場の災害の黒蜘蛛の化身の澪の声は巴ほど違和感なくていいと思う。世界的大ヒット作『鬼滅の刃』の炭治郎と禰󠄀豆子兄妹コンビがそのまま真と澪の主従コンビに。大ヒットの験担ぎか。ネタとしても悪くない。炭治郎と真はすぐに同一声優と気付くが、禰󠄀豆子と澪はキャラクターが違い過ぎて、声を聴いただけでは同じ声優とは気付きにくいと思う。共通点はどちらもかけがえのない家族であること。炭治郎と禰󠄀豆子は血縁者で家族なのは当たり前だが、巴と澪は真にとって恋愛対象でなく家族同然の関係性で愛情と信頼を深めていくから。

 また『神様になった日』の主人公とヒロインのキャストが本作の真と巴になってたが、そちらは視て無いのでインパクトゼロだった。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
🌑第一夜「勇者…失格」(7月7日 23:00 - 23:30)
 物語4.5→4.0, 声優4.5→3.5
{netabare}
 漫画第1巻(第一夜『勇者…失格\(^o^)/』第二夜『「世界の果て(ピリオド)」のその先で...!?』第三夜『フラグは立つか立たざるか』第四夜『おしかけドラゴン』)より

〈異世界の 水戸黄門に なり得るか〉

 原作からのバイアスが掛かったため、予想以上に大袈裟なギャグシーンの多用と軽すぎる作風に初回は馴染めず戸惑ったため評価は若干下げた。しかしもう一度視て、コメディアニメとしていい線いってると思い直した。作風にもっと馴れたらまた評価上げるかもしれない。

 一番ウケたのはEDテーマ。まさかまんまの水戸黄門...やってくれる、いいセンスだ。時代劇の勧善懲悪+ファンタジーコメディのエンタメとして割り切った方向性か。今後も石平監督の手腕に期待。

 OP映像の登場キャラでラノベ第3巻(漫画第6巻)迄をアニメ全12話で描くと予想。果たしてどうなるか楽しみ。

 原作の『ツキミチ』は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』同様、小から中の山場の積み重ねで、成り行きまかせでも主人公の強運とチート能力がじわじわと主人公の立場を引き上げる系の物語。それではアニメの1クールから2クール程度の尺では話をどこで切っても間違いなく中途半端になる。

 『ツキミチ』は主人公が三枚目であり、特に漫画版は、ギャグネタ豊富でコメディに徹底できる資質が『デスマ』以上。ならばストーリーで魅せようとするより、視聴者に「ストーリーは中途半端だったけど楽しかった」と思ってもらえれるようコメディに振り切って、キャラの魅力を耀かせた方が成功しそう。

 この初回のノリが最終的に吉となり、2期が生まれることを祈りたい。次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
🌘第二夜「災害の黒蜘蛛」(7月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第1巻(第五夜『おとぼけ侍』第六夜『「災害の黒蜘蛛』第七夜『ディープラバー🖤』)より

 いいテンポで話は進む。作風の軽さも少し馴れてきた。

〈亜空間 なつかし夢の 秘密基地〉

 本作の魅力の一つは、子供の頃に秘密基地を作って遊んだワクワク感を呼び戻してくれること。ただ秘密基地といっても亜空はスケールが違い過ぎる。

 彼の記憶にある日本の原風景がモデルの亜空は、水があり自生する自然の恵みありの全ての生き物が生活出来る1つの大地。真はその力をコントロールする事は出来ないが、規模も徐々に成長し拡大し続ける。その力を与えたのは日本神道の神様。当に天地創造の神業。

 アニメで非常に楽しみだった一つがこの彩り豊かな亜空を拝むことだった。異世界の中の異世界、この原作者の発想は素晴らしい。

 また亜空は避難(逃亡)先。この異世界で何でも好き勝手出来てしまう両刃の剣。夢がある反面、テロリスト、サイコパスや世界征服の野望ある者には絶対に渡してはいけない危険な存在と言える。そこが真のこの異世界での立位置に大きく影響していくが、それがどうなるかアニメでも楽しみだ。

〈制作に 遊び心が キラリんと〉

 水戸黄門のテーマは初回のみの特殊EDだったようで出落ちのネタだった。本作は鬼滅兄妹の声優採用など、他にも探せばネタがいくつか仕込んでるかもしれない。これは楽しみだ。
{/netabare}
🌗第三夜「ヒューマンショック」(7月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第八夜『シム亜空!?』第九夜『人外大移動』第十夜『理解不能』第十一夜『ヒューマンショック』)より

〈あらすじ〉

 マコトが巴と契約した時に生まれた亜空に、マコトを領主と認め忠誠を誓う住民が一気に増えた。初めての縁あったエマを筆頭とするハイランドオーク族おおよそ100名にプラス、エルダードワーフ族たち、上位竜の巴とその眷属のミスティオリザードたち、元災害の黒蜘蛛の澪とその眷属のアルケーたちだ。

 その後、マコトは残酷な現実を受け止めざるを得なくなった。亜空の住民には崇敬に近い愛され方をされたので油断してたら、まさか同族のはずのヒューマンと呼ばれるこの世界の人類には露骨に見下され、さらには魔物認定され討伐を仕掛けられた。しかも他の言語は自由に使いこなせるのに、ヒューマンの使う共通語だけ不自由だった。読み書きと聞き取りは努力で可能になっても、発音は努力虚しく身に付かなかった。

 しかしマコトは従者と共に逞しく生きていく。天敵の女神に対し、さらに怒りを蓄積しながら。

 そしてマコト、巴、澪の三名は、諸国漫遊する豪商の息子と従者という設定で、亜空産の果物を馬車に大量に積み込み出発。初めてたどり着いた街は"絶野"と呼ばれるヒューマンの住まう最果ての地だった。

〈理不尽な 神の仕打ちに 凹む日々 心安きは 人外のみか〉

 無尽蔵な魔力が源の神レベルのチートな能力と、(異世界基準の)不細工なルックスの主人公。これくらいの絶妙なバランス感覚が原作の売れている要因の一つなのかもしれない。

 アルケイの初期移住者は原作は4名のみだが、なぜかアニメではミスティオリザード(ラノベ原作では108名)並の数になってたり、僅かなカットと流れ等の細かい違いはあれど、ここまでほぼ漫画に忠実。そのため新鮮な面白みは少なく物足りなくなってきた。が、アニメならではのネタが時折顔を覗かせ新鮮でアニメも悪くない。

 今回笑えたのはBGMがいい仕事した悪代官と廻船問屋ネタ。

 あと巴が飯抜きで荷物番となった際、原作では「お、鬼ですか若ー!!!」の台詞が、アニメでは「あーっ、鬼ですかー!」で、そこはクスッと。

 台詞をマコト1人から、花江夏樹と鬼頭明里演じるマコトと澪の2人への語りへと微妙に変更。これはネタとしてよりわかりやすくするための変更かもしれない。
{/netabare}
🌖第四夜「あとのまつり」(7月28日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第十二夜『ざわめきの夜』第十三夜『姉妹の事情』第十四夜『あとのまつり/(^o^)\』)より

 今回は水戸黄門エンディング第二段が実に楽しい。曲調をオリジナルからよりロック寄りに、歌い手を主人公からヒロインへ、ソロからデュエットへ、と第一段と趣をがらっと変える工夫がいい。第三段をかなり期待。もしあるなら今度はどうアレンジするんだろうか。

 ここまで視聴して言えること。どうやらアニメ2話で漫画版1巻分(エピソード7話)消化、という制作の基本方針があるということ。そしてアニメは堅実で動くカラー漫画として優秀。作風の軽さも味方してテンポが実に良く、今回では水戸黄門風一件落着シーンの演出、特殊ED2などの独自ネタもあってとても楽しかった。

〈あらすじ〉

 マコトと澪が宿へ戻る途中、リノンという名の一人の少女が泣きながら接触してきた。聞けば、行方不明の姉を探してさ迷っていたという。マコトはその姉トアが弓道部後輩の長谷川と外見が瓜二つと知り、リノンの接近がたとえ罠でもこのまま放っては置けなくなった。

 そして巴が望む勧善懲悪道中の始まりは、リノンの姉の救出劇となるのだが...。

〈格さんは 当てる言の葉 核となる 街消え去りて 虚しき荒野(あれの)よ〉

 最後のマコトのアニメの台詞「バレたら隠せないし。ああっ、もうっ、日本語が変だ」が妙に心に残った。世直し道中の最初が一つの街の壊滅というトンデモなオチ。なんとなく大掛かりな舞台セットを用いる懐かしのドリフの全員集合コントを思い出した。

 アニメがギャグコメディに振り切ってるのは正解。そうでないとツッコミたくなる。

 街の破壊中、住人は関係者以外は全く出てこずぼかしてるが、状況的に巴と澪の所業は住人の大量殺戮をもたらすはず。住民の安否確認すらしないマコト。普通はシャレにならないが、おばかなギャグと思えばスルーできる。

 まあ魔物が横行してる命の軽い異世界のこと。マコトも不慮の事故としてドライに割り切って、やっちゃたものはしょうがないと、犠牲者のことはそれほど気にしてないのだろう。犠牲者はヒューマン族で、知り合い以外はマコトが大切にしたいと思える存在でもないし。

 マコトは本気出したら巴も澪も敵わないという。アニメでのマコトの実力発揮はまだまだこれからだろうがこの3名の所属する亜空は既に、この異世界唯一の核兵器保有国、と言っても問題なさそうだ。
{/netabare}
🌕第五夜「よくばり馬車の旅」(8月4日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十五夜『よくばり馬車の旅』第十六夜『グロリアス·ディナー』第十七夜『亜空改造計画』第十八夜『ファンキー·コート』)より

〈あらすじ〉

 マコトは"巴と澪は混ぜるな危険"と判断。巴を武者修行の名目で別行動させた。その後マコトと澪はトア姉妹と偶然救出した冒険者3名を馬車に乗せツィーゲの街を目指す。

 ひとつの街の壊滅という不祥事は魔物来襲のせいにしてごまかし、冒険者として、また商人として、マコトと従者はしたたかにその歩みを続ける。

〈異世界の 男のロマン 冒険者 旅は道連れ 友は増えゆく〉

 道中遭遇した魔物を討伐しながら進む道のり。同行冒険者の生々しい獲物の解体にドン引きしたり、憧れの漫画肉を堪能したり、場違いなほどハイテクな冒険者ギルド発行の冒険者カードに感動したり。

 マコトは、残念な外見と言葉の不自由、という欠点を抱えつつも、いつでも戻れる安全で快適な亜空があって、いざとなれば自身の底知れぬ力があって、頼れる多くの家族のような仲間もいる。

 なんだかんだあっても、マコトの異世界道中は刺激的で楽しそう。今回もアニメの原作再現度は高く安定して面白い。原作未読の方が新鮮でもっとワクワクしそうだ。
{/netabare}
🌔第六夜「ナイスミドルの憂鬱」(8月11日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十九夜『情に厚い人格者(ナイスミドル)の憂鬱』第二十夜『商人ギルド加入試験...!?』第二十一夜『いカニも美味!』), 漫画第4巻(第二十二夜『あの夏の記憶』)より

 今回は漫画4話分のエピソードを無駄を省くことでアニメ1話に巧くまとめていた。巴の分体の柿のつまみ食いはアニオリ。原作のどこかにあるかもしれないが少なくとも今回の漫画の該当部にはなかった。そのセンスはポイント高し。どうやら漫画では出てなくてもアニメでは毎回分体の出番を作るつもりなのかもしれない。同じくアニオリの蜃気楼都市の解説演出もグッド!

 名も無き巴分体は本作では希少の、いやかわ(癒しの可愛い)キャラ。その推しは物語上もとても大切。今後も亜空シーンでは分体を出来るだけ登場させて欲しい。

〈あらすじ〉

 まだFランクのマコトが冒険者ギルドの掲示板でたまたま見つけたSランクの依頼。それはその求める素材が手元にさえあれば特殊ランク扱いで受けられる依頼だった。たまたま自身が既に持つ魔物ルビーアイの瞳が使える。

 依頼主はツィーゲの街随一の豪商。その商会に出向き、主パトリック=レンブラントと直接面会して素材提供。泣くほど感謝されるマコト。それは依頼達成と同時に商会立ち上げの志あるマコトに強力な後ろ楯が現れた瞬間であった。

 その後商人ギルドの登録と食堂での食事も済ませ、人心地ついた後亜空に戻ったマコトに巴から緊急に念話での呼び出しがあった。

 行ってみれば巴と澪はやはり混ぜると危険だった。澪もアニメや特撮のヲタクに目覚め、仲間には相変わらず気苦労が絶えないマコトだった。

〈商人(あきんど)は 清濁飲んで 進む道 右腕無くば 叶わぬ道よ〉

 まさに人生を語る水戸黄門のテーマソング『あゝ人生に涙あり』の歌詞こそが、この世界に生きるマコトには良きバイブル。

 商人としてド素人のマコトには商会運営のノウハウを教えてくれ、後ろ楯ともなる有力者が必要だったが、運良く街一番のパトリック商会に取り入ることに半ば成功した。

 パトリックは敵も多くやり手商人なのは誰でも分かるが人格者と言えるだろうか。実は漫画では、パトリックの美化された過去の伝聞を商人ギルドの受付嬢がマコトに滔々と語る。アニメではそれをカット。マコトはその話の先入観でパトリックを評価してしまう。

 まだ17歳のマコトは人を信じやすく見る目が甘い。が、さすがな巴。普段の暴走キャラとは裏腹。大人の洞察力で何かに気付いたよう。実に頼もしいマコトの右腕だ。

 軽いコメディでも人間描写はかなりシビアなのが本作の魅力のひとつ。強欲ではないお人好しキャラはマコト以外はかなり少数派。特にヒューマン族はそのほとんどが欲望に忠実でしたたかなキャラばかり。

 鏡のように悪意には相応の反撃で応えるマコト。時に情け容赦がない。しかし彼の本質は日本人らしく平穏を愛する17歳の高校生の甘ちゃん。それを補う従者との関係性はとても魅力的に思う。アニメでは今の所戦闘力以外は悩みの種に見える澪も、きっと巴とはまた違う方向でマコトの良きサポーターに成長していくだろう。
{/netabare}
🌓第七夜「秘薬精製」(8月18日 23:00 - 23:30)
 物語4.0→3.5 キャラ4.5→4.0
{netabare}
 漫画第4巻(第二十三夜『秘薬精製』第二十四夜『今日から僕は!!』第二十五夜『世直し劇場』第二十六夜『わけありトップランカー』)より。
 [第二十七夜『二つの顔』第二十八夜『裏道の小石』はカットされ今回で4巻終了]

 原作は今回のあたりから人間の暗黒面を赤裸々にする傾向がより強くシリアスでハードな部分が今まで以上。アニメの今後はコメディ路線を守るためどうするかに注目。

〈あらすじ〉

 マコトは絶野で知り合ったレベル114のアルケミーマイスターのハザルと共にレンブラント宅を訪れる。そこでマコトはハザルの秘薬精製を見学することに。ルビーアイを主原料とするそれは呪病の特効薬。レンブラント氏の妻と二人の娘がその病で絶望的だったがその薬さえあれば助かる。

 ハザルは難なく秘薬を作りだし投薬段階へ。しかしうっかり八兵衛も真っ青のハザルにマコトの苦労は続く。が、なんとか試練を乗り越えミッション完了。

 その後マコトは帰宅途中に巴と澪に合流。すると数十人の刺客の集団来襲。巴とマコトのみで難なく刺客はほぼ全員半殺し。事情を問えばレンブラントを恨む呪術者に嵌められ誤解があっての襲撃と判明。結果マコトは彼らを全員赦すことにした。

 刺客のリーダーは冒険者トップランカーのライム・ラテ。彼は贖罪として冒険者を引退した。しかし心根に男気溢れるライムは将来に見込みありと巴に評価される。そして巴の配下となり密偵として新たな人生のスタートを切ることになった。

〈弥七殿 八兵衛殿も あらわれて 世直しごっこ まことあわれに〉

 BGMがしっかり水戸黄門してた。弥七ポジションの役者も揃い巴は楽しそう。一方の若は体を張った苦労とご老公の定番台詞の羞恥でうち震えるのみ。なんとも哀愁漂う憐れさよ。

 巴とライムとの件は、往年の人情豊かな時代劇のオマージュとして成立するほど巧く演出してたと思う。マコトの柔道による捕縛の作画もなかなか様になっててよかった。巴分体がワンカットだけだが登場したのも好い。

 ただし人間の醜い部分がクローズアップされるエピソードゆえ、コメディとしては若干の不完全燃焼感あり。巴によるレンブラントの実像暴露とその対処を原作からかなり端折った。コメディに水を差ささない程度のシリアスに収める配慮か。レンブラントの本質は原作でもマコトは知らないままなのでそれもありか。

 おかげで巴の智恵の深さと度量の大きさが原作ほど伝わらなくなってしまった。原作未読なら気にならないだろう。しかし原作知るとやむを得ないとは言え物足りない。ゆえに今回は作品評価とキャラ評価を下げた。

 今までは簡略化されることはあってもエピソードを丸々カットすることはなかったが、次回は漫画第4巻の残りの2話と第5巻の前半の4話分をすっ飛ばすのは確実。そして5巻の後半の第三十三夜からスタート。話の流れ自体は自然に繋がりスキップしても問題は全くない。だが、特に5巻の4話分(第二十九夜~第三十二夜)の扱いに関しては今後どうするか非常に気になる。
{/netabare}
🌒第八夜「亜空ランキング」(8月25日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第5巻(第三十三夜『きっかけはオーク』第三十四夜『亜空ランキング』第三十五夜『シャドウテイル·ハンター』)より

 前回は原作の大幅カットでレンブラントの実態をぼかしたことで栄養不足だったが、今回は栄養に十分配慮してる健康的なダイエットに成功してる感。カットしても先々に問題ない部分は躊躇なく原作からすっぱりと。それでも原作の持ち味をアニメで申し分なく再現していた。

〈あらすじ〉

 亜空に戻ったマコトと巴と澪にエマからの問題提議があった。亜空の戦士の戦闘訓練で参加者は完敗が続くため、マコト達との実力差に凹み自信喪失中とのこと。そこでマコトは参加者を調査した結果、訓練に関する種族間の情報交換の少なさに気付く。

 その実状から巴は対策を立てる。それは全種族参加の個人戦を七日に一度開催してランクづけすること。それはお互いの秘術をぶつけ合い切磋琢磨することが目的だった。またランクづけは戦士としての適性を見極めることができ、別の道で亜空に貢献してもよいという弱者救済策でもあった。

 その後、マコトが冒険者ギルドに赴くといつものギルド嬢から依頼があった。レベル1,000超えの巴と澪に、ライム・ラテの後継となるトップランカーを育成して欲しいと。そこでマコトは巴を派遣して顔見知りのトアのパーティを鍛えることに。そしてトア達は巴のスパルタ式の指南により、否が応でもトップランカーとして羽ばたく基礎を身に付けることになった。

〈巴こそ 師とするならば 道極む 長き年月 生きる智恵ゆえ〉

 何千年も生きてる上位竜巴は全体を見ながら的確な判断を下せる参謀にして武の最高指南役。元災害級の魔物の澪は相変わらずマイペースでマコトと食にしか関心がない。そのコンビが絶妙で面白い。

 しかし澪は今回のトマトの件がきっかけで、巴とは別の道で亜空での貢献が始まりそうだった。少しずつ亜空は発展し、その住民も成長していく。そして、適材適所で亜空はこれからますます発展していくんだろうな、と思う話だった。

 亜空が磐石な存在になるほどに、駄女神の管理する弱肉強食のハードな世界に身を置かずともマコトは人外の仲間とだけで幸せに生きて行ける。だが、いつも面倒事を引き当てるのが彼の宿命。お人好しにも亜空外との人々とも付き合い続けざるを得ない。

 毎回のマコトの川柳の心の嘆き、それは逆にどんな時も前向きな彼の器の大きさの表れ。常人は嫌なこと面倒なことが降りかかっても嘆く前に放り出すのが一般的。しかし彼は一旦関わった以上は好き嫌い関わらず最後まで責任を持つのだ。

 主人公の特技が"弓道"という設定がここで生きる。弓道で培った集中力と忍耐力で的を射た結果を最後は達成してしまうのが彼の真骨頂。常に己はニュートラルで自力も他力も自在に活用できるマコト。彼は若くて甘ちゃんに見えて実は達人かも。でなければ多くの実力者を従える彼の人望の大きさは生まれようがない。

 さて、個人的に原作で好きなキャラが今回最後に登場。次回アニメでどう描かれるか楽しみだ。今の所はアニメは別キャラ中心のサイドストーリーを挟まぬ方針のようで、主人公マコトと従者中心のエピソードが続く。原作は群像劇としての旨味もあるが、アニメも回が進めばその味わいも楽しめるだろう。ぜひアニメ第2期を制作して欲しい。

 今期は残り4話。原作とアニメそれぞれの味わいを楽しもう。
{/netabare}
🌘第九夜「喰うか喰われるか」(9月1日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十六夜『人外大宴会』第三十七夜『深澄神!?』第三十八夜『喰うか喰われるか』)より

 アニメでようやく登場のツッコミとボケのお笑いコンビ、スポーツ飲料アクアエリス。いつも一緒で天然ふしぎちゃんに振り回される常識人の真面目ちゃん。他の類似作品ではいそうでいないコンビ。特にエリスが好きでアニメ登場が楽しみだった。電波系の独特なキャラで原作では一人ぶっ飛んでて存在感が抜群だったが、アニメでどこまでその妙味を再現出来るか楽しみだ。

〈あらすじ〉

 ツィーゲでの商会設立の祝いの宴で盛り上がる亜空。マコトは屋外の壇上の玉座に在って住民たちとの交流を楽しんでいた。

 そこで澪の配下のアルケーのアキナから報告を受ける。万能の秘薬素材として希少種のアンブロシア。マコトは澪にその花の群生地を調査してもらっていたが、ついに見つかったとのこと。それはティナラクの森にあるという。しかし、その地にはアンブロシアを管理する種族が住んでいるらしい。

 その他にも様々な報告があったが万事順調そうで安心のマコト。その夜、彼は弓の修練に時を忘れて没頭する。するとマコトの気配の変化に慌てる巴と澪。それはマコトが死んだかのようで、巴と澪は心配のあまりマコトの側に駆けつける。

 そこで、巴の分析により衝撃の事実が判明。射に集中する度に、マコトの魔力の保有量が膨大に上がり、同時に亜空も拡張し続けると。マコトは理解不能のその事実に落ち込んだ。澪はマコトの無事に泣いた。そして巴は、もはや神業としか言い様がないマコトの力の前に、ただ笑うしかなかった。

 その後、ツィーゲでの逗留先での一騒動などもあり、マコトは澪のご機嫌取りも兼ねて、アンブロシアの群生地の視察に二人きりで向かう。その道すがら、見ず知らずのヒューマン三人の冒険者たちがマコトたちを尾行していた。マコトは界の探知で彼らは無害と判断、澪に蜘蛛の糸で足止めだけさせてとりあえず無視。そして現場に無事到着。するとそこには、アンブロシアの保護者が二人待ち構えていた。

〈亜空こそ 生きる喜び 育む大地 主(あるじ)加護満つ 寄る辺なるかな〉

 万事順調の陰にマコトあり。天地創造の神業は、マコトを貶めた駄女神でも出来ない。日本の神様がマコトの守護神だからこそ、亜空の存在とその維持も際限なく可能なのだろう。気候は穏やか。自然の恵みも豊富で、外界で食べらない種類豊富な自生の果物がある。農作物もすくすく育つ。ドワーフの生活技術が行き渡り、巴あって最高の武芸向上環境がある。当に楽園。住める民は幸せだ。

〈まちづくり 主違えど 人外の 民似てくるは 不思議なるかな〉

 『ツキミチ』マコトと亜空の住民は、たまたま同期で放送中の『転スラ』リムルとジュラ・テンペスト連邦国の住民の関係と非常に似ている。

 リムルとマコト。性格は世代設定は違えど結構似てる。だが、強さと見た目はそれぞれ独特のものがあるため意外に被る印象は少ない。とは言え、リムルは困難を乗り越える度に、その世界の生きる者の頂点を目指すかのような進化が続く。対してマコトは、自ずとその能力は世界の創造神に近づいていく。その意味ではマコトの方が突き抜けてユニークで面白い。
 
 ついでながら『ツキミチ』と『転スラ』の主人公の配下は、役割や外見上でなどで被るキャラが多いと思う。たまたまなのか意図したものかは不明なれど、キャラ被りは探すと結構沢山いて、ネタとして面白い。

 キャラ被り濃厚なのはエマとシュナ(正反対な外見はギャグか)。澪とシオン。巴は複合性強く、大賢者とヴェルドラが主成分でベニマル、ハクロウ、ソウエイの隠し味ありか。
 
 外見上もろ被りは、エルダードワーフのベレンはカイジン。ミスティオリザード上位戦士のリディはガビル。ハイランドオークの上位戦士アガレスはゲルド。そして今回登場のアルケーの進化した姿の白衣姿のミナトはベスター、修験者の法衣着用のホクトは初期のクロベエ。

 そしておそらく次回登場予定のガイコツさん。アニメ同時期で、僅か一週間の誤差で初登場の転スラのアダルマンと丸被り。よほどご縁があるようだ。

 また、アキナと転スラのハルナも、出番少なく地味ながら同じ立位置で結構似てるキャラ。本作のアキナは澪の配下で助手のアルケー、ハルナはカイジンのお手伝いでシュナに師事し織物勉強中のゴブリナ。種族や外見こそ違えど、どちらも内外共に可愛く存在感あり。

 以上、同時期放送で視聴中ということもあり、つい転スラと比較してしまったがどちらもお気に入りの作品だ。一番の共通点はどちらの作品も都市開発ゲームの魅力があり、主人公は仲間を家族として非常に大切にすることか。

 なろう発表開始時期が1年遅い転スラの方が、本作を参考にした可能性があるかもしれない。だがパクリとは思わない。設定上で多少の類似性があっても話には独自性があり、面白さに甲乙は付けられないからだ。


 さらにアニメのネタとして、マコトと転スラのユウキは同一声優であることから、穿った想像も成り立つ。例えば、リムルのライバルのユウキは、リムルのせいで世界征服の目的果たせず、宿命として死して後、無意識にマコトに生まれ変わることで、別な異世界で再び覇権に挑むってこと。

 今生は世界征服は懲り懲りのユウキの魂。それよりも、リムルを参考に権力自体には興味無く、仲間を守ること優先で周りから自然に後押しされる形で不動の地位を得ることが天命だったりして。特技は別として、マコトとユウキは外見上、小柄な黒髪日本人な所とか似てるし、そんな妄想するのも楽しい。


 ところで今回、アンブロシア(保護する種族はこの花を紅蓮華と呼ぶ)の群生地で澪を妹扱いして手を繋ぐマコト。そして次回のアニメのサブタイトル(漫画の第三十九夜と同一タイトル)。

 以上から『鬼滅の刃』思わせるもの複数浮上。本作はどんだけネタがあるのやら。もう今回の巴同様に笑うしかない。
{/netabare}
🌗第十夜「鬼の隠れ里」(9月8日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十九夜『鬼の隠れ里』第四十夜『嵐の前触れ』第四十一夜『しょんぼりアンデッド』)より

 この調子だと、コミカライズ第7巻の最後がアニメ今期の描く範囲になりそうだ。

〈あらすじ〉

 マコト達と、澪の蜘蛛の糸をかいくぐって付いて来たヒューマンの冒険者3名は、アンブロシアの保護者アクアエリスコンビに泥棒とみなされ攻撃を受ける。その時、澪は怒りで冷静さを欠き頼りにならず。そこで、攻撃に巻き込む危険がある冒険者達をなんとかしてもらおうと、仕方なく念話で巴に救援を要請した。

 そして足手まといな冒険者達は全員、巴により亜空内の蜃気楼都市に転送する。そこで一転、マコトと澪は反撃に。勝負は一瞬で決まり、アクアエリスを拘束して彼女たちの住む里に向かった。

 アンブロシアをヒューマンから守っていた種族は森鬼と呼ばれるエルフに似た種族。里の長老たちにアンブロシア収奪の誤解を解くため事情を話すマコト。

 とりあえず表面上は理解され歓待される流れになったが、その後、思わぬ出逢いとトラブルがマコトに降りかかることとなった。

〈出逢いには 亜空の未来 変える鍵 あると思えば 全てが吉よ〉

 マコトと亜空に起こるいろんな変化がアニメでも面白い。ただ、アニメのエリスは全体的にコメディ演出が多いためか、雰囲気に埋もれて原作ほど存在感がなかったのは少々残念だった。

 今回から登場の新キャラ、森鬼(もりおに)のモンドに大塚明夫、そして新従者のリッチは津田健次郎、と渋い声のキャスティングで少し意外だった。主役が明るいテノールで、上記二人は落ち着きと深みあるバスバリトンの声域と声質。既に登場のレンブラントの井上和彦も同類で地声はバリトン系。

 以上、若者主人公と彼を取り巻く同性の年長者は、コントラストがはっきり。キャラが絡んだ時、ハーモニーとしてとても味わい豊かだ。
{/netabare}
🌖第十一夜「さようなら」(9月15日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第四十二夜『さようなら』)、第7巻(第四十三夜『亜空改造計画 Season 2』第四十四夜『ととさま』第四十五夜『人ではないナニカ』)、第8巻(第五十三夜『深澄真の消失』第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』)より

[上記は、第四十二夜以外は、内容の一部でもアニメで描かれたものを含む。第7巻(第四十六夜~第四十九夜)、第8巻(第五十夜、第五十一夜)は完全カット]

 予想から外れ、原作が大幅アレンジされエピソードは大胆にスキップ。アニメは最終話に相応しいドラマチックなエピソードを選択したためと思われる。

 そのため、Aパートは第四十二夜の内容がほとんどだが、Bパートはそれ以降のエピソードをかなり簡略化して、今回の最後への繋がりのため必要最低限の内容にとどめていた。アニメ最終話のサブタイトルは、漫画第四十九夜と同一だが、内容は全く違うだろう。

〈あらすじ〉

 亜空で原因不明の爆発が起こり、巴が血反吐を吐いて倒れ意識不明になった。マコトは巴の介抱は澪に任せ、新従者のリッチと共に亜空に戻ると、爆発現場は惨憺たる状況で死傷者多数。

 そこに、蜃気楼都市に招待した冒険者の生き残り一名の記憶がマコトの頭の中に流入。そのためマコトはすぐにこの惨禍の原因が冒険者達にあったことを突き止める。そして悪意と傲慢で亜空の住民を殺した冒険者の生き残りを処刑するマコト。彼は初めての自身の殺人の罪を冷静に受け入れた。が、その後感情が爆発。殺人は後悔はせずとも犠牲者の死に慟哭した。

 その後、気持ちの整理をつけたマコトは、反省し今後の蜃気楼都市の改善策を講じ、新従者を"識"と命名。そして彼を伴い学園都市ロッツガルドに、レンブラント氏の後ろ楯で自身の商会の支店設立と留学のため向かうことになった。

 ところがその道中、女神にマコトは見つかり彼は単独で見知らぬ地へ突然転送される。そしてその先で思わぬ未知の強敵に襲われることになった。

〈新しき 骨太配下 加わりて 識と歩むは 人の道かな〉

 ”識”は、元リッチでアンデッドだったが、生前はヒューマン。ヲタク趣味もない同性の求道者同士。マコトより年上だが従者の中で一番マコトと気が合いそう。

 そして人間の常識で分かり合える仲間が増えたマコト。識は、この世界で商売する上でも、実務上この上なく頼もしい存在になるだろう。

 原作者の作りだすキャラは、役割分担をよく考えた上で巧妙に配置されてると思う。

 今回はシリアス多めでコメディに徹底出来ない状況になり、マコトの心の川柳はなし。今回、亜空の王として脱皮したマコトには愚痴のような川柳は場違いだからだろう。

 今回のメインエピソードは個人的に好きな所で、Aパート全体の作画と演出は秀逸。モノクロ演出で血を強調して殺人の罪を象徴するセンスもいい。そして、原作とは違うアニメの予想外の展開は新鮮で、個人的にはこれはこれであり。果たしてどんな最終話になるのか非常に興味深くなった。

 原作未読のアニメ視聴組でこの作品が気に入った方は、ぜひ漫画版だけでも読んでアニメとの違いを味わって欲しい。原作には、より複雑な人間模様が描かれ、アニメと違う楽しみが必ずあるはずだ。

 ところで、今回初登場の新キャラのソフィアの声優は、沢城みゆきが担当。❰配役について❱で書いたが、個人的に本作では巴役のベスト筆頭は彼女。意外、まさか彼女が別の役で出演するとはびっくり。それなら、キャリア違いのギャラの差で予算が上がるかもしれないが、巴とソフィアは声優を入れ替えて欲しかった。

 そうすれば、人生と声優キャリアの差により、滲み出る風格がアップして、巴の存在感は今以上になったと思う。佐倉綾音も実力派で、田中敦子の声にやや似ている感の巴の演技は、決して悪くはない。だだ比較すると、ソフィア役の方がより相応しいと思う。
{/netabare}
🌕第十二夜 (終)「月が導く...」(9月22日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第8巻(第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』第五十六夜『変態頂上決戦』)、漫画第9巻(第五十七夜『青い光』第五十八夜『痛み分け、あるいは勝者なき朝』第五十九夜『おかえりなさい!』)より、AパートとBパートの冒頭迄。以降は第7巻と第8巻から最終話に相応しい部分を抽出してエピローグとして構成。

〈あらすじ〉

 マコトと対峙したのは、ヒューマンと魔族との戦争で魔族側についた冒険者最強とされる"竜殺し"ソフィア=ブルガと、巴と同じく上位竜が人の姿になった”御剣(みつるぎ)”ことランサー。そこは戦場で、彼らはマコトを女神が寄越したヒューマンの加勢とみなし問答無用に命を狙い攻撃する。

 嘗てない強敵にマコトは間一髪で攻撃を躱すが不利な戦いが続く。そこで最後にマコトは指輪による魔力の封印を全解除して反撃。結果、神業級の魔法が発動し、その威力は核攻撃か天変地異の如くとなった。そして、その大地の抉られた跡地には巨大な湖が誕生。ソフィアとランサーはかろうじて生き長らえたものの、戦場の兵士の犠牲者多数となる大災害となった。

 マコトは亜空の自室のベッドの中で目が覚めた。澪によって既に傷は跡形もなく癒やされ、再び順調な日々を取り戻す。そして、マコトが代表で識が実務補佐、新たに巴がスカウトした森鬼たちやドワーフを従業員とするクズノハ商会のツィーゲ店がオープン。マコトのヒューマンの世界での躍進がいよいよ始まった。

〈クズノハの 勢い誰も 止められぬ 国はもとより 女神だといえ〉

 ということを2期に暗示した今回、核撃級バトルアクションになかなかの見所あって面白かった。構成が絶妙で、今期の主要キャラは僅かながらでもほぼ全員登場。最終話に相応しいまとめ方だ。

 巴の分体推しが僅かでも毎回必ずあったので、コモエが登場することは想定済みだったが、いいタイミングで登場した。最後のマコトの独白と、上げて下げる心の川柳二首もセンスいい。

 ひとつ残念だったのは黄門ED第3段は無かったこと。ひそかに"識"歌唱によるそれを期待していた。来期でもあったら嬉しいが、ネタとしては賞味期限切れでさすがにそれは無いか。

 今期の第七夜から原作と構成が異なり始めた。そして最後の二話はアニメ独自の流れになったので、2期は原作とアニメの構成の多くは一致しないと思われる。今回ちょっとだけ登場した勇者二名とその仲間たちのエピソードも盛り込まれ、マコトたちがあまり登場しない回もあるはず。2期制作は既に発表済み。どんな続きが視られるのか、今から楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 12
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Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この手の「異世界モノ」では安定感があり、しっかりと作られている部類

【レビューNo.94】(初回登録:2023/11/12)
ラノベ原作(なろう発)で2021年作品。全12話。
この作品、ABEMAでやたら一気観配信されてるって感じで、リアタイを含め何
やかんやと(完全じゃなくても)4回位視聴してるんだよな。
爆発的な面白さはないけど、安定して観てられるって感じ?!
1期の最後に「2期決定」が発表されてましたが、次の冬アニメでしかも連続
2クールでの放送決定ということで、1期のレビューをしておこうかなっと。

(ストーリー)
平凡な高校生「深澄真」は、
・両親が元々異世界人で、日本へ渡ってきた。
・その時の女神との契約で、2人の大切なものを捧げるという契約があった。
そのため、突如異世界へヒューマン(異世界の人間)を救う勇者として召喚され
てしまう。
しかし異世界の女神の「顔が醜いから」という理不尽な理由から
・クーリングオフとして、別の勇者を召喚する
・「醜いからヒューマンとは交わるな」ということで「ヒューマン以外の言語
 が理解できる能力」だけを付与される
そして、この異世界の果てに捨てられたのだった。
しかし真は
・現世の神から(女神に問題あることを知っていたので)予め加護(能力)が
 与えられていた。
・また現世では肉体的にも魔力的にも負荷を受けて鍛錬するような生活してい
 たらしく(月で重力から解放されるみたいに)異世界ではその負荷から解放
 され超人的な能力が発揮できる。
というチート能力の持ち主だったのだ。
異世界の果ての荒野を3日3晩彷徨った真は、魔獣に襲われているオークの娘・
エマと出会うのだった。

(評 価)
・「異世界モノの様式美」を意識した作り
 ・タイトルの「異世界道中」とか作中にも時代劇ネタが入っているなど、調
  べてみると作者はやはり時代劇好きのようです。
  時代劇人気の理由のひとつはその様式美にあると言われています。
  (高貴な身分を隠しての悪行の調査~正体を明かして悪事を白日の下に晒
   す~決めゼリフ・殺陣を交えた「懲悪勧善」展開)
 ・本作も大きな流れは
  {netabare}・上述の通り異世界の果てに飛ばされるも、チート能力で
  ・「上位竜」を従者に →姉御侍風美少女「巴」に変身
   「災厄の黒蜘蛛」を従者に →一途な黒髪美少女「澪」に変身
    2強のハーレム要員ゲットw
  ・ヒューマンと交流するため街に出向くも、亜人っぽい顔立ちにヒューマ
   ン語が話せない、そしてとある理由からヒューマンに恐れられてしまう。
   しかしそれとは裏腹に巴が管理する「亜空」と呼ばれる空間に
   ・真が最初に助けたエマらオークやドワーフ
   ・巴、澪の眷族のリザードマンやアルケー等
   亜人種がどんどん集まってきて「蜃気楼都市」が建設されていく。
   (この辺が「劣化転スラ」と揶揄される所以であるが)
  ・そして農産物やドワーフ製作の工芸品を売るために、商会を設立。
   クズノハと名乗り自らの正体を隠し、ヒューマンと交流するようになる。
   その過程で見えてきたヒューマンの街の闇の部分・蔓延る悪を成敗!
   (真自身が積極的に正義を貫くというよりは、巴と澪が先走って大暴れ
    的な要素が大きいがw)
  といった感じで、時代劇の形式美ならぬ「異世界モノの様式美」をしっか
  り継承し、あまり余計なことをせずこの手の作品としては割と丁寧に作ら
  れているという印象ですね。
 ・主要キャラの方も2大美女
  ・巴(CV: 佐倉綾音)
  ・澪(CV: 鬼頭明里)
  に加え、街を総括する大番頭的存在として
  ・エマ(CV: 早見沙織 ※何故かエマさんは美少女化されなかったw)
  ・主人公真(CV: 花江夏樹)
  結構豪華な声優陣を配し、ギャグなどはスベッているところも多いですが、
  巴と澪のハチャメチャぶりに花江さんらしくツッコむ展開やはやみんの手
  綱を握るしっかり者の演技などは上手く機能してるなという印象です。
  それにこの手の作品にしては、結構末端のサブキャラも丁寧に扱っている
  なあというのも好感が持てますし。 

 まあ早い話がテンプレ展開ってやつですが、それでもしっかり作れば安定感
 があり、それなりに面白い作品に仕上がるなという印象ですね。{/netabare}

・2期ありきの構成だった?!中途半端感があった1期
 しかし安定感はあるが、テンプレ展開がメインゆえにそれ以上の突き抜けた
 面白さがないのが・・・
 {netabare}・異世界の女神にロクな能力を付与されなくても、環境の違い等で結局チー
  トやん。(この辺がちとチグハグ)
 ・一応「異世界世直しファンタジー」という触れ込みらしいが、その要素が
  かなり薄いやん。
  それよりも街づくりや商会設立等いろいろと手を出して、何かと中途半端
  に終わったな。
 ・真自身にも「(元々この世界の住人であった)両親の軌跡をたどる」とい
  う目的があったが、そんなことはもっと後回し。
 上述のように個々の要素はよかったのですが、全体像でみるとこの作品はど
 こを目指しているのかわからないって感じなんですよね。
 まあ最後に「2期決定」と種明かしされて、1期はそういう位置づけかと納得
 はしたのですが・・・{/netabare}
 
個人的にはストーリーの中途半端感は否めませんが、キャラの掛け合いは総じ
て面白かったと思いますし、ラストの戦闘シーン
(女神に見つかり、最強の敵がいる戦場にいきなり強制転移させられる)
の作画レベルも高く見応えもあったので、
「俺たちの異世界道中はこれからだ!!」
エンドで終わっても別に不満はなかったんですが・・・
(この手のなろうとかじゃあるあるだしw)
むしろ2期を連続2クールでやるだけの意義ある作品を提供できるのか、そちら
の方が不安なんですけどね。
そういう意味では2期を観ないと正当な評価はできないところですが、1期もこ
の手の「異世界モノ」にしては(テンプレ展開ながらも)他の量産型作品と比
べしっかりと作られてる感があったので、そこそこよかったという印象ですね。
ちなみにWikiによると、日本テレビ史上最高金額で海外セールスされたとかw
ホンマかいな?!

OP「ギャンブル/syudou」
ED「ビューティフル・ドリーマー/Ezoshika Gourmet Club」に加え
   「ああ人生に涙あり(水戸黄門)」をキャラソンでぶっ込んでくるとかw
「ギャンブル」の歌詞はYOASOBIに引っ掛けて
「~俺は夜なんて駆けない~未来に賭ける~♪」はなかなか秀逸だったし。
(ちなみにadoの『うっせぇわ』はsyudouの作品)
OP/EDはどちらも結構好きだったかな。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21
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CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

転スラの元ネタ?

よくある異世界転生無双もの

{netabare}
最初は結構面白かったけど、だんだんとつまらなくなった。
相変わらず花江主人公はノリが寒い。
心の声がやたらと多くてそれが全部寒い。
周りの女のノリも寒くてきつかった、あの蜘蛛と青髪両方とも頭がピンクで本当にきつい。

戦闘も面白くない。
OPのラスボスっぽい髑髏ですら完封するし、面白みがない。
俺TUEEEE自体が嫌いというわけではないんだが、俺TUEEEEにしてももう少し見せ方を工夫してほしかった。
その点最終回の戦闘に関しては面白かったんだけど。

世直しをするのかと思えば街を破壊しまくったりなんというか、何がしたいんだって感じのアニメだった。
前世要素が活きているのは良かったけど、どうせ活かすならもう少し活かしてほしかった感はある。

まあダラダラと見れる点で言えば決して悪い作品ではなかった、ただ物足りなさがある。基本的に可もなく不可もなくって感じの展開を繰り返すアニメだった。起伏がない。
最終回に関しては上手くまとめていたと思うのでその点で少し評価高め。

街づくりパートとかを見てると転スラってこの作品のパクリなんだなって感じた。転スラこの作品よりは面白いと思ってるけど。
正直、蜘蛛や龍、骸骨が美少女、美少年化する展開普通に面白くないからやめてほしい。
そっちを人化させてなんであのブタを人化させないんだとも思った。
正直二期はいらないです。何で海外人気があるのか。

OPがスルメ曲でした。
歌詞が面白いw
{netabare}
1話 5/10
始まり方からはぁ...てなる。
ああ、けど神と言ってもツクヨミという感じでタイトルの月とか連してる感じか。じゃあまだいいスタート。
けど、主人公受け入れ早すぎだろ。
いきなり異世界に行けと言われて行くって。
会話と読み書きはできるようにしてくれるというご都合主義。
ヒロインが気持ち悪い。またチート主人公かよ。
早見沙織の無駄遣い。
これレベル1ってオーバーフロウなんだろうなぁ。
このすばで見た。
いきなりめっちゃ強そうな龍に対抗できるという。
龍がしゃべるのダサすぎる。
まあ転生前もしっかりとストーリーに関わってきそうなのはいいところ。結局主人公チートかよ。
そして龍も美少女化。
なんだこのEDw

2話 7/10
時代劇?ほんとに水戸黄門か?
OPがあんまりよくない...。
CG鑑賞とシーン回想w
おお、目標がしっかりしてるのはいい。
しかも母と父の軌跡をたどるといういい目的。
転生前の設定も活きてきそう。
戦闘以外と凝ってて面白いけどところどころ賢者の孫みを感じる。
ED変えるな 

3話 6/10
名前を与えられると強くなるという、転スラで見た設定。
転スラより先なのかこれ。
転スラってまんまこれの真似事だな。
主人公そんな不細工なのか?w
主人公がヒロイン殴るアニメは珍しいw
逆は多いけど。
出たなろう特有の謎ギルドシステム。
なんで力見せびらかすんだよ。は?
ホテルでイキるテンプレもなぁ...。

4話 9/10
このOPも結構スルメ曲。
いつの間にか今期でトップクラスに好きな曲に。
いやこのウィンドウ何?
知り合ったばかりの人より昔からかかわりのある人を優先するのはいい。
エロアニメかな? 噛ませ感
魔法の結界のデザインが独特でいい。
男の触手プレイ誰得。
町で喧嘩するのはなぁ。
男側が女をぶっ飛ばすってのは珍しい。
 
5話 6/10 
謎おさらい。おさらいとは...。
世直しどころか壊してるじゃん。
主人公の心の声多すぎないか?寒いし。
割って交換しそうなカード

6話 6/10
なんかいつもなろうになってきたなぁ、依頼も試験も。
蜃気楼都市の計画は面白くていいなw
確かに主人公だけ変なの持ってたら浮くしね。
こういうとこの設定がしっかりしてるのはいい。
レンブラントとどっちが味方なのかわからんな。

7話 5/10
主人公の心の声いらん。
髪のない女とか描写するアニメ珍しい。
許してもらえるのかよw

8話 4/10
こんな感じの厳しいリーダーになってるのか。
偶然力を手に入れたのにイキってるのはなぁ。

9話 4/10
ガビルかな?w
ほんと転スラってこれに影響受けてるんだな。
この世界の星座なんで把握できてるんだ?
そりゃ夜伽だろw 今回きついな。

10話 5/10
主人公がほんと寒い。マジで寒い。
なんだこのつまらない戦闘
1割は高い。こっちも骨を仲間にするのか。
骨のままでいいのになぜイケメン化。
こいつを人化するならあのブタを人化してくれw
引きは上手いけど、どうせ復活するんだろうなぁ。 

11話 4/10
どうせ復活。闇落ち主人公草これギャグ?
今度は泣き出したぞ、主人公情緒不安定かよ。
死んだ奴結局存在感ない奴らじゃん。
主人公どんだけ不細工なんだよw
こっから学園で俺TUEEEが始まるの?
なんか学園俺TUEEEを書きたいだけだろって感じの展開だな。
指復活するんすかね

12話 8/10
主人公これでもそこまで強くないのか?
やっぱり俺TUEEEじゃないかw
あの空に飛ばす攻撃絶対弱いだろw結構OPのシーンがあるな。
戦闘シーン面白かった、このアニメで初めて。
これ主人公が旅立つ展開必要だったか?
ロリの子かわいい。主人公マジでサイコパス。
悪くないどころか最高だろこれ。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ギャンブル」9.5/10
ED1「ああ人生に涙あり」7/10
ED2「ビューティフル・ドリーマー」6.5/10
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

70.3 18 ファンタジーで戦いなアニメランキング18位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (256)
780人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

脳筋無双

{netabare}
魔法を使えない主人公が魔法学校で無双...というラノベ感ある設定を少年漫画のノリでギャグ調でやった話。
当然俺TUEEE系ではあるけど、基本的に馬鹿馬鹿しい展開の連続で、なろう系というよりかはモブサイコとかそっち寄りな気がする。

最初は劣化モブサイコとしか思ってなかったけれど、キャラがそろってVSアベル編になってからは味が出てきて良くなった。
結局マッシュが無双して終わることには変わりないけれど、終盤は敵が着実にインフレしていったことにより、完全にギャグのノリだった序盤と比べると戦闘に緊張感が出てきて面白くなったと思う。
味方の出番も最初こそ少なかったものの後半はアベルの手下の各個撃破で仲間たちの活躍もあって、(仲間はマッシュほど強くないので)王道の少年漫画バトルものとしての面白さもあった。

アベル、セルと段々と敵のレベルも上がってきて、更に面白くなりそうなところで終わったので、二期には一期以上に期待してるかな。
一期のように適当にパンチ喰らわせて終わりみたいなことにはならなそう。
このアニメのギャグ部分は正直あまり面白いと思っていないので、バトル作品としての面白さが増してくれると個人的には嬉しい。

私的評価:68点
私的ベスト回:12話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
速攻無視。なろうタウンじゃん。
痣がない人が特別とかではなくてむしろ劣ってるのかw
ちょいモブサイコみある。魔法陣割れるのかよ。

2話 ☆5
ノリが疲れる。メイズランナー
この状況で先生の悪事ばらすのは効果的だな。
いきなり魔力で脅し始めて草。ステラ?

3話 ☆6
男がほうきに乗るのか。不正はなかった。ただのコネかよ。
シュークリーム手作り出来んのか。即落ち2コマ。
そんな暴力的な主人公だったかw 何とかしてこいつなら飛びそうなのにw

4話 ☆6
意味わからんくて草。またすぐに負けそう。環境破壊。
煽っていくスタイル。

5話 ☆7
もうネタキャラ化しとるやん。そうはならんやろ。
今回の負け役。シュークリームしか愛せないからな。
次回の開始数分で負けそう。

6話 ☆7
主人公庇ってやれよ。5回なら普通に耐えてたやん。
主人公助けてやれ。分かりやすいチンピラ負け役出てきてボコボコにされるまでの流れなろう系と大して変わらんな。
おいおい瞬殺だよ。ラスボス感。

7話 ☆7
コイン常備してんのかよ。名古屋市長かな。
キズ二本がデフォになってきた。こんな殺し合い起きてるけどいいんか。

8話 ☆6
シュークリームより人を優先した!? こいつ誰だっけ。
主人公には無縁じゃん。今回は1本線相手か物足りない。
このトラップ飛び越えられるだろw その先に2重であるかもだけどw
余裕ぶって立ったままだから。どう考えても白髪より弱そう。
1人だけ連戦。同族か。

9話 ☆7
言ってることは正論やん。魔力量コンプ。薬頼りってださくね。
才能だけあっても有効活用できないとダメだぞ。普通に負けてて草。
殺す気満々やん。てかこいつ魔法使ってんじゃねーか。
同じとは何だったのか。血が多すぎる。こいつチートすぎんか。
急所は外してくれる優しさ。

10話 ☆7
今期石化多いな。十字クソ強そう。黄色メッシュ何もしてねえ。
ギルガメッシュかな? いいやつやん。

11話 ☆7
優生思想。後ろにおるやん。結局こいつの能力は何なの?
体動かせるの謎理論すぎるw こいつチート能力すぎんだろ。
頭も結構キレるやん。頭からは死ぬだろ。どんどんインフレしてくな。

12話 ☆9
強そう。シュークリームが。汚ねえ。人形の奴使えよw
意思じゃなくてそこは走って殴りに行けや。召喚がデフォになってるな。
マッシュへの相性最悪の魔法具。今更気づいたんかw

曲評価(好み)
OP「Knock Out」☆4
ED「シュークリーム・ファンクラブ」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 2

メガマインド さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これは、肩の力を抜いてみれるやつだ!!

少年漫画で真面目な魔法ファンタジー系の話をやるかと思いきや。
実際は王道少年漫画の皮を被ったハリーポッターを面白くパロディにしたギャグ作品である。
ジャンプで中堅レベルのよく後ろに掲載されることの多いこの作品なので、たいした作品じゃないだろと軽くみてましたが意外とグッとくる場面があり
一筋縄ではいかないと思いました。ジャンプで連載されることはあります。

ドロヘドロでは餃子が推されてましたがこちらではなぜかシュークリーム
が推されているという



茶番はおいといて
主人公は魔法がつかなくても、強くて、拳だけでなんでも解決するのは痛快でみていて気持ちいい。

義理の父親思いの優しい性格なのもよい

筋トレで体を鍛えるのは重要ですよね!!
少年漫画誌では健全といえるだろう。

クールなイケメンライバルキャラ!?がシスコンだったりヒロインっぽいキャラが若干メンヘラ気質で惚れた相手に執着するなど登場人物すべてがやばいキャラとして全振りしていて観ていて楽しい!!
多分作者の頭の中がもっとやばい。

濃すぎるキャラクターさえだせればあとはそのキャラが引き立つようおかしな行動させれば面白くなるというのは
作品を作るうえでのお手本の一つといえるだろう

もはやただの暴力だが、みていて不快な気持ちにはならずくずで最低なやつらを主人公がお仕置きするのはワンパターンながらいつの時代でもスカッとさせられる

ギャグの方は結構ゆるい。天然キャラから繰り出されるボケ
を楽しめるかどうかは人を選ぶ

アニメーションのクオリティもよく動く他のアニメと比較するとそこまで高く
ありませんが、笑いのツボにはまれば最高の作品となるでしょう

今季は豊作で人気作品の前では不人気で埋もれがちではありますが、
気軽にみれる点で優勝しました(笑)


とにかく笑える作品、とにかくやばいキャラがみたい
、余計なメッセージ性やストーリーはいらずただ主人公が
悪を成敗する、スカッとしたものが観たい人におすすめかな


頭を空っぽにして観れる作品も悪くないと思った。


観るとシュークリームが食べたくなりました(笑)

最終回を見終えるころには頭の中がシュークリームで埋め尽くされることだろうな!!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ファンタジーワンパンマン…としか言いようがないです。

 本作は「魔法」という価値が生み出した階級社会に「筋肉」という異分子の力を投入することで、システムを破壊してゆくような革命の話と取ることができます。

「ワンパンマン」との強い類似性を感じます。絵柄も主人公のキャラ造形もそっくりです。ヒーロー協会のランキングという部分を学園のメダルに置き換え、ファンタジー世界に置くことで差別化を図っていますが、しかし、本質的な違いが出せているかは疑問です。
 というのは、魔法を力が上回る部分にまったく「とんち」というか工夫がないからです。問答無用の力を振り回すとその圧倒的な力で解決では、ほぼ「ワンパンマン」と違いがありません。

 主人公から見れば格下たちが、主人公のいないところでドラマを繰り広げるような描写もないし、ヒューマンドラマもテンプレなので、そもそもテーマ性を持っているのかも不明です。むしろ異世界「ワンパンマン」を開き直ってやっているだけに見えます。

 その上でですが、それでもこの作品が受け入れられるのは絵が下手なのがいいということです。コミック版の1巻まで読んでいますが、原作は粗削りなフレッシュさがあるので、ストーリーや設定が下手くそでもおおらかに受け止められる感じだったと思います。またこの絵がとぼけた面白さにつながっています。
 それをこういう綺麗なアニメにされてしまうと、ストーリーの凡庸さが際立つ気がします。

 本家ワンパンマンが連載で訳の分からない方向に進んでしまっているので、もともとのワンパンマンの原点みたいな話が見たい読みたい、というニーズにはこたえられると思います。
 ワンパンマンを知らない人、ワンパンマンをもっと単純にした、価値観の逆転劇、痛快な無自覚俺TUEEEを見たいなら良いのかもしれません。
 そして、実はワンパンマンよりも話のプロットや設定そのものは上手いのかもしれません。

 にしても、要するにテーマも設定もキャラ設定も正直既視感が半端じゃないです。ストーリー、キャラは2とかにしてもいいんですけど、まあ、評価せずにしておきます。

 視聴は断念します。なお、7話まで見れたのでそんなにつまらないわけじゃあな気もします。今期は豊作なので、相対評価ですね。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

69.0 19 ファンタジーで戦いなアニメランキング19位
盾の勇者の成り上がり Season3(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (181)
636人が棚に入れました
四聖獣「霊亀」を討伐した盾の勇者・岩谷尚文は、別の異世界で霊亀復活の元凶であるキョウを打ち倒し、メルロマルクへ帰還する。 復活間近の新たな四聖獣「鳳凰」との戦いに備えようとするが、霊亀騒動で失態を演じた三勇者は行方不明、尚文の持つ領地も戦力に不安が残る状況だった。 今後の戦いに備えて、散り散りになった旧ルロロナ村の住民を取り戻そうと考えた尚文は、住民が奴隷として売られたというゼルトブルを訪れ、救出の足がかりとして、ラフタリア、フィーロと共に地下賭博闘技場に参加する。 救いを求める亜人たち、心砕けた三勇者、そして暗躍するヴィッチことマイン。 それぞれの思惑が交錯する中、尚文は自らの信じる道を突き進めるのか――。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

冒険はつづく―― 新しい出会いとともに 世界に破滅が迫るとき 勇者が立ち上がる

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期は視聴済です。

…今期の感想って少し難しいかも^^;
第2期では霊亀打倒という大きな目標があったので、それに邁進してきました。
でも今回は、次の波が押し寄せる前までなので大きなイベントは無いんですよね。


四霊のひとつ「霊亀」を討伐した盾の勇者・岩谷尚文は、
別の異世界で霊亀復活の元凶であるキョウを打ち倒し、メルロマルクへ帰還する。

復活間近の新たな四霊「鳳凰」との戦いに備えようとするが、
霊亀騒動で失態を演じた三勇者は行方不明、
尚文の持つ領地も戦力に不安が残る状況だった。

今後の戦いに備えて、散り散りになった旧ルロロナ村の住民を取り戻そうと考えた尚文は、
住民が奴隷として売られたというゼルトブルを訪れ、
救出の足がかりとして、ラフタリア、フィーロと共に地下賭博闘技場に参加する。

救いを求める亜人たち、
心砕けた三勇者、
そして暗躍するヴィッチことマイン。

それぞれの思惑が交錯する中、
尚文は自らの信じる道を突き進めるのか――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、三勇者のチグハグさ、マインのやり口の狡猾さは相変わらず…
普通、「あ、この言動間違ってる」って気付くと思うんですよ。
最初の頃ならまだしも、完全にこじらせているではありませんか。

それでも、己自身と向き合おうとしない姿勢には正直ガッカリしましたよ。
正しい道を進んでいると考えたい気持ちは分かります。
だけど、いつも正しい道ばかりを選択できるとは限りません。

横やりが入ったら、人間って簡単に逸れちゃうんですよ…
でも、それでも良いと思います。
だって、間違ったと思ったらそれを認めて、戻って正しい道に乗り換えれば良いんです。
人間にはその失敗を受け入れられる寛容さがありますから…
もちろん、失敗に応じた代償は必要になります。
だからこそ、早めに気付いて修正すれば傷も浅くなるんですよね。

という心境に四聖勇者が達して力を合わせるのは、もう少し先になるんでしょうかね。
個人的にはマインを何とかすべきではと思います。
もう、害悪以外のナニモノでも無いではありませんか。

一方、今期新たに加わった仲間は頼もしく、若しくは将来有望な方たちでした。
ここちゃん演じるアトラ、小清水さん演じるサディナは今後の展開の楽しみなキャラだと思っています。
あとは、ラフタリアに纏わる新たな展開が出てきましたね。

振り返ってみると、ラフタリアって意外性の塊みたいな存在だったのではないでしょうか。
後から様々な属性が付与されていますので…
今後、更なる属性が付与されたら、一体どうなっちゃうんでしょうね^^;
それはそれで楽しみですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MADKIDさんによる「SIN」
エンディングテーマは、藤川千愛さんによる「好きになってはいけない理由」
今回気付きましたが、オープニングとエンディングの歌い手さんは固定だったんですね。

1クール全12話の物語でした。
今回もしっかり堪能させて頂きました。
いよいよ波がやってきます。
まさか、ここで打ち切りなんてこと、ありませんよね。
期待値MAXで続報を待っています。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

12話最終回視聴。ストーカーたくさん降臨!ぐへへ…。オレ達のモノにならないなら一緒にしね!?

2022年2月時点でシリーズ累計部数は1100万部を突破している。
小説家になろう作品。
書籍はWEB小説を元とした物語となっているが、大幅に加筆・修正を加えており、話の流れや展開が大きく変わっている。なるほど。
1期2期ともにアニメは視聴済み。ちなみに2期は絆、3期はセインが好きなキャラかな。

祝え!ロリコン勇者の誕生である!

祝え!全ロリコンの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめすロリコンの王者。
その名もロリコン勇者元康。
ロリコンの力を継承した瞬間である!
かくして、勇者はロリコンの力を得た。
彼の歩む覇道は始まったばかり。
この本によれば、槍の勇者・北村元康。
彼にはロリータコンプレックスにしてロリコンの王者・ロリコン王となる未来が待っていた。

うん!満足w

4話まで視聴。
ただ死ぬ事よりも生きることの方が地獄である。最近ヤバいの見た所為でホントそう思う。

気になったのが村が襲われる可能性はあったはずなのに戦力になる人間を何故1人残さなかったのか?それとも全員で行く必要がある重要な事だったのか。子供が信号弾を使ったから助かった。ただそれだけ。

この作品は最終話まで視聴確定。

12話最終回感想。うん気持ち悪いねこの変態ストーカーども。

この人はこのデザインの服を着てはダメと言っていただけなのか?
主人公に事情説明していれば襲撃は防げたよね?
それとも何か言えない事情でもあったのか?

そしてびっくりしたのがストーカーがずっと(文字通り)いたのか…。たくさん!!
何もしない、ただ見てるだけ…ヒェッ…
着た瞬間に襲ってきたのはずっと見てたから…とか怖いんですがw
気になったのはストーカーの天才的な才能はあったのに真昼間から襲うとかw
それも集まってる時に。
それ才能活かして暗殺でよくね?

よっぽど力に自信があったのかそれとも、オレ達はストーカーの中でも最弱!!的なやつ?
それと色々理由付けて襲う事も出来た筈なのにずっと何もしないって凄いね。
任務に忠実なのは良いけどいくら何でもコレはなぁ(トオイメ

案の定というかコレからも襲われるならって考えるとそうなるよね?と。
怪我した子も家も燃やされたしね。

個人的に良かったのは襲われた時の勇者も1人を除いてまとも?になってたのがやっとかと。
ただ、攻撃が効かなかったのには特別な力の所為なのかな?
コレを早めに解明しないと大変だよねこれから。

毎回思うが勇者が何でこの世界に召喚されてるのか知らないのだろうか?
足の引っ張り合いしてるの笑えるwまあビッチがアレだしね…しょうがないね()

最後に。セインが出なかったのはちょっと残念だった。
でエンディングの最後に3が消えたのには意味があるのだろうか?
前もこんな感じだったっけ?
4期を期待して良いのかな?

終わり。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

大さじコショウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

おそらく原作が悪いのかな…?

原作は未読。ですが1期のファンとして聞いて頂ければ…

当時1期は、1話目を40分以上使い、なかなか見る作品が少なかった当時は、この作品への期待値も高く、1期はその期待値どおりでした。



そして今は見る影もなく。。。



まず2期の時点で話がわかりにくすぎました。本当に終わってます。

そして今回も同じでした……。た、多少はマシにはなったかな…?
作画は変わらず良いのですが、話が悪すぎる
まず前回ピンと来てない話をそのまま引き継ぐわけなので、置いてけぼりです。
さらにキャラが多すぎる。すでに魅力あるキャラがいたはずなのに、アイドルグループよろしく増やし過ぎでは
キャラの話が薄味になって肝心の4人の勇者もうっすく感じる。
キャラ以外にも時空やら、国同士やらの関係もあり、もうめちゃめちゃ
敵味方野球チームを複数同時に覚えてるような感覚。ヘビーファンの人以外把握しないね!
そして固有名称のセットが拍車をかけるぜ!
固有名称いっぱい話す人って聞き取りづらいと思うんですよね。まさにそれです

見た目は良くてもそれ以外が混乱のオンパレードです。



これら問題はアニメ制作会社が悪いとは正直思えないです
作画自体は非常に丁寧にしていると思います。アクションもありました

未読なので憶測ではありますが、
『『『 原 作 の 話 が 悪 い 』』』
とヲタク的予想します。
オリジナルストーリーではないはずなので、基本原作準拠
その言葉通り、悪い部分も原作準拠でしょう。
話を下手にいじればチャレンジ作品になるし、すでにファンの方に言われる可能性もある…
しかし現状は正直見る人をかなり選ぶ状態に…。
アニメ会社は間違いなく板挟み状態でしょう……。
  ※憶測の話ではあります。



褒める点は
キャラ自体は可愛い。主人公も好感持てる。作画もド安定。テンポは2期よりはマシな気がする。
まぁこれらすべて1期で当てはまることで、今更な気も


1期はお勧めしてきましたが、2,3期共々は視聴しない方がいい。面白い夢は夢のままがいいので…。
1期は何度も見るぐらいファンだったので、話題にもならなくなりこういう始末になっていく様は残念で仕方がないです。
1期のドキドキから落ちていく様は、成り下がりというべきでしょうか。
一応4期あるっぽいですが、これ幾らの人が見るんだ…って疑問です


(というかそのまま勇者とのトラブル解決しながら、襲撃を倒していく流れが絶対良かった…)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

73.3 20 ファンタジーで戦いなアニメランキング20位
Dr.STONE NEW WORLD(第2クール)(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (156)
572人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。 超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。 文明が滅んだ石の世界ストーンワールドを前に、千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。 新たな仲間を集め『科学王国』を作りあげる。 しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司率いる『武力帝国』が立ちはだかる。 人類の浄化を目指し、強大な武力によって科学の発展を阻止しようとする司。 科学vs武力の戦いは激闘の末、千空たち科学王国が優勢となり、両国は遂に和解する。 仲間の謀反によってコールドスリープ状態になった司、そして、全人類を復活すべく、科学王国は石化光線の発生源、地球の裏側・新世界を目指す! 世界に飛び出て石化の謎を解き明かす! 石の世界ストーンワールド大航海時代がついに開幕する――‼
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

まるで複雑な立体分子構造を組み上げるようなシナリオ運びが極まっていく

3期分割2クール通じてのレビュー・感想。
引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.5点】
サブタイトル『~NEW WORLD』。機帆船ペルセウスでついに“大航海時代”到来か!?
と思わせておいて“新世界”とは、“宝島”での石化装置争奪戦の先に開けた、
(※核心的ネタバレ){netabare} 黒幕・ホワイマンがいる月面に行くためのロケット製作に向けた世界一周町作り{/netabare} 構想のことだったとのオチ。

1クール目序盤、いざ大航海!と思わせておいて、悠然と石油調達のための道路敷設し始めるしw
2クール目も航海より島での頭脳を交えたバトルメインでしたし。

これを肩透かし、展開が遅いと受け止めるかが評価の分かれ目かと思われますが、
私はこれぞ『ドクスト』でこそ味わえる地道で壮大なシナリオ。
1期で千空が豪語した{netabare} 「宇宙に行く。今すぐ、ソッコーで行く」との{/netabare} 少年の夢が伏線回収されるカタルシスも相まって興奮しました。


3期が終わって、本作はとかく文明や地球を破滅させるとの不信を抱かれがちな科学への信頼を取り戻す。
もっと言えば人間への信頼を取り戻すことがテーマなのだろうなとの着想がいっそう深まりました。

さらに3期からの新キャラ・龍水は、これも人を狂わせると忌避されがちなマネーへの信頼を取り戻すことも狙っているのだと感じました。
「欲しいは正義」言い得て妙です。
例えば、マッド・サイエンティスト・千空と金の亡者・龍水がタッグを組むとか語り始めると、
まんま平成漫画の悪の秘密結社のテンプレですからねw

それだけにラスト示された(※核心的ネタバレ){netabare} 復活した司。すなわち信頼できない大人たちを成敗する平成ヒーロー枠の若者が、
科学者・千空、セレブ・龍水と共に宇宙船で月に向かう{/netabare} とのプランは、
科学と金の汚名返上の観点からも唆(そそ)る構想。

制作発表された4期最終章『~SCIENCE FUTURE』
想像とは違う結末、説教すらも心待ちにしております。


バトルでも、一人の狡猾な悪知恵に対して、仲間を信じて賭けに出て勝ち抜くというパターンの反復により、人間への信頼を繰り返し問うて来ました。
他者との絆に期待して一度{netabare} 石化して{/netabare} 自身の意識を飛ばして後を託すとか中々できることではありません。

が、数千年のスパンで託し託され合う千空親子とその一味なら当たり前に人を信じることができます。
その視点から3期で一番感動したのは1クール折り返し地点。
{netabare} 生涯かけてプラチナ等の希少物質を収拾した父の“お宝”を受け取った千空。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・トムス・エンタテインメント

特に2クール目、石化装置濫用バトルとなった本作。
毎度思いますが、ほぼ全てのキャラに石化バージョンのデザイン設定をする。
それらの石像を時にバラバラにして組み上げ修復する。
面倒な作業に杠(ゆずりは)ら手芸班も作画も良く付き合っているなと感心します。

終盤、{netabare} キャラたちの再石化からの即復活に伴う人体再生効果により、
顔などに残った経年劣化のヒビ割れが修復してなくなるという件がありました。
傷のないメインキャラは馴染まないから嫌かも?
と思っていたらホワイマン倒すまではと傷口をペイントで再現して元のキャラデザに戻った時は一安心しました。{/netabare}


科学ロードマップ解説で作風を変えてみたりと
知恵熱を伴う解説消化のためのリズム確保も継続。
そんな中『マインクラフト』風のアニメーションなんかも登場し、
『ドクスト』も長期シリーズになって来たなと感慨を覚えました。


その他、龍水の執事・フランソワの手腕により、
たまに飯テロも仕掛けてくるから油断できません。
{netabare} 石窯で焼いた{/netabare} パン文明復興の香りがして唆ります。


【キャラ 4.5点】
意外なキャラの、意外な起用法で窮地を脱していく采配に唸らされます。

そもそも科学の船・ペルセウス号には定員があり、
千空が誰を選ぶか或いは紛れ込むかというのもポイント。
まさかの{netabare} スイカ潜入作戦{/netabare} だったり、石像で温存していた{netabare} 氷月{/netabare} をジョーカーとして繰り出してみたり。
科学知識だけでなく用兵もお見事。千空も作者も頭良いわと脱帽します。

コハク、クロムなど石神村すなわち{netabare} 千空の両親が残した子孫たちの面々{/netabare} が希少素材名というのも、
上記でも触れた継承の観点からエモいキャラ名設定。
宝島出身者で{netabare} 頭首の息子{/netabare} となる新キャラ名がソユーズ宇宙船からというのも
3700年の口伝伝承の底力を感じます。

『ドクスト』のキャラ相関図には有機化合物の化学式を眺めている時みたいなウットリ感があります。


【声優 4.0点】
銀狼(ギンロー)役は、性別の壁をも乗り越える幅広い演技で活躍中の村瀬 歩さんが務めていますが、
{netabare} コハクらと共に敵アジトに美女として変装して潜入する{/netabare} という展開はまさにうってつけ。
3期の銀狼は{netabare} ペルセウス乗船滑り込み{/netabare} だったり、{netabare} 瀕死から石化復活{/netabare} したり、
配下を得て調子コキレベルがインフレしたり。
対応力が問われましたがキャストは柔軟にこなしました。
当初から3期を睨んだ村瀬さん起用だったとすると、スタッフも相当頭良いです。

宝島ボスのモズ役の興津 和幸さん。
舐め回すような粘着ボイスで、若さに任せた単純な力押しではない、オッサンのしつこさを体現。
いつの時代も世代交代は一筋縄では行きませんw


【音楽 4.0点】
劇伴は三者共作が継続。

1期より続くバグパイプ、ホイッスルの民族音楽風に、ラップ曲もおりまぜ原始と科学を再現する作風は変わりませんが、
今回はより普遍的なストリングス、金管が目立った印象。

インフラ、グルメの復活に呼応して曲アレンジも多彩になり、
科学史200万年を一気に駆け上がる千空たちの手応えを音楽でも実感。


主題歌は
1クール目OP・石崎ひゅーいさんの「ワスレガタキ」
ED・OKAMOTO'S「Where Do We Go?」

2クール目OP・清 竜人さんの「遙か」
ED・Anly「好きにしなよ」

一応OPは1期同様、朝のスタート時に適した楽曲で、文明の目覚めに合わせたりもしていますが、
作品をなぞるというよりは、『ドクスト』のスケール感に比するだけの確固たる世界観を持った楽曲を並べている感じ。

世界観という意味では私は「好きにしなよ」が脱力していて好きです。

放送終了時には2クール目OP「遙か」のアニメMVも公開され振り返りには持って来い。
一方で清 竜人公式CHの「遙か」実写MVは、
一人の巫女が朝起床してから仕事に向かう密着ビデオ風になっており、
巫女フェチには断然オススメですw

投稿 : 2024/07/06
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる! 前代未聞のクラフト冒険譚、ここに開幕! ぱ~と3

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第3期1クールは視聴済です。
第3期の1クールの視聴が何となく遅れてしまったので、今回はリアルタイムで視聴できるまで驀進しました。
まぁ、物語の内容的にも面白かったので、レアルタイムで視聴するのは必然でしたけれど…


全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。
超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。

文明が滅んだ石の世界ストーンワールドを前に、
千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。
新たな仲間を集め『科学王国』を作りあげる。

しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司率いる
『武力帝国』が立ちはだかる。
科学vs武力の戦いは、千空たちが優勢となり和解するが、
司は仲間の裏切りによって深手を負ってしまう。

千空たちはコールドスリープした司を救うべく、
石化光線の発生源、地球の裏側・新世界を目指す!

神腕船長・龍水を仲間に迎え、大海原へと飛び出した千空たち。
科学船ペルセウスで向かう先は、百物語始まりの地――『宝島』だった!

千空は島に眠る宝を求め、
仲間と共に新たな冒険の地へと突き進む‼


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、今度の冒険は宝島です。
宝島と言うより、物語の根幹に関する展開が待ち受けていました。

宝島といっても金銀財宝がザックザクという訳ではありません。
間違いなくそれ以上の価値を持つお宝が、宝島には存在していたんです。

ですが、得てしてそのような宝物は守られているのが定石です。
当然の如く、今回の宝物も原住民の手の中にあったんです。
交渉して…などという隙の無いまま原住民からの攻撃を受け、千空たちはいきなりピンチに追い込まれ…物語が動いていきます。

千空たちの闘いは決して楽ではありませんでした。
原住民は、いわば現代で例えるなら「パトリオットミサイル」の様なとんでもない武器を持っていましたから…
武器では無いモノを武器の様に使っていたというのが、正しい言い方だと思います。

加えて、相手の警戒心がメッチャ高く、幾重にも予防線を張っていたので、綻びと言える隙間はどこにもありませんでした。
千空たちにが持っているのは現代科学の知恵と、ここまで生き抜いてきた機転だけ…
この機転が幾重にも張られた予防線を強引にこじ開けていくのですから堪りません。
今回も半端無く滾る内容だったと思います。

そして物語は更なる広がりを見せるようです。
現時点で、既に一般の人間の行動範囲を凌駕していると思うんですけどね。
少なくても私の行動範囲より明らかに広いと思います。
どこまで広がるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、清竜人さんによる「遥か」
エンディングテーマは、Anlyさんによる「好きにしなよ」

1クール全11話の物語でした。
番組の最後に「この物語はフィクションですが、登場する動植物や物質、製造方法などは実在するものに基づいています。個人の判断による採取や製造は大変危険であり、また法律に触れる恐れがありますので、決して安易にマネをしないでください。」という注意書きが毎回表示されていました。
これ、真似する人いるのかな…^^?
続編の制作が発表されました。
次が最終章になるそうです。
千空がどんな科学力で私たちの度肝を抜いてくれるかが楽しみで仕方ありません。
続編を楽しみに待っていますね!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 12

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

強敵との頭脳戦と仲間との絆が熱い。安定の面白さのアニメシリーズ第3期

原作未読。
アニメシリーズ全て視聴済み。

ついにアニメも第3期、大人気作ですが安定の面白さでした。1クール目は大将戦のための準備期間だったため、絵代わりが少なくてマンネリ気味でしたが、後半の2クール目はとても良かった。

今期の最大の敵イバラとのバトルは、今までには無いかなり高いレベルでの頭脳戦が繰り広げられ、味方側も何度も追い詰められる所が目新しく、ハラハラする展開で面白かった。
イバラの二面性のあるキャラクター性が、声優さんの演技と絵柄も相まって中々に怖く、時折くる緊張感が今までのアニメシリーズにはない要素でした。

石化の謎、そして真相へと繋がる大きな進展があったし、仲間達との絆もより深まっていて、19話あたりは胸熱でした。

そしてDr.STONEはやはりキャラクターが良い。それぞれが個性的だけど信念があって生きているのも好きだし、キャラデザがめちゃくちゃオシャレなのも良い。新キャラたちも衣装が凝っていて良いし、既出のキャラもやっぱりデザインがいいから、見てて楽しい。龍水も氷月も見た目が良すぎる。

OP、EDも素晴らしく、世界の壮大さと美しさを感じる曲で好きでした。映像も綺麗。

この作品を見ていると、探求することの楽しさ、未来を思い描く楽しさ、生きることの楽しさと儚さを感じる。
たまにはこういう作品があってもいいよなって思う良さがある。
原作は完結し、アニメは4期の制作が決定したとのことで、今後どのように物語が進み完結するのかとても楽しみです。
引き続き視聴予定です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21

65.6 21 ファンタジーで戦いなアニメランキング21位
デッドマウント・デスプレイ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (127)
417人が棚に入れました
此処とは違う異世界――。 歴戦の兵士・『災厄潰し』と希代の死霊使い・『屍神殿』の、 世界と自身の生死を賭けた勝負が決した。 ――そして、舞台は新宿へ。 衝撃の異世界転生ノワールファンタジー、開幕!!
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

馬鹿の一つ覚え??グノーシス主義を代弁する主人公のネバーエンディングストーリー

主人公が「ネクロマンサー」設定の物語であります。

ネクロマンサーと言えば「勇者が死んだ!」にも登場するわけですが、
{netabare}ネクロマンサーとは、そもそもゾンビ使いであるところの悪の親玉確定キャラでございます。

例えば本来悪役であるべき立ち位置であるはずの「魔王」が主人公だとか、主人公である勇者側に
加担させるにはあからさまなまでに筋違いな感じのキャラを敢えてゴリ押しするような発想は漏れなく
【グノーシス主義】という極端な思想傾向に基づくものであると言えるわけでありますが・・・

しかしながら、【グノーシス主義】的傾向がある作品がすべてNGであるとしたら
どいつもこいつも【グノーシス主義】まみれのため、お奨めアニメベスト10だとか
成り立たなくなるので思想傾向が余程極端でない限りは許容する以外には、
現状では道が無いという結論に至るわけであります。{/netabare}

「勇者が死んだ!」は如何にも少年誌的作品傾向が強くわかりやすい作風でありますが
それに対して本作は、それに比べるとややストリーが入り組んでおり、よって単純に見て
単純に理解できるようなシンプル設計の物語になっていないところに注意が必要であります。

一見すると最強陰陽師が異世界転生したような物語と似ているようでもありますが
それに比べると本作はより緻密で、より複雑な感じで物語が展開する兆しある故に俺強主人公が
異世界転生果たして無双する物語を期待する層などには向かないということになるでしょう。

1話、2話くらいを見た感じでは、異世界転生のしょうもない変化形みたいな印象でありましたが
4話くらいから?方向性が一転といいますか、本作の独自性が出てくるように感じました。

今期作品のダークホース枠は「マジカルデストロイヤーズ」とも思いましたが
案外潜在能力では本作の方が高いと言えるような気がいたします。

異世界転生作品というよりは、現代が舞台の陰謀渦巻く駆け引き合戦の一癖ある物語
だと考えた方が、本作を評価するには適切であるように思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 2

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

クオリティも高く内容も面白い。おお、そっちか、となった。…だからCMでのネタバレは止めて

1話感想 4.2
成田良悟さんといえば大変評価されているラノベ作家ですね。
その方の漫画原作ということで注目ですね。

さて作画クオリティが非常に高く、内容も驚きがあって良かったです。
おお、そっちか、と思いましたね。
まあ細かい意表かもしれませんが…

異世界転移系では地球から異世界に行くばかりで逆が少ない、というのはどこかで書いたか。
それは地球側は色々面倒臭く自由度が低いので、素人には書きにくいからだと思います。
しかし成田良悟さんは現代を舞台にたくさん書いてますからそこはお手の物でしょう。

魔物が地球でどのように活動していくのか、興味深く見ていけそうです。


…一言だけ、CMでネタバレはやめようよ…。
今期CMでネタバレしているのが2本目だから、つい。
いや、これはまだ1話で明かされる内容のネタバレが途中のCMで入っていただけなので、罪は軽いと思いますけれどね。

でも、CMであれ、こっち? と思っちゃうのは勿体ない。
せっかく作画も演出も良かったのに。
CMは全部飛ばせってことですかね?

全話感想 4.0
なかなか面白かったです。しかし異世界からやってきたはずの主人公よりぶっ飛んだ地球人が多々存在するのはなんともすごいですねw
とはいえ異世界ではなく地球ともつながりがあるのか、それとも他にも異世界人がいるのかなど、興味は引かれるところで…。
ぶつ切りで終了。分割2クールだったのですね。
これはここまででは評価しにくいかなー。

ただ、面白さがあくまでなかなか、という感じではありますね。
主人公が淡白で、あとは群像劇的であちこち視点が分散しているためガッチリ感情移入がしにくい、という問題はありますね。
成田良悟さんの作品はだいたいそういう傾向がありますが。
大勢の魅力的なキャラクターが居る功罪というか。
まあ端的には主人公のキャラが弱いと言ってしまえるのかもしれませんが。

とはいえ面白かったので2クール目も楽しみです。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

キャラクター造形が若干古い。漫画なら気にならないですが。

 12話(最終話)まで観ました。2023.06.26

 う〜ん…。話が全く進みません。怪人パラダイスではありますが…。

 色々な勢力がいるようですが、わちゃわちゃしているため、それ程気にもなりません。どいつもこいつもどうでも良いです。

 致命的に話のテンポが遅いです。ラノベ的ではありますが、別にショタ趣味でないので、ポルカ君との会話劇を楽しみたいという気にもなりません。

 2期は観たいですが、完結しないような気もします。
………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2023.05.25

 キャラクターも増えてきて、物語が盛り上がってきました!とは言え、今一跳ねない感じ…。

 主要敵キャラの怪人ソリティアとかを観ていると、何となく理由が分かります。どうも登場人物が往年のラノベキャラっぽいです。

 韜晦的な会話劇がちょっと古い感じがします。今はタイパ時代です。内容が無い会話を捏ねくり回して尺を稼いでいくやり方はクドく感じます。

 2000年代初頭じゃねーんだ!さっさと核心に迫れやコラ!とか思うと楽しめないです。

 2クールかぁ〜。中々ハードルが高そうです。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2023.05.04

 せっかく化物が現代に異世界転生したのに、転生先の新宿は怪人の集まる地獄でした。

 足立区在住の人に、足立区って日本国憲法が適用されないんですよね?と真顔で聞くような話ですね。

 敵も味方もイカれていて、観ていて疲れます。これに二期付き合うのか!?精神力と体力が保つか不安です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 1

64.9 22 ファンタジーで戦いなアニメランキング22位
聖剣学院の魔剣使い(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (106)
386人が棚に入れました
最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。 だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた! 「なんでだ!?」「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」 <聖剣学院>に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。 未知なる敵<ヴォイド>、<第〇七戦術都市>、武器の形をとる異能の力———<聖剣>。 聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は<聖剣学院>に入学することに。 魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

元・最強魔王×お姉さん 学園ソード・ファンタジー

この作品の原作は未読です。
聖剣×美少女を組み合わせた作品って、久しぶりではありませんか?
あれ、2023年夏アニメで放送された「七つの魔剣が支配する」は聖剣じゃなく魔剣だから除外で良いですよね^^;

加えてメインヒロインを演じるのはあの石川由依さんと来たら私に視聴しない選択はありません。
過去作の未視聴作品をメッチャ積み上げていますが、今期リアルで視聴した作品の一つになりました。


最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。

だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた!
「なんでだ!?」
「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」。

〈聖剣学院〉に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。
未知なる敵〈ヴォイド〉、〈第〇七戦術都市〉、武器の形をとる異能の力――〈聖剣〉。
聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は〈聖剣学院〉に入学することに。

魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

リーセリア役の石川さんが、最初に原作を読んだ時の印象をインタビューでコメントをしてくれていました。
「女の子たちがみんなかわいくて、そして「けしからん」というシーンがたくさん出てくるなと思いました(笑)。」

「けしからん」部分の多くは、リーセリアが担っている気もします。とツッコまれると、
「確かに。レオくんも「この世界の倫理観はどうなっているんだ」と言っていましたよね(笑)。」と返していましたが、これ、メッチャ分かります。

レギーナ役・洲崎綾さんも、
「まずは「おねショタ最高!」と思いました(笑)。
由依ちゃんが言っていたように「けしからん」シーンも随所で出てきますが、しっかりと読むとストーリーが重厚なんですよね。色々と抱えている人たちが集まっていて、シリアスなシーンもしっかりあって、見ごたえのある作品です。」
これもメッチャ理解できました。

おねショタ最高!かぁ…
きっとリアルの構図では見るに耐えない気がするのですが、アニメだと不思議と違和感無く受け入れられるから不思議ですよね^^;

でも、古の時代から転生する設定って、割と存在する様な気がしますけれど…
それに、赤子に転生する設定も然り…
「魔王学院の不適合者」のアノス・ヴォルディゴードは2,000年前から転生してきましたし、「無職転生」では、ルディが幼少期をたいそう満喫していましたしね^^

でも10歳という中途半端な設定で始まる展開は、確かに珍しいかもしれません。
思い返してみると、赤子で転生というパターンが多いような気がします。

まぁ、この様な些細な事は置いておいても十分満喫できる作品だと思いますよ。
リーセリアの直向きさ、レギーナの面倒見の良さなどなど…
リーセリアたちが所属する第十八小隊の皆さんは容姿端麗な方ばかりなので、声優さんたちの演技と相まってしっかり堪能できると思います。

少しご都合主義的に思えるところが全くない訳ではありませんが、それはご愛敬で良いかと…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、藤川千愛さんによる「1000年愛」
エンディングテーマは、果歩さんによる「ゆるり」
どちらも通勤中にヘビロテした楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
個人的にはしっかり堪能させて頂きました。
この手の作品で唯一残念だと思うのは、続編が中々制作されないことです。
原作のストックも沢山あるようなので、続編が制作されると良いんですけれど…

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

猫好き さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ラノベ販促アニメ

原作は未読。これはキャラデザが綺麗なのとタイトルソングが気に入ったのでつい最後までみてしまった

お話は、魔王レオニスが1000年の時を経て復活も、転生術をしくじってしまい、自分が人間だったころの10歳ぐらいの少年の姿になってしまう。なりゆきで死んでしまった人間の少女リーセリア(セリア)を眷族としてバンパイア女王として復活させ、すっかり変わり果ててしまった世界でラノベ的学園生活をしながら襲い来るヴォイドの脅威に立ち向かう、、、なのかなぁ

ラノベ原作なのでお話の整合性とか世界観はあまり求めてない。それよりもどれだけ萌えさせてくれるかよねw

その観点から一番気になったのは、中身魔王だけど外見子供のレオニスと、ヒロインのおねショタ関係。セリアは保護者顔してレオニスを大切にしてるけど、レオニスはかつて仕えたロゼリア一筋だし、中身は俺様魔王なので、おねショタ基本のショタ側からお姉さんへの依存とか思いは存在しない。そもそもセリアはレオニスの眷属になってるので、レオリスから見たらせいぜい気に入った手下に無意識ツンデレってレベル。この二人の関係性にはイマイチ萌えられなかった

他には、女の子たちがたくさん出てくるハーレム物なのかとも思ったけど、セリアと元から彼のメイドだったシャーリ以外は特段レオニスに興味がある様子もない。レギーナがたまにちょっかい出してくるけど、これは彼に興味があるってよりも単にからかってるとかセリアに手を出させないように釘を刺してるだけな感じでもある

なんというか、こんな感じでラノベやなろうの萌え要素のお約束がお約束として成立してないような気がする。強いて言えば他に楽しめそうな点ってばライトなエッチくらい?セリアの吸血衝動とか、ラッキースケベ、無駄に豊富なお風呂シーンとかその手の物が好きな人には受けるのかな?私には分からないけどw

とまぁ、ネガティブなことばっかり書いたけど、最後まで見ただけあって完全に嫌いだったわけじゃない。何よりキャラ絵が綺麗!(もっとも、女子に比べてレオ君含めて男子がかなり雑ではあったけどw)動画は大したことないけど、昨今のラノベ/なろう物に比べたら並み以上ではあった

話の方もちょっと興味深い。魔王復活で1000年前の復讐ってよりも、世界が完全に変わっていて敵味方がはっきりしなくなってる。人間側の英雄達がヴォイドロードになって人類を破滅させようとしてるとか、魔王様の癖して人間の要塞島を守るって決めちゃったりとか、ロゼリアはどうなっているのかとか気になる設定も多かった。そこらへんはアニメ版ではしょられているんじゃないかと思ったり

というわけでまぁ、アニメとしてはよくあるなろう/ラノベの域を出てないんだけど、お話自体は気になってコミカライズか原作読んでみようかなという気にはなったので、販促目的としてはよかったんでは?

-- 補足

コミカライズは少年エース。そういえばKindle Unlimitedで読めるんだったというか、雑誌自体は毎月読んでたw。ただ、絵柄が古臭くさい少年漫画みたいなので連載は眼中に入らなかったし、雑誌でのアニメ紹介でも漫画がその雑誌で連載中だとは気づきもしなかった

アニメはラノベの挿絵が元になってるので、絵柄が気に入った人はコミカライズ版はかなり毛色が違うから、原作読んだ方がいいと思う

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

ヘンゼル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

緊張感がない故に勿体ない

第5話まで視聴済み。
MF文庫Jにより刊行されている作品と聞いて、最近のMF文庫J産アニメ(ライアー・ライアーや探偵はもう死んでいる等)の評判は芳しくありませんので、身構えて視聴しましたが案の定、色々と「足りない」作品であると感じました。

作画コストは仕様がないというしかありませんが、第1話の設定の出し方や、キャラクターの言動や行動の不自然さやそのように至った理由や動機づけといったものが足りないと感じました。

具体的に言えば、魔王が少年の姿になった際、いきなり敬語でヒロインに話すシーンがあります。心理描写として「ここは敬語で話して怪しまれないようにしよう」「愚鈍な子供を演じよう」とか、そういった心の声を一言二言、アニメのセリフとして導入すべきだと思いました。
そういう視聴者に分かりやすい表現が足りていないと思いますね。

しかし、本作品の目玉は何と言っても「おねショタ」要素ではないでしょうか。
本作品はライトノベルですので、そういった少しセクシーなシーンで続きを読ませるという手法を取るために、そういった要素を入れているのではないかと思います。
風呂場のシーンはかなり良い出来かなと思いましたね。主人公が石鹼で頭を洗うシーンとかも、過去から来た者を表現するいいシーンだと思います。

本作品の良い所はそういった「過去から来た」と彷彿させるシーンが散りばめられている点ですかね。
世代間ギャップのようなズレがこの作品の面白い要素だと思いました。

ただ、本作品は世界観設定がアポカリプス物で殺伐としたものなのですが、いかんせん緊張感が足りないと感じました。
たった二人で要塞都市郊外の遺跡の調査をするのもそうですし、何故か別行動を取るのも、それに納得できるだけの理由も描写されていません。
そして第4話で要塞都市の脆弱性をテーマにしたのもそれに拍車をかけています。

ただでさえ本作品の敵キャラである「ボイド」と呼ばれる未知の生命体との戦いが第1話だけなのにも関わらず、いきなり負けそうになるのは、メイウェザーが初戦でいきなり敗退するような、拍子抜けした気分になります。
メイウェザーも人間ですし、実際にあり得る例えではありますが、「一度もボイドの侵入を許したことが無い」と豪語する以上、要塞都市の性能を発揮するシーンを、第2話か第3話にでも描写するべきだったと思います。

いきなり侵入を許すシーンを描写するのは、人類に緊張感が無いと思われても仕方がないのでは?と思いますね。

そういった意味で、本作品はおねショタという「緊張と緩和」でいう緩和の部分は及第点ですが、何より本筋のストーリーである「緊張」の部分が足りてないと感じました。
私の中でそれこそ、魔力炉が破壊されるような致命的なものだと思いましたが・・・。

という事で、本作品は良くも悪くもライトノベルだなと感じましたね。
最近の読者はストレス解消の為にラノベを読む事が多いとどこかの記事で観ましたが、本作品ももしかしてそうなのでしょうか。
おねショタで見れば、まあ見れる作品なんだけどなあ。でもそう見ると、世界観が逆にノイズになっているような気がするなあと。
今後の展開に何か良い点があればまた更新します。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 2

61.2 23 ファンタジーで戦いなアニメランキング23位
アルスの巨獣(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (137)
379人が棚に入れました
大いなる獣は大地を作り、作った大地をヒトが盗んだ。 獣は怒り、ヒトを喰らい、ヒトは獣と戦うために、カミを呼んだ。 それは剣の時代。英雄の時代。神話の時代。 甚大な被害をもたらす「巨獣」が蔓延する世界で、「巨獣」を狩り、解体した中身を利用し、人々は繁栄していった。 巨獣狩りで日銭を稼ぐ「死に損ないのジイロ」は、何者かに追われる「二十と二番目のクウミ」と出会い、彼女を救うべく過去の憂いを捨て動き出す。 人類帝国の思惑と、謎の実験。襲いかかる巨獣たち。 約束の時へ向け、ジイロたちは世界の秘密に迫っていく――
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アルスとバルスが繋がる世界?

●指輪の主のスリップランディング

「大雪海のカイナ」にも言えることですが、スチームパンクものを1クールで仕上げるのは
なかなかに厳しいということなのかもしれません。

{netabare}どうしても世界観の説明に尺が食われるのが宿命でありますので、ケモ耳フレンドのシーンを
描いてる余裕なんてなかったという話であります。

仮に続編あるにしても、この幕引きには微妙なものを感じます。

回想シーンからの終盤戦にかけての畳み掛けについては、好印象で期待値上がりましたが
最後の最後で尺不足気味エンドというのには、非常に残念なものを感じてしまいました。

ケモ耳フレンドや何とか族の描写よりも帝国側の視点から物語を動かしたならば、
もっと巧い事展開できたのではないかと個人的には考えますが、兎に角決定的なまでに
描き方を間違っていることだけは確かであると思えて仕方ありません。

ヒロインのクウミなど素材は悪くないのですが、調理法に難がある
ということになるかと思います。{/netabare}

結論としては非常に惜しい作品でありました。

●黒い太陽とウロボロス

遂に来ました、守り人の村でスチームパンクが大炸裂します。

地上にある村の入り口付近には{netabare} 羽の生えた像が2体置かれていますが、
これは「2本柱」を表します。

これこそまさに「ゲート」であります。
そして地下の村には「高い塔」が立っております。
これは恐らく【バベルの塔】を意識しているのでしょう。

このような地下施設ですが、一説によればエジプトのピラミッドの地下にも
広大な地下施設があるらしいとかいうことでございます。

「エヴァンゲリオン」の「ジオフロント」もこれと同じ発想であります。

「ハナ開くクウミ」は村で「封印の儀式」を受けますが、神殿の祭壇に置かれているのは
「黒い球体」であります。

球体をよく見るとそこには(強大な)蛇のようなものが描かれています。
これはウロボロスという大蛇であります。

守り人の村を蛇の巨獣が襲いましたが、これはウロボロスを示唆するため
ではないかと考えられます。

ウロボロスとは「【土星】の輪っか」を表すシンボルです。

「ハナ開くクウミ」は指に「リング」を首には輪っかを嵌めていますが
だからこそ【土星】に引き寄せられるのが運命というわけであります。

「ハナ開くクウミ」は6+12=18
「18」は【666】であり【土星】=【✡】を表します。

いにしえの伝承によれば太古の【土星】は太陽のように発光しており、
古代人はこの輝く【土星】を崇め奉っていたとかいう話で、これを
【黒い太陽】信仰と呼びます。

秘密の種族は【占星術】と【数秘術】に精通しており、独特の思想を
持つに至ったというわけであります。

彼らが必死に拘る【✡】のシンボルは魔法陣にも使われますが
そういう類のものを現代的に表現するならば、それは
「オカルティズム」ということになるでしょう。

守り人同様に秘密の種族は【錬金術】にも精通しており、なので
【土星】と【錬金術】も必然的につながります。

「猫かぶり」の種族は、「惑星のさみだれ」の「獣の騎士団」に相当するものであると
考えられます。

「【獣】の種族」とは【バベル】の種族であるということであります。{/netabare}

●「2つ名」という設定の謎に迫る

恐らくクウミは93、ジイロは216{netabare}であると当たりはついていたのですが
「2つ名」が何を示しているのか見当がつかず、その解明には少々手を焼きました。

新しい「2つ名」を与えるという行為には成人式のような意味合いがあったのかも
しれませんが、「ハナ開くクウミ」という名を贈られた本人は、大層気に入ったようで、
この名をしつこい位に5回も繰り返します。

「2つ名」を贈られた当人は大満足のようでありますが、肝心の視聴者には全く状況が
伝わっていないようなギャップ感と違和感を大いに感じました。

しかしながら、この違和感こそが正解に繋がる道だったりします。

「20」と「2」番目のクウミ=「93」
数字をすべて足してみると→ 20+2+9+3=34
更に数字を足すと→ 3+4=7
「7」という数字が導き出されましたが「7」は「ユダヤ・キリスト教の男神」を表しますので
クウミには不釣り合いな数字ということになります。

クウミは「93」ですから足して「12」、この「12」に関係する数字こそが「2つ名」の
謎を解く鍵になるだろうと考えられるわけであります。

「ハナ開くクウミ」という「2つ名」ですから「ハナ開くクウミ」から「2つ」名前を
取ってみることにします。

頭の2文字「ハナ」これを数字変換すると「87」になります。
8+7=15 「15」を更に足すと1+5=6

クウミ93→9+3=12
この「12」に「6」を足すと【18】
【18】=【6+6+6】
これは【土星】【✡】を暗示する数字です。

【土星】には【ロード・オブ・ザ・リング】という異名がありますが、その意味するところは
「指輪の所有者」、あるいは「指輪を統べる者」です。

クウミは「約束の指輪」を持っていますが、「ハナ開くクウミ」とはその「指輪」を暗示する
表現であったのだと解釈できるわけであります。

もしかしたら指輪の効力により「バルス」が発動したり、「金色の野に降り立つ」展開が
待っているのかもしれません。

メザミと人型の巨獣のシーンではやはりお約束通りの「魔眼」が発動します。

天津飯のような「三つ目」、その三番目の目が額の部分=松果体にあるのは、
「知恵」を象徴しているからであります。

「魔眼」の元ネタは【プロビデンスの目】でありますが、そのルーツは
【土星】の南極にある「台風の目」であります。

「ハナ開くクウミ」とか言われても視聴者にしてみたらなんだか意味不明となりそうですが
数字に込められた裏設定を解析すると伏線に辿り着き、「指輪を統べる者」が
見えてくるというお話でございます。

「人型の巨【獣】」が出て参ましたが、これはある種の「巨神兵」であり、
「エヴァンゲリオン」でもあり、「魔石獣」でもあります。

本作で語られる「審判の時」とはさながら【巨神大戦】のようでもあり、
ノアの大洪水前の状況にもどこか似ています。

【巨神大戦】=【ティタノマキア】と【ラグナロク】はどこか似ていますが
【ティタノマキア】ではやはりという感じで「【土星】神」が絡んできます。

「【土星】神」は【サターン】=【サトゥルヌス】でありますが、ギリシア神話では
【クロノス】と言い、【サターン】と【クロノス】で「サンタクロース」の
アナグラムを構成します。

この【土星神】は「子どもを≪食べる≫【サトゥルヌス】」として有名な巨神族であり
「腹ペコのクウミ」、「大食いのクウミ」の描写を裏設定的に繋ぐ元ネタであると考えられる
わけであります。(クウミは「食う身」「食う実」?)

【サトゥルヌス】はクリスマスにも関連が深い巨神族ですが、彼は「ティターンズ」の長
なので「進撃の巨人」や「Zガンダム」にも関係があるとも言えるわけであります。

「巨神兵」は【ティターンズ】でもありますが、スチームパンク的な観点から考えると
仮称として「ハイランダー」と呼んだ方が理解しやすと個人的には考えます。

その理由は、実は「進撃の巨人」もスチームパンクであるからであります。

裏設定を分析すると {/netabare}すべての物語は繋がります。


●実験体は、大阪万博に向かって進む?

前回に引き続き物語の重要な鍵となる回想シーンであります。
{netabare}印象としては今までで一番惹き付けられる回であったように思います。

今にして思えば「綾波レイ」もある種の「実験体」であり、今期では「Trigun」にも
実験体擬きのキャラが登場いたします。

何の実験なのかと言いますと細胞治療や遺伝子治療を応用したもので
ある種の人工生命体を作り出すという壮大なる計画であり、それについては
恐らくは「大阪万博」で披露されることとなるように思います。

「カンナギ」と「ナギモリ」は2柱の神を表し、死に損ないの持つ「槍」は
2柱の神が融合した3柱目の神を表すものであります。

男性原理と女性原理がただ単に融合され子孫が生まれると言う話ではなく
これを人為的作り出すと言うのが「裏テーマ」として機能しているのだと予測いたします。

例えば両性具有の生命体やAI(を偶像にインストールした形)の神など
テクノロジーの進歩により人類は「新たな存在」を生み出すことが可能となりました。

「(肉体の)死は救済」であるという考えは【トランスヒューマニズム】に基づくものであり、
「光」とは「文明の光」であり、テクノロジーを意味するものであります。

テクノロジーの進歩により実験体は生み出されるべくして生み出されました。
実験体は人類を苦しみから解放する救世主となり得る存在になるでしょうか?
そして我々の「実験体」は{/netabare}どこに向かって進むのでありましょうか?

●お待ちかねの回想シーン

死に損ない氏の回想シーン {netabare}は概ね良好な印象でありました。
ここまで非常に長い道のりでしたが、ようやく彼と彼女と実験体が絡む
これからの進路が見えて参りました。

物語の重要な鍵を握るのが複雑かつ広大な世界観と帝国の在り様であると思いますが
そこを巧く描き切れるかが肝要になると思われます。

巨獣が出てきて銛で倒すだけの展開とか{/netabare}間違ってもこれ以上繰り返さないことを
願うばかりであります。



●登場人物は増えていき、脱落者も増えていく
赤目の巨獣や飛行石、そして実験体などの小道具を配列して独特な世界観を示していこう
ということのようですが、この進行具合の遅さに耐えきれず途中で断念する視聴者も
増加傾向にあるように思います。

主人公ペアの過去の経歴を明らかにするために同じよなカンナギナギモリペアが登場しますが
仄めかすだけで二人の過去に何があったのか詳しいことは持ち越しと言う結末・・・

ここまでくると余程忍耐力が無い人には、余裕でついて行けないマニア向け作品
ということになるのかもしれません。

ひとまず評価を3にオールリセットし、傍観モードにシフトいたします。


今期は特にスチームパンク系作品が多いようですが、{netabare}何故なのかと言うと恐らくは
宮崎駿監督作品が今年公開されるからというのが背景にあるからなのかもしれません。

そして更には「風の谷のナウシカ」の続編もあり得るということでありまして
そういう意味で捨て駒的前座作品が乱発されるという可能性もあり得るのではないか?{/netabare}
そのようにも思えてきます。


●回想シーンにようやく王手!
一昔前の長編NHKアニメみたいな進行速度でようやく来週には決定的な回想シーン?に
無事辿り着ける見込みであります。

最低でも2クールないと物語をまとめられない雰囲気がそこかしこに漂っていますが
今回の山人回にしても同様、どういう意図でここまで冗長なペースでのらりくらりと
物語が進行しているのかについて、謎は尽きません。

恐らくバトルシーンは {netabare}世界観の説明のためにあるのであってそれ自体を見せ場としていない
ような力加減で作られているように見えることからしても、世界の謎を明らかにすること
こそが物語の主題であるのだと思われます。

「二つ名」を含む名前に重要な意味があるらしく、それ故に
名乗りのシーンが強調されているのでありましょう。

「魔術」あるいは「錬金術」の世界において名前は特別な意味を持っている
ということでありまして、薬剤師も錬金術と密接な関係性をもつ存在であります。

ちなみに今回の「山人」登用は恐らく古代の「巨石文明」的なものを表現しているのだと
推測され、やはりすべてがスチームパンク的な手法を示しているのでありますが、
このスチームパンク的世界観描写の回りくどさついては、なかなかに
厄介であると言わざるを得ません。
(ついてに言うと「森」→「山」ならば、次は「海」&「海賊」が来るような気がします。)

旅をしながら徐々に世界観は明らかになっているような気もしますが、それにしても
登場人物がやや多すぎるようで、本筋の焦点がぼやけ過ぎているようなこの物語展開に
視聴者が気長に付き合ってくれるのか?については非常に危ういものを感じます。

仮にこのペースで1クール内に見事まとめ上げるのだとしたら拍手喝采の大団円になるでしょうが
現時点ではなかなか厳しく、とりあえずは次回の決定的なシーンが描かれることに{/netabare}
最後の望みを託すのみであります。

次回こそがデッド・オア・アライブの決定的な分岐点になるでありましょう。

●けも耳フレンズ
一癖ある主人公にヒロイン力はそれなりにあるはずの凸凹コンビでありますが
二人の{netabare}過去の回想シーンとかほぼ無いままに旅先でけも耳フレンズのお友達が増えていきます。

この方向性は全く予測できませんでした…

冒険者パーティーの物語でもないはずですが、無駄に道連れキャラを増やして
訳あり主人公と訳ありヒロインの経緯的なものを描きつつ、道連れキャラの活躍もあると
言うなら、すべてをこなすのは至難の業のように思え、バルスな予感しか抱けません。

けも耳フレンズに意味があったのかどうかはいずれわかることでしょうが
少なくともメインストーリーは {/netabare}そっちではないことだけは間違いないと思われます。


一見してファンタジー作品のように見えますが、スチームパンクの要素がかなり強いようです。

スチームパンク独特の不思議な世界観に抵抗ない人ならばついて行けるように思いますが、
純粋SF思考の観点からしてみたらスチームパンクの世界というのは捉えどころがなく、
理解し難いものであるのかもしれません。

誰もが知っている「天空の城ラピュタ」はスチームパンクに属する代表作品でありますが
多くの人はスチームパンクとは何であるかについて興味を持つことさえありません。

また「風の谷のナウシカ」には「巨神兵」や「ゴリアテ」、「ガンシップ」などが登場しますが
これらもある意味スチームパンクを表現する小道具であります。

【錬金術】と超古代の「オーバーテクノロジー」が織りなす異次元世界
そこに秘められた「謎」、その核心にどれだけ深く迫れるか?が
このジャンルの最大の見どころであると個人的には考えています。

このジャンルには他にも「ふしぎの海のナディア」など名作候補が意外と多く
よってそれなりに期待はできるように思います。

「天空の城ラピュタ」のオマージュ作品ではないとしても
他作品を意識してみると思わぬ発見があったりするのかも?しれません。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自分を取り戻し大切な人と世界に殉じるヒロインが丁寧に描かれました。

この作品、実験体として生まれた少女が感情を得、名前を得、記憶を取り戻し、パートナーと心を通わせ、2つ名=アイデンティティを得、そして自分の使命に殉じて自分の生きた目的として死んでゆく話です。

 最終話で明記されないですが、寿命を延ばす儀式を放棄し力を使った以上はそうなります。1話で指輪を使えば救世主になる、約束を果たすと命を吸われるという説明もありました。要するに1話で12話以降の展開は既にありました。

 契約=夫婦か恋人のように描かれているところからいって、悲恋でもありますが、自分を取り戻し大切な人と世界に殉じる決心を自分でできたことが実験体として生まれたヒロインの幸せだったという物語です。

 ガンダムのプルシリーズでもあり、マクロスΔのヒロインにも通じる話でした。御坂シスターズでもあります。

 先史文明において、バイオテクノロジーが発達した結果、クローンと遺伝子操作、その他の技術で生物兵器として、巨人と守り人(もりびと)と神薙(かんなぎ)が生み出された感じですね。その他、猫の少女とかも連絡か司令機能を持った生物の成れの果てな感じです。

 SFの舞台設定として、それは別に明示される必要はないし、唐突感もなく1話から見ていればこれらのことはかなり丁寧に明示、示唆、暗示されていました。

 ストーリー・設定・世界観・そしてテーマ性。どれをとってもかなりの水準だったと思います。同時期の大雪原に比べれば同じジブリっぽい雰囲気ですが、内容がちゃんとあるし結末を描かないででも読み取れる最後になっていたと思います。
 
 アニメそのものもなかなか作り込んだ作品で、作画技術は悪くなかったです。キャラ造形が少し子供向けというか少しジブリ的な演出過剰で本作が過小評価・見辛くなっているのが惜しいですが、SFとアイデンティティ問題、そして最後の決意の感動があるなかなかの作品でした。


 本作が唐突だという意見もありますが、私にはかなり丁寧で説明がちゃんとされている作品で最後の3話は伏線回収が上手くできていたと思います。例えばクウミというおばさんは実験体でなく天然なんだろうなあという想像が働きます。
 そこから実験体は劣化しており、過去の技術ではちゃんと自然に溶け込んで寿命も普通なんだろうとか、想像を働かせれば読み取れるようになっていました。

 この話で、投げっぱなしとか説明不足とか唐突という感想を沢山見かけますが、どうなんでしょう?私としてはそういったのは読み取れる内容な気がするのですが…違う意味での感想なんですかね?私的にはよくできていると思います。オープンエンディング的ではありますが結末以降の道筋は1本の話だと思います。

 たとえ読み取れてない部分があっても、大事なのはヒロインの方のクウミが名前=自分と家族(恋人・仲間)を得てその人たちのために儀式を中断して敵に立ち向かうという部分がテーマですから、そこが分かれば他は些事な気がします。
(もう1段思考すると、結婚のアナロジーを描いていたとも言えます。男女のパートナー、2人で一緒に戦う、名前を変えるという風にも取れますね。特に名前…2つ名にこだわってましたし…どうなんでしょう?)

 OPの音楽はなかなかクセになるいい曲だったと思います。スピード感もあるし面白い演出でした。
 作画・エフェクトはかなり丁寧で好感がもてました。キャラはもう少しジブリ感を失くしてもらうともっと見やすかったです。




1話 少年向けSF的雰囲気は良い。「二ノ国」とか「ゲド戦記」臭が気になります。

{netabare} 人類の遠い未来で、遺伝子操作で生まれた巨大生物、その巨大生物と戦うための強化人間的なもの、先史文明の遺物の機械の不思議な力…みたいな話でしょうか。アンドロイドものかもしれませんが、今のところ実験体というなら違う気がします。
 舞台が完全なファンタジー世界で、そこに過去の遺物として機械文明を出すと過剰設定すぎると思います。その辺は上手く調整している(はず)と思います。「スクラップドプリンセス」「フラクタル」みたいな感じです。

 結構まじめにSFやりたいんだろうなあ、裏文明設定が多分ちゃんと世界観の後ろに隠れているんだろうなあ、という雰囲気に好感がもてます。演出が子供っぽいですが「未来少年コナン」のような大人でも視聴できるジュブナイル的少年向け作品っぽい感じが、なかなか期待を持たせてくれます。
 
 一方で、こういうSFもので「見られる」「視聴に耐えうる」作品になるためには、よほどのセンスオブワンダー、演出、伏線、整合性、謎、カタルシス、テーマ性…いろんな要素が必要になってきますので、がんばってほしいところです。

 正直、安っぽい作画、絵柄と演出、世界観が「二ノ国」とか「ゲド戦記」「星を追う子ども」みたいな失敗例を思い起こさせる感じなので、ドキドキしますけど。がんばりすぎて「サクガン」にならないようお願いします。

 二つ名は設定としては、階級社会で労働者は苗字を持たないみたいな設定を真面目にやったんだと思います。同名を区別するために習慣になったのでしょう。家族制度も関係しているのかもしれません。が、「男勝り」はないでしょう。もうちょっと何とかならないんでしょうか?翻訳小説みたいな雰囲気を出したかったんでしょうけど、そういう小技部分とかセリフが全体的にちょっと安っぽいですよね?{/netabare}


2話 テンプレの塊ですが話には引き付けられます。演出…うーん。

{netabare} OPの冒頭、宇宙船ぽいものの動きが妙に引っ掛かりました。どっかで見たことがあるなあと思ったら、ナディアとGガンダムの組み合わせですね。

 という感じであらゆる要素がテンプレ、そして、ひどく子供っぽい感じです。キャラ全員の言動があまりに型にはまりすぎて共感性羞恥発動ぎりぎりです。猫かぶりの娘っぽい狂言回しのサブキャラはあまりに作りすぎで存在自体が恥ずかしいです。

 しかし…しかし、なぜかストーリー自体は面白い…というか引き付けられます。謎のばら撒き、時間軸、世界観に何があるんだろう?という期待感があります。
 SF設定を使ったファンタジー的作品だとは思います。が、ひょっとしたら壮大なSF未来物語の可能性も感じます。こういうのって終わりの方じゃないと判断つかないですからね。その点で構成は上手なんだと思います。ナディア…の冒頭のワクワク感に近いのかもしれません。

 うーん。もし子供向けを意識していないなら、せっかくいい脚本…話と展開なのでもうちょっと大人向けに作って欲しかった。萌えでなくて、真面目系でいいと思います。子供から大人まで見られるサンライズっぽく…といえばいいんでしょうか。惜しいなあ…本当に微妙に惜しい感じがする作品です。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 9
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

元は2クールの予定だったんだろうか

{netabare}
オリアニ作品。
ちょっとサクガン臭がするなぁと思ったけど、本当にそんな感じで終わってしまった。

1話の時点でジブリや進撃の巨人など他作品を髣髴とさせられる雰囲気や設定で、オリアニにも関わらず既視感強め。
2話以降から中盤までは、追ってから逃げる形で旅に出て、ケモミミの種族やヤマビトという種族がいる村を訪問して、巨獣を倒してという流れ。
正直ケモミミやオーク系?の種族というのも、なろう系などで見飽きたキャラ付けで、しかもそこに急遽現れた外敵を倒して感謝される流れというのもなろう系っぽさが合って全く目新しさがなかった。
萌えアニメでもないのでなろう系よりも退屈。
何より「巨獣」とタイトルに冠しておきながら、「巨獣」の特徴も超陳腐。
設定も大してないからなろうの魔物とかと同等だし、おまけにデザインも陳腐。進撃の巨人での巨人のようなインパクトのある存在ではない。

そして、中盤から最終話手前にかけては巨獣すら出てこない始末。
ひたすら、クウミの複製体の所持者との戦闘や、これまたありきたりでつまらない主人公の過去回想など。
巨獣はどこかに行ってしまって、クウミの話にすり替わってしまった。
そんなこんなで研究所の元凶との戦闘を終えて、何もかもをぶん投げた最終回。
ミャアの謎の覚醒、巨獣の謎、なぜか解消されたクウミの寿命問題...色々と意味不明なまま終わってしまった。
最後に謎ゼリフと共にw

中途半端に終わったのは色々都合があったにしても、そこを抜きにしても全く面白くなかった。
ひたすらのテンプレ展開、取り合えず設定詰め込みました感、クソ寒いノリ。
○○の○○みたいな肩書きの言い回しやミャアの喋り方がびっくりするほど寒い。
キャラも特に誰も印象に残らず。
クウミやジイロに関しては掘り下げはあった気がするけど、話の陳腐さが尾を引いた感じかな。
OPとEDだけは良かった。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
OPかっこいい。1枚しか取らないの優しい。指輪伏線か?
思ったより雑魚そうな巨獣。心臓を捧げよ! あっさり撃破w
やっぱり進撃の巨人じゃねーかw うーん。

2話 ☆6
なぎもりとは? 要するにジイロもただの一般人ではないのね。
良くも悪くも王道な設定。
目の前で殺されたのに一切動揺しないおばさんw なるほど。
このおばさん無感情すぎん? ガバガバ警備。
これクソアニメ臭がしてきたんだけど大丈夫か?

3話 ☆4
不法侵入は怪しまれるだろw ミャーも一般人では無いのかよ。
なろう系でもありそうなこの展開の陳腐さどうにかならんの。
ティリ巨獣に襲われてるパターンかと。これは早とちり。
戻ってきてて草。バレたらあかんのちゃうのか。
この村の話今回で終わりでいいよ…。

4話 ☆5
まだこの村に滞在かよ。この槍遠隔操作できるなら売った後に回収すればw
絶妙に興味無い話ばかりやってくれる。
やっぱりテンプレ感強すぎるんだよな。

5話 ☆5
これいつ面白くなるの?
ロードムービー系のオリアニは基本ハズレの法則。二つ名が寒すぎる。
引きこもり宣言。このアニメノリがクソ寒い。
これ主人公が少年だったらなろうだったな。
オソマ? ヤマビト正直どうでもいい。
巨獣ってタイトルの割に全くデザインに独自性がない上行動パターンもこれといって普通なのが微妙なんだよな。久々の巨獣撃退。

6話 ☆5
作画頑張ってんね。クウミ長くないのか。
お前が先に武器出しといてやめろはねーだろw あいつ置いてくのかよw

7話 ☆4
過去回か。ジイロ昔もカンナギ持ってたんか。
まあ、何という無難な過去。Attack on titan
ファザード操られてるのか。

8話 ☆3
巨獣出せよ。この実験安っぽすぎて草生えるからやめろ。
エルフェンリートか? 謎のシーンで作画凝るのやめろw
回想と話あんまり繋がってなくない?
なんで今このタイミングで光を見つけたんだw
なんだろうこの話への入り込めなさは。
掘り下げ不足とかそんな訳では無いんだが。
なんも感情が動かん死亡シーン。

9話 ☆3
これどういう状況? 巨獣じゃなくてクウミの話になってるじゃん。
こいつら切って何になるんや。
ゼンさん切りかかろうとしたのにすぐに仲間になってて草。
生きてりゃなんとでもするw
さっきまでクウミに剣を当てていたやつのセリフでは無い。
咲狂う時間です! 花開くってなんだよw イイハナシダナー

10話 ☆3
あっさりと潜入w なんかシュールで草。急に目的話し出すラスボスさん。
変なやつでてきたw 進撃かな? 寿命あるところまでテンプレ展開ww

11話 ☆3
ここで日常回かよw 寿命問題こんなによく分からん儀式で解決すんのかよw
花開くクウミって何だよ。巨獣要素キターーー。
いや、結局寿命問題解決しないならこの謎装置なんだったんだよw
ここ感動するところ?

12話 ☆1
このアニメ次回ぐらいからは面白くなるかな。
このおばさんに再登場されてもな。お前戦えるんか。誰だよ?
誰だよ。もう何が何だか。この語尾キャラがマジで寒い。語尾は体に悪い。
語尾が無くなった。いや、ミャアって結局何者だよ。訳分からんくて草。
は?w ザクソアニメって感じだな。結局クウミはなんで生きてるん。は?

曲評価(好み)
OP「変幻自在」☆8
ED「名もない花」☆9
10話ED「名もない花 -Piano Ver-」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15

67.6 24 ファンタジーで戦いなアニメランキング24位
ダークギャザリング(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (107)
354人が棚に入れました
霊媒体質の幻燈河螢多朗(げんとうが けいたろう)は、かつて霊障を受け、友人を巻き込んで以来引きこもりに。社会復帰すべく家庭教師を始めたところに、不思議な瞳を持つ少女・寶月夜宵(ほうづき やよい)と出会う。母親を悪霊に連れ去られた夜宵は、手がかりを求め心霊スポットを巡っていた。 強い霊媒体質の夜宵だが霊に避けられており、そのため螢多朗の引き寄せ体質を必要としていた。一方、螢多朗は自分と大切な人の呪いを解くため、霊媒体質に対処できる力をつけることを決意し、二人は協力関係を結ぶことに。 最高にクレイジーな新感覚オカルトホラーがここに開幕!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

京都決戦前に終了…。お化けも呪いも優等性的な道具でしか無い。

 最終話(25話)まで観ました。2024.01.08

 神様と決戦前に終了しました。盛り上がりに欠ける話でした。主人公の夜宵ちゃん、お化けも呪いもシステマチックに戦力として使役します。

 生きている人間ですら、言う事聞かない上に統制取れないのに、調伏したお化けを戦力化できるかなぁ。

 この話、怖さが足りないのは、お化けが銃や戦車なんかの武器でしか無く、主人公達に都合が良すぎる所です。

 そもそも、そんなに聞き分け良いなら最初から化けて出んなや!

 戦力が増える度に反比例して怖く無くなる系の物語でした。
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 22話まで観ました。2023.12.04

 このアニメ、怖いと言うより胸くそ悪い感が強いのは、根本的に人間の尊厳を軽視している所にあります。

 社会の底辺や周縁に追いやられている人間なんて、悪霊の供給源に過ぎないんだよ!とでも言いたいのでしょうか?

 お化けは、酷い目に遭って死んだ人達が中心なんですが、死んだ後も救いが無く、悪霊化して迷惑をかける存在に成り果てるのって、どうなの?

 ヤクザにシャブ漬けにされて殺された女性、水子、花魁、酷い作戦で戦死した兵士、虐待死した少年…。みんな社会の犠牲者じゃん。

 理不尽に殺されたのに、加害者を祟るわけでも無く、悪霊化して人様に忌み嫌われ、社会に迷惑をかける存在になるなんて、人道的にどうなのよ?

 人間側も、夜宵ちゃんみたいなキモイ娘に何とかさせないで、霊能者とかいるなら対応しろよ!人間社会は何のために存在してんだよ!悪霊製造のための器に過ぎないのか?

 学校の怪談とかで喜んでいる小学生向けにしてはグロいし、誰向けに作っているのか疑問なアニメです。

 立て虐げられた者達よ!世界に光あれ!社会改革の努力とかを放棄した世界観は受け入れ難いです。
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 15話まで観ました。2023.10.16

 なるほど!オバケポケモンと言われるのが良く分かりました。捕まえたオバケを召喚して、他のオバケと戦わすんですね。

 今回出てくるトンネルのオバケは、物理攻撃タイプなので、マジでポケモンでした。

 私もポケモンGo をやっているので、アニメ化したら、こんなに非人道的なことをしてるのね…と、思いました。

 今回活躍するポケモンは鬼軍曹…。ただ、太平洋戦争で戦死した兵士なので、没後まだ百年経ってません。八王子城のオバケと同じ扱いにしてはいけません。

 関係者も存命している最近の戦死者を戦わせるのは、かなり不謹慎ですね。悪霊じゃないというフォローはありますが、戦わせて良い理由にはならないような…。

 Fateみたいに、召喚するのは架空の英雄や、大昔の人物にしたほうが良さそうです。何か観るのが凄く面倒になって来ました。

 ハァ〜。ここまで観てしまったからなぁ〜。惰性で観るかなぁ…。これから観る方にはオススメ出来ません。

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 12話まで観ました。2023.09.28

 いやいや…演出が悪いのかオバケが全く怖くありません。せっかく八王子城が舞台なのにね…。

 戦国時代、秀吉の小田原攻めの最中に、関東平定のために送られた前田、上杉連合軍に徹底抗戦して全滅した八王子城ですが、今行っても普通の観光地(城趾)とは思えないほどの不気味さがあります。確かにオバケが出そうです。

 しかし、オバケの怖さの演出が八王子城の怖さに負けています。白装束の女性達が短刀で喉を刺して自決し、滝へ飛び込んでいくシーンがありますが、パチンコ玉じゃないんだから、あんなに射出されるようにピョンピョン飛んで滝壺へ落ちていかんだろ…。ギャグ?

 お経で地獄へ落ちるとか酷くね?しかも、北条氏は関東土着の勢力じゃ無いので、地縛霊になってないで、静岡還れよ…。老婆も走って逃げんなや…近所の徘徊不審者オバァなのか?

 言いたいことは沢山ありますが、現実の有名心霊スポットを使う割にはコミカルなキャラデザもあって、始終ギャグテイストです。

 なんかもう腹いっぱいな感じがします。
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 9話まで観ました。2023.09.04

 段々と強い霊が出てくるのですが、夜宵ちゃんの対霊技術が何に裏付けられているのか不明確なので、ご都合主義的な展開に終始している感じがします。

 他に霊能集団がいたり、師匠がいるわけでもないので、夜宵ちゃんが出来ると言うから出来る的な感じです。

 主人公の神社にいるばーちゃんも、アワアワ言っているだけで役に立ちません。何で出てきたのかな?

 新キャラ登場で、神的な存在まで出てくるまで悪霊のパワーが上がっていますが、技術的裏付けがないので説得力も怖さもありません。

 怪奇モノにはご都合主義的な展開がつきものですが、この煮えきらなさは、何とかした方が良いかなぁと思います。
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 5話まで観ました。2023.08.09

 霊が相手だけに、誰かが死なないと話が進みません。この辺の塩梅が怪奇ものは難しい所です。

 単純に霊を集めたいなら、大虐殺があったアウシュヴィッツやカチンの森へ行くとか、ウクライナ戦争やアフリカの紛争地域に行くとか、ワグネルに参加するとかで良くね?

 何も平和な日本で集めなくても…。幽霊居すぎで、一般社会に影響あり過ぎ問題発生中ですねぇ…。

 平和だから怪奇現象を楽しめるのであって、単なる非日常の世界に突入じゃぁ、好きにしてくださいという感想しかありません。

 結局、いつもの子供騙しホラーでした。
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 1話観てのレビューです。2023.07.10

 都内H市の心霊スポットに、幼女を筆頭にした不気味な3人組がアタックだ!幼女の武器は変なぬいぐるみとバールだ!

 1話から、中々盛り上がりそうな謎が散りばめられております。怪奇の描写もなかなか怖いです。

 幼女のキャラデザがわりとコミカルなので、ギャグ調かと思ったら、そうでもありません。

 ヒロインが実は常識人では無いと言うのも、ギャグなのか、ホラーなのかまだ良く分かりません。今の所、不気味さ先行です。

 都内H市の最恐心霊スポットは、八王子城だろ!とツッコミつつ、視聴継続です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

少年マンガ的で面白く感じなくなったので無理せず断念。

 ちょっと昔の少年マンガ的作りで、私の好みではありませんでした。ただ、まあ冒頭2話くらいまでの作りは悪くなかったので、この仕込みが何かの種まきなら、それほど子供っぽくない要素もありそうな気もします。

 が、まあ、面白く感じないのに無理に続けるのは、SFだけにしておきます。本作は一旦断念で。




2話 地蔵と受精がいい掴みでした。シリアスでダークな絵柄なら良かったのに…

{netabare} 日本では、地蔵菩薩は子供好きで子供の味方のようなイメージがあると思います。また、地蔵信仰は道祖神信仰と合わさっています。で、この道祖神というのは村や集落を守る土地や境界の神らしくその地域の風習に基づく祈り方があって、よそ者が間違えて祈ると恐ろしいというイメージがあります。そのお地蔵さまをバールのようなモノで破壊しているのが子どもというのが、なかなかな雰囲気のスタートです。
 地蔵が恐らくキーポイントになるのでしょう。

 1話冒頭の入学式のシーンで心が折れかかりますけどね。作画というよりもキャラデザはなんとかならないのでしょうか?主人公が中学生にしか見えません。で、ホラーの内容も思っていたより都市伝説っぽくて、あれ?期待外れだった?と思っていたら、夜宵ちゃんの過去の事件です。

 なにか母胎に受精のイメージが重なってましたね。で、冒頭の地蔵のシーンと地蔵+αが何かのお守りになるみたいですから、何かその辺にテーマがありそうです。αの部分は女性の身に着けるものとかそういう縛りがあるんでしょうか?
(追記 地蔵菩薩のWIKIを見たら>
 『サンスクリット語では「クシティガルバ」。クシティは「大地」、ガルバは「胎内」「子宮」の意味で、意訳して「地蔵」としている。』
 とありますので、女性、母、受精などの関係はありそうですね。)

 で、2話は地蔵関係ないんかい!と思いましたが、登場人物の説明回で3話くらいは使うでしょうから、4話までは見たいですね。詠子の設定が楽しみです。
 にしても、あの神経という設定…うーん、独自設定はいいんですけど、あまりメジャーなオカルトから離れすぎると、設定の説明だけ聞かされて解決のときポカーンとなってしまいますので、これだけにしてほしいです。

 狭義の霊を題材にするホラーというのは新奇性を出すのが難しいカテゴリーかなと思いますが新しい作品が結構でます。その中では今のところ掴みはOKですね。

 最大の不満はキャラデザの幼さというか絵のチューニングです。もう少し人物のリアリティ度を上げるだけで、かなり雰囲気が出るし見やすくなると思うのですが…というか、コミックスの作画をネット検索したら、ちゃんといい雰囲気になっているのになぜアニメはこうなった???{/netabare}


3話 思っていたより単調かなあ…「怖さ」はいいですけど。

{netabare}  水子供養とか鬼子母神についてはいろいろ言いたい事はありますが、それは設定の問題なので脇に置きましょう。そして水子というのは、消えた母親の時の胎児+受精っぽい絵とはつながる気がするので、そこもいいとします。

 ただ、オカルトが単調かな…1話の地蔵、2話の人形とか3話の水子は子供に関わる感じもあるし、人型(ヒトガタ)ということで、その辺の統一感はあるのですが、人形にしても水子にしても「恐ろしさ」と「その本来的な意味」に関して深掘りがないのでいわゆる怖い話レベルでとどまっている気がします。

 今後、地蔵、人形、水子という流れと母にまつわる話がちゃんと進むかどうかですね。それと主人公の右手の話ですか。
 ただ、ホラーとしての恐ろしさが、3話を見た限りヤヨイとエイコの顔芸で終わっている気もします。まあ、それと絵ですけどキャラ造形が幼いのでそこの効果も薄いです。要するに全体的に子供っぽい怖さです。所詮はジャンプ…というレベルなんでしょうか?それでは面白くありません。

 怖さを顔芸でなく話で出していけるかどいうか。そして、幹になるストーリーがちゃんと進むかどうかがポイントでしょう。
 引き延ばしっぽく、寄り道が多かったり、新キャラ増えすぎたら切るかもしれません。 {/netabare}


5話 話それ自体は悪くない気がするんですけど…演出?作画?何か惜しい…

 4話も5話も霊それ自体の話は悪くないんですけど…怖さがイマイチなのと解決をもう少しパターン化した方がいいかもしれません。
 4話の霊の退治の仕方、がんばって話を作ったのはいいんですけど、夜宵の能力が全然見えてこないので話で説明されて解決したような感じで爽快感がありません。
 キャラを理解するために、その辺もうちょっと能力を見せるというか定義する工夫が欲しいです。1話からずっと感じていた違和感はそこが大きいかも。だから、何をやっているのか置いてけぼり感があります。

 それとコメディパートとシリアスのバランスがイマイチかなあ。詠子のキャラの普段とダークのギャップはわかりますが、普段パートがギャグに寄りすぎていて詠子もキャラが見えてこないです。
 作画というか崩し方も極端だし。もっと、作画と雰囲気はシリアスよりにしてギャグをやった方が、面白さと怖さの両面をもつような演出になるのになあと思いました。(故楳図かずお氏とか伊藤潤二氏とかみたいな)

 それとやっぱり個々の霊の話に終始して、本筋がおろそかですねえ。連載漫画なら仕方ないですが、アニメはもうちょっと構成を考えて欲しいかな。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7

ヘンゼル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ホラーだけどホラー以外の要素が面白かった

まさかの全24話の2クールアニメ。
その分内容はボリューミーで中々に面白い作品だと感じました!
原作は一応1話だけはお試しで読んでみたんですが、アニメの方がグロさ多めでグロもある程度観れる自分にはアニメの方が合ってるかなーと思いました。

純粋にホラーをテーマにしている作品は自分の観てきた作品の中では「学校の怪談」や「怪談レストラン」など、もう15年以上前の作品ですし正直最近は伊藤潤二の「コレクション」ぐらいですかね。
ですがアニメのホラーってどうしてもあまり怖くならないものが多くて、怖いものをどうせ観るなら私はアニメより実写を見がちです。

本作も例外なくそこまで恐怖成分を含んだものになっていなくて、ホラーの中でもヒトコワを扱った「サイコホラー」の類に入るような作品かなと感じました。

ネタバレしますと本作の中でえぐい話だなと思ったのは「肉団子の少年の怪」ですかね。
結構流血表現も多めに出てきますし、幽霊の生前の壮絶な過去話が思わず耳を塞ぎたくなるような内容でした。

純粋に妖怪物を楽しみたければ上記に挙げた「学校の怪談」や「怪談レストラン」、もしくは「地獄先生ぬ~べ~」の方がおすすめです。
ぬ~べ~は30年ぐらい前のアニメという事もあって扇情的なシーンも多いですが、ホラーとしてもちゃんと楽しめる作品になっているので。
私の特に好きな回は「ブキミちゃん」です。

本作はホラーとしては正直物足りないなとは感じますが、それ以外の要素1つ1つはとても面白いなと思いました。
幽霊を集めて最強の幽霊を作ろうとしたり、幽霊を従えてバトルさせたり、心霊スポットの幽霊を捕まえて仲間にしたり、といった普通のホラー作品にはあり得ない展開が沢山出てきます。
私は見事にクセになってしまいましたね。そういう展開が。

ですが物語の冒頭はイマイチですかね。
本作の中心人物である小学生の女の子がいるんですが、本作の冒頭の視点が何故か霊感持ちの男子大学生なんですよね。
だから主人公はその男の子なのかなと思っていましたが、物語が進むにつれて「小学生の女の子の方が主役じゃん!」ってなりました。
男はホラー作品ではお約束の怖がり要員で、主役として観ていたから気づく前はイライラしながら観ていましたよ。

あとは、その男の子とその幼馴染の女の子が持つ霊障を解決する話がおざなりになっているような気がします。
こちらは原作買ってみようと思います。続きが楽しみですね。

というわけで本作の総評として、ホラーと言えどホラーじゃない。グロ多めのサイコホラーじみたポ〇モンアニメといったところでしょうか。
気になった方はぜひ観てみては。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

59.8 25 ファンタジーで戦いなアニメランキング25位
結婚指輪物語(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (91)
271人が棚に入れました
月刊「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて大好評連載中のめいびいによる漫画『結婚指輪物語』。累計部数130万部(電子書籍含む)の人気作がいよいよアニメ化! どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。 告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと突然の別れを告げられてしまう。 恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。 ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。 サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。 さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!? 5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる――!

声優・キャラクター
サトウ:佐藤元
ヒメ:鬼頭明里
ネフリティス:島袋美由利
グラナート:上田瞳
サフィール:加隈亜衣
アンバル:小松未可子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

俺は5人の姫と結婚する。世界を、そして好きな人を守るために。

この作品の原作は未読ですが、あかりんが出演すると知り視聴を決めた作品です。
この作品も後にくまちゃんやみかこしが出演するという嬉しいさぷらいずあありましたけれど^^


どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。
告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと
突然の別れを告げられてしまう。

恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。

ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。
サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。
さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!?

5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる ― !


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回は声優さんの起用方法に新鮮さを感じた気がします。
まずくまちゃん。
くまちゃんが演じたのは5人の姫の一人である竜人族のサフィール。
結構飄々とした感じのキャラなんですよね。

くまちゃんといえば、同じく2024年冬アニメで放送されていた「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。」のネフェルティマみたいなほんわかした感じのキャラが声質ともマッチしていて似合うと個人的には思っています。
そんな感じのキャラがすっかり私の中で定着していたのでこんな風に感じたんだと思います。

そしてみかこし。
今回みかこしが演じたのは「アンバル」という表情の読みにくい女の子です。
みかこしも気持ちを前面に出しているキャラを演じる機会が多いオメージがあったから…
まぁ、私個人がこう思っても、皆さん役にはしっかりハマっているんですけどね^^;

さて、この作品は公式サイトのトップページで堂々と「ハーレム宣言」していましたよね。
しかも各国のお姫様ばかりを5人も…

ハーレムなんて羨ましい展開…と思いましたが、よく考えてみると日本にも昔「側室制度」があったので、所謂ハーレム状態というのは日本でも昔から存在していたんですよね。
しかも、昔は天皇にも側室制度があったそうです。
だったら現代の様な継承問題も起こらない訳です。

現代の日本では法律で規制されていますが、それでも妾の風習は残りました。
さて、今でも妾の方は現存するんでしょうか…

この作品の主人公であるサトウ…は結局苗字しか分かりませんでしたが、大好きな女の子を追って異世界に行き、そこで指輪王となりました。

ですが、不思議な点が幾つかあります。
まずサトウが指輪王となったのは指輪をお姫さまから指輪を受け取ったからですが、他の4人の姫の誰かが別な男性に指輪を先に渡していたら、サトウは指輪王になれなかったのでしょうか。
となると、渡す順番で決まってしまうことになりますが、そんな簡単で良いのでしょうか。

それとも、指輪王としてもっと資質の高い人が後から現れたら、指輪王の権利はそちらに委譲されたりするのかな。
だて、深淵王とかいうとんでも無い相手を倒さなきゃなんですよ。
指輪だって少しでも条件の良い人になって貰いたいと思ってもおかしくはないと思うんですけどね。

指輪の力をもっと引き出すには姫たちとの絆が不可欠だと言っていました。
そんなに指輪王候補をコロコロ変えたんじゃ、姫たちとの絆も深まらないか…
そう、指輪王が何でサトウ…?
という点に疑問を持たなければ割と普通に視聴できる作品だと思います。

そして、後はどの姫を推して視聴するか…ですよね。
個人的にはエルフ族のネフリティスかなぁ…と思って視聴していましたが、姫の中で一番最後に登場したアンバルが気になる存在っぽいと思いました。
まだ少ししか出てきていないので確信は持てませんけれど。

そう、ラスボス的なタイミングで登場したのは、とみたんですたね。
この展開を見た瞬間、続編無きゃ嘘でしょ…って思いましたよ^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Sizukさんによる「Lover’s Eye」
エンディングテーマは、AliAさんによる「ココロノナカ」

1クール全12話の物語でした。
この作品も既に第2期の制作が発表されました。
今期って続編制作される作品が多くありませんか?
他の作品も是非チェックしてみようと思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

うーん、ハーレムが好きで見たのですが… ハーレム物として失格。ハズレです

1話感想 3.3 うーん、ハーレムを作る主人公は嫌いじゃないのですが…

何でしょうね?
基本的には悪くないんですよ。
異世界転移してハーレムで、というのはまあ全然普通ですし、そういう話は大好きです。

ヒロインはなかなか可愛いと思いました。
では申し分ないはずなのですが… うーん?
主人公がいまいち気に入らなかったかなぁ。

なんとなく煮えきらないというか…。
何でしょうね。いや本当に悪い、という程でもないのですが。

調子に乗っている、という程でもないですし…。
うーん、主人公の見た目かな? あまり格好良くは無いですが。
何だろう。まあ幼馴染でずっと好きで、そこはガツンといけよ、というところで煮えきらない、という感じがやっぱり何だこいつ、感があったのかな。
そういう部分で主人公を一発で好きにはなれませんでした。

主人公に都合の良い話しは主人公を好きになれないと残念になるんですよね。

作画はそこまで綺麗ではないですね。ただちょっとエッチな所は良かったです。
そこまで気に入ったわけでは無いですが好きなタイプの話しなので見たいとは思っています。
本数次第で諦めます。

全話感想 
まあ「ちょっとエッチ」と「ハーレム」を目当てに最後まで見ました。
結論としては… 残念ですね。おすすめできるハーレムものではありません。
良いハーレムものとは何か。
それはヒロイン全員を愛することです。
この主人公、5人の嫁と結婚しなきゃならん設定なのに、一人の本命が居るんですよ。
ちょっとないですね。
ハーレム主人公たる者、ハーレムメンバー全員を愛することは必要最低限です。
残念ながら良いハーレムモノではありません。失格です。

ハーレムものの良いところは、ヒロインを不幸にしない点にあるのです。
ヒロインを1人だけ選ぶと、選ばれなかった他のヒロインは不幸になってしまいます。
じゃあ選ばれなかったヒロインには別の男をあてがえば良いかというと、オタクってのはそういうのが大嫌いでしてね…。じゃあヒロイン全員を幸せにしようと思ったら、ハーレムしか無いじゃん、となるわけです。
皆愛して皆幸せ。めでたしめでたしです。

しかし本作では本命ヒロインがはっきりしていて、全員幸せにできないんだったらハーレムものにするんじゃねぇって話ですよ。
なんだかなぁ。わかってねぇなあ。

ストーリーもきっちり一期で締めずに続くような作りで… いや続きは原作で、と言いたいのでしょうが、微妙にしか思えません。

まあハーレムが好きだからと、わざわざ見たけれどいまいち報われなかった感じですね。残念です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ポルノとしての価値しか無いモノを地上波で放映する意味は?

 最終話(12話)まで観ました。2024.03.27

 深淵王倒せないのか…。で、2期に続くと…。ハーレム完成しているのに次は何をするのかな?

 ハーレムものと、世界を救う勇者の物語は、相性が悪いですね。男と女のイチャイチャ話は構造的に世間から隔離されているため、外界の情勢と連携できません。

 恋愛において、外部の都合は雑音でしか無いので、ハラハラする冒険譚を上手く作るには相当な技量が必要な様です。結局、セカイ系になって、物語が破綻します。

 本作品も、主人公達だけ撤退していますが、命懸けで深淵王と戦っていた味方の戦士達はどうなったの?置き去りで全滅かな?

 ハーレム外の敵味方の動静を描かけていませんし、描く気も無い様です。

 1期を観る限り、ポルノ的なハーレム物語と、異世界冒険ファンタジーの良いとこ取りをしようとして、上手く消化出来ていない失敗作としか評価出来ません。

 2期で挽回出来るか期待しています。今期のHIGH CARD、ノアールと、1期が駄目なら2期も駄目な感じだったので、ジンクスを破って欲しいです。
……………………………………………………………………… 

 6話まで観ました。2024.02.11

 異世界ハーレムものですが、地上波では規制が厳しいので、中途半端です。

 この手の話は、色んな種族の女とヤリまくりたいというポルノ的な価値しか無いので、湯気や謎の光の邪魔があってはいけません。

 スマホ太郎もそうですが、ハーレム要員を連れ回る話は、女性達を人格のある存在として描き難いので、物語としても面白くありません。

 無理なくハーレムを成立させるには、大奥や後宮の様に女性達を社会から切り離す、もしくは源氏物語の様に妻のもとへ男が通うスタイルで、女性達の横のつながりや社会との関係を生じさせない様にしないといけません。

 珍ポは一本しか無く、無限発射出来ない以上、取り合いもしないで強制や規制もないのに男の都合のよい時に股を開いて待っている女性達など、非現実の妄想ポルノでしかありません。

 ワザワザアニメ化しなくても、原作をポルノとして楽しんでいれば良かったんじゃね?としか思えません。もしくはOVAや18禁ネット配信専用とかで公開するとか、やりようは色々ありそうです。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3
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