ドMで変態なおすすめアニメランキング 7

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早速見ていきましょう!

90.3 1 ドMで変態なアニメランキング1位
この素晴らしい世界に祝福を!(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3267)
15637人が棚に入れました
ゲームをこよなく愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)の人生は、交通事故(!?)によりあっけなく幕を閉じた……はずだった。
だが、目を覚ますと女神を名乗る美少女・アクアは告げる。

「ねぇ、ちょっといい話があるんだけど。異世界に行かない? 1つだけあなたの好きなものを持って行っていいわよ」
「……じゃあ、あんたで」

RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!
……と舞い上がったのも束の間、異世界に転生したカズマの目下緊急の難問は、
なんと生活費の工面だった!

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、諏訪彩花、安元洋貴、江口拓也、堀江由衣
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

このすご!

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「この凄く楽しい作品に祝福を!」

略して

「このすご!」

はい、感想タイトル通りこの作品、すご〜く楽しかった。
うん、めちゃくちゃ楽しかったです。

第1話からぐいぐい引き込まれちゃって10話があっという
間でした。

もの凄〜く簡単なあらすじとしては、
ひょんな事故?(事故なのかどうかわかりませんが…
とってもバカバカしいです…いきなり笑えました)
で亡くなった主人公が天界で出会った女神に異世界で
魔王を倒したら1つだけ望みが叶えられると持ちかけられ、
次々と加わる仲間と共に異世界で起こる出来事を乗り越え
ていくドタバタギャグコメディかな。

私はこの作品は全くの前知識を持たずに見たので

「この素晴らしい世界に祝福を!」

というタイトルに何故か、
「これ絶対感動する作品だ」、「泣けちゃう作品だ」
と思って見てしまったので、第1話での私の勝手な作品への
思い込みとのギャプが凄いでした。
このギャプがある意味「はたらく魔王さま」と似た感じが
あって凄く嬉しかったかな。

RPGの様な世界でおバカなキャラがワイワイガヤガヤ。

作品の世界観やキャラ設定は今までの作品でもありがちと
言えばありがちみたいな作品なんだけど、こういう世界観
の作品で細かいツッコミとネタで最後まで笑えるのが凄く
なんだか新鮮な感じがしました。

キャラデは私的には「おっー!」って思うほど綺麗でも
可愛いくも無く逆に崩れてない?って思う時もあるけれど
基本ギャグ路線なので逆にそこが良かったりする感じ。

妙に合ってたりして…

お話が進むに連れてキャラの設定やおバカな世界観に
マッチした楽しい雰囲気に溶け込んでいく感じが不思議。
だんだんキャラが可愛くなって愛おしくなっちゃう感じ。
そんなデザインです。

ゲームとかあまり分からない私にもRPGの世界ってこんな
感じなんだなぁって、楽しみながら理解出来るのが嬉しい
ですね。

制作は「地獄少女」「Fate/stay night」「ひぐらしのなく
頃に」「薄桜鬼」「昭和元禄落語心中」などなど人気作の
多いスタジオディーンさん。

監督はアニメーターで「これはゾンビですか?」「東京レ
イヴンズ」「ルパン三世 princess of the breeze 〜隠され
た空中都市〜」などで監督を務めた金崎貴臣さん。

そしてシリーズ構成・脚本に上江洲誠さん。
もう私でも知っている方なので有名ですね。
「瀬戸の花嫁」「刀語」「宇宙兄弟」「結城友奈は勇者で
ある」「暗殺教室」「アルスラーン戦記」などなど、
私的には「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」が
最近では1番印象的な脚本家さんです。

声優さんでは私の最近視聴した作品の中では久しぶりに
雨宮天さんが出演されていたのが嬉しかったかな。
この雨宮さんのアクアの演技が楽しくて可愛くて。

茅野愛衣、堀江由衣さんは言うまでもなく、「俺ガイル」
のヒッキーこと江口拓也さん、「アルペジオ」刑部蒔絵
ちゃん役の原紗友里さんなど意外におっ!って思っちゃう
役者さんが楽しいです。

そしてそして何と言っても昨年あたりから活躍が目覚ましい
めぐみん役の高橋李依さん。
がっこうぐらし!の直樹美紀、それが声優の一ノ瀬双葉、
乱歩奇譚 Game of Laplaceのコバヤシなどなど主役、
準主役級に多数抜擢。
今年も当作品のめぐみんをはじめ魔法つかいプリキュア!
でも主人公:朝日奈みらいを演じるなどこれから凄く楽しみ
な声優さんなんです。
今年の3月に行われた第10回声優アワードで新人女優賞を
上坂すみれさん、田中あいみさんらと共に受賞。
私的にこれから要チェックな声優さんです。

オープニングテーマ「fantastic dreamer」を歌うのは
ホリプロで田所あずささんと同期のMachicoさん。
アップテンポな曲が楽しいオープニングアニメーションと
マッチしていて、見る前からワクワクさせてくれます。
オープニングの途中でお話しのタイトルが出るのもなんだ
か斬新でいいですね。

エンディングテーマ「ちいさな冒険者」を歌うのは
アクア:雨宮天さん、めぐみん:高橋李依さん、ダクネス:
茅野愛衣さんのヒロイン3人。
凄〜くのんびりした曲でいっぱい笑った後にこの曲を聴く
ととっても癒されます。
一回リセットしてまた新たな楽しみがあるみたいな。
最後は「ほけっー」とした気持ちにさせてくれるのが嬉し
いですね。
劇中でのBGMもシーンに合わせての細かい演出がとっても
ストーリーの魅力をアップしてくれてたと思います。

全10話で軽く笑えながら最後まで視聴出来ますので興味の
ある方は第1話だけでも視聴して欲しいな。
ハマる方は第1話でいきなりハマっちゃうと思います♪

私のハートを鷲掴みにした逸品。
早速、2期も決まっているみたい。
楽しみです♪


・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:


【作品DATE】
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《staff》
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原作 - 暁なつめ
原作イラスト - 三嶋くろね
監督 - 金崎貴臣
助監督 - 吉田俊司
シリーズ構成 - 上江洲誠
キャラクターデザイン - 菊田幸一
美術監督 - 三宅昌和
美術設定 - 藤井一志
セットデザイン - 青木智由紀(第6話 - )
色彩設計 - 吉田沙織
撮影監督 - 浜尾繁光
3D監督 - 今垣佳奈
編集 - 木村佳史子
音響監督 - 岩浪美和
音楽 - 甲田雅人
音楽制作 - 日本コロムビア
アニメーション制作 - スタジオディーン
製作 - このすば製作委員会
放送局 - TOKYO MX、BS11ほか
放送期間 - 2016年1月 - 3月
話数 - 全10話
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《cast》
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佐藤和真(サトウ カズマ) - 福島潤
アクア - 雨宮天
めぐみん - 高橋李依
ダクネス - 茅野愛衣
ウィズ - 堀江由衣
クリス - 諏訪彩花
ルナ - 原紗友里
荒らくれ者 - 稲田徹
デュラハン - 安元洋貴
ミツルギ - 江口拓也
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《songs》
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オープニングテーマ
「fantastic dreamer」
作詞・作曲・編曲 - 園田智也 / 歌 - Machico
第1話ではエンディングテーマ。
第10話では挿入歌として使用。

エンディングテーマ
「ちいさな冒険者」
(第2話 - 第10話)
作詞・作曲・編曲 - 佐藤良成 /
歌 - アクア(雨宮天)、めぐみん(高橋李依)、ダクネス
(茅野愛衣)
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【mio's café】
ここからはネタばれですので
視聴済みの方だけ見てね♪

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もう1話目からスっごく笑っちゃいました。

このお話し、ストーリー云々よりもキャラの魅力、セリフ
の魅力が8割方を占める作品だったかなって感じ。

カズマの死に方の滑稽さもさることながら、
(医者にも親にも笑われながら亡くなるって…
ある意味幸せ?)
女神・アクアの毒舌能天気ポンコツキャラに一目惚れ♡
私、こういうキャラやっぱり好き。
雨宮さんの演技が凄くいいですね。
声を聞いてるだけでウキウキしちゃう感じ。
声にならない絶叫してるところとかもう…

カズマCV:福島潤さんとの絡みが最高。
会話の間とテンポが凄く良くて笑いが止まりません。
変わり者が多いとされるアクシズ教の御神体。
変な意味で恐れられているのがなんとも…
職業はアークプリースト(上級職)で強気の発言でわがまま。

でも駄女神呼ばわりして突き放すカズマに最後は
必ずすがってしまうかまってちゃんぷりも可愛い。
誰かに似てるなって思ったら強気でワガママな性格と
スタイルバツグンで青くて長いロングの髪。
そうアルペジオのタカオちゃんだぁって思ったの私だけ?
タカオちゃんよりもっとポンコツキャラなんだけど…。
そんな2人の絡みだけでも充分楽しいのにこの2人に割って
入る様に登場しためぐみん。

凄いですね、魔法の威力もさることながらこのキャラの
魅力の破壊力。
魔法能力が高いと言われる紅魔族の中でもトップクラスの
実力を持つ天才魔法使い。
爆発系最上級魔法「爆裂魔法」の使い手で職業は
アークウィザード(上級職)。

「爆裂魔法しか愛せない」

なんとも…

1日1発しか撃てない「爆裂魔法」への愛情はただならぬ
ものがあり、中二恋のあのキャラを彷彿させる中二病ぷり
にさらにおバカ値を+10足した様ななんとも言えない
愛すべきキャラ。

登場した第2話からいきなり爆裂魔法を使った後動けなく
なってパタリ…。
「ヤバイです。喰われます。」
「すみません、ちょっと助けて…うっ、くぱっ…」
ってカエルに食べられるし、
「カエルの中って臭いけどいい感じに温いんですね。」
とか凄く笑っちゃいました。
って言うかセリフの1つ1つとキャラの表情、高橋李依さん
の演技がとても楽しくて笑いが止まりません。

これこそ、エクスプロージョン!

こんな3人にこれでもかととどめを刺す様に加わったのが
職業クルセイダー(上級職)でありながら、皆の盾になる事を
異様に好むドMの騎士、ダクネス。

最初は見た目と裏腹なそのキャラクターに目を奪われちゃ
ったけど途中からはちょっとドMキャラに飽きた感じも
したかな?
でも茅野愛衣さんの演技がアドリブも含めて本当楽しい!
デュラハンとの戦い、最終話での役所とても楽しかっ
た。彼女が高貴な貴族の娘っていうギャップも良かったで
すね。

そして後半で登場のウィズ。
堀江さんの演技もさることながら、そのキャラが私的には
結構ツボでした。
えーっと、なんだっけこのアクアとウィズの絡み、どっか
で見た事あるなぁって思ったら、ハルヒとみくるちゃんの
絡みみたいだぁって思っちゃった。
弄られまくり…。
過去の出逢いのお話をすっ飛ばしての登場だったから
??ってなっちゃう部分があったけど楽しかったです。

10話のバトルシーンなんだか凄くカッコ良く見えちゃう
不思議。
ウィズとめぐみんのダブル爆裂魔法!
バトルの途中で初めてOPが流れる王道的な演出や作画も
これが最後だと言わんばかりに気合いが入っている様に
見えたのはエクスプロージョン効果でしょうか…
初の1日2発目の爆裂魔法。

「エクスプロージョン!」

この作品を通して見てやっぱりギャグ、コメディのアニメ
ってテンポと間が凄く大事なんだなぁって思いました。
そしてこれだけの魅力的な女性キャラの中で空気にならな
かったカズマのキャラ立ち。

私の中ではカズマが「MVP」です。

まさに彼がこの作品の監督であるかの様に周りにいる魅力
的な女性キャラクターを上手く使って演出した様にも感じ
ました。
プレイイングマネージャーって感じ?

上げるところは上げる、落とすところは落とす。
毒舌で弄りながらも周りのキャラクターの魅力をアップ
させ、自身の存在感もさりげなく主張するツッコミが
楽しかったです。

そして助演男優賞はデュラハン‼︎
いいですねー!
特に私が好きなセリフが「きっちぃー!」です♪
アドリブのエピソードを聞いて思わず笑っちゃいました^ ^

2期もカズマを中心としたドタバタ、楽しみにしています♪
{/netabare}


【おまけ】
やっぱりこの作品の魅力大半ははおバカ?なセリフ数々。
名言?迷言⁇
2期放送開始を記念して言葉だけでもシーンが蘇る私の
お気に入りのセリフをピックアップ!
お気に入りといってもどのセリフも楽しいからいっぱいに
なっちゃったw
セリフを忠実に抜き出すのって大変ですね。でもこのすば
もう1回じっくり見れて楽しかった♪
かなり長いのでお時間と興味のある方は見てね♪
とりあえず5話まで。


{netabare}
(第1話)
{netabare}
カズマ「は?じゃあ何?俺の死因はトラクターに耕された
ってこと?」
アクア「いいえ。ショック死ですけど。トラックに轢かれ
たと勘違いして。」
カ「ショック死〜!」
ア「プッ!あっははははぁ、あははははぁ!
あたし長くやってきたけど、こんな珍しい死に方したのは
あなたが初めてよ。プークスクスクスクス!」
カ「初対面でなんだろう…この子…。」
ア「あなたは轢かれそうになった恐怖で失禁!
気を失い近くの病院に搬送。医者や看護師に笑われながら
心臓麻痺ぃ!」
カ「やめろぉぉぉ!聞きたくない!聞きたくない!
聞きたくなぁぁぁーい!」
ア「あなたの家族が病院に駆けつけ、その死因に家族さえ
も思わず吹き出し…。」
カ「あーやめて!やめてぇーーーへぇっーー!」
ア「さて、私のストレス発散はこのくらいにしておいてぇ…♡」
カ「コイツ…。」

*これだけのセリフで私のハートは鷲掴み!
このやりとりだけで視聴決定したと言っても過言ではない
ですね。
特に「プークスクス」が最高でしたw

ア「その世界は長く続いた平和が魔王の群勢によって
脅かされていた!
人々が築き上げてきた生活は魔物に蹂躙され、魔王軍の
無慈悲な略奪と殺戮に皆怯えて暮らしていたぁはぁっ!
いたぁはぁっ!」

ア「副作用として運が悪いとパァになるかもだけれど、
だからあとは凄い装備か能力を選ぶだけね。」
カ「今重大な事が聞こえたんだけどぉ、パァがなんだって
ぇ?」
ア「言ってない♡」
カ「言ったろ」

ア「ねぇ〜早くしてぇ、どうせ何しても一緒よっ。
引きこもりのゲームオタクに期待はしてないからっ。」

カ「コ、コイツ〜。ちょっとばっかり可愛からって調子に
乗りやがってぇ〜っ!」

ア「うっ、嘘でしょ!いやいやいやぁ〜っ!
ちょっと、あの…お、おかしいからぁ!女神を連れてく
なんて反則だからぁ〜。無効でしょ〜こんなの無効よねぇ
ー!待ってぇ!待ってへへぇぇぇぇぇ〜。」

カ「ふふふふふっ、散々馬鹿にしてた男に一緒に連れて
いかれるってどんな気持ちダァ?
あっははははぁ、あんたは俺が持っていく物に指定された
んだぁ。女神ならその神パワーとかでせいぜい俺を楽させ
てくれよぉ!」
ア「いやはぁぁぁぁー!
こんな男と異世界行きなんて、いやはぁぁぁぁーっ!」

カ「さようなら、引きこもり生活!
こんにちは、異世界!」

カ「見ろよこの格好。ジャージだよ。せっかくの
ファンタジー世界なのにジャージ一丁ですわぁ〜。
ここは必要最低限の装備…」
ア「あゔぇぇへっへっ…あゔぇぇへっへっへっー」
ーPAUSEー
「あゔぇぇへっへっ…あゔぇぇへっへっへっー」


ア「なっ、ゲームオタクの引きこもりだったはずなのに
何故こんなに頼もしいの?」

ア「女神なのよ、そんな下々のことイチイチ知るわけ無い
でしょ。」
カ「コイツ使えねー。」

ア「あっ、待って!こんなに出来る男の感じなのになんで
彼女も友人もいない引きこもりのオタクだったの?
なんで毎日閉じこもってヒキニートなんかやってたの?」
カ「ヒキニートはやめろ。クソビッチ!
引き篭もりとニートを足ぁすな!」

ア「いきなり頼り甲斐が無くなったわねぇ。
まぁしょうがないわね、ヒキニートだもんね。」
カ「ヒキニート言うな。」

ア「そこのプリーストよ!宗派を言いなさい!私はアクア。
そう、アクシズ教団の崇める御神体、女神アクアよぉ!
汝!もし私の信者ならば……お金を貸してくれると助かり
ますっ!」
プリースト「エリス教徒なんですが。」
ア「なゔぁっっ…!」
カ「なぁっっ…!」

ア「えふっふふふふ…。女神だって信じてもらえなかった
んですけど…。
ついでに言うとエリスは私の後輩の女神なんですけど…。
私後輩の女神の信者の人に同情されてお金貰っちゃったん
ですけどぉ……。」
カ「おっ…おうぅ…。」

カ「そういうイベントは俺に起こるんじゃぁ?」
ア「さぁ、今日から冒険者生活よぉ!カズマ!」
カ「お前心底嫌がってただろ。」
ア「そうだったかしら♡?」

カ「って、ちがーーーう!」
{/netabare}

(第2話)
{netabare}
カ「最低賃金?労働基準法?なにそれおいしいの?」

カ「あーーーっ!助けてくれアクア〜!ふぁっ!ふぁっ!
助けてくれ、うわっ!」
ア「プークスクス、ヤァばい!ちょーウケるんですけど!
カズマったら顔真っ赤で涙目でちょー必死なんですけどぉ
ぉぉ!」
カ「あいつ後で埋めて帰ろう!」
ア「助けてあげるわよヒキニート、そのかわり明日からは
崇めなさい!」

カ「喰われてんじゃねーーー!」
ア「うぇっっ…うっうっう…。
あっ、ありがとうカジュマー…ありがとぅ、ありがとうね
ーーーうぇっっへっへっへっへ…」
カ「生グセーーー!」

ア「私はもう汚されてしまたわぁ…。
今の汚れた私をアクシズ教徒が見たら信仰心なんてダダ下
がりよぉー!これでカエル相手に引き下がったとか知れた
ら美しくも麗しいアクア様の名が廃るわぁー。」
カ「日頃大喜びでおっさん達と汗まみれになって、風呂上
がりの晩飯と酒を何よりも楽しみにし、馬小屋で涎垂らし
て寝ている奴が汚されたとか今更…。」

ア「ウゥゥァァァァァーーーーーーーー!
神の力思い知れっ!私の前に立ち塞がった事、そして神に
牙を剥いた事、地獄で後悔しながら懺悔なさいっ!
ゴッドブロオオォーー!」
カ「おおぉっ!」
ア「ゴッドブローとは女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の
拳っ!相手は死ぬっ!」
ア「クッ…。カエルってよく見ると可愛いと思うの〜♡
キャッ!」

ア「このあたしがいるんだがらながまなぁ…。」
カ「飲み込めー!飲み込んでから喋れ。」
ア「んっんっ、プハァーー!わたしは最上級職のアークプ
リーストよぉ。どこのパーティも喉から手が出るくらい欲
しいに決まってるわぁ!そんなわたしがちょろっと募集か
ければ、お願いです連れてって下さいっていう輩が山ほど
いるわぁ。わかったらカエルのから揚げもう一つよこしな
さいよ!はむっ!」
カ「へぇーーえ。」

ア「急募!アットホームで和気藹々としたパーティです♪
美しく気高きアークプリーストアクア様と共に旅をしたい
冒険者はこちらまで。
『このパーティーに入ってから毎日がハッピーですよ。
宝くじにも当たりました。』
『アクア様のパーティーに入ってから病気も治って
モテモテになりましたぁ♡』
採用条件、上級職の冒険者に限ります。」

めぐみん「募集の張り紙見させてもらいました。
ふっふっふっ、この邂逅は世界が選択せし定め。
わたしはあなた方のような者達の出現を待ち望んでいた!
我が名はめぐみん‼︎アークウィザードを生業とし最強の
攻撃魔法、爆裂魔法を操る者‼︎」
カ「えっと………。」
め「ふふんっ、あまりの強大さ故、世界に疎まれし我が
禁断の力を汝も欲するか。」
カ「ハァァァ?」
め「ならば我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ!
人が深淵を覗く時、深淵もまた人を覗いているのだぁ。」
カ「冷やかしに来たのか?」
め「ちっ、ちがうわーいっ!」

カ「その眼帯はなんだぁ。怪我してるならコイツに治して
もらったらどうだ。コイツ回復魔法だけは得意だから。」
ア「だけぇっ⁈」
め「フッ…これは我が強大なる魔力を抑える、まずぃっく
あいてむぅ!もし外される事があればこの世に大きな災厄
がもたらされるであろう。」
カ「封印…みたいなものかぁ!」
め「まぁ、嘘ですがぁ。単にお洒落で着けてるだけ。」
カ「んーん‼︎
め「あぁ!ごめんなさい!引っ張らないでください!
やめ、やめろぉーーーっ!」

め「あぁぁ、ちょっとやめて下さい。今手を離したら…。
いいですか、ゆっくりですよ、ゆっくりいけば、
ちょっと、あぁーっ!いったい!目がぁーーっ!」
カ「悪い。からかってるのかと思った。訳の分からない事
ゆうしー、変な名前だしー。」

カ「因みに両親の名前は?」
め「母はゆいゆい、父はちょいざぶろーー!」

ア「見てなさいカズマぁ!今日こそは女神の力見せて
やるわぁーー!
震えながら眠るがいい!ゴッドレクゥイエムッ!
ゴッドレクイエムとは女神の愛と悲しみの鎮魂歌。
相手は死ぬっ‼︎やばっ…。」
カ「さすがは女神。身を呈しての時間稼ぎか。」

め「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みた
もう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行
の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に
望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に
帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手
段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン‼︎」

カ「めぐみん!一旦離れてっ‼︎えっ……?」
め「プッ!我が奥義である爆裂魔法はその絶大な威力故、
消費魔力もまた絶大。要約すると限界を超える魔力を使っ
たので身動き一つとれませぇん。」
カ「へぇぇぇーー。」
め「近くからカエルが湧き出すとか予想外です。
やばいです。食われます。すいません、ちょっと助けて…
うっ、クパッ…!」
カ「お、お前らー喰われてんじゃねーーー!」

ア「なまぐしゃいよぉ〜なまぐしゃいよぉ〜。」
め「カエルの中って臭いけど、いい感じにぬくいんです
ね」

カ「爆裂魔法魔法は緊急の時以外は禁止な。
これからは他の魔法で頑張ってくれよぉ。」
め「使えません。私は爆裂魔法しか使えないんです。
他には一切魔法は使えません。」
カ「マジか…」
め「まぁじです。」

め「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。
爆発系統の魔法が好きなんじゃないんです。
爆裂魔法だけが好きなんです!
もちろん他の魔法も覚えれば楽に冒険が出来るでしょう。
でもダメなのですっ‼︎私は爆裂魔法しか愛せないっ‼︎
たとえ1日1発が限度でも魔法を使った後に倒れるとして
も!それでも私は爆裂魔法しか愛せないっ‼︎
だって私は爆裂魔法を使う為だけにアークウィザードの
道を選んだのですからぁっーーーー‼︎」
ア「素晴らしい!素晴らしいわぁー‼︎非効率ながらも浪漫
を追い求める姿に私は感動したわぁー!」
カ「まぁーずい、この魔法使いはダメな系だぁ。
よりによってアクアが同調しているのがその証拠だ。
俺はこの2回の戦いでどぉーもこの女神ちっとも使えないん
じゃないかと疑っている。
はっきり言ってこれ以上問題児は…。」

め「我が望みは爆裂魔法を撃つことのみ。なんなら無報酬
でもいいと考えています。
そう、アークウィザードの強力な力が今なら食費と雑費だ
けでぇ…。
これはもう長期契約を交わすしかないのではないだろうか
っ…。」

め「どぉんなプレイでも大丈夫でぇすからぁー‼︎
先ほどのカエルを使ったヌルヌルプレイだって耐えてみ
せ…。」

カ「年上の美人相手ということで緊張し若干上擦った声に
なってしまったぁぁ。長い引き篭もり生活の弊害だぁ。」
ダクネス「んっはぁ〜///私の名はダクネス、ク、クルセイ
ダーを生業としているものだ。んっ、はぁ〜はぁはぁは
ぁ…是非私を、是非この私をっ///パッ、パパパパパパパー
ティーにーー‼︎///」
{/netabare}

(第3話)
{netabare}
ダクネス「さっきのドロドロの2人はあなたの仲間だろ。
一体何があったらあんな目にっ!///」
カズマ「あーいえー、ジャイアントトードに捕食されて
粘液…」
ダ「なぁはっ‼︎想像以上だ…///」

ダ「ちょっと言いづらかったのだが…私は力と耐久力には
自信があるのだが、不器用で…その、攻撃が全く当たらな
いのだ」
カ「やはり俺のセンサーは正しかったらしい…」
カ「あーわかった…こいつも性能だけでなく、中身も駄目
な系だぁ…」

アクア「あっ見て見てカズマ。どぉーよ、新しく習得した
スキル。水の女神たる私にふさわしいと思わなーい?」
カ「宴会芸じゃねえか、この駄女神」

めぐみん「さあ!私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないです
かっ!んんっ!」
カ「あぁ、顔が近い…。」

カ「ちょっ、おち、落ち着けロリっ子。つか今3ポイント
しかないんだがぁ…」
め「ロリっ子………」
カ「あれっ?」
め「プッ……このわれがロリっ子……」

カ「宴会芸のくせに5ポイント!高ぁーーー!」

カ「おぉ!当たりも当たり!大当たりだぁーー‼︎」
クリス「いっ、いやぁー!パ、パンツ返してぇーー‼︎///」
カ「いーやっはぁーはっははぁー!うわぁーはっはぁー
ー‼︎」
ダ「何という鬼畜な所業…。やはり私の目に狂いはなかっ
たぁーーっ‼︎///」!

ク「財布返すだけじゃダメだって、じゃいくらでも払うか
らパンツ返してって頼んだら自分のパンツの値段は自分で
決めろって…」
カ「待てよっ!お、おい!待てぇー!間違って無いけど。
本当待てぇーー!」
ク「さもないともれなくこのパンツは我が家の家宝として
奉られることになるってぇ…」
カ「ちょーっ、まわりの女性冒険者達の目まで冷たいもの
になってるから、本当に待てって!」
ク「べぇ♡///」

め「なんですか、Lvが上がってステータスが上がったか
ら、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?
あの…スースーするんでパンツ返して下さい///」

カ「特にダクネス。女騎士のお前なんて魔王に捕まったり
したら大変だぞぉ。それはもうとんでもない目にあわされ
る役所だっ!」
ダ「あぁ、全くその通りだ。昔から魔王にエロい目にあわ
されるのは女騎士の仕事と相場は決まっているからな。
それだけでも行く価値はある!///」
カ「えっ、あれっ?」
ダ「なっ、なんだ。私は何かおかしな事を言ったか?」

カ「緊急クエストってなんだ、モンスターの襲撃なの
か!?」
ア「言ってなかったっけ?キャベツよキャベツ!」

ダ「倒れたものを見捨てるなど…できる、ものかー!」
ダ「見られている。むくつけき男達が私の肌を見て興奮
しているっ!
何という辱しめっ‼︎///汚らわしいっ!どうだっ‼︎///」
カ「悦んでるッッ!」
冒険者「あんなになってまで人を守るなんて!」
冒険者「俺も騎士として見習わなければ。」
カ「ちがーう!みんな誤解してるぞ!」

め「我が必殺の爆裂魔法の前において何者も抗うことなど
叶わず。」
カ「ここにもややこしい奴がぁーーーーっ‼︎」
め「ふふふふふ、あれほどの敵の大群を前にして、爆裂魔
法を放つ衝動が抑えられようかぁ………いや、ないっ!」
カ「いやあるよぉーーーーっ‼︎」
め「光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。紅魔の名の
もとに原初の崩壊を顕現す。終焉の王国の地に、力の根源を
隠匿せし者。我が前に統べよ!エクスプロージョン‼︎」

ア「あの鉄壁の守りにはさすがのキャベツたちも攻めあぐ
ねていたわ」

ダ「それではカズマ。これからも遠慮なく私を囮や壁がわり
に使ってくれっ、うっふっ♡///」
カ「こいつはアレだ。ただのドMだ…。」

ダ「パーティーの足を引っ張るような事があれば、強めに
罵ってくれっ!なんなら捨て駒として見捨ててもらっても
いい。
うっ…そ、想像しただけで武者震いが…///」
{/netabare}

(第4話)
{netabare}
ダ「カズマはどんな時でも容赦ないな…へへっ…///」
カ「今はかまってやる余裕はないぞぁ。お前を超えそうな
勢いのそこの変態をなんとかしろよ。」
め「ハァッ///ハァッ///魔力溢れるマナタイト製の杖の
この色艶っ…ハァッ///ハァッハァッー///」

ア「カーズーマーさん?今回のクエストの報酬わぁ、
おいくら万円?」

ア「カ、カズマ様~!前から思ってたんだけど、
あなたって、その…そこはかとなく良い感じよね!」
カ「特に褒めるところが思い浮かばないなら無理すんな
ぁ!」
ア「かじゅまさ〜ん!私、今回の報酬が相当な額になるっ
てふんで持ってたお金全部使っちゃたんですけどぉーー!
ていうか大金入ってくるって見込んでこの酒場に10万近い
ツケまであるんですけどぉーーー‼︎」
カ「知るか!今回の報酬はそれぞれの者にって言い出した
のお前だろ!」
ア「だって私だけ大もうけできると思ったのよぉ!」
カ「最低ぇーだな…。」

ダ「ハァッ!免疫まみれっ!///」
カ「お前今興奮したろ」
ダ「してない…///」

め「紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど、我は万
象昇温の理。崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもと
に下れ!エクスプローーージョン!」
め「燃え尽きろ、紅蓮の中で………はぁっ…
最高…デェス」

め「エクスプロージョン!」
め「ロージョン!」
め「ジョン!」
カ、め「ばっくれつ!ばっくれつ!ばっくれつ!」
め「ン!」

カ「ナイス爆裂!」
め「ナイス爆裂!カズマも爆裂道がわかってきましたね
ぇ。」

カ「この宴会芸しか取り柄のない穀潰しがっ!」

ア「いやぁぁーーっ!回復魔法だけはいやよぉぉぉ!
私の存在意義をうばわないでよぉぉぉー!私がいるんだか
らいいじゃないーーっ!」
め「カズマは結構エゲツない攻撃力がありますから遠慮
なく本音をぶちまけると大概の女性は泣きますよ。」
ダ「ストレスが溜まっているのなら代わりに私を口汚く
罵ってくれても構わないぞっ///」

デュラハン「ハァッ…ハァッ…毎日毎日毎日っ!
おぉっ、俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を打ち込んでく
る、あぁ、あ、頭のおかしい大バカはどぅあれだぁーー
ー‼︎」

デ「お前が…お前が毎日毎日俺の城に爆裂魔法をぶち込ん
でくる大バカ者かぁー!俺がぁ魔王軍の幹部だと知ってい
てケンカ売ってんなら堂々と城に攻めてくるがいい。
その気がないなら町で震えてるがいいー!
ねぇ?なんでこんな陰湿な嫌がらせすんのぉー?
どうせ雑魚しか居ない町だと放置しておれば調子に乗って
毎日毎日ポンポン!ポンポン!ポンポン!ポンポン!
打ち込みに来おって!
あったまおかしいんじゃないのか貴様らーー!」
め「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法
を操る者っ‼︎」
「…………」
デ「めぐみんってなんだぁ?馬鹿にしてんのかっ!」
め「違うわいっ‼︎」

め「無理です。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を撃たないと
死ぬんです」
デ「おーい!聞いた事がないぞそんな事!適当な嘘をつく
なよ!」

め「余裕ぶっていられるのも今の内です。
先生ぇーーっ!お願いしますっ‼︎」

ダ「なんて事だ…。つまり貴様はこの私に死の呪いを
かけ、呪いを解いて欲しくば俺の言う事を聞けと…
つまりはそういう事なのかっ‼︎」
デ「はっ⁈」
カ「ダクネスが何を言ってるのか理解したく無い」
ダ「呪いくらいではこの私は屈しはしない。
屈しはしないが、ど、どーしよぉー!カズマーー!///」
カ「はい、カズマです。」
ダ「見るがいい。あのデュラハンの兜の下のイヤラシイ目
をっ!
あれは私をこのまま城に連れ帰り呪いを解いて欲しくば
黙って言う事を聞けと凄まじいハードコア変態プレーを
要求する変質者の目だっ///」
ダ「この私の身体は好きに出来ても心まで自由に出来ると
は思うなよっ!城に囚われ魔王の手先に理不尽な要求を
される女騎士とか…
あーどーしよぉー!どーしよぉーカズマ///」
カ「はいはい、カズマです」
ダ「予想外に燃えるシチュエーションだぁ!
行きたくはない!行きたくはないが仕方がない‼︎
ギリギリまで抵抗してみるから邪魔はしないでくれー///」
ダ「では、行ってくりゅー///」
デ「きっちぃー!」
カ「やめろ行くなー!デュラハンの人が困っているだろぉ
ー!」

カ「勝手に盛り上がっていた俺とめぐみんのヤル気を
返せぇ…」

ア「よっ!勝利の花鳥風月!」
{/netabare}

(第5話)
{netabare}
ア「もぉー限界!借金に追われる生活!クエストよ!
あのデュラハンのせいでキツいクエストしか無いけど受け
ましょう‼︎お金が欲しいのっ‼︎」
ダ「わ、私は構わないが…///」
ア「おっ、お願いよぉーー!もう商店街のバイトは嫌なの
よっ‼︎コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!
今回私全力で頑張るからぁーハァッハァッハー!」
カ「惨めだ……この自称女神……」

ア「あたし、今から売られていく希少モンスターの気分
なんですけど…」

カ「決して使えない女神を湖に投棄しにきたわけでは
ない。」

ア「あたし、ダシをとられてる紅茶のティーバッグの気分
なんですけど…」

カ「水に浸かりっ放しだと冷えるだろうー。トイレー、
行きたくなったら言えよぉー!」
ア「うぅっ…アークプリーストはトイレなんか行かないし
ーー!」
め「なんだか大丈夫そうですね。
ちなみに紅魔族もトイレなんか行きませんからっ!」
カ「お前ら昔のアイドルかっ!」
ダ「わ…私もっ…///くぅるせいだぁーだからぁ…///
トイレはぁ…トイレはぁ…///うっ…ぬぬっ…///」

ア「檻がぁー!
檻が変な音立てているんですけどぉーーーー‼︎」

ア「ヒァーッ!メキっていったぁ!
今、檻から鳴っちゃいけない音が鳴ったぁぁぁ!」

ダ「あの檻の中ちょっとだけ楽しそうだな…///」
カ「行くなよ。」

カ「お…おーい。いい加減檻からでろよぉー。もうワニは
いないからぁー。」
ア「このまま連れてって……。」
カ「なんだって?」
ア「檻の外の世界…怖い…このまま街まで連れてって…」

ア「るーるーるるる♪でーがらーしーめーがみが
運ばれてーくーよー♪
きーっとーこーのーまーま売られていーくーよー♪」
キョウヤ「女神様ぁーーーー‼︎」

ア「さぁ!女神の私に何の用かしらっ♪
あんた誰ぇ?」

カ「言いたい放題だなぁ、この野郎。アクアの事ろくに
知りもしないくせに。」

ダ「おい!いい加減その手を離せ!礼儀知らずにも程があるだろっ!」
め「ちょっと撃ちたくなってきました…」
カ「って、それはやめろ。俺も死ぬ。」

カ「だいたいこいつらが優秀?そんな…片鱗…
一度も…見たことが…なぁいんだがぁっ‼︎」

ア「ちょっとヤバいんですけど…
あの人本気で引くくらいヤバいんですけどぉ…
ナルシストも入ってる系で怖いんですけどぉ…。」
ダ「どぉしよぉ…あの男は生理的に受け付けない…
攻めるより受けるのが好きな私だが、あいつだけは無性に
殴りたいのだが…。」
め「撃っていいですか?撃っていいですか?」

カ「真の男女平等主義者な俺は女の子相手でもドロップキ
ックを喰らわせられる男…。
手加減して貰えると思うなよ…
公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ!」
カ「ぬっ…へへへへへへへっ…さぁどうする…
ぬぁっははははぁー!ほほほーれっ…ほほほーれっ…
あっ…いや…」

ア「あの男!今度会ったら絶対ゴッドブロー喰らわして
やるんだからっーー!」

キ「探したぞ!サトウカズマっ‼︎」
「君の事はある盗賊の少女に教えてもらったよ。
パンツ脱がせ魔だってね!他にも女の子を粘液まみれに
するのが趣味だとか噂になっているそうじゃないか。
鬼畜のカズマだってね‼︎」
カ「おーい!待てっ‼︎
誰がそれを広めたのか詳しくぅーー‼︎」
キ「アクア様。僕は必ず魔王を倒すと誓います。
ですからこの僕と同じパ………」
ア「ゴッドブローォォォォォォォォーーーー‼︎」
キ「はぁぁぁぁぁぁぁーーーー‼︎」
ア「ちょっとあんた、壊したオリの修理代払いなさいよ!
30万よ‼︎30万‼︎」

カ「さっき20万って言ってなかったかぁー?」

デュラハン「きっさまらぁー。なぁーぜ城にこないのだぁ
ー!このぉっ!人でなしどもがぁぁぁぁーー‼︎」
カ「はぁいっ⁇」
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 112
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

この可笑しくも愛すべき彼らに祝福を!

テンポがとってもいいのと、間の取り方が絶妙です。
笑いのツボを外さない快作だと思います。

これは楽しく最後まで完走できそう。

キャラはいろいろ散々ですが、
スタッフは愛情込めてキャラたちを
おもちゃにして遊んでる感じがよいです。

エンドの手紙、誰のアイディアなんだろう?
原作未読ですが、原作にもあるんでしょうか?
無いとしたらシリーズ構成の上江洲誠さんかな?それとも監督?
好きですね、これ。
朗読を途中までで切ってしまうところとか。

上江洲さんはシリーズ構成&脚本家として、
センス抜群だと、かねがね思っています。
原作から旨味を拾い出し、作品を構成する絶妙なセンス。

上江洲さんがシリーズ構成で参加した作品の中で
私のお気に入りでは、
『瀬戸の花嫁』『天体戦士サンレッド』『人類は衰退しました』
『ディーふらぐ!』『暗殺教室』『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』など。
アルペジオでは、基本シリアスでもセンスの良い笑えるーンに癒された。

今作の金崎貴臣監督と、上江洲さんのコンビ、
過去の同コンビ作『これはゾンビですか?』は未視聴。
これを機に、近い内にたぶん観ると思います。

音楽では、OPは回を追うごとに好きになりましたが
それ以上に、2話から始まったEDの曲と画がとても好いです。
騒々しい本編で笑った後にピッタリ。
ゲームグラフィック風の街並みとリラックスしたキャラ達。
ほのぼのしてて、キャラに親しみを感じてほっこりします。

作画は、このぐだぐだなギャグコメディにぴったり。
ちょっとくらい残念な方が作品にはむしろ合ってる。
作風とのバランス取れてるので若干評価高めです。

<各話レビュー>
★ 第1話「この自称女神と異世界転生を!」{netabare}

人生は先が分からないから面白い。

引き籠りニートだった主人公、
ある日あっという間にリアル冒険者。

勇者の道も地道な一歩から。。。

霊界の案内係だった女神アクアを道連れに、
今回のクエスト?は土木建築工事。
まずはがむしゃらに働いて日銭稼ぎの日々。

来る日も来る日も
肉体労働して少しずつ衣食住を整える。

労働の後の毎日通う銭湯。
洗い場で頭からお湯被る。
風呂上りは、必ず腰に手を当てて「この一杯っ!」
酒場で吐くまで飲む。
明日のために気持ちよく爆睡する。

同じパターンが繰り返される演出。

キャラたちが汗水流して毎日生活してるんだと伝わる。
以前住んでた世界より、生命を満喫しているように見える。
生き生してる姿がとても微笑ましい。

どうやらポンコツ女神とタッグを組んでしまったカズマに祝福を!
{/netabare}
★ 第2話「この中二病に爆焔を!」{netabare}

肉体労働おつかれ~
ようやく本来の勇者活動スタート!

今回の討伐クエストは、
3日間で『ジャイアント・トード』を5匹討伐せよ!

<一日目>
えっ、これでモンスター?
緊迫感ない巨大カエルはちっとも怖くない。
ジャンプで迫ってくる、口にくわえる、以外はほとんど動かない。
無表情だし…見た目弱そう。

ああ、女神様、あなたはなんて献身的…
足止め要員さえいれば討伐は意外と簡単だった。
カズマは運が強い。
おかげで初日は2匹討伐成功。

しかしアクアは、面目駄々下がり。
でもあれじゃ、男の父性本能が放っておけないな。

<二日目>
「中二病でも魔女がしたい!」…「このすば」原作第2巻のタイトル
なるほど納得のキャラ、めぐみん初登場。

後ろ姿に、コスプレの長門有希を思い出す。
自信溢れる魔法使いから素の女の子に戻った時のギャップが楽しい。
こういう、不器用な、うざ可愛いキャラは好みです。

高橋李依さんの演技が冴えてます。「目がー!」で(爆)
なおかつ台詞にイカ娘まで混入させるというハイブリッドさ。
「私の両親について言いたいことがあるなら聞こうじゃなイカ!」は、
マジで金元寿子さんかと思った。
高橋さんの台詞の抑揚の付け方、語尾の処理の仕方が好いです。

残り3匹はめぐみん加えた三人で討伐することに。
足止め要員二人だったからこそ見事に?クエストクリアできたニューパーティであった…(~_~;)
カズマはやはり運が強い。

ようやく仲間と出会い居場所を見つけられためぐみんに祝福を!
{/netabare}
★ 第3話「この右手にお宝(ぱんつ)を!」{netabare}

一番強そうなのに一番ダメな系、ダクネス登場
ダクネスの本質をいち早く見抜くカズマ。
最弱と言いつつ、意外と冷静で的確な判断力を持つ常識人、
一旦仲間になったらそれがどんなにダメな系でも
受け止められる包容力が感じられます。

今回彼が習得したスキル、全くもってしょうもない、と思いきや
突如発生したクエストのポイント獲得にはちゃっかり貢献。

<華麗なるハロ…、じゃなくてキャベツどろぼう、カズマ>
今回のクエストとなった、空飛ぶキャベツの大群を大量ゲット。
なおかつそれらは経験値豊富な価値の高いもので
得られた報酬は大きいようだ。やはり彼の運は強い。

カズマの「ヘェー」、トリビアの泉の如くよく出てきますけど
ニュアンスの演技が絶妙で可笑しい。
僕街の「馬鹿なの?」ほどじゃないけど、いい味でてます。

話自体は、冷静に観るとナンセンスでばかばかしいと思います。
しかし、キャストの皆さんの演技に乗っかると楽しくてしょうがないです。
毎回、アドリブらしき台詞と間の取り方が実に上手いと思います。

アレで残念ながら打たれ強いダクネスに祝福を!
{/netabare}
★ 第4話「この強敵に爆裂魔法を!」{netabare}

前回のクエストで小金持ちになったカズマ。
今回、ようやくジャージを卒業、冒険者らしい出で立ちに。
ゴマするアクアがイタくも可愛い。

<魔王の幹部は、それはもう。お怒りだった>

おおー!ようやくまともな対戦相手登場か!?

そりゃ、自分の家が毎日一発爆裂魔法攻撃されたらたまったもんじゃない。
でも、なんで一発目で報復しなかった?
大らかで忍耐強いのか、魔王の幹部は?

仕返しで、結果的にダクネスに呪いの魔法掛けられちゃったけど
ノリが子供の喧嘩に見えて可笑しい。
素直に居城に出向き、彼を気分よくさせれば
呪いなんてあっさり解除してくれそうな気がします。

見た目と中身のギャップの可笑しさ。。。
去年の夏クールのオバロのアインズ様を思い出しました。

<どう?どう?私だってたまにはプリーストっぽいでしょう!>

ずーーっと一番残念なキャラだと思ってたアクア。

欠点:腹黒、傲慢、お調子者、お人好し。
長所:素直な所もある、働き者(但しあんまり頭使わない仕事)、
花鳥風月(宴会芸)、回復魔法

と思ってましたけど、今回ようやく回復魔法の出番。、
しかし今回、空気読めない、というのも彼女の欠点に加えよう。

今回、二体の天使が、ダクネスから
呪いの黒いスライム状のものを抜き取る演出がなかなか。

勝手に盛り上がって花鳥風月に興じるアクアに祝福を!
{/netabare}
★ 第5話「この魔剣にお値段を!」{netabare}

借金地獄の負のスパイラルから抜け出せないアクア。
売り子や内職のバイトより、
得意の花鳥風月で稼げば効率的で一番手っ取り早いと思うのですが
知力が足りないというのはこういうことなのか。

一攫千金の高額クエスト望み、毎度お馴染み泣き落としスキル発動。
涙も花鳥風月(水芸)の一種なのだろうか?
すっかり呆れられ、アクアに相応しいクエストを選択するパーティ一行だったが…。

<ルールールルル♪出がらし女神が運ばれてくよー♪
きーっとこのまーま売られていくよー♪>

ずっとブレない痛い性格が玉に傷ながら、
アクア様の水の浄化力すごいです。
ぜひ環境問題止まらない現代日本にお招きして
その力を存分に発揮してもらいたいものです!

その能力だけ着目したら立派な女神様なんですが…
普段の行いでカズマ以外、女神だと全く信じてもらえないポンコツさ。
やっぱり内面伴わないと、ありがたみがすべて吹き飛んでしまうのですね。

<今回の犠牲者、ミツルギ キョウヤ(CV:江口拓也)>
前回のデュラハンさんに続くカズマたちの第二の犠牲者。
イケメンで正義感強くても苦労知らずの自己中ナルシストは嫌われる。
それでも一応善意での決闘だったのに、
自分を英雄たらしめていたアイテム取り上げられて
しかも売られちゃたまりません。
笑えますけどさすがにちょっと可哀想。

カズマの鬼畜さがよく伝わる回でした。

この作品は、アニメでよくある、
いきなり頭身替えたり、極端に絵柄替えたりして
笑いを誘う作画と演出がほとんど不必要。
(2話でカエルにゴマするシーンのアクアの表情は効果的でしたけど)
キャラが見事に立っており、
後はキャストの演技力と間合いで十分笑えます。

作画も、狙ってる感すらあるチープな部分と、
今回のカズマの指の動きのように拘るところが
妙に混在してるのが可笑しい。

放置され、しっかり弄ばれてる感のデュラハンさんも再登場。

なんだか良識ありそうな魔王の幹部と意外と鬼畜なカズマたち。

はてさて次回はどんなやりとりが見られるのか?

高い授業料でクズマさんとアクア様の恐ろしさを学んだキョウヤに祝福を!
{/netabare}
★ 第6話「この強敵に爆裂魔法を!」{netabare}

<なぜ城に来ないのだ!この人でなしどもがー!!>
デュラハンさん、お気の毒。
律儀に待ったにも関わらず、シカトされ誰も彼の居城に訪れず。

その間、めぐみんの居城への爆裂魔法の日課は、成され続けられていた。
めぐみん曰く、爆裂魔法のターゲットは大きくて硬いものでなければ我慢できない体になったそうな。
カズマには秘密で、そして爆裂後のめぐみん回収役はアクア。
デュラハンのクレーム後、頭の良いカズマに共犯者はすぐにバレ、
口笛吹いてごまかそうとアクア。
ここはお約束だが、スカスカな音なのがアクアらしい(笑)

しかし真の怒りは、爆裂魔法の被害以上に、
呪いを掛けたダクネスをほったらかしたカズマ一行に向けられていた。
デュラハンは、アクアのチートな能力の存在なんか知る由もなし。

アクアの、ある意味最強、かつズルい能力と低俗で幼稚な中身。
めぐみんの、おとぼけ自己中ぶり。
ダクネスのエロカッコよさ。
賞金貰えてもそれを上回る借金こさえるパーティ一行。

今回も楽しかった~
展開は先読み可能だけど、テンポと演出がいいのと
キャストが楽しんで収録してる感もあって相変わらずのクオリティです。

今回のエンドの作文は、メグミン。
いかにもな中二キャラらしくて面白い!
手書きしたのはキャストかな?

なんの悪さもしてなかったのに弄ばれ、
悪者になって成敗されちゃったデュラハン(ベルディア)さんに祝福を!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

のさばらし異世界に祝福は訪れるのか?

原作未読


劇場版公開前の地上波再放送にて。※我慢できずに配信で完走

特筆すべきは話数。1クールを12~13話に収めるのに苦労している作品が多い中、本作は全10話です。
異世界転生“ものながら”とことんお笑い。2~3話くらい経過すると視聴のお作法もわかり、{netabare}ギルドの緊急招集にも心拍数が上がらないくらい{/netabare}肩の力を抜いて楽しめるという安定したコメディでした。
“ものながら”としたのは、数多ある異世界転生もののテンプレ、例えばハーレム、俺TUEEE、バトルものの先入観を軽く裏切ってくれたから。多くの作品を鑑賞済みの方には変化球と映ったのかしら。あにこれでの高評価は新鮮味も加味してるかもしれないな。そんな作品です。

テンポや掛け合いの間も良く、ありきたりなほのぼのコメディでもなく、

 ≪ドタバタ系の完成度の高いコント≫

を見ているかのようでした。お気に入りシーン(コント)は一つや二つではありません。
それこそ笑いのベクトル合えば問題ないでしょうが、冒頭イマイチと感じても、話数を重ねる毎にパワーアップしていきますし、全10話と短いため空き時間でサクッと完走することも可能です。

シチュエーションは“笑点”に近い。{netabare}毎度ギルドからのクエスト依頼に主人公パーティが応えてくスタイルで、{/netabare}圓楽師匠や歌丸師匠からのお題に木久扇、好楽、小遊三さんら個性的な実力者がキャラに合った回答をしていく大喜利との既視感を覚えました。
そして「ウケてる時は同じボケを続けろ!」
{netabare}・序盤の働いて飲んで風呂入ってのリピート。
・「そういえば頭は悪いが…」の冒険者順繰りでのめぐみんご指名。{/netabare}
たしかこれ言ったのは萩本欽一さんだったか。大将の金言も活きています。
場面は笑点、時々、欽ちゃん。古典にして王道。パッと見のテンションの高さに隠れて、冒頭『安定のコメディ』と評した理由でございます。

演者にも救われました。女性3名はキャラ被りがないのは当然ながら、揃いも揃ってハイスペックでポンコツというギャップの美学。加えてメインどころ経験有りの実力派声優の掛け合い。
佐藤和真(CV:福島潤)、アクア(CV:雨宮天)、めぐみん(CV:高橋李依)、ダクネス(CV:茅野愛衣)です。安定の茅野節や意外性あるハイトーン雨宮さんに耳がいきがちですが、彼女ら3人のバランサーとして職務を全うした福島さんも良かった。テンポと間が悪いと台本よくても作品が死にますから配役は成功してたと思います。


なお物語は進みません。そういった意味では日常系っぽいかもしれない。
OPEDでは特にED。3人組担当の声優さん達が歌う「ちいさな冒険者」がお気に入りで、ここにもギャップの美学らしきものが垣間見えます。
例えるなら、「ポンキッキーズEDのパレード(山下達郎)」「ひょうきん族EDのDown Town(EPO)」のような視聴感といった感じでしょうか。このへんのネタは年寄りしかついて来れないでしょうが、ドタバタコメディの後のしんみり曲ってなにかしら相性の良さを感じるのです。
バンジョー目立つカントリー調ながらティンホイッスルやたぶんフィドルとか入ってるケルト風な仕上がり。打ち込みの電子音が目立たないこのような曲にはやはり暖かみを感じますね。


“異世界転生ものへの苦手意識はこの際捨てちゃってOK!”
“好きな人はそのまま体あずけちゃえばいーじゃない!”

けっして得意ジャンルとは言えない私でも楽しめた良作でした。いつもながら地上波再放送よ、ありがとう。こういうの敢えて見ないもん。



(オマケ)
■やっぱ男はこれだよね
お色気シーンの配合が按配良かった。おっぱい揺れるのに効果音入ってました。
{netabare}そして、サキュバスの淫夢屋を守るために立ち上がる男達。しょーもないことで吹っ切れるのが男という生き物であると仮説立て。本作で一番感動したかもしれん。{/netabare}

■とはいえささいな不満もある
1.ダクネスさんそこはもうちょっと
{netabare}一応ドMキャラで通してますが、シラフでわかりやす過ぎるのは違うのでは?真性はなんかこうもうちょっと…(自粛){/netabare}
2.そこはもうちょっと出番増やせませんか?
{netabare}女神エリスとダクネス友人の盗賊娘。{/netabare}2期に期待です。
3.顔がちょっとどころでなく
{netabare}崩れてません?一方で爆裂魔法やスキル発動時のゲノムの螺旋的演出は終始安定してました。
メリハリということなんでしょう。{/netabare}



■異世界転生もの

現実世界の描写は第1話Aパート止まり。異世界転生ものの様式美といっていいかもしれません。
ある日突然どこか飛ばされて新しい人生を歩む。物語は楽しんでナンボ、夢があっていいじゃない。
なのですが、そもそも創作物なんだから始めから異世界スタートでやってもらって構いません。転生した異世界で、もと来た現実との相関が薄いのであればわざわざ転生させる必要はないでしょう。たまに観たり読んだりする分には“人生リセット系”も良いのですが、こうも多いとね。
おおむね初っ端の「現実は〇〇でした」部分の多くが無駄に感じるため私は好きではありません。

・現世と異世界でギャップを演出できるか?(金持ち⇔貧乏、イケメン⇔ブ男、男⇔女、リア充⇔非モテ、同じスペックだが環境がまるで違う、etc)
・転生先で現実世界と物語がリンクするか?(未練でもなんでも…)

あまりAパート止まりの現世部分を引っ張ったところでその後の没入感が削がれるためこの手のものはさじ加減が難しいのです。そして上手く処理できてない作品まさに死屍累々が現状かと。

という観点で本作のいいところ。
{netabare}カズマの現世でのオタぶりをいじるアクアさんだったり、冬将軍エピソードで現世/異世界が交錯しそうな話を持ってきたりと、転生ものならではの体裁は保ってました。{/netabare}

ダメなところ。
{netabare}とりわけ他の作品でも主役率の高い“引きニート”設定が活かされてましたか?{/netabare}
第1話Bパート以降に文句はないのです。
普段から人と話す訓練をしてないのが、いきなりナイスコミュニケーターになれる確率なんてミリあるかどうかでしょうに。
ましてや不特定多数と生の会話をこなす、いきなり的確なツッコミ入れる&ツッコミ入れ続ける芸当なんて万が一も不可能ですよ。


本作にひっかかりを感じるのはこの一点。そしてこのヒキコ無双設定が私には影を落とした感じ。
それ以外は文句はありません。素晴らしい作品でした。



視聴時期:2019年1月~3月再放送

-----
2019.08.08追記
《配点を修正》+0.1(作画分)
 ※作画乱れを作品の特長としたことを評価

2期の再放送も終わって劇場版のレンタルがそろそろかという頃合い。
2周めいきましたがネタわかってても笑えますね。良く作られてます。
レビューアップ後のレビュアーさんとの意見交換にて、
「転生の設定活かされてんじゃん?あそことかこことか」
のご意見いただいて確かにその通りだな、と。

どうやら“ヒキコ無双”に条件反射で噛みついちゃったみたいです。



2019.03.21 初稿
2019.08.08 追記
2020.12.08 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 110

95.5 2 ドMで変態なアニメランキング2位
この素晴らしい世界に祝福を! 第2期(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2198)
11800人が棚に入れました
不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」という夢はイマイチ叶わないものの、なんとかそれなりに、異世界での日々を送っていた。転生特典として道連れにしてきた女神・アクア。一日一発しか魔法を撃てないアークウィザード・めぐみん。攻撃が当たらないクルセイダー・ダクネス。能力は高いのにとんでもなく残念な3人のパーティメンバーたちとも、なんとかそれなりに、クエストをこなしていた。―――そんなある日。機動要塞デストロイヤーの脅威からアクセルの街を救ったカズマたちに、王都からやって来た使者は言い放った。「冒険者、サトウカズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!」……平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、堀江由衣、豊崎愛生、諏訪彩花、江口拓也、生天目仁美、西田雅一
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この素晴らしいアニメに拍手を…贈ろうと思う

今期一番の期待作品が始まりました。さてさて、どんな冒険(?)が待っているのでしょうか。

1話…やっぱりこの連中はこうでないと
{netabare}完全に一期の続きです。あのタイーホから始まりました。
クズ…カス…カズマが国家反逆罪容疑で捕まり、取り調べ。救おうとアクア達が動くが、相変わらずすっとんきょうな感じで役に立ちません。裁判ではララティーナ(ダグネス)のおかげで処分保留。が、領主屋敷の弁償として12億ものの借金を背負うことに。

この感じ、良いですね。難しく考える必要なし。クズマとダメガミと爆裂娘とMお嬢様の冒険ではない冒険譚。ファンタジーとは言いがたいファンタジー、クスクスしてしまう笑。やっぱり面白いです。
作画がなんか変です。狙い?万策尽きる前のギリギリ?原作の挿し絵やなんかは可愛いのに。{/netabare}

2話…黒歴史は涙無しには見ることが…
{netabare}あの場面、見たことあるぞ、そう、∀ガンダムだ。黒歴史とは過去の恥じではない、恥ずかしいだけだ。

ダグネスが一晩経っても帰ってこないことに悶えるカズマたち。そんな折りにデカガエルの退治を命じられる。ドタバタしながらも退治を試みるが、残りにパクリでピンチ。ピンチを救ったのは「ゆんゆん」。自称、めぐみんのライバルで、紅魔族の長の娘。めぐみんが主席でゆんゆんは次席という立場だったらしい。
ゆんゆんに勝負を挑まれるものの、卑怯(?)な手でかわすめくみん。
家に帰り、カズマの挑発に乗って一緒に風呂に入るめぐみん。結局アクアにバレてカズマは「ロリニート」の称号を得た。
カズマ達がウィズの店へ行くと、偶然を装って店にいたゆんゆん。再びめぐみんに挑もうするも、仲良くなるための魔法の水晶を使う(その間にウィズの胸をモミモミするちょむすけが気になった)。そこで映し出されためぐみんとゆんゆんの過去があまりにもな…めぐみんは貧乏すぎる過去が、ゆんゆんは超ボッチなとが明らかになってしまった。

ゆんゆんが思った以上に可愛くデザインされていました。豊崎さんの声も合っています。これからどんな活躍(?)を見せるのか楽しみです。{/netabare}

3話…アクアって女神だったんだなぁ…
{netabare}大借金を背負ったカズマ一行。それでもめぐみんの爆裂魔法の日課を欠かせない。
新しいダンジョンが見つかり、お宝があれば借金返済の足しになると挑むカズマ。カズマは新たなスキルをマスターしており、未知のダンジョンもなんとか進むが、待ってろと言ったのにアクアがダンジョンに。アンテッドが襲うけど、アクアが清めて浄化。そしてリッチと遭遇。そのリッチは過去に結構な魔法使いとして活躍していて、王の妾の一人を解放し、一緒に行動していたが、彼女が重い病になり、それを解き放つためにリッチとなったのだとか。
すでに彼女も亡くなり、アクアに浄化してほしいと願う。アクアは願いを聞き入れ、魂を導いた。

何、この感動系の話は?…このすばっぽくない。でも所々笑いぶっ込んでくるので飽きないです。アクアは女神だったんだなぁ…
前回と今回は作画がきれいだったような…{/netabare}

4話…ララティーナ(本名)は真性の…
{netabare}カズマとアクアが戯れる(日常)なか、飛び込んできた謎の美女、ララティーナ(ダグネスとも言う)だった。何でも見合いさせられるという。
パーティーで冒険を続けたいララティーナは見合いを破談させようとカズマたちに頼み込みにきたのだ。寿退社ならやめさせる理由にもってこいと考えたカスマは屋敷へ向かう。
屋敷ではララティーナが見合い相手の話をするが、どこをどう考えても良縁である。ララティーナからぶち壊すように頼まれていたものの、臨時執事で見合いを成功させようとする。見合い相手はイケメンな上に性格も良し、本当は断るつもりできたのが、ララティーナを気に入ってしまった。何とかしたいララティーナは本性を見せつけ、カズマと決闘。カズマとの仲を勘違いしたのか何だか分からない感じで破談になる。しかも、お腹にはカズマの子を宿していると爆弾発言を残して。

今週も腹抱えて笑いました。ダグネスの真性っぷりが良いです。2週物語から離れていた分、爆裂した感じです。
このすばは展開だけでなく、細かいところも爆笑できるんですよね。今週はアクアに笑いを持っていかれてます。冒頭のでかいコブ、米粒を使った紙の修復、鯉の呼び寄せなど。本当に面白いです。{/netabare}

5話…オチは?
{netabare}セナにモンスターの出現がカズマのせいと疑われるが、ダンジョンにアクアが魔方陣を張ったせいだった…
仮面を被ったちびモンスターは爆発するものだったがダグネスには効かない。カズマとダグネスがダンジョンに入り、魔方陣を消すことに。すると、魔王軍幹部のバニルが待ち構えていた。バニルはダグネスタイプのM持ち、どんなやられ方するのが楽しいか考えていた変態混じり。但し、能力は確かで、見通す力や土から人形系モンスターを発生させるなど優秀。
が、ダンジョンからモンスターがいなくなったことのが女神であるアクアのせいだと怒り、アクアを倒すことに動く。そこをダグネスの剣がたまたまカズマがこけたせいで当たり、倒す。と思ったら、仮面だけで乗り移れる能力を持っており、ダグネスに乗り移る。ダグネスとバニルの一人漫才が始まる。バニルに乗っ取られながらも最後まで精神的な抵抗をし、最後はめぐみんの爆裂魔法をダグネスに放ち、バニルを倒した。
この件を一部始終見ていたセナからカズマの嫌疑は晴れて無罪放免。しかも、幹部を倒した功績によって借金完済どころか、莫大な恩賞を得ることに。

あ、あれ? こんなキレイなオチでいいのか?
ダグネスとバニルの漫才が面白かったです。掛け合い上手いものだなと感心です。しかしまぁ、魔王軍の幹部は変なのしか居ないのか? 魔王は更にいっちゃっているんではないか?{/netabare}

6話…ちゅんちゅん丸と聞いて、ピュンピュン丸と反応した人は…
{netabare}年齢がばれてしまいます。
バニルは生きていた。というより、仮面にⅡとあり二号機のようだ…。バニルからカズマの世界の商品を売ったら儲かると言われ、カズマは早速コタツを製作。あまりの気持ちよさにコタツムリになるカズマ(熱源はなんだろうか?という突っ込みは…)。ダグネスとめぐみんにコタツごと外に投げ出され、ようやく動くことに。
カズマが新たな武器として日本刀を製作をしたが、商品やドアに引っ掛けてしまい、結局は短刀に(背中に背負うとか、武士のごとく脇に差すとかすればいいものをという突っ込みは…)。かっこいい名前をつけようとしたら、めぐみんが勝手に「ちゅんちゅん丸」と名づけてしまい涙目のカズマだった。
リザードランナー(80年代に一世を風靡したあおのトカゲ)を退治するクエストに挑む一行。珍しくカズマが完璧な作戦を立てたものの、フラグでしかない。見事にアクアがぶち壊してしまい、アクアは悶絶。ダグネスは群れにぐちゃぐちゃにされ喜ぶ…。カズマがキーポイントのモンスターをかっこよく(このシーンは本当にかっこよい描写)討つものの、登っていた木から落下、首がグシャ…。気がついたらエリス様の前にいて、生き返りを進めるものの、ふと考えるカズマ。なんと、現世に生き返りたいと言い出す。
アクアが説得するものの、動じない。めぐみんが体にいたずらをしていると聞き、あわてて戻ることに。目を覚ますと涙目のめぐみん、なぜかこらえるダグネス(泣いているように見えたのだが…)、やれやれという感じのアクア。
家に戻り、風呂に入ろうとすると、下腹部に「聖剣エクスかリバー」のいたずら書きが。

今週も爆笑でした。どうせやられると言ってダダこねるアクアの動きが妙におかしくて。エリスが可愛いのと、めぐみんの涙目がキュンときました。{/netabare}

7話…どんどん優雅になっていく…あってはいけない
{netabare}めぐみんはゆんゆんのところから帰ってきて焦った。なぜかカズマとアクアが優雅なティータイムを送っていたからだ(ただし、紅茶はアクアによって浄化され、単なるお湯になっているが)。バニルがやって来て、カズマにカズマが用意したグッズを一括なら3億で、月々なら百万で買い取ると言うのだ。すでにセレブ気分だった。冒険しようとめぐみんは言うが、カズマは首折れたばかり、よくなるまで休みたいと言い、それなら温泉にと言うめぐみんの誘いに乗った。
温泉行く前にウィズの店に寄ったら、ウィズがボロボロになっていた。売れそうもない商品を仕入れてきたウィズにバニルが撃ち込んでいたのだ。温泉にはウィズも連れていくことになった。
温泉へ行くための馬車乗り場でゴタゴタするカズマ一行。ようやく出発したら、なんか走ってくる影が…どうも、ダグネスの着ている防具に寄せられたらしい…。

安定感抜群の面白さです。留守中に乗り込んでくるゆんゆんの孤独さたるや…。
作画がこれまでのなかで一番綺麗だったような気がします。アクアの斜め上からの目線が綺麗で、めぐみんの表情が可愛くて。まぁ…この作品は作画が云々ではないのですが、それでも綺麗な方が良いのは確かです。
{/netabare}

8話…前半珍しい冒険譚、後半詐欺話
{netabare}ダクネスに突進してくる鳥たち、相変わらずダクネスは嬉しそう…。カズマの機転を利かせた対処で一難を乗り越える。その夜、野宿でカズマは違和感を感じる、それはゾンビだった。どうやらアクアに寄ってきたらしい…。ウィズが川を渡りそうになるが、アクアが退治した。カズマはお礼の受け取りを拒否した…すみませんと言いながら。
目的地の温泉に到着、そこはアクシズ教の総本山だった。カズマに近寄ってくる人々は詐欺師…アクシズ教に入信させるためにあの手この手で迫ってくる。エリス教のダクネスには物凄く冷たい。あまりのしつこさに流石にキレたカズマだった。

今週も安定したお笑いでした。ダクネスのMっぷり、アクアのダメっぷりが絶妙。ウィズの川を渡りそうになる場面にはそう来たかという感じで。
女神がアクアですものね、そりゃあ信者もそうなる…。エリスを目の敵にしているのもね(笑){/netabare}

9話…アクシズ教は詐⚪集団?
{netabare}キレたカズマは教会に乗り込む。そこにはシスターが居たのだが、やっぱりおかしい…。傍らでめぐみんはアクシズ教の恐ろしさに震えていた。
懺悔室に入ったカズマ、答える女の子はどこからどう見てもアクアだった。調子に乗っていたアクアにカズマは容赦なく攻める。半泣きのアクアは陥落した。
アクシズ教の信者はそれほど多くはないらしい。なので、アクアは信者をどんなことをしても守るのだという。
目的だった温泉、当然のように混浴に向かうカズマ。そこにはカップルみたいな男女がいた。男はアクシズ教の勧誘にぐったりだった。女はカズマの熱視線を浴びてあがっていった。女風呂にダクネスとめぐみんが入ってきて…。
風呂上がり、アクアが泣いていた。なんでも、温泉を浄化してしまい、女神だと言い張ったのに信じてもらえなかったらしい(当たり前である)。だが、温泉が毒で汚染されているとのこと、何とかしようとがんばるアクアだが…

今回もたっぷりと笑わせてもらいました。アクアとカズマの教会でのやり取り、「エリスの胸はパッド入り~」、ウィズが浄化されそうになるときの場面、風呂場のカズマとめぐみん&ダクネスのやり取り、カズマのガン見、噴水前での演説などなど、本当に飽きません。アクシズ教、怪しすぎ…て、女神が女神だしね~
今回もゆんゆんの手紙で締めたけど、どんどん悲壮な感じになっていくのだが…気になります。
おや?次回で終わり? 早いよ~{/netabare}

10話…このおかしな一行に祝福を
{netabare}アクシズ教徒から追われるアクシズ教の女神アクア(ちょっとかわいそう)。毒が混入されている原泉に向かうが、追い返されそうになる。そこはララティーナ(ダグネス)の家の威光で入れることに。するとそこには怪しげな男が何かしていた。ウィズが思い出す「ハンスさんですよね」。なんと、魔王軍の幹部で強いと言われる毒スライムだったのだ。スライムと聞いてカズマは余裕ぶっこいていたが、スライムは弱くはない(それはドラクエのイメージだ)、焦って逃げ出すカズマたちだったが、後ろからはアクシズ教徒の集団がやって来ていた。原泉を浄化しようと突っ込むアクアにカズマは観念して戦うことを決める。ウィズはハンスが管理人を食ったことに激怒して氷の魔法で攻撃する。カズマの自己犠牲を伴った戦略でハンスを弱め、どこからどう見てもホイミスライムとなったハンスをアクアのゴッドブローが襲う。そして、原泉も浄化され、一件落着。
だったはずだが、アクアが温泉を完全浄化してしまったため、町を追われてしまう。蘇ったカズマ、始まりの街に戻り、中間たちとの日常が一番と感じておしまい。

アクシズ教、これはいかん…。教義、笑ったけど、真を突いているところもあったりするところが憎いです。まぁ女神が女神だけにねぇ…。でも、アクアが教徒を守ろうとする気持ちはかっこよかったです。
カズマも同じ、何だかんだ言いながらみんなを守るところが何とも良いです。
それにしてもバトルの場面、メチャクチャカッコいい感じがしたのですが…。この作品は作画まで含めて笑ってくださいということなんでしょう。
三期の予告期待したのですが、何故かカウンターに置かれたパンツが…。まったく、最後の最後まで笑わせてくれる。{/netabare}

二期も一話から最終回まで楽しめました。大爆笑というより、クスクスが連続でやってくる感じがこの作品の持ち味です。また、下手な人情話はないけど、時おり仲間や町の人たちのことで行動するようなところが良い感じになっています。
一本の流れはなく、一話から数話で話をまとめていて、中だるみも、飽きることもありません。

クズマ…カズマと3バ…3人のヒロインたちの関係は相変わらずの距離感で本当に良いです。カズマも言っていたとおり、見た目は良い3人なので普通ならハーレムアニメになるんですけどね…付かず離れず、恋愛にもならず、かといって互いに嫌な感じもしない。これこそ「このすば」の魅力なんだと思います。

作画ですが、OP1話ED見たとき、このままずっとこれではさすがに…と思ったのですが、毎回のように違い、7話や最終回のバトルは本当に美麗にさえ感じ、何が本当なんだかよく分からないのが「このすば」。作画まで「ネタ」なんでしょうね。

三期の予告を期待したのですが、ありませんでした。このあとも(というより、このあとの方はもっと)面白そうなので、アニメにしてほしいです。ともあれ、この作品に祝福を!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 59
ネタバレ

チョビ0314 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この素晴らしい石鹸なんか食えるか!!

この素晴らしい世界に祝福を!二期の感想になりますが長文なので、読んで戴く場合はその点をご理解下さい。

まず結構感心したのがオープニング&エンディング。
一期のオープニングは物語の始まりらしく、メインキャラの特性と今後登場するキャラの顔見せ的な構成でした。
これに対して二期は場面変化と共にキャラが徐々に汚れ表情も変化させ、各々の得意技を披露してから締め括り冒険成功の報酬をGETするまでを1つの物語として描きます。
これによりクエストをこなし糧を得られる様な冒険者への成長具合も分かる様に構成されていました。

エンディングの場合一期と同様アクセルの街と各キャラの一日を描き、冒頭等で流れるチルトシフト調の風景が余計に生活感を増させつつ生活状況の変化を自然と織り交ぜています。(チルトシフトはミニチュア風に写す技法の事です)
例えばカズマが一期と違い釣りが上手くなり、アクアは子供に対しての人気がやたら上昇。
メグミンはリンゴを勝手に取る事を止め猫を飼い始め、ダクネスは以前より街に馴染んだ感じ。(売り物のリンゴを盗ったらダメですしね)
そして帰る場所が馬小屋から屋敷に変わるが、帰宅する順番が重要です。
一期では最後にトボトボ帰ってくるカズマが一番先に戻って魚を焼き出迎える。これは彼が役立つ存在へと成長しパーティの要になったと様に感じました。

オープニングは仕事という日常、エンディングは休日という日常。
タイプの違う日常を短い時間で上手に描いている良い演出だと思います。

次はストーリーについて…また思い切った展開ですよね。
{netabare}主人公はいきなり囚人で裁判を受けるも何とか死刑を回避!するのですが膨大な借金を背負わされる。
しかもメインヒロインの一人ダクネスが丸々二話ほぼ出てこないという思い切りっぷり。
ここから先の話は暫くほぼララティーナことダクネス無双。
その変態性…いやいや問題児っぷりを存分に発揮しドン引きさせてくれると同時に盛大に笑わせて貰いました。
まぁなんやかんやで魔王軍幹部のバニルさんを討伐し汚名返上名誉回復、借金問題もなくなり似非セレブ候補になります。
そして4話を跨ぐ温泉回が始まりますが、肝である入浴描写は1話のみという構成。
代わりに一番多く描かれているのが温泉街の特異性で、簡単に言うと怪しげな新興宗教団体の異常行動の数々を赤裸々に描きます。
それはそれは恐ろしく街中に張り巡らされた勧誘トラップの数々…偶然を装った出会いから貴方の為に祈らせて下さいコンボ…飲める洗剤やら食べれる石鹸ってアム◯ェイ?果ては子供すら囮に使う徹底ぶり…みたいな感じで妙にリアル…もし自分があの街に行ったなら精神に異常を来たす自身があります…(登場人物の一人は異教徒に対する仕打ちを楽しんでたが…)
この手の方々の一番怖ろしい所は「純粋に良かれと信じやっている」点でして、ホント怖いなぁ…
で、またなんやかんやでラスボス「デぇっドリぃポぃぞンスラぁイムのハぁンス」との戦闘へ突入します。
各キャラが特性を活かし神作画の戦闘に勝利するのですが、{/netabare}ここで一番肝心なのがカズマの行動。
ご存知の通り主人公パーティはカズマ以外個々の能力が非常に高い。しかし各々問題があるのでそのままでは額面通りの能力を発揮できません。
カズマの機転と的確な指示、自らを囮とした誘導なくして強敵の{netabare}デぇっドリぃ以下略に勝利する事は叶わなかった筈。{/netabare}
つまりカズマはエース、ジャック、クイーン、キングを最適に運用出来る繰り手であり自らも化け戦うジョーカーという立場です。
エンディングの事でも少し触れましたけど、やはりカズマは無くてはならないリーダーではないでしょうか。

妙に主人公カズマの事を書いてしまったので、もう少し彼について考えてみたいと思います。
ダクネスが「アイツはどういう男なのだ?保守的で臆病かと思えば、身分の差を気にもせず貴族相手ですらひどく強気な時もある」と疑問を呈した通り、彼の行動はかなり変わっています。
周りからカスだのクズだの言われてるけど、本当にカスでクズなら貰えるお金を選んだりしませんし、強い相手には媚を売り諂い(へつらい)役立たずと知れば途端に縁を切る筈です。しかし彼は一概にそうしません。
どうしてかというと、彼はたぶん自分のルールに従順なだけではないでしょうか。
根性はないが自分が納得したら躊躇せず動くし、納得出来ないならば断固として断るという行動がそれを物語っています。
それに欠点のある彼だからこそ、同じ様に凸凹なパーティの欠点を理解し補うことが出来る様に思えます。
妙に褒めてしまいましたが、正直品性は汚いし小狡い…でもそういう彼を本気で嫌う人は少ない…不思議と愛される魅力があるという事ですね。

少し脱線してしまいましたが、前作と同様に全話を通じテンポ良く進むストーリーで一気でも個別でも視聴しやすいですから、色々な人に楽しんで戴きたい良作です。

えっと後、少し謎に思っている事を…
{netabare}カズマってスティールを使うと女の子のパン…下着をほぼ確実にGETしますよね。
でもアクアの場合だけは羽衣を剥ぎ取れました…これってアクアがノーパ…いやいや下着を付けてないから羽衣だったの?
む?そうなるとデュラハンのベルディアもそうだったのか?男だったから?
いやはや謎は深まるばかりですね。

で、やっぱり気になってグーグル先生に調べて貰った所、同じ様な疑問を感じてる方々のスレへ行き着きました。
それによりますとアクアのリアルなフィギュアではTバックを着用していて、ディフォルメされた「ねんどろいど」では未着用だったそうです。
う~ん…まぁどっちでもいいやw{/netabare}

一期のレビューもありますので、良かったら読んで戴けると嬉しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37
ネタバレ

赤緑 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

2期も良かった ただし作画は・・・ ハーレムのようでハーレムじゃない男子向けファンタジー

1期が好きなら楽しめると思う。
しかし、作画は1期より平均レベルが下がったように見える。
あと、めぐみんファンにはちょっと物足りないかも。
男子向けというのはお色気が多めという意味。


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あにこれ始めてから初のリアルタイム視聴アニメ。


ラノベ原作の、異世界転生RPG風ファンタジー、ただしギャグ。
詳しい説明は1期のレビューを参照。


2期はダクネス無双だった。(※ひいき目。実際はアクアも同じくらいだったと思う。)
その代わり、めぐみんが第2話を除いてちょっと目立たなかった気がする。
とにかくダクネスを堪能できた。注目しているのは、エロのところじゃなくて、お嬢様のところね。

新キャラもたくさん出てきて楽しい。
特にバニルがいいキャラ。人気も高いらしい。
バニルに言葉責めされているダクネス、いいね。


ただ、作画がちょっと・・・。1期にも増して悪いところが目に付いた。
第5話が一番良くて、第1話が一番悪かった、かな?
あと、後半はちょっと勢いが失速したと思う。さすがにマンネリになってきた気もする。
最終回はカッコ良かった。


最終回のエンドカード、原作のイラストの方が書いてるんだけど、何これ可愛い。
ダクネスが手前にいるから一番大きく描かれているわけだが。


《総合評価》

作画が良くないが、ギャグかキャラが気に入れば楽しめる。
見た目も好きなキャラがいるのに作画は評価できないということがあるのだろうか。


物語:
主にギャグの評価。
ストーリーは特に注目すべき点はない。
アルカンレティア編(温泉の都)は同じネタが続いて飽きた。

作画:
正直良くない。全編で第1話の水準だったら観てられなかった可能性が高い。
第5話で3.0、第1話で1.7、平均で2.2弱くらい?
OP・ED作画もあまり良くないのが悪印象になっている。

声優:
茅野さんあってのダクネスだ。
他のみなさんも、サブキャラ含めて良かった。
ただし、好みでの評価であって、総合的には最高とまでは言えない。

音楽:
劇伴のアコーディオンの曲が笑える。
OP曲、ノリがイイ曲。
ED曲は1期と同じノリのカントリー風。

キャラ:
ダクネス。
カスマさんも相変わらず。
アクアとめぐみんも割と好き。
過度な巨乳キャラが多すぎるのがちょっとマイナス。



以下、放送中に書いた駄文。

{netabare}
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▼第1話~第4話 - ララティーナ可愛いよララティーナwww

1話目での作画崩壊でどうなることかと思ったが、2話目からは何とか持ち直した。
ただ正直なところ、面白さの勢いは失速してしまったかな。

でもアクアの不憫さとダクネスの可愛さでまだ走り続けられそうだ。
拗ねてるダクネス超かわいい。


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▼第5話 - 作画が安定してきた(このすば基準)

今回もダクネスが大活躍。
中身がアレでも見ている分には問題ない!
あー可愛かった。

アクアもあいかわらず。

めぐみんの影が少し薄かった。

あと、すごくどうでもいいこと。→最奥は「さいおう」と読む。姑息そうな男、は誤用な気がする。


そして今回作画が、このすば史上最高品質だったのでは?


締めのシーンで、ガリル(角が生えた鉄のお面みたいのつけてる冒険者)が
前回の私の投稿のタイトル(↑第1話~第4話)と全く同じセリフ言ってて笑った。
(原作未読。)


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▼第6話 - 中休み回

今回は久々にロープレらしい展開。
・・・いや、前回は中ボス討伐だったはずでは。
前回のはカズマとダクネスの暴れっぷりが凄すぎて、中ボスバトルのイメージが無さ過ぎた。(褒めている)

安定の駄女神。


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▼第7話 - うちのがすいません

ストーリーがダクネス中心で進んでいる気がしてならない。

ところで、もしかして、めぐみんも履いてない?(いや、黒いの履いてるはず)

バニルいいキャラしてるな。


いざ、冒険に出発。
しかし、音楽が無駄にカッコいいなー。

「そんなスキル使ってません」「バインド」・・・ダクネスもう隠す気ないだろ。

カズマの名ゼリフ→すいません、うちの変態がすいません!


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▼第8話 - 美しい景観の街。景観は良かった、景観は。

やはりダクネスの登場シーンが多い気がするのはなぜだ。
私得じゃ・・・語呂悪いな、「俺得」じゃないか。

今回は作画がダメな部分が目立ったな。第1話ほどではないが。


カズマ、鬼畜とはいえ、なぜダクネスの言うとおりにした。(引き摺り)

そういえばトンビだったか、あのダチョウ。

ターンアンデッドの時のアクアの表情がヤバい。そういえば特徴に「顔芸」を付けてなかったな。

ウィズをもっと心配したげて。
ところで、ウィズを背負ったらスゴイことになりそうだが、平気なのかカズマ。

作画が悪い作品だけに、アルカンレティアの到着シーンは作画がんばったのか、美しかった。
アクアの同類がたくさんいるところを除けば良いところだな。

しかし後半はちょっと同じネタがクドかった。
最後のオチも読めたし。
幼女の叫び声は良かったが。

作画の悪さと髪型服装の違いもあって、街を散策した時のダクネスが誰だお前状態に。
キャンプ時の黒い私服のダクネスは可愛かった。そしてちょっとエロかった。


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▼第9話 - 温泉いきたい

また作画が良かった。もち(ry
特に、ヒロインたちが3割増しくらいで可愛いな。風呂だからとかそういうのではなく。
カスマが壁に耳つけているときの顔がウケる。

あと、ネコ(ちょむすけ)も可愛い。

ウィズは不憫属性が上がった。


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▼第10話 - カッコいい!

カズマの捨て身の策で
ハンスを倒すシーン、絵面はカズマを除いてカッコよかった。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

79.4 3 ドMで変態なアニメランキング3位
えむえむっ!(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1661)
9259人が棚に入れました
高校生の砂戸太郎は、女性に冷たくされたり暴力を振るわれたりすると、快感を覚えてしまうドM体質の少年。このままでは普通の恋愛が出来ないと考えた太郎は、生徒の願いを叶えてくれるという第二ボランティア部に相談に行く事に決めた。 神様を自称する、部長・石動美緒を始め、第二ボランティア部の面々によるドM体質改善作戦で、太郎のドM体質は治るのか!?

声優・キャラクター
竹達彩奈、福山潤、早見沙織、佐藤利奈、田中理恵、阿澄佳奈、大原さやか、儀武ゆう子、矢作紗友里、代永翼、杉田智和
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オチはM男がブッ飛ばされて終了。そんなありきたりなギャグを見せられているだけなのに、何故か毎回吹き出してしまう。‘SMが特殊なジャンルである’という事を感じさせない作り☆

本作は松野秋鳴のライトノベルを原作とした作品です。2010年の10月から12月にかけて全12話で放映されました。原作者の「松野秋鳴」は32歳の若さで死去しており、原作10巻を最後に未完となった作品です。原作は6巻の時点で累計発行部数100万部を突破した人気作品です。

あらすじ…高校生の主人公‘砂戸太郎’は気になる女性に告白する為、自分の体質を治したいと考えていた。何を隠そう彼は女性に暴力を振るわれたり暴言を吐かれたりすると、それに快感を覚えてしまう「ドM体質」なのだ。友人に相談した太郎は、とある場所を薦められる。それが「第2ボランティア部」だ。恐る恐る部室に入ると、そこにはにこやかな美少女が居た。メインヒロインの‘石動美緒’ある。美緒は太郎の悩みを聞き出そうと優しく接するが、はっきりしない太郎の態度にもどかしく感じ徐々に本性を現していく。そしてついに我慢の限界を迎えた美緒は太郎を一本背負いでなぎ倒す。そう、彼女は自覚していないが実は「ドS」なのだ。太郎は流されるままに第2ボランティア部に入部することとなり、美緒に「ドMの治療と言う名目のご褒美」を受ける日々が始まったのだ。

ヒロイン石動美緒の声優を担当するのは‘俺の妹がこんなに可愛いわけがない’で高坂桐乃を演じている「竹達彩奈」です。この声で同じようなツンデレ金髪美少女を演じるのだから似合わないわけがないのであるw ちなみにこの2作は放映時期も同じなのです。そのせいか眼を閉じたらどっちがどっちなんだか解らなくなるレベルw しいて言えば桐乃の方が若干声低めに演じられている気がします。

総評として「オチはM男がブッ飛ばされて終了。そんなありきたりなギャグを見せられているだけなのに、何故か毎回吹き出してしまう。‘SMが特殊なジャンルである’という事を感じさせないほどライトに描かれた作風が、広くファンを獲得した要因ではなかろうか」といった感じです。

ジャンルとしてはラブコメですが、ギャグテイストが強めで気負いなく視聴する事が出来ます。こういう作品ってシリアスなのかギャグなのかハッキリしない作品が多かったりしますが、ハッキリとギャグ寄りである事がすがすがしくて個人的には好みですね。オチは大体‘主人公が美少女にブッ飛ばされて快感を覚える’というパターンの繰り返しになってきますが、それでも問題無く笑えます。ヤッターマンで言うとドロンボーがお仕置きを受けるようなお約束パターンといいますか、世代を超えて通用する黄金パターンだな~と思わされますねw

SMという題材だけが特殊であり、それ以外を王道とする事で広く受け入られやすい作りをしているように感じられました。原作はライトノベルと言う事ですが「S女がM男をイビリ倒す」という設定だけでよく人気作を12冊も書けたな(良い意味で)と思います。この辺り、原作者の手腕を感じずにはいられませんね。登場するキャラクターは皆個性の強い設定になっているので、視聴者(読者)に飽きられないようにキャラを活かしているように見受けられます。しかしこれはあくまで個人的な好みですが、やや悪ノリが強すぎる場面があったりしますので、もう少し日常よりにして欲しかったという部分はあります。例えて言うなら「這いよれニャル子さん」のようなノリと言いましょうか…しかしこれは止む負えない部分なのかもしれませんね。ニャル子さんのアニメを見た時も「この内容で、よくラノベが書けたよな」と思いました。恐らくこの作品を視聴して感じた印象に似ていると思います。つまり‘どこか非日常的な部分を描かないとネタが持たない’というハードルを同じく抱えていた作品なのかもしれません。とはいえ、ニャル子さんの場合はそもそもの登場人物がファンタジーなので、そうなってしまうのは仕方ないのでしょうが。
私くらいの世代の人間がこういう作品に触れると、どうしても「うる星やつら」を連想してしまいます。ニャル子さんに至っては‘メインヒロインが人間じゃないラブコメ’ってところで既に被っていますし、今作に関してもヒロインは人間ですが「SM」という非日常を題材にしている事や‘最後に主人公がラムちゃんの電撃を食らって終了’というところなんかもオチが非常に似ているなと感じますね。そう考えると今作が非常に王道な作りをしているという所にも納得して頂けるのでは無いでしょうか?

*以下はネタバレを含みますので閲覧注意です。
{netabare}
とにかくメチャクチャ可愛かった美緒さま。私の中では美緒の存在がこの作品を高評価する約8割を占めていますw あと、オチが解っているのに主人公がお仕置きされる所で必ず吹いてしまう所が2割w
クリスマス回でも明かされていましたが、どうやら美緒は複雑な家庭で育っているようですね。太郎との追いかけっこでも笑わせてくれたお話でしたが、その辺り少し気になりました。誕生日を祝ってもらって嬉しそうに笑顔を見せる彼女が印象的でしたね。

第2ボランティア部の当面の目標としては「太郎のM体質を治す事」なんでしょうけど。どちらのヒロインと結ばれる事になるのか解りませんが、もし体質が治ってしまったら「ただの痛いオシオキ」になっちゃうので治さない方が幸せなのでは?と思っちゃいますねw

どんな時でも鉄壁ガードを貫く美緒のスカート。もう自律防衛機能でも付いてるんじゃねーか…って思ってしまいますw SMを題材にしているのに露骨なエロ描写がほとんど無い所は、私の中では高評価ですね。ツンデレヒロインはある程度の純潔が保たれてこそ、恥じらう姿に萌える事が出来ると思っていますので。でも最終回だけ美緒のハイキックでパンツ全開だったのは制作者の粋な計らいという所でしょうかねww
{/netabare}


さて、まとめに入りますがアニメは非常に楽しんで視聴する事が出来ました。
私は原作未読ですが、すでに5~7年前の作品になりますので、古本でも100円で手に入る状況です。機会があれば購入してみたいなと感じる事は出来ました。
しかし冒頭でも触れたように作者が他界されています。これほどの人気作を未完で終わらせた事は誰よりも作者本人が無念であった事と思います。発行部数100万部以上と多くの人に賞賛された作品の原作者・松野秋鳴氏のご冥福を祈りまして、レビューを終わらせて頂きます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オレたちのことは分かっているが、その人たちのことを本当に分かっているかは・・・★追記、変態はありかなしか★

「愛があるからご褒美なんだよ」
この言葉を全ての軽度な変態、変態と向き合う人たちに送りたい。

・・・というか本物、真性、重度と軽度の違いなどなど、何がどうだからそうなのかはよう分からんw



★追記、変態はありかなしか★

{netabare}世に変態はたくさんいて、性癖もたくさんあるが、
他者に悪影響、危害を及ぼすか否かがその善し悪しと思われる。

この作品の場合、
ドMがあからさまにその欲求をさらけ出すこと、
ロリコンで隙あらばその欲を満たそうとすること、
かわいい女の子へのマッサージを我慢できないこと、
ここら辺は他者に迷惑かけてると言っていいでしょう。

しかし、抱き枕やフィギュアを持ち歩いていることは一見悪く見えるが、
オレの判断ではセーフ。置き忘れちゃいかんがw

ドM、ドS、女装趣味、女の子をマッサージ、ロリコン、二次コン、コスプレ(撮り専)、
血縁関係への過ぎた溺愛、
がここで取り上げられている変態的な性質?性癖かな。男性恐怖症は別だと思う。殴っちゃいかんがw

これを身内、仲間内で収めていればいいけど、
それ以外の人々にまでその性癖の影響を及ぼしてはあかん。

ただ、女装趣味はバレなきゃいけそうな気がするw

つまるところ、天才ちびっ子ノアがしようとしたように
「全員変態にすれば変態・変人が差別されない」に行き着く。

もちろん、暴力や性的な嫌がらせなんか受け入れていいものではないが、
確実に「女は男を殴っていい」という描写はアニメでは受け入れられている。

なんか話それたが、
自分の好きなことを人に認めてもらいたい、受け入れてもらいたいなんて誰もが思う事。
そもそも自分が好きなことを好きでなくなる必要があるのか?

暴力や性的な行為を除くが、
①仲間や理解者を増やすこと、あるいは②もともといる絶対数が実は多いと知らしめること、
もうちょっと③寛容になってこの差別体質社会をどうにかすること、
とかがこういうことの対策になんのかね。

何か言いたいことがまとまらんかったが、
この作品を観ながらモヤモヤしてました~

★人に迷惑をかけなければありだが、それって誰までだ??以上!★
{/netabare}


古い作品(2010年?)だから細かいのは省略。

ドMネタを中心に、ギャグとノリとドSとラブコメ、変態ボケと変態ツッコミ、ときどきパロ。
ギャグ回以外のストーリー(もある)回の方が好き♪ ギャグ回も悪くはないww


☆登場人物☆

M男{netabare}、他者に原因有り?{/netabare}
ドS女{netabare}、そういう性格とM男との接し方がためでドSではないと思う{/netabare}
男性恐怖症+対男性暴力{netabare}、他者に原因有り{/netabare}
{netabare}女装趣味男、他者に要因有り→ver.2 女性に成りきる、他者に要因有り?{/netabare}
コスプレさせるのが好き女{netabare}、天然と思われる?{/netabare}

マッサージ女{netabare}、過度なスキンシップなので変態ではないと思う?{/netabare}
{netabare}天才孤立変人女、孤立は他者に原因有り{/netabare}
近親相姦願望母子(娘){netabare}、ある種の愛情表現なので変態ではないと思う?{/netabare}
ロリコン男{netabare}、天然と思われるw{/netabare}
二次元大好き男{netabare}、天然と思われるw{/netabare}
{netabare}ファンクラブ、天然と集団の特性と思われる{/netabare}

※天然(本人に原因・要因)、外的原因・要因(他者)など色々と変態・特異な体質の理由はあるが、
 結局は環境が一番の原因と思われる。

☆ここまで☆


この作品の本質は、
変態や特異な性質ってのを人種や性別、国や地域などに置き換えても変わらない。
簡単に言えば、差別の対象者、少数派が主人公たち。

理解し得る間柄で自分たちの問題解決、あるいはその過程で対応力・抵抗力を高めようって話。

そしてドS女は{netabare}、受け取る側の一番強い印象がそれであって、
人間関係の構築能力、距離感の取り方が著しく低いことが一番の{/netabare}特徴であり本作の軸と思われる。



まじめな話はここまでで、
主人公のM男タロウの表情・表現力が素晴らしいwwwww
対タロウの扱い(ドSがメインディッシュw)もええwwww

ここで問題になるのが、本物は相手が誰でもいいのかな? 知りましぇーんww
オレの場合は、知り合いより上からはご褒美ですが、他人からはただの唾棄にしか感じません。
そしてこれらの特異な性質ってのをギャグにすることを受け入れられるか否かで、楽しさが変わる。

ギャグ・パロ回担当は{netabare}天才{/netabare}だが、
この話、もうちょっとまともにぶつかっても良かったんじゃない?
分からないがための尺稼ぎに見えなくもない、がそれなりに面白いw


残念ながらこの作品は、伏線の未回収があり、
ラブコメ展開の結論も出していない。この優柔不断、鈍感、ドMゴミ豚クソ野郎がっ!!
オレもどちらがいいのか、悩みますww 人によっては第3、第4の選択肢があるでしょうw
表面的な好みだけで言えば{netabare}嵐子さん{/netabare}ですが☆ ・・・悩むwww


テンポやノリも良く、タロウを同一視することできる人は確実に楽しめるでしょうwwww
タロウに限らず声優さんはオレでも分かるぐらい豪華♪ 合ってるか合ってないかは別として~
変化するOPは素晴らしい☆☆☆ ラノベテンプレ要素も充実。
一般的?なえっちぃ感じは少な目に収めており、そこもオレ好み。
OVAはエロいらしいし、本編でも一部の描写はエロ過ぎw

ヒロインは2人とも腕利きの声優さんなので、その声で罵られたい方は必ず観てくださいwwwww
あとは、なんか上に書いてあることで引っかかったら見れば~w



~最後に原作者へ一言~
{netabare}オレたちのこと書いてくれて、ありがとうm(_ _)m{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ドM心に目覚めてしまいそうな作品でした。ってか半分くらいドMのドアが開いています。でもおもしろかったので、是非みてください。

ストーリー

主人公の砂戸太郎ある問題を抱えていた。普通(良くいる男子高校生)っとは違いました。女性に冷たくされたり暴力を振るわれたりすると快楽を感じてしまう真のドM男でした。このままでは恋愛ができない。ってか普通の生活ができない。そこで太郎が取った行動は生徒の願いを叶えてくれるという第二ボランティア部に相談に行く事に決めました。そこにいたのは、神様を自称する部長の石動美緒と、太郎がドMに目覚めた原因を作ったクラスメイトの結野嵐子でした。この物語はそんなドMを直すために第二ボランティア部ががんばる作品です。

私の感想

もし、この作品が2クールでしたら、私はドMになっています。

おっと、本音が出てしまいました。「私はSsoul。 サドの住人。 サド。 サド。」

しかし、私のようなサド人間をここまでマゾのよさが分かる作品。尊敬します。そして、Mの人。いつも大変でしょう。本当に乙です。傷つかれ、痛みつかれ、にらまれ、鞭でたたかれ、縄で縛られ、殴られ、蹴られ その他 体が良くもちますね!

まあ、マゾ、サドトークはここまでにして、この作品のことを話しましょう。この作品はある意味私の好きな作品の一つです。キャラクターの魅力っといいますか、なんといいますか、(たぶんこの作品に出てくるキャラクターが変体が多いいからだと思うけど)かなり個性的なキャラクターが多いいです。そして、その個性がまったくかぶっていない所が最高です。たまにあるじゃないですか、キャラクターの個性が同じで少しややこしくなる展開。しかしこの作品はそれがまったくありませんでした。

そして、メインヒロインの二人のうち、一人は超ドS。そして、もう一人は超男性恐怖症。男を触れてしまえばすぐさま殴ってしまう。そんなダブルヒロインを描いた作品はあまりありません。(男性恐怖症のヒロインはワーOングで見ました。 ドSヒロインは僕はO達が少ないで)

あと、この作品ほ主人公の名前に笑えました。名前が砂戸太郎(さど たろう)っと言うし名前なのにマゾってww 苗字はマゾ太郎にすればいいのに(血縁から、父親もマゾだったし)

何よりこの作品で一番無理が合って、そして私でも引くキャラクターの設定ぞうは実の親(母)と実の姉が太郎にめろめろな所です。 ってかマジありえないだろ!! 太郎が朝起きたら、いつも姉か母がベットにもぐりこんでいて、そしていつも太郎のことを狙っている。ある意味すごい家族です。父親はドMだと聞いていますが、今はどうなっているのかはしりません。

{netabare} 私が一番好きなキャラクターは柊 ノアです。まあ、私の趣味のわかっている人は分かったと思いますが、私はロリ体系が大好きです。もちろん石動 美緒もある意味ロリ体系だと思いますが、少しS過ぎて私とキャラがかぶってしまいます。っと言う事で、ノアラブです。ちなみに私が男キャラで好きなのは葉山 辰吉です。結構かっこいいのに趣味があれはww そこがすきです。{/netabare}

オープニング

「HELP!! -Hell side-」(第1話 - 第4話)
このオープニングは次のオープニングっと同時に説明します。

「HELP!! -Heaven side-」(第5話 - 第12話)

この二つのオープニングは歌詞はまったく同じです。何も歌詞は変わりません。しか~し、Hell side は石動美緒しか歌いません。けれど! Heaven side では 結野嵐子も参加し、曲がもっと良い感じの曲になります。

違いはこれだけだと思いますか? いえ まったく。 画像がまったく違います。もちろん同じの所もありますが、画像がまったく違います。 Hell sideではなんといいますか・・ 地獄を見ているような絵図らです。太郎がかなりひどい目にあっています。もう人間を扱うような感じではありません。しか~し! Heaven side ではなんと! 天国のように先輩が天使のように微笑んでいる所が多いいです! しかも以外にコスプレ画像も超多くなっています。 ある意味最高です。この二種類のオープニングが分かった人はある意味尊敬します。私は4回みてやっとわかりました。あまりに自然に変わっていたので、気がつきませんでした。(ちなみに私はちゃんとオープニング、エンディングを最後まで見る派です。)

エンディング

「More-more LOVERS!!」
この作品のヒロイン二人の踊り、そして、コスプレ はぁはぁ かわいい (はぁはぁ はよけいだったかなww なんか変体みたい。)なんといいますか、恋する二人のアイドルって感じがします。そして、踊りが微妙にこの二人の性格にぴったりなのがこの作品の良さだと私はおもいます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

85.6 4 ドMで変態なアニメランキング4位
僕らはみんな河合荘(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (2406)
13646人が棚に入れました
親の転勤で「一人暮らし」をすることとなった男子高校生・宇佐は「河合荘」という賄い(食事)付の下宿に住むこととなった。そこには彼にとって憧れの先輩である女子高生・律も住んでおり、宇佐は「彼女と共に、穏やかで充実した高校生活を送りたい」と願う。

しかし河合荘には律の他に強烈な個性を持った住人がおり、宇佐は彼らに大きく振り回されてしまう。

声優・キャラクター
井口祐一、花澤香菜、四宮豪、佐藤利奈、金元寿子、小林沙苗
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

こんな下宿先に憧れます、馴染めるかは…さておいて。

2014年の4月放送。
全12話。


【前置き】

個人的に好きな「それでも町は廻っている」が掲載されている雑誌ヤングキングアワーズの人気作ということで、興味が湧いた作品でした。
加えて、好きなレビュアーさんの視聴後レビューも軒並み高かったので、見て損は無さそうかなぁ…と。

して、肝心の第1話。
開始数分で職務質問をされるキャラクターが登場した瞬間、私は本作を全話見ることを決意したのでした。



【あらすじ】

男子高校生の主人公『宇佐(うさ)君』が、下宿「河合荘」で一人暮らしをすることになりました。

そこには偶然にも、憧れの先輩である『河合 律(かわい りつ)』も住んでおり、充実した高校生活を妄想する宇佐君でしたが、無愛想で常に本に夢中な律ちゃん。

行き遅れのOLや腹黒い女子大生、更にはマゾヒストな同居人と、個性的な面々が住むこの河合荘で宇佐君は、律ちゃんと距離を縮められるのでしょうか?



【論じてみる】
{netabare}
冒頭のオープニング曲から、もう既に私は心を持って行かれ気味でした。
和で基調された趣ある映像は作画も綺麗でしたし、有頂天家族でも主題歌を歌ったfhanaさんの声も非常にマッチ。

しかしなによりサビの部分の、律ちゃんが色々な本の世界のキャラクターに成りきってコスチュームから表情までコロコロと変わるシーンが、もぅメチャクチャ可愛いかったのです。
黒髪ショート万歳。


ストーリーは、日常系の中ではワリと大人向けな気がします。
雰囲気もさることながら、会話に多くの下ネタ(主にマゾヒストなネタ)も含みますしね。
下劣であったり、過剰なエロ描写は一切ありませんけど。

ただ、コメディを交えながらも、人間模様を少しずつ丁寧に描く内容なので、総じて見応えがありました。
だからといって気楽に見れないわけでもなく、中々に絶妙な匙加減だと感じましたね。


年齢も離れた赤の他人同士が下宿先とはいえ一つ屋根の下で一緒に暮らし、一緒に夕食を食べ、誰彼ともなく「暇だなぁ…」と言いながら団欒の席に集まる生活。
特に今の現代では早々ありえないような日常生活な気がしますが、だからこそ魅力的な印象を持ちました。

特にそう思えた要因として、その住人を家族のように慕っていつもニコニコし、時にはちゃんと叱って?くれる、大家の『住子(すみこ)さん』の存在が大きいですね。
それぞれの帰りを待ちながら一人で夕食を作る住子さんの背中は、この河合荘の居心地の良さを物語っているようでした。
住子さんが大家であるからこそ、この河合荘は秩序を保ちつつ、こうも楽しそうに成り立っているのでしょうね。



さて、中学時代は変人処理班(略して『ヘンショリ』)と呼ばれていた宇佐君は、この河合荘の面々とも、すぐに打ち解け順応していきます。
本が大好きであるが故に、人付き合いが疎かになっていた律ちゃんとは、まさに真逆でしたね。

作品のテーマにも見える、この『人との距離感とその付き合い方』の描写は、思った以上に生々しく、ハッと思わせてくれる台詞もしばしば。
中でも、序盤で語った律ちゃんの本音、


『話合わないのお互い分かってるのに合わせたり…、かけてこないのにケー番交換したり…。

 そういうのより…、一人のがいいのに…。

 でも、笑って調子合わせて……、

 一人は嫌じゃないのに、一人だと思われるのは嫌で…。』


という台詞には、共感した人も多いかもしれませんね。

あと、腹黒女子大生サヤカさんが第5話で語った、パソコンで例えた人付き合いの対応の仕方も、とても上手い言い回しで、なるほど!!と思わせてくれました。
「ハードディスクが壊れてる」と称されたシロさんが、それを嬉々として受け入れている点から見ても、とても的を得ていましたしね。



本作は、成長という意味合いでは主人公の宇佐君よりヒロイン律ちゃんに注力されており、彼女が住民との触れ合いから何かしらを感じ取り、人付き合いを頑張る様が見所でもありました。

それが作中で大きく好転を迎えることはありませんでしたが、宇佐君とほんの少し縮めた距離感が、いつかまた一つ彼女を変えていくのかなぁと思うと、これから更に広がっていくであろう作品の世界観を追いたくなりました。

まぁ…、無愛想で、時に笑い上戸で、時に照れて顔を赤らめる今の律ちゃんで、もう十ニ分に魅力的で良いキャラなんですけどね。
最終話の酔った律ちゃんなんて、宇佐君と同じく

「なんだ、この可愛い生き物!」

なんて思っちゃいましたし。

ただ、声を演じられた花澤香菜さんの仕事量の多さから、個人的にはどうしても声だけは既存のキャラクターと重なってしまい、そこは残念でした。
元々大好きな声優さんなのですが、凄まじい売れっ子になってしまったが故の弊害ですね。
「化物語」で千石撫子に悶えていた頃は、まさかこんな不満が出るとは思いもしませんでした…。
{/netabare}



【マゾヒスト シロさんの魅力】
{netabare}
謎多き男である城崎(シロさん)は、作中でも欠かせない愛すべきキャラクターだったのではないでしょうか。

このシロさんは、真性のM男であり、 作中至るところで
『罵られては興奮し、人が罵られてる様を見ては嫉妬し渇望する』
という、ここだけ聞けば社会的に隔離することで、犯罪件数が確実に好転するようなキャラクターです。
しかし逆に捉えれば、罵るだけでどんな頼みも引き受けてくれるので、住人からは

「シロの燃費は、エネルギー革命レベルだな。」

と言われる程でもあるのでした。

加えて、あくなき無邪気さに加え、実は風貌以上に達観した見識も持ち合わせており、総じて底の見えない魅力に満ち溢れていました。

このキャラ立ちは、作中でも群を抜いていたように私は思います。
まぁ、苦手な人は最早嫌悪感以外何も浮かばないキャラクターかもしれませんが。


シロさんらしい台詞として私が共感したのが、慕われた小学生に対し

『遊びは子供だけの特権じゃないよ、大人だって遊ぶ時は遊ぶんだから。』

と言ったところですね。
こういう心持ちを、私もこの先ずっと忘れたくないです。

……まぁ、こんな良い台詞は全体の2割程度で、あとの8割は↓


「宜しくルームメイト、お互い干渉せずに時々物理的に縛ってくれ。」から始まり


「思いっきり塩っぱい目と、冷笑をアリガトウ(*´Д`)ハァハァ」とか


「心外だなぁ…小学生に興味ないよ、その…お母さんにはあるけど(*´Д`)ハァハァ」とか


「子供はそれでいいんだって、必要な時に大人を頼って…。

 切り捨てて、踏んでしまって行ってくれれば…(*´Д`)ハァハァ」とか


「俺は痴漢行為じゃなく、その撃退法に興味を抱いただけで、似て非なる者だよぅ(*´Д`)ハァハァ」とか


「たった一度の出会いで何度も虐めてくれる節足動物さんは、SM界のエコロジストやで(*´Д`)ハァハァ」とか


「俺さっき…、熱射病ギリギリ責めやっててさぁ…、おおっとドン引きアリガトー(*´Д`)ハァハァ」とか


「俺は断然ネコだね、出来れば俺をすご~く嫌っててほしいなぁ、

 でも時々は気まぐれに近付いて俺の期待を思いっきりブチ壊して「ざまみろだにゃ~ん」とかって(ry」などなど…。。。

(↑一応これでも厳選したのよww)

その言動は基本的に常軌を逸しているのですが、それが住人にシロさんだからと許され?受け入れられているのは、やっぱりその人柄の良さからくるのでしょうね。

ワリと気軽に好きという私ですが、このシロさんはその中でも、大っっ好きと胸を張って言えるキャラクターでした。
{/netabare}


【総評】

コメディのクオリティが高いだけでなく、人間同士のリアリティあるやり取りも魅力的で、根幹にしっかりとした柱がある作品のように思えました。
コメディに関しては、マゾヒストを許容出来るかに大きく左右されはしますけど。
(ちなみに私は、何度か吹いてしまう場面もあった程ハマりました。)

原作が基本的に短編の為、後半は若干シナリオ構成が不安定に感じる節もありましたが、総じて毎話一定以上の水準で楽しめ、私はこの河合荘の世界観と面々が大好きになれました。


では最後にもう一つ。
心に残った、律ちゃんのこの台詞について。


『確かに好き嫌いは皆違うし、そこは仕方ないけど、

 友達に…自分の好きなモノを簡単に否定されたら、傷付くよ…。』


私は本作が、その好きなモノになりました。
うん、簡単に否定されたとしたら…やっぱり誰でも傷付いちゃうかもしれないですね。

特にシロさんのことを酷く言われたら……。。。
…いや…、いいのか…シロさんに限っては…、むしろその方が…。

でも、それぐらい好きな作品に出会えたことは、とても幸せなことです。

読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『城崎(シロさん)』声 - 四宮豪さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『河合 律』声 - 花澤香菜さん

投稿 : 2024/11/02
♥ : 54
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

12話まで鑑賞済。レビューと総評っぽいものを追加。なかなか上手くまとまらないです。

原作未読で視聴を始め、今は単行本5巻まで既読です。
(一応アニメ終わってから4巻以降を読みました。)

採点&総評っぽい物-----
{netabare}
●物語
劇的な変化は無いけど少しずつ前に進めていると感じられる、そんな物語だったと思います。ゆっくりで良いけど、それでも早く宇佐君と律ちゃんの未来が見てみたい。そんな矛盾を抱いております。
話題転換やオチが基本下方面なので、そういう意味では観る人を選ぶとは思います。『生徒会役員共』とはまた違った方向の下ネタなので・・・。

日常物に分類できそうな作りではありますが、心理描写も細かく、伏線っぽい物も配置されてたり、観直してみて気がつくことも多々ありました。

●声優
シロ役・四宮様、麻弓役・佐藤様、大変お疲れ様でしたw
下方向・M方向なセリフ盛り沢山な上に、ボケにツッコミに奔走されていたと思います。
宇佐役・井口様も、基本1人で溢れんばかりのボケに対処されていたと思います。
千夏役・清水様は・・・安定のSJSだったと思います。

●キャラ
河合荘の6人からサブキャラまで、濃い面々でしたw

1回目序盤ではよくわからなかった宇佐君の過去ですが、2回目観直してみると「あ~なるほど」と。「ヘンショリ」というスキルで前面に出てましたが、基本空気も読める、よく気がつく、対人スキルの高い子だと思うんですよね。「適当に流して合わせる」のではなく「個々に対応できる」という、そんな印象。

序盤では取り付く島も無さそうな律ちゃんでしたが、色々出来事を重ねる内に、徐々にではありますが宇佐君との距離も近づいていき・・・。ラストは一見大したこと無さそうなのに、心底良かったな~と。

結局何を生業にしているのかイマイチ分からなかったシロさんですが、要所では住人に配慮しつつ、シリアスになり過ぎない要素として良い味だしてたと思います。M方向はともかく、他では意外と河合荘の良心的な部分もあったかな?と。

シロさんと同じシリアス回避・ラブコメクラッシュ要員だった麻弓さんですが・・・何といいますか、ブレずに振り切ってるな~とw とはいえ最後の一線は越えない、暴走するだけの人でも無かったのですが。美人でスタイル良くて、一見充実してそうな人なのに・・・w 大丈夫、徐々に股数減ってるからw

個人的に一番謎なのが彩花さん。ミステリアスとはちょっと違う気がしますがw こんなこと書いてしまうのはアレですが、一度素顔が見てみたいw 11話(?)での宇佐君の怯え様と彼女の魔術スキルから、気になって仕方がありません。

大家の住子さんは・・・若いといいますか、可愛いといいますか。住人を見守りつつ、一緒に楽しみつつ、締めるところは締めつつ。河合荘の母親といいますか。

●作画
クール通して安定していたのでも十分な上に、背景などの描写も細かく、綺麗に描かれていたと思います。「太陽の光」は特に気にして描かれていたのではないでしょうか?
キャラのデザインも個人的には問題無く見られたと思います。表情の変化・デフォルメなども良かったと思います。

●音楽
ED曲は一発でお気に入りに。
OPも映像と合わさると、いい感じだと思います。
{/netabare}

12話まで鑑賞後-----
{netabare}
結局原作3巻までのエピソードで終了となりました。
4巻5巻と読んでみて、キリのいい場所で終わっているとは思います。
が・・・やはり先が気になりますねw(TV終了時点だと)

ムカデ騒動の時の宇佐君は・・・カッコ良かった。
咄嗟にあんな反応、なかなか出来ない。
中盤以降から色々な要因はありつつも、宇佐君と律ちゃんの距離は確実に縮まってはいるな~と思える回だと思います。
しかし・・・ムカデガムテの話は笑えない。遭遇したらどうすればいいんだろうw 熱湯なんて常に手元にある物でもないしw

「霊感少女・林」と「SJS・千夏」再び。
主に宇佐君、律ちゃんの心を揺り動かしていってくれました。
SJSだからなのか、恋バナに興味がありすぎるのか・・・子供って怖いですよね~w あの彩花さんですらツッコまない部分に、勇敢にも(?)踏み入れて行くんですから・・・。何回観ても「あ~やめたげて~」と思いますw

11話のテーマは「友達」でしょうか?
彩花さんの友人・ツネコさんの時は・・・大変笑わせて頂きましたw 2人の出会いから、ツネコさんが河合荘をあとにするまでw
後半は律ちゃんに友達(?)が出来るわけですが・・・。

終盤の物語のメインは宇佐君と律ちゃんだったように感じました。2人の関係もありますが、どちらかと言えば「律ちゃんの心の中」が主題だったような。林さん再登場に揺らされて、千夏にツッコまれ。本の話が出来る知人が出来るけど、その流れの中で「宇佐」と「距離感」というものを感じて。
宇佐君を自覚しているのかいないのか。自覚しているならどう自覚したのか。その辺、今一つ把握し切れなかったですが、それでも最後はケータイの番号を交換するまでには至ったということで、1話に比べれば格段の進歩だと思います。
間違って梅酒で酔っ払って、絡んだり拗ねたりする律ちゃんは可愛かったw
{/netabare}
8話まで鑑賞後-----
{netabare}
ヒロインであろう律ちゃん含め、河合荘の個性的な面々との暮らしもよい感じの距離感になりつつあるな~と思えております。律ちゃんとの距離は縮んだり伸びたり絶妙ではありますが、こちらも悪くないような流れでしょうか。

チカンの件とか書生カフェの件とか・・・このところ律ちゃんがいろいろ可愛すぎるw
そして宇佐君にしてみれば惚れてる弱みなのでしょうが・・・ズルいw

基本M方向に物事を持っていけるシロさん。収入は一体どこから?w
見事なまでのダメ男キャッチャーぷりですが、要所でツッコんでくれる麻弓さん。
こんなこと書くのはアレですが、一度化ける前の素顔が見てみたい彩花さん。
大家さんだけど、住人のことをちゃんと見ている、それでいて時々悪ノリもしてくれる住子さん。
河合荘の皆はどのキャラもお気に入りです。

劇的に物語が進むわけではありませんが、少しずつでも変化が見える作品だと思います。原作を同時進行で読んでいるのですが、早く先に進みたくて仕方がない今日このごろです。

というか・・・8話でようやく原作2巻完了とか、どんなペースなのか?とw
元々原作自体、密度が高いのか。
アニメ化スタッフが意図して、そういうテンポにしてるのか。
『何巻まできたのか?』とか考えるとまだ2巻とも思えますが、実際に視聴していて「遅い」とか「ユルい」とか「まったり」とか感じたことはないので・・・不思議です。
30分が長いと思ったこともありませんね。

{/netabare}
3話まで鑑賞後-----
{netabare}
今クール上位に入れても良い出来だと思います。

若干下ネタに走り気味なところはありますが、テンポやノリ、方向性は好みです。

画的な部分も、飛びぬけて綺麗なわけでもないですが、丁寧に描かれていると思います。キャラデザも別に文句ないです。連載されてる雑誌名を知らなかったら、少女マンガ原作か?と思ったかもしれませんがw

キャラはとにかく・・・濃いですね。特に主人公以外。
個人的には『管理人さん』がツボですね。
住人のお世話をしてくれたり、心配してくれたり、ネタに乗っかってくれたり。とても柔軟なおばあちゃんだと思います。

今クールは『ブレインズベース』作品がお気に入りになりそうです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

読書好きな彼女とへんじん荘

~ この物語は、

読書好きな高校2年生の女の子、りっちゃんと、
恋に恋い焦がれ恋に泣くこともできない、優しくも気が弱くはない、
思春期真っ盛りの男子高校生1年うーさーの恋愛成分をほどほどに含む、
一つ屋根の下系(下宿・一階建ての平屋)コメディです。

「りっちゃんはオレの嫁」とかハァハァしたいという過度な期待をされているヤローは、
メガネのりっちゃんでもプロデュースしてハァハァしてください。

また、
まゆみさんは誰にでも発情しますし、
さやかちゃんには中毒性のある息絶え絶えのハァハァできますし、
シロさんは密かにいいヤツですし、
すみこさんの料理は美味しそう、
だからと言って、河合荘に住みたいとかいう変態さん、特に男はお断りです。

独り虚しく勝手にハァハァしやがってください ~





・・・ん~、オレの中で今期ナンバー1☆☆☆☆☆

そう、この作品はショートカットで同級生とわちゃわちゃ騒がないりっちゃん、
ついでに、りっちゃんに惹かれる青春男うーさー、その果敢なアプローチ、

というかやっぱり、りっちゃん、ついでにうーさーを好きになれるか否かで楽しさが変わる。

{netabare}ドSな{/netabare}さやかさん、まゆみさん、変態シロさん、さやかさん、さやかさん、{netabare}超ドSなクイーン{/netabare}さやかさん、
を好きになっても、この二人を好きになれなかったら楽しめない。

まあ、ショートカットで、人見知りして、美少女で、
{netabare}最近読んでる本に感化されてはっちゃける{/netabare}カワええ子なんて、
オレからしたら最高にハァハァ(*´Д`)ハァハァ


★思い出話とか~{netabare}

そう言えば、初恋の女の子はショートカット。広末が全盛期の時代に思春期を送った。
最近、前髪があるショートカットを見なくなった。
前髪パッツンとか、ヘルメットは観なくはないし、パッツンのゆるふわパーマとかはあるが、
何だろう、このスポーツやってるかも的なただのショートカット。
ショートカット、最高だよ(*´Д`)ハァハァ
あまちゃんとかもええけど、違うんだよ。
ショートカットの美少女、社会人では見かけないあのショートカット(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ

・・・ええ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ{/netabare}


実は、初めてOP見たときからその素晴らしさに惹かれていた。
二つの場面が大好きで、OPでものすごい期待感を持ってしまった。
あの降り注ぐ文字の雨を傘で守る所、
うーさーがりっちゃんを見て瞬きするところ。
・・・べ、別に、うーさーにトキメイタなんてこと、ないんだからね!wwwww


けど、なんだかんだ言って、まゆみさんみたいな性格の人が一番好きなんだけどね。
{netabare}尻軽でなければ、というか見境がつくのであればねww{/netabare}



と、キャラばかりに視線を寄せたけど、
この作品の良さにはリアリティのある人間関係、感情の個性ってのがある。

正直、2,3話ぐらい非常にムカつくエピソードがある。
どうしてそういう行動を取ったのか、何でそんなヤツなのか、
そこには未成年の子どもらしい、過信や慢心、すれ違いや意志の弱さがある。

さやかさんメインの話はなんかホッコリしてしまった♪



とか、なんとか言っちゃって、
結局はりっちゃん{netabare}の眼がキラキラし始めてから{/netabare}続きが楽しみで楽しみで仕方なかった。

何度も繰り返して観たい、とは思わなかったけど、
どうしても一回観ずにはいられない、って欲求が駆られた。

結局、りっちゃんの声から違和感を取り除けなかったけど、

このちょっと古臭い色使い、人間関係、変わらない頭の悪さ、
ってのには懐かしくって心地よくってたまらなかった。

ちょっと不安定な日常と、少なくない淡い恋愛感情を楽しめそうなら観てみるといいんでない♯







~むかしのかんそう~{netabare}

2014.04.18 22:49 物語 : 4.0  作画 : 4.0  声優 : 3.5  音楽 : 4.0  キャラ : 4.0
【3話までの感想『マイ花澤さん論 とちょこっと感想』】


マイ花澤さん論 ※ファンの方、閲覧注意{netabare}

りっちゃんとは合ってない気がする。

オレの結論としては、
花澤さんはイイ声優だが万能型ではない。

冬アニメの合ってる度w
ディーふらぐ ロカ☆☆ ありだが合っているとは思わない
関くん 横井さん☆☆☆☆☆ ぴったり
ニセコイ 小野寺☆☆☆ 悪くないけど、作品がオレに合ってないからよーわからん
のうりん 農☆☆ なまりは合ってない
ダンディ ぜんつー星人☆☆☆☆☆ 合っている、実にイイ♪

前にもどっかで言ったけど、
花澤さんはオレの中でまゆしーの声優さんなんだよねw

なんとなくイメージとして、
「元気」「高校生(以上)」な感じ。
声が結構ハスキーだから、まずちびっ子がびみょい。(普通ちびっ子って声高いし)
そして、結構な頻度で寡黙キャラの出番も多いんだけど、あんま合っている気がしない。

昔の作品(ラストエグザイル?・・・とか??)だと色々合っている気がするけど、
最近の作品だと当たり外れが多い気がする?

けど、ぶっちゃけ上手いから3話ぐらい観てると違和感がなくなる。
それでもその3話までがツライ。

声聞いて「中の人は○○さんだ」ってあんまり当てられないけど、
花澤さんはほぼ確実に分かる。
(声優さんが誰だか分かるのは、
この作品ええ♪→原作なんだろう→ウィキる→ついでに声優さんも見てみる、の流れ。
エンドロールで気付くことも結構あるけど。)

要するにオレが言いたいことは、
花澤さんが出演するだけで売上が伸びるなら、しょうがないかwwwww
まあ、いいんでない。
ただオレの場合、主役が合ってないって感じると視聴意欲が下がってしまうこともあるだけ。

・・・許容範囲が広いと思いきや、みみっちいヤツだなw{/netabare}


さてさて、河合荘の話しよっかな。

ちょっとエッチなネタも扱う、1つ屋根の下である意味共同生活だけどアパートみたいなもん作品。

キモはエッチなことをするのではなく、エッチいことをネタにすることもあって盛り上がること。
つまり、エロい作品ではない。
エロいキャラ、変態キャラはいるが、主要キャラ同士で物理的な加害者・被害者にはなっていない?

ってエロとエッチばっか言ってるなwwwww

それはあくまでも面白さの1つであって、それだけの作品ではない。
変なキャラ同士で盛り上がっているのを見てホクホクして楽しむのが、イイ感じ♪

あらすじとかキャラ紹介は他を見てちょ。
ちなみに一番好きそうなキャラはさやかちゃん。
{netabare}主人公になびかなそうな{/netabare}色恋沙汰方面で露骨なキャラは好きだな☆☆☆☆☆

見て、好きなキャラがたくさんいたら見る価値あると思うよ~♯

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

76.3 5 ドMで変態なアニメランキング5位
よんでますよ、アザゼルさん。(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1280)
6850人が棚に入れました
芥辺探偵事務所で働く女子大生・佐隈りん子。彼女は雇い主である芥辺に素質を見出され、助手として依頼をこなしてい くうちに、悪魔探偵」という芥辺の裏の顔を知ることになる。ある日、「夫と浮気相手を別れさせて欲しい」という妻からの依頼を受け、芥辺がグリモアという魔術書を使い魔界から召 喚したのは、とんでもなく下品な悪魔・アザゼル。イケニエと引 き換えに、依頼に向かったアザゼルだったが、事態は思わぬ 方向に…!?役に立ちそうで立たない個性豊かな悪魔たちと佐隈の騒がしい日々は今日も続いて行く…。

声優・キャラクター
小野坂昌也、佐藤利奈、浪川大輔、神谷浩史、中井和哉、小林ゆう、白石涼子、玄田哲章
ネタバレ

スガル72 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

宗教上のアザゼルについての解説でも

【よんでますよ、アザゼルさん。】は15分アニメなのに、毎回とても内容が濃いです。
間のとり方がすごく上手いので、15分で内容が濃いのに詰め込み過ぎの感じがしません。
作画も遊びの部分に気合が入っていて、特にイチゴの魔法少女の劇中劇アニメ【ストロベリーマジック】の出来は格別です。
アニメの制作スタッフにも敬意を評しますが、声優さんにも敬意を表します。
皆照れもせず、最高の演技を見せてくれます。

【よんでますよ、アザゼルさん。】の内容は、過激で下品なブラックユーモアに溢れているのに、主要キャラが魅力的なので嫌悪感を感じませんでした。
この作品は、神も天使も、人類も、悪魔も、等しく冒涜しているので、ある意味非常に平等な物語です。
ただ、その内容ゆえに、熱心なキリスト教国でテレビ放映が行われる可能性はきわめて低いのではないかと思います。
これは【聖☆おにいさん】が、神も天使も、人類も、悪魔も、仏陀も、等しく愛すべき存在として描いているのと対極にあるのではないかと感じます。

{netabare}【よんでますよ、アザゼルさん。】では神が普通にシモネタを披露します。
天使も悪魔も人類も、基本嫌な奴だらけです。{/netabare}
それでもこれは魅力的なアニメ作品でした。


あと私は宗教とか宗教団体には興味ないんですが、若い頃読書は好きだったので、聖書とか、カバラとか、錬金術書とか、仏典とか、道家の書とか、ウパニシャッドとか、有名どころの聖典類も少しは読んでいました。
なので最後に、メジャーなベルゼブブやルシファーに対していまいちマイナーな、宗教上のアザゼルについての解説でも書いてみようと思います。

アザゼルが直接言及される正統的な資料は、旧約聖書のレビ記です。
しかし旧約聖書を全部読んでみたんですが、そこではアザゼルの背景には一切触れられていません。
当時は当然知られていたので、改めて説明する必要がなかったんでしょうね。
旧約聖書レビ記では、神はモーセの兄である祭司アロンに、アロンが契約の箱(後の失われたアーク)に近づいて死なないように、二頭の雄山羊を用意するように命じます。

『アロンは二匹の雄山羊についてくじを引き、一匹を主のもの、他の一匹をアザゼルのものと決める。アロンはくじで主のものに決まった雄山羊を贖罪の献げ物に用いる。くじでアザゼルのものに決まった雄山羊は、生きたまま主の御前に留めておき、贖いの儀式を行い、荒れ野のアザゼルのもとへ追いやるためのものとする(レビ記16.8)』

この贖罪の儀式を記念として、イスラエル民族は毎年第七の月の十日に、アザゼルへの雄山羊を用いた贖いの儀式を行うことになりました。
現在は聖書の正典に含まれていないエノク書(1~2世紀頃成立)では、アザゼルは堕天使=悪魔のリーダーの一人として描かれます。
この堕天使達はエグリゴリと呼ばれ、200人の集団の中に、20人のリーダーがいました。
書名に用いられるエノクとは、アダムの7代目の子孫でノアの四代前の先祖ですが、旧約聖書の創世記では、「エノクが365年生きた後、神が取られた」とだけあるので、生きたまま神に連れて行かれたと信じられていました。
そのエノクのその後を描いたのがエノク書です。
エノク書によればアザゼル達の率いる天使の集団は、人間の女が美しいのを見てそれを妻にするために地上に降り、人類に知識と文明を与えたために、神と敵対して堕天使になったそうです。
このアザゼル達と人間の女との間に生まれたのが、ネフィリムと呼ばれる巨人族でした。
そして神がこのネフィリム達を滅ぼそうとして、ノアの洪水を起こしました。
以上はエノク書の説です。

そしてこのネフィリムの子孫達とユダヤ民族とは、ユダヤ民族のカナン(パレスティナ)侵入のときに敵対することになります。
創世記の中で、アブラハムはヘテ人(ヒッタイト)から、ヘブロンにあったマクペラの洞窟を購入しましたが、このヘブロンは、出エジプト後のヘブライ民族のカナン(パレスティナ)侵入後に、ユダ族(ヘブライ民族の一支族でユダヤの語源)の侵略を受けます。
そのときヘブロンに暮らしヘブライ民族と戦ったのは、創世記のノアの洪水以前に登場する、神の子達と人間の女達との間に生まれた、ネフィリムと呼ばれた英雄たちの子孫でした。

彼らは巨人族で、ヘブロンの土地も元々は、ネフィリムの伝説的英雄アルバの名にちなみ、キルヤト・アルバと呼ばれていました。
この神の子の子孫であり、ヘブライ民族に滅ぼされたネフィリムの子孫の住んでいた土地は、アシュタロト(中東の金星の女神。バビロニアではイシュタルと発音)や、デビルという名で、後に悪魔のことを指す語になりました。
ヘブライ民族に敵対した神の子の子孫ですから。

『サラは、カナン地方のキルヤト・アルバ、すなわちヘブロンで死んだ(創世記23.2)』

『神の子らは、人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった(創世記6.2-4)』

『我々が見た民は皆、巨人だった。そこで我々が見たのは、ネフィリムなのだ。アナク人はネフィリムの出なのだ(民数記13.32)』

『ヘブロンはかつてキルヤト・アルバと呼ばれていたが、それはアナク人の中で最も偉大な人物アルバの名によるものであった(ヨシュア記14.15)』

『アシュタロトに住むバシャンの王オグ(申命記1.4)』

『バシャンの王オグはレファイム人の生き残りであった。
彼の棺は鉄で出来ており、基準のアンマで長さ九アンマ(4m5㎝)、幅四アンマ(1m80㎝)もあった(申命記3.11)』

『そこにはエミム人が住んでいた。
強力で数も多く、アナク人のように背の高い民であった。
彼らもアナク人同様に、レファイム人と見なされている(申命記2.10)』

『ヨシュアは攻め込んでアナク人を山地、ヘブロン、デビル、アナブから、ユダの山地及びイスラエルの山地から一掃した。
ヨシュアは彼らをその町もろとも滅ぼし尽くしたのである(ヨシュア記11.21)』

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

智慧ノ輪 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

個人用メモ

【制作】
Production I.G
【CV】
芥辺 - 浪川大輔
佐隈りん子 - 佐藤利奈
アザゼル篤史 - 小野坂昌也
ベルゼブブ優一 - 神谷浩史
サラマンダー公威 - 中井和哉
アンダイン恵 - 小林ゆう
モロク義伸 - 玄田哲章
{netabare}
※なんつか…ヒドぃ作品。いい意味でねw
1話目から国民的アニメの主人公をパロディ化してみたり、なにと戦ってるんだw
エロ、グロ多し。なのに笑えちゃうのは人間界における悪魔の姿がコミカルになってるからなのかな?
内容的に好き嫌いは分かれちゃうと思うけど、おいらは凄く好きな作品です。

余談だけど最初の依頼で不倫問題の解決策として(ムダに)依頼人を巨乳化した際のやりとり…
アザゼル「だって巨乳は万国共通、男の大好物ですやんか!」
芥辺「残飯にキャビアかけても残飯だろうが!」
…はアニメ史に残すべき名言だと思う。
{/netabare}
こっから先はネタをネタとして受け止められるっちゅう人間、それか悪魔しか読んだらあかんで。(cv小野坂昌也
{netabare}
『アザゼルさんは大阪民国の住人だ!』

※あらかじめ言っておきますが、この項は筆者がアンサイクロペディアの大阪民国(ダイハンミンコク)の項「のみ」を読んで書いた物であり、真実とは違う点が「多少」あるという事を留意して読み進めて下さい。


【言語からの推察】
アザゼル氏が話す言語は日本国における、いわゆる標準語ではない。
筆者が調べた処、「大阪民国語」(通称:大阪語)が最も近いと思われる。
また大阪語を使用する大阪民国の大半(統計によると10人中8.9人)が迷惑な人間であるとされている通り、例外ではなくアザゼル氏もはた迷惑な事この上ない。
【食文化からの推察】
芥辺の生贄「豚足」を最初に「なんやこれ?」と存在を知らなかったようなセリフは、お好み焼きとたこ焼きを主食とする大阪民国の食文化ゆえに仕方ないと思われる。
その後に「嫌いじゃないかも」と食した順応の早さも、大阪民国の特徴である「喰い道楽」の精神にあてはまると考えられる。
【スポーツからの推察】
もっさん(モロク義伸)の消滅の際、号泣した理由は大阪民国のプロ野球チーム「近鉄バッファローズ」(バファローズやない、バッファローズが正式なんやで)のマスコットと重ねてしまったからだと筆者は考える。しかも「近鉄バッファローズ」もプロ野球球団として消滅してしまったという事実も加味すると、あの取り乱し方も納得である。
アザゼル氏の下品な言動は、その球団のファンがとばす「イテコマスゾワレー」に代表される下品な野次と関係あるのかもしれない。

…以上の点からの推察により、アザゼル氏は大阪民国の住人である事は確定的に明らかである。
…で、それがわかったから何なん?というツッコミは間に合っておりますw


『悪魔達の元ネタ』(2014.11.27追記)

このアニメでは人間界の姿はコミカルに描かれてるけど、神話ではどんな感じに描かれてるんだろう?の思いから、元ネタ的な物を調べてみました。


【アザゼル篤史】
アザゼルまたはアザエル(Azael, Azzael)は『第一エノク書』などの黙示文学やラビ文学において堕天使として登場する。(中略)7つの蛇頭、14の顔に6対の翼を持つとされる。(中略)アザゼルが堕天使となった経緯についてはいくつか説があるが、その1つに、神の創り出した人間アダムに仕えるように命じられるも、「天使が人間などに屈すべきにあらず」と頭を下げなかったという伝説がある。このアザゼルの行いは神を否定するに等しい行為で、結果、天界を追放されたとされる。(中略)堕天使としてのアザゼルは人間を監視する役割であるはずが、人間の娘の美しさに魅惑され、妻に娶るという禁を犯す。(ウィキペディア「アザゼル」の項より抜粋)

※あれ?アザゼルさん、元は天使じゃないっすかw
「人間に屈すべきにあらず」って神に反逆したのに、芥辺さんには屈しちゃったんすね。つまり…芥辺さんは神以上の存在だという証拠…ゴクリ。

【ベルゼブブ優一】
悪霊の君主の一名である。(中略)この名はヘブライ語で「ハエの王」(一説には「糞山の王」、「糞の王」)を意味する。(中略)近世ヨーロッパのグリモワールでは(中略)大悪魔で魔神の君主、あるいは魔界の君主とされるようになった。 地獄においてサタンに次いで罪深く、強大なもの。権力と邪悪さでサタンに次ぐと言われ、実力ではサタンを凌ぐとも言われる魔王である。(ウィキペディア「ベルゼブブ」の項より抜粋)

※サタンをも凌ぐ実力者…そんなベルゼブブ優一さんも、蝿なので糞尿の持つ魅力には勝てないんですねわかります。
アニメ内でも貴族キャラ…元ネタでも大悪魔。べーやんかっけー!

【モロク義伸】
モレク(Molech)は古代の中東で崇拝された神の名。男性神。元来はモロク(Moloch)という。(中略)古代のヨルダン東部に住んでいたアモン人達からは、豊作や利益を守る神として崇拝されており、(中略)像の内部には7つの生贄を入れる為の棚も設けられていた。そしてその棚には、供物として捧げられる小麦粉、雉鳩、牝羊、牝山羊、子牛、牡牛、そして人間の新生児が入れられ、生きたままの状態で焼き殺しており、新生児はいずれも、王権を継ぐ者の第一子であったとされる。また、生贄の儀式には、シンバルやトランペット、太鼓による凄まじい音が鳴り響き、これは子供の泣き声をかき消す為のものとされている。(ウィキペディア「モレク」の項より抜粋)

※アニメ内では暴虐の悪魔とされてたもっさんも、元は豊作や利益を守る神だったんすね。
赤子を生贄にしていた事から、暴虐の悪魔って変化したのかな?
そいえば、昔ハマってたMMORPGの魔王の名前もモロクだったな。倒して皮を剥いでたけどさw

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

レッツマゲマゲ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

箸休め的なアニメです~その3~

これは他に評価済みの「むろみさん」や「鬼灯」と並ぶ「箸休め的なアニメ」ですね。

「アザゼルさん」における作品評価は特にしていません。ビジュアルのクオリティが高くないといけないような作品とも思えませんし、作風がちゃんと表現できていれば良い程度に動いて喋って笑わせてくれれば文句の出るアニメじゃないと思います。

ただキャスト凄いですね!特に人間のキャストはベテランさんの起用が目立ちます。(制作側もなんでこんな作品のキャストに力入れてんだか謎だわ!?お陰様で楽しませて頂いていますけど。)

私の場合放送順ではなく見た順で紹介させていただいておりますが。

何故これを見ようと思ったのか?ですが、友人が勧めるので…というのがきっかけでした。それも以前の話だったんですが「ふと」思い出して、なんとなく見始めてみました。

今思うと、あの時友人が「こいつがアザゼルさんを見てないなんておかしい!?」的な感じで迫ってくるので「俺の趣味・趣向」にあった作品なのかな?と、なんの予備知識も無しで、まず漫画から入り最新巻まで読破しました。

そして思った事
「この漫画ゲスい」
「だが気に入った」
「俺の友人は失礼」

そしてわかった事
「原作でのゲスさがアニメだと緩和されてるような気がする場合(実際自主規制が入る部分を差し引いたとしても)。たぶんそう感じた人は見てるだけでよいアニメより、自分のペース・テンポ・間や頭の中でキャラクター像を膨らませ楽しめながら読める漫画において【己からゲスさを倍増させて読むことが出来てる】のではないかと結論に至る。」

多分私はこの作品と相性が良いのだ。「アザゼルさんって何?」みたいな顔してた私に友人が必死こいて勧める理由はなんとなくわかった。

アニメは監督さんの感性に左右されるところも有り、また公共の電波に乗せる分の配慮がなくてはならないのはわかっていたが。きっと私は原作で己で膨らませたゲスさ加減を「そのままアニメにも期待して見た」のでしょう。

すると「思いの外、ゲスいはゲスいが思ったほどじゃなかった。」というところに落ち着き。少しホッとして見ている事も確かだ。

そして私の友人は失礼だ。

私は決してゲスくはない。

ただこんなモン見て、惜しみなく爆笑している人間である事は否定はしない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

73.8 6 ドMで変態なアニメランキング6位
マンガ家さんとアシスタントさんと(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (1258)
6790人が棚に入れました
主人公でスケベな漫画家の「愛徒勇気」とアシスタントの「足須沙穂都」との日常生活をゆるりと描く、爆笑マンガ家コメディー。

原作:ヒロユキ、監督:古田丈司、シリーズ構成・脚本:伊丹あき、キャラクターデザイン:鶴田仁美、、、、

声優・キャラクター
松岡禎丞、早見沙織、能登有沙、釘宮理恵、井口裕香、田中真奈美、伊藤美来
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

『嗅いでみたい、それだけだよ』で終わるアニメ

2014年4月放送(13分枠)
全12話


【あらすじ】

パンツをこよなく愛する漫画家「愛徒 勇気(あいと ゆうき)」が、

アシスタントとして職場をサポートしてもらっている「足須 沙穂都(あしす さほと)」や、

編集として、愛徒が原稿を落とさないよう見張っている『音砂(おとすな) みはり』らと送る、

ドタバタとした漫画家コメディー。



【論じてみる】
{netabare}
ギャグアニメとして、13分という枠から更に複数話のストーリーに分けられているので、メリハリがあり視聴者を退屈させない点は良いですね。
方向性が嫌いでなければ、見ていて切るような事態には早々ならなそうです。

ただ、物語の中にはオチがつかずに終わるようなものも多く(特に後半)、本作においては何より笑いを重視する方には強くオススメは出来ません。
加えて、男前なんだけど中学2年生並みの純朴さと変態さを兼ね備えた主人公の奇行は回を追う毎にエスカレートしていくので、展開的にも視聴者側はそこまでは求めていない…と思うような場面もしばしば…。

個人的には、最初の微エロ程度が調度良かった気がしました。
キャラクターデザインがシンプルながらとても整っていて好みだったので、それが余計に変態的展開に違和感を見せたのかもしれません。
そこまでエロ展開にしなくても、私は勝手に脳内で(ry


ですが、その奇行の数々がなんだかんだで許されるのが、この愛徒君の良さであり強みですね。

『ボク…、パンツが大好きなんだ。』

と言う台詞でさえ、なんとも無垢な笑顔で言い放っちゃう男性で、そこに女性の尊厳を損なわせるような下世話な気持ちなどは一切ありません。
一応「ムリヤリ襲ったりはしない人」という信頼も、ちゃんとされていますしね。

総じて周囲のキャラは勿論、視聴者的も少なくとも嫌悪感を抱くような主人公ではない……こともないか(汗)
良い子か悪い子かで言うと、確実に良い子ですけどね。
気持ち悪いか気持ち悪くないかで言うと、確実に気持ち悪いんですけど。

そんな彼に、周囲の美女達が罵声を浴びせながらも…少しずつ惹かれていく?、そんな微笑ましい作品でした。


演出として好きだったのが、オープニングや本編でもチョコチョコ挟まれる、それぞれ統一されたカラーで描かれた、漫画のトーンのように丸の点々でデザインされた一枚絵の見せ方ですね。
漫画のような白黒ではないですが、あぁ…漫画っぽい絵だなぁと思って楽しんでいました。
{/netabare}



【変態を取り巻く、魅力的な女性陣】
{netabare}
アシスタントを務める足須さんは、声優さんからもまさに一発で「俺妹のあやせ」を彷彿させるキャラクターでした。
愛徒君の行為を叱りつける様なんか特に。
その手が好きな人達には、ドンピシャだったのではないでしょうか。

ただ、私は色々と小さいキャラが好みなので、編集のダブルAカップ「みはりちゃん」や、スーパーアシスタントで小柄で非力でツンデレな「せなちゃん」が好きでした。
中学1年生の足須さんの妹や、小学生と見紛う編集長等も登場しますし、全体的に小さい人好きの需要に応えた内容な感も…?
………本当にありがとうございました。

本作に限らず、今はどの作品も全体的にそっちキャラ重視になる作品が多いですね。
………いや全く、本当にありがとうございました。

中でも、小柄代表格せなちゃんのツンとデレを演じられたのは、御大『釘宮理恵さん』なので、その破壊力は凄まじかったですね。
駆逐用の彼女のムチを欲する変態主人公を見て泣き叫ぶ様には、毎度私も血沸き肉踊りました。
「黄金水」のエピソードは、そこまでは求めてない…と思いましたが。


逆に、サブアシスタントである「風羽りんなちゃん」は、他のキャラとの掛け合い的にも必ずしも必要な要素が見当たらなかった気も…。
「大きい要因」として、一定の需要はあるのでしょうけど。
ただ、声を演じられた井口裕香さんは、全体的に小さいキャラのイメージが強いにも関わらず、巨乳キャラも違和感が無かったですね。



さて、最終話では女性総出演でパンツ談議。
パンツ性格診断の名の下、最後は『愛徒君のズボンを剥ぎ取る』という怒涛の展開となりましたが、そこからパンツの歌「終わりなきパンツ」を流してのエンディングは、

「私は、なんって無駄な時間を過ごしていたんだ。」

と思わせるには十分でした。
(褒め言葉でもあり、本気で貶し言葉でもあります。)
無駄に声もメロディーラインも良いのが、これまた非っっ常に馬鹿馬鹿しかったです。
{/netabare}



【総評】

キャラデザインは好みでしたし、女性陣も総じて魅力的だったとは思います。
ただ、エンディングが全てを持っていき、最終的に

【パンツをこよなく愛する主人公の、ひたむきなパンツ愛のアニメ】

という印象になってしまいました。
とても見やすいアニメなのでまた視聴しようと思えば出来ますが、それでも2~3周して本作を見る目が変わるということはなさそうです。
最後に、あのエンディング曲がある限りは。


本作を出会えて良かったとは強く思えませんが、それでも「みはりちゃん」「せなちゃん」に出会えたことや、変態に限界は無いという真理が垣間見れただけでも良かった、という結論に至りました。

ただ、特典で新作アニメが付いているとはいえ、13分枠でありながら2話収録でお値段据え置きなBlu-rayの価格は、少々ファンの足元を見過ぎな気がしますね。
低コストで作れる点が魅力な短編アニメでこうしてしまうと、せっかく買ってくれる熱心なファンの信頼を失うことに繋がる気がします。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『音砂 みはり』声 - 能登有沙さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『黒井 せな』声 - 釘宮理恵さん



ちなみに、私は縞パンツが好きであり、傾向としてもその種のパンツを穿くキャラが好みであることが多いです。
(※以下、これ以上に低俗な駄文なので〆ます。)
{netabare}

ちなみにちなみに、男性が女性用パンツを穿く際は主に

『頭頂から穿く、ポピュラーなパターン』



『顔面から穿く、変態仮面のパターン』

があると、広く伝えられています。


いつか国を上げてアンケートを実施し、統計をとっていただきたいですね。

う~~ん、多分7-3で頭頂派が多いってところなのかな?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 48
ネタバレ

雪だるま* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

終わりなきパンツ!

◎放送時期:2014年4月~6月(全12話)※15分アニメ
◎ジャンル:コメディ

●原作:ヒロユキ(ヤングガンガンコミックス/スクウェア・エニックス刊)
●監督:古田丈司 ●シリーズ構成:伊丹あき
●キャラクターデザイン:鶴田仁美 ●アニメーション制作:ZEXCS


■あらすじ■
漫画家の愛徒勇気、アシスタントの足須沙穂都らを中心とした日常の
ドタバタを描くコメディ作品。

-------------------------------------------------------

☆★感想★☆

※原作未読。

始まる前は まさかエロ要素が入っているとは思わなかったので、
1話を観た時に主人公の変態さと下ネタの多さにビックリして
引いてしまいました^^;(一応、わたくし女性視聴者なもので…w)

このままエロ要素が多めなら視聴断念を考えましたが、
2話目以降はコメディ色が強くなり、下ネタはあるけど全体的に「微エロ」
な感じだったので最後まで観れましたw


1話15分という短めの尺にテンポとキレのいいギャグが凝縮されていて
退屈することはなかったです^^

また、基本的にエピソードも1話で完結するので 物語の繋がりを気に
することなく気軽に観れるのも良かったです。

A・B・Cパートに分けられているうえに、各ヒロインをメインにした回も
豊富で楽しめました。

でも、『先週は良かったけど今週は特に…』という高低差は、
単発エピソードなので どうしてもあったかと思います^^;


キャラも良い感じでした。

主人公の愛徒はパンツをこよなく愛する変態漫画家。(ドM気質アリ)
彼のパンツ愛は凄まじく、それは自身の描く漫画にも大きく反映されていますw

ハーレム主人公(しかもド変態)なんですが、嫌らしさを感じませんでした。
(ムッツリよりオープンスケベな主人公の方が、私は好む傾向なのかもw)

常に自分の欲望に正直で、それでいて何もかも包み隠すことなく素直に
モノを言ったり行動したりするので、なんだか憎めないですw
そういう裏表のなさや、人懐っこくて犬っぽい性格が愛徒の良さですね^^

まぁ、たまに暴走しすぎて冗談抜きで気持ち悪いと思うこともありましたが(爆)
でも、愛徒の天然バカ正直っぷりを見ていると、わりと元気貰えたりしますw

いつもはお調子者だけど、イケメンな面もあったりします。

{netabare}9話で、徹夜で仕上げた原稿を みはりちゃんが誤って墨をこぼして
台無しにしてしまった場面で、みはりちゃんを全く責めることなく再び
徹夜して原稿を仕上げたのは素直に『良い奴!』って思いました^^{/netabare}


ヒロイン達も個性的で可愛い子達が揃ってました^^

○しっかりしているけど、どこか趣味のおかしいアシスタント・足須さん
○愛徒の高校時代からの同級生で、ツンデレ乙女な編集・みはりちゃん
○愛徒のファンで、やや天然の巨乳美人アシスタント・りんなちゃん
○天才アシスタント。でも見た目は幼女並みのツンデレ少女・せなちゃん

その他にも、ヒロインの身内や編集長、マスコット的なキャラなどなど…
盛りだくさんでした^^
{netabare}足須さんの妹可愛かったなぁ。{/netabare}

このヒロイン達と愛徒のやりとりと、振り回されっぷりが良いバランスでした。

振り回されても皆が皆なぜか許してしまうのは、
前述したような愛徒の純朴さがあるからなんでしょうねw


そして、なによりこの作品の見所は「松岡劇場」だと思います\(^o^)/

愛徒のCVを担当されている松岡禎丞さんの全力かつ多彩な演技が作品を
引き立てていたと思います^^

常にテンション高めなうえ、老けた声やオカマ声まで披露されてたんで
驚きました。いやはや、お疲れ様ですw

アフレコ現場を覗いてみたくなります…どんな空気なんだろうw


パンツに始まりパンツに終わる。そんな「パンツ推し」なアニメでした^^
エロもあるけど基本は日常コメディなので、よほど下ネタに抵抗がない限り
は女性の方も大丈夫だと思います。実際に女性の私が大丈夫でしたし!w

まぁでも、全体通して『超面白い!』って感じでもないし、クセも強いので
『一度観ればもう満足』な作品かな^^;ゴメンナサイ…orz


{netabare}最終回、特別EDの愛徒のキャラソンは爆笑でしたw
ということで曲名をこのレビューのタイトル名にさせていただきました(*´ω`*)
松岡さん、演技だけでなく歌唱力もなにげに高いのが さらに驚きです。{/netabare}


■好きなキャラ■
一番は足須さんかな^^

捨て犬の目をされると放っておけないところとか、愛徒に対してたまにドSに
なったりするところも良いですね。

あとは、中の人(早見沙織さん)も好きなのでw
中の人で言えば、せなちゃん(釘宮理恵さん)もなんですけどね(∩´∀`)∩

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

変態とはすなわち、夢と理想を追い続ける者なり。

変態漫画家さんのちょっとえっちなアニメ、というのが持っていた前情報。

ただのえっちなアニメなら興味持たなかったと思うんだけど、

変態漫画家さんの声優さんが松岡禎丞さんと知り。

松岡さんは、今1番好きな声優さんなので(単純に声と演技が好き♪)、

松岡さんが変態!?それは…観たい(*´Д`)

と興味をそそられ、視聴決定しました。笑

1話が平均3話で構成されている、10分程度のショートアニメです。


● ストーリー
漫画家の愛徒勇気(あいと ゆうき)は月刊少年ゴンゴンで連載している漫画家。

愛徒の仕事場に集まるのは、変態漫画家・愛徒に振り回されるアシスタントや編集者の女の子たち。


松岡さんの変態演技が楽しめればそれでいいかなーとあまり期待していなかった作品だったのですが、

これがなかなかおもしろかったww

毎話爆笑でしたよww

確かにパンツだのおっぱいだの、エロワードばっかり飛び出してくるけど、

それよりも漫画家さんのおかしな日常という印象が強かったです。

その特徴の1つとしてエロがある、という感じかな。

よくあるラッキースケベなシチュエーションはあまり好きにはなれませんでしたが、

愛徒がかわいいので許すww

愛徒の純粋な女の子への探求心には感心&笑いが止まりませんでしたwwww

やー、こういうアホ一直線の作品が存在したとはwwww

愛徒の、純粋にアホなところは絶滅危惧種だわ。(ほめ言葉)


● キャラクター
愛徒は、頭の中ピンク色の残念な漫画家さんです。

だけど、純粋な心を持つ変態男なので、放っておけないタイプでもありますねww

愛徒に振り回されながらも、女の子たちが愛徒のこと嫌いにならない気持ち、よくわかるww

時々紳士に振る舞っても、その行為さえも笑えるってすごいポテンシャルだわ。尊敬wwww


登場するメインの女の子は、
◇足須さん …愛徒のアシスタント。スレンダー美人。
 〔足須沙穂都(あしす さほと)〕
◇みはりちゃん …愛徒の担当編集。胸が小さいことが悩み。
 〔音砂みはり(おとすな みはり)〕
◇りんなちゃん …愛徒のファン&アシスタント。ふわふわした巨乳女子。
 〔風羽りんな(ふわ りんな)〕
◇せなちゃん …スーパーアシスタントの異名を持つツンデレ、見た目は幼女。
 〔黒井せな(くろい せな)〕


みはりちゃんが1番恋してるって感じで好きなので、応援してました^^

愛徒とのやりとりは、もはや漫才ww

足須さんの妹のキャラもツボでしたww彼女大好きww


● ネーミングセンス
この作品で好きなところが、”名前”です。

愛徒の連載漫画「はじらってカフェラッテ」に始まり、

いちいちネーミングセンスが光っていて苦しかったwww

途中から登場する○○ニャーも○○チューも名前で大爆笑でしたよwwww


● 音楽
【 OP「純粋なフジュンブツ」/StylipS 】
元気いっぱいのかわいい曲^^

「純粋な不純物ってなんだ??」と毎回不思議に思っていましたけど。笑


【 ED「Spica」/StylipS 】
EDと次回予告は、流れている放送局と省略されている放送局があったそうです。

12話の挿入歌としても使われていた曲。

この作品の雰囲気と合っているかと言われると微妙ですが、

個人的には結構好きな曲♪卒業式っぽいね。


【 12話ED「終わりなきパンツ」/愛徒勇気(松岡禎丞) 】
さあ、きましたよーこの作品の問題児が。笑

これはひどかったwwwwww

これは、ないw

いくら松岡さんが歌ってるからというプラス価値があったとしても、あの歌はなし。却下。

曲よし、松岡さんの声よし、歌詞が…。

ある意味、伝説の1曲ですw

これカラオケで歌われたら、変態に寛大な私でもさすがにひいてまうわwwww


● まとめ
なかなかおもしろいショートアニメでしたが、

ちょっとエロが強くなると個人的な好みからは、ずれたかなあ。

たくさん笑わせてもらったから初めは「30分でも全然いけるよ!」って思ってたけど、

今では「10分がちょうど楽しく終われる適度な時間。」と思うようになりました。

これが男の夢なのか…とひっそりと思いつつ、これからも世の変態さんたちを温かい目で見守りたいと思います。笑

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

71.6 7 ドMで変態なアニメランキング7位
キズナイーバー(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (775)
3704人が棚に入れました
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。

かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。

夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。

そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。

しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」

その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

声優・キャラクター
梶裕貴、寺崎裕香、島﨑信長、久野美咲、山村響、前野智昭、佐藤利奈、西山宏太朗
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

強制的に突き崩される『ハリネズミのジレンマ』

いきなりですが『ハリネズミのジレンマ』って言葉、
実は『ヤマアラシのジレンマ』というのが大元らしいですね。
心理学で言うところの『Porcupine Dilemma』。

それが新世紀エヴァンゲリオンの三話でリツコとミサトに語られ、
さらに四話「雨、逃げ出した後」のサブタイトルに、
「Hedgehog's Dilemma(ハリネズミのジレンマ)」ってついていたことから、
日本にハリネズミが定着したとかしないとか。

ただし、英語圏では
『Porcupine Dilemma』『Hedgehog's Dilemma』どちらも用いられていて、
(実際、WIKIにはHedgehog's Dilemmaで載ってました)
『Hedgehog』ならハリネズミで正解じゃん、との声もあり、
この辺になると僕ごときの語学力では何が真相なのかちっともわかりません。
  誰かわかる人教えてくださいませ。

閑話休題。

さて、本作はTRIGGER制作、岡田麿里脚本というビックカップルの作品です。
そして僕が個人的に思うには、
あにこれで最も過小評価されているTRIGGER作品でもあります。

これまでTRIGGERが制作したアニメで
ショ-トアニメ『宇宙パトロールルル子』を除くあにこれ総合順位は
  キルラキル            171位
  ダーリン・イン・ザ・フランキス 282位
  SSSS.GRIDMAN          282位
  リトルウィッチアカデミア    325位
  異能バトルは日常系のなかで   701位
  BNA ビー・エヌ・エー      905位
  SSSS.DYNAZENON         914位
  本作              1217位
と、ぶっちぎりの最下位。まさかの「ベスト1000落ち」です。
いやよくここまで嫌われたもんだ。

もちろん人さまの評価をあれこれ言うつもりはありませんし、
そんな資格など誰にもないわけですが、
僕は個人的にこの作品を、TRIGGERの代表作の一つに位置付けています。

物語は、とある実験都市で、
自分または他者の痛みを公平に分配して共有する仕組み、
『キズナイーバー』の手術を無理やり施された七人の高校生たち、
そしてそれを推進する謎の美少女高校生を含めた
八人の群像劇として進行していきます。

  まず、この設定が示唆に富んでいて抜群に面白い、です。

自分の好きな人ともっと親しくなりたい、距離を詰めたいという思いは、
誰にでもあるものだと思います。

だけど相手との距離が近づけば近づくほどに
  見せたくないものを見られ
  見たくないものを見せられ
というリスクが少しずつ膨らんできます。

それは、言葉を変えて表現するなら
  自分が傷つきたくないという身勝手な気持ち
  相手を傷つけたくないという思いやりの気持ち
が綾のように折り重なっている状態です。
それにより人は、人と距離を詰めることに二の足を踏んでしまいます。 

ところが本作『キズナイーバー』では、
外科手術により、まず『身体の痛み』という領域で、
このジレンマが強制的に取り払われます。

  一人の痛みを数人で分配し、分かち合う。
  これによって一人が受ける痛みの量は軽減されますし、
  他人の痛みを知ることもできます。
  こんなに素晴らしい、
  人と人が仲良くなれる画期的システムは他にありませんよ。

そういう、新興宗教の戯言みたいな考え方によって、
七人の若者が強制的に手術を施されて繋がれ、
さらに、様々な『仲良くなるための課題』に取り組まされるわけです。

もう、この段階で、
「友だちとの絆がいちばん大事」「みんながいるからがんばれる」
なんて言ってる安物アニメへの強烈なアンチテーゼになっています。

  同じ部活だから、同じ魔法少女だから、
  そういう『たまたま一緒になった』ことが絆を築く理由になるのなら、
  『たまたま手術で繋げられた』もアリだよね、と。
  痛みを分配して分かち合っているぶん、
  むしろこっちの方が『絆』は最初から深いわけで。

もちろん本編では、繋がれた七人は、そんなことに納得はしません。
夏休みが過ぎたらキズナが解除されるということで、
いやいや、しぶしぶ、計画にお付き合いすることになります。

そして、なんのかので関係性が深まっていくうちに、
その刻まれたキズナの効果に、
思いもよらなかった画期的な変化が生じます。

{netabare}
  他人の『心の痛み』を感じるようになる。

それは、最初はもわっとしたようなどんよりしたような、
単純に重苦しいだけのイヤな感覚でした。
だけど、その感覚が次第に研ぎ澄まされています。

  そしてついに嵐の夜、『心の声』が聞こえるようになります。

もはやこうなるとヤマアラシもハリネズミもありません。
聞かせたくない声、知られたくない思いがダダ漏れ状態です。
結果として事態がよくなることは何もなく、
七人はボロボロに傷つき、
散り散りに家路へついて夏が終わるまで引きこもることになります。

しかし、これがそもそも『キズナ計画』の目標でした。
ただ『痛み』を分配するのが目的ではなく、
むしろ技術的に『痛みぐらい』しか共有・分配できなかったのが、
この実験で大進歩をしたと、
研究者たちは手放しで大喜びをします。

もうなんか、痛い痛いと言ってるハリネズミたちを、
紐でぐるぐる巻きにして強制的にくっつけ喜んでいるみたいな、
マッドサイエンティスト色が濃厚だなあ、と。

ただ、その研究者たちにしても、
過去の失敗により廃人同様にしてしまった子供たちや、
投薬がなければ日常生活も送れなくなった園崎法子を何とか助けたい、
その一心で非道上等と腹を括ってやっており、
そこには救いようのない負の連鎖が存在しているわけです。

{/netabare}
そして、物語が後半に近づきキズナ計画の真相が明らかになるにつれて、

  そもそも人と人とのキズナとはなんぞや、

みたいなことにお話がフォ-カスしていきます。


通常生活において他人との『絆』を見い出せず、
キズナシステムへ狂信的に傾倒してしまう園崎法子。
そのキズナシステムが解除サされ、
改めて『絆』というものへフラットに向き合い、
おそるおそる足を踏み出す被験者たち。

最終話では双方が激しくぶつかり合い、せめぎ合います。
{netabare}
  そしてついに法子が、
  『キズナ』を手放すことで『絆』を手にいれる一歩を踏み出すという、
  それしかないよね的な大団円を迎えます。
{/netabare}
事件後、ほのぼのとしたエピローグの中で、
最後の最後に見せた法子の笑顔は、
悔しくなるぐらい素敵な、魂の込められたラストカットです。


ちなみに原作の岡田麿里さんは、
小学五年生から高校卒業まで筋金入りの不登校児でした。
集団生活の中で自分を動かす『絆』を見いだすことができなかった、
まさにリアル園崎法子だったんですね。

だから言葉が鋭い。まさにキレキレです。

被験者たちを『七つの大罪』に例えてこきおろすところなんか、
ああ、岡田さんにはクラスメイトがこんなふうに見えていたんだなあ、
そう思わせるだけの圧倒的なリアリティがあります。

そんな岡田さんだからこそ、この作品が書けたんじゃないのかな、と。

同じ学校、同じクラスに押し込められる。
そんなのは『キズナ』であって、決して『絆』なんかじゃない。
  じゃあそれを『絆』に昇華させるにはどうしたらいいんだろう?
  私は学生のとき何を見誤っていたんだろう?
そういう自戒と過去の自分への決別がこの作品の原点であり、
同時に根底に流れるテ-マであるのかな、と。

もちろん、そんなのをストレートに書いても鬱アニメにしかならないわけで、
いろんなギミックを仕込んでエンタメ作品に仕上げてますが、
それにしてもこんな難しいテ-マ、よく1ク-ルでまとめたもんだなあ、と。

ただ、他の方のレビューを読ませていただくと、
ギミックが強烈過ぎてテ-マが全然伝わっていないという、
残念作品の典型みたいになっちゃってますが。


作品のおすすめ度としては、僕の趣味嗜好が入ってますが、Aランクです。

よく練り込まれ、メッセージ性に富んだ脚本。
トリガーさんらしい、ちょっと荒いようで実は繊細な作画。
動と静のメリハリが見事で、見せどころをきっちり魅せる演出。
世界観をしっかり織りなす劇伴とOP、ED。
欠点らしい欠点が見当たりません。

  ただ、ギミックに目を奪われ過ぎると何も見えてこなくなるので、
  しっかりお話を楽しみながらも、
  ちょっと俯瞰的な視点を持つことが必要かも。

キャラ、お芝居という観点からは『秀逸』の一言です。

痛覚がなくなったことで感情の起伏を失った主人公の勝平と法子。
この二人は「起伏を失った」だけで、
綾波レイみたいに感情を「知らない」のではなく、
個人としての感情は、動きにくいだけで、残っているんです。

この難しい役どころを、
梶裕貴さん、山村響さんがしっかり演じきっています。

この二人が『静』のキャラである分、
天河、仁子の二人がややデフォルメ気味な動的キャラに描かれ、
しっかりメリハリがついているのも、さすがだな、と。

そして『凡人』キャラの千鳥と由多が物語にリアリティを持たせ、
さらに『変態』キャラの日染が、一歩高い位置で全体を俯瞰しています。
素晴らしいキャラ構成ですし、
それぞれの役者さんが期待された役割をきっちりこなしています。

そして、なんと言ってもレールガンこと佐藤利奈さんのお芝居がすごい。

ク-ルを装いつつ見事によじけた穂乃香というキャラが、
佐藤さんの力で何ランクもパワーアップしています。
{netabare}
とりわけ第九話の名シ-ン、
台風の中での語り言葉に続く「なっちゃいけない」というモノローグは、
聴く者の心臓をわしづかみにするような、後世に残したい名演です。

  ちなみに、穂乃香といえば七話のBパ-ト最終カット、
  「わたしも……」という台詞からED曲につながる演出も秀逸ですが、
  あれ、レッド・ツェッペリンのセカンドアルバム、
  『Heartbreaker』から『Livin' Lovin' Maid』への繋ぎの、
  素晴らしく出来のいいオマージュではないかと。

  わかる方、ぜひぜひ聞き比べてみてくださいませ。
  絶対、わざとやってますから。
{/netabare}

話は変わりますが、ED曲の『はじまりの速度』って、
作詞は岡田麿里さんなんですね。
ほんと名曲です。個人的に何回聞いたかわからないほどに。

この曲、三月のパンタシアのメジャーデビュー曲ですね。
それ以来気にかけてはいるのですが、
いまだにデビュー曲を越えられないでくすぶっているようです。

なんとかがんばって欲しいです。
てか、
いまさらじん君の曲なんか歌わないで欲しいんですけど。個人的に。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

どこか次世代のアニメを感じさせる作風は高く評価したい。但し独特すぎる部分も多くアニメ初心者には理解されにくい為、多くの支持を得られないという課題を抱えた作品☆

本作は「キルラキル・ニンジャスレイヤー」などを手掛けた「株式会社トリガー」によるアニメ作品です。キャラクター原案にPSP専用ソフト「セブンスドラゴン2020」のキャラ原案なども担当した‘三輪士郎’を起用。 各作品で絵コンテや演出などを担当してきた経歴を持つ‘小林寛’の初監督作品となりました。2016年の4~6月において全12話が放映されています。


あらすじ…主人公の阿形勝平は「身体の痛みを感じない」という特異体質の持ち主であった。そしてその特異過ぎる体質のせいで、幼いころから同級生たちに殴られ放題の文字通り「サンドバック」のような扱いを受けていた。
ある日彼が通う「私立洲籠高等学校」から勝平を含む男女6人が謎の組織に拉致監禁される。何らかの手段で意識を失わされていた6人は目を覚ますと1つの部屋に集められ、少女「園崎法子」と対面する。そして困惑する勝平に彼女は告げた。
「これはお祝いです。貴方がたは何よりも強い傷の絆で結ばれた。」
「この世界は争いが絶えません、我々には自分以外の他者の痛みを知りようが無いからです。他者の痛みを、苦しみを、自分の事のように考え譲り合う事が出来たら争いなど起こりようが無い。けれど人の想像力には限界がある。」
園崎は意識を失っていた6人の身体に手術を行い‘キズナシステム’という処置を施した事を説明した。キズナシステムとは「一人が受けた痛覚を同じシステムにリンクしている他者に等しく分配する」というシステムである。余りに突飛過ぎる話に困惑する6人だが、勝平が園崎にスタンガンを浴びせられた衝撃を5人全員が同時に受ける事で、この話が事実である事を確信する。
そして園崎は高らかに宣言する。
「キズのキズナで結ばれた仲間と数々の難関に立ち向かっていく。そう、今日から貴方がたは、キズナイ―バーなのです!」


この作品の評価に移る前に一つ語っておきたい事があります。それはこの作品の主題歌を担当している「BOOMBOOMSATELLITES(ブンブンサテライツ)」についてです。彼らは1990年に結成されたロックバンド。だが彼らを‘ロックバンド’と一言で括るのは余りにも失礼、それほど偉大なミュージシャンでした。狭義としては「ビックビート」と言われるテクノから派生したジャンルに属します。ジャンルで言われてもピンとこない方は代表格である「ケミカルブラザーズ」や「プロディジー」と聞けば解るだろうか。テクノとロックを融合させた彼らの音楽は聞く者を魅了し、海外でも高い評価を受けています。
そんな彼らが2016年5月、26年に及ぶ音楽活動に終止符を打ちました。そして彼らの最後の作品となるのが本作の主題歌「LAY YOUR HANDS ON ME」です。勿論私自身も若い頃から大好きなミュージシャンの一人でしたので活動終了は残念に思いますが、最後に彼ららしく素晴らしい曲を聴けたなと感じました。
実はキズナイ―バーを視聴する前に彼らが主題歌を担当している事実を知らなかったので、最初に聴いた時は鳥肌が立ちましたね。こう言うアニソンがもっと増えれば良いのに、と心から思います。


総評として…「どこか次世代のアニメを感じさせる作風は高く評価したい。但し独特すぎる部分も多くアニメ初心者には理解されにくい為、多くの支持を得られないという課題を抱えた作品。」と言った感じです。難しく言えば「抽象絵画のような作品」。簡単に言うと「ふわふわしている作品」という表現になるでしょか。アニメーションや漫画の様に空想的な世界を表現する作品は「どこまで空想を取り入れるか」によって分類されると考えられます。
レベル1(全てありうる)=ちびまる子ちゃん・サザエさん・クッキングパパなど…いわゆる大衆アニメ
レベル2(世界設定が有り得ない)=ドラゴンボール・ワンピース・ガンツ・進撃の巨人など…準大衆アニメ。世界設定に空想が入るが、登場する人物の内面的な部分には共感できる部分が多く、感情移入が誰にでも見込める作品。
レベル3(内面的なキャラ設定が有り得ない)=我々が愛するほとんどのアニメ…「こんな人間が現実に居る訳無い」と考える人にとっては感情移入しづらいため、受け入れられる人口が限定される。外見では無く、あくまで内面である事に注意。
レベル4(キャラクターの行動原理が理解できない)=本作はここに位置します。理不尽な要求にも関わらず、本作の登場キャラクター達は意外と素直に展開を受け入れます。また、途中で何度も襲われる敵キャラクターに関しても「既に身内である事が明らか」になっているにも関わらず真面目に応戦します。悪く言えば「とんだ茶番」ですよね。


上記では4つに分類しましたが、もっと細分化する事も可能だと思います。ただ余りにも長くなるため割愛しました事をご了承ください。ひとつ言える事として、アニメと言うものは「?」が増えるたびに「受け入れられる人口の絶対数が減少していく」という構図が存在する事は理解頂けたと思います。つまり有り得ないが多すぎて‘ふわふわしている’と言う事ですね。


さて、どうもここまでの解説では「本作を酷評」しているようにも思えますが、決してそんな事はないのです。上記分類では「レベル4」と位置付けましたが、本来「行動原理が理解できない作品」は「駄作」と紙一重なのです。ですが本作を決して駄作とは思いません。では本作と駄作は何が違ったのでしょう?
答えは「アニメを形作る‘外枠’がしっかりしている」という事だと考えます。つまり眼に見える部分がしっかりしていると言う事です。キャラクターのデザイン・アニメーションの作画・構成・音楽がしっかりしているからこそ、この作品は中身がふわふわしているにも関わらず外側でそれを漏らす事がなかったのです。これは非常に高いレベルを維持しないと実現しない事だと思いますので、その点に関しては監督の力量を伺えた作品であったと評価したいと思います。


一言でまとめますと「一部のマニア受けはするものの一般的な人気を確立出来ない」作品ですね。ただトリガーの作品はどれもそう言った作品が多いので、これは社風なのかもしれません。‘気の合う仲間たちが集まって自分達のやりたい事をやっている’というべきでしょうか?そう言った社風は「クリエイティブな活動」が可能となるので、当たり外れはあれど‘新しい物を作っていく’という原動力に満ちていると思います。そこがこの作品に感じた‘次世代のアニメ’という印象なのかもしれませんね。新しい物は反論も多くなる、これはもはやアニメに関わらず宿命かもしれません。ただ‘自分達のやりたい事をやる’という事は一般的な同人誌の活動と根本的な所では同じです。トリガーが「革新的な作品を生み出して皆をあっと言わせる会社」になるのか「いつまでも利益を追わない作品ばかりで世間に見放されていく会社」になるのか、今後の活動に期待したいところであります。


*以下はネタバレを含むため閲覧注意です!

{netabare}
11話後半で漆原睦が「ありがとう。キズナシステムが無くても、それが可能だと教えてくれて」と言いましたが「10代の若者が気付けないならまだしも、20代の大人なら自分で気付けよ」と感じたのは私だけでしょうか?山田と漆原はのりちゃんに負い目を感じているからこそ、そこに気付いてはいても‘彼女のやりたいようにやらせてあげている’のだと思っていましたので、ちょっと違和感を受けてしまうセリフでした。

そもそも感情が繋がれてしまったら人類はそこで停滞します。何もかもが1つの意思にまとめられてしまうので、競争が起こらず、イコール発展は存在しえません。もし1つの意思にまとまってしまえば人類は人類で無い‘別の何か’となるでしょう。そしてその‘何か’は‘大いなる意思’のままに行動をする…それでは‘自然現象’と何ら変わりは無いのです。人類は宇宙の自然現象の一部としての活動を繰り返す事になるでしょう。今までの人類を、過去を否定する事は未来を否定する事に他なりません。人類は今までの過ちを認め、決して無かった事にしてはいけないのです。
そこに気付かず、大真面目に研究を取り組んでいたのでは「危ないカルト集団」と言わざるを得ませんね。

良かった所はやはり9話後半でしょうか。グラウンドで皆の心の声がキズナシステムによって漏れてしまう所、溢れだす若い感情がとても良く描かれていました。声優陣の演技も迫力が伝わってとても良かったと思います。あとニコちゃんの切ない願望が良かったですね。「要らないならテンガくん頂戴…」のセリフが切なすぎて可愛いです。‘ちょっとドロドロし過ぎて観ていられない…でも指の隙間からこっそり観ちゃう’みたいなシーンでしたw この辺りの演出は優れているなぁと感心できました。
前述しましたがキャラクターデザインも好感が持てましたね。昔のアニメって原色に近い色合いが多かったですが、今作は色づかいもキレイでセンスが感じられました。今作に限らず、最近はそういうアニメが増えて嬉しいです。

あにこれでも‘悪くは無いけど…’くらいの評価が多いのではないでしょうか?点数も伸び悩んでいる感じですね。どこか幻想的で定義しづらい作品でしたが、ピンポイントで良い部分も沢山見る事が出来た作品でした。トリガーの次回作に期待です。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ユニークかつ興味深い設定と巧みな脚本構成で描き切った青春群像劇

原作TRIGGER&岡田麿里による1クール、オリジナルアニメ。

タイトルの「キズナイーバー」とは一見意味が解りませんが、
内容を観ていくと、「キズ(傷)」「キズナ(絆)」「ナイーブ(繊細な)」な「バー(~な者達)」
という4つの単語を組み合わせて作られたものだということが解ります。
そして、タイトルロゴの「ナ」の部分だけ赤字で(ネタバレになるので書きませんが)ここも凝ってますね。


世界平和を目指すという崇高な目的の名のもとに、
キズナの会によって選ばれた、本来なら出会う事も仲良くなることもない7人のクラスメートが、
キズナシステムで強制的に「痛み」を分け合うキズナイーバーとして繋げられ、
夏休みが終わるまでの間、課されるミッションをクリアしていく事になる...といった感じのあらすじ。


☆物語の見どころ☆

最初は純粋に「肉体的な痛み」を分け合うだけだったキズナイーバーたちが、
ミッションをクリアしていくなかで、分け合うものが変化、増加していく過程。

キズナ実験の真の目的とは?

キズナイーバーの中でもひときわ閉鎖的な(ホノカ)が抱える心の闇、トラウマとは?

痛みを感じない、感情に乏しい主人公(カツヒラ)がなぜそのような体質になったのか?

(ノリちゃん)が頑なにキズナシステムで繋がることに拘る理由とは?
(カツヒラ)と同じく感情に乏しく見える(ノリちゃん)が抱えている秘密とは?
この二人の過去&「12年前のキズナ実験」が明らかになる終盤は特に観ごたえがあり、
物語はクライマックスへと向かいます。

キズナイーバー達の男女間に芽生える恋愛感情、
純粋に恋愛物語としてもキャラクターたちの心情が細やかに描写されており、充分楽しめると思います。


☆感想☆

1話観ただけではちょっと地味で面白そうにない!?と感じるかもしれませんが、
観終わってみれば、前半から終盤までよく練られた構成で、各エピソードの繋がりがスムーズで、
尺が足りないということもなく無駄がない。

そして尻上がりに物語は盛り上がっていき、最後はとても綺麗に纏まっていて、
ここ最近の作品の中では、シリアスでありつつ、かつユニークで興味深いテーマ&設定で、
ここまで巧く描き切った本格的な青春物語は稀だったように思います。

本作は同じく岡田麿里さんの手がけた作品「あの花」と比較してみても面白いと思いました。
「あの花」は過去に繋がっていた友人同士の絆を再び取り戻す事を目的とした物語でしたが、
本作は強制的にシステムで繋げられた、「作られた関係」から、
登場人物たちがお互いをさらけ出し、感情を理解&共有することを経て、
システムに頼らない本物の絆、友情で繋がっていく過程を描いた物語。

恋愛面や各キャラの内面の描き方など、なるほど同じ人が作ってるなぁというのがよく判ります笑
「あの花」ほど泣きの演出が全面に押し出されていなかった事もあり、
分り易い感動や泣き、というのは得られ憎いかもしれませんが、
こちらはジワジワと来るものがあり、
テーマ&設定の妙、シナリオの完成度的には勝るとも劣らないくらいによく出来ていると自分は思います。


自分はまずキズナシステムが目指したもの、コンセプト自体が非常に興味深いと思いました。
第一話で「争いが絶えないのは他者の痛みを知りようがないから」「人の想像力には限界がある」
とは(ノリちゃん)が語った言葉ですが、まさしくこれは的を得ていると思うし、深い言葉ですよね。

他人が受けた「痛み」はいくら「共感」することが出来ても、
その人が受けた痛みと同じだけのものを感じることはどう頑張っても出来ない。
所詮は他人事なんですよね。。

でも他人事だからこそ、痛みを感じることが出来ないからこそ、
如何に接し振る舞うべきなのか、「他者への思いやり」と言ってしまえば軽いですが、
人間としての生き方や本質に関わってくるところですよね。。

また、一話(ノリちゃんの)「みんな誰かと繋がっていたい」というのもよく理解できるところ。
自分含め皆さんが「あにこれ」を利用しているのも、きっと誰かと繋がりたいから、なはず。
昔に比べて社会での人間関係、地域でのコミュニティが希薄化してきつつある現代においても、
やはり人は誰かと繋がっていたいんですよね。
だからこそ、SNS等様々なツールを使って繋がろうとする。
そんな現代に則したようなテーマと内容は興味深く、また観るべき意義のあるものでした。

本作では友情という絆で繋がっていく青春物語の方向へ物語が向かいましたが、
キズナシステムが世界中に広がった後の世界、を描く社会派SF作品、
という物語でも非常に面白い壮大なスケールの作品が作れそうな気がしました。


☆声優☆

個性豊かなキャラクター一人一人に合わせたキャスティングが見事にハマってますね。
人気や経験だけじゃなく、キャラクターのイメージを第一に考えて選んだんだろうな、というのが本当によく判ります。
もちろん個々の演技も感情を豊かに表現するキャラの演技、
逆に感情の起伏を極力現さないキャラの演技はとても良かったですね。

中でもニコを演じた久野美咲さんは、キャラ的にもとてもハマっていましたが、
演技自体もこれまで観た作品の中でも特に上手く演じられてたなぁと思いました。


☆キャラ☆

登場人物個々の特徴や個性が非常に豊かでありつつも、かつ多すぎないので、
1話観ればほぼ全て覚えられますね。
そして、各キャラの抱えている想いや苦悩といったものも、丁寧に掘り下げられており、
視聴者に解りやすく共感ができるように描かれているのは好感が持てます。

TRIGGERの「熱さ」、岡田麿里さんの「繊細さ」、
この組み合わせの相乗効果がよく表れている描かれ方のように思います。

突拍子もない不思議系でありながら、ここぞという場面で重要な役割を果たす(ニコ)、
変態的な性癖を持ちつつも、実は周りの状況を一番冷静に俯瞰で見ていた(ヒソム)、
この二人のキャラが居ることで、作品がシリアス一辺倒にはならずに、
ユーモアにも溢れた絶妙のバランスを保つことに貢献していたと思います。

「あの花」に出てきた(あなる)と本作の(ちどり)の描かれ方なんかは、
主人公との関係性も含めて、凄く似てましたね笑


☆作画☆

TRIGGER作品以外では殆ど見られないようなキャラクターデザインが特徴的で個性的。
一人一人の特徴を解りやすく捉えて区別して描かれていますね。
また、色彩感覚がとても美しく鮮やかなのも印象的で、
作画全般良い仕事をされてるなと思いました。


☆音楽☆

OPは幻想的かつ浮遊感のある楽曲で、個人的に春アニメでは一番お気に入りの曲だったので、
最終話までOPを省かずに流してくれたのは嬉しかったですね。
英詩ですが作品の内容、OPアニメーションとの相性も抜群でした。

EDの方が楽曲的にはOPよりも個人的には印象は薄いんですが、
こちらは脚本の岡田麿里さんが歌詞を手がけているんですよね。
さすがに作品そのものの世界観をずばり歌われてて、この点はアニソンとして高く評価するべきでしょう。

OP,EDの出来に比べると、やや作中のBGMは盛り上げ方が少々地味だった気もしますが、
(音量がちょっと小さいかも?)、
逆にあまり入ってこないくらい集中して観ることが出来たのかも知れませんね。


「オリジナルの1クールアニメ」としては、派手さも控えめで馬鹿でも楽しめるようなエンターテイメント性も薄く、
正直爆発力は無いとは思いますが(唯一惜しい点)、非常に真面目な作風で好感が持てます。
声優、作画、音楽などのクオリティ面も優れており、完成度の高い作品に仕上がっていると思いますね。
なんとなしに観るんじゃなく、最後までじっくりと作品を観れる方にはオススメしたいですね。

投稿 : 2024/11/02
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