シリアスで狂気なTVアニメ動画ランキング 15

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のシリアスで狂気な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月12日の時点で一番のシリアスで狂気なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.9 1 シリアスで狂気なアニメランキング1位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1889)
9817人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰

★mana★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕たちに、救いなどない。

命とはこんなにも儚いモノか・・。


誰の為だとか、何かの為だとか、そんな事は知った事じゃない。
所詮、他人事は他人事。自分以外は皆他人。
愛だの、仲間だの言ってるやつに限って、肝心な時に逃げ出すんだ。
何が地球の為だ。何が平和の為の犠牲だ。
何故それが自分なんだ?


意味が理解出来ないままの者、取り乱す者、決心が付いてる者、戦いたい者、それぞれがそれぞれの気持ちで戦う。むしろ、戦うしか選択がない。


ほら、次は君の番だ・・。


夏休み。自然学校に集まった15人の子供達。
そこで過ごす時間は彼等にとって素敵な思い出になるに違い無かった。
彼に出逢わなければ・・。
ゲームと称し、ロボットに乗って敵を倒していく。
それを聞いた子供達の好奇心は、夏休みという胸踊る時間に、
最高潮に達し、迷わせる理由など無かった。
大きな代償があるとも知らずに。


1人、2人、3人・・徐々に明かされる、残酷な真実。
まだ中学生だった彼等には、想像を遥かに超えた現実。
何億人といる人類の中のたった15人。
それでもひとり、ひとりがこの瞬間を生きていた。
まだ、夢や希望さえはっきりしない。
そんな子供達に世界は何を願う?



まず、この作品は、確実に万人受けはしないと思いました。
テーマが大き過ぎる。そして、残酷です。
こういった作品が好きな私でさえも途中で観るのをやめたくなる程でした。
何故か?それは、全く希望がないんです。
一体何の為に戦い、その先に何があるのか?
たいした特徴もない、そこ等辺に居るただの子供達に何が出来ると言うのでしょう・・。
それでも、子供達は精一杯の生命力を捧げていた。
その姿に私は、悲しくなるばかりでした。


そして、この作品のジャンルはロボット物なのでしょうか?
私も事前に言われましたが、ロボットに期待はしてはだめです。
まったくもってダサいです!
ダサいという次元の話でさえないかも。


見どころは、各話主人公の子供が変わり
基本その子供中心の話になるところですかね。
まぁ、そうならざるを得ないですが・・
特に後半にかけて面白くなります!(「面白い」と言う言葉は自重したい位ですが、表現が見つからないのであしからず。)


こう思うのは、私だけかもしれませんが、
気軽に観れる作品ではないと思いました。
(決して否定ではありません。作品自体は観れて良かったです。)








投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

あなたは植林の間引きをしたことがありますか?

この物語は壮大な内容とともに決して救われない物語です。
OPやEDの歌が美しいがために、より一層、残酷さや悲しみが増してきます。

ゲームをしようと誘われて契約をした15人の子供たち。
しかし、そのゲームは、実はゲームではなかった。
私たちが住んでいる地球を救うための戦いでした。
{netabare}
操縦者は戦闘ごとに変わり、
戦いに負けた場合は、即、地球が消滅する。
戦いに勝っても操縦者の命は奪われてしまう。 {/netabare}
何とも救いようがない話です。

しかも、戦う相手は、パラレルワールドである別の地球の選ばれた子供たち。
戦いに勝つということは、戦いの相手が住む地球を消滅させるということ。
勝っても素直に喜べません。

この戦いを企てたのは、高次元宇宙に住む神か悪魔のような人たち。
パラレルワールドの地球が増えすぎたために、植林のように間引きをする。
そうすることで宇宙がより成長していく。そんな単純な動機です。

私たちも、植林の際、間引きをします。
丈夫な木がより良く成長するために。
そのとき、私たちは何の罪悪感も感じません。
この物語の戦いを企てた人たちと同じような気持ちだと思います。
それは、解決しようがないむなしさを考えさせられました。


操縦をする子供たちは、それぞれ心の内に抱えているものがあります。
でも、家族のために歯を食いしばり戦ってゆきます。

その中でも私は、妹や弟を大切にしていたダイチが一番好きでした。
弟や妹との最後の日を一生の思い出にしようと決めていたダイチ。
その最後の日が無残にも砕け散ってゆくのが悔しくて悔しくて…

最終話でダイチの弟や妹が登場します。
ダイチの弟は、兄が突然失踪したので自分たちが捨てられたと思い込み、心が荒んでいました。
{netabare} 唯一生き残った{/netabare}カナが、彼らにダイチの素晴しさを説明するシーンがありますが、
その描写をもっと詳しくしてほしかった。
そうすればもっと感動できたと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

Smog さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

現実離れした欝展開に何を求めるか。追い詰められた人間の心理を描く作品。

コミック原作。
全24話。
原作未読です。

唐突に現れた未知の敵を倒すために、巨大ロボのパイロットに選ばれた子どもたちの葛藤を描く内容。
最初から最後まで暗くて切ない展開で、追い詰められた人間の心理を描いた作品です。

一番の見所は、欝展開でしょうか。
おあつらえ向きに用意された舞台で、悲劇のヒロイン&ヒーローよろしく子どもたちがどんどん欝展開に巻き込まれていきます。
話が進めば進むほど欝展開と葛藤の度合いが大きくなり、見ていて暗い気分になります。
欝展開は苦手なのですが、あまり欝にさせないようにする演出も意識されていて、暗く切ない展開でも見るに堪えないということはありませんでした。

ストーリーについて、伏線回収の演出が秀逸でした。
少しずつ明らかにされる世界観、設定の描写が視聴者を引きつけます。
次回が気になる構成はお見事でした。

また、特に登場人物の心理描写に力を入れている印象でした。
対価、報い、救いなど、追い詰められた人間が求めるものを登場人物にあわせて描写しています。
ただ、あまりに現実離れしすぎていて、本当にそんな心理になるのかどうか疑わしく、感情移入はしづらかったです。

作画について、戦闘シーンが印象的でした。
メインではありませんが、ロボバトルの要素があります。
躍動感あふれる一般的なロボものとは違い、妙にゆったりとした動きが特徴です。
あえてそうすることで、重い世界観にあわせてある演出だと感じました。

また、OP、ED、アイキャッチの演出も印象的で、暗い雰囲気を盛り上げていました。
これらが本編とさりげなくつながっていく様子の描き方は秀逸です。
欝展開になりすぎないような配慮といい、細かいところにこだわりを感じました。

音楽について、暗くて切ないものが多いです。
OP、ED、アイキャッチも含めて、世界観にあった選曲でした。

声優さんについて、登場人物が多いため、キャストが多いです。
一番印象的だったのは、石田彰さんでしょうか。
憎らしさたっぷりの悪役演技がステキでした。

普段は欝展開のアニメは敬遠していますが、おもしろいと紹介されて視聴を決意しました。
アニメならではの演出で、絶望の中にも救いがあるというメッセージを感じましたが、やはり欝展開は苦手なんだなぁと改めて認識した作品です。

欝展開が好きな方、視聴後に切ない余韻が残るアニメを見たい方におすすめできるアニメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

93.9 2 シリアスで狂気なアニメランキング2位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2194)
10555人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見た目は少女、中身は・・・おっさん!?

原作未読。最終話まで視聴。

【物語】
1話を視聴し終わった時には、単なる「主人公最強系」かと・・・。
それにしては、主人公が『幼女』っていうのが意味が分からなくて・・・。

2話を視聴して初めて物語の世界観が分かった。

一見、現実の世界とリンクしているようで、でも『魔導師』なんて現実には存在しない存在がいるという不思議な異世界。
現実世界と異世界が入り混じった世界観が好きでした。

【作画】
背景や登場人物はとても綺麗に描かれていたと思います。
主人公の目は、主人公のひととなりを表しているというか何というか・・・。
セレブリャコーフ少尉は、もう少し可愛く描いてあげれば良かったのに・・・(笑)。

【声優】
何と言っても、主演の悠木碧さん。最高でした。

【音楽】
OP・EDとも作品の雰囲気に合っていて良かったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 114
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

この“幼女”って冠は必要ですか?

2019.01.16記


原作未読


2017年ランクでの評価が高いのと、劇場版を控えての地上波再放送を機に視聴。
個人的には家族の信用を底辺に落とす2018年秋3タイトル(他は「青春ブタ野郎・・・」「エロマンガ先生(再)」)のうち一つ。共有HDDは危険です。

内容はご存知“タイトルを信じちゃいけないよ”系のダークな作品。幼女らしい幼女が出てきません。
{netabare}別途、幼女らしい幼女が一人おりますが、どうやらこの娘さんも幼女らしくなくなりそうな気配。{/netabare}


『戦闘そして戦争というものを楽しむ作品』


見た目は幼女。中身はオッサンの主人公ターニャ・デグレチャフ(CV悠木碧)が、ドイツ第二帝国(っぽい)ところの軍事将校としての活躍を描く戦記ものです。わりとガチの戦記でした。
なぜ中身がオッサンなのか?なぜ戦記なのか?は序盤で説明。ドイツっぽいとしたのは、地図・軍装・勢力図その他20世紀初頭のかの国に酷似していること。もちろん似て非なる異世界が舞台です。
まんまドイツにしなかったのは英断だったかもしれません。戦闘描写が大半を占める本作では、展開される作戦、銃器装備品、航空機、戦車、外交戦などなど歴史好きやミリオタがちょいと反応しやすいネタが散在しているのですが、あえて架空の異世界設定とすることで史実と整合性の取れない部分に必要以上に焦点が当たらないようにしてました。

戦闘描写もさることながら軍略上極めて重要な作戦立案部分(事前)や事後処理にも深く触れてます。
別にこの分野に不案内でも、本物に近いものが提示されることで、迫力だったり、知能戦の巧拙だったり、シビアな局面だったり、そして戦争の本当の意味での残酷さなど見えてくるものもあるでしょう。


{netabare}・密集方陣を組んでの統制射撃は、ナポレオン戦争当時から頻繁に行われた戦列歩兵の常套手段
・職業軍人と徴集された民兵での隊列の精度など、陣形を組むことができなかったり
・攻めるも守るも兵站次第。では兵站拠点を爆撃しようか
・ルーマニア(ダキア)だと爆撃機として航空機を実戦配備しましたよね
・第一次大戦の頃だと戦闘機(っぽいもの)より戦車が高価
・西方戦線って補給状況悪かったのはたしか
・認識票もたしかプロイセンが初だった気がする
・8話とかドレスデンの爆撃あたりがモチーフかしら。WWⅡだけど。{/netabare}


戦争ものが苦手でも“異世界”というフィルターを通す分だいぶ緩和された状態で受け止めることができるかと思います。良く出来た戦争ものって、極限での人間ドラマだったりしますので取っ掛かりとしても本作はオススメですね。
異世界での“バトル”というより純然たる“戦闘”の趣きです。ターニャはのっぴきならない事情がある人なのですが、人物焦点よりも“戦闘”の印象が強い。

{netabare}WWⅠの時代の人から見れば、戦闘機爆撃機の航空兵力なんて魔導大隊みたいな得体の知れないお化けみたいなもんでしょう。かつ機動兵力でもあったので海兵隊のような作戦を遂行してましたね。けっこう無双だったので戦闘の緊張感には乏しかったと思います。そこだけ惜しいです。{/netabare}

あっという間の全12話でした。最終話の畳み方が気になるもののぬるい戦闘ではなかったよ、という点を評価したいです。ただし、

{netabare} 幼女の設定は必要だったのかなあ…{/netabare}

その他、主人公の印象が強すぎて、他の人達の印象が薄いのは弊害なのかもしれません。
オマケでオッサン達の会議場での煙草の煙の漂いっぷり作画の雰囲気はよいものがありました。


■のっぴきならない事情については?

{netabare}劇場版での回答となるのでしょうか。

Mr.理路整然を地でいっていた転生前と比較し、「人間は理性を超えて情動で動くものである」ことを踏まえた行動を仕掛けて失敗したことは、ターニャが最終話で示した演説の内容とは裏腹に、彼女の思考スキームが“存在 X ”が求めるものに近づいてきていることの表れなのだろうか?{/netabare}

“神は死んだ”
ニーチェがドイツ人だからというわけではあるまいが、信仰に寄りすがるのではなくあくまで合理性で勝負という路線で突き進むのか?

{netabare}良質なおれたたENDでの{/netabare}終幕は、今後訪れるであろう決着の行方が気になる作品でありました。


{netabare}なお、歴史上ドイツと組むとだいたい負けるという悲しい事実。合理的な思考を優先しすぎると作中でも指摘されてた点がその理由の一つ。詰めが甘くて、かつ歯止めが利かないやっかいな人達だったりするのです。{/netabare}
{netabare}もう一つは溜めて溜めてドンという点。ナチの台頭前にもっとやることあったでしょうにという先例が分かり易いが、現在でも移民受け入れの先導きって旗振りしてきた挙句に飽和点を迎えて爆発しそうですし、ホント迷惑。{/netabare}



視聴時期:2018年10月~12月 地上波再放送

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2019.05.16追記

これも含めて異世界転生モノをいくつか鑑賞してみて、抵抗がほぼ無かった作品。
・現世のスペック(合理的思考をする、歴史を知っている前提)が活かされている
現世ではうだつあがらなかったけど生まれ変わったら無双でした的な作風が自分は苦手なんだなと別の方向から知らしめてくれたような気がしてます。
劇場版もレンタル始まったら観てみようかしら。。。


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2020.03.23追記

劇場版視聴済み。評価はTV版3.8。劇場版4.0。


2019.01.16 初稿
2019.05.16 追記
2020.03.23 追記
2020.09.21 タイトル修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 101

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦闘シーンが生々しい。1、2話のエピソード順はこれで正解じゃないかな…。

[2017年冬作品1クール視聴終了時ランキング] コメントより
==
1月末から順位は落としましたが、面白かったです。ただ、原作はもっと面白いと思いました。
==

小説投稿サイト「理想郷(アルカディア)」発らしい。原作があるはずですが、未読です。

ドイツ帝国っぽい「帝国」と周辺諸国(協商連合、共和国、連合王国、連邦)が、第一次世界大戦レベルの武器+魔法で戦争をしている状況らしい。普通の魔道士が観測兵として迫撃砲の命中精度を上げたり、飛行兵として空中から銃器で歩兵を攻撃するのがせいぜいっぽい世界で、「幼女の皮を被った化物」と呼ばれるターニャ・デグレチャフ少尉は戦術級の強大な魔法攻撃で無双している感じです。

このターニャと、その部下であるヴィーシャ伍長が中心人物のようですね。

協商連合のモデルは良くわかりません(ベルギーとか?)が、共和国はフランス、連合王国はイギリス、連邦はロシアがモデルでしょうか。

1話ではライン戦線の現状が、2話では時間を遡ってターニャが何も任官するまでの経緯が語られました。

魔法が普通に軍事技術化しているのは中々面白そうです。しばらく注目して観てゆきたいですね。

2017.1.23追記:
→アニメの第2話まで観て面白かったので、原作を読み始めました。2巻目まで読み終わりましたが面白いです!
戦記としての面白さとギャグ要素のバランスが良いですね。

2017.3.2追記:
協商連合は、帝国との国境位置的にフィンランドですね。

2017.4.1追記:
アニメ化部分よりも先に原作を読み進んで、既刊分7巻まで読了後にアニメを観終わりました。

原作のグランドストーリーに大きな影響のある改変は無いものの、ちょこちょこと改変はあります。私は原作原理主義者ではないので、現状レベルの改変ならOKです。でも、これだけ高い点数を付けたアニメよりも、原作の方が面白いと思います。

私は原作に出会わせてくれたことを本作品に感謝します。でも、そうさせてくれたのは「存在X」ではないと思っています(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 81

81.7 3 シリアスで狂気なアニメランキング3位
がっこうぐらし!(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1938)
9641人が棚に入れました
学校に寝泊まりしちゃおうという学園生活部。シャベルを愛する(?)くるみ、皆をまとめるりーさん、おっとりした顧問のめぐ姉らに囲まれた丈槍ゆきの瞳に映る幸せな“日常”はしかし……!? 千葉サドル×海法紀光(ニトロプラス)の強力タッグが贈る注目作。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小澤亜李、M・A・O、高橋李依、茅野愛衣
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

何度も見返してしまう作品

この作品の全ては第1話にあると言っても過言ではないほどインパクトのある第1話でした。

引きずり込まれるように第2話を視聴。この作品の“方程式”が理解できたところで再度第1話を視聴。

「なるほど、上手く作られているなぁ・・・」
なんて思いながら再度第2話を視聴。

「んっ?方程式に従うと{netabare}今、生き残っているのは何人・・・?{/netabare}」
みたいな感じで、思わず何度も見返してしまった作品でした。

OPの背景がストーリーの展開に従って変わっていくなど、手が込んでいます。
行ったり来たりしながら、この作品を楽しんで戴ければ・・・。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

学園生活部部活動記録

原作未読 全12話

高校の部活動のひとつ、学園生活部の部員でいつも元気で明るいムードメーカーでとても高校3年生とは思えない丈槍 由紀(たけや ゆき) 通称ゆきちゃん、スポーツ万能の元気でサバサバした性格の恵飛須沢 胡桃(えびすざわ くるみ)通称くるみちゃん、穏やかでいて実はしっかりものの部のまとめ役で部長の若狭 悠里(わかさ ゆうり)通称りーさん、3人の後輩でシャイなゆきのツッコミ役の直樹 美紀(なおき みき)通称みーくんと、顧問の先生で生徒に優しく接している佐倉 慈(さくら めぐみ)通称めぐねえ、部のマスコット的存在である柴犬の太郎丸に焦点をあてたちょっと変わった日常系?作品です。

色々と話題になったこの作品、原作未読のためにどんな展開になるか予想がつきにくいお話なので観ていて飽きることはなかったですね。

ウルウルするシーンも結構ありました。{netabare}(めぐねえのこと、太郎丸のこと){/netabare}

興味がある方は1話を観て視聴を判断したら良いとか思います。

続きを思わせる終わり方ですが、このままで終わってもいいような感じがしました。{netabare}(伏線が全然回収されていませんので、多分1クール増やしても終わらないような感じがします。){/netabare}

OP 学園生活部4人のCV(水瀬いのりさん、小澤亜李さん、M・A・Oさん、高橋李依さん)方が歌ってます。明るく元気な曲ですが、この作品を暗示しているような歌詞ですね。

ED 3曲ありますが、黒崎真音さんの「アフターグロウ」が良かったですね。

最後に、この作品を観るとメインのCV方は、今期結構他の作品にもメインで出てきてますね~ 水瀬いのりさん(実は私は・戦姫絶唱シンフォギアGX・心が叫びたがってるんだ。)、小澤亜李さん(Classroom☆Crisis・アクエリオンロゴス・モンスター娘のいる日常・わかば*ガール)、M・A・Oさん(オーバーロード・暗闇三太・実は私は・デュラララ!!×2 転・わかば*ガール)、高橋李依さん(それが声優!・乱歩奇譚)とこれからもどんどん活躍してくださいね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

このレビューも含めて、このアニメのいかなるレビューもネタバレ…!

…さあ、私は警告をしましたよ(笑)!

同タイトルのマンガ原作がありますが、私は未読です。
放送当時に、何の事前情報もなしに第1話目から普通に観てました。

1話目を観終わった後なら、多少は他のレビューを読んでみても良いかも。


それでもあえて何かこの作品について語るとすると、ジャンルは{netabare}ゾンビホラー{/netabare}です。{netabare}スティーヴン・キング{/netabare}作の小説や、それが原作の映画などが好きならば気に入るかもしれないです。

後は、本作品のキーワードとしては{netabare}イマジナリーフレンド{/netabare}(心理学用語)ですかね。

ネタバレじゃなく唯一書けるのが、こんな絵柄の割に学園生活部の面々の道具の使い方の描写は目的外使用も含めて意外と正しく描かれていたような気がするということくらいですかね…。


…ダメだ、「禁則事項」多過ぎ(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

76.5 4 シリアスで狂気なアニメランキング4位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (428)
1533人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

されど空の青さを知ったカエルちゃん

著名アニメーターのオリジナルアニメ


自分は存じ上げなかったのですが名前を聞けば、な監督と脚本さんとのこと。
そんな予備知識があれば心構えができたものをそうでないとちょっとしたトラップにかかるかも。

まず画が軽いです。主役がツダケンさん。軽い絵と渋い声のマッチングに違和感を覚えます。
次いで第2話まで終わってちんぷんかんぷんです。リアタイでは一挙2話放送でギリ踏みとどまりましたが下手すると離れちゃいますね。
トラップといったのは、 ここまでで"しっかり観よう”という意識が吹っ飛んじゃうかもしれんってこと。流し見ダメ、ゼッタイ!集中しないといかん作品でした。
私も何話か流し見てから、いかんいかんと最初からリピートした口です。

ざっと概要を追うと、
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。そんなクライムサスペンス。
ミステリと呼ぶにはそこにあまり重きを置いてないような感じがしました。犯人は誰だ?の謎解きもあっさりだし、深層心理にダイブした面々の心の機微がよりこちらの興味をひいてきます。
{netabare}※ジョンウオーカー本人以上に仲間の本堂町小春がぶっ飛んでて良い感じなのです。犯人が魅力的でないキャラ設定なのはわざとじゃないかしら。そこじゃないんだよ!というスタッフのこだわり。{/netabare}


視聴を進めていってなんのこっちゃな部分もおありでしょうが、私も一緒。純粋に視聴に求められる偏差値が高いんだと思います。

それでも推したい作品ではあります。茶目っ気というか遊び心というかクスッとさせる演出ありで、そんなのが見え隠れしてる作品に大外れはない印象。ご多分に漏れず本作もそうでした。例えば設定。

主人公酒井戸が“イド”に入った後、謎解きの重要なモチーフとして必ず死体が用意されています。その名を“カエルちゃん”。別のでも他人のでもイドにダイブすれば必ず会えるという皆勤賞ぶり。そこで誰もが思います。

 {netabare}あー『井の中の蛙(かわず)』ですね、と。{/netabare}

そのうち穴井戸だったり聖井戸だったり井戸尽くしの様相を呈してくる物語。

 {netabare}そんなカエルちゃんは大海を知りませんでした。{/netabare}

 {netabare}ついでにカエルちゃん笑ってくれないんですが胸をさすとげは消えないままだったり。{/netabare}

簡単な連想ゲームにクスッとなります。さらに殺人鬼メーカーのジョンウォーカー。

{netabare}ジョニーウォーカーを連想したのは私だけ?
言わずと知れたウイスキーの銘柄。“ウヰスキー”とも書いたりします。ヰと井。
販元の英ディアジオが韓国に工場を置いたためしばらく日本向けジョニーウォーカーやスミノフはmade in KOREAでした。文大統領が税金上げたもんで撤退みたいなニュースありましたが脱線はこのへんで。
ウイスキーは原酒を寝かせてナンボなわけでしてこちらも熟成熟成また熟成。この殺人鬼も用意周到でしたね。ちょっと類似点があります。{/netabare}

{netabare}それで主人公が“酒”井戸。組織は“蔵”。{/netabare}

{netabare}聖井戸さんだけが持つ“御代”という下のお名前。福井の地酒で「聖乃御代」ってのありましたよね?
脚本の舞城王太郎氏は福井の出身です。ウイスキー関係ないけどなんというかそういったところ。{/netabare}


シナリオとは関係ないところで遊んでみてもけっこう楽しめる。で本編のメインシナリオでも作り手が遊んでるんで素直に楽しかったです。
ホント序盤に軽い画を侮らないで真面目に観続ければいいことがあるんじゃないかと思いますよ。

ネタバレなしはここまで。『マイノリティレポート』『羊たちの沈黙』その他ちょっとでも触れると削がれるタイプの作品です。よろしければ現物を確かめてみてください。
端的に作品から受けた印象を申せば、

{netabare}『大海に出ることの叶わない井の中のカエルちゃんが空の青さを知りえて大海にでることを願う物語』{/netabare}

でございました。



※ネタバレ所感

■声優宮本侑芽のお仕事

飛鳥井木記(あすかいきき)の演者さん。代表作は言わずと知れた『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役。
覚えてますかね?新条アカネとのやりとり。

{netabare}諦観した時のやや強がりの入った演技がすこぶる良いんです、この方。{/netabare}

これまたどうでもいい脱線。
木記→キキ→kick it ! とくれば、Beastie Boys の 『Fight For Your Right 』しか考えられませんよね。えぇ私が好きなだけです。

 You gotta fight for your right. To party

ききちゃんが心から笑える日が訪れますように!


■殺意で狂う人間模様

印象的なシーンと置き換えてもいいかもしれない。なんか切ないのよね。

1.{netabare}井波七星{/netabare}

{netabare}“墓掘り”の相方の女です。彼女のイド内にて、森の中で夜に円環列車が走るのを上から収めたカットを最後に映すんですよ。
「資料によれば井波七星の母親は七星が14歳の時に走行中の電車に飛び込んで自殺。どうやらこの酒井戸が乗る電車が実際にその時母親を轢き殺したもののようです」
ループしてる彼女の心理はここまでで充分に説明されてるのに敢えてぶち込んでくるの切なかったです。

穴開きで1,2話。海外帰りの爆弾魔で3話。そして墓掘りエピソードで4,5,6話と中盤を締めくくって後半にブーストかける良い流れでした。{/netabare}


2.{netabare}名探偵の条件{/netabare}

{netabare}殺人者であること。そして自殺も殺人とカウントするってのが最初とっつきづらかったかも。
つまり殺人犯を口八丁で自殺に追い込んでく酒井戸のスタイルもれっきとした殺人ですよ、と。羊たちの沈黙でも囚人を自殺に追い込んでくのがありましたけどレスター博士のサイコな感じとは違うんですよね。切ない事情がありました。

別件で、熟練の松岡刑事が本堂町(=聖井戸)を送る時も哀愁を漂わせてました。
「ただ俺はお前を推薦しながら俺と他の同僚を守っただけだ」
渋めのおっさんは刑事モノには必要です。{/netabare}


3.{netabare}鳴瓢(=酒井戸)というよりツダケンさん{/netabare}

{netabare}10話が切ない。耐えられん。{/netabare}

4.{netabare}局長の声{/netabare}

{netabare}これ全然切なくないやつです。何だろう…アニメ的な発声にずっぷり慣れてしまったのだろうか。
声が軽くてラスボス感が全くしない。それに棒なんじゃないかと思うくらいひどかった気がする。これ減点要素です。{/netabare}


■最後に遊び心の話に戻るんだが…

遊びと言いきると不敬とも取られかねないのですがお手柔らかに。

{netabare}「違うだろ…君らがどこかに行ってしまったんだ!」
「現実にいるんだ。君のいない…椋もいない…現実に…」
「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて…本当に悔しいよ…」

イド内イドで妻に娘に鳴瓢が振り絞るように吐いたセリフ。どんな場面かは完走した人は分かるはず。
悔しいと吐露する鳴瓢の心中いかばかりか。{/netabare}


そこで思い出したのが以下、


{netabare}「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て、散るぞ悲しき」

硫黄島守備隊の指揮官栗林忠道中将閣下の辞世の電報です。大本営に“悲しき”の部分を“口惜し”に変えられて世間に発表された逸話はご存知の方も多いでしょう。現代語訳すれば「悔しいよ…」ですね。
それから半世紀の時が流れて、1995年。{/netabare}

{netabare}「精根を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき」{/netabare}

{netabare}慰霊に硫黄島を訪れた現在の上皇陛下が、この"悲しき”という言葉を使われて御製を詠まれています。{/netabare}


序盤私が申し上げた妄想の類ではなくこちらはれっきとした言葉の繋がりを意識されたものです。
それで「聖乃御代」ってことは…絶対にありませんね。すいませんでした。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----
2020.10.10
《配点修正》-0.1 全体バランスを考慮


2020.03.25 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 配点修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

欠損した世界で生きる者たち

アニメーション制作:NAZ、監督:あおきえい、
副監督:久保田雄大、シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
キャラクター原案:小玉有起、
キャラクターデザイン/総作画監督:碇谷敦、
音楽:U/S、原作:The Detectives United

無意識下の心の領域を示す精神機能のひとつを
フロイトは「イド」と名付けた。
つまり、本能的な欲求や生理的な衝動のことで、
「エス」ともいわれる。
この作品では「殺意」を生じさせた
無意識の世界を「イド」と呼び、
選ばれた人間が「ミヅハノメ」という機器に、
搭乗して探査する。
イドの世界では、搭乗者は「名探偵」となり、
殺人者のイドの情報を集めることで、逮捕につなげる。
イドを構築するためには、殺人現場などに漂っている、
殺意の思念粒子を「ワクムスビ」という機器で
採取しなければならない。
捜査を担当するのは、警察の内部組織「蔵」だ。

作品の土台となっている世界観に
それほど目新しさはない。
他者の思念に入り込んで探偵となる作品は、
筒井康隆原作の『パプリカ』が思い浮かぶし、
映画なら『インセプション』に通じる部分もある。
夢に潜ったり思念を感知するというだけなら、
扱っている作品は大量に存在する。
ホラー映画の『エルム街の悪夢』や『悪夢探偵』、
それを電脳に転化すれば『攻殻機動隊』や
『RD 潜脳調査室』も類似している。
残留思念なら漫画『サイコメトラーEIJI』もある。
しかし、そういう題材を用いながらも、
この作品の物語世界は、最初から最後まで
完全なオリジナリティにあふれている。

ミヅハノメによって殺意の世界に入り込んだ者は、
殺されている身元不明の「カエルちゃん」を目撃することで、
自分の名前と名探偵としての役割を思い出す。
イドに入った元刑事・鳴瓢(なりひさご)秋人は、
名探偵・酒井戸へと変わり、
カエルちゃんの死の真相を探る。
その様子を外部から観察する捜査員たちが、
酒井戸の思考やイド内での出来事から、
犯人につながる情報を掴んでいくのだ。

鳴瓢は過去に起こった事件で
心に大きな傷を負ったことが原因となり、
イドに入れるようになった。
イドに入るためのひとつの条件は、
殺意を持って人を殺したことがあることだった。

1話目から最終回までのシリーズ構成と脚本を
作家の舞城王太郎が担当していることもあり、
伏線などを含め、全体の完成度は高い。
謎が少しずつ視聴者に提示され、回を追うごとに
明らかになっていく。いくつもの展開の波が
計算されて用意されているのは見事。
ミステリーの要素があるので、犯人が誰かという
興味もあるが、この作品の面白さはそんな単純な部分ではない。
殺人鬼たちの心の問題と被害者たちの悲しみを
きちんと掘り下げて描いており、
その感情の一つひとつが心に響いてくる。

名探偵たちは、複雑な想いを抱えながら、
殺人犯たちの原風景のなかにある謎を
解き明かすために躍動する。

濃密で無駄のない脚本のため、
ちょっとしたシーンにも意味がある。
初見では分からない部分が出てくるかもしれないが、
物語を追っているだけでも十分に楽しめるし、
キャラクターたちが語る言葉の意味を考えるのも興味深い。
例えば本堂町小春が考える「欠損」についての思考は、
観る人によって、さまざまな意味をもつ。
本堂町と共通の感覚を抱える富久田との心の交流は、
マイノリティとしての喜びが表現される。

最も心を動かされたのは10話だった。
分かりやすい回ともいえるのだが、
やはり、そこまでの積み重ねが上手い。
鳴瓢が失ったもの、そして決意。
2度目の幸せを守ろうとすること。
しかし、戻ってこないものがある。
前に進まなければならないときがやってくる。

殺人鬼たちの物語でもありながら、
心地良さや厳しい現実を突きつける。
{netabare}福井県出身の作者が、ミヅハノメのメカニズムで
原発を意識させる設定は、明らかに狙ったものだろう。
飛鳥井木記=燃料棒で水に浸けて制御する。
燃料棒が露出した世界において、
人間は防護服がないと生きられない。
いつかは、なくさないといけないものだ。{/netabare}
世の中のジレンマ、見えない未来。
私たちにとって欠けているもの、
損なってしまったものがある。
しかし、そのなかで生きていかなければならない。
怒りと哀しみ、そして希望。
あらゆる感情があふれた世界に
ほんの少しの喜びがあって欲しいと思う。
(2021年2月27日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

メタサイコロジー

監督あおきえい、脚本舞城王太郎。

奇想天外な世界観で魅了する、
舞城ワールド全開なSFミステリー。

殺人衝動を感知するミヅハノメなる、
アイテムを用い犯罪事件を捜査する組織。
{netabare}無意識の世界が推理の舞台となる。{/netabare}
犯人の深層心理に潜る名探偵酒井戸、
彼は井戸に潜り悪の記憶への回路を見つける。

{netabare}彼の過去とカエル殺害事件の真相、
悪意はそこかしこに潜んでいる。
連続殺人鬼ジョンウォーカーとは!?{/netabare}
その影を追い事件は真相へと近づく。

10話視聴追記。
技巧派・舞城ワールド炸裂である。
事件の核心が見えない、絞れない。
{netabare}飛鳥井の悪夢、世界の変容!?
飛鳥井はその力で鳴瓢の記憶を受け取る。
JWは鳴瓢の無意識の投影なのだろうか!?{/netabare}
本堂町が推理の鍵を握る。

最終話視聴追記。
活劇ではなく推理を主体とする犯罪劇では、
極めて良質なサスペンスが堪能出来る。
{netabare}計る者ものの尺度で変わる正義の形、
そして深層心理で繋がる不安定な心の形。
物語は余韻を残し事件は幕を閉じる。{/netabare}

心の病では些細な希望ですら光の道であり、
懸命にもがきながら苦しみが過ぎ去るのを待つ。

〇〇に幸せが訪れますように。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

69.3 5 シリアスで狂気なアニメランキング5位
バビロン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (369)
1129人が棚に入れました
「その啓示は、静かにそっと訪れる―」東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

声優・キャラクター
中村悠一、櫻井孝宏、小野賢章、M・A・O、堀内賢雄、興津和幸、宝亀克寿、置鮎龍太郎
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

想像力の欠如した異世界の果てで

アニメーション製作:REVOROOT、
監督:鈴木 清崇、キャラクター原案:ざいん、
キャラクターデザイン:後藤 圭佑、原作:野﨑まど

政府によって新法の実験を行うために指定された
東京都西部の「新域」というエリア。
そこは、政令指定都市を超える権限が与えられた、
もうひとつの東京とも呼べる地域だった。
東京地検特捜部検事の正崎善は、
製薬会社の不正事件を追ううちに
新域に端を発した、日本中を揺るがす
事件に出くわすのだった。

新薬を巡る臨床研究の不正事件を想起させるような
大きな陰謀が蠢く骨太のミステリーの雰囲気。
衝撃の展開で視聴者を引きこむ構成が
成功した第1話だった。
やがて、謎の女、曲世愛と与党が新域の域長として
推す齋(いつき)開化が中心に。
新域で持ち上がった「自殺法」、そして
曲世から突き付けられる「善」と「悪」。
これらの要素が日本を飛び越えて、
G7の議題にまで持ち上がるテーマになる。

個人的には、作品の魅力を感じられたのは3話くらいまで。
その後は、社会派の体をなしただけの
破綻したストーリーになっていく。

子供が立候補できる東京都の重要な域長選挙、
自殺法を勝手に議題として持ち上げる展開、
与党幹事長の常軌を逸した行動、
自殺の議論とつなげる移植問題、
新域で自殺法の成立が不可避となった理論、
法の番人である検事の正崎が走る犯罪行為、
なぜか世界中に広がっていく自殺法の議論、
国を代表するG7の代表者による空虚な討論。
次々と繰り出される展開に
全くついていくことができなかった。

そもそも「自殺法」という法律は、
どういう条文で何を規定し、何を目的にしているのか。
当然ながら、現在でも自殺に罰則はない。
日本では自殺する権利は憲法で否定されているという
解釈があるだけだ。
もっと言えば、例え新域があって、
自殺法が制定されるという、
絶対にあり得ないことが起こったとしても
日本では政府によって、簡単に無効にできる。

普遍性を感じられない、完全に閉じられたストーリー。
この閉じられ方は「なろう系」を超えている。
世の中が「善」と「悪」だけで片付けられないのは、
子供でも分かることだが、そういう大前提が
抜け落ちてしまっているようにさえ思える。
自殺法について、尊厳死が抜け落ちているのも同様だ。
この作者や制作サイドは、一体何を言いたいのだろう。
圧倒的な力を持つ宇宙人が「善」だ「悪」だ
なんていうことを考える必要はないし、
物語に大切な思考が決定的に
欠けているのではないだろうか。
作り手の想像する「現実の世界」は、
どのような形をしているのだろうと、心配したくなった。

薬学を大学で専攻していた作者から
新域や新薬の発想が出てくるのは自然なことだと思うが、
メインテーマとなる「自殺」と「善と悪」については、
「浅薄」という言葉がよく似合う。
エンターテインメントと哲学を表現するのは、
やり方によってはアニメでも十分に面白くできる。
しかし、この作品では完全な失敗に終わっている。

曲世愛の能力は、黒沢清監督の『CURE』と
酷似している。あちらは、監督の名前を
世界の映画ファンに知らしめた秀作だったが、
その作品に政治劇と自殺法をつなぎ合わせたものが
『バビロン』だったように感じた。
もちろん、全く面白くないわけではない。
曲世愛のミステリアスなキャラは存在感があったし、
{netabare}次々と仲間が殺されていく展開はショッキングだった。{/netabare}
ピアノの響く挿入曲も悪くない。

ただ、自殺法や新域、新薬、善と悪などの社会派ネタと
超能力者という組み合わせが全くそぐわない。
それでも、敵に対抗しうる手段や
社会的な納得できる背景を描いてくれれば、
エンターテインメントとして十分に成立するのだが、
相手が完全なる宇宙人で、
人類には到底歯が立たない存在だと
物語が面白くなりようがない。
しかも、メインテーマである自殺法の討論が
本当に必要な寝たきりのお年寄りや
脊髄損傷患者などの尊厳死についてふれずに
普通の健常者が自殺することだけを
想定しているのは、あまりにも陳腐だ。
そもそも自殺のことを議論するなら、その背景にある
社会問題を取り上げるのが普通のことではないのか。

作品を観終わった後に感じたのは圧倒的な虚無感。
物語において何かのテーマを考えさせる作りではなく、
視聴者を驚かせることだけが目的のようだ。

想像力の欠如した異世界の果ての物語で、
私たちは一体何を見せられたのだろうか。
(2020年2月1日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悪の凡庸さについて

原作野崎まど、REVOROOT制作。

東京地検特捜部の正崎善は、
製薬会社日本スピリの新薬アグラスを巡る、
不正事件を追ううちに奇妙な書面を発見する。
{netabare}紙一面を埋め尽くすアルファベットの「F」、
血で書かれたその書面が物語を急展開させる。{/netabare}
緻密な物語と絵が知的好奇心を刺激します。

徐々に明らかになる不可解な人物関係、
{netabare}不審な関係者の死に繋がり始める政治家の影。
その政治の世界では開発発展が進む、
東京都西部を統合した新域域長選挙が始まる。{/netabare}
政治家による性接待も描かれ、
なかなかに引き込まれる演出である。

秀逸なのは不思議な女性の存在だ。
魅惑的なその容姿に私は虚無を見ている。
彼女の存在が物語の鍵を握ると予言しておこう。

最終話視聴追記。
原作と違った結末にどこも否定が多い。
{netabare}とにかくCパートが余計な混乱を生む。
謎は依然として謎のままである。{/netabare}
善と悪の課題の細部にもっと早く切り込み、
対話の先に議論を深めて欲しかったですね。

{netabare}生物の遺伝子は極めて利己的に振る舞う。
これぐらい勢いで言って良いのだから。{/netabare}

悲しみ半分、しかしもう半分は、
翌週を楽しみにしていた私もいました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 62
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ばびょろ~ん

原作未読


最終回終了後Amazonレビューが荒れたらしい。
これリアタイだと7話までやって翌週から再放送回スタート。11/18をもって8話リスタート12/30まで1か月以上足踏みするという斬新さ。結局翌1/29にフィナーレを迎えた全12話です。
秋期出遅れた私にとっては皆さん方とほぼ同時期に迎える唯一の作品でした。

サイコスリラーとかホラーサスペンスに分類される本作。
現実世界寄りの実写映えしそうな作品です。そして本作に出てくるキャラの一人。ゆきのさつきさん演じる“曲世 愛(まがせ あい)”がこれがもう強烈な個性を放ち魅了されます。この彼女一人をもってキャラ評点満点を与えて良いくらいの逸材。
ゆきのさつきさん存じ上げない方でしたが、ベテランで憑依型の演技をされるとか。その評通りの怪演でした。

これからの方向けには以上です。
荒れたということは裏を返せば感情が揺さぶられるストーリーをたった1クールで楽しめるということになります。キャラは強力っす。


なんかあれみたいです。
朝ドラきっかけで結ばれてイクメンイメージで好感度保ち早数年。
{netabare}※ここまでが第7話。最終話手前って話もあり。{/netabare}
しかし蓋を開けたら「誰のおかげで(怒)」「奥さんかわいそう」「とにかくサイテー」のフルボッコ。
{netabare}※最終話の畳み方でミステイク{/netabare}

パブリックイメージが良ければ良いほど明るみになるあれやこれやでものすごい反動がくるあの感じ。
前半期待値との落差で「かわいさ余って憎さ百倍」的リアクションが大半を占めてしまいました。一方で「そこまで言わんでも」といった立ち位置も理解できます。
置き換えると我々視聴者は当事者ですからね。奥さんの気持ちになってどうジャッジするかってことなのでしょう。


なお、、考察はしかけといて止めときます。

 {netabare}“匿名動画少年の家族構成はさすがに事前に調べるもんだろうよ”{/netabare}

どシリアス物語なのにしょうもないアラが見える箇所複数。

 {netabare}“冒頭に自殺薬を巡るetc持ってきてフェードアウト”{/netabare}

広げた風呂敷を畳めず、結論を導くパーツが揃わない。

自由闊達すぎる作風なので、あまり自分の頭が整理仕切れてないというのがその理由です。
わりと好きな作風でしたのに。そのため月日が流れて復縁を迫られたら断れる自信がありません(適当)。




※オマケ

■いや~その場所はw

1.{netabare}ANAインターコンチ@溜池
:第1話で文緒が尾行して突き止めたホテルはリアルでもなじみ深い場所です。確かに政治家の利用は多い場所でよく見かけますね。官邸も近いです。{/netabare}

2.{netabare}同じく1話で出てきた病院
:そのモデルの病院でこの間手術して入院して現在通院中なんですけど(笑)
:麻酔で昇天しちゃってとかマジ勘弁っす 
:これから処方箋注意深くチェックすることにします{/netabare}



視聴時期:2019年10月~2020年1月   

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2020.02.01 初稿
2020.07.17 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58

86.3 6 シリアスで狂気なアニメランキング6位
東京喰種(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (2776)
15673人が棚に入れました
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人・喰種が蔓延る東京。ある青年「カネキ」は喰種に襲われ瀕死となるが、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる―――・

監督に本年度米アカデミー賞ノミネートの森田修平を迎え、前代未聞のスタッフ陣によって彩られる「東京喰種」の新たな世界に乞うご期待!

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、小西克幸、中村悠一、豊永利行、浅沼晋太郎、櫻井孝宏、伊藤健太郎、梶裕貴、浪川大輔、速水奨、立花慎之介、津田健次郎、土井美加、仲野裕、釘宮理恵
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

リゼと接触したことによって、
金木くんがかわいそうな目に・・・(´・ω・`)

■第1話~第2話
{netabare}
金木くんの発狂ブリが見どころの一つではありますが、
やっぱり一番の見どころは、リゼ役のハナザーさんですね!^^

1話目で金木くんをハニートラップにかけた
誘惑っぷり。そして2話目で永近を食べるようにそそのかしたり。
ハナザーさんがいい意味で壊れております(笑)

1話目の途中までは、ハナザーさんだとは気付かなかったです。
「となりの関くん」の横井さんがダークサイドに
落ちたみたいな感じ^^

これからますます壊れていくといいですね♪
{/netabare}

■第3話
{netabare}
今回はハナザーさん出番なしでした。。。
物語もあまり進まず、水面下で動いている感じです。
次回から動くかな??
{/netabare}

■第4話
{netabare}
今回はザ・宮野劇場って感じでした!
トイレでくんかくんかしているシーンはもう爆笑でした^^

ハナザーさんは30秒くらいの出番でしたが、
Sっ気たっぷりの見事な演技でした♪
{/netabare}

■第8話
{netabare}
久しぶりのハナザーさんでテンションあがります♪

そして残念ながら真戸さんはこれにてご退場です。
良いキャラしてたのに残念ですね^^;

あの指輪は、薫香ちゃんと何か因縁が??
{/netabare}

■第12話
{netabare}
中途半端なところで終わってしまいました。。。
原作読みましたが、確かにどこでアニメ終わらすか
は悩みどころですよね~
2期はあるんでしょうか??^^
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 94
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

東京グルメ?

{netabare}
原作未読

ちょうどこの作品を見始めた時、私がハマっていたのが
ドラマ「孤独のグルメ」でした。

松重豊さん演じる井之頭五郎さんの食べっぷりが
好きなんです。

見ていてお腹が空いちゃうんです…

だから東京グールが東京グルメに見えて仕方ありません
でした。
夜中にシュークリーム食べたくなるんです…
いけませんね。

そんな話は置いといて、とにかく1話からショッキングな
お話でした。

グールと呼ばれる種族?みたいなのがいて、食するのは
人間。グール同士での共喰いも…
それに対抗する人間とさらにはそのグール同士での争い。

目的とかそういうのはよくわからないんですけど、
とにかくハラハラ、ドキドキの展開です。
私って以外と耐性があるんだって改めて思いました。
でも、グロシーン苦手な方にはちょっとキツイかもです。

そんなこんなで、
(ストーリーに関しては得意の端折ります)
最後はえぇっ〜ここで終わりっ⁉︎ってなっちゃったけど、
私的にはストーリーも面白いんですけれど登場する
キャラ達を魅力的にする声優陣がとても好きです。

まず神代利世(CV:花澤香菜さん)
ひょんな事故から主役の金木研(CV:花江夏樹さん)
と合体?する事になるんですけれど、とにかくあの
妖艶な演技は物語セカンドシーズンの撫子覚醒と
同じくらいの衝撃でした。

その次に、これは本当に失礼かもしれませんが
笑っちゃいました。
月山習(CV:宮野真守さん)、そうですグルメです。
私の大好きな声優さんの一人なんですけれど、とにかく
アフレコの宮野さんの顔が想像できる位、ハマり役だった
と思います。
終盤の方だったかな?再登場した時はお話し全部持って
いっちゃいました。

あとグールを取り締まる方の鈴屋什造(CV:釘宮理恵さん)
この役所には本当、ビックリしました。
全然、釘宮さんのイメージと違って。
1期ではあまり出番無かったけど、2期ではもっと
見たいなって感じでした。

最後、「あんていく」に対抗するグールの集団にいた
エト(CV:坂本真綾さん)
多分私はこのキャラが一番気になりました。
すっごく声と登場スタイルが謎めいていて、なんだか
キーパーソンになりそうな感じで。
什造くんと同じで2期でも期待しちゃいたいです。

こんな感じで私的にはお話しよりも声優さんの色んな面が
見れてとても楽しめました。
あと、作品全体の作画も好きですけど、EDに登場する
イラストがとても好きです。

ストーリーに関しての感想が少なくてごめんなさい。
でも、実際友達とか彼氏がグールだったら…
怖っ…
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 85

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

半グールの僕だから分かること!

主人公の金木という少年が普通の大学生をやっていたのに、ある日事件に巻き込まれ、見た目は人間だけど人間を喰らって生きる化け物のグールの臓器を移植されてしまい、人間とグールの間で生きていくお話。

人間からみたら、人を喰らうグールは毛嫌いします。もちろん金木もそのように思っていたが、自分自身がグール側の世界を覗いていくにつれて初めて知っていくこともあり、悪い奴らばかりじゃない事に気づいてく。金木の理不尽に決められた道を苦しくも生きていく姿がよく描かれている。


一期で進めるのはあそこまでかぁという残念感。原作では金木くんの表情がもっと怖くてアニメの方が見やすい印象だった。


この作品はアンチヒーローと呼ばれる主人公が、人間の敵側というとこがポイントです(^^)

opもかっこよく作品によくあっていて良かったです。



規制により見れないとこもあります。そこは仕方ないとおもいます。人間側のキャラもグール側のキャラもみんな心に秘めているものがあってどの視点から見ても面白いです。二期はオリジナルルートでやりますし観てない方は是非みてください。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 79

77.6 7 シリアスで狂気なアニメランキング7位
MONSTERモンスター(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (636)
3520人が棚に入れました
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してまでオペを担当しその少年の命を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出逢ったことで、陰惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた…。
数年後の1995年、テンマと数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、ヨハンを追いかける。
果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを衝き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。

声優・キャラクター
木内秀信、能登麻美子、小山茉美、磯部勉、佐々木望

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

助けたあいつはサイコパス。俺の涙は俺が拭く。

ミステリー。
(´・ω・`)タッチも序盤飛ばせって言ったし長いから飛ばしていいよね?
(`・ω・´)ダメ。絶対。
全74話。

コレを飛ばすなんてとんでもない。
タッチに比べれば短いではないか・・。とは言えかなりのボリューム。
しかし紛れも無くキングオブ名作の1つだと思ってる。レビュー数230は本作の面白さを考慮すれば少なすぎる。

どーゆう話なのかと言うと、腕のいい外科医だった主人公が瀕死のガキを救ったのだが、こいつが成長したらどえらいサイコパスだった。
しまった・・なんてものを助けてしまったのだ。やばい、こいつなんとかしないとって感じでサイコパス君の行方を追う主人公。しかも殺人事件の犯人と言う濡れ衣を着せられて警察から逃避行という苦難のおまけつき。
さぁどうなる主人公。大体こんな感じ。

74話の大半は、迫り来る警察をかわしながらヨハン(サイコ)を追って行く話。ほとんどはドイツが舞台。

ストーリー展開は言うまでもなく秀逸。
タグにもあるがまさに1話見たら止まらない感覚。ついつい先が気になり見てしまう。

本作には数多くの登場人物がいるがメインキャラから出番の少ないゲスト的なキャラまで非常に丁寧に描写されてる。このキャラ達と主人公とのエピソードもまた非常に面白い。
メインを張るキャラたちの人間臭さも魅力。

全体的に完成度が異常に高い作品だと思う。

手放しで褒めてるが、当然すべての人に受けるわけでは無い。
100人中100人に支持される作品なんて存在しない。
名作なのは疑いようも無いが、やはり74話の敷居が高いかもしれん。冷静に考えても長い。
でも、これ多分削れないと思うんだよな。確かに無くても困らない回とかは多少あったかもしれないが無駄だったと思える回は記憶する限り1つも無い。いや無かったような気がする。多分無かったと思いたい。
自分的には、ほぼすべての話が面白くもあり泣けもした。
この作品で初めてこの作者を尊敬した。

物語も動く時は激しく動くが全体的にはやや静かに動くような印象。
静かなること林の如く侵略することイカの如くってな感じ。
このへんが人によってはもどかしい。さっさと話進めろやとか言われかねないかもしれない。そんなせっかち君には少し辛いかも。
逆にそんな静かな流れも楽しめるような人であるならばあなたにとって傑作名作になるだろう。

難点があるとするならこんなとこかな。

主軸はあくまでヨハンを追う主人公と主人公を追う刑事なんだけど、この作品の真骨頂は旅先で出会う人たちとの
交流だと思うのよ。これが実にいい話が多くてねぇ・・・。
ちょっと泣きそうになったり感動したり笑えたり。まさに色々入ってる玉手箱ですわ。

長いが時間を取って見るだけの価値は保障する。
見てるとそこまで長さは感じないはず。コレは名作のみが持つオーラの証明。

I recommend this work Please watch it

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

長編ミステリーの傑作

随分前に原作を読んで、数年前にアニメ版を観ました。

ベルリンの壁崩壊前後のドイツの社会背景をベースとして、
東西冷戦構造、家族、児童虐待、トラウマ、
果ては病院での権力争いなどをテーマにした作品です。

全75話という長編ですが、
アニメだと音楽や声の魅力もあり
ドイツやチェコの風景にも広がりと奥行きが感じられ、
1日12話ずつ観てしまってたほど引き込まれていました。

ちなみに、デビッド・シルヴィアンが歌う
32話までのED、「for the love of life」
この物語の雰囲気にとてもマッチしていて、好きでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

愛しくも悲しいけもの(人間)たち

[MONSTER]
浦沢直樹原作。
物語は天才的な技術を持つ医者のDr.テンマが上の命令に背き、双子の子供を助けた。その手術によって出世コースから外れ、時同じくし病院の上層部が殺害され、テンマが濡れ衣を着せされる。その後救った少年のヨハンと言う通称モンスターと出会い、彼を追いながら逃亡生活が始まってゆくミステリー。

本作は全73話で長いったら長い。でも1話も飛ばす気にならなっかたし飽きはあまり無かった。原作に忠実すぎる気がしますが中だるみや引き伸ばしとは違う感じで完走できました。アニメを見ていると萌えるとか、設定が良いとかすぐ感想が出てくるもんですが、これが全く出てこなかった。いやつまらないとか言う訳じゃなく一つに絞りきれないし圧倒されたと言うべきでしょうか。何も言えね~(北島康介)であり、言葉に出来ない(小田和正)でした。

ドイツ、チェコを舞台とした漫画。冤罪、猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力闘争、家族の在り方(親子愛、兄弟愛)、人間愛、児童虐待、アダルトチルドレン、トラウマ、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしている。wiki参照

このようなのテーマかつ長編でもあるので敷居が高いのは確かですが見てよかったと心底思えた。基本謎の男ヨハンに迫りつつ、逃げるテンマ。テンマを追うルンゲ警部。他にヨハンの妹ニナ、テンマの許嫁や色々出てくる。正直うざったらしい位に。だけどこのキャラ達に影や光を与えつつの締め方が見所の一つ。各方面に散っているキャラ達が、それぞれ情報を掴み伏線が明かされながら繋がる流れが73話全部観れたし、1話完結位の出来で悲しくもあり涙だった。

ドイツで子供に軍事教育が施されそこでヨハンが出来上がる。催眠教育やトラウマになる非人道的な教育が行われていて、その教育についての専門的云々は置いて、浦沢直樹について感じたのは20世紀少年を始めとして、幼少期からの成り立ちにこだわりがあるのかなと。

うちのばあちゃんは良く幼少期の話を聞かせてくれるのですが、トラウマが今になっても残ってて悪夢はその頃の夢なんですよね。高齢の方と話す時も幼少期の話が多くて、私もガキの頃の悪夢をよく見るし、浦沢氏もメディアなどで幼少期の話をよくしている所を見ますね。本作はそこらへんを医療的に浦沢的にエグい位描かれていて正直、苦しくもあった。でも、だからこその感動がそこにはある気がします。

浦沢氏がかつて、一線を超えそう(イカレ)な時があると仰っていましたが、これは一線超えてないと書けないんじゃないかと。このカオスな世界観、人の深層心理まで迫ってくる描写。これは普通じゃない。いい意味で。なんか雑談が多くてすまそですが、積み重ねた怖さ・悲しさの分感動させてくれて〆だけは不気味な程爽快で、チョー気持ちいい!!(北島康介)作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

78.2 8 シリアスで狂気なアニメランキング8位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (710)
3178人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の本質が善か悪かというキャッチコピーですが。。。

原作未読。全11話。

宇宙船の墜落により、心と記憶はそのままで、身体をサイボーグに
された初老と高校生の物語。
サイボーグになったことで、星一つを壊滅できるほどの力を
得る一方で、人でなくなった事を思い悩むのですが、、、
共感はできなかったかなー。

{netabare}
初老は道徳的で正義感が強く、真面目、青年は自分の関わる人以外は
どうなっても良いという人間性で対称的、それらの人間性が、
生まれ持ってのものなのか、後天的に得られたものかは不明で、
結局、二人とも、人間でなくなったことを憂いはするが
力が無くて出来なかった事をするようになる。
元々の人間性が表面化する。
初老は人助けに生き甲斐を求め、家族に認めてもらえる、
青年は誰にも受け入れてもらえないが、一貫して身内だけを
助けたいと思うだけで改心していない。
一方で地球が巨大な星に衝突する危機となり、二人で自爆して
地球を助ける。

現代社会の不条理、行き過ぎたなメディアや暴力団や若者の
不道徳な行為などを批判的に織り込んで、打ちのめして
痛快に思えなくもないですが、対極的な二人の人間性の変化を
期待したかな。(多少の心の揺らぎはあったんですが、
物足りない感じです)
キャッチコピーの「人間の本質は善なのか、それとも悪なのか
。。。」が適切であった内容とも言えないかな。
{/netabare}

作画も音楽もかなりよく、観ていて退屈しませんでしたが、
物語としてはちょっと物足りなさを感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「最終兵器オヤジ」はサムメンコみたいなヒーロー厨じゃなくて、初老の冴えない事なかれ主義者だからこそ、人生に疲れ、悩み、苦しみながら生きていて、

なんだか共感できるおじさんなんです(笑)


もう私は、ノイタミナ枠は信じてないので、
基本的に、斜めにしか見ませんが、
今回の、こういうSFバトル系は、設定と脚本さえ暴走しなければ、
楽しく視聴できる、と再認識しました。
今のところは、ですが。
原作モノだから、サムメンコみたいにはならないと信じたい。



主人公のおじさん「いぬやしき」が、58歳にしては、
実年令よりかなり老けてみえるし、
慢性の腰痛持ちだし、
視力は衰えてきてるし、
判断力も老化してきてクルマの運転も危なっかしいし。
そのうえ、胃がんが発見されておろおろメソメソしてるのに、
家族にも疎んじられて、胃がんのことも切り出せないでいる様は、
悲しくも可笑しい現代のおじさん像そのもので、
同情を禁じ得ません(苦笑)

ところがどっこい!{netabare}
宇宙船と衝突!という事故に遭遇、完全OUT!と思いきや、
これが、とんでもラッキー・アクシデントで、
宇宙船の連中、手許にあった材料で、
テキトーに機械の身体で再生させちゃって、
事故をなかったことにしてどっかに行っちまったもんだから、
銀河鉄道999で延々と旅するまでもなく、超人体として蘇って、
胃がんの悩みも、腰痛も、視力の衰えも
完全解消、超ラッキー!

でも、心は普通のおじさんのままだから、
自分が超人体サイボーグになった事実を受け止めることもできないまま、
人外の存在になってしまったことを、ただ嘆き悲しんで
自分のアイデンティティを見失いそうになっておろおろするばかり。


そんないぬやしきを救ってくれたのは、
公園の東屋に棲むホームレスのおっちゃん。と言っても、
悪ガキどもにリンチ喰らって殺されそうになってしまうだけですが。
いぬやしきは、我が身可愛さから知らんぷりしかかって、
まあそれが普通だと思うのに、
結局は何の自信もないのに、
事なかれ主義より正義感がまさって、ホームレスと悪ガキの間に割って入って。
普通なら、やられちゃって、はい、おしまい。
なところですが、もはや、いぬやしきさん、超人体サイボーグです。
金属バットで首に一撃喰らって倒されても、
倒れたまま背中から指向性小型ミサイルだか何だかを多弾同時発射して、
悪ガキを追い払ってしまいます。
ただここでも、平和主義者なおじさんいぬやしきは、
普通の人間だったら殺されてる程の目に会ってるのに、
ハイスペックな認証システムとITスペックを駆使して、
自らの手で殺したりはしないで、ネット死刑を選ぶ。
今のところは、いぬやしきが操作している訳じゃなくて、
どうも機動装置の方に主導権があって、
いぬやしきの志向・性格に順応して解決方法を自律制御してるっぽいけど。

まあとにかく、ホームレスのおっちゃんには、神様とまで言われて感謝されて、
ようやく心の落ち着きを少し取り戻したみたいで、とりあえずはよかった、よかった。
これからは、宇宙船事故の巻き添えを一緒に食らった若者との、
孤高の戦いに進むんだろうな。
無双の身体を手に入れても、それで胃がんの恐怖を回避出来ても、
人ならざるモノになってしまった自分のことを嘆いて悩むだけだから、
苦戦は必至でありましょうが。{/netabare}
楽しく気軽に視聴継続、決定です。


ただし、小日向文世さんの声には、かなり違和感を感じました。
軽くてころころ回るハイトーン・ボイスは、
いぬやしきの風貌に見合った老けた声に聞こえないんで、
ミスキャストではないかと思う。
小日向さん自身の、CVのテクニックもちょっと不足してる。
実写映画のような生の芝居をしちゃってるんで、はっきり言ってノー・グッド。
あけすけに言ってしまうと、プロの声優みたいな技術は望まないので、
もっと記号的でいいから、ちゃんと発声して聞き取りやすさを大事にして欲しいです。


11/27追記
話が進んで行くにつれ、黒化&シリアス化加減が半端ない。
{netabare}犬屋敷対獅子神の一騎打ちになると思ってたら、
全然違う方向に行ってしまって、
これはこれで面白いんだけど、
こうなると、獅子神の贖罪と断罪の物語になるのか?

マスコミ陣惨殺にヒャッハーしたか、
2ちゃんねらー暗殺にヒャッハーしたか、
どっちだった?って視聴者への踏み絵のようで面白かった。
さてどちらが正解でしょう?
{/netabare}

最終話視聴を終えて
{netabare}
途中ではなしがどんどん膨らむ獅子神のターンは面白かったし、
犬屋敷v.s.獅子神のバトルも美麗かつダイナミックでよかった。
それだけに、最終話の妙にヒューマニズム的に、
こじんまりなまとめ方には、心情的に同調しかねる。
隕石の話が数話まえに出てきた時に、嫌な予感はしていたんだが。
まさか想像通りの、つまらぬ予定調和で幕引きとは・・・

残念ラスト。{/netabare}

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今の貴方を愛せますか…

1話見たときの印象とここまで違うの珍しいかも。
ちょっと主人公の声に違和感あるので期待してなかった部分あっだけど…
尻上がりに面白くなる、日本版アイアンマン。

10話、11話はアメリカンエンターテイメント映画かと言いたくなります。

ここでの評価26位…
指摘には5本の指、嫌3本の指に入ってきそうな面白さ。
OPの犬の被り物してるバンド最高にノリがいい♪


視聴完了
これが漫画原作アニメだとよく分かる作品でした。
読んでるうちに引き込まれてくる感じ出てました。

アニメだとキャラデサや声優さんの違和感あったけど、グロいSFアニメだと思いきや家族愛とか描かれて良かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

70.6 9 シリアスで狂気なアニメランキング9位
妄想代理人(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (802)
4193人が棚に入れました
『妄想代理人』(もうそうだいりにん)は、マッドハウス製作の今敏監督によるアニメ作品。
疲れた現代社会を癒す人気キャラクター「マロミ」をデザインした鷺月子は、ある夜、通り魔少年バットに襲われた。
突如世間に現れた少年バットは次々と人々を襲いはじめ、市井の人々を恐怖へと陥れていく。しかし、幾人も被害者が出、多くの目撃者がいるにも関わらず、少年バットは一向に捕まりそうになかった。刑事猪狩慶一と馬庭光弘は捜査を進める中、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着くのだが…。


声優・キャラクター
能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦、槐柳二、京田尚子、内海賢二、陶山章央、山口眞弓、中嶋聡彦、水樹奈々、藤原啓治、三石琴乃、津村まこと、郷里大輔

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

逃避願望が生み出した妄想

2004年に放送された今敏監督の初めてのテレビアニメ。(全13話)
『パーフェクトブルー』『パプリカ』などで
人間の二面性や心の奥底に眠る劣等感、希望と現実、
それとは裏腹な複雑な想いなど描いてきた今監督だが、
このTVアニメ作品は、これまでのテーマに娯楽的要素も踏まえながら
さらにわかりやすく表現していたなと思う。

マスコットキャラクターデザイナーの主人公・鷺月子が、
ある夜、怪我をして病院へ運ばれ、事情聴取した刑事に
「ローラーブレードを履き、金属バットを持った少年に襲われた」
と伝えるところから物語が展開していく。

その後、次々と被害者を出し、人々を恐怖へと陥れていくのだが、
目撃者がいるにも関わらず、少年バットはなかなか捕まらない。
捜査を進めていた刑事・猪狩慶一と馬庭光弘は
被害者たちの持つ共通項に辿り着くのだが・・・というお話。
で、この共通項に辿り着いてからのほうが長い話になっていく。

がしかし、これは単なる犯人探しのストーリーではないところが面白い。
人は誰でも、自分を追い詰めるような事情を背負っていたりするし
どんなに苦しくても逃げずに現実を受け入れ、乗り越えることができれば、
あまり揺らぐことなく生きていけるのものなのかもしれない。
観終えて、そんなことをふと思ったりした。

自分を追い詰めていくのは自分なのに、誰かのせいにしたがる心理。
噂が噂を育て、噂からくる人の想像力が巨大なデマを育んでしまうという現象。
また、一見事件には無関係に見えるアニメ制作の現場でも実は、1人1人が
それぞれのスケジュールと責任において、追い詰められていくって様子を
コミカルさを交えつつ、アニメの中でアニメ制作現場をアニメで見せるという
半ば自虐的な見せ方には思わず唸ってしまった。
そのほか、ネットを通じて集まった自殺志願者の逃避願望をバット事件の
被害者達の追い詰められ方と対比させていたのもなかなかだった。

そして、猪狩刑事の妻の言葉や猪狩刑事自身の言葉、すごく納得できた。

心理描写や社会現象に関しては、怖いほどにリアル。
だけど、例えばアニメやキャラクターに癒されることは、
決して現実逃避だけではないと思うし、そのすべてが偽りの救済とは
言い切れないとも思う。

とりあえず、追い詰められない人間、悩みのない人間なんて
きっと誰ひとりいないはずだから
スポーツで汗を流すのと同じように、または少しの昼寝をするように、
自分の居場所に逃げ込むことは、決して悪いことばかりとも思えない。

たとえ世の中が間違っていようと、自分が正しくあれば生きていける。
噂を創り出すことなく、噂を鵜呑みにしてしまうこともなく、
自分自身の足で地面に立ってこそ、人間は強くいられるのだろうね。

テーマは暗い印象だったが、後味の良い作品だった。
今監督らしい、細かい部分へこだわった演出も健在だったし、
ノスタルジーに浸れる懐かしい風景にも出逢うことができた。
本当はまだ拾いきれていない謎もあるかもだが、
そのあたりは宿題として、今は亡き今監督を偲びつつ、
また機会があったらぜひ観直してみたい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

うしろの正面だあれ?

今敏監督作品、音楽平沢進。
キャラクターデザイン安藤雅司。
制作マッドハウス。

シリアルレイン、ブギーポップの系譜。
疲れた現代社会を癒すマスコット「マロミ」
{netabare}生み出したのは心に闇を抱える少女。
路上に方程式を書く謎の痴呆老人。
社会的抑圧、犯罪の低年齢化。
狂い出した歯車は次第に人格を歪ませ、
心が闇に染まる時「少年バット」は現れる。{/netabare}
担当刑事は事件の真相に辿り付けるのか!?

自殺、鬱病、引き籠り、
現代病理を浮き彫りにしたサスペンスホラー。
主題歌「夢の島思念公園」は、
まるで時代を象徴するパラノイアの桃源郷だ。
社会に馴染めず、人の輪から外れ、
疎外感だけを補給する抑圧された日常。
これはどこにでもある物語なのだ。

悲劇は永劫に回帰されるのでしょうか。

うしろの「正面」だあれ?
うしろの「少年」だあれ?

あなたのうしろに少年バットはいる。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

現代病はあなたのそばにも…

制作はMAD HOUSEのオリジナルアニメです。
ジャンルはサイコサスペンスです。


「マロミ」というキャラクターを生み出し一躍時の人になった主人公の鷺月子が、ある日の夜にバットで少年に襲われる。
「少年バット」と呼ばれる少年はいったい何者なのか?


監督・原案は「PERFECT BLUE」「パプリカ」などで知られる今敏氏。
同氏が手掛けた最初で最後のテレビアニメシリーズです。


10年近く前の作品ですが作画が良いですね。
風景、モブキャラなどもしっかりと書き込まれており、細かいところにも目が行き届いています。
音楽もこれまた良し。
気味悪いw
サイコ要素が強いのでどこかゾクゾクするものが多めです。
OP・EDを見ていただければ狂気の片鱗を感じることができると思います。


ストーリーは基本的に一話完結型ですが、つながりはあります。
8~10話に関しては本筋には全く関係なくオマケ感が強いですが、8話は個人的には解釈の余地が多くあってお気に入りだし、9話は案外作品の肝を表しています。


8話について。
{netabare}最後の写真のシーンで彼ら三人が幽霊になっていることがわかります。
他にもおじいさんが少女の足元をなぜか見たり、男に触ったりして確かめています。
そうすると、女湯に全員で入っていたことに納得がいく。

いったいどこのタイミングで死んだのか?
彼らが生きているときは「影」があります。
電車で自殺した男が生きて見えたのは、彼らがすでに死んでいたから。
つまりそれ以前に行った練炭自殺ですでに死んでいたということになりますね。
錠剤が最後の一錠なのに戻っていたのは生前の記憶で巻き戻ったといったところでしょうか?

タイトルの「明るい家族計画」、自殺した三人が生殖能力に乏しい。
つまり「先のことなんて考えず、現実的なことを考えず、あるがままを楽しめ」というメッセージなのかな?{/netabare}


最初に月子を襲った「少年バット」はいったい誰だったのか?
劇中でしっかりと答えは出ていますが、さて?

以下「少年バット」について。
{netabare}少年バットは月子が10年前に都合の良い嘘をついたことで生まれました。
つまり月子の妄想。
怒られたくないという事情が重なり、この世界に再び現れた。
少年バットは人々の不安の大きさに伴って存在感を増していきます。
何度も井戸端会議や噂の描写が描かれているのはそれを表すためでしょう。
9話はそれだけにクローズアップしたもの。
普通だったらこの話は月子の件で終わっているのですが、模倣犯が現れることで事態は変わります。

模倣犯は二人の人物を襲っただけですが、人々の不安は爆発的に大きくなります。
そこからはもう大変。
精神が病んでしまった人々が、本当はいない少年バットに襲われ(た風に感じ)ます。
10話は猿田がすべてやったように思われますが、その他は誰がやったかはさっぱりわかりません。

結局少年バットは何なのか?
私の答えは、「人々の不安が積み重なり、だんだん巨大化していく被害妄想」ということにしておきます。
大災害は人々のよりどころになっていたマロミがなくなったことで起こった。{/netabare}


以下このアニメ全体の考察。
{netabare}災害から復興した後も人々の不平・不満はこぼれています。
結局、いつになっても人は自分の状況をそのまま受け入れたくはない。
全部受け入れていたら狂ってしまいますからね。
この事態は変わることはない、いつでも「少年バット」はこの社会に内包されている。
一人の虚言に端を発して現れるかも。

個人的に、「えー?それアニメでしょー」とディスプレイに表れていたのが気になりました。
結局、この作品は「アニメ」。
ラストの馬庭を見ると、この作品が馬庭の妄想とも捉えられます。
「細かいことは気にするな」ってことなのかw{/netabare}


総括して、話を放り投げているのは気になってしまいますが、いかようにでも解釈できる余地を残している点では良い作品だと思います。
絵のタッチ・雰囲気・題材がアニメっぽくなく、新鮮でした。
独特なアニメが見たい、考察アニメが見たい、サイコでゾクゾクするアニメが見たい、なんて人はどうぞ。



そも、終わりに見えし物語。
巡り巡りて事始め。
布石を拾い結ぶれば。
永劫回帰の無限廊。
解かれぬままの謎はなく。
謎を孕まぬ解もなし。
それではみなさん。
さようなら。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49

81.8 10 シリアスで狂気なアニメランキング10位
BTOOOM!(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (2112)
11151人が棚に入れました
全世界で300万本以上売れているこのゲームの武器に、銃の類はない。
BIMと呼ばれる爆弾のみだ。
レーダーで相手を見つけ、8種類のBIMを戦略的に駆使して敵を爆殺する。
それが、このゲームで勝つためのポイントだ。

22歳になっても職に就けず、さえない日々を送るだけの人生。
それが俺、坂本竜太(さかもとりょうた)の人生――。
だが、この【BTOOOM!】というネットゲームの世界では、
俺は誰よりも強く、
誰よりも尊敬され、
そして、誰よりも偉かった――。

しかし今、俺がしているゲームは仮想(バーチャル)ではない。
現実(リアル)だ。
無人島で、BIMを持たされ、戦う意味すらわからないまま、人殺しを強要される。

理由もわからず連れてこられたプレイヤーたちによる、生き残り(サバイバル)ゲーム。

現実世界で行われる【BTOOOM!】(殺し合い)。

生への渇望。
失われていくモラル。
侵食する狂気。
肥大化していく欲望。

全てが混ざり合い、粉々に砕け、

爆殺遊戯の幕が上がる――。

声優・キャラクター
本郷奏多、三森すずこ、大川透、沢城みゆき、中村悠一、高橋名人

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

生き残るための、人間の本質が問われるゲーム

拉致された老若男女が
とある無人島で脱出を懸けてサバイバルゲームを行う。
ゲームのルールは端的に言うと
他の人を最低7人以上殺すこと
ただし武器は「爆弾」のみ。

このアニメの見どころは
・さまざまなタイプの爆弾を駆使した戦闘シーン。
・サバイバル且つ殺し合いという過酷極まりない状況下で
 人間の心理状態がどのように変化するのか
 というところです。

爆弾にはさまざまなタイプがあるので
戦闘のバリエーションが豊富でとても見ごたえがありました。

そしてこういう窮地に立たされると
人間は自身のより本質的な部分を晒すことがわかりました。
社会に対してのモラルや人の倫理観などの縛りが
この無人島では一気に解放され
どんな悪逆無道も善悪を問わずにひたすら殺し合う。
まさに地獄ですね。

こういう時こそ人は助け合うべきだ、という者。
またその逆もしかり。
人の協調性を逆手にとり利用し、裏切る者。
さらにはこの状況をゲームがごとく楽しむ者。

自分はもしこのような状況に陥った場合
はたしてどのような選択をするのか…
と心の中で問いかけながら見ると
より面白いかもしれません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 67
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

爆弾型バトルロワイアル!

話の設定がすごく好きです。
キャラデザはあまり好みではないのですが、爆弾を使ってのバトルシーンの作画は迫力があって良かったです。

1話感想
{netabare}
敵があんだけ爆弾投げまくって死ななかったのに、こっちが一個爆弾しかけただけなのに殺せるってどーいうことなの?
圧倒的主人公補正ですねw{/netabare}

2話感想
{netabare}
今回はヒミコサイドの話ですね。
てかヒミコかわいそすぎんだろ・・・
ヒミコがあの部屋から逃げ出せたんだから事件が解決されたといってもいいのに、それで島送りにされるってどんなだよ。
てか先輩の部屋に行きたがったの友達の方じゃねーか!
理不尽すぎんだろ!

てことは主人公が島に連れてこられたのはお母さんのせいなんだろねきっと。
いや、お母さんは悪くないのか?
働かないのがだめなんだし・・・
まぁなんでもいいやw{/netabare}

3話感想
{netabare}
ついに本格バトル始動です!
にしても平のおっちゃんはいいキャラしてるわ。
普段頼りなさそうに見える人がいざという時には超キレる、そういう人は結構好きです。
でも、坂本も伊達に主人公やってないねw
武器持ってる奴らがいるのに動じないなんて、やっぱ主人公はこうでないと。
てか、部屋で引きこもっている時とのギャップがすごいなw{/netabare}

4話感想
{netabare}
何か危ない子が出てきたよ!?
親父の方は中々エグイ死にざまでしたね。
てか、親子なのに顔似てなさすぎw

あの近距離で爆弾受けても死ななかったってことはあの子も主要人物なのかな?
主人公並みの補正がかかってますねw
あのモブっぽい弁護士のおっさんは今頃どっかであっさり死んでるんでしょうか?(;゚∀゚)

ちょっと原作が読みたくなってきましたw{/netabare}

5話感想
{netabare}
ようやく正ヒロインと行動することになりましたね。
準ヒロインはおっちゃんってことでw
バトルというほどのバトルはなかったけど、たまにはまったり?と話をしてもいいじゃないか!
中々エグイアニメだしねw

てか、オオトカゲって何ぞ!?
あんなのが普通に生息してたら殺し合いをするとか以前にみんな食われてしまうんじゃないか?
実際爆弾とか関係なく死んでしまう人とかもこれから出てきそうですね(;゚∀゚){/netabare}

6話感想
{netabare}
坂本いいね!
やっぱ主役はこうでなくては!
まぁわざわざはしごに上らずとも、普通にとっとと爆弾投げてりゃいいような気もしますがねw

ところで仕事中のおっちゃん、悪い顔してたね~。
あんないい人なのに、信じられないです(;゚∀゚){/netabare}

7話感想
{netabare}
坂本の運動神経おかしいだろ!?
引きこもりですよね!?
毒ガスからの逃げ方がすごすぎんだろ!
一体どこにあんな力が・・・?

そして宮本・・・
今回は中々のグロ映像でしたね(;゚∀゚)
あいつ結構いいキャラしてるからもっと最後まで残っていて欲しかったのに・・・

弁護士のオヤジ?
ああ、いたね~そんなのも。(興味なし){/netabare}

8話
{netabare}
手が吹っ飛んでも生きていられるものなのか?
即死はないだろうが普通は出血多量とかでお陀仏な気がするんだが・・・(;゚∀゚)

伊達って奴はひどい奴だねほんと。
でもおっちゃんの治療をしてくれてたっぽいよね。
何が目的なのか・・・

あとは出てきていきなり裏切りおった女ですね。
もうこの島では裏切りがあたりまえなんだね。
俺がもしBTOOOMに参加させられたらどうなるんだろう。
誰か仲間を作ってもやっぱり裏切ってしまうのだろうか・・・
それ以前にビムの使い方を誤って自爆したり、オオトカゲに食われて人知れず死んでしまいそうな気がしますねw
我ながら情けない(;゚∀゚){/netabare}

9話感想
{netabare}
史上最強のニート、それが坂本だ!
とは言ってもさすがにここまでの主人公補正はやりすぎなんじゃないかなぁ・・・?
ファイヤーを使ってたオッサンは一個のビムであっさり死んだのに坂本は三個ぐらい一気にくらったのに生きてたよ!?
いやまぁくらってないから生きてるんだけど、あの状況でくらわないのはさすがに無理があると思うんだ俺は(;゚∀゚){/netabare}

10話感想
{netabare}
坂本さん、マジすみませんでした!
前回は主人公補正で生き残れたとかなんとかほざいてしまって本当にもうしわけございませんでした(;゚∀゚)
ちゃんと坂本は考えてたんだね。
今回もまたピンチな感じで終わったが坂本ならまぁ大丈夫だよねw
結果として坂本は織田に負けてしまったが、ほんとに良い戦いで、これからの二人の対決が楽しみです。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
ヒミコ自重しろw
ヒミコが胸でビムを跳ね返した時に変な声を出しやがったせいでおもわず吹いちまったじゃねえかw
シリアス展開台無しだよ(;゚∀゚)

村崎さんは伊達を許してしまったのか。
どこまでいい人なんだよ。
俺にはいまいち理解できないが、ほんとに伊達のことが好きだったということだけはよくわかるよ。
てか、村崎さんも坂本に負けず劣らずの生命力を持ってますよねw
腕なくなったのに生きてるし、伊達のビムくらっても復活するしw

次回最終話か・・・
ほんとに最後のは平さんなんかな・・・{/netabare}

12話感想
{netabare}
まさか平さんが死んでしまうとは思わなかったよ(T_T)
てかその後すぐにラブコメってる二人ってどーなの?
大事な仲間が死んでしまったら普通はしばらく立ち直れないと思うんだが(;゚∀゚)

最後だけOPが変わってましたね。
なかなかカッコいい曲だと思いました。
変える必要があったのかいまいちわからんがw
流れてきた映像もこれまでの戦いの総集編って感じで中々良かったです。{/netabare}

総評

かなり楽しめたバトルアニメでした!
終わり方からしてこれは2期あるでしょうね。
大いに期待して待ちましょう!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 62
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

サバイバルボンバーマン!

原作 漫画 未読

主人公は、職にも就かないニートで、ネットゲーム依存症?ですかね。
(やりたい仕事に就けてる人なんて、ほんの一握りなんだから、割り切って働けよ!って言いたい。)
お気に障ったらすみません。m(_ _)m

なんか最近、ネットオタクの作品が多いような気がしますね。
(作者がそうだった人が多いかならのかな?)

2話までの感想

爆弾で殺し合うサバイバルですか~。(ボンバーマンですね)
設定は面白いかな?
ヒロインのヒミコが金髪外人で、今後どう絡んでいくのか?ちょい楽しみです。
サバイバルだから、「未来日記」の様に、 {netabare} 最後はどちらかが死んでしまうのか? {/netabare}
この辺も気になるが、原作がまだ連載中なので、どう終わらせるのか?注目ですね。

まぁまぁ面白そうな作品です。(^^;

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最終話まで見た感想
{netabare}
男嫌いだったヒミコが、主人公の竜太に何度か助けられ、ネットのゲームの中で竜太と結婚した事もあってか、段々惹かれて行ったのには、良かったな~って思いました。

最終話で、ヒミコがネットのヒミコと同一人物だと分かり、二人の絆が深まったのも良かったです。
竜太がその場の流れでヒミコとしないで、「二人で一緒に帰って自分から正式に申し込む」っと言ったのは、好感が持てました。
この島に来て、竜太が大分大人に成長してきた事が見て分かりました。
その点でも、好感度が上がりましたね~。

ラストがまだ話途中で終わってしまったので、凄く続きが気になります。

個人的には、まだ終わりそうのない作品を、アニメ化しないで欲しいもんです。
だって、続きが気になって仕方ないから、原作買っちゃいそうになります。
これがアニメ化する目的の一つなんだろうけど、やれやれだ!
(ーдー)ハァ
{/netabare}

続きが気になり面白かったので、是非2期やって欲しいですね!

バトルロワイヤルや、
「未来日記」が面白いと感じた人にはオススメです。
!(*^ー゜)b! グッ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54

62.9 11 シリアスで狂気なアニメランキング11位
牙-KIBA-(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (87)
645人が棚に入れました
無機質で閉鎖的な世界「カーム」に住む少年、ゼッドは、「扉や門を壊せば違う世界に行ける気がする」という思いにとらわれて街を破壊して回り、学校や警察から追われていた。親友のノアは彼を心配するが、彼の事情を知っているだけに何も言えない。ゼッドの母であるサラは精神を病んでおり、病室で日々を過ごしていた。そんなとき、ゼッドを追って来た教師が突如豹変し、狂人となってゼッドに襲い掛かる。それに呼応するように廃人だったはずのサラは正気を取り戻し、得体の知れない力を使って教師と戦う、何が何だか解らないまま、必死で警察から逃げ回るゼッド。追い詰められたとき、彼のもとに現れたのは、巨大な光の渦だった。無我夢中で渦の中に飛び込むゼッド。やがてたどり着いたのは、「シャード」の力を使う能力者「シャードキャスター」が戦う、戦乱の異世界だった……。

声優・キャラクター
吉野裕行、堀江一眞、水樹奈々、大木民夫、三木眞一郎、山口勝平、井上喜久子、家中宏、井上麻里奈

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

結構重くなった話だった(子供向けではないな)

同名のトレーディングカードゲームが元の

作品です。全51話。

しかし物語がよくできたファンタジー作品

だと思います。中心がカードつまり原作元

よりというよりは人間の物語の方に

あったように感じました。それに放送時間に

合わず重たい話がある時もあって

ちょっと子供向けではないような時もありましたが

面白くできた作品だと思います。

曲も悪くはなかったと思います。特に後半のOP

は良かったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

明らかに子供向けではない「日曜朝の爽やかアニメ」

この作品は、トレーディングカードゲーム『牙』を原作とした
TVアニメである。タイアップものではあるものの、アニメ本編に
カードが登場することは全くと言っていいほどないため、別もの
として考えたほうが良いだろう。
前番組が「ゾイドジェネシス」、後番組が「天元突破グレンラガン」
だったことも相まって、非常に知名度の低い作品でもある。

作品のジャンルとしては、異世界物の一種だが、想像以上に暗く
重々しいストーリー展開になっている。
「そこらへんにころがってる異世界物と大して変わらんだろ」
と高を括ると、痛い思いをするだろう。

なぜなら、この世界においては、人間同士の闘争、反逆が頻繁に
起こるからだ。人が殺し合いをする回が圧倒的に多く、
常に鬱展開のような状態。
その上、愛憎劇の要素も含むので、油断ならない。

声優ですら「今日は誰が死ぬんだろう」と話していた位だ。
現場の雰囲気もすごかったに違いない。ここまで読むと
最後の最後まで救いのない話のように思えるが、バッドエンド
で終わることはないためその点は安心していい(?)
鬱展開への耐性がない人は視聴しないほうが賢明だ。

主人公ゼッドとその親友であるノアに焦点が当てられているが、
感情移入がしやすいのは、葛藤する場面が少ない上に劇中屈指の
強靭なメンタルを持つゼッドよりも、序盤から立て続けに
悲惨な目にあうノアの方だった。

冒頭では優等生であったノアが惨劇やカタストロフィを通じ、徐々
に変貌していく様に胸が痛くなった。方向性の違いからゼッドと
対立していくので尚の事。途中からゼッドよりもノアの方に
意識を割いていた自分がいた。

最初の頃は、「ノアを主人公にした方がいいんじゃないのか?」と
思っていたのだが、今思い返すと、主人公は精神状態が安定
しているゼッドで問題はなかったように思う。

敵味方、男女問わず思い入れのあるキャラクターが多く、
選び出すとキリがないのでここでは二人に絞りたい。

一人目は、強さこそ至上を信念としている国、ジーモット3幹部の一人
ヒュー 。ゼットの宿敵として立ちはだかる悪役だ。
腕が立つだけに留まらず、狡知な野心家としての顔ものぞかせる。

残虐な性格の持ち主で、ネオトピア侵攻編ではそれが顕著
に表れる。その時の光景を目にしたとき、私は余りの外道っぷり
に舌を巻いてしまった。人によっては目を瞑りたくなるだろう。
ちなみに、このヒューを演じたのは山口勝平。
当時でもかなり珍しかったようで話題になっていた程。

二人目は、劇中屈指の被害者でもあるゼッドの母親、サラ。
向こうの都合によって強引に巻き込まれてしまった非常に
可哀想な人物である。それによりアミル・ガウルと呼ばれる
強力なスピリット(いわゆるペルソナの様な物)の魔に
憑りつかれてしまった悲しい過去を背負っている。

ここで、少しアミル・ガウルについて触れておきたい。
アミル・ガウルとは、スピリットの中でも非常に強力な
キースピリットの一種であり、劇中最強クラスの強さを誇る
スピリットだ。

ただし、アミル・ガウルには拒絶反応があり、それによって
人が発狂し挙句の果てには死亡してしまうこともある
とても恐ろしいものだ。
無論、サラもアミル・ガウルの拒絶反応があり、本来は
苦しいはずなのに彼女にとっては必要不可欠なものと
して捉えられている。

なんと、サラの場合は拒絶反応と同時に中毒症状が起きており、
一種の薬物依存症の様な状態に陥っているのだ。そんな状況なので
正常な判断ができるわけもなく、終盤は目的のためならば手段
を選ばない外道と化してしまっている。

本来の所有者であるゼットから、とある方法でアミル・ガウル
を手に入れようとするシーンは冷や汗をかきそうになるレベル。
それを見た瞬間、牙本編の中でもBEST3に入る程非常に
インパクトのあるシーンだと私は確信した。そのシーンを
抜粋した動画もあるようなので気になる人はどうぞ。

鬱展開で進んでいく異世界物を求めたい方
にはオススメ。但し、これでもかといわんばかりの鬱要素が
詰まっているのでそこだけ注意して欲しい。

個人的には、名作の域に入っても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。 間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

奈悠 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

結構硬派なバトルアニメ

かなり前に視聴した作品。

当時は、元がカードゲームとは知らずに視聴していました。
むしろそういった内容は微塵も感じません。
子供向け枠にて放送されていたが、けっして子供が見るような内容じゃないくらいにかなり濃厚な物語になっています。
また要所要所の効果音がかなり印象的でした。
全51話と長いですが、バトル物が好きであれば楽しめる作品です。


こんなお話
カームの街に暮らす15歳の少年・ゼッドは、日々やり場のない苛立ちを持て余していた。
もっと自分を生かせる場所が、どこかにある気がする―。

ある日ゼッドは、不思議な風に誘われ、時空の裂け目へ飛び込む。
その先にあるかも知れない、「答え」を求めて。

風に乗って彼が舞い降りたのは、
《シャード》と呼ばれる魔力の結晶体を操る《シャードキャスター》たちがしのぎを削り、
対立する領域同士が終わりの見えない戦争を繰り広げる異世界だった。

シャードの力で魔術や《スピリット》と呼ばれるモンスターを自在に扱うシャードキャスター。
その力に魅了されたゼッドは、自らもシャードキャスターを目指す。
だがゼッドはまだ知らなかった。
この世界の行く末を左右する力をもった強大なスピリット「アミル・ガウル」が彼自身に宿っていることを―。

時間、空間、全てを超越した世界を舞台に描かれる、
壮大なファンタジック・アドベンチャーが、今、幕を開ける!
(公式より引用)

OP
「Sanctuary」(第1話 - 第26話) 玉置成実(12th Single)
「儚く強く」(第27話 - 第51話) ユンナ(9th Single)

ED
「Very Very」(第1話 - 第13話) アフロマニア(1st Single)
「solar wind」(第14話 - 第26話) シュノーケル(Indies 1st Single)
「STAY GOLD」(第27話 - 第39話) ライムライト(3rd Single)
「世界の果てまで」(第40話 - 第51話) 高田梢枝(3rd Single)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

70.2 12 シリアスで狂気なアニメランキング12位
十二大戦(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (493)
2074人が棚に入れました
誇り高き十二戦士の、血戦の記憶――

十二年に一度開催される第十二回の十二大戦。
干支の名を宿す十二人の猛きせんしが互いの命と魂を賭けて戦う。
参加者は子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二人、異様なる戦士たち。

その戦いに勝利した者は、どんな願いでもたったひとつだけ叶えることができる。
どうしても叶えたいたったひとつの願い――

最期に生き残る者は誰か?
策謀と殺戮の渦巻く戦場で、流れるのは誰の涙か?
魂を揺さぶるバトルロイヤルが開戦する。

声優・キャラクター
堀江瞬、梅原裕一郎、五十嵐裕美、岡本信彦、江口拓也、鳥海浩輔、緑川光、チョー、早見沙織、佐倉綾音、西村朋紘、日笠陽子、安元洋貴
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

(良い意味で)最後まで目が離せない作品でした

「さすが!」と言うか何というか・・・。
最後まで目が離せない作品でした。

{netabare}『回想シーン=死』のパターンがひたすら続く。
ある法則に気付くと、途中で勝者が誰なのか、想像がついてしまう・・・。{/netabare}

正直、中盤で挫折しそうになりました(笑)
でも、挫折しなくて良かった!

最終話。思わぬ展開が・・・。
まさか、{netabare}たった一つの願い事が特に無かった{/netabare}者が勝ち残るとか・・・。

たった一つの願いか・・・。自分なら何を願うかな?
色々と考えさせられる作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

むしろこちらが本来の「西尾維新」という気もしますが…。

いや、『十二大戦』の原作は読んでいませんけれども。

とりあえず、『十二大戦』のストーリーを要約すると「十二支の戦士が優勝をかけてバトルロイヤルし、勝ち残ったものの願いが叶えられる」というお話です。そこで誰がどうやって勝つか、とか勝ち残ったものの願いが何かといったあたりがストーリー上の興味ですよね。

どうも西尾維新というと世間では<物語シリーズ>、それも『化物語』が面白かったせいでその印象が強すぎる気がします。

まあ実際にアニメの『化物語』や他の<物語シリーズ>は制作したシャフトの力もあってなのか面白かったとは思うので、それはそれで当然なんでしょうね。

ところで<物語シリーズ>でもたまにそういう言い回しとかがありますが、西尾維新といえば「言葉遊び的なことが大好きな作家」というイメージがあります。人名は語呂合わせ的なものが多いですし、叙述トリック的な文章も多いです。

それと、「少年ジャンプ」で連載されていた『めだかボックス』を見てもらうとわかると思うのですが、基本的にはやりたいことやり放題なイメージもありますね。読者がどうとか以前に、かなり本人が楽しんで書いている気はします。

私が「西尾維新」作品に対して持っているそういったイメージからすると、この『十二大戦』はわりと私の考える「西尾維新」のイメージ通りの作品だったように思います。

普段「西尾維新」作品とはそれほど相性が良くない私なので、『十二大戦』には大きな期待は抱かずに観ていましたが、結果として特に期待を超えるでもなく裏切られるでもなくといった感じです。

放送前の話題性はあったので観はしましたが、もう一回観るかと訊かれるとおそらく観ないと思いますし、他人に勧めることもしません。

あ、キャストは豪華でしたし、作画は良かったんじゃないですかね…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

これは本格的バトルロワイアル ハーレムですわ!お友達が欲しいんだあ!丑の戦士としたいんだあ!

2017年放送中のテレビアニメ 全12話

原作 西尾維新 監督 細田直人 構成 村井さだゆき 制作 グラフィニカ

12年に一度十二支の戦士が戦う大戦を描いた西尾維新のラノベが原作。
監督の代表作は「みなみけおかわり」じゃなくって「はたらく魔王さま!」

これだけで期待大です。

十二支の戦士
ねずみ(墨野継義)CV堀江瞬    「子」
うしい(樫井栄児)CV梅原裕一郎  「丑」
とら(姶良香奈江)CV五十嵐裕美  「寅」
うさぎ(?)CV岡本信彦      「卯」
たつみ兄(積田長幸)CV江口拓也  「辰」
たつみ弟(積田剛保)CV鳥海浩輔  「巳」
ううま(早間好実)CV緑川光    「午」
ひつじい(辻家純彦)CVチョー   「未」
しゃりゅう(柚木美咲)CV早見沙織 「申」
にわとり(丹羽遼香)CV佐倉綾音  「酉」
どつく(津久井道雄)CV西村朋紘  「戌」
いのうのしし(伊能淑子)CV日笠陽子「亥」

第一話から超展開。第二話も盛り上がって期待に答えてくれそうです。

バトルロワイアルの殺人饗宴、不謹慎と言われようが面白いものは面白いのです。
アニメの多様化は大歓迎です。どんどんやってくださいw

下から順番に死んで行く?そりゃないでしょう。
まほいくのような生き残り確実の主人公とかいませんしね。
ところがぎっちょん、トリックがあったんですねえ。

この作品の見どころは死にざまでしょうか?
面白すぎますね。
主役はほぼ「変態うさぎ」。

最終回見た人はCSでしょうか?
もう決着はついているようですが今日が最終回。

正座で視聴いたしました。
う~む西尾維新らしい見事な最終回。
評価上げです。今期の覇権アニメに乾杯。

これ、続編予定ありって噂聞いたよ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

78.2 13 シリアスで狂気なアニメランキング13位
ドロヘドロ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (359)
1582人が棚に入れました
おいでませ、混沌。魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続ける。いったい自分は何者なのか……。

声優・キャラクター
高木渉、近藤玲奈、堀内賢雄、細谷佳正、小林ゆう、高梨謙吾、富田美憂、江川央生、市来光弘、鵜殿麻由、ソンド、稲田徹、三木眞一郎、郷田ほづみ、勝杏里
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

妄りに動く世界

アニメーション制作:MAPPA、
監督:林祐一郎、シリーズ構成:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:岸友洋、
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME、
原作:林田球

路地の奥に何かがいる。
黒い影、ノイズのような残像。
カイマンを爬虫類の頭にして
記憶を奪った魔法使いの男。
奴は一体どんな顔をしていたのか。
それは何故か、カイマンの喉の奥に潜む
男だけが知っていた。

人間が住むホールと魔法使いの住む場所。
ふたつの世界をつなぐのは、
魔法使いだけが呼び出せるドア。
魔法使いは、人間を相手に魔法の練習を行うために
ホールへやってくる。
カイマンは自分が失ったものを取り戻すため、
相棒の女・ニカイドウとともに
魔法使いを狩りながら街を彷徨う。

不穏な雰囲気の漂う1話目で作品に釘付けになる。
作者がインスピレーションを得た映画が
何となく思い浮かぶ。
デヴィッド・リンチ監督の『ブルーベルベッド』や『ツインピークス』、
アラン・パーカー監督の『エンゼル・ハート』、
ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』、
トビー・フーバー監督の『悪魔のいけにえ』、
そして、ジョージAロメロ監督の『ゾンビ』などなど。
死体袋、奇怪なマスク、顔の皮、シーリングファンの回転。
不気味なイメージが脳裏に焼き付く。
作画は大友克洋の影響が色濃い。

ホラー・ミステリー映画の影響が垣間見える一方、
全編のノリは、コメディになっているのがいい。
凄惨な場面もブラックジョークで煙に巻くため、
あまり重い気分にはならない。
そこは、ティム・バートン作品を想起させる。

{netabare}魔法使いの住む世界で力を持つ煙(エン)は、
時間操作のできる魔法使いを
パートナーとして迎えようとしている。{/netabare}
心(シン)と能井(ノイ)、藤田と恵比寿のコンビ。
途中から彼らのポリシーやラブコメ要素も付加され、
より混沌の世界へと視聴者を導く。

インド音楽を彷彿とさせるOPや
リズム感が心地良いED。
(K)NoW_NAMEの曲が
ドロヘドロという作品を
さらに異様な「深み」に連れて行ってくれる。

さまざまな意味で予想がつかない。
作者が好きなイメージを全て大鍋に放り込んで
掻きまわしているような気さえする。
まさにOPでニカイドウが恍惚の表情で
肉をミンチにしてこねる作業に近いのかもしれない。
それでも支離滅裂な雰囲気はなく、
特別な色に染まっているように感じられる。
ただ、かなり中途半端なところで
終わっているのが残念。

唯一無二ともいえる妄りに動く世界。
物語のラストまでアニメで楽しみたい。
(2020年4月4日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アシッド アニメ

MAPPA制作。

予期せぬ角度から渾身の右フックだ。
奇抜であることが説得力を生む世界観、
これも1つのアニメの可能性ではなかろうか。

扉の向こうには魔法の世界がある。
{netabare}魔法によって顔を爬虫類にされてしまった、
記憶喪失の男、カイマン。{/netabare}
相棒のニカイドウと共に魔法使いの行方を追う。

まずもって奇々怪々のキャラが良い。
アメコミ風の大友克洋デザインかと目を疑う。
ホールと呼ばれる大気汚染と瓦礫の街は、
オイルの匂いが立ち込め混沌を象徴している。
不思議なもので設定・演出が優れていると、
サイコなキャラもどこか愛嬌が生まれ、
コミカルな演出もほど良いスパイスとなる。

7話視聴追記。
残虐さとバカのさじ加減が抜群に楽しい。
{netabare}まさかの神展開、ベースボールだと!?{/netabare}
この世界観とキャラに於いては、
コメディに振り切った物語も可能なのである。

最終話視聴追記。
アニメとは芸術の一形態であるものだが、
芸術に対するカウンターでもあるのだ。
まさに攻撃こそ最大の防御である。
世界観の軸はぶれず手数の多さに圧倒される。

愛すべき恵比寿とサブカルチャーに、
勝利の凱歌を上げよう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これ言葉にするのしんどくないすか?

原作未読


はじめに

どうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。
とりあえず“独特な世界観”ということでお茶を濁してそれ以上言うのが難しい。


原作はほぼ20年かけて完結したとのこと。そんな事情は一切知らずタイトル買いした作品。なんか画面から流れてくる溢れんばかりの“底辺”感が素敵です。
そして観てみた第1話。背景美術が美しいですね。制作は“MAPPA”仕事はしっかりしてくれそう。息をのむという美しさとは違う、底辺を這いずる質感、吹き溜まり特有の湿気を感じることができる美術といったらいいかしら。かつてドブネズミみたいに美しくなりたいといったあのセンス。
基本的に気持ち悪いので、初回で合いそうか否かわかる親切設計だとは言えると思います。

魔法によって頭を爬虫類に変えられた記憶喪失の男が、自分の本当の顔と記憶を取り戻す姿を描いたダーク・ファンタジー作品。
wikiの記述そのまま引っ張ってきましたがこれだけじゃわかりません。端的に“ヴァイオレンス”です。

私がヴァイオレンスに期待するものはズバリ殺す側の所作。
感情の上下がないのが理想。美学の有る無しは問わず鼻をかむくらいの軽さで殺すのが良い。一方で殺す時にドヤ顔決めたり、ビビりながら引き金を引くのは好みではありません。
理想は実写映画の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『パルプ・フィクション』あたりだろうか。この作品『ドロヘドロ』からはそんな名作の波動を感じました。個人的にはこれで充分満足です。
なお、殺す/傷つけるが基本の作風ですがそればかりではありません。キャラ達が自分の意思で動く。たくましく生きる姿は頼もしくもありコミカルで愛らしかったりします。生き生きしてるんですね。


どこか気だるくて陰鬱な空気に覆われてはいるんですけど、生き生きしたキャラクターたちが織り成すカラフルモザイクな世界は居心地の良いものでした。見てお楽しみなEDの仕掛けや背景美術のクオリティの高さがさらに作品を底上げしてます。良作でしょう。


※ネタバレ所感

■飯テロリング

二階堂と恵比寿って共通項は“麦”ってことですかね。ニカイドウ経営中華屋の看板メニューが餃子ということでビールにとても合いそう。
そこにこだわります?って程料理作画に気合入れとりますので深夜空腹に耐えるのがたいへんでした。

{netabare}そもそもOPアニメーションがひたすらニカイドウの餃子仕込み映像という謎っぷり{/netabare}

{netabare}そしてカイマンへ強くコミットしている女性は“友人としての”ニカイドウと“たぶん敵としての”エビスってことなんですかね。餃子とビールコンビに勝てる男性はおそらくいません。{/netabare}

いちおう飯テロネタということでこだわりの謎作画は他にも。

{netabare}焼肉。肉のサシの入り具合や弾力を感じる動画。これも素晴らしい。鳥や豚ならともかく牛は飼育に手間がかかるイメージ。あんな殺伐とした世界でまともな畜産業出来るんかいなというのがよぎり、何の肉なのか気になってしまった。牛ではないのかもしれない。でも美味そう。{/netabare}


■自由人

自由すぎる登場人物は物語の良きアクセントになります。例えば『キルラキル』満艦飾マコ。『ゾンビランドサガ』山田たえみたいな。自由すぎる振る舞いに笑いつつ、時おりハートウォーミングな行動を見せて不意打ちでうっかりこっちが感動しちゃうことがあるような存在です。

{netabare}その点で本作の恵比寿はとてつもない耀きを放ってました。{/netabare}

トップ of 自由人な一名が突出してますが、{netabare}カスカベ博士{/netabare}あたりもたいがいです。そして各々のコミュニティにも馴染んでいて二人とも浮いた存在にはなっておりません。強烈なキャラクターを受け止める側も個性が強烈だから違和感なく見えるのです。


これはちょっと後に引く感じでクセになります。ただこの面白さ文字にすると陳腐に映りますね。
やはりどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.11 初稿
2020.05.04 タイトル修正
2020.10.15 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

86.2 14 シリアスで狂気なアニメランキング14位
ヨルムンガンド PERFECT ORDER(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1793)
9861人が棚に入れました
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎むようになった元少年兵ヨナは、ひょんな事から若き女性武器商人ココ・ヘクマティアルと、彼女が率いる私兵達と共に世界中を旅する事になるのであった……。

声優・キャラクター
伊藤静、田村睦心、石塚運昇、大原さやか、乃村健次、小西克幸、四宮豪、勝沼紀義、羽多野渉、箭内仁、豊口めぐみ、松風雅也、冬馬由美、奈良徹、小清水亜美、加藤沙織、磯部勉、久川綾
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

<最終回まで視聴完了> ヨルムンガンド計画の全貌を知った上でみつめる世界はどう見えるのだろう

原作は未読だけれど、1期から視聴してきた。
この作品を観るとき、銃撃戦にワクワクしてしまう気持ちと同時に
いとも簡単に人が殺されていくことに対しての麻痺に恐怖を感じ
ちょっと複雑な想いに駆られる。

両親を戦争で亡くし、武器に深い憎しみを抱きながらも
武器商人であるココたちと行動をともにし、自分と彼女達の身を守るヨナ少年の
心境にはまるで及ばないにしても、少し理解した気持ちにはなれる。

兵器や武器は人を殺す道具であると同時に、身を守るものでもある。
兵器や武器は憎しみを生む道具であると同時に、
一部の平和は保たれているという現状。
無抵抗ではやられてしまうだけなのだ。
だから戦うしかない。
生きるために。後世のために。
だから兵器や武器は作られ続け、それを売る人がいて使う人がいる。
だったら・・本当の平和はいつやってくるのだろう?
ココが言う世界平和とは?そう思って最終回までを見届けた。
彼女の考えに賛否は分かれるかもしれないが、僕は概ね共感できた。
もしそれが実現したとして、いったい誰が実現させるかで
世界は大きく変わってしまう恐れはあるけれど、
少なくとも武器を持つ戦争はなくなるのだろう。
しかし同時にそれは、武器に変わる新たな戦法でしかなく
この地球に人間が生きている限り、その危険は続くのかもしれない。

ミリタリー的なものが好物な自分にとって、もしかしたら永遠のテーマかも。
リアルな銃声や映像に心躍らせつつも、単純にカッコいい!と喜ぶだけじゃ
なんだか不謹慎な気持ちになり、綺麗ごとでもなく、
この想いを追求したくて「戦う作品」をついつい観ている自分がいる。

特にこの『ヨルムンガンド』はスケールの大きさや、リアルさが
演出や作画、脚本ともに際立って感じるのでなおさらなのだ。

今回の2期は、やたらドンパチやっていた1期に比べ
人間ドラマのほうを深く描いていたので、感情移入もハンパなかった。
とにかく、納得のいく良い最終回だった。
ちなみに、OPは相変わらずカッコいい曲なのだけれど
EDは正直、1期のほうが好みだったな~
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<8話(20話)の感想>

おぉ、ついに「ヨルムンガンド」動き出すのだね。
今回は女性陣の活躍が中心で、観てて楽しかった。
アマーリアさん鋭いし、寡黙なカレンさんクールだし
料亭?っぽい座敷でのミルボとカレンの殴り合いが始まったのに
無視して話し合いを続けるDrマイアミたちも可笑しい。
さてさて今後はぐんぐん山場になっていくのかな。
次週が待ち遠しいです。
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<7話(19話)の感想>

緊迫感の連続で、今回はすごく面白かった!
OPなしで始まったのに、あっという間に次回予告になってた。
銃撃戦以上に、人間の悪意と良心、計算高さや洞察力が
とても興味深かった。いいなぁ・・・ワイリのキャラ。
ヨナも冗談が言えるほどになって、随分と変わったよね。
冷静に考えれば、とんでもないことが起きているのに
ワクワクしてしまう・・・許してくり(苦笑)
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<6話(18話)の感想>

海ほたる懐かしい。って思ってられないほどの緊張感。
気づいたら握りこぶしになって身を乗り出してたし(汗)
後半、なんとも日本人らしいというかなんというか。
なかなか渋いまとめ方だったけれど、底知れぬ怖さがあるよね。
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<5話(17話)の感想>

舞台は日本に。
よく知った場所や建物が見れるのはなんだか嬉しいけど
ホテルでの血しぶき飛び散るドンパチ見ながら
「あらあらあらあら」と『ARIA』のアリシアさんみたいに
心の中でつぶやいてしまった。
でも今回は空港での飛行機の描き方、カメラワークが
すごく好みだったので特に嬉しかった!
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<4話(16話)の感想>

1期の1話の冒頭シーンが再び映し出された。
ヨナのいきさつを知り、これまでを見てきた今もう一度観ると本当にせつない。
{netabare}
かつて一緒にいて、今は日本で保護されている子ども達を
車越しにみつめるヨナのホッとした笑顔が、たまらなく泣けた。 {/netabare}
寡黙なヨナの気持ちを想うとき、いつも胸が締め付けられる。
そしてキャスパーがヨナに言った言葉が、どうにも引っかかって気になった。
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<3話(15話)の感想> 真実より事実

哀しかった。でも救われた部分もある。
{netabare}レナードの真実と事実。{/netabare}
ココ同様、事実を大切にしたいと思った。
いつも以上に深く、いつも以上にきめ細かく
ココの中にある憎しみ、怒り、そして哀しみを感じた回だった。
今回だけなのかな、EDもいつもと違っていた。
やなぎなぎの唄う「真実の羽根」がとてもせつなかった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界平和のために武器を売る女

とある少年兵がその腕を買われ
女武器商人の護衛役として旅をすることになる。
武器商人が率いる旅のメンバー達は
ひと癖ふた癖もあるやつばかり。

そんなメンバー達は個々それぞれの分野に
秀でた能力を持っている。
狙撃手、接近戦、爆弾、情報処理、etc…。
それらの能力が互いに補い合うことで
最強のチームが完成する。
このアニメを通して
チームワークとはまさにこうあるべきだ!と
チームの在るべき姿を感じ取れました。

タイトルに書いた「世界平和のために武器を売る女」
とても矛盾してますね。
武器があるから争いは止まない。
武器は戦争の火種になる。
なのになぜ世界平和を望んでいる彼女は
武器を売り続けるのか、それでは本末転倒ではないか…。

その理由は本作の終盤であきらかなになるのですが
彼女の思い描いてる世界平和の在り方を知った人は
感じ方が二つに分かれると思います。
そしてその二つの答えにまた矛盾すると思います。

「多数を救うために少数を切り捨てる」
これは他作品のアニメのキャラクターの言葉ですが
この物語の結末による矛盾は
おそらくこの言葉が深く結び付いてくるのではないかと思います。

といった感じでとてもテーマの深い作品でした。
またガンアクションの迫力もこの作品の
魅力の一つだとおもいます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 56
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

武器商人との旅の終わりに

原作未読 全12話

ヨルムンガントの2期ですが、そのままお話は続いているので2期というより2クール目といった方が良いかもしれません。

2期は武器商人としてのお話もありましたが、どちらかというと謀略・諜報・誘拐など政治的なお話が多いですね。

前半は1期ではクローズアップされなかったココの私兵のお話やココの兄で同じ武器商人のキャスパー中心のお話、中盤は仲間思いのココがよく表現された内容でした。
{netabare}ヘックスとの{/netabare}銃撃戦は見応え十分でしたね。
{netabare}でもアールの死んだ時は、ココがいかに仲間を大事にしていたか分かりましたね。{/netabare}

脇役で面白い(個性的な)キャラが多いですね。
{netabare}CIAのブックマンは声も渋くていい味出していました。{/netabare}

この作品には強い女性がいっぱい出てきます。
思い出すだけでも、ココ、バルメ、Dr.マイアミ、アマーリア、チェキータ、ヘックス、ショコラーデ、ミルド、カレン・ロウ、チナツ(1期)などなど
強いというのは精神的な強さ=駆け引きの凄さ(ココ・Dr.マイアミ・アマーリアなど)と精神的・身体能力の強さ=戦闘能力の高さ(バルメ・チェキータ・ヘックスなど)です。とにかく強いですねw

2期ではそんな強い女性の中でもいつもマイペースなショコラーデが好きなキャラですね。上司に対して共感する部分がありましたw
もちろんバルメも相変わらずいい味出していましたねw

後半はいよいよこのタイトル、ヨルムンガルトの全貌が明らかになるお話が中心です。

話しが進むにつれてココの表情がどんどん邪悪な表情(笑っていても)に変わるのが怖いですね~

最後の方は目が離せなくなるぐらい集中できました。
{netabare}
印象に残っている言葉は、ヨナの

「武器商人と旅をした、そして僕は変わる世界を知る。」

「この世界は鉄と火薬で出来ているじゃないかって思えるほど、僕らの道には武器が溢れている。人を殺すためのだけの進化する道具を握りしめながら、ときにこれを憎んだことを忘れそうになりながら、僕は武器商人と旅をした。」

「僕は武器商人と旅をした。そしてココ・ヘクマティアルと新しい世界を旅する。」
{/netabare}

銃撃戦などで人が簡単に死ぬ場面などありますので、苦手な方もいらしゃるとは思いますが、私的には見応え十分な作品でした。気にならない方はぜひ観てくださいね。オススメです。

OP/ED 1期と同じく この作品に良く合っていた曲と作画です。最終話の曲も素敵でした。

余韻が残る作品でした。穏やかな風とともに、この作品に出会った事を感謝します^^

最後にこの作品の画像のココ怖すぎますねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

74.4 15 シリアスで狂気なアニメランキング15位
亜人(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (917)
4999人が棚に入れました
高校生、永井圭。トラックによる追突死の直後、謎の蘇生。これにより国内3例目の不死の新人類・亜人であることが判明した。警察および亜人管理委員会により捕獲作戦、開始。同刻、管理下にあった2例目の亜人が何者かの幇助により逃走。この者らは直ちにテロ活動を展開し人類への復讐を開始した。
永井圭の動向を注視せよ。繰り返す・・・

声優・キャラクター
宮野真守、細谷佳正、大塚芳忠、櫻井孝宏、小松未可子、平川大輔、洲崎綾、福山潤、木下浩之
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

基本、夢中で観られたが、色々と惜しいダークファンタジー

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
多分、多くの方が感じるだろうけど、「東京喰種トーキョーグール」と被る世界観です。まあ、それは別に良いんです。パクりだろうが偶然の一致だろうが、楽しめれば、それで。そして、かなり楽しめたダークファンタジーでした♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まずは+の査定から。

感想としては、単純に楽しめました。ストーリーには常に緊張感があり、次話を楽しみにしてました。原作連載中ということもあり、謎をばらまくだけばらまいて完結できないのも、視聴前から覚悟してましたし。

主人公の永井圭は、なかなか独特の主人公ですね。確かに「クズ」ですが、その一言では切り捨てられない魅力もありました。徹底的にリアリストを気取ってる彼ですが、屋上で研究員を助けるシーンなど、(同時視聴していたアニメのせいもあって)「シンプルに考えれば助けるべきだろ!」という台詞を脳内アテレコしちゃいました(笑)

佐藤のビル崩しは、正直言って予想を越えられたし、SATとのガンアクションも凄かった。やっぱ、ラスボスはあのくらいやってくれないとね。

亜人の人体実験のシーンは、かなり凄惨でしたが、観られました。私は、「無意味なグロ」が苦手なだけで、グロそのものがダメなわけではないので。「東京喰種」の拷問シーンもそうでしたが、「その時そうする必要がある」と感じられれば、グロもまた表現のひとつとして許容できます。あの人体実験は、「亜人と人間の確執」「亜人を単純な悪としない」「他の亜人と圭との違い」「人間が、ある意味では亜人以上に化け物じみている(多分これが主題)」などを表すためには、必須のシーンだったと思います。

続いて-の査定を。

全体を通して感じたのは、「人間弱すぎ」ということです。亜人の人外の力なんて「不死」と「黒い幽霊」くらいで、さほど驚異に思えないのだが。

赤松健さんの漫画「UQホルダー」には、様々な「不死者」と「不死者殺し(無効化の方法)」が描かれていますが、全くその通り。コンクリ詰めにして海に沈めるとか、ロケットに積めて宇宙に飛ばすとか(笑) いくらでもやりようある気がする。毒ガス系とか、絶対有効だろうし。

それから、シリアスなサスペンス系のバトルを描いてるわりに、ツッコミ所が多すぎる。まず、最初の逃走シーン→フルフェイス被ろうや(笑) 血まみれの服を着替えようや(笑) 逃げる気なかったでしょw 次に、厚労省施設→隔壁で閉じ込め、ガスで眠らせようや(笑) そういう施設なんだから、亜人が逃げた時の対策万全にしとこうや(笑) 捕まえる気なかったでしょw 最後に、対佐藤戦→代えの担架用意しとこうや(笑) そもそも、担架(ベルト)で拘束って、ただの看護か(笑) あの距離運ぶのにどんだけ時間かかんねん(笑) 拘束具を的確に狙撃って、どんな腕前やねん(笑) 素人ちゃうんかい(笑) 捕まえる気なかったでしょw

などなど。細かいことかもしれないけれど、こういった作風だからこそ、そゆとこはつめておかないと、ご都合主義ととられるからね(汗)

あと、(ポリゴンのせいなのか)萌えられる女性キャラが少ない。まっ、そんな話じゃないのは百も承知だけど、「東京喰種」など、そのへんもうまくバランスとってやれてたしね。

てな感じで、良さもありつつ、ツッコミどころも多くあったので、4よりの3です♪
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33
ネタバレ

愛花 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

大好物のダークファンタジーo(`ω´ )o

亜人、途中まで漫画で読んでおりまして、
本当に引きつけられるストーリーです!

この世界も、人々も、主人公さえも、とても狂ってます。
「巨人の次は亜人」との宣伝文句で売り出されていたのですが、
わかってはまた深まっていく謎、普通じゃない主人公、
様々な立場の人の思惑が入り乱っていたりと、
要素的には進撃の巨人と同じタイプだと思います。

CGが苦手で避けてきたのですが、ストーリーの続きが気になって視聴することに。
明らかにフルCGだとわかる作画でちょっと悲しいですが、
音・声・動きがあるというのはやっぱり偉大だ!
アニメばんざい!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ笑

OPもEDも良いと思います(*^_^*)
特にEDは感動しました!
宮野さん、やはり歌がお上手ですね。。
声高い。。
そしてEDのアニメーションに引きつけられました!
ここまで見てきた方ならわかりと思いますが、これ、{netabare} ストーリーをなぞってる{/netabare}んですよね!!
ここはどういうことなのだろう、などと想像が膨らみます!!


7話まで視聴して
{netabare}
原作を忠実に追ってます。
黒い幽霊(IBM)同士の戦いは3DCGをいかした迫力あるものになってますね!(*^^*)
亜人・IBM・佐藤の目的など、まだまだ謎だらけで続きが楽しみです。
{/netabare}

最後まで視聴して
{netabare}
すごーく続きが気になるところで終わりましたね(^^;;
佐藤軍が圧倒的に強い…強すぎる…
不意をつかれたのに完勝してしまいました(>_<)
そして永井くん、 思ったよりいい人でしたね( ̄▽ ̄)
これまでは亜人vs人間だったのが、これからは亜人(佐藤)vs亜人(永井)になりそうですね、
ここに人間たちはどう関わってくるのでしょうか…⁇

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「続きは劇場で」というのは‥‥

原作未読 全13話

決して死なない人間である亜人がいる世界。亜人ということが判明した主人公の永井圭の逃避行を中心に、人間対亜人の争いを描いています。

作画は、ポリゴン・ピクチュアズ、シドニアの騎士を作った会社なので、CGが多く使われています。

アクションシーンは、シドニアほどではありませんが結構迫力がありました。{netabare}(佐藤と永井の研究所のバトルや亜人同士のバトル、佐藤を特殊部隊とのバトルなど){/netabare}

人がたくさん死にます。また、{netabare}亜人の実験シーンは、{/netabare}目を背けたくなるほど残酷な描写もあるので苦手な方は注意して観てくださいね。

勧善懲悪的なお話ではなく(どちらかといえばどちらも悪)、人間と亜人双方のエゴがよく表現されています。

闇が深く明るい兆しすら見えない謎が多いこの作品、お話は途中で終わっています。消化不良ですね。

劇場版と並行して作られている作品、劇場版を観ていないので詳しくはわかりませんが、テレビ版が後追いしているみたいです。

ダークな展開やCGが好きな方は観てもいいかもしれません。

OPはflumpoolさん、EDは宮野真守さんが歌われています。EDの作画を観ると悲しくなってきますね。曲はどちらも好きです。 

最後に、「続きは劇場」でというのは、あまり好きな展開ではないので、テレビ版の放映を気長に待ちますw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29
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