SFアニメOVAランキング 20

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのSF成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月25日の時点で一番のSFアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.4 1 SFアニメランキング1位
攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ](OVA)

2006年9月1日
★★★★★ 4.2 (894)
5489人が棚に入れました
「個別の11人事件」後、草薙素子が公安9課を去って2年経った2034年。草薙が失踪したことにより組織の変革を余儀なくされた9課は、課員を大幅に増やし、捜査活動やその方針にも変化が見られる。そんな中、シアク共和国残党の特殊工作員によるテロ計画が判明。実質的リーダーとなったトグサ率いる9課は捜査を開始。ところが当の工作員達が次々と謎の自殺を遂げる。新浜国際空港では、9課の目の前で1人の工作員が「傀儡廻が来る!」と謎の言葉を残して自殺する。\\n一方、単独でテロ事件の捜査を行っていたバトーは草薙と再会する。草薙はバトーに「Solid State には近づくな」と謎の警告をする。捜査が進むにつれ、バトーは草薙が「傀儡廻」ではないかと疑い出す。

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない

一応シリーズ最終回。攻殻全体のサクロンのような作品。
2期で原作の冒頭とつなげました。
よって順ずる、、映画版、続編イノセンス、とつながった形になります。あくまで別世界設定のままですが。
それはファンの自由でしょう。
それらすべてにたいしてTVスタッフなりの結論を出します。
やっぱりおセンチな内容。日本人らしくていいと思う。
TVシリーズ以外でうーん・・どうなの?って消化不良に思ってるひとはぜひ見とくといいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ラストが不完全燃焼感。残りはGOOD!

2期の続きです。
約105分のOVA。

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス]」
http://www.anikore.jp/anime/475/

「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG」
http://www.anikore.jp/anime/588/

「攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ]」
http://www.anikore.jp/anime/1635/

1期レビュー → http://www.anikore.jp/review/646727/
2期レビュー → http://www.anikore.jp/review/667295/


2期からさらに2年が経過した2034年。
公安9課は、連続自殺、麻薬などの事件をひも解いていく。
その途中で現れる「傀儡廻(くぐつまわし)」というキーワード。
傀儡廻の正体にせまりつつ、少子高齢化や社会保障問題といったテーマにつながっていく。


ハラハラドキドキさせつつ、余韻が残るストーリーでした。
さすが攻殻機動隊。

実は最初に見たとき、すべて見る時間がありませんでした。
そこで、きりがいいところまでのぞき見しようと思ったんです。
それがそもそもの間違い。
53分まで止まりませんでした。
おかげで約束の時間に思いっきり遅れました。

……私が悪いですね、はい。


止まらない面白さ。
構成がうまく、アクションシーンも上質で、見ごたえが十分でした。
1期や2期と比べると、動き重視かもしれません。
{netabare}
突入のシーンはかっこよかったですね!
スーツ vs. タチコマ、心理戦も取り入れた良質なアクションでした。
{/netabare}


ただ、終わり方が少し強引だったかなと。
特別なことは何もしていないし、根本的な解決もできていません。
勝手に話が終わった印象があります。
{netabare}
傀儡廻の正体は推理できます。
素子(もとこ)が絡んだ集団的無意識の集合体なのでしょう。
個々の無意識が一つになることで、まるで意識を持っているかのように動くと。
しかし、決定的な証拠がありません。
そして、それがどうして最初の自殺の引き金になるのか。
すっきりしない点があります。
{/netabare}
また、自殺や麻薬といった話から、少子高齢化や社会保障というテーマにかわっています。
途中で論点をすりかえている気がするんですよね。
私の理解力がないだけかもしれませんが、一度見ただけでは疑問が残りました。
もう少し争点をはっきりさせて欲しかったです。


最後にひとこと。
作中にこんなセリフがあります。

「10の力で1つの事件を解決する組織」から「8の力で3つの事件を解決する組織」へ。

私もこの考え方には大賛成でした。
私は効率を求める合理主義者なんだなと実感しました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 42

voja さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

さすが神山監督!

時間軸としては、ファースト、セカンド、劇場版、今作となるのかな?
もちろん、アナザーストーリーとして攻殻機動隊のTV、OVAがあるため、つながりづらいとは思うが、トータルとしてうまくまとまって作品は作られていると思う。
劇場版でもなくTV版でもない、1話のみの3作目。しかし、ストーリも重厚で前作と変わらず、心理戦、頭脳戦、銃撃戦といった見るものを惹きつける魅力は十分の作品。
最後は意味深な終わり方をしているため、これで終わりなのかはすごく疑問ですが、攻殻ファンとしては是非とも続編の作成を強く望むところです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

82.8 2 SFアニメランキング2位
トップをねらえ!(OVA)

1988年10月7日
★★★★☆ 4.0 (784)
3426人が棚に入れました
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は宇宙生物群(通称・宇宙怪獣 (STMC))による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員の一人であるタカヤ・ノリコの双肩に人類の未来がかかる。

声優・キャラクター
日髙のり子、佐久間レイ、川村万梨阿、若本規夫、渕崎ゆり子

kororin さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『イナーシャルキャンセラー全開・・・よーし、やってみる!!』「死ぬ気?!」「うっ!」「やめてぇぇぇ!」  『パパ、スミス・・・私を守って。』

光速を突破したした宇宙船を作り出した人類は星々を食いつくす宇宙怪獣群体と遭遇。地球人類の存亡をかけて「時」を越える戦いが始まった・・・・


発表(発売)当時、1巻2話収録のOVA3巻全6話作品。
今更どうこういうモノでもない高評価作品ですが、「ロボットオタク(スパロボ系)」なら『一度』は見ておかなければならない『聖典』です。(大層かな?)

本作は色々と逸話のある代物。
・発表された時分は「世間」では全然騒がれてなかったけど、オタクの内々では注目株だった「庵野秀明」氏の初監督ということで期待があったということ。(今じゃもう・・・ネェ)
・その仕事ぶりは当時のチープワンパターンな他作品と比べて「どこか一味違う・こだわりが面白い」というもので(オタクの内々では)定評がありました。
・当時の宣伝コピーは「『トッ〇ガン(ト〇・ク〇ーズの出世作)』と『エースをねらえ!』が一つになった!」というふれこみでしたが、
庵野監督は「エースをねらえ!」は見ていても「トッ〇ガン」は一度も見たことがなかったそうで、本作を見て判るように「エースをねらえ!」の特色が濃厚に出ていますね。
・主題歌は「酒井法子(ノリピー)」、主人公は「タカヤ・ノリコ」、中の人は「日高のり子」と、何かと『ノリコ』づくしなアニメ。
・「トップ」を狙うつもりはなかったのに、口コミ定評でOVAビデオ(VHS)の売上(アニメ部門)も「トップ」になったとか、ならなかったとか・・・etc、etc
・キャラ設定は「超時空要塞マクロス」でお馴染み、「目」が特徴的なキャラの「美樹本晴彦」氏。

SF考証も世界観も、古典SFの引用・1960年代の人間が創造したような未来。1988年に発表された当時から見て所謂「レトロフューチャー」な世界。
・宇宙空間も「真空」ではなく「エーテル」で満たされいるという設定。小難しい物理用語が多数出てきますが、これで宇宙物理学や古典SFに興味を持った人も少なからず多かったのでは? 私?私はサラっと流しましたヨ(笑)ウラシマ・エフェクトは多少判りましたが・・・
(後の太陽フレアが原因で発生したプラズマ雲「ゲドゥルトの海」に覆われた宇宙空間を漂流するハメになった少年少女の葛藤物語『無限のリヴァイアス』なんかを思い出します)
・敵対する「宇宙怪獣」も今まで我々が認識する動物の様な形態概念ではなく知性は無い様で生体本能のみで活動する「デッカイ珊瑚」のようなモノ(最小でも数十メートルの多足昆虫型のモノもある)。そんなモノが数えきれない群体で(体当たりで)襲ってきたらもう・・・ヤッパリ怖い!
・対する人類は「マシーン兵器」と呼ばれる「8m程のロボット」で対抗準備。日々特訓の続くノリコ達。しかしこのマシーン兵器(RXシリーズ)、恐ろしく視界が悪い上にアナログな計器類を読み取ってと勘と予測で動かす効率の悪い兵器。最大の立役者「ガンバスター」が出るまでの「かませ犬」みたいな存在でした(笑)

ドラマの方は主人公・ノリコの(戦いと)成長の物語。
憧れの先輩お姉さま「アマノ・カズミ」、トップ部隊に選抜し冷徹な猛特訓を強いるが信頼厚い「(オオタ)コーチ」、ライバル「ユング・フロイト」、地球に残した親友「ヒグチ・キミコ(名前の由来は周知の通り)」、華と散った初恋の相手「スミス・トーレン(ヤぁってやるぜ!)」、
様々な人と出会い、別れ、時間のズレた世界で再会したりして、ノリコは人類の運命を背負う覚悟を決める!
所々に庵野監督が気いった邦画の演出(「パクリ」じゃないよ「引用」だよ)が使われてたり、庵野監督が好きそうなオマージュがあったりと、思わずニヤリとしてしまったらあなたは間違いなく『オタク』です。

初めて見る方はチョット地味目なストーリーが淡々と続いて飽きるかもしれませんが、とにかく4話「発進!! 未完の最終兵器!」迄は我慢して、我慢して、我慢して~~見て欲しいものです。一気に目が覚めると思いますから。
それで本作を見直す(チョイと気に入った)気になれば後は怒涛の第5・6話に引き込まれることでしょう。

特に第5話「お願い!! 愛に時間を!」は・・・緊迫するドラマと早い展開もさることながら、スパロボ好きには鳥肌が起つ演出!今までの地味目な伏線を吹っ飛ばすような勢いです。(テーマ曲が流れる「アノ」シーンの虜になった人は多いハズ!)
そして第6話「果てし無き、流れのはてに…」は・・・スペクタクル大河ドラマの雰囲気を醸し出した構成。ワザと画面を「アレ」にして最後に・・・・もう涙と鼻水無しにはいられない締め方です。

とにかく「面白く見せる(エンターテイメント)」という意味で「伝説」、又は「教典(大袈裟?)」的な作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

ちゃぶ台返し さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

80年代OVAの金字塔的作品!!

 当時高校3年生の夏だった。それ以前から『美樹本氏の美少女キャラと妙なデザインのロボットの組み合わせだなぁ~』と存在だけは認知していたが、レンタルで借りた最終巻を見た時は脳天を打ち抜かれる様な衝撃を覚えたものだ。1巻でエロパロ路線が際立った学園モノと思わせといて、2巻でシリアスな流れとなり、3巻であそこまで飛躍したストーリーを創造したスタッフらに畏敬の念を感じた。特に6話で『あの演出』を取り入れたのは並大抵ではないと今でも思う。俺も他の人同様にTVが壊れたかと思った位だw その後ガイナックスはNHKのシリーズアニメ「ふしぎの海のナディア」を作り、数年後「エヴァ」を作った。若い時にこの流れをリアルタイムで感じる事が出来たのは幸せだったかと思う。アニメ業界ではないけれども、今の仕事に就くことに、確かな影響を及ぼした作品ではないかとも思う。ムック本のインタビューの中で庵野監督が語っていた「(同時期に出ていた)OVAパトレイバーより確実に面白いものを作る」という目標は確実に達せられていると万人が認識出来るのではないだろうか。あれから20余年。今見ても面白いと思うよ。皇帝・若本の熱い演技も必聴だ!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

ペエ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いま観ても面白いアニメ史に残る作品

1988年の制作にもかかわらず、いまだに多くの人に支持されていることに驚きます。
監督はエヴァの庵野秀明さんですが、パロディの入れ方やSF的な話のまとめ方からも岡田斗司夫さんの作品という印象があります。
と学会の次はダイエット本がブレイクしたオタキングですが、こんなに面白い作品を作ってくれたことに感謝です。

OPでは当時はトップアイドルののりぴー(酒井法子)が歌う80年代アイドルソングを堪能できます。

後半は主人公を演じる日高のり子さんが技名を絶叫する有名なシーンがありますが、「のどが潰れてもいいように最終日に収録した」というエピソードを知ってから観るといっそう盛り上がります。
しかし、のどが潰れてもって日高のり子ののど潰しちゃ駄目だろw

とにかく作り手が全力で作ったアニメだっていうのが伝わってくるそんな作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

76.9 3 SFアニメランキング3位
イヴの時間(OVA)

2008年8月1日
★★★★☆ 3.9 (922)
5047人が棚に入れました
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しづつ影響を及ぼしあい、変わっていく。やがてそれは、外の世界へもかすかな、しかし確実に波紋を広げることとなる。

MmmM さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タンパク質は金属です。

日本人の歌手"KOKIA"さんの「ありがとう」という歌を若干想起させる内容でした。


舞台が明確に日本というのがこの作品が訴えかけるものに対して、一つの強力なバックアップになっていると思われます。
アンドロイドという"機械"に対して、必要以上の思い入れを持つ・あるいは周囲がそう捉える=「ドリ系」という明確なラベリングで済まされる。
貼られたラベルが違えば「自分と違う」「自分には理解できない」ものに対しての畏れを安易に誤魔化せる。
ラベルの下にはあまりにも多種多様のタグがぶら下がっていても、覆い隠せる。

お店にキープしたボトルのようなものでしょうか。
コニャック、スコッチ、色々なお酒の瓶が並んでいるが、どれにも違うタグがぶら下げられている。同じメーカーの同じ銘柄でも、全てのボトルは別のもの。
タグの名前欄に書かれた名前。山田さん、田中さん、一条院さん・・・
最後にお店に来た日。
瓶に書かれた落書き。
落書きが気に入ったのか、同じボトルに何枚もぶら下がる最終来店日タグ。
ボトルにぶら下げられているタグは「個性」なのです。
それらを全て「ウイスキー」「それ以外」というどちらかのラベルが覆い隠している。

そんなラベルを少しずつ剥がして、下に埋もれていたタグを見つけていくきっかけになるのが『イヴの時間』。


ボトル=人間と例えていましたが、これをボトル=ハウスロイドとするとどうでしょう。

機械に個性。
極端に言えば人間なんかタンパク質の塊なのに個性がある。
タンパク質の塊ごときが個性を持てるのなら、あまりに高度なテクノロジーに支えられた金属の塊が個性を持つのはさして不思議でもない話。
普段は機械を装っていなければならない、ハウスロイドというラベルに覆われたタグ付きの金属。
窮屈なラベルを外し、気兼ねなくタグを見せられる。褒められたら隠さずに喜べる場所が『イヴの時間』。


デフォルメされ過ぎない人物と写実っぽい背景を組み合わせた色彩豊かな絵柄+中途半端にSFっぽさを感じさせる音楽でボトル達の触れ合いが描かれている、素晴らしい作品でした。
何気に各話の区切り方も絶妙で、オープニング・エンディングの映像が、音楽でいうなれば盛り上がる直前に入れられる無音部分のように感じられ、これはこれで必要な要素と思えるので劇場版の方のレビューを書くのがためらわれます。

演者の方々に関しては、世界観を阻害されることは全くなかったのでこの評価です。
構成に関しては合間に匂わされる背後関係をもっと掘り下げて欲しかったという贅沢な不満が残ります。
キャラクターに関しても同様です。


血液型にまで及ぶラベリングの大好きな日本人がこの作品を見ると、そうでない人よりもさらに思うところが多くなるかと。

少なくとも自分の血液型を知らない私にはそう思えました。



スッキリしない長文な上になんかレビューっぽくないですね。すみません。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

DEISU さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ロボットの心理

この話は深いなァ・・・・とツクズク思わされました。
本当に短い話ですが、これほどまでに温かい気持ちになるとは思いませんでした。

ストーリー的には過激なシーンやグロぃシーンなどは無く普通の生活やカフェなどでほのぼの過ごすと言う普通のアニメなのですが・・・
見て見ると奥が深く見入ってしまうと思います。

ロボットの掟や関係、人間との繋がり考えるだけでパニックになってしまいそうな内容ですが・・・
上手くまとまっていて!人間の心理、まだ実現していないロボットの心理を良く理解していると思います。
ロボットの心理に関しては分からないのですが。自分的には怖いなと思う反面、そぅあって欲しいなという気持ちもあり、そう書かせて頂きました。
なんというか自分を思っている、気にしてくれる気持ちを感じるのはいいことだと思います。
ロボットとかそういうの関係なしで。

そしてキャラがカナリ自分好みで見ていて癒されました。
何と言うかやはり絵で見方や感じ方が色々と違いますよね^^

あまり書き方が下手で申し訳ないのですが・・・
かなりの良作だと思います。見ていただければ分かると思います^^
参考になれば幸いでございます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

" Are you enjoying the time of EVE ? "

アンドロイドが一般家庭にも普及した近未来を舞台に、人間とアンドロイドの
絆や関係性を描いた物語。 1話15分位で全6話です。

人とロボットってありがちな題材ではありますが、世界観や設定が魅力的。

この世界でのアンドロイドは、頭上のリング以外では人間と見分けがつかない
外見ですが、あくまで無機質な感情の無いロボットで、人間側も一部を除き、
家事や雑用などをさせるだけの「道具」としか見ていません。

ですが、この作品のタイトルでもある「イヴの時間」という喫茶店。
ここには一つだけ特別なルールがあります。

   それは、『人間とロボットを区別しない』というコト。

「イヴの時間」では、頭上のリングを消し 普段は命令でしか動かない
アンドロイドも、人間同様に自分で考え会話し行動します。

そこで過ごす時間を通して、感情がないと思っていたアンドロイドたちの心情や
アンドロイドに対する人側の心の変化などの描写は良かったです。
特に、アンドロイド側から人に対する優しい気持ちなどの想いを「家族」という
言葉を使って表現してるのが印象的でした。

各話それぞれに物語があり、短編ながらも考え深く温かい内容は見ていて
心地よく とても楽しめましたw

まぁ作中の謎など未回収な部分もあるので、物足りなさは少し感じましたが、
それを差し引いても十分良い作品だったと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

72.4 4 SFアニメランキング4位
DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 外伝(OVA)

2009年12月1日
★★★★☆ 3.9 (766)
4120人が棚に入れました
『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第25話のその後を描いた外伝エピソード。黒〈ヘイ〉と銀〈イン〉を中心に、『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』へと続く出来事が語られる。2009年12月から2010年7月までリリースされたテレビアニメ第2期『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』のDVD・Blu-rayの偶数巻に各1話ずつ収録されている、テレビアニメ未放送の新作OVA。全4話。

田中・ミハエル・太郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

観る順番

あくまで個人的な意見ですが
DTBシリーズはアニメ1期→OVA→アニメ2期
という順番で観たほうがいいと思います。

2期終了後のOVAだったのですが
このOVAの内容は1期と2期の間の話になってます。
自分は放送、発売順に観たのですが正直2期の時点では訳がわかりませんでした(主に終盤)。あとから疑問が解凍していくおもしろさもあると思いますが、この作品に関しては上で記述した順番で観た方がいいと思いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ :

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

黒と銀の逃亡劇 そして2期へ…

2期を見る前に見たほうが良いとのことでしたので2期見る前に視聴

おぉ黒と銀がこんな関係にw

こういう感じになるなら1期の前半とかでもう少し銀の黒への心理描写が欲しかったかなぁ(ドールという設定上難しいかもしれませんが)、結構びっくりしました

4話しかありませんが良くまとまっているかと、まぁ最後は相変わらずな終わり方ですが、続きが気になるという点では良いかと

では2期これから見ます♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

1期と2期の間にある空白の2年間の物語です^^

本作品は、2007年に放送された『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』と、2009年に放送された『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』の作品の間にある2年の空白について綴られたものです。

従って、本作品は以下の順での視聴をお薦めいたします^^
1.『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』
2.『DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 外伝』
3.『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』

この外伝は、契約者としての力を駆使する黒(ヘイ)と感情を持たないドールである銀(イン)が所属していた組織から追われる身となり逃避行を続けている・・・という所から物語が始まります。

1期でお互いに仲間と認め合った二人だからなのか・・・感情を持たないドールであるはずの銀に変化が訪れるのです・・・(゚o゚;;
それは、お互いに人間らしさを追求する上では、とても好ましい変化だと思います。
戦いの合間の僅かな休息に見せる微笑みに何とも言えない良さがあるのです・・・^^

ですが、こんな安息の日々は長くは続きません・・・闘う事を運命付けられているかのように、大きな組織間の争いに巻き込まれていきます・・・

2人の間に生まれた絆・・・そして戦いの果てに待ち受けるもの・・・この作品で散りばめられた伏線は全て回収できるわけじゃなく、2期への布石としても位置付けられており、次作『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』に回収が引き継がれることになります。

1期同様、説明の少なさは相変わらずですが、ここまで来るとそれにも慣れてきます^^;

超展開の予感がありそうですので、引き続き2期も視聴しようと思います♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

72.9 5 SFアニメランキング5位
planetarian ~ちいさなほしのゆめ~(Webアニメ)

2016年7月7日
★★★★☆ 3.8 (521)
2409人が棚に入れました
世界大戦後の降りやまない雨の世界。細菌兵器の影響で、人々に見捨てられた最も危険な街【封印都市】。その、デパートのプラネタリウムに、ロボットの少女がいた。彼女の名前は“ほしのゆめみ"。彼女はプラネタリウムの解説員で、1年間にたった7日間しか稼働することができない壊れかけのロボットだった。そこで彼女は、30年間いつか誰かが訪れることを信じて、1人誰もいないこの世界で待ち続けた。そして、30年目の目覚めたその日に、彼女の前に1人の男が現れた。「おめでとうございますっ! あなたはちょうど、250万人目のお客様です!」突如現れたロボットに警戒する男・“屑屋"。貴重物資を回収することを生業とする彼は、【封印都市】に潜入中、都市を徘徊する戦闘機械(メンシェン・イェーガー)の襲撃にあい、このプラネタリウムに迷い込んだのだった。「プラネタリウムはいかがでしょう。 どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。 満天の星々がみなさまをお待ちしています」星すら見えなくなった滅びゆくこの世界で、彼はそこで何を見るのか。1年で7日間しか稼働できないロボットの少女が、目覚めたまさにその日に訪れた偶然。そこで起こった奇跡とは――。

声優・キャラクター
すずきけいこ、小野大輔、櫛田泰道、滝知史、佐藤利奈、篠塚勝、福沙奈恵、日笠陽子、津田美波、石上静香、桑原由気、竹口安芸子、大木民夫
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

key苦手な自分でも楽しめた《アンドロイド・ヒロインもの》

key原作ということで敬遠していましたが、本サイトでの評価の高さが気になってweb配信版だけ見てみました。
その結果、食わず嫌いは駄目だなあ・・・と思い知らされてしまいました。
シナリオの単純さが良かったのか、これまで視聴したアンドロイドものでは本作が一番感動出来たような気がします。
劇場版を早く見たくなりました。


◆作品情報

{netabare}原作         Key
監督         津田尚克
シリーズディレクター 中山勝一、町谷俊輔
脚本         ヤスカワショウゴ、津田尚克
キャラクターデザイン 竹知仁美
メカニックデザイン  海老川兼武
音楽         折戸伸治、どんまる、竹下智博
アニメーション制作  david production {/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== planetarian ~ちいさなほしのゆめ~ (2016年7月) =========
{netabare}
第1話 ロボットの花束 ★
第2話 投影機修理 ★
第3話 ゆめみの投影 ★★
第4話 酒に酔う ★★
第5話 ゆめみの願い ★{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)3、☆(並回)0、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.3

OP 「Worlds Pain」
ED 「Twinkle Starlight」(第1-4話)「星めぐりの歌」(第5話)


================ planetarian ~星の人~ (2016年9月) ==============

全1話 ※未視聴

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

壊れてしまった世界の中で心を探す二人の物語

もしかしたら、そう遠くない未来の世界のお話。廃墟の中で出会った青年とロボットが心を取り戻し、見つけていく物語。主人公は名も無い※1屑屋の青年。人々から見捨てられた場所「封印都市」でロボット"ほしのゆめみ"と出会います。

ゆめみさんはプラネタリウムのアナウンスロボットという事もあって、他作品で描かれるロボット-人間と比べなんら遜色の無い、あるいはそれよりも様々な面で勝っている万能ロボット-と比べて性能があまり高くない様です。歩く事に関しても、基本的にプラネタリウムから外に出ず、平らな床のみを歩く事を想定して作られているらしく、段差などがあるとすぐに転んでしまいます。(でも階段は下りられる。瓦礫とかが苦手。)他の運動能力も人間の水準よりは劣る様に見え、私達のいる現代のロボットの延長上にあるかも知れない、未来のロボットという印象を残します。

また、ゆめみさんは、それほど高度なものではないものの、AIを搭載しているらしく、経験によってちょっとずつ学習でき、意思や感情の芽生えとも取れる成長の兆しも見受けられます。そんななので私は赤ちゃんを見守っている様な目で、ゆめみさんを応援したくなる気持ちになってしまいました。

屑屋の青年との邂逅を経て、時間をかけてゆっくりと変化するゆめみさんの一挙手一投足は繊細で愛おしい。登場時では、本当に、本当に、本当に語彙の乏しかったゆめみさんも、経験を積むにつれ、選ぶ言葉にも変化が表れ、他者に対する思いやりもプログラムされた一方通行なものではなく、柔軟な形に変化していっている様子が見受けられました。生身の人間にしたってすぐには変われないもの‥。あるきっかけを境に劇的な成長を遂げるドラマチックな描写も作品によっては楽しいものですが、人が、ロボットが、一歩一歩着実に成長する姿や、3歩進んで2歩下がる成長の軌跡を見守るのも私は好きです。多分わたしは酔っているのだと思います。

ゆめみさんの持つ穏やかで優しげな物腰は予めプログラムされたものを規範としている様ですが、スリープ前にゆめみさんに優しくしてくれた館長さんたちからの影響も少なからず受けている様に思えました。

屑屋の青年については、初対面のゆめみさんに銃を向けたり、ゆめみさんの"イエナさんです"という言葉を聞いただけで、恐れ身構えたりするなど、※2数々の死線を潜り抜け、神経過敏になっているぴりぴりとした心情が見て取れました。荒廃した「封印都市」で生き残る為に身に付けた必然の反応だったのかも知れませんが、よく言えば警戒心が強く抜け目が無く、悪く言えば人を信用出来ず、怖がりである人の特徴であるとも言えます。ゆめみさんだけでなく彼の成長も同じく、温かな目で見守って行きたい気持ちになれました。いつかその険しい顔つきが、笑顔に変わる日が来る事を願いたい。

表題が暗示する美しいプラネタリウムの描写、朽ち果てた都市の残骸の描写、作中音楽として流れた、いつくしみふかき{netabare}と最終話の星めぐりの歌{/netabare}など、世界観の表現も儚くも美しく感じられ素晴らしかったです。

屑屋さんとゆめみさんと一緒に歩んだ短い旅の記憶は、一生忘れえぬ思い出となり、私の心に残り続けるでしょう。夜空の星を見上げる時、星の世界に想いをはせる時、泣いてしまいそうになる理由がまた一つふえてしまいました。

ゆめみさん、屑屋さん、ひと時の夢を見せてくれてありがとう。


※1:いわゆるジャンク屋の様なもの。荒廃した都市から使えるものを回収し売却する事を生業とするらしい。

※2:屑屋の青年、かなりの手練です。後半に登場するロボ、シオマネキの(恐らく)行動予測による先読み掃射を反転移動で何度も回避してました。臨機応変な思考の出来る人間相手や高速思考の出来るロボには通用しない回避方法ですが、この世界のロボの性能、行動パターンを熟知した上での戦い方に見えました。この場面から見出される様に、シオマネキの思考の柔軟性、反応速度が生身の人間のそれと比べて劣る部分もあるという所からも、本作に登場するロボたちが現代の延長上のロボである事、ゆめみさんとの共通点を感じさせます。

※:暗視ゴーグルを始めとする屑屋の青年の装備、風貌、メカのデザイン、荒廃した都市と雨、空っぽの二人の出会いなど、往年の名作ロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」を思わせました。でも本作「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」は活劇描写を極力廃し、屑屋とゆめみさん、二人の成長や歩み寄りを静かに描く作品の様です。Wiiゲーム「FRAGILE ~さよなら月の廃墟 ~」も思い出しました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 39

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

壊れているのは誰であったか? 壊れてしまったのは何であったか?

planetarian
プラネタリウム内で星空について解説を行う人を表す言葉
プラネタリウム解説員、星空解説者等とも称される。

ゲームが発売されてプレイした当時、私は初めてこの言葉とその意味を知りました。
一介のplanetarianであるほしのゆめみが願った事
その願いの行き着く先に何があるのか…
それが気になってしまった時点で、私はこのゲームの虜になっていたのでしょう。
物語を進める手が止まらず、最後に一息付いてしまう程、夢中で読んでいたあの時の事は未だに覚えています。

それから、満を持して配信された今作『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』
ゆめみちゃんが動いてる!!
屑屋に絵が付いてる!!
と、最初はファン的思考で存分に盛り上がったのですが、観ていく内にプレイした当時の感性が見事に甦って参りました。
1番危険なのはロボットに出会った時と肝に銘じていても、心動かされずにはいられない、屑屋の人間的心理
人間の忠実な僕として全うする事に生涯を捧げた、ほしのゆめみのロボット的心理
対極的な存在の1人と1機が出会って、心移りしていく人間といつもと変わらないロボットの対比が最初はとても悲しかった…
しかし、その感覚にコペルニクス的転回が生じるのは、話も中盤に差し掛かってからの事
ゆめみちゃんは決して変わらない。
こちらがどんなにその日その時の気分で相手にしても、彼女はいつも穏やかで心優しく、人間の為に尽くそうとしている。
変わらない存在と言うのは、確かに私達人間からするなら、「気味が悪い」「悲しい」等の気持ちに陥る事もあるかもしれません。
しかし、死んでしまいたいと思ってしまう程、嫌な事があっても、もう続けていられないと感じる程、苦しい事があっても…
花菱デパート屋上プラネタリウム館に行けば、必ずそこに彼女がいる…
決して変わる事のない、同様の明るい笑顔で私達を出迎えてくれる…
変わらない存在と言うのは、人間にとってはネガティブ要素も含んでいる物です。
しかし、同時にそれは、どこかホッと心安らぐ存在でもあるのではないでしょうか?
最終話のあのシーンで私はどこか、そんな感傷に陥ってしまいました。
彼女の「思い出」がたくさん詰まった振り返り描写
彼女が1人の人間のように感じられたあの描写
ゆめみちゃんの全てでは無いにせよ、送ってきた日々に触れ、そこで分かる、彼女のずっと変わっていない優しさの結果
それは人間に愛され、感謝される彼女の姿
あそこで嘘ではない、穢れていない「真の感情」が私に届いたのかもしれません。
大変、感無量と言える作品でした…

そして劇場版の『planetarian~星の人~』
この映画は総集編+αと言った感じで、総集編部分は配信アニメと異なった演出、作画こそ成されていながらも、ストーリー展開は実質同じ
既存映像7割、新規映像3割で構成された映画です。
新しい映像がそれだけと言う事に、行く気のしない人も、もしかしたらいるかもしれません。
しかし、断言します。
その3割の映像を観る為だけに、映画館へ赴く価値は十分にあると!!
近くにいてくれる誰かは現在、存在しない。
独りで世界中を旅し、世界の美しさを語ってきた星の人にとって、誰かと共に生きた思い出は大変貴重な物
孤独と向き合った彼の心の支えとなった唯一の物が、彼女との過去であり、約束だった。
ゆめみちゃんの様に「思い出」を記録する事なんて、人間には出来ない。
しかし、大切な記憶だけを取捨選択して留めておく事は出来る。
それが星の人にとっては彼女との「思い出」であり、「約束」だったのです。
誰かが傍にいるのが当たり前でない社会だからこそ、世界凶変で狂った世界だからこそ、それは前に進む原動力となる。
そして、その小さな力が1つの系譜を紡いでいく…
自分自身の為に、3人の子供達の為に、そして彼女の為にやった事が報われていった展開には終始、涙が止まりませんでした…
屑屋改め星屋の彼が贈る物語、とても心に沁み渡る物だったと感じます。

思えば、初めてこの作品に触れた時から約10年の月日が経ちました。
当時、アニメ化決定の朗報を聞いた時は嬉しく思うと同時に、ある1つの疑問が湧いてきた物です。
「何故、今更このマイナーな作品をアニメにするんだろう…?」
私の様なゲーム時代を知る物からしたらビッグニュースでしたが、あまりに驚きすぎてそういった不思議感覚で埋め尽くされるのも致し方ない事
確か、その時はアニメをやる球が無くなってきたからだろう…と言う、如何にもネガティブな理由で思考を中断したのです。
しかし、劇場版まで見終えてようやく「現在」「この時代だからこそ」アニメにした理由が分かりました。
作中で繰り広げられている世界は、私達が生きている世界の「現在」であり、「未来」なのですね……
現代世界に生きる私達も主人公である彼と同じ
今の私達は屑屋であり、星の人であり、planetarian(惑い人)なのかもしれません。

今作を振り返って観て、改めて私は思います。
本当に壊れているのは、誰なのか…
本当に壊れてしまったのは、何なのか…
自分でそう豪語するゆめみちゃんでしょうか?
汚い事をしていかないと生きていけないと語る屑屋でしょうか?
人類全体、ロボット全体、それとも作中の世界でしょうか?
もしかすると、誰も、何も壊れていないのかもしれません。
この『planetarian』と言う作品を見終わった方はそれぞれ、特有の想いがあるかと思います。
その想った事、考えた事をどうか、決して無駄にしないで欲しい。
過去の「思い出」として置いておくのではなく、星の人の様に現在まで続く「記憶」として生き続けて欲しい…
偉そうな事は言えない私が、観た方に贈るたった1つの「願い」です。
このアニメと映画、共に私の胸に永久に留まり続ける作品となるでしょう。

最高のアニメをありがとうございました…

PS.
映画館へ行ったならパンフレットは必須!!
また、ドラマCDを聴くか、小説版を読むかで詳しい描写、ゆめみちゃんのお仕事記録、教会にあったロボットの意味、そして星の人以降の話が楽しめます!!
興味のある方は是非…

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

63.9 6 SFアニメランキング6位
イリヤの空、UFOの夏(OVA)

2005年2月25日
★★★★☆ 3.5 (256)
1401人が棚に入れました
浅羽直之は園原中学校の二年生。
夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていたがUFOについては結局何の成果も得られなかったため、せめてもの思い出にと浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野と触れ合うが、すぐに伊里野の兄貴分と自称する謎の男が現れて、その夜はそれでお開きとなった。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出したのだった――。
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

気持ち悪い原作をアニメ化しても気持ち悪さは消えない。

原作は当時話題になっていたので読みましたが、
・ラノベ特有の自分に陶酔した文章およびタイトル。
・SF的背景をわざと説明不足にすることにより奥の深い感じを出そうとしているけど結構浅い(誰でも想像できる)設定
・主人公とヒロインの性格の気持ち悪さ
・表紙イラストで、イリヤの体のラインがくっきり出過ぎ。お尻の形が丸わかりのスカートとか、あり得ない。
など、どこを取っても中途半端かつ気持ち悪い作品でした。

まあそういう時代なので仕方がないのでしょうか。
この2年後に出た涼宮ハルヒは同じように謎設定のSFラノベなのに、浅さを感じさせないどころか作者のSFに対する造詣の深さがよく分かります。

で、アニメ。
原作のイメージをほぼ忠実に再現できていたので、原作が好きな人には満足できたのではないでしょうか。

イリヤの乗っている{netabare}戦闘機が動いているのを見て、普通の戦闘機とは違うからイリヤが特別なんだなと分かるようになったのは良かったと思います。しかし、学校で激しく動いただけで鼻血ブーのイリヤが、あの戦闘機の動きでかかる重力に耐えられるとは思えません。SFというつもりで作製したのであれば、体感重力を減じさせる方法とかの説明はして欲しかったです。{/netabare}


あと、この作品を著しく残念なものにしたと感じたところは、イリヤが{netabare}逃亡先の学校で襲われかけた後。

イリヤが「何にもされてない」と強調しますが、そもそもイリヤがその「何か」という行為を知っていたことに違和感がありました。性教育とか受けてなさそうで、男の子に会っただけで好きになったりするくらい無垢なのに、そういうことは知ってるんかい!とツッコミたくなりました。

そして浅羽の対応のクズっぷりが際立っており、後で謝って済むレベルでは絶対にないですね。それなのに後からイリヤがあっさり浅羽を受け入れているところも気持ち悪いし、浅羽が好きだと告白するのも、「あ、イリヤに許してもらえてる!こりゃワンチャンありやな」と体目当てに叫んでるっぽくて絶対に無理。{/netabare}
エピローグでも、 {netabare}イリヤが戻って来ないのに満ち足りた顔をしている浅羽が本当に気持ち悪いです。すぐにアキホと付き合いそう。{/netabare}

しかし、元々が中学生向けのちょっとエッチな淡い恋愛物語だと思うので、自分も中学生の時に読んでいたら名作と思ったでしょうね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世に言う【三大セカイ系作品】の一つ 良く言えば王道 悪く言えばアリガチ なSFラブストーリー

ゼロ年代が生み出した「セカイ系」と呼ばれるジャンルの一大ムーブメント

その代表作となる漫画「最終兵器彼女」、アニメ「ほしのこえ」
そしてラノベ代表がこの「イリヤの空、UFOの夏」


転校生の少女イリヤとUFOが目撃される空軍基地の謎を追う主人公


そしてイリヤとUFOに関わる秘密を知ってしまう主人公・・・


正直、なにか目新しいものを追ってこの作品を見るのであればオススメはしません
現代となっては原作の古さを隠しきれないし、特別に郡を抜いてクオリティが高いというわけでもない


その辺りを理解されたうえであくまで「セカイ系」の原点を追うという探究心を持った方だけ見ればいいと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひと夏の切ない恋物語でした^^;

この作品を視聴する前情報として「最終兵器彼女」に近い世界観を持った作品だと教えて貰いました^^
「最終兵器彼女」は、お気に入りの棚に入れているとても感動的・・・というか、私にとって完全な涙腺崩壊作品だったので、この作品の視聴をとても楽しみにしていて・・・ようやく視聴する事ができました^^

物語の舞台は、UFO出現の噂で有名な空軍基地のある園原。
主人公は園原中学に通う2年生の浅羽 直之(あさば なおゆき)。
彼は夏休みを通してUFOの研究をしていましたが、思ったような成果が得られませんでした^^;
夏休み最後の夜、思い出作りにと学校のプールに忍び込んだところ、見知らぬ女の子・・・ヒロインの伊里野 加奈(いりや かな)に出会い、夏休み明けに彼女が主人公と同じクラスに転入してきて・・・物語が動き始めます。

OVA全6話なので、視聴はあっという間でした^^
そして、「最終兵器彼女」に近い世界観についても納得でした^^
でも、私の作品の印象として「最終兵器彼女」はとにかく「悲しい」でしたが、この作品は「切ない」という感じを受けました。

主人公とヒロインの距離が近づく度に、彼女のちょっと不可解な行動だったり、良く鼻血をだしたりする理由が少しずつ明らかになっていくのですが、ゆっくり・・・だけど確実に「終焉」に向かっているんです・・・^^;

二人が決して望んでいる訳じゃありません・・・
けれど、方法が一つしかないとしたら・・・?
「受け入れる勇気の大切さ」を感じさせてくれる作品でした。
私だったら同じ選択肢を選べるか、正直自信がありませんけど・・・^^;

でも、もっと違う形で出会えたら間違いなく違ったエンディングが迎えられるのに・・・と思うと、二人に対する切なさが倍増してしまいました。^^;

物語は、綺麗に伏線を回収して終幕します・・・
でも内容から考えると、6話では尺が短かったように思います。もう少し、丁寧な説明や登場人物の心理を掘り下げて描写すると、より一層感動できる作品になっていたと思えただけに、少し勿体無かったような気がします・・・^^;
でも、全体的には良く纏まっている作品だと思いました^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

71.1 7 SFアニメランキング7位
マクロスプラス(OVA)

1994年8月25日
★★★★☆ 3.9 (246)
1370人が棚に入れました
2040年、人類の移民惑星エデンにあるニューエドワース基地では、統合宇宙軍の次期主力可変戦闘機の採用コンペティション「スーパー・ノヴァ計画」が行われていた。競合メーカー2社のテストパイロットは、かつて親友同士であったイサム・ダイソンとガルド・ゴア・ボーマン。幼馴染の二人は、7年前のある事件をきっかけに袂を分かっていた。そして二人は、偶然にも幼なじみの音楽プロデューサー、ミュン・ファン・ローンと再会し、彼女を巡る三角関係でも火花を散らす。しかしミュンは、絶大な人気を誇る人工知能のヴァーチャル・アイドル、「シャロン・アップル」の秘密に深く関わっていた。
ネタバレ

踏切太郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「伝説の5秒」が見れるのはこちらではなくMOVIE EDITIONの方

こちらのOVA版には「伝説の5秒」のシーンは無いのは事前に知っていたが、映画版とはストーリー構成も違うようなので視聴。
結果から言えば映画版を先に見た方が良かったかも知れない..

マクロスを知らない人がこれから観ても全く問題ない。
「ゼントラーディ」だけは事前に調べておいた方が良いかも...

1話目の原画に庵野秀明の名前がw
作画はセル画アニメの最高峰と言っても相応しい完成度だと思う。
1話がピークな気もするが、特に爆発シーンや煙の作画が素晴らしい。

ストーリーに関しては
{netabare} 最終話中盤までは身内の戦闘とドロドロ展開が続き、ラスボスも無人戦闘機だったので個人的には物足りなかった。
これは好みの問題だと思うけど...
ガルドの最期の戦闘シーンが少な過ぎたので新規カットが追加されている映画版から見ておけば良かった...w
歌姫がバーチャルなのは新鮮で良かったと思う。 {/netabare}

キャラに関しても
{netabare} 本命の相手がいても他の異性に靡いてしまうキャラが多いので、その部分好みが分かれそうなのがネックですね。
そのせいでキャラに感情移入も出来ず、個人的にガルドの死もアッサリし過ぎてて消化不良です...
イサムの自由奔放なキャラは結構好みです。{/netabare}

映画版の方はレンタルして観ようと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

空戦のみに価値があり

恋愛ストーリーはまったくおもしろくない。
音楽はすばらしい。とくにインフォメーションハイ。
電気の元メンバーだっけか。
菅野さんもいいけどまだまだ本気だしてない。一人じゃないし。

ただただ空戦だけがセルアニメ最強と呼ばれるデキ。
肝心の板野氏本人もプラス以上のものはかけないと。
数人でアメリカくんだりまでいって実際に乗せてもらってきたとか。空戦までやってもらってついでに何Gで気絶するか試したらしい。すげえ楽しそうだ。

そんなもんだからこれを観た人間はこれ以上の空戦が描けるのか、存在するのかまじめに考えちゃうよ・・・。

初音ミクのネタ元、母であり子孫というべきシャロンもなかなか独創的。
シャロン関係はネタとしては昔からあったものですが。あの筐体が当時未来を感じました。
それがどうしたことか・・こんな萌えて、こんなに早く初代のシャロンが現れるとは・・誰もが予想できなかったでしょう・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

初代マクロスより作りが丁寧な2期。OVAだからです。

初代マクロスの正統派2期です。
でも登場人物も、雰囲気も異なる別の作品です。

マクロスと言えば三角関係ですが、このアニメは特異で、女一人と男二人の三角関係です。

初代よりストーリーが作り込まれています。
また、バルキリーの動きがスムーズになっています。
特に、恋敵二人のガチの空中戦には迫力があります。

音楽的にも洗練されています。
菅野よう子さんのアニメデビューがこの作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

65.1 8 SFアニメランキング8位
FREEDOM フリーダム(OVA)

2006年11月17日
★★★★☆ 3.7 (268)
1334人が棚に入れました
23世紀、人類は月に移住していた。「科学技術の研究の自由」「地球の渡航への自由」が奪われた月共和国「EDEN」(エデン)では、高度の放射能によって地球文明は崩壊したと伝わっている。一方的に与えられる自由に不満を持つタケルは、本当の自由を求める中で、EDENがひた隠しにしていたある真実に触れてしまう。

che さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

大友 克洋ではありません。

日清カップヌードルのCMとしてできたアニメプロジェクト。
なので、そこらじゅうにカップヌードル出てきますw
王道的内容なので、見やすいし面白いですよ。
時間も短いし手軽に見れるので、休日にビール飲みながら見たらいいと思うw
OPアニメーションと宇多田ヒカルの「this is love」が印象的です、かなり好きですこのOP
特に宇多田ヒカルは好きじゃないんですが、宇多田ヒカルの曲のいくつかは、何故か「未来」を感じさせてくれますw
これは凄いな~と思います。
曲から未来を感じたのは、ジャミロクワイ以来ですw
ジャミロクワイの曲は今聴いても新しいと思うし。

これ、監督大友克弘じゃないんですよ、じつはw
初期設定だけで、あとはほかの人がやってるみたいです。
電通のせいで、大友さんは降板したそうですw
にもかかわらず、あたかも、この大友さんが作ったような作風、内容。
「AKIRAの大友克洋が作った」って看板が欲しかっただけですよね絶対。
電通ってホント駄目だよね~、キライです!
だからこの国の映画って面白くないんだよ(日本ででっかい映画を作るためには電通なしでは作れないので)、電通怠慢すぎるよ、金のことしか考えてねえ奴ばっかってイメージしかありません!
そういえば、NYのタイムズスクエアのカップヌードルの看板って年間いくらぐらい払ってるんでしょうね?
やっぱ、年間1億ぐらいするんですかね?気になりますw

追記、調べましたw、タイムズスクエアのカップヌードルの看板は、日清が撤退したのでもう無いようです。
とても残念です、あの看板があそこにある事が僕にとってのTSの象徴だったんですねえ、まあ仕方ないです、調べたところカップヌードルのあった看板の広告費は月額で日本円すると、おおよそ2000万~3500万だったようです、一億は言いすぎでしたwでも高いですね~、まあそれだけの価値がある場所ですけどね。
(タイムズスクエアのカップヌードルの看板があった場所は、電光掲示板時計がありニューイヤーカウントダウンの際は世界中のTV局がそこを映してカウントダウンするので、必ずその看板はアングルに入り全世界にアピールすることができるのです。)57へぇ


こういう人にオススメ

SFの人
カップヌードルの人
王道の人
AKIRAの人

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

エスペランさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

月→地球→月→地球、壮大な未来宇宙モノ!?

OVA7話として作られた作品。未来の発展した月と、衰退した地球のお話。両者がもう一方を滅亡したもののと思っていたが事実は・・・。主人公の楽天主義が非常に気持ちいい作品でした。最後の決断などもオッケー。あんまり深く考えず気楽に見れる作品となっています。(といっても政治の裏側的要素も扱っていますが。)
気になるのは特別協力の日清カップヌードル!いたるところで出てきて金(スポンサー)の力を思い出させ現実に引き戻されます。大友さんがキャラ&メカデザインですがメカはさすがですが(ビーグルなど燃えます)、ヒロインがねー、どうして一目惚れすんのかな的な。
歌は宇多田ヒカル「Tjis is love」歌詞がそぐうかどうかは別としていいかんじでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

自由を掴め

森田修平監督作品、
キャラクター&メカデザイン大友克洋。
1枚の写真から始まるSF冒険活劇。

西暦2105年、既に地球の文明は崩壊し、
唯一の生存圏として、
月面に大都市が建設されている。
人々は共和国EDENを宣言し、
都市は緩やかな拡張を続けていた。
{netabare}疑惑の始まりはタケルが見つけた1枚の写真。
地球は本当に死の惑星なのか!?{/netabare}
好奇心はやがてEDENの謎に迫り、
少年たちの運命は大きく動き始める。

日清カップヌードルの有名な、
コマーシャルフィルムが企画の始まりです。
当時大きな話題になりましたね。
疾走する宇多田ヒカルの楽曲に乗り、
大友克洋×バンドデシネ的オープニングは、
今のアニメを遥かに凌駕しています。
物語の完成度はそれほど高くはありませんが、
SF好きなら十分楽しめます。

月と地球、共に生きる。
新世代のフリーダム号はもう打ち上がったのだ。
僕らを希望ある未来へ導くのは、
「想像する力」だろう。
シンプルで美しい作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 44

70.5 9 SFアニメランキング9位
A.I.C.O. -Incarnation-(Webアニメ)

2018年4月1日
★★★★☆ 3.6 (238)
1033人が棚に入れました
2035年、近未来の日本。「人工生体」の研究中に起きた大事故“バースト”により、暴走した人工生命体“マター”が黒部峡谷一帯を侵蝕。 人類にとって希望の地と謳われた研究都市は、政府により立ち入りが禁じられた。 それから、2年後―。バーストで家族を失った15歳の橘アイコは、転校生の神崎雄哉から信じがたい事実を告げられる。それはアイコも知らなかった、自身の身体に隠された“秘密”だった。それを解く鍵は、バーストの中心地“プライマリーポイント”にあるという。アイコは、案内人の神崎雄哉と護衛部隊のダイバーたちと共に、封鎖されたエリアへの侵入を決意するが。人類の未来を背負う少年、少女が出会った時、明らかになる真実とは?

声優・キャラクター
白石晴香、小林裕介、古川慎、村田太志、名塚佳織、M・A・O、竹内良太、茅野愛衣、大川透、子安武人、田中敦子

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

主人公のサービスシーンがメインになってしまってる

見る前からちょっと嫌な気はしていたんだけど、まず話の大筋は割と単純である。
このアニメのメインのポイントはやたら無防備な天然系ヒロインがサービスシーン、胸や際どいパンチララインを常に見せてくるポイントだった。

なんでこんな環境でずっとセーラー服でいるねんって恐ろしい突っ込みどころは、他の微妙な点を萌えで補填しようとした考えでないかと邪推もしてしまう。

冒頭や設定自体は比較的面白いものの、ヒロインのヒラヒラした短いスカートのせいで終始物語に入り込めることは無かった。

また、男主人公も見てて疲れる性格をしている、変にラブコメしそうな種は撒いた上で男主人公は終始言葉と裏腹にコミュ障だし。
しかもその上で東のエデンの大杉君みたいなのがいるから猶更救えない。(※終始ヒロインに好きだ好きだと渾身のアタックをするものの全て受け流される二枚目キャラ)

ヒロインの正体を聞いた瞬間、凡そ彼の正体にも勘付く程度のよくある設定な為、ストイックな性格は仕方ないと序盤から納得して見れない事も無い。

とはいえ、最終回ギリギリまでこんな感じなので正直見てて疲れる。
彼のポジションでセカイ系をにおわせちゃ駄目だろ。

この二人は導入部から最後までセカイ系を参考にしたような関係だけど、実のところ接点があるようで考えてみると、お互いなんでもないから「え、えぇ…」で終る。


大量のアニオタをひっかけようと釣り餌を混ぜすぎてちょっとブレすぎたよね。

サブカル系としても大衆系としてもどっちつかずなこの物語は、サブカル初心者にオススメしやすいかもしれない。


因みに他の評価見てると難しいとか設定が丁寧で作り込まれてるとか書かれてるが、どっちも的外れな気がする。

エウレカ的手法で話が難しく感じるだけで、魔法が使える世界でアルテマを取りに鍵となる巫女をPTに連れて塔にを上るだけ様なレベル。
っつーか話の元ネタもエウレカか?

勿論アニメとしては、それだけじゃつまらないから、多少エッセンスはあるけど、今言った大筋大体完結してるのよ。
同じネトフリなら単純ながらもharmonyとかの方が余程ドキツイのでは。

次、作り込まれてるかどうかについて。

起源や仕組み、それに於ける影響が曖昧な設定を俺は敢えて魔法って呼んでるのだが(SFは硬派系に近づく程、実現や実存が考えられる設定になる。この設定は残念ながら都合よすぎて魔法レベル)、ただでさえその魔法の様な設定の話の中で、話の舞台設定はかなり限定されている。

個人的にはアニメ漫画にそこまで突き詰めて意味はないと俺も思ってはいるが、都合の良い舞台にしかカメラを回さず、こんな極大天変地異の上で、国民や政府、他国にこれだけ都合の良いムーブをさせた話が作り込まれてる訳ないだろう。(非難してる訳ではなく)
っつーかギロチンカッターなんかに及んでは、製作者が手動にする訳がないとかアホでもわかるし。(あった方が演出的に面白いので評価している。設定の作り込みに大きく反してるが、あった方が良い)
あまつさえエウレカの癖をそのまま引き継いでしまったのか、ご都合の塊、セカイ系もどきというトドメ。

因みにここでもさっき引き合いに出したharmonyの方が細かく設定練ってる。
面白いかどうかは全く別だが、こっちの方が面白いと思うならばこのアニメの良い部分は設定の練りや物語の難解さは全く的外れって事。


セカイ系っぽくてアクションがかっこよくて女の子がエロ可愛くて、なんか人の生き死が近い戦場っぽい雰囲気があって、そういうの見るのが好きな人の琴線に触れやすいという事だ。


ここまで一見に馬鹿にしてるようだけど雰囲気のあるSFアクションとして俺は大いに楽しんだ。

比較的面白い部類だけど、それでも純粋なアニメ好きでないならば、残念ながら時間を割いて見る価値のあるアニメではない。
トイレとか電車でさくっと楽しめるように漫画にして欲しいな。


最後にもう一度言うけど、設定を理解とか理解できないとかじゃなくて、破綻してるのよ。
別にアニメだから良いんだけどね。極端に評価低い人はそれを重んじてるんだからそれに反論しようとこのアニメは練られてるとか適当なべた褒めして馬鹿晒すのは辞めてほんと。

名作映画、キューブのガバガバ設定を思い出せ!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

黒部に大量

オリジナルアニメ NETFLIXのお下がり


ネトフリオリジナルを地上波で!ってパターン増えてますね。コロナ関係あるのかしら。全12話。
舞台は近未来2035年の日本。とある生体研究の成果物が暴走した後、あたり一帯封鎖されて早数年。
事態の解決に向けてその研究所を目指すことになるわけですが、人工生命体『マター』があたり一帯を侵食しており人間の侵入を阻みます。なかなかのサバイバルですね。そして明らかになってくる謎。

サスペンス・ミステリ色が強めのシリアス仕立て。キャラ原案:鳴子ハナハル氏ということで見た目は推して知るべし。面白かったです。ただ先に文句だけは言っとく。

■シリアスを削ぐもの①
{netabare}危険いっぱいの侵入作戦でボディスーツとか着てるわけですよ。で途中のチェックポイントで一休みする度に{netabare}なぜか“セーラー服”。{/netabare}
そんなに鳴子氏に気を遣わなくてもいいのに。いや視聴者サービスせんでもいいのに。バランスとるために♂に詰襟の学生服着させて笑いを獲りにいかなくても良かったのに、と残念でした。{/netabare}

■シリアスを削ぐもの② ※作品中盤のネタバレ
{netabare}詰襟が逆効果だったと思うのが、この主人公くんのクールで冷静沈着風設定でしょう。後にわかる諸事情のため、高校生らしからぬ佇まいを醸し出す神崎雄哉(CV小林裕介)クンその人です。そしてこの彼。顔色一つ変えず行動がへんちくりんだったりシリアスものにあるまじきブレブレさ。

どう考えても危険な作戦を課されるパーティメンバーにそれくらい言っとけよなリスクを伝えずに窮地に陥るある種の自傷行為。道中ばれてそこを質されると「バーストを収束させる為だ!(キリッ)」。いちおう前後関係あることなんですけど…回答になってません。しかしまわりはなんとなく納得してる。{/netabare}

これ、シリアスもので一番見たくない「キメたつもりがなんかギャグみたいになってますよ」パティーンです。興を削ぎますなぁ。

{netabare}そういったちぐはぐなのがいい感じで詰め合わせになってたのが第8話。
先述のリスク周知しとけよシーンもこの回。仲間が死んで悲しさのあまり嗚咽してと声優さんも演技素晴らしかったりするのですがいかんせん抗戦中。伏して泣くとか思いっきり仲間の足を引っ張ってます。これ戦い終わってからやれよと誰も突っ込まない優しい世界。{/netabare}

真面目な作風で心の機微に疎い作品は大きくマイナスです。おそらく嫌気さす方もいると思いますよ。


それでは一転して残りは褒めます。
目的の研究所のあるエリアは黒部峡谷内。場所的に黒部第四ダムに近接してるところ。ダムにピンとこない方も聞いたことあろうフレーズ“立山黒部アルペンルート”。そう風光明美な場所が舞台でロケハンがしっかりしてました。景色が綺麗。本社がご近所だし富山のP.A.Worksさんだったら面白いなと思いましたが制作はBONESです。
この景色をうまく活かしたのがEDですね。毎話飛ばさずクールダウンに利用してました。OPはTRUEさん。作品世界をうまく表したアニメーション。珍しくOPED飛ばさず堪能しておりました。

自然の美しさと対極にあるのは人工物の美しさ。黒部に点在する複数のダムは壮観です。その最奥に鎮座する第四ダムは壮観通り越して人間ってスゲーなと感動しますよ。難工事+ダムで検索すると真っ先に挙がってくるであろう黒部第四ダム(通称“くろよん”)。完成までに171人の殉職者を出した難工事でプロジェクトXにも取り上げられました。資材運搬のためのトンネル掘削も軟弱地盤やら破水帯やら困難がこれでもかと。なんでそこまでしてやるのか?

 関西の電力事情が逼迫

してたから。停電上等な大阪圏で安定した電力供給は至上命題。時代も時代ですから、戦争で死んでった者達のためにも/あいつらの想いに較べたら、と使命感に燃えてたわけです。石原裕次郎と三船敏郎とが組んだ映画『黒部の太陽』は大ヒットしました。


奇しくも“だいよん”にとある目的をもって向かう本作の主人公らパーティの苦難と“だいよん”に資材を運ぶためのトンネルを掘る漢達の物語が重なります。
『七人の侍』と『荒野の七人』の関係みたいなもんかしら。


なお、あれだけ足を引っ張る要素から視聴モチベーションを保てたのはどこかしら黒部にまつわる現実の物語と被るものがあったことが理由。それに加えてヒロイン橘アイコ(CV白石晴香)の熱演も。『ゴールデンカムイ』アシリパ役でも感じましたが抑えめトーンの時の白石さんはヤバいですね。
そんなこんなで最終12話まで完走。明かされる謎は納得感や驚きのあるもの。終わらせ方も良かったと思います。期待してなかったわりには前のめりで視聴できました。掘り出し物・良作です。



※ネタバレ所感

■南原顕子(CV田中敦子)

人工生体汚染災害対策庁(CAAC)対策局の局長。ブルゾンちえみをしゅっとしたような感じの役人です。

{netabare}すごい複雑な気分にさせられるお役人さん。
エリア内の人口生体“マター”をどう捉えるか南原と中央とで開きがありました。キーポジションのキャラなこともあり作品としては彼女サイドに寄ってます。どういう二項対立か?

【対マターへの態度】 

 偉い人:安全保障上の脅威
 南原:富を生み出す金の卵

チェックポイントは複数あるダム。第四ダムを起点に“マター”は増殖しながら下流にまで浸食してきて、最後の壁(ダム)を突破されて日本海へと流出してしまえば世界規模でのハザードへと発展してしまう局面です。とっとと駆逐する。“結晶化”壊死させる技術もあるにはあるが、殲滅できるか確証がない。むしろ逆に“活性化”させてさらなるハザード範囲の拡大にならんとも限らない。
要は決め手にかける状態。となると事態は膠着するものです。一方で“マター”は最先端技術の徒花のようなもんで研究開発用のサンプルを大量に保有しているとも考えられる。科学技術発展のアドバンテージを日本が有していると固く信じているのが南原の立場です。

 安全保障 VS 経済

迷うことなく前者なはずですが、南原は思いっきり後者に軸足を置いた行動をとります。またそれがかっこよく見えるんだな、これが(笑)
この二項対立の結末はエンタメらしく両者取りでしたが、安全保障を重視するお偉いさんの影がとーっても薄かったのが気になりました。{/netabare}

{netabare}安全保障軽視の風潮。根拠なく自分は大丈夫!ってクセがついてないか怖くなりますね。
決断遅くて逃げ遅れたりしませんように…{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.29 初稿
2021.06.19 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 41

nozzynozzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

あれれ?何かが間違ってる

Netflixがバックについてる?作品なので、ちょっと過剰に期待したのが間違いでした。鳴子ハナハルがキャラ原案、監督は村田和也ということから、翠星のガルガンティアの鉄壁の布陣を期待していたのですが、ちょっとあれれ?という感じです。BONESさんがこれらの布陣を生かせなかったのでしょうかね...
 キャラは鳴子ハナハルのはずなのに、結果はなぜか古臭い作画になってしまってました。話は終盤あたりの伏線回収にて説明不足でわけがわからず、かといって途中の展開もほとんど同じような展開が繰り返されて飽きがきてしまうという状況でした。また、いろいろ工夫したストーリーのはずなのに、見終ってみると何故かチープな話になってしまっていたという印象です。音楽も同じような音楽をくりかえし使われていて、このアニメってなんとなく「正解するカド」の匂いがすると思ったら...これまた監督一緒でしたね。
 動画はぬるぬる動くのでこれは良かったです。
 全体を通して人に勧められるか?と言われると...ちょっと微妙かなー。素材はバッチりなはずなのに、何かが間違ってしまって、なぜこうなった?という印象です。次は頑張れ!Netflix!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

66.8 10 SFアニメランキング10位
青の6号(OVA)

1998年10月25日
★★★★☆ 3.5 (184)
995人が棚に入れました
近未来。地球の人口は膨れ上がり、環境は劣悪を極めていた。世界各国は人類最後のフロンティア=「海」に希望を求め、新たな世界を築こうとしていた。そのために設立されたのが、会場及び海中の安全を守る超国家組織「青」。各国は協力して自国の潜水艦を「青」に派遣することになった。日本の自衛隊から「青」に送られた潜水艦も6号艦として「青」の任務に就くことになった。しかし、そんな折、海洋開発のリーダーでもある天才科学者ゾーンダイクが突然反旗を翻し、凶悪なテロで世界を恐怖に陥れる。海洋テロ結社を築き、人類殲滅を宣言したゾーンダイクの野望とは?ゾーンダイク率いるキメラ兵器たちと、それを阻止せんと立ち上がる「青」の潜水艦隊。人類の存亡を賭けた戦いの火蓋が、今、切って落とされた!
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

花と銃と知性を携える それが平和への道しるべ

原作はなんと、1967年の連載だったそうだ。
思えば、戦後まだ20年程だったからこその物語だったと言える。

舞台は劣悪な環境を極める近未来。
海へと希望を見出した人類は、新たな世界を築こうとしていたが、
海洋開発のリーダーであり天才科学者ゾーン・ダイクが反旗を翻し、
世界を恐怖に陥れる・・・そんな冒頭から始まるお話。

まず、アップテンポの音楽が小気味良い。
特に気に入ったのが、YUKARIEが歌うEDの『みなそこに眠れ』
しっとりした雰囲気と囁くようなヴォーカルが、人魚を連想させる。
タイトルも面白いよね・・「皆 そこに眠れ」なのか「水底に眠れ」なのか
きっとどっちもなんだろう?なんてクスッと笑える。

そして潜水艦をはじめとする3DCGIがとても美しい。
海面なんて実写かと思うほどリアルで、リアル以上に光沢が綺麗。
艦内の赤、海中のさまざまな青、蒼、碧、藍の濃淡。
また静の間合いと、動の迫力ある戦闘シーンのバランスがいい。
そのほか、幽霊船や高速艇の凝ったデザイン、
巨大な鯨のような生体兵器ムスカなども、独特の世界を作り上げている。

人類の未来をかけた青の作戦に、一躍買うのが主人公の速水。
{netabare}
敵側であるミュータントを助けたことも、後々彼を助けることになり
その事実からまたさらに、奥深く広がっていく展開。{/netabare}
原作をご存知の方からは、不満の声もあるようだが、
全4話と短いながら、なかなか見応えある作品だったと思う。

ゾーン・ダイクやムスカ、速水の言葉がとても深く考えさせられ、印象的。
{netabare}
「なぜ 私たちに知性を与えたのか」

これは、知性があればお互いの言葉が理解できるじゃないかという
深い思いから投げかけられた一言に違いない。

「陸を歩くもの、海を行くもの、対立する2つの殺し合い。
 だが、未来を変えるのは俺達次第だ」

「言葉を交わせ。まず会話をしろ。言葉がわかるのだから」

「俺達は 互いに理解しあえる隣人だ」

「いつも海では、助けられてばかりだ」 {/netabare}

これらはどれも、隣人を助け、助けられるという揶揄。
知性を持ち、言葉を交わし、理解し合い助け合う。それこそが平和。
これが、この作品の一番のテーマなんだと思う。

取っ組み合いのケンカ程度で済んだ両者の憤りの後、
速水がつぶやいたセリフも、すごくいい。

{netabare}
「今までいろんな場所で戦い、人を手に掛けてきた。だけど
 明るいところで正面から対話して闘った。初めてだった」 {/netabare}

戦闘モノかと思って観た作品だったけれど、実はいかに戦争などせずに
どう平和であるべきか・・ということがテーマだった。

ラスト近くで、すごく心に残ったのは、
黄色い花と銃と書物が、地面に並べられていた映像。
花を愛でるやさしい心、大切なものを守るためにある銃、
そして知性の象徴である書物。これらがおそらく、
平和のための3種の神器ということを言いたいのかもしれない。
観て本当に良かった!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49

あーるぐれい さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

みなそこに眠れ。

人為的な環境変動で荒廃した未来を舞台に、
人類と狂科学者と、彼が作り出したミュータント達を巡る物語。
全4話構成なので、設定やストーリー展開を描ききれていない部分があるのが残念なところです。

一番の魅力はフルCGで描かれた潜水艦戦でしょう。
近未来的デザインの『青の6号:りゅうおう』と、高速艇グランパス、
『幽霊船:ナガトワンダー』、鯨のような生体兵器ムスカなどなど、
作りこまれたCG潜水艦が、水没したビル街で、南極の氷の下で、
ぐりぐり動くバトルシーンは素直にカッコイイ。

EDの「みなそこに眠れ」は、色っぽいヴォーカルにサックスとパーカッション、ベースが絡み合うアダルトな名曲。ぜひ聴いてみて下さい♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

GONZOの名を世に知らしめた名作

観始める前はSF・艦隊と聞き、ハードボイルドで哲学要素があり、社会に問いかける攻殻機動隊のようなイメージを連想していたのですが、小難しい話はなく、抽象的な世界を徐々に明らかにしていき最後に大きなテーマを抱えて待ち構えている構成で見ごたえがありました。

映像に関しては、1998年の作品と言うことですが、デジタル制作なので映像が観やすく、絵柄も落ち着いた感じなので古さは全然感じませんでした。
それどころか、優秀なアニメーターさんたちが携わっていることもあり、話数が進むにつれてどんどん迫力のある映像になっています。
今見ても見ごたえのある映像になっているかと思います。


物語
前述したように、抽象的な世界から始まり徐々に情勢が明らかになっていくので1話はよくわかりません。
2話は状況説明が主となります。
丁寧に世界を構築したおかげで3話4話の惹き込みはすごいです。
難しい話になりそうだったのでメモを取りながら視聴していたのですがいつの間にかメモを取ることを忘れていましたw

1話BLUES
あらすじ
戦いに飽きて隠遁生活を送る身勝手な主人公速水は、戦艦"青の6号"の乗組員である紀之真弓を助け操舵手に復帰する。そして久々の出撃で人類の敵である半獣達の一人、赤い目のミーティオを助けたのだった。

タイトルBLUESは憂鬱な気持ちを歌で表現する突飛なメロディの曲です。
ということは、キャラが憂鬱な気分に浸っていたということでしょう。
まずはヒロインの紀之真弓。青の6号の命令で速水を探しに来ましたが、身勝手な彼の態度はさぞかし憂鬱になったことでしょう。
次に主人公の速水、戦いに飽きたというそぶりでしたが、出撃時には前へ出るなど、案外隠遁生活にも退屈していたのかもしれませんね。

もちろんEDや挿入歌のブルース?ジャズ?な音楽にも注目です。

2話PILOTS
あらすじ
{netabare}基地に戻った青の艦隊たち。そこで行われたミーティングにより切り札として核爆弾を使うことが提案される。
その後速水は基地内で敵につかまり獣人に改造されてしまった昔の仲間と遭遇する。敵への復讐心を強めた彼は命令を反し一人で出撃、あえなく撃沈される。{/netabare}

1話では殆ど良くわからなかった敵の全貌、見方の内情が分かります。
タイトルのPILOTS、複数形ですから意味は
操舵手、艦長、種火、案内棒辺りが入るかなあと思います。
タイトルが物語にしっかりと食い込んでいるのがすごいです。

3話HEARTS
{netabare}あらすじ
撃沈された小型機から脱出した彼を助けたのは、以前助けたミーティオだった。速水はミーティオや巨型の人工生物ムスカと接するうち、獣人を作り戦を始めたユング・ゾーンダイクの真意を確かめたくなる。

HEARTSの意図について
最初はミーティオの恋心だけかなあと思っていたのですが、観ているうちに紀之真弓の恋心と、ゾーンダイクの心の内と言う意味でも使われているかもしれません。

海と陸それぞれのヒロインと共の立場から観てきた速水はいったいどんな結論を出すのか楽しみです~
ミーティオは魚を加えて速水に差し出すシーンが可愛いですね

それから、速水が海では助けられてばかりだということを繰り返し言っていましたが、振り返ると結構助けたシーンも多いです。ここは共生というテーマにもつながっているのかもしれません
{/netabare}

4話MINASOKO
{netabare}あらすじ
青の艦隊はいよいよ切り札の使用に乗り込む。
しかし、切り札を使ってしまえば敵だけでなく見方も巻き込んでしまう。そこで戻った速水はユング・ゾーンダイクの元へ赴き、真意を確かめたうえで実行してほしいと青の6号の艦長に頼み込む。
見方の援助のおかげで無事ゾーンダイクの元へたどり着いた速水は争いでは何も解決しないと悟り、ゾーンダイクからも希望を託され、青の艦隊に停戦を求める。
そして、獣人側の指揮をとっていたベルグと話し合いをして敵側も収めたのだった。

MINASOKO
水底に沈んだ銃が哀愁を漂わせています。
そして敵は人間を憎んでもゾーンダイクが帰ることはないと悟り、落胆して海の中へ消えました。
悲嘆にくれるベルグと速水への恋心を抑えベルグと共に海へ戻ったミーティオちゃんが気がかりですね。
戦いは終わっても共存は実現していないテーマの深さが浮き彫りになりました。{/netabare}


作画
1話ずつ制作しているみたいなので、最初はOVA初のデジタルアニメで手探りという感じだった作画が、話数を追うごとにグレードアップしていくのが目に見えて面白いです。

中でも一番の成長を感じたのはエフェクトでした。

1話の爆発はゲームの一マスに生えた草みたいで面白い形をしていたのですが、2話3話とナチュラルになり、形も変えてきているので話毎に見比べるのが面白かったです。

水の描写はかなり綺麗でした。場所によってはCGを使われているところと、手書きにエフェクトをかけたところがあったのかな?
1話の廃ビルから見下ろした水の景色がとても綺麗でした。

動きはCG手書き共に良かったですね。
CGでは2話の小型船が水面を滑走するシーン、迫力がありました。
手書きでは、ベルグがはやみんに殴り掛かるシーン、迫力があります。
ゾーンダイクがシャツのボタンをはずすシーン
それからベルグが沈んだ後、はやみんが「イーストセブンからイリアンジャヤ、何人も手にかけてきた、だけど、だけど初めてだったんだ。明るいところで、正面から」フッと笑いながら震えるシーン、そんなはやみんを紀之真弓がそっと抱きしめるシーン芸が細かいです。

音楽
主題歌の「みなそこに眠れ」
ジャズ?ブルース?な独特なテンポと色気のあるウィスパーボイスがいい味を出しています。
戦闘BGMも基本的にこんな感じです。
ピンチなシーンでもアップテンポな曲が流れるので、やや緊迫感にかけますが、カウボーイビバップでも同じような使われ方をしていますし、そういうテイストが楽しめる方は同様に楽しめると思います。


正直こんなに楽しめる作品だとは思っていませんでした。
あにこれの評価も賛否両論ありましたし。
残念なところはなくはないけれど、それ以上に良さが詰まった作品だと思います。
不朽の名作との呼び声の高さは妥当ではないでしょうか。

全4話、1話辺り30分ほどのアニメですので、是非見てみて下さい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

61.0 11 SFアニメランキング11位
ペイル・コクーン(OVA)

2006年1月18日
★★★★☆ 3.5 (187)
839人が棚に入れました
アニメーション監督吉浦康裕の個人制作作品。舞台は遙か未来の地球で、世界は姿を大きく変えていた。どこまでも続く廃墟の世界。海や大地はすでになく、風景は廃墟から発掘される記録の中で見られるだけだった。それら記録を発掘・復元し、過去の世界を分析する""記録発掘局""。そこで働く主人公のウラはあるとき奇妙な映像記録を復元するのだった……。個人制作のレベルを超えたクオリティ、SF的な世界観などよく作り込まれている。膨大な記録をブラウジングするインターフェイスなど、見るべきところはストーリー以外にも豊富。また、背景を手書きと3DCGの混合で行うおもしろい手法から生まれた独特のタッチにも吉浦康裕の味が出ている。

にゃんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

~復元~

吉浦康裕監督が「イヴの時間」の3年前(2005年)に発表した23分の個人制作作品。


人が住めない環境になってしまった地球。その過去に想いをはせる、未来に生きる主人公のお話。
環境破壊された地球と未来に生きる人類をテーマとしたストーリーは、決して新しいものではないかもしれない。
しかし、その表現方法は素晴らしかった。


視聴を始めてから数分間で、世界設定や登場人物達の状況を感じ取れた。
短いセリフと看板やエレベーターのカット、現在と過去の色使いの対比から、それらを容易に想像することができたからだ。


「ペイル・コクーン」=「青白い繭(まゆ)」。
この題名の意味と、作中で何度か繰り返される「復元中」と「復元完」。
映像記録内の螺旋階段。主人公がのぼる階段と落とす所持品。
そしてラストシーンでは・・・。


23分の短編作品だが、映画1本分を視聴した後のような余韻が残った。
もちろん、しっかりしたメッセージが込められている。
2回視聴したが、まだまだ全部拾いきれていない気がする・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「イヴの時間」の吉浦監督が手がけた切ないミライ

「イヴの時間」でおなじみの吉浦康裕監督、脚本、制作。
2005年に公開された約23分のアニメーション作品。

歴史という名の記憶が、どこかで途絶えた・・
そんな言葉から始まるこの作品。
舞台は今現在よりずっとずっと遥か未来で。

色合いは限りなくモノクロに近い、極力彩度を抑えたセピア調。
エコノミー症候群になりそうな窮屈さを感じさせる仕事場で、
主人公がみつめているのは、2000年の頃の地球上の風景。
周囲の色彩が沈んでいるせいもあり、その風景の色は眩しく、哀しいほどに鮮やか。

記録発掘局 復元課。
これらの画像から復元するのが彼の仕事。
記録の残骸、過去をさかのぼる唯一の手がかり。
そこにあるのは、太陽光がまださえぎられていない頃の記録。

記憶や記録を探りつつ下層へと行く彼の姿や
最下層には海と呼ばれ多くの人間達がしがみついているエリアが
あるということに、海と人間との因果を感じずにはいられない。

変わらないで欲しいと思うから記録を残すのだとしたら、
変わってしまった今、それはあまりにむなしくて。
たとえそれが遥か太古の風景だったとしても、
写し撮った時の、人の想いは真実そのもの。

緑色の世界があったこと。 青い地球があったこと。
それを壊してしまった人間の愚かさを、これ以上見たくない。

そんなむなしさに、復元課の人間がどんどん減ったという事実。
その事実は、今現在の人間である自分からすると嬉しくもあり、
そんな未来がこの先あるとしたら・・なんて考えると
やはり彼らと同じように虚しくて。

後半で流れる歌 『蒼い繭』(あおいたまご)
とても穏やかで素敵なメロディなのだけれど、
蒼い地球を詠ったその歌詞は、とてもせつなかった。
もし、地球が繭になるようなことがあったら、
ぜひいつかまた、再生して欲しいものだ。

余韻の残るラストも、とても考えさせられ、
きっと何度か繰り返し観ると、さらにいろんなことに気づけそうな作品です

投稿 : 2024/12/21
♥ : 48
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

皆さんはなぜレビューを書いていますか?

23分ほどのショートアニメです。

…歴史が途絶えるほどの未来。
人間は機械に囲まれた無機質で寂しげな世界に住んでいた。

漫画家の弐瓶勉を彷彿とさせる世界観ですね。
こういう超未来的な雰囲気は大好きです。

CGで作られた美麗なグラフィックや、人の目線を通したようなカメラワークが光ります。


ストーリー展開も素晴らしい。

記録発掘局に所属する主人公の「ウラ」
過去の記録を解析するのが仕事。
しかし、わかるのは、歴史の断片のみ。

昔は、多くの人が過去の記録を解析しようとしていたが、今ではほとんどいなくなっていた。
それでも記録の分析にこだわり続けるウラ。

人はなぜ記録を取るのか、人はなぜ記録を見ようとするのか…。
{netabare}「"人は、変わらないで欲しいって思うことがあるから、それを記録に残す"んだって」{/netabare}

果たしてそうなのか?
今こうして、「レビューという記録」を書いている自分に対しても問いかけたくなりました。

そして、ウラがたどり着いた真実とは…。
タイトルにこめられた意味が明かされたときには、鳥肌が立ちました。
{netabare}
同僚が言った「場所なんてどうでもいいんじゃないか?」というセリフから、とっくにストーリーは動き出していたんですね。
{/netabare}
視聴者を一気に引き込む世界観。
美しいグラフィックや、意味のある演出。
考え出すと止まらなくなる、哲学的なテーマ性。
伏線やミスリードもしっかり盛り込んだ、無駄のないストーリー。

私の好みにジャストミートです。
本当に充実した23分間でした。

さて、「皆さんはなぜレビューを書いていますか?」

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

72.7 12 SFアニメランキング12位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (144)
621人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

攻殻ブランドの凋落ぶりよ….。

攻殻といえば、言わずとしれた名作SF刑事アニメ!。特にテレビ版1期は、その知性と深みといい、大人な味わいと渋さといい、キャラの魅力にエンタメも備わった歴史的な傑作と言っても過言ではあるまい。


そんなブランド力溢れる作品だが、ソリッドソテイトを最後に神山監督の手を離れてから正直凋落していった感があった。アライズは沖方さんがやると聞いた時は歓喜したもんだなぁ…(遠い目)。しかし、ついに神山監督の手に戻って、お馴染みのメンバーで再アニメ化と聞いて、これは真打ち登場か!と期待せざるをえなかったが…。


ゆ、緩い…。色んな意味でゆるゆる…。ストーリー構成、新キャラ、各話の緊張感、全てが緩い…(藩さんは好きだが、このキャラは攻殻にはねぇだろ)。かつてのメンバーが揃ってるのはファンとしては嬉しいが、テレビ1期から色々進歩したはずなのに肝心の脚本や演出が緩いし温い…。


テーマは興味深い面があるえけど、それ以前になんだこのハリウッドアクション映画的な微妙なノリは…。キャラもなんか違う…。


これはかつてヒットを飛ばした漫画家が、その後に色々やったけどかつてのような成功はなくて、結局凄い久々にかつてのヒット作の続編とかをやってる感じ。この人の中にはもう彼等はいないんだなぁ…というガッカリ感。


まだ話は続くから最終結論ではないが、これなら1期の「タチコマの家出」を見直したほうが有意義。あっちのほうが15年近く前なのに、進んだ内容かつ見事な上手さがあった。攻殻1期のレビューは後で書きます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

NO NOISE、NO LIFE

神山健治&荒牧伸志監督、
士郎正宗原作の傑作サイバーパンク。

2042年、米帝、中国など、
主要先進国はお互いに利益を享受する、
持続可能な戦争を模索していた。
世界はサスティナブルウォーと揶揄される、
産業としての戦争をスタートさせた。
経済行為としての戦争の始まり、
サスティナブル、現代を象徴する言葉である。

結論を先に言おう、強烈に面白い。

顔の表情などに違和感が残るも、
初回で慣れれば、むしろ身体の動きや、
背景・戦闘描写など情報量に圧倒される。
フラットに批評すれば悪くはない。

こうなると攻殻の独断場である。
SACシリーズは物語の強度が群を抜いている。
飛び交う攻殻言語に電脳が零れ落ちそうだ。

相対する相手が魅力的なのも変わらない。
{netabare}ポストヒューマンが描くであろう、
過剰な正義と平穏で静寂な世界では、
どれ程の地平が待っているのか!?
事件の行く末を見逃してはいけない。{/netabare}

ビッグブラザーの登場が待ち遠しい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 44

えれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

批判の前に。

レビューとは言えないかもしれないけど早めに書いときます。
CG批判、新キャラ批判だとか初心者向けだとか...
ちょっと待って欲しい。神山監督と荒牧監督のインタビューまず読みましたか?
CGは神山作品の適正だから、新キャラは若者に媚びたとでも思ってもらえばいい、未来予測というアプローチをやめようというのがあったetc...
皆さんの疑問には既にヒントが出てますよ。
CGはキャラこそ変ですが、ネット会議シーンなど複数人が集うシチュエーションで効果的だったと思いますよ。背景も悪く無かったです。4話辺りから夜の縁側がちらほら写りますが、SAC1話の時の夜の縁側と見比べてみてください。

SACの強みっていかに作品が高尚なのかばかり語られますけど、まず士郎正宗の原作から「面白く」作り上げた事も重要で、伝わる物を先ず作っているというプロの匙加減は妙だとは思いませんかね。そもそも攻殻という散々やってきたタイトルですしどこまで期待してたかにもよるとは思いますが。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

67.1 13 SFアニメランキング13位
ぼくの地球を守って[ぼくたま](OVA)

1993年4月1日
★★★★☆ 3.7 (100)
575人が棚に入れました
少女たちの間でひそかな前世ブームを呼んだ人気少女漫画をOVAにしたもの。東京の高校に転入してきた少女・坂口亜梨子(ありす)は、知り合ったふたりの少年が同じ内容の夢を見ているということを聞かされた。彼らは夢の中では別の名を名乗り、月の基地から地球を見守っているらしい。しばらくして、亜梨子もまたふたりの語った世界に自分がいる夢を見る。それは三人の前世を示しているのか……、他の仲間もまた転生しているかもという可能性を探るため、雑誌の投稿コーナーで呼び掛けることに。一方で、亜梨子の隣に住む悪ガキ・輪は転落事故に遭って以降、超能力を用いて暗躍を開始する。
ネタバレ

聖剣 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お贅沢な販促ビデオアニメ(OhVA)

偶然というか、たまたま出会って
こんなに面白い作品があるんだぁ!?って
ちょっとした衝撃を受けたのが最初の印象

それは
視聴当時まだ夏休みの膨大な時間を持て余しても許される年頃で
何の気なしにつけたTVに映っていたのがこの作品
一緒に見ていた妹もハマって
二人で結託して親を説得し
原作のマンガを買ってもらったのを記憶している

今思えば
なぜ原作購入まで至ったのか覚えていないが
Wikipediaの情報と当時の微かな記憶を辿って類推すると
全話放送したと思われるOVAの中途半端さを
「まだ続きがあるはずッ!なぜ放送されないッ!!」という思い込みから
その欲求を補完するためにマンガ購入という手段に至ったのだろう
つまり
物足りなかったんだろうな、たぶん
だって、あの時一度見たっきりだからなぁ
OVAは原作をどこまで描いているのか改めて見直してみようか


少しだけ書き足しておくと
{netabare}この作品に出会えたときは、本当に衝撃的で
「こりゃスゴい!」って思った当時の自分が誇らしく思っている
今見れば、ごくありふれた異能バトルなんだけど
当時はまだ珍しい部類だったのもあるから
この感覚は、残念だけどたぶん共有できないんだろうなぁ

前世とか輪廻という切り口も斬新だったんだ
ただ、ちょっと調べると
オカルト界じゃ「前世の仲間捜し」は当時ちょっとしたブームみたいで
その分野に通じていれば珍しい話題ではなかったようだね
「月の裏側」ってのもUFO陰謀論の定番のネタみたいだし。
そう知ってしまうと少しガッカリしてしまう
だけど自分が受けたインパクトが揺らぐことはない!
これが
原作の連載時期がちょっとズレていれば
コックリさんやツチノコ、口裂け女になったり
人面犬やUMAになっていたんだろうか?
また、今と違って情報が簡単に得られる時代じゃないから
情報元はおそらくオカルト雑誌『ムー』
原作者が『ムー』を目を皿のようにしてネタ探ししてたと想像すると
ちょっと愉快だ

加えて
作中の描写は、よく時代を捉えていて
ちょっと今見ると時代錯誤なところも多い
例えば
待ち合わせ場所に目印となる物を持って相手を探し出すだなんて…

雑誌を介して出会うことが実際にあったようだ
それこそ、
文通相手やバンドメンバーの募集みたいな内容で
名前から住所まで個人情報垂れ流し状態の雑誌が
本屋で購入可能だったなんて
今の10代20代の人にはきっと理解できないだろう

あと、Wikiにあるオカルトブームの後押しが
思っている以上に影響を及ぼしていたと見込んでおこう
自分はその末期を知っている程度だが
心霊や超能力、UFOネタを扱うTV特番が定期的に放送されていた
それも夜の7時台のゴールデンタイムにだ。
でも
1995年を期に半強制的に終焉となる
それは地下鉄サリン事件から始まるオウムの一連の事件が発覚したから
TV局はオウムをオカルトネタの賑やかしとして
軽率に扱った負い目があって一斉にこのジャンルから手を引いたのだ

オウム事件の全貌は他を参照してもらうとして、
教団の拡大していった要因にオカルトブームが一役買ってしまった
オウム信者の多くは当時20代の若者が多く
ちょっとした現実逃避やお遊び程度の集まりが
暴走し行き着く先があの事件だったのだ
つまり
作中のあの「集まり」と、きっかけは大差ない事に気付く
それが理解できると、
妙なリアリティが出てきてちょっと怖い


あと細かいとこだと、
制作が設立してそれほど経っていないProduction I.Gだとか
EDテーマに菅野よう子の名前があったりとか、
スタッフ欄もなかなか感慨深い


ついでに
原作まで読了した人向けに
{netabare}モクレンのキャラクター設定にちょっとビックリしたが
結果的に原作者のセンスの良さを感じる点だと思っている

最後の輪の姿には、腐女子の願望そのものが体現しているので
嫌悪感が否めないが、大団円に味噌をつけたくないので
歯を食いしばって我慢しよう{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

sho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

見るごと理解が深まる作品

視聴1回目
 あまり意味が分からずただ毎回気になって見ていました。

視聴2回目
 なんとなく意味が分かってきました。

原作読破1回目
 アニメの続きなども見ることができ、
 更に解釈が深まりました。

視聴4回目
 原作を読んだので、
 色々な事が見えてきました。

原作読破2回目
 自分自身の心が成長したのか、
 色々考えるとこがあり涙が止まりませんでした。

視聴5回目
 またまた涙が止まりませんでした。


まとめると、
何回か見ないと理解できない作品ということです。

見る毎に本当に新しい発見ができるので、
ぜひアニメ見て、原作見て、アニメ見るというとこまで
して欲しい作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

前世にまつわる人間たちが示す未来への道標。

もう20年以上も前の作品だというのに全く色褪せないものだと思いました。
名作は時代を超えて評価されるということを実感します。



主人公の坂口亜梨子(さかぐちありす)は、隣に住む少年・小林輪を誤ってマンションのベランダから突き落としてしまう。

そのことを切っ掛けに前世の記憶が甦り能力に目覚めた輪や、

同じ夢を共有し合っているというクラスメイトの小椋迅八(おぐらじんぱち)と錦織一成(にしきおりいっせい)らと出会い、

彼女は前世を共有するという人間たちの因縁に巻き込まれていく・・・・
というのがあらすじです。



見る前は前世を共有するなんてロマンチックだなあなんて思っていたら、そんなに甘いお話でもなくてけっこうショックでした。

彼女たちが前世暮らしていた月面基地の人間関係は愛憎に包まれていて、決してメルヘンではなく複雑なものでした。


もちろんその複雑な関係は現世でも無関係ではなく、お互いの前世を知ってしまった時から再び苦悩に包まれるのです。


前世と現世と来世。この全てが相互に作用しあう様が非常に巧く描かれていると思いました。


ただ、このアニメ決してBL作品ではないのですがナチュラルにそういった描写を盛り込んでくるので苦手な方はご注意ください。

自分はそういう気はないのですが、なんだかあまりにも美しいので危うく目覚めそうになりました(笑)



こういったミステリアスなテーマに合った映像、そして音楽のレベルが非常に高く、視聴者を作品の世界に引き込みドップリと浸らせるだけの魅力が詰まっています。


EDテーマの「時の記憶」。
この曲は皆さんが触れているように菅野よう子さん作曲によるものですが、本当に見事の一言。

歌っている方の歌声はもちろん、間奏などから感じる壮大な表現力は聴いていて鳥肌が立ちました。



ただ、やはり6話だけでは上手くまとまっているとは言い難いです。
最終話である6話は特に、これを見ても話の帰結を理解できるとは思えません。


登場人物の出番の比率に偏りがある所も残念ではあります。

前述の小椋くん・錦織くんはまだいい方で、前世で関係する国生桜(こくしょうさくら)や土橋大介はほとんど描かれていません。


あと最大の難点は、この作品は輪くんと亜梨子が話の核になっているのに肝心の亜梨子がおざなりになってしまっている所でしょうか。

もっと亜梨子ちゃんが他人と交流する場面や覚醒する様子をアニメで見てみたかったと思います。



その分アニメでクローズアップされていた笠間晴彦くんはお気に入りのキャラになりました。

晴彦役の山口勝平さんはらんまや新一のように活発なキャラを担当することが多いだけに、晴彦のようなか弱い美青年を演じていること自体新鮮でした。

でもこういった繊細なキャラでこそ光る勝平さんの魅力に気づかされ、
また晴彦というキャラ自体がもつ力強さと儚さに魅かれました。


あと彼の知り合いの薬師丸未来路(やくしまるみくろ)くんも二枚目でクールな所がカッコイイと思います。
無愛想に見えて人間味溢れた性格がギャップで良いです。声優さんが関俊彦さんなのも個人的に有り難い。



サクっと見られるライトな作品でなく、深く雰囲気に引き込まれるような作品を求めている方には、正にうってつけのアニメだと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

64.4 14 SFアニメランキング14位
7SEEDS(Webアニメ)

2019年6月28日
★★★★☆ 3.1 (146)
521人が棚に入れました
少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画「7SEEDS計画」の話だった。彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。

声優・キャラクター
東山奈央、福山潤、小西克幸、沢海陽子、阿澄佳奈、石田彰、悠木碧、井上和彦、浅野まゆみ、三宅健太、加隈亜衣、石川界人、小松未可子、阪口大助、星野貴紀、津田健次郎、佐々木望、野島健児、桑島法子、小野賢章、櫻井孝宏、千菅春香、嶋村侑、寺島拓篤、佐藤拓也、皆川純子、菅原正志、速水奨、興津和幸、寿美菜子

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

これはアニメではございません

これは『7SEEDS』のアニメではなく、ただの質の悪いダイジェスト映像です。
原作未読でこれから見るという人がいるのであれば、知っておいて欲しいポイントが2点。

・原作15巻までの内容
  アニメを漫画巻数で換算したことがある人は分かると思いますが、1クールに詰めるには明らかに異様な量です。
  異様さを表すために例を出しますと、『ちはやふる』は2クールで9巻分でした。
  『7SEEDS』は心理描写が主なので、3~4巻くらいでも詰め込んだ印象が出そうなところをまさかの15巻分。驚愕です。

・最大の売りの欠如
  前述の通り、キャラクターの心理描写が最大の売りになるはずの作品です。
  そこが全くと言っていいほどに描かれていません。
  最早詰め込んだというより、根こそぎ削り落としたと言っていいレベル。
  過程が大事な作品で、過程を切り離して結果だけを示しています。開いた口が塞がりません。

これだけを見て『7SEEDS』という作品に対する評価を下すのは絶対に止めた方がいいです。
原作は深く心に刺さる作品で、名作と言っても過言ではありません。
興味があるなら原作を読んで下さい。
好き嫌いを語るのはそれからでも遅くないはず。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

超期待したコールドスリープ後の原始世界サバイバル

原作は全巻持ってます。
それほど惹かれた作品。
ついに来たか!という感じ。
我慢しきれず、「観たい」時点でレビュー書き込みをしてしまいました。
ようやくNETFLIXで視聴しましたが・・

まず、放送開始が予定より遅れただけあって、
まあ、作画というか動画がイマイチ。
キャラデザも微妙だし、
走って行ってるのに身体の大きさがあまり変わらなかったり、
水に浮いている人の身体と水面の線が波打っておらず立体感もない一直線だったり、人によっては作画崩壊と評するかも。

ストーリーは長い話をよくまとめたとは思うけど
なんか悲壮感とか臨場感とか伝わって来ない。

個人的にはCVもちょっとミスマッチ感あり。
{netabare}
主人公のcvは好きな声優さんだしこの役への思い入れがあったことも知ってますがちょっと花のイメージではなかったかな。あくまで個人的な感覚ですが。
{/netabare}
是非とも2期を、制作会社を変えてやって欲しい。
十二国記もそうだけど、原作が売れてるとアニメ制作に金をかけたくなくなるものなんでしょうか・・ちょっと残念。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これ、原作少女漫画だったんですか!?

この作品の原作は未読です。
Netflixによる独占配信…こういうオリジナル作品を視聴できるのがNetflixの旨味だと思います。
完走してwikiをチラ見した際に知ったのですが、原作漫画は「別冊少女コミック」→「月刊フラワーズ」で掲載されていたんだそうです。
キャラの線も細くないし、内容的にも少女漫画に掲載されていた作品とは思いもよりませんでした。


累計1600マン部超(デジタル含む)
田村由美原作、近未来サバイバルSFストーリー

少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。
突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蝉丸、牡丹と共に島へと辿り着く。

その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、
狂暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活への放り込まれる。

そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。

それは、【~禁則事項~】「7SEEDS計画」の話だった。
彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。

「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

物語は、この作品の主人公である岩清水 ナツの所属する夏のBチームの物語から始まります。
各チームに随行してくれるガイドから当面の目的は教えて貰えるものの、最初は何もかもが手探りでした。

物語が進むにつれ分かってくるのは、チーム構成に関する以下の3点。
・チームは春夏秋冬それぞれに分散配置されている
・夏だけAとBの2チーム存在する
・それぞれのチームには最初8名ずつ所属する

ですが、ここでの生活を始めるタイミングはチームによってバラバラだったんです。
中には数年以上の違いがあるケースもあったり…
つまり、チームによって情報量、経験に大きな差があるということです。
こういう場合、情報量の多さが役立つのは常套…
ですが、彼らを待ち受けていたのはそんな生易しい世界ではなかったのです。
知る事は判断材料を増やすでもありますが、同時に諦めることにも直結しているんです。

夏Bチームは衣食住が保存されている目的地の一つに辿り着きます。
そこに本拠地を作り安定な生活の基盤を作って根付くのも一つの生き方だと思います。
でも、人にはどうしても譲れない矜持があります。
自分の故郷がどうなったかを確認したいと夏Bチームの青田 嵐が言いだした一言がきっかけとなり、夏Bチームは2つに分かれて…物語が動いていきます。

実は、この物語が一気に面白くなってくるのはここからなんです。
他のチームだってこの世界で一生懸命生きているんです。
様々な願いや思いを持つのは誰だって一緒…
そんな全てのチームの動きが分かるように群像劇的に物語が描き出されるからです。

最初は一本調子の物語だとばかり思っていたので、この展開は嬉しい誤算でした。
夏Bチームのメンバーには一戦級の声優陣が配置されています。
主人公のナツに奈央ぼう、それにあすみんや碧ちゃんとこれだけでも私の耳は大喜びです。

ですが、春チーム…正確には春チームの主人公である日笠さん演じる末黒野 花が登場してきてから、一気に物語の厚みが増しただけでなく、面白さが加速度的に増した気がしました。

この花のキャラが格別なんです。「父親にサバイバル技術を教え込まれた前向きな少女。」と公式HPのキャラ紹介欄には記載がありましたが、分け隔て無い優しさと悪いことを悪いとハッキリ言える芯の強さを持ち合わせているんです。
彼女の良さはそれだけじゃありません。
一度目標を決めたら絶対に折れないんです。どんなに苦しくても前進を選択するんです。

「暁のヨナ」のヨナや、「それでも世界は美しい」のニケが頭の中で被っていました。
勿論、人間だから強さと弱さを併せ持っていて当然です。
でも自分以外のためにどんな危険も顧みず身を挺することのできる私の尊敬すべきキャラがまた一人増えた気がします。
そんな彼女の廻りには、彼女を応援したいという人間が集まってくるのも自然なことなんだと思います。

こうして物語は一喜一憂しながら進んでいきます。
驚愕な事実が明るみになって愕然としたこともありました。
どんなに経験を重ねても天災には勝てない…身の危険を感じたこともありました。
世の中の理不尽に対する解釈は一つじゃないことを教えて貰いました。
勇気と知恵と…ほんのちょっとの幸運がこの物語を支えていたと言っても過言ではないでしょう。

これからだと思っていたのに…
どうしてあの場面で終わっちゃうかな~
原作が全35巻の一大巨編だから、続編の区切りを考えるとここで切るのがベストだったの?
これで終わったら完全な消化不良になってしまいます。
でもその位続編を楽しみにできる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、天月-あまつき-さんの「Ark」
エンディングテーマは、majikoさんの「WISH」

1クール全12話の物語でした。
Netflixのオリジナル作品は続編の作られるケースが多いので、この作品の続編も期待しています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

67.5 15 SFアニメランキング15位
ヨコハマ買い出し紀行(OVA)

1998年3月1日
★★★★☆ 3.7 (110)
481人が棚に入れました
 講談社「月刊アフタヌーン」に連載され、四季賞、星雲賞など数多くの賞を受賞した芦奈野ひとしの同名コミックスが原作。98年に制作され、好評だった前作を受け、新たにスタッフを一新しストーリーを再構築した本作。エッセイのような語り口でノスタルジー漂う独自の世界観を描く。喫茶店のオーナーは、カフェ・アルファをロボットのアルファに任せてどこかへ旅立ってしまった。お店を経営しながらオーナーの帰りを待っていたアルファだが、ある夏にやってきた台風によりお店は大破。アルファはカフェ再建の資金を稼ぐため、ちょっと長めの旅に出ることにした……。声の出演は椎名へきる、陶山章央、寺山幹夫、中川亜紀子ほか。
ネタバレ

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

衰退する世界と文明の斜陽、その日暮れ時。終焉にある美しさが垣間見せる静けさとのんびりした時間を描いた作品。

栄枯盛衰の言葉通り、経済が衰退して力が失われているヨコハマ。国家は日本というものではなく、都道府県の呼び名であったものが国という形式で語られている。例としてカマクラも1つの国として数えられる。
道路は海からの潮で削られ崩落。水位の上昇により街は海に沈み、夜には誰のためにあるでもない街灯が水中で幻想的な灯りを燈し、水の中に住む人たちが建てたかのような街並が見る者の眼下に広がる。
子供が大人になったころには陸が海に飲まれてしまうので風景が一変するのだ。住んでいた人にとって、日を追うごとに見慣れたはずの景色も変わっていく。
ヨコハマは田舎となっていた。そこにはいつ人が来るかもわからないガソリンスタンドで、のんびりと生活しているおじさんの姿が。
近くで釣りができるほどひと気のない、葦が生い茂る草原の中に、白塗りのペンキで塗られた米風の一軒家があり、玄関にはカフェ・アルファの看板が掛けられている。
カフェ・アルファの「ロボットの人」、女性であるアルファさんは、オーナーである初瀬野さんを待ちつつ経営している。
コーヒーの半分くらいは自分で飲みながら。
近所には二人しかいない子供がアルファさんに顔をあわせるためにやってくる。近所の人たちは皆常連。半年ぶりに来ようが、一年ぶりに来ようが、たいていは常連だ。
知られているヨコハマの喧騒とは遠い、静けさとのんびりとした時間が流れている。
そんなアルファさんは、コーヒー豆が品切れする時、隣の国へと買い出しに向かうのである。バイクに乗って行くアルファさんにとっては、ちょっとした旅行だ。
それがヨコハマ買い出し紀行というわけだ。

世界観について(原作の設定部分も紹介として記載)
アルファさんは、「ロボット」というより、「ロボットの人」という形容が正しい。そこに住む人達も、他のロボットの人たちが会社で働いていようとも、物扱いするようなことはない。アルファさんの友人となるココネに対しても、恋心を抱く店員さんや、一緒に食事にでかけるOLなどもいる。アルファさん自身も、食べ物に苦手があったり、お酒が入ると陽気に踊ったり。
素朴な人たちの温かさや、ゆったりと流れていく時間がこの物語にはある。
攻殻機動隊の概念を持ち出せば、一体残らずロボットにゴーストがある世界であるし、なまじ人間よりある意味人間臭さがある。





今回、思い切り感想で。
{netabare}
原作漫画とアニメを比較検討することはあったにしても、アニメ作品は1つの作品として位置づけられるべきであるし、独立した評価にしなければ原作とアニメの評価ではなく、混同してしまうことになる。
作品の位置づけとしてよくあるのが、アニメ化される時、原作とは異なったコンセプトを位置づけて制作する監督がおり、賛否両論という形になる。よくすれば、リスペクトしつつも新しい視野を取り入れた作品ということができるし、悪くいえば、改悪した不出来な二次創作と評価することもできる。
今作品は、ベクトルとしては原作に忠実だという印象を受けた。つまり、原作を忠実にアニメ化しようとして制作されている。
にも関わらず、原作のようにヒットし、続編がどんどん作られていくことがなかった。つまり、原作は購入者側に受け入れられたが、アニメはそうでなかったということになる。
同じベクトルであり、同じ思想で作られている。では何が明暗を分けたのか。
音楽はARIAと同じ人たちが演奏してくれているし、(CDも購入)作りもかなり忠実に再現してくれている。
癒し系の音楽という意味では、何かがはずれていたのかもしれない。原因がいまひとつはっきりしないのだ。
自分は漫画はおろか、ポストカードやアニメまで購入したほどのヨコハマ好きなのだが、ひょっとすると声優さんがあっていなかったのだろうか。
IG辺りで、きちっと作り直してくれないだろうかな。
演出家の人も、原作が嫌いか好きかでいえば、好きだと思う。
原作を読んでいない人たちだけなら、ちょっと流石に売れない作りになってしまった。
歯軋りするほど残念だ。
原作の漫画を一式そろえることを是非お勧めしたい。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1日中 コーヒーと向き合っていられる贅沢

芦奈野ひとしによる漫画作品を原作として制作された全2話のOVA作品。
「ヨコハマ買出し紀行」というタイトルとパッケージの絵から
横浜をショッピングする女の子のお話かと思ったら、まったく違っていた(笑)
でも嬉しかったのは音楽がGONTITIだったこと。
横浜の風景によく似合っていた。

主人公はアルファという少女型のロボット。
オーナーが彼女にカフェを任せたまま、長い外出をしているという設定。

午後から夕方にかけて変化していく空の淡い色合い。
やがて赤みが増し、紫色のグラデーションから徐々に深い青へと変わる夕刻。
住居らしい住居がほとんど見当たらない景色は静まり返り、
時間が止まっているわけではないけれど、
何かの時間が止まっているような、そんな感覚。

江ノ島を遠くに見る場所だから、鎌倉、湘南あたりだと思うのだが
キラキラと輝く波の音、カモメやトンビの鳴き声を少し遠くに聞きながら
ゆったり、まったりとした時間を過ごすアルファの暮らし。
ただそれだけなら、よくある癒しの風景なのだけれど、
アルファが意外なものを携帯していることと、
中型以上のビルの高層階が水面から飛び出している、という風景は異様。
何があったのだろう?って感じで引き込まれていくが
この作品では多くを語ることなく緊迫感もなく、ただひたすらのんびりしている。
水底から浮かび上がる美しい夜景や、誰にも使われなくなった歩行者用信号機が
水面から顔を出して点滅しているのが見えたりすると、なんだか切ない。

人々が行き交うような街の光景もなく、だけど彼女は孤独に見えず、
ただただぼんやりとコーヒーを半日かけて淹れ、
夜になるまでコーヒーカップを目の前にして、物思いにふけっている。

日々、忙しいとこんな時間が欲しくなったりもするけれど、
さすがに毎日続くとなると、普通は退屈になっていくのが人間で。
充実しているように見えるアルファの贅沢な時間を見ていると、
ほんの少しだけ羨ましく、でもやっぱり自分は忙しいほうが
性に合ってるなと思ったりする。

とにかく、細かな風景の描写は本当に美しかった。
空だけでなく、風の強弱、雷雨、部屋に差し込む光の筋や
コーヒー豆の香ばしい香りがしてきそうな時間の流れとか。

ついクセで、いろいろ深読みしそうになってしまうが、
「今、この時間に情報は必要ない。この風景をゆっくり眺めよう?」
そう囁いているような作品だった。
のんびりしたい時に観るにはいいが、忙しい人が観るとイラッとくるかも。
少なくとも、原作を知らないのでそうとしか受け取れなかった。

観る人によっては眠くなると思うので、お休み前にオススメ。
あ、でもそれやると電源消し忘れるかもです(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 34

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

てろてろの時間を味わう癒し系アニメ

原作はアフタヌーンの漫画

癒し系アニメといえばこれ
どうやら原作ファンにはどうも評判がよろしくないようで。
原作をパラパラっと読んだことがある程度なので、比較は少し難しいのですが
このアニメは単体でも非常に良いアニメで、
癒し系アニメと思われるジャンルでは一番好きなアニメです。

ストーリーはまぁ無いに等しい、完全なる雰囲気アニメだが
ヒーリングビデオをみる感覚で見れば至高のアニメ。
窓から差し込む光、海面に浮かぶ街灯。滅び行く世界の美学。
軍艦島の廃墟の美学と似たような感覚がありますね・・・

しかし悲壮感といったものはなく、穏やかでとてもゆっくりした時間を味わえる
その幻想的な独特の世界観は本当に素晴らしいし、演出も非常に良かった
静寂な空気のなかで、ぽつりぽつりと主人公とつぶやく様も実に良い!
ほのぼの系や日常系が少々苦手な私でも随分と楽しめた希少なアニメです。

『ヨコハマ買い出し紀行-Quiet Country Cafe-』という続編がありますが
全然タッチが違うので、これもまた違う楽しみ方が出来るかも知れない
ただ個人的には98年版のこちらのアニメの方が確実に良いと思えました
この辺は個人の趣向の違いもかなり出てくると思われます。

何にせよ、癒し系アニメが好きな人ならオススメ出来る良作。
その空気感を味わいつつ、コーヒーでも飲みながら見てはいかがかと。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

67.3 16 SFアニメランキング16位
ULTRAMAN(Webアニメ)

2019年4月1日
★★★★☆ 3.4 (107)
375人が棚に入れました
かつてこの世界には〈光の巨人〉と呼ばれる存在がいた。やがて〈光の巨人〉はその役目を終え、遠い宇宙にある自らの故郷へと帰還し、同化していた地球人はそれまでの記憶を失うことで自らの在るべき場所へと戻っていった。ウルトラマンの存在は過去のモノとなり、科学特捜隊日本支部もその役割を終えて、光の巨人記念館へとその姿を変えていた。早田進次郎は多感な思春期を過ごす高校生。だが彼は、自分が驚異的な跳躍力や頑丈な肉体といった人間離れした“普通"ではない力を持っていることを自覚していた。そんなある日、進次郎は父・早田進が、かつてウルトラマンであったことを知る。そしてウルトラマン無き地球に暗躍する宇宙人たちの存在も。進次郎は、秘匿組織として健在する科学特捜隊の井手によって開発されたウルトラマンスーツを着用できる数少ない適合者だった。「単刀直入に言おう――キミにウルトラマンになってもらいたい」

声優・キャラクター
木村良平、江口拓也、潘めぐみ、田中秀幸、諸星すみれ、魚建、牛山茂、竹内良太、花輪英司、関戸博一、津田健次郎、白石稔、曽世海司
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ウルトラ作戦第一号

神山健治&荒巻伸志監督作品、
IG×SOLA DIGITAL ARTS制作。

来たるべき新時代の我らがウルトラマン、
今再び「光の巨人」の降臨が求められている。

地球の平和を守り続けた光の巨人は、
その役目を終えM78星雲に帰還する。
世界の紛争は、無くならないまでも、
人々は恒常の平和を、享受している。
科学特捜隊の面々も数十年時代を重ねたようだ。
お馴染みのハヤタ隊員の息子が主人公である。

どの時代にもウルトラマンがいる。
私たちの完全無欠なヒーローである。
この導入部(序盤展開)には興味が尽きない。
{netabare}エド(ゼットン星人)がほんとに素晴らしい。{/netabare}

しかしながら指摘せざるを得ない弱点もあり、
{netabare}ウルトラマンというよりギャバンに近い(^^;
あの特撮、変身バンクが無いのが残念である。
物語の緊張感は中盤以降、持続せず、
多種族(星人)の登場や謎を呼ぶ仕掛けで、
魅かれはするも傑作には至らず残念でした。{/netabare}

ただカラータイマーは鳴り響いている、
ジェットビートル1号発進命令の時が近い。
これからも時代はヒーローを必要とするのでしょう。

シュワッ!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 44

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これは続編前提作品?・・ですよね。。

※漫画版未読です。
まずCGの質量感・高精細感・躍動感・光の美しさ・等々・・に驚かされました!!。
CGの技術は格段に進歩していってるのですね・・。

自分は特撮作品としてのウルトラマンシリーズは
少しふれたことがある程度で、特に思い入れはありません。

結論から言うと
個人的に本作は非常に素晴らしい作品だったと思います♪。
コミックスも気になり、とりあえず序盤の数巻買ってしまいました^^(デジタルで)。

ただ、今回のアニメ化全13話・・というのは
どういう経緯で全13話ってなってるんだろう・・。漫画版はまだ続いてるのかな?。
・・まあでもあの終わり方で、物語ENDはありえないので
これは続編前提作品?・・ですよね。
続編があると仮定した上で本作を高評価します♪。


・・ただ、本編に関しては
ストーリー進行上、いくつか納得できない点もありました。

戦闘シーンは、正直言ってご都合展開ですよね・・><。
普通だったら、即死で終わりなシーンも
「うわあああ」で、延々延命してます・・。
ハイ、ありえないですね。でもそこが表現の限界なのでしょう。
でも、わかった上で受け入れられる範囲です。

モロボシ姓・・・。
普段の日常生活ではあまり出会う機会のない姓ですが、
諸星あたる、本作の声の人・諸星すみれさん。
うーん、なくはないですね。
諸星すみれさんは、神撃のバハムート2期?で印象に残っていたので
本作もいいキャスティングだったと思います!。

あと、裏切りキャラなのかいい人キャラなのか
いろいろ後付けされそうな今後が予想されてしまう複数のキャラの正体だとか
・・まあ、それはいいんですけど
そうするんだったらせめて全13話の中で何か匂わせてほしかった。

アニメ版だけではいろいろモヤモヤしてしまうので
原作漫画を、とりあえず今進んでるところまで読んでみたくなりました。

自分は本家のウルトラマンシリーズにはあまり詳しくないのですが
こういう解釈・展開もアリだと思います!。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

俺たちが、ウルトラマンだ

この作品は、あのウルトラマンのフル3DCGアニメです。
グリッドマンがアニメ化された時も驚きましたが、これにはホントにビックリです。
円谷プロの看板作品でこれまで特撮にこだわってきたウルトラマンが、アニメ化されたのですから…

でもウルトラマンの設定が大きく異なっていました。
まず、今回登場するウルトラマンはM78星雲光の国から来る訳ではありません。
物語の舞台は、ウルトラマンが異星人の侵略から地球を守り、使命を終えて地球を去ってから40年後の世界…
そして40年の年月をかけて人類は繁栄の時代を築き上げてきました。

ですが、それは表向きの平和でしかなかったのです。

かつてウルトラマンと同化していた科学特捜隊の早田進は還暦を迎え、今では一人の息子を持つおじいちゃん…
早田進の一人息子である早田進次郎は、生まれながらに特殊な力を秘めていました。
進次郎が高校生になった頃…これまでの平和を揺るがす一大事が起きたのです。

考えてみると、その事件が全てのきっかけでした。
突然謎の敵に襲われた進次郎を助けたのは父である早田進…
早田進は自分がウルトラマンだと告白し、ウルトラマンスーツを纏って進次郎を守ろうとします。
ですが、還暦を過ぎた人間がウルトラマン本来の力を引き出せるはずもなく、あっという間に劣勢に…
父親が傷付いていくのを目の当たりにして、子どもの心が動かないはずがありません。
進次郎もウルトラマンスーツを身に纏い、何とか謎の敵を撤退させることに成功するのですが…

これがこの物語の序章…
進次郎は進に代わる「新たなウルトラマン」になることを要請されるのでした。
これまで秘密裡にしてきた異星人の襲撃から地球を守るため…
こうして進次郎の物語が動いていきます。

生まれながらに秘めた特殊な力…
このフレーズだけ見ると魅惑の塊のようです。
だって、誰もが一度憧れた能力なんですから…

一睡もしなくても疲れを知らない身体…
自宅と行きたい場所とを瞬間的に繋いでくれる能力…
一度覚えたら絶対に忘れない記憶…
こんな能力があったら良かったのに…なんて考えたり?

でも、自分の能力に見合った責任や使命が課せられるのも世の常ですが、進次郎に任せるのは時期尚早だったのかもしれません。
そもそも自分の能力に見合った責任や使命って、高校生に理解できるかと考えると正直難しいと思います。
だって、その頃って自分の事だけで精一杯だから…

能力が高いからウルトラマンを要請される
ウルトラマンは正義の見方だから、悪い敵から地球や人々を守らなくちゃいけない
正義の味方は守るのが当たり前…
そこに落ち度があったら徹底的に責められる…
正義の味方に自ら志願した訳じゃないにも関わらずです。

だから、この作品は進次郎の成長を見守る物語…
彼の正義の貫き方…悪くなかったと思います。

進次郎の事が気になる女の子…すみれちゃん演じる人気急上昇中のアイドル 佐山レナの存在は大きかったです。
地球外生命体とは全く無縁の彼女が、どうして進次郎と知り合い騒動に巻き込まれていくのか…
彼女の出生に関する時期的な矛盾はありましたが、すみれちゃんの熱演に圧倒され気付いたのは後からでした。
物語が面白ければ、結果オーライという事なんでしょう。

現代に蘇ったウルトラマン…フル3DCGの旨味を全てつぎ込んで作られた作品は、往年の名作とはまた違ったテイストが感じられました。
ウルトラマンスーツを身に纏った彼らの格好良さは半端ありませんでしたよ。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、OLDCODEXさんの「Sight Over The Battle」

クール全13話の物語でした。
毎週の視聴が溜まっていますが、面白くて思わず一気見しちゃいました。
物語としても中途半端なところで終わっているので、続編制作前提なんだろうなぁ…なんて考えています。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

67.6 17 SFアニメランキング17位
魔法使いTai!(OVA)

1996年5月25日
★★★★☆ 3.7 (43)
276人が棚に入れました
ある日、謎の巨大物体ツリガネが地球に飛来、各国の軍隊が攻撃を加えるも効果は無く、ツリガネは何をするわけでもなく地球に居座ることに。そこで都立北野橋高校の高倉武男が率いる魔法クラブが立ち上がった。

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

佐藤順一監督といえばこれ!一番好きなんだけどヘン?

毎回かわいい女子高生がブルマで鉄棒跨いで股間を押し付け苦悶する、ケツが痛い?そこケツじゃねえだろ・・。それを舐めまわすカメラ・・そんなアニメです。

たまゆら?ARIA?癒されるとか、とてもそんなこといってらんねえよw
1996年~、深夜アニメ登場前夜、OVA全盛時代の最後を飾ってくれた作品かもしれません。

佐藤順一監督、コンテだけあって、東映じゃないのに、東映作品にしかみえませんw作監の方も同じなので絵や演技はセラムンの時代すね・・といいつつ、コメディなので作品のかをりがきんぎょ→どれみちゃんという流れを感じる気がします。


ヘンタイアニメに見られてはいけないので一応ちゃんとセールスポイントを・・

魔法クラブなる部活で起こるラブコメ。
セラムンではなし崩しでなってしまった女子高生魔法少女が最初から成立してます。いまではけっこうありますが、レギュレーション違反?完全な大友向けってことなんでしょうけど。
さくらで有名な私服、コスプレ魔法少女 変身はしません。バンクもないです。パケのコスは効果があって多少の大それた力を発揮できるようではあるのですが・・恥ずかしいのであまり着ません。
魔法は才能に左右されても誰でも使えるようです、でも存在はひみつにしなきゃいけない。
男の子2名の魔法使いが登場します。男2女3の構成、非常に変わってます。
しかも子安さんの油壷先輩・・バイ?設定・・。
前述の通りラブコメなんですが、まじめにその設定がお話に絡んでくるのが、もうネタにしかみえない・・。

で、冒頭の鉄棒ですが、箒に乗る練習なんです、でもほかの人たち、ケツがいたくなるので胡坐だったり、横向きでのるんです・・・無情です。考えた人はヘンタイです。まぁバランス感覚の練習してるってことで手を打ちましょう。

4巻だったかな、水着回があります。でもお話が非常によくできてて、物語の人物背景、現状での心理、世界設定の核心をサラッと語る・・。ただのサービス回じゃないんです。

評価自体は今でも高いと思うので、ツマラン!!ではおわらないかと。保障はしかねますが・・。
昔はこんなもん描いてたんだ・・・と観て見たい方は買うなり借りるなり・・・なかなかないかもw配信かな・・。
こんなの違う!!なんて思う方は、時代のせいにして黒歴史に葬ってください。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

chance さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【魔法少女】ドジでノロマなスポコン魔女

魔法少女モノというと低学年向けか一部コアマニア向けという私の偏見を払拭してくれた珍名作。

バカで自己中でブサイクだけど能力は高く何故かヒロインに敬愛されている部長や、いまいち可愛いめじゃないヒロイン等の王道から外れたキャラクター達の言動は魅力的です。

シナリオも「へんしーん!すごい力だーすごーい」じゃなく「地道な努力・努力の積み重ねで少しずつ上達していく」類で、これまた私的魔法少女作品の偏見を打ち砕きました。

ぬるーいラブコメアニメ好きにオススメします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ラブコメ魔法少女モノ

全6話のOVA作品で恋愛を重点においた魔法少女ものです。主な登場人物はドジで魔法が下手な女の子(主人公)、主人公の幼馴染でボーイッシュな女の子、真面目だがすぐにエロい妄想をしてしまう部長、イケメンだがホモの先輩、男たらしでモデルをやっている後輩の5人です。この5人が所属しているのが「魔法クラブ」という部で、目的は魔法を使って宇宙からやってきた未確認生命体を倒すというぶっ飛んだ設定です。うーん。ネタバレせずに説明するのが非常に難しい作品です。百聞は一見に如かず。是非観てみて下さい。特に魔法少女系が好きな方や佐藤順一作品が好きな方はハマると思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

70.3 18 SFアニメランキング18位
ブレードランナー ブラックアウト2022(Webアニメ)

2017年9月26日
★★★★☆ 3.8 (38)
202人が棚に入れました
『ブレードランナー2049』へ至る、空白の30年間。2022年に起きた大停電<ブラックアウト 2022>とは?

「ブレードランナー」から「ブレードランナー2049」の橋渡しとなる作品。

視聴はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=MKFREpMeao0

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「今」の日本

「マクロスプラス」「カウボーイビバップ」「サムライチャンプルー」「残響のテロル」の渡辺信一郎監督が、たった15分のブレードランナーの短編アニメに監督の演出センス抜群の傑作として仕上げている。

いやはや驚きである。まだまだ現役ということか。

ブレードランナー2022はアニメーションと言うよりは「映画」である。コンテの切り方、画面の構図、人物の動きは「マンガ」ではなく「実写」のそれであり、このまま俳優を置いて撮影できるだろう。そこが、「アニメ」ではないリアリズムで、どちらかといえば、アメコミやバンドデシネの世界である。そもそもブレードランナー自体がフランスの漫画家ジャンジローメビウスの世界観であり、名作SF「エイリアン」やデビットリンチの「デューン」、「アバター」などのジェームズキャメロン作品のコンセプトであり、世界的に有名な漫画家である。あの士郎正宗、大友克洋や宮崎駿は彼の影響下にある。映像を目指したことのある人間はその名を聞いたことのない人はいないだろう。

汚れた未来と言ってしまうと古いイメージなので、現代の日本の状況と照らし合わせてみてほしい。情報ネットワークの異常な発達、AI問題、アダルトビデオ問題、少子化、独身率の高さなどをとってみても「現代」がブレードランナーの世界とリンクしているのだ。

そういった意味でも、このアニメ作品はたった10分という枠の中でありながら2017年年間通してもトップクラスなのである。そうそこには我々の社会そのものが描かれている。

あとがき:本編はアカデミー賞の視覚効果賞と編集賞を受賞。どちらの賞もハリウッドベテラン勢が受賞したのでそこまで目新しくはない。どちらかといえば、ギレルモ・デルトロ監督の「シェイプオブウォーター」の作品賞を含む4部門受賞の方が驚きであり、ハリウッドでキワモノ扱いされてきたような映画がその年の作品賞をとることは、アメコミや特撮ブームもあって世の中が変わったのかもしれない。アメリカでもいまやコミックや日本のアニメ漫画はネットの普及で若者を中心に広まっているので、世界的にオタク化の方向に向かっているのかもしれない。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人類へようこそ!

映画「ブレードランナー 2049」の公開に先駆けて制作された15分の短編アニメ。

レプリカントと呼ばれる人造人間達の苦悩、人類への反抗を描きます。

舞台となるのは1982年に公開された実写映画「ブレードランナー」から3年後の地続きの世界、人とレプリカントの対立構造がより苛烈になった2022年のロサンゼルス。原作に当たる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とは直接関係のないパラレルワールドを描いた作品となっています。

「ブレードランナー」と比べると、ショートフィルムの割に物語のスケールが大きく、その必然として展開は急ぎ足、作風はアクション偏重。人間ではなくレプリカント視点からディストピアを捉えている点にも大きな違いがあります。

アメリカンコミックから飛び出した様な荒い画のコマ飛び映像を交えて語られるプロローグは冒頭の2分間くらい。本編ではCG(トゥーンレンダリング等)をふんだんに駆使した美麗なアニメーションが展開されます。息をのむほど精密に作られた最高級のムービーは一見以上の価値あり。レプリカント少女トリクシーの儚くも華麗な舞に注目されたし!

ただ物語については良くも悪くも生粋のハリウッド印なので、過度の期待は禁物です。
{netabare}
SF設定についてもEMP攻撃に絶大な威力を持たせている点がややマンネリでお約束気味(汗)EMP対策は現代でも着々と進んでいる様ですし、未来社会の大企業ともなれば、より堅牢なデータの保護措置が取られているはず。ネット黎明期では通用するネタだったのかもしれませんが、これについては時代錯誤な印象を受けました。ブラックアウト-レプリカントに関する大部分のデータを消去する=物語を振り出しに戻す-の手段として手っ取り早く、分かりやすい方法だったのかも知れませんけど(汗)

元ネタは色々と挙げられると思いますが、わたしはやや古めの映画「エスケープ・フロム・L.A.」を真っ先に思い出しました。(だってLAだし‥笑)

※:高高度で核爆弾を爆発させて、そこで発生した電磁パルス(放射線)を利用し地上の電子機器に広範囲に打撃を与える戦術の事。
{/netabare}
本作の他に、その後日譚に当たる「2036:ネクサス・ドーン」と「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」というショートフィルム(この二つは実写)も公式からYoutubeとかにアップされていますので、劇場版に備えてそれらで予習しておくのもよろしいかと。

おさらいに時系列に沿って並べたものを以下に。

2019年:ブレードランナー(通常版、ディレクターズカット、ディレクターズカット最終版)
2022年:ブラックアウト
2036年:ネクサス・ドーン
2048年:ノーウェア・トゥ・ラン
2049年:ブレードランナー 2049

「ブレードランナー 2049」の日本公開日は今月27日。もう目と鼻の先ですね。前作で主人公を演じたハリソン・フォードが今回もリック・デッカード役で続投するそう。作中でも30年が経過しているので、おじいちゃんハリソンでも違和感無し(笑)活躍が楽しみです。

それにしても新作映画の宣伝の為に本作の様な高品質なアニメも含めたショートフィルムを3本も撮るとは、流石ハリウッド、度し難い(汗)おかげでブレードランナーの名を冠する映像作品が一気に7本に増えてしまいました。

2つで充分ですよ!‥とかはくれぐれも言わないよーに(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

ダークフレイムマスオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

13分ですが世界感の魅力は伝えられるかな。

アンドロイドは電気羊の夢をみるか。一応原作はこれなんですが1982年公開のブレードランナーはほぼ別物。ストーリーは説明省略。その30年後の世界がブレードランナー2049なんですがそのプロモーションビデオですが緊迫感や散り際なんかよくまとまってるなと。

検索すればすぐ視聴できると思います。
〇〇は☓☓か?のパロは40年前にはやったんですが秋アニメでまさかこれがでてくるとは・・・
ちょっとした気分転換にでも見てください。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

64.2 19 SFアニメランキング19位
蒼き狼たちの伝説(OVA)

1996年12月18日
★★★★☆ 3.5 (13)
87人が棚に入れました
西暦2199年、太陽系内の惑星間ネットワークを築き繁栄していた人類に、地球外の知的生体であるアポカリプスが戦闘を仕掛けてきた。アポカリプスとの戦いで敗北を繰り返した人類は、若き士官候補生たちも戦闘へと駆り出されていき、特殊な能力を秘めた仕官候補生のジョナサンは冥王星の最前線へと送られることになる。

nani-kore さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ビギナーにはハード過ぎた。。サ~;イエッサ~;;

BLっぽいTVアニメを幾つか観ると、どれも異常な友情の範囲内でちっともエロくないので、なんだかしっくりこなかった。だって、エロもロリもユリも(おっ、しりとり♪)深夜なら全国放送でOKなのに、なんでBLは友情どまりなの??

。。そんなバカな疑問を抱えて、いっぺん本格的なBL作品を観てみたいなぁ、なんて無邪気に思っていたのだ。
そんな折、BL作品に詳しそうな方のレビューを拝見し、本作「蒼き狼の伝説」に挑んだのである。。挑むんじゃなかった;

こんなん、レビューなんて書けないよ~;;とベソをかきそうな後悔とともに、本作のコトは忘れようとしたのだが。。頭の奥で強烈な残像と共に、ある人物の声が聞こえたのだ。。。
『ナンだかんだいって、最後まで観たんだろ~?このコンチネンタル様と最後まで楽しんでおきながら、いいトシしてカマトトぶってるんじゃねぇ!感想ぐらいUPして、ちっとは幻の続編制作の嘆願に貢献しろっ、このタダ動画喰らいのゴミ女!!』
イ、イエッサ~;;
『違うっ!上官に口をきく時は、言葉の前にサーをつけるっ!!』
サ~;イエッサ~;;

。。とまあ、ヒトの深層意識に強引に侵入し、尊大な口調で命令しまくるこの人物、その名もコンチネンタルという。
肩書きこそ大尉だが、その体型は北斗の拳のハート様をちょっと固太りにした感じ、その品性下劣でえげつない心根は、ハート様のちょびヒゲの先っちょ程の価値もないという豚野郎だ。
この豚大尉、冥王星の最前線を仕切っていて、前線に送られてくる新兵のプロフィールをチェックし、自分好みの線の細い美青年(マッチョはハネていた;)を毒牙にかけるという、文字通りヤリたい放題の幸福な日々を送っていた。
そんなコンチネンタル大尉のパラダイスに、彼好みのカワイコちゃん、ジョナサン・タイベリアスがのこのこやって来て。。

。。あとはまぁ、お好きな方はどうぞ~
私のよーな初心者が、興味本位で観るモノにしては、あまりにもキョーレツ過ぎるとだけ忠告しておきましょう;特にコンチネンタル様がぁ~;;
せっかくの?本格BL鑑賞デビュー作が、こんな豚野郎の○○○だなんて!!ほんっとに最初の最初から、コイツの○○○で始まるのである。。どうせロストバージンするなら、イケメンの方がイイに決まってるのに、なんでコイツと?トホホ。。
だがしかし、フシギなコトに、その後のイケメン同士の○○○より、豚野郎の○○○の方が、はるかにいやらしいのである。。これはどうしたコトだろうか?実はイケメンより、豚野郎の方がセクスィ??
『よぉし、飲み込みが早いぞ...このコンチネンタル様の存在を知らしめるため、サムネに設定しろっ!』
サー、ノー!サー!!
醜い豚野郎なんて、大っ嫌いよっ;;

さて、多くの熱いファンが、未だに幻の続編を待ちかねているという本作、ブログ「発酵少女 伝説のやおいアニメ」(爆笑)によると、「たのみこむ」等で嘆願活動が行われるという。
ためしに「たのみこむ」してみた、ポチッとな。。
嘆願者のコメントログの一部を紹介しよう。
『作画のクオリティは高いのだから、何とかすれば何とかなると思う。』
。。何とかすれば何とかなるのかなぁ~?
『ロボットものとして見てもよく出来ているので、実に勿体ない。是非とも続きを!』
。。卑怯者っ、ロボットのせいにしてっ!ギャハハハ~!!!
私よりすげーカマトトさんが居たので、爆笑しながらもホッとしてしまいました(^ ^)V
ちなみに同ブログによると、『仮に続編が決定したとしても、もう受けはやらないと宣言しているK安氏が参加しているかどうか定かではない』そうです。。主人公の声優さんが変わっちゃねぇ~3
第一、コンチネンタル様以上にキョーレツなキャラ、生み出せるのかしら~??

いやあ、アニメって、色々あって、こそばゆい程奥深いですね~♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

海外でも高く支持されている本格SF&BL作品

1996年発売の知る人ぞ知る『ジャイアントロボ』のスタッフが本気で作った
海外でも高い支持を得ている本格SFアニメ作品なのだが、
ジャンルが成人向けBLなのでご存じない方も多いと思う。
監督は浦田保則氏、メカニック・デザインは小林誠氏。
制作はフェニックス・エンタテイメント。

舞台は・・地球外の知的生体であるアポカリプスと戦うため
若い士官候補生たちを戦場へと送り続けている2199年の地球。
特殊な能力を秘めた士官候補生の主人公・ジョナサンが
冥王星の最前線へと送られることになるのだが・・という話。

16年前の作品なので、作画などは古いものの、
最近のBLアニメにありがちな少女漫画風のキャラデザではなく、
ゲイ雑誌『薔薇族』の協力も借り
真面目に取り組んだってことがわかるリアルな作りで、
同性に惹かれるようになったいきさつや深層心理がわかりやすく描かれている。
また、他の作品でよく見かけるような、受け側を女性的に描くこともないので
ノンケの人には理解しにくいかもしれないが、
ゲイの人には好みが合えば共感や満足が得られやすい内容だと思うし、
45分の短編ながらシンプルにまとまった脚本もなかなか良かった。

序盤に登場する、いかにもな大男である上官からの暴行的な絡みには
閉口してしまい、ずっとこればっかりだったらイヤだなと思っていたら
施設の同室になった主人公ジョナサンとレナードの絆が
心身ともに深まっていく変化や、切ない心理描写が丁寧に描かれ、
ジョナサンの成長をも感じさせたラストには、不覚にも感動してしまった。

全体通して甘さはほとんどなく、ギャグも当然なく
エロに偏ることもなく、一貫してハードでビター。
女性が観て楽しめるかどうかはわからないが、
このクオリティを保つBL作品はまだまだ少なく、貴重だと思うので
数々のBLを観てきた方にならオススメできる1作。
(ただし、かなり生々しいのでその耐性がある方に限る)

しかしこの作品、観終えると「つづく」とあるのに続編は
制作中止になったとのこと。
そのため、ファンたちにより続編制作の嘆願活動も行われてるとか。
それもあって、幻の作品・・というわけなのだね。
教えてくれた友には感謝です。


ちなみに声の出演は・・
ジョナサン=子安武人   レナード=森川智之
16年前のお二人の声が若い~

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

計測不能 20 SFアニメランキング20位
超人ロック ロードレオン(OVA)

1989年10月25日
★★★★☆ 3.3 (9)
42人が棚に入れました
 聖悠紀のライフワーク的作品であるSF超能力コミック『超人ロック』シリーズのOVA化。「ロック」がアニメ化されるのは84年の劇場版に続いてこれが二度目。制作も劇場版と同じく日本アニメーションが担当した。金属製の手足を持つ優れたエスパーのロード・レオン。惑星ハノンに拠点を置く、多くの者から恐れられる宇宙海賊だ。そんな彼が狙う相手は仇敵のグレード・ジョーグ。巨大コンツェルンのアストリス会長であるグレード・ジョーグの一族抹殺に生涯をかけ、ロード・レオンは相手が支配する惑星を次々と襲っていた。ロード・レオンの行動の影には自分の手足が失われたことや愛する妹フローラが失明したことにグレード・ジョーグが関係しているという。宇宙連邦のヤマキ長官からの依頼を受け、ロード・レオンの調査に赴く超能力者ロックだが。本作のオープニングには全37巻(当時)にもおよぶ原作コミックのキャラクターが一挙に登場するという趣向も。なお監督は同時期に『銀河英雄伝説』も兼任した石黒昇が担当。

声優・キャラクター
飛田展男、池田秀一、堀江美都子、納谷悟朗、曽我部和恭、藤本譲、堀内賢雄
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