2023年度の魔法使いおすすめアニメランキング 16

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早速見ていきましょう!

88.1 1 2023年度の魔法使いアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (593)
1881人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

記憶と約束

あるレビュアーさんが指摘されていたことが強く印象に残っている。
本作の「深さ」を言語化することが困難であること。・・・自分も経験的に同意である。
「Don't think. Feel. 」ではないが、感性的に受容する分には問題がなくとも、
いざ思考で捉えようとすると、ごくシンプルなセリフすら曖昧模糊となってくる。
平明に見えて実は恐ろしく手強い作品なのである。

ただ、物語に潜むリアリティーとは本来、精神に訴えかけるべきものである。
万事いい加減な自分が、この一点については無駄に意固地で曲げる気がないので、
無謀を承知で think の側に極振りした深読みに突っ走った結果がこの、
「鏡像のフリーレン」と題した、かなりイタい論稿群である。

今回の稿は「記憶」のテーマについての「私解」といった体のもの。
一般的なテーマ解釈から作品固有のニュアンスを抽き出すことが目的なのだが、
結局それも自分本位の解釈でしかなく、自己満足と言われれば全くその通りである。
本作のテーマ性に特に関心をお持ちの方だけに、多少の需要があるかも知れない。



{netabare}1
まず取り上げてみたいのは第16話の「長寿友達」。
「記憶」というテーマに全振りした回と言えます。

エピソードの中心はフリーレンの旧友フォル爺とその亡き妻。
フォル爺は数百年間村を守り続け、今ではその理由を知る者もいなくなり、
たまたま立ち寄ったヒンメル一行を相手に、自分の心の内を吐露します。

「わしは妻の愛した村を守っているだけだ。」
「わしは遠い昔に交わした約束を果たしているに過ぎん。」
「滑稽な話だろう。わしはずっと、死者との約束を守っている。」

そんな彼にヒンメルはこう応えます、

「でもきっとその人は、あなたが約束を守ってくれていることをうれしく思っているはずだ。」

例の如くシェマティックに整理してみると、
人間と長命種との「対照」を示す二組のペアが「対称」となっている構図で、
フォル爺夫婦にフリーレンとヒンメルが重ねられているわけです。 
ヒンメルがフォル爺の妻の気持ちを代弁しているのはそのためで、
つまりここでは、妻の心情に託して自らの心情を言葉にしていると考えられます。

そこでこんな想像をしてみます。
このとき、ヒンメルの心の中にはある未来が思い描かれていて、
その中にはフォル爺と同じように、「死者との約束を守る」フリーレンがいる、と。

ちょっと先走りましたが、次の展開からそのことが推測できます。
勇者ヒンメルの記憶を自分が未来に連れていこう、とフォル爺が申し出たところ、
ヒンメルはこんな風に応じます、

ヒンメル: 僕たちの記憶は、彼女が未来に連れていってくれる。そうだろう?
フリーレン: 別にいいけど…。

この二人のやり取り、これはもう「約束」と言っていいものではないでしょうか?
おそらくフォル爺たちの場合もそうであって、あらたまった形式を踏まずとも、
先立って逝く者が託した願いを、残された者が守り続けていく。
このとき両者の間には無言の「約束」が成立していると考えていいでしょう。
ヒンメルから未来を託され、フリーレンが受諾したことによって、
彼女もまた、「死者との約束を守る者」という役割を担ったのだと考えられます。



さて、何度も蒸し返して恐縮なのですが、
自分が初回でいきなり躓いた、物語の出発点となるヒンメルの葬送の場面での
フリーレンの反応に感じた"不審点"について、ここであらためて考えてみたいと思います。

「私、この人の事を何も知らない。」
「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。」
この「知る」ことにこだわる理由が今一つ具体的には掴めず、
そこから「私はもっと人間を知ろうと思う」へとつながる脈絡にも飛躍を感じて、
どうもこの内面のプロセスには不備があるように思わずにはいられませんでした。

そこで、上の話に絡めてこんな風に仮定してみるのです、
もしもこのときフリーレンが、かつて自分がヒンメルと交わした「約束」があったこと、
すなわち自分にも「死者との約束を守る者」としての役割があったことを
はっきりと思い出していたのだとしたら――。

いまヒンメルが逝き、彼の「記憶を未来に連れていく」べき時になって、
自分の中に残されたその記憶自体があまりにも乏しいことに驚き(この人の事を何も知らない)、
もはや知ることが叶わなくなったことを悔い(なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…)、
後悔と悲しみが入り混じった涙を流した・・・と、こんな風に補足してみると、
一連の心理プロセスが迫真的に立ちあがってくるような気がして、まさに Eureka!な、
足りなかったパズルのピースが見つかったような、そんな心境になりました。

「私はもっと人間を知ろうと思う」。
いかにも大層なこのセリフにも、同じ背景を重ねてみることで
単にヒンメルの死をきっかけに人間への関心が目覚めたというよりも、
もっと濃やかで親密な心情を読み取ることができるように思います。
つまり、もう直接には知ることができなくなってしまったヒンメルという「人間」のことを、
せめて「人間」というもの全般への理解をとおして間接的にでも知りたい、
そんな、シンプルで切実な心の願いだったのではないでしょうか。

因みにこの内容を、本稿独自の文脈で捉え直すとこうなります。
ヒンメルという代替不可能な"オリジナル"が失われたあとに、
かつての仲間の"コピー"(フェルンとシュタルク)を通じて"オリジナル"へ遡ること、
それがフリーレンの旅の意味だったのだ、と。そこから
「フリーレンの現在の旅は、かつての旅の"不完全な複製体"である」という、
前稿で提起した仮説が導かれてくるわけです。

実際、クール序盤の旅の情景はほぼそんな流れで経過したように思えます。
フェルンと過ごす日常にかつての旅の回想が交錯し、そこに新たな気づきが生まれることで、
二人の距離が徐々に縮まり、心を通わせていくといったエピソード群からは確かに、
「人間を知る」ということへの本作独自の視線が感じられて、全編を通じても最良の部分でした。

その表層の下には、ヒンメルに向かう深層の力学が潜在していて、
ストーリーを主導するベクトルとなっている、というのが自分のもう一つの仮説です。
(「ヒンメルという"オリジナル"を求める旅、これが本作の核心である。」)



ここまでの内容を一旦整理してみます。

通常フリーレンの旅の「目的」とされている「人間を知る」ことの奥に、
さらにもう一つの目的を措定して、物語の表層部分の読み替えを企ててみたわけです。
彼女の旅の本当の「目的」は、ヒンメルたちの記憶を未来に連れていくこと、
つまりヒンメルと交わした「約束」を果たすことにあると考えました。

この読み替えによって物語のもう一つのフェーズが浮かび上がってきます。
フリーレンとヒンメル、この二人を主人公とした、いわば「約束の物語」とでも呼べるものが。


ここで着目したい要素があります。ヒンメルの像です。
例の自前の仮説「現在の旅は、かつての旅の"不完全な複製体"である」に従えば、
これらの像はまさにヒンメルの「複製」として、旅の本質を象徴する「記号」に他ならない。が、
その作られた経緯と存在理由にまで遡ってみると、そこにはまた別の意味が見出されます。

第7話Aパートの回想シーン。
なぜ自分の像を残そうとするのかをフリーレンに尋ねられたヒンメルが、
「みんなに覚えていてほしいと思ってね。」と、ありきたりな解答をしたその直後、

「でも一番の理由は、君が未来で一人ぼっちにならないようにするためかな…。」

と、本心をストレートに打ち明けます。

彼は16話の回想シーンでも、この「未来」という言葉をとおして
自分がいなくなったあとの、フリーレンが一人残されている世界を想像していました。
自分のいない未来において、たとえ「複製」としてであっても、
彼女と共にあり続けようとする意志が、彼に像を作らせていたのでした。
そして、これもまた一つの「約束」だったと言っていいように思うのです。


「約束の物語」と呼んだ意図は、本作の旅の風景の中に
二つの「約束」がひそかに織り込まれていることを示したかったからです。

在りし日の仲間たちの記憶をたずさえて旅を続けるフリーレン。
その旅の行く先々で彼女を見守り続けるヒンメル。

まるで「死者との約束を守る者」に死者が寄り添い、同じ約束を守り続けているかのように、
二つの「約束」は向かい合い、相互に映し合う"鏡像"的な「対称」をなしています。

本作の旅パートを掘り下げたときに見出される構造的な本質、
それがこの「約束」の「対称性」だと考えられるのです。



以上の作業は、テーマのコアモチーフである「死者との約束」を介して、
テーマがストーリーに「肉化(incarnation)」される局面を捉えようとするものでした。

あらためて最後に、物語がテーマに着地する地点を見極めるために、
本作における「記憶」が内包している固有の意味を直接、問題にしてみます。
そこには「記憶」と「実在」をめぐる独自の思想が含まれているように思えます。

ややこしくならないよう、一つの具体例だけで説明していきましょう。
第2話、フェルンとハイターとの出会いの場面です。

戦禍によって両親を失った幼いフェルンが、後を追おうと崖の突端に立ちつくしている。
ハイターは無理に制止するでもなく、ただ淡々と亡き友ヒンメルについて語りかけます。
彼から学んだ勇気や意志や友情も、大切な思い出も、すべてが自分の死によって
この世から消え去ってしまう。それが惜しい。・・・そんなことを説いて聞かせます。

「あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、死ぬのはもったいないと思います。」

もしも自分が生き続ければ、大切な死者の記憶を未来に連れていくことができる。
そうすることで死者は、親しい生者の内部で第二の生を生きるのではないか。
それはつまり「記憶」が「実在」へと転換されることを意味するのではないか・・・

・・・ハイターの言葉を意訳するとこんな感じになるでしょうか。
そしてここに、本作の思想の根本が示されているように思われます。

「お伽話じゃない。僕たちはたしかに実在したんだ。」

この思想を凝縮したような、第7話のヒンメルの言葉です。
ここには揺るぎない確信を宣言する際の、あの力強さが感じられます。
彼が信じたのは、記憶が風化に抗い、忘却に打ち克つこと。
そしておそらく、フリーレンと交わした「約束」。

あるいは私たちにとって、死者を「忘れない」ということは、
そのこと自体がすでに彼らとの「約束」を果していることになるのではないか?
「記憶」とは一人の人間が実在した証しであるとともに、
彼らと残された者たちとをつなぐ、決して失われることのない回路なのではないか?

先立って逝く者と、あとに残る者とが互いに抱く、変わることのない愛情と信頼。
本作の「葬送」にはそうした人間的な感情の精髄が込められています。
その意味で一つの「思想」と呼ぶべきものだと、そう考えます。{/netabare}



つい長々と書いてしまったが、要約すると次のようになる。
本作における記憶のテーマは「死者の記憶」という軸に沿って展開され、
そこに孕まれたメッセージが「約束」というモチーフによって反復されている。
この観点を踏まえて、あらためてフリーレンの旅の本質を捉え直してみると、
そこに「約束の物語」というフェーズが確認できるようである・・・以上。

思えば本稿の出発点は、「人間を知る旅」という漫然としたテーマ理解への不満にあった。 
「ヒンメルを求める旅」と具体的に読み替えることでドラマ性を抽き出そうとしたのも、
つまりは個人的な趣味に走っただけであって、要するに他愛無いものなのだが、
主人公二人の控え目なロマンスをクローズアップできたことだけは収穫だった。
(「鏡蓮華」のエピソードもあらためて取り上げる予定。)

最終話のラスト。フリーレンとヒンメルが時を隔てて同じセリフを唱和している。
――また会ったときに恥ずかしいからね…。
いみじくも薄雪草さんが洞察されたように、これは二人の「再会」を予告する言葉だ。
それは表面には顕われない決定事項であり、彼らのひそやかな「約束」なのである。


以下は前回投稿分。

{netabare}「鏡像のフリーレン」

本作の真価は到底、ただ一期限定の覇権枠などに収まるものではない。
アニメ化によって原作のユニークな個性に、創造的な作家性が掛け合わされた結果、
稀に見る高い完成度の傑作が誕生したことは実に喜ばしいことだ。ただ、
残念なことに自分は本作とは深い部分で折り合わないらしく、変な風にこじらせてしまった。
客観的な評価と、主観的な受容が背反してしまうのが悩ましいところである。

放送開始から程なくして最初のレビューを書き、これが通算五度目の投稿になる。
書くたびに何か違う気がして、どれほど言葉を費やしても解消されない不全感が残る。
結果、延々書き継ぐ破目になった次第で、"沼"ではなく"ドツボ"にはまったような恰好である。
ただ、このモヤモヤを作品の根本的な組成の問題として取り上げようとすると、
それが個人的な偏見ではないことを客観的に示す必要があり、流石にそれは難儀なので、
この部分の問題化は見送ることにした。

で、先だって予告したように、自分なりの着眼点をフラットに記述することに徹したい。
物語の最終盤。思わず引きこまれたフリーレンとゼーリエの対比関係。
両者の「対照性」の根底に「対称性」が潜んでいることに着目し、
この「対称(シンメトリー)」の構図を解読格子として作品全体を読み解くという着想を得た。
まずはこの抽象的なシェーマから、さらに具象的なイメージを抽き出すことから始めたい。


第2クール、一級魔法使い試験編。その二次試験の舞台となった「零落の王墓」で、
フリーレンたちは自分たちの完璧な複製体を相手にバトルを繰り広げる。
迷宮の最奥に潜み、複製体を創り出して侵入者を排除するこの魔物の名前は
「水鏡の悪魔(シュピーゲル)」・・・

・・・そう、「鏡」なのである。
鏡とはまさしく、光学的なメカニズムを用いて「対称性」を現出させる装置に他ならない。
迷宮に潜む魔物のように、物語の深層で潜在的に機能する原型的なイメージとしての「鏡」。
そしてその作用が生み出す「鏡像」。それこそが本作の対称性の本質なのではないか?
・・・と、こんな想像を掻き立てられたのだった。

とは言え、それを裏付ける"物証"は作中には見出されない。
実物の「鏡」が何か特別なモチーフとして扱われているわけでもない。
だがむしろ、そのことが逆に真相を示唆していると自分は考える。
重要なのは本作の「鏡」が、象徴性をはらんだ"名辞"としてのみ現れることである。
テクスト論の概念で言えば、「シニフィエ」ではなく「シニフィアン」としての機能であり、
要するにそれは「記号」なのだ。

深層のイメージとしての「鏡」は、対称性を生み出す記号的な機能を担いつつ、
物語空間の内部に固有のイメージの連鎖を形成してゆく。
これはシニフィアンが優位となっている創作物に通有する現象だと言える。

魔物の名前から類推すれば、迷宮に出現した複製体の正体は「鏡像」である。
ここには「本体―複製」という関係式が見て取れるが、作中にはさらにその派生形が見られる。
第5話には、親しい死者の生前の姿を模倣して幻惑する「幻影鬼」という魔物が登場する。
あるいはリーニエが用いた、過去に記憶した相手の魔力を真似るという「模倣する魔法」。
これらに反復される「模倣・転写」のイメージは、より包括的な
「オリジナル―コピー」という関係式に還元可能であることに注意したい。

それにしても、「鏡像」自体がすでに精神分析の理論を想起させるばかりか、
これほど固着的・強迫的なモチーフの反復を見せられると、
ほぼ確実に原作者の無意識の領域が問題化できるレベルではないだろうか?
とは言え、本稿の目的は作者ではなく飽くまで作品を理解することにある。
具体的には、作品の深層と表層を統合的に包摂するような、生成の力学の解明である。


さてここから、すでに前々回のレビューで触れておいた問題に立ち戻る。

 そもそも物語自体がこの(対称の)構図に基いた構造になっていることに気づかされます。
 かつてと今、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
 そこでは過去と現在は対立せず、対比的に、さらには相関的に描かれています。
 しかも、同じルートを辿り直すという、明確な対称性をも示しています。

作品の全体構造に関するこの着眼を大胆に展開してみたいと思う。
次のような仮定説を提起してみる。すなわち、
フリーレンの現在の旅は、かつての旅の「鏡像」であり、「複製体」である。
つまり「オリジナル」に対する「コピー」である、と。

同一の目的地へ、同一のルートを辿り直すというシンプルな再現性にとどまらず、
当然、現在の条件に即した補正がそこには加えられている。
勇者パーティーの仲間たちの代替要員として、ハイターにはフェルン、
アイゼンにはシュタルクが、それぞれ空席を埋めるかたちになっている。
(この点はすでにnyaroさんの指摘がある。)

そして、ヒンメルの「代替」だけが欠落しているという事実。
このことは何を意味するのだろうか?
本稿の論旨を踏まえて一言で言えばこうなる、
すなわち、ヒンメルという存在が代替不可能な、絶対的な"オリジナル"であるということ。
本物語におけるその存在の本質的な意味が、おそらくここに示唆されている。

つまり、現在の旅はかつての旅の"不完全な複製体"なのである。とすれば、
「魂の眠る地」に赴いてヒンメルと再会するという旅の目的は、
この欠落を補完しようとする、物語の深層の力学に導かれていると言えないだろうか?
ヒンメルという"オリジナル"を求める旅。これが本作の核心部であると自分は考える。


以上、あらましのみを記した仮定説は、作品から遊離した深読みのようにも見えるが、
少なくとも自分の中では、この仮説に基づいて本作の捉え方を刷新することが出来たのだった。
特に重要な解釈のポイントは二つあるのだが、
いずれも稿を改めて詳述する予定なので、ここでは梗概だけを記しておく。

第一点、物語の多重性。

物語を俯瞰したとき、「旅」と「魔法」との二つの軸が並立するのが見て取れる。
だが、両者は同一のフェーズ上で連続してはおらず、
おのおのが位相の異なる個別のフェーズを形成しているようなのだ。
両者の相異は「通時性/共時性」の対概念を用いて説明できると考えている。
魔法パートはヒロインであるフリーレンの物語として一貫して構築されているが、
旅パートは決してその一部ではなく、本作のユニークな個性となる自立した半面である。
その本質を「回想」の機能に即しつつ解き明かしてみたいと思う。

第二点、テーマの所在とフリーレンの本質。

通時的にストーリーの軸が定まっている魔法パートに対して、
共時的な旅パートは、どちらかというと象徴的な意味の磁場としての傾向が強い。
その中心にヒンメルの銅像が位置づけられるだろう。
そしてそれは本作の中心テーマである「記憶」を集約し、体現するシンボルとなる。
この意味で、旅パートの主役はヒンメルであると言ってよく、
フリーレンは彼の記憶の保持者、管理者の位置に退いている。
その一方、魔法パートでは彼女こそが不動のヒロインであり、「平和と闘争」のテーマを担う。
フェーズごとにそれぞれのテーマが設定されている点が本作の特徴であり、
結果的にフリーレンは一面で主人公、一面では語り部という両面を併せ持つ。
一貫した彼女の像が掴みにくく、捻れたり歪んだりして見える所以でもある。
「葬送のフリーレン」の意味は、この二面性に即して理解されるべきものだろう。{/netabare}


2024. 9. 22

投稿 : 2024/09/28
♥ : 22
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 32
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/09/28
♥ : 49

77.9 2 2023年度の魔法使いアニメランキング2位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (410)
1736人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

評価が減点方式になってしまう

第零話、おぉ久しぶりの登場キャラ!
その名もフィッツ!これは楽しみ掴みOK。
えっ?誰やねんって?
とりあえず視聴しましょう初めての方は1期から。
٩(^‿^)۶

分割1クール目ですが、ルーデウスとフィッツの話がメインで着地もして非常に良い話です。1期の2クール目のレビューのタイトルを物語点を5.0にしたいとしましたが、またしてもダメでした。なぜならまたしょうもない下ネタを入れるから。せっかく面白いアニメなのにもったいないんですよ、エリスの事が忘れられずそんな気分になれないとかでいいでしょ、それを下の話にする必要が分からない。ロキシー拝んだり、ザノバも変態だし、もうその辺はいらない気がするんですが。
面白い下ネタならまだしもすべってると思います。どうしてもその路線でいきたいならウケるやつお願いしたいです。

多くの方がおっしゃってますが作画は残念でした。けっしてダメなわけでなく十分なんですが、1期が話題になるほどの出来だっただけに、制作会社も変わってないし2年近くあったので頑張って欲しかったです。

1期1.2クールと今回すべて平均満足度が4点台で私的には評価高いんですよ。でも悪い点が目立つ不思議なアニメですほぼ下ネタの件ですが。
フィッツは本当に可愛いキャラですごい焦らされて良いラブコメでした。
気になるキャラも登場しましたし2クール目も楽しみです。

2024年2月28日

投稿 : 2024/09/28
♥ : 20
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

杉田転生Ⅱ

明らかに絵のクオリティ変わった感。
先行き不安・・・

12話
{netabare}
不能のあなたへから、まさかの1期で出た媚薬で、
不能治療完了とは・・・

そして、策士アリエルにより、シルフィエットとの結婚END
良い1クール目の〆だった。
{/netabare}

11話
{netabare}
フィッツ先輩、ダクネス化していたね(中に人同じだし)
無事、シルフィエットと認識してもらえたけど、
ルーデウスのアレは不能のあなたへのまま?
{/netabare}

10話
{netabare}
ルーデウスの1日のルーティーンと息子の再起動回。
フィッツの正体が次回判明かな?
{/netabare}

9話
{netabare}
サイレント・セブンスターとの再会。

ルーデウスからしたら、トラウマ事案だよね。
龍神と一緒にいた仮面の女性だし・・・

若山さん、リコリコから、いい役が増えて行ってる印象。
{/netabare}

8話
{netabare}
クリフ先輩とエリナリーゼの結婚を前提としたお付き合いの開始、
魔王バーディガーディの登場と今回も情報量の多い回。
{/netabare}

7話
{netabare}
リニアとプルセナを監禁する回か~
展開早いな。

ギレーヌの姪だけあって、リニア脳筋だよねー
{/netabare}

6話
{netabare}
ザノバの修行開始と奴隷購入回。

ゼニス救出までやる勢い?
{/netabare}

5話
{netabare}
魔法大学編スタート。

クリフ先輩、声合っていた感。
リニアは、フィールズさんということで、
陰実デルタからの違和感なしで、ワクワク感しかない。
{/netabare}

4話
{netabare}
ゾルダート兄貴との旅終了。

早すぎる。

次回から、魔法大学編だけど、
コミカライズ版抜いちゃいそうだね。

原作ノベルは完結したからいいのかな???
{/netabare}

3話
{netabare}
杉田劇場がひたすら面白かった!

サラが追い打ち、ゾルダート死体蹴り、
更にサラが追い打ち、スザンヌが追い打ち、
EDから抜けれないルート。

急接近というタイトルは、ゾルダート兄貴と急接近ね。

内山さん、迫真の演技回でもある。
{/netabare}

2話
{netabare}
ゾルダートの煽りからのまた鬱。

カウンターアローは、疫病神なのか?
ルーデウスに救われてばかりだけど、
ルーデウスの心を救ったのもカウンターアローというWin-Winな関係

次回のタイトルから、サラがルーデウス好きになるんだよね???
{/netabare}

1話
{netabare}
杉田さん、1話で立ち直る。

ロキシーのパンツで自戒するの観ていてシュールすぎる。

そして、エリスの髪を暖炉へ・・・
想いの断ち切り完了。
{/netabare}

0話
{netabare}
登場しました変態アリエル様。

ルークさぁ、アリエル警護外してご婦人の相手とか、
流石、ルーデウスの従兄弟。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/28
♥ : 6
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2つの物語

原作未読 全13話(0話を含む)2期第1クール

無職転生の2期第1クールです。第2クールは2024年4月より放送予定です。1期ともし機会があれば番外編(エリスと2期のあるキャラが出てきます。)まで観ることをオススメします。

第1クールは大きく分けて2つのお話に分かれています。泥沼編・学園編(ラノア大学編)です。

泥沼編は、あることで失意の底にある主人公ルーデウスは、あるパーティーに出会って立ち直るきっかけになるお話です。お酒はほどほどにいう感じでしたw

学園編は、1期のキャラが色々とでてきます。あることを解決する(この作品らしい悩みですがw)ためにラノア大学に入学します。紆余曲折ありましたが、良かったねって感じの終わり方でした。
{netabare}
なんといってもシルフィエットの登場ですね。彼女の行動や仕草、表情もゆたかでとても可愛く描かれていました。

終盤まで正体を明かすことに躊躇い、もどかしい気持ちが観ている私にもとても伝わりました。最後は2人が結ばれて良かったですね。
{/netabare}
作画は1期に引き続き綺麗に描かれています。演出も良かったですね。{netabare}(特にルーデウスとシルフィエット2人の場面){/netabare}

重要な鍵になるような人物{netabare}(ナナホシ・シズカ){/netabare}も出てきて、第2クールも楽しみですね。

OP はLONGMANさん、EDは大原ゆい子さんが歌っています。

最後に、神棚は早く処分した方がいいと思いますw

投稿 : 2024/09/28
♥ : 28

73.6 3 2023年度の魔法使いアニメランキング3位
転生王女と天才令嬢の魔法革命(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (360)
1009人が棚に入れました
パレッティア王国王女、アニスフィア・ウィン・パレッティアには前世の記憶がある。 魔法が当たり前に存在する世界に転生し、魔法使いに憧れるアニスフィアが夢見たのは、魔法で空を飛ぶという、破天荒で非常識なことだった。けれど、なぜか魔法が使えないアニスフィアは日夜、キテレツ王女とあだ名されながら、怪しげな研究に明け暮れるはめに。 ある夜、お手製魔女箒で空へ飛び立ったアニスフィア。暴走する箒が飛び込んだのは、貴族学院の夜会。そこでは、魔法の天才と噂される完璧公爵令嬢ユフィリアが、アニスフィアの弟・アルガルド王子から婚約破棄を宣言されているところだった。声もなく流されるユフィリアの涙を見たアニスフィアはそっと手を差し伸べる。 ──この魔法はあなたの笑顔のために。2人の少女が未来を切り開く、「転生×天才」魔法ファンタジー!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

おまえらみんな、真面目かっ!

見た目や言動がストレートにド真面目なマゼンタ公爵家令嬢ユフィリア(ユフィ)はもちろん、一見ふざけた魔道具を作り普段はおちゃらけた言動も目立つパレッティア王国第一王女アニスフィア(アニス)も含めて、彼女たちの親兄弟など主要登場人物のことごとくの根が真面目という、ある意味堅苦しいアニメ作品ですね。

アニスはいわゆる「異世界転生」キャラではあるらしいのですが、具体的な転生描写はなく、転生前の記憶も断片的な物であるようです。いわゆる「現代日本知識で無双する」系のなろう的な異世界転生作品ではありません。

アニメは一応区切りの良いところで1クール終わっていますが、コミカライズはアニメに追い抜かれているため、続きの話を知りたければ現時点だと原作を読まないといけません。

本作のキャッチーな部分はアニスとユフィ、あるいはその他の女性同士のカップリングによるいわゆる「百合」描写が担っているのですが、ストーリーとしては常に「相反するふたつのポリシーの衝突」という軸で作られています。

わかりやすい対立は「既得権益の維持か万人の利便性か」みたいな辺りだとは思うのですが、とにかく衝突する当事者同士は極めて真面目に生きているので、ストーリーにある程度集中しないと置いていかれそうになるアニメですね。

ところで『聖女の魔力は万能です』とかもそうだったんですが、最近のディオメディアってけっこう異世界物を作らせるとイケてませんか?
(そう思ってるのは私だけだろうか…。)

投稿 : 2024/09/28
♥ : 25
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ジムスナイパーⅡ

2023/04/23 初投稿

自分は割とB級アニメが好きなのです。
とりわけ,量産型異世界転生・召喚物が好物だったりしますw
何にも考えず,頭を空っぽにしてボーッと寝っ転がりながら眺める,そんなスタイルで楽しみたいのです。

そして何かよさげな作品は無いかと物色して目にとまったのが本作『転生王女と天才令嬢の魔法革命』ですwタイトルからは量産型異世界転生臭しかしません。ぷんぷん臭ってきますw見るしか無いでしょう!!


ファンタジー世界に転生した主人公がチートな能力でお気楽に大活躍して,「あーっスッキリw」みたいな展開を期待したのですが・・・
1話から胸くそ展開
なんかスッキリしないんですけど・・・
さらには,1話終盤のナレーションに高揚感と期待しか無いw
意外に襟を正して見るタイプの気配が感じられました。

が,2話以降しばらくは割と量産系の雰囲気もする日常的な話が続きます。1話最後のナレーション「二人の少女の魔法革命の物語」はどこに行った?(元々お気楽を求めて見始めたのですがw)
全体的にはほぼほぼテンプレなのですが,キャラデザ,作画,演出などなど各要素はそれぞれ平均以上の気がします。

中盤も過ぎ終盤にさしかかる頃に
{netabare}
物語が大きく動き始めます。
禅問答のような受け答えをしながらの熱いバトルシーン
対するのは,異なる正義。少々ゆがんでいるものの,国の将来や国民の幸せを祈り自分なりの最適解に迫ろうとする者。納得は出来ないけど理解は出来る,そんな敵との戦い。

そしてハッピーエンドかと思わせ(それにしては話数の残りが多いw)新たな対立。
お互いの目的が真っ正面からぶつかり,互いに相手のことを考えるからこそ絶対ゆずれない戦い。

転生設定にほとんど触れられないと思っていたら
最終盤,自分が常々転生物に抱いている違和感に触れられていました。

物語終盤は何かと忙しいです。


とにかく,この作品は良きにつけ悪しきにつけこれまでの日本アニメが積み上げ築いてきた上に成り立つ作品と思いました。
キャラクターデザイン
アクション
長い演説
禅問答しながらのバトル
正義と異なる正義の対立
百合^^;

2023年時点での本気のテンプレートw
自分的には最も近い作品はガンダムシリーズ
{/netabare}

予想に反して,気合いを入れてみるタイプの作品で,そしてかなり面白かった!!

一応量産型だけど高性能な量産型
自分の好きなジムスナイパーⅡ的な作品でしたww

オマケ

アニスフィアの中の人はどう考えても男ですよね?もしかしたらユフィリアもアニスに男を感じてる?そう考えれば百合では無い?

アルカンシェルは虹だそうで
それに定冠詞のラが付くと,ラルクアンシエルだそうです。
アルカンシェルとラルク アン シエルの違いが気になったので調べました。
気になった人が多いと思うので参考までに

投稿 : 2024/09/28
♥ : 21
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「転生感をあまり感じられない王女」と「天才感を完全には発揮できていない令嬢」の魔法革命序章

最初に言っておきます。
{netabare}最終的な王女アニスと令嬢ユフィーの関係は、個人的には残念でした。
そんな百合百合しなくても・・・というのが正直な感想です。{/netabare}
けど、ガールミーツガールものの展開としてはダイナミックで充分楽しめました。

「てんせい」と「てんさい」
この言葉遊びが物語の根幹となります。
転生してきた故に、アニスは魔法が使えない。
一方、ユフィーは魔法の天才。
このことが二人を近づけるきっかけとなります。

魔法が使えない庶民のために魔学を実用化したいアニス。
それは、転生前の空を飛びたいという純粋な気持ちによるもの。
アニスとの関わりを通じて、その思いに次第に共感するユフィー。
そんな二人の関係性の深化がこの作品の見所と思います。

本アニメで好きなキャラその1は、イリアです。
アニスに献身的に尽くすイリア。
時にはたしなめ、時には優しく。
幼少期からアニスの真っすぐな性格を見、信頼しているからなのでしょう。
そんなイリアのツンデレチックな言動が心地いいです。

本アニメで好きなキャラその2は、ティルティです。
呪いの研究をする眼下クマ女で、明らかに不眠症かつ神経質です。
マイペースながらも、アニスの魔学研究を最も理解しています。
アニスのことを陰ながら親身に考えているところが好印象です。

「魔法革命」はやっと端緒についたばかりかな。
ユフィーの実力もまだ完全に発揮されているようには見えないし。
このままでは不完全燃焼なので、是非2期を制作してほしいものです。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 20

70.4 4 2023年度の魔法使いアニメランキング4位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (269)
823人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ONE先生版ワンパンマンとハリポタの悪魔合体

ワンパンマンをファンタジー世界にぶち込んできた的な感じの作風っぽい?
しょうもないけどクスッとくるようなギャグがそこそこ面白い。現段階じゃそこそこ笑える程度でめっちゃ面白いかと聞かれたら微妙ではあるけどキャラが揃ってから面白くなるらしいし継続して見るかな?

5話まで追記
メインキャラらしき人物が揃ってきてかなり面白くなってきた感。物理で魔法の常識をぶち壊す的な痛快な作風がすごく面白い。

8話まで追記
マギアルプスという悪役集団が現れていよいよ物語が本格的に動き出してきた感じ?

最終回まで追記
かなりキリの悪いところで終わったけど2期やるのか。2期は試験編だけど面白いかな…?

投稿 : 2024/09/28
♥ : 5

N(ヤバめ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

午前もしくはゴールデンタイムレベルだが、内容はそれなりに良い、おすすめ度★★★★☆

ブッ壊すしかないでしょ、グーパンで。

ジャンプ系アニメの中では売上198枚と大爆死した分類で原作自体もかなり賛否が別れているが、面白さとしては上位に入ると感じる。

脱力系のギャグがとにかく笑いを誘う。無表情仏頂面な主人公マッシュの異常な筋力から繰り出される脳筋ギャグの数々は単純ながら笑いを誘う。

キャラについても魅力的で、マッシュは普段はスカしていて無表情だが友達思いで心根は優しく、マッシュを取り囲む友人も一癖二癖あるメンツでインパクトが感じられた。

一方で個人的に物足りなかったのは、マッシュ以外のバトル描写。目立っていたのはドットとランスくらいで、レモンはともかくフィンはただのリアクション要因くらいにしかならなかったのが惜しかった。

また、シリアス面以外での展開が少しワンパターンになりがちだったのも、個人的にはややマイナス気味。

とはいえ総合的に見て楽しめたのは事実ではある。来年冬から続編がやるようなので、そちらも追うつもりではある。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 0

くまさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シュークリームが好きです。

はじめの方は、面白く見させていただきました。
俺、強ぇ系なアニメです。

魔法ありの世界で魔法の素質が全く無し。けれども、筋肉ならある!
バトルも学校の課題も、筋肉で解決!

それも筋肉で解決かよ?そうはならんだろう笑と
とても可笑しく、笑って見られるアニメです。最初のほうは・・・

後半からちょっとシリアスっぽくなるのですが、
そのあたりから、うまく入り込めなかったです・・残念。

マッシュの性格を心地よく感じられれば、見ていられるかも。

EDの「シュークリーム・ファンク」な感じで本編も軽快だったら、
最後まで楽しめたのかな?

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

60.8 5 2023年度の魔法使いアニメランキング5位
帰還者の魔法は特別です(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (123)
360人が棚に入れました
絶えず世界を侵食する異次元空間「影の世界」。 その中でも最悪の災害と呼ばれる「影の迷宮」に人類は直面した。 「デジール・アルマン」は仲間と共に「影の迷宮」最後のボス、破滅竜ボロミア・ナポールと対峙するも、世界は滅亡を迎えてしまう。 全てが終わったと思った瞬間、デジールの目の前に広がる光景は...13 年前の世界だった。 自身の出身校でもある、帝国最高の魔法学園「へブリオン学園」の入学式まで戻ってきたデジール。 きたる滅亡の未来を変えるべく、仲間たちを再び集めて世界を救うために立ち上がる!

56.7 6 2023年度の魔法使いアニメランキング6位
異世界召喚は二度目です(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★☆☆ 2.6 (124)
394人が棚に入れました
かつて異世界エクレールへと召喚され、戦乱を収めて平和をもらたしたセツ。 しかし戦いの後で元の世界へと転生、二度目の人生をやり直すことに。 そして高校生になったセツは再びエクレールへと召喚されてしまう。 エクレールでは五年が経過し、世界は再び戦乱の兆しを見せていた……

63.7 7 2023年度の魔法使いアニメランキング7位
婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (84)
294人が棚に入れました
本作は、森の奥で暮らす人嫌いな魔法使い・アレンと、国から追われている公爵家令嬢・シャーロットの物語。ある日アレンは、森の中で倒れている ボロボロの令嬢・シャーロットを発⾒する。人嫌いのくせにお人好しなアレンは、彼女を放っておけず屋敷に連れ帰る。家族から不遇な扱いを受け、婚約者にも 裏切られたという彼女に同情したアレンは、シャーロットをメイドとして雇うとともに、自分の屋敷に住まわせることにする。アレンは、シャーロットはどうせすぐに屋敷を出ていくだろうと考えていたが、とあることをきっかけにイケナイことを教え込むことに!?

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

12話最終回視聴。とりあえず色々終わって大団円かと思ったら…最後の最後で不穏な気配が…。

確実にタイトルで損してるなぁコレ。
タイトル見ただけだとアレな作品に見えてしまうが個人的にはわた婚が近いかな?

まあイケナイ事?ではあるのだが思ってたんと違う…とか思ったw

3話観て思った事は新キャラの女の子も可愛い、服がすげーなと思ったw

そしてヒロインにしたのに対して個人的に殺意が沸いたとだけ。
一応言っておくけど主人公では無い。

コレも気になっているので視聴継続。

12話最終回感想。イチャイチャでいい雰囲気と思ったらいつものヤツ!
この子良い子だったんやね。これならこの後空気が悪くならなくて良いね。
覇◯色の覇気!かと思ったらペットで草。

ああ、そう言えば何処かの話数で服が凄い子の胸が無意味に揺れてるシーンがあったよ。
アレは何だったんだろう?

まあコレは置いといて。
物語最後がこれなら2期来てもおかしくはないかな。
2期来たら観る!

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

U-yan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

早見さんによる癒しアニメ。

変わり者魔法使いの主人公が、母国で迫害を受けていた令嬢を助ける所から始まるボーイミーツガールファンタジー。
イケナイこととは何ぞや!?まさかエロいことなのか!?いや、それは我慢せずお菓子を食べたり欲しい物を買いまくったり・・・。
普通の生活を経験してこなかった元令嬢と、恋に鈍感かつ奥手な主人公による「さっさとくっつけ系」ラブコメですね。
実は結構豪華な声優陣、キャラの個性もあり、何より杉田さんと早見さんだから安心して観れるアニメだと思います。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

71.7 8 2023年度の魔法使いアニメランキング8位
便利屋斎藤さん、異世界に行く(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (266)
872人が棚に入れました
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。 運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。 職業“便利屋”の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。 そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。 呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいの モーロック。 姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。 斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。 鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。 元の世界で身につけた“便利屋”の経験を異世界で活かす。 異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。 しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。 斎藤さんは充実していた。

声優・キャラクター
サイトウ:木村良平
ラエルザ:ファイルーズあい
ラファンパン:東山奈央
モーロック:チョー
メヴェナ:大橋彩香
ギブングル:相馬康一
リリーザ:花守ゆみり
ギーブル:田所陽向
フランリル:青木瑠璃子
ニニア:田所あずさ
カインズ:松岡禎丞
ライチ:芹澤優
モンプイ:本多力
キスルギ:笠間淳
プリマス:井澤詩織
ラーヴェラ:斎藤千和
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

x=v₀t+1/2at^2

2023/06/07 初投稿

最初の印象は『かぐや様』みたい。
かなり短いギャグ寄りのエピソードを積み重ねていく感じ
一見関連性無く,場面や登場人物も次々と変わっていきます。
『かぐや様』のナレーションに相当する者として『斉藤さん』ではテロップが使われています。

そして,なんかビミョーなのです・・・イマイチ面白くない・・・
危なく切る所でした^^;
この回で切ろうと思いながら3話を見ていたら
(3話の)終盤横穴を見つけた当たりからちょっと面白くなってきましたw

視聴を継続すると
なんかドンドン加速度的に面白くなって行くではありませんか!!
4話で主要な登場人物がそろったのでしょうか(たぶん)
5話当たりからストーリーが見え始めます。5話で忍者のストーリーが始まり6話でもーロックさんのストーリーが始まりと言った具合で
意外とシリアス要素も感じさせながら,それぞれのストーリーも平行して描かれていきます。
8話で忍者の{netabare}ストーリーが完結します。思いの外感動的。
序盤単なるギャグアニメと思わせ,中盤以降もギャグに軸足を置きつつ,意外と真面目なストーリーを展開します。{/netabare}

色々突っ込みたくなる自分のような面倒くさい輩でも,ベースにギャグがあるので問答無用で色々納得させられちゃいました。
おかげで,ストーリーに集中できなんやかんやで感動的でした。

OPは1回しか見ませんでしたが。ED「ひだまりの彩度」はだいたい毎回見ました!

最近,評価の基準が狂ってるかも知れませんf^^;

投稿 : 2024/09/28
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意外と楽しめる。毎回、ただ「いい話」では絶対に終わらない(笑)。

「便利屋」という商売があります。

鍵を無くした時に開錠道具を使って開けてくれたり、漏水などの応急処置をしてくれたり、簡単な修理を請け負ってくれたり…。

そんな便利屋に勤務している斎藤さんが異世界に転移して、便利屋として身に着けた様々なスキル(ゲーム的な意味ではない)を用いて冒険者パーティーの支援職として自分の存在価値を見出していく、そんなお話ですね。

各話ストーリーとしては基本的にはお笑いの方向に軸足を置いているのですが、恋愛要素があったり、シリアスな展開につながる過去回想があったりといった感じでけっこうバランス良くエピソードが配置されています。

こちらの世界では自分の価値を信じられなかった斎藤さんですが、異世界で徐々に自分のポジションを確立し、自己肯定できるようになってゆく様はこのアニメのグランドストーリーになっています。

そんな笑いとシリアスの両輪で進むこのアニメの脚本が心掛けているのではなかろうかと思う点としては、「各話の最後はシリアスでは締めない」という点が挙げられます。

しんみりさせたり感動的なエピソードが入ってきて尺的に「この話はこのエピソードで終わるのかな?」と思わせても絶対に笑いの要素で締めてきます。

そこに妙な安心感・安定感を感じてなんとなく楽しんで完走してしまう、そんなアニメでしたね。

2023年冬(1~3月)クールは視聴したい作品数に比較的余裕があったので、そんな中ではお勧めできる作品だと思います。

ただ、後から観たいアニメを探すという観点だと「絶対観ておけ!」的な強力なお勧め作品でもないような気がします。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

剣も魔法も使えない。でも――サイトウの代わりはどこにもいない。

この作品の原作は未読ですが、私の中で今期のTOP10入り間違いなしの作品でした。


今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。
運動も、勉強も、そこそこ。
決して一番になれない普通の人間……
それが、斎藤さん。

職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。
そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。
呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。
姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。

斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。
鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、
カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。
元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。

異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。
しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。
斎藤さんは充実していた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品も異世界転生モノです。
異世界転生って、本来なら有り得ない話なんですが、アニメの世界では既に一般常識レベルで常態化していると思うのは、きっと私だけじゃないはずです。

この作品の最大の魅力は、斎藤のパーティーメンバーによる掛け合いに尽きます。
掛け合いというより、モーロックのボケとラエルザのツッコミがヤバい作品と言う方がしっくりくるかもしれません。

斎藤(CV:木村良平さん):現代日本から転移した盗賊。日本では便利屋さんに勤めていた。
ラエルザ:(CV:ファイちゃん):本作品のヒロインで重戦士。
モーロック(CV:チョーさん):伝説級の魔術師だったが、物忘れが激しいのが難点…
ラファンパン(CV:奈央ぼう):月光妖精の神聖魔術師で主にパーティーの回復役を担当。

起点は殆どモーロックさんから始まります。
ダンジョンでの戦闘中に魔法の詠唱を忘れたり、腰痛が酷いのに女の子とギャンブルが大好きだったり、とかく破天荒なおじいちゃんです。
この破天荒さ故に、緊迫した状況にあまり遭遇しないというか、遭遇していても緊迫感が感じられなかったりと、常にどこかほんわかとした優しい雰囲気が感じられる作品だったと思っています。

そう言えば、wikiをチラ見した際に知ったのですが「モーロック」って本名じゃないみたいです。
きっと、耄碌(もうろく)したおじいちゃんだから「モーロック」と誰かが勝手に付けたのではと想像しています^^;

個人的に大好きだったのは各話の終い方です。
物語は毎話色々あるのですが、ラストは大概「今日も一日お疲れ様でした。また、明日も頑張りましょうね。」的な優しい雰囲気になるんです。

これはきっと性なのかもしれませんが、そこで必ずモーロックさんが何かをやらかすんですよね。
そして間髪開けずにラエルザの激しいツッコミが入ってエンディング…というパターンが堪らないほど大好きでした。
何故ならエンディングのイントロがメッチャ心地良いメロディで、本当に物語を全部包み込んでくれるような感じを強く受けたからです。

このエンディングを迎える度に視聴して良かったと思いながら、終盤は何故かエンディングもイントロを聞いただけで何故か目頭がじーんと熱くなったり…(*ノωノ)
時に自分のチョロさに辟易することもありますが、これはきっと不治の病みたいなモノなんでしょう。
回を重ねるうちにどんどん可愛らしくなるラエルザや、奈央ぼう演じるラファンパンも十分魅力的だったのが個人的には加点要素だと思っています。

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Teary Planetさんによる「kaleidoscope」
エンディングテーマは、konocoさんによる「ひだまりの彩度」
言わずもがなですがエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
これは続きが見たいでしょう。
斎藤とラエルザの顛末は、誰だって気になると思いますし…
ラエルザはラファンパンに対する警戒だって必要になるかもしれません。
モーロックさんは、これからもずっとマイペースなんだろうなぁ…
そんな温かなひと時を過ごさせて貰った作品でした。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 15

69.1 9 2023年度の魔法使いアニメランキング9位
Lv1魔王とワンルーム勇者(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (170)
555人が棚に入れました
かつて魔王を倒した英雄にも関わらず、人間社会の繁栄に埋もれて腐ってしまった勇者マックスと、マックスを倒すために蘇った魔王の交流を描く現代風異世界ファンタジー
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

良い意味で予想の斜め上

<2023/10/9 初投稿>
原作は未読。
7月に1話だけ見て、その後録り溜めして今日一気見しました。
"勇者"のその後をコメディタッチで描いた作品です。

これは面白いですね。
設定も先の見えないストーリー展開もしっかりしていて、全話だれることなく没頭できました。

あにこれの評価も高くないし、ネットであまり評判にもなってないようなので隠れた良作、という感じ。

ただ楽しむには越えなければならないハードルが二つありまして。

一つが変なキャラ。
変なのは魔王様とゼニアなのですが。
魔王は性格は至極まともだけど、
{netabare}性別がどっちなのか(もしくは性別の概念がない?){/netabare}よくわからないし、
おそ松さんを彷彿とさせる幼児のようなキャラデザイン、
大人の姿の時の痴女のようなセーラー服
とか情報も多すぎて飲み込んで消化するのが大変です笑

そしてゼニアは服装がJapanese HENTAI寄り笑

二つ目は設定。
ドラクエ的中世ヨーロッパのような世界観の中で勇者御一行が魔王を討伐して10年。一気に文明が進みなぜかほぼ現代日本のような世の中に変容してます。
10年でこうはならんやろ笑
現代日本へ転送されたわけじゃないんだと理解し、ギャップに慣れるのに時間かかりました。

まぁでもこの二つに慣れてしまえば後はストーリーを楽しむだけです。

内容はコメディメインではありますが、
冒頭「はたらく魔王さま」的なノリのように見せて、話が進むにつれ中身が変わっていく感じ。
勇者御一行のその後の関係性に焦点当てているところなんかは寧ろ「葬送のフリーレン」の方が近いかも、とか言ったらフリーレンファンに怒られそう。


あと声優さんが豪華ですね。
主人公の勇者マックスは五条悟他で飛ぶ鳥を落とす勢いの中村悠一さん。イケメンじゃない役が珍しいという声もありますが、ゴブリンスレイヤーではドワーフの爺さん演ってて演技の幅広い方です。
魔王は宇崎ちゃんとかの大空直美さん。
準レギュラーも日笠陽子さん、松岡禎丞さん、下野紘さん、小清水亜美さん、小林ゆうさんなどなど豪華。

他にもそんなに出番多いわけじゃない王国九大臣に、堀内賢雄さん、置鮎龍太郎さん、大塚明夫さん、玄田哲章さん、井上麻里奈さん、草尾毅さん、谷育子さん、土師孝也さん、そして田中真弓さん。
まぁすごいメンツ。

長々と声優さんのこと書いたのは、こういう実力も実績もあるメンバー揃えるとやはり作品は締まるなぁ、と。
一人一人のキャラが立つんですよね。
なのでお話も頭に入りやすい。

クセ強なキャラと設定がヘーキという方にオススメしたい作品です。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 16

原作見ない人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌え絵好きには合わないかも

■物語の評価
「まおゆう」や「はたらく魔王さま」とか設定がかぶってる~
とは言われたりしてますが、
物語は毛ほども似ていません。
バックグラウンドのストーリーが進みながら
落ちぶれたオッサン勇者と幼女になった魔王の成長?を見守る感じですね。

■声優の評価
豪華声優陣!と言うかまーた同じような声優陣なので
特に声優さんの遊びが入ってる訳でもないので
安心して見れる以外には特にないです。

■キャラの評価
一番割れる所だと思いますが、かわいいキャラクター、美少年とかを見慣れてしまっている人には絵が古いと感じてそれだけで評価が低くなると思います。
ですが、おっさん達が主人公な上に、紅一点が特に可愛くもない3頭身の幼女
という中 キャラの書き分けがしっかりとしており非常に濃い。
美男美女しか出てこないアニメが多い中、ある意味リアルな感じがします。

■作画の評価
キャラの方でも少し触れたのですが古い感じがする。
と感じる人も多いと思いますが、作画めっちゃいい!
細かい絵でないから簡単なんだろって思うことなかれ、表情・表現の一つ一つが細かい。背景も世界観を崩さない安定さ
シーンやカットごとに違和感が出る事なく統一されていて昨今の
ぶっつけ消費作品とは違うのが非常に気持ちいい!

■音楽の評価
特にここの音楽かっこいい!
とかこのシーンにはこの音楽だよね!
は無いのですが、世界観的に必要ないきもする…

■感想
評価がほぼ感想みたいなものですが
だらっと、安心して見れるアニメを久しぶりに見れた気がします。
知的な物・知ってる人だけが笑えるネタなどを仕込まず
王道の馬鹿展開とおっさんの駄目さと苦悩を楽しめるアニメでした。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意表を突かれた展開

 てっきり本作品のぱっと見の既視感から、出オチに近い日常系かと思ったら、意外とそういった作品群からは距離を置いている独自性が発揮されているとは思った。

 原作者の癖が詰まった……一般的には特殊性癖な腹筋キャラとか異様なまでのケツ推しの部下といい、あれこれ尖ってはいるが、描いているのは必ず存在するであろうが無視されがちな、ヒーローのその後の描写が、作品世界がモロ現代日本なので若干引き付けにくいところはあるものの、描写自体は概ね説得力があった。
 ……ただし個人的に求めているものとはちょっと違ったけど。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 8

65.1 10 2023年度の魔法使いアニメランキング10位
自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (169)
536人が棚に入れました
交通事故に巻き込まれた俺が転生したのは……なんと
「自動販売機」だった!?
白い四角形の体に、出てくるのは機械音声のみ。
自力では動けず、会話もまともにできない危機的状況の中、
元・自販機マニアとしてのアツいサービス精神に火がつく!
コーラ、おでん、カップ麺……異世界住人の胃袋を掴むうちに、豊富な知識と奇抜なアイデアで、冒険にも参加することに!?

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

無機物転生は面白い作品が多いのかも? 和んで楽しい

自動販売機が熱烈に好きだった主人公が転生したら自動販売機に、という無茶な話でインパクト抜群です。

転生したら無機物でした、は、アニメでは剣以来2作品目でしょうか。
剣といえばファンタジーの定番ですし、喋る魔剣などもあるのでまだ違和感は無いですが、自動販売機というのは違和感しかないw
でもそこが面白いですね。

主人公はどうも自動販売機が発するセリフしか喋れないようで…
それでもなんとかコミュニケーションを取っている様子に和みますね。

無機物主人公は自力では動けないためパートナーとなるヒロインが重要になりますが、ヒロインも可愛らしく… そもそも作画が良くて見た目も良いですね。

まあ内容自体は良くある地球、日本の食べ物飲み物を紹介して大好評という、異世界転生料理物の流れ通りではあるのですが…
全体に流れるゆるくまったりした雰囲気が楽しいです。
これは視聴継続。面白いです。

全話感想
まあ基本的には和んで楽しいというだけですが…
そこが良いですね。ヒロインはほんわか可愛く、主人公も自販機なのでそれ以上のなにかがあるわけでもなく、まったりでしたね。

やはり主人公の能力にある程度制限があるのは良いですね。
自由にしゃべれない、自分で動くことはできず運んでもらわなければならないなど、制限があってこそ面白いと思うので。

メインの主人公の能力は、古今東西あらゆる自販機になれるという能力で、古今東西の自販機に精通していれば、実際にはほぼ万能に近い能力なのですが、普通の人はそんなに自販機を知らないので、「え、こんな自販機あるんだ!」という新鮮な驚きをもって見られました。

そういう点では結界は… まあなきゃ死んでますから仕方ないのでしょうけれど。

2期決定だそうで。個人的には楽しかったので喜ばしいですかね。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 6

名無し さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

おもしろい!

「トンスキ枠」といえばわかりやすいでしょう!
ええやん!やるやん!すてきやん!
これに尽きるよ物語は。
メントスコーラは、今となっては少々寒いが、原作出版?時はタイムリーなネタだったんじゃないかな!?
もしスキルかなんかで、セリフが増えたら楽しいだろなぁ〜。
それと全国津々浦々の限定自販機とかも出たりするんだろうか?楽しみでならない。

が、主人公が陰キャすぎて念話は選択肢から常に外れるし、謎の胸糞展開もあり(主人公はすぐに忘れる)、さらにアニメのクオリティは他のアニメより3段階くらい下がる。2期は無理かなと思う。
設定は面白いが、1話に今の2話分詰め込んで貰わないと、アニメとしては満足度が低い。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 2

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ラッミスと被った』

転生したら自動販売機だったw冒険ファンタジー

転生先おもろすぎやろw興味深い設定で掴みバッチリw

自動販売機ってこうしてみると色んなもん売ってるなぁ。現代の進歩に土下座だわ。と思わせてくれるくらい色んなものが主人公(自動販売機)から出てくるw

冒険団とかダンジョンとかのお話だからもちろん戦うんだけど、あんま仲間達の戦闘シーンに力ゎ入ってない。
自動販売機の闘い方wwwwゎ無茶苦茶な所もあるけどまぁいっかって思えるw

いつかの未来でゎこのような知能を持った自動販売機が世を笑顔にするのかもと思うと2期の展開が楽しみになった作品

投稿 : 2024/09/28
♥ : 0

69.5 11 2023年度の魔法使いアニメランキング11位
魔法使いの嫁 SEASON2(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (126)
529人が棚に入れました
すべてではない。けれど、エリアスを、自分を受け入れることができたチセ。 カルタフィルスがひとときの眠りにつき、日常を取り戻した彼女の元に届いたのは、魔術師たちの相互扶助組織『学院』への招待状だった――。 大英図書館の地下……今までとは違う魔術師達の社会。”人”との出会いと交わりが、新たな扉を開いてゆく。 これは、私(あなた)を救う為の物語。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チセが「特攻」以外の戦い方を知る物語

1期目は連続2クールでしたが、この SEASON2 は分割2クールです。

内容的には新しい人間関係を構築していく形になるので1期目を観ていないとまったく意味不明ということにはならないとは思いますが、世界観やこれまで構築されている人間(人外キャラ含む)関係を押さえておくためにも1期目を観終わってからの視聴が無難だと思います。


1期目冒頭でのチセとエリアスの出会いはかなりショッキングかつ変わった物であったのですが、エリアスの「お嫁さん」兼「魔法使いとしての弟子」としてのチセの暮らしは、二人の住まいの家事一切を取り仕切る妖精「銀の君」シルキーも交えた幸せな物となっています。

でもそこに至るまでにときには誰かを助けるためであったりの理由も含めて、チセ自身はけっこう危険な目に遭っています。事を成すにあたって自分をないがしろにしがちだったチセが周囲からたしなめられ、問題に向き合っていく過程が描かれる2期目となります。


本作の世界では妖精・精霊といった人ならざる者と直接の交渉を持ち、その力を借りて力を行使する「魔法使い」と、魔法陣や呪符などによって体系化された力を行使する「魔術師」が存在しています。

チセやエリアスは魔法使いですが、今回舞台となる「学院(カレッジ)」は魔術師のための学校です。そんな学院にある経緯から魔法使いでありながら「聴講生」としてチセが学ぶことになるのが今回のお話ですね。

漫画原作は10巻からがいわゆる「学院(カレッジ)篇」ということになっており、この第1クールではおおよそ14巻までの内容がアニメ化されています。

19巻目まで刊行されており、内容としてはここで一区切りついていますので、このペースの原作消化だと2023年10月から放送が予定されている第2クールでこの19巻目の内容まで終わると思います。

そもそも「学校」的な場所で友人関係を構築することに不慣れなチセの成長、そして魔術師同士のしがらみやそこに進行する陰謀など、1期目とは違った切り口で描かれるファンタジックな世界をお楽しみください!

投稿 : 2024/09/28
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ナイまぜな心に枠をはめ直してみたり

引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.0点】
「学院篇」のアニメ化となった2期前半1クール目(全12話)

普通、魔法の素質がある日本人少女が、一般社会や学校の枠からはみ出した末に、
西欧の魔法使いの世界で居場所を見つけたら、そのまま自由に生きるもの。

そう思っていた私にとっては、魔法使いの“嫁”となったチセが、
今更、魔術師たちの組織“学院”に通い直すという予告から衝撃的でソワソワしていた続編。
“学院”だからこそ観た2期でした。


チセは今や生物としても特級の研究対象になり得る、人の枠からもはみ出した存在。
“学院”からの招待を受諾した目的も自身の身体の扱い方を知ること。
ですが重要視されていたのは終始メンタル面だった印象。
これまでチセは利他の歯止めがかからず、自己犠牲を重ねて来た。
正体不明な自分自身に、“学院”という枠をはめ直し整理することで、
適度な自愛の心の確立を目指す、青春やり直しストーリーのように感じました。

チセは魔法や魔術に関しては教わることがあまり無さそう。
緊張感を持って挑むのはむしろ、空気の読み方という意味での教室への入り方とか、
ツンツンなルームメイト・ルーシーへの接し方とか。
繊細な青春やり直し描写に手応えを感じる前半クールでした。


「嫁」「弟子」「師匠」「友だち」……。
チセだけでなく、周りの魔法使い、魔術師たちは{netabare} 蛇だったり四本脚だったり実験で顔が消滅していたり{/netabare} と明らかに普通じゃないのに、
一般的な名詞で自分たちを縁取る酔狂を見せる。

世の中、言葉で表現できることの限界を指摘する作品の方が多数派かと思いますが、
まず言葉でラベリングして、人間という存在から離れ過ぎないように自身の安定化を図る。
言葉の有用性を再認識させる本作もまた一興だなと思いました。

最後の級友に手を出してんじゃねーよ風なチセたちのノリ。
ぎこちないですが悪くないです。


魔法使いは自然の精霊等と交流し力をお借りする奇跡の力。
魔術師は自然の理を支配し使役する科学の力。
両者の分別等による緻密な設定を土台とした世界観も健在。

魔術により合理的に目的遂行を目指す魔術師界隈から見れば、
学院は、はみ出し物が青春ごっこをしている伝統から外れた不合理な異物。
衝突、波乱は必然と思い知った所で前半折り返し地点。

まだ見えない学院の真意とも合わせて今秋からの分割2クール目での解答に期待大です。


【作画 4.5点】
アニメーション制作は1期・WIT STUDIOからスタジオカフカに変更。
同スタジオはOAD『魔法使いの嫁 西の少年と青嵐の騎士』(2021)制作を目的に新規設立された言わば『まほよめ』専用機。

深い作品理解に基づく魔法、魔術、怪物描写の迫力も良好ですが、
それ以上に日常のキャラの何気ない仕草まで手を抜かない姿勢が素晴らしく、
こちらも集中力を上げて挑まなければと背筋を伸ばされます。

キャラの言動の意味自体は、スローペースもあって理解はできます。
ですが、今の台詞の表情は、どんな立場を踏まえたものなのだろう?その真意は?
深読みし出すと私は固まってしまいますw
因みに私にとっては、本作がこの春アニメの巻き戻し、一時停止ボタン最多発動アニメでしたw

それ位、視聴者のこだわりをも引き出す意欲的な作画でした。


【キャラ 4.0点】
学院へ通い出した“嫁”チセを追って魔法の講師として教鞭をとるエリアス。
彼もまた人間を言葉から理解しようとする人外。
教師デビューにて骨頭でドン引きされないよう{netabare} 萌キャラ化?{/netabare} してみたり、
“嫁”のキャンプが心配で{netabare} 身体を二分割{/netabare} して遠隔監視してみたり。
人を想ってかえって形態変化が複雑化して人ならざる物になり果てていく様が微笑ましかったですw

ただ終盤“友だち”を傷つけるなというノリでエリアスが助太刀した辺りには成長を感じました。
まだ“友だち”の意味は分かっていても、友情の深い感覚までは理解していないのでしょうが、
着実に様になってきています。

また何故“嫁”としてチセを買ったのか、現在の心境を語り合うチセとエリアスの問答。味わい深かったです。


「ウェブスターの悲劇」の過去を背負った強面のルームメイト・ルーシー。
周りや家、いつも何かに怯えている風の内気な少女・フィロメラ。
チセらと共に訳あり過ぎスリートップを形成し、学院に波乱を引き込む導線に。

分かっていましたが、この学院、純粋に勉学目的で通っている生徒教員ほぼ皆無なようなw
大体、寮母からして猫だし、保健の先生ポジションのアレクサンドラさん芋虫だしw

最終話、{netabare} 殺しをした人間にしか見えない花{/netabare} が見えたチセ、フィロメラそして名家の優等生リアンという意外なメンツ。
学院と魔術師界隈の闇はまだまだ深そうです。


【声優 4.0点】
主人公・羽鳥チセ役の種崎 敦美さん。
引き続き感情を抑えた中でも葛藤を表現する渋い演技。
エリアス役の竹内 良太さんらと共に、学院に舞台が移っても変わらない掛け合いで、
シリーズの継続性を示す安心感。


魔術師の師匠・ミハイル・レンフレッド役の日野 聡さん。
その弟子・アリス・スウェーン役の田村 睦心さん。
腕を失くしたのはお前のせいじゃない、護り手だの弟子だの枠にはめたくない、弟子でいさせろなど、
学院内外で時に激情も交えて口論を繰り広げる熱演。
もの静かなチセ&エリアスとは対照的な師弟関係のケースを提示することで、
比較考察する好材料となる。


【音楽 4.5点】
劇伴は松本 淳一氏が続投。
ピアノ、ストリングスに電子音もアレンジした作風は変わらず。
本作では曲というより心象や現象に則した“音”を千切って投げつけたような音響がいっそう目立ちました。
「魔法の風圧・空気圧」などほぼSEw

前作と異なり挿入歌も少な目な地味な楽曲構成ですが、
曲にならない魔法、魔術、人の心の不思議をも取り扱っている感があり、私は好きです。


OP主題歌・JUNNA「Dear」
1期前半OPに引き続き、変拍子を駆使して諸々ナイまぜになったチセの感情等をぶつけた力作。

ED主題歌・edda「無伴奏」
伝書・書物といった意味を持つアーティスト名。
透明感のあるボーカルで“夫婦”2人の関係等を物語り各話を締めくくる良作バラード。

口数少ない作中のチセたち、グチャグチャと混ざりあった劇伴とは対照的に、
純粋で力強く雄弁な主題歌が作品を引き締める構図も相変わらず。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 19

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

魔術学校へ

原作未読 全12話

魔法使いの嫁 SEASON2の第1クールです。SEASON1から観ることをオススメします。

主人公チセと魔法使いのエリアスは、魔術学校の学院長からチセは聴講生として、エリアスは臨時の教師として招かれます。幼いことより虐げられまともな学園生活を送れなかったチセは、ここで色々なクラスメイトと出会い、一緒に過ごすことで成長していく物語。

魔術学校なので、教師も生徒もとても個性的なキャラクターが多いですね。人ではないキャラも多いです。

チセを筆頭にクラスメイトや教師たちにある不可思議な事件に巻き込まれてしまいます。

解決は第2クールでしょうか。1クール目にこの事件の鍵になりそうなキャラも出てきます。

OPはJUNNAさん、EDはeddaさんが歌っています。EDの作画が好きでした。

最後に、誰が先生で生徒が観ていると時々分からなくなりますw

投稿 : 2024/09/28
♥ : 18

62.9 12 2023年度の魔法使いアニメランキング12位
転生貴族の異世界冒険録 ~自重を知らない神々の使徒~(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (174)
505人が棚に入れました
偶然居合わせたコンビニで、少女をかばい死んでしまった椎名和也。気づくとそこは、夢にまで見た剣と魔法の世界だった! 貴族の三男カイン・フォン・シルフォードとして、転生していた彼は、早速様々なものに興味を持つ。そして迎える五歳の誕生日、慣習に倣い教会で洗礼を受けてみると…… 神々から与えられていたのは数々の加護、更には規格外としか言いようのないとんでもステータスだった! 転生生活はバトルに恋に勉強に、やりすぎくらいが丁度いい!? きっちり頑張るのになぜかきっちり怒られる、カインの異世界はちゃめちゃライフ、始まります!

fluid さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ギャグアニメ

「ゼロの使い魔」や「ハヤテのごとく」に近い雰囲気のギャグアニメです。

やるなやるなよと前振りしてやってしまったり、
やっても大丈夫だよと前振りしてたのに全然大丈夫じゃなかったり、
漫才の「笑い」の感性を強調したようなアニメですね。
なので異世界ファンタジーによくあるシリアス展開や暗い展開は意図的にカットされてます。そこを理解せずに文句を書いてる感想が多いようですが、そもそも一般的な異世界転生ものとはジャンルが違いますね。端的に言うと、漫才のツボを理解してない人にネタを見せても笑いが取れないのと同じ原理です。

王様なのに孫をかわいがる普通のおじいちゃんみたいになってたり、
王様なのにかまってもらえずにすねるツンデレ女子みたいになってたり、
女の子に追いかけられる絵を見せられた後に、王様(おっさん)に追いかけられる絵が出たり(エンディングアニメショーン)

ストーリーに関しては、他の方も言う通り記憶に残るようなものはありません。
それを言ってしまうと人気作品の「ゼロの使い魔」や「ハヤテのごとく」など他の多くのギャグアニメや日常系アニメにも同じことが言えます。
そもそもストーリー展開を楽しむアニメではないのであたりまえですが。

声優さんに関しては、かなり良かったと思います。
発音やイントネーションが不自然で気になって仕方ないアニメが最近は多いのですが、このアニメはまったく違和感なく視聴出来ました。
30~40代の声優さんが多いので安定感がありますね。
外見で選ばれただけの若手とか知名度だけの声優や芸能人を安易に使わないところがとても良いです。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

どどる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちゃんとかわいい少年主人公

外見年齢と内面が一致してるタイプの転生主人公。
転生ものは少年時代から始まっても内面が大人だったり、女の子なのに思考がおっさんだったり色んなパターンがありますが、私は肉体に引っ張られて外見と内面が一致しているのが圧倒的に好き。
かわいいので。

内容はどうやら、スレイヤーズや魔術師オーフェンあたりの時代の流れを汲んでいそうな感じがするコメディ。
いまどきのアニメらしく主人公の強さを強調描写するものの、強さをほめられて気持ちいい…………ッ!!! って絶頂するアニメではない。
主人公がやりすぎちゃって、コラーッて怒られて、ごめんなさ~いと謝る。かわいい。

異世界転生はチヤホヤされるまでがチートなところがあるので、主人公の立場が弱いタイプはけっこう貴重。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 0

63.7 13 2023年度の魔法使いアニメランキング13位
豚のレバーは加熱しろ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (149)
500人が棚に入れました
第26回電撃小説大賞《金賞》受賞作、ブヒっとアニメ化! 豚のレバーを生で食べて意識を失った、冴えないオタクの俺。 異世界に転生したと思ったら、ただの豚になっていた! 豚小屋の中、泥まみれで転がる俺を助けてくれたのは、天使のように優しい美少女・ジェス。 「フンゴァ!」 「あの、無理に喋らなくても大丈夫です。私には……分かりますから」 豚になった俺を献身的にお世話してくれる彼女は、人の心を読むことができる「イェスマ」という種族だという。 「まずい、それでは俺の豚のような欲望が垂れ流しではないか!!」 剣と魔法の世界(メステリア)で、ただの豚と心を読める美少女の、いちゃラブファンタジーがいま始まる! ……のか?

まっつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

豚が可愛い

これは豚に癒されるアニメですか?!
あんな可愛い豚の中身が、異世界転生した眼鏡ひょろガリくそ童貞って所が面白くて、モノローグだとか言ったりしてオタク特有の語り口で、めっちゃ好きです。可愛いフォルムのつぶらな瞳の豚だからいいけど、これが人間の姿してたら見てられなかったと思います。
女の子に癒されるのは勿論の事、豚さんに癒されます。
あとOPが好きです。豚の声優さんが松岡さんで凄く合ってます。渋い声でも、可愛い声でもなく、ちょうどいいこの豚にはこれしかないって感じの声です。

原作を見てないので分かりませんが、人間に戻れたとしたら、そこそこイケメンなのかな?って思います。眼鏡ひょろガリ?ってところにまだ救いがあって、眼鏡くそデブきも童貞とかだったら絵にならなさそうなので。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ずっと一緒にいてくださいね、豚さん。

この作品の原作は未読です。
最初、タイトルを見た時、この作品くらい系統の不明な題材は無いと思いましたよ^^;

視聴のきっかけは、ともりると松岡さんが出演すると知ったから…
後に、とみたんや能登さんボイスが聴けたのは思わぬサプライズでした。


第26回電撃小説大賞≪金賞≫受賞作、
ブヒっとアニメ化!

豚のレバーを生で食べて意識を失った、冴えないオタクの俺。
異世界に転生したと思ったら、ただの豚になっていた!

豚小屋の中、泥まみれで転がる俺を助けてくれたのは、
天使のように優しい美少女・ジェス。

「フンゴァ!」
「あの、無理に喋らなくても大丈夫です。私には……分かりますから」

豚になった俺を献身的にお世話してくれる彼女は、
人の心を読むことができる「イェスマ」という種族だという。

「まずい、それでは俺の豚のような欲望が垂れ流しではないか!!」

剣と魔法の世界(メステリア)で、ただの豚と心を読める美少女の、
いちゃラブファンタジーがいま始まる!……のか?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

序盤から天使の様なジェスの言動に惹かれてしまいました。
特番で、ともりるが酸欠になるくらいジェスの演技は苦しかった~と言っていましたが、ジェスの声質もキャラの雰囲気に合っていて抜群だったと思います。

そしてキャラデザも最高…
流石、アニメーション制作がproject No.9さんだけのことはある…
と思っていましたが、同時期に3つの作品を並行して制作していただけに、大変なところもあったのでしょうか。

終盤にかけて作画があまり動かなくなってしまった感はありましたが、ジェスは可愛らしく描こうとする意志は伝わってきたので、個人的には結果オーライだったかな。

それより気になったのが物語のラストです。
リセットに向けてそれなりの気持ちの整理をしてきました。
それは、ジェスと豚にとって決して楽しくない展開が待っていることを予告されてしまったから…

物語の中で、ジェスと豚は少しずつですがしっかりと絆を育んできました。
だからこそ、楽しくない展開になってしまったのですけれど…
ですが、まさかのあのラストの一コマ…
これまでの決意が無駄になってしまったのではないでしょうか。

しかも、杉田さん、島崎信長さんに種﨑さんまで加勢してくれたんですよ。
プロセスの部分だって、もっとちゃんと見たいではありませんか!
強いて不満を挙げるならこの部分かな…

今回のアニメ化は原作の第1巻が使われたそうです。
そして、原作は既刊8巻まで発行されています。
一見すると、これで終わりの様な雰囲気もありますが、「私たちの闘いはこれからだっ!」的な感じの作品だったんですね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、ASCAさんによる「私が笑う理由は」
エンディングテーマは、Myukさんによる「ひとりじゃないよ」
オープニングもさることながら、エンディングテーマが神曲…!
ジェスが次々と映し出されるエンディグのアニメとも相性抜群…
このエンディングで毎回ジェスに惚れ直していました(〃ノωノ)

1クール全12話の物語でした。

上に記載したプロセスの部分については、追って回想シーンなどでも補完できるので、続編が制作されるなら、是非その点のアニメ化はお願いしたいです。
次は制作に余裕のある時に続編をお願いしたいですね。
宜しくお願いします。
目一杯堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 11

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

『見た目は家畜、頭脳はヲタク、その二つ名はメガネひょろガリくそ童貞だぞっ♪』

異世界でブタになった主人公と心が読める少女のいちゃらぶ?ファンタジー

好きな声優さんだし、タイトルのインパクト強くて視聴を決めた。
男性陣に人気そうな女の子たちと設定。
まぁストーリーゎ悪くゎなかった!なんならたまに目が離せなかった

人間でなくブタってだけでなんか飽きないやり取りw変な場所で笑ってしまうw

最終回1ヶ月後とお預けをくらい、少し内容忘れかけてたけど、まぁ。こんなもんか。って感じw

web小説のくだりで終わって良かったんじゃ?そのあとは必要な静止画ばっかだし、待たせたくせに!って感情生まれちゃった

松岡禎丞さいこーな作品

投稿 : 2024/09/28
♥ : 2

64.1 14 2023年度の魔法使いアニメランキング14位
七つの魔剣が支配する(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (142)
479人が棚に入れました
舞台は名門・キンバリー魔法学校。 ここでは卒業までに2割の生徒が、魔道の探究により再起不能や行方知れず、または発狂した末に死に至る。 いわゆる、“魔に呑まれる” という——。 その入学式、覚悟と共に学園の門をくぐる1人の少年・オリバー=ホーン。穏やかで理性的だが、その胸の奥底に秘めたる意志を感じさせる。そんな彼を中心に、様々な出身、背景を持つ少年・少女たちがこの学校に集い、魔法使いとなるべく切磋琢磨していくが、魔境と呼ばれるキンバリーの脅威が彼らに牙をむく。 仲間と出会い、様々な困難に立ち向かうオリバーを待ち受ける運命とは——
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

パッケージとして高いレベルにあると思う。

全く知らないタイトルでしたが、非常に高いレベルでまとまっている作品との評価です。
ライトノベル発で、数年前に「このライトノベルがすごい!」などで話題になったそうですね。
恥ずかしながらと言いましょうか、年齢相応と言いましょうかライトノベルを手に取ったり、読みふける事はとんと無くなって久しいのです。

ですので、あにこれの放送時期別ランキングを参考に視聴を決めた作品になります。
あと、「七つの魔剣」!!そそりますねェ。


率直に言うと、どこかで見たり聞いたりしたような設定、舞台装置はゴロゴロ出てきます。
これを突っ込みたくなるって言うのは人情だとは思いますが、この作品は、まぁまぁうまく取り込んでいた方ではないかと思います。

今の世の中で「あきらかなパクリ」レベルであれば叩かれても当然だと思いますが、いろいろとネタ的にも成熟していますし、ある程度は許容せざるを得ないと思いますって言うのが私の感想なのですが、ここら辺のさじ加減は、ちょっと難しいですかね。


個人的には、この手のジャンルが苦手な方は仕方が無いとは思うのですが、そうでなければ、観てみて欲しい作品だと思っています。
何と言うか、全体的に高いレベルでまとまっているとの評価です。
物語も、このクールでは全くと言って見えていないと言っても過言ではないでしょう。
視聴後の感想としては「大作感」というか「大きい物語感」はすごく感じます。

・世界で一番有名な魔法使いの映画が好きな方
  ⇒いけますw観てみて下さい。

・何が飛び出すかわからないでっかい穴が好きな人
  ⇒いけますwかすっている部分あります。

・いろいろな種族やジェンダーを越えた感じが好きな方
  ⇒いけますw一応、いろいろ考えている風に見えます。

・仲間が増えていく感じが好きな方
  ⇒いけますw現在、いろいろと人間関係作っているレベルです。カタルシス散らばってます。

・魔法学校での学生生活に興味がある方
  ⇒いけますwいまんとこそこが舞台です。学年を越えての交流、対立などいろいろあります。

・いかれた系のキャラが好きな方
  ⇒いますいます、学生で先輩なのにヤバいヤツ。何なら講師陣もイッてます。

・サムライマインドが好きな方
  ⇒いけ・・・るかなぁ・・・、ちょっとクセがあるけど慣れれば大丈夫。

・家柄とか、格とかにあがなう構図が好きな方
  ⇒ちりばめられてます。今後もあるかもしれません。

・○○劇、サスペンス要素、カタルシスを感じたい方
  ⇒ちりばめられてます。〇〇劇は一つ終わったところです。これからまだまだありそうです。

まだまだ、明らかになっていないことが多く、見えてこない点も多く、解らないことがたくさんありますし、知りたい事もたくさんあります。
・・・そういう意味では、少しだけ、説明が足りない感はあるかなぁ。
ですが、そこらへんの未消化な部分も含めて、今後の期待感を高めている作品ではないかと思っています。



一つ、主人公:オリバー=ホーンの{netabare} 復讐劇がメインストリーム {/netabare}だという事はあるエピソードではっきりしています。
しかしながら、その中で非常に多くの長短入り混じった、いろいろなキャラエピソードが展開されています。
そして、作品タイトルにある「七つの魔剣」についても、いくつかの情報が描き出されただけで、大きな進捗はありません。


作画についても、だいぶ力が入っていると言うか、カロリーを使った作品だとの印象です。
特段の破綻もないですし、カットもぐりんぐりん回りますし、雑さや手抜き感も感じませんでした。


声優さんも、いつもの私の評価ですw。
特に問題があるとは感じませんでしたし、視聴の障害になるような部分は見受けられませんでした。


音楽も力が入っていたとの印象です。
OPはそれ単体で聞いたら、どうかなぁ、どこにマッチするのかなぁって感じですが、作品のOPとしてはマッチしていると思います。
いい雰囲気作り出していたのではないかな、との所感です。
EDも同様です。
OPよりも個人としては、こちらの方が好きだったかもしれません。


さてと、だいぶ褒めてきたとは思いますが、今のところ、ここが弱点かも・・・、と思ったのがキャラでした。
念のため、最初に言っておきますと、これが問題や障害となって視聴感が悪くなったという事はありません。
充分、物語を堪能した上で、あえて言うとココかなぁと思ったと言うところです。

非常に多くのキャラが登場してくるのですが、ガッツリ立ったキャラがあまりいない・・・という感想です。
もちろん、学校生活が主という事で、登場人物はたくさんいますし、個性も描かれてはいるのですが、これがかなり抑制的で、昨今流行りのケモ耳入れとくかとか、ロリキャラ入れとくかとか、露出の多いキャラ入れとくか的なノリではない感じなのです。
私は、これが逆にこの作品の良い所と思って入るのですが、それでも、華が無いと言えばそうかもなぁとの思いがよぎりました。

まぁ、前述した箇条書き部分にある「サムライ」さんはキャラが立つっていうよりも、悪めだちに映って苦手な方もいるかもしれないなぁ、との印象を持っています。
という事で、まずは「キャラが少し弱い」。

そして、これらから引き続いて「登場キャラが多い」。
ストーリーを追ってみているうちは大丈夫だけれども、ちょっと間があくと混乱しますw(オジサン特有の脳みそ由来の可能性もあります)



実際、一番印象に残ったのは悪役と言うか、
ヤな奴で登場してきたのに、いい先輩やってんじゃんと思った「ヴェラ=ミリガン」でした。
ただ、この作品の持つ空気から考えると、この後どうなるかわかりませんけどね。



ま、ここら辺も、今後観ていけばどんどん変わるかもしれませんし、キャラが立ってくるかもしれません。
また、新しいキャラが登場してくることもあるでしょう。



それより、何よりも、この物語を最後まで見せてくれるスタミナがあるのかどうかが心配です。
このクオリティで今後がも作り続けるメドが立っているのでしょうか。
「私、気になります!!」

というか、見たいのでよろしくお願いをいたします!!。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その剣が導くは、復讐か、相愛か――。

この作品の原作は未読ですが視聴を楽しみにしていた作品です。
どうやら、魔剣や聖剣といった類の単語に私は弱いようです…^^;

ですが、完走してwikiをチラ見してビックリ…
この作品の作者は、「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」を手掛けた方だったんです。

アニメしか見ていませんが普通に面白い作品でしたし、何より種ちゃんが休業する直前に演じていた作品ですので…

そっか…そう言われてみると作風というか雰囲気は似ているかもしれません。


「このライトノベルがすごい!2020」(宝島社刊)文庫部門・総合&新作ダブル1位を獲得した
電撃文庫が誇る大ヒットシリーズ「七つの魔剣が支配する」(KADOKAWA刊)のTVアニメが
ついに2023年7月、放送開始!

舞台は名門キンバリー魔法学校。
ここでは卒業までに2割の生徒が、再起不能や行方知れず、または発狂した末に死に至る。
いわゆる、“魔に呑まれる” という——。

春、キンバリーにオリバー=ホーンが入学する。穏やかで理性的だが、そこはかとなく影が 見え隠れする。
そんな彼を中心に、様々な出世や背景を持つ少年・少女たちが集い、魔法使いとなるべく切磋琢磨していく。
希望に胸を躍らせ、学園の門をくぐる魔法使いの卵たち。
しかし、魔境と呼ばれるキンバリーの脅威が彼らに牙をむく。

仲間と出会い、魔境に立ち向かう彼を待ち受ける運命とは――。
そして、“七つの魔剣”を巡る物語が、今、始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

卒業するまでに2割の生徒が変調をきたすという、とんでもない学校が舞台です。
学校の地下にダンジョンの様な空間が広がっているのですが、とにかく広大で魔物が出現したり、先輩方が妙な実験をやっていたりと、兎に角常軌を逸した学校なんです。
この学校にオリバー、ナナオ、カティ、シェラ、ガイ、ピートが入学して…物語が動いていきます。

完走して振り返って思うこと…
物語自体は面白いと思います。
ですが、登場人物が多く主要登場人物以外には、登場機会の多かったキャラくらいしか覚えられませんでした。
何より、キャラの設定に関しては分からないことだらけ…
私の理解が及ばなかっただけなのかなぁ…

例えば、主人公のオリバーですが、真の目的の一端を見ることはできたものの、強さの秘訣は何だったんでしょう。
それに七つの魔剣との関係も今一つ分かりませんでしたし…

ですが、ナナオが強いということと、ナナオがオリバーに対して好意を持っているのは理解できました。
まぁ、オリバーは優しいですからね^^
きっとナナオの他にも好意を寄せている人はきっといると思いますけどね。

さて、学校の全容や魔剣については、今後少しずつ明らかになっていくことでしょう。
1クール全15話の物語と中途半端な尺になったのは原作3巻までの1年生編が描かれたためだとか…
原作のストックは既刊13巻まで発行されているので、続編のストックとしては十分だと思うのですが、どうなんでしょうね。
今後の動向が楽しみです。

オープニングテーマは、夢見クジラ feat. みみずく&ふくろうさんによる「剣花」
エンディングテーマは、夢見クジラ feat. つむぎしゃち(from キミのね)さんによる「アイム」
夢見クジラさんとはお初にお目にかかる…と思ったら、「リアデイルの大地にて」のサントラや、倉木麻衣さん、Wakanaさんに楽曲を提供されるなど幅広く活動されている音楽家さんのようですが、楽曲が半端無く素晴らしい…!
オープニング、エンディングとも、むっちゃヘビロテして聴いていましたよ。
作品の世界観ともマッチしていましたし…

1クール全15話の物語でした。
続編制作して欲しいけど、どうなんでしょうね。
ここで終わったらとても寂しいと思っているのは、私だけじゃないと思います。
続編、期待していますね♪

投稿 : 2024/09/28
♥ : 10

68.3 15 2023年度の魔法使いアニメランキング15位
魔法使いの嫁 SEASON2 第2クール(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (72)
377人が棚に入れました
すべてではない。けれど、エリアスを、自分を受け入れることができたチセ。 カルタフィルスがひとときの眠りにつき、日常を取り戻した彼女の元に届いたのは、魔術師たちの相互扶助組織『学院』への招待状だった――。 大英図書館の地下……今までとは違う魔術師達の社会。”人”との出会いと交わりが、新たな扉を開いてゆく。 これは、私(あなた)を救う為の物語。

大貧民 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界観が良い

本格的な魔法物。
現代劇なのに、異形な人物達が普通に生活していて、それが大英図書館の地下に学院として存在する。
コメディ物では無いのですが、ちょっとしたコメディシーンなんかはあって、それがちょっとほっこりする。
カレッジ編のチセは、精神的にもちょっと逞しくなってかっこ良くなっている。
登場人物が増えて、関わる人が増えてチセを始め個々のキャラたち各々の関係性もあって、物語に広がりがでたと思う。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 2

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ミステリと言う勿れ

「真実は人の数だけある」
これは“事実と真実”の物語であり、人造精霊アルキュオネの言葉を借りるなら、“記録と記憶”が織りなす綾というべきか。
変えることのできない“事実”に対する感じ方は人それぞれである。
そしてそれこそが“真実”とよばれるものであり、決して“整う”ことのない永遠の問題であると。

かつてヨセフはチセに問うた。
「お前がお前を犠牲にして得ようとしたものと
僕が欲しいものと何が違うと言うんだ」と。

奇しくも、カルタフィスを介して“母の呪い”と対峙したチセが得た答えはシンプルなものであった。
それは、大切な人のために何ができるかを考えることであり、心から望むこと。

しかし今回…、対決の最中に見せたチセの笑い顔が怖かった。
古井戸の底で語られるチセとヨセフの問答に心を揺さぶられた。
「仕方がないと思っちゃった」という言葉が耳に残る。
漠然とした不安の中で自問してゆく姿が誠に印象的であった。

それでも、自由を希求し、生きたいと思う心に、呪いを祝福に昇華する力が宿るというメッセージが心強い。

そして何より嬉しいクリスマスプレゼントが…。
そう、銀の君の笑顔はプライスレス。

投稿 : 2024/09/28
♥ : 5

70.4 16 2023年度の魔法使いアニメランキング16位
転生したらスライムだった件 コリウスの夢(未定)

★★★★☆ 3.7 (95)
359人が棚に入れました
イングラシア王国で子供たちを救い、教師としての残り少ない日々を過ごすリムル。そんなある日、自由組合のグランドマスター、ユウキからある依頼を聞かされる。その内容は、イングラシア王国と神聖法皇国ルベリオスに挟まれた「コリウス王国」で起こっている王位継承争いの内情を探って欲しいというものだった。リムルは〝サトル〟という名でコリウス王国に潜入捜査を開始。だが、事態は一国の王位継承争いに留まらず、悪魔や吸血鬼の思惑も絡み合い、混迷を極めていくーー!

hidehide さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3話目のエンディング後まで!

学園で生徒を救い…
ヒゲの妹を助け…の後で、
魔王に覚醒する前…のエピソードです。

3話しかないのが惜しい程、面白かったですね。

魔王ルミナスが登場するのですが。
ルミナスの戦闘が見れます。

※『誰と?』かは、是非、見てのお楽しみで。

全力ではなく、遊んでる、程度なのでしょうが…
やはり、
魔王は強し、ルミナスは強し、ですね。

本作中では『まだ荷が重い』と思われていたリムル。

魔王達の集い、ワルプルギスの夜では、
魔王となったリムルの強さを知り、
『等しく敵だ!』宣言に加え、クレイマンを圧倒。

以後、
ルミナスはリムルに一目を置き、
手出しを控える様になる訳ですが…

さらなる愛らしさ、戦闘、各面々、と
転スラ、先が楽しみです

3話のED後まで、是非お見逃しなく!
『色々』出てきますので!

投稿 : 2024/09/28
♥ : 3
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