難解おすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの難解成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の難解おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.0 1 難解アニメランキング1位
シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)

1998年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (880)
3886人が棚に入れました
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは? 「人は誰しも“繋がれて”いる」「私は遍在する」
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

たくさんいる「私」

岩倉玲音の時代である。

ブゥーーン、ブゥーーーン、
幾度となく強調される送電線のノイズ音。
それは「つながり」のメタファー。

90年代末尾を飾る時代が生んだ傑作。
欝々しい展開にカルト的人気で名高い作品、
そこを乗り越えた先の大団円に感動を覚えます。
ここでの問題提起は「攻殻SAC」へと昇華され、
この偉大な「供儀」の物語は幕を閉じる。

絵柄は古く、演出は静かに進行する。
しかし前半に種を撒き、後半に回収する。
物語の基本に忠実な展開、構成だと思う。

主人公は中学生、岩倉玲音。
{netabare}現実世界と仮想世界の「2人の玲音」、
ある日、自殺した同級生からのメールが届く。
会話もない冷たい家庭の食卓、
自宅前に張り付く不気味な黒服たち。{/netabare}

神の不在、集合的無意識。
何かがおかしい!?何かが始まっている!!

難解でしょうか?いいえ。
我々の側が複雑にさせているのでしょう。
しっかり観ていれば、迷子にはならない。
{netabare}私なりの攻略指南を書かせて頂こう。
英利政美の思考を追え、これだけです。{/netabare}

世界は等しく病んでいる。

文化庁メディア芸術祭優秀賞作品。
ご堪能あれ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 74
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

私と中の人は同一人物なのだろうか

メディアミックス作品。全13話のアニメ版。
「難しいアニメ」として紹介いただいたことで視聴を決意しました。

Q.難しかったか?
A.難しかったです。

おとなしい中学生、岩倉玲音(いわくられいん)の身の回りで起こる、不可解な現象を追った作品。
「lain」とは何か、世界はどうなっているのか、謎を追っていく。


実験(experiment)的であり、かな~り人を選ぶ作品。
笑いなどかけらもなく、描写も無機質で、大衆受けの真逆を進んでいます。

始まるのは幻覚でも見ているようなサイケデリックな日常(?)風景。
グロい影やら、誇張された人物の姿やら、不快なビープ音やら……頭の中は「?」でいっぱい。
教科書的なナレーションによる、オカルティックな歴史の勉強まで流れ出します。

謎が明かされるのは中盤~終盤です。
それまでは、流れる風景と会話を頭に入れる作業です。

そのため、序盤の退屈さは尋常ではないです。

ということで、ダメそうな予感がする時点でやめたほうがいいです。
「合う人には合う、合わない人には合わない」のひとことです。


ただ、「事実は何か」ということも物語の鍵となっています。
したがって、狙ってわかりにくい表現がされています。

また、ストーリーはきちんと進んでおり、結末までしっかり描かれています。
投げっぱなしのお話ということはありません。


作風が合えば問題ないでしょう。
しかし、合わなくても見どころは見つけられます。

この作品はインターネットのあり方について述べていますが、
1998年当時にしては、非常に先見の明があります。

タブレット端末の普及、ネット内で変わる人格。
ハッカー集団「Anonymous」のような存在(ちょっと違いますが)。
特にネット内での人格描写については深く触れられており、主人公の謎にも関わっています。
{netabare}
乱暴に言えば、「lain」はインターネットの集合意識に人格を与えたものといえるでしょう。
そこにいるのは多数の個なのに、ひとつの人格として扱う風潮があります。
言ってしまえば「おまえら」に名前を付けたものに近いかもしれません。

そのため、人格はひとつではなく、攻撃的なもの、悪意に満ちたものも含まれてきます。
{/netabare}

もう一つ、このアニメを今見ると、多くの作品との共通点が浮かび上がってきます。
有名どころだと、

* 攻殻機動隊でいう{netabare}個と全の境界線{/netabare}
* エヴァンゲリオンでいう{netabare}人類補完計画{/netabare}
* まどか☆マギカでいう{netabare}円環の理{/netabare}や{netabare}キュウべぇの意識について{/netabare}

特にまどマギとはストーリーの結末に関わる出来事が似ています。
lainは{netabare}友達を救うために世界を書き換え、ひとり神のような存在になるまどかと、
端末が複数存在する意識集合体であるキュウべぇを足した存在{/netabare}とも捉えられるかも。

ほかにも色んな作品を意識しました。
それだけ普遍的な内容を扱って、相互に影響しているとも言えます。


ただ、明確なテーマがあるかどうかと言えば微妙です。
「記憶と記録の違い」とか哲学風の発言は多いのですが、ひとつに絞りきれません。
寂しくもちょっと素敵な終わり方といい、やはりストーリーがメインだと思われます。

しかし、前述の普遍性ゆえに、テーマを自分で作って解釈する余地は大いにあると思います。
{netabare}
すべての意識が繋がって肉体が不要になれば、それは便利なことかもしれません。
といっても、肉体から離れてひとつになった精神は、自我を持ち、幸福を感じるのかどうか。
疑問なところですね。
{/netabare}

「雰囲気が好き」という人を除けば、「知ること」「考えること」をとことん求める人に向いているかもしれません。
まず、一番の謎が主人公の正体についてだからです。
また、予備知識があったり、調査を行うと有利になります。
そして、幅広くいつでも通用する命題をいくつも扱っています。


funnyでもexcitingでもamusingでもないのでinterestingが頼り。
「知りたい」という欲求とキャッチーな表現が噛み合えば、きっと神作品になります(ネタバレ)。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 47
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

時代を先取りしすぎたカルトアニメ

制作はトライアングルスタッフのメディアミックス作品です。
ジャンルはSF・サイコサスペンス・ホラーです。
かなり視聴には難があるので注意が必要です。


コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。
彼女は「NAVI」に興味を持ち、大型「NAVI」を手に入れ、急速に適応していく。
それ以来、彼女は不思議な事件に巻き込まれていく…。


1998年放送なので結構古い作品ですが、内容は今に通じるものがあります。
一回通して見たときはほぼ理解できなかった作品ですw
本作を見るならば腰を据えて見ないと意味不明になること必至。

話は基本的にシリアス(というか意味不明)で、笑いどころは皆無。
本当に話の流れが分からないとはこの事。
ホラー・サイコ・グロ要素もありますのでそれが好きでないのであれば避けた方が無難でしょう。
愉快な作品ではないのは確か。


結局この作品では何についてみればいいのかというと「レインって何者?」ってことだと思います。
彼女は「NAVI」を使い始めることで覚醒していき、あらゆる世界を覗いていきます。
そこにヒントがあるわけなのですが、脈絡もなく急に場面が飛ぶので意味が分からないw
覗いている世界は現実なのか?
ネット世界なのか?


以下考察。
{netabare}この作品の言いたいことは「現実で自我を保つこととネットの世界で自我を保つこと、はたしてどちらが良いのか」ということでしょう。

現実では肉体が邪魔をするので、肉体を捨ててネットに埋もれこむというのも理論的にはわかります。
極論を言えば有限なものは邪魔にしかならないし、情報は形がないのでとても便利ですからね。
心身二元論の考え方です。

しかし、そこに本当の意味での自我がありうるのか?
肉体があってこそ、初めて自我が生まれるのではないか?
心身一元論の考え方です。

ネットの世界はあいまいに思われますが、果たして対局である現実社会は明確なのでしょうか?
「この世界には私がいる」ことを証明できるのでしょうか?{/netabare}


総括して、いろいろと手が出しにくい要素があるので尋常じゃないほど人を選びます。
ですが、難解な作品を見たい方にはもってこいな作品だと思います。
見て後悔しても、責任は取りませんよw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 43

62.2 2 難解アニメランキング2位
攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL- 「border:3 Ghost Tears」(アニメ映画)

2014年6月28日
★★★★☆ 3.6 (165)
1047人が棚に入れました
恋人と甘い一時を過ごす休暇中の草薙素子の元に、仲間となったバトーから爆弾テロの急報が届く。その現場を制圧すると主犯のカルディス人の胸にはテロリスト「スクラサス」のシンボルが刻まれていた。それと同じ頃、山の手のダムで起きた爆発でひとりの刑事が死亡した。その所持品には“人魚の脚(MERMAID'S LEG)"と記された義体技師の名刺と義体の脚部が遺されていた。それを手懸りに死んだ刑事の後輩であるトグサが捜査を開始する。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

満を持して描かれる【恋する義体】のお話

常々思いますがこのシリーズに限らず『あらいず』や『チャンネル5.5』にOKを出してしまった現在、攻殻って何をやっても許されるフリーダムな作品なんだと感じます(笑)
今回もパズの「同じ女は~」のセリフや、トグサのマテバをバトーが指摘するなど小ネタがいっぱい


























前作で草薙素子の下には5人の仲間が集結し、独立部隊として認められる最少人数まで残すところあと1人となった
公安9課からの下請け仕事をこなしていくが満足な予算や権限は与えられず、傭兵のような厳しい扱いを受ける日々
特に義体の性能に頼りきった活動をしているため、義体を維持するための高度なメンテナンスは必要不可欠であり、切迫した状況下ではいずれ限界が来るのも目に見えてきていた


一方で素子は自分のメンテを担当する義体技師のホセ・アキラに絶対の信頼を置き、いつしか周知の恋仲となっていた


そんな最中に前作中の事件から名前が挙がっていたカルディス系難民が起こした爆破テロが発生する
素子達によって一瞬のうちに制圧されるテロリスト達だったが、一介の難民に過ぎなかった彼らに戦闘能力を与えたのは電脳に仕掛けられたウィルスと判明・・・
さらに爆破の手口も不可解な部分が残ったまま・・・
謎は深まるばかりだがテロリスト達の影にはかつて、カルディス人の独立軍を導いたとされる“英雄”スクラサスの姿がちらついていた・・・


























今回はシリーズでも特に『GIS』がお好きだった方にチェックしていただき内容ですね
人によっては「こんなのGISとまるで違うわ!ヾ(`д´)ノ」とお怒りを買うかもしれません;
それもそのはず、今作は冒頭より“少佐に恋人がいる”というシリーズファンのド肝を抜くサプライズから始まります;


さらには劇中で恋人とイチャつく姿(←マジ天使w)やおめかししてデートにいく姿が描かれており、ぶっちゃけると半分はシュールギャグと呼んでいいでしょうw


しかし残りの半分は大真面目のシリアスストーリー
前作、前々作とチラついてたカルディスタンと陸軍501機関という2つのキーワードを繋げ、遂に明かされる少佐の過去


そして“シャワーを浴びてベットで寝る”と徹底して人間くさい生活感が描写されていた今シリーズでの少佐を通して「全身義体とは人間なのか?サイボーグとは生命なのか?」が、改めて問われます


まさに『GIS』が描かんとしていたテーマです!
しかも今作の少佐は『GIS』とは全く異なる答えを既に見つけているんです!
この辺、是非に『GIS』がお好きな方にはチェックしていただきたい!


ドンパチは前2作より控えめ
監督、作監は黄瀬さん自身ですが、初めて浜名孝行さんが演出で名を連ねています


さて、前2作での伏線を回収しきったところで、今作で初登場する陸軍501機関における少佐の後継者、ツダ・エマにより物語は最終章へと加速していく・・・

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やっぱり福音ちゃん最強w

  {netabare}ラスト以前にスクラサスを"彼女"と呼んだシーンといい、{/netabare}
このシリーズってちゃんと画面に注視して無いと視聴者側が自ら考えて答えを導く満足感が得ずらいすよね。咬まされた偽りの記憶は律儀に絵で見せておや?とは思わせてくれるんで意図的に気付きやすくは作ってますから、ちゃんと観てれば判り辛くない。
反面ちゃんとラストにセリフで説明してくれるので観終えた時に訳ワカメにはならない親切な作りになってて、それなりに敷居は低く作ってるとは思いましたけど。
 各々のシーンに描かれたものと推察だけで答えは導き出せるでしょ?って作りになってないのはちゃんとマーケットを意識しての事だと思うんですが、むしろこの作品の色からすると観る側試すような挑発的な作りの方が印象深くなって良かったのかな?とか思ったり。

少なくとも流し見する人には向かない作品すよね。
そもそも地味だし(汗)

 んでも、解放空間とは言え気化爆薬シュワシュワ吹いてる時にハンドガン撃っちゃって大丈夫なんすかね?私ゃ爆薬の事は知りませんが。

 丁度、紅殻のパンドラでニヤニヤしてた私的にはラストのオチがナイスなタイミングな第三話でしたw
もっとも福音ちゃんはスキルを一時的にお借りするだけで拡散は出来ないすけどねぇ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

未熟さの表現

 border:2を観てから、なぜかだいぶ時間が空いてしまいました。それが影響したのか、声優陣に対する違和感が少し僕の中でぶり返してしまっている感はありました。

 今回観ていて一番興味深かったことは、素子の豊かな表情です。他のシリーズでは基本的に無表情な彼女ですが、これは昔の話ということもあって怒った表情が何度も出てきました。・・・結構好きです(笑)。

 相変わらず電脳戦であっさり負けることがあるので、他のシリーズにはない緊張感(?)もあって新鮮です。

 あと、他のシリーズに比べて物や施設を破壊している印象があります。若いからですかね(笑)?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

66.1 3 難解アニメランキング3位
ガサラキ(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (113)
690人が棚に入れました
日本の経済を影で操る豪和家は、代々伝わる「骨嵬」(くがい)の組成を研究応用し、特務自衛隊と共に「タクティカルアーマー(TA)」と言う二足歩行兵器を開発した。余流能楽継承者である豪和家四男ユウシロウは、「餓沙羅の舞」の実験途中にミハルという名の少女と精神接触をする。ミハルを擁する組織「シンボル」もまたガサラキへの接触実験を行っていた。一方、豪和家長男である一清は、国学者・西田啓、特務自衛隊の広川参謀と共謀し、クーデターに拠って日本の権力を手に入れようとする。同じ力を持つユウシロウとミハルは波瀾の運命に翻弄されていく。

声優・キャラクター
檜山修之、高田裕司、速水奨、千葉一伸、小山武宏、こおろぎさとみ、藤生聖子、秋元羊介、安井邦彦、中田和宏、日高奈留美、菅原淳一、高山みなみ、岩永哲哉、丹下桜、神奈延年、拡森信吾、岸野幸正、宮崎一成、徳弘夏生、金月真美
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今だから分かる“破格の面白さ”《軍事SF込み政治劇》の最高傑作はこれだ!

80年代前半に制作されたリアルロボットアニメの名作『装甲騎兵ボトムズ』、『太陽の牙ダグラム』の監督として知られる高橋良輔氏ですが、90年代にも、こんな凄い作品を作っていたんですね!

◆最硬派にして最右翼、リアルロボットアニメの顔をした“本格政治劇”

1998年10月~1999年3月迄の放送ということで、一見して明らかに少し前に大ブームを巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』のフォロワー作品(和風エヴァ)なのですが・・・

(※例)
{netabare}ユウシロウ&ミハル → 碇シンジ&綾波レイ ※主人公&メインヒロインであり異能者
美鈴         → 惣流・アスカ・ラングレー ※サブヒロインでありもうひとりの異能者
安宅大尉      → 葛城ミサト ※主人公をサポートする年上女性
豪和一清      → 碇ゲンドウ ※主人公やヒロインを実験に利用する「肉親」
豪和総研      → ネルフ
特務自衛隊    → 戦略自衛隊
TA、MF、クガイ  → エヴァ
ガサラキ      → 使徒
シンボル      → ゼーレ
西田啓       → ×(該当なし)  ←注目!{/netabare}

↑↑↑
本作の場合、何といっても「憂国の思想家」「国士」として描かれる西田啓(にしだ・ひらく)が凄い!!
こんな濃いキャラは他のアニメ作品ではまず見ることが出来ません。

この西田啓に比べたら、『攻殻機動隊 2nd G.I.G.』の合田某とか、『機動警察パトレイバー(初期OVA)』に出てくる甲斐某とか、陳腐もいいところです。
辛うじて、『PSYCHO-PASS サイコパス (第1期)』に出てくる槙島聖護が、その思想的な迫力で西田に迫るものがありましたが、彼の場合は{netabare}動かした組織が西田啓に比べて全然しょぼいタダの私兵ですし、何といっても肝心のシビュラ討滅計画が結局失敗{/netabare}に終わっていますし。

・・・ということで、アニメでは本作に比肩するような作品を私は思いつくことが出来ませんでしたが、強いて挙げるなら、同じく1990年代の緊張を孕んだ日米関係をベースとするリアル志向の軍事SFマンガであり政治劇でもある『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ著)が、本作と描かれているテーマがかなり似ている、と思いました。

→しかも、私の個人的な感想では、政治劇としては、内容が間延びしている『沈黙の艦隊』よりも、本作の方がよりテーマが濃縮されていて面白かったように思います。

何といっても、1998-99年の放送ということで、当時であっても本作の凄さを評価する人は勿論沢山いたと思いますが、その作品内容がネックになって?積極的に本作を持ち上げようとする声は、当時のアニメ業界には少なかったのでしょう、本作は残念ながらアニメ作品としては「知る人ぞ知る」異色作・・・という扱いになったようで、本サイトでの評判もイマイチですが!そんなもの、作品の実際の面白さに何の関係があるのか!

「政治劇」アニメというと、本サイトでは、『銀河英雄伝説』が、やたらと高評価ですが、私が実際に視聴してみた限りでは、本作や同じ高橋良輔監督の『太陽の牙ダグラム』も、内容的には同作に決して勝るとも劣らぬ面白さを備えた良作に思えました。
(※なお、『銀英伝』、『ダグラム』ともレビュー済みです)

・・・ということで、軍事SF込みの政治劇(アニメ作品)として有名な、『銀英伝』、『ダグラム』、更にアニメではありませんが、上記のかわぐちかいじ氏の大人気マンガ『空母いぶき』(※現在某誌で連載中)、『沈黙の艦隊』、『ジパング』(※一部アニメ化)といった作品が好きな人には、自信を持ってお薦めしたい作品です。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
初回から、作品世界やメカ等の凄い作り込み具合に驚く。
特務自衛隊(特自)→『エヴァンゲリオン』の戦略自衛隊と同種の存在か?
・第8話視聴終了時点
西田啓(にしだ・ひらく)←元陸軍少尉で、依願退職後に五・一五事件(1932年5月に起きた一部軍人等による犬養健首相暗殺を始めとするクーデター未遂事件)の首謀者の一人となった西田税(にしだ・みつぐ)から苗字を借りたものと思われる。
・第25話(最終話)視聴終了時点
第1話から第24話まで一話も外すことなく面白いのに、最終話だけシナリオが滑っているのは残念(※それでもラスト2話で滑った『新世紀エヴァンゲリオン』(TVシリーズ)よりマシかも)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇(サンライズの便宜的ペンネーム)、高橋良輔(原案)
監督         高橋良輔
助監督        谷口悟朗
シリーズ構成     野崎透
脚本         野崎透、竹田裕一郎、小中千昭
キャラクターデザイン 村瀬功、山形厚史(ゲスト)
メカニックデザイン  出渕裕、荒牧伸志
音楽         蓜島邦明
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== ガサラキ (1998年10月-1999年3月) ===============

- - - - -- - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 石舞台 ★★ TAヴァーチャル実験、石舞台の舞(ガサラキ召喚実験、ミハルの干渉、実験中断) ※他に類例のない独特の雰囲気で掴みは上々
第2話 序ノ舞 ★ TA(Tactical Armor 二足歩行型戦術装甲機)、作品世界の説明回(豪和家、秘密結社シンボル、中東ベギルスタン情勢、TAリアル実験)
第3話 天気輪 ★★ 特自TA部隊派遣決定、MF(Metal Fake シンボル側のTA呼称)強襲、多国籍軍(実質は米軍)戦車部隊壊滅
第4話 蜃気楼 ★ 特自TA部隊の初実戦投入(神殿の丘制圧)、爆心地の舞、MF部隊来襲
第5話 接触 ★ TA・MF交戦(ユウシロウvs.ミハル)、MFサンプル捕獲命令、シンボル撤収、首都カハ侵攻
第6話 操り人形 ★ 停戦、特自撤収準備と妨害、アクラ石窟教会(正教会)での対面接触、二人の逃亡、フィーゼラーの逃亡幇助
第7話 帰還 ★★ 米軍の特自輸送機離陸妨害、アルメキスタン領空戦(TAvs.スホーイ戦闘機)
第8話 火宅 ★ 第二幕開始、豪和一清・西田啓(憂国の思想家)・広川中佐の密議(クーデター計画)、豪和総研ビルへのMF襲撃 ※憂四郎は8年間に死亡と判明
第9話 御蔵 ★ 再び鬼哭石(きなし)郷の石舞台、空知師匠、ガサラキ(餓沙羅鬼)を呼び起こす者(嵬=カイ)、MF隊の襲撃
第10話 骨嵬 ★ 偽りの舞、骨嵬(クガイ)復活、対MF格闘戦、改良型TA実験、ユウシロウ&ミハル逃走
第11話 絆 ☆ TA(谷口機=SAT4)暴走、速川隊のSAT4捕獲作戦、安宅大尉&美鈴のユウシロウ&ミハル追跡
第12話 綻び ★ 特殊部隊のユウシロウ&ミハル確保、「首級を挙げた」、谷口機vs.ユウシロウ機、「七支ノ剣の傷となるべし」
第13話 旅立ち ★ シンボル(世界最大のコングロマリット)、豪和家総代の交替、ユウシロウ&ミハル再逃走
第14話 同行 ★ 京都・渡邊の里へ、餓沙羅鬼(ガサラキ)・骨嵬(クガイ)・嵬(カイ)の伝承、8年前の実験{/netabare}

- - - OP「REMIX OF MESSAGE #9:type M」、ED「LOVE SONG」 - - -
{netabare}
第15話 閾(しきみ) ★ 千年前(平安中期)、渡邊党(神事の中断、皇(すめら)への反逆)、嵬たち(勇四郎・美晴)
第16話 宿業 ★★ 渡邊党の上京、鳥辺野(とりべの)の戦、ナダの神事、渡邊党敗れる、蘇る前世の記憶{/netabare}

- - - - - OP「MESSAGE #9」、ED「LOVE SONG」 - - - - - - - -
{netabare}
第17話 混沌 ☆ アジアン静脈溜(難民街)、米国の穀物輸出停止圧力、クーデター計画進行、王(ワン)へのシンボル接触
第18話 裏窓 ★ 難民街の暴動発生、治安出動命令(広川参謀の首相説得)、特自TA部隊の難民街投入(ユウシロウ&ミハル捜索)
第19話 慟哭 ★★ 西田の速川中佐説得、米軍海兵隊のミハル強奪、穀物モラトリアム(輸出停止)発表、経済統制・戒厳令発令
第20話 動乱 ★ 国会議事堂前の騒擾、特自TA出動、首相重傷、ユウシロウからの連絡
第21話 疾走 ★★ 安全保安部設置、特自装甲車の横田基地突入(ミハル奪還作戦)、TA(ユウシロウ搭乗)vs.ラプター、米軍ヘリ離陸 
第22話 権化 ★★ 第三幕、西田&フィーゼラー(シンボルCEO)対談(対米金融資産売却計画)、ユウシロウ特自TA復帰・デフコン4発令、新たな嵬(美鈴)
第23話 無間 ★ 国籍不明MF市ヶ谷基地侵入・デフコン5発令、閾(しきみ、ガサラキ降下ポイント)、ミハル回復・ガサラキ降下中断
第24話 句読点 ★★ 豪和ビル中枢コンピューター防衛戦(TAvs.MF)、MF排除、穀物モラトリアム停止、対米金融資産売却中止、西田自決 
第25話 餓沙羅 × 豪和一清の野望、美鈴を嵬とするクガイ再生・ガサラキ降下実験、ガサラキによる召喚、帰還 ※特自解体は唐突、またガサラキの正体&ラストの謎会話は稚拙で残念{/netabare}
----------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)8、★(良回)14、☆(並回)2、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.5

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

九条 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

戦後日本の禁忌を懐古的に説く和風伝奇サスペンス。

日本の伝統芸能である能楽や和歌が軍事SFや政経分野と融合する異色の和風伝奇サスペンスであり
自衛隊の価値観や政治闘争など、ミリタリー要素は無論のこと、神話的世界観も内包する難解な作品。
監督を務めるのは「ボトムズ」の高橋良輔であり、定評のあるリアル指向型の手腕を遺憾なく発揮する。
憲法問題や日米安保など、戦後日本における禁忌的側面にも能動的に干渉していく顛末は硬派であり
本来あるべき「日本」の姿とは何か、「日本人」の本質とは何かを国学者の西田啓が懐古的に敷衍する。
尚、本作の制作に谷口悟朗が助監督として、参加している故、「コードギアス」との関係が囁かれており
陰々滅々たる本作と比較することは難しいが、西田啓とルルーシュの思想は互いに通ずるものがある。
それは、確固たる己の理念に従って既存の社会システムに対し反抗する革命家であるということであり
責任の取り方を対比しても西田啓の思想観がルルーシュの原型であると言っても過言ではないだろう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 17

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

すげぇ惜しい気がした作品

追記と点数見直しです。

 私事ですが、シドニアの騎士とアルドノアゼロを観てる今だから思うんですがガサラキってやっぱカッケェんじゃね? と、ふと思いましてw
まぁ最終話は置いといてなんですが(汗)
 いや、インビテイター云々の部分だってつまんなくは無いんすよね。最終一話で強引に締めちゃったからアレな訳で。
平安編の2体の骨嵬なんて、超カッケェもので当時発売されてたガレキ欲しい位です。ライデンとシンデン、イシュタルのプラモデルは確保済みでしてね。まぁ当時のバンダイですから運河彫りだし成形もダル~んとしててイマイチですが。
なんで、最新の2作品観てガサラキ思い出すのかと自分でも不思議なんですが、多分肝心のメカがイマイチ琴線に触れないからなんすよね。
好みの問題じゃね?と言われると、その通りなんですけども。

でも個人的な感想としては、アニメの中でもことロボット物に関しては多ジャンルに比べてそんなに進歩して無い気がします。

あ、別にお勧め作品って訳では無いです。
/////////////////////////////////////////////
 TAやフェイクの戦闘は文句も無いし、骨嵬の存在もいい感じ。
西田さんの決意と締めもおおぉと受け入れました。

んで最終話が む~ な感じで見た後モヤモヤ。
ちと尺が足りな過ぎたんでないすかね。個人的には最終話を数話かけて丁寧に見せてくれれば不満はそんなに無かったんですが。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 8

62.6 4 難解アニメランキング4位
天使のたまご(OVA)

1986年3月8日
★★★★☆ 3.4 (91)
421人が棚に入れました
ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。

声優・キャラクター
根津甚八、兵藤まこ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

押井守監督って…。

制作:スタジオディーン
1985年12月に公開された劇場版作品。
原案・監督・脚本は、押井守。

【概要】

旧約聖書にて大洪水でノアの方舟が陸地を見つけられずに時間だけが過ぎていった、
生命を感じられない無機質で空虚な世界。
機械仕掛けの太陽が海に沈み、廃墟の街は暗闇に包まれます。
人がいないはずの世界で、卵を大事そうに抱えた幼い少女と十字架を模した銃を担いだ少年が出会います。

【感想】

押井守といえばアニメ監督としての名声とは別に偏屈な人間というイメージがあります。

原作付き作品であれば原作者の意向を無視してまでどんどん手を入れちゃいます。
自分の好みに合わなければ原作サイドを侮辱して喧嘩さえします。
(『パトレイバー』でのメカデザインを散々バカにして出渕裕と長年、仲が悪かったのは有名)

出来上がった映像はすべからく“俺の作品”
原作者が文句を言っても“俺の作品”

スポンサーはパトロンであり、ダミー企画を使ってでも金さえ引き出せれば、やりたい放題。
んで試写会で完成品をお披露目したら、斜め上すぎてお偉いさんから説教される。

人と同じことをやってウケたとしても、ちっとも納得しない。
そもそも、原作者に阿る気が皆無であり原作は作品作りの踏み台。
視聴者に気に入られようと思って作ってすらいない感じ。
クリエイターとして自分が表現したいことを発揮できさえすれば満足の自己完結型の考え方。

いろいろワケアリな監督なのに、高橋留美子や士郎正宗など異なる才能と化学反応を起こせば、
凄い作品が出来上がるというのですから、人格と才能は別物なんですね!

そんな押井監督が100%の純度を以って世に送り出して一時期業界から干された原因である、
曰く付きの完全オリジナル作品が、『天使のたまご』

観て思ったこと。暗い!眠い!71分の割に長く感じます!

天野喜孝のファイナルファンタジーのイラストをそのまま動かしているような動画。
宗教的な音楽。

長所といえばこの二点なのですが、はっきり言って観る人のことを一切考えてないストーリー。
旧約聖書を元にした創作なのですが、特にヤマもなく登場人物にも魅力がなく辛気臭いだけの退屈なアニメでした。

押井監督は世界観ありきの作品作りで、“胡蝶の夢”とか自分の好きなことしか描けない。
登場人物は監督自身の頭のなかにある言葉を紡ぎ出す依り代に過ぎず、
恋愛とか友情とか夢など人情の機微に溢れた登場人物を生み出すことが出来ない!
だから、『うる星やつら』みたいに他の人が用意した魅力のあるキャラを動かして、初めて作品に生命が宿るのですな。

そのくせに、自分の意見を絶対視してよく人と衝突しますので、
正直なところ、スポンサーやプロデューサーの立場ならこれほど使いづらい人材はいないですね。

それでも、数々の名作アニメを手掛けたことも事実ですし、それはそれ!これはこれ!ですね!


どことなく押井守氏に関する反感めいた内容になってしまいましたが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 34
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

考えることが好きなあなたへ

1986年のアニメ映画。

天野喜孝がキャラクターデザインを担当。
ファイナルファンタジーのパッケージ絵で有名な人です。
そのキャラクターデザインのまま、登場人物が動きます。
風になびく髪や、水に出来た波紋の表現が美しいです。


もの悲しく暗い世界。
常によどんでいて雨が降り続ける町並み。
そこで、何かの卵を大切そうに守る少女。
少女は、大きな武器を抱えた男と出会う。

そして尋ねる「あなたはだあれ?」

セリフが少なく、間が多い。
話す内容も、ノアの方舟や、シューベルトの「魔王」の変形版のような、抽象的な逸話。

明らかに哲学的なテーマがこもっており、かなり難解なストーリーです。
考察するのが好きな人に向いていると思います。


↓私の考察はこちら↓
{netabare}
まず、色に着目です。
子供の色は「赤」、大人の色は「青」。
これは、冒頭でキャラクターが白黒になったことにより気がつきました。

少女は赤い服を着て、赤い食べ物を食べている。
これは少女がまだ子供だから。
しかし、赤い水を捨て、集めているのは青い水。
ひたすら青い水にこだわるのは、大人になろうとする意志の表れだと思います。

一方、男は青い服を着ています。
これは、彼がすでに大人になっているから。
しかし、赤い夕焼け空を眺め、赤い機械から現れ、持っている武器には赤い石がはめ込まれている。
子供の夢に対する期待が、赤という色に現れているのでしょう。
そこに出現する青く巨大な球体=現実。


子供は、夢を持ち、大人にあこがれます。
その夢の象徴が「鳥」。
「あなたはだあれ?」という問いかけは、「あなたはどういう夢を叶えたの?」という意味で使っているのだと思います。

そして、少女が男に見せた秘密(夢)は「巨大な鳥の化石」。
彼女は、卵が成長し、その鳥が育つ、つまり思い通りの夢が叶うことにあこがれています。


一方、男は自分の夢に未練を抱きつつも、現実を知っています。
夢に向かって行動しても、待っているのは子供の頃に思い描いていたものとは違い、辛い現実であることもある。
それが、「卵は割ってみないと、中身がわからない」という言葉。

そして、まがまがしさすら感じられる「巨大な鳥の化石」を見たとき、男は悲しそうな顔でつぶやきます。
男「知っていたよ。きっとそうだと思っていたよ」
この言葉には「叶わない夢を見ていると思っていたよ」という意味がこもっていると思います。


卵という夢の起点。
それを壊してしまえば、いざ現実を知ったときに辛い思いをせずに済む。
そのため、少女が語った夢が叶わぬものだと知って、男は卵を割ったのでしょう。


また、存在しない魚を追いかけている人々。
彼らは、大人になってからも、いつか逆転することを夢を見続け、ただひたすら日常を生きている、そんな大衆を表現しているのではないでしょうか。

冒頭部分。
少女の小さな手。何かをやさしく包み込むように扱っています。
そして男のごつごつした手、何かを確かめるような動きをしつつも、卵を握りつぶすような動作。


つまり、このアニメは、子供の純真無垢な夢と、大人の現実的な考えの対比を描いた作品。
そう解釈しました。

…人の夢の起点を叩きつぶすような行動。
ひょっとしたら、髪の色が同じである、少女と男は、親子関係を象徴しているのかもしれませんね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29
ネタバレ

ゅず さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

世界をみんなはどう感じてるんだろう?

【一言紹介】

生と死
を自分は感じました。

どんな選択を選んでも
人や動物たちは限りある命で
憎しみや悲しみがない
世界を選ぶことはできない
と改めて思いました。

憎しみや悲しみがないと
喜びや楽しみだって
きっと消えてしまう。。
と自分は考えてます。

【タイトル】
{netabare}
少女だったから天使
にしたんだと思う
最後
私には
聖母に見えた
{/netabare}

【自分の思ったこと】
{netabare}

彼が訪れて唇を開いた
嬉しくなって誓いは忘れていった。


この世界は
箱舟が沈んで
水の下、海の下の世界。

現実は見えてない


羽ばたけるものだけが
その状況を見ることができる。


綺麗な世界なはずなのに
みんなは、なぜ、怖がり、怯えているのかしら

息をするのが辛くて、生きているのも苦しくて
みんな溺れてしまいそうだよ。

こんな状況でも希望を抱き続けることができるものが
夢を見続けたものだけが
きっと空を飛べる。

そんな希望さえも壊されてしまった


だけど自ら、母となり
産みだせばいい

憎しみだってある、
それを許せる

そんな世界に
そんな母になろう

産まれるよ。
新しい世界に旅立つよ。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 28
ページの先頭へ