警察おすすめアニメランキング 147

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90.2 1 警察アニメランキング1位
PSYCHO-PASS サイコパス(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (5600)
26470人が棚に入れました
人間の心理状態や性格的傾向を、即座に計測し数値化できるようになった世界。あらゆる感情、欲望、社会病質的心理傾向はすべて記録され、管理され、大衆は 「良き人生」 の指標として、その数値的な実現に躍起になっていた。人間の心の在り方、その個人の魂そのものを判定する基準として取り扱われるようになるこの計測値を人々は、
「サイコパス(Psycho-Pass)」の俗称で呼び慣わした。

声優・キャラクター
関智一、花澤香菜、野島健児、有本欽隆、石田彰、伊藤静、沢城みゆき、櫻井孝宏、日髙のり子
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「分析官、鑑定結果は?」「哲学的中二病エンターティンメントかな笑」

※AKIRAをつい更新してしまったので、こっちも更新しておこう(長文注意)。
※第1シリーズ(オリジナル版)・新編集版・第2シリーズ・劇場版、全て併せた感想・レビューです。

◇劇場版の1時間23分付近(狡噛と傭兵隊長のダイアローグ(対話))

{netabare} ----------------------------------------
「国家が崩壊した世界では暴力の民間化が行われる。なぜなら組織された暴力の独占こそが国家の本質だからだ。暴力が拡散すると、それは政治以下的なものになる。社会的憤怒を源泉とした経済活動としての組織暴力だ。・・・ふん。」
「『地に呪われる者』か。ポスト・コロニアルかぶれの傭兵とは始末が・・・悪い。」
「ほう、腕だけでなく学もあるのか。ますます面白い。聞けばお仲間のゲリラどもは、随分とお前に心酔していたそうじゃないか。何か耳障りの良い思想でも吹き込んでやったのかぁ(笑)」
「知らないね。」
「だが、何だろうな。確かにお前と話していると不思議と気分が高揚してくる。ワーグナーの曲でも聴いているような。」
----------------------------------------{/netabare}

このシーンを観たとき、余りに愉快で、思わず声を立てて笑ってしまいました。
さっそく、『地に呪われる者』で検索すると、フランツ・ファノン著と出て来て、アルジェリア独立運動の指導者でポスト・コロニアル思想の先駆者とか(笑)。
それでついでに、「現代思想」なるものをさっと調べる際のマニュアル本として重宝している『現代思想入門』(2007年刊、PHP)のポスコロの項をチェックすると、たった1行だけマハトマ・ガンジーや魯迅と並んで、非西洋の思想家としてその名前が書いてあって、虚淵玄氏はこんなものまで読んでるのか!と、また愉しくなってしまいました。

本作は、このように哲学者・思想家・文学者の名前やその著作が、ワザとらしくも矢継ぎ早に出てきて(※ただし、冲方丁(うぶかたとう)氏がシナリオ原案を担当している第2シリーズはそうではありません)、まるで、これって「哲学的中二病」作品?といった感想さえ持ってしまうのですが、視聴し続けるうちに、それが次第に心地良くなっていくという、他に類例のない貴重な経験をさせていただきました。


◆それでも最初は、とっつきにくかった第1シリーズ

本作の第1シリーズ(オリジナル版)放送当時は、『まどマギ』の虚淵玄氏がシナリオ原案・脚本を担当する作品という事前情報に惹かれて、とりあえず第1話を視聴してみたのですが、責任主義・罪刑法定主義や応報刑論といった近代法の大原則を完全に逸脱する設定をいきなり見せつけられて、「何だこの狂った社会は?」と呆れてしまい、そのまま放置してしまいました。

ところがその後、本サイトなど各所で本作が話題になるは、新編集版さらに続編が作られ去年は劇場版も公開され興行収入8.5憶円のヒット作となるはで、これは一度は見とかないといけない作品だな、と思い直して、第1シリーズから劇場版まで一気観してみました。

これが、実に面白くって、とくに他作品では滅多に味わえない知的興奮を沢山味わえて、アニメの新しい魅力と可能性を、更にもう一つ発見できたような、そんな嬉しい気持ちになりました。

視聴した順番は、第1シリーズ(オリジナル版)→第2シリーズ→劇場版→新編集版で、その後さらに各作品をもう一周ないし二周したのですが、その中でも、上に書いた劇場版での狡噛と傭兵隊長のダイアローグ(対話)、そして、その後に見た新編集版の各話にある填島聖護のモノローグ(独白)および狡噛とのダイアローグが、特別に興味深く思えました。

多分、本シリーズは放送された順番のとおり、つまり、第1シリーズ(オリジナル版)→新編集版→第2シリーズ→劇場版、の順で視聴するのが一番楽しめるのでしょうね。

以下、各シリーズの各話の内容を簡易にまとめた後、本作でたくさん言及のある哲学者・文学者やその作品について一覧にまとめ、最後に填島および狡噛の印象的なセリフを引用しつつ、個人的な感想を長々と綴っていきます。
いけないな・・・自分も本当に楽しみ過ぎている・・・笑笑


◆シリーズ別評価

第1シリーズ ★★  4.7 
新編集版   ★★  4.8 
第2シリーズ ★   4.4 
劇場版    ★★  4.5 
-------------------------------
総合     ★★  4.7 


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


===== PSYCHO-PASS サイコパス (2012年10月-2013年3月) =====

- - - - OP 「abnormalize」、ED 「名前のない怪物」 - - - -
{netabare}
 《起》 公安局刑事課の職務が示される

第1話 犯罪係数 ★ 冒頭に填島vs.狡噛、常守朱監視官の初任務(廃棄区画人質事件)
第2話 成しうる者 ★ 監視官・執行官それぞれの職分
第3話 飼育の作法 ★ ドローン工場殺人事件
第4話 誰も知らないあなたの仮面 ★ 人気コミュ主殺人・乗っ取り事件、填島再登場(*1)
第5話 誰も知らないあなたの顔 ★★ 続き

 《承》 凶悪犯罪の黒幕の正体が次第に明かされていく

第6話 狂王子の帰還 ☆ 狡噛執行官の過去(標本事件)、全寮制女子学園猟奇殺人事件、犯罪の黒幕(填島)
第7話 紫蘭の花言葉 ☆ 続き、ユーストレス欠乏性
第8話 あとは、沈黙 × 続き、校内捜査~結末、※かなりの悪趣味さは×
第9話 楽園の果実 ★ 雑賀元教授(黒幕のプロファイリング)、宜野座監視官の事情
第10話 メトセラの遊戯 ★★ 狡噛執行官おびき出し、廃棄地下鉄構内ハンティング事件
第11話 聖者の晩餐 ★★ 続き、狡噛・填島の初対面、常守・填島の初対面、填島の問い(*2)、親友の殺害{/netabare}

- - - - OP 「Out of Control」、ED 「All Alone With You」 - - - -
{netabare}
 《転》 社会の繁栄を支えるシビュラシステムの正体が次第に明かされていく

第12話 Devil's crossroad ★ 六合塚執行官の過去、シビュラ打倒レジスタンス
第13話 深淵からの招待 ★ シビュラの恩寵(*3)、免罪体質者(藤間幸三郎、そして填島)、常守のメモリー・スクープ
第14話 甘い毒 × 群発ヘルメット暴徒事件、街路での女性撲殺シーンが酷すぎる
第15話 硫黄降る街 ★ 填島の陽動、厚生省NONAタワー襲撃
第16話 裁きの門 ★★★ 続き、狡噛vs.填島、常守の選択、シビュラ中枢への到達、縢秀(かがり)執行官殺害

 《結》 シビュラへの信頼が失われた後の各自の決断が試される

第17話 鉄の腸 ★★ シビュラの正体(禾生(かせい)局長vs.填島)、填島から狡噛へのメッセージ
第18話 水に書いた約束 ★ 刑事課に広がる疑念、常守の成長(cf.第1話)、狡噛「法の外」へ 
第19話 透明な影 ☆ 雑賀再登場、填島の次の狙い、宜野座の消耗
第20話 正義の在処 ★ シビュラの真実・迫られる決断(常守)、穀倉地帯バイオテロ計画
第21話 血の褒賞 ★ ウカノミタマ管理センター攻防戦、征陸(まさおか)執行官殉職
第22話 完璧な世界 ★ 続き、填島の最期、宜野座の選択、後輩(霜月)の着任(cf.第1話){/netabare}
------------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)12、☆(並回)3、×(疑問回)2 ※個人評価 ★★ 4.7

※注釈
{netabare}(*1)填島の再登場シーンで、彼が両手に抱えているのは、有名なディストピア小説 George Orwell“Nineteen eighty-four”(ジョージ・オーウェル『1984年』)
(*2)「シビュラの神託のまま生きるか、自らの意思に従って生きるか」という問い。
(*3)禾生局長と宜野座監視官の会話「この安定した繁栄、最大多数の最大幸福が実現された現代の社会を、いったい何が支えているのかね?」「それは厚生省のシビュラシステムによるものかと」。{/netabare}

<視聴メモ>
{netabare}
・第1話視聴直後の感想として、フィクションとして面白かったのだけど、責任主義・罪刑法定主義を完全に逸脱する内容には開いた口が塞がりませんでした。
・第3話視聴直後の感想として、バトルの派手さは評価するけれど、特定人物の描写のキモさに少し閉口しました。
・第7~8話の、女子高生プラスティネーション(生体標本化)シーンの悪趣味さ・グロさも要注意。
・第14話の、女性撲殺シーンの悪趣味さも要注意。
・第16話で、ようやく第1話冒頭シーンにつながる。{/netabare}


===== PSYCHO-PASS サイコパス 新編集版 (2014年7-9月) =====

全11話 ※各話評価は割愛({netabare}オリジナル版の各話を2話ずつ組み合わせ、冒頭部等に少し新シーンを入れただけの内容の為{/netabare})


======= PSYCHO-PASS サイコパス 2 (2014年10-12月) ========
{netabare}
第1話 正義の天秤 <299/300> ★★ 公安局刑事課一係の新体制、二係酒々井(しすい)監視官の拉致
第2話 忍び寄る虚実 ★ 公安局への挑戦、鹿矛囲(かむい)からの問い掛け(WC?)
第3話 悪魔の証明 ☆ 公安局への挑戦(続き)
第4話 ヨブの救済 ★ 医療施設立て篭もり事件、青柳監視官殉職、※かなりのグロさ要注意×
第5話 禁じられない遊び ★★ 軍事ドローン施設捜査、ハングリーチキン事件
第6話 石を擲つ人々 ★★ ハングリーチキン事件(続き)、集団的サイコパス汚染、鹿矛囲との対面
第7話 見つからない子供たち ★★ 15年前の事故~成長復元ホロ、執刀医の告白(鹿矛囲の目的)
第8話 巫女の懐胎<AA> ★★ 続き、東金財団の秘密、鹿矛囲の正体はやや難あり×
第9話 全能者のパラドクス ★ 国交省役人晩餐事件、常守の祖母、※グロ注意
第10話 魂の基準 ★ 地下鉄立て篭もり事件、東金執行官の正体
第11話 WHAT COLOR? ★ 集合的サイコパスの受容{/netabare}
------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)5、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「Enigmatic Feeling」
ED 「Fallen」


======= 劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス (2015年1月) =======

全1話 ★★ {netabare}東南アジア某国へのシビュラ輸出計画、狡噛との再会、俺たちの闘いはまだ続くEND{/netabare} ※約2時間

OP 「Who What Who What」
ED 「名前のない怪物」


◆本作に登場する書籍、言及される哲学者・作家一覧と、そこから見えてくるもの

《第1シリーズ(オリジナル版)に登場する書籍、言及される人物等》
{netabare}
・第4話で、填島が手にもつ本は、ジョージ・オーウェル『1984年』
・第5話で、ルソー『人間不平等起源論』、寺山修司『さらば映画よ』(戯曲)
・第6話で、シェイクスピア『マクベス』、『タイタス・アンドロニカス』
・第7話で、キルケゴール
・第9話で、プラトン
・第11話で、デカルト
・第13話で、病室の狡噛が手に持つ本は、ジョセフ・コンラッド『闇の奥』。また病室の机に置いてある本は、スタンダール『赤と黒』
・第14話で、填島の読んでいた本は、岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』
・第15話で、ウィリアム・ギブソン、フィリップ・K.・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ジョージ・オーウェル
・第16話で、パスカル、オルテガ
・第17話で、スウィフト『ガリバー旅行記』
・第19話で、M.ウェーバー、M.フーコー、J.ベンサム「パノプティコン」
・第21話で、ヨハネ福音書「一粒の麦」
・第22話の最終シーンで、狡噛が船室に残していく本は、M.プルースト『失われた時を求めて-第1巻-スワン家のほうへ』{/netabare}


《新編集版のみに登場する書籍、言及される人物等》
{netabare}
・第2話で、クラウゼヴィッツ(プロイセンの軍人)
・第5話で、ミシェル・ヴィヴィオルカ(仏社会学者)
・第6話で、『ベーオウルフ』(古英語で書かれた英雄譚)
・第7話で、バートランド・ラッセル『幸福論』{/netabare}


《第2シリーズに登場する書籍、言及される人物等》
{netabare}
・第8話で、J.ベンサムの考案したパノプティコン(一望監視施設)に言及あり(※但し、第1シリーズ第19話に既出)
→第2シリーズは、虚淵玄氏ではなく、冲方丁(うぶかたとう)氏がシナリオ原案を担当しているので、虚淵氏担当分のような哲学者や文学作品の「中二病」的なひけらかしがない。{/netabare}


《劇場版に登場する書籍、言及される人物等》
{netabare}
・M.プルースト『失われた時を求めて-第7章-見出された時』
・フランツ・ファノン『地に呪われたる者』{/netabare}


◇ジョージ・オーウェル『1984年』を下敷きとした作品世界

本作の裏の主人公でダーク・ヒーローである{netabare}填島聖護は、第1話冒頭に登場した後は、第4話ラストまでしばらく出てこない{/netabare}のですが、その彼が再登場するシーンで手に持っている書籍は、上記のとおり、ジョージ・オーウェル『1984年』の原書(1949年刊)でした。
この『1984年』という小説の世界では、“Big Brother is Watching You.”(大兄が貴方を見守って/監視している)というスローガンが街のあらゆる場所に掲示されていて、このBig Brotherという全能の官僚システムによる人々の生活の保護と監視が抱き合わせになった社会の様相と矛盾が描かれているのですが、本作のシビュラは、これに相当する存在として描かれています。
そして、そうした全能の官僚システムが人々の生活を全面的に保護/監視する高度な「福祉国家(welfare state)」が成立している『1984年』の世界では、「厚生省(welfare department)」の役割と権限が肥大化していて、本作(PSYCHO-PASS)の作品世界でも、それを参照してか、公安(局)が現在の日本のような「内閣府」所轄ではなく、「厚生省(厚生労働省)」に所属している設定になっています。
また、そのような全能の官僚システムは、その正当性に人々が一切疑念を持たないように、不都合な真実(とりわけ不都合な歴史的経緯)を徹底的に隠蔽しようとすることも『1984年』には描かれており、本作(PSYCHO-PASS)でも、システムに不都合だったり余分だったりする情報(とくに歴史的経緯に関する情報)は隠蔽されている設定になっています。

→この後、沢山の文学・哲学作品や文学者・哲学者の名前が本作に引用・言及されていくことになるのですが、以上の点から、本作の作品世界が、この『1984年』を下敷きとしていることは明らかなように私には見えました。


◇填島の(≒虚淵玄氏の)"教養ラインナップ"

割と雰囲気だけで選ばれているように見える文学作品は別として、本作に言及のある哲学作品・哲学者の選択は、私には以下のように分類できるように思えました。

(1) 「大きな物語」ないし「大理論」を提唱するもの
 プラトン(哲人政治を提唱)、デカルト(理性による世界の再構築)、
 ルソー(社会契約による国家と社会のリセット)、ベンサム(功利主義による社会の再設計)

(2) そうした「大きな物語」「大理論」が具現化した世界の様相を描くもの
 ジョージ・オーウェル『1984年』(※これは小説ですが)

(3) 「大きな物語」「大理論」の不可能性を提唱するもの
 フーコー(※パノプティコンに象徴される隠された権力構造を批判したポスト構造主義の思想家)、
 デリダ(※脱構築を唱えたポスト構造主義の思想家)

(4) 申し訳程度にデカルトなど提唱の「大きな物語」に反論しようとしたもの
 パスカル、オルテガ

→以上から見えてくる、填島の(つまり、シナリオ原案・脚本を担当した虚淵玄氏の)"教養ラインナップ"は、冷戦終結以前(1980年代末まで)のもの、そして、こうした哲学・思想の潮流の伝播がどうしても周回遅れになってしまう日本に当てはめても、せいぜい1990年代中頃までのもの、であるように私には見えて、個人的にかなり興味深く思いました。
→つまり、冷戦終結後~現在までの哲学・思想のメイン・ストリームとなっている、英米系の分析哲学・科学哲学や、旧新(ないし左右)のリベラリズムの哲学者・哲学書への言及が全く抜け落ちている、ということ。
→この点について、さらに後述します。


◆填島&狡噛の独白・対話、 本作のコア・コンセプト考察

◇新編集版第1話の冒頭(填島の独白)
{netabare}
「どこかの誰かが、愚かな人類どもといったとして、その人類には当然、自分自身も含まれている。
人間について知りたいと思ったら、人間を見ているだけではいけない。
人間が何を見ているのか?に、注目しなければ。
君たちは何を見ている?僕は、君たちを見ている。
信じられないかも知れないが、僕は君たちのことが好きだ。
昔からよくいうだろう?愛の反対は憎悪ではなく、無関心だ。
興味がないのなら、わざわざ殺したり痛めつけたりはしないんだ。
・・・
余計なことばかり考える。緊張しているのか?
相手を甘く見過ぎて、踏み込み過ぎた?
・・・
なんてね。(笑)」{/netabare}

(※コメント)
他人(あるいは自分)を観察するときは、その行為を見るだけでなく、内面の動きをも見る必要がある、ということでしょうか。
いずれにせよ、グッと引き込まれるセリフで、これがオリジナル版になかったのは個人的にはかなり惜しかった気がします(これがあれば放送当時早々に視聴を断念していなかったかも)。


◇新編集版第1話の中程(狡噛執行官の夢の中での独白)
{netabare}
「公安局監視官。シビュラの尖兵。厚生省のエリートコース。
この社会に適応できない人間が発生することも、システムはシステムに組み込んでいる。

重要なのは最大多数の最大幸福であり、全人口の幸福ではない。

治安が悪い地区をある程度放置するのは重要だ。
不可能を実現しようとすれば、必ず破綻する。
完全な社会は、完全な社会を諦めることによって成立する。
シビュラシステムとは、そういうものなんだろう。

しかし、だ。
あの事件、あいつの死は、明らかに異常だった。
シビュラシステム運営下には有り得ないタイプの犯罪。
そんなことが出来る奴が、どこに、どうやって?」{/netabare}

(※コメント)
これもオリジナル版にはなかったセリフ。「最大多数の最大幸福」はおなじみジェレミー・ベンサムの提唱した功利主義のスローガンですね。
なるほど、シビュラシステムはベンサム型の功利主義(結果重視タイプの功利主義=帰結主義)を具現化したもの、という建前なのですね。


◇新編集版第4話の冒頭(填島の独白)
{netabare}
「何を考えているのかは分からなくても、絵を描く動物は殺しにくくなる。
感情があるのではないか・・・直感的に僕たちはそう感じるはずだ。
表現することには、その位の価値がある。

近代に入って、社会は絶対的な価値観の追究を諦めた。
相対的な、偏差値的な世界観を中心に据えるようになった。
しかしそれは、絶対的なものは不要になったからではなく、酸っぱいブドウだとして切捨てにかかっただけに過ぎない。
手に入れにくいから、最初からなかったことにしよう、と。

そこに、シビュラシムテムが現れた。
システムは文化や芸術にも介入するようになった。
シビュラ認定芸術家、シビュラ推奨作品。
ブラックボックス化された独自の判定基準によって、発展に必要な苦悩と対立が減少してしまった。

表現することを侮るようなやり方は、やがて、社会に致命的な停滞を・・・もたらす。」{/netabare}

(※コメント)
これもオリジナル版にはなかったセリフ。
西洋思想の流れでいうと、中世まで信じられた“神”中心の絶対的価値観が崩れ、相対的な価値観を認めざるを得なくなった近代で、今度は、“神”に代わって“理性”を中心におくデカルト流の理性主義・設計主義(もし神の存在を証明できないのならば、人間が神に代わって、自らの理性を極限まで働かせることによって、理想的な社会を設計・構築することが出来る、とする思想)が登場し、ルソーやベンサムもその流れにつながるのですが、そうした理性主義・設計主義が具現化した世界を描いた代表的フィクションが、前述のジョージ・オーウェル『1984年』です。
そして本作に描かれたシビュラシステムも、そうした発想からの派生(シビュラ=『1984年』の Big Brother)に見えました。


◇新編集版第5話の中程(填島の独白)
{netabare}
「君なんだな、僕の犯罪に発生した現時点最大の摩擦は。
君の持つコンパスは正確か?
僕はこの世界において、限りなく罪と罰から遠い場所に立っている。
通常の手段で僕に追いつくことはできない。
そのためには君は、頭の中にとても正しいコンパスと地図を持ってなければいけない。

昔から、一人遊びが苦手だった。
僕はどんなときでも二項対立を欲しがった。
戦うこと、競うことを思い切り楽しんでから、脱構築主義者みたいに二項対立そのものをズラしていく作業が好きだ。

君は、どの程度なんだ?
時々、自分がどの程度なのか確かめたくなる。
自分の位置と自分の強さを試したくなる。

手伝ってくれるんだろ?公安局執行官。」{/netabare}

(※コメント)
これもオリジナル版にはなかったセリフ。
「脱構築」とは、明鏡国語辞典によると、「フランスの哲学者デリダの用語。形而上学を支配している二項対立的な発想を解体し、その仕組みの再構築を試みることによって新しい可能性を見出そうとする思考の方法。デコンストラクション。解体構築」という意味です。
これは、1960年代後半~80年代に主にフランスの哲学者たちによって喧伝された「ポスト構造主義」という哲学潮流のメイン・コンセプトなのですが、実は、こんなの(=形而上学の全面的否定・排撃)って、英米圏では1950-60年代から常識だったんですけどね(科学哲学・分析哲学の興隆)。
ただ、フランスや西ドイツといった欧州大陸の西側諸国や日本では、形而上学・・・というより「大きな物語」「大理論」の全面的否定は、なかなか受け容れられませんでした(何故なら、マルクス主義革命による人類の革新(という「大きな物語」)を夢見る人たちがアカデミズムの世界で長らく頑張っていたから)。
そして、そうした「大きな物語」「大理論」の思想的根拠がようやく崩されたのが、1970年代のフランス発のポスト構造主義の「脱構築」という思想コンセプトの提唱と普及であり、それが日本には1980年代に入ってようやく伝播してきたのでした(浅田彰『構造と力』・・・「哲学は終わった」という言葉が流行ったらしい)
でも、ポパー(反証可能性理論を提唱したオーストリア出身・イギリス帰化の科学哲学者、主著『開かれた社会とその敵』『ヒストリシズムの貧困』)やハイエク(自生的秩序論を提唱したオーストリア出身・イギリス帰化の経済学者・法哲学者、主著『自由の条件』『法と立法と自由』)やアーレント(英米の革命と仏露の革命の本質的差異を分析したドイツ出身・アメリカ帰化の政治学者、主著『革命について』『全体主義の起源』)の論説が早くから当たり前となっていた英米圏では、「何を今さら」という感じだったのだろうと思います。
上で既に指摘していますが、本作で開陳されているシナリオ原案・脚本担当者(虚淵玄氏)の"教養ラインナップ"が、実は「脱構築」すなわち「ポスト構造主義」まで(=つまり、日本で言うと、どれだけ遅く見ても1990年代中頃までのラインナップ)であることが、ここではっきり分かります。


◇新編集版第6話の冒頭(填島の独白)
{netabare}
「西部劇的、いや古典英雄譚的決闘と言うべきかな。
かび臭い地下の、例えるならディストピアのベオウルフ。
生まれる時代も場所も、すべて間違えて、それでも僕たちはここにやってきた。
僕たちは間違った社会に生まれた。
それでも、歩む道は間違えなかった。

勿体無い。
泉宮寺さんも、僕が思っていたよりずっと摩擦に対する対処能力が高い。
今から、あのふたりが突然仲良くなったりしないものか。
一度は殺しあったけど、はい、握手で仲直り、全部水に流しましょう、って。

拙いな。
少し楽しみ過ぎてる。
自分がやっていることが綱渡りだということ、忘れるべきじゃない。
ふふん。」{/netabare}

(※コメント)
ここで、ディストピア(dystopia、暗黒郷、ユートピア(理想郷)と正反対の地)という表現が登場します。
なお、ベオウルフは英国最古の英雄叙事詩の題名であり、その英雄の名です。
「僕たちは間違った社会に生まれた。それでも、歩む道は間違えなかった。」とあるので、この英雄たちには、狡噛執行官・泉宮寺氏のほかに、填島自身も含まれるのでしょうね。
本作の舞台が、ディストピア世界であり、本作が、そうしたディストピアに抵抗する英雄たちの物語であることが、ここで明言されたように私には見えました。

本作の裏の主人公{netabare}(填島聖護){/netabare}は、{netabare}潜在犯に犯罪手段を供与して実行犯に仕立て挙げたり、自らの手で何の怨恨もない一般市民を殺害してしまう、間違いなく最凶の悪人キャラ{/netabare}なのですが、その彼が、実は{netabare}マクロ的にはシビュラという暗黒のシステムに支配されたディストピア世界に反旗を翻した"英雄"である{/netabare}、という二重構造になっていますね。
そして、表の主人公{netabare}である公安局の二人(常守監視官と狡噛執行官){/netabare}も、{netabare}填島の犯罪を追及するうちに次第しだいに、自分たちが命がけで守っているシステムが、実は醜悪な「怪物」{/netabare}であることに気付いていくことになります。
→こういうのは、SF映画などにはよくある舞台設定なのかも知れませんが、システムを壊そうとする側と守る側の、どちらに「正義」あるいは「大義」が存在するのか判別し難い、という設定は、やはり私には凄く魅力的なものに見えました。


◇新編集版第8話の終盤(填島と狡噛の対話)
{netabare}
「正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている。そのため、人は正義に力を与えることができなかった。」
「悪いが、俺は、誰かがパスカルを引用したら用心すべきだと、かなり前に学んでいる。」
「ふふぁふぁふぁ。そう来ると思ってたよ。オルテガだな。もしも君がパスカルを引用したら、やっぱり僕も同じ言葉を返しただろう。」
「貴様と意見があったところで、嬉しくはないな。」
「語り明かすのも楽しそうだが、あいにく、今僕は他の用件で忙しい。」
「知ったことか。」{/netabare}

(※コメント)
デカルト・ルソー・ベンサムといった理性主義・設計主義・リセット主義の哲学者に反論を“試みた”哲学者・思想家の選択として、妥当だと思いました。
→正直にいえば、反論を“試みた”に留まらず、それらをはっきり“論破”した、と英米圏で見なされている哲学者・思想家(つまり前述のポパーやハイエク等)に言及があれば尚良かったのですが、そこは虚淵氏のラインナップが少し古い、ということで仕方ないのでしょうね。


◆総評

本作は、「未来SFもの」「未来警察・犯罪もの」としても、十分以上に楽しめる良作と思いますが、個人的にはそれ以上に、“思想・哲学エンターティンメント”という、これまで自分がアニメのジャンルとしては考えもしなかった部分で、物凄く面白かったし、感嘆させられた作品となりました。
(小説やマンガでは、ある程度そういうジャンルの作品があることは知っていましたが)

※とくに、たまに見かける環境問題とか戦争とか核処理の問題などをテーマとして特定の“思想・哲学”を視聴者にステルス的に刷り込もう・制作者側の考えを一方的に視聴者に押しつけよう、とするタイプの作品ではなく、あくまで、“思想・哲学"を扱った"エンターティンメント作品”として、ちゃんと成立している点が、本当に素晴しいと思いました。

私の視聴済み作品の評価方法では、これまでずっと、

(1) 自分が、強く「感動」させられた作品については、評価点数4.6以上
(2) 面白かったけれども、強く「感動」するには至らなかった作品については、最高でも、評価点数4.5まで

としており、それに従えば、本作も (2) に該当することになりますが、本作については、「感動」には至らなくとも、このような作品が制作されたことへの「感嘆」が非常に大きく、他の「面白かった」作品との評価の区別を確り付けたい、という気持ちが強く湧いてしまったので、非感動系作品としては本作に限り、評価点数を4.7としました。

こんな感じの作品が、これからも制作されるのなら、本当に嬉しいのですが。


*(2018年1月26日) 誤字修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 73
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

じっくりスタートそして加速を続ける面白さ。

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。

ノイタミナ枠のなかでも大人っぽい渋い作品だと思います。
黒で統一された公安の衣装は渋カッコ良く、声優さんたちの演技も渋めです。

このアニメは猟奇殺人を扱ったり、犯人逮捕時に惨殺したりと怖い面もあり人を選びそうですが、世界設定や雰囲気に魅力がありますのでハマる人も多そうです。

主要キャラは物語が進むにつれ掘り下げていく形になっています。
主人公、新人監視官の常守朱が自身の立場に悩んだり葛藤しながらも職務を果たしていく姿を観ているうちに感情移入できました。
着任当初はあまり役に立っていなかった彼女でしたがちょっとずつですがチームに影響を与えていっている感じが見え隠れしてきましたし。(シビュラ判定で職業適正良かったのも間違いではなさそうです。)
今後、彼女が何を思いどう変わっていくのかも物語の鍵になりそうです。

槙島という黒幕の影がだんだん濃くなり、一本調子かと思えば衝撃を入れ込み、また機械や数値に頼っている世界設定とうまく絡めたストーリーは興味深く、だんだんと面白さが加速しております。

序盤でもう少しサブキャラメンバーを掘り下げてくれればもっと良かったんですけどねー。
六合塚さんなんて全然触れられてないですし…。

               <以上前半感想>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いよいよ後半再会です。今期は「考えるアニメ」が少ないので期待も大きいです。

相変わらずセンスのあるOP&EDは健在で一安心。
EDはシビュラから見たイメージですかね。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

さて、本題の内容ですが…
※12話感想{netabare}
ここで来ましたね六合塚さんの掘り下げ。
なるほど終わってみればいいタイミングです。
物語のテーマの琴線に触れる話が絡んでるんですね。

やはりシビュラも万能ではなく不安定要素が見え隠れします。
音楽や芸術等の数値化しにくい要素では特に。

また犯罪計数の数値の1,2の僅かな違いで
「バラライザ」で終わるか「リーサル」で終わるか結果に大きく影響するようです。

シビュラに不信感を持ち 力を求め闇へ向かう友人を止める事が出来なかった六合塚は
自身の立場や無力さを痛感し 執行官となり黒いスーツに袖を通す覚悟をします。
皮肉な事にこれもまた力を求めて…。
その真っ直ぐな決意のこもった眼差しの向こうには何が見えるのでしょうか。
友人の様に闇側に落ちていく存在は必ず食い止めるという意志や使命感も感じます。
前半、女学生に「大事な友達だったのね。」と慰めたシーンが印象深くなりました。
想いを知ると六合塚さんのスーツ姿が更にカッコイイ。ラスト少し感動しました。

また友人に対しても引金を引けた六合塚を見た狡噛の台詞が印象的です。
(六合塚の執行官適正を見抜いた)「シビュラの目に狂いは無かった」と。
これは暗に、
『六合塚に潜在犯の判定をしたシビュラの目にも狂いは無かったのか?』
という問いかけや皮肉が込められていた様に思います。
彼女は元々、潜在犯として扱うべき存在だったのでしょうか?

六合塚に魂を入れ、前半の問題点を踏襲し再認識させた秀逸な後半のスタートでした。
今後レジスタンスとの絡みもありそうです。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない
って感じの意味があったんですね。

前半のあの終わり方に心配しましたが、随分タフな一人前の刑事に成長していました。
深い悲しみや後悔があっても自分がやるべき事を見据え行動する姿が良いです。
計算高い槙島でも予想以上ではないでしょうか。

ドミネータで読み取れない免罪体質者がレアケースで出るようです。
シビュラ絶対のこの世界で公開できないですよねそりゃ。
槙島から見たらこんな世界は嘘でくだらなく見えるのかも。
だからと言って悪事を見過ごす訳にもいかないので、
公安のメンバーには頑張ってもらわないといけないです。
朱は免罪体質とは少し違うのかも知れませんが同じくサイコパスが濁らぬ槙島とは
反対の道を進みこの世界を受け入れ自立しています。
槙島vs狡噛だけでなく槙島と朱を対比させて観るのもありかもしれません。

アバンで宜野座さんの父が出てきそうと思っていたら、もう出ていたとは。
前半、征陸さんとのやり取りを注目不足だったかも知れないですが似てないですし
流石に予想つきませんでした。
奥さんや腕を失ういきさつ等の過去も少し気になります。

槙島と公安のお偉いの禾生さんとも繋がりがある様子。
宜野座と征陸の直後でしたのでつい親子かなと思ってしまいますが、
どうなんでしょうか次が気になります。
こちらにも槙島(maximum:最大の)「聖護」という名前遊びを感じますしね。

今更ですがやはりこのアニメ音の使い方が抜群ですね
上手く感情を揺さぶってくれます。
{/netabare}

※14話感想{netabare}
OPアニメがカッコ良くなってました。槙島を追いつめる公安メンバー。
狡噛はドミネータではなくリボルバー、みんなとも進む方向が逆なのが気になります。

サイコパスのコピーヘルメットが登場。
路上殺人する様も怖かったですが、傍観する様も怖い。
かなりのインパクトがありました槙島もおかしいですが世の中も狂ってます。
ただ全員が全員傍観者なのは行きすぎた演出な気もしました。
アバンで薬剤師さんも動揺していた様に、流石に中には驚く人が居るんじゃないかと…。
現代でも事件事故があると平然と写メ撮る人もいるので揶揄もあったのかな?
このヘルメットまだ多数あるようで今後が気になります。

槙島の読んでいた本は革命に関連した物でした。
このシビュラ任せの状態の世の中をひっくり返すには
強引で強烈な悪になる必要もあるのかも。
彼目線で作品を追えばダークヒーロー物としても楽しめるのかも知れません。
電話相手はチェグソンですかね、単なるハッカーとも思えないし、
レジスタンスと繋がってるのかな? 謎の男です。
{/netabare}

※15話感想{netabare}
前回の引きがありましたので予想はしていましたが、
例のヘルメットにより街は大混乱、サイコハザードが起きてしまいました。
誰もが急に人を信じられなくなる様は恐ろしい。
目を覆いたくなるシーンも結構ありました。

コレを煽るチェグソンのハッカー力も凄いです。
冷静ですし前回は路上撮影もしてたので彼も免罪体質でしょうかね。
この暴動が収まってもかなり社会へダメージがあると思いますが、
槙島には更なる計画がある様です。
槙島とチェグソン率いる外国人部隊はシビュラの中枢の厚生省ビル ノナタワーへ。
シビュラの秘密を暴き、その手から人々を解放する革命を起こそうとしている様です。
止められるのかは朱チームに掛かっています。
朱にもプロファイル力が培われてきていますね。
シビュラが人を支配してしまっているこの世界ではどちらが正しいかのか判りませんが、
手段は汚いので何とか槙島を抑えて欲しいです。
後半に来て更に内容もあってテンポも良くなっています。

シビュラの真相がとても気になります。
【予想:シビュラの真相(先入観を持ちたくない人は飛ばしてね)】
{netabare}
安定した人生の与える裏に何か目的が隠されているのでしょうか。

①<上流、特権階級の人々の安定>
可能性のある幼少から英才教育出来れば未来が開ける世界、
一度上に立った者の理想郷になっている。

②<政府による反体制思想の封じ込め>
気付かぬうちに人の可能性や考える事を奪い骨抜きにして家畜の様にコントロールしている。
政府だけでなく他国が関与している可能性も。

③<機械による人類の支配と保護>
SFが強いけどノナタワーは機械やアンドロイドの巣窟で世界は既に人類の手を放れている。
槙島さえ人間を観察し思想を学び知識を詰め込んだ世界一人間くさいアンドロイドとか。
…等が部分的や複合も含め思い浮かびます。

前半の泉宮寺のコメントや
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を引っ張り出したりとピースを集めると、
機械による人間や生物の保護の色は一層濃くなっている様に思います。
ですので個人的には③の可能性が高いと思います。
『機械が人間を飼っている』処まで行ってるんじゃないでしょうか。
槙島がアンドロイドなのか…までは微妙ですが。

【槙島アンドロイド・人造人間説】
自信があるわけではないですが当てずっぽうでもないです。
御堂、王陵、泉宮寺そして狡噛を興味深く冷静に観察し分析している点。
親兄弟、出自が不明ながら公安上層部に繋がりがある点。
槙島が犯人としての心理描写が全く無い点。
ドミネータが反応しない点。
丸腰で武器を持った数人を倒す戦闘力を持つ点。
血も涙も汗も感情すら表していない点。 等々。
この15話でも
洋菓子を紅茶につけ消化しやすくしている(?)点。
「生まれ育った街」と言いながら目や髪の色など日本人とは思えない点。
が引っかかっています。
(同じ髪の色の人がもう一人いますが!?)

点を結んでいくと「人間ではないのでは?」という疑問も湧いて来たわけです。
{/netabare}
ノナタワーに何があるのか、なぜデータを集約する必要があるのか…次回が楽しみです。

余談ですが今回パトカーのナンバープレートを見て気付いたことが。
「に01-01」=臭い追い。
彼らのコードネームもハウンドやシェパードですし言葉遊びがあるようです。
真相、真実を嗅ぎつけられるでしょうか。
{/netabare}

※16話感想{netabare}
予想以上の衝撃的な回でした。
槙島とチェグソンは二手に別れ最上階と地下へ。
それを追う朱たちも別れて探索する事に。
この時点で単身の縢に赤信号の予感がハンパなく、ドキドキしていました。

最上階組は第1話冒頭まで戻ってきました。
音楽も盛り上がってついつい興奮してしまいました。
狡噛もスゴいけど槙島も強いです。(汗かく槙島初めて見ました)
危ないところでしたが朱の一撃で無事逮捕へ。
仇を取りたい気持ちを抑え手錠をかけましたが、この判断が後々どうなるのでしょうか。

一方地下へ向かった縢。
チェグソンに吐露した言葉に彼の性格や気持ちがよく現れていました。
怪我を負いながらも三人を倒しチェの元に。 地下で二人は何を見たのでしょうか。
闇に葬られてしまったので正解はもう少し先になりそうです。
チェグソンは免罪体質ではなかった様です。
街ブラしてたのはハッキング能力あっての事ですかね。
縢の最期の表情が忘れられません。彼の無念を悔しさをいずれ晴らして欲しいです。
禾生さん…やはりあなたはそっち側の「物」だったんですね。
ドミネーターを無理やりエリミネーターにするなんて…。

それにしても展開が早い早い、縢は来週まで引くと思っていたんですけどね。

【予想:槙島&シビュラの真相(先入観を持ちたくない人は飛ばしてね)】
{netabare}
15話に続き予想して楽しもうと思います。ここから先は個人的な趣味です。

やはり禾生さんはアンドロイドでした。
こうなると上層部はすでに機械側に占められ人類はすでにコントロールされていそうです。

きっと縢たちは生産される機械人形の様なものを見てしまったんでしょう。
ノナタワーに全データが中継しているのは各アンドロイドで
処理分担や知識共有を行っているからではないでしょうか。
後は標本事件の様に機械が作った「おぞましく芸術的な作品」も考えられるんですが、
データや電力のことを考えると機械的なものなはずです。

まだ微妙な段階ですが槙島もアンドロイドや人造人間である可能性も上がったと思います。
そうだとすると彼がなぜ下界に出ているのか、なぜ人類解放をするのかが
大きな謎でコレまた予想しがいがあります。
人の可能性を試している所があるのがヒントでしょうか。
機械が人を作って実験してるかな。

【槙島アンドロイド・人造人間説】
<+要素>
関わりのある禾生さんがアンドロイドである
未だに血を見せていない
「毎日鍛えスパーリングロボさえ破壊する狡噛」以上の強さ
<-要素>
汗を見せ呼吸が荒くなった
朱の一撃で倒れまたその手応えに違和感がなさそう

禾生さんは機械による支配の観点からと槙島と髪の色が同じなので疑いましたが、
もう一点、共に名字に「木」が入っています。
まさかとは思いますが、木人的な意味合いがあるとすれば
公安にも「木」がついている人がいるので一応注視しようと思います。

あと、気になっているのは標本事件の藤間がどうなったのかです。
アンドロイドは免罪体質者を集めていた可能性もありますので。
免罪体質など居らず、彼も人ではない存在なのか?という疑いもありますが、
情報が少なくて考察できないです。
漢字も「草冠」と木には至らない微妙さがあります。

【槙島が人間だった事も考察】
アンドロイドが免罪体質者を集めていたり気にしているなら、
禾生さんが槙島を以前からチェックして知っていても不思議ではないのですが、
口振りからもう少し親密な気がします。
槙島やその親がアンドロイド研究関係者であったと仮定すると、
何かの犠牲になった事への復讐という線もあり得ますが、
感情で動かない人ですし言動も復讐っぽくないです。
そうなると結局「アンドロイドが産み出した人間」と考えてしまいます。
【アンドロイド】か【アンドロイド造人間】
の可能性が高いというのが今のところの見解です。
{/netabare}
{/netabare}

※17話感想{netabare}
後半に入ってから本当に引き込まれています。
30分がスグに過ぎてしまいました。

シビュラの正体が明かされました。
まさか藤間が禾生さんになっているとは…。
バラ撒いた伏線の裏をつく展開に予想は外れました。
免罪体質者を集めている感じはしましたが、こんな事になってたなんて。
あの光景、突飛に感じSFというよりファンタジーな気がしました。
説明は理解しているつもりですがそれでもまだ
犯罪計数への利用のされ方等にも納得できない部分もありますし全能感も強すぎます。

『共感や感情に流されず俯瞰で裁定できる者』の脳を200個使っていても
ドミネーター等の素早い判断に付いてこれるものでしょうか?
ノナタワーに送られるものって結局はデータ化された情報になってしまう
と思うので演算なら未来のスパコンの方が速い気がします。
『判断基準を作るために脳の知恵を利用する』のなら分かるんですが、
『全件を脳で判断する』のは無理があるように思います。
一応、脳の高速化うんぬんの説明もありましたが唐突なんでまだしっくり来てません。

また、前回ドミネーターを故意にエリミネーターかデコンポーザーに変えていて、
結局は保身のために感情に流されているので、槙島の言うように結局は恣意的な気がします。
勘違いもあるかも知れないですし、もう少し時間をおけば咀嚼できるかも知れませんが。

現代も一部の者が国を動かし多くの国民は歯車な面もあるので痛い所を突いてきます。
司法も裁判員制度は一応ありますがほぼ有識者に任せていますし、冤罪も起こってますし、
似た所はあるのかも知れません。
司法を究極的に効率化したらシビュラシステムの様になるのかも。
(脳だけにはならないと思うけど)

これからはシビュラVS槙島VS公安という構図になりそうです。
縢が消えた事への矛盾は公安メンバーは気付いています。
彼の汚名を晴らし真実に辿り着いて欲しいです。
辿り着いた先、既に社会そのものになった存在に何をどう戦えばいいんでしょうか?
結局彼らは何と戦うのでしょうか?
地下のモノを壊しても解決とは行かないので、そのあたりも見所として楽しみです。
槙島のしてきた事は許せないものがありますが、
彼がどう動くのかダークヒーローとしてどう活躍するのかも楽しみです。
{/netabare}

※18話感想{netabare}
14話で触れたOPアニメの示唆している意味が分かる回でした。

もう藤間ではない禾生さんというかシビュラ側はかなり強引になってきました。
どうしても槙島を手に入れたいんでしょう。
それには狡噛が邪魔で仕方ない様です。
ドミネーターからエリミネーターへの変換見せちゃって大丈夫なの?
他にも化けの皮が剥がれ出していて、公安のあり方自体揺らいでいます。

宜野座は苦しい立場で色々と策は練った様ですが通じませんでした。
今回一番悔しい思いをしたのは彼でしょう。
色々と抱え込んでいる苦労人です。

地味ではありましたが公安メンバーの思いが感じられてなかなか印象深かったです。
(六合塚さんのも欲しかったですが。)
直筆の手紙は思いが篭もってる気がします。
序盤の二人の関係から今に至るまでの積み重ねが胸にズシリと来ました。

あと、公安二係の逃亡した執行官の方も気になります。
なんか今回出てきた青柳さんと似てるんですけど。

狡噛も公安を離れ後戻りできない背水の陣でどう動くのか、
そして無事に逃げた槙島の次なる手は?
悲しい結末もチラリチラリと予感させていますが。
少し作画が気になりましたが、次回も楽しみです。
{/netabare}

※19話感想{netabare}
アクション無いので作画については前回ほど気にはなりませんでしたが初期と比べると…。

狡噛、宜野座、朱それぞれの視点と心を描いた回でした。

狡噛は雑賀さんの所でプロファイリング。
雑賀さん流石の洞察力で現代に生きていたらDAIGO以上です。
そんな人から自分が殺そうとしている槙島と似ている
と言われた狡噛はどんな気持ちになんでしょうか?
…でも私も物の捉え方とか似てると思います。

農業や非国際化の話が出ましたが脳の高速化の話に続き初耳設定で予想つかなかったです。
確かに最初の方で朱が朝食してたけども。
シビュラシステムは現代社会の延長上に感じますがこちらはどうなんでしょうかね。
今まで緻密な感じで積み重ねていたので少々荒っぽく、粗さも感じてしまいます。

物語としては槙島のもくろみが分かった狡噛がどうやって追いかけるのか楽しみですが、
槙島を殺すのが目的になっている現状だと虚しさもあります。

宜野座は相変わらずの苦労人ぶりです。監視官ってキツいですね。
ここ最近親父さんにも当たったり相談めいたりする描写も増えてます。
潜在犯に落ちる崖っぷちにありますが色々な面で報われて欲しい人物で応援したくなります。

朱はシビュラに目を付けられ真実を明かされ駒として取り込まれそうですが、
今まで『受け入れ自立する』彼女を見てきましたので
きっと彼女なりの答えは出せるだろうと思います。
シビュラ側に取り込まれているようでも対抗できる唯一の人物な気もしますから、
今後の言動が作品の肝になるように思うのでこれまた楽しみにしています。
結局は朱が主役なんですよね。
{/netabare}

※20話感想{netabare}
朱にシビュラの事実を告げる展開にドキドキし、心に響きました。
あのままドミネーターと会話するのでなく、現場に行かせることで臨場感・現実感が、
一気に押し寄せる感じがしましたし、
目線や涙の表現、回想も含めた演出など素晴らしかったです。

朱は本当にメンタル美人というかタフですね。
安定してリスクのない代わりに夢を追えない不条理な人生を押しつけ、
そして親友や同僚の死すら事務処理のように行うシビュラの正体が分かり、
許せない気持ちで一杯だったはずですが強い理性で押し寄せる感情を抑えきりました。
今やれるべき事を前向きに判断できるその姿はカッコ良かったです。

槙島は手段の為には人を殺すの何とも思ってないですね。
今回も野鳥程度の哀れみはあったのかも知れませんが。
家畜の様に飼われていた人間を野性に帰しても生きて行けない事は分かっていて、
それでも尚、野に放ちたい様です。
野生の中で生きるために必死になり考え行動してこその人生。
彼にとってはそれこそが『生きる』という事そのものなんでしょうけど。
まおゆうの演説とも本質は同じ所にあるなーなんて事を思っちゃいました。
朱もその辺りの事は理解できるところがある様てすが、
やはり色々と強引だし傲慢だしやり方がおかしいです。

シビュラと約束を取り付け狡噛の命を助けようとする朱は
一枚も二枚も皮が剥け成長して逞しくもありました。
悲しい結末ばかりが思い浮かんでいる中、なんとか狡噛を救ってほしいと思います。
救いのある展開になるのかは朱に掛かってきましたので頑張って!
シビュラが約束守るのか?というネガティブな心配もしてしまいますが…。
{/netabare}

※21話感想{netabare}
痛く辛い話で余り筆が進まない感じですが、征陸さんが壮絶に逝きました。
ここまで2クール真剣に観て来られた作品なのでメンバーにそれぞれ愛着が湧いてますから
辛い気持ちにはなります。
潰れた腕を気にしない事で宜野座の精神的なダメージの大きさも痛い程、
本当に痛い程伝わりました。
刑事である前に人であり、親であった征陸さん公安の中でも人間臭い良いキャラでした。

先週に続きココに来ての朱の行動力は凄いです。
彼女自身もシビュラの資格がありそうなので心配な最後もよぎります。
色々と犠牲者も出てしまいましたが少しでもよいラストとなるように願います。
そして来週は六合塚さんがやばい感じでドキドキです。
{/netabare}

※22話感想{netabare}
もう一週あるかと思ってましたが今回最終回でした。(^_^;)

ここに来て六合塚と唐之杜の関係に少しドキリとしてしまいました。

少し時間をおくと狡噛が殺人犯になってしまった虚しさもこみ上げてきました。
槙島の死を見た時には割とあっさりと受け止められ、悲しみは無かったのですが、
それ故に彼の孤立感や言葉の意味が今一度染みて来ました。

「法が人を守るんじゃない、人が法を守るんだ」当たり前の様で
自分で気付くとハッとします。
「法律やルールだから守りなさい!」と言ったことを幼い頃は押しつけられる事が多く、
疑問を持たずに納得したり反抗してみたりすることはあると思うけれど、
いつの日かみんなの為にルールがあるんだと気付く時ってあると思います。
法やルールって人間が育んできた大切な知恵の一つですからね。
完璧な法なんて有り得ないかも知れませんが、
ちょっとずつ繰り返し繰り返し良い方へ進んで行くのだと思います。

歴史の方も繰り返し巡りながらもちょっぴりずつ進んでいるようです。
宜野座も父の様に腕を失い執行官に落ちてしまいましたが、志は継いでいました。
心なしか生き生きとした印象も受けました。
朱も配属当時に受けた同じ言葉を新任監視官に与えていました。
一話の同じシーンと比べるとその成長に感慨深い物があります。

この新任監視官、未成年で異例の配属と言っていたので、
思い当たる人物は一人だけでしたがやはりあの女学生でした。
王稜事件で友達を失った後、彼女なりに悩み考え結論を出した事が推測できて心を打たれます。

最後に狡噛らしき人が映りましたが、読んでいたのは
『スワン家の方へ』でした『失われた時を求めて』という長編小説の一遍ですが、
紅茶にマドレーヌを浸した事をキッカケに昔を思い出すデジャブものなので意味深な感じです。
最終話にこうもデジャブ・繰り返しの要素を重ねてくるとは…。
ここに描くような世界が巡ってくるかもという暗示でしょうか?
繰り返し第二の槙島が現れる可能性を示唆しているのでしょうか?
温故知新、昔の人の考えを想いを巡らせろという事なんでしょうか?
色々と解釈ができますがこの作品ぽく言えば、
自分で思った答えに価値があるんでしょう。

また、槙島も紅茶にマドレーヌを浸して食していました。
この行為がなんだったのか気になっていたので合点が行き、少しスッキリしました。
槙島と狡噛、同じ様な感性を持ち同じ作品を同じ様に感じていたはずですが、
その道が重なっていたり大きく隔たったのは何に差があったからなんでしょうか。
槙島の一番の理解者が狡噛だったのはやはり皮肉めいています。
どこか別のタイミングで出会っていたらどうなっていたのかと思ってしまいます。

今後狡噛がどう生きていくのか興味が湧きます。
狡噛の性格ならのんびりとした余生を送るはずもなくシビュラの正体は追いそうですし、
レジスタンスや六合塚の友人リナ、2係の逃走執行官などなど
まだ残った伏線があるので続編はあるかも知れません。
新生1係の活躍のストーリーも観たい気はしますがとりあえずお別れです。

テーマがしっかりあって先が読めずかなり引き込まれ夢中になれた良い作品でした。
いずれ力でなく個人の自立によりシビュラが無くなる日が来ることを願います。

また、シビュラの様な管理される世界に、他人任せの人生にならない様に
利便性や楽な方に流されず考えながら生きていこう。
…という気になりましたのでメッセージとしても伝わったと思います。
{/netabare}

本当に楽しめて深みがあり考察のしがいがありました。
ここ最近、キャラの魅力で押し切るストーリー物が多かったので、この作品は貴重でした。
大人向けではありますが色々な人に勧めたくなる良い作品です。
観ていないのなら是非とも観ていただきたいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 120
ネタバレ

にゃんぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

なんと言っても

うまく言えないけど、
最初、この作品の世界観や設定を見て、なんかすごく面白い、
第一話を見て、そして完全にはまっちゃった...
一話の冒頭は即座に伏線を埋めてる{netabare}「お前は狡噛慎也だ!お前は槙島聖護だ!」{/netabare}
あと常守朱のセリフ{netabare}「きっと彼らは一目見て分かったはずだ、二人は初めて出会うより以前から、ああなる運命だったんだろう......」{/netabare}
物語はもとより、作画は素敵だと思う
EDとOPの歌もぴったりしてる
声優たちも渋いー
このアニメは最高だ!!でも、皆の評価はあまりよくない
私は攻殻を見たことないけど、
なんと言っても、私このアニメが大好き~
13話
{netabare}宜野座の父親は...征陸智己だ...∑((((((゚д゚;ノ)ノ{/netabare}
16話
{netabare}やっと、一話の伏線とは繋がってた、{/netabare}
{netabare}シビュラの正体は一体何...{/netabare}
{netabare}一番の悪者はあの局長だと思う...{/netabare}

何といえばいいかなー、とにかく大満足!!!
あと、2期があってよかった、ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆

投稿 : 2024/11/23
♥ : 165

87.6 2 警察アニメランキング2位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (662)
2218人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

まったく、たまにこういう作品に出合うから面白い。

控えめに言って、そんじょそこらで放送している学芸会のようなドラマを見るくらいなら、この作品を観た方が絶対に面白いと思う。

確かに、全てが新しいアイデアと言う訳ではない。
最終回の大ネタでさえ、既に既視感のある展開ではあった。
しかしながら、この作品は素晴らしいと評価できる。
まずもって、

古今東西、タクシーがテーマの映画作品には「名作」が多いと感じている。
そして、たまに大胆な切り口の作品も登場したりするが、それでも「観れる作品」になっている印象のものが多いのは、タクシーという舞台装置がいろいろな人、場面、人生模様との親和性が高いのだろうと想像する。

さて、この作品。
あまり物語に触れる訳にはいかないが、
主人公のタクシー運転手:小戸川を中心に非常に多くの人物が登場する。
そして、複数のストーリーラインが同時進行し、それぞれがポイント、ポイントや人物同士でちょこちょこ交差していく。
非常に綿密に計算され、緻密に物語を紡いでいっているといってよい。
なので、観ているこちら側が混乱するケースもありそうなのだが、登場人物のキャラ付けがシッカリしている(即ち容姿が動物w)なので、意外と混乱はしない。
こういう意味でもヴィジュアル面でプラスに働いているのではないだろうか。

そして、作品自体の雰囲気もとても良い。
この「良い」と言うのは「いい気持ち」ではなく、落ち着いて、しかし、何かが着々と進行しているという、なんとも言えない不穏でダークな雰囲気なのだ。
主人公の小戸川もおっさんチックな落ち着きもあるし、登場人物が悪(ワル)はワルらしくて良い。
昨今は珍しくなってしまったハードボイルド雰囲気をもった、クライムサスペンスと言えるかも。
とても、映画的な雰囲気をもった作品だと思う。
なんなら、どこかのハリウッドとかでも映画化できるレベルのプロットだと思っている、私的には。


・・・さて、
メインストーリに絡んだ表面に見える犯罪(クライム)については、それぞれの悪(ワル)たちが、それぞれの場所に収まり、ひと段落をのテイを見せ。
それぞれの登場人物も、自身の理想を目指しての生活に戻りました。
が・・・、残った真の悪は誰なのか・・・、小戸川はどうなったのか・・・。

余韻を残す終わりとなっております。
詳細はご自身の目で観て、ご想像ください。
観る価値のある作品です。お時間をつくってどうぞ!!

それにしても、ジェンダーフリーのこの時代に、また、爆弾発言をしますが。
(物語の上でのことですが)
やはり、真の悪、恐るべきは女か・・・。
(ここは女性ではなく、オンナと言う表現がふさわしいでしょうw)

さて、この爆弾発言の意図するところとは?
これもぜひ作品を観て、ご判断くださいw。

最後の最後に私のツボポイントを一つw
「白川さんのカポエイラ」

以上です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 44
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アメリカ的な種の混沌

アニメーション制作:P.I.C.S.、OLM Team Yoshioka、
監督:木下麦、脚本:此元和津也、
キャラクターデザイン:木下麦、中山裕美
音楽:PUNPEE、VaVa、OMSB

絵の雰囲気、話の流れなど、
観るまでのハードルが高い作品かもしれない。
しかし、観始めると良質なシナリオと
連続する謎によって視聴者をグイグイ引っ張る。

登場人物たちが全員動物というのが、
普通のミステリーが得意でない人にも、
新鮮な気持ちにさせてくれる。
まさに私がそうだった。
正直、私はミステリー作品に完全に飽きているので、
そもそも、ほぼ興味が持てないし、
よほど良質なものでないと、
余計な思考ばかりが頭を巡って作品を楽しめなくなってしまう。
しかし、この作品の場合、動物のキャラクターが
そういうミステリー作品鑑賞時の弊害を
ある程度、無効化してくれるのだった。

この作品に興味を持ったことのひとつが、
アメリカの犯罪小説に影響を受けていると
想像できることだった。
日本の昔の犯罪小説やハードボイルドものだと
横溝正史や江戸川乱歩、京極夏彦たちに加え、
大藪晴彦や西村寿行、森村誠一、大沢在昌あたりが挙げられるが、
その影響は皆無に思える。
ところが、ハメットやチャンドラー、ロスマクなどの
アメリカのハードボイルド作品の雰囲気は感じられる。
それは主人公が内省的で気難しいところと、
多種多様な動物たちの絡み合い方に、
アメリカの小説っぽい雰囲気があるからだ。

登場人物がバラエティに富んでいるのも
アメリカっぽい。主人公はタクシー運転手で、
そのほかに看護師、医者、ヤクザ、ヤクザのボス、
悪徳警官、アイドルグループ、そのマネージャー、
キャバクラの店員、お笑い芸人、目立ちたい大学生、
頭の狂った犯罪者などなど。

これだけ多くのキャラについて
それぞれきちんと背景を見せながら、
物語に絡ませて、理由も描いていくのは、
いかにもアメリカの犯罪小説によくある展開といえる。

そのキャラのなかでも面白いのは「ドブ」という存在。
ヤクザの幹部であるゲラダヒヒという動物なのだが、
彼の生き方がとても興味深いし、この「ドブ」という名前が
いかにも社会の底辺をよく表している。

「ドブ」は、昔は街のなかにいくつもあった。
整備されていない下水溝のことで、
ゴミや汚水がいつも垂れ流されていたのだ。
社会の位置づけとしては肥溜めに近い。
最近は全国的にインフラが整備されたため、
「ドブ」は見なくなったのだが、
そんな名前のヤクザの幹部が重要な役割を果たす。
しかも、彼はヤクザとして、男として矜持を
持っているような部分が見え隠れする。

アメリカのブルースの巨星に「マディー・ウォーターズ」と
いう人物がいる。アメリカ音楽が好きなら
ほとんどの人が知っているほどの有名人だが、
彼の芸名を直訳すると「泥水」だったことをふと思い出した。
ボトルネックギターと体の奥底から響いてくるような
太く独特なヴォーカルが一度聴いたら忘れられないほどの
強烈なインパクトを残す。
昔よく使われていた音楽における「アーシー」という言葉は、
まさにマディのためにあるように思える。

私の勝手な想像では、
この作品はアメリカ的な要素に彩られている。
主人公が太っていて、理屈を話すときには
説得力があるのだが、いざ行動すると、
あまり役に立たないのも
アメリカハードボイルド小説の主人公像だったりする。

何だか関係のないことばかり書いてきた気もするが、
この作品は、そういう混沌を広げてみせながら、
緻密な伏線を張り巡らせて、それを1本の線に
上手くまとめていく面白さがある。
常にいくつかの謎が横たわり、想像力を刺激してくれる。
登場人物たちの過去を丁寧に掬い上げ、
ストーリーに組み込んでいく手法も優れている。
おそらく多くの人々がシナリオの展開の妙に
引き込まれていくだろう。

{netabare}この作品のそういう良さが上手く表現されているのが、
ラストの車の飛んでいくシーンだ。
誰もが心に何かを抱え、それぞれが細い糸でつながっている。
そんななか、小戸川が軽々と空を飛ぶ。
関係者は皆、近い場所にいて、その瞬間に直面する。
関係があるようでないような人々が、ある一瞬につながる。
これこそが世界の奇跡のひとつ。
美しい出来事といえるのだろう。
私がこの作品でいちばん気に入っているシーンだ。{/netabare}

人種の坩堝を表現しているような作風だけに、
反面、キャラへの描き方が浅く感じられるのがマイナス点。
ミステリーとしては捻りが足りないし、
そこのキャラの心情表現も描写不足を感じた。
特にドブとの決着については、
私が気に入っていたキャラということもあるが、
あまりにも簡単にまとめようとしているように
見えてしまった。

とは言え、多くの人々を魅了した作品であったことは事実。
4月には事件の裏側と続編を描いた映画
『オッドタクシーイン・ザ・ウッズ』が公開予定。
ローカル局とネット配信だけだった作品だが、
それだけ話題になったのは間違いない。

混沌の先に広がっている景色に着目したい。
(2022年2月5日初投稿)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 50

74.4 3 警察アニメランキング3位
ハコヅメ~交番女子の逆襲~(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (302)
944人が棚に入れました
「警察官なんて、もう辞めてやる!」公務員試験を片っ端から受けて、合格したのは警察官だけ。考えつく限り、最も浅い理由で警察官になった川合麻依は後悔していた。こんなに激務で嫌われ者だって知ってたら、絶対に警察官になんてなってない!辞表を握りしめて、第二の人生を歩むことを決意する川合のもとに、新しい指導員としてやってきたのは、警察学校を主席で卒業し、“ミス・パーフェクト”の異名を持つ元刑事課のエース・藤 聖子。後輩へのパワハラが過ぎて、刑事課から交番に異動してきたという藤の噂に怯える川合だったが、さっそくペアとしてパトロールに向かうことに......。新人警察官・川合と元刑事課のエース・藤の凸凹ペアを中心に、個性豊かで魅力的な警察官たちが巻き起こす笑って驚いて、ときどき涙しちゃうお仕事コメディが今、幕を開ける!臨場せよ! これがリアル(?)で新しい交番女子の物語だ!
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ギャグとシリアスのバランスが絶妙な良作

安定した仕事を求めて警察官になった川合麻依(かわいまい)は、交番勤務に配属されて、予想外の激務に辞職しようとしていたところに刑事課から異動してきた藤聖子(ふじせいこ)と出会うところからお話は始まります。

昨年ドラマ化されて話題になってたので、ちょっと期待してた作品でした。

原作未読ですが、原作者の泰三子さんは実際に警察官として10年勤務されてたとのことで、警察のお仕事の裏側なんかも描かれてるみたいです。

キャラ絵は落ち着いた感じ。女の子の目が同じせいか、川合さんと藤先輩が姉妹に見えるかもw

ギャグあり、シリアスあり、へぇーって思うエピソードあり、とお話に起伏もあって飽きさせない作りもいいし、テンポも良くて今期アニメで一番面白く観ていた作品です♪

まだまだ原作ストックあるみたいですし、ぜひ続編やって欲しいです。

以下、各話の感想です。

1話
{netabare}交番勤務って人が少ないのにパトロールや職務質問とか交通取締りとか取調べとかしなきゃいけないのは大変そうですね。
あでも取調べは実際には刑事課にまかせてやらないのかもだけど。
小学校の講話エピはなるほどーって思いました。治安が良い=街の雰囲気が良い=犯罪をやりにくい、なんですね。{/netabare}
2話
{netabare}いくつに見えます?=あ、成人だに笑った。。わかる。
家出少女の何気ない義父の雰囲気を察したり、パトロールで靴が片方ないまま歩いてる人に気づいたり・・
すごいなって思ったけど、警察官って常に注意してなきゃならないから大変な仕事だなって。
刑事課で紅一点頑張る牧高さん。刑事課の仕事を通じて、男性に対して幻滅してるみたい。
牧高さんが警察で騒いでる男にも毅然と対応してたのはかっこよかった。
それから、牧高さんの上司の係長が騒いでた男に、牧高さんに謝れとビシッと言っててカッコイイところを見せたりとか、うん。やっぱりこの作品ってバランスいいなって思った。{/netabare}
3話
{netabare}刑事課のエースで藤先輩の同期の源(みなもと)刑事登場。アフロがかつらに見えちゃう。。
万引きした年配女性がなぜ万引きするようになったのかが描かれてたけど、そっか、人って誰かに必要とされてないとダメになっちゃうものなのかもね。
検死も行うんですね・・大変な仕事だぁ。。ホントお疲れさまですって言いたくなりました。(誰に?){/netabare}
4話
{netabare}山の遭難捜索にも駆り出されちゃうとか大変だけど、こうして頑張っていただいてることに感謝しなきゃですね。
警察犬がお犬様と呼ばれてて振り回されるって、実際はそんな感じなんですね。もっと賢いイメージありました。
このハコヅメ見てると警察官のかっこよさよりも大変さが強く伝わってきて、これ見て警察官を希望する人が減らなきゃいいなって余計な心配しちゃいます。{/netabare}
6話
{netabare}合コンがとなり同士って・・私も合コンあるけど色々と疲れるので気の知れた人たちと飲む方がいいなぁ。
藤先輩と源刑事がくっつけばいいんじゃって思ったけど、職業柄、他の職場の人に惹かれるのかもしれないですね。{/netabare}
7話
{netabare}許してわんに笑った。。
源刑事の取調べ・・というか話術すごい!
単純な私なんかすぐ落ちちゃうな。
被疑者の息子さんいい子でちょっと救われた。
お母さん、誕生日おめでとう・・でうるっときちゃいました。{/netabare}
8話
{netabare}藤先輩のいなし方すごい!
あれはマネできるものじゃなくて一種の才能だよね。
にしても警察って体育会系なんですね。
朝礼の後の訓練って・・お疲れさまです・・
警察学校の訓練もだけど、日頃からそうやって鍛えているからこそ、いざという時に対応できるようになるんでしょうね。{/netabare}
9話
{netabare}警察への通報って決してアニメで誇張してるわけじゃなくて普通にこんな感じなんでしょうね。
でも本当に大変な事件や事故もなかにはあったりするから気が抜けないですよね・・
毎回言ってる気がするけど、警察官のみなさんお疲れさまです!
でもUFOとか忍者とかで呼び出されても困りますよね~{/netabare}
10話
{netabare}たまに見かける交通取締り。
今までは今日ここでやってるんだ、くらいにしか思ってなかったけど
交通課部長の重みのある言葉を聞いて、私も運転気をつけようって思えた。{/netabare}
11話
{netabare}似顔絵って単に絵がうまいだけじゃなくて
犯人の特徴をよくとらえていたり、インパクトのある絵のほうがイメージしやすいというのもあるのかなって見てて感じました。
原作者の方も警察官時代は似顔絵担当もしてたみたいなので、説得力ありますね。{/netabare}
12-13話
{netabare}刑事ドラマみたいな展開で、今までで1番警察官のかっこいいところが描かれてましたね。
でもそれだけじゃなくて、現場の警察官の空気感もリアルに出ていて、あらためていい作品だなぁって感じました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

今季間違いのない作品

<2022/3/30追記>
本当にすごい作品
最終話でも気持ちがグルングルン揺さぶられて
これ大好きです。

<2022/1/8 初投稿>
原作未読
ドラマも見てません
見始めなので評価はデフォルトの3.0

とは言っても、ケンコバさんの冠番組「漫道コバヤシ」のマンガ大賞2019をたまたま見てて、面白さは確信してました。
作者の泰三子さんが出演されてたのですが、泰さんは警察に10年勤務して退職後に漫画家になったという変わり種。
超リアルな交番あるあるネタと、
あっけらかんとした笑いと、

人間社会の問題の本質をちょいちょいつつくエピソードがうまい具合に調合されてるようです。

というわけで、放送開始前から期待してた本作。
1話見ましたが期待にそぐわぬ出来で嬉しいですね。
このままいけば誰にでもおすすめできそうな良作になりそうです。

以下、余談。
それにしても、公務員は本当に嫌われる仕事。
警察はもちろん、学校の先生、お役所の職員とかとか。
とりあえずいつでも誰からも感謝されるのって消防士や救急隊員とかの消防署勤務の人ぐらいなもんじゃないかな。
ゆーても救急隊員は労務環境苛烈ですが。

<2022/1/13 追記>
2話見ました。
面白いですね。
クスッと笑えるし、ジーンとするし、飄々としてるし。
ひとつだけ気になったのは、これだけいい素材の作品なのにスタッフはほとんど海外の人ということ。
それで質が落ちてるというわけではなくて。
国内のアニメ製作者のスキルの維持向上にはこういう作品こそ、国内でしっかり作るべきでは?と思ったり。
電子電気産業のように国外へ吸いとられちゃいますよ。

<2022/1/20 追記>
第3話見ました。
やはり面白い。
見てる私らの心を振り回す!

前半の源さんの人間力の高さ!
そして後半の、なんというかなんとも言えない気持ち。
一昨年に母を亡くした、その時の光景を思い出してしまいました。

<2022/2/19 追記>
第7話見ましたよ。

マウンテンゴリラw
犬!w
こいつら、ある意味仲良すぎ 笑

そして後半の「人たらし」
源部長の本領発揮ですわ。
この能力、警察では「それぐらいしか能がない」ってなるのかな?
民間の、特に営業職ならトップセールスの天才レベルですよ!
というわけで、点数は中間評価で4.6です。

<2022/2/21 追記>
第7話、楽しくてもっかい見たんですけど

(以下、ネタバレを含みますが、未視聴の方はきっと読んでも意味わからないと思うので、ネタバレタグで囲うのは必要最小限にしておきます)

第7話のAパート。
山田が魔が刺したのはいわゆるストックホルム症候群の類ではないか、と。

「ストックホルム症候群(ストックホルムしょうこうぐん)は、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう(Wikipediaより引用)」

凶悪な誘拐犯にちょっと優しくされると、「この人はいい人なんだ」と深く信頼してしまうアレです。

山田にとって{netabare}藤部長{/netabare}は「常にプレッシャーを与え続ける凶悪な誘拐犯」なんでしょう

<2022/3/18 追記>
11話まで見ました。

11話。
衝撃でした。
「漫道コバヤシ」でなんとなく聞いてはいたものの。
このエピソードはあまりにもつらすぎます。

自分は昔、保険の仕事してたことあって。
自動車事故の話なんかも時折入ってきて、中には心痛すぎる話もありました。
でもこんなまでの話はなかったです。

12話。
前半はちょっとした百合展開?
いや違うか笑

後半は、これも「漫道コバヤシ」でちょっと聞いてました。
似顔絵が深すぎる。
確かにうまい似顔絵描くことは求められてないわけで。
唸らされてしまいました。

そして作中、軽く描かれてますけど。
性犯罪への怒りはしっかり伝わってきました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 44

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

初めは「女の職場」の話かと思ったら刑事ものでした。面白いです。

 初回1話切り。まあまあの評判なので再視聴。3話の男性の新キャラが面白いのと、死体の話がいい話だったので、続きをチェックしました。なるほど…新キャラ登場からガラリと全体が変わりましたね。3話以降急に面白くなりました。

 ハコヅメ…つまり交番勤務というテーマで「女の職場」の話作ろうとして、初めの2話(つまり4話)までは視点がちょっとぶれている感じですね。藤部長のキャラ設定、できる女、美人、出世嗜好みたいなところが活かせてませんでした。

 私の受け取り方として、どうも女の職場とか職業倫理とか社会への貢献とかそういうほうをイメージしてしまったので、セリフが胡散臭く感じました。ひょっとしたら当初はそういう意図もあったかもしれません。

 実際、初めの1話(前後半で2話)…泥棒、子供たちへのセリフ、そして2人乗りの自転車の話とかが説教臭いし、性的虐待などが話の展開になっていないので、正直シラケたところはあります。

 ただ、開き直って3話(つまり5話以降)刑事課を絡ませたあとから、面白くなりますね。つまりハコヅメというコンセプトにこだわらず刑事コメディものに鞍替えしたところから話が回り出した感じですね。男性2人のキャラとの対立という軸を見つけてエピソードが作れるようになったみたいですね。


 最後まで見た感じでは、尻上がりに面白くなって、9~13話はかなり面白かったと思います。
 連載のアニメ化はこれがあるから、拙速な1話切りは駄目ですね。3話か5話くらいで覚醒する話もありますね。ちょっと1話切りしたときのレビューは無かったことにします。

 今後も新キャラだして、事件を展開させればいくらでも続きそうですね。
  
 警察署あるあるはある感じです。事件や事案はリアルかわかりませんが、リアリティがあります。あの2人交番はどうしたの?といいたくなりますが、最後の長い話、性犯罪に対する捜査もいいですけど、上から下までの捜査員の態度とか被害者の話とか鬼気迫りますし、感動しました。

 女性たちが被害者によりそう部分はもちろんですが、男の捜査員ですね。これがなかなかコミカルな中に性犯罪に向き合う情熱というか、シリアスさと良いリアリティがありました。


 アニメ的な話で言うと、動かすのが予算的にむつかしいならこういう作画の方向性でいいのでは?スマホとかで見る分にはコミック的に紙芝居で十分です。その代わり人物を奇麗に誰が何やってるかわかりやすく、構図を丁寧に、音楽とセリフのメリハリ…で十分かと思います。その点では本作は見やすいと思います。
 作画については、開き直ったんでしょうか。動きませんね。極主夫道ほどではありませんが、無理に動かさず止め絵にして見苦しい作画を避けているのが最近は多いですね。中途半端にやられると見苦しい時もありますが、本作はそっちに振っているので輪郭線と背景のバランスは見やすいと思います。

 まあ、そういう作画から考えればコミックそのままでいい…原作有りきなんでしょうね。原作は冒頭4話の話とその後の展開が気になったので2巻までチェックしました。まあ、ほぼ原作通りですね。原作もこなれてくると徐々に面白くなってゆく感じです。

 総評すると、全体としては職業物コメディ…そうこち亀のオタク要素を無くしたコメディ+人情噺部分の現代版だと思ってみれば、十分面白いですね。
 ただ、初見勢からは冒頭の何か軸が定まらない感じで過小評価されるかもしれませんね。私のことですけど。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

78.6 4 警察アニメランキング4位
機動警察パトレイバー the Movie(アニメ映画)

1989年7月15日
★★★★★ 4.1 (384)
1835人が棚に入れました
すべてが朱に染まる夕暮れ、篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が、バビロンプロジェクトの要となるレイバー用海上プラットホーム「方舟」から投身自殺する。その口元に嘲りの笑みを浮かべながら…これが、すべての始まりであった。時期を同じくして、レイバーが突如暴走する事件が多発、遂に自衛隊の試作レイバーまでが暴走事件を起こす。特車二課第1小隊は、近々正式配備される新型パトレイバー(通称「零式」)に関する研修中のため不在。単独で暴走事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始め、原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、辻谷耕史、辻村真人、小島敏彦

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「Sightseeing ?」「No, Combat !」by 香貫花・クランシー

今の中高生に是非観てもらいたいシリーズ、『機動警察パトレイバー』の劇場版第1作。

レイバーが突如暴走する事件が多発し、事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始める。
原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測するが、それと同時にとんでもない事件が起こるが発覚する。

映画公開当時(1980年代後半)は、まだパソコンの普及度が低い時代だったが、その頃から早くも「コンピュータウイルス」に着目し、映画の重要な要素として取り上げた点が高く評価されている。

元々、OVAから始まりその延長上で制作された劇場版ですが、この作品からでも十分観れる内容となっています。
(もし、過去作も観たいなら、旧OVA版をお勧めします。)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

☆近代史を語れるエンタメお手本作品(仮)

■評価
テーマ性  :★★★★★ 5.0
エンタメ度   :★★★★★ 5.0
シリアス度   :★★★   3.0
脚本巧み度 :★★★★★ 5.0
おススメ度 :★★★★☆ 4.5

■ストーリー
レイバーメーカー篠原重工の天才プログラマーである
帆場暎一が不可解な投身自殺を図る。それと同じくして
東京界隈で原因不明のレイバー暴走事件が多発する。
事件対応に苦慮する特車2課であったが、後藤隊長の
暗黙の命により同課の遊馬が単独捜査に乗り出すが
帆場暎一の自殺には恐ろしい陰謀が隠されていた。
1989年劇場版パトレイバー第一弾作品

■感想
本作は劇場版のエンタメ作品としての出来の良さは随一と断言できます。
1989年作品ではありますが、古臭さや前時代を感じるというよりも
近代史を感じるといった方が分かりやすい作品です。

まず本作で一番に褒め称えたいのは、ストーリー構成・脚本と描写の
完成度の高さでしょう。帆場暎一をめぐる捜査の過程で描かれるキャラ達の
心理描写と展開される真相の動線が非常に分かりやすく、視聴している側も
一緒に真相をおっている様な錯覚を覚えます。また予想の半歩先を行く二段
三段落ちの素晴らしいおケツマツもお見事の一言につきます。
押井監督が作ったとは思えない程パトレイバーらしさを保ち、至極の
エンタメ作品に感じれるでしょう。また作中に登場する『サイバーテロ』
『リコール隠し』といった要素は当時よりも現代の方がその恐ろしさを
実感できる点が古臭さを感じさせない要因の一つでもあり、未だに本作を
視聴していない人に薦めてしまう作品です。

そして本作のテーマですが、個人的には『時代への不満と怒り』だと
思います。まず本作の真相の肝は『犯人の動機』になると思いますが
これを考える前に本作が作られた当時の時代背景を少し語っておいた方が
楽しめると思います。
当時1980年代後半は日本は経済大国といわれる程の経済的な発展を遂げ、
時代はバブル時代へと突入していました。そのため湧き水の様に吹き出る
ほどお金が稼げた上に、大枚ばら撒いて昼夜問わず遊び倒し、量産型T式
パンツを見せながら踊り狂うジュリアナ嬢、飲酒運転、高級車の衝動買い
なんてのも当たり前。また日々自覚できるほどの科学・工業・建築技術
が発展した事で古き物(古き良き物も含む)は壊され、物を大量消費し
大量廃棄する事が正義とされ、人も文化も洗練されていない時代でした。
(これはその時代に生きたお父ちゃまにヒアリングして裏をとっております)

この行け行けどんどんの時代で、果てしない欲の追求と無限の浪費生活を
送る日本人に少なからず倫理観への猜疑心、不満や怒りを漠然と感じて
いた人もいたのではないかと思います。おそらく押井監督もその一人だった
のでは??だからこそ漠然としてみえない不満や怒りを、そのまま形を
なさない動機として犯人に宿し、同時にバブル時代の価値観というものを
間接的に風刺したのではないかと考えています。またこの漠然とした時代
への不満と怒りが、明確な形として描かれているのが次作の劇場版パトレイ
バー2になります。

総じて、この100分程度の劇場版作品に色々な要素を盛り込んだ作品であり
作画も含めて褒める所の多い作品です。お時間のある時にでも気軽に
見てみてくださいまし。

でゎでゎ~ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

ペエ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

名作です

間違いなくこの作品は観るべき。
1989年の作品ですが、今観てもまったく古臭くなくそれどころか現在の方が話が理解しやすく感じます。
OSの話が出てきますが、Windowsすら発売していない当時にどれだけの人がこの内容を理解できたのか疑問です。

ロボットアニメとしてのロボット格闘シーンは少なめです。
そういうものよりももっとドラマ性に主体をおいている作品です。
ちなみに、劇場版2作目、3作目とさらに少なくなっていきます。(3作目なんかはさすがにロボット要素が少なすぎですが)

攻殻機動隊のって言えば誰でもわかる押井 守さんが監督をされています。
攻殻機動隊が好きな方ならはまるんじゃないでしょうか

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

76.5 5 警察アニメランキング5位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (429)
1534人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ミズハノメ』=「サイコメトリー&サイコダイブ」? を駆使した殺人事件捜査とジョンウォーカーの影

== [下記は第6話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第6話まで視聴終了時点で、このレビューを書いています。

コミカライズ展開はありますが、基本的にはオリジナル作品ということのようで、監督: あおきえい、シリーズ構成・脚本: 舞城王太郎というなかなかやる気を感じる制作体制の作品です。

殺人現場に残された「殺意」の残滓を読み取り、それを元に殺人者の深層心理を可視化した「イド」と呼ばれる世界にパイロットをダイブさせ、情報を収集する『ミズハノメ』と呼ばれるシステムを使用して殺人事件の捜査を行う『蔵』と呼ばれる警察の特殊セクション。

『蔵』がを捜査を進めていると、そこには複数の殺人事件に「ジョンウォーカー」と呼ばれる存在が関与していると推定され、その特定が『蔵』の重要な任務となっていきます。

『ミズハノメ』中で「名探偵・酒井戸(さかいど)」として謎を解く、パイロットの鳴瓢秋人(なりひさご あきと)、「イド」を観察してそこで得られた情報から俯瞰的に事件を捜査する「井戸端」のメンバーたち、そして現場を捜索や聞き込みなどを行い、思念粒子を採取する外部分析官のメンバーたち。

深層心理の可視化であるため、ときに一見不条理であったり物理法則を無視していたりといったビジュアル的な面白さ、殺人犯の心理や動機を巡るサスペンス的な面白さ、『ミズハノメ』自体の謎など複合的な面白さが楽しめます。

キャラクター・デザインにクセがあったり、人によっては作画的に馴染まないところもあるかとは思いますが、ストーリー性の高さではかなりお勧めできる作品だと思います。

物語の着地点まで、見守りたいです。

余談: 元々外見的な可愛らしさもあるとは思うのですが、特に見慣れてきたせいなのか本作ヒロインと目される本堂町小春(ほんどうまち こはる)さんがとても可愛く見えてきました。でも「人は見かけによらない」な感じのキャラでもあって、注目ですね。

余談その2:「頭に穴」といえば、『ホムンクルス』って漫画(ビッグコミック・スピリッツ連載)があったんですがあんまり有名じゃないからみんな知らないかも…。
== [第6話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.3.2追記:
第10話まで視聴終了。しばらく出てきていなかった小春ちゃんが登場して、いよいよ佳境っぽくなってきました。

しかし、鳴瓢に対するこの罠を計画していたとしたら(いや、きっとしてたに違いないんだけど)なかなかに気の長い話だなあ。

2020.3.23追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。ジョン・ウォーカーの正体について予定調和な部分はありましたが、その動機や作中でどうやって正体を突き止めるか、また正体判明後の追跡や対決にも見応えはあってとても面白かったと思います。

ストーリー的にも「ジョン・ウォーカー事件」の顛末としてはきちんと綺麗に終わり、かつ続編を作る余地も残せたと思います。私は充分に満足できました。

人によってはキャラクターデザインに難があると感じるかもしれませんが、小春ちゃんがカワイイからこれでいいのだ(笑)!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 42
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

欠損した世界で生きる者たち

アニメーション制作:NAZ、監督:あおきえい、
副監督:久保田雄大、シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
キャラクター原案:小玉有起、
キャラクターデザイン/総作画監督:碇谷敦、
音楽:U/S、原作:The Detectives United

無意識下の心の領域を示す精神機能のひとつを
フロイトは「イド」と名付けた。
つまり、本能的な欲求や生理的な衝動のことで、
「エス」ともいわれる。
この作品では「殺意」を生じさせた
無意識の世界を「イド」と呼び、
選ばれた人間が「ミヅハノメ」という機器に、
搭乗して探査する。
イドの世界では、搭乗者は「名探偵」となり、
殺人者のイドの情報を集めることで、逮捕につなげる。
イドを構築するためには、殺人現場などに漂っている、
殺意の思念粒子を「ワクムスビ」という機器で
採取しなければならない。
捜査を担当するのは、警察の内部組織「蔵」だ。

作品の土台となっている世界観に
それほど目新しさはない。
他者の思念に入り込んで探偵となる作品は、
筒井康隆原作の『パプリカ』が思い浮かぶし、
映画なら『インセプション』に通じる部分もある。
夢に潜ったり思念を感知するというだけなら、
扱っている作品は大量に存在する。
ホラー映画の『エルム街の悪夢』や『悪夢探偵』、
それを電脳に転化すれば『攻殻機動隊』や
『RD 潜脳調査室』も類似している。
残留思念なら漫画『サイコメトラーEIJI』もある。
しかし、そういう題材を用いながらも、
この作品の物語世界は、最初から最後まで
完全なオリジナリティにあふれている。

ミヅハノメによって殺意の世界に入り込んだ者は、
殺されている身元不明の「カエルちゃん」を目撃することで、
自分の名前と名探偵としての役割を思い出す。
イドに入った元刑事・鳴瓢(なりひさご)秋人は、
名探偵・酒井戸へと変わり、
カエルちゃんの死の真相を探る。
その様子を外部から観察する捜査員たちが、
酒井戸の思考やイド内での出来事から、
犯人につながる情報を掴んでいくのだ。

鳴瓢は過去に起こった事件で
心に大きな傷を負ったことが原因となり、
イドに入れるようになった。
イドに入るためのひとつの条件は、
殺意を持って人を殺したことがあることだった。

1話目から最終回までのシリーズ構成と脚本を
作家の舞城王太郎が担当していることもあり、
伏線などを含め、全体の完成度は高い。
謎が少しずつ視聴者に提示され、回を追うごとに
明らかになっていく。いくつもの展開の波が
計算されて用意されているのは見事。
ミステリーの要素があるので、犯人が誰かという
興味もあるが、この作品の面白さはそんな単純な部分ではない。
殺人鬼たちの心の問題と被害者たちの悲しみを
きちんと掘り下げて描いており、
その感情の一つひとつが心に響いてくる。

名探偵たちは、複雑な想いを抱えながら、
殺人犯たちの原風景のなかにある謎を
解き明かすために躍動する。

濃密で無駄のない脚本のため、
ちょっとしたシーンにも意味がある。
初見では分からない部分が出てくるかもしれないが、
物語を追っているだけでも十分に楽しめるし、
キャラクターたちが語る言葉の意味を考えるのも興味深い。
例えば本堂町小春が考える「欠損」についての思考は、
観る人によって、さまざまな意味をもつ。
本堂町と共通の感覚を抱える富久田との心の交流は、
マイノリティとしての喜びが表現される。

最も心を動かされたのは10話だった。
分かりやすい回ともいえるのだが、
やはり、そこまでの積み重ねが上手い。
鳴瓢が失ったもの、そして決意。
2度目の幸せを守ろうとすること。
しかし、戻ってこないものがある。
前に進まなければならないときがやってくる。

殺人鬼たちの物語でもありながら、
心地良さや厳しい現実を突きつける。
{netabare}福井県出身の作者が、ミヅハノメのメカニズムで
原発を意識させる設定は、明らかに狙ったものだろう。
飛鳥井木記=燃料棒で水に浸けて制御する。
燃料棒が露出した世界において、
人間は防護服がないと生きられない。
いつかは、なくさないといけないものだ。{/netabare}
世の中のジレンマ、見えない未来。
私たちにとって欠けているもの、
損なってしまったものがある。
しかし、そのなかで生きていかなければならない。
怒りと哀しみ、そして希望。
あらゆる感情があふれた世界に
ほんの少しの喜びがあって欲しいと思う。
(2021年2月27日初投稿)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 50

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

物語を完全に理解できた方、いらっしゃいます?

アニオリ作品。最終話まで視聴。

この手の物語って、完全に理解している人がどの程度いるんだろうって思ってしまう。
私も序盤は何度も見返しつつ、少しでも理解しようと勤めたつもりなんだけど、結局よく分からなかった。

例えば、殺人犯じゃないと名探偵になれない件。
人殺しのことは人殺しじゃないと分からないということなのか?
死刑囚なら万が一のトラブル発生時(例えば還ってこられないとか・・・)にも必要以上に良心を痛めないで済むとか?

ここで躓いてしまい、結局最後までのめり込めなかった。

だけど、最後まで楽しめなかったかというと、そういう訳でもなかった。
特に終盤からラストにかけては秀逸だったと思う。
この手の作品にありがちな、無理矢理に風呂敷を畳んだ感じにならなかったのは、さすがだと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 32

70.6 6 警察アニメランキング6位
コップクラフト(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
1171人が棚に入れました
一五年前、太平洋上に未知の超空間ゲートが出現した。その向こうに存在したのは、妖精や魔物のすむ奇妙な異世界「レト・セマーニ」だった。「サンテレサ市」。二〇〇万を越える両世界の移民が住む都市。雑多な民族と多彩な文化。そして持てる者と、持たざる者。ここは世界で最も新しい『夢の街』。だがその混沌の影には、数々の犯罪がうごめいていた。麻薬、売春、武器密売。それら凶悪犯罪に立ち向かう刑事たちが、サンテレサ市警察に存在していた……。刑事マトバ・ケイと異世界人の騎士ティラナ、性別も性格もそして「生まれた世界」も違う二人が出会うとき、事件は起きる。二つの世界 二つの正義 その先に-バディポリスアクション開幕!

声優・キャラクター
津田健次郎、吉岡茉祐、折笠富美子、浜田賢二、高橋良輔、鶴岡聡、中原麻衣、井上麻里奈、高木渉、ボルケーノ太田、大塚芳忠

haiga さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今期1番可愛いヒロインはティラナ・バルシュ・ミルヴォイ・ラータ=イムセダーリャ・イェ・テベレーナ・デヴォル=ネラーノ・セーヤ・ネル・エクセディリカだあ!!

今観終わりました。とても面白かったです。

貴重なおっさん主人公のアニメですが、
とにかくティラナがクッソ可愛かったです。
私の中の最高ヒロインランキングに食いこんで来ましたね。
キャラデザが最高でしたし、ティラナの色使いは素晴らしかったです。瞳の色もブルーかと思ったらスミレ色になったり、髪もシルバーと思いきやパープルになったり、とにかく拘ってありました。
時々衣装や髪型も変わってドキドキしますね。
私、今まではつるぺたは好みではなかったんだけどなあ。新たな扉を開かれてしまったわ。

簡単に説明すると、エルフみたいな容姿の異世界住人ティラナと、中年?刑事ケイ・マトバのバディ物アクションアニメです。
ぬるぬる動くアクションではありませんが、フラッシュ的に動かすやり方は嫌いじゃありません。時々作画がバラついた所はマイナスかな。

最初はいがみ合っていた2人が少しづつ距離を縮めてベストパートナーになる過程が楽しいですね
(おっさんの私的にはもう少し紆余曲折を経てもよかった所です)まあ尺も限られてるから仕方がないとは思いますが。

お話も異世界人が犯罪を犯すのを解決していく2~3話で解決するシンプルな物です。ワンクールで綺麗に終わっていて良かったです。

オープニングの歌もストーリーのドタバタ劇にマッチしていますし、ティラナ自ら歌うエンディングは最高でした。まあ私のティラナ好きで補正入りまくりかもしれませんがw

ぶっちゃけワンクールだけじゃ勿体ないですし、このキャラでもっと大事件の長編エピソードも見てみたいですね。何時でも続編出来そうですので2期を期待したいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

賀東節は健在? おっさん刑事と異世界からの来訪者(美少女)とのバディ物!

== [下記は第5話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり] ==
このレビューを書いている時点では第5話まで視聴済みです。

原作は読んでいないのですが、賀東招二原作作品にありがちな原作者自らシリーズ構成を担当するスタイル。

太平洋の孤島カリアエナの近くの洋上に、我々の地球と異世界「セマーニ」とをつなぐ超空間ゲートが出現して15年。異文化の接点となった島には両世界の出身者が居住するサンテレサ市が構築されて極めて特殊な異文化交流都市として発展していた……、といった感じの中々魅力的な設定の本作です。

本作はそんな特殊な都市での警察的な組織に身を置くケイ・マトバと、セマーニから妖精が関わる犯罪を追ってやってきたティラナ・エクセディリカ(本当はもっと長い名前)によるバディ物です。

武器や戦闘に一家言ある感じの演出は賀東招二原作っぽくはありますね。4話で1エピソードのキリがついて、4話の引きから次のエピソードに入っています。1クールで3、4エピソードくらい消化される感じなのでしょうか。

今のところ楽しく観ています。
== [第5話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2019.9.20追記:
第10話、R.I.P.メッサーシュミットKR200…。
(さすがにKR175じゃないよね…!?)

今のこの、市長選挙のエピソードでシリーズを締めるのかな?

2019.10.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。お話の切れ目としてはきれいに終わりましたね。作画はところどころ残念でしたが、ティラナに関してはまあまあ頑張っていたと思います。

ストーリー的に海外ドラマっぽい感じがありましたね。好き嫌いはわりとはっきりと分かれそうです。『91Days』(← オリジナルアニメーションですけど)とかもそうですが、ストーリー的には実写ドラマっぽさがあっても、いざ映像化するとなるとアニメの方が圧倒的に安くつく作品ですよね。

ケイとティラナがコンビとしてお互いを信頼していく過程が描かれたお話でした。毎回二人を叱りながらも案外良くしてくれる上司のジマー主任をはじめとして他の特別風紀班の面々や検視官のセシルも良かったです。

お互いへの信頼は、最後の戦闘場面にもしっかりと出ていましたね。作中で数多の名車たちが壊れましたが、それについては痛ましいです。

主題歌はOP/EDともに良かったと思います。特にOPは視聴の度にスキップせずに聞いていました。オーイシおにいさん、凄いです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

二つの世界 二つの正義 その先に… バディポリスアクション開幕!

この作品の原作は未読です。
個人的に今期のダークホースの一角は「まちカドまぞく」でしたが、対を成すもう一角がこの「コップクラフト」だと思っています。

主人公であるカリアエナ島サンテレサ市警に勤務するケイ・マトバ役に津田健次郎さん、もう一人の主人公であるティラナ・エクセディリカ役にW.U.Gでまゆしぃ役を演じた吉岡茉祐さん。
その他サンテレサ市警の同僚の役どころをベテラン声優さんを配する手堅い布陣…

でも正直あと一歩背中を押して欲しいなぁ…と思っていたところ、アクションシーンの躍動感が半端無いことを実際に視聴して気付きました。
キャラはしっかり動いていますし、カメラアングルも凝っていたと思います。
結局作品自体に背中を押して貰い…視聴継続です。


15年前、太平洋上に未知の超空間ゲートが出現した。
その向こうに存在したのは、妖精や魔物のすむ奇妙な異世界『レト・セマーニ』だった。

「サンテレサ市」。二〇〇万をこえる両世界の移民が住む都市。
雑多な民族と多彩な文化。そして持てる者と、持たざる者。
ここは世界でもttも新しい『夢の街』。

だがその混沌の影には、数々の犯罪がうごめいていた。
麻薬、売春、武器密売。
それら凶悪犯罪に立ち向かう刑事たちが、サンテレサ市警察に存在していた…。

刑事ケイ・マトバと異世界人の騎士ティラナ、
性別も性格もそして「生まれた世界」も違う二人が出会うとき、事件は起きる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品の魅力…それは兎にも角にもケイとティラナの掛け合いです。
ティラナにとって、この地球はまさに異世界コミュニケーションそのもの…
これまでの自身の価値観がそのまま通用する世界ではありません。

そこで、何度も二人は衝突するのですが、時間が経つにつれお互いの立ち位置が少しずつ近づいているのが実は堪らなく気持ち良かったり…。

また、お互いにとっての共通点に成り得る「悪」に対する価値観にもズレがあったり…
ケイは刑事でティラナは騎士なので、どちらも「悪」を野放しにしておけない筈なのですが、ティラナには「必要悪」という概念が存在しないので、この点でも度々衝突していましたね。

でも、個人的にはティラナの毅然とした立ち振る舞いと価値観はストライクでした。
彼女はミルヴォアの騎士としての誇りを常に尊んでいる姿は好印象でした。
何より、彼女が時折頬を赤らめながら嬉しそうに話をしている姿が可愛い過ぎなんですけどっ…
一度剣を持ては、全力全開の剣技で相手を圧倒する時とのギャップが彼女の最大の魅力なのかもしれません。

それだけじゃありません。
ティラナは良くも悪くも「優し過ぎ」の一面が常に彼女に付き纏っていたと思います。
刑事という仕事柄、その時の状況に応じて自分を使い分ける必要がありますが、絶対遵守事項として「追っている相手に肩入れしない」があると思うんです。

ある程度相手との距離を縮めるのは、捜査上必要な事だと思います。
でも、それは自ら引いた一線を越えないのが大前提です。
ところが、状況がそんな一線を危うくすることがあるのも事実です。

こっちで初めてできた友達…
沢山話をして約束まで交わす間柄になれたのに…
大粒の涙が彼女の頬を伝い流れます。

きっと脳裏に浮かぶのはいくつもの後悔…
最悪の結果を呼び込まないよう立ち振る舞えなかった自分に…
初めてできた友達を目の前で失ったことに対する後悔…

彼女がこの世界でこれから生き抜いていく上で、必要な痛みだったのではないでしょうか。
じゃなかったら、ケイがもっとティラナのことを止めたでしょうから…

成熟していく二人の掛け合いは見どころ満載です。
特にお互いがお互いのパートナーとして唯一無二の存在に昇華してからは、更に面白さの質が向上するんです。
人種、文化など様々な違いが混在するサンテレサ市で繰り広げられる数々の犯罪の物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、オーイシマサヨシさんの「楽園都市」
エンディングテーマは、ティラナ・エクセディリカによる「Connected」
嬉しい誤算だったのは、吉岡茉祐さんの歌が予想の遥か斜め上だったこと…
これまでW.U.Gでも歌声は聞いていましたが、ソロで聞いたのは初めてでしたが思った以上に良かったです。

1クール全12話の物語でした。
全体的なクオリティは高めの作品だったと思います。
アニメーション制作は、「ミルパンセ」さん。
これまで「君のいる町」「ベルセルク」「W.U.G!新章」などを手掛けてこられた会社みたいです。
あのベルセルクを制作した会社なら、このクオリティも納得です。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 32

65.6 7 警察アニメランキング7位
アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (220)
1035人が棚に入れました
サミット開催に向けた「宇宙エレベータープロジェクト」が急ピッチで進む、首都・東京。強化装甲<ウィルウェア>を使った犯罪に対処すべく創設された、警察庁警備局第五特別公安課第三機動強襲室第八係――通称<ダイハチ>は、ロゴスによるテロから日本を救ったことで、今や日本中の注目を集める存在となっていた。しかしウィルウェアを悪用した犯罪は、その後もエスカレートする一方……。新メンバーを迎えた黒騎たちダイハチの面々は、今日も知恵と勇気と口八丁、そして民間警察の協力を得て凶悪事件に挑む! 決裁完了、出動せよ!!

声優・キャラクター
島﨑信長、櫻井孝宏、小澤亜李、石上静香、倉田雅世、大川透、鳥海浩輔、大西沙織、花江夏樹、緑川光、大原さやか、相坂優歌、黒沢ともよ、田村ゆかり、田中あいみ、新井里美、速水奨
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なにわ・なにわ・なにわともあれ解決だー!解決だー!

オリジナル作品 全12話

アクティヴレイド 機動強襲室第八係の2期です。1期から観ることをオススメします。

1期よりさらにパワーアップした感じです。

ウィルウェアという体に装着できるパワードスーツがある世界。そのウィルウェアでの犯罪も多く、それを取り締まる組織である機動強襲室第八係=ダイハチの活躍を描いたものです。

1期のキャラの中では、移動になったり、退職して全然別の仕事をしたりとしていますが、本編でも深く関わっています。

その代わり新キャラも多数出てきます。中には大丈夫?という感じのキャラも結構出てきますねw 軽いノリは相変わらずです。

その中でも1期からのメンバーの花咲里あさみ・瀬名颯一郎2名は、とても優秀なキャラなはずだけれど、どことなくずれていて行動や他のキャラとの関わり方が面白かったですね。

1話1話にきちんとそれぞれエピソードがあり、その点と点が終盤にはきちんと線となっていて繋がっていることは見事でした。

最後は強引な感じもしましたが、スカッとしましたね。{netabare}(特に陽ちゃんが、バードこと八条司稀をぶん殴るシーンはスッキリしましたw){/netabare}

観ていて楽しかったです。シリアスなところもありますが、みなさんテンション高めの明るい作品です。メカが苦手でなければ是非1期から観てくださいね^^

OPは声優でこの作品での重要人物の一人を演じている相坂優歌さん、テンポも速く高音で力強い曲でしたね。

EDはこの作品でよく出てくるパソコンのソフトのアバターのLikoさんが歌っています。中の方は黒沢ともよさん、現在は、響け! ユーフォニアムの黄前久美子役を演じていますが、全然違いますねw

最後に、{netabare}瀬名の{/netabare}会社の専務、セリフはほとんどピーが入っていましたねW あのキャラは新井里美さんしかできませんw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

笑いを取るメカたち

オリジナルTVアニメ。

本作の世界観については1期目のレビューを見てください。

1期目の主人公といえるあさみちゃんは大阪の機動強襲室第九係に異動となり出演機会が減りましたが、変わってオスカー2こと黒騎くんが主人公という感じになりましたね。

2期目も様々なウィルウェアによる犯罪があり、ダイハチ(&第九も)が出動しました。

今期も活躍の機動強襲指揮車両(鉄道の線路と道路のどちらも走れる)他、大阪カタパルト、東京カタパルト、オスカー2用水中ユニットなどいろいろなメカが楽しませてくれました。

ストーリーも1期目同様にシリアスな事件の中にもコミカルな描写を忘れず、大いに笑わせてもらいました。ただ、科学考証はもう少し頑張ってほしかったかな。静止軌道から東京にポリカーボン索は下せないと思うよ…?

…やっぱり特撮ヒーローを意識したデザインや演出は多かった気がします。
あとあさみちゃん、部下を投げてぶつけるのはやめましょう(笑)。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ダイク」と聞いて「年越し」と「どん兵衛」がチラついたのは私だけじゃありませんよね…!?

この作品は「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」の続編に位置す0る作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

「来たるべき未来…警察の通常装備では対応できない出来事が起きた時、アクティブプロジェクトに認められた力が炸裂する…これは日本のアクティブ…第3機動強襲室の活躍を描く物語である」
オープニング曲を背景にこの様なくだりから始まるこの作品も2期目…
1期では強化装甲「ウィルウェア」の特徴とウィルウェアを装着して悪に対峙するダイハチのメンバーの紹介に軸足が置かれていましたが、2期では核心近くから物語が始まります。

ウィルウェアを悪用した犯罪は後を絶たず、ダイハチの忙しさは相変わらず…
そのダイハチも1期の時のメンバーだった花咲里あさみは、警部に昇進して大阪のダイハチ…通称ダイクの係長兼ウィルウェア装着者として活躍しており、オスカー1の装着者だった瀬名颯一郎は、警察を辞めて名古屋にある清掃会社の社長になっていました。

その代わり、ダイハチにも新しいメンバーが2名加わりました。
エミリア・エデルマン(CV:ゆかりん)と鏑木まりも(CV:田中あいみさん)です。
ですが、エミリアは過去のトラウマが…鏑木は視線恐怖症の気がある事から、これがダイハチの業務にどう支障になるかは見てのお楽しみなんですけれど…

個人的に見ていて面白かったのは、花咲里あさみ率いるダイクのメンバー「フィンガーズ」
レビューを書くためにwikiをチラ見した時に知ったのですが、全員警察大学校に飛び級で入ったエリート候補生だったようです。
気持ちは前を向いています…でも動きがチグハグでコミカルに見えてしまうのは何故なんでしょう…
あさみの頭を抱える姿は印象的でしたが、あれで独裁の手を緩めると今以上に手に負えなくなってしまう…そんなエリートがいても決しておかしくありませんが、私たちの血税が投入されているのかと思うと複雑な気持ちになってしまいそうでしたけれど…

一方、物語の方は首都東京でサミットの開催に向けて着々と準備が進められていました。
サミットの目玉は、地上と衛星を結ぶ「宇宙エレベーター」
当然各国の要人も多数集まる事から警備の手は必然的に厚くなり、ダイハチもその警備の一員として要人を警護する事になるのですが…

私はダイハチのメンバーの中では室長である山吹凛推しでこの作品を視聴していたのですが、物語の進展に伴って感じる違和感と凛さんの役回り…正直見ていて辛かったです。
どこから変わってしまったんだろう…?
強すぎる思いが、見えるモノ全てを歪めてしまったの…?
もしもあの時手を取っていたら未来は変わっていた…?
お互いの信じる道を進むことは一人で決めた事じゃないのに…

葛藤の辿りつく先には一度目より厳しい決断が待っている…
それを知っていたとしても決断を下さなければいけない…
彼女の纏う純白とダイハチのみんなの後押しがなければきっと出来なかった…
彼女が示した決意はそんな類…

人を護り、そして裁くのは法律…
これは決して揺るがない事実…
けれど、それを隠れ蓑にしていれば悪事を働いて良いと考えるのは大間違い…
何故なら人は決して一人では生きていけない生き物であると同時に移ろいやすいから…
だから悪事を隠し続ける事はできないし、仮にそれを持続させるために悪事に悪事を重ねてしまい…気が付いた時にはもう戻れない場所に行き着いてしまった者たちの末路…
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、相坂優歌さんの「セルリアンスカッシュ」
エンディングテーマは、Likoの「Field Trip!!」
オープニングの勢いとエンディングアニメのLikoの可愛らしさが印象的です。

1クール計12話の作品は見応え抜群でした。
wikiで気になる情報を見つけました。谷口総監督によれば、「この作品は分割2クールではない」と記載されていました。
それにTVアニメの公式サイトに「谷口総監督からファンの皆さまへのコメント」があり、そのコメントの中に「To be continued?」と書かれているんです。
これは続編を期待しても良い…という事でしょうか。
もし、続編が制作されるなら絶対視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

84.8 8 警察アニメランキング8位
PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2438)
13710人が棚に入れました
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──

人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO-PASS (サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。

犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。

「犯罪係数」が正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。

システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、藤原啓治、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき、浅野真澄、井上麻里奈、木村良平
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新生公安一係

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。
本作は1期から一年半後からのスタート。


今期のストーリー物の本命はコレ。
秋のラインナップを見る限り、他に奥深さを持つ対抗作品も無さそう…かな。
音楽も相変わらず良いし非常に楽しみな超期待作。

あれから一年半の歳月が過ぎ、朱は狡噛イズムを継承し更に成長しているようです。
凛然とし観察力&プロファイル力もUP。デコポン撃った後はかなり決まってました。
シビュラ頼りではなく自分で考えて行動する逞しさも持ち、今や公安のエースです。

王陵事件で親友を殺され涙した霜月ちゃんも立派な社会人。
あの後、色々と決意しここに至っている事が伺えます。
「先輩は間違っている!」
彼女なりの経験から導き出された正義が朱とぶつかっていきそうです。

他にも「訳」と「一癖」をもってそうな二人の新たな執行官が加わった
公安一係の活躍が楽しみです。


注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
「表」の事件は朱の判断もあり犯人確保で決着。
さり気なくドミネータの3形態を紹介していたり、
執行官を一係では人として扱い、二係では駒として扱い対比させたりして
導入としては上手い見せ方でした。
冒頭がクスリのCMでしたから今期は薬絡みなのかな?というのも予感させます。

そして成長した朱の裏の裏を突く新たな知能犯、鹿矛囲桐斗の登場で
物語に深みある期待感が漂っています。
どうやら数値以外も完全コピーするヘルメットの強化版の様なものを持っている様子。
うーん、強敵要素満載ですね。
公安一係との戦いを予想を交えながら観て行きたいと思います。
{/netabare}

【予想】メッセージ「VVC?」の第一印象{netabare}
パッと見てトイレ?とか思ったけどね。(笑)
反転や鏡面で見ても何も無さそうです。
最後の「私という色を問う私自身の戦い」
と言う台詞通り、色に関係してそうなんですけどね。
何色にも染まる白色「WhiteColor?」なのか、
WはどうもVが重なったような書き方なので「ViVid Color?」
お前の原色は何だ?と言う問いになってるとか、そういう感じかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
捜査を進める公安だが次第に深まる謎や違和感。
朧気に共犯者の影にも気付く朱達はホロに隠れた透明人間を見つけられるのか…?

しかし今回のトリックはヘルメット以上の難物ですね。
鹿矛囲はどうやって喜汰沢に近づきどうやって色相を戻したのか?
ホロコーティングで人やカメラの目を騙してよしんば侵入できたとしても
他人の色相変える能力は何だろう?催眠術くらいじゃ無理だろうし…。
またシビュラが欲しがりそうな人材ですね。

喜汰沢は折角前回助かったのに…いや助けてもらったのに結局エリミネーターの餌食。
鹿矛囲は必死に喜汰沢を逃がそうとして叶わず朱を恨んでたみたいだけど
逆恨みじゃん。
お前が余計な手を出さなきゃ少なくとも生きてたし
時間かかっても回復に向かっただろうに…。

今の所、鹿矛囲なりの正義の形が見えないのでこんな感想になってますが
1話の事件起こした時から既に色々あるんでしょうね。
彼の目的が見えてくればガラリと様相が変わりそうなので期待しています。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
悪魔の証明=『全く無い』事を証明するのは非常に困難の意。
朱たちは手掛かりを求め奔走するが未だ不明のまま鹿矛囲の存在だけが大きくなる。

鹿矛囲のマッドぶりが怖い。酒々井さんも可哀想に…。
青柳さんも含め今期序盤は二係にとっては試練ですね。
そのうち一係にも降ってきそうですが。

一期で逃亡した執行官は撃たれてたんですね。
公安の内情も知っているし、もう少し深く関わるかと予想してたんですが
意外とあっさり退場の様です。

雑賀さんは隠遁生活かと思ってたら変人施設に収容されてました。
でも意外と快適そうですが。
地味ですけど知的な言葉のやり取りは面白かっです。
自身への問いを敢えて投げかけ確かめている感じのする朱も
彼女らしくて聞き応えあるシーンでした。

鹿矛囲の目的が未だ判らず不気味さがじわじわと広がりを見せていて興味深い展開です。


予想の方は細かなヒントはあるもののまだ範囲が広く
『鹿矛囲は実は居ない(人じゃない)説』、『東金と繋がってる説』
等々、ぐるぐる巡っています。
『鹿矛囲=逃亡執行官説』もあったんですけど今回で可能性低くなりましたかね。
「WC?」=WhatColor?にも更に深い意味が隠されていそうな気もします。
もう少し整理がつき、絞れたらここにも書こうかなと思いますが
予断を許さぬ展開で隙がないんですよね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
「監視官をドミネーターで裁けるのか?」を意図とした鹿矛囲の実験が成功。
まるで犯罪計数養成ゲージと成ったメンタルケア施設での結末は見るも無惨。

前半のドローンどうのこうのってのは中に酒々井さん入れて運んだって事かな?
別の用途もあるのかな?

直接描かれてはいないけど青柳さんと会話していた薬剤師くんが鹿矛囲のホロでしょう。
青柳さんが撃たれるのをしっかりとその目で確認した鹿矛囲の思うがままの事件。
何れは朱や公安、その先のシビュラにも牙が向きそうです。

でも、シビュラの意志(ドミネーターの判断)を無視してまで
市民を守り正義を執行しようとした青柳さんの刑事魂は天晴れでした。
結果として何一つ叶わなかったのが哀れで悔し過ぎますが…。
シビュラの判断のままその市民にまで引き金を引いた三係の執行と対照的で
どちらが正義なのか印象に残る事件でした。

その構図は一係の朱と霜月にも投影されていて、
何れはコチラも交錯しそうな匂いが強くなってきました。
霜月の銃口の向く先にも注目しないといけなくなりそうです。

1話の冒頭が『ラクーゼ』という薬のCMだったので今期は薬が絡むなとは思いましたが、
『Uストレス欠乏症』と言うのが物語の底にある様です。
自分の色を抑えてまでシビュラの社会に合わせる必要があるのか?
1期と似たような命題が突きつけられています。

※小メモ:鹿矛囲ホロの区別は雛河クンor水場近くでのノイズ
{/netabare}

※5話感想{netabare}
またしても鹿矛囲による公安を狙った罠が仕掛けられ
朱達が埠頭に集まった時、無人の軍事ドローンが暴走を始める。

雑賀さんがいつの間にやら分析官に召集されていました。
優秀で向いていそうなので活躍して行きそう。
おじさん不足だったし好きなキャラでもあるので結構嬉しい人事。

若さ故もあるんだろうけど霜月さんは相変わらずとんがっていて痛い。
禾生さんの「あれは食われるな」には即同意してしまいました。
近々やらかすでしょうね…。
1期からの流れを見ると買える所もあったはずなんだけど
一人空回りしてどんどん株が下がってしまってます。
公安への志望動機も王稜事件の後、正義に目覚めたんじゃないかと想像してたけど
六合塚さんへの憧れの方が強いのかも。

鹿矛囲の方はどうやらシビュラと昔関わりがあった模様。
正確にはシビュラの内の一人との関わりかな?
今回禾生さんに降りてきた人物とは旧知の仲な雰囲気でした。
個人的に引っかかっているのは
【予想】{netabare}ホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の飛行機事故。{/netabare}
ここで関わったんじゃないかと思っています。
埠頭にあった皮膚や臓器、手足も気になります。
ホロだけでなく人を作ろうとでもしてたのかな?
増田議員は作品なのかな?謎が深まります。

そして東金さん…朱の事を良く見てるな…とは思ったけどここまでとは。
犯罪係数レコードホルダーだっただけの事はありますねやはり普通じゃない。
写真は東金少年と祖母? 
赤ペンチェックしてたけど朱と目元口元とか似てるのかな? 
こちらの謎も深まります。

祖母といえば気がかりはのが朱の祖母。
朱の色相を濁らすのに利用され巻き込まれやしないかハラハラしています。
まぁ次回は朱本人がピンチなのですけどね。
{/netabare}

5話時点で色々と【予想】{netabare}
3話感想で少し触れましたが、
ここまでで私の中で出ている説や疑問を書き留めると共に簡単に紹介しておきます。

『鹿矛囲はいない(人じゃ無い)説』
鹿矛囲自体がホロや機械人形で犯人は別の所にいるのではないか?
という疑念があったのですが、涙や血の描写も出てきたので
少なくとも「中の人」はいる模様。
酒々井さんの眼を奪ったり埠頭に生体標本があったりするので
色々な人間のパーツの継ぎ接ぎで構成された者なのかも。

『鹿矛囲=逃亡執行官説』
公安の内情に明るいですし1期で逃亡した執行官が犯人なのかと疑いましたが、
3話で撃たれた事が判明し可能性は低くなりました。
青柳さんも鹿矛囲とグルって事は無さそうですし、
情をかけて引き金を引かずに逃がしたとなれば色相濁るのでそれも無さそうです。
あるとすれば青柳さんや検死、シビュラの目を完全に欺いたという事になるけど
ハードル高すぎる。

『鹿矛囲は東金と繋がってる説』
元セラピスト、親族が薬品会社経営、過去最高の犯罪係数と怪しさの三拍子が揃い、
5話では朱のストーカーなのも判明。
鹿矛囲の協力者や寧ろこちらが本当の黒幕の可能性もあります。
4話まではこの線が一番怪しく思えていました…が、
5話があからさまだっので直感的にはミスリードっぽく見えていて、
東金の本意は朱を守ろうとしている様に思えて来ています。
祖母か狡噛の絡みで『朱と繋がってる説』が生まれつつあります。
ただ「朔夜」という名前ですし月と太陽が表裏一体…つまりは二重人格で
裏の顔が鹿矛囲と繋がっている可能性はあると思います。

『飛行機事故怨恨説』
最初の事件のホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の事故が絡んでいる説。
鹿矛囲は事故の生き残り(顔の傷はその事故のものかも)または遺族で
飛行機を落とした犯人が今のシビュラを担う一人になっているとか、
乗客の中にシビュラのめぼしい人物がいて飛行機を落として手に入れようとして巻き込まれ
それに対して復讐しようとしている。
鹿矛囲が作るホロの元は全員乗客だった者かも。
怨恨ではなくとも
この事故が鹿矛囲、東金、シビュラの接点や引き金、起点の様なものになってはいそうです。

『名前から予想』
1期も「常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない」
「槙島(maximum:最大の)『聖護』」等、名前遊びがあった様に思うのでその観点から。
「鹿矛囲」にはシビュラの目をかい潜る神の衣、
「朔夜」には光と闇の二面性の意があるような気がしていますが他にも
今回、鹿矛囲の周りで目に付くのが『水』に関わる名前。
監視官の酒々井水絵やホロ元の染水、爆弾魔の喜汰沢も。
増田議員は無理あるけど「水増」や「水田」でなんとなく連想…。(笑)
今後、二係の蓮池クンや一係では雛河クンが鹿矛囲に関係してくるやも!?
『WC?』もWater Cleanup(水を浄化)みたいな意味もかかっているのかも。
公園にも増田の講演会場にも噴水があり、
メンタルケア施設にも池があり、下水道も埠頭も水場なんですよね。
強引な気はするけど無色透明なこの『水』をちょっと気にかけています。

『鹿矛囲複数説』
「鹿矛囲とは個人名ではなく神の衣(カムイ)を纏った者達の総称」なのでは?という考え。
鹿矛囲とは飛行機事故の被害者や遺族達が作った組織で有能な者が知識を共有する集団。
シビュラシステムに対して言うならカムイシステム。
シビュラの実行隊長が禾生さんならカムイは桐斗。セラピストや東金もカムイの一員。
ホロや生体移植、ハッキング、心理療法等を駆使してシビュラに対抗しようとしている。

今の所考えつくのはこんな感じかな。
まだ色々な可能性があってコレだ!っていう太い線は掴めてないです。
ちょいちょい掠っているとは思うんですが…。
何れにしても東金がどちらに転ぶかによって風景が大きく変わりそうです。
後は六合塚の親友リナやレジスタンスの動向が絡む余地があるのかな?って事と
朧気ながら朱がもう一人出て来そうな気がしてるんですけどね。
6話以降もどうなるのか楽しみつつまた何かあれば予想していこうと思います。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
三係に大きな犠牲を出しつつもチームワークと朱の活躍で生き残った一係。
鹿矛囲との対面を果たすが捕らえられず、未だ主導権は鹿矛囲に。

また死者が出るだろうな…と思っていましたが案の定。
三係はほぼ全滅。(パラライザで撃たれた奴は生きてる?)
前回に続き無能過ぎて流石に何しに出てきてんだよ!っと言いたくなります。
まがりなりにもシビュラ判定くぐってきた筈なんですけどね。
サブキャラが屑だと物語が安っぽくなってしまいます。

一係は須郷も含めそれぞれ活躍。特に朱のアクションヒロインぶりはスゴかった。
暗黒面が見えてきた東金と
雛河クンの「おねえちゃん」発言はちょっと引っかかりますけどまぁ無事で何より。
あ、言うまでもなく霜月ちゃんは安定の無能ぶりでした。
嫌いじゃないキャラだけど流石に良い所なさ過ぎ…
みんなに当てられて覚醒する気配も今の所無いし不憫な子。

しかしながらどれもこれも鹿矛囲の想定内。
エリアストレスも折り込み済みとは恐れ入ります。
みたらし(見たら死)ラーメンはキツイ皮肉でニヤッとしてしまいました。
甘じょっぱそうですが美味しいんでしょうか?
眼は移植してた様ですし、眼帯が似合う水絵ちゃんも完全に支配下。
躊躇無く元部下を抹殺して清々しい気分になるとはね…。
『WC?』にはWorldCreate=世界の創造って意味もあるのかな。
着々とドミネータを我が物としシビュラへの一撃を企てている様で次回も気になります。
(奪われたドミネータはOFFに出来ないの?って疑問はあるのですけどね。)
{/netabare}

鹿矛囲をドミネータが認識しない理由【予想】{netabare}
①『居ない者説』
鹿矛囲は飛行機事故で死亡扱いになった人物の可能性があり、
実際は命を取り留めましたが記録上では居ない(データに無い)事になっている。

②『ツギハギ説』
酒々井の眼だけでなく多くの者(Uストレス患者含む)の部位を繋ぎ合わせているので
「個人」として認識できない。

他にもハッキングや機械人形とか禾生さんの様な複数の人物の器だとか考えられたけど
どれも穴があって没りました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
鹿矛囲の存在が確定しその正体に迫っていく一係。

朱のおばあちゃん登場…似てて可愛い。
ドローン暴走の報には流石の朱もやや取り乱し、大切な存在なのが伝わります。
『朱←→葵』補色の関係にもあるし色相を黒くするのに関係しそうでやはり気がかりです。
今期はキャラの扱い乱暴だけどおばあちゃんに関しては人質程度で死なないで欲しいな。

事件はやはり飛行機事故と大きく関わってきました。
シビュラも噛んでいそうですし、
東金も元執行官と判り15年前に犯罪計数跳ね上がった事とも関係していそう。
諸々の予想もなかなか良い所突いていて考察の甲斐が出てきて楽しめています。
ドミネータを集めた鹿矛囲の次の行動にも注目が集まります。
{/netabare}

[番外~2期の不満を少々]{netabare}
楽しみながらも1期に比べちゃうと色々と雑で安っぽく不満な所もある2期。
ここらで不満も纏めておきます。期待の裏返しでもありますが…。

・殺戮のインフレ
殺戮や暴力は衝撃的だけど要所要所で決めて欲しい。
折角1話では民間人を巻き込まない犯行だったのに段々と無差別に。
一歩譲ってストレスケア施設は仕方なかったとしても港は完全に無意味な民間人殺戮。
鹿矛囲の訴えの正当性も弱まってしまわないか?

・霜月ちゃん貶めすぎ
1期では学生ながら勘の良さと正義感を持ち、
そして軽率な言動で友達を失った後悔もある中で意を決して監視官の道を歩み始めた彼女。
良い返事&活きた眼をしていた彼女がこんな残念なキャラになるとは
信じられないし信じたくない。
そりゃ鼻っ柱は強かったけど良い娘だったんだよ!?
既に時遅しなんだけどそれでも覚醒して欲しいキャラです。

・二係、三係無能すぎ(青柳以外)
監視官も執行官もシビュラ判定で適正がないと成れない筈なんですが心身共に脆弱すぎる。
安物のアクション映画みたいになるので大概にして欲しい。
散るなら散るで気骨が見えないと意味がない。
1期はサブキャラも含め有能な者同士の凌ぎ合いでハラハラさせ
作品を高尚なものに引き上げてたのですけどね…。

・多くの臓器移植はサイコパス移植に等しい?
シビュラ判定は思考とその傾向から判定してる…つまり脳を見ているので
他の臓器は関係ない筈なんだけどね。
泉宮寺も全身機械に変わってたけど数値はちゃんと反映されていたし。
移植は一応自分でも予想してたけど、この辺の事は引っかかってて腑に落ちなかった点。
もう一押し説得力ある描写が欲しいです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
ついに鹿矛囲の透明人間化の謎に到達、そしてシビュラと東金の関係も…。

鹿矛囲のツギハギには注目してたけど
まさか脳7人分、体をを184人分とは恐れ入りました。
医療の進歩と言っても生きているのが不思議で怖い。
でも多脳移植以外では辻褄合わないなと思っていたのでその点はまぁ納得。
それにしても増田達の替え玉が密入国した者ってのは、もの凄い裏技。
でも宜野座の言う通りなぜなんだろう?
鹿矛囲に心酔する要素が無いし日本語も堪能ではない筈なのに…。
脳の部位を用途に合わせて組み合わせて移植しているのかな?

5話で禾生さんに降臨したのが東金ママでしたか。
老けてるから祖母とか言っちゃってましたが…。
これで一気に繋がって来ました。
交通分野で成果を上げていたパノプティコンに取って代わる為に
シビュラが干渉し飛行機の墜落も巻き起こしていたのでしょうね。

霜月ちゃんは今回、彼女なりにいい仕事してたんですがね。
脳移植技術はシビュラの種の一つですから…パンドラの箱開けちゃいましたね。
次回は彼女が墜落してしまう様です…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
シビュラの秘密を受け入れた霜月。
霜月をも取り込んだシビュラとその申し子東金は
朱を黒く染めようと動き出す、鹿矛囲を葬るために。
一方、鹿矛囲は「地獄の季節」を黙認した役人達を粛正し、いよいよ対決の時が近づく。

東金は完全に暗黒化。出自の謎も大分明らかになってきました。
東金ママとは血縁関係では無い感じかな?生みの親なのは確かですが…。

そして、やはり気がかりだったおばあちゃんが…。
無事…とは言え無くなってしまいましたが解放を願ってやまない気持ちです。
親友を目の前で殺されても色相が変わらなかった朱が
この件で変わるのか疑問もありますが興味も高まってきました。
今回の拉致、東金が鹿矛囲側に情報リークして起こさせたと思いましたが
「朱を試したい」東金と桑島の共謀の様です。
鹿矛囲と桑島では朱に対する考えが違うようですが
桑島と通して間接的には東金も鹿矛囲と繋がりがある事が判り、もう一波乱ありそうです。

霜月ちゃん、色相が濁るかと思ったけど
良いのか悪いのか全てを受け入れ抵抗せず流されてしまいました。
シビュラの元で育った世代ですからね、ゆとりならぬシビュラ世代と言うことでしょうか。
ここまで自分の意志・自我を捨てられたら大した者かも。
感情的で尖った性格の割には…っと、オカシくも感じましたが
全てに於いてシビュラ絶対主義者なら言いなりもありえるのかな。
(1期の彼女の印象とは違ってきていますが…)
それでも朱のおばあちゃんを助けられる可能性があるとすれば彼女なので
覚醒を期待してしまいます。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
東金の魔の手により黒く染まり掛かる朱だったが
彼女の経験や信念、心で息吹く狡噛の存在により回避。
思考を巡らせ辿り着いた結論へ向かい歩み出す。

懸念だったおばあちゃんが…ううっ。
何かのトリックであって欲しいけどそれは無理な様子。
2期の殺伐とした雰囲気の中、ここだけはホッとした展開になって欲しかったんだけどな…。

そんな状況でも自分を保ち己で考え動く朱がカッコ良く
悟りを開いた全能感すら感じてしまいます。もう狡噛さん越えてる!?
全てを見通し独りでシビュラに問いかける存在にまで成長するとは!
…まぁ、やりすぎな気もするけどね。

朱、鹿矛囲、東金と三つ巴の状況で気になる佳境へ向かっています。
あぁ霜月ちゃんが蚊帳の外すぎる。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
いよいよ審判の時。
シュビラは集合体である鹿矛囲、そして己自身の存在を認識する事となる。

自分自身が消える事も含め鹿矛囲の計画通りという感じの幕引き。
184人の生きた証・生き様を感じる事もできましたが、
無駄な血が多く流れ過ぎていて大義が薄く同情は出来ないです。
「地獄の季節」の役人の粛正と公安の数名の犠牲は仕方ないとしても
一般人をターゲットにした殺戮は過剰。
これだけの計画遂行能力があるなら被害を少なくする事も出来た筈。
人の命を大切にする努力の跡や描写があれば彼の死にも感動でき
余韻に浸れた気がするだけに勿体無く思います。
殺戮の衝撃を入れたいあまり、人の心の琴線に触れるのを放棄してしまった様です。
感激より刺激を優先したツケが最後に回ってきたという所でしょうか。

また、鹿矛囲が東金美沙子を撃った所も少し違和感がありました。
ココで引き金を引けたのはシビュラ自身が「集合的サイコパス」を認めたからで
東金美沙子個人を裁いた訳ではない(個人は免罪体質者)のだけど、
「これがお前の色か、東金美沙子」など台詞や言動が個人を裁いた様に見えました。

東金に関しては自身も暗黒に染まり
知的で有能な部下から愚直なマザコン殺人鬼への墜ちぶりが衝撃と共に描けていたと思います。
憎たらしさ満点で許しがたい存在という役割を十二分に果たしていました。

朱は後半から特にスーパーウーマンぶりに拍車が掛かり過ぎていて
(考えて行動できる)人間代表というキャラの位置を飛び越え全能なる審判者の様に。
最終話でも全てお見通しで体術でも東金を圧倒(2話でその体術に朱自身が驚いた相手)
狡噛が居ない分、全てを背負わされてしまっておかしな事に。
アクションなら宜野座や六合塚、知識なら唐之杜や雑賀など一係のメンバーで
負担し合うべきだったと思います。
朱だけが打って投げて守って大活躍で他メンバーが外野で見せ場も無いのでは不満も残ります。
(唯一雑賀はキャッチャーしてましたが)
一期では素晴らしかったチームワークが薄れていたのは残念です。

(考えない人間代表の)霜月さんへの不満の詳細は既出なので省略しますが
一期には確かにあった意志や個性が見る影もなく…
彼女はシビュラに流されて公安を選んだ訳ではなく、己の意志でこの道を選んだ筈なのに。
最後にフラグめいたものも立ち【予想】{netabare}いずれは大好きな六合塚さんに殺されそう{/netabare}な気がします。

邪魔者が全て消え、後腐れのない終わりでしたので改めて3期を楽しみにしようと思います。
{/netabare}

【総評】
内容的なものは毎話感想に書いてしまったので割愛。
鹿矛囲の正体を中心に予想を絡め1クールで観られるサスペンスとしては楽しめましたが、
サイコパスのファンである自分としては不満も残る内容でした。

映像作品に関しては「2」は「1」を越えないのは宿命なのでしょうけど
もう少しやれた様に思いますし、
前作のキャラを過分にイジってしまうと(朱は昇華させ過ぎ、霜月貶め過ぎ)
前作にもキズが付くのでもう少し初期設定を大切にして欲しかったです。
まぁ、過剰に期待しなければ楽しめる出来ではありますが
サイコパスが好きなら期待してしまいますよね…。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

薄味になった群像劇の輝き

オリジナルアニメ第2期


2期のレビュータイトル候補は3つありました。

①{netabare}『ヤケ野原ひろしの憂鬱』
 出典:だって藤原さん出てるし{/netabare}

②{netabare}『てめえらの血は何色だーっ!』
 出典:イケメン義の星の水鳥拳{/netabare}

③{netabare}『Ms.霜月のMARIONETTE日記』
 出典:伝説バンドのラストアルバム収録曲 {netabare}※アルバムタイトルは『PSYCHOPATH』{/netabare}{/netabare}

諸般の事情で泣く泣くボツですが、おおかたこれで説明がつきそう。



さて、相も変わらず名前が読みづらいです。 …いやそんなことはないか。1期よりはマイルドかも。

【2期メインを張ってく人たち】
霜月美佳(しもつき みか):CV佐倉綾音
東金朔夜(とうがね さくや):CV藤原啓治
雛河翔(ひなかわ しょう):CV櫻井孝宏
雑賀譲二(さいが じょうじ):CV山路和弘
鹿矛囲桐斗(かむい きりと):CV木村良平
青柳璃彩(あおやなぎ りさ):CV浅野真澄
酒々井水絵(しすい みずえ):CV井上麻里奈

作品取り巻く環境チラ見しました。1期が凄い話題になって2期はパワーダウンとの評価。
翻って自分はどうかというとそれほど落差を感じず完走です。続き(3期)があることを知ってますし、リアタイのように“満を持して”の期待値高止まりということがなかったからかもしれません。
シビュラシステムの存在意義(レゾンデートル)にどう落とし前をつけるか?の決着がつくまで“途中の物語”という扱いで良い気がしております。とりあえずこの2期は変化の幅が大きかったですね。
さはさりながら、、、


 作品『PSYCHO-PASS』
     II
 シビュラへの受容と否認のジレンマ


私が視点を置いてる作品の屋台骨は上記でありこの部分は揺らぎなし。あとは“ついていけるか?”もしくは“ついてく気あるか?”

ダメならダメで無理に体を合わせていく必要はないでしょう。

足りないと感じる部分は全11話×30分ものとしては大健闘。オチをつけてることも好感です。
尺不足!?でキャラ掘り下げ浅めを理由にカタルシスが感じられなかったり、シナリオ説明不足に見えたもののおおむね満足しました。引き続き良作です。



※以下良かったところと悪かったところ


ぱっと見の違いは明白

・2クール→1クールに
・制作会社変更
・製作陣もけっこう入れ替え


次に物語の中身の変化が以下、


■ネガティブ編(主要キャラの変更)

これにより公安局刑事課一係メンバーの群像劇的色合いが薄まりました。『躍る○捜査線』感の喪失といえましょう。

{netabare}主要メンバーを一覧化するとわかりやすいです。

※キャラの濃さ ◎→○→△→無印(空気)
1期
監視官:○宜野座、◎常守
執行官:◎狡噛、○征陸、△縢、△六合塚、佐々山
裏方:○唐之杜

2期
監視官:◎常守、△霜月
執行官:△宜野座、△六合塚、○東金、雛河
裏方:○唐之杜、○雑賀
隣の課:△青柳、○酒々井、須郷


狡噛⇔常守バディっぽい強い結びつきがあって、宜野座と征陸が上下なのか左右なのかはたまた裏表から支える相関図。これが2期だと常守の一本足打法に。

1期は縢と六合塚を掘り下げた上で見せ場を作ってました。2期で彼らに該当するポジにいるのが東金と雛河です。その東金と雛河に群像劇視点で与えられたのは見せ場のみ。シナリオ進行上、東金を掘り下げなければならなかったのはあくまで結果の産物です。これは1クールを言い訳にしてもよいでしょう。

2期の宜野座は征陸のとっつあんポジですね。完全に空気にならなかったのは1期の貯金です。丸くなってキャラのアクが抜けちゃいました。新人霜月に強烈に作用する存在であればよかったのですが。。。
その霜月はストーリー進行の上では合格点、群像劇観点だと赤点通り越してマイナスです。作風がシリアスだからこそチームの結束が試され各々持ち味を発揮して職務を全うする。

敢えて群像劇に背を向けるキャラ相関だったことが終盤のカタルシスを薄める結果となり、1期を経て想定される期待ポイントからずれることにも繋がりました。

見てみると、一係だけでは弱いので公安局内にそこそこキャラを配置し、雑賀教授も内部に取り込んでまで厚みを持たせたはずなのに却って注意が分散しそうになってました。{/netabare}


キャラとキャラ相関は大事ですね。物語の面白みが左右されます。私は群像劇の色合いの濃い1期のほうが好みでした。

その他1期比較での話数の短縮(全11話)もハンデでしょう。ただし1クールものとみればオチつけてまとめてきましたし、“結論おあずけ”は続編のあることを知っている後発視聴組にとってはそれほど問題ないかと思います。
制作会社やスタッフ陣の変更はこれはもう好き好きということで。繰り返しになりますが屋台骨に揺らぎなしと判断してます。

しかしながら、1期より難解な気がしており、やや矛盾をはらんだストーリーだったことは残念でした。
{netabare}朱より酒々井の権限剥奪のほうが先だろうよ!とかいろいろ思うところはありますわ。{/netabare}



■ポジティブ編

1.破錠の萌芽

これ1期のネタバレ隠しときます。

{netabare}スーパーコンピューターではなく免罪体質者200人以上の脳をユニット化したのがシビュラの正体でした。気持ち悪いっすね。でもよく考えられてます。

・(従前)シンプルな演算装置だと命令以外はこなせない。
・(現在)ビッグデータで状況予測の精度向上を図ってる。

これが『PSYCHO-PASS』の社会のように人の生死含めた人生までグリップするためには無謬性が前提となります。無理だけど。
演算では限界のある“あいまい”処理の誤差を埋めるべく、同じくあいまいな人間の脳を利用することで埋めていったわけです。たぶん。

とは言っても所詮人間の脳。無謬性なぞ土台から無理な話を「無理な話じゃない?」と訝しがる常守朱の物語がシリーズの肝部分なんだと思ってます。
並行して、無理な話であることを自覚しているシビュラがなんとか無謬性を獲得するためのカウンターの物語も横で走っているのだとも思います。

2期は“元は人間の脳”であるシビュラのえらく人間くさい部分が出てました。シビュラ総体と東金美沙子とでズレがあることなど破錠の兆しが見えてきたのも物語が進んでいる証左と言えるでしょう。
酒々井のドミネーター実行権限の取り消しが行われなかったことは、そこに人間くさいイレギュラーの判断が入れば運用に恣意性が増すためNGという判断です。でもそれは間違いです。{/netabare}

シビュラの矛盾なりが色濃く出ていたといったところでしょうか。いわば、

 “論の組み立てに誤りはないが正しいことではない”

正しいことではないと判断しているのは視聴者(人間)。
統治機構としてのシビュラシステムの崩壊を応援してやまない私であります。

{netabare}統治機構は特に無謬性への疑義がないと途端に胡散臭くなりますので、続編でもこのへんえぐってほしいですね。

無謬性を前提とした社会実験が現実にもありました。“五か年計画で生産量○○トン”と決めたら気象条件・労働生産性・疫病の発生いかなる理由があろうとも○○トンは正なのです。
しかし現実では違う結果が生じる。過ちを認めることは失脚に繋がりますから糊塗するために独裁傾向が強まっていく。20世紀に失敗した社会主義という壮大な実験をより高度にして実現したのが本作の世界観なのかもしれませんね。私の感じる気持ち悪さの正体はこんなところにあるやもです。

ついでにそういう集団の中にいると素直に「ごめんなさい」できないみたいです。某新聞だって謝った途端に離れていく購読者しか残ってないでしょうから少しだけ同情しますね(棒)。{/netabare}



2.抗う人と従う人

・鹿矛囲

{netabare}白状すると“集団的サイコパス”をきちんと咀嚼できておりません。

“犯罪係数”が出ない悪役ポジで填島と鹿矛囲との対比にて、填島の“免罪体質”はなるほどと思います。
鹿矛囲は複数人のパーツの組み合わせで一個体としてシビュラが認識できないという理解でよろしい?
鹿矛囲信者は個人用に調合された薬の虜でその薬は犯罪係数を抑制する作用があったという理解です。


一個体として認識できない一個人に対して集団総体としての色相を測定できるようにアップデートする決断をシビュラがした結末でした。
鹿矛囲のような継ぎ接ぎ人間というレアケース。広げても多重人格者みたいな範囲に収まりそうなのですが、シビュラは東金母、そして免罪体質取っ払って犯罪係数高そうな脳を自浄化してしまいましたけど、ここが繋がりません。

 “個人としてはセーフだが集団だとアウト”

集団的サイコパスについては1期ドローン工場のいじめっ子社員たちには適応されると期待。この社会の異常さを視聴者に知らしめたあの回の連中が執行対象となることは改善と言えそうです。
だがしかし、イメージはカルトの信者みたいにクリアそうな色相を持ってる個人でも集団だとやらかしちゃうみたいなのも範囲に収めちゃったわけです。こうなると際限なさそうですし、実際運用を本格化していけば最終話のニュー局長が言ってるように大量虐殺一直線まったなしです。つまり無理筋。

腑に落ちないところ多々ではありますが、シビュラの無謬性を強化しているように見えて破綻のトリガーを常守朱(と鹿矛囲桐斗)がひいたというふうに解釈した方が綺麗だし物語的にも拡がりがでますね。そう納得させることにします。{/netabare}


{netabare}1期槙島も2期鹿矛囲も個人的理由を発端として、シビュラへの信頼を失墜させることがひとまずのゴールでした。
手段はだいぶ違うけど目指すところは彼らと常守朱(と狡噛も)一緒なのでしょう。そうすれば1期の狡噛と填島は似たもの同士という伏線が後々絡み合ってきそうです。{/netabare}



・THE大衆な霜月

{netabare}色相濁って執行対象となる日を我々が待ちわびるためだけに存在するキャラ。
と見えて、シビュラの番人としてラスボス化しても面白いので評価は保留です。

人間側でぜひ朱の足を引っ張ってもらいたい。
ただし、朱のばーちゃんもだし、同級生(幼馴染?)見殺しにしてた件には落とし前つけてほしいです。泣いて弥生に慰められてた1期での心根がなんかしらのかたちでストーリーに絡んでくると面白そうです。{/netabare}




※最後に余談

■-s付けといたほうが・・・

なんとなくですけどね。
{netabare}“What color?”複数形でも良かったのでは?と。
“Colors”だと国旗、紋章、制服、軍隊それに(有色)人種などのことを意味します。転じて、その人を識別する“個性”“内面”をこの単語からイメージできるのです。
『色相』ですからそのまま色彩の意味でもOKです。もう一声で、人が備えているその人なりの「Colors=個性」の意味合いを強く出してみても良かったなぁ、と思った次第。{/netabare}



視聴時期:2019年10月  

------


2019.10.31 初稿
2020.02.14 タイトル修正
2020.07.03 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

シュビラに迫る新たな脅威(((;゜Д゜)) シリーズ待望の第二期!!

【PSYCHO-PASS サイコパス2】全11話 ―そして物語は劇場版へと続く―


――怒涛の展開とシュビラの実態が明らかになり終焉を迎えた第一期
あれから1年半後の物語!!
すっかり立派な監視官として職務を全うする『常森朱』の姿がそこにはあった!!
新たな執行官、部下監視官を束ね、ここにまた新たな事件の幕が上がる――  (一部引用)


※第一期視聴必須です(人д`*)※
ドミネーター・シュビラシステム等の概要を認識済(一期視聴)
を前提に物語が駆け足に展開されていきますので
一期未視聴の方はまずそちらを是非ご視聴下さい!!


【はじめに】

まずはじめにお伝えしたい!!
この作品について世論含め賛否がハッキリ別れているとの事ですが

やはり私はこのPSYCHO-PASSシリーズが「大好き」である!!

なんといってもこの世界観!! シリアスで胸に刺さる描写!!
息もつかせぬアクション!! 様々に渦巻く思惑・陰謀!! 度肝を抜く展開!!
作風にmatchした音楽!! そしてカッコいいキャラ達!!

どれをとっても一見の価値有りと私は思います!!

特に今作の出だしの展開には強く惹き込まれました!!
始まってすぐ(2~3話)に衝撃的な展開!!
としか言えませんが、すぐに物語に引きずりこまれてしまいました!!
↑コレは本当にものすごい内容でした!! アッケラカンです!!

あっという間に私を再びPSYCHO-PASSの世界へと夢中にさせるには十分なモノでした!!


【新キャラ紹介】

今作より刑事課一係のメンバーに新たなキャラが登場しています!!
(前作よりちょい出てたキャラもいますネ)

■『霜月 美佳』 監視官 ソバカスちゃん
常森監視官の後輩監視官
とにかくムカつくヾ(`Д´*)ノ てか・・・このコ、マジなんなの?
こんだけ嫌がらせして何がしたいの? あー毎回毎回ヾ(`Д´*)ノモオッ
これだけ嫌われキャラになると後々何かあるの?伏線?とすら考えてしまう!!
私がキャラをこんなにけちょんけちょんに言うコトも・・・
ままめずらしい事かと(ノ∀`)スイマセン

■『東金 朔夜』 執行官 マザコω・)ヾ(・ω・;`)コラw
常森監視官の元につく執行官
一緒に捜査に趣いた監視官を黒く染めてしまうという輝かしくない経歴の持主
とにかくあやしい|ョω・)ジィーッ 何かクセモノの匂いがプンプン
「やっぱ狡ちゃんがいい~(´д`) 狡ちゃん出して~」
という思いは心の内にひそめておきましょう!!

■『雛河 翔』 執行官 翔くん
常森監視官に色々調べ物をお願いされる執行官
元ホログラマーらしくホログラムの知識がすごい!!
気弱な物言いだがいいヒト感がにじみ出ていいます(*´∇`)
きっと母性をくすぐるカンジが女性方に人気のキャラなのでしょう!!

■『酒々井 水絵』 監視官
こちらは刑事課二係の監視官さんで何やら自らのサイコパスの濁り
に不安を抱いているご様子|ョω・)
一係の主要キャラではありませんが、物語を知る上で一応ご紹介しておきます!!

■『青柳 璃彩』 監視官
こちらも刑事課二係の監視官さんで一期でもちょいちょい出てた様ですネ!!
左目元に泣きボクロのちょっとセクシーなカンジのオネェさん監視官
宜野座さんと同僚らしく、今作では見せ場がありますのでご紹介させて頂きます!!

そして一期より変わらずのメンバー
『宜野座』さん『六合塚』さん『唐之杜』さんは再び頼もしく登場頂けるはこびであります(*`・ω・)ゞ!!


【物語・内容】

公安局に立ちはだかる新たな事件――
そう、それはなんとシュビラシステムを逆手にとった
新たな首謀者によるシュビラへの復讐劇とでも言うべきか…

悲惨な事件が起こり、また犠牲者が・・・

私的にはそーきたか∑(゚д゚;ノノという展開で惹き込まれました

そもそも今作、グロ描写に迫力が増してますよネ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ 
一期こんなにグロかったっけ? て正直グワーとなりました(((;゚;Д;゚;)))

常森朱さんのアーマーぶりは否めませんが、それでもハラハラドキドキ臨場感抜群のバトル描写に釘付けでした!!

結局、首謀者のココロ(意図)に関しては理解し難いというか、その心を理解するのは
一般ピーポーの私達には容易ではないと言うべきでしょうか?

そして、様々に渦巻く、思慮、陰謀、コレでもかと不安をよぎらす演出!!

お願いだからそれだけは~それだけは(>人<;)と何度願ったコトでしょう・・・

でもやはりそこはPSYCHO-PASS サイコパス!! しっかり私の心をえぐってくれるのですネ゚(゚´Д`゚)゚


【総評・まとめ】

総じて
大人気作の二期ということで視聴者の期待がフルに高まった上で満をじして放送された今作!!

確かに、主力キャラの出演NGに付きキャラの魅力は↓↓
話数も11話で内容、掘り下げも↓↓ 
後半のお話の盛り上がり感も私的にも↓↓

しかし今作も含めPSYCHO-PASS サイコパス!! 

ドミネーターを振りかざすアクション、描写はやっぱりカッコいいし、
相変わらずのこの世界観!!

駆け足に進む物語ですが私は一気に見てしまい、正直、楽しんでいたと言わざるをえない!

終わり方も劇場版への期待が大いにもてる内容で、コレはコレで良しと私は思っております*゚∀゚)

にわか者の意見なので参考にならないかもですが・・・


何よりもこの作品、そして劇場版にてこの先

シュビラにより成り立つこの社会の行く末がどんな結末を迎えるのか?

ぜひみな様もご一緒に見届けてみてはいかがでしょうかヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 50

71.7 9 警察アニメランキング9位
機動警察パトレイバー(TVアニメ動画)

1989年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (280)
1660人が棚に入れました
時は1999年。社会は作業用ロボットことレイバーで発展を遂げる一方、レイバーを使った犯罪も多発。警視庁は対レイバー用の特機パトレイバーを準備した。レイバー小隊である特車二課第二小隊へ配属された婦警の泉野明は、パトレイバー・イングラムに“アルフォンス”と命名する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、よこざわけい子、合野琢真、鈴置洋孝、土師孝也

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

暴れまわるザ・ライトスタッフ(あっ軽い人々)。

正直ガンダムより好きです。
従来のロボットアニメが立ち向かってきたリアリティではなく『リアル』な小型ロボットという本懐をなしとげた。子供向けのトリコロールともおさらば!!
近未来(だったw)この世界ではレイバー(労働者)の名の通り、ただの建築、土木機械である。
銃も熱を出すような武器も持たない。
ファイナルファイトばりにそこらへんの角材や鉄パイプを手に襲ってくる。
あと飲酒運転ww痴情のもつれ・・。
それらを仲裁、取り締まるためにパトレイバー(特殊車両2課 パトロールレイバー中隊)が存在するのだw。


玩具とした場合の販促面、人物と一緒に映したときの映像的な問題もあり主役機は8mクラス。手足は人間のように、腰は細く。だそうだ。
OVAなどでは電線や歩道橋に四苦八苦する姿が自虐と皮肉をこめて描かれる。人型である理由も劇中でも『かっこいいから』だからね。警察は正義の味方ですみたいな・・。


かなり明確な操縦方法、メンテ(どこまでやられたらメーカー整備とかある)方法やらレシプロ補助発電、電動式の駆動システム、各部のアクチュエーターや軽量化のためのFRPのペラペラ装甲、果ては道交法の車両としての設定(股間にナンバーがついてる・・)までとにかく細かい。
普段は肉眼で作業できるようにコクピットが上下に移動するのも強度と整備性はどうなの?なんていわずに、実用的かっこいい。実際旧式、量産タイプではオミットされる機種も。


一番の功績は80年代当時、コンピューターではなく、OSという言葉を用い、ソフト(OS)、ハード(機体)と呼称したことかと。
操縦技術は元より、個人の操縦のクセや好みを覚えさせて、OSをちゃんと育てないとせっかくの最新、高コスト機体も活かしきれない。逆にどんな優秀なOSを入れても対応できるくらいに機体がよくなければ意味がない。ボトムズで少しでたけど、これはそれまでのロボットアニメにはなかった。
そして歩行型の乗り物は酔ってゲロを吐く。。

で・・ここまで詳細に設定をつくっておきながら、動きは非現実的にド派手でコミカル。作業用レイバーは石原がとび蹴りしてくるレベルのディーゼル黒煙を巻き上げつっこんでくる・・。
なんとも粋な作品。


サンデーの漫画版はコミカライズ云々ではなくて漫画もアニメも原作なんです。
ゆうきまさみ自身が原作グループのヘッドギア立ち上げメンバー。

鉄人28号のオマージュ、黒いレイバー事件をメインストーリーとして基本的に1話完結、ボトルショーばかりのオムニバス形式でお話が進みます。

個性的なキャラクターが織り成す警察官(おまわりさん)公務員wとしてのロボットアニメ、新社会人の青春群像劇、コメディ、ドラマ、ミステリー。。。
そう踊る大走査線はこれかれレイバーをとったものなんです。
偉大なネタ元の逮捕しちゃうぞ への感謝の気持ちも忘れない。パトカーが・・トゥデイw。
後藤隊長曰く、隊員としての日々は部活動みたいなもん。らしい。いつかはオトナになってそれぞれの道へってことかな。
だれでも楽しめる作品なので興味ある方はぜひ。

一番好きな話は押井守の『特車二課壊滅す!』です。
14話の後藤隊長の拡声器での台詞も最高。
パト2も含め、やっぱり後藤隊長が理想の上司だなぁ。。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

ぶっかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

特車2科は永遠

これのせいで、とゆうかおかげで私にとってロボットとはガンダムでなくパトレイバー
何が面白くて何が面白くないかの判断基準は、未だにこの作品を軸に考えている程

フィクション全般は、至極勝手に自由に物事を進めていて、制約は自ら作るしかない。
作り手の責任とでもゆうんでしょうかね
規制することでジレンマが生まれ物事が交錯する
規制は世界観や設定であり、交錯するジレンマを魅力的に見せるのが登場人物です
そこにデザインや演出・ストーリーを加えさらに磨き上げたものにこそ、秀逸であるとゆう評価はなされる
だから、その責任が感じられない作品は評価できないと私は思っています
そう言う、あくまで自分にとって面白いと思うモノの根拠が何であるのか、に答えを出してくれた作品です

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ロボよりキャラ萌えの極致な日常アニメ。押井さんが好きなのは美少女より立ち食い蕎麦。

本作は、テレビだけでなく映画やOVAまで複数ある大人気作品である。このレビューは映画を除いたシリーズ全体の評価です。


その特徴は、劇的な危機や盛り上がりを主としてきた従来のロボットアニメの対極、僻地で勤務する公務員の日常を淡々と描くというスタイルだ。


上手くやらなかったら砂を噛むように退屈だろう。しかし、本作は凸凹で立ちまくりな多様キャラたちの丁々発止なやりとり、押井さんのあまり注目されないユーモラスな面が活きていて実に愉快な作品である。


出るキャラみんな魅力的で、モブにまで明夫さん、石田さん、テラコヤス、マダオと超豪華メンバーばかりの本作だが、一番輝いているのは年長の後藤さんと南雲さんだろう。


多くを経験した上で力が抜けている大人な深味とチャーミングさが両立している後藤さん。


ハマーン様やクシャナ殿下などでお馴染みの、命令を下すために産まれてきたような女司令官がピッタリの南雲さん。


この一見、水と油な二人が織り成すアンサンブルだけでも本作は見る価値充分である。


本当に尊敬できる大人キャラが希少な現代のアニメを見てて、たまに本作を見直すとホッと一息つけるような癒しがある。


南雲さん好きの私としては、後期OVA「二人の軽井沢」の回はアニメ史上に残る最萌えエピソードの一つと言いたい。


本作に関わってた声優さんでもう亡くなっちゃった方が何人かいるのは悲しいことだが。とにかく最高の配役は最高の演出に勝ると言いたい。押井さんとしては嫌だろうが、キャラ萌えなき押井作品は辛い。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

73.6 10 警察アニメランキング10位
B: The Beginning[ビーザビギニング](Webアニメ)

2018年3月2日
★★★★☆ 3.8 (242)
1245人が棚に入れました
科学者が宇宙平和のために創造していた"新人類"が、完成を目前にして、独自の企みを持つ悪の集団に誘拐される。近未来を舞台にしたオリジナルアニメシリーズ。

王立警察特殊犯罪捜査課へと戻って来た天才捜査官キース・フリックは、ある事件の犯人を追っていた。凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称『Killer B』。犯行現場に必ず刻み込まれた『B』の文字は人々の注目を集め憶測を呼んだ。『B』それは彼女のためのメッセージ。『ぼくはここにいる……』その身を異形に変え、黒羽は届かぬ思いを刻み続ける。キースと黒羽、互いに見知らぬ二人の運命は、やがて一つの陰謀へと飲み込まれていく——

Netflixによる限定配信。

声優・キャラクター
平田広明、梶裕貴、瀬戸麻沙美、東地宏樹、稲葉実、小清水亜美、豊永利行、田中進太郎、後藤敦、森川智之、石川界人
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想定外に挑み続けるメンタル

エログロなんでもアリのフリーダムな姿勢で、
次々と刺激的な展開を繰り出して来る海外ドラマ。
それらが席巻する世界を相手に日本のアニメは何ができるだろうか?

本作はNetflixオリジナルアニメとして得たと思われる予算や環境を、
海外ドラマ級のシナリオ密度という形にして、その問いに答えてみせた野心作。

伝説の敏腕捜査官、サイコパスな猟奇殺人グループ、架空の王国で暗躍するダークファンタジー風のヒーロー。
脚本面でも、作画面でも並の制作体制なら破綻して闇鍋化しかねない水と油な具材を、
一つのアニメーション作品として仕上げた本作は非凡だと感じます。

その情報量の多さには置いてきぼりのリスクが付きまといますが、
私の場合は情報が押し寄せる度に、脳が悦んでいるのが自覚できて幸せでした。

一方で展開、設定等には既視感も覚えたりもしました。
ただ今回の場合は、それも私にとっては助け船でした。
だって、このシナリオ密度で全て未知の要素で物語を構成されたら、
間違いなく付いていけないでしょうw

今の話よく分らなかったけど、もしかして昔見たアニメのあれと似たような物なのだろうか?
とデジャヴも頼りに完走した面も多々あった(苦笑)アニメ鑑賞でした。


ダークヒーローを捜査すると言う無茶にリアリティを与える超展開を眺めていて、
ふと、例えば昭和の人間に、次の時代に最終戦争を妄想したカルト教団が
地下鉄で猛毒をばら撒いて自作自演するテロを起こすから気を付けろ。
と警告しても、誰も本気で聞いてくれないだろうなと言う着想が浮かんで来ました。

夜空を飛翔する魔人の如きイレギュラーなど、常識的に考えれば荒唐無稽ですが、
本作では遺伝子科学の急進や、生命倫理の忘却が重なればあり得る現象として設定され、
天才捜査官は、例え周囲に狂乱した変人と白眼視されようとも、焦点を合わせ続ける。
その飽くなき執念に惹き付けられます。

{netabare}「トラブルってのはプロセスの一つだ。
昔の俺たちは トラブルを事前に対処してきた。
それが間違いだった。だから失敗したんだ。

トラブルやイレギュラーは必然であり要素なんだよ。
排除しちゃいけないんだ。全てに意味がある必ず何かにつながる。」

――キース・フリック{/netabare}


既視感も当てにして高密度の物語を消化する悦びは今作で再認識できたので、
制作が決まっている二期では是非、シナリオ濃度にも慣れたアニメファンに
未知の体験をスパイスして酔わせて欲しい。
今後もよりキモチイイ、攻撃的な姿勢に期待したいオリジナルアニメシリーズです。


余談:本作監督インタビュー(Gigazine 2018年03月02日)にて、
日本とNetflixで異なる規制基準についての言及もあって興味深かったです。
日本では自粛する部分でリミッターを外してフリーダムに表現できる高揚が伝わって来ました。

Netflixがグロに寛容なのを良いことに、
本作は中々の出血多量で耐性のない方には注意が必要なわけですが、
もう一つ警告しておきたいのは画面の点滅について。

何でも日本のアニメ業界では未だに
TVアニメ版『ポケットモンスター』のポリゴン明滅による、てんかん事件が尾を引いていて、
「ポケモンチェック」と呼ばれる画面点滅に関する自主規制が敷かれているとのこと。

今回はそこもフリーダムなのを良いことに、嬉しそうにピカピカしているから危険ですw

特に異形たちの眼。
こやつらポリゴンかwってくらい赤、青に大喜びでパカパカ点滅するからアブナイですw
実際、彼らの瞳のフラッシュは、{netabare}目が合った者の脳を弄くり、記憶を改ざんするデンジャラスな光ですしw{/netabare}

光の刺激に弱い方は視聴の際くれぐれも気を付けましょう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

reviewer さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

こういうアニメが見たかったんだよ

Netflixオリジナルということでテレビ放送がないためか、あまり話題になっていないが間違いなくもっと注目されるべき作品。

内容としてはダークファンタジー×クライムサスペンス。架空のヨーロッパの国を舞台に猟奇殺人を追う刑事の物語。作画は完璧。アクションシーンから細かいシーンまでよく描けている。イタリアとキューバの街を参考にした街並みは必見。

シナリオはクライムサスペンスにけっこう強引にファンタジー要素を突っ込んできた感じで現実味がなかったが、おかげで派手なアクションシーンやダイナミックなシナリオ展開が出来ており、最後まで飽きさせないようになっていた。良い意味で日本のアニメらしいシナリオだったと思う。

良くも悪くも最近の日本のアニメは萌え一辺倒というか、軽いというか。いい大人が鑑賞に耐えうるだけのアニメが少ない。この現状のなかで、Netflixによってこういうアニメが全世界に配信されたのは素晴らしいことだと思う。日本アニメの底力と可能性を見ることができた作品。今後もこういう作品が全世界に配信されることを願う。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13
ネタバレ

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

余りオススメはしないけど面白い

ダブルヒーローを取ってるアニメで、設定や人物がどことなく何かの漫画アニメで見た事があるような風貌なのがちょっとだけツボでもある。

敵組織はプロジェクトアームズのエグリゴリ、トップも明らかにモデルがキース・ブラック。
名前は皆月だが、まさか作者の皆川から取ってるんじゃないだろうな。
活動理由や設定や武器もなんかアームズに似てるぞ。っていうか、人体各所に13人が持つ身体特性がどう見てもアームズだろ。

主人公1は東のエデンの滝沢の風貌に似ている上に、名前が黒羽なもんだからなお連想してしまう。(ブラックスワン)
そう考えると、カップリングの銀河お嬢様はちょっと森美咲に風貌似てるのか?

主人公2はアニメ、サイコパスサイド。
雑賀譲二のような風貌だが、こちらは性格も雑賀譲二にやや近い、名前はアームズを連想するキース・フリックだけどね。混ぜすぎだろ。
ただ調査や進行はなろう系の如く、よくわからない、恐らく全く意味はない数式を並べまくる演出となっている。
カップリングは食いしん坊のノリノリ東洋人なので進撃の巨人のサシャ似だ。
吉永カエラは唐之杜志恩をモロに踏襲したキャラであり、事件の進行もどこかで見たような光景。

多分詳しい人ならもっとバリバリと元ネタを洗い出しそうだ。

そして設定は、よくわからない。
特に発祥理由や整合性などについて全く説明が成っていないので、そういうものとして受け止めるしかない上、そのせいで逆に〇〇したら〇〇なる、ならない。っていう正解を何故各々導き出せてるのかもよくわからない。

言ってしまってはなんだが、多分そうであるからそうであるを地で行っている勢いで見るアニメでもある。

そして冒頭で述べた既視感についても、アニメでも語られ、そして製作者が語りまくるセリフで一発で解決できたりする。

「様々な色が混ざると黒になる感覚が面白いと感じた」

とにかく思い当たる何かを混ぜまくった結果がこのアニメであり、視聴者が抱いたパラレルに近いその既視感はまさにこのアニメの象徴である。

{netabare}
そう考えると全体的に実験的アニメに近いので万人にオススメもしないし、良いのか?という気分にもなる。
そして、最終回はほぼ語られずに速足で終る。
そういうのも評価しにくいポイントだが…。

でも、まあこういった無茶苦茶な作品とは言え、主人公1は悲惨な運命ばかり見えてた割に、ちゃんとユナちゃんと平穏ちゅっちゅエンド(どういう経緯なのか不明過ぎる)、主人公2もまあ良い関係築いているという、大団円の終わり方なので良しとしよう。

特に黒羽とユナは絶対無事じゃ済まないと思ってたし。


(つか、話変わるけど考えてみたら皆月君、顛末までキースブラックだよね。スペアで利用されて終わるだけで(但し皆月はスペアのスペア)、やっと対面したのにまともな見せ場もないという)

{/netabare}

事後処理とか化け物設定どうなってんねんという感じだが、なろうみたいのはともかく、こういう勢いのアニメは正義だと思う。
終始適当に書いたわけではなく、力を入れるベクトルをちょっと変えただけだから。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

66.6 11 警察アニメランキング11位
逮捕しちゃうぞ(TVアニメ動画)

1996年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (114)
847人が棚に入れました
作者である藤島康介がオートバイファンなだけあり、作中でのメカやエンジン描写、カーアクションシーンは非常にリアルに描かれており現実味とスリル感がある。アニメ版も同様にメカニックには非常にこだわって描かれており、いい加減な描写は皆無である。こうした点に、藤島のバイク蒐集家としてのマニア心の冴え、および描写力の高さが伺われる。ストーリーのコンセプトはロマンティック系ポリスコメディであるが、設定は地に足の付いた作風なので日常世界を舞台としたロマンティック路線といえる。また舞台も架空の都市や町を舞台とする漫画が多い中で、実在する地域(墨田区)を舞台としたことや、警察描写も繊細に現実離れせずに描いているので読者・視聴者にも親近感を与え、より人気も高まった。

声優・キャラクター
玉川砂記子、平松晶子、政宗一成、島田敏、小桜エツコ、松本梨香、関智一、沢木郁也、榊原良子、青野武、小西寛子、丹下桜、堀秀行
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子供で大人な婦警さんの、日常系痛快ドタバタコメディー

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1話完結を基本とし、老若男女問わず安心して観られる痛快なエンタメ作品。

古い作品ですが、当時としては作画は綺麗だと思います。特に、バイクやクルマ、モデルガンなど機械系の作画は良かったという印象です。

リアル路線が好きなら、「ちょっと違うな~」という感じだとは思いますし、流石に時代が時代がなので古くさい作画ですが、そこにこだわりがない方ならしっかり楽しめるアニメです。

キャラも魅力的で、(キャラデザ含め)やはり藤島さんは良いキャラつくるな~という感じ。

ただ、オススメ度が、OVA→1期→2期→3期 と下がっていく残念さはあります。個人的には、OVA→1期、でやめておいても良いかと思います。

原作は藤島康介さんの漫画ですが、原作からキャラや設定は引き継いでいるものの、ストーリーはほぼアニメオリジナルとなっています。しかも、そのアニオリ回がとても面白い!

原作ファンはもとより、原作を読み「イマイチだな~」と思っていた方、そして、こんな古い作品知らないよ! という若い方に、是非観て頂きたい作品ですね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
豪快でパワフルな肉体労働担当の夏実と、マニアックで冷静沈着な頭脳労働担当の美幸の二人が織り成すドタバタコメディ。

特に良かったのは、二人の関係性。基本的にはトラブルメーカーの夏実が場面を引っ掻き回しますが、時折、美幸がキレると夏実以上にぶっ飛んだ行動をします。この二人が、互いを互いに尊重し、深い所で信頼しあっている様は、観ていて気持ちの良いものでした。

恋愛、という面でも二人の競合はありません。夏実は基本的に渋いオッサン好きだし、美幸には恋人がいるし。

二人とも、大学を終えて警察学校を卒業し、勤務しているので、いい大人ですが、中身的にはまだまだ子供です。それでも、時折みせる婦警らしさ(子供への優しさなど)にグッときます。お酒にまつわるエピソードなどもあり、「見た目は大人。性格は子供。それでもやっぱり大人な」20代中盤くらいの女性の魅力は描けていたかと思います。正直、(健康的な意味で)エロいw ⬅ココ大事(笑) 10代の女子には(リアルでも)出せない魅力ですなw

サブを固めるキャラも実に良い。二人の所属する墨東署交通課は、「独立愚連隊」「ワイルド・サファリ」と揶揄されるほど、個性的でアグレッシブな面々が揃っています。

ゴシップ大好きのトラブルメーカー眼鏡っ子の、頼子。女子より美しい女装子の、双葉。いじられ役で昭和の男って感じの、中嶋。可愛らしい女子高生の、沙織。話のわかる渋いオッサン、課長。そして、ライバルキャラ且つギャグ要員の、ホームラン男w

これといって目新しいキャラがいるわけではありませんが(まあ、原作自体30年以上前ですし)、おさえるところをちゃんとおさえてるな~という感じです。古き良き、を感じることができるでしょう。

ストーリー的に言えば、基本は1話完結の刑事モノですが、その解決法にオリジナリティがありました。前述した「そのキャラならでは」の解決法には一見の価値あります。

また、後半になるにしたがい、シリアス回が増えてきますが、これまた良いです。この緩急のつけかた、見事です!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

負け猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美人すぎる婦警さん←釣りじゃない

ありそうでなかった純粋な警察モノアニメ←純粋なのかな^^;

主人公は交通課の女性警官2人組で

夏実←ショート、怪力、体力、ホームラン、人力ブレーキ
美幸←ロング、メカニック、頭脳、ラブコメ、テロリスト候補

というふうに担当がわかれている。


初っぱなから夏実さんが交通ルールを全力無視するという、
今放送すると苦情が殺到しそうな内容が多いwww

メカニック担当の美幸さんに至っては普段なにやってんの?
といいたくなるレベルのメカ系オタクっぷりだったりす

(車だけでなく銃や、CPU関係まで)

また、作者が相当に車バイクなどのメカ関係好きなため
このアニメに登場する乗り物関係には自然と力が入っている。

ストーリーは比較的ギャグの多いお話から、警察らしいシリアスなものまである。
美幸さんに関しては恐ろしいくらい長くラブコメを披露しつづける事になる

登場キャラは非常に魅力的なキャラが多く、
いざという時にカッコいい上司から、オカマまでとw

しかし、やっぱりなんといっても
主人公の2人のカッコよさとかわいさはピカイチですね^^

あ、私は夏実派です^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心にいつも初心者マーク

原作は、既に漫画を読まなくなった頃で、アニメも観ていなかったが、ドラマの印象もあってか、題名だけは強烈に覚えている。
ミニスカポリスなんてのもあったなぁ…。(ちょと違うか)
いずれにしても、大らかという言葉がピッタリで、所轄という縛りの中で頑張る墨東署の面々を観ていると、古き良き時代を思い出す。
やっぱ警察物っていいなと、つくづく実感させられた。

二日酔いでモトコンポでのご出勤や、私物のエアガンを署内で人に向けると言ったことは日常茶飯事である。
プロレーサーと対決する白バイ野郎に、公道での明らかな速度超過に至ってはタコメーターの描写のみのご愛敬。

そう、充分に滅茶苦茶をするのだが、“こち亀”とはまた違い、どちらかと言えば“パトレイバー”に近い素肌感覚、より人間臭いドラマを見せてくれるところが良いのだ。

先行するOVAを加えると50話越えではあるが、登場人物もバラエティに富み、加えて原作者のマニア心そのままに、車やバイクのディテールやエンジン音にもこだわったエピソードが多く、あっという間に観終わることができた。

マッドマックスばりの、ニトロブースト搭載ミニパト(ホンダトゥディ、再販望む)や、曰く付きの改造R2(スバル)はなかなかカッコいいな。
そしてバイクはやっぱり2ストがイイ。
ピーキーさを生かして、パンパラパンパラ、パイーーーーンと加速する爽快さ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

69.8 12 警察アニメランキング12位
富豪刑事 Balance:UNLIMITED(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (231)
803人が棚に入れました
ケタ外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。そこで大助は情に厚い男・加藤 春とバディを組まされる。人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。常識を超えた捜査が今、始まる――!

声優・キャラクター
大貫勇輔、宮野真守、塩屋浩三、神谷明、熊谷健太郎、上田麗奈、高橋伸也、小山力也、榎木淳弥、坂本真綾

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

あともうチョイ!!何が足りないのかわからないけど。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:特殊な刑事と普通の刑事のバディもの?ドタバタ劇になるのかな。
期待度:★★★

意外とストーリーしっかりしていて面白かった。
富豪部分がトンデモだったけどそれがこの話のいいアクセントになっててよかった。
ギャグとシリアスのバランスもいいし、飽きずに見ることができる。
でも、でもです。なんだろうあともうちょっと何か足りない。萌え?じゃないと思うけど。

おすすめです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

08261216 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

神戸財閥www

いや、これは目フェチには堪らない作品ですね。
細身にスリーピース・・・・・ヤバかっこいい。
原作は未読。
執事はAIなのだと、アニメ公式サイトに書いてます。
深田恭子の富豪刑事は鼻に付く、大根芝居でしたが、これはスマートでいいです。
まぁ、女子向けですね。
因みに、神戸大助役の大貫勇輔はダンサーで俳優さん、声優歴は短いみたいですが、無機質な喋り方がキャラにあってます。

OP、EDも選曲も画もいい。
OPのSixTONESは知らなくて、名前や曲調から、KーPOPなのかと思ってました。ファンの方すみません。

制作:神戸財閥・・・なかなかのセンスです。

コロナ騒ぎで、2話止まりで夏クール扱いとなりましたが、いい判断だと思います。スタッフ不足で雑になるより、良アニメを見たいし、私個人としては、制作会社のスタッフさんたちが無理する方が心配です。

見終わっての感想。
なかなかの刑事ドラマになりましたね。4話までは大枚叩いてって感じでしたが、新幹線の横イツのおばちゃんたち好きですが。
5話から、本格的。犯人の予測は出来ましたが、おおお!そういうこと!と最終回で唸りました。
更にラストも良かったです。新幹線ジャックの犯人も頑張っているようで、良かった。
ただ、警視庁は謂わば東京都警。なんの権限で海外で刑事活動しているのかは謎でしかなかったですw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

富豪な刑事であることには間違いありません。

 原作は多分、中学生とかそれくらいに読んだ記憶があります。昔のことなので記憶があいまいですが、「謎解きはディナーの後で」のような、文字通り富豪が刑事をやるショートストーリーだったと思います。
(追記;謎解きは…のほうは、解決にあんまり金を使ってないのでちょっと違いますね)

 本作もスタートは、そんな感じでした。AIやスマホなどが登場することから、現代風に設定がアレンジされていることはすぐにわかります。でまあ、富豪が出てくるストーリーの一般例にもれず、金を湯水のごとく使い、刑事事件を解決します。孤立していた富豪刑事もやがて同僚と心を通わせ…みたいな話です。初めのうちは。

 途中から、一つの事件というかストーリー中心に展開し始めます。これがなかなか面白い話です。SF設定的なものもあって、半永久のエネルギーが取り出せる物質をめぐるサスペンスになってゆきます。富豪でないほうの主人公の過去の因縁をめぐるサイドストーリーも本筋に融合していきますので、話としての出来はかなりのものでした。

 ちょっとバタバタした話にはなりますが、なかなかシリアスでさすがノイタミナ枠ですね。脚本が良くできていました。引き延ばさず11話で終えたのも潔かったです。本音をいえばもう1話くらい削ったほうが、中だるみ感がより軽減されたでしょう。
 設定が出落ちですから、大金持ちエピソードを重ねて、金額でエスカレートするよりも、良かったと思います。

 あの親戚の女性がもうちょっと内面を見せてくれても良かったような気もしますが、恋愛が入る余地はなかったですかね。結果的には良かったのでしょう。

 ただし、最後の決戦である船の中の話が、ちょっとグダグダしていて迫力がないというか、最新兵器がSF的になりすぎて、急に荒唐無稽感が強くなって、がっかり感がありました。あそこがもう少し良ければなあ、と思います。

 さすがノイタミナ枠でしたが、逆にノイタミナはどこか最高峰にはなれないんですよね。80点は保証されるけど、90点にはいかない、みたいな感じです。本作もその通りでした。

 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

81.6 13 警察アニメランキング13位
のんのんびより のんすとっぷ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (468)
1770人が棚に入れました
「旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、野菜を作ったり、虫捕りをしたり、楽器を練習してみたり・・・春夏秋冬の変わりゆく田舎生活はワクワクが止まりません。のどかでいつも通りだけど、くすっときて、ちょっぴり沁みて、心がほっこりする。まったりゆるゆるなメンバーが送る日常が、またまたはじまります。

声優・キャラクター
小岩井ことり、村川梨衣、佐倉綾音、阿澄佳奈、名塚佳織、佐藤利奈、福圓美里、新谷良子

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

数ある「のんのん」の中でも「のんすとっぷ」こそ至高。3期かけて積み上げてきたものが活きている。

 「ゆるキャン」と同じく、すでに充分完成された日常系ギャグとしてもはや進化の余地はありない、そんな風に考えていた時期が私にもありました…。


 全てのクオリティーがアップしているが、キャラと声優のマッチングがアップしてギャグの冴えが格段に上がっている。正直個人的には今までは寒い瞬間が多少あったけど、今期は本当に笑わせて頂きました。


 なっつんとひか姉、特に後者の出るだけで笑える女と化した感がある。台詞をいかに喋るかだけでここまで面白くなるもんなんだなぁ〜。メカコマぐるみの狂気も素晴らしい。


 あと、今期も魅力はここまで積み上げてきたものがあるからこその喜びと感動がある。駄菓子屋とほのかちゃんの件では涙せずにはいられなかった…。


 シンプルで純粋だからこそ胸に沁み入る救いこそ日常系の行き着く極地だと思う。プロ幼女な久野ちゃまが加わったことも大きいねぇ〜。そんなしおりちゃんに対してお姉ちゃんであろうとするれんちょんの姿には思わず…。


「いつも同じ道じゃないのん。いつもちょっと違うお天気日和なのん。」

投稿 : 2024/11/23
♥ : 47

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

完璧なsuspend/resume(サスペンド/レジューム)→ ほぼ原作通りの最終回

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
れんちょんのリコーダー、nano.RIPEのOP主題歌、メインキャラクター4人でのED主題歌、居間のテレビ画面で次回予告と完璧な前作からのフォーマット踏襲でした。背景美術は相変わらず美しいというか、もしかしたら作画はグレードアップかも?

でも1、2期目を観てなくても何となく大丈夫そうな感じ。これぞ『のんのんびより』ですね。あ、新キャラは出ますよ。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.2.1追記:
第4話まで視聴終了。

なっつんと駄菓子屋が、それぞれ自分が一方的に有利な状況で相手が過去にやったことをあげつらう場面がありました。

スキーで無理矢理駄菓子屋に突き落とされて滑らされたとか、雪下ろしのために屋根に上がっているときになっつんに梯子を外されたとか、1、2期目から観ていると視聴者も「なるほど」と頷くけど良く考えたら作中で学年は同じなのにまだ冬は来ていないのです。「サザエさん時空」のパラドックス(笑)。

2021.3.29追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。

実は「月刊コミックアライブ」4月号で原作は終了していて最終話も読んじゃっていたんですけど、概ね原作最終回通りの最終話という感じでした。ということでOVAとかはあり得ても本編が作られるのは本作で最後だと思います。

2期目の「りぴーと」では「サザエさん時空」のパラドックスはあまり目立たないように巧みなシリーズ構成がされていたのですが、「のんすとっぷ」はあまりそこには気を遣っていなかったようには感じています。

まあ、新キャラを出してしまったせいで仕方がなかったところもあるとは思いますけどね。

ここまでのシリーズの遺産みたいなものに頼ったきらいはありましたが、ちゃんとシリーズを終わらせたという点と、「年上としてふるまうれんちょん」を見せてくれたという点は高く評価できますね。

制作側も、つきあった視聴者もお疲れさまでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 48

のび太 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

のんのんびより3期です

2期のリピートでは同じ時間が繰り返されましたが、今回はノンストップ。
とうとう、時間が進んでいってしまうのでしょうか。

今回も、子供の頃の懐かしさを感じるエピソードが満載でした。
いつもの5人組以外のキャラにも、多くスポットが当たっていたように思います。
そして、大いに笑わせてくれましたw

個人的には、ずっと1年生のれんちょんを見ていたかったけど。
終ってほしくない時間も、こうやって過ぎ去っていってしまうのでしょう。

懐かしい時間をありがとう。
そんな作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21

68.2 14 警察アニメランキング14位
DOUBLE DECKER! ダグ&キリル(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (208)
691人が棚に入れました
都市国家リスヴァレッタ。
二つの太陽が昇るこの街には、人々が平穏な生活を営むその影で、
犯罪や違法薬物がはびこっている。
中でも致死率の高い危険な薬物「アンセム」は街に暗い影を落としていた。
SEVEN-O特殊犯捜査係──「アンセム」を専門に取り締まるこの捜査機関は、
二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカーシステム」を敷き、
その対応に当たっていた。

経験豊富な捜査員ダグ・ビリンガム、
そして彼の元へとやってきた実力未知数の捜査員キリル・ヴルーベリ。
飄々とした掴みどころのないベテラン刑事と、
やる気だけが空回りする新米刑事。
型破りな二人の刑事の物語が今はじまる。

声優・キャラクター
三上哲、天﨑滉平、早見沙織、安済知佳、大地葉、種﨑敦美

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

バディ物。「近頃のサンライズ感」が出ている気がする。アクション・ドラマ志向?→ エンタメ度高めの良作!

「『TIGER & BUNNY』新アニメシリーズプロジェクトのひとつ“バディシリーズ”作品」という触れ込みで制作されたオリジナルTVアニメのようです。

オリジナルは爆死するかもしれないけどけっこう面白いこともあるよなとか思いつつ、とりあえず第1話を視聴。

あらすじにもある通り架空の都市国家リスヴァレッタではびこる「アンセム」という薬物に関連する犯罪を専門に扱う警察の特殊犯捜査係「SEVEN-O(セブン・オー)」に配属された新米刑事キリルと、ベテラン刑事ダグによるバディ物のようです。

リスヴァレッタの町並みには日本っぽさは皆無。ちょっとアメリカのTVドラマ『CSI:科学捜査班』みたいな感じもあるかも?

第1話はそもそも普通の部署での巡査だったキリルがSEVEN-Oに配属される経緯を見せてくれた導入回といったところ。

SEVEN-Oのトップであるトラヴィスが自分のことを「ボス」と呼ばせたり、他のメンバーにあだ名をつけてそのあだ名で呼ぼうとしたり、SEVEN-Oの「SEVEN」がなんとなく「七曲(ななまがり)署」を意識してるっぽいネーミングだったりと、なんとなく昔のTVドラマ『太陽にほえろ!』を意識しているっぽい。

ちなみに第1話のサブタイトルは「二つの太陽にほえろ!」(笑)

ちなみにSEVEN-Oにはキリルとほぼ同時に配属された女性の新人ケイがいます。SEVEN-Oのメンバーにはアンセム使用者と対抗する特殊な武器が使えるようですが、ここに何か裏がありそうな気がして興味を持ちました。

少なくともしばらくは視聴継続すると思います。

2018.11.21追記:
第8話まで視聴終了。個人的にはけっこう面白くなってきました。世間での評価は知らんけど。

リスヴァレッタが都市国家という設定なせいなのか、住民はおそらくみんな移民ないしはその子孫という感じで人種的にも多様(でもムスリムっぽい人は出てこない)であり、文化・風習的には概ね1980年代アメリカ東海岸みたいな感じになっていますね。

なのでアメリカで制作された1970年代の警察物や1980年代の学園物ドラマを観てきた層には違和感なく受け入れられるストーリー(作中の文字情報なども全て英語)で、けっこう海外市場(特に北米)を意識した作品になっていると思います。第8話「踊る! 学園捜査線!」に出てきたプロムとかパーティークイーンとかは、彼らにはきっと説明は不要でしょうしね。

中盤6~8話は1話完結形式でメインストーリーを停滞させたように見せつつ、恐らくは個々の事件や登場人物が終盤への伏線になるシリーズ構成なのではないかと予想していますが、如何に…?

そんな中盤では伝統的な考えが多数派な中でSEVEN-Oやその周辺の面々はなんとなくリベラルな考えを持っている感じが伝わってきます。ただ、まだストーリー中で宗教的マイノリティは出てきてません。出すと面倒なことになるので最後まで出てこないかも。

私は大丈夫ですけど、「ポリコレ臭」が鼻につくって人はいるかもしれないですね。でも逆に日本人だと、多くの人はあんまりその辺は気にしてないで観てるのかな?

2018.12.31追記:
第13話(最終回)を視聴終了。極めてエンターテイメント性が高く、日本以外の市場も見据えた良作に仕上がっていますが絵柄のせいなどもあって「日本のアニメっぽさ」が一見弱く、海外でもあまり注目されなかったようで残念です。

終始コミカルな要素を交えながらもちゃんとしたグランドストーリーや回を跨いだ伏線とその回収など、けっして行き当たりばったりではないきちんとしたシリーズ構成で、作画的にも3DCGの使用も相まって終始安定していました。

ただ、ACCAなどでも感じましたが実写の連続ドラマなどに通じるような脚本・シリーズ構成で、普通の深夜アニメを好む視聴層にはウケが悪い作品かもしれません。

個人的にはとても楽しめました。オリジナルでこれを作れるサンライズの健在を感じた作品でした。

余談: 最終回のBパートでエピローグ的なシーンで使われてたBGM、『太陽にほえろ』感が満載だったなあ…。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 41

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ここから先は、俺たちの管轄です。」最悪で最高の相棒刑事ドラマ、ここに開幕!

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
「TIGER & BUNNY」から続くアニメシリーズプロジェクト「バディシリーズ」のひとつとして制作され、制作スタッフには同作品の制作にも参加経験のあるスタッフが名を連ねているそうです。

「バディシリーズ」というプロジェクトの全容は分かりませんが、「TIGER & BUNNY」とは所縁のある作品である事は知っていました。
だから「TIGER & BUNNY」を視聴していれば、きっと見方も変わるんだろうなぁ…と思っていましたが、結局思っているだけで「TIGER & BUNNY」未視聴のまま、本作品を完走してしまいました。
この作品も十分楽しめたので、きっと「TIGER & BUNNY」も堪能できる作品だと確信しています。
何せ、あにこれランキングで2019年1月4日現在で総合得点88.8点の序列50位の作品なのですから…

ここで改めて感じるのが、ランキングの層の厚さです。
序列1位と50位の点数の差は僅か3.8点しかありません。
その僅かな数値の間に約50作がひしめき合っているのですから、層の厚さを感じずにはいられません。

一方本作ですが、出演されている声優陣も凄いですよ。
はやみん、安済さん、種崎さんに遠藤綾さんや小山力也さんなど…
それに、キャラデザは桂正和さんなので、ヒロインの可愛らしさには折り紙付きなんです。
もう楽しみな要素しかありませんよね。

この物語の舞台は、都市国家リズヴァレッタという犯罪や違法薬物のはびこる世界…
中でも「アンセム」という致死率の高い薬物が出回っているので、「アンセム」を専門に取り締まる専門捜査機関SEVEN-O(セブンオー)特殊犯捜査係が、二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカー」を組み、その対応に当たっています。
ヒーローに憧れる若い警官キリル・ヴルーベリは、ひょんなことからSEVEN-Oに配属され、ベテラン捜査官ダグラス・ビリンガムと「ダブルデッカー」を組み、物語が動いていきます。

SEVEN-O特殊犯捜査係には、3組のダブルデッカーが所属しています。
・ダグ(CV:三上哲さん)と、キリル(CV:天﨑滉平さん)
・ディーナ(CV:はやみん)と、ケイ(CV:安済さん)
・マックス(CV:大地葉さん)と、ユリ(CV:種崎さん)

実はレビューを書いていて少し悔しいことが…
3組のダブルデッカーを紹介しましたが、ディーナのCVがはやみんだと全く気付きませんでした。
はやみんの役なら聞いて分かると思っていたのに…
はやみんと知ってもう一度見ると、確かに所ではやみんを感じられる節はありました。
でも、リアルで気付けなかったのがちょっと悔しいです。

あと声優さんで感じたのは安済さんかな…
キリルと同じ新人さんとして配属されるのですが、声のトーンが新人さんらしく兎に角純粋で真っ直ぐなんです。
安済さんがこの手のキャラを演じるのも珍しいのではないでしょうか。

物語はテンポよく進む上、ナレーションが緩急を上手くコントロールしていたので、終始楽しみながら視聴できたと思います。
刑事物語なので、難事件を解決していく雄姿を見るのも良いのですが、個人的にはSEVEN-Oの人間関係の物語の方が面白かった気がします。

アンセムは本当に危険な薬物です。
アンセムを使用すると、自身の制御が不能になり暴走するので、対応には細心の注意が求められます。
その細心の注意の一環が「ダブルデッカー」です。
これはつまり、「一人で立ち向かえる相手ではない」ことを意味しているのだと思います。
言い換えれば、常に死と隣り合わせの仕事であるという事です。
実際に、そういう場面を何度も目にしてきました。

それでも、SEVEN-Oのダブルデッカーは自身の立ち位置に愛着を持っているんです。
もちろん、一朝一夕で愛着が持てるはずはありません。
ここまで来るのに、たくさんの心の汗をかいてきました。
そんな仲間が寄り集まってできた組織なんです。
だから相棒…強いては仲間への信頼度の高さ…気持ちの熱さは半端ありませんよ。
まさか、この作品に泣かされるとは思ってもいませんでしたけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、霧雨アンダーテイカーさんの「ステレオとモノローグ」
エンディングテーマは、ビッケブランカさんの「Buntline Special」
個人的にはオープニングの方が好みでした。

1クール全13話の物語でした。
刑事モノの作品って久々に見た様な気がします。
見どころ満載の作品でしっかり堪能させて貰いました。

しかも、嬉しい続報があるんです。
本編の中で描かれることのなかった物語が、「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル EXTRA」として全3話制作されることが決定したんだそうです。
これらは配信サービス若しくは円盤での提供となる様なので、気になる方は要チェックですね!

2019年2月配信 EX #01
「七人の刑事の日常!」

2019年3月配信 EX #02
「インファナル・アンフェア!」

2019年4月配信 EX #03
「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿!」

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

菊門ミルク大臣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうせなら2クールやって欲しかった

適度におふざけ挟みつつその中に伏線撒いたり
展開を予想させつついい感じに裏切ったり
引っ張りそうで引っ張らない。
キャラも皆良い。

展開が早くてダレることなくテンポ良く感じる部分もあるのですが
強引に詰め込みすぎな部分もあってなんかちょっともったいない気もします。
ほぼほぼ1話完結、決められた尺にどう収めるか…
作り手が器用過ぎたんでしょうね。

世界観、ストーリー、キャラクターがオリジナルとは思えない程力が入ってました。
それ故に2クールやって魅力を存分に発揮して欲しかったです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

87.4 15 警察アニメランキング15位
SPY×FAMILY(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (922)
3043人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている―― 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。 西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。 その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。 内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。 〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。 だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった! 3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。 ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ハートフルスパイコメディの良作☆

舞台は東西冷戦時代に似た世界。
西側のスパイ、黄昏(たそがれ)ことロイド・フォージャーは、東側の政治家に近づくために、偽装家族を作る必要に迫られて・・
で始まるお話。

原作はかなり人気だったみたいで、作画の良さなどにも制作側の期待の大きさが感じられます。

まずはなんといってもアーニャすごくかわいいですね~♡
あの年頃の子供特有の無邪気でかわいいところがよく表現されてますね(#^.^#)
ウィって返事やちち~~って呼ぶのもかわいいし、たまに見せる(๏д๏)みたいな表情もかわいい♡

任務のために偽りの家族を作るんだけど、それぞれみんな秘密を持っているところが面白いし、家族というものを知らなかった人たちが少しずつ「家族」になっていくところがいいんですよね。

結局アニメ2話まで見たところで我慢できず、原作読んじゃいましたw
原作も面白かったですけど、アニメはさらに良くなっていると感じました!

本格的なスパイものというよりもコメディよりの作風ですので、人によっては肩透かしの方もいるかもですけど個人的にはすごく気に入りました♡

アーニャ役の声優さん、うまいなぁって思ってたら種﨑敦美さんという、Vivyやジュジュ様などされてた方みたいです。
色んな声で演技されててすごいですね!

アニメはどうやら分割2クールみたいなので、10月からの後半もとても楽しみです!

以下、各話の感想(印象に残ったシーンなど)です。
★今回のアーニャ語録☆、各話に追加しました。

1話「オペレーション梟(ストリクス)」
{netabare}任務よりもアーニャのことを思って警察へ行けというロイド。
でも警察に行かないでロイドの姿を見つけて嬉しそうに駆け寄るアーニャ。
ラストの寝てるロイドの懐にもぐりこんで一緒に寝るアーニャの絵がすごーくほっこりしました☀
★今回のアーニャ語録☆
ずっと前からちちの子供のアーニャです
ちちすごいうそつき、でもかっこいいうそつき
ははそんざいしない{/netabare}

2話「妻役を確保せよ」
{netabare}パーティで苛められてるヨルに対して、誰かのために頑張る姿は誇るべきことで素敵なことだと話すロイド。
色々とおかしい言動のロイドをまったく疑わないヨルの超天然なところも殺し屋とのギャップもあって良いです。
手榴弾が後ろで爆発してる最中に手榴弾のピンを指輪がわりにする絵が最後にきまってましたね♪
★今回のアーニャ語録☆
ア~ニャ、ははいなくてさみし~い♫
ピーナッツかいこんどけ{/netabare}

3話「受験対策をせよ」
{netabare}アーニャの舌足らずな話し方とかもう可愛すぎ~♡
アーニャ役の声優さんすごく上手です!
3人で撮った記念写真のアーニャとヨルの表情にニヤニヤしちゃいました♪
★今回のアーニャ語録☆
アーニャにははうまれてめでたい
わたすがキメラだ・・よろすおねがいするます
おでけけ記念日!
ひとがゴミのようだ・・
やっつけてくさいメシ食わせます{/netabare}

4話「名門校面接試験」
{netabare}コメディ色がより強くなった感じの4話でした。
エレガントな寮長さん、なかなか面白いキャラで好きかも♪
今回もアーニャに笑ったりほっこりしたり・・ホントいいキャラです♡
自分の気持ちに戸惑うロイドとヨル。少しずつ家族になっていく3人。
★今回のアーニャ語録☆
だいじょぶます!
オペラたべたり・・
100点満点です!
半分メガネのおっさん{/netabare}

5話「合否の行方」
{netabare}ポケットに忍ばせてたクラッカーでお祝いとか洒落てて好き♡
今回はアニメオリジナル展開も結構混じってましたね。
アクションシーンすごくよく動いてて、ロイドとヨルが闘うシーンなどもっと見たかった!
「これ桁間違ってない?」「合ってます」「え?」「あってます!!」に笑った。。
★今回のアーニャ語録☆
お城で助けられごっこ!
アーニャ、孤児院でてからわくわくいっぱい!ちちのおかげ!{/netabare}

6話「ナカヨシ作戦」
{netabare}イーデン校の制服を着てすごく嬉しそうなアーニャ♡
ターゲットの子ダミアンや、アーニャの友達になりそうなベッキー、エレガント先生も担任になって学校編も楽しくなりそう♪
必殺パンチのシーンは3回くらい見ちゃいましたw
今回はアーニャの色んな表情の顔芸がすごく面白くて楽しかったです✿
★今回のアーニャ語録☆
あざざます!
制服のアーニャです、ばーん!
おーきーどーきー
今こそ必殺のパンチを放つとき!{/netabare}

7話「標的(ターゲット)の次男」
{netabare}ベッキーはいつも本音で話してるから心の声も同じみたい。
周りを気にせずアーニャと仲良くしてくれたり・・いい子と友達になれて良かった♪
アーニャの号泣顔と上目遣いで見てる顔は可愛すぎ♡
理想の子供を求める前に自分が理想の父親になるべきと思い直すロイド。
部屋に引きこもったアーニャが自分から勉強してて寝ちゃったシーンはほっこりしました☀
★今回のアーニャ語録☆
学校へたくそでごめんなさい
せかいへいわがー{/netabare}

8話「対秘密警察偽装作戦」
{netabare}8分の2!って何度も得意げに言ってるアーニャに笑った。。
ヨルとユーリって色々と似てるところがあってやっぱり姉弟ですね。
ラスト、引っ張りましたねw
続きがどうなるか気になって思わず原作見ちゃいました。
★今回のアーニャ語録☆
ざんだんすう8ぶんの2!{/netabare}

9話「ラブラブを見せつけよ」
{netabare}キスシーン、前回から引っ張ってさらにOP後の回想シーンも挟んで・・ってちょっと引っ張りすぎかなー。
アーニャが寝ぼけてるシーンすごく可愛くて面白い♡
前回も感じてたけど、アーニャが出てこないと面白さが半減しちゃうと感じるのは私だけ?
ところで、ヨルの雇い主の組織と秘密警察ってどんな関係なんだろう?どちらも東側の組織みたいだけど。
どっちにしてもロイドとは敵対関係だし、今後その辺も描かれるのでしょうか。
★今回のアーニャ語録☆
んが・・ちきゅうのおわり・・
おはえんます・・
ちち、なんだかきょうみどりいろ{/netabare}

10話「ドッジボール大作戦」
{netabare} 久々のアーニャ回♡
今回のお話は5話と同じく、原作にアニオリを加えて膨らませた感じでした。
正直、15分くらいでもいいかな?って内容だったけど、全日本ドッジボール選手権全国大会とコラボするみたいでその辺も絡んでるのかもです。
アーニャ、相変わらず可愛いんだけど・・今回はちょっとあざとい感じもあった・・かな。
アーニャ、ベッキー、ダミアンと、キャラは揃ってるのでテンポをあげてお話が面白くなるのを期待したいです。
★今回のアーニャ語録☆
く○やろう
腰のひねりをおててにつたえて・・{/netabare}

11話「星(ステラ)」
{netabare} 心が読める能力のおかげで人命救助ができたアーニャ。
すごく得意げになってるアーニャに合わせて付き合ってあげてるベッキーがいい子で好きになりました♡
ダミアンも陰口に参加しないでビシッと周りに言ってるとこなんか意外とイケメンじゃんって。
あと種﨑敦美さんの一人四役が面白くて笑っちゃいました♪
実験されてた犬たちの中にロイド一家の絵が浮かぶ犬が・・!
次回違う話みたいだし、彼が家族になるのは2クール目かな・・
★今回のアーニャ語録☆
アーニャ、ちちのりょうりがいい
スターライトアーニャとよべ{/netabare}

12話「ペンギンパーク」
{netabare}今回はアーニャ大活躍でした!
スパイの話とアーニャの話が程よく混じってて、面白かったと思います♪
新人飼育員が、もうお前に教えることはないって言われてるところが可笑しくて。。
あとペンギンロイドとロボットヨルがアーニャとお菓子を買いに行くところはほっこりしました☀
これで前半終了ですね。10月の後半はいよいよ新キャラ登場なので、楽しみに待ちたいと思います!
★今回のアーニャ語録☆
まってー。ふつうのいい人でちち~
ペペペペンギン~
つよいけど、あとはだめだ{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 57

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とても素敵な家族を描いた物語

この物語をひと言で表すのはとても難しい。
アクション、笑い、アーニャの可愛さ、などもありますが、しいて言うならば、とても素敵な家族を描いています。

父のロイドは、娘のアーニャを守るためならば危険を顧みず、命懸けでアーニャを守ります。
そして彼は、血まみれになりながらも妻のヨルとの約束を守ります。
彼は仕事よりも家族を優先する優しい父親です。

母のヨルは、悪を許さない正義の心(?)を持った女性。
決して他人の不幸を見過ごしません。たとえ自分に関係なくとも自分にできる精一杯のことをします。
そして娘のアーニャに危害を加える者に対しては容赦しません。
ヨルはアーニャをとても大切にしています。

そして娘のアーニャは、常に父と母とに役立つ人間であろうとしています。
まだ幼い子供なのに、ロイドのために、そしてヨルのために精一杯頑張ります。

そんな素敵な家族なのですが…、
ロイド、ヨル、アーニャには、それぞれ誰にも言えない秘密があります。
三人は、各自の秘密を隠しながらも家族の絆を深めてゆきます。

私達は誰だって、多かれ少なかれ家族に言えない秘密を抱えていると思います。
この家族は、その秘密の度合いが大変重い。それだけのことだと私は感じましたが、皆さんはどう思われますか?


ところで、今までは影の世界でしか生きていることに意味を感じなかったロイドやヨルでしたが、二人はアーニャのおかげで日の当たる世界で生きることの充実感を感じられるようになったような気がします。

もしかして、アーニャはロイドとヨルのために神様が遣わした天使なのかもしれませんね。
いつの時代でも、子供は親のために神様が遣わした天使です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 81

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

やっぱこっちが覇権本命でした

<2022/4/20 初投稿>
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。
原作未読。

よーやく見れました。
と言っても1話録画しそびれ、うっかり2話から視聴。
でも2話だと全然気づかんかった
見終えても気づかんかった 笑

少し放送が遅いATXの方の録画見てようやく気づく
「ええっ!あれ、2話目だったの?」と

で1話をよーやく見たというわけです٩( 'ω' )و

まー面白い
前評判が凄くて、多分面白いんだろなーとは思ってたけどその予想値を大きく超えてきました。

物語も良さそうなんだけど、なにより三人が楽しすぎる。
キャラ良すぎ。

<2022/4/26 追記>
3話まで見ました。
いずれの話も密度濃く面白く楽しい。

ところでアーニャの声と演技素晴らしい!
という声をよく聞きます。
もちろん私もそう思ってるクチなのですが。
なんだ、声優は種崎敦美さんでしたか。
どおりで、と納得。

自分はゲーム「十三機兵防衛圏」で種崎さんを知ったのですが。
このゲームで恐ろしいまでの演技力・表現力発揮されてました。
すげー声優さんがいるもんだと。
そのゲームのネタバレになっちゃうので詳細は書けないですが、本当に凄い人。

そりゃアーニャの人気も倍増するってもんですよ。

評点4.4は、中間評価です。

<2022/5/1 追記>
4話見ました。
アーニャの名言「はげちゃびん」から始まる前半のコント。
「坂本ですが」を思い出すw
エレガント!つーか
スタイリッシュ!っつーか
クール・クーラー・クーレスト!っつーか
三人楽しいですね。

この笑いは大好き!!
ラストの一発も気持ちよかった。

<2022/7/20 追記>
リアタイで最終回まで見ました。

面白かったー。
これは人気出るわけですよ。

キャラが全て面白いし、
今のところ深刻になりすぎないところも◎
見てるとニコニコ笑顔になります。

アーニャ人気は凄かったですね。
「よつばと。」の、よつば
「ばらかもん」の、なる
に並ぶ愛され子供キャラじゃないでしょうか

YouTubeでパリピ孔明「チキチキバンバン」踊ってるアーニャ見つけた時は笑いました笑

YouTubeと言えば、ヨルさんのコスプレしてるウェザーニュースキャスター檜山沙耶さんも見かけました。
雰囲気ぴったしでしたよ。
もともと言動・反応が素っ頓狂なところも二人ちょっと似てますし。

と余談が多くなってしまいましたが今季最高の作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 61

68.2 16 警察アニメランキング16位
こちら葛飾区亀有公園前派出所(TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (235)
1415人が棚に入れました
主人公・両津勘吉の破天荒な行動力が巻き起こす大騒動の面白さが、長寿の秘密と考えられがちですが、この作品の本当の人気の秘密は、古典落語に通じる人情喜劇のエッセンスが根底に流れていることです。 この作品には、主人公の両津をはじめとして、きわめてユニークな人物達が次々に登場します。彼らが引き起こす、人の迷惑を顧みない大騒動! でもどの人物も何故か憎めない愛すべき人たちなのです。 作者の下町の人々に注ぐ視線の優しさ、下町への愛情、が登場人物たちの素朴で温かい感情となって、作品の中で発露しているのです。 一見、破天荒な「ドタバタ・ギャグ・アクション」の底に流れる、下町の人情・温かさ・優しさが「こち亀」の最大の魅力なのです。

声優・キャラクター
ラサール石井、佐山陽規、森尾由美、宮本充、家中宏

キリン  さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悩み事が吹っ飛ぶよ

略して『こち亀』

アニメ放送第1話から最終話まで
全部録画しました。母が。

原作は私が生まれた年にスタートして
今でも続いています。
もうとことん続いて欲しいです。

初めてご覧になる方でも
基本1話完結なので
何話から観ても楽しめると思います。
人間関係なんかは、後から解かってくるので
問題ないはずです。
『サザエさん』を別に1話から観なくても
だんだん家族構成が解かってくるのと同じです。

一応、警察の話なんですが、
犯人を捕まえるとか
事件を解決するとか
ポリスストーリー要素は極稀で
仮にあったとしても、
逮捕する事が本筋のストーリーの目的(オチ)では無いことが多いです。
むしろ、世間を騒がしている犯人だったり
事件を起こすのが、主人公の『両津勘吉』巡査長です。

簡単に言うと
下町の派出所(交番)のお巡りさんの
ハチャメチャ人情ギャグマンガです。

個人的には、観ていてすごく元気になる作品で大好きです。
私自身『両さん』に似てるところが多々ありまして、
共感が持てます。
(ギャンブルはしませんけど・・・)

たまに油断してたら腹がねじ切れるくらい
笑うときがあるので、注意が必要です。

音楽も下町の感じが出てるOPだったり
何で?っていうEDだったり(OP・ED共数種類あります)
BGMも楽しい感じが出ていてGOODです。
カッコよくはないですけど、それでいいんです。


アニメが放送されていた時期
私の職場の前の道路を
学校帰りの子供が物凄くでかい声で
「テ・テ・テレビをみるときは~♪
部屋を明るくして離れてみてね♪」
と歌いながら家に帰っていました。

私は一発で「こち亀や!!!」と分かりましたが
それ?それ歌う!?
いや凄く良い事を言ってるんだけど、
「火の用~心」みたいな感じで
感心な子供だけど・・・

そいつのせいで私の頭の中では
『葛飾ラプソディー』が
永遠にリピート再生されることになり
鼻歌うたって、なんかご機嫌な感じで
仕事してる様に見えてしまい、
上司から軽い感じで残業を言い渡されました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タレントが声をあてて大成功した好例作品

よく、あにこれなどではジブリ作品は例外としてプロの声優ではなくタレント、俳優、アイドルなどがアニメで声をあてるのが批判される傾向が見られますが、
この作品は全くそれらの意見を覆す出来、ラサール石井さんの両さんは素晴らしく、
まさに両さんの声はこの人でないと考えられないくらいのハマり方で、まさに漫画から両さんが抜け出たかのような違和感の無さです。
声質ばかりではなく、口調が全く両さんそのもので、原作者の秋本さんも絶賛したそうです。
ほかに森尾由美の麗子など他のキャストもハマってます。

まあ、タレントが声をあてて大成功した例は「あしたのジョー」の矢吹ジョーはアイドルだったあおい輝彦さんがどハマりしたわけですし、
中田譲治、松風雅也、菊池美香、MAO、小宮有紗などの戦隊ものからの声優転身も成功しています。
また、古くは大阪を舞台としたアニメ「じゃりン子チエ」はネイティブな関西弁を話せるキャストにこだわったがため、関西を中心に活躍する舞台俳優、子役、芸人、関西出身の声優で固められた事で、見事に大阪の下町感を再現していました。
個人的には旧作「キノの旅」の前田愛(役者さんの方)もハマっていたと思います。

専業の声優ではないタレントが声をあてるのに色眼鏡をかけて見ない方が良いと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19

負け猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラサール石井がドンピシャすぎるw

知らない人がいない程有名な漫画が原作のアニメ。
(原作途中で買うの止めたな~^^110巻くらいまではあるよw)

400話程+劇場版まである長編アニメなので全部は見れていません....orz
でも、1話完結タイプなので問題はあまり関係ないかと^^;

基本、欲深くお金に汚い主人公(警官)が
毎度毎度、周りを騒がせるギャグアニメとなっている。
(それでもTV放送+警察官という事もあり原作と比べればかなり綺麗な主人公にはなっています)

たま~にある、主人公などの登場キャラの過去話はどれも
昔の懐かしさを感じさせるものが多く、感動的な話が多いのも特徴的。

キャラに関しては個性的なキャラが多い。
例)4年に1度しか登場しないなど
(オリンピックが来ると登場するwww)

主人公に関しては声優さんが「ラサール石井」なのだが
コレ程ピッタリな人は他にいないでしょうww
(というか本人もわりと似てたりしてるよね^^)

OP曲もかなり耳に残る良い曲が多くて今でも歌えますよー^^

かなり若い世代以外は皆見た事はあるのではないでしょうか?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 0

83.2 17 警察アニメランキング17位
ACCA(アッカ)13区監察課(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (835)
3701人が棚に入れました
13の自治区に分かれた王国にあある、巨大統一組織"ACCA(アッカ)"。
かつてクーデターの危機により結成されたACCAは、国民の平和を守り続け100年が経とうとしていた。
ACCA本部の監察課副課長 ジーン・オータスは、「もらいタバコのジーン」の異名をもつ、組織きっての食えない男。
飄々とタバコを燻らせながら、13区を廻り不正がないか視察を行っている。
そんなジーンを見つめる視線、不穏な噂と――おやつの時間。
ジーンの平和な日常は、ゆっくりと世界の陰謀に巻き込まれていく!

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、悠木碧、諏訪部順一、遊佐浩二、大川透、緑川光、安元洋貴、田中敦子、後藤ヒロキ、上田燿司、前野智昭、八代拓、宮野真守、上村祐翔、中尾隆聖、石塚運昇
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ローマは一日にしてならず、ぢゃ

原作未読


{netabare}“Kokuouheika 99 saino tanjoubi"

ローマ字かよ!{/netabare}

原作はナツメ、監督も夏目、OPAメロはケツメ(?)。OPが終ればおやつの時間。だいぶぬるめの立ち上がりでした。


黒基調のサムネと番組タイトルから受ける印象はなんか固そう。
そんな視聴前の先入観なんてどこ吹く風。オシャレでかっこよくて、でもどこかしら抜けてて、そしてたばことスイーツに満ち足りたお話でした。地上波再放送をきっかけに、途中から配信に切り替え一気に観ました。全12話です。

あらすじ:もともとは別々の国だった13の国が統一されたという経緯のある土地でクーデターが勃発。それを国王は各地方に高度な自治を認めることで平定。13区に分けられたドーワー王国のそれから99年後の世界が舞台です。平定後に発足した“ACCA(アッカ)"と呼ばれる組織の監察課に勤める職員ジーンオータスが主人公の物語。監察課というお役柄全国を飛び回ってます。そして降って湧いたクーデターの噂を耳にするところから物語が動き出し、徐々に巻き込まれていくというサスペンス系統に分類されるであろう作品です。
それでこの所属組織ACCAがなかなかパンチが利いていて、警察・消防・医療その他公共性の高い各分野を一手に担ってる強大な組織なんですが、、、
不採算でも畳めないですよね?収入源はどうなんすかね?そもそも民間に治安組織の手綱を握らせたらダメじゃん、それじゃ傭兵とか民兵じゃないですか(笑)
この設定のせいで第一印象が良くありません。企業(サラリーマン)なのか公共組織(役人)なのかで見立てが変わるからです。公に奉仕する公僕が組織の論理との狭間でどうバランスを取るのか?が面白いのに民間組織設定だと無理が生じるはずなんです。{netabare}案の定、組織の性格上かなんなのか民間ならではの営利目的な描写を匂わせることもなく、いや描くことが出来ずに役人寄りの展開で推移したのでだったらはじめから公務員でいーじゃん、と思いました。{/netabare}
またクーデター解決(鎮圧?)手段が各区の自治の担保って、それってクーデター成功と同義では?としっくりこなかった序盤です。

些末なことでしょう。が、大概そんな些細なところが没入感を削ぐものです。
イケメン二人が主役級。5長官がイケボ揃い。そして毎度のおやつタイムにオシャレな雰囲気。うーん、女子向けかな?
男子には妹(ロッタ)か本部長(モーブ)をあてがっとけば安パイだろうよ。
というアニメかと最初は思ってた節があります。まあそれも最初の2,3話くらいのこと。回を重ねる毎に面白くなっていきました。


なぜなら、ちょっと冗長そうに見えて実はテンポが良かったから。
{netabare}第1話がいい例でしょう。最初の視察地ファーマス区訪問がAパートで終了。だいたい初回なら1話丸々使ってもいいところをそうしません。{/netabare}
ゆったり進んでいるように見えて、原作全6巻のラストから逆算して12話を作りこんだのが容易に想像できます。これは完走した後に振り返ったり2周めいくとわかるかも。伏線やミスリードの宝庫だったりするのです。

“クーデターの首謀者は?目的は?”

この物語のストーリーラインの軸はクーデター騒ぎにかかる人の動きです。謎を提示し情報を小出しにしながら興味を引かせ、その横でおいしそうなものを食べてるロッタちゃん(CV悠木碧)を眺めて楽しむ感じ。シリアスと日常パートの按配が良く、テンポの良さも加わって飽きることはありません。
各区もさすが高度な自治を実現してるだけあって区毎の性格がまるで違います。バラエティに富む各区を眺めることも毎度の楽しみだったりしました。政体でいえば都市国家の集合体みたいな感じかしら?アメリカの州よりも独自性が高く、昔のドイツやイタリアのイメージに近いです。
名残が残っているのはイタリアでしょう。ヴェネツィアはもともと国だったと教科書で習った方も多いかと思います。イタリアも州毎の独自性やプライドが高く、サッカー代表アズーリよりもおらほの町のチームが大事みたいなところがあって、このへんの歴史的経緯も比較文化の観点で面白かったりしますが、本作のドーワー王国はそんな国家です。

いつも通り脱線したところで話を戻すと、キャラも脇役含め棲み分けが出来ていて名前もすぐ覚えられました。キャラ紹介は省略ね。


起承転結のある物語は“転”からが勝負だったりしますが、『ACCA』の場合は、その前段も退屈しませんでした。
そしてお待ちかね{netabare}の第8話{/netabare}。わりと早めにバカでかい“転”がやってきます。これ自分がこれまで観た中でもトップクラスの“転”の回です。テンポよく進んで詰め込まれた情報が一気に繋がる感じ。そしてまだまだ明かされない謎を残しつつ結末に期待をもたせる神回でした。
これまだ観てない人いましたらお薦めですよ。残り話数で上乗せしていき結末も納得できる終わり方。ほんと12話あっという間とはこのことだと思います。


以下、ネタバレ所感
■二度おいしい作品
完走してからもう一回リピートしたくなるのではないでしょうか?
{netabare}・「こっちは30年間見てる」(ニーノ第2話)
・第3話の成人祝賀パーティーって孫を一目見たかっただけなのね
・同じく第7話のケーキ屋さんお立ち寄りも孫とお話ししたかったのね
・りんごのケーキが最後出てきて泣きそうになった。ニーノぉ~(第8話){/netabare}
視点をジーンやロッタではない他の誰かに移して鑑賞すると見え方が変わります。

■クーデター騒ぎへの落とし前のつけ方
予想が当たった人も驚いた人も納得の終幕かもね
{netabare}我こそは正義!の推進力は強いものがあるものの、一番やらかすタイミングでもあります。路線がすでに出来上がっている中でのどんでん返し。痛快でした。{/netabare}


思えば、作品を彩ったスイーツ群もバラエティに富む各自治区の描写もサイドストーリーと思いきや、結末を迎えた後に振りかえると意味を持ったものが多くありました。
原作の出来が良いのでしょうか。予想の展開を心地よく裏切られながらハラハラドキドキ、良く練られた良作だったと私は思います。


■オマケ
アッカについてのあれやこれや。
{netabare}私事ですが趣味でイタリア語やってた時期がありました。ビジネスには全く役に立ちませんが、現地のトラットリアで意気投合しワインの一杯を奢られるくらいの実力があった時期があります。
でこのACCA。イタリア語で“H”の読みがアッカなんです。アルファベットで8番目。やけに気合の入った第8話を観了後、一人にやっとした次第です。スタッフの遊び心だったら素敵ですね。

それと、スペイン語やイタリア語などラテン語由来の言語ではHを発音しないものも多く、イタリア人は大の苦手。転じて“H”は取るに足らないもの、なくてもいいものといったニュアンスも。作中のACCAの置かれた立場を表してるかのようです。

最後にもう一つ。中田英寿というイタリアで活躍したサッカー選手がいました。愛称は『ヒデ』。現役の頃は『ナカ~タァ』で現地で通じたものですが、日本では何て呼ばれてんだで返した時に、彼らは『イデ』になっちゃってました(笑)
その彼の現地での情報発信のメルマガだったかがたしか『H(アッカ)』だったと思います。彼の性格からして、自分を取るに足らない者だなんて謙遜するはずもなく、「ちゃんと『ヒデ』って呼べや!」なんでしょうね、きっと。{/netabare}


{netabare}ムールのワイン蒸し(ベルギー)、チーズフォンデュ(スイス)、ドーワーのお城はドイツのあの有名なお城かしら?…といったヨーロッパの装いと、ハレ区は東洋、フラワウ区はアラブとさしずめ万国博覧会みたいなアニメでしたが、自分が抱いたイメージはなぜかイタリアでした。また行きたいな。{/netabare}



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視聴時期:2019年4月~6月 地上波再放送 


2019.06.18初稿
2019.12.09配点修正 +0.2

投稿 : 2024/11/23
♥ : 64
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

この作品は名作だ!!

原作未読。最終話まで視聴。

まず、本作未視聴の方のために・・・。

この作品は見るべき価値のある作品、『名作』に属する作品だと思います。
何よりも、物語が良い。
最後まで全く予想のつかない展開を見せてくれます。
この作品は尻上がりに物語が面白味を増していきますので、早々と切らないで下さいね!

ここからは視聴済みの方のために・・・。
{netabare}
重度のネタバレが含まれますので、未視聴の方は、本当に見ない方が良いかもです。m(__)m
この作品はネタバレしてしまうと、面白味が半減しますから!
{netabare}
初めは、少しスタイリッシュな作風が気に入って視聴開始。
毎回登場する食べ物(お菓子やパンとか)が美味しそうに見えて、本当に『飯テロ』アニメだなぁ・・・と。

途中からスパイ物か、推理物かと思いつつ視聴継続。

ところが、7話で一気に急展開!
8話まで見終わった正直な感想は、『あれ?もしかして名作の予感!』

8話まで見終わった時点で2巡目視聴。1巡目とは違う物語を見ているように感じた。
きっと、ジーン目線からニーノ目線に変わったせいだと思った。

{netabare}3話。国王とロッタのシーン。
7話。国王とジーンのシーン。

1巡目は何気ないシーンだと感じていたが、2巡目は全く違って見える。

国王の「ありがとう」に対するニーノの受け答え。
ニーノの声が震えている。
前髪で隠れていて表情は見えないが、ニーノは泣いているんだと思った。

8話。事故で両親を亡くしたジーンにニーノが声をかけるシーン。
自分だって同じ事故で父親を亡くしているのに、そんな素振りは全く見せずに自身の役割をキッチリと果たすニーノ。{/netabare}

このあたりから、ジーンの言動が違ってくる。

そして最終話。
{netabare}クーデターの意外な結末。そして、ニーノの上司の正体。
全てが私の予想とはかけ離れていた。
しかし、実は万人が一番納得の行く結論だったと思う。
実に見事なストーリー。
感服しました。{/netabare}
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 86

koaki さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

伏線の回収と決着が見事

原作未読

ドーワー王国の民間組織ACCAの監察官が
陰謀に巻き込まれていくミステリ

淡々とユックリ進みながら、張り巡らされた伏線を
少しずつ回収しながら最後のどんでん返しぃ~
いやぁ~お見事です。
ミステリのどんでん返し好きとしては、たまりません♪

キャラも立ってるし、まとめ方もいい。
そして、スイーツと食パン食パン食パン
パンが食べたくなりますってば(^◇^;)
あぁ~楽しかったぁ~

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

70.4 18 警察アニメランキング18位
機動警察パトレイバー 初期(OVA)

1988年4月25日
★★★★☆ 3.8 (171)
903人が棚に入れました
クリエイター集団「ヘッドギア」が送り出したOVAで、後に劇場版やTV版なども製作された人気シリーズの原点ともいうべき作品。近未来都市、東京。続発するレイバー犯罪に対抗すべく、警視庁は本庁警備部内に特殊車輌二課を設立し、これに対抗した。通称特車二課パトロール・レイバー中隊…パトレイバーの誕生である。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、二又一成、池水通洋、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、大林隆介、榊原良子

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

OVA業界の先駆者

一本1000万円で作れば採算が取れる。
これが初期パトレイバーのコンセプト。
以後OVAの黄金期の始まりです。
パイロット版にちかくまじめな話なのにコミカルな要素が強い。キャラもほんのすこし破天荒で方向性を模索している感じがする。
個人的に一番荒削りで好きかもしれない。
ストーリーは秀逸で初期シリーズだけでしっかりと収まりきっています。パロディを多様しているのですが・・言われなきゃきがつないようなネタばかり・・・・

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本当にパトレイバーが機動した瞬間

作品のタイトル通り、機動警察パトレイバー初期の作品。
この作品が好評だったことから、劇場版、TVシリーズへとメディアミックスを展開することになる。

この作品を見ると、当時、なぜ人気があったのか良くわかる気がする。
物語はパトレイバーというロボットの話なのだが、実際のところサスペンスものだ。

事件はいつも本格的なものだし、その事件にレイバーが使用されているだけで、動機や犯罪の手口などは本格サスペンスにも劣らない展開ばかりだ。

まぁ、中には動物実験で巨大な生命を作り出すみたいな、ゴジラやウルトラマンでやっててくれと言いたくなる物語もあった。だが、それも良いと思える程内容は洗練されていた。

一つ不満を言えば、時間が約20分と短いだけあって、事件のその後をまったく説明しないのが違和感を与えた。
例えば、政府にテロを起こした陸上自衛隊の話にしても、その後の対応や南雲しのぶに対する処分に一切触れていない。

これでは毎回犯人だけ捕まえて、適当に同情をさせるようなセリフを犯人の口から吐かせる「名探偵コナン」や「相棒」シリーズの方がましと思えてしまう。

といっても、作画、音楽、個性溢れるキャラクター、そして凝った事件内容のパトレイバーの方が総合的には100万倍良いと私は思うが。

全7話と話も短い。これだけでも単独した作品として楽しめるだろう。
傑作と名高い劇場版パトレイバーを見る前にキャラや作風を知るためにも良いかもしれない。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

惹きつけられる

パトレイバーの名前は散々過去に聞いてきたのですが、正直なところ警察ものみたいなものはあまり好きではなく、見なければと思いつつもなんとなく避けてきました。
実際に見たところ、これは面白い^^;
噂通りどころか噂以上でしたね。
ロボットバトルより人間ドラマの方に力を入れており、巻き起こる事件も突拍子もないものではなく、あり得るかもしれないものをしっかりと取り扱っています。
考えさせられるものもあります。
とにかく見ていて思ったのは、力の入った良い作品だなということですね。
見るべき作品の一つだと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

59.9 19 警察アニメランキング19位
逮捕しちゃうぞ フルスロットル(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (65)
446人が棚に入れました
理性的でメカに強い“小早川美幸”とアクティブで豪快な“辻本夏実”の女性警察官コンビが、さまざまな事件を解決していく。
前作「逮捕しちゃうぞ SECOND SEASON」でコンビを解消した2人が、再びコンビを結成する。成長した2人がどんな活躍をするのか…。

声優・キャラクター
玉川砂記子、平松晶子、小桜エツコ、松本梨香、島田敏

負け猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自衛隊員の夏実さんに違和感がない

三期ですよ!三期\(^^)/当時はちょーうれしかったなー

三期というわけなんですが、一期二期の流れをある程度含むモノの、
色々な設定が大幅変更されています。
なので一期二期と続けて視聴されていた方は
ちょっと戸惑う作品になっているかもしれません.
(なかった事になってるキャラなどいたり・・・)

それ以外に関してはむしろパワーUPして帰ってきたという感じですねー^^

またキャラデザも結構変更しており、
わりと最近向けな絵柄+シリアス調になっている
(夏実さんと美幸さんがすごい美人+かわいくなってます)

第一話では、夏実さんが自衛隊員として
訓練しているのですが馴染みっぷりが半端ないですww
黒っぽいタンクトップに軍用ズボン似合いすぎです^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 0

86.3 20 警察アニメランキング20位
東京喰種(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (2778)
15679人が棚に入れました
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人・喰種が蔓延る東京。ある青年「カネキ」は喰種に襲われ瀕死となるが、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる―――・

監督に本年度米アカデミー賞ノミネートの森田修平を迎え、前代未聞のスタッフ陣によって彩られる「東京喰種」の新たな世界に乞うご期待!

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、小西克幸、中村悠一、豊永利行、浅沼晋太郎、櫻井孝宏、伊藤健太郎、梶裕貴、浪川大輔、速水奨、立花慎之介、津田健次郎、土井美加、仲野裕、釘宮理恵
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おし…え…てよ おしぃえ…てよ…、この…魅力を…。。。

2014年7月放送。
全12話。


【前置き】

ヤングジャンプで連載されている人気漫画のアニメ化ということで、放送前から話題になっていた作品でしたね。
原作未読の私としては、知名度の高い人気漫画なだけに差異の生じかねないうメディアミックスから入ることに少々躊躇いはあったものの、
「アニメだし、実写よりはキッチリ原作再現してくれるでしょ!」
という淡い期待の元、視聴しました。

さて、結果としてこの選択は正しかったのでしょうか…。
おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…。



【あらすじ】

人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人『喰種(グール)』が蔓延る東京。

平凡な大学生『金木 研(かねき けん)』は、好意を寄せていた少女『リゼ』との初デートで、彼女が喰種であることを知ります。
襲われ瀕死の重傷を負った金木ですが、直後にリゼが鉄骨落下事故に巻き込まれ即死状態となるのでした。

病院に搬送された後、医師の判断で金木に喰種であるリゼの臓器を移植したことで、彼は『半喰種』となってしまいます。
それ以来、金木の人間と喰種との間で揺れ動く苦悩と恐怖に満ちた日々が始まります…。


※※※
『カニバリズム(食肉の風習)』を表現する作品は、どうしても内容を説明するに辺り視覚的なグロテスク描写を含みます。
こちらに関しては、ホント人それぞれの許容量の問題なので、見る前に御自身で御判断下さい。



【語ってみる】
{netabare}
まず、見る前と見た後では内容のギャップに驚きましたね。
『半喰種』という主人公の立ち位置も魅力的でしたが、喰種の持つ「赫子(かぐね)」と呼ばれる背中から出る捕食器官に関しては、異能バトルをする上での特殊能力そのものに思えましたので。
しっかり、ヤングジャンプの層をとらえた、バトルを想定した作品だったわけですね。
徹底的に人を喰う葛藤を重厚に描き抜いてくれるのかと思っていたので、そこは少~し残念な気もしましたが…、まぁ売れないよねそれじゃ…。


まず第一話での、その衝撃的展開を彩る作画の気合いの入りようには驚きましたね。
中盤のバトルは、前半と終盤に比べると少し息切れした感もありましたが、それでも常に一定以上のクオリティーを維持したように思います。
ただ、その内容からTV放送にあたっては黒塗りで表現された部分が圧倒的に多く、内容ありきのグロが魅力の一つであろう本作にとっては、残念で仕方ありませんでしたね。
絶妙な隠し具合で、何がどうなっているかは理解出来ない程ではないので、話についていけなくなることはありませんでしたが。

演出面において記憶に残ったのは、オープニング曲「unravel」の絶妙なかかり具合でしたね。
第1話の終わり、そして最終話での終わりでもそうでしたが、あの「おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…」から始まる歌詞は勿論、凛として時雨ボーカルのか細い声色の演出が、作中の金木君の内心と非常にマッチングしており、まさに主題歌と呼ぶに相応しい曲だったのではないでしょうか。
曲としてはエンディング曲の「聖者たち」の方が好きですが、アニメ版「東京喰種トーキョーグール」と言えば、この「unravel」ナシでは語れないとさえ思いました。



ただ、そのストーリー展開としては、まさに目まぐるしいと表現するのが一番正しかったように思います。
原作ファンの方は特に声を大にして訴えていたようでしたが、原作の丁寧な感情描写をスッパ抜いて展開が早過ぎるといった具合だったようで…。

原作未読の私からすると、毎回衝撃的な展開が続きヒキも非常に上手いので、毎週見たくはなりました。
ですが、最終話まで見て結果的に面白かったかと問われると、少し疑問が残ります。
なんというか、キャラクターを好きになるタイミングが掴みづらかったといった感じでしょうか…。

本作に限っては、原作漫画を先に見た方が良かったのもしれませんね…。
だとするとアニメ版の本作に、更に不満を言いたくなったのかもしれませんが…。
ストーリーとしては、ある程度魅力的なのは自分の中では間違いなく、それぞれのキャラクターの葛藤も片手間では見れない吸引力がありましたので、いつかゆっくり原作を熟読したいと思います。


人物の葛藤の中でも、とりわけ記憶に焼きついたのは、喰種でありながら平和に暮らしていた母娘

『笛口(ふえぐち) リョーコ』(←美人)と『笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)』(←可愛い)

でしたね。
いや…決して双方見映えが良いからとか、そういう邪な気持ちが働いたワケではなく…。

喰種だからと言って、誰もが好きで人を襲って食しているわけじゃないんですね…。
ただ…人間の言う美味しいものを食べても、全く喉を通らない…、吐き出してしまう…。
そういう風に生まれてしまったばっかりに人目を避けなければならず、娘(←可愛い)を小学校にも行かせてやれない母親(←美人)の気持ち。
何も悪いことをしていないその彼女達(←美人母娘)は、人間が組織した喰種対策局により、一方的な制裁を受けることになります。

社会としては喰種は全員駆逐すべきという考えが一般的なようですが、それでもそういった喰種もいるのだと世論が学んだ時、この社会が考えを改める機会がくると良いですね。
決して邪な気持ちによる同情とかではなく。

作中でも、人間と喰種の対比の表現として、ヒロインの『霧嶋 董香(きりしま とうか)』がこう言う場面がありました。

『ねぇ、ケーキっと本当はどんな味なの?

 吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、アレ…人間は美味しそうに食べるじゃない。』

「自分がもしそうなってしまったらどうする?」という問題提起を孕んだ本作。
この状況で主人公のように、目の前にある食肉に手を伸ばす自分を律せられるような『人を見失わない人』は、果たしてどれくらいいるのでしょうか…。
平和に暮らしても殺されるかもしれない、この世界で………。



作中で金木は、「あんていく」と呼ばれる初老の喰種が営む喫茶店に身をおき、以降生活をしていきます。
自殺者等を回収し、比較的罪を犯さず食肉を得られる環境を整えた本店は、この区での喰種の生活の支えとなっていたんですね。
当初は「自殺者の数だけで何人も十分に養えるの?」なんて考えておりましたが、日本の自殺者数や行方不明者数を換算して都心部の人口で割り当てた場合、結構まかり通る数なのだそうで…。
日本コワイ…。

金木はそこで、臓器を移植した大喰いの喰種『リゼ』の片鱗を見せながらも、喰種として少しずつ生活に馴染みをみせ始めるのですが…。
喰種対策局や別の区の喰種が、その生活を脅かします。

そして最終話、カタの外れた喰種による度重なる拷問で、『人を見失わない人』であった金木も、遂に『リゼ』の心に耳を傾けるのです。


『間違っているのは僕じゃない、

 間違っているのは…、この世界だ!』


『それでいいのよ金木君…、生きるというのは他者を喰らうこと…。』


ここから白髮と化した金木が魅せた、これまたカタの外れた…というより足首の骨を外した圧倒的な戦闘能力は、気合十分の作画も含めて物語のターニングポイントに感じ惹きつけられましたね。
そこから何の後日談も予告も無く終わってしまうのもこれまた衝撃的でしたが、まぁ…2期はしてくれるでしょうし、ゆっくり通知を待とうと思います。
{/netabare}



【人を喰ったような発言を繰り返す、美食家月山の魅力】
{netabare}
さて、急速な場面展開からも今ひとつ心象に欠けるキャラクターが多い中、それでもやはり異彩を放つ奴が一人。
それが、喰種対策局から「美食家(グルメ)」と呼称される『月山 習(つきやま しゅう)』でしたね。
はぁ…どーしてまたこういうキャラ好きになっちゃうかなぁ…。。。
でも、原作者の石田スイ先生も彼がお気に入りだとか…。
ですよねぇ、キャラの当て方に愛が感じられますもの。

はてさて、そんな月山という男。
見た感じはモデルを思わせる端正な顔立ちで、言葉の節々に英語や音楽用語を用い艶めかしく話すキャラクターです。
呼称としては他にも「20区の厄介モン」「気持ち悪いキザ野郎」「(ストレートに)変態」等多数。
うん、やっぱり愛を感じます。(愛の表し方は、人それぞれです。)


実際、彼は金木君に共通の話題である本を用いて近付くのですが、その本心はまさに彼を食すことであり、彼の血が付いたハンカチーフを鼻に擦りつけて


『柔らかな甘みと、芳醇なハーモニー。

 ああああああぁぁぁ、新しいごちそうの発見はっ!

 人の幸福にとって、星の発見以上のものだ!!!』


と迷言を吐き散らす、まさに変態野郎でしたね。
声を担当された「宮野真守さん」はまさにハマリ役で、「DEATH NOTEの夜神月」等の冷静沈着タイプから「STEINS;GATEの鳳凰院 凶真」といった厨二病キャラまで突き抜けてこなせる宮野さんだからこそ、存分に魅力を見出せたように感じました。


第5話で月山は、金木君をどうやって食べようかと試行錯誤した末、

『金木くぅんンがっ!! 食べながら

 金木くぅんうおっ!! 食べたい!!!』

という奇想天外な発想に辿り着き、人質をとって彼に迫ります。
ここで金木君から「変態」発言が飛び出るのですが、彼は侵害だと返しながらも「そうさせたのは君なのだから責任をとれ」と責任転嫁する天晴ぶり。
中の人繋がりで言うと、まさに「駄目だこいつ…、早くなんとかしないと…」状態でしたね。

ただ、実際に董香が割って入り彼を制止するも、「美食家」を名乗るだけあって良い物ばかりを食してきた月山は、食事が戦闘能力に直結する喰種の中でも、抜群の実力を持っていました。
そこで奇策として、董香が金木を食すことになるのですが、それを見た月山の

『僕のだぞっっ!!!』

発言には、シリアスな場面展開にもかかわらず笑ってしまいましたよ。
きっとそういう方も多いのではないでしょうか。


そんな彼も、金木くんが攫われた終盤では、

『アモーレ!! heartbreak…。

 無二の友人である金木君が…、ワケの分からない連中の手によって危険な目にあってるなんて…

 No kidding!!』

と言い放ち、「あんていく」と共に、彼を助けに?向かいます。
この月山が本作において、こういう味方とも敵とも呼べない立ち位置のキャラになったわけですね、にくい構成でした。
彼の言動を全て「お前が言うな!」で収めてしまうのは簡単ですが、皆さんもどうか彼を温かい目で見て愛でてみませんか?


そうそう、少し余談となりますが。
TV放送のCMを飛ばさない方はご存知かと思いますが、金木君と月山が行なうBlu-rayの販促CMは面白かったですね。

金木「月山さん、イベント抽選券付きBlu-rayが発売ですよ!」

月山「チュレェヴィアアアアァン!!

   イベントと言うことは、皆に祝福されながら、僕達が一緒になる日が遂にやってくるんだね!!?」

金木「人を喰ったような発言はやめて下さい…。」

最期の金木君の冷静なツッコミが良いですね。
これが聴きたくてCMは毎回飛ばしませんでしたよ、私は。
{/netabare}



【総評】

作品として魅力に感じる部分は大いにありましたが、その原作をアニメで100%活かしきれなかったように感じます。
原作未読の私から見ても、全12話で表現しようとするシナリオ構成の幅に、若干無理が掛かったように見受けられました。

それでも、内容として手を抜いた作品では決して無く、演出面にも秀でておりグイグイ見させるだけの吸引力はしっかり兼ね備えておりました。
全般的にシリアスな内容ではありますが、その分Cパートで小ネタを挟み楽しませてくれますしね。
次に見る機会があれは、ちょっと恐いですが黒塗りが無い完全版で是非見たいですね。

2期はやるのか…いつになるのか…。
今現在まだ噂の粋を出た情報はありませんが、どうせなら熱が冷めない内に放送してほしいですね。
展開が早かった分、視聴者の熱が冷めるのも早い気がしますし。

その時は、また作中にハマったを主題歌だと尚嬉しいですね。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月山 習』声 - 宮野真守さん

◇一番可愛いキャラクター◇
『笛口 雛実』声 - 諸星すみれさん



以下、カニバリズム(食肉文化)について。
(途中から妄想に突入してしまったので、〆ます。)
{netabare}

ちなみに私は恥ずかしながら、正直なところまだ一度もカニバリズムを体験したことがありません。
偏見を持たず多種多様な食文化に触れることは、人生観を広げる意味でも重要だと私は感じておりますので、ここは偏食なぞせずに、いつか体験しなければいけないなと考えております。

しかし、現代の日本において、そんな「ハンニバル•レクター」みたいな真似が出来る状況は早々ありません。
やはりここでも、『東京喰種トーキョーグール』の世界に妄想を抱くことで、脳内体験するのが社会人として果たすべき選択となるでしょう。


まぁ…どーせ喰べるなら、私好みの『チュレェヴィアアアアァン!!』な人間を捜すことにしましょう。

おっ、かなり好みの人間を発見!!
早速、声をかけてみましょう。


「あっ、お嬢ちゃん可愛いねぇ。

 ヒナミちゃんって言うんだぁ…。

 うんうん、髪型が(私好みな)ショートカットで似合うねぇ。(グヘヘ)

 へぇ、字のお勉強してるんだ、偉いなぁ。

 それならお兄さんが、こっちで詳しく教えてあげるよ。

 さぁ、おいでおいで!!(ゴクリ)」



……さて、数分後。
細切れになった私は、彼女の胃の中にいたワケですが…。

こんな可愛い美少女になら、喰われる側というのもまた乙なものでした。

でも、ちゃんと「ごちそうさま」って言おうね、ヒナミちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 61
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

リゼと接触したことによって、
金木くんがかわいそうな目に・・・(´・ω・`)

■第1話~第2話
{netabare}
金木くんの発狂ブリが見どころの一つではありますが、
やっぱり一番の見どころは、リゼ役のハナザーさんですね!^^

1話目で金木くんをハニートラップにかけた
誘惑っぷり。そして2話目で永近を食べるようにそそのかしたり。
ハナザーさんがいい意味で壊れております(笑)

1話目の途中までは、ハナザーさんだとは気付かなかったです。
「となりの関くん」の横井さんがダークサイドに
落ちたみたいな感じ^^

これからますます壊れていくといいですね♪
{/netabare}

■第3話
{netabare}
今回はハナザーさん出番なしでした。。。
物語もあまり進まず、水面下で動いている感じです。
次回から動くかな??
{/netabare}

■第4話
{netabare}
今回はザ・宮野劇場って感じでした!
トイレでくんかくんかしているシーンはもう爆笑でした^^

ハナザーさんは30秒くらいの出番でしたが、
Sっ気たっぷりの見事な演技でした♪
{/netabare}

■第8話
{netabare}
久しぶりのハナザーさんでテンションあがります♪

そして残念ながら真戸さんはこれにてご退場です。
良いキャラしてたのに残念ですね^^;

あの指輪は、薫香ちゃんと何か因縁が??
{/netabare}

■第12話
{netabare}
中途半端なところで終わってしまいました。。。
原作読みましたが、確かにどこでアニメ終わらすか
は悩みどころですよね~
2期はあるんでしょうか??^^
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 94
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ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

2018.08.17記


原作既読。いや、アニメ観てから原作揃えた人。
もともと職場の子から原作を薦められてたんだけど、その時スルーしてたのを後悔するはめに・・・


マンガはけっこうな売れ行きで、アニメも海外含め評価が高く、そのあと実写化までした大ヒット作です。
なにせ人を喰うおどろおどろしいバケモノの話なので、実写映画版では出演女優さんの一人が良心の呵責を覚えてなのか出家してしまうという騒ぎを起こしたほどです。
タイトルだけ見たら、人間視点でバケモノとの闘いを描いたバトルものか、グロ主体のホラーみたいなのを想像しがちです。そう、頑張れ人間!

 嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

はいこれミスリードです。
ん?みんなもう知ってるって?

スプラッタホラーか超絶バトルものはちょっと、、、という先入観で本作を避けてしまうのはもったいないと思われ、むしろその先入観、この際棄ててもらってかまいません。

人間と喰種を分かつもの、それはたまたま人しか喰えない種族としてこの世に生を受けたか?そうではないか? 細かいところを除けば一点それだけ、この作品の基本設定です。

時には人間、時には喰種側の視点で
何が正しくて、何が間違っていて
勝利も敗北もないまま 孤独なレースは続いていきます

{netabare}8話戦闘シーンでの言葉の応酬に端的に表れてます。

亜門VS金木戦での亜門
『罪のない人々を平気で殺め…己の欲望のまま喰らう』『親を殺された子供たち…残された者の悲しみ…孤独…』『貴様はそれを考えた事があるか?』

真戸VS董香戦での董香
『訳もなく命を狙われる恐怖 あんたにわかる?』『大切な人が虫けらのように殺される あんたにこの気持ちわかる?』{/netabare}

単純に視点をどちらか一方のサイドに寄せて、というわけではない極めてドラマ性の高い作品といってよいでしょう。グロやバトルは作品を飾る要素として欠かせませんが、メインはあくまで人間?ドラマです。


そして人間でも喰種でも多少の個体差はあれ自分サイドの視点しか持ち合わせてません。
そこに{netabare}「もとは人間、今は半分人間半分喰種の」{/netabare}主人公金木研くんがどう割って入っていくかが作品の見どころとなってます。

{netabare}『自分の意思と無関係に、自身の体に改造がなされる。』
このへんは初代仮面ライダーみたいです。世の少年少女たちが心躍らせる伝統芸と言えるでしょう。
昭和の本郷猛はいかついあんちゃんでしたが、平成の金木研はナイーヴ優男である、というのも時代の流れでしょうか。{/netabare}


OP『unravel』は物語にドはまりしてる秀曲です。ムービー含めてインパクトがあり、カラオケのアニソンランクでも上位に食い込んでます。ただし、これ原キーで歌いきれる人っているんだろうか??
OPに隠れてますが、EDもクールダウンにちょうど良い曲です。ED後の巻末4コマ的なショートアニメもほっこりできますよ。


キャラは喰種も人間も多士多彩で登場人物多めです。
1期1クール12話で全員掘り下げきれるわけにもいきません。2期待ちか必要最低限か、私は掘り下げ不足を理由に感情移入できないといったことはありませんでした。

声優さんもキャラの多さに合わせて人数多めです。回によってはEDクレジットで3カット分使うほど用意してました。そして無駄に豪華です(褒め言葉)。
{netabare}
※印象深い演者さん
■金木研:花江夏樹
悲鳴に近い絶叫を担当するのに適任でした。梶さん(今回はアヤトの役)の絶叫も捨てがたいがよりナイーヴな感じを出すには花江さんじゃなきゃ無理かな。
■ウタ;櫻井孝宏、月山習:宮野真守
ハマってることはハマってるんだけど逆も見てみたい。
■エト:坂本真綾
ただ私が好きなだけです。
■真戸呉緒:大川透
マジキチぶりが伝わる好演。 病気からの復帰おめでとうございます。(2018年8月現在)
■鈴屋什造:釘宮理恵
意外な組み合わせ。什造を女性声優でというのはすごいアリ。什造の「見た目は青年中身は子供」感がよく出てました。
{/netabare}


※以下ネタバレタグは本当にネタバレ

引き込み充分な第一話。
{netabare}リゼを媒介におどろおどろしい喰種をまずは視聴者に印象づけます。そうですよね、人を喰うんですから我々人類の敵ですよ。
それで喰種の生態やら人間と喰種の関係性など適度にレクチャーが入るので初見殺しにはならない設計。Bパートからは半喰種になってしまったカネキ君の苦悩です。そしてクール通じてカネキ君は悩みに悩みます。{/netabare}
第二話アバンで物語のコア部分に触れるので、ノリが合わなさそうなら撤退を視野に入れてOK!
{netabare}
金木「僕は人間だ。お前らバケモンとは違うんだ。」
董香「どう?あたしがバケモノならあんたはなんなんだよ?」
金木「お願いします。教えてください。僕はどうしたらいいんですか?あの日から全てが最悪なんです。」
董香「最悪か?あたしだって教えてほしいよ。」
  「ねぇ?ケーキって本当はどんな味なの?吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、あれ、人間がおいしそうに食べるじゃない?」
  「平和な生活はどうだった?CCGやグールに怯える必要のない日々は?
全てが最悪?ざけんなよ!」
  「だったらあたしは生まれた時から最悪ってわけ?なああんた!教えろよぉぉぉ!!」

・・・からの『おっしぃえってよっ』unravelインですからねぇ。カッコよすぎです。
{/netabare}
序盤に世界観の提示がなされるので、そこに抵抗がないなら最終話までいけるでしょう。無駄回無かったと思いますよ。1期の区切りもあの箇所までだったら納得です。


グロですか?

カレー食べながら観ることができましたので平気です。
そのへんは所詮アニメーションということで実物の映像とは違いますし、規制も効いてることから血しぶき+α程度のグロです。
{netabare}ただし画よりも音が嫌だということはあると思います。11話12話の拷問シーンでの悲鳴絶叫はきつい人にはきついでしょう。画はそうでもありません。{/netabare}
受け入れる視聴者側も、進撃の巨人あたりがこのへん切り拓いてくれたおかげで、出来上がった土台に乗りやすかったかもしれません。


さてさて金木くんは葛藤の末、どういった結論を出していくんでしょうか?

 しあ○せはいつも じぶんのこ○ろがきめる

最後に一つの結論を出します。共感するもしないもそういう物語なのでね。


続きは2期で!



-----
2019.06.28追記
《配点を修正》


視聴時期:2017年11月

シリーズは2018年秋クールまでの全48話をもって完結しました。
金木くんやトーカちゃんをはじめ、1期ではまだ子供っぽさの残る登場人物らが次第に深みを増していきます。
残念なことにあにこれでは期を重ねるごとに評価を落としていきましたが、私は好きですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 36

70.6 21 警察アニメランキング21位
妄想代理人(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (802)
4196人が棚に入れました
『妄想代理人』(もうそうだいりにん)は、マッドハウス製作の今敏監督によるアニメ作品。
疲れた現代社会を癒す人気キャラクター「マロミ」をデザインした鷺月子は、ある夜、通り魔少年バットに襲われた。
突如世間に現れた少年バットは次々と人々を襲いはじめ、市井の人々を恐怖へと陥れていく。しかし、幾人も被害者が出、多くの目撃者がいるにも関わらず、少年バットは一向に捕まりそうになかった。刑事猪狩慶一と馬庭光弘は捜査を進める中、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着くのだが…。


声優・キャラクター
能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦、槐柳二、京田尚子、内海賢二、陶山章央、山口眞弓、中嶋聡彦、水樹奈々、藤原啓治、三石琴乃、津村まこと、郷里大輔

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

少年バット

『パーフェクトブルー』『東京ゴットファーザーズ』と世界的に高い評価を受けた今は亡き、今 敏監督の初のTVシリーズ、ということで、妄想代理人
ゾクゾクする面白さがありました、全13話の1クール
これは見てよかったです
電波なストーリーの中に今敏監督の哲学的な思想が粘着してる、ポストモダンなアニメとでもいうのかな
トリッキーな内容で大人向け、難解で台詞が深いです

見る人それぞれに違う印象を与えるストーリー
この作品自体が劇中劇であるっていう見解が強いです
自分もいろいろ考えてみて、自分なりの答えを見つけたのですが、それも数あるうちの一つのポイント
答え合わせとはちょっと違うのですが、監督による、この作品の解説、制作秘話なんかが書かれてる「妄想」の産物ってサイトがあるので、照らし合わせてみるのもまた面白いですよ

作画は、本気のマッドハウスという風評通り、その世代にしてはかなり安定してます
おっとキャラデザを責めるのは堪忍ですよ
そういう作品なんです
萌えとまでは流石にいかないにしても、それでも声優の演技に助けられてたましたね、ツッキーの可愛さとか

OP「夢の島思念公園」
私は平沢進だぞ平沢唯じゃないの人dtkr
超怪電波ソング、初聞の人は、たぶん怖いと思うんじゃないかな?
このOP映像の構想なんかは、四畳半神話体系に受け継がれてますね、結構好きです
EDも計り知れない面白さと恐さがありまして、完全にラ㍑

声優は総じて豪華
マロミにモモーイこと桃井はるこを持ってきたのはイミフですが
能登可愛いよ能登
飯塚昭三関俊彦三石琴乃田中敦子内海賢二京田尚子槐柳二
他方、少年バットは声いらなかったかななんて思います

印象に残るキャラクターを次々と生み出す
ありふれているようで、そうでない
思い返してみると、いやぁ褒め言葉の常套句しか思いつかない
刑事二人組みとか好きよん


すごいもん見たなぁっていう高揚感があります
こんなすごいものがアニメの中にあるんだなぁって
これだけのものを表現できるアニメという媒体、あぁ良きかな良きかな

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

浦沢直樹の原作に押井守の感性が混ざったかんじ。

世界の多くの映像作家が惚れ込んだ今敏のTVアニメシリーズ。ご存命であれば湯浅政明さんより世界的に影響力のある映像作家だったと思う。

まず、浦沢直樹の原作漫画のようなサスペンスの作り込みがうまい。現代社会の闇を臆さず描き、売春問題、貧困問題、いじめ差別問題などなど。。日本社会で見て見ぬふりをしている問題に正面から切り込んでいる。

まるでデビットリンチのツインピークスのような複雑なプロットであり、全体の構成として意識はしていると思う。

あとは押井守やペンギンハイウェイの石田祐康のようなシュールレアリズム絵画への傾倒という感じで、やたらと引用が多い。これは劇場映画「パプリカ」や「千年女優」も同じである。

非常に知的な作品だが、押井さんほど暗く難解な表現はなく、石田さんよりあっけらかんとしていない、本当に作品の骨太さで言ったら右に出る人はいなかっただろう。若くして亡くなられて本当に残念な損失だったと思う。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 33

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

逃避願望が生み出した妄想

2004年に放送された今敏監督の初めてのテレビアニメ。(全13話)
『パーフェクトブルー』『パプリカ』などで
人間の二面性や心の奥底に眠る劣等感、希望と現実、
それとは裏腹な複雑な想いなど描いてきた今監督だが、
このTVアニメ作品は、これまでのテーマに娯楽的要素も踏まえながら
さらにわかりやすく表現していたなと思う。

マスコットキャラクターデザイナーの主人公・鷺月子が、
ある夜、怪我をして病院へ運ばれ、事情聴取した刑事に
「ローラーブレードを履き、金属バットを持った少年に襲われた」
と伝えるところから物語が展開していく。

その後、次々と被害者を出し、人々を恐怖へと陥れていくのだが、
目撃者がいるにも関わらず、少年バットはなかなか捕まらない。
捜査を進めていた刑事・猪狩慶一と馬庭光弘は
被害者たちの持つ共通項に辿り着くのだが・・・というお話。
で、この共通項に辿り着いてからのほうが長い話になっていく。

がしかし、これは単なる犯人探しのストーリーではないところが面白い。
人は誰でも、自分を追い詰めるような事情を背負っていたりするし
どんなに苦しくても逃げずに現実を受け入れ、乗り越えることができれば、
あまり揺らぐことなく生きていけるのものなのかもしれない。
観終えて、そんなことをふと思ったりした。

自分を追い詰めていくのは自分なのに、誰かのせいにしたがる心理。
噂が噂を育て、噂からくる人の想像力が巨大なデマを育んでしまうという現象。
また、一見事件には無関係に見えるアニメ制作の現場でも実は、1人1人が
それぞれのスケジュールと責任において、追い詰められていくって様子を
コミカルさを交えつつ、アニメの中でアニメ制作現場をアニメで見せるという
半ば自虐的な見せ方には思わず唸ってしまった。
そのほか、ネットを通じて集まった自殺志願者の逃避願望をバット事件の
被害者達の追い詰められ方と対比させていたのもなかなかだった。

そして、猪狩刑事の妻の言葉や猪狩刑事自身の言葉、すごく納得できた。

心理描写や社会現象に関しては、怖いほどにリアル。
だけど、例えばアニメやキャラクターに癒されることは、
決して現実逃避だけではないと思うし、そのすべてが偽りの救済とは
言い切れないとも思う。

とりあえず、追い詰められない人間、悩みのない人間なんて
きっと誰ひとりいないはずだから
スポーツで汗を流すのと同じように、または少しの昼寝をするように、
自分の居場所に逃げ込むことは、決して悪いことばかりとも思えない。

たとえ世の中が間違っていようと、自分が正しくあれば生きていける。
噂を創り出すことなく、噂を鵜呑みにしてしまうこともなく、
自分自身の足で地面に立ってこそ、人間は強くいられるのだろうね。

テーマは暗い印象だったが、後味の良い作品だった。
今監督らしい、細かい部分へこだわった演出も健在だったし、
ノスタルジーに浸れる懐かしい風景にも出逢うことができた。
本当はまだ拾いきれていない謎もあるかもだが、
そのあたりは宿題として、今は亡き今監督を偲びつつ、
また機会があったらぜひ観直してみたい。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 61

76.5 22 警察アニメランキング22位
アクダマドライブ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (366)
1256人が棚に入れました
遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。その犯罪者を“アクダマ"と呼ぶ――。 本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。その中で、アクダマたちはいかにして自分らしくあろうとするのか。一堂に会したアクダマたちの美学がぶつかり合う。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、梅原裕一郎、武内駿輔、堀江瞬、緒方恵美、木村昴、櫻井孝宏、大塚明夫、花守ゆみり、榊原良子、内田真礼
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

浪花節な古事記

オリジナルアニメ 

“アクダマ”とは作中でいう犯罪者のこと。そう言えばいいのにしてないのはそういう世界だから。
その昔「カントウ」VS「カンサイ」で戦争勃発。カントウが新型爆弾を落として決着。焼け野原になったカンサイの復興を助けたりもしてカンサイ人はカントウに感謝するようになった、とのこと。

メタで馴染み深いものが仕込まれてそうですが、当該世界はオリジナリティあるんじゃないかしら。
2020秋スタート新作の中では第1話の引き込みがぶっちぎりで良かったのがこれ。構成がしっかりしてるとか心情描写が丁寧だとかいうのをいったん置いときまして

 {netabare}作った人の頭ン中を覗いてみたいぜ!{/netabare}

人間の想像力は際限ないなと実感できる“架空の世界”を堪能しちゃえばええじゃないかと思うのです。
“アクダマ”が疾走(ドライブ)する全12話。IF世界の近未来モノ。今年2020年でいえば『ドロヘドロ』と同じくどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。「1話観て合いそうかわかるよ」死体がゴロゴロ転がります。そこ本筋ではないもののそれ自体が嫌という方には撤退を推奨するくらいでしょうか。

【アクダマ's】
 詐欺師(CV黒沢ともよ)
 運び屋(CV梅原裕一郎)
 喧嘩屋(CV武内駿輔)
 ハッカー(CV堀江瞬)
 医者(CV緒方恵美)
 チンピラ(CV木村昴)
 殺人鬼(CV櫻井孝宏)

愚連隊は黒澤明の時代より七人と決まってるのかどうなのか。
その七人の通り名には当たり前だが意味がある。
そして通して観ると「進むべき道は自分の意志で決める」真っ当なメッセージも伝わってくる。
突拍子ない世界に私達が置き去りにされないのは基本的なお作法を心得ているのもあるやもです。

アニメに求めるものの一つは表現手段として実写ではしょぼくなると思しきものをいい意味で見せつけてもらうことだったりします。それを満たしてくれた良作ですね。

■むしろ…
『ダンガンロンパ』と比較される本作ですが、肝心のネタ元を知らない私です。
むしろ『PSYCHO-PASS』との既視感が強いかしら。アクダマ認定のオートマティックぶり。某執行官ばりに現場で処刑実行できる公務員の存在。そんな世の中に感じる居心地の悪さなんてのもそうです。
{netabare}さらにサイコな殺人鬼役に櫻井孝宏さん。ダメ押しで公機関の女ボス格に榊原良子さん。榊原さんがどーんと鎮座してると悪の組織風味が何倍か増しますよね。{/netabare}



※妄想劇場

■大大阪(だいおおさか)の衰退

大正末期~昭和初期。大阪が東京を凌駕していた時代を指してこう言う。何年か前に通天閣で大大阪展やっててそれで知ってました。約100年前の大阪イケイケどんどんぶりは白眉ものでしたよ。
そして現在…ってことになるわけでして結果は東京への一極集中。いろいろ理由はあるんでしょうが

{netabare}東海道新幹線開通{/netabare}

{netabare}東名高速道路その他インフラ投資が高度成長を後押ししました。導かれるはリアルでの大阪の没落そしてアニメでシンカンセンの神格化。なんとも皮肉が利いてます。
またこれ“財政健全化”“国民の借金いくら”“角栄の頃と違い公共工事に効果はない”と捉えてる層にとっては、公共工事アクダマ論に乗っかり「そんなのを神聖化するなんて…プークスクス」とさらにマウント取れることでしょう。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

蛇足で劇団☆新感線も出自が大阪芸術大学だったりするのもなにかの意図を感じます(しません)。


■暗喩なのか妄想なのか

大阪を好きなのか嫌いなのかよくわかりませんが、無関心ではいられないというのは伝わってきます。
く○るのたこ焼きが500円と現在より安価。デフレーションでも起きているのでしょうか。

{netabare}ハンコも消えてない(笑) このハンコで一元化って仕掛けは面白かったですね。きっと文化と認められての発展形をアニメで描いたのでしょう。そんな発展形ハンコのもたらす災厄を描いてたこともあって、マイナンバーみたいに“国民総背番号制”一元管理どうかと思う層には「ほら見たことか」とウケが良かったかもしれない。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

作品チュートリアルなウサギくんとサメくんの寸劇は有難かったですね。ウサギとサメの組み合わせで
{netabare}真っ先に思いつくのは“因幡の白うさぎ”だったりします。文章上のワニ=サメと解釈するのが一般的。その寓話の教訓とは?

1.思いやりの心をもっていると、幸せな結末が待っている
2.余計な振る舞いは災いを招く

といったところでしょうか。本作の展開結果に通ずるものがあります。{/netabare}


とここまでの垂れ流しをご容赦をば。
カンサイという近未来大阪風味な街で繰り広げられる大騒動。やや陰惨でディストピアな世界だからこそ他人様の優しさが沁みる。地でいく娘主人公の立ち居振る舞いに心打たれます。

 思いやりの心をもって迎える結末は幸せなのか不幸なのか?
 余計な振る舞いが招いたのは災いなのか未来への光なのか?

各々で捉えようのある結末も好感度高し。

 馬鹿な出会いが利口に化けて よせばいいのになんとやら

人生どう転ぶかわかんないもんですよね。


{netabare}結局のところ“医者”の年齢は不明のまま。おいくつだったのだろう?{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.30 初稿
2021.09.25 タイトル修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 50
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

エンターテインメントとしては一級品と評価。

一気見した。
過去に映画作品等で似たような作品は確かにあったと思う、しかし、この作品はこの作品として力のある作品と評価。

メインどころとして活躍するキャラクターはそれぞれ、大きな罪を背負った人物たち、所謂アクダマである。
ただ、この割り切りが正解かどうかはわからないが、この作品の中ではそれぞれのキャラクターにハクがついている程度の意味しかない。要はキャラクターの個性を紹介するラベルでしかないという事だ。
確かに過去エピソード紹介等でやったことを事細かに紹介されたりしたら、見方は変わるかもしれないけど。

とにかく、それぞれの特色を持ったプロ(スキルは一般社会では受け入れられないものだけど)が依頼された仕事をプロとして貫徹すると・・・。
そして対立する側もプロとしてアクダマを駆逐しようとする・・・(最終的にはいろいろとゆがみが生じるけどね)。

安易に言えないけど、善悪を横に置いてしまう作品だと思う。
こういう作品は大きな魅力を持つか、圧倒的に受け入れられないかのどちらかになりそうな昨今だけど、私的には「エンターテインメントとして」楽しみたいと思うし、楽しめた。

物語の設定は非常にユニーク。
カットインでウサギとサメが解説してくれているので理解も早い。
あらすじ的なことはいちいち説明するつもりはないのだけれども、設定も作画の雰囲気も強烈な個性を持っているし、世界観もしっかりしている。
それぞれのキーとなるガジェットも個性的で素晴らしい発想だと思う。
物語の流れについても、細かいツッコミをさせないだけの力があると思う。

それにしても、各キャラクターがクセがあって面白い。
前述したように、この手の作品と言うのは洋画で数は少ないが似たものを見たことがあるし、キャラもサンプル数は少ないもののテンプレ的ではあると思う、しかし、それをそう思わせない力があるのだ、
キャラ絵自体も一因ではあるのだけれども、それ以上に声優さんだ。
この作品の声優陣、すごくないっすか。
それがアクダマ側にも処刑課側にも配置され、がっぷり四つに組む。
これは、観ておく価値ぜったいあるっしょ。

あとカントウ潜入後・・・、一体カントウはどうなってんだと思っていましたが、そういう落ちでしたか。
完全予想外とまではいかなかったですが「ほほーん、そう来ましたか」とは思いました。
状態については予想の一つとしてイメージていたものとかすっていましたが、
{netabare} 不老不死の二人を永遠に生き続ける劣化しない量子コンピュータの記憶デバイスとして使おうって発想は無かったです。 {/netabare}

まさか、カントウバトルの決着が、
{netabare} サマーウォーズとZガンダムとは思いませんでしたが(ディスリではないです。単純な感想です。 {/netabare}

そして、最終盤にもう一つどんでん返しがありましたね。
ここも、一工夫あって面白かったです。
一般人が社会をダマす詐欺師へ化けた瞬間ですね。

エンディングは・・・、
多くは語りませんが、それぞれがプロとしての仕事をして、去っていったという事でしょう。
最後の最後のひとかけらに、仕事ではなく、人間の意地というか「思い」が乗っていた気がしたのも良かったと思います(私の主観ですがね)

さて、最後に不遇な境遇を持ったあの二人にはどうなったのでしょうか(どうなるのでしょうか)。
ここら辺の余韻をもった終わり方も、映画的だと思いました。

・・・これって、ハリウッド映画的な何かにもできそうな作品ですよねぇ。
アニメ好きとしては、これで完結していてよいのですが。
この作品に共感して何か起こそうとしてくれるような人があちらにもいると嬉しいなぁ。

この作品は悪は悪でしょ、認められないってタイプの人には向かないと思います。いわゆる情をもって行動をしているのは一般人(詐欺師)だけで、あとは本当に仕事をしているだけです。
だからいいのですが、合わない人もいるでしょう。

でも、観る価値のある作品です。
私的には、機会を見つけてぜひ見てほしい作品です。
この手の荒っぽい作品では、珍しく、ちょっとオススメしたいと思える作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「カンサイ」とはまたザックリな…。(どう見ても大阪ですが何か?)だが、今期ダークホースはこれかも…? → カンサイがあれば当然カントウもありますが、よもやあんな有様とは!

[総評]
最終回のみ、サブタイトルは「アクダマドライブ」で映画のタイトルの引用ではありませんでした。本作のSF的な設定のいくつかは、ありがちといえばありがちな物ではありましたが、アクダマそして処刑課の面々が活躍する舞台装置として良く機能していたと思います。

カンサイのランドマーク的な物は我々のよく知る建造物のアレンジで、なじみがあって良かったです。キュウシュウが健在で生産拠点として機能してたらしいですが、そこの詳細は謎のまま終わりました。

話はちゃんと終わっているので続編的な物は考えにくい最終回ですね。

シリーズが継続するなら観たいですが、最終回の内容からするとキャラクターをそのまま登場させたければエピソード0とか外伝的な物にしかならなそうです。

カントウやカンサイの作中での状態になるまでの前日譚なら興味は持てますけど、無理に続編作ってこの世界の謎を説明してもらわなくてもそれはそれで良いかな…。

なかなか面白かったです。海外の反応も、わりと良かったんじゃないでしょうか。

== [下記は第2話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり] ==
『ダンガンロンパ』の制作陣でお送りする先が読めないオリジナルテレビアニメ、といった趣きの作品で第2話まで観た時点でこのレビューを書いています。

作中ではメインキャラクターでも役職名などで呼ばれていて、固有名詞的な物は公式ホームページでもエンドクレジットでも出てこないようです。これを貫き通すかどうかは謎…。

各話サブタイトルは、第3話予告までの感じだと犯罪やスパイなどが関係する映画のタイトルが採用されているようです。

第1話:『SE7EN(セブン)』
第2話:『RESERVOIR DOGS(レザボア・ドッグス)』
第3話:『MISSION:IMPOSSIBLE(ミッション・インポッシブル)』

背景美術はちょっと映画『ブレードランナー』っぽい感じの色彩豊かな近未来都市といった趣き。「シンカンセン」は知ってる「新幹線」と違う(笑)!

都市景観は現実の大阪が近未来的にアレンジされた感じですが、作中ではっきり「大阪」とは言わない辺りは何かの配慮なのかもしれません。配慮できてない気がするけど(笑)。

キャッシュレス決済が進んでいるっぽい世の中で、頑なに現金払いを要求する第1話のタコ焼き屋のおばちゃんは確かに大阪っぽいかも。

カンサイ(いや、大阪でしょ(笑))は作中での大きな出来事の後、「アクダマ」と呼ばれる凶悪犯罪者が暗躍するような街になっているようで、特にミナミ区とかは治安が悪いらしいです。

第1話では、いろいろとあってアクダマの大暴れに巻き込まれてしまう黒沢ともよ演じる「一般人」とおよそアクダマとは呼べない「チンピラ」を含むメインキャラ7人の顔見せ。

黒沢ともよの演技的には、バンドリの美咲ちゃん(ミッシェルの中の人)のような、「一般人ぶってるけどおまえ本気でそう思っているのか」感が漂ってきていました。(← 個人の感想です)

そして第2話では騒動の黒幕により状況が明かされるのと「敵」キャラクターの存在が明らかになるといった感じでテンポ良くストーリーは進んでいます。

ノーマークでしたが、視聴前からの意外性という意味では2020年秋クールでは本作が一番でしたね。スタジオぴえろをナメていました、ごめんなさい。

とりあえず面白かったので、今後も期待しています。
== [第2話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.19追記:
カンサイそして処刑課のボスの行く末は気になりますね。

2020.12.25追記:
作中人物の状態と、EDでのキャストのクレジットのされかたにはこだわりがあって良かったです。

新幹線の高架の残骸が十字架に見えましたが、あれは「救世主」を示唆するなかなか良い演出だったと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 42

69.3 23 警察アニメランキング23位
バビロン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (369)
1129人が棚に入れました
「その啓示は、静かにそっと訪れる―」東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

声優・キャラクター
中村悠一、櫻井孝宏、小野賢章、M・A・O、堀内賢雄、興津和幸、宝亀克寿、置鮎龍太郎
ネタバレ

みゃー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

胸糞アニメの一言で切り捨てるにはもったいない

野崎まどによる小説原作、原作は未読
あらすじはネタバレになるので割愛

真っ先に申し上げたいのはこの作品、気軽に知り合いに勧めるのは絶対にやってはいけないということです。

多くの人は言います。
ただの胸糞アニメじゃねーかと。
見て損した、時間を返せと。

たしかに気持ちはよく分かります。
広げた風呂敷をことごとく置き去りにしてしまうわけですから。

そういう部分が苦手な人は絶対に見ない方がいいです。
でも好きな人はどんどん引き込まれると思います。

演出も秀逸ですしメインキャストによる怪演には圧倒されます。
{netabare}特に7話にはそれらがふんだんに詰め込まれていたと思います。{/netabare}

興味のある方は道中で感じる自分なりの主義や主張は一旦脇に置いて、純粋にサスペンスアニメとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

ちなみに原作は未完なので早く続きを出してほしいものです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

Pocali さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

せめてる、くそせめてる、さいこうだ

全く無駄がない。
素晴らしかったです。
普段小説は読まないのですが、初めて原作を読んでみようと思いました。

自分の神経を広げたい、ただ生きているだけでは知り得ないことを知りたい、感じたい、その為にアニメを観たり、映画を観たりする。
はたまた物語を作る人たちは、伝えたいことがあるから作り続けている。誰かに届けたい気持ちがある。
それが素晴らしい事だと、改めて考えるきっかけを、このアニメにもらいました!
私はこの終わり方が「悪」とは思えなかった。
なぜなら曲世愛がまだ本当のところは何がしたいのかハッキリしていないから。
心の中では何を思っているのか。
だから「悪」と決め付けることはできない。
何なら私は自分の身近に居る人が死ぬ事を、「悲しい」とは思うけれど、「悪」とは思わない。
自殺だってしたければ勝手に人は死んでいく、「死にたい」ということしか考えられない人を無理矢理生かす方が大変で、苦しい事だと思う。(経験があるのでそう思います)
ただ、悼む気持ちが無いわけではない。
この物語の中で自殺してしまった人たちの事も、観ていてとても悲しい気持ちになった。
でも、この気持ちに、善いか悪いかは、関係はない。

素晴らしかった。
全力でお勧めです!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10
ネタバレ

ミュー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

壮大な設定でまた難儀な世界観…でもフロイト心理学や本質的にはスタンダードで根本的な題目かもでした。

雰囲気やopの曲や作画など
とても大人じみていて格好良かったです。

内容は、初めの間はもっとも
シリアスな近未来系のサスペンスアニメかと
例えばサイコパスのような感じと思っていましたが
人間の心理や内面にかなり"直接的"に問い掛ける
心理系、哲学系アニメだったので驚きました。

アニメの内容からは少しズレますが
{netabare}
なかなか「正義と悪」「死」「性」というのは
取り上げにくいというか、深く考えても仕方無いし
全一的な考え方ばかりしているとどんどんと
非現実的な世界を統一したような誇大妄想が
広がっていくばかりかもしれません。
本気でそうやって色々考える方が妄想的かも
しれませんが、実際心理学者のフロイトは
人は性的なコンプレックスを抱くことで
精神を患うと言ってますし、ユングも
普遍的な無意識が人類にはあるとも言っています。
それを礎に個人的無意識や自我が形成されていくそうで…
また、幼少期の父がキリスト教徒であったことにも
関連してきますし、なので、ではそもそも現代に
そういったフロイトやユングを乗り越えて
何か人類が人の心理や悪に内面からそれと対峙する
誰もが認める新しい答えを出せたかというと疑問ですし
そもそも大多数が関心がないという方が現実かもしれません。
心理学は全般的にオカルティックではないですが
そういった非科学的な部分があることもあって
でも、その類の本を読むと一概に馬鹿馬鹿しいと
嘲笑えるほど人の心も単純ではないということにも
気付かされて、とても闇が深い部分でもありますね…。

もし、実際に曲世愛が居たとしたら
軽率かもしれませんが
自分も自殺していると思えてしまいました。
ですが、だからこそ本質に直接訴えかけていて
何の比喩も言い回しも無い点では
かなり人によっては抵抗を生みやすく
また、男性的な視点、フロイトの性的コンプレックス
などの考え方に傾倒している内容
であった事は確かかもしれません。
少し東京喰種のリゼやエトの雰囲気を曲世には個人的に感じました。
後は、正崎善が中村悠一さんでイラストやキャラも
サイコパスのKとモロ被って見えました。

生き続けるということが本当に今、自殺することよりも
正しくそうあれるのか?最終回の善の行動には衝撃的でしたが
もし2期があれば、見たいです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

75.6 24 警察アニメランキング24位
アリスと蔵六(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (561)
2480人が棚に入れました
彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。
初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。
そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。

名前は紗名(さな)。
“研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。
しかも、あらゆる想像を具現化する——「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の
持ち主でもあった。

そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。
名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という
頑固じいさん。
そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。

紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との
出会い……。
世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、
世界の本当の姿を知ることになる。


——そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。

声優・キャラクター
大和田仁美、大塚明夫、豊崎愛生、藤原夏海、鬼頭明里、小清水亜美、大塚芳忠、広瀬ゆうき、能登麻美子、松風雅也、内田秀

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

御伽草子

謎の組織を抜け出してきた赤の女王と呼ばれている超能力少女の紗名。
生花店を営む樫村蔵六と出会い、一緒に逃げる事となった。

話は2つ。
紗名が施設から抜け出して自由になる事。
敷島羽鳥と紗名がワンダーランドに閉じ込められる事。
この2点です。

胡散臭い施設でしたね。
超能力を使える子供達を監禁して実験を行っていた。
機密事項なのは分かりますが、大人の利権が漂ってきます。

敷島と紗名の力が干渉してワンダーランドに閉じ込められます。
これは子供視点での出来事。
蔵六達を含めた大人達の時間を止めた敷島は責められても仕方が無い。
紗名が怒るのも理解できます。
ただし、ここまでは子供の喧嘩。
当人には理屈があるのでしょうが、冷静ではありません。
心配する大人達を無視していますね。
蔵六の説教なんて聞きたく無い筈。
色々とあって、無事に生還します。

子供は親を選べません。
どんな悪行三昧をしていた大人でも子供を作る事は出来ます。
しかし、大人は子供を選べます。
最近だったら遺伝子情報で出産前に健康診断ができますからね。

「悪い」とは何でしょうか?
正義の反対。善行を行わない事。
ここらへんで説明できるのかなぁ。
「悪い」事は「悪い」です。
しかし、それは視点の違い。
悪行でも反対の立場だったら……と考えてみると、責めるのは酷というものです。
一神教にありがちな信仰心によって妄信する事無かれ。
子供と大人では世界が違います。

本作品では紗名が子供代表、蔵六が大人代表ですね。
先人から受け継がれている、人としての正しい生き方。
蔵六は紗名を導いています。
それは同じ道を辿って来たから。
赤ん坊・子供・少年少女期・青年期などなど……
人間も他の生物と同じ。
始めから大人に生まれるという事はありません。
誰しもが持っている幼少期。
正しい生き方を導くのが大人の役割というものでしょう。

私は子供は天使であり悪魔でもあると考えています。
天真爛漫で無邪気に笑う所……天使ですね。
親の心配を気にせず、高価な玩具をねだる所……悪魔ですね。
全ては子供の見せる側面の1つに過ぎません。

紗名は蔵六と出会えて良かったのか?
施設の研究対象であった紗名。
その時は大人の利用されるだけの存在価値しかありませんでした。
しかし、その施設は崩壊。
紗名は蔵六の元で暮らすようになります。
蔵六が昔気質な頑固な老人というチョイスも良いですね。
チャラチャラしている若者世代だったら子供の育て方が違います。
礼節を重んじる蔵六の教育方針。
相手が子供でも、悪い時にはキチっと叱ります。

紗名の自我の一部であるワンダーランドは解放されました。
大人達は利権を狙って対立しそうですね。
しかし、主役は子供達。
紗名や敷島などの超能力保持者たちの不思議な世界です。
子供は夢を持ち、成長するにつれて現実に直面して諦める。
たまに大人になっても夢を捨てずに一直線という人もいますが、これは例外。
夢の住人である子供達。
大人は子供に託せる世界を作っていかなければなりません。
子供が道を踏み外そうな時ですか?
その時は、蔵六に一喝してもらいましょう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 43
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不思議能力少女と頑固じじい

原作未読。最終話まで視聴。

OPを初めて見た時、『「ふらいんぐうぃっち」っぽいなぁ』って思っていたら、同じ監督さんでしたか・・・。
「ふらいんぐうぃっち」同様、視聴していて心地良い作品でした。

キャラでは、紗名や蔵六はもちろん、個人的には早苗の、のんびり優しい感じが好きでした。

9話の{netabare}あさひとよなが{/netabare}がお泊りに来た回がとても良かったです。
{netabare}第1部(1~5話)では追う側と追われる側だった3人が、{/netabare}元通りの仲良しに戻ったひと時が、視聴していてとても心地良かったです。

意味深なラストシーン。
もう少し紗名の成長を見ていたいと思っていたのですが、2期ありますかねぇ?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

不思議な少女が人を知り、人として生きることを学ぶ物語

【第一部終了】
可愛らしいキャラデザイン、どっかの国、あるいは異世界からやって来た世間知らずのお姫様が、アルムのおんじのような風貌をした日本の頑固じいさんと暮らして成長していくほのぼのストーリー。

と思っていたら大間違いでした。

そりゃそうだ、メディア芸術祭の賞を獲るくらいの作品ですからね、そう簡単な話ではなかったです。良い意味で裏切られました。

紗名の存在や能力の謎を解き明かしながら、紗名を追いかける組織に、守ろうとする組織。蔵六と早苗。一部終了まで出てきた人物は限られているのですが、それぞれうまく絡んでおり、無駄がありません。無茶な設定に思えるところも背景が分かりやすいので違和感はありませんでした。全体的に面白いと感じる作品です。

内容はシンプル。{netabare}「アリスの夢」と呼ばれる特殊能力を持つ人々の中でも特に能力の高い「紗名」。自分でも素性が分からない紗名が研究所が嫌なところだと思って逃げ出し、たまたま出会った花屋の蔵六が引き取る。蔵六の孫の早苗とも打ち解けるが、研究所の手が差し迫って捕まり、そこから脱出して一件落着というもの。{/netabare}紗名も蔵六も魅力的なキャラなんですが、早苗の存在がとても大きく感じました。紗名と蔵六だけではけっこう厳しい設定になったと思うのですが、早苗が間に入ることによって緩和されます。
それからミニーCと一条雫の存在もこの物語をうまくまとめていたと思います。ミニーCの思いは最後まで口から出ませんでしたが、紗名の能力で何をしたかったのか、とても切なく描かれています。また、雫がいることによって紗名の存在は誰が守ってくれるのかがはっきりしてくれるので良いです。{netabare} メイドコスプレ魔法少女は笑ってしまいましたが。{/netabare}

可愛いキャラデザインなのに、シリアスな場面ではギョッとなるシーンもけっこう多いのが特徴です。特に{netabare}紗名が失禁したシーンや足を撃たれるシーン{/netabare}はそこまで描くのかと驚いたほどです。
一部は5話(初回一時間なので実質6話)でしたが、本当にうまくまとめられていると思います。これから後半、どんな話しになるのか楽しみです。

【後半終了】
前期が紗名の人であることの意味を知るパートなら、後半は人として生きる意味を知るという感じだったと思います。{netabare}紗名は蔵六の家で普通の子供として暮らすようになり、蔵六や早苗と日常を送っていた。そこにアリスの夢の能力をもつ羽鳥とかち合い、ワンダーランドに迷い混み、脱出するまでを描いています。かなり大雑把ですが。
後半の主役となる羽鳥の物語もけっこう重いものです。自分のせいで親が不仲になり、自分への目線も冷たく感じる。これは9才の子供にとって辛すぎる話であり、みんな変えちゃえ、そして思い通りにという思いも当然かと。羽鳥にとって紗名との出合い、ワンダーランドの10日間はこの子を救うために必要な出来事に思えます。
そしてラスト。かっこいいお姉さんの思い出語りで締めるという、綺麗にまとめました。そうだよね、紗名がかっこいいお姉さんくらいの年齢の時には…でも蔵六ならばまだまだ丈夫な気がしてなりませんでしたが。紗名の花のデザインを見て「なっとらん‼」とか言っていそう。{/netabare}

紗名は普通の子供として生きていくことが嬉しくてしょうがない。その感じがうまく表現されていて、見ていてほっとしました(前半が紗名にキツい状況だっただけに)。蔵六の頑固っぷりと優しさがまたたまりません。きちんと道理をもって叱ることができる。いま、そんなじいさんが少ないことへのメッセージだったのではないかと思えます。{netabare}それでもワンダーランドへの説教は笑いましたが。{/netabare}それから早苗、本当に良いキャラです。この子がいることによって蔵六と紗名を繋ぐだけではなく、紗名が安心できる環境を作っていました。前半に比べて影が薄くなった警察の面々、特に一条は好きなキャラだっただけに、ちょっと残念。まぁジョーカーみたいなものですから仕方ないのかな。

全体的に良くできた作品だったと思います。さすがはメディア芸術祭で賞を獲得した原作です。キャラデザインがほのぼの系なんですが、展開がシリアス。が、どこかほっとさせてくれる描写がこの作品の真骨頂かと思います。OPもEDも良い曲でした。コトリンゴを使う意味が分かります。

人と人との関わり、生きていく意味、そういったものが好きな人にお勧めしたい良作です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 37

76.2 25 警察アニメランキング25位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (534)
1990人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

愛と超越

「サイコホラー? 観ない方がいいかな・・・。」これが最初の反応。

散々逡巡した挙句、邪道とは思いつつもネタバレ上等でレビューを読み漁り、
ショッキング展開の予備知識を仕込んだうえで、危なくなったらいつでも切る態勢で
及び腰の視聴に臨んだのだった。

結果は、怒涛の如く二日で全話視聴完了、滅多に味わえないような感動に浸ったまではいいが、
ホラーでもサスペンスでもない、じゃあ一体何だろう、との疑問にはまってしまい、
手掛かりを求め原作にまで手を伸ばして、ついには以下の作品考察を書くに至った次第。

要するに、ホラーやスリラーに全く耐性のない自分のような者でも完走可能なレベルなので
視聴を迷っている方は是非挑戦してみてはいかがですか、と言いたいわけである。
観ないで後悔するよりも観て後悔した方が良い、などと無責任な勧奨をしたくなるほどの
これは世に稀な、貴重な作品である。


{netabare} 真実の愛は、それ自体がおそらく一つの狂気である。


月光が射し込むマンションの一室。差し向かいに床に座っている
まだ幼い少女と、年の離れた姉のような高校生くらいの少女。
小さい方が大きい方にヴェールを被せて、結婚の誓いの言葉を唱えはじめる。

病めるときも、健やかなるときも・・・死が二人を分かつまで・・・。

仲の良い姉妹が結婚式ごっこに興じているようにしか見えないだろう。
だが、この二人はこの上なく真剣なのだ。いや、真剣どころの騒ぎではない。
二人だけの世界を守るために、小さい方の少女は家族を捨て、
大きい方の少女は、人を殺し、奪い、傷つけ、ついにはたった一人の友人をも惨殺した。

彼女は言うのだ、それはすべて、漸く手に入れた本当の愛を守るためなのだと。
本当の愛のためならば、すべてが許されるのだと。


精神異常者の歪んだ愛が引きおこす、凄惨な犯罪の数々。
本作のキャッチコピー、「戦慄の純愛サイコホラー」はこの面を過度に強調したものだ。
勿論、自分はこうした予断に異議を差しはさむ意図をもって、これを書いている。

「異常」を前にしたとき我々は、精神病理学でも、犯罪心理学でも
それを合理的に説明する理論によって「理解」したい誘惑に駆られるものだ。
だが、この習慣を物語の解釈にまで持ち込もうとすると、往々真実から逸脱し、遠ざかってしまう。
だから、この誘惑に抗して、疾走する愛の軌跡を虚心に見届けてゆこう。
アニメレビューの本道からは外れるが、原作を踏まえた「越境的な」理解を敢て試みたい。


原作となったコミックは五年にわたって連載され、アニメ化の翌年に完結している。
連載開始の前年には、元型となった読み切り作品が発表されているが、
そのタイトルは、『ホワイトシュガーガーデン、ブラックソルトケージ。』というもの。
本作の二人のヒロイン、「さとう」と「しお」にこめられた暗示を解き明かす、第一の鍵。

さらに遡ると決定的な発見があった。原作者の初期作品、タイトルは『しろいろとくろいろ』。
白い女の子と黒い少年の、果てしない追いかけっこを描いた、メルヘン風の寓話だ。
白い子が黒い子に触れると死んでしまうので、慕って来る白い子から彼は逃げ続けなければならない。

無垢なものの、白。死と罪悪の、黒。この象徴的な二元性が
本作のさとうとしおの二人に受け継がれていることは明らかだろう。

「さとう」と「しお」。

この世の何物よりも甘い、満ち足りた愛の幸福と、
罪と恐怖が支配する現実世界の苦さとの、二つの極のあいだで
無残に引き裂かれた二人の悲劇的な宿命を、このネーミングが象徴しているのである。

同時にそれは、愛らしいものと酸鼻なもの、純粋なものとおぞましい不純なものとが
隣り合い、融合するグロテスクな本作の世界が、寓話的な象徴性をはらんだ独自の世界観に
基づいていることを示唆している。

「しおちゃんは天使。これは仮定じゃない、これは前提。
 だけど天使は弱くてはかない存在なの。
 だから、こんな穢れた世界から守ってあげなくちゃいけないよね。」

自然が真空を恐れるように、絶対的な純粋さはこの世界とは決して相容れない。
さとうの犯行動機は従って、一般的な犯罪者の心理に還元されて済むようなものではなく
この世界観からの必然的な帰結として捉えられなければならない。
穢れた世界から無垢なるものを守るために、自らが穢れを一身に引き受けようとして
避けがたく罪は重ねられる。純白だった砂糖はたちどころにどす黒く汚れてしまう。

あたかもこの世界には、反転と転落の力学が存在するかのようだ。
継起する異常な出来事は、異様に濃密なこの象徴性の磁場の作用だと考えるのが正しい。
登場人物が次々と狂気を露呈させていく展開もまた、このメカニズムによって説明されるだろう。


さらに、純愛と称されるさとうとしおの「ほんとうの愛」を問題にするとき、
そのきわめて特異な内実を、敢て「神学的」と形容したい想いに自分は駆られる。

「私はずっと一人ぼっちだった。何も感じない、常に何かが欠けていて、
 いつもどこか切なくて、このまま独り消えていくのかと思っていた。
 でも違った。しおちゃんが私を見つけてくれたから!」

最後の部分は、信徒によってしばしば語られる「神が私を見出した」という表現と一致する。
さとうにとってのしおの存在は、天使の域を遥かに超えた、救済そのものだったのだ。
そしてしおもさとうも、自分がいま生きていることの唯一の根拠を、互いの存在に見出している。

「私、お母さんに捨てられたあの日、一回死んじゃってたんだと思う。
 でも、さとちゃんのぬくもりでまた生まれたの。」

「私もだよ、しおちゃん、私も。
 なんにもなかった空っぽの私をしおちゃんが生かしてくれたの。」

互いの「新生」の経験が、まるで響き合うように言い交わされる。
これらの言葉は、新しい生命の源となった至高の愛の対象への、至純な信仰告白なのだ。
彼らの愛は、我々が通常経験するような、生存に付随した単なる心理現象ではなく
現世での死を経過して、新たに獲得された「いのち」そのものなのである。

「甘い」が迸る生命感の表現であるのに対し、「苦い」は現実世界における死の象徴である。
ひとたび死に、生まれ変わった彼らはすでにこの世界に属してはいない。
家族愛であれ友情であれ、世の慣習的な価値観はすべて忌避され、否定され、排除される。
微温的な愛、利己的な愛は、この絶対の愛によって裁かれ、容赦なく処罰される。

「ありがとう、しおちゃん。戦おう、命がけで。一緒に証明しよう、私たちの愛を。」

これが彼らの愛の神学である。それは命がけで証しされねばならない超地上的な真理だ。
従って、物語の結末はすでに予告されている。彼らの戦いの果てにあるもの、それは
この世界の外への、永遠へ向けての跳躍―ダイビングの他にあろうはずはないのだから…。



・・・そして、しおひとりが生き残る結末を迎える。

しおのために自分の命を捧げるという、究極の愛をさとうが実践してしまったことで
二人の愛がそのまま永遠へ移行する契機が失われてしまった。これは愛の挫折を意味するのか?
自分も当初は、作者が世間受けのために日和ったのかとも考えた。だが、そうではなかった。

この結末こそが愛の完成だったのだ。

「さとちゃんがどうして私のことを生かしたのかわからない
 考えても 考えても だから私は 考え続けるの
 どんな時も 何をしていても 何を感じても ずっと ずっと
 さとちゃんのぬくもりは私の中にある だから私は それと一緒に生きていく」

二人がこの世界で見つけるはずだった「お城」は、いま、しおの中にある。
{netabare}(原作では復活したさとうとしおが、また二人の生活を始める様子がはっきりと描かれている。){/netabare}
しおは世界と断絶し、彼女の内部でさとうとの、永遠の「ハッピーシュガーライフ」を生きる。
これが二人の愛の究極の証明であり、世界に対する彼らの戦いの完全な勝利に他ならない。


世界はこれを、無力な逃避、ないしは傲慢な自閉として断罪するだろう。
だが、一体それが何だというのか? 死ですら二人を分かつことはできなかったのだ。
ここにあるのは、現世をも死をも超越する、永遠のテスタメント(契約)。
恐ろしいことだが、これは冒涜的なまでに、新約聖書の福音と重なり合うのだ・・・。


自分は、果てしなく考え続けようとするしおの姿に、作者自身の投影を認める。

この作者にとって世界は自明ではなく、問い続けられるべきものであるような気がするのだ。
本作と初期作品とを結んだとき、そこに垣間見える原作者の心象風景、それは
何もない空無のなかで、ただひとすじに持続する「想い」だけが
何か驚くべき、唯一の確かなものとして存在するという、恐ろしくストイックなものだ。

自分は本作に、真に創造的な感性だけが表現することのできる、固有のリアリティーを感じる。
内面の衝迫に促された感性の疾走が、高翔する愛の神学を生み出す発条となったと考える。
そう、多分これは、孤独な思索が営々と紡ぎつづけた、この世界の真実をめぐる寓話なのである。
{/netabare}

(初投稿 : 2020/10/1)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 62

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヤバい、面白い…。

語彙力ぅ!

そういえば天狼のレビューを書いたときにこいつの存在を忘れていました。

2018年7月期で原作付きの大物。観ますっていうか、観てますってだけで情報量ゼロです、すみません……。

2018.9.29追記:
とりあえず、虐待に傷ついた二人の少女が真実の愛を求めてあがいたあげくに、犯罪レベルの奇行に走るお話。

第12話(最終回)まで観終わったので、少し真面目に書いてみます。

まず、一見して松坂さとうが主人公のようで物語の中心は神戸しおですよね。それと「作中の登場人物が(飛騨しょうこを除いて)異常な人物ばかり」に見えはするんですけど、「罪無き者のみ石を投げよ」っていう感じで、みんなちょっとした行き違いや不幸(ちょっとしてないのもある)がきっかけでたまたま異常に見える行動が発現してしまったというだけの話で、メインキャラには理解不能レベルなことをやっている人物はいなかったです。

自分がはっきり嫌いと言えるのはしおちゃんの父親と、次点でさとちゃんの叔母さんくらいかなあ。

まあとにかく、他の人物に関しては共感まではいかないにしても理解は及ぶ感じでとても良く書けたお話だったと思いました。漫画原作ですけど小説っぽいストーリーでしたね。最終話、しおちゃんの言動によって受けたあさひのショックはいかばかりか想像を絶する…。

……って、これかなり面白かったけどウケないだろうなあ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52
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