謎解きおすすめアニメランキング 64

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの謎解き成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月23日の時点で一番の謎解きおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.7 1 謎解きアニメランキング1位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (990)
3900人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

スケットダンスが好きなら更に楽しめる

あらゆる漫画を読み漁ってきた私の中で、ギャグ漫画家トップ3に入る篠原健太先生の作品です。

●SFじゃないという批判について
別にハードSFを謳っているわけではありませんし、むしろこれぞSFと言って良いと思っています。自分が子供のころにガンダムやドラえもんでSFに興味を持ったのと同じように、SFの門戸を広げてくれる素晴らしい作品ではないでしょうか。


●ギャグが面白くない説
スケットダンスでも同様の傾向があるので、そのうちスケダンのレビューで考察しようと思いますが、原作者のギャグは漫画でこそ栄えますが残念ながらアニメではあんまり面白くなりません。
なので、アニメを見てギャグが寒いと感じられた方は是非とも原作を読んでください。同じ内容なのにめちゃくちゃ面白いです。そしてスケダンを読んでから読むと更に面白いです。

原作には「アカツノチリゲムシ」などスケダンのファンにはたまらない小ネタがありますが、アニメでは出てこず、残念ではありました。
しかし、宇宙服のメーカー名が実は全てスケダンのクソゲーシリーズという、どうでも良いネタをちゃんと拾ってもらえたのは嬉しかったです。
「FALKEN」とか、めちゃスポーツメーカーとして自然なのが笑えます。「SMB」は「Special Mariko Broken(壊れちまった特別な真理子)」の略称。どう考えても宇宙服メーカーの名にはふさわしくないwww

ギャグといえば、原作コミックの巻末にある番外編四コマ漫画がめちゃくちゃ面白くて、四コマだけでも連載を続けて欲しいほどでした。
特に「紙ずもうレスリングトーナメント」の話が秀逸ですが、アニメではEDの一枚絵で紙ずもうチャンピオンのグレートロブスターが出てくるだけでした。


以上、ほぼ原作のギャグを褒めただけのレビューになってしまいましたが、SFミステリとしての完成度はアニメ史上でも類を見ないレベルだと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 35
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

私たちは変わることができる、そして人生は続く

アニメーション制作:Lerche
監督:安藤正臣、シリーズ構成:海法紀光
キャラクターデザイン・メイン総作画監督:黒澤桂子、
音楽:横山克、信澤宣明、原作:篠原健太

子供たちだけで惑星キャンプが行われる時代。
ケアード・ハイスクールのB5班は、
無人の惑星で5日間過ごす野外学習に出かけた。
9人の少年少女たちは、惑星マクパで降ろされ、
楽しい日々を過ごすはずだった。
しかし、彼らの前に謎の球体が現れ、事態は急変する。

集英社のウェブコミック配信サイト『ジャンプ+』で
連載された作品。口コミなどで評判が広がり、
『マンガ大賞2019』の大賞を受賞した。
宇宙という舞台、子供たちだけの冒険、
陰謀がうごめく背景、9人全員が抱える事情、
惑星でのサバイバルなど、様々な要素のある
エンターテインメント作品となっている。

原作漫画は完結しているため、
1クール12話、しかも1話と12話を
1時間ずつを使う特別編にすることで、
5巻分を余すところなくアニメ化している。
{netabare}無料開放の漫画を少し読んでみると、
原作に忠実に作られているだけでなく、
宇宙空間に飛ばされたアリエスを
カナタが助けるシーンでは、全員が手をつないで
ふたりを救助するという改変も行っている。
(漫画では、このシーンは残されたワイヤーに
戻り、それを辿って帰還している。
1度ワイヤーを巻き取って、再度、別の誰かが
助けに行けばいいなどの意見もあるだろうが、
ここは全員で手をつなぐという行為に意味があったわけで、
良改変だったと個人的には思う){/netabare}

SFの部分では突っ込みどころが多く、
アニメが終了した後にSNSなどで大論争が巻き起こり、
作者が降臨する事態にまで陥った。
ある意味、SF要素のある人気作の宿命だ。
ただ、この作品はSFを見せようとするものでないことは
明らかで、批判する人の気持ちは分かるが、
そこについて深く突っ込み過ぎるのは違和感がある。
この作品において、SFのリアリティは枝葉の部分に過ぎない。

では、どこを重視しているかというと、
9人の子供たちが抱えている問題と、
その悩みを解消するために、仲間が相手のことを
思いやり、本当に大切なものを得ることについてだ。
9人の子供たちは、それぞれ幼少期から、
大きな喪失感を抱えながら生きてきた。
旅を続けるなかで、一人ひとりが体験してきた背景を
各々が理解しながら、解決していく構成になっている。
9人もいるキャラクター全員の過去について、
しっかり語っているため、彼らが失い続けてきたものに
思いを巡らせることができる。
だから、そこから彼らが何かを獲得する様子に
カタルシスを感じられるのだ。
それがこの作品の最大の見どころだろう。

舞台装置としては、孤島の閉鎖空間での
ミステリーと同様の形を取りながら、
それだけに止まらない群像劇として、
最初から最後までしっかりとまとめられている。
{netabare}特に11話『CONFESSION』での回想から
カナタの怒りにつながる流れは素晴らしい。
カナタ役・細谷佳正の演技は、抜群の説得力がある。
反重力シューズを履いてきて、
ワームホールを飛び越すという展開からの
決着の付け方も完璧だった。
この回は、夏クールの私が観た全話のなかでも
出色の出来だったと思う。{/netabare}

9人の少年少女たちは、数ヵ月の旅の間に、
自分の支えになる原点を獲得することができた。
アストラ号で過ごした日々は、
何事にも代えがたい時間として
今後の人生の支えになるに違いない。

引きこもりや親子断絶などが、
もはや当たり前になった現代において、
子供たちの心に響く物語に思える。
ここではないどこかに行けば変われるかもしれない。
行動すれば誰かとの出会いによって、
人生が動くかもしれない。
親から愛されない境遇にあったとしても、
生きていていいのだ。

そして、人は絶対に変わることができる。
(2019年10月19日初投稿)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 93

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ボッスン(スケット・ダンス)の宇宙物語

原作既読でした。
なので物語もわかっていましたが知ってても楽しめる作品でした。
でも、内容を知らない方が格段に楽しめますので、是非ネタバレ情報なしで楽しんでください。この作品、一気見タイプです。

設定は未来の高校生8人と10歳1人の計9人で惑星に行ってキャンプをするようです。
主人公はカナタ・ホシジマ。
運動能力とサバイバル能力に長けています。
どうやら他の高校生達も能力に特徴があるようです。。。


原作者はジャンプでスケットダンスを連載していた篠原先生
本作品もスケットダンスのギャグセンスそのままです。
篠原先生は東日本大震災直後に応援メッセージを作成して被災者に元気を与えたことを記憶しております。
ボッスン、カナタ達が人助けをするのは篠原先生自身の当たり前の気持ちなのでしょうね。

元気を与えてくれる作品。おすすめです。

原作は全5巻と読み易い作品なのでアニメ視聴後に楽しんでください。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 72

78.5 2 謎解きアニメランキング2位
シャドーハウス(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (491)
1671人が棚に入れました
この館には秘密がある──断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔"としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。ある日、“シャドー"一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形"が訪れ、“影"と“人形"の不思議な日常が始まる。

声優・キャラクター
鬼頭明里、篠原侑、酒井広大、佐倉綾音、川島零士、下地紫野、羽多野渉
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

13話 え、終わり?アニメ業界終わるんじゃね?

 最終話を見て。一応作中の事件の結末はありましたけどね。雰囲気的にそうかな、とは思ってましたどね。ここで終わりかい!?でしたね。

 まあ、シャドウという発生源はなんとなく説明がありましたが、ケイトとエミリコだけでなく、エドワードまで現状維持だと、何も進んでねー、っていう感じでしたね。
 ここまで本当に面白かったから、非常に残念です。85点の水準できてたのが、最終話のせいで60点くらいの満足度になったという感じですね。

 製作委員会制、アニメ会社乱立、人材不足、アニメ作りすぎ、原作が不足気味などでアニメのクオリティが昨今心配です。
 ネットオリジナルの作品もほとんど満足行くのがないですし、どうなっていくんでしょうか。
 まず、ちゃんと終わらせろ、話はそれからだ、と言いたいです。
 
 原作中途半端だけど、ためしに1クール作る、12、3話で取り敢えず終わらせる。ソロバンはじいて次を考える、人気あったら時間稼ぎしてスピンオフする、メディアミックスする、作画だけやたら良くて内容も意味もない映画を作る、みたいな作り方がアニメを殺している気がします。
 構成も、エピソードの取捨選択もベストな選択ができるわけありません。2期作っても作品の質は絶対に落ちます。この傾向がこの2,3年で急激に進んでませんか?

 こんな優良なコンテンツですらこれでは、誰もアニメ見なくなっちゃいます。

 ぜひ、視聴者に対する責任とクリエーターとしての矜持を忘れないでほしいと思います。
 商売だからソロバンはじくのは仕方ありません。ですが、ドラッガーの「マネジメント」を思い出してください。顧客満足を忘れた商売は結果的に淘汰されます。

 

以下 視聴中のレビューです。

{netabare}

原作読んでなくてよかった。

4話までの感想です。面白過ぎます。
ローゼンメイデンとかゴシックの今風という感じでとても雰囲気が出ています。

 黒いキャラクターに表情とか感情を感じるのは、すごいと思います。作画は本当に奇麗。画面が暗いのに見やすいので、相当計算してるんだと思います。

 謎の展開が素晴らしい。引き込まれます。早く知りたくて、原作をポチりたい衝動を抑えるのが大変です。やっぱりこれはアニメで最後まで見たいですね。ですので他の方のレビューも見たくないです。

 声優も良いのですが、最後のクレジットでエミリコ、ケイトの順番ではなく、ケイト、エミリコの順番なのがすごく気になります。やはり影が主題なので、2人が…と想像してしまいます。

 1話冒頭の汽車のシーンに絡んで石炭と影からでるススの類似性も気になるし、舞台の上でケイトとエミリコが並んでいる場面とか、エンディング最後の置物みたいな屋敷とか、ちょっと謎解きしたくなりますが、まあ、この話は舞台に引き込まれて、素直に驚くのが楽しそうです。

5話見ました。
 相変わらず美しい作画ですね。
 声優のクレジットの件は考えすぎだったみたいです。
  {netabare} お仕置きのシーン含めて、お影さま-生き人形の組み合わせにいろんな形があるのが分かる回でした。クレジットもこの組み合わせでした。
 あの審査している生き人形の動きがアニメ的に何か不自然なのと、優秀だと言っている組み合わせが優秀に見えないのが、残念ポイントでした。彼らのいる世界の作り物っぱさを意識した演出の可能性もありますが。{/netabare}

 そういった気になることろを補って余りある謎がまだ続いています。

6話見ました。
 少し謎のスケールが小さくなった感がありましたね。本質的にはなんの解決も提示されていないので謎は謎なんですが。解決編がこじつけにならないよう、期待します。

7話見ました。
 エミリコの無邪気最強、という方向性?館の謎は最後なんですかね。謎めいた雰囲気がちょっと薄れたので、視点を館とかシャドーに戻してほしいんですが、まあ、当然そっちにつながっていくんでしょう。1クール通じて最高のアニメってやぱり難しいですね。でもまだまだ面白いので楽しんでます。

8話みました。
 優秀な人間とは、奢らない、臨機応変である、先入観を持たない…エドワードは反対ですよね。
 うーん。エドワードですべての緊張感がなくなってしまったような。「3階」はそれを含めて楽しんでるというどんでん返し?エドワードが排除されるとか?やっぱりエミリコが天然パワーでがんばって、「3階」が「あの娘面白いわ」とか言って救われる?
 ここが帰路でしょね。名作か、凡作か。
 にしてもそろそろ迷路は決着してほしいですね。

9話みました。
おお、シャドウと生き人形って…なるほど…でも、あの蝶々的なのはなに?とかまだまだ秘密はありますね。

10話みました。
秘密が簡単に暴露されて、おや、となりましたが、なんか、意外な方向に話が進みだしましたね。意外性大歓迎です。ケイトが活躍するんでしょうか。

12話までみました。
ケイト様活躍ですね。話の方向が謎解きからサスペンス的な方向になってきました。これ1クールなんでしょうか。ラストが楽しみです。

一つ疑問が。確か大掃除のときに、お披露目が終わった生き人形はもっと意思があったし、目もあのホニョホニョじゃなかったですよね?時間が経つとまた意思が戻るってことでしょうか。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

メイキャップシャドー

原作未読


あやしげな色あいを忍ばせる世界で繰り広げられるなにかが今日はリアルでシュールなアニメ。

エミリコ(CV篠原侑)とケイト(CV鬼頭明里)が並んでいるキービジュアルでけっこう説明がききそう。
とあるお城に住まう顔のないシャドー一族とその一族面々対となる生き人形たちのサスペンス。
偉大なる“おじい様”への忠誠を示す出世レースがストーリーラインだと徐々にわかってきて、ペアとなる二人、片や真っ黒けっけなどうみても人外さんと、片や人形と呼ばれながらどうみても人間さんとの関係が気になる仕様。基本謎だらけです。

魅力的な素材が揃ってます。例えば“ゴシック風味”“人里離れた立地”“閉鎖空間の独自コミュニティ”など。不穏さしか感じられないのは私だけではないでしょう。

1.ゴシック風味
 ⇒エミリコのロリな見た目とメイド服でぱっと見はゴスロリになるかと。シャドー家のお屋敷がまんまお城だったり19世紀半ば産業革命前後の雰囲気があります。

2.人里離れた立地
 ⇒一般人立ち入り禁止。よく大雨で道が塞がれ陸の孤島になっちゃったとか、外部から閉ざされた山間の農村地帯ですとか、事件が起こるべくして起こる舞台が用意されてます。携帯・スマホいつでもどこでも外部と繋がると困る系。余談なっちゃいますけど、物理的に現代でのストーリー構築はしづらいでしょうね。21世紀以前の時代設定にしないと説得力持たせるのしんどくなってくるんだろうなぁ。

3.閉鎖空間の独自なコミュニティ
 ⇒カルトの定番/2.の発展形。現実世界とは異なるどんな価値観を作れるかは製作者の力次第。

1.2.3.共に一般論の範疇ではあります。どっかで思い当たる節があって惹かれるものがあれば拒む理由はないと思います。要はサムネとあらすじと1.2.3.要素に惹かれませんということでもない限りGO!世界観勝負な作品に見えました。
主題歌も雰囲気を壊さないどころかしっかりブーストかけてくれるOPとEDセットだったり、表情がないキャラに声で感情をもたせる声優さんの技量にも感心しきりだったり、屋台骨支える部分もしっかりしてて好感でした。

作品レビューらしきことも一言。“余計なことは考えないし考えてはいけない”閉鎖空間において

 余計なことしか考えないエミリコ/ケイトのコンビ

が巻き起こすなにかを堪能する1クール全13話。原作が連載中らしく根本的なことは何も解決していないわりには嫌な感じがしない良作です。



※ネタバレ所感

■来たるべき2期?に向けて

{netabare}・おじい様のラボですよね。意識を持ったすすの進化のために全てがある感じ
・その刺激誘発剤として有用だからエドワードは許されたとも見える
・もしくはシャドー家に踏み入れた者は何人たりとも外部へ脱出できぬホラー展開か?
・主役ペアだけ演者を分けてます。二人がシャドー家の異分子であることが際立つな
・最終話。「シャドー家のために」と宣うエミリコの目を映さず
・これが正気のままでの台詞なのか?洗脳先祖返りしての台詞なのか?で意味は変わってくるだろう{/netabare}


2期あれば必ず観ます。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.11 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

色々とブラック

原作は知らないが、俺の中では勝手にホラー系として観てきた。
とはいえ、いつ視聴を断念してもおかしくはない程度の興味で。
5話目でようやく面白くなりそうな展開になった・・・・・気がする。
{netabare}つーかエドワードさん好きだわ(笑){/netabare}

■10話目
ここまで観てきた甲斐があったと思える回。
登場人物が多くてよく分かってない部分もあるのだが、まぁ今のところ
さしたる支障もないので放っておこう(笑)

■最終話まで
全ては謎のまま終わってしまった、言わば長尺なプロローグ。
原作漫画の販促として見るなら上出来だろう。
まぁ俺は・・・・・素直に正座してアニメ2期を待ってます(笑)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

84.0 3 謎解きアニメランキング3位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (616)
2072人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイムリープ連打

原作未読 全25話

離島を舞台に、都会に上京していた主人公が幼馴染の死をきっかけに離島を訪れ、色々な疑念が出てきます。離島に伝わる「影」の存在、失踪していく島民たち、その真相を追って解決していくお話です。

残酷で悲しいお話で、最初は絶望と恐怖しかありません。何かのホラー映画を観ているような気分になりました。
{netabare}
影、怖かったですね〜 無表情に人を殺すところ、最初の村祭りで村人がどんどん殺されていくところは絶望的でした。
{/netabare}
タイムリープを繰り返して次第に光明を見出していくのですが、敵もなかなか曲者、簡単に光を届ける展開にはなりません。
{netabare}
シデはなかなか尻尾を出さなかったですね。ハイネとの話はおぞましかったです。
{/netabare}
最後はHappyEndで終わりますが、少し切なさが残るお話でした。
{netabare}
結局、あのタイムリープや激闘の記憶は慎平の心の中にわずかに残っているだけで、他の人には分かち合えないのは少し寂しい感じがしましたね。
{/netabare}
最後までドキドキハラハラするお話でしたね。2クールと長いですが、しっかり最後まで描いています。オススメです^^

OP は亜咲花さん、EDはcadode さんが歌っています。

最後に、福岡にも有名な能古島(福岡内で有名)や離島ではありませんが志賀島に久しぶりに行ってみたいですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

オペレーション:スレッジハンマー

「狂気のマッドサイエンティスト」(大事なことだから二回いいました、ってか?、厨ニ病乙)の高笑いが聞こえてきそうな作品であった。

さらに言えば、きっと海外ドラマ大好きな原作者であることは、容易に想像がつく設定・展開がこれまた素敵だ。

いわゆる“ムラ社会”、西部開拓時代を彷彿とさせる辺境感と隔絶感をして、この治外法権的世界観への説得力となってゆく。
そういう意味では『ツインピークス』と同じ香りがするのも納得だ。
ウシオはローラ・パーマーであり、南雲先生はクーパー捜査官のオマージュであろう。
加えて、警察官である凸村さんが保安官スタイルである念の入れよう。

さらに、『洋食コフネ』は、正に西部劇のプロローグでお馴染みのウェスタン・サルーン的な役割を演じ、全てのキャラクターが出入りする重要な場所という気の利きようだ。
看板娘の潮と澪のコントラストも良い。
ブロンズとメキシカンと言えば、酒場の踊り子の定番メニューである、等と調子に乗っていると、ポリコレハンマーの鉄槌が下されそうな気もしないではないが…、もう少し。

南雲先生のスレッジハンマーである。

ウィキによれば、スレッジとはアングロサクソンの言葉の「Slaegan」、相手を「激しく攻撃をする」に由来するそうで、そのまま形容詞として使えば、「強力な、圧倒的な」、場合によっては「残酷な」という意味となる。
そして、チェンソーと並ぶ『制圧兵器』であるショットガンはポンプアクションのショートバレル、ってのも良い。
そう、シュワちゃんのスピンコックもカッコイイが、サラ・コナーのワンハンド・アクションも良いということで…。
本編で是非ともチェックして欲しい。
あと、凸村くんの護身用もレミントンの2連装のデリンジャー!
これまた、オープニングで慎平くんがカッコよくこめかみに当てるニューナンブと共に印象的な逸品だ。

しかし何といっても、最強のリーサルウェポン(大事なことなので二度言う)は、“金髪スク水”と“コパトーンセーラー服”の姉妹ではなかろうか。

ただし、『ネタバレ』R18の南雲先生と時をかける合法ロリの『ネタバレ』ちゃんは対象外とする。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

繰り返す熱い日々

ある夏の日々、ひたすら時間をまき戻すお話です。
舞台は和歌山沖の孤島、幼馴染の死により主人公慎平が帰郷するところから始まります。
閉鎖された空間でのバイオレンスサスペンスホラー的なスリリングストーリー。
ハラハラドキドキの展開です。

正直私、物語の流れをつかむことが出来ませんでした。
だから、己の記憶の喪失と記憶力の無さに絶望しながらの視聴でした。
それでも緻密な構成が透けて見え、各話の惹きが強いから次回が待ち遠しかったです。
もう一度観たらたぶん新たな発見があり、ますますお気に入りになるでしょう。

序盤から、伏線的な出来事がバンバン出現します。
それを回収したり、回収しなかったり、はたまた、新たな伏線が登場する。
それらが有機的に絡み合って物語が複雑に進行します。
ということで、これから視聴する方には一気観推奨、徹夜必定です。

ヒロイン潮が冒頭から亡くなっていることが驚きです。
{netabare}しかしその内、影として復活します。
この潮が魅力的。
長い金髪に容姿端麗、それにスク水。
性格は大胆不敵でとにかく明るい。
事ある毎に突拍子もない行動に出るものだから楽しい。
シリアスな場面でも、彼女のおかげでコメディーチックになる所が好きでした。{/netabare}

最終的に{netabare}ハッピーエンド。
そりゃそうだよね。
悲劇のラストだと作品が報われない。
良かった良かったでOKではないでしょうか。
なお、最終話の穏やかな結末は見事な締めでした。{/netabare}

飽きさせない謎解きストーリー、巧妙で考えつくされた演出、それに美しい映像。
グロ要素満載ですが、なかなかの秀作と言ってよいでしょう。

<聖地について>
{netabare}物語の舞台は紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島です。
若かりし頃、船で行きました。
人形供養で有名な淡嶋神社を横目に乗り込んだ船は小さかった記憶があります。
島は無人島で、目立ったものはなかったよう。
島北側の遊歩道を西にほどなく歩くと、砲撃台跡がありました。
戦時中の遺構ってやつです。
それ以外は、ただただ自然。
鬱蒼とした森には妖が巣食うよう。
帰りの船から見る紀淡海峡は潮の流れが速く、島を増々神秘的にみせていました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25

78.2 4 謎解きアニメランキング4位
終物語(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1403)
8408人が棚に入れました
十月下旬、私立直江津高校三年生の阿良々木暦は、転校してきたばかりの一年生女子、忍野扇を後輩の神原駿河から紹介された。
放課後、扇は不思議なことを言い出した。彼女はとある事情から転校を繰り返しており、新しい学校に来るたびにその図面を作成しているという。そして、直江津高校の図面を作成したところ不思議な点があるのだと。図面上は3階の視聴覚室が奇妙に細長くなっているはずが、中からはそうは見えない。もしかしたらそのスペースには何か隠し部屋があるのかもしれないと。暦と扇はその隠し部屋を発見し、中に入るのだが、その部屋から出られなくなってしまう。時計が止まり、扉も窓も接着剤で張り付けられたように動かない。窓や扉を破壊しようにも机も椅子も跳ね返されてしまう。まるで、時が止まったかのように。
扇は何らかの怪異現象では無いかと言いだし、暦は二年前のある事件を思い出す。犯人が分かるまで決して出られない教室で、暦は自分が孤立した原因となった「物語」を扇に語る。

声優・キャラクター
神谷浩史、水橋かおり、井上麻里奈、斎藤千和、堀江由衣、沢城みゆき、花澤香菜、坂本真綾、早見沙織、ゆきのさつき、加藤英美里
ネタバレ

うぃず さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

美少女一番乗り

物語シリーズ中、「ミステリー」度が最も高いかもしれませんね。
それは内容だけでなく視聴者の意見的にも。笑

暦の「友達はいらない、人間強度が下がるから」の理由が「おうぎフォーミュラ」で明かされます。その結果には驚かされたけれど、正直なところ1度目の視聴ではサッパリ判らなかったよ。笑

「おうぎフォーミュラ」を序章として「そだちリドル~そだちロスト」では確信犯とも云うべき扇ちゃんのリードで話が展開していきます。併せて様々な「物語」への伏線もばっちし張り巡らされてますね。これはもはや心理系推理小説の世界。気付けば羽川翼の苛立ちもジワジワと。

今回のヒロイン、卑屈度MAXのツインテール、ハウマッチさんがなかなかの怖さです。「ギブ&テイク」の論点が空回って完全にパラノイア状態。
悲観的にもなりますよ....ところで、この物語に救いは無いの?

ハッピーエンドなのか、
トゥルーエンドなのか、

真相は視聴者の判断に任せるとして、
ラストに見せるハウマッチさんの表情からその答えを窺う事が出来た様な気がします。

そうそう、「そだちロスト」に絡んで「恋物語」での「羽川さん&扇ちゃん」の丁々発止なオーディオコメンタリーも併せて聴いてみましょー。
ユーモアを通り越して少し怖いんだ。

一方、「ハウマッチさん&ひたぎ」のオーディオコメンタリーではハウマッチさんが多少デレます。笑

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400年前、忍野忍ことキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが血を吸った事で誕生した初めての眷属との関係を綴った「しのぶメイル」も前エピソード同様に話が深いですし、セリフも多いです....
数度にわたり寝落ちしちゃった事を告白します。笑

でもね、ざっくり簡単に云っちゃえば「元カレ VS 今カレ」の「忍」争奪戦って事ですよね.....ダメ?ダメかなぁ?

ストーリー中、神原と忍の鬼気迫る会話では「人間」と「吸血鬼」という特異な間柄でありながらも、極めて普遍的なテーマから1つの答えを必死に導き出そうとしている姿に心打たれます。「終物語」最大のハイライトだと勝手に信じてます。

{netabare}併せて「猫物語(白)」の伏線も回収してますねー。{/netabare}


「しのぶメイル 其ノ肆 - 其ノ陸」のオーディオコメンタリー(神原&忍)は、これまでのコメンタリーに比べても、かなり核心に迫っているように感じます。それこそ「え、えー、そこまで話して良いのー??」なんてこっちが心配になります。笑

程好く物語を補足出来ますよ。
こちらも宜しかったら一聴あれ。

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終物語は「化」「偽」の世界が好きな人にとって、ビジュアル的には充分に楽しめると思いますが、ストーリーとしては少々難解というか、難儀してしまう部分もあるかなーと思います。でもね、数ある「物語」パズルの大切な1ピース。やっぱり外せないんですよね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

愛花 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

待ってました(*σ´ω`*)σ

待ってました終物語!
秋アニメで1番楽しみにしていました♪

おうぎフォーミュラ
{netabare}
阿良々木くんが「友達なんて要らない」と考え出したきっかけとなった1年生の夏のある日の物語
阿良々木くんが人間に絶望した物語
阿良々木くん優しいから、無意識にもずっと自分を責めてきたんだろうなぁ…

老倉育ちゃん性格きつそ〜(ー ー;)
ハウマッチが学校復帰して阿良々木くんにどう絡んでくるんでしょう
自分の知ってる阿良々木くんとは変わってしまった阿良々木くんをどう思うのでしょう…
{/netabare}
そだちリドル
其の壱
{netabare}
もうop変わりましたね♪
でもおうぎちゃんのdecent blackのが好きかも。

阿良々木くんが老倉ちゃんに嫌い嫌い嫌い言われすぎて不憫でした(^_^;)

ところで阿良々木くんは、覚えていないことを、扇ちゃんが「〜じゃないですか〜」と言うと、ちょっと疑問に思うもののすぐ受け入れちゃいますよね
扇ちゃんって一体なんなんでしょう??
{/netabare}

其の二
{netabare}
阿良々木くん過去編。
どうやら阿良々木くんは中学生の時おいくらちゃんに数学を教わっていたそうですね。
嫌いになりかけていた数学を彼女のおかげで愛することができたと。
それを忘れて幸せそうに生きている阿良々木くんが、
自分が何でできているかを知らない阿良々木くんが、
おいくらちゃんは憎かったのだろうと。

でもあれれ?おいくらちゃんはどうして阿良々木くんの両親の職業を知っているんだ?
おいくらちゃんと阿良々木くんのあいだには過去にまだ何かあるんじゃない?
と羽川さんに突っ込まれたところで今回は終了。

うーん、解けたと思ったらまた深まって、という感じですね…
あと今回、ギャグ要素などが少ないからかもしれませんが、テンポがやや遅くて長くかんじます…
{/netabare}

そだちロスト

其の壱
{netabare}
扇ちゃんと羽川さんのバトル回‼︎

恋物語で羽川さんは貝木から「忍野メメに親族は存在しない」という事実を聞いているため、扇ちゃんや阿良々木くんが忍野メメの姪と言った時変な顔をするのですね。

ところで扇ちゃんの制服って羽川さんと同じようで結構違いますね。ピンクもブルーも色が違うし、影みたいな感じです。。

ともあれ、阿良々木くんと羽川さんの2人で老倉さんのお見舞いに行くことになりました。
{/netabare}

其の弐
{netabare}

老倉ちゃんが過去を語ります(._.)
老倉ちゃんも相当壊れてるなぁ…

何でもは知らないけど知ってることだけの羽川さんは投げた紅茶のカップまでキャッチできるのか…!
委員長ちゃん、実は運動神経いいのか⁉︎

阿良々木くんの、お前の嫌いは全て僕が受け止めるから、受け入れるから、自分を嫌いにならないで、幸せになってくれという言葉が本当にカッコ良かった…!

そして、普通の人ならスルーしてしまいそうな問題「老倉のお母さんは何処からいなくなったのか?」を気にかける羽川さん、さすがです…

この辺でやっと怪異とか絡んでくるのですかねぇ〜(._.)今までは扇ちゃんという怪異(?)以外登場してないですからね〜

{/netabare}

其の三
{netabare}
老倉さんの家からお暇した2人。
老倉さんのお母さんがいなくなった謎について考えます。
そこで扇ちゃん再び登場。
阿良々木くんが羽川さんを選んだことをまだ根に持っているようで、羽川さんを挑発します(´・ω・`)

羽川さんは水を頭から被って冷静になり、扇ちゃんと同じ1つの解に辿り着きます。
(黒染めが落ちて白黒頭になっていましたね!)

2人がたどり着き、そして阿良々木君にも辿り着かせた解は。。
「老倉育は母親が死んだことに気付かず面倒を見続けたこと」
母親がいなくなったというのは、腐敗して原形を留めなくなったのだということでした。

阿良々木くんはこの事実を1人で老倉さんに伝えに行きます。
案外、老倉さんはこの事実をすんなり受け入れたと阿良々木くんは語ります。
阿良々木くんと2人であった時の老倉さんは本当に穏やかで、老倉さんに対する悪印象をすっかり拭い去ってしまいました。

老倉さんが阿良々木君に残した手紙には何が書かれていたのか、気になりすぎるぅ!!

結局今回は怪異不在のお話でしたね。。
副題が変わってもお話が連続していたりと、終物語は今までとは違う展開になっていきそうですね‼︎

{/netabare}

しのぶメイル
OP⁉︎っと思いましたが忍ちゃんではなかったですね……
どういう意味の歌詞なんだろう。。

やっと物語らしくなってまいりましたよ‼︎

其の壱
{netabare}
臥煙さんに神原を紹介するという約束を果たそうとする阿良々木くんですが、鎧武者の怪異に出会ってしまう。
阿良々木くんは忍ちゃんとのリンクが切れて不死身でなくなっており、神原の左腕も鎧武者のエナジードレインで無効化され、絶体絶命に…
そこに下から炎が湧き出て(苛虎かな?)鎧武者は引きます。
炎の中でまたもピンチな2人を、余継ちゃんが助けてくれます。

{/netabare}

其の弐
{netabare}
余継ちゃんのサービス回ですか⁉︎笑
くそう、なんで阿良々木くんが羨ましく思えるんだ…ヽ(´o`;
余継ちゃんが靴下脱ぐとことか長靴に足突っ込むアングルとかにドキドキしてしまったぞ←

集合場所に行くまでに神原と2人で迷子になってしまった阿良々木くん。
「迷い牛が道に迷わせる怪異なら道を歩かなければいい」
神原でなければ思いつかないなそれは…(^^;;

公園で忍と合流するが、臥煙伊豆湖の姿は見当たらない。そして再び鎧武者が登場する‼︎

{/netabare}
続きが気になります!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

待望の続編

待ちに待った続編が放送されたので,観ています。

第1話は,おうぎフォーミュラの話が1時間でした。{netabare} 忍野扇との語りがメイン。閉じ込められて,暦と育の学級会でのいざこざを思い出した上で,真犯人を推理するという内容でした。
教師も酷いですが,暦を陥れようとする育も酷いうえに,その結末も誰も得していないというか,胸糞悪い感じだなと感じる内容でした。
話しのつかみとしては,その後を気にさせてくれるという意味で,完全につかまれてしまいましたが。
終物語ということで,これまでの話がまとまっていくというか,今までの話が前提で話が広がっていくのだと思っていたら,新たなキャラクターが登場で,過去の話でもあったので,「展開がどうなるのだろう」と興味をそそられてしまいました。{/netabare}

2話目は,そだちリドル其の壱で,{netabare}新たなキャラクターの育との過去を暦が思い出しの語りがあって,現在の育が投稿し,戦場ヶ原さんが出てきて,戦場ヶ原さんに蕩れる内容でした。
1話目にもちょっとだけ出ていたのですが,2話目で蕩れました。{/netabare}

第3話は、{netabare}老倉育との中学生の頃の出会いの押野扇との語りのお話。
羽川翼との語りで終了。{/netabare}
羽川さん、顔とかの雰囲気変わりましたかね??

第4話は、{netabare}羽川さんと扇とのせめぎあい。羽川さんの選択がいつも通りで、破壊力ありました!{/netabare}

第5話は、{netabare}暦と羽川さんと育の三人の語り合いでした。
ちょっと,過去の暗い話な感じでした。
1話目に部屋から出れない怪異みたいなのはあったけど、その後はなかなか出てこず,ようやく冒頭の話が終わり始めた感じなので,話の展開が楽しみです!
育の不幸,羽川さんの不幸,戦場ヶ原さんの不幸と,不幸の大きさは量ることはできないし,野暮だけれど,どの不幸が一番大きいのでしょうね。
1話目と5話目,あと,3話目の暦の両親の職業の話と,なんか,今回は,推理的な要素が強いのでしょうか?{/netabare}

第6話は,{netabare}前回の,育の母親の謎解きの話でした。前回の育との語りの内容から,育の母親がどうなったか,扇が出てきて,羽川さんとヒントを出して,真相に迫る話です。
結局,怪異話はなく,最後まで推理的な展開で育の話は終わりなのですね。
全体が暗い話で続いていたので,育が明るく転校していったことや戦場ヶ原さんのメールでスッキリまとまって,面白かったですっていうか,この後の話がどのようになっていくのか楽しみです!!

そして,育に関する推理は解決したのですが,益々,扇に対する疑問,疑念が増える一方です。少しでも観ていて晴れていけば良いなと感じています!{/netabare}

まだまだ,先が気になり,次回が待ち遠しいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 23

68.7 5 謎解きアニメランキング5位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (192)
526人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

{netabare} あるいは変装をしても危険な食べ歩きの安全保障のための小鳩だったのかもしれません。スイーツは本当は小佐内は一人で楽しむものだったんでしょう。スイーツを食べるとき小鳩にまったく興味を示していません。

 したがって「小市民」は小鳩をうまく巻き込むためのガワだったと思います。小鳩に男としての興味はないです。だから、中学校時代からの宿題が終わった瞬間、解散を申し出たと取れます。
 ですので、私はこの作品は小鳩に語らせた叙述トリック{/netabare}と定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造は{netabare}騙された小鳩が視聴者の代弁者となる「他人が語る叙述トリック」と私は捉えています。叙述トリックとは1人称の推理物語の語り部が実は犯人でしたというジャンルです。要するに「メタWHOダニット」なんですけどね。 {/netabare}これが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

{netabare} まさかこのシリーズがアニメ化されると思っていなかったので、アニメ化発表のときに驚きました。このシリーズ、春・夏の読後感がちょっとなあ…という感じだからです。

 氷菓の千反田えるのようなキャラを望んでいる人には【悲報】ですが、小佐内さんに萌えられる人はそうはいないと思います。私は、推理小説は大好きですがキャラ萌えとして楽しむところがあるので、本作は「夏」まで読んで「秋」は買うだけ買って積ん読で手が出ませんでした。確か「巴里」が出るタイミングでやっと「秋」を読んだので10年以上放っておいた感じです。

 それくらい心が離れていました。結果的に「秋」を読むと展開に仕掛けがあるのか…と思いましたが、しかし「秋」はこのペースだと多分アニメ化できないでしょう。「夏」までで大丈夫か?と心配です。そこもネタバレになるので言いませんけどね。

 アニメ本編ですが、キャラや雰囲気の再現性は…うーん、ちょっと綺麗に描きすぎというか、無駄に心象表現をしすぎというか、冗長というか…そんな感じです。
 なお、主人公の家は和菓子屋設定なのでしょうか?これは原作ではなかったと思います。小佐内さんって和菓子苦手だっけ?と思いました。もう1回読み返さないと思い出しません。あとは時代的にスマホがあるとラブレターのニュアンスとか20年前と違うよね?など、細かいところは気になりました。

 追記 ああ何か事件の日の2人の動きに違和感があると思ったら、原作読み返したら、当日の目的はクレープ屋さんで、イチゴタルトは違う日なんですね。そこはちょっとアニメ版は行動として無理があったかなあ?{/netabare}


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

{netabare} いくらなんでも…という回でした。わずか35ページの原作を1話にしましたか…さすがに眠くなるようなテンポの悪さです。

 そもそも、シンクにスプーンの謎かけはいくらなんでも無理があるのは、小説からでした。無理があるというのは、堂島というキャラからいって、その謎を仕掛けるのが不自然だからです。
 ヒントを要素に分解して、謎に気が付くように、解けるように、ただし簡単になりすぎないように難易度の調整をしながら仕掛けるには、常悟朗と同程度以上の頭の使い方が必要です。それは堂島のキャラ造形や言動から言って不自然です。

 そして、日常の中の謎というのはこの無理の連続です。そして、これは本格派推理のジレンマで、パズルを作ろうと思うと、話は不自然になります。ですが、それは本格派小説のマナーみたいなもので、小説ならこういう不自然な話も「そういうものだ」として楽しめます。

 まあ、これは「たまたま堂島のずぼらが作った意図しない謎」という話ととるんでしょう。今度は姉がそこに謎を見出したという不自然さは残ります。堂島のキャラをよく知っているはずですし、一般人にそんな気づきは普通ないでしょう。けど不自然さはマイルドにはなります。

 そして、堂島の意図でないとすると次に別の不自然さが発生します。わざわざ2人を呼び出してココアをふるまった意味がなくなるし、ココアの作り方をレクチャーする意味がメタ的に考えて意味を喪失します。
 推理小説に「無駄はない」の法則から言って、ココアの作り方をわざわざ説明した流れからは謎かけととるべきだと思います。ですので通常なら読み取るならやはり「意図した謎」ととるのが自然でしょう。

 ただ「あんのずぼらが!」のセリフがありますので「意図しない」方にはアニメの解釈は寄せています。そしてそうなるとこの1話が丸々不自然な1話になります。堂島は本当に常悟朗と小佐内を呼んで話がしたかっただけ?


 追記と修正 ここはさっき改めて原作を読んでから件のシーンを見返しました。今回は「ココアの解き方のようなつまらない話を延々と聞かせて反応を見た」という読み方が正解な気がします。ここは私の読み間違いがあった気がします。
 ただ、その行動自体が人間として不自然だし、堂島というキャラの性質上「ココアの入れ方」という話題をチョイスし、反応をうかがうようなことをするのがキャラに合っていない気もしますけど。むしろ単刀直入に聞くでしょう。

 で、これは別の視点なのですが、小学校のころの友人と高校で再会して、キャラが変わった。大きな何かがあったのか?と思う感覚です。普通中学時代の変化は大きいでしょう。変わらない方がおかしな年ごろです。
 むしろ再読してこっちの方が不自然には感じましたが、それだけ常悟朗がインパクトがある少年だったという意味だとは思いますので、この辺は計算があるのでしょう。
 日曜日に家に呼び出して問いただすというのは普通ではありません。つまり「ココアの作り方」の謎を作るためのちょっと無理があるシチュエーションな気はしますが。

 それと小佐内さんを一緒に呼び出す理由は弱い気はします。こういう話をする際、同行者は邪魔なんじゃないかと思います。その点では原作と構成を変えて、小佐内さんが堂島の持ちかけた謎を問いたという話を飛ばした故の不自然さでした。

 いずれにせよ、人間の一般的な言動からは無理があることに間違いはないでしょう。それが日常系推理の不自然さで、今回は見ていて推理のための舞台装置感が非常に強かったです。故にいくら作画が良くても、何を見せられているんだろう?という感覚が強く出ました。

 これは本作に限ったことではありません。ただでさえ日常の謎の推理ものには不自然さがあります。
 ですが、それは小説故に読めるのであって、アニメにしたときのなんと無意味で冗長なこと…その点でやっぱり「氷菓」の出来は良かったんだなあとあらためて思います。

 まあ、小佐内さんの本質が見たいので、そこのポイントはチェックすると思いますが、どうしようかなあ…視聴断念のボーダーライン以下ですが、そこが気になるので、飛ばし飛ばしの視聴継続でしょうか。{/netabare}


3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

{netabare} なるほど、小佐内さんのダークサイドをそう描きましたか…テストの件と連続させたのは、スイーツにかこつけて常悟朗を呼び出す。小佐内さんに推理力はなく常悟朗に推理させる。スイーツをたらふく食べることで自分を押さえる…ということでしょう…か?ここが原作からの疑問でした。

 スマホ(原作だとケータイ)を忘れてきた…というくだりですが、小佐内さんがもし常悟朗に推理をさせようと意図したのだとしたら、ここはちょっと不自然です。常悟朗が学校に戻り現場検証するのが偶然になってしまいます。少し違和感があることろです。

 メールの内容が「話がある」から始まっているなら、小佐内さんの計算ととれるんですけど「ケーキ食べたい」から始まるこのメールの流れだと本当に小佐内さんはやけ食いを意図していたことになります。偶然の流れととるべきか、意図ととるべきかで随分解釈は違います。ただ、2人の約束に縛られて「ケーキ食べたい」がつまり話があるという意味なんでしょうけど。つまり、スマホを忘れて学校に戻る部分はどうやっても不自然にならざるを得ません。

 結局、小佐内さんは常悟朗に対して未必の故意で、推理することをかなりの蓋然性で見込んでいたのでしょう。そうじゃないと、場合によってはテストの件でも復讐するという緊迫感がなくなってしまいますので、そこはいずれにせよ小佐内さんは推理をさせたし、常悟朗は推理をした、ととるのが正解なんだと思います。

 前半でのちょっとした出来事は、小佐内さんは我慢が出来ないことに対しては復讐する、ということですね。

 で、本作のターニングポイント…小佐内さんの笑顔です。いままで無表情だったことの意味を我々はここで知ることになります。もっと素直な笑顔でもよかった気がしますが、そこは解釈ですから少し狂気をはらんだ笑顔というのも理解はできます。

 ただ、ここが大事ですが小佐内さんの本性はむしろ復讐にある、ということが表現できていたかどうかです。あのシーンで一番大事なのはスイーツのときよりも嬉しそうに笑うことではないか、と思ったんですけどどうでしょう?そうなると前半のケーキバイキングのシーンで笑顔が全くないのは演出としていただけません。小佐内さんの狂気が表現できているか?初めての笑顔と、笑顔の違い…演出はどちらが正解なのでしょう?


 そして、原作だと「私有財産の保全」のセリフのところで笑顔を消しているんですよね。復讐のネタを見つけたことに喜び笑顔になって、それを止めようとする常悟朗に対して真顔になることで自分の中にある怒りを再度認識して真顔になる、ということだと解釈しました。ですから本作の「私有財産の保全」のときの小佐内さんの心の動きはちょっと解釈が違うんじゃないかな、と思わなくはないです。


 瓶が落ちる話のトリックですけど、確かに原作では氷やドライアイスの可能性に言及していましたが、特にトリックの明示はありませんでした。本作のあのトリックは証拠を残しています。そこで「濡れ衣」という原作にはないキーワードをアニオリでつけました。原作は純粋にカンニングのため、本作は教室内に悪意があることを示唆しました。この違いに意味があるのでしょうか?

 あと細かいところですが、前半の2人がケーキバイキングの店で並んで座っているのを外から見たシーンで、4分15秒くらいのところは2人のつながりが画面的におかしい気がしました。まるで省略があって何メートルも離れているみたいに見えました。それが本作の演出だと心象なのかともとれるのがややこしいですけど。

 今回は省略もあり随分テンポ良く進みましたが、全体的に小佐内さんの心の動きと本性をちゃんと描けていたか?が、非常に気になります。画面は非常に綺麗なのですが、推理小説ではありますが…特に心理…いや小佐内さんの本質が大事なこのシリーズの前半の根幹ですから、そこは監督・シリーズ構成・演出の人たちはどう考えたのでしょう?OPで狼と狐の絵を見せるだけ?

 それと橋…川の演出はどうなんでしょうね?心象で意味を込めるにしても、ちょっと読み取りづらいかなあ。{/netabare}


4話 この作品の最大のトリックは何か?

{netabare} 本格推理的な雰囲気でありながら、すべて状況証拠の積み上げなので推理としてどうなのか?という点については氷菓も一緒です。ただ、その状況の提示の仕方が、すべて小佐内さんの自転車だよりになってしまったので、非常に不自然になりました。タルトの件、空き巣事件で都合よくナンバーを目撃された件(しかも印鑑が盗まれた…といろいろ調べられたりする)、そして教習所が特定できた件です。

 ただ、重ねて言いますが日常系の人が死なない推理小説は、えてしてそんなものです。捜査ができない以上はそうなざるを得ません。ですので、そこは保留でいいでしょう。小佐内さんのヘイトをためるにも必要だったでしょうから。

 ただ「春限定」の最大のトリックは何か?それは小佐内さんの見た目と内面のギャップです。スイーツの題名でふんわり甘いものを想像して小説を手に取ると、常悟朗の推理ものとして見ていると、最後は実はキャラの性格造形でだまされるというのが本作が読者に仕掛けたトリックです。

 そう考えたとき「春」の不自然なのは推理ではありません。常悟朗が「小佐内さんが危機に陥っているかも」と焦るというところが不自然なのです。小佐内さんが狼と言い切れるほど、狐の常悟朗は「本性」を知っているのに、復讐において小佐内さんがドジするという心配をするというのが作品のカタルシスを減らしたなあと思います。

 ここは小佐内さんの怒りや高校という年齢から言って、どれだけ悲惨な復讐が成し遂げられるか、を心配するくらいでちょうどよかったと思います。本来2人は頼られたら何とかする同盟であって、心のつながりが希薄という前提まで崩してしまいます。
 これは堂島を相手に推理を語らせないと推理として成立させられないからだとは思いますけど。

 それと小佐内さんの復讐に「わからせ」がないです。題名に冠したいちごタルトと自転車泥棒の報いだ、というのが坂上は知ることができません。これを復讐の完遂と呼んでいいかどうかです。

 自転車にまつわる事件を連続させた工夫は感じます。が、最終的には「小佐内さんの内面の恐ろしさに驚愕するミステリ」が本作「春」段階ではそこの描写が弱いので出来損ないの「氷菓」に見えるのでしょう。「氷菓」は各事件の解決の下に潜む人間性・隠れた動機が実は最大のトリックで、さらに作品を通じて主人公が覚醒する話です。その氷菓における隠れた動機に対応する「小佐内さんの本性」の描き方が「春」だけですと非常に弱く、故に面白さが中途半端です。

 それをアニメにしたから、まあ、こうグダグダになったのでしょう。特に3話の小佐内さんの描き方が弱すぎるなあと思いました。ただでさえ短い「春」の話を削った影響もあるかもしれません。

「夏」の方がその意味では本番です。1クールで4話しか「春」に使わないのは当然、主軸は「夏」ということです。推理小説ものなので最後まで見ますけど、やっぱりアニメ化に向かない上に、制作が見せ方をちょっと間違えたのかなあ…という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

{netabare} この「伯林あげぱん」の話は日常系推理としての出来が良く、与えられた素材から推理される内容もその推理が必要で小鳩が巻き込まれる過程も、自然に描けていたかなと思います。「氷菓」の面白さに匹敵するコミカルな感じも良かったと思います。

 そして、小佐内ゆきというキャラの性格というか行動原理が適格に表現されていて、そこの使い方が見事です。話の導入として読者の疑問を掻き立てるのが非常に上手かったです。加えて堂島が新聞部ということも活用できています。

 ただ、少し画面から違和感を感じないでしょうか?5月の設定なのにどう見ても冬の印象を持つ作画、美術、色彩になってませんか?
 直接推理にも話の面白さにも引っ掛からないのでネタバレすると、本話は「巴里マカロンの謎」に収録されていて、時間軸でいえば1年生の冬になります。(追記 さっきまで2年の冬だと思ってましたが、原作確認したら間違っていました)

 この話は本来原作では1年生の年末に近い時期の話で、「春季限定」と「夏季限定」の間の話になります。それがアニメだと小鳩はいきなり2年A組になっています。春と夏の間という時間軸は変わらないのですが、部室のホワイトボードは「5月」と表示されています。つまり、無理やり2年生の5月の話だと改変しています。
(追記 そうそう、なぜ仲良くなさそうな新聞部でこんなことをしたかと言えば、原作では年末の取材の一環でした。ベルリーナー・プファンクーヘンはドイツでは大晦日または2月の謝肉祭に食べられることが多いそうです。それは調べないとわからないのでまあいいでしょう)
 
 話そのものに影響はないのです。ですが、5月なのに画面が寒々しく全員がきっちり制服を着ています。部室の窓もしまっています。午後4時45分なのに夕日になっています。つまり、冬のつもりで作っている人、5月のつもりで作っている人が混在しているような不思議な画面になっています。これは何か事情があるのでしょうか?

 その画面上の不自然さはおいて置いて、これを説明というか何もなくいきなりここに差し込むのは、アニメとして効果的かどうかは疑問です。まあ、これから「夏季限定」が始まるので2年生にいきなりなっていると戸惑うので、無理やりここにいれたのでしょう。ただ、アニメとして説明が不十分すぎます。

 と、アニメの画面の印象と、シリーズとしての説明の工夫にちょっと疑問は感じますが、そうは言ってもこの1話は大変面白い話でした。キャラたちの性格が悪すぎるのは相変わらずですけどね。{/netabare}


6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

{netabare} 冒頭のお祭りのシーンは原作でもわかりづらいというかはっきりとは確定できないのですが、「会いたくない人」に意味深長なものを感じたのですが、その辺は伏線だと思います。あえて自転車で来たと嘘をついたのは{netabare}「自分は見られたくないけど、相手の顔が見たい」 {/netabare}という小佐内さんの事情が原作では小鳩によって推理されますが、アニメではありませんでした。綿あめも本当に食べたいのもあるでしょうが、 {netabare} 顔を隠す {/netabare}という意図もありました。
 ですが、本作アニメではそこをサラリと流しました。推理としてフェアかどうかはアニメ制作者は考えた方がいいと思います。

 それとこの祭りのシーンで「春」では表現しきれなかった、小佐内さんの本質ですね。小悪魔的ではなく悪魔的に、完全に小鳩の内面を翻弄しコントロールしている感じを描くシーンだと思うのですが、そこがちょっと弱かったかなと。

 そして原作で明確でないのがこの時点で小鳩は小佐内さんをどう思っているか?なんですよね。「春」の教習所の件から、互恵関係と言っている割に小鳩は小佐内さんに甘い感じです。そこに恋愛を見出すことはできますが、それはミスリードでしょう。

 このシャルロットで言いたいのは、小鳩の側でも本当は推理を披露する機会が欲しくて、小佐内さんを利用しているということでしょう。小佐内さんがほぼ唯一のその性癖の理解者です。ですが、小佐内さんはそれが分かって小鳩を利用し支配しているというのが、この祭りとシャルロットで描かれたのかな、と。

 それとまあ、これはネタバレですから隠しますが、 {netabare} この構造が「夏」の大きな仕掛けになります。この6話は「5話と同じく出来がいいちょっとしたショートストーリー」…では無く「夏」事件のキャラ造形としての伏線になります。{/netabare}
 こういうところが「春」に比べて「夏」の方が話としては進化したかな、という部分です。

 演出について。シャルロットのパートなんですけど「何やってるの、小鳩くん」は、心象風景ですね。こういう演出が分かりやすいかどうかはちょっと考えた方がいいかもしれません。
 あと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、箱の中のレイアウトはちょっと原作と違うニュアンスになっています。{/netabare}


7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

{netabare} ハンバーガーショップの地図の件は、原作だと謎になっていたんですけど、画面でみると成立してなかったですね。どう描くかをちょっと楽しみにしていたんですけど、演出が付いて行ってなかった気がします。
 一方今回の小佐内さんの変装は笑ってしまいました。ついでに、なぜいつも変装しているのかも明言はされてないですが、そこを考えても面白い気がします。

 1話で小佐内の好みを「和菓子ではなくバターとブランデーが効いた濃厚な甘さ」的なものと言ってしまったが故に、鋭い人は小佐内のスイーツに綿菓子とかリンゴ飴が含まれることに、何かの仕掛けか?というアニメ独自の読み方ができてしまいますね。制作スタッフが意図的に入れたのか、何となく入れたのかが良くわからないセリフでした。

 あと、7話の小鳩の表情はそれでいいのか?という気がしなくはないです。ちょっと私の解釈とは違います。一方で小佐内の表情は私と同じ解釈かな、という気もします。小鳩の表情を本作アニメ版のように捉えると、結末がもっと楽しくなると思うのでそこはなるほどな、と思いました。

 この表情についてはアニメでは意図的にかなり丁寧に作画していたと思います。6話の構造と合わせてしっかりとチェックしておきましょう。そして7話の印象を最後まで忘れないようにしましょう。{/netabare}


8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

{netabare} かなりあっさりと誘拐事件を描きましたね。原作からして薄めの本ですので、描き方のテンポとしては悪くない気もします。もうちょっとヒリヒリさせるよう、ここは引き延ばしても面白かったかもしれません。

 で、誘拐事件の本編はこれからです。楽しみに待ちましょう。私はこの作品が大嫌いですが「夏期限定トロピカルパフェ」という作品の出来の良さは認めています。夏祭りとシャルロットの味わいが活きてきて、見事な推理小説的な展開と構成でした。

 トリックの種類は ※ネタバレ注意※ {netabare} 他人(小鳩)が語る(小佐内)さんの叙述トリックという感じです。小鳩が8話で行ったことは、そういうガワで見えているという表面上のものだけで、これに視聴者はだまされます。

 注意。具体的内容。{netabare}事件そのものは犯人が引き起こしたものですが、それを事前に察知しその事件を監禁・暴力事件から営利目的の誘拐事件という非常に重い罪に見せかける復讐を小佐内さんが仕掛けます。
 その仕掛けの片棒を担ぐことを小鳩が誘導されて意図せずに行ってしまいます。最大の犯人が小佐内さんだということです。その意味で「春」事件のときの小佐内の描き方が弱いので夏のカタルシスが弱くなるなあ、と思っていました。

 変装の意味、なぜ夏祭りのとき顔を見られたくない相手の顔を見たかったのか、シャルロットのときの小鳩の事件を解決したい心理を小佐内さんが確認したこと、小佐内さんとの関係性に顔を緩める小鳩の表情、逆にそれを知った小佐内さんの悪魔的な表情、なぜ事前に地図の場所を把握できていたのか、小鳩に地図を事前に見せたのか、なにより最大のトリック「小市民」という単語の我々のこざかしいイメージの回収。

 つまり、本作は小鳩VS小佐内であり、小鳩が小佐内の手のひらの上で踊る話です。さらに言えば小市民という人を馬鹿にしたような自分たちの小賢しい考えに気づき、関係が破綻する話です。ですので、6話で小鳩がまるで小佐内のことが好きなような表情を見せたことが効いてきます。苗字に小が付くのも原作者の悪意を感じます。この辺、本当に素晴らしい仕掛けでした。{/netabare}

{/netabare}

 こういう感じですので、肝心なのは次回です。事件の説明の中に潜むいろんなものを理解してこの作品の「味わい」を拾いましょう。何度も言いますが、私はこの小説が大嫌いです。

 これが、この作品の1話でレビューした小佐内≠千反田えるの意味です。今のペースだと9話か少しじっくりやって10話くらいで終わる感じですが…それともいろいろアニメだと私が本作原作を嫌いになる理由に何かアニオリが付いて意味を変えてくる可能性がある尺ですね。

 以上のような話です。せっかくここまで見た人は、最後まで見ることをお勧めします。 {/netabare}



9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最終話で彼女の内面が少し見えた気がした

原作未読です。

この物語を見始めて主人公たちの関係性がよく見えなかったんですけど、最終話まで見て分かったかも。

小鳩くんと小山内さんってどちらも他人に理解されにくいんだけど、でもお互いが最大の理解者なんですよね。

二人ともそう思ってたから小市民の契約を交わして、一緒に行動してたんだと思う。
そこから恋に発展することは可能性としてはあったけどそうはならなかった。
その辺を二人がお互いをどう捉えていたのかまではわかりませんでした。

9話の種明かしは確かに驚きましたけど、だから小山内さんの内面が見えづらかったのかなって納得もできました。
{netabare} 他人に余計な罪を被せたのもだけど、共犯者のフルネームをわざと言ったり小鳩くんを知り合いって言ったりするところとか、{/netabare}やっぱり私小山内さんを好きになれないなって。

でも10話を見て、小山内さんの心のほんの一部が見えた気がしました。
これはまったく勝手な私の解釈なんですが、小山内さんは小鳩くんに別の期待もしてたんじゃないかって思うんです。
だから{netabare} 煮え切らない小鳩くんに「これは別れ話なの」「私たち痴話げんかもできない」って口走り、別の男の子からのアプローチには「はっきりした男の子嫌いじゃない」{/netabare}って言っちゃうんですよね。
でも仮に小鳩くんと小山内さんがそういう関係になったとしても、あの事件は防げたかというと小山内さんの性格からも難しかったかもですけど。。

でも{netabare} 小鳩くん小山内さんそれぞれが告白された{/netabare}展開でめっちゃ続きが気になってきました!!
2期が2025年4月予定みたいなので、二人の関係がどうなるのか待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

いつか来た道戻ろかな…

嗚呼〜、小市民♪
          (嘉門達夫『小市民』より)
これで笑えるアナタは立派な小市民である^ ^。
           
小市民は革命しない。
ささやかな楽しみをモンタージュ、今を生き続けるのである。
                (2024/07/31)
シネスコサイズ
モンタージュ的場面転換とマッピング
小鳩くんと健吾の掛け合い
ケーキの食べ方へのこだわり
小佐内さんの目線、目力、トラブルキャッチャー感

“狐狼の血”

そして第5話へ
狼と香辛料^ ^
小市民な私にはとっても楽しい作品であります。
                (2024/08/11)

ネット民を、いや濃尾平野の北縁、滔々と流れる長良川が育んできた人々をざわつかせるミームを前に、君は小市民を気取ることはできるか?

「岐阜の治安、どうなっとりますか?」
「小佐内さん、どうなっとりますか?」

10話で終わるとは、聞いとりませんでした…。
Cパートを挟んで、2期“爆誕”であります。

楽しみです。

いつか来た道は川の流れ。
決して戻ることはない…。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16

67.6 6 謎解きアニメランキング6位
ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (710)
3239人が棚に入れました
青春にはいつも、解き明かせないたくさんの謎が溢れてる!

「原作シリーズ累計55万部突破」初野晴の大人気・吹奏楽青春ミステリ<ハルチカ>シリーズ、待望のTVアニメ化!
原作はシリーズ累計55万部を突破した大人気・吹奏楽青春ミステリ<ハルチカ>シリーズ。廃部寸前の弱小吹奏楽部で、吹奏楽の甲子園と呼ばれる"普門館"を目指す、幼なじみ同士のチカとハルタ。
部員集めに翻弄する日々と、仲間たちと交わす友情、そして次々に現れる謎(ミステリ)。チカとハルタの奏でる音楽がいま、遠く高らかに鳴り響く!

声優・キャラクター
ブリドカットセーラ恵美、斉藤壮馬、花江夏樹、山下誠一郎、千菅春香、島﨑信長、瀬戸麻沙美、岡本信彦、山田悠希
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スカートの下の白いひらひらって何?知っている人がいたら教えて!

気になって気になってアニメどころではありません。
ってことはないですけど。テヘ!

P.A.さん制作だから、作画がクリアーです。
しかし、瞳の描き方がくどい。
七色の瞳なんてちょっと気持ち悪いですね。

「ハルチカ」って言うくらいだから、ハルタとチカが主人公。
アニメ内容は後述することとして、チカの性格がピカイチ。
一言でいうと、人を惹きつける性格。
初対面でもフレンドリー、情にもろくて一本気。
穢れない心で飛び込んで来るので、あっという間に友達です。
この子の性格、好きだなあ。
是非知り合いになりたいです。

ちなみにハルタは推理探偵ポジションでややBLがかっています。
それも手伝って、男女が絡む学園ものでは珍しく恋愛は皆無です。

作品は、学園推理ものin吹奏楽部の様相。
もしかして、京アニの2作品を混ぜている?
ここは、混ぜるな危険!とだけ言っておきます。

以下は私的なことなので閉じます。

{netabare}舞台は静岡県市清水区。
清水にはあまり思い入れはないけど、静岡文化会館にはドッキリ。
ここで入学式や卒業式があったり、コンサートのバイトをしたり。
あっそうそうロビーこんなんだったっけとか、会館前の雰囲気が懐かしいじゃんとか。
入学式の時、会館3階から眺める桜があでやかなことあでやかなこと。
それもこれも約30年前のお話、青春時代を思い出し嬉しくなりました。
この他、静岡の街は私にとって思い出がいっぱい。
もっと、私の大好きな静岡舞台のアニメが観たいですね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 41

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

青春しないことで爽やかさを演出するというバランス感覚。

2016年放送のテレビアニメ 全12話

原作 初野晴 監督 橋本昌和 構成 吉田玲子 キャラデザ 西田亜沙子
制作 P.A.WORKS

舞台は静岡県清水市 清水南高校(実在するが関係は不明)
南高校吹奏楽部の部員たちが日常のミステリーを解決する部活アニメ。

穂村千夏 CVブリドカットセーラ恵美 体力系少女 フルート担当 高校1年生
上条春太 CV斎藤壮馬 頭脳明晰な美形少年 ホルン担当 高校1年生

草壁信二郎 CV花江夏樹 新任音楽教師 吹奏楽部顧問 26歳

設定上は高校生の男女がイケメンの吹奏楽顧問に恋をして(ホモ?)、
三角関係の恋愛だそうですが、
これは、主役二人が恋愛状態に陥らないための苦肉の作かも。
セーラームーンばりのミニスカセーラーの制服ですがエロさはみじんもない。
これはキャラデザが原因でしょうか。チカ以外の女生徒はちょっとエロいかも(笑)

爽やかなOP詐欺(笑)
まあ、クラブ活動はOPで表現して、物語は学内推理物の部分だけなのかもしれません。
1話ごとに軽い事件が起こり、ハルタの推理で解決するというスピーディな展開はとても見やすく、
ポップでライトな部活アニメとしては安心して観れます。
ただ、吹奏楽の部分は削られて、ほとんどSOS団の状態ですね。

原作は<ハルチカ>シリーズ5巻で推理小説として評価されてるようです。

SHIROBAKO、Charlotte、に続く13作目のPA作品として期待されたようですが、
グラスリップ並みの売り上げに終わり、一般的には残念な作品となってるようです。

TARITARIが初監督だった橋本昌和とSHIROBAKOで脚本担当の吉田玲子のコンビですが、
それなりに楽しそうに相談している姿が目に浮かびます。
この作品は非常にバランスの取れたB級アニメとしてPAファンなら楽しめること請け合いです。
爽やかでギャグが効いてとにかく綺麗にまとまっているのです。
まとまり過ぎたTARITARIという感じでインパクトに欠けて、
同時期の響けユーフォニアムと比べられるという不運の作品ですが・・・

推理を楽しむ適当ギャグアニメで、おまけとして吹奏楽のかっこいいシーンもあるよ、
と言う程度に考えたら、気持ちよく観れる作品だと思います。
タイトルの割に青春していないんですが、
鬱さのかけらもないお馬鹿キャラアニメとして楽しんだほうがいいでしょう。
最終回の脚本は吉田玲子さん。岡田摩里さんに挑戦するかのようなエキサイトな瞬間が観れます。

分かる人には楽しめる、マニア向け作品ですが、一陣の風のような爽やかストーリー。
視聴者を「ズコー」っとさせてやろう、なんていう制作者の悪ガキっぷりが、
微笑ましい、憎めない作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バランスのとれた学園青春ものの良作

廃部の危機にある、5人しかいない吹奏楽部の上条春太(ハルタ)と穂村千夏(チカ)が、学校で起こる様々な謎を解き明かしていく学園青春日常ミステリーです。

吹奏楽部のアニメといえば、響け!ユーフォニアムが有名ですし、学園日常ミステリーといえば、氷菓が有名で、この2作品と比べられることも多いかもしれません。

確かにユーフォニアムと比べると吹奏楽パートは少ないですし、氷菓と比べるとミステリー部分が弱く感じられるかもしれませんが、学園青春ものとしてのバランスが良かったですし、主人公のハルタとチカたちの掛け合いも楽しくて、最後まで楽しく見ることができました♪

かわいい感じの中性的な男の子で、数々の謎を解き明かす頭脳明晰なハルタ。
運動神経が良くて元気な女の子で、度胸と行動力でハルタと一緒に謎を解き明かすチカ。

二人は幼馴染で、謎解きなどでよく一緒に行動してるので、ほかの部員からは付き合ってると思われてるところもあるけど、実は二人とも顧問の草壁信二郎(くさかべしんじろう)先生に恋していて、実は恋のライバルだったりするところが面白かったです♡

謎を解いていくたびに吹奏楽部の仲間が増えていって、最初5人だった部員が最後には大勢になっていくところも良かったかな。

吹奏楽部としてのお話も、最後にうまくまとめていたと思いましたが、上手になっていく過程の描写が少ないのは話数的にも仕方がないかな。

学園青春ものとしてバランスのとれた良作だと思います☆

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

88.1 7 謎解きアニメランキング7位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (567)
2959人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画無くして『青ブタ』は語れない_眠れない_トロイメライ_今作に携わった全ての人達に「ありがとう」「がんばったね」「大好き」を伝えたくて(おまけ追記)

まだ記憶にも新しい2018年秋期に全13話のテレビシリーズが放送された『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(以下、『青ブタ』)
テレビシリーズの中では紐解かれなかった主人公、梓川咲太の胸の傷の謎と咲太の初恋の相手、牧之原翔子の秘密を軸に描かれるシリーズの完結篇となる89分の劇場作品
「思春期症候群」と呼ばれる不可思議現象を発端に描かれるSF青春ドラマです
基本的にテレビシリーズ全話で張られていた全伏線の全回収でありつつ、尺の都合であらすじ等も全てカットした上で矢継ぎ早に展開が進んでいくのでテレビシリーズを最初から最後まで把握していないとさっぱり着いていけないと思います


3年前、小学4年生の牧之原翔子ちゃんは将来のスケジュールという学校の課題を書けずに思い悩んでいた…
実は翔子ちゃんは心臓移植を受けないと治らない病に侵されており、中学の卒業を待たずしてこの世を去る運命にあるのだという
3年後の12月8日、花楓の人格と記憶が元に戻る騒動が落ち着いた梓川家に来訪者が現れる
それは梓川咲太の初恋の人であり、咲太に心の支えが必要なここぞという時に現れる大人の姿をした牧之原翔子さんだった
無理矢理に梓川家に居候する翔子さんと、それを良しとしない現・彼女の桜島麻衣さんの間で火花が散る
そんな修羅場も落ち着かないまま、咲太は病院で中学生の姿の牧之原翔子ちゃんと出くわす
翔子ちゃんから幼い頃から入退院を繰り返している事や心臓移植に関する話を打ち明けてもらった咲太は、翔子ちゃんと翔子さんが同時に存在するのは翔子ちゃんの未来への不安が起こした「思春期症候群」の一種だとして解決策を模索する
やがて翔子さんは移植手術を成功させた未来からやってきた事、そしてその心臓は咲太の心臓である事が明かされていく
翔子ちゃんを救う為、咲太は自分の命を捧げるべきなのか困惑する…


テレビシリーズのレビュでも書きましたが、このシリーズは【ゼロ年代ヲタク文学の総決算】です
○○の“パクリ”と見下すことは簡単なのですが、その一言では片付けられない高尚な、ヲタク文学への愛とリスペクト、そしてSFへの昇華が込められてる作品だと思うのです
その上で今作では2010年前後に隆盛を極めた作品の要素も補完する方向にシフトしています
具体的にオイラが思い浮かべたのは『Angel Beats!』『CLANNAD』『STEINS;GATE』『アスラクライン』辺りです


また、主題に“生命の選択”や“人は何の為に生きていくのか”という普遍的な内容を孕んでいる為、今後新たに世に出てくるであろう無数の作品達と今作を比較してみるのも面白いと感じました
つい昨日も『響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(「がんばったね」のくだりについて)や『ミュウツーの逆襲』や『トイストーリー4』や『ニノ国』(生命の選択や自己犠牲を美化するか否か)に絡めて『青ブタ』の方が上手く纏められてるのでは?とか、そんな話ばっかをぽ~か~さん達と話してましたw
アニメだと自己犠牲って美談として描かれがちですが、冷静に考えて17歳の少年が自分の命を捧げる、なんて事が良い話なわけがない
クライマックスまで観ていただければお解りの通り、今作は自己犠牲を否定する作品なんです


もちろん本編の全体の出来栄えがとにかく素晴らしい
ざっくり言って“お涙頂戴モノ”ですのでハッキリと苦手な人の方が多い内容だとは思います
でも面白くなかったらオイラだって計11回も劇場に足を運びませんからねw
人生で一番多くリピートした映画になりましたよ
テレビシリーズから順当に考えると今作は“翔子のお当番回”と考えたくなりますが、これまでもヒロイン達を救う為に必死になってきた咲太が、遂には翔子の為に自らの命を捧げなければいけない、とまでに追い詰められます
そしてこの絶体絶命の咲太の助けとなるのがテレビシリーズで咲太に助けられたヒロイン1人1人だというのがアツい
この辺のくだりは涙を誘う展開と熱量を感じる展開が交互に繰り返されて非常に滾るものがあります
そして広い意味で今作をもってしてシリーズ全体の“咲太の物語”に一区切りが着くことに気付くと思います
咲太を演じた石川界人さんは今作を持ってして完結とするのが一番幕引きに相応しいのでは?と、今後続篇があるとは思っていないようです


それにしてもこれほどの内容を89分に纏め上げた横谷さんの脚本力、それをテレビシリーズ終了から僅か5ヶ月弱で実現した増井監督率いるスタッフの手腕、そしてキャストによる渾身の演技、どれも大変素晴らしいです
先日、スタッフトークショーに参加してきましたが89分という尺は予算の都合上の絶対条件だったそうです、本当にお疲れ様でした
逆に濃密に内容が詰まったテンポ感こそ『青ブタ』だと思うのでこの選択は結果的に正解だと思いますb
最近、アニメ映画にタレントキャストは必要なのか?という話題を度々目にしますが、逆に考えればプロ声優の底力を感じる映画こそがこの『青ブタ』なんだとも思いますね
それにテレビシリーズからこんなにも早期に映画化の企画が為されたにも関わらず、キチンとした作品を完成させたことは本当に賞賛されるべきことだと感じます
完成が遅れて延期に次ぐ延期とか、そもそも企画された枠の中に納まらずお蔵入りとか、完成したものが極端に低クオリティ…とかいう作品も蔓延っているのが現代のアニメ業界の現実ですからね


唯一失敗と言える事を強いて挙げるのであれば、テレビシリーズ放送前から映画化が決まってたので作品人気の度合いが計り知れず、ファーストランの上映館が経ったの31館しか稼げなかった事でしょうか
おかげで連日満員、入場特典はおろかパンフすら瞬殺
あんなバズり方をするアニメ映画は至極久々です


ところで『青ブタ』の場合、テレビシリーズから一貫していた内容を短い尺に詰め込むことや、音を減らしてセリフを聴かせる、といった演出類が“映画だから”と奇をてらわずに実行されてるのが褒め称えたい
特にエンドロールでいつも通りのエンディングテーマ『不可思議のカルテ』で締め括るというのが感無量


オイラの一番お気に入りのシーケンスは12月31日の晩、ICUの前で寝てしまう咲太がこれまでの全ての出来事が走馬灯のように振り返えられていくフラッシュバックで時間が巻き戻る様を表現したカットですね
あの場面に合わせて作った、というfox capture planのBGMのピアノリバースがバッチリとハマっているのが気持ち良いです


正直いまは何の映画やアニメを観ても『青ブタ』との対比になってしまうwという我ながらメンドクサイ状態に陥っていますw
それほど今作を心の底から好きになれているのです
とにかくいま言いたいことを要約すると、今作に携わった全ての人達に
「ありがとう」
「がんばったね」
「大好き」
を伝えたい
これに尽きると思います


はなまる頂けましたかな?w


【おまけで追記】
双葉の髪型がポニーテールとナチュラルロングが日によって変わっていることに気付いた方もいると思います
何か法則があるのかと思い、テレビシリーズ含め"双葉の髪型のみ"を注視して鑑賞した結果を報告します
ずばり日付の末尾が奇数か偶数かで交代してることに気付きました!
…なんだそれだけかって?
基本的に日付の末尾が奇数だとナチュラルロング、偶数だとポニーテールになってました
これはテレビシリーズ8話で2人の双葉が融合した後の9月1日以降、両方の双葉がお互いを尊重し合っている、というメタファーなのでは?と受け取ってます
もちろん髪型以外の性格描写には変化は見受けられません
ちなみに映画劇中で咲太が「大人の梅ソーダ」を呑んだ際に一度リセットされ、奇数日がポニーテール、偶数日がナチュラルロングになってます
その後の大晦日から年明けに掛けて再リセットが起こり、ラストシークエンスの1月6日、つまり偶数日にはポニーテールに戻っています
何が言いたいのかって?
どっちも可愛いので両方交互に出て来てお得感凄い!制作スタッフGJ!って話がしたいだけですよw


【備忘録】
新宿バルト9で5回、川崎チネチッタLIVE ZOUNDで1回、川崎チネチッタ5番スクリーンで1回、ユナイテッドシネマアクアシティお台場で2回、EJアニメシアター新宿で2回、下北沢トリウッドで1回、立川シネマシティ シネマツーcスタ極上音響上映で1回
合計13回劇場で観て名実共に最も映画館でリピートしてる映画です
スタッフトークショーの増井監督、キャラデの田村さん、木田Pのサイン色紙持ってます

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初日舞台挨拶にも行ってきました

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶に行ってきました~・~・~・~・~

第一希望の上映後舞台挨拶は落ちて
上映前舞台挨拶に行ってきました

上映前ということはつまり
これから見る人に向けたメッセージですから
原則ネタバレ無しということです

本当はネタバレありで面白い裏話をたくさん聞ける
上映後舞台挨拶の方が好きなのですが
まだ観ていない大多数の方にも
ネタバレなしでトークの内容をお伝えできる点は
いいかもしれませんね

原作は現在読んでいる途中で
まだ劇場版相当部分に辿り着いていませんが
映画の内容は原作の6巻と7巻にあたるようです
TVシリーズは
1巻バニーガール先輩
2巻プチデビル後輩
3巻ロジカルウィッチ
4巻シスコンアイドル
5巻おるすばん妹
までを中心に
最終話で6のエピソードを少し添える形で
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
という題名で放送していましたが

今回の劇場版は
6巻ゆめみる少女
7巻ハツコイ少女
の二つを
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
というタイトルでアニメ化しています

1~5巻がそれぞれ
麻衣、朋絵、理央、のどか、かえでの話なので
舞台挨拶に行くまではゆめみる少女という題名から
翔子がメインの話だと思っていました
しかし舞台挨拶でこれから見る人たちに向けて監督から出た言葉は
「TVシリーズはそれぞれの女の子達の話でしたが
劇場版は咲太の話です」
というもの
そして実際翔子が重要な役割を担って入るものの
咲太が自身に起きている思春期症候群を解決するため奔走する話であり
TVシリーズで少しずつ蒔いてきた伏線を
がっつり回収する構成になっています

したがってTV版見てないよ!という方は
これを観る前にTV版を見てくるか
原作小説を5巻まで読む必要があります

逆にTV版を観たのであれば
ぜひ劇場版もセットで見るべきだと思います
TV版とは独立したエピソードというよりは
TV版の完結編とでも言うべき作品なので
(原作はそこで完結せずにそのまま続いていますが)
これを見ることでTV版の評価も変わるんじゃないかと思います

一般公開前ということもあり
内容に関してのより突っ込んだ話は控えることにして
一般公開後に原作読了状態で
再び劇場に足を運ぶ予定なので
そのあとでまたレビューしようと思います

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ無し)

{netabare}監督:増井壮一

4日前まで今日が何曜日かもわからないような
忙しい生活を続けていた
ふらふらと入ったコンビニで
ちょうど青ブタコラボをやっていて
コラボ商品をぼんやり眺めながら思ったのは
「へぇ・・・青ブタ映画やるんだなぁ」

あんたがボロボロ二なりながら作ってるやつだよ!

梓川咲太役:石川界人

作品の見どころを聞かれて

「人間の限界を越えようと頑張ったけど
実際には全然できてなかった
あれは山寺宏一さんにしかできないやつだと思う」

簡単に説明するとテンションの違う二人の掛け合いを
一人芝居でこなさなきゃいけないシーンがあるんですね
実際には無理だったということなので
おそらく2度に分けて録ったのだと思います

彼は山ちゃんにしか無理と言っていましたが
君嘘フィナーレにおける朗読劇では花江夏樹が
公生と黒猫の一人芝居を見事に生で演じきっていましたよ?(・x・;

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

水瀬「アフレコがだいたい・・・2月くらいだったと思うんですけど」
瀬戸「あれ?3月じゃなかった」
石川「いや4月だったような気も・・・」
瀬戸「それはないよ!4月じゃ昨日じゃん!」

いや・・・昨日ではないと思うよ?
というかそこはそんなに掘り下げ必要かなw?

牧之原翔子役:水瀬いのり

事前情報の無いサプライズ登壇でした
水瀬「この後でみんながツィッターとかにあげて
私のファンが悔しがるやつですよ(にやにや)」
石川「でも、絶対欠かせない役だし、水瀬さんのイベントスケジュール確認して、サプライズ目当てでここにきてるファンもいるかもしれませんよ?」
水瀬「・・・」
司会「今日水瀬さんが来るのを予想してここに来た人っていますか?」
ぱらぱらと手が上がったのを見て、心の底から嫌そうに
水瀬「怖っ!!」

ファンにそういう態度とってるとまた換金所のババァって言われちゃうよw

思春期症候群の話になって
それぞれどんな思春期を送っていたかという質問になりました

監督:増井壮一

「高校の時は勉強とか全然してなかった
数学の二階建ての公式が覚えられなくて
こんなもの覚えて俺の将来に何の役に立つのか?
と先生に訊いたけど
『とにかく覚えろ!』しか言わないから
それ以来勉強するのをやめた」

まぁ勉強なんかしなくてもほかの手段で食べていけるなら
それはそれでいいと思いますねw

梓川咲太役:石川界人

石川「高校生くらいの頃は・・・周りに誰もいませんでしたね」
司会「それはぼっちというやつでは?」
石川「人の傷をえぐらないでください(悲)」
石川「まぁ・・・人間が嫌いでしたからね・・・」

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

瀬戸「高校に入って知り合いが全然いない環境になったのをきっかけに
いわゆる高校デビューってやつで
クールな一匹狼キャラになろうと思った
そういうのがカッコいいと思ってた
でも入ってすぐにクラスの子に話しかけられて
すぐ仲良くなって部活とかにも入って
全然そういう感じにならなかったw」
石川「( ゚д゚)<・・・」

一匹狼がカッコいいとか言い出した時は
石川君のフォローしてあげるのかな?
とか思ったんですが最終的には
石川君のぼっちぶりが際立つ方向にw

牧之原翔子役:水瀬いのり

水瀬「高校生くらいの頃は
大人のどこがえらいのか?
ちょっと30㎝くらい大きいだけで
なんでそんなに偉そうなのか?
オーデションに行っても
お前ら私を評価するとか何様のつもりだよ!?
って思ってました」
瀬戸「評価してもらうために自分からオーディションにきて
評価されたくないって矛盾してますねw」
水瀬「ほんとその通りですよね
まぁそれでたくさん炎上したりもしました・・・」
瀬戸「自分からほじくり返さないでいいからw」

どうやら炎上の件を多少は気にしている模様w
{/netabare}

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶にも行ってきました~・~・~・~・~

原作をしっかり読んだうえで初日舞台挨拶に行き
その翌日に3回目をあにこれメンバーといってきました

これでもかというくらいぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品なので
原作からはいろいろ削られてる部分があったり
地の分の説明が無くなってわかりにくくなっているところがあったり
原作で補完してから見た方がより引き込まれる作品でした

実際初見のときより原作読んでから見た2回目の方が
一人一人の細かい心情まではっきりとわかって倍くらい泣けた
というか上映時間の半分くらい泣いてた気がします(つдT)

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ込み)

{netabare}司会(天津向)

どうも!司会のムカイオサムでーす

へー・・・天津の向って下の名前おさむだったんだね
とか思ってたら

梓川咲太役:石川界人

石川「どうも梓川咲太役の向井理です」
向「それさっきダダ滑りだったから!
  傷口に塩塗り込まないで!
  大体やったらバカウケだよって煽ったの君らでしょ!」
石川「いやー・・・面白かったですよね?」

観客に同意を求めるもまばらな拍手

向「義理の拍手すら最低限じゃん!」
瀬戸「そろそろ挨拶してもいいかしら?」
向・石川「…」

初日の映画のヒットの話になって

石川「僕いつもエゴサしてるんですけど・・・」
周りがみんなかわいそうな目で見るのを受けて
石川「エゴサ位したっていいだろぉぉぉ」
周り「・・・」
石川「エゴサして全部のツイート読むようにしてるんですけど
  #青ブタがトレンド入りして
  読んでも読んでも読み切れなくなってる
  嬉しい悲鳴」
水瀬「皆さんこれ終わった後タグ付けてつぶやけば
  もれなく石川さんに読んでもらえますよ!」

たぶん客層的にいのすけに読んでほしいオタクの方が多いと思うんだw

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

「初日舞台挨拶ももう4回目
朝から初日舞台挨拶してきましたが
ようやく初日なんだなぁって実感がわいてきました!」

いやもう夕方だよ!
これ最後の舞台挨拶だよ!
初日の上映終わっちゃうよ!

牧之原翔子役:水瀬いのり

「最初にタイトルを聞いたときに受けたイメージとは全然違ってすごく素敵な話だった
みんなが自分を犠牲にしてでも誰かを救いたいっていう
すごく優しい世界だった」

青ブタは本当にタイトルで損してる作品だと思う・・・

古賀 朋絵役:東山奈央

「キグルミの咲太はどういうつもりで飛び込んだのかすごく気になってます
結果的にはとってもいい結末を迎えたわけだけど
ああいう風になるって事前にはわからなかったわけじゃないですか
私の考えでは咲太はあの時代の咲太を助けて死んで
自分の心臓を翔子ちゃんにあげて
麻衣さん含めた全員を助けるつもりだったんじゃないか?
って思ってます」

なるほど・・・確かにあの結末は結果論で
最悪はねられた方の咲太に収束して
何一つ解決しない可能性もあったわけだなぁ

さすがインテリ声優目の付け所が違う!

双葉理央役:種﨑敦美

(見どころを聞かれて)
「全部が見どころ
見どころが思いつかないんじゃなくて
見どころしかないんです
私もう3回見てるんですけど
見るたびにどんどん序盤の何でもないようなシーンが好きになっていって
後半のいろんなシーンも含めて
全部が見どころだと思ってます」
・・・というようなことを
たどたどしく断片的に
あの独特の話し方でしゃべっていました
しかしそれだけ引っ張っても最後には
「踏切で最後に理央が小声で感情を吐き出すところ」
と無理やり見どころを吐かされていましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤沢バタフライ・エフェクト

6月に本作を劇場鑑賞した帰り路……。

俺は長い間、自己責任論に蝕まれ、
自分がどうにか助かればそれで良いと言う人生を歩んで来たけれど、
このままじゃお前、いくらなんでも、もうダメだろう……。
との強烈な観念に襲われました。

寄付や募金なんて学校や職場の同調圧力に屈した時以外、
ほとんどろくに手を差し伸べてこなかった男が、
この映画をキッカケに俄に毎回少額ながらネットで寄付とかやり出している……。


本作の評価は?と聞かれれば、
劇場鑑賞後の時点だと、TVアニメ版からの流れを汲んだ良くできた続編映画。
原作未読組の私にとっては想定以上に内容の濃い展開が詰め込まれて、
一回観ただけだと、ちょっと理解が追い付かない&忙しいかも?……位の感想。

劇場鑑賞後の自分の心に起こった現象と作品との因果関係解明などの難題を前に、
長らく書きあぐねていた本作のレビューを年内投稿するため、
寒気強まる季節の威も借りて、先日、レンタル配信で再鑑賞しました。

二回目観て、限られた尺内に、複数の"思春期症候群”が絡まる複雑なシナリオを、
破綻なく成立させつつ、しっかりとキャラ総出演&見せ場あり。
相変わらず毒キツめの"青春ブタ野郎”ギャグ?(笑)も散りばめられた。

私の作品理解度も上昇し、素晴らしい続編映画に格上げされたものの、
やっぱり、TVアニメ版振り返りもOP主題歌も一切ないまま濃厚な本編に突入して行く、
事前予習必須のご新規さんお断り映画なんだよな……。
今年は単体の良作アニメ映画も豊富にある中で、
他の方に広く薦められるか?と言う観点からは優先順位は高くはならないよな……。
との感想は変わらず……。


けれど、私の人生に影響を与えた作品と言う意味では、
本作は今年ぶっちぎりのNo.1でした。

ほんの小さな心境の変化が世界に奇跡を起こすと信じることができた。
私の人生が切り替わるタイミングとかち合ったこと等を考慮しても、
本作のシナリオには、完成度に裏打ちされたパワーがあったのだと思います。


本シリーズの正ヒロイン・麻衣先輩は
TVアニメ版でもサブヒロイン回を経る度に"正妻力”が増していった印象ですが、
本劇場版のそれは極め付けと言って良いと思います。

レビュータイトルは2004年アメリカ映画『バタフライ・エフェクト』より。
「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる」
小さな差異が大きな変化をもたらすカオス理論「バタフライ効果」をシナリオに取り込んだ、
野心的なSFスリラー映画。

私は主人公&ヒロインらのピンチを『バタフライ・エフェクト』の鑑賞記憶とも重ね合わせて、
ドキドキしながら本作を観ていましたが、
それだけに咲太&麻衣先輩の決断の凄まじさが倍増した感じ。


『バタフライ・エフェクト』では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 主人公青年はヒロインと幸せになろうと過去をいじると、誰かが不幸になると悟る。
だからヒロインと親密になる過去をなかったことにして、皆を守る決断をする。
そして過去を改変する手段を処分し、ヒロインとは赤の他人として生きていく……。
と言う、運命を変えるリスクの重たさを思い知らされる、
かなり哀しい"ハッピーエンド”でした。{/netabare}


対して本作では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 咲太は、翔子ちゃんの過去の心境を変えることで、
中学時代の咲太と翔子さんが出会わない未来を選択する。
これは『青ブタ』がここまで紡いできた物語を、
丸ごとリセットしてやり直すことを意味する。

決断前の未来も、咲太と麻衣先輩が二人でいられる割とマシな未来であったはずですが、
これを捨てて改変すれば、咲太と麻衣先輩が全く出会わない未来すらあり得る。
しかも、過去を変えた記憶は手段も含めてせいぜい夢で残り香として見る程度。
気に入らない未来だったからって、やり直しはまず出来ない。

それでも彼らは再び出会い、世界を善意で満たして、
正真正銘のハッピーエンドを掴み取ってみせました。

運命を変えると言う大きなリスクを取ってでも
咲太との未来を信じて決断した麻衣先輩マジ半端ないです。{/netabare}


麻衣先輩どんだけ咲太との運命の赤い糸に自信持ってるんですか!?
今後、"青春ブタ野郎”の眼前にどんな美少女が現れても
麻衣先輩にはまるで勝てる気がしませんw


6月の鑑賞時、夏を前に12月のシナリオなんて季節的にチョット……(苦笑)
と思ったのも事実w
けれどBD/DVD発売&配信レンタル等が始まったこの冬ならば、
おうちで聖夜のムード取り込みも含めて、季節の効果も見込めるはず。

私にとっては2010年代でも指折りの年末クリスマス映画としても、
心に残る作品になりそうです♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45

89.4 8 謎解きアニメランキング8位
進撃の巨人 Season3 Part.2(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★★ 4.1 (712)
3563人が棚に入れました
人類が永きに亘って壁の中に隠してきた、大いなる秘密――。 その真実に一歩近づいた調査兵団だったが、時の王政により反逆者の汚名を着せられてしまう。 しかし、人類はただ飼われるだけの家畜ではなかった。 真実を追い求めるエルヴィン・スミスの執念は兵団のトップを動かし、遂に現体制に対するク ーデターが勃発する。民衆を欺き続けた偽りの王は退き、真の王家の血を引くヒストリア・レ イスが即位。自ら巨人を討ち果たした勇敢な女王のもと、人類は新たな時代を迎えようとして いた。 エレン・イェーガーが得た硬質化の能力と、そこから誕生した対巨人兵器。 着々と反抗の準備を進める人類は、悲願のウォール・マリア奪還作戦を決行する。 人類と巨人、互いの生き残りを賭けた究極の戦い。 その先にエレンは、人類は、はたして何を手にするのだろうか?

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、橋詰知久、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

俺たちの進撃よ お帰りなさいませ!

この絶望と高揚

つくづくこの作品は極限下の人間描写が素晴らしい。

進撃の巨人3期Part2は全10話。継続No.ですのでクレジットは#50~#59ということになります。極めて濃厚あっという間の10話でした。今クール(2019年春期)ひいては今年上半期の最優良物件と感じる自分はこうも思ってます。


 “途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


1期#01~#25、2期#26~#37、3期Part1#38~#49、そしてPart2とこれまで間隔を空けながらも足掛け5年は続いている長編物語は未だ道半ばにあります。
Finalと銘打たれたシリーズが2020年放送予定とのことでクール数不明ながらクレジット#70を超える大作として幕を下ろすのでしょう。

本作の良さはこれだけ長く続いているのに物語の整合性が保たれているところにあります。
私は原作組でもありますが、アニオリ入れても本筋から逸れることがない。その本筋は一本の線で筋が通っている。ブレがありません。
1期で提示されたのは未知なる巨人の圧倒的な力に抗う人類の意思でした。2期で巨人は見えない恐怖から見える恐怖に変わり、3期ではPart1&2を通じてこの世界の仕組みに踏み込んでいきます。
2期あたりから、外形的な巨人の恐怖が変わったことを面白くないとみる層が一定数いたのも事実でした。あまりこういうことは言わないのですがもったいないことをしてると思われます。出戻ってここまで辿りつけば報われる3期Part2と言えましょう。

やや説明的な3期Part1を踊り場にして、3期Part2では1期さながらの対巨人バトルが復活。これまでの物語の積み重ねによって闘う意味に極めて重たい理由が課せられた上での死闘が繰り広げられることになります。
さらにこれまでのあの場面に出てきたアレ。この場面でのあのセリフ。綺麗に伏線の回収がなされていきます。そしてFinalに向けての新たな謎撒き。ここまでくると、未回収の謎にもきっと答えを出してくれるのだろうとの信頼をこの作品に寄せることができてます。だからこそあらためて言いたい。


“途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


RevoさんもOPに返り咲きましたし。正直なところ曲単体での魅力は乏しいといいますかあんまりお上手ではない方ですよね。それでも進撃の物語にはしっくり馴染むのです。名曲「紅蓮の弓矢」を転調アレンジした「憧憬と屍の道」って、虎舞竜「ロード第二章」との既視感がハンパありません。
・・・褒めてんだか貶してんだか、こちらの曲は今から加速してくぞ!ついてこいよ!を宣誓する凱歌のように私は捉えておりました。


さて、全く未経験な諸氏向けにはどうか?
59話終わってなお続きが気になる物語です。長丁場は承知の上、Finalシリーズを共に楽しむために予習を済ませておきませんか?と推薦しておきたいところです。



■野球は巨人 対する阪神は新劇いや進撃
こんな危険球は嫌だ!の声が聞こえてきそうです。
※纏められなかったがこのエモさだけは残しておきたい!的な以下。

{netabare}#50~#55までの獣の巨人戦を軸とした戦闘描写は特濃レベルでした。ここまで6話分。辞書に無駄回という語が載っておりません。{/netabare}

観ていて苦しくなります。民族殲滅を目的とした強大な相手に対してどう対処すればよいというのでしょうか?
話せばわかるが通じない相手に非力な側ができることには限りがあり、“家畜の安寧”を甘受しようとも先細っていくのは避けられません。

{netabare}#54と前後の回は本作のピーク。

1.エルヴィン・スミスの諦観
「そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか…知ることもなくな…」
これまで頼れる団長、超絶リアリストだったエルヴィンも事ここに至りて感情のある人間だったという事実に驚く。一呼吸置いてそりゃ人間だもんなの納得感に落ち着く。
「俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵達を地獄に導け。獣の巨人は俺が仕留める」
#53はエルヴィンとリヴァイのやりとりだけで通常なら神回相当。

2.リヴァイの誓い
「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…」「誓った!」
獣の巨人を仕留めにかかるリヴァイは作画の凄さも相まり冗談抜きで震えがきた。そして何回も観た。
死んでくれ!と自分が言った盟友との約束。死者(この時点では仮だが)との約束は限りなく重い。

3.アルミンの嘘
「エレン…わかってるよね?一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンに嘘ついたことあった?だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!」
「クソ…わかってたハズなのに…」
「わかってた…お前が誰よりも…勇敢なことぐらい…」
大人達から一転エレンサイド。ここまでしないと突破できない絶望的な状況というのがやるせない。エレンも泣き叫ぶでなく静かに咀嚼する。
#54は鋼、超大型、獣と無理ゲー級の負け戦からの大逆転ながらカタルシスはなし。これ凄いことです。

4.そして選択
リヴァイはアルミンを選んだのではなく、エルヴィンを選べなかったのだと思う。
壁の外。地下室に行きたいエルヴィンと海を見たいアルミンとが描く夢は一緒。諦めさせた夢を掘り起しもう一度地獄を見せることは出来なかったのだろう。団長R.I.P(T_T)
何を選ぼうがどれを選ぼうが地獄という世界は残酷この上ない。きっとこの後、“ここに団長がいれば”という展開が予想され、逆でも“ここにアルミンがいれば”となるのは必定な展開が透けて見える。
なにも時間をかけた選択ばかりを指さない。
・獣を足止めして生存者がいないかと逡巡したリヴァイ
・ライナーの取り扱いを巡るジャンとハンジの躊躇
瞬時に最適解が求められる戦場の非情さがものの見事に表現されているのだ。たまらん。

「アルミン、またな…」
リヴァイが団長を選ぶかという時にアルミンを前にしてのコニー。自身の死をも見越した別離の声掛けなんだよね。
#55 気持ち良さがまるでないが目の離せない展開が続きます。{/netabare}

ここまでお涙ちょうだいはないのですが泣けます。



視点を変えて、、、
こんな事態に陥る前に何ができたでしょうか?味方の損失を抑えるために何が必要だったのか? 諸々端折ると、正確な情報(インテリジェンス)が手元にあればということになるんだと思います。

{netabare}ミクロでならライナー達の潜伏位置や作戦内容。いくらこちらが弱くてもこれさえあれば何とかなりますし有能な指揮官なら次善策プランBプランCくらい練るでしょう。
マクロでなら巨人の正体。単に弱点突破の戦術のみならず、そこに係る利害関係者の思惑や力関係までも包括する情報を指します。{/netabare}

極地戦闘だろうが、国防外交だろうが情報をおざなりにして生き残った組織・国家は古今東西あるんでしょうか?答えは否。
戦争を起こさないために、有事に被害を最小限に食い止めるためにインテリジェンスを強化しないといけないのです。ここ無くして交渉もへったくれもありません。
アホが運用したら危険だ。その通りです。ただし仕組みが無ければやられ放題。仕組みを作った上でさっきのリヴァイの1000分の1程度の負担で糞の中からまだマシな者を選ぶ。我々だって当事者なのです。・・・あ、脱線してもうた。


「僕たちは圧倒的に情報が足りない」
アルミンが再三再四指摘していたことは本質を捉えているのです。


本作3期Part.2の後半は、足りない情報が埋められていく話。納得性のある超展開が待ち受けていることでしょう。
そして、来たるFinalシリーズでお会いしましょう。



視聴時期:2019年4月~6月 地上波リアタイ

-----



2019.07.10 初稿
2020.01.31 修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 71
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

壁を超えた先の遥かなる夢

アニメーション制作:WIT STUDIO
総監督:荒木哲郎、監督:肥塚正史、
シリーズ構成:小林靖子、キャラクターデザイン:浅野恭司、
音楽:澤野弘之、原作:諫山創

人類の歴史とともに生まれた壁に囲まれた城郭都市。
エジプト文明や古代ローマの時代から
外敵の侵入を防ぐための「壁」は、建設されていた。
エルサレムの旧市街やクロアチアのドブロヴニクには、
現在でも城郭都市が残っている。
そんな歴史を『巨人』が跋扈する架空の世界に置き換え、
見事なエンターテインメントとして成立させた作品。
いよいよクライマックスを迎え、
多くの謎が明らかになっていくPart.3だ。

シリーズは2010年代を代表する大ヒット作だが、
個人的には評価が乱高下していた。
異質な世界観は面白いのだが、
観ていると、作者の都合の良いように
ストーリーが展開しているように
より強く感じさせられてしまったからだ。
その違和感から冷めた目で見てしまう。
{netabare}特に女型の巨人が生き残る展開から
付いていけなくなり、興味がなくなってしまった。{/netabare}
それは、犠牲者が出るからということではなく、
人間の生きているストーリーとして
リアリティを感じられなくなってしまったからだった。

ところが、Part.3に入って、
様々なことが明らかになるにつれ、
Part.1と2の話が全て伏線としてつながっていく。
死んだ登場人物たちが意味のある存在として
物語のなかで浮かび上がってくるように感じる。
それによって、深く物語に没入することができた。
多くの事象がクライマックスに向けて収斂していく。
リヴァイを筆頭にエルヴィンや主役の3人の
キャラクター造形もいい。原作者が最初から
ほとんどの設定を決めて書いているだけに、
キャラの一人ひとりが、よりくっきりと
リアルな姿形で象られている。
主要人物の過去が語られることで、
それぞれの信念を追体験できるのが、
大きな魅力となっている。

同時にPart.3には、大きな柱がある。
それは全員が巨人たちによって支配された世界からの
脱却を求めているとともに、
各々が叶えたいと思っている夢が表出することだった。

アルミンの夢は、築いた壁の向こう側にある
遥かなる海を見ること。
未知の世界に対する憧れ。
またエルヴィン・スミスは、
世界を覆う未知の謎を知るためだけに、
全てを捨てて本心を隠し続け、偽りの世界に生きていた。
{netabare}そして、遥かなる夢を未来に見る者と、
全てを偽り続けながら真実に近づこうとする者との間で
命の選択が行われる。{/netabare}

本当に大切なものを守るために、
人は自分勝手になってはいけないのか。
戦時中の心情は、単純なものではないだろうが、
それでも利己的な物語のほうが好感を抱く。
大義で動くよりも、もっと個人的なことで
最終的には動いてしまうほうが
人間らしいと思ってしまうのは私だけだろうか。

ふたつの夢が交錯し、一方は潰えてしまう究極の物語。
SEASON3の最大の見せ場だ。

そしてもうひとつファイナルに向けて
示された大きな夢がある。
それは「進撃」を続けなければならない
人の使命とでも言うべきもの。
57話から59話で語られるエレンの父・
グリシャ・イェーガーの物語。
私はこの物語で、アルベールビル・オリンピックの
原田雅彦を思い出した。

スキージャンプ団体戦の決勝で原田は勝利を目前にした
最後のジャンプで大きな失敗をしてしまい、
日本は銀メダルに終わってしまう。
ジャンプが終わった後に頭を抱えて
うずくまる原田の姿は忘れられない。
日本中が落胆した日だった。
しかし、それ以上に脳裏に焼き付いているのは、
帰国した直後のインタビューだった。
そのときに原田は「私はこのことを背負って、
ずっと生きていきます」と覚悟を語ったのだ。
私は子供ながらに、凄い人だと思った。
帰国直後に、彼は全てを受け止めて前に進もうとしていたのだ。
後に長野オリンピックで、その覚悟を改めて示すことになる。

今回のラスト3話でクルーガーが巨人を託す相手として
グリシャを選んだ理由----
{netabare}それは妹を連れて壁外に出たことが原因で、
妹を殺されたからだった。
人は失敗を犯した日の後も生き続けなければならない。
クルーガーが初めて同胞を巨人にして崖から突き落とした日を
絶対に忘れていないことと同じだった。{/netabare}
何かをやり遂げるには、全てを受け止めて、
過ちの日からも進み続けなければいけない。
そんな強い意志が必要なのだ。

歴史は繰り返すと言われる。
しかし、過去を忘れ去ってしまい、
負の歴史を繰り返してはならない。
そのためには「痛み」が継承されるべきなのだ。
ラストに向けて人類の夢は、
どのような形で示されていくのだろうか。
(2020年2月15日初投稿)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 57
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつかの少年

原作、諫山創。

進撃史上、最も濃密な全10話、

悲願であるウォールマリア奪還作戦、
エレンの故郷、亡き家族との思い出の場所。
物語の鍵を握るエレン家、地下室の手記、
壁の外を夢見た勇敢なる少年が帰還する時、
物語は悲劇性を帯び壮大な歴史が開示される。

それぞれの思惑が強度を増し炸裂する。
{netabare}ライナー・ベルトルトとの因縁の対決、
アルミンの知恵、ミサカの葛藤、団長の戦略、
そして兵士長リヴァイと獣の巨人の頂上決戦。{/netabare}
心臓を捧げ、疾走する立体機動装置、
シリーズ屈指のエピソードが数多く描かれる。

多大な犠牲のもと選択を余儀なくされる兵士たち。
それは「正義」の遂行であろうか!?
原作でも物議をかもしたリヴァイの決断。
人類生存のわずかな望みと私情の狭間で、
それぞれが葛藤し、それぞれの「死」を問うこと。
大きな決断が、物語を駆動させていく。

メルヴィルの描く「白鯨」のように、
形而上学的・神話的悪魔であった巨人の存在が、
ここに来て、身近な存在へと移行し、
{netabare}民族・宗教を含む文化圏の闘争が始まる。{/netabare}

世界の一切は、やがて移ろい、
私たち自身も遠からず過ぎ行くことだろう。

美しい海が見たい、泣けてくる。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 71

66.9 9 謎解きアニメランキング9位
殺戮の天使(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (344)
1451人が棚に入れました
ビルの地下の最下層で目を覚ました少女、レイチェル。 彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。 地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼ザック。 「お願いがあるの…お願い、私を殺して」 「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」 二人の奇妙な絆は、その””誓い””をキッカケに深まっていく。 果たして、ここはどこなのか。二人は何の目的で閉じこめられたのか。 彼らを待ち受ける運命とは。 密閉されたビルから脱出する二人の決死行がはじまった……!

声優・キャラクター
千菅春香、岡本信彦、櫻井孝宏、藤原夏海、伊瀬茉莉也、大塚芳忠

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

タイトルで損してる

タイトルを見て「明らかにクソアニメ臭がする」

ただ絵とロリ・ヴァイオレットエヴァガーデンなヒロインが好みだと思い、興味でイントロだけ見てやろうと思い、唐突に始まる情報の無い物語に一種サブカル的興味を惹かれて二話辺りまで見てみると、ギャグアニメ的要素を感じて爆笑の渦に巻き込まれた。

サイコホラーと謳ったものの意味が分からない点が多すぎて、笑いどころが多かったのだが(所謂生死を賭けたギャンブルと見せかけて、その実シリアスもクソもないギャグエロ漫画アニメであった賭ケグルイ的な)、話はだんだん少しずつ公開されてきて笑いどころ抜きでも面白いものとなってくる。


キャラも良い。
男性的観点で見ても、ヒロインやキャシーがめちゃくちゃ可愛く描けている。
下半身的要素だと勿論キャシーだが、どっちも最高だ。

女性的視点でも完璧だ。
オラオラ系ヒーロー、イケメン眼鏡、一途な美少年、ダンディなおじ様、この登場人物の選択から、私は昔はまっていた乙女ゲーを連想してしまった。
元ネタらしいフリーゲームはちょっと残念そうな感じであったが、まあきっと面白いのだろう。

さて、ここまでが途中まで見た感想だった。

まず教会編の中だるみはちょっとエグい。
慣れている私もだんだん面倒くささが出てきてしまい、ほんの少しだけ見るの辞めようかなと思ったほどだ。
というのも、何言ってんのか、そしてそれらの話の整合性があると思えないからだ。
ただ話に宗教性を含めて小難しくしてる様に見える為、毛嫌いする人からは本当に嫌なものかもしれない。

結論を言うと、有料版の13~16話の間の最終章であるレイチェル編にその話を組み上げるピースが出てくる。

主人公はイカれてる設定もあり、考えも一貫してるので、思想が人間離れしすぎているのは問題ないとしても、レイチェルの理解できないふざけた行動を全部解決するにはこの教会編が無ければ話にならない。



中盤の問題について考えを述べさせてもらったが、序盤にこれをつまらないと投げる人はそのままこのアニメを無理して見る必要はないだろう。

人の倫理観と言うのは個別で差があるのが、このアニメの名のある登場人物が理由あれど軒並み殺す事を悪として考えない者しかいない。

愛が欲しくて殺す者
愛情表現で殺す者
正義として殺す者
神の代行者として殺す者

そして

楽しいから殺す者
思い通りにしたいから殺す者

強いて言えば一番最後だけ悪として認知しているが、勘違いされそうだが、殺害に対しての罪ではなく、「自分の欲求の為に」やっている事について気付いた為に罪であるとして認識している。

要するにこのストーリーでのテーマは一貫して命を奪う行為について是としている。
そういった思想の多様性を受け入れられるか否かも結構重要になってくるので、余りオススメできる作品でも無いのかもしれない。
それこそ安楽死が善か悪かを唱えるか如く。

ただし、伴って中二病を拗らせて何の考えも無しに

「命を奪う行為は悪い事じゃない!」

と主張して回る(頭の)可哀そうな少年少女が絶対出てくるので子供には余り見せるべきではない。
よってタイトルももう少し中二病な名前を変えた方が教育的だろう。


何よりも、そういった思想についての道筋や行くべき方向性について語る哲学的物語でもない為、良い意味でも悪い意味でも考えさせられる事もタメになる事も何もないからだ。(あると思ったなら早く気付いてください。それはただの中二病です)

ただそういう思想を持った少女と他数名が、自分が何かを殺める時の理由の中に典型的利己欲求から大罪を抱えていると気づいたり、人として人足りえ、人として人あらぬことは無い。というような話だ


だからこそラストはその世界の全てが壊れるような。香にまみれた部屋を換気する、そんな感じの唐突の変化を感じる事になる。

これの裏のテーマは恐らく、各々の思想の尊重と各々の意志の尊重。と言ったところだろうか。


あと俺が言えるのはキャシーはyoutubeでも会えるし、アニメ版のレイチェルは物凄く可愛いという事だ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

積み重ねが活きたラスト4話……なのに配信限定(泣)…と思っていたらAT-Xにて年末に放送するそうですよ!

2018年夏アニメ。TV放送で12話+WEBアニメ4話、全16話。
ラストの4話はニコニコで有料視聴しましたが、なかなかお気に入りの作品となりました。

【12話まで視聴して】
もう少しテンポよく進めてくれれば12話に収まったのでは…とは言わない方が良いかな?w
正直この先が見たくて仕方ない。制作側の狙い通りに釣り餌に掛かったなあって自分でも思いますけどw
ゲームではどうなのかわからないですが、脱出ゲームの部分よりもレイとザックの関係性、人の心を抉る独特のホラー展開が見所ではないでしょうか。絵的にはこのくらいの怖さがいいけれど、展開はもっと怖くても良かったかもしれない。ラストにはそれを期待したいです。


配役は安定感がありました。個人的には千菅さんと藤原さんが特にお見事でした。
レイ役の千菅春香さんは感情を出さない演技に最初違和感があったものの、12話まで見ると絶妙な塩梅だったなあと。
エディ役の藤原夏海さんの演技、じわじわ怖い。最近よく見かけるけど少年役本当に上手ですね。
ザック役の岡本信彦さん、各階のキャラクターの声優さんも安定した演技で良かったです。

{netabare}
脱出ゲームはほとんどオマケみたいなもので、見所はレイチェルとアイザックの関係性の変化と、過去の罪を抉り出す独特のホラー(?)展開。序盤は物語があって無いようなものなので、そこで断念してしまった人がいたとしたら構成が少し残念な気もします。ラスト4話が配信限定というのがさらに残念だけど…。
レイとザックが半ば依存とも感じられる独特の信頼関係を築いていく過程はなかなか好みでした。
脱出ゲームだけで進むかと思ったらそうじゃなくて、特にレイチェルの罪と過去を暴いていく物語だった…。先が気になってしまいます。
全体の物語は最後まで見ないと何とも言えませんが、できれば最後までちゃんと見たいなあ。 {/netabare}(2018.9.27)



【最終話まで視聴して】
思った以上に良い作品でした。
序盤の脱出ゲームの印象とは打って変わり、終盤は純粋に人間ドラマの様相になっていきました。閉鎖空間からの脱出そのものにも意味があったとも感じられて良かったです。
テンポが良くないのはちょっと残念かな。

何年後かで良いから是非TVで最後まで放送し直して欲しいかも。ラスト4話が配信限定なのがむしろ視聴者を逃してしまってる気がしてあまり良いやり方とは思えません(同じくラストが配信限定のハイスコアガールは私は断念しましたし…)。早いうちから公式サイトでは告知されていましたし、アマプラだけでなくニコニコ動画やバンダイチャンネルでも有料なら視聴は出来ますが。

{netabare}
自分の罪を知り神に(あるいは誰かに)赦されたいと願うレイチェルに狂った者たちが魅了され、最終的にはレイとザックが人間としての自分自身を受け入れていく物語。
身勝手なレイと殺人の衝動を抑えられないザックが、共依存から純粋に互いを必要とする関係になっていく過程がかなり丁寧に描かれています。レイに「笑顔」と「死んだ瞳」という正反対のものを求めるザックとダニーの対比も良く出来ていました。
地下深いビルの中に居た者たち全員が、狂っていてもあくまでも「人間」であると語られたこともとても良かったです。

この物語では、聖書や神の存在を語りながらも「原罪により人が生まれながらに罪を背負う」のとは違い、閉鎖空間での出来事が「自身の犯した罪と向き合う」というのが印象的でした。
最後まで見ると、何度生まれ変わっても罪から脱することが出来ない「六道輪廻」思想の方がイメージが合致するかも。

ラスト2話は積み重ねが特に活きて良かったです。
レイが願ったことは「誰かに望まれて生き、誰かに望まれて死ぬこと」。それはレイ自身が誰かを心から受け入れて大切に想わなければ叶わないことで、それを感じ取ってザックもまた変わっていたのですね。
レイとザックが地下深いビルの中から俗世間に出ることに「生まれ直す・生まれ変わる」イメージを感じられたのは興味深かったです。最後の長い廊下が何だか産道のようだったなあと。


そういえば夏アニメでは「ハッピーシュガーライフ」に共通要素が多かったですね。
親の影響で狂った子どもたちが自身の存在意義を問う物語であり、それを他人への歪んだ執着や情の描写で表現したのも似ています。主人公カップル(で良いの?w)がどちらも最終的には排他的で献身的な関係、かつ反社会的な存在として終わったのも共通かな。
どちらも面白かったです。{/netabare}
(2018.11.19)


2018年年末にAT‐Xにて二日間に渡り全話放送だそうです。めでたい!
しかし私はBS民だ!めでたいがめでたくない!(2018.12.24)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 23

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

たった一つの約束だけが生きる理由

フリーゲーム「※1殺戮の天使」のアニメ化作品。

病院でカウンセリングを受けていたはずのレイチェルが目を覚ますと、そこは見覚えのない真っ白な部屋。

※2無数の監視カメラ、問いかけるタイプライター、屋外の様なフロア、昇降機、殺人鬼…。陳腐なオブジェクトに囲まれた現実味に乏しいその空間は、まるで悪夢のよう。

いかにもゲーム的な設定、ビジュアル重視の世界観に面喰らい、一見して、奇を衒っただけのデス・ゲーム、脱出ゲームの類を想像される方も多かろうと思いますが、原作ゲームのジャンルはサイコホラーADV(アドベンチャー)。怪物染みた思考を持つキャラ達(主にレイチェルとザックですが)の行動原理を紐解く様な物語になっていると思います。

登場人物達に共通する点を挙げてみると、レイチェルは無表情で、ザックは包帯で、ダニー先生は義眼で、エディは覆面で、キャシーはモニターで、外界との繋がりに何らかの形で制限やフィルターをかけている事が分かります。わたしたちのサムネも似たようなものですね(笑)

殺人の本質は、他者との関係を断絶する事にあると思いますが、単なる"無視"と異なる点は、その行為の裏に、他者、延いては理解者を求めてやまない寂しさがあるという事。人形の様な死んだ目をしたレイチェルに、殺人鬼達が心惹きつけられるのは、純粋なるものへの渇望、その瞳の中に自らの理想とする他者の姿を好き勝手に投影できるからではないでしょうか。

また殺人という行為は、少しだけ撮影という行為と似ています。対象の最も美しく見える瞬間を切り取り、保存する、時間を殺す、そして過去の記憶、あるいは一枚の絵の中に、甘い夢を見るという…。こんな話をしていると女性の手を切り取って愛でる趣味を持つジョジョの吉良吉影なんかも思い出しますね(汗)

世にいる全ての偶像崇拝者と同じく、殺人鬼達のレイチェルへのアプローチは、一方的で独り善がりの傾向が強く、その狂気を湛えた表情や言動は、まるで鏡に映ったもう一人の自分、あるいは物言わぬ人形に話しかけている様でもあります。

しかし、レイチェルは美しくも歪な生きた鏡。見るものを惹きつけ、そして絶望させます。

がらんどうのレイチェルに自らの理想を見ようとした者達の中で、ただ一人お人形を殺す事に興味の無い"まともな成人男性"である(笑)ザックだけが、鏡の背面にあるレイチェルの真の姿を見る事ができ、彼の保障した"約束"に込められた真意を漠然と感じ取ったレイチェルだけが、包帯に隠されたザックの魂を見つめる事が出来たのは、幸運としか言い様のない偶然ですが、愛と呼ぶに相応しい感情が、壊れかけの二人の心の中にも残っていたからと信じたい。

これは美女と野獣のお話ではなく、野獣と野獣のお話なのです。


※1:真田まことさん作、RPG風2D見下ろし画面を採用したアドベンチャーゲーム。レイとザックを交互に操作しながらフロア内の謎を解き、殺人鬼の徘徊する地下からの脱出を試みるゲーム。理不尽な謎は無く、アクション要素は方向キーによる鬼ごっこくらい。ゲームに不慣れな人でもエンディングを見る事が出来る。と思う。

※2:原作ゲームには天井にびっしりと並んだ無意味な監視カメラの配置は無いし、問いかけるタイプライターも無い。後者はごく普通のノートPCとして描写されている。ミスリード(夢物語と錯覚させる)を狙ったのかも知れませんが、物語の整合性を乱しますし、視覚的にも安っぽい演出になってしまっていたと思います。ダニー先生の舌や、エディの超人的な身のこなしについても残念。もっと人間らしい描写にして欲しかったです(汗)ザックの耐久力については原作準拠なのでスルーするとして(笑)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 29

66.2 10 謎解きアニメランキング10位
歌舞伎町シャーロック(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (215)
756人が棚に入れました
新宿區イーストサイド・・・・・・混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵・・・・・・そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に・・・・・・ミステリー? いやさコメディ?なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。

声優・キャラクター
小西克幸、中村悠一、山下誠一郎、斉藤壮馬、東山奈央、東内マリ子、青山穣、橘龍丸、諏訪部順一
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

う~ん、2クールは長すぎた・・・。

アニオリ作品。最終話まで視聴。

設定の奇抜さ。
特に探偵と落語という取り合わせの面白さ。
物語の舞台。

これらが織り成す世界観はとても良かったと思います。

前半の「切り裂きジャック編」までは、テンポも良くて楽しめていたんだけど、後半は、一言で言って『長かったな・・・』。

{netabare}後半は「切り裂きジャック編のその後の顛末」。
まあ、『ここを解決しないと物語は完結しない』ってことなんだろうけど・・・。
それにしたって、ほとんど後半丸々ですからねぇ。
さすがに長すぎるというか・・・。{/netabare}

サイコパスが絡むと、心理が理解出来ないせいだと思うんですけど、少々、苦手なんですよね。
あくまでも個人的な感想です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オチと推理とエクスカリバー

シャーロック・ホームズは、最もパロディ化、パスティーシュ化された探偵かもしれない。

本作の放送と同期に、同じく『シャーロック』を冠する実写ドラマが放送されているが、競作関係などはないものの、どちらの「シャーロック」も奇人変人である設定は共通しているようだ。
ドイルのホームズ連作の、本格探偵小説が「本格」としてジャンル的に確立する前のプロトタイプ的な性格が、ホームズがキャラクター的な強烈な特徴を持つところに現れているのだろう。

あまたのパスティーシュも、若いころのホームズ、異世界に紛れ込んだホームズはもとより、ホームズの姪っ子や、精神を病んだ夏目漱石が自分をホームズと妄想している、などなど、キャラクター性を強調したものが多い。

その中にあって、本作の歌舞伎町に住む落語家もどきの「シャーロック」も、奇抜さで負けてはいない。
いや、あの髭面の「ハドソン夫人」には勝てないかもしれないが。


シャーロック・ホームズが強力で特異な性格設定を持つのは、一種の文化英雄という性質が要請するからだろう。

「勇者」が聖剣で竜を倒して「世界」を恢復させるように、垂れ込める「謎」を吹き払い「世界」に秩序を回復する「英雄」としての探偵。

歴戦の武勇伝を持つ勇者が特権的な武器として「聖剣」を手にするように、「謎」を切り払う探偵の特権的な武器として与えられるのが、頭脳=論理=「推理」だ。
特異な頭脳=発想の象徴として、特異な性格が要請される。


ところで、別作品の感想で、探偵小説の探偵の推理は論理的な唯一の真理とは限らない、といった意味のことを書きこんだことがある。

エクスカリバーが竜を斃せるのは、数々の「伝説」によって「聖剣」である特権性を保証されるからだ。
探偵の推理=「論理」もまた、「伝説」に類比的な特権性の「保証」が付与される。

オーギュスト・デュパンであれば「アナリシス」、ファイロ・ヴァンスなら心理学的必然、エラリィ・クイーンなら因数分解的数学性、などなど。
ホームズならば、実験科学的な自然科学の論理性、という事になる。

これら「論理」の特権性の「保証」要素は、しかし推理が導く「真相」の論理的正しさを保証するものではない。

「聖剣」にまつわる「伝説」が、その物語内で聖剣の威力を保証するための装置であって、物語外では意味がないのと同様に、実験科学の論理性も、物語内で「論理」の特権性を保証するだけの装置に過ぎない。
デュパンのアナリシスもヴァンスの心理学もエラリィの「数学的」論理も、物語外では何の論理性も保証しはしない。

物語内での探偵の推理が「真相」となるためには、「物語世界内で」の論理性=説得力だけが問題なのだ。
物語内の作中人物全員が「唯一の真相」を導いた「論理的」な推理だと納得しさえすればいい。
そう、これが物語内で最後にたどり着いた「真実」であると、最後に締めくくる「オチ」だと納得しさえすれば。



落語で「真相」の「推理」を語る本作の設定は、「探偵小説的」論理性を巧妙に反映している。

一見は荒唐無稽な「推理落語」だが、語られた物語を象徴し、まとめ上げ、引き受けて、幕を閉じるものとしての落語の「オチ」の一言は、探偵小説の「論理的」推理と全く同型的な役割を果たすものだ。

しかし、それは、どんなデタラメでもおどけて語れば良いという事にはならない。
論理=筋が通っているでも、地口のように連想的な関係性でも、なんでもよい。それまで語られた物語をまとめ上げて「オチ」が付いたと観客に直観させなければ、オチとして機能しない。

落語の『あたま山』のオチは、論理的にはおかしい、不条理でシュールなものだが、練達の噺家が語ることによって、観客に「オチ」を直観させて笑いに巻き込む。

不出来な噺であれば、観客は白けてブーイングが起きるだろう。
不出来な探偵小説が、作者と作中人物だけが納得する「推理」で、読者を説得できずに怒らせるように。

はたして本作の「落語推理」は切れ味良い「聖剣」のような「オチ」をつけられただろうか。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

探偵×落語×歌舞伎町・・・クセが強い。でも面白い!

探偵ミステリーもののフィクション、コメディ。
設定が飛んでて、クセが強く、観る人を選びそうだけど、私には合ったみたいで、面白かったです。

終始、宮藤官九郎さんの、IWGP,タイガー&ドラゴン、木更津キャッツアイとドラマの方の私立探偵濱マイクを感じる作品でした。
濱マイクの方は、探偵×エゴラッピンで、そのまんまですよね。
作者が、大好きなんでしょう。

設定や推理とかで、ちょっとご都合的なところはあったけど、流れを邪魔するものではなかったので、ご愛敬の範囲内でした。

ぶっ飛んだ設定で、独特なテイストですが、本当に懐かしさも感じながらの作品で、私的には嬉しいですが、ニッチですよね。一般ウケするかどうかは別でしょうが 笑

上記のドラマが好きな人、好きだった人には、是非ともおススメです!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

70.6 11 謎解きアニメランキング11位
ISLAND(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (383)
1688人が棚に入れました
本土から遠く離れた海に浮かぶ「浦島」
そこは楽園と見まごう豊かな自然と、複雑な過去と因習に囚われた人々が息づく島だった。

本土から見放され、忘れられつつあるこの地で半ば諦めを懐きながら生きる島の住人。

そんな島に「タイムトラベラー」を自称するひとりの青年が流れ着く。
「せつな」という名前と「ある使命」以外の記憶を失ったその青年は、凛音、夏蓮、紗羅という3人の少女たちと出会い、やがて島の未来を変えるべく奔走をはじめる。

排他的な因習と数々の謎を秘めた浦島をめぐる青年と少女たちの物語がひも解かれるーー。

声優・キャラクター
田村ゆかり、阿澄佳奈、山村響、鈴木達央、佐藤利奈、茂木たかまさ、中島唯、高柳知葉、田中貴子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

中盤までは苦痛、後半は面白かった

最終話まで視聴。原作ゲームは未プレイ。

前半は様々な謎が示され、一見、謎解き物なのかと思いました。
ところが、どういう訳だか{netabare}安っぽいラブコメにしか見えませんでした。
ラブコメとしては正直、駄作なレベル。
主人公の、男性としての魅力が無かったから・・・。{/netabare}

後半は一気に物語が動いて、なかなか面白かった。
まあ、{netabare}強引なご都合主義な展開は{/netabare}目を瞑らないといけないでしょうけど・・・。
例えば、{netabare}切那が同じタイミングで目覚めたかと思ったら、切那と玖音が目覚めるタイミングが大きくズレちゃったり・・・とか。『時を止める装置』の精度はとても高いのかアバウトなのか???みたいな(笑)。{/netabare}

でも、それを超えるような超展開エンディングはとても良かったです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

生まれ変わって、待ってるから…。

この作品の原作ゲームは未プレイですが、フロントウィング発のアニメという事で楽しみにしていました。
フロントウィングといえば、直近では天衝監督が手掛けたグリザイアシリーズを思い出します。
グリザイアシリーズは、これまで果実・迷宮・楽園がアニメ化されましたが、「ファントムトリガー」という新シリーズのアニメ化企画が進行しているそうなので、こちらも要チェックです。

話題が逸れてしまいました。
この作品の特徴の一つとして声優陣の豪華さが挙げられると思います。
ゆかりん、あすみん、山村響さんやサトリナなど、実力派声優さんで固められているんです。
しかもメインヒロインはゆかりん…
ゆかりんの久々のメインヒロイン役が堪能できると思うと、俄然視聴にも力が入ります。

因みに本作品に登場するメインヒロインは以下の通りです。
御原凛音(CV:ゆかりん):浦島御三家の一つ、御原家の跡取り娘。引き籠りで昼夜逆転の生活を送っているミステリスな女の子です。
枢都夏蓮(CV:あすみん): 島の町長の娘。島を出ようと家出を繰り返す反抗期の真っただ中…男勝りの口調と恥ずかしがり屋な性格のギャップが堪らない女の子です。
伽藍堂紗羅(CV:山村響さん):主人公である切那を未来人と信じて命を狙う女の子。非科学的な力を信じてやみません。

そしてこの強力な声優陣を下支えする作画も申し分なし…
というか、キャラデザは相当私の好みでした。
アニメでこのレベルなら、ゲームでのキャラデザは半端ないんだろうなぁ…なんて思わせてくれる程、私のストライクでした。
キャラクター原案は空中幼彩さん…これまでクイーンズブレイドなどのイラストを手掛けられた方みたいです。
アニメーション制作会社が「フィール」であるのもポイントの高い理由だと思います。
「この美術部には問題がある!」など、これまで手掛けてきた作品を見れば、キャラの細かい仕草などの緻密さにも納得です。

一方、物語の方ですが、浦島という本土から遠く離れた離島に全裸で記憶喪失の男性が流れ着いたところから始まります。
その男性が覚えていたのは二つだけ…
一つは自分の名が「切那」であること、もう一つは自分には使命があるということ…
こうしてヒロインの3人と切那を巡る物語が動き出すのですが、物語の構成に魅力溢れる作品だと思いました。

一番良かったのは、ヒロインの3人をしっかりと掘り下げていること…
この浦島には色々な謎が秘められているので、島の人々はよそ者に対して排他的なのですが、小さなきっかけを見逃さず、その後の展開に繋げているのでヒロインに嫌味を感じないんです。
きっと原作ゲームをプレイした方には、推しのキャラがきっといると思います。
でもどのキャラ推しでもこの作品は楽しんで視聴できたのではないでしょうか。

次に良かったのが予想の遥か斜め上を行く物語の展開そのもの…
特に中盤以降の展開は度肝を抜かれる事必須だと思います。
何故なら不変が必須の領域にメスを入れているのですから…

時には不安で押しつぶされそうになったこともありました。
想像だにしていなかった溢れんばかりの想いに涙が止まらなかったこともありました。
未来に怯え、震える夜を何度も繰り返してきました。
例え自らの最愛のために全てを投げ打ったとしても、触れて約束を交わした事実だけは記憶に刻まれている…
全ては最終話で明かされる真実への布石なんですけどね。
優しさが切なくて…愛おしくて堪らない展開が待ち受けてくれていると思いますよ。

オープニングテーマは、ゆかりんの「永遠のひとつ」と「Closing tears」
エンディングテーマは、亜咲花さんの「Eternal Star」と「Marine SNOW」
ゆかりんの「永遠のひとつ」はゆかりんらしさが前面に押し出された心に染み入る曲でした。
亜咲花さんのエンディングも素晴らしく、どちらも通勤中に聞いている曲です。

1クール12話の物語でした。
もう数話の尺があれば、最後の展開をもう少し深掘りできたのでは…とも思いますが、1クールの中で綺麗に物語が纏まっていると言っても過言では無いと思います。
登場人物は可愛いし見応えも十分…しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

割と好き

視聴理由 とくになし

序盤 そういうケイか

中盤 お?

終盤 発想としては結構好きだな

この話は記憶が飛んでいる青年の話
ジャンルはハーレム・ラブコメ
序盤はありきたりなラブコメなのですが、中盤から流れが変わります。変わりすぎて「え?本当に同じアニメ?」と疑ってしまうほどです。終盤にはちゃんとまとまっています。中盤の変わりようが終盤で解決されるので序盤で飽きた人や中盤で困惑した人はもう少し頑張りましょう!
発想は良いといいましたが、欠点ももちろんあります。結構見る人を選びます。万人受けというわけではなさそうです。序盤で飽きた人や中盤で困惑した人は頑張ってみたほうが良いですが、それでも終盤の展開は賛否両論だと思います。要は終盤になって「まとまりそうだけど、無理だった」方は無理せず断念しましょう。終盤でひきつけられなかったら見るのつらいだけでしょうから。
キャラはみんな可愛く、ヒロインもほかの子もみんな好印象です。

監督は「ハヤテのごとく!」の監督をした川口敬一郎さん
シリーズ構成はアウトブレイク・カンパニーのシリーズ構成を担当した荒川稔久さん
キャラデザは「まよチキ!」のキャラデザを担当した川村幸祐さん
制作は「月がきれい」などを制作したfeel.さん

作画は綺麗で、海のシーンや印象に残したいシーンなども素晴らしかった
opは松井五郎さん作詞、「魔法使いの嫁」のop1を作編曲した白戸佑輔さん作編曲、御原凛音ちゃん役の田村ゆかりさん歌唱の「永遠のひとつ」
edは「徒然チルドレン」のopを手掛けたHaggy Rockさん作詞曲、「Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-」のedを編曲した悠木真一さん編曲、「ゆるキャン△」のopを歌った亜咲花さん歌唱の「Eternal Star」

総評 嫌いではない。むしろ割と好き

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

72.5 12 謎解きアニメランキング12位
ミギとダリ(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (187)
565人が棚に入れました
1990年2月、神戸市北区オリゴン村。 児童養護施設で過ごしていた双子の少年ミギとダリは、ある日裕福で穏やかな老夫婦、園山夫妻に養子として迎えられる。 しかしそれはふたりの少年「ミギ」と「ダリ」としてではなく、ひとりの少年「園山秘鳥」としてだった。 二人は正体を隠し、園山秘鳥を演じながらオリゴン村に溶け込んでいく。一体何のために二人で一人の人間を演じているのか。そこには大きな秘密と恐るべき目的があった。
ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

耽美系ホラーに見せてギャグという珍妙な雰囲気が面白すぎる。作者追悼…

内容はめちゃくちゃ面白いですね。
いやそうはならんだろう!
という。

全体の雰囲気としてはホラーっぽくはあるのですよね。
1人だと思いきや双子のトリックを利用して2人が入り込む、という、一見恐怖物でもおかしくない。
そして主人公は耽美な美少年で、耽美系ホラーな雰囲気を持っていながら…。
ギャグでしか無いという。

いやなんですかねこの雰囲気は。
まともなセンスをしていたらこんな作品は作れないですよ。

さすが坂本ですがの作者さんですね。
これはもう目が離せません。

ミギとヒダリ→ヒを取って→ミギとダリ
だからヒトリ君なんですね。
これもおお、とすごいとなりますね。

試聴継続です。

ただ、最初のインパクト重視な面もあるので見慣れたら飽きが来るかもしれませんが…。

しかし作者さんは残念でしたね。もっと多くの作品を残して欲しかったです…。

全話感想
大変良い物語でした。全体的に珍妙な雰囲気を保ちつつ、少しずつ謎が解き明かされていく展開。
最初は区別のつかなかったミギとダリもすぐどちらがどちらか一目でわかるようになっていうくなど、出来自体が非常に良い。

一番感動的だったのはやはり老夫婦の存在ですね。{netabare} 老夫婦はほぼ最初から気づいていて、ただ黙って見守っていた所ですね。打ち明けるか迷っているところまで感じ取ってネタばらしをしたのでしょう。あの二人は本当に良かった。 {/netabare}

真面目に面白いシュールギャグ系の雰囲気は終始続きながらしっかりハラハラさせて感動もさせてくれる…。
このバランス感覚は他に無いですね。
非常に楽しめました。
素晴らしい作品だっただけに、作者さんは本当に残念ですね。
惜しい方を亡くしました…。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

右と左の違い

とても好きな作品
ミステリー?ホラー?サスペンス?ギャグ??
最初はどんなジャンルなのかわからなくて、とにかく怪しく不気味な雰囲気に惹かれてみていました、ただのギャグが実は重要な伏線だったりして驚いた
OPアニメで片方だけパイが食べられるなど作中のいたるところに意味深な描写が多くて、面白い作り
最後の展開もすっきりしていてちょっと感動しちゃいました、本当によくできた話でした
話がテンポ良くて予想外な驚きの連続で楽しい!
アニメスタッフによる、佐野先生の遺作を最高のアニメにしたい!という熱意が伝わってくる素晴らしいアニメ化でした!

坂本ですが?の作者のかたです、作者のかたはまだ若い女性のかたですが、このアニメが放送される直前に癌でお亡くなりになったそうです、せっかくいいアニメ化なので動いているところが見たかったでしょうね、ご冥福をお祈りします

最終回のメッセージの意味{netabare}
幽霊?になったみっちゃんが何か地面に書いていましたね

A la memoire de Sano Nami
筆記体のフランス語で「佐野菜見を偲んで」と書かれています

このメッセージを作中に入れるのは生半可な気持ちではできないでしょう
こんな熱いメッセージ書いておきながら残念なアニメにしてしまったら顔向けできないですからね
佐野先生に完成したアニメを見せたかったという制作チームの熱い想いが感じられてとても感動しました
幽霊になったみっちゃんに書かせたのも、天国の佐野先生に届けたいというメッセージだと思います。
その熱い想い、私は感じとりました。

届くといいな・・・
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

締めの大切さを完璧に表現してくれた

これはギャグアニメだよね。
なんだかシリアスな雰囲気なんだけど、セリフ回しと言い、
やっていることと言い、完全にギャグである。
とても面白い。

子供を引き取った父と母。
老体だからかもしれないが、ボケすぎである。
いや、あえてボケてるのか?
面白すぎるだろ、これ。
ということでギャグを織り交ぜて展開するが、
本質は非常にシリアスな人間関係を描いた作品。
終盤にすべての謎が解ける。
それにしても、ポンコツと思われた老夫婦に泣かされるとは・・。
最終回の感動は大変な物があった。
この最後の締めが無かったら、これほど評価が上がることは無かっただろう。
ギャグアニメとしても、シリアスアニメとしても、
非常によくできた奇跡的な作品ではないだろうか。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

53.6 13 謎解きアニメランキング13位
ナゾトキネ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (74)
266人が棚に入れました
私は、広告代理店TEN2で社長秘書をしている網野解音(あみのときね)。今日のお客様は、なんと有名アニメ会社の代表さん!お出迎えのために、はりきって会議室の掃除をしてたんだけど・・・急にあたりが光に包まれ、会議室から出られなくなっちゃった!?おまけにおばけみたいなのが出てきて謎を解けばこの場所から開放してやる。。なんて言ってるし!!もうよくわかんないけどとりあえず、解いてから考える!!

声優・キャラクター
原奈津子、徳井青空、松井恵理子、八島さらら、佐々木未来、鈴木愛奈、佐藤実季、齊藤佳央里、小島英樹

76.8 14 謎解きアニメランキング14位
ケムリクサ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (531)
1827人が棚に入れました
赤い霧に包まれた、荒廃した建造物に囲まれた人気の無い世界を舞台に3人の姉妹が生き抜く物語。物語の中心的人物でまとめ髪の特徴的なりん、猫耳でいつもおっとりしているお姉さんキャラのりつ、メイド調の服に身を包み天真爛漫なムードメーカーりな。謎多き世界でこの姉妹が目指すものは一体…

声優・キャラクター
小松未可子、清都ありさ、鷲見友美ジェナ、野島健児
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界の終末に「好き」を探すロードムービー

アニメーション製作:ヤオヨロズ、
原作・脚本・監督:たつき、
作画監督:伊佐佳久、美術監督:白木優子

赤い霧が漂う暗黒の空間。
廃墟と化した街並みはまるで世界の終末だ。
最初の舞台は長崎の軍艦島。
そこで、異形の化物である赤虫と戦い、
懸命に生きる3人の姉妹がいた。
彼女たちはまるで植物のように、
水を飲むことで生命を維持し、
道具としてケムリクサを駆使していた。

けものフレンズを指揮した、たつき監督が
かつてニコニコ動画に投稿した自主制作アニメを元に
再構築して完成させた作品。
降板したけものフレンズの続編と放映タイミングが重なり、
何かと作品以外の部分でも話題となった。
脚本、演出、監督を全てたつき氏が担当し、
CGを駆使して作り上げている。
制作はたつき監督が属するirodoriの
たつき、伊佐佳久、白水優子を中心に行われた。
キャラの動きや赤と黒をメインにした作画は、
少人数体制を思わせる粗い仕上がりだが、
世界観や巧みな脚本によって、それらの全てが
あまり気にならないように見せている。

私は未視聴なので分からないが、
世界観は、けものフレンズとの共通点があるようだ。
廃墟に囲まれた謎の世界で3人の姉妹が赤虫と戦い、
水を求めながら生きている。
そこに突然、わかばという男が現れる。
謎が解明されないまま、姉妹と男は
旅をすることになる。

スタートが軍艦島(長崎県)でスペースワールド(福岡県・閉園)、
道後温泉(愛媛県)、瀬戸大橋(香川県、岡山県)、
梅田駅(大阪府・泉の広場は撤去予定)、琵琶湖(滋賀県・沖島)、
黒部ダム(富山県)、富士山(静岡県)、
八王子(東京都・日清食品)、中野(東京都)、新宿(東京都)まで。
日本各地をロードムービーのように旅していく。
{netabare}そして、最後の赤い木との戦いは、
おそらく東京タワーだと思われる。{/netabare}
コラボしていた日清食品も登場。
実際に観ていて、道後温泉や黒部ダムは
分からなかったが、ほかは自分が旅でよく見ていた
場所ということもあって、驚かされることが多かった。
彼らの旅を観ながら、場所を特定する楽しさがある。
サイトでは詳細に比較しているものもあり、
かなり正確に廃墟として再現しているのが分かる。

10話までは少しずつ謎を小出しにしていくだけなので、
観続けるのがなかなか難しいかもしれないが、
11話でこれまでの様々なことが明らかになり、
最終回まで一気に畳みかける展開は見事。
{netabare}全ての出来事が、日本の街並みを再現した
巨大宇宙船のなかで起こっていたという
SFも興味深く、彼らがここにいた意味、輪廻転生、
想いを引き継ぐことを物語に上手く落とし込んでいる。
EDが登場人物の死や誕生の順番を表しているのも面白い。
EDの最終回には、りりとワカバが触れ合う描写もある。{/netabare}

{netabare}ラストで、りょうから語られるのは、
「全員が好きを手に入れられた」ということだった。
おそらく、感覚だけではなく、
りりの「好き」の感情も6つに分かれていて、
りんだけが、手に入れてなかったのだ。
この結末はりんの言葉を「アニメーションが」とするのが、
監督の純粋な想いなのかもしれない。{/netabare}
(2019年4月13日初投稿)

ちょっとした余談(2019年4月14日追記)
{netabare}監督はどこかのメッセージで、好きなことを
このアニメでやった、ということを書いていたが、
おそらく、登場するのは監督の好きなもの
ばかりなのだと想像する。
タイトルの煙草(ケムリクサ)、廃墟、
日本各地の観光地、長崎の路面電車、ルンバ。
そういえば、シロの仲間がたくさんいた
黒部ダムのガルベと呼ばれる遊覧船もそうなのだろう。
この作品は超テクノロジーの暴走によって、
世界が破壊されるという暗い話だが、
監督の「好き」が溢れていることを感じさせてくれた。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 84
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

SF好きなら一見の価値あるかも

<2019/7/26初投稿>
これ、原作あるのかな。

本放送時はスルー。
というのも「けものフレンズ」一通り見てピンとこなかったんですよ。
同じ監督さんで似たような絵柄だったから似たような話かと思って。

ちなみに「けもフレ2」は見てないので因縁ですか?は興味ないです。


そしてケムリクサ。

最近たまたまCS1-298で第2話やってて、なんとはなしに「ながら見」したら・・・

あらやだ!
面白いじゃないのよ( ̄∇ ̄)

そんで11話まで見て。
おお?と盛り上がり、最終回楽しみー♪とか思ってたら、またCS1-298で1話から放送始まったので1話見て

んで今日、最終回見て。

という変則な見方したんですが

やー面白い( ̄∇ ̄)

SFですね。

ネタバレすると{netabare}

貴重な地球の文明、文化をコピー保存するために宇宙人がやってきました。
その宇宙人さんは「クサ」と呼ばれる謎技術を使って
地球の文明である建造物や交通機関その他諸々を都市ごと、宇宙船内のある種、仮想空間的なところにせっせせっせとコピーしていきます。

そんなある日、その宇宙人さんは地球人の女の子を拾い・・・{/netabare}

というお話かな、たぶん。

10話までは上記のネタバレを隠していて、謎が謎を"淡々"と呼ぶという不思議な話の進み方をします。

この"淡々と"謎が増えていく展開にワクワクできるか、飽きちゃうかで賛否両論の作品なのかなーと。

私はワクワクしました。

「クサ」

「リンを始めとする人間を自称する謎の姉妹たち」

「とってつけたような廃墟の街並み」

「ワカバというお人好しの青年の地味な不思議さ」

「ロードムービーのようなのに旅の目的がよくわからない」

ここら辺に興味を持てたらハマると思います。

いずれにせよ見る人を選ぶ作品ですが、純粋なSF好きの人にはオススメしやすいかも。

見逃さなくてよかった、と思えた作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 46
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1度見終わってからの2巡目視聴が断然面白い

最終話まで視聴。

【この作品の評価は大きく割れそうだなぁ】
{netabare}多くの謎を残したまま物語は進んでいき、ラスト2話で物語の根幹に関わる過去の出来事が”部分的に”明かされる。
要するに、世界観・物語に関する詳しい説明が本編中には無い。
ラスト2話の物語と、それまでの彼女たちの会話から推測するしかない。

世界観や物語について、好意的に推測出来れば高評価、出来なければ低評価になってしまう作品。{/netabare}

【個人的にはハマっちゃいましたね】
{netabare}結局、『ケムリクサとは何?』という問題は、最後まで残っちゃうんだけどね。

りん、りつ、りな姉妹の会話のテンポの良さはクセになる。
独特なキャラデザもクセになる。

そんな感じの作品。(どういう作品?)(笑){/netabare}

視聴前にネタバレしちゃうと、面白さが半減しちゃうので、訳の分からないレビューでゴメンなさい。

【最大の魅力は2巡目視聴が心地良いこと】
{netabare}自分なりに世界観を構築してから視聴する2巡目視聴は、とても心地良いです。
1巡目視聴の際は、意味不明だった出来事が理解できたり・・・。
自分の解釈とつじつまが合わないところは、再検討してみたりとか・・・。

2巡目視聴に耐えられることは、面白い作品の証拠だと思っています(笑)。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

73.9 15 謎解きアニメランキング15位
シャドーハウス 2nd Season(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (229)
863人が棚に入れました
この館には秘密がある── 断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。 その“顔”としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。 ある日、“シャドー”一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形”が訪れ、“影”と“人形”の不思議な日常が始まる。 物語の根幹にせまる2nd Seasonがついに開幕!

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

2期も神作

1期でハマりすぎて私的神作認定し、視聴後ただちに漫画を大人買い、そしてあにこれのアイコンをエミリコにしました(^^;
漫画も最高に面白いですよ。
さて2期なんですが、CloverWorksは好きなアニメ多く好きなんですよ。しかし以前「約束のネバーランド2期」でやらかした(1期は神作だと思っている)ので、そこだけ心配でしたが杞憂に終わりました。

1期は原作改変やアニオリ回等があり、どうするのかなと思ってたんですが、上手く原作に戻しましたね。なので2期は原作に結構忠実に作った印象です。ただ原作勢となってしまった私ですが、アニメも非常に面白く観れます。やはり声優さん達の顔のないシャドーのすばらしい演技、表情を想像したり楽しめます。その点ではアニメ向きだと思います。そして相変わらず天使キャラすぎるエミリコ可愛いです。

1期のレビューでED曲のReoNaの「ないない」が雰囲気合いすぎて神曲だと言いましたが、2期はOP曲「シャル・ウィ・ダンス?」を歌い、またまた雰囲気にどハマりした神曲なんですよ。じゃあ、ED曲誰やろと思ってたら、なんと大好きなClariS。同クールのリコリス・リコイルのOPとツーClariSとはサプライズでした。「Masquerade」と言う曲でこれも雰囲気ばっちし神曲なんですよ。このアニメはOPEDの選曲が良いです。

と言うわけで評価も1期と同じにしましたし、2期も私的神作なんで超お勧めです。ただ1期の振り返りとかないんで、1期から見ないと話が分かりません。ご注意ください。これは3期もあるのではと思ってます。

2022年11月12日

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

溜め回っていうか溜めクール?

シャドーハウス1期目からの続編です。2期目から観てもまったく意味わからんと思いますので、「お陰様」とか「生き人形」とかの作中用語もそちらをご覧ください。

ちなみに1期目を楽しく観たのですが原作漫画は未読なままです。



1期目がキリ良く終わったのに対して、2期目はけっこう「本番はこれから」みたいな感じの最終回でした。今回は「シャドーの煤能力」と「生き人形の出自」にフォーカスが当たった感じでした。

1期目最終回に出てきたコーヒーにも注目でしたね。1期目の試験以上にバトルシーンも多く、エミリコもその高い身体能力を見せつけて楽しませてくれました。エミリコがアホっぽいけど実はけっこう賢さを見せるシーンなどもあり面白かったです。

ちょっと探偵物みたいな2期目でした。3期目があったら、やっぱり観ます。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

御影の国のアリス

【紹介】
不思議の国のアリスがお化け屋敷に迷い込んだみたいなアニメでキャラクター可愛いのに設定がかなり重たくて怖い
ミステリーの面白さと洋風ホラーの不気味さとゴスロリな可愛さとアンティークなオシャレさを兼ね備えた魅力的な雰囲気の作品です

【感想】
えっ終わり? 気づいたら終わってました
あっという間の2期で、とても面白かったです!
変なところで終わったので3期期待していいのかな?

ジョンとショーンがお気に入り
ストーリーも設定も全然違うけどまるで不思議の国のアリスをダークにした感じの雰囲気が好き

ゴスロリファッションとアンティーク、ダークな洋館の雰囲気に映えるケイト様の真っ赤なお召し物
シャドーハウスの雰囲気がいい感じに不気味で怪しくて素晴らしいです!
{netabare}
序盤は館の謎の手がかりとか説明をゆっくり丁寧に少しずつ見せていって、キャラクターがどんどん増えて
エミリコ以外のキャラクター、特にローズマリーやバーバラの掘り下げが進んだので2期でもっとこの作品が好きになりました
これはどういうことなの? どうなっちゃうの?って思うことばっかりで、後半一気に物語が加速するとともに
全体がうっすら見えつつも謎を残してまだまだ深い闇や未知の領域がありそうって思わせる興味の引き方が秀逸、面白い!

ヒトが誘拐されて記憶消されて影に身体を乗っ取られるっていうかなり怖い設定
館の秘密を探るうちに仲間とのキズナが深くなっていくのがいい!
謎がひとつ解決したと思ったらまた新しい謎が出てきてよりシャドーハウスの謎が深まって面白くなってきました

いいキャラクターばっかりでみんな好きだから、これだけ重くて闇の深いストーリーだとみんながハッピーな終わり方って難しそうでつらい・・・
3期楽しみなような見るのが怖いような・・・
{/netabare}
エミリコが笑ってお屋敷を卒業できるストーリーだったらいいなと思っています
2期でシャドーハウスのこともだいぶわかったけどまだまだ謎がいっぱいで、3期に期待してます!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

76.3 16 謎解きアニメランキング16位
この中に1人、妹がいる! (TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (1621)
9981人が棚に入れました
世界的大企業、帝野グループの社長、帝野熊五郎の没後、息子の帝野将悟は父の遺言に従ってグループの社長の座を継ぐことを決意した。熊五郎はグループを息子に継がせる条件として、特訓を行って1年で社員全員が将悟を社長として相応しいと認めるような成果を出すことと、熊五郎の母校である私立深流院学園に通い、そこで生涯の伴侶となる女性を見つけて結婚することを提示した。しかし、将悟に異母妹がいること、そしてさらにその妹が深流院学園に通い正体を明かさぬまま将悟と結婚することを目論んでいることが明らかになり、将悟は妹の正体を突き止めて彼女を作ることに奔走していく。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、石原夏織、佐倉綾音、竹達彩奈、大亀あすか、日高里菜

おにいた さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

完全男子向けアニメ

女子は見ても何も面白くないと思うほど
内容はしょうもない
妹を見つけるっていうミステリー感はあるけど
正直結構早い段階でなんとなくわかる

ただハーレム好きで多少のエロもいいね
って思う人にはいいと思う
裸にYシャツは正直最高

キャラもみんないいと思う
個人的には妹候補の中では副会長
全キャラの中ではミスターXが一番好き
部屋での脱ぎっぷりはとてもいい

とりあえずこういうのが好きな男子にはおすすめ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19

ロボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

この中に1人、妹がいる!1話観た感想。

面白くなりそうかも?^^
ちょっと男性向け?な
アニメ素人なので
ももチラシーンとスカートの影が
斬新で関心♪
ふぇちですね~(*^^*)
あと、男性向けアニメは
入浴シーンが多いと聞いたけど…
ホントだ♪
興奮するというより面白かった
女子にはどうかな^^

神凪さんの言動は謎でしたね。
個人的には心乃枝が
『シュークリーム仲間にならないと案内しませんよ。』
にドキッと(^^)
なんでや!(゜゜;)\(--;)
関西人だから?
いやいや僕が変なだけ(^^;
あくまでも個人的なあれですが…
唐突にとか突拍子もない言動にね

好きなシチュエーション
スパイシーチリドッグを食べて
辛くて顔が真っ赤になる^^
がかわいいと^^
なんでや!(゜゜;)\(--;)

初対面で顔を近づけるのは
可愛い女子なら嬉しいけど…
初対面でパーソナルスペースは
なし!
アニメとはいえ急ぎすぎ^^

やっぱり女性は胸への視線
気付いてるんですよ(^q^)
僕は胸フェチだけはないので
胸フェチの75%くらい?の方
気をつけて下さい(><)
だって目線が下にいくと
バレバレですよ^^
特に話してる時は絶対ダメ!
女性は付き合う前は嫌なのかな?

何も考えず楽しめそうです^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

v.e.b さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

学園×ラブコメ×ミステリー×妹!?

主人公は世界的に有名な企業の一人息子で若くして亡くなった
父の後を継ぐ為に訓練をして残る課題は伴侶を見つけること

だけど父には隠し子の娘がいて、その主人公にとっては
腹違いの妹に当たる存在なんだけど、その妹は主人公
と結婚しようとしている。

主人公は高校卒業までに結婚相手を見つけなくては
ならないのに、親しくなった女性が
学園の何処かに潜んでいる妹なのではないかと
恐れて中々恋愛が進展せず...

という展開で、主人公が自由に恋愛をするには
密かに妹を探し出し見つけ出す必要があります。

キャラクターの1人1人が可愛いし声優さんも豪華で
声がとても可愛かったのですが「妹は誰なのか?」と
主人公と一緒に考えるのが楽しかったですね。

個人的にはイクスと言うキャラの知的で切れ者風なのに
時々する的外れ的な発言や妹のことで相談しているのに
周り生徒からは男同士でイチャイチャしていると
勘違いされているのがシュールで面白かったです。

このアニメはラブコメとミステリーがいい具合に
混ざりあっていて伏線もしっかり
回収されているので観やすいアニメでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

74.7 17 謎解きアニメランキング17位
暦物語(その他)

2016年1月9日
★★★★☆ 3.8 (704)
4423人が棚に入れました
怪異に曳かれつづけた阿良々木暦の一年間。
これまでの"物語"と"物語"の間でひそかに生まれていた、いまだ語られていないエピソードたちを、一月に一話からなる12編の短編連作で巡る。

<物語>シリーズ公式アプリだけで視聴できる短編アニメという新たな形でつづられる、暦達が過ごした1年間。
そして"物語"は運命の朝へ向かう――。

声優・キャラクター
神谷浩史、斎藤千和、堀江由衣、加藤英美里、沢城みゆき、花澤香菜、喜多村英梨、井口裕香、水橋かおり、坂本真綾、早見沙織、白石涼子、ゆきのさつき

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

阿良々木暦高校3年生の青春怪異談

まあ、配信アニメと言うことで不評の人も多いみたいだけど、自分はDVDでゆっくり見たので特に不満は無し。

というかDVD2枚でこれだけ見れるのなら大満足の部類。
なぜBDじゃないのかは置いといて、全12話 暇つぶしには最適のアニメ。
他のシリーズとの違和感は全く感じなかったので、ソフト化で修正かな。

阿良々木君の高校3年生の1年間を12話で描いているのだが、以前の作品とのダブりは無く、完全新作なので安心して観れる。

こよみストーン  羽川翼
こよみフラワー  戦場ヶ原ひたぎ
こよみサンド   八九寺真宵
こよみウォーター 神原駿河
こよみウインド  千石撫子
こよみツリー   阿良々木火燐
こよみティー   阿良々木月火
こよみマウンテン 忍野扇
こよみトーラス  忍野忍
こよみシード   斧乃木余接   
こよみナッシング 影縫余弦
こよみデッド   臥煙伊豆湖 

だいたいのヒロインが1話ごとに振り分けられてショートストーリーが展開する。
ただ、少し伏線が入った回もあって、初見では流し見は出来ない。
番外編と侮れないようだ、特に後半は。

過度な期待はしないでください。のタイプの作品ではあるが、バランスが良く誰でも楽しめる良作だと思う。

ラノベテンプレヒロインの見本市だと思えば価値も見いだせるとおもいます。

最後の「こよみデッド」が「まよいヘル」(終物語下巻)に直結しているので、先に観ると終物語下巻が分かりやすいですよ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

阿良々木暦アラカルト

阿良々木暦のツッコミがいっぱいつまった作品。
阿良々木ファンの私としては満足です。
OVA的ショートアニメ、全12話。
各月にバラまかれた物語はそれぞれのヒロインがメインとなります。

一種禅問答的な会話は哲学的ですね。
掘り下げれば面白そうですが、私の頭脳では理解できません。

以下、勝手に副題を命名しました。

4月 つばさ 「石と祠」
5月 ひたぎ 「屋上の花束」
6月 まよい 「砂の形相」
7月 するが 「水面に写るもの」
8月 なでこ 「風の噂」
9月 かれん 「謎の木」
10月 つきひ 「お化けのロジック」
11月 おうぎ 「神社の移設」
12月 しのぶ 「ドーナツ交渉」
1月 よつぎ 「探し物はなんですか?」
2月 よづる 「バトルの言い訳」
3月 がえん 「捨て駒のジレンマ」

オープニングは各ヒロインのテーマソング。
あれあれ、聴いたことがない曲も。
エンディングは新作曲。
う~ん「君の知らない物語」がよかったなあ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

口車に乗せられる

人の心にせよ、科学にせよ、この世には全面的に信じられるものは何も有りません。それ故に誤解や不条理が生まれます。科学というものはすでに定義されたもの(仮説)に対して、観察を踏まえた上で反証可能であるという点で実に優れているのですが、ヒトという生物が発明した思考方法の一形態であり、未だ完成を見ないという点から判断するなら、物事の一面を捉えているに過ぎないと言えます。

作中に登場する怪異や嘘は我々の周囲の至る所に存在する誤解や不条理から生ずるストレスを和らげる緩衝材であり、また不条理を打破するための起爆剤である様に私には見えます。「毒をもって毒を制する」と言い換える事も出来ますが、その様なものは所謂「機械仕掛けから現れた神」であり、無ければ無い方が好ましい訳で、有り過ぎると返って大きな不条理を生むものです。この物語ではそういった便利な道具を使い過ぎているきらいがあり、全体的にどうとでも解釈出来る様な曖昧模糊とした世界観を作っている印象があります。作中の言葉を借りれば「人は一人で勝手に助かるだけ」という事になるのでしょうか?

同じ様に便利な道具を挙げるなら、キャラクターの性格付けについてなのですが、本作品ではアニメキャラならではの過剰表現が甚だしいせいで、登場人物の中にまともな感性を持っている人が殆ど存在しない点も気になります。(戦場ヶ原さんとか月火ちゃんとかの突発的行動が怖すぎる。)表現が特異になり過ぎるとキャラクターの魅力が反って損なわれる印象を受けました。

そんなまともでない人たちの中心に割とまともな阿良々木君がいる様はさながら不思議の国のアリスの様でもあります。夢ではなく現実としてそれが描かれている様はもの恐ろしい気もします。

{netabare}7話にて「茶道部員たちと阿良々木先輩のどっちに月火ちゃんは騙されてくれた?」というのは、月火ちゃんが阿良々木君の作り話そのものに騙されてくれたのか? あるいは月火ちゃんが阿良々木君の作り話を信じた上で茶道部員たちの気遣いに騙されてくれたのか?という質問だと思います。(作り話は合理性の有る説明ではあったものの、あくまでも作り話なので、多分前者だと思います。)そう考えると月火ちゃんがお菓子をくすねる事をやめたとしても幽霊は依然として現れるという可能性も残ります。

上記、物語の経緯が分からなければ何が何やら分からないと思いますので、ネタバレに該当するのか分かりませんが、一応チェック入れときました。
追記:一部ネタバレを含むレビューを書く場合ネタバレ「無し」をチェックした上でカスタムタグを使う様です。知りませんでした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

73.0 18 謎解きアニメランキング18位
かがみの孤城(アニメ映画)

2022年12月23日
★★★★☆ 3.7 (122)
388人が棚に入れました
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。

ある日突然部屋の鏡が光り出し、

吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。

さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、

「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。

期限は約1年間。

戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。

互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。

そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――

果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?

それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

鏡の国の赤ずきんちゃん

赤ずきん、狼、鏡、絶海の城等々。
至る所にファンタジーミステリー要素を散りばめた青春SF作品です。

主要登場人物は中学生の男女7人。
それぞれに何かしら心に秘めているような。
鏡を通して孤城に集められ、鍵探しにより願いを叶える。
その暁には、記憶を失うという。
一見単純だけど、それぞれの想いが交差して気になるストーリーでした。

{netabare}最大の謎は、何故この7人が集められたか。
ラストに明かされるその答えが、意外性のあるものでした。
それはともかく孤城での集いは楽しいようで、次第に打ち解ける面々。
しかし、各人が抱える問題も根深く、己のことは話したがらないようです。

現実世界と孤城との行き来により、様々な事件が発生します。
そんな中で少しずつ互いの素性が明らかに。
そして、タイムリミット直前の大事件。
それは、偶然を装って置きながら、仕組まれたことのように思えました。

記憶の消える直前の、狼さまの「善処する」
その口元がすべてを物語っているのでしょう。
結局、こころとリオンの物語だったのかな。
後味の良い感動に包まれて心地よかったです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「テーマ」も「謎」とてもいいですが、なぜオオカミ?なぜルール?

 2回目を見られたので少し感想を整理します。以前のものもそのまま残しています。原作は既読です。

 まずこの作品の特徴として、映画館とパソコンで印象がかなり違います。映画館で見たときはかなり物語世界に入り込めました。が、パソコンで見た方がサラリとしたストーリーの印象でした。ですので、映画組とパソコン組だと評価が分かれるかなあ、という気がします。

 それともう1つ。自分が過去、この問題についてどれくらい関心があって、関連書籍を読んでいたか、考えたか、自分・身の回りで類似例があるか、で印象が変わる気がします。

 もちろん、アニメ作品ですからこんな単純な切り分け以外の評価の要素はあるでしょうが、この2点は実生活に近いテーマなだけに視聴環境による集中度合と、視聴サイドの蓄積で変わる映画=万人向けではない気がします。

 ですので、感想や評価が合わない人がいても、それがこの映画の特徴かなという気がしました。なお、2回目みて、1回目よりも理解が少し進んだ気がしたので、ちょっと評価点をあげています。3.9→4.2です。

 
で、内容です。

 いじめ、不登校というテーマをそれこそ真正面から取り扱ったのはとてもいいと思います。この点では、本当に優れていたと思います。

 決して頭がいいとも思われないグループの理屈で教室が支配される。その中心的な少女の教師への媚びと、面倒をさけクラスの自治を、カーストのトップグループに任せてしまう教師の事なかれ主義、エゴ。
 親の学校に行かないのは「おかしい」という思い込み。仮病ではく本当にどこかが痛くなる少年少女の身体と精神の密接な関係。そして、陰湿ないじめの実態。

 その一方で、どうやってその状況と向かい合うか、打破するかと言う提示もありました。特にまず子供の話を聞くということ、学校がすべてではないということ、学校の他のコミュニティーが十分に子どものコミュニケーションの場になること。

 全体としてこういうことが非常に丁寧に取り扱われており、個々の少年少女の状況も、いじめだけでなく、毒親、性的な虐待、仲間外れもリアルでした。



 やはり引っかかるのが、なぜかがみの孤城なのか?おおかみの意味は?その黒幕の思惑は?ルールはなぜ存在する?というところです。

 まあ、牽強付会なところはありますが、ちょっと考えたところです。ネタバレしないと語れないので隠します。

{netabare} 少年少女の救済の物語と、「狼と七ひきの子ヤギ」の内容です。「オオカミ」=「大人」に「騙されて食べられた子ヤギ」=「社会の犠牲になった子供」でしょうか。
「お母さんが帰って来て、狼から助けてくれる」=「カウンセラー、モノが分かっている大人、あるいは直接お母さん」

 ただ、この図式だと救済者はやはり大人だけになってしまいます。やはり自力救済としての、かがみの孤城の意味が必要になるのでしょう。

 そしてひっかかり、理解に苦しむのが、オオカミそれ自体は、本来は敵になる存在です。そしてルールの存在。

 ルールからはみ出した子供たちを、更にルールで縛ることの意味です。オオカミに食べられるという恐怖は必要か?なにより連帯責任だと不登校の子供にマイナスにならないか?そして、このルールと恐怖はかなり物語のおおきなポイントとなります。

 物語としてのルールの意味は病院の規則でそこしか面倒が見れないような意味があったり、学校に行っている時間と合わせている、という意味はありそうです。あるいは弟が日本の中学生と会える時間に設定したとよめなくはないです。

 が、そもそも病気の少女の弟が学校に行ってほしいという願いが、かがみの孤城を作ったとして、少女自身がおおかみに扮する意味がわかりません。まあ、ヒントが自分自身だよ、というオチことかもしれません。

 ですが、やはり、ルール+城主の少女と子供たちの救済の関係がよくわからないし、この童話の意味性が物語上のアイテムになっている気がします。
 まあ、普通ならそこはよく考えた話だね、でいいのかもしれませんが、そういうレベルの内容ではないので、すべてに意味性が付与されるべきだと思います。


 次に、かがみの意味です。鏡というのは、自分を映すもの。外部からの視点なのか、鏡に入る=内面に入るのか、あるいは両方の象徴なのか。

 孤城は子供だけの閉じたコミュニティは逃げ場である、ということでフリースクールとつながってくる感じです。そこに集まる子供たちはなぜ集められたのか、という意味においては納得なんですけど、孤城です。
 物語的な意味は、ある人物の関係者にまつわる話で、それは分かります。ですけど、少年少女の救済の場としての孤城ですね。


 この城内に自分の生活上で一番関心がありそうなことが設置された個室が与えられます。やはり自分自身という感じはします。自分のやりたいことを見付ける…なら、かがみと合わさって意味性はでてきます。

 ゲームにしても、恋愛マニアにしても、皆かなえたい願いを持っているということもあって、も、まあ、キャラ付けにはなっていますし、彼ららしさではあるんですけど…だったら、鏡というのはそれを見付ける話の方がふさわしい気もします。

 かがみ、そして、孤城。こちらは、物語の舞台としての、雰囲気作りはあるでしょうが、社会から孤立した場所で自分と他の同じ苦しみを背負っている人たちと話し合う場=フリースクールの意味なんだろうなあ、と思います。

 逆に言えば、あのフリースクールは「かがみの孤城でした」という事かもしれません。

 子供が自分のやりたい事、コミュニティが学校だけでない事を理解する、場所が「かがみの孤城」、大人は原因でもあり、助けてくれるパートナーでもある。それが「かがみの孤城」+「狼と七匹の子ヤギ」という意味性はおぼろげながら見えてくる気がします。

 映画館で見た第一印象でもそうでしたが、結局城主ヒロインのオオカミの仮面の意味、病気で死ぬという物語。かがみの孤城という場を提供した理由が弟を救う。そして、狼と七ひきの子ヤギのモチーフがが孤城の仕掛けになっている点で、テーマと物語が綺麗にかさなってこないなあ、という印象は残ります。
{/netabare}

 それと大学教授の娘。あの子の使い方はもったいなかった。結局重大なヒントもくれるし、救済にもなりますが、どちらも物語を回すだけの薄い存在になった気がします。


 で、総評ですが、面白いです。ダレもなく本当に面白い。テーマも深い。謎も面白い。キャラ造形も素晴らしい。作画もいいです。

 ただ、やっぱり、なんで城主は狼でルールがあのルール?そして、かがみの孤城の秘密が〇〇と重なるの?という違和感が邪魔をしてしまいます。

 言葉を変えると、この作品でモチーフ・アナロジーになっている童話は、このテーマを描くのに最適だらか?あるいはテーマやキャラ達の物語を深めるための作品だったか?
 このモチーフの童話は正直万人が知っているとも思えません。集められた子供たちの素性とも関係ないです。よって、仕掛けとしての機能の方が強い気がしました。別に邪魔になっているわけでもないんですけど、やはり城主とルールだけはちょっとノイズだった気がします。
 



以下 一回目のレビューです。


 本作は原作の辻村深月さんはミステリ出身ということもあり、内容に謎とき要素はあります。ファンタジー要素もありますが上手く使ってストーリーを構成していますし画面も良かったです。そして、さすが直木賞を取っただけあって文学的な雰囲気もあります。

 この作品がアニメとして作られたことは非常に頼もしいと思います。2016年の「君の名は」「聲の形」は決して文学的ではないですが、しかしこの両作品の存在がアニメでこういう文学的作品が作られる下地を作ったのでしょう。
 「ジョゼと虎と魚たち」「漁港の肉子ちゃん」を初め文学的なアニメ作品の流れで、本作が作成されたのはアニメファンとしては喜ばしい限りです。

 話自体もとても面白く、2時間はあっという間でした。ですが、正直言えば全体的に消化不良というか映画で描きたかったものが曖昧になっている気がします。

 本作で失敗があるとすれば、謎ときのストーリーとテーマ性が上手く融合していなかったことです。

 イジメというか不登校、親、学校の関係がリアルで、ストーリ-への落とこみやキャラ設定は良くできており、テーマ・メッセージとしては優れています。
 イジメというのは不条理で勝手です。そして教師はイジメのトップに立っている子…特に女の子の組織力を使ってクラスの自治をしようとします。いう事聞く子供がいい子だと思い込みます。
 相手の親と話しても無駄です。そのイジメの張本人と同じ考え方だからです。学校に行かなくれもいい。親が子供の言い分をまずは聞いてあげる。そして担任ではなく校長などと話す。最終的に解決しなければ逃げてもいい。好きな事をやっていればいい。学校など3年…あるいはクラスなど1年で終わる。そういう部分はちゃんと描いていました。

 その一方で、推理・謎解きというか仕掛けの部分については、考察しようと思えば半分くらいで謎が大体わかってくるし、フーダニットやホワイダニットの部分がカタルシスにもなります。そこに至る伏線も流れも設定も悪くはないです。

 ただこの2つの優れた要素である「テーマ」と「謎解き」が上手く融合していない気がしました。謎解きがテーマを補完するような関係ならいいのですが、テーマと謎解きのが上手く融合していないような、バラバラ感がありました。
 
 オオカミさんの正体と意味合いですね。肝心なそこの部分について悪く言えば感動ポルノどまりに感じられる気がするからです。要するにオオカミと7人の子どものアナロジーが、謎の設定とか仕掛け止まりになっていて、テーマを補完するものではない感じです。

 お城のルールの意味わからないですよね。特にルール違反の罰則が意味不明です。そのルールを守ることが7人の子供たちの救済の意味として何だったのかが不明です。 {netabare}不登校たちが集まれるようにという配慮はわかりますが、なぜ食べられる?
 あるいは守らないことが前提なんでしょうか?鍵は1人以外が食べられないと見つからない感じに描かれていました。{/netabare}オオカミさんにとってそのルールを設定する意味や大切さって何だったんでしょう?あるいは不登校の子たちにとってルールを守る意味など。要するにテーマである不登校とお城の謎の設定に乖離がある気がします。

 そしてそれに気が付いたきっかけの近所の女の子。彼女は逆にテーマ的な意味はわかりますが、{netabare} その彼女の家に飾ってあった絵が {/netabare}謎に絡んでくる意味です。そこのご都合主義展開が読み取れなくてポカーンとしてしまいます。

 そうなってくると、むしろオオカミさんの謎がノイズになって、不登校やいじめ問題のテーマ部分とどう重ねればいいのかがわからず、ちょっと頭が思考的になってしまい、文学として「考えるな感じろ」が無くなってしまいました。そしてテーマがある社会派の謎解きとしても、テーマと設定の分離があり、全体的に要素がバラバラな気がしました。

 画面はお城の床の反射のエフェクトがかなりすごいので、それは見どころです。逆にそれ以外はあんまり見どころはない感じです。色彩がどんどんカラフルになって行く気がしたのは、何かの演出家もしれません。
演出も良かったです。暗い部屋で食べる鳥そぼろと鮭と炒り卵の三色弁当を出すセンス。自分の気持、親の気持、少し幸せな時間から孤独な時間。いろんな感情が錯綜する感じが素晴らしかったです。

 総評すると、テーマとそのリアルさ、謎解きの面白さ、キャラ造形の水準の高さ、など非常に良くできた部分は沢山あり2時間退屈しませんでした。ただ「テーマ」「謎とき」が上手く絡んでおらず、要するに頭でっかちで「感じる」部分の文学性が不足して、下手をすればラストの方が感動ポルノに見えなくは無いです。特にエンドロールとおまけですね。ただ、キャラには感情的に乗れるのでカタルシスはありますけど。

 途中であまり盛り上がりはないです。作品の性質上それでいいと思いますが、そういうアニメが好きな人はつまらなく感じるかもしれません。

 ということで、もう1度見ようか原作読もうか迷いって、結局映画の帰りに原作買ってしまいました。読んで思うところあれば追記します。




追記 原作読み終わりました。

 映画化は良くできていた、という結論です。途中若干説明の細かさや構成の違いはありましたがほぼ映像化できていると言っていいでしょう。文字と画面の違いを考慮してうまくアニメ化できていたと思います。と言うか話の内容からいって、映像の方が見やすいしキャラが良く描けていたのでどちらかといえば映画がお勧めです。

 やはり初見レビューで上げた謎とテーマ・メッセージが合っていない感覚は、原作でも同じでした。舞台設定というか「鏡」「オオカミさまの正体の謎」「絵本」などのフレームが機能していない気がしました。

以下 映画の内容なので見る予定の方は気を付けてください。
{netabare} やはり色んな部分が「設定」というか「道具建て」でしかない印象でした。本来アナロジーやテーマ性、関連性などで物語を分厚くする部分が機能していないと思います。ということは推理小説の手法が裏目に出た感じが強いです。
「鏡」が何を表していたか?「オオカミと7匹のひつじ」を作品の舞台にした意味合いは?東条萌とミオ=オオカミ様のつながりは?ミオの学校に行きたいという気持ちがなぜイジメで学校にいけない子たちの救済になったのか?ルールを守ると食べられる意味は?

 特にやるべきだった話として、東条萌の考え方「自分は自分」というか「学校なんて大したことない」という考えが「オオカミと7匹のひつじ」の絵本を通してミオと共有されるべきだったと思います。
 また、喜多島=アキがミオという子のどんな気持ちを通じてイジメ・不登校の救済に立ち上がらせたのかが「病気」軸ではなく他の描き方は無かったのか。病気と不登校の意味はまったく違うのに無理にそこを重ねた感じです。
 そして、ルール破りが「記憶をなくす」という作用の為だけになっている気がします。

 つまり、東条萌、喜多島=アキ、ミオ=オオカミさまを大きく関連付けるものが「鏡」「オオカミと7匹のひつじ」というフレームになっている。そしてミオの悲劇が病気ではなくイジメ・不登校を乗り越える何かになっているという描き方ができれば、本当に説得力がある話になったと思います。{/netabare}

 テーマとメッセージの重さは受け取りました。こころちゃんの救済の物語は素晴らしかったです。ただ、重要キャラ3人が肝心なのにうまく機能していなかったと思います。
 若干評価下げます。ただ、映画として見た場合の満足度はまあまああると思います。

 なお、原作は分厚くて2分冊ですが、文字が大きくて文字数がそうでもないのでそんなに時間はかかりませんでした。つまり今回批判した部分は、本が読める小学生、中学生、読書の習慣がない高校生程度でも読める配慮で複雑にしなかった可能性があります。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつだって皆ガラスのハートで狼と戦ってんだ

【物語 4.0点】
アニメ大好き原作者・辻村 深月氏。悲願のアニメ映画化作品。

原作は学校に関しては訳ありな思春期中学生7人らが織り成すSFファンタジー設定ありのミステリー風味の青春群像劇。

ウリの1つである謎解き要素。
アニメファン。特にアドベンチャーゲームの深夜アニメ化作品などを完走した方や、
セリフや作画に醸し出される違和感を捉え考察できる方なら、
割りと序盤でネタは読めると思います。

これを陳腐と感じるかは気分次第なのでしょうが、
私は原作読んだ時、辻村氏は本当にアニメが好きなんだな~。
この作品は是非、実写化ではなくアニメ化してあげて欲しいと好感したので、私にとっても念願の劇場鑑賞でした。


ヒロインの心の葛藤と成長。
孤城の謎の解明と解決。
青春とファンタジーがリンクするのも典型的ですが精巧なプロットで歯車の噛み合わせは良好。

極論、孤城で最初に7人が出会った時に、心を開いて語り合えば1日(上映時間5分)で終わるお話。
だが、それができれば苦労はない不登校生徒。
設定、シナリオの穴となり得る部分も無理に塞がずに、
この嫌なことは嫌だと本音を言えずにグズグズしている感じ。
これこそが青春さと良い意味で開き直り、人間ドラマに仕立てて、
謎と解答の小出しに都合を付ける所が、原作小説の巧みなところ。
劇場版もこの妙味を上手く引き出せていたと感じます。

文量的に映画1本で全編詳述は不可能。
そこは原 恵一監督らスタッフがヒロイン中心に再構成してまとめ上げる。
ただ、私は、できれば1クールの青春群像劇でアニオリ含めて各キャラを掘り下げた構成も観てみたかったとは思いました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

原作を凝縮した構成上、表情描写で心情を語ることが必須な本作。
キャラクターデザイン・佐々木 啓悟氏(『七つの大罪』など)が設定した瞳も、
相変わらず他者への恐怖などを雄弁に語ります。
不登校生徒らが感じる、押し潰されそうな空気感を好再現し、胸を締め付けて来ます。

この辺りの心の取り扱いは『あの花』などでも勝手知ったる同スタジオ。
ずっと戦ってきたでしょ?とのカウンセラーの励ましが琴線に触れるヒロイン心情への共感も、作画による支援があってこそ。


ファッション、小物にも考察を誘う伏線としての役割が求められますが、そこも上々の仕事ぶり。


【キャラ 4.0点】
ヒロイン・こころ他、孤城の7人は心に触れちゃいけない地雷を抱えたキャラばかり。
その地雷原を惚れっぽいKYも交えて全力で踏み抜く少年がウレシノw彼の言動は物語の起爆剤にも。
起爆剤と言えば、“願いの鍵”は如何にも裏切り者を出しそうな火薬庫設定。
そこも7人の心の扉の開放率から考察すれば、あぁ、やっぱりそうくるのかと納得。
明快と言えば明快だし、ありきたりと言えばありきたり。

主人公・こころにより集約した構成ゆえ、その他のキャラ解像度も彼女の周辺が高めに。
真田は映画でも相当なサイコパスでした。
{netabare}自宅を包囲する真田たち。{/netabare}私の夢にも出てきそうなトラウマです。
あれを軽く考える担任。私もないと憤ります。

こころ不登校のある意味での導火線ともなった友人・東条萌。
友を見捨てて追い込んでしまった側の葛藤も好表現。 
{netabare}東条宅に招いた、こころと和解し、真田グループに愛想を尽かして酷評する。{/netabare}
あの痛快シーンが何気に私のベストシーンだったり。
娑婆に巣食う獣(ケダモノ)共と戦う勇気を貰えます。


【声優 3.5点】
主演のこころ役には俳優・當真 あみさんをオーディションで選出。
7人の中でこころに近いサッカー少年・リオン役には北村 匠海さん。
アフレコ経験ありなし様々ですが、キャストは若手俳優中心の布陣。

“ちゃんとした声優”の濃厚なキャラ提供よりもナチュラルなボイス素材を求める
実写とアニメの中間志向にはよくある音響方針。

ですが、かと思えばウレシノ役には梶 裕貴さん。
ゲーム少年・マサムネ役にはベテラン・高山 みなみさん。
バリバリの声優起用もあり統一感はない気もw
ただキャスティングの方向性がバラバラなのも、
このキャラ設定、シナリオならアリかもしれません。

7人を孤城へ案内するオオカミさま役の芦田 愛菜さん。
この方のアフレコ作品も何本か観てますが、
同世代よりロリ幼女属性の方が圧倒的に上手い。
根っからの子役なのでしょうね。

こころのカウセリング担当の喜多嶋先生役には宮崎あおいさん。
セリフは心の痛みを包み込む繊細な言い回しなのに、
相変わらず淡々とした掴みどころのないボイスw
ただ、このキャラに関しては、あまり掴みどころがあり過ぎてもつまらないので、
これも、アリと言えばアリなのでしょうか。


【音楽 4.0点】
劇伴担当・富貴 晴美氏。
心情描写中心で外面は地味な本作。
繊細なピアノ~大仰な金管による心情曲で感情の起伏を捉えて山場に寄与。

ED主題歌は優里「メリーゴーランド」 
表層は、これアニメ関係あります?って感じの、トレンドを押さえた、すれ違い系ラブバラード。
ただ深層まで咀嚼してみると逢いたくても逢えない部分などから作品要素が滲み出てきて、強ち的外れでもない感じ。

まぁ、どうせこの曲も、世間にこの映画主題歌と認知しない人が多数いたとしても、またヒットするのでしょうねw
至る所で曲でネタバレ流されてもアレだから、作品シンクロ率はこれくらいでも良いのでしょうかw


【付記】
先読み簡単だよ?と吹かしながら未見の方に問題出して遊びたくて仕方がないしょーもない私w
一応レビューにヒントは散りばめたつもりなので、鑑賞後、しょーもないなと思ってみて下さいw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 23

75.8 19 謎解きアニメランキング19位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (266)
1227人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

史上最高のおねショタSF映画!もりみー原作が苦手な人にこそ観てもらいたい!

『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』のもりみー(森見登美彦)の新境地を『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』の石田祐康と新井陽二郎のタッグが描いたジュブナイルSF


とある郊外の町が舞台
10歳にして勉強や研究に熱心な好奇心旺盛で達観した思考を持つ少年、アオヤマ
ある日、海も無い町中に唐突に大量のペンギンが出現したのを目撃する
アオヤマ少年と友人はすぐさまにペンギンの出自を探す探検に出るが謎は深まるばかり
その後アオヤマ少年はその達観視した口調が災いし、クラスメートのガキ大将と衝突してしまう
そのピンチを彼が淡い恋心を抱く近所の歯科衛生士の“お姉さん”に救ってもらう
アオヤマ少年がペンギンの謎を追っていることを知ると“お姉さん”はジュースの缶を宙に放り投げた
すると彼女が投げたジュース缶が突然ペンギンにメタモルフォーゼした
「この謎を解いてごらん、君には出来るか?」
かくしてアオヤマ少年は“お姉さん”とペンギンの関連を探り出そうとするのが…


まず一連のもりみー原作の多聞に漏れず、達観視した上から目線な主人公による一人称が主軸となっているのですが、早合点するなかれ
もりみー原作でありながらも畳み掛けるような喋り口調でまくし立てる作品ではないのです
主人公が落ち着いた少年であるという点や、アオヤマ少年を演じた北香那の感情を殺した芝居、そして全体的に間を大切にしたテンポ感を含めて、どちらかというととてもゆったりとした時間が流れる作品になっています
かつ暑苦しい青春モノでなく、もっと爽やかなジュブナイル作品というのも手伝っていますから「もりみー原作はちょっと…」という方にこそチェックしていただきたいところです


この辺りの演出、石田祐康率いるスタジオコロリドの若いスタッフが中心となったことも大きいと思います
少年の、自覚なき恋心を大切に描いていますし、その一方で少年が“お姉さん”に興味を抱くキッカケが“お姉さん”の豊満な「おっぱい」というのがエッチでコミカルでとっつき易いです
また、過去作の様にスタジオコロリド内製が強いのかと思いきや、流石に初の長篇ということもあって亀井幹太監督が演出処理を買って出る、佐藤順一監督がクリエイティブアドバイザーとして参加する、等これまでのコロリド作品とは規模の違いを感じます
一言で言うなれば、これまでのもりみー原作アニメが若者向けな文学作品だったのに対し、今作は老若男女広く、もっと言えばファミリー路線にも喰い込める、本当の意味でのエンターティメントに振った作品に仕上がっていると言えましょう
今日までコロリドを見捨てなかったフジテレビにはよくやった!と言いたい


ところでもりみー原作といえば【いまいち何を考えているのかわからないヒロイン】の存在でありますが、今作の“お姉さん”もまたもりみーヒロインであることに変わりありません
彼女のイヤラシさの無い奥ゆかしさを、蒼井優が見事に演じきっていてコレにも拍手です
キャスティングは完璧で、いわゆる大人の事情なども感じさせません
それは主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Good Night」も同じで、まさにこの映画の為にある一曲と言える楽曲です
エンドロールで程よい余韻に浸れることを保証いたします


また、途中で『台風』が来たり、『坂のある町を駆ける』のは思わずコロリド作品ファンには笑みがこぼれてしまうところでしょうw
コロリドにとっては今作が初の長篇にして、1つの記念碑となった、のではないしょうか?
まあ細かいことは置いとくとしても、とかく【おねショタ】っていうジャンルは本当に尊いと思ったのがオイラの本音ですよw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

表はペンギン、裏はエヴァンゲリオン

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:36

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちはいったいどこから来てどこへ行ったのか……。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」

(公式ページより抜粋)

視聴経緯については、先日見た「若おかみは小学生」同様、2018年に公開されたアニメ映画で、さよ朝やリズ青と共に名前があげられることが多かったから。

若おかみ~があまり響かなかったので、4作品中トップにあげられることの少ない本作は正直あまり期待していなかったのですが、意外にも高得点でした。

冒頭のあらすじを読むとこじんまりとした作品のようですが、スケールが大きく、SF、セカイ系と言ってよいでしょう。それでいて、個人の思春期の問題がテーマにされており、私はエヴァンゲリオンを連想しながら見てしまいました。

{netabare}本作はいくつかのもの(お姉さん、海と呼ぶ球体、ペンギン等)が象徴的に描かれていて、それを何と捉えるかで様々な受け取り方になると思いますが、全体のテーマは私にとっては「異性への憧憬」や「アニマの昇華・離別」(それによって少年は成長するのだ!)であると捉えました。(ペンギン・ハイウェイが象徴する道も、少年が通る成長の道ではないか)

個人的に、自作長編小説におけるテーマのひとつであり、お姉さん的なキャラを登場させたことがあるので、最早そういうテーマでしか見られなかったのですが(苦笑)
注.私の言う「アニマ」とは、ユングのものとはズレていると思いますが、精神的な異性に対する憧憬の原点(簡単に言えば理想の女性)みたいなもので、例えば、初恋の相手が2次元(アニメキャラ)みたいな形で接触する人も多いのではないかと思われます。

ですので、万人受けはしないと思いますし、特に女性は共感できるのか不明。女性にも異性への憧憬はあるでしょうが、本作のモチーフがそれに符合するのか全くわかりません。

そのようなごく個人的な体験により、お姉さんが偶像でないかという疑問は、最初の喫茶店のシーンから出てきて、コーラがペンギンに変わったところで確信に変わりましたね。

普遍的なテーマに寄って考えると、幼少期は想像(内的)世界と現実(外的)世界が共存しているけれど、どこかで想像世界に踏ん切りをつけて現実世界のみを見るようになるということでしょうか。

小説を書くことでお姉さん的存在と問答し、離別した私としては、アオヤマ君がお姉さんに再会できるのは内的世界に向き合うかもしれない老後、究極的には死んだ時だと思ってしまいますが、そうやって大人になった自分にとって、彼には昔の自分を重ねてしまい、背中を押してあげたくなりました。{/netabare}

青春の原風景を見に行けた感じでしょうか。主人公の性格や豊かなお姉さんの憧れが真っ直ぐで、爽やかな満足感を得られました。

客観的にも、テーマが深くて濃いものである割に、テーマに対応するぎりぎりの低学年を主人公にし、愛くるしいペンギンを登場させることで巧みにカモフラージュされているので不快感はあまりなく、終盤はジェットコースターのようなアニメーションも堪能でき、楽しめる作品と思います。

(2020.6視聴)
(参考評価推移:4.3)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

愉快で不思議で、ちょっと切ないファンタジー

これからの季節にお勧めです!

科学的探究心が旺盛な、小学校4年生のアオヤマ君のひと夏の活躍を描く、
ミステリーのような、冒険譚のような、楽しくて、ちょっと不思議な味わいのお話しです。
いろいろ辻褄合わなくても全然かまいませんw そういうお話しじゃないって思うから。

小学生のくせに、大人ぶっていて、でも大人の女性の胸に興味津々で、
それを恥ずかしいと自覚するまでにも至ってない、二次性徴を迎える前で
恋とか愛とかも、当然知りもしないアオヤマ君。
潔い、というより、まだ性に目覚めていないから、
素直に「おっぱいが好きだ」って堂々と主張して悪びれもしない。
なんだかそんなところ、すごく可愛い!
きっと2~3年もしたら、自分の「お姉さん研究ノート」が、
死ぬほど恥ずかしくなって、
黒歴史として封印しちゃうんだろうなあww
ああ可愛い(^^)
わたしショタとか全然趣味じゃないですけど、
こんな、無自覚に背伸びして小理屈こねくり回してる子供がいたら!!
可愛くて堪らなくていじりまくりそう!

お姉さんもなんだかとっても素敵です。
奇麗なだけじゃなくて、キュートでファニーな、
それでいてちょっと謎もある、少年の目にも大人過ぎない、
ちょうど魅力的に映える感じで。
あと重要なファクターの、
お姉さんの胸の描き方が、いい意味でアニメっぽくなくて、
グロテスクな巨乳とかじゃなくて、ちゃんと普通に、女性の胸らしく、自然で綺麗な線で描かれているのがとってもナチュラルでいいって思います。

それと、サブヒロインになるのかな?
ハマモトさんもすごく、可愛いんです。
プライドは高いんだけど、子供らしく真っ直ぐに生きてて、
年相応に賢いのがとっても好感度高いです。

お話し自体は、ジブリっぽいっていうか、
トトロとポニョを足して二で割ったような感じで、
夏休みにファミリーで楽しめるように作られていて、
森見さんの原作なのに嫌味な感じが全然しなくて。
監督も、教えられるまで気付かなかったけど、
あの「フミコの告白」作った石田祐康さんなんですね。
初の長編商業作品で、ここまで出来るってすごい!

アニメ上級者の方にはちょっと物足りないかもですけど、
そんな方以外の、普通の人なら、
誰が観ても楽しめるんじゃないでしょうか。

アニメ初級者の私は、すごく楽しめました(*^▽^*)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 40

68.4 20 謎解きアニメランキング20位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (309)
965人が棚に入れました
2021年7月放送開始

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よく頑張ったと思う

業のレビューで旧作先に観て下さいと言ったんですが、卒でうみねこのなく頃にと言うスピンオフ?作品も絡んでいたようです。それは観てなかった(^^;

とは言え私は楽しく観たんですが、賛否両論と言うか、一部ひどいと炎上してるようですね(^^;
ツッコまれるだろうなとは思いましたが、(私も業よりは評価下げました)ここまでとは…

旧作からのファンとご新規さん楽しませるのは、難しいと思いますよ、しかも旧作の出来が良すぎる。インパクトで勝負するしかなかったのでは。ちょっと終盤、超展開すぎてひぐらしっぽく無くなってましたね。でも私はワクワクしたし、良い意味で驚いたり、笑ったり、よく頑張って作ったと思いますよ。

最後にですが、あるキャラが好き放題するんですよね。推しのファンの人は残念に思うかもしれません。それとやはりグロ注意です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14
ネタバレ

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

印象度:89

「ひぐらしのなく頃に業」の解答編。

{netabare}業の「〇騙し編」(「猫騙し編」を除く)は、
実は旧作の殻をかぶった騙し絵であったというコンセプト。

卒の「〇明し編」は、
旧作と表面的には同じ見た目の業の「〇騙し編」の裏側で、
旧作とは全く異なる黒幕が、
裏側でどのように画策暗躍していたかを見せていくという構成。{/netabare}

業の「祟騙し編」に旧作の解答編にあたる「皆殺し編」を
無理矢理突っ込んだ意味がよくわかりました。

作者は、邪悪を隠す殻として、ホラーだけでは物足りず、
感動物語の殻が必要だと考えたのでしょう。
旧作では感動を呼んだ「皆殺し編」までを含めた殻をかぶせることで、
その裏に隠された黒幕の邪悪さを引き立てたかったのでしょう。

ここにきて、さらなる上位世界に存在する「作者」の邪悪さまでもが露になり、
主要キャラたちは、邪悪な作者「竜騎士07」によるコマに成り下がっています。
主要登場人物たちが、まるでピエロです。心が痛みました(笑

ここまでやり切ってしまうとギャグとして笑えるものなのだなと、
気付かせてくれただけでも、作者は有能です。


そして「神楽し編」。(「かみたのし」ではなく「かぐらし」と読む)
怒涛の畳みかけと、まとめ力は、やはり天才的だと思いました。

「ドラゴン・ボール」「シン・エヴァ」「あしたのジョー」
爆笑に次ぐ爆笑。
殴り合った後に清々しくなって仲直りするテンプレートを、
女子の喧嘩に持ち込むというGJぶり。



おそらく作者は旧作「ひぐらし」制作中に、
作品内で表現しきれなかったメタ世界のアイデアを、
「うみねこ」内で思う存分発展させたと思うわけですが、

「うみねこ」で、ほぼほぼ、出し切ってしまったため、
その後、アイデアが枯渇して、
迫力ある作品がつくれていなかったように勝手に想像します。

ある日、登場人物をコマとして扱うメタ世界の住人たちは、
作品の壁など軽々超えるであろう、という悪魔的な気付きを得て、

「〇〇のなく頃に」シリーズを一つの世界観でまとめあげてしまうという
今回の悪行に至ったのだと邪推します。
(「キコニアのなく頃に」は全く知りませんが・・・)

なかなか広げた風呂敷を巧く畳めない作家が多い中で、
若干強引だとしても、まとめ力が凄いなと思った次第です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思えばこれって死に戻りの呪い、タイムリープの元祖だったのでは!

 「ひぐらしのなく頃に業」の続きです。「ひぐらしのなく頃に業」における梨花の夢により、数々の悲劇?に見舞われた沙都子。引き続き、自分も梨花も聖ルチーア学園入学を阻止し、雛見沢で一緒に暮らす現実にさせるためにとる沙都子の巧妙な手口の数々だったです。その結末?は、どうなることやらです。

 繰り返す者の力をエウアから授かった沙都子は、異常な高度の数々とその結末を描いていたです。あの手この手を使って惨劇を意図的に仕組み、仲間も周囲の人の命も顧みず沙都子だったです。
 生きていた記憶を持ったまま、都合の良い過去から何度でも、自分の思惑を満たそうとした沙都子だったです。また、高みの見物をするエウアだったです。

 惨劇が終わらないことに見当もつかない梨花は、いつ真相に気付くのだろうか?沙都子とのチキンレースの行方だったです。
 状況を打破するためにとった誰かさんの手助け行動が、終盤で惨劇の核心に迫るです。どんな逆転が起こるのだろうか?どのように真相にきづけるのか?見所です。

 結論的には、もっと早くこの結末?に至るのが遅すぎると思えた展開だったです。梨花、沙都子の決めた未来は、これで「ひぐらしのなく頃に卒」にしてもらいたいと思えたです。

 にしても梨花、沙都子について、圭一の語った親友の定義は、心に残ったです。{netabare}「たとえ一緒に居なくても、これから会うつもりがなかったとしても、いつかまた出会ったとき、自分も相手も絶対にずっと親友どう押しでいてくれると互いに信じあうこと」。{/netabare}これは、現実であってほしい理想を越した願いだと思うです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

68.5 21 謎解きアニメランキング21位
逆転裁判 その「真実」、異議あり! Season2(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (65)
218人が棚に入れました
奇想天外な事件に巻き込まれた依頼人たち。
主人公の新人弁護士、成歩堂龍一が彼らの容疑を晴らすために立ち上がる。

被告人は有罪なのか、無罪なのか…。
成歩堂は依頼人を信じ、ライバル判事らと法廷で熱いバトルを繰り広げる。
絶体絶命のピンチに追い込まれ、万事休すかという瞬間、
「異議あり!」
の言葉と共にわずかな証拠から、ムジュンを突き、華麗なる逆転劇を巻き起こす!

声優・キャラクター
梶裕貴、悠木碧、中村千絵、玉木雅士、岩崎征実、奈良徹、平田広明

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ハチャメチャ裁判ワールド個人的には良かった。

一話目を見ましたが、巷の評判はかんばしくないようです。
「鈴木」と「須々木」の違いくらい捜査段階でわかるだろう? 何でそれで裁判段階まで進むんだ?
とか、おバカにしたり失笑したりする人がいますし、そういう指摘は認めます。
しかし、あくまで、このシナリオは原作ゲームではチュートリアルみたいなものですから、
この回で稚拙すぎると見切っては欲しくないと思います(ただ、その稚拙さがは逆に芸の域に達している気もしましたが)。
個人的にはこれから、面白くなりそうだとは思います。

それにしても前作見ても、思った点ですが、
ナルホド君の性格が原作と違って思いっきり優等生だと思いました。
原作では、性質の悪い犯人に非常に痛烈な嫌味を言うような底意地の悪さはありました。

あと、今回は一話目こそ逆転裁判2の一話目を原作にしてますが。逆転裁判3を原典とする話しのようです。

EDは本当に良いですね。原作では「カエル顔」とか言われた真宵が素晴らしい美少女に描写されています。

最後まで見たので追加
この作品はあくまで、実在の裁判のシミュレートした作品ではなく、あくまで、一般にイメージされる裁判のハチャメチャワールドです。
そういう意味で「ミスター味っ子」に似ていると言えば似てます。あの作品には「ヘンタイ料理人」とか言われた数々のオーバーアクションの変な料理人が出てきますが、
この作品はそういう変人の弁護士、検事、被告人、証人が次から次へと裁判に出てきて笑わせてくれます。
そして、オカルト要素、一応、推理作品の体裁はとってますが、逆転裁判1~3では霊媒というものが重要要素です。
4以降も心理分析や「御霊の託宣」などのオカルト要素が出てきます。
それでも、ちゃんとそういうオカルト要素を取り入れながらも推理作品としては良く出来ていると思います。
とにかく、原作のゲームは本当に名作なんですよね。しかしアニメにしてみると・・・というのは確かにありますね。
個人的には好きです。

なお、以後のアニメ逆転裁判ですがあるとすれば4~6の展開が中心になるでしょう。
参考までにゲーム「逆転裁判6」のPVでも見てください。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm28440296

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

86.0 22 謎解きアニメランキング22位
進撃の巨人 Season3(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (799)
4029人が棚に入れました
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか? 何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか? 巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは? そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか? エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リヴァイよ、今夜もありがとう

2018.10.17記


原作既読。


初見時TV版1期2期を観てません。3期放送に先立ち下記劇場版のTV放送をおさえた上で参戦しました。

・劇場版 前編〜紅蓮の弓矢〜 / 後編〜自由の翼〜
・劇場版 Season2〜覚醒の咆哮〜


そうですね。いつしか観ようTV版!(※注:その後視聴済)


そしてTV版のおさらい~wikiより~

・第1期:全25話 + OAD5話
・第2期:全12話

第3期は分割2クールのようでいったん1クールめ12話分のレビューとなります(2018年10月時点)。物語の表現上は“第38話~49話”の扱いとのこと。
放送局は天下のN○Kに移り、ほぼ全国同時放送となりました。人気作の続編として期待と不安入り混じる下馬評だったかと思います。


ぱっと見

 “内戦(仮)”


2期までに綴られたであろう巨人VS人類の構図が変わり、壁内の人間同士の争いに焦点を絞り物語が展開します。そしてこれまでの謎が次々と明かされていくことになり目が離せないです。
ニック司祭殺害に端を発し、{netabare}ウォール・マリア奪還作戦手前までと{/netabare}区切りのいいとこまでやって1クール終了です。
原作通りでもあるし、人間VS人間の萌芽は2期までに描かれていた(たぶん)ため驚きの展開というわけではなかったと思います。

冒頭述べたようにTV版未視聴なので、前期・前々期との比較はできませんが、市外戦闘の作画は凄まじかったと思います。
草原など奥行きのある背景でデカブツを相手にするよりも目まぐるしく絵が変わる市外戦は作品通じての見どころになりますね。

それと、全話通してリヴァイ兵長が出演します。録画した回を観る度に兵長の雄姿を拝めるのは眼福でした。さらにはリヴァイの生い立ち含めた過去話に踏み込むのでファン必須でしょう。


バトルもありながら政治重視の様相を呈する展開には、これまでと趣きが変わる分戸惑うかもしれませんが、原作がそうなのでほんとに好き好きということになるかと思います。
これまでOPを担当していたLinked HorizonからYOSHIKI&HYDE組にバトンタッチして、そこにN○K色を感じなくもない今日この頃ですが、結局のところOP画像のミカサの笑顔はいったいいつ拝めるのだろうと願いつつ、人間同士の抗争(正確には権力闘争)に突っ込んでいく3期前半パートとなりました。

{netabare}49話でミカサが「これが終わったらあの頃のように…」的なことをつぶやきます。ほんとそうですね。{/netabare}


2019年4月再開予定の放映も視聴予定のため、そちら含めて完走したらあらためてレビューも纏めたいと思います。いったん「観終わった」にしときます。



【閑話休題】藤井聡教授の見立て
今から7~8年前くらいだったでしょうか。氏のインタビュー映像かなんかで、氏の息子の薦めで漫画版を読んだ時の印象について言及があり、それがなかなか面白かったので紹介しておきます。
ちなみに私が原作を手に取ったのはこの藤井教授に触発されたのがきっかけ。。
※アニメ関係ないので畳みます

{netabare}曰く、この壁の中の人類ってまんま今の日本人のこと指してんじゃん、と。

『壁の中なら安全』壁は未来永劫自分たちを守ってくれると固く信じている
『壁の外は知りません』外界の動向をきちんとウォッチすることを放棄
『上記2つを破るものは制裁』現状維持しようしようと躍起になる勢力がある

こんな主旨だったかと思います。
上記3点はすなわち“欺瞞”ということで、いったん壁破られたらどうなん?を描いたのがアニメ1期ということになります。いましたね、昼から飲んだくれてる憲兵団が。そして既得権力として上記3つを堅持しようとする王政府(偽)が。そして壁破られて右往左往する人類が。

劇中では、外の世界に興味津々のアルミンと触発されたエレン。ならびに外を知らずして人類に未来無し!の調査兵団、という組み合わせでした。
外の世界を知り、その上でしっかりと準備し、外敵が来たら駆逐する、といった当たり前のことを作品を通じて訴えており、そこが琴線に触れたんじゃないか、との氏の見立てです。

だからヒットしたかどうかというのは違うと思いますがね。{/netabare}

{netabare}で、今回は内戦(仮)です。巨人には元々人類だったやつもいるよ、からの3期の展開です。
物語として、巨人VS人類から人間VS人間にシフトして戸惑う部分も多いかもしれない本作ですが、一般論として、外敵と対峙する際に内なる敵を抱えたままだとほぼ勝利を収めることは難しいのが世の常。
そんな事情があったかどうかは露ぞ知らぬところではあるものの、壁の中での争いに物語がシフトしたのはある意味当然なのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2018年7月~9月 地上波リアタイ

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2019.04.09追記

その後、TV版1期2期を視聴済。劇場版のみでもすんなり入れたのは事実なのですが、もう一度3期前半をおさらいしてみると、ライナーのくだりとかTV版を抑えておいたほうが良いように思えました。少しばかり後悔してます。

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2020.01.31
《配点を修正》+0.1



2018.10.17 初稿
2019.04.09 追記
2020.01.31 配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 64

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

選択できるから自由なのだ

進撃の巨人の3期。
あらすじはネタバレになるため、あにこれのものにおまかせします。

クオリティの高さにびっくり仰天した1期。
それ以来、安定のクオリティを保っています。


今回は、人間と巨人の直接的な戦いは控えめです。

壁内はどのような成り立ちなのか。
巨人とは何か。
そして渦巻く陰謀や策略。

人と人とのやり取りが多いです。
迫力のあるジェットコースターアクションアニメとして見ている人にとっては退屈でしょう。

逆に、世界観や謎に重きを置いている人にとっては、わくわくする内容だと思います。


この作品の優れている点は、話の繋がりの巧みさです。

常にふたつ以上のシナリオが並行して進行しています。
ひとつのシナリオが解決しても、話に空白ができることがありません。

A----------->B----------->C----------->D

という直列つなぎのストーリーではなく、

A--------+
       |
   B------+----+
   |        |
   |   C---------+----+
   |             |
D-----+--------------------+

というように、どこが解決しても、未解決な部分が残る構成になっています。

そのため、「いいところで切って話を繋ぐ」という、
俗にいう「クリフハンガー」に頼らずに話が展開できます。


気になったのは、キャラクターに役割を負わせすぎな点です。
モブだと思ってた登場人物が「実は○○だった」というパターンがあまりに多いです。

程よい量なら「ここまで考えていたのか!」となります。
しかし、量が量だけに「ちょっと偶然が重なりすぎじゃね?」と感じる部分もありました。


テーマは「選択」。
誰しもが選択を迫られ、正しいかどうかもわからないまま責任を負うことになります。
しかし、選択できるこその自由です。

「マブラヴオルタネイティヴ」というゲームがあります。
これは作者が強く影響を受けたと言っている作品です。
「Alternative」は「選択肢」「二者択一」はといった意味。
それが「選択」というテーマのヒントになったのかもしれません。

もしかしたら、多くの選択が話を作り上げるという意味で、
1本道に感じさせないような工夫をしているのかも。

ストーリーだけではなく、テーマをしっかり決めているのはとても良いと思います。



原作では文字情報が多くごちゃごちゃした印象がありました。
しかし、アニメでは内容がすんなり入ってきました。
原作どおりですが、見せ方がうまいのだと思います。

この先さらに複雑になりますが、続きのアニメ化にも期待が持てそうです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最終回(#49)、凄いエンディングでビックリしました!!!

4月に再開するpart2の♯50が、
ものすごく、待ち遠しかったんです!!!

でもその前に、NHK総合で4夜連続で振り返り再放送、
やってくれたの、凄く嬉しかった(≧▽≦)

不謹慎な話で恐縮なんですけど、#45が、災害時のL字型画面だったので、
フルスクリーンで見たかったから、大歓迎でした(*≧∀≦*)!!

さあ準備は万端。
今度はどんな展開で驚かせてくれるのか、
ドキドキです(○_○)!!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

67.9 23 謎解きアニメランキング23位
美少年探偵団(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (170)
495人が棚に入れました
「美少年シリーズ」は、講談社タイガより刊行されている西尾維新さんの人気小説シリーズで、私立指輪(ゆびわ)学園を舞台に、校内のトラブルを非公式非公開非営利に解決すると噂される謎の集団「美少年探偵団」を中心とした物語が描かれる。TVアニメ化際し、アニメーション制作はシャフトが手掛け、総監督は新房昭之さんが担当する話題の作品だ。

声優・キャラクター
坂本真綾、村瀬歩、坂泰斗、増田俊樹、矢野奨吾、佐藤元、七海ひろき、鳥海浩輔

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

眩しいほどに美しい―― 美少年探偵団、開幕!

この作品の原作は未読ですが、「物語」シリーズや「刀語」を執筆された西尾 維新さんと、シャフトの組み合わせ、となると私に視聴しないという選択肢はありませんでした。

アサルトリリィ Bouquetを視聴した時も思いましたが、「物語」シリーズで良く見られた鋭くエッジの効いた作画、という感じはなく、シャフトさんらしさを感じつつも少し当たりの柔らかい感じが個人的には好印象でした。
あ、これは「物語」シリーズの様なエッジの効いた作画が嫌いという訳ではありませんので。


十年前に一度だけ見た星を探す少女、瞳島眉美。

彼女は「美少年探偵団」の事務所を訪れる。
そこにいたのは個性豊かな五人の美少年たち。

彼らとの出会いで眉美の十年来の星探しが大きく動き出す。

眩しいほどに美しい謎解き冒険譚、ここに開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
実に西尾 維新さんらしさの溢れる作品だったのではないでしょうか。
あの言葉遊びという独特の言い回し…一発で西尾さんの作品であることが分かる程、特徴的だと思います。

美少年探偵団とは、指輪学園中等部における校内のトラブル全般を解決するために秘密裏に活動する、非公式かつ非営利組織です。
そして本作の主人公でもある瞳島 眉美(CV:坂本真綾さん)も探偵団の団員と言う設定になっています。

瞳島 眉美は女の子です。
女の子が何故「美少年探偵団」に入団できたのか…
それは是非本編で確認頂きたいのですが、探偵団の団則が関係していると言えます。

一、美しくあること
ニ、少年であること
三、探偵であること

団則は上記3か条ですが、wikiにはもう1ヵ条付け加えられていました。

四、団(チーム)であること

実際に第4の団則については明確な記載は無かったものの、本編では「私たちらしさ」として触れられていたので、アニメ版も実質4ヵ条だったのかもしれません。

そう言えば、wikiの登場人物欄を見て知ったのですが、この作品の主人公である瞳島 眉美は、「物語」シリーズにも登場しているのはご存じでしょうか。

正確には、「物語」シリーズとのコラボ小説である「混物語」なんですけどね^^;
この「混物語」は、初のクロスオーバー作品で、西尾さんの数多のシリーズから選りすぐりの人気キャラクターがゲスト登場し、皆さん「阿良々木暦」の元を訪れるんだとか…
単行本では全15編が収録されるそうなので、きっと15人のキャラが阿良々木君の元を訪れるのでしょう。
そして瞳島 眉美も「第眼話 まゆみレッドアイ」で登場するんだとか…

気になりますが、西尾さんの作品をこの作品以外では刀語、<物語>シリーズと十二大戦しか視聴していないので、きっと知らないキャラだらけなんでしょうけれど…
せめて「戯言シリーズ」が配信やレンタルしてくれると嬉しいんですけどね^^;

思いきり脱線してしまいました^^;

彼ら美少年探偵団がどの様な美学を見せてくれるのか、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、sumikaさんによる「Shake & Shake」
エンディングテーマは、美少年探偵団による「Beautiful Reasoning」と「Welcoming Days」

1クール全12話の物語でした。
見る人を選ぶ作品かもしれませんが、私は総じて楽しめた作品でした。
そして、最終回のエンドロールで「続」というメッチャ気になる単語が目に入ってきたんですけど…
言葉通りに解釈して良いんですよね…!?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

依頼人がまともで助かった

人によって評価がかなりわかれそうな作品。
あまり他人の評価は気にせず、実際に視聴してみて自分の感性にしがって視聴することをお勧めしたい。
合わない人はたぶん1話で合わないとわかると思う。

美少年達が依頼人の依頼を叶える探偵?として活動する話。
キャラデザは癖が強いが、作画はかなり力が入っている。
特に色使いには目を見張るものがある。
主題歌はオシャレでとても良い。

美少年探偵団の団員は何を言ってるのかようわからんが、依頼人の女の子はまともな感覚らしく、「何言ってるのこの人たち?」とちゃんと突っ込んでくれているのは安心した。

キャラクターはかなり芝居がかったセリフが多く、~物語シリーズをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思う。
リアリティは欠片ほどもなく、理詰めで考えると穴だらけ。
だが、雰囲気を楽しむ作品なので、些細な問題なのだろうと思う。
まるでミュージカルだ。

雰囲気とかノリが合わない人にはとんでもない駄作に見えるだろうし、ツボにはまる人もいると思う。

どちらかというと女性向け作品だが、男性でもこういう作品が好きな人はいると思う。

私はこういう作品は好きだ。


第一話で依頼人が探している星について考察。
{netabare}
10年前の回想シーンで、フランスのエッフェル塔のようなデザインのものが見えたのと、その場所で花火とか砂浜でバーベキューをしたとあった。

日本で見ることができなくてフランスでは見ることができる一等星はたぶんないはず。北半球で夏の夜空の星と言えば、夏の大三角だとは思うが、当然日本でも観測できるし、星がきれいな場所に行けば再現はできるだろう。

だけどそれは、フランスのエッフェル塔なら、の話。
エッフェル塔はそれを模したものが世界のあちこちに建造されているのは知っていて、調べてみたらオーストラリアのブリスベンにもあるそうな。
たぶん、南半球ではこれが唯一か?

もし依頼人の少女が行ったのがオーストラリアで日本で見つけることができないと言っているのなら、日本で見ることができないor見るのが難しい明るい星ということになる。
そして花火を砂浜でしたのならたぶん向こうでの季節は夏。
ブリスベンはオーストラリアの東に位置するので、海岸で見上げたということは、東の空を中心とした範囲のはず。

可能性が高そうなのはカノープスだろうか?

というのも、ひときわ目立つということは、近くに一等星がないと思われるので、サザンクロスとかケンタウルスα星あたりは該当じゃないと思う。

などとせっかくなのでちょっと探偵っぽいことをしてみたり。
でも、その星を探すのが人生の目的みたいになっている依頼人は、
その程度のこと調べると思うので違うのかな?

→2話を視聴して完全に見当はずれだったことが判明しました。
ドヤ顔で考察して、盛大にはずして、めっちゃ恥ずかしいやつ。
せっかくなので自戒の念も込めてさらしておきます。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

かつお さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

独特のおもしろさと、OPEDのわくわく感

物語シリーズなどノータッチだったため、最初は世界観についていけずでした。
なので最初の3話は「これ人気なのかな?」とおもってたのですが、4話以降段々とテンポが分かってきて逆にこの独特の話の展開にハマってしまいました。
まゆみの語りだったりツッコミがとても良いです。
毎回違うタッチで描かれるシーンがあるのも、シャフトさんの遊び心と余裕が感じられてテンションあがりました。

OPのsumikaがピッタリで、作画も神がかっていて何度も見てしまうくらい楽しいし
EDは2種類あって、どちらも5人のメンバーが歌っていて、こちらも曲調として前向きになります。

個人的に4,5話、8,9話の話が好きなのと、最終回は学のシーンが良くて見返したりしました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

77.1 24 謎解きアニメランキング24位
ジョーカー・ゲーム(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (989)
5032人が棚に入れました
世界大戦の火種がくすぶる昭和初期を舞台に、帝国陸軍の“スパイマスター”結城中佐によって設立されたスパイ養成部門「D機関」の活躍が描かれている。

声優・キャラクター
堀内賢雄、下野紘、木村良平、細谷佳正、森川智之、梶裕貴、福山潤、中井和哉、櫻井孝宏、津田健次郎、関智一
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

映像もストーリーもよく練られたスパイもの<原作読了、追記あり>

本作は繊細な描写が魅力で小説や洋画(特に古い名作)のような印象の、スパイを主人公としたミステリー作品。
何回も視聴して想像や考察をしながらじっくり楽しむのが吉です。

アニメよりも実写向きと感じるような作りですし、エピソードごと時系列を入れ替えていたり、メインキャラクターを意図して見分けがつきにくくデザインしているなど、アニメとしては尖ったところもあります。

エンターテイメント的なアニメを好む人や、キャラクターの掘り下げを望む人には向かないかもしれませんが、シリアスなアニメや他の媒体の作品も好む人には逆に入りやすいのではないでしょうか。

【ビジュアル面】
キャラクター原案は三輪士郎さんで、キャラクターデザインの矢萩利幸さんがアニメの方向性に合わせてより地味なイメージに落とし込んでいます。
ことD機関のスパイ8名は全員目立たないモブ顔を設定するという方法を取りました。アニメキャラクターは一目で見分けがつくべき、という考え方からすれば思い切っていますが、機関員8名はスパイとして目立たず活動する作品なのでこれで正解だったと思います。

作画は安定感と美しさでリアリティを追求している点が最大の特長。動きもデフォルメが少なめ、色彩も暗めなので若干泥臭いイメージにもなっていて、そういう部分が好きですね。
安定した作画でキャラクターの仕草や表情が細かく、緊張感やリアルな雰囲気が途切れなかったことが一番素晴らしい点だと思います。

背景もやはりリアルで美しく、地に足の着いた映像作りがされていて、世界観をよく表現していました。


【キャラクターと声優】 {netabare}
大御所がいっぱいでしたw演技に関しては本当に素晴らしかったの一言です。

結城中佐はほんの僅かに人間味を見せることが実は少なくなく、長いスパイ活動を経てもその人間性を捨て去っていない点がかえって恐ろしいと同時に素晴らしいキャラクター。
堀内賢雄さんは感情を見せない語り口、時折見せるかすかな人間性、変装時の演じ分けなど最初から最後まで、本当に素晴らしかったです。個人的に賢雄さんはシリアスキャラがすごく好きなので嬉しかったです。

ゲストキャラクターではヴォルフ大佐と、その声を当てた銀河万丈さんがとても印象深いです。若い頃との演じ分けも好きですし、判断力に優れた面、冷徹な印象や威圧感、結城中佐に対する一種の執着などその人間性がとても感じられました。
{/netabare}


【ストーリー面】 {netabare}
オムニバス形式 で各話独立した物語として展開、八人の機関員にそれぞれスポットが当たる構成です。
あえて時系列を入れ替え最初(1,2話)と最後(12話)にキャラクターの人間性を描くタイプのエピソードを配置。3話がいきなり荒唐無稽なストーリーなのは気になるものの、話数が進むほど視聴者を引き込む作りになっており、おかげで右肩上がりに面白くなったと感じました。

そして最終話がいつも通りに始まりいつも通りに終わる、というのが実に本作らしい。そういう終わり方になるだろうとは思っていましたし、私自身それを期待していました。
スパイたちの人生にも活動にも終わりはなく、視聴者はそのいくつかの出来事を覗き見しただけと思っていましたし、時系列の入れ替えのおかげでそれが自然だと感じられました。

ラストの結城中佐の台詞は第1話最初の台詞と同じで、これが格好良かった!全体のまとまりも感じられて良かったです。
佐久間さんに対しては「これまでの考え方を捨てろ」、小田切さんに対しては「ここでの経験を忘れるな」という意味もありそうですね。
原作からは改変されているそうですが、スタッフが最後までアニメとしてより良い作品を作ろうとしたと思えて、なんとも粋で、正直燃えました。そういうアニメじゃないけどこれw
{/netabare}

【本作の2つの柱】 {netabare}
本作を1クールで展開する上での柱だと私が感じたのは「スパイの生き様」「虚構」の2つです。しかもその2つの要素は密接にリンクして、綺麗に全12話で起承転結にまとめられていました。

まず1、2話で佐久間が初めて機関員(スパイ)の「虚構」を認識します。佐久間は視聴者目線に立つ存在でもあります。
そして機関員は優秀なスパイで、その存在は「虚構」であり、影となって状況をコントロールするという、その仕事ぶりでスパイを語るという構造なのですね。
3話~7話で機関員たちが主役でないのは当然のことです。スパイの生き様は色々ですが、諜報戦から降りざるを得なくなった者だけが「虚構」を捨て去り(あるいは剥がされ)、初めて物語の主役になるわけです。
そういう意味では、軍人であることを捨て去れない風機関の人間はそもそも諜報戦に参加することすらできませんでした。

結城中佐は上に立つ人間ですし身体的ハンデが特徴になるので影にはなれませんが、逆に掴まれている情報を餌に「虚構」を構築することで状況をコントロールし、アーロンを引退に追い込んでいます。結城中佐の過去話かとおもいきや、10話の主役はアーロンさんなんですよね。
11話は三好が真木という「虚構」を被ったまま人生に幕を下ろす物語でもあり、同時に結城中佐の「虚構」が危うく崩れかける物語でもありました。ニアミスしたのがヴォルフ大佐だったら、一切偽装していない結城中佐は実体をつかまれていたでしょう。
そして、最終話では自己を捨てきれない小田切を描くことで、相対的に視聴者に機関員の「虚構」を再認識させているのです。(キャストの役名が「飛崎弘行(小田切)」になってることに今になって気がつきました。細かい!)

もともと虚構であるアニメーションでは、いかにリアリティを持たせるかが大切です。
本作は映像からはリアリティを追求しているように感じますが、実際は「虚構」を描く作品でした。本作中でキャラクターの語る偽情報すら映像が付いていたのは、視聴者を引っ掛けるフェイクだったのでしょう。原作ファンを引っ掛ける改変もあったようで、そう言われると原作がさらに気になりますw

実写ドラマでも面白いかも知れないと最初は思いましたが、人の手でゼロから創り上げられる虚構(アニメ)だからこそ、本作は魅力的なのかも。
{/netabare}


【雑感】 {netabare}
感情移入が出来ないとのめり込めない私が全話面白く見られたのは、一見淡白に見えても、ストーリー(ミステリー)の中に人情噺のような側面を必ず入れていたからだと思います。
ストーリーを引っ張るのは機関員ですが、他のキャラクターはきちんと人物描写されていて、仕草や表情も見逃せなくて毎回画面に釘付けになってました。

それから自分としては意外だったのが、三好の死がめっちゃショックだったこと。
原作ファンの方の書き込みを目にする機会があって、視聴前から知っていたのにズシンと来ました…普通なら嫌いなタイプのキャラクターなのに…
なんというか三好が、というより「人間の死」というもののあっけなさ、迷いも後悔も心の中に一切無いスパイの死に様が重かったですね。ドラマチックな演出が一切ないからこそ辛かったです…

考える頭脳があるのに日本軍人として生きると決意している佐久間、スパイとして秘密を保って死んだ三好、暗い時代に孤独と苦難の道を歩む機関員たち、それとはまた違う厳しい道を選択した小田切、誰にも見せない苦悩を抱えているであろう結城中佐。
キャラに感情移入するアニメじゃないのに私が嵌ったのは、彼らに想像の余地を残してくれているからです。
本作で何を見て何を考えるかは視聴者に委ねられています。そこがとても好きですね。
{/netabare}

本当にスタッフに恵まれた作品でした。
本作を見ているとわからないことも沢山ありましたが、本作の公式サイトには時系列表やコラム等があり、理解の助けになりました。かなり内容が充実していて頭が下がります。

振り返ると無駄な話はひとつもなかったと思いますし、繰り返し視聴するのが楽しい作品です。
こういう新作が定期的に出てくれると個人的にはとても嬉しいですね。(2016,6,27)


本日原作を読了しました。
キャリアのある作家さんだけあって読みやすく情報量も多く、描く要素も一貫していてとても面白かったです。時系列は原作もばらばらで、アニメだけではなかったんですねw
アニメ版が気に入った方には是非読んでみて欲しいです。

原作のひとつの特徴として、小説というビジュアルのない媒体だからこそ出来る登場人物の「無名性」があります。{netabare}登場するスパイ達は偽名しか付けられていませんし、スパイが主役となる物語は最後にその人物の"スパイとしての死"が示唆されることが殆どです。{/netabare}
アニメ版に私が感じた「虚構」は原作から引き継がれた重要な要素だったのですね。

アニメーションではビジュアルが絶対に必要ですから、やり方を間違えると本作の魅力を大きく損なう難しい要素だったんだなと読んでみて思いました。機関員のキャラクターデザインはとても良いバランスだったと思います。

物語としても、キャラクター数や情報量を減らしながらも物語の筋はきちんと通り、そのために原作を分解・再構築することを恐れないよく練られた作品でした。

動画配信サイトが再放送など行ってくれていることもあり、良い評価を受けているようで一ファンとしてとても嬉しく思います。
(2016.7.8追記)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 51

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

趣の異なった『主人公最強系』?

原作未読。

ジャンルはスパイ&ミステリー系かな?
日本が世界大戦に参戦する直前頃、結城中佐の発案で作られたD機関と呼ばれるスパイ養成学校の8人の訓練生たちが活躍する話。

今まであまり見なかったジャンルなので、楽しさ半分、好奇心半分くらいで視聴開始。

まず、作画の綺麗さにビックリ。

OP、ED曲とも作品のイメージにぴったり。

登場人物の姿形に特徴が少ないため、誰が誰だか見分けにくいけど、表情が豊かな部分は高評価。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ルール無用のスタッドポーカー

時は1939年、第二次世界大戦前夜。日本陸軍に所属する結城中佐によって設立された諜報機関「D機関」。そこで訓練を受けたスパイ達が世界各国へと散り、それぞれに暗躍を始めます。

1、2話の導入を経て、3話以降からスパイ達の本格的な活動が描かれます。基本的に1話毎に一人の主人公および舞台が定められており、それぞれのスパイは訓練によって身に付けた超人的技能を駆使して任務をこなしていきます。導入編に当たる最初の2話で「D機関」設立の理由、スパイ達の基本思考などが紹介され、さらに軍内部における「D機関」の立場、参謀本部との対立やあつれき、駆け引きなども描かれており、世界観の説明をそつなく描いていている印象でした。
{netabare}
3話からはスパイ達の本格的な活動が描かれますが、4話ではスパイ活動そのものよりも※2軍内部の腐敗に焦点が当てられている様でした。続く5話では元のスタンスに戻りましたが、3話と同じ催眠術関連のネタがあったので少しだけ残念でした。英国の諜報機関のスパイ・マスターとされるハワード・マークス中佐も登場して、「D機関」のスパイの命運もあわやと思われましたが、結果は見てのお楽しみ。

おおまかな印象としては、結城中佐の目的は、他国をスパイすると同時に、参謀本部や外務省など自軍の他機関に対するスパイ行為も行い、自らの「D機関」の地位向上を図るとともに、けん制を行い、それらをコントロールしようとしている様に見えました。

8、9話は前後編に分かれており、ドラマに大きな動きがある様です。これまでの回ではD機関に所属するスパイ達が優秀過ぎて、対峙する者たちの知力が常に劣っている様に見え、スリルが足りませんでしたが、D機関の「殺すなそして死ぬな」の信念と真逆な「殺せそして死ね」という信念を持つ風機関(名前が奇抜)の登場で、今後の展開が分からなくなってきました。

定着しかけている図式に変化がもたらされる事を期待しつつ、9話視聴を終えましたが、うーむ、こうなってしまうのか‥。対決の行方は見てのお楽しみ。
10話は結城中佐の過去についてのお話。刷り込み洗脳再び。でもこういう静かな回もたまには良いです。

11話ではアニメ世界ではかくも珍しい無常展開が待っている。それにしても銀河万丈さんの声で拷問シーンとか、やっぱりボトムズのロッチナを意識しているのだろうか? 不謹慎にもちょっとだけ笑ってしまいました。

最終話に於ける結城中佐の男尊女卑的な発言は、彼もまたその時代に生きた一人の人間であった事を思わせました。D機関の首領がそんな事でいいの? とも思いましたが、とかく人というのは自分の持つ思い込みにだけは気が付きづらいものです。それもまた結城中佐の人間的な一面なのでしょう。

他の登場人物に関しても、最期まで徹底してD機関のスパイたちの顔が皆同じ様に、また微妙に違う様に描かれているのは、スパイとして我を殺しているからである様にも見えますが、そうあろうとすればする程、彼等のスパイとしての冷徹さよりも、むしろ人間的な弱さの部分が際立ち、一瞬の閃きの様な精彩を放つ場面も全編を通して少なからずあった様に思います。2期があれば一人一人のスパイとしての姿だけではなく、人間的な部分にももっと焦点を当てて欲しいと思えました。

D機関のライバルとなる存在が最期まで現れなかった点や、ミステリーの部分がかなり古典的なアイディアの寄せ集めで作られている点は、スパイアクションとしての緊張感に欠け、若干物足りないとも感じましたが、"分かっているけど面白い"という様な感情を刺激し概ね楽しめました。来期があればこちらの点にも工夫を凝らして貰えたらなぁと欲張りにも思ってしまうのでした。
{/netabare}
OPムービー及びテーマは今期のアニメの中では突出した完成度の高さだと思いました。静止画を巧みに用いたスマートさと、適度な不敵さが込められた歌詞の痛快さには、中毒症状を覚える人もいるかも知れません。低くのたうつ様なボーカルもドラッギーで危険な感じを振り撒いており、作品の雰囲気を強く匂わせていると感じました。


※1:本作の舞台となる歴史上の同じ時期に、陸軍中野学校という「D機関」のモデルと言っても良い様なスパイ養成機関が実在していた様です。「名誉や地位を求めず、日本の捨石となって朽ち果てること」を信条とし、武道や射撃だけでなく忍術や心理学、毒盛りや金庫破りのテクニックも教えてという‥。ぐぐってびっくり!

※2:現在閲覧可能な当時の文章や映像から、二次大戦前後の軍上層部の無能や腐敗ぶりを確認する事が出来ます。国民の多くが毎日の食事にも困っている状況なのに、お上の連中は終戦直前まで、情報操作による戦況報告で国民を騙したり、贅沢パーティー三昧したり、アメリカの軍事力を軽視したり(理解している人の人数は極僅かだった様です。)、挙句の果てには気合で勝てるとか言ったり、知力の低さが底抜けでした。ガンダムの作者である富野由悠季氏も当時の兵站についての無思慮を指摘していらっしゃいましたので、関心を持たれた方は「富野由悠季 軍上層部」でぐぐってみて下さい。

※:タイトルのスタッドポーカーとは何枚かの伏せカードに追加する形で公開情報である表向きカードを次々と配って勝負するポーカーの一種。ここでは伏せカード1枚から始まるファイブスタッドポーカーをイメージしました。名優スティーブ・マックイーン主演「シンシナティ・キッド」などでも割と有名です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

63.7 25 謎解きアニメランキング25位
コープスパーティー Tortured Souls 暴虐された魂の呪叫(OVA)

2013年7月24日
★★★★☆ 3.4 (429)
2121人が棚に入れました
薄暗い廃校の中で目が覚めた直美と世以子。一体ここはどこなのか?先程まで一緒にいた仲間たちはどこへ行ったのか?何も分からないまま出口を求め歩き出す二人だったが、ふとした衝突で離れ離れになってしまい……呪われた天神小学校での絶望が幕を開ける――
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

※グロ注意




・・・・みたいなアニメでした。

元々はゲームが原作みたいですね。なのでアニメの進行も
ゲームチックになってます。

コープスパーティー Tortured SoulsはOVAみたいなので
ストーリーはかなりザックリ進んでいきますが、
中々見ごたえがありました^^

今井麻美さんをたっぷり堪能したい人は、
セリフが多い、中盤~後半オススメです♪

ザクっと真相がわかってしまいましたが、ゲームの方も
面白いかも。

■ゲームもやってみました!
{netabare}
PSPのコープスパーティ ブラッドカバード リピーティッドフィアーを早速DLしました~

TRUE ENDでクリアです。
ゲームをやってみると、省かれているところはあれど、
OVAはかな~り忠実にアニメ化してるんですね。

とはいえTRUE ENDはOVAとは違ったエンドになってます。
OVAは「ANOTHER END」かな?

TUREだと、良樹や由香も生きてます。

で、TRUEをやったら絶対忘れてはいけない、あの人!
世以子ちゃん!

OVAでは被害者第1号のモブキャラ扱いでしたが、
TRUE ENDでは、直美の黒化を防ぐために
いい仕事してます(ノД`)・゜・。
あのメールシーンは泣ける

間違いなく、本作の裏ヒロインですね!

とはいえグロ多めでちょっと疲れました。。。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 53

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

色々考えさせられる作品でした。

ストーリー

ある雨の日学園祭のため残っていた如月学園の生徒たちは転校する友達のためにさちこさんのおまじないをした所謎の所へたどり着きました。そこは謎の廃校でした・・・

私の感想。

久々に私が求めていた死と隣り合わせの恐怖、そして何が起こるのかが分からない恐怖を感じられる作品にめぐりあえました。最近のテレビはグロすぎる作品がだめなのかモザイクがかかってしまうかアングルが変わってしまいますが、この作品はそんな事はまったく気にせずかなり楽しめて見れました。

やはり私が一番気に入っている所はまったく嫌味の無い最高のグロです。本当に人間を殺すのに躊躇がない所が一番のこの作品の恐ろしく所であり、一番この作品を面白くしている所であり、美しいところだと思います。もちろん内蔵が美しいと言う意味ではありません。こういう作品ですとたまにキャラクターが一人か二人だけ死んで他は全員生き残るなんて起こるような生ぬるい作品が多いですが、この作品はそんな中途半端な事はせず綺麗にきちんと残酷に人間を殺していました。

そして、何よりストーリーも最高でした。最後の最後まで謎が分からないようにしつつ、最後には今まで手に入れて生きたヒントが答えを導くようにしている所がミステリアスホラー作品として良い所でしょう。

恐怖は人間にとって新たに進化を加えるものだと私は思います。この作品はそんな恐怖を感じさせます。貴方もこの作品を見て恐怖を感じて新たに進化をしてください。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品のキャラクターは始めはかなり明るいキャラクターで楽しい青春を送ている感じなのですが、色々な事が起こりキャラクターの行動や性格が変わってきます。その変化を実感して貴方の周りにいる人は本当に信じられる人なのか考え直してみてください。

オープニング

「星屑のリング」
普段はスタッフロールがかなり邪魔に感じるのですが、このオープニングにはそのスタッフロールがかなり緊張感を出し、逆に怖さを引き出している最高のオープニングです。はじめに怖さを描き、その後幸せだった日々を描く事によって次に起こる事をもっと恐怖に陥れると言う天才的考えで私たちを色々考えさせました。

エンディング

「蛍火」
エンディングのスタッフロールのみの静かな死を思い浮かばせるエンディングです。色々起こるこの作品ですから、この用にシンプルなエンディングこそ色々考えさせるのでしょう。是非貴方もこのエンディングを見ている間に色々考えてください。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17

えいどくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

暑い夏に観て涼もう!

本作の原作はホラーゲームです。簡単に言うなら脱出ゲームみたいなものです。

僕はゲーム(コープスパーティーリピーデットフィアー)からコープスパーティーの世界にのめり込んだわけですが、このゲームは当時中学一年生だった僕を一時、暗闇恐怖症に陥れましたね(⌒-⌒; )

舞台である取り壊されたはずの訳あり廃校…次々と死んでいく人々…そして迫り来る幽霊…。このレビューを書きながら当時手に汗握り、ビビりながらPSPを操作していた自分を思い浮かべています^^;

このままいくとゲーム自体のレビューになりそうなので話を戻しますが、基本的に話の内容はゲーム(コープスパーティーリピーデットフィアー)と同じです。ただ操作しないだけみたいなものです。ですがアニメなのでキャラ自体の動きがあるのでゲームとはまた違った雰囲気、臨場感が味わえます(当たり前過ぎることを…)。ゲームはアニメとは違う分岐をプレイすることができ、ハッピーエンドではなくバットエンドも…。詳しくはプレイしてみて下さいw

声優さんではとあるシリーズや迷い猫オーバーラン!でもお馴染みの佐藤利奈さん、新井里美さんペアのお芝居も見所です!٩( 'ω' )و
また、グロいです。臓器祭りです。死に方もグロいです。つまるところ、ホラーが苦手な方はもちろん、グロが苦手な方にもあまりオススメはできません。

それでは、お気をつけて。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2
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