謎の生命体でSFなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの謎の生命体でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月24日の時点で一番の謎の生命体でSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.8 1 謎の生命体でSFなアニメランキング1位
トップをねらえ!(OVA)

1988年10月7日
★★★★☆ 4.0 (784)
3426人が棚に入れました
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は宇宙生物群(通称・宇宙怪獣 (STMC))による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員の一人であるタカヤ・ノリコの双肩に人類の未来がかかる。

声優・キャラクター
日髙のり子、佐久間レイ、川村万梨阿、若本規夫、渕崎ゆり子

kororin さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『イナーシャルキャンセラー全開・・・よーし、やってみる!!』「死ぬ気?!」「うっ!」「やめてぇぇぇ!」  『パパ、スミス・・・私を守って。』

光速を突破したした宇宙船を作り出した人類は星々を食いつくす宇宙怪獣群体と遭遇。地球人類の存亡をかけて「時」を越える戦いが始まった・・・・


発表(発売)当時、1巻2話収録のOVA3巻全6話作品。
今更どうこういうモノでもない高評価作品ですが、「ロボットオタク(スパロボ系)」なら『一度』は見ておかなければならない『聖典』です。(大層かな?)

本作は色々と逸話のある代物。
・発表された時分は「世間」では全然騒がれてなかったけど、オタクの内々では注目株だった「庵野秀明」氏の初監督ということで期待があったということ。(今じゃもう・・・ネェ)
・その仕事ぶりは当時のチープワンパターンな他作品と比べて「どこか一味違う・こだわりが面白い」というもので(オタクの内々では)定評がありました。
・当時の宣伝コピーは「『トッ〇ガン(ト〇・ク〇ーズの出世作)』と『エースをねらえ!』が一つになった!」というふれこみでしたが、
庵野監督は「エースをねらえ!」は見ていても「トッ〇ガン」は一度も見たことがなかったそうで、本作を見て判るように「エースをねらえ!」の特色が濃厚に出ていますね。
・主題歌は「酒井法子(ノリピー)」、主人公は「タカヤ・ノリコ」、中の人は「日高のり子」と、何かと『ノリコ』づくしなアニメ。
・「トップ」を狙うつもりはなかったのに、口コミ定評でOVAビデオ(VHS)の売上(アニメ部門)も「トップ」になったとか、ならなかったとか・・・etc、etc
・キャラ設定は「超時空要塞マクロス」でお馴染み、「目」が特徴的なキャラの「美樹本晴彦」氏。

SF考証も世界観も、古典SFの引用・1960年代の人間が創造したような未来。1988年に発表された当時から見て所謂「レトロフューチャー」な世界。
・宇宙空間も「真空」ではなく「エーテル」で満たされいるという設定。小難しい物理用語が多数出てきますが、これで宇宙物理学や古典SFに興味を持った人も少なからず多かったのでは? 私?私はサラっと流しましたヨ(笑)ウラシマ・エフェクトは多少判りましたが・・・
(後の太陽フレアが原因で発生したプラズマ雲「ゲドゥルトの海」に覆われた宇宙空間を漂流するハメになった少年少女の葛藤物語『無限のリヴァイアス』なんかを思い出します)
・敵対する「宇宙怪獣」も今まで我々が認識する動物の様な形態概念ではなく知性は無い様で生体本能のみで活動する「デッカイ珊瑚」のようなモノ(最小でも数十メートルの多足昆虫型のモノもある)。そんなモノが数えきれない群体で(体当たりで)襲ってきたらもう・・・ヤッパリ怖い!
・対する人類は「マシーン兵器」と呼ばれる「8m程のロボット」で対抗準備。日々特訓の続くノリコ達。しかしこのマシーン兵器(RXシリーズ)、恐ろしく視界が悪い上にアナログな計器類を読み取ってと勘と予測で動かす効率の悪い兵器。最大の立役者「ガンバスター」が出るまでの「かませ犬」みたいな存在でした(笑)

ドラマの方は主人公・ノリコの(戦いと)成長の物語。
憧れの先輩お姉さま「アマノ・カズミ」、トップ部隊に選抜し冷徹な猛特訓を強いるが信頼厚い「(オオタ)コーチ」、ライバル「ユング・フロイト」、地球に残した親友「ヒグチ・キミコ(名前の由来は周知の通り)」、華と散った初恋の相手「スミス・トーレン(ヤぁってやるぜ!)」、
様々な人と出会い、別れ、時間のズレた世界で再会したりして、ノリコは人類の運命を背負う覚悟を決める!
所々に庵野監督が気いった邦画の演出(「パクリ」じゃないよ「引用」だよ)が使われてたり、庵野監督が好きそうなオマージュがあったりと、思わずニヤリとしてしまったらあなたは間違いなく『オタク』です。

初めて見る方はチョット地味目なストーリーが淡々と続いて飽きるかもしれませんが、とにかく4話「発進!! 未完の最終兵器!」迄は我慢して、我慢して、我慢して~~見て欲しいものです。一気に目が覚めると思いますから。
それで本作を見直す(チョイと気に入った)気になれば後は怒涛の第5・6話に引き込まれることでしょう。

特に第5話「お願い!! 愛に時間を!」は・・・緊迫するドラマと早い展開もさることながら、スパロボ好きには鳥肌が起つ演出!今までの地味目な伏線を吹っ飛ばすような勢いです。(テーマ曲が流れる「アノ」シーンの虜になった人は多いハズ!)
そして第6話「果てし無き、流れのはてに…」は・・・スペクタクル大河ドラマの雰囲気を醸し出した構成。ワザと画面を「アレ」にして最後に・・・・もう涙と鼻水無しにはいられない締め方です。

とにかく「面白く見せる(エンターテイメント)」という意味で「伝説」、又は「教典(大袈裟?)」的な作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

ちゃぶ台返し さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

80年代OVAの金字塔的作品!!

 当時高校3年生の夏だった。それ以前から『美樹本氏の美少女キャラと妙なデザインのロボットの組み合わせだなぁ~』と存在だけは認知していたが、レンタルで借りた最終巻を見た時は脳天を打ち抜かれる様な衝撃を覚えたものだ。1巻でエロパロ路線が際立った学園モノと思わせといて、2巻でシリアスな流れとなり、3巻であそこまで飛躍したストーリーを創造したスタッフらに畏敬の念を感じた。特に6話で『あの演出』を取り入れたのは並大抵ではないと今でも思う。俺も他の人同様にTVが壊れたかと思った位だw その後ガイナックスはNHKのシリーズアニメ「ふしぎの海のナディア」を作り、数年後「エヴァ」を作った。若い時にこの流れをリアルタイムで感じる事が出来たのは幸せだったかと思う。アニメ業界ではないけれども、今の仕事に就くことに、確かな影響を及ぼした作品ではないかとも思う。ムック本のインタビューの中で庵野監督が語っていた「(同時期に出ていた)OVAパトレイバーより確実に面白いものを作る」という目標は確実に達せられていると万人が認識出来るのではないだろうか。あれから20余年。今見ても面白いと思うよ。皇帝・若本の熱い演技も必聴だ!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

ペエ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いま観ても面白いアニメ史に残る作品

1988年の制作にもかかわらず、いまだに多くの人に支持されていることに驚きます。
監督はエヴァの庵野秀明さんですが、パロディの入れ方やSF的な話のまとめ方からも岡田斗司夫さんの作品という印象があります。
と学会の次はダイエット本がブレイクしたオタキングですが、こんなに面白い作品を作ってくれたことに感謝です。

OPでは当時はトップアイドルののりぴー(酒井法子)が歌う80年代アイドルソングを堪能できます。

後半は主人公を演じる日高のり子さんが技名を絶叫する有名なシーンがありますが、「のどが潰れてもいいように最終日に収録した」というエピソードを知ってから観るといっそう盛り上がります。
しかし、のどが潰れてもって日高のり子ののど潰しちゃ駄目だろw

とにかく作り手が全力で作ったアニメだっていうのが伝わってくるそんな作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

75.7 2 謎の生命体でSFなアニメランキング2位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (267)
1230人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

史上最高のおねショタSF映画!もりみー原作が苦手な人にこそ観てもらいたい!

『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』のもりみー(森見登美彦)の新境地を『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』の石田祐康と新井陽二郎のタッグが描いたジュブナイルSF


とある郊外の町が舞台
10歳にして勉強や研究に熱心な好奇心旺盛で達観した思考を持つ少年、アオヤマ
ある日、海も無い町中に唐突に大量のペンギンが出現したのを目撃する
アオヤマ少年と友人はすぐさまにペンギンの出自を探す探検に出るが謎は深まるばかり
その後アオヤマ少年はその達観視した口調が災いし、クラスメートのガキ大将と衝突してしまう
そのピンチを彼が淡い恋心を抱く近所の歯科衛生士の“お姉さん”に救ってもらう
アオヤマ少年がペンギンの謎を追っていることを知ると“お姉さん”はジュースの缶を宙に放り投げた
すると彼女が投げたジュース缶が突然ペンギンにメタモルフォーゼした
「この謎を解いてごらん、君には出来るか?」
かくしてアオヤマ少年は“お姉さん”とペンギンの関連を探り出そうとするのが…


まず一連のもりみー原作の多聞に漏れず、達観視した上から目線な主人公による一人称が主軸となっているのですが、早合点するなかれ
もりみー原作でありながらも畳み掛けるような喋り口調でまくし立てる作品ではないのです
主人公が落ち着いた少年であるという点や、アオヤマ少年を演じた北香那の感情を殺した芝居、そして全体的に間を大切にしたテンポ感を含めて、どちらかというととてもゆったりとした時間が流れる作品になっています
かつ暑苦しい青春モノでなく、もっと爽やかなジュブナイル作品というのも手伝っていますから「もりみー原作はちょっと…」という方にこそチェックしていただきたいところです


この辺りの演出、石田祐康率いるスタジオコロリドの若いスタッフが中心となったことも大きいと思います
少年の、自覚なき恋心を大切に描いていますし、その一方で少年が“お姉さん”に興味を抱くキッカケが“お姉さん”の豊満な「おっぱい」というのがエッチでコミカルでとっつき易いです
また、過去作の様にスタジオコロリド内製が強いのかと思いきや、流石に初の長篇ということもあって亀井幹太監督が演出処理を買って出る、佐藤順一監督がクリエイティブアドバイザーとして参加する、等これまでのコロリド作品とは規模の違いを感じます
一言で言うなれば、これまでのもりみー原作アニメが若者向けな文学作品だったのに対し、今作は老若男女広く、もっと言えばファミリー路線にも喰い込める、本当の意味でのエンターティメントに振った作品に仕上がっていると言えましょう
今日までコロリドを見捨てなかったフジテレビにはよくやった!と言いたい


ところでもりみー原作といえば【いまいち何を考えているのかわからないヒロイン】の存在でありますが、今作の“お姉さん”もまたもりみーヒロインであることに変わりありません
彼女のイヤラシさの無い奥ゆかしさを、蒼井優が見事に演じきっていてコレにも拍手です
キャスティングは完璧で、いわゆる大人の事情なども感じさせません
それは主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Good Night」も同じで、まさにこの映画の為にある一曲と言える楽曲です
エンドロールで程よい余韻に浸れることを保証いたします


また、途中で『台風』が来たり、『坂のある町を駆ける』のは思わずコロリド作品ファンには笑みがこぼれてしまうところでしょうw
コロリドにとっては今作が初の長篇にして、1つの記念碑となった、のではないしょうか?
まあ細かいことは置いとくとしても、とかく【おねショタ】っていうジャンルは本当に尊いと思ったのがオイラの本音ですよw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 63
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

表はペンギン、裏はエヴァンゲリオン

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:36

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちはいったいどこから来てどこへ行ったのか……。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」

(公式ページより抜粋)

視聴経緯については、先日見た「若おかみは小学生」同様、2018年に公開されたアニメ映画で、さよ朝やリズ青と共に名前があげられることが多かったから。

若おかみ~があまり響かなかったので、4作品中トップにあげられることの少ない本作は正直あまり期待していなかったのですが、意外にも高得点でした。

冒頭のあらすじを読むとこじんまりとした作品のようですが、スケールが大きく、SF、セカイ系と言ってよいでしょう。それでいて、個人の思春期の問題がテーマにされており、私はエヴァンゲリオンを連想しながら見てしまいました。

{netabare}本作はいくつかのもの(お姉さん、海と呼ぶ球体、ペンギン等)が象徴的に描かれていて、それを何と捉えるかで様々な受け取り方になると思いますが、全体のテーマは私にとっては「異性への憧憬」や「アニマの昇華・離別」(それによって少年は成長するのだ!)であると捉えました。(ペンギン・ハイウェイが象徴する道も、少年が通る成長の道ではないか)

個人的に、自作長編小説におけるテーマのひとつであり、お姉さん的なキャラを登場させたことがあるので、最早そういうテーマでしか見られなかったのですが(苦笑)
注.私の言う「アニマ」とは、ユングのものとはズレていると思いますが、精神的な異性に対する憧憬の原点(簡単に言えば理想の女性)みたいなもので、例えば、初恋の相手が2次元(アニメキャラ)みたいな形で接触する人も多いのではないかと思われます。

ですので、万人受けはしないと思いますし、特に女性は共感できるのか不明。女性にも異性への憧憬はあるでしょうが、本作のモチーフがそれに符合するのか全くわかりません。

そのようなごく個人的な体験により、お姉さんが偶像でないかという疑問は、最初の喫茶店のシーンから出てきて、コーラがペンギンに変わったところで確信に変わりましたね。

普遍的なテーマに寄って考えると、幼少期は想像(内的)世界と現実(外的)世界が共存しているけれど、どこかで想像世界に踏ん切りをつけて現実世界のみを見るようになるということでしょうか。

小説を書くことでお姉さん的存在と問答し、離別した私としては、アオヤマ君がお姉さんに再会できるのは内的世界に向き合うかもしれない老後、究極的には死んだ時だと思ってしまいますが、そうやって大人になった自分にとって、彼には昔の自分を重ねてしまい、背中を押してあげたくなりました。{/netabare}

青春の原風景を見に行けた感じでしょうか。主人公の性格や豊かなお姉さんの憧れが真っ直ぐで、爽やかな満足感を得られました。

客観的にも、テーマが深くて濃いものである割に、テーマに対応するぎりぎりの低学年を主人公にし、愛くるしいペンギンを登場させることで巧みにカモフラージュされているので不快感はあまりなく、終盤はジェットコースターのようなアニメーションも堪能でき、楽しめる作品と思います。

(2020.6視聴)
(参考評価推移:4.3)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

63.0 3 謎の生命体でSFなアニメランキング3位
BLUE GENDER [ブルージェンダー](TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (77)
404人が棚に入れました
「バブルガムクライシス」のAICが制作したハードアクションSF。種の存亡を賭けた壮絶な戦いの中で、主人公の葛藤と成長を描く。現代では治せない新種の奇病に侵された海堂祐司は、未来の医療技術の発展に賭けて冷凍冬眠者“スリーパー”となった。だが、西暦2031年に冬眠から目覚めた海堂が見たものは、謎の生命体“BLUE”の繁殖によって絶滅の危機に瀕した人類だった。絶望の中で、海堂の“生きる”ための戦いが始まる。
ネタバレ

藤浪サトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

深夜アニメ黎明期の傑作

注:弊ブログより一部抜粋

随所で露骨なエロシーンが展開されていたり、ブルーの内臓や血液などのグロシーンが修正なしで頻繁に登場する点など、深夜アニメ黎明期特有の雰囲気がある。お色気シーンの数々だが、いつ死ぬか分からない世界観を踏まえると、かけがえない生の輝きの表現に昇華されていると言える。エロシーンが単なる視聴者サービスではない、作品のテーマとも関わる非常に深い表現となっているのは大変珍しい。

作画

作画全体の雰囲気は、80年代末のOVAを彷彿とさせる。しかしながら、際立った作画崩壊は見られず全体的なレベルは結構高い。通常の虫以外にも、カニやタコといった虫を含む漢字で表される水棲生物がモデルのブルーもおり、ブルーのデザインはよく考えられている。また、マリーンのキャラデザが異様なくらい美人である。

音楽

次回予告の際に流れる軽快なBGMが非常に良い。次回へのワクワク感を高めてくれる。劇中のBGMも良く、特に物語序盤で流れる曲のクオリティが凄まじく高い。

オープニング曲も盛り上がる良い曲。特に、「一筋の光を求め ひたすらどこまでもただ彷徨う」という入りが最高。絶望的な状況と不屈の精神を一文で表しており文学性すら感じる。

制作に東芝EMIというレコード会社が参加しているため、音楽のクオリティは全体的に高い。

ストーリー

{netabare}毎回のように予想を超える意外なストーリーが展開され、結末がどうなるか想像も付かなかった。仲間がどんどん死ぬ絶望的なストーリーと思わせて、予想外に熱い展開になっていったのも最高である。マリーンたちの被っているヘルメットが妙に敵っぽかったり、「人間もブルーも害虫だ」という趣旨のセリフが飛び出したり、思わぬ箇所が伏線になっていたのは流石。終盤の展開は常人の理解を超えていたため、評価を下げている。{/netabare}

人物

各キャラの心情はそれなりに掘り下げられていた。しかし、規律の厳しい軍ゆえか、登場人物のキャラが全体的に薄い印象である。{netabare} 祐司と両親とのやり取りや、タカシとのエピソードをもう少し描いていれば、物語がより厚みを増していたと思う。最高議会の面子を始め、登場人物の多くがそれぞれの信念を貫いて行動していたのは大変良かった。セノ・ミヤギの、碇ゲンドウのようでもあり、気難しい芸術家のようでもある独特の雰囲気が物語に深みを与えている。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

ジョニー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お勧め。

現在には無い表現の自由さがあります。
まぁハッキリ言えばグロありです。
謎の生命体との戦いの話なので、ガンガン人が死んでいき、子供が死んだりもします。
ただ、それも今に無いアニメの良さだと思うし、当時の中では、アニメのクオリティも高いです。
戦いの中での、主人公とヒロインの精神的な変化も面白いです。
特にヒロインは時間を重ねるごとに魅力が増していきます。
レンタルであるか分かりませんが一見の価値はあります。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

待て、しかして・・・

まず本作に少しでも興味を持った人はネタバレに【厳重注意】
ここのレヴューゾーン微妙にネタバレの雰囲気が・・・
それと進撃の巨人2期を楽しみに待ってる人も警戒が必要。
本作→ガンパレード→進撃 という微妙な関係性があるので
間接的にネタバレしてしまう可能性も(もしかしたら?)あり。

さて、本作とは如何なるジャンルに属し、どういう作品であるかについて
考えた時、説明するのが非常に難しいという問題にぶち当たる。
それはある意味『高いハードル』であるかもしれない。

SF的ロボットアクションもの?
機動戦士ガンダムとエヴァを足して2で割ったような作品?
そう言われてみればそうかもしれないし、そういう要素も確かにあるだろう。

しかしだからと言って、王道的ロボットアクションを期待して本作を見た人は
恐らく期待ハズレだったという感想を抱くかも。

メカデザインは無駄にカッコイイ(というかカッコよすぎる)し
スピード感と臨場感溢れる見せ場の戦闘シーンも確かにあるのだが、
戦闘シーンの数が不足気味で、高性能戦闘メカの性能を最大限に生かしたシーンは
限りなくゼロに近い。
(もの凄いの潜在能力を持ったパイロットはいるのに何故?と訝しがる人もいるだろう)

本作を敢えてジャンル分けするならエヴァ進化系に属し、エウレカにも似た要素を持つ。
(グロシーンがあるのもその理由のひとつ)
一つ例を挙げるとエヴァ第9話「瞬間、心、重ねて」の戦闘シーンよりも
二人のパイロットの奇妙な共同生活に力点を置いているような感じのタイプ。

本作には様々な『高いハードル』が山積している。
視聴者にとってのそれは、主人公が文字通り『お荷物』であり
ヘンなヘアースタイルの『猿』みたいな存在に思えてしまうことであり
『カイ・シデン』のように人の感情を逆なでする要素と『碇シンジ』のような
軟弱さを同時に併せ持ち、かつ田名部愛のようにうざったい台詞を吐くという
厄介な人間性を持っていることである。

そしてそのことは未来人であるヒロインにとってはより強烈で鮮明なリアリティーであり、
成り行き上の任務とはいえ、無駄口叩くこの『お荷物』、『旧世代』の『猿』を
なんとか目的地まで届けるというのはヤレヤレな気分であると言えよう。

とまぁ、そういう方向性で物語は進行していくわけだが、
本作の最大の魅力、見所とはまさにそういう要素であり。

ロボットバトルよりも自分たちの足で大地を踏みしめ
世界を流離うことであり、目的地の前に聳え立つ文字通り『険しい山』に挑むことである。

世界を流離うことが本作の最終目的でもなく、次のステージもちゃんと用意されているのだが、
一見無駄とも思えるプロセスやキャラの言動を丁寧に描いているのにはそれなりに
意味があり、それを飛ばしてしまったら本作はもっと味気ないものになっただろう。

だから結局あんな『猿』にも存在理由はあって、
そんな彼{netabare}の微妙な心理描写{/netabare}にも大いに意味があったりする。

早い話が主人公はヘタレ系で、ヘタレ系主人公が好きな人には本作はかなりお薦め。
ヘタレ系ストーリーには当然の如く物語の進行をサポートする役目が
つまりその辺はヒロインが十分すぎるくらいに穴埋めするので安心して視聴できる。

ここからは少し踏み込んだネタバレにつき本作未視聴の方にはご法度で。
{netabare}実は本作をエヴァ系と称すのにはもう一つの理由がある。
それはエヴァと同様にフロイト心理学のテイストが意欲的に活用されている点だ。
それはある意味ペテン的手法であり、生と死や二項対立が織り成す葛藤の要素を
持った物語ならなんでも適用可能で無難に解釈できてしまう若干無理ある荒技である。
それはエロスとタナトスという概念で物語を解釈するやり方である。

単なるこじ付け的連想ゲームと言われればそれまでだが、実戦してみるとこんな具合。
エンジェルは天使。天使のイメージの原型はローマ神話のキューピッド。
キューピッドはギリシア神話のエロス。エロスはマリーン・エンジェル。

眠りの神はヒュプノス。ヒュプノスの兄はタナトス。
故に眠れる者(スリーパー)はタナトス(死)の近親者。
エロスとタナトスの衝突は葛藤を生む。
エンジェルとスリーパーの対立衝突も人間心理の葛藤の現れ、という風に。

エロスは生、融合、肯定承認、友愛を象徴し
タナトスは死、解体、否定拒絶、攻撃性を象徴する。

しかし、「それがどうした?」と問われたら返す言葉がないのが
フロイト心理学の限界なんだこれが・・・

しかし、進化論という現代では絶対不可侵の神話的学説の基本的メカニズムも
繁殖と淘汰という二項対立に突然変異という概念を付加しただけの
ある意味ペテン師的な解釈理論に過ぎないわけなので、似たり寄ったりなのかも。

さらに蛇足だが、マリーンは海、海は生命の源=母を象徴するから
ブルーは海とは相容れない存在っていう解釈も成り立ちはする。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

64.5 4 謎の生命体でSFなアニメランキング4位
機甲創世記モスピーダ(TVアニメ動画)

1983年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (39)
134人が棚に入れました
2050年、突如として地球に侵攻してきた正体不明の異星人インビットの為、地球人の半数が火星に避難する。30年後の2080年、地球奪還と同胞の救出のために地球降下作戦が開始された。第1次降下作戦は失敗に終わったが、3年後の第2次降下作戦では、過去の教訓から新型の可変戦闘機AFC-01 レギオス及びAB-01 トレッド、そしてこれらに搭載される、搭乗員の生存率を高めるための変型バイク兼パワードスーツVR-052 モスピーダが配備されていた。火星生まれで火星育ちのマルスベース軍の若き士官・スティックは、第2次降下部隊に所属し、作戦成功後に恋人のマリーンと結婚する約束をしていた。だが、大気圏突入中にインビットの迎撃を受けたうえ、大気はインビットにより特殊加工されており、降下中の機体の多くは撃墜され、あるいは大気圏突入に耐えられず作戦は失敗する。マリーンの乗る降下艇ホリゾントも、特殊加工された大気圏の影響を受け崩壊しつつ制御不能となり、スティックの目の前でインビットに撃沈される。混戦の中、機体を損傷し本隊とはぐれたスティックは、南アメリカに降下することとなる。一方、地球生まれで地球育ちのレイは、第2次降下作戦の宇宙船の残骸の中からモスピーダを見つけ出す。

声優・キャラクター
大山尚雄、島田敏、土井美加、深雪さなえ、鈴置洋孝、松木美音、西村知道、高橋美紀、小原乃梨子、神田和佳、大塚芳忠

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

超カッケェっす  設定だけは

80年代リアルロボット物で、ホント勿体ないなと当時も思った作品です。

まず放送時間が最悪でした。
日曜の朝です。部活の練習あったら見れねぇです。ビデオデッキの普及率がまだまだとも言える時代でしたからねぇ。私んちも無かった。悲しい思い出。結構見れて無い奴が友達にも多かったです。

んで設定のハードさと当時のタツノコプロの柔らかい線のミスマッチ。
昔のタツノコプロの絵というか、この頃位までは各社とも絵に特徴有りましたからねぇ。私個人の印象としてはタイムボカンシリーズの絵柄でリアルロボット物見せられてるのとニアイコールで抵抗有りました。
当時知ってる他の方はどう思ってたのか興味深いです。

主人公はインビットと呼ばれる謎の生命体に侵略された地球を奪還する為に、地球に派遣された第二次派遣軍の降下部隊なんすよね。この第二次ってトコがイイトコ突いてますよね。一回失敗してるのかよ~的な所がカッコよく思えた中学時代w
んで、地球で細々と戦ってた第一次降下作戦の生き残りとか地球の生き残りの勢力と合流しながら、降下作戦の目標地点レフレックス・ポイントに向かうって話なんすけどね。んで、その時期を見計らっての第三次降下部隊の投入なんですが、ここらへんで敵の正体が判ってきて・・・って感じでして。

でもね~なんか蓋開けてみると、設定のハードさが伝わってこないんですよね。異生物相手の戦争物と言う緊張感がどうも・・・
サンライズのシャープな線とストーリー展開には及びませんでしたね。
当時としては、やはり餅は餅屋だったんだと思います。


OP・EDも当時人気あったし、出て来るメカも良かったんですけどね~。
モスピーダもレギオスも可変タイプのプラモ私買いましたもん。
何故かメーカーは学研だったんですけどねw
他メーカーのOEMだったのかもしれませんが出来は悪くなかったです。
当時はバルキリーすら完全変形のプラモデルは無かった筈。
バルキリー好きはタカトクの高い玩具買わないといけなかった時代です。

なんかオッサンのプラモ話になっちゃってグダグダですが、若い人は無理して見なくてもOKな作品ですんで。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「古典SF」の系譜(良作)(なぜかTokyo MXで再放送中)

1980年代の作品。まだ原作なしのオリジナルTVアニメがたくさん作られていた時代で、本作もそのひとつ。キーワードは「進化」。

本放送当時は日曜日の午前中とか、謎な時間帯での放映のためか知名度はいまいちかも。そのわりに設定やストーリーは中高生以上がターゲットっぽく、おそらく小学生には面白くなさそうな内容でした。

人類とは異なる価値観とか生命体としての素地の違いからくる時間感覚の違い、異文化コミュニケーションなど「古典SF」のエッセンスに溢れた良作です。

タイトルの「モスピーダ」はバイク型の兵器で、パワードスーツに変型して着用もできる優れもの。着たまま可変戦闘機「レギオス」に搭乗できるなど汎用性が高い。

甲殻類がモチーフっぽい敵のインビット側のデザインも私的には好み。

あにこれのあらすじにもある通り地球は異星からやってきたと思われる謎の生命体インビットに占領されており、主人公のスティックは第二次地球降下作戦(作戦名から察せられる通り第一次作戦は失敗)により「レフレックス・ポイント」への降下を目指すも敢えなく撃墜されて不時着するところから話が始まります。

ストーリーは今の感覚からすると進みは遅く感じると思います。基本ゲリラ戦なので燃料も弾薬も調達には苦労していて、味方陣営は苦戦なので戦闘にも爽快感はあまりありません。

可変戦闘機レギオスも「VF-1のパクリ」とか当時は揶揄されたりもしましたが、地上からレフレックス・ポイントを目指す一行の顔ぶれも多彩(男女は当然として女装キャラや小さな女の子まで)で、本作は♪少しだけ生まれる時代を~間違えたのさ blue blue rain in my soul~
(本当の歌詞は「少しだけ」ではなく「二人とも」…。)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

匿名女装子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画と本放送時間だけ悪い作品

他の人も指摘してたがフジテレビでの本放送が毎週日曜日の朝9時半からだった。
どう考えても連続アニメを流す時間では無いと思う(今でも放送してるけど)。
夕方に放送してたら人気アニメに成って居たハズ。

ストーリーとメカやキャラクターと声優さんや主題歌は良い作品だが国内ではマイナーなSFアニメで、むしろアメリカのほうが有名だったりする。

今のアニメ技術でリメイクしても受けるだろうけど、いかんせん声優さんがベテラン揃いだし故人も居るから早急に企画しないと無理だけど。
当時の演出スタッフは現役で活躍してるけど、リメイクする気が在るのか不明。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4
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