親子で女子高生なおすすめアニメランキング 11

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの親子で女子高生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月06日の時点で一番の親子で女子高生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.7 1 親子で女子高生なアニメランキング1位
ダンダダン(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (256)
827人が棚に入れました
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

少年の憧れ「不思議と恋愛」を真正面から描いた古き良き系譜。

 とても面白かったです。テンポや演出などアニメのレベルの高さはあるでしょうけど、古き良きドタバタ劇を上手く今風にアレンジしたと思います。

 本作においてはUFOはSFというよりもオカルトとして展開しています。そのオカルトを題材としてゲスト妖怪・宇宙人が繰り広げるギャグとバトル、そして恋愛感情は「うる星やつら」を思い出します。ハーレムではない4人組みの関係性も同様です。

 リメイク版の「うる星やつら」が少々退屈だったのと比べて、キャラ付け、ストーリーの幹、オマージュなどで情報量の密度が3倍くらいになっていました。この情報量が現代的で一時たりとも退屈させなかった要因でしょう…とはいいますが、やはり最後の数話は若干間延びやマンネリが感じられたかもしれません。ほんのちょっとですけどね。

 そして、なんといっても「涼宮ハルヒ」の影響です。恐竜が出てきた回で学校に閉じ込められたシーンが朝倉涼子とのバトルシーンにそっくりで気が付きましたが、宇宙人、未来人、超能力者もしくは地底人のうち、宇宙人…はゲストですが、妖怪と超能力者がメンバーにいます。ジジなる少年は父が火山学者とのことですので、おそらく地底人なのでしょう。

 雑誌ムー(作中ではポー)という少年のころみた、オカルトへのあこがれというのは「涼宮ハルヒ」のテーマそのものです。「君の名は。」でも坊主の彼が持っていました。つまり、UFO,ネッシー、妖怪などはクリエータたちのあこがれだし、そういうあこがれを持ち続ける少年はどこにでもいます。

 オカルトが実在して不思議な仲間がいて、普通ではない学校生活を送れたらな、という少年の夢のようなものを感じました。この少年の夢と淡い恋愛にワクワクドキドキする高校生活というのが「うる星やつら」から「涼宮ハルヒ」を経由する日本のコミック・ラノベの一つの系譜だと思います。

 ただ、近年この系譜が「女子だけ部活もののきらら系」「ストーリーがない異世界転生もの」「コメディの弱いラブコメ」「中途半端なSF」「感動ポルノ」などに浸食され、20年30年たっても面白かったと語れるような作品が減っていると思います。

 つまり、視聴者が見たい要素が純化してニーズに応えすぎて物語やテーマが消失した抜け殻のような作品が量産されています。もちろん、それぞれのカテゴリーで優れた作品はありますがごく少数だし、優れた作品であっても時代の変化に耐えられるのか不安になる作品も多いです。

 そんな中で、本作ですね。正統派のラブコメであり、コミック・ラノベ的な不思議を真正面から扱っています。「うる星やつら」「涼宮ハルヒ」を彷彿とさせるボディのしっかりした作品が、2024年にコミック原作で登場したのは心強い限りです。この両作とて途中で失速しています。その意味で今後原作「ダンダダン」がどうなって行くかわかりませんが、この1期のアニメ「ダンダダン」は素晴らしい作品になったと思います。

 ただし、その本作をもってしても、2006年の「涼宮ハルヒ」2011年「まどかマギカ」などと同列で名前が後世に残る作品になれるかなあという気はしました。
 それはなぜかと言えば物語のスケール感が小さいからです。不思議は登場しますが、冒険や広がりがありません。ですのでカタルシスがこの両作に比べて弱い気がします。もちろん本作は完結していませんが、涼宮ハルヒは少なくとも1巻の結末をシャッフルという手法を使い、あるいは「サムデイインザレイン」というわけのわからない回で完結させました。
 今後、学校や街にとらわれない広がりがあるか、カタルシスを作れるか、ですね。そうでないと10年後には忘れ去られる気もします。

 一方でオカルトを「都市伝説」の名のもとで大量に消費し、不思議なものを信じるというより一種の話のタネになってしまった現状、この種の話に入り込めなくなっているという点では時代のせいとも言えます。1999年以降オカルトは急速に風化し、ネットの登場でオカルトが半分ギャグになってしまった現状からはもうカテゴリーとして成立しないジャンルになっているのかもしれません。だから、本作でもウルトラセブンのオマージュになってしまっており、そこに実存感がありません。ひょっとしたら自分にもという夢がオマージュによって薄れてしまっています。

 それと宇宙人やターボばばあをはじめ「性的なもの」のテーマ性が中途半端だったのも惜しいですね。そこが軸にならないと、テーマが見えなくなります。

 アニメとしての作画、美術、カメラ、構図、演出、エフェクト、色彩テンポどれをとっても素晴らしかったです。特に人物の表情が素晴らしかったと思います。

 評価はそうですね。テーマやカタルシスが弱いのと、続きがあり中途半端なのでストーリーだけ4にします。あとは5ですね。





1話 方向性はわかりませんが面白い。SARUのアニメ表現は最高だなあ

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2話 思ったよりエロくないいし、がっつりオカルトで少年向け感があります。

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3話 結構普通だったかも。頭を使わないで見られる系かな?面白いけど。

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4話 汚いセリフと表情が良かった。ターボババアの出自が今後活きるのか?

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5話 恥ずかしすぎる青春劇に悶えましたが、そこが良かったです。

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6話 体感時間5分の圧倒的テンポ。1週間のロスがきつい。

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7話 シリアスさのチューニングに違和感があります。これがやりたいの?

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8話 オカルトがメインというよりラブコメ?涼宮ハルヒの影響が強い?

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9話 ラブコメバトル回。後半の作画とエンタメ度がすごかったです。

 作画がなんかすごいことになってました。特に13分以降の後半の水中戦です。動きだけでなく表情も良かったです。今回、内容は無いですが、ラブコメバトルとしてエンタメ度はすごいです。


11話 世界系=ハルヒ、うる星などの系譜か。分割2クールだよね?(願望)

 この状態、構成で数年の2期待ちはない気がするんですけど…この感じはひょっとして分割2クール?まあ、願望70%ですけどね。

 はじめにいろいろテーマがどこにあるのかを考えましたが、要するにラブコメですよね。現代のラブコメの構造としてオタク+ギャルというのは考えてみれば王道です。

 そこにサブカル好き、そして非常に強く感じるハルヒ臭。そう、この作品から非常に強く感じるのは「涼宮ハルヒの憂鬱」です。特にハルヒ=桃子の性格造形は非常に強く感じます。

 それと4人という構造的には「うる星やつら」もありますけどね。つまり、あたる、ラム、面堂、忍の関係性ですよね。「ハルヒ」が世界系と言われていますが、実は「うる星やつら」もラムとあたるの恋愛がそのまま世界の存続に繋がるという点で世界系です。

 ですが、世界系の本質はそこにはなく「日常の崩壊により少年が特別な存在になる=恋愛のスタート」というもともと思春期課題こそが世界系ではないかと思います。うる星は実は終わらない日常などと言われていますが、ラムの登場で日常が終わるところからスタートしています(それがビューティフルドリーマーの違和感の正体な気がします)。

 エヴァはもちろんですが、例えばガンダムにしたって、日常の崩壊とガンダムによって力を得るところから物語が始まります。つまり世界系作品は14歳から16歳の少年が主人公になるのは、自己拡張、日常の破壊というのは思春期のメタファになっているのでは?と思います。

 本作の「日常の終了の終わり」「力を得る」ことこそ思春期の始まりのメタファであり、その時恋愛が始まる。これこそだ世界系の本質ではないかと思いました。つまり、それは何百何千何万と作られた日本のラノベ、コミックの王道そのものです。それこそが、日本の正当派世界系少年コミック的SFラブコメです。だから本作は面白いのではないかと思いました。



 

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青春こそ宇宙最大のミステリー!?

霊媒師の孫で、幽霊は信じるが宇宙人は信じない女子高生・綾瀬桃。
オカルトマニアで宇宙人は信じるが幽霊は信じない同級生少年・オカルン。
それぞれ異能を獲得してしまった二人が、凸凹とぶつかりながらも、怪奇現象に立ち向かったり、青春したりする同名コミック(未読)の、
連続アニメ化作品1期目(全12話)

【物語 4.5点】
オカルト、バトル、青春が高水準で寄せ鍋された好シナリオ。

幽霊物でよくある、霊の生前の悲しい過去を見事に掘り下げ、感動回に昇華させた第7話。
ネタバレレビューを読む エロティックも交えて宇宙人との水中戦も含めたハイスピードバトルを展開した第9話。
など濃厚な回が、時に下ネタも含むギャグも絡めながら、毎週繰り出され続ける。
最初から最後まで勢いを落とさず突き抜けた愉快な深夜アニメ。

それでいて、振られたばかりのヒロインと、
そのヒロインが人生で初めてと言って良いくらいの友達となったオカルト少年。
適宜、新たな美少女、イケメンキャラとのハプニングの横槍で、嫉妬や動揺を演出しつつ、
少年少女の青春劇が展開されるのも高得点。

地味に5話にて、例の如く喧嘩する桃とオカルンを目撃した、桃のダチのギャルが、
何て仲睦まじいんだとキュンとなる件が私は結構好きですし、共感します。

怪異とのバトル中まで喧嘩を引きずることで、街の一大事と俺達の青春を並列させる。
青春の価値を際立たせる、この種のバトル物ではお馴染みの脚本パターンですが、ハイテンポで良き。
初回から、ネタバレレビューを読む で、
私のハートはわしづかみにされました。


当初から、この夏予定の2期も企画されていたのか、最終12話がぶつ切りENDに。
最近、分割クール体制の作品を中心に、こうした構成が多く一部で不評を買っていますが。
後を絶たないということは、分割の間に再放送などを挟んで盛り上げれば、
より多くの視聴者獲得に有効だからなのでしょうか。

実際、これから新規で観る方は、今春の1期再放送から追いかければ、2期にスムーズに接続できるでしょうし。
ただ、キリが良くなきゃ嫌だという方は、エピソードの切れ目となる9話辺りまでで、
2期に向けて待機することも選択肢としてオススメします。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サイエンスSARU

あまりにも高カロリーな作画のアニメを視聴していると、
消化不良を起こして消耗してしまう自覚が私にもあります。
が、本作の場合は、ハイレベルなバトル映像などが展開されるにも関わらず、
観るぞ!と気合を入れなくても、スルスルと消化できてしまう。

何でだろう?とインタビュー等を漁ってみると、
やはり描き込み過ぎて見辛くならないよう、抜く所は抜く工夫が成されていたとのこと(※1)


一方で、ターボババアの赤、アクロバティックさらさらのピンク、
カミッシーの緑など。
怪異ごとにテーマカラーとなる背景色を決めて、空間支配を演出するなど、
こだわる所はこだわり抜く。

韋駄天ターボババアとのチェイスなど、背景と一体となった疾走シーンもスピーディ。
が、最も疾走感が出ていたのは、9話ラスト、
ネタバレレビューを読む


エロ絡みと言えば、怪異の攻撃などで、粉々に破れちゃう女子高生の制服が頻発するのも、昭和かwって感じで印象的。

で、その散り散りになった制服について、
ネタバレレビューを読む 件も、
私の中では高得点ですw


【キャラ 4.5点】
仲良く喧嘩できる桃とオカルンら人間だけでなく、
怪異もキャラ立ち良好。

あのEDアニメの招き猫?はいつ登場するのだろう?
原作未読の私はワクワクしていいましたが、
中身がネタバレレビューを読む だったと知った時の衝(笑)撃と言ったらw

桃の祖母・星子もそうですが、
婆ちゃんが暴言も交えて活躍するバトルアニメに外れはありません。


主題歌アニメの斜め上からの伏線回収と言えば、
OPにてUFOに牛一頭丸ごと捕獲されるカット。
宇宙人ネタの代表事例であるアブダクション(動物連行)や、
キャトルミューティレーション(動物の内蔵、血液抜き取り)の象徴と思しきあのカットがまさか、
ネタバレレビューを読む だとは思わないじゃないw

悲劇の経緯を抱えた幽霊系も良いですが、
ドーバーデーモンさんも生活感あって好きでしたね。
依代を変えて継続的に登場し続けている幽霊系怪異と同様、
ドーバーデーモンさんにもまた再会できると嬉しいです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・桃役の若山 詩音さんと、オカルン役の花江 夏樹さんによる、
痴話喧嘩?も交えた掛け合いを軸に、
CV.佐倉 綾音さんや、石川 界人さんも絡んでいく。
メインの少年少女役には一線級が起用され実力を発揮。
花江 夏樹さんは気だるげ妖怪モードへの切り替えにも好対応。

キャスト陣をさらに盤石にしたのが怪異役で気を吐いたベテラン勢。

ターボババア役の田中 真弓さん。
ターボババアは、イ◯モツだの、オ◯パイだの卑猥な罵詈雑言(ピー音なし)が多い怪異ですが、
オーディションの際、真弓さんは、こんなセリフを自分と同年代以上の大御所に言わせちゃいけない!私が引き受ける!
との使命感を持って挑んだとのこと。

2024年も色々な声優さんのエピソードに触れて来ましたが、
私はこの件が一番笑撃的でしたw
真弓さんの献身により、ベテラン声優の名誉は守られましたw

また、あの7話の出来は、アクロバティックさらさら役の井上 喜久子さんの熱演が無ければ成り立たなかったでしょうし。
あとは執拗に“バナナ”を追い求めるセルポ星人役の中井 和哉さんとかw


桃の祖母・星子役には水樹 奈々さん。
元々、弾けたり、声を張る役もこなす能力も備えた元・演歌歌手。
この婆ちゃんみたいな、キツイ口調の役も回って来るようになる。
奈々さんは円熟期に入ってからが面白い声優さん。
今後もドスを利かせて、コブシを利かせて、魅せて頂きたいです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は牛尾 憲輔氏。
牛尾氏とSARUと言えば、私の中では、
テクノ、エレクトロサウンドで『平家物語』を呑み込んでしまった仕事が印象的。

今回もオカルトバトル全般から青春、ギャグまで、求められる守備範囲は広範でしたが、
時に昭和歌謡曲風まで電子音でカバーしてしまう牛尾氏のサウンドは万能です。


OP主題歌はCreepy Nuts「オトノケ」
ラップ歌詞の随所に心霊オカルトネタを仕込んだ同曲。
このままだと幽霊・妖怪偏重ですが、
そこは『ウルトラマン』をオマージュしたOPアニメでバランスを取る。

ED主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「TAIDADA」
招き猫がドライヤーで波打って始まるEDアニメとか誰得?と最初は思いましたが、
(EDの子猫拾う話は原作の巻末おまけエピソードが元ネタとのことでファンサではあるらしい)
徐々に病み付きに。
て言うか、玉に爪立てるのはお止め下さいw

名前見た瞬間に、主題歌アーティストも濃いな~とニヤニヤが止まらなかった1期。
2期以降も楽しみです。


【参考文献】(※1)(※2)「月刊Newtype 2024年12月号」

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメは観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!

龍幸伸による原作漫画は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中(既刊18巻、未読)。
アニメ1期は全12話。監督は山代風我。制作は『映像研には手を出すな!』、『平家物語』などのサイエンスSARU(東宝の子会社)。2期の制作が決定済み(以上、Wikipedia参照)。
(2025.2.24 投稿 2.26 一部加筆修正)

【アニメは観ればわかる!】
日本アニメ・漫画の特徴ともいわれてますが、日本のアニメ・漫画は、とにかく設定に関する説明が多い。特に昨今のアニメの主人公が最初からチート過ぎることもあり、そのチート内容の説明であったり、その主人公の強さに見合った強いライバル(敵)なんだという説明も多い。

もっとも、アニメ・漫画は、そもそも「画で伝えるメディア」。敵が強いなら、そのことを言葉ではなく画で見せればいいんです。

本作は、そんな「アニメは観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!」というコンセプトがガンガン伝わってくる映像で魅せる作品。作ったのは、監督初作品となる31歳の山代風我監督。粗削りだけど、その辺の昨今の日本アニメに対するモヤモヤ感を吹き飛ばすだけの勢いを感じました。

また、原作漫画の龍幸伸さんも、「漫画は観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!」というコンセプトで描いているそうなので(※Youtubeでの原作者インタビュー参照)、いいマッチアップだったんじゃないでしょうか。

本作は、宇宙人やネッシーといった「オカルト」と、ターボババアやアクロバティックさらさらといった都市伝説などの「怪異」という「よくわからんもの同士を戦わせたらすごいんじゃねーか」という単純なコンセプトから出発したそう(※Youtubeでの原作者インタビュー参照)。

もっとも、本作は、オカルト、怪異に限らず、OPは1966年放送の初代ウルトラマンのOPのオマージュ、3年B組金八先生、俳優・高倉健、「24時間戦えますか」はバブル期、阿部寛の『下町ロケット』、古畑任三郎、志村けんのバカ殿様などなど、年代・分野を問わず日本のカルチャーを幅広く取り込んでいます。

ところが、海外の人はもちろん、日本人でも、これら全てをリアルタイムで観ていた人は少ないでしょうから、事情が分からないと白けるかもしれないのに、画で物語に引き込んで、その背景事情に興味がわいたなら自分で勝手に調べやがれ!(※細かい説明なんかしてやらねえ(笑))という画で魅せる自信がないと決してとれない視聴者に優しくない「強気な姿勢」できた(笑)

でも、この「画を観ればわかる」、「画で物語に引き込む」という強気の姿勢が功を奏した結果が、本作の世界的な大ヒットを生んだ原動力なのだと思っています(※現に海外では、本作をきっかけとして俳優・高倉健をはじめとする日本の文化に興味を持つ人が増えているようです)。


【「強気な姿勢」の功罪】
さて、いきなりの第1話、ターボババア(CV.田中真弓)の主人公・高倉健ことオカルン(CV.花江夏樹)に対する「オッパイ吸わせてやるからよお、イチモツしゃぶらせろ」というセリフが強烈過ぎて、国内外で物議を醸すことに(笑)

確かに、字面だけみるとパワーワード過ぎるんですが、実はターボババアがこのセリフを言うだけの理由があったことが第4話で明かされます。当然、1話の段階ではわかりませんし、第4話でも明確な説明はないので、きっとわかってもらえるはず!という、ここでも視聴者に丸投げの強気な姿勢。

もっとも、この観る者に細かい解釈を丸投げという表現者の強気な姿勢は、古くは短歌・俳句の「体言止め」から『シティーハンターのGet Wild』、『サムライチャンプルーの四季ノ唄』に続く、全てを語らず余韻を残すというハイコンテクストカルチャーである日本古来の表現でもあります。

また、山代監督の演出も斬新といわれていますが、監督曰く過去のアニメなどで気になった演出を高校生からメモって来たものの集大成のようです。さらに、称賛されている第2話の白黒表現も、本作のオマージュ元である過去の白黒テレビで放送されていた頃の「特撮」に対するオマージュの意味があるそう(※Youtubeの監督インタビュー参照)。

というわけで、観る側が最近接していないというだけで、温故知新じゃないですが、まるっきり由来のない表現ではない。

説明がないことでストーリー展開のテンポも上がって、こういった「映像で魅せる」というコンセプトと相まって、より視聴者の想像力を掻き立てる映像になっている。そして、それがオカルトや怪異といった「よくわからないもの」の表現ともマッチしていると思うのです。


もっとも、説明がないことの弊害もあって、例えば、怪異だけでなく宇宙人にも「お札」が効く理由がよくわからないし、星子(CV.水樹奈々)が美魔女な理由も不明なので、映像の勢いで誤魔化されている面は多分にある。

さらに、話題の第7話で、外国人のアニメ実況者がアクさら(CV.井上喜久子)と白鳥愛羅(CV。佐倉綾音)が実親子だと勘違いしていたので、正確には内容が伝わっていない。まあ、正確に内容が伝わってなくても、号泣してるんですけどね(笑)


結局のところ、本作は、「(立ち止まって考えると)意味はよくわからんが観ていて飽きない作品」なので、とりあえず一旦は制作者側の意図に乗っかって楽しむのが吉な作品だと思いました。アニメは愉しむのが一番。

あとは、もし本作を観て興味がわいたなら背景事情を調べていくと色々と面白いことがおまけ的に分かるというような仕掛けになっているんじゃないでしょうか。


【声優】
『リコリコ』で井ノ上たきな役だった若山詩音さんが、もう一人の主人公である綾瀬桃を演じてます。海外では、『週刊少年ジャンプ』を代表とする少年漫画の女性主人公の既成概念を変える主人公と評されているようです。でも、「たきな」もそうだし強い女性主人公自体は昔からいるので、そこまで持ち上げられていることに若干違和感あり…

『ワンピース』のルフィ役として有名な田中真弓さんがターボババア役として出演。他の代表的な役も『天空の城ラピュタ』のパズーだったり、『ドラゴンボール』のクリリンだったりと若い男性が多いので、年相応の女性役であるBBAをやりたかったそう(笑)

「とりあえず第7話を観ろ!」の意味を私もようやく理解することができましたが、その第7話に登場するアクロバティックさらさら役の井上喜久子さん(17歳おいおいw)が控えめに言ってヤバイ。
娘で現在声優の井上ほの花さん(24歳!?)が小さい頃、彼女をリゾートホテルのプールに一人で残してしまったことがあり、しばらくしてプールが深くて足がつかないことに気づき、青ざめて一目散に娘のところに駆け戻った時の感情を再現したそう(※ダンダダンのラジオ参照)。滅茶苦茶迫真です。


【音楽】
Creepy NutsによるOPの「オトノケ」は、『マッシュル』のOPとして全世界で人気となった『Bling-Bang-Bang-Born』に続いて話題に。現在、個人的にもヘビロテ中。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 10

78.3 2 親子で女子高生なアニメランキング2位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (670)
3464人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

さて第九でも聞きますか

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分のハートフルコメディ。
 今敏監督作品は、千年女優→パプリカ→パーフェクトブルーに続く4作目になります。
 今敏監督の特徴である厚いシナリオそのままに、笑いあり涙ありの正統派ハートフルコメディに仕上がっていました。シナリオ面に関しては今敏監督作品の中で最も良かったのではないでしょうか。

 今敏監督作品は、映像表現を使って主題を隠すのが非常にうまいという印象を持っていたのですが、この作品では映像表現ではなく、セリフとコメディを使っていたようです。重要なセリフでは、「誰かが誰かに」の「誰かに」の部分が別の人であるのが基本となっていますし、主題となる部分はシリアスにならないように、その後のコメディシーンであっという間に打ち消されたりしますからね。「パーフェクトブルー」も「千年女優」も「パプリカ」も、テーマは前向きなものだと思うのですが、描き方は斜に構えたものでした。クサいことを正面切って言えない監督の照れみたいなものが、この作品ではセリフとコメディに出ていたんだと思います。
 ホームレスを主人公に置いているのに、悲壮感みたいなものがあまりなく、むしろ力強さを感じたりもしますから、あえて言うならそこが映像表現として隠された部分なのかもしれません。

 シナリオの良さ、つまりフラグ回収の巧みさは見れば分かるものですので、細かい部分は省略して、私が注目した部分を少しだけ述べておきます。


オープニングと奇跡:ネタバレレビューを読む

ハナと家族観:ネタバレレビューを読む

ただいまとエンディング①家族関係の成立:ネタバレレビューを読む

ただいまとエンディング②ミユキのエンディング:ネタバレレビューを読む


 この作品は、フラグが次々に立ち、次々に回収されるという性質上、他の今敏監督作品に比較すると、エンディングにおけるカタルシスというのは、非常に弱くなっています。最後のミユキのセリフはあった方が良かったんじゃないかなぁとは思うんですが、やはり説明しすぎるのを好まない監督なのかもしれません。とはいえ、そんな私の感想などどうでもいいくらい完成度の高い作品だと思います。
 特に次々に回収されるフラグの中で、回収されないフラグのみでエンディングを作る構成力は、他のどの作品に比べても特筆すべきものだと思います。

 最後に。過去作品とのオープニングの類似性を前述しましたけど、エンディングも前2作と同じ病院エンドですからね。なんかあるんですかね?たまたまだとは思うんですけど。ちょっと驚きましたw


対象年齢等;
 家族ものですし、10代からでいいと思います。奇跡をご都合主義よりはやや柔軟に受け止められる姿勢があれば、確実に楽しめると思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドブネズミは美しかっただろうか?

劇場版オリジナル


それは年の暮れのこの物語と同様に全くの偶然でした。
・・・ともったいぶる必要はなく、年末に録り溜めてたものを観忘れていたのを思い出してついぞ最近観ましたというやつです。

私にとっての初“今敏”監督作品になります。
タイトルだけは記憶にあって、とはいえ氏の作品とは知らずにOPクレジットを見て気づいたくらい。
その氏についても早世したアニメ監督らしい、程度のニワカ全開、先入観なし状態で鑑賞突入です。

絵は独特。このタッチはけっこう好き。
ん?劇伴がたまに邪魔してセリフが聞き取りづらい。
声は職業声優さんではないのね。劇場版あるあるなのでそのへんはスルーしよう。


≪クリスマスの奇跡≫タイプの作品、と使い古されたモチーフながら、主人公がホームレスの三人という面白い組み合わせ。
ひょんなことから捨てられてた赤ん坊を拾った三人が、赤ん坊の親を探しにいく道中で、ハプニングが起こりすったもんだしながら、自身の過去にも向き合い、最後は≪クリスマスの奇跡≫タイプらしい、ちょっと心温まる終幕を迎えた良作でした。

おそらく監督も狙ってたのかもしれません。
多少のご都合主義は“クリスマスだしね”で私の場合納得しました。基本、ちょろいんです。
それで手に入れたのがテンポの良さ。92分あっという間です。すったもんだは一つや二つではありませんでしたが、ありえない都合の良さで見事に収束していきます。エンタメはこれくらいでいい。


そしてテンポの良さと相性がいいであろうドタバタコメディやアクションムービーといった方向にあまり舵を切らなかったのがこの監督のすごいところなのかもしれません。
ホームレス三人の主役たち。ギン(CV江守徹)、ハナ(CV梅垣義明)、ミユキ(CV岡本綾)の過去を掘り下げます。赤ん坊という家族の幸せの象徴みたいな存在を媒介にして、宿無しに身をやつした経緯とそれぞれの家族への思いが明かされていく中盤以降がなんとも心に沁みるのです。
本作とそれほど変わらない時期に公開されてる実写映画『ホテルビーナス』とも共鳴するような

ネタバレレビューを読む

心の繋がりを描いた物語でした。社会の繋がりの最小単位である“家族っていいよね”が根っこにあるので、クリスマス映画としての評価が高いのも頷けます。

ネタバレレビューを読む

なによりそれぞれの家族がいるのと同じいやそれ以上に、このギン、ハナ、ミユキの三人もひとつの家族でした。っていう家族愛をちょっと斜めから捉えた視点もけっこうお気に入り。

社会の最底辺から社会の最小単位を見つめた本作。
監督の他の作品にも興味をそそられますし、テーマや絵柄、そして先述のテンポの良さとクリスマスムービー的な立ち位置を鑑みると、非ヲタ一般人の敷居も低そうな作品です。



■この声あてなら不問
・その1 ハナちゃん
 梅ちゃんの起用は卑怯。そのまんまですやん。
 ネタバレレビューを読む

・その2 ミユキ
 岡本綾さんがキャスト名に出てきてビックリ。
 当時めっちゃ好きでした。活動期間短かったのも「あの時期の人!」って感じがして懐かしさを誘う。


■日本のホームレス
諸外国と比較し恵まれてます。残飯にはありつけるしダンボールハウスを敷設できる材料や場所に事欠かず、共○党に頼めば党にほぼピンハネされますが生活保護にもありつけます。
ガチで底辺ではあるものの日本社会は優しいし、働けとは思いますが、それはそれでいいと思ってます。海外はそうはいきません。まぁ悲惨の一言です。
また、そういう環境からなのか文化の土壌の違いからなのか、私は後者の影響が強いと思うのですが、日本のホームレスは“良心”が残ってるほうでしょう。

この物語はホームレスが人として大事なものを失ってないよね、が土台となってる話になるので、そもそもその設定を受け入れられる背景がなければ成立しなかったんじゃないかなあ、と感じます。



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2019.08.03追記

視聴時期:2019年2月初頭
その後、今監督の作品を3作立て続けに観てどれも面白かったです。
そんな素敵な出会いのきっかけを与えてくれたのが本作でした。
ご都合主義なところはクリスマスが免罪符ってことで良いと思います。
今度は12月に観ることにしようかしら(^^)



2019.02.10 初稿
2019.08.03 追記

投稿 : 2025/03/01
♥ : 41
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

リアリティと奇跡

今敏監督ってこんな大衆的な作品も作られていたんですね

クリスマス、三人のホームレスがゴミ捨て場で赤ちゃんを拾ってから
正月、親元に戻すまでの壮絶な1週間がコミカルに描かれます。

日本の12月25日~1月1日と言う期間は、ホームレスにとっては厳しい寒さに堪える季節、一般の人も家族や親戚に会いに行こうかなと考える時期ですね。

人々の流れ、人々の動き、音楽の節々に日ごとの変化が読み取れ
ただの詰め込み過ぎとは違う濃厚な作品になっていたなと感じました。

どこをとってもホント最高の出来でどうにか表現できないかと思ったのですが、どんな言葉も薄っぺらいなと思ったので、

ざっくばらんにリアリティと奇跡という言葉を置いておきますね。

リアリティ(英訳reality)
説明するまでもありませんが、現実性、真実性、実在という意味ですね。
アニメですからもちろん演出として現実から離れた表現も行いますが、風景、背景、音楽、出来事どれをとっても現実的でありそうな範疇でありながらそれを突き詰めているのがこの作品のおもしろポイントです。
要はあるあるネタです。
あるあるネタは知っていた方が当然面白いですよ。
大衆的でありながら視聴者を試しているなんて挑戦的ですよね。

奇跡(英訳miracle / marvel / wonder)
この作品のテーマです。
ですが、この作品でホントにあり得ないことはちょっとした偶然が重なり続けたことと、最終局面ネタバレレビューを読むだけなんじゃないかと思います。

起こったイベントを時系列でまとめてみました
ネタバレレビューを読む


印象に残ったシーンは
ネタバレレビューを読む地味なシーンなのに動きが良かったのでなおさら印象に残りました。
節々でも手を抜かない監督の力量を感じました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18

93.9 3 親子で女子高生なアニメランキング3位
宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★★ 4.2 (2818)
9828人が棚に入れました
いつだってボクらの一歩は好奇心から始まった。
見たことのない風景を、
聞いたことのない音を、
嗅いだことのない香りを、
触れたことのない質感を、
味わったことのない食物を、
そして感じたことのない胸の高鳴りを、
いつの間にか忘れてしまった欠片を、
置き去りにしてきた感動を拾い集める旅。
そこにたどり着いたとき、
ボクたちは何を思うのだろう。
吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度、
荒れる海原を超えた先にある原生地域。
地球の天辺にある文明を遠く離れた遥か南の果て。
これは《南極》[宇宙よりも遠い場所]に向かう
4人の女の子たちの旅の物語。
ボクらは彼女たちを通して、
明日を生きるキラメキを思い出す。

声優・キャラクター
水瀬いのり、花澤香菜、井口裕香、早見沙織、能登麻美子、日笠陽子、Lynn、金元寿子、本渡楓、大原さやか
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

見たことのない風景を見るために…

この物語は、4人の女の子が「宇宙よりも遠い場所」に行く物語。

彼女たちは旅に出る。見たことのない風景を見るために…
怖いけど、やめちゃいたいけど、意味のないことかもしれないけど、
でも…この旅が終わるころには、彼女たちはきっと成長しているでしょう。

この物語の特徴として、主人公の玉木まり(キマリ)のたくさんの心の声が、あたかもナレーターのような話し方で、ゆっくりと力強く表現されています。
その言葉が心に響きます。その響きが感動を呼びます。

そして、挿入歌の『ハルカトオク』が心地よく物語を彩ります。
主張しすぎず、控えめな音量で「あくまでも主役は物語だよ」と、示唆するように…

だから、まるで心地よい音楽を聴いているように、多くの人がこの物語に引き寄せられたのではないでしょうか?
ネタバレレビューを読む

さらに、エンディングへの入り方が絶妙でした。
楽しい終了のときには「ここから、ここから」が物語の続きのように優しく響きます。
そして、第十二話の感慨深い終了のときは、「またね」が余韻を残すように静かに歌われました。 


行動力のしらせ、優しさのキマリ、思慮分別のあるひなた、大人を動かす力のある結月、これら四人が一人でも欠けていたら、この旅は実現できなかったでしょう。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 127
ネタバレ

sinnsi さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

老若男女に勧めたい、誠実な友情アニメ

【無料第1話(公式チャンネル)】
https://www.nicovideo.jp/watch/1514789907
(未視聴者はこんな拙レビューなんて読まず、取りあえず第1話だけでも真剣に観てほしい。)
(何かを感じ取ったら、ぜひ全話を観ていただきたい。)

【(非ネタバレ)老若男女に勧めたい、誠実な友情アニメ】
これまでに「友情」をサブテーマの一要素に加えていた作品はいくつもあったが、
下記のような疑問点が、どれかは付いて回っていたように思える。
・記号的で絶対的な絆が、根底にあるのみ。
・命を賭した戦いだとかが付いて回り、現実感が薄い。
・距離感が近すぎたり、けんかをしても痴話げんか的だったりして、同性愛的な観点でも見られる作りになっている。

しかし筆者としては、本作に上記のような疑問点はなく、
全13話で非常に生き生きとした、「友情」をメインテーマに据え、非常に完成度の高い作品となっている。
「友情」というのは人生の一因であるので、登場人物の人生を見つめるつもりで、真剣に視聴していただきたい。
登場人物が感じる喜怒哀楽は、視聴者も感じられ、涙するだろう。

物語・登場人物(キャラ)が素晴らしいのは無論、登場人物もメイン4人組からサブキャラも個性的で、掘り下げて描かれており、
作画においても空気感のある人物の表情や、背景の描写も素晴らしく、
声優の演技においても中堅声優の地力があり、あふれんばかりの感情がむき出しになっている。
音楽においては、BGMがシーンの要所々々の空気感に非常にマッチしている他、物語がピークとなるシーンでは、ほぼ毎話挿入歌が流れるのだが、
女性アーティストの優しくも繊細な歌声やメロディーが、繊細な感情が揺れ動くシーンに非常にマッチしている。
以上の事から、全評価において5.0を文句なしに付けられる。

ながら見等で見た事はあるけれど、ピンとこなかったという方がいれば、第1話だけでも真剣に観直していただきたい。

【(非ネタバレ)どういう話なのか】
本作は南極(日本からの距離14000km)に向かう女子高校生4人組の話であり、(宇宙は上空100km)
「宇宙よりも遠い場所」というタイトルは、そこから由来している。

女子高校生が南極という熾烈な環境に向かうのは、ファンタジーであるのだが、丁寧にその過程を描いている。
4人組は元々縁もゆかりもなく、ほとんどが孤立して負け組の人生を歩んでいたのだが、そこで4人にしかない友情を育み始めるのである。

あらゆる物語において、ある人物が存在しなければ、物語が成立していなかったという作品は山ほどあるが、
超人的な能力・技能が前提となっている場合が多く、物語において絶対的な象徴の大道具となっているケースが多い。
そうでない等身大の日常を送る物語においても、その場に集まった人間らの物語という気がして、そこに集まらなくとも幸せに過ごしているんだろうな、という人物は存外多かったりする。
本作においては、この4人全員がそろわなければ、南極へ臨むという物語自体が成り立たず、4人はその後の人生において、それ以上の偉業に臨もうとする事が決してないであろう事は、想像に難くない。
それぐらい、4人全員が互いを強く支え合い、信頼し合っているんだという事が感じ取れるのだ。
またそれは押しつけがましい物ではなく、しっかりと距離を保ち、価値観を尊重するという部分も大きい。

この作品は、4人全員が主人公であり、それぞれが人生を生きる青春群像劇である。

【(ネタバレ)「友達って○○だ!」というセリフの説得力の強さ】
(第ネタバレレビューを読む話のセリフ)
ネタバレレビューを読む

【(ネタバレ)全13話を振り返って】
(従来は総括してのレビューにとどめているが、全話が神回であり、大切な友情の軌跡なので、あえて書いた。)
ネタバレレビューを読む

本作に携わった全ての関係者に、心より称賛と感謝の意を表したい。
このアニメに出会うため、私はアニメと対峙し続けていたのだろう。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

浮き沈みはあったが高クオリティな感動+笑い!

【あらすじ】
何かを求める少女たちが、補い合って南極を目指すお話。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★★☆☆
恋愛☆☆☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳☆☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
感動、笑い、勝利、友情、包み隠さない

【こういう人におすすめ】
踏み出す元気が欲しい人とか。YouTuberを目指す中高生とか好きそう。

【あにこれ評価(おおよそ)】
67.6点。おそらく上昇途中。

【個人的評価】
全体的にクオリティが高く、感動系なのに笑いも多いのでおすすめ。個人的に評価がガクンと落ちる回があり、手放しでは褒められない。しかし今期一番注目し続けたアニメだったのは間違いない。
『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 60

68.6 4 親子で女子高生なアニメランキング4位
アスタロッテのおもちゃ!(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (835)
4655人が棚に入れました
就職活動中の直哉(ナオヤ)が謎の女性に連れてこられたのはなんと妖魔の国「ユグヴァルランド」だった!ナオヤはそこでロッテ王女の後宮(ハーレム)入りを命じられた。ワガママだけど実は寂しがり屋なロッテの素顔を知ったナオヤは、彼女のためにこの世界に残ることを決意する。人間界からナオヤの娘の明日葉(アスハ)もやってきて、親子と愛人がひとつ屋根の下で暮らす、奇妙な同居生活がスタートした。ところがナオヤたちの毎日は個性的なキャラクターたちの乱入によって、ハプニングの連続に!?

声優・キャラクター
釘宮理恵、佐藤利奈、田村ゆかり、生天目仁美、藤村歩、堀江由衣、鈴木美咲、チョー、皆口裕子、松来未祐、広橋涼、波田野由衣、後藤邑子、吉野裕行、阿澄佳奈、白石涼子、甲斐田裕子
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ちょっとHなほのぼのファンタジー(77点)

全12話。
漫画原作。原作未読。

個人的満足点:77点
アニメ系統:ファンタジーハートフルコメディ

くぎゅ枠として視聴をした本作。
ツンデレサキュパス姫様「ロッテ」と子持ち人間、「直哉」とそれを取り巻くキャラ達による物語。

のっけから少々Hな展開で度肝を抜かれたのだが意外や意外、全体的にはほのぼのした話。
何というかあったかい気持ちになれる。

ロッテと直哉の関係など、よくよく考えればかなり危険な関係になっているのだけれども
そんなことは考えさせないような雰囲気が魅力。
ちょっとHな感じなんだけれど、下品さはなく見ていていやみを感じない。
ところどころHな話を挟みつつもあくまでほのぼの
ハートフルな話でほんわかほんわかといった感じ。

主人公のロッテのツンデレもデレ要素が多くデレるロッテが可愛い。
もう、ロッテ可愛いよロッテ状態であるw

また、直哉の娘である「明日葉」もなかなか魅力的。
中の人はゆかりんなので、くぎゅ&ゆかりんのからみもみどころ。

OPED曲も物語にマッチしていたと思う。
個人的にはこういうハートフルな話は好きである。
ほのぼのしたい方にはお勧め。


と、まあつまり
何が言いたいかというと

くぎゅうううううううううううううううう


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以下、これまでの各話の感想。
ネタバレ含むので
未視聴の方はスルーしてくぎゅううううううううううううう

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ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 36

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

妖魔界って本当にいい所だな~ 最高だよ。私も住みたいな~ いい所だよ。 本当に。 平和で。

ストーリー

妖魔族の住む世界・妖魔界(アールヴヘイム)にあるユグヴァルランド王国の姫君・アスタロッテは悪魔族なのに男が大嫌いでした。けれど、しかし夢魔族は生命維持のため、ある程度以上に育つと「吸精」をしなければならないので、近いうちに男達を置いておくための後宮を構える必要がありました。そのために妖魔界に送られてきた人間こそが主人公塔原 直哉でした。

私の感想。

かなり楽しめましたね~ 特におもしろかった所はやっぱりメインヒロインのアスタロッテですかね~ 流石釘宮理恵さんですね~かわうぃい声ありがとうございます。もう最高な声過ぎて私ある意味感動してしまいましたよ。なんて言うか、釘宮理恵の声って何であんなにかわうぃいんだろうな。 最高すぎるな。キャラクターに完璧になっていて最高すぎる。

この作品は話の内容が少し分かりにくいですが、少し頭を回転(具体的に458度くらい。)回せば内容が分かります。(まわしてみてね)私は原作を読んでいたので、話の内容が完璧に頭に入っていたので、必要なかったですが・・・・

この作品で私が一番気に入っているキャラクターはもちろんアスタロッテ・ユグヴァールです。言わなくても分かりますよね? っえ 分からない? もちろんあの声とロリ体系ですね~ でも、それを言うんだったら、塔原 明日葉も最高ですが。

そして、この作品の世界観がかなり良かったです。妖魔界の世界があんなにかわいい所でそしてあんなに落ち着いた所だと思いませんでしたよ。私が想像していた妖魔界はもっと暗くて、そしてもっと悪魔がいる所だと思っていたのですが、こんなに平和で豊かな世界だとは思いませんでしたよ。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

正直あまり書くことないですね。 まあ、ポイントアップすると言ったら、この作品は小さなお子様でも見れるって所でしょうかね・・・・ まあ、話の内容完璧には理解されないと私は思うので、お勧めしませんが・・・・ 

オープニング

「天使のCLOVER」
天使のクローバ~ って所が私は好きです。この曲はかなりやさしい声のボーカルが歌っています。私はかなり気に入っていますね~ かわいいですし、キャラクターの説明もかなりきっちりしていますし。けれど、少しネタバレが多かったのも事ですが。

エンディング

「真夏のフォトグラフ」
何でこんなにかわいい曲が多いいんだろう。そして何でこんなにやさしい声なんだろう・・・ 実際にあって見たいですね^^

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16

たにぐー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「これでハッピーエンド?」「ええ、もちろんです」OVA見たので追記

《OVAの感想》
これ見たら分からなかったとことか分かって見てよかったて思いました。
3話に分かれてて、お気に入りはやっぱり2話かな。
いいお話だなって思ってたら最後の最後でとんでもないオチが待ってて思わず笑ってしまったw
クスッてレベルじゃないよ、大笑いだよww
他の2話もとってもいい話?だった。
最後、「真夏のフォトグラフ」で終わって、これでホントに終わりなんだなって実感しました。
個人的には名作といってもいいなって思いました!

《本編の感想》
これを見ようと思ったのはこれのCM見て「ちゅーちゅー」が気になったからですw

「ちゅーちゅー」って言うぐらいだから相当エロいやつだなと思ってましたが、実際見てみると、泣かされました。
エロい部分がないと言ったら嘘になりますが、ほとんど気にならなかったです。
親子愛にうるうる、友情にホロリ、そして恋愛に号泣といった感じで、悲しかったんじゃなくて嬉しくて涙が出てきました。
心温まるいい物語でした。

音楽もすばらしく、BGMが特によかったです。
OP、EDもこのアニメにとてもあっていた感じがしました。
EDに関しては、Beat10入り確定です!

キャラも可愛らしく、ツンデレなロッテ、子供っぽいけどたまに大人っぽい明日葉とか魅力的なキャラばかりです。
てゆうか二人の声優さんがくぎゅうとゆかりんだったので声だけで萌えますねw
でも一番好きなのはエリカ。
ロッテのことをライバル視してるけど実は面倒見のいいとても優しいお姉さん。
声も後藤巴子さんでこれまた好きな声優さんなので大好きです!

最後に、これをもし見られるときはあまり深く考えすぎては め!ですw
じゃないと面白さが半減しちゃうかも。
個人的にはとてもおもしろかったです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

85.0 5 親子で女子高生なアニメランキング5位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1846)
10392人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2018年再度見直し中

ネタバレレビューを読む

▼2018年見直してみた感想
●1話
しょっぱなから電流走る。
当時は何も疑問を持たずに見てたはずのキャラデザが、
最近の萌えデザに慣れてしまった今、見ると、

目でかすぎ!目が離れすぎ。たれ目がたれすぎ。
(鍵っ子、ごめんね)

京アニじゃなかったら作画崩壊を疑っていた。
もう、ハルヒとか見れないな…

しかし、それも最初だけで、
1話のうぐぅが登場する頃には慣れており、ほっと一安心。
    ↑こういう覚え方してるから忘れるんだろうな。
これから見る人は耐巨眼衝撃装甲を装備してから見ることを勧める。

麻枝お得意の頭の弱いキャラ(うぐぅ)を見て、
昔から芸風が変わっていない点にほんわかする。
不覚にも麻枝に萌えた。
ヒロインでは無く何故か麻枝に萌えた謎の1話だった。

●2話
日常パートと新キャラ紹介のターン。
感動に至る前に日常パートが短いと、
唐突に感じ、
長いとダレル(クラナドは3クール日常できつかった)。
確かKanonはその塩梅が丁度良かったと記憶している。

●3話
主人公が叫んでるシーンで気付く。
銀さんと同じ声優じゃん。←遅い

うぐぅと大切なもの探し。
↓聞くに堪えない愚痴
ネタバレレビューを読む

●4話
まことと不毛な争い、凄くいいな。

ゲスな大人になると水瀬家の財源が気になる。
富豪の親の遺産、夫の保険金、ゲスな想像がはかどる。

●5話
エロ本事件良かった。
ネタバレレビューを読む

●6話
ネタバレレビューを読む

●7話
ネタバレレビューを読む

●8話
ヤバス。感動の下ごしらえが始まった。
まことへの愛着を深めるための怒涛のまことラッシュが来た。
なんか結末想像して、もう感動して来たんだが。
9話まで耐えるんだ、俺。

●9話
これでもか、これでもかと感動攻撃がつづく。

ネタバレレビューを読む

●10話
ネタバレレビューを読む

●11話
舞の日常パートメイン。

ネタバレレビューを読む

●12話
天使のぬいぐるみ登場。
ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む
どうやら次は舞√のようだ。

●13話
北川爆上げ回。
ネタバレレビューを読む


●14話
舞の相方の不幸話。
ネタバレレビューを読む

●15話
バトル回。
ちょっと待て、京アニ。
戦闘の演出、構図が凄くいいじゃん。
何故に2018年の作品である
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの戦闘の方が糞なんだよ。
何故、こんなに退化した。
いや、退化というより戦闘の演出の技術を持った人が、
技術を伝承する前にいなくなってしまった、
と言われた方が納得するレベルだぞ。
原画マンを優遇して、演出家を冷遇して逃げられたのか。
この12年で何があったんだ。

ネタバレレビューを読む

●16話
栞√突入。
主人公が少しジゴロっぽい性格になった。
ライター麻枝じゃないな。

ネタバレレビューを読む

●17~24話
栞の最後の扱いが雑過ぎてワロタ。
ある意味、ヒロインの中で一番不憫だった。

うぐぅ、天使じゃなかった。
これが一番ショック。

名雪√、スタート地点に立って終わった。
かなり気になる。

▼総括
最初のまこと√は良かったが、
他は特に感動しなかった。
当時見た時は感動したので、俺の心が病んでしまったのだろう。
多分、また10年ぐらいしたら忘れる。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

ネタバレレビューを読む

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。ネタバレレビューを読む
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場したネタバレレビューを読む曲。聞き惚れてしまいました。



-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2025/03/01
♥ : 55
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
ネタバレレビューを読む

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2025/03/01
♥ : 91

81.1 6 親子で女子高生なアニメランキング6位
花咲くいろは HOME SWEET HOME(アニメ映画)

2013年3月30日
★★★★★ 4.1 (1288)
7275人が棚に入れました
美しい北陸の四季を背景に、祖母の経営する温泉旅館に住み込みで働くことになった東京生まれの女子高生の成長を描いたTVアニメ「花咲くいろは」(2011年4~9月放送)の劇場版。温泉旅館「喜翆荘(きっすいそう)」での住み込み生活にも慣れた松前緒花は、次第に変化していく自分に気づきはじめていた。そんなある日、緒花のクラスメイトでライバル旅館「福屋」のひとり娘・和倉結名が、女将修行のため喜翆荘にやってくる。自由奔放な結名に振り回されながらも、面倒をみていた緒花だったが、物置の中であるものを見つけて……。監督の安藤真裕、脚本の岡田麿里、アニメーション制作を担うP.A.WORKSほか、TVシリーズのスタッフが再結集。

声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

おはなのオハナのおはなし

テレビ版を視聴してから観ました


ネタバレレビューを読む
    ↑
(どうしようもないことなので興味のない方スルーしてね)

この作品
個人的に
とても印象に残っているのは
たまに出てくる金沢の風景です(ほんと・・・たまにですよ)

あえて
城下町金沢をイメージさせる観光名所など
いかにも"不自然な"描写を控えめにして

普通の街中や田舎の風景が多いのは
地元の人間にとって
とても興味のあるところです

でも
観ていると
いつも思うんです

なんか違う・・・
って


「湯涌温泉」(作中では湯乃鷺温泉)に
「のと鉄道」乗り入れ?
あの"3セク赤字企業"が事業拡張?(失礼^^

便利になったもんだ~^^
のと鉄道さん太っ腹~^^

っていうか
そもそも
湯涌に鉄道敷けるほどの広くて平らな地面あったかな?

多分
実際に電車を走らせるとなると
箱○登山鉄道みたいになっちゃいますね

金沢市街の建物などの位置関係もなんか変・・・

なこちゃんの妹のまなちゃんを
おはなちゃんとなこちゃんが探すシーンでは

(多分)金沢駅から
(多分)安江町の商店街を抜けて
いきなり
(多分)香林坊ってどういうこと!?

しかも
二人が来たのは
駅と反対の方向から^^
(あきらかに香林坊アトリオに向かって片町方面の"横に変な走るオブジェがあるミスド"の方向から来ている)

どー考えてもおかしい・・・
こりゃいったいどこなの?

・・・超ローカルな話題で申し訳ございません!

気になる方は
一度
金沢に遊びにきまっし~^^
実際の町並みと比べてみるのも面白いかも


さて
お話は
テレビ版での「ぼんぼり祭り」の少し前のお話だそうで

「喜翆荘」と
おはなちゃんたち仲良し女の子4人のエピソード
さらに
おはなちゃんのお母さん
「松前皐月」(まつまえさつき)さんのお話

キャッチコピーの「私、もっと輝きたいんです……!」のとおり
みんな輝いてました!
みんなぼんぼってました!
ホビロン・・・叫んでました!

そして
おはなちゃんはというと
いつものごとく
元気に走りまくってました!

いつでも
走る!走る!走る!

どこでも
走る!走る!走る!

廊下の雑巾がけで
走る!走る!走る!

さつきさんも
走る!走る!走る!

そして
ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む

そう
冒頭のネタバレレビューを読むのシーン

これ
どこかのネタバレレビューを読む
パクったんじゃね?
って思うくらいの
ネタバレレビューを読む



最後に
もう一つ
とても気になったのは
おはなちゃんのお父さんのお話です

さつきさんとお父さんの出会いから
おはなちゃんの誕生(ここで"オハナ"の秘密が明らかに・・・)
そして
お父さんが・・・

ここでもまた涙が・・・(ToT

って
あれ・・・
よく考えたら
おはなちゃんって
ネタバレレビューを読む


とにかく
いっぺん石川に遊びに来てみんけ~^^

投稿 : 2025/03/01
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「私、もっと輝きたいんです……!」

2011年に放送されたこの作品のTVアニメ版は「P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品」として制作されました。
P.A.WORKSにとって、単独製作した初の完全オリジナル作品であり、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」の第一弾に相当する作品です。

あにこれでの評価も高く、TVアニメ版は2020年11月時点で総合得点90.1点、感想・評価6058件、棚に入れた25866人という驚異的な数字を叩き出しているにも関わらず、ランキングは50位なんですよね。
トップクラスの層の厚さを物語っている証拠だと思います。

一方、この劇場版のあにこれでの評価は、総合得点79.3点、感想・評価1212件、棚に入れた6887人でランキングは399位と、TVアニメ版の1/4~1/5人しかこの作品に触れていないようです。
かくいう私もその一人でしたけれど…
ですが、この劇場版はTVアニメ版を視聴したなら見ないのは勿体ない、と思える作品でした。

私がTVアニメ版を視聴したのは2013年の5月なので、もう7年以上前になりますが、私にとって「お気に入りの棚序列51位」の作品は、今でも色褪せることなく輝いています。
その劇場版なんです…思わず視聴にも気合が入りましたよ。


祖母の経営する温泉旅館"喜翠荘"(きっすいそう)での住み込み生活にもすっかり慣れた
東京生まれの女子高生・松前緒花は、
板前見習いの鶴来民子や、仲居見習いの押水菜子らと過ごす毎日の中で、
少しずつ変わっていく自分に気が付きはじめていた。

秋も深まってきたある日、クラスメイトでライバル旅館"福屋"の一人娘である和倉結名が、
喜翠荘に女将修行にやってくる。

奔放な結名に翻弄されながらも面倒を見ていた緒花は、掃除をしていた物置の中で、あるものを見つける。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

改めて視聴して気付いたこと…
作画が緻密で綺麗だと言うのは認識していましたが、声優陣がこんなにも凄かったのは気付いていませんでした。

喜翠荘で働く女子高生3人組がコチラ↓
松前 緒花(CV:伊藤かな恵さん)
鶴来 民子(CV:小見川千明さん)
押水 菜子(CV:あきちゃん)

喜翆荘の仲居頭がコチラ↓
輪島 巴(CV:能登麻美子さん)

喜翆荘のライバル旅館である福屋の一人娘がコチラ↓
和倉 結名(CV:ハルカス)

これだけの面子が揃っているんですもん…
当時この作品にハマった自分の行動原理にも納得です。
それに「P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品」と銘打っているだけあって、作り手の気概がヒシヒシと伝わってきますから…

私が感じたこの作品のテーマは「家族の在り方」です。
例え働いている場所が一緒でも、たとえ境遇が似通っていたとしても、一つとして同じ在り方はありません。
だから、きっと正解は無いんだと思います。

夢を叶えるために目標を定め、最短コースを全力で走り抜ける…
夢は十人十色でコースの長さや起伏も人それぞれ…
だけど、時には家族のために立ち止まったり振り返る余裕は残しておきたいと思いました。

何も言われないからって、それで良い訳じゃない。
周りには言いたいことを必死で堪えている人だって居るんだ。
だから臨界点を突破して破裂しちゃう前に気付きたい、そう思えました。
それが家族なら猶更ですよね…

それとこの劇場版で明らかになるのは、緒花の名前の由来です。
緒花はハワイ語で「家族」を意味する「ohana」から取ったそうです。
この命名の方法は今まで発想にありませんでした。

命名するとき、「その子が将来どんな風になって欲しい」という子供を主体とした発想だったり親の気持ちだったり…
各家庭のしきたり、という場合も考えられると思います。
そう考えると「家族」を意味する名前って、奥が深いと思いました。

上映時間66分の作品でした。
いやぁ、しっかり満喫させて貰えましたし、しっかり涙で前が見えなくなる展開も用意されていて大満足でした。
ここ最近、TVアニメ版は視聴済ですが劇場版を視聴していないという作品が
結構あることに気付きました。
少しずつ記憶を辿りながら、昔の作品にも思いを馳せていけたらなぁ…と思っています。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さっぱりとした良作です

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。65分くらい。
 テレビシリーズはチラッと見たことがある程度で、内容はすっかり忘れていました。ストーリーもキャラの名前すらもあやふやな状態での視聴となってしまいました。
 ただ、見始めてすぐにキャラクターの名前や性格、抱えているエピソードなどが伝わってきました。ここまでしっかりとキャラクターが描かれいるのならば、テレビシリーズもきっと良作なんでしょうね。

 で、この映画版なんですけど、記憶があいまいだったせいもあって、楽しめないかもなと覚悟していました。ただ、そんな心配は無用なもので、想像以上に面白かったです。一番の見どころは生き生きとした登場人物たちですかね。モブもきちんと演技をしてましたし、作画関連に突っ込みどころは感じませんでした。

 軽くストーリーで描かれていた要素をまとめてみます。


客観視:ネタバレレビューを読む

オハナとオハナママ:ネタバレレビューを読む

対象年齢等:
 予備知識はそこそこあれば問題ないと思います。もちろん、あった方が楽しめるのは否定しませんけどね。私程度の予備知識でも楽しめましたから、コアなファン向けってわけではないと思います。
 家族ものですから、思春期以上なら視聴年齢は特に気にしなくても大丈夫です。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

78.0 7 親子で女子高生なアニメランキング7位
甘々と稲妻(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (930)
4632人が棚に入れました
ひとり娘と二人で暮らす高校教師が、ふとしたきっかけから教え子の女子高生と三人でごはんを作って食べることに。三人とも料理はまったくできないけれど、美味しいごはんはとっても大好き! あったかくって楽しいひとときが、きっとあなたを夢中にさせる!

声優・キャラクター
中村悠一、遠藤璃菜、早見沙織、戸松遥、関智一、新井里美、茅野愛衣、久我心麦、安藤紗彩、鶴翔麒
ネタバレ

カボチャはんたー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

娘がほしくなる作品ですw

つむぎちゃんの声のイメージが少し違ったけど…
かわいいから問題ない(*'ω'*)

とってもあったかくなれる作品です。
ご飯は家で誰かと食べたいですよね~

1話ネタバレレビューを読む

犬塚 公平(いぬづか こうへい)
高校教師で担当科目は数学。半年前に妻を亡くし、今は娘のつむぎと二人で暮らしている。つむぎの幸せを第一に考え掃除洗濯などの家事全般を一人でこなすお父さん。だが、もとっもと少食で料理は苦手。食生活も偏り気味。

2話ネタバレレビューを読む

犬塚 つむぎ(いぬづか つむぎ)
公平の一人娘で育ち盛りの幼稚園児。元気いっぱい食べ盛りでもあり美味し料理はもちろん大好き。のびのび素直に成長中。テレビアニメの「マジガル」に夢中で、登場キャラクターガリガリさんが大好き。

3話ネタバレレビューを読む

飯田 小鳥(いいだ ことり)
高校生で、公平が担任を務めるクラスの生徒。母親が料理研究家のため料理についての知識は豊富なのだが、自分では料理を作れない。公平・つむぎとひょんなことから出会い母親が営む小料理屋(現在は休業中)を借り、三人で料理を作ることに。

4話ネタバレレビューを読む

5話ネタバレレビューを読む

八木 祐介(やぎ ゆうすけ)
公平の高校時代からの友達。公平たちの暮らす街でカフェバーを営んでいるので、料理はお手の物。公平が都合の悪い時につむぎの面倒を見てもらうこともあり、つむぎにはとてもなつかれている。

6話ネタバレレビューを読む

小鹿 しのぶ(こじか しのぶ)
ことりの友人で同じ高校に通うが、クラスが異なるために公平の授業は受けてない。家は小料理屋と同じ商店街の青果店。兄弟もいるので小さい子の面倒みもよく、何かと気が回る。料理も上手。

7話ネタバレレビューを読む

8話ネタバレレビューを読む

9話ネタバレレビューを読む

10話ネタバレレビューを読む

11話ネタバレレビューを読む

12話ネタバレレビューを読む

こんなに見ててほっこりする作品はないですよね(/・ω・)/
もはやつむぎが幸せならそれでいい感w
いやー…娘っていいなって思う作品です。

あと、いっぱい食べる女の子はやはりかわゆい!!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

子供の笑顔に和めるごはんアニメ

半年前に妻に先立たれた高校教師、犬塚公平と、その娘つむぎ、その生徒小鳥さんが主人公のごはんアニメの様です。

公平は大切な人を失った悲しみで常に元気が無く、無気力状態。そんななので、ある生徒の顔を覚えてなかったり‥。それでもつむぎを大切に思う心だけはしっかりと守り、無理しつつも頑張っている優しい人という印象を受けました。

つむぎも5歳という幼さでありながら、公平のこしらえる※1冷凍食品主体のお弁当にも我慢して、※2おとさんを悲しませない様に一生懸命な様子です。とてもけなげです。

そこに現れたのが小鳥さん。彼女のおかげで公平とつむぎ、二人だけの食卓に明かりが灯った様でした。料理屋「恵」で振舞われたご飯だけの食事、その次(第2話)にはご飯にとん汁も加わって、ささやかながら愛情のこもった料理を、みんなおいしそうにほうばっていました。3人にとって夢の様な一時だった事でしょう。

これにて公平、つむぎ、小鳥の楽しいご飯生活が始まりました。

一つ気になったのは、公平が授業を担当するクラスの生徒の顔(小鳥の事)を覚えていなかったという点ですが、これは副担任という立場上仕様が無いのかなという気はします。でも感傷的な見方をすれば、奥様を亡くされて色々な事に目が回らなかったのでは?とも取れました。不幸中の幸いと言うべきか、小鳥さんは公平に恋している様なので、一応許せてしまった様です。むしろ恋していたからこそ、覚えられていなかった事を残念に思ったという見方の方が正しいかも知れません‥。

※1:毎日お弁当を作る事はとても大変な事なので利用しても全然構わないと思います。アニメはあくまでも理想を描くものなので‥。でもやっぱり手作りのお弁当は子供にとって嬉しいものだと思います。

※2:つむぎは公平をこう呼ぶ。

以下は各話の感想。

~3話~
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~4話~
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~5話~
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~6話~
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~7話~
ネタバレレビューを読む
~8話~
ネタバレレビューを読む
~9話~
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~10話~
ネタバレレビューを読む
~11話~
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~12話~
ネタバレレビューを読む
既にごはん仲間となった3人に、今後小鳥さんのお母さんとかも加わって、皆で仲良く食卓を囲めるアニメになれば良いなぁと期待しつつ、続けて視聴していこうと思います。


※:タイトルについて。稲妻とは稲の妻の意。この語は電光が稲を実らせると言う民間信仰に由来するそうです。古代より妻という語は男女別無く用いられ、稲妻における妻は男を指すという‥。稲を実らせる妻は公平なのかも知れません。甘々の部分は特別な意味は無い様なので何となくというニュアンスで受け止めて良いかと思われます。

作中に登場する料理の役立つ補足(まだ二つだけ)

[失敗せずに簡単に出来るベシャメル(ホワイト)ソースの作り方]
ネタバレレビューを読む
[泣かずに玉ねぎを切る方法]
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 45
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

萌えはなくとも癒しがある! OPは2016夏アニメ屈指の中毒性♪

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
料理アニメというより、料理をひとつの触媒にした、あったかホームドラマ。今までにないタイプのすごく素敵な、心あったまるアニメでした♪ なんか、子供がほしくなるな(苦笑)

タイトルだけ観たときは、「エクレア(パティシエ)アニメ?」と思いましたが、全く違いましたね(笑)
私は料理(主に独り呑み用のつまみw)が趣味なんで、料理が出るアニメは好きです♪ OPは耳に残る可愛い感じで、脳内再生率は2016夏アニメ一番ですね♪

[2016夏 個人内ランキング 5位]

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
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【料理の蛇足だらけの各話感想w】
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【蛇足2 相田みつを】
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【超蛇足3 原作者の名前ってw】
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 59

70.4 8 親子で女子高生なアニメランキング8位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (639)
4230人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
ネタバレレビューを読む
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

ネタバレレビューを読む
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
ネタバレレビューを読む

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
ネタバレレビューを読む

■女よ、GOMEN
ネタバレレビューを読む



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

85.4 9 親子で女子高生なアニメランキング9位
ゆるキャン△ SEASON2(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (639)
2517人が棚に入れました
これも、ある冬の日の物語。山梨の女子高校生である志摩リンは、愛車の原付に乗って一路浜名湖を目指していた。大晦日に始めた、久しぶりのソロキャンプ。山梨を出発して静岡県は磐田へ。年越しを磐田で迎えて、今日はその三日目。かなり距離の長い運転だが、なんだか楽しい。そんな折、立ち寄った海辺でふと思うリン。「やっぱり、一人のキャンプも好きだ私」一方、そんなリンの思いを知ったなでしこにも、新しい気持ちが芽生えていた。みんなとのキャンプは大好き。ご飯を作って、喜んでもらうのも、嬉しい。だけれど。「私もリンちゃんみたいに、ソロキャンプやってみたいな」なでしことリン、二人の出逢いから始まったアウトドア系ガールズストーリーの第二幕がいま、上がる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、東山奈央、原紗友里、豊崎愛生、高橋李依、黒沢ともよ、大塚明夫
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

それはまるで、同じキャンプ場で別々のテントに寝るような、適度な距離感と空気感。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
近年でもトップレベルの人気作となった1期の良さはそのままに。作画や音楽などは確実にレベルアップした2期。

1期の方が評価は高いのでしょうが、個人的には、2期も同じくらい好きです。

まあとにかく、好きです(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
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【余談 ~ゆるキャン飯、作ってみた♪~】
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【各話感想(自分用メモ)】
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 36

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰も到達しえなかった、新しいゆるふわ系

最初にナマコを食ったやつはエラい、とよく言いますが、
お芝居においても『最初にこのキャラを演ったヤツはエラい』
というのが言えると思います。

代表的なのは、エヴァで綾波レイを演じた林原めぐみさん。

それまで、ああいうキャラ・芝居は存在すらしていませんでした。
だから誰も、先輩どころか監督でさえ、
綾波レイをどう演じたらいいのか答えをもっていなかったわけです。

庵野監督から「レイは感情がないんじゃない、感情を『知らない』んだ」
というディレクションを受けて役を作ったというのは有名な話ですが、
もちろんそれだけであの芝居が完成するわけもなく、
ものっすごい努力と試行錯誤を経て、
あの声の出し方や演じ方を『創造』したわけであります。

いまや「もうちょい綾波っぽく演ってみようか」で通じるほど、
一つのテンプレとした完成した感のある綾波調ですが、
最初に演った林原さんは、まさに『創造主』でありました。

なんでこんな話を書いているかというと、
『ゆるキャン△』の作品的な成功は、
東山奈央さんを筆頭とした、役者さんの努力の賜物だと思うからです。

もちろん、画も脚本も音楽もよくできています。

また、キャンプに馴染みのない人に向けた豆知識も豊富で、
何も知らない方が見ても作品に溶け込めるよう、
すごく丁寧で繊細なものづくりが至る所でなされています。

ですが、それでも、
このキャスティングじゃなかったら、
よくある『萌え系日常アニメ』の枠に収まってしまい、
これほど多くの方が『癒し』を感じる作品にならなかったんじゃないか、
というふうに僕は考えています。

それぐらい、東山さんの演じた役、志摩リンは難しかった。

そもそも志摩リンは、
人間嫌いでも引っ込み思案でも気弱でもありません。
それどころか、バイトでキャンプ費用を稼ぎ、
一人で原付に乗ってソロキャンに出かけて行くような、
アクティヴな要素すら持っています。

そして台詞も「刀のサビにしてやるぜ」という芝居がかったものから、
「スーパ-の実演販売か」というツッコミ、
さらに「こんちくしょ~っ」「おい、マジか」という男子言葉まで、
脚本の文字だけならかなりの元気っ子になっています。

おまけに、一番カラミの多いなでしこは、体力食欲もりもりで、
こちらは正真正銘の元気っ子。
しかも、なでしこ役の花守さんも基礎声質は東山さんと同じソプラノ。

これで作品を『癒し』『ゆるふわ』に仕上げるというのは、
ちょっと考えると無理ゲーです。
一つ間違えたらきゃぴきゃぴワイワイの萌えアニメになりかねません。

だけど、東山さんは『やり遂げた』。

東山さんの演った志摩リンは、
これまでのボソボソ系とは全く違う系統のお芝居です。
気持ちも行動もしっかり前を向いているのに、まったりゆるい癒し系。
おそらく、これから一つのテンプレになるであろう、
素晴らしい役作りだったと思います。ぱちぱちぱち。

そして、犬子こと犬山あおい役の豊崎愛生さん、
斉藤恵那役の高橋李依さんも、素晴らしい役作りをされていました。

まず、豊崎さんの関西弁が秀逸です。
犬子の関西弁は言葉が大阪でイントネーションが京都の山手という、
リアルではまず耳にすることのない方言です。

豊崎さんは四国生まれ、大阪芸大短期学部の出身で、
ネイティヴレベルの大阪弁が使えます。
だけどこの作品でネイティヴの大阪発音は『きつすぎる』。
そこで、大阪まるだしの脚本を自分なりに読み替え、
ゆる~くカドのない発音に変換しているんです。

だから、ちゃきちゃき喋る千秋とも相性がいい。
さらに、やや早口のなでしこ・千秋とスローに絡んでいくことによって、
作品全体のゆるさを崩さないバランサ―にもなっています。

豊崎さんは緻密で誠実な役作りをする方なのですが、
『けいおん』で大ブレイクしてしまい、
一時期、お芝居が雑になったことがありました。

年間でアニメ15本、ゲ-ム15本、ラジオに顔出しテレビ、
キャラソンにドラマCD、おまけに個人とスフィアの音楽・ライブ活動と、
ひと昔前のアイドルみたく過剰なスケジュール。

そんな状況でデビューして三年程度の若手が
一つ一つの役をしっかりと作り込めるわけもなく、
正直、その頃の出演作品の中には
「豊崎さんじゃない方がよかった」と感じられるものが、
少なからずあります。

だけど、その山が過ぎ、さらにご結婚されてからは、
しっかりと腰を据えた役作りが戻ってきたように思います。
犬子は、その代表的な好事例ではないかと。

高橋李依さんも、文句なしに素晴らしい。

高橋さんはもともとかなり器用な役者さんで、
『高木さん』や『かくしごと』みたく癒しボイスも得意なのですが、
この作品では共演者に同じソプラノが多いことを意識してか、
口調だけでなく、発声にもひと工夫したボイスを披露しています。

それを技術的に、かつ簡単に言うと『息を多めにはく』。

お色気のあるおねいさんの声を出すには、
背筋をやや曲げて息を多めに吐く、
というのが役者さんでは常識のテクニックです。

高橋さんは、その応用として吐く息の量を調整し、
お色気に代わる一歩手前にとどめ、
接地感の薄い、ゆるふわの癒しボイスで役を作り込んでいます。
だから、基礎声質はリゼロのエミリアと同じなのに、
耳に届いた時の印象がまるで違うものになっているんです。

これは、上田麗奈さんも得意にしているテクニックです。
ただ、上田さんはお色気をけっこう出すのに対し、
高橋さんは作品に合わせてそれをギリギリのところで封印しています。

いずれにしても、高橋さんがこのボイスを使っているので、
五人が会話していても聞き分けがスムーズになり、
かつ、全体にゆるふわの空気を纏わせるのに成功しています。



この作品を好きな方の多くは、
ただ女の子がきゃぴきゃぴとキャンプをしている様が好きなのではなく、
全体に流れる、ゆるく、まったりした空気が、
ともすれば刺々しくなりがちな心を癒してくれるから好きなのではないか、
というように愚考しております。

少なくとも僕は、その空気が大好きです。
そしてその空気は、
引き出しの少ない若手役者では創り得なかったものだと思います。

素晴らしい役者さんたちに、
最大限の賛辞とリスペクトを捧げさせていただきたく。


追記:
花守ゆみりさんの『食べる』お芝居、
そうとう練習したんだろうと思います。
あれ、めちゃくちゃ難しいですよ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 33
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

よい旅 よい友 よい家族

【物語 4.5点】
京極 義昭監督&シリーズ構成・田中 仁氏ら再集結したスタッフ陣。
続編アニメ化への手掛かりを家族に見出す。

ソロ活動の尊重→全員集合の流れで友情の深化という1期の繰り返し。

2期では、そこに、旧友や、家族の視点が挿入されメインキャラの解像度がアップ。


旅先の絶景にも心を奪われるが、家族を思いやる風景にも胸を打たれる。
ネタバレレビューを読む

旅に、心の浄化だの、自分探しだの、過度な依存をしない。
良い旅をする人間は、普段の日常も清らかである。
予定は柔軟でも構わないが、延々とあてのない旅より、帰る場所がキチンと温まっている旅。
旅が終わる寂しさと、帰って来た安心感の絶妙なブレンド。
いってらっしゃいも、ただいま&おかえりも心に染みる見事な構成。

それらを、間を重視した脚本により、視聴者がマイペースで受け取れる空気感も熟成。
9話のネタバレレビューを読む
固い絆で結ばれた心情を表現するのに、もはや言葉は要らないのか。


【作画 4.0点】
背景美術は相変わらず富士が貫禄を見せるが、
終盤の伊豆キャンでは、富士に頼らず、多彩なジオスポットで地域の魅力を再発掘。
伊豆キャンのラストでネタバレレビューを読む

“飯テロ”も引き続き快調♪
ネタバレレビューを読む

その飯テロにほっぺたを落される、なでしこ他、
人物作画も顔芸含めて、ユルく安定。
と言うより、私も、ネタバレレビューを読む


【キャラ 4.5点】
鳥羽先生の日産・ラフェスタに併走する、しまりんのヤマハ・ビーノが象徴する、
単独行動も是認する縛りのユル~い人物相関図。


鳥羽先生は相変わらず酒に呑まれていますがw
ネタバレレビューを読む
大人の責任も見せ、緩みかけた視聴者に
冬キャンプの厳しさも注意喚起してくれました。
ま、その後、結局、飯田さんと飲んでましたがw

その飯田さんには終盤でも再会し、お世話に。
旅の出会いが繋ぐ人情の温かさ。


“イヌ子”こと犬山あおいのホラ吹きもアヒィィィー♪と舌好調w
“イヌイヌイヌ子さん”がしばしばCパートを侵略w
流石にネタバレレビューを読むじゃ、なでしこすら騙せませんw
後半では、あかりとの姉妹コンビも頻出し、関西弁とホラ吹き顔が共鳴w


【声優 4.0点】
大塚 明夫さんのナレーションが『ゆるキャン△』の帰還を告げた2期。
兼任する、しまりんの祖父役でも、引き続き寡黙で渋い好演で魅せ、
理想的な年の重ね方の一例を示す。

土岐綾乃役の黒沢 ともよさん。
お馴染みの気だるげなボイスに、やや大人びた、ゆるいギャル成分を付加して、
浜松から身延に引っ越して来る前の、なでしこの過去を暴露。

また本作に限ったことでもありませんが、
コロナ禍で、一度にスタジオに入る人数が制限される中でも、
野クルの掛け合い等を違和感なく成立させる声優さんは流石です。


【音楽 4.0点】
劇伴は立山 秋航氏の続投。

フィルムスコアリング(場面に合わせて作曲)の方がやり易いと
1期の使い回しより、サントラ2枚組分量産した新曲を中心とした攻めの姿勢。
伊豆キャン用にはアンデスの民族音楽・フォルクローレを取り入れる等、開拓精神も旺盛。
「次のキャンプはどうしよっか?」や、
フォルクローレを構成する縦笛・ケーナの音色が味わい深い「歴史ある半島」
辺りは、今後も旅番組等で多用されそうな逸材。

登場人物に焦点を当てた楽曲も増加傾向。
私のお気に入りはネタバレレビューを読む


OPは亜咲花さんが「Seize The Day」で通算4作目のシリーズ楽曲提供。
昨年『へやキャン△』放送後の声帯ポリープ除去手術の影響を感じさせない。
むしろ、より軽快なボーカルで夢が広がる♪


EDも佐々木恵梨さんが「はるのとなり」で透明度の高いボーカルにより
1期からの癒やしの流れを継続。
“お家に帰ろう”“「ただいま」ゆっくりおやすみ”などの優秀な帰宅ソングが、
春も近付く終盤になるにつれ効いて来る。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 48

73.2 10 親子で女子高生なアニメランキング10位
はねバド!(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (510)
2015人が棚に入れました
運動神経抜群だが、なぜかバドミントンを避ける1年生「羽咲綾乃」。
日本一を目指し、日夜練習に明け暮れる3年生の「荒垣なぎさ」。

部を支える仲間やコーチ、そして個性溢れるライバルたち。

インターハイを目指す、県立北小町高校バドミントン部の軌跡を描いた、マンガ「はねバド!」(濱田浩輔/講談社『good!アフタヌーン』連載)が待望のアニメ化!!

超高速で舞う羽根(シャトル)に想いを乗せて、青春バドミントンストーリー開幕!!

声優・キャラクター
大和田仁美、島袋美由利、三村ゆうな、小原好美、伊瀬茉莉也、茅野愛衣、下田麻美、櫻庭有紗、岡本信彦、小松未可子、大原さやか
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

有千夏は白帯の過客にして、行かふ人はまだ常人だね 

2018.10.14記


原作未読。というか原作に興味湧いてきた。


とりあえず部活ものはほぼ無条件で観る方針。
高校バドミントンを描いた物語。W主人公となりますが、二人とも競技に向かい合えていないというなかなか興味を惹く設定からスタートします。

荒垣なぎさ:公式大会でラブゲームかまされフルボッコ敗退。練習で支えられてた自身の存在意義を砕かれ自分を見失い、周りも見えなくなって部員にきつくあたってしまう。盲目的に練習を重ねて袋小路に迷い込んだこじらせ女子。
羽咲綾乃:バド起因で母親が離れていったトラウマがある。フルボッコ勝利の後、遠い異国で活躍する母の記事を見つけ闇落ちする。それでバドやる目的すら見失いいったんやめてしまう。依存体質バリバリの愛に飢えたこじらせ女子。

この二人が実はラブゲームフルボッコの勝者と敗者の関係で、かつ同じ高校というW主人公としては珍しい形式をとってます。
“向かい合えてない”加減では比較的浅めのなぎさがネタバレレビューを読む早い段階で解決した体となり(早っ)、残る綾乃がどんな感じでバドに向き合えるようになってくかをじっくり描いていく方針のようです。

「たかがスポーツですよね?」

第一話、新コーチ立花に世界を目指せると焚き付けられたのにこう答え、さらに部活でのバトミントンなど意味ないと被せてく綾乃さん。煽りスキルの高さははじめから片鱗が見えます。
なお部活ものといいつつ先輩後輩の関係は緩めです。コーチへの学生たちの態度もひっくるめて仲間意識というか横の繋がりといった感じ。その分、縦の繋がりを綾乃と母(有千夏)との関係性に求め際立たせようと仕掛けてきます。

土台のスポ根を支える要素も揃ってました。
・親子鷹の亜種(ある意味二人三脚。有千夏の行動原理は綾乃の上達のためにとなってる。)
・努力型と天才型との対比
・自校に有能な指導者がいる
・ライバルの存在(薫子くらいだったけど)
ネタバレレビューを読む


ある程度王道の作りも出来つつ、闇を抱えた主人公(もう早々に羽咲綾乃指定)の描き方でどう差別化を図れるか、というのが注目点でした。
で、結果はご覧の通り。

全話完結する前から「メンヘラぶりについてけね~」「有千夏、子供置いてくなんてありえんだろ」とのご意見多数。作品の特徴でもあり幹の部分に関するツッコミが寄せられる結果となりました。
そもそも受けつけない“生理的に無理”というのと、どうせやるならしっかり説明してくれよとの“物語きちんと描け”みたいなところはありましたね。

切れのいい映像とセットでのOP曲が良い。心情描写含めての試合作画はほんとに良い。シャトルの回転、ラケットのしなり、豊富なアングル、スローとハイスピードの緩急、目を奪われます。
せっかく試合描写いいのにもったいないな~といったところでしょう。

ちょっと切り口変わったスポ根ものと捉えて良いと思います。少なくとも視聴後の王道感がないのがウリということかもしれません。





かくいう私、綾乃のメンヘラぶり嫌いじゃないんです。この作品がというよりイカれた人物観察が嫌いじゃない。ちょっとこのままだと病んだ母娘がかわいそう。
そんな観点で少し擁護にまわりたいと思います。※擁護なんて聞きたかねーという方もいると思うので畳んどきますね。

まずは本作のMVP藤沢エレナを称えます。理由は2点、
1.綾乃をバド部に連れてって入部させた
 ⇒物語が始まりませんから
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2.有千夏に一言申し上げた
 ⇒まさに視聴者が思ってたことを代弁してくれたので
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バドミントンの競技だけを取り上げれば、きれいな最終回でした。
普通のスポ根なら競技者の成長物語ということでそれでいいのですが、本作ならではの闇への落とし前のつけ方がイマイチでした。


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長年その国のトップクラスの成績を収めたアスリートには共感度マックスかもしれません。
もし2期があるなら母娘関係について有千夏に落とし前をつけてもらわないと収まらないです。

OP映像ラストの綾乃の笑顔が見たいですね



■オマケ
同時期放送のはるかなレシーブのレビューでも触れたが、荒垣なぎさ役の島袋美由利さんの役の使い分け。
内向的なのに激情タイプの気配有り、という似たような役にもかかわらず演じ分けがはっきりわかるという好演でした。聞けば夏クールでは4作品でメイン級をはったとのこと。今後期待したい声優さんです。



-----
2019.03.17追記
《配点を修正》


其の1 原作面白かったよ
其の2 島袋さん順調に活躍の場を広げ、2019年春「キャロル&チューズディ」も良さげです。
其の3 一周まわって綾乃はいいな

投稿 : 2025/03/01
♥ : 60
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人生を知る前にバドミントンで壊れてしまった少女の再生と青春

原作コミックは13巻まで購読中。

以下、放送前の勇み足長文。

長いので折りたたみw

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【四話までの感想】多くの努力と想いを積み重ねて少女たちは一歩ずつ前へ……。

これも長いので折りたたみw
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観終わって

強さとは馴れ合いではない。孤高の道を歩ませても、この娘を天才にする。

仲間とのふれあいで得られる人生の意義もきっとある。
部活動で青春するからこそ得られる強さもある。

スポ根でよくある二項対立が展開される原作。
こうしたテーマを展開する際、通常、孤高の天才VS友情に育まれたヒーロー。
などと一つの論理ごとに、各個のキャラクターとして確立し対決させることで、
テーマを追求していくところ。
『はねバド!』が風変わりなのは、孤高か仲間かといった対立軸を、
主人公少女一人の人格に押し込んでいる点。

そのため主人公の言動として表面化する心情は、分裂含みで、
はたから見れば、エキセントリックな奇行にすら映ります。


彼女と対峙するライバルキャラも、よくある王道を体現する主人公に、
論理ごと撃破されるだけのタイプではなく、
アレコレと邪道へ墜ちそうになったりする主人公に、
平衡を保つためのキッカケを与える存在としてもぶつけられる存在。

羽咲綾乃は主人公でもあり、ある意味ラスボスでもあり、
ヒロインでもあり、ヒールでもある。
よって主人公に共感できないという感性は、この場合は正しいと思われます。


あとは、この変則的なヒロイン像を受け入れられるか否かだと思います。
私はそこにも面白さを見出して原作も追い掛けているのでOKですが、
主人公に感情移入してスポ根王道を驀進したい人にとっては
厳しい作品なのかもしれません。


しかも、本作はこの変化球な原作を、さらに1クールにギュッと押し込んでいます。
登場人物の言動に納得できない……という意見も有り得る感想だと思います。

私は原作初期の頃には、ハッキリと見出せてなかった
テーマや各キャラの役割などを整理した上で、
アニメ化した点には堅実さを感じました。

加えて、綾乃と母、コニーの関係性については、
原作の構想を先取りしている感もあって興味深かったです。
原作での答え合わせ、楽しみにしています。


ですが、そんな原作組の私ですら、主人公の豹変ぶりには狼狽えましたw
ネタバレレビューを読む
闇落ちも1クールに凝縮され、下り最速で暗黒面に落ちて行く。
これも原作未読組を中心に多数の視聴者が置き去りにされたのでは?と心配になります。

やっと日常回になって、萌えの一つでも見せてくれるのかと思いきや、
ネタバレレビューを読む
ほえほえ~とか鳴き出すしw

ダメだ……私には、あやのん攻略の糸口が全く見出せませんw


仮に2クールならば、キャラの心情理解が深まり納得性は増したのでしょうか?

ただ、テーマについては、アニメ版ラストでは一応、
ネタバレレビューを読む

孤高か?仲間か?本当の天才とは?
については原作でも未だ葛藤が続いているので、
現状で2クールにしてもテーマ解決については視聴者に委ねる形になったとは思います。


色々とモヤモヤも吐き出してしまいましたが、
マイナーなバドミントン競技の躍動感をアニメーションで存分に表現してくれた。
この点については感謝しています。
汗についても、床を拭くインターバルに説得力を持たせるレベルで、
競技のタフさを表現できていて凄かったし、何かエロかったですw

大会の描写についても、例えば優勝候補が弱小選手にスタミナ温存をする……。
ことはスポーツ大会ではよくある戦略ですが、
それを露骨に言っちゃって実行して来る辺りが胃に来ましたw


ゲスいが褒め言葉になる?バドミントンの魅力の一端?を良く描けていたと思いますが……。
やっぱり、私は申し訳ありませんが、バドミントンは汗だくでしんどそうだし、性格悪そうだし、
やるのは遠慮して、見てるだけでいいかな?
と改めて慎重になったw変化球スポ根アニメ鑑賞でした。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 46
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

最終回でゲシュタルト崩壊・・・

作品概要
●原作:good!アフタヌーン(講談社)連載漫画

●原作者:濱田浩輔

●アニメーション制作
ライデンフィルム
ネタバレレビューを読む
監督と構成がモンストコンビだったんだな。

エピローグ

原作一部既読

本作は高校バトミントンの部活モノ。
『巨人の星』で確立された古典的王道、(やさぐれた)天才の勝利か?(爽やかな)努力の勝利か?というメッセージもある。
スポ根モノのベンチマークを決定づけたのは『巨人の星』であるが、その後の作品で『巨人の星』の呪縛を解き放った作品が未だにないところを見ると、この亡霊はいつ成仏するものだか…

通常は共感を得やすい努力側を主人公とし、天才との競争で育まれる成長を物語として組み立てるが、本作は逆に天才、そしてスポーツの爽やかとほど遠く性格が悪くやさぐれた主人公を設定し、成長物語とは一線を画したところと、掲載誌も大人をターゲットとしており、読者層の年齢層も比較的高く、他のスポ根作品では食傷気味であったテンプレ展開を打ち破った斬新さが、固定ファンを掴んだと言えよう。

反面、共感し難い主人公と王道ではない展開に多くの異論があるのも事実である。
ネタバレレビューを読む
このように、本作は原作とは些か異なる展開だが、原作自体ぶれており、最近やっと方向性を見出した作品である。
原作支持派からは、ネタバレレビューを読む様々な改変にブーイングも出ているが、原作準拠ではアニメ化は難しかっただろうし、原作者もアニメ版の改変に納得しているようである。

本作は相当癖の強い作品であり、視聴はその点を踏まえ構えて観るのがいいかもしれない。

さて、次回最終回、江崎、岸本コンビがどんな展開を見せてくれるか期待しよう。

以後は最終回終了後に記述する。

作画(最終回で大崩壊でもない限りそのまま)、音楽、キャラ、声優は現時点で点数評価をしています。
物語は最終回終了後の評価とします。

追記
【最終回と総評】
原作もブレていたが、アニメもブレた・・
結局、最終回のまとめ方でそう思った。
ネタバレレビューを読む
原作の改変は尺や演出の都合で妥協せざるを得ない点もある反面、それが往々にして裏目に出て死屍累累となっている現実も直視すべきだ。
残念ながら、本作もその仲間入りとなった。

余談
ネタバレレビューを読む1週遅れでしっかりと取り返してくれた撮影スタッフの努力と頑張りに、本作ファンの一人として、この場を借りて感謝を致します。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 33

65.5 11 親子で女子高生なアニメランキング11位
未来のミライ(アニメ映画)

2018年7月20日
★★★★☆ 3.2 (230)
873人が棚に入れました
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんが出会ったのは、未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。それは、誰も観たことのない、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―

声優・キャラクター
上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ちょっとした奇跡がつながってつながって、今の私達がいる。

『バケモノの子』に続く、
細田守監督の長編作品。

細田監督の作品の中では、
『時をかける少女』が一番好きです。

8月ごろに劇場で見てきました。
(レビューは書いていたのに、投稿が遅くなりました^^;)

大きくない会場でしたが、満員でした。

少し遅めの時間帯だったからかもしれませんが、
大人しかいませんでした。(年齢層はバラバラ。)

もっと子どもが多いかと予想していましたけれど。
でも内容は確かに子ども向けではないかな。笑

100分ほどの作品です。


● ストーリー
4歳のくんちゃん(♂)に妹ができた。

妹・未来(みらい)の世話に追われる両親に対し、
くんちゃんは寂しさを感じる。

むしゃくしゃする気持ちから、
わがままを言ったり、未来に意地悪をしたり。

そんな気持ちで中庭を通ると、
不思議な世界と不思議な人たちに出会った。


細田監督の作品には
現実世界に溶け込んだファンタジー設定が多い気がします。

今回もそうですね。

くんちゃんは中庭を通して、
家族の未来や過去に触れます。

そんなこと、
現実世界ではありえないファンタジーですが、

出会った人たちから教わったことを自分の行動に活かしていく様子は、
ただの4歳児にも見えます。成長だねえ。

ただ、これまでの作品で感じた
“どうなるかわからないドキドキ”という点からは
遠かったように思います。

むしろ、刺激を期待せず、
日常系作品だと捉えたほうがいいぐらいですw

育児に奔走する両親と、
両親の愛が欲しいくんちゃんの、

ちょっと慌ただしいけれど、
振り返ってみると、幸せと奇跡が詰まった日常。

そんな中に、少しのファンタジーを織り交ぜて…
という物語でした。


≪ 脚本ではなく、絵で魅せようとしていた? ≫

だけどごめんなさい、
私には物足りませんでした。

それはドキドキな冒険を期待していたから、
というのもあると思うのですが…。

くんちゃんは不思議な体験を、
日を置いて何度も体験するので、
短編集のようにも受け取れる作品です。

ひな人形のエピソードは、
嫌いではないのですが、
やたらと時間がかけられていたような。

飽きてきたなーと思い始めたところに、
ネタバレレビューを読む

それほど重要でも見せ場となるシーンでもないのに、

「私達は大きなスクリーンで何を見せられているの?」と
なんだかあきれてしまいました^^;


しかし、作画はきれいだったしこだわりも感じられたし、
全体的に力が入れられているのが、よく伝わってきました。

キャラの表情も豊かというか、顔芸というかw

今回の作品では、脚本よりも、
こうした絵で魅せようとしていたのかな?

描きたかったシーンやキャラの表情を、
楽しんで描く。

それがこの作品の源なのだとして、
こちらもそれをわかった上での鑑賞であれば、
もうちょっと楽しめたかも。笑


● キャラクター
甘えん坊の4歳児、くんちゃん。
いやーこの年頃の男の子はかわいいですね(*´Д`)ハァハァ

だけど、わがまま全開、駄々っ子全開。笑

愛するには、
難しいキャラですw

お母さんもお父さんもたくさん出番がありますが、
よくある両親キャラだし…。

未来ちゃんはかわいかったですが、
かわいいというだけで、特別なインパクトもないし…。

キャラで評価できるのは、
ひいじいちゃんぐらいかしら?

馬もバイクも乗りこなすひいじいちゃん、かっこよかったわー!
彼の起こした奇跡も素敵♪

cv.福山雅治なのは、気付きませんでした。
エンドロールで驚いたw


● 音楽
【 OP「ミライのテーマ」/ 山下達郎 】
【 主題歌「うたのきしゃ」/ 山下達郎 】

どちらも、なんだか懐かしさを感じるメロディ。

穏やかな2曲で、
この作品にも合っていたと思います♪

私は主題歌の方が好みかな^^


● まとめ
つまらなさや怒りを感じるほどではないですが、
全体的に平和なストーリーでした。

少なくとも、
「よし、観るぞ!」と意気込んで見るタイプの作品ではありません。

この作品を観終わった頃には、
子どもの成長を大らかに受け止められる気がする…そんな作品でした^^

投稿 : 2025/03/01
♥ : 27

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

不愉快です。クズ夫婦にイライラします。ネグレクトは虐待です。

 マイナス100点。最悪の映画です。

 子育てに大事なのは願いではありません。子供は勝手に育ちます。親の願いで育つことはありません。親ができることは危機回避と背中を見せることだけです。親が子供に願いだすと、それが暗黙でも言葉や表情、行動に現れます。絶対にやってはいけません。元気で健康に育ちますようにですら、病気が見つかったら、障碍者になったら失敗になります。子供のすべてを受け入れなければいけません。
 それで子供が逃げ出したり歪んだりする小説やアニメなんて沢山見てきたでしょう。このアニメは何を考えているのでしょうか。

 子育てに大事なのはスキンシップです。クリエーターで子育てものを作るなら心理学くらい確認しろ、と言いたいです。4歳くらいの男児ならネグレクト(放置)も虐待です。ましてあそこまできつく当たるのって何なんでしょう。陰でいくら愛してるといっても、子供に伝わらなければ意味がありません。何よりスキンシップ、特に母親との肌のふれあいが無い子供は不安定になります。

 母としてなぜあそこまで子供に冷淡になれたのでしょう。嫉妬で新生児に電車を振り上げても自制できる子供が、あそこまで傷ついているのです。我が子を追い込んだ自分を省みることができない、ということは仕事のレベルも推して知るべしです。しかも外に飛び出した子を追いかけもしないで。

 平等に愛情を注ぐように気を付けていてもどうしても妹に手がかかってしまう、という感じが全くありません。完全邪魔者扱いです。何かに気がついたり心配するそぶりも見せません。1場面くらい反省らしきことを言っていますが事の重大さも認識していないし、真剣に悩んでいる風にも見えません。
 入れ替わりで産休に入る人がいたって、子供が大切ならそんなのは会社の責任で何とかすればいいし、在宅だってできるでしょう。自分が全部正解みたいなツラで仕切るな、と言いたいです。

 今の時代ですから、仕事に出るなとはいいません。いや、推奨すべきなのでしょう。が、仕事をやっている奴がそんなに偉いのか?夫の批判をしているけど、お互い様という考え方はできないのか?と思います。
 本当に子育てに優先することが、仕事にはあるんでしょうか。食わなければいけないのはわかりますが、折り合いがつけられないのでしょうか。
 
 夫は夫で、自転車で補助輪を外して頑張っている我が子を放っておいて、あれはないでしょう。母親もフォローもしないし。犬に対しても同じだったということは、そういう性格なのでしょう。生活を考えない使い辛い家を作ったり。

 これって、庭の木が見るに見かねて助けてくれたってことでしょう。父親らしさも母親らしさも皆無です。若夫婦の奮闘記にしても、レベルが低すぎます。そもそも若くなさそうだし。35歳、精神年齢10歳にしか見えません。設定は良く知りませんが。

 まったく感動も感情移入もできませんでした。というか不愉快でした。



22年8月 評価見直し中。極端な評価や感情的な部分を補正。初回見たときの印象と改めて旧作と比較したときの点数の補正など。

 冷静に考えるとあのバイクの爺さんだけはキャラが良かったのでキャラとストーリーにちょっとずつ点数入れます…が、やっぱり良い感情がもてない映画なことに変わりありません。

 なぜかと言えば、夫婦が変わらないで、子供が木の力を借りて自分自身の旅で救済を得たからです。夫婦側でも旅があり何かを悟って間違いに気が付くならいいんですけど。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

くんちゃん、すきくないの

主人公は4歳の男の子「くんちゃん」。
くん付けで呼ぶと"くんくん"になってしまう危うい名前をつけられた彼の元に、ある日、妹「ミライちゃん」が現れる。
新しく家に来た赤ちゃんに両親はかかりきになってしまい、嫉妬感でイライラが募ってしまったくんちゃんは、妹に癇癪を起こしてしまいこっぴどく叱られる。
誰にも相手してもらえず、わかってもらえない状況に疎外感を感じたくんちゃんは、一人庭に出たところ、自分を飼い犬の「ゆっこ」だと名乗る男が現れる。

幼稚園生の男の子からの目線である一般家庭の情景描写をしながら、新しい家族のあり方と子供の世界の広がりを描いたアニメーション作品。
幼き日の妄想のような異世界が登場し、そこで犬のゆっこや、成長したミライちゃんを名乗る女性と冒険をするストーリーとなっています。
監督は『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』でおなじみの細田守氏で、カンヌ国際映画祭での受賞作品ですね。

ただ、内容は海外においても賛否があります。
子供の目線で家族のあり方を描写し、不思議な冒険に、と書くとシンプルに映るのですが、その実は結構な意欲作となっています。
構成は複雑で、結局言いたかったことは何かがファジーで分かりづらく、かなり哲学的な内容と言わざるを得ないです。
ストーリーが進むとくんちゃんは、両親の子供の頃や自分のルーツ、曽祖父の決意を目の当たりにして子供ながらに"お兄ちゃん"としての自覚を持ってきます。
ただ、過去の辛い時代を知って今は恵まれていると知るというシンプルな話ではなく、やはり最終的には、私にはよくわからない話でした。
興行収入は奮ったものの、世間の評価も今ひとつのようです。

また、その年令の男の子という設定なのでかくあるべきという話ではあるのですが、とにかく、くんちゃんがわがままです。
それは狙いだったのかもしれないのですが、主人公に魅力がなく、多分、多くの人は見ていてイラつくと思います。
一方で、赤ん坊のはずのミライちゃんは、なぜか超絶大人しく、こっちはとてもファンタジーを感じました。
赤ん坊なんて在宅で仕事しているお父さん一人でなんとかなる存在じゃないだろうに、なぜか泣くシーンが殆ど無いです。
ミライちゃん以上にくんちゃんがわがままを言い、仕事中の父の邪魔をして、癇癪を起こして部屋を散らかすので、終始、くんちゃんへのフラストが溜まる作品だったと思います。
反面教材として親が子供に見せるといいのかもしれないですが、やっぱり子供が見てもドン引きするんじゃないかなあと思います。

ラストも結局どうなったのかよくわからない終わり方でした。
一方で、過去作と比較して良かった点として、やっぱり声優で芸能人を起因しているのですが、今回はそれほど違和感を感じなかったですね。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
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