親子で仲間なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の親子で仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月21日の時点で一番の親子で仲間なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.9 1 親子で仲間なアニメランキング1位
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(アニメ映画)

2020年10月16日
★★★★★ 4.1 (577)
2470人が棚に入れました
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

◯西先生「まるで成長していない…」。◯◯◯の目にも涙には爆笑。

 いやあ〜笑わせてもらいました、泣かせ演出がクドいなぁ〜と思ってたらまさかのダメ押しにおもわず吹き出しました!。まぁ、笑わせよう?としてるシーンはテレビの頃と変わらずビタ一笑えませんでしたが…。


 今回はシンプルに本作のレビューになります。そして、時間が経ったら外的要因以外の本作のヒットの要因分析をしたいと思います。まぁ、そちらは当て推量もいいとこですので話半分に読んで頂ければ幸いです。


 結論から申し上げると「上手くない」の一言に尽きると思います。別に高度で複雑なことをやれ!とは言いません。単純にエンタメとして、物語という名のジェットスターに乗せて上や下への大興奮をさせるが下手。


 バトルの作画は確かにスピードはあるし、一コマずつ止めても崩れていないんじゃないかってくらい整っています。しかし、バトルにロジックが薄いし、形勢が二転三転したり、こちらの想像の上をいくという点があまりにない。そもそも整ってる作画が良い作画なのか?。バトル作画はそうではあるまい。そこまで大好きじゃないが、同社のHfの方が凄かったような。


 技もエフェクトが凄くなったりするだけで何をしてるのかそもそも分かりづらいし、この技はこうだから相手の上をいった!とかがないので、ひたすらテンションとエフェクトとスピードだけで押している印象で、結果なんか凄いんだろうけどこちらのテンションは全然上下しませんでした…。


 バトルには、敵役が味方と同じかそれ以上に大切ってことが見落とされてるのもテレビと変わってないように思えました。下弦はサディスト、アカザはバトルマニアという類型的な印象を超えるものが何もない。


 夢を扱うキャラなんだから下弦はもっと人間に対して色んな想いや信条を持つキャラにもできたろうし、アカザもバトルマニアなら敵味方を超えた友情のような何かを煉獄さんとの間に築くキャラにもできたろうに…という感じです。例えば、「ジョジョ」のワムウとか、「ジャイアントロボ」の衝撃のアルベルトとか。


 最後もあれじゃあ…格好つかないし、スッキリしない終わり方ではないでしょうか?。前述の衝撃のアルベルトと戴宋の闘いのように、二人は因縁のライバルだが、最後の最後で煉獄さんが決着よりも炭治郎を守ることを優先して…みたいな展開ならグッときましたが…。初対面なのになんでアカザはそんなに煉獄さんに惚れ込んでるの?って感じですし。


 それ以上に本作で問題なのは、キャラ同士の関係性や感情の変化の過程をスッ飛ばし、やたらエモさと勢いだけでなんとかしようとしているところだと思います(キング・クリムゾンかな?)。キャラがやたらエモければこちらもエモくなるわけじゃないので…。


 キャラクターの感情もストーリーも、盛り上げるにはピラミッドを築くように一段ずつ積み上げていく必要があります。ピラミッド作りには建築学が、ひいては数学の基礎が必要ようなように視聴者の感情を動かそうと思ったら心を打つ物語を作るための技術に基づいた丹念な構築が不可欠です。優れた作画も音楽も築き上げた感情の爆発の助けにはなるけど、それがないんじゃ砂上の楼閣である。



 それが、本作では煉獄さんと炭治郎達の間に、更には敵たちとの間でも関係性を十分に築けているとは到底思えません。煉獄さんと、亥之助や善逸や禰豆子の間にどんな絆が出来たというのか?(善逸に至っては普通に出番少な過ぎ)。顔を少し合わせたぐらいで、禰豆子に至っては本作の中で煉獄さんと絡む瞬間すらなかったような…。


 炭治郎も、背中と背中を合わせて共闘したりして、この人の生き様に覚悟に惚れる!みたいな展開がないからやたらメソメソされてもなんで?という感じでノレない…。


この中の話では、炭治郎にとって強くて優しい先輩くらいにしか煉獄さんのことは思えないような…。熱い絆をこちらも感じられれば、そりゃあこちらも泣きますが、あんたら出会ってそんな経ってないし、そんなに心通わせ合う展開なかったやんけ…という。



 百歩譲って炭治郎が泣くのは良いとしても、亥之助、況してや善逸は泣くほど付き合い欠片もねぇだろ!とツッコミたくなる。炭治郎が泣いてるから泣いてるくらいにし見えないんですよねぇ…。



 別に泣き演出が嫌いなわけではないのです。むしろ私は泣き上戸で、好きな作品見てればもれなく泣く方です。ただ、十分なセットアップなしに、泣け!泣け!ってやられてもシラケるだけなんですよねぇ…。


 煉獄さんも「大いなる力には、大いなる責任が伴う」みたいな、スパイダーマンで何度も見たような話を回想でお母さんに説教されても…という。それは物語の中で煉獄さんの行動や生き様で見せてきてこそ効いてくるもので、あそこで急に出てきても…。


 その部分もただセリフで言うんじゃなくエピソードや具体的な行動で見せた方は良かったと思いますし。そもそもなんでお母さんは、あんな説教を煉獄さんにしたの?という感じが…。


 他にも、「夢」という能力はいくらでももっと面白いバトル展開(インセプション的な)が出来たろうとか、せっかく眠ってる時に強いという善逸の設定…とか、下弦に協力してた乗客たちをもっとドラマに絡めればいいのにとか、言いたいことは山ほどありますが、最後に一言。


 あたしゃあ、この列車には乗れないねぇ…。


 コロナはやはり拡大傾向でえらいことになりそうですし、子供たちが見たがってるからって映画館に連れていくのは鬼よりずっとヤバイと思います。くわばらくわばら。


 宮台真司さんの本作評は実に良かった。煉獄さんの生き方に関するギリシャ的な倫理の在り方は実に興味深い!。ただ、それが上手に表現出来ているとは思わない。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 73
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

列車と流行は乗るものです

長いものには自ら巻かれにいきます。プライドはありません。


全23巻で完結するだろう原作漫画の7巻ぐらいまでを2クール26話でアニメ化。この劇場版は8巻の内容に相当、TV本編からの続編を意味します。

2期やるならゴールデンタイム放送も荒唐無稽な話ではなく。
しっかりバンダイさんが日輪刀を発売してますし、物販で円盤以外の武器があることは強み。原作が完結しているとはいえ暫く商売にはなりそうです。
そしてこの劇場版。老若男女巻き込んで記録的ヒット中なわけですがなんか様子がおかしい。初見の方が楽しんでるのです。「続編だからTV版観といてね」というわけでもなさそう。整理します。

1.原作を読んでいる。読んでない。
2.アニメを観ている。観てない。
3.観た人はリアタイの頃?それとも最近?

一見さんお断りというわけではないのでそれぞれ立ち位置だけ確認。
自分は原作未読でアニメ視聴済み。かつ公開直前の部分一挙放送でおさらい済み。もしも準備したいなら第21話以降最後までをおさえておくとよいかもしれません。
{netabare}※劇場版メインキャラ:煉獄杏寿郎(CV日野聡)と魘夢(CV平川大輔)が顔出しするのと、無限列車編に向けた先出し情報がけっこう含まれてます。{/netabare}


【社会現象】
様々な角度から分析されてるでしょうから細かくやらんけど、もたらされた興収で一服つけた映画館が数多くあったと聞きます。上映作品の弾数少なくスクリーンに空きができたコロナ禍の特殊事情なんてのを数年後に思い返すことでしょうね。流行り病を鬼の仕業とみなす伝承になぞらえ、経済循環の一翼を担うことで現実世界でも鬼退治してるようなもんに思えました。


そして本編。
冒頭の1カット。え!?実写ですか?というところから始まります。TV版の第1話は、え!?劇場版ですか?という入りだったのでなんとなく既視感みたいなのを感じますね。
美術はTV放映での神回と呼ばれる第19話の気合が最初から最後まで続くと思っていただいてよし。
117分の上映時間のうち一部を除いて列車の中での出来事です。殺陣や空間を使った演出など狭い列車空間ではスケールダウンするかもという不安は杞憂となってます。梶浦由記さんの劇伴も物語を盛り上げ、作画/音楽の良さは太鼓判を押せましょう。まさに劇場で鑑賞すべき作品ですね。

ストーリーはいかんせん途上なのでなんとも言えじ。全体でどうこうはひとまず置いといて1エピソードとしてみるなら申し分なしではないでしょうか。家族愛との結びつきで“強くなれる理由”を知った本編なら、その強さを何のために使うのか志(こころざし)の領域、メインキャラ煉獄さんを通して“闘う理由”が劇場版でははっきりしてきます。感動するとしたらここ。個人的にはむしろ家族愛に囚われちゃうと見落としかねないとすら思ってます。

キャラはもちろん炎柱の煉獄さんがごっそり持ってくんですけどTV本編からの進展もある。炭治郎の同期、特に伊之助との絡みにそれは顕著でした。TV本編では兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめ。「努力」「友情」「勝利」の「友情」部分が希薄だったと言えましょう。そのため「友情」の中核たる善逸や伊之助についてキャラ立ちの良さを認めつつも別角度から見れば三人いることの相乗効果は感じられず、またギャグテイストな二人は一歩間違うとガヤ扱いでうるさい。炭治郎の“やさしさ”で繋ぎとめている関係に見えなくもなく、このへんが子供向けと断じてしまう要因だったように思えます。それが劇場版では幾分緩和されてました。段階が一段上がったとも言えるかも。
そして余力あるか2回目でもいいですけど“煉獄さん”“炭治郎”“善逸”“伊之助”“禰豆子”誰が欠けてもラストステージには届かないという細い糸を手繰り寄せるような作業を各々がしていたことを見逃さないでほしいです。

公開中なら映画館の迫力映像&音響を楽しめるのはもちろんのこと、例え機を逸して自宅鑑賞となったとしても、ストーリーやキャラの関係性がTV本編に上乗せされてるので見応えはあります。
それに事ここに至ってはなんだかんだ鑑賞のきっかけをはかるレビューの意義をあまり感じないのが本音。これだけメディアの露出がある作品ですのでお祭りに参加する感覚でよろしいのでは? 

ちなみに泣こう泣こうと思ってもそうはならないと思います。感動したーのインタビュー映像は一切無視。期待値のコントロールは各自しっかりして、無駄にハードルを上げ過ぎないようにしましょう。





※ネタバレ所感

■これはデカい!共通言語を獲得

「それにしても素人使うのはちょっと…」
劇場版が公開される度につぶやかれてきた常套句ですね。プロモ兼ねて世間認知度の高い俳優さんを起用するいつものアレ。ふとしたことで気づきます。このメガヒット作にその不満が一切ないことを。
このことはアニメファンにとって二重の意味で幸せなことだと思います。一つは文字通り棒演技を我慢することからの開放。二つめは共通言語の獲得。

 普段アニメを観ない人と声優さんの話ができる!{netabare}…かもしれない{/netabare}

「あー○○さんね。鬼滅で△△の役やってた人だよ」というテンプレがこの度誕生した衝撃はもの凄いものがあります。

「あー○○さんね。××で△△の役やってた人だよ」の××の選択肢がほぼジブリ/ディズニー/他夕方ご長寿アニメ独占状態だったところに近年『君の名は。』がやっと追加された今日この頃。
鬼滅はキャストが脇役含めて深夜アニメオールスターと言ってよく、TV本編を視聴してる層も一定数いることも考慮すると△△に入る人たちがめっちゃ多い。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準。皆なにかしら代表作持ってる方々なのに一般の人からみれば誰も知られてない。
それが此度の一件で「鬼滅の煉獄さん役の人が主役はってるオーバーロードってのが…」みたいな発展が容易にできちゃう世界になってしまいました。
応用パターンも。スラダン世代だったら鱗瀧さん役の芳忠さんは仙道やってて、炭治郎が初めて遭遇するお堂の鬼役緑川光さんは流川楓だぜー!みたいなツカミもできるわけです。


実力のある制作会社。本職がもたらす声の演技の凄み。作品に寄り添って製作された主題歌の余韻。
よくよく考えると深夜アニメ王道を行くタイプの作品としてこれだけのメガヒットは史上初では?
訓練されたアニオタには常識でも一般人には未知なるフロンティア。今回初めて“深夜アニメ”に触れた多くの方々が泣いたり笑ったり楽しんでいるこの状況が喜ばしいのです。
あらためて思います。日本のアニメは素晴らしい。


■「家族愛」と言うけれど…

“覚悟”と“責任”のお話ですね。だから人々の琴線に触れるのだと思います。
“家族愛”があまりにもプッシュされてるんですけど少しばかり疑義が有る。行動や考え方の根っこに家族の存在は根付いてるけれども登場人物たちはその想いを大切にしながらそれより先。志を持ち責任を全うする覚悟を携えている。いわば未来を見据えております。むしろ鬼側の諸事情が家族止まりという対比にもなってますね。
愛郷心とでも言うべきでしょうか。家族より広範囲な+αの共同体を守らんとする物語となってます。

{netabare}TVの第2話で鱗瀧さんが炭治郎に覚悟を迫り禰豆子が人を襲った時に自害すると即答できなかったことを詰問するところから始まり、柱門会議の御前において禰豆子が人を襲えば腹を斬る主旨の書面をしたためていた鱗瀧さんと富岡義勇の凄みがまさにそれかと。三人とも実際の家族ではないのです。{/netabare}

{netabare}煉獄さんが守ったのは200名の乗客の生命。それと己の生き様でした。

劇中で炭治郎が叫んだ「勝利」の定義を受け入れられるかどうかは作品の評価に直結します。
野暮と承知しつつ、引き換えにしたものと天秤にかけて敢えて損得勘定したとしても、後進(炭治郎、善逸、伊之助)の心に炎を灯したことでお釣りが充分とれたよねと私は思ってます。
これが唯物論的に捉えるとまったく景色が変わってくると思います。物理的な勝利ではなく「え!?これでなんで感動するの?犬死じゃん」となっちゃうかも。{/netabare}








※マジで無駄話…しかも長くてゴメン

■つまりこういうことね

鑑賞済みの方向け。そのわりには全く踏み込んでないただの妄想のため閉じとく。

{netabare}国際関係に少しばかり踏み込むネタなため不快にさせちゃうかもしれません。たいした話ではありませんが念のための注意喚起。ブラウザバック推奨です。
ちなみに弊社は彼の当該国に事業所があり取引先も存在し、同僚もそこそこ多国籍でわりと喧々諤々楽しくやってます。そのため実地をそれなりに把握してると自負しつつ放言しますのでご容赦を。{/netabare}

{netabare}鬼 「鬼にならんか?14億の市場で儲けさせてやる!」
人 「一度鬼になれば利益の再投資は鬼界に限定され人間界には戻ってこれない」
鬼 「人口減少や低水準待遇の人間界に未来はない。鬼はいいぞ!バスに乗り遅れるな!」
人 「弱い鬼たちを浄化してふんぞり返るなんて俺とは考え方が違うということだ。断る!」

という既視感。{/netabare}

{netabare}代々蓄積されてきた肌感覚なんですよ。
菅原道真公がなんで大宰府に流されたかって遣唐使廃止で利権をごっそり潰したことへの報復でしょう。左遷先の大宰府で客死しそのあと都で人死にが続く。祟り扱いされたのは飛ばした連中に後ろめたさがあったからでしょうね。

となるとそんなリスク背負ってまで遣唐使廃止する必要なかったのになんで?となるのが普通の感覚です。そこで出てくるのがマルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』と並ぶ世界三大旅行記とされながら現代日本人にとってはドがつくマイナー書『入唐求法巡礼行記』(円仁)。刊行年は遣唐使廃止の50年くらい前。大陸の人肉食習慣その他悪習がこれでもかと書かれていて国内の東洋史学会ではウケない内容っすね。なお書店で販売されてるのは肝心な唐での体験部分がごっそり抜けたもの。

そもそも遣唐使は行って戻ればアホみたいに儲かる。交易あらば交流あり。文化は良し悪し関係なく流入してくるのは当たり前ですよね。巷では悪習が入り込んですこぶる庶民には評判が悪かったという土台があって、それを唐が滅亡する13年前に鎖国を断行。悪習の流入阻止ばかりではなく大国滅亡の混乱に巻き込まれることをも防ぐファインプレー。

そんなこんなで道真公は神社of神社ともいえる『天満宮』の御祭神であらせられますからね。亰で頻発する祟りを鎮めるために大宰府の庶民が詣でますかって話です。神童でならし出世が早かったなんて人は他にもたくさんいるでしょう。

 きっぱり関係を絶ったからです

そして別にこの時も後の江戸時代だって彼の国と敵対してたわけじゃないんですよ。付く時期と離れる時期の見極めは歴史に学んで良いと思います。隣り近所なんてそんなもんなんですから。
そもそも人食ってるところに利益ぶら下げられたからってホイホイついていくか?ってのが問われているのです。ズブズブになって「生殺与奪の権を他人に握らせる」前に道真公は撤退したのですよ。おそらく自分の身にふりかかる災難を見越した上でです。
そんな菅原道真公を祀って顕彰し続け御社に足を運ぶ1000年前の日本人の感覚と“煉獄さん拝みに劇場に足を運ぶ”僕らの感覚とでそんなには変わらんのだろうよと勝手に妄想している私です。大ヒット神社と大ヒット映画!うーん…このへんで止めとかないと罰が当たりそうなのでお終い。

{netabare}そういえばいつのまにか聖地化してた竈門神社も大宰府でしたね…{/netabare}


作品に戻って“正しく生きること”を考えさせられます。煉獄さんの母はこう言いました。

 「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」

これはお侍さんの基本的な考え方だったかと思います。
思えば伊之助が乗客省みず猪突猛進しかけた時も乗客の安全を確保してからだったし、
火の呼吸は知らんので話はお仕舞だとぶった切ったと思いきや、煉獄家のヒントを指し示したり、
後輩の話を聞き流してんじゃなくて留めて心を砕いてくれてたんだなということがわかります。

そして正しいことをやるためには強くならないとね。子供に見せたいという声があるのも分かる気がします。子供に見せる名目で大人が見るのももちろんご随意に(笑)

{netabare}大事小事関係なく、私たちは常に「鬼にならないか」と誘われる日々を過ごしているといえます。人と鬼双方に事情があることは作中で示されており巷でも作品の魅力によく挙げられてますよね。そんなんで鬼にも同情すべき点があるなぁと呑気に構えていたら、この劇場版で煉獄さんに「鬼の倫理」と「人の倫理」は明確に違うことを突きつけられたわけです。{/netabare}

映像と音楽が突出して良くて、あとは良くも悪くも少年JUMP的作品。これはTV本編の私の評価です。その基本的な考えは変わってないのだけれどもちょっとだけTV本編よりも評価高めどす。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 劇場にて 

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2020.11.15 追記

別に予言でもなかったのだがさっそくの教訓。

「お前も鬼にならないか?」 ⇒ 「はあいよろこんで~」

を地でいくNEWSが飛び込んできた。炭治郎の耳飾りのデザインを変更して某半島で配給するとのこと。長くなるので止めとく。



2020.11.01 初稿
2020.11.15 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/09/21
♥ : 65

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

煉獄さんの信念、勇気、責任感に感動!

この映画には良い意味で騙されました。

宣伝では、睡魔を武器とする鬼と闘う炭治郎の姿がしっかりと描かれていましたので、炭治郎が大活躍するのだろうと思っていました。

確かに炭治郎は大活躍しました。
でもそれ以上に、柱の煉獄さんが大きな大きな力を見せてくれました。
大きな大きな感動を与えてくれました。
煉獄さんの信念に感激です。

彼は汽車の乗客や仲間たちを誰一人死なせることなく、守り通しました。
体を張って守り抜きました。

確かに煉獄さんは柱の一人であり、炭治郎たちよりも強いのですが、強さだけであの行動はできません。
彼の信念、彼の勇気、彼の責任感があそこまでさせたのでしょう。


物語は、行方不明者が30人以上も発生している夜行汽車に鬼殺隊の煉獄、炭治郎、善逸、伊之助が乗り込みます。そして、彼らは睡魔に襲われます。

睡魔に襲われた際に見る夢は、とても懐かしく、とても暖かく、心地良い。二度と帰ってこない時代の夢でした。

私個人としては、あんなに暖かい夢を見せてくれる鬼がいたならば、その鬼を大好きになると思います。
あの下弦の鬼は、能力の使い方を誤らなければ、誰からも尊敬され、そして親しまれたでしょう。



ところで、この物語の途中で主要メンバーの心の景色が表現されます。
炭治郎の心の景色は、やはり思った通り澄んだ青空でした。
ウユニ塩湖のように美しい風景でした。

こんなに澄んだ心を持った炭治郎は、鬼を殺す仕事には向いていません。
それは炭治郎自身もわかっていることでしょう。


エンディングは、Lisa の『炎』 素晴らしい歌でした。
Lisaさんは作詞も手掛けます。今回は梶原由紀さんとの共同作詞ですが、
自分で作った歌詞なので、あれだけ感情がこもった歌声が表現できるのだと思います。そして、心がこもった歌声だからこそ、多くの人が感動するのでしょうね。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 57

65.7 2 親子で仲間なアニメランキング2位
映画 プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち(アニメ映画)

2014年3月15日
★★★★☆ 4.0 (30)
167人が棚に入れました
プリキュアオールスターズNewStageシリーズが、遂に完結!感動のラストステージが、春休みにスクリーンに登場するよ!今まで出会った大切なおともだちがみんな集まって、今回は夢の世界へレッツゴー!なんとそこへ夢を操る妖精があらわれて、プリキュアが大ピンチ!!みんなもプリキュアを応援してね!
ネタバレ

キリン  さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

今年も超豪華で嬉しいな

プリキュア10周年

今回がNew Stage(以下NS)シリーズのラストと言うことですが、
最後に相応しい、豪華さで
まさにプリキュアの集大成でした。

2014年2月から放送開始となった『ハピネスチャージプリキュア』も
もちろん加わっています。

プリキュアオールスターズの映画は
DXシリーズ、NSシリーズ共に
毎年、この時期(3月中旬)に放映スタートします。

そしてTVアニメの新しいプリキュアは
毎年1~2月にスタートしますので
3月のオールスターズの映画とリンクさせる為にも
映画に登場することが決まっているプリキュアは
TVアニメ序盤で、ポンポン仲間になっていきます。

更にサプライズ的にまだ仲間のプリキュアが増えるのであれば
今度は秋のプリキュア映画に合わせて登場する流れです。

したがって、TVでまだ登場していないプリキュアが
映画で先に登場して「はっ?お前だれ?」ってなったり、
反対にTVで登場して仲間になっているにもかかわらず、
映画には登場せず「あぁ、そんなに親しくないんだ・・・・」
みたいなことにならない様にされているはずです。

で、今回は『キュアハニー』が映画のポスターに描かれているんですが
TVでは、まだ仲間になっていないんです。

「ああ、きっとこの子がキュアハニーになるんだろうな・・・」

っていう黄色い感じの子は登場していますが、
プリキュアとして変身して登場はしていません。

その状態のままオールスターズの映画が公開されてしまいました。
どうするんだろうと思っていましたが
うまいことやっていました。

詳しくはこちら↓(ネタバレ)
{netabare}ちょっと影がかかった
暗い感じ描写で(コナンの犯人まで黒くは無い)
他のプリキュアと接触せずに助っ人として登場→去る
でした。

こうなると、TVにキュアハニーは
映画公開が終わるまで、しばらく登場しない
と言うことが解かります。
それに、主人公達と友達なのに
しらない所ですでにプリキュアになっている可能性もあります。

こんなこと書いて来週『新たなプリキュア キュアハニー登場!?』
ってことになったらスンマセン・・・
{/netabare}

内容は毎度御馴染みの展開ではあるのですが
NSシリーズの総集編ということもあって
NS1 NS2 を観てた方が「あっ」ってなる要素もあります。

とにかく登場キャラの多さに毎度、驚かされるオールスターズですが
長年のプリキュアファンにとって嬉しいのが
旧作のキャラ設定がきちんとしていることですね。
ドリームの天然だけど、芯は曲がっていない所や
マリンの正義の味方とは思えない発言など
ホントになんでもない所で感動しちゃいます。

EDはいつものダンスです。
回を重ねるごとに進化するCGですが、
今回もすんげぇ圧巻されました。
全プリキュアがウネウネ動く映像は
凄いの一言です。



以下私事キュアエピソード

{netabare}昨年のNS2から
“友人の娘さん(キュア娘ちゃん)を連れて親子チケットで映画を観る”
という超必殺技を取得した私(キュアヤクザ)は
今回も堂々とプリキュア映画を楽しみました。
そんなキュア娘ちゃんも、4月から小学1年生
私の不安は、そんな彼女のプリキュア卒業宣言です。

他の友人から聞いた話で
そこの娘さんは小学1年生で
「小学生にもなってプリキュアって・・・恥ずかしい」
と言ってたそうです。
スマイルプリキュアの最終回まで観てたのに
ドキドキプリキュアでその発言ですよ。
一週間しか違わないのに、
何があったんだ!!
と思いますが、恐らく周りの友達がそんな空気なんでしょうね。
子供社会もいろいろ大変ですから。

私は現プリ友のキュア娘ちゃんが
プリキュア卒業しないように、
いろいろグッズとか買ってあげるんですが、
映画が終わるとゲーセンに行き
ポケモンとアイカツのゲームばっかりやって
プリキュアのゲームはスルーです。

不安がつのるばかりです。

お正月のとき
キュア娘ちゃんが
凧上げがしたいと言うので
ポケモンの凧を持っての公園に連れて行きました。
公園には近所の子供達がけっこういました。
今の時代は防犯の意味を兼ねて
保護者の方も子供と一緒に公園に来てる方が多いです。

早速凧を上げようと思ったら
キュア娘ちゃんは友達を見つけたらしく
走って行ってしまいました。
私も後を追って歩いて行きました。

そこには。子供6人、お母さん5人が
輪になっていました。

「あぁ~キュア娘ちゃん、明けましておめでとう」
「おめでとうございます」

と挨拶を交わしていました。
もちろん私はその人達にとっては「はじめまして」です。

当然キュア娘ちゃんのお父さんの顔も知ってるでしょうし、
何者?親戚?
という雰囲気に包まれたので
私も挨拶しようと思ったら、
先にキュア娘ちゃんが私を指差し

「この人が、大人なのにプリキュア大好きなキュアヤクザさんです」

一同「あぁ~」

私をこの上なく的確で簡潔に紹介してくれました。
その「あぁ~」の後に
「これが噂の」と言う心の声が聞こえてくるんですが・・・

私は

「あっ・・・・すみません」

しか言えませんでした。

かなり厳しいエキスパートモードの
ママ友デビューとなりました。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「みんなの未来を悪夢に変えようだなんて!サイアク過ぎるぅ!!」「そぉーゆぅーのは!!!ラァヴじゃないっ!!!!!」

テレビシリーズ計11作
放送開始からはちょうど10年
映画は今作で16本目
かつて野沢雅子が第1作目のときに「プリキュアを10年続くシリーズにしましょう」と言いましたが、その言葉がまさに現実のものとなったわけです
『プリキュアシリーズ』の最新にして最高の1本が遂に誕生


2012年より始まった『プリキュアオールスターズNewStageシリーズ』
今作は3部作の完結編として位置づけられており、今作単品での完成度もさることながら前2作との繋がりが非常に重要な要素であるため、前2作を観ていたほうがより楽しめます
また今作を観ると前2作を観返したくなる、そんな一作に仕上がっております




物語の舞台は「夢の世界」
子供達の夢に突如現れる、悪夢が具現化した怪物「アクム」
このアクムに襲われる子供達を救うのは、夢の世界のアクムを唯一倒せる力を持つ妖精「バク」のみ
かつてプリキュア達に支えられながら大きく成長した妖精のグレルとエンエンの友達で、幼いバクの子供「ユメタ」は怖がりでまだアクムに立ち向うことが出来ないでいた
アクムにも颯爽と立ち向かうユメタの母親「マアム」は、そんなユメタを想うがあまり、友達のいないユメタに友達を作ってやろうと子供達を夢の中に幽閉してしまう
一方の現実では、子供達が眠ったまま目を覚まさないという怪現象が多発し、キュアラブリーこと愛乃めぐみもまた目を覚ますことなく眠り続けていた
めぐみや子供達を夢の世界から取り戻すため、「ハピネスチャージプリキュア」と「ドキドキプリキュア」の面々、そしてグレルとエンエンは夢の世界に旅立つ
しかし無限に出現するアクムを使役することができるマアム、そしてマアムのホームグラウンドたる夢の世界ではプリキュア達には分が悪く、一時撤退を余儀なくされる
一同は歴代プリキュアに助けを求めることにするが、グレルとエンエンが持ってきた「プリキュアの教科書」をマアムに逆に利用されてしまい、歴代プリキュアの正体がマアムに知られてしまう
教科書に載っていないハピネスチャージプリキュアの一組を残して歴代プリキュアは各々の夢の中に閉じ込められてしまうのだった・・・




まず今作でプリキュア達の前に立ちはだかるのが「巨大な悪」ではなく【母の愛】そのものだというところが凄い
これまでのシリーズのどの敵役よりも強く、逞しく、確かな信念を持った存在が相手とあっては、さしものプリキュアオールスターズも苦戦を強いられるわけです
単純な勧善懲悪主義に走らなかったNewStageシリーズでしたが、その終着点がまさか【愛そのものと戦う】ことになるとは;
最終的にはプリキュア達やユメタの自立心が鍵となり、【親の愛VS子供の夢】というトンデモナイ構図が出来上がる
全く持って恐れ入ります


また前作でプリキュア達に支えられながら成長したグレルとエンエンが、怖がりな友達のユメタを逞しく引っ張っていったり、暖かく想いやったりする様子は前作視聴者には感涙モノ
そしてクライマックスに控える【37人目のプリキュアの登場】にはシリーズファンはもう歓喜でしょう


監督は前作に引き続き、ネ申回『スイプリ21話』を手掛けた小川孝治
プリキュアにも縁の深い監督だけあって想い入れも強く、どのキャラクターも平等に活躍させているのが分かります


作画はお約束のベテラン、青山充を作画監督に有望な若手が集結
アクションシーンは最初っから最後まで飛ばしまくり
特に初代組が肉弾戦主体、SS組が空中戦主体で戦うのにはスタッフの愛と拘りを感じるところ
拍手です
シリーズ10年の時を経て「プリキュアを観ていた世代のアニメーターが揃う」という歴史を感じる現象も嬉しいですね


初のプリキュアプロデューサーを務めたのは『アキバレンジャー』での東映出向を終えて東映アニメーションに回帰した永富大地
彼の奮闘もあり、歴代シリーズでは最高となる24名のプリキュア声優を集めることに成功
声優の数はそのまま各シリーズの見せ場の数に直結するため重要な要素です


本作の舞台は夢、つまりドリーム
こまけぇところかもしれませんがキュアドリームこと夢原のぞみがプリキュアになって追いかけ続けたもの・・・それを想うと今作の彼女の言葉には凄く重みがあります
流石は『プリキュア5』のシリーズ構成、成田良美の脚本です


音響にもシリーズ初の5.1chを起用するなど挑戦的な姿勢が素晴らしい
特に今や日本のCG業界全体が注目するというエンディングテーマに合わせた3DCGのダンスシーンでは、従来のモーションキャプチャーに加え今作で初めて新技術「フェイシャルキャプチャー」(人間の顔の動きを読み取る技術)を採用
これによって今まで踊るだけだったプリキュアが「歌」(に合わせた顔の動き)を披露することが出来たという
今後のシリーズや他作品でも活用されるかもしれません、これは要チェックです


お話、キャラクター、キャスティング、映像、技術・・・もはや全てが満点、なんも文句の付け所なんてないんじゃ・・・
と、思いきや!
一点だけどうにもならん部分が実はあるんですT_T


今作にゲスト出演した剛力彩芽が












いや、これはむしろなぜ剛力にあの役を宛がったのか?
その辺りの方が疑問です
関係者!出てこいやーっ!


ふぅ、最後になりましたが今作のラストシーンとDX3のラストシーンを比較していただくとわかる仕掛けがあったりします
こーゆー橋渡し感が『プリキュアオールスターズ』という映画のイイところだとオイラは思います


「転んでも 立ち上がり 繰り返す伝説」
まさにこの歌詞の通りです

投稿 : 2024/09/21
♥ : 7

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

マクガイヤーさんのプリキュア解説が最高

マクガイヤーさんのプリキュア解説が最高だったので鑑賞。正直解説のが面白かった…。コンセプトは面白いし、マクガイヤーさんが言うようにメタに視聴者を取り込むって手法はプリキュアだけだと思う。

ただ、エンタメしてそんなに上手くない。作画も正直まあまあくらい。能登キュアを見れたのは嬉しかったが、最期の最期だし…。というか、オールスター作品のレベルってこれくらいが普通で、オールスターズメモリーズが異常なだけだろう。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 8
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