脱走で刑務所なおすすめアニメランキング 4

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月08日の時点で一番の脱走で刑務所なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.8 1 脱走で刑務所なアニメランキング1位
エスタブライフ グレイトエスケープ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (106)
253人が棚に入れました
「生きるのがツライ? なら逃げちゃえばいいんですよ」 ずっと先の未来。人間はそれまでの姿形だけでなく、獣人・サイボーグ・魔族など多様な姿を持つようになった。東京の街は、AIが管理する高い壁に囲まれた数多の地域「クラスタ」となり、自由な行き来をやめ、それぞれが独自の文化・常識を育んだ。人々は、自らが生まれたクラスタの常識を基準に幸せな人生を送る。 しかし、なかには自らのクラスタに適応できない者も現れる──。 そうした人々を、別のクラスタへと「逃がす」ことを生業にする者たちがいる。 「逃げたい人」たちから依頼を受け、あらゆる方法を駆使してAIの裏をかき、本来は不可能であるクラスタ間の移動を成し遂げる者たち──「逃がし屋」。 逃げて、逃げて、逃げまくる!! 逃げたい人をお手伝いする、5人の逃がし屋たちの物語──!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

逃がし屋さんは逃がさないようにするのは苦手

【紹介】
人々はたくさんのクラスタと呼ばれる区画に隔離され、それぞれがAIに管理されて独自の文化を持つことになった世界で、隔離された区画から逃げ出したい人を逃がす逃がし屋の少女達の話

【感想】
最初は微妙でしたが、後半は面白かったです、微妙なエピソードも多かったけど各話完結型なのもあって全体でみれば見てよかったと思えるアニメでした
中盤までコンセプトはわかるけど何か行き当たりばったりなシナリオで微妙でしたが、中盤~ラストにかけて面白くなっていきました

ただ面白くなるまでもたもたしている間に、視聴者も逃がしてしまったのではないでしょうか?
逃がすのは得意でも、逃がさないようにするのは得意じゃなかったみたいですね

単純に善と悪に分けないシナリオで色々と考えさせられました、細かいことを気にしなければ楽しめる作品だと思います

【キャラクター】
キャラクター付けがなんか令和アニメの感覚とは違っていて多少の古さを感じます

【世界観】
隔離区画という世界観のおかげで統一性のなさに説得力があって、バラエティに富んだ世界観を見せてくれるので飽きない作りがうまいと思いました
ただ、変な設定のクラスタが多く面白い話とよくわからない話の差が激しい
一つ一つのクラスタの世界観は面白いところもあったけど、この世界全体の世界観を小出しに出しすぎで勿体ないかなーと思います
へんにもったいぶらずに全体の世界観について最初に出したほうが良かったかも

【欠点】{netabare}
・5話のパンツ履いてはいけないクラスタに行って、パンツ脱がないと捕まえられるから脱げってやり取りしているのは変な設定すぎて視聴するのがつらかったです、どういう進化をすればそんな文化になるのでしょうか?
{/netabare}

投稿 : 2025/03/08
♥ : 23
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

大脱走ってことでよい?

谷口悟朗氏が原案・クリエイティブ統括を務めるオリジナルアニメ


ファンには人気が高い『コードギアス』『プラネテス』を作った人の新作。まあ社会派です。

似たような価値観や嗜好を持った者同士がコミュニティを形成するのは自然なことで仮にそのまま外部と遮断したらどうなるの?がテーマ。AIが管理する高い壁に覆われた「クラスタ」毎に社会が形成されクラスタ間の往来は認められず。自身が住むクラスタに適応できるかどうかは別の話で

 ここではない何処かへと

青い鳥を求めるのか、つらい現実からの逃避なのか、あぶれちゃった人たちの「クラスタ」からの逃亡を手助けする逃がし屋さんたちのお話です。

【逃がし屋ゴレンジャー】
 エクア(CV嶺内ともみ)
 フェレス(CV高橋李依)
 マルテース(CV長縄まりあ)
 アルガ(CV速水奨)
 ウルラ(CV三木眞一郎)

見た目ロボや犬の男連中はよいとして、見た目人間に寄せてるフェレスは魔族、マルテースはスライム人間とちょいわかりづらいのですが、人間以外の種族が共生している世界ということみたいです。

多様性が行きつく先とでも言えましょうか。多様な価値観を認め合うにも限界はあるもの。例えば豚肉食いたい社会と豚肉は禁忌の社会とを両立し互いが共生できるようにするには食材のハラール表記を進め一定の供給役を確保する必要があります。しかし一定数なければ高コストで事業が立ち行かないし、小学校給食で豚禁止にしようものなら多数を占める逆サイドからの反発は避けられません。

 多文化強制
 郷に入っては郷“が”従え

そして少数派は先鋭化して多数の支持を失うかヘイトが地下に溜まるようになります。綱引きは必ず発生するため絶えることのない落としどころ探しを続ける必要があるんだけど、なかなか難しいので国家の線引きをするのです。価値観・文化・民族その他諸々を考慮しないで適当に線引きしたアフリカは内戦が絶えません。適当な線引きは南アフリカも一緒ですがここは土着の民を一掃したので摩擦は少ない。それが良いことかと言われるとちょい返答に困りますけどね。
きっとこのアニメの前日譚の世界においても軋轢があったのでしょう。それなら「えーい閉じてしまえ」とクラスタ作ってみました!ってアイディアを形にしたのが本作だと思います。WWⅡ前のブロック化みたいなもんですね。


前置き長くなりましたが、完走理由は第一話。池袋を東と西とで疑似冷戦構造を作ったアイディアが面白かったのでした。これは期待できると。
結果は期待外れです。社会派のノリは以後トーンダウンし相応の結論は終盤まで待たねばなりません。その間はめっちゃ冗長なのでした。これって実は逃げたがってる人達同様に視聴者にも「こんな世界(クラスタ)は嫌だ」と思わせ、単一の価値観に染まるきまりの悪さ・気持ち悪さを体感してほしい作り手の意図だったと最大限好意的に解釈してみます。それがゆえのレビューでの長い前フリなのでした。
扱ってるテーマは悪くはございません。いくばくか社会派なノリが好きだったり、谷口氏の旧作ファンでしたら手にとっても良いかもしれません。



※雑感

■「わかりました。では逃げましょう」
 {netabare}そのクラスタに留まることすら説得しないで、ただちに逃げの手に着手過ぎるのが清々しすぎます。クラスタの目的や概念を否定しているからこそ迷いがない逃がし屋なんでしょうね。よって“パブリックエネミー”扱いとなるのは自然なことだったかと思います。{/netabare}

 {netabare}だから最後は“マネージャー”がその役目から逃げるって結末だったのでは?逃がし屋の大義を正とすれば、『この世界は間違っている』ってことを象徴するエピソードが最終話だったと理解してます。{/netabare}


■グレートエスケープ
 {netabare}…といえば往年の名作洋画『大脱走』(邦題)となるかと。戦時下の捕虜収容所からの脱走劇でした。逃げるとしたらこういうところか刑務所くらいだった数十年前から比べれば、だいぶ対象が広がった2020年代の世界情勢ですね。{/netabare}


深いのかなぁ。そうは思わないんだよなぁ。でも「深い」と言われたいんだろうなぁ。



視聴時期:2022年4月~2022年6月 リアタイ

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2022.07.05 初稿

投稿 : 2025/03/08
♥ : 19
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

逃がし屋エクストラクターズはコソコソとは逃がしませんよ。

コソコソとは逃がしませんよ。いつの間にか豪快に逃がします。
池袋で逃がして
上野で逃がして
秋葉原、新宿、お台場、白金台でも逃がしちゃいます。

「それでは、逃げましょう!」
と、チームのリーダー、エクアはおっとりとした口調で依頼を請けます。
逃がしプランは何通りかあるのでしょうが主にワイヤー&滑車でシャーッと行くかまたは大砲でドッカンして逃がします。
能天気な逃がし屋ですよ。

また、いつも治安部隊に追われるのですが、不思議と弾幕からも逃げることができます。
なぜでしょう。逃げれる理由はあるのです。実はエクアは {netabare}本編観てください{/netabare} なのです。

本作品、世界設定はしっかりしているからこそ、逃がすというシンプルな設定で、豪快にドンパチして、依頼人のお役に立つ。
深い設定はあえて見せることなく終わらせていることが、このアニメの楽しめるところだと思います。

どうやら、劇場とゲームを組み合わせて制作しているようなので、深い設定はそちらに任せて、ノープランで楽しんでください。

スピード感があるOP、世界感のED。どちらも良い曲です。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 19

67.5 2 脱走で刑務所なアニメランキング2位
怪盗グルーのミニオン大脱走(アニメ映画)

2017年7月21日
★★★★☆ 3.7 (21)
113人が棚に入れました
晴れて結婚したグルーとルーシーの前に、新たな敵バルタザール・ブラットが現れる。1980年代に子役として人気を博した過去の栄光にすがり、80年代ファッションに身を包んだバルタザールは、様々なガジェットを駆使して犯罪を繰り返し、グルーを反悪党同盟から追い出してしまう。そんな時、グルーにドルーという生き別れになっていた双子の兄弟がいることが判明し、父親から莫大な遺産を相続しているドルーは父の志を受け継ぎ天下の大悪党になることを夢見ていた。一方、グルーの相棒ミニオンたちは、グルーが反悪党同盟をクビになったことで再び悪の道に戻ってくることを期待していたが、グルーにその気がないことを知り、新たなボスを求めて旅に出るのだが…。

声優・キャラクター
スティーヴ・カレル、クリステン・ウィグandトレイ・パーカー、【吹替版】笑福亭鶴瓶、松山ケンイチ、中島美嘉、芦田愛菜、須藤祐実、矢島晶子、いとうあさこ、山寺宏一、宮野真守、福山潤、LiSA

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

思ったほどではないがそれでも楽しい作品

前作には血の繋がりの無い者同士が家族を形作るという大きな流れが貫かれていましたが、今作は最終的には「家族っていいね」ってところに到達するものの、全体的にまとまりに欠けている印象。
 悪党バルタザールとの戦いと反悪党同盟をクビになるグルーとルーシー。突如現れたグルーの双子の兄弟ドルー。母親として認められるために奮闘するルーシー。ユニコーンを探すアグネス。グルーに反抗し家を飛び出し騒動を起こし投獄されるミニオンズ。それぞれが密接に絡み合って1つの映画を高めてゆく、っていう訳にはいかず、バラバラ。
 邦題にある「ミニオン大脱走」は本筋に全く絡まないエピソードで、ミニオン達の大活躍が見たければ『ミニオンズ』の続編に期待しましょう、って感じ。明らかにキャラを広げ過ぎたようで。それを自覚してでしょう、ネファリオ博士なんか作劇上ジャマだとばかりに退場状態にしてしまいますが、ほったらかしなまま映画が終わってしまって唖然。
 ドルーは本当はもっと重要なポジションだった筈でしょうに、立ち位置も性格もハンパ。もっと振り切れたキャラで良かったんじゃないかと思いました。

 それでもグルーと三姉妹(孤児院出身なので本当は血の繋がりは無いと思いますが)とルーシーとミニオンズ、その世界の更なる続きが見られる事は幸せですし、オモチャ箱をひっくり返したような楽しさは健在でした。
 

投稿 : 2025/03/08
♥ : 6

風来坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ミニオン関係ありません。

ミニオンを期待して観ましたが、ほとんど関係ありませんでした。
ミュージカルっぽいテンポの良さで話が進んでいくので一気に最後まで観ることはできましたが、わざわざ「ミニオン」とする意味はないかと。

日本語吹替でキャラの濃い芸能人が役を演じているので、どうしても気になってしまい、集中が途切れるのもマイナスだと思います。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 2

73.7 3 脱走で刑務所なアニメランキング3位
あしたのジョー(TVアニメ動画)

1970年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (159)
772人が棚に入れました
東京・山谷のドヤ街に、ふらりと1人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きから天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げんと奮闘する。しかしジョーは、ドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、自分に向けられる段平の情熱を利用して犯罪に手を染め、警察に逮捕されて鑑別所・少年院へと送られてしまった。ある日、少年鑑別所のジョーあてに、「あしたのために」の書き出しで始まる段平からのはがきが届く。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べ物にならないほど向上してゆくのを実感する。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、仲村秀生、西沢和子、西尾徳、小沢かおる、肝付兼太、広川太一郎、牛崎敬子、桑原たけし

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

だけど~ひゅるるる~♪

昭和のスポコン代表作のひとつ、ボクシングといえばやっぱりあしたのジョーですよね

伝説の力石戦は目が離せません

作画とか音楽とかはもう時代が時代だから抜きにして、思いっきりのめり込んで見れます

たまにはスポコンもいいものだなぁ~

投稿 : 2025/03/08
♥ : 41
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作はもはや文学作品

このアニメ作品語る前に、
(あしたのジョー)イコールスポ根物という評され方に、
物凄い嫌悪感をおぼえる、
同時期連載及びアニメ化された(巨人の星)こそスポ根ものだが、
(あしたのジョー)はこれらと全く対極に位置する、
スポ根という言葉の定義や各々の捉え方にも拠るが、
あしたのジョーをスポ根一言でかたずけられるのは悲しい、
{netabare}
主人公の丈だが、
出生孤児院孤立無縁唯一自由のみ求め幼少時孤児院脱走繰り返し、
物語始まったドヤ街に流れてきた頃(推定10台後半)になるまで、
どのような形にせよ我が身一つでサバイバルしてきた事は想像できる、

ヤクザ相手の大立ち回りドヤのガキ引き連れ詐欺所業も生きるため、
投獄されても自由を求め抗い続ける様は、
檻に捉えられた野生の獣と同じ、野獣である。

少年院脱走一歩手前で宿敵元プロボクサー力石と遭遇、
完膚なきまで叩きのめされる、
まさに憎いあんちくしょうで、
自由のみ求めてた丈に力石をぶっ倒すという情念が生まれる、

丈にとってのボクシングは同じ土俵で力石徹を叩き潰す手段であり、
以降必然的にボクシングに対峙してく訳だ、

高度成長期アメリカに追いつけ追い越せな国策的精神論、
時代に沿ったであろう根性で富を掴め的なものではない、
丈のそれはもっと根源的な本能、闘争本能というべきものである、

力石と対決する為のボクサーになる方法からして、
プロボクサーにケンカを売り、倒す事で既成事実を作り、、
プロテストでもレフリー構わず相手を叩きのめし、
プロになってからも野獣、野生的側面失わずそれを本質とし、
その戦い方は不可能を可能にする殺し屋、ケンカ屋と評される、
{/netabare}
何それしたいから何それになりたいから、
富や栄光がどうので「頑張る」ではなく、
内なる闘争本能根源とし闘いたいから闘ってる、
{netabare}
物語は一つの岐路を迎える、
力石を倒す一点のみ目的だった丈だが闘いの末力石が死ぬ、
目的失い放心しするも丈はリングに帰る、
顔面打てなくなりドサ廻りに落ちそれでも何故、
ボクシングにしがみ付くのか?
{/netabare}
「燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ…
 血だらけのリング上でな
そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんの瞬間にせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ
そして あとにはまっ白な灰だけがのこる…
 燃えかすなんかのこりやしない…
  まっ白な灰だけだ
そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ
 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない
 拳闘がすきなんだ
 死にものぐるいで噛みあいっこする充実感が
 わりと おれすきなんだ」

丈自らが語った有名な一節だ、
(おいらにゃ獣の血が騒ぐ、)尾藤歌う寺山修司の詩は、
こうしてみると丈の本質を見抜き実に的を得てる、

原作者はちばてつや氏と高森朝雄氏であり、
高森朝雄は梶原一騎の別名、
当時(巨人の星)(柔道一直線)等々で売れっ子原作者であり、
今もスポ根の代名詞的存在として認知される氏であるが、
あしたのジョー連載誌(少年マガジン)には巨人の星もあり、
変名には単一的イメージ回避な理由もあった、

加え梶原一騎物というのは語り口や説明事等氏独特の癖がある、
ただ丈以前も以降も幾多梶原作品は存在するが梶原節の顕著さで言えば、
(あしたのジョー)は物凄く薄い、いい意味で梶原物らしくない、

これは、もう一人の原作者ちばてつや氏の筆力構成力さることながら、
丈のみならず登場人物全般においての表現力のたまものであり、
本能情念のまま真っ赤に燃え上がり後には真っ白な灰だけが残る、
そんな最終回に至るまでの、
ちば氏の原作脚本改変(改善)に至っては有名な話である、

梶原一騎氏とちばてつや氏の融合による奇跡的化合物、
ここに漫画でも劇画でもない、
ある種文学とも称される作品としての原点がある、

主人公しかり作品の成り立ちしかり、
スポ根ものという概念から越脱したものがあきらかに存在する。

話をこのアニメに向けると、
当時虫プロによりアニメ化された(あしたのジョー)であるが、
デジタル技術満載の現代のアニメと簡単に比較すべきものではない、

総合監督は出崎統氏だが作画監督は杉野氏、荒木氏等数班体制、
それでもアフレコ毎回間に合わず、
夜中近所外注叩き起こし塗画頼んで廻らざるおえない等、
地獄的スケジュールの中手作り感満載であったらしい、
班違いからくる画の統合性欠如を修正する暇もなかった、
こんな事は容易に想像がつく、

まあ小学生だった当時は画の違い等さして気にもならなかったが、
後に何度も見返すうち、
比較的纏まった絵は杉野氏かな?
荒削りだが時として情念発露にも観えるのは荒木氏だろうか?
そんな妙な楽しみ方を見つけたりもした、
事実手書きでしかありえないとてもいい線や画もある(主観)、

ごく一例だが、
力石戦決着場面は50話ラストに描かれるが、
翌51話の始めにも同場面は流れる、
アッパーカット放つ事により決着するまでの、
ラストの攻防一連の描き方、
これが50話終と51話始点では同じ場面ながら、
演出から作画に至るまで全くの別物で、
纏まりで言えば51話の方が丁寧だが50話ラストのそれは、
作画どうのデッサンどうので一蹴できない、
ラフな中にも構図も演出も絵も情念発露な感じ抜群で、
丈自身の情念とシンクロする様な描写は個人的には大好きだ、

音楽については初期オープニングやエンディングのせいで、
ともすれば演歌的なイメージのみで語られるが、
BGMで数パターン後にボーカル入りも作られた数種の力石のテーマ、
ジャズやロックも加味された名曲だし、
ラテン的なカーロスのテーマも大好きだった、

後半になり絵も落ち着いてきてカーロス登場くらいから、
アニメが当時連載中だった原作に話が追いついてしまう事象が起きる、

雑誌連載同時アニメ放映な場合、
同じ週一でも数ページ連載な雑誌とCM込みでも30分枠のアニメとでは、
どうしてもアニメの方が進話が早いのは今も昔も変わらず、
話を膨らませたり流れの速さを調整したりというのは、
主に各話担当の脚本の妙に依る処大だがその点、
(巨人の星)の様にボール一球投げるのに数週間?
と揶揄される様な事もなく、
登場人物の人となりも壊さずおおむねうまく熟してる様に感じる、
がしかし追いついてしまった以上仕方なし、


アニメ版の丈はカーロス戦後ふらりと旅立つ訳だが、
「奴はまた帰ってくる、奴があしたのジョーであるかぎりな」
そんな丹下段平の言葉は一種願いにも感じた、

後に(あしたのジョー2)として段平の予言は実現するも、
1~2の間には10年以上の歳月が要される、

出崎氏と杉野氏の黄金コンビによりあしたのジョーが、
(あしたのジョー2)で帰って来れたのは、
(宇宙戦艦ヤマト)の再放送から発したアニメブームの到来、
アニメ雑誌や再放送或いはアニメ映画化の慣例化等、
ジョーファンのみならずアニメ文化としての、
一大ムーブメントがあったればこそだろう。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 29

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

今となっては評価するのも恐れ多い

ストーリーもさることながら

出崎監督演出技法が現代のアニメに

大きな影響を与えていることは周知の事実です。

セルとフイルムの時代で毎週放送の79話…

当時の虫プロスタッフの皆様に頭が下がります。

作画の評価は同年代作品との相対的な評価。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 24

66.6 4 脱走で刑務所なアニメランキング4位
白鯨伝説(TVアニメ動画)

1997年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (40)
196人が棚に入れました
『白鯨伝説』(はくげいでんせつ)はNHK衛星第2テレビジョンで放映された番組「衛星アニメ劇場」内で1997-1999年にかけて放送されたTVアニメシリーズ。ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をモチーフに、監督の出崎統が長年温めていたアイディアから制作したSFアニメである。出崎統・杉野昭夫の共著「アニメーション制作技法~『4701白鯨』を創る~」誌上の題材「4701白鯨」が原案となっている。
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