秘密で戦闘なおすすめアニメランキング 37

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の秘密で戦闘なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.9 1 秘密で戦闘なアニメランキング1位
SPY×FAMILY Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (309)
1105人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
秘密だらけの家族に、再び世界の命運は託された!?
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

愛する者のため戦うのか?戦わせないのか?

【物語 4.0点】
1期2クール目に引き続き、各回2本立て以上の構成も交えながら、
ショートシナリオでアーニャ以外のサブキャラ育成も図るのが基本線。
中盤からは今回のメインエピソードとして複数話完結の「豪華客船編」も展開。


2期もスパイ要素を絡めたホームコメディに徹するため、
本格スパイ物として期待すると進行度の遅さにじれることも。
アーニャのイーデン校での“星(ステラ)”や“雷(トニト)”の数の変動もなく、
“オペレーション<梟>(ストリクス)”にも停滞感が漂う。


ただ本作のオペレーションの目的が世界と家族の平和と捉えている私にとっては
収穫もあった2期でした。

極論、アーニャが“皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)”に成り上がっても戦争勃発したらこの作品はゲームオーバーですから。
1クール程度でオペレーションをクリアする強硬策も可能でしょうが、
その場合は人類が戦争を無くす方法はこうだ!などと言う、
フィクションでも解決策を提示できたらノーベル平和賞ものの理論を、
拙速に用意せねばならなくなる。

取って付けたような平和思想で、強引に<梟>(ストリクス)を片付けたとしても、
結局、戦争がしたい次の黒幕とオペレーションが立ち上がりグダグダになる気がするんですよねw

よって『スパファミ』の場合は成果が上がらないオペレーション<梟>のための暫定偽装家族という綱渡りコメディをノラリクラリと続ける方が良いのだろうなと私は思っています。


その観点から興味深かったのが「豪華客船編」のヨルさんの“いばら姫”としての矜持と、
最終回・12話ロイドとボンドの散歩エピソードで垣間見えた、
戦いと家族に関する考え方の違い。

{netabare} 私が凡百の戦争映画を観る気すら起きない理由の一つに、
誰かの思惑で始めた戦争が、いつの間にか巻き込まれた個々の家族や愛する人のための戦いという美談にすり替わるという詐欺的プロットがありますが。

ヨルさんは弟の外交官・ユーリと共に、
上の思惑は知らないけれど、命じられたまま家族のために“わるものさん”と戦うという生き方に疑問を抱かないまま育って来た姉弟。
豪華客船での戦いでは、ヨル自身にも生き方についての葛藤がありますが、
結局、フォージャー家を想って身命を賭す生き様を貫き通してしまう。

ここまでならば私も眉をひそめる、いつものいけ好かない美談で評点も物語3.5点でしたが、
4.0点にしたのは最終12話で放火現場からペットを助けるために危険を冒したボンドに、
ロイドが職業犬訓練よりもまずフォージャー家の一員であることを自覚して、
無事に帰ることを第一に考えるよう優しく諭す場面ゆえ。{/netabare}

ロイドとヨルには、西国(ウェスタリス)の諜報員と、東国(オスタニア)
の暗殺者というだけでなく、
戦いに対する価値観に大きな隔たりがあり、今後、火薬庫になり得ることを全体構成で示して締める。
『スパファミ』は毎クール一見静かな幕引きのようで、重た目の課題を私に残していきます。

マジメに戦争と平和について結論を急ぐ戦争映画より、
本作のような、明るいホームコメディの方が、うっかり核心を突いてしまうこともあり得る。
ロイド(偽名)は何故、子どもが泣かない世界のため、戦闘員ではなくスパイを選んだのか?
今後も、ロイドこと“黄昏”の過去などに焦点を合わせつつ、核心を見逃さないようにしたいものです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・WIT STUDIO✕CloverWorks

序盤は日常回が続くため相変わらずアーニャの顔芸が楽しいClover色が、
中盤「豪華客船戦」では緻密に構築、管理された船上バトル空間の中で、
暗殺者同士が躍動するド派手なバトルアニメーションもありWIT色が強めな感。
美しい打ち上げ花火と血しぶきのコントラストに両スタジオのコラボを実感しますw


湯浅 政明氏がコンテ・演出を手掛けたOPアニメーションも印象的。
どうあがいても溢れない紅茶に、
薄氷の上に成り立つ偽装家族が効果的に比喩されていて、私はずっと紅茶を目で追っていましたw

ユージン氏によるEDアニメーションにも温味がありました。
紙人形劇風に、時に人物の裏表をひっくり返す演出も交えて、
アーニャだけが見えている人間の二面性を表現したという深イイED。
サビでダミアンに怪しい視線を送ってほくそ笑むアーニャがツボですw


【キャラ 4.0点】
サブエピソードで周りを掘り下げても結局アーニャが可愛かったに帰結する本シリーズ。
今回は{netabare} 古語{/netabare} が得意なアーニャを通じて出生地に関するヒントが示され、
アーニャもまたボンド同様、戦争を背景とした能力開発被験者である説を思い出させられますが、
深い詮索はなく、今日もせかいはへいわ。

今後もしもアーニャ一強に変化をもたらすとすれば、私はダミアンだと思っています。
そういう意味で2話Bパートの野外学習にて、特殊クレジット演出でダミアントリオをフィーチャーしてくれたのは嬉しかったです。
ただアーニャとの関係については、{netabare} ババ抜き{/netabare} の件といい、
ダミアンは“チョロイン”過ぎて陥落する時は一気にキャラを消費し尽くしそうな懸念もw

終盤には、ロイドを巡るヨルとフィオナの“正妻戦争”にベッキーも乱入しフォージャー家に上がり込む。
ナチュラルに庶民をころすセレブ自慢といい、
ベッキーは可愛くない可愛い親友枠として育成する方針なのでしょうかw


バトルでは“わるもの”役にいちいち通り名が付されていたのもシリアス、コメディ両面で要素補強になっていました。
例えば{netabare} 鎖鎌のバーナビー{/netabare} とかw

私が敢闘賞を送りたいのはヨルの先輩で的確な“お掃除ぶり”が渋い
デッキブラシの部長さん。


【声優 4.5点】
アーニャ役の種崎 敦美さん。
秘密露見等による家族崩壊を回避するためウソを付く場面も増えたアーニャ。
ウソで誤魔化す時は、棒読み風に演じることで、
視聴者にはウソと分かる、ロイドよ何故気づかない(笑)というお馴染みの種崎さんの芸風にも益々磨きがかかる。
豪華客船にて、{netabare} 託児所から脱出するため、お姉さんにボール遊びもうすぐ飽きる~などと{/netabare} とぼけるアーニャがお気に入りですw

『スパファミ』はアニメから楽しもうと7巻で原作購読止めている私にとっては未知のシナリオに入ってきた2期。
キャスト陣は適宜アドリブも入れて演じているとのことですが、
原作未読エピソードだとどこがアドリブだか全然分かりませんねw
各々がキャラをしっかりつかんだ上で自由に演じることができているのだと思います。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は(K)NoW_NAMEが続投。
同グループには中低音でパンチを効かせるAyaka Tachibanaさんがアップテンポナンバーなどを、
キーボード弾き語り&高音ボイスで癒やしを与えるNIKIIEさんがスローバラードなどを歌唱する。
二人の女性ボーカルを駆使しした幅広い表現対応という強みがあります。

ホームコメディ色が強い『スパファミ』ではどうしても有効活用されるのはNIKIIEさんの日常ソングで、
Ayaka Tachibanaさんはこんな場面でバトルソングとは大仰な(笑)という“無駄使い”コメディ要素が強かったのですがw
今回の豪華客船ではAyaka Tachibanaさんも「Until the End」でバトルを彩ってくれました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ショートストーリー中心

2期は話あまり進まず。
家族の日常生活で起こるいざこざとかアクシデントをなんとか解決していくものが多い。それもあってか短編メイン。
ちょくちょくミッションあるけど、本質をついたものでもない印象。
安定して面白いし、ヨルさん可愛いけど、話進んでほしいな。殺し屋たちとのバトルは圧倒的すぎ。


OP
クラクラ Ado
ED
トドメの一撃 feat. Cory Wong Vaundy
挿入歌
Little steps (K)NoW_NAME
Garden (K)NoW_NAME
Until the End (K)NoW_NAME
uneven fruit (K)NoW_NAME


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った"娘"は心を読む超能力者! "妻"は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族に、世界の平和は託された--。

【MISSION:26】ちちとははをびこうせよ
〈ガーデン〉の仕事で負傷したヨルは、痛みをこらえながら帰宅。その様子にロイドは、自分が彼女を不機嫌にさせたと勘違い! 翌日、ロイドはヨルの機嫌を取るためにデートに誘い、ヨルも普通の妻としての行動を学ぶため張り切ってこれを受ける。そしてお留守番のアーニャは、フランキーとともにデート中の二人を尾行するのであった。

【MISSION:27】 ボンドの生存戦略/ダミアンの野外学習
「ボンドの生存戦略」不穏な未来を予知し、ヨルの手作りご飯が原因だと考えたボンド。運命を変えるため、ロイドを探しに家を出る! ロイドを見つけるボンドだが、〈WISE(ワイズ)〉の任務の最中ですぐに帰れそうになく……。/「ダミアンの野外学習」寝坊の罰で寮母を手伝うことになったダミアン。ダミアンを放っておけないエミールとユーインも、わざと罰を受けて合流する。そんな彼らにヘンダーソンは、グリーン先生との野外学習を命じて……!?

【MISSION:28】 任務と家族/華麗なるボンドマン/子ども心/目覚まし
「任務と家族」秘密警察の仕事に精を出すユーリ。この日は東国(オスタニア)を揶揄する記事を西国(ウェスタリス)に売っていると疑わしい元新聞記者を調査することに。調査を続けるユーリは、元新聞記者の胸中や家庭状況を知るが……。/「華麗なるボンドマン」アーニャが大好きなアニメの主人公・ボンドマン。華麗なるスパイの活躍に迫る!!/「子ども心/目覚まし」フォージャー家やイーデン校生たちのゆかいな日常を紹介!!

【MISSION:29】 知恵の甘味/情報屋の恋愛大作戦Ⅱ
「知恵の甘味」イーデン校の学食に幻のスイーツが登場!食べた者は“皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)になれると言われる限定マカロンをめぐり、アーニャたちの熾烈な頭脳戦が開幕!!/「情報屋の恋愛大作戦Ⅱ」カフェの店員に恋をしたフランキーは、彼女のために逃げた飼い猫を探すことに。途中で出会ったヨルの協力も得て捜索を続ける中、フランキー自慢の発明品が威力を発揮する⁉

【MISSION:30】 越境作戦
ヨルは〈いばら姫〉の任務として、豪華客船での市役所の業務を装いながら、裏組織のグレッチャー家の生き残り、オルカとその子どもを国外に逃がすため護衛することに一方、アーニャは福引でクルーズ船の旅行を引き当てる! その船は、奇しくもヨルが任務で乗る船と同じだった。大波乱のバカンスが始まる――!!

【MISSION:31】 戦慄の豪華客船
クルーズ船に乗ったヨルは客室でオルカたちの護衛についていた。一方ヨルの上司・マシューは、オルカたちを狙う殺し屋を船内で発見。捕まえて問い質すと、大量の殺し屋たちが乗り込んでおり、それぞれが独自にオルカたちを狙っているという。その頃、ヨルが控えるオルカの部屋のドアを、何者かがノックして……。

【MISSION:32】 誰がための任務
アーニャの機嫌を取ろうと、「楽しく愉快な父親」を目指してお土産を選ぶロイド。一方その頃、護衛任務中のヨルは、殺し屋の一人・鎖鎌使いのバーナビーと対峙していた。殺し屋たちの襲撃が激しさを増していくなか、ヨルは〈いばら姫〉として戦う理由を自問自答するのであった……。

【MISSION:33】船上の交響曲(シンフォニー)/姉のハーブティー
花火大会を前に賑わうクルーズ船のデッキ。アーニャもロイドと一緒に花火を楽しんでいた。その一方で、ヨルの任務はいよいよ佳境へ。オルカたちを脱出させようとするが、殺し屋たちに囲まれてしまった! 夜空に綺麗な花火が打ち上がる中、ヨルは殺し屋たちとの死闘で鮮血を飛び散らせる!!

【MISSION:34】未来を繋ぐ手
名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者!“妻”は暗殺者で!?互いに正体を隠した仮初め家族に、世界の平和は託された--。

【MISSION:35】リゾートを満喫せよ/休暇自慢
殺し屋の襲撃と爆弾騒動から一夜明け、クルーズ船はリゾート島に到着。ロイドとアーニャはヨルと合流して、家族一緒にバカンスを楽しむ! アスレチック、乗馬、シュノーケリングなど、数々のアクティビティを満喫してアーニャもすっかりご満悦! そんなアーニャの笑顔を見て、ヨルはこの平和を噛みしめるのであった。

【MISSION:36】バーリント・ラブ/〈夜帷〉の日常
恋愛ドラマで盛り上がったベッキーは、写真で一目ぼれしたロイドに会うべくフォージャー家を訪れる! 必死にロイドにアプローチするベッキー。そしてアーニャも裕福になる暮らしを想像して、「なしじゃない」と少しだけベッキーの恋路を応援⁉ そこにヨルがボンドの散歩から帰ってきた。ライバル(?)との直接対決にベッキーの闘志が燃え上がり……!!

【MISSION:37】家族の一員
ロイドと一緒に散歩中のボンドは、道々で未来予知した事故を防ごうとしては騒動を起こし、ロイドに注意されてしまう。そんな中、今度は火事で燃え上がる建物と、その前で泣き叫ぶ女性の姿を予知する。注意されたばかりにも関わらず、現場へ駆け出してしまうボンド! ただならない様子にロイドもボンドを追う。たどり着いた先で見たものはーー。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

(妄想)目指すはルパンか、サザエさんかw

えーと、レビュータイトルは私自身の妄想、想像です。

まず、このようなレビュータイトルをつけた理由から・・・、
100%個人的な印象からです、以上!!

サーセン・・・、その印象についてw。
まずOPですね。
OPのインパクトがでかかったです。

あくまでも私の受ける印象なのですが、お洒落でPOPでカッコいい感じがしました。派手で、華やかで、ノリも良く映像とのマッチングが素晴らしい。
ちょっとイイ感じでした。
センスの良さを感じました、ちょっとスゴイと思いました。

そして、何度かこのOPを見ているうちに・・・。
アレ?この感じ・・・と思ったのです。

ココから主観がさらに暴走するのですが・・・。
ルパン味を感じてしまいました。
それも、ルパン三世シリーズが少しづつ認知されて、大人も見れるアニメとして少しづつ、おしゃれ感や粋な感じを自然にステップアップしていた頃のルパン味です。
「ルパン三世シリーズ」ってこうだよねぇ、こうじゃないとねェなんて意識がまだ確立していなくて、意識も薄かった時代に「自然とカッコよくなった時代」のルパン味デス。

最近のルパンも悪くはないんですけど、イメージが確立されている分だけ
「ルパンはこうじゃないと・・・、こんくらい洒落てないと・・・」と
無理矢理ひねり出している感があります(個人の見解です)。

そうして、このルパン味を感じたついでに、今作視聴後、思いを巡らすと・・・。
あれ、あまり物語としては進んでいないんじゃ・・・?
と思いまして・・・。

東西冷戦がどーしたこーした、も
世界平和がどーしたこーした、も
アーニャのステラの獲得、も

あまり進展はなく・・・。
「家族の絆」「互いの思い」的なところは少し深まったのかなとは思いますが。

あれれ・・・。
これどんだけシーズン重ねたら終わりが見えるの・・・?
と思った時、

もしかして、これキャラの設定だけ活かしたまま、いろいろなエピソード組み込むだけで、ずーっといけるんじゃないの?行くつもりじゃないの?

なーんて思った訳です。(100%個人の妄想、こじつけですw)

で、キャラの設定をずーっと活かしたままで続いているシリーズとして、
ルパンとサザエさんが浮かんだと・・・。

どーでもいい話を長々と申し訳ないw!!




さてと、作品のレビューをしておきましょうw。

作品としては、諸々が固まり、既に安定期と言っても良い状況かもしれません。
キャラクタも頭に入っており、それぞれの個性もサブキャラ含めて把握済みです。
そういう意味では、楽しみやすく、解りやすい環境でした。

安定期と表現したのには、前述したように「大筋の物語」としての進捗が薄く、新鮮味や大胆な動きが少なかったとの印象もあっての事です。

作画は人気作だけあって、破綻もなく、こちらも安定していたと思います。
特段視聴に問題のあるような点もなく、特にいうべきこともないと思いました。

声優さんも、もはや耳馴染んでおり、安心して視聴できるレベルです。

音楽はOPについては、映像とあいまって特筆するべきレベルの出来の良さでは無かったかと思います。
キャラの個性も良く出ていましたし、大胆な構図も面白かったです。
EDもOPとは一味違って、落ち着き感があってよかったです。

キャラについては、どれもキャラ立ちをしっかりしていて、ロイド、アーニャ、ヨルの主役組は言うまでもなく活躍していました。
もじゃもじゃもちゃんと登場して動いていますし、ダミアン組も自身のエピソードもあり、しっかりとしていました。
個人的に、おっかしかったのは11話目のエピソードでのベッキーです。
思わず吹き出してしまいそうになることがありました。
これは、今後の活躍も期待したいです。


以上、妄想も多分に含んだレビューですが、終わらせていただきます。

当然、人気作なので今後の期待もあるかとは思うのですが、
このほぼ固まっているスタイルのまま行くのか、大筋の物語を動かして進んでいくのか、個人的には興味があります。

またの機会、またのシリーズがあれば視聴をしてみたいと考えています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

79.6 2 秘密で戦闘なアニメランキング2位
寄生獣 セイの格率(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1612)
7756人が棚に入れました
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そっくりに擬態する、彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。
平凡な高校生である泉新一は、一匹のパラサイトの襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活の幕開けである。

声優・キャラクター
平野綾、島﨑信長、花澤香菜、沢城みゆき、安野希世乃、前田玲奈、田中敦子、吉野裕行、KENN、芹澤優、鈴木琢磨、村瀬歩、石田彰、水島裕、二又一成、井上和彦、青柳尊哉、浪川大輔
ネタバレ

ユキオウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ある日人間でも化け物でもない僕の戦いが始まる。

原作既読、20年以上前の作品のアニメ化になります。
現代に合わせた時代設定、キャラデザの一新など新規ファンにも受け入れやすい点が多く見られます。
※グロ描写が苦手な方は視聴をオススメしません。

■あらすじ
どこにでもいる高校生の泉新一はある日宇宙から来た謎の寄生生物に右手を寄生されることから始まる。
『人間』・『寄生生物』・『新一とミギー』と大まかにこの三者との間に物語は進行する。

■作品紹介
この物語は特殊な主人公がリアルな日常でSFサスペンスの世界に引き込まれてしまったらどうなるのか!?といった感じです。
主人公の新一が人間代表だと思いきやミギーという秘密兵器を所持しある意味最初からラスボス的な立ち位置なのが面白いです。
規模が大きくなってしまう物語が多いなか、主な場面は一つや二つの市内で行われる話なので登場人物の心理描写がとても丁寧ですし何よりも魅力的に感じると思います。

■OP、ED評価
{netabare}
OP ☆2.5
♫Fear, and Loathing in Las Vegas/Let Me Hear
現時代的で派手なロックバンドの音楽。
マッドハウスのアニメとFear, and Loathing in Las Vegasは相性が良い。
アニメの構成は曲と合うようにスタイリッシュなんですがビジュアル的に普通な人が多いのでクールな演出がアンバランスになっている印象。
新一がアメコミヒーローみたいなのも残念です。

ED ☆4.5
♫三浦 大知/IT'S THE RIGHT TIME
OPと反して白を基調とした良い浄化ENDです、これを見て泣く回もあっていいと思います。
定番といえば定番な感じですが平穏な日常を淡々と映し出すこのシンプルさが素晴らしい。
{/netabare}

■各話あらすじとレビュー

【第1話】
{netabare}
『変身』
新一と寄生生物の出会い。
各地で寄生生物が活動し始める。(全国ニュースで残酷な殺人事件のニュースが話題に)
宇宙から来た生物であると右手が説明、新一の血液を養分に生きている為、共生することになる。
登校中、仲間がいると右手は察知する。
そこには飼い犬に寄生した生物と戦いを繰り広げる。
右手は生物の心臓をもぎ取り、勝利する。

右手の生物の声に違和感、見ていけば慣れるとは思いますが…よく言えばキャラっぽさが増した感じはするので親しみはあるのかなと。
☆3.5
{/netabare}

【第2話】
{netabare}
『肉体の悪魔』
不良に絡まれる女性、助けた男性は寄生生物だった。
言語を覚え、右手に寄生した生物は自らを“ミギー”と称する。
ここまで地球の社会を研究し悪魔に一番近いのは人間だと言うミギー、寄生生物によって凶悪事件が発生するなか、人間のために戦いたいと決意する
新一であった。
街中で寄生獣と遭遇、人気のない空き地で対決。
ミギーは敵の誘導を無視し、撃退する。
新一と村野さんがデート。(村野さんは真一の異変を感じる?)
暗闇の一室で向き合う裸体の男女(男性はアバンで登場した寄生生物)

右手の生物にめでたく名前がつきました!覚えやすい!
グロい戦闘が続く中、臆せず戦う新一は勇敢ですが脳を侵食されてはいはいないもののミギーの影響は受けているようです。
村野さんとデート中に絡まれた不良を食ってやるぞと鬼気迫る表情でひれ伏せます、新一どうなってしまうんだ…
最後に登場した男女はただものではないですね。
一人は寄生獣確定なこともあって新一が学校で散々ミギーにいじられた生殖機能のことが伏線になってたようです。
シリアスな中にギャグっぽい要素も入っているのでただグロを当てつけられているわけではない気がします。
☆3.5
{/netabare}

【第3話】
{netabare}
『饗宴』
満員電車の車内で痴漢に気づいた妊娠中の女性は停車した駅で常人の力ではない勢いで車外に痴漢を突き飛ばす。(前回の最後に現れた女性である)
その女性は3年3組の副担任(村野さんのクラス)に配属されることとなる名前は田宮良子。
ミギーは人間社会に溶け込んでいるため、公の中で殺意はないと推測する。
放課後、田宮に呼び出され詳しい話を外でしたいとのこと。
喫茶店でA(寄生生物)と言う男と現れる田宮、生殖行為をしたものの、人間の子が生まれることがわかり私達は生物なのか何なのか気になると述べる田宮。
Aは新一を生かしておくと危険であると言いその場を去る。
翌日に白昼堂々新一の学校に侵入するA。
皆が避難するなか、Aに向かう新一。
ミギーは我々の違いは何かと問い、新一に一緒に効果的に戦えと指示する。
そこにAが登場。(新一が廊下に設置した机のバリケードは役に立たず、窓ガラスを突き破って外から侵入される)

新キャラの田宮良子は今後のキーパーソンになりそうです。(寄生生物にしては物事を論理的に考えてます)
彼女と一応協力関係になりますが展開次第で敵対することになることでしょう。
寄生獣にもそれぞれ性格の違いがあるようです。
次回はAとの戦闘が始めから繰り広げられると予想されるので序盤の重要な回になるかもしれないです。
☆3.5
{/netabare}

【第4話】
{netabare}
『みだれ髪』
戦うミギー。
ミギーは我々ができるのは分業だと言う。
机の足をAに刺すミギー、重傷を負い移動し身体を変えようとするA。
ガスボンベを爆発させAを殺した田宮。
教員としての居場所に限界を感じ田宮良子を辞めると言う田宮。
人間を食べるのは何かしらの命令を受けているのだと言い、この種(人間)を食い殺せと命令されたとも言う田宮。
そんな田宮は子供は産むと宣言。
新一が僅かに混じっていると察する田宮。
田宮の実母にバレる田宮。
分離していられるのは3分だと実験するミギー。(理屈では頭から頭へ移動できると解釈)
両親に悩み事があると感づかれる新一。
母親と幼少期の新一(回想)
キッチンで新一をかばい、火傷する母の姿を思い出す。
食卓で涙するお母さん、秘密が言えないので嘘をつく新一。
旅行に行く父母。

家族の絆を描いた回でしたがやはり寄生獣と合い対する場面での精神的な怖さがあまり伝わってこないのが残念です。
蛇足ですが原作の意味不明なものへの恐怖感というかジャパニーズホラーの冷たい恐怖というよりアメリカンホラーっぽい感じで作り手の「どうだ怖いだろ!」って見せられている感じがイマイチです。
ホラー苦手な人に対してはこの作品の表現はより大衆向けだと思いますので、多くの人が見るのには支障は来さないレベルではあるので見易いとも言える点なのかもしれません。
☆3.5
{/netabare}

【第5話】
{netabare}
『異邦人』
夜ドライブ中の男女(女は寄生生物)、事故に会い男に頭への移動を試みる寄生生物。
脳に変化がありそうな新一。
長井をボコボコにする不良グループ。
ミギーには献身の心が特にわからないという。
新一をボコボコにする不良リーダー(ミツオ)。
新一の狂気に気づく不良グループ女の子加奈。
最近幅を利かしていると話す上条。
放課後またミツオ達に絡まれる新一と村野さん。
勝ち目のない戦いを避けろと助言するミギー。
一方的に殴打される新一だが上条と長井達が大勢連れて参上。
新一と村野さんのニヤニヤするシーン。
村野さんを見送る新一の背後に加奈が現れる。
村野さんより感覚が鋭い加奈。
―旅行先の両親、母が寄生生物に殺される。
重傷の父が公衆電話から化物が母を…と言う。
新一は寄生生物のことだと察する。
夜が明け、母さんかと思ったら寄生生物だった。
ショックで気が動転する新一に母(寄生生物)は胸を貫く!!

君嶋加奈が登場、重要なキャラになりそうである。
カーチャン…
人間と寄生生物に対しての新一の葛藤による苦しみがひしひしと伝わる回でした。
最後のシーンのBGMががっかり過ぎる、序盤はいいんだけど音数が増えて電子音が多くなっていくとくクオリティの高い作画と声優の演技をぶち壊してる気がしてならないです。というかむしろ無音にしてもよかったのでは。
☆4.0
{/netabare}

【第6話】
{netabare}
『日はまた昇る』
倒れる新一、去っていく母。(寄生生物)
心臓と同化を試みるミギー。
学校では新一の心配をする村野さん達。(新一がモテモテ)
新一を看病するミギー、目覚める新一。
母が寄生生物になったことが事実だと意気消沈する新一。
桜崎病院から電話があり父がいると連絡が入り向かう新一。
警察から事情聴取をされる父。
父と対面する新一。
化物に殺されたのは夢だと意地を張る父。
病院のすぐ裏の民宿に宿泊する新一。
新一の修復でミギーの体質が変わり一日のうち4時間完全に眠ることとなる。
新一ここでも民宿の娘にモテる。
寄生生物を察知し、浜辺で発見する新一。

新一がモテモテ過ぎて羨ましいですね。
ミギーが眠っていたのでより新一の一人語りが多い回でした。作画の休憩といったところかもしれませんが要所での原作を意識した作画のカットが印象に残ります。
☆3.5
{/netabare}

【第7話】
{netabare}
『暗夜行路』
脳が生き残っている人(寄生生物)に会う。(口に寄生、寄生生物の声がミギーのようにかわいい)
崖から飛び降り自殺をしようとした宇田守に寄生するパラサイト。(宇田さんはいい人そうです、良かったね新一)
心臓の治癒でミギーの30%が全身に散っていることを新一は知る。
流れない涙にそのことを実感する新一。
寄生獣が現れたと電話する宇田さん。
向かう新一、刃物に変化し眠ってしまうミギー。
新一母に会ってしまう宇田さん、あっさりとやられる。
新一登場!(タイミングが遅かった!)
人間離れの動きをする新一。(寄生生物30%配合されているだけはある)
トドメを刺す宇田さん、新一は母に寄生した寄生生物を倒す。
家に帰る新一と父。

宇田さんが登場しました。彼も寄生獣に身体の一部分だけ寄生された人間、涙もろく人情味溢れる存在です。
テレビで言葉を覚えたパラサイトは声が荒っぽくどこかかわいい(笑)
新一に母を殺させないよう手を下す宇田さんに人間らしさを感じます。
帰ってきた新一がイメチェンしてました。
新一の変化と今後の展開に拍車をかける回。
☆4.0
{/netabare}

【第8話】
{netabare}
『氷点』
田宮と食人中の謎の寄生生物、新一を監視しろと言う田宮。
新一が気になる加奈、新一にいちゃもんつけるミツオ。
対マンで楽勝になった新一。(雰囲気がずいぶんと変わってしまった)
新一を不信に思う村野さん。
飲んだくれの父。
涙が出なくなり人として何かを失ったという新一。(聴覚が鋭くなる)
助けを呼ぶ声、事故により瀕死で車道に横たわる犬だった。
ゴミ箱に犬を捨てる新一(無慈悲)とガチ引きの村野さん。
校舎内でミギーは田宮以外の寄生生物を察知。
島田秀雄と名乗る。
田宮は別の名前になっており、寄生生物でも人間として生活していると語る島田。
新一を待っていたら島田に捕まる新一。
テレパシーを感じるという加奈。
島田に惚れる裕子。
やはり女を食べていた島田。
飲んだくれの父。(Part.2)

島田秀雄が登場、自分は人を襲わないと言っていますが田宮より信用できなさ過ぎです。
新一がどんどん化け物になっていってます、自分が否定していた寄生生物になりつつあるのでしょうか。
村野さんもショックが大きいようです。
加奈の方は新一に運命を感じているようですが島田に捕まえられそうになるなど危なっかしい印象。
☆3.5
{/netabare}

【第9話】
{netabare}
『善悪の彼岸』
島田につけられる加奈、そこにミツオが登場。
公園のトイレで島田にボコボコにされるミツオ。(いつも殴られてる)
家で警察と話をする新一の父。(寄生生物の似顔絵を描いたスケッチ)
寄生生物は何のために生きているのか探していると語る田宮改め田村。
警察の兄に人相を聞く裕子。
島田に殺意があると察知するミギー。
新一の力にビビる矢野さん。
前と変わった新一にショックな村野さん。
生物として進化した新一。
顔を変える島田を目撃する裕子。
兄にスケッチの件を聞くが自分が見た光景について言わない裕子。
直接島田と話して聞いてみようとする裕子は理科室に島田を呼び出しまんまと引っ掛かる。
島田の殺意に気づき、席から立ち上がる新一。

裕子回ですね、島田を探って成果が出ましたが事態は悪い方向に。
最後の島田の変身シーンに良い意味で恐怖しました、なぜAはあぁならなかったのか残念です。(ここの音楽は良かったです。)
☆4.0
{/netabare}

【第10話】
{netabare}
『発狂した宇宙』
裕子を襲う島田は裕子に酸を掛けられる。
裕子の決死のダイブ。
顔を潰され感覚が狂う島田は無差別に人を襲う。
3階では人が沢山惨殺されていた。
一瞬人間としての感覚が戻る新一。
無事だった村野さん、島田に瞬殺されてしまうクラスメイト2名。
村野さんを学校から救い出す新一。(リアル超人)
警察に発砲されながら徘徊する島田。
向かいのビルから屋上に立つ島田に石を遠投し倒す新一たちであった。(正確すぎるコントロール)
毎度のように悩む新一。
島田がされる解剖。
考える筋肉だと言う研究者。
政府は公表しなかったが髪の毛を抜きあう挨拶を影で情報操作した。

案外だけれど裕子の予防策もあってか島田は割とあっさりやられてしまった。
村野さんと話せるようになった新一。
ようやく政府が寄生生物を認識し、国家規模での対策が始まりました。
もともとこの世界の日本の治安は悪かったようでだいぶ被害者が出てからの開始になった気がします。
対応の遅さは本物の政府っぽさが出てますね。
☆4.0
{/netabare}

【第11話】
{netabare}
『青い鳥』
髪の毛の挨拶でバレて人を食べる寄生生物。(無慈悲)
化物に襲われ、新一に助けられる夢を見る加奈。(なかなかロマンチスト)
新一の髪の毛を抜いてみるが何も起こらない。
加奈と話す村野さん。
ヤクザの事務所に乗り込むタンクトップの寄生生物、いとも簡単に構成員達を倒していく。(笑顔に恐怖を感じます)
拳銃や刃物を持った人間とどこまで相手にできるか実験するためだった。
ボスと話す先ほどの寄生生物。(新たなグループの登場)
新一と村野さんのデート。(微笑ましい。)
ところどころ新一に悲壮感を感じる。
キスする新一と村野さん。
村野さんへの想いで人間としての自分を感じる新一に対して、以前と違う新一を悲観し涙する村野さん。(こっちが切なくなる)
加奈に呼び出される新一は選挙活動をする寄生生物達と出くわす。

戦闘がないと話がもっさりした感じなのが否めません、少しテンポが悪いなぁとか思います。
政界に進出する寄生生物が現れました、人間社会を理解して成長していることはなかなかの脅威です。
☆3.5
{/netabare}

【第12話】
{netabare}
『こころ』
前話と同じ夢を見る加奈。
情報を把握するために政治家になろうとしていると話す新一とミギー。
寄生生物の成長を探す新一とミギー。
加奈と出くわし自分以外に反応する者はいるのかと聞く新一。
ミツオ登場。
加奈への情で俺を殺すなと言うミギー。
―夜、寄生生物を察知する加奈。
加奈にミギーの秘密を打ち明ける新一。
新一だけを嗅ぎ分けられるという加奈。
寄生生物の選挙候補者(広川)が当選する。
ストーカー化する加奈。(こええ)
本物のストーカーっぽいミツオ。(こええ)
加奈の能力が強まり寄生生物が探知する信号を放つようになったと言うミギー。
加奈のヤンデレ化が深刻というかこの娘完全にストーカーじゃねーか。
電話スルーの加奈。
廃墟で寄生生物を見つける加奈。
新一が来た瞬間、胸を貫く。
新一無双…したものの、加奈は亡くなる。
悔やむミツオ、人間じゃねぇと言うミツオ。
人間じゃねぇよと返す新一。

人間で新一の理解者になるかもしれなかった加奈が亡くなってしまいました。
今後新一の味方となってくれる人が出てきてほしいですね、最後のミツオとの場面は前半のベストシーンだと思います。
☆4.5
{/netabare}

【第13話】
{netabare}
『悲しみよこんにちは』
学校の帰り道に新一と村野さんをつける謎の男性。(田村が手配した探偵だった、名は倉森)
田宮良子=(田村玲子)達、寄生生物グループの会議。(新一の件は私に任せろと言う田村)
いつの間にか子供を産んでいた田村。
加奈の事件の件で噂になっている新一、村野さんの不信感が増す。
探偵に新一の変化を聞く田村。
村野さんにした行動などがようやく普通じゃない行動だと気づく新一。
ずっとつける倉森探偵。
新一は事件現場に向かう。(人間としての悲しみを思い出し、忘れずにいるためだった)
倉森探偵に撮られる新一とミギー。
新一は人間としてミギーの倉森探偵の殺害を阻止する。
倉森探偵の正体がつかめずピンチになる新一とミギー。
村野さんと話をするため夜の公園に呼び出す新一。
新一の心を心配する村野さん。(可哀そう)

神回でした、新一の葛藤と何も知らない村野さんとの悲しいやりとりが胸に刺さります。
寄生獣の奥深さを表しているというか…主人公の肉体は一つなんですが同時に二つの異なった生命を宿していて片方には感情がない。
感情を捨てる世界で人はどうなるのかといったらある意味これは戦争に赴く兵士なのでしょう。新一のたった一人の孤独な戦いのようでただ悲しい。
☆5.0
{/netabare}

【第14話】
{netabare}
『悲しみよこんにちは』
村野さんに別れを告げる新一。
敵は案外小規模だと言うミギー。
宇田さんに協力を頼む新一。
宇田さんは自分に寄生している生物の名をパラサイトからジョーに変える。
田村と話す倉森探偵、新一の右手の異変に気づく。
笑う田村。(気持ち悪い)
帰宅する倉森探偵(夜中にうなされたりと結構精神的ダメージがきてる)
世間をアッと言わせると妻に話し意気込む倉森探偵。
新一達は倉森探偵を捕まえる。
話を聞き落ち着く倉森探偵だが、あまりに不可解で懐疑的にはなる様子。
ミギーが珍しく倉森探偵を人道的に諭す。
お前は寄生生物(田村玲子)に依頼されたのだと言うミギー。
大学で講義を受ける田村。
愛のように思えるのは利己的遺伝子、しかしこの説は例外もあると講義する大学教授。
寄生生物は闇雲に人を殺さず共存する予定だと言う新一。
子供を実験材料にしようとする田村。
占い師にアドバイスされるがその相手は殺したと言う新一。(表情がこええ)

新一達はようやく倉森探偵とまともに話します。
田村は人間を少しずつ理解し成長はしているもののあくまで自分の存続のためだであり、寄生生物側である。
新一は人間側のためにどう動くのか気になる回でした。
☆4.0
{/netabare}

【第15話】
{netabare}
『何かが道をやって来る』
田村と外から出てきた寄生生物をつける倉森部下。
地下駐車場で殺害されていた女、捕まる倉森部下。
力を貸してほしいと言う倉森探偵。
女性が寄生生物の胸を貫かれる。
広川(市長)によって組織的に人食いが行われているのを知る。
寄生生物をまじまじと見て戦意をなくす倉森探偵。
普通の人間じゃないと言われる新一。
1匹ずつ倒そうと考える新一。(1人でも人間を救いたいと考える)
広川らは新一の殺害を決議する。
後藤と三木が登場。
夢で寄生生物から鏡で自分の姿を見せられる。(鏡の新一は化け物)
学校で3匹を察知する新一達。
眠ってしまうミギー、タクシーに乗り逃げる新一。
寄生生物に狙われる新一。
3匹の寄生生物で構成される三木との戦闘になる。

倉森探偵の協力も借りられず結局一人で戦うことになる新一。
倉森さん新一達にプラスになりそうにないなぁ。
三木は今までの敵よりも強そうなので次回が楽しみな展開。
☆4.0
{/netabare}

【第16話】
{netabare}
『幸福な家庭』
家族を寄生生物に殺害される倉森探偵。
三木との戦闘に入る新一とミギー。(がっかり戦闘BGM、生死分けた戦いで軽
過ぎる)
刃の多さに苦戦する新一達、寄生範囲の広さが気になると言うミギー。
寄生部分は頭と両腕部分だけではなかった。
頭が他部分を統率しているため頭が弱点だとわかったミギー。
頭を切断したが本当は5匹宿っていたことがわかる。
5匹を統率していたのは後藤だった。
トラックに乗り逃げる新一、足を変形させ追いかける後藤。
対向車線のトラックと衝突させ後藤から逃げることに成功する新一。
警察と面会する倉森探偵。
生き抜くことを理由に泥棒するミギー。(新一は食事と服を購入)
家から逃げろと父に頼み了承する父。
警察に敵を田村だと密告する倉森探偵。
前話を合わせて夢で16回新一と会い会話するミギー。(意味深である)
―寄生生物グループのアジト
倉森探偵を殺さず家族だけ殺した男女(寄生生物)を田村はミスだと指摘する。
田村を本当の仲間か疑い、危険視する男女。
新一を心配する村野さん。(定期)
田村を狙う倉森探偵。
味方の殺意、敵意を察知し3匹の寄生生物に囲まれる田村。

前半の三木との戦闘はなかなかスリリングで迫力のある作画が印象的でした。特に三木の首を刈るシーンは見どころ。
三木は3体ではなく、本当は5体編成で統率を取るのは後藤なのは驚くポイントですね。(名前でネタばれ感は否めませんが)
家族を殺され復讐する倉森探偵はどこまでも普通の人間だなぁと思いました。寄生生物に関わってしまった彼はどうなるのでしょうか。
また、窮地に立たされた田村、今後も寄生生物との戦いを控える新一、自宅から逃げることを余儀なくされる父、新一をけなげに待つ村野さんと登場人物の運命やいかに。
☆4.5
{/netabare}

【第17話】
{netabare}
『瀕死の探偵』
広川や後藤とは違う田村を囲った寄生生物達。
寄生生物にも性格や能力の個体差があることを実感する田村。
半分を分離し攻撃する田村、1匹を誘導する。
2匹を倒し、寄生生物の殺意を利用し誘導した1匹も倒す田村。
帰宅する田村は倉森探偵に子供を誘拐されたことを知る。
(幼児用ベッドに貼り紙“お母さまへ 明日午後5時 ひかり第一公園 名探偵ホームズ”)
人間と寄生生物の中間にいる新一に渡したいものがあるので午後5時20分、ひかり第一公園へ来てほしいという田村。(新一の家から電話)
新一の家の前で田村と話すいつものように待っていた村野さん。
田村の家へ潜入する警察は貼り紙を見る。
―翌日、ひかり第一公園
田村の子を抱える倉森探偵と田村。
田村の波長を察知するがこれまでと違うと言うミギー。
倉森探偵が子供を高台から落とすのを阻止し倒す田村。(子供に対する愛が芽生え始める)
田村を追う村野さんも公園に来た模様。
倉森探偵を見つけた警察。
新一達のことを秘密にして亡くなる倉森探偵(あんた名探偵だよ)
田村と会う新一。

倉森探偵はどこまでも普通な人でした、死に際に名探偵になったのはある意味彼としては大往生なのかもしれない。
田村にこれまでなかった感情が生まれてきているようです、今のところ寄生生物として一番進化している印象。
次回田村が新一に渡すものは何か、警察といよいよ顔を合わせるのかと面白い展開。
☆4.5
{/netabare}

【第18話】
{netabare}
『人間以上』
人間を38人殺したという田村。(寄生生物の中では希少な数字)
寄生生物は必ずしも人を殺さずに生きていけると話す田村。
我々は人間の子供だ、一つの家族だと言う田村。
後藤とは戦うなと言う田村。
笑う田村。
平間さん(警察)に囲まれる新一と田村。
発砲する平間さん、部下の警官も発砲する。
子供を守る田村。
この世に何のために生まれてきたのか今まで考えてきたと言う田村。
新一にありがとうと言い戦わず死ぬ田村。
母の死に泣く子供。
久しぶりに涙を流す新一、以前の新一が帰ってきたと言う村野さん。
囚人の浦上が登場、面会室で新一と対面し他の人間との違いに気づく。
「俺の目を真っ直ぐ見ろ。」と言う浦上。

田村がここでこの世を去ります、他の寄生生物の中では最も好奇心旺盛だった印象です。それ故、寄生生物であることに疑問が多かったのであるしある意味感情を持つ人間に憧れたんだと思います。
新一も顔を母に変えてまで訴える田村に心を開き、人間の感情をまた思い出すことに至ったのでしょう。
浦上は新一の正体を知るのでしょうか、というかなかなか声が合ってる。
☆5.0
{/netabare}

【第19話】
{netabare}
『冷血』
浦上を見て人間だとわかる新一、眠るミギー。
浦上は人間と寄生生物を見分けられる。(今まで犯した殺人などで人間の品質を理解できるため)
他の生物と同様、多種と同種を見分けられる能力がある。(野生の勘)
新一を紛らわしいと言う浦上。(目の奥に何か潜んでいると疑う)
警察の実動部隊の指揮を取る山岸が登場。
害虫駆除をすると言う山岸。(完全に殺る気である)
―話す広川と後藤。
新一帰宅を狙って校門で待つ平間さん。
実動部隊の会議で話す新一と山岸。(火炎放射機が効果的だと話すミギー)
市役所で寄生生物をあぶり出す実動部隊。
ミギーは新一に寄生生物が相当な数潜んでいると言う。

浦上が良いキャラしてますね。(畜生だけど)
敵の本部に突入といったところでしょうか、話数的にもそろそろ人間と寄生生物の決戦が始まります、新一とミギーはどうなるのか!
☆4.0
{/netabare}

【第20話】
{netabare}
『罪と罰』
寄生生物を1匹射殺する実動部隊、浦上を使えと指示する平間さん。
2階に市民がいるからと逃げる広川達(寄生生物)。
装置が破壊され人間と寄生生物の差が分からなくなり人間にも被害者が。
敵の殲滅が目的だった為、次々寄生生物を倒す実動部隊。(市民にも被害)
後藤を見て逃げる浦上。(そりゃ怖い)
散弾で蜂の巣になっても血が出ない後藤は吸収した散弾を跳ね返し実動部隊を射殺する。(レベルが違い過ぎる)
議会場に立つ広川を実働部隊は発見する!

装置が破壊されました、予想はできた方も多いと思います。
実動部隊と寄生生物との戦いで市役所が血みどろに…全話で村野さんが言ってたなぁ。
後藤と広川が満を持して登場、圧倒的な力に人間側はどうなるんだ!
…新一とミギーの出番少なかったね。
☆4.5
{/netabare}

【第21話】
{netabare}
『性と聖』
広川を駆除しろと指示する山岸。
今回は君たちの勝ちだ、間引きしろ、人間は多過ぎるのでピラミッドの上に立つのは寄生生物だと言う広川。
「人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!…いや、寄生獣か。」と言う広川。
射殺された広川は人間だった。
計画は全て終わったと言う後藤。
刑事を打つ浦上。(逃げようとする魂胆)
戦いこそ目的だと言う後藤。
役目は終わったと言うミギー。
その気になれば人間の勝ちだと言うミギー。(新一は何か変だと言う)
後藤無双。(ここはヤツの巣だと解説する山岸)
部下を倒した後藤と一対一になる山岸。
単なる野生生物だと語る後藤、山岸を倒す。
お前を殺すと言い逃げていく後藤。
新一にまだ何か隠しているだろと言う平間さん。
別れを決意する新一、街中でミギーが眠るのに恐怖する新一。
村野さんを抱きしめる新一。(つらそう)
どこか逃げようか考える新一。
夜の公園で新一会う村野さん。
結ばれる二人。
生きようと決意する新一。

なんと広川は人間でした、あとタイトルの意味が明かされます。
タイトルの意味は始め原作を読んだときなど寄生虫と人間が混ざったような敵が出てくるからだろって思ってたんですけど劇中の人物のセリフで出してきたのはビックリですよね。
新一に関しては散々の恐怖の中でも村野さんへの愛は変わらない、愛する人のために生きようとするあたり人間って悪くないよねって思います。
☆5.0
{/netabare}

【第22話】
{netabare}
『静と醒』
後藤の気配を察知するミギー。(ミギーが車を運転して新一達は逃げる)
一か八かの方法を思いつくミギー、崖から車を突き落とすが後藤は生きており失敗する。
戦は勝機だと打ち合わせするミギー。
後藤の頭を切り離せと指示するミギー。
作戦を失敗する新一とミギー、ミギーが死ぬ。
山で見ず知らずのお婆さん(美津代)に会う。
助けてくれる美津代さん、不法投棄が深刻だと現場を見せる。
新一の夢でミギーは生きていると言うミギーの細胞。
最近妙なことが起きていると言い美津代さんの家に来る住民達。
地元の警察が現場検証する。
美津代さんに俺の責任だと言う新一。
軽々しく命を使うとか言うなと諭す美津代さん。
できるだけ多くのことを考えろ、決して諦めず臨機応変にと最後に言う美津代さん。
鉈を持っていく新一。

ここまで一緒にやってきたミギーと別れ、新一は参ってしまいますが山で美津代さんに会ったことで後藤と無謀でも戦う決意をするんですね。
後藤強い、純粋に戦いを楽しんでいる彼が生物の究極体(身体のみ)みたいに思えます。
ミギーは夢で生きていました、また再会はあるのでしょうか。
☆4.5
{/netabare}

【第23話】
{netabare}
『生と誓』
暗闇の中、五感が研ぎ澄まされる新一は後藤の寝込みを襲う。
考えを巡らせる新一は木の上から木の枝を刺そうとするが失敗する。
後藤にブッ飛ばされ生死の境で弱点に気づく新一。
不法投棄現場にあったゴミを後藤に突き刺す。
後藤の攻撃をガードした瞬間、後藤の中に吸収されたミギーが蘇生する。
後藤の体内にいた三木や他の寄生生物の反乱を促すことに成功する。
後藤はこの種を食い殺す怒りで戦闘マシーンと化したのだと解説するミギー。
ゴミにシアン化水素が含まれていたのが勝因だそう。(猛毒)
天に任せると言いその場を去る新一。
地球のためにと言う人間が嫌いだというミギー。
後藤に対し君は悪くないと言いやっぱり倒す新一。
帰ろう…新一は街へ帰る。

ミギーは生きてました、良かった!後藤戦一番面白い話だと思います。
新一が後藤に手を下すシーンは人間でいる以上、同種の敵は倒さねばならないという生物としての運命を感じました。
まだ彼には守らなけらばならないものがあるからでしょう。
☆5.0
{/netabare}

【第24話】
{netabare}
『寄生獣』
序々に人間社会と溶け込んでいた寄生生物達。
夢の中で永眠すると新一に話すミギー。
起きたら自分のことは忘れて欲しいと去り際に言う。
目覚めた新一は忘れるわけないだろ!!馬鹿野郎!!と一喝。
―新一、村野さんとデート
新一の意見。(ここはこの作品のテーマを話してると思います)
浦上を街で見掛ける新一、村野さんが捕まる。
―ビルの屋上
人間と寄生生物が混ざった中間の立場の新一に意見を聞こうとする浦上。
浦上を化物以上の化物だと言い放つ村野さん。
浦上を制し、ビルから落ちる村野さんを救おうとする。
失敗かと思いきや村野さんを救出。(おそらくミギーのおかげ)

エピローグ回、ラスボスは寄生生物の後藤ではなく人間の浦上というのが面白い。
新一の悟りを開いたような話にこの作品を通しての岩明均先生の考えを聞いているようでした。
最後の最後で村野さんが新一への答えを出していたりと終わり方としては申し分ないと思います。
☆5.0
{/netabare}

■総評
{netabare}
―重複しますが原作、新規ファンにも入りやすいキャラクターデザイン。
・原作ファンには違和感があるかと思いますが設定が現代に変更されている点や実際のアニメの作画から見て個人的には納得のいくレベルでした。
時折見せる原作のシーンをそのまま抜き取ったような演出は嬉しかったです。

―ミギーの声優の方が女性なのは意外でした。
・生まれて間もない生物ですしマスコット的な立場ではありますが、能力的に乏しい主人公を冷静に諭しながら戦っていくポジションなので落ち着いた大人な男性の声にして欲しかったのが個人的に正直な思い。
・プロデューサー中谷敏夫氏のインタビュー記事にこの件が書いてありました、周囲をわかっていたようでの配役みたいです。
・平野 綾さんの演技は良かったと思います。

―原作とストーリーはほぼ一緒なので安定して楽しめました。
・しかしながら原作の力が大きく、アニメとしての出来(構成、演出など)はもう少しどうにかなったのではないかと思ってしまいます。

―戦闘シーンの緊迫感がいまいち湧かない箇所がある。
・音楽のKen Arai氏の楽曲にエレクトロの要素が強く合ってない箇所が見られるのが残念、音楽プロデューサー・音響監督にはがっかり。
・どんな傑作でも音響は重要なんだと示してくれる作品だと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

原作読んだ?

 全24話。マンガ原作。原作既読。

 この作品に限った話ではありませんが、私はもともとアニメ派ではなくて、マンガ派です。マンガ版寄生獣にももちろん注目していました。マンガ版寄生獣は、連載物の宿命か右往左往してしまったところはあるんですが、それでもマンガとしての完成度は極めて高いです。構成力は素晴らしく、無駄なコマもありません。歴史に残る一作と言っても決して過言ではないと思います。

 アニメを見るようになって痛感するのは、やはりマンガとアニメはメディアとして違うということ。マンガとしての面白さが、アニメとしての面白さにリンクしないところがある。その点では、私は必ずしも寄生獣のアニメ化を期待していたわけではありません。実写映画化もしかりです。
 ただ、映像化権が米国にあり、どんなキワモノが出てくるのか分からなかった期間を考えると…。時を経て日本に権利が戻り、実写映画化され、メディアミックスとしてアニメ化されたこの現状の方が良いのかもしれないな、なんてことも思いますけどね。

 以下、長文になってしまったので、お暇なときにどうぞ。


環境問題?:{netabare}
 寄生獣が環境問題への警鐘からスタートした話であることは間違いありません。そして、「人間と自然」という対比を用意し、自然側に寄生生物を置いていたことにも異論はないでしょう。ですが、最後までこの主題が継続されていたという指摘には強い疑念があります。

 マンガ版寄生獣の最終巻、作者のあとがきでこのような指摘がされています。後藤の最期についてです。
 作者は、後藤を「『美しき野生』『偉大なる大自然』の代表選手」とした上で、当初後藤は「死ぬ予定ではなかった」と述べています。後藤の敗北後、「新一はあのままスタスタ帰ってしまう」のだそうです。
 また、その後の後藤についての当初案も書かれています。「完全復活したものの、汚染された日本を嫌い、(中略)美しい自然をめざし飛び去ってゆく」という案。そして、「完全に復活できず、人間に無害の別の生き物として山の中でひっそり生き続ける」という案です。
 両案のいずれにも共通するのは、「偉大なる大自然」が存在し続けているということです。これなら「人間と自然」の対比は生きていますし、「自然が人間から乖離してしまう」第一案も「自然が人間のせいで変容してしまう」第二案も、環境問題への警鐘に対する答えとしての合理性は担保されます。

 ですが、作者は最終的に、新一の手によって後藤が殺されるという結末を選択しました。果たして、これが環境問題への警鐘として成立していると言えるのでしょうか?
{/netabare}

人間とは似て非なるもの:{netabare}
 寄生獣における「人間と寄生生物」の関係で、「人間と自然」の対比以外にもう一つ重要なことがあります。それは、寄生生物が「人間とは似て非なるもの」として存在しており、「人間と人間とは似て非なるもの」という対比がなされているということです。

 このような対比をさせる作品は数多くあります。対比先は、アンドロイドや宇宙人など様々です。これらの作品は、「人間とは似て非なるもの」を観察することで物語が進みますが、これらを明らかにすることを着地点としていることは、まずありません。そのほとんどは、「人間」との同異点を探ることで「人間」を明らかにすることを目指しています。

 寄生獣も最終的にはこちらの話にスライドしました。
 「人間と寄生生物」の対比が「人間と自然」であったのなら、自然の代表である後藤を殺すことは出来ません。それは対比の否定につながり、論理破綻を来すからです。作者が用意していた当初案のような結論にならざるを得ません。
 ですが、「人間と寄生生物」の対比が「人間と人間とは似て非なるもの」であったのなら、それは可能になります。観察さえ終了してしまえば、「人間」を明らかにするのに、「人間とは似て非なるもの」の存否が影響しないからです。

 この結末変更について作者は、このように述べています。
 寄生獣の開始時は「『愚かな人間どもよ』という人間が滅多やたらにはいなかった」が、「世の大多数の人が同じようなことを言い始めてくると」「作品内で復唱するのが何やら気恥ずかしいのだ」。「ともかく次には『愚かな人間どもよ』と人間が言うなよ、と言いたくなってくる」。
 つまり、寄生獣という作品は、環境問題への警鐘としてスタートしたものの、ここへの安易な着地を嫌い、「人間が言うなよ」との主張に変化したのです。その結果が、「人間」を語る作品へのシフトとして現れました。

 このシフトは、二つの示唆をもたらします。
 一つ目は、「人間と自然」の対比が終わることで、「自然」としての寄生生物の正体については、追及されなくなるということです。事実、寄生生物の卵やヘビのような幼生体などには、最後まで説明が加えられませんでした。「人間」を明らかにする作品においては、それが意味を持たないからです。
 二つ目は、「人間とは何か」を改めて語る必要が出てきたということです。

 この二つ目の論点を進めるために登場した人物がいます。彼が寄生獣という作品を締めくくりました。
 「人間」の浦上です。
{/netabare}

人間:{netabare}
 「人間」について考えるというのは、目指すべき人間像を探ることに同じです。「良い人間とは何か」「理想的な人間とは何か」などのようなものです。この説明の仕方に作者の特性が強く出ていました。
 原作者の岩明均(敬称略、以下同じ)は、対比を用意することで物語を説明していくタイプの作家です。このレビューもこれに準じて書いています。そして、岩明均は、対比の両側を説明しないという特性を持ちます。「裏側を書くから表側は考えてね」というスタンスです。

 「人間」について考えるとき、「良い人間と悪い人間」または「理想的な人間と現実的な人間」という対比が想定されますが、「良い人間」や「理想的な人間」を直接には描こうとしないのです。最後に描かれたのは、「悪い人間」と「現実的な人間」です。すなわち、「悪い人間がもたらす忍び寄る現実」、ここを浦上が担っていました。「人間」を明らかにする作品になったからこそ、その裏側にいる浦上が物語を締めくくることになったのです。
 そして、「良い人間」と「理想的な人間」への説明というのは、最終的には欠落されます。これが読者への問題提起として残るということです。

 なお、この作者の特性は、人物配置にも色濃く表れています。
 強い思想を打ち出した登場人物には、寄生生物としては田村や後藤、人間としては広川や浦上がいます。これらを対比先に置くことで、新一とミギーの立ち位置が定まっていました。
 ですが、どこを見ても表れない人物像があります。「共存を願う人間」です。主人公やヒロインですら共存への奔走を見せませんでした。この最後まで隠された部分、これが原作者の思いとしてあるのかもしれません。もちろん、単なる綺麗事嫌いの可能性もありますけどね。
{/netabare}

 ここまでが前提の話です。
 寄生獣では、対比のシフトが行われ、「人間」の話にスライドしました。そして、その過程において、「生物とは何か」にまで踏み込みが行われています。
 このシフトの起因と踏み込みの原因というのは、同じところに答えがあります。それが、第三部の主題となっていた「母子関係」です。


四部構成:{netabare}
 寄生獣の構成を検討してみると、四部構成であることが分かると思います。

 第一部は、マンガ版第3話/アニメ版第2話までに該当します。作者も「わずか三回にして終わるところが…」と述べていますから、とりあえずの結末を迎えていることが見て取れます。
 ここまでの話が骨子となり、ここを繰り返すことで後の物語が展開しているのも分かると思います。例えば、子ネコを助ける話は、子イヌを助ける話として再登場しています。バトルを通して新一とミギーが変化していくという定型が作られたのもここです。

 第二部は、母親の敵討ちである伊豆の一件が終わるまでです。マンガ版第16話/アニメ版第7話までです。この一件で、新一とミギーはその一部が融合することになりました。
 新一とミギーは、人間と寄生生物の間にいたわけですが、これ以前の話では「分離した状態」にありました。この伊豆の一件を経て、「融合した状態」で語り始めることになります。人間と寄生生物の境界があいまいになり、二人の思考が相手側に寄っていく決定打となりました。

 第三部は、田村との公園のシーンまでです。マンガ版第17話/アニメ版第8話からマンガ版第48話/アニメ版第18話途中までに該当します。マンガ版では第17話よりも第18話の方がより大きな意味を持ちます。

 第四部は、作品全体のエンディングです。浦上が登場し、後藤との決着がつき、「生物とは何か」が言及され、再度浦上登場することで幕が引かれました。

 以下では、第三部だけを見ていきます。
{/netabare}

第三部のオープニング:{netabare}
 第三部のスタート時、新一は大きな問題を抱えていました。それは、母親を亡くしているのに泣けないということ。
 胸に開いた穴を埋めるために新一とミギーは融合したわけですが、身体の穴が埋まる代償として、心の穴を抱えることになってしまったのです。この「心と身体」の対比に基づくのが、第三部の主題である「胸の穴」の問題です。ベンチマークには「涙」が採用されました。

 この第三部のスタート(マンガ版第18話)では、「胸の穴」に関する論理的な整理が行われています。第三部の問題提起であり、第三部のエンディングへのフラグ立てでもあります。これを確認してみます。

 マンガ版第18話は、新一が「涙」を流すところから始まります。泣けないと言う新一は、田村との公園での一件の前に、実は泣いているのです。もちろん「心の涙」ではありません。目にゴミが入ったから反射的に「涙」が出たという「身体の涙」です。つまり、泣けないことは身体の問題ではない、心の問題だ、という説明がされているのです。この描写に1ページ以上も割きました。通常では考えられないほどに強調されています。

 そして、心の問題と言えども心の全てに及ぶのではない、という説明が入ります。
 聴覚の鋭くなった新一が市井の音に耳を傾けるのですが、その過程で村野の心音を聞くことになります。3コマも使って村野の胸元を順にアップするという強調がなされ、その後に新一の照れる表情が1コマ入ります。
 つまり、新一が、少女の胸元に注目してしまう一般の男子高校性であることと、恋愛においては非情になっていないことが説明されているのです。変わらぬ心があることの説明です。

 最後に、変わってしまった心の説明がされています。ここで、第一部をリフレインする子イヌが登場します。子ネコを虐待から助けていた新一が、子イヌの死を「肉の塊」と表現しました。これにより、心の問題が「死」の一点に収束していくことになります。子イヌの話の重要性は言わずもがなでしょう。

 このような三段階の説明がなされたことで、新一の抱えていた問題が心の問題であり、その中でもとりわけ「死」への態度であることが明らかにされました。
{/netabare}

第三部のエンディング:{netabare}
 第三部のエンディングは、田村との公園のシーンです。新一が田村の「死」に触れることで、「心と身体」の問題が解決され、「涙」に至りました。ここで用いられたのが「母子関係」です。

 「母子関係」には、「田村→田村ベイビー」と「新一ママ→新一」の二つがあります。田村が新一ママの姿を取ることで、この二つの母子関係が混ざり合います。そして、「田村→新一」という疑似母子関係が成立しました。これによって、新一が体験した母子関係の喪失が疑似的ながらも回復し、新一の心の「胸の穴」が回復します。さらに、田村ベイビーの涙、すなわち、子供側の涙に触れることで、子供である新一もまた母親の死を許容し「涙」を流すことができました。
 これが第三部のエンディングの内容です。


 では、前述した「人間」を明らかにする作品へシフトした起因と「生物とは何か」にまで踏み込めた原因としての「母子関係」について話を進めていきます。

 この第三部で、「母子関係」が広がりを獲得しました。なぜなら、「田村→新一」という非血縁に基づく母子関係の成立を許容したからです。起因と原因になっていたのは、この「広がりを持った母子関係」のことです。

 「人間と寄生生物」における「人間と自然」の対比は、両者の対立構造です。田村はこの対立構造から離れ、寄生生物を弱者に置きました。人間と寄生生物の間に、庇護と被庇護の関係が生まれたのです。ここには「広がりを持った母子関係」が成立していますから、「人間と寄生生物」の関係は、対立構造から「母子関係」へと置き換わります。
 つまり、第三部で「母子関係」の成立を準備したからこそ、「人間と自然」の対比が持つ意味を減退させることができ、「人間」の話へとシフトさせることができたのです。

 ここで用いられた「強者であると認識していたものが弱者でもあった」という論理展開は、「人間」にも同様に機能します。例え「人間」が寄生生物の親であったとしても、また別のものの子である可能性があるのです。この論理展開は、他の生物にも同様に連鎖をしていき、すべての生物が親であり子である可能性を持つことになります。
 ここで、タイトル回収がされます。寄生獣とは、序盤では「寄生生物」のことです。中盤では「人間」のことです。最後には、寄生し寄生される「すべての生物」、親であり子である「すべての生物」、寄り添い合い生きる「すべての生物」、となりました。「生物とは何か」、それは「寄生獣」であるという結論です。
 「母子関係」なくして、「生物とは何か」にまで踏み込めなかったということです。
{/netabare}

おわりにかえて:{netabare}
 なぜ私が第三部のオープニングの話を詳しく書いたのかを、もう少しだけ説明させてください。

 おそらく、多くのアニメ版視聴者は、「母親が死んだ事実」と「涙が出ない事実」の間を「心の問題である」とごく自然に解釈したことと思います。ですが、それが主観に基づいていることを理解して欲しいのです。
 もし、「寄生生物は泣かない」のであり、「寄生生物と融合したから泣けない」のであれば、それは「身体の問題」になるはずなのです。作者はその可能性を理解していたからこそ、わざわざマンガ版第18話を用意して、「死に対する心の問題であること」を丁寧に説明してくれたのです。そしてこれが、「他の生物の死を悲しめるほどに、心に余裕がある生物」との人間賛美となり、「『愚かな人間どもよ』と人間が言うなよ」という主張につながるのです。

 ですが、アニメ版ではマンガ版第18話の再現を盛大にやらかしてしまいました。
 目にゴミが入り涙が出るシーンはカットされています。「心の問題なのかな」という新一の独白に頼っているだけです。客観的な説明なくして、なぜ身体の問題であることを否定できるのか、はなはだ疑問が残ります。
 胸元に照れる新一の表情もカットされてしまいました。トラック音に驚いた後の照れる表情だけがあります。これでは胸元に注目していたことへの照れ隠しではなくて、トラック音に驚いたことへの照れ隠しになってしまいます。それが、一体どれほど重要なのでしょうか?

 作品内での客観的な説明がなければ、視聴者は主観的な判断をするしかありません。それは当然のことですから、私には視聴者を責める気など微塵もありません。責めるべきは、作品への理解が乏しかった監督に他なりません。

 マンガ版第18話のサブタイトルは「人間」です。「寄生獣」という作品において、なぜここが「人間」というサブタイトルを冠しているのか、そこにある原作者の意図を汲むべきだったと思います。理解が及ばなかったのなら、忠実な再現を目指すべきでした。アニメ版寄生獣は、表面上は上手くなぞりましたが、作品全体への理解に懸念を感じてしまいます。少なくとも、原作マンガをきちんと読めているとは思えませんでした。
 私が第三部のエンディングとして整理している田村との公園でのシーンについて、Aパートで終わらせているアニメ版は構成としておかしい、と指摘している方がいらっしゃいます。そのような指摘も極めて妥当なものだと思います。

 もちろんこれらの論理性の欠如だけをもって、アニメ版が駄作であるなどというつもりはありません。良いところももちろんありました。特に、細かな象徴物はかなり機能しています。携帯電話とか髪の毛とか洋服などのデザイン文字とかですね。それぞれに意味を持った良改変だったと思います。

 ただ、アニメ版を視聴した際に、少し残念に思ったのは確かです。マンガ版はおそらく歴史的な一作としての地位を獲得しているものと思います。環境問題への警鐘としてではなく、マンガとしての質の高さゆえです。ですが、それほどの価値をアニメ版からは感じることができませんでした。メディアとしての違いなのか、論理性の欠如のためなのかは別論に譲りますが、マンガ版の良さを再認する結果となってしまったと感じています。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

生物として人間は何が普通なのだろうか。人間として生物は何が普通なのだろうか。

 内容は至ってシンプルである。感想はひと言で「なんか普通」である。傲慢じゃない。「なんか普通」だから、面白いとも思えない。純粋な物足りなさ。しかし実写映画化にアニメ化とは、急に流行り始めたものだと思う。まるで生態系の崩壊が”急に”来るように。

 つまり、(と言って要約に入る。)…しかし要約する必要性はない。全て作中で語られるから。 ああ、じゃあ何も書かなくていいのか。

以降はネタバレです。

要するに…、{netabare}

 生態系には天秤があり、それは環境資源に比して均等に保たれようとする力が働いている。つまり、バランスを保とうとする力がある。一つの生物が偏って増大すると、その生物は下位の食糧(肉食動物は草食動物、草食動物は植物など)を食らいつくし、結局食べるものがなくなって、自らの種も激減し、食らい尽くした食糧が回復するまで、その生物種も増えることはない。
 北米で実際にあった捕食者のいなくなった鹿が好例である。狼が絶滅し、捕食者のいなくなった鹿は増大し、木の皮や若木などの食糧を食い尽くし、食べるものがなくなって激減し、山原は荒れ果て、他生物にも危害を与え、自然の回復には多くの時間を費やした。   
 人類も全く同様で、近代化に伴って人口は増大し、凡庸な欲に生物資源を使い潰し疲弊することによって、やがて膨大な需要に生態系からの供給が行き届かず、人類側が激減する、というシナリオだ。歴史的に見ても、どうやら現代のここらが古き良き時代であることがわかる。

 一つの生物種数が偏って変化すると(然も、人類という規模の違う並半端な偏り方である)、バランスを保とうとする生態系側から種数を変化させないようにに規制が掛かる。しかし人類は、農作を覚え食糧を備蓄するようになり種数を増やし、産業革命やエネルギー革命やらを起こし種数を増やし、何段階かに分けて種数を増やしてきた。必ずしも右肩上がりが平均ではなく、革命や発展があって、そこから種数をぐっと増やして来たのである。つまり、生物資源からより効率的なエネルギー供給を得られる技術を、段階的に確立させ、それに伴って人々の生活は裕福になり、人口爆発が起こった。端的に言えば、人類は生物資源を濫用することで発展して来たのである。
 段階的に増えたので、技術革新前は人口グラフが横棒だったのである。人類もまた一生物でしかないことがわかる。
 寄生虫(パラサイト)の出現は、自然界側からの人類種数増幅の規制であると見て取れる。しかしそれは、作中に見られるように、人類にとっては撃滅可能なパラサイトという小さな規制である。それは新型ウイルスなどと全く変わるものではない。バランスが偏ることで、環境や人体に変化が生じることで、今まで見過ごせてきたもの見過ごせなくなったり、見えなかったものが見えるようになったり、現れなかったものが現れるようになっただけの話である。
 そして、本作品の物語を物語たらしめる(面白くする)要素は、主人公の人間とその右腕に寄生したパラサイトとのコミュニケーションだが、第一に上記からわかるように、パラサイトの出現が未来の人類激減による混乱期を示唆するという点である。パラサイトは人間の脳に寄生し、四肢を支配することで、コミュニケーションをとることも出来るのである。しかも、知能まで高めることができるので、「我々パラサイトは何の為に生まれたのだ?」「我々パラサイトはなぜ人間を食らうのか」などと、本来は意志の疎通ができないはずの人間種数を規制する自然界側を見取ることができるのである。つまりは、ウイルスと話しているようなものである。まあ、こういう環境破壊風刺モノは、自然界側の発言者と人類側の発言者の対話、という構図がわかりやすいのだろうと思う。本来、話せないものと話せる、ということがこの物語のいい要素だ。
 第二に、人間視点として、虫が寄生した人間が、寄生されてない人間を食べることで、いつもは搾取側の人間が、搾取される側になったのであることだ。搾取される側になったという問題が現前にある人間模様が物語となったのである。 (編集ここまで、以降だらだらと)

第二のこれを掘り下げると、
 まず、「人間を殺すなんて!人の命は尊いんだよ!」と主人公が叫ぶシーンがあるのだけれど、誰が「人の命は尊い」だなんて決めたのでしょう。「人権」でしょうね(民主主義の一角として)。「人の命は尊ぶべき」なんて、民主主義思想を創造した昔の西欧の賢人たちが、「これって人類の普遍性にしちゃっていいんじゃね?」と定めたものでしかないんです(注意、ニュアンスは違うかも知れないけど)。「人間を殺すな!」って言っているわりには、人間は他の生き物を殺しまくってる。人類によって、過去にない圧倒的スピードで生物種は絶滅していっています。それで、人間を殺すな、とかまだ言うの?つか早く殺させてくれる?というパラサイト側からの提言は通用しますよね。いや、通用はしてほしくないのか苦笑 ありえるよね。
 産んだ子が死んで、悲しむのは人間。だけど、アフリカのどこかの先住民は、ある話で、死んでも産まれても、それを何年も育てることになっても、別に劇的な出来事ではないそうです。だって、周りに共存している野生動物だって、みんな同じ、よく死んだり、よく産まれたり、育てたり巣立って行ったり、日常的にやっている。産まれた、だから育てる。病気で死んだ、悲しいけど、よくあることだ。驚くほどのことかい?と先進国の旅人に訊いたそうです。この発展し成熟した社会の下では、無いように見えますが、本来、死生というものは日常的にありふれていて普通のことなんです。
 話しを戻すと、こうしたところから、本来の死生観というものに考えさせられるところがあります。人間というのは、偏っていて、偏っていることすら知らないことが結構多くあるのです。理解していると思い込んである観念に縛られて生きていると、不条理なことってありますよね。理に適っていなくて、考えないから、不幸なんでしょうけど。

 本作が物語になったのは、上に書いたように、パラサイト側の人間理解にもあるでしょうね。
「人間社会というのが、ひとつの生命体だ」みたいな台詞もありました。
 まあ、これもシンプルで、一匹では無力で何もできないから、弱さを補い、なお効率化を図って、群れた。群れて社会ができた。蟻一匹じゃしょぼいけど、数百万だったら森ぐらい呑み込めるよね(グンタイアリ)、と大まかに同じ。
「パラサイトと人間はひとつだ。我々(パラサイト)は弱い、だからいじめるな」みたいなのもあったかな。
 これは、人間は無意識の内に生物とは単体だと思い込んでいるのが、全ては繋がっていて、生命という全体性の内に内包されているのだ、ということ。
 生態系の崩壊が急に来ると書いたのはここから押し広げられます。蜂が絶滅したら、花は受粉できなくなって…みたいに。そしたらもう連鎖的に襲われるでしょうね。

 無敵のパラサイトを手こずって倒して、とどめを刺そうかと迷う主人公は、守りたい大切な人たちを思い出し、「それでも人間は生きたいんだよ」と、そのパラサイトを殺すことを決意します。

 もっと突き詰めて意味深いこと描けないかと思うけど、それは傲慢かも知れませんね。それでは世間に伝わりにくいだろうし。実際、環境汚染やら気候変動やら生物多様性減少の課題とかの中から、個人のパーソナリティーに訴えかけるべき倫理道徳って、はなはだ単純なもので、警報としてはこのくらいが丁度いいのかも知れません。作品価値を上げるなら、濃い内容でもいいかもしれないけれど、もしそれが世間に伝わりにくいからってやらないのは、制作段階で作品の未熟を認めつつ見過ごす行為だから、未熟でしょ。まあ、風の谷のナウシカの原作を読んでしまったら、ねえ。うん、警報としていいかもしれません。

 良作ではあるけれど、ピンとこない。市長が人間だったところが、一番よかったです。「おおー」ってなります。

 実写版の方が迫力はありますかね。内容は削られていますが、荒削りではないし、原作を映画二編に収めたのだから多少は仕様がありません。役者さんとアニメだと、やっぱり響き方として実写がいいです。原作は、台詞の伝わり方がいまいちでした。

 論理的をやめて、今回はちょっとだらだら書いてみました(編集で最初の方は推敲しましたが)。だらだらしていられるのも今の内、なんでしょうかね。…なんて諦観しているわけじゃありませんよ。なんとかなると言って誰かに任せっきりで何もしないのは、違う気がしますからね。器量がなくても草の根活動ぐらいできるんじゃないんですかね。どうにもならないから、はじケル?野性生物の人類は、端的に言えば、理性生物に進化できればいいのですよね。できなかったとしても、幕には下り方ってもんがあるでしょう。何が格好良いのでしょうかね。カジュアルスタイルが格好良いんでしょうかね。化粧に香水にキャメルのコートで恥じらい隠して、同じようなイントネーションで話していれば格好良いんですかね。
 要するに、この物語を見て、風刺を理解し、自分のこととして身に据えれば、「そんなことしてる暇なんかあるの?」とグサリと刺されることになるんでしょう。それでも弁償したい人は、例えば「それでも人間は生きていたいんだよ」の台詞に勝手な救いを求める。でも、その台詞は文脈の意味合いがそもそも違いますよね。ギリシア哲学に於ける「善」の定義とは、自分にとって都合のいい選択のことなんです。そろそろ、人間は善悪判断(倫理観)の範囲を、人間界から生物界へと広げなくてはなりませんね。だって、それができなきゃ滅ぶんだから。
 全ての生きとし生けるものに包括された一つの種としての人間、その人間にとって、一体何が格好良いんでしょうね。 {/netabare}

以上、今日は気分が悪くて皮肉屋でした笑 ほら、不条理なことが、ね。わかるでしょ?私情を持ち出すなんて未熟者ですね、人類は。※責任転嫁(笑)

2015/5/14「生物として人間は何が普通なのだろうか。人間として生物は何が普通なのだろうか。」投稿。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

76.0 3 秘密で戦闘なアニメランキング3位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (684)
3764人が棚に入れました
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。最強と名高い女剣士は今日も仲間たちと共に、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。様々な謎と脅威が襲いかかる深層域で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む! 迷宮都市オラリオの地で、それぞれの物語が今、鮮烈に交差する! これは、強さを求め続ける少女と、その眷族の物語。

声優・キャラクター
大西沙織、木村珠莉、村川梨衣、高橋未奈美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ダンまちに外伝を求めるのは間違っているだろうか

原作未読


劇場版『オリオンの矢』を控えた本編の再放送を観了後。だいぶ後回しにしていた『外伝ソード・オラトリア』をやっとこ観ました。2期も始まりましたのでその前に予習しとこ!そんな感じです。


本編は至極真っ当な古典的RPGの薫り高い良作でした。主人公ベルくんの成長物語や紐…女神ヘスティアに魅せられた本編の1期です。
思ったより硬派じゃあーりませんか…ってのが、「タイトルでもったいないことしてるな~」の褒め言葉にも繋がりました。


今回のソード・オラトリアは本編と時間軸を同じくするもう一つの物語。ロキ・ファミリアに焦点を当てた外伝に相当します。
ファミリアの豪華なメンツはこちら↓

{netabare}アイズ・ヴァレンシュタイン(CV大西沙織) LV.5 剣姫
レフィーヤ・ウィリディス(CV木村珠莉) LV.3 サウザンド・エルフ
ティオナ・ヒリュテ(CV村川梨衣) LV.5 アマゾン
ティオネ・ヒリュテ(CV高橋未奈美) LV.5 ヨルムガンド
フィン・ディムナ(CV田村睦心) LV.6 ブレイバー
リヴェリア・リヨス・アールヴ《CV川澄綾子(外伝)、種田梨沙(本編)》 LV.6 ナイン・ヘル
ガレス・ランドロック(CV乃村健次) LV.6 エルガルム
ベート・ローガ(CV岡本信彦) LV.5 ヴァナルガンド

※サポートメンバーもそこそこ。一部紹介。
ラウルーノールドLV.4超凡夫 クルス・バッセルLV.4 リーネ・アルシェLV.2
 ⇒超凡夫って(笑){/netabare}


1期の健闘で期待値が上がり、聞けば外伝の小説もなかなか良いらしい。いわゆる期待作ポジションからのスタートということだったのに

・なんか胸囲の格差社会の話になっとる
・本編の主人公と思しき娘さんの百合百合しさ

あーダンまちよお前もか・・・ラノベの闇に沈んでしまうのか!? およよ・・・となりかけました。
レフィーヤの成長物語のようなので百合嗜好薄めの自分にはキャラへの共感が薄くなりそうと不安になった序盤です。
意外と硬派だった本編のノリを期待した皆さま。どうしてもしんどい場合は撤退も選択肢でしょう。


さて、そんななかで本作の価値は

 {netabare}“そりゃ他にもファミリアがあるわな”{/netabare} 


もともと暇を持て余した神々の遊びみたいなもんで“ファミリア”と呼ばれる各神様の眷属(出入りの自由度高いけど…)パーティが複数あることは本編でも説明がなされてました。
言うまでもなく主役はヘスティア・ファミリア。紐・・・ヘスティア様とベルくんです。
主役はフォーカスされて当たり前。しかし同時並行して各ファミリアが別の場所でクエストをこなし、当たり前ですが各々の思惑で動いているのです。
そこを拾ってくれてよかった。拾われたのがこのファミリア以外考えにくいであろうロキ・ファミリア。この物語の基本設定を考えれば一足とびで2期に移行するよりも外伝をリリースすることは自然な流れだったように思えてなりません。

というわけで、

1.ベルくんたちがすったもんだしている横で何が起こっていたのか?

ありきたりですいませんが、具体的に形にしたことをなにより評価するものであります。

本編あっての外伝ですのでこちら単体の視聴はオススメしません。私はすこし時間が空きましたができれば1期から続けて観ることをお薦めします。またはこれ観ておさらいするとか。
本編とのリンクでは一部怪しいところありなものの、ところどころニヤッとできることでしょう。

{netabare}・アイズがベルくんに稽古をつけた理由の一つは“強くなるためのヒントが欲しい”事情があったから{/netabare}

本編描写の答え合わせであり、また両者の意思がいいタイミングで絡んだ結果でストーリーが進んでいったことがわかります。
ファンタジーは作りこまれてるに越したことはありません。本編が一見、“ハーレム”+“俺TUEEE”のコンボのように見えて安直さを感じなかったのは、こういった作りこまれた物語だったからとの背景もあるでしょう。


外伝としてはこれで充分な気がします。ところがさらにもういっちょ

2.やはり主役はベルくんということに(笑)

時系列の繋がりと同様に、この作品のメッセージが本編と外伝で乖離することはありませんでした。
ちなみに本編の主役らは驚くほど登場時間が少ないのでそちらのファン(私含む)はご愁傷様です。この一言のために松岡さんと水瀬さんアフレコに呼んだんかいな?というくらい。
それでも主役は主役だねと感じられる展開はお見事。ぜひ作品を実際観て感じてください。

{netabare}ベルくんもそうだったように、高めの目標をクリアすること、作中では“冒険”と言われてる困難を克服しないと次の高みに辿り着けないという設定がお気に入りです。形を変えてアイズもレフィーヤも彼女らなりの冒険をしてましたね。{/netabare}


上記1.2.を感じることができたので多少の百合やティオナ・ティオネのバスト漫才にも惑わされることなく、いや正直邪魔と思ったのですが、価値ある一品だと思いました。
いやだって本編だって似たようなばいんばいんはあったとは思うんですが、比重掛け過ぎですよ。こういうのは塩梅が大事なのです。
できれば1期とセットで観たい。そんな不思議な作品でした。



■オマケ
アイズさん何考えてるかわかんないです

{netabare}うーん、なんでアイズさん、ベルくんに謝ることにあんだけ固執したんでしょう?
・怖がられてると思い込んでて誤解を解きかたったから
・責任感から迷惑かけてゴメンと本気で思ってたから
・それは方便でベルくんに興味があったから

結論が導き出せないので考えればいくつでも出てきそうです。
剣を壊したら「(店の人に)怒られる」と言ってみたり、服破いてレフィーヤに謝ってみたりと、無事でなによりとの周囲の反応がアイズさんにはよくわかってなかった模様。天然っぽい返しをするヴァレン何某さんであります。
人との距離の取り方を学習中って感じでしたね。そして本人も取れるようになりたいとの指向がある。親とのやり取りがいわくありげで影を落としてそうでした。

そうみると、謝んなきゃ!って思ったら思い込んだでそれ以外の融通きかなさそうですし、“助けられる→逃げる”を繰り返すベルくんはアイズにとって特異なコミュニケーションをとる人として興味の湧く対象でもあったし。
それらしい理屈は思いつくのですが決め手に欠けます。{/netabare}


{netabare}もしかすると、強くなりたい彼女にとって、逃げ足がはぐれメタル級のベルくんから得られる経験値量を感じ取り、つけまわしてたのかもしれませぬ。
それにベルくん「しあわせのくつ」持ってますもんね。
だいぶナナメ上方向でとっても納得した気分になったのでこのへんで。{/netabare}


読んでいただき有難う御座いました。



視聴時期:2019年7月

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2020.03.22追記

リリース順
 本編1期→外伝→劇場版→本編2期→?たぶん本編3期

外伝(本作)の放送をしたことによって、ヘスティアファミリアに視線が集中しすぎず、なかなかダンジョンに入らない後の展開も許容されてるのかと。


2019.08.05 初稿
2020.03.22 追記
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 56
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

わざとつまらなく作った?

ダンまち本編は見たことないです、内容も全然知りません。
という状態で見始めた外伝、感想はというと──

{netabare}つ、つまんない…。
ただひたすら盛り上がりに欠けるばかりで、「自分こういう点が苦手だわー」という大きなマイナスになるところが無いのがこれまた厄介。
退屈で面白い所がないってのが正確な言い方だろうか。
なんだろこれ?本編が物凄く売れてて、税金対策でワザと赤字出すためにつまらなくしてるのかな?
おそらく6話くらいまでの内容って少年誌原作モノだったら1話で収めちゃう程度なんじゃないかな。
ピンチらしいピンチもなく、さりとて圧倒的な力でいなすでもなく、ファッションピンチも「死力を尽くしてピンチ」ではなく「持てるパフォーマンスを発揮できなくてピンチ」って…。
じゃあパフォーマンスが発揮できないのは重たい理由があるのかといえば大したこともなく…ガクッガクッと肩透かしの連続。

なにより口をあんぐりしたのは6話、レベルアップを目指してアイズがウライオス?をソロ撃破目指すってところ。
ウライオスとやらがどれだけヤベー奴なのか口で説明するだけで全然緊迫感が無いのもさることながら、もしソロ撃破が無理そう(気を失うなど)な時はリベリアンが援護してくれる状態での対決って…マジか!?
そこは地面に線でも引いて「これより後退することがあらば私を撃て」とするところじゃないのか?
倒すのは目的ではなく強くなるのが目的であってソロ撃破はあくまで手段でしょ?
いわば修行みたいなもので、そこで自分を追い込むどころか保険かけまくりで、それでめでたくソロ撃破できてレベルアップおめでとーって…え?ええええっ?
なんだこの緊張感の無さ…。

でもって8話、ここでまた「えーなんで?」と不思議に思うことに。
オリビアが追い詰められてもないのに親切に自ら仮面を外して説明をベラベラしゃべって、その後でバンシーに「あの時の生き残りか」と気付くんだけど…順番おかしくね?
過去の惨劇をほのめかしたらしくこく食い下がられ、「あの時の生き残りか」って気付いて、その後にベラベラ喋るのが順番としては自然だと思うんだけど…。
「折角ここまで事件に関わったのだから教えてやってもいいか」みたいな感じでね。
そうでないとあの場にバンシーが居る意味が薄い(「居たから聞き出すことが出来た」っていう活躍?必要性?を潰してる)というか、オリビアが唐突に饒舌になって笑ってしまいましたよ。
単に順番入れ替えるだけのことなので作画(予算)的な制約は考えにくいし、やっぱりワザとつまらなくなるように作ってる?

最終話の12話も…う~ん…。
対精霊戦だけど、相変わらず強さが分からない。
まぁ舞台がダンジョンなので山吹き飛ばすとか数キロに渡って焦土にするとか海水を沸騰させるとか、そういった「パっと見で分かるハッタリ」が描きにいのは分かるけど…。
退路絶たれたとか制限時間あるとかじゃない…よね?見逃してる?
道中鍛冶屋キャラが小躍りしてたようにレアなアイテムが転がってたみたいだし、それ持ち帰って装備強化してから挑めばいいんじゃ…と思ってしまったり。
他にも10話の意図の通じてない「警告」や11話の狙撃って先言えやとか意味のないパーティ分断等々、要らん部分はカットカットで詰めれば全2話程度で終わる話をダラダラやってるだけのような?
ジャンプアニメの引き伸ばしかな?レズエルフも要らんよね。
と、思い出せるものだけでもあれこれと突っ込み所満載で、それでいて「不快」とまではいかないのが始末に悪い、不快だったら視聴切れるんだけどねぇ。

物凄く好意的解釈をすれば、上記の突っ込みどころは全て「本編と対比」してる箇所で、本編を知ってれば楽しめるって内容なのかも知れないが…正直これで「本編見てみよう」という気持ちは起きない。
更にタイミングが悪いことに同期にはグラブルが放送されまして…。
そっちは1~12話までを無(もしくは低)課金モード、13話を廃課金モードのシナリオ展開で、それぞれの対比を描くという荒業を見せてくれました。
廃課金モードでは主人公が激強で、ハエを叩き落すようなノリで敵をサクサクいなして「うおーこいつヤベーくらいつえー」というのをありありと見せつけてくれました。
オラトリアはダンまちと対比して高レベルパーティの話なんだよね?
いかにも高レベルらしい「うおーこいつらヤベーくらいつえー」というシーンがあったかといえば何話かの「アイツ一人に任せればいいんじゃね」くらい。
重要な1話からして武器失うわ魔法うまく使えないわミノ取り逃すわで(それでいてファッションピンチ)、設定では強いと語られてるけど全くそうは見えない。
グラブルの13話みたいなノリを1話でやれば印象は全然違ったんじゃないかなー?と思うと残念でならない。
尺的にそんなシーン入れる暇がなかったとはとても思えないし…むしろ尺稼ぎウゼーって内容だし。
ってかね、グラブルは13話だけでも、見よう、カブトボーグ好きなら必須。

で、こんな内容になってしまったのはやっぱり税金対策と考えるのが一番ハラの立たない平和的な解釈だと思う、皮肉とか抜きでね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ダンジョンに百合を求めるのは間違っているだろうか?

[文量→大盛り・内容→考察系]

前作、「ダンまち」は視聴済み。★4つと楽しめました。続編ではなく、スピンオフなんですね。

【総括】
ダンまちの、幕の内弁当みたいなアニメだな~と。色んな要素が詰め込まれすぎ、初見(本編未視聴)では辛いかもしれません。

ホントに、純粋にエンタメ作品だったと思います。今期(2017夏)は、純愛ものに本格SFと、濃い作品が多かったため、このような作品は楽しく観られました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レフィーヤを筆頭に、ロキファミリアの面々の成長物語、なのだと思います。

物語序盤、ビビり魔法使い(&それなのに重宝される様子)にイライラさせられましたが、ラストバトルでは、レフィーヤの魔法によりアイズが救われるという熱い展開に感動。ちゃんと、努力の描写もありましたし。(ラストにロキを投げ飛ばすなど、精神的にも強くなりましたw)

最終話、デミ・スピリット(穢れた精霊の分身)の大魔法によりピンチに陥った時のフィンによる檄は格好よかったけれど、「それとも、ベル・クラネルの真似事は、君たちには荷が重いか?」という台詞だけは違和感を感じました。なんでこんな大事な場面で(主人公だとしても)ベル「ごとき」の話をするのかな、と。

でも、きっとそれくらい、ベルがやった(Lv1ながらミノタウルスに勝利する)ことは、冒険者的に、凄い(有り得ない)ことだったのです。多分、経験の長い冒険者ほど、「勝つための準備」を怠らず、「勝算が高い戦い」をしているのでしょう。例えばライオンなど野生の獣は、狩りを成功させることより、自らが傷つかないことを優先させると聞きます。だから自然界においては「威嚇」が大事な要素になっています(戦わずして=互いに傷つかずに、優劣を決める)。いくら大物を仕留めても、そこで負った傷が化膿して死んでしまったり、弱っているところを他の動物に教われたら意味がないしね。

規模的には、オラトリア最大のロキファミリア。しかも、その主要メンバーであるフィン達は、いつの間にか「勝ち目の薄い戦いをすること=冒険」からは遠ざかっていて、それ(不確定な未来への挑戦という冒険者の本分)を、ベル君の姿や、デミ・スピリットとの戦いの中で取り戻していく様子は、かなり胸熱でした。魔法、バトルと、作画は流石で、かなり迫力もありましたしね。

と、ここまでは好評。ここからは、やや問題点を。

とにかくこの作品、百合&日常系? バトル系? ミステリー? と、いったいどこを目指しているのかがわからなくなるように、作風が動いて(ブレて)いましたね。ラストも、無理矢理(しかも説明会話だけで)まとめた感じで、しかも、(レヴィスのことなど)ちゃんと伏線を回収しきれずに終わりましたし。まあ、スピンオフですし、それはそれとして、本編のファンだから楽しめましたよ。「本編のファンだから」楽しめたのかもしれないけれど。

個人的には、序盤や8話目のような、百合百合した日常系展開の方が好きでした。というか、スピンオフなんだからそっちを観たかったかな、という感じ。まあ、バトルもかなり熱かったので、バトル一本に絞ってもらっても全然よかったけど。

あと、本作、久しぶりに「OPもEDも作品に合ってないな~」と感じました。音楽自体は良かったと思いますが。

ただ、全体的にはかなり楽しみました。評価、4と迷うけど、本編には及ばないので、3で!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
あの場面で、ビビり魔法使いに一番大事なポジション任すというのもね、う~ん。バトルはなかなか迫力がある。

2話目
バラメーターが(上がり幅含め)ランダムアップというのは、本人にとっては辛いやな。

3話目
ここで魔法の真価が。なんか、固有スキルとかパラメーターのランダムアップとか、才能でかなりの部分が決められる感じですね。

4話目
ここで、本領発揮ですね。ん? エロ? と思ったらグロだった。

5話目
バトル、バトル、バトル! 団長格好良し。

6話目


7話目
ユリユリしてますな~。

8話目
こういう日常系の方が良い感じ。

9話目


10話目


11話目
ベルVSミノタウルスは、やっぱり燃えるな。

12話目
ちょっとドズルさんがいらっしゃったw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

87.3 4 秘密で戦闘なアニメランキング4位
SPY×FAMILY(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (917)
3030人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている―― 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。 西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。 その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。 内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。 〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。 だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった! 3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。 ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

余計なことは考えない。偽家族のやり取りをただ楽しむ

30手前の独り身女性だとスパイ容疑て。
魔女狩りに近いものがあるな。女性のほうが独身でも幸せに長生きしていられるイメージはありますけども。むしろ男の生涯独身で長生きはあんまりイメージないなあ。最近は変わってきているでしょうが。
ヨルさんの余所行きの一張羅がよりによってそんなに露出度高いなんて。

嫁の探し方よ。独身女性の個人情報コピーてさすが国家のスパイ。

アーニャが基本的には表情豊かで可愛くてたまらないのを楽しんでいた。種﨑敦美さんの演技も素晴らしくて好き。

打算が3人ともにあって仮初めの家族を形成しているんだけど、話が進むにつれて絆が強まってこれから本当の家族になるんじゃないかなと期待して見ていました。
家族愛に最近つい涙が出てしまうのです。可愛い娘の頼みは断れないし、娘に良い立場になってほしいし、危険からは守ってあげたい。きっかけは変でも子供を想う気持ちははっきり分かる。
お受験は大変だけども。面接にこぎつけて問題を起こしながらも用意周到に立ち向かっていく姿と合格してもはや素直に心から喜んでいるんじゃないってシーンは好きだった。
アーニャもアーニャなりに父と母の役に立ちたい。良い娘でありたいとなんとも健気ではないか。

家族を作らせるのって仕事ばかりで自らを犠牲にしてきたロイに家族の温かみや守るべきものがいると頑張れるんだぞということを国が教えてあげようとしているように思えるんだよなあ。

ダミアンのツンデレと実は敵方のヨルさん弟がどう関わっていくか気になる。
{netabare}キスするよう言っといて直前で止めようとするなんてとんだシスコンじゃ。{/netabare}


OP
ミックスナッツ Official髭男dism
ED
喜劇 星野源
主題歌は内容にぴったりすぎる。映像もかっこよい。
隠し事だらけ継ぎ接ぎだらけのhomeだし、本音は歯に挟まってるし。
さらには不安だらけ成り行きまかせで仮初めまみれの日常。
多分、ここから本物の家族になるでしょ。
内容は完全に喜劇。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている--世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。東国""オスタニア""と西国""ウェスタリス""は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。西国の情報局対東課〈WISE〉""ワイズ""所属である凄腕スパイの〈黄昏〉""たそがれ""は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。その名も、オペレーション〈梟〉""ストリクス""。内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。〈黄昏〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。


【MISSION:1】 オペレーション〈梟(ストリクス)〉
西国(ウェスタリス)情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉は諜報員(エージェント)〈黄昏(たそがれ)〉に、東国(オスタニア)で戦争計画を進めるデズモンドの調査を命じる。〈黄昏(たそがれ)〉は精神科医ロイド・フォージャーに扮し、標的と接触できる名門イーデン校に子供を入学させるため孤児のアーニャを引き取る。実はアーニャは他人の心を読む超能力者だった。ある日、〈黄昏(たそがれ)〉を狙うマフィア組織にアーニャが連れ去られてしまう。ロイドは任務の仕切り直しを考えるが……。

【MISSION:2】 妻役を確保せよ
市役所事務員ヨル・ブライアには、殺し屋〈いばら姫〉という秘密の顔がある。ヨルは独り身の女性がスパイ疑惑をかけられる風潮に不安を感じていた。一方、イーデン校の面接試験に向けてアーニャの母親役を探すロイド。彼は訪れたブティックで偶然ヨルと出会う。ヨルの心を読んで殺し屋と知ったアーニャは、自分のためにも彼女を母親役にしようとロイドを促す。

【MISSION:3】受験対策をせよ
ロイドとアーニャの家にヨルが引っ越してきた。家族の体裁が整い、次は面接試験の準備だ。しかし今のアーニャとヨルでは、まともな面接すらできそうにない。そう判断したロイドは、上流家庭の一般常識や3人の間で共通認識を作るため家族で出かけることに。劇場や美術館を巡るが、アーニャたちにはなかなか響かない。さすがの〈黄昏(たそがれ)〉も挫けそうになるが…

【MISSION:4】 名門校面接試験
ついに決戦の日! 準備を整えたロイドたちはイーデン校の面接試験へ向かった。校内に入った途端、ロイドは何者かの視線を感じ取る。それは陰から受験者を採点する教員たちの監視の目。試験は既に始まっていたのだ。採点を行う寮長(ハウスマスター)ヘンダーソンは、ロイドたちフォージャー家の立ち振る舞いに注目し、彼らが名門イーデン校の面接試験を受けるに相応しいかを見極めるべくさらなる試練を指示する。

【MISSION:5】 合否の行方
この日はイーデン校の合格発表。しかしアーニャの受験番号はなく絶望に沈むロイドたち。そこに現れたヘンダーソン。面接でのロイドたちを高く評価して、アーニャが補欠合格者の1番手であることを告げる。そして3日後、補欠合格の連絡が! フランキーも駆けつけてお祝いで盛り上がり、頑張ったアーニャにご褒美をあげることに。アーニャのお願いとは!?

【MISSION:6】 ナカヨシ作戦
アーニャの制服が仕上がった。ロイドはWISE(ワイズ)の作戦会議のため、制服の受け取りをヨルに任せて隠れ家(セーフハウス)へ。そこでオペレーション〈梟(ストリクス)〉完遂のために、イーデン校で“星(ステラ)”と呼ばれる褒章を8つ獲得し特待生になる必要があることを確認する。一方、制服を手に入れたアーニャは大はしゃぎ。しかし裕福なイーデン校生徒を狙う者も多く、アーニャに目をつけるチンピラ集団が現れる!

【MISSION:7】 標的(ターゲット)の次男
入学初日、デズモンド家の次男ダミアンを殴り飛ばして“雷(トニト)”を食らってしまったアーニャ。早くもクラスで浮いてしまい落ち込むが、ベッキーと友達になって学校が楽しくなっていく。そしてダミアンに殴ったことを謝ろうとするが、なかなか言い出せない。オペレーション〈梟(ストリクス)〉遂行のためにロイドも学校関係者に変装しては、陰からアーニャに仲直りを促すのだが……。

【MISSION:8】 対秘密警察偽装作戦
東国(オスタニア)の防諜機関・国家保安局は、国内の治安維持を目的としたスパイ狩りや市民の監視を行い、「秘密警察」と呼ばれ恐れられている。ヨルの弟ユーリも実は秘密警察の一員で、姉や周囲には正体を隠して国を陥れるスパイを追っている。そんな彼が、突然フォージャー家を訪れることに。秘密を抱えたフォージャー家と、裏の顔を持つユーリが相まみえる!

【MISSION:9】 ラブラブを見せつけよ
ユーリに偽装夫婦と怪しまれたロイドたちは、本物の夫婦であることを証明するためにキスをすることに。オペレーション〈梟(ストリクス)〉のため即座に対応しようとするロイドとは逆に、とてもシラフではできないと、ワインをガブ飲みして泥酔するヨル。そんな姉を見るユーリも、同じく泥酔して正常な判断ができず……。

【MISSION:10】 ドッジボール大作戦
イーデン校1年生の間で、今度の体育の授業で活躍した生徒には“星(ステラ)”が授与されるとの噂が広まっていた。アーニャは“星(ステラ)”を入手するためにヨルの特訓を受け、「ほし、つかむ」と決意を固める。そしてセシル寮とウォルド寮によるクラス対抗ドッジボール戦が始まった!勝利に意気込むアーニャたちの前に、怪童ビル・ワトキンスが立ちはだかる。

【MISSION:11】 〈星(ステラ)〉
イーデン校の懇親会に出席するためには、子供が特待生になる必要があるが、勉強が苦手なアーニャは大苦戦。そこでロイドは勉強以外で“星(ステラ)”を獲得する方法としてアーニャに社会貢献をさせようと考えるが、アーニャはボランティア先の病院で失敗ばかり。そんな最中、アーニャはプールで溺れる子供の声を超能力で察知して--!?

【MISSION:12】 ペンギンパーク
〈WISE(ワイズ)〉の任務に忙殺されて、この日もロイドはヘトヘトになって帰宅。そんな時、彼は自分が家族をないがしろにしているという近隣住人の噂話を聞く。わずかな疑惑がオペレーション〈梟(ストリクス)〉に支障をきたすことを恐れたロイドは、仲の良い家族を周囲に見せつけるため、次の休日に水族館へ行くことに。しかしそこでも〈WISE(ワイズ)〉の新たな任務が発生してしまい……!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

スパイ要素が微妙すぎる。

{netabare}
人気漫画と聞いていただけに期待外れ。
面白く無い部類のコメディアニメだった。
OPEDのヒゲダン、星野源といい、無理やり流行らせた作品と言う印象かな。

このアニメは完全なギャグアニメをしたいのではなく、本筋の話を成立させた上でのコメディアニメをやりたい作品なんだろうけど、本筋の話が適当すぎる。

まずタイトルにもあるスパイ要素が酷すぎる。
1話の時は結構いい感じだなと思ったんだが2話。
なんでヨルさんにばれないのってレベルで、スパイであることを隠す気もない行動。この回だけに限ったことじゃない。
街中で特に意味もなく目立ったりするし本当にスパイなんですかねと言いたくなる。
極めつけは5話。アニオリらしいがあの回はマジでない。
遊園地でスパイ組織総揚げでアーニャのために茶番に付き合うという。
もうこの回で主人公のいるスパイ組織が茶番組織にしか見えなくなってしまった。
この回は特に、合理性とかを完全に無視したギャグアニメになっていて、結局このアニメはシリアス要素に期待して見るべきなのか完全なギャグアニメとして見るべきなのか分からなくなった。
スパイらしい要素を描くなら、例えば補欠合格になった時点で合格確定者を暗殺(はアニメ的にまずいとしても何らかの方法で通えないようにする)、ステラの獲得のために何かしらの自作自演工作を行うなどの展開をやるべきだった。
尤も、確かこの二つは作中でも最終手段的なものとして心の声として描かれていた場面があった気がするけど、実行に移してくれないとスパイらしいことやってるなとはならない。

それと、主人公の子供が泣かない世界を作るためにスパイになったというのも目的と行動が一致しているように思えなくてあまり刺さらず。

まあスパイ要素は置いておいて、これはコメディ作品と言うことで、ギャグ部分はどうだったかというとこれは主観だがそんなに面白くなかった。
ギャグがなぜ面白いかなんて言語化できないけど、たぶん、構図が毎回同じで飽きてしまったことかな。
アーニャが予想外のことをして...と言う構図。
アーニャ絡み以外の部分で面白い要素を作れていない感。
それと、アーニャを見ていると面白いというよりも馬鹿さへのいら立ちの方が上回ってあまり好きになれなかったというのも大きいかも。
アーニャが好きだったなら評価も変わってたかもしれない。

もう一つ駄目な点として雰囲気作りが雑すぎる。
第二次世界大戦中か直後のヨーロッパが舞台らしいが、ところどころ現代を感じるものがあったりで引っかかる。
現代風のオフィスにパソコンが置かれているような感覚でタイプライターが置かれていたり、ものすごく高精度な盗聴器だったり。
一番酷かったのはアーニャがラピュタパロのセリフを言う回かな。一気に現代まで感覚が引き戻されるw
そもそも「アニメ」という単語を聞くだけで現代感があるからヨーロッパ舞台なら尚更そこは「カートゥーン」と言ってほしかったな。
MANGAと言うワードも出てきたしその辺ほんと滅茶苦茶

良かった回としては、ヨルの弟が家に訪問する回。
秘密警察のユーリとスパイの黄昏の接触と言うことで、一歩間違えればスパイばれする状況で会話の一つ一つに緊張感があり良かった。
会話の中でトラップを仕掛けたり、相手の細かな発言を見逃さずに秘密警察であることを特定したりと、スパイものとしての面白さもあった。
その上で、二人の自然な会話の中で行われている過剰に精密な駆け引きがギャグにもなっていて、この回はまさに自分が求めていたような回だった。
その後にヨルに対して、ここまでの仲だからと言って簡単に信頼せず秘密警察の息がかかっているのではないかと疑念をかける部分も完璧。
真意を確かめるにあたって、スパイらしく変装し、かなり綿密な戦略の下で一芝居打つのもまさにスパイアニメと言った感じだった。

今後こういう回が増えるなら手のひら返して絶賛すると思う。

あと、OP映像石浜真史にしては微妙だった。サビ部分の音合わせは好きだけど、サビ前はどうだ?活かしてるだろ?感が強くて。
人気作だから気合入れすぎて却って駄目になったパターン?
ED映像はめっちゃセンスあると思ったけど。
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
人気作。普通ここはクロスワードじゃなくて数独だろw
てかクロスワードって海外にもあるんだ。
ああ、心を読み取ってクロスワード解いたのか。
何で日本語? その能力のことはもれなかったのね。
こいつ何者。粉塵爆発。まあまあだな。
子供が泣かない世界を作るためにスパイになったって意味不明じゃね。

2話 ☆4
ごり押しOPED OP映像それっぽさはあるけど全然センスを感じないな。殺し屋をやってるってことは弟はしらないの? 条件きつすぎだw
密輸組織の話いる? スパイ既にばれそうw
さすがに言い訳適当すぎんか。

3話 ☆4
アーニャ可愛い。
アニメの話、しかもラピュタパロとかやってくるの世界観ぶっ壊しなんだよな。時代設定のわりに違和感を感じる。
スパイが余計なことして目立つなよ。
これもしかして微妙?

4話 ☆8
もう一枚ありそう。今気づいたけどこれもしかしてギャグ漫画だった? 服結局破れてるじゃんw 親より子に質問しろよ。
いや、志望動機は子供に聞けよ。
てか今適当に校内歩いたら殺せるのでは。リテラシーがない質問だな。急に任務見捨てて切れるのはどうなの?
まあ一話で言ってたな子供が泣くのを見たくないって。
そういった面では整合性が取れてるのか。
ただスパイ=極悪非道なイメージだから子供よりも任務を優先してほしかった感はある。

5話 ☆1
誰かを暗殺しろよ。
ここでだれも暗殺しない辺りスパイっぽくはないんだよな。
は? これガチのギャグアニメなの。
任務を本気でこなそうとするんじゃなくてやりたいのはギャグなのね。なにこれ感がすごい。物理攻撃魔女。

6話 ☆7
料理に暗号ってよく考えられてるな。教師になった方が早くね?
なろうにいそうなチンピラ。てかそんなガバガバなら普通に殺せるくね。は?
まあ本筋かつコメディ多めの回は。

7話 ☆6
茶髪の子かわいい。小学生なのにピタゴラス
ロイドが仲良くなった方が早くね。
こういうサイコパスノリ嫌いだわ。お前スパイだろw

8話 ☆8
スパイ側もこれぐらいの空気感ならリアリティあっていいんだが、スパイ側はお遊びなんだよな。黄昏って主人公か?
ほんとスパイ組織もこれぐらいしっかりしてたら文句なしで面白い作品なのに。てか弟は警察で本人は殺し屋なの?
今回は結構裏組織感あっていいな。

9話 ☆7
情緒不安定弟 しょけえええ これ前回に話まとめられただろw
ヨルを疑ってかかる所はスパイらしくていいな。
けどこのタイプの盗聴器って。これって舞台現代?
時代背景分からなくなるぐらい現代的なものと前近代的なものが混在してる。怪しすぎるな。
けどまあこういう調査をするのは初めてスパイらしいと思った。

10話 ☆4
開幕エレガント。アーニャ出るとつまらんなこのアニメ。
ドッジボールってヨーロッパにもあるんかな。
6歳とは。強いやつ一人いるとだいたい強いよね。
滑ってるぞ。くどい!
ドッジって不意打ちじゃないと大体キャッチされる説ある。
てか外野に回せw うーん、ハズレ!w

11話 ☆4
有能じゃん。試験結果の改竄できるならもう何でもできるじゃん。
スパイなら自作自演で事件起こせ。諸リスクってなんだよ。
MANGAってこの時代絶対海外で一般的じゃないでしょ。
これほんとに時代どうなってんの。
建物も小道具も全部が現代的なわけだけど。
都合良すぎ...。
スパイものならこういう都合のいい展開をを自作自演で作れよって思う。ん?結局自作自演だったの? 今後の話?
それとも子供突き落としでもした?
心読める設定ギャグ以外に活かせんのかなぁ。

12話 ☆4
全然スパイも殺し屋もしてないよね。唐突に重いスパイ任務
ばれるだろw 1時間ぐらい待たされそう。いや引き止めろw

曲評価(好み)
OP「ミックスナッツ」☆7.5
ED「喜劇」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ちょっと分析的になぜ私が本作に惹かれないか考えてみました。

 断念したといいながら、ちょっとだけチェックいれてました。

 いやあ、面白いですね。このアニメの存在が。コミックも含めてですけど。これが売れるという構造は非常に興味があります。

 まずヨーロッパ某国という場所、スパイ、殺し屋のリアリティについては、意味はないです。ここについて指摘したり我慢できないという人はほぼいないと思います。いるとすれば議論のための議論でしょう。

 ヨルの殺し屋設定について、例えば「ヒゲをそる女子高生を拾う」「スーパーカブ」で法律が云々言っていた人ってどう考えてるんだろう、という疑問すら持ちません。この叩きって、結局、叩くための叩きでした。それは深夜アニメ独特の作法みたいなもので、叩くために見る、という人たちのものでした。
 スパイファミリーの購買層は、こういうまあ歪んだ楽しみ方をしない、メジャー層なんだと思います。だからこそ、売れるんでしょう。

 ちょっとマンガのテイストは違いますが「呪術廻戦」の視聴者層とかぶっているのではないでしょうか。
 どうして本作がそう言えるのか。「呪術」もそうですけど萌えがないですね。性消費があからさまではないです。ヨルにそれを見出すことは不可能ではないですけど、30前のお姉さんですからちょっと違いますよね。まして、アーニャにエロを見出す人は病気ですから放っておきましょう。

 で、30前の殺し屋美人がキスにビビる。これはもう完全に子供向けの系譜です。そして、微笑ましいです。つまり、女子も少年少女にも読みやすいということです。
 逆に、正直いえばどんなつまらない異世界ものでも、この点ではまだなろう系の異世界ものの方が私には合っています。

 で、本作には残酷な描写はあるんですけど、全然生々しくないですね。殺される人はNPCみたいなものです。肝心のいつものキャラが手にかからなければ、それは殺しではない、ということでしょう。

 1話1話で話が切れているので、頭を使わないで済みます。で、家族の話なのでちょっとした感動も含んでいます。エロがない、毒がない。電車の中で電子書籍とかで読むには最高な造りになっています。

 秘密を持った3人が疑似家族になる。心を通わせて本当の家族になる。というのは昨今の流行のモチーフです。スパイとか殺し屋とかいろんな要素をいれて深さがあるように見せながら、実は舞台設定だけという感じです。そこにテーマ性を入れません。
 他の疑似家族モノとちがって、貧困問題やコミュニティ、アイデンティティの問題は入りません。あるのは「秘密」を原因としたギャグと愛情があるだけです。「コータローは一人暮らし」の対極です。

「よつばと」と比較しても面白そうです。「よつばと」は大人が大人の視点で子どもの行動を見て微笑ましさに笑う感じです。本作は大人の目線が完全に子供と同じ水準です。ヨルもフォージャーもつまりはアーニャと同じ水準で物を考えています。その滑稽なところが面白さになっています。

 作者がおそらく俯瞰して書いているのでしょう。面白さを計算してあえてテーマ性を入れないようにしている感じです。そのひっかかりの無い純粋な面白さが、本作の魅力になっているのでしょう。感じでいえばもうちょっと年齢層は高いですが浦沢直樹の「YAWARA」に近い雰囲気がします。これがメジャー向けの作品の作り方として成功しているんだとおもいます。

 この趣味嗜好の差を無視して批評でディスりあっても仕方ないですよね。

 例えば、ドラえもんが名作で面白い作品なのは、万人が認めるでしょう。でも、わざわざ成人男性がレアケースを除いて毎週楽しみに見るか、といえばあり得ません。定食屋に単行本が置いてあれば面白がるでしょうが、じゃあ続きを買うかと言えばそんなことはしません。

 怪傑ゾロリやアンパンマン、デンジャラス爺さんならなおさらです。U10くらいでしょう。
 じゃあ、本作や呪術廻戦なら?ドラえもんよりは年齢層は高いかもしれません。ワンピースくらいでしょうか。そう、つまりメジャーになる要因は作家性のない純粋で軽い面白さなんだと思います。

 ということで、考察厨のアニメオタクで、深夜アニメ、SF、萌えが好きな私が好きな分野ではないという理屈付けです。
 考えてみれば歴代マンガ売り上げトップ10のうち、今でも面白く読めるのって2作くらいです。

 なお、ドラえもん、ワンピースの他、ドラゴンボールと名探偵コナンが入ってますね。スパイファミリーと年齢層はあうのでは?この2作は初めの数巻ならまだ読めますが、それ以降は無理です。ナルトもつらいなあ。ゴルゴ13は別の意味でもはやギャグですが。
 歴代10位で読めるのは、ブラックジャックと美味しんぼ…かろうじてこち亀かなあ。

 ただ、全部圧倒的な名作で素晴らしい作品なのは言うまでもありません。スパイファミリーもここまで行くといいですね。

 


以下 視聴時のレビューです。

1話 ということで、超話題作。{netabare} ラッピング電車があったということは相当気合いが入ったビッグコンテンツなんでしょうね。

 もうちょっと対象年齢層が高めの話を想像していましたが、U15向けでまあ大学生くらいまでは面白がる人もいるかもね、という感じでしょうか。 
 ですが、そう思っていた呪術廻戦とかが売れているから、本作ももう少し幅広いんでしょう。
 むしろ深夜アニメに慣れ過ぎて感覚がおかしいのは私かもしれません。(オタでははい)一般の人が受け入れるマンガの面白さってもともと本作のような感じなのかもしれません。

 多分ですけど、リアリティラインのチューニングを合わせそこなうと醒めてしまうと思います。スパイの現実がどうこう言いだすべきではなさそうですね。
 少年少女の心になって「家族になってゆく」プロセスまたはギャグを楽しむんでしょう。スパイものとしてのドキドキは期待しないほうが良さそうなんでしょうか。

 なお、1話目は娘役の「超能力」設定で心が折れかけましたが思い返して、少年の心で視聴中です。うーん。面白さがわからない。
 後は奥さんしだいでしょう。配信サイトの紹介だと早見沙織さんなので清楚キャラ? {/netabare}


2話 まあ、少年向けのギャグということで。

 サイフォンでコーヒー淹れてるのに何でポットからコーヒー注いでいるんだ?とか、ミックスナッツでピーナッツ入りは安物(OP歌詞)だし木の実と勘違いしてるのって無知すぎるだろうとか、まあ、言いたい事はいろいろあります。

 リアリティライン…つまり設定の作り込みやキャラ造形はリアリティを出すことを諦めた、ドタバタギャグの作り込みですね。荒唐無稽でも面白ければいいやという、少年誌的ギャグの作風ですね。
 これは大人が見るのはちょっとなあと言う内容です。ヒューマンドラマパート次第ですけど、テンプレかなあ…

 なにより内面ですね。藤子不二雄的な少年向けの系譜です。少年向けであることと作品のレベルは違いますので、本作のレベルは高いのかもしれませんが、少年少女またはその心がないと無理でしょう。
 3人の主人公はさておいて、あの情報屋の設定とかいじわるOL3人とかのキャラはちょっと真面目に視聴するのは厳しいかなあ。

 力が入った作画ですし、早見沙織さんの天然ボケに癒されるので時々見るかもしれませんが、毎週追うような感じでもなさそうですね。一応今期の初断念にしておきます。これは重ねていいますが、対象の年齢層が私では無かった、というだけの話で作品のレベルの話ではありません。
(なお、マガジン、サンデー系は少年向けでも読めるんですけど…ジャンプ、コロコロ系の少年向けは特にですね。U15向けとU12向けの違いなんでしょうね)

 なぜ深夜アニメなんでしょう。日曜日の朝向けの気がしました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

86.9 5 秘密で戦闘なアニメランキング5位
リコリス・リコイル(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (1019)
2829人が棚に入れました
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」 。 カフェが受ける注文は、おいしいコーヒーにあま~いスイーツ……だけじゃない!? ちょっとそこまでのお届け物から心細い夜道の送り迎え、ゾンビ退治から巨大怪獣…!? なんでもお悩み、相談ください! お客さまの「困った」をなんでも解決しちゃいます! 皆さまをお待ちするのは、いつもスマイル看板娘と、クールで真面目なド新人。働きたくないちびっ子に、結婚を焦るアラサー女子? そして店長は、日本かぶれのナイスガァイ!! どんなご注文(オーダー)も、おまかせあれ♪
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

楽しくも、切なく哀しい『Recoil(反動)』の物語

あなたの学校に、ものっそい美人、
しかもスタイルも性格も良くて、誰とでも気軽に接し、
おまけにスポーツや勉強まで充分以上にできる女子がいたとします。
そういう女の子って、
だいたい一割ぐらいの生徒から陰でディスられたりするんですよね。

 ・なんでもできますヅラが気に食わない、カンに障る。
 ・八方美人で、いい子ちゃんぶってヤな感じ。
 ・別世界の住民みたいで親しみがもてない。もっと庶民派の方が好き。

まあ、言いたくなる気持ちはわからなくもないですが、
そういうのって客観的に見ると『やっかみ』以外のなにものでもなく。
人間、素直がイチバン、などと思う拙なのであります。


本作『リコリス・リコイル』は、
そういう『学校イチの完璧美人』みたく考えていただければよろしいかと。
それが鼻につく方には鼻につくでしょうが、
僕ごときの浅学な身ではうまくイチャモンがつけられない、
全方位型のアクション・エンターテインメントなのであります。

ジブリや新海誠監督作品ぐらいしかアニメに接点がない方々にも、
ぜひに、とおススメしたい逸品であり、
2022年度のジャパニメーションを代表する一作ではあるまいかと。

ちなみに、物語の設定は明るくも楽しくもありません。

  政府の秘密治安維持部隊であるDA(Direct Attack)。
  そこは、犯罪者どころか『準備犯』までもを暗殺し続けることで、
  表面上の平和を維持する超法規部隊だった。

  DAは孤児を養成して殺人技術を身につけさせており、
  暗殺者として育成された女子たちは『リコリス』と呼ばれていた。

  そうした異様な治安維持に不審を抱いたテロリスト・真島は、
  その正体を暴いて白日のもとへ晒すべく、
  リコリスの抹殺、そしてさらに大きなテロを計画していく。

  そのリコリスのNo.1、『殺しの天才』と呼ばれる錦木千束(ちさと)は、
  ある事情から『不殺』を自らの信条とし、
  DAの支部扱いとなっている喫茶店『リコリコ』に身を置いて、
  暗殺ではなく『人助け』をして過ごしていた。

  その『リコリコ』に、井ノ上たきなというリコリスが、
  某事件の責任をかぶされた形で左遷されてくる。
  あくまでも『不殺』を貫き、明るく振舞う千束に反発を覚えるたきな。
  しかし、千束の事情や生きざまに接するうち、
  自分にも『人を殺す以外の生き方』があるのではと思い始める。

  しかし、そんな二人もリコリスと真島の抗争に巻き込まれていく。
  そしてついに大規模なテロが発生し、凄惨な現場に駆けつける二人。
  そこで千束に突きつけられる、生命の『選択』。

  そのとき、二人のとった行動とは……!?

とまあ、ハ-ドボイルド感満載な設定であり、
一つ間違うと『鬱アニメ』になっちゃってもおかしくないような、
あんまり『心暖まらない』ストーリーであるわけです。

ところが実際に作品を見てみると、
鬱になるどころか、爽快で、小気味よく、
わくわくしながら視聴し続けられる第一級のエンタメに仕上がっています。

これは、すでに見た方ならカンタンにわかると思うんですが、
単純に以下の三つの要素が作品を押し上げているからなんですよね。

  ① ビジュアルがめっちゃきれい。
    女の子が可愛く、活き活きしているし、
    アクションシーンもかっこよくて目が惹き付けられる。

  ② 演出・シリーズ構成が秀逸。
    パンツ回や喫茶リコリコのわちゃわちゃした日常など、
    楽しく見られるプロットが随所にあって悲壮さを引きずらない。

  ③ キャラ・役者の芝居がめちゃくちゃ楽しい。
    ヒロインである千束(Cv.安済知佳さん)を筆頭に、
    喫茶リコリコで働いている中原ミズキ(Cv.小清水亜美さん)
    同じくクルミ(Cv.久野美咲さん)たちの、
    カラッと陽気なお芝居が物語全体を明るくしている。
{netabare}
  第四話のパンツ回なんか、
  多数のリコリスが銃撃戦のうえ、無惨にも瓦礫の下敷きになって死亡。
  なのに、すぐ後のリコリコ店内のパンツ騒ぎで帳消しに。

  続く五話でも、リコリスが殺意をもった真島に車で轢かれ、
  そのあと、テロリストに囲まれハチの巣にされたのに、
  たきなが千束の心音を聴く『ちょい百合演出』で、これも帳消し。

  こういう『痛ましさを引きずらせない演出』が随所にあるんですよね。
{/netabare}
要するに、ハ-ドボイルド的な『苦味』のあるストーリーに、
美少女だのわちゃわちゃだのという『甘味成分』を大量トッピングし、
誰の口にも合うようマイルドに仕上げた作品なのであります。


ただし、単純にそれだけであれば、いわゆる
  絵がきれいで女の子がかわいいハ-ドボイルドアニメ
にしかなりません(そんなの、掃いて捨てるほどありますよね)。

  ハ-ドボイルド単体として見れば
   『政府が運営する秘密暗殺部隊』というのはやや古臭いし、
  その部隊が暗躍する理由が
   『外面上の治安の良さを維持するため』
  というのは、いささか無理筋な感じがしないでもなく。

僕が本作品を高く評価しているのは、
ハ-ドボイルド層+美少女層に加えてもう一つ、
第三の層とでも呼ぶべき重要なファクターが存在するからであります、

その三つ層のが分離不能なほど溶け合い、
融合して一つの世界を織りなしているからこそ、本作は『素晴らしい』、
近年まれに見る良作であると拙なりに愚考するわけです。

この層は作品タイトル『リコリス・リコイル』の意味に密着しているのですが、
未視聴の方は正直イミフになっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
{netabare}

本作のタイトル『Lycoris Recoil』は、
直訳すると『彼岸花の反動』で、
そのまんまだと、まるっきり意味がわかりません。

ですが、彼岸花の花言葉を調べていくと、その輪郭がはっきり見えてきます。

彼岸花は色によって花言葉が違うのですが、
千束に繰り返しかぶせて描かれている彼岸花の色は『赤』です。
そして、赤い彼岸花の花言葉というのは

  『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『悲しい思い出』
  『また会う日を楽しみに』『想うはあなた一人』

このうち、本作で千束に関係してくるのは、
通奏的なのが暗殺組織DAからの『独立』と、不殺の『情熱』の二つかと。
 (物語前半は吉さん(吉松)への『また会う日を楽しみに』、
  中盤以降は同じく吉さんとの『再会』という意味も兼ねています)

  ちなみにアイキャッチでクルミが来ているパーカ-の彼岸花は『黄色』で、
  花言葉は『深い思いやりの心・陽気・元気』。
  こちらも最終話近くの心臓探しあたりと密接につながっております。
  (いやあ、このあたり芸が細かい)

千束はアラン機関の吉松(吉さん)から人工心臓の提供を受け、
深く感謝すると同時に自分も他人の救世主になりたいと『情熱』をもち、
DAからの実質的な『独立』をはたします。
そして、憧れだった吉さんとの『再会』をすることに。
ここまでが、タイトルのうち『リコリス(彼岸花)』にかかっている部分ですね。

そして、千束の『情熱・独立』は、深刻な『反動』をもたらします。
ここからが『リコイル』の部分。

千束は『殺しの天才』としてアラン機関の援助を受けたわけですから、
いつまでも不殺を貫いているのは、その目的に反します。
そこで、エ-ジェントである吉松は、
その才能を発揮させる(人を殺させる)べく、
薬物中毒者を依頼人に仕立てて、千束と殺し屋と対決させます。

ですが、それでも千束は「私は人の命は奪いたくない」と言い切り、
その理由を「わたしを助けてくれた人みたいになりたいから」だと説明します。
それをニセ依頼者を操りながら聞いていた吉松は、
  「千束……それではアラン機関は君を……その命を……」
という言葉とともに、絶句し、交信を切ってしまいます。

  このセリフこそが、これ以降の物語の『トリガー』なんですね。

物語後半であきらかになりますが、
この段階で吉松はすでに、
千束を助けられる新しい人工心臓の存在を知っていました。
(それを手にしたのが延空木テロの一年前ですしね)
しかし、千束が期待された才能を発揮しない限り、
アラン機関の追加支援としてその心臓を提供することはできません。

  つまり、殺しをしない限り、千束の余命はあと数年が限界だ、
  ということがわかっていたわけです。

  だからこそ『リコリコ』に足を運んでミカの状況を確認し、
  進んで殺しをさせる意思がないと見るや、
  職権濫用で殺し屋を差し向けたりもしたわけで。

しかもこのときの会話で千束が殺しをしないのは、
人殺しはイケナイ、みたいな安っぽい人道的な理由ではなく
(千束はリコリスが人を殺すことを否定していません)
吉松を『人を助ける救世主』と思い、同じ道を歩みたいと願っていること、
つまり自分が誤解させてしまったことが原因だと知るわけです。

すぐに吉松は、バックグラウンドで走らせていた作戦、
アラン機関が千束とは関係なく『別枠』で支援していた真島を、
千束にぶつける作戦へ舵を切ります。

さらに、千束を時間的に追い詰めるため、
千束の体内にある人工心臓に細工をして余命を二か月にまで縮めます。

それは、表面的にはアラン機関の忠実なエ-ジェントとして、
千束の才能を世界に届けるためのものでした。
しかし、内心は違います。
吉松は、ただ『千束に生きていて欲しかった』こそ、
職権を最大限に濫用して、千束に『殺し』をさせたかったのです。

  そもそも、ミカに仕事ではなく『約束』として千束を託したのは吉松です。
  その際、吉松は「もう私たちの娘じゃないか」と言っており、
  その段階で『人殺しのための道具』だとはこれっぽちも思っていません。

  子どもを作ることができないゲイカップルの吉松にとっては、
  自分が生命を与えた千束は、
  ほんとうに自分の娘であるように思えたのかも知れません。
  (手術にも、本当の親のように、ミカと二人で立ち会っていますしね)

最後の仕上げとして吉松は自らの身体に細工をし、
自分が真島にわざと捕まるよう仕向けて、旧電波塔で千束を待ちます。
(クルミですら痕跡を追えなかった吉松が、
 ロボ太や真島に簡単に捕捉されるとは考えにくく、
 ここは『わざと』捕まったと思うのが自然です)

そして、真島を捕縛して対峙した千束に対し、
あらん限りの(心にもない)罵倒と挑発を繰り返して、
自分に抱く偶像を破壊し、罪悪感なく自分を殺せるように仕向けます。

  自分は憎まれても殺されてもいい、
  千束が夢破れて『人殺し』になってもいい、
  どんな代償を支払ってでも、千束には生きていて欲しいんだ。

  それは生物学的な親子を超えた、
  本物の親子愛と呼ぶべきものではないかと僕は愚考します。
  (もちろんそこには『ミカとの子ども』という付加要素も存在します)

かたや、ミカの方も心から千束のことを愛しています。

吉松に押しつけられた『親子ごっこ』は本物の親子愛に昇華し、
成人まで生きられないと言われている千束のために、
おそらく袖を通すことができないであろう晴れ着まで準備しているんです。
そのうえで、吉松を慕う思いを尊重して、
残り少ない人生を思うままに生きさせてやりたいと願っています。

  どんな形であったとしても生きていて欲しい、と願う吉松。
  死期を早めることになっても思うままに生きて欲しい、と願うミカ。
  そこに正誤だの優劣だのはありません。
  そこには、
  娘を心から愛する二人の父親がいるだけです。

最終話、傷ついた吉松とミカの会話が、二人の深い情愛を物語っています。
  ミカ「すべては千束のためだ……。そうだろう、シンジ」
  吉松「わたしは……わかってもらえなかったよ……」
    (中略)
  吉松「……狂わされたな。おまえも……あの子に」
  ミカ「……そうだな」
そこには、深い悲しみはあっても、後悔は一片も存在していません。
最後まで千束に真意を伝えられなかった吉松を、
(それを伝えたら千束は絶対に吉松を撃てなくなりますから)
ただ一人、理解して涙を流すミカ。
互いを愛し、そして娘を愛した二人の男の切なすぎる幕引きです。


つまるところ本作タイトル『リコリス・リコイル』は、
リコリスである千束の『情熱』『独立』、
つまりは『不殺』に対する『Recoil(反動)』の物語であるわけです。

もちろん、千束を中心に起こる全てのできごとがその範疇に入りますが、
とりわけ、愛する娘の『情熱・独立』によって人生を狂わされ、
それでもそれを甘んじて受け止める、二人の父親の物語が大きな要素となっています。

この二人の父親の深い愛情、
慈しみ抱擁するようなミカと、狂気じみた発露を見せる吉松の愛情が、
折り重なり合って物語のバックグラウンドを形成する構造こそが、
僕の言う『第三層』なのであります。

  わちゃわちゃと楽しい美少女たちの光景と、
  カッコいい、胸のすくようなハ-ドボイルド・ガンアクション。
  それらを下支えする切なく哀しいヒューマンドラマ。

  これらが密接に絡み合い、完璧に融合していることが、
  本作にものっそい深みとコクを生み出している、
  と、拙は拙なりに愚考している次第なのであります。
{/netabare}

僕的な評価は、ダントツのSランク。
おおよそ、エンタメに期待される要素をほぼ完全に網羅しております。
ハ-ドボイルドとしての世界観は若干『ぬるい』のですが、
それを補って余りあるアクション品質と、
ドラマ性のある濃密な『動機付け』が実によき。

同系統の作品は今後も出てくると思いますが、
それで本作を超えるのはちょっと難しいんじゃないかなあ、
と思わされるぐらいの完成度です。


唯一の欠点は、脚本がちょっと『わかりにくい』ことかと。
とりわけアニメ慣れしている方ほど、
その傾向が強くなるんじゃないかと危惧してしまう次第です。

  というのも、最近のアニメの傾向って、
  心情とか真意をセリフで語りすぎちゃっているんですよね。
  言葉と心情が乖離してるのって、
  わかりやすいツンデレ演出ぐらいのものでしかなく。

  その点、本作は心情解説的なセリフがほとんどないんですよね。
  映像や言葉の断片からそれを『推し量る』という、
  国語キョーイクみたいなスキルが視聴者に求められるわけであります。
  {netabare}
    最終話の日本リコリコ店内なんか、
    チビ千束の描いた『二人のお父さん』の絵がこれ見よがしに飾ってあって、
    いかにもメッセージを読み取って欲しそうにしていたり。
    その上からミズキが別の絵をかけて隠しちゃうところなんか、
    本作の作品構造をあらわすメタファーになってたりもするわけで。
  {/netabare}
  そういうのって正統的な映像作品の作り方っちゃ作り方なんですが、
  イマドキのアニメとは、正直、かなり違うわけでありまして。

  いわゆる『萌えアニメ』的な感覚で、
  オモテに出てくるセリフだけを追っかけていると、
    なんだコイツ、わけわっかんね~
  みたいなことになっちゃいそうなので、ご注意を。
  {netabare}(いやほんと、吉さんかわいそう) {/netabare}


作画は、ほんと言うことなし。ためらうことなく5点です。

かわいらしいカットはかわいらしく、
シリアスなカットは魂込めてシリアスに、
一枚絵として充分通用するレベルで繊細に描き分けられています。

  アクションシーンも、ガチでかっこいいですしね。
  他の方も指摘されてましたが、
  千束の独特な銃の構え方、きゅんです。
  {netabare}
  最終展開、ク-ルなたきなが感情むき出しにする作画は鳥肌もの。
  「心臓が逃げるっ!」と叫んだとき、
  ちょっとだけ楳図かずおが入っちゃったのはご愛嬌。
  {/netabare}
  あと、これはアニプレ系列作品の特徴でもあるんですが、
  女の子が『おしゃれ』。
  乃木坂46のデザイナーに依頼したというリコリスの制服もそうですが、
  千束とたきなをはじめとする女性陣の私服がステキ。
  ここんとこは、他の制作会社もぜひぜひ見習ってほしいところかと。


大評判になっている役者さんのお芝居も、文句なしの5点満点。

千束役の安済知佳さん、こんなはじけたお芝居ができたんですね。
いやすごい、楽しい、ほんとカワイイ。
さらに、これまでの役どころで培ってきた『気だるげ』なお芝居も健在で、
その温度差が千束のキャラをより際立たせています。
(個人的には最終話、真島との『中休み』グダグダ会話がイチバン好きかも)

  若山さん、小清水さん、久野さんも会心の一撃かと。
  とりわけ『感覚派』の天才児、小清水さんが、
  アドリブでめっちゃいい味だしていて、よきです。いンぬ。
  (久野さんも引っ張られて、新境地開眼ですね♪)

  ただ、女性陣ばっかに目がいって、
  youtubeはじめネット上もその声ばっかなんですが、
  男性陣(松岡禎丞さん、上田燿司さん、さかき孝輔さん)が、
  すごく渋くて味のあるお芝居をしているからこそ、
  女性陣がぐぐっと引き立っているのはわかってあげて欲しいかも。


音楽は、OP・EDともに、世界観と見事にシンクロしています。
劇伴もかなりいい出来なんだけど、
クライマックス、台詞に日本語のOP曲かぶせちゃったので満点ならず。

  OPにクラリスさん、EDにさユりさんと、
  さすがSME系列のアニプレ、持ち玉が豊富ですよね。
  ときどきヘンな外し方しますが、今作はきっちりと。

  OPの映像が、またよくできてるんだこれが。
  拙的には、サードリコリスが無言で歩いているカットが大好きです。
  (最初は通常、途中でスローにして爆炎をかぶせる演出がヤバい)
  最後をおしりの蹴り合いで楽しく締める演出も、
  まさに本作の制作コンセプトそのものですよね。まいった、降参。


監督は、これが初監督となる足立慎吾さん。
1996年に『機動戦艦ナデシコ』の動画マンとしてデビューして以来
作画・作画監督・キャラデで25年以上のキャリアのベテランさんですね。
SAOやWORKING!!のキャラデ・総作監として有名な方。

  これまで『画』は描けても『物語』には関われず、
  イマドキの流行りアニメに対して、
  かなりの想いを募らせてこられたのだろうと愚考いたします。

  アサウラさんの作成してきたプロットを『原案』にするまで修正、
  映像面の中間チェックを副監督にほぼ丸投げし、
  自身はシナリオと演出に集中するという力の入れよう。

  残念というか何というか、
  画と役者さんのお芝居が良すぎて視聴者の目と耳を奪ってしまい、
  シナリオの本質が十全に伝わっているとは言い難い状況かと思いますが、
  アニメの楽しみ方は人それぞれ。
  そこに良し悪しだの優劣だのつけるのはヤボというものですね。

     ただ、僕は好きです、こういうモノづくりの方向性。

  板がバカ売れしているとの由、必ず『次』がありますから、
  妥協して『わかりやすい安直アニメ』に寄せず、
  いまの信念を最後まで貫いて欲しいと心から願う次第であります。

  
とにもかくにも、実に緻密に織り上げられた物語です。

エラそうにこんなこと書いてる僕も、
一周目では、ばくっした全体像しか把握できず、
二周目で構造をようやく理解でき、
三週目でその緻密さに舌をまいた、というていたらくでありまして。

ほんと、見返すたびに新しい『発見』のある、素晴らしい作品です。
(僕がアタマ悪い、ぼんやり見てるだけかも知れませんが)

  未視聴の方はもちろんのこと、
  既に視聴を終えられた方にもヒマなときぜひ見返していただきたい、
  そんなふうに思ってしまう、

      エンタメアニメのハイエンドモデルなのでありますよ。


**************************************************************


ちなみに、最終話の読み方と、二期があったらの展開につきまして、
僕なりに書きたいことがあるのですが、
あくまでも個人的な推測に過ぎないわけですし、
そもそも、ここまででも充分に『長い』レビュ-になっちゃってるわけで、
まるっとネタバレで隠しておきます。

未視聴の方はまったく意味わからないので読むだけムダかと。
視聴済みの方で、おヒマであり、
なおかつ「ふん、読んでやらんこともない」というご奇特な方だけ、どうぞ。
{netabare}

まず吉さんの生死についてなのですが、
正直言って、いまの段階では『まるっきりわかりません』が正解かと。

人工心臓を自分の中にいれちゃうっていうの、
このヒトなら本当にやりかねないヤバさは確かにあるわけです。
ただ、そういうことになると
  ① いったん他人に移植した人工心臓を再利用できるのか
  ② 千束にネタバラシした後も、スーツケースを持って逃げたのはなぜか
という、ごくあたりまえの疑問が頭をもたげてくるわけで。 

それは千束の立場においても、まったく同じなわけです。
病院で目覚めたとき、自分が手術されていたことを知ったわけですが、
  それが『吉さんの体の中にあったモノ』なのか、
  それとも『ケースの中にあったモノ』なのか、
確信をもって判断できる材料はなにひとつないわけなのであります。

ケ-スの中にあったのなら全く問題ないのですが、
もしもそうじゃない場合には、

  誰かが吉松を殺し、奪った心臓を千束に移植した。

ということになるわけです。

もしも事実が後者だった場合、千束的に耐えられる話ではありません。
だから、仲間に会って真実を伝えられる前に、
誰にも見つからないところを求めて逃げ出した、というのがホントのところかと。

  少なくとも、千束が口に出したウソ、
    勝手に手術されていて『死ぬな』と思い、
    湿っぽくなるのがイヤで逃げ出した。
  なんてものよりは、よっぽど筋がとおる解釈ですよね。そもそも千束は
    古い心臓が修復不能で手術しても意味がない、
  ということを知っていたわけですから、自分が何をされたかは自明の理なわけで。

そして、たきなに見つかり、腹を括って話を聞くことにした。
たきなの口から伝えられたのは『前者』。
もちろん、それが真実かどうかなんて千束に知るすべはありません。

  ただ、冷静に考えてみれば、
  真実がどちらであったとしても
  たきなは『前者だ』としか言うはずがなく。

  そして、同じように、真実がどちらであったとしても、
  千束が『吉さんから再び生命を与えられた』という事実に変わりはなく、
  それを精一杯生きなきゃいけない、ということに気づくわけです。

  だもんで、真実は玉虫色のまま、ワイハへGO!!

という、まさに『どっちにでも転がせる』最終回だったわけですね。
本編にも吉さんが『死んだ』という映像はどこにもなく、
今後どんな展開になるのか、ちょっと想像がつかない感じであります。


あと、僕的に今後の展開で気になるのは
ずばり『ミカに対するアラン機関の扱い』です。

  だって、結局のところ千束は人殺しをしていないわけでありまして。
  つまり千束はアラン機関の追加支援を受けられない、
  そういう立場であったわけです。

  その千束を助けるために
    アラン機関のエ-ジェントである吉松を抹殺し、
    同じくアラン機関の成果物である人工心臓を強奪、
  ということであれば、ちょっと『ごめん』じゃすまないだろうなと。

  吉松が生きている場合でも、
    二人で共謀して心臓をだまし取った
  ということになりますから、やっぱ『ごめん』で済ますのはムリ。

  そしてその心臓を移植され、
  義務をはたさないまま生きている千束もまた、
  やっぱ『知らんかった』ではすまされないだろうなあ、と思われ。


というわけで、もし二期があるとすれば、
まだまだ『リコイル(反動)』の波が続いていくものと予想しています。

まるで正体の見えないアラン機関も姿を見せるだろうし、
リコリスの抹殺に使われようとした格上の『リリベル』も出るだろうし、
したっぱテロリストなんかより規模のデカい、
そして対人殺傷能力に長けた『敵』がおしよせてくるわけで。

  そんななか、千束が『不殺』を貫いて仲間を守り切れるのか、
  みたいなストーリー展開になったら、けっこうドキハラできるかも。


まあ、そういうのは『拙がライターならこう書く』という話で、
信頼性もなんも、あったもんじゃありません。
いきなり『萌えアニメ』になる可能性だってゼロじゃないわけで。

  常にスケジュールがパンパンのA-1 Picturesですから、
  いかに板が売れようとも、
  すぐに二期の制作にとりかかるのはキビしいかと思われます。

  朗報が届くのを首を長くして待つ間、
    自分ならこう書くなあ
  なんて想像するのも、アニメの楽しみ方の一つなんじゃないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメファンの感性を残酷なまでに問われる惨い作品

日本国の治安を守る秘密組織機関に属するエージェント=「リコリス」と呼ばれる少女たち
「千束と たきな」 2人のバディを描いた物語。

銃撃戦もありますが、最大の見せ場は何と言っても
千束と たきな のバディの関係性の描写にございます。

人気実力を兼ねそろえた完成度が非常に高い超話題作。

エンタメ性も高くキャラも魅力的で評判は上々、一見の価値ありと
自信を持ってより多くの方々にお奨めできるタイプの作品であります。

お気楽吞気で全身脱力系の 千束 と
生真面目で融通が利かない たきな の凸凹コンビが繰り広げる
化学反応の超展開(けつキック合戦の模様を含め)どうぞご期待ください。

●メサイヤ×スクランブル~最終話視聴後の総合評価~
{netabare}総合的に考えると相棒系の物語としてはかなり上質の完成度であったと評価できますが
最終話で、 たきな の活躍が期待していた程ではなかったこと、そして
「心臓」の件は個人的には千束もしくは たきな の決断により解決してほしかったのですが
二人の父親同士の決闘の末、先生の独断?(あるいはすべてを見越した吉松氏の計略?)により
あっさり解決されてしまったのが少しだけ残念でありました。

「彼岸花」が暗示する「死亡フラグ」も吉松氏が全部引き受けることで
一番危うい立ち位置にあった千束、仲間思いの念が強すぎて見境なくなる
という意味で何かやらかしそうだった たきな も事なきを得たようです。

千束の二人の父親、先生と吉松氏のBL関係のごり押しは{netabare}あまりに露骨で悪趣味なものを
感じたので減点の要素としました。

実はエリートと呼ばれる人たちにBL系の人が多いというのは事実であり、ある意味アラン機関の
吉松氏が同様であるのもリアリティがあると言えばその通りですが、主人公の父親がともに
BL系というのはかなり微妙過ぎるものがあるように感じました。{/netabare}

人気・評判・実力の総合評価では今期最高水準であることを証明したような本作でありますので
続編が期待されるのは当然の成り行きでありますし、だからこそ千束や たきな の手によって
命の問題を解決させようとする結末を描かなかったのには理解はできるところもあります。
というのも、原理上、命の代償は命であるのが必然だからであります。

12話の展開の過熱感は限界突破をするほどの熱を帯びているように思えましたが
最終話ではピークアウトを迎え少しだけトーンダウンしたような印象も受けました。

ただ続編への繋ぎということならば、若干ぬるめのハッピーエンドみたいな締めでも
ファンにとっては好印象であったのかもしれませんし
まだまだ物語が続くなら、それを待たずして激辛評価というのも早計でありかつ
期待が持てる終わり方というのも印象は悪くなかったように感じました。
結論は、概ね着地成功という話にございます。{/netabare}

ざっくりレビュー{netabare}
1話 たきな は待機の命令違反を犯しリコリスの仲間を救出
この命令違反を理由に本部から左遷されますが、救世主に憧れる千束には好印象
たきな は仲間思いの「熱い」性格であることが判明します。

2話 千束のマトリクスディフェンス炸裂
カラシニコフは反動が大きいのでかわし易いということなのでしょう。
異常に目がいい千束は射撃手の腕の筋肉の動きから弾丸の起動が読めるというチートであります。

3話 健康診断受診前に飴を食べようとする千束に たきな が注意勧告
甘いものは血糖値を上げるからと正論を放つも実は思いやりがあるというのが たきな であります。
模擬戦煽り合戦で千束吠える!千束も たきな のこととなると熱くなります。名コンビ覚醒回であります。

4話 たきな 用下着の買い出しシーン。ショップで二人の禅問答が始まり
千束の一人乗り突っ込みが冴えわたる。所詮は百合サービスデート回だろうと油断していたら
二人の会話は盛り上がり、思い出話の暴露から信頼関係が強化されていく様子が描かれます。

5話 千束の秘密が明らかになる重要回。
手作りの「旅のしおり」は千束の観光ガイドの依頼に対する本気度が窺えます。
アラン機関によりもたらされた人工心臓、そして千束の使命とは?物語は動き出します。

6話 リコリス襲撃犯テロリストとの対決。千束の弱点、目潰し攻撃で追い込まれるも
たきな のバックアップで難を逃れます。

7話 アラン機関に選ばれた千束と運命の人との再会。
しかし両者のそれぞれの思いにはズレがあるようであります。

8話 たきな 渾身のオリジナルパフェを考案。
絵の才能に加え たきな は決定的にセンスがないことが判明。
旧電波塔事件に関与していた男、真島の正体はアランチルドレンであり
千束との運命的再会は彼にとってはリベンジマッチ千載一遇のチャンスとなるのであります。

9話 人工心臓に細工され千束の余命は数か月に。
先天的心疾患の千束を救った救世主=吉松氏は憧れの人。
千束の生存につながる情報の手がかりを求め本部復帰を決意する たきな。
思い出作りのため たきな エスコートで千束とお出かけ。
たきな らしい生真面目過ぎるデートプランであるも、千束は大満足。
二人の別れのシーンで待望の雪が降るという演出がとても印象的な感動回でありました。

10話 自分のために人生を棒に振ってほしくない千束は喫茶店の閉店を決意。
そしてテロリスト真島覚醒!その本領を発揮します。 {/netabare}

以下長文レビュー{netabare}
●「メサイヤ・コンプレックス」~テロリスト真島について~
{netabare}真島というキャラが魅力的に見えるのは、本人が言うように真島が弱い者の味方であり
現状の腐った政治が蔓延する日本という社会においては過激な改革こそが庶民にとっては
正義であり救いであるというのが真実であるからであります。

テロリストというのはある意味「メサイヤ・コンプレックス」という精神病理に憑りつかれている
ような存在でありますが、この狂った世界に生きていれば誰しもが病みを抱え鬱積した感情の
どろどろのマグマがやがて臨界点を迎えるのも致し方ないことのように思われるわけであります。

本作に登場する都知事が(ノンフィクション作家の著作)「女帝」というタイトルの暴露本で
学歴詐称並び公職選挙法違反の疑念を抱かれる対象の某都知事と瓜二つなのは、偶然ではなく
必然であると考えられますが、その問題の某都知事はジョージ・ソロスという世界的大富豪の
お知り合いという話でございます。

都職員による実績評価は過去最悪級の某都知事でありますが、どういうわけか?選挙にはやたら強く
某独裁与党に所属していた時から大臣などの重要ポストを当たり前のように手に入れてきたという
経歴を持つというなんとも「狐」につままれたような奇妙な話でありますが、政治の世界、
いえ、この世のすべては人脈やコネこそが肝心要であり、
実力やら誠実さやら信頼などは二の次三の次のことなのでしょう。

某与党で重要ポストを得てきた女議員とは、よく見りゃみんなよく似てる
「女狐」であるという笑えないオチであります。

だからこそ真島というキャラの思想性に自分の憧れや理想を重ねてしまうわけですが
テロを起こそうが起こすまいが、ガチガチの完全性で固められている現世界システムは
強固なる鉄壁性を示すのみでありましょう。

ただし、その鉄壁性という性質は我々庶民に対してのものであり
もしも権限ある強者たちが世界を変えると決めた時は、逆に多くの庶民が抵抗したところで
いともあっけなく劇的に変わってしまうというのは何とも皮肉な話であります。{/netabare}

●すり替えのトリック
{netabare}「プリンセスプリンシパル」と「探偵はもう死んでいる」から導き出される
「心臓のすり替え」には、トリックが仕組まれていたことが最終話で判明します。

千束の「代替心臓」は実はケースの中にあったというのが真相ですが、
では吉松氏が人工心臓を自らに埋め込んだという話はただのブラフだったのでしょうか?
個人的推測では、計算高い吉松氏のことですから実際に装着して性能テストをする必要性を感じ
ただろうということと、ただのハッタリでは千束が信じないかもしれないという判断から、
自身に人工心臓を埋め込んだのは真実であると判断いたします。

目的のためには手段を択ばない狡猾なトップエリートであるのが吉松氏の本性でありますが
そんな彼でも、千束には父親としてなんとかして生きて欲しいという願いを抱いて
いたという話であります。

愛娘のような千束を欺き、親友のミカを欺いてでも自分の思いを貫く純粋なる狂信者吉松氏と、
片やそのような一方的で残酷な解決法を望まない千束とは、考え方が真っ向から対立しますが
誰かのために生き、誰かの命を救うために生きることとは、千束にとっては理想的な生き方で
ありそれこそが彼女にとっての「救世主」であったというわけです。

千束としては、吉松氏の一方的なプレゼントとメッセージについてはひどく受け入れ難いものの
ため「これ」を海に投げ捨てますが、そのシーンで彼女が断ち切ったもの、断ち切りたかった
ものとは過去であり、ある意味吉松氏によって与えられた未来には真っ向から向き合って生きて
行く決意を表したような意味合いが、そこには込められていたようにも思えます。

今の千束には救世主に対する憧れはもうありません。
等身大の自分が生きる道、未来につながる道をひたすら歩んで行くだけです。

例え与えられた命でも生きる権利があるのは本人であり、
どう生きるかも本人の専権事項であります。

親がなければ子は生まれませんが、親はなくとも子は育ち、やがて巣立ちます。
未来とは親のためではなく子どものためにあるものです。
そして親とは子どものために、子どもを思い生きる存在であります。
自分の理想を一方的に押し付けるようなことは本来親がやるべきことではなく
もしも吉松氏が本当に千束を自分の子と思い、自分は父親と自覚していたなら
それが間違いであることに当然気づくでしょう。

吉松氏はどちらだったでしょうか?{/netabare}

テロリストの真島もなかなかいいキャラでありますが、いかにもエリートらしい吉松氏の{netabare}
目的のためには手段を択ばない純粋なる狂気っぷり加減もなかなかによい塩梅であります。
自分の信念を純粋無垢に貫いてブレない千束との対比効果が鮮明で個人的には
かなり燃える因縁の対決シーンでありました。

そして仲間思い千束思いの たきな の鬼の形相、必死すぎる表情も上手いこと描かれており
熱量が凄いことになっておりました。

組織挙げてのオペレーションの失敗の責任をすべて部下に押し付けて何事もなかったかのように
トップの地位にのうのうと居座り始末書の処理だけは優秀な楠木司令
この世界で出世し勝ち残り優秀と言われるのはお役所仕事をそつなくこなす方なんですが、
しかしながら要するに、そういう人は無能で信頼もできないし
自己保身が最優先事項なので実は全く使えないというのが真相でしょう。

ハッカーや真島に何度もしてやられて自分の面子や上司からの評価がガタ落ちの状況を
何とか打開しようと功を焦り、真島検挙の手柄を独り占めしようと目論み
自ら現場にしゃしゃり出てきたDA司令官でしたが…取らぬ狸の皮算用の狸が逆に化かされて
失態の上に失態を重ねて、上司激ギレの結果、切り札の千束を使えという鶴の一声のオチであります。

組織人ならば組織の命令や上司の命令に従うのはある意味当然ですが、
しかし上司が無能で組織自体も形骸化しており機能不全起こしてるならば
訓練された無能力集団の命令に従うことほど間抜けなオチはないと言えましょう。

真島やハッカーはそれについて十分熟知しているので
某都知事含めてコケにされているという展開であります。

優秀なる官僚主義である楠木司令も最後の最後で上層部に一矢報い名誉挽回できたようです。
最後の切り札=千束を政治力を駆使して温存していたこともありますが
それ以上に最後の最後でものをいうのは人脈であるということなのかもしれません。{/netabare}

「えんくうぼく」という名の電波塔とは5Gが普及する近未来を端的に示しており、
劇的な変化を遂げ生まれる新世界秩序の誕生を示唆しているようにも思えます。{netabare}

新世界秩序を作り出すための重要な鍵となるプレイヤーは中国とも言われており、
中国が推し進める一帯一路構想と5G建設計画には密接な関係性があるようです。
世界秩序の劇的な変化の反動、反発としてテロが引き起こされるのは
必然であると言えるのはないでしょうか。

第1話における東京で「桜開花の情報」のテロップが「東京」ではなく「関東」に差し替えられていた問題に関して考えられる仮説の一つとして挙げられるのは
情報操作=「情報のすり替え」の暗示があったのだと推測いします。

東京は関東に属しますが、仮に東京の桜が開花したとしても
関東全体が桜の開花したというのは確かに論理の飛躍が惨過ぎますよね。

そういうことがちゃんとわかっている賢明な?視聴者の方々は当然テロップの違いに
突っ込んでますが、本作における東京及び関東に属するような愚民風情の我がニッポン国民とは、
そんな明らかな論理の飛躍=あからさまな情報のすり替えや情報改ざんの類にはまるで気が付かない
間抜けでお人好しな、救う余地がまるでないような程に絶望感が惨過ぎるからこそ、
例えテロリストになってでも真実を伝えようとするような真島の真摯的な
態度には共感以外に言葉はなく、
一方であまりに哀れ過ぎる我がニッポン国民の愚民性をこのような対比でまざまざと見せつけられたら
笑って誤魔化すしか手立てがないとかいうのは、とても皮肉な話であります。

1話に登場した電波塔とは(改ざん可能な)高度情報化社会を象徴するシンボルであった
可能性が濃厚だと感じました。{/netabare}

1話において某作戦の失敗の原因は{netabare} 某リコリスのスタンドプレーによるものとして
組織内部では処理されていますが、要するにただの責任転嫁のしっぽ切りのために
たきな は左遷されたという話であります。
情報操作と虚飾にまみれた組織とそれによって守られた治安のいい?国家=我がニッポン、
そこに住まう意識が高い?国民性を持つ小奇麗な我が家畜たちの間抜けな幻想、
そういうもの一切合切を痛烈に皮肉ってるようなメッセージが胸に突き刺さります。

某「緑の」都知事には思わず苦笑w皮肉が凄いですw{/netabare}

●個人的に気になった用語
{netabare}・リリベル
リリーベルとは和製英語で鈴蘭の花を意味するらしいですが、
より多くの人に頭に焼き付けて欲しいのは「リリベル」という言葉自体
表記自体に重要な意義があるという話です。

・延空木
天空に延びる木なので、世界樹=ユグドラシル(ゼロ活のクジラ回にもあった)のことを
指しているようにも思えますが
「伸びる」ではなく「延びる」の方は時間空間的なものを指して使われるということです。
電波塔は塔ですから「バベルの塔」みたいなものとも解釈できますが、
「バベル」には「混乱」という意味合いがあるらしいです。
「混乱」という言葉には情報(の錯誤)というものが含まれ
結局のところ「延空木」とは情報網の枝が次元に延長されていった結果
構築される世界樹のようにスケールが大きい巨大情報網のことを指すようです。

5Gが実現する世界こそがまさにその状況を示すのだということになりますが、
最も肝心なことは高度情報化社会は既に進行しており、その社会に暮らす一般庶民とは
絶えず押し寄せる情報の海に溺れ漂流し続ける儚い存在でしかないという真実です。
ハッカーによる情報操作に翻弄され無様に踊らされるという本作に登場する愚民たちとは
結局のところ我々無力な庶民の事を示しており、現時点で真実が何であるのか見えているのは
限りなく無に等しいという…非常に残念なお話でございます。{/netabare}{/netabare}

●アニメファンが知らない秘密結社【フリーメイ@ン】
{netabare}感のいい方のお察しの通り本作ではとある「秘密機関」が描写されています。

一つは 【烏】。一つは【梟】。
「SPY家族」の「オペレーション【ストリスク】」、「惑星のさみだれ」の「【梟】の騎士」
そして「後宮の烏」には「【烏】妃」と【梟】が登場します。
これはほんの一例に過ぎず、特に【梟】が(意味深に)登場する作品を探し出したら
きりがないくらいに【梟】は至る所に存在するのであります。

世界の基軸通貨「ドル」の1$札にはさり気なく【梟】がプリントされていますが
恐らくこれはFRB(連邦準備制度理事会)の株主、つまり世界標準として
ドル基軸通貨体制を構築した「陰の実力者」の所属を示す【刻印】
のようなものであると個人的には理解しております。

【梟】が暗示する【メイソン】の情報をネットで調べたらそれこそ腐る程出てまいりますが
所謂「都市伝説系」の人達が積極的に情報発信しているこの手のものは特にフェイクが多く
当方も迂闊にこれに食いついて騙された口でありますが、得られた情報の点と線を地道に
つなぎ合わせるという地味な作業を長年にわたって継続した結果、パズルのピースはかなり
揃ってきたと実感する位までには到達できたように思います。

【メイソン】の話は某アニメ評論家の岡田斗司夫氏もtubeで披露しており
【メイソン】と【錬金術】の関係性を見事に暴露しているのは、核心をついていて
十分評価すべきでありますが、その一方で【ローマカトリック教会】の理解も含め
【メイソン】の本質には今一つ届いていないように思いました。

【メイソン】に関する話が厄介なことになる原因は今の組織が2重構造、ないしは3重構造
になっているからだと個人的には理解していますが、岡田斗司夫氏ご指摘の通り
「近代メイソン」はただの社交クラブ化しているというのは、ある意味
正しい解釈であると思います。

近代になり立ち上がった【フリーメイソン】は「自由・平等・友愛」を掲げる
ただの「社交クラブ」であることは多くの証言からしても事実であると考えられます。
しかしそれは組織の8割9割の部分でしかなく、「ロッジ」によっては【33階級】まである
とのことですが、例えば【33階級】の頂点を極めた重鎮が一般会員と同じように
社交クラブごっこを目的に活動してるのかと言えば、
そんなわけがあり得ないという結論に至るわけでございます。

【メイソン】とは【石工職人】であります。
この【石工職人】は【錬金術】の系譜の末裔であるというのは岡田斗司夫氏ご指摘の通りであり
【石工職人】の影響力が薄れた近代メイソンが社交クラブ化したのも
ある意味事実であるようにも思えます。

「【海賊】王女」で描写された【オーパーツ】的な「不思議な石」はある種の
パワーストーンでありますが、それを鑑定した【石工職人】とは恐らく
【メイソン】を暗示するものだったのでありましょう。

石工職人の系譜と関連深いのは【古代メイソン】であります。
それに対してその影響力が薄れ近代化したメイソンが今の【フリーメイソン】であります。

【古代メイソン】を近代化したのは誰だったのでしょうか?

一説によればその改革者は【イルミナティ】という輩であるとのことであります。

彼らは近代合理主義の洗礼を受け、「自由・平等・友愛」のスローガンを掲げ
革命の旋風を巻き起こした【陰の実力者】であります。

フランス革命を引き起こし、あるいは裏で煽動していた秘密結社が存在していた
という説がありますが、ある説によればそれは【フリーメイソン】であると言われ
またある説では【イルミナティ】であると言われています。

「自由・平等・友愛」とはフランス革命のスローガンでありますが、そもそも
それを掲げたのは【フリーメイソン】の中に暗躍していた【イルミナティ】という勢力
であったというオチであります。

世界史の授業で習いました近代合理主義における「【啓蒙】思想」という聞きなれない
「ワード」、【啓蒙】とは「闇を【光】で照らす」的な意味合いがあります。

【イルミナティ】とは「【光】に照らされたもの」「【光】の洗礼を受けたもの」であります。

早い話が「【啓蒙】思想」というワードの語源は【イルミナティ】であり
「近代【合理主義】」を世に拡散したのも【イルミナティ】であります。

近代革命の旋風に乗って現れた「フランス人権宣言」や「【理性】の崇拝」という奇妙な宗教、
【ギロチン】という悪趣味な処刑装置、すべては彼らの思想と連動しておるわけでございます。

1$札の裏面には【ピラミッド】とその頂点に【光る眼】が描かれていますが
ピラミッドは【石工職人】=【古代メイソン】の仕事であり
頂点に輝く【光る眼】は【イルミナティ】を象徴しております。

【フリーメイソン】や【イルミナティ】と言えば都市伝説扱いの話とされていますが
フランス人権宣言や1$札だけでなくありとあらゆるところにその形跡が
確認出来てしまいます。

アニメの元ネタが「フリーメイソン」という事例も挙げればきりがないほどありますが
さて、アニメ制作者の方々は皆【オカルト】マニアとでもいうことでありましょうか?

秘密結社に関する謎は深まるばかりでございます。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これは本当に楽しめた作品

オリジナルアニメーション作品です。
オリジナルアニメーションといえば面白い作品が多く、リコリスリコイルもその作品の1つ。

1話の段階で面白さが解るレベルの面白さですね。
Twitterでもフォロワー20万越えの人気だしアニコレでも人気は高かった様に記憶しています。

普通にキャラも可愛いし、千束もタキナもしっかりキャラが立っていて内容も解りやすくアクションもスタイリッシュですね。
たまに作画がおかしいシーンもありますが余り気にならないレベルですね。

後は細かいやり取りも面白く日常シーンも楽しく描かれて居ます。
退屈しないで飽きない物語展開は何度みても面白いですw


悪人を消しさり平和な東京を維持する為の武装組織に所属するリコリス。
そんな少女達の物語。

作戦違反をした少女タキナは転属命令が下される。
彼女は東京で1番のリコリスである、千束の元で学べと言われたのですが……

【千束】

千束は賑やかな女の子です。
タキナが来た事に凄く喜んでいて、多分同年代の女の子で相棒が出来たのが嬉しかったのでしょうねw
少し悪ふざけが過ぎるのですが、実は私も普段から悪ふざけしてる人なので、その点は共感持てますw

2人の初仕事はボディーガードなんですが、千束が目を離した隙に{netabare} 人質を囮に犯人組織を誘き出すタキナw
悪人を潰す為には使える物は護衛対象を囮にする女タキナw {/netabare}

この辺り、タキナが千束の元にで学べと言われた理由のヒントになっています。

千束は、「命を大事に」と言います。
彼女は、平和と称して悪人を処刑して存在を消し去る組織ADのやり方に{netabare} 疑問 {/netabare}を持っています。
悪人を殺す事を許可されたリコリス……
{netabare} チサトが使う銃はゴム弾です。
人を殺さない為の武器であり、敵が負傷してもその場で治療をしたりします。 {/netabare}

それは悪人だからと言って命を奪っていい理由にならないって点と、彼女は、人の命は奪いたくない、誰かを助ける事をしたい。
{netabare}そして、彼女自身が命を救われたからです。 {/netabare}

実は、千束の身体は{netabare} 人工心臓 {/netabare}です。
それは命を引き換えに世界への使命を与えられた事を意味します。

彼女は人を捜していました。
理由は、自分を救ってくれたある人にお礼を言う為。
そのお礼を言いたい人と意外な場所で再開する事になる。
でも、上手くお礼を伝えられなかった。

彼女の恩人{netabare} ヨシさん。{/netabare}

彼女は{netabare} 健康診断中にある注射を打たれます。
それは彼女に埋められた人工心臓を充電不可にする為の彼女を死に近づけさせる注射。{/netabare}

そうして、彼女の余命は約2ヶ月
千束は元々{netabare} 余命は長くなかったからと明るく受け入れてしまう……何故、その運命を受け入れられたのか…………何故笑顔でいられたのか……1番不安だったのは彼女のハズです。{/netabare}
それでも、悲しい顔も涙も見せないで……

それは、彼女が今も奇跡の中にいるからです。

これはある漫画のセリフなんですが、「人にとって1番難しいのは健康に生きていく事」なんですよね。

昔の彼女は身体を動かしたら倒れてしまう。
{netabare} 病弱で、もう長くは生きられない……
でも、ヨシさんが救ってくれた。
先生が育ててくれた。

だから、今の自分があり、その救われた時間を過ごせただけでも彼女の中では今日までの時間が奇跡のような時間だった。 {/netabare}
健康に生きてこられた。

だって、そうではありませんか?
普通にしてたら死んでしまっていた時間……
{netabare} でも、寿命を引き伸ばして貰えて、その新たに得られた時間に沢山の楽しみや出会いがあって奇跡の様な時間だって思います。{/netabare}

それが短くなった。
きっと、辛かったし悲しかったと思う
でも、元々無かった時間を体験できて、それが短くなった。
それだけだったんだと、きっと割り切った。

{netabare} せっかく、ヨシさんがくれた時間だから悲しむ時間が勿体ない……だから悲しむより普通に楽しく残りの時間を生きようと……その気持ちが彼女の心を支えていたのかな?と思いました。 {/netabare}


それからも千束は普通に日常を過ごしてました。
でも、1番凄いと思ったのは自分の事より、リコリコの仲間のこれからを気にしていた事です。

リコリコは{netabare} 閉店{/netabare}
{netabare} 元々、リコリコは千束が居るから成立した支部でした。
だから、彼女が居なくなった後に突然彼女達が行き場を失わないようにとの配慮だったのかな?と思います。{/netabare}

それが1番凄いなぁ〜って、余命なんて宣告されたら多分、自分の事で手一杯だと思うのですが、それでもタキナをDAに帰れるようにしようとか、ミズキやクルミが何処に行くかとか気にしていて、多分見届けたかったんだろうなぁ〜

そんな中、千束は先生から全てを聞かされる。
ヨシさんが彼女を助けた本当の理由……
先生の謝罪…………

それを聞いても千束は笑顔だった。
感謝の気持ちは変わらないと。

そうだよね。
理由や真相はどうでありヨシさんは自分を救ってくれたし、先生が与えてくれたものって本物なんですよね。
裏はどうであり、その行為があるからこそ今の自分がある訳ですもんね。

そうして、{netabare} ヨシさんが捕まった事を知った千束は彼を救い出す為に {/netabare}戦場へ踏み出す。


【タキナ】

DAではタキナは仲間殺しとか追い出されたとか噂されています。
それでも、タキナはDAに戻りたいのですが、中々戻して貰えず……

{netabare} 千束はタキナの気持ちを優先してタキナをDAに戻してあげたいと交渉します。
それでも、DAはタキナを拒否する。{/netabare}
正直、こんな場所に私なら戻りたいとは思えません。

それでも、タキナは自分の居場所はここにないと思い込んでました。
その場所にしか居場所がないから戻るしかない……

千束は言います。

千束{netabare} 「それでも、自分の居場所はあるって」 {/netabare}

うん、居場所って簡単には見つからない物です。
それでも自分の居場所ってこの広い世界の何処かには必ずある。
だから、1つの場所に拘らなくていいのだと思います。
1つの場所に居たら他の居場所がないと思い込んでしまうけど……


千束{netabare} 「失う事で得られる事もある。」 {/netabare}

これは誰でも経験あると思います。
人は生きていると失う事が多いです。
失った時は消失感で涙があふれてくる。
それでも頑張って生きていく中で失ったから得られた出会いや失ったから獲られた物や、失ったから開けた道は必ずあったと思う。


千束{netabare} 「誰かの期待に答えるために悲しくなるなんて詰まらない。」{/netabare}

うん。
誰かの期待に答えられたら嬉しい!評価してもらえる!ご褒美を貰える!喜んで貰える!
誰かの期待に答える事は間違えじゃないよ。

でもさ、頑張って期待に答えても見向きして貰えなかったり、評価されないのに、誰かの期待に答えても悲しくなります。
それだと、疲れてしまう……自分が壊れちゃう……だから、見向きして貰えない人の期待に答えようとしなくていいんです。

自分を認めて評価してくれる人の期待に答えるのが1番いいのです。


千束{netabare} 「居場所はある。お店の皆との時間を試してみない?それでも此処が良ければ戻ってくればいい。」{/netabare}

うん、見ただけで自分が居て心地いい場所なんて解らないよね。
でも、新しい居場所は試さないと解らないものです。
自分の居場所なんて何個でも試せばいいのです。
皆、そうやって居場所を探していくものです。


それを聞いたタキナは、何を感じたのか。

最初は、DAに帰る事しか考えなかったタキナはそれ以降は、お店に打ち解けようとしたり、千束に興味を持ったり積極的になっていったように思います。


タキナにとって千束は……

作中では相棒とされています。
しかし、私には千束は理解者に見えます。

千束はタキナに出会えて嬉しいと言います。
それは本心です!
だから、タキナとの時間を大切にしたいし一緒にこれからも居たいと思う。

タキナがDAに帰るのはその時間を失う事を意味します。
{netabare} それでも、彼女はタキナがDAに帰れるように尽力してくれる!
それはタキナが本心でDAに帰りたいと思っていたからです。 {/netabare}

だから、優先される気持ちは……報われるべき気持ちは……タキナであるべきだからです。
他人の気持ちに向き合い全力で優先して考えてあげられる。

それでも、報われないのなら…… {netabare} 居場所になってあげられるかもしれない事を提案してくれる。 {/netabare}
それは、他人の気持ちに寄り添える理解者です。
千束が居たらタキナも安心かな?

千束の余命宣告後にタキナはDAから{netabare}復帰通知 {/netabare}を貰います。
彼女は{netabare} 断ろう {/netabare}としていたらしいです。
でも、千束が生きていられる{netabare}可能性があるならと可能性を探しにDAに戻る。 {/netabare}

そうして、{netabare} 帰る日に最後に2人はデートをします。
彼女はリコリコを去ります。
自分の為じゃなく、大切な人と大切な場所を守るために…… {/netabare}

そして2人は各々の理由を手に戦場に赴く事になります。
そして、千束の{netabare} 心臓のスペア{/netabare}を発見する!

【最後の戦い】

そんな中、タキナは{netabare} DAの任務を放棄 {/netabare}して千束の元へ向かう……
二度と{netabare} DAには戻れないと{/netabare}言われてもここでは、彼女は{netabare} と 千束を救えないからと任務 {/netabare}を抜け出します。

千束はヨシさんを{netabare} 救い{/netabare}に行きます。
真島って結構強かったんですね。
一応、小細工ありで千束対策もしてるけど意外と強くてビックリしました。

でも、途中で{netabare} 乱入してきたタキナ {/netabare}は何か安心感ありますね。
{netabare} 2人に {/netabare}なると安心感と安定感が増します。

そして、千束は最悪の敵と対峙する。
{netabare}ヨシさん…… {/netabare}
千束は最後まで信じようとするけど……

{netabare} ヨシさんは千束に殺しをさせようとする。
あらゆり手段で殺させようと……タキナをピンチに追い込んだり……自分に心臓のスペアを埋め込んだのも…… 千束に自分を殺させようと…… 千束の心臓を壊したのはこの為。 {/netabare}

タキナの{netabare} 「心臓が逃げる」{/netabare}って銃を打ちながら追いかけるシーンがありました。
タキナからすれば……やっぱり{netabare} 生きて欲しい {/netabare}と思いますよね。

例え、千束の{netabare} 恩人を殺してでも生きて欲しい!{/netabare}
{netabare} そもそもヨシさんは最低の人てす!
そんな人よりも千束に生きて欲しい。{/netabare}
そう考えたのかもしれません。


千束{netabare} 「ヨシさんを殺して生きても!それはもう私じゃない」 {/netabare}

誰かを殺して生きる……
そう、タキナは解ってる。
彼女が人を殺さない理由を…… {netabare} 殺して手に入れたとしても彼女はその心臓は使わないと言う事も…… {/netabare}

殺すと言う行為は……彼女の生き様を否定する事になる……それをさせちゃいけないのも解ってる……だから、自分がやらなきゃ……大好きな千束に生きて貰いたいから!

でも、このセリフを聞いたタキナは止まる事しか出来なかった。
それを言われたら……心臓を手にしたとしても……

そして、千束は真嶋がとの決着をつける。

【千束VS真嶋】

この2人ってなんか……会話のシーンを見て思ったのは……出会い方や立場が違えば友達になれてたような気がしてしまったんですよね。
お互いがお互いに守るべきもの為に戦っている。

千束の世界は素敵なものですね。
真島は小さいと言うけど、その中には世界なんかに収まらない大きな気持ちが詰まっている気がしました。

最後の千束の連射は……真島をタワーから落とすけど……
多分、彼女は解っていた。
{netabare} タワーから落ちても生きてる確信があったから躊躇わなかった。{/netabare}
現に彼は……

タキナは{netabare} いいタイミングで駆けつけてくれましたねw
彼女の判断が千束を救った。{/netabare}


【先生VSヨシさん】

先生は千束を娘の様に思ってました。
先生は凄く怒ってたなぁ……
でも、それは当然です。
もしも、自分の子供に辛い思いをさせる人や命を奪おうとする人を許せないって思う。
親とはそう言うものであって欲しいし、あるべき者であって欲しい。

ヨシさんもまた、娘を想ってたんだろなぁ。
やり方は最低だし親としては失格だと思う……
間違えた愛情だったけど、多分気持ちは……
{netabare}あんな手紙を残して…… {/netabare}先生があれを破棄したのは千束には見せられない……
だってあの{netabare} 手紙 {/netabare}を見たら彼女はきっと……


【千束のその後……】

{netabare} 彼女は生きていた。
ってターゲットは千束かいww
声を掛ける訓練してないからって銃を乱射してくるパートナー怖いよw

千束は気を失っていた時に人口心臓を移植されていました。
彼女は、ヨシさんを殺してまでは生きたいと考えてなかった。

しかし、目覚めたときには……
この意味は……世界の指名を果たす為に与えられた心臓は彼女の中には今はなくて……
今、彼女の左胸で刻んでる心音は、先生が千束に「自由に生きて欲しい」って思いで与えてくれたものなんだと思う。
なんの使命も据もない。{/netabare}

命を大事にしている千束は……
その命を否定はしない。
何故から、命の大切さを知っているから。
{netabare} 彼女は2つ目の命をきっと大切にしながら生きていくのだと思う。 {/netabare}

皆、平等に必ずくる別れの日……その時まできっと。

【見終わって】

今期の中で個人的には1番好きな作品です。
千束の生き方って素敵だと思うんですよね。
彼女は毎日を楽しく笑って生きています。
出会いを1つ1つ大切に……

現実問題、彼女の様に生きていくのは難しいです。
しかし、彼女もきっと辛い事や悲しい事も沢山経験しているそれでも楽しそうに生きている。
悩みながらも苦労しながらでも楽しく頑張って生きていく。

{netabare} 「私を必要としてくれる人に出来る事をしてあげたい」{/netabare}
この志しは素敵だなぁ〜って思いまました。

彼女の生き様ってなんか凄く理想的で素敵な生き様だと感じました。
難しいけど出来ない訳じゃなくて尊敬しちゃいますね(*^^*)


【最後に】

OPで千束がタキナのお尻を軽く蹴り、それにムキになったタキナが千束お尻に全力全開の蹴りを炸裂するシーン。

ジョークの通じない友達とのやり取りのようなこのシーンは凄く学生らしいやり取りで、彼女達がリコリスではなく普通の学生ならこんな日常だったのかな?と思わされた印象的なシーンでした。

後、EDが神ってた!
EDに入るBGMも作品にあってたし、曲もかなりいい!
このED凄く好きです!

そして次回からはワイハー編がスタートします!
楽しみですね!

え?最終回なんですか?
いゃいゃ、Twitterとか公式サイトや番組表では最終回の文字が出てますが、アレはアレだよ!ほら!

数ヶ月遅れのエイプリルフールネタですよ。
次回からはワイハー編ですよ!ワイハー編!

えぇ……最終回なんですか?(*꒪꒫꒪)
そうですか……最終回らしいです。
マジらしいです(´・ω・`)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40

66.3 6 秘密で戦闘なアニメランキング6位
神之塔 -Tower of God-(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (218)
627人が棚に入れました
塔を登れば、全てが手に入る。塔の頂上にはこの世のすべてがあり、この世界を手に入れる……神になれる。これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、始まりと終わりの物語。

声優・キャラクター
市川太一、早見沙織、岡本信彦、三宅健太、本多真梨子、興津和幸、関根明良、江口拓也、深町寿成、末柄里恵、津田健次郎、吉野裕行、小野大輔、伊藤静、大塚芳忠
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

観終わった

2話までの感想{netabare}
ん?中華かな?と思ったら韓国だった模様。
なるほど…やっぱどっちも似た様な感じになるのかな?
内容としてはハンターハンター…ってよりも“霊剣山”の1作目を思い出した。
塔の頂に登る=仙人を目指す、と解釈するとすげーシックリ来る、韓国にも羽化登仙って思想はあるのかね?
作中の文言通り「神を目指して塔に登る」と解釈するとどうしても「神になるためにその試練って必要?」と引っかかりを覚えてしまうが、これが「仙人」だったらあら不思議、どんなに不合理でも納得(諦めがつく)できちゃう、私は。
2話の選別なんていい例かな、神の水で作られた壁を抜けれるかどうかの件だけど、「参加者間でどうこうするのではなく試験官の手による選別なら最初の400人を選ぶ前に実施すればいいじゃん(※)」と突っ込まずにはいられない。
要は無駄に死者を出してただけで、これで主催者が人口調整で殺し合いさせてるとかウラがあるならまだしも、無いのなら「仙人選抜なら仕方ない」と思って納得する(諦める)しかない。

まぁなんて言うんだ、キャラの目的が不明瞭で「なんでそれやってんの?それ必要ある?」と思っても「仙人を目指すためだよ」と言われたら納得できちゃう強力なカードとでも言いましょうか…。
ただ、カードの強さにかまけて細部がおざなりなのは…ま、まぁそこは外国の感性ってことでしょう。
で、主人公はそんなことより行方不明になった恩人?の消息を追うのが目的ってことらしくて…あ、顔が良ければ優遇してもらえるってのは韓国らしいのかなw

それとタイトルが「神之塔」「-Tower of God-」となってるのは「神之塔」の部分がハングルまたは各国の言語に置き換わっても「-Tower of God-」はそのままで、知らん言語バージョンを目にしても何の作品かすぐ分かるようにしてるんだと思う。



一応、3人でチームを組んで一人でも壁を通れなかったら失格だったので、誰と組めるかの運を試したのかも知れない。
とはいえ、だったらもうちょっと見せ方あったんじゃない?とは思う、通れないチームメイトを叱責するヤツとかさ。{/netabare}

3話感想{netabare}
5分の間に扉を開くのがどうとか。
まだその“法則”が明確になってない状態、つまりは早い段階で試験に挑んだチームほど不利という馬鹿馬鹿しい内容。
でありながら、次の試験でその件は全く関係無く我先にと飛び込んでいって…せめてそれぞれ関連付けくらいさせようよ。
でもって試験官はやっぱり人を殺したくて仕方が無いっぽい。
宇宙船が舞台で人口調整でもしてんのかね?


絵に関しては実際の現場は知らないし3話までの限りではちゃんとした人が描いてると思うのだけど──
主線が汚いのはdpiの低いクッソヘボい機材──スキャナーだか編集ソフトだか──がクッソ汚い紙を取り込んで汚れ飛ばしでコントラストを上げ過ぎるとああなる気がする。
ああなるっていうか、そういう状況を想定して予めそれに合わせたというか。
色数が少ないのはナルトにしろブラッククローバーにしろアクションの激しい回はあんな感じで、激しいアクションじゃないのにこれってどうなん?って気がしないでもないけど、やっぱクッソヘボい現場を想定してワザとレベルを落としてる感じがする。

作り手の技術レベルが低いんじゃなくて現場の機材レベルが低いって感じ、あくまで3話まで見た限りね。{/netabare}

総評{netabare}
最初の頃抱いた予想「どうせそのうち作画が崩れるんでしょ?」、これが見事に外れて最後まで作画がシッカリしてました。
「作画が崩れても目立たない作画」を意識してのデザインだったと思うのだけど、アクションも最後までしっかりしててどういうこっちゃ?
“はてなイリュージョン”と何が違ったんだろう。
1話見て作画が気にならないのなら最後まで見ても問題ないと思います、一貫して安定したレベル。

とはいえ作画ではなく内容の方といえば…。
まず「塔に登る」ってのは「仙人になる」ことと似たようなモンか?と思えるかどうかで見続けられるかどうかが別れそう。
これは韓国作品らしいけど、中華アニメだと多いんだ、「とにかく仙人になるんだ」が目標で「それになって何するの?」は特に無いやつ。
仏門だったら悟りを開いたら無余涅槃にでもなって六道救済するとかあるけど、仙道って肉体に固執したり利己的だったりと目的がバラバラで、従って漠然。
利己的であっても構わないのでそれに至るための手段が「いやそれ人道に背くだろ」ということをやっても構わない、果たしてその手段が目的のために適してるのかどうか私には判断できない(作者の気分次第)。
物語の目的を設定するには便利ではあるけど、ついていけるかどうかは人を選ぶんじゃないかな。

ってことで私は「塔に登る」ことについてはそこまで違和感は覚えなかったのだけど、問題はその後。
それぞれのキャラが何ができて何ができないのか分からず、更にこの作品でしか通用しないよく分からないルールの競技をして、よく分からない駆け引きをする。
そうねぇ、野球で例えると──ストレート160キロが速いのかどうか分からない、打率4割が凄いかどうか分からない、アウト幾つ取ればいいか分からなければイニング数が幾つあるかも分からない。
そんな状態だと多分野球見てもつまらないんじゃないかな?せいぜい派手なホームランがなんとなく凄いって分かる程度で。
なによりなにが反則になるのかすら分からないので、ルールの隙を突いて裏をかくようなことをしても「あ、それやっていいんだ、ふーん」としか思わない。
「カバンの中に3人仕込んでおいたのさ」と言われてもふーんとしか思わない。
まず一体どんなルールなんだ?と興味を引くほどでもないってのが致命的かな、釣り師槍使い燈台守捜索者波使いと言われても「え、それ覚えなきゃいけないの?ヤダよ」って気持ちが先に出た。
ポイントで合格が確定って、知らんがな。
アナクの際どいシーンだけが目当て(スパッツ履いてるけど)で「もう試合結果だけ分かればいいよ」という感情しか沸かない。

それぞれの思惑というのも正直どうでもいい。
これまた中華で多い「○○家」「○○門」、こっちでも十家門なるものが飛び出してうわあぁって感じ、10個全部出す気か?
(中華アニメ“悪偶”では裁縫師協会の12の流派全てから許可を得るんだ、を掲げて最終回終わらせたっけなぁ)
お家関係はザハードの姫絡みだけもお腹一杯なのに…。
韓国でもお家柄は絶対だったりするんかね?私は詳しくないんで中華作品の延長として捉えてるんだけど。

それと強キャラの表現。
“ブラッククローバー”のライアなんかがそうだったけど、作中ひたすらあくびをするアレ。
あるいは「あらあらうふふ」を口癖とするニコ目のお姉さんキャラ、本気で怒らせたらヤベーぞと匂わすアレ。
日本の作品でもよくあるっちゃあるけど個人的にはあんま好きじゃない、余裕と余裕ぶるは違うんじゃねーの?と。
で、そんなのを極限まで煮詰めたようなラウレというキャラ、なんなんだかなぁ。
先のブラクロではライアはスタッフには都合が良かった、あくびさせてりゃ尺稼ぎできるから、けど視聴者からはウザいだけで…スゲー実力を隠して無気力を演じるってそんなにカッコ良いかね?

でもってその対極(熱血系強キャラ)といえるランカーのクォント、ウザいワニですら極端だと思ったらそれ以上に極端なのが出てうわぁ。
しかも謎なのが9話、ホーがラヘルを人質に取り夜に脅迫するシーン、クォントは神の水の使い方を見せてその場を去るのだけど、夜がそれをやったら驚いて戻ってくる。
…?
なにがしたかったん?予想外のことが起きたので引き返してきたんであって、じゃあ当初はどんな予想をしてその場を去ったん?
結局ラヘルは刺されホーは自殺するんだけど、これってその場を離れたクォントの責任じゃねーの?と思うのだけどその後そういった咎を背負う素振りも無い。
結局ルールがワカランので「そうですか」と納得するしかないのだけど、釈然とはしない。

と苦言を言えばキリが無いのだけど最終回は結構好きだったり。
人によっては真逆の評価らしく、それも分かるw
私は主人公の夜を好意的には見ておらず、そのせいで最後裏切られて「ザマァw」と思ってしまいまして…。
ラヘルに散々ついてくるなと言われたのにそれでもついてきたのだから、あんな目に遭うのも覚悟の上でしょ?と。
また、最近見たアニメであったような…くそう思い出せん、「光が強ければ影も濃くなる」ってヤツ、そんな感じだったんだろうと解釈。
夜が輝かしい(夜って名前だけど)からこそラヘルは闇墜ちしたんだろう、と…これに関しては他の作品の影響(補完)に過ぎないと言われたらその通りだけど。


総合すると、作者の考えたその作品だけにしか通用しないワケ分からんルールの競技なんかサッサと終わらせて塔の謎に迫ってくれれば良かったのに、って感じ。
塔だの神だの管理人だの試験官だの選別者だの救世主だのサハードの姫だの神の水だの十三月シリーズだの十下門のクンだの釣り師だの槍使いだの燈台守だの捜索者だの波使いだの…どれか絞れよと。
ここら辺のよくわからんワード連発はいかにも中華(中華じゃないけど)らしいっちゃあらしいんだけど、謎に謎を重ねる・謎を別の謎で解説するようなのはキツい。
というか本当に中華だったら春秋時代からの歴史や陰陽、仙道なんかの実在する資料に基づく(どこまで正確かは知らないが)設定の羅列が多いけど、これはどうなんだろう?
頭悪いヤツが複雑な話を考えられず、造語連発して誤魔化してるような…。
もし続きをやるならもうちょっと整理してくれないと参る。
ってかワニうざい、ラウレはデゾリアンと一緒に始末しよう、ってかそれだったら“一人之下”のホウホウの正体の方が気になるのでそっちやってくれ。
まぁ塔の謎も仙人(管理人)の戯れで片付けられそうだけど。
作画は崩れないのでアナクのスパチラを追うだけでいいんじゃねーの?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「旅立ちの物語」から「反逆の物語」へ

2020年春アニメ。全13話。
原作は、10年以上連載を続けている韓国のWEB漫画。日本の制作会社がアニメ化しています。先日無料公開されていたので第2部ラスト(180話ほど)まで読了。
設定・世界観は不明な点が多いものの、人間ドラマの一貫性や全体的なクオリティが良かったです。

{netabare}
作画が非常に好みでした。
シンプルなキャラクターデザインと彩色はとても見やすく、動画の印象も私の肌に合っていました。
キャラクターの演技とバトルの両方に拘っていたと思います。
背景見ていると、壁の模様とかテクスチャ張り込んだりはあまりしていませんでしたね。なるほど、シンプルで見やすくなっています。

キャラクターも変に媚びていないのが良かった。
特に女性キャラクターの品の良さ、言葉遣いはキツイけど芯があってそれも味になっています。チーム内の人数が多くて名前が覚えられない(笑)のですが、キャラクター自体は立っていたので混同したりはしなかったです。
声優さん達も、皆さん演技がとても良かったですし、新人・中堅・ベテランとバランス良く配役されており、ちょっとしたアドリブも聞けたりして好きでした。
音楽もとても良かった。OP、EDも好きですが特にBGMが素晴らしく、音楽の掛け方も雰囲気を壊さなくてとても良かったです。{/netabare}

【総評】
{netabare}作品テーマとキャラクター描写の一貫性が良いですね。
主人公・夜のラヘルへの思慕故の旅立ちというイントロダクションに始まり、塔への反逆の物語のイントロダクションに終わる構成がお見事。
淡々と並べられた言葉と描写が最終話までに繋がっていくのが楽しかったです。
物語がシンプルに進行するので人間ドラマがスムーズに展開しており、じわじわ良い所が見えてくる作品。

アニメは原作の第1部ラストまで。
原作を第2部まで読んだのですが、アニメは人間関係の構築を補足して上手に描いています。
夜とラヘルの内面もだいぶ印象が違うし(特にラヘルは是非原作を読んで違いを知ってほしい)、どちらも好きだけどアニメの解釈やシーンのカット・追加には一貫性がありました。

クンが第1話で発言した「お前も塔のルールに縛られる側なんだな」というのが全てに通底するのですね。

最初の試験で顕著ですが、殺し合いしていた相手とすぐにチームを組むことは心理的に難しい。それでもそれが出来るのは精神・能力が強靭な実力者や、塔のルールを絶対視していない者。

実力も無くルールに縛られる者は、塔にとって扱いやすい取るに足らない存在。塔に上る中でルールに縛られ、人間らしさを失っていく者がほとんどなのでしょう。

塔に登るために人間性が失われていくラヘル。
ラヘルは塔にとって取るに足らない者であって、あくまでも夜を釣るための餌に過ぎない。
夜を裏切って、本気で笑うことも泣くことも出来なくなります。

一方で、塔に登ることが新しい世界を知ることであり、人間らしさを獲得していく夜。
塔にとって無視できない存在であり、塔に上り始めてから笑うことが多くなり、裏切られて初めて激情の断片を露わにします。

ルールに従順なラヘルへの激情は、すなわち塔そのものへの反逆です。
ラヘルの内面を第13話で描いたことで、二人の対称性が浮かび上がる構成は秀逸でした。

第1話、蝶ウナギの試練のシーンでは、横からのカメラワークが何度かあり、奥行きのない不思議なシーンでなんだろうな?と思ったんですけど。それが実はラヘルの視点であることに、再視聴で気が付きました。
ラヘルに早見沙織さんを起用したこと、13話でとても納得しました。
{/netabare}
独特な雰囲気があり面白いので、興味があれば見てみても良いと思います。


【設定に関する個人的な予想というか妄言というか】
支離滅裂なので暇つぶし程度にどうぞ。
{netabare}
「塔」と言うけれど、公式サイトで見ると建造物というより広大な一つの世界の呼称(空間概念)であるとされています。「塔を上る」とは自身を鍛え上げていくこととも解釈できそうかな?
塔を上るとどんな願いも叶うと言われているのは、もしかしたら後から付加されたものなのかも。
「ザハード王」は塔に文明がない時代に現時点でわかっている最上階まで踏破し、現在の塔の社会を築き、試験方式等を決定した者とあります。
そして塔の試験は塔に仇なす者をあぶりだすためにある、とユハンは言っている。
だから、本来ルールに抵触する行為をしてもバレない限り気づいていても指摘しないし、塔に致命的な行為だと思えばさっさと処理してしまうのかも。
塔の世界は明らかにデストピアですよね。
個人的には2期が見たいなあ…{/netabare}
(2022.1.30)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

いのちを懸けて登れ。

久々にハオライナーズ枠の作品到来かと思いきや、韓国発の作品だったみたいですね。
国は違えど、作風は似ていると思いますけれど…。


「神之塔」とは、2019年から韓国のNAVER WEBTOONにて連載を開始し、
2018年からLINEマンガを通じて日本でも連載している冒険ファンタジー作品。
現在までに28ヶ国語に翻訳され、全世界累計閲覧数が45億回を突破。

少年「夜」は大切な女の子「ラヘル」を探すために伝説の塔に入り込み、
新たな仲間とライバルと出会い、階層ごとにある過酷な「試験」をクリアしながら、
塔の頂点を目指して行く。
少年の成長ストーリーと、その裏に隠された塔と少年の秘密は読者を魅了し続けています。

2020年春、NAVER WEBTOON初のTVアニメシリーズ「神之塔 -Tower of GOD-」として、
ついにアニメ化決定!
日本、韓国、アメリカで同時展開予定。


塔を登れば、全てが手に入る。

塔の頂上にはこの世のすべてがあり、

この世界を手に入れる……神になれる。

これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、
そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、

始まりと終わりの物語。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そういえば、中国の作品と似ている点といえば全世界累計閲覧数を前面に押し出している点でしょうか。
28ヶ国語に翻訳されて配信されているので、数が伸びるのはある意味当たり前だと思うんです。
勿論、アニメ化される決め打ちの一つとなったでしょうから意味が無いとは思いませんが、だからといってアニメが面白いとは限らないのがこの世界の常套なんですよね。

日本の作品でも原作の魅力や良さを表現しきれなかったアニメはゼロじゃないので…
だから最初は視聴するか悩みましたが、第1話目ではやみんが出演しているのを知り、視聴継続を決めました。
後から関根明良さんも出演されていると知ったのはうれしい誤算でしたけれど。

普段私の使っているアニメサイトに、この作品自体が掲載されていなかったので完全にノーマークな作品でした。
なのでググってみたらアニメーション制作はテレコム・アニメーションフィルムという日本のアニメ制作会社だったみたいです。
興味を持ったのは音楽担当に、ケビン・ペンキンさんというオーストラリアの作曲家が起用されていた点です。
こういう組み合わせも中々珍しいのではないでしょうか。

完走しました。
アニメーションとしてみたら及第点だったと思います。戦闘シーンもそれなりに動いていましたし…
難があるとするなら、展開とキャラでしょうか。
まず展開については、塔の中という極めて限定された場所で起きている試験であるにも関わらずスケール感が合わないので、まずそこが気になりました。

途中、砂漠の様な場所が出てきましたが、地平線が見えそうなほど広い空間が広がっていましたけれど、それって、本当に塔と言えるのでしょうか^^;?
何より一番気になったのは塔を登っている感覚が得られなかったといことです。
例えばSAOのアインクラッドだったら階層ごとに景色や発生するイベントなどが異なっていて、重層構造感は感じられましたけれど、本作品ではあまりそういう感覚は無かったかな。

あとはキャラ…でしょうか。
気になったのはデザインより、寧ろ魅力の方かもしれません。
ザ・ハードの姫の人間臭さと、徹底的な対抗心は嫌いじゃありませんでした。
終盤の掛け合いも悪くありませんでしたし…
ですが、どうにも魅力の感じられないキャラが居たのも事実です。

一番魅力が感じられなかったのは、個人的に主人公だったかな…
塔を登りたいという気持ちは分かりますが、行動が伴っているとは思えなかったんですよね。
すごくフワッとしていて地に足が付いていない感じが気持ちをより助長させたのかもしれません。

原作既読組はもっとたくさんの情報を持っているので印象は違うと思います。
ラヘルの終盤の行動だってアニメ組からすると完全に意味不明でしたから…
この印象の差がきっとアニメ化の難しさなんでしょうね。

オープニングテーマは、「TOP」
エンディングテーマは、「SLUMP」
どちらもStray kidsという韓国のボーイズグループが歌っています。
日本、韓国、アメリカでは、それぞれの放送地域に対応した言語版の楽曲が使われるそうです。

1クール全13話の物語でした。
「俺たちの旅はこれからだー」的な感じで終わりましたが、ここで終わっても仕方無いのかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

89.4 7 秘密で戦闘なアニメランキング7位
ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (2921)
13682人が棚に入れました
昭和58年の夏、都会から遠く離れた鹿骨(ししぼね)市にある寒村・雛見沢の夕暮れ時にはひぐらしの合唱が木霊していた。
圭一達いつもの部活メンバーは、他愛のない日常を過ごしていた。ただ、その平穏な日常を一変させるあの日が近づいて来ていた。
毎年6月に行われる祭「綿流し」。過去4年続く、祭りの日に繰り返される惨劇…。はたして、惨劇は今年も繰り返されるのだろうか?それとも…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、堀江由衣、茶風林、大川透、伊藤美紀、関俊彦、折笠富美子
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

59049分の1の真実 「ラピュタの円卓」頂に旗は靡く

本作(解答編)を視聴する際のお約束事。
まずは前作(出題編)を見やがれ!なのです。。。

前作に比べて作画が飛躍的に向上しかなり見やすくなったのには大いに満足。
音楽も前作ほどのインパクトはないものの洗練されており、
ひぐらし的世界観を見事に表現できている。
最初は若干抵抗があったキャラと声優に関しても、前作終盤頃には違和感が薄れ
逆に愛着が沸くまでになり、むしろ好印象と言える。

本作の最大のネックは物語の解釈、評価という点に尽きるだろう。
本作には一般的な意味で言うところの戦闘シーンがあるわけだが
(ファンタジー作品として考えたら、出題編の第1話から戦闘は既に始まっていた)
そこにはどのような意味合いが込められていたか?
そこの解釈をめぐって評価は大きく分かれるようである。

第一印象では多くの人が感じたと同様に「例の戦闘シーン」には
ある種の違和感を覚えたのだが、前作からの内容等々もう一度よく考え直してみたら
概ね問題なしという結論に至った。

ポイントは「ひぐらし」がアドベンチャーゲーム的世界観、
AVG的要素を内容に含んでいるということ。
もう一つは、本作はSFとは謂わば対極にあるようなファンタジー作品の要素を持つということ。

今までの流れからどうしてこういう結末になったか?
それこそが最大の問題であり、本作の一番の見所であると言えるのかもしれない。
極秘ファイル「34号文書」の全貌解明とともに事態は
疾風怒濤の大波乱、ラストステージに進撃開始。
答えはそこにある!なのです
 
 無限分岐の暗の精 紡がるる者共の 意識薄れる程までに サハラの荒野の奥行きか?
 漆黒の マクロの両翼羽ばたかせ 黄泉の果てまで届く距離 永久なりし拡散連ぬ
 それに立ち向く者共の 思いは螺旋の求心直下 コスモの焦点 集いけり

そして今、彼等の(因果を繋ぎ遭わせる)サイは投げられた!
いや「カードは配られた!」と言うべきか?


以下は感想などをタラタラと・・・
・時空に浮かぶ伝説の村のルーツを辿る道
{netabare}
「ひぐらしのなく頃に」のストーリーについては、何処かで聞いたような話だと直観し
記憶を辿ってみたところ、思いついたのが「杉沢村伝説」という名の都市伝説。
「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶つ」という内容のものだ。

その都市伝説のモトネタは何か?調べてみたところ
1938年(昭和13年)に岡山県で発生した「津山事件」がそれに該当し、
1913年(大正2年)にドイツで起こった「ワグナー事件」
1926年(大正15年)に千葉県香取郡久賀村で発生した「鬼熊事件」とも
関係があるように思えた。

3つの事件に共通するのは、大量殺戮と被疑者の人格の極端なまでの二面性。
普段は大人しく人当たりが良かったり、思いやりがあるようにも見える人物が、
ある機を境に突如「殺人鬼」と化し犯行に及ぶという衝撃。
「ひぐらし」において描かれていた「鬼の形相」は、
このような殺人鬼の残虐性を象徴しているようでもあり
「鬼熊事件」で犯行の動機となった恋愛と裏切りの騒動は、竜宮レナと彼女の父親の
家庭問題に纏わるエピソードに何処か似ているところある。
怒りで我を忘れたレナは、(洋画「ランボー」の主人公にも似た)
「鬼熊」の姿を想起させる。
更に「鬼熊事件」では村人が被疑者 熊次郎=通称「鬼熊」を警察の追跡から匿うという
まさに「鬼隠し」そのものの事態が発生するのである。
とりわけ「ワグナー事件」で印象的なのは被疑者の犯行の動機が
事実無根の妄想、「疑心暗鬼」によるところが大きいことからして
「ひぐらし」の物語と「ワグナー事件」が全然無関係と考えることは
まったくもって無理だとさえ思えるてくる。
「津山事件」ではこの疑心暗鬼は、被疑者の祖母が被疑者に対して抱くものとなり
(被疑者による病のための治療薬投与を毒薬と錯覚してしまう)
被疑者を追い詰め、結果被疑者の世界からの孤立感を更に深めてしまうこととなる。
また、ひぐらし解のEDソング「対象a」の歌詞「あなたの亡骸に土をかける」などは
「津山事件」被疑者の「遺書」の内容を受けたもののような気がしてならない。

3人の被疑者には何か似たような悲しみを感じる。
ささやかな幸せを願いつつもそれが叶わず、成す術もなく地の底まで転がり落ちていった
鷹野三四と何処か似た悲しみを。
どん底の地獄まで落ち果てたら、もはや人間としての精神状態を維持するのが不可能となり
世界と世界を生み出したものと世界を構成するありとあらゆるものを否定、拒絶し
呪うしかないのかもしれない。
いや、「遺書」を読んでもらいたい相手や未練が残る相手もいるにはいるのだが、
落ちるとこまで落ちたら、今更取り返しようがなく、自害を最終局面とする
オールリセットという最悪の選択の道を行くしかないのかもしれない・・・
{/netabare}
・フラッグファイターは阿修羅を超えて変革を促す
{netabare}
ハズレ2+アタリ1=計3の当たり率3分の1のくじ引きで、10回連続で当たりを引く確率は
(もしも計算が間違っていなければ)59049分の1
ハズレ1+アタリ1=計2の当たり率2分の1のくじ引きで、10回連続で当たりを引く確率は1024分の1
あらゆるくじの組み合わせの中ですべて当たりのパターンは一つしかないのである。

つまりAVGとは選択により並行世界の経路が無数に枝分かれしていく奥ゆきのある広がりの
展開をするのだが、そのゲームですべて当たりの選択肢を引かなければ、ハッピーエンドに辿り
つけないとしたら、確率論的に考えてもそれはある種の「奇跡」と言える。
(そもそも59049とは本作の内容とは全く無関係な数字であり、
要するに「奇跡」は希少であると言いたいだけだったり・・・)
ちなみに、最後のシーンで梨花が幼い頃の三四に選ばせたのは「デパート」か「友達の家」か
の2択だったが、圭一がゲームの景品としてゲットしたぬいぐるみは、
魅音かレナの何れかにあげるという2択ではなく、沙都子や梨花という4択以上の
選択肢があったという可能性も否定できない。

「ハッピーフラグ」の立つ経路以外はすべてバッドエンドに繋がるとするとゲームが構成する
総体としてのパラレルワールドは概ね絶望的であり、本作においては時に猟奇的であり、残虐的でもあった。
しかしながらゲームというものの当然のお約束事として、終り=ゲームクリア場面がなければ、
ゲームが成り立たないというか、ゲームクリアという最終目的がないとしたらプレイヤーが
ゲームやる意味がそもそもない。
バッドエンドはGAME OVERであるわけだから、ゲームクリアのトゥルーエンドが
ハッピーエンドになるのは成り行き上当然のお約束になるのだ。

だがしかし「ひぐらし」においては、今までのバッドエンド展開が強烈で過激すぎたため
その対極にあるハッピーエンドが余りに緩くてぬるいものに感じてしまうかもしれない
というギャップ感に視聴者が戸惑うところが無きにしもあらずで・・・
そういう状況の中で、対山狗戦を象徴するような例のコピペはネタというレベルを超え
その部分だけが強調され一人歩き、どこかで聞いた「都市伝説」みたいな拡がり方をしたのかも?

本当は強いはずの山狗部隊がなぜあんなに弱かったか?
これについてはいくらでも説明することができる。
端的に示すなら、このターンでは戦う前から山狗部隊は負けていたと言える。
勝敗の理由についてはファンタジー的解釈をした方が説得力があり、すっきり感もあるのだが
小此木が言っていたとおり戦略+戦術+戦闘の総合値において主人公側が優位にあったのは事実。
このゲームのターンでは、カードが配られた時点で主人公側にロイヤルストレートフラッシュ
麻雀ならば国士無双状態が成立していた。

勝敗最大の要因は上部機関トウキョウが山狗の意図しない方向に動き出したこと。
それを受け番犬が粛清の狩に出るということ。富竹の離反。情報の漏洩。情報の錯綜。
赤坂を通じ警察機関にも事態が発覚。
山狗部隊が得意とする諜報情報戦が封じられ、隠密かつスピーディな電撃戦で
敵を圧倒する必勝パターンが崩壊。
山狗の指揮官鷹野の苛立ちと焦燥と動揺は参謀小此木を介して、部隊の末端まで伝播、
最終的には部隊の混乱、狼狽、戦意喪失を引き起こす。
山狗はもはや部隊として、組織として機能してない状態に陥った。

山狗にとってすべてのことが逆境であり、やることなすことが空回り。
総合的戦力で圧倒的優位、連戦連勝してきた山狗がこのターンでは主人公側と立場が逆転。
デジャヴ感があるこの逆境?死亡フラグが立つ前兆には何がある?
疑心暗鬼の症候群。この病、投薬しても根絶不可能。
トウキョウ、番犬、今は敵対関係。そうなることを察知し、その状況を利用し先に仕掛けてきたのは相手の巧み。
裏切り、漏洩、偽情報、誰が見方で誰が敵?
そもそもあの子どもたちだってトウキョウの息のかかった凄腕エージェントかもしれない
そうでないならば山狗があんな子どもに敗北するわけが無い等々自問自答。
それは平常心を保つためのある種の自我の防衛機制であり、雛見沢症候群の自覚があった
からこその受け入れられない現状を冷静に理解しようとする苦しい理屈付けだったのかもしれない。
こんな完全敗北(奇跡)なんてデルタフォースとSASと・・・それと何とかいう・・・
そう世界最強の特殊部隊だ!そういう夢のタッグチームでなければ、起こりえないことなんだ。
その起こりえないことが小此木の目の前で起こったわけだから、疑念を打ち払うために
新たな疑念を持ち出して現実を受け止めようと思いながらも結果として、現実逃避に陥る。

一方、魅音は世界最強の特殊部隊よりも強い力を持ち、存在意義が大きいものがあるという真実を語る。
疑心暗鬼の「死亡フラグ」これを回避しなければ、これを回避できる力を持たなければ
ハッピーエンドは訪れない。
山狗だろうが世界最強の特殊部隊だろうが、
そんなもの(軍隊という「パワー」)では奇跡は呼び起こせない。
魅音にとっては部活メンバーこそが世界最強の部隊=「パワー」なのだ。

この戦い魅音側の勝利条件はとても簡単だ。
番犬が到着するまでのしばしの間、山狗を足止め、時間稼ぎをするだけで十分。
落とし穴と隠れんぼ作戦だけでもミッションコンプリートできたのだが、女神降臨の効果発動により
やること成す事が上手く行き過ぎる奇跡のラッキーターン出現、山狗はあっさり自滅的に壊滅する。
赤坂(と富竹)が山狗包囲網を突破できるかどうかも作戦成功の重要な鍵ではあったのだが
備えあり、信頼あればこそ憂いなし。この信頼関係こそが主人公側にとって必勝パターンであったわけだ。

この決戦を少しファンタジックに表すならば、雛見沢村希望ヶ丘の決戦にて
「戦略・戦術・戦闘天下無双」を示す軍旗を掲げる山狗部隊を雛見沢部活同盟連合部隊が完全撃破。
勝利の証として、その丘の天辺に軍旗をおっ立てる。
その軍旗に示されていたものは何か?
それは各視聴者の解釈、想像力に委ねるといったシーンではなかったと推測する。

主人公たちにとって鷹野と山狗部隊は総合値においてすべて格上。
奇跡でも起こさない限り絶対勝てない相手であった。
だからこそ、その奇跡を起こしてみたわけだ。百年という歳月を費やして。

ファンタジーの世界には、奇跡も魔法もあるんだよ!なのです


書ききれなかった、寄生虫という虫、女神効果、34号の呪い、についてはまた次の機会でも
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ダビデ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

多くの人が高評価する作品を自分が同じように評価できない解を考える。

一期含め、完走しました。

はじめ、一期の途中の20話で断念していたのですが、16話から面白くなる上に、解まで観ないと完結しないとお勧めいただいたので、一期再視聴の上、解を視聴しました。
トータル50話と長いですが、アマゾンで視聴できたので、良かったです。


感想としては、お勧めいただいた通り、最後まで視聴すると面白いお話でした。
というよりも、最後の祭囃し編の話のために、それまでの全ての話があり、最後の祭囃し編が面白くなっていると感じました。
分類としては、現実世界の中に超設定があるローファンタジーでしょうか。


ただ、正直、一期と解の前半(12話・皆殺し編)までは、合うアニメ・合わないアニメについて考えながら視聴をしていました。



沢山のアニメが在って、それぞれの人にそれぞれの嗜好があって、人気があっても合うアニメと合わないアニメが、それぞれの人に在ると思います。
結論として、合うアニメであるか合わないアニメであるかは当該アニメの総合的なものによる場合が多いかと思います。
例え、作画や声優さんに「?」があっても、物語が面白ければ、アニメの設定に入り込めて、総合として合うアニメになる場合もあるし、物語が自分好みでも、作画やキャラになじめなければ、アニメの設定に入り込めず、総合的に合わないアニメになる場合もあると思います。

ここで、アニメの設定に入り込めるかが、アニメの総合的な評価に一番影響するのではないかと感じました。

アニメの設定に入り込めれば、細かい点は気にならなくなる上に、違和感をそのアニメの「味」として評価できます。
アニメの設定に入り込めなければ、細かい点が気になる上に、さらに、細かい点が、入り込むのを邪魔をします。

細かい点とは、声優さんの違和感や、事実考証の違和感・稚拙さ、作画・キャラの違和感、論理的違和感、設定の違和感などです。

細かい点の違和感を感じてしまうと、ふと、サめて(「冷めて」「覚めて」「醒めて」「脳が現実に戻って」)しまい、入り込むのを阻害します。
もちろん、全てのアニメに該当するわけではなく、ディテールの違和感があっても、そのアニメ自体の魅力(物語の面白さ、展開に対する興味)によって、ディテールの違和感が問題にならない場合も多いです。
その場合は、既に、そのアニメに引き込まれていることが前提だと思います。

具体的にいうと、
声優さんの違和感は、思い描くキャラクターと声があっていない場合です。
普段、プロの声優さんのアニメを視聴していると、やはり、耳の水準が上がっていますので、話題作りのための俳優さん・女優さんの場合には、自分の中で思い描くキャラクターと声が合わない場合が多いと感じています。
原作を先に読んでいる場合にも、思い描いたキャラクターと違う場合もありますし、違っていても、声優さんが素晴らしく、自分の思い描いていたキャラクターを塗り替えてくれる場合もあります。

事実の違和感・稚拙さは、自分の頭の中にある実態とアニメの中の事実が異なる場合です。
例えば、「君の名は」での信号機の描写です。
この場合は、同作の作画・物語が素晴らしかったことから、逆に気になってしまいがしたが、引き込まれていたので、違和感を感じても、直ぐに、戻れました。
他の作品でも、病院での描写などで多々感じます。
ひぐらしのなく頃に(一期・解)では、警察の描写、児童相談所の描写、暴力団?の描写、森の中でのタンクトップ、受傷の場所と吐血など多くの点で感じました。
仮に、現実世界の事実と異なる描写であっても、一般的に「そういうものだ」と受け入れられており、見る側で、違和感を感じない場合もあると思いますし、違和感を感じる方がマイノリティの場合も多々あると思います。
このような違和感は、実際にその職業についている人が、その職業をテーマにしたアニメなどの場合に、感じることが多いと思います。

作画は、現実世界ではないアニメの世界に視覚で入り込ませるもので、違和感を感じれば、入り込めなくなってしまいます。
顔が生理的に受け付けない場合なども入り込めない原因となり得ます。
やっぱり、かっこいいキャラクターや好きなキャラクター、かっこいいロボットなども観たくてアニメを観ているますので。

キャラについては、キャラクターの外見、性格、声(声優)、言葉遣い、思想、考え方により、共感し、感情移入かどうか、キャラクターを通じて、当該アニメの世界に入れ込めるかどうか影響があると思います。
アニメの設定により、キャラクターがぶっ飛んだものであっても、感情移入できますし、現実に近いものであっても感情移入できない場合もあります。
シュタゲの岡リンやダルなんかは、初めは共感できなかったですし、設定が現実の描写の中の現実離れなのですが、物語を通じて、まさか、というくらいのめり込んでいました。
他方、恋愛系の現実の設定の話であっても、当該当時人物の思考・行動に経験則的違和感を感じ、壁を感じ続ける場合もあります。
本作での、古手梨花の2面的な言葉遣いは、残念ながら、苦手でした。

キャラのかっこよさも色々ですし、設定は自由で、中二病的なかっこよさから、ダサいけどかっこいいなど、様々ですね。
ただ、男性視点と女性視点で異なる場合も多々あるかと思います。

論理的違和感・経験則的違和感は、人間の行動原理からおかしい行動や、設定の矛盾、論理破綻などです。
もちろん、アニメですので、人間の行動原理を超越したところに面白さがある場合も多々ですが、観ていて、「んなわけねーだろー」って感じてしまうと、サめてしまいます。
クラナドの病気の子どもを連れて出かけるところが真っ先に思い浮かべます。
他にも、本作のように、地の利があったとしても、子どもが、多数の大人を倒すことは「んなわけねーだろー」って感じてしまいます。



設定は、文字通り、当該アニメの設定です。
アニメですので、アニメの数だけ設定があります。
そして、大枠の設定として、
ノンフィクション
現実の世界の中の現実どおりの設定。
現実の世界の中だけれども、論理則内の現実離れした設定。
現実の世界の中だけれども、未来・過去の設定。
現実の世界の中だけれども、超設定(ローファンタジー)。
現実とは別の世界(ハイファンタジー)。
サイエンス・フィックション(SF)。
などに分類されると思います。

設定が自由なのは、アニメの醍醐味です。
そして、設定に入れ込めるかどうかは、当該アニメを楽しめるかどうかの重要な点だと思います。
ガルパンの設定はぶっ飛んでますので、設定に入れ込めなければ楽しめることはなかったと思います。
演出が一番難しいのは、本作のような、現実の世界の中だけれども、現実離れした設定で、現実設定が強いローファンタジーだと感じています。
そして、細かい設定など、解説がうまいアニメと下手なアニメ、わざとらしいアニメ、割り切っているアニメ様々あると思います。
たまに、解説じみた設定の説明のセリフは、ときとしてサめてしまう場合もあります。
設定が自由であっても、設定が矛盾していたり、ご都合主義になっている場合もサめてしまいます。

他にも、ハーレム設定や最強設定なども違和感を感じるときがあります。
SAOのキリトなんかは、ちょっと、距離を置いて見てしまうと、どんどん最強過ぎになるし、どんどんハーレムを形成していくので、人によっては、サめてしまうのではないかと思います。
もちろん、物語シリーズのように、ハーレム設定を観るのが楽しい作品もあります。
本作も、女子生徒に囲まれたハーレム設定で、他の男子生徒との関わり合いについては「?」を感じました。


そして、もちろん、物語自体の面白さが一番重要です。

どんなにディテールが整っていても、物語自体がつまらなければ、観ていることが苦痛になってしまいます。
物語の細部が雑でも苦痛になってしまいます。
少なくとも、プロットの因果律がきれいに続いていないと、サめてしまいます。

また、物語の中のテーマが、自分の感性に合わないと、入り込むことはないと思います。
私個人の欠陥なのだと思いますが、きれいごとの友情がテーマのアニメは、全てではありませんが、サめてしまいます。
本作も、友情がテーマの編もあり、入り込めませんでした。
他にも、恋愛がテーマの場合、中々、入り込めません(年を取るにつれて、逆に入れ込めるようになってきましたが。)。

初めから終わりが想定された物語で、プロットがしっかりしていて、ペース配分も整っているアニメが好きなのだと思います。

本作も、大筋の物語は、面白いと思います。
物語性が各話独立しているほのぼの日常系などは、キャラが好きにならないと最後まで中々見れず、断念する場合が多いです。
本作の一期は、各編の話が、はじめ独立しているものと感じてしまい、20話くらいまで観ても、繋がらず、一度断念をしてしまいました(あと、ほんの少しで繋がっていくところだったのですよね。)。



なんて、分析していましたが、合うか合わないかは、当該アニメ自体に入り込めるかどうか、共感できるかどうか、そして、その物語が面白いかどうか、自分好みであるかどうかですよね。

たった一言の登場人物のセリフだけで魅了される場合もあるでしょうし、
観るタイミングで全く違ったところで共感することもあるし、経験によって、常に変化していくものです。



っていうことを考えながら観た、本作の感想は、「企画性・大筋の物語は面白いと思いますが、私にとっては、ディテールの違和感で、結局入り込めないので、その理由ばかり考えてしまう作品でした。」というものです。
ディテールが整えられた本作を観てみたいというのが、率直な気持ちです。
 



以上、長々書いてしまいましたが、せっかく、面白いと勧めていただいたのに、素直に、本作の面白さを受け入れられなかったことへの贖罪のため、一言「合いませんでした」と済ますことはできず、勧めていただいた方への敬意・感謝を込めて、そして、言い訳のため、レビューします。

でも、本当に、面白いって勧めていただいたことは感謝していますし、嬉しかったです。
ありがとうございました!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「私たちは運命を打ち破るっ!」

2007年2クール 原作 竜騎士07 / 07th Expansion  
監督 今千秋  制作 スタジオディーン 

原作未体験、パチンコ初見(←オイっ)
ひぐらしシリーズ二期にあたる本作、
二期という事は当然一期もあるのです~、
一期未視聴なよい子の皆さんはそちらを先に、
見やがれなのです~♪(梨花病)
一期観ないとダメなのかな~?かな?(←レナ病)

い、いや二期解単独でも面白いかもですが、、
例えばっ、
風呂上りの一杯のビール、美味いですよね、
渇いた身体に浸み込むからですね、
物語把握的意味合いのみならず、
謎解き勿論(私の場合渇き飢えそして怒りでしたが)
欲すれば欲するほど解は美味しいし、
感情移入もできるのです、
二パ~ヽ(^^)ノ

という事で、とにかく物語性質上一切のネタバレご法度な本作、
いつもならネタバレタグ貼りつつも、、
役にたって無いんじゃね?
的いいかげんな過去私レビュー反省してるうち、
論点訳わからない痛いレビューになってるやもですが(←イツモノ事ダ)
ご容赦<(_ _)>、

エロともかくグロには全く耐性ない私メでありますが、
かなり頑張って一期を一気観した訳であります、
結論から言うと、
物凄い飢餓感、精神的渇きに襲われました、
どの様な渇きかと申しますと、
「何でそ~なるのっ!?」(←コント55号調×シリアス調〇)
誰が悪いの!?何が悪いの!?諸悪の根源は!?
こうした謎そのものに対する渇飢餓感さることながら、
それよりもとにかく厄介だったのが、

怒りです、

こんな幼気(イタイケ)な少年少女が、
なんでこんな酷い目に遭わなきゃならねえんだ!
観てるうち萌えだのグロだのともすれば謎さえ、
もうどうでもよくなって、これは感情、怒りですね、

誰だろうが何だろうが許せん!
「オメ~ら○×じゃネー叩き切ってやるっ!」
この時既に私は破れ傘ならぬ、
精神的に{netabare}立派な雛見沢村住民状態、
レベル4~5くらいの {/netabare}
やばい状態だったのかも知れません、
このままじゃまずい何とかせねば、、、
渇きとか言ってたら喉も乾いてきた、
掻き毟りたい~バットないかバット、、
ヤバいっ!

{netabare} ワクチンとか無いし助けて女王梨花ちゃん~{/netabare}
という事で、
一期終了後即二期解に移行という有様でございます。

私のような本作遭遇アニメが初な方々というのも、
本作放送当時も多々おられた事でしょう、
一期観て私同様な飢餓感に襲われた方も少なくないはずで、
それ想うと即二期に行ける私など幸せな部類?
当時の皆様はどのように飢餓を克服しておられたのかな?かな?
等要らぬ心配(←好奇心)から当時の文献紐解くと(←wiki見ただけ)
ナント!
「ひぐらしのなく頃に解」が「諸般の事情?」で、
12話打ち切りな地方もあったとか、、、
酷いね~解12話ってそれじゃ~まるで、
私みたいな症状呈する人間にとっては生殺しだよ、
「諸般の事情」ってのは当時起きたとある事件らしいんだけど、
ストレス貯まってかえって逆効果じゃね?
アニメだけじゃなく原作原本含めこの物語きちんと検証すれば、
文字通り解の意味解る事だと想うし視聴者バカにした安易な手段、

まあしかし隠されれば尚更観たくなる!
というのが人の性(←サガって読んでね~AVのモザイクじゃないのです~ニパッ)
加えこれだけ飢餓感与える作品だし、
まあこういう事象も水面下口コミ侮るなかれ同様、
話題性含めこの作品の人気の起爆剤になったのかもしれないけど、

さてさてこの二期解だけど、解という文字から、
物語(ミステリー)の答え、解答?という意味で受け止められかねず、
それも間違えではありませんがあえて言います、
この二期解の根幹は、

運命に抗い未来切り開こうとする者たちの物語、
幾度繰り返し酷い目に遭い続けた運命の檻、
そこからの解脱がテーマです。
{netabare}
原作が同人ゲームという事で、当初アドベンチャー型、
(主人公なりが会話等選択枝選び望むエンディングに辿りつくみたいな)
なのかなとも想ったのですが、
そうでもなかったようで、
ただアニメ観ててそれに近い感覚はありました、
チクショウー悔しいークソクソ言いながら、
XBOで岡部になりきりヒロインなり救おうとしてた、
シュタインズゲートに近い感覚とでも言うのかな、
ネタバレになってないかな?かな?(←レナちゃん病)
気をつけやがれなのです~にぱ~っ♪(←梨花ちゃん病)
{/netabare}
そう、一期各章及び二期前半等で、

「何でこの子達がこんな目にあわにゃならんのかいな!?」

この私的怒りが、
運命に抗う主人公達に自然に感情移入を即し、
クライマックスに向け頑張れー頑張れー!
随分酷い目にあわせてくれたじゃネ~か、
只じゃおかね~こんちくしょ~!
キャラ感情移入半端なし(←根が単純)
って事でみんなで観よう二期解祭り囃子編♪

梨花「私たちは運命を打ち破る!」そうだっイテマエ~っ!

だがしかし、敵もさる者一筋縄ではいかない!
こっからのクライマックスも最後まで見事ですね~♪
{netabare}
退路詰まるピンチもあるけど、、
奇跡の起し方?!梨花さまカッケ~っ(ナンカ敬称二ナッテルシ)
葛西ワケ有用心棒も赤坂も永き脇役返上的大活躍いいね~♪
詩音ちゃん♪ここでか~そうだったんか~♪
最後の最後まで諸悪の根源もけっこうシブトイ、
{/netabare}
はたして主人公(達の)運命やいかに?
という事で、

観るのです~♪なのです~♪(←梨花進行型痛い病)
{netabare}
加え例えば児童虐待防止法等の矛盾点、
何か起きるまで動こうとしない、
起きても責任逃ればかりな旧態依然公務員体質等、
社会的問題提起も描かれ興味深いものでした、
或いはアニメ限らず映画やドラマの刑事ものでアリがちな、
腐れ上層部からの圧力やら政治介入等のおヤクソク的エピソード、
乗り込んできた腐れキャリア組一本背負いのたたき上げ老刑事の件は、
気持ちよかったな~♪
{/netabare}
一期ともども二期も音楽いいですね、
世界観シンクロ率抜群の歌詞と共にOP、ED曲もよかった、

加え「ふにゅ~」と「しやがれ~♪なのです~♪」の、
予告編ってより梨花&羽入コーナーもオモシロ楽しかった、

幼女梨花、妖女梨花、瞬時切り替えも見事な中人だった「田村ゆかり嬢」
声萌えでした。にぱ~っ♪


という事で梨花ちゃん羽入ちゃん及び主人公の皆々様方、
久々クライマックス&ラスト気持ちよく、
私{netabare}の病{/netabare} も貴方がたにめでたく?救われた、、、、
のかな~?かな?カナカナカナカナ、、(←ひぐらしの鳴き声)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

78.8 8 秘密で戦闘なアニメランキング8位
七つの大罪(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1469)
8703人が棚に入れました
いまだ人と、人ならざるものの世界が、分かれてはいなかった時代。絶大なる魔力を有し、人々から敬われ、時に恐れられる存在<聖騎士>に守られた『リオネス王国』。王国の王女エリザベスは、たった一人国を離れ、
ある者たちを探す旅に出ていた。それは最強最悪の騎士団として恐れられ、国を裏切り、全聖騎士を敵に回した罪人たち──<七つの大罪>。たどり着いた一軒の酒場で、エリザベスは店主を名乗る少年・メリオダスに出会う。それは、彼女と<七つの大罪>たち、そして世界の命運を一変させるとびきりの冒険の始まりであった――!
ネタバレ

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

侮りがたし日5|ョ∀・´)…感動スペクタクル大作!!!

◆原作コミック 全24話 原作未読
◆ジャンル アクション ファンタジー


絶大なる"魔力"を有し、人々から敬われ、時には恐れられる
存在(聖騎士)に守られた国「リオネス王国」
王国の王女『エリザベス』はたった一人国を離れ、ある物たちを探す旅に出ていた!
それは最強最悪の騎士団として恐れられ、国を裏切り、
全騎士団を敵に回した罪人たち―〈七つの大罪〉
たどり着いた一軒の酒場で、『エリザベス』は
店主を名乗る一人の少年『メリオダス』に出会う!
それは彼女と〈七つの大罪〉たち、そして世界の命運を一変させる
"とびきりの冒険"の始まりであった― (あらすじ公式サイト引用)


簡単な相関図_((Ф(・ω・`)コンナカンジカナァ!???w
スマホだと変なんなるかも´・ω・)ω・`):

          
           凸リオネス王国凸
     
       【§聖騎士§】(甲冑着た強いヒト達)
        (民衆から敬われ、恐れられる存在)
   探してる                 魔神の力を利用!?
    ↙                         ↘
 王国王女        ↑↑↑         〈∮魔神族∮〉(滅びた!?)
『エリザベス』      【VS】     不思議な魔力を有した怪物?
  探してる       ↓↓↓          ↗
(一緒に旅をする) ↘            魔神の力と関係あり!?
            【†七つの大罪†】       
         かつて王国を裏切った!? 者たち   
       『メリオダス』『ディアンヌ』『バン』
      『キング』『ゴーセル』他 +『ホーク』(豚)



14年10月~15年3月まで放送された王道アクションファンタジー
作品ですが私も毎週楽しみに視聴させて頂きました!!

というかここ最近のこの日曜5時枠作品は侮りがたしΣヾ(゚Д゚;)ノ

中々の超感動スペクタクル大作に仕上っており
私大変夢中になってしまいました(๑→‿ฺ←๑) ♪

どこか中世ヨーロッパの景観を描いた様な世界観に
魔力や、魔法などのファンタジー要素が加わって
コレぞ王道たる魅力の所以と言いますか…

そこに息をもつかせぬ熱いバトルアクションに
それぞれのキャラの想いが重なって
この戦いは負けられない!! 仲間を救う!!
大切な…大切な存在(ヒト)の為に…

そう…その幾多となくおとずれる感動秘話に胸熱必死!!!
なのであります。゚(゚´ω`゚)゚。


そんな中でも私がとても胸熱で大好きになったキャラ、及び彼(彼女)らの
エピソードをまじえてBEST③形式で書きしるしてみました!!



*・゚゚・*ヽ(*゚∀゚)ノ*【このキャラ良かったよ!! BEST③】*ヘ(゚∀゚*)ノ*・゚゚・*:

―第③位―

『ディアンヌ』

巨人族の『ディアンヌ』はその可愛らしい容姿と気取らない
真っ直ぐな性格が好印象✩
だけども、と、とても体が、その… で、でっかい(*/ω\*) でも~
それがまたいい味出していて、ホント、ピュア(嫉妬深いw)で魅力的な女のコ♡
CV:悠木碧さんの声、演技もピッタリでした♪
彼女の優しさとういか人柄の良さには多くの方が共鳴したことと思います!

なんといってもあの{netabare} 『キーラ』の弟さん(子ども)を助けるシーンは
とても胸熱、名シーンでお涙必死かと…。゚(゚´Д`゚)゚。!!

そこから、『キーラ』&『ハウザー』が聖騎士を裏切り
『ディアンヌ』を助ける胸熱展開も大変良い(*>ω<)bイイ!!
『キング』との幼い頃の素敵なエピソードも、微笑ましくとっても◎ {/netabare}



―第②位― 

『キング』

妖精王 ハーレクインこと『キング』はその純心で一途な性格と
見てくれが変化するギャップや、常に眠たげな表情で枕を抱いて宙に浮いている
癒し系な雰囲気もさることながら、やはりその優しすぎる彼の
魅力にコレまた夢中になった方も多勢いらっしゃる事かと思います!!

なんといっても、 {netabare} 疲弊した『ディアンヌ』を全魔力を使って防御の壁(バリア)
を使って『ヘルブラム』の攻撃から守るシーンは最高に胸熱(*>ω<)b
というか、か、カッコ良すぎます!!  コノコノォ(〃´Д`σ[キング]qw

『ディアンヌ』との…切ない…過去のエピソードや
旧友『ヘルブラム』とのエピソードも思わず涙の垂れ流し状態に。゚(゚´Д`゚)゚。{/netabare}




―第①位―

『ホーク』ちゃん (豚’`ゥ(*´(00)`)’`ゥ)

残飯処理騎士団 団長こと『ホーク』ちゃんは
本作のマスコット&イメージキャラクター トコトコトコ(((っ´(00)`)っ♪

残飯の量を増やしてもらうことに日々命をかけている―w

戦闘能力は皆無だが…
なぜか!?w 自分のコトを”最強の戦士”と思い込んでいるw
喋る豚として本作では基本ツッコミ担当!?
『バン』からはこれまたなぜか!? 師匠と仰がれる存在!!
何かと上から目線で口は粗いが全く持って憎めない、
愛嬌が抜群の魅力的キャラ♪*

ハラハラバトルの合間に終始、笑いをもたらしてくれる点も◎!!

というか、私途中まで、ずっと『ポーク』ちゃん(pork)かと思ってましたが…
『ホーク』ちゃんだったのですね(ノ∀`;)w

そんな『ホーク』ちゃんに、 {netabare}まさか…最終回前話にて
まさかの豚ちゃんにお涙頂戴させられてしまうコトになるとは…。゚(゚´Д`゚)゚。
紛れもなく彼(彼女?)は1人の勇者であり、真の漢の姿そのものでありました―!!!!

「あんな気のいい奴を… よくも… くそがーーーー!!」

途中『ホーク』と仲違いする展開になってしまっていた『バン』の
あの一言が全てを物語っていましたネ… (つω・`。){/netabare}



他キャラの皆さまも大変、個性的かつ魅力的でしたが(*>ω<)b
今回は私のツボによりハマった3名(匹)を抜粋しご紹介させて頂きました!!


ただ『団長』『バン』『ゴーセル』の3人はどこか…
不死身過ぎでw バトル中もなんだか、まだ全然本気出してない感が強く
特に『団長』&『バン』は常に余裕感(隙)が出ているというか…w
元より『バン』は不死身属性を持っているせいか…

大事なバトルシーンにてやや緊迫感が損なわれてしまった感が…・ω・*) ソーッ

ただその”強さの底を見せない”雰囲気というか…
そこが本作の特徴であり、興味を注がれる面白さであるゆえ
後々恐らく色々と解き明かされる上で大事な
要素の一つなのであろうと私は勝手に思っております✩

それでも最後の方の局面は ハラハラ|ョ゚Д゚。))))ドキドキで
最高の盛り上がりを見せてくれました!!

とにかく視聴前、私が期待していた以上に大いに楽しむことができました!!

終わり方も、続編に期待を含ませた見事な締め!!でしたので、
さらなる彼らの冒険の続きが描かれる日を心待ちにしたいと思いますヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 52

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

この作品で経験した私の初めて・・・(//∇//)

この作品の原作は未読ですが、日曜夕方の5時半枠の作品という時点で視聴を決めていました。
この時間帯のアニメは健全に感動できる作品が多いのと、雨宮さん、悠木さん・・・といったお気に入りの声優さんが出演されるのも大きな後押しになっていたと思いますけれど・・・^^;

これは未だ人と人ならざるものの世界が分かたれてはいなかった古の物語・・・
国を護る聖騎士達は絶大なる魔力を有し、恐れ、敬われた・・・
この様な下りから物語が始まります・・・この下りは結構好きでした^^

物語の舞台はブリタリア・・・聖騎士が守る国なのですが、聖騎士が「聖戦」の開始に向けた準備を着々と進め、増加した騎士の横暴な振る舞いによって国は荒廃の一途を辿っていました。
それを憂い危機的状況であると感じた第3王女のエリザベスは、聖騎士を止め聖戦を回避できるのは10年前に国を追われた伝説の騎士団『七つの大罪』だけだと考え、彼らに助けを乞うため白を抜け出し七つの大罪を探しに旅立つのです。
こうしてエリザベスは、とある酒場に流れ着き・・・物語が動いていきます。

七つの大罪の団長・・・メリオダス
憤怒の罪を背負う彼が本作品の主人公なのですが、とにかく格好良過ぎです^^
体格は決して良くはないのですが、一度怒りを買うと一国を滅ぼしかねない・・・と噂されるほどの強者です。
特にエリザベスが絡んだ時・・・それもエリザベスを傷つける輩に対するメリオダスの強さは半端無かったですね^^;
時折、エリザベスに対して過度なスキンシップを強行していますが、それも彼なりの優しさの表れなんじゃないかと思います。
王女として城で暮らしている分には、心配も不自由もありません・・・
けれど、エリザベスにとって初めての旅は、7つの大罪と同行しているものの常に危険と隣り合わせで、時には傷つく仲間に涙したり・・・城での生活と真逆な環境に身を投じているんです・・・
張り詰めたら切れてしまう緊張の糸を緩めてあげようとするメリオダスの粋な計らい・・・として私はメリオダスとエリザベスの日常の掛け合いを見ていました^^

リオネス王国の三女・・・エリザベス
彼女には第1話から涙してしまいました(//∇//)
7つの大罪を探して聖戦を止める・・・その決意は立派ですが残念ながら決意だけでは目標は達成できないでしょう・・・
でも彼女の人柄が・・・周囲の人を巻き込んでいくのです^^
彼女の心からの感謝の意は、人の心を揺さぶります・・・
一緒に行くと決めたから、時には身を挺してでも自分の役割に対して真摯に向き合います・・・
例え倒れても前を見据えると約束したから・・・

そんなエリザベスの傍で主にツッコミを担当していた「残飯処理騎士団」の団長ホークちゃん・・・
ちょっとコミカルで、でもここぞという時に頑張る彼(彼女?)の存在は大きかったですね^^
メリオダスの友人でバンから師匠と呼ばれるホークちゃんでしたが、物語の終盤・・・「いいや、いるっ」と叫び立ち塞がったホークちゃんは、間違いなくヒーローだったと思います。
そしてその立ち振る舞いに私は涙が止まりませんでした(//∇//)
これまで色んな作品を見て涙してきましたが、豚さんに号泣したのは初めての経験です。
アニメって・・・奥が深いですね^^;

その他にも嫉妬の罪を背負ったディアンヌ(CV:悠木碧さん)や強欲の罪を背負ったバンなど7つの大罪のメンバーが徐々に判明していくのですが、今回の物語では全員が勢揃いするまでには至りませんでした。
最後に新たな展開の布石も見えましたし・・・次期に期待ですね^^

オープニングテーマ
「熱情のスペクトラム」by いきものがかり
「Seven Deadly Sins」by MAN WITH A MISSION
エンディングテーマ
「7 -seven-」by FLOW×GRANRODEO
「Season」by 瀧川ありさ
オープングの2曲はどちらもお気に入りです。エンディングは物語の余韻に浸っていてあまり覚えてなかったのですが友人がカラオケで歌っているのを聞いて気になったので、今度ちゃんと聞いてみようと思います^^

2クール全24話の作品でした・・・やはり日曜夕方5時半の作品に間違えはありませんね^^
冬アニメのベスト10には間違いなく入ると思いますが、お気に入りの棚に入れるかは少し悩みたいと思います^^
続編・・・すっごく期待しています♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

雪だるま* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話まで視聴(未評価)

◎ジャンル:ファンタジー、バトル
◎放送時期:2014年10月~

●原作:漫画(作・鈴木央、週刊少年マガジン連載)
●シリーズ構成:菅正太郎 ●監督:岡村天斎
●キャラクターデザイン:佐々木啓悟
●アニメーション制作:A-1 Pictures

■ストーリー■
絶大な魔力を有する「聖騎士」に守られた「リオネス帝国」。
王女・エリザベスは、10年前、国を裏切り多くの聖騎士を殺した「七つの大罪」を、とある理由で探す旅に出ていた。
その先で1人の少年と出会い、新たな冒険が始まることとなる。

■総評■
※原作未読。

(全話視聴後に更新予定)

■好きなキャラクター■

(全話視聴後に更新予定)

■各話感想■
【1話】
{netabare}エリザベスは聖騎士のクーデターを阻止するため、七つの大罪に助力を求めて旅に出た。
そして倒れた酒場で助けてくれた主人公の少年が七つの大罪の団長・メリオダスだった。
彼も他の七つの大罪を探す旅の途中らしく、情報を集めるため開いてた酒場(ホークの母の力で移動してるっぽい)の看板娘にエリザベスを誘い共に旅へ…という話。

今回襲ってきたオジサン騎士、メリオダスにやられて死んだかと思ったら生きてたw

メリオダスは何故容姿が昔のままなのか?
あの途切れた剣で何故あんなに強いのか?
その辺の秘密は後々明らかになるのかな。

まだ謎も多いが王道ファンタジー感は好きだしテンポも良かったので継続。
ホークが可愛いwCV久野ちゃん効果か^^{/netabare}

【2話】
{netabare}聖騎士ギルサンダーを怒らせたことが原因で名水(お酒の材料)を封じられた「バーニャ村」でのお話。

エリザベスの新コスチュームかわいい!
メリオダスはあの姿だから緩和されてるけど、ただのスケベ親父やw
前回からセクハラに全く気付かないエリザベスは天然どころじゃない^^;
さらにドジっ子属性もあるときたw彼女はこの先戦ったりするんだろうか?

聖騎士の剣は聖騎士にしか抜けないと言っていたけどメリオダスがすんなり抜いたし、やっぱり聖騎士と互角に戦えるのは七つの大罪だけってことなのか。

今んとこメリオダス無双って感じでイマイチ盛り上がりに欠けるけど、味方・敵共にキャラが増えると面白くなるかな。
あ、後半の槍投げ→槍投げ返しは迫力凄かった!{/netabare}

【3話】
{netabare}「白夢の森」にて七つの大罪の1人・ディアンヌが仲間入り→追ってきたギルサンダーとの戦闘回。

ギルサンダーは10年前 聖騎士長の父を殺されたことへの復讐、そして帝国最強の騎士と証明するために七つの大罪を狙ってるらしい。
けど、聖騎士長の死は七つの大罪の仕業じゃないっぽい。
回想から察するに、全ては誰かの謀略による濡れ衣かな?
メリオダスの最後の記憶『団長…すまない』の言葉の主が鍵か。

エリザベスは今回パンツ奪われてた…
どうやって気付かれないように奪ったんだろう^^;

ホークは今回も弄られ担当w
ディアンヌに火あぶりにされて暴れてるのがかわいそ可愛かった!

最後はメリオダスが負けたふりしてギルサンダーを出し抜き新情報入手。
ギルサンダー、早くもすごい小物感が…^^;

七つの大罪が聖騎士と互角にやりあえるのは、彼らも元は帝国騎士だからなのね^^{/netabare}

【4話】
{netabare}ギルサンダーから他の七つの大罪の在処を聞き出した一行。
バステ監獄に囚われてるバンを探しに出るのだが、思った以上に深手を負ったメリオダスは途中で倒れてしまい、近くの街で休むことになるも既にそこには聖騎士の手が伸びていて…という話。

メリオダス、今回も元気にエリザベスへのセクハラをはたらいてると思ったら…
やはり聖騎士の力は普通じゃないっぽい。

さらに治療のフリして毒薬を飲まされたメリオダス。
どう復活するのだろう…

それにしてもディアンヌちゃんの乙女心が可愛い。
大きい自分には団長のために戦うくらいしかできないと、それでも精一杯メリオダスに尽くそうとする健気さが良い。

今回もホークは癒しでしたw
スペアリブと肩ロースのくだりは笑わせてもらった。

メリオダスの生存を聞いて自ら脱獄したバン。
聖騎士見習いの剣を受けたと思いきや、散髪しただと!?w
杭で打たれた跡も消えてたけど、唯一消えてない傷が首に。
つけたのはメリオダスかな?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

75.2 9 秘密で戦闘なアニメランキング9位
六畳間の侵略者!?(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1175)
7098人が棚に入れました
高校入学から一人暮らしを始めることになった苦学生、里見孝太郎が見つけた家賃五千円の格安物件。その部屋“こころな荘一〇六号室”は…狙われていた!意外なところからつぎつぎ現れる可愛い侵略者たちと、孝太郎との壮絶な(?)闘いの火花が、たった六畳の空間に散りまくる!健速が紡ぐ急転直下のドタバトルラブコメ、ぎゅぎゅっと始まります。

声優・キャラクター
中村悠一、鈴木絵理、大森日雅、田澤茉純、長縄まりあ、鈴木達央、竹達彩奈、悠木碧、早見沙織、高本めぐみ、洲崎綾、田村ゆかり、鬼頭明里
ネタバレ

うち. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

六畳間に集まる侵略者達!?

ヒロイン全員侵略者ではなく宇宙人と地底人が侵略者です。
ラブコメで時々シリアスという感じですかねー、一話は怒濤の展開、三話はマラソン回でしたがマラソンではなく障害物マラソンでした。
詳しく知りたい人はラノベを読む、大まかなな本筋を知りたい人はアニメを観るのがおすすめ。

ラノベの一巻を購入したのでお約束は出来ませんが感想を書くかもしれません。
一巻読んだ感想
大まかな違いを書きます。ここからはネタバレというより、違いを書きますが一応ご注意を。それが大丈夫という方はどうぞ…
{netabare} ゆりかの扱いが酷い(笑)陰の功労者なのですが誰も魔法少女と信じません。アニメ以上に不憫なキャラです。大家さんの掘り下げと桜庭先輩の掘り下げがラノベ版の方が充実しています、特に桜庭先輩は読んでおかないと何故孝太郎に好意を抱いているのか不透明だったのでその疑問が解消されました(されます)
侵略者メンバーで幽霊の早苗は一巻の時点で孝太郎に対する敵意がとあることで薄れています。 {/netabare}
ラノベ版を読むと桜庭先輩と早苗とゆりかの印象が変わります、そのかわりアニメのように展開が早いというわけではありません。アニメ一話がほぼ一巻の内容をざっくりとカットして映像化しているのでご注意。

九話感想
ゆりかが可愛い…だと!?
ラノベ読んだから知ってましたけどね
タイトルの解釈としては『陽だまりと虹』は孝太郎がゆりかに対するイメージであり、ゆりかが孝太郎に対するイメージかなと思いました。
 九話は孝太郎がゆりかをおんぶしているシーンがまさに孝太郎がゆりかにとっての『陽だまり』という感じが出てて良かったと感じました。

十話感想
早苗が孝太郎の身体に入って眠っていましたが、あれは早苗的に『暖かいから入っている』らしいからです。
孝太郎は最早、早苗に対しまったく敵意もなくなおかつ家族感覚なので暖かいみたいです。朝に寝起きの悪い孝太郎を起こしに来るルースはびっくりしています(尺の都合によりここの下りはカット)
ゆりかの馬の役はいじめとかではなく、ゆりかには馬の演技が上手いと評価されてまた馬役をしました。

十一話感想
キリハが左腕に付けていた篭手は雷と炎を操れる代物です。
キリハは障害物競走で完走寸前までいったので運動は得意な方なのでしょう、急進派のリーダーにはスタンガン的な衝撃を与えて昏倒させました。
急進派のリーダー、シジマ・タユマは騒動の後地底にて裁判にかけられます。シジマは所謂武家に当たる家で生まれ武力による侵略を提唱して一定の支持を得ています。地底の技術は確かに地上を圧倒していますが数は断然、地上の人間が多いですし対策も早いでしょう…サンレンジャーはその為の組織です。
今回サンレンジャーが遊園地まで出動しませんでしたが、ラノベ版だと遊園地に出動します。一瞬でやられますが、ゆりかの防御魔法で大事に至りませんでした。
サンレンジャーという組織は全国に居るらしいです(あやふや)あのスーツは一応戦える機能が備わっています。

キリハは可愛いのですが後々にならないと真価が発揮されないもったいないキャラですかね。

キリハの過去については…ラノベを買おう!
ここで言うのは止めておきます。
大家さん貴方は一体何者なんだ…

十二話感想と総評
クリスマス回&演劇回でした。
アニメの尺に合わせて一話並みの再構成がされました、ある意味原作越えをした回でした。
ヒロイン全員が可愛いと感じたのは久々なんじゃないかと感じました。どのヒロインも薄い印象ではなく色濃く記憶出来るアニメだったのはないでしょうか?(一話で切らなければ)
十二話は原作超えたと個人的な感想です。
本当に素晴らしいアレンジ、改変、再構成が光るアニメでした、スタッフの皆さんありがとうございました。

アニメは終わりましたが、ラノベはまだ続いているので気になる人はチェック!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

みんな可愛すぎんでしょおおおおおおお

 HJ文庫よりライトノベル原作、ハーレム気味ラブコメ作品。
幽霊に魔法少女に地底人に宇宙人に付き人に大家さんに先輩に……節操のないヒロインの種類と多さ。
1話の時点じゃ「あ、これ、がをられ枠か」もしくは「脳コメ枠か」とか感想を抱いても仕方ない。
だって全員一挙登場するんだもの……。

しかしながら1話の雑多感に反して、2話以降から丁寧なキャラクターの掘り下げが進行してゆく。
設定の無茶苦茶さはあるものの、内容は見せ場やメッセージ性がハッキリしてるので意外に観やすい。

1話は顔見せ、2話以降から各キャラが深く関わるエピソードがそれぞれ用意されている、
侵略戦争とは名ばかりで、そんなに駆け引きやバトル対決的な内容ではない、
といった辺りを念頭に置けば、方向性が分からず振り回されることなく、視聴できるかもしれない。
しかし特殊キャラたくさん出してきたのに、最も普通っぽい先輩が一番メインヒロインっぽいという。

■キャラクターを輝かせるエピソードの展開力
{netabare} この作品は実にキャラクターの魅力を引き出すための話作りが上手いと思う。
初めにいいなと思ったのは、第三話の部活対抗障害物マラソンの話。
この話で最も印象に残ったのが桜庭先輩とゆりかふぁいおーの助け合いシーン。
侵略者面々の中で一人抜けたポンコツぷりを発揮してたゆりかだけに、その健気さに胸を打たれる。
先輩の聖人っぷりも拍車をかけて、ゆりかに恵みあれといった気持ちにさせられた。

ハーレムモノで男キャラ不在の中でのキャラ掘り下げというのも新しく、
厳密にはハーレムモノというよりキャラによって別個のドラマがある作品という印象が強まった。
安易なラブコメに走らずに個性を描く方向に重点を置いたことで、結果魅力を高めているのではないか。

そんなこんなで全員それぞれが際立つエピソードが用意されているために、
観ていけば観ていくほどキャラの魅力が深まっていって、みんな可愛い……

早苗ちゃん:人懐っこさが可愛い どんなときでも味方になってくれそうな信頼感
ティア:反応がいちいち可愛い 小っちゃくて度々弄ばれるけど、案外懐が深くて頼もしい
ルースさん:誠実で可愛い 常識人的ポジションだけど最も暴れてた人
ゆりか:ポンコツ可愛い 泣いたり笑ったりオチ担当だったり面白い でも影の功労者だったりする
キリハさん:機転が利く可愛い 最初は読めない人だったけど、真意が明かされて好感を持てた
桜庭先輩:ヒロイン可愛い 完全に惚れちゃってるよね、という行動の端々が破壊力ありすぎる
大家さん:自由人可愛い 一人だけ別格な格闘家やってるあたり笑えつつ、いると安心感ある
ハニワも竹達と悠木碧だと思うと頭がとろけそうだった。

これほど全ヒロイン魅力的な作品もそうないな……。
そして主人公の孝太郎も終始明るい好青年で、いざというときは台詞も格好良くて好感度高かった。{/netabare}

☆総評
 展開自体はチープさもあったのだけど、キャラクターは本当ずば抜けて良い作品だった。
作画も安定感があり表情豊かで、ポーズも特徴的に決まってて良かった。
ちょっとした所作にどきっとさせられることもあり、可愛さがオーバーブレイクする。
1クールでこれらのキャラを一通り描ききっていて、満足感のある内容だと思う。
ただ方向性を掴むまでの出だしがネックか。まぁ総じて予想以上に良作のキャラ萌えアニメだった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

あしすと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この作品は1クールアニメでは魅力が伝わらないタイプだったのではないかと

原作未読です。

最近たまたまこの作品の原作の良い評判を目にしたのですが、それに対して「でも自分はそんなにこのアニメに強い印象はなかったな~。原作はもっと面白いのかな~」と思ったわけで。

ただ、そのように思いを巡らせたことで一つ気付いたことがあるので、自分へのメモがてらレビューにしてみます。



このアニメに対する自分の印象は、
「ファンタジーハーレムときどきバトルで、決してつまらなくはないものの無難だったアニメ」
というものでした。

そこで今回あらためて「なぜ無難と感じたか」を突き詰めてみたのですが、それはアニメ範囲内では「設定が活かされてない」と無意識で感じていたからみたいなのですよね。


つまり、幽霊やら地底人やら宇宙人やら魔法少女やら、いろいろなキャラがいましたけど、それぞれが上手く絡むことなくエピソードがそれぞれが独立していた、というか…。

例えば幽霊早苗ちゃんメインのエピソードで、他のメンツが地底人やら宇宙人やら魔法少女である必然性があまりなかったように思えて、
その必然性のない状態が、全メンバーの人数分だけメインヒロインキャラを変えて繰り返されただけで、起伏のない状態のまま最終回までいってしまった、みたいな…。

なんか言葉が上手くないですね。伝わっていなければゴメンナサイ…(>_<)




ただ、最近目にした原作の良い評判というのは「伏線の回収の仕方が絶妙」というものでした。

それで思い出しました。
あー、言われてみればなんか伏線っぽい展開はあったな~。結局アニメ範囲内で回収されることはなかったから記憶に残ってなかったけど。


この原作って、20巻くらい出てるんですもんね。

もちろん原作者さんが魅力的な話を作り続けられるからそんなに続くのでしょうけど、それはそれとして、そりゃあ20巻も続いていればじっくりゆっくり伏線回収もできて面白いラノベになりますよね。


かたやアニメ。

何巻までアニメ化されたのかは知らないですけど、きっとこの作品って序盤はメインキャラの自己紹介巻が続いて、
序盤だけでの伏線回収とか、アニメ化された際に合わせた序盤の盛り上がり巻とか作らなかったのでは?


いや、ラノベはあくまでラノベですから、アニメ化を見越して12話24話でまとまりそうなポイントに合わせてメリハリのある盛り上がり回を作るというのは本来違うのかもしれないというのは分かるんですよ。

でも、自分は新しい漫画やラノベを積極的に発掘しようとするタイプではなく、アニメ化されたものの中からかなり気に入ったものだけ原作に進むタイプなので、アニメ12話の時点で強い印象がなければその先には行かないというのが事実なわけで。


例によって話が行ったり来たりしてしまいましたが、今回何を言いたかったのかをまとめますと、
そんなに伏線回収が巧みな原作なのだとしたら、それがまったく感じられなかったアニメ12話の構成(原作序盤の構成)はもったいなかったんじゃないかな~
…ということなのでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

83.9 10 秘密で戦闘なアニメランキング10位
カードキャプターさくら クロウカード編(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★★ 4.1 (996)
5758人が棚に入れました
木之本桜は、体育が得意な小学4年生。ある日、さくらが学校から帰ると、誰もいないはずの地下の書庫に何者かの気配がしました。さくらが下におりてみると、そこには1冊の金色に光る本がありました。中には、カードが入っていましたが、そこに書かれた文字を読み上げたとたん、激しい風が起こって、カードがバラバラに飛び散ってしまいました。残された本の中から、ケルベロスと名のる奇妙な生き物があらわれ、本に収められていたクロウカードの封印が解かれるとき、この世に災いが起こると言います。そしてケルベロスはさくらに封印(ふういん)の鍵を与え、カードを捕獲(ほかく)するカードキャプターにしてしまいます。その夜から、さくらは魔法を使って、実体化したカードに立ち向かうのですが・・・。さくらは、カードを全部もとにもどせるのでしょうか?

声優・キャラクター
丹下桜、久川綾、小野坂昌也、岩男潤子、くまいもとこ、緒方恵美、関智一、田中秀幸、ゆかな、林一夫、冬馬由美、小西克幸
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

魔法少女のフォーマットを借りた古典的な初恋ストーリー

プラチナ(第3期op)を聴くだけで泣けてくる伝説の名作アニメ。
※クロウカード編・さくらカード編・映画「封印されたカード」全て含めた感想です。

超絶可愛い主人公「木之本桜」の活躍を描くだけではなく、むしろ、さくらとクロウカードを集めるライバルだったはずの「李小狼」が次第にさくらに惹かれていく過程を細かく描き出している点が、隠れた鑑賞ポイントです。

全70話+映画2本(但し李君の実家のある香港に行く映画はストーリーの本筋には関係なし)
以下、時系列で細かくトレースします。

=================================================
第Ⅰ期開始(小学4年の1学期~2学期)・・・クロウカード編
{netabare}
第1話 桜吹雪の舞い散る日に登校、さくらの憧れの雪兎の投げキャンディー。知世「やる奴ですわ」
第7話 小狼の初登場回。
第8話 小狼が転校してくる(さくら4年生の6月)。さくらを目の敵にしているところが微笑ましい。
第9話 ソードのカード。さくらは親和動機だが、小狼は達成動機で行動している。さくらと知世・梨佳が互いに気持ちを察し合って行動していることが描出されていて興味深い。
第10話 OPに小狼初登場。フラワーのカード。さくらの行動原理が親和動機であることを繰り返し描いている。
第13話 動物園(パワーのカード)、小狼がタイムのカードを使ってさくらをサポートする。しかし、さくらは気づかない。
第14話 高校の学園祭(ミスト(霧)のカード)、小狼がさくらの兄を風魔法で助ける。さくらの「ありがとう」に小狼が「助けたわけではない」と少しだけ顔を赤らめる。
さくらと雪兎がダンスして小狼が悔しそうな顔をする。
第16話 さくらの母(撫子)の祖父の話。高原の別荘、虹。
この話の辺りから視聴者に、さくらへの感嘆の気持ちが発生するはず。(何ていい子なんだろう・・・)
第17話 臨海学校の話。小狼はまださくらに感嘆の気持ちを持っていない。「俺はお前を認めたわけじゃないからな」。
しかし、さくらの相手の気持ちを察するところや素直なところに少しだけ惹かれ始めている。
第18話 夏祭り、グロウ(蛍)のカード(8月)。
さくらが雪兎に告白する寸前で小狼と兄が闖入。
第19話 さくらと夏休みの宿題(図書館とムーブ)。池に落ちそうになったさくらの手を小狼が掴むが、二人とも池に落ちる。小狼の家で着替え。
ラストで苺鈴初登場。
第20話 さくらと争う苺鈴 (9月新学期、苺鈴が転校してくる)
第22話 さくらと優しいお父さん(お父さんのPCを壊して泣いてしまう話) 。魔法で直せないこともある、という魔法少女のお約束のモチーフ。
視聴者にとって、さくらが決定的に良い子であることが明らかになる。
第25話 さくらともう一人のさくら (ミラー)。災いとは人によっては何ともないけど、さくらには辛いことらしいことがケロによって語られる。観月先生が最後にチラリと登場。
第27話 さくらと思い出の神社(リターンで過去に行く話だが、小狼のタイムのカードで現在に戻る)。
さくらが小狼に抱きついて、小狼が初めてさくらにデレる(さくらに抱きつかれて真っ赤になって気絶)。
その前に木の上でさくらと小狼が雪兎を好きなことを告白し合う(さくらは小学3年生のときに雪兎に一目ぼれしたと話す)。
第30話 さくらとケガをしたカード(ダッシュのカード、かけっこ)。小狼が良いところを見せる。さくらにここでも魔法少女のお約束のモチーフ(魔法で解決しても何にもならない)
第32話 さくらとケロと小狼と(チェンジ)。さくらの部屋で久しぶりに赤くなる小狼。
第33話 さくらの寒むーいアイススケート (フリーズ)。下校時の校門前でさくらの声が聞こえると頬を赤らめて走り去る小狼。目があったときにニッコリ笑うさくらに小狼が再び頬を赤らめてひっくり返る。
第34話 さくらと雪兎と昼の月(友枝町クイズラリー)。雪兎をみてるつもりでつい隣のさくらを見てしまい、顔を赤くして首を振る小狼。崖に落ちるさくらを庇って足に怪我する雪兎。参加賞のボールペンをもらって「お揃いだね」に嬉しそうな表情をするさくら。
第35話 さくらのすてきなクリスマス(ファイアリー)。小学4年の12月末。
遊園地の観覧車で雪兎に手作りの人形をプレゼントに渡すさくら。「来年もまた来たいね」。
隣の観覧車からさくらを見て顔を赤らめ否定するように首を振る小狼。小狼はさくらに恋心を抱き始めている。
{/netabare}
これで第Ⅰ期終わり。

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第Ⅱ期開始(小学5年の1学期)
{netabare}
第36話 さくらと雪の新学期(スノー)。雪兎からもらった時計を失くして泣くさくら。「泣くな。見つかるまで一緒に捜すから」「ありがとう。優しいんだね」赤くなる小狼。
第37話 さくらと消えた知世の声(ヴォイス)。「俺はお前のことが気になって」正直な小狼。知世「小狼君はいつもさくらちゃんを見ているんですね」
第38話 さくらの楽しい苺狩り(ロック)。雪兎の手に触れて頬を赤らめるさくら。
第39話 さくらのふらふら熱曜日(クラウド)。桜に「このカードはお前のものだ」。風邪のさくらを気にする小狼。ミラー2回目登場。
第40話 さくらと夢の中のさくら (ドリーム)。個人的に神回だと思う。予知夢の話。ここら辺から何となくアニメ全体の雰囲気が暗めになっていった気がする。
第41話 さくらと小狼と砂の海(サンド)。白雪姫の練習で早朝さくらと小狼が校庭で2人で会話。さくらの顔が小狼に躊躇いなく近づく。小狼だけ戸惑う。
サンドのカードをゲットした後、カードがさくらと小狼の二人の手の間に挟まり、さくらがニッコリ笑って小狼にカードを譲る。また戸惑う小狼。「お前分かっているのか?」
第46話 さくらと最後の審判(小学5年生の初夏)
クロウカード編の〆
{/netabare}
これで第Ⅱ期終わり。

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第Ⅲ期開始(小学5年の2学期~3学期)・・・さくらカード編
{netabare}
第47話 さくらとふしぎな転校生(5年生の8月31日~9月1日)
小狼は未だに「李君」なのに、転校生は初日からさくらから「エリオル君」と名前で呼んでもらっている。
小狼はさくらに恋しているのだが、まだそれを自覚できていない。知世から「ライバル登場ですわね」と言われて「そんなんじゃない」と顔を真っ赤にして否定するが、ついついさくらの笑顔に見惚れてしまう。
第50話 さくらと小狼とみえない糸(ソード)。熊のぬいぐるみを送ると相手と両思いになれる、という知世の話に、木の上で聞き耳を立てる小狼。無意識のうちにさくらに視線を送り、それに気づいて慌てて視線を外す。
第51話 さくらと大きなぬいぐるみ (フライ)。さくらも小狼もぬいぐるみを完成。小狼はなぜ手作りぬいぐるみキットを買ったのか自分でも訳が分からなくなっていて、さくらの顔が頭に浮かぶと必死に否定する。
さくらは雪兎にぬいぐるみを手渡し幸福な思いに浸る。
第55話 さくらと不思議の国のさくら(アリスの本の中に入る話)。さくらと親しくしているエリオルに嫉妬してしまう小狼。本から戻ったさくらに肩をつかまれて真っ赤になってしまう。
第56話 さくらとケロのお菓子な出会い?? (小学校で模擬店)。さくらのウエイトレス姿を眼で追う小狼。
第57話 さくらと小狼とエレベーター (フロートで浮く話)。かなり印象深い回。部屋で鍛錬していて熊のぬいぐるみを見てさくらを思い出し必死に打ち消す小狼。
雪兎に「君はさくらちゃんのことがとっても好きなんだね」と指摘されて真っ赤になって走り去る小狼。
「俺があいつのこと好き?」と自問自答。留守番電話のさくらのメッセージをベッドで2度目の再生をする。
エレベーターで2人きりになり、闇に飲み込まれ落ちていくさくらに「さくら!」と叫ぶ。
ラスト。部屋にいる小狼にさくらから「私、さくらと呼ばれてとても嬉しかったよ。私も小狼君と呼んでいい?」「好きにしろ」
第59話 さくらと知世とボールの罠
体育の時間にエリオルとバスケットボールで勝負する小狼。「落ち着いて、ゴールにだけ集中して」(エリオルのアドバイス)
知世の家で「さくらちゃんのことが好きなんですね」「まださくらちゃんに伝えていないのですね。。。言葉にしないと伝わらない思いもありますわ」と知世に告白をアドバイスされる小狼。
現れたさくらに告白しようとする所でクロウの気配で中断。
ラストで再びさくらに「あのう」「何?」「俺はお前が。お前が。す・・・す・・・」。さくらの表情が一瞬ハッとする演出が良い。
ここでまさかのケロちゃん闖入。見事なエンディング。
小狼が初めてさくらにデレたのが第27話(神社でさくらがリターンのカードで過去に行く話)。このときは小学4年の9月~10月頃で、さくらと小狼は互いに雪兎が好きなことを木の上で告白し合っている。つまり、それがそのころの2人の認識。
第57~59話は木の葉の舞う小学5年の秋(多分10~11月頃)の設定なので、第27話から既に1年以上経過していることになる。
小狼は第33話で既に、明らかにさくらに恋し始めているので、それを自覚するのにほぼ1年かかったことになる。(第57話の雪兎の指摘、そして第59話の知世の指摘(告白することを小狼に諭した回))

第60話 さくらと大切なお友達(苺鈴と小狼の婚約解消)。
脚本が素晴らしい。さくらをそれまでの「木之本」ではなく「さくら」と呼び始めた小狼の気持ちを察する苺鈴。
「私もさくらちゃんが好き。さくらちゃんを憎めない私が一番悔しい」と知世の膝の上で泣く苺鈴。

第61話 さくらとカードとプレゼント(ミラーがさくらの代わりに兄とデート。さくらはカード達に感謝の気持ちを伝える)。
これも意外に良い回。多分、男には思いつかない脚本。
季節は12月。朝の教室で小狼にプレゼントすることを話すさくら。小狼は「あの、俺、お前のこと・・・」と告白しようとする寸前に山崎君が闖入。
「何で告白できないんだ・・・」
第62話 さくらと不思議な御神籤(ドリーム=予知夢を見る話)。
小学5年生の正月。和服姿のさくらと知世。知世の勧めで小狼の家に新年の挨拶に行く。小狼が知世に「有難う」。小狼の家の世話役(ウエイさん)「小狼様をお名前でお呼びするのはご家族の他は、さくら様が初めてですよ」(最終回第70話への伏線)。

第63話 さくらとプールと大きな波(珍しい水着回)
室内プールでエリオルと競泳。エリオル「落ち着いて本来の実力を発揮できるように。貴方の大切な人を守るときのために」小狼「え?」といって思わずさくらを見てしまう。
プールから上がろうとして、さくらの笑顔にドキッとして再びプールに落ちてしまう小狼。

第64話 さくらと吹雪のスキー教室(タイムで雪崩を止める話)。
夜の暖炉の前で「さくら」とつぶやく小狼。「何?」。
これもかなり印象的な回。
ベランダで熊のぬいぐるみの話をする。「もう雪兎さんに渡した?」「違うんだ。僕の好きな人は別にいる」「誰?」「それは・・・」
小狼の告白寸前で、「ごめん。そんな大切なこと、私が聞いちゃだめだよね。」ああ、あ。

第65話 さくらと雪兎と消えゆく力(兄がユエに魔力を渡す話)。
雪兎に「好き」と言葉で伝えることを決意するさくら。

第66話 さくらの一番好きな人(さくらが雪兎に告白する話)。
これも優良回。
要約すればさくらにとって「(好きという)自分の本当の気持ち」が一番大事だ、一番の宝物なんだ、という話になるのだろう。(CCさくらのストーリー全体が、結局それを描いた作品ということになる→CCさくらのラストを飾る映画「封印されたカード」にも直結)
兄と雪兎の学園祭で、さくらと雪兎はビックリハウスに入る。
さくら「好きです」。「僕もさくらちゃんが大好きだよ。でもさくらちゃんの僕への好きという気持ちは、さくらちゃんのお父さんへの好きという気持ちに似ていないかい?」さくら少し考えて「似ています」
「きっとさくらちゃんの一番が見つかるよ。きっとその人もさくらちゃんのことが一番好きになってくれるよ」
帰り道で、小狼に公園に付き合って欲しいと頼むさくら。ブランコを漕ぎながら、今日雪兎に告白したことを小狼に話す。
「ほんのちょっとだけど、お父さんとは違う“好き”もあったの」
「私の好きな人が幸せならば、それが一番嬉しいなって・・・そう思ったの」
そして目に涙を浮かべるさくら。
小狼がハンカチを差し出す。「大丈夫。きっとさくらの一番が見つかる」

第67話 さくらと小狼と月峰神社
作中に2月22~26日の黒板掲示あり。
ブランコの場面での小狼のハンカチに対するお礼としてマフラーを手編みするさくら。
知世「まだ告白なさってないんですね」小狼「あいつは自分が好きな人の一番でなかった時の辛い気持ちを知っている。だから僕が告白したら、あいつは僕が辛い思いをすると思って困るだろう。だから告白はしない」
グロウのカードの書き換え後に、知世「さくらちゃんはちゃんと自分なりの答えを見付けだせる人ですわ。だから告白なさって大丈夫ですわ」

第68話 さくらと過去とクロウ・リード
さくらがリターンのカードで過去に行きクロウ・リードと遭う話。
リターンのカードは魔力の消費が激しいため、さくらが過去から戻ってこれなくなること心配する小狼。さくら「ありがとう。心配してくれて」
出発前に「私、絶対帰ってくるから。約束」指切りをするさくらと小狼。
ラストでエリオル君が正体を現す。
{/netabare}

あと残り2話と映画「封印されたカード」があるけど・・・もう書けないよ。。。

※2014.7.7追記

第69話 さくらと現れたクロウ・リード
第70話 さくらと本当の想い

(内容は自分で確認してね)

これで第Ⅲ期終わり。

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劇場版カードキャプターさくら 「封印されたカード」(小学6年の夏休み)

(内容は自分で確認してね)

これで完結。
=================================================

【後記】
今みたら、さすがに作画は最近のアニメに比べて色々とアレですが、それでもヒロインさくらちゃんの見せる一瞬の表情など本当に良く描かれていると思います。
魔法少女アニメを語る上で、やはり必須の名作と思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

さくらと魔法のクロウカード集め♪

子どもの頃にハマった作品です。

小学校の図工の授業で好きなキャラクターを描くというものがあって、
その時に友だちが持ってきたこの漫画を読んで、すぐにハマりました。

図工は大嫌いだったけど、
この授業だけは真剣に取り組んだ記憶があります。笑

私の選んだシーン(笑顔のさくら)を見た先生が
「いい笑顔の女の子だね。モデルにぴったりだ。」と言っていたのも記憶に残っています。

それぐらい、
当時の私には衝撃的で、憧れてやまない存在でしたね。

同世代の女の子だけにとどまらず、いろんな世代のいろんな人たちに、
いろんな影響を与えた作品だというのは、すごく納得がいきます。

アニメは時々見ていた程度でしたが、
久しぶりに全話見直してみて、やっぱりすごい作品だとうなされました。

原作は全12巻で、この“クロウカード編”は6巻までの内容です。
ただ、アニメはオリジナルストーリーも多いです。

アニメ“クロウカード編”は、全46話です。


● ストーリー
木之本桜(きのもと さくら)、小学4年生。

ある日、父の書庫で不思議な本を見つけた。
開いてみると中からたくさんのカードが飛び出していった。

そして、次に本から出てきたのは、
ケルベロスと名乗る、ぬいぐるみのような生き物。

彼は、この本に封印された
“クロウカード”を守る獣だという。

クロウカードは、魔術師クロウ・リードが作った魔法のカードであり、
封印が解かれるとこの世に“災い”が起きるという。

さくらはケルベロスことケロちゃんと一緒に、
クロウカードを全て集めることを決意する。


どの話も基本的に1話完結で、
カードが起こす事件を解決しながら、カードを集めていく話です。

その中で、
さくらの学校生活を描いたり、
他のキャラを深めたり、
さくらの想い人・高校生の雪兎(ゆきと)との乙女エピソードを絡めたり、
さくらと家族の関係を描いたり、

とにかく内容が盛りだくさんで、しかもキャラが深まっていくので、
見れば見るほどこの作品が好きになっていく仕組みになっています。笑

クロウカードを集めながら、
物語や人物背景をきっちり深めていく。

そりゃ面白いわけです!

面白くて飽きない話ばかりなので、
46話という長さも全然苦になりませんでした。


● キャラクター
ストーリーも面白いですが、
そのストーリーを支えているのが、魅力的なキャラクター達。

そして今でこそ肯定的に受け取られるようになってきたものの、
当時はまだ理解が浅いと思われる設定もさらっと取り入れられています。

大好きなキャラがたくさんです♪
その中でも印象が強い3人をピックアップ☆笑


【 さくら 】
この作品の主人公であり、
伝説的なキャラクターですね。

なんといっても、かわいい!!

女の子から見ても、
さくらはかわいさMAXの存在でした。

制服の白いひだスカートにも憧れたし、
一部分だけ伸びているあの髪型もずっと見ていられるかわいさだし、

普通ならあり得ないと思うはずのローラーブレード通学にも憧れたし、
高校生に恋するというのもなんか大人だったし。

「ほえ?」「はにゃーん♪」などの独特な話し方も、
さくらだからこそかわいい!

クロウカードを捕まえる時の知世(ともよ)作のコスチュームや、
さくらの私服も毎回違っていて、しかもどれもかわいい。

これらを着こなせるのもまた、
さくらの可愛さがあってこそ♪


【 李小狼(り しゃおらん) 】
クロウカードを集めるために香港からやって来た、
さくらのライバル。

カード集めのライバルであり、
恋のライバルでもあります。

恋のライバルといえば同性だというイメージを越え、
さらにかっこいいキャラで女性を喜ばせるんだから、

ほんとCLAMPは天才だと小狼の存在で確信。笑

小狼は基本クールだけど、
雪兎の前だと動揺しまくりだったり、たまにドジだったり、
そういうところがまたかわいいのよね♪

さりげない行動がかっこよかったり、
私も大好きなキャラです^^

従妹の苺鈴(メイリン)の存在だけは私の中で「うーん…」でしたが、
彼女はアニメ版だけに登場するオリジナルキャラなので、

そういう意味では、
原作の秀逸さがさらに浮彫となったと感じました。


【 桃矢(とうや) 】
さくらの兄です。

スポーツ万能でかっこよくて、モテモテの兄ですが、
さくらの前では意地悪ばかりで素直じゃない。

でも本当はさくらのことが大好きで、
いつも心配していたり、見守っていたり。

「あいつをいじめていいのは、俺だけだ。」は、
兄キャラ名言だと思っております(*´Д`)ハァハァ

完全なシスコンキャラですが、
そこがまたいいのよ(*´Д`)桃矢かっこいい

さくらの家族もまた、
憧れでした♪


桃矢のシスコン、小狼のBL、先生と生徒の恋、など…。

今の時代だからある程度の理解があるような設定も、
20年前の当時は衝撃的だったのでは?と思ったのですが、

どうだったのでしょう?
それらをさらっと自然に取り入れる感覚には脱帽です。

さらっと取り入れたからこそ、
新鮮で受け入れられやすい描写となったのかもしれません。

そんなところからも、
時代が流れても愛される理由が浮かんできます。


● 音楽
【 前半OP「Catch You Catch Me」/ グミ 】
【 後半OP「扉をあけて」/ ANZA 】

さくらの主題歌はどれも名曲ですが、
今回は前半OPが一番好きでした♪

元気なさくらちゃんにぴったりの一曲♪

後半OPは、
映像に登場するさくらが目を閉じてばかりで、
その印象が強いですw

確かにどのさくらもかわいいけども。笑


【 前半ED「Groovy!」/ 広瀬香美 】
【 後半ED「Honey」/ CHIHIRO 】

前半EDもまた名曲ですね。

ずっと飛び跳ねているケロちゃんは、
当時もインパクトありましたw


● まとめ
いいストーリーだった!さすが名作です♪

1話完結のカード集めもよかったけれど、
その1話1話の中で積み重ねられてきたキャラもまた良かったです。

クロウカードが解き放たれることによる“災い”も、
確かに地球がドッカンするより辛いことで、

{netabare} 一番好きという気持ちがなくなった {/netabare}そんな世界を考えさせられたことも、
私にとっては好きなポイントです。

さて、次の“さくらカード編”も引き続き楽しみたいと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どんな人でも心に秘めた想いを抱えている。

前編46話(35話+11話)+後編24話の70話に及ぶ長編作品です。

自らの失敗で散り散りになってしまった魔法のカード「クロウカード」を求めて奔走する魔法少女、さくらの活躍を描きます。優しげな人々に囲まれたさくらの日常や、さくらを始めとする様々なキャラたちの淡い恋愛模様、クロウカードに宿る精霊達との知恵比べなど、たくさんの見所がある作品になっています。

登場するキャラの殆どがとても良い人なので、その事に対して、見る人によっては違和感や気持ち悪さを感じる事がある様です。この作品に登場する人物の多くが、心の内に隠すべき何かを持っているので、尚更その様に見えるのかも知れません。私自身も登場人物の何人かに、若干ながらその様な不気味さを覚えました。
{netabare}
それでも、そんなキャラ達から全く悪意が感じられず、むしろ回を重ねる毎に、純粋さと優しさが一層際立っていく様子を見て、疑いが自分の心の内から湧いて来る邪推なのだと分かり、自分ってやな人間だなぁと恥ずかしい思いをした次第です。後編にも底抜けに優しい新キャラが登場しますが、その時にはさすがに同じ轍は踏みませんでした。

結局の所、迷いは晴れて最後まで気持ち良く視聴する事が出来ました。
{/netabare}
人物描写については、さくらちゃんと知世ちゃんがよい子なのはさておいて、子供の小狼君が初登場時では粗暴かつ未熟で、それに対してタダ者じゃない高校生の雪兎君と、偏屈だけど妹思いの桃矢君が割と大人というのは、良い描き分けが出来ていたと思います。(たまに後者の二人コドモになるけど)さくらちゃんのお父さんの藤隆さんに至っては完璧過ぎる‥これはもう良い人を通り越して神々しいとさえ思えました(笑)。

世の中は割と捨てたものじゃなく、良い人は良い人の近くにいる事が多いし、悪人の傍には悪人が多いというのは、長い目で見れば、必然以外の何ものでもなく、本作のクロウ・リードや、原作者を同じくするCLAMP作品のXXXHOLiCの侑子さんの言葉を借りれば「※1偶然なんて無い。有るのは必然だけ」という言葉で概ね説明出来る気もします。(この点については、やはりCLAMPの後の作品で善人も悪人も登場する「こばと。」の方がずっと説得力のある描写をしていたと思います。)

アニメ作中では、あくまでも精神的な関係としてですが、全年齢向けアニメには珍しく、同性愛や年齢差の開いた恋愛が当たり前の様に描かれている部分もあります。こう言った点は、名作として多くの人たちに愛されながらも、一方で、恋愛観について偏った見方がある人には、特に受け入れがたく、嫌煙される原因になっているのかも知れません。気持ちは分からないでもないです。(オンエアー当時の私も未熟者で、可愛らしいやら、恥ずかしいやらで、数話しか視聴出来ませんでした。)でも一般的に見ても、若年期には同性に対して憧れを抱いたり、恋慕に似た感情を抱いたりする事も少なくないとも思われますので、先入観を少しだけ黙らせて見てみると、割と自然な描写なのではないかと思わないでもないです。登場人物達の持っている他者への愛情が、友情や思いやりの延長上にあるものだという事も忘れてはなりません。

大人になってから、全話通して視聴する機会を持て、それを経て、この作品の本質が当時の世評からは大きく外れているものである事が分かりました。キャラの可愛さがこの作品の大きな魅力になっている事は理解出来ますが、世評というのは往々にして、そういったキャラへの愛を前面に押し出すだけの、単純な傾向がある様に私には思われます。

と言っても、キャラ魅力が当時のアニメの中では突出していた事については間違いはなく、さくらちゃんや知世ちゃんを始めとするキャラ描写は、今の目で見ても古い作品である事を殆ど感じさせない程に洗練されており、十分視聴に耐え得る完成度の高さを持っているのではないでしょうか? 加えて、魔法少女と言えば"コレ"とも言える、可愛らしい変身コスチュームも驚くべき事に※2毎回デザインが異なり、視聴者の目を存分に楽しませてくれます。※3クロウカードの力を解放するシーンも、全てそれぞれのコスチューム用に作られている点も素晴らしい。
{netabare}
さらにびっくり仰天しちゃいますが、それらのコスチュームの全てを、さくらちゃんの親友の知世ちゃんが製作していると言うとんでもない設定があるのです。(クロウカードの中にはお着替え変身させる様な非実用的なカードが存在しないので。)うーむ、知世ちゃんの愛は深い‥。
{/netabare}
風水や陰陽道をモチーフにした魔術の描き方は、CLAMP作品ではおなじみですが、理屈を組み込んだ魔術を作中に取り入れた魔法少女ものはこの作品が初めてかも知れません。タロットを彷彿とさせる、西洋魔術と風水の融合によって生み出されたとされるクロウカードのデザインも面白かったです。

全70話と長いので、視聴には時間はかかりますが、一話完結を基調とする構成の見やすさと、優しい人たちの織り成すドラマの心地良さで、すんなりと完走出来るのではないでしょうか? CLAMP作品が好きな人なら最後まで楽しんで視聴出来る事と思います。

それでも時間の取れないという方は、せめて菅野よう子さんと作詞の岩里祐穂さん、坂本真綾さんの織り成す後期OPテーマ「※4プラチナ」だけでも聴いて欲しいと思います。まどマギの「コネクト」の原典とも言える、静けさとドラマ性を感じさせる名曲です。作中にて知世ちゃん(岩男潤子さん)が優しげな声で歌う「夜の歌」も素敵です。


※1:非常に便利な言葉ですが、ちょっと危険です。でも私は好きです。

※2:複数話に渡って物語が続く場合などを除いて本当に毎回です。

※3:他のアニメの変身や必殺技のバンクシーンに当たる。CGも使っていないのに‥!

※4:必ずオリジナル版で視聴しましょう。決して動画サイトとかで、変なまがい物を聴いてはいけない。クリックしてもいけない。(こう言うとクリックしてしまう人がいると思いますが、やめた方が知性的な行動です。私は犠牲になって強烈な精神的ダメージを受けました。フグを食べて死んだ人を見て、それを避ける様に、避けられる危険は避けましょう。)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

87.7 11 秘密で戦闘なアニメランキング11位
オーバーロード II(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (1082)
5714人が棚に入れました
如異世界に転移して以来、アインズはナザリック地下大墳墓の主として、守護者たちの偉大なる支配者として振る舞う日々を送っていた。一方で、情報収集と資金獲得のため、冒険者モモンとしてエ・ランテルを拠点に活躍。ギガントバジリスクの討伐など、アダマンタイト級冒険者に相応しいとされる実績を積み重ねていく。そんな中、ナザリックへ帰還したアインズは、守護者を統括するアルベドと人間界で得た情報を含めた現状の報告会を執り行う。

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、沼倉愛美、東地宏樹、楠見尚己、雨宮天、石井康嗣、安野希世乃、逢坂良太
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

デミ(ウルゴス)ちゃんは語りたい!“versionⅡ”

何やら色々書いたんですが、(数千文字くらい)最終回観てどうでもよくなった。

っしゃぁ!!

『ナザリックに栄光あれ!!!!』



リザードマン編と王国編の2部構成でやったオーバーロードⅡ。作画は同社マッドハウスで同時進行の『宇宙よりも遠い場所』『カードキャプターさくら-クリアカード編-』に作画班のリソースを割かれたのかと思うほど悪い回はとことん悪い。無駄な伏線を張りすぎて中だるみしそうな構成も視聴中はイマイチだと感じたものの、最終回ラストに速報で流れたオーバーロードⅢの制作決定を聞き、ある程度納得しました。部分的に淡白で全体的に詰め込んだ印象ですがナザリックの面々が登場している時は概ね好評だったようです。作品の性質上海外のアニメファンにかなり人気らしく国外での評は箔が付きますね。個人的には何度見返しても面白いアニメになりました。


【↓雑記:長文注意】
{netabare}
レビューという名のメモ書きを置いておきます。(タイトル通りデミウルゴスくらいナザリック贔屓で進行。)

至高の御方のひとり、アルベド他数名のNPCを作った「タブラ・スマラグディナ」は、宝物庫に〈エメラルド・タブレット”=古代エジプトで存在したらしい錬金術のノウハウが描かれたエメラルド板〉から引用した――

「かくて汝、全世界の栄光を我がものとし、暗きものは全て汝より離れるだろう」

…の、長ったらしいパスワードを採用したプレイヤーで、アインズをして「設定厨」と称される人。OVERLORDは作者の「丸山くがね」先生自体が設定厨で、鬼のような設定で有名な「TYPE-MOON」の、「月姫」ファンディスクでシナリオ担当をしただけあります。ちなみにこの時、奈須きのこさんの文才を感じ、自分には向いてないと悟り業界を諦めたそうです。その後サラリーマンを経て趣味で投稿していたオーバーロードは趣味と割り切ったからこそかもしれませんが、世界の細部まで作り込み、余白に想像が膨むファンにとって楽しい時間を与えてくれます。掘り下げていくと、書籍版・Web版・※隠し番外編にも作中の情報が散りばめられており、最早宝探しゲームの気分です。

(※“隠し番外編”は、作者がweb版の感想掲示板に読者への返信と共に少しだけ書いたIFストーリーや物語の裏話)

先にも触れましたが、不安材料だったリザードマン編を制作側がやると決めたものの1巻分で1クールやるわけにはいかず、王国編まで終わらせることに。主人公側の活躍を楽しみにしていたアニメ視聴者から非難の声も出ましたが丸々リザードマン編を省略するのは確実にファンから苦言を呈されたと断言できます。制作側の試行錯誤がしっかり見えたと感じたのは一番危惧されていたリザードマン編全編カットor1クール丸々リザードマン編という暴挙に出なかったことで、正直作品の鮮度や制作資金も考えるとこれ以上の構成は無かったし、これがBetterだった訳です。アニメで入った方、もしくは内容が理解できない箇所があったという方はどんな観方をしていたか気になる所で、各シーンや本編感想の前にステータス設定の基本をおさらいしてみます。↓
{netabare}
OVERLORDにはアニメで語られない設定がいくつかあり、ナザリック地下大墳墓は元々が体感型のオンラインゲーム“ユグドラシル”にあった為、ゲーム内のステータス設定に“カルマ値”というステータスが存在し、NPC達の性格付けに大きく関わっています。カルマ値とは「ゲーム内で善行や罪を犯すことで±される数値」で、ユグドラシルではキャラクター制作時に±500で決定されます。人間種・亜人種に当てはまらない“異業種”で構成されるギルド「アインズ・ウール・ゴウン」では、多くのNPCキャラクターが【カルマ値】マイナス…つまり悪性の【属性】ばかりで守護者に至っては極悪も存在します。

ナザリックの面々を悪性順で並べると―――

アインズ・ウール・ゴウン【極悪】【-500】(モモンガ、漆黒の英雄モモン、本作の主人公、萌えキャラ)
アルベド【極悪】【-500】(ヒドイン、守護者統括、モモンガを愛している、書籍版で追加されたヒロイン)
デミウルゴス【極悪】【-500】(守護者一の知恵者、忠義心のお化け、悪魔、仲間に優しいインテリヤ◯ザ)
シャルティア・ブラッドフォールン【邪悪~極悪】【-450】(パッド入り吸血鬼、エロゲ要素満載の変態)
ナーベラル・ガンマ【邪悪】【-400】(モモンの相棒、虫博士、ドッペルゲンガー、ポンコツ、棚ぼたナーベ)
ソリュシャン・イプシロン【邪悪】【-400】(有能ショゴスメイド、たまに太る、人を体の中で溶かすのが好き)
ルプスレギナ・ベータ【凶悪】【-200】(ワーウルフの赤髪メイド、サディスト、三歩で忘れる通称:駄◯。)
アウラ・ベラ・フィオーラ【中立~悪】【-100】(ダークエルフ、双子の姉、シャルティアやユリと仲良し)
マーレ・ベロ・フィオーレ【中立~悪】【-100】(双子の弟、男の娘、心も女の子寄り疑惑?、天然鬼畜)
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ【中立~悪】【-100】(擬態した蟲メイド、…はぁ…エントマちゃんかわゆ…)
ハムスケ【中立】【0】(ジャンガリアンハムスター、モモンの乗り物、♀、婚活中、デスナイトと仲良し)
コキュートス【中立】【+50】(武人、氷属性の蟲、バトルマニア、武器マニア、デミウルゴスと仲が良い)
ザリュース・シャシャ【中立~善】【+100】(トカゲの戦士、旅人、飼っているヒュドラの名前はロロロ)
シズ・デルタ【中立~善】【+100】(自動人形メイド、可愛い物好き、あと数回変形を残しているロボ(嘘))
ユリ・アルファ【善】【+150】(プレアデス副リーダー、デュラハン、お姉さん、メガネっ娘&ボクっ娘)
セバス・チャン【極善】【+300】(プレアデスリーダー、竜人、チバスチャン、紳士、Web版ではハーレム王)

創造主に作られたNPC達は善悪の基準や“そうあれ”と定められた設定の中で“ロールプレイ”をしています。ゲームらしい面白い点ですし、実はユグドラシルがサービスを終了する前から意識が有りプレイヤー達の会話を聞いていたらしく、その時に自由に動き言葉を発することは出来なかったものの記憶にあるらしいです。喋らないNPCを設定する時にはわからなかった、性格付けと設定が乖離し相反する場合も多く、作中ではギャップになっていて魅力になっています。例えばシャルティアは江戸時代に遊女が使っていた“廓詞(くるわことば)”「~ありんす」などを語尾につけて喋りますが素は普通に喋りますし、アルベドはサキュバスで処女。プレアデスのメガネをかけたメイドのユリは、教師である「やまいこ」に創造され、規律正しい姉的な立ち位置と裏腹に“ボクっ娘”であり普段は恥ずかしいので私と言う…など。(やまいこの一人称も僕)ちなみに王都で活躍するセバスとソリュシャンの2人は極善と邪悪のコンビで、ソリュシャンの残虐性をセバスが窘めている構図でした。行動原理をこれらのステータス設定で考えると他の場面やキャラクター達に対しても合点がいき面白いかもしれません。
{/netabare}

《ネタバレ有り感想》

原作を読んでないと気づかない部分も含めのネタバレですが、この先3期が有れば明らかになる謎も多いので、1シーンで完結している情報だけ載せます。

まずはリザードマン編。
{netabare}
前作のラスト、洗脳されたシャルティアとの戦闘から間もない時分、プレイヤーの存在などを考慮し行動するナザリックの面々に新キャラクターが登場します。1話冒頭から犬のメイド長やら“ぷっちょ”みたいな頭をしたバーテンダーに執事助手の弱っちぃペンギンなどファンからすると最高のファンサービスで、とても嬉しい第一話でしたしワクワクもしましたが伏線にしかならないキャラクター達をこんなに登場させて話がまとまるのかと心配な部分でも有りました。(今考えればⅢ期あったからなのですね)原作ファン以外にはわからない部分も多そうで伏線として覚えていられるかはどれだけ本作を真剣に観ているかで変わります。アルベドさんは相変わらず病んでいます。最後に5話までメインとなるリザードマンの長と戦士ザリュースの顔見せをして1話は終わりです。

その後、各集落へと赴き共同戦線を築こうとするリザードマン達とナザリックの面々が交互に登場。この戦いに赴くコキュートスは前述の通りカルマ値が中立の善寄りの為、虐殺や蹂躙といった思考で無く武人として敬意を払い戦いを仕掛けます。これがデミウルゴスやシャルティアなら嬲り殺しでしょう。このオーバーロードⅡでは前半が“善寄り”のコキュートスとセバスが主役のために悪のギルドらしからぬフェアプレイを行うことが多かったですね。なんだかんだ有り、リザードマンが団結しナザリックの新キャラクター達の紹介も終わりました。

5話(笑)シャルティアへの罰(ご褒美)の“アインズの椅子になる”変態プレイと“トカゲックス”というファンの間で作られた新語に笑わせてもらいました。お茶の間に悪影響しか及ぼさない展開目白押しのTHE深夜枠アニメオーバーロードⅡ。その後もシャルティアへの罰を見て歯ぎしりをし壁を壊すアルベドとは対照的に、デミウルゴスの『守護者に座するとは!!』の嬉しそうな声と顔には笑わせてもらいました。アルベドが遠隔視の鏡<ミラー・オブ・リモート・ビューイング>でクルシュ達を見てボソッと一言「羨ましい…」とサキュバスの本能を見せ、閨を共にしてくれないアインズ様とあんなことがしたいと妄想しています。本能だから仕方ないので、アインズ様はいつか男を見せて下さい。(身体無いけど)

ここでも前回の失敗から得たユグドラシルプレイヤーの存在を考慮して動いていて、この先アインズの行動には全て当てはまると考えて良いでしょうね。『氷結の武神』の格好いいサブタイトル通り、死闘(コールドゲーム)を終えた後、コキュートスの進言から己の意志で判断し成長する余地を感じたアインズは喜びます。アインズやギルドメンバーが苦労して制作したNPCたちに対し自分たちの子供であるように接していて、この辺りから守護者に対し成長を促すよう積極的に取り組み始めます。守護者他NPCたちも至高の御方々を神(創造主)や親として崇拝し信頼(信仰)を寄せているので親子のやりとりを見ているようで物騒な話をしていても和みますね。

死から復活した後の朦朧とし舌が回らないザリュースの演技が絶妙で評判が良かったようです。東地宏樹さんはラジオにゲストとして来てらっしゃいましたが、リスペクトを持って演技をしてくださっていたらしく、本作の役者さんはOVERLORDを愛してくれる方が多くて嬉しい。ドラマCDから声優変更が無い珍しいパターンで、付き合いの長くなったレギュラー陣は特に思い入れが強いようです。そしてリザードマン編が終わり次の章へ……カットされていた見せ場など多くありますが構成的にここらで終幕にしないといけません。{/netabare}

ここからは王国編です。
{netabare}
王国編のスタートは、ナザリックの執事『セバス』と、プレアデスのメイド、『ソリュシャン』が活躍します。娼館で奴隷として扱われていた少女をセバスが拾い滞在する屋敷へと連れ帰ります。その後ソリュシャンに彼女の介抱を任せますが、アニメではあえてボカしたシーンがありました。少女(ツアレ)がかかった梅毒や性病、骨折や切られた腱などの傷を癒やしたソリュシャンでしたが、この時ツアレに向かって三日月型の異業種らしい笑みを浮かべ意味深な台詞を言います。

「まずは食べてしまうとしますか」

セバスに“彼女を元の状態に戻すこと”を強調して確認したソリュシャンには狙いが有りました。それはツアレ自身も知らない“お腹にいる胎児を食らうこと”。ソリュシャンはモンスターですが人型なので、下手をすると倫理規定に触れる危険性と、いつ出来た子供なのか娼館であった出来事も連想してしまうのは想像に難くなく、人食が好きな異業種(ショゴス)の描写を察しのいい人と原作既読組が気づく程度にしていました。アニメ版では残酷描写や発言がソフトになっている事が多く、本来なら拷問や人間の使い道と成れの果てまで細かく描写する上、Web版では捕らえた人間を性奴隷として扱うことも当たり前なので、アニメは地上波用の「ダーク(50%)ファンタジー」として作られています。…ですが、これでも顔を歪ませている視聴者は多かったようです。

王都での守護者各員が集まった、報告の義務を怠ったセバスへの糾弾のシーン。これもわかりにくかったですね。アニメからの方はほとんど「?」だったかと。アインズをはじめ守護者各員が集う中、御方への忠義心を試すため、この場でツアレを殺せと言われるセバス。忠義に一点の曇りも無いセバスに選択肢は1つしか無く、自身が招いた最悪の結果に苦しみながら拳を振るいます。これはデミウルゴスが仕掛けたテストでナザリックへの忠義心を試すものでした。創造主である「たっち・みー」と「ウルベルト」の仲が悪かったことや「正義」と「悪」の両極であるセバスとデミウルゴスは反発しあう水と油の性格であることも関係していたようです。ツアレも死なずセバスへの疑いも晴れ、アインズがガルガンチュアを抱えナザリックに戻るシーンで、

「グレーター↓・・テレポーテ~↑ションッ!!」

普段と違うテンションで数人が訝しげな顔に…。実は裏切りの可能性があるセバスの前にナザリックの代表が顔を出すのは如何なものかと、影武者を立てています。影武者CV:宮野真守の能面の彼で、変身能力を持つパンドラズ・アクター。アインズに作られたドッペルゲンガーで〈変身能力〉のあるパンドラズ・アクターはアインズの影武者でもあります。その後、本物が転移してくるというシーンでした。

セバスと行動を共にしているソリュシャンはプレアデスの中でもかなり優秀で、アインズに報告を怠るセバスに心中かなり不満を持っており、彼女はそれでもセバスの言を守り我慢してギリギリまでアインズへ報告をしません。その上で、問題が起きると躊躇いなく裏切りの報告をする有能メイド。事が収束してからの小麦の買い付けで仕事を終え嬉しそうなソリュシャンの顔は密かに好きな部分だったりします。ドラマCDで先行してやったところがいくつかアニメ化したひとつで、出稼ぎに出ているモモンが必要な物が多く出費がかさんで仕方ないと愚痴ります。この資金不足は最終回のゲヘナ作戦において人間から金品を大量に奪い当面の解決に至ります。※ここから王国の人々が出てきますがデミウルゴスちゃんが語っているので人間側には触れません。(嘘です。Ⅲ期への伏線が多くあって、どこが使われるか使われないか不明のためネタバレ防止として触れられませんのであしからず。)

ついにエントマの本性がでました。この戦いは原作から楽しみにしていて、番外編の「ぷれぷれプレアデス」の1期のエンディングテーマ「L L L」をプレアデス達が歌う回(特別編)で少しだけ本性が漏れ出ていました。プレアデスで大きく活躍するのはソリュシャンとエントマですが、他のメイドたちも一期より活躍が多かったかもしれません。丸山くがね書きおろしドラマCDではプレアデスや守護者客員も大活躍なのですが、閑話休題の話ばかりなので大筋にはあまり出てきません。たまに見かける意見で日常系のような回をもっとやってくれという意見も多いようで、だからこそオマケとして存在するファンサービス「ぷれぷれプレアデス」なのでしょう。

最終話直前で姫の狂気を表す作画がイマイチだなと思っていたのですが、12話の最後に出た姫の表情は良かったです。この辺まで来ると特に人間側は3期+その後への伏線が多くなるので感想はやめにしておきます。{/netabare}

【:余談】
{netabare}
東映作品に関わっていた時の“作画は3000枚まで”の制限が役立ったと監督がインタビューで仰ってました。その記事では、「250カットを止められれば50カットをフルで動かすことで躍動感のあるアニメーションが作れるのではないか」という低予算での苦肉の策であり作品をより良い物にしようと思う熱意が語られていました。原作が面白くても、アニメでは全く別の神経をつかうでしょうからアニメが面白くなったのはスタッフ陣の力も大きいのでしょう。次回予告やネット限定配信など、自由度の高さと作品への愛情がよくわかります。オーバーロードに思うことは原作ファンに優しく、ターゲットを限定的な場所へと置いていると感じるところ。興味を持てば持つほど楽しくなっていく作品なので、作品のことを考えている時間が長ければ長いほど印象に残っていく感覚が過去に夢中になったアニメと重なるのだと思います。

前回と同じくラジオもやっていて、2期が決まった時も復活したラジオで初出しでした。情報源や裏話として大活躍しているコンテンツなので興味ある方は聞いてみて下さい。知っている方はOVERLORDにドップリはまっている人でしょうね。仲間です。

そんなラジオでデミウルゴス役の「加藤将之」さんがゲストで来た回はコラボしたメイド喫茶に日野さん含め男3人で行っていました。加藤将之さんはTwitterなどでも作品愛を語っていて原作も熟読しているので理解が深く嬉しい限り。この熱意はオーディオコメンタリーやⅢ期のラジオで再びゲストとして登場した回に聞けますし、もしかするとまた来てくださる気がしますね。間違いなくキャスト陣一番の〈OVERLORD知恵者〉加藤将之さんの話も聞ける「~ナザリック地下大墳墓 定例報告会~」をよろしくお願いします。

同時進行していた「ぷれぷれプレアデス2」も最後まで緩く、原作ファンが喜ぶ設定など入れ込んでいて大いに楽しんでいました。ネットで公開されていた次回予告のノーマルバージョンとスペシャルバージョンも、本編で活躍のあまり無いキャラクターが出演するなど嬉しいものでした。
{/netabare}
最終話:感想
{netabare}
最低の作戦、英雄と崇められる者が実は極悪人というマッチポンプはお見事です。流石のカルマ値【-500】【極悪】ヤルダバオト(デミウルゴス)。ここでは作戦名「ゲヘナ」において使われる魔像や作戦概要などを説明した後、王国側の戦力と適当に戦います。人類にとって強大な戦力かつ重要人物であるイビルアイは、アダマンタイト級冒険者チーム〈蒼の薔薇〉の一員で種族はヴァンパイア。彼女の知識は長寿の為にOVERLORDの根幹を暴いてしまうキャラクターらしく、書籍でも多くは語られていません。作中屈指の人気であり人気投票4位!アニメでも結構活躍しました。Ⅰ期Ⅱ期Ⅲ期と人気投票上位の特に目立ったサブヒロイン達がいて、Ⅰ期がクレマンティーヌ、Ⅱ期はイビルアイ、Ⅲ期は「―――」(お楽しみに~)

打ち合わせ通りの戦いが始まり、メイドのユリとシズが共闘しイビルアイと戦いますが、二人相手にも結構いい勝負をしするイビルアイ。エントマはイビルアイが使う殺虫スプレーのような魔法への相性が最悪だった為大きく不利な状況でしたが、肉弾戦を得意とし防御魔法も貫通させるユリと、銃火器での援護が出来るシズはイビルアイと相性が良い組み合わせでした。ナーベラル曰く、相性が良くても一対一だとユリとシズよりイビルアイが上まわる可能性が高いようです。激戦が繰り広げられる横では戦っているはずのメイド達とナーベラルが仲睦まじく歓談をしており微笑ましい。「人間の名前を記憶できる?」なんて話をしていました。彼女たちは姉妹として作られていて、全員同じ部屋で暮らす仲良し姉妹だそうです。英雄モモンとイビルアイが初めて対面する時、エントマを戦闘不能にしたイビルアイにナーベラルが怒りを隠しきれなかったのは“家族”を殺されたかもしれないと思ったからで、もしヤルダバオトが間に入らずイビルアイがエントマを殺していたなら、ナーベラルが飛び出す前にアインズがイビルアイを殺していたかもしれません。勿論状況把握や利用価値も考え短絡的にならないようにする可能性もありますが、アインズには自分たちが作り上げたNPCに対してそれほど愛情があり、NPCたちもそれぞれ絆の深い者がいます。ユグドラシル(ゲーム)運営が作ったNPCとは思い入れが違うのは理解できますし、ましてや体感型だった所から現実世界になった上、この世界で唯一の仲間(家族)たちなので、考えてみれば当たり前かもしれません。

ヤルダバオトとの戦闘時モモンが使ったのは魔法ではなく魔法力を持った槍と剣でサブウェポン。剣士状態(漆黒の英雄モモン)の時は魔法が使えないため、補助の属性攻撃として携帯しているアイテムでした。この時使った氷の剣“フロストペイン”はザリュースのものではなく、模倣した結果本家の性能を超えた自作物。ヤルダバオトが驚愕に慄いているのは演技ではなく本気でこの剣の存在を知らなかったようです。書籍ではもう少し戦うのですが尺の都合上コンパクトになっています。Ⅰ期の時にハムスケとの戦闘が劇場版で追加されることもあったので、もしまた期間が開いてⅣ期をやるなんてことになったら補完のために劇場版を作って欲しいですね。劇場行きます!!{/netabare}

これにて最悪最低のマッチポンプも終わり続章へと進んでいきます。
{/netabare}
そして――2018年7月から3期がスタート!!

今度はナザリック陣営も大活躍!!!


刮目して待て!!! わたし!(・∀・)←

投稿 : 2024/11/02
♥ : 39

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

偉大なる御方に、忠誠を…。2期は守護者達の成長とマッチポンプ、そしてある種は傅き、ある種は野心を覗かせる…

物語には全て面白いと言う事は無いと思う。
この2期は次への準備、料理で例えると食材を集めて調理をしているって言う感じでしょうか。
この作品だけでも目を惹く物はありました。勿論1期を観てないと『?』となりますが。


原作(ラノベ・Web版)・未読。
マンガ・1〜10巻まで。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


原作を見てる方から少し表現が足りない場所があると聞かされましたが、それでも楽しめました。
ま、私がこの作品が好きだからフィルターがかかってると思います。なので変な感想になるだろうなと最初に謝っておきます。


■…さぁ、統治の実験だ。と+α。(リザードマン編・♯1〜♯5)

NPCだったキャラが自らの思案を巡らせる…。
経験で戦術や戦略を得られる→成長の可能性→成長は変化→さて、絶対的な忠誠は…?

リザードマン編はコキュートスの変化がとても楽しめました。それどころか、リザードマン達の設定も良く出来ていて入りやすかったと思います。
よそ者を嫌い閉鎖的な社会で階級社会。部族間でも交流は盛んでは無い。
アニメを観た感じではザリュース(リザードマン)以外に農耕や畜産などの技術は無かった様に見受けられた。ザリュースのみ養殖の技術がある。
ザリュースは旅人なので『よそ者』に入る。なので周りの風当たりも強い。
簡単にここまでにしておきます。

いやー…色々と妄想を膨らませてくれました。
勿論ナザリックの為の行動もね。
コキュートスの武人としての心構え、戦うとなったリザードマン達の繋がり、需要があるのかな?リザードマンの☓☓☓、ある意味ご褒美のシャルティアさん!(笑)、と、これ以外にもありますがやはり根幹の設定が良いのかな?存分に陶酔する事ができました。

コキュートスの成長、失敗、機転の効いた判断などもうNPCでは無いと…。その後のコキュートスのアメとムチとは果たして…。そしてコキュートスはどう罪を払拭するのか…。
…普通に観ると主人公ポジションがリザードマンになる不思議(笑)


■…情報収集、のち奴隷と出逢う。その後王国にヤルダバオト降臨!…と言う名の…。(王国編・♯6〜♯13。♯6からOPに多少の変化あり)

セバス無双!むっちゃカッコええ!
こーゆー紳士に憧れる!
セバスフェーズ後、王国サイドに事件発生。

■…まず『セバスサイド』から。
「誰かが困っていたら助けるのは当たり前!」、セバスの『親』と言うか産み出した『たっち・みー』の言葉。愚かな行為と分かっていながらも助けてしまったセバス。親と同じその言葉、その行動に「呪いなのか」と苦悩する。
しかしこの行動がある出来事に巻き込まれる火種となり…
と、こんなとこでしょうか。

この作品は色は『黒』と表現するのが1番合うと思いますが、やはり表現出来ない部分とかあるのでしょうね。ソリュシャンの「食べてしまう…」の意味が分からない人も居たと思います。
『ツアレ』がどんな境遇でどんな酷い事をされたのか、そしてソリュシャンは第1期で人間をどうしたのか、そこら辺から考察すると分かりやすいかもしれません。

そして『ツアレ』のフルネームは…
1期に…

しかしソリュシャンはかなり分かりやすかったですがナザリックの住人は(モモンガ除く?)人間に対して嫌悪感を抱いてるのが多いですね。
だから余計にセバスは自身の行動に苦悩するのでしょう。奴隷以外にも助けたり教えたり…セバスはナザリックでは珍しく『弱者救済』を備えてる様に私は感じました。
セバスのこの行動がソリュシャンの「セバス様に…」の発言に繋がるのでしょう。

NPCでは考えられない行動を取ったセバス。(目立たない様に行動しろと命令されていた)
しかしアインズへの忠誠は確か。セバスは如何に自分の失敗を結果で示したのか…、41人に従う犬か、己の意志を正しいとする者か…さぁ、セバスはどうする?

…グレーターテレポーテーション♪!
ア、アインズ様?どうしたの?って最初は思いました。アレでは分からないよ(汗)
私も教えて貰ってあの行動の意味が分かりました。
アインズ様が作った…(以下略)


■…錯綜する智略・謀略。裏側で蠢くものは…。(王国編・王国サイド)

うわー…、いい顔するわぁ。ラナー王女様。
その顔は麗しき顔か…はたまた化物か…。

…六腕、ギャグか?お前ら。

そして『アルベド』の言葉の意味とは?


…『王国サイド』。
貴族達は派閥争いや帝国の進行の話や自分が得をする様な話ばかりの中、王国の裏側で暗躍する『八本指』。これを放置すれば王国が内部から崩壊すると危惧する『ラナー王女』。
ラナー王女にはチカラが無いが『蒼の薔薇』や『クライム』が協力し事にあたることに…
しかし、八本指以外にも厄介な出来事が発生!
さて、王国はどう動く?


これを初めて観た時、「ラナー王女って怖いな」ってのが第一印象です。確かにそーゆー『顔』をするけどあの『智略』がですね。
ラナー王女が見ている『もの』は一体何なのか、本当に『王国』の為?の考えなのか、今後開示されていくのでしょうね。楽しみで仕方ないです!

しかし『ラキュース』、「キャッ」じゃないよ。
中二患ってらっしゃるのか?と、もしくは至高の御方に作られた設定…なわきゃないか(笑)
最終話近くに『恋する少女』も出てくるなぁ。シリアス展開なのに若干笑わせて貰いました。

『ゲヘナ』部分はかなりのネタバレになるのでここでは書かないようにします。どう書いても私の語彙力では表現不足やかなりのネタバレを踏んでしまうので。

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2期で1番気になったキャラはやはり『ラナー王女』。最後までいい顔をなさる。

『ガゼフ』と『ブレイン』が名前で呼び合ったり、『ブレイン』があるキャラの爪を切ったとこも人間パートとしては良かった。

ストーリーはやはり『セバス』ですね。
王国編の時も良かったですがエピローグ部分も中々…フフッ。結婚退し…あ、ワン☆(ネタです)

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オススメするかどうかは私からは何も言えません。
好きな作品なのでちゃんと評価出来てるとは全く思ってないので。
ダークヒーローや1期が面白く続きが観たい方には良いと思います。ストーリーに好みがあると思いますが。

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この作品ってOP, ED曲も結構作り込んでますね。
OP曲は特にストーリーに関わるキャラが出現するので、原作をまだ見てない私はそこで色々と想像して楽しみました。
後は『歌詞』ですかね。両曲共『心情』を表してるのかな?と思いました。
OPは『アインズ様(モモンガ)』で、EDは『アルベド』かな?って。間違ってたらごめんなさい。

コミケでも感じたんですが海外の人(特にアメリカとかヨーロッパ系)は結構この作品を好きな方が多かったですね。
2期1話のED曲後の原作者『丸山くがね先生』の
お礼文も国内外に向けてでしたし海外人気の方が高いのかな?と感じました。

さて、締めもアニメ版のネタで…


『…喝采せよ!』

『…我が至高なるチカラ(3期)に』

『喝采せよ!!』

(2期13話終了後より拝借)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1期よりも面白い

デミウルゴス察しが良すぎて勝手に都合よく解釈してくれるのは相変わらず草
アルベドもやっぱり最高だ
モモンとしての活動量も増えてプレアデスのメンバーたちの活躍見られて最高です。

セバスが紳士的で非常にカッコイイなとしみじみ

2期のおかげで3期が非常に楽しみになったのであった

OP
GO CRY GO OxT
ED
HYDRA MYTH & ROID


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 絶望の幕開け
突如異世界に転移して以来、アインズはナザリック地下大墳墓の主として、守護者たちの偉大なる支配者として振る舞う日々を送っていた。一方で、情報収集と資金獲得のため、冒険者モモンとしてエ・ランテルを拠点に活躍。ギガントバジリスクの討伐など、アダマンタイト級冒険者に相応しいとされる実績を積み重ねていく。そんな中、ナザリックへ帰還したアインズは、守護者を統括するアルベドと人間界で得た情報を含めた現状の報告会を執り行う。

2. 旅立ち
黒雲のモンスターに死を宣告された《緑爪(グリーン・クロー)》。彼我の戦力差は非常に大きいと理解しつつも、ザリュースの進言により戦うことを決意。こちらの戦力を見極めているであろう相手の計算を狂わせる為の策として、過去に壮絶な争いを繰り広げた他部族との同盟を提案する。シャースーリューから許可を得たザリュースは、無事に同盟関係を結んで帰ってくることを誓い、相棒のヒドラ・ロロロとともに《朱の瞳(レッド・アイ)》族の村へと向かう。

3. 集う、蜥蜴人
リザードマンの中で最も屈強な《竜牙(ドラゴン・タスク)》族。その族長ゼンベルは、同盟を求めるザリュースに対して一対一の戦いを求める。戦いに応じたザリュースは、なんとか勝利を収め、心強い味方を得る。そしてすぐにゼンベル、クルシュとともに“一番目の死の供物”に指定された《鋭い尻尾(レイザー・テイル)》族の村へ向かう。そこには、すでにシャースーリューをはじめ、各部族のリザードマンたちが集結していた。

4. 死の軍勢
勝利を収めたことに歓喜するリザードマンたち。敗退したことを深く悔いるコキュートスだが、アインズは敗退そのものを余り気に留めておらず、守護者が戦いから”学び”を得たことに喜ぶ。しかし、敗退した事実に対する罰は必要だとしてリザードマンの殲滅を命じるが、コキュートスの提案とデミウルゴスの助言により、将来的な他種族の統治を視野に入れ、その足掛かりとして支配を目的とした実験を行うべく、再びリザードマン達の元へ行軍を開始する。

5. 氷結の武神
決戦の夕刻、スケルトンの群れからコキュートスが姿を現す。その圧倒的な力を感じながらも、リザードマンたちは意を決して対峙。種の存続を賭けた戦いが開幕する。しかし、想像を絶する守護者の力の前に為す術なく倒されていくリザードマンたち。族長達が放つ渾身の攻撃も、コキュートスには傷一つ負わせることができず、次々に倒されていく。最後の力を振り絞り、シャースーリューとザリュースは一矢報いようとするが……。

6. 拾う者、拾われる者
リ・エスティーゼ王国の王都に滞在し、情報収集を行っているセバスとソリュシャン。ある日、スクロールを購入した帰りに街中を探索していたセバスは裏路地に入り込む。そこで、人目をはばかるように奇妙な布袋が捨てられるのを目にする。その中に詰められていたのは、痛々しい姿の女性だった。救いを求める声に応えたセバスは彼女を屋敷に連れ帰り、ソリュシャンに治療を命ずる。

7. 蒼の薔薇
まだ日も昇らない早朝。ロ・レンテ城内の訓練場でラナー王女付きの兵士・クライムは一人で鍛錬に励んでいた。剣の才能がないクライムだったが、忠誠を捧げる王女ラナーを守る力を得るため、ただ愚直に限界まで剣を振るう。そしてラナーは、親友であり《蒼の薔薇》のリーダー・ラキュースの協力を得て、王国を蝕む裏組織《八本指》に対策を講じようとしていた。

8. 少年の思い
ラナーに命じられ、ラキュースの伝言を届けるべく、《蒼の薔薇》のメンバー・ガガーランとイビルアイのもとへ向かったクライム。ガガーランたちからさまざまなアドバイスを受け、それを胸に刻み込む。その帰路でクライムは、大通りに人だかりができているのを見つける。人混みの先には、暴漢に囲まれたセバスの姿があった。助けに入ろうとするクライムだったが、セバスは一瞬で暴漢を倒してしまう。

9. 舞い上がる火の粉
ツアレを守るため、セバスは犯罪組織《八本指》が経営する娼館へ突入を決意する。協力を申し出たブレインとクライムは、セバスが正面から乗り込み敵を撹乱している間に裏口から侵入することに。裏口の近くで待機するクライムの前に、異変を察して隠し通路から逃げてきたコッコドールが現れる。その護衛は、凄腕が集められた《六腕》の一人“幻魔”のサキュロント。クライムは、彼らの逃亡を防ぐべくサキュロントと対峙する。

10. 王都動乱序章
ソリュシャンの報告を受け、アインズと守護者たちがセバスの屋敷に姿を現す。守護者たちが警戒して見守る中、セバスはツアレに関する報告を上げなかった責を問われる。さらに、ツアレがアインズの前に引き出された。アインズはセバスに対して寛容な態度を見せるが、失態を行動で償うよう告げる。死を悟ったツアレは覚悟を決めて目を閉じる。そしてセバスは--。

11. ヤルダバオト
アインズ・ウール・ゴウンに盾突く行動をした《八本指》を誅殺すべく、ナザリックの精鋭部隊が王都に集結した。指揮官のデミウルゴスの指示のもと、《八本指》の拠点を襲撃する。時を同じくして、ラナーたちも動きはじめていた。レエブン候やザナックの協力も受け、集められた冒険者や兵士たちを編成し、《八本指》の拠点を制圧しようとする。ブレインや冒険者たちとともにそのひとつに向かったクライムは、セバスと遭遇。再びセバスと共闘することに。

12. 動乱最終決戦
イビルアイとヤルダバオトが対峙する中、突如空から降り立ったモモン。イビルアイの求めに応じ、ヤルダバオトに剣を向ける。その圧倒的な強さにイビルアイは衝撃を受け……。一方、セバスたちが乗り込んだ《八本指》の拠点では、クライムたちがツアレを見つけて脱出しようとしていた。しかし、彼らの前に《八本指》警備部門の長であり、《六腕》最強の存在・ゼロが立ちはだかる。ゼロはブレインを強者と認め、一対一の戦いが始まるが……。

13. 最強最高の切り札
悪魔ヤルダバオトによる未曽有の危機。ラキュースや冒険者たちは、次々と現れる恐ろしい悪魔たちに奮戦し、クライムたちは悪魔に捕らわれているであろう人々を助けるべく炎の壁奥深くに潜入していた。そして、人々すべての希望を背負ったモモンが、ナーベとイビルアイを率いてヤルダバオトと対峙する! 激戦の中、建物の陰に移動するモモンとヤルダバオト。モモンは早速ヤルダバオト--デミウルゴスに計画の意図を問いただす。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

65.8 12 秘密で戦闘なアニメランキング12位
ブラック★ロックシューター(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (969)
5180人が棚に入れました
中学校へ進学した黒衣マトは、同じクラスの小鳥遊ヨミと親しくなる。1年間を通じて友情を深めあった2人だったが、2年生になって違うクラスに分かれ、マトに友人が増え始めた頃から、2人は少しずつすれ違うようになっていく。ある日、ヨミが学校を欠席していることを気にかけたマトはメールや電話をしてみるが、一向に通じない。落ち込むマトの携帯に一通のメールが入るが、それはヨミからではなく母からのものだった。「小鳥遊さんが行方不明になり、警察が事情を聞きに来ている。すぐ帰ってきなさい」と…

同じ頃。この世界とは違うどこかの世界で、左目に青い炎を灯し、大型の砲を左腕に装着した謎の少女が、何者かと戦いを繰り広げていた。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

つないだ手と手、離れるとき

この作品は、2012年の冬アニメとして放送された作品です。
これまで他の作品の視聴にかまけて視聴を先延ばしにしてきましたが、2022年の春アニメに「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」が放送されることになりました。

このレビューを書いているのがゴールデンウイーク期間中なので、正しくはもう放送が始まっているのですが、いかにも前作の続編っぽいじゃないですか…
きっと、前作を見ずに視聴すると後悔すると思い、先日視聴したOVAに始まり急遽視聴することにしました。

実は、続編の前作未視聴という理由で、新作作品を録り貯めている作品が結構あるんですよね。
例えば、2022年の冬アニメで放送された「最遊記RELOAD -ZEROIN-」が私にとって該当する作品です。

テレビアニメ『幻想魔伝 最遊記』:全50話
テレビアニメ『最遊記RELOAD』:全25話
テレビアニメ『最遊記RELOAD GUNLOCK』:全26話
テレビアニメ『最遊記RELOAD BLAST』:全13話
これに加えて劇場版やOVAまで制作されているんです。
最新作を視聴するのに、100話以上視聴しなければならないと知り軽く心が折れましたね^^;
今は時間的に視聴は難しいですが、これだけ続編が制作されているのは面白いからだと思うんです。
いつか、時間を取って視聴したいと思っている作品の一つです。

話題が思い切り逸れてしまいました^^;

この作品には2つの世界があり、それらが同時並行的に動いています。
一つは「現実の世界」、そしてもう一つが「虚の世界」
公式サイトには、それぞれの世界に対するINTRODUCTIONが掲載されていました。


Introduction A「現実の世界」

春。散り始めた桜の下で、2人の少女が出会う。

ひとりは、黒衣マト
――天真爛漫な笑顔の裏に、
彼女自身すら気づいていない"想い"を抱えた少女。
そしてもうひとりは、小鳥遊ヨミ
――凛々しくも大人びた表情に、
誰にも打ち明けられない"秘密"を隠した少女。
時おり寂しげな顔を見せるヨミに、
マトはなぜか心かき乱される。
一方のヨミもまた、
くるくると変わるマトの表情に吸い寄せられていく。
まるで自分の欠けている部分を、
相手のなかに見出したように、
引き寄せられていく2人。
初めは遠慮がちに、
でもいつしかしっかりと握られた手と手。
運命の糸に導かれるように、
マトとヨミは"絆"を結ぶ。

だが、やがて明らかになる、ヨミの"秘密"。
そしてマトが胸の奥に秘めていた"想い"。
少女たちの心と心がぶつかりあい、
叫び声を上げ始めるとき。
そのとき、世界は変わり始める。
鋭く胸を刺す痛みとともに。
誰も予想していなかった姿へと……。


Introduction B「虚の世界」

虚の世界。崩れ落ちた廃墟で、2人の少女が斬り結ぶ。

ひとりは、
意思を秘めた瞳に青い炎を宿す少女
――ブラック★ロックシューター。
もうひとりは、
鮮やかな緑の閃光を身にまとい、自在に鎖を操る少女
――デッドマスター。
人知を越えたスピードで疾走し、
2人の少女は空中を飛び交う。
次々と繰り出される攻撃に、
まるで耐えかねたかのごとく大地は割れ、噴煙を上げる。
まるで自分の秘めた"想い"をぶつけるように、
交錯する2人。
運命の糸に導かれるように、
少女たちは戦いに没入する。

そんな2人の様子を、
不気味な笑みとともに見つめる謎の存在、
ブラックゴールドソー。
終わることのない戦いの終わり、
始まりのない世界の始まり。
答えのない謎かけのように、
煌いては消える火花。
そして世界は、永遠のなかに閉じ込められる。
全身を揺るがす鈍い悲しみとともに。
彼女はこう口にする。

「わたしは"ブラック★ロックシューター"」と。


ここまでが、公式HPのINTRODUCTIONになります。

まず、虚の世界でもバトルシーンの迫力と躍動感が半端ありません。
正直とても10年前の作品とは思えないクオリティの高さなんです。

…と思ったら、バトルシーンは3DCGで描かれていたんですね。
何でもこれが「サンジゲン」さん初の制作元請けの作品なんだとか…
現実世界がセル画で、虚の世界が3DCGで描かれるというギャップも作品のインパクトに功を奏していたのではないでしょうか。

一方、物語の方はOVA版より相当深掘りされています。
人間の承認欲求、友情、絆といった心に痛みを感じるところをグイグイ抉ってくる感じ…
きっと物語自体はフィクションですが、自らの心の痛みは自分で背負わなきゃいけない、という当たり前の現実に通じる部分があるからだと思いました。

オープニングテーマは、supercell feat. 初音ミクによる「ブラック★ロックシューター」
エンディングテーマは、supercellさんによる「僕らのあしあと」
「ブラック★ロックシューター」は久しぶりに聞きましたが、やっぱり良きですね^^

1クール全8話の物語でした。
この尺の長さも珍しいと思いますが、ラストまで視聴してようやく現在続編が放送されているかが理解できました。
「ブラック★ロックシューター」自身の物語は終わっていなかったんですね。

これでようやく新作「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」を視聴することができます。
気持ちの熱いうちに早速視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ブラックロックシューター 逃避と再生の物語

イラストレーターのhuke氏が姿を与え、ryo氏と初音ミクが心を与えたキャラクター"ブラックロックシューター"から生まれたアニメ。脚本は鬱物語の脚本に定評のある?岡田麿里さん。

本作に先立ってOVA版が2009年に公開されており、こちらは2012年の製作のノイタミナ枠のテレビ版。いずれも視聴しましたが、それぞれ独立した物語の趣があるものの、テレビ版がOVAの物語を補完する役割を担っている様にも見えるので、視聴する順番をあえて決めるとしたら、やはり公開順通りOVA→TVと観た方が良い様に思えます。私は逆順に観てしまいましたのでOVA版の方をあまり楽しめませんでした(汗)

少女達の友情とも恋愛ともつかぬ傷つきやすい感情とともに、逃避と再生の物語を「現実」と「虚の世界」、二つの世界を通して描きます。

登場キャラは何事にも前向きで真剣な中学生の主人公のマト、マトの幼馴染で優しさに満ちたユウ、静かで大人びた雰囲気の帰国子女のヨミ、ワガママイジワル少女のカガリ、明るく元気、乙女な心のこはっち先輩、そしてミステリアスなさやちゃん先生。主に以上の6人。他に「虚の世界」の住人が何人か登場します。

「虚の世界」におけるバトル描写は圧巻ですが、心象世界に限り無く近い世界を表現するために、血で血を洗う戦いを前面に押し出すのは若干の強引さを感じました。ただブラックロックシューターを動かしたかっただけなんじゃないかという気も‥。後半に描かれる戦いから外れた表現については好感が持てましたが、終始無言で戦っているばかりの印象があるので全体的に観るとやはりバトル偏重の表現が気になりました。

現実世界について、この物語で描かれる様に、男子でも女子でも、体が成長し切って性差が顕著に表れるまでの時代は、恋愛の対象が同性だったり異性だったりする事は珍しくないと思います。友情という言葉で繕われてはいますが、好意を寄せる相手にとって自分が一番でありたいという気持ちや、優しさを惜しみなく謙譲したい気持ち、身を粉にしても守りたいと思う気持ち‥こういうのは必ずしも異性に向けられたものではなかったと私自身は記憶しています。成長して、自分の肉体を段々好ましくないものと思い始めると、だいたいの人の場合は、好意の対象を自然と異性に移していくものですが、その当たり前の流れをものともせずに、精神的な繋がりを求めて大人に至るまで同性、異性、係わり無く、恋愛の対象と出来る人も少なからずいるのも事実です。

おと子供達がこういったゆりゆりした物語に感動させられてしまうのは性別を好ましい形に置き換えて、少年時代に同性に抱いていた、懐かしい恋愛に似た思慕の情を思い起こさせ、郷愁に浸る気持ちで感動出来てしまうからなのかも知れません。

女の子達がBLについつい思いを馳せてしまうのも多分同様の理由で、自分自身の性別についてまだ明確な認識の無かった子供時代に同性に対して抱いていた恋慕の情を、そのままの形ではなく、やはり男性という好ましい形に逆転させて、思い出を懐かしむ様な気持ちで愛でてしまいたくなるのが原因ではないかと私は思っています。

OPテーマ「ブラック★ロックシューター」について、ボーカロイド「初音ミク」による歌声は、人によるものとは情感の表現において明らかに劣っていますが、心の無いものから発せられる声は何故か物悲しく哀れみを帯びていて感情を揺さぶられてしまいます。ボカロの声にあまり好意的で無い人がいる事はわたしも知っていますが、この曲と「初音ミクの消失」だけは、これを機会に多くの人に聴いてみて欲しい曲だと思ってます。アンドロイドの悲しみに滅法弱いわたしはあれを聴いた時、泣いてしまいました。

EDテーマ「僕らのあしあと」こちらを情感たっぷりに歌い上げるのは当時ryo氏を中心とした音楽ユニット「supercell」のゲストボーカルとして参加されていたこゑださん。当時のryo、huke、両氏の心情を如実に表している様でもあり、味わい深いものがあります。

最後まで観終えて(!以下ネタバレがあります。視聴後にお読み下さい)
{netabare}
後半さやちゃん先生の目的が明らかになりますが、大切な友達を守るためとは言え、むしろ罪滅ぼしのつもりで、何の関係も無い純朴で優しい子供たちの心を次々と傷付けていく行為には、憤りが湧いてくる気持ちもありましたが、物語の荒の様なものも感ぜられました。マトもヨミもカガリもこはっち先輩もかわいそ過ぎる‥。もし現実にこんな事あったら、修正出来ないほど悲惨な事態になる事の方が多いのではと思います。もっとも、それが修正出来てしまうのが奇跡も魔法もあるファンタジーの良いところなのですが‥(笑)

憎しみや悲しみ、愛情や嫉妬を乗り越えて辿り着いた大団円には深い安堵感を覚えました。でも、苦悩にまみれて傷つき、嘘で繕い欺いた過去のもう一人の自分の姿をしっかりと見据えて、自分自身を好きになり、全き者となるなんて、大人だってそうそう出来るわけではありません。少女達の2つの世界での戦いは、まだまだ続きそうな予感がします。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1曲の歌から作られた「心のつながり」を扱った物語。十分な出来じゃないか!

OVA視聴済み。

「ブラック★ロックシューター」というボーカロイドの曲から作られた物語です。

主人公の黒衣マト(くろいまと)は、中学生活を始めたが、同じクラスの小鳥遊ヨミ(たかなしよみ)と親しくなることで、周囲の環境が変化していく。
その頃、どこか別の世界ではブラック★ロックシューターが何者かと戦い続けていた。
通常世界のキャラクターと、精神世界のキャラクターが密接にリンクするストーリー。


十分な出来じゃないか!

迫力のあるキャラクターの動き、色鮮やかな世界、スピード感あふれるアクション。
映像作品としてだけでも楽しめました。

ただ、精神世界での戦いと日常の作画に差がありすぎたのがちょっと残念。

設定に関していえば、世界観の説明不足があります。
しかし、何でもかんでも説明し尽くしてしまうと、キャラクターの行動に矛盾が生じたり、ご都合主義な展開が目立ってしまうんですよね。
世界観を小出しにしていったのは、プラスに働いたと思います。

そして、要所要所に歌詞と全く同じセリフが出てくるのも、忘れちゃいけないポイントです。
視聴前に歌詞を見ておくといいかもしれません。
内容、セリフともに歌詞と上手に繋がっています。

たった1曲の歌から作られたアニメとしては、ストーリーも演出も満足のいく仕上がり。


テーマは「心のつながり」です。
人間はそれぞれ自分の「色」を持っている。
しかし、他人と触れ合うことでその色は混じり合い、やがて濁ってしまう。
そんな真理を「コトリトリ」という本のエピソードを通して表現しています。

また、中学生という多感な時期の少女の心。
ちょっとしたことで、心が大きく傷ついてしまいます。
それが、異世界での激しく、そして痛々しい戦いとして描かれています。


みなさんのレビューを読むと、「意味が分からない」という意見が多いようですね。
世界観が明らかになるのは後半ですし、前半は抽象的な表現を使っているので、流し見していると、たしかに意味が分からないと思います。

↓分からなかった方はこちら(私の解釈です)↓
{netabare}
心が傷つくたび、その傷を異世界の自分が、肉体的ダメージとして代わりに引受けてくれる。
そして、異世界の自分が死んでしまえば、その傷は綺麗さっぱりなくなってしまう。
その影響は現実世界にも及び、「忘却」という形で心の奥底にしまいこまれてしまう。

他人や自分が傷つく(他の色に染まる)のを怖れ、心を開くことなく暮らしてきた黒衣マト。
おかげで彼女の分身であるブラック★ロックシューターは、力を隠し、常に戦い続けています。

一方、現実世界での苦しみに耐えきれず、精神世界のストレングスと役割を交換した神足ユウ(こうたりゆう)。
ここから、現実世界と精神世界は互いに行き来できることが分かります。

そして、この二人の立場から、心のつながりによって生じる「痛み」をどう扱うか描いています。
心の痛みの原因を作らないようにするのか、心の痛みから逃げるのか。

自分のせいでヨミがおかしくなってしまったと思ったマトは、現実世界にいたユウ(=実はストレングス)の力によって、精神世界に行くことになります。
しかし、それがブラック★ロックシューターの本当の力を目覚めさせてしまうことに……。


コトリトリのエピソードにあるように、人間の持つ色は、混じり合うとどんどん濁ってしまいます。
しかし、そうしないと人間は繋がっていけないものです。

異世界での戦い、そして、ストレングスやサヤ先生の呼びかけの中、人間は傷つけ合わないと、本当の意味で繋がっていけないことを知ったマト。
彼女は、自分を傷つけ、人を傷つけ、そうやって繋がっていく方法を選択……つまり、心を開き、世界の壁を壊すことを決意しました。

そして、最後に放った光は七色に輝き、真っ白な世界を作り上げました。
その時に混じり合った色は、絵の具の色ではなく、光の色だったのかもしれません。

すべてが終わり、精神世界にいたマトもユウも現実世界に戻ってきました。
この後も、精神世界での戦いは続くでしょうが、それはお互いがいがみ合っているからではなく、そうしないと人は繋がっていけないから。
好きだからこそ、傷つけあい、本当の友情をはぐくんでいく。
そうやって、彼女たちは大人になっていく、という物語です。
{/netabare}

8話という短さですが、内容は濃いです。
もっともっと評価されてもいい作品だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 44

64.7 13 秘密で戦闘なアニメランキング13位
対魔導学園35試験小隊(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (695)
4147人が棚に入れました
魔力を持つ人間が滅びようとしている世界ーー武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。残存する魔力の脅威を取り締まる『異端査問間』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。そして、そんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ばれる、劣等生たちの寄せ集めだった。しかし、ある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが-ー。

声優・キャラクター
細谷佳正、上田麗奈、大久保瑠美、白石涼子、伊藤かな恵、野水伊織、遊佐浩二、山田奈都美、安済知佳、三木眞一郎、赤羽根健治、関根明良、津田健次郎、三咲麻里、三瓶由布子、小日向茜、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・・私と宿主は最強ですから」

この作品の原作は未読ですが、ラノベ原作の異能バトルラブコメ・・・このジャンルを認識した時点で視聴は決定なのですが、主人公に細谷さん、ヒロインに白石さん、伊藤さん、野水さんと強力なキャストが視聴を後押ししてくれた作品です。

物語の舞台は魔女を取り締まる「異端審問官」の育成機関である「魔導学園」
戦いのスタイルが剣から銃に移り変わる中、主人公である草薙タケルは刀しか使えず、周りからは半端物扱いを受けてきました。
この学園では小隊と称するチームで動き、任務に応じたポイントが与えられる事になっているのですが、タケルが率いる35試験小隊は、他の小隊に入れない劣等生で構成されており、ポイントもままならない状況でした。
そんなある日、この35試験小隊に何故か超エリートである鳳桜花が入隊してくるんです。
そしてエリートと劣等小隊の初の任務に赴き・・・物語が動いていきます。

まず、主人公のタケルが格好良すぎです^^
彼は家族や仲間をとても大切にしています。
「それを守るためなら世界中を敵に回してでも俺は守る・・・守らせて欲しい・・・」
そう有言する彼はそれを全力で実行しようとするんです。

彼の扱う刀は決して最新の武器ではありません・・・
きっと異端審問官としてこの道を極めていく上でのハンデになるのかもしれません・・・
でも、彼の情熱と気迫が・・・そんな事を微塵も感じさせないんです。

そして彼は強いだけではありません・・・
「俺にも半分背負わせてくれ・・・」
これまで誰にも言えなかったトラウマ・・・怒りで狂いそうになった出来事・・・覚えていないことに対する不安・・・
物語の進展に伴い明らかになるメンバーの苦しみを決して一人で背負わせようとはしないんです。

今まで35試験小隊は、周りから落ちこぼれの吹き溜まりのように思われてきました。
でもそれは全てを曝け出せなかったから・・・意地でも自分の考えを曲げなかったから本当に折り合う事ができなかった・・・
一人・・・そしてまた一人と心の内を明らかにして皆んなが本当の意味で繋がった時・・・きっとこの小隊は最強の小隊になるんだと思います。
・・・と思わせる位、主人公のタケルは格好良かったですね^^
細谷さんの声質も主人公に合っていると思いました。

そして小隊は主人公と以下の4人で構成されています。
鳳 桜花(CV:上田麗奈さん)
西園寺 うさぎ(CV:大久保瑠美さん)
杉波 斑鳩(CV:白石涼子さん)
二階堂 マリ(CV:伊藤かな恵さん)
タケルとヒロインの距離・・・物語の回を重ねるごとに確実に縮まっていきます。
劣等生の集まりといえど皆さん可愛い子揃いである上、容姿端麗、ロリ巨乳、すげー巨乳にちっぱいとどこにもスキがありません^^;
タケル・・・全く羨ましい限りです^^;

でもタケルが羨ましいのはこれだけじゃないんです・・・
表向きはタケルの妹とされているラピス(CV:野水伊織さん)の存在が半端ありませんでした^^
彼女の特性上、ヒロインの様に常に登場する訳ではないのですが、作品の中でタケルが格好よく見えたのは間違いなくラピスの功績だと思います。
「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・」
彼女のこの台詞を機に状況が一変します・・・ここから先は鳥肌モノの展開の連続です^^

オープニングテーマは、アフィリア・サーガさんの「Embrace Blade」
エンディングテーマは、いとうかなこさんの「Calling my Twilight」
いとうさんの曲、何て格好良いんでしょう・・・初めて耳にした時から完全にハマりました^^
今期のアニソンBEST10の上位に入る曲になると思います^^

1クール12話の作品でした。でも・・・伏線色々回収されていないですよね^^;
というか、謎を増やして終わったような・・・^^;
続編への布石なのでしょうか^^?
そうだと嬉しく思います♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

浩平 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アスタリスクのような王道展開でもなく、キャバルリィのように目を見張る戦闘描写もないが、派手さは無いものの安定したつくりで個人的には最も心惹かれました

第1話を見た感想としては、面白いと思いました。
継続して視聴しようと思います。


第3話ではアクションたっぷりで面白かったです。
それにしてもラピスちゃん可愛いなぁ
ずっとあの低めのテンションでしゃべるのが、たまらない(*´ω`*)
そして有能感が溢れ出てる!

ところで、なんか想像してたのと違う方向にアニメが進み始めました。
予想外だけどかっこよかったです!!

そういえば、タケルはあんなに強いのに、なんで皆から馬鹿にされてる35小隊にいるんだろ??
その辺の事もいつか分かるのかな?

新キャラも出てきてますます展開が楽しみになってきました!!


第5話では長らく廃止されていた「魔女狩り祭」が復活!
祭りで使われる特殊貨幣が現金と交換可能と聞いたタケルは俄然、やる気を出し始める。現金には弱いわけね(笑)

お風呂からの流れはお約束だったけど、やはりああいう流れはニヤニヤが止まらりませんね(笑)

さりげなく「私というものがありながら!!」 とか言っちゃって完全に彼女気取りのマリちゃんも可愛らしい。

4話5話と尻上がりに楽しくなってきました。 掛け合いも相変わらず面白い。


第7話では、ハーレム展開が進む中、闇が深い感じの子の当番回となり見るのが楽しみでした。

戦績表を見て、作中ではかなり功績上げてるように見えるのにこいつらまだビリなのかとTVにツッコミを入れてしまいました。

『私が何をしていたか教えてやってもいいが、お前に真実を知る覚悟があるか?』
重要なシーンみたいなセリフですね。
『半分背負う宣言したくらいで、そこの奴らみたいに私が容易く落ちると思うなよ!』
容易く落ちたちょろいヒロインズが猛抗議です(笑)

さて、しばらく学校を休学すると言い残し、学校をあとにする。
居場所をつきとめるも、銃撃を食らってしまう。
うんうん、シリアスな展開になってまいりました。
そして、隠れ家へと急ぐ男と女が1人づつ・・・
このシナリオでまたヒロインが1人落ちるというわけですね、と思っていたら・・・!?
なんですと、このシーンでEDですと(笑)
次週どんな感じで始まるんだよ!!と、ツッコミをいれつつ、次週を楽しみに待っていようと思います。


さて、第9話ではヒロイン全員を攻略したところから始まります。

今回は、シリアス路線が続いた後のコメディ回でした(笑)
30分の中に短編2話という構成でした。

シリアスな戦闘も面白いけど、魔導遺産をめぐってドタバタするコメディ回もありですね。
ヒロイン全員攻略後のハーレム状態になってからの海回とか最高のタイミングです!

来週も期待です!ちなみに私はマリ派です。


第10話を視聴して、妹の様子が、いや・・・かなりおかしいんだが・・・

ハーレムに妹属性キャラが加わった!!
妹のために稼いでいると言っていたが、妹は拘束されている。魔女か何か?

最後の言葉には震えあがりました。
「ねぇ、お兄ちゃん。お願いがあるんだけどいいかな・・・」
「おう、なんでも言え。」
「せっかく皆が作ってくれた時間なんだ。今日はなんでもいう事を聞いてやる!」
「じゃあ・・・キセキを〇してくれないかな」

え、今なんて・・・

また続きが気になる引きで終わらせてくれました。
正にクライマックスと言ったところです。次回も期待が高まります。


第12話を視聴して、
兄の死という強烈なイメージに直面し、その力を暴走させる妹。
妹を殺さなければ、世界が危うい。
妹を救うために自分を犠牲にする兄。
世界のために妹を殺すのか・・・それとも・・・兄妹の運命は?

サブタイトル「限りなき願い」、妹死亡フラグびんびんです。


伏線を残しつつ、終わりを迎えましたがはたして2期はあるのでしょうか・・・?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

設定や物語の作り込みが浅い

原作は未読なので、原作が悪いのかアニメのスタッフが悪いのか
いまいちわからないが、視聴していてわくわくすることも無く
平坦なシナリオ構成で物語が盛り上がらないとても残念な作品。

物語の骨格となる題材やキャラ設定はそんなに悪くないと思えるのだが
世界観や設定もどちらかと言えばス学園部活物にハーレム要素を継ぎ接ぎ
したような、あまりにもテンプレの枠にはめ込みすぎてシナリオ進行が
やっつけで雑に物語の創作をしたよう感じるのは私だけだろうか?

命を落としかねない戦闘や高度な潜入操作を行う異端審問官を養成する
養成機関なのに授業の内容が普通の学校のような授業内容だったり
そもそも35小隊じたいが正式な異端審問官に任官していない学生の身分で
指導員なしで第一線の捜査活動を行っている事に違和感がある
またチームで捜査や戦闘を行っているのにそんな事を微塵も感じさせない
ストーリー展開はある意味すごいな(笑)
それに命を落とす可能性があるバトル物なのに、まるで部活をしているような
シナリオなので物語に緊迫感が無いのは原作者の責任かな
中二病設定の異能力バトルファンタジーを否定するつもりは無いが、創作の
基礎部分が学校部活物の土台では、緊迫感がまったくなくなってしまい
とてもしょぼい物語になってしまっている。
まぁバトルや軍、警察に詳しくない作家が軽率に手を出して失敗をしてしまう
典型だろう

作画は、バトルアクション物なのにいまいち力が入っていない印象だな
戦闘を行う時は必ずと言って良いほど夜間に行っている、これは背景を
暗くして残像を残し動きを滑らかに見せるのと、背景を書く労力を
省くためだろう。まぁ手抜きだな
女の子のキャラデザはかわいくデザインされていて異論は無いが、バストを
無駄に強調した衣装デザインはいまいちだったかな
まぁ乳袋デザインを小ばかにした風潮に対するキャラデザのひとつの回答なの
だろうけど、ダン町の例の紐と良い今回はガンホルスターねえ(笑)
制服と良い、ラピスの衣装などは個人的に好きなだけにちょっと残念だな

声優陣の演技は全体的に不満は無かった、まぁ配役が良かったこともあるけど
音響監督が亀山俊樹さんなので、演技に波がある上田麗奈、大久保瑠美、
野水伊織あたりもきっちり仕上げてある
それに脇役に三木眞一郎さんや遊佐浩二さんなどベテランがきっちり締めて
いたのも良かった。

結論として
時間的制約もあったので第一話から1.5倍でまわしてしまったが、物語的に
面白くなる事もなかったので最後まで時短でまわしてしまったのは残念だな
個人的にはラブコメやそれに伴うハーレム展開などは嫌いではないし、物語の
着想や舞台設定自体はそんなに悪くはなかった。
ただ、創作の時点での設定や物語の作り込みが浅くて、ラノベ特有のどこかで
見たことあるような設定や創作になってしまっていることは否定できないだろう
アクションシーンの作画も手抜きかなと思えるシーンが多かっただけに残念だけど
一話目と二話目にあったラッキースケベ以外は露骨なローアングルなどの演出が
無かった事は評価したい。
原作が終了していないので伏線も撒くだけ撒いて何の回収もしないまま最終話まで
いってしまい続編を匂わせて終了しだけど果たして2期はあるのかな。
おそらく2期があっても視聴はしないだろうけど

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

62.6 14 秘密で戦闘なアニメランキング14位
緋弾のアリアAA(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (556)
3278人が棚に入れました
緋弾のアリアのスピンオフ作品。


武装を許可されたなんでも屋「武偵」を育成する教育機関、東京武偵高校。

ここには一人の先輩の下で、後輩が直接訓練を受ける特訓制度「戦姉妹(アミカ)」があった。

憧れの学園最強Sランク武偵、神崎・H・アリアと戦姉妹契約を結んだDランク武偵の間宮あかりが、仲間とともに奮闘する!

声優・キャラクター
佐倉綾音、釘宮理恵、茅野愛衣、M・A・O、悠木碧、ブリドカットセーラ恵美、堀江由衣、今村彩夏、水瀬いのり、麻倉もも、橋本ちなみ、間島淳司、高橋美佳子、伊瀬茉莉也、石原夏織
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とにかくアリアは魅力的でした

原作既読(^^)♪

AAは緋弾のアリア(本編)のスピンオフ作品。
AAもメインキャラにアクセントは付けていますが、本編のメインキャラと比べると見劣ります。そして百合系なので、好みが分かれると思います。ただ、本編キャラに関してはオリジナルのまま変化は無いので、そこが百合が好みでは無い私にとっては救いです。特にアリアに関しての印象はすごく良くなると思います。本編の緋弾のアリアが好きでも、百合系が好きじゃない人には若干辛いかもしれませんね。
 
12話(最終話)
{netabare}最終話は水蜜桃を逮捕してめでたしめでたしの事件解決でしたが、アリアとあかりは戦姉妹契約の続行をかけて戦う。このあたりの描写や作画はとても綺麗でした。特にアリアは本当に綺麗に描けていて満足でした。基本的にあかりとその仲間の話ですが、個人的には本編以上にアリアの人間性を観ることができたので十分堪能できました。AAを観ると神埼Hアリアが好きになりますね。最後は白雪と金ちゃんも出てきたし、これを機に本編の2クール目を作成して欲しいです。夾竹桃はこの後からいい味が出てくるキャラだから消化不良感もありますが、全体的にAAの世界観は表現できてたと思います。最終話のアリアとあかりの話はとてもよかったと思います。OPはアリアのイメージでとてもカッコ良かったし、EDはあかりのイメージでふんわりした感じの曲で作品のイメージに溶け込んでいました。私は全体的にそこそこ満足できました!!{/netabare}
 
11話
{netabare}夾竹桃との決戦は鷹捲りであっけなく終了。夾竹桃の描写が観たかったので、とりあえず満足ですが、原作とかなり違う流れになっているのは1クールだけだからなのでしょう。夾竹桃はこの敗戦のあと、司法取引で武偵高に転入する。鈴木桃子と名乗るわけだが、桃子になってからの方がとても味のあるキャラになるので原作で楽しんでもらいたい。しかし・・・水蜜桃とは・・・こりゃいかがなものか・・・('ェ')?桃子に姉がいたというTV向け設定は正直いらなかったな。最終話で一応の完結をするための苦肉の展開なのだろうが、こういう適当な終わらせ方は好みじゃないなぁ。これなら、この次の新キャラを出して、2クール目を意識して終わった方がいいのでは・・・?とも思うが、2クール目は最初から考えていないということなのでしょうね。それなら、緋弾のアリア(本編)の2クール目をやって欲しいよ。締めくくりはなんとなく透けて見える感じだけど、夾竹桃の描写もまぁまぁだったし、残りはどう締めるのか注目したいと思います。{/netabare}
 
10話
{netabare}本当に困った時に共に戦ってくれる友人がいることを間宮あかりはアリアに気付かされる。あかりの妹に夾竹桃は2年前毒を盛っていた。毒に侵された妹を助けるため、夾竹桃から解毒剤を入手しようと、あかりは友人たちと夾竹桃逮捕に向かう。夾竹桃の声は堀江由衣さんがかなり雰囲気を出してくれています。夾竹桃の部屋も色合いがイメージ通りです。ここにきて作画も頑張ってくれていますね。次週が楽しみですね~♪{/netabare}
 
9話
{netabare}ようやく面白くなってきました。やはり、桃子とのエピソードまでが1クールなんだな。それにしてもAAのアリアは殊にいい女だね~。アリアをここまで多く出演させてなければアニメのAAは耐えられないかもね~。しかし来週からは面白くなりそうです。作画は随分安定してきたように感じます。来週から局面は大きく展開するはずです。{/netabare}

8話
{netabare}このままあかりの仲間たちの話だけで1クール終えるわけじゃないだろうな…('ェ';) しかし、まぁ~緋弾のアリアファンの為なのか、アリア・理子・レキ・白雪・金次の登場を多くしてる感じ。百合路線での放映に厚みを出すために、できあがったキャラの登場は必要なのかもしれないが、あかりの仲間達に秀でたキャラがいないことを露呈しているようなものだ。
桃子(夾竹桃)VSあかり軍団のストーリーまでやってもらえるとおもっているのだが、この調子だと10話くらいからかな・・・。ここまで引っ張るとは思わなかったが・・・。
まぁ~面白いっていえば面白いし、くだらないって言えばくだらない。そんな水着回でしたw{/netabare}
 
7話
{netabare}いつも通りのお話。放映中は完全にこの路線を堅持するつもりなのかな?百合が好きな方なら楽しめる話なのでしょうか?今日は友達の友達はみんな友達だ的なストーリー。あかりが敵対する二人の心を結び付ける力があるということを印象付ける話。夾竹桃を最後にチラつかせて、来週の水着回も見せようという企てに、私もまんまと嵌るわけですが・・・^^;
来週もたいした話になりそうもないけど、まぁ~観ますよ。 {/netabare} 
 
6話
{netabare}ベッタベタの百合展開・・・AAはそういう内容だから、いくら緋弾のアリアが好きでも耐えきれないところもある。救いはアリアやレキはクールなままというところ。気になるのは作画。目の扱いが雑すぎます。アリアはぎりぎり許せるが、他は雑すぎ。こぶいち氏のキャラは目が特徴的なので、もう少し目に気を配って欲しい。もういい加減、夾竹桃をメインにした話に持っていってくれませんかね・・・。この百合展開の連続じゃ~本編の緋弾のアリアまで霞んでしまうよ・・・。やっぱり緋弾のアリアの2期を先にやるべきだったと思うよ。そう思われても仕方ない。だって、百合好きじゃないと、AAは辛いもんね~。かく言う私も百合好きではないので、若干辛い。緋弾のアリアのスピンオフじゃなきゃ、途中で切ってるかもしれない。単純に夾竹桃待ちなんですよ。アリア・金次・レキ・白雪・理子が出てなかったら、6話まで持たない内容なので、話を進めて下さい!!・・・と思うのでした(´Д`) {/netabare}
 
5話
{netabare} ここまでの話は、間宮あかりの仲間となりうる1年生達の紹介といったところ(まだ仲間になる子はいるけれど)。もう少し丁寧に描き込んで欲しい場面も結構ありました。レキは登場するが、石原夏織さんは準備されてないのね(´Д`)出番が少ししかないから仕方ないか・・・。このペースでいくと、また中途半端な所で終わりそうです。ようやく夾竹桃が登場だけど、どういうふうに描くのか興味深い。堀江由衣さんは好きな声優さんだけど、夾竹桃のイメージじゃないかもなぁ・・・ちょっと不安です。ともあれ、次週以降は、原作通りに描写するのか、脚色するのか謎ですが、原作通りに描写するなら、美しく描いて欲しいものです。 {/netabare} 
 
4話
{netabare}高千穂麗が登場した。AAの基本的なニューヒロイン達が揃った感じです。アリア・理子・白雪を多めに登場させて新キャラのインパクトの弱さをカヴァーしている感じです。AAのヒロイン達のインパクトは正直弱い。アリア・理子・白雪はかわいさとキャラの濃さでAA組より数段勝る。白雪の戦姉妹試験は笑っちゃいました。改めて白雪の偉大さを感じるなぁ・・・。次週はカルテットの後半で、それが終わると、AAで唯一、輝けるキャラが登場するはず・・・。再来週あたりに登場するのかな・・・待ち遠しい。私は楽しく観ています。多忙だけど、毎週観ようと思える秋唯一の作品です~♪{/netabare}
 
3話
{netabare}金次はあかりのスカートがめくれたくらいで、ヒステリアになりかけるとはね・・・w、回避するために川に落っこちたシーンは滑稽だったw随所に緋弾のアリアのヒロインを小出しにするあたりは、ちゃんとファンのことを考えてくれていて嬉しいことです。ライカと麒麟が戦姉妹契約を結び、仲間が増えてきました。これ、緋弾のアリアファンならかなり楽しめるシーンがあるけど、初めての緋弾のアリアの方々にはどう映るのかな・・・?普通に楽しんでもらえてるのかな?金次が頭抱えて川に落っこちるシーンとか単に意味不明な行動ですからね・・・何も知らないと・・・それはそれで面白いかw ライカは1年生の中では強いが、本当は理子みたいな綺麗でかわいい女の子になりたいという願望がある。・・・が、現実は裏腹な自分の行動に葛藤している。あかりはそういうライカの気持ちを汲み取ってあげることができたのでした。[めでたし!]
来週は高千穂が登場します。個性的なキャラなので、どう描くのか楽しみです。まぁ~AAのノリは敵が出てくるまでは、総じてこんな感じです。 {/netabare}
 
2話
{netabare}志乃とあかりのエピソード回だけど、AAが百合っぽい展開であることはもう分かってもらえたでしょう。正直、そこがAAの評価を大きく分ける所だと思う。緋弾のアリアは好きだが、AAは、ちょっと・・・って思う人がいても全然不思議ではない。あかりのグループの話は正直つまらないのです。今後、闘いが始まれば、また展開も変わり面白くなりますが、2話で切られても仕方ない内容です。
レキが廊下を歩いていたが、案の定一言も話さず・・・そこが笑えたw
ここでつまらないと思っても、夾竹桃(1話の最後で理子と話してた子)が出るまでは我慢して観ててもらえたら・・・と思います。 {/netabare}
 
1話
{netabare}画は綺麗です。凛々しいアリアで、こっちの方が本来のアリアっていえば、アリアなんですけどね。戦姉妹契約を結んだあかりが今後気になりますね!!

原作未読の方にも十分楽しんでもらえる展開になると思います。ただ、難を言えば、男の出番が少ないところかな・・・。正直、1年生キャラは夾竹桃以外あんまり魅力ないかも。高千穂はまぁまぁですが・・・w
 
レキ・理子・金次・白雪もちょこっと登場してくれて良かったです。白雪はかわええ~(*´◇`*)橘書画子さんのアリアの画の方がこよかよしのさんのアリアよりも艶っぽさがあるので、見ていて美しさも感じます。
 
最後に夾竹桃が登場しました。はっきりと顔が映らなかったのは残念ですが、AAでは私のイチオシキャラなので、楽しみです♪{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アリアの「A」+あかりの「A」=「AA」

この作品は、緋弾のアリアのスピンオフ作品となっています。本編と内容が繋がっておらず、本編からの登場人物もごく一部なので、この作品から視聴しても違和感は無いと思います。
でも、所々に接点はあるので、登場人物の心情などをより堪能される場合は、本編からの視聴をお薦めします。

この物語の主人公は武偵高校1年生の間宮あかり・・・彼女の武偵としての専門は強襲なのですが、持って生まれた貧弱な体型と能力で成績はほぼ最下位・・・という少し残念な女の子です。

彼女の資質を活かした他の選択肢・・・があるのかもしれませんが、彼女には強襲科である事を絶対に譲れない理由がありました。
それはこの武偵高校の「アミカ(戦徒)」と呼ばれる上級生と下級生でペアを組み、1年間二人一組で指導するシステムがあるのですが、あかりはそのシステムで武偵最高Sランクのアリア先輩とペアを組みたいからだったんです。

アリア先輩とペアを組みたいと申し出る人は星の数ほど・・・
でも「組みたい」と思うだけでその思いが成就できるほどアリア先輩の敷居は低くありません。
それはあかりにとっても一緒・・・

あかりはどうやってアリア先輩の懐に潜り込むのか・・・
本編からこの作品を視聴している方なら、アリア先輩がどれほどの凄腕の持ち主であるかは言わずもがな・・・なんですけどね^^;
でもアリア先輩は正面から向かってくるあかりに妙な違和感を感じるんです。
その違和感には誰も気付かず、百戦錬磨の彼女だから気付けた違和感・・・そのくらい些細な事だったのだと思います。
でもその違和感がきっかけとなり「アミカ見習い」としてあかりは認められ・・・物語が動いていきます。

アリア先輩の背が低いのは、本編を視聴した人ならお分かりかと思いますが、あかりは・・・アリア先輩より背が低かったんですね^^;
アリア先輩の142cmに対しあかりは139cm・・・(wikiより)
伸び盛りの高校生で2年間のブランクがあるとは言え・・・あかりちゃん、あと3cm大きくなれるのでしょうか^^;?
でも、普段の彼女を見ているとそんな事を忘れてしまうくらい明るい性格の持ち主なんです。
それに、彼女の周りには常に誰かがいる・・・という位、人から好かれています。
中にはあかりを好きすぎてどうしようもない・・・と思う人まで現れる始末^^;

意中の人だったら誰にも盗られたくない・・・
こう考えてしまうのは本当に大好きだから・・・だからその感情はごく当たり前の摂理だと思います。
所謂「独占欲」というモノでしょうか^^;
譲れない思いの丈は・・・ぶつけ合えば良いと思います。
多分、お互いにそれが一番納得できるから・・・

こういう展開も悪くないかも・・・と思って視聴していましたが、これらは全て嵐の前の静けさでした。
一つ・・・また一つと剥ぎ取られるような痛みを伴う出来事が勃発し・・・物語が大きく動いていきます。
そして・・・アリア先輩の感じた違和感を回収する形で色々な事が明るみになります・・・

自分を変えたかった・・・でも出来なくて・・・

そう言って泣きじゃくる彼女の進むべき道はたった一つ・・・
事の顛末は是非本編でご確認願います。
熱い展開が待っていてくれています^^

オープニングテーマは、ナノさんの「Bull's Eye」
エンディングテーマは、 Team AA[間宮あかり(佐倉綾音さん)×神崎・H・アリア(釘宮理恵さん)]の「パルス」
エンディングは可愛らしい歌だったと思います^^
あやねると釘宮さんの組み合わせも良いですね^^
そしてナノさんのオープニング・・・無茶苦茶格好良かったです^^
この曲聴いてると歌いたくなります・・・キーも高いし早口英語ばかりなので、まともには歌えないんですけれど^^;
でも、この前お酒の勢いを借りて歌ってみましたが、やっぱりボロボロでした(//∇//)
こういう曲がサラッと歌えると格好良いのに・・・

1クール12話の作品でした。何といってもちっぱいツインテールキャラに釘宮さんが戻ってきてくれた事がとても嬉しかったです・・・久々の釘宮ボイス、目一杯堪能させて貰いました^^
そしてあかり役のあやねる・・・ここのところ大忙しですがあやねるの演技が大好きなので、これからも健康に留意しつつ頑張って頂ければ・・・と思っています^^
そして気になる続編ですが・・・本編とスピンオフのどちらが来るんでしょうね^^?
どちらが来てくれても嬉しいです^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

めっちょん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リッコリン♪リッコリン♪リッコリン♪リッコリン♪ポイポイしちゃうゾ~(笑)

まず作品タイトルの「AA」は「ダブルエー」と呼びます
自分はずっと「エーエー」と読んでました
ちなみにカップのAAは「エーエー」です(笑)
あと運営さんも堂々と間違ってるので直してください(笑)

放送開始前に本編アリアを一気観して引き込まれました

で、スピンオフのこちら
本編1期とほぼ時系列同時に作られてます
「ここが本編のここと繋がる」というふうに観て行けるのも楽しみ方の1つかと思います

本編がシリアス寄りなのに対しこちらはギャグコメディ寄りという印象
その分作品としては取っ付きやすいかもしれません
作品の入り方としてAA→本編→そして合体して2期へ!というのが狙いなのかも(笑)

作画もさすがにかなり綺麗に出来上がってて特に理子りんなんかは神々しさを感じるほど綺麗に描かれてましたね

作画といえば口元のアップがこの作品には多くて気になったのですがちょっと下品に感じました
鼻や口元の作画というのはやり過ぎちゃうと下品に映っちゃうので難しいですね

あとレキの名セリフ「私は一発の銃弾…」をプール回でネタっぽく聞けたのは良かった

本編主人公金ちゃんさんは戦闘では活躍しませんがギャグパートでは大活躍で良い味出してました

物語の主軸となるテーマは主人公あかりの謎をアリアが追っていくことだと思います
武偵Eランク最弱のあかりにはどうしても本気で相手と戦えない理由がありそれは凄く納得できる事でした

アリアに無いものをあかりが持っているというのもこの作品のポイントです
ことあるごとに「ホント変わった娘ね」を連発します
あまり描かれてはいませんがあかりとの関わりの中でアリア自身にも変化があったんじゃないかと思わせられました

ギャグパート
百合ネタが主ですがとにかく性癖だだ漏れぶっ放しで面白いです
どいつもこいつも隠す気さらさらありません(笑)
どうせやるならこの位突き抜けた方がスカっとして笑えてむしろ好みでした

カルテット回
攻撃と防御フラッグのルールが少しわかりにくかったですね

自分の攻撃フラッグ折られてもリタイアというわけではなくて
残った攻撃フラッグを全員で回しつつ防御フラッグにタッチしたら勝ち
みたいな

高千穂チームは相手の攻撃フラッグを全滅させる作戦
あかりチームは相手の防御フラッグを狙う作戦

防御フラッグは隠してもいいし持っててもいい

シンプルそうで割りと複雑な戦略のあるルールでした

見どころは改造スクーターとピタゴラスイッチとレキの人外チート狙撃です

銃弾を体の動きで避けちゃったり現実ではあり得ないことをやってのけちゃうのがこの作品のキャラたちの魅力なのであまり深くは考えず「スゲェー(笑)!!」と盛り上がるのが正しい楽しみ方かなと思います(笑)

夾竹桃
毒マニアで非情で「殺しちゃう」とか言っときながら意外とお間抜けでサービスシーン連発しちゃう可愛いキャラでした

理子りんなんかにも言えますがこの作品の敵キャラたちというのは非常に魅力的に描かれていて敵キャラと言えどけして悪として徹底的に下劣に描いて切り捨てたりしないのは作品としての重要なこだわりみたいのを感じるんですよね
武偵は人を殺さないとか怪我はしてもけして死人を出さないのはこの作品の魅力であり好きなところです

MVPは高千穂麗(うらら)さん
デレると鳥取弁になっちゃう分かりやすさ
あかりを虐めたいとかいう歪んだ愛情
縮む水着を自分で着ちゃうお間抜けっぷり
最高です

ベストコンビ
星伽(ほとぎ)白雪さんと佐々木志乃ちゃん
マジキチコンビ(笑)

OP
英語みたいに歌って何て言ってるのかわからないけどカッコいい
ED
釘宮理恵&佐倉綾音さんユニット良いですね
POWER~♪のハモりが気持ちいい

総評
ぼくも「親睦を深める」とか言ってあかりの胸に顔を埋めたり「そういう子はこうだー」とか言って理子りんに胸を押し付けられたい!

以上でしたm(__)m

先ほども言いましたがアリア本編、AAとも続編が観たいのでどちらかとは言わずまとめて新生アリアとして続編をやってくれたらこの上なくうれしいなと思います

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

74.0 15 秘密で戦闘なアニメランキング15位
血界戦線 & BEYOND(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (405)
2152人が棚に入れました
かつて紐育と呼ばれた街は、わずか一晩で消失した。そこに出現した街「ヘルサレムズ・ロット」。濃い霧の向こうに広がる「異世界」と現世を繋ぐこの地は、さまざまな思惑を持った者たちが跋扈する、「地球上で最も剣呑な街」へと生まれ変わった。そんな混沌とした街の均衡を守るべく、人知れず活動続ける者たち。ブレングリート流血闘術を使う強面の紳士、クラウス・V・ラインヘルツをリーダーに、顔に傷を持つクラウスの右腕・スティーブン、銀髪のチンピラ、ザップ・レンフロと半人半魚のツェッド、不可視の人狼、チェイン・皇と隻眼の淑女、K・K。そして「神々の義眼」を持つ青年レオ……。騒動が巻き起こるとき、そこには必ず秘密結社・ライブラが姿を見せる。路地に響き渡る狂騒と、不埒な怪物たち。愛すべき深淵と、繰り返すカタストロフィ。終わることのない日常茶飯事が今、再び幕を開ける。そして、さらにそのBeyondへ……。

声優・キャラクター
小山力也、阪口大助、中井和哉、宮本充、小林ゆう、緑川光、折笠愛、銀河万丈、宮野真守、藤原啓治、内田雄馬、水樹奈々
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

異常がこの街のBGM

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
厨二系バトルものとして、かなり完成度が高い作品。個人的には1期よりも更に好きでした♪

レビュータイトルは、1話の次回予告から。この作品に、あの街に、ぴったりだと思ったので。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ノリと勢いで我々視聴者を圧倒してくれた1期は、主人公のレオ君の物語でした。アニオリ展開を交えつつ、かなりクオリティの高い「痛格好良い」作品となっていました。

一方、2期にあたる本作は、レオ君の所属する組織、「ライブラ」の面々を主役にした、サイドストーリーの集合体のような構成になっています。1期では、「なんか分からないけど格好良くて強い人達だな」と思っていたライブラの面々のキャラが深まり、作品にグッと深みを与えていました。

でも、最終話(2話またぎ)ではちゃんとレオ君を主人公に据え、熱いバトルで彼の成長を見せてくれるというニクイ展開に感心。視聴後にこんなにスッキリするアニメも珍しいです。

個人的に、圧倒的に面白かったのが10話のK.K回。つかK.K、そんなキャラだったんかい(笑) コメディ要素が強くて素直に笑えたし、その中に熱いバトルや切ない展開もあり、何度でも観たくなる良回でした。あぁ、人妻に萌えてしまった(笑)

他にも、スティーブンの黒(恐)格好良さも最高だし、チェインの残念な乙女さも最高でしたね♪

このように、サブキャラが深まった一方で、メインのストーリーは全くと言ってよいほど進行しませんでした。

もし3期があるのなら(絶対あってほしい!)、足場は固めたと思うので、いよいよ「血界の眷属」との本格的な対決や、「ヘルサレムズ・ロット」の真実など、ストーリー的にも魅せてほしいな~と思っとります!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
御新規様に翻弄感を味わってほしくて、あえて説明省いてるのかな? グロいな~。ギャグにはしてるけどね。相変わらずの厨二感。まあ、突き抜けてるからいいけどね。ドタバタの中でキャラ紹介ですね。EDが一番に期待されるなか、次週に持ち越しですか。歌だけ聞かせてワンクッション作戦?

2話目
過去編含め、なかなか面白い。ラブ臭?(笑) 新キャラ、活躍しそうだね、医者だし♪

3話目
ザップ、ダメ男w 乳首をとるなや。ホームパーティなんて、別世界の出来事。あっ、半分別世界かw ヤバい裏社会。スティーブンの怖さ、格好いいな。バーのクダリ、チェイン可愛かったが、その後の生首電球は怖かったわ。てか、Cパートw

4話目
次長死ね~w 1期以来の登場w チェイン、片付けられない女だったのかw 汚部屋をスティーブンに見られたくないという乙女心が、現世との楔。良いね♪

5話目
ギルベルト回。底が知れないな。ガンダムとか乗ったら戦況を変えられるな(笑) 最後、誘い断るんかいw

6話目
良くわからんかった。相手は小者なのに、なんか大袈裟な悪事ができるの? 虫は偶然?

7話目
ツェット回。相手によって怒り方変えんのかよ。は格好良かった。

8話目
レオの友達系の話、好き♪

9話目
ちゃんと落ちまで決まっていて良かった。

10話目
タチコマかな?(笑) スティーブン、腹黒いわ(笑) K.KがKOされてるw 父親、メッチャ良い人がやん(笑) K.k、メッチャウケる(笑) こんなキャラだったんかい(笑) 結末も良い。娘を見て、一瞬動きを止めたブラッドブロード。歌も良かった。

11話目
2話跨ぎ。アニオリっぽい? 分かんないけど。

12話目
熱いな~。レオ君の純粋な肉弾戦。クラウスさんの必要以上の強力な攻撃にも、心が震えた。ここまでおちゃらけた作風の2期も、最後は熱い展開で閉め、異常な日常に落とし込む。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

具体的にどこがどうとは説明できないけれど前作より好き

<2024/5/16 追記>
視聴完了、録画、Blu-rayにコピー済み
自分の中で評点の基準を変えたので、修正レビューです。
(4.5→4.2)

この2期が好きでした。
↓レビューに書いた通り、わかりやすいし没入感もあった
3期やってほしいなぁ
100点満点換算だと80点

<2017/12/27追記>
最終回観終えました。

新八演ずるレオが最後頑張った。
神々のメガネが大活躍。

やっぱり一期よりはっきり良いですね。
何やってるかわかるし、お話がスッと頭に入ってくるし。
原作が良いので素直に楽しめました。

キャラクター一人一人の掘り下げも嬉しかった。
(つか一期では原作のそういう回をほとんどやらないで、絵ヅラでカッコ良さそうな回だけやってた印象が)

というわけで感想を一言で言うなら「監督って大事」でした。

<2017/10/14初レビュー>
前作視聴済みです。

かつてニューヨークと呼ばれた深い霧に包まれ化け物が跋扈する街「ヘルサレムズ・ロット」が舞台です。
なんとなく「ザ・ビッグオー」な感じ。

そんな「ヘルサレムズ・ロッド」での化け物どもと秘密結社ライブラの闘いを描いています。

主人公のレオは{netabare}「神々の義眼」と呼ばれる特殊な眼{/netabare}を持つ少年。この街に住み、ピザ屋の配達の傍、秘密結社ライブラで働いています。
中の人は新八です。
なのでツッコミキャラです。
メガネの代わりに{netabare}神々の義眼{/netabare}です。
そして弱いです。

ライブラの他の面々は皆桁違いに強く、技の名前を熱く叫びながら敵を一撃で屠っていきます。
シャイニング・フィンガー的なノリで。

でもレオは例外。
新八なので弱くてヘタレです。
皆に助けられながら、時折根性見せたりもします。
そんなところも新八っぽい。

見どころはちょっと不思議でおしゃれでクトゥルフな感じの世界観と熱いバトル、そして時々新八他が見せる根性だったり人情だったり。
こういうのかなり好きです。

特に今期は良い。

前作はただでさえわかりにくい世界観やシナリオを尚更わかりにくく仕上げてる。
繰り返し観てもなかなか頭に入ってこなかった。

今作は具体的にどこがどう違うとか説明できないのですが、一回でするっと入ってきました。

監督替わったせいだろうな 笑

<2017/10/20追記>
第2話を観て
また新キャラ出てきました。
色気ゼロな感じの女医さんルシアナ。
三年前にクラウス達が出会った時は立ち寝で爆睡してました。

そんなルシアナさんとクラウス達は{netabare}三年ぶりに再会。
新八と大怪我して全身の骨が砕けたザップと一緒です。
再会したルシアナさんは分裂できるようになっていました。
分裂すると子供になっていきます。
でも合体するとお姉さんっぽくなります。

そんなところへ血の眷属(吸血鬼)がペットを連れて襲ってきます。
クラウスが新八と連携して撃退。{/netabare}
そして今日のMVPはザップなのでした。

こう書くとさっぱり分からないけれど、なぜかすんなり頭に入ってきました。
面白かった。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
現時点では4.3!
やっぱ前作より全然面白い!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

ZORRRO さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

各キャラパートみたいなのが良かった。

【ストーリー・キャラ】

引き続き色々激しいアニメですが、1期に比べて裏表のないストーリー展開でした。
安定すぎるライブラメンバーのおかげで敵が小物に見えますね。
もちろん、ピンチ!な展開もありますが、みんな強すぎて謎の安心感があります。

上にも書きましたが、全員でなくとも各メンバーパートのような回があったのがすごく良い。
1期で薄かったり、途中参戦のメンツが引き立って活躍してました。
そのおかげか、各キャラまんべんなく登場といった2期でした。
主人公の妹も1期では出番がなかったですが良いところで登場。
しかしながら、他の王とかも出てないしまだまだ続いていきそう。気になる~

最初から比べると主人公がだいぶ成長してるのも見どころ。

個人的にお気に入りはチェインとスティーブン。可愛いしかっこいいし見惚れる。
色んなキャラの良いところが見れた2期はとても良かったです。


【音楽】

元がNYシティなわけですが、ノリの良いラップ調なBGM(日本語ですが)だったり、
なんとな愉快な雰囲気だったりに非常にマッチしていて良かった。

個人的にはOPは2期、EDは1期が好みでしたが、相変わらず曲がいい。


【他】

1期も同じようにレビューしましたが、激しいノリと展開ながら非常にバランスが取れていて見やすい。
ギャグ要素は少し減ったかも知れませんが、戦闘含めて見どころ満載でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

67.4 16 秘密で戦闘なアニメランキング16位
NOIR -ノワール(TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (232)
1760人が棚に入れました
パリで裏の仕事を営むミレイユ・ブーケは、ある日、夕叢霧香と名乗る日本の女子高生から不思議なメールを受け取る。そのメールから流れてくるオルゴールの曲を耳にして、ミレイユは驚愕した。その音楽こそ、かつて家族が惨殺された日、現場で流れていた曲だったからである。
ミレイユは霧香にオルゴールの曲について尋ねるために日本へと飛ぶが、霧香は過去の記憶を失っていた。そして、とある事件がきっかけで二人はコンビを組み、裏社会の仕事人として仕事を始めることになる。ユニットの名は「NOIR(ノワ-ル)」。
様々な依頼をこなすうちに2人は真のパートナーとしての絆に目覚めていくが、そんな彼女達の前に秘密組織ソルダの影が忍び寄る。
ソルダとは一体何なのか?その正体は?そして「ノワ-ル」の名が持つ真の意味とは…?

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「あなたと私の過去への巡礼…」

この作品は2001年春から放送された「銃と少女」をコンセプトとした2クールのオリジナルアニメ作品です。
作品に関する事前情報といえば、音楽を梶浦由紀さんが担当されている事くらい…

梶浦さんといえば、魔法少女まどか☆マギカやソードアート・オンラインといった超人気作の音楽を担当されていますが、コゼットの肖像やPandoraHeartsなど、少しマイナーでも梶浦サウンドを思い切り堪能できる作品が存在します。
そういった事から考えても梶原さん目当てで作品を視聴しても大きく外れる事は無いと思っていましたが、今回も予想通り外れクジではありませんでした。

この物語の主人公は、高校生の夕叢霧香(ゆうむらきりか)…パッと見は普通の女子高生…ですが、彼女には自分の過去に関する一切の記憶がありませんでした。
目覚めた時に彼女の持っていたモノの全ては「ノアール」という単語の記憶と飾りの入った懐中時計だけ…

そんな彼女の前に現れたのは銃を持った刺客の数々…
もちろん目覚めたばかりの彼女は銃を持った屈強な男たちに追われる理由なんか分かりません。
ただ一つ分かっている事といえば「自分が殺らなきゃ殺られてしまう」事だけ…
でも不思議と彼女には対処すべき技が身体に染み付いていて、次々と襲い来る刺客を次々と返り討ちにしていくんです。

「自分の過去を取り戻したい…」
こう考えるのはごく自然の摂理だと言えるでしょう…
彼女はパリで暗殺代行業を営むミレイユ・ブーケに一通のメールを発信するのです。

メールを受け取ったミレイユは、頭を金槌で殴られた様な衝撃を受けました。
メールから流れてくるオルゴールの音色はかつて両親の持っていた懐中時計のメロディーと同じだったから…
ミレイユの両親は、ミレイユがまだ幼い頃に何物かによって暗殺されていたのでした。
だからミレイユの頭の片隅には「両親の敵討ち」が離れる事はありませんでした。

日本に渡り霧香と接触したミレイユでしたが、霧香の持っていた懐中時計以外、彼女の敵討ちを進展させる情報を得る事はできませんでした。
「自分の過去を取り戻したい」霧香と、「両親の敵討ちしたい」ミレイユはお互いの利害関係が一致することから、パリで共同戦線…暗殺ユニット「ノアール」を立ち上げ物語が動いていきます。

銃自体の扱いに長けたミレイユと、全身とありとあらゆるモノを殺傷道具にしてしまう霧香とのコンビは最初はチグハグでした。
この作品の見どころの一つは、この暗殺ユニットの成長していく様だと思います。

ミレイユはこれまでずっと一人でした。
相手の事を考えながら生死を掛けた殺し合いなんてできる筈がない…
だってもしもの時の足枷になる…

確かにミレイユの考え方もある意味では正しいと思います。
有事の際のリスクを最小限にするという事においては…
でも「ノアール」での活動を通してミレイユはリスク以上のモノを手に入れたと思います。

活動の幅とバリエーションが広がり、戦闘時におけるリスクを分け合うことができるから…
誰とでも…という訳にはいかないと思います。きっと霧香とミレイユだからこそ、色んなモノを分かち合えたんだと思います。
お互いがお互いの背中を預けるに足るスキルを身につけている…これってやっぱりどんな場面でも大切な事なんですね…

二人が自分たちを「ノアール」と名付けたのは、かつての偉大な暗殺者の伝説にあやかったからでした。
でもこの世には「真のノアール」が存在する…という事実が明らかになった以降、物語の転がり方がこれまでと比べてだいぶ異質に変化したと思います。

これまでは二人の仲を育んできました。
でも、二人の間に様々な横やりが入る様になったんです。
それは物語の核心に近づいているから…

霧香とミレイユへの下に執拗に繰り返し送り込まれた刺客の数々…
全ての免罪符の様な「真のノアール」の存在…
それぞれに意味があり、それらは1本の糸で繋がっていました。
全ての手札が揃い、そして大鉈が振り下ろされる…
物事の真実と二人がどう向き合うのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ALI PROJECTさんの「コッペリアの柩」
エンディングテーマは、新居昭乃さんの「きれいな感情」
オープニングの旋律はかなり独特で一度聴いたらフレーズが頭から離れない系の曲でした。

2クール全26話の物語でした。
しっかりと物語が完結している事が素直に嬉しく思えます。
アニメの持つ販促性の高さも理解できますが、やっぱり腰を据えて制作頂いた作品は確実に見応えが増すと思います。
過去作の視聴も細々ですが、これからも継続していきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

黒百合物語

【概要】
 2001年春-夏に放送された全26話のオリジナルアニメ。dアニメストアで視聴しました。ノワールとは「黒」を意味するフランス語。

 パリに住み裏社会で名を馳せる殺し屋ミレイユ・ブーケ、記憶を失い本名すら忘れてしまったが超人的な殺人術を身に付けている夕叢霧香(ゆうむら きりか)。2人が出会い、暗殺ユニット「ノワール」を結成し「過去への巡礼」を始める美少女ピカレスク・ロマン。

【感想】
 序盤は1話完結形式で、2人の過去にまつわる話はじわりじわりと進行する。話が動くのは後半からですね。今のアニメに比べると台詞が少なめでスピード感に乏しく、同じシーンの繰り返しも多いので一気見はしんどいかもしれない。

 見所はやはりガンアクションでしょうか。色々凝った演出で楽しませてくれます。ただ後半はやや単調になります。ガンアクションの宿命か、当たると致命傷になってしまうので、当然のことながら主人公の2人はなかなか弾が当たらないんですよね。黒服に何人囲まれようが、弾を平然と交わしていきます(笑) 引き金を引くのを躊躇って取り逃がす場面が敵も味方も多すぎるんですが、これもピンチの場面ではそうせざるをえないガンアクションのお約束というものか。あと、放送当時は表現規制が厳しかったのか撃たれても流血することがなく、やや違和感あり。

 メインストーリー(真相)は引っ張ったわりにやや平凡な印象を受けた。マスターキートンにようにヨーロッパの文化・風習・歴史あるいはミリタリ蘊蓄を盛り込んで話に厚みを持たせた方がよかったかもしれない。

【作画】
 背景は良く書き込まれており、ヨーロッパの街並み・景観・自然はデジタル作画にはない絵画的な味わいがあって素晴らしい。

 キャラデザインはちょっと古い感じがします。あと目の大きいキャラと小さいキャラの差がありすぎるようにも思う。終盤に霧香が覚醒して目つきが鋭くなるのだけど、ややギャグっぽくなってしまった感があります。あと、アイキャッチが超ださい。

【音楽】
・オープニングテーマはALI PROJECT「コッペリアの柩(ひつぎ)」
・エンディングテーマは新居昭乃「きれいな感情」

 とにかくOP曲が耳に残ります。気が付くと「♪コッペリアの柩~♪」が脳内で無限再生されるので注意が必要。「ロッテリアのひつじ」に空耳するという声もある。ED曲はあまり印象に残らず。

 そして梶浦由記さんの音楽が最高に良いですね。ムードたっぷりで曲数も豊富。中でも戦闘時にかかる「salva nos」は必聴。

【百合】
 「ノワール」は深夜アニメにおける百合の古典としても知られています。暗殺者コンビ、ミレイユと霧香が紡ぎ上げる奇妙な絆に注目して見るべき作品です。

 すでにヨーロッパの暗黒街を舞台に「裏の仕事」を引き受け名も上げていたミレイユが霧香をパリまで連れていき一緒に生活し世話をするという保護者的な関係で始まる。
 
 2人で仕事をこなし死線をくぐるうちに強い信頼関係が生まれ、霧香はミレイユに対して親愛の情を深めていくのですが、実は戦闘能力にかけては霧香の方が数段上で、実際にミレイユはピンチを霧香に助けられる場面も多く次第に霧香に対してコンプレックスを抱くようになるのです。

 そこに「真のノワール」を名乗る第三の女、キリエが加わりますます混沌としてくる。やがて真実を知った後、非情な試練が2人待ち受ける…

 仕事のパートナー以上の存在でありながら、親友でもなく、姉妹でもなく、恋人でもなく、「ノワール」という固有の名称でしか表現できない関係性。殺し屋として罪を重ね続け、他の道を選べぬ呪われた少女にとっての唯一つのよすが。うーん、これこそが至高の百合なのかもしれないな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

絡まった2つの謎と2人の殺し屋の乙女。脚本と音楽が素晴らしい良作です。

 2001年時点で暗殺者がヒロインになるアニメは極めて珍しかったと思います。マンガでは「あずみ」がありました。アニメは女性のバディものガンアクションで「ガンスミスキャッツ」があるくらいでしょうか。この後「ガンスリンガーガール」などが登場します。

 本作は、毎話「ノワール、其は古よりの定めの名、死を司る二人の乙女、黒き御手は嬰児の、安らかなるを守り給う」という詩の朗読があります。これがなかなか良くてOPから含めて作品に入り込んでゆきます。

 1話。時計そして音楽をモチーフに記憶を無くしたJKとフランスの美人殺し屋ということが一気に説明され、あっという間に引き入れられます。

 2話以降、この記憶をなくしたJKと美人フランス人殺し屋のバディものとして、2クールで話が展開します。時に本筋と関係ない話も入りますが、1話の脚本として内面描写や郷愁を感じさせる出来で、引き延ばし感や中だるみ感は感じませんでした。

 アクションシーン、特にピンチの場面の描写に若干時間的間延びがあり、ツッコミを入れたくなりますが、これは古いアニメの演出なので極めて短い時間を詳細に描写しているものとして受け入れましょう。

 2クールものですし、内容がシリアス寄りですので一気見には向きません。「刺激」や「緊張感」は麻痺が来るので、段々退屈すると思います。1日1、2話。多くても3話くらいで余裕があるときに見た方がいいと思います。

 で、後継の「マドラックス」と極めて雰囲気は似ています。作画、演出、アクション、音楽性、展開、キャラ配置など。ですが、本作にマドラックスのような難解さ、オカルトはあまり感じません。
 その割には、ガンアクションものとしてもそうですけど神秘感や、死と隣り合わせのアンニュイな雰囲気が出ていました。

 脚本が秀逸で展開、謎解きについて物語、構成がよく練られていました。初めの詩や時計・音楽、そしてパリの雰囲気が上手く活きていたと思います。

 謎部分は見てのお楽しみですが、要するに宗教原理主義、歴史の裏、暗殺者として生い立ち、少女と女性は最後どうなるのかを見極める話です。
 クールそうに見えて、実は2人とも友情や家族愛に隙があるのがキャラに感情移入できる要因になっている気がします。

 で、最後の謎部分です。
{netabare} 最後の最後で、傷ついた霧香に肩を貸すミレイユは「パリに帰って熱いお茶が飲みたいわ」といいます。この時、ミレイユは光ったような霞がかかったような雰囲気になります。
 そして銃声が2発轟きますが、違う音です。最後は壊れた時計とは2人の時間が止まると言う意味と、ソルダではなくなるという意味でしょう。その前の灯りを自分でともすというミレイユの言葉や、霧香の怪我、組織があえて見逃したことから言っても、2人が自決あるいは撃ち合った=運命に翻弄された人生を初めて自分で選択する、ということだと受け止めました。 {/netabare}
 作品の根底に流れる無常観、アルテナ・ソルダの両方に対する自分たちの解答、殺人行為の清算と言う意味でもそういう結論がしっくりくると思います。

 アクション要素の他、絡まった2人の謎解きとどうやって2人の殺し屋の乙女が生きてきたかという運命について考えてしまう作品でした。テーマ性は重視せず、運命についてのモヤモヤを咀嚼するのがいいと思いました。そこがラストの解釈になってくると思います。
 エンタメ性を保ちつつ、殺伐とした世界観と詩情を融合させて、最後には感動と言うよりも、切ないながらも納得の行く作品になったと思います。素晴らしい脚本でした。

 音楽はOP、EDもいいですけど、BGMも聞かせました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

63.4 17 秘密で戦闘なアニメランキング17位
とある飛空士への追憶(アニメ映画)

2011年11月1日
★★★★☆ 3.5 (331)
1536人が棚に入れました
たった二つの戦争中の大国しかない世界―――。『空の上では身分は関係ない』という自論を持つ「シャルル」だが、彼はまさに社会の底辺層であった。両国のハーフであるためにひどい差別を受ける彼は、飛空士としての腕の自信と、ある思い出だけを頼りに生きてきている。そんな彼に対して「ファナ」はシャルルが属する空軍を擁する大国の次期皇妃。天と地ほどの身分の差がある二人が主人公である。物語はシャルルがある作戦を告げられることから回り始める。それは「順調に進んでも五日はかかる広い中央海を、ファナを連れて二人で敵中翔破せよ」というものだった。接点がなかった二人に、つながりが生まれる。

声優・キャラクター
神木隆之介、竹富聖花、小野大輔、富澤たけし

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

端的に子供向け

オイラはよく言うのです、「厨二病」という言葉を使う以前に「子供向け」なラノベってかなり多いです
【良くも悪くも】です
これなら児童文学の方が良く出来てるよなー、何をもってしていい歳の大人にオススメしてるんだろう?
この出版社や書店は???って


誤解の無いように言っておきましょう
今作、『子供と一緒に見る映画としてはなかなかです』
今年のアニメ映画は子供向けに関してドラえもんとプリキュアを除けば正直に不作です
特にプリキュアの方は対象年齢が低めなのでより『子供と観る映画』の範囲が狭い
(余談ですがトランスフォーマーは完全に大人向け、SUPER8はスリラー好き向け、ハリポは・・・観てませぬ><)
そんな中ではこの作品が子供向けとしていい機能を果たしております
小学校高学年前後のお子様をお連れの方には是非にオススメしておいきたい


ちなみに“なぜか”PG12指定をくらってますので保護者同伴での視聴をオススメします
決していかがわしいシーンがあったりや残酷な描写が多いわけではないです
なぜレーティングの対象になったのかオイラには理解不能です┐(ーωー;)┌


お話は貧民街育ちで敵国とのハーフとして虐げられてきた生い立ちを持つ主人公が、いつしかエースパイロットに上り詰め、自国の命運を握る作戦を任せられるというものです
作戦の内容は敵の包囲網を潜り抜け、皇国の次期王妃となる令嬢を婚約者の皇子の下まで送り届けるというものであった
ただしそれをたった一人、たった一機の偵察機で行うのだ・・・


王道を感じる半面に脆弱な部分が目立ちまして、大きな体に細々とした足腰というアンバランスのようなものを感じる作品となってしまいました
オイラが感じた問題点は3つ


まず1つ目にキャラクターの弱さが目に付きます
次期王妃ファナは世間知らずで儚げで弱々しく、戦乱と権力者に振り回されるステレオタイプなお嬢様
実際の史実の上では、男社会が招いた戦乱に女性が巻き込まれてきたのは曲げようの無い事実であり、その反発としてせめてもの思いでフィクションの中の女性は強くあってほしいと願うことは、人類の歴史上当然のことなのです
強いヒロインというのは人々の願望と希望を叶える存在であり、ファナの様なキャラクターの魅力は特に王道フィクションにおいてはそこそこに留まる
(宮崎駿監督作品のヒロインが強くて凛々しいのはまさに具体例)
ですから人々がフィクションの中に強いヒロインを求めることはごく自然であります
恐らく原作者やスタッフは、このお嬢様なファナが旅路の末に成長する様を一番に見せたかったのでしょうが、それには少し演出が力不足という印象を拭い切れず、物語は終わりを迎えます
強いて言うなら「酔っ払う」シーンのところだけはファナが可愛く見えて良かったのですが、その後の二人がどうなるわけでもなしに、そんなところが「端的に子供向け」たる証拠でもあります


2つ目にファンタジーを史実っぽく描くのにはちょっと無理があるという点
公開前のプロモーション等でも『史実から隠匿された恋物語』という部分を押し出していましたが、そもそもに日本をモチーフにしたであろう敵国と連合国を髣髴とさせる自国の設定もやはり安っぽくしか見えず、ファンタジーなのか史実なのか・・・どっちつかずで中途半端な印象しか受けない
エピローグをあとがいちゃうところなんかモロです
宍戸監督の代表作といえばやはり彩雲国物語が挙げられますが、あれもハイファタジーをさも史実の様に描く演出をとっていました
どちらの作品にも【いかにも】な雰囲気しか漂っておらず、リアリティという面では物足りなさを感じてしまいます
(無論ですがドラマ性自体はまた別の話ですよ)


3つ目はチラホラと話題に挙がってはいますが、声優さんの点
まずオイラは神木隆之介くんの大ファンでして、特に彼が声優として主演したサマーウォーズや借りぐらしのアリエッティでの彼の演技は大変素晴らしいものだったと応援しています
しかし今作での彼の役どころはおしとやかなお嬢様のファナとは対比的で、よく喋ります
前2作の主演作とも比べてかなりの量の長ゼリフがあり、単純に演技力自体が進化した彼の実力とは反比例して『喋り疲れ』のような声の出し方が気になります
長旅で疲れ果てる主人公と同じく、(たぶん)喋り疲れているであろう神木くんのかすれていく声
もし演出の範囲内だというなれば、もっとしっかりとメリハリをつけるべきだったでしょう
後半はちょっと聞き取りにくいです
ちなみによく言われる『棒読み』とは全く違うのであしからず
注目していただきたいのはファナ役の竹富聖花さんでして、今作で本格的な演技初挑戦とは思えませぬ
素晴らしい


とまあ散々に言っては来ましたが、ラストシーンに関しては清々しくスッキリとした終わり方で大好きですね
そうそう子供向けなんだからひねりとかいらんのです
美しいラストこそが一番
ちゃんと「ダンス」の伏線も張ってましたし
チョコチョコと「オチがない」というご感想をお持ちの方もいらっしゃってはいるようですが、オイラとしてはあのラスト以外は考えられませんね
あの後、二人は逃避行の旅に、、、、なんてトンデモエンディングだったらオイラは納得しません^q^









ちなみに『空戦』が見所の作品でもありますが、CGによるドッグファイトシーンは割かし地味で、スペックで主人公達を圧倒する敵側の戦闘機のデザインも(やはり旧日本海軍の震電がモチーフなのでしょうが)航空力学などツマラネェ話をすれば「ちゃんと飛びそうにない」です(笑)
同じことが押井監督のスカイクロラでも散々言われましたが、戦闘自体はミニチュアっぽい等の批判に納得しつつも迫力を出さんとする演出であちらの方が圧倒しています;


空戦そのものよりも、むしろ架空の世界観であるが故に美しく切り取られて描かれる情景の数々の方が魅力的に感じましたね


さらに余談中の余談ですが、既存のスチームパンクとは一線を画する・・・内燃機関や外燃機関よりも先に燃料電池が発明されているという独特な世界観には、高校時代に燃料電池を研究していたオイラとしては燃えるポイントでした^q^









「ファナー!」って2回繰り返す必要ないですよね(回想はいらない)
あーゆー余分なことしちゃうのが宍戸監督の良いところというか悪いところというか・・・(´ω`;)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひとりぼっちの追憶

小さい頃から人に目をつけられやすかった狩乃シャルル。
貧乏で気弱で何もできなかった彼は自由を求め「飛空士」になった。その技術だけは他の者を圧倒するほど抜群だった。
傭兵の身分であり、自分を目の敵にする奴も絶えなかったが、そこでは良い仲間もでき彼にとっては心地良い場所だった。
自分にぴったりの場所だった。(これってね、言葉にできるほど簡単に見つけられるものじゃないんだ。)
そんな彼の腕を見込んで上からある任務が言い渡された。
ある王国で次期皇妃となられるお姫様ファナ・デル・モラルをその王子の国へ引き渡したいとのことだった。
だが、傭兵の分際が運んだと知られればこれは末代の恥である。けれど戦争中であることもあり腕の立つ者が必要だった。
そこで狩乃の腕を借り強靭な警戒網を突破し安全な所で上の連中に引き渡す(引き渡すことで手柄はお偉いさんのもの)といった作戦だった。
狩乃はこれを引き受けた。これから始まります。”お姫様護送任務”


本作では、激しいドッグファイトがあれば、かたや静かな海の描写がある。
また、いますぐ駆け出したい恋を目の前にそれがどうしてもできないことで涙を呑む人間の繊細な描写もある。
人にとって一体何が「大事なもの」なのでしょう。忠義か、自分の意志か、愛するものなのか。
なんでもかんでも従えば良いことではない。かといって全部まとめて海に捨てることもできない。
それはあらゆる意味において危険でnaiveな行為だからだ。
揺れ動く自我に空も海も呆れるほどに綺麗で、人の間に起きていることなんて無関心に見える。
狩乃はどうすることもできず何重にも板挟みにされていく。最新型飛行機は好調に飛行を続けるのだ。

本作は日常的にTV放映されているアニメとは、一部そういう要素を含みながらも一味違ったテイストを持つ作品です。
目的は”お姫様の護送”、テーマはマクロな意味では”身分差の恋”。
大勢の敵と戦うところや、一度負けて一騎打ちでのリベンジなどかっこよく燃える「アニメ」的要素は確かにありました。
それは映像としても群を抜く出来でした。敵と遭遇する恐怖や死と隣り合わせにいることの閉塞感には身が縮むような思いをしました。
空中戦でのGもこちらにそのまま伝わってきます。まさに生死の境を縫うような緊張感です。

このように意図して作られた「バトル」もありましたが、もっとそれ以外のところこそがこの映画の醍醐味です。
たとえば、狩乃とファナの距離を詰めていく過程や、飛行機での長距離移動の描写、そして狩乃シャルルの視点での物語の推移は普通の「アニメ」とはいささか違ったものを感じさせます。
まだよそよそしい2人が海の真ん中で停泊したり、戦線をくぐり抜けたりする中で親密になっていく描き方は明示的過ぎなくて僕の好みでもありました。
それにストーリーの内容にも言えることですが偶然性の描き方も良かったです。
彼らはただ踊らされているわけではなく、物語の中でちゃんと生きていました。ひとつひとつの出来事が常に新鮮でした。
それらの中でも特筆すべきは狩乃シャルルの人生背景を含めた上での本作での描写が何よりも素晴らしいこと。
“上司たちからは最初から最後までドブネズミ扱いされ、不遇な運命の中でやっと見つけた幸せにも手を伸ばすことは許されない。
物語の中で目的達成に向けてひたすら真面目に取り組む姿は凛々しくもあるが、その背中からはわずかに悲しみが漂う。
達成したところで名前の残らない仕事。たくさんの犠牲を払っても自分らには一切目を向けない上の人間たち。
これが終わって自分に残るものはなんだろう。ああ、金だ。それもたくさんの金だ。”
この反動もあってかラストシーンは最高です。もの凄い感動がありました。


どうもあにこれ内での評判は良くありませんが、シャルルの背景やファナとの距離の絶妙な描写は心を震わせてくれます。
この作品にしかないものをそれぞれに見つけられるかどうかはその人のコミットの深さ次第です。
どこまでシャルルという人間を捉え辛い経験やその立場を理解しこちらから共感していくか、彼とファナとの関係にどれだけの想いの温かさとまたその儚さをみることができるか。
これは好みの問題でもあるけれど、少なくとも声優の良しあしや漠然としたファクターを繋げて鳥瞰する以前の問題です。
王道であるとか、無難であるとか、そういうところに留まらない、まぶしいくらいの輝きを秘めた作品です。
一見の価値は十分にあります。
とても良い作品なので観る際にはどうか斜に構えず、まっさらな気持ちで観て頂きたいです。ぜひ一度。そしてもう一度。

{netabare}


レビューのタイトルは原作のこの作品の漫画化を担当したのが小川麻衣子さん。
ただいま『ひとりぼっちの地球侵略』進行中の方です。
そんで、この漫画が大好きなのでタイトルを合体させたというどーでもいい話ですw

閑話休題

ラストは見事でした!
ファナを引き渡した後の金がホントにごみのように見えました。あのシーンはなかなかのインパクトがあります。
そしてなにより最後の飛行です。かっこよかったー!ホントかっこよかった!
最高の愛の表現です。素晴らしい!

物語としては愛の逃避行をしなかったことにより、共同体が阻む苦しみがひしひしと伝わってくる結果になりました。
でも悔しいですねー。んー、歯がゆい!脚本にしてやられましたな。

まあそんなわけでとっても好きなんですよ、この映画。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひ・く・う・し・・・ひくうし(-_-(合掌)

      ↑
滝○クリ○テルさんをイメージしてね^^!


某トロピカル系サイトを筆頭に
書籍通信販売系のサイトで「とあるシリーズ」を探そうと
“とある”というキーワードで検索すると
上から5~6番目くらいに必ずといっていいほど候補に出てきたのがこの作品

気にはなっていたのですが
まさかアニメ作品になっていたなんて想像すらしてませんでした

原作はラノベ
ジャンルは恋愛、戦争、ファンタジー

「飛空士シリーズ」というシリーズモノの一作品で
「とある~恋歌」や「とある~誓約」などの作品があります

ちなみに「~恋歌」は2014年1月よりアニメ作品が放送予定だそうです


お話は・・・
タイトルのとおり
とある飛空士さんのお話^^
そのまんまです

ここで注意して欲しいのはタイトルが
「~飛空士~」であるということ・・・

分かりますか?

“ひこうし”じゃありませんよ”ひくうし”ですよ”ひ・く・う・し”

分かりにくいのでもう一度書きます

ひ・く・う・し・・・

ちなみに
わたしのパソコンで”ひくうし”を変換したら
最初”引く牛”って出てきて
その後どう頑張っても正しい表記にならないので
「飛行」→一文字消して→「空」→「士」っていう順番に入力
あとはコピペで対応・・・って
どうでもいいことを無駄に書いてしまいました

とりあえず
「飛空士」という肩書きを持つ人がいる
どこか”別の世界”のお話ということです^^

その主人公で”引く牛”・・・じゃなかった^^
“飛空士”の「狩乃シャルル」(かりのしゃるる)くんと
どこかの国のお姫様(になる予定)の「ファナ・デル・モラル」ちゃんの
淡い・・・
だけど
とても熱い恋のお話

観終わって
なんだかよく分からなかったので
とりあえずWikiでリサーチしてみると
“「ローマの休日」と「天空の城ラピュタ」の
切なさと爽やかさを意識しながら執筆された”と
記述されていました

えーと
とりあえず
ラピュタは分かりました
飛行船みたいなものが飛んでいたので・・・

でも
“ローマ”はないでしょ
っていうか
この手のお話ならモチーフになる作品って他にもたくさんあると思うのに
なんで”ローマ”?

ソフトクリーム出てこないじゃん
飛空機(“ひこうき”じゃないよ”ひ・く・う・き”^^)がバイクの代わり?
真実の口は?
グレゴリー・ペックみたいな優男は?(シャルルくん?マジで?ありえない~)

でも原作の先生様がそう仰るのならそうなのでしょう^^


さて
率直な感想を一つ(といいながらダラダラと)書かせていただくと

あの終わり方はない

ストーリー自体が
なんか煮え切らない感じで終わっていて
“もうどうでもいいや^^”
っていうような幕引き

さらに
最後は
二人のその後を
字幕カットで説明ってどういうこと?

二人の行く末がこんな軽いものだなんて・・・

せっかくアニメ作品にしたのに
これじゃあ全く意味がない

なんか・・・
こう・・・
なんというか・・・
もっとドラマチックな演出もあるでしょう?

たとえばエンドロールのとき
その後の二人の姿を
ダイジェストで流すとか・・・(NG集じゃないよ^^)


さらに
憤慨(半分キレた)してしまったのは
ファナちゃんの声

これはもう
小学生が国語の教科書を読んでるか
私がやる気のない上司に啖呵切っているみたいな(知らんわ!)

セリフの棒読みですよ~

そして
今にも舌を噛みそうなくらいの滑舌の悪さ

いっそ噛んじゃって
「かみまみた(>_<)」って言ってくれたほうが
いくらか可愛げがあるのに
(まあどう転んでも私はブチキレます^^)

くわえて完全にキレてしまったのが(もうキレまくってる^^)

ファナちゃんのしつこいくらいの「引く牛さん!」の連呼

セリフの半分くらい「牛さん」引いてるんじゃないの!?

「引く牛さん!」
「引く牛さん!」
「引く牛さん!」
「牛さん・・・引く?(笑」って

あまりにもテンポ良く叫ぶもんだから
「よっ!」
「はっ!」って
思わず
拍子つけてしまったじゃないの!

ファナちゃんの声の人のスキルを考慮して
あえて
「牛さん」のセリフを多くしたのか

原作から既に「牛さん」というセリフが多かったから
ファナちゃんの声の人が決められたのか

って
あれれ
なんか話題が「牛さん」に飛んじゃってますね^^


とにかく
世界観やストーリー
空中戦などのアクションシーンは良かったのですが
細かいところに不満のある作品でした~

あっさり締めてゴメンナサイ~

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

77.1 18 秘密で戦闘なアニメランキング18位
陰の実力者になりたくて!(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (461)
1457人が棚に入れました
『我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者……』 みたいな中二病設定を楽しんでいたら、まさかの現実に!? 主人公でも、ラスボスでもない。 普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」。 この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い、異世界に転生した。 これ幸いと少年・シドは異世界で「陰の実力者」設定を楽しむために、「妄想」で作り上げた「闇の教団」を倒すべく(おふざけで)暗躍していたところ、どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……? ノリで配下にした少女たちは勘違いからシドを崇拝し、シドは本人も知らぬところで本物の「陰の実力者」になっていき、そしてシドが率いる陰の組織「シャドウガーデン」は、やがて世界の闇を滅ぼしていく――。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

禿げの実力者に なりたくなくて!

●【666】というお約束の刻印

主人公の性格がひねくれているためか物語も相応にひねくれていたようであります。

他のなろう系異世界糞作品に比べたら本作はかなりマシな部類に入るような印象を受けました。

{netabare}1話の掴みはかなり極上でありましたが、それ以降はやや失速気味で
耳付きの亜人種の取り巻きがうじゃうじゃ出てくる展開には辟易しつつも、
その一方で各種裏設定的諸要素には興味が惹かれるところあり、
トータルとしての印象は比較的良好であったように感じました。

性格に難がある主人公はモブについての持論を展開しますが、要するに
モブ=庶民を上から目線で見下し馬鹿にしているだけというのが
(裏設定的)本音のようであります。

この手の思想傾向を【優生思想】と言いまして、ヨーロッパの貴族たちが憑りつかれている
類の非常に偏ったものであります。

本作のテーマは「陰の実力者」であるため、リアルの世界でそれに相当する
種族=ヨーロッパの王侯貴族に関する諸要素をそれとなく描いている
のではないかと推測いたします。

「王族の血」、「教団」、「学園」、シャドウという「秘密結社」
ファンタジー作品でこれらの要素が出てきたとしても何の不自然も無いと考えられますが
ある特定のデザインで示される「魔法陣」、「魔眼」=【プロビデンスの目】、
そして【666】の刻印が示されるならば、見事なまでに彼らの思考回路を
完全再現できていると言って間違いないでしょう。

廚二病的な荒唐無稽な思考回路を再現しているようでいて、同時に
裏設定的テーマを完璧に描き出す「なろう系作品」はあまりに謎が深すぎて
理解が追い付きませんが、「魔眼」や【666】などの表現については{/netabare}
今後もお約束事のように繰り返されることだけは間違いないと言えるでしょう。


●糞アニメ界の陰の実力者、現る

なろう系の異世界転生ものと言えば糞 {netabare}作品で確定していると言っても過言ではない
くらい確実にその実績を積み重ねているように思えます。

糞作品を敢えて乱発する理由とは、TickTok運営がユーザーの個人情報をアルゴリズム解析
かけた結果得られた必勝パターン戦術に由来するものであると考えられます。

TickTok運営はいかにしたらユーザーを麻薬ジャンキーのようにTickTok中毒に
させられるかAIにより分析させ、得られたのは次のようなものでありました。

ただ当たり動画だけを並べるのではなく、パチスロのようにハズレの中に当たりや
たまに大当たりが組み込まれた動画配列パターンの方が、ユーザーの期待値は高まり
大当たり動画を見つけた時の満足度の効用が極限まで高まり、ギャンブル中毒にも似た
依存症的傾向が強まるというものでありまして、早い話がTickTok運営が情報解析に基づく
はめ込み洗脳情報工作をやっているというオチでございます。

そういう事情で米国ではTickTokを有害コンテンツ認定し、使用禁止を呼びかける事態に
なったわけでありますが、考えてみましたらこの手の情報工作ならば今時どこでもやっている
のが昨今の情勢であり、要はなろう系の糞作品乱発も似たような狙いがあるのだと
考えられるわけであります。

なろう系糞作品予備軍の中にあって比較的なマシな水準にある本作はユーザーから
当たり作品と認定され、トータル戦術としてなろう系異世界転生ものは生き残るという
のが制作サイドの狙いではないかとそのように推測いたします。

うる星やつらのリメイクのようにハリウッドでもリメイクやキャスティング失敗作品が
乱発されユーザーが制作サイドをぼろ糞に叩くような事態が数多くあるようであります。

ある説によればこの手のユーザーの失望は期待の現れでもあり、ハズレを引けば引くほどに
むしろ期待値は高まり、釣られやすい心理状態が形成されると言えるわけであります。

ユーザーとは情報を一方的に抜かれ完全解析される側のある意味情報弱者でありますから
制作に対し如何にマウントを取ってみたところで、情報戦においては圧倒的不利な状況にある
潜在的敗者であることは{/netabare}確定している事実であるように思えて仕方がありません。

●なるようになろう系
ここが中盤の折り返し地点であるかどうかは定かではありませんが途中経過の評価を示します。

天然設定的主人公のモブジョークや異世界天性お約束のエロネタが例えはぐらかしで
しかないとして、そしてはやりどうにも強すぎるハーレム的要素も含め、煩わしくないか
と言えば相応にネガティヴなものを感じずにはいられませんが、
{netabare} 教団の秘密としてスチームパンク的で錬金術に{/netabare}因んだ世界観を見事に表現できたことに
ついては大いに満足がいくものでございました。

単純に見て面白いというエンタメ性よりも異世界転生ものの謎を解くという観点で
視聴してる当方にとってはある種の「秘密の暴露」は加点ポイントでありますので
物語評価に加算した次第であります。

「サマータイムレンダリング」の主人公{netabare} にしても言えることですが、「目」が
何かおかしいみたいなことには極めて敏感な思考回路を持ち合わせた性分のため
本作の主人公の「片目」描写が所謂「魔眼」発動の【一つ目】小僧を意味するのだ
ということも当然のお約束パターンと認識する次第であります。

毎度毎度の【一つ目】小僧でありますが、それでも「法則」に間違いないか確認することは{/netabare}
重要なので結果は押さえておくべきでありましょう。

●発動する「スチームパンク」という奇策の惑わし
「サイバーパンク」というジャンルの作品の解釈が簡単というわけではありませんが
それに比べると「スチームパンク」作品の解釈はかなり難易度が高いものと個人的には
そう考えております。

{netabare} 【王族の血】という重要ワードにどのような意味合いが込められているのかについては
非常に興味深いものを感じておりましたが、見事に「魔人の細胞」というこれまた厄介な
概念を持ち出し、遺伝子操作という名の「錬金術」なるものを提示してこれを
謎の教団と結びつけるという展開は、中々に説得力があるように思えます。

異世界では当たり前の「魔法」とそれに関する小道具を「錬金術」という形に集約して
巧いこと描いている手法には大いに納得のいくところでありますが、アニメの知識が豊富である
専門家代表格の「岡田斗司夫」でさえ「錬金術」の説明については、ブレがあるようにも思え、
逆に言うならば「錬金術」とそれを「研究するとある機関」についての説明は、
それだけ相当に骨が折れるという話になるかと思います。

まずは「錬金術」のルーツを知り、それから「スチームパンク」作品の解釈を行うならば
かなりの部分が理解できるものと確信できますが、そもそも科学でもあり、
また科学とは別概念でもある大いに矛盾した「錬金術」というものをまともに
理解できるとしたら、それは正気の沙汰ではないということになるように思います。

急がば回れという言葉が示す通り、今は魔術的小道具、例えば「アーティファクト」のようなもの
それについての分析が肝要であり、もしも分析不能なら一旦考えるのをやめるというのも{/netabare}
一つの合理的な考えなのかもしれませんというのが結論でございます。

本作は主人公の性格を含め、クセが強いのがかなり厄介であります。




初回のインパクト、掴みは十分過ぎるものでありましたが、中盤戦以降も
今一つ盛り上がりに欠け、徐々に失速していってるような空気をも感じます。

そもそも本作は「異世界転生」ものに属するが故にやはり、{netabare} ある種のエロ描写は既定路線
お約束のやっつけ行事であると割り切るしかないのかもしれません。

肝心のメインストーリーの方は今一つ感満載でありますが、その一方で
教団・教会・学園に関する設定的なものについては、完璧すぎるまでの
リアリティをを感じずにはいられません。

召喚魔法には「魔法陣」が不可欠と言うのはもはやファンタジー界隈では常識過ぎる話で
ありますが、脱力的展開を意図的に?演出しつつもファンタステックな小道具の
扱い・描写がやけにえぐ過ぎるというギャップ感に軽く眩暈を覚えてしまいます。

一見してフィクションと見せかけて、実存する「教団」の話をさり気なく展開しくるという
このような作風はとてもクセがあり、曲がっていると言うしかないですが
「エクスカリバー」のくだりでクスリと笑わせるだけのエンタメ性?
それがあるためなお更のこと裏に秘められたテーマを読み取る厄介さについては
計り知れないものを感じます。

細かい設定ばかりに力を入れるも、話自体は大して動かない
こういう路線について行くのには相応の忍耐を要するように思います。{/netabare}


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、
実在のものとは関係ありません。

これ↑はよく目にする定番のテロップでありますが、
本作はまるでこの文言を逆手に取ったようなところが多分にあり
主人公の性格にしても言えることですが、かなりひねくれていて
恐らく今後予測不能な変化球的展開をするものと推測いたします。

そして「チェンソーマン」以上に残酷描写もあり得るものと覚悟すべきでありましょう。

4話にて事態は急展開を迎え、非常に興味深いキーワードが何気なく出て参ります。

{netabare}それは【王族の血】でありますが、「陰の実力者」と「謎の教団」とそれが関連するとなると
これはもはや「フィクション」の領域を軽く超越したような {/netabare}
究極の「ミステリー」であると考えるべきでしょう。




あまりに怪しすぎる異世界転生もの作品については徹底マークするのが当方の基本方針でありましたが
まさか「あたしのゴーストが囁いた」通りのヤバ過ぎる異世界転生もの作品がこんな形で検出
されるなんて全くもって夢にも思いませんでした。

本作については異世界転生ものアンチ程に注目すべき作品だと言えるのかもしれません。

本作冒頭から、当方の感性はビリビリとスパークしまくっておりましたが
エンディングロールが流れる時に奏でられた音楽=ピアノのメロディを聞いて
記憶にはまるでなかったはずの曲名なのに聞いた瞬間不意にこの曲は「月光」だなと
あまりにも唐突に自分でも不思議なくらいに直感冴えわたったのは、もしかしたら
何か特別な因果があったからなのかもしれません。

糞作品乱発し尽くしてアニメファンから半ば失望感以外にはなんらポジティブな心象が得られない
既に旬が終わったはずの異世界転生ものというジャンルにおいてなおかつ
その印象をすべて覆すが如くこのような反転攻勢を仕掛けてくる動きは
甚だ怪しすぎると思わざるを得ないわけですが、かと言ってこれを過小評価し
見くびり過ぎた結果として、手痛いバックアタックを受けただただ絶句するだけ
というのも極めて間抜けな話であり、ただ醜態晒すだけの完全なる負け戦にございます。

本作1話において観測された瞬間最大風速値は
「探偵はもう死んでいる」の域を軽く超越しておりました。
「探偵はもう死んでいる」は初回こそがインパクトがあり、それ以降はただただ失速していくだけの
結果は単なる残念作品でありましたが、本作がそれと同じ運命を辿るかと言えば
現段階では予断を許さないと言う以外に言いようがないのが現実であります。

異世界転生もの作品が今後も乱発されること自体は容易に予測できましたが
まさかこれ程までに過激な強襲を敢えてかけてくるとは予想だにしませんでした。

ここにいるすべてのアニメファンの皆さんに是が非でも言いたいことは
「異世界転生もの作品には重々気をつけるように」ということ
それに尽きるのみにございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

面白いですが作品の評価は2期が来るかですね。追記2期決定ですね。

 キャラや演出で魅せてくれました。かなり面白かったと思います。それぞれのエピソードについてちゃんと数話ごとに完結していく構成なので、飽きなかったんだと思います。

 冒頭のスタートからはアルファを初めハーレムものになるかと思いきや随分変わった展開の仕方でした。「ワンパンマン」的といえばいいのでしょうか。すべての努力を相対化してしまう、滑稽な部分に面白さがあるのでしょう。

 主人公ではなく、どうやらアルファの正体とか裏の歴史に謎があるようで、その部分を楽しみにしていますが、終わってしまいましたね。

 面白さでは評価できると思いますが「作品」としての評価は難しいですね。アニメとしての完結は放棄した感じです。ただ、20話を初めからやるのだから、勝算があっての事でしょうし2期の期待も出来そうですので「作品」評価はまた後程ですね。

 ですので、アニメとしての評価はストーリーは割り引くしかないですね。キャラは非常に良かったです。出てくる女性キャラたちの苦悩がもう少し深掘りできていれば、すべてを無意味にしてしまう主人公との関連でテーマ性が出たかもしれませんが、そこは機能せず、むしろギャグになってしまいました。

 EDの曲は良かったですね。やっぱりアルファの声がいいかなあ。止め画がちょっと手抜き感がありました。本編の映像の使いまわしでいいので動かしてほしかったかなあ。


追記 2期決定したので評価少しあげます。なお、原作の小説の方、全部買っちゃいました。オバロくらいあるのかと思ったらまだ05までなんですね。それでも、話の展開が意外すぎてかなり面白かったです。なろう、ではもっと先まであるんでしょうか。ただ、やっぱり紙の本が読みやすいので新刊どんどんだしてください。

 で、1期のOPって…ひょっとして…???



4話 面白過ぎて草。演出もいい。異世界という分類を越えて良作の予感。

{netabare} いや、構成も演出もキャラ作りも最高です。1話1話の話の展開が明確でそれぞれのエピソードに見せ場もあるので、本当に見ごたえがあります。1話の入り方も良かったですね。「世界最高の暗殺者…」的構成でグッと物語に引きこまれます。

 設定は開き直って、中世といいながら20世紀後半でなぜか電気がないという風情ですが、気になりません。舞台がストーリーにあまり関係ないからでしょう。

 そして3話から4話ですね。プリンセスの妹さん。最高ですね。劣等感とプライド、性格造形が見事に素晴らしいキャラを作っています。今のところ感情的に乗れるのはこの子ですね。姉に対する妹・弟、平凡な武術と言う面での主人公との共通性が今後どう活きてくるのか楽しみです。

 そしてシャドウガーデンという組織の再登場のカタルシスもかなりのものでした。主人公の勘違い設定があまりしつこくなければいいのですが、これでずっと行くのでしょうか?

 演出で瞳のアップを使うのが一貫しているのがいいですね。低予算対策かもしれませんが、効果的に瞳で感情や思惑を表現していますし、演出の力量を感じました。
 背景がペラペラな感じで低予算ぽいとはいえ、作画は丁寧だし、キャラデザはそれぞれのキャラに個性がありますし、演出が上手いので、全体としてはストーリーを楽しむ分には十分な画面作りが出来ていると思います。

 これだけの良作です。小説とコミカライズからのアニメ化ということで連載ものの欠点で、どんどん薄まってゆく危惧はあります。是非アニメ版での完結で構成させてほしい。続きがあるにせよ、1期で一応の目標を完結させてほしいです。

 OPがちょっと面白いですね。本当にストーリーに関係するんでしょうか。現世にシャドウガーデンが来たら面白そうです。イメージだけかな?{/netabare}


5話 「ルルーシュ」+「魔王学院の不適合者」そこに「オバロ」のプレアデスがくっついた感じでしょうか。つまり、面白いです。

{netabare} 配信時間が楽しみな作品は久しぶりというより、初めてかもしれません。ちょっとはまってしまいました。

 背景美術が安っぽいかと思ってましたけど、改めてみるといいですね。低予算かと思いましたけど、結構いい感じです。実際、止め画は多いので潤沢に予算があるとも思えませんけど、細かい演出に見るべきところが多いです。
 王女様(妹)が落ちる剣を掴むシーンとか心象映像としてなかなか見せていました。なかなかの画作りだと思います。EDも止め画ですけど演出で魅せてますので、工夫が上手いんでしょうね。

 その、EDとかOPなんですが、王女様が登場してないということは、ゲストキャラなんですかね。モブでもいいので絡んでほしいなあ。

 それにしても「アイアム〇〇〇ッ〇」は大笑いです。この外連味は「魔王学院の不適合者」を思い出します。印象としてはキリト君っぽいですけど、ルルーシュの「ゼロ」のほうがイメージが近いですね。
「ぷれぷれぷれあです」的なスピンオフもいつの間に始まっていましたので、「オバロ」のプレアデスは意識はしていると思います。

 スピンオフは下手をすると作品世界がメタ的になってしまい、本編の真面目な部分が楽しめないので、もうちょっとずらしても良かった気がします。{/netabare}


10話 やっと本性が現れました。本作はエロギャグアニメですね。

{netabare} キャラ作りのための少しシリアスな展開もありますが、ここまでやられるとさすがにわかります。そう、つまり本作は真面目にやっているように見せかけたエロギャグアニメということでしょう。時代考証とかやる意味はゼロです。何でも有りですね。

 やっぱり作品のコンセプトはオバロと似ている気がします。ただ、オバロより更に、エロギャグが強めということで。俺TUEEEがオチになっているのもオバロっぽいです。
 本作はそれに加えて、各ヒロイン毎のエピソードが面白くできているのが、いいですね。

 本作は真面目に考察してはいけない、エンタメ作品の位置付けで楽しませてもらいます。10話はちょっとふざけすぎですけど。{/netabare}



13話 あれ?続くの?アルファが重要な役みたいですね。

{netabare} なんか続く感じですね。かげじつが作られてたので力は入っていると思ってましたが…なんか、作画もいいし、キャラも女ばっかりなのにあまり混同しないし。
 あれだけ複雑な髪型の作画が破たんしないのは、CG技術?最近ほとんどのアニメの作画ってモデリングになったのかなあ???それにしては、遠景でも破綻がありません。うーん。やっぱり単なるCGペイントっぽい感じです。いずれにせよ、本作の髪の毛の作画は本当に良いです。「明日ちゃん…」みたいな動きのレベルの高い良さではないですけど。13話、イプシロン良かったです。デルタもいいですけど。

 最後の赤い画面の演出も、出崎演出(低予算アニメを逆手にとった止め画の演出。予算関係なく意図的にも使います)っぽくて良かったですけど、そこは線画で行こうよ、という感じもしました。

 この先続くと思わなかったので、2022年のベスト10に入れませんでしたが…うーん。どうしよう?エンタメとしては優秀でも深みがなあ。アレクシア王女の深掘りが出来ていればなかなか、良かったと思いますが、どちらかといえばギャグよりですからねえ。

 アルファがなんかありそうですね。前から出番がもっとないかなあ、と思ってましたけど、あのツンがいいです。アルファの過去に何かあったとしても、うーん、物語上の展開は楽しみだけど、深みにつながるか…あるいはエンタメ極振りでいくか。{/netabare}


17話 なんか中世世界みたいな設定を守る気が無くなってて草。話が進むたびに現代的になってる?

{netabare} 宿泊施設はビジネスホテルだし、道路にセンターラインはあるし、化粧品のコンパクト、地下鉄、グランドピアノ…って挙げるのが恥ずかしくなるくらい現代じゃんという感じです。完全に遊んでますね。話が進むたびに現代的になっている気が…

 これもギャグだとしたらなかなかのセンスです。それにしてもキャラがいいなあ。王女様かわいい。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

痛さをギャグに昇華できてる

{netabare}
なろう系では珍しく2クール弱と気合の入った作品。

転生して最強になって無双とやっていること自体は普通のなろう系だけど、主人公がイカれた厨二病で、真面目半分ギャグ半分なのでテンプレ的な作品との差別化は上手くできている。
シャドウは痛い奴としてギャグテイストで描かれているので、俺TUEEE系作品特有の不快感がない。
厨二病が行き過ぎていて常人には理解できない行動も多々あるけれど・・・w
この作品は、作者の妄想そのままだと痛かったから、そこを自虐的にギャグで茶化した作品だと思ってる。
実際それによって、痛い作品ではなく、痛い主人公の作品になっている。
それに、俺なんかやっちゃいました系主人公よりはこういう自分の力に自信を持っている作品の方が好きなので、ギャグ作品でなかったとしてもこの作品の主人公は好きだったかな。

プラスで、シャドウがかっこつけて変なことやってるシーンも面白いけど、単純に厨二作品としての出来も高い。
未だに厨二心が残ってるからか、社会に潜む謎の悪組織に、秘密裏に対処するダークヒーロー組織という設定にはワクワクする。
表舞台で力を見せつけるシーンは痛快。
シャドウガーデンを悪の組織と勘違いし敵視するもの、ディアボロス教団、そしてシャドウガーデンと、色んな勢力が競り合っている雰囲気も面白い。
ギャグだけだと途中で飽きただろうから、普通に話が面白いというのは楽しめた要因として大きかった。

物足りなかったのは七陰メンバーの陰が薄かったことかな。
シャドウの存在感が強すぎたのもあるけれど。
あと、キャラの名づけは正直寒かった。ドエムケツハットなど・・・。

1個気になったけど、主人公はまだディアボロス教団が実在することを知らないのだろうか。でたらめな発言が真実だったと気づくシーンがなかったけど、最後の方の行動はディアボロス教団の存在を知った上のものだとしか思えないw

私的評価:62点
私的ベスト回:9話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
女性主人公? 異世界ものじゃないんか? 糞陰キャ主人公。
傍観だけしてる主人公。だっさ…。
日本人なのにそんな戦争に参加したことあるんか…。
言うほど言い訳できるか? ただの犯罪者で草。
バール1本でって、バール相当強いだろ。
そりゃ普通に殴った方が強いわなw 死んでて草。この前置き必要だった?
まあ、陰の実力者という曖昧な表現の具体化か。
まあ脳死で転生させるアニメよりかは。こういう厨二アニメ正直好き。
無自覚厨二じゃなくて自覚ある上ならなんか好感持てるし。
中世じゃないのもいいわ。

2話 ☆7
微妙なOP イキリがコンセプトなら不快感あまりないな。成れ果てかな?
これ言ってて恥ずかしくならんのかなw これ面白いけど2クール持つか?
襲われてそう。
ギャグアニメだけどしっかり厨二バトルものとしての面白さもある。

3話 ☆5
クソOP 何がしたいの? マジで何がしたいの?
金に釣られるダサい陰の実力者さん() イキリ会話きつ。
ガチでカップルみたいなことやってて草。
立派な彼氏だろこれ。世界で何が起こってもどうでもいいとか、作者の思考見えるのきついわ。あっ...

4話 ☆7
エロ展開はよ。確かにモブっぽくて草。何で競り合ってんねんw
はたらく魔王さま。エッッッッ 時は来た
ダークヒーローものとしてちょっと面白い? てか車あるんだ。
このマッドサイエンティストの方がテンプレ的なモブみたいな死に方してるw

5話 ☆5
イキっていく、こいつも常人レベルだろ。つまりどういう事だよ。
だっさ。あの味方巻き込み配ってるぞ。なんか草。
てかこいつの中では教団は実在しないのにやりすぎだろw

6話 ☆6
チョコ あっ…。クールドジ。なに身内から金盗んどんねん。
この白髪達は主人公ポジションなのかな? このピンクは何。

7話 ☆6
こんな現代的なのね街。
モブ演じるパートマジで何がしたいのかわからんからつまらん。
本来とのギャップを高めるというのはわかるんだが。
モブこんなにしぶとくねえよ。奥義全部同じだったじゃん。
ここまでも散々ネームドキャラと関わりまくってる件。
どうせまたトマトジュース

8話 ☆7
アクセラレータさんなにやってんの?
魔力阻害がそんなに一般的なら魔力とかこの世界であまり活躍しなそうだけど。主人公の笑い顔イキリがきつい。
ちょうどそれの解読中にテロとか都合のいいタイミングの襲撃だな。

9話 ☆8
こういう仕掛け実在すんのかな。何食わぬ顔でこれ言えるサイコパス。
厨二アニメでも魔法科はめっちゃハマったけど、これはあまりハマらないのは何でだろうw
なろうのゲームってやる人いるの? 被害クソデカそう。
戦闘の構図は上手い気がする。炎バックはやっぱりかっこいい。
これシェリーこそ主人公の境遇だろw
ここから真実を知っていくストーリー。
父を母殺しと知らずに慕うように、今度はカゲノをシャドウと知らずに慕うのか。なーんか不憫。シャドウガーデン潰しかな? 今回は面白かった。

10話 ☆7
日常系アニメかな? この白髪の子帽子似合いすぎだろ。
アレクシア可愛いよ。百合アニメ? キャラデザは可愛い。
なんで聖地とやらに行くの? 女神の試験?
何のために受けるし。The Eminence In Shadow
日常回面白いじゃん。何を食ってるんだこいつは。

11話 ☆8
ホモ。風呂の流れちょっとワロタわ。露骨な犯人。
こんなエロネタやるアニメだっけw ちょろいじじい
何だかんだいい厨二作品だわ。正直好き。画面が眩しい。

12話 ☆8
聖域に入って何するのか。ダークヒーローではなくただの悪人になった瞬間。
あのモブの殺され方見てなお良く入る気になったな。ハゲ。驚きの白さ。

13話 ☆6
弱点解説するの草。ハゲ主人公がいてもいいだろ。

14話 ☆7
吸血鬼かよw イキリ英語草。で、聖域行った目的なんだっけ?w
お前、消えるのか? てか、主人公はまだ何も知らんの?w
主人公無知設定ない方が面白い気がするのは自分だけか。
主人公よりもこの引き立て役のキャラたちの方が詳しいの草。

15話 ☆8
正体割れてるだろ。変装かよw 殴られて変装解けんのかw
これ厨二作品書いてたら恥ずかしくなったからギャグっぽくした感ある。
普通に大会見せてくれやw

16話 ☆7
人間不信。なんで逃げたし。魔法科高校かな? 雑魚に名乗るな。
そりゃ皮肉られるわw 4330という中途半端さ。名前寒いのやめろ。
クイントンとの戦闘シーンちゃんとやれ。
アンネローゼ割と頭おかしいなw

17話 ☆7
ピアノまで弾けるのか。イプシロン一番好き。会話ちょっと寒いぞ。
この世界文明進んでるのか進んでないのかいまいちわからんな。
お前大会はどうした。
この瞬間に教団が攻め込むってことは結局シャドーは教団の存在知ってるの? それとも偶然?

18話 ☆7
姉さんヤンデレかな? ジミナの時に席外してたらクッソ怪しくねw
流血してるじゃん。目立とうとしてるガイジがトップなんだよなぁ。

19話 ☆7
画面端に見切れてるなw 目的何もないからなw おいおい瞬殺だよ。
ブーメラン刺さってますよ。スタイリッシュ盗賊スレイヤーw 黒歴史か?

20話 ☆7
つまりどういうことだ。暗黒兵士で見た。
ちゃんと厨二作品としてかっこいい。急にキレるなw I am atomic
親殺されたと勘違いしてる奴か。
こいつもう取り返しつかないことになってて草。
エッッッッッ 服脱がせたかっただけだよね。呑気にピアノ弾いてて草。
作画良くて草。

曲評価(好み)
OP「HIGHEST」☆4
1話ED「Darling in the night」☆7.5
2話ED「Darling in the night」☆5.5
3話ED「Darling in the night」☆7
4話ED「Darling in the night」☆6
5話ED「Darling in the night」☆8.5
6話ED「Darling in the night」☆6.5
7話ED「Darling in the night」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

70.8 19 秘密で戦闘なアニメランキング19位
戦闘員、派遣します!(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (404)
1349人が棚に入れました
秘密結社キサラギ。今や地球上の誰もが知る大企業は、自ら悪の組織と名乗ってさまざまな悪事に手を染め、ヒーローたちを打ち倒し、ついに世界征服を成し遂げようとしていた。しかし、世界を手に入れれば大勢の戦闘員たちは不要になってしまう。このリストラ問題を解決すべく、キサラギの最高幹部たちは新たな侵略先として宇宙に狙いを定める。そして地球によく似た環境の惑星へ、「戦闘員六号」と美少女型アンドロイドの「キサラギ=アリス」を派遣するが、現地の人々は“魔王軍"の侵略を受けていて――。

声優・キャラクター
白井悠介、富田美憂、菊池紗矢香、村上奈津実、髙橋ミナミ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

3話までの感想{netabare}
原作未読。
このすばとこの作品の間に“アクダマドライブ”があったせいか、ついついそっちの方向で見てしまう。
つまりは「悪行ポイント」が気になる。
果たしてこれは仲間を裏切っても計上されるのか、あくまで秘密結社キサラギの利になることでないといけないのか。
そこら辺をトリックに仕込んだ話が展開されれば面白いかもねー、みたいなことをうっかり友人に話したら「コミカライズ版読んでるけどそんな方向には行かない」と言われてガックシ。
前もってネタバレすんなと断らなかった私が悪いのだが、そうか、関係無いのかー。
まぁそれはそれでいっか、先述の悪行ポイント以外にも興味をひいた部分があるのでそれに期待しよう(友人には黙っとこうw)。

なろう系ではよく現地人がバカ過ぎることを「知能デハブがかかってる」と揶揄されるけど、揶揄ではなくきちんと作家側から「この世界はデハブがかかってる」と設定されてるのなら、批判のポイントにはならない。
どうやらこの世界、戦車のモニュメントがあったり(使えなくなってた)気象コントロールマシーンがあったりと、一度文明が崩壊した後の世界らしい。
ひょっとして知能デバフ装置なんてのもあって、人知れずそれが稼動し続けてる…なーんてことは、具体的に見せなくても可能性を匂わすだけで辛いなろう作品よりよっぽど見易い。
こういう部分って狙ってるんじゃないかなー?
先代文明は何故滅んだのか、意思・意図のようなものは残ってるのか等、世界の謎を掘り下げるかどうかは分からんけど「仲間になったキャラ」がその世界でも異質の存在であるなら、やってくれるんじゃないかなー?どうかなー?

一方で作画や演出はちょっと…。{/netabare}

5話までの感想{netabare}
何をすれば悪行ポイントとして加算されるか?が分からないのが辛い。
もっと言えば誰が「それは悪行ポイント対象となる行為です」を判定してんの?と。
ヘンに捻らず素直に考えりゃ(※)博士が組んだシステムだろうけど、じゃあ博士の倫理観はマトモなの?を私は知らない。
それこそ奴隷が当たり前の世界で奴隷買ったら悪行になるの?とか、善悪なんて国や時代でコロコロ変わるモンでしょう。
そういう時代に左右されない根源的な善悪なんて、博士が持ち合わせてるとは思えない。
「そんな重箱の隅を…」とか「そういう話じゃねーから」と言われそうだけど、いや結構重要じゃね?

例えばチャックマンの件について、「悪行ポイントを稼ぎたいなら他にやり様がいくらでもあったのによりにもよってそれを選ぶかw」であるなら笑えるのだけど、肝心の「他にやり様」の例が示されてないので全然笑えない。
(一応アリスが正解例を示すが、非人道兵器の使用とか飛躍しすぎてて参考にならない)
6号の立場で考えると「じゃあ悪行ポイント稼ぎたかったらどうすれば良かったんだ?」になるし、その結果を笑い者として扱うのはイジメにしか感じない。
要は感情移入できない。
そうだなぁ、「悪行ポイントをスマートに稼ぐ正解例」を見せるライバルキャラとか居れば全然違ったと思うのだが…転送された勇者がその役を担ってくれたりしないかな?
ってか「これが正義の行いだー」と自分を疑わない正義マンが居て、そいつのやること成すこと悪行ポイントが加点されるオチで「なんでじゃー」ってなる話の方が面白かったのでは…?



どうもここに“なろう癖”を感じる。
あたかも神様の存在する異世界か、開発者の存在するVR世界かのような。
そういう世界だったら善悪判定装置みたいのがあっても、まぁ納得できなくはない。
といいつつ、5話で「この世界での勇者の伝承」を推測する際、ゲームや小説を参考にし始めて…こ、これは、伏線…だったりする?
別惑星の伝承なんて地球の創作物のセオリーなんて通用しなさそうじゃない?しかも言いだしっぺがアリスだし。
なろう癖を逆手に取った展開があることを期待してしまうのだが…どどどどうなんだろう?{/netabare}

6話感想{netabare}
スーツの制限解除をした反動で身動きが取れなくなったことを悟られないようにしつつ、敵が退いてくれるギリギリの妥協点として「ひと月の停戦」を持ちかけた──要は思い切りピンチな中、まんまと騙せるかどうかの緊張の一瞬──かと思ったらそうじゃないらしい。
「いいんだよ、ひと月もてば。オレにちゃんと考えがあるからな」と言ってるのでその場しのぎのデマカセではなく、実際に計画があっての停戦提案だったらしい。
ここはではまだいい。
考え=計画の中身次第だけど、じゃあこの後は計画実行に向けての行動をするんだろうな、と思ったら国へ帰る素振り?
まぁこれもまだいい、一旦帰って戦力増強してひと月以内に戻ってくるつもりとか、もう既に仕掛けは施してあって六号がグレイス王国に居なくても解決する、とかあるだろう。
繰り返しになるけど、考え=計画の中身次第でどうとでも転ぶ範疇。
けど…グレイス民の連中が騎士に戻らないかだの隊長になってくれだの言うのはどうなんだろう?
「考えがあると言っておいて何もせずに立ち去る気か?」と思わんのか?
「停戦期間のひと月の間、我々は何をすればいい?」と尋ねるのが先じゃないか?
もし聞きづらいのなら「何か行動を起こすんだろうな」で邪魔になる様なことは控えるんじゃね?
去ろうとするのを引き止めようとするのはすっごい違和感。
これが停戦交渉はデマカセだったというなら分かるのだけど、そうじゃないんだよね?
無理やりタイトル回収したくて展開を捻じ曲げた様な感じで、感動シーンと思われるが「ヘンじゃね?」って気持ちの方が前に出て全然感動できない。
ま、まぁ今後納得の行く説明があればそれで良いんだけど…どどどどうなんだろう?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

侵略先として派遣されたのは、地球によく似た惑星!? 剣と魔法の惑星を侵略開始

この作品の原作は未読ですが、著者が暁なつめ先生であることを知り視聴を決めた作品です。
暁なつめ先生といえば、「この素晴らしい世界に祝福を!」ですよね。
個人的には、このすば第3期を期待していましたけれど…


秘密結社キサラギ。
今や地球上の誰もが知る大企業は、自ら悪の組織と名乗ってさまざまな悪事に手を染め、ヒーローたちを打ち倒し、
ついに世界征服を成し遂げようとしていた。

しかし、世界を手に入れれば大勢の戦闘員たちは不要になってしまう。
このリストラ問題を解決すべく、キサラギの最高幹部たちは
新たな侵略先として宇宙に狙いを定める。

そして地球によく似た環境の惑星へ、
「戦闘員六号」と美少女型アンドロイドの「キサラギ=アリス」を派遣するが、
現地の人々は“魔王軍”の侵略を受けていて――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

「このすば」と「戦闘員、派遣します!」には主にキャラクターに関して共通項があると思います。
まず第1に主人公の性格が残念であること…
そして、相手に勝つためなら卑怯な手段を平気で使うところなんかは正直そっくりです。

それにヒロインが残念系なのも似ているところかと…
この作品でグレイス王国近衛騎士団の隊長だったスノウを見ていると、このすばのアクアが頭をよぎって仕方ありませんでした^^;

このすばのアクア以外のヒロインだとめぐみんやダクネスになりますが、ロゼとグリムも相当残念な感じが否めません。

でも、この主人公とヒロインの残念具合が堪らなく心地良いですし、暁なつめ先生の作品の魅力だと思っています。

そういう意味からすると、今回とみたんが演じた高性能アンドロイドのアリスは唯一まともな存在だったかも。
まぁ一人くらいまともなキャラがいないと物語として破綻するかもしれませんので^^;

物語的には、世界征服を目論む秘密結社「キサラギ」の新たなる目標は他の惑星を侵略すること…
そこで、組織では幹部に次ぐ古参メンバーで戦闘力も高く、トップクラスの任務遂行率を誇るも、性格が災いして未だに戦闘員クラスに甘んじている戦闘員6号に白羽の矢が立ち、目的地に転送されてしまいます。

ですが、転送先の出来事を見ているうちに、他の惑星を侵略するという当初の目的は頭からすっかり抜け落ちていました。
何故なら、やる事成す事侵略とは程遠いことばかり…
加えて、戦闘員6号の周りのヒロインの残念っぷりが半端無いのに引っ張られて、段々戦闘員6号たちの当初の目的を忘れてしまったようです。

こんな展開ばかりだからこそ、戦闘員6号の仲間に対して極稀に見せる優しさのポイントが高く感じるんですよね。
まぁ、これも良いスパイスとして機能していたのではないでしょうか。

それと、声優さんの布陣が豪勢なのもこの作品のポイントです。
メインキャストにとみたん、髙橋ミナミさんが起用され、秘密結社キサラギの3大幹部に、渡部紗弓さん、ちゃんりな、かおちゃんが起用。
そして魔王軍には瀬戸麻沙美さんや、みっくという面々が揃っているんです。
否応なしに視聴意欲が湧きましたよ。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、みっくによる「No.6」
エンディングテーマは、キサラギ=アリス(とみたん)、スノウ(菊池紗矢香さん)、ロゼ(村上奈津実さん)、グリム(髙橋ミナミさん)による
「Home Sweet Home」

1クール全12話の物語でした。
本作品もしっかり笑わせて貰いました。
果たして次は、こちらの続編が早いか、それとも「このすば3期」が先かが楽しみです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

好き者のコンピテンシー

暁なつめ氏の原作は未読


この御方は作品によって、大きく作風が変わらないため良くも悪くも想像しやすい。アニメ化は『このすば』『けものみち』に続いてってことになるのかしら?

・♂の異世界転生
・主人公♂が性的欲望に忠実
・ハーレムでわりと♀がひどい目に合う

○○のほうが優れている云々は置いといて、原作者の手癖みたいな会話の間やテンポ、そして交わされる会話の内容はやはりこの人とわかりますし、原作の良さ(読んでないけど)を踏襲するようスタッフが腐心したのだろうとは思います。 

どうやら地球から転送された(らしい)主人公の過去話はカットされてます。物語の進行に支障はございません。その戦闘員六号(CV白井悠介)が主人公です。Youtubeでたまにお見かけしていたしらいむさんの作品まともに観るのはこれが初。
世界征服を企む大企業「キサラギ」の従業員がとある星に転送されてのすったもんだです。ハーレム構成メンバーは以下

■6号のチーム:日々寝食を共にしてる
 キサラギ=アリス(CV富田美憂) アンドロイド/低体温ツッコミ役
 スノウ(CV菊池紗矢香) 近衛騎士団隊長/剣持ってる人
 ロゼ(CV村上奈津実) 戦闘用キメラ/大食の人
 グリム(CV髙橋ミナミ) 大司教/車椅子で呪う人

■キサラギ:上司に相当
 アスタロト(CV渡部紗弓) 氷結の人/チョロイン
 ベリアル(CV日高里菜) 業火の人/印象にない
 リリス(CV石原夏織) 科学者/人気投票の際バイデンしてたね

■グレイス王国:転送先のウォッチ対象其の一
 ティリス(CV前田佳織里) 王女/腹黒サディスティック

■魔王軍:転送先のウォッチ対象其の二
 ハイネ(CV瀬戸麻沙美) 魔王軍四天王の片割れ/たぶんドM
 ラッセル(CV伊藤美来) 魔王軍四天王の片割れ/うーん…美少年枠!?

チームメンバーとの日常劇をベースにその他愉快な仲間たちと組んずほぐれつします。多彩なので退屈はしません。完走への吸引力になりました。ハーレムの話はここまで。それこそハーレム+αの部分、“暁節”といえる会話劇が付加価値となります。
あらすじの通りで一言で言うとこのすば的サラリーマンのお話です。意外と実社会で使えるかもしれない!って視点で観るとより楽しめるかもしれません。



※余談

■コンピテンシー(有能社員の行動特性)

 「悪行ポイントが加算されました」

パワーワードです(笑) 
悪いことやると評価されインセンティブが溜まる明快な仕組み。営業なら売上いくらとか、人事採用なら採用者何名とか、工場なら生産量とか、開発なら納期遵守/安定品質とか、なにをもとに評価するかって指標がありますよね。

業種:商社?人材派遣業?
理念:世界をわが手に!
職種:戦闘員

他にも挙げれば細かくいろいろ出てくるでしょうが、従業員の行動規範があって、上司と1on1して目標設定したり、雇用契約にインセンティブ詳細があるのかもしれません。

それに沿って主人公は行動しているわけで、アニメの中で繰り広げられてる下衆なあれやこれやもそれが職務内容となってるのならしょうがないよね、普通よね、と考えてしまうのは骨の髄までサラリーマンだからかもしれません。
{netabare}あわよくばキサラギ社の新卒面接で志望動機を聞いてみたいものです。大喜利楽しそう…{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.06.30 初稿
2022.05.24 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 48

76.4 20 秘密で戦闘なアニメランキング20位
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(アニメ映画)

2019年2月15日
★★★★☆ 3.9 (178)
1212人が棚に入れました
3つの物語の舞台は約100年後の日本とアジア――その現在、過去、未来に起きる事件が語られる。事件に立ち向かうのは、規定値を超えた〈犯罪係数〉を計測された〈執行官〉たちと〈シビュラシステム〉が適性を見出したエリート刑事〈監視官〉たち。犯罪を未然に防ぐために必要なものは、猟犬の本能か、狩人の知性か。事件は思わぬ事実を明らかにし、世界のあり方を映し出す。これまで語られていなかった『PSYCHO-PASS サイコパス』のミッシングリンクがついに紐解かれる。

声優・キャラクター
東地宏樹、有本欽隆、浅野真澄、てらそままさき、大原さやか、関智一、野島健児、石田彰、伊藤静、沢城みゆき、本田貴子、花澤香菜、佐倉綾音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

亡き者達へ捧ぐ【鎮魂歌】All Alone With You

2012年秋冬期の第1期TVシリーズ、2014年秋期の第2期TVシリーズ、2015年の劇場版長篇に続く劇場版3部作『サイコパスSS』の2作目です


人の精神を数値化出来ることから警察が廃止され、厚生省公安局が治安維持と法務の執行を取り仕切る未来の日本が舞台のSFサスペンス


実写映画監督の本広克行、脚本家の虚淵玄も関わっていたシリーズですが、この3部作では最初期からアニメーションディレクターとして携わっていた塩谷直義が自らストーリー原案を組み立てて単独で監督
さらにノベライズ版を手掛けた吉上亮と深見真が脚本を担当しています
本来なら1作目からレビュを書くところですがこの2作目が特に素晴らしかったので先んじて書きたいと思いました

























2116年、SEAUnシャンバラフロートでの事件から2ヵ月後の公安局に、外務省から花城フレデリカという女性が刑事課一係に監視官補佐として出向してきたことが事の始まり
彼女の真の目的は元国防省、国境防衛システム海軍のドローンパイロットであった須郷徹平を外務省にスカウトすることであったのだ
須郷は国防省時代にサイコパスを悪化させるきっかけとなった事件を思い出す…
時は遡り2112年、常守朱監視官就任の数ヶ月前
須郷の所属する部隊はSEAUnへの介入を始めた日本政府と国防省の極秘任務「フットスタンプ作戦」を遂行するが作戦は失敗
ドローンパイロットの須郷たちを残し地上部隊は全滅
その中には尊敬する部隊長であった大友逸樹の姿もあった
しかしその後、フットスタンプ作戦関係者を襲撃する軍事ドローンによるテロが発生
容疑者に挙がったのは死んだはずの大友逸樹
須郷も容疑者として公安の監視下に置かれた
そんな須郷の前に現れた公安というのが、当時刑事課一係の執行官だった“とっつぁん”こと柾陸智己だったのだ…


























今作の第一印象は、色相診断の結果が全てにおいて優先される世界観で、そもそも軍人という職業が成り立つのか?というシリーズへの疑問を投げかけた意欲作だと思いました
理不尽な作戦を強いられる前線の特殊部隊の悲惨さと上層部との軋轢
とかく非情な結末が待ち構えている中で突き進む須郷の心情が軍事冒険小説のような体で彼が得意とするドローン技術の描写と共に描かれ、SFとしてもミリタリーサスペンスとしても楽しめる作品に仕上がっております
この『SS』3部作全てに共通してることでもありますが、画面のクオリティもこれまでのシリーズが嘘のようにハイレベルにまとまっているのも素晴らしい


お話の結論から言って、軍人という職業が成り立っているのはやっぱりちょっとおかしいというか、それは『劇場版』のシャンバラフロート事件を観ても矛盾してるのは明らかです


ですがそんなツッコミどころを他所に、もう一方でハードボイルドな刑事ドラマとしての魅力が今作を支えていることに目を向けたいと思います


物語は終始須郷の目線で語られますが、須郷から観た“刑事という生き方とその正義”を貫いたとっつぁんはこれ以上に無くカッコイイ男、として映ります


まだとっつぁんと宜野座が和解する前ともあり、宜野座との確執の深さや初めて登場する柾陸の元妻=宜野座の母との距離感のある関係も明かされ、とっつぁんの公私が今作の中で共に語られるというのがキャラに深みを与えています
この妻子を支えるとっつぁんの姿は、事件の中心となってしまったが須郷の良き先輩でもあった大友とある意味オーバーラップしつつ、裏表一体の関係になっているのも面白い


何よりもとっつぁんや、さらに今作に登場し大活躍をする青柳璃彩監視官、縢秀星執行官という人々が後々の事件で【全員殉職してしまっている】という事実が今作に漂う哀愁に拍車をかけてます


思えば『サイコパス』というシリーズは幾度となく希望を打ち砕いてきました
本当は死ぬべきではなかったはずの人々の生命が軽々しく奪われていってしまったことへの虚しさ
そんな彼等の在りし日に、いまいちど思いを馳せさせてくれるのが今作なんだと想うのです


そして何より、とっつぁんを演じた有本欽隆さん自身がもはや帰らぬ人となってしまっているのがやるせない…


エンドロールではEGOISTの「All Alone With You」を中野雅之が手掛けたReMixが流れるのですが、これがオイラには“逝ってしまった者達へのレクイエム”の様に聴こえてなりませんでした…


興行終了間際に立川シネマシティ、シネマツーaスタジオでの極上音響上映「TOTTSUAUND」も堪能してきました
SEAUnでの戦闘シークエンスはもはや極爆を超えたとも言える凄まじい音圧の破裂音が連続
とっつぁん最大の見せ場となる、軍人相手に怯むことなく啖呵を切って迫るシークエンスの迫力も他の劇場にも増して最高でした
上映終了後には岩浪音響監督自らが名付けたTOTTSUAUNDという名前と、今作が有本さんの遺作となっていることを合わせた追悼メッセージが画面に映され、最後の最後で涙してしまいました

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

刑事の勘は永遠に……

『PSYCHO-PASS(サイコパス)』の新作・劇場版三部作の二作目の舞台も日本。
但し、メインの時代はTVアニメ1期の少し前の過去。
本作で起きる事件もまた、霞ヶ関のタテワリが障壁になる難事件ですが、
この当時はまだ“伝説の刑事”で、公安局の“猛犬”征陸(まさおか)智己<執行官>が健在。
シビュラの権限が規制される、他省庁の“聖域”にあっても、
征陸の事件への執念は潰えず、その牙は一度食らい付いたら離れません。

ついでに征陸の息子・宜野座<監察官>もこの頃は絶賛反抗期中w
宜野座は家名の通り、{netabare}沖縄が実家。
沖縄絡みの捜査からの脱線が炎の険悪親子関係に油を注ぐことにw{/netabare}
久々に熱い?親子喧嘩もスクリーンにぶちまけられて感無量ですw

征陸や事件の関係者を通じて、組織の中でも折れない個人の信念を感じたシナリオでした。
例えば征陸<執行官>はTVアニメ1期でも、
シビュラが捜査、執行全般を指示する時代になっても尚、
刑事の勘を前面に押し出した、昔気質のデカを貫き通していましたが、
本作でも、その生き様に再会できて熱かったです。

加えて、そんな個人の信念の継承も確かに感じられました。
各省庁の秘密主義が招いた事件は、相変わらず組織が個人を圧殺する後味の悪い物でしたが、
刑事の勘は、先の第一部にて<執行官>に受け継がれていましたし、
本作では、そんな胸糞な事件が続く中でも、たまに感じられると言う
刑事の正義や信念を引き継ぐ意志もありました。


一方で<シビュラシステム>については、今回もまた、
{netabare}硬軟織り交ぜて対立省庁を屈服させる狡猾さが際立ちました。
事件を通じて、クーデターの危険性が最も高い軍隊に対し、暗部と言う首根っこを抑える。
その上で生かさぬよう殺さぬよう、使える武力だけ残して、
貸しも作って<シビュラ>に抗えない体勢に持って行く。

タテワリが壊される様なんかも、通常は規制緩和など革新的でポジティブなイメージですが、
本シリーズのタテワリ打破は、三部作通じて、
霞ヶ関支配の地歩を固めて行くであろう、<シビュラ>の着実さが目立ち薄気味悪いですw{/netabare}


うん……やっぱりシビュラくん、性格悪いわ~w


付記:第二部公開を控えた今月に入って、
征陸智己<執行官>役の有本欽隆氏・食道がんで死去の訃報が飛び込んで来ました。

<シビュラ・システム>の伸長により“伝説の刑事”から
<潜在犯>として公安局の“猟犬”に落されても尚、
自身の矜持を捨てずに、泥臭く食い付いていく征陸の生き様は、
システムに疎外されても消えない人間性を語る上で重要な要素でした。

それを人間味溢れる演技で再現した欽隆さんの声は地味ながら作品に欠かせない物でした。

元々、本作は、{netabare} 生前の征陸を悼む視点{/netabare}もあった上に、
さらに“弔辞”コメントも相次いだという舞台挨拶のニュース等も含めて、
中の人の追悼ムードも加わり、
より故人の遺志というテーマを意識させられた劇場鑑賞となりました。

ご冥福をお祈り致します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「フットスタンプ作戦」…あそこで、本当はいったいなにがあったんですか!

この作品は、2019年に上映された劇場版アニメ三部作の第2弾です。
現在、過去、未来の三部作のうち、今回は「過去」に位置付けられる作品となります。


常守朱が公安局刑事課一係に配属される前の2112年夏、沖縄。
国防軍第15東郷任務部隊に所属する須藤徹平は、優秀なパイロットとして軍事作戦に参加していた。
三ヶ月後、無人の武装ドローンが東京・国防省を攻撃する事件が発生する。
事件調査のため、国防軍基地を訪れた刑事課一係執行官・征陸智己は、須郷とともに事件の真相に迫る。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回の物語の主役は、執行官の須藤徹平さん…
正確に言うと、執行官になる前の軍人だった頃の須藤徹平です。
恥ずかしながら私の記憶から完全に抜け落ちていたキャラでした。

このシリーズは、これまで主人公が次々と事件を解決していくスタイルが主流でしたが、今回の物語は一味違っていました。
確かに事件は発生するのですが、事件を解決するのはあくまで公安局の仕事…
それじゃ須藤徹平はというと…完全に巻き込まれた感じでしたね。

でも、こういう目線も大切だと思います。
何故なら、私たちが何かの事件に関わるなら圧倒的に第3者で巻き込まれる確率が最も高いでしょうから…
生きていて、何度も事件の第一人者には成り得ませんしね。

でも、周囲を巻き込む力…というより、抑え込む力のが物凄く強い事件だと思いました。
最近、「働き方改革」という言葉をよく耳にしますし、職場にも浸透し始めています。
それから比べると、今回登場した国防軍は明らかに逆行していました。
もちろん、機密事項の漏洩はどこの部署においても絶対禁則事項です。
ですが、職場の風通しという意味では、現代社会と随分なギャップを感じました。
今より未来の世界の出来事なのに…

レビューのタイトルで用いた「フットスタンプ作戦」は、本作品の中で素性が明らかになるのですが、思っていた以上に残酷で、悲しみしか生まない作戦だったのではないでしょうか。
諸悪の根源は、作戦の指揮者にほかなりません。
ですが、例え何も知らなかったとしても、自分が加担していたことを後から知らされたらどうでしょう…
何もかも開き直れる訳なんて…ありませんよね。
だから、潜在犯に認定されるのは、直接犯罪に手を染める以外にも多種多様なケースが存在するのだと思います。

本作では、シビュラシステムにはあまり触れられませんでした。
これまでは、全ての犯罪はシビュラシステムに直結していたので違和感ありませんでしたが、システムに関係無いところでも、事件って起こるんですね。

主題歌はCase.1と変わらず、エンディングテーマは、1期後半のエンディングが使用されていました。
もちろん、Case.1同様リミックスバージョンです。

上映時間が約60分の作品でした。
Case.1とコメントが重複しますが、兎に角物語の濃厚さが半端ありません。
「正義と信念の感じられる仕事」という台詞を耳にしました。
自分も「かくありたい」と思える台詞でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

73.7 21 秘密で戦闘なアニメランキング21位
装甲騎兵ボトムズ(TVアニメ動画)

1983年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (208)
1141人が棚に入れました
アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。

声優・キャラクター
郷田ほづみ、富田耕生、千葉繁、川浪葉子、銀河万丈、戸谷公次、玄田哲章、広瀬正志、郷里大輔、速水奨、政宗一成、麦人、上恭ノ介、緒方賢一
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

特殊部隊上がりのキリコ君が、俺TUEEEしてモテまくる大勝利アニメ!?

「むせるアニメ」という評判から、きっと、むっさいオッサンがいっぱい登場するダサいロボット・アニメだろう、と思って見始めたら、イケメンPS(パーフェクト・ソルジャー)のキリコ君が俺TUEEEE!してモテまくる作品だった。

・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…イデの発動だとかニュータイプだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。(AA略)

「俺TUEEEEアニメ」の代表作といえば、『ソードアートオンライン』(2012年(第1期))ですが、その30年近くも前に、こんな大先輩がいたとは!
・・・って、単に主人公の名前が、SAOのキリト君に似ているだけなんですが。
{netabare}
キリコ    → キリト
フィアナ   → アスナ
ゴウト    → エギル
バニラ    → クライン
ココナ    → リズ
カンユー大尉 → キバオウ
ワイズマン  → 茅場晶彦{/netabare}

・・・と考えれば、だいたい合ってる気がしないでもない(責任とりませんから)。

次のような「一般人の認識」という有名コピペまであるようですし、『ボトムズ』は、きっとアニメファン必見の名作なのでしょう。

--------------------------------------------------- 引用開始 ----
■一般人の認識■
{netabare}
◎ガンダム:安室とシャーがたたかう話
◎エヴァ:パチンコ
◎マクロス:歌う
◎ギアス:知らん
◎ボトムズ:アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。
その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。
作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。
その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。{/netabare}
-------------------------------------------------- 引用終わり ---

一般人の認識とは上記のコピペである。
アニヲタの間では有名なロボットアニメに対する一般人のイメージを分かりやすく表したものである…とされている。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E4%B8%80%E8%88%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%AA%8D%E8%AD%98

・・・『ガンダム』とか『イデオン』(※ともに富田由悠季監督作品)といった、評判ばかり高くて実際に視聴してみたら結構アレな作品を我慢して見続けるくらいだったら、同じサンライズ制作でも、『太陽の牙ダグラム』、『ガサラキ』と併せて、「ロボットアニメの真の名作」といっても過言ではないこの『ボトムズ』(※この3作は全て高橋良輔監督作品です)を試しに視聴してみる、という選択肢もある、ということで、簡単ながら作品紹介レビューを書いておきます。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1部(ウド編)は、ロンリー・ソルジャーの格好良さに感嘆して、作画の古さはマイナスながら、★ 4.0 と評価が高くなる。
・第2部(クメン編)も、東南アジア某国をモデルとした舞台設定に面白味を感じるものの、流石に今度はシナリオの冗長さに飽きてきて、☆ 3.9 と若干評価を下げる。
・第3部(サンサ編)、第4部(クエント編)は、それぞれ特殊な惑星を舞台とした展開に。特に終盤は意外な展開の連続で目が離せなくなる。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作・監督       高橋良輔
脚本           五武冬史、高橋良輔、吉川惣司、鳥海尽三
キャラクターデザイン 塩山紀生
メカニックデザイン  大河原邦男
音楽           乾裕樹
アニメーション制作  日本サンライズ{/netabare}


◆パート別評価

(1) ウド編   (第1-13話)  計13話 ★ 4.0
(2) クメン編  (第14-28話) 計15話 ☆ 3.9
(3) サンサ編 (第29-40話) 計12話 ☆ 3.9
(4) クエント編 (第41-52話) 計12話 ★ 4.2
-----------------------------------------------
  総合              計52話 ★ 4.1


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 装甲騎兵ボトムズ (1983年4月-1984年3月) ==========

 - - - - - - - - ウド編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
  ※百年戦争の戦災で出来たクレーター内に造られたヂヂリウム採掘の街ウドが舞台(聖書にある悪徳の街ゴモラがモデル)
{netabare}
第1話 終戦 ☆ 百年戦争終結、キリコ曹長の災難(目的不明の作戦、素体との遭遇、捕囚、拷問、脱走)、ビーコン監視
第2話 ウド ☆ 惑星メルキア、ウドの町、酸の雨、暴走族ブーンファミリー、ヂヂリウム集め、脱走
第3話 出会い ★ 三人組(ゴウト、ココナ、バニラ)との出遭い、装甲騎兵ボトムズ修復・起動、暴走族との交戦、治安警察の介入
第4話 バトリング ★ バトリング契約、AT(Armored Trooper)リアルバトル、コニー少尉殺害、キリコ拿捕 
第5話 罠 ☆ キリコ尋問・拷問、三人組のキリコ救出、オリア大尉隊との市街戦
第6話 素体 ★ キリコが追われる理由、治安警察基地侵入、素体との再会
第7話 襲撃 ☆ キリトと三人組のヂヂリウム略奪
第8話 取引 ★ ゴートと署長のヂヂリウム売買交渉、キリコ搭乗ATvs.謎の赤いAT、キリコ敗北
第9話 救出 ★ 三人組の仁義、キリコ救出失敗、金貨空中散布、市内騒乱、救出成功、仲間意識の発生
第10話 レッド・ショルダー ★ 監視者、集中砲火からの脱出、メルキア戦略装甲騎兵団特殊任務班X1(吸血部隊) ※ラストにキリコの内面独白
第11話 逆襲 ★ PS(パーフェクト・ソルジャー)、キリコ単騎治安警察本部急襲、キリコ機vs.プロト・ワン機、プロト・ワン捕縛 ※同上
第12話 絆 ★ キリコとプロト・ワンの意思疎通、二人の包囲網突破作戦、「フィアナ」奪わる、監視者(軍)の介入
第13話 脱出 ★ フィアナの逃亡拒否、軍vs.治安警察(素体争奪戦、署長死亡、ボロー司祭フィアナを連れての逃走成功)、ウドの街壊滅{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - クメン編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
   ※ウドの町を離れて3ヶ月後、内乱のクメン王国が舞台(クメール=カンボジア王国がモデル)
{netabare}
第14話 アッセンブルEX-10 ★ 傭兵初日、ビーコン除去、三人組との再会、ビーラーゲリラの夜襲、PSとの遭遇戦
第15話 疑惑 ★ ココナの店爆破未遂、キリコへのスパイ嫌疑、対PSプログラムの成果
第16話 掃討 ★ ゾンム村奇襲(カン・ユー大尉隊)、村民への尋問、ロシアンルーレット、新たなPS(イプシロン(プロト・ツー))
第17話 再会 ★ キリコ置き去りの撤収命令、キリコ敵拠点へ単身乗り込み、フィアナとモニカのキリコ脱走幇助
第18話 急変 ☆ キリコ帰還、クメン王国とメルキアの停戦協定発効、敵襲
第19話 思惑 ☆ 基地防衛成功、キリコとロッチナ大尉の再会、ムナメラ河遡行作戦開始
第20話 フィアナ × ※総集編1、新規シーンほぼ無し
第21話 溯行 ★ ラモー寺院の捜索・戦闘、バニラの合流
第22話 触発 ★ ゲリラ戦車隊との遭遇戦・撃破、河中の対イプシロン戦、フィアナの捨て身の妨害
第23話 錯綜 ☆ カン・ユー大尉vs.キリコ、フィアナ解放
第24話 横断 ☆ キリコ指揮下の特殊部隊、前後の敵
第25話 潜入 ★ ゲリラへの撤退命令、特殊部隊サンジェルマン宮殿突入、ミニカ死亡
第26話 肉迫 ★ 宮殿攻防戦、政府軍AT部隊降下、カンジェルマン第3王子死亡
第27話 暗転 ★ キリコのボロー司祭尋問、キデーラ戦死、イプシロンVS.キリコ、メルキア軍AT大量降下、宮殿壊滅、ゴン・ヌー死亡、ボロー司祭死亡、カン・ユー大尉死亡、キリコ&フィアナ脱出
第28話 運命(さだめ) × ※総集編2、新規シーン特になく見なくてよい回{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - サンサ編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
   ※クメン王国からの脱出後、謎の宇宙航行船に取り込まれたキリコ&フィアナ2人だけの宇宙空間~惑星サンサでの戦い
{netabare}
第29話 二人 ☆ 謎の宇宙航行艦、レッドショルダー(特殊部隊)記録映像、休戦協定侵犯、バララント来襲
第30話 幻影 ★ ロッチナ大尉更迭、キリコ・フィアナ各々の戦う理由
第31話 不可侵宙域 ☆ 艦内戦闘、バララント軍撤退、キリコの様態悪化
第32話 イプシロン ★ フィアナの投降申込み、キリコを狂わせた船(テルタイン)接近、・キリコ助命嘆願
第33話 対決 ☆ イプシロン撃退、惑星サンサ漂着、キリコ回復・離艦
第34話 惑星サンサ ★ ゴウト達との再会、キリコの異常戦闘・回復能力、キリコ捜索AT部隊来襲、レッドショルダーへの恨み(ゾフィー)
第35話 死線 ★ フィアナの様態悪化(液体ヂヂリウム切れによる身体硬直)
第36話 恩讐 ★ ゾフィー&バララント軍の執拗なキリコ追跡、酸素枯渇の危機、補給基地到達
第37話 虜 ★ フィアナ回復、キリコ囚わる、バララント軍指揮官ロッチナ、イプシロン隊来襲・応戦
第38話 暗闇 ★ イプシロンとキリコの対話、三人組の解放
第39話 パーフェクト・ソルジャー ★ キリコVS.イプシロン最後の戦い、PSの同類、イプシロンの敗北宣言・死、クエント星への孤独な出発
第40話 仲間 × ※総集編3、新規シーン特になく見なくてよい回{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - クエント編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
 ※ロッチナ大尉に示唆された惑星クエントへ渡り、PSと自らの秘密を探るキリコ
{netabare}
第41話 クエント ☆ 傭兵の町ゴモル、ル・シャッコとの再会
第42話 砂漠 ☆ 3000年前に文明を捨てた星、谷底のクエント人の村へ
第43話 遺産 ★ 長老との対話、手を加えられた者(PS)、神?、シュミッテル兄弟(双子科学者)の追跡、瞬間転移
第44話 禁断 ★ クエントを守る謎の力、シュミッテル隊のゴモル進駐、キリコ&シャッコ瞬間転移、交戦
第45話 遭遇 ★ 再度の瞬間転移、驚異の古代クエント文明(謎の支配者のメッセージ)、フィアナ&ロッチナ大佐との再会
第46話 予感 ☆ バララント&ギルガメス両軍代表会談、フィアナ引き渡し決定、キリコのフィアナ救出作戦
第47話 異変 ★ ロッチナ艦キロコ収容・エネルギー停止、バララント&ギルガメス両軍艦全滅、謎の軍艦接近、キリィとロッチナの再会、ワイズマン(賢者)の意思
第48話 後継者 ☆ 人工星到着、神殿へ、ワイズマンの依頼・キリコの受諾、キリィ死亡
第49話 異能者 ★★ バララント&ギルガメス両軍同盟成立・「神の子達」撃滅作戦開始、包囲網突破戦、キリコの非情命令、生まれながらのPS・異能者キリコの宣言
第50話 乱雲 ★ 惑星クエント帰還、キリコVS.シャッコ、迫るパララント&ギルガメス同盟軍
第51話 修羅 ★ 同盟軍のキリコ追撃、キリコ最後の試練(ワイズマン本拠へ)、ワイズマンとの直接対話 
第52話 流星 ★ キリコの反逆、仕組まれたキリコの旅(ワイズマンの種明かし)、神殺し、惑星クエント爆発、1年後(エピローグ、2人の冬眠){/netabare}{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)33、☆(並回)15、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「炎のさだめ」
ED 「いつもあなたが」
挿入歌 「たのまれグッバイ」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

こ~きりこ~の~た~け~はし~ちすんご~ぶじゃ~まどのさんさも・・・ホレ・・・?・・・デデレコデンだよ、あ○にゃんw・・・なんかよく分かんないけどロボ物:第9弾

視聴するアニメ作品を選択するにあたり
いつも本サイトのレビューを読み
吟味させていただいているのですが
この作品はちょっとばかり違ってました

情報元は「あにこれ掲示板」です・・・

とあるスレッドに貼り付けられていた
主人公「キリコ・キュービィー」の画像を見て

おぉっ!なんかイイ男^^(あえて”イケメン”なんていう野暮な表現はしない)

って
わりとどうでもいいような
側から見るといかにも不純な動機で
視聴を開始しました

そして
レンタルDVD1枚目(4話)であえなくギブアップ(理由は後述)

でも
あるレビュアーさんのレビューを読ませていただき
再度視聴を決意しました

やっぱりレビューは参考になりますね~^^


視聴して最初に
というか終始気になったのは
映像の粗さですね

作画がかなり雑で
しまいには作画崩壊してるのでは?と思うほど
(っていうか明らかに崩壊してる)

特に肝心のキリコの顔がやたらと変化して
お話ごとに
ひどいときにはシーンごとに
顔の角度が変わるたびに
どれが本当のキリコの顔なのか分からなくなるくらいです

キリコ目当てで観てる私にとっては非常に残念でした

古い作品だと
こういうのって仕方のないことなのかな?


さて
この作品
一番の見所は
やっぱりロボット

作中ではAT(アーマード・トルーパー)と呼ばれ
当然キリコも兵士として搭乗するのですが
そのATの扱いがとにかくハンパない

どこかに落ちているのを修理して再使用したり
肩やら脇やら背中などに武装を施して
自分好みの仕様に改造したりと

ATを特別扱いしているという感じが全くしません

自分の持ってる銃火器など武装の中の一つ
っていう感じでしょうか

だから
壊れたときなんかは躊躇なく
捨てる
破壊する
相手にぶつけて葬り去る

さらには
相手のATを奪う
脅し盗る^^
パクる^^

そして
作中でのそんな扱いを考慮してか
ATが
とても現実的で実用性のある仕様で描かれています

高さは約4メートルほどでかなり小さめ

上から・・・
頭があって
腕が二つ
足が二つ・・・

まあ普通の人型ロボットです

特徴として

頭部にはカメラが装備されていて
どのATにも照準や広角などの機能別に
2~3つついている

腕には飛ばないロケットパンチを装備し
火薬の爆発力で相手を殴り攻撃する(殴ったとき薬莢が飛び出ます)

足にはローラースケート
新型ATになるとホバーみたいなものがついていて
ローラーが回転することで
高速移動する

膝や腰の部分に手すりがあり
搭乗者はそれに手や足をかけて乗り込む

操縦するときは専用のゴーグルを装着

コックピットがやたら狭い

モノによっては水に潜ると溺れる

などなど

そのほか
背中にいろいろなオプションが装着出来るようになっていて
パラシュートでの降下や
宇宙空間での運用も可能

足を小さく折りたたんでコンパクトに収納
{netabare}そのままお買い物にもお出かけできて
とっても便利・・・{/netabare}

多分
実際に見てみないと
とんでもないブツを想像してしまいそう^^

見た目はロボロボしていますが
動きはとても人間臭く描かれていてとてもリアルです

操縦は
足のペダルと手のハンドル
そしてカメラが映しだす限られた視界だけ
それなのに
走ったり
殴ったり
しまいには山をよじ登ったり

よくよく考えると
普通では信じられないような動作を
いとも簡単にこなしている
でも
そこがロボットアニメのいいところなんですね^^


お話についてですが
簡単に書くと
キリコにまつわるとても理不尽(?)なお話です^^

謎の女性「フィアナ」との衝撃的な出会いから
そのフィアナを巡る軍と謎の組織の争いに巻き込まれていくという展開

全体的に暗い雰囲気で
特に最初の「ウド」編は作画の暗さも相まって
心が折れてしまいそうです
(だから一度断念したのです^^!)

ただ
キリコのキャラを生かすという意味では
むしろこれくらいの演出のほうが
いいのかも知れません

ストーリー展開は
いい言い方をすれば
そんなに難しくない

悪い言い方をすれば
工夫や捻りが感じられない
といった感じ

はっきり言ってお話自体はあまり面白くない

中盤あたりまでは
フィアナの謎やキリコのキャラ
そして
ATの戦闘シーンで
そこそこの盛り上がりはあるのですが
終盤は
軍や謎の組織の構図が表に出すぎてしまって
内容が重くなってきます

さらには
「天○の○ラ○ュタ」を彷彿とさせる
ファンタジー的な展開もあったりと
全部を観終わっても
しばらくは
「???」でした

ヒロインのフィアナも
「PS」(パーフェクトソルジャー)という
とんでもなく強力な兵士というキャラ設定で
{netabare}「プロト・ワン」や「素体」や「あれ」
「ファンタムレディ」などなど
いろいろな”呼び名”が付いて
特別な存在だったのに
終わりのほうでは
全くなりを潜めてしまいます{/netabare}

当初はキリコとフィアナの
バトル&ラブロマンス的展開で終始するかと
期待していたのですが
そもそもキリコのキャラがそっち方面に向いていない

特に「サンサ」編でのキリコのヘタレっぷりには同情すら覚えるほどです

それを裏付けるお話がこちら

{netabare}謎の宇宙船に意味も分からず乗せられたキリコとフィアナ

「私たち二人だけw」
こんな状況でも不敵に微笑むフィアナ

あからさまな“私を好きにして~w”アピール痛み入ります^^

なのに
そんなフィアナの大サービス発言があったにもかかわらず
無粋なキリコは知らん顔

気がきかね~野郎だ~(怒

と思いきや
キリコが
おもむろに酒瓶とグラスを手に
「やるかいw」

キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
女酔わせてなにするの~(怒

{netabare}ナニをするの~(笑{/netabare}

がしかし
{netabare}お酒を口にした瞬間
撃沈しました{/netabare}

{netabare}「ゲホっゲホっ(オエェェェ)」(吐いてないよ){/netabare}

{netabare}むせてやがる^^!{/netabare}

{netabare}キリコにとっては
初めてのお酒なのでした~^^{/netabare}

このヘタレ野郎っ!
最低野郎っ!
カッコ悪っ!{/netabare}


話をもどして
良かったと思えたのは
ATでの戦闘
市街地やジャングルや砂漠など
それぞれの舞台にあわせた戦闘シーンは見ものです

ただ
これもお話の展開の煽りというべきか
終盤は
大量のAT(しかも同じ種類のATばかり)の
物量戦がほとんど

まるで
どこかの国の人○解○軍のノリ

大量のATと派手な破壊シーンで
盛り上げようとしているのはわかるのですが
これでは
キリコやフィアナの個人技が
逆に目立たなくなってしまってます

最後は一応丸く収まった感じでしたが
なんだか
とってつけたような終わり方で
正直
消化不良気味でした


さて
いろいろ文句を書き連ねてしまいましたが
全てを通して印象的だったのは「音」「セリフ」へのこだわり

効果音・・・
BGM・・・
声優さん・・・

聴覚にうったえかける演出


まず
いろいろな動きに細かい効果音が付いてます

弾が当たったときの音
当たった後のビリビリする音
ATが吹き飛ばされる音

さらには
ATの蓋(コックピットの扉)がしまる音
ゴーグルを上げ下げする音まで・・・

ゴーグルを動かすだけで
なんであんな電子音(“キュィ”みたいな)が発するのかは最後まで謎でしたが・・・

そして
シーンに合わせたBGM

戦闘シーンのBGMがとてもハマっていて
(っていうかほとんど戦闘シーンばっか)
良かったのですが

一方で数少ない悲しい(?)シーンで流れる
OP曲のピアノソロのインストがとてもいい感じでした

あのダサダサのOP曲が
キリコとフィアナの三文芝居じみたシーンを
こんなに盛り上げてくれるなんて・・・

あんまり感動的でもないシーンでも
この曲が流れると
迂闊にもホロリとしてしまいます

ちなみに
OP曲の「炎のさだめ」
歌っている「TETSU」さんの正体が
「織田哲郎」さんだと知り
こちらもなぜだかホロリとしてしまいました^^

さらに特筆なのが
声優さんが豪華なこと

「クメン」編での
ロッチナ役の「銀河万丈」さんと
ゴン・ヌー役の「玄田哲章」さんの会話は
聞いてたら
まるで洋画の吹き替え版みたい^^

さらには
銀河万丈さんの”次回予告”の「語り」がすばらしい^^

声もさることながら
ポエムのような予告は
それだけでも聞き応えがあります

その次回予告で
とても印象に残ったものを一つ

目を瞑って
銀河万丈さんの声を想像しながら読んでみてください
(あ~目を瞑ったら読めないか^^!)

 {netabare}何故にと問う
 故にと応える
 だが人が言葉を得てより以来
 問いに見合う答えなどないのだ
 問いが剣が
 答えが盾か
 果てしない撃ち合いに散る火花
 その瞬間に刻まれる陰にこそ
 真実が潜む
 次回”イプシロン”
 飢えたるものは常に問い
 答えの中にはいつも罠{/netabare}

続けて
エンディング曲

 {netabare}さみしいときも
 かなしいときも
 いつもあなたがめにうかぶ・・・♪{/netabare}


かっけ~
「なん○も鑑○団」でもこの語りでやってほし~^^


最後に
作品タイトルについてですが
「ボトムズ」っていうのはロボットの固有の名前ではなく
作中では
AT
あるいは
ATに乗る兵士のことを指すスラングのようなものだそうで
「VOTOMS(Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver-S):攻撃と機動のための直立一人乗り戦車」(wikiよりコピペ)や
「Bottoms:最低の奴(ら)」(wikiよりコピペ)の意味と紹介されてます

でも
作中では最初のほうで何度か「“ボトムズ”乗り」という呼称が出てきましたが
ほとんどが「AT」で統一されてました

参考までに
「装甲騎兵ボトムズ」のサイトでは
そのタイトルを冠した
日本酒「最低野郎」と
キリコが所属していた部隊「レッドショルダー」を冠した
梅酒「赤肩」が紹介されています

興味のある方は一度試してみては^^

余談で
全く参考にならないけど
{netabare}私
日本酒入ると暴れます~^^
てへ (*≧∀≦*)b{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

来週もキリコと地獄に付き合ってもらう

本作のレビューは文章の構成上、フルメタル・パニックの一部ネタバレを含みます。その点に留意して読んで頂ければと思います。

{netabare}リアルロボット系では富野監督と並び称される高橋亮輔監督の手掛けたロボットアニメ。同監督の前作ダグラムと比べると、エンターテイメントを意識した作品になっている。雰囲気からすれば、重厚で一見さんお断りな玄人向けのアニメと誤解されがちだが、ストーリーはよく練られているし、キリコとパーティを組むメンバーはそれぞれ癖はあるものの、基本的には明るく優しい人達なので、彼らとキリコの微妙に噛み合ってない絡みも中々楽しい。全52話と4クールものだが、それぞれ4つの惑星を舞台にしたエピソードに区切られていて、その惑星ごとの世界観を楽しめるようになっている。マンネリ感を防ぐ、視聴者に配慮した作りになっているので、かなり評価できるポイントではあるけども、実質最初の2つの惑星は舞台も話も違っていて、オムニバスのようなイメージで楽しめるが、後半の2つの惑星についてはキリコの宿命に関するテーマを前面に押し出してしまっているので、そこまで違いを感じないのが勿体無くもある。若干完結に向けて駆け足になってしまっている空気があるのも、そう思わせてしまう原因だ。この点は少しマイナスかもしれない。

さて、この作品に出てくるロボットは通称アーマードトルーパー(AT)と呼ばれる独特のフォルムが特徴の人型機動兵器である。全高4メートルという、ロボットにしては非常に小型サイズの機動性と汎用性を重視した作りで、パーツを組み込む事で多様な戦闘状況に対応できる他、大量生産を可能とする機体構成のコストパフォーマンスの高さがウリとなっている。勿論この性質は全ての機体に適用されるわけではないが、主人公キリコを初めとして多くのパイロットが愛用するスコープドッグと呼ばれるタイプの機体は総じてこの特徴を備えており、使い捨てロボットと揶揄されながらも、ボトムズの顔ともいうべき存在感を放っている。あくまで汎用機に過ぎない機体をメインに抜擢してきたのは、実際の戦争においても、戦場の主役は一兵士が使用する汎用武器であるというリアリティに基づいた思想から閃いたのではないかと思う。勿論単独の戦力も戦場においては微々たるものである。某SRPGのように改造すれば、それだけで戦場の空気を一変させてしまうものでは毛頭ないということを私は強調したい。某SRPGにおける鬼神の如き強さは私からすれば非常に納得のいかない仕様であるw

主人公であるキリコは完全無欠の兵士という設定で、生身での単独行動によるサボタージュやATの操縦・整備技術を備えた戦闘のスペシャリストである。性格は無口で人付き合いを好まない孤独を愛する男ではあるが、ウドでゴウト・ココナ・バニラと出会ってからは少しずつ心を開いていき、後にクメンでは仲間との再会時に僅かながら笑みを見せるシーンもあった。ボトムズはキリコのこうした内面的な変化の過程を見せる作品でもある。ゴウト達との友情、フィアナとの愛情、そしてイプシロンとの因縁において時折見せる憎悪にも同情にも意地にも似た複雑な感情といい、当初失われつつあったキリコの感情が展開を追うごとに視聴者に伝わっていき、共感を呼び起こしてくれる。圧倒的な戦闘力・剛健質実で無口なハードボイルドな部分ではなく、こうした人間臭さも持ち合わせている所がギャップとしてキリコを魅力的に見せており、そこに惹かれるファンが多いのである。

ここでポイントとして挙げておきたいのは、キリコがスコープドッグを簡単に乗り捨てる様を見て、コイツは機体に愛着が無い人間だ!というレッテルを貼る輩がいる。ネット上の感想でたまに見かけるが、これは大いなる勘違いであり、キリコほど自分の乗ってきた機体を愛するキャラはいないだろうと私は考えている。本作を見てもらえれば分かるが、キリコは少しでも暇が出来ると熱心に機体を整備しているシーンが結構あるのだ。話の展開上、専属メカニックがいない状況が多い中、自分の機体は自分で面倒を見なければならないという不文律に渋々従っているかもしれないが、それでもそこまで念入りに整備するものなのか?と思ってしまう。前述したが、そもそも大量生産・乗り捨てを前提としたインスタント兵器という概念が普通な世界なので、キリコでなくとも、ロボットを使い捨てにするという兵士は割と多かったのである。使い捨て前提の機体を熱心に整備するという心は、自身の命を助ける近道という考え方はあるかもしれない。しかしクメン編でゴウトに新型の機体の融通されるも、キリコは「俺は使い慣れた機体がいい」とあっさりそれを断るのである。戦闘のことしか頭にない冷血な性格であれば、それは自身の命を高確率で生かす手段故の発言・行動と捉えられるが、ゴウト達との関係を見る限りでは、キリコにも機体に対する特別な愛着があると考えて良いだろう。

さて、本作の大ファンとして知られる著名人といえば、フルメタシリーズの原作者である賀東氏であろう。キリコを自身の理想のキャラとして掲げる氏は、相良宗介というキリコに似たタイプの主人公を生み出している。戦闘のスペシャリスト・無口で感情表現に乏しい・ヒロインが危険、若しくは事件に巻き込まれた時に冷静な判断力を失い、戦闘力が低下するといった性質までソックリであるw

そして極めつけとして、アニメフルメタ1期のキャッチコピーが「宗介と地獄に付き合ってもらう!」なのである。このコピーは私がタイトルに冠しているが、ボトムズの1話の有名な次回予告のフレーズであり、この文だけでボトムズを表現しているといっても過言のない名文句である。言い過ぎかもしれないが、ある意味この作品がなければ、フルメタは生まれなかったのではないだろうか。フルメタファンでボトムズを見ていない諸君は是非ともレンタルビデオ屋に足を運んで頂き、キリコと一緒に地獄へ旅立って貰いたい。損は絶対にさせない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

66.0 22 秘密で戦闘なアニメランキング22位
探偵はもう、死んでいる。(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (391)
1139人が棚に入れました
「君、私の助手になってよ」巻き込まれ体質の少年・君塚君彦は、上空一万メートルを飛ぶ飛行機の中、探偵を名乗る天使のように美しい少女・シエスタの助手となった。二人は世界の敵と戦うため、三年にもわたって世界中を飛び回り、目も眩むような冒険劇を繰り広げ――やがて死に別れた。激動の日々から一年。高校三年生になった君塚は日常という名のぬるま湯にとっぷり浸かり、ごく普通の学生生活を送っていた。そんな君塚の元に一人の依頼人が現れる。「あんたが名探偵?」同級生の少女、夏凪渚との出会いをきっかけに、過去と現在を繋ぐ壮大な物語が再び始まろうとしていた――。

声優・キャラクター
長井新、宮下早紀、竹達彩奈、高尾奏音、白砂沙帆、松岡禎丞、子安武人
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

ラノベはもう...

放送前からtwitter等でやたら持ち上げられてるラノベということで、絶対につまらないだろうなとは思っていたが、予想をはるかに超えるつまらなさだった。
キミ戦レベルでは楽しめるだろうと思ってたがまさか、おさまけに近いレベルだとは...。

{netabare}
良かった要素は一つもない。
まず、こんなふざけたタイトルにも関わらず推理要素が一切ない。
そして探偵のシエスタも実質死んでない(?)上に、やたらと登場してくるという。
せめてこんなタイトルなら一話以降シエスタ出すなよと。
結局シエスタ出さないと人気でないから無理里出してるようにしか思えない。
シエスタ出てる回の方が多かったしね。

そして、ストーリーはあまりにガバガバで粗末。
書いたらキリがないから書く気が失せる程にガバガバ。
一話毎の感想に結構書いてるけどそれでも書ききれてないレベル。
特に酷かった部分を3つぐらい書く。

まず、一話の序盤から酷い。飛行機に銃を普通に持ち込んでる主人公、2-5-2の座席、ご都合戦闘、一話は良かった? そんなことないです...
4話に申し訳程度の推理(笑)があったのだが、他の可能性も考えられるだろって状況でなぜか相手は義眼だと決めつけたり推理とは呼べない。
丸見えな場所からボウガンで目を狙撃しようとする犯人にも笑った。

そして、11話。まず、乗客がいっぱいいるにも関わらずおかまいなしに、船に放火する警察さん。
ギャグとしか思えなかった、よりによって警察って。
なぜかこれが天才的発想のように描かれるという地獄。
そして原作勢が大絶賛してた二巻の伏線回収()?はもっと酷い。
シエスタの心臓を奪いとり、自分の心臓としたヘルがシエスタに意識を奪われ乗っ取られるという謎展開。
からの記憶消去とか言う謎能力、なんでもありすぎて笑った。
あれで感動できた人いるのか?

ほんとに5分おきぐらいに突っ込みどころが出てくるから書いていたらきりがない。

テーマも滅茶苦茶。
一話から耳から樹木を生やした改造人間が出てくる時点で笑ったのだが、
それ以降、狼男、生物兵器、揚げ句にはロボットが出てくるという...

それと、TwitterやYoutubeで神作画!と言って持ち上げられていたが、作画も全然よくない()
一話の戦闘シーンと3話ぐらいのダンスは良かったが、それ以外はほんとに死んでる。
5話のロボの戦闘シーンは顔アップやスライドばかりで終わってたし、10話の背景とかほんとに酷かった。

キャラもきつい。
原作勢が7話神回と叫び、Youtubeではアンチが手のひら返し!みたいな馬鹿動画が上がっていたが、この回が一番酷かった。
きつすぎる。
知的キャラのはずのシエスタがビッチみたいになってるのは誰得なんだ。
酔いとはいえ、シエスタのキャラを視聴者はそんな風には捉えていないだろうし。
そもそもこれを言ったらいけない風潮あるけど、正直シエスタそんなにかわいくなかったかな。
自分の好みからそれてただけかもしれないが。
会話もきつい。
毎回ラノベ臭い会話が何回もなされて、聞くたびにきっつって感想が出てくる。

それに何よりBGMと効果音が終わってる。
自分、普段はBGMなんてあまり気にしないから感想にBGMのことを書いたことなんて全然ないがさすがにこのアニメは酷い。
戦闘シーンで全く緊張感のないBGMが毎回流れるのも面白いし、銃の効果音がしょぼすぎたりするのも面白い。
ほんとに何もかもが終わってるアニメ。
OPは良かったけど、これが酷すぎたので音楽評価低めです。

声優も良くない。
主人公の声優が下手。

そういや良かった点が一つあった。
9話ぐらいからは実況つきで見るとギャグアニメとしてかなり面白かった。
緋弾のアリアが高評価されてた頃のあにこれなら、もっと評価高かったかもね。
これはあれよりも酷かったが。
これを見るならAngel Heartを見ましょう。

↓一話毎感想
{netabare}
1話 4/10
いきなり助手になってよってw
ほんとに巻き込まれ体質。
声優松岡コウモリに合ってる。
暇だからのっとったとは...。???
死にたくないから推理させた?
どうせ命令に背くのなら普通にハイジャックなんてしなければいいのでは...。
ああ、説明してくれた。
けど不戦敗じゃ嫌だからって理由になってない。
怪物みたいなのが出てきた。推理ものじゃないのか。
助手なんか雇わなければよかったとは。
助手としてもう馴染んでしまってるの違和感。
2-5-2の座席www
ボールペン投げた直後にかなり距離が離れていた敵の後ろに回り込めてるという...。
作画と魅せ方が良くて戦闘シーンがめっちゃ面白い。
なんでそんな回りくどいことしたんだ?
主人公に銃を持たせるというわけわからないことを。
主人公を指名した理由も謎だし。
今後への伏線ならいいんだが。
いきなり主人公の家に住まうヒロイン、いつのラノベだよって言う展開。
緋弾のアリアを思い出した。
あれよりはまだこっちの方が面白さ的にマシだが。
風呂シーンきっつ。
花子さん回想シーンのシエスタ可愛い。
ピザ勝手に頼んでおいて金を払わないという不快でしかない話。
いきなりいちゃいちゃしてる主人公ら。
何やってんだ。コスプレする意味ある?
露骨に写真撮るシーンを入れてきた感。
探偵死んだ後にこの写真見て思い返すってことが簡単に想像できてしまう。
推理要素はまあまあ良かったかな。
ランニングシューズを履いていたことが伏線になってたりとか。
これ次回からどう話を展開していくんだろう。
回想ばっかだったらさすがにあれだけど。
まあ、緋弾のアリアよりはマシとしか。
ラノベ原作における信用ならないワード「原作は面白い」「後半から面白くなる」
ラノベ原作はもう死んでいる 

2話 6/10
初手きつい会話。
依頼内容意味不明じゃねーか。意味不明じゃなかった。
依頼内容は面白いけど「X」とか名付けちゃうの痛い。
これ心臓になんか変なものつけられているとかそんな落ちだったら引く。
記憶転移というワードが出てくるとは。このオチは結構いい。
この心臓まさかシエスタのものだったっていうオチじゃないよな。
ラノベのノリがいらない。
えw 強盗が何で逃げてるんだよw
いやほんとに強盗なのかよw
武器も持ってなかったの?w
あの強盗展開必要ある?
コウモリとは結構仲良くなってるのか。
耳がすごいだけで記憶力がすごいみたいな設定ないだろこいつ。
いやシエスタオチかよしょーもな。
Angel heartww
記憶力に関する疑問点はなくなったけど。まあ会話に伏線が入ってたのはすごいと思った。
ところで、心臓移植なのに綺麗な鎖骨とは?
ここから渚が一流探偵になったりする展開にならないことに祈る。
シエスタと渚に関係はあるのかな。

3話 2/10
白上フブキだっけ?Vtuber意外とうまいじゃん。
Vtuber採用自体には反対だけど。
言い回しが気持ち悪い。ラノベのノリ寒い。
警備員仕事しろw
話が全然進まないな。変な会話ばかりで。
主人公キャラ崩壊してないか。
なんでライブ応援してる。
シリアスかギャグどっちがやりたいんだよ。
あいつの目的はライブに警備員を誘導することなのかな?
てかあいつ何したんだ?
冗談抜きで退屈なアニメ。単純に話が面白くない。

4話 1/10
ダンス思ったよりは動いてる。
主人公の心の声多すぎる。
えぇ...。何で構図把握できてる。
なんでボウガンなんだよwww
なんでさっきまで後部席にいたのに舞台上の斎川を助けるのに成功してるんだ。
サファイアがあの目だって見抜けたんだ?
作者はミステリー作家向いてないよ。
? なんで主人公らが斎川に協力する前提で動いてるんだ?
は? とんでも推理すぎるw
ふらついて歩いてたからならもっと他に想定するはずw
そもそももしずっと片目なら慣れてるだろうし、普通なら「足の調子が悪いのかな」ぐらいの推理になるはず
そこから義眼って推理するってw
それっぽい見せ方で誤魔化そうとしてるけど、誤魔化せてないし違和感しかない
ほんとに死ぬほどつまらないなこれ
てか、あの目も実はシエスタのものでしたみたいなオチじゃないよね?

5話 0/10
作画悪いな。水着回いらな。
てか前回の話あれで終わりなの?
はあ...。ヒロインが知的なキャラに見えるのに無駄に主人公を誘うというラノベ展開。
ラノベ特有のセリフ「理不尽だ」
推理じゃなくて当てずっぽうじゃん。
三大欲求の会話きttttっつ
何だよこの金髪の服ww
狼男じゃん。
ええ...ホテル燃やしてどうするんだよw
??? ガスがあったから臭いが感じられなかった?もう笑えて来るわ。
hellってこいつの方がケルベロス感ある。
意味わからん...。
改造人間、謎能力、変身、謎武器、生物兵器()本当に筋が通ってなくて何がしたいのかわけわからん。
ハルヒかよ。 勘が良くなくても気づくだろ。
おまけにはロボ出てきてくっそ笑ったわww
ホント何がしたいんだよwwww
シエスタもこんなキャラじゃなかったろw
シリアスギャグアニメか? 

6話 1/10
軍が秘密裏に開発していたw
開発の時点で意味不明だがなんで借りられるんだよw
頭おかしいだろこれ。
リゼロで見た設定。おい、作画死んでるぞ。
スライドだし全然全体像出さないじゃん。
なんだこの足音。世界を守るために生まれてるわけないじゃんw
敵の言っていることに全く説得力がない。
おい、ロボ壊れたぞww
軍の秘密兵器じゃないのかよ。
なんだあの鏡。
いやそんなステルス能力あるなら撤退しなくていいだろw
警察に連れて行くのはまとも。
ふくらはぎで推理するとこは良かったのに、その後の性癖云々の会話で台無し。ああ、あの目か。

7話 0/10
ミルキィかな?
こういう会話もあまり楽しめないのは主人公に臭いイメージがついてるからか。
この子から阿吽の呼吸とか言う言葉が得るの不自然に感じる。
シエスタも主人公もイキった話し方するせいで好きになれない。
こういう酔っ払い展開きついわ。
本当にきつい。無理。自分から誘っておいて逆切れかよ。
ふうびが変装してたのにちゃんと理由はあるよね。

8話 1/10
これぐらいの意見の食い違い別にいいだろw
何で子供に指輪はめてるの見てショック受けるんだよw
「健康状態はすでに把握している」きっしょw
しょぼいトリック。もう滅茶苦茶だよ。
主人公ガチでロリコンかよ。
気づいてるくせにロリ庇うとか。
からの二重人格落ちかよ。推理モノで二重人格...?
泣き演技上手いな。
てか、シエスタこんなに出すなよ。
探偵はもう、死んでいるって言うタイトルで。

9話 0/10
こんなタイトルで6話もシエスタ出るってどうなの。
この金髪の服何なんだよw
何で胸元だけ露出させてるの?w
もう世界観がぶっ飛びすぎててな。
急ぐって間に合うのか?
てかなんでそう簡単にこいつの言うこと信じるw
どう見ても煽りっぽいのに。
このクソBGM笑うからやめろ。会話きっつ
しょーもねえ設定だわほんと、こういう二重人格の設定。
「理不尽だ」って聞くたびにラノベ臭くて気持ち悪さを感じる。
てかいつの間にこんなにスペースの根幹までたどり着いてるんだよw
推理じゃなくてただの予想じゃんこれ。
は?なんで防げたの?
草、ほんとにご都合主義にもほどがあるだろw
探偵モノなら理論ぐらいつけとけよw
絆の力はどこに行ったんだ?w
こう簡単に死ぬのかよ。
こいつあの二話の奴なのか?
絆パワーはどこ...?ここ...?
ここで原作勢さんは泣いてるの?
予想通りあの強引な展開で取った写真はこういう風に使われるのな。

10話 3/10
いつの間に夏凪とこんなに仲良くなってるんだ。
結構夏凪と会ってから時間経過してるのか。
BARに探偵がいるってことか?
背景作画が簡易的すぎるな。
推理要素はどこ...?ここ...?
なんで銃持ってんだよw
撃ったら落とされるんじゃないのかよ。ごり押しか?
 
11話 0/10
子安よっわ。ガチカメレオンかよw
ほんと変身って何アニメだよ。言葉遣い痛すぎる。
地獄行の切符とか中二かw
てか子安透明になればいいだろ。
銃の効果音が最悪、そしてこのBGMである。
この金髪のキャラに全く思い入れないよ、全然出てもないしどういう奴かも謎。
おい、放火とか乗客はどうなるんだよw
なんでライターの火がつきっぱになるんだw
は? ギャグアニメかよw
なんで心臓写ったら洗脳できるんだよw
くっそwwww
ここが原作勢大絶賛の泣き所ってマジですか。
2巻の伏線回収がすごい!って原作勢がめっちゃ言ってたけどまさかここじゃないよね?
主人公の記憶消したの何でだよ
いや死体は普通に野原に転がってるんだが、どうやってその体で会いに行くんだよ。
何が探偵はもう死んでいるだよ。
何で目の色変わるんだよw
ヘル=アリシア=夏凪=シエスタってもう滅茶苦茶だよ。

12話 3/10
ここで死ぬ意味ないだろw
死ぬことで何になるんだw
出た、謎BGM。からのきつい会話。
緊迫感もくそもない戦闘だな。
このアルペジオかリゼロみたいな謎空間。
てかアリシアはどこ行った。Cパート何がしたいんだ?
ほんと原作信者が無駄にうるさいラノベってロクなのがないな。 
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ここで生きてる」7.5/10
ED「鼓動」6.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

祝? 2期決定??? いや本当に気にはなっていました。

2期決まりましたね。この作品は結論あってこその作品だと思います。そう思い、まだWIKIも原作も見ていません。

 本作の初回レビューでもいいましたが、シエスタちゃんが復活か再生かわかりませんが、絶対に最後は生き返るはずです。伏線の種まきから言って、それ以外はないだろうと思います。それがあっての作品の価値があると思います。

 どこまでやるかわかりませんが、本作は結末までやって欲しいなあ、と思っていたのでうれしいです。

 決して1期が褒められたできではないですが、1話の作画で1クールやり切って、演出と脚本と構成を工夫してくれれば…全部か。でもポテンシャルは感じます。ずっと気になっている作品でした。祝…ですね。




追記しました。若干本作を擁護します。なぜこうなったのか。

追記 若干本作を擁護します。本作がつまらないという意見に異論はありません。ただ、それは脚本が面白くないのであって、設定は非常にチャレンジングで好感がもてました。

 本作1話で生物兵器的クリーチャー的な敵が出てきて、2話で探偵が死んで、探偵の心臓を持った女子が現れ気持ちを受け継いでるという話でした。あえて「絶対」といいますが、最後は探偵は「絶対」復活するはずです。作劇法というかストーリー論から言ってこれ以外の結末なら逆に見てみたいです。題名の付け方もそれを裏付けています。

 この設定は結構感心します。ただ、原作が良くないのか本作の脚本が良くないのかわかりませんが、伏線の張り方や一つ一つのエピソードが下手なために結果的につまらなくなっています。が、SF的な目でみると結構興味がもてる内容だったと思います。

 シエスタ可愛いで、本作を評価するのもいいですが、私は、異世界転生ものかハーレムラブコメに浸食されたラノベ、アニメ界でこの作品をやろうとした原作者、アニメ制作者の心意気を私は評価したいと思います。

 ただ、原作者の文書やストーリーが稚拙だと思えば編集者はなにをなってたんでしょうか。なろうじゃなくてラノベなんですよね?また、脚本家と監督はストーリーを練ったのでしょうか。そういうシステムのところ、つまりラノベ・アニメ業界の作品を作る仕組みの腐敗が本作のつまらなさにつながったのではないかと思います。作画にしても同じことが言えます。

 ですので「探偵は死んでいる」というコンセプトで作品を作ろうとした人々にはエールを送りたい。ただ、この作品のコンセプトを活かしきれなかったラノベ、アニメ業界には猛省を望みたいと思います。

 ちなみに推理小説で第1作目が「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」という作品とそのシリーズがありました。ネタバレはしませんが、ちょっと思い出しました。全然話は違って普通の推理小説ですが。



以下 視聴時の感想です。

11話で、へーとなって、結局全部見てしまいました。え、スペースの能力をつかって、はいシエスタ復活じゃないんですね。種で人作れるんだから、なんとかできそうですが、そうするとナツナギが死んじゃいますか。
 または主人公が左目をアイドルちゃんから引き継いだらシエスタが脳内に、みたいな。

 まあ、原作があるみたいなので、今後の話でしょうか。改めてみたらやっぱりスペースという宇宙人の描き方が適当なのと、ロボットとか兵器の扱いを何とかしろよというのと、あのアイドルちゃんがどういう意味なのかの結論がないことがつまらない原因でしたが、アリシア→ヘル→ナツナギ→シエスタのつなぎは良かったのでは? 微妙にリボンとかの伏線があったのも、なんとか気が付きましたし。

 面白くないかと言われると、実はちょっと面白いかもと思わなくもない気もします。シエスタ可愛いし。声もいいし。
 作画もひどいときはひどいですが、女の子は可愛いのでまあいいです。ただ、主人公の男の年齢をもうちょっとわかりやすく表現してあると、物語を考察する気になれるのですが。

 皆さん指摘していますが1話の作画クオリティーで、脚本と構成をやり直すのと、もうちょっと丁寧に作ってくれれば、なろうじゃないラノベ原作は結構新鮮でした。意気込みは買います。まあ、これに懲りずにがんばってください。


以下 11話までです。

 ちょっと気になって11話見たら、はーん、という展開なのでちょっと遡って見てみました。

 なるほど。 {netabare}アリシアとヘルが2重人格でイコール。でアリシア=ヘルはシエスタの心臓を持っている。結果11話でシエスタの人格が復活。ナツナギの心臓はシエスタの心臓を移植されていると言っていたので、結果、このアリシア、ヘル、ナツナギが同一でそしてシエスタの人格を持っているということですね。シエスタの心臓がヘルに奪われた場面は、主人公が記憶がなかったから忘れてたと。{/netabare} 私の勘違い?なのでしょうか。でも多分そうですよね。あとは左目のあの子がどうなるかですか。ちょっと面白いかも。内容は。

 小説で読んだら面白いという意見は、分かる気がします。ストーリーを見れば探偵が死んでいるという伏線回収になっていますし。

 ただ、決定的にアニメづくりが下手すぎます。別に絵はいいんですけど、脚本・構成、そしてスペース側のなんと安っぽいこと。キャラもデザインも設定の説明不足もひどいです。だから、つまらないのでしょう。

 それにしてもシエスタは本当に地球人ですか?実はスペース側?という能力でした。

追記 シエスタっていう言葉は「午睡」という意味がありますね。フランス語だと思います(追記 スペイン語でした)。だからシエスタは最後に目覚めるということでしょうか。


以下 5話までのレビュー
{netabare}
 シエスタ、色っぽくねー、可愛くねー、作画ひでー、顔だけはいいですけど。水着回なので見てみましたが、せめてここは何とかしろよ、という感じです。これだけの美少女がビキニ姿でまったく感動が無いとか、かえってすごいです。

 あと、話について行く自信がなくなりました。厨二ですらない、小児?やっぱり休みます。

 
 4話まで視聴。アイドルの女の子の目について、本人は「サファイヤ色」の義眼と言って、主人公は「サファイヤ」と言っているのが気になります。色がシエスタの瞳と同じ色なのは関係ある?ひょっとして、シエスタにまつわる身体のパーツを持つ女の子が集まって、ハーレムになる感じでしょうか。さらに、あの耳の化け物の組織の技術でシエスタがよみがえるとか?

 それにしても、謎解きにも人の言動にも無理がありすぎて辛い。片目で不自由なく動いてたからって透けて見えてるって…。うーん。実際に殺されかけたことをアイドルちゃんはどう思ってるんでしょう?それを救った主人公がいるのに…。
 
 一旦休んで、皆さんのネタバレレビューを読んで、面白そうなら見ましょうかね。


 3話まで視聴。2話目以降は流し見です。
 探偵はなぜ主人公を助手に選んだのかというのが最終話までに語られるか。2話で出てきたヒロインらしき女の子に探偵は自分を託して何がしたいのか。この2つの謎が最終的にカタルシスとともに謎解きされるなら、名作になる可能性はあるでしょう。
 そしてストーリーが「探偵は、もう死んでいる」という題名の伏線を回収する感じで、様々な事件を解決するたびに、探偵の痕跡があってそれが主人公へのメッセ―ジになっていて、最後、主人公に伝えたい内容がわかる、みたいな構成になっているなら、もっといいでしょう。
 さらに、倒置法で最後になぜ飛行機に主人公が乗ることになったのかにつながれば、かなりいいでしょう。

 最悪なのは、変な事件の解決するエピソードが延々と続くことです。で、あのヒロインの女の子が、探偵の残留思念というかゴーストみたいなもののメッセージを受け取る、的な話なら目も当てられないでしょう。

 今のところはなんだこれは?ですが、探偵の死をめぐる謎を追ってゆく奥の深い話の可能性がありますので、構成やストーリーの分かりづらさは今のところ批評すべきではないでしょう。

 羊たちの沈黙のハンニバルレクターのマネが出てました。まあ、日本のクリエーターは彼の事が大好きらしくて、様々なドラマ、映画、アニメ、マンガでマネされていますが、恥を知りましょう。うんざりです。

 アニメに関しては、あの航空機や空港、車両等々のデザイン、というより全般的にデザインが悪すぎます。唯一、探偵のデザインはものすごく可愛いのになあ、という感じです。登場人物のプロフィールや状況、設定の説明の下手さもあって、ものすごく見づらいです。

 中学生が一人でアパートに住んでいる問題とか、セリフや演出が寒すぎてちょっと見てられない問題があって、正直そのあたりがノイズになって、視聴するのが辛いです。そのハードルが一番高いです。

 もし、構成や時系列を使った凝った謎を作るなら、それなりのレベルのアニメを作らないと、単なるわかりづらいだけの出来の悪いアニメになってしまいます。本作はどうなんでしょう。数話流し見してから、ポテンシャルを感じたら最初から見直してみます。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

退屈さの理由

原作未読


シエスタと言えばスペインかどっかの昼休憩または昼寝。
良くも悪くもラテンなノリに生産性上がんねーだろーなーと個人的には思いつつ、そうは言っても昼休憩3時間もあればいい感じでリフレッシュできそうとも思う。要はやってみないとわからない。

で、、、本編ヒロインの名はシエスタ。
ネタバレ抜きで作品の印象をふわっと述べると

 1.3時間の休憩良さげだなー(視聴前からおおむね1話まで)
 2.それ終わったら電池切れたわ やる気出ねー
 3.納期1週間後だしもういいや 飲みに行こー

って流れそのままに気持ちが離れていきましたよっと。出オチ系作品です。
スタートは悪くありません。ハイジャックに巻き込まれた主人公がそこで探偵ヒロインと運命的な出会いをした後、世界中を旅しながら秘密組織との戦いの日々を過ごすがヒロインと死に別れる。それから一年後謎の少女が目の前に現れうんぬんかんぬん…という導入。

一般的に、あらすじやキービジュアル/PV等の事前情報と第1話あたりで私たち視聴者はたぶん××なノリなんだろうなとある程度のマインドセットをします。
多くはその想定通りに進行し
『期待通りで安心したわ』となれば+評価に落ち着きます。
『想定範囲内で退屈したわ』となれば-評価に落ち着きます。
分水嶺はわかりません。視聴者とは勝手なものでこのへん個人差としか言いようがないからこうしたレビューサイトに価値があるのでしょう。
一方でなかには想定を超えるものがときたま登場し
『うわーっ…やられた』と膝を叩けばなれば名作認定がチラついてきます。
『うわーっ…やらかした』と頭を抱えればイラっとくるか呆れるかとなります。

今回はやらかしたケース。第一に事前の想定と乖離があり第二に乖離して戻ってくる気配がない。
こうなるとそっ閉じするか、「シエスタかわいい」その他なにかしら自分を納得させる継続理由を見出してお付き合いするようになるのだと思います。
もしご覧になられるなら、第1話で抱いた印象(想定)を覚えとくと面白いかもしれません。内容そのものには触れません。よくわからなかったです。



※雑感

■自分を納得させる継続理由

1.声優宮下早紀のお仕事

『放課後さいころ俱楽部』にも出演されてましたけど、個人的には『はるかなレシーブ』かなた役以来。新人さん多めのキャスティングで皆さん奮闘されてた印象が残るアニメでした。出演者の中では島袋美由利さんが頭一つ抜け出演機会を増やしてたのでこうして宮下さんと再会できたのは喜びです。
あたかもセルティック移籍後のホームデビュー戦でハットトリック決めた古橋選手みたいに、高校時代は同じ高校の同級生南野拓実の陰に隠れ、プロの引き合いがなくて大学進学し岐阜FCに拾われ、苦労した末ヴィッセルでイニエスタ&ビジャを師匠に花を咲かせたような展開を今後期待してます。
今回のお仕事はさしづめJリーグでも弱小カテゴリー岐阜でチャンスもらったようなもの。

2.弱小カテゴリーと思えば…

新人さん多めのキャスティングですね。J3の試合を楽しむくらいのイメージでちょうど良いのかもしれません。普段EUROやチャンピオンズリーグなんかで目が肥えちゃってる自分の視点を変える。これも先述の「自分を納得させる継続理由を見出す」ことと同義です。


■つまらなさの理由

面白くはないです。冒頭で得た想定からどんどん変ちくりんに乖離してった点が致命的でした。
この点、乖離とみるかどうかは個人の捉え方に依ります。

{netabare}個別具体的にはいろいろありますよ。
・日本の高校生年代で都合3年間も世界中を旅するとはテキトーすぎる初期設定
・異能バトルと職種“探偵”の相性の悪さはいかんともしがたい
・動かないバトルシーン etc…
あるにはありますけど細部どうこうのツッコミはこの際置いときます。いろいろ破綻しとる。{/netabare}


1.釣りタイトル
{netabare}SNS発展が加速させてるのでは?
「○○の××した理由がヤバかった」で動画やニュース開いて、結局のところ理由もヤバくなければ理由すら述べてないみたいな。なんでこのページ開いたか自分でもよくわからないみたいな。

『探偵は、もう死んでいる』本作のタイトルです。
死んでいるので嘘はなくギリセーフ。ただし謎解き要素どこ?な展開はミスリードを誘います。
そしてそんなロングタイトルミスリード系が巷には溢れており、こっちのリテラシーでなんとかなるわけじゃないのでチェックするのが大変。10分程度の動画やテキスト記事ならまだいいとして、アニメだとヘタすりゃ12話×25分ですから勘弁してほしいのです。

 『君の膵臓をたべたい』<『転生したらスライムだった件』

他作品比較で恐縮ですが、タイトルミスリードの観点ならきみすいはギリセーフで転スラはアウトです。最弱スライムじゃないの?と探偵謎解き要素どうなったの?の戸惑いはほぼ一緒。
中身が良ければってのはありますけど、自分はわりとこのへん厳しめに突き放すほうです。

実社会でも報告書の件名が不明瞭なものもしくは嘘だったり、その報告書冒頭のサマリを虚偽記載してたら書き直しを命じるでしょう?これと近しい感覚なのかもしれません。
なおこんな偉そうに言っといて自分のレビューがブーメランになってないことを祈ります。{/netabare}


2.マインドセット

これまでに鑑賞してきた作品のあれやこれやの積み重ねでなんとなく予想とまではいかないバイアスがかかるもの。
経験浅ければシンプルに感動できるし沼に落ちてればわかりみが深かったりします。私のバイアス↓

{netabare}ハイジャック犯が予想外の人外さんでなんとなく人間VS人外さんの構図を認める
タイトルから連想する探偵ものと省エネ高校生主人公からなんとなく『氷菓』が脳裏をかすめる
スタッフに“赤尾でこ”を発見して安心するあるいは不安になる{/netabare}

どんなバイアスがかかるかは人それぞれであることは大前提として、、、結果、

「探偵もんだと思ってたのになにこれ?」

となりました。釣りタイトルにイラっとしたのはマインドセットに失敗したからです。後に引いてしまって寝落ちが常態化するほど退屈しちゃいました。
それは別に照れくささの裏返しなどではなくただただ顔をしかめただけで終わったのです。



※オマケ

■それなら君が名探偵!

{netabare}あまりにも探偵してなかったので、ここのレビューの本文どこかとタイトルに小ネタを仕込んでる?{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.09.20 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 44

76.6 23 秘密で戦闘なアニメランキング23位
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 4.0 (180)
729人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府組織「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

声優・キャラクター
小野賢章、上田麗奈、諏訪部順一
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

宇宙世紀ものとの決別か。(じっくり見られたので追記です)

配信サイトでじっくり見られましたので。追記です。

 宇宙世紀ものとの決別という第1印象は変りません。

 驚異的な映像すぎて、ガンダム感がないというのも初見と一緒でした。ハリウッドが作るゴジラが面白くない…と同じにならなければいいのですが。

 内容もガンダムのテーマとして兵器としての運用、兵站なにより禍々しさというリアリティが無くなっていました。その分、戦闘時の周囲への影響を描いたのでしょうか。3DCGとしてのロボット描写としてのリアリティはありました。ただ、画面が暗いのでガンダムの決めポーズが見られませんでした。2作目に向けての焦らしでしょうか。

 組織そして人の描写には力をいれてました。ハサウェイ、ケネス、ギギのキャラは良く描けていました。つまり、ヒューマンドラマになったということでしょう。
 そして、テロリズムに堕すことでパーソナルな個人の悩み…シャアのような確信犯ではなく、何かをやらなければならないという焦りからシャアをマネてという甘えをハサウェイからは感じます。

{netabare} シャトルがダバオに降りたのは偶然ではなく、自分がイニシアティブをとるためにケネスがそう段取りをしたということですね。で、ハサウェイは自分のホテルへの襲撃を自分で段取りしたんですね。
 で、ギギといっしょにいたので段取りが狂って危険な目にあったと。まあ、コントみたいに逃げる先逃げる先全部危険で、ちょっとやりすぎましたけど。

 逆襲のシャアの時点で思想に走りすぎて、訳の分からないストーリーになっていました。そして最後はアムロがツンばっかりでデレないのでシャアが切れたみたいな感じで、ギャグにも見えるような結末でした。
 物語でもシャアは思想になっていましたが、環境、特権、宇宙移民、ニュータイプ。本作はなにかテーマがあるようで、その思想に内容が伴わない滑稽さが感じられました。

 マフティの行動と民衆の期待にズレがあるのもそういうところでしょう。1000年先と暮らし。ハサウェイが何をしたいのかわからないので、今のところギギという少女にしか興味が向かいません。この描写がそのままハサウェイの迷いだとしたら、訳の分からない感じが脚本の意図通りということで、非常にうまいストーリーだと思います。
 
 ギギについてはニュータイプの娼婦という設定?はララァの再現なのは間違いないでしょう。ガンダムシリーズを通じてララァという少女が結局のところ消化しきれず、歴代の主人公周辺の女性ニュータイプ、強化人間を経て、クエスそしてギギにまで引きずっています。
 つまり、ハサウェイとケネスはシャアとアムロの関係の焼き直しでしょう。ただ、不思議なことにギギに悲劇の予感はしません。というか奇異に見えて非常にまともなキャラでした。この少女を起点に、シンエヴァのようにガンダムを卒業…という訳にもいかないでしょうけど(大人の事情的に)

 ギギは性的な匂いを漂わせていますが、道徳的にはピュアな雰囲気。自らを汚いと感じる感性。恋する少女になっていまいた。この少女の迷いというか、悩みというか難しい状況が示唆されますが、これからでしょう。
 ハサウェイがギギに手を出せないのも、ギギが結局ハサウェイを押し倒さないのも、こういった子供の部分なのかもしれません。

 ハサウェイは、ガウマンというパイロットの救出などにまったく頭が回っていなかった、ということはこの時点でマフティへの興味が薄れているということでしょうか。ハサウェイも自分の甘さを自覚していましたが。

 アムロまたはそれ以前から始まる壮大な宇宙世紀もののガンダムクロニクルは、最後は個人の…それも女への迷いで幕を閉じる?のでしょうか。

 最後、ハサウェイに気があるっぽい女が出てきて、一方でギギがハサウェイが残していった時計のおもちゃに電池を入れるのは上手い心理描写でした。時が動き出しましたし。{/netabare}

 あと、注目ポイントはホテルのエレベーターの内部の液晶パネルです。アニメーターが貧乏で「高級」「豪華」が苦手だといわれていた日本アニメで、感心するほど高級感がありました。

 すごいアニメなのは間違いありませんが、映像美だけでは歴史的なアニメにはなれません。さて、続きはどうでしょう。



以下 1回目の視聴時の感想です。良く見ていなかったのか話を追えていませんでした。

{netabare}
 宇宙世紀もの、ですが、問題のスケールはテロリストにまで落ちています。前作までで、ララァに対してクエスの存在感があまりにも薄く、ハサウェイの抱えている心の陰もあまり見えてきません。地球の特権階級を憎んでいるらしいですが、そこの動機が弱い感じがします。シャアを形だけまねているのでしょうか。(追記;シャアって、逆シャアで最期でどういう結論にしたのか映画ではわからなかったです。環境の問題だといいながらアムロへの執着だった気がするんですが。サイコフレームがどうのこうので終わってよくわかりませんでした)

 ハサウェイのパーソナルな問題をギギとの関係で解決してゆく物語なんでしょうか(追記;それとも本気で環境のことで悩んでいるんですかね?だとするとギギが登場する意味がちょっと分かりづらいですね。ヒロインが欲しかっただけ?どうも環境について人の意見を聞いたりして、環境問題は単なる言い訳に見えたんですけど)。彼がなぜ今の状態にあるのかは本作からはあまり深くは読み取れなかった気がします。しかも、続きものっぽいので消化不良で終わっています。
 まあ、3部作と明示してるんですかね。であれば次作が楽しみな終わり方でした。

 ギギというのは、ララァと同じく娼婦または愛人なんでしょうね。ガンダムにおけるこの女性の扱いというのに、どんな意味があるんだろう、といつも考えてしまいます。魔性ということなんですかね。男を理解できる母は優れた娼婦である?

 ストーリーは面白くはありますが、かなり都合のいい展開と言えるでしょう。
 ハサウェイがあの特別なシャトルに乗っていた必然性があまりなく、そこにハサウェイの組織の偽物のハイジャックが来てます。しかも航路を外れた緊急着陸したダバオには敵の親玉のケネスが赴任してきた基地があり、ハサウェイの組織の拠点もそこにある。
 ホテルに泊まっていたら、ハサウェイの組織に襲われる。要人がかたまっているからなんでしょうが、緊急着陸して偶然そこにいたはずなのに、襲撃の準備はいつできたんでしょうか(追記;ここ偽装工作ということなんですね。でも32Fから上を攻撃するんじゃなかったのでは?)。
 しかも、モビルスーツ戦がハサウェイの真上で始まってしまう。
 うーん、この部分をもう少し丁寧に必然にしてほしかったですね。またはギギによる不思議な力?のせいなんでしょうか。
 大人向けに作っている雰囲気の割にはストーリー展開が子供向けという感じでチグハグ感はあります。少年向け小説が原作みたいなので止むをえませんか。

 本作がガンダムか、といえば、もはやモビルスーツものですらなく、それは単なる戦いの象徴になっています。極端なことを言えば現代兵器でドンパチやっていても、物語に破綻は出ないでしょう。

 アニメは、金はかけたのでしょう。ものすごい出来でした。しかし、実写に近づきすぎたといえばいいのでしょうか。ガンダムらしい迫力が感じられません。ハリウッド特撮的な迫力になってしまっています。
 冒頭のシャトル内の人の動きが気持ち悪かったです。ある種不気味の谷を感じました。

 ギギの造形、キャラだけは素晴らしかったので、それだけでも見る価値はあります。

 あえて、スケールを小さくしてパーソナルな問題に置き換え、ガンダムが不要になってゆく。ニュータイプもあまり意味がなくなってゆく。宇宙世紀もののガンダムとの決別なんでしょうか。

追記;ちょっと集中して見れてなかったみたいですね。一回しかみてなかったのでいろいろ変なレビューでした。また、2作目があるときに見返します。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モビルスーツの場違い感が醸す破滅の予兆

原作小説は未読。

【物語 4.0点】
三部作の一作目。

構成は序盤~中盤3分の2が人間ドラマ。派手なバトルシーンは終盤に集中。
だからと言って、終盤の見せ場にソースを集中すべく、前半を捨てているわけではない。

むしろ前半のハサウェイと出会う人々との濃密なやり取りの方が、
武装蜂起を前にした、ハサウェイ自身によるアイデンティティが不安定な現状を自己分析するパートとして重要なのではないか?
それくらい人物描写が繊細で惹き付けられます。

ハサウェイ率いる反地球政府運動「マフティー」
相次ぐ戦乱で疲弊した地球に特権階級だけを残すべく、
市民を拿捕して宇宙へ強制移住させる「マンハント」。こうした腐敗に鉄槌を下す。
大義としては申し分ないが、過去の武力行使を正当化する名分と比べるとかなり弱い動機。
戦乱で敗れ去っていった者へ思い入れるハサウェイの私心ありやなしや?

マンハント糾弾という点では、地球に残りたい市民とマフティーの利害は一致するが、
最終的に人類は全員宇宙に移住すべしとのマフティーの理想とは齟齬を来す。

何より今や、宇宙世紀(U.C.)0105年。
もはや武力だの、モビルスーツだの、ニュータイプ理論だので現状を変更する時代でもない。
マフティーが人々から“テロリスト”と揶揄されるのは時代の空気を読めていないからだ。

そんなことはハサウェイも百も承知。
その上で彼はシャアら先人たちが歩んだ破滅の未来を回避するには?或いは破滅を織り込むのか?
自己の立ち位置を再確認するために、ネクタイを締め市井に紛れ、自分を模索し続けるのだ。


この観点から心に刺さっているのが{netabare}タクシードライバーとの会話シーン。
その日暮らしの市民には1000年後の地球環境を憂うマフティーの理想になど構っていられない。
だって周りには結構、自然は残っているし。

この活動家が日常生活から乖離して孤立する状況。
世の浮いてる活動家の方々には、テロに手を染めないためにも、耳をかっぽじって傾聴して頂きたいと願います。{/netabare}


ハサウェイが思索の果に迎えるガンダム発進シーン。
綺麗に自己を総括できていますが、高揚感は少な目です。
曇天への発進は、地に足が付かない、五里霧中な行く末を暗示しているかのようです。


以上の通り、物語を愉しむには、
『逆シャア』までのサーガをテーマまで咀嚼することが必須な、マニアックな作品であることは言うまでもありません。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

背景美術と人物作画の一体感を出す昨今のトレンドに逆行する本作。
写実的な海面などの背景に割り込んでくるモビルスーツなど浮きまくっています。
戦闘シーンでよくある街中でモビルスーツが煙を巻き上げるカットはメカを魅せるための演出。
ですが、本作の場合は、何もそこまでスクリーンいっぱいに煙やら火花やら噴かなくてもいいじゃないか(笑)
ってくらいの迷惑行為として処理。

宇宙世紀を動かすのはモビルスーツに乗ったニュータイプなどではなく、
メンズスーツを着たオールドタイプである。
モビルスーツなんてお呼びじゃない。
メッセージ性が作画構成でも徹底しています。


とは言え、オールビューモニター搭載が標準化したモビルスーツ同士の戦闘は迫力満点。
私は一作目は通常のシアターで鑑賞しましたが、
次作は360°没入感を最大化できる巨大スクリーン等での鑑賞にこだわりたいです。

【キャラ 4.5点】
主人公ハサウェイ・ノア。
顔立ちや対人関係のぎこちなさはアムロ・レイ。
二つの名を使い分ける暗躍ぶりはシャア・アズナブル。
アムロかシャアか。ハサウェイ自身が葛藤する際の引き出しにもなる。

ハサウェイの秘密を見抜き絡んでくる謎の美少女ギギ・アンダルシア。
大人の色気で、ハサウェイのライバルともなるケネス大佐とのトライアングルを仕掛けたかと思えば、
戦場では幼女の如く動揺を露わにする情緒不安定ぶり。

ギギとの交流の中で、クェス・パラヤを破滅へと攫っていったシャアの一件が重なるハサウェイ。
大義より、過去のトラウマという感情で言動を左右されるハサウェイ自己分析の一助ともなる。

総じて各サブキャラとも、ハサウェイ自身が掴めていない自分探しにヒントを与える献身ぶり。

【声優 4.0点】
ハサウェイ役の小野 賢章さん。
幼さと凛々しさが混在する青年ボイスで、村瀬監督からの“感情と思想に引き裂かれたキャラクター”という難題に応える好演。
このハサウェイ危ないことするよ。

ギギ役の上田 麗奈さん。ボイスを高嶺にコントロールして正体を掴ませない妙演。
これは周りの男どもも取り扱い方法に困ります。


公開前、劇場版『逆シャア』の少年時代以来、
長らくハサウェイに声を当ててきた佐々木 望さんからの“声優交代”が物議を醸しました。
ただこれも『ガンダム』以外のコンテンツではよくあること。
アニメ化よりも先にゲーム等でキャスティングされた声優が、アニメでは変更になるのは割りと普通。
ただハサウェイの場合はアニメ映画化以前にゲーム等で活躍する期間があまりにも長すぎましたw

また、このキャスティングについては、アニメ映画化後もゲームのハサウェイは佐々木さんが担当していることなどから、
①小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』→『閃光のハサウェイ』原作小説のハサウェイは佐々木 望さん。
②劇場版『逆襲のシャア』→本劇場版三部作のハサウェイは小野 賢章さん。
①②はパラレルワールドの別系統作品であると示唆しているとの見方もあるそうですね。

劇場版三部作見ながら原作小説読んだら①②の異なる要素が混ざり合って困惑してしまうかも。
この辺りが、私が劇場三部作展開中は、小説購読は『~ベルトーチカ・チルドレン』までで止めておこうと決心している理由です。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は澤野 弘之氏。
エッジの効いたテクノ等をアレンジした戦闘曲及びボーカル曲で魅せる。
「TRACER」は特にぶち上がります♪

気になるのが『UC』の澤野氏が『ハサウェイ』でも音楽担当している事。
『UC』は原作『ハサウェイ』完結後に、『逆シャア』~U.C.0100の間に闇に葬られた史実があったと後付けされたエピソード。
よもや本シリーズで『UC』を絡めてくることもないとは思いますが、
パラレルだとしたら何でもありですし。
もしくは『UC』同様、『ハサウェイ』も戦乱の亡霊を退治する物語として同一視すれば良いのか。
考え出すと落ち着きません。


ED主題歌は[Alexandros]「閃光」
過去を振り払って未来へ驀進する快作ロック。
ですが、今のハサウェイにはちとまぶしすぎる感もw
Netflix海外配信に合わせて英語版もリリース。
MVは英語版の方がAMVになっており作品のシーンを振り返るのにも最適。


【付記】
分割2クールの『水星の魔女』の幕間に、本作のTV編集版が1/15~全4話で放送されるそうで。
制作中の第2部への予習復習としてハサウェイを分析してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場で観るべき劇場版アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
久しぶりに、「あ~、俺、今、ガンダム観てるわ~」と思えた。非常に充実した1時間半。

原作は、1989年に出版された、富野由悠季さんの同名小説。「逆襲のシャア」から12年後の世界を舞台にしており、主人公は「ハサウェイ・ノア」。ホワイトベースの艦長として知られるブライト・ノアの息子。

コロナの影響もあり、この1年、映画館に行くのは控えていたのですが、本作はどうしても劇場で観たかったので、昨日行ってきました。田舎の映画館ということもあり、キャパの10分の1程度しか客がいなくて、かなりゆったり観られました。

劇場版三部作の1作目ということで、ストーリーは完結しませんが、充分な満足度がありました。

私が本作を劇場で観てほしいと思う理由は、本作の見所が、やはり映像と音声にあるからですね。

本作では、人間目線でのモビルスーツ戦が多く描かれます。モビルスーツの部品がちょっと落下しただけで命を失ってしまう、絶望感や恐怖。それを味わうには、大スクリーンで観るのが1番だと思います(私は映画館に行くと、視界が全部スクリーンで埋まる、前の席で観るのが好きなんですが、今作はそれがハマってた、スクリーンを見上げる形が良い感じでモビルスーツを見上げている気分になりました)。

まあ、ガンダムを知らない人はまず観ない映画だとは思いますが、一応、「地球環境の為に、全人類を宇宙に移民させようとする青年(テロリスト)の戦い」を描くストーリーです。逆シャアと世界線は繋がっていますが、前作を知らずとも観られる映画だと思います。

コロナ対策をしっかり行った上で、映画館で観てほしいですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
原作小説は、確か中学生の時に読んだはずなのに、びっくりするくらい内容忘れてる(笑)

あれは、いいものだ、、、いや、これは、いいことだ(笑)

ということで、ストーリーは知らずに、新鮮な気持ちで楽しみました。

序盤、宇宙船内の会話劇。これがガンダムの会話だよなという空中戦に、ニヤリ。

続いて、ホテルのシーン。どこかクェスを思い出させる、ギギのキャラに、ニヤリ。ハサウェイが大人になってて、ちょっと複雑な気分(笑)

(ちなみに、ハサウェイの植物学の先生が、アマダ博士って、シローとは関係ないよね? 映画の間、ずっと気になってしまったw)

ホテルを射撃したところからの逃亡戦は、本作で一番の見所。人間の目から観たモビルスーツ戦の迫力。圧倒的な暴力。

ハサウェイは、「地球のため」に戦っているが、「人のため」に戦っているのだろうか。明後日を考えられない人がいるなかで、1000年後の人類の、地球のために戦う愚かさと純粋さ。「魚が取れなくなった」と地球環境を嘆くくせに、ディナーで魚を食べる矛盾。しかしそれも、腐敗した連邦高官のせい。

市街地の上でも容赦なく射撃した軍も軍だが、そもそも市街地を盾にしたのはマフティーだ。

どちらが正しいとか間違っているなんてこと、富野さんが書くわけない。両陣営にそれぞれガンダムがいることが、その証左か。

終盤のモビルスーツ戦は、パイロット目線での戦いが熱い。ワケワカランが、訳もなく面白かった。

ストーリーに関しては、まだ序盤なので、3作観てから語りたいと思います。

余談ですが、私は今、30代中盤なのですが、映画館の客層の中ではまだまだ「坊や」でした(笑) オッサン8割、女性1割、子供1割(笑) もうちょい、ガンダムも裾野を広げていかないとな~と思いました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

69.4 24 秘密で戦闘なアニメランキング24位
ストライク・ザ・ブラッド Ⅱ OVA Vol.4(OVA)

2017年5月24日
★★★★☆ 3.7 (95)
657人が棚に入れました
<作品紹介>
世界最強の吸血鬼と剣巫の少女が織りなす物語が今、再び始まる! !
三雲岳斗氏による電撃文庫の人気作品がTVシリーズに続き、OVAシリーズとして帰ってきた! !

魔族特区“絃神島"。そこに暮らす少年・暁古城(あかつき こじょう)は、
伝説の中にしか存在しないはずといわれている世界最強の吸血鬼“第四真祖"であった。
その彼の監視および抹殺の任務を命じられた少女・姫柊雪菜(ひめらぎ ゆきな)は、
古城をめぐっておこる様々な戦いを、彼と共に乗り越えていった。
そして新たな物語は、アルディギア王国を巻き込んだ事件の後、
場所は“絃神島"の隣に作られた新たなリゾート施設“ブルーエリジアム"から始まる---

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

OVA2期を締めくくる物語は「咎神の騎士篇」です。

OVA2期の最終章となる本作品…
Vol.3以上に登場人物が増えるのが特徴です。

Vol.3のラストに登場した全裸の少女も気になるところですが、個人的に気になったのは浅葱ご一行様…
この物語の舞台が絃神島じゃないこと…も気になる要因ではあるのですが、最大の原因はご一行様の面子です。
コンピューターにはめっぽう強い浅葱ですが、道中次々と現れるのは魔獣の群れなんです。
コンピューター捌きで魔獣に太刀打ちすることはできません。
そしてそんな浅葱の心強いパートナーが、浅葱と同じく人工島管理公社に雇われているフリーランスのプログラマーで、そのパートナーの名は、くのちゃん演じるリディアーヌ・ディディエ…通称「戦車乗り」呼ばれる少女…

確かに戦車という分厚い装甲の中は安全かもしれません。
でも相手が悪い…だって魔獣ですもん…
事実絶体絶命のピンチが浅葱を直撃するのですが、そこで登場しピンチを救ったのが、イブリスベールという褐色の肌の少年…
それだけじゃありません…
この神縄湖周辺に凡そ似つかわしくないディミトリエ・ヴァトラーも登場するからビックリです。
しかも、トビアスとキラというヴァトラーの側近を務める貴族の吸血鬼まで一緒…

獅子王機関に自衛隊…
それにヴァトラーまで引っ張り出すなんて、この神縄湖に隠された秘密が気になりますよね。
でも、次の瞬間、翼竜に乗った謎の騎士が襲い掛かってきたのを見てハッキリした事が一つ…
隠された秘密とか、儀式とか…今回の一件にはそれ以上の思惑や策略が張り巡らされていたということです。

高まる緊張感…
でもストブラはそれで終わる作品じゃありませんよね。
戦闘シーンもさることながら、このVol.4は戦闘の合間の休息シーンもなかなかです。
特に、山小屋みたいな場所での休息中、唯里が思わず突っ込まざるを得なかった古城と雪菜の掛け合い…
これまで二人を追いかけてきた私ですら「あれ、こんなにだったっけ?」と思いましたから…
そんな光景を始めて目にする唯里の反応はごく自然だったし、叫びたくなるのも理解できますよ。

物語の内容については伏せておきますが、着々と古城が眷獣を使いこなせるようになっている、とだけ付け加えておきます。
そして物語は次の布石を残しながら終幕に向けて動いていきます。
物語は一応キリの良いところで終わりましたが、半端無く気になる布石を残して終わったので、早速続きが気になっています。

3期…「見ない」という選択肢はありませんが、いつ視聴するかはまた悩みそうです…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

咎神の騎士篇のⅡとⅢ

相変わらずの主人公最強系ハーレム作品。

咎神の騎士篇の解決篇。
{netabare}Ⅱの終盤。古城と雪菜が登場する当たりから、物語が加速していきます。{/netabare}
今更ながら・・・。{netabare}そういえば、浅葱って古城が第四真祖だってことを知らなかったねぇ。{/netabare} すっかり忘れていた。(笑)

姫柊雪菜は相変わらず可愛い。

そう言えば、雪菜役の種田梨沙さんの復帰が発表されましたね。
(『体調を考慮しながら・・・』って事らしいけど)
益々のご活躍を期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

ビックリヤングコーン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ova2期見終わった!

相変わらずの吸血シーンやラッキースケベもそうですが戦闘シーンもバランス良くて面白かったです!新キャラが多すぎて混雑してる感は否めないですけど、やっぱキャラは可愛いと思います。ハーレム系でキャラ増やし過ぎてメインが分からなくなる作品はありますがこの作品はメインがブレてないので逆に見ていて飽きないと思います!決め台詞も徐々に夫婦みたいで面白いですよね!あとopとedの曲も良かったです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

61.1 25 秘密で戦闘なアニメランキング25位
レッドガーデン RED GARDEN(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (112)
612人が棚に入れました
ニューヨーク。過酷な運命によって近づいた少女たち―17歳の葛藤。ぶつかり合う価値観。しかし、やがて日常は優しい言葉にあふれていることに気付く。同じ学園に通うケイト、ローズ、レイチェル、クレア。その日、少女たちは朝から身に覚えの無いおかしな感覚を感じていた。怪訝に思う少女たちに伝えられる、クラスメイト・リーズの突然の死。
その日の暮れに、悲しみのなか、まるで導かれるようにして少女たちはひと気の無い夜の倉庫街に集まった。
ネタバレ

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

突然歌いだす、謎の演出のある不思議なアニメw

ある一人の少女の突然の死を機に、死んだ少女の友人だった4人の少女達の日常は、
普通の少女としての生活とはかけ離れたものになっていく...って感じのお話。
全22話+OVA1話です。OVAは後日談っぽい感じですね。

正直、それほど面白いってアニメではないのですが なんとなく好きな作品。

作品の独特な雰囲気や大まかな設定、キャラデザに声優さん、あとOPが好きです。
まぁ声優さんについては沢城さんが好きってだけなんだけどw
あくまで、ただ好きってだけなので良い作品だとは全然言えませんww


ストーリーとしては、アメリカの高校を舞台にしたオカルト要素の強い
サスペンスホラーって感じなのかな。
でも、困った事に設定は結構穴だらけだったりするんですよねw
その上、説明不足な部分や疑問点が多かったりもします...

まぁ説明不足に関しては、あくまで少女達の視点で物語が進んでいき、
彼女達が重要な事は何も知らされてないって前提だからかもだけど、
曖昧な部分が多くてモヤモヤしますねw
{netabare}
意地悪だったグレースの子がいきなり心を開いたのは少し不自然だったし
そもそもなぜ主人公たちが死んだ理由がわからない。

死んだ理由はハッキリさせて欲しかったな... 何の為にあの場所に行ったのか、
そこで何があったのか、何故死んでしまったのかとか、すごい気になる...
流石にそこはしっかり描かないとダメでしょw
{/netabare}

最終話も、一応完結はしてはいますが、終盤は展開の速さは否めないし、
ちょっとしんどいまとめ方だったなって印象。
あと数話あれば、キレイに終わってかもって少し残念だったかな。
{netabare}
アニムスとドロルの抗争は物語のメインストーリーであるにもかかわらず、説明が
ほとんど無く組織の背景も曖昧にしか語られていないのでスッキリはしないです。

そもそも、そこらへんをちゃんと考えられてたのか疑問ですねw
{/netabare}

ただ、そんな感じでストーリーに関しては残念な部分が多々ありましたが、
この作品の見所としては、少女たちの人物描写や心理描写です!!
ストーリーはともかくキャラに対する描写は良かったw

突如 過酷な状況に置かれた少女たちの日常と非日常。それにより生まれる少女たちの
苦悩や葛藤、そして絶望。 それでも生きようともがき、運命に立ち向かう姿や
少女達の間に次第に結ばれていく絆など、とても丁寧に描かれていました。
{netabare}
個人的には、レイチェルが一番共感できましたねw

自分の存在が、普通の人間と変わってしまって、恋人との関係性で葛藤したり、
「死」が身近に有る戦いでの、戦わないローズはイラっとしたりとw
でもまぁそれもリアルですよね。普通の人間じゃなくなったら周りとの違いを感じて、
悩んだりもするだろうし、恋人って近い存在だからこその葛藤もあると思うしね。
それに、いきなりバケモノと怖くて戦えないローズも、それを見てイラついちゃう
レイチェルもねw

ローズとレイチェルの心理描写は、露骨でしたが共感出来て良かったです。
{/netabare}

それに、4人はメインキャラたちも魅力的で良かったんですよね~ 4人共全く違う性格で、
それぞれ人生観や価値感などをしっかり持ってますしね。
個々の想いがしっかり描かれてるのが、この作品の良い所ですw
とはいっても、ココが全てな作品なんですけどね...


まぁ、そんな感じの内容の作品なので、物語の謎を追う方をメインにして見てしまうと
残念な感じに思ってしまうかもだけど、揺れ動く4人の姿に焦点合わせて見るなら
結構楽しめる作品だと思います!!
でもまぁ、色んな意味でクセの強い作品なので、人にはオススメは出来ませんけどねw


あと最後に、OVAの「デッドガールズ」なんですが、本編を観た人には面白いと思える内容だと
思うので、最終話まで観た人にはオススメ。というか、是非見て欲しいですww
それじゃあ、ネタバレじゃないけどOVAの感想も少しだけ。
{netabare}
本編はシリアスで暗い雰囲気の作品でしたが、OVAはコメディ要素が多い作品に
なってますねw 1時間位のお話です。

内容としては、後日談なのかと思ったら少し違うのかな!?
まぁその後である事は間違いなさそうだけど。
{netabare}
本編で既に死んだ人や月日的にもう死んでるだろうって人や出てきたりするし、
どういう設定なのかな!?設定がよくわからない。
主人公たちの性格が変わっているのは何百年も生きてきたからだろうけど...{/netabare}

あっそれと、別にOVA見たから、本編の謎が解るとかは無いですww
正直、ちょっと期待してたんだけどな...

でもまぁ自分は結構楽しんで見れました。面白かったですw

ただ、RED GARDENを最後まで見たなら笑える場面もありますが、
OVAだけで見ても面白い作品ではありません!!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ゴシックなマスタード。

"古き良きアメリカ"的な色彩の見せ方が非常によかった。別に自分はアメリカ好きでは別にないのだけれど、純粋に綺麗だし、コンセプトが感じられて良い。ゴシックで、媚びないキャラクタデザインも好み。物語もキャラクタをポイ捨てしていない感じが良い(ただし刑事たちは正直存在意義が??だが)。ときたまグッとくる瞬間もある。蝶と花の演出とか、いちいち簡素ながら味のある演出が良い。OPもアイキャッチもカラフルでお洒落。バトル要素の重要性がほぼ皆無で、それより人間の営みを大事にしている感じが良い。人々の暮らしに対する落ち着いて暖かい目線が感じられるのが良い。
戦闘が非常に地味なのもグロテスクさを演出できていて良かった。(あまりに敵が見掛け倒しなのはやや残念だが。)
戦いの目的の正当化をほぼ完全に捨てているのはこの手の作品では珍しいことで大変良いアプローチだったと思う。最近のロジカルで人間味の薄い作品にも見習ってほしい。

と、まあ良いところはたくさんあり、特に中盤は素晴らしかったと思う。ただ、個人的に物語はやはり始めと終わりが肝心であると思っていて、その2点についてはあまり出来がよろしくはないと感じた。
なんというか結局全体としての話の筋が弱すぎる上に不自然なのである。それが原因だと思う。よく練られた緻密な展開みたいなものは期待しない方が良い。

 自分は殺人ゲームみたいに、明確なルールが説明的に開示されてパズルの様に進行する話はあまり好きではない。話の展開がうまくてもあくまでゲームの中の話という感じで話の深みが全くないから。
この話はそういう話とは正反対で、この作品は、生々しさは十分あるのだけれども、設定の作り込みや展開の巧さはあまり褒められない。例えばどうして敵を排除する必要があるのかという理由はこのアニメではあまり重視されていない。説明棄てるにせよもうすこし不自然さが無いと良いかなと思う。
登場人物の設定や行動が若干不自然なことが度々ある。例えば始め主人公ら4人を戦いに導く女がいるが、彼女の序盤の秘密主義は、秘密が明かされてなお異様に不自然である。ミステリアスで冷徹に見える女、だとか理由もわからず戦う少女たち、という設定を作るための苦肉の策が見え透いている。ミステリアスな人物なんて出てくるとそのミステリーの内容がしっかりしてないとしっくりこない。
 まあ全体的に序盤は中盤の諸々の足がかりをつくるために存在している感じが強く面白みは薄い。

終盤は消化試合感が強く、面白くできる要素をいくつか素通りしている感じが残念。エレベとケイトの関係とかね。終盤の戦いに尺とっちゃうより、日常の描写を大事にしたかったというのはわかるのだけど。読後感は薄い。

あと序盤はなんか劇中歌が入るのだけれど、あんまり効果的ではなかった印象(歌唱力の問題か、監督?の注文の仕方の問題かそもそも歌い方が変)。ただ監督も自覚があったのか途中でふっつりなくなる。

まあでも全体的には良いところはたくさんあって、期待以上の出来ではあった。なんか無限のリヴァイアスとかに多少雰囲気近いかな。まあまあお勧めです。
大作ではないけど、お洒落で地味で良い感じ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

突然「あなたは死んでるの」って言われても???ですな。

エミさんからのご推薦。

舞台はニューヨークのルーズベルト島、時代はわかりませんが今っぽい。

ここでは2つの集団が敵対しています。
1つは「アニムス」女性だけの集団で、死んだ後生き返って不死の体と
なってます。(身体能力もUP)ただ本人が生きる意志を無くすと灰に
なってしまいます。加えて定期的に戦ってないと体調が悪くなります。

もう1つは「ドロル」男女両方いますがアニムスからの呪いで、早かれ
遅かれ覚醒し、そうなると自我を失い獣のようになってしまいます。

ある事件をきっかけに4人の少女がアニムスの一員となり、それぞれ
運命共同体としてドロルと戦う事を強いられます。

設定として面白いのは、同じ学園にいながら立ち位置がみんな違うため
なかなか距離が近づきません。
模範優等生、不良一匹狼、ヤンキーお嬢、もじもじさん、こんな感じです。
どう考えても仲良くならないよなぁ、、、。

それでも生きてゆくため、指令が下れば4人そろって戦わなければならない
のです。

理不尽な環境の中、4人それぞれの苦悩や葛藤、また戦いの中で少しずつ
近づいていく距離。

彼女たちに幸せは待っているのか?


感想
鬱展開が結構続きますが、それぞれの心理描写は丁寧に描かれており
またご都合展開もないので(リアルだったらこういう反応するよなぁ
って描写が多かった気がする。)私的には観て良かったと思えた作品
でした。
シリアス好きな方にはおすすめですね。

4人の中だとクレアが印象的。沢城さんの演技は特に印象的でした。
人気あるのもうなずけますねぇ。


おまけ
OVAの「デッドガールズ」も観ましたが、こちらは何100年が後の
設定で、4人それぞれがぶっ飛んでます!
長く生きたおかげで強くなったのね。w

合わせて観ると、より楽しめます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
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