秘密基地で学園なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの秘密基地で学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番の秘密基地で学園なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.2 1 秘密基地で学園なアニメランキング1位
映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (596)
2261人が棚に入れました
高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……

声優・キャラクター
伊藤沙莉、田村睦心、松岡美里、花守ゆみり、小松未可子、井上和彦、小野友樹、小林裕介、錦貫竜之介、井澤詩織

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

想像と創造、ワシらの生きる意味。私的2020年No.1TVアニメ。

・今期、いやここ数年のベスト候補かも


・湯浅監督+良い原作=最強


・作画厨の聖地


・イマジネーションは爆発だ!


・原画やストーリーボードのラフな魅力を活かした初のアニメかも


・シロバコ好きにはオススメ


・製作の現場にまで興味がある濃いアニメファンなら必見


・「ラーメン発見伝」の芹沢さん並のリアリストな理想主義者としての金森氏。


・たぬキマリに次ぐ愛嬌キャラな小心狸こと浅草氏


止め絵として小綺麗なことが凄い作画ではない!。本作におけるダイナミズムとイマジネーションの奔流の如き動きを見よ!。


偶然だろうが、本作のテーマはスタプリと同じ想像力=創造力に尽きるだろう。向こうは未来へのサーチライトという意味合いが強いが。


人は単なる必要を超えた価値に目覚めたが故に人になった。ゾンビランドサガが示してくれたように、より強くより高く生きようとする存在こそが人間なのだ。試行錯誤しつつも創造することで、自分自身の人生を創造し、前に進み続ける。ここには浅薄な悲観主義や、安易な現実主義を超えた輝きと力が、なにより希望がある。


最後にバーナード・ショーの「メトセラへ還れ」から緩い引用を


こういう子たち(創造的な子供たち)がやってくると、いつも何かしら驚異の念、新しい希望、生き甲斐が生まれる。あの子達は決して死にたがらない。いつも新しいことを学び、いつも新しい物を創造しているからだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 85
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

アニメ一等船室の客向け仕様に轟沈

原作未読


注目度の高さそのままに走りきった感のある作品でしょうか。
今期(2020年冬クール)作品の視聴開始時期が遅く、先行しているレビュアー皆さん口々に「面白い」と好意的に受け止められてた品でもありました。そのため事前の期待値は高かったですね~。

個性豊かな3人組JKが『映像研』を設立し、アニメを作るお話。高校の同好会がベースなので同じく制作頑張りますアニメの金字塔『SHIROBAKO』があります。そこでいうところの『神仏混淆 七福神』を一生懸命作るのに全12話使ったとも言えそうな物語です。
それはさておき実際の内容。アニメを作りたくて作りたくてしかたがないお二方。先走りがちな二人の才能を現実に落とし込むのに秀でたお一方。そんな面々の三人四脚コメディです。
「設定命」の浅草みどり。「人物描写はお任せ」水崎ツバメ。「この二人使って何か仕掛けられないか」金森さやか。任天堂『アイスホッケー』の三人組を彷彿とさせるバランスの良さ!ん!?知らんか…


そして完走。しかしてその感想は


 {netabare}あまり面白くなかった{/netabare}

 {netabare}すごいかもしらんけどつまらん{/netabare}


です、はい。…そしてこれまた難しいのが


 {netabare}酷評できない面白くなさ{/netabare}


気を使ってということではないですよ。各所いい感じなんだけど"これじゃない”という想い。
きっとポジティブ評価が並びそうなので逆張りして!とかでもないです。ちなみに、


■いい感じなところ

▼物語

クリエイターの熱量を感じることができます。

▼キャラ

全員アニメ好きじゃないところが良い。キャラのバランスが良い。

▼声優

職業声優でないけど通好み。いつも少年役田村睦心さんの金森氏。

▼作画

惹き込まれる。間違いないです。

▼音楽

OP好き!


至ってシンプルで前向きなメッセージが伝わってきます。


 『最強の世界』


これを表現するがためのアイディアが溢れてくる感じ。浅草氏が本当に楽しそう。こだわりの動作を挿入すれば作画カロリーは増すけどこだわりたい。水崎氏も楽しそう。二人とも産みの苦しみも含めて楽しんでるのです。実務家の金森氏はそんな彼女らのブレーキ役というより司令塔。有能なプロデューサー然としております。どちらかというと一部の視聴者向け「ご都合主義だぜー」厨へのブレーキ役って感じですかね。オタ側視聴者の事情も見据えてるように思えます。
この三人。誰が欠けてもダメですね。バランス最高かと。
映像も楽しいです。それこそ手を出さないで外から眺めていたい感じ。浅草氏水崎氏のアイディアを出してるそばから現実と表現したいイメージが溶け合っていく感じ。毎回手を替え品を替え楽しませてもらいました。
けっこう丁寧だなと思ったのが、ネタバレで隠すこのセリフ

{netabare}ツバメ「浅草さんって、いつからそういう話し方できるようになったの?」
浅草氏「え?」
金森氏「会話が苦手だから妙な語尾で心を守ってるだけですよ」

この古いオタクみたいな喋り方が鼻についてたのを察してか劇中で拾い上げてサラッと触れてました。そうです。確信犯であるのとそれを気にする層への配慮がなされてるのです。{/netabare}

きちっと仕事してるのです。「じゃあ何が不満なの?」ってやつですね。それについては以下、



■面白くないところ

パーツは良いんですが…

1.三人が天才すぎて

共感しづらいのです。凡人がいないというか会いに行けるアイドルじゃないというか。
読モ設定アリのTHE女子を含めた三人組なのに男連中にしか見えないってのもあります。まるで全国高等学校ロボット競技大会に出てきそうな子たち。性別がちぐはぐな印象でこれも共感しづらい。
共感しにくければその天才性で魅せてくれればいいや、ってアニメですね。ただそうなるともう一つ問題がございまして。


2.アウトプットが魅力的じゃない

{netabare}カニ魔人と闘うロボアニメ{/netabare}

彼女らの成果物(劇中劇)に全く興味が持てませんでした。素晴らしいメイキング特典映像を提示されたのですけどその元ネタにピクリとも反応しません。
工場見学を想像してみてください。ビールでも日本酒でもお菓子でも、大好きなあの製品が生活になじみのあるあの商品がというものがないと製造工程に興味を持つのは難しいのです。
そんなこんなでこの作品は非凡人なる自分にはキャラ共感というよりも、アニメ製造工程(プロセス)をエンタメする作品に見えたわけです。
ですからせめて下記の3STEPどれかにひっかかればそこそこ楽しめたと思うんですよね~。

1st:アウトプットに興味津々

そんな方は問題なくクリアですね。楽しんでください。私はダメでした。次に、

2nd:ギミックを楽しめます

{netabare}初回からコナン。金森氏が水路を除くのはカリオストロの銭形のとっつぁんにも見えるし、攻殻機動隊冒頭のオマージュもありました。{/netabare}
オタッキー全開で答え合わせしちゃいましょう。

3rd:こんな工程を経ているのです

純粋にアニメ制作あるあるなど技術だけでも面白いと感じるかもしれません。



きっと技術をこれでもかと見せつけて「ついてこいやー」って匂いを撒き散らしてる感じがしてそれが肌に合わなかったんでしょうね。
そしてなんとなく通ぶりたい仕様というのも嫌。狭い世界から下々を睥睨して悦に入るかのような感覚。例えるなら『タイタニック』で一等船客の男連中が食事の後にブランデーと煙草を嗜みながら政治談議をする場ですよ。ディカプリオに「君には退屈だろうから」と言い捨てて壁作る感じですかね。
自分、ディカプリオでいいやって思いました。この際ディカプリオで充分です。ってなんか違うか。


ついでにもう一つ。ED『名前のない青』も悪い意味で作品を表わしてると私は思ってます。
中の人“まふまふ”さんでしょ?バンド“神様、僕は気づいてしまった”のVo.そこ言っちゃうのは無粋だよというのは置いときます。この方実は男性ということでもの凄い才能の持ち主だと認めてます。
何がダメかって、最近『かつて神だった獣たちへ』OPで使用された楽曲と大差ない。お暇な方はLET's聴き比べ。まふまふというボーカリストが活きるコード進行だけなぞってる感じ。技術の品評会。直近のタイアップ楽曲で似たようなコード進行とかマーケティング的にもNG。
小室哲哉だってさんざん曲一緒とか言われながらうっかりカラオケいれたら今でも唄えちゃうでしょう?けっこうヴァリエーションあったんですよ。

10年後20年後に残る楽曲かというとおそらくそうはならない曲。そしてアニメだと思います。
1年後2年後なら残る。パーツは良いのです、パーツは。よって評価点はそこそこ高く印象は低評価という不思議な作品の位置づけとなります。


“作画崩壊”“万策尽きたの総集編”

とは対照的な

“神作画”

そんなでわいわいする楽しさとかはいまだ理解できてなくて、そりゃ楽しむためには技術的な裏付け知っといたほうがいいんでしょうけど自分はいらんかな。
マニアックにいこうとすると際限なくなっちゃうんですよ。


 物語の面白い面白くないとそう感じた理由


これで充分。一生ニワカでかまわん。とこの際開き直ってみる。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.23 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 80
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最後の自主制作アニメの内容以外は満点

<2020/5/9 追記>
本作にはあんま関係ないんですけど、
ちょっとびっくりしたので追記です。

浅草氏の声を当ててる伊藤沙莉さん。
NHKドラマ「いいね!光源氏くん」で主役など活躍されてる女優さんですが。
なんとお兄さんはあのお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介さんなのだそう!

クセのある漫才で最近気になってた人だったのでびっくり。
似てないわー 笑。
いやいや似てない 笑
声は伊藤沙莉さんはあの通りのハスキーボイスだけど、お兄さんはむしろ高め。

あ、でも兄妹揃って曲者・個性派とカテゴリは同じなのかも。


<2019/12/18 初投稿>
まだ始まってもいないので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
漫画だそうです。

NHKのドキュメンタリー「東京ミラクル」って番組のアニメ回で知りました。
なんでもコミケで発掘された漫画家さんのメジャーデビュー作の、NHKによるアニメ化だそうで(って東京ミラクルは番宣かいっ!笑)

「三人の女子高生がアニメ製作のために奔走する物語」なのだそうです。

絵が独特。
「絶望先生」と「ピンポン」足して二で割ったようなデザイン。

さらに監督は湯浅政明さん。
そして予算も製作時間も潤沢と言われるNHK。

これは期待しないわけにはいかないでしょ。

東京ミラクルでほんのちょっとだけ映像が流れました。
やはり映像が秀逸。
美麗とかではなくセンスが二重◎

2020年1月6日(月)午前0:10放送開始。

<2020/1/6 追記>
第一話観ました。
期待通りに面白い。
世界観・映像・演出・ストーリー・音楽・声優全てにかなりクセありますね。
でもすべてクセになりそう 笑。

あと、まさかの{netabare}未来少年コナン{/netabare} 笑
正直嬉しかったりするのですが、
一応タイトルだけ「残され島の」とか微妙に変えてるけど、著作権の許諾とか大丈夫なんだろうかと心配にもなったり。

<2020/1/20 追記>
3話まで。

そう。
アニメの良いところってこういうところ。
センスが詰まりまくってる。

今のところ期待を遥かに超えてます。

浅草氏の声優の伊藤沙莉さん。
めちゃくちゃドラマや映画に出まくってる女優さんなんですね。
大東建託「いい部屋ネット」のCMに出てる人だ。
声の合う合わないに賛否あるようですが、私は絶賛派です。
もう3話で浅草氏は伊藤沙莉の声じゃないと落ち着かない自分がいます 笑。

水崎ツバメ役の松岡美里さんも新人さんなんですね。
小見川千明さんに似た感じで結構好きな声です。

金森氏は田村睦心さん。
本好きの下克上のルッツとか少年役のイメージ強いのでちょっとびっくり。
でもあの地の底から湧いて出るような声はぴったり。

この三人はもうこの声しかない、というはまり具合。
ここら辺も絶妙だと思います。

まだ3話ですがとりあえず評点付けてみました。

<2020/2/13 追記>
6話まで観ました。

「パーペキ」って 笑
「おはやう」って 笑

浅草氏は一体どの時間軸で生きてるんだ 笑

特に「おはやう」は感慨深い。
そういえば「究極超人あ〜る」と本作はちょっと雰囲気似てるかも。
変な部活多いし。
金森氏の強引さはトサカ先輩とちょっと似てるような気がしないでもないし。

<2020/2/24 追記>
7-8話は水崎ツバメの回でしたね。

これまで浅草氏の才能ばかり光ってましたが、
やはり「人を描くこと」
そして「描いた人に演技させること」
これができるのは特別な才能が必要なんです。

絵を描くのにハマった経験があり、
さらに「人」描けなくて挫折した経験お持ちの方なら共感いただけるのでは。

人や動物の「カタチ」を絵にするだけでも鍛錬と才能が要るのに、さらに「動き」を眼で追って、そのカラクリを絵にできる水崎ツバメは天才

そういうお話でした。

自分にそういう才能あったら人生変わってただろな。


あと、本作品はやはり「究極超人あ〜る」を彷彿とさせますね。
こういう作品に、ストーリーやオチを求めても詮無いですよ。

<2020/3/9 追記>
9話まで(今ごろPS5Rにどハマりして視聴遅れ気味です)

2/14放送の「勇者ああああ」(テレ東)に本作OP曲「Eazy Breezy」を歌うchelmicoが出てました。

ミュージシャンという紹介もろくになく、
最初なんの人かよくわかんなくて、
やたら映像研のOP曲流れるなと思ってはいたんですが。
気がついてちょっとびっくり!

ちなみにchelmicoは女性二人組のラップの人
こないだR1で優勝したマヂカルラブリー・野田クリスタルのファンなのだそう。

と、ここまで書いて読み返したら固有名詞が氾濫してて何が何やらわからん文章になってますね。
まあ、いいや 笑

<2020/4/17 追記>
最終回まで見終えました。

全てにおいてハイレベルでしたね。
浅草氏の方言、馴染みすぎて千鳥のノブのようでした 笑。

惜しむらくは最終回で上映された自主制作アニメ。
なんか抹香臭くなってしまった。
なんか臭いが、ね。

その点を除けば全編に渡って高品質の優良作品でした。

やはりおかわり(二期)が欲しいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 66

67.2 2 秘密基地で学園なアニメランキング2位
Rewrite(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (686)
3478人が棚に入れました
緑化都市、風祭。文明と緑の共存という理想を掲げたこの都市に住む天王寺瑚太朗は、神戸小鳥、吉野晴彦らの友人たちと平凡な日々を送っていた。

そんな平和な風祭市に、年一回の騒がしい時期が訪れようとしていた。

都市を上げての収穫祭。

巨大な文化祭のようなその催しに、瑚太朗は記事のネタ集めのバイトを始めることに。風祭では未確認生物の情報や、オカルトチックな噂がまことしやかに囁かれていたからだ。

同時期、瑚太朗の身に不可解な出来事が降りかかり始める。瑚太朗はオカルト研究会の会長、千里朱音に助けを請い、知り合いの生徒たちをも巻き込んでの調査を開始するのだった。

それは瑚太朗にとって、ちょっとした冒険心のつもりだった。騒がしく仲間たちと過ごしていけるなら、それで良かった。瑚太朗はまだ気付かない。それが誰も知らない“真実”の探求へ繋がっていくことを。

──書き換えることが出来るだろうか。彼女の、その運命を。

声優・キャラクター
森田成一、斎藤千和、篠宮沙弥、喜多村英梨、すずきけいこ、朝樹りさ、花澤香菜
ネタバレ

oxPGx85958 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

いろいろと勉強にはなったがお勧めできない

ふと思い立って原作のゲームをプレイし、アニメ版も見るという苦行に挑戦してみました。これは第2シーズンもカバーしたレビューです。

いままで「美少女ゲーム」と呼ばれるテキスト中心のアドベンチャー・ゲームのアニメ化はいくつか見たことがあるものの、評判の高い「Key原作もの」は何度も挑戦して挫折してきました(「原作もの」ではない『Angel Beats』と『Charlotte』はなんとか最後まで見通しましたが)。

いわゆる「美少女ゲーム」は外国では「visual novel」と呼ばれていて、日本語学習者の間で広くプレイされており、その文脈で一度は経験しておかなくてはならないと思っていたというのもあります。

今回、そのタイプのゲームをいちおうエンディングまでプレイし、そのアニメ版も見終えたことで、いろいろと勉強になりました。が、他人にはお勧めできないという結論に至りました。

ゲーム版の最大の弱点はシナリオにあります。これはストーリーラインと個々のテキストの両方の質の低さの問題です。この問題が、アニメ化によってかなり改善されていた、と感じました。アニメ版だけを見た人は、あれで改善されていたのかと驚くかもしれませんが、ゲームのテキストがアニメの絵による描写になって見やすくなっていたし、セリフの内容と声優の演技・演出も良くなっていたと思います。

肝心のシナリオの点でゲーム版が劣っているならば、アニメ版に完敗じゃないかと思うかもしれませんが、実は私が得た教訓は逆にゲーム版の長所に関してのものでした。

本作では物語上の急展開が大きく2つないし3つあるわけですが、そこに至る流れは、フローチャートとして示したり、他人に説明したりしているとなかなか面白いものなのです。このことが、「アニメ版の改悪」によってはっきりとわかったのが私にとっての収穫でした。

ゲームの分岐ありのストーリーをアニメ化するにあたって、分岐のない一本筋のプロットを軸に据えざるをえなかったという事情があったのでしょう。ゲームをプレイしていない人のためにネタバレを最小限に抑えて説明すると、第1シーズンで「鍵」の「かがり」がヒロイン的な位置に置かれているのはアニメの改変部分。アニメ版の「かがり」は可愛い普通のアニメ・キャラクターみたいに描かれていましたが、ゲーム版ではこの段階ではほとんど登場しません。焦点は他の少女たちに当てられており、どの少女を「攻略」するかによってストーリーの分岐が生じ、そのすべての分岐をそれぞれのエンディングまでプレイした後に、次の段階(アニメ版の第2期)に進むという構成になっています。

以下、具体的な話をするのでネタバレ・タグで隠します。{netabare}主人公のまわりに集まった少女たちは2つ(ないし3つ?)の陣営に属しており、主人公はどの少女に寄り添うかによって1つの陣営に肩入れすることになります。個々のストーリーが進むと、他の少女たちは敵になったり、そうでなくても縁が薄い他人となって、関わりが消えていきます。そして、どのストーリーラインもいちおうは意中の少女への想いが遂げられたという意味でハッピー・エンディングには至るものの、それほどハッピーな結末ではない。これは、アニメ版の第2シーズン終盤で語られる人類の真の救済に至らない、ということですが、それよりも重要なのは、最終話に描かれたような、全員と仲良くなれるユートピア的な状況に至れない、ということなのです。{/netabare}

このようにゲーム版では、幸福とはいえない物語を何度も経験した上で、解決編的なストーリーに入るから、物語の急展開の効果が大きいわけです。しかしアニメ版では、「かがり」をメイン・キャラクターに据えるための改変のおかげで、第1シーズンの時点ですでに前述のユートピア的な状況が実現されているため、第2シーズンの展開が「どんでん返し」的な機能を失っています。

今回思ったのは、この『Rewrite』という作品の強みはこのフローチャート上のどんでん返しにあった、ということでした。アニメ版ではこの肝心の点を消してしまっていたので、視聴者にとっては、(物語上の具体的な要素がわかりにくいという苦情はともかく)なんでこの物語が語られているのか、その根本的な意味合いがわからないという結果になったのではないかと思います。

とはいいながら、ゲームをプレイしている間は「なんだこのつまらんテキストは」と思いながらマウスをひたすらクリックしてました。それが、アニメを見たおかげで、ゲーム版の良い面を認識できた、ということです。

いまから思うと、(アニメ版では省かれた)個々の少女たちのストーリーは興味深く、特にルチアや朱音のルートの、避けられない悲劇に突き進んでいくときの無力感は強力でした。なんでここの部分を削ってしまったのか。。。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

細かい疑問は流して一気見したほうが楽しめそう

2016年夏アニメ。分割2クールの1クール目、13話。
原作ゲームは未プレイです。
物語は完結してから星評価します。

第2期もあるのでまだ様子見の部分もありますがなかなか面白かったです。
ちょっと説明不足というか「そういうもの」で流す所は何箇所かあり、ついていけないと感じてしまうと辛いかも。
キャラクター達の持つ特殊能力も説明が無いとわかりにくいものが多く、ちょっと掴み所がなく感じました。

私の場合は某動画サイトの一挙放送で初視聴だったので、わからないと思っても気にせずに一気に見れたのがかえって良かったかもしれません。
{netabare}
何せ最初から急展開でしたからねw
最初からいきなり主人公が死んだりw、ハーレム系日常ものみたいだったり、オカルト系みたいだったり、超能力系みたいだったり、ファンタジーみたいだったりで方向性がわからずちょっと戸惑ったのですが、13話のラストまでに様々な設定や要素・キャラクターが「救済」に関係していく点ではとても感心させられました。
原作ゲームは恋愛アドベンチャーということなので、かなり複雑で内容の濃い作品なのかなという印象。

ストーリーが複雑な反面、キャラクターが割と常識的でタイプも分かりやすく、それぞれの目的意識がはっきりしていたので見やすかったです。
主人公との交流によって「鍵」である篝が人間味を獲得していくのみならず、他のキャラクター達の関係性も良い方向に物語を動かしていくので印象が良く、それぞれに頑張っているので応援したくなりました。
小鳥とちはやがちょっと見分けつきづらい上に二人ともおっとり系なので、私服になるとわかりにくいかも…と思わなくも無いですが。

それにしても最初から最後まで瑚太郎は踏んだり蹴ったりだったなあw
きっと第2期でも踏んだり蹴ったりなんでしょうねw
{/netabare}
瑚太郎の頑張りに期待して2期も楽しみたいと思います。
(2017.1.19)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

一見さん御断りの隠れ家的名店のようなアニメなのか?

う~ん、一言で言うなら、「Keyだから面白いはず、面白いと思えないのは自分の理解力不足なはず!」という気分になってしまうアニメでした。(でも、2期を観ると評価が一変します)

《以下ネタバレ》


{netabare}
【1話目】
とりあえず謎だけばらまいときました&テンプレキャラの連打。1話目を一時間にしたのは、そうでもしないと作品理解ができないと踏んだのだろうけど、そうまでしても理解できないっす(笑) でもまあ「Key」だけに、きっと鮮やかな手際で、伏線を回収していくのでしょうね(と、期待しています)。

【視聴終了】
シンプルに考えて面白いとは思えなかったです。

いかんせんペースが早くて「一話とばしたっけ?」とよく思いました。隙間隙間に挟まれる日常パートはまずまずだけど、既視感は避けられず。日常パートからシリアスパートへの急転直下は「Key」だから、ということなんで別に大丈夫でした。

私はそこまで「Key」に詳しいわけではない(原作プレイは0。アニメも、Kanon、リトバス、Angel Beats! のみ視聴な)ので、なんともいえませんが、「Key」は、「日常に潜むちょっとした不思議」を描くのが上手いというか、「ありそうでない、なさそうであるかもしれない」世界を描くのが上手い印象だったのですが、この「rewrite」は、なんかあまりにもあからさまに不思議過ぎて、感情移入ができなかったです。

今まで観てきた「Key」には「日常の中の非日常」を感じましたが、「rewrite」は、「非日常の中の日常」ていう感じがしました。重心の問題なのですが、あまりにも普通にファンタジーしていて、「ファンタジーだから整合性なくても別に良いや」という風に感じられました。

自分が知っている「Key」の作風と違うのに戸惑ったという感じ。こういうB級感ある作品は他のレーベルに任しときたいというかなんというか……期待しすぎが良くなかったかな?

最後まで視聴した今も変わらず。やっぱり、ずっと「置いてきぼり感」がありました。

それが、「Key」初心者であり原作未プレイの私には「一見さん御断り」的な雰囲気に感じられました。でも、これまで視聴した「Key」作品には外れがないので、私には見つけられない良さがある「隠れた名店」的なのかな? とも思います。

ラストは色々……でしたが、まあ、2期があるので、ソコを込みの評価ってことになりそうですね。

「Key」作品上級者の方々のレビューを楽しみにしていまっす♪
{/netabare}

《2期試聴後に追記》
2期を観た後だと、ガラリと印象が変わります。2期(原作)前提の伏線が多数あります。作品の大枠が理解できたことで、感じる部分も多く、自分の中での評価もグンと上がりました。

た、だ、し。それはあくまで2期込みの評価。1期単独なら、やはりあまり面白いとは言えないと思います(というよりも、それが狙いだとしてもあまりに説明不足)。よって、評価も据え置きの3です。

普通は、「1期を観ることで2期の味わいが深くなる」のですが、本作は逆。「1期を楽しみたいなら2期を見なければ×」です。

それは、この1期が{netabare}トゥルーエンド以外の各ヒロインルートを同時に攻略したもの{/netabare}という、エロg……ノベルゲームの特性を生かしたものだから、個人的にはアリです。つーか、驚かされました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

64.3 3 秘密基地で学園なアニメランキング3位
飛べ!イサミ(TVアニメ動画)

1995年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (58)
460人が棚に入れました
花丘イサミ、月影トシ、雪見ソウシの三人は幕末に活躍した新撰組の子孫。ある日、花岡家の蔵で新撰組の秘密基地を発見し、光を放つ不思議な剣を手に入れる。そして、世界征服と花丘魁博士(イサミの父)の誘拐を企む悪の秘密組織「黒天狗党」と戦っていく。初期は少年探偵ものの方向性で、「しんせん組」で巷で起こる事件を追い、主にイサミが剣を用いて悪党と戦うという内容だった。中盤から黒天狗党が本格的に暗躍し始め、しんせん組もパワーアップを果たして「ヒーローもの」の方向にシフトしていく。

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

アイキャッチもめちゃくちゃカッコいい

小さいころに何となく見ていて記憶に残っていたアニメ作品なのですが、佐藤竜雄監督ということで今の年齢になって改めて視聴してみました。

いやぁ、子供向けアニメとは思えないクオリティですね。多分、ものすごく複雑な裏設定とかがある作品だと思うのですが(細かい科学技術や人間関係とか絶対ありそう)それを真綿で包んだかのような柔らかさと優しさがある感じです。子供向け作品なので、敵キャラが親切で非常に微笑ましいです。難しいことも噛み砕いて説明されていて、ここまで大人も子供も両方が楽しめる作品は珍しいのではないでしょうか。

そして、今の自分の年齢だからなのか、女性キャラクターがやたら可愛い印象があります。いや、全員可愛いです!ここまで女性キャラにときめいたのは初めてかもしれません(笑)。特に高木はるかと烏丸ヒロ子にメロメロでした。さらに男性キャラクターも印象的な人物が非常に多くて、各キャラクターを掘り下げたエピソードをもっと放送してほしかったなと思いました。

声優陣も実力者ぞろいの中、主人公の花丘イサミを演じていた中嶋美智代さんの声が非常に存在感を出していました。少し上ずった感じの非常にかわいらしい声で、もっと色々な作品に出演してほしかったなと思いました。プロ野球選手の奥さんだと最近知って、非常に驚きました。

全50話で足りないと感じてしまうくらい各話のクオリティが高くて、なおかつ軽い気持ちで見ることができる作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

チャリンコヒロインの悪党退治♪

最近、ジャニーズの某メンバーが
うわさのキッスの件で謝罪する会見映像を眺めていて、
そう言えば、TOKIOは若い頃、“やるじゃん♪なかなかやるじゃん♪やるじゃんあいつ♪”
と子供向けのヒーローアニメでテーマ曲歌ってたな……。

という感じでふと思い出してみた、
1995年~教育テレビ放送のNHKオリジナルアニメ。


新撰組局長・近藤勇の末裔である主人公小5ヒロイン・花丘イサミが、
同級生少年のトシ&ソウシとのトリオで、
「しんせん組」を結成し、先祖伝来の「龍の剣」などのアイテム&からくり発明品を駆使して、
町内と世界の平和を守る。


本作で私が特に好感するのは、子供の世界を大事にしつつ
ヒロイズムを完遂している点。

象徴的なのはイサミたちの移動手段が一貫して自転車であること。

「黒天狗党」との鉱石「ルミノタイト」を巡る攻防は、
中盤以降、巨大ロボや巨大宇宙船も乱入しつつ、
歴史の裏側やSFも絡め激化していきますが、
それらは時に三輪車幼児も従えるイサミたちの活躍により、
概ね自転車出動圏内で、片付けられます。

「しんせん組」の攻撃方法もイサミの剣、ソウシの弓矢は王道として、
トシに至ってはボールを投球したりシュートしたり……。

あくまで子供たちのチャンバラごっこや秘密基地など、遊びの延長線上で、
お子様に対して適宜ギャグも交えてフレンドリーに正義を示して行きます。

特に前半は後半のような「しんせん組」変身コスチュームもなく、
小学生たちが通学した私服で、
そのまま悪党退治に直行する放課後ヒーロー感。

視聴当時、私の中では既に、小さな子供のコミュニティー内で、
世界の一大事が完結するシナリオをガキ向けと斜に見る擦れた精神が芽生えていましたがw
本作の姿勢に関しては当時も今も親近感を覚えます。

子供の遊び感覚で世界が救われるものかwと大人は馬鹿にするのでしょうが、
夢の移動手段・自転車を獲得し、「はじめてのおつかい」レベルから、
活動領域を急拡大している小学生らにとっては、
チャリで遊び回ることができる範囲こそセカイの全テ。
この時めきを大事にする本作のセンスにグッと来ます。

子供たちの正義に対して作品内の大人たちも真剣なのも好印象。
狭い世間で、家族親戚、小学校関係者一同、
発明、隠密と、しばしば裏の顔も使い分けつつ、
少年少女のヒーローへの憧れ具現化を裏に表にサポート。

子供だましにお付き合いと見せかけて、
大人が秘めた親子愛や、思わぬヒーローオタク趣味などw
今風に言うところの“大きなお友達”が楽しめる要素もスパイスされており、
なかなかに侮れません。


私にとっては、某・東の名探偵と共にストライカーのヒーロー適性を確信させてくれた。
また某・木ノ葉隠れ里のくノ一や某・ぶっちゃけあり得ない黒いプリキュア戦士に先駆けて、
ボーイッシュヒロインとスパッツの相性を脳裏に刻みつけてくれた。
心の中で結構、重要な位置を占めるアニメです。


蛇足:で、またTOKIOのOP主題歌「ハートを磨くっきゃない」について……。

デビュー曲の「LOVE ONLY YOU」からの、
聴いていて赤面する位はずい求愛ソングの流れを引き継いだ4thシングルですが、
これがまた、作品内容と全然合ってないw(苦笑)

それでも、スタッフは、ミスマッチにめげずに、本作シナリオの切ない要素や、
小5ヒロインや女教師が秘める色気などを掘り起こしてOPアニメーション化しつつ、
ネオン風の演出も交えて、ジャニーズ曲を懸命にテーマ曲化。

そんなお子様向けアニメの背伸びしてる感も意外と印象的だったりします。


今回、あのメンバーが結局、何をやらかしたのか、真相は私には分りませんが、
NHK並びに同局が展開する若者及び子供の世界は、本作のご町内の皆様も含めて、
それこそ「Rの法則」が始まるずっと前から、TOKIOをひいきにして来たわけです。

その恩を、番組が吹き飛ぶレベルのご迷惑という仇で返すとは……。
何か、ホント言葉がないです……。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ぜひ再放送していただきたい

NHK圧倒的・・・!圧倒的製作の...オリジナルアニメ
内容的には主人公と狂ってなきゃ、逸脱してなきゃ悪魔は殺せない…!の組織のドタバタモノという定番ものではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!
引き際っ…!勝ち逃げ…!分相応……!全てを飲み込む…強運…!のキャラを潰滅的手抜きせずに描いていたんだっ・・・!分かれよっ・・・!...!マンネリというのは...あまり感じなかったっ・・・・!むしろっ・・・!真の敵は‥‥あの男っ‥‥‥‥会長っ‥‥‥!幹部四カモが悪魔を殺す悪魔的奇手を変え品を変えてイベント?を発生させるんだっ・・・!分かれよっ・・・!っ・・・!飽きることなく見られました...!過度な恋愛描写がどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・わけもなくっ・・・!悪党らしい悪党もい馬鹿なっ・・・ありえないっ・・・・・!
終始軽快にストーリーはっ...進みますっ・・・!
最初はイサミ本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!潰滅的戦闘できなかったのっ...が...!後に男の子二人も戦闘可能にっ...なり...!主人公たちのピンチだけど…チャンスッ…にっ...必ず現れて危機を救う謎の卑劣っ・・・・! 最悪に醜悪な男・・・・!と主人公の関係っ・・・!どっ...ピンクの衣装で登場常軌を逸するくの一と...謎の卑劣っ・・・・! 最悪に醜悪な男・・・・!の妙なナイス雰囲気...!徐々に明かされる真の敵は‥‥あの男っ‥‥‥‥会長っ‥‥‥!組織の潰滅的正体とっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…構成員の...正体・・・ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!っ・・・!かなり周到にストーリーも構成され...!伏線もっ...きっちり回収しながらラストへと向かっていきたっ・・・!っ・・・・!
ホンコンから招聘された三姉妹が登場したあたりから...!話が一気に進展して1050年地下行きますっ・・・!...!
ギャンブルでは辺で圧倒的・・・!圧倒的ターゲーットがっ...子供だけではゼロゼロゼロっ..ありませ~~んっ...と気づかされたっ・・・!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
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