科学で友情なおすすめアニメランキング 17

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの科学で友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の科学で友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.5 1 科学で友情なアニメランキング1位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (582)
3142人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ブルーウォーター』はアニメOPの金字塔

2018.07.26記


現在ではおそらくもう作られないであろう要素がてんこ盛りの古典。最近のアニメとは違った風に吹かれてみたいと思ったなら手を出すのは一興です。

個人的には思い入れの深い作品です。リアタイで衝撃を受け、2012年の地上波再放送と20年ぶりの視聴でも普通に完走できました。思い出補正があったとしても、作品に魅力がなければ無理だった話でしょう。

とかく「エヴァ前夜」的文脈で語られがちな作品であり、たしかにファンが目を細める描写もありますが、ジョジョ以前のバオー来訪者や、幽々白書以前のてんで性悪キューピッドのような扱いでは決してなく、独立した作品として白眉ものの出来かと思います。

同様に「ラピュタ」の亜種という側面も、出自を考慮すればそれも納得するわけで、決して劣化コピーではありません。


【物語】
大筋は、ブルーウォーターという宝石を巡って繰り広げられる冒険奇譚といったところでしょうか。海洋を舞台にした冒険活劇と言い切れないのは長丁場の作品の最終盤でこれまでの伏線を回収し一気に哲学的、宗教的昇華をみせるからかもしれません。
前半ラピュタの後半エヴァとは言いえて妙とは思うものの、できれば先入観を廃してフラットな視点で作品に向き合えるといいんでしょうね。

30年前の作品とは思えないほど今でも使える数々の仕掛けとそれでも少し埃を被った古典の味わいと両方を堪能できるハイブリッドアニメです。


【キャラ】
主役はナディアとおそらくジャンもそうなのかな。彼ら彼女らを中心に、グランディス一味(グランディス、サンソン、ハンソン)、マリー、キング、ネモ船長、エレクトラさんなど個々にファンがいるほどの魅力的なキャラ達が脇を固めます。敵役{netabare}ガーゴイル{/netabare}も充分憎たらしい役回りを担ってくれてます。彼らの掛け合いの中にも心揺さぶられる明言が多い。

ヒロインのナディアは今でいうところの「ツンデレ」。だがしかしそこは30年前。PDCAサイクルを経てある意味様式美と化した現在のテンプレには該当しません。水戸黄門ばりの様式美を期待してると裏切られたと感じるかもしれないし、逆手にとってとても新鮮と感じるかもしれません。
当時、雑誌アニメージュの人気投票において、マンガ連載中という地の利を活かし数年王座を守っていたナウシカからトップを初めて奪ったのがたしかナディアだったと記憶してます。そしてしばらく1位2位をこの二人で争ってたような。それだけ魅力あるヒロインだったんですね。


【声優】※評価というより思い出話
ジャン役日高のり子さん。浅倉南の爪痕が生々しい当時に少年役とはびっくらこいた記憶があります。
ナディア役鷹森淑乃さん。正直これ以外存じ上げないのですが、最近は進撃の巨人エレンのお母さん役で安否を確認できました。お元気そうで何よりです。{netabare}ネモ船長に「生きろ」と言われた後、一世代を経て今度はエレンに「生きるのよ」と。命のバトンを繋げております。 {/netabare}
{netabare}少しだけ演技に言及すると、フェイトさんの最期とか、「裏切りのエレクトラ」回のエレクトラさんとか演技で魂震えてたような気がする。{/netabare}
それと、マリー役水谷優子さんですね。同時期に放送開始したちびまるこのおねえちゃん役と声全然違ってたものですから、私が「声優ってすげーな」と思った最初の声優さんだったと記憶してます。つくづくもうお声が聞けないのは残念でなりません。

それでレビューを書くにあたりあらためてキャストを見ると、当時人気だったり実力のある方たちで固めていたようですね。どうりで感情移入しやすかったわけだ。


【作画】
メカやキャラデザは素晴らしく、物語中盤の作画崩壊?については他の方のレビューにもあるとおりなので特にここでは詳しく言及しません。
今でも鑑賞に耐えうる作画といいますか、30年後の今のクールでもナディア未満の作画はけっこうあることを考えれば上出来じゃないでしょうか。
特筆すべきは、海だし宝石の名前だしと青色を基調とした絵が多い作品における青の表現でしょうか。OPアニメーションの色合いなんて味わい深いものですよ。
{netabare}「島編」のカオス作画だって、当時における「外注することの対価としてどういった代償を払ったか?」ですとか、はたまた「今ではマシになった韓国からの納品物がいかばかりのものだったか?」と歴史遺産であるとの見方をもって楽しむと・・・いやムリか・・・
でもこれ勢いでNHKのゴールデンタイムで流してたわけですから、イケイケドンドンのバブル時代ならではだったからなのかもしれません。{/netabare}


【音楽】
OPED 森川美穂さんのシングル買いました。サントラだって買いました。
鷲巣さんの劇伴、今でもたまにバラエティで使われたりしてます。印象的な曲が多かった。
OPブルーウォーターのイントロが流れた時、「1週間お待たせ!いざ開幕!」のワクワク感は当時たまりませんでした。突き抜ける高温&ビブラートは心地よく、EDのロッカバラード的な曲調に静かに余韻に浸ったものです。
森川さんについてはバブル全盛期の見た目上等!の世相の中で、ボーカル一本で勝負するぜという潔さに痺れて憧れてましたね。確か自分で作詞作曲はやらずにいただいた曲をボーカリストとしてどう向き合うかに必死です的なインタビューを読んだ気がします。間違ってたらごめん。



■閑話休題 ※そこそこネタバレします
{netabare}
放送年度が1990年。前年にパリ万博100周年、フランス革命200周年とことフランスに焦点が当たった翌年に放送されたアニメです。物語の舞台設定は1889年、まさに万博開催中のパリにて興行中だったサーカス団の花形少女ナディアが事件に巻き込まれるところからスタートします。同じく巻き込まれてしまったジャンと一緒に、ブルーウォーターを狙うグランディス一味からの手に汗握る逃避行。ガキンチョだった自分がワクワクしないわけがないのであります。

私は1986年のラピュタに感動して冒険ものが好きになり、そうこうしてNEXTラピュタが登場するのを待ってたきらいがあったと思うのですが、ラピュタ以降でやっと心震える冒険ものに出会った気がしたのがナディアでした。NHKではこの数年前に「心っに冒険をぉ~」とのりピーが歌ってたアニメもあるにはあったのですが、実際のところ「冒険」感は控えめでした。やっとです。

放送の数か月前にはドラクエⅣが発売し、ミネアとマーニャというエキゾチックな女の子も魅力的だなと思ってた矢先に、ヘソ出し褐色の少女が主役のアニメに出会ってしまったのが運のつきでしたね。

世間一般の評価の一面として視聴率は悪かったと思います。18:00か19:00のゴールデンの時間で5%いったかいかなかったくらい。今よりもっと多くの人がTVを観てた時代、これは致命的に悪い数字です。
ナディアを機に購入し始めたアニメージュでの凄い盛り上がりとは対照的にクラスの友達に話を振ってもあまり観てるやつがおらず反応が薄いという状態。これまで北斗の拳やキン肉マンでは一緒に盛り上がれてたのに、と断絶を感じた瞬間でした。
{/netabare}


NHKという制約があったものの、丸々1年間の猶予期間を与えられた庵野秀明監督を筆頭とする当時のGAINAXの面々が思いっきり好きなことをやったらこんなん出来ました、という傑作です。


-----
2019.01.17追記
《配点を修正》


思い出補正しときます

投稿 : 2024/11/16
♥ : 45

セシウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エアトンさん声優代わりすぎw

 平成初期の代表的なアニメ作品ですね。当時アニメと全く縁がない生活をしていた私も名前とヒロインのビジュアルだけはどっかで見て知っていました。
 メインストーリーは、発明好きな少年が美少女と出会っていろいろ冒険するというありふれたものです。しかしその他の要素として、19世紀末の帝国主義時代、褐色のヒロイン、3人組の泥棒、スーパー潜水艇、古代文明の遺跡、無人島、宇宙戦艦といったものをごちゃごちゃにつっこんでそれらをうまく纏め上げて一本のストーリーにしています。またパロディ要素もたくさんあって、昭和な人は更に楽しめると思います(笑

 制作予算が足りなかったという裏話が公然の情報になっていて、途中作画がメチャクチャになります(笑 しかし各キャラクターが生き生きとしていて私は終始楽しめました。

 ヒロインが黒人で、とても魅力的に描かれています。性格が怒りっぽく自己中心的で苦手だという人が結構いますが、実際外国人の女の子はあんな感じの態度が主流だったと思いますし、嫌なものは嫌とはっきり言う子の方が個人的には好きです。その他ハガネのようなメンタルを持つ主人公や、もの凄くクレバーな妹分の孤児、主人公たちの良き兄貴分・姉貴分である泥棒一味など登場人物が本当に魅力的でした。

 音楽は多彩です。OP曲は有名ですが、劇中にかかる音楽はシン・ゴジラのような迫力とノリがありました。あ、作っている人たちが同じでした(笑

 大感動するような作品ではありませんが、庵野秀明氏とその仲間たちが作ったエポックメイキングな作品として一度見てみる価値のある作品だと思います。
 
 最後にラストシーンで「もうこのような戦いは起こらないで欲しい」とある女性キャラがつぶやくのですが、世界が大戦争時代に突入する幕開けのタイミングなので、最後まで皮肉がきいているなと思いましたw

 

 
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ナディアの存在を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わってくる

この作品は、庵野秀明氏が監督を務めたTVアニメのひとつである。
ジュール・ヴェルヌが手掛けたSF小説『海底二万里』及び
『神秘の島』を原案となっているようだが、
よくよく調べてみると一部の名前や設定を除き
別物であることが分かった。

それに加え、元々は『海底世界一周』という企画
を宮崎駿氏がNHKに持ち込んだということも判明。
当初から天空の城ラピュタを思い起こさせるシーンが
多いなーと感じてはいたのだが、これですっきりした。

内容に関してだが、(先ほどの理由から)天空の城ラピュタとの
共通点が多いので、天空の城ラピュタについて書かれている
他の方のレビューを参考にして頂けると幸いだ。

ちなみに、ナディアの酷評も含まれているため
彼女に思い入れのある方は見ないことを推奨する。

まず良かったところから。

(ラピュタと類似しているというのもあるが)
序盤から引き込まれるストーリー構成だった。
OPを見た限りではほとんど明るい作風で進むのかと
思いきや、5話のベルデ諸島マハル回や15話の有毒ガス回など
息が詰まるような話もあり驚かされた。
また、そういった出来事を通じ、たびたび衝突する場面を
描くことで緊張感を生み出すことに成功している。

キャラクターが発する台詞で考えらせられることも多かった。
ただ、中盤から後半ににおける無人島編においては
到底褒められたものではなかったが。これに関しては
後で後述することにする。

主人公陣営で印象的だったのはグランディス一味。
序盤ではナディアの敵ではあったが、中盤以降は頼もしい
味方として力を発揮してくれる心強いキャラクター。

グランディス、サムソン、ハンソンの3人がいるのだが、
主人公のナディアとジャンにそれぞれアドバイスをくれたり、
時には叱るといったよきサポート役を担っている。
当初の段階では、早くにそのまま消失してしまうのではと
思っていたが、今思い返すと終盤まで彼らを登場させたの
には大きな意義があったのだと考えを改めた。

個人的な意見ではあるが、悪の首領であるガーゴイルは
この作品にはなくてはならない存在だと思う。
自分をアトランティス人の末裔と称し、人間を愚かな生物と
見下す傲慢な人物だ。また、古代アトランティス人の
科学技術を崇拝視する科学崇拝者としての側面を
持っており、傲慢さを助長している。

目的達成のためならば、人々をためらうことなく残虐する
だけに留まらず、部下を切り捨てる非情さも
持ち合わせている。正に外道。

ちなみに、指示の合図にフィンガースナップを
多用するため、指パッチン大好きおじさんグループの
仲間だったりする。
例の衣装が、ハウス食品のスナック菓子でお馴染みの
とんがりコーンを思い起こさせるような気がするが、
それは私だけだろう。哀れな最期を遂げるが、その時まで
自分の役割を果たしている点は高く評価したい。

気になるところもいくつか見受けられた。
確か23話から34話だったと思うが、無人島編辺りから
急にテンポが悪くなった。一応物語の進展はあるが、
非常にむず痒い気分にさせられたのは事実。

特に酷いのは34話。いわゆる回想回にあたるのだが、
本当にくどい。対して面白くない上に、途中で曲を
4.5曲ほど挿入してくるので気持ちが萎えてしまったのだ。

34話まで我慢して見ていたが、この回だけは流石に
製作スタッフへバベルの光を放ちたくなるレベル。
どっかのお侍さんが見ていたら、「うおっまぶしっ」と
発するに違いない。ぶっちゃけ、食事休憩や風呂の時間に
費やした方が良いと思われる。

無人島編における脚本も相まって、ナディアへ好感を
持つことが極めて困難になってしまった。
序盤から我がままで疑り深い性格ではあったが、
「最初だしこんなもんだろうなー」と温かい目で見てきた。

だが、無人島編に入ってからもそれが続くようなら話は別。
何かあれば「どうしてなの?」
動物に助けてもらえなかったら「どうして私を助けてくれないの?」
の繰り返し。他の仲間たちから心配されてもお構いなし。

ジャンに対しての扱いは酷いもので、見ているこっちから
すれば足を引っ張る足手まといという印象でしかない。
ジャンの純粋さや辛抱強さに救われたのは言うまでもない。
心の中では、他にもっといい女性を見つけたほうが良い
のになーと思ったが、それでは物語が破綻してしまうもんね。
だれか、ジャンの開発が実用化されるまで費用を
投資してあげてください。

ガーゴイルが終盤において語るアトランティス人の秘密や
戦闘シーンなど目を見張るものがあったが、手放しで
褒められない部分があったのも事実。
少なくとも庵野秀明氏を語る上では重要な作品で
あることに変わりはない。個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

66.4 2 科学で友情なアニメランキング2位
ベイマックス(アニメ映画)

2014年12月20日
★★★★☆ 3.8 (207)
1180人が棚に入れました
ヒロは、幼いころに両親を亡くし、兄タダシと2人きりの生活を送っていたが、ある日、謎の事故により兄タダシは帰らぬ人となる。
ひとりぼっちになり深く心を閉ざしたヒロの前に現れたのは、つぶらな瞳と空気で膨らんだ白くて大きな体を持つ"ベイマックス"。彼は、亡き兄タダシが、人々の心と体の健康を守るために開発したケア・ロボットだった。
「どのくらい痛いですか?」「泣きたい時は泣いていいのですよ」と優しく寄り添う"ベイマックス"のおかげで、ヒロは少しずつ元気になる。
そして、兄の死に疑問をいただいて謎を追うと、世界の脅威となる巨悪の存在を知り、兄のために戦う決意をする。ヒロの味方は、戦闘能力・戦闘意欲のない優しすぎるベイマックスのみ。果たして彼は世界を救うことができるのか、そして、兄タダシがベイマックスに託した驚きの使命とは。
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ベイマックスが うしろから包み込んでくれる、あたたかいストーリー

ここは...わたしの住む都市?
目の前に広がるどこかで見たような景色...
けれども少しだけ異国っぽい雰囲気もあるこの場所は...

アメリカ、サンフランシスコと東京をミックスした「サンフランソウキョウ」という架空都市。

そのせいだったのでしょうか...
ここは非日常的なファンタジーの世界であるのに、どこかに実在しているのではないかと....そんな気持ちにさせたのは。

科学が進歩した世界では尖ったフォルム、禍々しい色。そんな近未来的なデザインのハイテクロボットを見かけます。

しかしこの作品の「ベイマックス」というロボットは白くてやわらかそう、さわって良い?あなたはふわふわなの?そんな印象でした。

開発者タダシはこのロボットを「人々の心とカラダを守る」ケアロボットという使命のもと作りました。
それに相応しい柔らかなフォルムが優しさを感じさせています。

とっても大きいベイマックスがちょこちょこと歩く仕草や

通路を通れないからとカラダを自ら押し潰したりとお茶目だったり

簡単にカラダに穴が空いてしまうことは戦うための存在ではないという理由でしょう。その柔らかい雰囲気としてうまく表現されていました。

この一挙手一投足に至るまで全てが愛らしくユーモラスなベイマックス。大いに癒されます。
あなたも癒されること間違いなしです!!

{netabare}
中盤では大切な人を失うことから アクションストーリーへと移行。未知の敵に向かうため主人公や学友が秘密のヒーローになるのです。

正義とはなんでしょう
復讐心からくる正義は果たして正義なのでしょうか。
その間で葛藤する主人公ヒロ、信頼できる仲間は一緒に悲しみ、ヒロを諭してくれるのです。
{/netabare}
いちばん好きなシーンがあります
ヒロをそっと包み込むベイマックス
背後からやさしく、あたたかくヒロを包みこむ仕草。

画面を通して伝わってくる、わたしの背中もあったかくなるような
ヒロの表情を見ていると
感じているその安心感が伝わってきます...

心にも...愛情、安心、やすらぎが直に伝わる行為、包み込む「ぎゅう」

包んて欲しいときも
包んであげたくなるときも
心と心が伝わる大切なスキンシップ
ベイマックスがヒロを包み込むシーンに胸がぎゅうってなりました....

この作品すごくまっすぐなストーリーで、かけがえのない仲間との絆を描きます。
中盤からアクション作品かと思いましたがやはり「心」に重きを置いています。
とても素敵な作品、とても心があたたかくなりました。

AIさんが歌うエンディングテーマ Story (英語版)ソウルフルな歌声にぐっときます!ベイマックスがしてくれたような包容の力を感じます。その声に胸があつくなりました。

キミがくれた希望で 強くなれたもう怖くない...
今はキミを近くに 感じるから...

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『BIG HERO 6』の映画化・・・でも日本のアニヲタ的には微妙な心境かも?

『X-MEN』のスピンオフ作品である『BIG HERO 6』の3DCG映画化作品です
つまりディズニー作品にしては珍しくれっきとした原作があります
ただし肝心の「ベイマックス」の設定やデザインを含め、キャラの名前だけ拝借したほぼオリジナルストーリー
そもそも『BIG HERO 6』そのものがアメコミの中でも弩マイナーな為、向こうのファンですら忘れかけてた一本ですね
2D吹き替え、または3D吹き替え、一部劇場のみ字幕版もあり


アジアとアメリカ西海岸をごちゃ混ぜにした架空の未来都市、サンフランソーキョーが舞台
13歳にして高校を卒業した天才少年ヒロ・ハマダは有り余る才能を持て余し、非合法なロボットバトルに夢中でした
そんなヒロを見かねた彼の唯一の肉親、兄のタダシはヒロを大学の科学教室へと誘います
科学ヲタクの仲間達やロボット工学の権威である教授に触発され、進学を決意するヒロ
そして世紀の大発明「マイクロボット」を発表するがその矢先に大学で大火事が発生、取り残された教授と教授を助けようとしたタダシが帰らぬ人となってしまいます
兄を失った悲しみに傷心しているヒロの前に、タダシの形見で人の治療を専門とするケアロボット「ベイマックス」が現れます・・・


まずビニール風船で出来た「思わず抱きしめたくなる」ベイマックスのデザインが良いですねb
原作は普通にスーパーロボットですが、ケアロボットという新設定の元に起こされたポッコリ感、工業デザインとしてとても秀逸です


お話の前半、ヒロとタダシの微笑ましい関係からタダシの残酷な死までを描く部分が家族モノ、青春サクセスモノとして大変素晴らしいです
あと超脇役ですけど兄弟の育ての親であるキャス叔母さん、個人的にすごく好きですb


さて、日本版予告やCMなどでは仕切りに「優しさで世界を救えるか?」というキャッチコピーと共に感動作品、癒しの物語であることが強調されたプロモーションをしていました
ところが本国の予告や実際の本編はあくまでコメディタッチのヒーローアクションなんですよね


非戦闘ロボットであるベイマックスは戦えない、戦えないけどヒーローになる
これは本作のクライマックスに関わる大きなテーマなんですが、日本版のプロモーションだと“戦わずして世界を救う”みたいな印象を受けます
でも本編の内容は「力の使い方を間違えてはいけない」とか、「大きな力には大きな責任が伴うべき」とかを伝えんとしてきている
結果的に世界を救うために“武力の必要枠”があることを肯定しています
これは科学の発展と軍事を切り離せないアメリカ臭さが抜けない感じで、少し意見が分かれそうなところですね;
そして日本版予告に関しては流石にちょっと予告詐欺と言っていいレベル
個人的にはちょっと残念でした


じゃあアメコミヒーローとしてなら純粋に楽しめるのか!?って部分にも実は疑問がありまして・・・
ぶっちゃけるとこれって様するに『HEROMAN』なんですよ
そう、2010年にスタン・リーが原作、日本のボンズが制作したアニメです
すごくヲタク向けな内容なのに、いざガチヲタが観ると「HEROMANの焼き直しかよェ・・・」ってなる


お涙頂戴モノを期待してるとちょっと違う
ヒーローアクションを期待しててもちょっと違う
どこもかしこも中途半端
だからこそ誰もが楽しめる一作なのかもしれませんが、良い意味でも悪い意味でも“凄く軟派な映画”だと思います


上記した前半部分の感動の他に面白かった部分と言えば、クライマックスの救出シークエンスが『インターステラー』と偶然にも被ってるってとこ
あと科学ヲタク仲間の一人、フレッドの父親に関してですかね
まさかの“ご本人”登場かよって吹き出しましたw


ネタ的な意味では『アナ雪』以上に語り甲斐のある作品でしたよ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

工学部のアホGeekどもを愛する人々は全員みるべき

「おまえの対人感情把握能力は、ベイマックス以下なので、ベイマックスを見習うように」と言われました。

ほんとうに、すみませんでした。頑張りたいと思います。


*1.工学部萌え


まあ、それはさておき、
某工学部出身の知り合いが「けっこうマジ泣きした」と言ってたけれど、おれはおまえのことを想像しながら、ちょっとうるっとキタぜ?と言ってやりたくなりますた。(わたしは工学部出身ではありません)

工学部出身の尊敬できる友人たちの居場所が『ベイマックス』ではとてもキラキラと描かれていて、ただ、そのことだけで、泣ける。これだけ、工学部の世界をキラキラと描いたコンテンツってほかにないんじゃなかろうかとーーあるかもしれないけど――ないんじゃないだろうか、と言いたくなる何かだろうと、これは。

たとえば、最初のシーンで天才児であるヒロが画期的な発明を披露するシーン。あれ、実際にはあんなことどう考えても短期間ではむりだとは思うけど、ああいった発明が実際に短期間で可能であるかどうか、ということは別問題として、「工学部」に生きるGeekな人々の人生の喜びの見出し方というのを、ぐぐっとわかりやすく、かっこよく描くならばまさしくああいうものになるだろうと思う。
 
人々をあっと驚かせるようなものを作り上げて、それをプレゼンテーションしてみせること。
研究室のなかで好き勝手に素っ頓狂な発明品をつくりながら、みんなで心地よい変人Geekの巣窟で熱心に日々を費やすこと。
そういうことが、ただただ、ひたすらに、たのしく、麗しい日々で、そういうものを、すばらしい風景として描いてくれているという、ただそれだけで、このアニメは、全世界の工学部出身者および、工学部の人たちを愛おしく思う人々にとってすばらしいアニメだと言って良いものになっていると感じました。


*2.PC


あと、これもすでに言われていることだけれども、工学部の男女比率や人種比率もきちんと配慮されていて、「さすがディズニーだな(笑)」と。その政治的配慮の行き届き具合に、おもわず皮肉めいた笑いをこらえられなくなるのですが、皮肉めいた笑いをする一方で、皮肉めいた笑いだけではすまないものでもあります。
 あまりにもベタなこの政治的配慮は、日本では十分になされていないことなので、これはこれで、やはりとてもとても重要で、きちんとしていて、改めて真顔で「すばらしい」といいたくなる気持ちもやってきます。
 日本の工学部連中の愛すべきアホGeekどもは、たいがいにおいて愛すべきアホGeekなんだけれども、ジェンダー配慮の文脈だと、ごく素朴に悪い意味で「このアホが!」と叱ってやりたくなることも多いもので、こういうところは、ベタに見習ってほしいよね。まあ、去年の人工知能学会の表紙のネタでうんざりしてるかもしれないけど >工学部の男性各位
 工学部の人々は、けっこうベタにフェミ系のまともなもの読むといいよ、ほんと、とか思いますよね、しみじみ。


*3.サンフランシスコと日本


 サンフランシスコが美しく描かれているのもけっこううるっときましたわ。現実のサンフランシスコはあそこまで美しくないけれども、個人的にサンフランシスコは良い思い出のおおい街なので。
 しかも、主人公は日系人ですからね。


*4.話の構成、見せ方、演出エトセトラ

 
 いうことなし。すばらしいのではないでしょうか。機械の波の表現とか、いや、まあ、ほんとすごいとおもうよ。


*5.ということで、けっこう、わたしにドンピシャ

 全体的に、すごい自分にむけてドンピシャな作品だという感じでした。けっこうマジでうるっときてしまいましたわ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

70.8 3 科学で友情なアニメランキング3位
ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(アニメ映画)

2017年3月4日
★★★★☆ 3.9 (36)
183人が棚に入れました
史上最大の危機!?
ドラえもんが、そして全てが、カチコチに凍る!?

真夏の暑さに耐えかねたのび太たちが向かったのは、巨大な氷山。
ひみつ道具「氷細工ごて」で遊園地を作っていたのび太たちは、氷漬けになっている不思議な腕輪を見つける。調べてみたところ、なんと腕輪が氷に埋まったのは、人が住んでいるはずもない10万年前の南極だった!腕輪の落とし主を探して南極へと向かうドラえもんたち。その前に、なんと氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡が姿をあらわす。
「10万年前に行って、落とし物を届けよう!」
ひみつ道具「タイムベルト」で10万年前に向かうドラえもんたち。そこで、凍りついてしまった自分たちの星を救うため、宇宙を旅し、腕輪の謎を追う少女カーラとヒャッコイ博士に出会う。
おっして、腕輪を巡り、ドラえもんたちは、地球が凍結する危機に直面する!

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、高橋茂雄、八木真澄
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いざ、南極大陸を冒険!10万年前の友情と勇気が、地球を救う。

幼いころからドラえもんがちょっと苦手で。

数々の秘密道具は楽しいのだけど、
のび太が調子に乗って、最後には痛い目を見るという展開が苦手で、
オチのシーンになると別室へ逃げていた思い出がありますw

さらに声優さんが変わってからは、
ドラえもんは意図的に遠ざけてしまっていました。

今回たまたまこの映画を観ることになって、
ドラえもんにハマりそうです。

それぐらい、
この作品よかったです♪

ドラえもん映画は良作が多いことは知っていたけれど、
こんなにいいものだったとは…!

100分ほどの作品です。


● ストーリー
夏休み中ののび太は、
真夏の暑さにぐったり。

ドラえもんと共に巨大氷山へ出かけ、
氷で遊園地を作って遊ぶ。

氷山の下で見つけた、
不思議なリング。

そのリングは10万年前に
南極で凍ったものだということがわかった。

10万年前の南極の秘密を探るべく、
のび太たちは南極探検に出かけた。


ドラえもんがいると、
場所も時間も簡単に行き来ができてすごいわw

南極?寒い?
秘密道具があれば快適に過ごせますからw

のび太は世界一あらゆる経験を積んでいる小学生だと思いますw

困難があってもドラえもんの道具で突破。
かゆいところにも手が届く豊富さですw

wikiによると今回登場した道具は、
27種類以上。

四次元ポケットの収納はすごいなあ…。
そもそも、四次元という概念が私には理解できていませんがw


話が逸れましたが、
ストーリーはとても面白かったです^^

飽きる暇もなく展開ぎっしりでした。

子ども向けだろうと若干侮っていましたが、
むしろ大人向けと言っていいほどです。

氷山のでき方の説明など、
お勉強になるシーンもあったりで、

親へのアピールも忘れないところは
ぬかりないなと思いましたw

細かな設定は適当にスルーしているところも多く、

例えば
{netabare}
ドラえもんの作戦によって冬眠するパオパオは、
10万年後の未来に起こされますが、

起こされるとすぐ10万年前に移動して、
また10万年間冬眠する…という無限ループに陥るわけですよね?

それはとても冷酷な行いだと、
私には思えてしまったのですが…。

パオパオにとって10万年という時間は
「昼寝みたいなもんだ。」と大した事ないように言われていますが、
いやいやそんなわけあるかwww

じゃあ起きている時間は一瞬にも満たないじゃないか!
{/netabare}

その辺りは“子ども向けだから”という盾をうまく利用して、
深く考えないようにされていますね。笑


● キャラクター
声優さんが変わって以来、
初めてしっかりとドラえもんを見ました。

キャラの表情も随分変わりましたね。
時代に合わせた表情の変化。

時代の流れを感じましたが、
これはこれでいいなと思いました。

のび太からはジャイアンにイジメられる要素を感じませんでした。
将来、好青年になりそうな予感しかしませんw

いじめに敏感な現代、
アニメではどんな感じで描かれるようになっているのか、
ちょっと気になりました。


今回のオリジナルキャラクターは、
カーラ(cv.釘宮理恵)という女の子。

釘宮さんの好演と、表情の可愛さもあって、
とてもいいヒロインだったと思います^^

のび太ともいい感じだったし、
しずかちゃんの立場の危機すら感じましたw


● 音楽
BGMのサウンドが豪華だなー、というのは
あらゆるシーンで感じました。

ハリウッド映画を彷彿とさせるようなサウンドでしたよ。
さすが劇場版アニメ。


【 OP「夢をかなえてドラえもん」/ mao、ひまわりキッズ 】

この曲好きなのですよ♪

子どもにぴったりの可愛くて元気になれる曲調、
長く愛されるのも納得です^^

今回はこの曲に合わせて
ドラえもんとのび太が氷の遊園地を作っています。

夢溢れる映像に、
キラキラとしたこの曲…。

とても素敵なOPでした♪


【 ED「僕の心をつくってよ」/ 平井堅 】

感動系ソングなのは、
ちょっと意外に思ったのが第一印象です。

作中でははっきりとしたお涙シーンはなかったので…。

繰り返し聞いているとだんだん、
内容よりも映画全体とつながってきました。

ストーリーも作画も音楽も、
圧巻のクオリティだった。

きっとたくさんの方が
この作品に情熱を注いで携わってきたのだと思います。

その努力や愛情を想いながら聞くと、
とてもしっくりときました。

このEDは作品への愛が詰まった曲です。


● まとめ
ストーリーが普通に面白くて、
毎年恒例でドラえもん見たいと思えるほど、大満足でした。

のび太のいい子さが、
前面に押されてますね。

他人への思いやりに欠けがちな現代だからこそ、
子どもはもっとドラえもんを見るべきだと思っちゃった。

勉強ができなくたって、
他人と比べてダメなところが多くたって、

優しい心があって、
友だちと笑顔で過ごすことができれば、それでいいと思うんだ。


ドラえもんにハマりそうなので、
おススメドラえもん映画があれば、ぜひ教えてください^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

不満ほとんど無しの傑作

岡田斗司夫氏がこの作品をH.P.ラヴクラフトの「狂気の山脈」の翻案でありハッピーエンドバージョンと高く評価していました、加えて子供向けにしたのが当作品だと思います。
ストーリー、音楽、キャラクター、声優などどれをとっても不満のない作品です。
釘宮さんの演じたヒロイン、カーラは可愛いだけではなく明るく活発かつ有能なヒロインで、とても良かったです。
どことなく宮崎駿作品のヒロインを彷彿とさせます。

ドラ映画史上、鉄人兵団のリルルと一、二を争うくらい印象的なヒロインでした(ただ、もう少し活躍して欲しかったな。何より一回きりのキャラとしては惜しすぎます。)
ストーリーはエヴァを彷彿とさせる壮大な部分があり、過去に地球にやってきたヒョーガヒョーガ星人はいわば地球に「セカンドインパクト」を起こしたかったのかなと思います(ファーストインパクトはヒョーガヒョーガ星人の仕業ではなく只の自然現象らしいですが)。

しかし、巷のこのドラ映画の欠点として責められている点として{netabare} 「ジャイアン、スネオの暴言問題」についてですが
この映画で中盤でジャイアンとスネオがヒロインのカーラを責める酷い発言をした事がいろいろ批判している人達がいますよね。
「映画ドラのジャイアンは良い奴だ、男気に溢れた奴だという鉄則は守って欲しかった」
「可哀そうなヒロインを罵るジャイアンとスネ夫なんて・・・」とか盛んに言われてますが、
良く考えたら、例えカーラたちの行動に悪気が無かったとしても結果は極めて重大で、
あの状況ではのび太たち四人組が家に帰れないどころか全員むごたらしい凍死の運命にあるのと、現代の60億の地球人類が存在していない事になってしまう事を考えると、
ジャイアン、スネオがつい感情的になりカーラを罵るくらいは仕方ないと思うのですが、どうでしょうか?
ましてや彼らは小学生でしかありませんし、そこまで聖人君子であれって変です。
むしろ、ヒロインを庇ったのび太の発言の方が理想論すぎる気すらするんですね。
映画ドラ恒例の「映画ではジャイアン(とスネ夫)は良い奴だ」も伝統として続ける必要まではないと思います。
時には感情的になって怒ったり罵ったりする彼らも人間的で嫌いではないですよ。 {/netabare}

あと、個人的にはラスボスのブリザーガのデザイン、特に顔が昔のアニメふうというか、いかにもドラえもん世界ふうのデザインで、ちょっと気に入らなかったかもです。もう少し今風のアニメのデザインにして欲しかったですね。
もう一つの敵のオクタゴンのデザインの方がいかにもクトゥルフで良かったと思います。

「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ」という映画のテーマがご都合主義的に簡単に解決された点も欠点として挙げる人がいますが、
あれはあれでハッピーエンドで良かったと思います。

以上、わずかに不満はありますが、傑作だと言い切れる作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドラえもんとして成立しているSF大作

アマゾンプライムで全40作品がいま観ることが出来るので鑑賞。

個人的には子供の頃にみた「のび太の恐竜」が心情的にはベストなんだけど、この「のび太の南極カチコチ大冒険」はとにかく凄い。

ドラえもんなんだけど、設定は完全にSF。しかも設定完成度がすごく高い。1970~80年代にアニメを作っていた大人たちの「アニメは子供が観るものだけど、中身は大人の本気出す」というアニメの再来って感じ。

大人の目線で楽しむと、「おー、すげー。これ、ドラえもんじゃなくても成り立つ話だけど、きちんとドラえもんになっていることがヤバい!」と思ってしまう。

全40作品を観たわけじゃないが、自分の中では、まちがいなく心情1位を上回る、設定完成度がある映画だ。

クレヨンしんちゃんの「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」みたいに、大人と子供では受け止める感想はまったく違うのだけど納得いく作品に仕上がっている。もっといえば、このクレヨンしんちゃんの2作品は、ノスタルジーや感動で琴線に触れさせる(素晴らしい作品だけど、ある種ずるい?)手を使っているけど、ドラえもんの南極カチコチ大冒険は、SFとしての完成度であり、エンターテインメントに徹してるから、個人的にはその分レベルが上かなとも思う。

ドラえもん映画って、なにかと左翼思想かつ左翼理想論が強い作品もあるだけに、思想とは離れた大人のSF本気が完成された物語として作られたことが個人的に気に入った作品。その意味では、ドラえもんだけど藤子・F・不二雄ではないかな…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

90.8 4 科学で友情なアニメランキング4位
とある科学の超電磁砲[レールガン](TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (10392)
41331人が棚に入れました
総人口230万人、東京都西部のほとんどを占める巨大都市。その人口の約八割が学生ということから、「学園都市」と呼ばれるその都市では超能力の開発が行われているんですの。学生たちが能力の強さに応じてレベル0~レベル5にランク付けされるこの都市で、7人しかいないレベル5の第3位に位置する能力者、御坂美琴お姉さまが本作の主人公となる。この物語は、彼女が通うお嬢様学校、常盤台中学校とそれを取り巻く仲間たちの平和で平凡でちょっと変わった能力者の日常を描く物語ですの。

声優・キャラクター
佐藤利奈、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、阿部敦

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

スピンオフ作品でこの存在感!!

とある魔術の禁書目録のスピンオフ作品。

※世界観だけ先に。
舞台は超能力が科学によって解明された世界で、能力開発をカリキュラムに組み込む総人口230万人の8割が学生の巨大な学園都市。そこでは学生全員を対象にした超能力開発実験が行われていて、全学生はレベル0(無能力者)からレベル5(超能力者)の6段階に分けられ、様々な能力を開花させている。 


主人公は学園都市に7人しかいないレベル5(超能力者)の内の1人、とある魔術の禁書目録ではヒロインである「御坂美琴」。
電撃を操る能力から「超電磁砲(レールガン)」の通名を持っている。
今作はその御坂美琴とその友人、白井黒子・初春飾利・佐天涙子を主にして、学園都市で起こる様々な事件を解決していくお話です!!

禁書と違い、魔術は登場せず、科学の力がメインになっているお話でもあります!

禁書が魔術サイドや科学サイドなど出てきて、設定の世界観も世界を巻き込んだかなり壮大なものになっていますが、今作は美琴やその友人達との学園での日常生活などマッタリとした部分も多数あり、禁書に比べてはのんびり見れるのではと思います。

ですが、醍醐味である能力を使った戦闘シーンもしっかりとあるので全く飽きるということはありません!

あくまでもスピンオフなので禁書の世界観を少なからず把握していることが必要かもしれませんが、この作品から「とあるシリーズ」に入っても問題ないように今作は構成されているので大丈夫だと思います!

むしろこの作品を見て、禁書の方にも興味を持ったという方も多いのでは??(ノ´∀`*)

このシリーズの見所はなんといっても学園都市をメインにした世界観ですが、登場人物も多く、各々能力が違う分毎回戦闘シーンも迫力が違います!!

その上、結構複雑な物語だったりするので飽きは来ませんね(ノ´∀`*)

ですので禁書を見たい方の為に多少、見やすくなっているのが今作だと思います!!

原作の売上もアニメの人気も結構なものなので、期待して見てもらっていいと思います!!(*´ω`*)b


4年ぶりに2期も放送開始されたので、まだ見ていない方はこれを機に視聴されてみてはいかがですか?(*^。^*)



※私は多分レベル0です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 118

バキュラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

白井黒子ですの

とある科学の超電磁砲見ていただけました?

主要メンバーは 4人

学園都市第3位のレールガン    美琴お姉さま
そしてお姉さまの生涯の伴侶     白井黒子
ともに風紀委員で頑張っている    初春飾利
初春の親友でスカートめくりの達人 佐天涙子

で、やっていますの

ときたま ツンツンウニ男も出てきますが
あれは 無視しておいていいですわ

見どころは やっぱり美琴お姉さま‼‼

嗚呼,お姉さま 黒子は黒子は~~~~♡
失礼いたしました。

噂によれば 2期も決定したようなので
また 会う機会もあるでしょう その時は よろしくですの

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38

oki96 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

佐天さん、大好き。

インデックスのスピンオフ作品に当たりますが、インデックス観なくても楽しめます。

ストーリーは3編に分かれていますが、3編共繋がっていて最終話で理解できます。その他にもストーリーの間で日常編が加わっています。

自分はストーリー編より日常編が好きだったかな。結構笑えますよ。ストーリーはシリアス要素が有りますけど、笑える所もたっぷり有ります。そして、最終話は感動です。自分も思わず涙が出ちゃいました。

あと、キャラが可愛いですね。美琴が子供っぽいグッズを好むところ、黒子が美琴を妄想する所、初春の髪飾り、佐天がスカートをめくる所。とにかく可愛いです。

でも、やっぱり佐天さんが大好きでした。無能力者だと自覚してるのに戦いたい、仲間を救いたい、役に立てたい佐天さんの勇気に心を奪われました。これを観てから自分も頑張らなきゃと思いました。

声優陣も豪華です。新井さんの黒子、良かったですね。あの独特の声がたまりません。あと佐天さんの伊藤さんもとてもお似合いだと思いました。

観終わった後、インデックスも観たくなりました。

この作品は100%おすすめです。




佐天さんについてちょっと語りたいので以下はネタバレです。

自分だけにしかない能力が知りたくて、希望と楽しみを持って学園都市に来た佐天さん。しかし、学校初日で無能力のレベル0だと言われた佐天さんはどんな気持ちだったのでしょう。勇気を振る舞って学園都市にやって来た佐天さんはどんな気持ちだったんでしょう。しかし、彼女は諦めなかった。自分の居場所はここだと信じレベルを考えなく楽しく過ごそうと決意した。

幻想御手。佐天さんが使いたくなる気持ち解ります。他のキャラは何故幻想御手を使いたくなるとか使いたい人はズルだと思っていますが、その気持ちは佐天さんしか知らないでしょう。彼女は強くなる為、ズルをしたい為に使ったのでは無いでしょう。ただ、自分にしかない能力を知りたかっただけでしょう。能力者にはこの気持ち理解出来ないでしょう。

そして最終話。キャパシティダウンにまったく影響が無かった佐天さんはどんな気持ちだったんでしょう。また、自分は無能力者だと告げられた彼女はどんな気持ちだったんでしょう。しかし、彼女は戦った。仲間を救いたかった。それには勇気が必要です。その日、彼女は自分だけにしか出来ない事をやりました。その勇気は佐天さんだけにある物です。

そんな佐天さんが大好きです。
佐天さんには勇気を与えられました。
自分も努力しないと駄目だ、頑張らないと駄目だと思いました。

長文になって申し訳ありません・・・それも好き勝手な事言って。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 74

88.9 5 科学で友情なアニメランキング5位
とある科学の超電磁砲S(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (3559)
20750人が棚に入れました
総人口230万人の8割を学生が占める「学園都市」。そこでは学生全員を対象にした超能力開発実験が行われており、全ての学生はレベル0(無能力者)からレベル5(超能力者)の6段階に分けられ、様々な能力を開花させている。学園都市でも7人しかいないレベル5の一人であり、電撃を操るその能力から「超電磁砲(レールガン)」の通称を持つ御坂美琴は、学園都市で起こる様々な事件を解決していく。
レベルアッパー事件、ポルターガイスト事件が解決し、穏やかな日常を取り戻した学園都市。御坂美琴は、後輩で風紀委員(ジャッジメント)の白井黒子や、同僚の初春飾利、その友達の佐天涙子と夏休みを満喫していた。そんな美琴の日常に、彼女の運命を大きく動かす、ある出会いが迫っていた…

声優・キャラクター
佐藤利奈、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、ささきのぞみ、阿部敦、浅倉杏美
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

将来性を考えればお姉さまの方が・・・

超電磁砲の第2期。

前半はシスターズ編。
禁書目録第1期のシスターズ編と同じ話だけど、こちらは御坂美琴目線の話。
あの1件の裏では、こんな事が・・・的なストーリーです。
誰も頼れず、1人で責任を背負い込む御坂美琴。重苦しい、シリアスな展開が続きます。

{netabare}
そんな中、第8話から第10話の対「アイテム」戦は必見です。学園都市に7人しかいないレベル5の第3位・御坂美琴VS第4位・麦野沈利。心身ともにボロボロな御坂美琴が限界を超えた戦いを見せてくれます。
{/netabare}

後半はフェブリ編。
こちらはアニメオリジナルストーリー。敵はぶっちゃけ小物ですが、物量で圧倒するタイプ。しかし今回は、御坂美琴は1人ぼっちではありませんでした。

{netabare}
いつもの黒子、初春、佐天さん、婚后さん、湾内さん、泡浮さんの他に、固法先輩、柳迫先輩、春上さん、枝先さん、妹達、そしてまさかの「アイテム」やレベル5の第5位食蜂操祈まで・・・。
{/netabare}

シスターズ編が良すぎるせいか、フェブリ編は評価の低い方が多いですが、個人的には面白かったです。
最終話で、私が勝手にサムネに使用させていただいている柳迫碧美さんが活躍しますから!

第1期に続いてOP、ED曲とも神曲揃いです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 93

にゃんぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後半のストーリー

(1期視聴済み)
すげーな
さっき第1話見終わったばかり
さすがー「あの花」の監督(長井龍雪さん)ですねー
wikiでちょっと調べて、アニメ界の逸材だと思いますー
物語からキャラまで~
文句なし!

「sister's noise」- fripSide
神曲...最初はまあまあだと思ってる...でも、ちょっと、時間が経って、何気なく...頭のなかで響いてる....

前期とは同じく、
後半は素晴らしいオリジナルストーリーだといいですねー
期待できそうー

前期より後半のストーリーはイマイチという感じ。
それでも良作だと思います。
スタッフの皆様お疲れ様でーす。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 115
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ビリビリと仲間達

超電磁砲(レールガン)の名を持つ御坂美琴とその仲間が協力して超能力を使いの学園都市で起こる事件を解決していくストーリー第二期になります。

非常に安定感があって今期鉄板で楽しめそうです。

OPも前作の雰囲気のままなかなかイイですねー。

※1話感想{netabare}
能力や人間関係を紹介しつつも事件解決をする彼女たちの日常を表すスタートでした。

最初の不良集団はベタでしたね。
中学生相手にゲスな事をしていましたがビリビリで
良いお仕置きになったと思います。

病院では色々と危機一髪でしたがジャストタイミングのチームワークで乗り切りました。
佐天さんのあの剛腕キャッチには驚かされました。
結果的には相手も含め誰も傷つかず一安心。

食蜂さんの存在や美琴の過去など今後の展開を匂わせていましたが、
どうなって行くのかとても楽しみです。
婚后さんのキャラは面白いので1期より少し目立つ活躍しないかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
今回の新キャラは心を読むスキルなんですかね?
まだ能力が謎なのが興味を引きますね。
(パッと見た雰囲気がちはやふるの詩暢ちゃん似な気もしましたw)

いずれにしろ心理戦は得意そうで1話で出た食峰さんと絡み
今期は精神的な駆け引きやトリックで楽しませてくれる予感がします。
御坂妹の存在もチラホラしてますし
クローン研究への掘り下げもありそうでこの先が楽しみです。

それにしても先週今週と学園都市治安悪いです。
黄泉川さんもっと頑張れじゃん!

佐天さんは前回といい、一皮剥けてきた気がします。

EDもなかなか良かったです。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
先週、新キャラがちはやの詩暢っぽいって言ったけど、
こちらも「砥信」でしのぶって読むんですね。先週は名前に気づきませんでした。
この作品、人物の漢字難しくてサイコパス並に変換が面倒です。

美琴がラボに潜入するお話でした。
私服は新鮮。中学生にしては意外とお値段の張るコーディネート。
着替えにホテルの一室を使う贅沢さには驚きです。
普通はトイレ&ロッカーだよね?

なんだかメタルギアを彷彿とさせる潜入でした。
それにしてもビリビリって汎用性高いです。
機密やセキュリティーまで突破できるとは…。
流石にツッコミたくなりますがスルーしてあげます。

クローン計画を知り驚いていましたが、凍結と分かり一安心。
…してしまったようですが水面下で動きつづけています。
大きな事件へと発展していきそうで早く続きが観たいです。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
美琴浮かれてましたねー。
浮かれてた方がまともな性格になるのも可愛いちゃ可愛いけども。

今回はほぼ日常回で春上さんの水着ショーが見所だった気がします。
話はそんなに進んでないけど会話で出た
「社会見学」とか「電波で繋がる」という話は今後、鍵になるかも。

クローンの方は「布何とかさん」こと、しのぶちゃんも一枚かんでる様子。
敵か味方かそれとも!?…今後どういう存在になるのか気になります。
最後にとうとう御坂妹を発見しましたし、
クローンの扱いが惨いシーンで終わりましたがどうなって行くのでしょうか?
{/netabare}

※5話感想{netabare}
前半は緩く後半は一気にシリアスに。
この作品は締めるところはしっかり締めてくれるので流石です。
御坂妹は赤ん坊を助け、猫を助け、最後にバッヂを求めて、人間味を感じました。
少ない時間でしたがちゃんと生きていて、それ故に死は残酷に映りました。
やはりこんな計画は許されないですね。
美琴の視点からこのストーリーを追うのも非常に楽しみです。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
美琴の怒りはよく分かるけど力押しではアクセラレータにはかなわなさそうですね。
美琴の能力が強いだけに相性が悪さが力の差になっています。

それにしてもこの実験は余りにも酷いのです。
クローン技術上がってもこういう倫理的な事も
しっかりしないと恐ろしい世界になってしまいますね。
しのぶちゃんも味方に付けて仲間みんなで協力して阻止して欲しいものです。
一期よりも二期の方が応援しやすいシチュエーションになりそうです。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
黒子達を巻き込みたくない美琴と、
美琴の力になりたい黒子の気持ちが交差して少し切ないですね。

人的被害は出していませんが美琴はテロリストとして悪には悪で対抗する形になっています。
話し合い等正攻法は効かないでしょうから致し方ない所ですかね。
とはいえ余りダークヒロインにはなって欲しくない気持ちもあって複雑です。
良い方向へ転べばいいのですが…。
次回はラボ側の対抗策が出てきそうでまた楽しみです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
アイテムという組織が登場し美琴と対決していく構図になりました。
まずは狡猾な導火線&爆弾使いが相手。
レベル違いの相手にもよく戦っていて戦い慣れしているのが伺えます。
美琴が闇の炎に抱かれて消えるのかとも思いましたが、
レベル5は伊達じゃないですね。鮮やかな逆転でした。
次回は複数相手にしなければいけなそうで、苦戦が予想されます。

一方、しのぶちゃんも独自に動き出しました。
共闘もありそうですが、どうなって行くんでしょうか。楽しみです。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
アクション満載で見応えのあるバトルでした。
ビーム兵器(?)の使い手と能力追跡者が相手で押されていました。
戦略的撤退すべきなのですが気持ちが勝って施設破壊に固執しています。
次回はタイマンバトルみたいですが体力的に限界で冷静な気持ちではないので心配です。
増援も無さそうですしどうなる事やら…。

しのぶちゃんの方も超捕まってしまい超心配です。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
いやいや単純にバトルで楽しめました。
麦野さんイキイキしてましたねー。怒らすとおっかなくて敵ながら好きなキャラです。
(cv小清水さんこういうキャラやはり上手いです。)
今回は相手の罠を上手く利用して勝てましたがまたの再戦も観たくなりました。

ラボから撤退させとりあえずは実験を止められましたが、
コレで終わるなんて上手い話ではなさそうです。
しのぶちゃんも捕まってて心配なままですし…。
インデックスと重なるシーンがあったけど続きはアチラでって事でもないよね?
コチラはコチラで事件を追うものだと思って次週以降も楽しみにしておきます。

心配といえばフレンダのお仕置きもなので、程々にして上げて欲しいです。
きっと、スゴくおっかないんだろうなー…。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
学園都市の暗部は底知れず。
あれだけ頑張って破壊し撤退させたけど大局を動かすに至らず…でした。
それでも心折れず覚悟を決めて決意を新たにする姿を見せられては応援せざるを得ません。
次回以降も応援のしがいがあります。

それにしてもみんな精神年齢高いですね。
自分の中学生の頃と比べるとなんだか恥ずかしくなります。(^_^;)
{/netabare}

※12話感想{netabare}
美琴はツリーダイアグラムをハッキングして
エラーを起こさせる計画を実行しようとしましたが
既にツリーダイアグラム自体が存在していなかった様です。
今の学園都市の機能はどうやって賄っているのでしょうか?
予知能力系の能力者等でも酷使してるのかな?
色々と謎が深まってきました。

猫のお話は完全にインデックスでしたね。
既知の話ではありますが美琴視点でどう描かれるのか楽しみになっています。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
観ていてとても痛々しかったです。
死んでゆくシスターズも痛々しいし、美琴の絶望感や無力感も痛すぎます。
レールガンの視点だと美琴の心情に触れているだけあって同情の気持ちがより強くなります。
本当に趣味の悪い実験ですね。

当麻も事件を知りインデックスとの交差が強くなってきました。
この連鎖を止めるには当麻の右手にかかって来ています。

たけどこのシリアス展開だと黒子や佐天さん達はしばらく出て来れないかも…!?
{/netabare}

※14話感想{netabare}
今回はインデックスと交差していると言うより、インデックスそのものでした。
まぁ名シーンだし逃せないですけどね。
既視感もあるので新鮮味に欠けはしますが心情などもより深く解ってきます。
来週もインデックスでしょうね。しばらく当麻の応援です。
{/netabare}

※15話感想{netabare}
相変わらずインデックスしてますが
…あれ?本編より気合い入った感じがします。気のせい?
当麻はやっぱりカッコいい!殴るシーンはスカッとしました。
アクセラレータは元々気質があったとはいえ
あれだけ殺してたら色々と麻痺しちゃうでしょうね。彼も被害者だと思います。
{/netabare}

※16話感想{netabare}
ちょっとした最終回気分。
一方通行を無事倒してくれました。分かっていても立ち上がるシーンは漢を感じます。
ここ数話は良いリメイクが観られました。
美琴の恋の方も進展するといいのですがまだまだ素直になれず先は長そう。

どうやら来週は日常が戻る様子です。
{/netabare}

※17話感想{netabare}
久々に平和な一日。このメンバー揃うのも久々。
シスターズも無事回復していくようだし一安心。
インデックスのキャラは相変わらず顔映さないシステムなんでしょうか?
隠されると気になってしまいます。

品ぞろえ豊富なペットショップならネズミの真空パック売ってるんですかね?
行った事無いから良く知りませんがちょっと怖い。

美琴は相変わらずお金持ち。
スッポンと霜降り肉の鍋は贅沢だけど合うのでしょうか?
もったいなくて試す気にはなりませんが…。
{/netabare}

※18話感想{netabare}
今回の成分 退院4:友情2:メガネ1:学究会1:犯罪1:眠り姫1

事件の匂いがプンプンしつつも友情が良く現れた回でした。
インデックスのリメイクが悪い訳ではないけれど、
レールガンとして観たいのはやはりこのメンバーでのチームワークですね。
レールガンらしさが帰ってきました。
何やら『能力』に否定的で嫌みな性格のメガネ集団が暗躍しているようで不安が高まります。
もしかして、しのぶちゃんも関わっているのかな?
{/netabare}

※19話感想{netabare}
今回の成分 迷子7:ゲコ太2:学究会1

『チャイルドエラー』って何?孤児的な感じなのだろうけど…意味分かる人居たら教えて!

フェブリちゃん人見知りしない可愛い子ですね…美琴以外には。
まぁ、最後に少しは仲良くなれたみたいなので良かったかな。
暗躍しているメガネ軍団は何をしようとしているのでしょうか?
嫌な予感もしますし気になります。
{/netabare}

※20話感想{netabare}
今回の成分 実験4:人造人間3:ゲコ太2:銭湯1

そんな気はしてましたが、フェブリちゃんは人造人間だった模様です。
暴走ロボットもなぜ動いたのか不明ですが操縦席から出てきた結晶(?)やアメ玉が鍵かな?
メガネ軍団の動きにも注目です。

あと今回は婚后さんが活躍が観られてちょっと嬉しかったです。
また活躍が観られるでしょうか?
{/netabare}

※21話感想{netabare}
今回の成分 仲間5:闇組織2:捜査2:72時間1

スタンドプレイよりチームプレイ。
レールガンはみんなが活躍しないとね。フェブリを助けるため頑張って!
しのぶちゃんはどうも裏がありそうでメッセージを送って来ているのかな?
何となく敵では無い気もします。
{/netabare}

※22話感想{netabare}
今回の成分 科学者5:仲間2:裏切り2:アイテム1

しのぶちゃん敵ではない様で少しホッとしたけれど、
その分メガネ君はとてもとても嫌~な感じ。
約束も守らないし正に悪役の科学者の代表的なスタイル。
ハラハラとさせてくれながらも
気持ち良くみんなでやっつける王道展開になりそうです。(アイテム含む)
確実に楽しめそうだけど一捻りは欲しいと思ってしまうのは贅沢かな?
次回以降も期待しています。
{/netabare}

※23話感想{netabare}
今回の成分 革命6:仲間3:ワガママ1

テロリストを仲間を信じて協力して倒す!
…という良くあるアクション映画の王道の様な展開ではあるけれど
美琴の真っ直ぐな気持ちには共感できますし気分良く見られます。
こういう展開が嫌いな人って少ないんじゃないかな。
来週は皆活躍してアクション満載の予感ですし応援しつつ楽しめそうです。
{/netabare}

※24話感想{netabare}
今回の成分 仲間7:バトル3

いやいや爽快爽快! 気持ちの良いラストでした。
実弾使われても怪我人0とか無茶が平然と成立していたり
色々都合良すぎるんですけどレールガンはこうでなきゃ。
考えたら楽しめません!
最後はみんなの協力や活躍でスカッと晴れやかに締めてくれました。
2期で使われた名台詞を色々と持ってきたのも◎。
今までの話を呼び起こしてくれました。

フェブリは冷静に考えても学園都市で保護した方が良い気もするけど
いつの日か伏線となって帰ってきてくれると思います。
また続きが観たいです。
{/netabare}

【総評】
必要なのは理解していますが
途中でインデックスのリメイクが入るのでやや新鮮さは失われた所はあります。
それでも最終的にはその時の美琴の行動を踏み台にして
仲間を信じる事とは何なのか答えを見つけ成長を見せる展開になっていますし
全編通しての満足度は高いです。

やはり小難しい理屈や一人でも立ち向かう姿はインデックス本編に任せて
レールガンは爽快なアクションと仲間との絆がメインで良いなと再確認出来ました。
学園都市を舞台にして住み分けがしっかり出来ていて
それぞれの色が楽しめるのは嬉しい限りです。

きっと何れ3期もあると思いますので今から楽しみに待っています。

2期もエンターテイメントが詰まった爽快な作品に仕上がっています。
万人受けする内容でどなたにもお勧めできます。
1期を観ていない方は1期からどうぞ。
インデックスを観ていなくても楽しめます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 78

79.3 6 科学で友情なアニメランキング6位
天鏡のアルデラミン(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (904)
5021人が棚に入れました
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝歴905年。それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の皇女と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北"へと向かう、物語の発端である――。

声優・キャラクター
岡本信彦、種田梨沙、水瀬いのり、金本涼輔、間島淳司、千菅春香

ヒロウミ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

転生したら盾の幼女の孫だった件

「まるで将棋だな」。甘い戦術考察、ぶれる時代軸、有明の干潟のごとく浅いカガク、何も残らないファンタジー戦記。


優れた戦術、掌握術を会得しながらも嫌みったらしくしているためになかなか正当に能力を評価してもらえない主人公が不利な戦争をしまくりつつ結局俺の味方TUEEEE頼み。

私はアニメはフィクションで絵空事と重々承知してるしその空想を楽しむようにはしているし楽しみたいと願望もある。しかし物語の内容がいくつか破綻してしまえば多くが瓦解しつまらなく感じてしまうのも私で悪い癖だと思っている。単純にそして素直に「すげー!カッケー!」とだけ感じることができればどれだけ有意義な時間となるのだろうかと心底自身のアホさを残念に思う。

主人公は知略に秀で(風)て口もたち更には科学に対しても博学(風)の本当は善行大好きなキャラクター。それに腕のたつ忠実な味方もたくさん居て、中世後期から第一次世界大戦の科学技術をぐちゃぐちゃに混ぜ騎士道やら精霊を利用した異能やらまでこねくり回したもんだからトンカツ海鮮オイスターソースがけブイヨン茶漬け丼状態。それぞれに独立性と合わさった旨味があれば面白い作品なのだろうがそうではないと闇丼でしかない。

序盤の物語については破綻なく面白かったのだがクソゲーになるのは中盤以降。精霊の力を使う銃の射程は40mと非常に短いのに対して火薬を用い大きなエネルギーが必要となる大砲と裂薬弾の存在が科学技術のアンバランスを発生させる。銃の考察をする上で火薬、信管、薬莢や弾丸などの金属加工技術こそが非常に密接なものなのだが主人公を引き立たせるためのこじつけが酷い。ライフリングとバレル延長で得られるものは直進安定性でありそれが大きいエネルギーを産み出す物でもないし弾丸、薬莢の進化無しには有効射程は劇的に延びない。
技術力が「対等」であるという無茶苦茶な設定を押し付けてしまっている意味も分からない。というか不要でしょ。しかも気球が高価ってwww主人公の頻繁に言う「カガク」ってイミフー(笑)

山岳民族蜂起の物語も最初から他国の干渉ありきなのは世の常でありながらそれすら念頭に置かずゴリゴリ自慰的に進めていく戦闘。がけの上に足場がありながらそれを用いず行われるゲリラ戦、情報戦を頻繁にアピールするくせに敵情の不明瞭と把握不足。双方にライフルの脅威がありながら「竜虎相搏つ」演出欲しさに前線で参謀が平然とチャンバラする稚拙な最終話などなど、これこそカオス。主人公の大好きな目隠し将棋が酷すぎて戦術と呼べる戦術でも無いのは嫌味なしにネタでしかない。


ぐちゃぐちゃな主人公のいう「カガク」が無ければ少なくとも楽しめる要素はあるのだが闇丼状態の物語で拒否反応を起こしてしまった。浅はかで短絡的なこじつけするならば精霊技術の進化による戦争形態の変化とそれを他者より上手く使う主人公って構図のファンタジーでええやんけ・・・などと不粋な思念に囚われてしまった。
弾丸もさぁ、貫通するような形状じゃないしさぁ、ペイント弾もどれだけの進化が要るのか。アニメって砲弾が簡単に爆発するよねぇ、何でもかんでも爆発しないんだけどさぁ。主人公持ち上げるために他の軍関係者の脳ミソをすんごい持ち下げて主人公だけまともにしてもそれって誰が騙されるんだよぉ。
ブラックラグーンほど銃器の描写に重きもおかず3DCGもショボいしなんだかなぁなラノベ販促作品。原作準拠ならばまさにラノベらしい作品だし制作サイドも兵器や戦争などの掘り下げての描写はさらさらする気が無かったのだろう。

岡本先生って笑う演技って一方通行縛りでもしてるんですかね?
そんなこんなな作品でもお耳に優しい種田ボイスはたまらんのです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

悪くないかな…。→ まともな戦記物で、面白い!(…ので原作買った。)

ライトノベル原作(電撃文庫刊)。既刊10巻なので不人気ではないはずですが、私は未読です。
→ 面白いので原作を買って読み始めました。現在既刊10巻すべて読了。(2016.10.1)

契約した精霊がパートナーとして各キャラについています。主人公のイクタは、同郷で名家の娘っぽいヤトリが仕官のために都へ上るにあたって、試験でヤトリを助けたり引き立て役になったりするために同行します。

途中で同じ試験を受けに行く人たちと一緒に乗った船が難破して…、ということで後は書きませんが、とりあえず主人公は軍師・参謀タイプです。

そういう設定で1話目から有能そうに見える主人公はなかなかいない気がしますが、イクタはちゃんと有能そうだったので視聴継続して完走しました。

かなりちゃんとした戦記ものです。

本作は主人公のイクタ以外の、「騎士団」を始めとする周辺キャラが魅力的です。原作では敵方も魅力的ですが、アニメ化範囲では顔見せ程度の感じで「続きが知りたければ原作で」になってしまいますね。

…作画は、崩れというよりは動きの点でちょいちょいダメっぽいですが(笑)。
2016.07.30追記: 力の入れ処をわかっているようです。これは大丈夫そう。

全13話で原作3巻まで+後の巻からの幼少期回想エピソードを消化しました。

原作はかなり長い話になりそうで、アニメ化部分はいわばプロローグみたいなものです。

2017.12.12追記:
原作は13巻に到達。もうすぐ終わるっぽいあとがきでした。そういえば原作ではわりと重要人物である気がするトリスナイ(カトヴァーナ帝国宰相)って、アニメではキャスティングされていないどころか、ロクに名前も出てこないですね…。

続編が作られれば登場するとは思うんですけど、まあアニメ化された範囲では名前は出ていても事実上出番はなかったですからね…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 59
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

内容の詰まった戦記物でキャラクターを見るのも楽しい

2016年夏アニメ。ライトノベル原作、全13話の戦記物です。
原作は2巻途中まで読了。ペースとしては原作3巻までのアニメ化のようですね。
原作より全体的に地味な印象に作られたアニメというのも珍しいかも。

キャラ物と戦記物のバランスの良さが良いですね。これは原作の良さでもあり、きちんとアニメにも反映されていると思います。
原作からのカットや短縮が沢山あるだろうと思っていたのですが、原作の内容もかなり詰まっているのであまりカットしていませんね。全13話でストーリーをキリの良い所まで進めるためにどうしても詰め込み気味になってしまった印象。
カトヴァーナ帝国の斜陽ぶりがわかりにくくなっていることと精霊の活躍が少なくなっていること、軍事関係のシーンが少なめになっているのも勿体無い点ですが、原作の進み具合からしてここしか切りようがなかったと思われます。
必要な情報を言葉での説明に頼らない(あるいは尺のために削らざるを得ない)ため、繰り返し視聴する人向きだと思います。

キャラクターは全体的に個性がわかりやすくイクタ以外のメインキャラクターが皆常識的なので、かなり見やすいと思います。人間関係もさっぱりしていてとても印象がいいです。
イクタは女たらしだったりと癖のある性格で、何話か進まないと良い所がはっきりと出てこないので苦手な人は苦手だったようですが、私はとても好きですね。{netabare}「人材の適材適所」という考えがイクタ本人にあるため、汚れ役を引き受けることが多くて痛々しいシーンもあるのですが、そこが良いバランスになっています。{/netabare}

キャラクターの配置も上手で、完璧系キャラと成長型キャラの両方が味方におり、それぞれに抱える問題・はっきりした美点欠点が設定されているため、誰にも感情移入できるし、好みのキャラクターは見つけやすいと思われます。

精霊も可愛くて好きですね!
見た目はちょっと癖がありますが動きや仕草が可愛らしく、主人に対する献身が健気ですし、物語に必要な存在として大切に描写されマスコット然としていないのが好印象です。……ねじまき要素は原作でも大分後にならないと出てこないという話。それはちょっと残念です。

キャラクターデザインに原作イラストよりずっと地味な絵柄を選択したのはチャレンジだったと思います。
でも堅実な世界観を作るという明確な意図が感じられて面白いですし、それぞれ良し悪しはありますが、個人的にはマシューのキャラクターがしっかり嵌っているのはアニメ版の絵柄だと思います。

戦闘シーンに作画全力投球というのが徹底していて素晴らしいです。接近戦に力が入るのは勿論ですが、長距離狙撃のシーンも本当に丁寧な作画ですし。
他の部分も常にきちんとしていて、コンテ演出も常に安定していて映像面で違和感は全くありませんでした。

OPは絵と歌詞の意味が物語が進むにつれ分かって行く作りで、最後まで見るととても感慨深かったです。じわじわ嵌って行きました。

{netabare}
第5話で子ども時代のイクタのヤトリに対する「君がいないと僕怪物に食べられちゃう」の台詞が色々想像させられますね…怪物とは狼の群れなのか、他の何かなのか。
むしろ人間を襲撃したものの返り討ちにあい、群れを崩壊させられた狼達のほうが喰われた側という描写なのが意味深です。
狼たちも幼少のイクタとヤトリも、戦った理由は生き残るため。弱肉強食ならぬ弱肉弱食とでもいうべき構図がやりきれない。
(※「弱肉弱食」という言葉は何年も前にどなたかのブログで見かけました。ブロガーさんのことも内容のことも今ではうろ覚えなのですが、酷く象徴的なこの言葉が忘れられません。)

人間もまた、正常な感性を持ち泥を被ってでも誰かを守ろうとする人(リカン中将、トァック少佐、カンナ、デインクーン)ほど腐った国に、あるいは周囲の大きな意思に喰われ飲み込まれていきました。
主人公であるイクタでさえ相手を納得させる言葉を用意することで自分の意志に他人を巻き込んでいくのですが、そこに理性と誠意があるからやりきれないものにはならずに済む。
他者と関わり合いながら生きていく上で人は「喰らわずにいられない存在」なのかも知れませんが、喰うか喰われるかの関係にならずに済む方法も、イクタの生き方によって明示されているのが良いなと思います。

第9話「ささやかな面目の行方」での食堂のシーンは正直その時は笑って見ていたんですが、「戦士」「勇者」にさらには「騎士」と次話で「ケダモノ」という言葉が飛び出したことで、人間のサガと理性、第5話で示された喰うものと喰われるもの、第8話「いつか、三度目に」から繋がる守りたいものと守れないもの、と明確にテーマ性が纏まっていく興味深い構成になっていると感じました。
……まさか伏線なんて思わなかったよ、あの猥談シーンw 考えてみれば尺がカツカツなんだから無意味なシーン入れるわけ無いですねw

「戦士」と「勇者」を飾らない自分だとすれば、「騎士」は他者にいかに誠実に向き合うかという理想を自分自身に課す在り方なのではないかと思います。
そして「ケダモノ」は自分のために他者を食い荒らすことに抵抗感を持たない存在。それは仔のために人間を襲った狼にさえ劣る在り方です。

シャミーユが願う国の在り方は、国を人に見立てるならば「騎士」に近いものなのでしょうね。しかし、シャミーユは自身の目的のためにイクタを喰らい飲み込もうとしています。敗戦国の軍事最高責任者なんて、正しく“すり減らされて捨てられる英雄”であるのは間違いないのですから。
イクタにとっては大事な存在(ヤトリ)を喰われないために逃げ出すか、人を喰らうばかりでない国を作るかという二択になるわけですが、どちらにせよ、仲間や身近な人が喰らわれる可能性は非常に高い酷な選択です。

イクタとヤトリの信頼関係を象徴する演出として二人の背中合わせの構図が一貫して強調されてきましたが、向かい合うシャミーユとイクタは全く正反対の関係性なのですよね。喰うか喰われるかという緊張状態にさえ見えてしまう。
第1話からずっと見て来たこのOP、本当によく出来ているなと思います。
{/netabare}

他の人の感想にもあるとおり、先がすごく気になる作品になってしまいましたが、本作単品でも十分に楽しめるようにはなっています。
色んな理由で1クールでの構成が難しい作品だったと思われますが、ヤスカワショウゴさんのシリーズ構成凄く良かったです。
物語の入り口という形にはなってしまいますが、気になる人にはオススメします。(2016.11.17)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

63.1 7 科学で友情なアニメランキング7位
COPPELION コッペリオン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (772)
3787人が棚に入れました
西暦2036年、「コッペリオン」と呼ばれる遺伝子操作により生まれた3人の女子高生が無人の東京を歩いていた。彼女達は、お台場原子力発電所で起きたメルトダウンにより、死の街と化した東京から生存者を救援する自衛隊の特殊部隊だった。捜索をする彼女達に、突如銃声が鳴る。そして・・・残留放射能あふれる無人の廃墟であり、緑あふれる野生の王国でもある、異界と化した東京都内が主な舞台となっている。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

天使と人形

原発のメルトダウンにより死都と化した東京。
クローン技術と遺伝子操作で生み出された、放射能への耐性を備える
「コッペリオン」と呼ばれる、JKたちの特殊部隊。
汚染下に取り残され、死と隣り合わせの極限状況を生きる人々との出会い・・・

こんな概要を聞かされれば、いかにもクールかつダークな
ディストピア風世界観が想像されるだろうし、あるいは
科学文明への懐疑をテーマにした社会派路線だって期待されるだろう。

ところが、いざ蓋を開けてみて現れたのは、
テーマ性がせいぜい1割で残り9割はエンタメ志向、
アクション・バトル主体の、異能も兵器も取り混ぜたサバイバル活劇。
しかも並行してめっぽう熱い、情味あふれるヒューマンドラマが展開される。
ストーリー、キャラクター、さらに作品全体を包む空気はどことなく懐かしい、
「昭和的」とでも呼べそうなもの。一言でいえば、すごく人間臭い。

素人目には充分過ぎるほどの内実が備わって見えるにもかかわらず、
本作の評価が顕著に低い理由はおそらく、期待外れ、ということではないだろうか。
つまり、題材から予期されるものと実際の内容との乖離。
とめどなく湧き上がる「何でこうなった?」感に応えるべく
以下、しばし小考に入るので、興味のある方のみどうぞ。


{netabare}
原作コミック4巻の巻頭に、作者のこんなコメントが載せられている。

「どんな最悪の情況でも道はきっとあるはず。
 コッペリオンのキャラクターに毎回はげまされながら描いてます。」

うん成程、作者本人がかなり熱い人なのだということがわかる。
キャラクターへの深い思い入れが先行する物語だと見れば
ほぼ納得がいくのだが、作者をこれだけ引っ張るキャラクターというものが
具体的にどんなものかは興味が湧くところ。

兵士、ロボット、産婆・・・やたらに多種多様なキャラが目白押しのなか、
頭抜けて凄いのは何といっても本作の主役、成瀬荊(いばら)。
のっけからCV戸松遥さんのなんちゃって関西弁に度肝を抜かれるが、
そんなの気にしてたら、このぶっ飛んだ激アツキャラにはついていかれない。
例えば、こんなセリフ。

「科学者なら胸張ってください! みんなが欲しがった、
 だから技術者が頑張ってその需要にこたえた、何も間違ってない。
 私は科学が好きです。だって、私のお母さんやもん。」

お母さんって・・・まさに昭和の科学観を地で行くオプティミズム。
彼女もまた「心優しい科学の子」、つまり鉄腕アトムの妹になるわけだ。
さらにこんなことも言う、

「この街であの事故がなければ、うちらはこの世に生まれてなかった。
 だから、こんな所でもうちらには縁のある土地なんです。
 もしかしたらここが私のふるさとなのかも・・・」

驚くことに、彼女は原発事故を自身の存在の根拠として受け容れ、
廃墟となった旧首都を、自らを世界と結びつけるよすがとしているようなのだ。
このセリフこそが多分、本作が選び取った独自の方向性を示すものなのだろう。



最先端の生命工学によって生み出されたコッペリオン。
ともに科学の精髄として、原子力技術ともパラレルな関係にあり、
しかもその存在が原発事故に直接由来しているという紛れもない事実。
ここから、彼女たちの葛藤と苦悩に焦点を当てた一つの心理劇が容易に構想できる。
ところが、作者が描きたかったのはそれとは別の方向性だったのだ。

生存者の救出という、唯一の存在理由となる任務にすべてを賭け、
救出を拒まれれば涙を流して懇願するほどの、異常な情熱を傾ける。
過酷なミッションを屈託もなく「修学旅行」と言ってのけ、
決して人間を憎まず、科学を告発せず、運命を呪わず、
ただ信じ、一切を受け容れてひたすら前に進もうとする荊の鬼気迫る姿。
背負わされた残酷な宿命とか、それへの抵抗とかを定石どおりに描くのが
むしろ平凡なものに思えてくるほどの、比類のないユニークな造型だ。

撤退作戦の捨て石にされた第一師団の兵士たちの怨念。
反逆のコッペリオン、小津姉妹を駆り立ててやまない人間への憎悪。
行く手に立ちはだかる、世界に対する絶望の念が荊の信念と激突する。
バトル展開の必然性は、絶望との闘いという本作の主題からの自然な帰結である。
そして、荊の執念が彼らの中に人間性の回復、あるいは覚醒を生じさせる結果、
救出というミッションは、心の「救済」へと変化していく。

人間によって造られ、使い捨てられるだけの「人形」であるはずだった
その彼女が、人間性の極致とも言うべきものを具現し、
あるいは人間をも凌駕する「天使」へと変容を遂げる。
そのアイロニーこそが、この物語のエッセンスなのではないだろうか。



終盤にかけ、コッペリオンたちの悲劇的な宿命が徐々に明かされてゆく。
それは「生命」への、「生きる」ということへの省察を私たちに促すものだ。

ラストで描かれる、「死」が支配する廃墟の中での新たな生命の誕生。
もちろん、本作が月並な感動エンドで終わるはずもなく、
そこにコッペリオンたちの悲劇が重ねあわされ、深い余韻が醸し出される。
以下のセリフは何かに抵触するらしくミュートされているが、別サイトから補った。

「コッペリオンの体細胞には抗放射線能力が備わっているのですが、
 生殖細胞にはそれが機能せずやむなく子宮に処置を施しました。つまり・・・
 あの子らは子供を産めないのです。」

コッペリオンたちから奪われているものは、実はそれだけではない。
ある日突然、全機能が停止して最期を迎えるという残酷な運命が彼らを待っている。
その突然死がいつ来るかは誰にも予測できない。
つまり彼らの未来は最初から与えられておらず、予め失われている。
だからこそ、荊のようにすべてをこの「今」に集約して生きるしかできないのだ。

「わたし、そういう難しいことがよく分からないんです。
 でも、分かっていることが一つあります。
 それは、今日も空がきれいやってことです。
 だから別に悲しくありません。」

夕空を仰ぎ見ながら荊が、実にさばさばとした調子で語った言葉だ。

今日も空を美しいと感じていられる―、ただそれだけのことが
世界の中にあること、生きていることの最もシンプルな感覚なのかも知れない。
そんなことを考えずにはいられない気持ちにさせられる。

あるいは逆に、ある人の死とは、その人が日々見ていた空と
ずっと慣れ親しんできたその人の周囲の世界が、すべて消え去ってしまうという
取り返しのつかない喪失を意味しているのだと、
そんな厳然たる事実に、あらためて気づかされるのだ。
{/netabare}


キャラクターの一人一人を愛情をこめて丁寧に描こうとする
作者の愛着が、ストーリー進行を停滞させてしまうという皮肉。
前半の4話までが第一部、後半が第二部と、
全13話が二部構成になっている本作の視聴では、
テンポが遅く、退屈に感じられる第一部を乗り切れるかが鍵になりそうだ。

個人的な評価として、キャラクターの他にもう一個の満点を作画、
とりわけ驚くべき創意に富んだ背景美術に贈りたい。
全編を通して舞台となる廃墟の景観を細密に、
さらにテクスチュア風の処理を加えて大胆に再現し、
画面には虹のグラデーションのような滲みやぼかしを用いて
ユニークな色彩処理を施すことにより、リアルでありながら同時に幻想的な
変質した異空間を見事に表現している。

荊たちのプロポーションのデフォルメも凄い。
異様に細長く引き伸ばされた、エル・グレコの宗教画の人物のような姿。
それも、背景を流れ続ける雲と、吹き続ける風の動きが映像に通わせる
野性味を帯びた生気の中で、まるで原野に揺らぎ立つ陽炎のように見え、
いつしかしっくりと風景に馴染んで来る。今もなおどこかで
彼女たちの「修学旅行」が続けられている、そんな気さえしてきそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

制作が発表されたのは2010年の秋。
放送開始は2013年10月。この間にあの大震災と事故とが発生している。
このあたりの経緯についてはよく知られているので詳述しないが、
本作の評価の低さに影響を与えていることは間違いないと思われる。
架空の「題材」であったものが、現実の「問題」に変換される、
つまり、現実がフィクションを追い抜いてしまうような事態が生じた時、
本作の内容があまりにも牧歌的なものに感じられるのは自然だろう。

目下のコロナ・パンデミックを引き合いに出すまでもなく、
現実感覚の変容によって、これまで以上にストーリーのリアリティーと
踏み込んだ強烈なメッセージ性とがフィクションに要求される時代になった。
世界についての私たちの常識のパラダイムが大きな転換を余儀なくされる、
そのような混沌の時代に、すでに私たちは足を踏み入れている。

(初投稿 : 2021/07/05)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【今となってはアニメ化は叶わないのか?】

2011年1月にアニメ化が発表されたSF漫画

内容は
【近未来の東京が大震災に見舞われ、お台場に建てられた原子力発電所がメルトダウンを起こして東京が死の街と化してしまう】
というもの


そう、まさにこのアニメ化発表の後、日本は前代未聞の原発事故に見舞われることとなってしまう
被災地の現状なども考慮され、アニメ化の話は一旦白紙に戻されてしまったようです・・・


この作品の魅力は、放射能抗体を生まれ持つよう遺伝子操作された女子高生たちが、自分達の出生に悩みながらも死の街に隠された謎を解き明かしていく
という人の命や都市の在り方を考えさせられるところにある


さらに原作では荒々しいタッチながらも非常に密度の高い絵柄で描かれた【廃墟と化した東京】たちをアニメではいったいどうやって表現するのか?などとても楽しみでありました


今更アニメ化は無理なのだろうか・・・不謹慎を覚悟の上で、「残念で仕方ない」と言いたいです

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

方向性を間違えてしまった残念な作品

本作は汚染された都市に残された人達を救助する物語で
草木や苔などに覆われた廃墟がとても幽寂閑雅で魅力的で見所です。
これは今まで観たことのない部類の良作では?
と思って観ていたのですが、7話以降に異能力バトルアニメに様変わり。

何故こうなった……と私は落胆の意を隠せません。
元々、汚染された都市で人を救う為に作られたコッペリオン(主人公達)と呼ばれる人造人間という設定はあったものの
汚染物質への耐性と多少の超人的身体能力くらいでした。

それが7話で出て来た、掃除係と呼ばれる主人公達とは別のコッペリオンが急遽出て来て
それも意味のわからない理由で敵側になっており
更には、岩盤を持ち上げたり、電柱を素手で握りつぶしたり
仕舞いには電撃を放ったりします。
どこぞの超電磁砲ですか?とこのデミウルゴス頭が痛くなりました。


敵側に回った理由を説明しますと
コッペリオンは実在する著名人の細胞で作られており
敵の小津姉妹は殺人経歴のある芸能人の細胞で作ったから
頭がおかしい奴等になったとのことですが
何故、頭がおかしいとわかっている奴等を主人公達の救援に向かわせたのでしょうねぇ~

そもそも国家で開発研究して作るのなら、そういったことは回避すべき事案だと思いますし
と言いますか何故に芸能人の細胞を??と理解することができません。
普通に考えれば、身体や頭脳が優れている人達の細胞を使うべきではないでしょうか。


以上理由により序盤4話くらいまで良作評価を下していたものが、急遽駄作評価を付けざるを得ない作品へと変わってしまいました。
アインズ様もええええ!!!!と驚きの声を上げていましたね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

71.6 8 科学で友情なアニメランキング8位
キズナイーバー(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (775)
3704人が棚に入れました
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。

かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。

夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。

そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。

しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」

その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

声優・キャラクター
梶裕貴、寺崎裕香、島﨑信長、久野美咲、山村響、前野智昭、佐藤利奈、西山宏太朗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キズナコネクト

TRIGGER制作。岡田磨里脚本・構成。
「キズナシステム」により、
お互いの痛みを共有することとなった、
少年少女のひと夏の群像劇。

舞台は洲籠市。
政府が秘密裏に行うキズナ計画の実験都市。
キズナ計画とは、
この争いに満ちた世界を平和に導く為の、
ヒントを見つけるための実験。

珍しく苦味レビューですが、
初期設定が強引で少々きついですね。
物語の入りに難があり、個人的にそこだけは、
最後まで払拭出来ませんでした。

{netabare}少年少女をいきなり「拉致」して外科手術。
理不尽にも「被験者」にされる。
仕組んだ者が同級生であり学校の教師です。
普通に日常パートで会話しています。
みんな反抗しないの?
この理不尽さは「バトルロワイアル」です。
誰もが救われたいからこそ従うのでしょうか。{/netabare}

ただ??マークもつきましたが、
お勧め出来る佳作だとは思っています。

痛覚を分配する。
次第に心の痛みまで分け合い体感する。
痛みを知ることで他者を思いやる。

キャラクターは総じて素晴らしいに尽きますね。
後半は盛り上がりました。
賛否ある作品って好きです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 58

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

よかったよ♪

5/8
全く期待しないでみはじめたんですよ。

脚本:岡田麿里
絵コンテ:小倉陳利
演出:田頭悠郎
作画監督:田村里美、坂本勝

TRIGGER制作と私得だったのです。

OPもJOJOとこれ好きだな
BOOM BOOM SATELLITES
「LAY YOUR HANDS ON ME」
EDもいいな

三月のパンタシア
「はじまりの速度」

4話までまぁ、ぼーっと見ていて
5話で訴えたかったのが見えてきて
これ案外化けそうじゃないかと思い
筆を認めた所存です。

じわじわくるな
さらっと上辺をかすんでくるなと
思いつつ見てたのですが
5話で確信
多分?私好み

キャラもまぁ立っていていいのですが
個人的に感情移入しながら見てるのは
愚鈍こと阿形勝平
10代の頃を思い出すんですよね
ああわかるわってぐらいのミラー的キャラ
今は感情こもりすぎてしょーもない人間なんですけども

ラストに最大の希望を見てるのですが
期待しちゃっていいのかな??
地味に楽しんでる私めです。

10話 いきなり重い話がブッ込んで参りました。
いや、このみだよ。
エグいけど。
でもここから希望を見てる。
感情は難しいよね。

最終回

綺麗な終わりかただった。
これは友達の概念がわかる前に見たかったな。
痛みがないと生きてる実感なんて
わからないからね
だから感情は大事なんだよ
閉じ込めていたらだめなのだと
優しく教えて貰った気がした

投稿 : 2024/11/16
♥ : 35
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

岡田麿里式《内心ぶちまけ祭》が楽しめる人なら・・・

作画・演出はとても良かったのですが、{netabare}「感覚を共有すれば、体の痛みも、そして心の痛みさえも皆で分かち合えるようになり、世界平和に近づける・・・」{/netabare}みたいな設定(これで良いのか?)に無理があり過ぎて・・・。
それでも岡田麿理氏独特の、ちょっと下品さもある《内心ぶちまけ祭》が今回も沢山楽しめたので、これはこれで見てよかった作品でした。


※岡田磨里氏がシリーズ構成・脚本を担当した作品の個人評価

(1) 凪のあすから             ★★ 4.7
(2) とらドラ!              ★★ 4.6
(3) AKB0048、AKB0048 Next Stage    ★  4.4
(4) true tears              ★  4.3
(5) 劇場版花咲くいろは HOME SWEET HOME ★  4.3
(5) さくら荘のペットな彼女        ★  4.1
(6) 心が叫びたがっているんだ       ★  4.0
(7) 絶園のテンペスト           ☆  3.8
(8) selector infected/spread WIXOSS  ☆  3.7
(9) キズナイーバー            ☆  3.5


◆作品情報

{netabare}原作   TRIGGER、岡田麿里
監督        小林寛
シリーズ構成・脚本 岡田麿里
キャラクターデザイン(原案) 三輪士郎
キャラクターデザイン     米山舞
音楽        林ゆうき
アニメーション制作 TRIGGER{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


========== キズナイーバー (2016年4-6月) =========

{netabare}第1話 一目あったその日から、絆の花咲くこともある ★ キズナ計画
第2話 こんな異常事態カンタンに飲みこめんならバリウムなんざバケツ二杯は軽く余裕だっつーの × 自己紹介(各々の秘密) 
第3話 どんなにさんざんな状況だって捉えかた次第でなんとかやっていけるかも……ねっ? × 七人目のキズナイバー日染(ひそむ)芳春
第4話 せっかく繋がりあったんだしさもっとお互いわかりあおうよん ☆ キズナの会
第5話 ひゃっほい、合宿だぁ!鹿のフン踏んで枕投げしてゴーゴー! ★ 肝試し(高城千鳥捜索)、心の痛みの伝播
第6話 あんた達といるとほんっとにろくなことがない ★ 牧穂乃香の心の傷、痛みを分け合えて良かった、軽蔑
第7話 七分の一の痛みの、そのまた七倍の正体に触れる戦い ★★ ルルからの手紙 
第8話 ハッピーな時間ってそうそう長くは続かないものだよね ★ 実験進行(+の感情の伝播)、記憶の回復
第9話 万事休す……かしら × 続き、感情の暴走、キズナからの解放 ※シナリオ崩壊
第10話 好きな気持ちがむくわれないかもなんて重々承知の上だろ? × 新学期、証拠隠滅工作、12年前の実験 ※同上
第11話 いちいち連絡しあって気持ちを確認しあわないと。だって、友達なんだから! ☆ 千鳥との電話、キズナ・システムを介さない心の痛みの伝達、法子の呼びかけ
第12話 世界中にキズナシステムが広がって ☆ 続き、後日譚{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)4、☆(並回)3、×(疑問回)4 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「LAY YOUR HANDS ON ME」
ED 「はじまりの速度」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

86.0 9 科学で友情なアニメランキング9位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (767)
3356人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

はーすげー!へーすげー!の連続

原作未読


JUMP案件全24話。
謎の石化ビームで人類が活動を止め3,700年。いにしえの時を越えて石化が解けた一握りの人類が科学の途絶えた地球でその科学の知識を駆使して失地を回復していく物語。
主人公はどんだけ幅広く深く網羅してんのよ!なスーパー理系高校生の石神千空(CV小林裕介)。見た目は下仁田ネギを擬人化してオーケンのメイクをしたような感じ。ジャンプっぽいデザインです。そして同級生の高校生ら数名。

『戦国自衛隊』だと現代兵器を信長時代に持ち込んで大暴れとなりますがこちらは持ち込み不可。3,700年ほったらかしだとさすがに文明は絶えて石器時代以前の原始時代かのよう。
同期の『本好きの下剋上』のように現代の頭脳を持ったまま後進文明に乗り込んで「無ければ作ればいい」を試行錯誤するのに似てます。『JIN』も同系統でしょう。そしてさらに文明がないところからスタートするのが本作なわけですからこのテのものでは最難関ハードル。ちょっとワクワクします。

それと自分幼稚園の時でしょうか。世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』から漂ってきた匂いと同じものを感じます。OPもEDも覚えてます。木の上の家は憧れでした。
つまりあぁそういうことか。原体験からくる刷り込みがどうやら自分にはあるようです。
イキリ主人公が教育上どうかとは思われど、少年少女が“科学の面白さ”に触れる良い機会になるやも。


 {netabare}オイラ文系でラッキー?{/netabare}


化学ならびに物理の理系科目に不案内なため、アニメで描かれている試行錯誤の産物が乾いたスポンジに水が浸み込むようにすーっと入ってきます。

{netabare}パクチーとライムなんかでコーラ作れんの?マジでスゲー!{/netabare}

信じるかどうかは俺次第 キリッ なんす。

そして前半のOP「Good Morning World!」がすこぶる良い。なにが良いかって作品にばちっとハマる感覚。久しぶりです。ピストルさんっぽい声質もしっくりくる良曲です。


障害ももちろんありますよ。
文明を起こそうという主人公らを妨害するのは野生の肉食動物や自然の猛威だけかと思いきやそう簡単ではありません。
アンチ文明の敵対する勢力もわりと序盤から登場し、主人公らの前に立ちはだかります。まあバトル要素ですね。


 科学の試行錯誤+バトル要素


このバランスが崩れず2クール完走でした。原作が続いているので続編期待な感じでの終幕。
大袈裟でしょうが“人類の叡智”の触りを感じるのにちょうどよい良作です。ごちそうさまでした。



※オマケ

■“霊長類最強の男”獅子王司ってどうよ?

あらためてこうして見るとすごい名前ですね。さてこの方について
好きですか?嫌いですか?どんなキャラだと思いますか?
私はちょっと受けつけないですね。作者の術中にはまってるのかもしれません。

1.{netabare}動くゴールポスト

敵視する対象が最初は“我欲にまみれた汚い大人”。ピュアな若い連中のみ石化解除しようともちかけ、それを千空に拒否されることで対立の芽が生じました。描かれてませんが、「お前らが年くったらどうすんだ?」と疑問符が浮かびます。
それがいつの間にか“科学を信奉し文明を起こそうとする者”へと。考えが深化したとみるよりゴールポスト動いてんじゃんとみてます。でさっそく作中でツッコミが入りました。途中出会った集落の科学?青年クロムについて千空が言及「俺を殺しても次が出てくる」と。まさにその通りなんですよ。
そのため獅子王司の目指す未来は破綻が約束されてるようなもんです。{/netabare}

2.{netabare}ポル・ポトと変わらん

毛沢東と迷うところですがこっちかな。最初は知識階級だけだったのが順次粛清対象が拡大して…
力で押さえつけるしか方法がないので、この世界で肉体での戦闘力に秀でた司が首領ポジションにいるのがしっくりきます。原作未読の戯言ですが、司陣営でそのうち粛清が始まることでしょう。{/netabare}



■スイカ役の高橋花林さん

超個人的なつぶやきです。
この方1年前の迷作『ソラとウミのアイダ』で主役張られてた方です。すでに多くの方の記憶から消え去っているかもしれない作品ですね。
新人でおそらく初めてゲットした主役級の配役があれでと。そのことをもって高橋さんの今後を案じる旨をレビューで書く、という余計なお世話極まりないことをした記憶があります。
こうして、再会できたのはなによりです。ぜひ頑張ってください。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 リアタイ  

------


2020.02.07 初稿
2020.07.19 修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 68
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悠大で悠久な物語

<2019/12/22 追記>
全24話見終えました。

面白かったー!

科学の蘊蓄だけでなく、
文明がほぼ原始の世界というだけでなく、
現代に在る科学の凄みだけでなく、
逆転の発想で「今は過去からつながっていて、そして未来に続いていく」ことまでも実感できてしまう。

『悠大で悠久の物語』

ハリウッドが狙ってきそう 笑。

ここは無理があるんじゃないの?という部分ももちろんありますが、そこは架空のお話。
気にしないで見れたモン勝ちです。

二期があるとのことで今から楽しみです。

<2019/7/11 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
あにこれのあらすじ紹介だけで期待値上げてた作品ですが・・・面白いやんけ( ・∇・)

ざっくり言うとタイトルの通り
「ララーシュタインのような髪型した少年が科学でファンタジーに挑む」
と言う感じかな。

ララーシュタインってなに?と言う方は是非、画像検索してみてください。
ついでに言うとこのララーシュタインさんが登場する作品。
OP曲はグラムロックの名曲ですよ。

閑話休題

さて本作、ちょっと変わってる印象です。

普通、物語の分類で
ファンタジーと言えば「科学的裏付けの全くない空想」作品で。
SF(Science Fiction)と言えば「科学的裏付けがあったり、あるように思わせる空想」、 つまり科学と空想が入り混じった作品なのですが。

ところが本作はどちらとも言い切れない。
強いて言えば
「Science(科学) &(そして) Fantasy(空想)」
で「SF」かな

科学的裏付けが全く感じられない現象に対して
めちゃくちゃ地味な科学的考証の積み重ねで立ち向かう。
ScienceとFantasyの二つが融合せず、お行儀よく隣り合ってる印象です。

地味なウンチクも多い。
そう言うの好きな人にはぴたっとハマると思います。

例えば理系のアニオタの私とか( ・∇・)♪

自分は今期、「ヴィンランド・サガ」「炎炎ノ消防隊」「コップクラフト」と並んで注目しております。

<2019/7/15 追記>
2話目観ました。

炭酸カルシウムの4番目の使い道が意味ありげで気になるー笑。

そして新キャラ登場。
獅子王さん。
濃いですねぇ。
{netabare} 空飛んでる鳥を木の上から飛びかかって捕まえちゃったよ、この人 笑。
チート武力{/netabare} 担当だそうです。

さあこれで3人。
人間、3人集まると派閥が生まれるというような言葉がありますが、もしかしたらこれからはそんな展開なんでしょうか。

獅子王さんの発想は昨今の{netabare} 世代間の断絶{/netabare} のようなものを表してて面白いです。

でも、それを是としたら{netabare} ジャンプのような商業誌には載せられなくなってしまいます。
というわけで主役のララーシュタイン、もとい千空さんはかっこよく反発して、{/netabare} 引きへ・・・

でもですよ。
ちょっと思うんです。
もし{netabare} 獅子王さんの考え方に千空さんが同調して物語が進んだら・・・
結局、若い世代同士が新しい利権を奪い合って理想郷なんてできないってことがわかってEND{/netabare} とかSFっぽくてそれもありかなーなんて 笑。


ところで全く話は変わりますが。
他の方のレビュー拝見してて{netabare} 「石化してるのが表面だけならなんで中身の生物は何千年も生きてるの?」{/netabare} というような疑問を複数見かけました。

そこはファンタジー部分だから、と私は飲み込んでおります。
それ言い出したら、{netabare} 石化したら息できなくて数分で死ぬじゃん、という話だし。
仮に呼吸できたとしても水も食料もなければ一週間ももたないし。{/netabare}
そこら辺はファンタジーなんじゃないですかね。

<2019/9/3 追記>
9話まで観ました。

アニメでも映画でもドラマでもなんでもそうですが。

登場人物に対して「なんでそこ気がつかないの?」とツッコんでる自分いませんか?
それは俯瞰して見てる視聴者だからこそのツッコみな訳で。
物語を進める上での重要な部分ほど気がついてくれない。
それが物語の面白み。

ところが、たまにそういうのが極端に少ない作品もあります。
デスノートとかそうですよね。
登場人物が賢いので先の先、裏の裏まで読む。
ところがそれでも裏かかれちゃう。
で、そこが面白かったりする。

本作もデスノと同じ匂いがします。
千空さんはもとより、獅子王さんもかなり思慮深く用心深い。
お互いに裏の裏の裏を掻きあってもう痒いところもないくらい。

もしかしたらデスノの系譜と言える作品なのかもしれないですね。

デスノのようなイケメンいないので女性人気は覚束ない感じですが、理系男の私はハマってます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

紡がれ、途絶え、繋がる

[2019/12/15 V1]
[2019/12/16 V2 追記・修正]

原作については、週刊少年漫画誌連載であるということ以外何も知らず。
こんな物語が、いま、少年漫画誌に掲載されていることに安堵を感じる。


最初の3話でいったんDropしていました。ですが、よく見る海外Reactorさんたちがこぞって応援していたのを見て視聴を再開しました。最近は本当にReaction動画を見るためにアニメを見る傾向が強くなっています。

6話以降は本当に楽しかった。23話は、どうしたのそれっていうくらい走った感じを受けましたが、それ以外はおおむねよいペースだったと思います。回の跨ぎ方が秀逸で、どうしても次の話が見たくなる構成になっていました。キャラデザは最初のころは違和感を感じていましたが、すぐに慣れました。後半に入って少々作画が荒れる場面もあった感じがしましたが、崩壊までは程遠く、十分な質が維持されていたと思います。

本当に楽しめました。


最初に数少ない難癖(?)からやっつけたいと考えます。

{netabare}
===スタート時点ですでに老害・司
{netabare}
正直、敵役としては魅力が薄いなぁ・・・・少年誌の悪いところがここに出たかな。

ま・・・僕自身も社会にでたての若い世代からは老害認定されていてもおかしくない程度には年取ってるんですがね。とはいえ「ケッ、あの老害が」と思う側でもあるわけですよ(強硬に主張する)。

以下、老害予備軍(候補生?)の悪あがき

{netabare}いろんな形で「老害」ってあらわれると思っています。そんななか、僕自身が気を付けようと心掛けていることがあります。それは「自分とは異なり、かつ、それを理解することも共感することもできない考え、思い、感じ方をする人が必ずいる」と考えることです。「いるかもしれない」ではなく、「必ずいる」です。同時に、自分自信が他の誰かにとっての「理解し得ないもの」だとも考えるようにしています(大事な一文忘れてた。。。)。

僕が見てきてしまった老害ライクな方々に共通していたのが「自分の視点・思考・嗜好がすべてであり、人間共通であると思い込んでいる」ように見えたからです。同じ我を通すでも、自分と違う視点を意識しながらのそれと、そうでないものとでは軋轢の大きさが段違いだ、と思っています。
{/netabare}

で、だ。司くんよ・・・・・きみの「気持ち」はわからんでもないがよ。
なにより君も年は取るんだろ?その時どうするの?
{/netabare}

===唆るのは勝手にしろ、だが、100憶パーセントはやめろ。
{netabare}
癖の強い千空の言い回しは、最初のころは面倒に思っていました。でも、慣れました。次の一点を除いて。

何かとの比較において100憶%はありうる。が、千空がいうそれは可能性や確率として絶対=全体であることを意味している。なので「100%」を超えることはない。千空ほどのものがなぜこんな言い方を・・・・。ま、後半に入るあたりではどうでもよくなっていましたがね。
{/netabare}

===ご都合・・・いや、いいよいいよ。
{netabare}
おそろしくご都合展開。だけどこれは仕方がないかな。
村民も復活人も、とんでもない奴らしかいない・・・いや、いいよいいよ、少年誌だし、楽しかったし。
3700年カウントし続けた(想い続けた)わけだが、脳はそんな長い間エネルギー補給なしで保てるものなのかな。それとも、これが「石化」の謎につながるのだろうか。ここがだるい言い訳にならないことを願う。
[追] っていうか、文字どうした。創始者たちもなぜ「文字」「読み書き」を早々に諦めた?まぁ、その場合は創始者の面子からして日本語って選択肢は消えるなぁ・・・妥当な線は英語かな。創始者の子供たちの主言語がいつ日本語に切り替わったのかも不確かだな({netabare}白夜が百物語の構想をしているシーンで「日本語で良い」「あなたの母国語を知りたい」的な話があることから、その時点で白夜たちが交わす言葉は英語もしくはロシア語だったはず。{/netabare})。ちょっと「言葉」「文字」に関するところが甘い感じはする。何か理由があるのかな。
{/netabare}

{/netabare}

まぁ、こんなところです。



以下、僕なりの推しポイント。

「一歩一歩問題解決へとくさびを打ち続ける、揺らがぬ信念」。

6話でコハクが千空に対して言った言葉です。
多分これを聞いた時点でこの作品を気に入っていたんだと思います。

===科学の1側面(だけ)を描いている。だからこその描かれ方。
{netabare}
さて、この物語ですが。。。口悪くいうならば千空による「コロンブスの航路確認」の連続です。もちろん、足りない設備、材料を補うための試行錯誤はあるのだと思います。しかし、基本的には科学史をたどる道程であり、石化前に得た科学知識に基づく再発見・再発明です。

科学を正しく知り、用いることは重要ですが、科学にはそれまでになかった知を紡ぎだす役割もあります。

学生時代に「巨人の肩の上」という言葉を教わりました。科学・研究に携わる者の心得(?)だそうです。曰く、巨人とは人類の積み上げてきた知識・技術の全体を指し、その肩の上に当代の科学・研究者がちょこんと座り(立つ?)今までより少し遠くを見渡しに行く。そしてその科学者もまた巨人の一部となっていく。これが人類200万年の知の発展をあらわすメタファーなのだそうです。

この物語の主人公である千空も、巨人の肩の上に乗って少し遠くを(あるいは、だいぶ遠くを)見渡しに行く、つまり、新たな知を紡ぎだす側に立つはずだった人物なのだと思います。残念ながら謎の石化によって、千空がその肩の上に乗るはずだった巨人が消えてしまい、千空自身が「起き上がる巨人そのもの」になってしまった。彼の死はそのまま人類の200万年の知が瓦解することを意味する状況の中で、彼はどう思って日々を過ごしたのか、少し気になります。一人の少年に押し付けるには、たとえそれがあんな人物だとしてもあまりに荷が重い。

あくまで僕の主観ですが、この点はきっと原作者も気を付けて描いているのだと思います。凄いのは「科学」「人類200万年」であって、千空自身がすごいものであると称賛されることはなかったと記憶しています。コハクが千空を褒めるのは、千空自身の判断、考え方や行動であって、千空と「科学」は別物として描かれているように感じました([追]{netabare}とはいえ、千空の考え方、判断の仕方こそが科学の賜物だともいえる。その点では千空=科学も成り立つ部分があります。{/netabare})。また、千空含め自らを「科学使い」(科学者ではなく)と称しているのもその表れなのでしょうか。

この描かれ方は、とてもよかったと思う。


これを踏まえて、あえて物語全体に難癖をつけるなら「科学」とともに「哲学」も巨人の根幹をなすものなんだよ、と言いたいです。

{/netabare}

===だからこそのクロム
{netabare}
途中から主役がすげ変わったのかと思うほどでした。

200万年の巨人が倒れたとしても、3700年の巨人の肩の上に乗るものがちゃんといる。この描写、というより構図に痺れました。彼がなしたものは、我々から見れば「コロンブスの新大陸発見」に等しいものですが、3700年の巨人の視点からなら間違いなくコロンブスの卵であり、発見だったのだと思います。当代の科学者であり、エンジニアであるクロムが中盤以降は本当に頼もしく見えました。

{/netabare}

===サポートキャラのサポート力の高さ
{netabare}
コハクはもっとヒロインヒロインしていくのかと思っていましたが、全然そんな感じではなかったですね。それが良かった。科学の応援者、千空の理解者として機能していたと思います。

スイカはお役に立ったんだよー。千空のお役にも、物語のお役にも立ったんだよー。

ゲンはお話を通して僕の中で大きく育ったキャラクターでした。現代科学・工学を見知っているが故に状況説明役として完璧な立ち回りができたと思います。彼自身の心の動き、行動もかっこよかった。彼がいることで、千空・クロムだけでは生み出せないドラマを引き出したし、千空の内面を代弁することもできたと思います。

カセキの爺様は、出オチレベルでキャラ設定が見えてしまいましたが(OPのおかげもある)、クラフトマンシップはいつも人の中にあるのだな、と素直に思ってしまいました。まぁ。。。舞台装置としては最重要キャラですけどね。この人いないと中盤過ぎてからの工作はもうどうにもならない。

親父の話は、、、とてもよかった。くそう、よかったよ。

{/netabare}

===いずれもよかった OP/ED x 2
{netabare}
特にOPが印象に残りました。

曲もですが、OP映像が前後半ともに凄くよかった。
構成としては、作中のキャラクター像が見て取れるカットと、作中のキーポイントとなるシーンでつながれていました。
クール開始時点で、キーポイントのシーンがあそこまで形になっている(転用元がOPかもしれないけど)制作工程のゆとりが、作品にも表れていたように思います。
最終話で、ようやくOP構成が全部明らかになったときはちょっとしびれました。

前半OPはただ不気味に描かれていたゲンが後半OPでは一転してかっこかわいらしくなっていたり、後半OPのクロムが千空と対等に描かれていたり、前後半間の変化も楽しめました。

カセキの爺さま、ばかかっこいい。

{/netabare}


2期、楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50

84.2 10 科学で友情なアニメランキング10位
とある科学の超電磁砲T(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (576)
2789人が棚に入れました
総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。 その人口の約八割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力――超能力の開発が行われていた。特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査システムスキャン』によって、『無能力レベル0』から『超能力レベル5』の6段階に評価されている。その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。そのひとり、御坂美琴。電気を自在に操る『電撃使いエレクトロマスター』最上位の能力者にして、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。後輩で『風紀委員ジャッジメント』の白井黒子。その同僚でお嬢様に憧れる初春飾利と、都市伝説好きな彼女の友人、佐天涙子。そんな仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。『大覇星祭』。 7日間にわたって開催され、能力者たちが学校単位で激戦を繰り広げる巨大な体育祭。期間中は学園都市の一部が一般に開放され、全世界に向けてその様子が中継されるにぎやかなイベントを前に、誰もが気分を高揚させていた。その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく――。

声優・キャラクター
佐藤利奈、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、浅倉杏美、河西健吾、富田美憂、藤井ゆきよ、種﨑敦美、峯田茉優、鈴代紗弓
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジャッジメントですの!!

J.C.STAFF制作、原作鎌池和馬。

学園都市、人口230万人、
東京都西部に広がる巨大な都市。
その人口の約八割を学生が占めるている。
世界の法則を捻じ曲げ超常現象を起こす力、
超能力の開発が行われていた。

黒子や初春、賑やかな中にも日常がある。
学園都市内での限定された物語こそ、
待ち望んだものである。

複数の敵対組織が同時に暗躍し、
手に負えない量の登場人物が生成消滅する。
物語の舞台は世界規模に至り、
着いていけないのが昨今の現状でしたが、
やはり限定された空間だと、
超能力が様々な日常用途で活かされ楽しい。

学園が誇る大体育祭「大覇星祭」
その華やかな舞台の裏で蠢く不穏な輩たち。
魅力的なシリーズの帰還でしょう。

13話~15話視聴追記。
事件の真相が表面化し、
黒幕であろうものの思惑が露呈する。
{netabare}真の狙いは失敗したレベル6計画の再実験。{/netabare}
食蜂・削坂とレベル5の能力が炸裂する。
{netabare}歪んだ科学者の欲望が刹那とはいえ、
神の領域へ到達するのか…。{/netabare}

最終話視聴追記。
天賦夢路編、期待した通りだ。
美山写影、操歯涼子と、
またどこかで描いて欲しいキャラクターです。
涼やかな後日談、楽しい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 60
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キラキラ光る お目々の星よ

【物語 4.0点】
シリーズが切り開いて踏み固めて来た王道を再踏破する盤石の内容。

JCのギャグ含みの日常や噂話から始まり、
能力者を育成し、陰謀への流用を企てる学園都市の暗部が、
徐々に明らかにされ、それらをJC能力者らが友情と絆のパワーでぶっ飛ばす。

お約束と言えばお約束だが、本作では陰謀VS絆の構図を、
主要四人の女子中学生以外のサブキャラ陣まで拡大することで、
シリーズが磨き上げて来たテーマが普遍化され、
7年振りの新作でもマンネリより安心感を与える。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

明るく見易い画面作りはそのままに、
本作ではCGも交えた学園都市の景観等もアップデートされ、
キャラデザも低等身化の微調整が加えられ、女子中学生がより可愛らしく躍動。
({netabare}大覇星祭・後夜祭のフォークダンスでデレる美琴。萌えましたw{/netabare})

そして毎度の如く、ド派手に破壊される学園都市w
(僅か数ヶ月の時系列の内に本伝、この外伝、『一方通行』と幾度も廃墟と化すビル群w
作画班も、復旧班も、本当にお疲れ様ですw)

印象的だったのは、{netabare}「レベル6」に引き上げられた御坂美琴。
人知を越えた映像イメージを通じて、
レベル6が触れちゃいけない禁忌であることが伝わって来ました。{/netabare}


【キャラ 4.5点】
黒子が“お姉様”に濃厚接触を企て撃退され、
佐天が初春のスカート捲りの日課をこなし、
初春が怪しげなイチゴフードをオススメすれば、
そこはもう、ファンが待ち焦がれた『超電磁砲』の日常ですw

本作では鉄板のJC四人組に、「心理掌握(メンタルアウト)」食蜂操祈(しょくほうみさき)が、
キラキラな瞳と、彼女と同じ眼にされた人物の精神を操るリモコンを手に参戦♪

「レベル5」能力者故の過去でテーマに関わるのは勿論のこと、
中2とは思えないプロポーションとゲスい記憶操作で、
御坂と“胸部格差”等を巡り犬猿の(いや……むしろ猫の喧嘩かw)
口論を繰り広げるなど、コメディ面でも貢献。

ツボだったのは、{netabare}彼女の驚異的な鈍足故に発生してしまった
黒幕の木原爺からの徒歩での逃走劇。
シリアスなシーンだけに余計にジワジワ来ましたw
操祈さん……体育サボらすに、もっとジョギング頑張ろうw{/netabare}


その他、本作で間違いなく株を上げた婚后光子及びその派閥仲間の結束。
{netabare}サバ缶{/netabare}で結ばれたフレンダとの友情と活躍。
もう後がない屍喰部隊(スカベンジャー)に訪れた{netabare}「レベル5」との再遭遇と{/netabare}いうさらなる窮地w
などサブキャラもグループ単位で充実し、
シリーズや関連作を視聴してくれたファンへのご褒美となる。


【声優 4.0点】
食蜂操祈役の浅倉 杏美さんは御坂とは方向性が違う
高飛車ボイスで包み隠された本音を予感させる意味深な演技。

荒んだ学園都市で生き残るために、本来はお茶目な年頃の少女たちが、
大人とやり合う内に、狡猾さや先読みスキルが歪に発達してしまっている痛切。
まだ子供な部分と、早くも大人な部分が混在した
シリーズならではの悲哀が操祈役でも好演されています。


健闘を称えたいのは馬場芳郎役の林 大地さん。
{netabare}JC能力者を侮り、嘲り、倍返しされる明快な顔芸対応で、
御坂や婚后派閥の魅力ストップ高の材料にw{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴は2期まで楽曲提供していたI'veの主力クリエイターでもあった井内 舞子氏。
継続使用された、お嬢様校風味のバイオリン日常曲に加え、
シンセが爆裂する戦闘曲ではI've soundのエッセンスをしっかりと継承。
適宜、過去作の主題歌メロディーをアレンジする仕掛けも〇。

この7年の間にテクノ界隈にも色々なトレンドがありましたが、
久々でも変わらずカッコいいのは流石です。


OPはfripside。前期「final phase」、後期「dual existence」
共に聞いた瞬間『超電磁砲』の帰還を確信する快作デジタルJ-POP。

このユニットも2期以来、ボーカルの南條 愛乃さんのソロ活動や『ラブライブ!』のブレイク。
八木沼 悟志さんの「ALTIMA」参加と様々なエポックがありましたが、
それらの経験が一周回って原点である『超電磁砲』主題歌サウンドの洗練に生かされています。


EDは前期が岸田教団&THE明星ロケッツ「nameless story」
OP同様、本編が進むに連れ、真意と決意が滲み出て来るバンド音楽。

後期EDがsajou no hana「青嵐のあとで」
四人の友情と絆を再確認する爽やかな青春ソング。
同バンドは他に挿入歌でも切ないエピソードのヤマ場を好アシスト。





【十五話迄の感想】大覇星祭を完遂した運営&制作スタッフに感謝と労いの言葉を贈りたい

《大覇星祭(だいはせいさい)》編を観終わって。

長いので折りたたみw
{netabare}
『超電磁砲(レールガン)』って結局……
学生の能力を開発する学園都市→能力者をモルモットにする非人道的な実験都市に絶望
→それでも守りたいものがある→能力云々以前に人として大切な何かの再認識。

このパターンの繰り返し。だから、3期は視聴後回しでも……。

こんな感じで後追い視聴し始めた怠惰な私でしたが、
結局、このお約束が、シリーズ開始から10年以上経ても、
約7年ぶりの新作でも、色褪せずに面白さを保っていることに感動しました。


今回のエピソードから登場した食蜂操祈(しょくほう みさき)も魅力的なキャラです。
リモコンで人の記憶や心を操作する、キラキラお目々のアブナイ巨乳JCですがw
真意を知るに連れ、彼女の精神力の強さに驚かされます。

{netabare}他人の脳を読み取る、記憶を書き込むといった精神系能力者は、
往々にして、自我が吹き飛んで、ぶっ壊れるものですが、
自身の能力にも自壊せずに、策を巡らせ、
やくそくを果たす彼女もまた正真正銘のレベル5です。{/netabare}

この学園都市で、能力者がモルモットとならずに、幸福を掴むには、
突出した能力だけでなく、大人たちとやり合うだけの別の何かが必須で、
それが今回の場合は、駆け引きの力だったのだと思います。

美琴たちの絆の力とはまた違った孤高の能力者の頭脳戦で
『超電磁砲』の王道パターンを満喫した前半戦でした。


“本編”アニメだと割とサラリの流された印象の「大覇星祭」でしたが、
本作では、{netabare}二人三脚するだけで通りが半壊するw{/netabare}
など常識を越えた競技の一端も堪能できました。

この大会運営を学生自治にも頼って……
というのは流石に荷が重いのでは?と心配になりますw
{netabare}選手宣誓{/netabare}を準備するだけでも胃に穴が開きそうですw
運営スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。


最近、ようやく視聴追い付いて、次のエピソードは毎週リアルタイムで!
と意気込んでいた私ですが、程なく放送休止の一報が(泣)
次回放送は7月24日からだそうで……。

数度の休止や延期を挟んでも、良作を届けてくれた本作の制作スタッフならば、
次もやってくれると信じて、再開を待ちわびたいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 45
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

クライフイズムとバルセロナB

相変わらず原作は未読


禁書目録1期→超電磁砲1期→禁書目録2期→超電磁砲2期→そして今ここ。
今年(2020年)になってレールガン3期に合わせるべく視聴着手してから放送時期順にリレーしてましたが、禁書目録3期と一方通行は一旦スルー。どれも2クールで100話分経過したあたりで力尽きました。虫食いを懸念した視聴前夜ではありましたがついて行けなくなるほどの痛手は無かったと思われます。


面白かったです。
いいかげん3期ともなれば飽きが来るかと思いきや…面白かったです。

この作品は魅力的なキャラクターが湧いてきてる感じがします。
落合監督時代のドラゴンズでどんどんいい投手がファームから輩出される、またはカープでは生え抜きが次から次と活躍するのに似てます。
サッカーだったらバルサのカンテラからメッシやイニエスタが出てくるのを想像いただければよろしいかと。え?何言ってるんだこいつは?と。すみません。


常道パターン、主力の4名(御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子)にゲストキャラ迎えるだけで余裕で試合を回せるんですが、この作品特に3期ではそうはしない。

 梅:キャラに魅力がない
 竹:主役に魅力がある
 松:主役含めて周辺キャラも魅力がある

紛れもなく松作品であり、それは積み上げてきた実績でしょう。常道のキャラ回し、主力を軸にゲームを組み立てることも可能だったはずなのになぜそうしなかったのか。

1期では主力を掘り下げ魅力を引き上げることに成功しました。
2期では主力の結束を描き不動の地位を確立しました。

そして3期では…

 1.既存キャラの再生{netabare}:婚后さん、絹旗最愛(超…が口癖)、フレンダ(爆弾人形の金髪)、屍喰部隊の面々{/netabare}
 2.新キャラの活躍{netabare}:食蜂操祈(LV5第5位…記憶操作)、削板軍覇(LV5第7位…根性){/netabare}
 3.{netabare}主力の温存{/netabare}

冒険します。2期のメインどころ麦野沈利(メルトダウナー)を触りだけしか使わず、彼女のグループの一員だったメンバーで1話丸々使うみたいな芸当をやってのけてました。{netabare}さらに雑魚チームだったスカベンジャーズに光をあてて後半ラストバトルの美琴パートナーに仕立てたりしてるのです。{/netabare}

要は人材豊富なのですよ。これは禁書目録があることの利点であるかもしれませんよ。キャラの出し入れというべきかレンタルでちょっと出場しそれなりに爪痕残して戻ってきてから活躍するみたいなのもよく目にします。合法ロリ月詠小萌先生なんてまさにそうでしょう。
さらに主力を温存しているってことは、逆に言えば揃った時に「待ってました!」とファンの期待が爆発することにも繋がるわけです。

人気シリーズ3期めのレビューを読むともなれば、視聴後感想読んで答え合わせしたいか2期までは視聴したもののさあこの後どうしよう?という方のどちらかでしょう。
後者の方向けに「主力4名ちょい稼働でも面白いってどういうことか興味ありませんか?」が回答です。


主力の魅力やバランスは言わずもがな。取り巻く面々個々の魅力の高さと思い切った起用方法を評価し久々にキャラ5.0点を献上する作品となりそうです。あたかもどこからでも攻め手があって頻繁なポジションチェンジを繰り返すクライフのオランダナショナルチームが登場した時のインパクトと等価値ではないかと! …生まれる前の話だし適当に言ってます(^_^;)
相変わらず2クール全25話と量はあります。それでも手を出して後悔はないだろう良作です。



※ネタバレ所感

■物語は深化してる

本稿ではほぼキャラについて。もちろんそれ以外の要素。例えばストーリーラインも私好みでした。
2期で学園都市が持つ狂気をシスターズのエピソードで掘り下げてました。その本質はきちんとそのままにしっかりアレンジを加えてきた3期です。

{netabare}#1~#15大覇星祭と#16~#25天賦夢路編の2本立てでした。このへんの構成は2期と一緒。

悪役が前半巨悪で後半小者というのにも物語上の必然性はある。前半はアルティメット御坂の派手さに隠れているもののドリーを巡る食蜂と警策看取(みーちゃん)の人情話。後半はそのまんまドッペルゲンガーの魂の存在に関する話。と人工的に作られた生命体にまつわるエトセトラと共通してます。
もとを辿れば御坂シスターズですもんね。クローンだと割り切れず良心の呵責に苛まれた御坂美琴だったわけで、ドッペルゲンガーすなわち実験で勝手に造られた命がよりによってそんな御坂美琴に「もう生きたくないから殺してくれ」と頼む残酷さったらありゃしません。けっこう突きつけられるもんがあります。

そしてシスターズも実験体であるがゆえ自意識ゼロだった当初と比較し+αが顔を覗かせる機会も増えてきました。2期における朝焼けのビル屋上での御坂妹の一言が忘れられません。

「世界とはこんなにもまぶしいものだったのですね」

軽妙な日常劇の裏でけっこう絶望的な世界が流れてる超電磁砲の世界でクローンが放つこの一言。
3期前半締めではよりパーソナルな自我の芽生えみたいなのが出てきて

「なぜかはわかりませんが大切な人との胸踊る約束が欲しくなりました」
「と、ミサカは不思議なデジャブを覚えて感傷に浸ります」

ミサカネットワークの干渉により、ドリーら3名海へ行く約束をいいなと思いはじめ本編最後には

御坂美琴「私の妹よ」

と婚后さんに紹介されるに至る綺麗な流れでした。独立2本立てながら繋がってるのがいいですね。{/netabare}


■キャラ作りは丁寧に/設定は大切に順守

{netabare}佐天「踊ってくれますよね?Don’t you?」
御坂「い…Yes I do…」
覚えたての付加疑問文を使ってみました的な中学生っぽさを忘れてないところ{/netabare}

{netabare}食蜂を女王と紹介され色めき立つ佐天さんと初春さん。
ミーハーが高じて他校の黒子や美琴と繋がったこういった初期の設定を忘れてないことも好感。{/netabare}

{netabare}通りすがりのキャラもきっちり作りこんであげてるのもね。
BLAUなんて一瞬黒幕かと思っちゃいましたもん。ただのピエロでしたが。

「第3位の御坂美琴ちゃんは気ぃ強そうやけどな。逆にそれをピ-してネコミミと尻尾着けてからピーしてピーし放題!」
「食蜂操祈ちゃんはスク水にピーしてな。中学生離れしたすごいピーがレベルピーになってもうて!」{/netabare}



■コロナ延期

うちの地域では1/11スタート。2020年冬クールで2クール予定でした。
そして延期での中断を挟んで9/26最終回と足掛け9か月でのフィニッシュです。

延期については3月以降いっきにいろいろ決断しなければいけないものが増えたのでしょう。
クール突入前の延期発表がいくつかあり、追って2話3話以降放送延期が数タイトル続きました。政府緊急事態宣言(4/7公布)に合わせるかのように4月第2週までの決断が大半です。納品期限を考慮すれば3月下旬には安定して製作できる環境は無くなっていただろうと考えるのが自然です。
延期or貫徹。外注その他要因あるので一律判断はできかねますが、本作も延期せざるを得ない体制下での作品だったわけです。それが物語の区切りのよいところまでやってくれました。確かめてみたら5/23放送分までです。スキップ週もあったけど他の作品から粘ること4週分頑張っていただけました。ご時勢がご時勢ですので途中ぶつ切りでも誰も文句言わんだろうに区切りのいいところまで。

本当に有り難いことです。



視聴時期:2020年1月~5月…9月 

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2020.10.06 初稿
2020.11.10 タイトル修正
2021.07.25 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 56

62.5 11 科学で友情なアニメランキング11位
放課後のプレアデス TVアニメ版(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (358)
1772人が棚に入れました
星が大好きな中学生、すばるはある日の放課後、宇宙からやって来たプレアデス星人と遭遇した。
地球の惑星軌道上で遭難した宇宙移民船を直すため、
プレアデス星人は地球人の中からエンジンのカケラをあつめる協力者を召還したという。
ところが集まったのは1人のはずが何故か5人!
「魔法使い」に任命された5人の少女たちはそれぞれ何かが足りていなくて
、 力を合わせようにもいつもちぐはぐで失敗ばかり。おまけに謎の少年まで現れて、
こんなことでエンジンのカケラを回収して宇宙船を直すことはできるのか??
かわいそうな宇宙人を助けようと、未熟さゆえの無限の可能性の力を武器に、
友情を培いつつ、カケラあつめに飛びまわるすばるたち5人。
宇宙と時を翔る、希望の物語。

声優・キャラクター
高森奈津美、大橋歩夕、立野香菜子、牧野由依、藤田咲、桑島法子
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

結局、15年春期に見てたアニメとしては一番好きです という結果に

BD3巻が届いたので、嫁さんの冷めた視線に耐えながら居間で観てたんですけどね。
ホント判り辛い作品だったんだなとw
私も初見時は雰囲気だけで観てたトコがあったんですけど、小説読んだり観直したりして理解が深まってから改めて見るとホント不親切なのが判るというか(汗)
 みなとの温室の植物って6話のプレアデス星人の宇宙人のエンジン再起動のところまで1つも花咲いてなかったの、実は私は見逃してましたw

んで、なんで6話まで咲いていなかったのか、なぜあのシーンで開花したのかを一応書こうかと。
いや、そんなの判ってるから!と言う方多いでしょうけども私みたいなおバカさんは雰囲気だけで流しちゃってるかもしれませんから(汗)
{netabare}

あの蕾までしか成長していなかった植物や飛び交う蝶達は、選ばれなかった可能性の欠片達。それらの集う場所が温室。ここに居る者達に未来は無かった。
病室のみなとの現実への憎悪から生まれたつのマントに追われるすばる。
つのマントの望みはプレアデス星人の宇宙船のエンジンの欠片の強大な力を手に入れる事であり、彼の憎悪は巨大な宇宙船の実体化に巻き込まれて地球が滅びる事も自らの選択肢に入れている。自分の未来が無い世界ならば滅びても構わないと。

そして中盤の山場の6話。宇宙船が実体化を始めてしまう。

病室のみなとの絶望から別れ出でた温室のみなと。
彼ら未来を閉ざされた可能性達の世界である温室へすばるが迷い込み、温室のみなとはお守りとして温室の花の蕾をすばるに送る。
プレアデス星人と5人の魔法使いたちは手持ちのエンジンの欠片のみの力で宇宙船の実体化を阻止しようと試みるも、力及ばすエンジンは再起動しない。
そして、すばるの起動して欲しいという祈りに応えるかの如くお守りの蕾と温室の可能性の欠片達が一斉に開花、エンジンが再起動しその場凌ぎとは言え宇宙船の実体化を防ぐんすよね。
未来の閉ざされた可能性達の力で結果的に救われる地球というトコが泣かせますわね。 {/netabare}

 観てた方は判るんですけど、アニメの中であの温室や植物や蝶達は如何なるものかの具体的説明無いんすよね。ここらへんの観る側を試しているかのような全体的な作りが、結果的にこの作品の敷居の高さになってこの低評価なんだろうなと思うとホント残念です。
まぁ私自身も初見時はなんか騙されてる様な気持ちで観てたんですけどねw

浅い作品じゃないので、もしこれから観られる方がいらっしゃるのであればコレは考察しながら観る作品として構えて臨んでほしいなと思います。
その上で気に入らないのであれば、まぁ好みですしね。

レビュー追記したついでに評点も上げちゃいます(汗)
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先日発売された"みなとの星宙"読んでるんですが、切ねぇです(涙)
みなと視点での小説となってるので、TV版お好きだった方は読んで見てもいいと思います。アニメでは明言されてなかった事柄が色々書かれていますので。
何故すばるにあんなにツッケンドンだったのかとかもw
{netabare}
病室ですばるの折り紙の星とみなとが交換した可能性の欠片ですが、あれはこの世に生まれなかった生命のものとアニメでは言っていました。
すばるのお母さんが一時的に入院していた理由、すばるの妹として生まれてくる筈だった子の可能性の欠片なんだそうです。{/netabare}
そんな感じで、色々とアニメではモヤっとした部分が書かれてます。
小説は基の設定の肉付けが多いとの事ですのである意味二次創作に近いとも言えるのかもしれませんが、作者が極めてガイナックスに近しく且つ星雲賞も取ってるプロの作家さんですので、アニメの補完としてはパーフェクトな出来だと思いました。
(何処が佐伯監督の設定で何処が肉付けなのかが明示されてれば尚良かったんですが・・・)

いい作品だと思うんですけどね~。相変わらずの低評価で残念です。
小説読んで後にアニメ見返しましたが、あまり評価されて無いのも判る気がしました。判り辛いんですよね、多分。
ちと内容が抽象的且説明とかセリフ不足過ぎたのかもですね。

 私的にはこの作品やっぱり好きだし、とても素敵なストーリだと思ってます。
このまま低評価で埋没して欲しくないんんですが・・・これがこの作品の運命線なんでしょうね。止む無しかw

因みにBDのケースがイマイチな作りで、ディスクが超取りづらいですw

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 一応ユーフォの最終話観終えたので、個人的にどれが一番好きだったかと改めて考えるとコレでした。
魔法による派手な戦闘という見た目の見せ場も無い作品ですし、怒涛の鬱展開って訳でもないので終始地味な作品ですけど。
なんかジワジワ来るんですよね、コレ。
どうも無学な私にゃ煙に巻かれてる感を感じてたプレアデス星人の学術的用語も、きちんとした代物らしいので素直に納得しときますw
ま、この作品のいいところはヒロインたちも作中で言ってますが、なんだかんだ物理の話出す癖に魔法なんて胡散臭い代物で状況を打破していくところですしね~

何も無いのだったら、何にでもなれる筈。

オッサンになった私には今更な事ですが、この作品のテーマは子供達らしい素敵でかわいらしい代物だと思いますし、好きなんですよね。
15年春期はユーフォがクオリティとして最高だったとは私も思ってます。
ただ、コレもお暇だったら見てあげてくださいまし。意外とイイですよ(汗)








 という事で15年冬期放送分は円盤買ってた作品も無かったので、私はコレでも買って多少は業界に還元してみます。
それが若い人に比べれば多少は購買力のあるオッサンの務めですしねw

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評価点若干修正します。
個人的にはこの期で観てた中では満足した作品の一つですしね。
泣けるしw
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 終盤の展開、私はおバカなので完全には把握できてませんw
逆に実はそんなに深くも無い結末だった気もするんですよね~。
考えすぎなんでしょうか・・・・
素晴らしい考察を何方かプリーズ(汗)

と、視聴後に考察とか探しましたが皆素直に観たままで解釈してるんですね。
私、セリフに踊らされ過ぎたのかもです。

全体の雰囲気は私は嫌いじゃなかったし意外とテキトウな作品だと思いますけど、私は面白かったですね。
プレアデス星人の宇宙船が実体化したらヤバいと言われても、さりとて危機感をあおる判り易い表現も無いし。プレアデス星人も言ってる事胡散臭いしw
でも元の世界線に皆が戻る時のあの感じ、私は好きかも。
見た目と違って意外と理解力求められる作品だと思うので、万人向けじゃないかもですね。派手な戦闘が有る訳でも無く、サプライズ連発な展開という事も無く、こじんまりと可能性とか願いとか覚悟とかを少女たち目線で描いてる作品なんで正直内容的には地味です。
けど悪くないと思うんすよね~。けど、単に煙に巻かれてる気もして釈然としない・・・気もする(汗)

個人的には、訳ワカメだからクソだ!と切り捨てたくは無い作品でしたです。
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7話まで観ましたが、コレ結構いいと思うんすよね。
時々車の部品名が入るのがアレですが。
スパークプラグの代わりにドライブシャフトを使って点火って(滝汗)
アニメ見てればまぁ言わんとしてる事は判りますけど、無理やり車とこじつけなくても、ねぇ。
私がレビューにするとバカな作品みたく見えてしまい何ですが乙女なオッサン的には7話でちと泣きそうになったので、この手の路線嫌いでない人は見ても悪くないんじゃないかなと。
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今更なんですが、とりあえず一話だけ見まして・・・
オッサンのくせにカワイイもの大好きな私的にはアリなので続きも見てみようとは思うんですけども。
ただ、題記の様な事にならないか不安です(汗)

この期に及んで私如きが忠告するのもアレなんですが、見た目が完全に魔法少女モノなんでそういうのダメな人はスルー確定ですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

中核を失ったガイナックス

ガイナックスといえば、「トップをねらえ」や「ふしぎの海のナディア」そして何よりも社会現象を起こした「新世紀エヴァンゲリオン」があるが、正直言って「グレンラガン」以降の中核を支えてきたスタッフがどんどんと抜けたことにより、もはや抜け殻状態である。

今回は天文学を中心としたSF魔法少女ものだったが、はっきり言ってSFとしての面白さはさほども見当たらない。

あの伝説のガイナックスの強みはなんといっても非常に堅い優れたSF設定と脚本だったのだが、海外のSF小説のような濃密さはこの作品から感じ取れなかった。

やはり庵野秀明さんがいないとここまで落ちぶれてしまうのか。。

すごく残念である。

ですが、作画は非常にクオリティが高かったかと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

夢と優しさに溢れた素敵な作品

5人の魔法少女が宇宙船の「エンジンのかけら」を集めるファンタジー、という説明では観てない人にはさっぱりわからないと思いますが、とりあえず優しい雰囲気の魔法少女ものです。
春アニメの中でもお気に入りで、毎週楽しみに観ていました。
自動車会社がスポンサーだったため、魔法少女が空を飛ぶために使うのは箒ではなく、飛ぶとエンジン音がするドライブシャフト。それに乗って太陽や土星や、もっと遥か遠くの宇宙にまで飛び出していきます。背景となる宇宙の絵はとても美しく、また天文系の用語や知識が結構使われていますが、あくまでも魔法少女ファンタジー作品なので、SF作品などと違って科学的な制約に捕らわれる必要もなく、宇宙のロマンの美味しいところだけ上手につまみ食いできているように感じました。
物語の大きな軸は、まだ何者にもなっていない、だからこそまだ何者にでもなれる可能性を持った少女たちの成長、といったようなもので、そこに個々のキャラの掘り下げエピソード(これがどれも非常に出来が良かったです)とか、主人公の微笑ましい淡い恋愛などが加わります。
作画は全体的にとても綺麗で、またアイキャッチの絵がとてもかわいくて毎週楽しみでした。声は、ななことプレアデス星人を演じた声優さんがとても良かったと思います。
夢と優しさに溢れていて、何度も繰り返して観たくなる素敵な作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26

76.5 12 科学で友情なアニメランキング12位
Dr.STONE(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (403)
1707人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ルビ:ストーンワールド)を前に、千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。新たな仲間を集め『科学王国』をつくりあげる。火、鉄、電気、ガラス、ケータイ……石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる千空たち。しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司が率いる『武力帝国』が立ちはだかる。人類浄化を目指す司は、強大な武力によって、科学の発展を阻止しようとするのだったーSTONE WARS、いざ開戦!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、市ノ瀬加那、沼倉愛美、佐藤元、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人、中村悠一、石田彰、豊崎愛生、小野賢章、中島ヨシキ、種﨑敦美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

科学 VS 武力、いざ開戦

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
第1期は2019年の夏から2クールで放送されました。
私の2019年秋アニメのBEST10において第5位を獲得しました。

本当に面白かったので、本来であればもう少し順位が上でもおかしくない作品なのですが、放送されたタイミングに難があったと個人的には思っています。
何故なら、上位にはそれだけ素晴らしい作品がひしめき合っていましたから…

因みに私の2019年BEST10のうち、第1位~第4位は以下の通りです。
第1位:この音とまれ! 第2クール
第2位:慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~
第3位:ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
第4位:ハイスコアガール II

やっぱり振り返ってみても、どれもその順位に相応しい作品ばかり…
だから第1期の準備を第5位にしたことに後悔はありませんが、この第2期を視聴してより一層この作品が好きになった気がします。


全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年——。
超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。

文明が滅んだ石の世界を前に、
千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。

新たな仲間を集め『科学王国』をつくりあげる。
火、鉄、電気、ガラス、ケータイ……
石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる千空たち。

しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司が率いる『武力帝国』が立ちはだかる。

人類浄化を目指す司は、強大な武力によって、科学の発展を阻止しようとするのだったー

STONE WARS、いざ開戦!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。


番組の最後に「この物語はフィクションですが、登場する動植物や物質、製造方法などは実在するものに基づいています。
個人の判断による採取や製造は大変危険であり、また法律に触れる恐れがありますので、決して安易にマネをしないでください。」という注意書きが表示されています。

まぁ、マネをする人はそうそう居ないと思いますが、科学文明が一歩ずつ前進している様には大きなロマンが感じられるんです。
それを物語っているのが千空の会話に登場する数値の単位なのではないでしょうか。
「100億パーセント」とか「1億倍」とか…
なんか想像を絶する単位に最初は戸惑ったものの、最近は全く気にならなくなりました。
改めて人間の順応性の高さにビックリです^^;

今期はレビューのタイトル通り科学王国と武力帝国の真っ向勝負が描かれています。
拠り所とする力、思想に至るまで全てが真逆の科学王国と武力帝国には正直接点が見い出せませんでした。
ただし物語の中盤まで…ですけど。

完走して思ったこと…
科学には思想を捻じ曲げる力があると痛感しました。
「捻じ曲げる」というのは悪い意味ではありません。

思考領域を限りなく広げられる…
限りなく広がられたその先の着地点を選択できるという意味での捻じ曲げるです。
人間が実行に伴って思考する際、思考の枠内には限界が設けられるのではないでしょうか。
自身の遂行能力に対する限界や、周辺状況や物資の有無などによる限界などが挙げられると思います。
ですが、科学の力は限界を限りなく押し広げてくれる可能性があるんですよね。
この作品は、その可能性を如実に感じさせてくれました。

この作品のタイトルである「Dr.STONE」の意味は、ストーンワールドにおける科学力のことだと思っていました。
ですが第2期を完走すると、もう一つの可能性が浮かび上がってきた気がしてなりません。
ネタバレ要素を多分に含むので記載は割愛しますけれど…
今後の展望に大きく寄与する可能性なんじゃないかと個人的には思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、フジファブリックさんの「楽園」
エンディングテーマは、はてなさんの「声?」

1クール全11話の物語でした。
この作品も尺の短さを感じましたが、続編の制作が発表されたので文句なしです。
乗りかかった船です。
原作は未だ連載中のようですが、最後までお付き合いさせて頂きたいと思っています。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

獅子王は何王になりたいのだろう?

原作未読 続きもの第2期

下仁田ネギを擬人化したら大槻ケンヂだった件の続き。
もとい…全人類が石化しちゃって早幾年。大方の説明は省略しますがちょうどよいところで2クール終了したこともあって続きが楽しみだった作品の第2期11話です。うーん…コンパクト。
連載中の作品の場合、初出の1期においてはアニオリで畳むか続きを匂わせるかの2択となりますが本作は後者。さらにそれを受けての2期でも1期同様匂わせエンドであったため、踊り場の2期という位置づけになります。
そうなりますと本作に限らず経験則上評価は下がる傾向に。「終わってないじゃん」が最たる理由なのは当然として、継続前提の2クールならよっぽどでない限り“尺不足(説明不足)”とは無縁なわけですし、初物ならではの目新しさに引っ張られ満足しちゃう1期の存在がハードルとなってしまうからです。
そして高くなった期待値というハンデに加え、目新しさだけでの牽引力は賞味期限を迎え、と作るほうはたまったもんじゃなかろうというのが実情ですよね、と。

本作においての評価も自分の場合は4.2点を献上した1期からは下がります。
たぶん作品どうこうは今後にかかっているので暫定評価ですね。某『進撃の巨人』みたいに2期で目先を変えたらネガティブ評も目立っちゃったけどその後の展開で再評価された作品もありますので今後も見届けたいと思います。


…ってと自分に必死に言い聞かせてます。どういうことか?
食い気味で視聴した1期ほどの熱量が自分になかったんだなぁこれが('◇')ゞ
本作のコア部分の魅力は崩れてないため総じて低くない評価だったとは前置きしつつ、そのへん1期のレビューで書いちゃったし、じゃあ差分を書こうとするとネガティブになっちゃうという現在地。
よって

 ちょっと失速したかしらん?

差分を備忘に留めて置いとくかぐらいの心持ちで以下

1.ドラえもん化
ゼロからのモノ作りがおもしろおかしい魅力だった1期。2期ではプロセスを省いて“テッテレー”と文明の利器が登場するイメージ。
当然、最初に作ったものを利用して二次制作するなど初期段階から変わっていくのは仕方ないですけど、慣れたのか飽きたのかゼロベースのモノづくりで唸る場面はなくなりました。


2.敵役の矮小化

“霊長類最強の高校生”
このワードにツッコミ入れてない方が継続視聴されてるかと思います。原始共同体ならそりゃ軋轢は血なまぐさいものになるわなと許容範囲の1期。2期ではとある変遷{netabare}“獅子王司の良い人化”{/netabare}をどう評価するかが鍵なのかと思われます。
良くも悪くもジャンプらしい展開でした。こういう物言いする時は良く思ってない時なんですけどね。

{netabare}世迷い言。司ってゴールポスト動かすし知識階級(汚い大人ってくくりでしたが…)粛清するしポルポトみたいだねって放言した1期レビュー。ついでにコップの中で粛清始まるぞとも言いました。
案の定、反乱分子が出てきて路線対立していって、との流れは悪くないんだけど、バラモスの次はゾーマだ!みたいな流れができちゃったので今後インフレしていくしかないなこりゃと諦観してます。まさにTHEジャンプなのです。

さはさりながら“踊り場”2期で新敵役はさわりだけだったことは情状酌量の余地あり。千空と対立する理由が不透明のため煮え切らないのですが徐々に明らかになるにつれて物語は締まってくるでしょう。{/netabare}


3.野性味はどこへ?

象徴的なのがOP。1期のOPって土臭かったでしょ?
あれ好きだったのに、文明の夜明け的なノリが薄まっちゃったかしら。


3期は決定してるらしく要経過観察な2期になるのだと思います。
先のネガティブポイント3点も単純に飽きてきただけなのかもしれませんが今のところ自分でもよくわかりません。
追い打ちかけるように私が面白いと感じた部分が薄まったことで蓋をしてたことも悪い意味で顔を出してきとります。
例えば千空くんの「○○億なんちゃら」「超絶なんちゃら」「そそるぜ」等のイキリワード連発がしんどくなってきたとかね。科学の申し子設定だったらこんな非合理的な修飾語を連発しないだろうに…等々。いやあ不安です。


※余談

■どうせ実力あるんだから

様式美ってあると思うんです。
それがわかってくる醍醐味は重々承知していて、趣味なんてだいたいそんなもん。今回は声優さん。

子安さんが出てくれば「あ、変態だな」
杉田さんが出てくれば「あ、むっつり系の変態だな」
松岡さんが出てくれば「あ、女の子寄ってくるな」

{netabare}石田彰さんが出てくれば「あ、敵ね」{/netabare}

爪痕残しまくるせいかその役の印象が強いってのもありますけど想定の範囲内で終わってしまうことが寂しい気もしてます。



視聴時期:2021年1月~2021年3月 リアタイ  

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2021.04.17 初稿
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 37
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジャポニカ学習帳

トムス・エンタテインメント制作。

人類の石化から一人目覚めた千空。
科学の知識でライフラインを復旧させ、
石化を解く薬を完成させるも、
人類の浄化を目論む一派との戦闘が始まる。
石化そのものの謎は未だ解けてはいない。

世界は樹木が生い茂り景色は風化している。
現代からおよそ3700年経過している。
大胆な世界設定とこの世界を生き抜く、
少年たちのサバイバル術が見所である。

戦闘、和解、生きるための知恵、
あまり類するものを知らないこともあり、
不思議な視聴体験がまずまず楽しい。
そもそもなぜ石化現象は起こったのか!?
世界の謎に少年たちは挑もうとしている。

お気に入りは愛嬌のあるスイカ。
最後まで気楽に見ていければと思います。

最終話視聴追記。
総合評価では1期に分があるも、
こちらもまた娯楽作品として楽しめます。
{netabare}最終話は印象深く、爽快な大団円で終幕を迎える。
そして大航海へと、冒険は進む。{/netabare}

今後に期待の持てる展開でしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44

57.9 13 科学で友情なアニメランキング13位
よくわかる現代魔法(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (257)
1692人が棚に入れました
プログラム化された現代の魔法が存在する世界で、ドジな主人公・森下こよみや、最強の現代魔法使い・姉原美鎖らが繰り広げる物語である。

声優・キャラクター
野中藍、生天目仁美、戸松遥、寿美菜子、浅沼晋太郎

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

よくわからない現代魔法

よくわかる~とか、面白いほどわかる~とかって名のつく本ほど信用ならないものはない
と常日頃思ってたんですが、やっぱそうでしたね


もうこよみが可愛いだけでいいんと思うんですよね、私は
全編通して(過去編は多少お姉さんぶってましたが)、よくここまで生きてこれたよねって思うほどのダメっ娘なんですが
ん~素晴らしいねぇ
というか、3つ以上ボタンがある機械は使えない女の子って何なんですか?
可愛いんだけど
そもそも、高校生にもなってくまさんパンツ穿いてる女の子って何なんですか?
可愛いんだけど
大体、電話で「もすもす」なんて言っちゃう女の子って何なんですか?
可愛いんだけど

ストーリーは結構シリアス
個人的には0話のノリでキャッキャウフフしてればそれで十分満足だったんですが
最終回は結構感動したし、これはこれでいいのかな
登場人物はかなり少ないです
しかし、だからといって各キャラの掘り下げが充実してるわけでもなく、こよみと弓子とギバルテスさんの戦闘が大半を占めてた印象です
コンピュータ関連の用語が多発
原作者の桜坂洋氏は元システムエンジニアとだけあって、劇中、あるいはサブタイトルにも頻繁に出て来ますね
プログラミングで魔法を起こすって設定からしてそうですよね
やってる人はかなり分かりやすく見進めれると思います

OP「Programming for non-fiction/麻生夏子」が来てますね
これは映像もいいし、曲もいいし、本当に素晴らしい、来てます
映像はOP職人・山下敏成氏の一人原画、実に動的なカット割りが心地よいです
曲は麻生夏子さん、イントロからすでに躍動に包まれます、麻生さんのタイアップ曲の中で一番好きですね
見蕩れ聞き惚れ恋い焦がれること請け合いです
EDで走るアニメは~
オンライン作業のお遊びは割と毎週楽しみだったり

メインは野中藍、戸松遥、寿美菜子、生天目仁美
あいぽんの声はほんと癒し系っすなぁ
とまっちゃんの声はほんとエロエロっすなぁ
良いと思うんですけどねぇ、何なんでしょうかねぇ

キャラの色素が異様に薄いですね、まぁ色白美少女を描かせたら天下一品の宮下未紀女史の絵柄を意識してるんだと思われ
髪はちょっときつめの色になってますが、特に問題はないかと思われ
ちょくちょく舞台となる秋葉原の背景が凝ってますね、2話には昔いたラップ店員も出てきてたり
時系列シャッフルって要ったんですかね、まとめて見る分には良いんですけど、リアルタイムで見てる時は話の流れがちょっと分かり難かったかも


”高度に発達した科学は魔法と区別がつかない”とはまさにこのこと
現代魔法で売上操作出来るとかどうよ?って思いはしますが
あそこまでいかないにしても、近未来的で割と考えされられるアニメでした
「All You Need Is Kill」もいいですが、こちらも負けないくらいの良作です

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

隠れファンは多そうな気がする・・・ 2000年代《魔法つかい&魔術系》の惜しい作品

古典魔法の使い手はお約束どおり呪文を唱えるのに対して、現代魔法の使い手は携帯やパソコンに仕込んだプログラムを起動させて魔法を発動する・・・という発想は面白いし、登場するヒロインたちは、お姉さんキャラや魔法を使わない一般人の子も含めて全員文句なく可愛いんだけど、このアニメなんで人気が出なかったのだろう?と考えてみた。

(1).敵キャラに魅力がない。

もう少し悪賢いとかトンデモな性格とか美形とか、もっと色々と特徴のあるキャラだったら注目度も上がったのかも知れないけど。 
ヒロインズの出来の良さに比較して、本作はなぜか敵キャラの作り込みが適当過ぎる気がしました。


(2).ストーリーが分かり辛い。

前半のエピソード(第1話~第6話まで)は、時間軸があちこち飛びすぎていて、原作ラノベの読者でもない限り、初見でこれをきちんと理解するのは不可能と思われ(←嘉穂委員長風)。

※因みに本作の原作者・桜井洋氏は、トム・クルーズ主演の実写映画『ALL YOU NEED IS KILL』(※2014年、タイムループ&対異星生物バトルものSF)の原作者でもあるそうで、両作の余りの作風の違いにちょっとビックリ。

《まとめ》
確かにシナリオは微妙だけど、別に後味の悪い結末にはならないし、OP/EDは揃って明るい歌詞と曲調の良曲だし、ドジっ子《和み系》ヒロインは可愛いし・・・ということで、例えば今放送中の『とある魔術の~』シリーズが好きな人なら、取り敢えず第1話をお試し視聴してみてはどうでしょう?


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      桜坂洋(『スーパーダッシュ文庫』2003年12月-未完)
監督         黒田やすひろ
シリーズ構成     門田祐一、戸塚直樹、黒田やすひろ
脚本         門田祐一、戸塚直樹、伊藤美智子
キャラクターデザイン 古賀誠
音楽         橋本由香利
アニメーション制作  ノーマッド{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= よくわかる現代魔法 (2009年7-9月) ================
{netabare}
第1話 hello,world ★ 一ノ瀬・弓子・クリスティーナの姉原十字魔法学院捜し、ギバルテス来襲、森下こよみ&の弓子の再会、姉原美鎖参上
第2話 wizardry ★ 6年後、こよみの姉原邸訪問、デーモン知覚能力、秋葉原アイドル事務所事件
第3話 Deus In Machina ★ 古典魔法使い(弓子)&こよみのデーモン追跡、弓子の6年ぶり美鎖邸来訪
第4話 jini ★ 改造ウィルス犯人捜し、ホアンと美鎖の接触、プールの悪戯精霊(ジニ) ※水着回
第5話 jump off into never-never land ★ 6年前の12/24(第1話の続き)、ギバルデスの目的(ケリュケイオンの杖に封印された伝説の魔女ジギタリスのライブラリ)
第6話 ghostscript ★ 百貨店屋上の魔法戦(ギバルテスvs.美鎖/弓子/このみ、弓子の両親からのプレゼント)、このみ帰還{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
第7話 voodoo programming ☆ このみの魔法アイテム選び
第8話 scratch monkey ☆ 美鎖の過去回想、搭乗機への爆弾警告メール、賢十郎の剣窃盗(ゲーリー・ホアン)、緊急着陸成功
第9話 Open DeathTrap ★ ギバルテス復活、新築高層ビルへのおびき出し、美鎖vs.弓子、美鎖死亡?
第10話 quick-and-dirty ☆ 瞬間移動のコード(坂崎嘉穂活躍)、秋葉原へ 
第11話 Dragon Book ★ 美鎖のゴーストスクリプト、魔法使い殺し(姉原聡史郎)、美鎖生存確認、伝説の魔女ジギタリス・フランマラキア復活(弓子の筐体化)
第12話 TMTOWTDI ★ 続き(伝説の魔女vs.美鎖のGS、このみの献身・ジギタリスの怨恨氷解、ホアン&美鎖GS異世界へ)、後日譚{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「programing for non-fiction」
ED 「Made in WONDER」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

マジ天使 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

基礎教養あること前提アニメ

主人公こよみは単一の魔法であれば無害なタライを召還する強力なディスペル使いと現代最強の魔法使いで師匠である姉原 美鎖。
設定だけでも中々面白そうだけど、魔法をソースコードで実行するっていうのは奇抜で面白い時代背景と思い視聴しました。

個人的にプログラミングを触ったことがあるためタイトルに作者の遊び心もあり興味を引くものががありました。「※1 Hello world」「ghost script」など
※1 『画面上に文字列を出力する非常に簡単なプログラムでプログラマーなら一番初めに覚えるプログラム』
あとは、劇中に写るモニタにソースコードがあったり何気ないところで楽しめました。

ただ、アニメとして視聴すると敵に魅力を感じなく現代に蘇った古典魔法使いの扱いがイマイチ、戦闘も派手とは言えず、他の魔法アニメと比較すると厳しい評価をつけざるおえない。

設定は光る物があったのですが、基礎教養があること前提で話が進んでいるのでパソコン用語知らないとよく分からない作品。演出やシナリオなど奇をてらいすぎて逆に「よくわからない現代魔法」とは皮肉にも上手い例えであるといえるでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

73.2 14 科学で友情なアニメランキング14位
Dr.STONE 龍水(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (203)
841人が棚に入れました
テレビスペシャル『Dr.STONE 龍水』ではアニメ第2期「STONE WARS」の続きの原作エピソードが描かれ、いよいよ石化光線の謎に千空たちが迫っていきます。新キャラクター“七海龍水”(CV:鈴木崚汰)も登場し、ますます目が離せない展開に!是非ご期待ください!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

※科学使いは経済学や心理学も活用しますw

【物語 4.0点】
3期を前に、世界を石化した“発生源”となった地球の裏側への大航海に向けた
人材獲得、船舶製造、資源発掘などの準備回を描く。


原作未読組なので、この先の展開は分かりませんが、
連続アニメの中でヤマ回にはなり辛いけど、
どうしても説明しておかねばならない話を、1時間SP番組枠で済ませておく。
巧妙な構成だと感じました。
これなら3期も、続編物にありがちなスタートダッシュにもたつく苦境は軽減できると思われます。

また3期で交代する新監督のウォームアップという意味でも単話構成は有効かと。


準備回とはいえ、{netabare}富士山噴火数発を経た地形変化{/netabare}などには文明崩壊後3700年というスケールを再認識させられました。
{netabare}採掘→即燃料化できる軽質油が産出する相良油田{/netabare}には静岡やるじゃんって時めきました。

千空の科学使いぶりが、化学だけでなく、通貨発行による経済分野にまで及んだのが腹黒くて可笑しかったです。
浅霧 幻とタッグを組んで仕掛ける相場操作術などジーマーでゴイスーな詐術w
こんな小さなコミュニティーでも貨幣経済は回りますし、人は金に踊らされるのですw


【作画 3.5点】
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント

滑り出しの人物作画等は低調。
が、クライマックスの{netabare}文明崩壊後初の飛行体験{/netabare}では、
風との戦いも含めて描写も背景美術もギアを上げて、
3期の冒険に向けて作画班も準備万端。


【キャラ 4.0点】
作品タイトルにも掲げられた船長要員の新キャラ・龍水。
セレブの息子≒温室育ちの無能なお坊ちゃまというマイナスイメージを高笑いで一蹴。
いきなり無一文から{netabare}石油の先物取引{/netabare}で勝ち組に返り咲く金融リテラシーの高さ。
文明消滅した今なら世界の全てが俺の物にできるという成功者の超ポジティブ思考。
濃厚なキャラで、巨星・司が抜けた穴を埋める。

その龍水の復活に重宝した元・女性記者のリサーチ力。
脳筋マンパワー部隊の操縦法。
千空が航海準備に“司帝国”の人材を活用した辺りにも、
2期で長期的視野に基づいて、少ない被害でちゃんと“戦争”を終わらせた成果が現れています。
何より千空の人間が一番大事との1期以来持ち続けている信念が改めて伝わって来ます。

『ドクスト』と言えば千空の科学ロードマップを眺めるとウットリしますが、
千空や原作者の脳内にあるであろう人物相関ロードマップについても一度、詳細な図表を見てみたいです。


あと覚醒した手芸部員は北斗神拳?を操る狂戦士ですw


【声優 4.0点】
七海龍水役の鈴木 崚汰さん。
開口一番「はっはー!」と叫び作品制圧に着手。
あとは千空役の小林 裕介さんや浅霧役の河西 健吾さんと駆け引きしたり、
クロム役の佐藤 元さんと真の冒険のプロは俺だとマウント取り合ってみたり。
このアニメ、ボイスもどんどん濃密になって暑苦しいですw

龍水は「女たちは皆美女だ」とナルシズムも全開ですが、キャストはそこも好演。
(同じく鈴木さんが演じる『かぐや様』石上会計にこの女誑しぶりが1%でもあれば告白成功するのにw)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の加藤 達也氏、堤 博明氏、YUKI KANESAKA氏による共作。
金管、ストリングス、ピアノにパイプなど民族音楽要素もアレンジしたお馴染みの原始世界風。
加えて今回は{netabare}“デパート千空”のファッションショー{/netabare}にてポップなサウンドで新機軸も開拓。
堅調な文明復興を音楽面でも印象付ける。

OP主題歌はBURNOUT SYNDROMES「Good Morning[New]World!」
1期OPをオーケストラでアレンジしてスケールアップしただけでなく、
2番に“海”、“航路”、“新天地”を織り込んだ歌詞が、作品を的確に捉えていたことを証明。


【感想】
原作既読組からは『ドクスト』はこの先ゴイスーなエピソードが待っているとの好評も聞こえてくる本シリーズ。
来年放送予定の3期以降も期待して待ちたいです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

知りたい!という気持ちの生み出すパワーに元気を貰える作品

原作未読。アニメシリーズ1期、2期視聴済み。
3期始まる前のテレビスペシャル版として1時間枠で放送された"龍水編"のレビュー。

冒頭1期2期の振り返りを入れつつ、新たに仲間に加わる"七海龍水"と、資源の王様"石油"を巡る冒険が描かれます。

久しぶりにDr.STONEの世界を見て、改めて面白い作品だなと思いました。1時間飽きることなく、ずっと面白かった。科学の力でなんでも作ってどんどん前へと進む姿が希望があって、とても元気出た。科学パワーももちろん凄いんだけど、人間の探究心とか好奇心から来る凄まじいパワーを感じられる、根元もちゃんとしてる作品だなって思いました。キャラも1人1人魅力的だし、とても満足度高い。
ただ、洋服作りについてはちょっとご都合主義感、やりすぎ感があったかな。

新キャラの龍水、尖ってる濃いキャラで物語に新たな刺激を呼んでくれたように思います。尖ったキャラもうまく物語に組み込んで進むので、相変わらずの安定感ありました。

龍水というキャラの見た目とキャラ性に削ぐわぬ、太くて圧のある声をあてている鈴木峻太さんの演技も良かったです。

2023年春放送の3期への期待が更に高まる素晴らしい作品でした。1期、2期みてる人は間違いなく楽しめるし、この作品から見てもそこまで物語に置いてかれることは無いと思うので、興味がある方は視聴オススメします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

準備

Dr.STONEの2期の続編になります。
サブタイトルが龍水ですが、外伝ではなく続編ですので、3期までに見るのをオススメしたいのと、2期までの話は先に見ておく事を強くオススメします。

今回は、新キャラの龍水が登場します。
龍水がどんなキャラなのかわかりやすい性格をしていますねw

今回は{netabare} 船制作、石油探し、通貨の解禁、地図制作、気球制作 {/netabare}がエピソードのベースになっていて、安定の面白さがあります。


中でも私がよかったと思うのが気球ですね。
空はいいですね。
私は陸や海より空が好きなので空が題材の作品は好きなのですが、Dr.STONEでも気球のエピソードは面白かったですね。

{netabare} 積乱雲に巻き込まれて上昇気流に乗って脱出するのですが、最初は少し歪み気味だったクロムと龍水がお互いがお互いを認め合う姿はよかったですね。

後は雲をドラゴンに見せる演出もかなり好きでした。 {/netabare}

後はやはりDr.STONEの魅力の1つの「学び」と言う点ですね。
{netabare} 素人でも東には飛べるけど、西に飛ぶのは難しいなど今回もかなり学びが多い魅力もたくさんありましたね。 {/netabare}

2023年春から第3期が放送されます。
この話も3期までには見ておかないと内容が解らなくなるかもしれません。

そして、Dr.STONEは完結しているので原作ストックもあるし期待しちゃいますね。

この話は、これからの物語の準備的な役割がある大切な回でしたし来年の楽しみですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

61.6 15 科学で友情なアニメランキング15位
宇宙ショーへようこそ(アニメ映画)

2010年6月26日
★★★★☆ 3.6 (160)
677人が棚に入れました
村川村は、都会から遠く離れた自然囲まれた土地。夏休みの子供だけの合宿のために小学校に集まった夏紀達5人は、行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れるのだが…。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、生月歩花、鵜澤正太郎、松元環季、吉永拓斗、藤原啓治、中尾隆聖、五十嵐麗、小野坂昌也、竹田雅則、宮本充、飯野茉優、江川央生、斎藤千和、伊藤和晃、日髙のり子、銀河万丈、飛田展男

ガチHOMO野郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙かわいい

名前だけは知ってたけど観たことなかったシリーズ第1弾は本作、『宇宙ショーへようこそ』です。
長いことレンタルのパッケージだけ見て手を出さずにいましたが、実際観てみるとパケ裏のあらすじなどなどによる逆詐欺だったことが明らかになりました。

なんといってもこの作品の見所はキャラの良さ。
どいつもこいつもいい奴ばかりです。
キャラ付けはちょっとありがち感とか漂いますが、今の時代ありがちじゃないキャラは大体どっか破綻しているので物語を進めるのに適したキャラクターだったと思います。
あと宇宙人のデザインが秀逸。
キモかわいいという表現が一般的な気もしますが、個人的には直球かわいかったです。
後述する某キャラなんて家で飼いたい。

次に作画。
劇場版だけあってやはり流石の出来でした。
狂気の作画や手抜き風味などもなく、非常にハイレベルです。
あと序盤の色味とかがジブリ風味に感じられましたがそこはまあ個人の感覚ということなので深くは突っ込まないでいただきたい。
また色々な架空の存在の造詣が素敵です。
個人的には、過去これ以上俺好みな宇宙はトップをねらえ!以外では観たことないです。

音響面はまあ劇場版のクオリティだな、って感じで特筆すべき点を見出せませんでした。
唯一語るとしたら「Happy Birth Day to You」ですかね。
あれはすごい耳に残ります。

ここまで色々と書いてきましたが、ひとまず断言できるのはサブキャラの宇宙人、インクショップの看板娘であるインクちゃんがかわいいってことです。
まったくもって美少女キャラではございませんが、メインキャストのヒーロー(女)、ヒロイン(女)を押しのけてかわいいです。
言うなれば小動物。
頭部の髪の毛っぽい部分がメインの腕みたいになってるので乗り物のハンドルを切る時とか首を傾げてるみたいでマジたまりません。
上のほうで色々褒めたり貶したりしてますけどそのシーンだけでもこの作品を観る価値があると思います。
マジです。

そんなわけで、あなたも是非夏のバカンスに宇宙旅行をお楽しみくださいってこった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

たま。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

詰め込み過ぎ

かみちゅ、R.O.Dで評価された舛成孝二監督作品。

小学生達が宇宙人と出会い、一緒に宇宙旅行するといったお話。ちょっとドラえもん的かな。(宇宙人は皆様いると思いますか?私はいると確信しています。)
ただ、さすが舛成孝二監督ということもあり、話がちょっと大人向けなのと、二転、三転します。ただその展開が私には急展開すぎる。姉妹愛やら、バトルやら、友情やら、色んな要素を詰め込めるだけ、詰め込んじゃったから、話があっちやこっちに飛びすぎて収集がつかない結果に、、、、、結局なにがしたいのかわからない作品に、、、、、

私は映画館で見たのですが、必死に睡魔と戦っていました。

作画はすごく良かったし、話の運びとしてはそれほど悪くはないので勿体無い。1クールくらいかけてじっくり作った方が良かったかなと思える作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

インクちゃん可愛い!

R.O.D、かみちゅ!などを作った監督・スタッフによる子供向け劇場作品。
田舎に暮らす5人の小学生が犬型宇宙人ポチと一緒に宇宙人が住むいろいろな惑星に旅をするというお話です。
この世界では、宇宙中でネットワークが築かれていて多種多様の異星人が交流さかんですのに、
地球人だけ、無人島暮らしみたいに本当になにも知らされてないマイノリティなんだなwて思いました。
その理由もちょこっとですが、触れられていますけどね!

月に到着してからのちょっと驚く展開とか、異星人の女の子と仲良くしている場面とか、
いろいろワクワクしながら前半部分は楽しく観ていました。
作画や宇宙関係の美術設定がとてもいいですし、これは隠れた名作かな?と思ってたんですが、
他の人も書いてますが、後半部分になったらパワーダウンしましたねw
悪いことをした連中の掘り下げが不足していますし説明不足ですし
対決の部分とかに、あまり盛り上がりを感じませんでした。

ふたつの友情をテーマにして物語は終盤に向かい、名作になる可能性はありましたが、
シナリオの練り込み不足で、もうひと押しが足りないかな?と思いました。

繰り返すようですが、ポチの故郷に到着するあたりまでは高評価なんですけどねw
本当に惜しい作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

57.6 16 科学で友情なアニメランキング16位
探偵チームKZ事件ノート(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (63)
353人が棚に入れました
友だちや家族、また成績に、なやみやコンプレックスを感じている
小学6年生の立花彩。

あるとき、塾で出会った超・個性的な男子4人と「探偵チームKZ(カッズ)」を組むことに!!

個性豊かな「探偵チームKZ」が、事件にまきこまれ、時にぶつかり合いながらも、それぞれの特技、専門知識を使い、協力して、事件を解決にみちびきます!


声優・キャラクター
巽悠衣子、斉藤壮馬、寺島拓篤、西山宏太朗、市来光弘

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「探偵チームKZ事件ノート」←毎回この台詞から始まる構成が何気に好きでした^^

この作品の原作は未読ですがNHKEテレで放送されること、キャラデザが好みだった事から視聴を決めた作品です。

ポンポン視聴する作品を増やしていくとどうなるかは理解しているつもりです・・・でも、一度気になっちゃうと視聴せずにはいられないんです^^;
そして第1話・・・私好みのキャラデザの登場人物が可愛らしく登場した時、「あぁ、視聴を決めて良かったな^^;」と心底思いました。

この物語の主人公は小学6年生の立花彩・・・引っ込み思案で周りの視線が気になって仕方ない彼女は、友達と呼べる人もなく、独りで過ごす時間の多い女の子です。
勉強や運動も決して他人よりできる訳ではありませんが、唯一国語が得意なのが彼女の取り柄になっていたようです。

「一芸に秀で、その芸で身をたてる」
はちょっと言い過ぎかもですが、国語の得意な彼女は塾で特殊クラスに入れることになったんです。
そして、そのクラスには「サッカーチームKZ」の4人のメンバーが在籍していたんです。
KZのメンバーといえば女の子の黄色い声が飛び交う超人気者です。
かかわり合ったら人の目が・・・
現状の自分の立ち位置を理解している彼女でしたが、KZのみんなはそんなの全くお構い無し・・・

そんなある日、KZのメンバーの一人である若竹の自転車が盗まれるというトラブルが発生するんです。
「絶対犯人を見つけてやる!」
それぞれ得意分野を持つKZに国語の得意な彩が加わり、「探偵チームKZ」の物語が動いていきます。

探偵とはいえ彼らは小学生・・・扱う事件も身の回りにおける些細な出来事なんですが、これが結構面白いんです。
時折小学生には無理なんじゃ・・・という設定も無いわけではありません。
でもそこはフィクションという枠の中でKZのメンバーが輝ければ問題無いと思います。

物語は大きく4つについて描かれています。
①消えた自転車は知っている
②卵ハンバーグは知っている
③裏庭は知っている
④バレンタインは知っている

どれも題材は身近ですが、タイトルから内容が想像できないところに面白さがあるのかもしれません。
そしてこの作品は謎解きと同時にチーム内のキャラを掘り下げています。
この掘り下げがあるから、チーム内での言動やつかず離れず・・・だけど自分の得意分野でしっかり事件を解決へと結び付けるお互いの役割で繋がっているのが分かります。

引っ込み思案だった彩ちゃん・・・探偵KZでの活動を通してどの様に変わっていくのかが見どころです^^

でも私の中で唯一分からない事があります。
何故16話という半端なタイミングで終わってしまったのでしょうか^^;?
1クール12〜13話なので、14話目の放送を知った時・・・嬉しかったんだけどな^^;
まさかそこからあっという間に終わってしまうなんて・・・

作品が放送されていたのは平日の夕方・・・小学生もたくさん視聴していると思います。
でも内容的に実際の小学生が真似できるモノではないから実害も無いと思いますし・・・
少しwikiを見てみたら原作のストックもまだありそうですし・・・

主題歌はダイアナガーネットさんの「難解!ミステリー」
楽曲を購入するまで歌い手がアメリカ人だったとは想いもよりませんでした。
日本語がとても上手でビックリでした。
これからの活躍に期待しています^^

全16話の作品でした。
この作品の様にお互いの長所を発揮しながら仲間と一緒に事件を解決していくスタイルは、正に一昔前の日本の仕事の仕方と重なります。
高度経済成長期に私達の先人達が編み出した業務スタイルですが、私達はだいぶかけ離れてしまいました。
現在、当時の日本の成長の秘密や法則を学んだ外国人が様々な著書を出版しており、今の私達が現状を打開するためにその著書で勉強しようとしている・・・なんて皮肉なモノです^^;
こんな堂々巡りをするなら、もっと先人の教えをもっと貫いていれば回り道すること無かったのに・・・と思ったりしています。
今の私達に足りないモノを教えてくれる・・・そんな作品だと思いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

buon さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

出しゃばっちゃダメ絶対

割とね、好きだった。
けど、来期忙しそうだから切ります。ガン○ムが2クールだし。

さて、この作品はある意味○ナンくんより悪影響を及ぼしそうな気がします。
もっと大人を頼りましょう。

内容は小中学校でちょこっとした出来事から芋釣り式で大きくなって、
「あ、あかん」って大変な感じなのにちびっ子(?)が解決してきます。

あやちんはまあまあかわええ、それはOK。
けどね、男、男共、
おまえら何やってんだよ!
もっと輝けよ!!
もっとキュンキュンさせてくれよ!!!
「えっ、そ、そんな、こんな気持ち、は・じ・め・て♪」って慄かせてよ!!!!
キャラデザも作画ももっと気合い入れろよ、もっと熱くなれよっ!!!!!

これ、原作の方が面白そう。
なんか小説かなんだかそれっぽいのらしいけど。

逆ハーレムのときは、男がもっとがんばりましょう、以上。

【2015/11/18】おーる3っていうか多分、未評価

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

ねるる さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

典型的な同性に嫌われるタイプな主人公

友達が出来ず浮いてる主人公が、人気者の男子達で結成されている探偵チームKZ(カッズ)に入り、身近に起こる事件を解決していくお話。雰囲気は〇研ゼミとかに入ってくる漫画みたいな感じ。今もあるのかな?

正直つまらないアニメだった。

とりあえず主人公が自分のことしか考えていないキャラなので不快でした。そしてそれを何故かチヤホヤする男友達という構図なので、絶対女子に嫌われるやつだと思いながら見ていました。特別いい所ないのに強気だし、全く魅力がない主人公でしたね。

事件も、中学生なのにどこでその情報手に入れてきてるの?みたいな事ばかりだし、結果倒産とか逮捕とかされる割に本人たちはケロッとしてて、なんだかなーと思ってました。

声優だけは豪華だけど、豪華でも全然見る価値ないアニメでした。久しぶりにこんなにつまらないアニメを見た。何もいいとこないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

50.4 17 科学で友情なアニメランキング17位
チャージマン研!(TVアニメ動画)

1974年春アニメ
★★★☆☆ 2.4 (123)
343人が棚に入れました
宇宙からの侵略者を相手に、超科学の強化服を装着して戦う少年ヒーローの活躍を描くSF冒険もの。21世紀後半。地球は高度な科学文明を築いていたが、そこに侵略者・ジェラル星人の魔手が迫る。はるか200万光年の彼方から来襲した強大な侵略者相手に戦うのは、スーパーヒーロー・チャージマン研。その正体は、特殊強化服で超パワーを得た泉研少年だった。陸海空を自在に進む愛機スカイロッド号に乗った研の戦いが続く。72年の先行作『アストロガンガー』で巨大ロボットアニメを手がけたアニメ製作会社ナックが、続いて挑戦した正統派SFヒーローアニメ。平日の夕方、毎回10分で1話完結の帯アニメとして製作放映された。

ワタ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

かわいそうなボルガ博士。

40年前に放送された伝説のキチ○イアニメ。
キャスト陣の絶妙な滑舌、陰毛が映り込む背景、味わい深い余韻を残す尺余りに加え、
「倫理観?整合性?知らんな」と言わんばかりの超展開の連続など見所満載。

全65話ですが、OPEDを除けば1話5分半ほどのショートアニメなので、約6時間で完走可能。
ただし、ぶっ続けで見てしまうと「エエ゛ーイ!」と奇声を発したり
これから毎日家を焼きたくなったりするなど、精神に異常をきたしかねないので注意。

主人公・泉研のヒーローとは思えない鬼畜外道っぷりは笑えるんだけど
それ以上に、あの憎たらしい表情やポーズを見るたびにムカついてくるので
敵であるジュラル星人に肩入れしてしまうことに。
ビジュアル、やたら回りくどい作戦・・・妙に愛嬌を感じさせてくれます。

このようなキ○ガイアニメを作ったスタッフに敬意を表して
評価はオール☆1とさせて頂きます(MAD動画として見ればオール☆5)










   






   ξ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

恐怖!糞レビュー

        £

「ナレーション」
今日は「チャージマン研!」という糞アニメを紹介するんDA!
1974年の作品で全65話だけど1話実質5分半くらいのアニメなんだDA!
1話あたり50万円という低予算で作られて、
スタッフたちの熱意もまるで感じられないんDEATH! 分かるだろ?
ちなみにこの情報はwikiからパクっただけなんDA!

「タイトル」
恐怖!糞レビュー        ζ

ムスカ「レビューの途中ですが、臨時ニュースを申し上げます
今日朝方、アニメレビュー投稿サイトのあにこれに何者かによって糞レビューが投稿されました」

ムスカ「レビューの途中ですが、臨時ニュースを申し上げます
今日朝方、アニメレビュー投稿サイトのあにこれに何者かによって糞レビューが投稿されました」
(大事なことなので二度言いました)

研「パパ、これには何かある。僕調べてきます」

(アニメレビュー投稿サイトあにこれにて)
takarock「ふふふ、今日はいい糞レビューを投稿できたぜ」

研「これはひどい。お前、さてはジュラル星人だな!」

takarock「あっ!貴様はチャージマン研!!何を根拠にそんなことを!」

研「黙れ!僕の目は誤魔化されないぞ!こんなキ❍ガイレビューを書くのは
ジュラル星人に違いない!」

takarock「おのれ、こしゃくな。
糞レビューを広めることによってあにこれを滅ぼすという計画を邪魔しおって!」

研「やはりお前はジュラル星人だな!どうも怪しいと思っていたんだ!許さないぞ!」

研「チャージ ゴオォォォ!!!(やる気のない声)」

研「えい!!(光線銃発射)」

takarock(ジュラル星人A)「うわああああぁぁぁ!!」

研「  (光線銃発射)」

takarock(ジュラル星人B)「ぎゃあああああぁぁぁ!!」

takarock(ジュラル星人C)「たぁ!!(目からビーム)」

クルクル回転しながら研「それ!!(光線銃発射)」

takarock(ジュラル星人C)「いやぁぁああああ!!」        〆

(エピローグ)
研の妹キャロン「うーん、上手くレビューが書けない~」

研「お嬢さん♪ 少しはいいレビューが書けましたかね?ふふふ」

キャロン「もう~!お兄ちゃんのいじわる~!!」

研「アハハ、アハハハハ」






















(尺余り)完。                  ξ


「おまけ(シリアスギャグについて)」


{netabare}シリアスギャグとは、シリアスな話なのに何故か笑えるというタイプの笑いです。
元々は、制作側が笑わせようとする意図のない箇所を消費者があげつらって笑う、
早い話が小馬鹿にするということだと思います。
ネットの普及によって不特定多数の他者との情報の共有化が容易になったことによって
一般化した笑いのタイプだと私は思っています。
ニコニコ動画と言えば分かりやすいと思います。

シリアスギャグには、基本的に劇中にツッコミ役など存在しません。
ツッコミ役はユーザー側が担うことになります。
それも当然の話で、ツッコミ役が劇中にいるということは、
それはすなわち、制作側の意図した笑いということになるでしょうからね。
劇中のツッコミ役に頓珍漢なことを言わせてユーザー側にツッコませるというパターンも
ありますけどね。

そもそもツッコミというのはボケが生み出したズレ(ギャップ)を修正するということです。
上方漫才のツッコミ役が発する「なんでやねん」は
何故そうなるの?という意味で使われることが多いわけですが、
これをもっと突き詰めて言うと、
「通常(常識)ならこうなのに、何故そのようなズレが生じているの?」ということです。
笑いというのは、このズレ(ギャップ)なくして成立しないでしょう。

ズレの種類(お笑いのパターン)というのは、もはや出尽くされており、
このズレはこの芸人さんがやっていたパターンといった具合にすべて分類可能だと思っています。
ですので、ズレを認識できるかどうかというのは理屈によって可能ということです。
ズレを認識できるからこそ、それに対して「なんでやねん」とツッコめるわけですから、
ツッコミ役は論理的思考能力が求められることが多いということだと思います。
本作を楽しむ為には、このズレを認識できるということがまず求められます。

ズレは認識できる。ただ、それの何がおもしろいのか分からない。
どのようなズレを生じさせるかというのは発信者の感性なり個性によって様々であり、
それを受信者がおもしろいと思うかどうかというのは、これはもう好みの問題です。
発信者が意図しないで生じさせたズレは、通常天然系のお笑いと言われます。
陳腐な作画や音楽、空気を読まないキャラの言動等、
大きな括りで言えば、本作は天然系のお笑いアニメと言えるのかもしれません。
それが自分のユーモアセンスと合うかどうかは観て判断してみてください。

2つの要件を満たした場合、本作を最大限楽しむことができると思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33

こたろう さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

最悪・最低も、極わまるとむしろ人気になるという不思議

世に三流といわれるものは数多くあれど、三流の中でも傑出していると際立ってしまい、イジるネタとしてネット上で話題になる・・・・そういう時代ですね。
チャージマン研!は、まさにその典型例。
動画サイトなどで検索してみると、そのカルトな人気ぶりが伺えます。
「昔の作品だから仕方ない」という一言では片づけられないカオス。ネタ作品として、これ程見所が満載なのも珍しい。
ツッコミに次ぐツッコミでアッという間の5分間です。
もう、視聴してて、忙しいったらありゃしないッスw


真面目に解説するのもアホらしいですがw、一応どんな内容かと申しますと、悪い宇宙人から地球を守る正義の味方、チャージマンの活躍を描いたお話。
研という少年が変身して未来チックな乗り物や光線銃を駆使して悪と戦います。まー、”男の子用TVまんが”ではありがちな設定です。悪者が悪さをして正義の味方がやっつける、めでたしめでたし、チャンチャン♪
毎回、これを繰り返すだけの五分間のショートアニメです。(全65話)
設定や作風はごくありふれた、古臭い泡沫作品と何ら変わりはありません。

さて、そんなチャージマン研!ですが、現代になって着目されるのにはもちろん理由があります。
動画サイトで、通称「チャー研」と呼ばれて愛される本作。特筆すべきところは、やはりその品質の低さ。
崩れまくる作画、紙芝居でも再現できるような動かない動画、棒読みで早口の聞き取りづらい声優、映像とズレるテンションの低いアフレコ、気まぐれにしか入らないSE、無音になるシーンもしばしば。
毎回が放送事故?といってもいいレベルです。

映像的に酷いのもさることながら、それにも増して凄まじいのが内容の破綻ぶり。突き抜けています。
たぶん、このアニメの制作現場で重要視されていたのは、ストーリーでも作画でも演出でもなく、”五分間持たせる事”、いわゆる尺稼ぎ。ただその一点のみ。
どこかからパクってきたエピソードで合間を繋いで、時間が来たらとにかく畳む。それまでどんな話が展開されていようと、だいたい最後は「もう、めんどくせぇ」って勢いでチャージマンは敵を皆殺しにして終わります。もうね、研が変身したら問答無用の虐殺タイムの始まりです。

敵じゃない一般人でも、不都合ならもちろん見殺しにします。ヒデェ利己的な正義のヒーローですw

ネタとして笑わせようとか、奇抜なことをやってやろうという意図からくるものではなく、なんというか「子供のみるものだから、テキトーでいいや」的なやっつけ仕事の産物なんですよね、コレ。まさしく子供だまし。子供をなめんな!アニメをなめんな!!って言いたくなっちゃいますが・・・・・予算、無かったんでしょうねぇ。

そのあまりの出来の悪さに大爆笑。
悪趣味ですが、嘲笑の対象として、これほど傑出したアニメは他にみたことがありません。

視聴なさるのなら、ニコニコ動画のコメント付きで。
みんなでツッコミながらみるのが、このテの作品のお約束ですw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38
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