相棒で組織なおすすめアニメランキング 18

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの相棒で組織な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月23日の時点で一番の相棒で組織なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.4 1 相棒で組織なアニメランキング1位
風都探偵(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (76)
235人が棚に入れました
【最速配信】2022年8月1日(月)~※U-NEXT独占配信
翔太郎とフィリップにより風都は守られたはずだった。 しかし街の裏側では未だ怪現象が多発している。 そんな二人の前に姿を現した 謎の美女・ときめ。 そして新たなる邪悪な影。 今、仮面ライダーWの新たな戦いが幕を開ける。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

あきちゃん:「仮面ライダーWの続編って、なに!? わたし、聞いてない!」

第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

そもそも特撮ヒーロー物『仮面ライダーW(ダブル)』(2009年)の続編が『風都探偵』というタイトルで漫画作品として描かれていて、私は原作漫画は未読なんですが、本作はその漫画からのアニメ化なんだそうです。

じゃあ『仮面ライダーW』(以下、「本編」)を知らないと楽しめないのかというと、そんなことはなくて普通に相棒(バディ)物、変身アクション物としてそれなりに楽しめるんじゃないかとは思います。知らんけど。

10年以上前の作品のリブートとしてはエピソードは古臭くは感じませんし、作中のガジェット(小物)も今でも通用する感じです。またフィリップの能力は地球に関する森羅万象についての検索という当時としては先進的な物です。本編の先見性のなせる業なのかもしれませんね。

ただ変身してからの「おまえの罪を数えろ!」や鳴海亜樹子の「あたし、聞いてない!」などの名セリフは本作においても健在です。

翔太郎とフィリップは、『風都探偵』でも仮面ライダーとして風都をガイアメモリによる犯罪から守るために戦います…。


原作漫画が本編の続編という成り立ちであるため、キャラクターデザインは本編に出演していた役者さんたちの顔に寄せたものになっています。

アニメ化にあたってさすがに「本人出演」というわけにはいかなかったわけですが、わりと本編のイメージを崩さないキャスティングが意識されているようで、声を聞いていていてわりと違和感はありません。素晴らしいですね。

1つのエピソードが何話かに別れている時にコルクボード的な背景で人物相関図が示され「前回の仮面ライダーW」で始まる形式が踏襲されていたり、楽曲面でも本編が意識されたものになっています。


本編は主人公の左翔太郎(ひだり しょうたろう)が鳴海探偵事務所に所属する私立探偵、そしてその相棒のフィリップ(園咲来人(そのざき らいと))が二人で一人の仮面ライダーに変身するヒーロー特撮でした。

本編放送当時にUSBメモリが普及しだしたという時代背景のせいか、ライダーや敵の怪人(ドーパント)の変身に使用される「ガイアメモリ」は、形がUSBメモリに類似しています。

本編にはいなかった新キャラ「ときめ」は何者なのか、そしてどんな新しいストーリーが紡がれるのか…。

余談: 第4話に出てきた「風祭メグ」の名を聞いて「時祭イヴ」の名前を連想した人はけっこういるかもしれない…。

2022.10.31追記:
最終話まで観終わりましたが更新が遅れていました。「3話毎に1つの事件」という構成を維持して4つの事件が扱われましたね。

あと、毎話ストーリー本編の後にミニアニメがありました。どれもネタに走った内容でしたが、元ネタがわかるとけっこうジワる感じで私は嫌いじゃなかったですよ。

原作が続いているということもあるので「ラスボス倒して万事解決」とはならないのですが、それなりに良い区切りで終わって楽しめました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

マダオボイスガジェット<45>

3話視聴
やっと最初のエピドードにケリがついた。
まんま特撮の方と同じラインやんけーって感想なので、ニチアサ見て満足するかどうかってとこに判断ポイントがあったようだぜ。

変身はおあずけ<50>
1話視聴
導入部として興味引くところまでたどり着けなかった感があるけど、美麗な作画で持たせようといった初回。
お話として微妙だったけど原作ありだと尺が合わないこともあるだろうし、2話目で大きく動くらしいのでステイ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

仮面ライダーWの続編

{netabare}
仮面ライダーWの続編?
特撮に興味はないので、仮面ライダーWは未視聴だけど、特に問題なさそうだったので完走。アニメから入った勢としての評価。

基本的に話はミステリーモノの構成。
結論から書くと、毎回の話の着地点自体は気になるけど、ミステリーとしての出来はあまり高くなかった。
なんというか毎回、変なオチに強引に、不自然に持って行ってる感があって、面白さよりも、予想外の展開を作りたいという意思が先行して伝わってきてしまった。ミスリードも露骨だし。
最初の話の全員悪人オチはえぇ...ってなった。
旅館の話もミステリーとしてやるなら、ドーパントの設定や焼き印、メモリ周りの設定のことを最初から明示してくれてないと。
ミステリー感出してる割に伏線と言うものが余りなくて適当だった感が否めない。ウミガメのスープですかってレベルで変な設定が後付けされる...。

ただ、先の展開が読めない点で面白かったのは確か。
サスペンスものとして見れば常に場に緊張感があって良かったと思う。
面白かったのは翔太郎とフィリップの魅力も大きい。
さすが特撮アニメというべきか、男の自分が見ても2人の主人公がかっこよかった。
人情的な翔太郎が主に行動を起こして情報等をかき集め、知性的なフィリップがそれを分析...お互い長所を活かして協力しながら謎を解き明かしていくのがバディモノとして良かった。
特撮モノの基本ではあるけど、誰かのピンチに駆けつけて変身して戦う主人公達は素直にかっこよかった。
基本単独行動で的確な援護に入ってくれる照井さんもかっこいい。
良くも悪くもキャラアニメと言う感じでした。

戦闘シーン(と言うよりアクションシーンか)も文句なし。
特撮を良く知らないけど、裏風都でのアクションシーン(バイクアクション)はアニメだからこその強みを活かせていたと思うし、特撮ではなくアニメでやった意味があったと思う。

最後おれたたエンドだったけど、続編ありそうな気もするので期待。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
仮面ライダー見たことないけどw ナルシストかな?
こういう探偵系好きだわ。チェイスシーンかっこよすぎでしょ。
このデブ自分にワンチャンあると思ってんのかなw
運動能力凄い。EDいいな。

2話 ☆8
都合のいい検索システム。他にも殺されてる人いるのか。
変身シーンみせて。惚れてんのかw ミスリード臭い。こいつ誰だよ。

3話 ☆8
曲いいな。アクションシーンが良すぎる。街が…。
ちょっとミスリード狙いすぎてる感があるかなぁ…。
けど、結局こいつも追い剥ぎやってるんだよな? 全員犯罪者で草。

4話 ☆8
ゲーム壊される? リアイベ的なのもあるのか。曲いいな。
てかこいつらの動機なんだよ。意味深。やっぱ一話完結の方がいいな。
突然の死。

5話 ☆7
マーダー(直球) ゲーマーじゃなくてチーターじゃんそれ
誰だこいつ。正直ミステリーとしての完成度は低い…。
あの高さでよく生きられたな水とはいえ。

6話 ☆5
全ゲーマーへの煽り。やっぱり1話がピーク感あるなぁこのアニメ。
同じ話グダグダ引き伸ばしすぎなのかな。
1話完結の方が良かった感がある。

7話 ☆7
妖怪とは。好きな女選びたいと?
キノコの正体分かったら興味失せたというのは女に仮面させてる理由にもかかってる? 犠牲者多いな。

8話 ☆7
円盤では湯気が。
伏線ないから見せ方の割にミステリーにはなってないな。
普通に犯人1人にして欲しいわ。なんで逆張りしようとするの?
まあ先は気になるけどさ。こんな奴いたっけ?

9話 ☆5
いや、誰だよ。また逆張りオチ…。おばさんさよなら。
逆張りオチに無理やり合わせようとしているせいで細かい部分にすごく強引さを感じる。
女の集め方、謎に起こる殺し合い、そして寝かしつけての焼印…。
ドーパントの設定もこのオチ(殺し合い)のために作っただろって言いたくなる。それだけかよこいつw

10話 ☆7
一般人に用途バレする無能。よくこれで家壊れないな。
ジジイクソ有能じゃん。ホモくさい。
戦闘と話の導入回は面白いんだけどな。

11話 ☆8
あっちに戻れないじゃん。情報手に入れたとして向こうに行けるの?
神頼みかよw おじさんよく耐えてるな。トキメかっこいい。

12話 ☆7
殺されないんだな。確かに原子炉という大層なものの割には使用法がしょぼいw 裏風都の環境気にしなくともw
足で蹴りまくる攻撃ダサい。自分よりも裏風都に着くす組員の鑑。
ガイアメモリってフィリップの父が開発したんか。
トキメってこんなキャラだったんか。
これ2期ありそうな気がしなくもない。
これは仮面ライダーWでやった話なの?
まあキャラアニメだったなこれ、悪くはなかった。

曲評価(好み)
OP「Private Eye」☆6
ED「罪と罰とアングラ」☆8
3話挿入曲「W-G-X ~W Goes Next~」☆9
4話挿入曲「Let's go ahead」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

87.0 2 相棒で組織なアニメランキング2位
リコリス・リコイル(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (1026)
2866人が棚に入れました
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」 。 カフェが受ける注文は、おいしいコーヒーにあま~いスイーツ……だけじゃない!? ちょっとそこまでのお届け物から心細い夜道の送り迎え、ゾンビ退治から巨大怪獣…!? なんでもお悩み、相談ください! お客さまの「困った」をなんでも解決しちゃいます! 皆さまをお待ちするのは、いつもスマイル看板娘と、クールで真面目なド新人。働きたくないちびっ子に、結婚を焦るアラサー女子? そして店長は、日本かぶれのナイスガァイ!! どんなご注文(オーダー)も、おまかせあれ♪
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

24年8月 再視聴。キャラ配置と組織の思想について

24年8月 再視聴。キャラ配置と組織の思想について

 再視聴してちょっと思うところです。

 リコリスの理屈です。これは実はたきなで象徴しているのだと思います。国家の利益になるなら法が許さなくても、その行為は許されるというのがマキアヴェリズムですね。リコリス側の理屈です。同じことを実はたきながやっていて、人助けのためなら命令無視も辞さないという姿勢です。1話でたきなは結局失敗するのが、リコリスそのものであり、本作の象徴になっていた気がします。

 一方で、国家の安全安心は国民が自ら勝ち取るものである。間島の理屈です。善悪のバランスをとるために、銃を1000丁ばらまいたと。法の下ではリコリスこそ不法な存在であるという理屈です。法秩序から考えれば偽物の秩序の維持をこわそうという考えです。銃をばらまき破壊行為をすれば単なるテロリズムに見えます。しかし、国家が犯罪を犯している場合、そのテロリズムはテロリズムか、革命なのか。
 銃1000丁は彼はバランスと言っていましたが、国民の善悪の悪の量が少ない部分のバランスをとることが真の正義の実現のために必要という理屈でしょう。

 ここで千束が不殺の意味を考えると「人は人を裁けない」という考えにつながる気がします。ただ、不殺という点ではリコリスと対立関係にあっても、不法行為であってもリコリスの活動そのものには肯定的です。つまり、必要悪による現状維持は認めているということになります。それは社会の平和を維持することが、結果的に人命尊重につながるからとも取れます。
 千束が自分の命がはかないからこそ、人を殺せないというヒロイズムかとも思っていましたけど、それだけではない気がしました。

 で、以前まで私はアラン機関という組織が話が別の様に捉えていましたが、アラン機関の善悪を考えず、才能に投資するという考えはどうでしょう?つまり、秩序の維持ではなく優秀な人間こそ生き残るべきという選民思想に繋がります。そしてその才能を使えと言います。要するに弱肉強食、リバタリアニズムの象徴です。
 その代表が千束と間島という構造の意味ですね。結果的に今回の騒動の原因になりました。

 と、こういう構造があるのかなあと思いながら見ると、なかなか千束、たきな、間島のキャラ配置が組織の構造と関係性、思想のアナロジーになっていて面白いなあと思いました。

 2期は難しいですよね。ここまで作りこんだ関係性を再び動かすと、どうしても話のスケールがパーソナルな問題になりがちです。同じレベルの視点でしかも続編で描こうとすれば、無理無茶がどうしても出てくるでしょう。

 この作品、噛めば噛むほど味が出てくるので、見るたびに評価が上がりますね。過去のレビューがゴチャゴチャしているので後でまとめます。




23年11月 追記 スタンドバイミ―オマージュについて

 最近、スタンドバイミーを見返して、ちょっと感じたのが本作のOPの尻蹴りのオマージュです。

 スタンドバイミーは4人組ですが、特に悪ガキだけど悩んで少年と小説家志望の主人公の少年の2人が物語のメインです。

 この2人。ネタバレですが、{netabare}悪ガキだけど悩んでいる少年は、劇中で銃を持っていますが1度も撃たず、主人公の少年に銃を預けてしまいます。そして主人公の少年は銃をたしか2度使います。
 そして、悪ガキの少年は結末ですが、弁護士になっています。そして喧嘩を仲裁していて殺されてしまいます。

 あと、悪ガキたちが溜まっている秘密の隠れ家は、はしごが付いていています。
{/netabare}

 OPのオマージュ…スタイリッシュだからとか単なる遊びで…うーん、あそこまで露骨にやるかなあ、と思います。やっぱり普通のクリエータなら意味を込めると思います。それは正義と銃と結末だと思います。

 この銃とスタンドバイミーの結末を考えるとやっぱり本来の千束の最後は構想が変わったのかな…と思ってしまいますが、どうでしょうか?だから、名作になり損ねた気もします。ストーリーがよれた感じがするのはそのせいかな、と。まあ、2期があるらしいですが、本来は1期のストーリーなはずですので。 追記 終わり



キャラが良すぎて名作になれなかったのかも、と言う気がします。

 本作は萌え百合として、千束とたきなが余りにも秀逸だったのでしょう。おかげでキャラ萌えアニメのような認識になってしまったのは、かえって不幸だったかなあという気がします。やはり根底にあるのは、生命と使命の問題が一つ、そして正義の実行とは何か、だと思います。

 まず、生命と使命の問題は千束を追うべきなんでしょう。今更ネタバレでもないと思いますが、一応隠しておきます。

{netabare}  千束は心臓の病気を抱えて余命いくばくもなかった。吉松は千束の殺しの才能にほれ込んだ。吉松は千束に人工心臓を提供し助かった。吉松は千束に殺しをしてほしい。千束は助かった命に感謝し、他人の時間を奪いたくない。殺しをしない千束に、吉松は殺しをせざるを得ないように仕掛けて行く。

 千束の享楽主義で無駄に明るい性格は、生命に対する達観だと思います。カフェでおいしいものを食べる時に残された時間について言及していました。
 設定的に、幼い頃に手術を受ける前、塔の事件の時に既に殺しをしないのがいただけないと思います。
 助かった命だからこそ他人の時間を奪えないという千束の性格形成とそぐわない気がします。

 そして、心臓停止までのタイムリミットが出た後です。吉松が代替の人工心臓を自らに埋め込み、吉松を殺さなければ命が助からないと脅します。ここですよね。私はテーマ性を重視し、千束の命=殺しの使命という等価交換から言って、千束は吉松を助けて自らの命を諦めるほうが自然だったかなという気がします。そして、たとえ他人が吉松を殺したのだとしても、アラン機関に対する落とし前として、千束は移植を断るのが自然な気がします。

 無駄に明るい性格なので「助かっちゃった」も分からなくはないですが、あまりに千束が達観しすぎているので、もし助かるなら命への執着をどこかで見せて欲しかったなあと思います。 {/netabare}

 ここが本来クリエータならどうするだろう?と考えたとき不自然だと思いました。つまり初期段階であまりに人気だったので、2期に色気がでて初期の構想を変えたのかなあと。それで千丁の銃と真島が半端になったのかなと思いました。つまり、2期をやるならやり残したここがテーマになるでしょう。
 
 ただ、2期は苦労しているみたいですね。そりゃあそうでしょう。本作の一番の見どころである千束の命の問題が無くなるわけですから、何をやっても本作よりも軽くなってしまいます。


 さて、もう1つ。正義の実行。真島あるいはリコリス・DAの絡みになります。

 こちらについては設定で終わってしまったかなあ、という気がします。リリベルという機関を投入した割にあっさりでしたね。千丁の銃もにおわせで終わってしまいました。本来、こちらもケリをつけたいところです。1話からつながる大事な設定なのに放置ですからね。

 それとリリベルですね。私は初めリリベルって苦し紛れに作った組織かと思いましたが、6話に出てきた組織図で八咫烏という組織の下に君影草=スズラン=リリベルがありましたので、少なくとも構想には初めからあったのでしょう。あと、花葵=ハナアオイという組織もあるみたいです。

 ただ、正義の実行のテーマは難しいですよね。悪法も法なり…なら、コードギアスのスザクみたいなイライラの正論を聞かされるだけだし、そもそもリコリスが非合法だと思いますので。

 2期を作るなら見ている方としては、リコリスが自己否定して解散の流れしかないかな、という気がします。本来このテーマこそ、たきなのDAへの執着が活きてくると思うので、たきなをもっと上手く使えば描けたのにと思わなくはないです。

 この問題は法手続きにより公権力の行使の問題で、デュープロセスオブロウという概念の話になりますので、深掘りしようと思えばかなり深い話になってきますが、やっぱりスザクになっちゃうかなあ。話を作るのは難しそうです。



 ということで、何が言いたいかというと、本作は千束の生命と使命の問題に関して言えば、伏線や細かい演出、セリフなど緻密に作って合って非常によくできた作品だなあと言う印象です。テーマ的には千束の結論にちょっと納得がいかないところもありますけど、心情的にはもちろんよかったとは思います。

 一方で真島の方の話は中途半端だったですね。千丁の銃が話に活きてきませんでした。ここが減点要素ですかね。

 が、総括してみるとエンタメとしての出来がこれほどいいのに、結構重いテーマを入れてきたのは、すごいと思います。
 キャラが良すぎたというのが、ひょっとしたらテーマを描くのに、あるいは読み取るのにマイナスにもなった気がしますが、私の言いがかり…かもしれません。

 とにかく本当に面白い作品だったと思います。初めは萌え萌えのキャラに反発心はありましたが、2回目以降冷静になると楽しめました。


 現在、リアルタイムで視聴しながら書いた各話ごとのレビューや追記など、ごちゃごちゃしている作品をまとめ中です。主旨はほぼ変えていませんが、素その後気が付いたところを書き加えています。
 22年10月までに書いた内容を23年7月にまとめ・追記しました。

 評価は4.0→4.5と上方修正です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメファンの感性を残酷なまでに問われる惨い作品

日本国の治安を守る秘密組織機関に属するエージェント=「リコリス」と呼ばれる少女たち
「千束と たきな」 2人のバディを描いた物語。

銃撃戦もありますが、最大の見せ場は何と言っても
千束と たきな のバディの関係性の描写にございます。

人気実力を兼ねそろえた完成度が非常に高い超話題作。

エンタメ性も高くキャラも魅力的で評判は上々、一見の価値ありと
自信を持ってより多くの方々にお奨めできるタイプの作品であります。

お気楽吞気で全身脱力系の 千束 と
生真面目で融通が利かない たきな の凸凹コンビが繰り広げる
化学反応の超展開(けつキック合戦の模様を含め)どうぞご期待ください。

●メサイヤ×スクランブル~最終話視聴後の総合評価~
{netabare}総合的に考えると相棒系の物語としてはかなり上質の完成度であったと評価できますが
最終話で、 たきな の活躍が期待していた程ではなかったこと、そして
「心臓」の件は個人的には千束もしくは たきな の決断により解決してほしかったのですが
二人の父親同士の決闘の末、先生の独断?(あるいはすべてを見越した吉松氏の計略?)により
あっさり解決されてしまったのが少しだけ残念でありました。

「彼岸花」が暗示する「死亡フラグ」も吉松氏が全部引き受けることで
一番危うい立ち位置にあった千束、仲間思いの念が強すぎて見境なくなる
という意味で何かやらかしそうだった たきな も事なきを得たようです。

千束の二人の父親、先生と吉松氏のBL関係のごり押しは{netabare}あまりに露骨で悪趣味なものを
感じたので減点の要素としました。

実はエリートと呼ばれる人たちにBL系の人が多いというのは事実であり、ある意味アラン機関の
吉松氏が同様であるのもリアリティがあると言えばその通りですが、主人公の父親がともに
BL系というのはかなり微妙過ぎるものがあるように感じました。{/netabare}

人気・評判・実力の総合評価では今期最高水準であることを証明したような本作でありますので
続編が期待されるのは当然の成り行きでありますし、だからこそ千束や たきな の手によって
命の問題を解決させようとする結末を描かなかったのには理解はできるところもあります。
というのも、原理上、命の代償は命であるのが必然だからであります。

12話の展開の過熱感は限界突破をするほどの熱を帯びているように思えましたが
最終話ではピークアウトを迎え少しだけトーンダウンしたような印象も受けました。

ただ続編への繋ぎということならば、若干ぬるめのハッピーエンドみたいな締めでも
ファンにとっては好印象であったのかもしれませんし
まだまだ物語が続くなら、それを待たずして激辛評価というのも早計でありかつ
期待が持てる終わり方というのも印象は悪くなかったように感じました。
結論は、概ね着地成功という話にございます。{/netabare}

ざっくりレビュー{netabare}
1話 たきな は待機の命令違反を犯しリコリスの仲間を救出
この命令違反を理由に本部から左遷されますが、救世主に憧れる千束には好印象
たきな は仲間思いの「熱い」性格であることが判明します。

2話 千束のマトリクスディフェンス炸裂
カラシニコフは反動が大きいのでかわし易いということなのでしょう。
異常に目がいい千束は射撃手の腕の筋肉の動きから弾丸の起動が読めるというチートであります。

3話 健康診断受診前に飴を食べようとする千束に たきな が注意勧告
甘いものは血糖値を上げるからと正論を放つも実は思いやりがあるというのが たきな であります。
模擬戦煽り合戦で千束吠える!千束も たきな のこととなると熱くなります。名コンビ覚醒回であります。

4話 たきな 用下着の買い出しシーン。ショップで二人の禅問答が始まり
千束の一人乗り突っ込みが冴えわたる。所詮は百合サービスデート回だろうと油断していたら
二人の会話は盛り上がり、思い出話の暴露から信頼関係が強化されていく様子が描かれます。

5話 千束の秘密が明らかになる重要回。
手作りの「旅のしおり」は千束の観光ガイドの依頼に対する本気度が窺えます。
アラン機関によりもたらされた人工心臓、そして千束の使命とは?物語は動き出します。

6話 リコリス襲撃犯テロリストとの対決。千束の弱点、目潰し攻撃で追い込まれるも
たきな のバックアップで難を逃れます。

7話 アラン機関に選ばれた千束と運命の人との再会。
しかし両者のそれぞれの思いにはズレがあるようであります。

8話 たきな 渾身のオリジナルパフェを考案。
絵の才能に加え たきな は決定的にセンスがないことが判明。
旧電波塔事件に関与していた男、真島の正体はアランチルドレンであり
千束との運命的再会は彼にとってはリベンジマッチ千載一遇のチャンスとなるのであります。

9話 人工心臓に細工され千束の余命は数か月に。
先天的心疾患の千束を救った救世主=吉松氏は憧れの人。
千束の生存につながる情報の手がかりを求め本部復帰を決意する たきな。
思い出作りのため たきな エスコートで千束とお出かけ。
たきな らしい生真面目過ぎるデートプランであるも、千束は大満足。
二人の別れのシーンで待望の雪が降るという演出がとても印象的な感動回でありました。

10話 自分のために人生を棒に振ってほしくない千束は喫茶店の閉店を決意。
そしてテロリスト真島覚醒!その本領を発揮します。 {/netabare}

以下長文レビュー{netabare}
●「メサイヤ・コンプレックス」~テロリスト真島について~
{netabare}真島というキャラが魅力的に見えるのは、本人が言うように真島が弱い者の味方であり
現状の腐った政治が蔓延する日本という社会においては過激な改革こそが庶民にとっては
正義であり救いであるというのが真実であるからであります。

テロリストというのはある意味「メサイヤ・コンプレックス」という精神病理に憑りつかれている
ような存在でありますが、この狂った世界に生きていれば誰しもが病みを抱え鬱積した感情の
どろどろのマグマがやがて臨界点を迎えるのも致し方ないことのように思われるわけであります。

本作に登場する都知事が(ノンフィクション作家の著作)「女帝」というタイトルの暴露本で
学歴詐称並び公職選挙法違反の疑念を抱かれる対象の某都知事と瓜二つなのは、偶然ではなく
必然であると考えられますが、その問題の某都知事はジョージ・ソロスという世界的大富豪の
お知り合いという話でございます。

都職員による実績評価は過去最悪級の某都知事でありますが、どういうわけか?選挙にはやたら強く
某独裁与党に所属していた時から大臣などの重要ポストを当たり前のように手に入れてきたという
経歴を持つというなんとも「狐」につままれたような奇妙な話でありますが、政治の世界、
いえ、この世のすべては人脈やコネこそが肝心要であり、
実力やら誠実さやら信頼などは二の次三の次のことなのでしょう。

某与党で重要ポストを得てきた女議員とは、よく見りゃみんなよく似てる
「女狐」であるという笑えないオチであります。

だからこそ真島というキャラの思想性に自分の憧れや理想を重ねてしまうわけですが
テロを起こそうが起こすまいが、ガチガチの完全性で固められている現世界システムは
強固なる鉄壁性を示すのみでありましょう。

ただし、その鉄壁性という性質は我々庶民に対してのものであり
もしも権限ある強者たちが世界を変えると決めた時は、逆に多くの庶民が抵抗したところで
いともあっけなく劇的に変わってしまうというのは何とも皮肉な話であります。{/netabare}

●すり替えのトリック
{netabare}「プリンセスプリンシパル」と「探偵はもう死んでいる」から導き出される
「心臓のすり替え」には、トリックが仕組まれていたことが最終話で判明します。

千束の「代替心臓」は実はケースの中にあったというのが真相ですが、
では吉松氏が人工心臓を自らに埋め込んだという話はただのブラフだったのでしょうか?
個人的推測では、計算高い吉松氏のことですから実際に装着して性能テストをする必要性を感じ
ただろうということと、ただのハッタリでは千束が信じないかもしれないという判断から、
自身に人工心臓を埋め込んだのは真実であると判断いたします。

目的のためには手段を択ばない狡猾なトップエリートであるのが吉松氏の本性でありますが
そんな彼でも、千束には父親としてなんとかして生きて欲しいという願いを抱いて
いたという話であります。

愛娘のような千束を欺き、親友のミカを欺いてでも自分の思いを貫く純粋なる狂信者吉松氏と、
片やそのような一方的で残酷な解決法を望まない千束とは、考え方が真っ向から対立しますが
誰かのために生き、誰かの命を救うために生きることとは、千束にとっては理想的な生き方で
ありそれこそが彼女にとっての「救世主」であったというわけです。

千束としては、吉松氏の一方的なプレゼントとメッセージについてはひどく受け入れ難いものの
ため「これ」を海に投げ捨てますが、そのシーンで彼女が断ち切ったもの、断ち切りたかった
ものとは過去であり、ある意味吉松氏によって与えられた未来には真っ向から向き合って生きて
行く決意を表したような意味合いが、そこには込められていたようにも思えます。

今の千束には救世主に対する憧れはもうありません。
等身大の自分が生きる道、未来につながる道をひたすら歩んで行くだけです。

例え与えられた命でも生きる権利があるのは本人であり、
どう生きるかも本人の専権事項であります。

親がなければ子は生まれませんが、親はなくとも子は育ち、やがて巣立ちます。
未来とは親のためではなく子どものためにあるものです。
そして親とは子どものために、子どもを思い生きる存在であります。
自分の理想を一方的に押し付けるようなことは本来親がやるべきことではなく
もしも吉松氏が本当に千束を自分の子と思い、自分は父親と自覚していたなら
それが間違いであることに当然気づくでしょう。

吉松氏はどちらだったでしょうか?{/netabare}

テロリストの真島もなかなかいいキャラでありますが、いかにもエリートらしい吉松氏の{netabare}
目的のためには手段を択ばない純粋なる狂気っぷり加減もなかなかによい塩梅であります。
自分の信念を純粋無垢に貫いてブレない千束との対比効果が鮮明で個人的には
かなり燃える因縁の対決シーンでありました。

そして仲間思い千束思いの たきな の鬼の形相、必死すぎる表情も上手いこと描かれており
熱量が凄いことになっておりました。

組織挙げてのオペレーションの失敗の責任をすべて部下に押し付けて何事もなかったかのように
トップの地位にのうのうと居座り始末書の処理だけは優秀な楠木司令
この世界で出世し勝ち残り優秀と言われるのはお役所仕事をそつなくこなす方なんですが、
しかしながら要するに、そういう人は無能で信頼もできないし
自己保身が最優先事項なので実は全く使えないというのが真相でしょう。

ハッカーや真島に何度もしてやられて自分の面子や上司からの評価がガタ落ちの状況を
何とか打開しようと功を焦り、真島検挙の手柄を独り占めしようと目論み
自ら現場にしゃしゃり出てきたDA司令官でしたが…取らぬ狸の皮算用の狸が逆に化かされて
失態の上に失態を重ねて、上司激ギレの結果、切り札の千束を使えという鶴の一声のオチであります。

組織人ならば組織の命令や上司の命令に従うのはある意味当然ですが、
しかし上司が無能で組織自体も形骸化しており機能不全起こしてるならば
訓練された無能力集団の命令に従うことほど間抜けなオチはないと言えましょう。

真島やハッカーはそれについて十分熟知しているので
某都知事含めてコケにされているという展開であります。

優秀なる官僚主義である楠木司令も最後の最後で上層部に一矢報い名誉挽回できたようです。
最後の切り札=千束を政治力を駆使して温存していたこともありますが
それ以上に最後の最後でものをいうのは人脈であるということなのかもしれません。{/netabare}

「えんくうぼく」という名の電波塔とは5Gが普及する近未来を端的に示しており、
劇的な変化を遂げ生まれる新世界秩序の誕生を示唆しているようにも思えます。{netabare}

新世界秩序を作り出すための重要な鍵となるプレイヤーは中国とも言われており、
中国が推し進める一帯一路構想と5G建設計画には密接な関係性があるようです。
世界秩序の劇的な変化の反動、反発としてテロが引き起こされるのは
必然であると言えるのはないでしょうか。

第1話における東京で「桜開花の情報」のテロップが「東京」ではなく「関東」に差し替えられていた問題に関して考えられる仮説の一つとして挙げられるのは
情報操作=「情報のすり替え」の暗示があったのだと推測いします。

東京は関東に属しますが、仮に東京の桜が開花したとしても
関東全体が桜の開花したというのは確かに論理の飛躍が惨過ぎますよね。

そういうことがちゃんとわかっている賢明な?視聴者の方々は当然テロップの違いに
突っ込んでますが、本作における東京及び関東に属するような愚民風情の我がニッポン国民とは、
そんな明らかな論理の飛躍=あからさまな情報のすり替えや情報改ざんの類にはまるで気が付かない
間抜けでお人好しな、救う余地がまるでないような程に絶望感が惨過ぎるからこそ、
例えテロリストになってでも真実を伝えようとするような真島の真摯的な
態度には共感以外に言葉はなく、
一方であまりに哀れ過ぎる我がニッポン国民の愚民性をこのような対比でまざまざと見せつけられたら
笑って誤魔化すしか手立てがないとかいうのは、とても皮肉な話であります。

1話に登場した電波塔とは(改ざん可能な)高度情報化社会を象徴するシンボルであった
可能性が濃厚だと感じました。{/netabare}

1話において某作戦の失敗の原因は{netabare} 某リコリスのスタンドプレーによるものとして
組織内部では処理されていますが、要するにただの責任転嫁のしっぽ切りのために
たきな は左遷されたという話であります。
情報操作と虚飾にまみれた組織とそれによって守られた治安のいい?国家=我がニッポン、
そこに住まう意識が高い?国民性を持つ小奇麗な我が家畜たちの間抜けな幻想、
そういうもの一切合切を痛烈に皮肉ってるようなメッセージが胸に突き刺さります。

某「緑の」都知事には思わず苦笑w皮肉が凄いですw{/netabare}

●個人的に気になった用語
{netabare}・リリベル
リリーベルとは和製英語で鈴蘭の花を意味するらしいですが、
より多くの人に頭に焼き付けて欲しいのは「リリベル」という言葉自体
表記自体に重要な意義があるという話です。

・延空木
天空に延びる木なので、世界樹=ユグドラシル(ゼロ活のクジラ回にもあった)のことを
指しているようにも思えますが
「伸びる」ではなく「延びる」の方は時間空間的なものを指して使われるということです。
電波塔は塔ですから「バベルの塔」みたいなものとも解釈できますが、
「バベル」には「混乱」という意味合いがあるらしいです。
「混乱」という言葉には情報(の錯誤)というものが含まれ
結局のところ「延空木」とは情報網の枝が次元に延長されていった結果
構築される世界樹のようにスケールが大きい巨大情報網のことを指すようです。

5Gが実現する世界こそがまさにその状況を示すのだということになりますが、
最も肝心なことは高度情報化社会は既に進行しており、その社会に暮らす一般庶民とは
絶えず押し寄せる情報の海に溺れ漂流し続ける儚い存在でしかないという真実です。
ハッカーによる情報操作に翻弄され無様に踊らされるという本作に登場する愚民たちとは
結局のところ我々無力な庶民の事を示しており、現時点で真実が何であるのか見えているのは
限りなく無に等しいという…非常に残念なお話でございます。{/netabare}{/netabare}

●アニメファンが知らない秘密結社【フリーメイ@ン】
{netabare}感のいい方のお察しの通り本作ではとある「秘密機関」が描写されています。

一つは 【烏】。一つは【梟】。
「SPY家族」の「オペレーション【ストリスク】」、「惑星のさみだれ」の「【梟】の騎士」
そして「後宮の烏」には「【烏】妃」と【梟】が登場します。
これはほんの一例に過ぎず、特に【梟】が(意味深に)登場する作品を探し出したら
きりがないくらいに【梟】は至る所に存在するのであります。

世界の基軸通貨「ドル」の1$札にはさり気なく【梟】がプリントされていますが
恐らくこれはFRB(連邦準備制度理事会)の株主、つまり世界標準として
ドル基軸通貨体制を構築した「陰の実力者」の所属を示す【刻印】
のようなものであると個人的には理解しております。

【梟】が暗示する【メイソン】の情報をネットで調べたらそれこそ腐る程出てまいりますが
所謂「都市伝説系」の人達が積極的に情報発信しているこの手のものは特にフェイクが多く
当方も迂闊にこれに食いついて騙された口でありますが、得られた情報の点と線を地道に
つなぎ合わせるという地味な作業を長年にわたって継続した結果、パズルのピースはかなり
揃ってきたと実感する位までには到達できたように思います。

【メイソン】の話は某アニメ評論家の岡田斗司夫氏もtubeで披露しており
【メイソン】と【錬金術】の関係性を見事に暴露しているのは、核心をついていて
十分評価すべきでありますが、その一方で【ローマカトリック教会】の理解も含め
【メイソン】の本質には今一つ届いていないように思いました。

【メイソン】に関する話が厄介なことになる原因は今の組織が2重構造、ないしは3重構造
になっているからだと個人的には理解していますが、岡田斗司夫氏ご指摘の通り
「近代メイソン」はただの社交クラブ化しているというのは、ある意味
正しい解釈であると思います。

近代になり立ち上がった【フリーメイソン】は「自由・平等・友愛」を掲げる
ただの「社交クラブ」であることは多くの証言からしても事実であると考えられます。
しかしそれは組織の8割9割の部分でしかなく、「ロッジ」によっては【33階級】まである
とのことですが、例えば【33階級】の頂点を極めた重鎮が一般会員と同じように
社交クラブごっこを目的に活動してるのかと言えば、
そんなわけがあり得ないという結論に至るわけでございます。

【メイソン】とは【石工職人】であります。
この【石工職人】は【錬金術】の系譜の末裔であるというのは岡田斗司夫氏ご指摘の通りであり
【石工職人】の影響力が薄れた近代メイソンが社交クラブ化したのも
ある意味事実であるようにも思えます。

「【海賊】王女」で描写された【オーパーツ】的な「不思議な石」はある種の
パワーストーンでありますが、それを鑑定した【石工職人】とは恐らく
【メイソン】を暗示するものだったのでありましょう。

石工職人の系譜と関連深いのは【古代メイソン】であります。
それに対してその影響力が薄れ近代化したメイソンが今の【フリーメイソン】であります。

【古代メイソン】を近代化したのは誰だったのでしょうか?

一説によればその改革者は【イルミナティ】という輩であるとのことであります。

彼らは近代合理主義の洗礼を受け、「自由・平等・友愛」のスローガンを掲げ
革命の旋風を巻き起こした【陰の実力者】であります。

フランス革命を引き起こし、あるいは裏で煽動していた秘密結社が存在していた
という説がありますが、ある説によればそれは【フリーメイソン】であると言われ
またある説では【イルミナティ】であると言われています。

「自由・平等・友愛」とはフランス革命のスローガンでありますが、そもそも
それを掲げたのは【フリーメイソン】の中に暗躍していた【イルミナティ】という勢力
であったというオチであります。

世界史の授業で習いました近代合理主義における「【啓蒙】思想」という聞きなれない
「ワード」、【啓蒙】とは「闇を【光】で照らす」的な意味合いがあります。

【イルミナティ】とは「【光】に照らされたもの」「【光】の洗礼を受けたもの」であります。

早い話が「【啓蒙】思想」というワードの語源は【イルミナティ】であり
「近代【合理主義】」を世に拡散したのも【イルミナティ】であります。

近代革命の旋風に乗って現れた「フランス人権宣言」や「【理性】の崇拝」という奇妙な宗教、
【ギロチン】という悪趣味な処刑装置、すべては彼らの思想と連動しておるわけでございます。

1$札の裏面には【ピラミッド】とその頂点に【光る眼】が描かれていますが
ピラミッドは【石工職人】=【古代メイソン】の仕事であり
頂点に輝く【光る眼】は【イルミナティ】を象徴しております。

【フリーメイソン】や【イルミナティ】と言えば都市伝説扱いの話とされていますが
フランス人権宣言や1$札だけでなくありとあらゆるところにその形跡が
確認出来てしまいます。

アニメの元ネタが「フリーメイソン」という事例も挙げればきりがないほどありますが
さて、アニメ制作者の方々は皆【オカルト】マニアとでもいうことでありましょうか?

秘密結社に関する謎は深まるばかりでございます。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
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青龍 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「ポリコレ」と「日本のアニメ」。(「異世界もの」はポリコレに反する?を追記)

本作は、普段は女子高生を装いながら命令があれば犯罪者を暗殺して日本の治安を維持する秘密組織DA、そこに所属する「リコリス」たちを描いた架空のお話。(※『リコリコ』は、一度全話観たのですが、自分のレビューの基準が出来る前に観た作品なので、作品の評価は保留の意味でデフォルトのオール3としています。ちなみに好きな作品です。)

日本を舞台としているものの、喫茶リコリコの店長ミカは、黒人男性。そこの常連客ヨシさんこと吉松は、金髪の白人男性と思われ。そして、ミカと吉松は、作中で{netabare} 同性愛者 {/netabare}であることを伺わせる描写。千束とたきな以外の脇役のビジュアルが日本のアニメとしては抑え目。

とうとう「ポリコレ」が日本のアニメにも影響を与え始めたかというのが率直な感想でした。個人的には、現状の映像作品における「ポリコレ」は、やり過ぎだと思ってます。ただ、日本のアニメが世界に向けて発信されている以上、この世界的な流れを無視するわけにもいかない・・・。

そこで、今回は、「ポリコレ」と「日本のアニメ」について書こうと思います。本作とは、直接関係のない話ではありますが、全く関係ない話でもない。また、今後、日本のアニメにも多大な影響を与えると思われるので、興味がある方は、ぜひ続きを見てもらえれば幸いです。


【「ポリコレ」と「日本のアニメ」について】
まず、ポリコレ、ポリティカル・コレクトネスとは、『社会の特定のグループのメンバーに不快感や不利益を与えないように意図された政策(または対策)などを表す言葉の総称であり、人種、信条、性別、体型などの違いによる偏見や差別を含まない中立的な表現や用語を使用することを指す。「政治的正しさ」「政治的妥当性」とも言われる。
具体例として、看護婦・看護士という呼称を性別を問わない「看護師」に統合したことや、母子健康手帳という名称を父親の育児参加を踏まえて「親子手帳」に変更したことなどが挙げられる。』(wikipedia)

一般論としてのポリコレに異議を唱えるのは難しいでしょう。言葉を変えたからといって、差別・偏見がなくなるわけではないですが、例えば、看護「婦」が、「看護師は女性の職業」というイメージを助長していたことは否定しがたい。

もっとも、昨今特に問題とされているのは、ゲーム、ドラマ、映画等の映像作品において、設定すら歪めるポリコレに対する過剰とも思える忖度でしょう。

例えば、ディズニーの実写映画『リトルマーメイド』で、主役の人魚であるアリエルは、アニメ原作では「白い肌と真っ赤なロングヘアー」ですが、実写映画では「黒い肌と茶髪のドレッドヘアー」でイメージがぶち壊されたと物議を醸しました。

ディズニーがアリエル(人魚「姫」)にあえて黒人を起用した理由は、ディズニーアニメが基本的に子供向けであり、過去のディズニー作品が世界中の子供に対して「王子様とお姫様(支配層)は白人」(白人至上主義)という価値観の刷り込みを助長してきたという批判があるからでしょう。ディズニーアニメは、世界中で多くの人が観て影響力が強いこともあり、批判の矛先としては絶好の的です。
したがって、ディズニーとしては、その批判をかわすために、わかりやすい形で世界中にそうではないことをアピールする必要がある。そこで、原作の設定をあえて歪めてまで、ポリコレに忖度していることをアピールしていると考えられます。

ここでもう少し考えを進めるなら、ディズニーといえば著作権問題。「ディズニー作品の著作権が切れそうになるたびに保護期間が延長される」といわれています(そのため著作権切れを理由とするディズニーランドができない。)。
著作権切れで自由にディズニー作品が使えるようになると、過去のディズニーの過ちが助長されることになるから、ディズニー作品はポリコレの意識が高い現在のディズニーにこそ管理されなければならない・・・
ディズニーがポリコレに積極的な裏には、こういった理由を建前に保護期間の延長を目論む本音があるのではないかと考えています。

奇しくも、著作権切れで『アルプスの少女ハイジ』を大人向けのバイオレンス描写とブラックなユーモアで大胆にアレンジした映画『マッド・ハイジ』が最近日本でも全国公開されたそうです。ちなみに、その内容の賛否は本筋ではないので置いておくとして、著作権があれば内容の是正を要求して既存のイメージを保つことができます。


もっとも、我々が感じる映像作品におけるポリコレの歪さは、この辺にあると考えています。どういうことかというと、ディズニーは、白い肌の人魚を黒い肌にすることが偏見や差別を含まない中立的な表現だと言っていることになります。しかし、同様の主張をするために同じ作品をリメイクする必要はなく、別の黒い肌の人魚の話にすることでも多様な人魚がいることを表現しているといえます。

では、なぜリメイクするかといえば、既存のコンテンツ(過去作)に依存しなければ、ヒット作を生み出せないからです。しかし、ポリコレ的にそのままリメイクできないので設定を歪めることになる。
要するに、世界的に認知度の高い『リトルマーメイド』という名前を著作権を利用して独占的に使用することで、ヒット作を簡単かつ独占的に生み出したいけれど、そのままじゃ文句を言われるから設定変えましたって話です。


これに対して、日本のアニメも、ディズニーと同様、基本的に子供向けとして作られてきました。しかし、私は、ディズニーと違って、日本のアニメは何か1つの価値観を刷り込むことを助長してきたということはないと考えています。(なお、日本のアニメキャラが白人風であり、「つり目」でなければならないとの批判がありますが、それがそもそも偏見だという批判もあるところです。)

例えば、『アルプスの少女ハイジ』は、スイスの設定を忠実に再現しています(私が直接聞いた範囲で日本人が作ったと思っていない欧州の人がいました。)。また、『アルスラーン戦記』のアニメのコメントで、おそらくイスラム圏の人だと思いますが、かつてイスラム教が広まる前に、我々が住む土地には、このアニメで描かれているような文化を持った人たちが生活していたのであり、それを今や我々は省みることもないのに他国の人間に忠実に再現されるのは複雑な心境だといった趣旨のコメントを見たことがあります。最近では、『ヴィンランドサガ』がヴァイキングを忠実に再現して海外からも賞賛されています。

もちろん、日本のアニメのすべてがそうだというつもりはないですし、全く問題がないとも思いません。しかし、日本のアニメは、基本的に多文化主義であり、何か1つの価値観の刷り込みを助長してきたということはないと思っています。

現に『リコリコ』は、ポリコレに明らかに配慮していますが、ディズニー作品等と異なり、多様性を取り入れたことで設定が破綻しているようには見えませんでした。それは、もちろん製作陣の努力や工夫もあるとは思いますが、過去の日本のアニメ作品が多様な文化に基づく設定を受けいれてきたという下地があったからだと思っています。
例えば、ミカのような男性がマスターをやっている喫茶店は、おそらく日本中を探しても見つけるのは困難なレベルと思われます。しかし、私たちがそれもあり得ると思えたのは、もっとぶっ飛んだキャラの喫茶店のマスターを過去にアニメで見てきたからではないでしょうか(例えば、『シティハンター』の海坊主こと伊集院隼人など)。

そうすると、日本のアニメは、基本的に今までも多様性を尊重し多文化主義でやってきたのですから、ディズニーなどと歩調を合わせてポリコレに過剰に忖度する必要はないのではないでしょうか。
また、ディズニーが過激なポリコレに走っている理由としては、前述したような裏があることも考えられるので、これを額面通りに受け取って、お付き合いするのも危険だと考えています(真面目にお付き合いすると、日本のアニメとディズニーアニメが同様の問題を抱えているように見えてしまう。)。

そもそもポリコレの目的は、名称を改変するなどして表面的に多様性を確保することにあるのではなく(これはあくまで手段の一つなのでは?)、多様な属性を持つ者を相互に尊重する社会にすることにあるはずです。それは、単純に設定を多様化すれば獲得できるという話ではないはずなのに、目的と手段が逆転し、そこに利権が絡むことで歪なことになっているのではないでしょうか。


【日本の「異世界もの」は多様性や多文化尊重の配慮に欠けポリコレに反する?(2023年11月5日追記)】
最近、日本の異世界ものが多様性や多文化尊重の配慮に欠けると海外から批判されているという記事を見るようになりました(もっとも、それだけ多くのアニメが多くの外国人に観られているということでもあります)。

最近だと、「無職転生」の2期でドワーフの女の子を奴隷として買ったことに対して、作者は奴隷制を肯定するのかといった批判があったようです。
他にも、異世界ものは、中世ヨーロッパを基本とする世界観であるにも関わらず、やたらと温泉に入ろうとして日本の文化を混ぜてくるとか(欧米では、そもそもシャワーのみで湯船にあまり浸からない。)、中世ヨーロッパの描写としては、現実に即していないものが多いということのようです。

これらの批判については、私は全くの的外れだと思っています。

なぜなら、そもそも現実には存在しない異世界(フィクション)なのですから、基本的に何でもアリなはずで、西洋ベースなのに日本文化が過度に反映されてるとか自分たちの知っている現実と違うといった批判自体が的外れだからです。だって、そういう世界なんですから(苦笑)。

確かに、自分たちの知っている現実や価値観と違うと共感できないのかもしれませんが、この考え方自体が、そもそも多様性を排除しています。

この手の批判は、文化の違いとかポリコレ以前に、現実とフィクションを区別できない「お子様」なのだと自ら言ってるようなものでしょう。
もっとも、世界的にアニメの視聴者が増えれば増えるほど、この手の批判も多くなることが予測されます。しかし、下手に配慮をすれば、これらの批判を認めたことになりますし、人権を尊重する現代の価値観に反する作品ができなくなったり、現実を忠実に反映した作品しか作れなくなるのて、作品自体がつまらなくなっていく可能性がある。

世界的にみて自分の意見を言わない日本人といわれますが、ここは声を大にして「それは違う」というべきところだと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

75.3 3 相棒で組織なアニメランキング3位
PSYCHO-PASS サイコパス 3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (449)
2240人が棚に入れました
「正義」は、新たな世界を切り開く。 魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。シビュラシステムの導入後、日本は海外との交流を断ち、長らく事実上の鎖国状態にあった。2120年、開国政策により変革の刻が迫ろうとしている。変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、犯罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、田中敦子、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

看板だけでいつまで商売できるだろうか

やらかしたかもしれない

こうであろうと頭の中にストックされてる情報と大なり小なりズレが生じております。

“観るべきなにかしらをスルーしてないだろうか?”
“これまで観てきた本編の重要箇所を見落としてないだろうか?”

なお当方の視聴遍歴は以下

・PSYCHO-PASS1期(全22話)
・PSYCHO-PASS2期(全11話)
・劇場版PSYCHO-PASS(劇場版)

感じたズレはこちら↓

{netabare}・いつのまに霜月が課長になっとる?
・いつのまに常守が収監されとる?
・移民て何?鎖国政策とってたと思ってたのに
・外務省とは新たなプレイヤーですね
・六合塚さん執行官じゃないのかい?{/netabare}

不安になりました。例えるとしたら、交差点で「青色=渡れる」と覚えてたのが「そこ青じゃなくて紫だよ」と指摘されたような戸惑いがあって、人物や組織相関の修正を強いられます。
なお3連作『Sinners of the System』と1期の新編集版は未視聴です。
すんなり入れた方は無問題として前提や前後関係の把握に時間とられちゃったのは私だけではないかもしれませんね。
実際は見落としというより3期で初披露の“変化”だったみたいです。


で、この事案。
良いのか悪いのかシリーズものの整合性を保とう、みたいな配慮は希薄なのかなと思ってしまいました。プロセスを端折り過ぎという意味でですね。

 『シビュラに支配された超管理社会』

この強烈な設定さえあれば脚本はわりと自由にやりましょう!が見え隠れする3期でした。餃子の王将が各店舗オリジナルメニューを認めてるようなもんですかね。
2期で提示された“集団的サイコパスの是認”を受けて次どうか?が繰り広げられるのだろうと密かに予想してたものですが、全くといっていいほどそれが無かったため、さらにその思いが強くなるわけです。

一見否定的な見方しかできなさそうですが、良く出来た設定を活かしていろいろ試すことが出来てるとも言えます。今回でいえばメンタリストというかサイコメトラーみたいな主人公の投入がそうでしょう。少なくともTVシリーズの主人公が1期から3期までで各々違いますもんね。

・TVドラマを意識した1時間の各話構成
・魅力的なキャラが織りなす群像劇
・とはいえ1期2期の旧作にも配慮はしてる

これはこれで有象無象の凡作の海の中では魅力的に映る作品のひとつ。
なんだかなぁと悶々とするところはあっても小言は期待の裏返しみたいなもんでしょう。もっとオイラを楽しませてくれ!



そしてレビューはこれでおしまい。作品が極めて中途半端に終わっているので評価しようがないため。

{netabare}いわば起承転結の転で終了。1時間枠実質16話分の尺を取りながら一応の区切りをつけて続編は劇場で!というわけではなく、完全に途中でぶった切っているので不満が残ります。{/netabare}

{netabare}『彼方のアストラ』のように放送中の1時間枠を効果的に使っていたり、
『鬼滅の刃』のように区切りをつけた上での劇場版誘導なら見える景色も違ったろうにこれだと好感度ダダ下がりです。{/netabare}


それにそろそろ“免罪体質”だけで乗り切るにはつらいかもよん。
類似のアニメ作品もないですし、設定を活かしながらキャラを入れ替えて『相棒』みたいなご長寿シリーズを担ってほしいなと期待はしてるんです。
せめてシビュラ前夜的な設定の『絶対零度』よろしく第4シーズンくらいまではいってほしいですね。


いつの日か某課長が常守おばあの落とし前をつけるその日まで、しっかり視聴を続けるつもりです。

・・・結局、、観るということです。やれやれ…



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.08 初稿
2020.07.31 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 54
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

より刑事ドラマ寄りに最適化された3期目

【物語 3.5点】
TVアニメ2期で刑事ドラマ風の路線へ傾倒していった感のある本シリーズ。
3期では実写連続刑事ドラマでも多い1時間枠になり、傾向はさらに顕著に。

22世紀鎖国日本というSF要素も“開国”により後退。
外国人労働者を認知、受け入れ拡大に舵を切った
現代日本にタイムリーなネタも提供する。
その他、{netabare}宗教と政治と都知事選、アスリートとドーピングなど。{/netabare}

グローバル世界とつながり、罪をもゲーム化して希釈し、
無自覚化する21世紀型の巨悪も息を吹き返す。
その権化たる「ビブロスト」と公安局刑事課一係らとの対峙がメインストーリーの軸。

一方で、この状況に対する「シビュラシステム」の真意は語られず……
というよりシビュラ中枢には、今回ほぼ出番がない。

世相を反映した一つ一つの事件を解決していくうち、
裏で蠢く巨大な陰謀が姿を見せていくシリーズ構成も連続刑事ドラマ風。
そして、{netabare}巨悪との対決は劇場版で!という伝統の投げ技まで決まるw{/netabare}


【作画 4.5点】
上々。道中、人物に謎の輪郭変動?はあったものの、
概ねCGもバランス良く交えて22世紀日本を再現。

見所は1時間枠になり長尺化したアクションシーン。
警棒、締め技なども乱れ飛ぶバーリトゥードでエンタメ性十分。


【キャラ 4.0点】
“メンタルトレース”により事件対象者になり切り捜査を進展させる監視官・灼(あらた)。
ロシア系帰化移民として開国日本の縮図も体現する炯(けい)。二人の新バディコンビが軸。

灼は能力者同然の“特A級メンタリスト"であり、
さらに{netabare}免罪体質者{/netabare}でもあり、
必ずしもドミネーターの執行判定に従わない言動も含めて、
シビュラをSF設定もろともスクラップにしかねない危険な主人公。
にも関わらず彼を監視官にしたシビュラの意図も現状見えず……。
旧来からのファンにとっては不安要素になり得る。

そこへ溜飲を下げさせるように登場する朱(あかね)や狡噛(こうがみ)らの旧メンバー。
ズルいよ。


私のMVPは自称エースから中間管理職へクラスアップ?した霜月課長。
口は悪いが、情は厚い。24歳にして、息子たちを叱咤し見守るおっかさん風の人当たり。
歯ぎしりが聞こえてきそうな、伏魔殿・外務省との交渉などにも感じる名物上司の可能性。


【声優 4.0点】
豪華。CV.梶裕 貴さん&中村 悠一さん演じる新コンビは
公安局の同僚である以上に幼馴染み。
人物設定を理解した役者により、異なる性格の相互理解も含めた、
兄弟じみた腐れ縁が滲み出ている。

公安局のオッサン成分もCV.大塚 明夫さんの執行官が新たに供給され、
哀愁溢れる境遇の吐露を通じてシビュラ社会に毒を浴びせる。


一方の黒幕の方も、
{netabare}CV.宮野 真守さん演じる気鋭の新“コングレスマン”が、
CV.中 博史さんの老紳士やCV.田中 敦子さんらベテラン陣に挑む。{/netabare}
こちらも世代間抗争含めた?不穏なムードを醸して上質。


【音楽 4.0点】
BGMは引き続き菅野 祐悟氏が担当。
メインテーマはバイオリン属よりギターを強調したアレンジで
刑事ならではのアクション&執行シーンで威力を発揮。

OPのWho-ya Extendedの「Q-vism」がスタイリッシュなロックサウンドの中に
監視社会下の葛藤を込める。
新人の主題歌抜擢自体も、主役一新の制作方針と合致。

EDはCö shu Nie(コシュニエ)の「bullet」。
表現力豊かな女性ボーカルがゲーム感覚で罪を重ねる黒幕を
運命を切り開く意志を込めた銃弾で狙撃。


【感想】
『PSYCHO-PASS』はシリーズを重ねるにつれ、
時系列は22世紀の先へ進んでいるのですが、SF要素の後退によるものなのか、
段々、21世紀に巻き戻っている感じが、私にはどうしてもしてしまいます。

現代日本が直面する課題も貪欲に取り込んで、
本作では鎖国設定まで捨てて、タイムリーヒットを狙うのは良いのですが、
これ別に22世紀じゃなくても出来るネタなのでは?と捻くれた私は感じてしまうのです。


今後はどうかシビュラさんにも、もっとお出まし頂き、
もう少しSFとしての矜持も見せて欲しい。

22世紀でも何故か健在だったタピオカ(笑)を眺めながら、
未来を夢見る私なのでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

亡霊的キュビズム

ProductionI.G制作、SF×サスペンス。

豪華な布陣は劇場版の水準であろう。
集大成を目指す制作陣の意気込みを感じる。

新人執行官アラタはメンタルトレースなる、
高度な共感特殊能力を持ち犯罪者を追撃する。
彼の正義は新たな世界を切り開くのか!?
{netabare}大勢が加担し、誰も罪の意識がない、
詐欺的な犯罪では色相が曇らないという。
メンタルハザードと跋扈する街の魑魅魍魎、
見えざる巨悪との戦いが開幕した。{/netabare}

5話視聴追記。
物語に厚みが増し俯瞰的な視点が必要になる。
{netabare}ビフロストのコングレスマンの真意は!?
シビュラに反旗を翻す構造主義者なのだろうか。{/netabare}

最終話視聴追記。
事件はさらに複雑化し社会の暗部が露呈する。
それぞれが幾多の動機に支えられ命を削り合う。
{netabare}殺意なき殺人の連鎖、差別を生む社会への告発、
重厚なシナリオが緻密な絵で描かれている。
黒幕であろうビフロストの謎や、
過去の因縁が劇場版に持ち込まれ、
ここだけは残念な結果に終わりました。{/netabare}

入り組んだ複数の視点、正義の解体、
{netabare}最終話のタイトルは「CUBISM」である。{/netabare}
ここに全てが集約されている。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 47

76.0 4 相棒で組織なアニメランキング4位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (770)
4249人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

果てしなく続くイノセントワールド

2004年公開の作品で、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の続編。
士郎正宗氏の原作はあるものの、
監督とシナリオを手掛けた押井守監督が好き勝手アレンジしているので、
押井守監督の作品と言ってしまってもいいでしょうw

視聴前から負け戦は覚悟していましたw
押井守監督フリークの友人の「当時視聴して衝撃を受けた(悪い意味で)」という言葉や、
難解な上、娯楽性は皆無という各方面の評判。
従って、視聴に至るまでの心の準備にかなりの時間を要しましたw

で、視聴したわけなんですけど、視聴直後の私のリアルな感想は
「これ、レビューどうしよう?」でしたw
頭の中が真っ白になる位書くことがないw
気が向いたらレビューを書くというのが私のスタンスなので、
別に無理に書く必要はないんですけど、押井御大の作品ですからね。 
視聴前から書くつもりではいたのですよ。

本作に対して批判的な方の感想を抽出すると以下の様なものになるでしょう。

・CGを駆使した映像美は素晴らしい
・ストーリー性は希薄
・詩や哲学を引用した衒学的な台詞回しにうんざり

映像は確かに圧倒されます。
今敏監督の「パプリカ」を視聴した際も感じましたが、前衛的なアート映像のようです。
でも結局それもストーリー性を伴っていないと、
観終わった時に映像しか印象に残らないんですよね。

本作のテーマは「人間と人形の違い」です。
本作のDVDの特典映像に押井守監督と
ジブリの代表取締役であり、映画プロデューサーの鈴木敏夫氏との対談というのがありますが、
この対談を観た方が本作を観るよりも本作のテーマを理解しやすいと思いますw

この対談で押井守監督が語っていることというのは、
人間の身体は言葉から生まれたのであり、言葉によってしか意識されない。
つまり、身体は言葉であり、名付けられたものでしかない。
言葉で語られることのない人間の外側にこそ本当の身体がある。
人間の外側の身体というのはどこに存在するのかといえば、
それは例えば犬であったり、人形であったりする。
人間は自分が失われた身体の代替物を、あるいは犬に求めている。
そして、人形というのは人間が作り出した観念としての身体である。

押井守監督は病的なまでの愛犬家として有名ですけど、
このようなテーマの着想は愛犬との触れ合いの中から生まれたものなのでしょう。
本作では、その本当の身体を汚すのは人間の醜い欲望ということなのですが、
そのアイディアはおもしろいとは思いますが、正直私にはあまり興味を引かないテーマでした。
いや、これももうちょっとストーリー性を伴っていれば
違った反応になっていたかもしれませんが、
如何せんストーリーがひどい、ひどすぎる!!

私は基本的に娯楽性を重視するタイプですが、
映画に何を求めるのかというのは、人によって千差万別であり、
立脚点の違いによって本作の評価というのも変わってくるものだと思います。

とはいえ、本作だって娯楽性というのを完全に度外視したわけではないと思います。
ただ、作り手のメッセージ性(主張)とストーリー性のバランスが著しく悪いです。
作り手のメッセージ性>>>>>>>ストーリー性では、
例外はあれど、娯楽性なんてまず生まれてこないでしょう。
論語や旧約聖書、哲学者の言葉をこれでもかと引用した
テンポを損なうボソボソとした会話劇も相まって
ひとりよがりの悦に入った作品にしか思えませんでした。

押井守監督フリークの友人曰く
「押井守監督は本当はすべての台詞を引用で済ませたかった」とのことです。
それが本当ならば、「正気か!?」と言いたいところですけど、
思うに、本作の登場人物はいずれも
人間の意識の外側にある本当の身体を持たざる者です。
言い換えると、言葉によって意識される身体の持ち主であり、
言葉に支配されている者たちということになります。
それを際立たせる為の引用ということなのかもしれません。
そして、そうすることによって人間と人形の違い、
つまり人間の意識の外側にある本当の身体というものを、
言葉でなく、感覚で感じて欲しいという狙いがあったのかもしれません。

もうそうなのであれば、おもしろい仕掛けだとは思いますけど、
結局のところ、娯楽性は二の次三の次という作りでは、
「もう自主制作でいいんじゃね?」と言いたくなるのも、むべなるかな、
というのが本作に対する私の印象です。
正直本作に限って言えば、この台詞にはこんな深い意味があるとか、
あの場面に繋がっているとかはどーでもいいです。

鈴木敏夫氏との対談で押井守監督はこのようなことを述べています。
「映画は言葉で語られることによって初めて存在する」

では、私は本作をこう語りましょう。
「莫大な制作費を投じた自主制作的な商業作品です」と。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 52

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

詩のようなアニメって表現がしっくりくる

押井守監督による攻殻機動隊の映画版第2作。
1作目の続きです。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


前作とよく似た雰囲気です。
オレンジを基調とした美しいグラフィックとBGM。
独特の間が目立ちます。
また、いったん口を開けば高密度な哲学的テーマが飛び出すのも前作と同様です。


正直、かなり難しい内容でした。
次々に出てくる仏典や聖書や偉人の言葉。
そして、映像による数々のトリック。
1回見ただけでは頭がパーン\(^o^)/です。

雰囲気や動きはいいんですけどね。
いかんせんわかりにくい。
何度も見るのを前提にしたほうがいいかもしれません。


今回の主人公はバトー。
ロボットの暴走によって所有者が殺害されるところから話が始まります。
単なる暴走なのか、それとも仕組まれたものなのか?
トグサやイシカワとともに捜査に乗り出します。
それに前作で{netabare}ネットの世界にダイブ{/netabare}した素子(もとこ)への淡い恋心が絡めてあります。

しかし、はっきり言ってストーリーはおまけみたいなもの。
テーマ性と雰囲気が肝ですね。

テーマは、

「人間と人形の違い」

でしょうか。
前作と似た感じかな?

「機械化された人体」と「疑似体験」がカギをにぎっています。
機械化された肉体は、どこまでが「人間」でどこまでが「人形」なのか。
存在する記憶は、どこまでが「現実」でどこまでが「虚構」なのか。
人間を人間たらしめるのは何か。
器なのか、記憶なのか、その両方なのか。
答えは出していませんが、その境界線のあいまいさを説いています。

しかしまあ、難しかったですね(少なくとも私には)。
前作もそうでしたが、それ以上の難解さ。

・難しい言葉をひもとくのが好きな人
・芸術的な雰囲気アニメが好きな人
・攻殻機動隊が好きな人

この3つを満たしている人に向いていると思います。
なんというか、詩を読み解いている感覚になります。
芸術的なのですが、視聴者に優しくない、そんな作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53

75.9 5 相棒で組織なアニメランキング5位
名探偵コナン(TVアニメ動画)

1996年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (756)
4070人が棚に入れました
高校生にして日本屈指の名探偵・工藤新一は、幼馴染みの毛利蘭と遊園地へ遊びに行く。新一はそこで謎の組織の取引現場を目撃するが、組織のもう一人の仲間に気付かず殴り倒されてしまう。新一を殺す為に組織の男が飲ませた毒薬は何故か新一を幼児化させてしまった。小さくなった新一は正体を隠しながら謎の組織を追う為に、周りには新一の親戚、江戸川コナンだと名乗る。コナンは父親、毛利小五郎が探偵をやっている蘭の家へ居候し、謎に包まれた黒の組織を追う為、探偵として事件を解き続ける。

声優・キャラクター
高山みなみ、小山力也、山崎和佳奈、山口勝平、緒方賢一、高木渉、大谷育江、岩居由希子、林原めぐみ、茶風林、湯屋敦子、井上和彦、千葉一伸、堀川りょう、宮村優子、松井菜桜子、田中秀幸、島本須美、高島雅羅、堀之紀、立木文彦

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

大人気推理アニメ

私が大好きなアニメの一つ。
難易度の高いミステリーとトリック、魅力あるキャラクターの活躍、手に汗握る展開とアクション、かっこいい名言、雰囲気を十分に盛り上げてくれる音楽、恋愛やギャグ要素など、どれをとっても申し分ない出来です。
矛盾や強引な設定が多々あって突っ込みたくなる時もありますが、それを指摘するとアニメが成り立たなくなるのであえて考慮はしませんが・・・。
また長い間このアニメが続いているのでさすがにマンネリ化を感じる事もありますが、黒の組織が絡んだストーリーになると緊張感満載のハラハラ感が楽しめます。
謎が謎を呼び、私の予測を外れた展開や衝撃的な展開は早く続きが気になりもう目が離せません。
なかなか黒の組織との話が進まないところが欠点ですが、進んでしまうとこのアニメが終わってしまう感もあるので、いつまでもこのアニメを楽しみたいファンにとっては微妙なとこですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

molecule さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

八方美人で人気者の長寿アニメ凄い

犯罪モノって現実的な素材であるだけに解きほぐ機構を固めておけば発展は無限…なようで、流石に連載十数年も超えるとキャラの使い回しが利かなくなって当然か。
事件なんて幾らでも数起こせるけど、主目的がそれによって引き出される常連キャラの内部ストーリーと見るアニメの方法論で限界がないわけない。
ただその見方を歓迎する要素が、引き出しの多い題材→話数の膨大なことによって、物語世界に引き籠っていられる期間が長いという利点を生んでクオリティの瀕死なことをファンの目から庇ってる。

実際TVオリジナルストーリーに限ればもっと遥に早い段階で退屈なものに落ちていたし、劇場版はシナリオの浮き沈みはあるものの完全に爆弾に依存しはじめたのは題材と媒体の宿命かな。

しかしほとんど本筋(黒の組織)の解明に引きずられてるだけの興味を、それでも繋ぐだけの牽引力のあるキャラってそうはいない。リアリティとファンタジーと、ここまで扱い易いバランスの「人」は他の分野には生めないだろうな。物語っていうのはストレスだから、このキャラクタの万能ぶりこそ神だね。

大人のファン層と子供、どっちに向けても愛想が良くて八方美人で人気者の長寿アニメ凄い。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

チヒロ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

いつの間にか、工藤新一よりも年上になってしまいました。

コナンを観始めたときは、まだ中学生でした。

そして新一の年齢を過ぎたあたりで、歳をとったなぁと感じました。


昔は灰原さんが大人の女性に思えましたが、今やただの研究施設に勤めるスレたOLに思えてしまいます。

コナン君はいつになったら工藤新一に戻れるのでしょうか?

そしていつになったら観終わったの棚に移動できるのでしょうか。

ここまでの道は険しく、未だに観続けてはいますが、さすがに全話観ているわけではなく、そろそろ観終わったの棚に入れたいなぁと思っている今日このごろです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

66.8 6 相棒で組織なアニメランキング6位
へヴィーオブジェクト(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (637)
3722人が棚に入れました
結局、戦争はなくならなかった。地球という惑星の隅々まで開発の手が及び、一部の権力者達が月面に別荘を建てるような時代になっても、人と人の心の隙間までは埋まらなかった。ただ変化はあった。くだらない殺し合いに夢中になる彼らにも、変化はあった。泥臭い兵隊達の運用は時代遅れとなり、各国の地球の支配権の奪い合いは、『クリーンな戦争』で決まる。そんな世界の、戦争の代名詞。それは――。

声優・キャラクター
花江夏樹、石川界人、鈴木絵理、伊藤静

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

なぜ面白いはずなのに面白くないか。

 このアニメ、ヘビーオブジェクトという兵器のSF設定といい、戦争のやり方が変わった世界観といい、ヒロインを初めとして登場キャラはなかなか魅力的で、結構ポテンシャルはあると思います。これだけ揃えられれば面白いはずなんです。

 実際1話1話のエピソードは面白いです。でも、全体として面白くないんですよね。なぜでしょうか。いくつか思い当たるポイントです。

 ワンパターン。日常場面、上官の無茶ぶりミッション、想定外の事象、戦闘、肉弾戦(たまに敵女性とのいろいろ)の繰り返しみたいな感じです。ゲストキャラはいますが、同じパターンです。

 エロさもまあ、ラノベ原作でうまいレベル感でギャグとして処理できる範囲なので良かったと思いますが、これもパターン化されてしまってます。パターン化が面白いこともあるんでしょうが、作画なのかキャラのせいなのかわかりませんが、エロさもギャグも中途半端で楽しみにするほどではなかったです。

 世界が進展しない。平和に向かうわけでもどこかと和平を結ぶわけでもない。解決すべき大きなテーマがない。主人公の成長とか人間関係の進展とかあれば、いいんですが、初めの話と最後以外はどの順番で見てもOKな感じです。

 バディものですが、2人の友情についてどうも感情移入できないというか共感がもてません。カッコつけすぎて上滑しているからでしょうか。エピソードで何の説明もないので、漫才コンビにしか見えません。

 ヒロインが人形。可愛くて主人公に惚れる戦闘人形です。都合のいい少女にしか見えません。愛情がストーリーの本題に絡まないということもあるでしょう。多少主人公が無茶をする動機にならなくはないですが、主人公は基本誰でも助けますので関係ありません。
 女上官も狂言回しなだけで、エロキャラ以外の役割がありません。

 初めの話は結構面白かったです。ヒロインの人間性の変化みたいなものがありました。これを継続したテーマにすればものすごく面白かったと思います。
 または本筋として進展する何かがあればなあと思います。解決すべき謎とか、最後は大きな敵を何か国かで叩きつぶすとか。または、ヘビーオブジェクトが否定される流れにしてもいいと思います。

 ラノベなら、数ヶ月に1度のお楽しみで進展しない話を読むのも楽しいでしょう。でもアニメでこのパターンだとちょっと辛いですね。おしい作品でした。
 
 前半のOPはなかなかカッコイイ映像でした。
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

サカゼルガ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

隠れた良作です

「とある魔術の禁書目録」の作者と同じ人の作品です。

内容はハリウッドさながら、
絶対に倒せないような強大な敵の巨大兵器を、
ほぼ知恵と機転のみ用いて、
基本的に2人の歩兵のみで打ち倒していきます。


「正直結構無理あるだろこれ」
みたいな、冷静に考えると結構無茶な設定もありますが、
そういう細かいところを気にするよりも、
基本的に出てくる敵の兵器がすべてラスボス級なので、
一見不可能にしか見えない敵を打ち倒していくのが、
見ていてマジで気持ちいいです。

しかも兵器なんで、基本的に倒したとき爆発します。
めっちゃスッキリします、
「すげーーー!!」って


そういう意味では、敵がほぼ無敵クラスばかりの
とある魔術1期に近いと思います。


感じとしては、「金色のガッシュベル」とか好きな人にオススメです!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ボール超かっけえ!

オブジェクトカッコイイですね!
予想以上に女の子が可愛かったのもポイント。
お話はこの原作者さんならジャイアントキリングな内容なのかな。

2話
{netabare}

オブジェクト同士の戦闘がポジション取り、武器の撃ち合いと少し面白味にかけたかなあ、来週はあの敵を倒す話だと思うので期待してます。

{/netabare}
3話
{netabare}
正攻法で倒すわけではないことは分かってはいる・・・のですが、あまり展開としては燃える展開かな?と思いました。ただ援軍が来たシーンは良かったと思います。
今の時代でもアメリカ等にはスパイ機関があるわけですから、破壊工作を想定した防御が何もないというのはちょっと頂けないかなと思いましたね。

{/netabare}


15話
戦闘良し、エロ良し、映像良し、話もそれなりに良しの良回でした。

意外と面白いんですよね。以前ジャイアントキリング系ロボットアニメがありましたが、私が見たかったのはこういうアニメです。あまりにストーリーにとらわれすぎると、武装や倒す方法が限られていくのだなあと、ヘヴィーオブジェクトの3話完結方式が良いのを見て、感心しました。

16話
戦闘シーンは多分今までで一番良かったですね、ヘイヴィアが敵が放棄したオブジェクトを見上げるシーンや、姫様の出撃シーンのオブジェクトのかっこよさも良い!
そして、謎歌を突っ込んできた今回の話は最高でした!

やっぱり2クール目に入ってから大分面白くなってるなあ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33

67.2 7 相棒で組織なアニメランキング7位
マルドゥック・スクランブル 圧縮(アニメ映画)

2010年11月6日
★★★★☆ 3.8 (337)
1812人が棚に入れました
 『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第1弾。特殊な証人保護プログラムによって死の淵から甦った一人の少女娼婦が、不思議なネズミの捜査官と協力し、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を暴くべく戦いを挑む姿を描く。声の出演は、ヒロインのバロット役に林原めぐみ、その相棒ウフコックに八嶋智人。マルドゥック市で生きる未成年娼婦、ルーン=バロット。働いていた店が摘発され、行き場を失った彼女は、カジノ経営をする資産家、シェルに拾われる。しかしその後シェルの非情な計画によって、彼女は車ごと爆破されてしまう。業火の中から辛うじて助け出されたバロット。彼女は、マルドゥック市の事件担当官ドクターとウフコックによって、特殊な強化繊維で再構成された人工皮膚を移植され一命を取り留める。これにより特別な能力も手に入れたバロットは、シェルの犯罪を追っていたドクターとウフコックの捜査に協力していくのだが…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、田中正彦、若本規夫、かないみか、三宅健太、脇知弘

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

元少女売春婦のサイボーグが犯罪組織と戦う本格SF作品

2010年劇場公開 2011年に完全版が完成した 69分 R18指定

原作脚本 沖方丁 監督 工藤進 製作会社 GoHands

ルーン=パロットCV林原めぐみ
ウフコック・ぺンティーノCV八島智人

ディック風近未来SFアニメの定番設定が見られるが、
作者としてはウイリアム・ギブソン系サイバーバンクをイメージした模様です。
作者の沖方さんは本格SF作家としてデビュー、代表作はこれですが(日本SF大賞受賞)、
最近はラノベ系の創作活動を主としているようです。

相当昔(05年)にゴンゾでアニメ化と言われていたんですが中止、
結果として高レベル劇場作品になったので自分としては嬉しいです。

主人公ルーンは15歳(?)の売春婦で、犯罪組織により分解されかかったところを、
犯罪捜査官のイースターとネズミ型万能兵器ウフコックによって助けられる。

瀕死のルーンは禁止科学によって命を救われ、
電子干渉(スナーク)という能力とサイボーグの肉体となり、
「犯罪組織シェル」を追う者たちの一員となる。

ウフコックはネズミの知能を高めたものらしいが、亜空間に武器を貯蔵したりするちょっとあり得ないテクノロジーの産物。
ルーンのパートナーまたは武器として活躍する。

今回は臓器フェティシスト集団の誘拐屋とのバトルが見せ場となるが、
まるでラブクラフトの怪物のような異様な外観の犯罪者たちが気味良い、
いや、一般的には「気味悪い」になるのかな。

雰囲気のある作画とキャラデザ(やっぱディックっぽい)に、
良い構成のストーリーそしてリアルなバトルと、第一部としては申し分ない出来。
とても楽しめました。
続けて第二部、第三部も視聴意欲が沸きます。
「サイコパス」にも影響を与えたと思える銃器デザインは前田真宏さんです。
SFファンに超お勧め。そうでもない人もぜひ挑戦してみて欲しい逸品。

そして何よりも何よりも EDです!

日本国始まって以来最大の真の歌姫「本田美奈子」様の
「アメイジング・グレイス」日本語版 伴奏新バージョンが流れるんですよ。
涙が溢れました。

三部作ともにEDは本田美奈子です。 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

イチゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高!続編を見たいと心から思う作品

主人公の少女のバロットは、資本家のシェルの計画によって命を落としそうになるが、金色のネズミの捜査官のウフコックとドクターにより、一命をとりとめ、シェルの犯罪を追うという話です。

バロットの心情の変化と近未来的な世界観が
よく表現されていたと思います。
最後の戦いは壮絶で、終わり方がとても良かった!
続編が見たいと心から思いました。
作画はとてもきれいです。

前半はSFの要素が強く、後半はガンアクションです。
また、このアニメがR-18指定なのは
近親相姦やレイプの描写があるからですね。
あと、意外とグロイです。

この映画は3部作で
2部作目の『マルドゥック・スクランブル 燃焼』は2011年9月3日に劇場公開予定です。

SF・ガンアクション・エロ・グロなどいろいろな要素があり、私はかなりこのアニメ好きです。

下にyoutubeの『マルドゥック・スクランブル 圧縮』予告編
のURLを勝手に貼り付けました 笑

百聞は一見にしかずです!^^


http://www.youtube.com/watch?v=1S48OcRZJRo

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

面白いけど圧倒的に尺が足りてない。 全部見終わった感想です。

特殊な科学技術によって死の淵から甦った娼婦の少女が、不思議なネズミの
捜査官と共に、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を追うってお話。

『圧縮』『燃焼』『排気』の全三部作で構成されている物語です。


まず最初に、この作品は全体的に暗めで内容的に重い部分も多いですし、
残虐な殺人行為や性的虐待など、暴力的でエログロな描写なども
結構あるので苦手な人は注意が必要です。



では、注意書きもしたのでココから感想w


かなり見るヒトを選ぶだろうなって作品ですが、なかなか面白かったです。

作品の持つ独特な世界観や雰囲気、綺麗な映像、スピード感あるアクションなど、
惹かれる要素の多い作品でしたが、この作品の一番はやっぱり映像ですね!!

立ち並ぶビルや光を帯びた道路など近未来の街並、楽園での草木や水などの自然風景、
色鮮やかなカジノでの背景などなど、映像だけでも十分引き込まれる位の魅力が
ありました。 特に「楽園」での光と水の描写はすごくキレイ!!

それに、この作品の見所の一つだと思う 戦闘でのアクションシーンなども
とても綺麗で良かったです!!


ただ、かなり自分好みの作品ではあったのですが、ストーリー自体が
面白かったかと言えば、それはまた別の話で...


大筋のストーリーは良いのだけど、展開が速くて元々わかりづらい内容な上に、
描写不足、説明不足が加わって更にわかりにくなってます。
やはり世界観や設定、バロットやボイルドの能力、心理描写などの
説明不足は大きいですね。

それに、人物描写はもっと欲しかった... 一番描かれていたバロットにしても、
それでも足りないって思うし、せっかく魅力的なキャラがいるんだから
もっと掘り下げあっても良かったと思う。
まぁバロットの心情、不安定さや心の弱さなどを、言葉だけじゃなくて
目線の動きや仕草などでも表現してるのは上手いと思うんだけど、
やっぱり足りてない...

あと、ラストは少しあっさりしすぎだったかな... それに加えて最終決戦のBGMが...
BGMがヒドかった。 なんで最後だけ... それ以外は良かったのに...


そんな感じで、ストーリー自体に対しては 物足りなさを結構感じますね。
原因は確実に尺の問題なんだろうけど...


でもまぁ、一部では華麗なアクション、二部では楽園での映像美、三部ではカジノでの
緊張感ある心理戦など、それぞれ見所もあって良かったと思うので、
一概によくなかったとも言えないんですよねw

そう、悪くは無いんですよね、なんとも惜しい作品なんです!!


自分としては、残念だった部分を含んでも、差し引きで「見て良かった」って思えますが、
好みがかなり出ると思うので、人にはあまりオススメは出来ないかな。

ただ、この映画って原作読んだ後に見ると かなり面白いんじゃないかなって
思ったりします。 自分はすごく原作読んで見たくなりましたしねw

というか、おそらく読むと思いますww

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

70.6 8 相棒で組織なアニメランキング8位
コップクラフト(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
1176人が棚に入れました
一五年前、太平洋上に未知の超空間ゲートが出現した。その向こうに存在したのは、妖精や魔物のすむ奇妙な異世界「レト・セマーニ」だった。「サンテレサ市」。二〇〇万を越える両世界の移民が住む都市。雑多な民族と多彩な文化。そして持てる者と、持たざる者。ここは世界で最も新しい『夢の街』。だがその混沌の影には、数々の犯罪がうごめいていた。麻薬、売春、武器密売。それら凶悪犯罪に立ち向かう刑事たちが、サンテレサ市警察に存在していた……。刑事マトバ・ケイと異世界人の騎士ティラナ、性別も性格もそして「生まれた世界」も違う二人が出会うとき、事件は起きる。二つの世界 二つの正義 その先に-バディポリスアクション開幕!

声優・キャラクター
津田健次郎、吉岡茉祐、折笠富美子、浜田賢二、高橋良輔、鶴岡聡、中原麻衣、井上麻里奈、高木渉、ボルケーノ太田、大塚芳忠
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

良きバディものの足を引っ張るなにか

原作未読

既刊複数の小説が元ネタ。全12話(+閑話休題的な1話)通してみて筋の通った脚本であったと思います。

視聴動機を思い返したところ、今期(2019年夏期)は“なろう”(の異世界転生系)と距離を置くと決めてたものの、蓋を開けてみたらなろうもの花盛り(笑)
観るものが無くなってたところに雰囲気良さげな本作に白羽の矢があたった、みたいな動機でした。


 期待してなかったわりにはけっこう面白い

 悪くはないんだけどいまいちしっくりこない


中途半端な感じがするんですよね。
ある日太平洋上にぽっかり異世界の扉が開いちゃってドンパチが起こり、以後日向に陰に人的交流が生じてしばらく経った後の世界。こっち(地球)の刑事さんであるケイ・マトバ(CV津田健次郎)とあっちからとある案件を追ってやってきたティラナ・エクセディリカ(CV吉岡茉祐)のバディものです。


 設定は好きです
 キャラも好みです
 OPはルパンのばったもんみたいなイントロがちょっと嫌
 二人の関係も悪くないむしろ楽しい
 作画は基本気にしない人

 
バディを組む主役ら関係の変化はすこぶる良いです。はじめはぶつかりあっていた二人が次第に信頼度合いを深めていった王道展開。 性格の凸凹はもちろんのこと、そもそも住む世界が違うわけですから両者の文化風習の違いなんかも衝突理由になったりして新鮮味もあったのでした。

お互いの考え方の背景となるようなキャラ掘り下げもされていて、それで相手をより深く知るといった描写もあったり手堅い部分もありました。渋みのある枯れたおっさん上司を含めて同僚にも恵まれていたと思います。そして切りのいいところで終幕。ですから、


 期待してなかったわりにはけっこう面白い


となるわけです。ただしどうももやっとしたものが晴れません。
理由を考えてみたらけっこうシンプルで、あっさり物事が片付きすぎてたからなんですね。

 {netabare}妖精の兵器転用で一儲け企んでたデニス・エルバジも{/netabare}
 {netabare}古代の生き残りでめっちゃ強そうだった吸血鬼も{/netabare}

煽りに煽ったわりにはあっさり片付いちゃって消化不良を起こします。
前段の盛り上げが良くいい空気を引っ張ってきたのに見せ場を省くか無くしちゃってto be continuedみたいな回が複数ありました。
例えるなら、印籠出すシーンが無くて気づいたらみんな平伏している水戸黄門。居眠り小五郎パートを省いたコナン君みたいな収まりの悪さと言って間違いはありません。作画カロリー削って動画の手を抜いたからかしら?の弊害を感じます。よって、


 悪くはないんだけどいまいちしっくりこない


答え合わせです。
ヒロインの作画は終始安定してたりもするので、この作品の大幅に落ち込んでる部分を流せる方であれば私のように楽しめるんじゃないかと思われた佳作です。




※異文化との付き合い方に関する雑談

昨今のトレンドでしょうか? 移民問題を扱っている作品が散見されます。
本作は異世界の “ セマーニ ” 人をメタに用い、もともと住まう地球人とセマーニ人との軋轢を描いてました。政治的な内容を多分に含んでおります。
興味が薄ければスルーでしょう。敏感ネタなので料理の仕方を間違うと視聴者の反感を食らいます。このへん作品のメッセージ内容に絞るとしたら、私は肯定的な立場です。


{netabare}1.選挙はベストな選択をするのではなくよりマシなのを選ぶ(ケイ)
⇒真理ですね。実生活の応用としては「ここがダメだからこいつは全部ダメだ」と言う輩の発言を信用しないことです。{/netabare}


作中ですと、あくまで市レベルなので矮小化されてます。実生活の県政や市政(区)だと人となりがわからないことが多いでしょうから、WEB検索ちらっとしてから投票に向かえば良いと思います。
「こいつはダメだからこっちよろしく!」な人に対して「じゃあお前はどうなんだ?」と考える習慣はついてる方多いのではないでしょうか?


{netabare}2.開かれてしまった以上ゼロには戻せない云々(ティラナ)
⇒これまた事の本質ですね。ある以上は仕方ない、で地道に改善していくのが良いと思ってます。グレートリセットは革命家/テロリストの発想ですから論外。ついでに○○人は帰れ!と吠えるだけとか、正統性をぼやいて静観するのも賢明とは思えません。


あなたならどうしますか?の思考訓練です。ご興味あれば以下ネタバレ開いてどうぞ!
※私案ならこちら↓

{netabare}⇒異文化はどこまで受け入れて何を切り捨てるかのコンセンサスが肝で、私なら「切り捨てアリ」の前提で合意形成を図ります。今ホットなネタを例に挙げればこんな感じ

第一段階:敵対行為にならないギリの線で国内準備する
・ビザフリーの停止。外国人土地取得の制限。不法滞在者強制送還の法に基づいた運用徹底。武装難民(便意兵)船舶の臨検ないし撃沈を可とするなど各種法整備をすすめる。
・外務省に予算を与え、カウンタープロパガンダを仕掛ける。人事評価に反映させればやる。

第二段階:多国間調整と二国間調整
・逆恨みは消えないだろうからスケープゴートを用意。候補は向こうが言うところの「善良な日本人」らが最適。有事には後ろから撃ってくる輩だし分断しとく。
・大陸のアキレス腱握っときたい。5Gだったり天然ガスだったり。むしろ半島よりこっちが重要。介入を限定的にさせるなど根回し要。
・有事の際の在留邦人安全確保のための取り決め。(※只今先方は日本の働きかけを絶賛黙殺中。人質とるぞ!の意思表示だと自覚したほうがよい)

第三段階:勝てない戦はしない
これは書かない。{/netabare}{/netabare}


あくまで自国の国益が最優先。無自覚な受け入れは将来的にはさらに大きな衝突を生みます。ヨーロッパはその繰り返し。学習してるようでしてません。

アンジーみたいに養子もらいまくりならその思想信条は置いといて傾聴に値しますが、多くは「自分のとこで雇わない」「自分の居住区近辺には入れない」言行不一致ポジショントークで安全なところから適当に耳障りの良いことを言って濁しております。差別だとかヘイトだとか言っとけばそれ以上ツッコまれないのです。


ドナルド・キーンだったか誰だったか


「日本人がしっかり日本人してればいくら来ようが問題ねーよ」


一定数超えてしまえば無理です。「郷に入ったら郷“が”従え」の連中相手に全て受容したら溶けて無くなるでしょう。あまり考えないかそれでもよいと考えてる方にとっては些細な話でしょうが、私はご免こうむりたい。

とは言いつつ“日本人がしっかり日本人してれば”の箇所は一利ある発言です。要はポリコレの変なのを潰しとけばそれ自体が抑止力になって増長できないのです。
そのようにして、一度開いた扉とはお付き合いを続けていかなければならず、じゃあやーめたとするには撤退戦略を練って実践する必要があるのだと私は思うのです。




さてさて、いつも通り脱線しましたが、最後に話を作品に戻して、、、
終盤のメタ移民問題に対する作品のスタンスは私が思う限り真っ当でした。手を取り合う未来目指して試行錯誤しながらお互い頑張りましょう!ってところです。

{netabare}当初、犯人をぶった斬ったティラナを諌めたケイが、ラストでティラナの剣を用いて思いっきりぶった斬ってたりしたのが象徴的でした。

おまえの言い分もわかるよ、と。{/netabare}


だからこそもったいないんですよね~
好きなんですよこういうの。。。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------
2020.04.13 追記

上記【※異文化との付き合い方に関する雑談】ではお隣の半島を想定してます。


2019.10.06 初稿
2020.04.13 追記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ちょっと勿体ない

<2019/10/6 初投稿>
原作未読です。
とりあえず最終12話まで観終えました。

賀東招二さんが原作・構成・脚本も
キャラクター原案は村田蓮爾さん

ということでハードル上げすぎたかも。
というわけで辛口レビューです。

異世界と現実社会がつながったとある都市での警察バディもの。
主人公は地球人の警察官ケイ・マトバ(♂)と異世界の騎士ティラナ・エクセデリカ(少女)

とある事件で行動を共にすることとなった二人が価値観の相違からぶつかりながら〜という感じです。
ところで、最初から仲良しのバディものって最近のアニメじゃ本当に見かけないなー(´・_・`)

設定や雰囲気、音楽や声優さん、そして村田蓮爾的絵柄は好みでした。
村田蓮爾のキャラクター原案で今期もう一つ「BEM」という作品がありましたが、本作の方が村田蓮爾の良さが出てる感じ。
物語もあらすじだけ読んだら大好物。

なのになんか物足りない。

正直、絵はお安いです。
ティラナが可愛いだけ。
あとは手抜き言われても仕方ないかも。
手抜きといっても手間暇かけてないんじゃなくて、なんて言えばいいかな。
そう。
絵の美しさが感じられない。

アニメの製作工程はよく知らないけど色合いがなんか単調。
例えばも少しセピア調にするだけでも雰囲気よくなるのに。
なんならモノクロの方が良いくらい。

あとこれは演出なんでしょうか。
こういうちょい渋めの作品ってわかりきってるシナリオをどうハラハラワクワク見せるかが全てな気がするのですが。
なんかハラハラもワクワクもあんまりしない。
もしかしたらシナリオの方か?
いや構成?
賀東招二なのにこれ?という残念感。

上に挙げた2点以外は好みです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ケイのラケバイ

異世界との交流の玄関口となり、
ファンタジー風世界絡みの貿易だけでなく犯罪も多発する都市・サンテレサ。
地球のやさぐれ刑事&異世界のキマジメ女騎士がバディとなって事件に挑む、
ライトノベル(未読)のアニメ化作品。

【物語 4.0点】
脚本、構成は原作・賀東 招二氏が自ら担当。

ラノベのアニメ化においては、
活字だと“専門用語”含めて理解できるが、映像にしたら意味不明になる、
独りよがりが懸念事項だが、氏においては杞憂。

むしろ映像で喋らせると現実にはない言い回しになる
“吹き替え時空”にまで配慮したという脚本。
リアリティよりエンタメ性を重視した“翻訳”で
移住したばかりの視聴者もサンテレサ市に巧みにナビゲート。

但しペースは黒幕との一定の決着まで描くことを
優先したそうで、飛ばし気味。


【作画 3.0点】
全体的に作画カロリー不足。そのほか能面の平行移動や物体の伸縮等も散見。

戦闘シーンでもキャラデザ村田 蓮爾氏(『LASTEXILE』など)
の絵を動かそうと奮闘するも枚数不足。

ただ構図選択には地球&異世界交流都市の混沌を再現しようというセンスはあり。

そこまで酷くはないけど、ソース不足が惜しい、勿体ない作画。


【声優 4.0点】
原作者脚本により実現した地球語&“セマーニ語”のバイリンガルなアフレコが
作品世界ならではの掛け合いを好表現。

刑事ケイ・マトバ役の津田 健次郎さん、
主任ビル・ジマー役の辻 親八さんが警察ドラマの毒気を、
ビズ・オニール役の高木 渉さんやゼラーダ役の大塚 芳忠氏が狂気を、
ベテラン勢の渋味が効いたボイスが、汚れを知らない異世界騎士様をお出迎え。

はぐらかすバディ刑事にいきり立つ騎士ティラナ役・吉岡 茉祐さんの
「ケイのアホ、バカ、ラケバイ」は、2019私の萌え殺しボイス賞にノミネート。

※因みに「ラケバイ」は“セマーニ語”でバカの意。


【音楽 4.0点】
劇伴、オーイシマサヨシさんのOP「楽園都市」共に、
適宜ジャズやクラブ成分も添加して都市の猥雑を表現。

その闇を真っ直ぐに駆け抜けるヒロインの意志を
EDのティラナ・エクセディリカのキャラソン「Connected」及び「Nonfiction」が
ロック風サウンドで貫き通す。


【キャラ 4.5点】
語尾や言い回しでキャラ立てするラノベの伝統芸。

本作ではさらに踏み込んで、捻くれハードボイルド風のブラックジョークと、
高潔なファンタジー風女騎士の真っ直ぐな言動を掛け合わせることで、
地球&異世界交流都市の縮図を象徴。

“セマーニ人”への差別的言動にらしくないストレートな怒りをぶつけるケイや、
徐々に“嘆かわしい”地球の暴言も体得していくティラナが、
社会風刺も交えたバディの絆と高度なデレ?を提供。


【感想】
板垣 伸監督×制作ミルパンセ。
私にとっては『Wake Up, Girls! 新章』の大荒れ作画が懸念材料になっていまして……。

本作には興味はありつつも、徐々に聞こえてきた作画崩壊の噂にもビビって、
リアルタイムでは飛び込むのを躊躇していました。

遅れて視聴となった私ですが、予め“受け身”が取れていたのか、
作画については、思ったよりはマシだったという感想が残りました。
むしろ、ちゃんとソースさえあれば
良い仕事をされる方々なのだろうなと確認できたので、
今後、興味がある作品を担当された際は、怯まずに視聴しようと思い直しました。


オーディションで本作ヒロイン役を射止めた吉岡 茉祐さんもまた、
私にとっては「Wake Up, Girls!」の島田 真夢役の印象が強い声優。

不可解な形で「WUG!」の活動にピリオドを打ったまゆしぃですが、
こうして『WUG!新章』のスタッフさん等も参加した本作でアフレコして、
歌声も聴かせてくれて、無事キャリアを継続されているようで一安心しました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 34

70.4 9 相棒で組織なアニメランキング9位
機動警察パトレイバー 初期(OVA)

1988年4月25日
★★★★☆ 3.8 (171)
904人が棚に入れました
クリエイター集団「ヘッドギア」が送り出したOVAで、後に劇場版やTV版なども製作された人気シリーズの原点ともいうべき作品。近未来都市、東京。続発するレイバー犯罪に対抗すべく、警視庁は本庁警備部内に特殊車輌二課を設立し、これに対抗した。通称特車二課パトロール・レイバー中隊…パトレイバーの誕生である。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、二又一成、池水通洋、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、大林隆介、榊原良子
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

陸自クーデター事件込みの《警察組織のリアルロボットもの》

同じ陸自クーデターものの『ガサラキ』のレビューを上げているので、それとの比較で、

①同じく、リアルロボットものアニメであり、
②題材として、自衛隊クーデター事件を扱っている作品

・・・ということで、本作のレビューも併せて上げておきます。

◆総評

WIKIPEDIAによれば、監督の押井守(おしい・まもる、1951年8月8日-)氏は、東京都大田区大森出身、東京都立小山台高等学校を経て東京学芸大学教育学部美術教育学科を卒業。2008年度から2009年度まで東京経済大学コミュニケーション学部の客員教授を務める。日本SF作家クラブ会員。

→つまり 1970年(昭和45年)11月25日に起きた作家・三島由紀夫氏の自衛隊市ヶ谷駐屯地(現・防衛省本省)東部方面総監監禁・自決事件の直撃世代(事件当時、押井守氏19歳。なお本作の脚本を担当した伊藤和典氏は15歳)。

・・・ということで、本作でも、その後制作に携わることになる『攻殻機動隊 2nd G.I.G.』(ストーリーコンセプト担当)でも、自衛隊や内閣組織内部からの政府転覆(=クーデター)未遂事件を変な執着を持って描き出す作風にひとつの特徴がある方のようです。

この初期OVAを総評すると、

(1) 1988年という制作時期を考えれば、とくに作画や演出の面でかなり丁寧で良質な作りの作品であり、
(2) また、中途半端な謎テクノロジーをロボット側に混入させていない点で、最も文字通りの意味での「リアル・ロボット」作品といえると思いますが、
(3) その一方で、監督(押井守氏)及び脚本家(伊藤和典氏)が、共に全共闘世代(ないし三島由紀夫自決事件世代・ベトナム戦争世代)ということで、シナリオにある種の臭みが漂う点は留意しておいた方がいい作品

・・・ではないか、と思いました。

※なお『機動警察パトレイバー』シリーズは、本作を第一作として、この後さらに、(1)長編TVシリーズ(全47話)、(2)続編OVA(全16話)、(3) 劇場版(全3作) が制作されており、そちらの方もいずれレビューしてみたいです。


◆制作情報
{netabare}
原作         ヘッドギア(ゆうきまさみ、出渕裕、高田明美、伊藤和典、押井守)
監督         押井守(第1-6話)、吉永尚之(第7話)
シリーズ構成・脚本  伊藤和典
キャラクターデザイン ゆうきまさみ(原案)、高田明美
メカニックデザイン  出渕裕、佐山善則
アニメーション制作  スタジオディーン{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

===== 機動警察パトレイバー (アーリーデイズ) (1988年4月-1989年6月) ====
{netabare}
第1話 第二小隊出動せよ! ★ この年代にしては作画良好だが一部のキャラのウザさには閉口
第2話 ロングショット ★ ニューヨーク市長来京・テロ防止任務、カヌカ着任
第3話 四億五千万年の罠 × 東京湾の巨大謎生物 ※オチがなく脚本安直
第4話 Lの悲劇 × レイバー隊の富士研修 ※陳腐な怪奇譚でガッカリ
第5話 二課の一番長い日(前編) ★ 年末休暇、篠原重工の極秘開発メカ、陸自クーデター発生
第6話 二課の一番長い日(後編) × 核ミサイル回収作戦、空挺用レイバー投入、クーデター鎮圧 ※首謀者の小物感&陸自クーデターの目的の偏向ぶりは×
第7話 特車隊、北へ! ☆ 盗難パト密輸未遂事件 ※脚本が分かり辛い点&この回も犯罪者が小物過ぎる点は×{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)1、×(疑問回)3 ※個人評価 × 3.2

OP 「未来派Lovers」
ED ※毎回変わる

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

色眼鏡の功罪

アニメ版パトレイバーの原点という事で、このシリーズ好きなら参考に見といてもいいかもです。
因みに当時の評論家はボロクソに言ってましたw








以下は作品とは関係ない話で読んでも不快だろうから隠しときます。
{netabare}私、パトレイバーって発表当時は好きじゃなかったんですよね。
なんでかというと、パトレイバーが世に出る前に士郎正宗に出会ってしまったから。
べつに関係なくね? と思われるかもしれませんが根がガキだった私には大有りでした。
究極超人あ~るは読んでたので、ゆうきまさみの漫画は嫌いじゃなかったんです。
が、たまたま買った初期作品集にチラッと大々的に発表される前のパトレイバーらしき絵が混じってたんです。
別に今にして思えばその時点でアニメも漫画も企画は固まってたんでしょうが、幼くて馬鹿な私は勘違い。
士郎正宗の路線、パクリやがった ってね。

ガキだからそう思いこんじゃうと、冷静に作品の出来不出来なんて判断出来なくてね。しかも、アニメ化の第一弾だったコレが4話までパロディ路線なもんだから意味もなくムカつきましてね。
(5・6話も天皇のいない八月のパロディとも言われてますが)
まぁそれでも、当時のアニメとして注目度は高かったから目は通しましたけどw

だから劇場版見たのも親しい友人が猛烈に勧められたからでした。
流石に劇場版の出来見たら黙らざるを得なかった。士郎正宗の受けそうな要素だけパクるなんて志低い作品じゃないの理解出来ましたしね。

こんだけ作品が乱発されるアニメの現状でいけば、どこかで見たこと有るな~とか何かと似てる~とかって状況増えてもしょうがないと思うんですよね。
そもそも原作付ならば、話の筋自体は原作の出来を問うべき話であってアニメ自体はその見せ方・演出で勝負するしかない訳で。

それはアンタの観方だろ って言われるの目に見えてますが、なんかこき下ろさんが為に書いてねえ?ってヒドいレビュー見ると作り手側がちと気の毒で。
まぁヌルい評価で甘やかす事の方が罪 と言う見方もあるでしょうが・・・ {/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

OVA業界の先駆者

一本1000万円で作れば採算が取れる。
これが初期パトレイバーのコンセプト。
以後OVAの黄金期の始まりです。
パイロット版にちかくまじめな話なのにコミカルな要素が強い。キャラもほんのすこし破天荒で方向性を模索している感じがする。
個人的に一番荒削りで好きかもしれない。
ストーリーは秀逸で初期シリーズだけでしっかりと収まりきっています。パロディを多様しているのですが・・言われなきゃきがつないようなネタばかり・・・・

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

71.0 10 相棒で組織なアニメランキング10位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
657人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

esso-neo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヘッ、サイボーグのトーストなんざママレード付けても食えねえや

 監督がかの出崎監督。主演のコブラが野沢那智、相棒のレディは榊原良子。もはや現代のアニメにはない魅力が詰まっている。そのセリフ、その芝居、その画面、どれをとっても退屈させず現代でこれをいかに超えなければいけないのか、同時に何を残していくべきなのかべつにアニメ製作にかかわってるわけでもないのに考えてしまう。もはや“魅力”そのもののあり方が変わってしまったのか。それは無理もないことだけど、今でもコブラは多くの男児をうならせるキャラクターのはずだ。いちいち新時代だとかいってひとつ爆発したものに倣って同様の爆発をしていてはそれは昔となんの変わりもないのだ。もっといろんなアニメに賞賛とケチがつけば楽しいのになぁ。
 こう書いておいてなんだけどこのレビューは賞賛のほうで。
 やっぱり時代が違う。なのに今見ても退屈しない。たいした脚本が仕込まれてるわけではない。でもべつにアニメなり映画なり、ストーリーがすごいってだけで必ずよくなる保障なんてないのだ。なんにせよ見所はコブラの野沢那智を始めとするモブにいたるまでの声優陣、そして監督らによる作画と演出で魅力を持たせていることが見ていて退屈はさせない要因なのだろう。昭和もいいもんだなぁ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いわゆる「アメコミ」

少年ジャンプにおける銀魂やシティーハンター、北斗の拳などのいわゆる劇画路線の開祖である。その前にもいろいろ劇画はあるが「アメコミ」や「バンドデシネ」を意識した画面作りは「コブラ」のヒットから始まっている。

バンドデシネ作家のエンキビラル、メビウスやアメコミ,SF作家のフランクフラゼッタ、ボリス・ヴァレホなどの絵と酷似している。。。。だけでなく、ヘビーメタルやロックに詳しい人なら知っていると思うが、70年代から80年代にかけてのバンド系のレコードの表紙は必ずと言っていいほどSFやファンタジーのオタク的なイラストがそのまま使われている。

と、言うのも。。。だいたい有名どころのロックシンガーは実はかなりのSF、ファンタジーファンであり小説やらパルプ雑誌を読みふけりながら葉っぱと酒と女にラリっているというとんでもない人が多い。リア充なんだかオタクなんだかわけわからないが、海外のファンは日本と違ってオープンであり、ギークやナードはどちらかといえば小心者を指す言葉になっている。

そういったカウンターカルチャーと呼ばれる文化は日本にも波及し、80年代を席巻した。音楽にしろ、漫画にしろこの頃の作品はやたらとアメコミ調で、世界は荒廃しており、男は皆モヒカンで世紀末な格好で、女はビキニアーマーを着ている半裸のねーちゃんなのである。

寺沢武一先生は、これに関して「私はバーバレラ(フランスの60年代エロティックSF漫画及び映画)から影響を受けた」と言ってたらしいが、確かにそれは出発点ではあるものの、全体的には当時のフランスSF漫画雑誌メタルユルラン(英題:ヘビーメタル)調であり影響受けてないはずがないのである。北条司や荒木飛呂彦、三浦建太郎、原哲夫。。。挙げたらキリがなくなるくらい影響を受けている。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

漢という名の物語

やっぱりコブラっていったら野沢那智、出崎演出&羽健だろう?まぎれもなくヤツなんだよ。
ルパンに似てる?スタッフかぶってますからね・・
最初は山田さんだったらしいがさすがに似すぎだから変えたとかなんとか。
話は原作に結構近い。いろいろと細かいところは変わっているが。


最近は動画サイトでフラグクラッシャー&スペースほむら等として有名になってしまった。あれはあれで大爆笑するが。
ついでに元ネタのほうもぜひ観てほしい。
これもあのかっこいいOPのせいよね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

69.7 11 相棒で組織なアニメランキング11位
文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(アニメ映画)

2018年3月3日
★★★★☆ 3.7 (75)
461人が棚に入れました
中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪と同じ名前を持つキャラクターたちが、それぞれの文豪にちなんだ異能力を使って戦う姿を描いたバトルアクション。原作・朝霧カフカ、作画・春河35による同名コミックを、「STAR DRIVER 輝きのタクト」などを手がけた監督・五十嵐卓哉×脚本・榎戸洋司×アニメーション制作・ボンズのタッグがアニメ化。2016年に2クールが放送されたテレビアニメに続く劇場版で、原作者協力によるオリジナルストーリーが展開する。ヨコハマの裏社会で巻き起こった「龍頭抗争」から6年後、不可解な「霧」の中で異能力者が自らの力を用いて命を断つという事件が世界各国で発生。内務省異能特務課は、この事件を「異能力者連続自殺事件」と命名し、武装探偵社に、関与が疑われる謎の異能力者・澁澤龍彦の確保を依頼するが、時を同じくして太宰が消息を絶ってしまう。

声優・キャラクター
上村祐翔、宮野真守、小野賢章、谷山紀章、諸星すみれ、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉洸幸、嶋村侑、小見川千明、小山力也、宮本充、雨宮天、諏訪部順一、福山潤、石田彰、中井和哉

Acacia さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ボンズ劇場版。珍しく予想を裏切る。

ボンズの劇場版は作画ばかりが先行し、話創りが微妙…。
という印象を持っていますが、今作は予想外でした。

TVシリーズ同様、原作者とスタッフで、練りながら
6年前の龍頭抗争という一つの事件も
映像化されている所はファンには眉唾物。

今作は、敦/太宰/鏡花/芥川/中也/フョードル/澁澤
が前面に出ていて、その他のTVシリーズキャラクター達は
台詞がほとんどありません。
国木田のみ多少の出番はありますが。

善人として振る舞う敦への生きるという事、
異能を持つ事の再自覚と試練。

鏡花の亡くなった親。そして人を殺す事に特化した異能。

収集家である今回の最大の敵、澁澤。
今後3期で関わると思われるフョードルの暗躍。

二人と共謀しているのか?織田作との誓い故に
演じているのか?原作同様、飄々と動く太宰。

文スト好きが楽しむのはこの辺りだと思います。
個人的には鏡花ちゃん好きにはえらくヒロインしてて嬉しい。

映画館で4度ほど視聴後、4DX版も1度視聴。
先行上映と舞台挨拶では人もそれ程入っていませんでしたが、
一般上映では、大勢の人が観ていた印象。
その後、上映館がかなり増加してます。
「ボンズ作品で人が入っている…。」
意外でした。ボンズ好きとしては嬉しく思います。
※その後のヒロアカもお子さんが多くて(笑)

共興収入も5億を突破。(明らかに特典商法してますが)
実は深夜放送のアニメタイトルという括りでは
今年現在、上位に食い込む売上。

BDを予約し、発売日を仕事しながらまだかまだかと
待ってます。90分の中に映像と物語が凝縮されていますので、
見逃した方もテレビシリーズを観ているなら、
観てみても損はないかと思われます。
更に興味が湧けば、実際の文豪の作品にも
色々触れてみると、このシリーズは一種のファンタジー。
娯楽を追求した作品だという事が理解でき
より深く楽しめると思います(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「異能力者連続自殺事件」の真相とは…!?

この作品は、文豪ストレイドッグス2期の続編…で良いと思います。
「夜叉白雪」を能力に持つ泉鏡花が、武装探偵社に正式な社員として迎え入れられていたので…

登場人物に対する説明は一切無し…
ポートマフィアや武装探偵社がどの様な組織なのか、くらいの紹介はありますが、基本的にこの作品の設定を熟知しているのが前提になっています。
従って、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

今回の事件もヨコハマを未曾有の危機に陥れます。
事の発端は世界各国で突如霧が発生したこと…
そしてその霧が発生すると、何故か異能力者が自らの命を絶つ事件が併発していたんです。

もちろん、偶然の可能性だって否定できません。
ですが、被害件数が3桁にもなると、もう偶然では説明できません。
何らかの陰謀が蠢いていると考えて差し支えないと思います。

そして霧の次のターゲットはヨコハマ…手がかりがほぼ皆無である中、物語が動いていきます。

この霧…相当やっかいでした。
街が霧に包まれると、辺りの状況が一変していました。
それは凡そ私たちが目にすることのできない状況だったと思います。

そんな中、内務省異能特務課から武装探偵社への依頼は「首謀者の排除」だったんです。
「排除」って決して穏やかな言葉では無いと思います。
完走して振り返ってみると、この「排除」の二文字が物語の中で重要なキーワードになっていた気がします。

人の命の重さを知らない訳ではありません。
ですが、全てが武装探偵社に寄り添う発想だけではないんです。
武装探偵社の真逆を突っ走っているポートマフィア…
言葉の重さの意味からして異なる間柄なんです。

でも、霧の中では組織の形は何の意味もありません。
そもそも霧の中じゃなかったとしても何の意味もなかったかも…
それは自分が寄り添う結果にしか過ぎないのだから…

自分自信の矜持がどれほど大切なのか…教えてくれる作品だと思います。
「覚悟」とは何か?
「身を挺する」とはどういう状況を意味するのか?
人はそれぞれ「己のやるべき事」を見つけ、それに注力できるのか?

人は一人では生きていけません。
でも、自分しかできないこと…自分しか進めない道もあるのです。
そして時には、それを選択しなければならない。

自分の殻を破るため…
弱い気持ちから脱却するため…

どうして人は頑張れるのか…
こんな当たり前を、この作風ならではのテイストで教えてくれる作品です。

それともう1点…
本作で泉鏡花は本当の意味で探偵社の社員になったと思います。
これまで見られなかった様々な彼女の顔を見ることができるのですが、個人的にはラストで見せてくれた表情がお気に入りだったかな…^^

そんな泉鏡花を演じているのが諸星すみれさんなんですよね。
ここのところ、たくさんの接点を感じているのは私だけでしょうか…?
別に狙っている訳ではないんですけどね。
まぁ、これを知って視聴に俄然気合いが入ったのは言うまでもありませんけれど…

ヨコハマを未曾有の危機に陥れた「異能力者連続自殺事件」
真相は一体何だったんでしょうね?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間90分の作品でした。
そういえば、本作は「Newtype×マチ★アソビ アニメアワード2017-2018」において、泉鏡花が「女性キャラクター賞」を受賞しているそうです。
この結果には思わず納得です。
なぜなら作中での彼女はとても魅力的でしたから…

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オリジナルストーリーですがよかった!

開始直後からアクセル全開の戦闘が入って居て気合の入れようが凄く伝わりました。
物語の時間軸はアニメ2期ラストのVSギルドから原作の次の舞台の間あたりでしょうか?
ストーリーは少し展開が早かった様に思います。
主人公のアツシを始め人気キャラ達の見せ場をしっかり取ってあるのですが、逆にあまり出番の無いキャラも多くなってしまっているのもまた感じてしまいました。
せっかくの劇場版なんで出番をもっと増やしても良かった気もします。
しかし活躍があったメンバーの過去に関わるストーリー展開も中々面白く。
太宰さん達の駆け引きも見ものでした。
最終決戦で戦った組み合わせも新鮮でした。
アニメにも原作は漫画しか知りませんが、この組み合わせはなかったので^ ^
そして、ラスト戦闘シーンの挿入歌!
相変わらず、挿入歌の入れ方が絶妙(´艸`)*
戦闘にもスピード感もあり良かったように思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

62.3 12 相棒で組織なアニメランキング12位
境界戦機(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (101)
327人が棚に入れました
西暦2061年、日本は支配された。4つの世界主要経済圏によって分割統治されるに至り、日本人は隷属国の人間として虐げられる日々を送っていた。日本は各経済圏が投入した人型特殊機動兵器 AMAIM が闊歩する世界の最前線となった。機械好きの少年、椎葉アモウは、ある日、自律思考型AI「ガイ」と出会う。これをきっかけに、アモウは日本を取り戻すための戦いに身を投じることになる。自ら組み上げた AMAIM「ケンブ」に乗って。

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

ネクストガンダムを探しているのかな…。設定の根本が大失敗している。

日本が分割統治されている…。
まあ、元ネタは第2次世界大戦時に実際に日本をドイツのように分割統治する案があった部分。
ブレイクスリー原則ってやつ。

これに基づくフィクション作品はたくさんある。

でも、この反戦思想というか、設定が完璧に時代遅れな気がする。
支配しているのが共産主義か独裁国家による占領なら理解できるが…。
そもそも分割統治するような植民地化した国に、いろいろなツールは与えない。

日本以外の想像上の設定国を作ったほうが良かった。
へんに日本を舞台にしたことでアニメとは関係ないところで色々今後面倒になりそう。

なんにせよ、ネクストガンダム探しの一環なのは間違いない。
最初からプラモ販売も同時進行なわけで。

ただ、本質は子供向けなんだろうな。
バディとなる自立型AIがいるし、昔ならコロコロコミックスあたりで連載、日曜朝のアニメ化路線のはず。

深夜なのは枠がそこしかないのと、配信でどうにでもなるという判断。

まあ、ネクストガンダムになるような、ストーリー自体に魅力的なネタが作品中に転がっているかどうか、そこに注目して観るのも面白いか…な。


■2話まで視聴

やはりガンダムや現実の日本とかに引っ張られずに、サクガンみたいに完全な別世界ベースで話を作った方が正解だったんじゃないだろうか。

既視感が酷いし、結局劣化版ガンダムになってしまっている。


■5話まで視聴

うーん、ここまでベタなストーリー展開じゃないと駄目なのかね?
人の心というか描写にガンダムのような共感はないな…。

ガンダムみたいに子供は単純に戦いを、
大人はそのストーリー自体から揺さぶられるような作品は、もうサンライズには無理なのか?

こんな単純かつベタな話路線なら、ブレイクスリーネタ必要ないだろうに。
宇宙人との戦いでも異世界人との戦いでもなんでも、そんなんでも変わらん。

人が亡くなってもマチルダさんやミハルのような感傷は一切感じられない。
それじゃあアニメ内とはいえ無駄死ににも程がある…。


■11話まで視聴

結局のところ、やはりブレイクスリー原則の日本をテーマにした時点ですべてが失敗だ。

モビルスーツサイズの機体を日本のような平地がほぼない糞狭い国土を分割した状態で、
レジスタンスな戦争が出来ている…わけがない。

昔、御巣鷹山に日航のジャンボ機が落ちた。
翌日には場所が特定された。

日本で、モビルスーツサイズを乗せるトラックが、
たとえキャタピラ仕様な悪路対応車両に仕立てたとしても、
果たして走行できる箇所はどれだけあるか…。

設定の全てが破綻している。
現実世界にしたいなら、北米の森林地帯とか、南米のジャングルとか、
ロシアのツンドラ地域とか、
モビルスーツサイズが小隊レベルでも
まあ、なかなか見つからないわな、という地理的広さが必要だろう…。

狭い日本を更に分割したなかで
レジスタンスな局地戦で、
モビルスーツサイズの武器を運用…。

ネクストガンダム考える前に、
子供だまし過ぎる机上の空論をどうにかすべきだった…。


■飛ばしつつ13話まで視聴

うーん、これ続くんだ…。
もはや何をテーマにしてるんだか…。
各種設定とストーリーとしてやっていることがチグハグ過ぎる。
セリフで臨界点とか言ってるけど、意味わかっているのだろうか…。

とにかくガンダムな路線を行くには出来が悪すぎる…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

まるで20世紀みたいなことやってる

【紹介】
2061年、日本は4つの強大国家によって分割統治され隷属国となり、支配した国々に虐げられていた。
日本には人型特殊起動兵器がたくさん歩いていて、荒廃した日本を取り戻すため自立型AI搭載のロボに乗って戦う話。

【設定の疑問】
{netabare}
戦争で負けて占領されたのならともかく経済破綻した日本を分割統治する意味がわからないですね。
オセアニア連合、北米連合、ユーラシア連合、アジア連合でみんなまとまってるのになんで日本はどこにも入れてもらえず孤立していたのでしょうか?
あとオセアニア連合も今の国際関係だとちょっとあり得ないかなーって思います。

もちろん日本の支配権をめぐって超大国4つが戦争するというのが一番あり得ない話かなと思います。
そんな超大国同士で戦争してまで争うような領土でしょうか?
なんで大国が4つも島国に集合してこんなちまちま戦争しているんでしょうか?
なんでそんな危険地帯に人間を送り込むんでしょうか?

今から40年後の設定ならこんな形の戦争にはならないと思います。
少なくとも侵略する側は人間が戦場に行くことはなくなると思うんですよね。
AI兵器で敵を制圧したら、敵も人や国土に被害が出るまえに降伏すると思います。

それから、各連合が日本人に対する差別も変かな。
植民地だから何をしてもいいっていう発想かもしれないけど、しいたげた結果住民だってこうやって抵抗しているわけで
敵の超大国がいるのに住民にまで反乱されたら面倒ですよね?
せめて敵国を追い払うまでは親切なふりをするほうが賢い統治だと思いますけどね。

そんな感じで分割統治している4か国がすごく前時代的で、みんなトップが無能なのかな?って思ってしまいました。
{/netabare}
【作画】
作画は良いです、特に戦闘シーンの動きが良い。

【シナリオ】
話はつまらなくはなくて、それなりに面白いです。

対立組織が多いのでどこの国がどういう思惑で動いているのかわかりづらい。
それに各国の動きがリスクに対して得られるものが釣り合ってなさすぎて、何のためにこんなことしているのかわからないです。
分割統治でもいいけど、せめて2つで良かったような。
たぶん2クール目が放送される頃には敵陣営の関係性とか忘れています。

【キャラクター】
キャラクターは境遇が酷い割に性格が良くてストレスなく視聴できるのは良いことだけど、
それは悪いところでもあってキャラクターに重みがなくて、主人公は成長しないし敵に魅力がないのが勿体ない。
主人公と強敵の闘いというのはこういったアニメの面白い部分だと思うだけに残念。

AIの主張が思いのほか強くて人が乗る意味があまりないような気もするけど、何故か人が乗ると強くなるみたいでよくわからない設定ですね。
AIの計算速度に人間が勝てるわけないと思うんですが。

隷属国にされているのに結構恵まれているのであまり悲壮感がなくて、命がけで戦う意味があるのかな?
たしかに差別されて酷い扱い受けているけどこんな絶望的な状態で戦って何になるんでしょうか?
日本からすべて敵を追い払ったとしても日本の経済的・外交的な危機は変わらないと思う。

【総評】
コードギアスのようなものを作りたかった感がありますね。
名作には届かないけど全体的に悪くはない感じで、2クール目も視聴継続しようと思うくらいには面白かったです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ロボは良い

分割1クール目、日本が4つの国に支配されている世界。そんなに日本魅力ある?盛りすぎだと思います。
それに支配する国が戦い、日本中が戦場と化し、焼け野原になっているはずですが、街並み綺麗なんですよね。日本人が偉そうに言われてる描写は少しあるが、結構普通に暮らしてる。1つの国に支配されてるで良かったて思いますね。あと、日本を取り戻す為に戦ってるはずなのに、関係無いのと戦ってる、まぁ、危険な存在ですけども。

作画は背景とか普通ですが、キャラ絵がポ○モンとかに出てきそうな感じ、子供向けっぽい。それは良いんですが、少し独特です。主人公が分かりやすいですが、目の主張が凄い、髪型が超独特、散髪屋に行って。主人公と同じ目は男女問わず他のキャラもいる。独特な髪型のキャラも結構います。私はかなり気になりました。対してロボは普通にカッコイイと思いました。それに戦闘シーン、ロボ良く動いてる、殴り合いもするし銃撃とか、剣、変わった武器、迫力あります。なので、キャラ絵は目をつぶって作画4.0にしました。

キャラの個性は薄いです、主人公すら個性が薄いし、仲間のロボに乗る女の子シオンが超薄い、あまり話さない。女の子キャラ少ないのにもったいないし、整備士のお姉さんの方が個性的でした(^^;

続きが気になる終わり方、2クール目が4月からあるので観ます。ロボは良いのでお勧めします、2クールで長いですけど。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

61.4 13 相棒で組織なアニメランキング13位
ルパン三世 天使の策略(タクティクス) 夢のカケラは殺しの香り(OVA)

2005年7月22日
★★★★☆ 3.5 (64)
316人が棚に入れました
アメリカのネバダ州にあるグレーム・レイク空軍基地エリア51に保管されている「オリジナルメタル」は、何と墜落したUFOの破片。この地球には存在しない宇宙金属こそ、ルパンが狙いを定めたお宝だ。しかも五ヱ門の斬鉄剣でも斬れないというとんでもない金属である。だが、「オリジナルメタル」を狙っていたのはルパンだけではなかった。ジークンドーの達人・ジョー、重火器のリンダ、妖刀紅桜を持つ辻斬りカオル、そして毒使いソフィという女4人組・ラッキークローバーをリーダーに持つテロ組織、ブラッディエンジェルスである。さらに銭形警部と女性捜査官・エミリーのでこぼこコンビも加わり、「オリジナルメタル」をめぐる壮大なスケールの争奪戦が始まった!

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ルパンファンには衝撃的

UFOの欠片をめぐって女テロ組織と争奪戦を繰り広げるストーリー。
ロズウエル事件を題材にしたのはいいアイデアでしたが、その設定をあまり活かされていないのが残念。
盗みよりも戦闘とロマンスを楽しむといった感じになっています。
この作品、実は衝撃的なシーンがあって、ルパンのポリシーにこだわる人にはあまりお勧めできない作品でもあります。
その衝撃シーンを作った脚本家は相当批判されたらしいですし・・・。
またこの脚本家の影響で敵が戦隊モノになってしまったのもこの作品が批判を受ける要因のひとつ。
私としては十分に面白かったのですが・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

イマイチ

もうこんなこと突っ込んでも仕方ないのかもしれないが、すべてが安易で粗末。敵方の大ボス=エミリーが登場時点から“怪しい”と思わせた点は置いといたとしても、あの豹変振りは何なんだ?本性を通り越して“精神異常者”になってどうするんだ。他の敵メンバーの女たちも、そろいもそろってオカシイ…。それぞれ秘めた思いがあるのかと思ったら、ただの乱射バカだったり、ただの男装バカだったり。
致命的なのは、そういうおかしい敵たちをルパン一味が、あからさまに殺してしまっている点。まぁそりゃ今までも散々殺しはしてるんだろうけど、そうことごとくそれぞれが殺っちゃたらダメなのではと感じました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

58.8 14 相棒で組織なアニメランキング14位
コヨーテ ラグタイムショー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
307人が棚に入れました
人類が外宇宙にまで進出し、己の運と腕だけで一攫千金を夢見るコヨーテと呼ばれる無法者達がしのぎを削る、宇宙開拓の時代。銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星グレイスランドには、伝説の海賊王ブルースが遺した100億宇宙ドルが眠っていると噂されていた。コヨーテならばその名を知らぬ者はいないと言われている、通称ミスターとその仲間達は、ブルースの娘である少女フランカと共にブルースの遺産の回収に挑んだ。犯罪集団クリミナルギルドのマルチアーノ率いる殺し屋集団も、ブルースの遺産を狙って動き出す。しかし、統合政府は戦争を終結させる為、グレイスランドに光子爆弾を投下すると宣言。

声優・キャラクター
大塚明夫、広橋涼、堀内賢雄、関智一、湯屋敦子、下屋則子、沢海陽子

rurube さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメ史上屈指のシーンがある。

アニメ作品において数字が付く組織・異名は多い。
1 ゴルゴ13    一人の軍隊
2 パトレイバー   特車2科
3 機動戦士ガンダム 黒い三連星
4 セーラームーン  外部太陽系四戦士
5 北斗の拳     南斗五車星
6 マシンロボ    デビルサターン6
7 銀河英雄伝説   獅子の泉の七元師
8 エイトマン    エイトマン
9 甲殻機動隊    公安9課
10ジャイアントロボ 十傑衆
11ガオガイガーFINAL  ソール11遊星主
12コヨーテラグタイムショー マルチアーノ12姉妹

マルチアーノ12姉妹の登場シーンはアニメ史屈指の名シーンだと個人的には思っている。しかも一話目なのもポイントが高い。
全体としてむかつくキャラ達のどうでも良い会話から刑務所の上空から12姉妹が円になって降下してくるシーン。音楽もカメラワークも12姉妹の動きも全て神がかっている。円になって降下してきていたはずの12姉妹が次のシーンでは横一列になって胸に手を置いて祈っている。普通に考えたらありえないはずなんだけどこれぞアニメ。圧倒されるから小さい事はどうでも良いと思わせる程のスタイルッシュさ。
どこか良いシーンがあるとそこまで悪く言わないのが個人的なスタンスなのと実際にこのシーンはまず観て損は無い。
実際に全体的に面白い作品より何処かで燃え尽きている作品の方が評価高いべきだと個人的には思っている。ただ面白い作品て記憶に残らないから。
観た事ない人はこのシーン20秒ぐらいだから是非観て欲しい。
1話目の後半2分目位から。ついでにニコニコ動画には登場シーンだけの動画がある。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ufotable版カウボーイビバップ

このアニメは簡単に言えばufotable版カウボーイビバップでしょう。

ufotable代表近藤光氏がプロデュース、構成、脚本、作詞ともう自分の好きな事をこれでもか!と盛り込んでいるのが伝わってくるというか。

コヨーテと呼ばれるならず者集団のベースは特攻野郎Aチーム。
主役のミスターはハンニバルのまんま。
ビショップとカタナはなんとなく白バイ野郎ジョン&パンチの雰囲気もある。
ブルースの最初の子分のスワンプはブルース・ブラザースで牧師役だったジェームズ・ブラウンだろう。

キャラデザは平井久司氏風でCV広橋涼ちゃんのフランカはめちゃくちゃかわいい。

1話のインパクトは特にすごくて、俺たちは天使じゃないも醸し出しつつ、ナウシカのオームかよ!?
マルチアーノ12姉妹なる殺し屋集団の登場場面は、フタコイオルタナティブのOPだよな(笑)
女性捜査官アンジェリカの補佐役のチェルシィのちょっと間が抜けた感じはR.O.D 大英図書館のウェンディだよ(笑)

銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星に隠された遺産を巡っての三つ巴の追跡劇は、途中ちょい緩い回もあったけどそれほど気にならなかったし、ミスターとアンジェリカの追いつ、追われつだけではなく、カリ城のクラリス状態。やつはとんでもない物を盗んでいった。貴方の…
自分好みの内容だったので文句無しです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

大塚明夫ショー

自分の車のナビは、こんな風にナビる。
”おい! グズグズしてると敵に発見されるぞ!!”
大塚明夫の声だ。
高まるキンチョー感とアドレナリン。
一体誰と戦っているんだ??
どこなんだここは!?

ほどなく認識する。
大塚明夫ワールドじゃないか!!。
同じ感覚である。

この作品は、コヨーテラグタイムショーと銘打っているが、
正しい読み方は オオツカアキオショー だろう。
まさに一部の隙も、そう敵に発見されることも無く
嵌りに嵌ったアキオdeショー。

ファンの人は当然ご存じと思うが
大塚明夫に興味を持った人は、一見おススメ。
そうだよな、ブルース。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

69.7 15 相棒で組織なアニメランキング15位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (48)
274人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

63.8 16 相棒で組織なアニメランキング16位
HIGH CARD[ハイカード](TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (83)
257人が棚に入れました
ストリートを根城に気ままに暮らしていたフィンは恩のある孤児院が資⾦難で閉鎖の危機に陥っていることを知り⼀攫千⾦を狙ってカジノヘ乗り出す。 しかし、そこで待っていたのはツキをほしいままにする男が持ったカードを巡って繰り広げられる銃撃戦にカーチェイス、悪夢のような修羅騒ぎだった。やがて、フィンは知ることとなる。世界の秩序を守るも混乱に陥れるも、意のまま。選ばれし者に⼈知を超えた異能⼒を与える52枚の《エスクプレイングカード》の存在を。 そして、幼い頃から肌⾝離さず⼤切にしていた〝相棒〟に秘められた⼒を――。⾼級⾃動⾞メーカー・ピノクルに勤務する表の顔を持ちながら真には、フォーランド国王直々に王国中に四散してしまったといわれるカードを回収する任務を命じられたプレイヤー集団《ハイカード》。 その第5のメンバーとしてスカウトされたフィンはイカした仲間たちとともに、危険なミッションに当たる。「必要なのはマナーと気品、そして命を張れる覚悟。それだけです」対するは、悪名⾼きマフィア・クロンダイクファミリーとピノクルを打ち負かすことに執念を燃やすライバルメーカーのフーズフー。⼤義、欲望、復讐を抱き、カードに魅せられたプレイヤーたちによるすべてを賭ける狂騒争奪戦が、今、幕を上げる! Are you ready? Itʼs Showdown!!

声優・キャラクター
フィン・オールドマン:佐藤元
クリス・レッドグレイヴ:増田俊樹
レオ・コンスタンティン・ピノクル:堀江瞬
ウェンディ・サトー:白石晴香
ヴィジャイ・クマール・シン:梅原裕一郎
バーナード・シモンズ:山路和弘
セオドール・コンスタンティン・ピノクル:小野大輔
オーウェン・オールデイズ:島﨑信長
ノーマン・キングスタット:関俊彦
ブリスト・ブリッツ・ブロードハースト:武内駿輔
ブランディ・ブルーメンタール:園崎未恵
バン・クロンダイク:関智一
ティルト:豊永利行
ボビー・ボール:沢城千春
グレッグ・ヤング:森川智之
シュガー・ピース:高橋李依

かりんとう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

漫画とアニメは繋がってるみたい‥

原作 TMS、河本ほむら、武野光
監督 和田純一
シリーズ構成 黒柳尚己
脚本 山下憲一、犬飼和彦、永井真吾
キャラクターデザイン えびも(原案)河野のぞみ
音楽 高橋諒
アニメーション制作 スタジオ雲雀

キャラクターデザインのえびもさんのイラストが好きで、Twitterをフォローしていたら半年前かにHIGH CARDのアニメ化の情報が流れてきて、観ようと決めてました。

実は漫画もアニメが始まると同時に発売していて、キャラクターデザインのえびもさんが自ら描いています。
当然漫画を買ったのですが、アニメとは関わらないストーリーだと思っていたら11話で漫画のシーンが出てきました。
クリスの突然の裏切りは漫画に出てきたとあるプレイヤーからカードを奪った後だとフィンが言って、アニメでは一度も出てきてないキャラが一瞬映るのでアニメしか観てない人は「誰こいつ?」となるかも。

漫画読んでなくとも理解できるアニメなのでいいのですが、私はこういうのモヤッとしてしまうので漫画読んでなかったら評価は少し変わったと思う。

とは言え全体的な評価はいまいち‥
オリジナルアニメにしては良い方だと思うけど、人にオススメするほどでもないかなと。
声優が女性人気な方が多いイメージがあるので、女性をターゲットにしてると思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

xokNW04341 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

やたら古臭いイケメン異能バトル

これいつのアニメだよ?って誰しも思う古臭さ。
小説漫画アニメのメディアミックスだがとにかくすこぶる古臭い。

やべーカードが出回ったから回収してよとの王命が下る。
自動車ディーラーを世を偲ぶ仮の姿とする「ハイカード」。
出身の孤児院を救うべく少年フィンは今日も戦う!!!!

設定もテイストも何もかも古臭く平成初期っぽい作風と品質。でも嫌いじゃない。バブル時代のようなスタイリッシュでゴージャスな世界観。おバカでお人よしな直情径行な主人公はザ・少年漫画な清々しさ。

スパファミは名作チェア、ブルーロックは名選手のスーパープレイが楽しめたが今作は往年の名車が美麗CGで楽しめる。ディーラー設定は好きな車出したかったのね。

物語・古臭い、でも嫌いじゃない
作画・古臭い、EDの画風でやって欲しかった
声優・ふつう
音楽・ふつう
キャラ・いいと思う

キャラデザはいいが衣装デザインがすこぶるダサい。それよりも全般的に能力名がダサすぎる。特に主人公フィンのはギャグかと思うほど壊滅的にダサい。初見はマジで噴いた。

08
かーどひとりいちまいじゃなかったの?
かませのざこがなんでにまいもってるの?

もともと持ってたカードとバラ撒いてしまったカードは別セットなのか?

フィンの動機である孤児院救済。経営者であるリンジーのよくある親代わりイケメン聖人君子キャラってのは生活感がまるでないのでNPC感がすごい。ストーリー的にはゲストキャラだが主人公フィンにとっては最重要人物のはずだがフィンの解像度を上げる機能はなくお話の進行役でしかない。こういうとこ雑。バトルシーンが面白ければ気にならないが、今作はバトルもイマイチ。キテレツなカード能力設定を楽しみたいのに噛ませの再利用とかマジ勘弁。ネタ切れ?だとしてもフィン以外だせばいいだけでしょう。異能バトルなのにフィンはただの弾数無制限なだけのハンドガン。ガバガバガンアクション。リコリコなの?アレは萌えアニメとしてシリアス過多にならないようにあえて破綻させて笑いをとってるのであれでいいんです。でもこれバトルアニメではないのかよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

大貧民 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

異能バトル × スタイリッシュエージェント物

ジョジョ以降、様々な異能バトル物が出てきましたが、本作は王国の秘密組織のエージェントが、国中にばらまかれた52枚のカードを集める話。
舞台は欧米の架空の国。アクションもの。
カード毎に様々な異能力があり、一人に付き一枚。
カードには強さの格があるのか、主人公のカードの格は一番低いらしい。たぶん、ポーカーなどの準拠だろう。大富豪だったら、一番強かっただろうに。
確かに、セックス・ピストルズ(ジョジョ)と比べると見劣りする。

バディ物はどうしても、女子向けなのかと警戒して見てしまいますが、異能力バトル次第でしょうか。

この手の作品では、主人公他、年齢設定が高めな事が多いと思いますが、本作は主人公も十代、相棒も二十歳ぐらいとスタイリッシュ物ではけっこう若い。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

55.5 17 相棒で組織なアニメランキング17位
THE MARGINAL SERVICE(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★☆☆ 2.7 (62)
140人が棚に入れました
ある日、地球はグレイ型エイリアンに襲われた。エイリアンの攻撃になすすべもなく壊滅状態の航空自衛隊を救ったのは、実在するはずのない人間の顔を持つ“伝説上の生き物”だった。 国家はその事件で彼らが地球で共存していたことを初めて認識することとなり、彼らを≪境界人≫と呼び監視下においた。 そして数年後……移民や不可解なテロ事件が発生し、混沌とする世界にある機関が発足された。それが≪マージナルサービス≫≪境界人≫専門の犯罪を取り締まり、その存在を徹底的に隠蔽する機関である。 舞台はジャパン澁宿……集められた精鋭たちがジャパンの誇り“ニッカポッカ”をまとい、日夜≪境界人≫と対峙しながら地球を守る物語である。

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

首尾一貫して終始茶番!主人公達が要らねぇという壮絶なオチに戦慄せよ!

 12話(最終話)まで観ました。2023.07.03

 境界人は悪い奴では無かったようです。真の敵は…。

 と、言うか最終話で雑に謎が明らかになるため、以前の話が全て要らんことに。結局、主人公達は居ても居なくても良かった…、むしろ余分なことをしてたらしいです。

 何となく、ギャグ路線だったのは、最後に視聴者が怒らんための逃げだったんですねぇ…。

 ゼノと主人公以外のメンバーは始終空気でしたが、最後まで活躍しませんでした。

 ゼノもムスコー!ムスコー!で組織の足を引っ張る困ったちゃんで、いる意味が良く分かりませんでした。

 最終話でゼノが、「この世は糞だ!」とか語っていますが、お前らがクソだろ!と、ツッコミたくなります。

 なんで、こんな企画が通ったのか誰か教えて欲しいです。

………………………………………………………………………
 7話まで観ました。2023.05.25

 中々脚本が狂っていますね〜。アニメオリジナルはこれだからたまりません。

 雑な作戦の末に捕まるマッチョとメガネ…。残った味方組織の半分のメンバーは日焼けするからと勝手に帰ってしまいます。

 浅い理由で敵のアジトで仲間割れするマッチョとメガネ…。チャラい主人公が一番マトモな奴なんですが…。

 組織の体をなしてない秘密組織ってなんなん?こんな組織のために殉職したりしたくないんですが…。

 ギャグかシリアスか迷走しており、観ていると困惑します。酒でも飲みながら観ると良いかもしれません。

……………………………………………………………………… 

 5話まで観ました。2023.05.11

 どうも、あまり物を考えずに流行りのテーマをぶっ込んできているようです。

 今回は紅一点のライラ掘り下げ回プラス管理社会がテーマですが、いい話風を装って雑に人が死にます。

 アンブレラの研究所じゃ無いんだから、内部の人間ごと殺すセキュリティって酷くない!?

 敵の境界人も雑な奴です。ネットワーク支配してんじゃないのかよ…。

 ギャグっぼいのに組織と主人公達が無能なため、モブが死ぬ展開が平気な人向けです。

 主人公達が全員脳筋なので、観ていて唖然とします。これは酷い…。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2023.05.04

 移民排斥、政治的テロと、難しいテーマをぶっ込んできますが、真面目にとりあう気は無いようです。

 境界人は、妖怪的な生き物で、不法移民と同じで社会の底辺に追いやられているそうです。

 で、もって麻薬を作って売ったり爆弾テロをしたりするのですが、何かチグハグです。

 主人公達の本部も爆弾で狙われたりしますが、いくら何でも警備とかがザル過ぎます。マスコット的なキャラが吹き飛ばされているのに、反応が…。

 主人公のバディも、深刻ぶった奴ですが、何か根本的な所が抜けています。本当に人間なのかな?

 シリアスでもギャグでも無い、土方ヒーロー達は、組織としても人間としても無能というか、人間性が欠如しているというか…。

 このアニメ、作っている奴が境界人なんじゃね?と言うくらい、登場人物達が一般常識を持っていないので、何が言いたいのか終始不明です。

 流行りのテーマである移民問題やテロ、麻薬なんかを取扱っていますが、多分消化不良で何となく物語が進んで行きそうです。

 スタイリッシュさだけを求めた雰囲気アニメで終わるのは、多分間違い無いでしょうが、オチがどうなるのかは少し気になります。

………………………………………………………………………

 1話視聴しました。2023.04.12

 熱血正義漢の主人公が仲間とともに悪い「キョウカイジン」をやっつける話です。

 まぁ、どこかで観たことある感じです。メン・イン・ブラックみたいです。

 「キョウカイジン」は倫理感や思考が人間と違うので事件を起こすそうです。

 この設定で大丈夫か?と少し心配になります。思考形態がちが〜うで片付けてしまうと、そもそもコミュニケーションが取れない化物とただ戦うだけの話になりそうです。

 まだ判断出来ないので、取り敢えず視聴継続です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

京野菜 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

何を見せられてるのか

バディモノと筋肉とUMAをどうにか無理やりくっつけた、意味不明なアニメ。
タイガー&バニーみたくしようとして失敗してるのと、BL要素を狙って腐ったお姉様方をターゲットにしようとしてるのと、そこにUMAをひっつけて筋肉で固めようとしてダダ滑りしてる、やりすぎ都市伝説のアニメ版みたいな訳の分からないアニメ。

筋肉要素が全く生かされてない。

声優さん達も仕事とはいえ、こんなのに携わるの可哀想に思えてくる。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【優生思想】まるで「イエローモンキー」を嘲笑うかのような作品

イエローモンキーとは黄色い猿のことであり、日本人に対する蔑称であります。

日本は欧米列強に果敢に挑み、大戦にて惨敗を喫したのであります。

そしてご存じの通り今に至るわけでありますが、GHQが敗戦国の日本人に対して行ったのは
ありとあらゆる思想的トラップを駆使したような洗脳工作でありました。

「科学万能主義」教育もその洗脳工作の最たるものでありまして、
別に証明されたわけでもない単なる仮説でしか過ぎない「進化論」を盲目的に信じ込まされ
日本人の祖先は猿であるというトンデモ説に対して疑いの余地を挟むこともないのが現状であります。

知能水準が猿並みの日本人にこの推理ゲームの謎が解けるか?と言わんばかりに突きつけられたのが
本作でありまして、故に本作の解釈難易度はスーパーハードになっているのかもしれません。

もちろん「メインインブラック」も本作の謎を解く手掛かりとなりますが、
「They live」もかなりのヒントになるような気がします。

話をわかりやすくざっくり言えば「プリプリ」の主人公アンジェの口癖である「黒蜥蜴星人」を{netabare}
題材にしたような作品でありまして、本作は「黒蜥蜴星人」の伏線回収作品であると
考えられるわけであります。

「黒蜥蜴星人」の元ネタは爬虫類型宇宙人の「レプティリアン」というやつであり
「They live」、即ち「レプ」が我々のすぐ傍に潜んで暮らしているような説を唱え
世界に衝撃を与えたのがカリスマ陰謀論者で名が通ったデイビット・アイクであります。

結論から言いますとカリスマ的な地位に祭り上げられる時点で彼は工作員確定であり
「レプティリアン」なんていう地球外生命体がいるわけがないのですが、それに追い打ちを
かけるようにして、デイビット・アイク以外にもアメリカ国家安全保障局(NSA)及びCIAの元局員
であるエドワード・スノーデンなる人物が「地底人」いる説を暴露しつつ
ロシアに亡命を果たすという騒動が起きたのでございます。

しかしながら話は簡単であります。
「レプティリアン」にしても「地底人」してもいるなら証拠を出せばいいというだけのことで
証拠がないないなら存在しないと同じことになるわけですが、当方がこれらの
未確認生物の存在を全否定しないのはスピリチュアル系と呼ばれる奇妙な思想傾向を持つ
ある種のオカルティズムに毒されたような種族がいることを知っているからであります。

スピリチュアル系の思想を前提にそこから導かれる「レプティリアン」とは何であるか
についての仮説その1は「レプティリアン」とは生物ではなく精神体であり、従いまして
目視できないものであるというものあります。

目視できない、手でも触れられない幽霊のような精神体をどのようにして認識するのかと言うと
スピリチュアル系の人が得意とする【チャネリング】という方法でこれと
アクセスするということであります。

【チャネリング】と言うとまさにオカルトトンデモ話のように思えますが、【呪術文化】においては
【チャネリング】は当たり前のように行われており、世界のいたるところで
この儀式の痕跡を確認できるのであります。

卑弥呼の事例や戦前の日本、そして世界中で当たり前のように行われている【呪術】の儀式を
まるで認識できない現代の日本人とは、一体何を見ている種族なのでありましょうかと
何とも言えないような残念な気持ちになります。

【チャネリング】を別の言葉で言い表すと「神降ろし」であり、「幽体離脱」ということになります。

「ガンダム」とは「【ガンド】アーム」のことでありますがこの【ガンド】も【呪術】の幽体離脱に
似たような意味合いがある言葉だったりします。

【チャネリング】する際に欠かせないのが「ドラッグ」でありまして、マジックマッシュルームや
大麻そしてアヤワスカなどの幻覚作用のあるドラッグが使用されるのが常であります。

今から3年位前のことになりますが日本の若者、主にスピリチュアル系の人たちの間で
わざわざアマゾンの密林にまで出向いてアヤワスカなるドラッグを吸いに行くのが
ちょっとしたブームになったことがありました。

アヤワスカなどのドラッグを吸引するとトランス状態になり様々な幻覚を見るとのことであります。
体験者の聞き取り調査をした学者さんがおりまして、その事例をまとめたところ
「2匹の賢い【蛇】」が語りかけてきたりとか、【クラウン】というトランプのジョーカーに
あるような道化師が語りかけてきたなどの報告例が複数ありまして、ある特定の傾向が
確認できたということであります。

神社には「しめ縄」があり、正月には「鏡餅」を飾りますが、「しめ縄」も「鏡餅」も
【蛇】が由来であります。

幻覚ドラッグを用いた【チャネリング】=「神降ろし」の儀式で「賢い蛇」の意識体と繋がることが
できるためそれが「蛇神信仰」となり、謎の精神体信仰が生まれたと、このように
理解できるわけであります。

呪術文化を前提に考えれば爬虫類型宇宙人の正体も容易に理解できますが
【レプティリアン】にはもう1つの解釈が存在します。

ネットではこのような噂話がありました。
実は英国女王は「レプティリアン」であるというものです。

中には英国女王が爬虫類型宇宙人であると本当に信じている人もいるのかもしれませんが
この説の闇が深いところは、「レプティリアン」とは比喩であり意図するところは
別にあるということであります。

英国王室には秘密があり、その秘密を暗示するのが「レプティリアン」でありまして
つまり意図するところは「トカゲ脳」の人種であるということであります。

世界に暗躍する【英国東インド会社】とともに英国の黒歴史はあり、英国王室もその黒歴史に
関わってきた闇の種族であることからこれを「トカゲ脳」の人種というわけであります。

英国国教会の首長たる英国王室は【ローマカトリック教会】と結託して
カナダ先住民モホーク寄宿学生の子どもたちを見事にまでに大量殺戮したのであります。

https://youtu.be/AAy_LO39svQ

https://youtu.be/AFDqRCPvi18

更に英国王室のアンドリュー王子は今世紀最大のスキャンダルとも言うべき
【ジェフリーエプスタイン事件】の舞台となった通称「ロリータアイランド」に赴き
売春案件に関わった嫌疑をかけられ米国捜査当局より事情聴取のための出頭要請を受けるも
だんまりを決め込むのであります。

「黒蜥蜴星人」とは英国王室が「トカゲ脳」を持つ人種であることに対する皮肉なのでしょう。

血の伯爵夫人【エリザベート・バートリー】と同じように英国王室も【優生思想】に毒されており
人の血が通っているとは到底思えないまるで異人種のような生き物であるわけであります。

歴史を見れば一目瞭然であります。
【上級国民】とはなるべきしてそうなったのであります。

【世界の支配方法とは?】ヨーロッパの黒の貴族 失われない植民地世界支配の伝統
https://youtu.be/b6Hpl_7E0lM{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

64.3 18 相棒で組織なアニメランキング18位
HERO MASK(Webアニメ)

2018年12月3日
★★★★☆ 3.3 (38)
127人が棚に入れました
刑事ジェームズ・ブラッドの前に現れた謎のマスク。
そして、それを持っていたのは、存在してはいけない人間だった。
マスクとは・・・一体・・・?
美しき街を舞台にしたクライムアクションここに開幕!

声優・キャラクター
加瀬康之、甲斐田裕子、森田順平、高野憲太朗、内山昂輝、青山穣、菅生隆之、仲野裕、渋谷はるか、志村知幸、烏丸祐一、藤井ゆきよ、宮寺智子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

スタジオぴえろ制作の完全オリジナルアニメーション

NETFLIXで独占配信されている作品です。
前からずっと視聴したいと思っていましたが、中々機会が無く視聴できませんでした。
今回この作品が視聴できたのは、コロナ禍の影響で今期放送予定の多くが延期を余儀なくされた結果、視聴時間にゆとりができたから…
あにこれの「見たい」棚に入れている作品なので、コロナが無くても視聴する予定でしたけれど。


首都警察・特殊捜査部(SSC)の有能だが型破りな刑事・ジェームズは、
恩人の女性検事の殺害疑惑事件を追う中、装着すると超人的能力をもたらす《マスク》をめぐる謎に辿り着く。

そこに立ちはだかる、かつてのSSCの相棒・ハリー。
彼は、巨大企業・ライブ社の人間となっていた。
そこでは、主任研究員・コナーが《マスク》開発を違法な方法で進めていた。

ジェームズたちSSCは、ライブ社会長・スティーブンが雇った武装集団による度重なる妨害を乗り越え、
《マスク》研究にまつわる人物関係を突き止め、
ついにそのライブ社の陰謀の核心へと迫ろうとするが……。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

かなり本格的なミステリー・サスペンス作品です。
そしてこの作品もR15なんだそうです。
NETFLIXって、年齢制限のハードルが少し高過ぎなんじゃありません?
確かにドンパチやり合うシーンはありますが、普通に民放で放送される映画とほぼ変わらないレベルですよ。
…と思って少し調べてみたら、ヴァイオレト・エヴァーガーデンもR15指定だったり。
現在放送中の「とある科学の超電磁砲T.」もR15指定…
フルーツバスケットや食戟のソーマはR12指定でした。
もしかして年齢制限があるのはアニメだから!?

こうなると全年齢に適したアニメが無いかが気になります!
もう少しググってみるとありました…
「よりもい」「魔入りました、入間くん」「のんのんびより」
全年齢適応作品がゼロでは無いのは分かりましたが、ホント平和チックな作品ばかりですね^^

すみません、思い切り脱線してしまいました^^;

「HERO MASK」というタイトルから想像できるのは、マスクを被ったヒーローによる勧善懲悪モノ…
という感じなのですが、これまで視聴している限り私の想像は1㎜も合っていないようです。

主人公のジェームズ・ブラッドはバリバリの刑事で、いつでもどこでも素顔丸出しです。
ヒロインのサラ・シンクレアも検事なのでマスクとは縁遠い存在…
但し、SSCが追いかけている事件の渦中にはマスクが潜んでいますが、どうもそのマスクの尋常じゃない感じが半端無いんですよ。
他にもこのマスクには秘密が隠されていそうな感じがします。
この辺りはPart2で明らかになるのを期待しています。

1クール全15話の物語でした。
尺の長さを気にせず作成できるのも、NETFLIXの旨味だと思っています。
本作品も第1期は全15話…TV放送なら枠をはみ出しかねない話数ですからね。
引き続き、Part2を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

導入部まで<46>

5話まで視聴。
ってか、5話途中で視聴が止まってたけど時間切れ。
ネトフリから声かかったから洋ドラ風のをやろうって印象で、とはいえいかにも和アニメな思いつきレベルに見えるマスクに興味を惹かれることもなくといったところでお片付け。
2期があるという情報も視聴意欲を削いだ。

シロシロショー<52>
1話視聴。
ネトフリでやってたやーつーか。
冒頭の追跡劇から攻殻みたいなのかと思いきや、その後はサイバー感薄めの刑事モノへ。
海外で受けそうな作品、というか海外で受けそうなのを狙った作品といった感じ。
細かい表情や仕草が合ってないような気がするシーンが散見。

今時北欧でもムスリムに席巻されてるのに登場人物やたら色素が薄いのばっかで違和感があるなぁ、首都つってるだけで架空の国みたいだけど・・・ってロンドン?マジ?
監督のインタビュー発見。アニメだから無国籍風ってことで白人ばかりでもいいだろ、でも見る人が見れば(ロンドンと?)わかりますってなこと言ってら。
うーむ、2020年に放送開始してたらBLMの魔女狩りにあってたかもってな内向きな感覚じゃのう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

木村天祐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

米国刑事モノ。マスクという軍事研究を追います。

タイトルから期待してたのはヒーロー物だったんですが全然違いました。
主人公が首都警察の刑事?いや、群像劇って感じです。主人公何人かいるって感じかな。
マスクっていう超能力を引き出す軍事研究の被検体が襲ってきて、その謎を追います。敵は軍事企業。実験体を追いつつ、裏切り者を探しつつ、親友が敵側に付き戦闘、暗殺者までやってくる~。米国刑事モノになるのかな。

登場人物は、主人公っぽい首都警察の刑事、検察の女性、警察にも何人か焦点あたってる人いますね。敵側にも何人か焦点が当たります。まさに群像劇ですね。

作画は良いです。動きはあまりないですが、崩れにくいと思います。戦闘ではまま動いてる。絵柄が欧米人意識してるのか独特。

1期まあまあ面白かったです。
2期は死にました。そのレビューはそっちでします。もはや監督交代したんじゃね?ぐらいのレベルで作品が変わったんで・・・。

1期はまあまあおすすめです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1
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