熱いで冒険なおすすめアニメランキング 20

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93.8 1 熱いで冒険なアニメランキング1位
宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★★ 4.2 (2800)
9748人が棚に入れました
いつだってボクらの一歩は好奇心から始まった。
見たことのない風景を、
聞いたことのない音を、
嗅いだことのない香りを、
触れたことのない質感を、
味わったことのない食物を、
そして感じたことのない胸の高鳴りを、
いつの間にか忘れてしまった欠片を、
置き去りにしてきた感動を拾い集める旅。
そこにたどり着いたとき、
ボクたちは何を思うのだろう。
吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度、
荒れる海原を超えた先にある原生地域。
地球の天辺にある文明を遠く離れた遥か南の果て。
これは《南極》[宇宙よりも遠い場所]に向かう
4人の女の子たちの旅の物語。
ボクらは彼女たちを通して、
明日を生きるキラメキを思い出す。

声優・キャラクター
水瀬いのり、花澤香菜、井口裕香、早見沙織、能登麻美子、日笠陽子、Lynn、金元寿子、本渡楓、大原さやか
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

見たことのない風景を見るために…

この物語は、4人の女の子が「宇宙よりも遠い場所」に行く物語。

彼女たちは旅に出る。見たことのない風景を見るために…
怖いけど、やめちゃいたいけど、意味のないことかもしれないけど、
でも…この旅が終わるころには、彼女たちはきっと成長しているでしょう。

この物語の特徴として、主人公の玉木まり(キマリ)のたくさんの心の声が、あたかもナレーターのような話し方で、ゆっくりと力強く表現されています。
その言葉が心に響きます。その響きが感動を呼びます。

そして、挿入歌の『ハルカトオク』が心地よく物語を彩ります。
主張しすぎず、控えめな音量で「あくまでも主役は物語だよ」と、示唆するように…

だから、まるで心地よい音楽を聴いているように、多くの人がこの物語に引き寄せられたのではないでしょうか?
{netabare}
第一話 青春しゃくまんえん
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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キマリは、ごく普通の高校二年生。
やりたいことがあるのに、ぎりぎりになるといつも怖くなり、結局何もできない。
そんな情けない自分を変えたいとキマリは願っていました。
でも、自分の性格を変えることは、なかなかできません。

ある日、偶然キマリは小淵沢報瀬(こぶちざわ しらせ)が落とした百万円を拾います。
その百万円はしらせが南極に行くためにアルバイトをして貯めたお金でした。
百万円をしらせに返す際、しらせから南極の素晴らしさを知らされます。

しらせの母が書いた南極の本には、水平線を転がる太陽、夜空に花のように美しく咲き誇るオーロラなど、キマリがまだ見たことのない風景が写っていました。

「しらせと一緒に南極に行きたい。」キマリの思いは膨らみます。
「でも、怖い。すごーく怖い。」それも事実です。キマリは悩みます。
でも、このままだと、今までと同じで何も変わらない。それは嫌だ。
「今度こそ情けない自分を変えよう。」そう決意して、キマリはしらせと一緒に、砕氷艦しらせの下見に広島まで行きます。

彼女は勇気を振り絞り、今、一歩を踏み出しました。 
  {/netabare}
感想
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キマリの友達の高橋めぐみちゃんがすごく良い感じ。
彼女はいつも、どんなことがあってもキマリを応援する。背中を押してくれる。そして情けないキマリを叱ってくれる。
こんな友達がいるキマリは幸せだと思う。

そしてしらせの母親は、どんな思いで子供に報瀬(しらせ)と名付けたのでしょうか。
南極観測隊が乗船する砕氷艦と同じ名前。
きっとしらせの母親は、娘も南極を好きになるよう願っていたのでしょうね。(^_^)
   {/netabare}

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第二話 歌舞伎町フリーマントル
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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フリーマントルはオーストラリアにある港町の名前。
砕氷艦しらせへ観測隊が乗船する場所です。
そこに行く旅費を稼ぐために、キマリはコンビニでバイトします。
そのバイト先で働いていた三宅 日向(みやけ ひなた)と意気投合し、ひなたも南極に行く仲間に加わります。
しらせとキマリとひなたは、砕氷艦に乗り込むための行動を新宿の歌舞伎町で起こしますが、あまりにもずさんな作戦のために、もろくも失敗します。
しかも、以前も観測隊員の人から南極行きをしらせが断られていた経緯を、キマリやひなたは知ります。
   {/netabare}
感想
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ひなたはとっても明るい女の子。だけどその明るさは、何か無理をして明るくふるまっているような気がします。

学校に行かずバイトをしている16歳の女の子。
きっと何かの事情があるのでしょう。
同じ年頃の人たちが高校へ通うのを仕事場で見ながら、彼女はどんな思いをしているのでしょうか?
苦しいことや悔しいことが、きっとあるに違いありません。
私にはそう思えます。

だから、ひなたはキマリと出会えて良かった。そう思いたいです。
   {/netabare}
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第三話 フォローバックが止まらない
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あらすじ(私の思いが含まれています)
  {netabare}
しらせたちのもとへ白石結月(しらいしゆづき)がやってきます。
結月は南極行きが決まっている女性芸能人でした。
そして、「私の代わりに南極へ行ってほしい」と、しらせへ頼みます。
結月が南極に行きたくない理由は、友達がいないためでした。

結月の母親から結月を説得するようにキマリ達は頼まれます。
だが、結月の行きたくない理由を知ったキマリたちは、
結月の意思を尊重して、決して無理強いをしません。
それどころか、結月が寂しくならないように気を使います。

その優しさに結月は大泣きしてしまい、キマリたち3人と一緒ならば南極へ行くと決断します。
   {/netabare}
感想
  {netabare}
今回はとても笑い、とても暖かい気持ちになりました。
孤高の少女しらせのおバカなところが十分に味わえただけでなく、
結月の心の叫び、ひなたの社会人としての立派さ、キマリの優しさが心に染み入ります。

結月は芸能活動が忙しく、今まで友達ができなかった女の子。
多くの人は芸能人に憧れ、芸能人をうらやましがるでしょう。
でも、芸能人である結月は、人気よりも友達をつくりたいと願ってました。

どんな人にでも悩みはあるのです。
目に映る情報だけで人をうらやましがるのは、やめた方が良いですね。


結月は、友達ってどんなものかがわからない女の子。
だけど、キマリたちを見ていると、結月の心が和みます。
そして、キマリたちと一緒の時間を過ごしたいと思うようになります。

友達や恋人って、そんなものだと思います。
一緒の時間を過ごしたい。単純なことですが、それが最も大切なことです。

顔が綺麗とかカッコいいとかは、最初のうちだけです。
付き合っていれば、そんなのは、どうでもよくなりますよ。
   {/netabare}
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第四話 四匹のイモムシ
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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キマリたちが夏季訓練のため、山で合宿します。

学校のみんなは、まだキマリたちが南極に行くのを知らないので、キマリたちの行動をあざ笑います。
多くの人たちは、相変わらずしらせやキマリの行動を『無駄なこと』だと感じています。

「笑いたい人には笑わせとけばいい。その代わり、南極に着いてから言うの。
『ざまーみろ、ざまーみろ、ざまーみろ』って…」
それがしらせの考えでした。

四人は真面目に訓練します。
それは、学校では決して教わらない、南極で生き抜くための訓練でした。
速さを競うわけでもなく、時間を競うわけでもない。
自分たちがいる位置を正確に導き出す訓練でした。
   {/netabare}
感想
  {netabare}
自分のいる場所を正確に把握することは、人生においてとても大切なことです。
例えば、勉強の際、どの分野のどのレベルの問題で自分が躓いているのか。
仕事の際は、自分の立ち位置がどこで、どの問題に直面しているのか。
を正確に把握しないと、対応方法が違ってきます。

ゴールは見えているのだけど、自分の居場所がわからない…。
そうならないように頑張りましょう。

四人の実施訓練は山でのテント生活です。
まわりには灯が全くないため、夜空が綺麗です。
満点の星空に天の川。都会では決して見ることのできない光景です。
そして、山での日の出の瞬間、それは最も美しい光景でした。
   {/netabare}
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第五話 Dear my friend
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あらすじ(私の思いが含まれています)
  {netabare}
キマリたちが南極に行くのを、全校の生徒が知ることになります。
しらせやキマリを見る皆の目が変わってきます。
その中で唯一、キマリの親友の高橋めぐみは、複雑な心境でした。

キマリと一緒にいると、めぐみはお姉ちゃんになったような気がして嬉しかった。
だけど、キマリは一人で前に進みだした。
今までのおどおどした態度も、今のキマリには見られない。
それが寂しかった。それが悔しかった。無性に腹が立った。

やっかみだった。
自分で自分を情けなく感じていた。
だからめぐみは、自分の愚かな行為を正直に告白して謝り、キマリに絶交宣言をします。

そんなめぐみに対して、キマリは温かい言葉をかけます。
   {/netabare}
感想
  {netabare}
今回はめぐみの気持ちが心に響きました。

キマリがいつも頼りにしている大親友のめぐみ。
どこから見ても欠点など見当たらないめぐみでしたが、
そんなめぐみも、普通の少女でした。

めぐみが涙を流しながら告白した内容は、忘れられません。
     {netabare}
最初キマリが南極に行くって言った時、なんでこんなに腹が立つんだと思った。
昔からキマリが何かするときは、私に絶対相談してたのにって…
昨日、キマリに言われて、やっと気づいた。
くっついて歩いているのはキマリじゃなくて私なんだって…
キマリに頼られて、相談されて、あきれて面倒見るようなふりして、偉そうな態度とって…
そうしていないと、何もなかったんだよ。私には…
自分に何もなかったから、キマリにも何にも持たせたくなかったんだ。

だめなのはキマリじゃない。私なんだ
ここじゃないところに向かわなければならないのは、私なんだよ。
     {/netabare}
こんなにも悩んだめぐみは、これからもキマリの大切な友達でい続けるでしょう。

そして、このシーンで使用された挿入歌が sayaが歌う「またね」
陰気で寂しい歌です。
通常であれば、こんな寂しい歌は多くの人が敬遠します。
でも、この歌があるからこそ、このシーンが感動を呼ぶのです。
多数の方が、このシーンで涙を流されたのではないでしょうか。
私は、このシーンだけで既に6回も見ました。

   {/netabare}
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第六話 ようこそドリアンショーへ
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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キマリたちは日本を出ます。
最初の宿泊地はシンガポール。アジアにおける海の交差点です。
シンガポールはいつの間にか、アジアにおける空の交差点にもなっています。

結月はいつの間にかひなたから「ゆず」と呼ばれるようになりました。
愛称で呼ぶのは友達だから。結月はそう呼ばれるのがとても嬉しそうです。

ところが、ここでひなたがパスポートを失くします。
外国でパスポートを失くしたら、旅行どころではありません。
何をしても楽しめません。おそらくひなたもそうだったはずです。

みんなは、パスポートを失くしたひなたに気を使い、優しくします。
でも、パスポートが再発行されるまで滞在すると、航空券が使えなくなる。
それは、南極へ行く船に乗れなくなることを意味しています。

みんなに迷惑をかけたくないので、3人で先に行くようにとひなたが告げます。
ひなたは南極に行くのを諦めます。

そんなひなたに対して、しらせは意地を貫き、ある行動に出ます。
今まで苦労して貯めた百万円を使って航空券を買います。
それは、しらせの信念でした。
   {/netabare}
感想
  {netabare}
ここではしらせの成長を見ることができます。
孤高の少女しらせが、いつの間にか仲間を大切にし、それが最も大切なことだと言い切るようになりました。

しらせがひなたに言い切った言葉が痛快です。
     {netabare}
意地になって何が悪いの。
私はそうやって生きてきた。
意地張ってバカにされて、嫌な思いして、それでも意地張ってきた。
間違ってないから。

気を使うなって言うならはっきり言う。
気にするなって言われて、気にしないバカにはなりたくない。
先に行けって言われて、先に行く白状にはなりたくない。
四人で行くって言ったのに、あっさり諦める根性無しにはなりたくない。
四人で行くの。この四人で。それが最優先だから。
      {/netabare}
ここまで大切に思われたひなたは、とても幸せを感じたことでしょう。
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第七話 宇宙を見る船
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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今回はしらせのお母さんの話が、いたるところに出てきます。

キマリたちは乗船します。
船の中はあわただしく、人員が不足しているようです。
しらせのお母さんが亡くなったのが原因で、3年間南極への観測は延期され、スポンサーも少なくなった。
予算削減のため、みんなが作業を多くこなしているようです。

しらせが船室のベッドで横になったとき、天井には蓄光塗料で星々が描かれていました。
これはきっとしらせのお母さんが描いたのだろう。みんながそう言います。そしてしらせもそう信じます。
かつて母が寝泊まりしていた場所で寝る。これはしらせにとって感無量でした。

そして、観測隊の南極での最終目的をしらせたちは知ります。
民間として南極に天文台をつくる。
10年かかろうが20年かかろうが構わない 南極でまだ知られていない星を見つける。
それが隊長の藤堂吟(とうどうぎん)、副隊長の前川かなえ、そしてしらせのお母さんである小淵沢貴子の目標でした。
   {/netabare}
感想
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結月はプロのリポーターです。それに対してしらせはポンコツリポーター。
でも、ひなたのファインプレーで、しらせは度胸をつけます。
「皆さん一緒に南極に行きましょう!」と叫び、拳を高々と振り上げます。
たったそれだけのことですが、赤面症のしらせにとっては大きな一歩でした。
それはとても素晴らしいことです。
授業では決して教わらないことでした。

これからもしらせは仲間に助けられて成長してゆくでしょう。


そして観測隊の最終目的、「南極で誰も知らない星を見つける」
とてもステキです。
こうやって地道に頑張っている人たちのおかげで、今の科学技術が出来上がっているのですね(^_^)
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第八話 吠えて、狂って、絶叫して
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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キマリたちの乗った船が出港します。
キマリたちは元気いっぱいで乗組員のリポートをします。
しらせは少しづつリポートの仕事に慣れてきました。

でも、南極に近づくにつれて、波は荒くなり船の揺れも大きくなります。
寝ている最中に体が宙を浮くこともあります。
それほど激しい揺れなのです。
キマリたちは船酔いしてグロッキーになります。

食べる元気もない。運動する元気もない。
このままだと、南極に着いても役に立つ自信が全くない。

でも、自分たちが選んだ旅だから。
ここに来ると決めたのは自分だから。
だから頑張れる。

キマリたちは体力をつけるために、何度吐き気がしてゲロを吐こうが、
頑張って食事します。頑張って運動して少しずつ体力をつけます。

そして、久しぶりに晴れた日。甲板から遥か彼方の水平線を見ると、流氷が浮かんでいました。

キマリたちは南極の入り口に到着したのです。
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感想
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今回は何か大きな出来事があるわけでもないのに、不思議と感動します。
キマリの声が、静かに、力強く、胸に響きます。

結月が船酔いで寝込んで落ち込んだとき、
しらせは、「頑張るしかないでしょう。ほかに選択肢なんてないから」と言い、結月を励まします。

それに対してキマリは、「そうじゃないよ。選択肢はずっとあったよ。でも選んだんだよ。ここを。選んだんだよ、自分で」と言います。
このときのキマリの言葉は、結月やひなたやしらせ、そしてキマリ自身をも、力強く励ましたようです。

さらに船の揺れでみんなが一斉に転んだときでも、キマリは「楽しい」と言い放ちます。
このときのキマリは未来を見すえていました。
この旅が終わったとき、今日の苦しかった出来事は、きっと楽しい思い出に変わっているはず…。そうキマリは確信しています。

実に素晴らしい考え方です。
こんなキマリの考え方ならば、どんな困難にでも打ち勝つことができるでしょう。


そして、キマリの心の声が語る南氷洋の景色が感動します。
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雲もなく、鳥の姿もなく、視界全てが一面の青。
どんなに目をこらしても、見渡す限りの水平線。

確かに船の音は聞こえているはずなのに…
その圧倒的な景色が、音を消していた。
そこにあるのは、宇宙を思わせる無音の世界

そのとき、確信した。
この向こうに、本当にあるんだ。南極が…
       {/netabare}
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第九話 南極恋物語
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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今回は、隊長である藤堂吟としらせとの過去を垣間見ることができます。

吟としらせとは10年前からの知り合いです。
そして、不思議と二人は、お互い口下手で、性格が似ています。

そして吟は、しらせが自分を憎んでいると思っている。母親の捜索を打ち切った自分を許していないと思っていました。
でも、それは誤解でした。しらせは吟を憎んではいません。
南極観測には危険があることを、しらせは母から何度も聞かされていました。


やがてキマリたちの乗った砕氷船が、南極大陸の間近までやって来ます。
氷にぶつかり、氷を砕き、少しずつ進んでゆきます。
何度も何度も挑戦して、ほんのわずかずつ前進します。

そしてキマリたちは、ついに南極大陸に上陸しました。
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感想
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母親が亡くなった後も、しらせは母親が生きているときと同じ生活をしています。
しらせは今でも母親へメールを送っています。
決して届くはずのないメールだとわかっていながら、送り続けています。

そんな自分を変えなければ…と、しらせは感じていました。
だからしらせは、南極に行って自分を変えたかったのです。


南極大陸に初めて上陸する際、キマリたちはしらせを最初に上陸させようと気配りします。
それに対してしらせは、四人で手をつなぎ、同時に上陸するように提案しました。

その出来事だけでも、しらせが少しずつ変わってきている、少しずつ成長しているのがわかります。
この旅は、四人を確実に成長させています。


ただ、最後が良くなかった。
南極大陸上陸してのしらせの第一声が「ざまーみろ!」。これは正直冷めました。
どうしても言いたかったら心の中で言えばいい。口に出した途端、人間が小さく見えてしまいます。

しらせがどんなに口下手でも、ここは三人に「ありがとう。キマリとひなたと結月がいてくれたから南極に来ることができた。」と言ってほしかった。
せっかく四人で手をつないで上陸したのに、感動が覚めてしまいました。

そして、船のみんなが吟の掛け声で「ざまーみろ」と一斉にいうシーン。
これはあり得ません。こんなことを言ったらスポンサーは皆、降りてしまいます。
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第十話 パーシャル友情
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あらすじ(私の思いが含まれています)
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キマリたちは昭和基地に着きました。

結月は南極から帰った後のことを心配し始めます。
そのときは今までどおり皆と会えないことに不安を感じます。
だから友達契約書をつくり、キマリたちにサインしてほしいと頼みます。

こんな契約書には意味がないというしらせ。 
そのとき、キマリが泣きながら、
「ごめんね。ごめん。わかんないんだよね。わかないんだもんね。」
と言って、結月を抱きしめます。

なぜキマリが泣いているのか…。
結月には、それがわかりません。逆に怒っていると勘違いします。

後で結月に対して三人が、友達ってどんなものかをそれぞれ説明します。
そして結月は、ようやく友達の意味を理解します。

そして結月は三人からバースディケーキをプレゼントされて、誕生日を祝ってもらいます。
結月にとって友達から誕生日を祝ってもらうのは、生まれて初めてのことです。
嬉しくて、嬉しくて…。結月は、またしても大泣きしてしまいます。
 {/netabare}
感想
  {netabare}
友達ってどんなものかを説明するのは、簡単なようで難しいですよね。
三人の説明は、それぞれの個性を感じます。

ひなたの説明:{netabare}
ゆずがキマリのこと好きだとする。
そのときキマリが「言葉じゃわからないので書いてくれ」といわれたら嫌だろう? {/netabare}

ひなたの説明を聞き、確かにそうだと結月は納得しますが、まだキマリが泣いた理由がわかりません。

しらせの説明:{netabare}
友達とは言葉じゃない。形も言葉も何もない。
いつ消えても誰も責任を負ったりしない。
だから自由で、だから一緒にいられると思う。 {/netabare}

しらせの説明は正論です。確かにそうだと結月は理解しますが、心はまだモヤモヤしています。

キマリの説明:{netabare}
キマリはめぐみとのラインのやり取りを見せながら説明します。

既読サインのタイミングで、今寝てたんだなーとか、今学校なんだなーとか、返事しようかと迷ったのかなーとか…。
わかるんだよー。そのときどんな顔してるかも…。変だよね?
でも、私にとって友達って、多分そんな感じ。
全然はっきりしていないけど、多分そんな感じ。 {/netabare}

キマリの説明はとりとめもないことですが、不思議と今の結月にはしっくり来たようです。

結月はキマリが泣いた理由がわかったようです。自分のために泣いてくれたことがわかったようです。
キマリは友達思いのとても優しい女の子です。

そして、生まれて初めて誕生日を祝ってもらったこと。
誕生日を祝ってもらうのは誰にとっても嬉しいことです。

今日は結月にとって感慨深い一日でした。そして嬉しい一日でした。
だって三人が結月のために多くの時間を使ってくれたのです。

結月は今日のこの日を一生忘れないでしょう。
 {/netabare}
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第十一話 ドラム缶でぶっ飛ばせ!
{netabare}
あらすじ(私の思いが含まれています)
  {netabare}
三宅ひなたが高校の頃に所属していた陸上部の友達が、南極との中継に参加していました。
だが、三宅ひなたには苦い思い出しかありません。
テスト中継のとき、ひなたは足がつったふりをして彼女らとの会話を避けます。
そして外に飛び出して、雪山にパンチやキックを浴びせます。ストレスを発散します。
過去によほど嫌なことがあったのでしょう。

そんなひなたの様子を見たしらせは、ひなたを心配します。
何も話してくれないひなたの力になりたいと思います。


高校の頃、ひなたは陸上部に所属しており、先輩よりも良い記録を出して代表選手に選ばれました。
同級生の友達は、力を出しきらないとかえって先輩に失礼だと言って、ひなたを褒めたのですが…、
いざ、先輩の前では自分の主張を述べることなく、ひなたを裏切ります。
それを知ったひなたは、部で孤立します。
そして、何もかもが嫌になり、陸上部を退部して高校も中退しました。


高校のときの友達は、あのときひなたを守ってあげることができなかったことを悔いていました。
だから、ひなたにお詫びのメールを送り、テスト中継に参加したのです。

だけど、ひなたは過去を思い出したくなかった。もうかかわりたくなかった。

しらせは考えます。
自分がひなたと同じ立場だったらどうだろう? もう取り返しつかないのに平気で謝ってきて…と…。

そんなしらせにひなたは感謝します。
「心配してくれてありがとう。南極に連れてきてくれてありがとう。」と、自分の気持ちを素直に述べます。


中継の本番直前に、「許したら楽になるかな?」と、ひなたはしらせに相談します。
「だけど許して、ホッとするあいつらの顔を見ると腹が立つ」とも、ひなたは言います。
本心は「ふざけるな! いまさら」と、言いたいのです。

人間が小さいと自分自身恥じています。でも、まだどうすることもできません。
そんなひなたの心を知ったしらせは、ある行動に出ます。
   {/netabare}
感想
   {netabare}
人間誰でも思い出したくない嫌なことの一つや二つはあります。
心に思った正しい解決方法と、自分のふるまいとにギャップを感じることが、やはりあります。
人間は弱い生き物です。

今回は、感動したことと嫌だったことがありました。

■感動したこと
しらせは、いつも友達を大切にするようになりました。
以前の孤立したしらせの姿はどこにもありません。
しらせは、いつもひなたを守っています。
そんなしらせを、ひなたは全面的に信頼しています。

■嫌だったこと
しらせがひなたの心を代弁して、陸上部の人たちに語ったこと
      {netabare}
三宅ひなたにかかわらないでいただけますか。
あなたたちはひなたが学校をやめて、辛くて、苦しくて、貴方たちのことを恨んでいると思ったかもしれない。
毎日、部活のことを思い出して泣いていると思ってたかもしれない。
けど、けど…、
(けど、そんなことないから。
ひなたちゃんは今、私たちと最高に楽しくて超充実した、そこにいたら絶対にできないような旅をしているの。)
ひなたは、もうとっくに前を向いて、とっくに歩き出しているから。私たちと一緒に踏み出しているから。

あなたたちは、そのままモヤモヤした気持ちをひきずって生きていきなよ。
人を傷つけて苦しめたんだよ。そのくらい抱えて生きていきなよ。
それが人を傷つけた代償だよ。私の友達を傷つけた代償だよ。

いまさら何よ、ざけんなよ。
       {/netabare}
確かに、今のひなたは、まだ当時の仲間を許していません。
でも、それは時が解決してくれることを、しらせもひなたも知りません。
あんな厳しい言い方でなく、
「もうしばらく、ひなたをそっとしてあげてほしい。もうしばらく会わないでほしい。いつかきっとあなたたちの気持ちが伝わるから…」
と、言ってほしかった。

人間は、誰しも過ちを犯すものです。
しかも、怖い先輩たちに逆らって自分の意見をはっきり述べきれる勇気ある下級生など、ほんのわずかしかいません。
彼女らは、その場の体裁を整えるために言ったにすぎず、ひなたの前で酷いことを言ったわけではないのです。
しかも、ひなたを孤立させたことを彼女らは悔いており、謝っています。

許すという行為は、非常に大切なものです。
それができないと、友達はどんどん少なくなっていきます。


会社勤めをすると、上司や取引先のお客様から理不尽なことをいろいろと言われます。
殴ってやりたいと思うことも、たまにはあります。
でも、そのたびに怒っていたのでは、家族を養えません。
聞き流すという技術や、謝っている人を許すという技術は、生きていくうえで大切なものです。

ついでにもう一つ。
しらせが言った「いまさら何よ、ざけんなよ。」はNGワードです。
普通だったら即、担当業務から外される行為です。

なぜならば、これはしらせと陸上部の女の子たちとの会話ではなく、
日本へのテレビ放送をするための作業です。重要な仕事です。
何も知らない人がしらせの言葉を聞き、嫌な思いをしたと苦情を述べたら、スポンサーは間違いなく減り、南極観測ができなくなります。

仕事で南極に来たのだから、個人の意見と仕事での話し方とは区別しなければなりません。
 {/netabare}
{/netabare}

第十二話 宇宙よりも遠い場所
{netabare}
あらすじ(私の思いが含まれています)
  {netabare}
観測所へ一緒に行かないかと、しらせ達は誘われます。
観測所は、しらせのお母さんが亡くなった場所。
キマリたちは喜びますが、しらせは迷います。ためらいます。

南極まで来た目的を、しらせはわかっています。
それは、母が亡くなったことを胸に刻むため。
未だに母へメールを送り続けている自分を変えるために、ここに来ました。

でも、そこへ行って、もし何も変わらなかったら…。
そう思うと、しらせは、ためらいます。

でも、キマリたちから励まされて、隊長から励まされて、勇気を出して行くことを決意します。

基地から遠く離れた山の上にある観測所。
そこへ行く途中で、ブリザードが吹き荒れます。
ロープを手放すと瞬く間に遭難する自然の非情さ。
「母が亡くなったときも、こんなブリザードが吹き荒れていたのか…」と、しらせは思います。

その夜、母が間近にいるような気がして、しらせは寝付けません。
そんなときに、キマリが「連れて来てくれて、ありがとう」と、しらせに感謝します。

それを聞いて、しらせは母に最後のメールを送ります。

そして、ついに、雪上車は観測所に着きます。
この観測所は、やがて『小淵沢天文台』になります。
しらせの母の苗字がついた天文台になるのです。

ここでキマリたちは、しらせの母の遺品を探します。しらせのために思い出になるものを懸命に探すのです。

そんなみんなの行動に申し訳なさを感じたしらせは、ここに来れただけで十分だと言います。
しかし、キマリは「そんなの良くない!」と言い放ち、探し続けます。
ひなたも結月も、懸命に探し続けます。

そして、ついに、しらせの母が使用していたノートパソコンを見つけました。
   {/netabare}
感想
   {netabare}
この回は、間違いなくしらせが主人公でした。
とても感動する内容です。
何度も何度も見直したくなる、そんな話でした。

しらせが母へ送った最後のメール。
それは、しらせの成長を表していました。
そして、母への思いの深さを表していました。
     {netabare}
Dear お母さん
友達ができました。
ずっと一人で良いと思っていた私に、友達ができました。
ちょっぴり変で、ちょっぴり面倒で、ちょっぴりダメな人たちだけど…
一緒に南極まで旅してくれる友達が…
ケンカしたり、泣いたり、困ったりして 
それでもお母さんのいたこの場所に、こんな遠くまで一緒に旅してくれました。
私は、みんなが一緒だったから、ここまで来れました。

おかあさん。
そこから何が見えますか?
お母さんが見たのと同じ景色が、私にも見えますか?
もうすぐ着きます。
お母さんがいる その場所に。
     {/netabare}

そして、しらせの母親が使っていたノートパソコン。
ログインパスワードは、しらせの誕生日。11月01日でした。
それだけでしらせは母から愛されていることを感じたはずです。

ログインすると、しらせからのメールが次々と受信されます。
その数は、やがて1000通を超えました。
こんなにたくさん、こんなに長い期間、しらせは母にメールを送り続けていたのです。
おそらく、毎日メールを送り続けていたようです。
しらせは、母が大好きで大好きで、母が亡くなったことなんて信じたくなかったのかもしれません。

でも、このときしらせは、母が亡くなったことをはっきりと認識し、声を上げて泣きだします。
「お母さん、お母さん…」
もう二度と会えない最愛の人を呼び続けて泣くのです。
母の葬式のときにも泣かなかったしらせが、今、ここで初めて泣くのです。

部屋の外では、キマリたちが声を出すのを必死にこらえて泣いていました。
しらせは、本当に良い友達ができました。
 {/netabare}
{/netabare}

第十三話 きっとまた旅に出る
{netabare}
あらすじ(私の思いが含まれています)
  {netabare}
キマリたちは、南極での仕事に慣れてきたようです。
帰るまであと3日となったとき、まだオーロラを見ていないことに気づきます。
でも今は白夜、夜が来ないのでオーロラは見ることができません。
夜が来る季節までいたら高校を留年することになります。

そこでキマリは、また四人で旅をしようと呼びかけます。
結月はもちろん大賛成です。ひなたも賛成してくれました。
しらせは、もう一度南極へ来たいと思っていたので、もちろん賛成です。
キマリはいつの間にか、しらせに全く遠慮なく、対等に話せる仲になっていました。

南極を離れる日、しらせは母のノートパソコンを隊長の吟に渡します。
いつの間にか、しらせと吟は仲が良くなっていました。

南極を離れたその夜、久しぶりに見た夜空に、なんとオーロラが姿を見せます。
皆で船の甲板にあおむけになり、手をつなぎながらオーロラを見上げます。

そのとき南極では隊長の吟が、ノートパソコンに未送信のメールがあることに気づきます。貴子から娘のしらせへ送ろうとしていたメールでした。

しらせは母親からの最後のメールを受け取るのです。
   {/netabare}
感想
   {netabare}
この旅で一番成長したのは、しらせでしょう。
第一話でのしらせと今のしらせとでは、雲泥の差です。
友達なんていらないと言い切っていたあの頃のしらせが嘘のようです。

しらせは、キマリたちに出会えて本当に良かったと思います。

それとは逆に、ひなたはみんなの中で一番成長が感じられませんでした。
もちろん、ひなたが最初から最も良識ある行動をしていたため、そう感じる部分も多いのですが…、
日本に帰ったら、陸上部の友達と仲直りしてほしい。そう願わずにはいられません。

結月は、キマリたちと出会えて本当に良かったと感じています。
彼女がこれからも芸能活動を続けていくのであれば、この数ヶ月間の出来事は、一生の宝物として心の中に残るでしょう。
その宝物は、決して奪われることも無くなることもありません。
いつまでも素敵な思い出として、心の本棚に大切に保管されるでしょう。

そしてキマリ。
キマリはしらせの両頬を引っ張ることができるほど強くなりました。
そして三人は、キマリのことが大好きで大好きでしかたありません。
だってキマリは誰よりも優しく、友達のために泣くことができるお人よしです。

キマリがみんなに言った言葉
「一緒にいられなくても一緒にいられる。だってもう、私たちは私たちだもん。」
キマリを知らない人だと、全くの意味不明な言葉にしか聞こえません。
でも、キマリと親しい人が聞くと、とても感動を呼ぶ言葉に聞こえてしまいます。

キマリは説明が上手なわけでも洞察力が鋭いわけでもないのに、不思議と、相手を説得するのに長けています。
それは、キマリの心がとても美しいから、そうさせているのでしょうね。
 {/netabare}
{/netabare}

実生活で必ず役に立つお話
{netabare}
第一話:
・現金は持ち歩かず、預金しましょう。(^_^)
・新幹線に乗る10分前にはコンビニで弁当とお茶を買っておきましょう。
 安く旅をするための基本です。ヾ(・ω・*)
・新幹線の中で富士山の写真を撮る際は、窓際の人に素直にお願いしましょう。(。>人<。)

第二話:
・16歳の女の子が歌舞伎町を夜歩くのはやめた方が良いです。
 特に地方から初めて来た人は、目の動きや歩き方や挙動で、すぐに初めてだとわかります。だから絶好の標的にされます。
 アニメの中では楽しそうですが、現実はアニメとは違います。

第三話:
・人を説得する際は、まずは相手の話を十分に聞いてあげましょう。
 口は一つしかないけど、耳は二つあります。
 自分が話す2倍の量を聞けるように、神様が人間をつくったようです。

第四話:
・北極星のように有名ではありませんが、南極星もあります。
 南極星は北極星ほど明るくはありません。
 それに地球の歳差運動により天の南極が移動するため、
 南極星の役割を果たす星は変わっていき、約25,800年で一巡します。

第五話:
・言葉は力です。人を感動させることもできれば、
 人を怒らせることもできますし、人を悲しませることもできます。
 言葉で人を喜ばせ、感動させることができたら…世界が変わるでしょう。

第六話:
・パスポートは必ずセイフティボックスに預けましょう。
 パスポートを失くしたら、楽しいはずの旅が辛い旅に急変しますよ。
・ドリアンは美味しいですよ。
 風土や慣習の違いで食べ物が口に合わないことは確かにあります。
 例えば納豆は、一部の西洋人には腐った食べ物のように感じられます。
 だから自分の口に合わないものを悪く言うのはやめた方が良いです。

第七話:
・蓄光塗料とは、光を蓄えて発光する塗料のことです。
 蓄えた光のエネルギーが切れると光らなくなります。
 昔の夜光塗料には放射性物質が使用されていました。
 それだと危険ということで、今ではほとんど蓄光塗料に変わっています。

第八話:
・船が激しく揺れる夜は甲板に出てはいけません。アニメなので無事でしたが、
 これが現実ならば、四人とも波に攫われて水死していたでしょう。

第九話:
・南極には2020年時点で65の観測基地がありますが、うち17は南半球の国の基地です。
 南半球の国々は早くから観測基地を建てていました。
 その後、第二次世界大戦で勝利した国々が基地を建て始めました。
 そして日本が基地を立てたのは1957年です。
 その後、各国が基地を立てるようになりました。
 温暖化の影響で基地を建て易くなったので、今後は争いの火種になるかもしれません。

第十話:
・南極観測隊は一年分のゴミを焼却して持って帰ってるそうです。
 自然保護活動のために陰で随分と努力されているのですね!

第十一話:
・南極にも人工衛星の目印を設置する箇所はたくさんあります。
 ここでの作業は宇宙開発にもつながっているのですね。
 宇宙と南極。全く関係ない場所のようですが、密接な関係のようです。

第十二話:
・オゾン層の観測は、ああやってやるのですね。
 日本から14,000Kmも離れた場所で頑張っている人達がいるからこそ、
 今の文明社会が成り立っています。とても立派な仕事だと思います。
・太陽柱(サンピラー)とは、大気光学現象の一種で、日の出または
 日没時に地平線に対して垂直方向へ、太陽から炎のような形の光芒が
 見られる現象です。

第十三話:
・成長しようと思ったら旅に出てください。そして思いっきり恥ずかしいことをしたり、
 恥をかいたりしてください。ことわざでも『旅の恥はかき捨て』といっています。
 モーツアルトは、人生の約1/3の時間を旅していました。
 あなたも長い長い人生旅行の旅の途中です。思いっきり恥をかいてください。
 そうすれば、きっと強くなります。きっと成長しますよ。
 
ひなたの名言集:
  {netabare}
・引き返せるうちは旅ではない。引き返せなくなったときに、初めてそれは旅になる。
・思いの強さと我儘とは紙一重である。
・空にある星がすべてと思うなかれ。
・悪意に悪意で向き合うな。胸を張れ。
・時計の針を一番進めるものは忙しさである。
・友達って多分ひらがな一文字だ(これはキマリの迷言 なんとなくわかります)
・何かをするのが思いやりではない。何もしないのも思いやりである。
 {/netabare}
{/netabare} 
{/netabare}

さらに、エンディングへの入り方が絶妙でした。
楽しい終了のときには「ここから、ここから」が物語の続きのように優しく響きます。
そして、第十二話の感慨深い終了のときは、「またね」が余韻を残すように静かに歌われました。 


行動力のしらせ、優しさのキマリ、思慮分別のあるひなた、大人を動かす力のある結月、これら四人が一人でも欠けていたら、この旅は実現できなかったでしょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 127
ネタバレ

sinnsi さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

老若男女に勧めたい、誠実な友情アニメ

【無料第1話(公式チャンネル)】
https://www.nicovideo.jp/watch/1514789907
(未視聴者はこんな拙レビューなんて読まず、取りあえず第1話だけでも真剣に観てほしい。)
(何かを感じ取ったら、ぜひ全話を観ていただきたい。)

【(非ネタバレ)老若男女に勧めたい、誠実な友情アニメ】
これまでに「友情」をサブテーマの一要素に加えていた作品はいくつもあったが、
下記のような疑問点が、どれかは付いて回っていたように思える。
・記号的で絶対的な絆が、根底にあるのみ。
・命を賭した戦いだとかが付いて回り、現実感が薄い。
・距離感が近すぎたり、けんかをしても痴話げんか的だったりして、同性愛的な観点でも見られる作りになっている。

しかし筆者としては、本作に上記のような疑問点はなく、
全13話で非常に生き生きとした、「友情」をメインテーマに据え、非常に完成度の高い作品となっている。
「友情」というのは人生の一因であるので、登場人物の人生を見つめるつもりで、真剣に視聴していただきたい。
登場人物が感じる喜怒哀楽は、視聴者も感じられ、涙するだろう。

物語・登場人物(キャラ)が素晴らしいのは無論、登場人物もメイン4人組からサブキャラも個性的で、掘り下げて描かれており、
作画においても空気感のある人物の表情や、背景の描写も素晴らしく、
声優の演技においても中堅声優の地力があり、あふれんばかりの感情がむき出しになっている。
音楽においては、BGMがシーンの要所々々の空気感に非常にマッチしている他、物語がピークとなるシーンでは、ほぼ毎話挿入歌が流れるのだが、
女性アーティストの優しくも繊細な歌声やメロディーが、繊細な感情が揺れ動くシーンに非常にマッチしている。
以上の事から、全評価において5.0を文句なしに付けられる。

ながら見等で見た事はあるけれど、ピンとこなかったという方がいれば、第1話だけでも真剣に観直していただきたい。

【(非ネタバレ)どういう話なのか】
本作は南極(日本からの距離14000km)に向かう女子高校生4人組の話であり、(宇宙は上空100km)
「宇宙よりも遠い場所」というタイトルは、そこから由来している。

女子高校生が南極という熾烈な環境に向かうのは、ファンタジーであるのだが、丁寧にその過程を描いている。
4人組は元々縁もゆかりもなく、ほとんどが孤立して負け組の人生を歩んでいたのだが、そこで4人にしかない友情を育み始めるのである。

あらゆる物語において、ある人物が存在しなければ、物語が成立していなかったという作品は山ほどあるが、
超人的な能力・技能が前提となっている場合が多く、物語において絶対的な象徴の大道具となっているケースが多い。
そうでない等身大の日常を送る物語においても、その場に集まった人間らの物語という気がして、そこに集まらなくとも幸せに過ごしているんだろうな、という人物は存外多かったりする。
本作においては、この4人全員がそろわなければ、南極へ臨むという物語自体が成り立たず、4人はその後の人生において、それ以上の偉業に臨もうとする事が決してないであろう事は、想像に難くない。
それぐらい、4人全員が互いを強く支え合い、信頼し合っているんだという事が感じ取れるのだ。
またそれは押しつけがましい物ではなく、しっかりと距離を保ち、価値観を尊重するという部分も大きい。

この作品は、4人全員が主人公であり、それぞれが人生を生きる青春群像劇である。

【(ネタバレ)「友達って○○だ!」というセリフの説得力の強さ】
(第{netabare}10{/netabare}話のセリフ)
{netabare}友達とは何なのか、そんな問いに対する普遍的な答えは絶対に出せない。
方程式のような厳密さがある訳でも、友達誓約書のような取り決めがある事はありえない。
しかし、キマリの「友達って多分ひらがな1文字だ!」という、半ば感覚的なこのセリフがスッと入ってきて、非常に共感できるのは、偉人の言葉のように「重なるかもしれない」という部分があるだけでなく、
4人組がそれだけで思いをくみ取り、意思疎通が可能である間柄である事に、非常に説得力があるからだ。この第10話まで(それ以降も)の積み重ねは、非常に説得力があるのだ。
これは本作を一番象徴するセリフであると私は思うし、友達という定義への一つの答えでもある気がしてならない。{/netabare}

【(ネタバレ)全13話を振り返って】
(従来は総括してのレビューにとどめているが、全話が神回であり、大切な友情の軌跡なので、あえて書いた。)
{netabare}
キマリは女子高校生2年生になっても、何も成し遂げて来なかったと自負していた上、
変えたいと思っても変えられない自分に、自己嫌悪まで覚え、第1話の序盤ではそんな挫折・甘えをまざまざと見せつけてくる。
「昨日言ったよね? 部屋片づけるって」

そんな中、見知らぬ同学年女性の報瀬が、目の前で現金100万円の茶封筒を落としたのを拾い、校内で探して届けるところから、物語は大きく動く。
聞けば、南極観測で失踪したお母さんを探すため、バイトで貯めた金だと言う。(校内社会を犠牲にし、孤立までしていると旧友であるめぐみから知る。)
「私は行く。絶対に行って、無理だって言った全員にざまあみろって言ってやる。受験終わって高校入った時に、そう決めたの」

何も成し遂げてこなかったキマリと、堅固な意志を持って成し遂げようとする報瀬。
そんな報瀬に強く感銘を受けたキマリは、数度にわたってやり取りを行う。その内に南極行きに誘われ、キマリは葛藤を重ねる。

後日早朝、キマリは家から駆け出す。
家族がキマリの部屋に訪れると、そこはきれいに整っていた。もう彼女は、甘えていた少女ではない。
一方的に決めた待ち合わせ場所(の道のり)で、キマリを目にした報瀬は、満面の笑みを持ってキマリを迎え入れる。南極への同行者、そして未来の親友を得た瞬間だ。
冒頭からここまでのキマリの葛藤・「来る訳がない」という報瀬の諦めが、アニメ上の全演出(物語・作画・声優・音楽・キャラ)でよく描かれていて、
報瀬が笑顔で迎え入れた瞬間、全てのカタルシスが解放され、第1話なのに最終話のような感動がやってくる。

第2話では、同い年女性の日向が加わり、3人組となる。
高校中退者(志望大学A判定)で、同様に何かを成し遂げたいと思っていたようだ。

その後、民間南極観測隊員になるため、 報瀬がポンコツ計画を立案し、男性隊員への人心掌握(色仕掛け)を行おうとするのだが、
実行以前で、残念でもなく当然に計画は失敗し、お母さん関係でつながりのあった女性隊員から追いかけられ、逃走する。
その際、夜の歌舞伎町という暗澹たるネオンの海を走っているのに、走りが非常に疾走感・躍動感があり、ネオンの光が煌々と青春を照らし付けているようで、非常にエネルギッシュだ。

程なくして、女性隊員に捕まる。
改めて直談判を行い、100万円の茶封筒を突きつけるが、何も進展はせず、ただただ報瀬のポンコツぶりが露呈しただけだった。
帰りの電車、当初からの流れで暗黙のリーダーとなっていた報瀬は、数秒のやり取りだけでリーダーを解任される。(明るい雰囲気で半ばふざけた感じで)
ただのギャグシーンのようだが、これは失敗をとがめる訳でもなく、全員の関係性を対等な物にしているのだ。

そこから第3話になり、タレントという立場で南極行きが内定していた、女子高校生1年の結月が、報瀬ら3人の事を耳にして、その地元を訪ねる。
興味がないので権利をお譲りします、とは言うがマネージャー兼母親に間もなくバレ、当然認められる由もなく連れ戻されるのだが、
結月が軟化する事はなかったため、母は一人で報瀬まで出向き、結月本人が行くように説得をすれば、観測隊への推薦を持ちかけると告げる。

後日、3人組はファミレスで勉強する結月に対し、比較的落ち着いた空気の中で理由を尋ねる。
重い口を開き、始まったばかりの校内社会・同級生を優先したい、タレントの仕事で今まで友達がいなかったという旨の事情を話す。報瀬とは完全に対照的であるが、孤立していたのは同じだ。
その不安に対し、キマリは強い共感を覚えて結月を抱きしめるが、「分からないですよ!」「だってみなさん、親友同士じゃないですか!」と、結月は強く拒絶する。
だが3人組はあっけらかんとした物で、まだ出会って1ヵ月未満な上、遊びに行った事もない。ただ南極に向かおうとしているだけ、今のところは。ね? ね。 ねー。 と口ぶりが一致していた。しかし親友未満であっても、大きな関係性になっていた事は相違ないだろう。
このやり取りをもって、結月はまた帰路に着く。結局は説得以前に、ただ会話を重ねただけであった。

その夜、結月は滞在先のホテルで不思議な体験をする。
抱きしめられるというボディコミュニケーションを初めて受けた事に対し、気持ちの整理が付かない中、
窓に異音を感じて開けると、高層階まではしごを掛けた3人組がいて、キマリが「南極に行こう!」と結月に手を伸ばしていた。
返事もできずに戸惑う中、何かインスピレーションを感じた結月が手を伸ばすと、そのままはしごが倒れ、窓の外へ転倒する……が、実際に転倒したのはベッドの上からで、異音からのくだりは夢であったのだ。
広すぎる個室で一人取り残された結月は、スマホでトークアプリを開く。優先したかったはずの同級生二人は、仕事が落ち着かない結月にしびれを切らし、 グループチャットから退室していた。
朝の静寂と、鳥のさえずりがこだまする。ベッドに腰掛ける結月は、広すぎる個室で、ただ一人だった。

その時、部屋の扉のノックが鳴る。
今度は現実世界で、キマリら3人組が結月の仕事に際して一緒に行こうと、わざわざ迎えにきたのだ。
結月は、無償の好意を受ける。そして結月は、一人ではなかった。感極まり、号泣する始末だった。
突然泣き出す結月に3人組は戸惑うが、一方的に世界で一番不幸な自分でいて、一方的に心が解される描写を、ここまで丁寧に描いたのは見事だ。過剰なところがなく、ニュートラルに描かれている。
(この時に流れる挿入歌の「ハルカトオク」が、良い意味で非常にズルい)

「だから、3人と一緒なら行くって言ってるの! 一緒じゃなかったら行かないから!」
電話でお母さんにそう告げる。南極行きが現実の物となり、3人組は4人組となったのだった。

第4話・第5話では、南極行きのための訓練・準備を、大人たちを交えて行い続け、南極に向かう意義を確認し合う日々を4人組は重ねる。
しかし、第1話から登場していた旧友のめぐみは、4人組で南極へ向けてがんばるキマリや報瀬を見て、嫉妬心のような物を抱くようになり、
これまでのあらゆる出来事について、あることないことのうわさをずっと吹聴し、実害が被るように仕向けていた。しかし直接的な描写は一切なく、4人組(+視聴者)は、誰がうわさを流したのかは気がつかない。
無論キマリも、これまでと同様に旧友として、出発前日の壮行会でめぐみに対して懇意に接し続ける。そして帰り道、キマリと別れためぐみの後ろ姿は、どこか物悲しげだった。

「絶交しに来た」
出発日早朝のキマリ宅前、めぐみはキマリにそう告げ、自分がうわさを流した張本人だと告白した。キマリはどうしてそんな事をしたのかと、困惑する。
南極に向けて突き進むキマリらに対し、自分は醜い感情しか湧かない、醜い心の持ち主だとも告白する。

「ダメなのはキマリじゃない……私だ! ここじゃないところに向かわなきゃいけないのは……私なんだよ!」
二人は、ただただ泣きじゃくっていた。めぐみの行いには何一つとして褒める事はできない。
めぐみは、背を向けて離れようとする。キマリは呼び止めるが、決して、顔を合わせてはくれない。

「絶交無効」
背後からめぐみを抱きしめ、耳元で優しくそうささやくと、キマリは返事も聞かずに空港へと駆け出した。
どうするのが正解か、と言う事はない。
キマリがめぐみだからこそ、友達として向き合い、無償の愛をもってめぐみを許したのだ。

(よどんだ水がたまっている。それが一気に流れていくのが好きだった。)
(決壊し、解放され、走りだす。)
(よどみの中で蓄えた力が爆発して、全てが、動き出す!)
(全てが動き出す!)
第1話冒頭でも流れた、キマリのナレーションが再び流れ、同様に幼少期のめぐみとの、砂場水遊び回想シーンも流れる。
二人の関係性は、雨降って地固まる。この物語は、めぐみの物語でもあるのだ。

第6話からは、いよいよ渡航が始まる。
Aパートでは乗り換え地のシンガポールでただただ観光しているだけなのだが、
背景美術が見事で、シンガポールの空気を感じられる他、4人組が楽しい時間を過ごしているのが、ありありと感じられる。
言葉で確かめずとも、4人はもう相当親しくなっていたという事を、背景美術も相まってリアルに感じ取れるのだ。

その夜、どこか心ここにあらずの日向に対し、「何か隠してますよね?」と結月が詰め寄ると、パスポートを紛失していた事実が判明する。ベッドの上に日向の全荷物を並べても、見つからない。
日向は3人だけで先に行け、間に合ったら追いかけると、ホテルで相部屋の報瀬に告げる。人間関係で割を食い、高校を中退した経験もあって、気を遣わせたくないのだ。
更に、私が計画に乗るよりも前からやりたいと思っていた事なんだから、何よりも優先しろ、そっちの方が気持ちがいいとまで言う。

翌日、しびれを切らした報瀬は、第1話・第2話でも活躍(?)した、現金100万円の茶封筒を空港窓口で叩きつけ、後日便への振替を強く要望する。
何を意地になる、日向がそう言い切るよりも前に、報瀬は私はここまで意地で生きてきたと言う。
続けて、目的は南極に行く事ではない、4人で南極に行く事が一番の目的なんだと告げる。二人は向かい合い、互いに涙をこぼしていた。
報瀬の中で南極に対する向き合い方は、既に大きく変わっていたのだろう。それ程までに、この4人組が大きくなっていたのだ。

割高のビジネスクラスのチケットを手にした4人組。
犠牲はあったが、それより大切な物を守れた……と、報瀬が貴重品ポーチにしまおうとした時、日向のパスポートがそこにはあった。
そして報瀬は思い出す、前日に日向の不適切なパスポートの扱い方を見て、一方的に貴重品ポーチにしまっていた事を。
報瀬は慌てふためき、明らかに挙動不審となるが、「何か隠してますよね?」とまた結月に悟られる。

かくして二転三転の末、無事にビジネスクラスをキャンセルし、通常日程で行く事になったのだが、
報瀬と日向は報いの罰ゲームとして、シンガポールの名産品、ドリアン(腐敗臭がひどい)を食べるショーが、屋外イートインスペース開かれ、絶叫したのだった。(Aパートでも、キマリらがうっかり食べてしまう伏線がある。)
構造としては上げて下げて上げてのギャグ回なのだが、互いの絆を強く確かめる回でもあり、雨降って地固まるのは第5話と同じだ。
友人同士のトラブルを、ここまで後腐れなくスッキリ上手に描写するのは、実に見事である。

第7話ではついに砕氷船に乗り込み、大人の観測隊員もレギュラーとなって、隊員・南極・想いが掘り下げられ、
第8話ではいよいよ出港し、本格的に南極へ向かうが、訓練・海流(船揺れ)は激しく、この回で4人組はひたすら疲労困憊・船酔いで打ちのめされ、寝込み続ける。
船揺れも心労もピークに達した就寝時間中、結月は大人たちに着いていけるのかとぼやいてしまう。
だがキマリは、選択肢はずっとあったけど、選んだのは自分! と勇気づけると、結月は何か感銘を受ける。
またしばらくして、この旅が終わった時にはきっと楽しいと思ってる、とのキマリの発言を受け、結月は突拍子もなく甲板に出てみたいと言い、日向も賛同する。
夜の甲板は真っ暗な上、現在は海流が激しい場所なので非常に危険なのだが、ハンドレールに捕まりながら波を一身に浴び、4人組は陸上では決して体験できないアトラクションに、笑い合ったのだった。
(非常に賛否両論のあるシーンだが、子供は危険認識や危険認知力が弱い上、集団心理も働いていただろうし、このあと大人たちにメチャクチャに怒られたんだと解釈する事も可能だが、前後を描くには全13話という尺には限りがある。またこれを描かなければ、第8話が非常に地味な回であったと思うし、全言動が理路整然としていなければならないとするのは、キャラクター性を求めすぎているように思う。)

第9話は報瀬のお母さん、懇意だった吟隊長、報瀬との間柄について、過去回想も交えて主に掘り下げられ、
過去から現在への、それぞれの南極観測への想いを再確認し合う中、ラストシーンでは、とうとう南極へ到着する。
4人組がタラップを降り、上陸まで数歩になった時、3人は報瀬が先に上陸するように促すが、報瀬は手を取り合い、4人とともに上陸したのだった。

「ざまあみろ……ざまあみろ! ざまあみろ! ざまあみろ! アンタたちがバカにして鼻で笑っても私は信じた! 絶対無理だって裏切られても私は諦めなかった! その結果がこれよ!」
報瀬は感情を爆発させる。ようやく、夢を実現させたのだ。
「ざまあみろ!」のコールは4人組にも伝播し、4人組と同等かそれ以上に苦労した大人たちにも伝播すると、「ざまあみろ!」の大合唱が起こる。
ざまあみろ! でここまで感動的なシーンが描ける作品を、私は知らない。
(母への想いが行動原理にあった上での「ざまあみろ!」ではあるが、直接的に母への想いを吐露しなかった理由は、第12話で明かされる。)

第10話となり、いよいよ本格的に南極観測が始まり、あらゆる場所に駆り出される4人組。この話以降でも南極の背景美術は見事で、透明感が見受けられ、リアリティに重みが増す。
そんな中、結月が日本へ帰還後、大きな仕事(朝ドラ)が入る事が分かるのだが、当人は一緒にいられる時間が減るのが嫌だと言う。

「いいじゃん、もうみんな親友なんだし」
「え? 親友……? 親友なんですか?」
キマリは直接会わなくても心が通じ合っている旨を伝えるが、結月はそれに対して疑問を投げかける。
ここまでずっと濃密な時間を共有してきた仲間は、もはや「親友」と言い表す以外ないのだが、
本当に友達がいなかった結月は、どこからが親友なのか、まるで分からないようだ。
(筆者も「本当の友達って何?」と10代の頃に思った事があるので、半ば共感できる部分はある。)

観測隊員の手伝いを重ねる内、結月は隠れ(?)ファンに気がつき、仕事を受ける事を決意したのだが、その際、結月は斜め上の行動を起こす。
細かい文字を並べた、仰々しい手作りの「友達誓約書」を取り出し、これにサインしてほしいと言う。
あきれ返る報瀬と日向、そしてキマリは「分かんないんだもんね……」と感極まって泣き出し、結月に抱きつく始末だった。

食事時間になり、どうしたら友達なのかと、飲み込めずにいる結月に対し、報瀬はご飯粒を顔に付けたまま、持論を展開する。
「多分、形も言葉も、何もない。友達なんて、親子とも夫婦とも違う、ぼんやりした物だし、いつ消えても誰も責任を負ったりしない。少なくとも私はそう。でも、だから自由で、だから一緒にいられる気がする」

結月は釈然としないまま、個室で一人になる。
キマリにトークアプリで謝罪を行っても返事が来ないので、怒っているんじゃないかと気も滅入ってしまう。
そんな中、個室にキマリが訪ねる。キマリはめぐみから絶交宣言を受けてもなお、トークアプリで会話を続けている事を明かす。
既読マークの付くタイミングが不定であるだけの事で、相手の事をなんとなく想像できる。そんな関係性が私にとっての友達であると告げる。
間もなく、個室に報瀬と日向がサプライズでやってきた。過去に船酔いで祝いそびれた誕生日を、手作りのホールケーキで改めて祝うのだと言う。
友達から祝われるのは初めてだと、結月は泣き出す。普段はクールな結月も、第3話から分かるように、感情の落差には非常に弱いのだろう。

翌日、結月はお礼のメッセージを、改めてトークアプリでキマリに送ろうとする。
かしこまったメッセージを打っては消し、打っては消しを繰り返すが、結月はメッセージを2回に分けて送り、茶目っ気を出す。

<ありがと
<ね

「分かった! 友達って多分ひらがな1文字だ!」
キマリはそのメッセージを見て、端的に友達について言い表す。

ね>

<ね

再び1文字のメッセージを送り合い、思いを交わし、この話は終わる。

そして再度になってしまうが、先の記載を再引用する。
> 【(ネタバレ)「友達って○○だ!」というセリフの説得力の強さ】
> 友達とは何なのか、そんな問いに対する普遍的な答えは絶対に出せない。
> 方程式のような厳密さがある訳でも、友達誓約書のような取り決めがある事はありえない。
> しかし、キマリの「友達って多分ひらがな1文字だ!」という、半ば感覚的なこのセリフがスッと入ってきて、非常に共感できるのは、偉人の言葉のように「重なるかもしれない」という部分があるだけでなく、
> 4人組がそれだけで思いをくみ取り、意思疎通が可能である間柄である事に、非常に説得力があるからだ。この第10話まで(それ以降も)の積み重ねは、非常に説得力があるのだ。
> これは本作を一番象徴するセリフであると私は思うし、友達という定義への一つの答えでもある気がしてならない。

第11話では、南極と日本の中継をするリハーサルで、日向は高校を中退する原因となった、在学中の頃の友達3人を目にしてしまう。
後に日向は一人で激高するも、みんなの前では平静を装って抱え込もうとしたが、報瀬がずっと気にかけるのに根負けし、南極の親友らに対して理由を明かす。
その溝は深く、日向は高校をやめてしまっているので、割り切って許せる物でもない。

中継本番前、日向は許してしまえば気が楽になるんじゃないかと、思い始めるものの、
報瀬はそれを認めようとせず、日本に向け、もう日向に関わるなと言い放つが、続く言葉は詰まって、たどたどしい。
そこでキマリが、「そこにいたら絶対できないような旅をしてるの!」と助け船を出すと、報瀬は勢いを得て、相手に反論の余裕すらも与えずにまくし立てる。
「今更何よ、ざけんなよ!」

日向は憑き物が落ちたように、ただただ泣き倒れたのだった。

第5話の許されためぐみとは対照的な第11話だが、めぐみは日本を発たれて手遅れになる前に懺悔を行い、責任を取って一度は絶交を選ぼうとしたが、
今回のテレビ中継に訪れた3人は、問題を一向に解決しようとする事はなく、時間が日向を傷つけ続けた上、
3人組あろう事か、時間が解決してくれたとでも思ったのか、中継に出演したのだ。厚顔無恥にも程があるだろう。

第12話。
事実上の最終回であり、報瀬とお母さんの物語が終わる。
報瀬は、南極に着けば夢から覚め、お母さんの死に初めて向き合えると思っていたのだが、そうではなかった。
だからこそ出た言葉が「ざまあみろ!」だったのだ。ある意味で、虚勢も入り交じっていたのだと分かる。
「私ね、南極来たら泣くんじゃないかってずっと思ってた。これがお母さんが見た景色なんだ。(中略)。何見ても写真と一緒だ、くらいで……」
「確かに、到着したとき最初に言ったのはざまあみろだったもんな」
「え? そうだっけ?」
「忘れてるんですか?」

また報瀬は、隊員から誘われてもなお、お母さんが行方不明となった地に向かうべきか、ずっと悩み続けるのだった。
「でも、そこに着いたらもう先はない。終わりなの。もし行って、何も変わらなかったら、私はきっと、一生今の気持ちのままなんだって……」

それでも吟隊長の想いを聞き、報瀬は現金100万円を1枚ずつ、個室の床一面に並べながら、これまでの苦労の道のりを振り返る。
翌日、決意は固まり、雪上車に乗り込んだのだった。3週間の旅が、始まる。

あくる夜、報瀬はキマリに対して南極が好きか尋ねる。もちろんキマリは好きだと言う。
当初、報瀬以外は南極観測に絶対的な動機があった訳でもない。だけど、既にそれはもう絶対的な絆で根付いていた。
「でもね、一人だったら好きだったか分からなかったかも」
「そうなの?」
「みんなと一緒だから。みんなと一緒だったら、北極でも同じだったかも。……ねぇ報瀬ちゃん? 連れてきてくれてありがとう。報瀬ちゃんのおかげで私、青春できた」

雪上車での長い道のりに耐え、お母さんが行方不明となった地へたどり着いた4人組ら。
そこで涙をこぼす吟隊長を見てもなお、報瀬は「思い出してるんだろうね。お母さんと見た時の事」と、どこか冷め切っていた。
ようやくたどり着いた地であるはずなのに、それでも報瀬の中で何かが変わる事はなかった。

親友は、奔走する。
お母さんが南極にいた証を見つけるため、付近の施設内を奔走する。
そんな親友らを目にしてもなお、報瀬は立ち尽くすばかりか、「見つからないよ」と否定的な言葉を投げかけるだけだった。
もしそれがあったとして、実際に目にし、何にも向き合えなかったらどうなるのだろうか。南極への軌跡、何もかもが否定されるようで、この上ない恐怖でしかない。

だけど親友は、お母さんのノートパソコンを見つける。
以降、報瀬は一人個室でノートパソコンを操り、映像上では挿入歌「またね」だけが流れ、呼吸音・ノートパソコンの打音だけが流れる。

ログインのパスワード入力画面で、試しにお母さんの誕生日「0417」を打つが、失敗する。
ふと、自身の誕生日である「1101」を打てば、今度は成功する。

メーラーを開くと、未読メールが0件の中、新たにメールの受信が始まる。
差出人は「小淵沢報瀬」で、件名は「Dear お母さん」だ。
これはお母さんの失踪を告げられた3年前のその日にも送信され、第1話からも合間のシーンで、セリフはなくとも何度も送信されていた。

未読メールの件数は、あっという間に2桁になり、程なくして3桁となって、やがて4桁になった。

宇宙よりも遠い場所で、一人娘のメールを開かない母親なんて、いるだろうか。
絶対に、いない。もう、いないのだ。
(というような事を言葉を交えず、映像だけで語るのがすごい高度であり、何度見ても涙を禁じ得ない。)

「お母さん! お母さん!!」
報瀬は初めて死に向き合い、むき出しの慟哭がほとばしる。
親友らも、個室の前でともに泣いていたのだった。
(アフレコ前の練習時に、報瀬の声優自身(花澤香菜)も、泣いてセリフが言えなかった程(ラジオ12回目 12分36秒~)に受け止めたからこその、純粋な慟哭だ。)
(他の声優も、そういった場面がよくあったようである。)

挿入歌とともに、EDへとつながる。
その最中、白夜だった南極が夜になり、報瀬の止まっていた時間が動き出す。
同時に、夏隊(4人組)の旅も、終わりを迎えようとしていたのだった。


第13話は、まるごとエピローグである。
4人組は南極生活にも順応し、あっちこっち駆け巡る中、キマリは帰るのが惜しくなるが、無論ありえない話である。だからキマリは、「また来てくれる?」と確認を取る。
親友らは誰もためらう事なく了承するが、キマリは軽いと思ったのか、報瀬と向かい合って再確認をした。
「本気で聞いてる」
「本気で答えてる」
「ならよし!」

後日、報瀬は「なんか切りたくなった」と言いだし、ロングヘアから一転、ショートヘアにする。
自身の中で、向き合い方に変化が生じたのだろう。吟隊長は「やっぱり親子ね、笑ったところがそっくり」と感無量だ。
報瀬が、お母さんの死を乗り越えた象徴でもある。

そして夏隊の帰還式典で報瀬は代表として、南極についてのスピーチをする。
南極と仲間の意義を力説し、また上陸する事を誓ったのだった。
「(前略)。ここは全てがむき出しの場所です。(中略)。母がここを愛したのは、この景色と、この空と、この風と、同じくらいに、仲間と一緒に乗り越えられる、その時間を愛したのだと。何にも邪魔されず、仲間だけで乗り越えていくしかないこの空間が大好きだったんだと。私はここが大好きです。越冬がんばってください、必ずまた来ます。ここに」

越冬隊から見送りを受ける中、副隊長から南極観測が中止になりそうであった事実が明かされる。
第9話の上陸時に、大人たちも言った「ざまあみろ!」に、様々な想いが内包されていて、重みが増す。
そして4人組の想いが、大人たちに届き、南極観測を実現させたのだ。

ヘリコプターに乗り込む前、報瀬は吟隊長にお母さんのノートパソコンを預ける。
「私はもう、なくても平気ですから」
もう報瀬は、未来に向かって歩き出している。

帰りの道中、これまでの話で何度も見たいと言っていた、オーロラを目にする4人組。
感嘆する中、報瀬のスマホにメールが届いた。差出人は「お母さん」で、件名は「本物はこの一万倍綺麗だよ」だ。
吟隊長は、ノートパソコンの送信トレイの中に残っていた、メールを送信していた。

メールを開くと、一面にオーロラの写真が広がる。
報瀬は「ふふっ、知ってる」と満面の笑みで、お母さんからの想いをまっすぐ受け止めていた。

空港に帰国した4人組。
キマリは「ここで別れよ」「一緒にいられなくても、一緒にいられる。だって、もう私たちは私たちだもん」と告げる。
強くつながった心は、決してもう離れない。今は本来の暮らし(復学・仕事)に向けての準備や、帰国を待ち望んでいる家族・仲間の元へ駆けつけようという事だ。

4人は、再び4人で旅に出る事を誓い合う。そんな中、報瀬は告白する。
「あれ(100万円)はもうない」「置いてきたの! 宇宙よりも遠い場所に!」
一同は驚く。第13話序盤の「本気で答えてる」は口だけで言ったつもりではない、スピーチだって、優等生ぶって言った訳でもない。
お母さんの死を乗り越えてもなお、本気で報瀬は南極の地を再び踏む事を決意していた。

ラストシーン。
キマリはトークアプリでめぐみに「帰ったよー」と送るものの、返ってきたのは「残念だったな」と要領を得ない返事だった。
すると続けて、自身の写真とともに「私は今、北極だ」と送ってきたのだった。
よく見れば、写真のめぐみの髪は切りそろえられてある。彼女もまた、何かを決意して北極へと向かったのだろう。
彼女もまた、キマリと本当の親友になれるに違いない。
(めぐみの北極行きを暗示する伏線自体は、第10話の18分後半の映像で出ている。)

そして本当のラスト数秒で、第13話サブタイトルの「きっとまた旅に出る」が全面出て、本作はこの上なく心地良い余韻の中、終わりを迎える。{/netabare}

本作に携わった全ての関係者に、心より称賛と感謝の意を表したい。
このアニメに出会うため、私はアニメと対峙し続けていたのだろう。

{netabare}「きっとまた旅に出る」{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

浮き沈みはあったが高クオリティな感動+笑い!

【あらすじ】
何かを求める少女たちが、補い合って南極を目指すお話。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★★☆☆
恋愛☆☆☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳☆☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
感動、笑い、勝利、友情、包み隠さない

【こういう人におすすめ】
踏み出す元気が欲しい人とか。YouTuberを目指す中高生とか好きそう。

【あにこれ評価(おおよそ)】
67.6点。おそらく上昇途中。

【個人的評価】
全体的にクオリティが高く、感動系なのに笑いも多いのでおすすめ。個人的に評価がガクンと落ちる回があり、手放しでは褒められない。しかし今期一番注目し続けたアニメだったのは間違いない。
『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 すごいよかった!すごい良かったんだけど……

 5,6,11話が個人的にピンとこなかった。詳しくは下に。
 ただ最終話が終わってみると「やっぱいいなあ」、と思うし、評価が難しい作品でした。多分今後リピートして観るときは5,6,11、あと12話を抜いて観ます(笑)

 やっぱ私は感動系より笑い重視です!血も涙もないのです!
 ……citrusのレビューで血涙を流しましたが、混じってたらセーフなのです。

 1~4話のスタートダッシュが最高すぎて今期圧倒的覇権かなあと思いましたが、最終的には他作品と接戦でした。褒める点はだいたい↓で言いつくしましたが、あと、「南極あるあるネタ」みたいなのが割と少なくて、そこが個人的には良かった!取材が足りなかったとかかもしれないけど、結果オーライです!アレ系、あんまり要りません!

 あと、これの放送と同時期にイッテQのイモトさんも南極行ってて、ものすごいタイムリーな感じでした(笑)


1話
{netabare}  とりあえず100万円を持ち歩くな(笑)

 感動系は苦手なので切るはずだったが「涙の100万頭突きトイレ事件」(頭とは限らないだろ)でちょっと笑ったのと、1話ラスト付近の「前にも何人かそういうこと言ってくれる人がいた」発言で継続を決意。

 そうだよね!

 「私、応援するよ」「何か手伝えることある?」なんて。さも自分だけがこの子の味方のように。それだけでこの子が泣き出して「ありがとう。わたしずっと一人で心細くて……」とでも言うと思ったか!
 南極に行きたいという少女。そのために100万ためた少女。誰に後ろ指刺されても胸を張って前を見る少女。しかし襲い来る幾多の困難(たとえば100万落とす)。見てしまった涙。
 そんな子の味方が自分だけなわけあるか!
 「前にも何人か」、否、何人もいるに決まってる!
 その何人もいた「君と同じような」味方が消えていくほどに、彼女の夢は望み薄なのだと!それに気づいてからが彼女に寄り添えるスタートラインなのだと!

 と、勝手にアツくなる意外とちょろい私。

 課題を突き付けられて多分「自分を変えたい」というのとは別に「なめんなよ!私は行くぞ!」っていう意地が主人公の女の子に出てきたと思う。その辺の気持ちがすごいわかった。

 南極いけるのか。行けたとしてどうなるのか。そして最重要、私が再び笑えるコメディパートはあるのか。その辺注目です。
{/netabare}

5話後
{netabare}
 5話目で結構ぴょんっと話飛びましたね。南極出発前夜の感じでした。もうちょっと資金とかで揉めるかと思ったんですが。ということは行ってからが大変なのかな。「お母さん探し」とか「南極生活あるある」とか「大自然の危険」とか別に入れてもいいけど、コメディパート減らないでくれ頼む!
 親友メガネちゃんの話はいつか来るだろう、来たら嫌な感じになるだろうとは思いましたが、割と早めに来ましたねー。でもついていかないという決断をしたメガネちゃんはえらい。……とはいえ主人公たちも視聴者も後ろを振り返っている場合ではないのです!アディオスめがね!最終話で会おう!

 さて、このアニメ、メインキャラクター4人が魅力的ですね。
 デザイン的にも設定的にも無駄がなくてイイ。あと声優のチカラというのを目の当たりにしました。私が今期トップクラスに笑えてるのは多分声優さんのおかげ!私が気になった声はだいたい花澤さんがやってるので花澤さんは知ってましたが、今後は他の三人も注目したい!

 そして「全員が中心」って感じもいい。
 全員が中心って矛盾してますが、一人一人がほかの3人をまとめている一面があって、だから4人がギュッと集まってる感じというか。
 まず「南極にいく」っていうのは結局のところシラセの夢で、他の3人は「それについていきたい」というのが行動原理です。シラセが「北極に行きたい」としたら3人は北極についていくでしょう。だからシラセがこのアニメの「原動力」です。
 次にキマリ。一番「使えない」やつですが、私が一番必要としている人材でもあり、つまりはこのアニメ全体に流れる「あたたかい笑い」の発信基地になっているのが彼女です。他の3人だけだったらものすごく冷静な単なる「南極隊」になってたか、そもそも集まらなかったと思います。
 次にヒナタ。一番「便乗してる」のが彼女で、個人的にはメンバー入ってきたとき「ん?不安材料?」と思いましたが、全く違いました。彼女がこのチームのブレイン。頭がいい上にびっくりするほど大人なので、他の3人の引率者的存在になってます。他の3人の誰にでも合わせることができ、キマリの生み出す「あたたかい笑い」を増幅させるのも、冷静さを取り戻させるのも彼女です。
 そしてユヅキ。言うまでもなく彼女がいないと南極に行けないので人材としては最重要で、替えがききません。精神面では一人だけ高校1年ということもあり若干浮いていますが、他の3人のあたたかさに支えられてだんだんと馴染んできてます。

 ドライブに例えると、シラセが「車」、ヒナタが「運転手」、ユヅキが「免許証」で、キマリが「ラジオから流れる陽気な音楽」って感じ。ぽつんとあった車のラジオが突然ついて陽気な音楽が流れだし、それに誘われて運転手が乗り込んで……おっと免許証忘れてた、みたいな(笑) そら走り出しますわ。
{/netabare}

6話後
{netabare} 5話目以降失速ぎみ。2、3話が良すぎたのか。
特に今回のエピソードは練られてなさすぎ。はよ言えよ、探せよ、気づけよ、謝れよ、「なんだよぉ」じゃねえよ。セリフ思い付かんかったんならエピソードごと消せ。一番本心偽ってんのはおめぇだよ!
「ヒナタとシラセを仲良くするエピソードはさんどかね?」「おkおk。この辺で適当に入れとくわ」臭がパネぇ!2、3話はまぐれか!?次はキマリユヅキか!?それともシラセユヅキか!?そのあとヒナタユヅキか!!小手先でこちゃこちゃやんねーと12話持たねえのか!?
このエピソードの主体がキマリならわかるよ?なんでよりによってここまで行動決断パーフェクトだったヒナタを6話だけアホアホに描いたんだよ!「なるほどー、自分が一つミスっちゃうと連鎖的にダメになる人かー。いるいる」というとでも思ったか!あのタイミングで問題放置をするキャラじゃないだろ!

あれ、やんわり軌道修正を求めようと思って書き始めたはずが、やけにエクスクラメーションマークが多い文章に。失礼しました。とりあえず6話ストーリーがダメダメすぎてコメディも白けてしまったので巻き返し期待です。ヒナタの過去を小出しにしたところで感動はしないのではやめにさらっと出してコメディパートに戻ってくださいあなかしこ。 {/netabare}

10話後
{netabare}
 やっぱキマリユヅキきたな(笑)

 でもそんな些細なことで勝ち誇りたくてレビュー更新したわけではないのです!そんな小さな人間に見えますか私が!
 ……見えますか。あれですよ、遠近法ですよそれ。

 そうじゃなくて、むしろ6話の失敗を7話以降少しずつ回復していき、私が再び心を乱されることなく楽しめる4話らへんの状態に戻ってきてくれたって話なのです!ありがと!ね!

 脚本家さんは知らない人でした。登場人物のセリフを文章としてみたときに分かるように、そこまで「卓越したセンス」とか「文章構成力」とか「言葉にできない感情を描出する表現力」とかを持ってるわけではないんですが、それでも出来る範囲で丁寧に誠実にストーリーを紡いでいる感じ。
 その「小さいけど形のいい素材」を元に優秀な周りの作画、音楽、声優などのスタッフが世界観を広げていく。結果として、芯があってふわふわしたスポンジボールみたいな作品になって私が心地いい、と。

 逆に6話の急落は何だったんですかねー。私が「忘れ物に強いぼっち」だったから共感できなかったのか?ユヅキの葛藤は「めんどくせっ」って思いつつも割とあたたかい目で見ていられるんですが、あの時のヒナタわっけ分かんなかったんだよなあ。
 むしろ平常時のヒナタに共感しまくっていたから、自分ならしないミスを彼女が犯すストーリー展開にプッチン来ちゃったのかもしれません。器ちっせ私。


 唐突にどうでもいい、忘れ物対策コーナー!ドンドンパフパフー{netabare}
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 私が意識してること。早めに気づいて自分の行動を逆再生する。それでもないなら周囲の人を巻き込んで逆再生する。これで失せものは大体見つかります。「なくして1か月後に気づく」とかだとこの方法は無理ですが、その場合は忘れ物うんぬんの問題ではなく、普段の「使わない物品の管理」の問題ですのでそちらを見直しましょう。

 6話のヒナタちゃんの場合。まず気づいた瞬間に行動に移しましょう。ヒナタちゃんが隠蔽したあのタイミングなら「パスポートないいいいい!!」の叫びで全てが好転します。

 そして同じ道をたどって空港に戻ります。空港を出られたということは、間違いなくそのタイミングまでは所持していたということで、何者かの悪意が働かない限り、空港までの道中に必ずあります。
 そして、歩いてる途中にポトリ、というのは失せものではレアケース。手に持ったりポケットに入れているものならありえなくはないですが、今回のように鞄に入れていたものだと道に落ちることはないと思っていい。

 だから立ち寄った場所、さらにいえば鞄を開けた場所のどこかにある可能性が高い。今回のケースなら途中のクレープ屋だかアイスクリーム屋だかが怪しいです。もしくは空港内が怪しい。

 しかしない。

 ここで他人と行動を照らし合わせます。「あたしあの時何してた?」とか「諸君、初めから事件を整理してみよう」とか。こういう会話の中で「そういえばあの時一瞬渡したような……?」みたいな話が出れば、今回の場合みつかります。

 あ、気づいてすぐ「誰かもってない?」という話題が出ればすぐ発見ですが、最初から他人を疑うのもねぇ。確信があるなら「なくした」なんて言わずとも「あ、そういえばパスポート渡してたよね」で済みますし。

 という風に、失せもの探しってなんか謎解きみたいで楽しくないですか?私は心の中で「神様からの挑戦状」って呼んでたり呼ばなかったりそんな余裕なかったり。私の神様はしょっちゅうスマホをお隠し遊ばれますが、いままで見つけられなかったことないです(笑)
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{/netabare}
{/netabare}

11話後
{netabare}
 うーん、やっぱりヒナタ関連のエピソードは個人的に「うーん……」って感じになりますね。

 南極来た時の「ざまーみろ」の大合唱でもそうだったんですが、なんか器ちっさいというか。自分たちが軽蔑している人々にリベンジして吠え面かかせたいという思いが、逆に自分たちを同じ土俵に立たせちゃってるような。

 ああいう、半沢直樹の感じ?(あのドラマ観てないけど)

 2件とも直接的にはシラセの行動ですが、作中の人物全員もれなく同調しちゃってるんで、それが脚本家のメッセージだと思われます。しかし「私に(私の友達に)仇なしたものなんて、一生苦しめ!私たちは清々しいけど、お前らは苦しめ!ざまーみろ!」っていうメッセージに対して「おお!良いこと言うぜ!」と思う人間になりたくない。個人的に。

 頑張って頑張って後ろ指刺されても負けないでたどり着いた憧れの地、南極。そこで1番に思うことが「綺麗」でも「お母さんの場所」でもなく、「後ろ指刺されたことあったなあ!あいつらめ!ざまーみろ!」って。

 3番目くらいにしようよ。

 むしろ「ざまーみろって言ってやるんじゃなかったっけ?」「うーん、なんかどうでもよくなっちゃった」みたいな会話のほうが好きだし、そういう人間のほうが好き。で、最後に布団の中で、誰にも聞こえないようにボソッと「あ、そういえば。……ざまーみろ。あはは」くらいのほうが。

 チームメイトの件に関しても、面と向かって「お前らのことなんてなんとも思ってないんだよ!」みたいなこと言ってましたけど、それを面と向かって言うことが「なんとも思って無くない」ことの証明なんですよね。それを聞いて泣き出すのも、「良いこと言うぜ」みたいな感じで見てるのも。

 モヤモヤしていたとしても「あ、来たんだ。でももうあたしはあんたらの友達じゃないからな。言いふらすなよ。まあでもせっかく来たんだし、見てったら?」みたいな感じであとは南極を楽しめば、主人公たち4人の仲の良さをみた陸上部たちが、(ああ、あの子はもう歩き出してて、私たちは自分たちが許されたいためだけにここに来てたんだな)って自分たちで気づく。そういう展開のほうが好き。
 ついでに陸上部たちが帰り道で「私たち、なんかかっこ悪いね」「……うん。ほんとうに馬鹿なことしたって思う」「……」「……あー、いいなあ、南極」みたいな会話してたらもっと好きだし、そのほうが清々しいし、その時こそ、やさしく「ざまーみろ」って言えるタイミングだと思う。

 南極に来ている時点で主人公たちは完全勝利しているのに、そのうえで自分たちが打ち負かしたものに対して「やーい、負けてやんの、バーカバーカ」みたいな感じで追撃するのが「清々しいこと」とは思わない。お前たちが脇目も振らず目指していたのはそういう場所なのか?そこに到達したときに後ろを振り返って「ざまーみろ」と言って届くほど低い地点なのか?振り返ったところで、豆粒のように見えるその他大勢に、「今更言い返すのも馬鹿らしい」と思えるほどの高みを目指していたんじゃないのか。

 少なくとも私はそういう場所に行ってほしかった。
 主人公たちも、脚本家も。

 あと、「敵役」のキャラ作りが浅い。記号としてイイ感じにボコボコにできる「標的」を用意しただけのように感じる。例えば「陸上部の子たちはなぜ先輩とヒナタに別のことを言ったのか。なにか理由があったんじゃないか」などということは全く触れない。「なぜ仲間を売ったのか」「ヒナタがいなくなった後どう過ごしたのか」「何を思ってあそこに来たのか」みたいなことはすべて「想像にお任せします。まあとにかく一番いやな感じです。こいつらは本当に最悪なんです。でも大丈夫。今からボコボコにしますから見ててください。一緒に清々しい気分になりましょう」と言われたように感じた。

 まあ、まとめると、私はああいう加害者にも、かといって復讐者にもなりたくない。「ホントあいつ最悪だったよー。まあでも話したらスッキリした!今日は飲もう!明日は頑張ろう!」みたいな人が好きだし、自分もそうなりたい。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 60

76.8 2 熱いで冒険なアニメランキング2位
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1051)
5730人が棚に入れました
舞台は1987年の日本。100年の時を経て、ジョナサンの肉体を乗っ取ったDIO(ディオ)が復活した。それと共鳴するかのようにジョセフの孫の空条承太郎に、幽波紋(スタンド)という能力が発現する。DIOの影響によって危篤に陥った母の空条ホリィを救うため、承太郎はジョセフらと共にDIOの潜むエジプトを目指す。

声優・キャラクター
小野大輔、石塚運昇、三宅健太、平川大輔、小松史法、子安武人
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タイトルなし

第3部ということで1989年のアジアとエジプトが舞台
主人公はジョセフ・ジョースターの孫・空条承太郎

前半の本作は送られてくる刺客を倒しつつ時には仲間にしてエジプトを目指していく

ポルナレフお調子者すぎて良いアクセント

OP
STAND PROUD 歌 橋本仁
ED
スターダストクルセイダース 作曲 菅野祐悟
Walk Like an Egyptian 歌 The Bangles
The Banglesは好きだなあ。エジプトじゃないのにWalk Like an Egyptianだ

{netabare}
原作セリフたち
「“悪”とはてめー自身のためだけに、弱者を利用しふみつけるやつのことだ!!」(承太郎、花京院に)
「フフ…やはりこのままいさぎよく焼け死ぬとしよう…それが君との戦いに敗れた私の君の“能力”への礼儀…自害するのは無礼だな…」(ポルナレフ)
「やれやれだぜ」(承太郎)
「アヴドゥルなにか言ってやれ」(承太郎)
「おれは“恐怖”を克服することが“生きる”ことだと思う。世界の頂点に立つ者は!ほんのちっぽけな“恐怖”をも持たぬ者ッ!」(DIO)
「ジョセフ・ジョースター!きさま!見ているなッ!」(DIO)
「これがおれの本体のハンサム顔だ!」(イエロー・テンパランス)
「弱点はねーといっとるだろーが 人の話きいてんのかァ、この田ゴ作がァー」(イエロー・テンパランス)
「ドゥー・ユゥー・アンダスタンンンンドゥ!」(イエロー・テンパランス)
「JOJO、そのチェリー食べないのか?ガッつくようだがぼくの好物なんだ…くれないか?レロレロレロ」(花京院)
「ア…アヴドゥル、これがインドか?」「ね、いい国でしょう。これだからいんですよ、これが!」(ジョセフとアヴドゥル)
「バ…バカな…か…簡単すぎる…あっけなさすぎる…」(花京院ポルナレフに)
「カモオ~ン、ポルポルくう~ん」(ホル・ホース)
「我が名はジャン・ピエール・ポルナレフ。我が妹の魂の名誉の為に!我が友アヴドゥルの心の安らぎの為に!この俺が貴様を絶望の淵へブチ込んでやる」(ポルナレフ)
「グピィーッ!」(ホル・ホース)
「あたいが『女帝』よッ!チュミミ~ン!!」(ネーナ)
「ジョセフ・ジョースターが闘いにおいて、貴様なんかとは年季が違うということを思い知らせてやる」(ジョセフ)
「“相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している”これがジョセフ・ジョースターのやり方。老いてますます健在というところかな」(ジョセフ、エンプレスに)
「たとえるなら!知恵の輪ができなくてカンシャクを起こしたバカな怪力男という感じだぜ」(ポルナレフ)
「勝ったッ!第3部完!」「ほーお、それで誰がこの空条承太郎の代わりをつとめるんだ?」(ズィー・ズィーと承太郎)
「穴がボコボコにあけられているぞッ!トムとジェリーのマンガに出てくるチーズみてーに!」(ポルナレフ)
「脳みそズル出してやる!背骨バキ折ってやるッ!」(エンヤ婆)
「そこの4人…お命ちょうだいいたします」(スティーリー・ダン)
「史上最弱が…最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も、最も恐ろしィィ、マギィーッ!!」※最も×22回!(ラバーズ→ハイエロファント&チャリオッツに)
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!オラアアアアアアアアァァァァァ、オラオラオラオラオラオラオ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!」(ラバーズのスティーリー・ダンに。総計オラX52回、オだけ1回)
「フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ」(花京院)
「俺と同じリアクションするなーッ!!」(ポルナレフ)
「さあ、お仕置きの時間だよベイビー」(花京院)
「モハメド・アヴドゥル!」「YES I AM!」(ポルナレフとアヴドゥル)
「に…にゃにお~んッ!そこまでやるか…よくもぬけぬけとテメーら仲間はずれにしやがって、グスン」(ポルナレフ)
「一度あんたの素顔を見てみたいもんだな。俺の好みのタイプかもしれねーしよ。恋に落ちる、か、も」(承太郎)
{/netabare}


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は1987年――ジョセフ・ジョースターと柱の男たちとの死闘から49年後…。ジョセフは「悪霊に取り憑かれた」という孫・空条承太郎に会うため、極東の地・日本を訪れる。そして承太郎に対し、悪霊――「幽波紋(スタンド)」が突如発現した原因を語る。

1. 悪霊にとりつかれた男
1987年、日本。ジョースター家の血を引く青年・空条承太郎の母・ホリィは「自分には悪霊がとりついている」と釈放を拒む承太郎を案じ、アメリカにいる承太郎の祖父・ジョセフに助けを求めることに。すぐさま来日したジョセフは、友人のアヴドゥルと共に承太郎のもとへ向かい、承太郎に対し「悪霊の正体を全て知っている」と告げる。

2. 裁くのは誰だ?!
ジョセフが語った“悪霊”の正体――「幽波紋(スタンド)」の力を隠しながら、日常生活に戻る承太郎。だがある日の登校中、不自然な現象で軽傷を負ったことをきっかけに、花京院典明と名乗る転校生と知り合う。医務室で傷の治療を行おうとした承太郎は、花京院からのメッセージに気が付く。

3. DIOの呪縛
覚醒したスタンド能力で、DIOの刺客・花京院を打ち破った承太郎。傷つき倒れた花京院の身柄を確保し、DIOの情報を得ようとするが、ジョセフは花京院の脳に「肉の芽」という、摘出不可能なDIOの細胞が植え付けられていることに気付く。

4. 灰の塔(タワー・オブ・グレー)
50日以内にDIOを倒さなければ、ホリィの命が危ない――。承太郎たちはDIOを打倒するため、彼が潜んでいると思われるエジプトへの旅を開始する。道中の飛行機内、承太郎たちは再びDIOの放った刺客と遭遇!それは、破壊と災害、そして旅の中止を暗示するという凶悪なスタンド「灰の塔(タワー・オブ・グレー)」であった。

5. 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)
DIOからの新たなる刺客、ポルナレフに襲われた承太郎たち。彼のスタンド「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)」の鋭い剣さばきに圧倒されるが、ポルナレフの挑発に応じたアヴドゥルが「魔術師の赤(マジシャンズレッド)」で立ち向かう。

6. 暗青の月(ダークブルームーン)
新たな同行者を加えた承太郎たちは、スピードワゴン財団の協力をうけて海路で次の目的地・シンガポールへと向かう。その道中、船内から密航者が見つかり騒ぎが起こるなか、承太郎が海中から敵スタンドに襲われてしまう。

7. 力(ストレングス)
ニセ船長の仕掛けで爆破された船から脱出し、救命ボートで広大な海を彷徨う承太郎たち。そこに姿を現したのは、巨大な貨物船であった。疑心暗鬼になりながらも、一行は助けを求め、貨物船に乗り移る。だが、船は正常に稼働しているにも関わらず、船内に人影はなく、いたのは檻の中のオランウータンが一匹だけ…。

8. 悪魔(デビル)
シンガポールに到着した承太郎一行は、宿泊先のホテルで別行動をとる。ホテルの部屋で一人になったポルナレフを待ち受けていたのは、「呪いのデーボ」として怖れられる新手のスタンド使いだった。

9. 黄の節制(イエローテンパランス)
「我々の中に裏切り者がいる、花京院に気をつけろDIOの手下だ―」ハーミットパープルで念写された奇妙なメッセージを前に、とまどうジョセフ達。一方、それを知らない承太郎は、花京院やアンとシンガポールを散策していた。

10. 皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン) その1
シンガポールを出国し、無事インドに入国を果たした承太郎たち。文化の違いに驚きながらも、レストランで小休止をとる。そこで、鏡の中だけに見える謎のスタンドに襲われるポルナレフ。

11. 皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン) その2
ポルナレフを庇い、敵スタンド攻撃の前に倒れたアヴドゥル。それを目の当たりにしたポルナレフは、ショックで冷静さを失っていた。そこにつけ込んだJ・ガイルはスタンド「吊られた男(ハングドマン)」で猛攻撃を始める。このままでは敗北必至と踏んだ花京院は、ポルナレフと共に逃亡をはかる。

12. 女帝(エンプレス)
ガンジス川のほとり、聖地ベナレスをめざす承太郎一行。その道中、ジョセフは自分の腕に奇妙な腫れ物があることに気付く。最初は気に留めていなかったものの、徐々に大きくなっていく不気味さもあり、医者に看てもらうことに。

13. 運命の車輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)
インドからパキスタンへの道のりを四駆車で飛ばす承太郎たち。運転手を任されたポルナレフは、荒れた山道で前を走るボロ車を強引に抜き去ってしまう。しばらく快調に車を走らせる一行だったが、先ほど抜き去ったボロ車に後ろからあおられ、先を譲ることに。

14. 正義(ジャスティス) その1
承太郎たちは敵スタンド使いの妨害を乗り越え、ようやくパキスタンに入国を果たす。だが、周囲が濃霧に包まれてきたため、近くの町で宿を探すことに。一行が到着した町は、異様なほどに物静かで、住民もそっけない対応ばかり。

15. 正義(ジャスティス) その2
エンヤ婆がDIOの新たな刺客であることに気付いたポルナレフ。この事実を仲間に知らせようとするポルナレフだったが、エンヤ婆のスタンド「正義(ジャスティス)」に操られた多数の死体に襲われてしまう!町全体が、すでにエンヤ婆の支配下に置かれていたのだ。

16. 恋人(ラバーズ) その1
エンヤ婆を生け捕りにした承太郎たちは、パキスタンの首都・カラチに入る。その地で彼らを待っていたのは、DIOからの新たな刺客・鋼入りの(スティーリー)ダンと名乗る男だった。ダンはDIOの命令に従い、仲間であるはずのエンヤ婆をためらうことなく殺してしまう。

17. 恋人(ラバーズ) その2
ジョセフの脳内に入り込んだダンのスタンド「恋人(ラバーズ)」。ジョセフの命を握ったことで圧倒的優位に立ったダンは、承太郎に対して卑劣な行為を繰り返すが、逆らえない承太郎は怒りを抑えつつその命令に従う。

18. 太陽(サン)
アラブ首長国連邦に到着した承太郎たちは、砂漠を横断するためラクダで移動することに。移動中、仲間以外は誰もいないはずの砂漠で何者かの気配を感じていた。承太郎がスタープラチナで確認しても不審なものは見当たらず…。だが、気付けば午後8時を過ぎているというのに、太陽は沈むどころか西からのぼり始めている!

19. 死神13(デスサーティーン) その1
花京院典明は夢を見ていた。赤ん坊の泣き声が響く奇妙な遊園地で『死神』のタロットを見つける花京院。花京院はカードの中から飛び出した死神の大鎌をとっさにかわすと、鎌は傍らにいた犬を切り裂いた。叫び声を上げて目覚めた花京院だったが、悪夢の内容は思い出せない。

20. 死神13(デスサーティーン) その2
花京院の赤ん坊が怪しいという訴えを誰も信じようとはせず、逆に花京院の異常を疑う仲間たち。なんとか誤解を解こうと、花京院が夢の中で自ら傷つけた腕の傷「BABY STAND」を見せても、ますます誤解を深めるばかり。追いつめられた花京院はスタンド攻撃による強硬手段をとろうとするが、ポルナレフの当て身で気絶させられる。

21. 審判(ジャッジメント) その1
ある人物に会うため、紅海に浮かぶ孤島へ向かった承太郎たち。島に到着した一行が出会ったのは、白髪以外はアヴドゥルにうり二つの男――アヴドゥルの父親だった!男は承太郎たちとの対話を頑なに拒み、家に閉じこもってしまう。

22. 審判(ジャッジメント) その2
勢いで口走った自分の願いで復活した妹・シェリーに襲われ、傷を負ったポルナレフ。「審判(ジャッジメント)」の暗示を持つ敵スタンド使い・カメオは、ポルナレフの第3の願いを叶えると告げ、死んだアヴドゥルをも復活させた。シェリーとアヴドゥルは、2人がかりでポルナレフの肉体を食いちぎろうと襲いかかる。

23. 女教皇(ハイプリエステス) その1
新たな移動手段として潜水艦を手に入れた承太郎たち。紅海を抜け、アフリカ大陸――DIOのいるエジプトへの上陸を目指す。潜水艦のソナーで外部の反応を探りながら、静かに海中を進む一行。

24. 女教皇(ハイプリエステス) その2
敵スタンド「女教皇(ハイプリエステス)」の襲撃で、沈没寸前の潜水艦からの脱出をはかる承太郎たち。海中を自力で泳ぐためにスキューバ用の装備を着ける一行を、再び敵スタンドが襲いかかる!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

景禎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

パン・ツー・まる・見え

ジョセフ・ジョースターのお話である前作から約50年後。ジョセフの孫、空条承太郎(くうじょうじょうたろう)のお話し。すでに一般名詞化されるほど有名な「スタンド」と「スタンド使い」という言葉が、始めて使われた漫画史に残る作品のアニメ化。

100年前に死んだと思われていたディオがジョナサン・ジョースター(初代ジョジョ)の肉体を乗っ取って復活。ディオはスタンド能力を発現させるが、その能力はジョナサンの肉体を介してジョースター家の血を引く子孫にも影響を及ぼす。抵抗力のないホリィ(ジョセフの子・承太郎の母)は危篤状態に。ホリィを救うため、ジョセフと承太郎、そしてユカイな仲間たち(?)は一路デイオのいるエジプトへ。しかし、行く先々でディオの放った敵のスタンド使いが立ちはだかる。という設定。

続編なので、前作の「ジョジョの奇妙な冒険」を見ておいたほうがいいかどうかですが、ほぼ不要です。ボスキャラのディオがジョジョの家系と何か深い因縁がある・・程度の理解で充分。

2014年春~夏の2クール24話で、Part3「スターダストクルセイダース」の前半分部、ジョジョ御一行様が、東南アジアからインド中東を経て、ディオのいるエジプトへ入るまでのお話しが描かれます。後半のエジプト編は1クール休んで2015年冬クール開始ということらしいです。

一応、ジャンルはアクション・アドベンチャーということですが・・・Partを重ねる毎にシリアス要素がどっかへ飛んで行き、代わりにギャグ要素が降臨するという現象が起きております。Part3の現時点で、もはやギャグ要素はシリアル要素を凌駕したのではないか?と個人的には思っています。なので、わたし的なジャンルはムキムキマッチョ・ファンタジー・ギャグ・アドベンチャー。

日本を出てからエジプトに着くまで、各地で出会うスタンドとの闘いが、1話~2話構成で描かれます。その都度、新たな仲間が加わったり、別れたりの、ちょっとしたドラマもあったり無かったり。

スタンドとは、それを使うスタンド使いの精神的なパワーが具現化したもので、それぞれタロットカードに暗示された能力を持っている、という設定になっています。承太郎に現れたスタープラチナというスタンドは「オラオラオラオラ・・・」と言いながらひたすら殴るだけの能力(とは言っても精度は異常に高い、という設定)で、能力的にも姿形もオーソドックスな部類ですが、物語りが進んでくればくるほど、奇想天外な能力と姿かたちをもったスタンドが現れ、よくもまあ、こんなスタンドを考えたもんだなぁ、と関心させられたりもします。

登場人物のキャラは前作と同様濃すぎるぐらい濃いのですが、全体から受けるハードボイルドっぽい印象は前作に比べてかなりマイルドになっているように感じます。というか、物語の設定と登場人物の見た目からは想像できないことで、キャラのかっこよさとか追求する人にとっては認めたくないことかもしれませんが、・・・もうこれはほとんど「ギャグもの」と言い切っていいかもしれません。見るからにギャグっぽい登場人物はいないのですが、ポルナレフなんかはギャグキャラに近いですね。また、承太郎や花京院なんかはマジメな顔でニコリともせずにギャグるので、かえってウケる。

旅の途中に出会う敵スタンドと、そのスタンド使いからもギャグっぽい面白さが感じられますし、設定そのものがギャグとしかいえないようなスタンドがいたりもします。

静止画としての漫画の手法を幅広く積極的に取り入れているのは前作と同じですが、今作はけっこうよく動きます。つまり動く静止画。なんか、矛盾したような言い方ですが、つまり、完全に止まった静止画が映るのではなく、漫画のコマ割りのようなカットなのですが、そのコマの中の人物なりが動いている・・・みたいな感じ・・・って、何言ってるかわからないですよね。百聞は一見いしかず。一度見ていただければ、どういうことが言いたいのかが分かってもらえると思います。

昭和臭プンプンなのは前作と同じです。このレビューのタイトルにさせて頂いた「パン・ツー・まる・見え」、これは最終回に絶体絶命の状況でポルナレフがやるギャグです。これは実際、昭和50年ごろ、当時小学校で行われていたスカートめくりをした後にやったギャグです。現代ではスカートめくりは立派なセクハラ行為であり、たとえ小学生と言えども、やったら即訴えられるので、このギャグもろとも絶滅しました。(ほんまかいな?)

ジョセフ・ジョースターの声優は、今回は杉田さんではなかった。前作の最終回のラストシーンには、歳とったジョゼフが日本への旅立ち直前の空港のシーンがあり、そのときの声は当然杉田さんだったので、今作も引き続きジョセフの声をやってくれるものとばかり思っていいました。石塚さんは石塚さんで良いのですが、杉田さんの強いアクを引き継ぐのは無理っぽく、ちょっと残念。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

みんながいたから この旅は楽しかった

2014年4月~ TOKYO MX、毎日放送、BS11他にて放送
全48話(分割4クール) 原作未読


1部のジョナサンから4代にわたって続く因縁、宿敵のDIOを倒すため
日本からエジプトまでの道程と戦いを描く物語


{netabare}ホラー、ゴシックな雰囲気を強く持たせ正義と悪、誇りと野望の激突を描いた第1部「ファントムブラッド」
コメディ色を多分に含みつつ戦闘の規模、果ては人類の存亡をかけたスケールの大きい話に昇華した第2部「戦闘潮流」


そのどちらの要素を踏襲しながらもロードムービーの流れを全面に押し出した第3部「スターダストクルセイダース」

基本的には主人公、空条承太郎とその一行が
DIOの放つ刺客と戦いながらも目的地であるエジプトのDIOのいる屋敷を目指す

ただそれだけ!

40話までずーーーっとその繰り返しです
冗長、中だるみ、この敵と戦う必要あるの?
そんな気持ちを心の隅に抱えながらも後半「エジプト編」に入ったあたりから
さながらサザエさんを視聴しているような気分で見てました
「お、今週も承太郎たちやってんな」みたいな、妙な安心感が芽生える始末
だからこそ42話でヴァニラ・アイス登場以降の緊張感ある演出が良い対比となっているのもありますけど

個人的には34話 ダービー(兄)登場から加速度的に面白くなってきて
最終話まで一切減速しなかったのが印象的でした



~空条承太郎くんじゅうななさい~
本作の主人公。
鎖をつけて改造された学ラン、2重掛けのベルト、うしろ髪との境目が分からない帽子
見た目と気性の荒さから不良のレッテルを貼られているが
根は正義感が強く優しい性格で序盤はジョセフのことをおじいちゃんと呼ぶかわいい一面もある

魅力的なキャラが多すぎる3部の中で個人的に最初から最後まで一番好きなキャラ

承太郎って何が正義で何が悪かっていう判断基準が法律や倫理には無くて
自分の感情こそが絶対的な基準でそこに一切のブレを見せないんですよね
だからこそ母ホリィの危機、ジョースター家とディオの因縁を聞かされても
悩みや葛藤が一切なくエジプトへ旅立てたんだと思います
少々完成されすぎた人格だと感じたけど改めて俺強い主人公の魅力を再確認できたキャラでした

後はやっぱりやる時はやる所。それも徹底的に
受けた屈辱、言動はそっくりそのまま綺麗に包装して洒落たリボンを付けて殴り返すってスタイル
決め技がオラオララッシュくらいしか無い中でマンネリせず痛快さを保てたのも
悪を許せないっていう正義や激情的な面を持ちつつも相手をおちょくったり皮肉を効かせた言動による所が大きいのかも
その辺はジョナサンとジョセフ両者の性格を色濃く受け継いでいる証でしたね


そんな承太郎の個人的ベストバウトはイエローテンパランス戦
3部の中でも随一の口の悪さと自分のことをハンサムだと言い切っちゃうナルシストキャラがツボ
承太郎に対して「何がオラァだ!」というシンプルかつ的確な返しに声優さんの憎たらしい言い方が素晴らしい
そうとう口汚く煽ってたけど最後はプッツンされることもなく呆れられてぶっ飛ばされる小物っぷりが好きでした
ンドゥールとかダービー兄弟、DIOと名勝負は沢山あるけれどイエローテンパランス戦が一番ということで


ドゥーユゥーアンダスタンンンンドゥ!


【総評】
原作未読で1部、2部のアニメもそんなに気合入れて見てたわけでもなく
正直ポルナレフの超有名なあの場面を見たくて視聴してたって感じでしたが
いやはやこんなにも熱くなれるとはッ!
中盤の面白いんだけど何か物足りなさをずっと抱えていて視聴断念しそうになったけど本当に見てよかったッ!
自分でも驚いたんだけど後半の引き込み具合というか引力の強さというか
いったい誰のどんなスタンド能力なんですかね?
25年以上コアなファンを生み続けている作品の1、2を争う人気エピソード
その魔力じみた魅力の片鱗を味わったぜッ…!

最終話まで手を加えていたOPやEDの演出、声優さんの熱演、音響のセンス
原作を読んでなくたって伝わるスタッフ陣のジョジョ愛
愛が強いゆえに完璧な映像化をしたくても出来ない場面が結構見受けられたんだけど


でも楽しかったよ。みんながいたから、このアニメは楽しかった!


ということで、なーーんのまとまりもないレビューでしたが
思った以上に自分の中で味わい深い作品になったので感想程度に書きました
また近々To Be Continuedしそうな感じですよね
自分の中ではものすごく大団円だったので4部がどう繋がってくるのか気になりますッ!!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

78.5 3 熱いで冒険なアニメランキング3位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (582)
3140人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ようやく見るに至る

再放送されていたのを見たことはあったが、追っていたわけではなく、話の内容はほとんど知らないも同然だった。
しかし、アマゾンプライムビデオにいつの間にかあったので、見ることができた。

何かと葛藤が多いし、割と人がばんばん死ぬんやなあ。思っていた以上にシリアス。潜水艦離脱からの中だるみしたのか無人島漂流。いつの間にかグランディス、サンソン、ハンソンが良い奴になってるし。キャラソン一挙放送みたいな謎回もあるし。ツッコミどころありすぎ。
さらに気づいたら、最終話に向けて一気にシリアス展開。僕の大好物である後日談も交えて、最終的にはしばらくロスに至る自分史に残る作品だと感じた。本当にずるいよ。庵野秀明。最後の脱出とか、あれだけで泣けてしまうよ。
{netabare}エレクトラがひっそりとネモとの間に子供まで作っているのはたまげた。サンソンはグランディスだと思っていたのに、まさかのマリーと結婚しているのもびっくりだわ。{/netabare}
褐色露出多めヒロインも当時も現在でも斬新でありですね。NHKも共同制作に入っているわりにはやりたい放題やっていたみたいね。なんにせよジャンとナディアがハッピーエンドを迎えられたのは良かった。

鷹森淑乃の声も良かったし、貞本義之のキャラクターたちみんな良かった。

人を殺すくらいなら殺されたほうがまし。とは言うけど、人殺しに自分だけで済むならまだしも、自分の大切な人が殺されても平気でいられるのだろうか?殺人は駄目なのは当たり前だけど、正当防衛というものがある。

23話には驚かされた。あれが例の嫉妬に狂った女エレクトラなのか!背筋がぞくぞくした。まじでとんでもないな。
{netabare}ナディアがネモの実の娘でそっちに愛を注がれるのは嫌だから殺そうとするなんて。清純で冷静沈着なお姉さんだと思ってたのに。挙句、自殺未遂ですよ。これじゃあ、単なるメンヘラですやん。ネモの圧倒的な漢気で全部解決。
嫉妬描写が多いグランディスのほうがやりそうなのに。あ、でも、グランディスのほうが気持ちいいほど分かりやすい性格しているから大丈夫やな。お嬢様育ちとは思えない。料理上手だしね。結婚詐欺の被害に会って、財産も勿論だが、ほぼ全てを失うという悲しい境遇を乗り越えているから強い。{/netabare}

ナディアが肉食を嫌う。科学、文明を嫌う。菜食主義って文明社会でないと達成できないよなあ。なのに、無人島に漂流したとき、自然と共に自分は生きていくだなんて矛盾を抱えている。食糧を盗むことでしか生活できないなら、自然と共生しているとはとても言えない。人間は自然の中では生活しきれないからこそ、文明を作りあげてきた。この便利さからは逃れられない。

子鹿を殺したことを責めるが、ライオンとかは子供を狙うじゃん。動物を殺すのは駄目でも植物は許されるのか?肉食動物が肉を食べることを知らないし、卵が動物の生まれる前の段階なのにそれは食べることができる。一見ヴィーガンのようだが、違う。そもそも僕はヴィーガンの思想自体理解しきれない。菜食主義でも肉を無理矢理食べると感動して菜食主義を辞めたくなるらしい。肉食には抗えない。人間も動物だからね。自分のポリシーとして貫くぶんには構わなくても、人に押し付けてはダメ。おいおい蚊は殺してもええんかーい!!過去のトラウマはそう拭えないもんだね。後日談でも断固として食べてないし。

ナディアは思春期特有かもしれないけれど、非常に面倒くさい。自分の過去を振り返ってもそう思う。なんでこんな面倒くさい思考回路してたんだろう?恥ずかしい。だからこそ、ナディアを見るとイライラしてしまうんだなあ。上手に描いているもんだ。腐った物を食べてお腹を壊したところを助けようとしたジャンに感動してしおらしくなったなあ。

ジャンもデリカシーがないなあ。女性の気持ちに鈍感。女性にキスを誰としたとか訊いたらまずいやろ。かくいう僕も女性の気持ち、ましてや人間の気持ちなんて分からない。努力はしているつもり。男子校生活は終わったはずなのに未だにおかわりしてるもんだから、なんだかんだジャンに共感できる。
キングがなんか可哀想。

そして、潜水艦から切り離されたあたりからシリアスからはほど遠いほのぼのとした生活。無人島とか部族とか。ナディアが浮気してしまえるほどの緩さ。いくらなんでもジャンが報われない。

マリーの声を聴くと水谷優子が忍ばれるなあ。

OP
ブルーウォーター 歌 森川美穂
ED
Yes, I will... 歌 森川美穂
この作品が放映されたとき僕は生まれていなかったけれども、曲は聞いたことがあって好きだった。どちらもいつまでもリピートできる気がする良曲。特にED。メッセージ性も強くて好きだな。
他にも大量のキャラソンやら挿入歌やらあるけど、見ている途中で僕もたるんできたので、あんまり印象に残ってない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は、1889年。発明好きの少年・ジャンは、万国博覧会の会場で謎の少女・ナディアに出会う。ナディアに一目ぼれしたジャンは、ひょんなことからナディアとともに冒険へと旅立つことに―。


1. エッフェル塔の少女
パリの万国博覧会にやってきた発明好きの少年ジャンは、セーヌ川の岸辺で見かけた少女・ナディアに一目ぼれ。そこへ、ナディアの持つ宝石"ブルーウォーター"をねらう三人組があらわれる。

2. 小さな逃亡者
ジャンの活躍で三人組から逃れることができたナディアは、ル・アーブルにある彼の家で夜を明かす。ところが翌朝、三人組が万能戦車グラタンでふたたび襲ってきた。ナディアとジャンは、空を飛んで逃げることに。

3. 謎の大海獣
ジャンとナディアの乗った飛行機が故障し海に不時着。偶然パトロール中のアメリカの戦艦に発見され助けられた二人。しかしほっとしたのも束の間、今度は謎の大海獣が現れ、戦艦と激しい戦闘を始めてしまう。

4. 万能潜水艦ノーチラス号
謎の大海獣と戦艦の戦闘中に、海に投げ出され取り残されてしまったジャンとナディア。すると二人の前に最新の装備を持つ潜水艦が現れる。二人はエレクトラと名乗る女性から親切なもてなしを受ける。

5. マリーの島
ノーチラス号に別れを告げたジャンとナディアは、改良してもらった飛行機でフランスに向かう。ところが、突然攻撃を受け飛行機は近くの島に墜落、しかもその島は謎の侵略者たちによって占領されていた。

6. 孤島の要塞
侵略者にマリーが捕らえられてしまった。ジャンとナディアはマリーを救い出すため、島の中心にある秘密基地へ潜入する。二人はそこで、ノーチラス号と闘っていた潜水艦を目にする。

7. バベルの塔
ジャンをかばって囚われの身となったナディア。ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルは、ナディアをなぜかプリンセスと呼び、マリーとキングを人質にして組織への協力を迫る。彼の狙いはいったい何なのか?

8. ナディア救出作戦
グランディスたち悪党三人組と再会したジャンは、ナディアを助け出すため力を合わせることに。ジャンと対面したガーゴイルは、ナディアたちの命と引き換えに、ブルー・ウォーターの在り処を聞き出そうとするが。

9. ネモの秘密
ネオ・アトランティスの基地が崩壊、グラタンで海へと逃げ出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、ネモの判断で救出されることに。そこで、初めてナディアに会ったネモは驚く。

10. グラタンの活躍
ネモの命令で部屋を分けられケンカをしてしまったジャンとナディア。一方、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船カルカロドンを追撃するのだが、逆に地下水道で新型の浮遊機雷に囲まれてしまう。

11. ノーチラス号の新入生
ノーチラス号の窮地を救ったグラタンの活躍が認められ、グランディスたちは見習い乗組員として採用されることに。客員となったナディアも何か役に立とうと、船内の調理場でグランディスを手伝うのだが失敗ばかり。

12. グランディスの初恋
魚料理にあきて不満をもらすハンソンたちを見かねたネモは「狩りの日」をもうけ、ノーチラス号は無人島に上陸。次々島に繰り出す船員たち。その夜、無人島の浜辺でグランディスはナディアに自分の過去を語る。

13. 走れ!マリー
小鹿を狩ったことに激怒するナディアはジャンとケンカ、ほかの船員たちもみんな仕事が忙しく、かまってもらえないマリーはキングと島の探検に出かける。古い線路を見つけたマリーたちだが、迷子になってしまい。

14. ディニクチスの谷
ガーフィッシュを追い、再び海に出るノーチラス号。そんな時、マリーが灼熱病にかかってしまう。そしてナディアまでもが倒れてしまい、二人ともあと2日の命と診断される。病気を治すには特別な薬草が必要だった。

15. ノーチラス最大の危機
ノーチラス号の科学の力にますます感動するジャン、逆に反発するナディア。そんな折ノーチラス号は、ガーフィッシュとの戦闘の最中に損害を受けてしまった。修理をするため海上へ浮上すると、そこには。

16. 消えた大陸の秘密
全ての争いの元となっているブルーウォーターを持つ自らの運命に悩み苦しむナディア。一方、船体修理中に機関部で漏れた有毒ガスにより犠牲となったフェイトたちを埋葬するため、ノーチラス号は海底遺跡へ向かう。

17. ジャンの新発明
父の死を知りその敵を討つためノーチラス号の正式な乗組員を志願したジャンだったが、ネモに断られてしまう。すっかり落ち込むジャンに、ナディアは「またジャンの飛行機で飛んでみたいな」と、彼を元気付ける。

18. ノーチラス対ノーチラス号
度重なる戦闘補修によって資材が不足したノーチラス号は、補給のため南極にある秘密基地へ向かう。その途中、謎の物体に捕えられてしまう。それは何億年も前に生きていたとされる巨大なオーム貝・ノーチラスだった。

19. ネモの親友
南極大陸の地下に広がる秘密基地に到着したノーチラス号。ネモはジャンとナディアをつれてある場所へと向かう。その途中には遥か太古に絶滅した様々な生物たちが、氷で保存された氷の博物館があった。

20. ジャンの失敗
ガーゴイルは空中戦艦を建造し、ネモを倒すため再び動き始めていた。一方、ますます発明に没頭するジャンは、小型ジェット機を造り上げるが、実験に失敗し、その爆発によってガーフィッシュに見つかってしまう。

21. さよなら...ノーチラス号
ガーフィッシュの集中攻撃を受けたノーチラス号だが、逆にガーフィッシュを撃沈。ところが、空中戦艦からガーゴイルの新兵器・スーパーキャッチ光線が発射され、ノーチラス号は空中に引き揚げられてしまう。

22. 裏切りのエレクトラ
海底へと沈んでいくノーチラス号。ネモ船長は乗組員をメインブロックに集め、戦闘ブロックを切り離した。自爆した戦闘ブロックがガーフィッシュを全滅。ネモ船長は、船長室にナディアたちを呼び出し。

23. 小さな漂流者
ナディアたちを乗せた船長室は、ゆっくりと海中を進み、とある砂浜に漂着。しかし島はもう誰も住んでいない無人島。ナディアは、誰も、悪人もいない、この島で生きていこうと決心する。

24. リンカーン島
一夜明け、ナディアは島を"リンカーン島"、漂着した入江を"キャプテン湾"、砂浜を"ナマジャキビーチ"などと命名。科学文明と縁を切って生きていくと、森の中へと行ってしまった。

25. はじめてのキス
ジャンとナディアは、肉を食べるか食べないかで激しく言い争う。肉を食べない!と一方的に宣言し、意地を張るナディアはジャンに対して怒ってばかり。そして、腐ったホウレンソウの缶詰を食べ、寝込んでしまう。

26. ひとりぼっちのキング
人はひとりで生きていられないと感じ、ジャンにあらためて感謝し優しくなったナディア。その様子を見たキングは、激しく傷つき動揺。そして、仲良く寄り添いあうジャンとナディアを目撃し、ついに家出をしてしまう。

27. 魔女のいる島
リンカーン島を激しい台風が襲う。ジャンがせっかく作った小屋は吹き飛ばされ、発明した数々の装置も崩壊し、キングは強風に吹き飛ばされ行方が判らなくなる。台風が去った夜、見慣れない島が流されてきて。

28. 流され島
エアトンがおびえる「恐怖の大王」から逃げるナディアたち。重力異常でいつもより速く走り、高くジャンプすることが出来るのだが、やりすぎて島を一周してしまう。「恐怖の大王」の正体、それは。

29. キング対キング
新しい島での生活をはじめたジャンとナディアだが相変わらず言い争いが絶えず、グランディスはネモへの思いがつのるばかり。そんな中サンソンとハンソンはふとしたことから意見が対立、ケンカになってしまう。

30. 地底の迷路
グラタンの修理が完了する日が近づいていた。目指す場所はアフリカ東海岸だ。ところが蚊が大量発生し作業どころではなくなってしまう。一方ジャンとナディアは不思議な穴を発見する。その穴の中で目にしたものは?

31. さらば、レッドノア
地下にある遺跡で突然壁に吸い込まれたナディアは、島の中の大空洞に浮かんでいた。そこは衛星都市レッドノア――。そしてナディアの前に謎の巨人が現れ、アトランティス人の歴史を語り始める。

32. ナディアの初恋?
潜水をはじめた島からグラタンで避難したジャンやグランディスたち。だが途中でガーゴイルの空中戦艦に攻撃を受け、アフリカにある村に不時着する。ナディアはそこで出会った少年・ハマハマに一目ぼれする。

33. キング救助作戦
キングを捕らえて宝を要求してきたのは、グランディスの初恋の相手で、彼女から全財産を奪った男、ゴンザレスだった。その上、キングを助けに向かったグランディスとナディアまでもが捕われてしまう。

34. いとしのナディア(はーと)
ジャンはサンソンから、歌を作るようアドバイスされ、自分のすべての科学技術を投入して新しい発明に取り掛かる。ところが、発明に熱中しかまってくれないジャンにナディアは苛立ってしまう。

35. ブルーウォーターの秘密
グラタンが到着したナディアの故郷・タルテソス。何かに導かれるように大きな火山湖の中を進んでいくナディア。すると湖水が割れ、謎の地下遺跡が現れる。そこは古代アトランティス人の遺産「ブルーノア」だった。

36. 万能戦艦Ν(にゅー)-ノーチラス号
突如現れたネオ・アトランティスの空中戦艦。攻撃からジャンたちを守るため、ナディアは捕らわれの身となる。だがガーゴイルは約束を破り攻撃を開始する。ジャンたちは、間一髪のところを謎の小型艇に助けられ。

37. ネオ皇帝
ネオ・アトランティスの攻撃により消滅したと思われたN-ノーチラス号は、アフリカ大陸の地下トンネルを使って空中戦艦の攻撃を回避していた。一方、ネオ皇帝の力によりブルーウォーターが発動し。

38. 宇宙(そら)へ
パリ上空で、N-ノーチラス号とレッドノアの戦いの火蓋が切って落とされた。レッドノアの周囲には1億ボルトの電磁バリアが張られていて、内部に突入することができず苦戦を強いられる。

39. 星を継ぐ者
奇跡的に自らの意識を取り戻したネオは、命をかけてナディアを洗脳から解放する。ガーゴイルは見せしめに、エレクトラ、ジャンを次々手にかけ、悲しみに沈むナディアは、ここで最後の決断を迫られる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1度しかない人生、パーッと生きろ!! 良質な愛とJewelの冒険譚をあなたに…

最近、巷では特撮映画『シン・ゴジラ』が大変なブームとなっています。
ゴジラシリーズとしては通算29作目、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに日本純正で作られた映画だそうで、新作を心待ちにしてた特撮ファンの間では久しぶりのゴジラに歓喜の声が多数
また、ここまで一気に知名度が上がった主な理由の1つとしては、スタッフの豪華さが挙げられている事でしょう。
総監督および脚本を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した、トップクラスの人気を誇る庵野秀明氏
特技監督には庵野氏と親交の深い樋口真嗣氏、音楽は鷺巣詩郎氏が担当し、他にも摩砂雪氏、鶴巻和哉氏など庵野作品ではお馴染みの顔である人達の作品を久しぶりに拝見出来るというのも、従来のアニメファンを取り込んだ相乗効果として人気に繋がっているようです。
残念ながら私は特撮については全くと言っていい程、知識が無く、その為スタッフの偉大さについてもイマイチピンときません。
そういった方面には些か疎いので、名前を出されても「聞いた事がある」「○○に関わっている」位の印象でしかなく、「何が凄いのか」「どういったディテールに凝っているのか」など、あまり詳しい説明は偉そうに語れない身なのですが…
しかし、そんな私でも彼らが作り上げた作品の中で1番心に残っている物があります。
それこそ、今日ご紹介するアニメ『ふしぎの海のナディア』です。
こうして私がレビューを書いているという事は、期待していた通りの素晴らしい出来だったという証明と言えるのは間違いありません。
と言う訳で今回は『シン・ゴジラ』放映記念と称しまして、愛と夢の詰まった冒険譚をじっくり語って、盛大に褒めまくっていきます!!
まずは簡単なあらすじから…

汝は冒険者か?
危険と言う名の滝を潜り抜け、その奥に伝説の正体を求める者か?
ならば、我を求めよ……

時に西暦1889年
世界中の海では謎の船舶遭難事故が相次いで起こっていた。
人々は古来より海にすむ怪獣の仕業だと噂し、各国首脳は新兵器による攻撃だと互いに非難し合い、緊張が高まりつつあったその頃…
産業革命以来の急速な産業と科学の発達の中で列強各国は、アジアやアフリカの植民地をめぐって対立し、衝突を繰り返していた。
19世紀末、心ある人々は、迫りくる世界大戦の翳に脅えていたのである……

そんな科学万能主義が世間に良い意味でも悪い意味でも影響を与えていた繁栄期のフランス
そこでは、その「怪獣」とやらが起こした被害によって父親が消息不明になってしまったジャン・ロック・ラルティーグ少年が日々を発明に費やしていた。
彼はめげずに「人生をパーッと生きる」と言う叔父の言葉を胸に、父の生存を信じて今日も健やかに生きている。
さて、ジャンは発明の成果を試す絶好の機会である飛行機コンテストに参加する為、辺境の町ル・アーヴルから大都市パリで開かれている万国博覧会にやってきた。
しかし、コンテストに向けて機体を整備していた折に、彼は自転車でセーヌ川のほとりを滑走する褐色の少女に一目惚れしてしまう。
その少女…ナディアとの出会いこそ、ジャンが大空に、地底に、海中に、そして宇宙へと旅立つ大冒険の始まりだった!!
彼は彼女の持つ宝石…ブルーウォーターを胸に秘め、大切な仲間達と共に壮大な世界の第一歩を踏み出していく…
どんな困難が待ち受けようと、ナディアの手をしっかりと握りながら……


ではここからレビューに入っていきたいと思います。
今作には基になった小説が存在しておりまして、原案はジュール・ヴェルヌ作『海底二万マイル』『神秘の島』と言う有名作品です。
恐らく幼少期に読んだ事がある方も多いのではないでしょうか?
そう、ジュール・ヴェルヌと言えば、子供の頃に読書好きだった方にとっては1度は読んだ事があるであろう作品を数多く手がけた有名人、私のようなSFファンにとっては元祖、始原、神様の如き存在なんです(笑)
なぜなら、彼がいなければSFが生まれる事もなく、空想科学なんて代物が実を結ぶこともあり得なかったかもしれないから…
1つのジャンルの興隆に大いに貢献したとして、SFを語る上では外せないとてもとてもありがたいお方なのです。
しかし、その有名なヴェルヌ先生の名前とその作品名をお借りしておいて大変言いにくい話なのですが、このアニメ、ストーリー展開だけ見るならまるで別物です。
所々、小説に出てきた登場人物がアニメの中で名前として登場して活躍する位であり、キャラ設定や物語はまるで別物
これは狂信的なSFファンからしたら違う箇所のオンパレードで発狂してしまいそうな程の代物ですね(笑)
まあ、「原作」ではないので間違ってないから無問題(日本語って難しい…)
しかし、個人的に作中の織り成す全体的な雰囲気は原案の小説を読んだ時と概ね似ている感じが致しました。
『海底二万マイル』は近代科学、『神秘の島』は自然科学を根底に置いたSF冒険小説であって、どちらも科学技術啓蒙小説である事には変わりません。
読む前の期待感、読んでいる時のワクワク感、読み終わった時の爽快感は計り知れない物であり、したがって登場人物が一部以外違えど、その雰囲気は『ふしぎの海のナディア』でも充分に通じるかと思います。

さて、この物語の概要は既にあらすじで述べた通り、発明好きの少年ジャンがサーカスの少女ナディアと出会う事によって始まるボーイミーツガールストーリーです。
しかし、一般的なこの手のジャンルと一線を画している所がこの『ふしぎの海のナディア』と言う作品にはあります。
それは出会い、仲良くなり、困難に陥り、喧嘩し、仲直りし、また困難に陥り、喧嘩し、ずっと喧嘩し…と、とにかく主人公とヒロインの仲違いがやたらと多い所(主に悪いのはナディア)
私はボーイミーツガールと言うジャンルが堪らなく大好きで、その手の類の作品は良く拝見しているのですが、恐らくいがみ合いの数に関してはこのアニメが1番です。
そして、この作品を観てとにかく感じるのはジャンが凄く良い奴だという事ですかね…
私が彼と同じ立場だったなら、アフリカ編(32話、33話での出来事の総称)でこのヒロインは見限ります(笑)
いやあ、ジャン君、あそこまでやられて大した聖人ですよ、君は……
とまあ、私の反応からも分かる通り、余程の人格者か聖人か、逆に人間の底を知った性格破綻者か狂人でない限り、ましてや一般人なら絶対に彼女の事を性格が悪いと感じるでしょう(勿論、それ=嫌いという訳ではありませんよ!)
しかし、その性格の悪さが上手い方向に作用したのは幸か不幸か、ヒロイン以外のキャラクターも軒並み魅力的に映ってるのがこの作品の大きな特徴です。
主人公のジャンは基より、誰よりも精神年齢の高い幼女マリーや誰よりも人間らしいライオンのキング、グランディス一味のリーダーで恋多き女のグランディス姐御、力持ちの熱血漢で名言宝庫のサンソン兄貴に機械工学の天才でジャンと気の合うハンソン兄貴と、その他にも揃いも揃ってかっこいい、可愛い、美しい、楽しい、面白い登場人物ばかり
また、当の本人であるナディアも島編(23話~31話での出来事の総称。細かく言えばさらに分けられるがここでは割愛)まではおかしくなる事もあれど、気がちょっとばかし強すぎて、多彩な我儘態度を持っていて、少しばかり意地っ張りだけれども、根は寂しがり屋(笑)の女の子と感じられたので、そこまで不快感を感じずに笑いながら観る事が出来ました。
まあ、冗談はともかく、皆を助ける為、自ら囮になったり、死んだ人に向けた墓を命掛けで作ったりと本質は悪い娘ではありません。
なので、だからこそ、アフリカ編が堪らなく惜しく感じるというジレンマ
もしかしたら初見はあの話を観ない方が良いのではないかと個人的には感じてしまいます。(事実、後のストーリーには全く関係ないんです)
まあ、観ても後悔、観なくても後悔の八方塞がりのような物なので、これはもう各々の自己判断で宜しくお願いします。
「一体ナディアは、何を考えて生きているのでしょうか…」
全くもって同感です(笑)

さて、本作は「生と死」「様々な形の愛」「運命のあり方」「異種間同士に交流は成立するか?」など私達に伝えている事が数多くあるアニメです。
そして今作の根幹を成す最大のテーマとしては「科学至上主義は平和を導くか?」という近代から続く科学万能思想に警鐘を鳴らした物
こういった問題について思いを巡らせると、常々、私が最初にレビューした『鋼の錬金術師』と言うアニメを思い出してしまうのです。
あのアニメで軸となっていたテーマも「錬金術という科学が作り上げた魔法のまかり通る世界で、紡がれる科学的探究は果たして幸福へと繋がるのか?」という『ふしぎの海のナディア』と同様の類の産物
科学者の持つ、いや、人間全体が持っている知識の探究の果てにある業を上手くテーマに組み込み、後々にはSF設定と絡めて救われない現実、報われない感情、そしてその「罪」に値する「罰」について赤裸々に、臆することなく、見事に表現したのが『鋼の錬金術師』でした。
それに対して、この『ふしぎの海のナディア』は『鋼の錬金術師』よりも幾分、希望、救いを含めたアニメとなっています。
倫理と科学がいつもぶつかる理由は正に両方が相容れない物
人間が良い心と悪い心を両方持っている以上、科学にも善と悪とができてしまう。
それ自体が世界を跪かせる神の光となるか、世界を滅ぼす悪魔の光となるかは未来を知る者にしかわからない…
しかし、科学を扱っている者は悪魔でも、ましてや神でもない、ただの人間なのだ。
ちっぽけな存在で、間違いを犯す存在で、狂おしいまでに、病的なまでに何も出来ない無力な存在
しかし、だからこそ、科学だけじゃなくそれを創り出した人間自体を信じたい、信じる事しか出来ない…
このアニメは絶望的過程が待っていても「もう少し信じてみてもいいんじゃないか?」と使う人間其の者を「信頼」する勇気を与え、ある観点において、『鋼の錬金術師』とは逆の意味で前向きに捉える事の出来た物だったと思います。

では、存分に語った所で総括を…
私は「スチームパンク」というジャンルをこよなく愛しており、実はそれ関連の物語だと言う噂を聞いて観始めたのが今作へと至るきっかけでした。
しかし、全話観終わった結果、これは「スチームパンク」に収まる話ではないなと断言できてしまいます。
19世紀~20世紀の時代、産業革命以降のヨーロッパが舞台と背景的にはばったり合致
蒸気機関は全く出てきませんが、その代わりに超科学兵器や古代秘密兵器が目白押しに登場してきて、最終的には現代科学も凌駕する発明品ばかりが登場するオンパレード
ライト兄弟が開発する数年前に飛行機を作り上げたり、南極到達を一歩先に登場人物達が行っていたりと歴史改変要素も数多くあります。
だから、どちらかと言うと、このアニメはヴィクトリア朝時代の感覚で見たレトロフューチャーSF作品と捉えた方が上手く実像を捉えてると言えるでしょう。
SF冒険活劇としてはとてもワクワクする、まさしくこれぞ「ジャパニメーション」と呼ぶにふさわしい作品
これが25,26年前、現在から数えて四半世紀前に作られた物だと考えると、いやはや、驚嘆の色しか出てきません。

ただ、これはレビューを書こうと思ったきっかけとはなりません。
なぜなら、それはあくまで「面白い」という範疇に留まる作品であり、私の書く条件となる「心に訴えかけてくる」作品とは少し違うからです。
上記で語ったテーマなども確かに書く理由とはなりましたが、中盤の展開などもあってか、後一歩、後もう少しなのに…という印象がずっとまとわり続けていたのを覚えています。
しかし、最終回になってようやく…
私はこのアニメのレビューを書こうと決めるに値するきっかけを見つけられました。
詳細はネタバレになるので省きますが、要するに、このアニメ、最終回の破壊力が凄まじいのです。
今まで観てきた人なら絶対に損させない、最高のエンディングがあなたを待っています。
製作者の方達は最後、ああいう風に締める事を想定していたんでしょう…
いや、もう、最終回でようやく分かるあの演出の真意は一言でいえばもう、「ズルい」領域です(笑)
私の書いている文章の意味は最後まで見た方なら必ず分かる物
未視聴組の方々にとっては、恐らく喪失感が物凄い事になるかと思うので、観る際には注意してください…

さて、この作品を観ていた最中、私は毎週決まった時間、テレビに噛り付くように観ていた幼少期を自然と想起してしまいました。
誰にでもあった、何かに夢中になっていた時代
ただ、ひたむきに好きな物を追い続けていたあの頃
当時は「追い続ける」事に対して全員が胸を張って応えていたような気がします。
まあ、自分は精神が未だに餓鬼なので、あの頃と全く、何も変わってないような気がするのですが(笑)
しかし、最近は子供でさえ、そういった事に正直でいられない時勢のようにも感じてしまいます。
他人に流され、世間に流され、未来に流され、自らの気持ちに素直でいられない…
ただひたむきに前だけを見つめていた時代とは、少し情勢も変わってしまったのかもしれません……
しかし、だからこそ、こういった昔の情景を思い出させてくれる、とても有意義に楽しめる時間を与えてくれる作品と言うのは貴重であると私は思うのです。
これを観て「好き」を追い続ける事に感化されるも良し!
元には戻れない、過ぎ去りし過去に思いを馳せるも良し!!
ただ、純粋に物語を楽しんで視聴を終えるのも良いでしょう!!!
『ふしぎの海のナディア』を観て楽しんでくれるならば、それで充分。
そして、このように様々な意味の籠っているこの作品は現代だからこそ、是非とも未視聴組の方々にはお勧めしたい作品なのです。

1度しかない人生、純粋な「好き」をこのアニメで追い求めてみませんか?
ここまで読んで下さってありがとうございました。

PS.
この作品ですが、調べてみると実に色々な内部事情に溢れています。
これをレビュー内で書いてしまうのは則さないかな…と悩んだりもしたのですが、他サイトで詳しく説明している記事を見つけたので、URLだけここに記載しておきます。
興味のある方はどうぞご覧になって見て下さい。
もう1つの制作陣が考えていた最終回や、制作現場の裏事情話が垣間見れるので、これを見れば『ふしぎの海のナディア』の見方も変わるかも…!?
http://blog.freeex.jp/archives/51334289.html
http://blog.livedoor.jp/thx_2005/archives/51803823.html

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

褐色の肌をもつナディアが、どうみてもベンガリ顔な件

ここのところ熱いレビューが何本も挙げられて気になっていた本作、取り敢えず完走したのでレビューを挙げておきます。

◆総評

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』が割と好きなので、本作もどちらかというと贔屓目に評価したいのですが・・・1990-91年の制作アニメということもあって、流石にこの作画とシナリオでは、放送当時の評判はともかく、今見ても十分に面白いか?感動できるか?というフラットな評点を付けることにしている私の評価方針では、どうしても低めの評点となってしまいます。

もっとも、本作と同じくNHK製作・放送アニメで、本作よりもさらに古い1978年の作品『未来少年コナン』(宮崎駿監督)に私は ★ 4.1 というかなり高い評点をつけているので、本作に関して、まずそちらとの比較をしてみます。

(1) 作品内容としては、両作とも典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”型のストーリーであり、
{netabare}
 ①割と平凡そうな少年が、ある日偶然出遭った謎の少女に惹かれて、
 ②彼女に振り回されながらも、何者かに追われている彼女を懸命に守ろうと奮闘し、
 ③やがて彼女の信頼を獲得するとともに、周囲に次第に仲間が増えていき、彼女の素性・秘密も明らかになっていく{/netabare}

・・・という展開を取る点も共通しています。

(2) 但し、両作の視聴後の感想として、一番違うのは、

 <1> 『未来少年コナン』には第8話(※{netabare}少女が少年を救うために初めて身を挺する回{/netabare})という圧倒的な ★★★回(=神回)があり、それを境に作品世界にグッと惹き込まれてしまったのに比べると、
 <2> 『ナディア』には(※あくまで私個人の評価ですが)神回どころか、★★回(=優秀回)すら一度もなく、結局シナリオに思わず引きずり込まれる、ということがなかった点です。

はっきりいえば、私は宮崎駿監督の特に後期の劇場作品は、幾ら世間的には名声が確立していようとも、個人的には実は余り高く評価していないのですが、その私であっても、『未来少年コナン』の第8話の思いがけない展開には感嘆せざるを得ませんでした。
それで、本作に関しても、放送当時あれだけ評判が良く、現在でもファンが多い有名作品ということで、きっと『コナン』のような凄い展開があるのではないか?と期待していた部分はあるのですが、結局全39話を完走してもそういった展開には出遭えませんでした。


◆それでも、ナディアはやっぱり青春のヒロインなのかも?

上に、本作は作画/シナリオとも今の水準からみると出来が不十分で、思わず惹き込まれる凄い展開も見当たらない・・・と書きましたが、それでも褐色の肌を持つヒロイン(ナディア)には他のアニメ作品に余り類例のない不思議な魅力がある気がしたのも確かです。
というより、私のナディアの第一印象って「あ、これベンガリの女の子だ!」というものでした。

※ベンガリ(Bengali)←インド東部の西ベンガル州&ビハール州等とバングラデシュ国(旧東ベンガル州)の主要部族(ベンガル族)の人。

本作でも最初のうちは主人公のジャン少年はナディアのことを「インド人の少女」と勘違いしていたのですが、そのうちに彼女の素性が判明して・・・。
←って、ここ、シナリオにケチを付けるのは野暮とは思いますが、アフリカ系とか大西洋・カリブ海系だと、同じ褐色の肌でも、ナディアみたいな顔立ちにはなかなかならないんだよなあ・・・やっぱりどうみても彼女はベンガリ顔ですよ(断言)、何で「{netabare}古代アトランティスの末裔{/netabare}」とか変な設定にするのかなぁ(意味不明)。

・・・ということで、本作に関しては個人的に残念感が強く、余り高い評点にはなりませんでしたが、ナディアは'90年代初期のアニメヒロインとしては例外的にかなり記憶に残る素敵なヒロインである、という点には大いに納得しました。

シナリオの散漫さは・・・制作年代を考えれば仕方ないです。
これから初めて本作を見る方は、ヒロインを見て楽しむ作品と思って諦めましょう。


◆制作情報
{netabare}
原案          ジュール・ヴェルヌ 『海底二万マイル』(海底二万里)
総監督         庵野秀明
監督          樋口真嗣(第23話 - 第39話)
シリーズ構成     大川久男
脚本           大川久男、梅野かおる
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽           鷺巣詩郎
アニメーション制作  東宝・KORAD{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== ふしぎの海のナディア (1990年4月-1991年4月) ==========
{netabare}
第1話 エッフェル塔の少女 ★ 19世紀末のパリ、ジャンとナディアの出遭い、グランディス一味からのナディア救出
第2話 小さな逃亡者 ☆ ル・アーブルのジャン宅へ、ジャン自作飛行機発進・不時着
第3話 謎の大海獣 ☆ アメリカ軍艦エイブラハム号の2人と1匹救助、海獣捜しとナディアの猛反対、交戦・エイブラハム号大破、2人と1匹の再漂流
第4話 万能潜水艦ノーチラス号 ☆ 潜水艦の救助、水中の交戦、離艦(飛行再開)
第5話 マリーの島 ☆ 島への不時着、島への侵略者(ネオアトランティス(NA)仮面部隊)、マリーの父母の死・埋葬 
第6話 孤島の要塞 ☆ 仮面部隊のマリー誘拐、NA秘密基地潜入、ブルー・ウォーターの不意の反応、ナディア投降
第7話 バベルの塔 ☆ NA首領ガーゴイルの野望、殺人兵器「バベルの塔」発射実験
第8話 ナディア救出作戦 ☆ ジャンとグランディス一味の協力、潜水艦ノーチラス来援、ナディア救出・NA秘密基地壊滅
第9話 ネモの秘密 ☆ ノーチラス(NC)号船長ネモとの対面、二つのブルー・ウォーター(ナディア&ネモ)
第10話 グラタンの活躍 ☆ ノーチラス号への機雷攻撃、ガーゴイルからの入電、万能戦車グラタンの機雷排除成功  
第11話 ノーチラス号の新入生 ★ ノーチラス号のオーバーテクノロジー
第12話 グランディスの初恋 ☆ ノーチラス号の目的(NA討滅)、グランディスの過去話 ※空気読めないナディアが微妙・・・・
第13話 走れ!マリー ☆ ナディアとジャンの喧嘩、マリーのNA兵遭遇、ネモ船長のNA兵射殺 ※同上
第14話 ディニクチスの谷 ☆ マリー灼熱病発症、ナディア発症、進路反転(深海洞窟リーフ64へ、薬草採取)、発症者回復
第15話 ノーチラス最大の危機 ★ NA大型潜水艦ガーフィッシュとの海中戦、アメリカ連合艦隊&バラクーダ号の対潜攻撃、機関員フェイトの犠牲
第16話 消えた大陸の秘密 ☆ 海底のアトランティス廃墟、犠牲者の埋葬
第17話 ジャンの新発明 ★ 早く大人になりたいジャン、ヘリコプター開発成功、ナディアへの約束
第18話 ノーチラス対ノーチラス号 ☆ 南極大陸近海の海底の墓場、オウム貝撃退、巨大水中トンネル通過
第19話 ネモの親友 ★ 南極大陸地下大空洞へ、2万年前のアトラン人の超科学遺産、長寿クジラとナディアの対話(父・兄との再会の予言)
第20話 ジャンの失敗 ☆ ジャンとナディアの微妙な心模様、エレクトラへのやっかみ(ナディア)、エレクトラの復讐心
第21話 さよなら…ノーチラス号 ★ ガーゴイルの本格攻勢、エレクトラ副長の自爆具申・ネモ船長の躊躇、ノーチラス号轟沈の危機
第22話 裏切りのエレクトラ ★ 戦闘ブロック切り離し・爆破、ネオ皇帝登場 ※13年前の惨事と船長・副長・ナデイアの素性が明かされる注目回だが脚本・演出は年代相応に稚拙×
第23話 小さな漂流者 ☆ ナディア・ジャン・マリー・キングの孤島漂着
第24話 リンカーン島 ☆ 
第25話 はじめてのキス ☆ ※毒キノコにあてられたナディア
第26話 ひとりぼっちのキング ☆ 
第27話 魔女のいる島 ☆ 台風、エアトン伯爵との再会
第28話 流され島 ☆ グラディス一味との再会、ナディアの手料理
第29話 キング対キング ☆ 
第30話 地底の迷路 ☆ 万能戦車グラタン二号、孤島地下の秘密基地へ、ナディアの異変
第31話 さらば、レッドノア ★ M78星雲から来たアトランティス王家の血を継ぐ者(ナディア姫)、神聖大要塞レッドノア機動、ナディアの運命拒絶、タルテソスへの招待、流され島からの脱出
第32話 ナディアの初恋…? ☆ アフリカ大陸へ、ナディアの一目惚れ(村長の息子ハマハマ)、囚われたキング
第33話 キング救助作戦 ☆ グランディスの仇(悪党ゴンザレス)、ハルハルの許嫁(ナディア失恋)
第34話 いとしのナディア♥ ☆ ※これまでのナディア&ジャンの心情推移のまとめ
第35話 ブルー・ウォーターの秘密 ☆ ナディアの故郷(タルティソス)へ、ノアの箱舟、ナディアの真の力と自己嫌悪、ジャンと仲間たちの励まし
第36話 万能戦艦N-ノーチラス号 ☆ ガーゴイルへのナディア投降、エレクトラ副長・ネム船長との再会、N-ノーチラス号発進
第37話 ネオ皇帝 ☆ ネオ皇帝とナディアの対面、地球人の創造主、ネオの地球人への服従勧告、最終決戦へ
第38話 宇宙(そら)へ… ☆ パリ上空~宇宙空間の戦(レッドノアvs.N-ノーチラス号、グラタン号活躍、レッドノア突入、神前裁判の茶番劇)
第39話 星を継ぐ者… ☆ 続き(ネオの意識回復・犠牲、ナディアの意識回復、ジャン死亡・甦生、ブルーウォーターの力喪失、地球帰還とネモ船長の犠牲)、後日譚(12年後){/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)8、☆(並回)31、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「ブルーウォーター」
ED 「Yes, I will...」
挿入歌 「マーメイド・メモリー」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

66.3 4 熱いで冒険なアニメランキング4位
神之塔 -Tower of God-(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (218)
627人が棚に入れました
塔を登れば、全てが手に入る。塔の頂上にはこの世のすべてがあり、この世界を手に入れる……神になれる。これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、始まりと終わりの物語。

声優・キャラクター
市川太一、早見沙織、岡本信彦、三宅健太、本多真梨子、興津和幸、関根明良、江口拓也、深町寿成、末柄里恵、津田健次郎、吉野裕行、小野大輔、伊藤静、大塚芳忠
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

観終わった

2話までの感想{netabare}
ん?中華かな?と思ったら韓国だった模様。
なるほど…やっぱどっちも似た様な感じになるのかな?
内容としてはハンターハンター…ってよりも“霊剣山”の1作目を思い出した。
塔の頂に登る=仙人を目指す、と解釈するとすげーシックリ来る、韓国にも羽化登仙って思想はあるのかね?
作中の文言通り「神を目指して塔に登る」と解釈するとどうしても「神になるためにその試練って必要?」と引っかかりを覚えてしまうが、これが「仙人」だったらあら不思議、どんなに不合理でも納得(諦めがつく)できちゃう、私は。
2話の選別なんていい例かな、神の水で作られた壁を抜けれるかどうかの件だけど、「参加者間でどうこうするのではなく試験官の手による選別なら最初の400人を選ぶ前に実施すればいいじゃん(※)」と突っ込まずにはいられない。
要は無駄に死者を出してただけで、これで主催者が人口調整で殺し合いさせてるとかウラがあるならまだしも、無いのなら「仙人選抜なら仕方ない」と思って納得する(諦める)しかない。

まぁなんて言うんだ、キャラの目的が不明瞭で「なんでそれやってんの?それ必要ある?」と思っても「仙人を目指すためだよ」と言われたら納得できちゃう強力なカードとでも言いましょうか…。
ただ、カードの強さにかまけて細部がおざなりなのは…ま、まぁそこは外国の感性ってことでしょう。
で、主人公はそんなことより行方不明になった恩人?の消息を追うのが目的ってことらしくて…あ、顔が良ければ優遇してもらえるってのは韓国らしいのかなw

それとタイトルが「神之塔」「-Tower of God-」となってるのは「神之塔」の部分がハングルまたは各国の言語に置き換わっても「-Tower of God-」はそのままで、知らん言語バージョンを目にしても何の作品かすぐ分かるようにしてるんだと思う。



一応、3人でチームを組んで一人でも壁を通れなかったら失格だったので、誰と組めるかの運を試したのかも知れない。
とはいえ、だったらもうちょっと見せ方あったんじゃない?とは思う、通れないチームメイトを叱責するヤツとかさ。{/netabare}

3話感想{netabare}
5分の間に扉を開くのがどうとか。
まだその“法則”が明確になってない状態、つまりは早い段階で試験に挑んだチームほど不利という馬鹿馬鹿しい内容。
でありながら、次の試験でその件は全く関係無く我先にと飛び込んでいって…せめてそれぞれ関連付けくらいさせようよ。
でもって試験官はやっぱり人を殺したくて仕方が無いっぽい。
宇宙船が舞台で人口調整でもしてんのかね?


絵に関しては実際の現場は知らないし3話までの限りではちゃんとした人が描いてると思うのだけど──
主線が汚いのはdpiの低いクッソヘボい機材──スキャナーだか編集ソフトだか──がクッソ汚い紙を取り込んで汚れ飛ばしでコントラストを上げ過ぎるとああなる気がする。
ああなるっていうか、そういう状況を想定して予めそれに合わせたというか。
色数が少ないのはナルトにしろブラッククローバーにしろアクションの激しい回はあんな感じで、激しいアクションじゃないのにこれってどうなん?って気がしないでもないけど、やっぱクッソヘボい現場を想定してワザとレベルを落としてる感じがする。

作り手の技術レベルが低いんじゃなくて現場の機材レベルが低いって感じ、あくまで3話まで見た限りね。{/netabare}

総評{netabare}
最初の頃抱いた予想「どうせそのうち作画が崩れるんでしょ?」、これが見事に外れて最後まで作画がシッカリしてました。
「作画が崩れても目立たない作画」を意識してのデザインだったと思うのだけど、アクションも最後までしっかりしててどういうこっちゃ?
“はてなイリュージョン”と何が違ったんだろう。
1話見て作画が気にならないのなら最後まで見ても問題ないと思います、一貫して安定したレベル。

とはいえ作画ではなく内容の方といえば…。
まず「塔に登る」ってのは「仙人になる」ことと似たようなモンか?と思えるかどうかで見続けられるかどうかが別れそう。
これは韓国作品らしいけど、中華アニメだと多いんだ、「とにかく仙人になるんだ」が目標で「それになって何するの?」は特に無いやつ。
仏門だったら悟りを開いたら無余涅槃にでもなって六道救済するとかあるけど、仙道って肉体に固執したり利己的だったりと目的がバラバラで、従って漠然。
利己的であっても構わないのでそれに至るための手段が「いやそれ人道に背くだろ」ということをやっても構わない、果たしてその手段が目的のために適してるのかどうか私には判断できない(作者の気分次第)。
物語の目的を設定するには便利ではあるけど、ついていけるかどうかは人を選ぶんじゃないかな。

ってことで私は「塔に登る」ことについてはそこまで違和感は覚えなかったのだけど、問題はその後。
それぞれのキャラが何ができて何ができないのか分からず、更にこの作品でしか通用しないよく分からないルールの競技をして、よく分からない駆け引きをする。
そうねぇ、野球で例えると──ストレート160キロが速いのかどうか分からない、打率4割が凄いかどうか分からない、アウト幾つ取ればいいか分からなければイニング数が幾つあるかも分からない。
そんな状態だと多分野球見てもつまらないんじゃないかな?せいぜい派手なホームランがなんとなく凄いって分かる程度で。
なによりなにが反則になるのかすら分からないので、ルールの隙を突いて裏をかくようなことをしても「あ、それやっていいんだ、ふーん」としか思わない。
「カバンの中に3人仕込んでおいたのさ」と言われてもふーんとしか思わない。
まず一体どんなルールなんだ?と興味を引くほどでもないってのが致命的かな、釣り師槍使い燈台守捜索者波使いと言われても「え、それ覚えなきゃいけないの?ヤダよ」って気持ちが先に出た。
ポイントで合格が確定って、知らんがな。
アナクの際どいシーンだけが目当て(スパッツ履いてるけど)で「もう試合結果だけ分かればいいよ」という感情しか沸かない。

それぞれの思惑というのも正直どうでもいい。
これまた中華で多い「○○家」「○○門」、こっちでも十家門なるものが飛び出してうわあぁって感じ、10個全部出す気か?
(中華アニメ“悪偶”では裁縫師協会の12の流派全てから許可を得るんだ、を掲げて最終回終わらせたっけなぁ)
お家関係はザハードの姫絡みだけもお腹一杯なのに…。
韓国でもお家柄は絶対だったりするんかね?私は詳しくないんで中華作品の延長として捉えてるんだけど。

それと強キャラの表現。
“ブラッククローバー”のライアなんかがそうだったけど、作中ひたすらあくびをするアレ。
あるいは「あらあらうふふ」を口癖とするニコ目のお姉さんキャラ、本気で怒らせたらヤベーぞと匂わすアレ。
日本の作品でもよくあるっちゃあるけど個人的にはあんま好きじゃない、余裕と余裕ぶるは違うんじゃねーの?と。
で、そんなのを極限まで煮詰めたようなラウレというキャラ、なんなんだかなぁ。
先のブラクロではライアはスタッフには都合が良かった、あくびさせてりゃ尺稼ぎできるから、けど視聴者からはウザいだけで…スゲー実力を隠して無気力を演じるってそんなにカッコ良いかね?

でもってその対極(熱血系強キャラ)といえるランカーのクォント、ウザいワニですら極端だと思ったらそれ以上に極端なのが出てうわぁ。
しかも謎なのが9話、ホーがラヘルを人質に取り夜に脅迫するシーン、クォントは神の水の使い方を見せてその場を去るのだけど、夜がそれをやったら驚いて戻ってくる。
…?
なにがしたかったん?予想外のことが起きたので引き返してきたんであって、じゃあ当初はどんな予想をしてその場を去ったん?
結局ラヘルは刺されホーは自殺するんだけど、これってその場を離れたクォントの責任じゃねーの?と思うのだけどその後そういった咎を背負う素振りも無い。
結局ルールがワカランので「そうですか」と納得するしかないのだけど、釈然とはしない。

と苦言を言えばキリが無いのだけど最終回は結構好きだったり。
人によっては真逆の評価らしく、それも分かるw
私は主人公の夜を好意的には見ておらず、そのせいで最後裏切られて「ザマァw」と思ってしまいまして…。
ラヘルに散々ついてくるなと言われたのにそれでもついてきたのだから、あんな目に遭うのも覚悟の上でしょ?と。
また、最近見たアニメであったような…くそう思い出せん、「光が強ければ影も濃くなる」ってヤツ、そんな感じだったんだろうと解釈。
夜が輝かしい(夜って名前だけど)からこそラヘルは闇墜ちしたんだろう、と…これに関しては他の作品の影響(補完)に過ぎないと言われたらその通りだけど。


総合すると、作者の考えたその作品だけにしか通用しないワケ分からんルールの競技なんかサッサと終わらせて塔の謎に迫ってくれれば良かったのに、って感じ。
塔だの神だの管理人だの試験官だの選別者だの救世主だのサハードの姫だの神の水だの十三月シリーズだの十下門のクンだの釣り師だの槍使いだの燈台守だの捜索者だの波使いだの…どれか絞れよと。
ここら辺のよくわからんワード連発はいかにも中華(中華じゃないけど)らしいっちゃあらしいんだけど、謎に謎を重ねる・謎を別の謎で解説するようなのはキツい。
というか本当に中華だったら春秋時代からの歴史や陰陽、仙道なんかの実在する資料に基づく(どこまで正確かは知らないが)設定の羅列が多いけど、これはどうなんだろう?
頭悪いヤツが複雑な話を考えられず、造語連発して誤魔化してるような…。
もし続きをやるならもうちょっと整理してくれないと参る。
ってかワニうざい、ラウレはデゾリアンと一緒に始末しよう、ってかそれだったら“一人之下”のホウホウの正体の方が気になるのでそっちやってくれ。
まぁ塔の謎も仙人(管理人)の戯れで片付けられそうだけど。
作画は崩れないのでアナクのスパチラを追うだけでいいんじゃねーの?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「旅立ちの物語」から「反逆の物語」へ

2020年春アニメ。全13話。
原作は、10年以上連載を続けている韓国のWEB漫画。日本の制作会社がアニメ化しています。先日無料公開されていたので第2部ラスト(180話ほど)まで読了。
設定・世界観は不明な点が多いものの、人間ドラマの一貫性や全体的なクオリティが良かったです。

{netabare}
作画が非常に好みでした。
シンプルなキャラクターデザインと彩色はとても見やすく、動画の印象も私の肌に合っていました。
キャラクターの演技とバトルの両方に拘っていたと思います。
背景見ていると、壁の模様とかテクスチャ張り込んだりはあまりしていませんでしたね。なるほど、シンプルで見やすくなっています。

キャラクターも変に媚びていないのが良かった。
特に女性キャラクターの品の良さ、言葉遣いはキツイけど芯があってそれも味になっています。チーム内の人数が多くて名前が覚えられない(笑)のですが、キャラクター自体は立っていたので混同したりはしなかったです。
声優さん達も、皆さん演技がとても良かったですし、新人・中堅・ベテランとバランス良く配役されており、ちょっとしたアドリブも聞けたりして好きでした。
音楽もとても良かった。OP、EDも好きですが特にBGMが素晴らしく、音楽の掛け方も雰囲気を壊さなくてとても良かったです。{/netabare}

【総評】
{netabare}作品テーマとキャラクター描写の一貫性が良いですね。
主人公・夜のラヘルへの思慕故の旅立ちというイントロダクションに始まり、塔への反逆の物語のイントロダクションに終わる構成がお見事。
淡々と並べられた言葉と描写が最終話までに繋がっていくのが楽しかったです。
物語がシンプルに進行するので人間ドラマがスムーズに展開しており、じわじわ良い所が見えてくる作品。

アニメは原作の第1部ラストまで。
原作を第2部まで読んだのですが、アニメは人間関係の構築を補足して上手に描いています。
夜とラヘルの内面もだいぶ印象が違うし(特にラヘルは是非原作を読んで違いを知ってほしい)、どちらも好きだけどアニメの解釈やシーンのカット・追加には一貫性がありました。

クンが第1話で発言した「お前も塔のルールに縛られる側なんだな」というのが全てに通底するのですね。

最初の試験で顕著ですが、殺し合いしていた相手とすぐにチームを組むことは心理的に難しい。それでもそれが出来るのは精神・能力が強靭な実力者や、塔のルールを絶対視していない者。

実力も無くルールに縛られる者は、塔にとって扱いやすい取るに足らない存在。塔に上る中でルールに縛られ、人間らしさを失っていく者がほとんどなのでしょう。

塔に登るために人間性が失われていくラヘル。
ラヘルは塔にとって取るに足らない者であって、あくまでも夜を釣るための餌に過ぎない。
夜を裏切って、本気で笑うことも泣くことも出来なくなります。

一方で、塔に登ることが新しい世界を知ることであり、人間らしさを獲得していく夜。
塔にとって無視できない存在であり、塔に上り始めてから笑うことが多くなり、裏切られて初めて激情の断片を露わにします。

ルールに従順なラヘルへの激情は、すなわち塔そのものへの反逆です。
ラヘルの内面を第13話で描いたことで、二人の対称性が浮かび上がる構成は秀逸でした。

第1話、蝶ウナギの試練のシーンでは、横からのカメラワークが何度かあり、奥行きのない不思議なシーンでなんだろうな?と思ったんですけど。それが実はラヘルの視点であることに、再視聴で気が付きました。
ラヘルに早見沙織さんを起用したこと、13話でとても納得しました。
{/netabare}
独特な雰囲気があり面白いので、興味があれば見てみても良いと思います。


【設定に関する個人的な予想というか妄言というか】
支離滅裂なので暇つぶし程度にどうぞ。
{netabare}
「塔」と言うけれど、公式サイトで見ると建造物というより広大な一つの世界の呼称(空間概念)であるとされています。「塔を上る」とは自身を鍛え上げていくこととも解釈できそうかな?
塔を上るとどんな願いも叶うと言われているのは、もしかしたら後から付加されたものなのかも。
「ザハード王」は塔に文明がない時代に現時点でわかっている最上階まで踏破し、現在の塔の社会を築き、試験方式等を決定した者とあります。
そして塔の試験は塔に仇なす者をあぶりだすためにある、とユハンは言っている。
だから、本来ルールに抵触する行為をしてもバレない限り気づいていても指摘しないし、塔に致命的な行為だと思えばさっさと処理してしまうのかも。
塔の世界は明らかにデストピアですよね。
個人的には2期が見たいなあ…{/netabare}
(2022.1.30)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

いのちを懸けて登れ。

久々にハオライナーズ枠の作品到来かと思いきや、韓国発の作品だったみたいですね。
国は違えど、作風は似ていると思いますけれど…。


「神之塔」とは、2019年から韓国のNAVER WEBTOONにて連載を開始し、
2018年からLINEマンガを通じて日本でも連載している冒険ファンタジー作品。
現在までに28ヶ国語に翻訳され、全世界累計閲覧数が45億回を突破。

少年「夜」は大切な女の子「ラヘル」を探すために伝説の塔に入り込み、
新たな仲間とライバルと出会い、階層ごとにある過酷な「試験」をクリアしながら、
塔の頂点を目指して行く。
少年の成長ストーリーと、その裏に隠された塔と少年の秘密は読者を魅了し続けています。

2020年春、NAVER WEBTOON初のTVアニメシリーズ「神之塔 -Tower of GOD-」として、
ついにアニメ化決定!
日本、韓国、アメリカで同時展開予定。


塔を登れば、全てが手に入る。

塔の頂上にはこの世のすべてがあり、

この世界を手に入れる……神になれる。

これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、
そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、

始まりと終わりの物語。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そういえば、中国の作品と似ている点といえば全世界累計閲覧数を前面に押し出している点でしょうか。
28ヶ国語に翻訳されて配信されているので、数が伸びるのはある意味当たり前だと思うんです。
勿論、アニメ化される決め打ちの一つとなったでしょうから意味が無いとは思いませんが、だからといってアニメが面白いとは限らないのがこの世界の常套なんですよね。

日本の作品でも原作の魅力や良さを表現しきれなかったアニメはゼロじゃないので…
だから最初は視聴するか悩みましたが、第1話目ではやみんが出演しているのを知り、視聴継続を決めました。
後から関根明良さんも出演されていると知ったのはうれしい誤算でしたけれど。

普段私の使っているアニメサイトに、この作品自体が掲載されていなかったので完全にノーマークな作品でした。
なのでググってみたらアニメーション制作はテレコム・アニメーションフィルムという日本のアニメ制作会社だったみたいです。
興味を持ったのは音楽担当に、ケビン・ペンキンさんというオーストラリアの作曲家が起用されていた点です。
こういう組み合わせも中々珍しいのではないでしょうか。

完走しました。
アニメーションとしてみたら及第点だったと思います。戦闘シーンもそれなりに動いていましたし…
難があるとするなら、展開とキャラでしょうか。
まず展開については、塔の中という極めて限定された場所で起きている試験であるにも関わらずスケール感が合わないので、まずそこが気になりました。

途中、砂漠の様な場所が出てきましたが、地平線が見えそうなほど広い空間が広がっていましたけれど、それって、本当に塔と言えるのでしょうか^^;?
何より一番気になったのは塔を登っている感覚が得られなかったといことです。
例えばSAOのアインクラッドだったら階層ごとに景色や発生するイベントなどが異なっていて、重層構造感は感じられましたけれど、本作品ではあまりそういう感覚は無かったかな。

あとはキャラ…でしょうか。
気になったのはデザインより、寧ろ魅力の方かもしれません。
ザ・ハードの姫の人間臭さと、徹底的な対抗心は嫌いじゃありませんでした。
終盤の掛け合いも悪くありませんでしたし…
ですが、どうにも魅力の感じられないキャラが居たのも事実です。

一番魅力が感じられなかったのは、個人的に主人公だったかな…
塔を登りたいという気持ちは分かりますが、行動が伴っているとは思えなかったんですよね。
すごくフワッとしていて地に足が付いていない感じが気持ちをより助長させたのかもしれません。

原作既読組はもっとたくさんの情報を持っているので印象は違うと思います。
ラヘルの終盤の行動だってアニメ組からすると完全に意味不明でしたから…
この印象の差がきっとアニメ化の難しさなんでしょうね。

オープニングテーマは、「TOP」
エンディングテーマは、「SLUMP」
どちらもStray kidsという韓国のボーイズグループが歌っています。
日本、韓国、アメリカでは、それぞれの放送地域に対応した言語版の楽曲が使われるそうです。

1クール全13話の物語でした。
「俺たちの旅はこれからだー」的な感じで終わりましたが、ここで終わっても仕方無いのかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

92.6 5 熱いで冒険なアニメランキング5位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1128)
5448人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

心臓バクバク

{netabare}忘れ物のぬいぐるみを届けに行ったらコニーが死んでいて{/netabare}びっくりした。鬼ごっこは遊びでしかしていなかったのに、急に命をかけるはめになるのはしんどそう。{netabare}頭が良い子の出荷を先延ばしにするのは知能が高い子供の脳が美味しいかららしいけど、知能が高いと秘め事がばれる確率は高いよね。ばれても今までは制御できてたんやろうな。{/netabare}ノーマン天才すぎ。{netabare}完全にレイ騙されてるし、自分がいなくなった後のことまで考えてる。{/netabare}でも、レイも中々策士。{netabare}生まれた直後の記憶を持ち合わせているからずっと計略を練っていたし、自分を燃やそうとするなんてクレイジー。エマも耳を切り落として発信機を外すのはクレイジー。諦めたふりで幼い子供に計画を吹き込んでいたのはさすが。フィルは無邪気なふりして全てを悟る天才少年。心強い。{/netabare}

原作未読だから演出と相まっていちいち心臓に悪い。ドキドキしながら見てた。期待以上の面白さだった。
クローネ悪い奴とばかり思ってたけど、可哀想。{netabare}生存し続けて選別されただけあった{/netabare}イザベラも賢いし、強い。大人にパワーは勝てん。{netabare}エマの足をいとも簡単に折ってしまうのはびっくり。彼女自身もただの悪人ではなく、幼少時はエマと同じ境遇にいたわけで好きだった男の娘は出荷されるし、そのことがきっかけで脱獄を試みたこともあったけど、当時は壁の向こうの崖に絶望し、生き残るためにママになっていた。衝撃を受けたのはレイが実の息子だったこと!!父親は明かされるのかな。エマがしんがりで崖を渡った後に髪をほどいて寂しげな表情になったのを見るとこっちまで切なくなった。恐らく、子供の頃を思い出してた。そして、逃げた子供たちを見送るときには完全に子供の幸せを願う親の顔でした。イザベラのことは胸糞悪い不幸になれとずっと思ってたのに、ロープを回収して、残された子供たちの元に戻ってきて寝かしつけるまでの表情を見てたら、彼女にも幸せになってほしいなんて思えてきた。{/netabare}

2期も見るぞ。

OP
Touch off 歌 UVERworld
UVERworldって結構アニソン歌ってらっしゃる。これからもお願いします。
ED
絶体絶命 歌 Cö shu Nie
Lamp 歌 Cö shu Nie
くしゅにえと読むらしい。知らなかった。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
突然終わりを告げた、グレイス=フィールドハウスの幸せな日常。ハウスは農園。子どもたちは、鬼に飼われる食用人間。大好きだったママは子どもたちの監視役。「これ以上、家族が死ぬのは嫌だ…!」そう願ったエマ達は、日常に潜んでいたあらゆる意図を解き明かしていく。鬼vs子ども、命をかけた脱獄計画が始まる

EPISODE.01 121045
グレイス=フィールドハウスは親の居ない子供たちが住むところ。血の繋がりはなくても、ママと38人の兄弟はささやかながら幸せな日々を送っている。11歳のエマ・ノーマン・レイはハウスの年長者であり、毎朝のテストでそろって満点をとる優秀さをほこる。 ある夜、里親のもとへ旅立つコニーを見送った子供たちだが、忘れ物に気付いたエマとノーマンは近づくことが禁じられている門へ向かう。そこで2人は衝撃の真実を目撃する---

EPISODE.02 131045
子供たちは鬼に食べられるために育てられている。大好きなハウスは農園。優しかったママは敵。ハウスに隠された真実を知ったエマとノーマンは、脱獄を計画する。だが、イザベラはコニー出荷の夜に子供2人が門に来たことに気付いているようで……。

EPISODE.03 181045
新たな大人、シスター・クローネが現れ、監視の目が増えたハウス。レイも加わり3人で脱獄の方法を模索するなか、エマは自分たちの身体に埋められている発信器の場所を特定する。そして全員での脱獄に向けた訓練のため、全力の「鬼ごっこ」を始めるが、そこにクローネが鬼役として参加する。

EPISODE.04 291045
子供たちの中に内通者がいる。それは誰なのか、兄弟の動向を気にするエマたち。内通者を特定するため、ノーマンはあることを仕掛ける。一方で、外に出てからのことを考え、ドンとギルダには事情を話すことにする。残酷すぎる真実。そのすべてをありのまま話すことはできなかったものの、新たな協力者2人を引き入れることに成功し、また脱獄計画は進んだと思われたのだが……?

EPISODE.05 301045
内通者がレイであることを突き止めたノーマンは、二重スパイになるよう提案する。レイは脱獄の準備をするために自ら志願して内通者になったことを明かし、全員での脱獄を諦めること、そのためにエマを騙すことを協力の条件とする。翌日、レイが内通者だったことを知り、改めて全員での脱獄を決意するエマ。そしてイザベラの隠し部屋を見つけたことを報告するが、ドンとギルダはエマ達には告げずその部屋に侵入しようとする。

EPISODE.06 311045
ウィリアム・ミネルヴァという人物から贈られた本にはモールス符号で子供たちへのメッセージが隠されていた。ハウスの外に味方がいるかもしれないと希望を持つエマたち。一方、イザベラの隠し部屋に侵入成功したドンとギルダは、エマたちのついた嘘に気付いてしまう。今度こそ真実を語った彼らに怒りをぶつけるドンだったが、自らの無力さを嘆くその姿に、エマは兄弟を信じようと思い直す。しかし翌日、そのやりとりを見ていたクローネが手を組むことを持ちかけてきて……?

EPISODE.07 011145
イザベラからママの座を奪いたいという目的とともに、ハウスの管理システムについてクローネから聞かされたエマたちは、彼女と手を組むことにする。その夜、情報収集のためクローネの部屋を訪れたエマとノーマンだったが、逆に発信器の場所や壊し方に気付いていたことを知られてしまう。子供たちの脱獄計画を本部に訴えるための証拠として、発信器を壊す道具を探すクローネだったが、そんなクローネにイザベラは本部からの通達を突きつける。

EPISODE.08 021145
イザベラに見送られたクローネは、グランマに彼女のミスを訴える。しかしグランマはそのことを全く意に介さず、クローネは鬼に殺されてしまう。その日の午後、エマとノーマンを塀の外の下見へと向かわせたレイは、偽の情報を流しイザベラの注意をひこうとするが、それに気付いていたイザベラはレイを部屋に閉じ込めてしまう。そしてエマとノーマンに対峙したイザベラは、ノーマンの出荷が明日に決まったことを告げるのだった---

EPISODE.09 031145
ノーマンの出荷を阻止するため、逃げたふりをしてハウスの敷地内に潜伏するよう提案するエマとレイ。自分が逃げることでエマたちの脱獄が失敗してしまうと拒否するノーマンだったが、二人の必死の説得を受け入れる。 出荷当日である翌日、逃げるために塀へと向かったはずのノーマンだったが、計画に反して夕方にはハウスに戻ってきてしまった。戻ってきたノーマンから明かされた真実に、エマとレイは驚愕する。

EPISODE.10 130146
ノーマンが塀の上から見た景色によって農園全体の構造が明らかになった。 しかし彼は、自分は逃げることはしないと出荷の覚悟を決めていた。必死で引き止めるエマとレイだったが、ノーマンはトランクに糸電話だけを入れて旅立ってしまう。 ノーマンを失い絶望するエマとレイ。遂に脱獄計画を諦めたかに見えたが……?

EPISODE.11 140146
諦めたふりをしながら、脱獄の準備を進めていたエマとレイ。レイは出荷前夜、用意していた道具で火事を起こし、その隙に逃げ出すことを提案するが、それはレイ自身を火の中に残すことまでも組み込んだ計画だった。しかしすんでのところでそれを阻止したエマは、レイの行動を予期していたノーマンからの手紙のこと、そしてハウスの子供たちと進めてきた準備のことを明かすのだった。イザベラを出し抜き、炎に包まれるハウスを背に塀に向かうエマたち。脱獄は成功するのか---!

EPISODE.12 150146
必ず迎えに来ると約束し、4歳以下の子供たちを残していくことを決意したエマ。そして5歳以上の子供たちは訓練の成果を発揮し、ぞくぞくと崖を渡っていく。一方イザベラは本部に通報し脱獄を阻止しようとするが、崖の向こうにいるエマたちを目にし、ついに追うことを諦める。自分もかつてハウスで育った子供であったイザベラは、遠ざかっていく子供たちの背中を静かに見送るのだった---。脱獄が成功し崖を渡ったエマたちは対岸の森を駆ける。自由を手にした喜びとこれから生きていくことへの決意を胸にしたエマが森を抜けると、そこには彼らを祝福するような朝陽が輝いていた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 83

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

抗え。この世界の運命に。

この作品の原作漫画は未読です。
最初の視聴の理由はノイタミナ作品だったから…
ですが気が付いてみると2019年冬アニメの中でもトップクラスの面白さだったと思います。

母と慕う彼女は親ではない。
共に暮らす彼らは兄弟ではない。
グレイス・フィールドハウスは、親の居ない子どもたちが住むところ。
血の繋がりはなくても、ママと38人の兄妹が幸せな毎日をすごす、かけがえのない家。
しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

公式HPのintroductionを引用させて頂きました。
本当は2ページに渡ってこの作品の概要が記されているのですが、2ページ目はネタバレ要素を含むので1ページ目の紹介にとどめておきます。

レビューのタイトルは公式HPのトップページに記載されている文言なので、きっとキャッチコピーなんだと思います。
このキャッチコピーとintroductionを踏まえると、何等かの事情でこれまでの幸せが無くなってしまう事に対して38人の兄妹が運命に抗おうとする物語…と読むことができます。

言葉を額面通りに受け取ると物事の本質に辿り着けない…そんなミスリードが含まれています。
これもアニメ本編を盛り上げる作り手の配慮なんだと思いますけれど…

確かに、子供たちが背負った運命は過酷という台詞が陳腐に感じるほど、絶望にまみれています。
でも、その絶望は昨日今日に始まった話じゃないとしたら…?
でもXデーは何の前触れもなく突然訪れるんです。

誰もが信じて疑わなかった…
里子としてこのハウスを出たら幸せになれるんだと…
だから手紙の返事が来ないのも幸せ過ぎる日々を過ごしているからだと…
それは本作品の主人公で、ハウス最年長の一人であるエマも一緒…

このハウスには最年長者…11歳の子どもが3人住んでいます。
抜群の運動神経と高い学習能力を持ったムードメーカーのエマ(CV:諸星すみれさん)
優れた分析力と冷静な判断力を備えたハウス1の天才のノーマン(CV:まややん)
ハウスの子どもたちの中で唯一ノーマンと渡り合える知恵者のレイ(CV:伊瀬茉莉也さん)
この3人の学習能力は高く、毎日のテストで度々フルスコアを叩き出している逸材です。

ハウスから里子に出されるのは年功序列という訳ではありません。
もし、年功序列だったら導き出される結末は全く異なっていたと思います。
その日はコニーが里子に出る日でした。
可愛い服でおめかしして、肌身離さず持っている兎のぬいぐるみ…リトルバーニーを抱きしめて明るくみんなとお別れの挨拶を交わしています。

そりゃそうです…
これからのコニーの人生は幸せで満ち溢れているのですから…
きっとこれからの期待で小さな胸を膨らませていたからなのか、コニーはリトルバーニーを忘れてママと一緒にハウスを出て行ってしまったんです。

いつも肌身離さず持っていた大切なぬいぐるみです。
追いかけて届けたいと普通思いますよね。
きっとこれがなきゃ、コニーが困ることもあると思うから…
エマとノーマンが走ってぬいぐるみを届けようとして偶然目にしたのは衝撃の事実…
思えばこれが運命に抗おうと決意した起点…
そしてここから様相が一変しながら物語が動いていきます。

エマたちはフルスコアを叩き出しているとはいえ未だ11歳。
我々の世界では小学5年生という年端のいかない子どもたちでしかありません。
そんな子どもだけの集団において、大人の存在は一際大きいと言えます。
事実、38人もの子どもの面倒を見ているママの存在は絶大でしたから…

でもママは大人…というだけではありません。
頭が切れ、とても慎重…やること全てにおいてソツがなく決して手を抜かない…
加えて幼い子どもたちはママに対して全幅の信頼を置いていますから…
しかもこのハウスがどこにあるか…それすら子どもたちは知らないんです。

この様な四面楚歌の中で、子どもたちはどのような一手を打ってくるのか…
辿り着いた答えは「奇跡の綱渡り」みたいでしたけれど…
正に「神の一手」と言っても過言ではありません。

ここで大切なのは、そこに至るプロセスです。
子どもたちは何を乗り越えてその思考に至ったのか…
勇気、優しさ、信頼に厳しさ…どれかが一つ欠けても神の一手には至らなかったでしょう。

物語ラストのママの顔が印象的です。
ママだってハウス育ち…
幼い頃に思い願ったことに接点の無い筈がありません。
そこに立ちすくんでいたのが幼い頃のママ一人じゃなかったら…
なんて考えてしまいますけれどね^^;
感覚の全てを注ぎ込んで視聴できる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「Touch off」
エンディングテーマは、Cö shu Nieさんの「絶体絶命」と「Lamp」
どの曲も痺れ要素満載なんですけど…
今期のアニソンBEST10のどこまで上位に食い込むかが楽しみです。

1クール全12話の物語でした。
性別・年齢関係なく堪能できる作品だと思います。
でも物語は一つとても大きく大事な伏線を残していますよね。
来年放送される続編でその伏線がどこまで明らかになるのか、正直気になって仕方ありません。
原作を…とも思いましたが、続編の視聴に余計な雑念を入れたくないので我慢…
と思っていたら、いつの間にか我が家に原作全巻揃っているじゃありませんか!
直ぐ手に取れる場所に無いから我慢できると思っていたのに…
まぁ、これも試練なんでしょうね^^;
続編の放送を超楽しみにしています!

だから願わくば原作により忠実であって欲しいと思いますし、極力端折ることなく描き切って欲しいと願っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

80.9 6 熱いで冒険なアニメランキング6位
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (779)
3232人が棚に入れました
ステータスポイントをVITのみに捧げた少女メイプル。その結果得たのは、物理・魔法攻撃・状態異常無効に強豪プレイヤーも一撃死のカウンタースキル!? 自らの異常さに気づくことなく、今日も楽しく冒険に挑む!

声優・キャラクター
本渡楓、野口瑠璃子、早見沙織、新井里美、加隈亜衣、諏訪ななか、杉山紀彰、佐藤聡美、小野賢章、山崎たくみ、竹達彩奈、神奈延年、佐藤利奈、山口勝平、石田彰、皆口裕子、丹下桜
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

メイプル超合金w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、ゲーム世界、バトル、主人公最強系。

という分かりやすい、ありがちな設定。

でも、実はこのアニメはかなり面白く、中盤までは個人的覇権にしようかと思っていたほど。

ストレスフリーにストレスを感じる人以外には、オススメできますね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
勿論、超ご都合主義とか、ゲームバランス悪いとか、まあ、色々マイナスはあるでしょう。

でも、このアニメで抜群に素晴らしいのは、「ゲームをゲームとして楽しむ」という姿勢が徹底されていること。

例えば、釣りや水遊びを楽しんでみたり、星空を眺めたりするだけじゃなく、朧やシロップが仲間になったとき、イベント中に関わらず無駄にレベルを上げてみたりとか。

「その時、メイプルが楽しいと思うこと」をやるというのが基本線にあるので、観ているこちらまで楽しくなる。

ゲーム世界に飛び込む系は、「SAO」に代表される、リアルとのリンク(実際に死ぬとか)があって、だからこそ、ゲーム世界でも真剣に戦うものが多いが、「防振り」は、「所詮はゲーム」ということが徹底されていた。

例えば、ゲーム世界で無双するメイプルが、学校に戻れば相変わらず鈍臭く、ドッヂボールも避けられない。ゲームにハマりすぎて危機を感じ、3日間ゲームを離れる。最終話でも、勉強の大切さに触れる。

ゲームで相手を倒すことにも一切躊躇なし。だって、所詮はゲームだから。

なんか久々に、「ゲームをやりたくなる」アニメだった。

それに、様々なスキル習得が、あくまでゲームの範囲内に留めているところが素晴らしい。

特に、序盤。

スキルの習得条件が、「普通はやらないけど、絶対にあり得なくはない」という良いラインをついていて、まずまず納得できた。ゲーム素人&天然のメイプルならではの手段でスキルを獲得していく過程が面白く、「ただのチート」ではなく、「正しいチート」だからこそ、応援できる。

あと、作画ね。こんなにふざけたアニメなのに、作画が良いから、格好良さまで得ている。

本当に、良いバランスだった。こんな手垢がつきまくった世界観でここまで面白く出来るのかと脱帽。

してたんだけどね、途中までは。

きっかけは、メイプルがガンダム(フリーダム)になった辺りから。

「盾の勇者の成り上がり」でもそうだけど、盾役が攻撃手段を手に入れてしまうと、途端に魅力が半減する。

本作で上手かったのは、攻撃手段をヒドラ(毒による状態異常)に止めていた点だったのに、攻撃力まで最強クラスにしちゃだめでしょ。もっと、スキルの組み合わせとか、仲間との連携とかで敵を撃破してほしかった。

それから、第4回イベントも、少し長かったかな。この作品の良さである、「ゲームを楽しむ姿勢」がやや弱り、皆が真剣すぎて、ちょっと引いた。SAOなら、いくら熱くても良いんだけどね。

てなことで、後半にやや失速はしたものの、十分に面白く、2期が楽しみな作品ですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
変な行動で、使えないスキルゲットしてる(笑) たったこれだけで、こんなに耐性スキルゲットできるの? ありそうなレアアイテムゲット(笑) 大物食いのスキルは、攻撃力とかに全振りしてれば、結構ゲットできてる人多いかもね。壁役のスキルを大量にゲット(笑) このユニーク装備の達成条件は結構キツいけど、情報さえあれば、やってやれないことはないよね。

2話目 ☆4
運営の会話入れるなや(笑) あれ? スキルの取得条件開示しなくしたの? アレが良かったのに。麻痺と毒と防御力。さらに、盾での攻撃(悪食スキル+シールドアタック)。回避盾、、、スパロボなら、オーラバトラー(笑) 歩く要塞(笑) ゲームを楽しむ姿勢は、気分が良い。作画も悪くないね。初戦闘&単独でボス撃破。んでレアアイテムかな。

3話目 ☆3
悪食スキル回数に、防御貫通。運営の露骨な修正はヒドイ(苦笑) ネトゲの凄い人、、、リアルの金持ちか、廃人か(笑)? バトルに星空。何気に作画良いのが、ズルいアニメだよな(笑)

4話目 ☆4
朧とシロップ、可愛いし、イベント中にこの子達を鍛える辺りが、この作品の良いところ♪

5話目 ☆4
集められなかったら、それはそれで良い。う~ん、歌と止め絵でガッツリとばしたな(苦笑) 綺麗な海を、毒の海に~♪(笑) サリーのPK能力の高さよ(笑) 最後は暇つぶしで終了(笑) このまま楽しくゲームをプレイしてくれたら、個人的には、覇権かも。

6話目 ☆3
お、珍しく現実世界。現実の楓の残念さ(笑) また音楽流しか。あんまり多用しちゃだよだよな。今度は攻撃極振り×2ね。

7話目 ☆4
味方がどんどん強くなる(笑) 台詞の辻褄(笑) たまにあるね、イベント前にアイテム持っている時(笑) もはや、ショートコントやん(笑) 見捧ぐ天使、やべぇな(笑)

8話目 ☆3
だから、食うなや(笑) グロいグロい(笑) エヴァかい(笑) デンドロビウム、いや、フリーダムか。ここまでやると、ちょっとやり過ぎな。

9話目 ☆4
ホントに要塞になってきたな(苦笑) これ、ザコギルドを刈りまくった小規模ギルドが一番稼ぐな。最後は、直接対決で相手のマイナスを狙いにいくか。炎帝、可愛いな(笑) これ、スキル使う相手か?

10話目 ☆4
笑えるくらい、メイプル強ぇな(笑)

11話目 ☆3
段々と、メイプル攻略方法が成立してきたな。

12話目 ☆4
暴虐で、お茶を飲むなや(笑) もはや、パニック映画(笑) 勉強、大事(笑) 全ステータス5%upって、トッププレイヤーにはでかいよな。そろそろ5桁(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

メイプルちゃんを好きになれるか、見守りたいか。

僕は。。。。。

原作知らず。第9話までを見た段階での感想です。

近未来の超没入型・感覚没入VRゲーム内での主人公たちの活躍をのほほんと描いていく、おきらくごくらくファンタジー。本作の主人公、メイプルちゃんは通常のゲームプレイヤーがとらない行動、ゲーム運営が想定しないような行動をとり続けるがゆえに、バグめいた形で常軌を逸した強さを身につけ続けることになるわけですが。。。「俺TUEE」転じて「わたし超TUEE」な世界が展開されます。ストレスフリー。ゲーム内イベントという起伏はあるものの、基本的に平坦。深く追ってはいけない、気楽に、そこにあるまま流しておく。僕にとってはそんな感じの作品。

音楽にEasy Listeningというカテゴリがあるが、それの動画版という感じ。劇中歌の「Good Night」という曲が、けっこうよい雰囲気を醸しています({netabare}歌詞すべて英語。。。それっぽく歌おうとしているのだけど、口先発音なのがかえって気になる。LRぐちゃぐちゃだし、Aboveを思いっきりアボブとか発音しているし・・・{/netabare})。ふと、Yashiki Gotaとかゴンチチなんかを思い出す、そんな感じの曲です。なんかもっとダイレクトに「近い」のがあった気もするんですが。

アニメーションとしての作画は及第点と思います。エフェクトガリガリではありますが、近未来ゲームという世界観からすればちょうどよい。キャラデザインはよいほうなのではないかと思う。少なくとも女性陣は可愛らしい。ゲーム内アイテム、装備品が少々簡素に思えるところもあるが、それはご愛敬か。

主人公をはじめとする可愛らしい女の子たち、なんかカッコいいおっさん(?)のゲーム内の活躍を、のほほ~んと眺めていられるなら、特に損はしないのではないでしょうか。

さてメイプルちゃん。
僕自身は、もう・・・いいかな。っていうか嫌いだし。Easy Watchingとして流すことはあるかもしれないが、鑑賞という形にはならなさそう。なぜならこの作品、本質的に「賢者の孫」と同じなんだもん。


― 多くの方が指摘される「そも、ゲームとしてこれダメだろ」
{netabare}いやほんと(笑)。主人公たちにとってのEasy-Peasyな世界を演出するという点では、これでもいいのかなと思う。でも、オンラインゲームとして長くはもたないでしょうね。こういうゲームって、Money・Time・Player Skill(賢さ、要領の良さ含む)の総和・総乗に対して平等公平というのが原則。ガチャ運だって最終的には投入資金によって収束していくわけです。システムとしてそれを崩してしまっていては、プレイヤーはたまったもんじゃないですね。

さも「バグ挙動」のように言われていますけど、結果としてそのままにしている&プログラムとして挙動が安定しているのなら、それは仕様です。{/netabare}

― ファンタジーとはいえ、あの没入型ゲーム機すげえな。
{netabare}どんな仕組みで「味覚」「嗅覚」「触覚」を再現しているのか。いやすげえな。狂四郎2030(徳弘正也)を思い出します。むしろそっちのコンテンツが先だろう。きっとそっちのコンテンツはひと段落してしまった後の世界なのだろう。{/netabare}

― 形を変えた「主人公礼賛之図」
{netabare}すでに3話だったか4話だったかのあたりでその片鱗が見え始めています。大意としては「メイプルがどんな変なことをしでかし、結果として強くなったとしても、もう驚かない、諦める」旨の発言が出始めます。これって、主人公を異質な存在として棚上げし、そのままそれを諦観とともに受け入れるということに他ならないと思います(そう感じてしまいました)。なんだかよくわからないけど主人公スゲー、主人公サスガーの礼賛と何ら変わらない扱いです。

いや、もう、いいよそういうの。おなか一杯。{/netabare}

― たちの悪い「やっちゃいました?」
{netabare}作者としては、主人公・メイプルを「永遠の初心者(最強)」として描きたいように思えるのですが、まともな女の子としてそれを成立させるのは無理があるでしょう。結果として「天然ちゃん」というキャラ付けをしているのだと思いますが。。。。いい加減、鼻につきます。

{netabare}最序盤における、ゲーム世界の常識からかけ離れた行為・行動は許せます。一緒に遊ぶはずのサリーが現れず、あまりよくわからないゲーム世界で一人行動をしていたので。

冒頭に述べた通り、メイプルは「通常のゲームプレイヤーがとらない行動、ゲーム運営が想定しないような行動をとり続ける」が故にどしどし強化していくわけですが。。。。問題は、いつまでそれが自然に成り立つかだと思います。僕としては、その後のメイプルの行動、物言いがおかしく感じられます。

あんなにギルドメンバーや他ギルドのプレイヤーと交流をしていながら「その社会」に入れないのでしょうか。空気読むではありませんが、他者を見、共に行動していれば、次第に理解していくもので、そういう社会性を持っているのが人だと思います。それが獲得できないということは・・・と、思ってしまうのです。

その一方で、「ゲームのことをしっかり理解し、ゲーマーになっている」描写も見受けられます。双子のプレイヤーを引き連れて階層ボスと対峙するシーンでの発言は完全に「わかっている」ものの口ぶりです。

結果としてメイプルが、Theバカ(あるいは、コミュニケーションに結構ガチめな問題があるタイプの子)か、あるいは、極めて性悪な子かのどちらかに見えてきました。
{/netabare}

これ、、、賢者のお孫さんと同じに思えるのです。ただ、見た目かわいい女の子というだけで。男女関係なく、こういう人物が物語の中心にいるのは好きになれない性分でして、見ていて辛くなってきました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゲームは遊ばれてナンボ(笑)

VR-MMORPGを舞台に、とある女子高生ゲーム初心者とその仲間たちの
楽しいゲームライフを描いた同名小説(web版、ラノベ版共に未読)のアニメ化作品。

【物語 3.5点】
テンポ良好。見やすい。

1クール内でイベントや新エリア実装などの新要素を切れ目なく打ち出して来るゲーム運営。

局地的には主人公メイプルの予想外の奇行によりグダグダな印象ですがw
トータルで見たら、優秀な運営なのかもしれません。

その土台の上で、メイプルが
トントン拍子でヘンテコスキルや装備や仲間を獲得していく様。
ノンストレスな展開にスルスルと誘い込まれる。


いわゆる異世界転生物でもデスゲーム物でもないため、
ゲームからログアウトすれば普通の高校生活が待っている。

ゲームでクセになった言動が、
リアルで飛び出してしまう描写は微笑ましいです。

リアルに影響が出ると懸念したら、ちゃんとゲームはお休みする。
人間やめたネトゲ廃人たちのアンダーワールドではないので安心です。
(もっともメイプルはネトゲ廃人とは別の意味で人間やめていきますがw)


【作画 3.5点】
ゲームならではのスキルが飛び交う戦闘描写など人物作画はまずまず。

こだわりを感じるのは、ゲーム内の背景描写。
例えば、{netabare}星空が広がる絶景を眺めながら、
飲むと瞳の色が変化するドリンクで浪漫に浸る{/netabare}
など、戦闘だけではなく、
ここでしか味わえない景色やグルメを演出し、VRゲームを美化。


【キャラ 4.0点】
話題の“超大型初心者”メイプル。
防御特化を軸に多彩なトンデモスキルを乱発するが、
その基本プレイスタイルは
{netabare}絶対的な防御力によりダメージをシャットアウトして、
後は、麻痺→毒のコンボで、息絶えるのを待つ{/netabare}
などという鬼畜の所業w

それでも彼女が仲間と人気を集めるのは、
その愛嬌、ひとえに可愛いは正義の濫用と言う他ありませんw


周りの仲間もライバルも、
みなチョットずつ変ですがw心はピュアな良い人たちばかり。
PKして死体蹴りするような人格破綻者に遭う心配もなく、
視聴者もノーダメージで完走可能です。


【声優 4.0点】
主人公メイプル役は本渡 楓さん。
天然成分配合のポジティブモンスターを演じさせたら破壊力抜群ですw

メイプルをゲーム沼に引きずり込んだサリー役は野口 瑠璃子さん。
名のあるキャスト陣の中でも臆せず経験豊富なゲームプレイヤー役を好演。
今後、エンカウント率が上がりそうな若手声優さんです。

「がお~」と告知してくるドラぞう(CV.丹下 桜さん)や
CV.玄田 哲章さん等で編成された管理者たちなど、運営陣も鉄壁。


【音楽 4.5点】
OPは純情のアフィリア「究極アンバランス!」

如何にもMMOのCMなんかで流れてきそうな明るい曲調。

“胸騒ぎ次元転送 可能にするVR ゴーグルの向こうは
光に包まれ 飛び込んでくるアナザーワールド”

などと売り文句も決まる。
(こうして、また廃人が生まれていくのですねw)


EDは佐々木 李子さんの「Play the world」
こちらも明るいリズムで、一生懸命前に向かって歩いていくポジティブソング♪


劇伴は増田 太郎氏。
古き良きゲームミュージック風だけでなく、多彩な作風で愉快なゲームライフを演出。

運動会徒競走風の?ほのぼのBGM「あたふた突撃」をメイプル無双シーンに起用するなど、
音響でも、腹筋を攻撃してくるw

白眉は佐々木 李子さん歌唱の挿入歌「Good Night」
ボサノバ調の軽快なリズムに乗って、
経験値やポイントを積み上げる苦行をポジティブに転換する。
コツコツ行きたい時にチョイスしたい応援歌です♪


【感想】
ゲームクリエイターのインタビューなどを読むと、
狙い通りのプレイをしてくれるのも良いのですが、
制作者も思いも寄らなかったプレイをされて遊びの幅が広がった時こそ、
クリエイター冥利に尽きるんだ。
という主張をしばしば目にします。

実際のゲームでも、こんなん絶対誰もやらないだろうw
という隠し要素が必ずと言って良い程、仕込まれている物。

マニアがセオリーと決めたゲームプレイだけに硬直化したらジャンルは縮小するばかり。
クリエイターは常にプレイヤーの奇想天外なプレイによる
破壊と創造を待ちわびている。


だから、本作にてゲーム運営をもひっくり返すメイプルを
“大魔王”などと愚痴っている管理者たちも、
内心ではきっと、ゲームの新たな遊び方を開拓してくれて
嬉しくて堪らないんですよ。きっと!(←暴論w)


このVR-MMOが今後メイプルにどう玩具にされていくのか?
制作が決まった続編でも、しっかりと見届けたいと思います♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40

82.4 7 熱いで冒険なアニメランキング7位
マギ(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1686)
9792人が棚に入れました
秘宝が眠るとされる謎の遺跡「迷宮(ダンジョン)」が出現する不思議な大陸を旅している少年・アラジン。
彼は旅の中で出会ったアリババと共に秘宝を手にするため、「迷宮(ダンジョン)」攻略を目指す。
その中で生じる様々な出会いと別れを繰り返す中で、アラジンは自らの宿命を知ることになる。

声優・キャラクター
石原夏織、梶裕貴、戸松遥、小野大輔、木村良平、櫻井孝宏、細谷佳正、森久保祥太郎、堀江由衣、大久保瑠美、羽多野渉、杉田智和、藤原啓治、水樹奈々、瀬戸麻沙美、花澤香菜、小野賢章、福山潤、森川智之
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

惚れ惚れするほど陳腐な設定&シナリオの《ショタ萌え》人気作?

1-2期ともに25話で併せて50話もあり、放送終了後にはOVA(13話、事前譚)も制作された人気作なので、いつか面白くなるのかも?と淡い期待を抱いて見続けたのですが・・・第2期の第3-4話くらいで流石に集中力が途切れてしまい、あとはダラダラと「ながら見」になってしまいました。

作画は良いです、作画はね(天下のA1-pictures制作ですし)。
ただ、第1期の途中から思ったけど、世界観設定が余りにも適当過ぎる・・・
序盤に登場するキャラ名が、アラジン/アリババ/シンドバッドときたら、誰だって『アラビアン・ナイト』モチーフと思うじゃないですか、普通。
だから、きっとそういう世界観で、あの有名な『アラビアン・ナイト』の物語を本家取りしながらシナリオが進行していくのだろう、と期待して見ていったら、第4話から{netabare}モンゴルやら中国っぽいキャラ{/netabare}がどんどん出てきて、え????と思ってしまいました。

それでも第1期は我慢して何とかシナリオを追いましたが、第2期の途中から今度は{netabare}古代ギリシャ・ローマ風のキャラ{/netabare}がどんどん出てきて、ガッカリ。
『アラビアン・ナイト』の世界はせいぜいアラビア・シリア・ペルシャなど中近東からどれだけ広がっても北アフリカ~インド洋程度のはずで、古代中国や古代ギリシャ・ローマ風の設定を無造作に混入させては駄目でしょう・・・。

そしてシナリオも、アラジン/アリババ/シンドバッドそれぞれ元々の『アラビアン・ナイト』の物語との関連性が希薄過ぎる上に、作品タイトルの「マギ Magi」というのは『新約聖書』に登場する「東方の三賢者(三博士)」のことですが、ただ単に「{netabare}マギは3人いて王の選定者である{/netabare}」という表面的な設定を借りているだけで、それ以上のシナリオの捻りとか奥深さとかは全く感じ取れませんでした。

《まとめ》
ここまで批判的なことばかり書きましたが、それでも本作は私が気になるくらいの人気作だったということは、きっと単に私が本作のターゲット層ではなかった、ということでしょうし、そして、そのターゲット層というのは、多分、主人公アラジン少年の愛苦しさにキュンときた人たちだったのではないでしょうか?(※誰か詳しい人、教えて下さい)
あと、第2期から登場する某国のリーダーが、容姿的にも性格的にも『機動戦士ガンダムAGE』の敵側リーダー(イゼルカント様)に割と似ていると思うので、同作が好きな人は頑張ってそこまで見ると少し報われた気分になれるかも知れません。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      大高忍(『週刊少年サンデー』2009-2017年連載)
監督         舛成孝二
シリーズ構成     吉野弘幸
脚本         吉野弘幸、加藤陽一、柿村イサナ、横谷昌宏、花田十輝
キャラクターデザイン 赤井俊文
音楽         鷺巣詩郎
アニメーション制作  A-1 Pictures{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======= マギ The labyrinth of magic (第1期) (2012年10月-2013年3月) =====

 - - - - - - - - - - OP「V.I.P.」、ED「指望遠鏡」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第1夜 アラジンとアリババ ★ 二人の出遭い、奴隷の少女モルジアナ救出
第2夜 迷宮組曲 ☆ ダンジョン(第7迷宮)攻略開始、領主ジャミルの追跡
第3夜 創世の魔法使い ★ 迷宮の主アモン、マギ(王の選定者)、迷宮崩壊
第4夜 草原の民 ☆ 奴隷解放、黄牙一族のアラジン保護、煌帝国第一皇女・練白瑛軍の侵攻 ※シナリオやや微妙△
第5夜 迷宮攻略者 ★ 黄牙一族の降伏、ババ様の死、アラジンの練白瑛救助、精霊パイモン出現
第6夜 戦闘民族ファナリス ☆ モルジアナのバルバッド道中(盗賊、奴隷商人、アラジンとの再会) ※サーベルタイガーがいる世界なのか笑 
第7夜 その名はシンドバッド ★ 七海の覇王・シンドリア国王シンドバッドとの出遭い、海洋王国バルバット到着、義賊「霧の団」リーダー(カシム)と怪傑アリババ
第8夜 守れない約束 ☆ 半年ぶりの再会、アリババとカシムの過去(スアム育ち、バルバッド第三王子アリババ、カシムとの再会と裏切り)
第9夜 王子の責任 ★ 続き(国の乱れ、霧の団への参加)、カシムのホテル襲撃、アリババvs.シンドバッド、シンドバッドの提案、兄王との対面
第10夜 その名はジュダル ★ 交渉決裂、銀行屋マルキオ登場、もう一人のマギ(煌帝国神官ジュダル)、王候補アリババ、マギ同士の戦い(魔法戦)、ウーゴ暴走
第11夜 新たなる来訪者 ☆ 煌帝国第八皇女・練紅玉のジン軍団、副王サルマッドの告白(バルバッド王国疲弊の原因、愚王の国民奴隷化計画)
第12夜 決意と決別 ☆ 煌帝国の脅威増大、カシムの叛乱煽動の企て、アリババの単身王宮乗り込み{/netabare}

 - - - - - - - OP「瞬く星の下で」、ED「The Bravery」 - - - - - - -
{netabare}
第13夜 反逆の王子 ★ 煌帝国の像兵士vs.アリババ(アモンの剣)、モルジアナ加勢、兄王との対峙、副王サブマッド国王親衛隊制止
第14夜 アリババの答え ★ クーデター(国王廃位)、国王婚約者(練紅玉)との対峙(条約破棄交渉)、七海連合使節来訪・バルバッド加盟宣言、練紅玉帰国、アリババの王制廃止・民主共和制宣言、アラジン危篤?
第15夜 カシムの答え ★ カシムの煽動・民衆暴動勃発、ウーゴとの別れ、アリババvs.カシム、運命の逆流(黒き器の持ち主・カシム魔人化)
第16夜 ソロモンの知恵 ★ 暴力革命の意思をもった黒いジン、シンドバッドの助勢・アリババ奮闘、ジュダル再来襲、アラジン復活、ジンの錬成術
第17夜 笑顔 ★ カシムの憎悪、憎悪を煽る者、カシムの憎悪氷解(アリババとの別れ)、4人目の「ソロモンの智慧」を得たマギ、闇の組織アル・サーメン
第18夜 シンドリア王国 ☆ 南海の王国へ、蛇の噛み傷(アリババ)、八人将による修行開始 ※ここから新展開
第19夜 ホシの名はシンドバッド ☆ バルバッド先王のナイフ、煌帝国第四皇子(練白龍)&第八皇女(練紅玉)来駕、皇子の留学と目的
第20夜 王子と皇子 ☆ アリババの異変、死の呪縛(シンドバッド)、第61迷宮へ、トランの民
第21夜 迷宮ザガン ☆ 人間嫌いのジン、白龍の抱える問題、アラジンと白龍の握手
第22夜 炎の眷属 ☆ ジュダルのシンドリア侵入、モルジアナの金属器初使用、アル・サーメン幹部イスナーン来襲
第23夜 鬨の声 ☆ 亡国ムスタシム王女ドゥニア魔人化、闇の全身魔装、闇の軍勢シンドリア侵攻
第24夜 堕転 ☆ イサーク消滅、全身魔装ドゥニア撃破、アラジン闇落ち
第25夜 アリババとアラジン ☆ 精霊サガン召喚(練白龍)、アラジン回復、ドゥニア浄化、闇の軍団撃退、イスナーン浄化{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)11、☆(並回)14、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5


======= マギ The kingdom of magic (第2期) (2013年10月-2014年3月) =====

 - - - - - - - - OP「ANNIVERSARY」、ED「エデン」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 旅立ちの予感 ☆ 戦勝祝い、ドゥニア王女の一時回復と危機、アラジンの決意(マグノシュタット行き)
第2話 旅立ち ☆ ドゥニア死亡、
第3話 出航 ☆ アラジン/モルジアナ/錬王龍の出航、アリババ合流、海賊来襲
第4話 海賊 ☆ オームマドーラ、海賊の島
第5話 母 ☆ ※ここで視聴時の集中力が途切れてしまったので以降は☆評価のみ
第6話 優しい人 ☆
第7話 練紅覇登場 ☆
第8話 特訓の日々 ☆
第9話 レーム帝国 ☆
第10話 最高司祭 ☆
第11話 大峡谷 ☆
第12話 新たなる皇帝 ☆ 煌帝国の新帝
第13話 ティトス・アレキウス ☆{/netabare}

 - - - - - - OP「光-HIKARI-」、ED「With You/With Me」 - - - - - -
{netabare}
第14話 隠された民 ☆ ※ガンダムAGEみたいな展開(モガメットはイゼルカント様か?)
第15話 魔導士の国 ☆
第16話 残された命 ☆
第17話 宣戦布告 ☆ 
第18話 レームの脅威 ★ マグノシュタットのレーム帝国への開戦
第19話 本物のマギ ☆ ※ようやく第1話冒頭につながる
第20話 再会 ★ ファナリス兵団団長ムー・アレキウスの魔装(バルバトス)、アラジンとアリババの再会、シェヘラザードとの洋上会見、煌帝国軍出現
第21話 王の器 ☆ モガメット堕転
第22話 守りたいもの ☆
第23話 魔装戦士たち ☆
第24話 滅亡の時 ☆
第25話 おかえりなさい ☆{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 × 3.4


============ マギ シンドバッドの冒険 (OVA) (2016年4-6月) ===========
{netabare}
第1話 運命の子
第2話 船乗りシンドバッド
第3話 迷宮バアル
第4話 ひとつめの海
第5話 王の資質
第6話 居場所
第7話 商人シンドバッド
第8話 眷属器
第9話 清浄の地ササン
第10話 世界を変える力
第11話 天空都市アルテミュラ
第12話 魔装vs魔装
第13話 マギ{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ※未視聴

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

ほーきんす♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【ネタバレ有】 「“鋼錬”以来の王道ダークファンタジー!」

 
 タイトル通り、“鋼錬”以来の「王道ダークファンタジー」である。

 アニメの評価というと、どうしても“いかにもアニメ”というような作品が高評価になりがちだが(というよりは、ジャンプ系の作品が、アニメ好きと原作派の両方から、低い評価を受けやすい傾向にある…)、はっきり言って、この作品は正しく評価されておらず、もし評価の低さでこのアニメを観るのをさけている人がいるのなら、ぜひ観たほうがいい作品である。
 このまま順調にいけば、ダークファンタジーという意味では、前述の「鋼錬」、王道という意味では、歴代のジャンプ系作品と肩を並べる作品になる可能性のある、かなり期待できる作品である。(アニメとしてではなく、アニメも含めた「マギ」がという意味)


 アニメはまだ、原作(漫画)の一部にすぎないが、それでも十分なほど、いい意味で濃い25話だった。(実際は、もうすでに2期(マグノシュタット編)が始まっている)
 
 特にストーリーが良い作品であり、バトルシーンから泣けるシーンまでうまく表現出来ていて、メインストーリーの完成度はかなり高い。
 
 「バルバッド編」は、マギ(第1期)の一番の見せ場であると同時に、今後のアリババ達の行動や考え方に大きな影響を及ぼす重要なストーリー。
 特に第17話はいい意味で卑怯で、カシムの(本当の意味での)死のシーンから、泣いているアリババやバルバッド国民の前に、死んだ人たち(のルフ)が現れるシーンは、一滴どころか線レベルで泣けた。
 正直、ジンと化したカシムの中で、アリババが、死へと向かうカシムの背中を追うところまでは、読者(視聴者)を泣かそうとしているのが見え見えで、逆に泣けないなと思っていたが、カシムが振り向いて、過去のシーンと同様に「俺たち友達だよな」的なことを言う(実際は言わずに微笑むだけであり、アリババには伝わる)シーンあたりからは、ギアが入ったかのごとく泣けた。(特に、ルフとなったカシムがマリアムと手をつないで、少し照れ笑いのような笑みを浮かべるあの顔は、もはや卑怯である(涙))

 
 まだ何とも言えないが、おそらくは(鋼錬と同様)ダークファンタジー系になるだろうストーリーは、バトルシーンや感動的な「別れ」「死」をうまく表現出来やすい設定なので、個人的にはかなり期待できると思う。


 作画も非常に良く、マギの世界観や色味をうまく表現出来ている。また、キャラが非常に多いのがこの作品の特徴でもあるが、このキャラクター達が良い!各キャラクター達は個性が良く強調されており、服装や色もうまく差別化できている。
 また、「各キャラクターにそれぞれファンがいる」という良いアニメの象徴でもある条件をクリアしていると思う。


 音楽は、まず、最初のOPであるシドの「V.I.P」がとても良い。初めて聞いた瞬間、「来たな!」と思える(=このアニメに合っていると思える)曲はあまり多くないが、この曲はまさにそう思えた。
 久しぶりのポルノもOP1ほどではないにしろ良かったし、ED2は安定のsupercellで非常に良く、EDの絵(キャラごとの静止画)(特に練紅玉(れんこうぎょく))は、保存ものである。


 だが、この作品は原作ともどもまだ現在進行中(=未完成)であり、今後にかなり期待できる作品であると思う!


(ここが大事!)アニメか原作を一通り見た人は、ぜひ、ニコ動で行われた「冬の謝肉宴」の7日目の作品を見て欲しい。「マギ」好きなら涙を流さずにはいられないと思う。


(後述)
(ここから先は原作派の人には申し訳ないが、少し原作批判的要素も含まれるので読まなくていい)
 
 もし原作(漫画)もアニメもまだ見ていない人で、このレビューを見てから、この作品を観よう(読もう)としている人がいたら、アニメを(先に)観ることをオススメしたいと思う。(ちなみに、漫画とアニメで大きく設定が異なっているということはない。)
 “先に”と( )でつけ加えたのは、(原作派の人たちに批判されそうだが…)、正直、漫画は(バルバッド編のあたりまでは)細かい設定が良くない(この作品は、物語重視の作品であるのだから、細かい設定にまでこだわってほしい)と思うからである。

 例えば、迷宮攻略するまでのアリババの性格・考え方は、アニメのような、弱さや臆病さはありながらも、他人のために命を懸けることが出来る、本当の意味での「勇気ある人」(byアラジン)のようなかんじではない。むしろ、(友達になるまでは)自分のために他人を利用してやろうとする、卑怯で(アニメでは自虐的に言うが、漫画では本当に卑怯なやつである)私利私欲のかたまりのような男であり、こんな考え方の男が、たとえ事情を知ったからと言って、バルバッド編で急に、国を変えるため、スラムの民のために何もかも投げうって戦うような人になる、というのは急すぎて違和感を感じてならない。

 他にも、初めのころは、ウーゴ君を戦闘で使うときには、アラジンがウーゴ君と同じ動きをして戦うというのも、はっきり言っていらない設定だと思うし、
 特に一番いらないと思ったのは、アモンの中での設定である。最初の、「正しい道を探す」くだりも、1万人もの人が命を落としたダンジョンなのだから、中途半端に頭を使わないといけない問題のようなものはいらない。(やるのならその他のダンジョンでも、頭が必要なくだりを出すとか工夫しないと、何故ここだけ?となる)。また、正しい道の見つけ方が、“偶然落ちた穴の底の、罠をかわした横にある抜け道”とか、実力でもなんでもない感じが、何故そんな設定にした?と疑問を感じずにはいられない…。

 ほかにもアニメの扉の開け方(右手のマークが2つ=一人で来ても先へは進めない)のほうが、「マギとマギに選ばれた王」の始まりにふさわしい、いかにもな設定だと思うのに、漫画では手形はなく、アラジンだけが扉の開け方を知っている(という、マギなしではクリアできそうにもないよく分からない設定になっている)。

 …など、原作にはいらない設定が多すぎるため、アニメのほうがすっきりと違和感なく観ることができ、アラジンがアリババを選んだのにも納得できる。

 (終)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんという鬼畜少年

アラビアンナイトの少年漫画化ってありそうでなかった気もする、ネタは豊富そうなので面白そう。
アラビアンナイトの世界観って結構殺伐としてて、なんでもありな感じだから、
ある意味スカッとしそうな展開が期待できるかも? 名前はまんまだな。

----------------------------------1クール感想----------------------------------
-1話- 序章
聞いた様子だと、アラジンさんがおかしいところはだいたい原作改変らしい。
もともとモルジアナさんは最初からでてこないらしく、主要キャラ紹介に無理やり登場させた結果のよう。

-2話観て- ダンジョン攻略編~
まぁベタだなぁ。最近個性あるの観すぎたせいか感想がそんなにでてこない。
ピンチだドーン!見せ場ドーン!ってやってた感じでなんとなく単調だった。
話自体はあんまり進んでないし、続き気になる終わりだったけど次週に持ち越したらそれも半減しそう。

-3話観て-
アリババくんのアクションは良かったなぁ。アラジンさんは完璧に女の子でした。

-5話観て- 白瑛さん
{netabare} 白瑛さんの見せ場な回でした。「武力ではなく、理想と志こそが人の心を掴むもの」
といった考えはなかなかかっこいいなあと思っていた矢先に、敵襲撃 持ち出す金属器ッ
結局武力かよ!と矛盾を感じつつも、まぁ力あってこその言葉なんだろうなぁと言い聞かせた次の瞬間
負けるのかよ!! その流れで負けてしまうなら綺麗も汚いもなく呂斎さんに軍配をあげたいのですが。
そこへどちらかといえば中立のアラジンさんがいきなりかけつけて全員焼き飛ばす やはり鬼畜だった。
それいいの?!
呂斎さんはあれだけの兵を付き従わせて、金属器というチートに対しての戦術的勝利だったというに。
相手の性格を織り込んで矢を放たせる機転も素晴らしい。
そりゃ倒されてスカッとするやつだったけど、なんだろうこのモヤモヤ感は……呂斎ェ……。

白瑛さんはマギ=王を導く者?じゃなくて王の器?なの?
金属器もってるやつがマギってわけじゃないのか、マギと王の資質持った者の差がよくわからん……{/netabare}

-6ー話- 盗賊砦編
なんだろう、これ冒険・少年漫画枠だと思ってたのにギャグ寄りに思えてきたww
{netabare} ゴルさんが突如でてきてあなたそんな喋ってなかったでしょうに語り始めたり、
アラジンさん捕まってたり、極めつけにもっさんで吹いたwww妙に笑えるゴリ押し感がある……。
話自体は力こそ全て!なだけだったし、熱いというよりテラチートwwwな感想の方がでてきてまう。 {/netabare}

-7,8話- バルバッド編~
モルさんいいキャラだ……。最近やっとこれ安定して楽しみになってきた気がする。
善悪の掴めない衝突や、力の振るい方、その辺が先の読めない展開になってきて一層面白い!

-10話-
すごい無邪気にゲームで遊ぼうとしたら、あまりに上手さに差がありすぎて
温度差が発生し、リアル顔面パンチくらったみたいな展開だった。

----------------------------------2クール感想----------------------------------
OPは憧れをいまああああああのやつみたいな盛り上がりには欠けるけど、けっこう耳に残る曲かも。

-16話-
あるぇ・・最近面白かったのにバトルシーンちょっとだめだなこれww
魔装がでたり消えたりしてるのとこがギャグすぎる・・。
{netabare} 迷いやら躊躇やら溜めに溜めこんだぐだぐだっぷりをどう乗り切るのかと思っていたら、
またどんな状況でもアラジンさんがきてチートパワー発揮してパーンじゃねえかよおお
カシムの決意やらアリババくんやモルさん他の頑張りは何だったのかというほど
蚊帳の外からきたジュダルとアラジンさんのバランスブレイカー展開、これぞ鬼畜の所業。 {/netabare}
モルさん主人公にしようず。

-17話- バルバッド編終結! シンドリア編へ~
八人将集結!これは王道ファンタジーらしく面白くなってきた!イイ国ダナーシンドリア、ここ住みたい。
マギのサブキャラクターは結構魅力的だと思うので、これから新展開期待できそうだ!

-19話-
今回面白すぎわろたwwww マギ観てて一番面白く感じた。
変な調子のBGMと妙にシリアスな心象風景やら八人将リアクションやらネタの密度が濃くて、
今までシリアスが多かったせいもあってか不意打ちで笑った。紅玉ちゃん面白い子だわぁ

-24話-
ヤンデレドゥニヤちゃんが可愛くて、黒騎士イサアクが格好良かった。
そしてアリババさんの戦い方もやっぱこれがいい!

-25話 最終話-
話はちょっとむりやりまとめた感があるけど、作画も演出も良かったな。
光と闇が両方そなわり最強に見えるシンさん。

話としてはまだ続くって感じなので2期あればまた。少年漫画アニメとしてはなかなか良かったと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

83.6 8 熱いで冒険なアニメランキング8位
GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 炎龍編(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (1243)
7509人が棚に入れました
異世界戦争勃発!陸上自衛隊員達の運命は――? 20XX年、突如として東京銀座に「異世界への門(ゲート)」が開かれた。中からあふれ出た「異世界」の軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと調査に赴く。第三偵察隊の指揮を任されたオタク自衛官の伊丹耀司二等陸尉は、巨大な炎龍に襲われる村人たちを助けたことで、エルフや魔導師、亜神ら異世界の美少女達と奇妙な交流を持つことになるが……。

声優・キャラクター
諏訪部順一、金元寿子、東山奈央、種田梨沙、戸松遥、日笠陽子、内田真礼、安元洋貴、石川界人
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

レレイにまた会えてうれしい

原作はコミック版は既刊の第8巻迄、小説版は本伝全5巻は読了済です。

<2015年の夏クールにスタートしたアニメ、GATE>
原作小説の本伝全5巻のうち
2巻目途中までの描写で1クール12話までで一旦終了。

そして、しばらく間を置き、後半の2クール目スタート。
(あえて2期ではなく、2クール目とするのは、今作は、
はじめから分割2クール全24話として構成されて制作されたため)

2クール目は炎龍編~動乱編の物語。
原作小説3巻目までアニメは描かれました。
全体の流れは割と原作に忠実。
その影響で後半は、群像劇の色合いが濃厚になりましたね。

そのため正直、個人的に1クール目ほどには盛り上がれませんでした。
主人公、伊丹とメインの3人のヒロインたちの存在感が
希薄になる話が続いたりしましたから。

アニメで一番好きなキャラになったのはレレイでした。
そのため、彼女がほとんど出てこない回では、
欲求不満のストレスが溜まりました。

また群像劇としては、尺の問題もあり仕方のないこととは言え、
キャラ描写の大幅な簡略化が多かったのが不満です。

コミック版も含め原作で面白いと思えた部分のカットも散見、
単なるイベントの羅列で、ダイジェストを観ている気分になることも多々あり。
結果、特に19話以降に散漫な印象が強い。

そのため物語評価は、前半12話分までは4.5に対し、
後半12話分は4.0に下がりました。

キャラ評価も、キャラ自体は立ってて魅力あるけど
描写不足で魅力を十分引き出していたとは思えないので
視聴終了後に5.0→4.0で最終更新しました。

とは言え、最終回はとてもいいと思えました。
終わりよければすべて良し。
結果的には、お気に入り作品のひとつとなりました。
原作尊重の姿勢が好ましいラストでしたね。

<ぜひ第2期作って欲しい!!>

最終話までずっと、続編につながるフラグが立ち続きました。
大人の事情で制作が途絶えれることのないよう祈るのみです。

細かいことは、以下の各話レビューで記載します。


以下は、視聴開始の頃の投稿のアーカイブのためタグで閉じます。
{netabare}
分割され、3か月の休止期間があったため誤解を招きやすいですが、
これは第2期ではないでしょう。第1期の2クール目と思われます。
従って初回は、第1話でなく第13話です。

2クール目も京極監督と脚本の浦畑達彦さんはさすがに上手い。
特に、「ラブライブ」の監督さんが仕切ってるだけあって
萌ポイントは決して外さない印象で、相変わらずとても面白いです。

<原作の広範囲な内容をアニメ化>
ところで、BD/DVDの発売予定で判明しました。
この作品は分割2クール全24話ですが、
以下のような構成になってるよう。

・接触編:第01話~第10話
・炎龍編:第11話~第18話
・動乱編:第19話~第24話

てっきり炎龍編の締めが第24話だと思い込んでいました。
ふたを開けたら動乱編まで描くことになっていてとても意外。
どうまとめ、どう締めくくるんでしょうか?
非常に興味深いところです。

アニメの17話までは、ほぼコミック版の第7巻迄を基に
構成されていたように見受けられました。
しかし18話からは、小説版の本伝が基になっていると思われます。

<音楽>
新OP「GATE II 〜世界を超えて〜」
作詞・作曲:岸田 / 編曲・歌:岸田教団&THE明星ロケッツ

新ED「いつだってコミュニケーション」
作詞・作曲・編曲:山田高弘
歌:テュカ&レレイ&ロゥリィ(金元寿子&東山奈央&種田梨沙)

共にとても好み。

特に自分は、ロック大好きなので
岸田教団&THE明星ロケッツのロック魂が最高!!
音楽評価はこの1曲だけで、もう満点。
画も見事に嵌っててカッコいい!!

OP最後の集合写真で、栗林だけ接写ドアップなのも
彼女らしさが出てて上手いレイアウトだと思います。

EDは、自衛隊の一日入隊体験のスナップと思しき
隊員服着た3人のメインヒロインに釘づけ!
{/netabare}

以下は、かなりネタバレあります。
未視聴の方は読まないほうがいいでしょう。

<各話レビュー>
★ 第13話「開宴」{netabare}
コミック第4巻:第29話「講和への第一歩」、第30話「驕傲の皇子」
第31話「地揺れの夜」より(第4巻終了)

1クール目最終第12話は、
コミック第4巻第28話「絶望のヤオ」で締めくくられました。

2クール目も、今のところはコミックの流れに忠実。

貴族の令嬢シェリーをツインテールにして、
コミックより少女の可愛さを引き出した点、
小説版本編は未登場、コミック版では
ほとんどモブのミューティを
魅力あるキャラに昇格させた点など、
いい感触ばかりの2クール目のスタートでした。

○ンコ頭の伊丹とか、
ヤオがミューティと居酒屋で酒を飲み交わすシーンとか、
ほのぼのするアニメオリジナルの遊び心も、とても好い。

今回、キャラデザは違えど
言動は、ほぼ原作同様で存在感あった
天使の羽をもつ娼婦ミザリィも、
今後どう描かれるかちょっと楽しみ。

残念だったのは、
メイン3人のヒロインは
今回ほとんど出番なかったことくらい。
コミック版の流れを尊重するためでしょう。
でも、その不満はEDの彼女たちで一瞬で吹き飛びました。

次回、コミック第5巻の物語に突入。
今のところコミック原作すべての伊丹の行動の中で
個人的に一番好きなシーンが観られそうで楽しみです。
そこは栗林にも注目!
{/netabare}
★ 第14話「帝都激震」{netabare}
コミック第5巻:第32話「帝国の心臓」、第33話「栗林乱舞」
第34話「震える日」、第35話「賢愚の皇子達」より

地震により、裸足で着の身着のまま
外に飛び出したピニャが可愛すぎる!
伊丹を頼りにする乙女度マックスの彼女に萌えました~。

ここでの地震が、伊丹たちの皇帝謁見のきっかけとなりました。
(実は帝国での史上初めての地震は、炎龍編以降の物語の重要な伏線でもあります)

<ゾルザルと伊丹たちの邂逅>
「栗林君、しゃべりたくなるようにしてあげなさい 殺しちゃだめよ」(コミックでの伊丹の台詞)

栗林「やる気のない玉無しは武器を捨てなさい!」(コミック)
⇒「やる気がないなら武器を捨てなさい!」(アニメ)

アニメでは、望月紀子の存在そのものが
カットされるかもと少し危惧していたので
少しマイルドにはなってますが、
ちゃんと再現してくれてうれしい。

コミックでは、アニメ以上に紀子が悲惨に描かれいて
このシーンでは、ゾルザルが最高に忌むべき存在に思えたものです。

その上での伊丹の男らしい振る舞いと栗林無双。
アニメでもスカッとしました。

今回のF-4ファントムの作画も、力入ってて素晴らしい!

さて、今回もメインヒロインの3人の出番はほとんどなし。
しかし次回、テュカに赤信号が…。
{/netabare}
★ 第15話「テュカ・ルナ・マルソー」{netabare}
コミック第5巻:第35話「賢愚の皇子達」、第36話「紀子の帰還」
第37話「テュカの瞳」、コミック第6巻:第38話「任務放棄」より

かなり原作をアレンジして話を詰め込んでいましたが
とても素晴らしい演出だったと思います。
伊丹と同じ気持ちになって、
なんとかテュカを救いたいと思えました。
概ね満足です。

<悲しみのエルフ>
3人のメインヒロインの筆頭なのに、今までほとんど見せ場のなかったテュカ。

今回、テュカ役の金元寿子さんにとっては、
今迄では最も出番が多く、やりがいのある回だったのではないでしょうか。

今回、コミックと比べて、伊丹たちを取り巻くキャラを
必要最低限まで減らしたことが、テュカと伊丹の物語性を深めていたと思います。
デリラが出てこなかったのはちょっと寂しかったですが…。

雑味を減らし、スポットライトの当て方が巧みだったので、
伊丹たちが、非常に困難な炎龍討伐に向けて覚悟を決め、旅立つ流れが、
1話分という短い尺ながらも自然なものに感じられた。

伊丹の背中を押すことになった、エルベ藩王国のデュラン王との
初対面のシーンもなかなか味わい深く好かったです。

<伊丹のトラウマ>
残念だったのは、伊丹の学生時代の回想。
中途半端な描き方で原作未読だと解り辛いかもしれません。

アニメでは、もうあれ以上は描写しない可能性があるので
ネタバレというより、補足のつもりで書かせてもらうと…

伊丹の父親は、伊丹が中学の頃、
家庭内暴力が原因で妻である伊丹の母親に刺殺されます。

法廷では正当防衛が認められ無罪になったものの、
母は自責の念や罪悪感のあまり精神を病んでしまう。

病は改善されることはないまま母子家庭となった伊丹家。
伊丹の高校時代、アニメでも描かれたあの失言で
彼の母はついに精神崩壊。
彼は母の焼身自殺未遂の現場を見ることになってしまう。

アニメでは、焼身自殺までは触れられていない。
また、20年前ということになっていたので、
中学時代に既に母の精神崩壊を起こしたことに
設定変更したように見受けられます。

母は現在、措置入院として精神病院に入院中。
(措置入院とは、入院させなければ自傷他害のおそれがある場合について、
これを都道府県知事の権限と責任において強制入院させること。)

家庭内暴力と自分が母親を極限の精神状態に追い込んでしまった、というトラウマ…
私が伊丹というキャラに魅力を感じられるのは、そんな設定があるから。

重い過去があるからこそ、他人に本当に優しい大人の男、伊丹耀司。
この設定は、今迄と今回の伊丹の行動原理を察することができます。

理不尽な暴力には、立場を忘れるほどに許せず思わず手が出てしまうような彼。

自分を家族として慕ってくれる心を病んだテュカを、任務放棄してまでも救おうとする彼。

一身上の都合で部下を死地に追いやることは絶対にしたくない彼。

彼を慕う異性が多いにも関わらず、踏み込んだ関係を自ら積極的には出来ない彼。

ならば、現実から離れた、夢とロマン溢れるオタクの世界という
安らぎの場が彼にとって必要不可欠なのも理解できます。

単なるモテモテのラッキーなオタク、という設定だけだったら
それほど魅力を感じられないキャラだったかもしれません。

もしかすると、苦労した大人で、人の痛みがよく解るキャラだから
イタミという名前が与えられたかもしれませんね。

次回、いよいよメインキャラたちによる本筋スタート。
炎龍編は、事前の分類上、第18話までらしいので残り3話で決着つけるのかな?
{/netabare}
★ 第16話「炎龍再び」{netabare}
コミック第6巻:第39話「デリラの決断」、第40話「自衛隊、動く」
第41話「ダークエルフの谷」より(第6巻終了)

動乱編のための伏線も織り込んでの炎龍バトル第二弾の巻

前回でも感じましたが、原作のまとめ方に関しては、
コミックと比べてしまうとどうしても薄味な印象が拭えません。
尺の問題からやむを得ないんですけど…。

でも構成力は素晴らしい。

魅せ所のポイントを決して外さないので30分はあっという間。

作画に力入っていてた炎龍のシーンは非常に迫力ありました。
炎龍、ロウリィ、ファントムの真に迫る躍動感が見事です。

ゴジラのような下半身デブな炎龍。
そんなキャラデザが効を奏し、地上に降り立った時の威圧感も圧倒的。
ドラゴンというより、まさに怪獣です。

今回で、作画評価を満点で更新しました。
{/netabare}
★ 第17話「決戦」{netabare}
コミック第7巻:第42話「龍の巣」、第43話「死闘」
第44話「炎龍墜つ」、第45話「冥王の使徒」より(第7巻了)

炎龍バトル第三弾にして決着。
今回、第7巻の内容を駆け足で一気に消化しました。
せめて2回に分けて丁寧に描いて欲しかった所です。

一番残念に思ったのは、尊い犠牲者になったダークエルフの援軍が
人物描写がごっそりカットされ、ほとんどモブ化してしまったこと。

その変わり前回同様、作画が非常に素晴らしく、
バトルのテンポも良く、目が離せないほど観応えありました。
おかげで、いろいろ簡略化されてる割には意外と濃厚な印象が残りました。

<死ね!くそったれのトカゲ野郎>
レレイのキャラが一瞬だけ別人になるクライマックス。
実はこの台詞、原作の中でも非常にインパクトあったので
これを聞くのがちょっとした楽しみでした。
アニメで再現してくれてうれしかった。
ただ、もうちょっと感情を押し殺した方が好かったかな。

今回と前回、原作からのカットが多く展開が駆け足すぎて
興ざめした部分も多々あったので、今回で物語は5.0→4.0に評価下げました。
{/netabare}
★ 第18話「魔法都市ロンデル」{netabare}

<伊丹の運の強さと彼のハーレム絶好調!>
炎龍討伐を果たし、無事アルヌスへ帰還した伊丹たち。
伊丹は、任務放棄を冒したため隊長職は解かれ、2週間の停職処分となった。
反面、日本人拉致被害者救出の功績も認められ防衛大臣から一級賞詞も与えられる。
さらには、炎龍駆除の功績によりエルベ藩国、ダークエルフの部族などから感謝され
様々な形での報酬を得ることになった。

停職解除後は単独での資源状況調査を命じられる。
特地を好き勝手に移動して資源を探すという自由な役割。
現地協力者として、レレイ、ロウリィ、テュカ、ヤオも雇うことが認められて同行可能。

さっそくヒロイン4人を引き連れ、
導師号を目指すレレイの学会発表のついでもあって魔法都市ロンデルに向かう。
そこでは、レレイの物騒な姉と遭遇、ひと悶着起こすことになる。

一方、炎龍討伐はあらたな波紋を呼ぶ。
ゾルザルとテューレによる陰謀がうずまき、きな臭さの増す特地であった…。


OP前のアバンタイトルまでが炎龍編で、それ以降は動乱編。

今回と、次回も予定のロンデルでのレレイの姉のアルペジオとのエピソードは、
原作コミック第8巻では描かれていませんでした。

アニメは、この回含めあと残り7話分。
アニメで未消化のコミック版の残りは、2016年2月現在、第8巻+α(未出版分)しかないので、
ここからはオリジナル小説(本伝、外伝)の素材から限られた話数で構成していくのでしょう。

実は小説に忠実なら、動乱編だけでは、ゾルザルとテューレとの決着はまだつきません。

最終回を一体どう締めくくるのか。
動乱編以降のアニメ化未定でのオンエア中の今、
アニメがいろいろ宙ぶらりんで終わってしまう可能性もあります。

もし二期実現の目処が立っていないのなら、
アニメオリジナル展開でも構わないので上手くまとめて欲しいところです。
期待半分、不安半分で最後まで見守りたいと思います。

原作と比べてしまうと構成や演出に不満はありますが、
アニメでのメインの3人のヒロインや、ピニャ、シュリーは原作以上に可愛い。
また、前回初登場のジゼルなど、他の多くのキャラも魅力あるので観てて楽しい。
炎龍も素晴らしかったので、今回でキャラ評価を4.5→5.0に引き上げました。

今期中に、ロウリィの苦手とする冥府の王ハーディ神も登場しそうですね。
とりあえず次回、壮絶な姉妹バトルが観られそうで楽しみです。
{/netabare}
★ 第19話「危険な姉妹」{netabare}

現状は、ゾルザル主戦派vsピニャ講和派&日本、伊丹一行vs笛吹男の
二つのドラマが同時並行で描かれています。


テューレの暗躍により毒を盛られ意識不明となった皇帝。

この機に乗じ、クーデターを起こした主戦派ゾルザル。
彼は、帝国内の日本との講和派を弾圧、政治の中枢から排除することで元老院を掌握。
実権を手中に収め意のままに国を動かそうとする。

その状況でなす術もない講和派の皇女ピニャは孤立。
現状を憂い、唯一頼りな次兄ディアボに助力を求めるが彼は首都から逃げ出し途方に暮れる。

また、レレイは炎龍退治の英雄としてプロパガンダにその名を利用された。
そして、テューレは笛吹男(バイパー)を雇い英雄レレイを亡き者にしようとする。
笛吹男とは、人心掌握巧みに暗躍し、自ら手を汚さずターゲットを仕留める狡猾で超一流の暗殺者。

一方、ロンデルでは、街中でのはた迷惑なレレイvsアルペジオの喧嘩が始まる。
レレイ初登場時、カトー老師から「どうせのっかるならボン、キュ、ボンのレレイの姉」
と言われたほど容姿の成熟度はアルペジオが勝る。
しかし、8歳年下にも関わらずそれ以外は何事も敵わない妹に対する長年のコンプレックスがあった。
つにその確執が、姉を差し置き導師号に挑む妹との再会で爆発、火がついてしまった。
そのどさくさに紛れ、笛吹男の差し向けた魔の手がレレイに及ぶが……。

ゾルザルとテューレを中心に、情勢はあらたな動乱を生み出そうとしている。


バトルシーンは今作の最も得意とするところ。
姉妹喧嘩のシーンは流石でした。
レレイ1番大好きの私としては今回は大満足!
{/netabare}
★ 第20話「こいびと」{netabare}

12歳の令嬢シェリーに降りかかる突然の悲劇。
そこで明らかにされる彼女の運の強さと天才的な駆け引きの才能。
彼女の必死の行動は、結果的に戦争への引き金になってしまったようだ。
しかし、彼女は将来的に日本と帝国の外交上の重要なキーパーソンになっていくかも。

今回は、伊丹一行の出番は冒頭のみ。
まるで伊丹に感化されたかのような外務省官僚の菅原の男らしさが光る話でした。

今回は、1話の中で描くべき人物を絞り込んだ構成が効を奏し、
原作のいい部分をうまく再現していてとてもいい出来だったと思います。
{/netabare}
★ 第21話「デッドライン」{netabare}

前回同様、コメディ要素がほとんどなしのシリアス回。
いろいろなキャラの思惑が複雑に絡み合い展開する人間ドラマ。
特に今回は、描くメインキャラが明確だった前回と対照的に
群像劇の色合いが濃厚でした。

今回は、政治、利権、復讐などをめぐる人間の醜さ、愚かさをクローズアップ。
暗愚なゾルザルや、保身に余念のない森田首相、偏見だらけのジャーナリストなど、不快に感じるキャラでお腹一杯。
フィクションでも妙にリアルな生々しさ。
萌えや癒しを重視するアニメファンの一部の方々にとっては賛否両論ありそう。

しかし、伊丹や菅原を温かく見守り、必要とあれば
しっかりフォローしてくれそうな有能上司、権力者キャラ、
嘉納外務大臣や白百合副大臣、狭間陸将などが、
地味ながらも頼もしい存在に描かれたのが今回の救いですね。

次回、いよいよゾルザル派に対し自衛隊の実力行使が見られそうな予感。
今回再登場のニュースレポーターの栗林妹も活躍の場があるのかな?
{/netabare}
★ 第22話「奴隷服を着た皇女」{netabare}

相変わらず笛吹男に振り回される伊丹一行、攻防に疲弊した薔薇騎士団。
そしてとうとうピニャ殿下も囚われの身に。

話しの引きはとても上手い脚本だと思います。

19話~今22話に亘って、レレイのバトルシーンと菅原の決断以外は
カタルシスがなく、ストレスの鬱積もマックス。
今回のラストでようやく自衛隊と伊丹一行が帝都に向かい動き出した。

原作改変により残り2話でゾルザルとテューレの決着を前倒しにして一応の決着をもたらすのか?
それとも、原作通りに「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまうのか?

個人的には『アルスラーン戦記』ように
「俺戦」で終わって1年以内に二期が欲しいところ。

・今迄が細かいところは別として大筋上は本伝の原作に忠実だった。
・一期は全24話で動乱編迄と明確に描く範囲を限定してる。

以上から個人的に、残りの総撃編・冥門編も作ろうという、
制作者の意志を感じ取れるのが今のところの救いです。

ロウリィの口からよく名前の出されたハーディとの絡みもまだだし、
ゲートの謎にまつわる伏線も回収出来てない。

原作付のアニメでは、原作ファンはどうしても期待値上がってしまう。

もし残り2話に、話を詰め込みすぎたり、
続編望み薄な無難な最終話で締めくくるようでは、
観終わった後にアニメの物語評価は下げざるを得ないでしょう。
{/netabare}
★ 第23話「空挺降下」{netabare}

無駄のない作戦行動を実行し、戦果を上げる自衛隊は頼もしい限りです。
これをご覧の自衛官の皆さんは、ご自身の職に誇りと自信を持たれることでしょう。
日々の国防の任、ご苦労様です。

ただ、自衛隊をせっかく取材できたんだからと
あれもこれも入れよう的な欲張りな脚本と演出だった気がして
今回は、ちょっとしらける部分がありました。
伊丹一行が帝都に到着間に合わずパッとしなかったこともあり
丁寧すぎる自衛隊描写に広報アニメ臭が若干漂う。

一番気になったのは、空挺部隊の降下時の機上のシーン、
特に、機上でお礼を言う件などアニメで描く必要なかったと思います。
自衛隊を格好よく描こうとすること自体はいいんですが
リアルとファンタジーの配分を間違えると、
ふと我に返って話に没入できなくなります。

次回はとうとう最終話。

伊丹たちの活躍をビシッと決めて
上手くまとめて欲しいところです。
最終話こそ、伊丹やヒロインたちの活躍を期待します。
{/netabare}
★ 第24話(最終話)「斯く戦えり」{netabare}

22,23話としばらく不満が続いたものの
最終話は、かなり楽しめて今迄の不満もどこかに消えました。

実は、原作(動乱編)と同じような締めくくり方だと
面白くないだろうと思っていて、最終話はちょっと不安でした。

<ロウリィ、レレイ、テュカと伊丹のパーティがメインでこそ面白い>
大好きなレレイの見せ場もしっかりあったのもポイント高い。
国境超えたカップル4組成立と、明確に描写したのもよかった。
続編あればボーゼズの愛娘、舞ちゃんにも会えるかも。
状況は殺伐としたままなのに、ちょっと和ませてくれてひと安心。

しかも、1話の冒頭と同じ状況+ヒロイン3人で締めくくるとは…
上手い締め括り方ですね。

梨紗の思わぬ登場もいい。
ヒロインたちがいつもの衣装で日本に来たらああなるのは当然。
まあ、ギャグなのでツッコミは無粋です。
ロウリィ様、そりゃ警察に連行されますよー。
パトカーのトランクからハルバートが飛び出してるのがwww

1クール時のOPで最後を締めたのも、
ありきたりな構成ながらベリーグッド!!

<続編ありき、俺戦エンド>
厳密には「女帝ピニャvsゾルザルの戦いがこれからだ」エンド。
私は、中途半端かつ強引な形ですべて決着などという終わり方より、
こっちの方が断然いいです。

嫌みなジャーナリストや栗林の妹など、
続編がないと登場させない方がよかったかなと思ったキャラもあった。
ハーディとの出会い、ジゼルや紀子などの今後など、
ゾルザル派との戦い以外に描くべきことは山ほどある。
テューレの悲しみの記憶を描いたのも、続編あること前提だからでしょう。
次巻、総撃編以降にテューレの物語が本格化しますので。

ゆえに、続編なければ中途半端過ぎて非常に悲しいパターンではあります。
{/netabare}

<後半クール:第13~24話の総評>{netabare}
コミック版第8巻から小説での外伝の話も加わるので
アニメでは、レレイの義理の姉アルペジオとのエピソード以降、
本伝の流れに沿って話が進みました。

どうしても描く範囲が広がると、ダイジェスト風味で物足りなくなる。
個人的には、1クールを炎龍編のみで丁寧に描いて欲しかったところです。

<キャラ描写の不満と良かった点>

一番の不満は、炎龍バトルのクライマックスが尺足らずで
尊い犠牲者となったダークエルフたちのキャラに深みがまったく無くなった点。

次に、伊丹と彼の母親との過去の確執描写もあっさりし過ぎた点。

コミック読んだ時、心温まり好きだったのにカットされたシーン。
炎龍討伐後に、伊丹はヤオを含むヒロイン4人と梨紗の合計6人で
車で母親の入院する病院にお見舞いに行く…
伊丹は、テュカを救うことでひとつのトラウマを
乗り越えたように思えた味わい深いシーン。
私が密かに期待していたのは、全24話をこのシーンで締めくくることでした。

他にも、デュラン王が炎龍討伐時に自衛隊に同行する件や
16話の柳田とデリラの件も簡略化しないで欲しかった。

以上のように、残念な点は多々ありましたが、
今クール新登場のキャラでは、特にシュリーがシリアスな役回りで
出色の存在感を放っていて一番魅力あった。
菅原と彼女の試練は、コミック版では描かききれていない部分の
映像化だったこともありとても好感持てました。
{/netabare}

以下は、さらに放映前に初投稿したものです。(2016.01.02 13:26)
これもアーカイブなのでタグで閉じます。
{netabare}
★★★★☆ 4.1
物語 : 5.0  作画 : 3.5  声優 : 4.5  音楽 : 3.0  キャラ : 4.5

放映前の物語&キャラ評価は、原作での評価です。

物語のゴールも明確だし、炎龍とのバトルシーンなど
炎龍編はアニメ化に最も向いている巻と思います。

一期の構成から察するに、
おそらく原作上の炎龍編をアニメ向きに毒抜きすることはあっても
改悪することはないと信じたいので評価高め。
作画評価も炎龍編PVでかなり期待できそうなのでやや高め。

異世界ヒロインズ・・・
今はレレイ、ロウリィ、ピニャにまた会えるのが非常に楽しみです。

伊丹の活躍も一期以上となると予測できるし、
一期では影がまだ薄かったテュカ、ヤオもどう描かれるか。
PVもいい感じで期待値どんどん上がってます。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

さらに面白くなったような

やはり圧倒的な軍事力を見せつける

獣人を手元に置いて凌辱している皇帝のとある息子が自衛隊の軍事力(女性自衛官によって銃剣でぼこぼこに)にも関わらず国家転覆のようなことをするわけだが、{netabare}実は獣人に操縦されていただけの切ない男。{/netabare}

炎龍編とは名ばかりでそこまで力入っていないというか。犠牲は多いが、そこは軍事力もとい装備の力。

{netabare}ラストにここぞとばかりのカップリング。縦ロールさんに至っては妊娠とは。男勝りな娘もお姫様抱っこで恋心芽生えるし。自衛官は男比率高いから良かったね。{/netabare}


OP
GATE II 〜世界を超えて〜 歌 岸田教団&THE明星ロケッツ
ED
いつだってコミュニケーション 歌 テュカ&レレイ&ロゥリィ(金元寿子&東山奈央&種田梨沙)
GATE IIも良かったなあ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
13. 開宴
講和への道を模索する日本政府とピニャ。その一環として、帝国の郊外にある皇室庭園で園遊会が開催されていた。招かれたのは、帝国貴族である元老院議員とその家族たち。講和交渉への協力を得るため、力を持つ議員を一家一族丸ごと招待したのだ。おいしい食事が振る舞われ楽団の演奏が流れる中、迫撃砲の実演や自動小銃の射撃体験が実施され、その圧倒的な性能に驚愕した議員たちは講和を決意する。そこへ現われたのは、主戦派であるピニャの義兄ゾルザルとその部下。不穏な動きを察知した伊丹は、事前に議員を秘密裏に離脱させていた。

14. 帝都激震
突然帝都を襲った地震。街は激しく揺れ、あちこちで建物の被害が発生していた。ピニャやハミルトンたちもこの世の終わりかと震えていたが、居合わせた伊丹と菅原はいたって冷静。ピニャは再び揺れが来ることを知り、地震に慣れている伊丹たちに同行してもらい、父のモルト皇帝の元へ駆けつけた。皇宮でモルトと顔を合わせた一行。そこにゾルザルが日本人女性を連れて現われた。一目見てわかる虐待の跡に激怒し、ゾルザルに殴り掛かる伊丹。抜刀するゾルザルの部下。第三偵察隊との戦闘が始まり――。

15. テュカ・ルナ・マルソー
ゾルザルに囚われの身となっていた民間人を、無事助け出した伊丹たち一行。アルヌスへと戻って来た伊丹は、柳田から炎龍退治に行くことを勧められたが、部下の命を危険にさらすわけには行かないとこれを拒否。しかし同じ炎龍が原因でテュカの精神が危うくなっていることを知る。ヤオから父が炎龍に殺されたと聞かされたテュカは、父の死を認めることができず、伊丹を父親と思い込むようになっていたのだ。テュカを呪縛から解き放つためにも炎龍を倒して欲しいと頼むヤオ。そして、伊丹の決断は――。

16. 炎龍再び
テュカを救うため炎龍を倒すことを決意した伊丹は、テュカ、レレイ、ロゥリィ、そしてヤオと共にエルベ藩王国へと向かった。それを知った狭間陸将は航空偵察の要請や陸上支援の準備を命令。戦闘拡大を危惧して伊丹だけを行かせたのに、あっさりと命令が出たことに呆然となる柳田だったが、さらに狭間に促されて、診療施設で療養中のエルベ藩王国のデュラン国王に会う。話し合いの末、国境を越える許可を得た柳田だったが、診療施設を出たところで、密命により暗躍していたデリラに遭遇する──。

17. 決戦
炎龍が出没するロルドム渓谷に来た伊丹とテュカ、レレイ、ロゥリィは、炎龍退治を依頼して来たヤオとダークエルフの戦士と共に、大量のC4爆薬とLAM(対戦車弾)を持ち、炎龍の巣があるというテュバ山に向かった。地下を嫌うロゥリィを見張りとして残し、巣のある洞窟の奥へと進む伊丹たち一行。巣には主の姿は見当たらず、すぐに爆薬の設置作業を始める。そのころ外ではロゥリィが遠く羽ばたく炎龍を発見。しかし、電波障害で伊丹には伝えることができず、伊丹立ちの予期せぬタイミングで、炎龍はその姿を現わした。

18. 魔法都市ロンデル
ついに炎龍を倒した伊丹たちは、多くの犠牲を出しながらも、テュカを父の死のトラウマから救い出すことに成功した。その伊丹を待っていたのは、任務を放り出して炎龍退治に向かったことに対する2週間の停職と第三偵察隊隊長職の解任の処分。しかし新たに特地資源状況調査担当を命じられ、特地を堂々と自由に移動できるようになる。停職期間が明けた伊丹と一行は、導師号に挑むレレイが学会発表をする会場のある、学問の街ロンデルへと向かった。一方そのころ帝都では講和に向けた式典が開かれていたが――。

19. 危険な姉妹
帝都で行なわれていた式典会場で突然倒れたモルト皇帝。これを機に、不利な講和を良しとしない皇太子ゾルザルによるクーデターが始まった。ゾルザルは皇帝に代わり、自らが国を統治することを宣言。日本から金品を受け取っていたとして講和派議員は軟禁され、帝都は厳戒下に置かれ街への出入りが制限された。汚い手で自衛隊の評判を貶めようとするゾルザルの部下に対し、強い憤りを感じるピニャ。一方、伊丹たちはロンデルでカトー老師の姉弟子であり、レレイの義姉アルペジオの師でもある魔導師ミモザから『門』の秘密を聞かされるのであった。

20. こいびと
皇帝の不在の隙に権力を掌握したゾルザルは、意に沿わない者への弾圧を始めた。『皇帝の主権および権威を擁護回復するための委員部会』による恐怖政治を合法化するオプリーチニナ特別法が発布され、講和派の議員たちが次々と逮捕されていく。ロンデルを訪れていたレレイも命を狙われ、伊丹はレレイたちと共に姿を隠す決心をした。一方講和派の重鎮であるカーゼル侯爵はテュエリ家に避難していたが、委員部に見つかりテュエリ家の娘のシェリーと共に脱出。シェリーは慕っている菅原を頼って、外国協定に守られた翡翠宮へと向かう。

21. デッドライン
翡翠宮を守る薔薇騎士団と、シェリーとカーゼル候を捕らえようとする掃除夫との死闘が始まった。死にゆく者を前に自分の覚悟を語るシェリーに、この事態を引き起こした菅原もまた、この犠牲は自らが背負うべき罪であると覚悟を決める。政変により講和派の身の安全が危ぶまれる状態となったが、日本では、ある作戦を実行すべく嘉納外務大臣と夏目防衛大臣が首相官邸に直談判に訪れるなど、講和の芽を守る努力が続いていた。一方伊丹たち一行は、レレイに導師号の試験を受けさせるため、再びロンデルの街を訪れていた。

22. 奴隷服を着た皇女
翡翠宮攻略の失敗に業を煮やしたゾルザルは、帝国の正規兵を投入。事態は第二段階に突入した。導師号試験を迎えたロンデルでは、暗殺工作の調査をしていたシャンディーが4日ぶりに帰還。伊丹達は試験会場でのレレイ襲撃計画を知る。会場には騙されて刺客となった者が複数紛れている可能性が高く、控室でも警戒を怠らない伊丹達。そして目に止まった不審な老賢者を伊丹は刺客と推理し、警告してみると案の定手からはナイフが。引き続き警戒するなか試験が始まり、いよいよレレイの番が来る――。

23. 空挺降下
帝都では薔薇騎士団と帝国兵との間で、同胞同士の戦闘が続いていた。被害者が増え続ける中、講和の芽を守るべく、翡翠宮にいる日本人と、講和派貴族を救出する空挺降下作戦を決行する自衛隊。先行する特戦群は帝都西門を確保し、第3偵察隊は講和派議員が囚われているバスーン監獄を制圧。空挺部隊が降下を開始し、落下傘が空を埋め尽くす。一方、ピニャが囚われの身となっていることを知った伊丹は、救出のため帝都に急いでいた。

24. 斯く戦えり
ピニャを救うべく帝都に駆けつけた伊丹。第3偵察隊の面々と再び行動を共にする事になり、ピニャの奪回と皇帝の救出のため皇城へと向かう。城内では、自衛隊に手を貸したとして、ゾルザルがピニャを責めていた。そこに現われた伊丹達。ゾルザルは怪物ジャイアントオーガーをけしかけるも、ロゥリィとレレイがあっさりと撃退。さらに伊丹に一対一の勝負を挑もうとするゾルザルだったが、自衛隊の狙撃手による一発が近くをかすめ、動きが止まる。伊丹はいつでも頭を撃てると冷たく告げ──。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

見どころは少ない

Web小説原作作品の2期。

「炎龍編」とサブタイトルが付いているが、意外とあっさりと倒しちゃったなぁ、
2期はそれが目的じゃなかったん?と思ったんだけど、
wikiによると、実際には1期の11話から2期の前半部分が炎龍編で、後半部分は「動乱篇」になるらしい。

なので、2期だけでみると、1話から6話までが炎龍編だが、
6話からは展開が変わるので、厳密に言うと実質は1話~5話までが「炎龍編」になるんじゃないかと思う。


☆物語☆

1期のコメントを書いてないので、2期の感想を書く都合上ついでにここに書かせてもらうけど、
まず、最初の設定から首を傾げるような展開の話だなぁ、とは思っていた。

突然ゲートが出現して異世界と繋がった、というのは良いとして、
異世界の人々が日本に突然攻め入ってくる、というのはどう考えてもおかしい。
普通の人間なら、まずゲート自体への驚きがあるはずだし、
その向こうの世界を知ろうとするのではないのかな?

全く未知の異世界に、いきなり思考停止状態で何万もの兵士を送って、
しかも無差別にその世界の人々を殺戮するって、
いくら中世ぐらいの文明しか無いとしてもなぁ。。

まぁ何故こんな設定にしたかと考えると、以後物語の都合上、自衛隊自体を「侵略者」ではなく、
「善」として描くための大義名分だとは思うけど。
(途中で炎龍退治して感謝される、っていうのも自衛隊を善として描くためのもの)

まぁそんなご都合主義から始まった物語ではあったけども、
美少女キャラたちの魅力と、自衛隊の無双っぷり(実際はただの弱い者いじめなんだが)などが可笑しく、
1期はそれなりに楽しめたんで良かった。


で、肝心の2期だけど、

やや呆気ない感はあるものの、炎龍を倒すまではまだ良いと思うんだけど、
その後があんまりしっくり来ない。
帝国内の講話派とクーデターを起こしたゾルザル政権との内紛的なところが物語のメインで、
ややシリアスな展開なんだけども、これが浅軽い。

1期からの既定路線だけど、講話派&自衛隊がやはり「善」として扱われ、ゾルザル側は専制的な暴君であり、
「悪」として描いているのは、どう見ても明らかだけど(テューレの策略はあるとしても)
これが、果たしてそうなんだろうか?と感じる。
日本側が帝国側に求めている講和交渉も、完全に不平等条約なのは明らかなのに、
そこには殆ど触れないんだよね。。

そもそも自衛隊が帝国を侵略したから、こういう帝国内の内紛が起こったんであって、
最初の強引な設定で、帝国側が日本に攻め入ってきたという「帝国側を悪」に見立てた大義名分はあるとしても、
死ななくて済んだ、本来罪の無い帝国側の兵士を、自衛隊は何人殺したんだい?
反対に2期で帝国側が自衛隊側、日本人を殺したのは何人?
{netabare}民間人1人が拷問受けただけのように思えたし、伊丹のキレっぷりにも違和感を覚えた{/netabare}

やはり自衛隊は先制攻撃を受けたという大義名分はあるとしても、
「侵略者」であることには変わりなく、そこを棚に上げて、
自衛隊万歳、という一方的な正義、倫理観の押し付けを視聴者に与えるような描き方は、
如何にもラノベ的なご都合主義臭さがあって、浅いと思う。

「自衛隊側が悪」であり、主人公伊丹に関しては、上からの命令を受け入れざるを得ず、
異世界侵略に対する苦悩や葛藤を抱く、という描き方ならまだ多少の深みはあるんだけど、
1話で何の躊躇いもなく人殺しておいて、肝心の頭の中はコミケ行きてぇ、っていう思考の持ち主だもんなぁ。。
ハッキリ言って普通の人間ならあり得ないし、伊丹以外の自衛隊員も躊躇なく殺戮し、
殺した後も何も感じてないようで、人間らしい感情が全く描かれていない。

まぁもっと極端な話で言えば、単純に「深み」を出すなら自衛隊側が無双じゃなく、
自衛隊員もそれなりに死ぬように描けばいいんだと思うけどね。


まぁそもそもの自衛隊の描き方がおかしいというのは取り敢えず於いといて、
(色々思うところはあるけど、頭空っぽで観ればそこまで問題はない)

自分が2期を観て一番不満に思っている点は、
萌え&ハーレム要素、特にロゥリィ&レレイのエロ&デレが足りない、ということ(笑)

特に、恐らく本作で最も人気があるキャラだと思われる、ロゥリィが後半かなり隅に追いやられている感がある。
結局物語に大して期待できないとしたら、期待できる点としてはキャラしか無いのに、
一番人気のあるキャラが隅に追いやられているような扱いは、これは解せない。。


☆声優&作画&音楽

1期同様に全ての点で質的には及第点が与えられるものだと思うし不満なし。

声優に関して注目したいのは、うる星やつらで「ラム」を演じていた、平野文さん。
現在60歳らしいけど、改めて一聴して判るあの声、やっぱ凄いですねぇ。。

A-1ピクチャーズは今期3本作ってたと思うけど、よくクオリティ維持できるなぁと。
アニメーターのみなさん、ほんと体壊さないで貰いたいですわ。。

音楽に関しては、1期同様のアーティストで疾走感のあるOPは作品とも良くリンクしていて格好良く、
また、キャラクター3人が歌ってるEDも好印象。


まとめ

なんで原作者が、自衛隊万歳的な描き方をするのか不思議でならなかったけど、
どうも調べてみると元自衛官なんだとか。。

頭空っぽで観るなら、それなりには楽しめると思うんだけど、
(自衛隊TUEEEE!かっけー!幼女萌えブッヒィィィ!ってノリで観ればいい笑)

2期に関してはエロ&デレ要素が薄いので、正直見どころはあまり無いように感じてしまった。
菅原の決断は男としては格好良い!?かも知れないけど、やっぱり物語としては浅軽いなぁ。。
結局アイツのせいで何人死んでんの。。ちゃんと都合の悪い部分もしっかり描かなきゃね、と思う。

冷静になって客観的に物語を見てしまうと(観てる時はあまり深く考えずに楽しもうと思って観ている)
ここまで観る側に偏った正義と倫理観を一方的に押し付け、
弱い者いじめ的な殺戮を正当化するような描写があるアニメは、なかなか無いんじゃないかな。
「自衛隊」というリアリティのある呼称を使うなら、もう少し内容に深みを持たせて欲しいもんだ。

まぁ子供の観るアニメに何真面目に突っ込んでんだよ、と言われればそれまでなんだけどね。。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

76.5 9 熱いで冒険なアニメランキング9位
マギ The Kingdom of magic (2期)(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (914)
5838人が棚に入れました
迷宮ザガンを攻略し、シンドリア王国での宴を満喫するアラジンたち。
そこでアラジンはシンドバッドから、『三人のマギ』について聞かされ、シンドリア王国のマギとしてレーム帝国に行くことを持ちかけられる。
アラジンはその言葉に対し、自分はシンドリアのマギではないと微笑む。

宴の中、アラジンはアリババに、この世界を終わらせないことを誓う。
「……でも、僕はこれからどこに向かって進めばいいんだろう?」

声優・キャラクター
石原夏織、梶裕貴、戸松遥、小野大輔、木村良平、櫻井孝宏、細谷佳正、森久保祥太郎、堀江由衣、大久保瑠美、羽多野渉、杉田智和、藤原啓治、水樹奈々、瀬戸麻沙美、花澤香菜、小野賢章、福山潤、森川智之、松岡禎丞、逢坂良太、井上喜久子、チョー、柿原徹也、日野聡、坂本真綾、阿澄佳奈、高垣彩陽、谷山紀章、宮野真守
ネタバレ

GvwT さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

感想

マギの第2期
迷宮ザガン攻略からお話は始まります

第1話
{netabare}いきなりアラジンがすごいことになってる!?
知らない間に話が進んでるかと思ったわ
前作のラスボス的存在がエロ担当とわね
3人一緒で冒険に行くわけではないのか・・・{/netabare}

第2話
{netabare}紅玉ちゃんは相変わらず可愛いなあ
いい感じに魔法バトルでハジケてたな
てかまだ「旅立ち」しないのかい(゚Д゚)ノ
皆が進む道を決めたってことですね{/netabare}

第3話
{netabare}アリババくんはボッチになってしまうのか・・・
ってΣ(゚Д゚ υ) アリャ
結局同じ船に乗ってるやんけ!
最後に海賊が出たぞおおおお
半分禿げてるぞおおおおwww{/netabare}

第4話
{netabare}白龍くんがとても有能ですた
あの根っこには流石に気づくと思うのだが・・・
マドーラおばさんの目がヤバイ
怖い(´д゚`ll)
モルさんマジかwww
{/netabare}

第5話
{netabare}つまりあれだろ
母の愛は偉大ってことですね
あんな怖い母さんは嫌だけど・・・
白龍うううううううう!!!!!
アラジンの”皆”の中にいなかっただけはあるねww{/netabare}

第6話
{netabare}白龍お兄さん見事な暴走ぶりでした
洗脳がとける前もとけた後もね・・・
むしろ後の方がやばかったwww
まさか盛大にマミるとは思ってもみなかった
モルさんを泣かすなんて許さんぞ白龍ううううううううう!!!!!
{/netabare}

第7話
{netabare}顔芸するモルさんは可愛いですねえ
そして3人は別々の道へ・・・
なんか殺し大好きガキンチョが出てきた((((;゚Д゚))))
何人真っ二つにするのさ
次回からはハリポタですか?
{/netabare}

第8話
{netabare}いつの間にか体育会系も真っ青のスポ根アニメに((((;゚Д゚))))
アラジンとスフィントスの絡みがお約束過ぎて面白い
スフィントスがアリパパの師匠にそっくりだけど・・・
ありがとう、教官のおっぱいには吹いたwww
喜久子教官は実はいい人なんだね
アラジン大成長!!
{/netabare}

第9話
{netabare}今回からアリババ回
やはりお笑い担当だけあって面白いですね
ギャグ多めで観てて楽しいです
アリババくんは意外と強いことが判明!
彼はマゴイをうまく扱えるようになるのか!?{/netabare}

第10話
{netabare}シェヘラザードとかいうロリが出てきた!
ロリが一番偉い国はいい国のはずです
アリババ苦戦するも、圧倒的なタフネスで生き残る!
そしてマゴイが融合して覚醒するオプション付きでした
トトも簡単に落とすし流石です
{/netabare}

第11話
{netabare}アリババお兄ちゃん'sが登場
随分丸くなってるデシ
その後モルさんがcv石田彰と遭遇
cvが石田さんだと信用できないのは私だけ?
そろそろ大きな戦争が起こるとかなんとか
煌帝国に視点を移すと・・・
白龍が完全に闇落ちしてました{/netabare}

第12話
{netabare}母親強すぎいいいいいい!!!
しかも怖いし
白龍味方いねええええ
と思ったらジュダルが手を差し伸べてくれるかも?
これって堕天確定じゃんww
年明けからはアラジンのターンかな〜{/netabare}

第13話
{netabare}アラジンが主席じゃない!?
ティトスとかいう性別曖昧野郎が主席だそうです
そんなティトスとの魔法バトルがいきなり始まりました
かなり激しいバトルだった( ゚Д゚) ス、スゲー!
ティトスの腕にもあれが!!!
ロリのしもべだったのね、、、
{/netabare}

第14話
{netabare}OPがチェンジ!
ティトスくんの移り身が早すぎる〜
しかもなんかキャラが変わってる気がするし
スフェントスくんって回復魔法使い
ドラクエで言うと僧侶か
似合わねええええええwwwwww

5等許可区はマゴイ生産場
そこに住んでる人から無理やりマゴイを奪うための場所だった・・・
そこには今にも命を落としそうな幼女が
許さんぞマグノシュタット( ゚Д゚)ドルァ!!
ジジイなら百歩譲ってもいい、だが未来の明るい幼女の命を奪おうなんてこの俺が絶対許さない!!!{/netabare}

第15話
{netabare}一瞬でやられたティトスくん
どうやらマゴイが足りないご様子
マイヤーズ先生が姉さん!?
そして学長は簡単に許してしまったぞ(・□・;)
何か裏があるのか?

学長の過去から学んでいこうのコーナーが始まりました
まあこれだけのことがあったらこういう考えにたどり着くわな魔導師の魔導師による魔導師のための国
でもこの考えはうまくいかないんだろうなあ{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
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ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

大好きな人たちと笑い合える世界のために、強くなりたい。

マギの2期です。

2期を見る前に1期の視聴は必須です。
1話は何の振り返りもなく始まります。

1期も楽しめましたが、
2期も怒涛の展開でわくわくと楽しめました♪

キリのいいところまで進むために、
だいぶ無理して詰め込んでいる感じもしましたが。笑

2期は全25話です。


● ストーリー
“ダンジョン”と呼ばれる迷宮が突然現れた世界。

ダンジョンを攻略した者には、そのダンジョンの支配者であるジン(魔人)が宿る金属器(きんぞくき)を手に入れることができる。

自分が何者なのかということや世界の謎など、
今までわからなかったことがだんだんわかってきたアラジン(♂)。

アラジンは魔法の勉強をするために、
アリババ(♂)は自分の金属器(きんぞくき)を使いこなすために、
モルジアナ(♀)は故郷に帰るために、

それぞれが新たな目的地への出発を決意する。


1期も面白かったけど、
王道の展開を恐る恐る辿るような少し不安定な印象がありました。

だけど、2期の面白さには安定感がありました。
どんな冒険が待っているのだろう?というわくわくを素直に感じることができました♪

さらに、ジンを宿す金属器や、それを使いこなす金属器使い達がバンバン登場して、バトルも盛り上がる!

強い人たちがどんどん集まってくるわ、戦う相手も強すぎるわで、
途中からちょっとぽかーんとなってしまいましたw

特にラスト2話は展開詰め込み過ぎで、
なんとかギリギリ終わらせましたという感じでしたw

確かにキリのいいところで終わったけれど、
個人的には詰め込まれ過ぎて少し不完全燃焼。

後日談もしくは3期が欲しかったなー。

メインディッシュで終わってしまうより、
最後はデザートでホッとしたかったという感覚です。笑


≪ 並行して進む物語 ≫

7話からは3人がそれぞれの目的地に向かうため、
物語も3つに分かれます。

強大な力を持つ煌(こう)帝国の話も絡んでくるから、
正確には4つぐらいのストーリーが並行して進んでいます。

1つずつでも濃いストーリーになりそうなのに、
ちょっとずつ進めることでいろんな味で飽きずに楽しめる^^

全く交わらないと思うそれぞれの話が、
3人の絆でつながった時、この作品の本領発揮だなあと感じました。

やっぱりこの3人は一緒がいい♪


● キャラクター
これまで登場したキャラ達も安定していますが、
新たなキャラもたくさん♪

たくさん登場するのに、
それぞれにちゃんと魅力があるのがいいね。

今回の私のお気に入りは煌帝国の皇子&皇女たち♪

1期でも登場していた練紅玉(れんこうぎょく)は、
2期になってさらに魅力が増して大好きなキャラに♪

強いし乙女だし純粋だし、
なんて可愛い姫さんだこと^^

登場したものの、君は誰?状態のキャラもいるし、
まだまだ掘り下げてほしいキャラもたくさん。

恋心とアラジンの顔の広さが世界を救うんじゃないかと思うぐらい、アラジンは誰とでも仲間になる天才です♪


● 音楽
【 前半OP「ANNIVERSARY」/ シド 】
【 後半OP「光-HIKARI-」/ ViViD 】

どちらもこの作品と合う前向きな雰囲気の曲です♪

シドの曲とマギは相性いいですね^^

1期同様、曲とアニメーションの合わせ方も好きです。
後半OPのアニメーションはネタバレが多すぎた気がしますがw

最後にはこういう展開になるのねーって、
新しいOP始まった瞬間にわかってしまうのは、どうなのw


【 前半ED「エデン」/ Aqua Timez 】
【 後半ED「With You/With Me」/ 9nine 】

「エデン」は神曲ですね。
今回一番お気に入りなのは、この曲です。

後半EDは、戦いに向かう勇ましさとの相性がよかったです。

本編と一緒にこの曲が流れる展開は盛り上がりました。
テンション上がったー!


● まとめ
内容に関しては大満足です。
私は1期よりも2期の方が好きでした^^

ただ、十分に回収できていない伏線や気になるところも多いのが引っかかるー。
{netabare} モルジアナは何をしていたのか、白竜はどうなっちゃうのか、など。 {/netabare}

まだまだ彼らの冒険が終わる気配がないだけに、
3期がないのが残念(´;ω;`)

それでも十分原作が人気な理由はわかりました。
面白かったです^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大陸全土を巻き込む壮大なストーリー&マギの好きなキャラクターランキング

原作は少年サンデー連載は未読
マギ1期視聴済み


「マギ」という作品は作者曰くアラビアンナイトで知られる「千夜一夜物語」を
ベースにした作品だということです。

登場するキャラクターはアラジン、アリババ、シンドバッドは
アラビアンナイトに登場する人物としてとても有名ですね。とにかく魅力的な
キャラクターが勢揃いしています。

1期から続く2期、1期視聴は必須です。

TVアニメ第1期に続くストーリーの第2期は舞台を魔法使いの国
「マグノシュタット」に変えています。

主人公のアラジンが魔法技術の習得と闇の金属器の謎を解明するため
マギという立場を隠し、マグノシュタット魔法学院の生徒として入学します。

同じ頃アリババも修行をしにレーム帝国の闘技場に来ていた。
お互い別々の場所で順調に道を進んで行こうとしていた。

{netabare}
後半に向けて物語はマグノシュタットとレーム帝国の戦争へと移っていきます。
レーム帝国のシェヘラザードの理想は魔法ではなく人の力で国を発展させること
マグノシュタットのモガメットの理想は少数の魔道士たちの力で国を発展させる
こと。この思想の対立ですね。一般的な正論はシェヘラザードでしょうが
結局ティトスを取り戻すという口実を使いマグノシュタットに侵略する戦争を
始めるのはレーム帝国なんですよね。
どちらの思想も間違いとはいえないので、異文化の者との共存の難しさを
考えさせられました。

ここからの展開が凄い。
レーム帝国からはファナリス兵団も出てきてそれに対抗するため、
アラジンが覚醒したり、アリババが登場したり。更にそこに煌帝国も現れる。

結果堕天したモガメットは暗黒点を呼び出し、練玉艶 (れんぎょくえん)が
アルマ・トランのマギと衝撃の事実が発覚する。

金属器使いたちが一斉に集結し、それぞれが魔装化して依り代に向けて
極大魔法の連射。

これだけの金属器使いたちの総力戦は圧巻です。絶望的な力を持つ依り代に
対し争ってた皆が力を合わせて立ち向かう。

依り代を破壊しようとするが、しかし全く通じない。この絶対絶命の中
駆けつけたのはシンドバッド率いる七海連合。


もうこの男に持っていかれました!七海の覇王登場!
この世界が生んだ 奇跡!!「第一級特異点」シンドバッド!
シンドバッドの「バララークサイカ」巨大な落雷が依り代へ

七海連合の凄まじい力に絶対絶命のピンチを回避することに成功しました。

出番が少なかったモルジアナも到着。アリババを助ける。
またモルジアナにお姫さま抱っこされています。

ただ、金属器使いたちが集結する中、1人だけ戦いに来なかった白龍。
暗黒面に堕ちたのでしょうこの後の展開が気になります。


アラジンとアリババとモルジアナの3人が揃い3人の拳タッチ!
それぞれ自信に満ちた表情ですね。


シェヘラザードが次のマギを自分では無く、ティトスを迷わず指名
したのが素敵でした。また生まれて来れて良かった。
{/netabare}

原作が進んでからまた3期という形で彼らに会えますように。終


●ランキング
マギの魅力的なキャラがこれだけ勢揃いしたので気になる世間のランキングを
いくつかまとめて集計してみました。

【キャラクター人気ランキング】
1 位
アリババ・サルージャ

2 位
ジャーファル

3 位
シンドバッド

4 位
ジュダル

5 位
モルジアナ

6 位
練紅覇

7 位
アラジン

8 位
ティトス・アレキウス

9 位
練紅玉

10 位
練白龍

アリババさんすごい人気なんですねジュダルちゃんの人気は嬉しいです。

【これは私の好きなキャラクターランキング】
後であにこれbest10に。。
1 位
練紅覇

2 位
シンドバッド

3 位
ジュダル

4 位
練紅玉

5 位
練紅炎

6 位
モルジアナ

7 位
アラジン

8 位
ティトス・アレキウス

9 位
アラジン

10 位
アリババ・サルージャ

魅力的なキャラクターが本当に多いです。ジュダルちゃんはアクセラレータ系で
気に入っています。練紅覇は迷いなく1位です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

71.0 10 熱いで冒険なアニメランキング10位
ガン×ソード GUN×SWORD(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (613)
3564人が棚に入れました
宇宙の底の惑星、「エンドレス・イリュージョン」は、荒野に夢が、街に暴力が溢れる星である。

この惑星にいる流浪人・ヴァンと、少女・ウェンディは、カギ爪の男を追って旅に出る。1人は「絶望」を、1人は「希望」を見つめながら…。
ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

痛快娯楽復讐劇!00年代ロボットアニメの知る人ぞ知る不朽の名作!(けものフレンズの先輩!?)

「コードギアス」の谷口悟朗監督がコードギアスの1つ前に制作したロボットアニメです。全26話。
復讐劇でハードボイルドかと思いきや、明るく前向きな活力も満ち溢れている。
色んな要素てんこ盛りな内容や、放送局の少なさ故か、広範な層にメガヒットしたコードギアスに比べ「知る人ぞ知る」感じですが、完成度や魅力はヒケを取らぬ不朽の名作です。
私的に絶対外せぬお気に入りアニメの一角です。復讐譚史上では最高傑作。

※(皆勤は)二人旅、ロードムービーで、1話完結~からの全体貫く一貫したストーリー、要所で引き込まれる引き、完璧で無駄の無い伏線、ゲストのキャラが濃い…
2017年大ブレイクした「けものフレンズ」に感じていた懐かしい良さ、久々にガンソードを観て、(ああ、これだ!)と思った。
全っ然作風違いますが、脚本構成の基礎が相通じる。
…レビューでは、けものフレンズとの共通点も書いてみます。

{netabare}『物語』
最愛の女性エレナを殺され復讐に生きる流浪の男ヴァンと、攫われた兄を探す少女ウェンディが共通の敵「カギ爪の男」を追う旅をする。
舞台・世界観は「トライガン」っぽい「西部劇風の惑星で実はSF」(最愛の人をラスボスに殺されている、ラスボスに忠誠誓う幹部の雰囲気なども似ている)
「ロボットアニメ」「西部劇風惑星」「敵討ちで旅」「作風がポジティブ」「主人公にその気はないが、いつの間にか世界を救う一味が集う」…「戦闘メカザブングル」の系譜でもあり。
「ヨロイ」と呼ばれるロボットによるバトルも、雰囲気の異なるヨロイごった煮なのも含めて見応えバッチリでした。
ヴァンが彼のヨロイ「ダン」に搭乗するシーンやバトルは、谷口監督の後発「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」っぽい。
巨大ロボットですが、アクティヴレイド的な強化服バトルな雰囲気も。

序盤は1話完結でヴァンとウェンディのキャラや関係性を描きつつ、奇妙なこだわりを持つ変人とヨロイバトルしていく。
物語の本筋が急加速する中盤以降に比べて地味…
でも、なかなか心を開かぬヴァンと、苦悩し少しずつ成長する健気なウェンディの二人旅は良エピソードばかり。
シリアスとコミカルの配分が良い感じ。
…3話「勇者再び」が熱い!(爆笑)
過去の栄光で酒飲んで騒ぐばかりで若者からバカにされている老人たち、街の危機にスーパーロボット「エルドラV」で立ち向かう!
「忍空35話・大空の勇者」の老パイロットを彷彿とする話でした。
谷口監督の後発作「アクティブレイド」でも、同様の話あり。
いやー、お年寄りがカッコイイのは良いなぁ。

本作の凄い所は1話たりとも無駄な回がないところ。
3話の老人チームは1発ネタのゲストかと思いきや、後にレギュラー入りして大活躍したり。
まったくさりげないシーンやゲストキャラが、後の展開にちゃんと意味がある。
伏線…というよりも、全部含めて物語の一部という感じ。
17話の水着ギャグ回でさえ、ファサリナさんがミハエル君を救う重要な伏線だったりと、配慮に抜かりなし。

物語の一番大きな軸「ヴァンのカギ爪の男に対する復讐」がブレない他にも、出逢うキャラひとりひとりに各々の生き様や目的が明確、なりゆきで会ったり別れたりしつつ、ごく自然にヴァン一行に合流していく。
復讐一辺倒だと重苦しいし飽きる、ヴァンという男も序盤は魅力が分かり辛い。
だが本作はヴァン以上に芯の強い仲間たちひとりひとりのドラマが良いので、飽きさせないです。
9話「カルメン故郷に帰る」も、終盤のファサリナとの因縁で彼女ひとりを取っても主人公にヒケを取らない。
もうひとりの復讐者・レイがヴァンと共闘する話で既にユキコに婚約者の面影見ていたのが、後々意味があったり、地味なシーンにも一切無駄がない。
終盤怒涛の展開を見せる中で、序盤~前半のさりげないエピソードが尽く回収されていき、カタルシスを静かに盛り上げていく。
…ついでに序盤の敵が変人なのも、1話毎に雰囲気変わって飽きさせない。
10話の海の男カイジが面白すぎるw

中盤、ウェンディが兄・ミハエルと再開、カギ爪の男の狂気が見えて以降面白さが加速していく。
カギ爪の男の吐き気を催す「善良さ」が凄まじい!
一見、彼の方が建設的で未来を見据えている善、ヴァンやレイは過去の復讐に囚われし悪なのか?
「過去を捨て未来しか見ないのは、善であっても何かキモチワルイ」です。
多くの作品で過去に囚われるのはダメ的な主張が主流な中で、本作は「過去を捨てない生き様こそが、人間賛歌」になっている。
ここが本作の魅力で、ありがちな「復讐心は何も生まない」「過去を捨て未来に」な理屈を、理屈抜きの生き様で捻じ伏せる!
それも虚しい修羅ではなく、またセリフで語らせず、明るい活力に溢れたヴァン一行の在り方自体が示す。
カギ爪の思想を、最高に気持ち悪く描いているのも、王道な勧善懲悪のカタルシス十分。
人間性全否定な善を、人間的な悪がブチのめす!これぞ痛快!

敵幹部「オリジナル7」(ヴァン除いた6人。トライガンのガンホーガンズポジの敵幹部)たちとて過去に囚われし者多かった(過去全捨てはミハエル、ガドヴェド、ファサリナの3人)けれど、ヴァンたちとどこで差が付いたのか…
過去に向き合う事が出来なかった3人(ウー、カロッサとメリッサ兄妹)は、悲劇的な末路辿る…。
徹頭徹尾過去の復讐に囚われ続けたヴァン(とレイ)が救われたのは、良き仲間達との関係で過去と向き合えたからであろうか。
…ここら辺は明確には語られずとも、全編通したドラマから、なんとなくそう読め(なくもない)です。
序盤削って、もっとオリジナル7の個別エピソードやれば良かったという声もありますが。
あえて過去回想でテンポ損なう事無く、生き様の対立のみで語らせた事も、本作を名作足らしめていると思う。

終盤に向けて、カギ爪のヤバ過ぎる野望が明かされていき、対するヴァン一味も意外な味方が自然すぎる流れで勢揃い。
まさか3話の老人たちが合流すると3話時点では思うまい…
この他にも、初期からのキャラやエピソードが尽く回収されていく。
17話の最終決戦前のギャグ回以降が一話たりとも目が離せぬ。
悪化していく戦局、敵味方含めて各々の想いが交錯、力強く成長したウェンディとジョシュアとユキコ、吐き気を催す善意を阻止できるかどうかギリギリなハラハラ感。
レイの命を懸けた僅かな時間稼ぎ…からの大逆転!
ヴァンは中盤の敗北や師ガドヴェドとの対峙で復讐の意義を揺さぶられながらも、ついに最後まで貫いた。
痛快という他ないです。
終盤のカタルシスならば、全アニメ中でも上位に入る!

総じて…
改めて不朽の名作だと再認識しました。
復讐というネガティブな感情と行為を、ポジティブな人間性賛歌に繋げるオンリーワンなテーマ。
全26話に渡り一切無駄の無い完璧な脚本。
素晴らしいです。


『余談』「けものフレンズ」との共通点
かたや復讐劇ロボットアニメ、かたや「わーい!たーのしー!」なんですが、意外や共通点が多い。
{netabare} ガンソードはヴァンとウェンディ、けものフレンズはかばんちゃんとサーバルちゃんの2人旅
全編通しての大きな目的、序盤は1話完結で小事件解決しつつ、3話に面白回(エルドラ回、トキ回)、中盤(ガンソード12話、けものフレンズ6話)でかなり重要ワードで気になる引き、後半突入手前にガンソード17話水着回けものフレンズ8話ライブ回(どちらも実は伏線だった)、序盤から実は丁寧な伏線を終盤に全部回収、終盤仲間たちが勢揃いでラスボスと戦闘…
OPが回が進む程にキャラ増えていく作り、終盤の見せ場でOP流れる
…いくつかこじつけてますが、丁寧に伏線張りキャラ大事にする脚本構成が相通じる。
全編に渡り無駄が無いのも。
「全編通したテーマや大目的」と「1話1話の丁寧さ」が合わさった良作。
けものフレンズに感じた、近年忘れていた良さ…12年前のガンソードがまさにそれでした。
これぞ王道、お手本のような良脚本!{/netabare}

『余談2』スーパーロボット大戦K
空気読めない迷セリフの数々で悪名高いミストさんから
ミスト「復讐心は悲しみの連鎖を生むだけですよ、ヴァンさん」
ヴァン「てめぇが言うな!」


『作画』
木村貴宏さんのキャラデザ、コードギアスより好みです。
ウェンディちゃんプリシラちゃん可愛い。キャラデザは好み的に最近のアニメにヒケを取らんです。
ダンやヴォルケインなどヨロイのデザインもカッコイイ、エルドラVも別ベクトルでカッコイイ。
ロボットバトルもスピード感とスーパー系の迫力併せ持ち大満足。
何気に生身でのアクションも良いです。

本編も申し分ない以上に、OP映像が素晴らしい。
最初はシルエットで、キャラ登場(そして退場)する度に変化していく。
特にカギ爪一味登場した回のOPは鳥肌立ちました!
…OPをストーリー進行とリンクさせる、無限のリヴァイアスなど、谷口作品の醍醐味出ている。


『声優』
ヴァン役の星野貴紀さん「遊☆戯☆王5D's」のジャック・アトラスと並ぶ代表役。
ダウナー系だが復讐に滾る凄味など、ヴァンといえばこの人。
…意外とお若い、桑島さんより年下なんですな。

ウェンディは桑島法子さん、可愛らしさと芯の強さ併せ持つ好演でした。
次回予告の声はかなり大人びているのは、最終話で何故だか分かる…

カルメンの井上喜久子さんのイイ女っぷり、プリシラの千葉紗子さんの可愛い系も良いですが、ファサリナさんの倉田雅世さんの妖艶さも最高でした。
倉田さんは後の「アクティヴレイド」のボス(かわいい)でもあり。
メリッサちゃんの斎藤千和さんの可愛さもバツグン。

クールなレイを櫻井孝宏さんの美声、櫻井さんはアクティヴレイドの瀬名颯一郎でもあり。
美少年・ミハエル君は保志総一朗さん。谷口作品の主力の一人。
「スーパーロボット大戦K」では同じ保志さんキャラのキラ・ヤマトと絡んだり。

最高に気持ち悪い善人・カギ爪の男は堀内賢雄さん。
滲み出る狂気は絶品でした…憎々しい!
…銀河万丈さんの次回予告も、最終話意外な事実が。


『音楽』
OPは歌詞無いですが、雰囲気抜群の名曲。
EDも各キャラやエピソード個別の良曲用意されていてドラマを盛り上げている。
BGM含めて楽曲面でも素晴らしいです。


『キャラ』
復讐者の代表的主人公ヴァン、ダウナー系でだらしなかったり、調味料全乗せしたり、色々と欠点は多い。
決して人格者ではなく、余裕が無くイライラしてウェンディに冷たく当たる事も多かったり、必ずしも彼自身は手放しでカッコイイと褒められる主人公ではない。
…それでも。最後まで理屈抜きの生き様が、周囲を巻き込んでいくのは、抜群の魅力あればこそ。
下戸だったり通り名など色んな属性あり、コメディー要員としても欠かせぬ主人公だったり。

ラスボス・カギ爪の男が最高にクレイジー!アニメ史上最悪のサイコパスなのでは。
悪党ではなく、善良過ぎて狂っているという、最悪の敵でした。コワイ!
キャラ評価5点はヴァンではなく、彼がいるから。
後にも先にも、カギ爪の男を超える吐き気を催す気持ち悪い敵は中々いない。
…彼の絶大なカリスマは、納得できる。
舞台のエンドレスイリュージョンは世紀末状態、絶望して彼の理想に惹かれる者が多いのは理解できる。
思想に賛同する者には実際優しいですし。賛同者に慕われるのは分かる。


本作はヴァン以外の主要キャラ全員主人公と思える。
実質ウェンディも主人公。足手まとい?そんなことはない!彼女がいなければヴァン持たなかった場面多いです。
幼さ故の未熟さを痛感しつつ、最終的に自らの生き方を選んだ強いヒロインでした。

カルメンさんほんといい女でした。ウェンディから見て、大人のイイ女。
9話含めて彼女もヴァンやレイにヒケを取らぬドラマあり。

ジョシュア君もシリアス・コメディー両面で存在感大。
女子トイレ突撃で逮捕とか…美少年でなければ許されなかったw
頼れる天才肌な一方で、兄レイとのドラマ、終盤の大成長も熱い。

遅れてきたヒロイン・プリシラちゃん素直な可愛さ。
バトルも恋も屈託が無くて、萌え的にはウェンディちゃんを脅かしていた。
OP映像のシルエットでも存在感大。

クールな美形復讐者レイ、ジョシュアとの兄弟の絆が尊い。
ベジータポジといいますか、彼の合流は燃える。
意外とヴァン以外との関係性で変わっていくのが見所、ユキコさんとの出逢いや、エルドラの老人との関係も意外だがとても良かった。

本作で絶対外せない、元気なお年寄りエルドラチーム!
老害かと思いきや実際強いぞ!
人生の先達として、プリシラやレイに良い影響与えた。
年配者が活躍するアニメは良作多い。
…寝たきり状態なカルロスの覚醒が熱い&爆笑(初めまして、カルロスです)

敵幹部オリジナル7で多分視聴者から一番嫌われてそうな、ミハエル君。
若く純真に理想に殉じた…若すぎたか(ムッターカさん)
他幹部にも言えますが、先にもっと色んな出逢いがあればまた違った答え出していたのかも。

ガドヴェドは狂信者ではあったが生き様はカッコ良かった…
(意志の弱い私がヴァンだったら、なびきそう…)
全身全霊でぶつかった師弟対決も熱かった。

ウーは唯一ヴァンに土を付けた男、オリジナル7最強では。
でも性格は一番情けない。いや、境遇はムリもないのか。
同じ、過去に囚われし者でも、ヴァンとの明暗が分かれた。

カロッサ&メリッサ兄妹、特にメリッサちゃんとっても優しい良い子で可愛いです。
この双子は可哀想だった。

ファサリナさん、強さも美しさも、愛も狂気も、抜群の女幹部でした。
他メンバーよりも、ちゃんと自分自身の意志でカギ爪に殉じる生き方選んでいる強さ感じる。
ミハエル君とのオネショタ萌え、実際情が深く、絶対悪ではない深みがあった。


この他ゲスト含めて無駄キャラが殆どいない。
1発ネタキャラと思われた海の男カイジのインパクト大。
平和主義な紳士ジョー・ラッツも印象的な男、ヴァンの復讐に対するアンチテーゼとして1話退場が勿体ない程。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

コードギアスへの《前振り》として楽しめるテンポの良い復讐譚

同じ谷口悟朗監督作品の『無限のリヴァイアス』『スクライド』が、やたらと深刻ぶってたり色々と話がチグハグだったりで余り自分に合わなかっただけに、期待値を落として見始めた本作ですが・・・あれ?これ面白いじゃないですか!

◆制作スタッフ

監督 谷口悟朗
脚本 倉田英之
キャラクターデザイン 木村貴宏
メカニックデザイン 反田誠二
音楽 中川幸太郎
アニメーション制作 AIC A.S.T.A.

◆「コードギアス」は一日にして成らず - ギアスと本作との関連性 【要約】

・本作は、本サイトでもほぼ最高の評価を得ている『コードギアス』の監督を務めた谷口悟朗氏の4本目の監督作品で、本作の放送終了(2005年12月)から9ヶ月後に『コードギアス』(第1期)の放送が始まっている事、さらに両作の作品世界・内容が強い関連性を持つことから考えて、本作を「コードギアスの事実上の《前振り作》」ないし「試作・習作的な位置づけの作品」と捉えることが出来ると思う。

・本作の公式のキャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」となっており、かつ主要な登場キャラクターの過半数は「ヨロイ」と呼ばれる機動兵器(つまりロボット)に搭乗して戦うロボットものの顔を持っている、という点でギアスと共通性が高い。
・本作は作画・演出の技術面に関しては既にギアスと遜色ないレベルに仕上がっており、各話の引きで急に仕掛けてきて次回に緊張感を持続させる演出の手口も共通している。
・それに対して、全体シナリオ・キャラクター設定・世界観設定は、同時期の他作品との比較では決して悪くないレベルではあるものの、ギアスに比べると大分見劣りがする(設定が似ているだけに余計に見劣り感がしてしまう)。
・各話の脚本も、ギアスに比べると総じて稚拙に感じる(但し、後記する各話評価で★★とした第13,24話のようにギアスと同等レベルの脚本回も数話ある)
・キャラクターデザインは、ギアスと同じく木村貴宏氏が担当しており、両作の登場人物の印象がダブるシーンが多々ある(※なおギアスのみキャラクターデザイン原案CLAMP)。
・メカニック・デザインは、ギアスとは別人が担当しており、序盤~中盤は両作の関連性は余り感じなかったが、終盤に入ると急に本作の「ヨロイ(機動兵器)」のデザインや動き方がギアスのナイトメアフレーム(とくにコーネリア隊の特別機)と見間違うほどに印象が変わってくる。
・第24話は、それまでの回でレイ・ラングレンに強く感情移入していれば、★★★(神回)認定しても良いレベルの出来(但し、そこまでのレイの描き方が不足気味で、そこまで感情移入できる人は少ないと思うので、★★(優秀回)に留めた←結果的にここが本作のクライマックスになっている印象)。


◆谷口監督の《ROAD to GEASS(コードギアスへの道)》

谷口氏のコードギアス制作までの監督作品を時系列で並べると以下の通り(※右の★印及び数字は私の個人的評価)

(1) 『無限のリヴァイアス』 (1999年秋)(全26話) シリーズ構成・脚本(黒田洋介) × 3.1
(2) 『スクライド』 (2001年夏)(全26話) シリーズ構成・脚本(黒田洋介) ☆ 3.5
(3) 『プラネテス』 (2003年秋)(全26話) シリーズ構成・脚本(大河内一楼) ※原作マンガ(幸村誠) ☆ 3.9 
(4) 『ガン×ソード』 (2005年夏) シリーズ構成(クレジットなし)、脚本(倉田英之) ★ 4.0
(5) 『コードギアス 反逆のルルーシュ』 (2006年秋) シナリオ原案(谷口悟朗、大河内一楼)、シリーズ構成・脚本(大河内一楼) ★★ 4.7

・このうち、(3) 『プラネテス』のみ、原作マンガ付き。他の4本はオリジナル作品。
・谷口氏は、監督第1作目の『無限のリヴァイアス』から第4作目の『ガン×ソード』まで、きっちり2年置きに2クール作品を制作していて、あくまで私の個人評価であるが、作品の面白さ・見易さといった出来具合が、一作ごとに着実に向上している感がある。
・監督第5作目の『コードギアス』だけは、制作開始時期が第4作目の『ガン×ソード』(本作)の制作・放送時期と大きく重なっており、そのために前述のとおり、両作の作品世界やキャラ設定・メカ設定、さらには全体シナリオに至るまで有意なレベルでの相関性が認められる。
・ただし、両作の全体シナリオおよび各話脚本に関しては、本作(ガン×ソード)の大部分を担当した倉田栄之氏と、ギアスの方の大部分を担当した大河内一楼氏の、シナリオライターとしての力量の差?なのか、その出来具合および評価について顕著な差が生じている。
→つまり、「コードギアス」の大成功は、それまでに着実にアニメ制作技術を積み上げてきた谷口監督の功績が勿論、最大なのだろうけれども、それでもギアスのシナリオのずば抜けた面白さは、シナリオ原案担当として谷口監督と名を連ねる、シリーズ構成および脚本担当の大河内一楼氏の功績が最も大きい、ということになると思う。

以上、「コードギアス」の特別な面白さを改めて確認するとともに、その面白さが決して「突然変異」として出現したのではなくて、ちゃんとその《前振り》となり《下準備》となる作品群の制作の積み重ねがあったことを知る、という意味でも、本作の視聴価値はある、と思いました。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=================== ガン×ソード (2005年7-12月) =================

{netabare}第1話 タキシードは風に舞う ★ ヴァンとウィンディの出遭い、ダン・オブ・サーズデイ(ヨロイ=人型機動兵器) ※OPなし
第2話 ファニーストリーム ☆ 情報屋カルメン99(カルール・メンドゥーサ)、対メタルグルー(水上大型ヨロイ)戦
第3話 勇者は再び ★ バッドローズvs.エルドラ・ファイヴ ※古臭い演出が逆に好印象
第4話 そして、雨は降りゆく ☆ ヴァン発熱、ウィンディの看病、レイ登場
第5話 ツインズ・ガード ★ レイvs.ヴァン(GUN×SWORD)、「カギ爪の男」を追う者達、ツインロック(2人乗りヨロイ)vs.ヴォルケイン
第6話 ハートに火をつけて ★ ラブデラックス(恋人クラット&バニー)、トニー3000(モンタナ親分)
第7話 復讐するは我にあり ☆ 孤島の富豪ジョー、対ゴールデン・クレイドル戦、オリジナル7
第8話 その絆に用がある ☆ ジョシュア(レイ弟)登場、対ドラッヘ(龍のヨロイ)戦、レイとの一時共闘
第9話 カルメン 故郷に帰る ☆ 幼馴染ハエッタの花園 ※ED「Paradiso」 
第10話 海よ サンキュー ☆ ヴァネチア風都市の海底遺物、対サイッコー号(カイジ船長)戦、ミハエル登場
第11話 さよならのありか ★ 兄の変貌、サウダーデ・オブ・サンデイ(ミハイル搭乗)機動、ウィンディ去る ※ED「Paradiso」
第12話 帰らざる日々… ★ ガドヴェドとの再会・喧嘩別れ、ファサリナのカルメン接触、カギ爪の男、レイの襲撃
第13話 夢の途中 ★★ レイvs.ファサリナ&カギ爪の男、対ディアブロ・オブ・マンデイ(ガドヴェド搭乗)戦、ガドヴェド敗死、ヴァン&ウィンデイの再出発
第14話 スウィフト・ブラウニー ★ 対ブラウニー(プリシラ搭乗)戦
第15話 ネオ・オリジナル ☆ ヴァンの過去回想、対メッツァ・オブ・チューズデイ(ウー搭乗)戦、ヴァン敗北
第16話 輝くは電流火花 ☆ ヴァンの苦悩~立ち直り、再戦、ウー敗死
第17話 座標Xを追え × エルドラ隊&プリシラとの再会、変な水着&ギャグ回 ※ED「S・O・S」
第18話 祈るはサウダーデ ☆ 導師(カギ爪の男)の虐殺計画「幸せの時」、ムッターカ技術長の導師への叛逆失敗
第19話 素懐(そかい)の果て ★ 対シン・オブ・フライデイ(カロッサ搭乗)&セン・オブ・サタデイ(メリッサ戦)戦、レイ銃撃により双子兄妹戦死
第20話 ワンダフル・ユニバース ★ カギ爪の男「幸せの時」計画公表、ミハイルの妹への通告 ※導師の計画自体は内容適当で×
第21話 空に願いを 地には平和を ★ 対ダリア・オブ・ウェンズデイ(ファサリナ搭乗)戦、サウダーデ・オブ・サンデイ(ミハイル搭乗)宇宙打ち上げ
第22話 誰がために ★ カギ爪の男とウィンディの再会、ダン宇宙打ち上げ、月面の異変 ※ED「A Rising Tide (acoustic)」
第23話 みんなのうた ★ バースディ起動、月の落下開始、レイ・プリシラ・エルドラ隊の「カギ爪」本拠攻撃、対サウダーデ(ミハイル搭乗)戦
第24話 夢の終わり ★★ 続き、聖誕祭の一時阻止、レイの最期 ※ED「Calling you」
第25話 バカがヨロイでやってくる ★ 聖誕祭の再開、ダン帰還、対サウダーデ再戦、最終決戦(対バースディ)
第26話 タキシードは明日に舞う ★ 続き、カギ爪の男の最期、後日譚 ※OPなし、ED「GUN×SWORD」{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)14、☆(並回)9、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.0


OP 「GUN×SWORD」
ED 「A Rising Tide」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

K-KHMM さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

悪者「平和の為に協力しましょう (⌒-⌒)」 主人公「うるせぇ!!ぶっ殺す!! (`Д´)」

[ジャンル:ロボアクション] [ターゲット層:小学生~高校生] [映像時間:全26話]
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中々楽しめて気持ちよかった作品です。

■あらすじ
荒野に夢が街に暴力が溢れる時代。ヴァンはカギ爪の男に最愛の女性を殺された事で復讐を誓い流浪の旅に!!
旅の中でカギ爪の男に因縁を持つ人々に出会うヴァン。一行は無事カギ爪の男に因縁を果たす事ができるのか?


■本作の魅力
自分が1つ魅力を詳しく上げるとするならば「一貫性」です。
ヴァン程ブレナイ主人公を自分は知りません。
名セリフを

「お前らの理屈はわかった!!だから今度は俺の理屈を聞かせてやる!!
 俺はお前を叩きのめす!!カギ爪の男の居場所を聞き出し、地獄の底まで追いかける!!
 お前らの都合なんざ知るか、そうしないと俺が、この俺の気が済まないんだ!
 ああそうさ、これが俺の欲望だ、俺の未来だ!俺が俺の勝手にして、何が悪い!!」


いやー!気持ちいい!なんてわかりやすい!
このスタンスをヴァンは第1話~最終話まで
誰に何を言われようが聞く耳持たず一貫して通します。
普通の主人公なら説得されたりすると、葛藤や躊躇いがあるものですが
本作はそういうモノを一切感じない「一貫性」を楽しむ事ができます。


もちろんこれ以外の魅力としても
ヨロイと呼ばれるロボのアクション。ヴァン一行の個性愉快な仲間達。他キャラのカギ爪の男に対しての因縁。
などもありますが書ききれないので割愛。
本作のキャッチコピーは痛快娯楽復讐劇。うん!まさしくその通り!!


■オススメする人
余韻とかなくスッキリする物語な好きな方。小難しい話が嫌いな方。ビバップが好きな方。ロボ好きの方。


■客観的批判・駄目だった点(↓ファンは見ない方が良)
良点ばかり上げても参考にならないかもしれないので客観的意見でこの作品を批判しています。
{netabare}
・序盤の流浪物の雰囲気だが後半ではアクション物として雰囲気が変わる。
・復讐劇と言うと陰謀だとか策略を想像してしまうのだが、本作は無く。良くも悪くも単純のワンパターン。 {/netabare}


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ここからは上記と違い読む側に対してのレビューを意識せず
個人的感想が主流です。一様魅力も書いていますが長いのでスルー可。ネタバレ注意


■個人的感想をダラダラと
「物語について」
{netabare} 個人的には序盤はビバップに似た雰囲気を感じます。
しかし同じような展開が続き、アニメを比較的見ている自分には少し退屈な内容。
後半は流浪から変わり物語が進むのですがなんとなく展開もわかるし
気になる謎もないので少し流し見状態になりました。どちらかと言えばアニメ初心者向け {/netabare}

「音楽面について」
{netabare} 音楽面はひじょーに満足しました。OPは超カッコよいですし、挿入歌の虹の彼方も良い曲
3話はけっこう鳥肌モノ!!{/netabare}

「視聴理由について」
{netabare}やっぱり谷口悟朗監督作品だからです。しかしプラネテスやコードギアスを見た後だとさすがに退屈ですね
監督作品を見るならガンソ→スクライド→ギアス→リヴァイアス→プラネテスの順番がオススメですかね。
小中学生向け→中高生向け→大学、大人向けといったかんじでしょうか。{/netabare}

「ヴァンの通り名について」
{netabare} 無職のヴァン・食い逃げのヴァン・寝場所を選ばない男ヴァン・二日酔いのヴァン
地獄の泣き虫ヴァン・夜明けのヴァン・縁の下の力任せヴァン・掃き溜めのプリティヴァン
いい人ヴァン・悪魔の毒々タキシードヴァン・だめのヴァン・不死身のヴァン
一番のお気に入りは童貞ヴァンです笑。あんなカッコいいのに童貞なのか笑。信じられない!!!!{/netabare}

「ヴァンの一貫したセリフ集」
{netabare}
その①
▼ガドヴェド↓
「ヴァンよ。今のヨロイが答えを出した。やはり人は明日に生きるべきもの。過去に生きるお前は次の一撃で断罪し、終わりにする!」
●ヴァン↓
「いいや、違うね!」
▼ガドヴェド
「何ぃ!?」
●ヴァン↓
「これが始まりだ。やっと見つけ…。あとは捕まえてぶっ倒すだけだ!っフッフッフ…ヒャハハッハッハァ!俺の旅は…間違っちゃいなかったぁ!!」

その②
▼カギ爪の男↓
「マザーが残した衆人惑星破壊システムこのエネルギーを使い、近辺の地系列を圧縮し歴史をやり直します。つまり死んだ人間生き返る・・・私はいなくなりあなたの花嫁は生き返る。世界は平和になり・・あなたにとっても世界にとっても素晴らしくご都合のよろしい世界になる。あぁ・・・私は貴方を救いたい・・・最後にあなたの友達に・・友達になりたいのです。」
●ヴァン↓
「エレナは死んだ!お前が殺したんだ!俺からエレナの死まで奪う気か!死んだ奴は絶対に生き返らねぇんだ!!俺はそんな与太話を聞きにきたんじゃねえ!俺はお前をぶっ殺しにきたんだ!
▼カギ爪↓
「ヴァン君…私の話を聞いていますか?」
●ヴァン↓
「俺の話を聞け!エレナの仇!!」
▼カギ爪↓
「そうか…つまり君は馬鹿なんだ!!」

ヴァンはスゴイ。とても主人公とは思えない {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

86.0 11 熱いで冒険なアニメランキング11位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (767)
3351人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Open the world!

稲垣理一郎さんとBoichiさんによるSF漫画のアニメ化作品。「週刊少年ジャンプ」で現在も連載中。単行本は既刊13巻まで。(放送終了時点で)

原作の稲垣理一郎さんは小学生時代からPCで自作ゲームを作って遊んでいたという筋金入りのゲーマー。漫画連載中でも新型ゲーム機の発売日に店頭に直行した経験もあるそう(笑)。一方で、仕事に取り組む姿勢は心から尊敬すべきもので、作中に登場する科学の料理を一から作って食してみたり、工房や道場へと自ら足を運び生の知識を得たりと実直そのもの。科学的素養充分な方とお見受けした。

作画のBoichiさんは目標に一直線なパワフルな方で、漫画を描く為に大学では物理を、(芸大)大学院では映像を専攻し、また学業の傍ら、一般書を含む膨大量の科学関連書籍を読み漁ったという努力家のツワモノ。「攻殻機動隊」の原作者として今や世界的に有名な士郎正宗先生の作品群に触れ、知識が漫画を面白くする事を学んだそうです。そしてこの方も仕事の鬼^^。ソユーズを生で見るためにロシアまで足を運んだり、土器の蓋のデザインで悩んだりするほど(笑)。作画担当に留まらぬ精緻な仕事振りが光ります。

それではレビュー。

物語の発端は世界各地で発見された石化したツバメ。やがて眩いばかりの閃光が地球全土を覆う。全ての人類は石となり、その活動を停止する。

3700年の眠りから覚めた高校生、石神千空は※1人類が消えた世界「ストーンワールド」で生きる術を模索し、人類文明滅亡の謎を探ります。


一見するとトンデモな出だしですが^^;、娯楽性やドラマ性一辺倒な作品とは一味違い、ファンタジックな少年漫画の皮を被りつつも、芯(サイエンス)は厳格。やたらと高度な最先端科学や新種の造語で、それとな~く知的な雰囲気を醸し出し視聴者を煙に巻く、数多の作品群(ファンタジーとして楽しいので否定はしない)と比較すると、本作の性質は概して真逆。

アニメはあくまでも娯楽なので薀蓄必要無し!もまた真なりですが、それはそれ、これはこれとして、作中台詞の一部を借用させてもらって両者を表現するならば「前者の言葉は羽の様に軽く甘く、後者の言葉は石の様に重く苦い。」となるのではないでしょうか。一見して余計な、この雑味に当たる重さと苦さが、アニメ(物語)という娯楽に深みを与える最高のスパイスになるのです。

作中で取り上げられている「サイエンス」は、汎用性が高く物語に組み込みやすい物理、化学を中心に、その枝葉に当たる、工学、薬学、地学に料理^^と多岐に渡りますが、それら全ての要素が、作中における主人公達の第一目的である"生存"と深く結びついているため、物語を回転させる動力としても、歯車としても、より強く堅実に機能している印象を受けました。科学を利用する必然性があるので押し付けがましさが目立ちません。

物語序盤は、多様性をガバガバ受け入れ、科学の力で奔放に人類の栄華を取り戻さんとする、主人公千空とその仲間達が作る科学王国、徹底した選民思想と独裁、武力による支配、原始の生活を旨とする獅子王司率いる司帝国、両者の対立と抗争のお話。

話は横道にそれますが、15年くらい前になるのでしょうか、当時のNHKで「※2アーサー・C・クラーク氏が舞台設定をした(開拓地の)火星で展開されるドラマを、日本の漫画家やアニメーターが短編アニメ作品として映像化し、それを同氏に見てもらう」という趣向の番組がありました。

正確な引用ではありませんが、完成した作品の一つに対してクラーク氏が与えた評価は「火星を第二の地球にはしたくない。わたしたちにやり直すチャンスがあるはず」といった内容のものでした。氏の残念そうな表情がおぼろげな記憶の中から思い出されます。

欲望のままに生産と消費を繰り返す科学王国のあり様は、一見すると、わたし達の住む世界の写しに見えますが、前者が"無い"から作っているのに対し、後者が"ある"のに作っている点で大きく異なります。ただし裏を返せば、搾取する対象がある限りは安泰でも、敷かれたレールに沿って突き進めば、崩壊前の地球の姿に逆戻りする危険のある楽観に満ちた社会とも言えます。

千空の頭脳に刻み込まれた人類200万年の知識の遺産と父親から受け継いだ優しさと勇気は、人類の新たな希望となりうるのでしょうか? 歴史は決して繰り返しませんが、科学王国がクラーク氏の見た火星の開拓地の様に、わたし達の世界をなぞらないよう切に願いたい。


一方の司帝国は、獅子王司という個人による権力一極集中体制。

霊長類最強の高校生の異名を持つ司というキャラは、一言で例えるなら※3スーパーマン、なのですが、過去の苦い経験から"大人"への深い憎悪、あるいは絶望を抱く、憂いを帯びた人物として描かれています。

多かれ少なかれ、多分誰でもそうですが、わたしも例に漏れず、少年時代に大人の冷酷さや狡さ、理不尽な暴力というものを嫌というほど見てきているので、司の憤りには一部共感出来る部分はあります。…でもですね、何ともはや、大人になってから平たい目で思い返してみると、同世代にも似た様なのがいたんですよね。大勢。ただ大人より小さくて怖くなかっただけで(笑)

司の唱える、"若者は純粋で大人は不純"とする極端な世代間差別は、わたし達の世界をしつこく蝕む人種差別や性差別と同種の、憎悪を下敷きにした一種の思考放棄に当たりますが、集団をあたかも(妄想で肉付けした)人格を持った個人の様に錯覚すれば、ある小規模なグループから始まって、家柄、人種、国、性別、最終的には極端な単純化の過程を経て、とんでもない事に、全人類さえもその様に認識してしまう危険さえあるのです。(こんな世界大嫌い!的なやつ)

この「1を聞いて10を知る」試みは反証可能な科学の分野においては割と有効に働きますが、人を集団として見る時、その判断材料となる有機的かつ情報量膨大な最小単位"ヒトおよび個人"の理解が不十分であれば、せいぜい残るのは穴だらけの統計データ程度のもので、その評価は必然として恣意的なものになってしまいます。ヒトは1単位として数えられるほど単純なものではないのです。

複雑にして複雑な世界に背を向けて、嫌いなものは一括り、括ったものはまとめてポイッ! 独断と偏見とで要と不要を分け、自らの殻に閉じ篭れば、かくて名前の無い怪物の一丁出来上がり、"僕の考えた最強の世界"展開の下りとなる訳です(汗)

妄想という脆い足場の上に居を構えた司帝国は、髪の毛一本で吊るされたダモクレスの剣の例えがぴったりと当てはまります。

科学王国と司帝国、皆さんならどちらの国の住人になりたいですか?


かつて"科学者の良心"と称された※4カール・セーガン先生がそうされた様に、学校で聴きかじった科学を、目に見える形、手で触れられる形へと落とし込み、学問への恐れや不審の垣根を取り去る試み。偏見の解体。

文字情報が先行して「解った」と錯覚する事が容易な現代において、嫌煙されがちになってしまった、手で触れ、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、口で味わいながら確かめる、知る事の大切さ。収集、分類、調合、加工、試行錯誤を繰り返し、どこにでもありそうなものから、ありとあらゆるものを造り出さんとする情熱。

仕事も遊びも生活も、あらかじめ用意されたものから選択する事を常とし、釈然としない気持ちを抱えながらも惰性に身を委ね、耐えながら生きる。あるいは飽きたら乗り換える。

完成品の世界の中で、わたしたちは世界の仕組みについてどこまで理解していると言えるのだろう?

本物とはズレた世界に浸かりがちな現代人にこそ、この世界は尽きる事のない磨けば光る宝石、ヤベースゲーモノ(笑)で満ち溢れている事を改めて思い出して欲しい。

そんな願いが込められた作品の様にわたしは感じました。


※1:ジャーナリストのアラン・ワイズマン氏による同名タイトルの書籍がある。様々な分野の専門家の知見を得て、3700年どころか 人類の消えた後の云億年先の未来の地球の風景を映し出す壮大な科学エッセイ。本作(漫画原作)の参考文献リストにも同書の名を確認出来る。

※2:「2001年宇宙の旅」の原作者としても有名ですが、一流の科学者としてテレビ解説者としても活躍。プレステのゲームにも出演してる(笑)静止衛星を使った電気通信リレーの発案者でもある。

※3:アメコミの人ほどではないです(笑)でも素手でライオンの群れを撃退できるくらい強い。加えて頭脳明晰で判断迅速の人。

余談ですが、神話や伝説は別として、紀元前400年頃の古代ギリシャではパンクラテオンのチャンピオンポリダマスが、近代でも1898年にボディビルダーのユーゼン・サンドウ氏がライオンに勝利したという記録がある様です。(後者は爪と牙を封印した状態で)

それでもまぁ、第6話で司が石槍で大木を叩き折る描写はいくら何でもやり過ぎでしたね。槍が折れる^^;。杠の頭のアレとか、スイカのゴロゴロとかと同類の、突っ込んじゃいけない演出だと思うので、てきとーに脳内補完しましょう^^

※4:地球外生命の探査計画でも有名な人ですが、代表作の「コスモス」は天文学、生態学のお話を中心とした、国境や学問分野の垣根を越えた様々な挿話からなる科学エッセイ集。最高の科学入門書の一冊なので老若男女全人類にお薦めしたい!

※:物語5点の理由はシナリオや脚本もさる事ながら、科学考証の緻密さ、設定の素晴らしさがズバ抜けていたため!

ふろく1 石化について(ネタバレになるかも知れないので畳んどきます。)
{netabare}
メカ千空に習ってQ&Aの形で。

Q1:仮死状態とは言え3600年以上もヒトは生きられるの?
{netabare}
A1:千空は3689年158日もの間、脳だけはしっかりと活動させていました。活性状態の脳の寿命は長く見積もっても200年弱なので、結論を言えば不可能です。
{/netabare}
Q2:石化したツバメって一体なんなの?
{netabare}
A2:実験動物だった可能性が大ですが、それならネズミでもよかった様な気もしますし、これについては全く分かりません^^;ヒトとの繋がりは生活圏くらい? もしかしてウイルスキャリア?
{/netabare}
Q3:人類石化ってファンタジーなの?
{netabare}
A3:結論から言うと違うと思います。科学考証のしっかりしたお話なので、物語のキモとなる部分をおろそかにするとは考えづらい気はします。作中で石化と形容されている状態は、どちらかと言うとミイラ状態に近いと思われます。アニメ2話の大樹と千空の危ないキャッチドール^^;は、単なるギャグ演出とも取れますが、杠の軽さを暗示しているのかも知れません。
{/netabare}
Q4:石化した人類が蘇生するってやっぱりファンタジー?
{netabare}
A4:結論から言うと違うと思います(笑)

考えられる理由の一つは石化人類は既にヒトではないという事。

古典的には進化の原因は、交配による遺伝子の組み換えと、自然淘汰、突然変異の3要素という事になっていますが、近年の研究で明らかになった事によれば、第4の要素として後天性の遺伝子変異を可能にするものとしてレトロウィルスの組み込みというものが挙げられる様です。(エピジェネティクスというむつかしい獲得形質もありますが、あまり関係なさそうなので端折ります。)

レトロウイルスと言えば、乳腺に関連するウイルスやHIVウィルス(それとゾンビもののネタ笑)が割と有名ですが、ぐぐって調べてみたところ、ヒトゲノムの約8%がなんと内在性レトロウイルス(ヒトの遺伝子に定着したもの)由来の配列で占められているとのこと。ヒトって92%しかヒトじゃない!(笑)

SF的な想像をするなら、石化は単に外見的な特徴に過ぎず、実際の所は乾燥状態。全人類はレトロウィルスの感染によって不老の肉体と※クマムシの様な性質、それと、つぎのQ&Aにも関連しますが、もしかしたら光合成可能な体質も手に入れているのかも知れません。

※:クリプトビオシスと呼ばれる"乾眠状態"で長期間生存でき、水分が与えられると活動を再開する。蘇生時に体の損傷箇所を修復する種もいるらしい。
{/netabare}
Q5:約3700年もの間、生命活動を維持させ続けたエネルギーって何?
{netabare}
A5:ウィルス感染から肉体全体の変異、そして乾眠状態に至るまで、どれだけの年月が必要かは不明ですが、栄養供給源は作中の説明を素直に受け止めれば、外皮の何か(放射性物質が含まれている可能性あり)、あるいは微生物の類の助けを借りているという可能性も考えられます。前者ならヒトが※放射線を人体で直接吸収して光合成を行なうという単純なからくり。後者なら、例えば外皮の金属?層の内側に封じ込められたゲノム操作済みの微生物(あるいはナノマシン)が、前述の放射線やヒトの代謝物で成長・増殖し、その分泌液や排泄物でヒトを養い畑にして、共生関係を作っているとか。

※:もちろん普通の人体には有害ですが、遺伝子改造された人ならもしかして…。因みに放射線をエネルギー源にできる生物はチェルノブイリ原発事故現場付近で発見されており、地球上に存在する。ゴジラじゃないよ(笑)
{/netabare}
Q6:石化時間に個人差があったのはなぜ?
{netabare}
A6:A5に見落としがありました。脳の使用率によって石化時間が変化するんでした^^;

これを踏まえると、人体が直接光合成を行なっていたという線はあっさり消えてしまいます(汗)表皮の金属層に放射性物質が含まれているとしたら、それはその元素の持つ半減期に従ってほぼ一定の早さで減少していくので。

脳を使えば使うほど表皮を形成する物質の消費が激しいのなら、A5でもう一つの可能性として挙げさせてもらった微生物(あるいはナノマシンに類するもの)が表皮を食べていると考えるのが妥当と思われました。

まとめると

1.脳を稼動させているヒトのカロリー消費は激しい

2.共生関係にあるヒトを生存させるためには微生物はより多くの栄養を必要とする

3.栄養を得たり与えたりする効率を高めるため増殖する

4.微生物の総数が増えれば表皮の消費速度(食べる早さ)も上がる

こんなところでしょうか。

最後に残った疑問は、蘇生に必要な水の供給源。復活液(ナイタール液)が表皮に含まれる"何か"と反応した結果、水が生成された可能性が考えられますが、知識外なので今後のお楽しみにしておきます(笑)
{/netabare}
Q7:人類文明を滅ぼしたのは誰? その目的は?
{netabare}
A7:これについても全くの憶測ですが^^;、首謀者は政治的干渉をある程度無視できる財源潤沢な科学集団で、目的については地球の生態系の回復である可能性が高そうです。現在の地球も砂漠化が進み過ぎてボロボロですが、千空の生きた時代(2049年)はもっと切羽詰った状況だったのかも。前述の集団が強硬手段に訴えなければならなかった背景ドラマなんかも今後描かれたりして…。
{/netabare}
以上全部妄想です(笑)あれこれと思考する機会を与えてくれる、SF(ミステリー)好きには垂涎もののアニメだと思います^^
{/netabare}

ふろく2 4つの力について
{netabare}
電磁気力:光、電気、磁力の事。物に触れたり、燃したり、切断出来たりといった身近な現象の殆どをこの力で説明できる。

重力:質量のあるもの同士が引き合う力。時空の歪みを作る。自由落下、潮汐、惑星運行、星の成長や崩壊に関わる。

弱い力:原子核が自然崩壊する力。原子力発電所の燃料棒や※ラジウムで光る時計の文字版などに利用される。

強い力:原子核を繋ぎ留める力。便宜上の物質の最小単位とされるクォーク同士、陽子と中性子を結びつける。超近距離でしか作用しないため確認しづらい。

11話の回想シーンで小学生千空がここに触れていたシーンには感動させられました。学校で習う科学って、幹から枝葉じゃなくて枝葉から幹に向かうものが殆どで、教える順序があべこべな気がしてたので…。素直にここから学んだ方が勉強のモチベーションも上がるんじゃないかと思いました。

※:危険なので現代では生産されていない(と思う)。現在流通している蓄光素材は半導体の原理を利用しており、これとは別物。100億%安全です(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメ作品における、「ご都合主義」とは、何を指すかの個人的な定義

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
まず、☆4なので、全体としてはかなり高評価をしているという前提で。

科学アニメ。少年漫画原作らしいワクワクが詰まっています。

私、このアニメかなり好きです。設定だけなら、☆5のチャンスもありました。

でも、とある「ご都合主義」により、評価を下げました。その「ご都合主義」がナニを指すのかは、ネタバレになるので、レビューを読んで下さいっす♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ご都合主義とは、「主人公にとって都合の良いことが偶然にやってくる」ことを指す。では、このどちらがより「ご都合主義的」だと思いますか?

①クロムが便利な石を偶然にも拾いまくっている。

②大樹と杠が司帝国に行く。

私はこの2つなら、②をよりご都合主義的だと感じる。

①は、「偶然」が成り立つ。勿論、圧倒的に低い確率だが。

一方、②は、「必然」。誰にとっての必然かというと、作者にとっての必然(必要と言ってもよい)。

本作の6話目で、千空は、大樹と杠を司帝国のスパイとして送り込む。その後、コハク達と出会い、抗生物質を作るために、製鉄を行う。そこで、マンパワーを得るためにラーメンを作り、、、となるが、、、製鉄(のマンパワー)は、大樹一人いたら大丈夫だったんじゃね? と思った。

この時の千空にとっての最悪は、「司に自らの生存を知られること」。であれば、まず「出来るだけ遠くに行かなければならない(箱根止まりではなく、関西とか中国地方まで行った方が良い)」。近場の村を見つけても諦め、遠いところまで逃げ、蝙蝠のいそうな洞窟見つけて、人口を1から増やしていき、科学兵器を作りまくる方が、安全である(石神村の戦力はあてにしない)。

また(杠はともかく)大樹は巨大な戦力(体力)であり、司の元に送り込むのは勿体ない。司がいくら復活液のレシピを知っても、アルコールの醸造などは時間がかかるが、大樹がいればかなり時短になる。大樹だって、杠と共にいる以上、働かなければならないし。

さらに、司はバカではなく、大樹はバカで真っ直ぐな性格という設定だ。司も、大樹の人間性は知っている。大樹がウソを突き通せるかということ以前に、「千空を殺した司の軍門に、大樹が自ら下るなど、100億%ない」。百億歩譲って、杠を人質にとられた時、仕方なくといったところか。大樹が司の軍門に下りたいと言ってきた瞬間に、「千空は生きている」とバラすようなもんである。

せっかく、「司が千空を殺した」と思い込んでいる以上、余計なリスクを背負う必要はない。「大樹は死んだ千空を埋葬し、杠と共に逃げ去った」と思わせておく方が良い。

武力サイドがどれだけ兵を増員しても、科学サイドは、毒ガス弾1発作れば勝てる。これはそういう戦いで、時間があれば有利になるのは科学サイド。諜報などは、最終局面で必要になることであり、武力サイドがある程度大きくなり、人員を把握しきれなくなったあたりの方がスパイを送り込みやすい(また、その段階になれば、科学による誘惑で、現代の科学の恩恵を受けてきた武力サイドの人間を簡単に懐柔できる)。

よって、大樹と杠を司の元に出すのも、石神村に滞在するのも、最低レベルの悪手。

こんな簡単なこと、「頭の良い設定」の千空が気付かないわけがない。つまり、この選択は、千空が考えたものではなく、作者が考えたもの。新しい展開(石神村編)を生み出したいがために。

これが、私の思う「ご都合主義」。つまり、「自らの生み出したキャラクターに命を与えず、作者の都合に合わせて信念や発言を曲げる行為」。

選択をミスることも、正しい選択をすることも、「こいつなら当然そうするよな」と思えるかどうか。

例えばONE PIECEで、 {netabare} ルフィに心理描写がないのは、「ルフィなら考える前に行動しそう」 {/netabare}と、尾田さんが考えたから。例えばロードス島伝説で、 {netabare} 作品の途中で、語り部だったナシェルが主人公に昇格したのは、「ナシェルが思った以上に成長し、一人歩きし始めた」{/netabare}と、水野良先生がキャラクターをコントロールしないから。こういう生きたキャラが、私は好きだ。

つまりは、作者が、自ら生み出したキャラクターに負ける、覚悟。器の広さがあるかどうか。

本作の設定は抜群に面白く、科学実験などはドキドキしたし、文明を1から作り上げる過程はワクワクした。1話につき1つ物語が進む(素材ゲットや実験成功など、成果が出る)構成の確かさ。特に終盤は、少し泣けるくらい良い出来。科学の実利の面だけじゃなく、「科学とは、人の生活を良くする、助けるものだ」という力強く温かいメッセージには心震えた。

せっかくの良いアニメなのに、勿体ない。創作物全般において、私はそこに作者の気配を感じると、少し、萎えてしまうのです。

簡単に言うと、「ラッキースケベ(①)は許せても、魅力のない主人公に惚れるチョロイン(②)は許せない」ということなのですw

(とはいえ、☆5に近い☆4。今年観たアニメでも、五本の指に入る面白さなので、当然、2期は観ます♪)
{/netabare}

【余談~ 石化の理由、予想 ~】
{netabare}
私は原作未読なので、すでに答えが出ているのかもしれませんが、一応、アニメしか観ていない立場で、予想を(結果、的外れかもしれないし、ネタバレになるかもしれないので、一応隠します)
{netabare}
まず、石化が人為的なものか、自然現象かという点についてですが、私は、人為的なものだと思います。根拠は、そうじゃないと話が盛り上がらないからです(笑)

まあ、「人間とツバメだけ石化する」というのは、何かしらの実験くさいですしね。

じゃあ、人為的なものだと仮定した時、「動機は?」というと、「地球環境を守る」か、「人類を疫病(バイオハザード)から守る」のどちらかでしょうね。これは、どちらの可能性もあると思っています。

「地球環境を守る」とした場合、人類と燕以外の動物が無事なことにも理由がつくと思います。石化が解けた後、真実に気付いた人類は、「もう2度とこの悲劇を繰り返さない」と思い、科学の力を正しい方向に使っていくラストは、少年漫画、、、というよりは青年漫画らしいですが、話としては成り立ちそうです。

また、「人類を守る」は、悪者がいないので、少年漫画らしい展開だと思います。近い将来、人類が滅亡してしまうようなバイオハザードが起きて、それを回避するための苦肉の策なのかなと。本作の疑問点として、「何千年も脳を使い続けてきた、千空は、そのエネルギーをどこから得たか」というのはありますが、石化の石がエネルギー源になる仕様なら分かります。ただ、石化に伴い、(ビルの崩壊に巻き込まれるとか)必ず死ぬ人は出るわけですし、「だったら疫病のウイルスがいなくなるまで(数年)とかで石化が解けるようにしたら?」というのがあるんで、微妙な気もします(まあ、千年以上しないと死滅しないウイルスなら別ですが)。

他にも、どこかの国が戦争用の兵器を暴走させたとか、宇宙人が攻撃してきたとか、可能性はいくつかありそうですが、なんかそれだと、「物語としてつまらない」なと思います。あくまで、少年漫画ですし。
{/netabare}
さあ、皆さんの予想は? 2期で謎は明かされるのかな?
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
随分と壮大な話だな。なかなか面白い設定。これはちょっと久々に新鮮に楽しめるかな?

2話目 ☆4
お、ちゃんと人体実験したか。なら、ユズリハ復活の選択も納得。武力は危険だよな。ただ、お互いがお互いを必要な間は、身内を攻撃してもしょうがないよな。これ、人口が増えるにしたがって、鬱展開あるだろ。

獅子王はチートだな。このキャラはあまり便利に使うと厳しいが、少年漫画らしい分かりやすさはある。

4つ目の使い道は、火薬かな。

3話目 ☆4
蝙蝠の糞尿=硝酸て、なかなか頭良いよな。大仏の理論、良いね。

4話目 ☆2
狼煙をあげるのは、どう考えても悪手だろ。箱根で隠れて火薬をつくり、獅子王を倒し、その後に狼煙をあげるのが良いだろ。それで会えればよし、会えなければ仕方なし。優先順位の1位は、獅子王でしょ。この作風で、こういう「ミス」はいただけない。

5話目 ☆3
てっきり、狼煙をあげたもう片方が、止めるかと思ったら。銃か何かで、かすり傷ひとつも負わないのかよw 石化の伏線は、なかなか良いね。回想か~。ここでじゃなく、1話前のBパートのが、よくない? んで、首バツーンで、引きを作る。

6話目 ☆2
構成にやや疑問は残るが。考えてた分のエネルギー、なるほど。それが自発的に石化を解く鍵か。ん? なら、脳みそだけはもともと生きてたってことか。なら、脳みそは不老不死にならないか? なるほど、人類を助けるための石化。

いや、スパイよりも、貴重な戦力、労働力を自陣から敵陣に送り込むリスク、あと、司はバカじゃないんだから、生きてることがバレるリスクの方が大きくないか? 合理的に考えて。アルコール作りだって、司の一人の方が時間かかるだろうし。

生き残った人類。血が濃くなりすぎないか? つか、紐の強度が心配。

7話目 ☆3
言語と人種を混ぜてるのか。ギャグが強めに。自力でたどり着いたなら、天才だよな。素材を楽に集める装置。病気を治す科学ね。少年漫画らしくなったといえば、そうだが。

8話目 ☆3
便利な鉱物がたまたまあるとか、こういうご都合のところはもう、見逃さないといかんかね。猫じゃらしが穀物ってのは、初めて知ったな。

9話目 ☆3
電気ね~。一気に文明が進んだな。対照的な2つの国の争いになるが、それを1から創り合うのはおもしろい。

11話目 ☆4
スイカ、顔芸w 眼鏡美少女の誕生は、文句なく、正義だな(笑) 世界がクリアになった後に、涙で再び歪む演出は素晴らしい。科学って、本当に多くの人を救っているのな。。。でも、あれ? 眼鏡美少女は?(笑) 金狼にも眼鏡活かすのか。技術力はな、確かにムズい。SimCityみたいで、ちょっとワクワクする(笑)

12話目 ☆4
火山ガスって、そこまで危険なのか。死にいたるものだとは知っていたけど、1秒以下で死ぬほど危ないのか。少年漫画らしい熱さは嫌いじゃない。

13話目 ☆3
村に初めて降り立つ一歩目を、月の表面風の作画にしたのは、上手い。いやいや、じゃあマントル止めなけりゃ、勝ちやがな。スイカの手助けで金狼を、「勝ちなのに負けにする」ための伏線だろうけど、整合性がないな。

14話目 ☆3
騙し討ちとは、想像以上に卑怯だったな。発火は、あんなに一気に起こるものなの?

15話目 ☆4
科学は、人を幸せにするためにある。根元的なことだけど、忘れがちなこと。

16話目 ☆4
なるほど、宇宙に行ってて、難を逃れたってことか。ロマンだな~。

17話目 ☆3
司らしくないな。自分が単騎で行って、解決やん。とはいえ、違う武器を急に持たせて、どうする? 琥珀以外は、鉄の槍の方がよくないか? 各自の能力をちゃんとフル活用するのは、レベル高い。

18話目 ☆3
3人同時に木から落とすのは、「ちゃんとしていない」。時間差で一人ずつ落とし、安全を確認するべきだろう。スマホか。毒ガス弾とかの方が良くない? ビンにつめて投げようぜ。

19話目☆3
ワタアメに水力発電。常に見張りをつけとかないと、発電所のヤバさが分かる焔に破壊されそうだた。

20話目☆3
だから、焔は何してるのかな? タングステン、まあ、こういうご都合主義は許せるけどね。

21話目 ☆4
素敵な友情話。最後の、木に復活日彫ってたあたりの伏線の活かし方は素晴らしかった。

22話目 ☆3
マグマが仲間に。少年漫画だな~。

23話目 ☆5
あれは、友情だったのか、、、良い話だな~。争いのための科学が人を豊かにする。歌を入れたりして、あきない演出。

24話目 ☆5
レコード。科学は時空を超える。科学の素敵さだな。歌を、文化を残す。1本とられたな。実用だけが科学じゃない。人を豊かにするのが科学。まあ、ここで切るなら、2期の情報流さないと暴動起きるわな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

100億パーセント唆るぜ、この作品は!

評価は観終わってからします。
ただ9月位まで色々とあるので作品が観れないのは辛いなぁ。
(2019:07/31執筆)
※(2019:12/14更新しました)

原作・ジャンプ掲載分全て。
アニメ・四話まで視聴済み。(30分アニメ)


うん、期待通りな展開で嬉しいですね。かなり好きな作品なので綺麗に表現してもらいたいです。

超!簡単に書くと…
普通な日々を、学校生活を過ごしていた『石神 千空(いしがみ せんくう)』『大木 大樹(おおき たいじゅ)』『小川 杠(おがわ ゆずりは)』。
そんないつもの日常生活が一変する。原因は分からないが【人類のみが石化する(一部ツバメも)】という事変が起きた。
…そこから数千年の時が流れ何故か『千空』と半年後に『大樹』の石化が解ける。
文明は滅び、建物等は腐って無くなっていた。
「科学は地道な探求」という持論を持つ科学少年『千空』はストーンワールドでどう奮闘するのか!?
…と、簡単ですが。

ここから下は隠してますがネタバレは無いです。視聴前+数話観た感想です。

{netabare}

最初この連載作品を見た時に思ったのが『マインクラ○ト』+『学生時代の理科や化学・科学』+ファンタジーと言ったとこですかね。
ちょっと能力部分だけを例えるなら『ダンガンロ○パの【超高校級の○○】』みたいな感じがありますね。『千空』も『大樹』も『杠』も『獅子王 司(ししおう つかさ)』もそれ以降に出てくるキャラも何かしら凄いです。(全部じゃないですがね。早くメンタリスト出てこい。)

この作品って番組後半にも注意書きが出てますが「やろうと思えば出来てしまう」という事。(危ないやつもあるので自己責任でやって下さい)
科学監修も『くられ』がやっている事。
数千年後なので緯度経度等のズレや人工で作られた自然は無くなってるというリアル表現。

料理も衛生面も武器も現象も全て科学でやってやんぜ!って感じの『千空』が面白く、でも合理的と言いながら甘いとこもあるキャラに惹かれました。


最初この作品を見た時は『大樹』が主人公かな?と思ってました。1話目観ると…ね。

『千空』役の『CV小林 裕介さん』はちょっとウザいキャラが似合う声優さんになったなと個人的に思いました(笑)

ちょっと『司』がキレ者過ぎかな。ストーリーの流れ的に仕方ないけど色々と気付くまでは良いとしても物体・物質等の知識も凄い。記憶力が凄いからか?
『司』の考え方は結構納得しますね。今の世の中の…、老害共が…、と、詳しく書くとつまらなくなるのでこの辺で。
ま、独善的な価値観って感じですね。

アニメではまだですがジャンプ本誌で書いてあった物を試しにやってみました。ある話数で『麺料理』を作るのですがそのレシピを試しに作ってみました。…作って、…(汗)
食用としては問題ないけど味が…、食感が…、薬膳としても…(汗)

ある飲料もいずれは試してみます。


これから科学で発展させたり、謎を解いたりと色々と熱い展開があります。現代社会にあるものがほぼ全て無くなった世界でどう『千空』達が行動するのか!?科学ファンタジーをお好きな方は是非!

個人的にはOP曲もED曲も合って無いかな?と思いました。

{/netabare}
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(2019:12/14執筆)

全視聴しました。ここから先の感想はネタバレ含みます。

{netabare}

いやー、結構楽しめました。
文明が無くなった世界で『マインクラ○ト』に『化学・科学』を駆使し困難を切り開いていく、ってのは子供心をくすぐりますね。

因みに『化学』は物質の性質ならびに物質相互間の反応を研究する、自然科学の一部門。

『科学』は一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。また、その成果の内容。特に自然科学を指すことが多い。

って感じです。どっちも読みが「かがく」なので分かりやすいように一般的に『化学』は『ばけがく』と言ってます。(千空も作中に言ってます。)


謎がかなり残ってますが1番気になるのは『石化』ですね。『千空(考えていた)』と『大樹(想っていた)』だけでも解け方が違うのに『杠』はもっと違う。『杠』は何も分からないと言ってました。『千空』とは違う。
『司』はすぐ順応してたけど解け方としては『杠』に近い。
さて、一応は『復活液』で石化が解けてますが条件が違う物で石化が解けてます。この謎はまだ原作でも解明されてません。
石化された理由・原理やなぜそうなったのかが非常に気になります!


『司』の考えは結構共感しますね。
権利や税、先に産まれて文明を切り開いた年上だからそれを敬え!って世界が気に食わない、浄化しようという考えは歳が若ければ若い程共感を得られるのでは無いでしょうか?
大体文明を切り開いたお偉い人なんて少数だろうに。

そうなれば意見は割れ、『千空』VS『司』みたいな構図は遅かれ早かれ出てくる争いの種になってるでしょうね。
人間を増やす、増えると考えも様々な物が出る、そうなると…ってね。



この作品は一応現代社会(連載された時は2017年)を題材にして石化しておよそ3700年後に石化が解けてストーリーがスタートしてます。
私は鉱物とか物質の経年劣化とかよく分からないんですが今から3700年後には何も残らないもんなんでしょうか?作中では青銅製の大仏は残ってましたけどどうなんでしょう?
一応前に見た科学ニュース記事では1000年単位の月日が流れるとほとんど無くなるとは見ましたが…。
CDやDVD等はちゃんと保存しないと寿命は20年〜30年って言われるし電子データも『M-DISC』以外はちゃんと管理しないと数十年で劣化・場合により消えます。
データはともかくここまで何も残らないのかな?ま、証明は難しい…というより無理でしょうね。見る事は不可能でしょうし。でもやはり気にはなります。


後は気候かな。現代社会でも計測しだしてから赤道は徐々にズレてるし世界的に気候も変わってます。
3700年後に日本に四季はあるのかな?と、疑問。
日本が気象情報を取り出したのは明治5年(1872年)から。たった150年しか経ってない統計データで異常気象とか言ってる気象予報士ってどうなん?って思うけどそれでも気候は変わってる。
確か現在(2019年)から約2000年後には今の北極星ポラリス(こぐま座α星)は北極星では無くなり、ケフェウス座ガンマ星【エライ】が北極星になります。(科学ニュースより)
そうなると地軸とかは今よりかなりズレてると思うのですが。地球の地軸は約2万5800年周期で微妙にズレてる計算なはずだし…。
ま、高卒の素人の疑問なんでそこまで対した事じゃ無いのかな。
日本であるかは作中の簡単な例で『杠』が石化してた場所で分かります。


個人的に好きだったのは食事ですね。
流石に『ねこじゃらし』を見て「よし、ラーメン作るか!」とはなりませんが(汗)
ただ発想力やこれをネタに持ってくるのは凄いと思います。普通思い浮かびません。
…味は …オェッ
私だったらストーンワールドにある物で味付けを変えるくらいか知ってる調理法で調理するしか出来そうに無いです。

結構食事に関する製品や家電製品って化け学・軍事転用で作ってるの多いんですよね。『レーダー』=『電子レンジ』とか有名なのはナポレオンが採用した『瓶詰め』のちに『缶詰・レトルト食品』が作られる。面白いのはお掃除ロボット『ルンバ』は『地雷探知ロボット』だった等本当に面白い。
だからこそ私はこの作品が好きだし食事のエピソードであの発想力は痺れました。
『パクチー』『炭酸水』『ハチミツ(焦がしたカラメル)』『ライム』で『コーラ』は私も試しましたが『コーラ』でした。
ただパクチーが苦手なのでそこがちょっと(汗)
個人店で料理を出してるとこにはたまに自家製のコーラやジンジャエールとか出してるとこもあるのでこーゆーのは簡単に作れるんですよね。
…今度は『炭酸水』を作るとこからやってみようと思います。

もしこの作品のようなストーンワールドになったらお酒よりコーラとかジンジャエールとかの嗜好品の方が重宝されそうだなぁ。多分。


ストーリーを観て思ったのが70億人の復活は出来るかもしれませんが、1番ムリゲーなのはストーンワールドから現代社会の技術まで復活させられるかどうか。
ほぼ無理だと思います。科学ニュースでも取り上げられたのを見た事があるんですが、鉱石やエネルギーや資源など取りやすい所から取ってしまってる為に作るのが困難なアイテムや不可能になるものが出るそうです。簡単に言えば取り辛いとこまで行かないと行けないからって事です。
『スマホ』が現代社会ではかなり普及してから『砂マフィア』が砂を乱取りして砂不足、枯渇してるそうです。サハラ砂漠の砂を使えば?と思うかもしれませんがサハラ砂漠の砂はスマホやガラス、電子機器や鋳型等を作れません。ある成分が入ってないのと丸くて小さ過ぎるので。

こーゆー問題があるなか『千空』がどうやって復活させて行くのか、楽しみで仕方ないです!
『千空』で完結させるのか、何世代も掛かるのか、どうなるのかな?


{/netabare}



合理的だけど非情では無く甘さのある『千空』、そこは結構人間臭くて好きですね。『コハク』と『クロム』との絡みも良いし『大樹』と『杠』との関係も熱い!バトル部分もジャンプらしい。
次回予告の理科の実験みたいなんはとても良かった。

少し設定に疑問点もありますが全て完璧な作品は無いと思います。

第2期が1期放送後に制作決定が発表されました。
『千空』の言葉を借りて「唆るぜ、2期も」と締めようと思います。
長い感想を読んで頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

71.6 12 熱いで冒険なアニメランキング12位
ドラゴンボールGT(TVアニメ動画)

1996年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (518)
3199人が棚に入れました
悟空がウーブと修行の旅に出てから5年。悟空の教えを受け15歳になったウーブは、立派な戦士になっていた。修行の最終試験を行っている頃、願いを叶えてから一年以内に揃えないと星そのものが消滅し人類滅亡となってしまうという究極のドラゴンボールを、世界征服を企むピラフが使ってしまう(しかも、そのときの願いを神龍が勘違いしたことにより、悟空は子供の姿にされてしまう)。悟空は、パンとトランクスと共に、ドラゴンボールを集めるため宇宙へと旅立つ。

声優・キャラクター
野沢雅子、皆口裕子、草尾毅、鶴ひろみ、堀川りょう、古川登志夫、田中真弓、増岡弘

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメ『ドラゴンボールZ』の最終話から5年後の世界が舞台となるアニメオリジナルの作品。

『ドラゴンボールGT』(ドラゴンボールジーティー、DRAGON BALL GT)はアニメ『ドラゴンボールZ』の続編として制作されたオリジナルストーリーのテレビアニメ。

1996年2月7日から1997年11月19日までフジテレビ系で放送された。全64話+番外編1話。

平均視聴率14.6%、最高視聴率19.7%(いずれも関東地区)。

『ドラゴンボール』(以下、『元祖』)『ドラゴンボールZ』(以下、『Z』)と続く『ドラゴンボール』アニメシリーズの続編。

スタッフ、テレビ局、スポンサーらによる、水曜夜7時のゴールデンタイム枠で、『ドラゴンボール』のアニメシリーズを続けたいという意向により、悟空の孫娘パンやトランクスたち次世代の子供たちが活躍する「魔人ブウとの最終決戦終結から最終話までの10年間」を描くオリジナルストーリーで新作を作りたいという意見を、原作者の鳥山明や週刊少年ジャンプ編集部に伝えた際、打ち合わせの中で出た意見を踏まえ、「原作の最終話のその後」を描くという方向性が決定したことで制作が開始された。原作の物語をベースにアニメ化した『元祖』や『Z』とは異なり、「原作のその後」をアニメだけのオリジナルストーリーで描く、孫悟空の新たな冒険ストーリーであり、原作者の鳥山明は「原作の壮大なサイドストーリーであるドラゴンボールGTを僕と一緒に楽しく観ていただければ幸いです」とコメントしている。

究極のドラゴンボールの力によって孫悟空が子供になったことから始まる。悟空が子供になり、それに伴い瞬間移動も使えなくなったのは、次世代の子供であるパンたちの物語に、悟空をどう絡ませるかを考えたとき、本作の段階で孫悟空はすでに50歳代となり、強くなりすぎて成長を描くことが難しかったことと、あえて悟空を子供に戻して様々な制限を設けたほうがドラゴンボール探しで宇宙を旅する冒険の幅も膨らむだろうという理由から。

アクションやギャグがある雰囲気でドラゴンボール探しの旅に出る『元祖』初期のスタイルに戻そうというアイデアを元に、原作の世界観が深く広いため、地球よりも宇宙のほうがスケール的には、どんな奴がいても許されるだろうという考えから、第26話までは宇宙が舞台となり、惑星冒険ものやスペースオペラの体裁をとった内容となっている。第3話のシナリオが終わった頃、「こんな旅の話をずっとやっても面白くないんじゃないか」、「ドラゴンボールシリーズなら、やはり爽快感が欲しい」という考えに到り、打ち合わせの中で「地球が危ないという話がいい」、「個性的な敵が出て、その関わりの中で戦う展開が面白い」という方向性が出たことから、原作同様、ロードムービー路線からバトル路線へ自然と移行していく構成となった。また前作『Z』で、幼い子供の視聴者は、悟空が出ていない展開が続くと気持ちが離れてしまっていたことなどを理由に、戦闘パートは悟空を主軸にした展開中心となった。そのため、前作まで準主役であった孫悟飯や孫悟天(ゴテンクス)などを主軸とした戦闘パートは本作ではなくなった。『Z』が原作連載終了後も物語の展開を引き延ばしていたのは、本作の製作に充てる準備期間が必要になったことも影響している。

前作からスタッフが大幅に交代しており、またこの年から東映動画制作の全ての新番組アニメに「ファイン・ネガ・ビデオシステム」が導入された影響で、本編中の色味が変更された。放映中にも主要スタッフが大幅に変動しており、松井亜弥の産休による降板でシリーズ構成が不在に、ベビー編以降の脚本担当は武上純希と前川淳とおおいとしのぶの3人によるローテーションとなるが武上は39話で降板し、以降は2人で残りのエピソードを書き上げた。作品のBGMは『Dr.スランプ アラレちゃん』の時代から15年間BGM作曲に携わってきた菊池俊輔からビーインググループ(Ading)在籍の徳永暁人(現『doa』メンバー)にバトンタッチされ、本作のために作曲されたBGMと映画『ドラゴンボール 最強への道』でのBGMが使われた。

なお、前作『Z』までは音声面はモノラル放送で、提供クレジットはブルーバック画面であったが、今作より音声面はステレオ放送となり 、同時に提供クレジット画面は、イラスト入りの静止画となっている。

本放送と、それに準じたテレビ放送用のマスターを用いた再放送の最終話ではクライマックスに『元祖』・『Z』を含めた全主要声優や主要スタッフの名が流れたが、DVD版とそれに合わせた再放送では16mmフィルムから直接起こされたマスターであるため、収録されていない。

『ドラゴンボール』シリーズ最後のハイビジョン非対応放送であり、フジテレビ・東映アニメーション共同制作作品としては最後のセル制作によるTVシリーズでもある。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

Ballantine さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今までのDBシリーズの総まとめアニメ

今回は悟空の子供、悟飯に子供が出来てパンちゃんだっけ?の女の子がメインで話が進んで行くんだったかな。
書いててよくわからなくなってきた。
悟天とは一体誰だったのか…あれ?駄目だ記憶がおかしい。


究極のドラゴンボール編
復讐鬼ベビー編
究極の人造人間編
7匹の邪悪龍編
番外編


飛び飛びで見ていたので話をあまり覚えていなかったのですが、放送が終わってからしばらくして弟が録画をしてたのを見せてもらって早送りしながら見ていました。


スーパーサイヤ人4になる辺りは結構見てたんです。
デザインかっこいいですねぇ!まさにDB史上一番かっこよかったです。
ブルーツ波だかの影響で大猿になり暴れていたけど理性を取り戻して4になったんだったかな確か。

あとポタラだかフュージョンだかでゴジット?ベジット?
あれもなかなかカッコ良かったです。
映画版だったかなんだったか…もう記憶が曖昧ですが。

しかしブロリーさんの超サイヤ人4が見たかったです。


ドラゴンボールが敵となる回はあぁそういう話になるんだなぁと薄々やりそうだとは思っていたので遂に来たかと思いましたね。
しかし悟飯のダサさが異常でしたね。
なんだっけなんとかマンってのになってしまったのはなんだったんだ。
まぁ面白かったからいいんですけどね。

スーパー17号の強さは素晴らしかったですね。
ブロリーに変わる好きなキャラでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

戦闘シーン半端ないっす(≧∇≦)bスゲェー!!

~あらすじ~
魔神ブウを倒した後の続き

上の写真にも出てきてるんで言いますけど
悟空が小さくなってしまうんです。

自分は大きい悟空に見慣れてそっちの方が
格好良くて好きでした。

だけど、小さくなってしまったので、
正直がっかりしてました、、、でも見続けました。

前半は、一番最初の「ドラゴンボール」に戻った感じの展開だったので、
「懐かしいなぁ~」って感覚で見てました。戦いもシンプルで迫力が無くて、「ドラゴンボールZ」の方が面白いと思い見てました。

でも、途中から、戦いも面白くなってきて今までのドラゴンボールを
取り戻してきて、最後は相当戦いが激しくなって、興奮が抑えられませんでした。

「ドラゴンボール」と「ドラゴンボールZ」に張っていた伏線を
一気に出してきてとても面白くて見ていてワクワクしました!

やっぱり「ドラゴンボール」は凄いなぁ~と思いましたw

個人的に1番好きなのは「ベビー編」です。

「ドラゴンボールGT」を見たこと無い人は是非見てください♪d(´▽`)b♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

73.3 13 熱いで冒険なアニメランキング13位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2479人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

OVA、アリですねえ、、

【OVA作品というやり方】
既存作品の外伝とかではなくOVA単品という作品を見たのは初めてだったが、ちゃんと製作陣が作り込んで、かつやりたいことをやっているようでよかった。多分放映作品は浅く広く受けをねらう必要があるけど、OVAなら、狭くニッチなファンが買えばいいということで、相当やりたい放題やれたのだろう。また、放映させる場合、基本1回しか見ないし、視聴ごとに各話一週間開いてしまうので、わかりやすさが結構大事で、情報量を多くすることは難しいけれど、OVAなら何度か見て理解できる要素が色々あったり、激しい展開が可能になってくるのではないか。この作品は各話結構情報量多くて濃密な30分を堪能できる(情報量を絞っても面白い作品というのはあるが)。
こう言う商売のカタチを(自分が知らないだけで結構あるのかもしれないが)もっとやってほしい。

【メタ表現について】
作品として、製作陣の世界をつくりあげるのはいいけれど、メタ的な話を最終話までこねくりまわしたりしていて、そこは盛り上がりを阻害しているように自分は感じた。まあ第一話とかでのメタ表現は普通によく思えたし、調整が微妙なところだろうけど。

【ストーリー的な魅力】
話の内容としてはこの作品は、人間的な素朴なテーマ、SF的なかっこよさ、メチャクチャな小ネタの乱舞でできている。何よりすごいことに、(niconico動画等に通ずるようなレヴェルの悪のりを)あれだけやりたい放題やっているのに、人間的な共感や、優しさや痛さを感じられるような、力強い素朴な物語がしっかりあるのだ。
一番この作品で好きなのは麻美々だ。麻美々の物語が一番不完全で優しかった(現実的ではないが)。



【ストーリー的な難点】
重箱の隅を突けばでるものがないではない。
ご都合主義とはいえあの主人公がそこまでモテモテなのはどうなのかとかね、主人公にみんな優しすぎでしょとかね、やぼだけど。
ストーリーの難点とか気になってくる前に駆け抜けていったって感じはある。
あと自分の好みとはずれはある(まずピロウズみたいな曲聞かんし、ドンチャン派手でカッコイイ、っていうアニメって好きじゃない)。
でも見せ方がうまいし、全然見れた、

【作画】
2000年の作品だがそうは作画、演出は信じがたいほど洗練されていると感じた。女の子も男の子も可愛い(マユ毛とか)。漫画風演出は悪くないが、普通にちょっと忙しなくて分かりにくい感はあった。まあその労力に見合ってない感じも良いです。

【ニッチさ、オタクさについて、若輩の愚痴など】
延々と、さながらFaceBookで政治的な発言を繰り返すオヤジのように何度も言ってきた懐古的なことをまた話す。
やっぱりアニメ業界っていうのは(これは深夜アニメってわけじゃないからちょっとずれた話になるけれど)深夜枠という、比較的自由のきく時間帯を利用して、製作陣が好き放題、自分の世界を作ってきたものである。昔のアニメには確かにエネルギーがあった。「これが俺の世界だ、物語だ。」と、たとえ理解されなくても視聴者に堂々と作品を叩きつけていたのであった。
それがなんだ今は。視聴者に媚びへつらう技術ばかりが上達しているように思えてならない。最近はアニメも大衆化したと言うが、元々アニメにあったオタクの居場所が大衆に奪われたといった方が正しいのではないか。しかも大衆化といっても、ニッチな春画から即物的なアダルトビデオになったというような下卑たものである。AVも需要はあるだろうが春画の居場所を奪わんでくれ。

そんな世の中なのでこういう趣味全開の作品を発掘できると、その出来とは関係なしに嬉しくなる。また驚くべきは、趣味全開でありながら、それを丁寧に完璧に作り上げた上で叩きつけた手腕である。

【作品の総評】
やりたい放題やったエネルギッシュな作品に仕上がっていて、自分の趣味とは少しずれるけれどかなり高評価。
作画、演出等全部素敵です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

. さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

評価の分かれる作品です。さて、面白い?面白く無い?

ガイナックスさんとProduction I.Gさんにより製作されたそうです。1話が大体30分ぐらいで合計6話。意外と手軽に視聴することが出来ますヨ。


だけど評価は非常~~に難しい作品ですね。とても見る人を選ぶ作品だと思います。なので、いつもは”QB”よろしく営業トークの私も、今回は全ての方にはお勧めいたし兼ねてしまうのです。この作品は、カッコ良いサウンドと演出で”cool”に見せるアニメなのかと思います。なので好みが合った人は”Cooooool!”となり、そうじゃない人には”なんじゃこりゃ?”となるのかと思います。


評価の分かれ目ポイントその1!
表現方法がとても斬新です。従来のアニメ作品と異なる?表現方法を試みている為、そういう表現を”面白い”、”格好いい”、”斬新”だと受け取れるか、それとも”訳がわからない”、”つまらない”と感じるかです。
例えば、最初はシリアス展開だった画風が突然ギャグアニメ風に変わります。またある時は、画面がいきなりコマ割り漫画になってしまいます。まぁ当然そう言うときは笑いの要素を盛り込んだ場面に限られるんですけどね。果たしてそこを”cool”なギャグと受け止められるか。


評価の分かれ目ポイントその2!
音楽を気に入るか・・・ですね。音楽を担当されているのは”the pillows”さん。物語の要所X2でこの方達のサウンドが挿入され、カッコ良く場面を演出してくれるのですが、そもそもこのサウンドを”cool”と取るか、それとも自分に合わないので”イマイチ”と取るか・・・です。とても音楽の存在が大きい作品ですので、”曲”が気に入らないのでは話になりません。


物語は一人の少年の成長物語です。なんだか冷めてて、あんまり子供っぽくない小学6年生の男の子が主人公。彼は特殊な能力にある事故?をきっかけで目覚める事になります。この能力がとても不思議。右脳と左脳のなんたらかんたらを利用して超空間チャンネルを開き(なんのこっちゃ?)、遥か遠くの物体を引き寄せたり送ったりできるらしい。っと言うか、どう見ても勝手に物体を送り込まれているっポイ。なんと頭の中からロボットが出てきちゃったりする訳です! この能力をきっかけに、主人公は宇宙の中で進行している恐ろしい現実を知ることになります。そして彼の暮らす街にも魔の手が・・・。


この作品は”ヒロインの女の子がとても可愛い”と思いました。キャラクタデザインしかり、性格設定しかり・・・。合計3人のヒロインが登場しますが、それぞれが個性的。

先ずは17才女子高生のサメジマ・マミ美さん。語尾に「~っす」って付けて、なんだかいつも先輩と話をしている様な独特の喋り方が特徴。何度も聞いていると癖になる響き。それに色気があって、とっても可愛い子です^^。
で、もう一人のヒロインがハルハラ・ハル子さん。自称19才だけど、どうみても”お前20才超えてるだろう”って感じのちょっと裏のありそうな女性。。メチャクチャな行動ばかり取るのだけど、なんだか憎めなくてお茶目な一面も。
そして最後はクラスメートの女の子でニナモリ・エリさん。時々小学6年生に見えない色気を見せるおませさん。一番女の子らしいのがこの子かな。
ちなみに私のお気に入りはサメジマ・マミ美さん! ”~っす”の喋り方にかな~り毒されました。
彼女達と主人公の恋の行方も一つのポイントかな。主人公の成長に恋が重要な要素となるのは、まぁ定番ですからね。


本作品はツボにはまると面白いのですが、好みに合わないと冒頭の1話で挫折の可能性もあります。それに世界設定がとにかく”ぶっ飛んでいて”理解しづらいかも。私も1度観ただけでは理解出来ませんでしたしね・・・。


そんな訳で全ての方にはお勧め出来ませんが、この斬新な作品は好みが合うならば面白い作品になると思います。

さて、貴方はどういう判断をされるでしょうか?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レモンスカッシュ

本作はどういうアニメなのか?

・・・ええとですね、ベースギターで頭をぶん殴られたら角が生えてきて、
角から射精したようにドバっとロボットが現れてバトルする・・そんなアニメです。

意味不明である。
本作を未視聴の方に「こいつ何言ってるんだ?」と思われても仕方がないと思いますw
でも、そんなアニメなんですw

これ程レビュアー泣かせの作品もそうはありませんw
そりゃ表層面を掬えば、「スタイリッシュ」ですとか、「ぶっ飛んでます」とか、
「考えるより感じろ!」というアニメですなんてフレーズは出てきますが、
本作の本質部分を言葉にするのは困難極まりますw

本作の主人公であるナンダバ・ナオ太は小学6年生で、
やや斜に構えているところがあって、生意気なんですけど、実は純情で繊細と、
まぁこれから思春期に突入するであろう(または、もう突入している)
少年像の典型のようなキャラですw

ただ、彼を取り囲む異性の関係性は他の同年代よりも少し進んでいて、
ナオ太に何かとちょっかいを出してくる女子高生のサメジマ・マミ美だったり、
ナオ太の前に突如現れたハルハラ・ハル子(自称19歳)だったり、
ナオ太と同級生でナオ太のことを意識しているニナモリ・エリだったりに囲まれていて、
小学6年生のナオ太には少々刺激の強い環境です。

男の場合ですけど、思春期に突入する頃というのは、
異性への興味が即物的なものに変化していきます。
つまり、異性を性的な対象として求め始めるというということです。

他にも父と母の間には家族という関係以前に男女としての関係性が存在することに
気付き始めるのもこの時期ですかね。

あるいは、夏休み前に「学生の本分を忘れずに清く正しい生活を送るように」なんて
言っている先生が、ゲス不倫しているなんてことに気付くのもこの時期ですw

大人の世界の理不尽さに触れ、偽善と欺瞞を唾棄し、葛藤に苛まれる、それが思春期ですw

私は本作に、自身のバイブルである「行け!稲中卓球部」と似ている空気を感じていて、
思春期の時期に萌芽する初々しいまでの性への興味や、
この世(大人の世界)への葛藤だったりをギャグに昇華したのが「行け!稲中卓球部」ならば、
ハチャメチャなロボットバトルに昇華したのが本作かなと。

そのハチャメチャなロボットバトルを始めとする
(映像)制作に携わっているのは、錚々たる顔ぶれです。
価格.comでは、「ガイナックス全盛期の傑作」なんて宣伝文句もあるくらいですw
とにかく驚嘆の出来です。
アニメーションの文法に忠実に則った方法論を取りながらも、
そこに高密度な情報を乗せて、有無を言わさず直接視聴者の脳に叩き込むような、
ある種暴力的な映像です。
設定だとかストーリーだとかを考える暇もないテンポで、
言葉にしてしまえば荒唐無稽な事象が、
高い技術に裏打ちされた圧倒的映像で、形象化されています。
とにかく映像の訴求力が強くて、もうこちらはただただ呆然としていましたw
これが本作の「考えるより感じろ!」と言われている正体だと思います。

ところで、本作では様々な比喩が用いられていますが、
本作に登場するベースギターだったり、
バットだったりは男性器のメタファーというのは有名な説です。
その説に従うと、様々なシーンが実に興味深いんですけど、
そこはあまり考察せず、「考えるより感じろ!」ってことにしときますw

思春期の味が酸っぱいレモン味ならば、
そこに脳まで溶かすような強烈な炭酸が加わった
(本作にも登場する)レモンスカッシュこそが本作の味ですw

男ってのは、いくつになってもこの味が忘れられない馬鹿な生き物なんですよw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

60.5 14 熱いで冒険なアニメランキング14位
トリコ(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (245)
1229人が棚に入れました
「食」をテーマとした異色のバトル漫画。美食が世界的流行となっている「グルメ時代」。世界中に未知の食材が溢れ、1つの食材に億単位の大金が動くことも珍しくない。そんなグルメ時代の中、未開の味を探求する「美食屋」トリコが、様々な食材を求めて世界中を冒険する。狙いの多くは猛獣や秘境にのみ存在するため捕獲が困難でありそれらを巡って激しい闘いが行われる。

声優・キャラクター
置鮎龍太郎、朴璐美、櫻井孝宏、岩田光央、水樹奈々、田野アサミ

アレックス・ディノ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

1番好きです!!

この物語は「食」をテーマとした異色のバトルアニメで、1つの食材に億単位の大金が動くことも珍しくない。また最高の食べ物を食べると力が湧いてくるらしい。この物語は人間関係もをるくなく主人公を初めバトルのところがかっこいい!!今でもマンガでもアニメでもやってるので是非見てほしい!!僕はサニーが一番好きです!!しゃべり方や考えが面白く、戦闘シーンも感動的です。

今もトリコ続いていますがずっと続いてほしいものですね!!個人的には小松、ゾンゲ、ゼブラがいいですね!!ゼブラは出番が少ないのが残念ですが、インパクト強いですね!!迫力ありますね!!ゼブラいっぱい出てほしいです!!

後、トリコのOPである「ガツガツ!!」あれは協調性がありノリノリ気分ですね!!まさに食を強調している歌です!!そして1話からOP変わってませんね!!

「この世に感謝をこめていただきます」本当に食材には愛情込めて食べないとね!!食材も生き物ですから大切にしましょうね!!

食や格闘そして少年ジャンプ系のアニメ好きならこのトリコをお勧めします!!

このあとのトリコどうなるか「私、気になります!!」

そして4月にやる第100話の人気投票楽しみです!!ゼブラ、小松、トリコ、ゾンゲ辺りは何位でしょうね!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何だかんだの格闘アニメ

 放送前から、ワンピースとコラボして放送したこともあり、ついでにずっと最後まで見てしまった。
 食の概念というのか、信じられない食べ物ばかりで何だぁ?と思った。グルメ時代というのも、訳わかんなかった。ミスター味っ子とか、お美味しんぼとかと明らさまに次元が違っている。
 格闘がメインで、冒険がついでにあるような感じ。それが、最後まで続いた印象だった。トリコが、相手と戦うとき「いただきます」、戦いに勝つと「馳走様でした」というも最終回まであり意味不明?。食材と敵が、ごっちゃになっているのでは?
 個人的にトリコが、食事をする時に合掌をし「この世のすべての食材に感謝をこめいただきます」、食べ終わると合掌をし「馳走様でした」というのは好きだった。したことなかったけど時々、合掌をし「いただきます」、「馳走様でした」はやるようにした。「この世のすべての食材に感謝をこめいただきます」と声に出すのは、何か恥ずかいかんじかなぁ・・・・・。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

makkotty さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

普通

エンディングの『サブリナ』がかっこいい。
このアニメにあってないけどひたすらかっこいい。
『悪食娘コンチータ』の方が合ってると思う。
ちなみにボカロの曲でこれはこれで好きというのは置いておきます。

他はほとんどがダジャレで作られている。
そんなに面白くはないし滑っている。

でも僕自身は滑り芸が大好きです。
ますだおかだとかふかわりょうとか・・・
トリコにもそういう類の面白さを感じます。
毎週続くとさすがに飽きるけれど・・・。

元々の食材は気持ち悪いモンスターなのに空想の食べ物の説明が聞いているとなんだか美味しそう。
話がテンポよく進んでいくのでドラゴンボールよりは見やすい。

おもしろいとは言い切れないし好きでもないけれど次々に現れる食材・・・次は何だろうとワクワクはしないけれど気にはなる。という作品です。

それでも毎週欠かさず見てしまうのは何か・・・自分では気がつかない魅力があるのかも知れない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

68.8 15 熱いで冒険なアニメランキング15位
魔法騎士レイアース-マジックナイトレイアース(TVアニメ動画)

1994年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (216)
1173人が棚に入れました
人気作家集団CLAMP原作の初アニメ化作品。後半の展開は、少女漫画を基にした作品としては非常に珍しいロボットアニメとなった。東京タワーへ見学に来ていた女子中学生の光、海、風は異世界セフィーロへと召還される。そこで導師クレフより囚われのエメロード姫救出を依頼された彼女たちは、伝説の魔法騎士となって姫を虜にしたザガート打倒のために立ち上がる。だが、真に倒すべき敵はザガートではなかった?
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

CLAMP×ロボット×異世界召喚

◆総評:原作マンガは今読んでもかなりの魅力作だが、アニメはやや作品コンセプトに難有りか?

1994年~95年にかけて放送された少女マンガ原作・2章構成・全49話の長編アニメということで、さすがに最近のテンポ良く美麗なアニメばかり見慣れていると、脚本・作画・演出等いろいろと粗が目についてしまいました。
ただし、第一章のラスト2話は、かなり意外な展開で盛り上がるのと、第ニ章のラストも結構グッと来る良い展開なので、我慢して見る価値はありました。
全くの新規の方への視聴はお薦めできませんが、これまでCLAMP原作アニメを何本か視聴済みで、ファンになっている方なら、新たな発見もあって楽しめる作品かと思います。

◇以下、原作マンガ読了後の追記。

本作完走後、原作マンガ(『魔法騎士レイアース』(計3巻)、『魔法騎士レイアース2』(計3巻)の全6巻)の方も完走したので、アニメとの印象の違いについて若干の考察を加えます。

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『魔法騎士レイアース』(計3巻)  ※個人評価 ★ 4.4
少女マンガ誌【なかよし】連載期間:1993年11月号~1994年3月号、1994年5月号~1995年2月号(計15回)

アニメの第一章(計20話) ※個人評価 ☆ 3.6
放送期間:1994年10月~1995年3月(※登場キャラ&シナリオは基本的に原作準拠だがエピソードの水増しあり)

『魔法騎士レイアース2』(計3巻)  ※個人評価 ★ 4.3
少女マンガ誌【なかよし】連載期間:1995年3月号~1996年4月号(計14回)

アニメの第二章(計29話) ※個人評価 × 3.4
放送期間:1995年4月~11月(※ただし登場キャラ&シナリオに大幅な違いあり)
----------------------------------------------------------------

・上記のとおり、アニメの第一章は原作の前半『魔法騎士レイアース』にほぼ準拠していますが、第二章の放送が始まる頃には原作のストックが尽きており、この第二章は原作とは別シナリオの展開となっています。
・ただし、第二章のシリーズ構成&脚本自体は、マンガ原作者(CLAMPの大川七瀬氏)が行っているので、アニメ制作側が原作マンガのシナリオを改悪した、というわけではありません。

・原作マンガの方は、マンガの制作技術そのものが20数年前とさほど変化していない(※技術進歩の著しいアニメと違って、その頃から既に完成の域にあった)こともあって、今の基準で見ても相当な魅力作・力作と思いました。
・一方、アニメの方は、本作が制作された1990年代前半~中頃の水準ではシリーズ構成/脚本/作画/演出のあらゆる面に関してまだまだ完成度が低く、

(1) 第一章では、引き締まった内容の原作に、予め決まっている放送回数に見合うように、当たり障りのないエピソードを水増しして、結果的に作品内容を希釈してしまっている印象。
(2) 第二章では、そもそも原作には登場しない重要キャラを複数登場させ、シナリオ自体も原作とは大幅に違ったものに変えたが、その際に、原作の方に一貫して伏流し、アニメの第一章でもその片鱗の伺えたシナリオ&キャラ&世界観設定の「CLAMPらしさ」が大きく毀損されてしまった印象が強い。

・本作の監督を務めた平野俊弘氏は、どうやらロボット&アクション作品に強い方らしいので、登場キャラの心情推移の細やかな描写に魅力のあるCLAMP作品(※本作のように一見、派手なロボット&アクションものの顔をしている現作マンガの場合でも、実際には登場キャラの細やかな感情の動きの描写に魅力があってこそ人気が出たものと推測します)の監督としては、やや不適任だった気が個人的にはしました。

※以上、まとめると・・・

<1> 原作マンガの方は、今読んでも十分に楽しめる、内容の引き締まった魅力作と思いますが、
<2> アニメの方は、当時のアニメ化技術の未成熟に加えて、内容面でも原作マンガの魅力が大きく毀損されている感があり、残念ながら、原作マンガを読んでその熱烈なファンになった方以外には余りお勧めできる作品とは思えませんでした。

※なお、本作の数年後に原作マンガの連載が始まり、本作と同じく連載途中でアニメ化の決まった、同じCLAMP原作作品 『カードキャプターさくら』では、本作での経験を上手く活かした?原作者大川七瀬氏が、最初からシリーズ構成を全部担当してアニメ化に際しての制作コンセプトを予め確り打ち立てている印象で、NHK製作アニメという制作環境の良さも加わって、原作マンガ以上にアニメの方が魅力的な作品に仕上がっているように思います。


◆視聴メモ
{netabare}
・光、海、風は揃って14歳(中学2年)
・信じる心が力となる世界セフィーロ
・ザガードは神官なので「猊下(げいか)」
・魔神=マシンつまりロボットなのか?それとも謎生物なのか?はっきりしない{/netabare}

◆作品情報
{netabare}
原作           CLAMP
監督           平野俊弘
シリーズ構成      まるおけいこ・中村修(第1話 - 第18話)、大川七瀬(第19話 - 第49話)
脚本           大川七瀬、まるおけいこ
キャラクターデザイン 石田敦子
メカニックデザイン   山根理宏
音楽           松尾早人
アニメーション制作  東京ムービー新社{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


========== 魔法騎士レイアース (1994年10月-1995年11月) =========
{netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - 第一章 - - - - - - - - - - - - - - - - -
  ^^^^^^^^^^^^ OP「ゆずれない願い」、ED「明日への勇気」 ^^^^^^^^^^^

第1話 伝説のマジックナイト始動 ★ 伝説の魔法騎士セフィーロ召喚(光・海・風)、導師クレフの託言、光の魔法
第2話 沈黙の森の創師プレセア ☆ 創師プレセア&モコナとの出遭い、初めての武器、エテルナへの出発
第3話 謎の美少年剣士フェリオ ☆ 意思の世界、風&フェリオの共戦、沈黙の森脱出
第4話 執念の魔操士アルシオーネ ★ 海負傷、光奮闘、海の魔法、風の魔法 
第5話 伝説の鉱物エスクード ☆ 平面の泉、エメロード姫、アルシオーネ撃破
第6話 命をかけたプレセアの武器 ☆ セフィーロ崩壊の始まり、召喚士アスコット、召喚獣アトランテ襲撃、騎士の剣、プレセア死亡
第7話 捨て身のフェリオ砂漠の恋 ★ 剣士フェリオの迷い、召喚獣パジェロ、剣の成長(風)
第8話 召喚士アスコットの恐怖の罠 ☆ 魔物の跋扈する村、召喚獣ビガー(ひかり)、剣の成長(光)
第9話 マジックナイト最大の危機! ☆ アルシオーネの執念、海の迷い(東京タワー)、剣の成長(海)
第10話 よみがえる伝説の魔神セレス ★ 召喚獣カペラ、海の神殿、魔法騎士の証し(海)、第一の魔神復活
第11話 異世界セフィーロの魔神伝説 ★ 神官ザガート襲来、エメロード姫の救助依頼、フェリオとの再会、村人の襲撃、フェリオの機転
第12話 恐るべき幻惑士カルディナ ☆ 導師クレフ&エメロード姫の幻覚、海の召喚士アスコット説得 
第13話 この世界でいちばん大切なもの ☆ 金の亡者カルディナの懐柔 ※脚本いまいち
第14話 光、海、風のゆずれない願い ☆ 魔物は不安・恐怖の現実化、光の孤独な奮闘、魔法騎士への意思 
第15話 第二の魔神・空神ウィンダム ★ イノーバの策略(セラ、人質フェリオ)、魔法騎士の証し(風)、第ニの魔神復活
第16話 強敵!剣闘士ラファーガ ★ セフィーロ崩壊の危機、の親衛隊長 
第17話 イノーバの正体とよみがえる記憶 ★ 聖獣イノーバ、フェリオの素性・記憶の封印解除
第18話 最後の魔神・炎神レイアース ★ ザガート襲来、魔法騎士の証し(光)、最後の魔神復活 
第19話 対決!魔法騎士 VS ザガート ★ セフィーロの理(ことわり)、ザガートの魔神、合体魔法(光の螺旋)、「どうか、自由に」
第20話 伝説の魔法騎士! 驚異の真実 ★★ 姫の異変、姫の真意、帰還、三人の願い

 - - - - - - - - - - - - - - - 第二章 - - - - - - - - - - - - - - - - -
  ^^^ OP「キライになれない」、ED「ら・ら・ば・い〜優しく抱かせて」 ^^^

第21話 出発(たびだち)と新たな絆 ★ 東京タワーでの再会、再召喚、クレフとの再会
第22話 セフィーロと三つの国 ☆ 柱不在のセフィーロ、プレセア・三魔神との再会、オーロザムの挨拶(イーグル)
第23話 オートザムの侵攻とランティス ☆ フェリオ&ラファーガ達との再会、ランティス(ザガート弟)&妖精プリメーラ登場
第24話 魔法騎士と戦艦NSX ☆ 避難民の少女ミラ、オートザム戻りのランティス、アルシオーネ再襲来
第25話 光と夢の中のノヴァ ★ アルシオーネの異変(邪悪な気配)、ノヴァの呼びかけ、イーグルとの対話、アスカ登場
第26話 魔法騎士とファーレンのアスカ ☆ ファーレン第一皇女アスカの幻術 
第27話 セフィーロの柱の秘密 ☆ 主を待つ王冠、光の夢に出てくる謎の存在(デボネアとノヴァ)
第28話 光とランティスの危険な旅 ☆ 城の外の世界、アルシオーネとランティスの出遭い  
第29話 イーグルと捕われた光 ★ NSXクルーと光の交流、極度に機械化された国オートザムの危機
第30話 ノヴァと悪魔の魔神レガリア ★ レガリアvs.レイアース、デボネア出現、折れた光の剣
第31話 チゼータの移動要塞と戦えない光 ☆ チゼータの侵攻 
第32話 海・風とファーレン・チゼータ ☆ 光の苦悩、巨大サイユン、海・風囚われる
第33話 光の願いとプレセアの秘密 ☆ プレセアの双子の妹、光の剣の再練成
第34話 光と引き裂かれた友情 ☆ 続き、イーグルの病気発覚
第35話 海とタータ・タトラの野望 ☆ 海とチゼータの姫たちの交流、風とアスカ姫の交流
第36話 風対アスカ! 命がけの弓勝負 ★ 風のアスカ説得、フェリオの風救援 
第37話 甦れ! 光の剣 ★ ノヴァ一時撃退、デボネア一時撃退、アスコット負傷
第38話 イーグル・セフィーロ城総攻撃! ☆ 戦艦NSXの砲撃、クレフの防御魔法の限界、オートザム機(FTO、GTO)vs.魔法騎士達
第39話 セフィーロ城 大混戦! ★ 魔物の城内出現、イーグル捕獲、デボネア王冠奪取失敗、エメロード姫の声
第40話 魔法騎士とひとときの安らぎ ★ 過去のセフィーロ(光の幻視)、柱が無くても花が咲く世界
第41話 ノヴァとの戦いと魔物の正体 ★ ノヴァのランティス襲撃、王冠の鼓動、魔物を生み出すもの(恐怖心)の克服、光の恋心の行方
第42話 巨大サンユン VS NSX! ☆ アスカの成長(セフィーロの柱断念)

  ^^^^^^^^^ OP「光と影を抱きしめたまま」、ED「いつか輝く」 ^^^^^^^^^^

第43話 王冠の部屋と柱の記憶 ★ デボネアの所在、王冠の変化、柱の有資格者
第44話 真剣勝負! 海 VS タータ・タトラ ☆ チゼータの敗北宣言、セビル&アルバ登場
第45話 絶体絶命! ランティスの危機 ☆ ノヴァの正体、ランティスの躊躇い・負傷 
第46話 光・衝撃! ノヴァの真実 ☆
第47話 真の柱は!? 光か、イーグルか!? ☆ 
第48話 果てしない戦い! ★ イーグルの自己犠牲
第49話 勝利への道! 信じる心が開く明日! ★ 対デボネア最終決戦、セフィーロの新しい出発、帰還{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)22、☆(並回)26、×(疑問回)0 個人評価 ☆ 3.5 



============= 魔法騎士レイアース OVA (1997年7-12月) ============

全3話 ※未視聴
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 個人評価 

ED 「All You Need Is Love」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

少女たちの心の強さで世界を救う。バトルの王道のすべてが詰まった作品。

●はじめに
”カードキャプターさくら”など、有名作品がたくさんあるCLAMPが原作です。

この作品は、第1章(20話)と第2章(29話)に分かれています。

それぞれでストーリーの雰囲気がまったく違うので、1章と2章に分けてレビューを書きたいと思います。うん、長くなりそう!笑


●ストーリー
【1章】
獅堂光(しどう ひかる)、龍咲海(りゅうざき うみ)、鳳凰寺風(ほうおうじ ふう)。

3人はエメロード姫によって、セフィーロという異世界に召喚される。

エメロード姫は神官・ザガートによって幽閉され、セフィーロの平和を祈ることができず、世界は崩壊の危機に瀕していた。

3人は導師・クレフから”魔法剣士(マジックナイト)”となり、セフィーロを救ってほしいとお願いされる。


魔法、剣、ロボット…。バトルの王道がすべて詰まっています。戦うのは女の子だけど。

「戦士がお姫様を救い出して世界を救う…。まるで王道のRPGだわ。」
と、作中で海ちゃんが話していますが、まさにその通りです。

王道なのにおもしろい。わくわくする。まさにバトル作品の原点なのだと思います。

20年前の作品というのが信じられません。

今見ても普通に、というか期待以上に楽しめました。

原作を小学生の頃に読んでいたので、ザガートの真の目的など、ストーリーの核はなんとなく覚えていたのですが、

それでもラストは感動(;;)つい涙が…。


【2章】
異世界での戦いが終わり、元の世界に戻ってきた3人。

深い後悔と悲しみを抱えた3人は、何者かによって再びセフィーロに召喚される。

柱を失ったセフィーロを狙って3つの国が攻めてきていた。

3国は、セフィーロの新の柱の座を狙っていた。

新しい柱が決まるまで、セフィーロを守り切れるのか…?


2章はロボバトル展開が主でした。

漫画もアニメも、2章の途中でつまらなくなって見るのやめたんだよねー。

今思うと、2章はとても展開が遅く感じたことが原因かな。

セフィーロvs3国なんだけど、なかなかの膠着状態。

マジックナイト3人の別行動が増えてきて、それぞれのストーリーがあるから、軸のストーリーがなかなか進まない。

だから展開が遅く感じて、飽きてしまう。

ラストはさすがの展開でしたけどね。

特に最終話はよかった。これだけは、1章で終わっていたら感じることのできない感動でしたね。

【総評】
同じ作品だけど、1章と2章では雰囲気が全然違います。それを簡単にまとめてみると、
<1章>
・勢いのあるかっこいいバトル。
・ストーリーおもしろい。軽い。笑いも多い。
・展開がさくさく軽く進む。
・お姫様を救うために冒険する王道のRPG。
・あっという間。

<2章>
・戦うことの無常さを強調。
・ストーリー微妙。重い。進まない。
・展開が重くて胃もたれ。
・恋愛要素多い。イケメン多い。恋の矢印出過ぎで複雑。笑
・戦争。守る自国と攻める他国。
・長い。

ざっと書いただけでこんなに違う。

同じ作者、同じ作品でここまでテイストの違うものが出来上がるってある意味すごい。

●バトル
【1章】
1つ1つのバトルが1話の中で終わります。

下手に引っ張らない分、あっさり見れるのも見やすいポイント。

魔法も防具も武器も、戦いを経験する中でだんだん成長・進化していき、飽きることがありません。

戦う女の子、かっこいいなあ。下手な男主人公より、全然かっこいいですww

【2章】
1つ1つのバトルが長いです。「もういいよ~早く決着つけてよ~。」という感じ。

勝ち負けではなく、バトル中に何かトラブルが起きてバトル中断、後日再開、という展開が多かったかな。

1章ですべて出し切ったのか、魔法も防具も武器も、ほとんど成長しません。

その代わり、敵キャラや新キャラの術やロボットが見どころ。


●キャラクター
【1章】
この作品のすごいところの1つと言っていいと思います。

キャラが重厚。アニメオリジナルの敵キャラはいまいちだったけど。

主人公の3人は、ちぐはぐなようで、なんだかんだいいトリオ^^

元気で正義感に燃える・光。
やかましくてフェンシングが得意・海。
切れ者のお嬢様・風。

プラス、謎の生物モコナww

モコナかわいいよー、もふもふしたい。笑

そして旅の途中で出会う剣士・フェリオ。

このフェリオが登場するたびいけめんでテンション上がりすぎてやばかったwww

さすが少女漫画が原作、乙女心をわかってらっしゃるwwwww

【2章】
1章のキャラ+新しいキャラ。

キャラに関してはさすがというべきか、まったく勢いが落ちません。濃厚。そしてイケメン。笑

敵国のキャラもいいので、憎めなかったよ。

特にイーグルはよかったよ。何度「イーグルーーーー!!!」と心の中で叫んだか。笑

でもやっぱり1番は最後までフェリオだったな。風ちゃんがうらやましすぎてたまりませんww

そしてアスコットの変化には爆笑wwwwどう努力すればああなるんだよwwww

欲を言うと、全ての戦いが終了した後の、キャラのその後をもっと知りたかったな。


●作画
こればっかりは、20年という時間には勝てません(笑)

「おい、作画www」と突っ込みたくなることがありますが(特に1章)、それは仕方ないですね^^;

それでもバトルシーンはなかなかのものなのではないでしょうか?

後半は見ていてほとんど違和感なかったし。


●音楽
【1章】
OP「ゆずれない願い」は、今でもまったく色あせない伝説の神曲です。

私個人にとっても、思い出がありすぎて語りつくせない1曲です(笑)

聴いたことがない人は人生損してますよ!!!笑

ED「明日への勇気」も、久しぶりに聞いて大好きになりました。

なんと元気のもらえる曲!!明日からも頑張ります!!

【2章】
OP「光と影を抱きしめたまま」は、「ゆずれない願い」同様時代を越えても色あせないですね。大好きです。

2章の雰囲気にもよく合っていました。


●まとめ
全49話で、見るのになかなか時間がかかりました。

個人的には、1章はおすすめ。楽しめました。でも2章は見なくてもよいかな。

きちんとした完結を望むのであれば、頑張って2章も見てください。笑

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

貴重なファンタジー×ロボットアニメの系譜にも連なる90年代ヒロイン

原作少女マンガは未読。

番宣や、OPアニメーション。中学生ヒロインズ3人による、
"魔法騎士(マジックナイト)”姿への華麗な変身シーン(ヌードのシルエット)だけ見ると、
テレ朝が、月に代わっておしおきするセーラー服美少女戦士で一世を風靡したのに対抗して、
日テレが同じ『なかよし』から変身ヒロインでも発掘して来たのか?
との第一印象を当時抱き、私は胸を時めかせ(鼻の下を伸ばして)いましたが、違いましたw

実際には、別に毎回の変身バンクがあるわけでもないファンタジーアニメ。
特に前半の第一部は、心のあり方が全てを決する異世界・セフィーロにて、
自らの心の弱さを乗り越えることで未来が切り開かれる。
剣と魔法の胸躍る冒険活劇が、音楽・松尾早人氏、音楽監修・すぎやまこういち氏による、
ロープレ感溢れる熱いBGMと共に、繰り広げられます。
必ずしも勧善懲悪でもない。ラスボス側にも世界に対して言い分がある。
この辺りにも往年の大作RPGの要素なんかを感じて、胸が高鳴ります。


対して後半、第二部は、拠点防衛戦が主になるため、
冒険感が減少して、ロープレ視点では、やや残念な展開……。

繰り返し心の弱さと向き合うテーマ性は良かったですし、
{netabare}ノヴァやデボネア{/netabare}による人の心の暗黒面の体現も、
主題の深化に有効だったとは思いますが、
それも出来れば、各地を3人で冒険しながら葛藤してくれた方が私好みだったかなとも思います。
折角の冒険BGMもやや宝の持ち腐れな感じです……。

ただ一方で、伝説の"魔神(マシン)”登場後、特にこの第二部で、
ファンタジー×巨大ロボットアニメとしての性格も帯びていく点は、
個人的に得点が高いです。
その他、ファイターメカ搭載の巨大戦艦やら、移動宮殿やらも乱入し、
合体なども手描き作画で仕掛けて行くなど、
ロボ好きの一部男子は熱くなって来ます。
但し、{netabare}巨大サンユン{/netabare}に至っては、もはや何のジャンルだか分らなくなって来ますがw

だから今春出たゲーム『スーパーロボット大戦T』(PS4/switch)にて『レイアース』参戦!
と聞いた時は、自分は別に『スパロボ』プレイするわけでもないのに、
これで少女マンガ原作の本作に秘められた、
熱いロボット魂が普及する!と素直に嬉しかったです♪


劇伴だけでなく主題歌もミリオンセラーとなった
田村直美さんのOP「ゆずれない願い」を始め良曲揃い。
いずれも歌詞世界が、心を問う作品テーマに寄り添っていて好感できます。
さらに、いくつかの曲では、光、海、風、ヒロイン3人の名前が
歌詞に埋め込まれたりもして今風に言うとエモいです。


こうして振り返ると、ロープレ、ロボットと少年向けの要素も強かった印象の本作。
それでも、本作は華奢な身体の女子中学生戦士たちが躍動するヒロインアニメ。
色々あったファンタジー衣装の中でも、私は初期からあった
3人各々違う中学校の制服の上から、胸当てやら籠手やらを装備した姿にグッと来ます。

赤セーラー服の光の脇を固める、海、風のふたりはそれぞれ青&緑のブレザーで、
そこへの武具のアレンジには、セーラー服美少女戦士とはまた違った魅力があります。

何より、ヒロイン3人共、しっかり恋し、恋されている。

異世界召喚の舞台となった本作唯一の“聖地”である、
東京タワーの勇姿共々、
光たちもまた、私にとって色褪せない90年代アニメヒロインです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

74.0 16 熱いで冒険なアニメランキング16位
ガンバの冒険(TVアニメ動画)

1975年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (154)
790人が棚に入れました
港で開かれているネズミたちのパーティ。そこに傷だらけの小ネズミ、忠太が転がり込んでくる。残忍な暴力と恐怖で故郷の島を支配している巨大な白イタチ、ノロイを倒す力を貸して欲しい、という忠太の言葉に、ネズミたちは冷たかった。しかし、ガンバを始めとする勇敢な7匹の仲間が集まり、冒険の海へと船出する。

声優・キャラクター
野沢雅子、水城蘭子、内海賢二、富山敬、堀絢子、島田彰、大塚周夫
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

世界一小さくて壮大な冒険譚

その壮大さから1年(約50話)の話数かと思っていたら、見終わってみるとわずか2クール(全26話)の話数で収まっていたことに驚きでした。非常に厚みのある、それでいてよくまとまった物語であると思います。

あらすじ↓(けっこう長いです)
{netabare}
海に憧れてはるばる遠く離れた港までやってきた町ネズミの「ガンバ」と「ボーボ」。ガンバは冒険心が強く勇敢で、ボーボはぼーっとしていて食いしん坊。港で最初に二人は風来坊の不思議なネズミ「シジン」と出会う。

次に港の一角にある倉庫で開かれていた港ネズミの宴会に潜りこんだガンバたちは、港ネズミの長で腕っぷしの強い「ヨイショ」と非常に賢く知識に長けた「ガクシャ」と出会う。

そこで宴に飛び込んできた島ネズミ「忠太」から一同は衝撃的な話を聞かされる。
彼の故郷の島では残忍で強大なイタチ『ノロイ』によってネズミたちが次々と殺され、自分だけは助けを求めるため命からがら逃げ延びてきた。どうか島まで一緒に来て仲間を救ってくれというのだ。

港ネズミたちの間でもノロイの恐ろしい噂は有名で、忠太の前から一人また一人と去っていく。
港ネズミの中では最も強いヨイショでさえ、ノロイに対しては無力さを実感していた。

しかしそんなとき一人だけ忠太に力を貸すことを約束するガンバ。彼の底抜けな勇気と根性に心打たれ加勢を決心するヨイショたち。

島へ向かうための船の中で出会った「イカサマ」も途中で加わり、彼ら七匹の冒険が始まった。
{/netabare}


目的の地へ旅立ってから、彼らはいくつもの山を越え野を駆け島を巡っていきます。

何しろ彼らは小さな小さなネズミですから、その道のりは私たちには想像もできないほど果てしないものでしょう。

私たちの身近にある小物や日常品が、普段とは全く違った視点の異なる使われ方をしているのが面白いです。

行く先々で待ちうける困難。でも決してその現実から諦めたり逃げたりはしません。皆で力を合わせればどんな絶望的な状況でも勝機を掴めるという確固とした意志と絆が感じられます。

それに冒険の中で助けてくれる味方や信じあえる仲間にも出会い、意外にも賑やかな道中が続いていきワクワク感満載です。

人間ドラマならぬネズミドラマの、劇的で素晴らしい展開の数々は中弛みを感じません。


なによりこの物語においての『ノロイ』の存在が、単純な勧善懲悪でない構造を作り出していると思います。

真っ暗闇で月の光に照らされ眩くノロイはさながら神のごとき存在感を放ち、これが‘対立’でも‘戦争’でもなく神への‘反抗’であるかのような物言いでした。

後にも先にもこれほどトラウマになる敵も居ないだろうと思います。


作画は、ネズミの細かい仕草から人間のリアルな挙動にかけての描き分けが凄いっていうのもあると思うんですが、それよりも背景の緻密さが尋常じゃないです。
スタッフの中にレイアウト:芝山努 美術設定:男鹿和雄のお二人だったり、原画に川尻善昭・小林治の名前があったり、金沢比呂司さんに至っては一人原画だったり、今じゃ考えられないような豪華さ。

普通アニメで海を見ると壮大だな、とか綺麗だな、と思う事はあってもガンバのように見ていて酔いそうになる、飲み込まれそうになる怖さは味わえないです。

音楽は、山下毅雄さん。主題歌だけで凄いなーと思っちゃいます。特にED「冒険者たちのバラード」はアニメ史に残る名曲といっても過言ではないかと。
TVバージョンだけ聴くと鬱々とした気分になりますが、フルで聴くとちゃんと冒険者のための曲になっていて、出来ればTVでは二番を流してほしかったと思います(笑)

キャストはスタッフ同様勢ぞろいって感じで、その中でもガンバ役の野沢雅子さんやイカサマ役の堀絢子さん、シジン役の島田彰さん。ノロイ役の大塚周夫さん辺りが印象的です。(端役だとイエナ役の杉山佳寿子さん)
ただ、ボーボ役の水城蘭子さんに少し違和感を持ってしまった所があります。
七匹が中心になった冒険ですが、ガンバとイカサマが特に目立っていました。この二匹が主人公だと思います。



古い作品ですが、今なお通用する普遍的な冒険物語としてガンバの冒険は素晴らしい名作です。


その他思ったこと
{netabare}
EDの冒険者たちのバラードのように、まさにノロイが奏でる皆殺しのバラードになると思われた終盤。

瀕死の状態となってしまった長老ネズミの頼みでシオジ(忠太の姉)が代々島に伝わる‘早瀬川の唄’を聴かせ、長老は安らかに息を引き取る。
この唄をヒントに勝機を掴んだガンバ達が「これからいよいよ冒険者になるときが来た!」と決意を新たにするシーン。

そして最後シジンの語りで皆が冒険に出た真の理由が分かるシーン。

前者は、ついにこの長い冒険の序章に区切りを付ける流れとして申し分ないものでした。
後者は、ガンバたちにとってあくまでノロイを倒すのは冒険の過程に過ぎず、海に魅せられたから、海と旅をしたいから冒険を続ける・・・そういった想いが間接的に伝わり演出的に秀逸です。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

真っ向提示な昭和の快作

旧作紹介するとき、当時自分は喜んで観てたけど、
今の方たちにはどうだろう?資料的価値?と言われてもね、
面白いかどうかが大事なんだしね、
時代背景やセル等技術的背景等鑑み、
当時としては~とか言い訳じみた逃げ恒常無しに、
クオリティー含め堂々と、
今の方たちにも自信持ってお勧めできる作品は、
アニメがまだ子供向けと揶揄されてた時代、
所詮子供向けって感覚に真っ向から立ち向かい、
子供達限らず世間に真剣に何かを伝えよう、
そんな気概溢れた人たちがいた、作品があった、

ガンバの冒険。
1975年東京ムービー、監督出崎統氏、作画監督椛島義夫氏、設定レイアウト 芝山努氏

ガンバというのはネズミさん、
どんな困難にも立ち向かう熱い心持った、
正義感バイタリティー行動力抜群のガンバと仲間たちの冒険活劇、
{netabare}
とある島で残忍なイタチに苦しめられてるネズミ達を助けようと、
仲間のネズミ達と共に海に出る、
航海途中様々な困難を仲間と共に切り抜け、
ついに目的の島にたどり着く、、 {/netabare}

仲間のネズミも各々個性的で魅力的でね、
中でもイカサマって奴、皮肉屋だけどいい奴で、
主人公食っちまうんじゃないかってくらい抜群のキャラだった、
他にもヨイショ、情に厚く涙もろい親分肌の船長、
ガクシャ頭脳労働理論派、ガンバの親友のボーボーもいい味だしてたな、
視聴側も其々にファンいたりね、
中人もガンバの野沢雅子女史(最高だった)
イカサマ役堀絢子女史 ガクシャ役富山敬氏、ヨイショ役内海賢二氏等
今思えば層々たる皆様なんだけど、

特筆すべきはラスボス、大塚周夫氏演じる白イタチのノロイ、
当時アニメ史上最悪最凶ってくらい、
描かれ方も怪物じみてるけど凶悪さが半端ない、
惨忍な上狡猾だから始末に負えない、
徹底したネズミ目線ってのもあって、
その辺りの描写も卓越した作品で、
ネズミからすりゃ人間もえたいの知れない巨人だし、
犬やイタチも化物なんだけど、
ノロイだけは別物別格だったね、
トラウマ化した人もいたくらい(汗)、

航海途中様々な場所での色んな出会いや別れのエピソードが、
各話通して描かれてて、
中には仲間割れや裏切り、死別等酷な場面もあるけど、
ガンバがぶれないんだね、これぞ主人公、
苦難乗り越えた先に立ちふさがるノロイ、彼らの運命や如何に、

作品クオリティーも、
キャラの動き、表情、表現、カメラ、背景、色、
セル真骨頂的凄いものがある、
表情豊かって言い方あるけど顔だけじぁない、
身体の動き全部が表情で、
必要最低限枚数で最大限効果、見事という他ない、
現代アニメ観慣れた方々にもお勧めできる本作品、
機会あらば是非一見戴ければと願う所存。


冒険者たちのバラード
作詞 東京ムービー企画部
作曲 山下毅雄

逆巻く波と閃く空がガンバと仲間を打ちのめす、
度はもうこれまでだ、冒険を打ち切ろう、
けれどガンバは指差した!小さな島を、
カモメは歌う悪魔の詩を、帆柱に朝日は昇る
けれど夕日はお前と仲間のドクロを映す、

とどろく雲は怒涛の海にガンバと仲間を転がした、
これが、ほら始まりだ、何がある?何がある?
仲間の胸は高鳴った、光は其処に、
カモメは謳う歓喜の唄を、舵先に朝日は輝く、
そして夕日は、、お前と仲間の勝利を祝う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

悪役ノロイのインパクトが凄まじい昭和の名作

このアニメは、1970年代生まれの方ならほとんどが
知っているであろう昭和の代表作である。
私自身は、インターネットで存在を知ったため
リアルタイムで視聴したことがない。
今回、見る機会がたまたまあったため
レビューを書くという意味も含め視聴した。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
港内で行われているパーティーに、ガンバとボーボが訪れた。
その後、しばらくすると傷だらけになった忠太がやってくる。
自分の故郷を支配する、白イタチ・ノロイを倒すために
協力して欲しいと懇願するためだ。ノロイの話を聞いて
逃げ出したものがほとんどであったが、ガンバ達6匹は
承諾し、7匹でノロイを倒すために出発する。

ノロイ島に到着するまでの流れが1~19話
ノロイとの決戦が20~26話である。
序盤は、7匹の個性や過去に焦点を当てているため
一部の回を除き、テンポはゆっくりしているが、
ノロイ編から雰囲気がガラッと変わる。

この作品の凄いところは、7匹の性格を上手く
活かしているところだ。原作では、15匹であったため
7匹に減らしたらしいが正解だと思う。
焦点がぶれてしまうからだ。
そのため、一部のキャラクターには原作にしか
登場しないキャラクターの性格が反映されている。

7匹の中では、ヨイショが一番好きだ。
最初の頃は、我の強い奴だと思っていたが
面倒見もよく、情に厚い。私が、仮に女だったら
惚れてしまいそうだ。
ガクシャとイカサマも好みだ。

作画も気合が入っている。当時のことを考えても
相当すごいと思う。丁寧に作りこまれていると感じた。
また、セル画の素晴らしさをあらためて感じた。

キャラクターに関しては、ノロイのインパクトがすごすぎる。
他にも、猫、犬、ザクリといった厄介なものは登場するのだが、
ノロイの前では霞んでしまう。
出だしから、こいつは明らかにやばいやつだと実感できる。
知能も非常に高く、言葉巧みに誘惑させることで
ネズミ達が疑心暗鬼になるシーンも多い。
部下にも容赦しない徹底された冷酷さ。
白に対する執着心からきているのだが、邪悪そのもの。
白い悪魔とはまさにこのこと。

ちなみに、うしおととらに登場する悪役
白面の者のモチーフになったと言われている。
モチーフにしたくなる気持ちがよくわかる。
アニメ史上最悪最強の存在として呼ばれているが
このキャラを越える悪は存在するのだろうか。
カリスマ性もある純粋な悪だと私は判断した。

個人的にはザクリ編が面白い。ノロイ程ではないが、
黒ぎつねであるがゆえにザクリの恐ろしさに
一層磨きがかかる。単独でありながらも主人公たちを
翻弄していく様は印象に残りやすい。
そこで出会ったリスたちと何回か接触するが、
その際中のやりとりも深い。
未熟ながらも考えらせられた。

10話はいらないと感じた。話も進んでいない故、
イルカがかわいいくらいの感想しかない。
25話構成でも問題ないと思う。

私の中では名作だと感じる。アドベンチャー物が好きな方
は一度視聴して見てほしい。また、悪役キャラが
好きな人もオススメする。こういったクオリティの高い
アニメを再度作って欲しいなと多々願うばかりである。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

71.0 17 熱いで冒険なアニメランキング17位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
656人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

kororin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「漢」のカッコイイ魅力が詰まった奴。その名は「コブラ」

天地人さんのメッセで思い出したので二言・三言。

スペースアドベンチャーでスペースファンタジーでスペースオペラ。
人生に退屈していたしがないサラリーマン「ジョンソン」。口と態度の悪いメイドロボット「ベン」の勧めで、好きな夢が見られる流行りのアミューズメント「トリップムービー(所謂トータル・リコール)」へ行ったところ大脳神経が刺激され、実は自分は宇宙海賊ギルドの追撃を逃れる為、顔を整形・記憶を消した一匹狼のアウトロー「コブラ」であった事を思い出す。
常に身の危険が伴う生活から逃れる為に普通の人生を歩んでいたはずなのに、心のどこかでスリルを求めていた自分に気付くコブラ。こうして再びコブラの伝説が始まる・・・

正統派宇宙海賊コブラ。記憶を消す前は端整な顔立ちで、ロン毛は常に顔半分を隠しており松本零士先生の海賊とチョット被ってたりする。
復活してからは整形したままのモジャモジャ金髪(天パー?)に団子鼻と三枚目風(顔のモデルはフランスの俳優ジャン=ポール・ベルモンド)、ガッシリした体格に豊かすぎる表情と体全体で表現するオーバーリアクション・常に軽い口調で喋っている様は正に「アメリカンヤンキー」。
銀河パトロールトヤリあったり、極悪非道な海賊ギルドの誘いを断った為に追われたり、銀河の美女とロマンスがあったり、気に入ったものは強奪したりと、某「三世」とかなり似たところがありますね。原作者の寺沢武一先生もイメージはクリント・イーストウッドと言われておられたそうです。
ですのでキャスティングも当然、故・山田康雄さんがされると当時誰もが思ってたはずでしたが皆さん周知の諸事情により故・野沢那智さんがコブラ役に。(流暢なしゃべくり声優としてコレはコレで良かったです)
PCゲーム版では山田さんがコブラをされてたそうですが、本放送時のCMでコブラの液晶ゲームでもされておられたのは、あまり知られていないのかな?

赤い半袖のピッタリスーツに赤のブーツ。常に葉巻を咥え、ストックはブーツの裏に。スタイルに拘るせいか小型爆弾・携帯酸素ボンベ・小型ライト等はみんな「葉巻型」というのはちょっとしたスパイグッズ。
美人と見るや、すぐナンパしようとする軽い奴と思いきや身体能力は高く、握力500㎏に100mを5秒フラットで走破、「俺がオリンピックに出たら金メダルでオセロができちまうぜ」と豪語。
そして何よりも打たれ強いタフさ。どんなに殴られようが、死んでしまう程ボコられようが立ち上がり「へへ、今のがあんたの本気だってのかい?俺はまたカワイコちゃんにキスされたと思ったぜ」と顔面傷痍で強がる余裕。不死身と噂される所以がコレ。
トレードマークとも言える左腕のサイコガン。コブラの精神エネルギーを熱線変換して撃つのでカートリッジが要らないのが便利。しかも相手の気配を察知して当てるらしく弾道が曲がる曲がる。普段は義手カバーに収まっているのですが「どんな原理で指が動くんだ?」とつまらない考えをよくしたものです。
(下卑た話になりますが、サイコガンをバンバン撃ちまくるコブラ。尽きる事ない精神力。精神…精し…せい…コブラは「絶倫か」!、と勝手に妄想して羨ましく思ったこともありました)
手塚治虫先生を師と仰ぐ寺沢先生。コブラのサイコガンは手塚先生の「どろろ」の「百鬼丸(両腕の仕込み刀)」が元ネタかもしれませんね。

浮世に縛られないアウトローでニヤけたお調子者と思いきや義理と友情を重んじ(そのせいか仲間は多く顔は広い)、敵対すれば女性といえど容赦なく撃ち倒し、子供は好きではないけれど関わってしまえば守ろうとする優しさがあったり、
強く逞しく、サイコガン以外に骨董品並の実弾銃パイソン77マグナムを使いこないし、寺沢先生独特の「半ケツ」美女との関わりが絶対あったり、未知の世界の冒険や海賊ギルドとに狙われる緊張とスリル。いつも余裕のジョークを言ってたりと、もう男の憧れがテンコ盛り。

犯罪シンジケート・海賊ギルドの「ギルド」という語源。今やオンラインRPGでよく使われますが、中高生のお利口さんならご存知の通り、中世欧州の商工業者の独占的、排他的な同業者組合のこと。
「海賊で組合って・・・」なんて思って失笑したりもしてたなぁ。

アニメは「宝島」「あしたのジョー2」で注目されてた故・出崎統(演出・絵コンテ)&杉野昭夫(作画・キャラデザ)コンビ。
後の劇画ドラマ風「ブラックジャック」もイイ感じでした。
粗い線なのにダイナミックな動きの動画。スローなのにスピード感のある演出。30分の放送枠でテンポが速くて心地いい展開。
2000年代にOVA・TVシリーズが出ましたが、絵は丁寧でキレイなんですけど迫力がチョット欠けるので好みとしてはこの1982・3年TV版が好きです。
故・前野曜子さんのOP・EDも雰囲気良かったです。OPはハードボイルドっぽいようなアドベンチャーっぽいような。EDは一息ついたくつろぎ感が。

あれ、二言・三言のつもりが結構長くなっちゃった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

このカッコよさは唯一無二!。

ぴあ様発売のCOMPLETE DVD BOOK・計3巻で数十年?ぶりに再視聴しました。
DVDなので画質心配してましたが、あしたのジョーの同シリーズ同様
素晴らしい画質で視聴中は全く気にならず、夢中で最後まで視聴できました^^。


この時代の出崎さんが関わられた作品群の作画
とくに人物作画、突出して素晴らしすぎますね!!!。

スペースコブラ、あしたのジョー、エースをねらえ!。
どれもキャラデザインや作画等が一貫して共通しているように思えるのですが
どなたが手掛けられているのでしょうか?。
勉強不足で無知なのですが、気になって仕方ありません^^。

すごく骨太な作画。
でもどのキャラも目から生気、色気、信念みたいなものまで感じられる。

原作マンガ(未見)も少し覗いてみましたが
アニメ化にあたってのブラッシュアップが素晴らしいですね!!。


そして担当された豪華声優陣様方^^。

野沢那智さんの圧倒的な存在感!!。
遊びゴコロ、余裕、いい意味でのいい加減さ、色気。
とにかくカッコよすぎます!!!。

さらに脇を固める榊原さん、小林さん他、
特定話数だけのゲスト出演声優様方も
当時はまったくわからなかったけど
今回の再視聴ではココロが震えました^^。


TVシリーズでは、特に序盤の爆発力がすさまじかったですね!!。
3姉妹とクリスタルボーイで一気に惹きつけられ
○○兵器のところなんか、他の作品だったら最終回でしょw。あんなの。
惜しげもなく序盤にあんな話ブっ込んでくれるの最高でした!。
○○兵器を当時視聴したときの強烈なインパクトが、今現在も胸に刻まれたままですw。


振り返って再度見てみると
いろんな洋画作品等のテイストなんかがふんだんに盛り込まれてますね。
スターウォーズやインディージョーンズ等
かと思えばルパンのようなテイストも感じる。


コブラというキャラクターは
その存在感、行動、性格、男くささ、声の演技等
どれをとっても
今後、そうそう出てくることはない
唯一無二の存在だと思えます!。

音楽も最高に素晴らしかったです♪。
 
 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いわゆる「アメコミ」

少年ジャンプにおける銀魂やシティーハンター、北斗の拳などのいわゆる劇画路線の開祖である。その前にもいろいろ劇画はあるが「アメコミ」や「バンドデシネ」を意識した画面作りは「コブラ」のヒットから始まっている。

バンドデシネ作家のエンキビラル、メビウスやアメコミ,SF作家のフランクフラゼッタ、ボリス・ヴァレホなどの絵と酷似している。。。。だけでなく、ヘビーメタルやロックに詳しい人なら知っていると思うが、70年代から80年代にかけてのバンド系のレコードの表紙は必ずと言っていいほどSFやファンタジーのオタク的なイラストがそのまま使われている。

と、言うのも。。。だいたい有名どころのロックシンガーは実はかなりのSF、ファンタジーファンであり小説やらパルプ雑誌を読みふけりながら葉っぱと酒と女にラリっているというとんでもない人が多い。リア充なんだかオタクなんだかわけわからないが、海外のファンは日本と違ってオープンであり、ギークやナードはどちらかといえば小心者を指す言葉になっている。

そういったカウンターカルチャーと呼ばれる文化は日本にも波及し、80年代を席巻した。音楽にしろ、漫画にしろこの頃の作品はやたらとアメコミ調で、世界は荒廃しており、男は皆モヒカンで世紀末な格好で、女はビキニアーマーを着ている半裸のねーちゃんなのである。

寺沢武一先生は、これに関して「私はバーバレラ(フランスの60年代エロティックSF漫画及び映画)から影響を受けた」と言ってたらしいが、確かにそれは出発点ではあるものの、全体的には当時のフランスSF漫画雑誌メタルユルラン(英題:ヘビーメタル)調であり影響受けてないはずがないのである。北条司や荒木飛呂彦、三浦建太郎、原哲夫。。。挙げたらキリがなくなるくらい影響を受けている。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

65.1 18 熱いで冒険なアニメランキング18位
ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説(TVアニメ動画)

1989年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (122)
499人が棚に入れました
汚染された水「死せる水」に沈んだ古の都エスターク。ある日、かつて世界征服を企んでいたエスタークの民の怨念により、邪悪なる存在、大魔王バラモスが生み出された。赤き月、竜の日。アリアハンの村に住む少年アベルと少女ティアラは同時に15歳の誕生日を迎えた。2人はひょんなことから、アリアハンの近くにある「竜神湖」の湖底で竜伝説にまつわる石版を発見する。ところがその直後、伝説の竜を甦らせようと企む大魔王バラモスにより、ティアラがさらわれた。アリアハンのパブロ神父によってティアラと自分の秘密を知らされたアベルは、モコモコと共に、アリアハン国王に謁見し、ティアラを助けバラモスを倒すために旅立つ。

キリン  さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ドラクエⅣを買ってもらう為に必死

人に映画などの感想を聞くと
「原作の方が良かった」
と言うのをよく耳にします。

原作、特に小説を読んで、
その人が頭の中で浮かべる映像が
映画の映像において自分の想像を超えるものでは無かったら
どうしてもガッカリ感が沸いてきます。

また物語の構成、順序、台詞の言いまわし等が
尺や大人の事情で変更やカットされていたりしても、
その部分は原作どおりやってほしかった、
入れてほしかったと思う人もいます。

原作との差別化などの理由で良かれと思って
映画オリジナルキャラやストーリーを加えても、
「余計なことするな」
「世界観が壊れる」
という酷評が・・・

要するに原作を読んだ方というのは
ハードルを上げてから観ると言う強敵です。
(客なのに敵だと?とか言うのは置いといて)     


まあ、何をやってもいちゃもんを付けようと思えば
どうとでも付けれるし、
よく言われますけど、
全世界の万人が100%納得絶賛するのは
私も不可能だと思います。
ましてや「お金を払って観てるんだから」
とか付け加えると、もう話がややこしいです。


さて、『ドラゴンクエスト』ですが
ターゲット層は恐らく小中高生あたり
当時、絶大な人気を誇っていたタイトル
家庭用ゲーム機ファミコン用ソフト『ドラゴンクエスト』
のアニメ化です。
放送が始まったのは『ドラゴンクエストⅣ』が
発売される前だったはずです。


私はこの時が来るのを待ち望んでいました。
(ハードルをメチャメチャ上げていました)

実際アニメを観てみると
「う~~~~ん」
でした。
ハッキリ良いとも悪いとも言わないけど
観続けていました。

子供ながらに、

大好きなドラクエが
おもしろくないなんて
認めたくない!!
きっと次回はおもしろいはず!!

という気持ちだったと思います。

そして何よりハッキリ言えない最大の理由は
父にプレゼンしていたというのがあります。

アニメは観るけどゲームをしないお父さんに
「あんな~『ドラゴンクエスト』っていうな~
絶対お父さんが好きなな~
アニメが始まるんじゃけどな~
『ドラゴンボール』の人が描いとるけぇな~(キャラデザ)
絶対おもしれぇんじゃ」

「ほんでな~それ観たらな~
みんな『ドラクエⅣ』買うと思うんじゃけどな~
俺だけ買わんかったら、仲間外れにされるんじゃ~
ムゲーじゃろ?」


父はおもしろいアニメを紹介してもらい
僕はゲームを買ってもらう
というお互いWIN WINの関係を築こうと
必死だった私は
毎週、父とアニメ『ドラゴンクエスト』を観た後、

「あぁおもしろかった!!」

と、でかい声で父を洗脳しようと試みていました。


ここで冒頭で説明したことを当てはめてみると、
私にも同じ現象が起こっていたのが
今、大人になって解かります。

原作はゲーム『ドラゴンクエストシリーズ』です。
制作の予算や尺の関係、その他大人の事情など
子供には思いも付かないです。
ゲームも現在の進化した『ドラゴンクエスト』とは違って
戦闘もダメージ表現が敵が点滅するだけ
道具を使っても文字表示のみ
という感じでした。
今からすれば、お粗末でしょうが、
当時はそれが最高だと思っていたんです。

ですがそのお粗末だからこそ
場面を想像する余白が残っていて
イメージが広がっていったんですね。
魔法も実際のゲーム画面はただ点滅するだけですが、
説明書に炎の玉とか氷の刃だとか書いていたので、
脳内でプレイヤーが想像する最高の
エフェクトがかかっているわけです。

これの映像化はゲームのアニメ化の前例が無い
子供にとっては「絶対おもしろい」
という夢みたいな話だったのです。


なのにアニメ『ドラゴンクエスト』は

バラモスがゴリラみたいな顔
バギが光の玉みたいな表現
ギガデインを魔法使いが使う

などなど
イメージどうこうと言うより
設定が変わっていて
私は戸惑ってしまいました。
いや、許せなかったと言うべきか・・・

でも途中で
そういうのを気にしないで
ひとつの作品として
楽しもうと思い最後まで観ました。

変に思い入れが強いと
観れなくなっちゃうかも・・・という作品です。


ちなみに『デイジィ』という女剣士が
カッコ良くて好きだった私は、
せっかくフラグがたってるのに
さらわれたヒロイン『ティアラ』を助けようとする
主人公『アベル』がアホだと思っていました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

シルメリア さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「 Level42でクリア出来るDQアニメ」

ずっと、また観たいなと思っていた作品♪
DQアニメだと、ダイ大、ロトがあったけど
キチンとアニメ完結(魔王討伐)したDQはこのアベル伝説だけだから。好印象デェース(≧∇≦)b
魅力は、なんか一緒に冒険してるみたいに
感じながら視聴出来ることですかね?
たちの悪いことに「思い出補正」が
付いているので全く色褪せること無く
楽しんで見れました。

もう、BOX買わないと見られないと勝手に諦めて
しまってましたから。
灯台下暗しとは言ったものです∑(OωO; )
まさか、キッズコーナーに置いてあるとは
しかも、特撮系の隣、見つかるわけがありません。
まったく┓( ̄∇ ̄;)┏
ただ、難点言うなら古い作品なので
SEが恐ろしく古いです∑(OωO; )
あとは、下位魔法で上位魔法に対抗出来たり、
風魔法なのに燃えたりと
粗が目立ちますがその辺りを温かい目そっと
スルーすればそこまで悪くないと思います。

キャラデザもDQシリーズでお馴染みの
「鳥山明」先生なので(≧∇≦)bデス

主人公たちが、成長し苦難を乗り越え
世界を巡り、要所で要所で武器が変わり
飽きさせない努力を感じますヾ(≧∇≦)
もっと防具も変わると良かったんですけどね…。

ここまで見事な王道は
今じゃ決して作れないものでしょう!

DQ1~3をベースに作られ、隠れキャラ?として
DQ4のキャラも居ますので遊び心が満載でした。
興味のある方は是非、冒険の書を開いて下さい。
では、ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

atsushi さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

徳永英明

キャラクター原案が鳥山明、主人公の声優がアムロ、タイトルはドラゴンクエストってだけでワクワクするような世代なのですが、、、
夏休みに再放送でおぼろげながら見ていた記憶があったものの、どうやって終わったのか、そもそも終わったのか知らないまま時は過ぎ、、、

某所で見つけたので色々調べたら、途中打ち切りになったり色々あったらしい。

基本設定はドラクエ3なのだが、2の町やモンスターも出てきたり、呪文はオリジナルだったりと設定がややこしい。

一応追加1クールで何とか終わったのだが、話の整合性が取れず、何とか決着は付いたのだが、作画は乱れ、ストーリーも乱れ、かなりカオスな内容だった。

同じく打ち切りのダイの大冒険と言い、コレと言い、ファイナルファンタジーシリーズもそうだが、今でこそペルソナがあるけど、RPGなんてキラータイトルですらアニメ化するのは難しいのね、と。
アニメで満足しちゃったらゲームはやらなくてもストーリー分かっちゃうわけだし、それでも売れるとしたらシステムの導入だけ触れるか、キャラゲーか!?

あ、成功例思い出した。。。
{netabare} ポケモン(笑) {/netabare}

結局、この作品で一番印象に残ってるのはこの曲だけだ(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=dAs2yQUNkdU

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

61.6 19 熱いで冒険なアニメランキング19位
ストレンジドーン - STRANGE DAWN(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (32)
203人が棚に入れました
ある日、異世界に飛ばされてしまったふたりの女子高生・ユコとエリ。
強い日差しの下、奇岩が立ち並ぶ荒野をあてどもなく歩き、川で休憩してるところへ突然、小さな生き物が襲ってくる。
それはこの異世界での「ヒト」であったのだ。シャルと名乗る辺境警備隊隊長によって助けらた二人はシャルの村に案内される。村では「魔人」と呼ばれ、救世主扱いされ村人総出の歓迎の祭が開かれるのだった。
そんな折、魔人が村にやってきたという情報を得た他部族が村に侵入して戦いが始まり、ユコとエリたちはそこに暮らす小人たちの戦争に巻き込まれてしまう。

chance さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【ガリバーFT】【ヒューマンドラマ】ファンタジーってそもそも逃避の文学って言われたし

小人だらけの異世界に召還された女子高生二人のシリアスファンタジー(ガリバー風)(ギャグほぼなし)

原住民からは魔人と恐れ崇められるものの、当人達は特異な力があるわけでもない唯の女子高生(いちおうデカイだけ)
”いや実際異世界に飛ばされても、ご都合能力が備わってなければ困る挙句不幸になるだけだよね”展開で、数多あるご都合ファンタジーに冷水をぶっかける様な対極作風です。

また主人公達含めリアリティある自己中人間描画は「俺こーいうタイプ嫌いなんだよね」キャラを数多く排出し、見応えあるドロドロのヒューマンドラマが楽しめます。
※社会人経験を積んだ人なら「あーいるいるこーいう奴」ってのに出会えるはず・・・って事は大人のほーが楽しめるアニメかも。

クライマックスはポカーンでしたが・・・

ご都合作風よりは、不快な人間心象描画があってこそ、物事は思い通りにいかず不幸がおしよせてこそのヒューマンドラマでしょと感じる人にオススメです。
あと、この作品を楽しむ上で、FTはあんまり関係ないです。たぶん。

ちなみに上記文は酷評ではなく私的褒め言葉です。面白いですよ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

異色のファンタジー

気弱なエリ、自分勝手のユコ。
どちらに共感するかによって見方や感じ方が違ってくるだろう。
この二人、登場シーンから現代と違う世界にいて「?」状態だが、それは視聴者も同じ。
普通は異世界に飛ばされた人間がドッキューン、バッターン大活躍するのだが、この二人はまったく役に立とうとしない。
あっ、と言う間に3話(DVD1枚)を観終えてしまった。コーヒーを煎れて次へ・・・、と見始めたら止まらなくなってしまった。
たぶん、今までにないパターンで、現代からファンタジー世界に飛ばされてきた二人の考え方がヘンにリアルなためだろう。
恐らく、多くの現代っ子はそんな思考や行動ではないだろうか。
そのため、小人達との思考のズレがまた面白い。
エリとユコは現代に戻れるのか?結末はある意味衝撃のラストである。「ど~なっちゃうのぉ?」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

taketake4 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見た目はポポロクロイスみたいだけど

小人たちの暮らす異世界に呼び出されてしまった女子高生二人組

二人のいた現実世界の描写はまったくないので、それぞれの関係性など元の世界に関しては彼女たちのセリフ等断片的な情報しか与えられないのだが、あまり良好な関係ではなさそう。
と言うか親交があったのかどうかすら
そんな二人が理由もわからず異世界に放り出されて、あまつさえ魔神呼ばわりされて戦えとか言われてもそりゃあ困るだろう。
相手は小人と言っても膝丈くらいはあるし武器も持ってるしねえ

なろう以前の作品なので、無双どころか常に帰りたい連呼は今の視聴者には軟弱に映るだろうけど、当時の異世界物は元の世界への帰還が最大の目的なのが当たり前の時代でしたから

ARIAやたまゆらがホワイト佐藤なら、こちらはブラック佐藤なので癒やしを求めての視聴はおすすめしません

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

78.6 20 熱いで冒険なアニメランキング20位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (661)
3396人が棚に入れました
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、――少年が歩み、女神が記す【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、早見沙織、大西沙織、渡辺明乃、千菅春香、KENN、逢坂良太
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

つなぎの2期

今作はダンジョン攻略よりもファミリア同士の抗争が主眼。
またもベルが大活躍。

最初はアポロン・ファミリア。因縁をつけられて決闘という事態になってしまうが、色々あっても解決。この辺りはまだ面白さが水平線。

次は色街を取り仕切るイシュタル・ファミリア。この話が個人的に熱かった。一気に面白いと思うに至った。イシュタルがエッチすぎる。この魅力には逆らえないのも分かる。春姫も可愛くてたまらないんだけど、なんだかんだ姉御肌で面倒見が良いアイシャも好きだったな。最後まで春姫思いで優しい。
フリュネは怖すぎた。自称美しすぎる女だけど、サイズがおかしい。とはいえ、やられかたがちょっと可哀想。
フレイヤに対して嫉妬に狂っていたイシュタルが途中から完全に負け確実な行動になったのは草。少々寂しくもある終わり方。
この話でまた一人ハーレム要員増えたな。いちゃいちゃしてヘスティアが嫉妬するのも頷けるなあ。

最後は兎に角戦いたいけど、滅茶苦茶弱いアレス・ファミリア。若干のドタバタあったけども、ヘスティアとベルの絆が強くなってこれからの3期に向けてどうかというところ。アイズの少しだけ伏線ぽい{netabare}憎しみが垣間見える{/netabare}シーンも気になる。

面白いし、続きを早く見たいけれど、キャラクターが増えすぎて時々分からなくなりそうになってしまう。そこは難点。


OP
HELLO to DREAM 歌 井口裕香
ED
ささやかな祝祭 歌 sora tob sakana


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第1話 神の宴(パーティー)
18階層にて黒い階層主(ゴライアス)を撃破し、無事に生還した【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネル。ダンジョン探索の合間に開かれたささやかな酒宴。その席でベルは、他の冒険者から、あからさまな挑発を受け、乱闘騒ぎを起こしてしまう。乱闘騒ぎの相手は【アポロン・ファミリア】。その団長であるLv.3の冒険者、ヒュアキントスを相手に、ベルは完膚なきまでに叩きのめされる。そして後日、ベルとヘスティアのもとに一通の書状が。それは、アポロンが主催する神の宴への招待状だった--

第2話 太陽神(アポロン)
神の宴で主催者のアポロンから、ベルを賭けた派閥間の決闘--【戦争遊戯(ウォーゲーム)】を持ちかけられたものの、これを断固拒否したヘスティア。しかし翌朝、ベルとヘスティアの本拠地(ホーム)に【アポロン・ファミリア】の襲撃が。アポロンが気に入った子供は、地の果てまで追い回される--かつて同じ憂き目に合ったダフネとカサンドラから、そう聞かされるベル。街中に追手が配置され、ベルとヘスティアが提案を呑むまで、どこまでも追い込む……それこそがアポロンの狙いだった。そしてヘスティアを連れ、逃げ惑うベルの前に、【太陽の光寵童(ポエブス・アポロ)】ヒュアキントスが立ちはだかる--

第3話 集結(コンバージョン)
タケミカヅチやミアハの協力を得たことで【アポロン・ファミリア】の襲撃を切り抜け、アポロンに宣戦布告を叩きつけたヘスティア。ベルをアイズとの特訓に向かわせ、自身はアポロンとの【戦争遊戯(ウォーゲーム)】開催に伴う交渉に臨むことに。一方で団長・ザニスの手により、半ば強引に【ソーマ・ファミリア】に連れ戻されたリリ。必死の思いで主神・ソーマに派閥からの脱退を願うものの、聞き入れらることはなかった。アポロンとの交渉を終え、タケミカヅチ、ミアハと共にリリの救出に向かうヘスティア。ベルとの約束を果たすため、そして大切な仲間を救い出すために--

第4話 戦争遊戯(ウォーゲーム)
神酒(ソーマ)の魅惑に打ち克ったリリ、友を助けんと名乗りを上げたヴェルフと命の三名が新たに【ヘスティア・ファミリア】に改宗(コンバージョン)。更にヘルメスの助力もあって、派閥外の助っ人としてリューが参戦。未だ歴然とした物量の差はあれど、ベルたちを取り巻いていた絶望的な状況には、光明が差し始めていた。迎えた【戦争遊戯】当日。好奇、憂慮、期待、信頼--迷宮都市(オラリオ)中の様々な目が見守る中、リューの魔剣が、命の魔法が、開戦の狼煙を上げる--

第5話 竈火の館(ホーム)
【戦争遊戯(ウォーゲーム)】に見事勝利し、ベルを守りきった【ヘスティア・ファミリア】。リリも正式な手続きを経て改宗(コンバージョン)を済ませたことで、派閥は主神も含め総勢五名に。本拠地(ホーム)についても、先の騒動で破壊された教会に代わり【戦争遊戯】の副産物として手に入れた【アポロン・ファミリア】の巨大な館に引っ越し、新たな門出としては、まさに順風満帆。更に特筆すべきは、史上最速でLv.3に到達という快挙を成し遂げたベル。それに伴い、派閥の名声はうなぎのぼり。この機を逃すまいと、ヘスティアは更なる団員の増強を画策するが--

第6話 淫都(イシュタル・ファミリア)
夜な夜な不審な動きを見せ、出歩く命を心配し、後をつけることにしたベル、リリ、ヴェルフの三名。【タケミカヅチ・ファミリア】の友人である千草と合流し、命が向かった先は、オラリオが誇る、もうひとつの顔--大歓楽街だった。命と千草が歓楽街を訪れた理由は、昔なじみの友人が働いているという噂を聞きつけたからという話……だが、尾行のさなか人混みに揉まれて、ベルは仲間たちとはぐれてしまう。そして、迷い込んだ歓楽街で、肉感的な魅力を放つ娼婦・アイシャに目をつけられ、半ば強引に彼女の客となることに--

第7話 狐人(ルナール)
娼館で出会った狐人(ルナール)の娼婦・春姫の助けで、アマゾネスの娼婦たちから命からがら逃げ出し、なんとか貞操を守りきったベル。だが、望まぬ形で娼婦となり、助けられる資格もないと救いを諦めている春姫に、疑問を覚える。更に命の尋ね人が当の春姫であったこと、そして彼女が所属する【イシュタル・ファミリア】が第一級冒険者まで擁する大派閥で、非常に狡猾で好戦的であることを知らされ、ベルの疑問は、苦悩へと変わっていく。その頃、フレイヤを目の敵にするイシュタルは、ベルがフレイヤの寵愛の対象であることを知ることに--

第8話 殺生石(ウタカタノユメ)
春姫を身請けするため、ダンジョンに潜り、モンスターを狩り続けるベルたち。しかし、ダンジョン内の食料庫(パントリー)で突如襲撃してきた【イシュタル・ファミリア】により、ベルと命は捕らわれの身となってしまう。拘束され、監禁された状態で目を覚ましたベル。眼の前には、肉欲を剥き出しにし、ベルを慰み者にせんとするフリュネの姿が。恐ろしい第一級冒険者に手篭めにされ、廃人となるまで絞り尽くされる--悪夢すら生易しいと思えてしまう現実からベルを救ったのは、またしても春姫だった--

第9話 戦闘娼婦(バーベラ)
術者の生命と引き換えに、狐人(ルナール)が持つ妖術を無制限に使用可能とするアイテム『殺生石』。『階位昇華(レベルブースト)』という破格の妖術を有する春姫の過酷な運命を知り、立ちつくすベル。脆い覚悟をアイシャに見透かされ、言い返すことすらできなかった。ベルが憧れ、そうありたいと願う英雄の姿とは--為すべき行動を思ったとき、ベルの右手が白い輝きを放ち始める。『春姫の英雄』になることを誓ったベルは立ち上がり、再度【イシュタル・ファミリア】の本拠地(ホーム)へ乗り込む--たったひとりの少女を救うために。

第10話 英雄切望(アルゴノゥト)
捨て身の行動により命が開いた血路に飛び込み、殺生石を砕いたベル。その状況にあってなお、救いを求めようとはしない春姫に、ベルは思いの丈を叩きつける。春姫の本当の願いを聞かせてほしいと。詠唱された『階位昇華(レベルブースト)』の妖術が加護を与えた先はベル・クラネル。偽りなき願いを叫ぶ春姫を背に、ベルは第一級冒険者たるフリュネを迎え撃つ。同刻、紅く燃え盛る歓楽街の一角。その中心にはオラリオ最強の冒険者、そして--最強を束ねる美の女神(フレイヤ)の姿が--

第11話 進軍(ラキア)
女神イシュタルの天界への強制送還を以て歓楽街の一角は壊滅。春姫も晴れて解放され【ヘスティア・ファミリア】へ改宗(コンバージョン)も決まった。そんな中、国家系派閥【アレス・ファミリア】によるオラリオ襲撃の一報がもたらされるものの……圧倒的な戦力を有する迷宮都市が普段の営みを乱すことはなく。ベルも穏やかな日常を送っていたが、ほんの些細な言葉の行き違いから、ヘスティアが本拠地(ホーム)を飛び出してしまう--

第12話 女神と眷族(アイノウタ)
オラリオを襲撃中のアレスに捕らえられてしまったヘスティア。アイズやアスフィの協力もあり、ヘスティアの元に辿り着いたベルだが、不慮の事故により、ベル、ヘスティア、そしてアイズは谷底の濁流に呑まれてしまう--ベルたちが流れ着いた先は山間の集落・エダス村。強大なモンスターの庇護に預かる平和な村で、ベルとアイズは、体調を崩したヘスティアの看病、そしてアレスの動向を警戒しつつ、村の世話になることに。ヘスティアの回復を見守る日々の中、村では豊穣を祈願する祭の日が近づいていた--

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

さらに暇を持て余した神々の遊び

かつて「タイトルで損をしてる」とも謳われた『ダンまち』こと『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の2期でございます。

意外にも真面目にダンジョンRPGしてたことを好意的に捉えられてたのは周知の事実かと思います。
外伝を挟んだり、劇場版を挟んだりしてからの満を持しての2期でした。そしてのっけから重要なこと↓

 {netabare}今回はダンジョンに入りません!{/netabare}

真面目なダンジョンRPGを期待してたところ肩透かしを食らいました。
ここは評価別れそうなところですね。「タイトルで損をしている」なら可愛いほうで「タイトル詐欺じゃん」となると穏やかではありません。面白ければ不問に付される程度のことでしょう。
ダンジョン入らずに何するの?は本編でご確認ください。ちなみに私は特に気になりませんでした。
やや人の出入りはあるものの1期で良いと感じた部分はそのままに、世界観を拡げてくれたと感じられたことが理由です。

【1期で良いと感じたポイント】
 1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
 2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
 3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
 4.緩急つけた魅力的なキャラたち

この1.~4.がブレてないんですよね。外形は変わっても脈打つものは何だろう?に着目すると一本筋が通っている。そんなお話になってます。
原作が長寿シリーズであり、世界観がきちっと固まっていると思われる作品です。
導入部分は正統派ダンジョンRPG(1期)。実は群雄割拠であることを説明する目的でロキ・ファミリアをピックアップして作品の幅を横に拡げた外伝。
そして第2期。オラリオという世界の中心みたいな場所があって、神々と眷属がファミリアを形成していることが前提だったこの世界の根本部分の説明がなされます。

オラリオ外の地域や人について言及がなされ、その比較文化的観点からダンジョンのある都市オラリオの世界での位置づけがわかってきます。
さらに、本作の特徴でもある神々と眷属の関係性や異なるファミリア間のルールなどにもメスが入ります。1期の時から小出しにはなっていた


 “なんでダンジョン中心の世界観形成がなされてるの?”


神々の思惑やこれまでの歴史を踏まえて明らかになっていった2期でした。
私は1期のレビュータイトルに “ 暇を持て余した神々の遊び ” とネーミングしたわけですが、暇かどうかはさておいて、奇しくも そのような様相を呈していったわけです。

1期のおさらいを兼ねた特別編の第0話を除いての全12話。
{netabare} 終わってみれば「3期あるよ!」アナウンス込みの俺たたエンドではありますが、{/netabare}世界観を拡げてくれた第2期となりましょう。
1期気に入った方は放っといてても鑑賞候補に挙がるでしょうから、その時に「ダンジョン入らないけど意味はあるよん」くらいの構えで楽しんでいただけたらよろしいかと思います。
OPEDは特に印象に残らない普通の曲でした。




※ネタバレ所感

■全12話の構成

{netabare}大きく3篇に別れてましたね。

#1~#4 アポロンとのいざこざ
#6~#10 イシュタルとのいざこざ
#11~#12 痴話喧嘩{/netabare}

{netabare}日常回の果てに視聴者が食いつきそうな見せ場(10話の春姫救出バトル)を提示してちゃんちゃんではありませんでした。

前2つのアポロン編とイシュタル編。
前者でヘスティアファミリアの増員、後者で春姫とベルくんのやり取りを通じ英雄の定義を試みます。
最終2話で「神の思惑」「ダンジョンクエストの最終到達地点」「オラリオとオラリオ外」を提示しての終幕でした。

興味深かったのはアポロンとイシュタル双方に対するフレイヤの態度。ベルくんにご執心な女神様がアポロンにはやや寛容でイシュタルには観た方はご覧の通りなほぼ真逆な対応をしました。この境界線って何だろう?
酒場のシルちゃんから貰った緑色の石がヒュアキントス団長の即死攻撃からベルくんを守りました。割れた石の下にはフレイヤの刻印。なんでシルちゃんがそんなマストアイテムを持ってたかは不明ですが、あくまで間接サポートです。対してイシュタルにはカチコミ入れての吉原炎上。

ベルくんが超えられそうな壁なら捨て置いてるというのか?
ベルくんに興味を示した面々のベルくんへのアプローチの仕方によって態度が変わるのか?

未だ私にはよくわかっておりません。{/netabare}


■神と眷属の関係
神と眷属の関係、ファミリア間のルールなど詳細がわかってきました。

{netabare}・別のファミリアは抗争に口を出せない ギルドもファミリア間抗争に口出しできない{/netabare}
{netabare}・ファミリアの移籍には神の許可が必要

成文法はなく暗黙の了解みたいなものが多いようです。ギルドも仲裁の権限を与えられてるわけではないというのは驚きでした。控えめにいって神々の匙加減、悪くいえば気分次第。
ふざけてそうでフレンドリーそうでそうは言っても神は神で絶対なものであることが伝わってきます。{/netabare}


■ベルくんが主役の理由
みんなベルくん好きですね。

{netabare}オッタルに「ここにミノタウロスの群れを呼べないかしら?」と表情変えずに嫉妬するフレイヤを筆頭にメインネタだったアポロンとイシュタル。ヘスティアは言わずもがなです。
ヴァレン某との初ダンスのサポートをするミアハやヘルメス。援軍かけつけのタケミカヅチその他神様たちに愛されております。
その理由の一端が明かされてましたね。ベルくん本人の英雄願望と辻褄の合うネタ明かしでした。{/netabare}



※オマケ

■春姫さん正妻説
海外の映画を観るとよくわかるんです。娼婦がヒロインの作品はとかく暗い話が多い。
立場を超えた愛を描いた『プリティウーマン』『ムーランルージュ』などの名作も入りは男が上、女が下からスタートします。
対して日本はびっくりするほど対等な目線で描かれることが多いと思います。

{netabare}本作のイシュタル編もまさにそんなお話。娼館というより遊郭の佇まいであったことも大きいかしら。身請け制度は海外にはなかったと思います。
ちょっと日本式の捉え方について海外の反応なんて眺めるのも面白いかもしれません。
ヒロイン春姫さんだけでなく、アマゾネスを統括していたアイシャを2期屈指の好キャラとして描いてもおりました。職業に貴賎なしは言い過ぎかもしれませんが、対等とするに抵抗はない。日本人の皮膚感覚です。{/netabare}

{netabare}イシュタル編はベルくんと春姫を通しての英雄の定義と申しました。

別の作品レビューで触れた記憶があるお話。海軍大将を務めあげ、第16、22代総理大臣となった山本権兵衛の妻ときは遊女です。
詳細は他に譲るがこの男。ときを貰い受けるために身請けではなく強奪という手段を強行し(結局身請け金は支払った)、晴れて夫婦になって以降は、生涯を通じて妻に尽くした剛と優の者であったとされています。ときも出自をわきまえ公の場には一切出てこなかったとのこと。

ベルくん↓
「あなたが娼婦だからですか?英雄にとって娼婦は破滅の象徴。あなたはそう言いました。だけど僕とあなたが憧れた英雄はそんなんじゃない!たとえ娼婦でも!恐ろしい敵が待ち受けていたって!英雄は見捨てない!」

日本人にとって“英雄”という概念は欧米人と比較すれば希薄なところではありますが、前に出過ぎない春姫の印象と合わせて、実在したとある夫婦を想像させるものでした。{/netabare}


{netabare}ただちょっとねというかなんというか。
なにがなんでもヒロインは生娘にするという断固たる意志を感じるところがいやはやなんともw{/netabare}



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.02 初稿
2020.04.18 修正
2021.10.15 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 64
ネタバレ

toshi1015 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作既読 英雄に憧れるベル君の冒険譚

※アニメを見終わるまで☆評価は3のまま変えていません
原作ラノベ 「大森藤ノ」GA文庫 1〜15巻
漫画「九二枝」ヤングガンガンコミックス 1〜10巻
(2019.07.12外伝ラノベ ソードオラトリア12巻発売)

【裏表紙の紹介文】
アニメ2期
※原作ラノベの裏表紙の説明文なので、結末などは書いてませんが、展開など若干ネタバレがあるのでご注意を。7巻以降はアニメが追いついて来てから追記予定です。

6巻
{netabare} 「ヘスティア、君に『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込む!」「なんだとアポロン!?」
『戦争遊戯(ウォーゲーム)』ー対立する神々の派閥が総力戦を行う神の代理戦争。勝者は敗者の全てを奪う。そして敵神(アポロン)の狙いはー
「君の眷属、ベル・クラネルをもらう!」
戦闘開始までの期限は一週間。更に追い打ちをかけるように今度はリリが【ソーマ・ファミリア】に捕らえられてしまう!
もはや絶望的な状況。それでも少年と『出会い』、幾多の『冒険』を経た絆が今ここに集結する。全ては勝利するために!
『上等だ、アポロン!僕等は受けて立ってやる、この戦争遊戯(ウォーゲーム)を!』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

アニメ1期
1巻
{netabare} 迷宮都市オラリオー『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ!【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」「はいっ!僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
2巻
{netabare} 「はじめまして、白髪のお兄さん」
ベルに声をかけてきたのは、自ら《サポーター》を名乗る少女・リリだった。半ば強引にペアを組むことになった少女を不審に思いながらも、順調にダンジョンを攻略していく二人。束の間の仲間(パーティー)。
一方でリリが所属する【ソーマ・ファミリア】には悪い噂が絶えない。その先には、人の心までも奪うとされる《神酒(ソーマ)》の存在がー?「神様、僕は……」「大丈夫、ベル君の異性(ひと)を見る目は確かなのさ。神(ぼく)のように、きっとね」
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
3巻
{netabare} 「……君は臆病だね」「!?」「臆病でいることは冒険で大切なこと。でもそれ以上にも、君は何かに怯えている」
突如憧れの女性【剣姫(けんき)】アイズと再会を果たしたベル。そこで突きつけられてしまった事実。自分を抉る最大の因縁。紅い紅い、凶悪な猛牛・ミノタウロス。
少年はそんな自分を情けなく思った。そして少年は始めて思った。
僕はー英雄になりたい。『偉業を成し遂げればいい、人も神々さえも讃える功績を』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
4巻
{netabare} 「「「Lv.2〜〜〜〜〜!?」」」
先のミノタウロス戦での勝利によりLv.2到達、世界最速兎(レコードホルダー)となったベル。一躍オラリオ中の注目・羨望を集めることとなった少年の元には、仲間(パーティー)への勧誘が絶えない。廻り巡る環境(せかい)。そんな折「俺と契約しないか、ベル・クラネル?」偶然にも自分の装備《兎鎧(ピョンキチ)》を創った鍛冶師(スミス)のヴェルフと出会い、仲間を組むことに。しかも、彼は圧倒的な力を誇る《魔剣》唯一の創り手らしいのだが……?
犬人(シアンスローブ)ナァーザ、そして女神ヘスティア、ベルが交わした2つのアナザーエピソードも収録!
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
5巻
{netabare} 「リリ達は囮にされました!すぐにモンスターがやって来ます!」「…そんなっ」「おいおいっ、冗談だろ?」
鍛冶師(スミス)のヴェルフを加え中層へと進んだベル達。しかし他パーティの策略により一転ダンジョン内で孤立してしまう。
ヘスティアはベルを救うため、Lv.4の元冒険者・リュー、さらには神・ヘルメスと共にダンジョン侵入を試みるが……
「ー階層主(ゴライアス)!?」立ち塞がる最凶の敵が、ベル達を更なる絶望へと追いつめる。希望(ひかり)を求め、決死行が繰り広げられる、迷宮譚第五弾!
『限界までー限界を越えて己を賭けろ』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}


15巻まで読みましたが伏線など小難しい事は考えなくてOKです。
迷宮の謎やらベル君の祖父やら色んな派閥の思惑的な描写や、外伝でもアイズ視点から色んな派閥や謎的な事を書かれてますが、気にしないで下さい。
伏線っぽい話しを蒸し返すときはその都度説明があるのでヘーキです。
ベル君の冒険をただ楽しみましょう

1期では1〜5巻まで今回2期は6巻からスタートになります。
なお漫画側はまだ単行本になって無い雑誌側でアニメ2期の話しが始まったばかりなので「1期の復習は漫画1〜10巻オススメです。」話しの先を知りたい方はラノベ6巻からどうぞ

【世界観】
永遠の時間に飽きた神々が神の力を使わない事で人と共存する世界。
・神の力を使わない事で人と暮らす神様達は恩恵を与える事でファミリアと言う派閥を作り眷属達には力を、神には恩恵を失わない為にも神様を守る。
・経験を積むだけではLVは上がらない。己の器を乗り越える事でランクアップLVが上がる。

【迷宮都市オラリオ】
地下迷宮の上に作られた都市オラリオ
・己の器を超える鍛錬、モンスターを倒す事で得られる素材など、ドワーフノーム獣人ホビットエルフ様々な種族職種、神々のファミリアで溢れる都市。

20190803 追記 1〜4話視聴
原作6巻の【ソーマファミリア】神とリリ、【ヘファイストスファミリア】神とヴェルフ、【タケミカヅチファミリア】神と命、と各ファミリアの神と子供の関係と各子供の決意からの【アポロンファミリア】との戦争遊戯だったわけですが…

個人的には1期の山川吉樹監督の演出の方が好みでした。

各話に盛り上がりを入れ視聴者を飽きさせず増やす為だとは思いますが結構端折っていて原作未読な方達は置いてきぼりにならないか心配です…。(とある3期の二の舞いにならなければ良いけど…)

個人的には原作>コミック>アニメ な感想ですカメラワーク?が漫画よりアニメの方が単調に感じました。

原作1冊を4話ペースなら9巻までやるのかな〜今回の【J.C.STAFF】はどう転ぶか…とある原作未読者置いてきぼり演出になりませんように…。

【裏表紙の紹介文】
7巻
{netabare} 新生【ヘスティア ファミリア】始動!
『戦争遊戯』という激戦を乗り越えた新に眷属となったリリ、ヴェルフ、そして命。ベルのもう一つの家族。深まる絆。だが、
「ここは私達のホーム、女主の神婦殿さ」
 命を追ってベルが迷い込んでしまったのはオラリオの歓楽街【イシュタルファミリア】が管理する『夜の街』。
「私はこの歓楽街に買われた身です」
 そこで少年は囚われの身である極東の少女、春姫と出会う。蠢く陰謀に呑み込まれるベルが下す選択はーー。
『これっきりでいい なろう、あのひとの英雄にーー』
 これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
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