熱いでシリアスなおすすめアニメランキング 28

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91.1 1 熱いでシリアスなアニメランキング1位
響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3140)
13944人が棚に入れました
高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部をきめたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これぞ青春!

1話からつかみバッチリ!!
作画はさすがの京アニクオリティ。
監督も「ハルヒ」他ヒットメーカー石原立也さん。
シリーズ演出は、「けいおん」では監督の山田尚子さん。
そのためか、特に主要キャラの久美子、葉月、緑輝(さふぁいあ)の会話シーンは、けいおんっぽさがかなり出てます。
(女子高校生を女性ならでは視点で可愛く描くという意味で)

キャラたちの魅力に溢れ、安心して最後まで観れそうな予感。
無目標のほのぼの日常を描いていた「けいおん」と違い、
大会という具体的な目標があり、
それに向かい部員同士、お互いに切磋琢磨していく醍醐味がありそう。

★第1回「ようこそハイスクール」
{netabare}
北宇治高校入学ほやほやの主人公、黄前久美子は
中学では吹部のユーフォニアム奏者。
初めての教室で人懐っこいクラスメート、
加藤葉月や川島緑輝と早速仲良くなる。
そして、葉月と緑輝は吹部見学に誘うが久美子は乗り気でない。
なぜなら新入生歓迎の演奏聴いてあきらかな演奏レベルの低さに
入部する気など全くないから。

しかし、久美子は流されやすい性格のようで
見学を付き合わされた。
そこに、中学時代の吹部仲間、高坂麗奈が吹部の練習に現れる。

麗奈は、久美子など眼中にないのかあえて無視したのか不明ながら
久美子を全く見ようともしない。
そして見学すっ飛ばしていきなり入部。
プロローグ以外、高校生としての初登場時、
麗奈の台詞は、たった一言。
部長「見学ですか?」
麗奈「いえ、入部したいんですけど。」

中学最後のコンクールの結果発表の場で、
ちょっとしたわだかまりを作ってしまい、
麗奈には再会したくなかった久美子。
羊のような悲鳴を上げる。
まさかの同じ高校で再会するとは…。
よほど縁が濃いようでw

そして新任顧問の出番は今回は赴任前に神社でお参りする姿のみ。
ちょっとおっちょこちょいで変わった方のようにも見える。
実際はどんなキャラなのか、これからのお楽しみ。

と、まあ話のテンポはかなりゆっくり。
今回は主人公の入部も新顧問の着任もまだ。
じっくりキャラを描こうとしてるのがよくわかる初回でした。

最近のアニメのテンポに慣れてるとちょっと退屈する視聴者もいるかも。
アニメよりむしろドラマっぽい作りになってる。

久美子役の黒沢ともよさん、4月に19歳になりたてで
ちょうど今年高校を卒業したタイミングのフレッシュさ。
オンとオフ、つまりクラスメートと家族に対する態度の違いの
演技の使い分けがすごく上手い。
リアル女子高校生になってます。
演技というより地に近いのかもww
{/netabare}
★第2回「よろしくユーフォニアム」
{netabare}
2話の絵コンテと演出は石原監督自らのようで、
麗奈と久美子のコミュニケーションの噛み合わなさとか
葵先輩と久美子の絡みは山田さんの演出とは一味違う。

今回は、主人公の過去を引き摺る、ウジウジさがいただけないけど
副部長の明るさがいい感じに中和してくれて
全体的には地味目な印象でしたがいい感じにまとまってた。

大所帯の部活の中では、地味な存在の生徒ばかりのなかで
こういうキャラが一人くらいは居てくれると安心。

顧問の滝先生、まだ紳士にしかみえないけど
全国大会出場目標と決まり、次回から別人格降臨(鬼コーチ)か?
櫻井孝宏さんが演じてるということで間違いないでしょう。
(櫻井さんはサイコパスの槙島聖護とか怖い役もかなり嵌る)

普通の部活ものとして今後も楽しみです。

背景の美しさ、特に夕刻の川面の自然な流れ描写が素晴らしい。
京アニの並々ならぬこだわりを感じます。
{/netabare}
★第3回「はじめてアンサンブル」
{netabare}
<地に足の付いた演出、脚本>
地味だけど真面目に部活を描く流れにほっとしました。
ギスギスした姉妹。久美子は、過去に姉と何かあったのか?
麗奈のドヴォルザーク「新世界より」に込められた想いとは?
新キャラ、ユーフォ先輩の2年生の中川夏紀とは?
興味が尽きない。

<小さなことからこつこつと>
以上は、漫才師、西川きよしさんの座右の銘であり、ギャグネタでもありますが、
基本を疎かにするものは上には決して上がれない。
ごく当たり前なことでも忘れがち。
いいですね。このポイントを外さない感じ。

<私の時間を無駄にしないでいただきたい>
櫻井孝宏さん、グッジョブ(^^)b
顧問の存在がまた一段アップ。やはり一流の指導者らしい。
穏やかで常に冷静、だけどひたひたと目標に相応しい指導開始。
真綿で首を締めるかの如く部員を追い込み、部員の中から反発も芽生える。

やり手の片鱗をのぞかせてもらい彼に魅せられてきました。
これはとても重要なこと。頼り甲斐ある指導者いてこそ部活物の醍醐味がある。
彼をこれからどう活躍させるかでこの作品の評価が決まりそう。
この物語での最重要キーパーソンと言えましょう。

麗奈のトランペットの音色に反応する表情もいい。

<大所帯なるがゆえに>
過去の、上級生と下級生の対立ゆえに起きてしまった不協和音が
今の腑抜けた音楽性に繋がっていることが判明。
この物語でまず最初に乗り越えるべき最重要課題。
これ乗り越えなくして大会出場どころかまともな音楽すら生れない。

<小笠原晴香と田中あすか>
過去の部内対立の渦中にあった部長の小笠原晴香と副部長の田中あすか。
気弱で流されやすい部長に対し、
明るくサービス精神旺盛な副部長のほうが、人情の機微が解ってそうだし頼もしい。
これから顧問と上級生の間の溝が深まるのは確実。
部員と顧問の板挟みの中で、この二人はこれからどう考えどう行動していくのか。
新入部員はどう巻込まれるのか。

目が離せません。次回も楽しみです。
{/netabare}
★第4回「うたうよソルフェージュ」
{netabare}
<不毛なパーリー会議>
今回、会議のシーンでリーダーたちはどこかピントずれてると分る。
吹奏楽の目的が音楽で人に喜びと感動を与えるためでなく、
自己満足のイベント参加になっていた。
そのため、時間を浪費してやるべきことの積み重ねを忘れていたようだ。
だからいつの間にかお互いの発する音もまともに聴かなくなって
バラバラの合奏に甘んじるようになったんだろう。

<滝先生の指導>
会議終了時、タイミングよく滝先生登場。
練習時間を会議に充てる時間の浪費を指摘して、きっちり顧問としての義務を果たす。
走り込みによる基礎体力向上。部員に抗議する隙さえ与えず、やりたい放題。
さらに楽器ごとの個別指導により、時に厳しく、時に優しく、部員のレベルに応じ自在な指導。
部員の顧問への不満エネルギーを、個々の努力に向かわせる手腕が見事。
結果として一定のレベルのアンサンブルが生まれ、次のステップへ。

もとからやる気のある麗奈、入部時は大人しかったが自己主張復活。
顧問の指導に触れ、この先生となら高みに行けると本気スイッチ入ったようだ。

<皆さんが普段若さにかまけてドブに捨てている時間をかき集めれば、この程度の練習量は余裕でしょう>
一言多い滝先生、屈託のない笑顔で嫌味なことさらっと言ってのける。
もしかすると天然ボケの傾向あるかも。
日曜返上の練習メニューで、まずはサンフェスに向け練習開始。
真面目な部員の信頼は勝ち取ったようだが、さてどうなることやら。

今回、滝先生の指導で部員の多くが本当の音楽の喜びに目覚め始めたことが伝わりました。
オーバーな演出が少ない、こういう落ち着いた作品は安心して楽しめます。
{/netabare}
★第5回「ただいまフェスティバル」
{netabare}
<サンフェスのダークホース>
北宇治高吹奏楽部ににいい風吹いてきたとわかる回。
上達が早すぎるかなという気もするけど、もともと実力のあった部員が迷走してポイントずれてたのを、
滝先生が本来の道に戻したとして良しとしましょう。
練習シーンや部内の確執が延々続くのも飽きるし。

<初めて微笑む麗奈>
久美子の北宇治高に入学した動機が、中学時代の吹部仲間の入学が少ないだろうから、
と言ってたけど案外、麗奈も同じ動機だったりして。
意外と麗奈と久美子は気が合うのかも。

今回は特に、あすか先輩と麗奈が輝いてました。
他校も登場して観る側もいい気分転換になりました。
滝先生は優秀なだけでなく、道に迷ったり抜けたとこもあって人柄もいいようです。
初回の神社での初登場時にもその片鱗みせてましたけど。
そろそろ爽快感が欲しかったから気持ちのいい回でした。

とりあえず滝先生と部員の関係は良好なようなので
次回は、部員内の人間関係を掘り下げて描くのかな。
麗奈は謎の微笑みの奥で何考えてるんだろう。今回一番気になりました。
{/netabare}
★第6回「きらきらチューバ」
{netabare}
おおっ、今回はチューバ担当、葉月の回。
チューバ初心者の彼女が一所懸命に練習する姿で初心を取り戻す久美子やミドリが微笑ましい。
そして久美子は、仕返しできるほど麗奈と打ち解けてきたようだ。
さらに恋の予感のおまけつき。
青春だよなぁ。

<全国大会への足場固め>
以前は第一段階の京都府吹奏楽コンクールでは銅賞だったようで、
第二段階の関西大会にも進めず、三段階目にして最終目標の全国大会に
ほど遠かった北宇治高校吹奏楽部。

粘着イケメン悪魔の滝先生の意地悪の一言はツボを外さない。
全国大会へのスキルアップのために生徒をまた追い込む。
理詰めで隙がないし、サンフェスでの手応えもあったから生徒は反論できないんだね。

通常8月上旬に行われる吹奏楽コンクール京都府予選のための
先生作成の5月からの練習計画表を生徒に配布。
そして、最大55名の出場枠を
64名(DVDコメンタリー情報、小説版では81名(wiki情報))の部員から選抜するため
オーディション実施の宣言。

コンクール出場者をオーディションで選抜なんてごく当たり前と思うけど
生徒たちの驚きから察するに、今までは生徒主体の運営だったようで
在校生にとってはオーディション初体験のようだ。
滝先生の直前の指導者ってどんな顧問だったんだろう。
年功序列でコンクール出場者を決める方針を放任してたなら職務怠慢酷過ぎ。

オーディションとなれば当然、部内の空気が変わる。
こういう緊張感は上達するために大切でしょう。

部員は皆、本質的に真面目で、やれば出来る子たちばかりのようで
素直にオーディションに向けて自主練する姿はいいもんです。

<今回のあすか先輩>
ルビー川島とプラチナダイヤモンド川島の件はクスッと笑えたけど
今回はそれ以外は、微妙なコメディリリーフでした。
後輩思いで面倒見のいい先輩。
まあ、いろいろずれてる所もあっても彼女の個性は嫌いじゃないです。

<ちゅーばくん>
表情がエヴァの使徒っぽくマスコットとしてはなんとも微妙。
どちらかと言うとキモイ。
頭部の曲線が俯いた猫背のように見えるせいもあり、
久美子ちゃんが思わず日陰者のユーフォ愚痴ったもんだから、
中の乙女がくたびれた中年オヤジに思えちゃいました。
ミドリがハートマークで抱きついたのは違和感あってちょっと引いちまった。

<合奏してこそチューバが活きる>
チューバの個性とメンテナンスなどの描写は
よく知らない自分には新鮮でとても良かったです。

低音パートは、リズムと音楽の屋台骨を支える快感を味わえないと面白くもなんともない。
バンドのベースギターも合唱のバリトン&バスもそうなんですよね。

自分は現在、混声合唱でオケ付き大曲専門でテノール歌ってますが、
以前はア・カペラの小編成の合唱も経験あります。
フーガ(遁走曲)とかは別にして、主旋律は主にソプラノで、
内声にあたるアルト、テノールはハーモニーの構成音を主体にした
メロディアスでないパートなので必ずしも音楽的には面白くない。
しかし、最高音域ソプラノと最低音域バスの外声に挟まれて全体で合わさって
音楽としてのハモった時に得られる歓びは体験しないと解らない。

だから合奏でチューバの魅力を体感させる描写はとても共感して納得できました。
{/netabare}
★第7回「なきむしサクソフォン」
{netabare}
Aパートの滝先生の指導シーン、リアリティがあってかなり良いですね。
穏やかで冷静、かつ的確。無理強いはしなくても追い込み方が容赦ない。
そして、やる気のなかった部員までやる気させる指導者としてのカリスマ性も感じられる。
こういう所を丁寧に描いてくれてると短期間で上達する様を見せられてもあんまり違和感ないです。
この緊張感のある空気では、いい加減な気持ちの者は弾き飛ばされるのも無理がない。

<曇り後、雨>
今回は、ギャグのないシリアス回でした。
天気と部員の気持ちを上手くシンクロさせた演出が光ってました。
吹部の現状の気運に負けてテナーサックスの葵先輩、
受験という理由で吹部辞めちゃった。
不器用なんだね。
気持ち解らなくもないけど、ここまで続けてきたんだから
受験も吹部も両立させないと後悔の種を蒔いてしまう。
このまま不完全燃焼のままで辞めたら、今は受験で手一杯だけど
高校卒業後の同期の吹部仲間に再会した時に後ろめたさが残りそう。

<降り始めた雨は、しとしとと降り続く>
葵先輩の決断がきっかけで3年生の先輩たちのそれぞれの闇が見えてきた。
2年の夏紀先輩の台詞でいろいろ見えてきた吹部の黒歴史。
意外にも普段社交的なあすか先輩の闇が一番深そう。
どうやら、楽器に集中するためなら保身に徹し、
なんでも切り捨てられる非情さもあるようで。

<トランペットのスターたち>
いも娘、香織先輩が今回はシリアスの中の和み役として一番光ってました。
晴香部長へのフォローが絶妙。いい仲間に恵まれた晴香は運がいい。
今回一番美味しい所持って行きました。お芋も美味しそう(^.^)
そして、麗奈が帰りの電車でいつの間にか久美子と秀一の傍に座ってたのはちょっと笑えました。
麗奈さま、相変わらず掴み所ないお方なようで…。

来週の天気は?
次の曲は、恋の三角関係かな?
楽しみです。
{/netabare}
★第8回「おまつりトライアングル」
{netabare}
派手じゃないけどいい余韻が味わえた心に響く良回でした。
次回オーディションを描くと思われ、ややシリアス寄りになりそうな予感。
その前の箸休めとして実に見事です。

<まるで夢でも見ているような不思議な時間>
最後の久美子の台詞通り、まさに夢のような世界でした。

これは部活が主体のドラマなので、校外での描写は
西日の目立つ放課後から暗くなるまでの時間帯が舞台になることが多い。
今回は特にお祭りで、夜でもキャラは帰宅せず外出しているため
制作者は夕刻から夜にかけての光の変化の表現に拘っているのが汲み取れた。
自然光が織りなす光のイリュージョン。
そこにお祭りの華やいだ人工の光と山から臨む夜景が加わり
音楽も素晴らしく、現実から離れた夢のような美しさが際立ちました。

またそれらの光が反射するキャラの目の感情表現が上手い。
動揺、純真、悲しみなど、台詞以上にそれぞれのキャラの感情と個性が伝わる演出がいい。

<恋の行方も青春の1ページ>
葉月の恋、引き伸ばさずあっさり決着付けたのは好ましい。
恋の行方はちょっとビターな隠し味程度で済ませ、
今回の話の本当のメインは麗奈と久美子だったという意外性がいい。

<♥と♪>
今回、葉月に対しちょっとおせっかいだったミドリ。
でも全く嫌味ないし、むしろ好印象。
彼女の浴衣の柄のセンスに彼女のキャラがよく出てました。
サファイアと名付ける親の子供らしい感性で
一般からちょっとずれてる感じが微笑ましい。
彼女をそのまま幼くした妹のヤバい可愛さといい、
とても魅力的なキャラとしてクローズアップ。

<麗奈と久美子の初デュエット>
久美子に麗奈が初めて自分を赤裸々に語った。
今まで謎めいていたキャラの本音がようやく聞けて少し安心しました。
そして二人の絶妙な合奏に今後の二人の関係性が暗示されてて良かったです。

久美子は、ユーフォ持ち歩くのは秀一が相手では面倒くさがってても
麗奈となら山に担いで昇るのまで付き合わされてしまうところとか面白い。
久美子と秀一の今後の進展にも興味出てきました。
{/netabare}
★第9回「おねがいオーディション」
{netabare}
<ちょー、ちょー、ちょー、どうでもいい>
初回から6話までは、一番好きだったキャラはあすか先輩だったけど
始めの頃と印象がずいぶん変わってしまいました。
7話で意外にも自己中心のドライな本性が見えてきてから今回がダメ押しの描写。
私情でアンサンブルを乱すミドリをあっさり切り捨てた。
好感度急降下。

<私も頑張るから頑張って>
その代わり、8話でようやく本性が見えてきた麗奈が好感度かなりアップ。
彼女もドライなんだけど周りを引っ張れるカリスマ性を秘めてる気がする。
言葉少なめだけど目力が凄い。
ほっぺ、ムギュっとストレートにハートを直撃。
ウジウジ傾向にあった久美子を主人公らしい芯の入ったキャラに変えた。

<同期低音3人娘の友情アップ>
久美子、葉月、ミドリ、前回の恋の行方は成否以上に意義があった。
皆、お互いを思いやれる優しさがある。
結果としてお互いにより分かり合えたようで友情が深まった模様。
きっとすべてがいい思い出になるね。

<オーディション>
自分も合唱団の入団オーディションで似たような経験をしたことあり、
すごくキャラに共感できて一緒にドキドキしました。
明暗しっかり別れ、上級生も落とされシビアさがかなりリアル。
2年の夏紀先輩は来年リベンジのチャンスがあるからまだいいけど
ソロパートを麗奈に奪われた3年の香織先輩が一番気の毒でしたね。

次回、選抜メンバーと落選した部員との差別化の中、
吹部がどう描かれるのか楽しみです。
{/netabare}
★第10回「まっすぐトランペット」
{netabare}
<あんたがいなければコンクールに出れたのに>
人の心は複雑。
久美子は中学時代に実力で上級生を蹴落としてしまって
逆恨みを買ってしまったことがあった。
そのため今回オーディションに落ちたユーフォの夏妃先輩を気にする久美子。

呼び出しをくらい戦々恐々の久美子。
ところが先輩はいい人だった。
むしろ先輩はとても優しく久美子を気遣う。

久美子を励まし彼女の楽譜に書き込む夏妃。
夏妃「久美子ちゃんに最初に書きたかったんだよねー」
”絶対☆金賞☆!!v来年一緒に吹くぞ!!”

夏妃はオーディションをきっかけにやる気スイッチが入ったようだ。
自分より上手い仲間はライバルでもありいい目標ともなる。

夏妃「黄前ちゃんのおかげで少し上手くなれたような気がするよ」
久美子は感激のあまり泣いた。
今回のとてもいい話。
後半のドロドロ展開前の一服の清涼剤。

夏妃の初登場時の無気力さと180度違うキャラの意外性がいい。

<噂になってるんです。オーディションの時先生がひいきしたんじゃないかって!>
逆恨みは別なところで勃発。
トランペットソロを香織先輩から奪った麗奈を蹴落とすため
香織を信奉する優子は毒を周りに振り蒔いた。
麗奈と滝先生、父親同士の縁で旧知の間柄である事実を元に
えこひいき疑惑が勃発。
不信感が止まることなく吹部のアンサンブルが崩れた。

<ケチ付けるなら私より上手くなってからにしてください!>
麗奈の辞書には謙虚という言葉が欠落してる。
そしてそんな彼女を受け入れられるのは久美子だけ。
麗奈と久美子のやりとりの面白さは回を追うごとに爆増する。
久美子の前ではリラックスしてる麗奈はとても可愛い。

<意外な解決策>
しかし、この状況を打破する術もなくしばし静観の滝先生。
そんな中、資料をコピー中の滝先生の前に副顧問が現れる。
そこで解決のヒントとなる一言。
副顧問「音楽というのはいいですねー。嘘を付けない。いい音はいいと言わざるを得ない」
目の前のコピー機の液晶に表示された65枚という数字…64名の部員。
ハッとする先生。
問題解決の手段を、希望者のみ対象に
公開で再オーディションすることに見出す。

香織は一度はソロを諦めたものすっきりはしていない。
これは天からの救いか。
香織はこれに乗ることでこれに自身の想いにケリを付けようと決める。

すべての出来度が有機的に繋がり魅力あるドラマになってますね。
{/netabare}
★第11回「おかえりオーディション」
{netabare}
<香織と優子>
香織のソロに執拗に拘りたかった優子。
そこには香織の信者として、と共に
過去の吹部の黒歴史上の体験に要因があった。
香織2年、優子1年のコンクールの頃、トランペットは香織が一番うまかった。
しかし、実力もないのに3年生というだけでソロを任され
さらにはろくに練習もせず本番に臨んだ先輩がいた事実。

しかし麗奈の練習を聴けば香織との実力の差は多くの者にとっては明白。
想い極まった優子は麗奈に頭下げてまで
わざと負けてソロを譲ってもらおうとする。
いいことではないけど、この一途さは賞賛に値する。
不器用ながら憎めないキャラ。

香織も麗奈には敵わないのは薄々気付いてる。
不安のあまり同期のあすかに思わず感想を訊いてしまうシーンは真に迫る。

質問はぐらかし「決めるのは私じゃないんだから」と言うあすか。
まだまだ底の知れない今作一番の謎多きキャラ。
興味が尽きない。

<やっぱり久美子は性格悪い>
あすかと比べると、久美子はキャラとしても主人公としていまいちパッとしない。
進路相談時も糠に釘。主体的な言動が希薄。
周りを動かすことも出来ず、逆に周りに振り回されてばかり。
人の顔色を伺う日和見主義。

しかし、8話での麗奈と音楽で心と心を通わせて以来、
徐々に変化する様が小気味よい。

麗奈のソウルは彼女を変える。
まだぎこちなさはあれども自己変革の萌芽が光ってる。

そんな久美子をいじる麗奈。
優子に頭下げられ、ちょっと迷いがあったようだが
久美子のおかげで吹っ切れたようだ。
久美子と麗奈のお互いを支えあっていく関係性の描き方が絶妙だ。

<あなたがソロを吹きますか?>
麗奈vs香織の公開オーディションは
ノーカット完全版で視聴者にも公開された。

明らかに違う二人の音色。
音楽は楽譜に正確に出来るのは大前提。
優劣は表現力の差がものをいう。
百聞は一聴にしかず。

滝先生は、審判の拍手量で選ばせようとしたが
結局それぞれ身内の二人づつしか拍手なく同点引き分け。

演奏を聴く部員は皆、ソロに相応しいのは麗奈と判った様子。
ところが、麗奈には拍手出来ない。
ケチ付けたのは自分たちだから。

ここでさすが滝先生、出来る指導者はやることもスマート。
再オーディションを申し出た香織に判断を委ねる。
生徒を信頼してるからこそ出来る芸当。

結果、香織は自分から辞退。
やりきって自身が納得するためにオーディションの意義はあった。

ここでの優子の号泣には、大いに同情できた。

今回はトランペットの音色だけで迫真の勝負が描かれてて見事!
8話以降、毎回キャラに感情移入しまくってます。
全体的にBGMも控えめで分をわきまえててとてもいいです。
{/netabare}
★第12回「わたしのユーフォニアム」
{netabare}
最終回直前にて久美子の情熱が火を噴く。
(実際は鼻血だったけど)

暑さ極まる盛夏、迸る灼熱の想い、
滝先生の指導もコンクール直前に相応しくヒートアップ。
作画の拘りも今迄で一番熱い。
物語の厚みも8話以降どんどん増えてる。

青春ドラマに相応しい、
アツさ5倍の溶けそうなほどの12話。

<月に手を伸ばせ、久美子>
急遽、滝先生よりコンバスのパートを一部ユニゾンで
サポートするよう指示されたユーフォのあすかと久美子。
あすかは楽々クリアするが、久美子は苦戦。

<コンクール本番10日前>
秀一はトロンボーンの壁をひとつ超えた。
これに対し、一部吹かせてもらえない小節が出てしまった久美子。
どんなに一生懸命に練習しても届かないものがあった。
初めて中学時代の麗奈の悔し涙と同じ涙を流す。

「上手くなりたい」という想い。
言葉として前回から自然と発するようになっていた。
今、厳しい現実を突き付けられ魂の叫びとなった。

久美子が中学で吹奏楽を始めたのは姉がきっかけ。
しかし、大学の受験勉強のためあっさりトロンボーンを止めてしまった姉。

これは葵先輩とダブります。
姉との心の溝は、どうやらそのあたりに原因があったとわかる12話でもありました。

久美子が本当に脱皮するのは次回、最終回か?

最終回の期待値はMAXです。


余談ですが、DVD/BD第一巻スタッフコメンタリーによると

京アニの社員約100名の内、20名ほどの吹奏楽経験者がいて
いろいろダメ出ししてくれて随分と参考になったそうな。
因みに石原監督も山田尚子さんも吹奏楽はド素人で
今作のためにかなり勉強されたとか。

ただ、山田さんのお姉様は吹部経験あって
偶然にも主人公と同じユーフォ奏者だったそう。
あと、会社が資料用にトランペットとユーフォニウムを購入してくれたとか。

監督は職場で葉月のようにマウスピースの音出し練習して
周りから注目されてるけど、
まだ上手く吹けないとご本人が仰っておりました。
{/netabare}
★最終回「さよならコンクール」
{netabare}
見事です!
期待値MAXにも関わらずがっかりするところは微塵もなかった。
最後にオール5の満点確定!!

惹き込まれてあっと言う間の30分でした。

OPなしで静かに、淡々とコンクール当日の早朝のシーンから始まり
クライマックスの演奏シーンに向かう流れ。
そして、1話の久美子たちの中学時代と重なるコンクール結果発表。
緊張感と達成感の表現、すべてに文句の付けようがありません。

チューニング中に共鳴して揺れるペットボトルの水面。
埃舞う舞台上、照明による光のハレーション。
登場するのは美形キャラばかりですが、
そこ以外はすべてリアリスティック。
でもキャラたちも表情がとても細やかで迫真の描写。
麗奈のソロも初めて全体のアンサンブルの中で堪能できた。
そして麗奈のソロを隣で穏やかな表情で聴く香織がいい。
まるで実写映画のようでした。

そしてEDはなんと、OP曲のブラスアレンジバージョン。
過去のダイジェストシーンと相まって
ジーンと感動の余韻に浸れました。

<様々なグー・タッチ>
久美子と夏妃、久美子と秀一、
言葉なくてもそれぞれの思いが伝わる。
これは今までの丁寧なキャラ描写の賜物でしょう。

<皆さん、会場をあっと言わせる準備はできましたか?>
滝先生の演奏前のスピーチも最高。
一瞬にして部員たちのガチガチな心を解きほぐした。

「春、あなたたちは全国大会を目指すと決めました。
向上心を持ち、努力し、音楽を奏でてきたのはすべて皆さんです。
誇って下さい。私たちは北宇治高等学校吹奏楽部です!」

そして極めつきの一言。
「さあみなさん行きましょう、全国に。」

<伏線あり、二期期待せずにはいられない>
●気付いた伏線①
北宇治の演奏直前に観客席に着席した女性。

気になってネット漁ったら、
夏妃の同期のトランペットの傘木希美(かさき のぞみ)のようです。
吹部黒歴史の渦中、いい加減な吹部の方針にいたたまれず
辞めてしまった一人。
確認すると、7話の夏妃の回想シーンで
ちらっと登場する同じ髪型の部員が確かにいた。

滝先生による部の改善で、原作では吹部に復帰するらしい。
彼女をチラっとでも出した以上は続編ないと悲しい。

●気付いた伏線②
朝の教室で、一人ユーフォを手にするあすかのすぐ後に出た
最終話のサブタイトル「さよならコンクール」。
「さよなら」というのは、あすかに因んでいるのか???

演奏直前、舞台上暗転の中、あすかは久美子に語る。
いつもと別人のようにしんみりと、

「なんか、ちょっと寂しくない?
…あんなに楽しかった時間が終わっちゃうんだよ
…ずっとこのまま夏が続けばいいのに。」

さらには結果発表の時、関西大会出場ゲット出来たのにも関わらず
一瞬、一人だけ寂しそうに俯いたあすか。

えっ、あすかは秋には部を辞める?
実際はどうなんだー!?
あすか先輩は、さすがに1クールでは描ききれないキャラだった。
気になるので責任持って続編作ってもらいたいですね!!

<願いは口にしないと敵わない。絶対全国に行く!>
夏妃と葉月のハイタッチで久美子が吹けなかった部分の課題を
クリアしてたことを伝える演出がスマート。
久美子もすっかり逞しくなりました。

山田尚子さんが絵コンテ書かれたのは全13話中3話。
4話では監督と二人で書いてますが、
最終話は初回以来、久しぶりに全パート山田尚子さんが書かれたよう。
トリに相応しい。さすがです。
{/netabare}

<全話観終えて>
全体的に人間描写が見事。
表情も台詞も無駄がない。
物語もひとつの区切りまで無理なく辿り着けました。
それは自然の川の流れのよう。
時に淀み(7話、10話)あれどもいずれは大海原に辿り着く。
そう考えると、背景に川が頻繁に描かれたのも意味深い。

また、滝先生の描き方が素晴らしかった。
先生を信じてスパルタを乗り越えた生徒たちの達成感が
ご都合主義でない自然な結果として伝わりとても良かった。

作画の拘りもあり実写の青春映画を観た気分。

2クールあったらもっと細やかに描けたでしょう。
でも1クールでよくここまで描き切ったと思います。
結果的にEDの歌詞と画にもあった
「青春の価値」と「高揚感」をしっかり描くことに成功したと思う。

ぜひ二期を期待したい逸品です。

多くのキャラに魅力があればこそ。
最後の集合写真でグッときたは「SHIROBAKO」以来です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 88
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

実力のある者が、正当に評価される世界(※サントラCD紹介と余談を追記)

2015年、個人的最優秀作品。まだ半年残っていますが、私の中ではほぼ確定の状態です。

「京アニの本気」に応えるために、今回は「全身全霊」を注いでレビューを書きました。その分かなり長くなっていますが(当社比2倍)、ユーフォちゃんの魅力をいっぱい詰め込んだので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたらと思います。

※一番下に、『サントラ紹介』と『余談』を追記しました。興味のある方は、ご覧ください。


◆この作品で伝えたかったこと◆

このユーフォちゃんが描きたかったこと、それは『吹奏楽の本当の魅力』です。

吹奏楽部といえば、学校の中でも文化部の花形。でも華やかに見えるその世界も、実は運動部のように暑くて辛くて苦しくて、想像以上に本気がいる。でも、だからこそ生まれる、心響き合うブラスバンドの音楽。そんな心おどる青春を、感動を、描きたかったのだと思います。

そのためにこの作品では、♪吹奏楽の演奏における3つのポイント♪を意識して、丁寧に作られていると思います。


♪1つ目、演奏者の心の重なり合い♪

けいおん!やTARI TARIを見ていただければわかるように、合奏や合唱において大切なのが、「演奏者同士の心と心の重なり合い」。たとえ技術は未熟でも、そこに同じ想いや絆があれば音楽はきらめき出す。しかし、5人くらいなら難しくもないと思いますが、それが50人60人ともなれば話は別です。

吹奏楽の特徴の一つに、その「人数の多さ」が挙げられると思います。

多くの部員がいるから、部活としてなかなかまとまらないし、問題が起こればすぐギクシャクした雰囲気になりやすい。このギスギスした感じが好きじゃない、みたいな意見も目にしますが(主に某まとめサイト)、この吹奏楽部の実情から目を背けてはいけないと思います。

心がギスギスしてるから、音もギスギスしてしまう。一度、不信感が吹いてしまったら、もう合奏なんてできやしない。でも、だからこそ、そんな心の不協和音を乗り越えたとき、最高の演奏ができる。最高の音楽が生まれる。

全国大会出場。この想いたちが本当の意味で重なり合ったとき、そこに奇跡が訪れる。

そんな視点でこのストーリーを楽しめたら、と思います。


♪2つ目、演奏者の演奏技術♪

じゃあ、演奏者同士の気持ちが重なり合いさえすれば、素晴らしい演奏ができるのかと言われると、もちろん、そういうわけではない。全国大会に出場するレベルの演奏をするには、たしかな技量が伴ってないといけない。

この「演奏技術の向上」という点に真摯に向き合って丁寧に描いているのが、この作品の二つ目の特徴です。仲良く楽しく、仲間との絆に重点を置いたけいおん!とは、対照的なスタンスです。

滝先生の熱血指導と「私たちも上手くなれる」という熱い気持ちに乗せられて、徐々に実力をつけていく部員たち。素人の私には、その指導方法がどれだけ効果的、現実的なものなのかはわかりませんが、吹奏楽部の練習の厳しさと苦しさは、十分に感じ取ることができました。

また、優れた演奏者になるための重要なポイントが、もう一つ。それがご存知、「特別」であるということ。

演奏において大切なのが、演奏技術と特別さ。これは「個性」という言葉にも置き換えることができると思いますが、仮に演奏技術がまったく同じだった場合、明暗を分けるのは、音に含まれる「見えない何か」。それは音の深みだったり、気高さだったり、やさしさだったり。それらを生み出すのが、演奏者の内面的魅力、つまり個性だと思います。

それを手にするためには、その他「大衆」といっしょではいけない。特別な存在にならなくてはならない。麗奈をはじめ、音楽的才能にあふれる一部の登場人物たちは、己の道を貫かんと努めます、振る舞います。

だから、第11話の{netabare}再オーディション。麗奈の態度に不満を漏らす声も聞こえてきますが(またまた某まとめサイト)、それは彼女が特別な存在になろうとしたため。決して、空気の読めない子だからではない。他の方のレビューにもありましたが、彼女には彼女なりの葛藤や不安があったんだと思います。{/netabare}


ところで、私の同僚にオーケストラの楽団に所属している後輩(元吹奏楽部、フルート演奏者)がいるのですが、彼女の話だと音楽家という人種には「変人」が多いそうです。

具体的な話は忘れてしまいましたが、彼女の楽団の「指揮者」の方が70代のおじいちゃんで、かなりの変人らしいです。でも、ものすごいオーラ(ONE PIECEでいう{netabare}「覇王色の覇気」{/netabare}のこと)をまとっているそうで。

この作品でも、音楽的才能にあふれている(であろう)人たちはみんな、どこか変わっているところがあります。{netabare}麗奈、あすか先輩、滝先生、そして久美子。{/netabare}

この文脈から考えると、麗奈と久美子の「百合関係」も理解できます。狂気とも、変態とも思える二人の発言や行動は、二人が特別な存在になり得る「変人」だからこそ。

このことは、{netabare}再オーディション演奏前の香織先輩と部長の会話と、麗奈と久美子の会話を比較してみれば、一目瞭然だと思います。まさに、「ふつうと異常」のコントラスト。まさか、あの会話が結果の伏線になっていたとは、なんてね。{/netabare}

もしかしたら、二人の関係がどんどん深まっていくことは、{netabare}「二人の演奏の成長」{/netabare}を意味しているのかもしれません。(まあそもそも私はあれが、あまり百合だとは思っていませんが。)

あと、もう一つ。この作品には吹奏楽部ということもあって多くのキャラが登場しますが、音楽的才能を持つ「特別な人」、一生懸命頑張っている「ふつうの人」、その他「大衆」というふうに描き分けられていると思います。だからキャラが立っていない人もいる、というのはあえてだと。まわりの意見や雰囲気に流されやすい大衆を描いているのも、あえてだと思います。

そんな中でも、一人ひとりのキャラを魅力的に描いているわけですから、「さすが京アニ!」クオリティーですね。


♪3つ目、指揮者の圧倒的個性と実力♪

部活動において、指導者は大切である。これは野球部やサッカー部などの運動部でも共通することだと思いますが、吹奏楽部の場合は尚更なんだと思います。

本来ならまとまることのない55人という大勢の人をまとめ上げ、一つの演奏に導かなければならない「指揮者」。そのためには、圧倒的個性と圧倒的実力が必要なんだと思います。

そして、「粘着イケメン悪魔」と陰で呼ばれる滝先生は、自らの指導方針を貫き通します。生徒の自主性を尊重しながらも、巧みな言葉で生徒たちをほのめかし、やる気を引き出すあの話術。音楽に対してぶれることのない信念と、それに基づく厳しい指導。

どこかのサイトで「あの指導は時代錯誤だ」みたいな意見を目にしましたが、現実はもっと厳しい。先ほどの指揮者のおじいちゃんは、ちゃんと演奏できないと、独り立たせて、10分でも20分でも、できるようになるまで演奏させるそうです。たとえ、途中で泣き出しても終わらない。それに比べたら、滝先生の{netabare}『もう一度聞きます。いつまでに出来るようになりますか?』{/netabare}なんて、かわいいものです。

またどこかで、滝先生の指導がぶれぶれだという意見も見ましたが、これは「若さゆえの迷い」から来るものだと思います。

そもそも「どこが?」と思ってしまったので具体的には指摘できませんが、個人的には{netabare}再オーディションを滝先生の方から提案したのは、よかったと思っています。部員たちの不満や不信感を受けて、悩みながらも滝先生が指導者として導き出した、現状を打開するための「答え」。その指導者としての姿勢を描きたかったんだと思います。{/netabare}

あと、{netabare}オーディションのそもそものやり方に疑問を感じている方もいられましたが、音楽にまっすぐな滝先生はあくまで「実力主義」。それは最初に宣言してますし、オーディション(審査)も副顧問の松本先生との二人(協議方式)で行われているわけだから、公平性は保たれていると思います。{/netabare}

また、{netabare}部員全員で審査する再オーディションのやり方も、ラスト香織先輩本人に意思確認を行ったのも、「自主性の尊重」を信条とする指導方針だからこそ。「音楽は嘘をつけない。」その想いを信じたんだと思います。{/netabare}


♪音で伝わる吹奏楽の魅力♪

さて、これまで♪吹奏楽の演奏における3つのポイント♪をご紹介してきましたが、やはりこの作品で特筆すべきは、その演奏シーンの圧巻とも言えるクオリティーでしょう。そして、特に私がすごいと思うのが、「音」による表現へのこだわりです。

私は音楽に詳しくもないですし(こだわりはありますが)、音感もいい方ではありませんが、十分に「音による演奏の違いと成長」を味わうことができました。第11話の{netabare}再オーディションの演奏の優劣{/netabare}も、ちゃんと聞き分けることができましたし、徐々に上手くなっていく吹奏楽部の演奏も、十分に理解することができました。まさに、「最高峰の音楽アニメ」と言える素晴らしさです。

また作画においても、その美しさはもちろんのこと、京アニが誇る圧倒的表現技術の高さで、細かく丁寧に描かれている演奏シーン。こちらもぜひご覧になって、その豊かさを感じていただければと思います。


京アニが持つ、すべての熱意と技術で描かれる、吹奏楽という音楽の魅力。

そして、次の曲が始まるのです。



◆大好きなシーンたちの紹介◆

第四回「うたうよソルフェージュ」

{netabare}それは、北宇治高校吹奏楽部が初めて行う合奏シーン。『海兵隊』の演奏を外で聞いていた男子生徒が、思わず行進を始めてしまった姿が印象的でした。それだけで、「いい演奏をしているんだな」と思わせる京アニの技術が素晴らしい。

そして、私の中でこの瞬間、ある「期待」は「確信」へと変わりました。

これから絶対、面白くなる!{/netabare}


第七回「なきむしサクソフォン」

{netabare}それは、香織先輩が部活を休んだ部長のお見舞いに行くシーン。この作品では、ちょくちょくこの二人が相談するシーンが描かれていますが、私も学生時代、合気道部に入っていたのでとても共感できました。上級生には上級生の、3年生には3年生の、悩みがあるんですよね。

そして、ここで投入「牛乳とさつまいも」。京アニはねえ、ここら辺が上手いと言うかあざといと言うか、さらっとキャラの魅力を高めてきます。(香織先輩、かわいい。)私も今度、牛乳とさつまいも試してみようかな。{/netabare}


第十二回「わたしのユーフォニアム」

{netabare}それは、久美子が「うまくなりたい」と叫び駆け出すあのシーン。この作品では新人、ベテランの違いなく声優さんたちの活躍が光っていますが、黒沢ともよさんの気持ちのこもった演技に思わず嗚咽が漏れました。

そして、「悔しくて、死にそう」という気持ちに初めて気づいた久美子の成長。それをやさしく見守る星空と、夜の街の美しさ。圧倒的な表現技術を誇る京アニだからこそ描くことができる、芸術的で感動的なシーンでした。{/netabare}


最終回「さよならコンクール」

{netabare}それは、京アニが持てるすべてをかけて奏でた最終回。正直、ここまで目を凝らして、画面を見つめ続けたアニメは他にありません。一つひとつの動きに想いが込められていて、目を離すことができませんでした。

また、緊迫感あふれる演奏前の待機時間。緊張をほぐそうと、「大丈夫かよ。」と耳元でささやく塚本と、照れながらもグータッチを差し出す久美子の二人。私はこの二人がくっつくことだけは望んでいなかったのですが、もう付き合ってもしょうがない。塚本お前、かっこいいよ。

そして、ラストの演奏シーン。音と作画の相乗効果で、気迫あふれる部員たちの演奏を、威風堂々、豊かで雄大な音のシンフォニーを、堪能することができました。その中で伝わってくるそれぞれの想いに、胸の高鳴りが収まりません。この作品に出会えて、心からよかったと思っています。京アニのみなさん、本当にありがとうございました。


ところで、{netabare}演奏開始直前に、会場のドアを開ける係の女性。モブのくせして、かわい過ぎじゃありませんか。{/netabare}

そして、私たちの曲は続くのです。{/netabare}



◆私が気づいた売れない理由◆

これまで、ユーフォちゃんの魅力を思うがままに書いてきましたが、みなさんのレビューにもあるように、世間ではBDの売り上げの伸びがあまりよくないようです。

ユーフォちゃんを愛して止まない私としては、悲しくて仕方がないのですが、ある時、とあることに気づきました。

それは、サムネの画像を変更しようと、ユーフォちゃんのお気に入りキャラを考えていた時のことです。はたして、私は誰が一番好きなんだろう。性格などの内面で考えると、香織先輩。外見的美しさなら、麗奈。でも総合的に考えると、やっぱり久美子なのかな。

しかし、どんなに考えても誰を選んでみても、「2014年、俺の嫁選手権」覇者であるSHIROBAKOの「絵麻たん」には、どうしても一歩及ばないように感じてしまう。

この時、私はある事実に気づきました。ユーフォちゃんは徹底的に吹奏楽の魅力を追求した、正真正銘の傑作音楽アニメ。しかしその反動で、「俗的な」アニメキャラとしての魅力が弱くなってしまったのでは、と。だから、{netabare}「絵麻たそペロペロ」、「あずにゃんペロペロ」といった楽しみ方がし辛いのでは、と。(私はしてませんよ){/netabare}


私にはこの作品を含めて、「心から出会えてよかった」と思っている神アニメが7つ(通称「七神」、詳細はプロフィールにて)あります。そして、この「ユーフォ」と「ちはやふる2」以外の5作品にはすべて、俺の嫁と呼ぶにふさわしい大好きなキャラが存在します。


♪愛して止まない俺の嫁たち♪

それは、{netabare}「SHIROBAKO」の絵麻たん、「TARI TARI」のさわ、「シュタゲ」のクリス、「けいおん!!」のあずにゃん、「クラナドAS」の渚、の5人です。それぞれが、それぞれの個性あふれる魅力を持っていると思います。

ちなみに、ユーフォちゃんの俺の嫁は結局、{netabare}香織先輩です。誰よりもやさしくて、誰よりも自分にまっすぐで、一生懸命な彼女が、とても魅力的でした。左目の下にある泣きぼくろも色っぽくて、うん、とってもかわいい。茅原実里さんの演技も素晴らしかったです。

(あれ。よくよく考えたら、香織先輩も他の5人と同じくらい魅力的だぞ。どうしよう。){/netabare}
{/netabare}


また、ちはやふるには俺の嫁がいなくて、競技カルタと日本の伝統文化である和歌の魅力を真摯に描いた作品なので、どことなくユーフォちゃんに似ています。でも、ちはやちゃんには、スポ根アニメ特有の胸がアツく熱くなる展開や、切なくて苦しいラブストーリーが詰まっていて、大衆の人でも取っ付きやすくなっていると思います。

それに対して、このユーフォちゃんの最大の魅力は、真剣に部活に取り組み、本気で全国出場を目指す暑くて苦しい「青春」と、その熱い想いたちが奏でる、心揺さぶる吹奏楽の「音楽」です。だから、部活動経験者や音楽に興味がある人でないと、その魅力を十分に理解するのは難しい。またアニメ感の薄い作品ですから、キャラものとして楽しむのも難しい。

批判を恐れずに言わせていただくと、この作品を楽しむためにはある程度、「肥えた目と耳」が必要なんだと思います。

この作品は音楽・作画・声優・キャラ・ストーリー。そのすべてが圧倒的で、七神の中でも随一のクオリティーだと思います。しかしその完成度の高さ故、皮肉なことに京アニが奏でる渾身の一撃も、大衆の胸には響かないのかもしれません。


実力のある者が、正当に評価される世界であってほしい。

心の底から、そう願います。



◆まとめ◆

いつにも増して長文で、偉そうなことを書いてしまい、失礼致しました。でも、実は私も、麗奈や久美子のように「特別になりたい」と思っています。

特別な京アニが描く、特別な作品、響け!ユーフォニアム。

たとえ世間が評価しなくとも、私の中では「七神」の頂点に君臨するであろう神アニメ。きっとこれから先、この作品を越える吹奏楽アニメは誕生しないでしょう。


一人でも多くの人がこの作品の魅力に出会って、少しでもその魅力が世界に伝わることを願っています。



◆最後に◆

今回のレビューを書くにあたって、多くの方のユーフォちゃんのレビューを拝見してきました。

「はい、おっしゃる通りです。」や「なるほど、そう感じたのか。」といった思いを積み重ねてきたからこそ、この度この作品への想いを書くことができたんだと思っています。


最後まで読んでいただき、そして素敵なレビューを書いていただき、本当にありがとうございました。



◇余談1◇

『おもいでミュージック』

{netabare}サントラCD「おもいでミュージック」の紹介を簡単にしたいと思います。

私はある方のおかげで、先週の日曜に無事ゲットできました。Disc 1がふつうのサントラ、Disc 2が劇中曲といった感じです。

♪お気に入り曲の紹介♪

Disc 2-12 「愛を見つけた場所」
まるで、二人の心が寄り添い合うかのような音のハーモニー。目をつぶれば浮かんでくる、あの景色。うん、二人の愛を感じます。

Disc 2-15 「三日月の舞(香織 トランペットソロVer.)
本編では聞くことができなかった香織先輩のソロ演奏。感無量です。でも、麗奈の方がコンクール的にはよかったのかな。ごめんね、香織先輩。

Disc 2-17 「DREAM SOLISTER(Wind Orchestra Ver.)
ラストに流れた、OPの吹奏楽バージョン。いや、映画のエンドロールを見ているかのような気分です。本当に、素晴らしい作品に出会えてよかったな、と思います。

劇中曲ばかりを紹介してしまいましたが、サントラの方も圧巻のクオリティー。Disc 1-1の「はじまりの旋律」を聴いてみて下さい。ああ、この作品はすべての音楽が素晴らしい作品なんだなと思えるはずです。そして、アニメが見たくなる。また、演奏における面白い制作秘話も必見です。

ユーフォファンの方は、一度聴いてみることを強くオススメします。{/netabare}


◇余談2◇

『京アニの最新スペクトル戦略?』

{netabare}こないだ医学部の友人に面白い話を聞いたので、ちょっと紹介したいと思います。一応、ユーフォちゃんの売り上げに関連する話です。

ただし、かなり暑くて長い文が続くので、部屋を涼しくして、アイスコーヒーでも飲みながら、興味のある方だけご覧ください。(①は医学、②は経営学?に関するちょっと小難しい話なので、飛ばしてもらってもOKです。)


① 抗菌スペクトルって何?

{netabare}※この①と次の②は、医学部に通う友人が大学の講義で聞いた内容に基づいています。又聞きなんで書いても問題ないと思いますが、それなりに信憑性はあると思います。あとは、私がちゃんと説明できるか、です。(ただし、ネット検索しても私はうまくヒットしませんでした。ご理解を)

医学の間では、「抗菌スペクトル」という考えがあるそうです。

そもそも「スペクトル」とは、光における虹のような色の帯のことで、一般的には、「ある組成のものを分化した成分を、一定量の大小によって並べたもの」。そして、「抗菌スペクトル」とは、「消毒剤や抗生物質が効力を及ぼす病原微生物の範囲とそれらの作用強度」を意味しています。

これだとちょっとわかり難いので、具体例をあげて考えていきましょう。

私は今、「ユーフォ病」にかかっています。その原因には、①麗奈がかわいい、②香織先輩がかわいい、③久美子がかわいい、④音楽が素晴らしい、の4つが考えられるのですが、その原因は「1つだけ」で、今は特定できていないと仮定します。

この時使用されるのが、スペクトル範囲が広く、作用強度の弱い物。これだと、①~④すべてに効力を及ぼすことができますが、その強度が弱いため、原因を完全には除去することができません。

これに対して、原因が②の香織先輩だと判明している場合。この場合は、②だけに効く、スペクトル範囲が狭く、作用強度の強い物が使われ、その原因を完全に除去することができます。つまり、私の「ユーフォ病」は完治します。(たぶん、ずっとしないと思いますが)

現在の医療現場では、上記のように病気の原因(病原微生物)が特定されている場合は、その病原菌「だけ」に強力に作用するスペクトル範囲の狭い薬が使用され、特定されていない場合は、スペクトル範囲の広い薬が使用されているそうです。
{/netabare}

② お菓子メーカーのスペクトル戦略

{netabare}この考え方を商品開発の場で応用しているのが、「お菓子業界」。

以前のお菓子業界では、「子どもから大人まで」楽しめる商品を販売していたそうですが、最近は特定の顧客層をターゲットにした商品の開発に力を入れているそうです。

わかりやすい例で言えば、「大人のお菓子シリーズ」。調べてみると、「大人の雪見だいふく」や「大人のたけのこの里」などの商品があるようで、そういえば、お店で大人向けのお菓子をよく目にするようになった気がします。

また、これをさらに進めて、現在では「外国人観光客」をターゲットにした商品開発が盛んなようです。日本を代表する「抹茶味」のお菓子をたくさん作って、空港免税店などで発売する。具体的には、「ポッキー和ごころ」や「アルフォートプレミアム宇治抹茶」など。(決して、商品の宣伝をしているわけではありませんよ)

そして、これらの商品を「インバウンドマーケティング」という手法(興味のある消費者に、自ら調べて見つけてもらうこと)を用いて、効果的に外国人観光客に販売しているそうです。そして見事、人気を博しているそうです。

つまり、先ほどの「スペクトル理論」から考えると、外国人観光客の好み(=抹茶)を的確に捉えて、外国人観光客「だけ」を対象とした商品を作ったことによって、高い満足感を生み出し、確実な売り上げを手に入れることに成功した、と言えると思います。

あと補足ですが、人間は「幸福感」と「不快感」の程度が同じだった場合、幸福感の方をより深く感じるようになっているそうです。つまり、「このアニメ、クソだったな」という気持ちよりも、「この作品に出会えて、心からよかったな」という喜びの方が、より強く心に残るそうです。(たしかに、そんな気がする)

だから、たとえ一部の顧客にしか支持されない商品になってしまったとしても、大丈夫だそうです。

先ほどの商品たちが日本人の口に合わなかったとしても、「私の好みじゃない」と流されるだけなので。(これに他の感情が混じると、話は別なんでしょうが。)それよりも一部のターゲットに強い高揚感を与え、固定ファンを着実に作ることが、重要であるということらしいです。
{/netabare}

③ 今回、京アニが狙ったもの

{netabare}この話を聞いて、私は「今回、京アニはそもそもターゲットをしぼって、ユーフォちゃんを作ったんじゃないの?」と考えるようになりました。

今、アニメ界で最も人気がある作品と言えばそう、「ラブライブ!」

正直、私はラブライブ!が好きではありませんし、あまり面白いとも思っていません。(特に2期)だから、ニュースとかで「ラブライバー」を見ると、「なんだかな~」という気持ちになります。

もちろん、ラブライブ!を好きな人全員が変人だとは思っていませんし(私の知っているラブライバー?の女の子たちはとてもいい子です)、映画も見ていないので作品の真価はなんとも言えません。

でも、大ヒットした主な要因は、話題性と大衆性。(あとは、見た目だけがかわいいキャラと、キャッチーな楽曲、きれいなライブシーン、押しメン制度、スクフェス、など。)だから、狙って「大人気作」にするのは難しかったと思いますし、いくら人気があってもあれじゃあ・・・というのが正直な感想です。

これは、アニメに限った話ではないと思います。「ドラマの視聴率」も「音楽CDの売り上げ」も、必ずしも「名作」だから高いわけではない。もちろん、人気が出るのにはそれなりの理由があるとは思いますが、基本的には、その当時「話題」になって流行っているものと、「大衆」が理解しやすい内容のものが、売れやすいんだと私は考えています。

つまり、売れるかどうかは「実力」ではなく、「運次第」ということです。(SHIROBAKOでも言ってた気がする)

そして、現代は年に100本以上のアニメが作られる「多作の時代」。また、アニメを見る年齢層の幅は年々広がり、作品の好みはバラける「価値観の多様化」も同時進行中。テレビ界や音楽界で生じた現象が、いよいよアニメ界にもやって来たという感じです。

そんな中、アニメを見ている「すべての人が共通に楽しめる作品」を作ることは、ほぼ不可能なんでしょう。

だから、先ほどのお菓子業界と同じように、「特別」な一部のファンだけに「深く」愛される作品に、今回、京アニが挑戦してきたのではないかと思うのです。(あくまで、個人的な意見です)

じゃあ、それが結果的にうまくいったのかは、まだなんとも言えません。

BDの売り上げの初動だけを見ればよくないですが、サントラCDの人気は上々のようです。(各地で購入できない状態があったみたいですし)

あとは、これから人気が出るように、我(々)が布教活動するしかないでしょう。作品としては文句なしの出来なのですから、それをちゃんと理解できる人たち(吹奏楽経験者など)に薦めていくことが、一番の近道なのかもしれません。(ちなみに、私は例のオーケストラの後輩に話をしてみようと思っています)

実力のある者が、正当に評価される世界であってほしい。

そもそも世の中全体がそうではないと思いますが、やっぱり大好きな作品ですし、2期を作って頂くためにも、精一杯応援したいと思います。
{/netabare}

④ これから、アニメ界はどうなるの?

{netabare}はい、完全な余談です。

先ほどの話からすると、やっぱり「名作」が必ずしも売れるわけではない。正当な評価を受けるわけでもない。

あくまで人気が出るのは、その時話題になって流行った作品。しかも、アニメを見ている層の中心は、中高生の10代から大学生くらいまでの20代なわけだから、大人の趣味と合わない所ももちろんある。

だから、彼らが好きなものを、大人の目からすると理解できない時もあるし、逆に大人が素晴らしいと思っているものを彼らがつまらないと感じてしまうこともある。私は日常的に彼らと接する仕事をしているので、このことを日々強く実感しています。「アニメの好みが、違うんだよ。」

そうなると、アニメ制作会社はどういった舵取りをするべきなんでしょうか。

今回の京アニみたいに、一部のターゲットにしぼった作品を作るのか。ラブライブ!のような、大衆性の高い作品を作るのか。

アニメ制作もあくまでビジネスでしょうから、採算の取れる道を選んで頂ければと思いますが、そのせいで「心から楽しめる作品」がなくなってしまったら、とても淋しいです。それこそ、「過去の名作」を見るだけになってしまう。

クールジャパンに代表されるように、人気が出てきたアニメ業界。その方向性もそうですが、その作業現場も過酷なようです。なんにせよ、頑張ってほしいと陰ながら応援しています。


それでは、我々アニメファンは。

まず、人それぞれ好みが違うわけですから、「自分が楽しいと思える作品」を、存分に楽しめればいいんだと思います。でも、楽しめる作品が多いことに越したことはありませんから、自分の世界観や感受性が豊かになるように努力する。

そのためには、多くの人と意見交換をすること。つまり、あにこれを活用すればいいんですね。素晴らしい。

また、「名作」が「名作」であることを、少しでも多くの人に知ってもらって、素晴らしい作品を作ってくれている制作会社を応援する。恩返しをしていく。

そのためには、レビューを書いて、その作品の魅力を発信していくこと。つまりこれも、あにこれを活用すればいいんですね。重ねて、素晴らしい。

このサイトを一方的に賛辞することを書いてしまいましたが、私はこういった気持ちで、あにこれ活動をしています。

みなさんにこの考えを押し付ける気は「まったく」ありませんが、私がこういった人間であることは、ちょっと紹介したいなと思いました。

みなさんが少しでも、多くの「大好きな作品」たちに出会えますように。


またバカみたいに長文を書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 77
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Come on!Join us‼︎ & Bravo‼︎(余談3追記)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - 武田綾乃
監督 - 石原立也
シリーズ構成・脚本 - 花田十輝
キャラクターデザイン - 池田晶子
シリーズ演出 - 山田尚子
美術監督 - 篠原睦雄
色彩設定 - 竹田明代
楽器設定 - 高橋博行
撮影監督 - 高尾一也
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 松田彬人
音楽制作協力 - 洗足学園音楽大学
演奏協力 - フレッシュマン・ウインド・アンサンブル
音楽監修 - 大和田雅洋
アニメーション制作 - 京都アニメーション
製作 - 「響け!」製作委員会
放送期間 - 2015年4月 - 6月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


京都アニメーションの新作「響け!ユーフォニアム」

京都アニメーションならではの美しくて繊細な作画と
その中で生き生きと動くキャラクター達。
吹奏楽の魅力溢れる楽器の質感と演奏描写。
ホール特有の臨場感と緊張感。
そして合奏で生まれるダイナミックな高揚感。

アニメ視聴歴の短い私がこの様な事を言うのは大変おこが
ましいのですが、長年に亘って培ってきた京都アニメーシ
ョンの技術がいかんなく発揮されている印象を受けました。

京都アニメーション製作と聞きますと必然とでも言うの
でしょうかやっぱりその作画力に注目しちゃいます。
何気ない街の信号機の押しボタン、音楽室の備品らしい
楽器の傷や黄昏時の公園の背景、夕日や水銀灯が反射し
キラキラと輝く水面。演奏する時の息遣いや指の動き。
何秒も映らないシーンに対してのこだわりと言うので
しょうか、本当に細やかな描画が凄いと思います。
そしてその様な素晴らしい背景の中でそれぞれのキャラ達
が豊かな表情で丁寧に動いています。

私、京都アニメーションの横顔の描き方、けいおんやたま
ラブのレビューでも書かせて頂きましたが大好きなんです。
額から鼻そして唇、顎のライン、つい吸い込まれる様な瞳の
美しさにこの作品でも心を奪われました。
第1話から制作サイドのこれでもかと言わんばかりの熱意が
伝わってくる作画。
まるで映画かと勘違いしてしまうくらいのレベルを維持
しつつ圧巻の最終話までいきます。
凄いです!
ここまで作画に関して書かせて頂きましたが、是非その
目で実際に堪能して下さい。

次にストーリーなのですがお話としては、とある高校の
吹奏楽部の成長物語をヒューマンドラマを交えながら
描いた、ある意味では部活物の王道的なお話です。
しかし高校生ならではの憂い、葛藤、喜び、そして少し
ばかりの恋心を吹奏楽部の成長と共に全く手抜きの無い
リアルな描写で描ききってます。
そのリアルさに何度も心が震え、学生時代の楽しくて熱く
て切ない記憶が蘇りました。
特に吹奏楽部に対しての描き方は吹部在籍者もしくは
経験者も納得の内容だと思います。
そして1クールという短い時間の中でも出来るだけの楽器
の紹介や演奏、お手入れの仕方、吹部内のパート・編成の
説明、全国コンクールまでの仕組みなどの解説もあります
ので吹奏楽未経験の方でも凄く楽しめるかなと思います。
アイキャッチで毎回違う楽器が登場するので、
あっ、これなんだろ?
って興味を持つのも楽しいかもしれませんね。
尺の都合上十分ではないかもしれませんが吹奏楽未経験者
の方でも楽しめる様な配慮がなされている点が凄く嬉しい
です。

どうしても吹部というのは女子率が高いのでキャッキャ
ウフフ、はたまた女子特有のギスギスした関係等想像
するかと思われますが、体育会系並みの練習のキツさや
辛さ、顧問の先生または部員同士の確執、そして音を奏で
る喜びや音楽を通して築かれていく信頼関係や友情等も描
かれていますので学生時代に何か部活に打ち込まれた
方など特に共感出来る部分も多いのではないでしょうか。

アニメのタイプには非現実的でリアルではありえない事を
私達に擬似体験させてくれる楽しさと現実的でリアルで
あり得る事を共感しながら楽しませてくれる作品がある
と思います。
しかしどちらも同じアニメの醍醐味。
この作品は後者の良さが詰まった素敵なシンフォニーです。
少しばかり女の子同士のファンタジーもありますけれど。

胸を熱くさせるセリフの1つ1つ。
葛藤、友情、愛情、情熱のこもったストーリーを盛り上げ
る声優さんの演技もまた素敵です。
メインキャラを務める声優さんは私的に余り存じ上げ無い
方が多かったのですがその周りを固めるベテラン(年齢は
若いですが実力派の方を含め)の声優さんの演技が光って
ます。
エンドロールでおおっ!この人出てたんだ!ってなるのも
楽しみです。

そんな作画、ストーリー、声優陣のバランスのとれた
作品を盛り上げてくれるのが
OPの「DREAM SOLISTER」、EDの「トゥッティ!」
どちらもブラスバンドを取り入れていて、この作品の楽し
さと音楽を奏でる、みんなで合奏する楽しさが凄く伝わる
素敵な曲だと思います。

特に最終話のEDは…これは内緒ですね。是非!

最近視聴したアニメの中で最初から終盤までここまでの
期待感と緊張感を維持したまま視聴したアニメはなかなか
ありません。
ストーリー的な面白さもありますが、人間関係、心情、
音の対比の表現が素晴らしいと思います。

ボキャブラリーの少ない私には多くは語れません。
是非視聴して下さい。
そして感じて下さい。

とここまでなるべくネタばれ無しで感想を述べてみました
けれど、

上手く伝わるかなぁ…ちょっと不安。

でも、私自身初の5点満点の作品となりました

「響け!ユーフォニアム」

音楽とは聴く者の心を打ち震わせ、繋ぎとめる
世界共通の言語。

しっかりと心に響きました。ガチです!


【主要登場人物・出演者】

黄前久美子 - (CV:黒沢ともよ)
加藤葉月 - (CV:朝井彩加)
川島緑輝 - (CV:豊田萌絵)
高坂麗奈 - (CV:安済知佳)
田中あすか - (CV:寿美菜子)
小笠原晴香 - (CV:早見沙織)
中世古香織 - (CV:茅原実里)
塚本秀一 - (CV:石谷春貴)
後藤卓也 - (CV:津田健次郎)
長瀬梨子 - (CV:小堀幸)
中川夏紀 - (CV:藤村鼓乃美)
吉川優子 - (CV:山岡ゆり)
斎藤 葵 - (CV:日笠陽子)
黄前麻美子 - (CV:沼倉愛美)
松本美知恵 - (CV:久川綾)
滝 昇 - (CV:櫻井孝宏)


【主題歌】

オープニングテーマ
「DREAM SOLISTER」(第2話 - 第12話)
作詞 - 唐沢美帆 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - TRUE

エンディングテーマ
「トゥッティ!」(第1話 - 第7話、第9話 - 第12話)
作詞・作曲 - ZAQ / 編曲 - 高田暁 / 歌 - 北宇治カルテット
[黄前久美子(黒沢ともよ)、加藤葉月(朝井彩加)、
川島緑輝(豊田萌絵)、高坂麗奈(安済知佳)]

メモリアルエンディングテーマ
{netabare}
「DREAM SOLISTER (Wind Orchestra Ver.)」
(第13話)
作曲- 加藤裕介 / 編曲 - 松田彬人
{/netabare}


【mio's café】
ここからはネタばれの感想となりますので未視聴の方は…
出来ればご遠慮ください。
それでもという方は…Come on!Join us‼︎

{netabare}
良かった、本当に良かったです。
最初はヒロインらしからぬどこかクールでちょっと
ネガティヴな主人公:黄前久美子ちゃんにこの子この先
どうなるんだろうって不安だったけど、見事に変わって
くれましたね。
周りに良き友人、先輩、先生に囲まれて葛藤しながらも
成長し、本当の自分の気持ちに気付いていく様は見事でし
た。
CV:黒沢ともよさんの演技も普段のクールでグタグタな
低音ボイスから気持ちが高揚した時のちょっと上擦った
感じの声まで凄くメリハリがあって素敵でした。
本当にリアルな女子高生らしさが出ていたと思います。

そんな久美子を序盤で支えたのが超ポジティブ思考の2人
のお友達。
加藤葉月ちゃんと川島緑輝(サファイア)ちゃんでした。
でもこの2人のポジティブさ微妙に違うんですよね。
そのあたりの細かい使い分けも凄く上手だったと思います。
葉月ちゃん演じるCV:朝井彩加さん、
緑ちゃん演じるCV:豊田萌絵さん。
多分初めて名前を見る方だったのですが凄くキャラの魅力
を引き出していて良かったと思います。

久美子と最初にお友達になった加藤葉月ちゃん。
序盤のチューバとの馴れ初めは笑っちゃいました。
こうだと決めたら突進するポジティブ要素の他に以外と
感受性が高くナイーブな感じ。
感動しやすく、お友達の為なら頑張れる女の子。
8話告白シーンでの後ろからのカメラアングルで瞬きする
所、橋の上での緑ちゃんと再開して涙が溢れ出すシーン。
切なかったですね。
逆に9話でヘコむ緑ちゃんを励ます姿が愛おしかったです。

そして川島緑輝ちゃん。
「命かけてます!」
「その言葉待ってました!」
なんと前向きなキャラなんでしょう。
あのちっちゃい体でコンバスってのも良いですね。
後ろは振り向かない前進あるのみの超ポジティブ思考。
事あるたびに久美子にハッパかけてくれます。
そんな緑ちゃんでもさすがに9話ではへこんじゃってちょっ
と心配しちゃった。
8話でのいきなり登場した妹の琥珀ちゃん。
「こりゃ、ヤバいね〜」
葉月ちゃんの言葉そのもの。かなりヤバかったです。

緑ちゃんが背中を押して葉月ちゃんがさりげなくフォロー
する。
タイプの違うポジティブキャラの魅せ方がとても印象に
残ります。

そんな2人に割って入るかの様に久美子の心を虜にした
高坂麗奈ちゃん(CV:安済知佳さん)。
凄いですね。
私の中で「高坂麗奈」という「戦場ヶ原ひたぎ様」に
勝るとも劣らないキャラが誕生しました。
第1話でのあの涙。
凄くわかるんです、あのダメ金の悔しさ。
吹奏楽は一人じゃないからこその悔しさ。
皆んなが1つにならなきゃ取れない代表の座、
だけど一つになっても取れない代表の座。
嬉しさも倍なら悔しさも倍だから…
麗奈の気持ち凄くわかるんです。
リアルですね。
(私が現役の時はダメ金という言葉が凄く嫌いでした。
あの評価方法自体今思い出しても酷だと思います。)

私がこの作品を見始めて凄く興味があったのが、いかに
して金に届くまでの吹部に育っていくのかという事と
第1話で訪れた久美子と麗奈の関係がいかに変わっていく
のかという事でした。
第5話が吹部としての大きなきな転換点、そして第8話が
久美子と麗奈の関係の大きな転換点だったと思います。
作画の美麗さに音楽が優しく重なり、私までなんだか
幻想的な夏の夜の夢を見ているようでした。
背後の夜景が透けて見える白いワンピース。
久美子の顔をなぞる麗奈の白くて細い指先。
「特別になる…」
ユーフォニアムとトランペットでの2重奏。
その曲名も

「愛を見つけた場所」…

背景、音楽、キャラのあまりの美しくしさに背筋が
ゾクゾク。
最後のEDまでドキドキしてました。
近年の京都アニメーションの中でも突出した出来だと
思います。
負い目を感じて後ろ向きだった久美子が麗奈の強くて
真っ直ぐな気持ちの虜になった第8話。
好きな人の為なら全てを敵に回しても構わないという覚悟
の第11話。
この2話に共通していた事が好きな人の為なら死をも厭わな
いという気持ち。
高校生にはちょっとオーバーとか百合展開とか思われる方
もいらっしゃるかと思いますが、私にはそう感じませんで
した。
憧れや人を尊び好きになる気持ちは男女の壁を越えたそう
いう物だから。
人生にそう何度もない出会いが高校生の久美子に訪れた
だけだと思います。

そして麗奈と同じ目線に立てた第12話への大きな導火線
だったと。

「悔しい…悔しくて、死にそう…」

第1話での麗奈と同じ言葉を発した久美子のシーンには
見ているこっちまで心が張り裂けそうでした。
自然と涙が溢れました。
久美子が駆け出すシーンからの作画は圧巻です。
この12話での作画に関してちょっと興味深いツイートが
ありましたので。
以前京都アニメーションでアニメーターとして活躍してま
した斎藤敦史さん(現在はフリーとしてSAO、アルドノア・
ゼロ、ガリレイドンナ等のメインアニメーターとして活躍
中)のツイートなんですが、ちょっと引用させて頂きます。

「ユーフォニアム12話、ちょろっとだけ観たけど
どうやったらこんなクオリティになるのか意味が
分からない。無理〜。
演出がどのぐらい手を入れてたのか気になる。」

凄いですね、プロで同業者しかも元京アニの方が見ても
この感想です。

やはり京都アニメーション、凄いです。

メインキャラとモブ的なキャラの区別がつかないくらい
それぞれのキャラが魅力を発揮するのも京都アニメーショ
ンの作品の特徴の一つ。
今回も沢山の魅力的なキャラがいましたね。
当初から私が注目していたのが
低音パートリーダー田中あすか先輩(CV:寿美菜子さん)
新任顧問の滝昇先生(CV:櫻井孝宏さん)
の2人でした。

最初はあすか先輩の弾けたキャラに魅了され(寿美菜子さん
の演技もまたぴったりです)ていたのですが、お話が進むに
つれて見え隠れする過去と影。
リーダーとしての資質を持ちながらみんなとは一線を画す
あすか先輩の本心というのがとても気になりました。

新任顧問として赴任してきた滝昇先生。
私的にはもう何と言っても櫻井孝宏さんの演技が大好きです。
櫻井さんの顔が滝先生になるくらい素敵でした。
クールで優しい仕草で語りかける言葉の中にある熱い
情熱。
時には残酷ともとれる指導方法をとりますが、大事な所
での言葉はさすがです。

色んな言葉がありましたが最終話でのチューニングルーム
からみんなを送り出す時の言葉は最高でした。

「では皆さん行きましょう、全国に」

これで頑張れないわけがありません。
演奏始まる前から私のアドレナリンが噴出しちゃいました。
吹奏楽に対する情熱と生徒への信頼が感じられる素敵な
先生です。
あんまり言うと麗奈に怒られますね。

でも最終話が終わってもあすか先輩と滝先生2人の中にある
過去というか事情みたいなのが一番引っかかりました。
2期あれば明らかになるといいな。

中世古香織先輩(CV:茅原実里さん)は何と言っても10.11
話での再オーディションのお話が胸に残りましたね。
周りをそして自分を納得させ気持ちよくコンクールに向か
えるように敢えての再オーディション。
最終話での麗奈のソロパートを聴くマリア様のような表情
が全てを物語っていました。

小笠原晴香先輩(CV:早見沙織さん)もいろんな葛藤があり
ましたけれど、お話が進むにつれての成長がとても良かった
です。早見沙織さんの独特の鼻にかかったような声が私的に
は高ポイントでした。

一人一人あげていくと大変なレビューになりそうなので
最後にこの人だけはというキャラを。
中川夏紀先輩(CV:藤村鼓乃美さん)です。
私的に最大のダークホースって言い方はおかしいかもしれ
ないけれど、お話が進むにつれて一番魅力的になりました。
ポニテ先輩最強です!
最初の頃はこの先輩なんだかなぁ〜って感じだったんです
けれど、自身の過去の辛い思い出や久美子のトラウマを
取り払い、再オーディションの時も関係修復の為に影で
支えていましたね。
優子ちゃんとの微妙な関係も凄く好きです。
屈託のない笑顔でコンクールに出場するみんなを支える
姿に癒されました。
最終話では感動する葉月ちゃんの肩にそっと手を回す
シーンに思わず涙。
やっぱポニテ先輩最強!そういえば最終話はポニテ祭りで
したね。
私も翌日、久しぶりにポニテしちゃいました。
影響されやすいタイプなので…

もうキャラ紹介だけのなんだかなレビューになっちゃい
そうですけど、それだけ魅力に溢れたキャラがいる作品
という事かな。

最初から最後まで右肩上がりで楽しめた当作品。
中でも特に好きだったのは第5話、第8話、第11話、
第12話、第13話でした。

私の視聴したアニメの最高評価は4.9というのが何作品か
あるのですがあと0.1点というのが今までの壁でした。
凄く面白かった、感動した、泣いたそれでも充分なんです
がこの作品を視聴してその0.1というのがわかりました。

「心が震える」

これが0.1点の答えでした。

最終話でこの答えが出るかどうか、緊張のスタートです。

コンクール当日の朝、いきなり画面から伝わる緊張感。
目覚ましより早く起きてる久美子がまずリアル過ぎま
した。
静かな朝だからこピリピリ張り詰めた空気感という
のが伝わります。
そしてお姉ちゃんとの微妙な感じ…
そんな空気を麗奈との肘の小突きあいで飛んでけぇ〜って
麗奈も緊張してるんでしょうね、ついほっこりほぐしてく
れました。
現在の私のアドレナリン充填率70%

淡々と準備が進みみんなの表情もどこか硬い…
そんな緊張をほぐすかのようにチーム「もなか」からの
プレゼント。
サブメンバーの屈託のない笑顔に癒されます。
またもやほっこり。
小笠原部長とあすか先輩の掛け声でいざ出陣!
それにしても滝先生のタキシード姿、滝シードでした。
かっこいい♡
私のアドレナリン充填率80%

会場に到着してますます高まる緊張感。
もう私までリアルで見ているかのような気持ちの高まり。
あのホール独特の匂いまで再生されました。

館内で流れるアナウンス、チューニングルームでの音合わ
せであたふたする様子、音に共鳴するペットボトルの水。
凄くリアル。
現在、私のアドレナリンの充填率90%

招集がかかりいよいよです。
そして滝先生の言葉

「では皆さん行きましょう、全国に」

先生と生徒の気持ちが一つになった瞬間でした。
私のアドレナリン充填率100% 一気に噴出…
心が震えました。
そうです、最後の0.1点がきたんです。
しかしこれは序章、「心の震え」第1波です。

緊張の演奏開始。もう合奏を楽しむよりも祈るような
気持ちです。
ライトに反射する細かいダスト。
引きと寄りのカメラワーク。
みんなの気持ちのこもった表情。
「全国に行くんだ」
セリフと共に映し出される久美子の表情。
獲物を狙う野獣のような表情に「心の震え」第2波が
来ました。
凄い、この子達…

譜面に書かれたメッセージ、
「絶対金賞‼︎来年一緒に吹くぞ‼︎」中川
「絶対絶対ゼッタイぜったい‼︎全国‼︎」加藤はづき
「久美子ちゃん。次は火星まで手を伸ばしましょう!
行きますよ‼︎」みどり
「全国、行こうね」麗奈
胸が熱くなります。

いよいよ麗奈のソロパート。あの伸びやかな演奏の始まり
私も緊張MAX…
でもその演奏を聴く香織先輩の表情に「心の震え」第3波が
来ました。
色々あったけど今彼女達は演奏を楽しんでるんだ。
充実しているんだ、良かった…

演奏も終盤、みんなの演奏にも力が入ります。
滝先生も渾身の指揮。
フィニッシュ。涙が溢れました…
みんな凄く良かった、本当に…

いよいよ各賞の発表。
この緊張感、凄いです。
湧き上がる歓声と悲鳴、凄いどこまでリアルなんでしょう
みんなの表情に「心の震え」第4波。

最大の関門、代表校発表。
そうですね、言葉は入りません。表情だけで充分です。
素敵な演出に「心の震え」第5波。

もう私、鼻水まで出てきちゃいました…
どうしてくれるんでしょうか…

言葉では言い尽くせない、感じて欲しい作品です。
素敵な演奏、素敵なドラマを見せてくれてありがとう。
彼女達と京都アニメーションに感謝しています。

最後の集合写真、
屈託のない笑顔の滝先生が印象的でした。

あっ最後に一つだけ、立派な音響設備があれば別ですが
最終話だけはヘッドホンかイヤホンで視聴して欲しいです。
是非‼︎



〜凄く余談〜吹奏楽コンクール〜
{netabare}
この作品を通じて吹奏楽に興味を持たれた方がいましたら
是非、近くの地区大会、支部大会等のコンクールに足を
運んで欲しいです。
7,8月に都道府県、8,9月に支部(関西、九州とか)、11月に
全国というスケジュールで毎年行われます。
日にちをずらして小、中、高、大、般という様にだいたい
行われますが、高校生以上の金を狙う方々の演奏の迫力や
美しさたるもの凄まじいものがあります。

そんな中で私が凄く思うのが小学生の部の演奏を聴いて
欲しい事です。
まだ吹奏楽を生で聴いた事が無いという方がいらっしゃい
ましたら、是非近くのホールに騙されたと思って足を運ん
で欲しいです。
小学生と侮る事なかれ、今の子供達のレベル凄いです。
どんなに小編成のバンドでも心に響くものがあります。
子供達の演奏する圧倒的な音楽を体で感じて欲しいです。
是非!

凄く余談でごめんなさい。
{/netabare}

〜凄く余談2〜リアルユーフォ二アム〜
{netabare}
ご存知の方も多いかと思いますが、昨年吹奏楽界に激震が
走りました。
何が激震なのかというと九州吹奏楽コンクールで長崎代表
の活水中・高等学校が全国コンクールの切符を手にしたん
です。
いゃ〜おめでたいではないですかぁ。
そうなんです。おめでたいんです。

ってそこではなくて、何が凄いかと言いますと、
この活水中・高等学校は九州ではほぼ無名、長崎県大会で
も好成績を残した実績も無く一昨年まで部員不足でコンク
ール出場すらままならない学校だったんです。

そんな学校に昨年の4月に革命が起きました。

九州を代表する吹奏楽の超名門校「精華女子高等学校」
を35年間指導されてきた藤重佳久先生が精華女子高等学校
の定年退職を期に長崎・活水学院の教授に就任。
大学での音楽講義、中・高等学校、大学の吹奏楽部の音楽
監督を兼任する事になりました。

音楽特に吹奏楽は指導者で大きく変わると言います。
私も実際にその様な学校はこれまで幾つも見てきています。

「わかりやすく楽しく、目標を共有する」という指導論を
軸に1980年頃からの創部間もない精華女子を指導し全日本
吹奏楽コンクールには過去19回出場、平成26年には8回
連続・通算10回目の金賞を獲得。マーチングに至っては出
場した15回全てにおいて金賞というまさに吹奏楽界のレジ
ェンド。

就任5カ月での全国出場。
地区大会1回戦負けの常連校がまさかの甲子園という感じで
しょうか?
もちろんこの5カ月の間色々な意識改革、厳しい練習があっ
たと思います。先生を慕って転校してきたり入学して来た
生徒もいるかもしれません。
私立の学校なので施設や楽器にお金をかけたかもしれませ
ん。

でも楽器がいいから、設備がいいから、いい生徒が集まる
からでいい音楽は奏でられないのが吹奏楽なんです。

無名の学校を短期間にここまで成長させハーモニーを作り
上げるのは並大抵の事では無いと思います。
これから毎年藤重先生の指導を受けたいという生徒が全国
から活水学院に殺到するかもしれませんね。

昨年の全日本吹奏楽コンクールは銅賞でしたが、精華女子
高等学校で一つの音楽を作り上げ、活水中・高等学校でまた
新たなる音楽を作り上げようとする藤重先生。

いつか九州吹奏楽コンクール鹿児島開催の時、新しい藤重
先生の音楽聴いてみたいです。
これから楽しみがです♬
{/netabare}

〜凄く余談3〜劇場版公開前に7回目の視聴〜
{netabare}
うん!
何回見てもこんなに心が熱くなれる作品、
やっぱりユーフォです。
何でだろう…
「DREAM SOLISTER」を聴いてるだけで胸が熱くなり
涙が溢れてくる…

やっぱり私にとっては最高の出逢い。

何回見ても感謝の言葉しかありません。

原作・武田綾乃さん、制作・京都アニメーションさん、
「響け!」製作委員会の方々。
制作に関わった数多くのスタッフ、キャストの皆さん。

劇場でまた北宇治吹部のみんなに逢えるのが楽しみです。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 199

94.8 2 熱いでシリアスなアニメランキング2位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1678)
7017人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

流行にのってみた

流行にのって視聴。見終えてだいぶ時間が経過して今更のレビュー。

鬼に家族を殺され、妹を鬼にされた竈門炭治郎が妹を人間に戻して敵討ちをするために奮闘する物語。

設定は割とシンプルで見やすいとは思う。
話の分かりやすさと日常的に使いやすい全集中とか~柱(そんなに使いやすくもない?)とかも人気が出た要因の一つかなと思った。
あとはみんな大好き必殺技というか技の名前。
少年マンガにつきものの主人公の成長もあって、やっぱり成長見るの好き。

素直に面白いと思った。流行しただけはあるのでは?
見ていた人多かったから、初対面の人と話すときの話題に困ったときにもしかしたら使えるかもしれない。

何も考えずにボーっと見るのにも良い。

キャラクター達も個性的な設定にしてある。
上半身裸で猪の顔を被った伊之助なんか衝撃的。ご本人の顔とのギャップ。


OP
紅蓮華 LiSA
ED
from the edge FictionJunction feat. LiSA
挿入歌
竈門炭治郎のうた 椎名豪 featuring 中川奈美
紅蓮華やっぱし良いですね。紅白に出るだけのことはある。ずっと聴いていたい。そして、EDの溢れる梶浦由記感。
竈門炭治郎のうたも注目すべき楽曲のようだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の襧豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、“鬼狩り”の道を進む決意をする。人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる--!

1. 第一話 残酷
時は大正。竈門炭治郎は、家族とともに山でつつましくも幸せな日々をおくっていた。ある日、町で炭を売りに出かけた炭治郎が山に戻ると、家族は鬼に襲われ血だまりの中で絶命していた。唯一、一命をとりとめていた妹・襧豆子を救うべく、降りしきる雪の中背中に背負い必死に雪山を下りる炭治郎。その途中、襧豆子は突然唸り声を上げ、炭治郎に襲いかかる。

2. 第二話 育手・鱗滝左近次
炭治郎は冨岡義勇の導きにより、鬼になってしまった妹・禰豆子とともに狭霧山を目指す。夜の道中、炭治郎はお堂から血の匂いを嗅ぎつける。誰かが怪我をしているのかもしれないと駆け寄ると、なんとそこにいたのは、人を喰らう鬼。突如、鬼に襲われた炭治郎は、斧でなんとか応戦するが、鬼の圧倒的な力に、たちまち鬼に組み伏せられてしまう。鬼がとどめを刺そうとしたとき、助けに入ったのは--。

3. 第三話 錆兎と真菰
鬼殺隊--古より存在し、鬼を狩る組織。入隊のための試験「最終選別」に向けて、鱗滝左近次による炭治郎の訓練が始まった。様々な罠が張り巡らされた山下り、刀の素振り、滝修行、そして呼吸法……。狭霧山に来て一年、鱗滝は「もう教えることはない」と炭治郎へ言い放ち、巨大な岩の前で、最終選別へ行くための条件を突きつける-。

4. 第四話 最終選別
最終選別の合格条件は、鬼殺の剣士が捕らえた鬼たちが閉じ込められている藤襲山で七日間生き延びるということ。若き剣士と鬼の生き残りをかけた戦いが始まる。炭治郎は、鱗滝左近次のもとで身につけた呼吸法と型で着実に鬼を斬っていく。二年にわたる鍛錬は無駄ではなかった。しかし、そんな炭治郎の前に、藤襲山にはいるはずのない異形の鬼が現れる-。

5. 第五話 己の鋼
朝日が昇り、七日間の戦いの果てに生き残った剣士たちはたったの四名だった。生き抜いた炭治郎たちを出迎えた案内役からは、鬼殺隊についての説明が行われる。それぞれに鬼殺隊の隊服、伝令役となる鎹鴉が支給され、最後に、自身の日輪刀を造る玉鋼を選んだ。そして、鱗滝の家へと帰宅した炭治郎を待っていたのは-。

6. 第六話 鬼を連れた剣士
鬼殺隊の隊服に身を包んだ炭治郎。腰に日輪刀を携え、禰豆子が入った鱗滝特製の木箱を背負い、鬼殺隊の初任務として毎夜少女が失踪しているという北西の町に向かう。そこで炭治郎は、恋人をさらわれ、憔悴しきっている和巳と出会う。たしかに、近くに鬼の匂いを感じるが、鬼の姿はどこにも見えない。不穏な事件に鬼の影を疑う炭治郎は-。

7. 第七話 鬼舞辻無慘
三人に分裂した鬼が炭治郎を追い詰める。そのとき禰豆子が鬼に襲い掛かった。鬼になってしまった妹は守らなければいけないほど弱い存在ではない--。意を決した炭治郎は、分裂した鬼のひとりを追い、地面に広がる沼へ飛び込む。沼の中で待ち受けていたものは。

8. 第八話 幻惑の血の香り
次なる任務の舞台は東京・浅草の町。大正の華やかな都会の街並みに戸惑う炭治郎だったが、そこで鬼の匂いを嗅ぎつける。匂いを追った先で出逢ったのは鬼舞辻無惨だった。鬼舞辻を斬ろうとする炭治郎。だが、鬼舞辻は行きかう人間を鬼に変え、町を混乱に陥れる。必死に事態を収拾しようとする炭治郎の前に、 とある人物が姿を現す-。

9. 第九話 手毬鬼と矢印鬼
炭治郎を助けた者は、珠世と愈史郎という鬼だった。珠世は炭治郎たちを、”目隠し”の術を施した屋敷へといざなう。そこで炭治郎は、珠世との会話から、鬼を人に戻す方法についての活路を見出すのだった。そのとき--炭治郎を追うふたりの鬼が屋敷の場所をつきとめ、猛烈な攻撃を繰り出す-。

10. 第十話 ずっと一緒にいる
炭治郎の苦境は続く。矢琶羽が最期に繰り出した血鬼術”紅潔の矢”を、炭治郎は水の呼吸の型を駆使し、なんとかしのいでいた。一方で禰豆子と朱紗丸の戦いは続いており、状況を危惧した珠世は、自身の血鬼術を使い-。

11. 第十一話 鼓の屋敷
鎹鴉から告げられた次なる鬼退治の地は南南東--。その途上で炭治郎は、最終選別で生き残った同期の剣士・我妻善逸と出会う。炭治郎は、善逸の消極的な態度に手を焼きつつも山の奥地へ向かうと、屋敷の前で兄を連れ去られたふたりの子どもたちに出会う。そこで、善逸はどこからか鳴り響く鼓の音を聴くのだった……。

12. 第十二話 猪は牙を剥き 善逸は眠る
鼓を打つ度に、部屋が回転する不思議な屋敷の中で、炭治郎は善逸と離ればなれになってしまう。炭治郎と別れてしまった善逸は正一を連れ、恐怖に絶望していた。その頃、炭治郎は、屋敷の主である鼓を打つ鬼と、猪の頭をかぶった奇妙な姿の男に出会う。

13. 第十三話 命より大事なもの
屋敷の主・響凱が鼓を打つたびに部屋が回転し、炭治郎は苦戦を強いられる。前の戦いで骨折している炭治郎は弱気になる自身を鼓舞して、必死に立ち向かう。響凱が使う血鬼術による攻撃にも圧倒される炭治郎。果たして、無事に響凱の頸を討ち取ることができるのかー。

14. 第十四話 藤の花の家紋の家
死闘の末、響凱との戦いに勝った炭治郎。屋敷の外へ出ると、先に脱出していた善逸と出会う。だが、禰豆子の入った木箱を抱えボロボロになった善逸、そして二刃の日輪刀を抜いた猪頭を被った男が立ちはだかる異様な状況を目の前にする-。

15. 第十五話 那田蜘蛛山
次なる目的地は北北東。炭治郎と禰豆子は、善逸や伊之助とともに那田蜘蛛山へ向かう。その山は蜘蛛の巣が張りめぐらされ、無数の蜘蛛が蠢く山だった--。怯える善逸を残し、山に入った炭治郎と伊之助は、蜘蛛の糸に絡み取られた鬼殺隊員に遭遇する。

16. 第十六話 自分ではない誰かを前へ
蜘蛛の糸に囚われた鬼殺隊員と戦う炭治郎と伊之助。糸を斬り、蜘蛛の巣を破り、ふたりは山の奥へ。森を進むにつれ、蜘蛛の糸がだんだん太くなり、操られている者たちも人間には不可能な動きをしはじめる。操られた隊士たちを、傷つけずに動きを止める方法も困難になる中、炭治郎がとった行動とは--。

17. 第十七話 ひとつのことを極め抜け
ここには鬼舞辻無惨直属の配下・十二鬼月がいる--。那田蜘蛛山の母鬼を倒した炭治郎は、妹の禰豆子を人間に戻す手掛かりになる鬼が、この森にいることを知る。傷だらけの伊之助とともに、ふたりはさらに森の奥へ。一方、ひとり寂しく森を進む善逸の前に、人面蜘蛛が現れる。

18. 第十八話 偽物の絆
那田蜘蛛山の父鬼と対峙する炭治郎と伊之助。応戦する炭治郎だったが、父鬼の怪力に吹き飛ばされてしまう。川の近くに落下した炭治郎は、姉鬼を痛めつける鬼の少年・累と出会う。恐怖と憎悪で結ばれた関係を「家族の絆」と呼ぶ累に、炭治郎は激怒する。累と炭治郎の戦いが始まる。

19. 第十九話 ヒノカミ
鬼殺隊最強の剣士である柱が那田蜘蛛山に到着した。父鬼を一太刀で切り伏せる水柱・冨岡義勇。 その太刀筋を見た伊之助は己との格の違いに興奮し、戦いを申し込む。一方、全身に毒が回り、瀕死に陥っていた善逸の前にも、蟲柱・胡蝶しのぶの姿が--。

20. 第二十話 寄せ集めの家族
累より放たれた血鬼術により死を覚悟した炭治郎。走馬燈の中で亡き父が舞っていた神楽を思い出し、水の呼吸とは異なる新たな技を放つ。”ヒノカミ神楽・円舞”--、相打ち覚悟で繰り出したその技で、ついに累の頸を斬り落とす。満身創痍の中、傷つき倒れる禰豆子のもとに向かおうとする炭治郎の前に現れたのは--。

21. 第二十一話 隊律違反
倒れながらも禰豆子を庇おうとする炭治郎を見て、累の中で過去の記憶がよみがえる。かつて病弱だった彼は、鬼舞辻無惨に出会い、血を分けてもらうことで鬼になった。だが、鬼になった自分を、父と母は殺そうとする。そのときから彼は家族を探し続けてきた。どうしても手に入らない絆を求めて--。

22. 第二十二話 お館様
戦いを終えた炭治郎は、禰豆子とともに鬼殺隊本部へ連行される。そこでは鬼殺隊の当主・産屋敷と最強の剣士・柱たちによる「柱合会議」が行われることになっていた。鬼を庇うという鬼殺隊にあるまじき隊律違反をした炭治郎を、柱たちは糾弾する。そして風柱・不死川実弥は、禰豆子に刀を向けた--。

23. 第二十三話 柱合会議
鬼殺隊の当主・産屋敷が、ついに炭治郎の前に現れた。彼は、炭治郎と禰豆子の入隊を容認するという。だが、柱たちはその判断をすぐには飲み込めなかった。風柱の不死川実弥は自らの腕を傷つけ、禰豆子の前に血を晒して、鬼の本性を引き出そうとする。

24. 第二十四話 機能回復訓練
傷ついた炭治郎と善逸、伊之助は蟲柱・胡蝶しのぶの屋敷で治療を受けることになった。二週間後--炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始める。だが、その訓練は過酷であり、炭治郎たちの心はへし折られてしまう。その厳しさも知らず、遅れて訓練に参加した善逸は、女の子を前にしてひと際やる気を見せるが--。

25. 第二十五話 継子・栗花落カナヲ
蝶屋敷で機能回復訓練中の炭治郎は、全集中の呼吸を一日中続けられるように修行に励む。最初は全く敵わなかった同期の剣士・カナヲとの訓練も少しずつ効果を上げるようになってきた。毎日修行を休まぬ炭治郎を見て、善逸と伊之助も訓練に復帰するが…

26. 第二十六話 新たなる任務
炭治郎たちが機能回復訓練に勤しむその裏で、鬼の絶対的支配者・鬼舞辻無惨により、十二鬼月の下弦が集められ、鬼側もあらたに動き出そうとしていた。訓練も終盤をむかえ、カナヲとの訓練も互角の勝負ができるようにまで成長した炭治郎のもとに、鎹鴉より新たな任務が伝えられるのだった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 105
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

♪強くなれる理由を知った♪~観終わった後の充実感ヤバです!

あらすじはあにこれを参照ください。

放送時間:2019年4月~

◎物語
冒頭から救いのない展開です

大正時代を舞台に家族を鬼に殺され 
唯一の生き残りの妹(禰豆子)も鬼にされ絶望の"炭治郎"が
"冨岡義勇"という剣士に出会い 物語は始まります。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇鬼殺隊入隊 1話~5話{netabare}
家族が殺され途方に暮れている"炭治郎"に対して"富岡義勇"が放つ一言

”生殺与奪の権を他人に握らせるな!

みじめったらしく蹲るのはやめろ 
そんなことが通用するならお前の家族は殺されていない!

奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?
仇を見つける?笑止千万!!

弱者には何の権利も選択肢もない 
ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ”

厳しいですが真っ直ぐな正論 しかし心の中では

”泣くな 絶望するな そんなのは今することじゃない

怒れ! 許せないという強く純粋な怒りは
手足を動かすための、揺るぎない原動力になる

脆弱な覚悟では 妹を守ることも治すことも
家族の仇を討つことも、出来ない!”

厳しいけど心に沁みるセリフです○o。. 

彼の人柄が見えると同時に 
厳しい世界観を考えさせられる場面でした。 

そして”判断がおそい”
厳しさの中に優しさや思いやりがある
"鱗滝さん"のもとで修業が始まるのですが渋くて格好良いです。

選別試験で現れた手鬼
"錆兎"と"真菰"たちを殺した憎い鬼も最初は人だったんですよね
少し複雑な思いです。

”よく生きて戻った”
"鱗滝さん"が二人を抱きしめるシーンは胸が熱くなりました。
{/netabare}
☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇鬼舞辻との邂逅 6話~10話{netabare}
”鬼舞辻無惨”の近い鬼から血を採取する!
医者の”珠世さんと”珠世さんラブが深すぎる"愈史郎"の登場で
”禰豆子”を治す方向性が明確になります。

最初に現れたのは 
16歳以上の女は醜いと食べてしまうアホな”沼鬼” 
しかも3体に分身するし歯ぎしりがすごい耳障りでウザ過ぎでした。

さっさと処理して次の目的地東京浅草へ 
薄々感じていましたが
やはり世間では鬼は認知されていなかったんですね

平和な日常を守るため 鬼を狩る鬼殺隊 まるで歴史の闇のようです

そして本来は蹴鞠が好きな小さい子供だったのに
呪いで死んだ"朱紗丸" 残酷だなって思うと同時に 

その人の意思関係なく勝手に鬼にして
蜜をやり操っていると思っていたら
都合が悪くなると殺してしまう ”鬼舞辻”ヤバすぎ許せないよ!

最後に"珠世さん"と"愈史郎"を人と思い守った”禰豆子”に
涙する"珠世さん"に思わず感動 心に響きました。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇仲間との出会い 11話~14話{netabare}
同じ鬼殺隊の”我妻善逸”と”嘴平伊之助”との出会い
そして元十二鬼月の”響凱”との戦いを描いています。

頼りなくて剣士らしくない”善逸”と
猪突猛進でナイスにデレるチョロ男子”伊之助”

10話まで結構シリアスだったからお笑い回かなって思っていたら
良い意味で裏切られました。

”善逸”の気を失ってからの本気! 度肝を抜かれました。
( 剣士らしくないとかいってごめんなさい )

そして骨折してる”炭治郎”が心の中で
”折れてる”炭治郎”もすごいんだというのを見せてやる!”
根性は凄いと認めますが 最近心の声が多くなってませんか?

14話 お笑い回ですね 和みました○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

那多蜘蛛山に住む鬼の一家の討伐 15話~21話{netabare}
"炭治郎"と"善逸"そして"伊之助"が向かった先には十二鬼月がいた。
鬼殺隊の柱 "冨岡義勇"と"胡蝶しのぶ"も交えての乱戦が始まる。

そしてついに”累”と対峙する"炭治郎"と”禰豆子”
爆血からヒノカミ神楽への流れの場面から挿入歌エンディングの流れ
すごい!すごい!すごい! ここ何度も観返しました○o。.

その後"冨岡義勇"の凪 
ヒノカミ神楽が動とすればこちらは靜のようです 

美しい!と同時に美味しいところ全部持っていきましたね
嫌でも好感度上がるやつじゃん!

もう一人の柱”しのぶ”登場
黒目大きくて口調も軽やかで可愛いのに
”正しく罰を受けて生まれ変わるのです”
聖女の様な会話がいつのまにか気付けば他人を煽っている
やっぱり柱 一筋縄じゃないようです○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇柱合裁判 22話~23話{netabare}
"冨岡”や”しのぶ”を観ていて何となく感じてました
彼等人の話あんまり聞かないですよね・・・

期待したほかの柱も自由過ぎでしょ
この中だと”富岡”や”しのぶ”がまともに見えるから不思議
{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇蝶屋敷の機能回復訓練 23話~26話{netabare}
弱くてゴメンね あの元気な"伊之助"が弱って
女子との訓練にこわれる"善逸"(平常運転?)

選別試験以来同期の”カナヲ”や”玄弥”との再会 

"胡蝶しのぶ"と”カナヲ”の過去 
過去を知るまでは何か達観してるような感じにみえた
"胡蝶"と”カナヲ”でしたが 今は180度考え変わりました

最初嫌な奴かなって思わせて 実は・・・
鬼滅の刃ってこのパターン多くないですか?
毎回騙されてる気がする○o。.。
{/netabare}

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇キャラ
暗い内容に主人公たちの重い過去
それでも暗くならないのは個性的な彼らのおかげでしょう

幼いのになぜかお父さん目線の炭治郎や
女子大好きな善逸 そして単純な伊之助

そして普段のふわふわしてる態度からは想像できない戦いの顔
このギャップにやられます♪

◎作画
時代背景は大正時代
人物が太く描かれていてかつ背景が落ち着いた配色
凄く丁寧で特に自然現象の表現は綺麗って感じる作画です。

あと この作品で一番好きなのは
夜の闇の背景に華やかで色彩豊かな戦闘シーン!
まるで夜空に浮かぶ花火の様な迫力がある描写はとても優雅です♪

これまでもこういう関係の評価の高かった制作会社ufo
今作は表現に加えて人物の表情が豊かになって凄いと感じました。

〇音楽
OP曲 紅蓮華
ED曲 from the edge 共に歌うのはLiSA安定してますよね
”強くなれる 理由を知った”思わず口ずさみたくなるフレーズです。
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに空睨んでも
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ

強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして

イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど
水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい

乱暴に敷き詰められた トゲだらけの道も
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ
簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる

人知れず儚い 散りゆく結末
無情に破れた 悲鳴の風吹く
誰かの笑う影 誰かの泣き声
誰もが幸せを願ってる

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
挿入歌は中川奈美が歌う”竈門炭治郎のうた”
思わず鳥肌立ちました 何度も見直す場面です。
しかし題名のインパクト凄いですよね 何歌ってるか気になりますよね
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
我に課す 一択を
運命と覚悟する
泥を舐め 足掻いても
目に見えぬ細い糸

泣きたくなるような優しい音
どんなに悔しくても
前へ 前へ 向かえ
絶望を断ち

傷ついても 傷ついても
立ち上がるしかない
どんなに打ちのめされても
守るものがある
守るものがある
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
映像ばかりに気を取られていたのですが
うん 結構男の子らしい歌詞なんですね○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって
”禰豆子”を元に戻すために鬼殺隊に入隊し鬼と戦う!
物語の目的しては非常にシンプルで◎

そして鬼との戦いも頭脳戦とか基本無く
力と技のせめぎ合いでこちらもシンプルでわたしは嬉しい。

映像も綺麗ですし流れるような表現の数々には思わず見入ちゃいました
その中でも お勧めしたいのは鬼との戦闘シーン○o。.

鬼殺隊の武器の刀を使った
様々な”呼吸法”による技の表現はまばたき忘れるくらい綺麗!

激しくて荒々しいのもあれば 華やかな中に清々しさがあったりして
背景の黒(鬼は夜しか活動しないので)に広がる鮮やかな色彩は最高!

そして戦闘シーンと日常風景のギャップ

戦いで鬼と対峙して必死に戦ってる彼らも
なんだかんだ言ってもまだ少年 
彼らの会話の掛け合いとても和みます○o。.

まだまだ書きたいことはありますが

映像以外でも声や音などアニメの特色を生かした演出
これらを上手に化学反応させたすばらしい作品だと感じます
どんな変化なのかはその目でお確かめください♪○o。.

原作がマンガで斬新さはあまり無いですが 
それよりも非常に丁寧な作りで観終わった後のこの充実感ヤバです!


そして続きは劇場版 今から楽しみに待っています♪

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。












  











 





 






 



 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

95.0 3 熱いでシリアスなアニメランキング3位
STEINS;GATE 0 [シュタインズ・ゲート・ゼロ](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1485)
7454人が棚に入れました
いくつもの世界線を巡り、様々な可能性を“なかったこと”にしながら、大切な人たちを守ろうと足掻き続けてきた岡部。その果てに辿り着いたのは“紅莉栖とまゆりのどちらを見殺しにするか”という、ふたつの選択肢だった。苦悩と煩悶の末、岡部は「β世界線」――紅莉栖が自分以外のラボメンと出会わないまま死ぬという運命を選択する。
そして、紅莉栖の死から4ヶ月が経った。再び大学に通い始めた岡部は、真面目に授業に出席し、テニスサークルの合コンに参加するなど、平凡な日常に埋没していく。それでも心の傷は癒しきれず、ラボへ顔を出す機会も減っていった。β世界線上の未来からやってきた鈴羽は、第三次世界大戦が勃発する運命を変えようと岡部を説得。しかし、彼は「世界線の改変は、人間が手を出していい領域ではない」と、運命への介入を否定する。岡部の中で、いつしか白衣をまとったマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」の顔は失われていった。
そんな折、岡部は秋葉原でヴィクトル・コンドリア大のレスキネン教授が主催する、人工知能に関するセミナーに出席する。ふとしたことから、レスキネン教授の助手である比屋定真帆と知り合い、壇上に上がった彼女のスピーチを聴く岡部。その内容は、「人の記憶をデータ化して保存する」という、かつて紅莉栖が提唱した理論と同様のものだった。真帆やレスキネンのチームはその理論をさらに推し進め、人の記憶と感情、そして心を持つ人工知能「アマデウス」を構築していた。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり、矢作紗友里、潘めぐみ、山本彩乃、本多真梨子、木野日菜、上田燿司、西村麻弥
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

愛と大義の狭間でゆらぐ世界線のレクイエム

☆作品概要
●原作:志倉千代丸/MAGES

●アニメーション制作
WHITE FOX
{netabare}
監督:川村賢一
【代表作品】
・監督
そにアニ
クオリディア・コード

シリーズ構成:花田十輝
【代表作品】
・構成
STEINS;GATE
中二病でも恋がしたい!シリーズ
ラブライブ!シリーズ
ラブライブ!サンシャイン!!シリーズ
ノーゲーム・ノーライフ
艦隊これくしょん(TV版劇場版)
響け! ユーフォニアムシリーズ
宇宙よりも遠い場所
他多数

キャラクターデザイン:稲吉智重
【代表作品】
・キャラクターデザイン
バトルスピリッツ ソードアイズ
バディ・コンプレックス

主要キャスト
岡部倫太郎:宮野真守
椎名まゆり:花澤香菜
牧瀬紅莉栖(アマデウス):今井麻美
橋田至(ダル):関智一
桐生萌郁:後藤沙緒里
比屋定真帆:矢作紗友里
阿万音鈴羽:田村ゆかり
椎名かがり:潘めぐみ
アレクシス・レスキネン:上田燿司
{/netabare}
☆エピローグ☆

「科学者なら可能性が0でない限り、諦めるという結論はない!」←ロリッ子に説教されちまった(涙)

ゲーム未プレー。
さて、本作の視聴にあたり、1期の視聴は必要条件、2015年に放送された改変23話(β)の視聴は必要十分条件となる。
つまり、無印だけでは取り付く島がなく改変23話は必ず視聴する必要がある。
本来、物語的には1期で完結されているが、{netabare}改変23話でSGに到達しないβ世界線バッドエンドのパターンに再構成直し{/netabare}新たな物語の起点としている。
ゆえに、本作から、視聴してもストーリーが理解出来ないのだ。
また、無印と0の順序を深く考えても仕方がない。
世界線変動に伴う悲劇の始まりは「電話レンジ(仮)」の完成からではあるが、その為に生じた悲劇を巡る物語は、時間循環(相対的時間順序)の設定であり、何が始まりか終わりかを論じてもあまり意味がないのだ。
更に、ゲームをプレーしていれば理解し易いとリアル友人達の助言もあった。
しかし、ゲームまでプレーする気はないので、アニメだけで本作のレビューを記述することとなる。
※長文ゆえたたみます。
{netabare}本作、EDに私が以前勤務していた職場がクレジットされている。
どこまで、関与しているか分からないが、この事実で科学考証はまあ保証出来るんだろう。
ただし、これの意味するところは、現実性や完全な理論整合を問うことではなく、本作の設定は「可能性」としては有り得るという仮説として、ある程度科学的整合が保証されているという意味だ。
また、SF設定の一般論だが、ファンタジーを【もっともらしく】演出するためには、学術上の仮説(理論)を並べ論理を構築する演出をするが、肝心な点の理論は無根拠か曖昧つまりファンタジーであるという演繹構造が特色だ。
簡潔に述べると、虚偽を真実のように見せかけるために実在する学術仮説を利用するという構図。
これは、簡単な心理トリックではある。
ナチスの宣伝相ゲッペルス博士が、所謂プロパガンダでこの手口用いて大衆を騙し、結果、全世界で2千万人の犠牲者を出したWW2の惨劇となったのだから侮れない。
つまり、1%の嘘をつくために99%の真実を混ぜると、大衆は100%の真実と受け取る心理トリックなのだが、これはSF構成の基礎でもあり、真実である実存理論を嘘の構築のためにどのように利用をしているかが、SF作品の良し悪しを決める。
本作の1期が多くの方々を唸らせたのは、嘘のつき方が過去の作品に比して段違いに巧みであったことに他ならない。

本作では、タイムトラベルの原理の解明もまた物語の醍醐味の一つである。
科学設定について、私は本業の理学者であるので、ここで学術理論に沿って記述をすると、本作に夢を抱いている視聴者の皆様を興覚めさせることとなるので、差し控えておくが、科学的考察の方向性は後述する。

本職の目から気になる点として、マクロ物理とミクロ物理を説明もなく混用するなど、科学的な粗があるのはどうしても否めないので、この点はあらかじめ述べておく。
だが、視点を変えると、本作のタイムトラベルの原理は自称未来人のジョン・タイターがもたらした原理であるカー・ブラックホールの応用だが、ジョン・タイターの未来世界では「M理論」が完成し「大統一理論」が完成していると仮定したうえで、「大統一理論」はメタファーであるとして本作を視聴することもまた吝かではないし、創作であるのだから寧ろこの方向で楽しむ方が面白いであろう。{/netabare}

前作、無印放送中、理系に携わる方多くの々が考察をし、玉石混交ながら多くのブログ記事があるので、考察はそれらを参考にするとよい。
ここでは、考察の指針として本作のSF設定の主たる意味の学術解説を補足と他の考察では触れられていない事象に留める。
先にも述べたように、本作も設定を理論物理学で説明すると本来、書籍1冊分は軽く必要とするほど濃い内容だが、字数の関係もあり一般向けに可能な限り平易に説明することを御了承願いたい。

【科学設定考察】
《世界線》
{netabare}本作の目玉だが、世界は自分が存在している世界だけではなく、同じ世界が宇宙のどこかに存在していると、なんとなく思われている方々が多いだろう。
本来、それで結構なのだが、これだけ手の込んだSF設定をした本作をそれだけで終わらせるのは勿体ない。ある程度理論で説明しよう。
また、本作の科学考察の多くは「タイムトラベル」に費やされており、「世界線」を解説した考察が少ないことも、記述することとした動機である。
本来、「世界線」や「タイムトラベル」を理論物理学で説明するには「量子力学」の他マクロ物理体系である「相対性理論」や「電磁気学」、素粒子の状態を考える「素粒子物理学」の知識を必要とする。(勿論、これらを理解するには力学、電磁気学含め古典物理学全般の知識があることが前提だ。)

1,量子力学概説
まず「量子論」とは「量子力学」を包括した量子の状態に関する全ての理論体系をいう。
ここでは「量子論」と「量子力学」を適宜に使い分ける
「量子力学」でいうところの「粒子」の正体は「電子」や「放射線」に代表される「素粒子」であるが、ここでは粒子そのものの性質を扱う「素粒子物理学」との混同を避ける意味でも「量子力学」に準則して「粒子」として表現する。
「量子」とは原子未満の微小物質でエネルギーを持つ物質(粒子)を整数倍して得られる概念単位と考えてよい。
イメージとしては缶ジュース1本が「粒子」であるとすると、缶ジュース1ダースが「量子」だ。

「世界線」の発想は「量子論」がなければ存在しなかった。
それは、「量子力学」で導かれる「粒子」の状態を観測する上で生じた学術論争のなかでの派生理論だからだ。(専門的には「観測問題」という。)

これらの単位粒子の運動を表したり、観測する学問が「量子力学」であり、「素粒子物理学」など、これら微小物質の状態を考える物理学の総称を「ミクロ物理学(体系)」という。
対し、現実生活で起きる諸現象(リンゴが木から落ちる重量運動、ブレーキを踏むと車が止まる摩擦運動、スマホで通話ができる電磁気学)で宇宙空間を除いて、凡そ特別に観測をしなくても普通に実感できる諸現象を考える物理学の総称を「マクロ物理学(体系)」という。
少し小難しく言えば、因果律に基づく現象を扱うのがマクロ物理で、必ずしも因果律の支配を受けない現象を扱うのがミクロ物理だ。

さて、前置きが長くなったが本項の主題に入ろう。
先に「量子力学」と「ミクロ物理」の立場を説明したが、力学から発展した物理とは現象がなければ結果が生じない因果律を前提に発達した学問領域である。
しかし、電子の怪しげな動きの発見から「いやいや、因果律ばかりでは説明できないぞ」という現象の発見が相次ぎ、量子の状態をモデル化して説明したハイゼンベルクの「不確定性原理」や、量子の状態を数学的に固定した、シュレディンガーの「波動関数」が発表され、当時の物理学界は騒然となった。

物理学においては演繹(論理立て)と帰納(再現性)が両立している決定論とならなければならない。
而るに、量子力学は帰納を完全には満たしていない物理学上の問題点を孕んでいた。
「粒子」を観測すると、見えるとき(粒子状態)と見えない(波状態)ときがあるという幽霊のような特殊な性癖があり、このような物質特性は因果律からは当然考えられない。
因果律において実体とは、連続して固定して存在するものであり、電磁波等の波も連続して固定して目視不可なのである。
分かり易く言い換えると、地球上の同一地点の同一日に視覚が正常な私と、もう一人がいるとして、私には月が見えるのに、もう一人には見えないという意味と同じであり普通では考えられない。
量子論的には、私にとって月は「粒子状態」であり、もう一人には「波動状態」となっていることになるが、ミクロの世界では往々にしてこのような常識では考えられないことが起こる。

この非常識に、因果律に逆らう物理など科学ではなく、オカルトだと言って怒り出したのが、アインシュタインだ。
アインシュタインによるハイゼンベルク虐めは苛烈を極め「量子論」は科学に非ずという一歩手前にまで険悪化した時期がある。
物理学の最高権威に打ちのめされたハイゼンベルクを終始助けたのは、ボーアという科学者だ。
ボーアも当時の量子論研究の第一人者であり、アインシュタイン、ハイゼンベルクと同じノーベル物理学賞受賞者である。
そして「不確定性原理」を巡るアインシュタインvsボーアの対決が1930年に行われ、アインシュタインが敗北したのである。
その後、アインシュタインが嘆いた「神はサイコロを振らない」はあまりに有名な言葉だろう。
これの意味するところとは「量子現象」とは詰まるところ確率的にしか予測し得ないことを示したものであり、これが現代の「量子論」の主流である「確率解釈(ここではボルンの規則とコペンハーゲン解釈を含める)」となる。
確率解釈を用いると、電子とは「粒」であり「波」であるという玉虫色の結論となる。
まず、ここまでは科学史として押さえておこう。

既に、拒絶反応が起きた方は、ここで閲覧をやめて頂きたい。
この後は専門用語が増加する。

2,波動関数
項目タイトルを見ただけで厭になると思う。
しかし「波動関数」無くして「多世界」の発想は生まれてこないので多少踏み込んで記す。

前項1の「量子論」を数学的に示すにはハイゼンベルクが提唱した「マトリックス力学」とシュレディンガーが提唱した「波動関数」がある。
(これらの総称が「量子力学」)
大きな違いは、ハイゼンベルクは「行列演算」で量子の状態を求めることに対し、シュレディンガーは物理学のベーシック「微分方程式」で量子の状態を求めることにある。
なお、どちらの式を用いても【確率解釈】では同じ結果が得られる。
ただし、波動関数では奇妙な結果が起こる。
本来なら、シュレディンガー方程式を用いて波動関数を導く計算過程を記述すると分かり易いのだが、恐ろしく字数を消費する(閲覧者の方々も数学は見たくもないだろう)ので結論を記す。
※下記方程式を解くと波動関数ψは虚数時間をとる複素共役となる。
参考:シュレディンガー方程式
 i h (∂Ψ/∂t) = -(h2 / 2 m) (∂2Ψ/∂x2) + V(x) Ψ
ただし、hはブランク定数

ここの考察点は三点に絞る。
①計算結果とはいえ、ノーベル物理学賞を受賞している波動関数では虚数時間が存在する。一体、物理における虚数時間とは何を意味するのか。
②通常、波動関数Ψの絶対値の二乗はボルンの規則に従い粒子の存在確率として教えられるが、これは認識論的解釈であって、例えばニュートン方程式のように認識解釈の余地がない実在論に立脚したマクロ物理系公式とは扱いが異なり、物理式としては明らかに異様である。
また、シュレディンガー本人はΨの絶対値の二乗は量子が変化する振幅(時間変動)であると述べていることからも「解釈」することこそが量子力学のアキレス腱であることの一つの示唆であると同時に、確率解釈の結果が絶対正しいとも言い切れないのである。
③電子の観測(二重スリット実験)を行うと、波を伴う広がり構成から観測した瞬間に波が消えた点構成に集約される摩訶不思議な現象を体験するが、これは波動関数の「収縮」と言われる現象である。
確率解釈では、量子力学は、観測結果を生成する確率を予言するだけであり、粒子は観測されるまで明確な特性をもたないという見解となる。
要するに、観測者が見たものが真実だという、にべもしゃしゃりもない回答となるが、波動関数は無限連続関数であり、存在確率に沿った観測を行って「収縮」などという馬鹿げたことは理論上起きるものではないが、現実の観測結果に対し確率解釈では認識の問題だと言っているわけだ。要するに問題の本質から逃げている。

以下は量子論を巡る蛇足だが、相対性理論上、光よりも速く伝達するものは存在しないことになっているが「波」が一瞬で消滅したことになる「収縮」が、物理上存在するとなれば、光速度不変原理に対するパラドックス(EPR相関)である。
しかし、確率解釈では「収縮」に明確な答えを出せていない。
ついでだから「量子テレポーテーション現象」にも触れるが、これは因果律に左右されない量子の特性(量子もつれ)を用いた一種の技術論であり、相対性理論と量子力学のパラッドクスを理論上解決したものではない。
マクロ物理とミクロ物理相互間に横たわる多くの謎を解くこの命題は「M理論」の証明を待つまで、かなりの時間を要するだろう。

①の示唆するところは時間には本来累進性はなく、現在、過去、未来はあくまで観測問題に過ぎないのではないかという推論が出来る。
ホーキングの無境界仮説を考えると、量子の状態を示すΨこそに、宇宙の真実が隠されているのではなかろうか。
さて、時間順序を考察するには大きく三つの方向性がある。
時間という概念から考えるか、特異点や量子重力論など力技を用いて因果律を歪ませるか、いっそ光速度不変原理を破ってしまうかだ。
「光速」とは物理学上の上限規定であり、あらゆる法則はこの上限を超えてはならないとされる。
しかし、理屈上ではあるが、光速を超えると過去への逆進が可能となる。
ただ、光速度不変原理は現状では理論物理学上難攻不落の普遍原理であり、タキオン的な素粒子を発見し、それを用いて光速を超える仮説は立てることは出来ても事実証明はほぼ不可能であることから、時間遡及は理学者の立場ではどうしてもファンタジーとなる。
まぁ、時間遡及を理論証明出来れば相対性理論は崩壊してしまうわけだし、追試でそれが証明されれば確実にノーベル賞だろう。
これからの科学を背負う若者はおおいにトライしてみて欲しい。
虚数時間から脱線したが、これは時間とは何かの哲学的問いにもなる。
つまり、帰納の行く先を見失った観測問題と等価な思考実験的の意味合いを持つ。
なお、本作では「カー・ブラックホール」の重力特異点を用い時間移動の原理としているが、Dメール、タイムリープと合わせて字数が許せば後述をしよう。
②、③は次項の重ね合わせのパラドックスで考察する。

なお、現在でも波動関数の真の意味はノーベル物理学賞受賞クラスの高名な科学者も実態を掴みきれておらず、人智の限界を超えた存在であるとも言える。
また、波動関数には知識そのものが記述されているが、全てが解読されているのではないとする仮説もあるので併記しておく。
まぁ、これを導き出したシュレディンガー自身も全てを説明出来ないのだから無理もあるまい。
シュレディンガー方程式はE=mc^2とならび数学的技法の芸術とも言われるが、理論物理学のトラップとして、理論を数学的に表現した結果、数学規則上のバグが生じることがある。
例えば、不定積分をすると定数項を生じるが、これが理論物理学ではバグになる。
ところが、このバグに意味がある場合もあるのだから物理とは実に奥が深いものである。
計算結果で生じる虚数時間についてシュレディンガー自身は説明できず、バグとして処理したが、後世の科学者によって虚数時間の仮説が立てられたのだからね。

3,猫を呼ぶ確率解釈のパラドックス
あまり「波動関数」をやると誰も読まなくなるような気がするので、有名な「シュレディンガーの猫」に話題を変えて考えて見よう。
上記、②、③を考察点としたのは、お猫様が主役の確率解釈の盲点をついた有名な思考実験だからである。
ここで、確率解釈の限界点が明確となり、かつ「世界線」の原理である「エヴェレット解釈」の仮説が生じた重要なイベントであるからだ。

まず、私は犬派ではなく猫派だ。香箱座りをしている猫を眺めているだけでも気持ちが和む。さらに、丸くなって寝ている猫を見ていると、その横で添い寝をしたくなるほどの猫好きだ。
しかし、この項目では猫を殺さなければならない…

ほとんどの方々は「シュレディンガーの猫」のことは名称だけでも聞いたことがあると思う。
これはあくまで、仮定の話しであって実際に実験したものではないことを予め断っておく。
専門的には「思考実験」という分野だ。

箱の中に1時間以内に50%の確率で放射線(α線)を出すラジウムと、α波線を検知したら青酸ガスを放出する装置を仕込み、その箱に猫を入れる。
1時間後の猫の生存確率は50%だが、箱の蓋を開けるまではその猫は「死んだ状態と生きている状態が重なりあい同時に存在している」状態であり、箱の蓋を開けて生死が初めて確定するという、量子力学独特の不思議な概念をいう。

猫を粒子に例えると、死んだ猫は波で、生きている猫は粒子となる。観測していない状況では量子は波、粒子両方の状態であり、観測して初めて波か粒子か分かるという確率解釈の考え方にシュレディンガーが提示した猛烈な皮肉である。
量子は観測するしないに関係なく、波か粒子かのいずれかどちらの姿で存在しており、観測した瞬間だけが真実とは言えない。
つまり、蓋を開けて観測しようがしまいが、猫は生きているか死んでいるかのどちらかであり、観測結果で確定するという考え方そのものが間違っているとの問題提議であった。
普通に考えて、死んだ猫と生きている猫の両方が存在しているなどの確率論は詭弁も甚だしく、確率解釈が如何に現実と乖離しているかを示す思考実験だ。

そして、この思考実験は後の「エヴェレット解釈」を生む原動力となる。
「エヴェレット解釈」を取れば死んだ猫と生きた猫が重なりあっているという詭弁な解釈をしなくても、世界線ごとに生きた死んだの決定論しか存在しない。

なお、ここでは分かり易く例示したが、この思考実験はマクロ現象でミクロ現象を説明するという致命的な欠陥がある。
それは理学の専門家の間で論じられていることであり、確率解釈の矛盾を把握する上では大きな問題ではない。

「シュレディンガーの猫」のように量子論特に観測問題は追究をすればするほど、科学から距離を置いた思索に導かれる魔力がある。
シュレディンガーはもとよりハイゼンベルクまでもが、晩年サンスクリット哲学から量子論の新たな境地を見出そうとしたのである。
仏教は宗教でもあると同時に代表的なサンスクリット哲学だ。
確かに「般若心経」だけでも、西洋人の思考では及ばない観測問題の核心をついている。
魅入られるのも無理がないだろう。

4,エヴェレット解釈における多世界観
やっと、辿り着いたか。
ここまで読んで、量子力学における「観測問題」とはどういうことなのかザックリと理解できたと思う。
復習してみよう。
①「量子力学」では粒子の存在は確率で予測され、観測で確定する。
②「波動関数の収縮」のように、実際に観測すると予測とはとは違った観測結果となる問題点「観測者効果」を孕んでいる。
③確率解釈による量子の世界観は観測でのみ確定するが、粒子の状態を示す波動関数には、ある時点での観測が結果であるという認識的な時間的制約は存在せず、無限に発散している連続関数である。
つまり、ある時点の観測結果はその時点で有効であるが、観測後に経過した後の状態では別の世界観を見ることになる。

もう、お気づきであろうか?

「エヴェレット解釈」とは、波動関数が連続する軸(確率軸やローレンツ軸)に観測者が共存する各状態、これを言い換えれば観測者はそれぞれの世界線に存在し、その世界線同士は干渉せず、ある世界線の観測者がたまたま観測結果を得た世界に属していて収縮したとしても、波動関数そのものは世界線を分岐して連続し収縮することはないと解釈したのが「エヴェレット解釈」であり、波動関数の収縮を避けるために編み出されたのが「多世界」の考え方である。
なお、確率軸をとれば本作の世界観となり、ローレンツ軸をとるとパラレルワールドになる。なお、ローレンツ軸に確率軸が存在することは肯定される。
言い換えれば、私達の世界もシュタインズゲートの世界もローレンツ軸上に存在する確率軸の一つに過ぎない。
また、世界線の分岐は認識の問題でもあり「倫太郎」のようにメタ能力(リーディング・シュタイナー)がない限り、世界線が分岐したとしても我々には認識出来ないのだ。
これを観測問題に置き換えれば「倫太郎」には粒子が観測できるゆえ収縮するが、、我々には見えない(波の状態)ので「収縮」は起きず変化は認識出来ないのだ。
なお、それぞれの軸の説明は、複素空間や非ユークリッド幾何を用いる必要がありオッタキーかつ難解なため、ここでは違いと特徴だけ記す。

「エヴェレット解釈」は波動関数Ψが収縮すると世界線が分岐し、Ψは別の世界線で無限連続関数性を保ち続けるというのが発想の根本である。
量子力学において「エヴェレット解釈」をとれば粒子を観測した後に世界線が分岐し、分岐前の世界線では観測者効果で波が消える「収縮」をしてしまうが、分岐した世界線ではそのまま波が存在するという、Ψと観測問題に起因する量子力学の矛盾が解決する、そういう考え方の一つである。
「エヴェレット解釈」を拡張すると「パラレルワールド(世界線移動)」にも適用出来るが、本作は一つの確率軸にある世界が分岐する設定であるから、パラレルワールドの説明は省略する。
イメージ的には同一確率軸の世界線分岐は横軸のみの世界観で、パラレルワールドは更に縦軸が組み込まれると考えればいいだろう。
まぁ本作は同一確率軸に存在する世界で「倫太郎」が運命に抗う姿がアジであり、パラレルワールドを設定すると設定が複雑になり、かつ、脚本の掘り下げ次第では物語全体を劣化させるリスクがある。
また、本作で「アトラクタフィールド」は既に前提であり、その収束の動機に関する科学的なモニュメントには触れられてはいないが、ここまできたので、量子力学の立場で説明すると、観測と収縮が世界線分岐の起点(イベント)となり、Ψの連続性が維持されることで収束することになる。
つまり、「エヴェレット解釈」では、観測した過去を抹消(過去改変)をした場合、波動関数の収縮はなかったのだから、その世界線における因果律に変化はないということである。
無印のα線では「まゆり」の死は因果律として確定している。
そして、「まゆり」の死を確定付けているのは人の認識だ。
これをΨで考えると、ある時間に粒子が波になる確率は決定事項であり、過去を変えるというイベントは連発関数のΨから見れば観測されたことにはならないので、因果律にも当然変化は起きない。
つまり、「倫太郎」が過去改変をしたところで、観測したことにならないのは「倫太郎」以外の者達も「まゆり」の死を観測することが確定している世界線だからだ。

本作では無印23話と改変23話を比較して何が分岐イベントであったのか理解できよう。
「倫太郎」がDメールを観測したか否かで収縮を表現している。
次にDメールの指示で「倫太郎」に「紅莉栖」が死んだ過去は変えるなと指示している。
無印最終回では「β世界線の倫太郎(時系列が進んでいるα世界線の倫太郎)」が見た血まみれの「紅莉栖」を「時系列が遅れているα世界線の倫太郎」に見せることで同じ記憶を追体験させる【認識的観測】をさせることで、過去改変を防止したという流れになっている。

「確定した過去を変えずに、結果を変えろ。」
これが、シュレディンガーの猫で説明した「観測問題」を用いたα世界線からSG世界線へと導いたトリックの種あかしであり、その為に無印ではさりげななく「量子論」を援用していたとも言える。

かつて空想的に用いられてきたパラレルワールド等の多世界観は「エヴェレット解釈」により科学的根拠を保有した概念として本作でもSF設定に用いられている。
ただし、「エヴェレット解釈」には夢があるが、あくまで仮説の一つであり、量子力学は現在もなお、ヒルベルト空間内でのイベントとしての「確率解釈」が主流である。
なお、本項では「エヴェレット解釈」誕生を観測問題の経緯を中心に記したが「余剰次元」の項で「超弦理論」における扱いにも触れる。

今回、なるべく専門用語を用いずに(それでもかなり多いが)「エヴェレット解釈」における世界線を説明したが前述の「観測者効果」は「量子デコヒーレンス」の一部であり、本来は「量子デコヒーレンス」の全体像から、これが生じる確率スペクトルにおいて「世界線」を考察するのが本筋であろう。
本作の「ダイバージェンス」の科学的な元ネタはこれだからね。
しかし、ここは量子力学の教科書執筆の場ではないためこれ以上の説明はしないが「多世界」とはどのような思考過程を経て編み出されたのかという説明目的は達したと思う。
また、量子論をあまり深追いすると、理学上のタブーである哲学領域に踏み込むためこの辺でお開きとする。{/netabare}

《次元の魔力》
{netabare}「次元」には人を魅了するその言葉自体に魔力があるようだ。
我々が一般に把握出来るのは「空間」つまり3次元だが、4次元以上になると感覚では判断出来ずそこにミステリアスな魅力を感じるのだろう。
ただ、我々が生きているこの世界は、ただの空間ではなくベクトル量を持つ空間である。
要するに時間概念だが、時間軸は空間把握と独立した観測感覚だから次元感覚が生じないだけだ。つまり4次元は特殊なことではなく、普通の世界の状態である。
これを理論化したのが「相対性理論」だ。
感覚的に悟れない5次元以上は、観念の世界(イメージトレーニング)と割り切って良いのだ。

1,「5次元」
5次元の世界とは、相対性理論に電荷の軸が加わる世界だ。
これを理論解説すると「ゲージ理論」なる難解な理屈を持ち出しての話になるので、触れないが、時間軸まで扱う一般相対性理論に電荷の軸がプラスされたと考えて良い。
少し専門的に言えば相対性理論と電磁気学を統一する「カルツァ・クライン理論」に基づく。
アインシュタインはブラックホールの存在を予言したが、重力だけは説明が付かないブラックホールの具体的な働きは電荷を加えた5次元軸を用いて初めて解明出来る。
また、この5次元の意味が分からなければ、本作にも登場する「超弦理論」はそもそも理解出来ない。
更に6次元以上(以下高次元)は量子論の世界であることから、前述した量子力学からも次元の意味をイメージしなければならない。
因みに「弦理論」の一つボソン理論は26次元をとる。

2,「超弦理論」をごく簡単に
「超弦理論」の「弦」とは素粒子の形を意味し、アーキテクチャーは1次元だ。
専門家の間では素粒子はひも状の形なのだろうという観念的な意味で「ひも」と言っている。(が本当にそうなのかは観測されるまでは分からない)
視点を変えれば、宇宙の最小単位は「ひも」で構成されいると仮定して、その振動を数式でモデル化したのが「弦理論」である。
一口に「弦理論」と言ってもこれには様々なパターンがあり、それぞれの理論には何らかの欠陥や足りないものがあった。
各種の「弦理論」を精査、精練させたのが「超弦理論」となる。
本作は原作原案が少々古いので「超弦理論」を設定に採用しているのだろうが、時代は既に「超弦理論」から更に進化した「M理論」となっていることを蛇足ながら申し上げる。

3,「次元」の物理学的意味
「超弦理論」で扱うひも状の素粒子はとても小さいものであり、さらにその自律運動(ひも振動)はCERN(本作のSERNの元ネタ)が保有する加速器でも現状では観測不可能だが、現在性能向上の工事をしているので、近い将来「ひも振動」が観測出来る可能性はある。
だが、現状では、演繹はしたが帰納するかしないか分からない「仮説」である。
理論物理学は論理立てをしないと始まらないことと、多くの科学者から理論上の支持を得ている「超弦理論」の演繹性には何らの問題はない。
問題は寧ろ「超弦理論」という言葉が一人歩きをして、科学を過信する科学の外で妄想が膨らんでいることにあるのだろう。
科学に携わる者こそが、科学の限界や分限を最も熟知しているのだからね。

余談だが、ニュートン力学や初期の電磁気学が全盛の時代、革新的な発達を遂げる科学の有り様を見て、世の中の全ての現象は科学で解明できると大真面目で考えていた馬鹿者がいた。マルクスやエンゲルスだ。
だから、連中は自分達の思想を「科学的社会主義(共産主義)」と自称している。
共産主義の顛末は、科学を万能と考え過信するような理性万能主義者が闊歩する社会はロクなことが起きない反面教師だが、人類はもっと謙虚になるべきであろう。

さて、本来、高次元を考えるには量子論の他「素粒子物理学」の先端理論をも理解しなければならない。
しかし、世界線の考察であれだけの字句を要したのだが、高次元の説明は世界線の比ではない。よって大幅に端折る。

結論から述べるが「超弦理論」とは10次元の理論である。
次に素粒子観測におけるミクロ物理の特殊な「場」を想定する。
イメージ的には原子はなぜ安定して存在しているのかが分かり易い。
原子核の周囲では、電子が運動している。
何もしなければ電子は原子核に対して安定している。
このような、電子と原子核で成立している重力や磁力よりもはるかに小さな「力」のことだ。
素粒子物理学ではこのような力場関係を「相互作用」というが、その相互作用を媒介する素粒子によって4つに分類される。
これを「ゲージ理論」で変換し「波動関数」で求めると量子化される。
ただし、この説明はかなり端折っており、実際はもっと複雑かつ難解プロセスを経るのだが「量子化された相互作用」が高次元のイメージである。

もともと、素粒子のアーキテクチャーは0次元(点)であり、そこから1次元の「ひも」へと広がっている。因みに「M理論」では2次元となる。
素粒子理論における次元とは、アーキテクチャーから各次元方向にどれだけ拡張されたかの軌跡を意味する。
拡張の臨界は「固定点(ディリクレ境界)もしくは自由点(ノイマン境界)間におけるエネルギー保存法則」を満たすか否かで決定づけられる。
この拡張軌跡をブレーンと呼び、ブレーンのカウント数が「次元」となる。
また、プレーンの固定点がディリクレ境界であることからDブレーンとも呼ばれる。
「超弦理論」ではアーキテクチャーから10のブレーンが存在すると考えればいい。

次に、認識論としての「次元」だが、4次元までは幾何学的に認識し(ただし4次元はリーマン幾何学という特殊な幾何学)、5次元は論理として認識する。それを超える高次元は量子化での認識となる。(余剰次元)
ただし、量子化された認識をデコボコに歪んだ曲面(超曲面や複素球面の多様体)のように幾何学的に表現することは可能だが、あくまで幾何的疑似表現であり本質的な意味は持たない。

4,「余剰次元」
これは、現在の先端分野(如実に理論先行)に属する内容で、素粒子物理学の専門家間でも様々異論があること、かつてのホーキング博士のように「超弦理論」そのものを否定している方々もいることから、記述しようかしまいか悩んだが、本作で「超弦理論」を用いた動機に「余剰次元」から「マイクロブラックホール」の存在を示唆していることがあること、そして「多世界」と「超弦理論」の関係も出てくるため、科学の可能性の一つとして項目を設けることとした。

では、頭の体操のようだが「余剰次元」を簡単に説明する。
これは、6次産業(1×2×3=6)の語呂合わせと似ている。
前述でブレーンを説明したが、素粒子物理学では「ブレーン宇宙」という概念がある。
4次元までは可認識空間であることを述べたが、その4次元に平面(2次元)を加えることを想像する。(4+2)
更に、4次元空間に加えた平面を巻きつけると、見かけ上は4次元でも、その中に別の2次元平面が隠されているようになる概念を「余剰次元」という。
これは「超弦理論」の6次元ブレーンの概念でもあるが、隠れて認識出来ない平面が量子化次元である。
「超弦理論」では現状7次元以上は数学的な余剰次元として考え、現在、様々な仮説の構築が行われている。
なお、6次元ブレーンで構成された空間(バルク)を幾何学的(カラビ・ヤウ空間等)に模した場合、その空間にエヴァレット解釈が予言した、多世界が存在するとの仮説がある。「超弦理論」が証明されれば、未来人ジョン・タイターの予言のとおり、宇宙は多世界構造である可能性を秘めているのだ。
相当、端折ってしまったが、これが物理における次元の考え方である。{/netabare}

《物理学的時間観念と物語設定トリックの考察》10/13追記
{netabare}1,序
科学設定考察の最後となるが、ここでは「未来ガジェット204号機」の原理を含め、本作の設定がSF設定としてなぜ抜きん出ているのか考察する。
さて、本レビューではミクロ物理である「量子論」と「超弦理論(素粒子物理学)」を用いて考察を進めてきた。
ここまで読んでくれた方々には、理論上の観念と現実の閾値を理解して頂けたと思う。
さて、マクロ物理の立場である「相対性理論」については現在もなお全ての謎が解けているわけではないことを、先に申し上げておく。
なお、本項での「相対性理論」とは特別に使い分けが必要とならない限り「一般相対性理論」を示す。

さて、重量が光を曲げる「重力レンズ効果」は近年発見(観測)が相次いだものであり、更に今年(2018)になってから、ブラックホール周辺では光の波長が長くなる「重力赤方偏移」を観測し、また一つ「相対性理論」の正しさが証明された。
(参考:天文学専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』7月29日付け)
「相対性理論」とは重力系の運動を記述した「万有引力の法則」は宇宙空間では必ずしも適用されないことを証明したと同時に、宇宙の状態を記述した理論である。
簡単に言えば、ニュートン力学では、物体が引き合う力で決まる重さが重力であるが、相対性理論では空間の歪みが重力を決定し、重力が大きいほど時間は遅れる。
ニュートン力学では、上記の「重力赤方偏移」は説明が出来ない現象であるのだ。
既に発表から100年を経た「相対性理論」でも未だに検証中であり「超弦理論」の研究が本格化したのが1980年代であることを考えると、検証にはなお相当の時間がかかる未完の理論である。

2,そもそも「時間」とは
ここで、相対性理論を展開する気はないが、以下に記述したことは相対性理論から導かれた時間の概念的である。

時間概念は本作シリーズを視聴する上でも重要な問いである。
一般の作品の時系列は主人公目線の絶対時間で進み、視聴者の俯瞰はそれと同時並行をする。
しかし、本作の時系列は「相対的時間順序」で構成されている。
「倫太郎」目線で物語を追うと、時系列錯覚を起こすので、視聴する上では注意を要する点でもある。
つまり、視聴者は「倫太郎」を観測する立場で物語が進行していることにあるが「倫太郎」自身にとって「絶対時間」なのである。
この現象を分かり易く説明しよう。
夜空の星を見てみよう。
キラキラと輝いている星々のなかには、既に現存していない星も含まれている。
星が光を放ち、その光が地球上の私達に届くまで、気が遠くなるような時間がかかっているからだ。
つまり、星を観測するということは過去を観測するのと同じことである。
しかし、観測者自身が過去に溯行しているわけではなく、星という被観測物が過去なのである。
このような、観測と被観測との間に生じるメタ関係が「相対的時間順序」であり、観測者の時間的立場が「絶対時間」である。
本作で考えると、無印α世界線の「倫太郎」が認識する事実が絶対時間であり各イベントで「まゆり」の死を観測する「倫太郎」と「まゆり」を視聴者がメタ観測する関係が「相対的時間順序」である。

3,考え抜かれた物理トリック
本作のタイムトラベル設定においてもっとも考え抜かれた点は、時間の溯行のみに留め未来への旅行を設定しなかった点である。
これをやると、本作の科学設定が複雑となり破綻を来すからであろう。
だが、我々本職の視聴した場合は、もっと別な視点で科学設定の巧みさに感嘆を抱く。

本作の科学設定に興味がある方は特に①のDメールやタイムリープ関する記述は目から鱗かもしれないので二重に折り畳む。ただし閲覧の際には量子力学の知識が必要である。
{netabare}①Dメール、タイムリープ設定は物理的に過去を旅するものではなく、未来からの指示、意識のみ過去へ送り込むという方式でタイムパラッドクスに纏わる諸問題を回避している。
更に「親殺しのパラッドクス」で比喩される因果律のパラッドクスに関する部分は「収束」という物理概念で結実させ、物理学的範囲を逸脱しないように構成している。
ただし、量子コンピュータ概念の一つである「クォンタム」を利用した電話レンジ(仮)の設定では「倫太郎」の意識のみがタイムリープをし、物理的な過去改変で「まゆり」の救出を試みるも成就しない「タイムパラッドクス」が【物理学的整合】となり「クォンタム」の現実性まで肯定しているわけではない(可能性までは否定していない)ので断っておく。

Dメールもデータであり、過去に向けることが可能なら、意識もメールも「クォンタムアクセス」の可能性として整理が出来るだろう。
なお、量子力学の項で「観測問題」を説明したが「認識を意識が阻害する」事実を形而上であるとして、物理学では無視や切り捨てで対応していることに対し「意識」そのものを問うているのがこの分野だ。
(嘘か誠かは知らないが「クォンタムアクセス」を深掘りすると不吉なことが起きると言われる。「ウィキリークス」絡みの案件だからかなw、因みにSAO3期も「クォンタム」を用いているフシがあるが結論は最後まで視聴してから。)
本作0では「紅莉栖」の記憶をビットデータ化したAI「アマデウス」が登場する。
「量子脳論」の研究分野は将来、AIにも応用されていくのだろうが、物理学とのブリッジすら現段階では混沌としており、まぁ限りなく科学の可能性があるプロト科学の分野だね。

さて、「クォンタム」聞き慣れない言葉だと思うが、意識のテレポーテーションは宇宙の状態記述理論の一つである「ホログラフィック原理」を用いた「量子脳論」の分野で研究されており、また、この分野では人間の意識を量子化することでビットデータとして取り出す可能性を模索している。
そんなことが本当に可能かどうかは、私はこれを扱う「脳科学」には門外漢であり、申し訳ないが現段階では理論上の批評は出来ない。
とりあえず、理論物理学の立場から原理の概略だけ触れよう。
次のカーブラックホールでも触れるが、ブラックホールには「シュヴァルツシルト面」という理論上の不可侵領域が存在する。(「事象の地平面」とも表記される。)
「相対性理論」で最も早いのは「光」であるが、「相対性理論」では重力が増大するにつれ、光も曲がり、曲がるということは光が描く軌跡の距離が伸び、ブラックホールの外側から観測すると、光の速度が遅くなっているように見え、いつまでも光が通過しないからそこだけ暗く見えることからブラックホールの名称が付いた。
何も障害がなければ光がブラックホールを通過するする時間は、ブラックホールの直径で決まるが、上述のとおり、ブラックホールでは光が曲がり、通過は重力に比例して遅くなる性質があり、光の速度が下がる(光が曲がる)境界が「シュヴァルツシルト面」である。
「ホログラフィック原理」では「シュヴァルツシルト面」はブラックホールのみではなく宇宙そのものが「シュヴァルツシルト面」に投影された情報構造体であると仮説している。
つまり、全宇宙の情報は宇宙の終点にある「シュヴァルツシルト面」に集約されるということだ。これを仮に「宇宙シュヴァルツシルト面」としておく。
一見信じ難たいオカルトめいた内容だが、理論構造としては後に説明する『時間順序保護仮説』の反転理論であり、量子力学を確率解釈から決定論へと転換する理論でもある。
更に拡大解釈をすれば、魂(思念、意識)の行き着く先は「宇宙シュヴァルツシルト面」ということになる(小声)
また「シュヴァルツシルト面」は、相対性理論で導かれた「時間的閉曲線:CTC」でありその性質上、時間的カオスを生じ時間順序の概念が崩壊し、「余剰次元」が存在するならば、世界線を跨がるリバースも可能となる。(詳細は②で解説)

「量子脳論」では「宇宙シュヴァルツシルト面」から「脳」への情報伝達を「クォンタムアクセス」(概念的にはユングの「集合的無意識」に近い)、「脳」から「宇宙シュヴァルツシルト面」の情報伝達を「クォンタムリバースアクセス」(魂、思念、意識)となり、理論上当然それまでの記憶を保持し続けることから、本作で言うところの「リーディングシュタイナー」の仮説的根拠にもなろう。

電話レンジ(仮)の動作原理であるマイクロブラックホール(に作用する過程の仮説を含め)は他所でも述べられているが、その結果の現象である「クォンタムアクセス」に言及したものは私が知る限りないと思う。
更にもっと言及しよう。
本作では「倫太郎」
よって私的結論として
※【神をも冒涜する12番目の理論の本質は《クォンタムリバースアクセス》である】
と、位置付けよう。{/netabare}

②因果律の保護は、現在多くの理学者が支持するCTC(時間軸は直線ではなくリング)よる「ワームホール」などにおける『検閲官説』(一般相対性理論)を踏まえて4次元ブラックホールの科学的常識を越えない設定とし、本作の設定そのものに信憑性をもたせることに寄与している。
ただし『検閲官説』については、本作の原作設定以後の2016年に4次元を超えるブラックホールでは『検閲官説』は成立しない可能性がある発見がなされていることを付記しておく。

タイムパラッドクスに関して二説だけ紹介しよう。

一つ目はホーキングが提唱した『時間順序保護仮説』だが、本説を用いると本作そのものが成立しなくなる。
説明しよう。『時間順序保護仮説』とはCTCが存在したとしても、CTC存在の前提が「相対性理論」であり、因果律を破るということは、因果律において論じられる「特異点」を破ることを意味し、結果、ブラックホールが蒸発し特異点が剥き出しとなる現象(裸の特異点)をも4次元空間で説明しなければならないが「相対性理論」を破る理論構築は現状では99.999999…%無理だろう。
寧ろ、理論物理学の研究方向を考えると「相対性理論」を「量子論」に適用出来るブリッジ理論の方が手堅いだろう。
ホーキングは波動関数により「純粋状態」でCTCの存在条件を求め、CTCが存在する条件下ではエネルギーが無限発散する。つまり量子力学的には成り立たなくなることを証明した。
この意味は「相対性理論」がCTCを認めても「量子力学」がそれを否定するということであり、CTC上でも因果律の崩壊は起きないということは、つまりタイムトラベルそのものが出来ないとした取り付く島もない理論であるがゆえに「ホログラフィック原理」の存在を仮定する本作では対立する仮説であるゆえに採用出来ないのだ。

二つ目は本作のタイムパラッドクス回避に採用されている「セス・ロイド仮説」である。
どういうことかというと、「量子力学」の項で波動関数は全てが解明されているものではないと述べたが「量子力学的」に無視されている収縮確率をCTCの存在確率で考えると時間対称性を破る発生確率は限りなく0であるという「実験解」が得られた。
つまり、起因を変えても結果が変化する確率は限りなく0であるというものである。

他にもタイムパラッドクス回避の仮説はあるが、この二点を理解すれば十分である。

③本作のタイムトラベルはジョン・タイターが示したと言われるカーブラックホールの構造を理論的な根拠としている。
カーブラックホールとは4次元(定常次元D=4)に存在するブラックホールの一般式カー解によるベーシックなブラックホールであり、質量と角運動量を持つブラックホールで、これは宇宙項は0、パラメーターは2のブラックホールだ。
これが、なぜ、タイムトラベルに結びつくかというと、このブラックホールの特異点が点ではなく環状で、角運動(回転)すると球になる特徴がある。
ここを旋回することで時間の変位が調整されるという仮説。
ブラックホールには内と外に二重の地平面があり、ブラックホールに入り特異点に近づくにつれ時間軸と空間三軸が捻れ、球状特異点で時間軸と空間軸は正常化さる。
カーブラックホールでの時空転換は性質上確かこんな理屈だったと思うが、この状態をブラックホール内部の状態を記述する「クルスカル座標」という面倒臭い計算で表現すると、確かに時間と空間が入れ替わるが、あくまで数学上でのことだ。
更に「相対性理論」の説明で便利な「ペンローズ図」で「閉じた時間の環:CTL」も交えて時間変異の因果構造を説明すればより親切なのだが、レビューCGIは画像添付に対応しておらず、結論は変わらないので軽く触れるだけで失礼する。
更にジョン・タイターは裸の特異点をタイムマシーンの安定動作の根拠としているが、裸の特異点をD=4で認めることは「相対性理論」を否定することでもあるから、カー解を使えない高次元D>(>にアンダバー一本の科学記号)5のブラックホールを考える必要がある。
《次元の魔力》でも説明したとおり、高次元になれば「余剰次元」にも特異点の存在を仮定できるが、ブラックホールの状態は閉じない軌道に沿り時間積分でホライズン閉曲面で空間平均で置き換えるような様々なテクニックがあるが、定式化されていない難点があり、理論解が複数生じるので、一般向けには説明にならない。
どちらにせよ「余剰次元」が検証できていない限りは、裸の特異点はD>5空間に存在するであろうとの認識程度で良いだろう。

仮にタイムトラベルが物理学的に成立しても生理学的に考えれば、ブラックホールの大重力による吸い込み加速に、まず人体が耐えられるわけがない。
例えば、ジェット戦闘機の急旋回は約8G程度だが、耐Gスーツを着用していないと気絶する。重力加速度がどういう影響を人体に与えるかイメージできるだろう。
条件は違うが、重力による負荷現象は無印5話で「紅莉栖」がスポンジを使って説明し、更に重力により物質が崩壊した状態を、ゲル状態(まゆりのゲル化)として視覚化し相対性理論で記述されようなブラックホールにおける大きな重力場ではタイムトラベルが実現出来ないことを暗示しており、設定に一定の科学的合理性を付与している。

④その代わり、SERNによって成功したプランク長(量子単位)クラスのマイクロブラックホールの存在を示唆している。
一度、現実の話に戻るが、この元ネタは現実に存在する「CERN」(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire)の「大型ハドロン衝突型加速器」で陽子の束を衝突させることで人工的なブラックホールを生成するとした実験だ。
何やらとんでもないことが起きそうな響きだが、この実験の目的には他世界の存在確認が含まれていることはご存知であろうか。
正確には《次元の魔力》で説明した「余剰次元」の発見実験であり、余剰次元の存在は多世界存在の可能性をも意味する。
字数の関係もあり理論的な説明は省略するが、本作の世界線分岐は物理的にはマイクロブラックホールの生成ないし内部活動によって引き起こされたDメールなどによるイベントによって引き起こされる設定だ。
ゆえに、マイクロブラックホールの設定はタイムリープのみならず、世界線分岐にも及ぶ多重な伏線の意味を持たしている、実に手が込んだ設定であることが理解出来ると思う。

ブラックホールは「相対性理論」が記述する大きな重力場と「超弦理論」が予測する小さな重力場があり、これは「重力」という視点からみれば等価である。
この双方からの重力アプローチを一つにまとめようとしている理論が「量子重力論」である。
「量子重力論」は「大統一理論」に最も近い位置にあり、もし完成すれば「相対性理論」と「量子論」の垣根の一部が崩れる物理学上の一大革命となる。
本作では「量子重力論」を表には出してはいないが、高分子構造の人体や高分子素材が使われるタイムマシーンを、ミクロ物理で記述するマイクロブラックホールを用いて過去に転送する設定は、何度も説明しているとおりマクロ物理と反する現象であり、現時点では論理的に破綻となる。
しかし、本作では「重力」、厳密に言えば「特異点」を触媒としていることに注視したい。
「相対性理論」でも「超弦理論」でも記述される「特異点」を設定の肝に据えれば、上述した「量子重力論」(未完ではあるが)での理論武装が可能となる。
この点が他のSF作品とは違う抜け目のなさであり、本職の理学者をして唸らせた本作SF設定の完成度の高さでもある。
尤も、本作シリーズは本職の理論物理学関係者の監修を受けているので無理もないことだ。

⑤ただし、転送するにおいての物理的かつ生理学的な人体や転送物体(タイムマシーン)への影響に対する説明だが、本作では一部のリスクは語られたが、その他のリスク説明がされてはいない。
逆に「紅莉栖」によるゲル化以上の説明をすると「ボロ」が出るから避けたと思うが、他にリスクがないとも言いきれないがゆえに、曖昧にしている点が個人的には不満である。
例えば、①で説明した「クォンタムリバースアクセス」を実行すれば、本作で描写された「倫太郎」のメンタル崩壊の比にはならないほど、精神に何らかの異常をきたす。
最近、キューバの米国大使館でおきた「音響」を用いた人体攻撃(高周波域に超音波織り交ぜたマイクロ波聴覚効果といわれる)でも大きな障害が出ている。
それよりも遥かに大掛かりな「クォンタムリバースアクセス」が無害で済むまいとする想像は十分に可能だ。{/netabare}

以上で本レビューの科学設定考察を最後とする。
本作では多くの科学的事象が設定されているが、先にも述べているように、それらを逐一考察すると文字数がいくらあっても足りないので、他の考察サイトであまり触れられていな事象、科学考察の方向性や、考察に必要な物理の考え方に留めることとする。
理論物理学とは極端な話、妄想こそが発見に繋がる源泉であり、理学者から見た「鳳凰院凶真」はけっして自称するほどマッドサイエンティストではないのだ。
多分、量子論や素粒子論(あくまで触りだが)はここで初めて御覧になられた方も多いと思うが、理論物理学とは何かを感じ取ってもらえるだけでも嬉しいし、光栄である。

【余談】{netabare}
本レビュー執筆中に原作者の一人志倉氏とCERNの科学者3名を招きパネルディスカッションが京都で行われた。可能であれば是非参加をしてみたかったものであるが、このパネリストに志倉氏が招待されたということは、本作の科学設定は本職が認めるレベルにあるという裏付けでもある。
『テーブル・アンステーブル京都-サイエンス・アウトリーチ』(10/11)
コメンテーター
藤井啓祐氏(京都大学 准教授 量子コンピューター)井元信之氏(大阪大学 名誉教授 量子情報論)落合陽一氏(筑波大学 学長補佐・准教授 総合司会)他
追伸
レビュー第3稿を推敲している最中ホーキング博士の遺稿
"Black Hole Entropy and Soft Hair"(プレプリント・サーバー 英文)
公開の連絡がきた。
ブラックホールと情報についての論文だが、考察で述べた「宇宙シュヴァルツシルト面」のアプローチらしく、これから読もうと思う。
読後、内容によっては考察に反映することもあるかもしれない。{/netabare}

なお、本レビューで触れていない科学考察は、前期無印から数多くの考察ブログやサイトがあるので、そちらを参考にして頂きたい。

①長文であるゆえ、後日の誤字脱字校正を留保。
②この後本作の総評をするに当たり、文字数が不足する場合【科学設定考察】の全部または一部を無印か23話β境界面上のミッシングリンクのレビューへ移行する。
③今回の追記の1週間後を目途に作品総評を行う予定。

2023/7/8一部加筆

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57
ネタバレ

ミュンヘン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

神に抗うラボメン達の執念のエピグラフ

終盤に怒涛の伏線回収をすることでおなじみあにこれでもアニメ評価総合1位と平成に生まれた最高のアニメシュタインズ・ゲートの続編です。

第1期の第23話の再放送(通称第23話β版)にてエンディングにたどり着けなかった岡部倫太郎の話。正当な第23話(通称第23話SG版)にて未来からムービーメールをしてくる2025年の岡部倫太郎の話です。

今作は第1期のような伏線回収していくみたいな話の構成が凄い!っていう感じではないです。どちらかというとキャラクターの魅力を最大限に引き出してる感じです。第1期が孤独の観測者ならこのゼロは皆で協力していくっていう岡部倫太郎以外のキャラクターの存在感というのがかなりあった作品です。第1期が好きだった人はゼロも楽しめるのではないかと思いますね。

シュタインズ・ゲートはタイムマシン・タイムリープマシン・Dメールなどといった時間を跳躍できるアイテムが登場しましたが今作出てくるのはアマデウスというAIです。それも人間に限りなく近いAIです。例えば人間は1週間前着た服装を正確に覚えてるかと言われたら忘れている事もありますよね?このアマデウスもそんな人間っぽさを残してるのが特徴です。アマデウスは人間の記憶をデジタルデータに変換する。つまり、生身の人間のAIを作る事が出来るわけです。そこで今回はシュタインズ・ゲートのヒロイン牧瀬紅莉栖がAIとして登場してきますがこのアマデウスの使われ方や危険性の描き方が流石科学アドベンチャー!という感じでなるほどなぁという感じです。

先程第1期は岡部倫太郎のもつリーディングシュタイナーの力もあってか岡部倫太郎が独りで奮闘するという印象の作品と言いましたがこのシュタインズ・ゲートゼロは話の終盤まで岡部倫太郎はそんなに活躍しない。どちらかというと他のラボメンの活躍が目立つシーンが多いですね。終盤で岡部倫太郎と共に見ているこっちも気付くのですが戦ってるのは岡部倫太郎1人ではない、ラボメン全員が協力してる事に気付くわけです。個人的な話になるのですが自分はこのアニメにおいてに嫌いなキャラクターというのがいないです。最初は個性が強すぎる人達の集まりなので好みはあったと思いますが第1期を見てそしてこのゼロを見ると誰も責めれない自分というのがいたんですよね。世界線を変えることを恐れる岡部倫太郎の気持ちも当然理解できるし未来を変えなきゃダメだという阿万音鈴羽の気持ちも分かる。鳳凰院凶真を待ってるダルやまゆりを中心とした他のラボメン、紅莉栖との差に劣等感を抱きつつもそれでも頑張ろうと進む比屋定真帆の気持ちも分かる。誰の立場になっても責めれないという点で自分はラボメンの皆が好きなのだと改めて思いました。

終盤は怒涛の展開でこの畳み掛けてくる感じがシュタインズ・ゲートっぽいなぁとしみじみ感じつつこの最高に愛してるキャラクターともうすぐ会えなくなるのかと思う寂しさがありました。それだけ自分にとってこのアニメが特別だったのだなと改めて思いました。
(自分の最初に見た深夜アニメがシュタインズ・ゲートなんです)

中盤少し中だるみがありましたが終盤の目まぐるしい展開がそれをカバー出来てたと思います。ゼロは序盤から勢いがあったのも良かったですね。

曲の使い方もよかったですね。シュタゲの曲はどれも意味があるのでその歌詞に合った曲が流れるのでテンション上がりましたね。過去の曲・新しい曲共に素晴らしかったです。

自分は原作のゲームの方をやってるのでアニメがゼロはじめての人と感想も違うと思いますがアニメ版の方がゼロは好きでした。


シュタインズ・ゲートをもう一度アニメで見れるというだけで自分は正直幸せでした。悲しいけど話だけど心が温まるラボメンの優しさがほんと愛せる。やっぱりこのアニメは自分にとって特別な存在なのだと改めて実感しました。放送前はゼロのアニメ化成功するだろうかという不安もありましたがほんとに愛を感じる作品でした。ありがとうございました。 点数97

以下ネタバレを含む見てる時の自分の気持ちです。大変見苦しいと思いますのでご注意を

{netabare}シュタゲゼロ…アニメ大丈夫かな〜ルート分岐どうするんだろう。真帆のこの大人です!のシーン可愛いなぁ。萌香はやっぱトラウマだよね…アマデウスきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!レスキネン教授好き。とってもいい敵役だし正体現すまでのおもしろキャラの時最高でした。リンターロ大好き。アマデウス紅莉栖!やっぱりオカリンは紅莉栖に向き合わないといけないのね…切ないわ…かがり!かがりはどうするか楽しみやな〜この紅莉栖と似てるとかどう見せてくるのか楽しみやな〜(そこはアニメで描かれなかった模様。知りたい人はゲーム版シュタインズ・ゲートゼロやりましょう!)オカリン…アマデウス紅莉栖にどっぷりやな…真帆ちゃんしっかり者ちゃんと言わないとね…!?!?リーディングシュタイナーか!?お!このシーン来たか!早いな!……夢オチかーーーーい!?(自衛隊に守られながら逃げるシーンはゲームでは実際の出来事として描かれます。そしてゲームでは最初の世界線の変動のシーンです。)ここアニメでやらんのか?マジ?まぁ…なくてもいいのか?(なくても良かった)巫女のまゆしぃと鈴羽とかがり可愛い。ダルと鈴羽のやり取りほっこりするなぁ…まゆしぃのかいちゅ~止まっちゃった~…は!?!?!?まゆり死ぬの!?やめろよぉぉぉぉぉ…ライダースーツ誰だ?かがりではないから…レイエスなのかな?ブラウンキターーー…ていうか強すぎやろwまゆり死ななくてよかった(原作ではまゆしぃのかいちゅ~の呪いの呪文は出てこなかった。めちゃくちゃ焦った。)リーディングシュタイナーきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁどこに分岐する?紅莉栖きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…あぁ…やっぱ紅莉栖なんだよなぁ…ダル…オカリンの気持ちも…いや、ダルからすればそうだよな…辛い…GPSかwクリスティーナらしいね。このツンデレ少女やはり可愛い。まゆりの墓…しんどい…あぁ…しんどい 紅莉栖ほんま好きや…流石正妻やで…ハイルナ…なんだこれ。私の事忘れなさいと言いつつキスするのか…ツンデレか!でも切ないね…ライアいいなぁ…あぁぁぁぁぁぁそこかァァァァァァァァァァァそこに繋がるかァァァァァやっぱシュタゲすげぇよ!!!天才かよ!…鈴羽…そうだよなやっぱり18の少女が抱える使命にしては重いよな…綯様!はい!綯様!アニメでやってくれるのね…w嬉しいけどねw ノートパソコン来ましたか…オカリンやっぱそうなるよね…そりゃそうだ。アジトの脱出どうするん?あぁそうやるのね、ていうかダル身のこなしよすぎやろwシュタゲの戦闘シーンは生々しくて怖い。かがりルートもやるのか…この歌ほんと好き。魔笛…あっ…おぉ!β世界線だとそこってかがりなんやなぁ…まゆりママ…甘えるかがり可愛すぎやろ どうみてもフラグやん…萌香wシュタゲゼロでは珍しいギャグシーンである。魔笛のシーン結構緊張するね。かがりは洗脳されてる!ナンダッテー誰がこんな事をやったんだねリンターロライダースーツかがりどうするか…あっそのまま脱ぐのね(ゲーム版はだいぶ違う、この時点でゲームとアニメはかなり別物ぐらいな感じ)お!鈴羽回か。ダルに洗脳は流石に草ギャグ回だった。無限遠点のアルタイル!もうこんなとこまで来たか…ゲルバナ…やっぱこのシーン辛いわ。みんなの気持ちが分かる…オカリンを責める事も出来ないしダルの気持ちは分かるし…まゆりも何だかんだ大人だよね。過去に戻る…来てしまったか…これでタイムリープきたね。何度やってもだめ…なるほど収束する事案か。お?……リナシメントきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。来ないと思ってたよ…よかった…これやんないとアニメ化の意味ないんすよ…もう安心やね。君に萌え萌えバッキュンキュンwww暗号それでいいのかwタイムリープ失敗ね、それなら納得(原作の未来に飛ばされるこのシーンは謎が多かったから助かる)妖刀五月雨!?!?最高かよ!…でもそうなんだよな…これでやっと決意したね。お!ここのタイムリープするくだりやるのね。スカイクラッドを流すのか。でも確かに歌詞の意味がめっちゃ合うわ。よき。まぁそりゃダメだよな…アマデウスの消去!真帆ルートもやってくれるのか…アマデウスでもやっぱりオカリンには無理か…でも正直ここは感情移入しきれないかな…ここで挿入歌のアマデウスは最高やわ…タイムマシンが過去に飛んでる!…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁここもやってくれるのか…ドラマCDの無限遠点のアークライトだよね…最高かよ…ほんとこのメールの撮るシーンのくだり好き。紀元前まで飛んじゃったのね。オカリンかっけぇ… シュタゲゼロ最高やったわ!{/netabare}

第1クール終了時の評価

全23話の為暫定的に半分の11話までの評価になります。

シュタゲはネタバレしないと何も伝わらないので今回はネタバレを含んでいるのでまだ見てない方は見ない方がいいかもしれません



















あにこれでも評価1位のシュタインズ・ゲートの正当続編です。前作23話にて牧瀬紅莉栖を救うことを諦めた世界線という設定です。簡単に言うと23話で岡部にムービーメールを送った未来の岡部の話という事ですね。

シュタインズ・ゲートの魅力を今更語らなくてもいいと思いますがやはり張り巡らされる伏線と毎話毎話引きの良さ。さらに、魅力的なキャラクターですね。それはゼロになっても変わらず毎週気になる所で終わるので次へのワクワクが無くなることがないですし毎週気になるシーンやセリフが出てくるので展開の予想も楽しいですね。

1クール目の中でも話題を呼んだのが8話ですね。α世界線に何故か来てしまった岡部が牧瀬紅莉栖と再開する話です。まゆりやダルなどのラボメンも勿論岡部の事が好きですがやはりこの二人の関係は特別で1番岡部を理解出来てるのは紅莉栖なんだなと思いましたね。そして岡部がβ世界線に戻るシーンで紅莉栖が岡部に自分の事は忘れろというのですが世界線が変動する前にキスをするんですよね。最後まで紅莉栖らしいなぁと思います。話の構成的にも前作22話岡部がβ世界線に戻るシーンで紅莉栖が告白しかけるシーンに上手く肉付けされていました。こんな完璧なものを見せられたらやっぱシュタゲすげぇとなりますよね。

まだ第1クールですし岡部がここからどうやってムービーメールの姿になるのかが楽しみですね。今のところは前作に負けないぐらいに面白いと個人的には思います


6話までの感想

{netabare}シュタゲといえば1話の伏線を最終回で一気に回収するという神のような演出が有名ですが、今作も途中で露骨に伏線だなぁみたいなシーンがありでももしかしたらミスリード?みたいな感じで1期とは違う探り合いをしている感じでした。しかし!そんな探り合いも6話で1つ大きな展開を迎えます…具体的には言いませんがあのセリフはやっぱり今でも耳にこびりついていてあのセリフを聴くだけで絶望に帰ってくるのだなぁと思いました。原作も発売されたのが2年前でプレイ済みと言っても細かいところは全く覚えてなかったので6話は辛いのと同時にやっぱシュタゲって凄いんだなと思いますよね、突然あのセリフが出てきた時に不意打ちすぎて一気に不安になったんですよ。もうこのゼロで聴くことはまずないだろうと思ってたのでこれはやられたなぁと思ってしまいますね笑でもそれだけあのセリフが何回も使われて印象に残ってたってことでもあるので続編の強みも存分に生かした。流石の一言でした。1話放送前まで不安になってた自分が馬鹿みたいですよ笑

それまでの岡部のクリスに対する葛藤やそこから垣間見えてくるラボメンの優しさやまゆりって実はそういう気持ちあったんだなぁとかダルはやっぱりキモいとかキャラクターの新しい掘り下げや気づかせてくれるというとこでもシュタゲやっぱりいいなぁと思わされる部分です。1期の頃はあまり感じなかったラボメンの優しさみたいなのもこのシュタゲゼロでは沢山感じますしこの後も色んなキャラの優しさという所は出てきますので楽しみにしてます。劇伴・OP・EDなど音楽面も相変わらず素敵だけど切ない感じが出てて素晴らしいですし声優は言うことないです!最高のキャストです{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

β

紅莉栖を救うことを諦めた世界線でのストーリー。代わりに紅莉栖の先輩、真帆やまゆりを母と慕うかがりが登場。{netabare}紅莉栖の記憶を元に構築されたアマデウスが今作の鍵を握る。{/netabare}諦めた岡部が頑なにタイムリープを嫌がる様やまゆりの葛藤など、ドラマチックな部分もあったが、本題に入るまでが長く感じた。勿論、面白いと感じたが。

前作と違い、タイムリープはあまりしない。{netabare}前半では一回だけ、いきなりα世界線のほうへ飛ばされる。後半(最後の数話)は怒涛のタイムリープで記憶を未来に飛ばしたり、一回で戻れる期間が短いから凄まじい回数過去に戻る。その度に体力がない状態からスタートするもんだから、相当辛そう。前作の最終話のような状態に戻るけれども、岡部は、タイムマシンで燃料が尽きたために、紀元前に飛ばされたまゆりと鈴羽を探しに行く。{/netabare}

{netabare}信用できない外国人たちに前作から一転して協力してくれるミスター・ブラウンに萌郁。{/netabare}

{netabare}作品の大筋とは、そんなに関係ないけど、あまねとデートしたダルの告白の仕方が印象に残った。{/netabare}

OPはやっぱり、いとうかなこ。癖になる歌声。EDは2つ。Zweiと今井麻美。

1. 零化域のミッシングリンク
いくつもの世界線を巡る無限の彷徨。その過酷な旅の中で、岡部は紅莉栖を死の運命から救い出すことを、ついに諦めた。そして、再び大学に通い始めた彼は、平凡な日常に埋没していく。それでも心の傷を癒しきれず、メンタルクリニックへの通院を続ける岡部の中で、いつしか白衣をまとった「鳳凰院凶真」の顔は封印されていた。

2. 閉時曲線のエピグラフ
ヴィクトル・コンドリア大学のレスキネン教授によるセミナーに出席した岡部。そこで展開された理論は、「人の記憶をデータ化して保存する」という、かつて紅莉栖が提唱したものだった。そして、人の記憶や感情、心をベースに構築された人工知能「アマデウス」のデモンストレーションが行われる。

3. 双対福音のプロトコル
紅莉栖の8ヶ月前の記憶をベースにした人工知能「アマデウス」のテスターとなった岡部。「アマデウス」の反応は紅莉栖そのもので、岡部はまるで紅莉栖が戻ってきたかのような錯覚に陥る。そんな中、まゆりの発案で、彼女のコスプレ友達も交えたクリスマスパーティを開催することになる。

4. 亡失流転のソリチュード
「アマデウス紅莉栖」に接しているうちに、まるで本物の紅莉栖がそこにいるかのように錯覚し始める岡部。そんな彼を見ていられず、真帆は「ここにいるのはアマデウス。牧瀬紅莉栖じゃない」と非情な現実を突きつける。その瞬間、岡部は世界が歪む感覚にとらわれる。それは久しく感じることのなかった、世界線を移動する感覚「リーディング・シュタイナー」だった。

5. 非点収差のソリチュード
鈴羽と共に未来からやってきた椎名かがりの捜索を始める岡部。ダルの依頼でやってきた捜索の専門家は、別の世界線でまゆりを幾度も殺害した「ラウンダー」の桐生萌郁だった。このタイミングで再び目の前に萌郁が現れたことに、岡部は強い不安と疑念を抱く。

6. 軌道秩序のエクリプス
るかがラボに連れてきた、記憶喪失の少女。その姿を見た鈴羽は、彼女こそ12年間行方不明になっていた椎名かがりだと確信する。なぜなら、かがりが「ママにもらったお守り」だと言って大切にしていた「うーぱ」の人形を、その少女が持っていたからだ。だが、少女は何も思い出すことができず、行方不明だった12年間のことは空白のままだった。

7. 振電遷移のエクリプス
ラボで行われているお正月パーティが盛り上がる中、突然「アマデウス紅莉栖」の接続が遮断された。さらにその直後、銃で武装した覆面の男たちがラボを襲撃してくる。かつて、別の世界線で「ラウンダー」の襲撃を受けた際に命を落としたのはまゆりだった。だが、今回狙われたのは……。

8. 二律背反のデュアル
アクセス不能の「アマデウス紅莉栖」から届く、助けを求める声。その直後、岡部は世界線の変動を感知する。気が付くと、握りしめたスマホからは「アマデウス」のアプリが消えていた。そして、彼の前に以前と変わらぬ姿の紅莉栖が現れる。そこは、紅莉栖が生存している「α世界線」だった。

9. 永劫回帰のパンドラ
「α世界線」で紅莉栖と再会し、束の間の逢瀬を果たした岡部。病院のベッドで目覚めた岡部は、再び「β世界線」へと帰還していた。すべてはもとに戻ったかのように思われた。だが、岡部が眠っていた間にも、「アマデウス」の乗っ取りに続き、彼らの身の回りにはいくつかの不穏な事件が起きていた。

10. 存在証明のパンドラ
明晰な頭脳を持つ後輩・紅莉栖に憧れ、尊敬していた真帆。それと同時に彼女は、どうやっても追いつけない天賦の才能に、ひそかに劣等感を抱いてもいた。そんな真帆の元には、紅莉栖の遺品が残されていた。それは生前、彼女が使用し、その思考が記録されているノートパソコンだった。

11. 存在忘却のパンドラ
真帆が紅莉栖のノートパソコンの解析を頼んだ“専門家”とは、橋田至だった。真帆がこれ以上深入りしないよう、岡部はタイムリープマシンの真実を話すことを決意する。しかし、そこへ再び不穏な影が忍び寄る。

12. 相互再帰のマザーグース
ラボに襲撃を受けて以来、かがりの身の回りには異変は起きていない。だが、その記憶はまだ戻らぬままだった。そんな中、まゆりがふと口ずさんだ歌を聴いたかがり。その瞬間、彼女は突如、気を失ってしまう。

13. 回折叙唱のマザーグース
かつての記憶を思い出したかがりは、まるで子供時代に戻ったかのように、まゆりを「ママ」と呼んで甘える。しかし、この時代にやってきた直後、鈴羽とはぐれてから現在までの記憶はいまだに戻らない。肝心な部分が空白のままであることに、岡部は漠然とした不安を覚える。

14. 弾性限界のリコグナイズ
かがりが突然失踪してから数ヶ月。岡部たちはあらゆる手を使って行方を捜したが、何の手掛かりも得られていない。そんな中、ダルと鈴羽はかつて岡部の手で破棄されたタイムリープマシンをもう一度作るため、真帆の協力を得ようとしていた。

15. 漸近線のリコグナイズ
将来、ダルと由季との間に生まれる運命の鈴羽。しかし、現在の「両親」の関係は進展しておらず、最近はあまり連絡も取っていない様子。父のあまりにも消極的な姿勢に業を煮やした鈴羽は、一計を案じるのだが……。

16. 無限遠点のアルタイル
レスキネン教授から研究室に入るよう誘われたのをきっかけに、留学を目指して勉学に勤しむ日々を送る岡部。だが、まゆりは岡部には何らかの秘めた思いがあり、それを表に出さないよう必死に堪え続けていることに気づいていた。一方、ダルは真帆と協力して、破棄された電話レンジ(仮)の再現に挑んでいた。

17. 双曲平面のアルタイル
タイムマシンに残された燃料は残りわずか。これ以上時間が経つと、燃料不足で紅莉栖がこの世を去った日まで辿り着けなくなる。鈴羽が過去に向けて旅立つ準備を進める一方で、まゆりもひそかにある決意を固めていた。

18. 並進対称のアルタイル
タイムマシンの強奪をもくろむ工作員の銃撃で、倒れ伏すまゆり。そこへ、ライダースーツ姿のかがりが現れる。まゆりが血を流して倒れる姿様を見たかがりは逆上し、武装した工作員たちに襲い掛かるのだった。

19. 循環座標のアルタイル
大国の特殊部隊により、秋葉原のビルは戦場と化し、まゆりと鈴羽を乗せたタイムマシンは爆破され、ふたりは生死不明となった。この悲劇的結末を回避するため、岡部は真帆とダルが制作中だったタイムリープマシンを完成させる決意を固める。

20. 盟誓のリナシメント
7月7日へとタイムリープしたはずの岡部。しかし目を覚ましたのは、見知らぬ施設の一室だった。身体中に走る激痛に耐えながらあたりを見回した彼は、自らの置かれた状況に愕然とする。そこは……。

21. 結像のリナシメント
再びシュタインズゲートを目指すと決意した岡部。しかし、2036年から、タイムリープマシンを使って2011年へ戻るためには、3000回以上のタイムリープが必要となる。精神的負担は計り知れないが、岡部は過去に向けて長い旅に出ることを決意する。

22. 投企のリナシメント
現れた攻撃ヘリは、レスキネンたち米国のものではなく、ロシアのものだった。何度やりなおしても、タイムマシンの破壊は回避できないのか。諦めることなく方策を練る岡部達に待っていたのは、ひとつの苦渋の決断だった。

23. 無限遠点のアークライト
過去に向けて「Dライン」を送ることで、「アマデウス紅莉栖」の存在は消失した。これで、ロシアがタイムマシン争奪戦に介入する余地はなくなった。あとは、レスキネンとの対決をいかに乗り切るか--。いよいよ「シュタインズ・ゲート」へと至る最後の戦いが始まろうとしていた。

追加されていた
24. 結晶多形のヴァレンティヌス
バレンタインデーが間近に迫り、それぞれに思いを馳せる女子たち。そんな折、フェイリスの主導で、みんなで手作りチョコを作る「第36回円卓チョコレート会」が開かれることに。彼女たちは、誰にどんなチョコを贈るのだろうか……?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

85.9 4 熱いでシリアスなアニメランキング4位
ソードアート・オンライン アリシゼーション(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1017)
5249人が棚に入れました
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。
ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
名前は、アリス。
絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣、島﨑信長、前田佳織里、近藤玲奈、石原夏織、小林沙苗、森川智之、岩瀬周平、木島隆一、潘めぐみ、村田太志
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次シーズンを待つ

1話~13話がビギニング編。14話~20話がライジング編。21話~24話がユナイティング編。

キリトがあんまり俺つええしてなかった。いつも最強だったら飽きちゃうからね。{netabare}勝手が分かりにくいゲームに勝手にぶち込まれているからっていうのもあるのか?というよりも相手がアドミニストレータだからか。とは言え、やっぱり、キリトは二刀流に走るんだなあ。で、お互いに腕もげる。逃げようとしたアドミニストレータに対して、元老院?のピエロみたいな人がまさかの凌辱プレイ的なことしだす。最後は爆発。あっけない。{/netabare}

アスナの代わりにユージオがパートナー。{netabare}まさか剣になるとは思わなかった。{/netabare}題名的にアリスをパートナーにするかと思ってた。{netabare}記憶を消され、最高司祭アドミニストレータに仕えていたけど、キリトの言葉で目覚め、キリトのパートナーぽくはなってた。眼帯姿も可愛い。{/netabare}

{netabare}蜘蛛さんが死んじゃったの切なかった。{/netabare}

坂本真綾がアドミニストレータ役としてはまってた。

まだまだ、やり残しがあるようなので、気になる。最初のほうに襲ってきた奴に関することもまだ残っている。{netabare}ユージオが死んでしまって悲しむのも束の間で、現実世界ではキリトをゲームに送り込む装置を搭載した船が襲撃されちゃう。アドミニストレータ倒したけど、さらなる敵が待ってる。{/netabare}

OP
ADAMAS LiSA
RESISTER ASCA
ED
アイリス 藍井エイル
forget-me-not ReoNa
挿入歌
虹の彼方に ReoNa
まずは欠かせない2人が歌ってくれて感謝。2クール目ではOP映像に途中変化ありでも、最後のキリトとユージオのグータッチとかハイタッチは変わらず。ASCAはどこにそんなパワーがあるの?と思わされる力強い歌声。


第1話 アンダーワールド
《ルーリッドの村》で育った少年・キリトは、幼馴染のユージオとともに巨大な黒樹・ギガスシダーを倒すという天職を背負っていた。今日も巨木を倒すべく斧を振るっていると、幼馴染のアリスが手作りのパイを差し入れにやってくる。昼食のさなか、3人はおとぎ話にでてきた《果ての山脈》の洞窟へと遠出することを決める。世界の掟である禁忌目録に違反しないか不安がるユージオに、キリトとアリスは大丈夫だと口々に言い、出発の日を迎える。

第2話 悪魔の樹
絶命の危機にあるキリトが目を覚ますと、そこはファンタジーゲームを彷彿とさせる謎の世界の中だった。記憶が曖昧なままログアウトを試すも、現実世界に戻ることはできない。キリトが途方に暮れながら散策していると、やがて巨大な樹の下にたどり着く。そこで一人の少年と出会う。その少年の名は、ユージオといった。キリトはこの世界について話を聞き出そうとするが、ログアウトの方法はわからない。そしてユージオは、かつて自分の幼馴染だったアリスという少女のことについて語りはじめる。

第3話 果ての山脈
《アンダーワールド》人界の中心・央都へ旅立つことを決めたキリト。そのためにはユージオの協力が必要で、彼を天職から解放するためにギガスシダーを倒そうと決意する。交代で斧を振るうキリトとユージオだが、そのさなか、ユージオはかつて北の洞窟で見つけたという青薔薇の剣をキリトに差し出す。この剣なら、ギガスシダーを倒せるかもしれないと考えるキリトだが……。一方、アリスの妹・セルカは、アリスが公理教会に連れ去られて以来笑わなくなってしまったユージオを心配しており、そんな胸の内をキリトへと明かす。

第4話 旅立ち
セルカが《果ての山脈》へひとりで向かったに違いないと考えたキリトとユージオは、彼女のあとを追う。だが洞窟の中で《ダークテリトリー》からやってきたと思しきゴブリンに遭遇、戦うことになる。キリトは剣を構えゴブリンたちと渡り合うが、ユージオは初めて見る《闇の存在》に身体が硬直し、立ちすくむ。果敢に戦うキリト。だがゴブリンの反撃が、彼に仮想世界では想像できない激痛を生み出し、恐怖で起き上がれなくなってしまう。窮地のキリトに、続けざまにゴブリンの刃が振り下ろされたそのとき……。

第5話 オーシャン・タートル
《アンダーワールド》内で央都を目指すキリト。一方、現実世界での桐ケ谷和人は依然意識不明の状態にあった。菊岡の申し出によって設備の整った病院へ転院するも、明日奈と直葉が和人の見舞いに行くと、回復するまでは面会謝絶だと言い渡されてしまう。不審に思った明日奈たちは、和人のアルバイト先であり、《ソウル・トランスレーター》の研究をしている《ラース》に彼がいるのではないかと予測する。明日奈たちは手分けしてラースの調査を始めるが、しかし和人の行方にたどりつくことはできず……。

第6話 アリシゼーション計画
《ラース》の研究施設である《オーシャン・タートル》へと潜入した明日奈は、和人の安否について菊岡を厳しく問い詰める。菊岡は観念したように、和人がこの《オーシャン・タートル》内の《ソウル・トランスレーター》で治療していることを明かす。一安心する明日奈だったが、明日奈と共に潜入した凛子は、何故自分を《オーシャン・タートル》に招いたのかと菊岡に疑問をぶつける。そして、菊岡が語りだした《ソウル・トランスレーター》の開発には、想像を絶するほどの壮大な目的があった。

第7話 剣の学び舎
キリトとユージオが《ルーリッドの村》を出て2年の月日が経っていた。央都セントリアへとたどり着いた二人は、目的であった《北セントリア帝立修剣学院》の入学を果たしていた。修剣士として腕を磨き、整合騎士になり、そしてアリスの行方を捜すべく、修練の日々を送っていた。キリトは学院次席のソルティリーナの《傍付き》として仕えていたが、彼女は稽古を重ねるなかでキリトには隠された本当の強さがあることを見抜いていた。ソルティリーナに頼まれたキリトは、彼女に自分が持っている全てを見せると約束する。

第8話 剣士の矜持
学院の主席であるウォロ・リーバンテインと実剣による手合わせをすることになったキリト。観衆たちの好奇の目にさらされるなか、ソルティリーナからの激励を受けて、キリトとウォロの立ち合いが開始された。ウォロは開始早々から秘奥義の構えを取り……それを見たキリトは、縦斬り四連撃バーチカル・スクエアで対抗する。2人の力は相応に思えたが、ウォロが背負うリーバンテイン家の祖先の戦士たちの《イメージ力》が強い剣圧となってキリトを凌駕する。

第9話 貴族の責務
キリトとともに《上級修剣士》となったユージオだが、自分が強くなるためには剣にどんな《想い》を込めればいいのかわからず、日々悩んでいた。そんなとき、日ごろからあまりいい印象を抱いていない学院の主席ライオスと、次席のウンベールに絡まれたユージオは、2人の強さを確かめようとウンベールからの立ち合いの申し込みを受けることにする。剣を交わす二人。はじめはユージオが優勢だったものの、ウンベールの剣に込められた《巨大な自尊心》の力の前に、次第に押されていき……。

第10話 禁忌目録
キリトとユージオの《傍付き》であるロニエとティーゼの帰りが遅い。2人を捜そうと部屋の窓から外に飛び出すキリト。それと入れ違いでユージオの元にやってきたフレニーカは、自分がウンベールにされた屈辱的な行為と、その行為についてウンベールたちに抗議に行ったティーゼとロニエがいまだに戻らないことを打ち明ける。嫌な予感に駆られたユージオは、急いでウンベールの部屋へと向かうが、そこでは最悪の事態が今まさに始まろうとしていた。

第11話 セントラル・カセドラル
《禁忌目録》に違反し罪人となったキリトとユージオの前に現れたのは、整合騎士のひとりであるアリス・シンセンス・サーティ。彼女は間違いなく、かつて処罰された幼馴染の少女、アリス・ツーベルクであるはずなのだが、キリトとユージオと暮らした時のことは記憶になく、まるで別人のようだった。困惑するキリトとユージオだが、2人は重罪人として《セントラル・カセドラル》の地下牢へと投獄されてしまう。一方、現実世界の《オーシャン・タートル》では、治療を受ける和人を見守る明日奈の前に一台の奇妙なロボットが現れる。

第12話 図書室の賢者
キリトとユージオは、地下牢の脱獄に成功するも、アリスの命令により待ち伏せていたエルドリエ・シンセシス・サーティワンに行く手を阻まれる。戦闘状態になる三人。キリトとユージオは先へ進むため、キリトがエルドリエの操る鞭を防ぎ、その間にユージオが撃ち込むという作戦でエルドリエに挑む。しかし、エルドリエの氷の鞭は蛇のようにうごめき、そして分裂して襲い掛かってくる。難敵に苦戦するキリトとユージオ。だが、ふとユージオは、エルドリエの顔に見覚えがあることに気づく。

第13話 支配者と調停者
《セントラル・カセドラル》の大図書室に隠遁する少女カーディナルに助けられたキリトとユージオ。彼女の正体は仮想世界《アンダーワールド》の秩序の維持を司る自律型プログラムだった。アドミニストレータの過去をはじめ、《公理教会》や《禁忌目録》の成り立ちをキリトに語り始めるカーディナル。驚きを隠せないキリトだが、更なる事実--《アンダーワールド》に迫る恐るべき危機を聞かされる。

第14話 紅蓮の騎士
カーディナルから世界の命運を託され、キリトとユージオは、《セントラル・カセドラル》の最上階を目指す。中途では武具保管庫に置かれた膨大な武器の中から奪われた愛剣を無事に見つけた2人だが、そこに整合騎士デュソルバート・シンセシス・セブンの弓矢が襲い掛かる。彼の操る神器《熾焔弓》から放たれる無数の矢を辛くも弾き切った2人だが、矢を使い切ったはずのデュソルバートの弓にとある変化が起きる。

第15話 烈日の騎士
キリトとユージオが《セントラル・カセドラル》を上り続けていると、リネル、フィゼルと名乗る2人の少女と出会う。なぜ子どもが? といぶかしむキリトとユージオは、とっさの隙をつかれ、整合騎士という素性を隠していたリネルとフィゼルの毒剣による麻痺攻撃を受けてしまう。身動きできないキリトとユージオが連れられた先には、整合騎士副騎士長ファナティオ・シンセシス・ツーが待ち構えていた。

第16話 金木犀の騎士
キリトは満身創痍の中、《武装完全支配術》をどうにか発動し、整合騎士ファナティオとの戦いは決着を迎える。再び《セントラル・カセドラル》の最上階を目指すキリトとユージオは、奇妙な昇降機の前にたどり着く。《昇降係》の少女の案内によって80階《雲上庭園》まで足を踏み入れた2人の前に現れたのは、ユージオが追い求める少女であり、神器《金木犀の剣》を持つ整合騎士アリス・シンセシス・サーティだった。

第17話 休戦協定
《雲上庭園》でキリトの剣とアリスの剣の《武装完全支配術》がぶつかり合った結果、破壊不可能であるはずの《セントラル・カセドラル》の壁が砕け、キリトとアリスは外へと放り出されてしまう。直後、キリトは外壁の隙間に剣を突き立て、落下するアリスも救ってみせる。しかし敵同士の二人は、絶体絶命の状況下でもお互いの信念をぶつけ合う。やがてキリトは、塔の内部に戻るまでの休戦をアリスに提案する。

第18話 伝説の英雄
ユージオは《セントラル・カセドラル》の90階にたどり着く。そこは熱い湯気が沸き立つ大浴場だった。困惑するユージオは、湯の中で長旅の疲れを癒している整合騎士ベルクーリ・シンセシス・ワンと邂逅する。落ち着いた佇まいながらも底知れぬ迫力を持つベルクーリに圧倒されながらも、単身戦いを挑むユージオ。一方、キリトとアリスは《セントラル・カセドラル》の壁を上り続けていた。

第18.5 話 リコレクション
天界から召喚されたはずの自分に妹がいる--。セルカという名前を耳にし、動揺する整合騎士アリス。そして、キリトは覚悟を決めた。彼女の奪われた記憶を取り戻すと。アリス・シンセシス・サーティがアリス・ツーベルクであったことを思い出させるため、そして彼女が整合騎士となった本当の理由を伝えるため、キリトはユージオと共に歩んだこれまでの旅路を語り始める。ただの村人だったユージオが、キリトとの出会いを機に幼馴染のアリスを救いたいと願ったこと。二人で騎士を目指して央都へと旅立ったこと。やがてその旅路は知らず知らずのうちに、この仮想世界《アンダーワールド》に隠された真実へと近づいていったことを……。要するに総集編。

第19話 右目の封印
キリトがふとした会話の中で口にしたセルカという名前。それを聞いたアリスの様子が一変する。その様子を見たキリトは、整合騎士の真実を彼女に告げる。しかし、キリトから語られる言葉を受け入れることができないアリスは激しく動揺する。そのころ、ベルクーリとの死闘の最中に意識を失ったユージオは、元老長・チュデルキンの手によって最上階へと連行されていた。そこでユージオを待っていたのは……。

第20話 シンセサイズ
右目の封印を打ち破ったアリスと共に90階の大浴場にたどり着いたキリト。そこには、チュデルキンの手によって石化された整合騎士長・ベルクーリの姿が--。アリスは師の悲惨なさまに涙するが、意識を取り戻したベルクーリは朦朧とした中で力を振り絞り、2人にユージオの行方を告げる。それを聞いたキリトは捨て置かれた青薔薇の剣を背負い、チュデルキンの後を追う。そして向かった先の元老院で、キリトは驚くべきものを目にする。

第21話 三十二番目の騎士
キリトとアリスの前に立ちふさがったのは、《シンセサイズの秘儀》を受け入れ整合騎士となったユージオだった。動揺するキリトだが、アリスの叱咤を受けてどうにか彼と全力で戦うことを決意する。互いにアインクラッド流の剣技を繰り出しながら、キリトとユージオの斬り合いは激化していく。戦いの中でも、キリトはユージオに懸命に語り掛けるが……。

第22話 剣の巨人
《セントラル・カセドラル》の最上階。キリトとユージオとアリスは、ついにアドミニストレータの許へたどり着く。しかし、神聖術によって巨大なピエロへと姿を変貌させたチュデルキンが三人に襲い掛かる。アリスは《金木犀の剣》でチュデルキンの放つ炎を防ぎ、その隙にキリトとユージオは連携し斬りかかる。そんな様子を、アドミニストレータはつぶさに観察しながら、キリトたちに問いかける。

第23話 アドミニストレータ
数百年にも及ぶ因縁の相手・アドミニストレータと決着をつけるべく《セントラル・カセドラル》の最上階に現れたカーディナル。秩序の維持を司るプログラムである彼女の本懐、アドミニストレータの抹消を果たさんと動き出すが、倒したはずのソードゴーレムが起き上がり行く手を阻む。そしてアドミニストレータの言葉を聞いたカーディナルは、ソードゴーレムに隠された真実に気付き激昂する。

第24話 ぼくの英雄
カーディナル、ユージオ、そしてアリスの想いを身のうちに宿し、キリトは再び立ち上がる。《人界》最強の存在であるアドミニストレータを倒すため、キリトが心意で強くイメージしたのは、かつて《SAO》を攻略したトッププレイヤーである《黒の剣士》の姿だった。この世界で出会ったすべての人の想いを胸に、二本の剣を携えたキリトはアドミニストレータとの一騎打ちに挑む。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

良質なアニメ化作品……ですが、映像作品ならではの表現をもう少し望みたいです。

原作小説はライトノベル版本編を18巻まで購読。

アリシゼーション編は正直、アニメ化、大変だろうな……と思っていたので、
分割4クールでたっぷり枠をとって、映像化してくれていることは嬉しいことで、
この秋から始まる後半戦も楽しみな作品です。

ただ、いざアニメ化が実現して満足してしまうと、
さらに高望みしたくなるのが視聴者の性と言う物でして(苦笑)


私の場合はテーマを伝達するための映像を
もっと活用して欲しいという要望がまず残りました。

原作ラノベ版既読組の私にとっても、
“フラクトライト”などの仮想世界における魂創造に関する基本設定については、
イメージしきれていない部分も多々あって、
アニメ化によって、設定理解を深めるための映像素材などが、
多数、提供される物と秘かに期待してました。

なので、設定説明に関わる会話シーンで、イメージ画像も交えずに、
会話をそのまま喋らせるだけで終わる場面が続いたのには、
プレゼンはプリント棒読みだけじゃなくて、
スライドやパワーポイントも使ってやって下さいよ~。
といった感じで悪い意味で驚かされました。

これ……原作未読組に、現実世界と仮想世界の境界の希薄化、
仮想世界の魂が現実(リアル)の人間に追い付いていく、
といった作品テーマがちゃんと伝わっているのでしょうか?
とチョット心配になります。


シナリオ構成についても、特に、2クール目以降、塔で連戦が続く辺りが、
テーマ理解が追い付いていない視聴者にとっては難所になるかも?
と私は懸念していました。

これもテーマがある程度掴めていれば、連戦が長引く中でも、例えば、
{netabare} 人間が創造した仮想世界の住民が、騎士の矜持やらを語り出す。
ボトムアップ型AIが人に匹敵する、凄い瞬間を目撃している。{/netabare}
といった感じでテーマの深化に手応えも感じながらの視聴になると思うのですが……。

ここは、仮想世界内部での戦いを描く一方で、
適宜、“外部”の現実世界での出来事や襲いかかる陰謀も、
前倒して同時平行して描くことで、
アスナの出番を渇望するファンもなだめつつ、
外部からの俯瞰によるテーマ整理も交えながら視聴者に伝達していく、
と言うラノベ版とは異なる構成も一手なのかな?とも感じながら私は視聴していました。

ただ……これだと、仮想世界への没入度が低下して、
キリトがユージオら仮想世界の住民に入れ込む、
現実世界の常識から見れば酔狂な主人公感情への
共感度も低下する恐れがあるんですよね……。
う~む、難しい。


こうした観点から見て、先日、放送された前半戦総集編「リフレクション」は、
外部の現実世界のアスナ視点も交えて作品内容を補完、再整理するなど、
かなり有用な特番だったと思うのでオススメです。

これくらい内容がある説明を本編のアバンや
17話の振り返り回とかでやっておけば良かったのに……。


私が基本設定のイメージ表現不足に不満を抱く一方、
作品テーマや、仮想世界AIの覚醒を目論む“プロジェクト・アリシゼーション”
が提示するテーゼに対するアンチテーゼについては、
キチガイ揃いの敵やボス役の狂気に託して存分に映像化することで、
気持ち悪いくらいwよく体現できていたと好感します。

1クール目は……{netabare}上級変態貴族ライオス&ウンベールの
蛮行&自我崩壊によって表現してきました。
AIの意志の力を重視したバロメーター補正により
限界突破と自我覚醒を促すプロジェクトの狙いに対して、
AIにだって悪意は生じる。“創造主”(=開発者)はAIの聖性を過大評価している。
といった感じで天に唾を吐くのに十分な気色悪さでしたw{/netabare}

2クール目は……{netabare}≪公理教会≫の≪最高司祭≫アドミニストレータが
システムの隙間を付いてテーマを茶化してきました。

“創造主”(=開発者)は“最終負荷実験”(=≪アンダーワールド大戦≫)により、
AIの自我覚醒という目標達成を加速しようとしているようですが、
最終戦争と言う“負荷”に対抗し得るのは、AIの豊潤な人間性などではなく、
むしろ人間性を放棄したAIによる、剥き出しの本能であり、
個性を滅した機械兵器同然の合理性への奉仕であろう。

そう言わんばかりに、アドミニストレータにより剣と化したAIたちの合一により生まれた
≪ソードゴーレム≫の異形は、まさに“創造主”の意志に対する叛逆の象徴でしょう。

もっとも……私は、作品テーマを吟味しつつ、横目で本能の赴くままに、
アドミニストレータさんのフルヌードを追い掛けるあまり、
顔面がチュデルキンと化していましたがw{/netabare}


今週から再開する物語でも、仮想世界やそれを利用しようとする現実世界の良心を
過信するなと諫めるような、グロテスクな悪意が提示されていくと思われますが、
案外、本作については、テーマを理解しようと眉間に皺を寄せるより、
悪役が体現する反論の逆をイメージした方が、
上手く作品と折り合えるのかもしれません。



以下、視聴前のコメント

【期待】仮想世界に魂を発生させる試み

長いので折りたたみw

{netabare}2期から劇場版を挟んで4年近くの歳月を経て、
今秋映像化される3期「アリシゼーション編」

アニメ化に際しては、そのスケールの大きさ等、様々な困難性が想起されます。
その中でも特に難儀しそうなのが、
仮想現実が現実世界に肉薄する中、示されるシステムを越えた意志の可能性。
シリーズ通じたテーマを集大成するために、
練り上げられたSF要素の視聴者との共有でしょうか。

以下、ごくごく基本的な設定だけをかいつまんでみると……


・人間の記憶や魂を司る領域を、脳細胞の微少管構造内の、≪量子場≫に想定。

・その脳細胞構造内に存在する光子の集合体を≪フラクトライト≫と命名。
≪フラクトライト≫を基本とした脳細胞ネットワークは人間の精神を構築する。

・今回の仮想世界へのフルダイブマシンである≪ソウル・トランスレーター≫(STL)は
≪フラクトライト≫へ直接、情報や記憶の書き込み、コピー、転送する機能を有している。

・脳細胞内の≪フラクトライト≫への直接インストールにより体験する仮想世界は、
脳の認識レベルにおいて、現実世界と変わらない。

・今回の仮想世界で暮らす住人。ノンプレイヤーキャラクター(NPC)は、
≪人工フラクトライト≫から発生させられ、
脳細胞ネットワーク構築の段階から叩き上げられた
“ボトムアップ型”の人工知能(AI)である。

・即ち、今回のNPCは魂の成り立ちのレベルから、人間と同一である。


……私も理解してるようなしていないようなw怪しいもんですが(苦笑)
本作ではこの“土台”の上に、さらにAI研究や時間加速シミュレーター等の要素や、
それらを活用した各陣営の駆け引きやら、
一新された剣と魔法の中二病バトルスキルやらが乗っかって来るわけです。

説明するだけなら、通算100ページは下らないと思われる設定解説会話シーンを、
懸命に羅列すれば良いのでしょうが、
視聴者にイメージとして体験させ、エンタメとして昇華させるまでとなると、
スタッフも相当骨が折れそうです。


件の現実同等の仮想世界と言うのも、
じゃあ、今までのシリーズで描かれて来た仮想ゲーム世界とは結局どう違うの?
という疑問をアニメーションで実感させ振り払う為には、
単に作画兵力を大量投入してリアリティを追求するだけではダメで、
演出力も重要になると思われます。

一番、手っ取り早い方法は痛覚レベルの再現でしょうか?
これまで登場したVRゲームでは娯楽として成立させるため、
痛覚レベルは数分の一に制限されていましたが、
今回の仮想世界は等倍。

先に放送されていた『GGO』では、あれ?脚が取れちゃった♪
でも手足の一本や二本、回復薬刺しとけば、そのうち生えてくるだろう♪
くらいのノリでいけましたがw今回の仮想世界はそういう訳にはいきません。
人間、ちょっと手足に深手を負っただけで痛すぎて動けなくなる。
この辺りから思い知らせていくのが妥当な線かと思われます。

シナリオ面でも、痛覚の壁を突破してでも守り抜く!といった要素も重要になるはずで、
こうした点でも本作は、視聴に意外とグロ耐性が必要なアニメになるのかもしれません。


キャスト面では、私は今回も悪役への期待に胸を膨らませていますw
これまでもイカれた悪役を務める声優さんの熱演により、
何度も茶番転落の危機を救われて来た印象の本シリーズ。
個人的には本作では特に{netabare} ライオス&ウンベールの上級変態貴族ぶりと、
元老長・チュデルキンの内外両面でキモイ言動。{/netabare}
これらをどなたが、どんな風に頭のネジを外して怪演してくれるのか?
ある意味、物語を盛り上げる鍵になると信じていますw


本作がラノベ原作シリーズとしてお手軽にキャラを消化されて終るのか。
それとも広義のSFとして多くの視聴者とテーマを共有して、
心に爪痕を残すことができるのか。

監督変更して迎える3期。シリーズ初の1時間SPで開幕する第一話。
基本設定の伝達も含め、まずは滑り出しがとても重要になると思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

勧誠懲ゲスを主張する作品

世界観:8
ストーリー:6
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:33

<あらすじ>
《ルーリッドの村》で育った少年・キリトは、幼馴染のユージオとともに巨大な黒樹・ギガスシダーを倒すという天職を背負っていた。今日も巨木を倒すべく斧を振るっていると、幼馴染のアリスが手作りのパイを差し入れにやってくる。昼食のさなか、3人はおとぎ話にでてきた《果ての山脈》の洞窟へと遠出することを決める。世界の掟である禁忌目録に違反しないか不安がるユージオに、キリトとアリスは大丈夫だと口々に言い、出発の日を迎える。
(公式サイトより)

SAOは原作勢によればアリシゼーション編の評価が高い(原作はファントムバレット編まで既読)ようでしたので、制作が決まって嬉しかったのですが、アリシゼーション編は長編のため2クールでは到底収まりきらず、3クールでもきついと言われていて不安もありました。しかし、4クールの1年間と発表され、美しいPVを見て、安堵とともに期待も高まったところです。

通常は全て視聴してからレビューを書くのですが、1年ともなると最後にまとめて書くのは大変で、気づきも忘れてしまうと思いますので、タイミングをみつつ更新していくこととします。

<1話>
初回は1時間スペシャルでした。冒頭から半分までは幼少時代のキリト{netabare}と、その友人であるアリス、ユージオが、氷を求めて洞窟に入って、禁忌目録で禁じられている山の向こう側(暗黒界=ダークテリトリー)に出て、アリスが転んだ拍子にあちら側の地面(紫色)に触れてしまい、その後、整合騎士に連れ去られるまで{/netabare}のファンタジー世界の物語。

{netabare}アリスの金髪が輪郭も薄い色で、少し変わった雰囲気を醸し出しています。洞窟内ではいつモンスターが出てくるのかわからない演出がなされ、氷に囲まれた部屋、死んだ竜、剣、財宝など冒険心をくすぐられます。{/netabare}

後半はGGOから現実世界へ、エギルのお店で前半部の説明がなされます。
新しいフルダイブ機であるソウル・トランスレーター(STL)は、フラクトライト(人間の脳神経細胞内の、その骨格たるマイクロチューブルという管に存在する光量子=人間の心=魂)を読み取ったり、短期的な記憶(ニーモニック・ヴィジュアルデータ)を書き込み体感させることができる。ダイブ中の記憶は現実世界に持ってこれないが、数分間で長時間の仮想世界を体感する機能(フラクトライト・アクセラレーション=FLA)はあり、リアルな夢のようなもの、と、こんなところでしたか。

SAOの面白さは今後拡大・発展していくであろう仮想現実、それに影響を受ける世界のことを考えさせてくれる点にもあります。人間の心のありかがわかれば、それを基に心を作ることが理論上は可能というのも理解できますし。

さらに、{netabare}ファントムバレット編以後のシノンの周辺のこと、サトライザーという強敵がいるということで次回のGGOのBOB大会でチームを組む話、キリトからアスナへの告白、元ラフコフメンバーからの襲撃など、{/netabare}メインのストーリーを進ませつつ他の要素も盛り込んでいて色々と今後が楽しみになる1話だったと思います。

作画は劇場版かと思うくらい力が入っていましたし、ラストに流れたOPも良い感触でした。

SAOは合わない方も多いようですし、自分もアニメ全般を楽しめる人間ではないですが、SAOは幸いにもこれまでかなり楽しめているので、これから1年、少年の心をワクワクさせ、大人の目でツッコミを入れながら視聴していきたいと思います。

※評価は3話終了後、暫定で更新していきます
※原作では9巻の187ページまでを1話(45分程度)で進行(やはりアニメは楽だなぁと)

<2話>
2話も含めて既に3回見ていて、結構はまっています。作画(緑が多くて癒しにもなる)も音楽も良いのでついつい流している状態^^ ひと昔前のアニメとはレベルが違うなと感じます。

それから、TVが見れない所では、OPのLiSAさんの「ADAMAS」はYoutubeのドラムカバー※を視聴したりですね。
※Drumstickさんのとか

ストーリーも、{netabare}青年になったキリトが1話のファンタジー世界に、現実世界の記憶を持ちながら転移したところからスタート。

ユージオお前も覚えていないのか! とか、少しやきもきさせられたり、ソードスキルが使えて、剣士らしく木を一閃したシーンはSAOらしい爽快さが垣間見えたり。

今後の展開が楽しみです。まだ、大きなツッコミポイントはないです。強いて言えば、1話で傘がありながら易々と射程の短い注射器にやられてしまったところでしょうか。{/netabare}

<3~5話>
長丁場なのでポイントのみ。
4話は、{netabare}ゴブリン戦で痛覚がある(左腕が、手まで流血)というピンチのはずが、その後血がなくなり、痛みがどこにいったのかという剣技をしていたところ、セルカの神聖術で容易にユージオが復活したところ、ギガスシダーを切り倒してしまったところにSAOの悪い面のご都合展開を感じたのでマイナスにしました。
一方、5話で現実世界に戻る展開の仕方は良かったです。
{/netabare}

<12話まででの追記>
ここまでで衝撃的な回がありました。
改めて、SAOの悪役はとことん下衆だなと思わされたところですが、ここまでくると、SAOシリーズの物語作りにおける作者の意図があるように思えてきました。

SAOはわかりやすい勧善懲悪ものの側面があると思われますが、{netabare}リーバンテインなど{/netabare}悪とまで言えないキャラもいるので、誠実か不誠実かという観点のほうが適当のように思います。文字にすると、「勧誠懲ゲス」?(笑)

SAOの魅力は「誠」のほうにもあって、ここに青臭さや嘘臭さといった抵抗感を受けずに視聴できる純真さと、士道や正義への共感力の高い方に響くのではないかと思います。

{netabare}キリトが花を育ててプレゼントしたエピソードや、リーナ先輩とのやり取り、ノーブレスオブリージュのくだりを見て、改めてSAOの魅力を感じまして(こういうシーンに「A Tender Feeling」なんかがかかると最高です)、魅力のベクトルに気づかされました。

SF的な視点(自立型AIの兵器利用)、ソードスキルが使えるところ、カーディナルとの出会い、仮想世界の神のような存在となったクィネラ(アドミニストレーター)の登場{/netabare}など、まだまだ見どころが沢山ありますね。

<2019.4.2追記>
本作は24話終了で2クールを終え、後半は10月からの始動となりました。
1クールの途中まではゆったりなテンポながら、内容のあるストーリーとなっていて楽しめましたが、{netabare}塔を登るあたりから何階にボス(整合騎士)がいて、それを倒して上に登る繰り返し。やや単調になり、2クール目は評価を下げる一方となってしまいました。

ゲームが土台となっている作品ですが、ピンチらしいピンチもなく、整合騎士に勝っていく一本道では盛り上がりに欠けます。

しかしながら、最終話で二刀流が見られ(23話でユージオが剣になった時に見られなかったストレスが解放w)、最後にはアスナがアンダーワールドに登場というクリフハンガーで、楽しめました(現実世界では銃撃戦が起きていて、普通なら助からなさそうですが、まあ大丈夫なんでしょう)。

ゲスvs誠実という対比構造について書いていましたが、2クール目にはアドミニストレータとチュデルキンがその役割を見事に演じきっており、そういう面でも満足できたかなと。{/netabare}

後半2クールを楽しみにしています。

<2022.8追記>
ユージオの最期のシーンでうるっときましたが、それ以外に感動シーンを思い出せず、情感を6点に下げました。

(参考評価推移:3話4.1→4話4.0→6話4.1→7話4.0→8話4.1→9話4.3→11話4.2→13話4.1→14話4.0→16話3.9→18話3.8→23話3.9→24話4.1→調整4.0)
(視聴2018.10~2019.3)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41

92.6 5 熱いでシリアスなアニメランキング5位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1128)
5451人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

心臓バクバク

{netabare}忘れ物のぬいぐるみを届けに行ったらコニーが死んでいて{/netabare}びっくりした。鬼ごっこは遊びでしかしていなかったのに、急に命をかけるはめになるのはしんどそう。{netabare}頭が良い子の出荷を先延ばしにするのは知能が高い子供の脳が美味しいかららしいけど、知能が高いと秘め事がばれる確率は高いよね。ばれても今までは制御できてたんやろうな。{/netabare}ノーマン天才すぎ。{netabare}完全にレイ騙されてるし、自分がいなくなった後のことまで考えてる。{/netabare}でも、レイも中々策士。{netabare}生まれた直後の記憶を持ち合わせているからずっと計略を練っていたし、自分を燃やそうとするなんてクレイジー。エマも耳を切り落として発信機を外すのはクレイジー。諦めたふりで幼い子供に計画を吹き込んでいたのはさすが。フィルは無邪気なふりして全てを悟る天才少年。心強い。{/netabare}

原作未読だから演出と相まっていちいち心臓に悪い。ドキドキしながら見てた。期待以上の面白さだった。
クローネ悪い奴とばかり思ってたけど、可哀想。{netabare}生存し続けて選別されただけあった{/netabare}イザベラも賢いし、強い。大人にパワーは勝てん。{netabare}エマの足をいとも簡単に折ってしまうのはびっくり。彼女自身もただの悪人ではなく、幼少時はエマと同じ境遇にいたわけで好きだった男の娘は出荷されるし、そのことがきっかけで脱獄を試みたこともあったけど、当時は壁の向こうの崖に絶望し、生き残るためにママになっていた。衝撃を受けたのはレイが実の息子だったこと!!父親は明かされるのかな。エマがしんがりで崖を渡った後に髪をほどいて寂しげな表情になったのを見るとこっちまで切なくなった。恐らく、子供の頃を思い出してた。そして、逃げた子供たちを見送るときには完全に子供の幸せを願う親の顔でした。イザベラのことは胸糞悪い不幸になれとずっと思ってたのに、ロープを回収して、残された子供たちの元に戻ってきて寝かしつけるまでの表情を見てたら、彼女にも幸せになってほしいなんて思えてきた。{/netabare}

2期も見るぞ。

OP
Touch off 歌 UVERworld
UVERworldって結構アニソン歌ってらっしゃる。これからもお願いします。
ED
絶体絶命 歌 Cö shu Nie
Lamp 歌 Cö shu Nie
くしゅにえと読むらしい。知らなかった。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
突然終わりを告げた、グレイス=フィールドハウスの幸せな日常。ハウスは農園。子どもたちは、鬼に飼われる食用人間。大好きだったママは子どもたちの監視役。「これ以上、家族が死ぬのは嫌だ…!」そう願ったエマ達は、日常に潜んでいたあらゆる意図を解き明かしていく。鬼vs子ども、命をかけた脱獄計画が始まる

EPISODE.01 121045
グレイス=フィールドハウスは親の居ない子供たちが住むところ。血の繋がりはなくても、ママと38人の兄弟はささやかながら幸せな日々を送っている。11歳のエマ・ノーマン・レイはハウスの年長者であり、毎朝のテストでそろって満点をとる優秀さをほこる。 ある夜、里親のもとへ旅立つコニーを見送った子供たちだが、忘れ物に気付いたエマとノーマンは近づくことが禁じられている門へ向かう。そこで2人は衝撃の真実を目撃する---

EPISODE.02 131045
子供たちは鬼に食べられるために育てられている。大好きなハウスは農園。優しかったママは敵。ハウスに隠された真実を知ったエマとノーマンは、脱獄を計画する。だが、イザベラはコニー出荷の夜に子供2人が門に来たことに気付いているようで……。

EPISODE.03 181045
新たな大人、シスター・クローネが現れ、監視の目が増えたハウス。レイも加わり3人で脱獄の方法を模索するなか、エマは自分たちの身体に埋められている発信器の場所を特定する。そして全員での脱獄に向けた訓練のため、全力の「鬼ごっこ」を始めるが、そこにクローネが鬼役として参加する。

EPISODE.04 291045
子供たちの中に内通者がいる。それは誰なのか、兄弟の動向を気にするエマたち。内通者を特定するため、ノーマンはあることを仕掛ける。一方で、外に出てからのことを考え、ドンとギルダには事情を話すことにする。残酷すぎる真実。そのすべてをありのまま話すことはできなかったものの、新たな協力者2人を引き入れることに成功し、また脱獄計画は進んだと思われたのだが……?

EPISODE.05 301045
内通者がレイであることを突き止めたノーマンは、二重スパイになるよう提案する。レイは脱獄の準備をするために自ら志願して内通者になったことを明かし、全員での脱獄を諦めること、そのためにエマを騙すことを協力の条件とする。翌日、レイが内通者だったことを知り、改めて全員での脱獄を決意するエマ。そしてイザベラの隠し部屋を見つけたことを報告するが、ドンとギルダはエマ達には告げずその部屋に侵入しようとする。

EPISODE.06 311045
ウィリアム・ミネルヴァという人物から贈られた本にはモールス符号で子供たちへのメッセージが隠されていた。ハウスの外に味方がいるかもしれないと希望を持つエマたち。一方、イザベラの隠し部屋に侵入成功したドンとギルダは、エマたちのついた嘘に気付いてしまう。今度こそ真実を語った彼らに怒りをぶつけるドンだったが、自らの無力さを嘆くその姿に、エマは兄弟を信じようと思い直す。しかし翌日、そのやりとりを見ていたクローネが手を組むことを持ちかけてきて……?

EPISODE.07 011145
イザベラからママの座を奪いたいという目的とともに、ハウスの管理システムについてクローネから聞かされたエマたちは、彼女と手を組むことにする。その夜、情報収集のためクローネの部屋を訪れたエマとノーマンだったが、逆に発信器の場所や壊し方に気付いていたことを知られてしまう。子供たちの脱獄計画を本部に訴えるための証拠として、発信器を壊す道具を探すクローネだったが、そんなクローネにイザベラは本部からの通達を突きつける。

EPISODE.08 021145
イザベラに見送られたクローネは、グランマに彼女のミスを訴える。しかしグランマはそのことを全く意に介さず、クローネは鬼に殺されてしまう。その日の午後、エマとノーマンを塀の外の下見へと向かわせたレイは、偽の情報を流しイザベラの注意をひこうとするが、それに気付いていたイザベラはレイを部屋に閉じ込めてしまう。そしてエマとノーマンに対峙したイザベラは、ノーマンの出荷が明日に決まったことを告げるのだった---

EPISODE.09 031145
ノーマンの出荷を阻止するため、逃げたふりをしてハウスの敷地内に潜伏するよう提案するエマとレイ。自分が逃げることでエマたちの脱獄が失敗してしまうと拒否するノーマンだったが、二人の必死の説得を受け入れる。 出荷当日である翌日、逃げるために塀へと向かったはずのノーマンだったが、計画に反して夕方にはハウスに戻ってきてしまった。戻ってきたノーマンから明かされた真実に、エマとレイは驚愕する。

EPISODE.10 130146
ノーマンが塀の上から見た景色によって農園全体の構造が明らかになった。 しかし彼は、自分は逃げることはしないと出荷の覚悟を決めていた。必死で引き止めるエマとレイだったが、ノーマンはトランクに糸電話だけを入れて旅立ってしまう。 ノーマンを失い絶望するエマとレイ。遂に脱獄計画を諦めたかに見えたが……?

EPISODE.11 140146
諦めたふりをしながら、脱獄の準備を進めていたエマとレイ。レイは出荷前夜、用意していた道具で火事を起こし、その隙に逃げ出すことを提案するが、それはレイ自身を火の中に残すことまでも組み込んだ計画だった。しかしすんでのところでそれを阻止したエマは、レイの行動を予期していたノーマンからの手紙のこと、そしてハウスの子供たちと進めてきた準備のことを明かすのだった。イザベラを出し抜き、炎に包まれるハウスを背に塀に向かうエマたち。脱獄は成功するのか---!

EPISODE.12 150146
必ず迎えに来ると約束し、4歳以下の子供たちを残していくことを決意したエマ。そして5歳以上の子供たちは訓練の成果を発揮し、ぞくぞくと崖を渡っていく。一方イザベラは本部に通報し脱獄を阻止しようとするが、崖の向こうにいるエマたちを目にし、ついに追うことを諦める。自分もかつてハウスで育った子供であったイザベラは、遠ざかっていく子供たちの背中を静かに見送るのだった---。脱獄が成功し崖を渡ったエマたちは対岸の森を駆ける。自由を手にした喜びとこれから生きていくことへの決意を胸にしたエマが森を抜けると、そこには彼らを祝福するような朝陽が輝いていた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 83

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

抗え。この世界の運命に。

この作品の原作漫画は未読です。
最初の視聴の理由はノイタミナ作品だったから…
ですが気が付いてみると2019年冬アニメの中でもトップクラスの面白さだったと思います。

母と慕う彼女は親ではない。
共に暮らす彼らは兄弟ではない。
グレイス・フィールドハウスは、親の居ない子どもたちが住むところ。
血の繋がりはなくても、ママと38人の兄妹が幸せな毎日をすごす、かけがえのない家。
しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

公式HPのintroductionを引用させて頂きました。
本当は2ページに渡ってこの作品の概要が記されているのですが、2ページ目はネタバレ要素を含むので1ページ目の紹介にとどめておきます。

レビューのタイトルは公式HPのトップページに記載されている文言なので、きっとキャッチコピーなんだと思います。
このキャッチコピーとintroductionを踏まえると、何等かの事情でこれまでの幸せが無くなってしまう事に対して38人の兄妹が運命に抗おうとする物語…と読むことができます。

言葉を額面通りに受け取ると物事の本質に辿り着けない…そんなミスリードが含まれています。
これもアニメ本編を盛り上げる作り手の配慮なんだと思いますけれど…

確かに、子供たちが背負った運命は過酷という台詞が陳腐に感じるほど、絶望にまみれています。
でも、その絶望は昨日今日に始まった話じゃないとしたら…?
でもXデーは何の前触れもなく突然訪れるんです。

誰もが信じて疑わなかった…
里子としてこのハウスを出たら幸せになれるんだと…
だから手紙の返事が来ないのも幸せ過ぎる日々を過ごしているからだと…
それは本作品の主人公で、ハウス最年長の一人であるエマも一緒…

このハウスには最年長者…11歳の子どもが3人住んでいます。
抜群の運動神経と高い学習能力を持ったムードメーカーのエマ(CV:諸星すみれさん)
優れた分析力と冷静な判断力を備えたハウス1の天才のノーマン(CV:まややん)
ハウスの子どもたちの中で唯一ノーマンと渡り合える知恵者のレイ(CV:伊瀬茉莉也さん)
この3人の学習能力は高く、毎日のテストで度々フルスコアを叩き出している逸材です。

ハウスから里子に出されるのは年功序列という訳ではありません。
もし、年功序列だったら導き出される結末は全く異なっていたと思います。
その日はコニーが里子に出る日でした。
可愛い服でおめかしして、肌身離さず持っている兎のぬいぐるみ…リトルバーニーを抱きしめて明るくみんなとお別れの挨拶を交わしています。

そりゃそうです…
これからのコニーの人生は幸せで満ち溢れているのですから…
きっとこれからの期待で小さな胸を膨らませていたからなのか、コニーはリトルバーニーを忘れてママと一緒にハウスを出て行ってしまったんです。

いつも肌身離さず持っていた大切なぬいぐるみです。
追いかけて届けたいと普通思いますよね。
きっとこれがなきゃ、コニーが困ることもあると思うから…
エマとノーマンが走ってぬいぐるみを届けようとして偶然目にしたのは衝撃の事実…
思えばこれが運命に抗おうと決意した起点…
そしてここから様相が一変しながら物語が動いていきます。

エマたちはフルスコアを叩き出しているとはいえ未だ11歳。
我々の世界では小学5年生という年端のいかない子どもたちでしかありません。
そんな子どもだけの集団において、大人の存在は一際大きいと言えます。
事実、38人もの子どもの面倒を見ているママの存在は絶大でしたから…

でもママは大人…というだけではありません。
頭が切れ、とても慎重…やること全てにおいてソツがなく決して手を抜かない…
加えて幼い子どもたちはママに対して全幅の信頼を置いていますから…
しかもこのハウスがどこにあるか…それすら子どもたちは知らないんです。

この様な四面楚歌の中で、子どもたちはどのような一手を打ってくるのか…
辿り着いた答えは「奇跡の綱渡り」みたいでしたけれど…
正に「神の一手」と言っても過言ではありません。

ここで大切なのは、そこに至るプロセスです。
子どもたちは何を乗り越えてその思考に至ったのか…
勇気、優しさ、信頼に厳しさ…どれかが一つ欠けても神の一手には至らなかったでしょう。

物語ラストのママの顔が印象的です。
ママだってハウス育ち…
幼い頃に思い願ったことに接点の無い筈がありません。
そこに立ちすくんでいたのが幼い頃のママ一人じゃなかったら…
なんて考えてしまいますけれどね^^;
感覚の全てを注ぎ込んで視聴できる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「Touch off」
エンディングテーマは、Cö shu Nieさんの「絶体絶命」と「Lamp」
どの曲も痺れ要素満載なんですけど…
今期のアニソンBEST10のどこまで上位に食い込むかが楽しみです。

1クール全12話の物語でした。
性別・年齢関係なく堪能できる作品だと思います。
でも物語は一つとても大きく大事な伏線を残していますよね。
来年放送される続編でその伏線がどこまで明らかになるのか、正直気になって仕方ありません。
原作を…とも思いましたが、続編の視聴に余計な雑念を入れたくないので我慢…
と思っていたら、いつの間にか我が家に原作全巻揃っているじゃありませんか!
直ぐ手に取れる場所に無いから我慢できると思っていたのに…
まぁ、これも試練なんでしょうね^^;
続編の放送を超楽しみにしています!

だから願わくば原作により忠実であって欲しいと思いますし、極力端折ることなく描き切って欲しいと願っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

84.9 6 熱いでシリアスなアニメランキング6位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (997)
4039人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ベイビダンダン輝け

2話までの感想{netabare}
元の特撮の方はフィルム撮り“じゃなくなった”影響がどうにも違和感であんまり見てなかった…と思う。
なぜか掃除機が暴走する話だけは覚えてるけど。

んでアニメの方は…グリッドマンの声ちゃんと緑川だ!
カーンデジファーの声ってどんなんだったっけ…これも同じ人?ってかカーンデジファーではない!?
確か脱獄囚みたいなんじゃなかったっけ?特撮の方は。
ってかこっちは現実で戦うのか。
やっぱ怪獣が出たらミニカー蹴飛ばしてナンボだよなぁ…この町破壊シーンはお約束っつーか“オーバーロード”見て「足りてねぇなぁ」と思った部分をガッツリ補完してくれた。
と思ってたら…グリッドマンの登場シーン、平成ウルトラマン(の一番カッコいい所)じゃーん!、「巨大化して登場して地面に着地した瞬間に地表がドバーンってなる」やつ(※)。
(ガイアより前にあったんだっけ?それがウケてかガイアではお約束化されたの…グリッドマン(特撮)ではまだ無かった気がする)
おお、わかってるねぇ。
ってことで1話は大満足、果たしてこのクオリティがどこまで続くのかが気になるトコロ。
でもって2話。
死者が出てても誰も覚えてないという思ってた以上にハードな展開、それでいて主人公達はイマイチ実感が沸かないってのも妙にリアル。
電脳世界じゃなくて現実世界で戦うって方針は正解だったと思う。
こうなってくると「バカヤロー」と言ってるくれる人が欲しくなるのう(ウルトラマンメビウス)。
とはいえ、ひょっとしたら現実に思わせといてーの実は電脳世界でしたって展開あるかも?
このままだとモモデビルークじゃなくてアカネが贖罪し切れないもの。
そんな敵は敵で早くもスペルゲン反射鏡(でいいのか?)を実装、強化はええ。
まぁこれはとっととグリッドマン側にアシストウエポン出させないといけないからね、仕方ないね。
ってかガイア的なドパーンって表現は…えっ、もう終了?
コンピューターの処理速度を重い・軽いって言うけど、それを重量(感)によって表してた?…とすると最適化後はもう重たそうな表現は無くなっちゃう??
悪くはないんだけど、どっちかっつーと特撮寄りではなく勇者シリーズに傾いた予感。
それと特撮の方はコンセントに繋いである・ないし機械制御されてるものが暴走を始めて町はパニックって内容だったけど、こっちはそういったパニック方面は薄味なんかのう?

今のところ非常に良い感じに思えますが、ど~しても旧作と比較してしまいますね、そんな詳しくもないのに。
あと※部分、気になってちょいと調べたらやっぱり「これが良いんだよ」って声は高いみたい、そこだけ編集した動画発見。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30524641
アニメじゃないしお暇な時に見てやって、いやぁタマランわぁ。

ところで円谷といえば、アイゼンボーグはどうなったんだ?{/netabare}

3話感想{netabare}
おお、ガイア演出復活、2話でグリッドマンがスタっとビルの上に乗った時はヒヤヒヤしたぞ。
やっぱこれだねー、巨大怪獣つったらミニチュアをどれだけ派手に壊せるかだよなぁ、と昔特撮をワクワクしながら見てた頃の記憶が蘇る。

それはそうとやはり現実世界だと思ってる舞台は実は電脳世界って展開じゃないかな。
そう考えりゃ街が戻ったり記憶失くしたり、アカネは贖罪無理じゃね?って問題は全て解決。
怪獣なの人間なの?とか一旦負けた後どこに居たの?とか、それの伏線じゃないかなぁ。
そうなってくると問題はあの世界の住人はNPCなのか中身居るのか…「オレはデータだけの存在だったんだ!」ってなるんかのう?
ってかうっかり「怪獣は人間なのかも?」と洩らしてしまったウツミはどうやらウルトラマンヲタ、カネゴンやジャミラ辺りの知識からそういう推察を立てたんじゃないかなー、と思って調べてみたらウルトラシリーズには結構な数怪獣になった人間ってあるみたい。
じゃあ舞台が電脳世界って作品知っててそこから推察するってことは…無いかな?
大元の特撮版グリッドマンは見てないとして…映画TRONとか。
その、個人的に凄い恐れてるのは“ゼーガペイン”みたいになっちゃわないか、似通ってしまうのは仕方ないにせよ劣化コピーみたいになってしまうのはカンベン願いたい。
ダリフラの前科があるからそこんとこイマイチ安心できない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああ、こう来るのか。
常日頃“なろう系”について考えてるワケじゃないけど、やっぱりそれ関係を思い起こしてしまう。
グリッドマンがなろう系ってことじゃなくてね、それへのカンターというか揺り戻しとでも言うべきか。
今やってるソレ系(ゴブスレと転スラ)でも感じてることなのだけど、なろう系でよく目にするのは「自分の作った箱庭世界で気に入らないヤツをぶっ殺す」だけで、そんなのただ見させられてもちょっと…ってのがありまして。
これは“オーバーロード”の感想でも書いたような…って見てみたら「自分が怪獣になったつもりで積み木やミニカーで築かれた町(時にはそれの設定あれこれ考える)を破壊する遊び」って書いてました、自分。
あはは、グリッドマンのアカネのやってることが正にコレ。
別に自分が賢い訳じゃなく、同じように思ってた人は沢山居て、当然アニメスタッフにも居て、そのうち揶揄ったの作られるんじゃない?とは思ってましたが、まさかグリッドマンってかトリガーで来るとはなぁ。
といいつつまだカウンターかどうかは不明か。
今後アカネの行為が正しいって展開になる可能性も…あ、あるのか?そこまでヒネくれてはないと思うんだが。
「こんなこと(なろう主人公プレイ)ばかりやってるとカーンデジファー(詐欺や新興宗教)に付け込まれますよ」って展開だと良いなぁ。

ところで大して詳しくないのに特撮どうこうをよく喋ってるけど、エッセンスとしては昭和ウルトラマンではなく平成ウルトラマン寄りってのはオタ友とも共通見解。
元の特撮グリッドマンもそっち側ってのもあるけど、昭和の方は庵野が使い果たしたからなーってのはオタ友の弁。
確かに実相寺っぽい演出は無くて──これは自分評価してる部分でもあるのだけど、戦闘シーンを明るい日中にやってくれてるのは助かる、その時間帯でないとジャンク屋が開いてないって設定のおかげもあるんだろうけど。
(極端な例では作中夜しか登場しないキャラ(敵でもロボでも)があって、それの玩具見てみたら「え、こんな色だったの?」とビックリする羽目になったり)
その一方でフィルム撮りからビデオ撮りへの移行で余計な部分までハッキリ映ってしまう(影で誤魔化せなくなる)って問題がCGもそんな凄くなかった頃の初期平成ウルトラシリーズにはあって、解決策としてスモーク炊いてたんだけど──防衛隊のコクピットの中を俯瞰で映すシーンとかね、破損してる訳でもないのに──特撮グリッドマンではその処理も無かったんじゃなかったっけかなぁ。
ってことで6話で霧が出たときは「あっ」って思っちゃったよw
で気になるのは…平成ウルトラシリーズにも怪獣が出ない回ってあったっけ?
でもって怪獣好きであるならぶっ壊し甲斐のあるコンビナートを創造しておいて欲しいが…範囲的にアカネの生まれ育った町があの世界の限界だったりするのかね?地元にないものは創られない?{/netabare}

7話感想{netabare}
空を飛んで行ったらバハムートもとい天井があって…おお、この天井のディテールって初代グリッドマンのソレじゃん。
これには初代にそんな思い入れの無い自分もつい感動、CM見てりゃ嫌でも気がつくけど。
ってかこれ、CGを使わず狭いセットものだった特撮とは違ってアニメではどんなに広くもできるぜ、っていう特撮とアニメの違いを見せ付ける演出(意図)なんじゃないかな。
今ならCGでいくらでも出来るんだろうけどさ。

それとアカネの部屋映すときシルバーブルーメと、そこから2つ挟んで(この2つは知らん)ノーバの人形が置いてあるシーンがありまして…前から出てた?
もしこの回が初出であるなら未確認飛行物体が登場する回で円盤生物出すって狙ってのことだろう。
更に深読みすると新章突入の暗示に思えなくもない…マックもといジャンク屋メンバー全滅とかよしてくれよ?
ところでこれまで怪獣はアカネが作ったモノって内容だったので、最後は今まで倒した怪獣を繋ぎ合わせたタイラントみたいなのが出るかも?と思ってたが、その可能性は下がったかな。{/netabare}

8話感想{netabare}
前回書いた円盤生物の件、CMで流れてる怪獣娘のほうで登場するみたい、ああそれでか。
ってかあのジャージ着てたキャラってブルーメだったのか…気付かんかった。

でもって今回の感想。
ウツミとリッカが意見が対立しケンカして、けど最後は仲直りして。
一方アカネは自分と意見の違うヤツは殺しちゃえばいいって考えで、それの対比だったのかな?
「果たしてアカネは、ウツミとリッカの時のように謝ることができるのか?」って方向に話は進むのだろうか。
また、怪獣は復活強化型が登場。
ありゃあ、これで前回も書いた合体型の可能性は更に低くなっちゃったかな?
ってか全合体グリッドマン金色になってるし…ホントこういうの好きねぇ。
最近?だと“フレームアームガールズ”も最後そうなってたのを思い出したけど、これもお約束として定着してると解釈したほうがいいのかね。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
9話、ビックリするほど実相寺。
↑で「実相寺っぽさが無いから昭和ではなく平成ウルトラマン寄りっぽい」と書いてたのだけどちょっと訂正、平成に入ってからの実相寺だわコレ。
特に9話はティガの「花」「夢」リスペクト回じゃねーの?とさえ思えたり(もうちょっと頑張って「地平線と平行でないカメラアングル」を意識してくれたら完璧だった)。
ここじゃないどこかでウルトラマンマックスの胡蝶の夢がよく挙げられてるけど、あれも実相寺だし。
そこまでは良いのだけど、それプラス金田or板野要素が加わってプラマイゼロって感じ。
これまで金田臭さは無かったのになぁ…バリ臭はあったけど。
別に金田or板野が嫌いってワケじゃないのだけど安っぽい引用されると冷める、ってかそんなのは伊魔崎にやらせとけばいい。
そうねぇ、この気持ちは伊魔崎じゃないけどゾイジェネの3期ED見てもらえれば分かると思う。
細かいスタッフや制作のスケジュールとかサッパリ分からんが、この回作るタイミングでダリフラの制作が終わってそっちのスタッフと合流したのかな?と思ったり。
ってかね、「実相寺+(金田&板野)=エヴァ」であるならエヴァっぽいと思われてしまうのは仕方ないんだろうけど、個人的にはちと不本意。

そして10話。
心の奥で「アレやってくれないかなぁ…今の時代無理なんかなぁ」と、期待しつつも諦めてたアレがまさかの実現。

八 つ 裂 き 光 輪 キ タ ー

ウルトラスラッシュ?知らんなぁ。
個人的にウルトラマンはスペシウム光線よりも切り裂いてナンボと思ってる部分があって、それをやってくれただけで涙が出る勢い。
敵もケムール人…ってよりもメトロン星人じゃねーか?コレ。
縫いぐるみも最初はわざわざ覗き穴のあるデザインで、特撮好きはゲラゲラ笑うところだと思う。
ストーリーの方は、ゲーム“MOON”というか、アニメなら最近のだと“レクリエイターズ”のような、例え作り物であっても一度人格を与えたら作り手の意のままにはいかなくなる、って展開か。
まぁレクリはアレだったけど…かつてレクリの途中感想で書いた気がするけど、マンガのコマからキャラが飛び出してマンガ家をブン殴る、そんな話だったら良いなぁ。


参考・著作権的にアレかも知れんが消されずに残ってるしってことで…ってかエヴァが流行った頃アニオタなら実相寺作品はある程度チェックしてると思うので、あにこれでは「何を今更」レベルのものかも?
ウルトラマンティガ 夢
https://www.nicovideo.jp/watch/sm12565870
ゾイジェネ3期ED
https://www.youtube.com/watch?v=WKz6v8VX-BA
ウルトラマンは切り裂いてナンボ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22282002
メトロン星人
https://www.nicovideo.jp/watch/sm9932681
おまけ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm11358810


それと今回参考動画探すに当たって以前書いた感想に間違いがあったことが分かったのでここで訂正。
フィルム撮り「じゃなくなった」ことで余計な部分までハッキリ映ってしまうことの回避としてスモーク炊いてると書いたけど、実際はそうじゃなくてレンズにワセリン塗ってたらしい。
ティガの「夢」を見ていただければ分かると思うけど…とはいえこれは実相寺回で特例、スモーク炊いてた回もあったような気がするんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
アカネの“外の人”は一体どんなんだろう?ってのは気になってて、ひょっとしたら“カリギュラ”のスイートP({netabare}正体は脂ギッシュなラーメン大好きプリパラおじさん{/netabare})みたいかも?なーんて意地悪なことも思ってて。
そして実際最後は実写になって…あはは、さすがにカリギュラまでは行かなかったか、これでも十分「配慮」してるんじゃない?
それと途中「扉を開く」って演出があって、前も書いたけどその時以上に自分ははどうしてもゲーム“MOON”を強く連想してしまい(そっちも実写エンド)、それのせいもあるのかな?
ラストは「まぁこんなもんだろう」と思ってたら…あれ、一部では不評なん?
自分的にはもっとキモヲタデブ使って視聴者に冷や水ぶっかけるオチでも良かったくらいなんだが…。
因みに「エロマンガは作者の顔を知るとヌけなくなる」ってのはよく聞く話で、その気持ちは分からんでもないけど「そんなもんだろ?」とも思ってて…さすがに親しくなったら辛いけどね。

──って、もうちょっと真面目に考えてみよう。
あの世界はアカネが逃避の果てに自分の殻(空想世界)に逃げ込んでたって説明はされている、「ただの夢」ではない。
自分の作り出したリッカに励まされてリアル世界で「外に出よう」と奮起する、つまりは自分で自分を奮い立たせたというオチで、これを「ただの自作自演」と取るか「作り物でもひとたび自我を与えたら制御しきれなくなる・自分の想定を超えた行動をする」と取るかで評価分かれそう。
後者であることの説明も十分されてたと思うのだが…ってかそんなんちょっとネトゲかじる位で分かるっしょ、「開発者の想定しなかった挙動」なんてよく聞くじゃん。
そうでなくても意識して作ったモノでも無意識下の意思が乗ってるとか(※)、自分の与り知らぬ場所で外部からの影響で変質したとか、まぁそんなのはよくある話で。
気になるのはそんな夢の世界に先住民(アノシラス)が居たこと。
夢はそれを見てる個人の内にあるものなのか、どこかとアクセスしてるのか。
多分「今回」空想世界に逃げ込む以前に、幼い頃にまだアカネがリアルに押しつぶされる前に作った存在なんじゃないかなぁ、と解釈してます。
欲を言えばリアルアカネは「自分は孤独だ」として夢の世界に閉じこもって、けど実は気にかけてた人が居て、それがユウタで、つまりユウタにも外の人が居て…って展開の方が良かった気がするが(ってかそういうのを予想してた)ベタすぎかのう、今はそれって嘘臭いになっちゃう?「どこかで誰かがきっと待っていてくれる」はアカン?
けどこっちの方が「キミは、ひ・と・り、じゃ・な・い」って前作グリッドマンのOPに合うような。



他の作品でも同じ事を書くかもしれないので別枠で。
同じトリガー作品の“リトルウィッチアカデミア”の…何話だっけ?魔法のペンの話、超長編小説がリレー小説だったって話。
そこで触れられてたネタが結構印象深い、その内容は──
作家が何気なく書いた・意識してそう書いたワケじゃない描写が、ファンから見ると「このシーンは○○に繋がってる!」と賞賛されるポイントになってて、「え、そこ誉めるの?いやぁ気付かなかったわ」ってのを作者が認めるって話。
果たしてそれは「無意識の内にそう書ける自分は才能がある」と取るか「たまたまの偶然で別に才能があるワケではない」と取るか、どっちがいいのん?って問題提起とも。
モノを作ったことがある人間なら誰もが体験したことがあると思うのだけど、このテーマはエヴァで庵野が精神病患う(劇場版で「こんな糞内容でも誉めるのか?バーカバーカ」とケンカ吹っかけた件)原因だったり、“けもフレ”でいえばプロデューサーが「冷奴」と唾棄したものだったりと、かなり根深い闇を抱えている気がする。
または偶然を才能だと勘違いして天狗になってファンから煙たがられる作者とか…誰とは言わんけど思い当たる人居るんじゃない?
作家と読者の関係だけでなく、作家と創作物との関係でもそういうことは起こって、本気でモノ作りしてる人ほどこの問題に真摯に向き合ってる気がする。
ってかこの問題無視してる・気付かない人は作家として失格でしょう(要は「この場面はこのキャラにこう行動させると楽に展開させられるけど、このキャラはそんな行動しないよなぁ」ってのを気にしない人)、結構見かけるけど。
って書いてたら“ダリフラ”思い出しちゃった…あっちの感想で「いちいち突っ込んでいったらキリが無い」として書かずに居たのだけど、そんなツッコミの一つをここに書いときます。
自分は短命であるってのが分かってて、しかも同胞が次々と体調不良起こして「いよいよあと僅かか」と自覚してるハズの状態で、死ぬかもしれない決断をする時に「ここで何もしなかったら“一生”自分を許せない」と言うシーンがありまして。
ん?その台詞ってこの先何十年も生き続ける前提じゃね?そのキャラにとっての一生ってなんだ?明日をも知らぬ命だったら「生涯(生き様)に悔いを残したくない」とか言うべきじゃね?ってことを思ってしまって。
実際その体質は“後で”改善されるワケだけど、もうそれを知ってる前提での台詞になってて、キャラの声じゃなくて制作者の声が丸分かりで冷めた記憶があります。
些細なことだけどこういう積み重ねは重要でしょう。
なーんてことを考えると、グリッドマンは同じトリガーにしてはよく出来てると思います。


と、先にオチの感想書いてしまったけど、それ以外の途中の感想。
前作OPの挿入はやっぱりクるものがありますね、そこまで前作に思い入れ無くても。
最近だと“魔方陣グルグル”や“シュタインズゲート”が同じことやってて…ってかそれ以外も何かあったハズ…くそう思い出せん。
兎に角前シリーズの曲を流すのは良い文化だ、今後も続いて欲しい。
過去の出来事を写真風に流したアレ、出崎ってよりも自分的にはやっぱり実相寺(出崎だったら劇画タッチにするだろう)。
けどそこら辺意識してるなら(昔の)特撮好き?としては空中戦はもっとダサくして欲しかった、空中戦はヘボくてナンボでしょう。
ウルトラセブンの告白シーンリスペクトはやっぱりこれも最近何かのアニメで見たんだよなぁ…思い出せん、くそうくそう。
これも文化として継承して欲しい。

全体を通してでは、あんまりやり過ぎると「これ分かるかな?クイズ」になって、内輪受けが過ぎて不愉快になりそうになるところをギリギリ踏み止まった感じ。
自分が特撮寄りで(そうなのか?)甘い部分もあるかも。
とはいえ同じ映像作品でありながら特撮きらーいって人はアニメだけ見ててもしょうがない気が…(特撮畑がアニメに関わってることはよくある、雨宮とか井上とか荒川とか)。
ロボアニメ視点としては自分は“フレームアームガールズ”で書いたけど「プラモデル寄り」で物理的に頑丈であることを至上としてるキライがあって、即ち外部パーツはあんまり好きじゃなかったり(ってかフルアーマーだったらせめて鈍重にしてくれと)。
最後ゴチャゴチャ合体した姿じゃなくて初代の素体になってくれたのはホっとすらした。
でもってやっぱり、創作世界で怪獣ごっこ(児戯)をやってるだけのゴミカスヤローは死ね…ってほど強烈ではないにしろ、やんわりと「そうじゃないでしょ?」っていうアンチテーゼは感じた。
ってかこれでクソと断ずる人は「アニメしか見てない人」と分かるのでいい踏み絵かも?
一方で自分はデッドプールだと勘違いしてるゴブスレ作者は絶賛してるみたいだが「お前のこと言ってるんだよ」ってのは気付いてない模様、まぁ海老谷はそんなもんか。
とにかく、だ

視 野 を 広 く し ろ 、 外 に 出 ろ

という、ゲーム“MOON”と同じテーマだった気がする、多分。
そんなん富野がずっと言い続けてたことではあるんだけどね…(※)。
これがエヴァの亡霊を追い続けてる(少なくともダリフラ見た限りでは)トリガーが作ったってのはなかなかに興味深い。
個人的に今期タメを張れるのは“ゾンビランドサガ”だけだったけど、あっちは最後やや失速したのでこれが今期一番かなぁ。


これに関しては最近知ったんだけど、富野のこの主張に対し当時芦田豊雄は「それでいいじゃないか、アニメしか知らなくて何が悪い」と反抗したらしい。
ヲタ友の一人はそれを支持してたらしいのだけど、最近のアレっぷりにはいい加減辟易して「富野のほうが正しかったみたいだ」と考えを改め始めてる模様。{/netabare}

追記{netabare}
某所で考察が捗って、なにやら神様アカネは現実リッカをモデルにしてるっていう説があるみたい。
…。
……。
まんまカリギュラじゃーん。
↑でスイートPのこと触れたけど、それ以上にカリギュラ。
ってかカリギュラ知ってればすぐに思い付く内容で、むしろまさかそこまでのネタ被りは無いだろうと考えないようにしてたくらいで…。
その説を推してる人はカリギュラは見たのかな?
あいや、知らないなら知らないで良いんだ、自分だって見てないアニメは山ほどあるし。
ただちょっとシャレになってないのがアカネの声優が上田麗奈ってことでして…。
えーっと一応カリギュラの設定書いときます。
{netabare}・μ(ミュー):バーチャロイドで架空世界(メビウス)を作った神様的存在。
・リツ(主人公):ミューをプログラミングした人。現実はコミュ障で対人恐怖症でキョロ充でジト目でドモリ(それでもプログラムの腕は一流で社会人)、メビウス内では現実の勤め先の会社のチームリーダー(憧れのコミュ強イケメン)の姿…ってのが明かされるのは11話。{/netabare}
アカネはミューとリツを足したような設定。
テーマ似たようなものだしこれだけアニメの本数が多いとネタ被りは仕方ないことではあるけど、ミューの声、上田麗奈なのよ。
もしその説が本当ならさすがに声優替えるんじゃないかなぁ?どうかなぁ?
アニメの放送時期近かったし自分はパクりだとは言わないけど、カリギュラのゲーム自体は2016の6月発売で、そっちから拝借したら間に合う…のか?
う~ん、否定はしないけど、なんか危うい匂いが…。
ってかね、これを期にカリギュラの評価が上がるってことにはならないかしらん?
グリッドマン本気で考察したい人は見て損は無いと思います。

あーそれと六花ママはトリガーお約束というか…ガイナ時代だけど“まほろまてぃっく”の式条先生や“この醜くも~”のジェニファーポジでしょう(糞嫌いだった)。
今風にリファインされてグイグイ攻めてくるタイプではなくなったけど、なにかあったら(外伝や続編作るとか)そん時の都合に合わせて「実は○○だったんです」って設定追加が出来る便利道具ポジ。
作ってる側は保険として配置しただけでそんなに深くは考えてないと思うので考察するだけ冷奴だと思います。
ってか、ファンの間での考察が進んで「こういうことだろう」って解釈が形成されたところで「そそそ、そうです、そういうことです」とタダ乗りする気配がして、あーんまいい気分ではない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

バンバン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

この世界、どうなってる?

グリッドマンシリーズに触れるのは今作が初めてだったが、とても引き込まれた。アクションシーンもさることながらドラマパートも高校生っぽさがよく出ていてとても良い。キャラデザも良い。
1話ラストを見るに、この世界もコンピューターの中ということなのかな?今後の展開にとても期待できる1話でした。


2話
{netabare}いかにも悪そうだけど実はすごくいい人なサムライキャリバーがかっこいい。響、内海、六花の3人の掛け合いもいいですね。ここも高校生らしくてじんわりくる。
アカネはかわいいのに、怒りと殺意が暴走するとんでもないサイコ。部屋に閉じこもって怪獣制作から破壊の鑑賞までしてるのを見ると、自分の行為に現実感を持ててないのかな。響たちは怪獣やグリッドマンといった非現実を生身で感じて受容しつつある点との対比だと思えました。{/netabare}

3話
{netabare} 謎の少年の正体が怪獣アンチというのはちょっと予想外。そして強い。まさに名前の通りアンチ・グリッドマンとしてデザインされたキャラという感じがするし、その対比に注目したいですね。アシストウェポン組もキルラキルの四天王みたいでいいキャラしてる。戦闘以外でもグリッドマン同盟をアシストしてくれる頼れる大人感が良い。そして戦闘がアツすぎる。 {/netabare}

4話
{netabare} 裕太の恋煩いというか、主人公らしい面が垣間見えた回。これまで薄かった主人公感が出てきたかな?お楽しみ回のようでアカネの闇は一層深まってきましたね。頑張ってるアンチくんが可哀想になってくる…。新世紀中学生はなんか楽しんでますね。個性的で見ていて飽きない。特にキャリバーさん…。
ラストの六花、性格が良い分他人を疑わないからそう考えてしまうのか…嫌なフラグが立ったようで怖い。次回も楽しみです。 {/netabare}


5話・6話
{netabare}一気にストーリーを動かした回。5話では水着のサービス回でありながら、アカネと裕太の双方がお互いの正体に気づきはじめるという重要な回。しかも舞台になった山間の街の被害はツツジ台と違って何故か修復されない。
その真相は6話で怪獣少女アノシラスによって明らかに。多くで予想されていた通りツツジ台はアカネが作った仮想世界で、「外」には行けないということが判明しました。壊れた街はベノラが直していたのか…。この下りで初登場のアノシラス2代目はめちゃくちゃかわいい。
アンチくんは六花に世話を焼いてもらったことで味方化のフラグがさらに高まった気が。見逃してやるー!の捨て台詞で笑ってしまったw
アレクシスはカーンデジファー同様、アカネの歪んだ心に漬け込んだ悪い奴ということらしいが、宇宙人?との問いかけにアノシラスははぐらかしていたので、まだ得体の知れなさが残りましたね。アノシラスが知らない事情もまだまだありそう。
怪獣戦はなく閑話という感じの6話ですが、これまでで一番の回と感じました。
{/netabare}

7話
{netabare} 裕太が知った真実は内海や六花のは当然受け入れられず…と思っていたら自分から裕太宅に乗り込んできたアカネ!そのままの流れで問川の実家の中華料理店に向かい、敵方と向い合せでの奇妙な夕飯に…しかもそこにアレクシスが参戦。お前はメトロン星人か!
アレクシスはさらっと実体化しておりましたが、アカネの反応を見るに普通のことみたいですね。あの出で立ちでモブに何とも思われていないのは新世紀中学生と同様か。
アレクシスはやはりただのイエスマンではなく、アカネではなくアンチの持ち込んだ怪獣をアカネの意思と無関係に実体化させます。「アンチくんは君よりグリッドマンを憎んでいる」。憎しみが強い怪獣を生むんですね。アレクシスの狙いはやはりグリッドマンを倒すことのようです。やっと動いたヴィット。やる時はやるヴィットの力を借りて上空にいた怪獣とアンチを撃退!…では終わらず、空の雲の上には原作のコンピューターワールドの風景が。1クールなのでグリッドマン同盟がアノシラスの伝えた情報が本当だと知るところまで一気に持って行ったようですね。敗北したアンチくんはアレクシスに用済みとばかりに襲撃され負傷。止めを刺さなかったのは引っ掻き回し役を期待してなのか、それとも。
アレクシスが今回初めて自分の意思で動き、ますます面白くなってきました。アレクシスは裕太を襲うことはなかった辺り、あくまで標的はグリッドマンですね。アンチくんは六花宅に逃げ込んで味方になるのかな?なってほしいです。{/netabare}
今回地味に重要なのは誰かと一緒に食卓を囲むという行為の意味かと。アカネが一緒に食事をする相手を求めているらしいのは今回で明らかだと思いました。彼女の家庭環境が影を落としていそう。次回が楽しみ。

8話
{netabare} アカネは高校の文化祭で怪獣を暴れさせると裕太たちに宣言。作っていた怪獣は1話のグールギラスのメカ化改造版。アカネへの対処でやっぱり喧嘩になる六花と内海…。裕太と内海から文化祭当日以外で怪獣を出せとお願いするもののアカネは一蹴。六花に対してもアカネは同様。しかも六花はアカネを嫌いになれないよう「設定」して「怪獣から作った」のだとか。他の人間についても同じっぽい。皆NPCなのかな?そうすると裕太はますます何者なんでしょうね。というか怪獣?!?
今回初めて新世紀中学生も全員同時出撃し、フルパワーグリッドマンがお披露目。カッコいい。メカグールギラスはやっぱり首を折られる運命。
アンチくんは六花を探しているみたい。そしてグリッドマンの登場にも怪獣化することなく傍観していました。裕太たちのクラスの先生のキャラ変といい、設定されたものを克服しているんでしょうね。このことが、「設定」されている六花や内海他の人たちにとり今後の希望になればな~
{/netabare}

9話
{netabare}先々週のファンネルもどき並に置物のような動きを見せる攻撃性皆無の怪獣は、グリッドマン同盟の3人の精神に干渉して夢の世界を見せる。アカネにとっても3人にとってもある意味理想の世界。「1学期はうまくいっていた」と言うからには元々こんな感じだったんでしょうか?そしてグリッドマンの影に揺さぶられて、3人は夢の世界に違和感を強く持つようになる。大切なあの子がいない、大切な友達がいない、こんなはずじゃないと。この辺の夢の世界の演出・作画はすごく良いと思います。
3人は共鳴し合って夢の世界から脱出。後始末とばかりに新世紀中学生の4人もグリッドマンなしで出撃。4機の合体でパワードゼノンとして怪獣を粉砕!
自分にとって理想だった夢の世界を裕太たちに拒絶されて、アカネは踏んだり蹴ったりですね…ラストはもう生気が無かったけど大丈夫なんだろうか?と自然に思っている自分に少しびっくり。中盤ではこんな外道はやくやっつけてしまえと思うような描写も散見されただけに、アカネをそうした「悪役」から一気に「救われるべき対象」のポジションに持ってきたのはよくできた構成だなと思いました。
六花はようやくアカネから聞かされた話をみんなに打ち明けるのかな?自身の怪獣性を否定されたアンチくんはどう動くのでしょう。次回10話から最終回12話まで3部作とのこと。物語がどう収斂していくのかますます目が離せません。
{/netabare}

10話
{netabare}アカネは完全に無気力状態で、ツツジ台には怪獣が現れない平和な日々が続く。アカネの家を訪れてみたところ、玄関の扉を開いたらなんとその先はコンピューターワールド…裏側というか管理者エリアに逃げられたらしい。
突然また現れた怪獣はいかにもソフビっぽい謎怪獣。突進するばかりであっさりやられます。ところが倒されても消滅せず、不気味に立ち尽くす死体の中からケムール人のような新しい怪獣が出現。ここら辺すごくエヴァっぽくて好きです。
アレクシス曰く「中の人」は謎の機動力で市街を疾走しながらベノラを破壊して回る。フルパワーグリッドマンでも歯が立たないスピードと高火力。この怪獣は今までのSSSS怪獣の中で一番不気味で怖い。
フルパワーグリッドマンも歯が立たず、アシストウェポンを引きはがされて直接攻撃を喰らってしまう。そのピンチに助太刀したのはキャリバーさんやアカネの言葉で吹っ切れたアンチくん、改めグリッドナイト。やっぱりこうなったか(歓喜)
グリッドナイトの活躍でケムール人もどきを倒すも、いやいやアカネそれはいかんよ…
ラストのアカネの行動が予想を飛び越えてて全部持ってかれた感があるのですが、エヴァオマージュのネルフの標語の出し方がいいなと。「神は天に在り、おしなべて世は事も無し」とは、今後はそうもいかんでしょうがこの世界を的確に表してますね。そしてアレクシスの「中の人」という言葉。それに続くアンチ=グリッドナイトの言葉も考えるに、メタ的な意味での「(怪獣の)中の人」がアカネの心の闇であるとはっきり示されたのかな。怪獣役の演者が着ぐるみから出てきてヒーロー役に襲い掛かるという構図であり、それによって舞台セット=ツツジ台も破壊されて紛い物の空も晴れる。まさに「崩・壊」のタイトルが相応しい回でした。
{/netabare}

11話
{netabare}刺された裕太は一命をとりとめるも、昏睡状態が続く。非現実が明らかな街にはそれでも日常の光景が広がり、一方のアカネはひたすら無気力。アレクシスにはグリッドマンがいなくなっても怪獣が必要らしいが…?
アレクシスは業を煮やしてこれまでの怪獣をツツジ台へ適当に投入し始める。そんな中で明らかになったのは、今の響裕太こそがグリッドマンであり本来の響裕太は眠ったままだという真実。どこまでが本来の裕太で、どこからがグリッドマンなのかははっきりしませんが、そういう憑依状態のようですね。そして響裕太本人もこの世界で大きな意味を持っているらしい。
そして復活したグリッドマンは、アシストウェポンや先んじて奮闘していたアンチくん、もといグリッドナイトと共闘して怪獣たちを一掃。同じ頃アカネのもとに辿り着いた六花はアカネと対話し説得を試みるも平行線、そしてアレクシスのアカネに対する驚くべき行動を目の当たりに。
伏線が回収されて、収まるべきところに収まってきましたね。六花ママ、グリッドマン裕太と同じ黄色の瞳なんですがそれは一体…?
アレクシスの素性など肝心なところはまだまだ不明。次回で最終回です。さらなる熱の高まりと大団円を期待したいです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

退屈な日々にさよなら

1993年~1994年にかけて放映された、円谷プロ制作の特撮テレビ番組「※1電光超人グリッドマン」のリメイク(あるいは続編?)作品。

記憶喪失の少年、響裕太が浅い眠りから目覚めたのは、同級生の宝多六花の自宅兼ジャンクショップ兼喫茶店「絢」のソファの上。店内に鎮座するレトロPC"ジャンク"から聞こえる声に導かれ、裕太はハイパーエージェント"グリッドマン"と出会う。

「思い出してくれ、君の使命を! この世界に危機が迫っている!」

90~2000年代のヒーロー特撮&ロボットアニメのテイストをふんだんに盛り込んだSFアニメ。アニメーション制作は、ダイナミックな構図の取り方や、緩急にメリハリの効いた動き、ビビットな色彩表現に定評のある、お馴染み※2TRIGGER。

構成は、前半のドラマパート、後半のバトルパートと、ウルトラシリーズに代表される特撮ものや、同じく一話完結型のヒーローもののセオリーに従った堅実なスタイル。物語については、古典的な勧善懲悪ストーリーからはやや遠く、大別すれば「新世紀エヴァンゲリオン」を皮切りに90年代半ば辺りから流行り始めた、サスペンス色や人間ドラマに重きを置いた作風です。
{netabare}
本作のイメージに最も近い特撮作品を一つだけ挙げるなら、2004年から放送された異色のウルトラシリーズ「ウルトラマンネクサス」になると思います。非戦闘員でありながら人知れず怪獣と戦うヒーロー、リセットされる記憶、幾重にも折り重なり隠蔽された秘密など、数多くのモチーフがこの作品へと継承されているのを見て取る事が出来ました。
{/netabare}
怪獣を造る少女(少年)、ジャンク、アノシラス、スペシャルドッグ(笑)など、オリジナルの「電光超人グリッドマン」の設定を踏襲している箇所もいくつかあり、※3世界観についても何らかの繋がりがある模様。
{netabare}
6話で明かされる"神様"の存在、ある人物の口から飛び出す「この世界の外には何も無い」発言から、1話から描かれてきた世界は丸ごと電脳世界なのでは? という疑問を覚えた人も多いのではないでしょうか? PCを介して、具現化したり転送されたりする、グリッドマン、怪獣、※新世紀中学生、また、記憶のリセット、町の修復、怪獣(怪人)を認識出来ない人々、"怪獣が聞こえる"などの描写からも、それが示唆されている様に思われました。

もしかしたら(7話終了の時点まで)リアル世界の描写が一切無い(目立たないだけかも)「電光超人グリッドマン」なのかも知れません。

※強くて頼れる大人なマックス、寡黙で口下手、心優しきサムライ・キャリバー、見た目はちびっ子、毒舌でやや暴力的、豪快なボラー、無気力でイーカゲン、でもやる時はやる男?のヴィットの4人のこと。皆どう見ても中学生ではない(笑)

"新世紀中学生"の名称は、過去に世界を救ってくれた中学生に因んだものだそう。(「電光超人グリッドマン」に登場した3人(4人)の事?)一話冒頭にて空で6つに散った光が描かれましたが、それが彼らなら、グリッドマン+5人になるので、もう一人いるのかも。なお、サムライ・キャリバーさんの声を務める高橋良輔さんは、同姓同名の有名アニメ監督とは別人ですので間違えないよーに。
{/netabare}
※1:一貫してリアル世界を舞台にしてきたウルトラシリーズとは異なり、主にコンピュータワールド(電脳空間)内で繰り広げられる戦いを描いた特撮ヒーローもの。主人公の少年少女、敵役の少年はPCを介してグリッドマンや怪獣をサポートする。

※2:「天元突破グレンラガン」の製作スタッフとして活躍していた演出家の大塚雅彦さん、今石洋之さん、プロデューサーの舛本和也さんの3人を中心に、2011年8月22日に設立された。元ガイナックス所属のスタッフが多く参加している。

※3:続編として企画された「電撃超人グリッドマンF(ファイター)」に登場する予定だった、響裕太、新条アカネ、アレクシス・ケリヴなどの名も見られる。幻の企画が25年の時を経て姿を変えて復活! …感慨深いですね。


作画について、トリガーらしい振り切った表現は多く見られるものの、破天荒さは控えめで、円谷プロが描き続けてきた特撮ヒーローもののイメージを崩さない様に細心の注意が払われている事が伺えます。オマージュシーンも満載。※4バンクシーンの使い回しが若干あるもののそれもまたよし(笑)

3Dパートを制作しているのは※5グラフィニカ。スピードや手数の多さで魅せるのではなく、特にグリッドマンと怪獣の戦闘シーンでは、一挙手一投足を丁寧に描写する事で、動作に重みを持たせており、実写特撮張りの迫力と重量感が再現されています。{netabare}さらに空中戦やミサイル発射シーンでは板野サーカスフル稼働! ゴージャス!!{/netabare}

音楽について、ストレートな歌詞に懐かしさを覚える大石昌良さんとTom-H@ckによる主題歌「UNION」は、挿入歌として用いられた時の効果も絶大。重厚なオーケストラサウンドと共にバトルシーンを大いに盛り上げます。

エンディング曲は、昨年放映されたテレビアニメ「クジラの子らは砂上に歌う」のOP「その未来へ」でメジャーデビューを果たしたばかりの、RIRIKOさんが作詞・作曲を担当された「youthful beautiful」。青春時代のほろ苦さを内田真礼さんの優しい声音が爽やかに歌い上げます。

以下は校内シーンにて、合唱コンクールの練習?で歌われている曲の一覧。(7話まで)
{netabare}
「Believe」(第1話、第4話)作詞・作曲 - 杉本竜一
「心の瞳」(第1話)作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 三木たかし
「あなたへ―旅立ちに寄せるメッセージ」(第2話、第6話)作詞・作曲 - 筒井雅子
「若い翼は」(第7話)作詞 - きくよしひろ / 作曲 - 平吉毅州

まるでアカネちゃんの心情を投影しているかの様な選曲ですね。世界観の謎を解くカギになっている気もします。
{/netabare}
キャラについて、記憶喪失ゆえか、脅威の順応性で非日常を次々と咀嚼していく頼もしき主人公の裕太くん、ウルトラシリーズなら~が口癖の、特撮大好き、熱血純情メガネ男子の内海くん、冷めた態度は常識人の証!母性溢れる博愛の人、六花さん、理想と現実のギャップに苛立ち、ストレートな怒りと殺意を暴走させるアカネちゃん、どのキャラも魅力的です。
{netabare}
1話にて※自分のスペシャルドッグを潰されてキレ、7話にてアンチ君の持っていたそれを踏み付けたアカネちゃんは、自分には甘く、他人には厳しい、思春期真っ只中の少年少女の典型として描かれていますね。自己観察が足りていないと人は誰でもこうなります(体験談 笑)。そう言えば"キレる17歳"なんて言葉が流行った時代もありましたっけ。最近ではキレる高齢者という言葉の方がメジャーですけど(汗)

リアル殺人には手を染めていないと信じつつ、アカネちゃんの心の変化を最後まで見守っていきたい。

※:「電光超人グリッドマン」御用達。野菜たっぷり、輪切りゆで卵の載った美味しそうなホットドッグ。ソーセージがとっても長い!
{/netabare}
実写版から続投でグリッドマンの声を演じる緑川光さんの本作への参加も嬉しい限り。


冗長な展開とは無縁の、捨て回無しのスマートな構成、話数を重ねる毎に着実に丁寧に展開されていく謎、様式美を極めた活劇ものとしてのカタルシス。完成度の高さは豪華スタッフの顔ぶれを見れば一目瞭然、まさしく折り紙つき。

子供向け番組のイメージが強いゆえに特撮ものを嫌煙されている方、食わず嫌いの方に、特にお薦めしたいアニメです。

Amazonプライムにて、本作に加え、前作「電光超人グリッドマン」も配信中なので、ご興味が沸いた方は是非そちらもどうぞ。


君も一緒に、アクセーース・フラッシュ!(笑)


※4:変身や必殺技シーン等で使い回される映像の事。本作では90年代ヒーロー(ロボット)アニメのパロディとして、敢えて使っている様にも(笑)

※5:アニメ制作会社ゴンゾのデジタル部門。ガンダムやマクロスシリーズ等の作画監督、ウルトラマンネクサス以降のウルトラシリーズのCGディレクターを務められた事でも名高い、板野一郎氏がアドバイザーとして在籍。板野氏は本作第7話に登場する怪獣ヂリバーのデザインも手掛けている。


『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマ情報

本編放送後(毎週土曜25時30分~1週間だけ)Youtubeのぽにきゃんチャンネルで期間限定配信されている『SSSS.GRIDMAN』ボイスドラマの第1.1回~第7.7回が、11/24~12/1まで?一挙配信決定! コメディタッチですが、本編を補完する側面もある内容なので、聴き逃してしまった方はこの機会に是非どーぞ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 56

86.0 7 熱いでシリアスなアニメランキング7位
進撃の巨人 Season3(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (798)
4022人が棚に入れました
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか? 何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか? 巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは? そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか? エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

安定の内ゲバ

ここの話からは原作を一切読んでいないので、わくわくしながら見た。

話の流れ的にそうだと思ったが、内ゲバ続き。内部が腐ってたらしょうがない。
今回もいっぱい人死ぬの辛い。

ただ、リヴァイの活躍が多めで嬉しい。{netabare}巨人じゃなくて人間相手だが。{/netabare}

ヒストリアが大活躍。{netabare}居座っていた王家は偽者でヒストリアこそが真の王位継承できる。ダイダラボッチなお父さんにとどめを刺したわけだし。{/netabare}
巨人の秘密も段々明かされていく。
{netabare}エレンの父が元々の王家の血を根絶やしにして、人類を救うために巨人になる因子を奪ってエレンに与えた。{/netabare}

アッカーマンにまつわる話も。
{netabare}リヴァイもそうやったんか。ケニーは叔父さんだと!{/netabare}

{netabare}ギャグみたいな最初のほうの訓練も伏線あったとは。教官はエレンの両親と知り合いで調査兵団になってほしくないから、しれっと装置をいじっていたのだな。{/netabare}

貴重な肉ではしゃぐ回は息抜きのギャグ回で良かった。
{netabare}意識を失っても動き続けるサシャと誰も喧嘩を止めてくれないせいで辞め時を失い、しょぼいパンチを繰り出し続けるジャンとエレン。{/netabare}


OP
Red Swan YOSHIKI feat. HYDE
ED
暁の鎮魂歌 Linked Horizon
YOSHIKIとHYDEって豪華すぎる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか?何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか?巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは?そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか?エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。


1. 狼煙
エレンたち104期生は新たにリヴァイ班へと編入されることになった。ウォール・マリアに開けられた穴を塞ぐという当初の目標を達成するため、巨人化したエレンの体を自在に硬質化する方法を探る実験を進めるハンジだったが、そこへニック司祭が何者かに殺されたという知らせが入る。ニックの殺害が憲兵団の手によるものと断定したハンジの報告を受けたリヴァイのもとに届く、エルヴィンからの手紙。そこに書かれていた内容とは……?

2. 痛み
エレンとヒストリアを乗せた馬車が襲撃され、そのまま二人が攫われてしまった。追おうとするリヴァイの前に立ち塞がる謎の男。その顔を見て、リヴァイは「ケニー」と叫ぶ。どうやらリヴァイにとって、過去に因縁のある相手らしい。二人の戦いは、まさに相手の命を奪おうとするものだった。巨人対人類ではなく、人類同士が立体機動装置を用いて行う死闘。その信じられない光景を目撃したジャンたちもまた、戦闘に巻き込まれていく。

3. 昔話
攫われたヒストリアが目を覚ますと、そこには彼女の父親を名乗るロッド・レイスという中年の男がいた。ロッドはヒストリアを抱きしめながら、レイス家にまつわる重大な秘密を打ち明ける。一方、ハンジも捕らえた憲兵の口を割らせて、レイス家の秘密を掴んでいた。今後の方針を決定するため、エルヴィンにレイス家の情報を伝えようとするハンジ。その頃、エルヴィンはピクシスと面会し、人類の歴史を動かす決意を表明するのだった。

4. 信頼
憲兵団の策により、民間人を殺害した罪を着せられてしまった調査兵団。彼らが潜伏する森の中に、見回りをしていた男女二人の憲兵、マルロとヒッチが足を踏み入れる。水汲みをしているアルミンを発見するも、逆にリヴァイたちによって拘束された二人。だが、憲兵団のやり方に疑問を感じるマルロは調査兵団への協力を申し出る。リヴァイは二人の身柄をジャンに預けるが、ジャンは彼らのことを信用しておらず、ナイフを向けてしまう。

5. 回答
ついに調査兵団の命運が尽きようとしていた。中央憲兵に追い詰められ、エルヴィンの処刑が執行されようとしていたのだ。王の間にて、最後の裁判を受けるエルヴィン。調査兵団を失うということは、人類の矛を失うことを意味する。――エルヴィンの主張に誰も耳を貸そうとせず、処刑台へと連行されそうになった矢先に、超大型巨人と鎧の巨人がウォール・ローゼを突破したとの情報が入る。はたして、人類の未来を託すべきは誰なのか!?

6. 罪
どれほどの時間が経ったのか。礼拝堂の地下で目を覚ましたエレンの体は鎖で拘束され、目の前にはすべての記憶を取り戻したというヒストリアが、ロッドと並び立っていた。ロッドとヒストリアの手が背中に触れたことで、エレンの脳内に浮かび上がってくる忌まわしき記憶。それは、5年前のある夜にレイス家を襲ったという悲劇の真相だった。あの夜、ロッドから家族を奪ったのはエレンの父、グリシャ・イェーガーだというのだが……。

7. 願い
ロッドが語るレイス家の真実。何代にもわたって受け継がれてきた巨人の力は今、エレンの中にあるという。ヒストリアは叫ぶ、その力を手に入れ世界の歴史を継承し、この世から巨人を駆逐することこそが自分の使命だと。一方、真実を知ったエレンは償いきれない罪を犯してしまったと涙を流し、人類の命運をヒストリアに託す覚悟を決める。そんなエレンの想いを受けたヒストリアは、ロッドのもくろみ通り巨人化してしまうのか?

8. オルブド区外壁
ヒストリアはロッドに逆らい、エレンを連れて礼拝堂から脱出しようとする。すると、床にこぼれた薬品を体内に取り入れたロッドが巨人化してしまった。その衝撃で飛ばされるヒストリアと拘束されたままだったエレンを、駆けつけた調査兵団の仲間たちが救う。そうしている間にもロッド巨人の体は形成されていき、その大きさは超大型巨人をも超えるものとなった。仲間が危機に直面したとき、エレンは再び自分を信じることを選択する。

9. 壁の王
エレンは仲間を守ることができたが、同時にロッド巨人も地上に出てきてしまった。高熱を発し、周囲の木々を焼きながら、ロッド巨人はゆっくりと歩みを進める。その先にはオルブド区があるが、エルヴィンはあえて避難指示を出さずに巨人を迎え撃つ作戦を立てる。被害がウォール・シーナの中心部にまで及ぶことを防ぐためにオルブド区の住民をおとりにしつつ、ひとりも死傷者を出さないという困難な戦いに、調査兵団が立ち向かう。

10. 友人
ロッド巨人は倒され、自らとどめを刺したヒストリアは住民や兵士たちの前で自分が真の王であることを宣言する。その頃、礼拝堂の崩落現場から脱出したケニーは大量の血を流し、息も絶え絶えになりながら横たわっていた。ケニーの脳裏に浮かんでは消える自らの壮絶な生涯-。ふと気がつくと、目の前にはリヴァイが立っていた。ケニーは生きるための最後のあがきをするかのように、巨人化する薬品の入った注射器を取り出すのだった…

11. 傍観者
ヒストリアの戴冠から2か月。牧場で孤児たちの面倒を見るヒストリアは、人々から親しみを込めて「牛飼いの女神様」と呼ばれていた。調査兵団ではエレンが得た硬質化の能力に関する実験が行われ、対巨人兵器の開発に成功する。度重なる実験は体に大きな負担を強いるものだったが、エレンは、巨人を一掃できるなら自分の身が削られることなどいとわない覚悟を見せる。そして、ある人物のことを思い出すのだった。

12. 奪還作戦の夜
調査兵団の悲願であるウォール・マリア奪還作戦は、2日後に決行されることとなった。リヴァイは手負いのエルヴィンに対し出陣を控えるよう進言するが、エルヴィンは固辞。「この世の真実が明らかになる瞬間に立ち会わなければならない」と語るエルヴィンの強い意志に、リヴァイも納得してその場を去るのだった。その夜、兵舎で盛大な宴会が催され、英気を養う兵士たち。エレンたちはここまでの戦いを振り返り、決意を新たにする。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「その行いが報われる日まで、進み続けるんだ。これは、お前が始めた物語だろう。」

進撃の巨人・3期。

1期(25話)と2期(12話)または、
総集編劇場版映画3作を見てから視聴してください。

2020年秋には4期も放送予定!

今回はなかなかアツい展開続きだったので、
4期が決定しているのは嬉しいです♪

3期は分割2クールで、全22話です。
まとめてレビューします。


● ストーリー
人を食べる巨人から身を守るため、
三重の壁に囲まれた国の中で暮らす人類。

エレン・イェーガー(♂)は、
壁の外へ遠征して調査を行う調査兵団の一員であり、
巨人化の力を持つ少年。

特別な力を持つ存在として、
正体不明の敵から狙われていた。

エレンの父が世界の秘密を隠したという地下室を目指して、
調査兵団はエレンの昔の家を目指す。


これまでは巨人vs人類という構図だったのが、
3期では人vs人とという場面が多くなっていました。

謎だらけのこの世界で、
いろんな立場の人間の思惑や秘密がぶつかり合っていく。

そして徐々に明らかになる世界の謎。

2期までは謎まみれだったのですが、
3期の終わりには大部分の謎が明らかになります。

この世界はなぜ3重の壁に囲まれているのか、
巨人とは一体どこから来るのか、
エレンを狙う敵の目的とは、
エレン達が持つ巨人化の力とは、

などなど、1期や2期での謎はほとんど明かされます。

その分、新たな謎がまたどーんと置かれてしまったのですが。笑
(これは4期へ持ち越し。)

特に3期後半、エレンの家の地下室を目指す戦いは、
かなり絶望的な状況の中で抗う調査兵団の姿がかっこよくて…。

命をかけて、最後の最後まで己の信じるものだけは貫こうとする姿に、
毎回目が離せませんでした。一気に最終話まで駆け抜けたくなりました。


≪ 失う辛さと自分にできること ≫

巨人がうろつく壁外で調査を行う調査兵団には常に危険がつきまとい、
いつ命を落としてもおかしくない。

今回も恐ろしい数の調査兵団員が命を失います。
誰もが、大切な仲間を失っていく。

辛いなあ。辛いよ。
大切な仲間を失う辛さをこの人たちはどれだけ経験してきたのか。

気が付けば、みんな死んでしまった。
気が付けば、自分だけが生き残っていた。

残された自分にできることは、ただ意思を引き継ぎ、進むことのみ。
だから立ち止まることは許されない。

この世界にいると、ゆっくり悲しみに浸る暇なんてなくて、
誰かを失った辛さも悲しみも、激動の世界に押し流されてしまう。

それでも、己の道を信じて進む。
この先に、彼らが夢見た未来があると信じて。
そんな未来は本当に存在するのか?と挫けそうになる心と共に。


≪ 人と世界 ≫

初めは、壁の外の自由を手に入れたいという願いからだった。
人にとっての脅威は巨人だった。

だけど、気が付けば真の脅威は同じ人間であり、世界であった。
私達と同じだった。

結局のところ、世界のすべての人が平和に過ごすことなんて、
不可能なのだろうか。

平和に、自由に暮らしたい。
たったそれだけの願いを、私達はずっと叶えられずにいる。

誰かより幸せになりたい、誰かより豊かでありたい。
そんな願いを持ってしまった時点で、人間は世界に敗れたのだろうか。

エレン達も同じ道にたどり着いた。
そして繰り返そうとしている。

平和で自由な世界を手に入れる。
そのためなら、自分の周りの世界以外はどうなってもいい。
むしろ、これまでされてきたことへの恨みを晴らしてやる。

エレンたちがこの先どのような道を選ぶのかはわからないけれど、
彼らなら別の道を見せてくれるのではという期待もある。

いつか世界のすべてが平和になる日まで。
自分には何ができるのか。

何かできるとしても、行動に起こすことができるのか。
自分には自信がないなあ。

そう考えると、
次々と行動を起こすエレン達は本当にすごいなと思います。


● キャラクター
世界を変えるために立ち向かうキャラクターたちは、
みんな強くてかっこいいです。

望んだものを得るための戦い、
その中で生きることを選んだ人たちばかり。

誰が一番好きかと問われると悩みますが、
やっぱりリヴァイ兵長かなあ。

今回の無双っぷりも半端なかったです。


● 作画
今回も高いクオリティ!

演出もかっこよくて、
特に立体機動装置でびゅんびゅんする時のカメラワークが動く動く。

BGMのかっこよさと合わさって、
毎回いい演出を見せてもらいました。

かっこよかったです!


● 音楽
【 前半OP「Red Swan」/ YOSHIKI feat. HYDE 】
【 後半OP「憧憬と屍の道」/ Linked Horizon 】

前半OPは1期や2期とは違う雰囲気でした。

でもOP映像の美しさと合わさって、
こちらもいい感じ♪

リンホラOPはやはり初代のインパクトが強すぎるから、
ここで雰囲気変えるのもよかったと思います。

後半OPはリンホラOPに戻ったので、
なんだか懐かしさもありましたw

今までのOPの要素を織り交ぜつつの曲で、
もはや自分には1期~3期のOPの違いを聞き分ける自信がありませんが(笑)、

実際に聴き比べてみるとちゃんと違っていて、
むしろこの3期のOPは今まで以上にかっこよく感じました。

アニメーションもスピード感ありまくりで、超かっこいい!


【 前半ED「暁の鎮魂歌」/ Linked Horizon 】
【 後半ED「Name of Love」/ cinema staff 】

今までOPを担当してきたリンホラが一度ED担当になったのは、
曲の雰囲気も変わってよかったと思います♪

いつもの激しいOPに対して、今回のEDはおとなしいけれど、
雰囲気は抜群でした。

でもそれ以上によかったのが、後半ED。

こちらもしっとりとした曲だけど、
彼らの境遇とぴったりすぎてぐっとくる…。

いつか今の苦しみや悲しさが、
すべて報われる日が来ますように。


● まとめ
作画や演出は見事だし、
ストーリーもわかりやすかったです。

かなり大きく話が進みました。

原作も読んでいるのですが、
そちらは飽きてきていて…^^:

だけど、アニメでまたおもしろいと思えました!
2020年秋からの続編が楽しみです^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リヴァイよ、今夜もありがとう

2018.10.17記


原作既読。


初見時TV版1期2期を観てません。3期放送に先立ち下記劇場版のTV放送をおさえた上で参戦しました。

・劇場版 前編〜紅蓮の弓矢〜 / 後編〜自由の翼〜
・劇場版 Season2〜覚醒の咆哮〜


そうですね。いつしか観ようTV版!(※注:その後視聴済)


そしてTV版のおさらい~wikiより~

・第1期:全25話 + OAD5話
・第2期:全12話

第3期は分割2クールのようでいったん1クールめ12話分のレビューとなります(2018年10月時点)。物語の表現上は“第38話~49話”の扱いとのこと。
放送局は天下のN○Kに移り、ほぼ全国同時放送となりました。人気作の続編として期待と不安入り混じる下馬評だったかと思います。


ぱっと見

 “内戦(仮)”


2期までに綴られたであろう巨人VS人類の構図が変わり、壁内の人間同士の争いに焦点を絞り物語が展開します。そしてこれまでの謎が次々と明かされていくことになり目が離せないです。
ニック司祭殺害に端を発し、{netabare}ウォール・マリア奪還作戦手前までと{/netabare}区切りのいいとこまでやって1クール終了です。
原作通りでもあるし、人間VS人間の萌芽は2期までに描かれていた(たぶん)ため驚きの展開というわけではなかったと思います。

冒頭述べたようにTV版未視聴なので、前期・前々期との比較はできませんが、市外戦闘の作画は凄まじかったと思います。
草原など奥行きのある背景でデカブツを相手にするよりも目まぐるしく絵が変わる市外戦は作品通じての見どころになりますね。

それと、全話通してリヴァイ兵長が出演します。録画した回を観る度に兵長の雄姿を拝めるのは眼福でした。さらにはリヴァイの生い立ち含めた過去話に踏み込むのでファン必須でしょう。


バトルもありながら政治重視の様相を呈する展開には、これまでと趣きが変わる分戸惑うかもしれませんが、原作がそうなのでほんとに好き好きということになるかと思います。
これまでOPを担当していたLinked HorizonからYOSHIKI&HYDE組にバトンタッチして、そこにN○K色を感じなくもない今日この頃ですが、結局のところOP画像のミカサの笑顔はいったいいつ拝めるのだろうと願いつつ、人間同士の抗争(正確には権力闘争)に突っ込んでいく3期前半パートとなりました。

{netabare}49話でミカサが「これが終わったらあの頃のように…」的なことをつぶやきます。ほんとそうですね。{/netabare}


2019年4月再開予定の放映も視聴予定のため、そちら含めて完走したらあらためてレビューも纏めたいと思います。いったん「観終わった」にしときます。



【閑話休題】藤井聡教授の見立て
今から7~8年前くらいだったでしょうか。氏のインタビュー映像かなんかで、氏の息子の薦めで漫画版を読んだ時の印象について言及があり、それがなかなか面白かったので紹介しておきます。
ちなみに私が原作を手に取ったのはこの藤井教授に触発されたのがきっかけ。。
※アニメ関係ないので畳みます

{netabare}曰く、この壁の中の人類ってまんま今の日本人のこと指してんじゃん、と。

『壁の中なら安全』壁は未来永劫自分たちを守ってくれると固く信じている
『壁の外は知りません』外界の動向をきちんとウォッチすることを放棄
『上記2つを破るものは制裁』現状維持しようしようと躍起になる勢力がある

こんな主旨だったかと思います。
上記3点はすなわち“欺瞞”ということで、いったん壁破られたらどうなん?を描いたのがアニメ1期ということになります。いましたね、昼から飲んだくれてる憲兵団が。そして既得権力として上記3つを堅持しようとする王政府(偽)が。そして壁破られて右往左往する人類が。

劇中では、外の世界に興味津々のアルミンと触発されたエレン。ならびに外を知らずして人類に未来無し!の調査兵団、という組み合わせでした。
外の世界を知り、その上でしっかりと準備し、外敵が来たら駆逐する、といった当たり前のことを作品を通じて訴えており、そこが琴線に触れたんじゃないか、との氏の見立てです。

だからヒットしたかどうかというのは違うと思いますがね。{/netabare}

{netabare}で、今回は内戦(仮)です。巨人には元々人類だったやつもいるよ、からの3期の展開です。
物語として、巨人VS人類から人間VS人間にシフトして戸惑う部分も多いかもしれない本作ですが、一般論として、外敵と対峙する際に内なる敵を抱えたままだとほぼ勝利を収めることは難しいのが世の常。
そんな事情があったかどうかは露ぞ知らぬところではあるものの、壁の中での争いに物語がシフトしたのはある意味当然なのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2018年7月~9月 地上波リアタイ

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2019.04.09追記

その後、TV版1期2期を視聴済。劇場版のみでもすんなり入れたのは事実なのですが、もう一度3期前半をおさらいしてみると、ライナーのくだりとかTV版を抑えておいたほうが良いように思えました。少しばかり後悔してます。

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2020.01.31
《配点を修正》+0.1



2018.10.17 初稿
2019.04.09 追記
2020.01.31 配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 64

81.8 8 熱いでシリアスなアニメランキング8位
僕のヒーローアカデミア(第3期)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (442)
2702人が棚に入れました
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。No.1ヒーローのオールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、クラスメイトたちと互いを高め合う切磋琢磨の毎日を過ごしていた。雄英高の生徒同士が激突するビッグイベント「雄英体育祭」、プロヒーローの下で技を磨く「職場体験」、“ヒーロー殺し”ステインとの死闘、期末テストでのオールマイトとの戦い、そして敵(ヴィラン)連合の死柄木弔との邂逅…。次々と課される試練に対して、デクはヒーローを目指して果敢に立ち向かっていく。一方、死柄木や、オールマイトの宿敵である巨悪オール・フォー・ワンも仲間を増やし、その悪意をふくらませるのだった。デクの、最高のヒーローになるための道と、敵(ヴィラン)たちとの戦いは、ますます加速していく!

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、悠木碧、井上麻里奈、増田俊樹、諏訪部順一、内山昂輝、三宅健太、大塚明夫
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

君が凄い人だから・・・勝ちたいんじゃないか!! 胸熱くする青春ヒーロー好きにはこれでしょ♪

あらすじはあにこれを参照ください。
放送時期:2018年4月~9月

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

◎物語 
39話~45話 夏の林間合宿編
46話~51話 神野区の悪夢編 

雄英高校に入学してから初めての夏休み
この一学期で心と体は鍛えられた
この林間合宿では”個性”を伸ばす○o。.

どんな困難にも立ち向かい 笑顔で人々を救う
そんな最高のヒーローになるために新たな一歩を踏み出した!

出発する前に謎のプール編あります○o。.。

〇音楽
OP曲は UVERworldが歌う”ODD FUTURE”
夏の季節に合う爽やかな曲です

ED曲はmiwaが歌う”アップデート”
気持ちが落ち着く ED曲にピッタリです。

〇キャラ
合宿は雄英1年ヒーロー科 A組とB組が参加
他にも講師に新たなヒーロー迎えたり生徒たちの家庭訪問あったりで
相変わらずキャラ豊富♪ 
推しのキャラを見つけて応援するのも楽しいです○o。.。

今回特に好きなキャラ

夏の林間合宿編・緑谷出久
神野区の悪夢編・オールマイト

両者 立場は違いますが
絶望の涙を感激の涙へ変える二人 最高!
ヒーローとしてのその姿に胸が熱くなること間違いなしです!

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって{netabare}
雄英高校の警備がザルなのかヴィラン連合が凄いのか・・・
楽しいはずの林間合宿が開闢行動隊(ヴィラン)の登場で悪夢へ

光汰くんを守るデク君カッコいい!

この夏の林間合宿編では
ヒーローとして戦うことを選択した雄英ヒーロー科の面々
それが神野区の悪夢編では戦わずして”かっちゃん”を助ける

戦うだけがヒーローじゃない! ちゃんと成長してるの嬉しかった♪

そして オールマイトとオール・フォー・ワン
心が震えるような戦いでした 

どんな姿になっても平和の象徴として先生として
そしてワン・フォー・オールを受け継ぐものとして戦う姿は
涙無しには観ていられませんでした!

さらに死柄木弔が志村菜奈(7代目ワン・フォー・オール)の孫!
戦いの中でサラッと判明したは驚きでした

それにオールマイトから緑谷出久 
オール・フォー・ワンから死柄木弔へ受け継がれていく内容もあり
大満足!でもスゴイ情報量! 
色々な意味で頭が熱くなりかけました○o。.

最後は雨降って地固まる とても良かった♪。

( でも内通者なんているのかな? 誰だろう? 気になります! )
{/netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

◎物語
52話~63話 プロヒーロー仮免試験編
全国各地で行われる試験会場に集まったヒーローの卵たち

その中の国立多古場競技場に到着した
デク君たち総勢1540名 その中から一次合格は100名という
とても狭き門の中 仮免試験が始まる!

58話のみ特別編 ”愛で地球を救え” 犯人探しが楽しいです。

〇音楽
OP曲は Lenny code fictionが歌う”Make my story”
ED曲は 菅田将暉が歌う”ロングホープ・フィリア”

”ロングホープ・フィリア”映画版で流れてました
今回は曲調を変えたTVバージョン また違った感じで素敵です!

熱い歌詞を勝手に紹介します!

{netabare}
歩くほどに靴底が汚れてく そんな風に
僕らの魂も磨り減れば影ってしまうよ
そんな時に思い出して 君が諦められない理由を
救ったはずが救われたっけ 握ったつもりが握られた手

遍く旅路に光あれ 強さや弱さでは語れないぜ
立ち向かうその一歩ずつが 君の勇敢さの勝利だった
叫ぶ為に息を吸うように 高く飛ぶ為に助走があって
笑う為に僕らは泣いた それを敗北とは言わない
ロングホープ・フィリア

時を経ては変わってく 街並みも友達も
大抵は離れて分かる 寄る辺なさは瞭然たる感傷
ましてや自分 僕は僕を離れられぬやましさを背負って
だから友よ見届けてくれ 変わったのじゃなく変えたのだ

遍く挫折に光あれ 成功、失敗に意味はないぜ
最終話で笑った奴へ トロフィーとしてのハッピーエンド
願わなきゃ傷つかなかった 望まなきゃ失望もしなかった
それでも手を伸ばすからこその その傷跡を称え給え
ロングホープ・フィリア

諦めて疑って塞いで 期待外れって言われたっけ
でも失くしたことが武器になった それがどん底に咲いた花
遠き友よ 今ではもう蒼い星座 少なからず僕ら生きてる
荷物ならばそれで充分だ

遍く命に光あれ 生きる為に理由はいらないぜ
うなだれても踏み留まった そこをスタートラインと呼ぶんだ
今日の君が笑ったことで 敗北も無駄にはならなかった
故に咲くどん底の花 友よ、末永い希望を
ロングホープ・フィリア{/netabare}

〇キャラ
プロヒーロー仮免試験編では
士傑高校・傑物学園・聖愛学院など全国の色々な選手が登場します
この作品って登場人物多いけど 一人一人特徴があるから
見分けが付きやすいなって感じます○o。.。

特に好きなキャラ
・爆豪勝己 

普段強がってる彼が胸の内を明かす場面はグッときました!
今回はⅢ期通しての結果になります○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって{netabare}
雄英体育祭で全国に顔と個性がバレてるというハンデの中
競い合う雄英生たち こういう展開の中 
青山君が鍵になるなんて とっても意外 
蛙吹さんは寒くなると 冬眠に入るって・・・驚きました。

救助活動では
戦うか守るか 助けるか逃げるか
瞬時に色々な選択を迫られる現場でケンカしてる轟と夜嵐
だから出久の”なにをしてんだよ!!”
モワモワしたわたしの思いを代弁したデクくん 最高かよ!

プロヒーロー仮免試験後
このⅢ期の主役と勝手にわたしが思っている”爆豪勝己”

彼が心に抱え込んでいたものを爆発させる場面
良いライバル関係誕生の瞬間 ますます爆豪くん好きになりました。 
{/netabare} 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

〇一言
洋画”アベンジャーズ”と学園青春ものをかきまぜた様な作品です

話数は多いですが 内容はストレートで分かり易く 
割と一気に観れちゃいますのでオススメです♪。

10月からⅣ期が始まりますので今から楽しみ!○o。.

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

1話の感想 ★★★ 3.0
2期の総集編
{netabare}
林間合宿前の水泳!
まぁ、今回は総集編がメインだけど。
こういう所、親切。
今期のOPとEDはUVERworldとmiwaか。
豪華だな〜{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
合宿初日
{netabare}
初日からハードだったな。
楽しんでいられるのも今のうち、って言葉まさにその通りだった。
合宿はこれからだ。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
こうたくん
{netabare}
能力社会が嫌いか…
親が死んじゃってたらそうなるよな。
生きていたら憧れだったのに…
ヴィランが襲撃してきた。
見つからないように少数精鋭にしたのが仇となったな。{/netabare}

4話の感想 ★★★★★ 5.0
僕のヒーロー
{netabare}
ヤバい、緑谷かっけぇえ!!
自分も怖いのに泣きながらも戦うとか…
あの声に表情、必死さがビンビン伝わった!!
これで憧れないやつは男じゃないよ!!
泣けた…
超いい話だった。{/netabare}

5話の感想 ★★★★ 4.0
鉄哲の底力
{netabare}
Bクラスが初めて活躍したな。
あの手の女の子見た目アレだが、強いな。
これで10人中2人は戦闘不能で2人はプロが見ている。
障子くん、片手無かったけど再生するのか?{/netabare}

6話の感想 ★★★★☆ 4.5
かっちゃんを助けに
{netabare}
かっちゃんを助けることが出来たと思ったらまた攫われた!
そして、捕まえたと思ったら敵のど真ん中!
なんて、不運なんだ。
常闇の能力って強いな〜
弱点がでかい代わりに自分の陣地では無双だな。
あのイカレ女は血を集めてた。
もしかして、その血でノームを作る気なのか!?
なんか色々とやばそう。{/netabare}

7話の感想 ★★★★☆ 4.5
あと少し
{netabare}
爆豪を助けることが出来なかった。
あと少しだったのに。
爆豪は最後まで助けてとは言わなかったな。
轟くんもいい人になったな。
あんなクラス思いだったか?
果たして、緑谷はどんな判断をするのか…{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
救出に行くのか?
{netabare}
緑谷の怪我そろそろヤバそうだな。
動かなくなるとか…
でも、無茶は辞めれそうにないよな。
相手が強いんだから。
ヒーローっては1回の失敗で非難される。
決して、非難されるような行いはしてないのに。{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
爆豪、救出
{netabare}
緑谷たちが救出するかと思いきや、オールマイトたちがきっちり制圧してしまった!
なんか呆気ないぞ!!
まぁ、オールフォーワン出てくるよね〜{/netabare}

10話の感想 ★★★★☆ 4.5
オールフォーワン
{netabare}
やっぱり出てきたオールフォーワン。
そして、めちゃくちゃ強い!!
緑谷の作戦で見事、爆豪は救出できたがオールフォーワンを倒しきれなかった。
オールマイトは時間切れ…ヤバくない?{/netabare}

11話の感想 ★★★★★ 5.0
No.1ヒーローの最期
{netabare}
かっこよすぎだろ、オールマイト!
限界を本当に超えて勝ってしまうなんて…
絶対に負けると思ってたよ…
意地を貫き通したかっこいい最期だった。{/netabare}

12話の感想 ★★★★☆ 4.5
師の想いと母の愛
{netabare}
オールマイトは本当に戦えなくなってしまったんだな。
もし雄英が襲われた時、絶対的なヒーローはもういない。
教師一人一人が死にものぐるいで守らなくては。
緑谷の母は臆病で怖がりだけど、凄く優しい息子想いのお母さんだ。
こんなに素晴らしい親だから子も純粋で真っ直ぐに育ったんだろうな。{/netabare}

13話の感想 ★★★☆ 3.5
寮生活、スタート
{netabare}
寮生活が始まった。
んで、今回はほのぼのとした回だった。
前までシリアスが続いたからその反動かな。
梅雨ちゃん、厳しく言ったことで抱え込んでしまってたんだな。
みんな、不安だよな。
みんなのため自分のために、早く強くなれ!{/netabare}

14話の感想 ★★★★ 4.0
必殺技
{netabare}
腕がダメなら脚で。
シンプルだがいいと思う。
コスチュームも少し変わって、これから始まるって感じがするよ!
爆豪はやはりセンスがいいな〜
いろんな技を思いつく。{/netabare}

15話の感想 ★★★★ 4.0
第一次試験、スタート
{netabare}
みんなパワーアップしてんだな〜
コスチュームもかっこよくなってるじゃん!
そして、始まった試験!
5割と言われていたのが、一次試験から1割とは差がすごいな。
雄英からは何人残るかな。{/netabare}

16話の感想 ★★★★ 4.0
狙われる雄英
{netabare}
バラバラにさせてしまったが、何とか緑屋とお茶子、瀬呂くんが合流できた。
士傑高校はどいつも曲者ぞろいだ。
あの痴女が全裸になった時、白色の泥みたいなのが着いていたのかな?
あれのせいで全裸に見えなかった。
そこをどちらかに一致させて欲しかった。{/netabare}

22話の感想 ★★★★ 4.0
仮免、結果発表
{netabare}
仮免を見事取得!
良かったな、デク!
そして、ヒーロー名がデクになってた。
本当にそれで良かったのか…
かっちゃんはデクの能力について分かったみたいだな。
オールマイトは隠し通したがデクには無理だったか…
この心の緩みが後々響かないといいが…{/netabare}

特別編 ★★★ 3.0
愛は世界を救う
{netabare}
映画の繋ぎの話。
番外編って感じで特に面白くはなかった。
普通だった。
映画の方はクソ面白かったな!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

3期は精神的に成長していく姿が多く見られた

プール回からの林間合宿!
{netabare}
かっちゃんのボール投げの時の掛け声が
「しねー!」から「くたばれー!」に変わってて
そこも変化していくんだと面白かったですw
{/netabare}

林間合宿での肝試し中に↓
{netabare}
合宿の疲れを残したまま2人1組での肝試し中に
荼毘率いるヴィラン達が生徒達を狙って襲いかかる。
ヒーロー嫌いの洸太くんを守るため最強の敵と
1人戦った出久くんは勝利するもボロボロに。
自分を命懸けで助けてくれる出久くんを目の当たりにし
洸太くんのヒーローに対する考えが変化していった。

出久くんから報告を受けた相澤先生は
ライセンスのない生徒達にヴィランへの攻撃を許可し、
B組の鉄哲徹鐵はガスを操る敵を何とか倒した。

森の中を駆け回る出久くんを障子くんが抱える。
2人の通るべき目の前の道には常闇くん、
暗闇によりダークシャドウが制御不能となっていたが
かっちゃんと轟くんの所で光を当ててもらい元に戻る。
だけどヴィランの狙いであったかっちゃんは
相手の個性によって捕まり連れ去られてしまう。

連れ去られた先でかっちゃんがまた名言作ってたな、
「寝言は寝て死ね」ってwww なんそれwww
あとかっちゃんのオールマイト愛が一途すぎる!
{/netabare}

ヴィランのアジトへ乗り込む↓
{netabare}
拐われたかっちゃんを救出するために
ルールを破りノームの場所へ向かった出久くん達、
それより先に乗り込んだオールマイト達。
かっちゃんを救助することには成功したけど
オールマイトはオールフォーワンとの死闘の結果
ワンフォーオールの火は消え事実上の引退となった。
49話は涙が止まりませんでした( ᵕ ᵕ̩̩ )
{/netabare}

プロヒーロー仮免試験↓#53〜
{netabare}
試験前に必殺技を編出す訓練を全員が行う中、
林間合宿での戦いで腕に爆弾を抱えた出久くんは
足を基本にした戦いのスタイルに変更した。

1次試験はボール当てで先着100名、
参加者1割以下しか通過できない内容。
雄英高校だけは体育祭のテレビ中継で個性がバレていて
毎年最初に行われる雄英潰しの壁を超えていく。

1次試験を通過した出久くんに
「そんな力があれば当然だ。」
とかっちゃんが言うシーンは、
出久くんを認めたから言ってくれたのか
個性の事を察して言ってるのかハラハラします!

青山くんが途中から仲間を思いやる行動に出たのは
なかなか思わせられるところがありますね。

なにより全員通過おめでとう‪(*ˊᵕˋ* )
相澤先生の生徒たちに抱く感情の変化があって良いな〜

2次試験は救助演習!
ヒーローにもプロがいるように、
救助されるプロがいる設定が面白い‪ところ( ॑꒳ ॑ )
審査は救助される側が直接行う。
しかしただ救助するだけとはいかず
途中からヴィランのテロが発生というシナリオ追加で
ヴィラン役を率いるのはNO.10ヒーロー!!

試験を終え1-Aは轟くんとかっちゃん以外が仮免合格。
寮に戻ったその晩かっちゃんに呼び出された出久くん、
オールマイトと出久くんの仲について考え続けていた
かっちゃんに出久くんの個性の正体を暴かれる。
オールマイトに憧れヒーローを目指したかっちゃんは
出久くんと戦いを望み出久くんもそれに応えた。

初めて本音でぶつかりあった2人の喧嘩は
最後にオールマイトが止め個性についての秘密を話し、
オールマイトと出久くんの2人の秘密は
かっちゃんを含めた3人の秘密へと変わった。
出久くんとかっちゃんの関係も
お互いに高め合えるライバルへと変化する!(#61)
※出久くんとかっちゃんは謹慎処分w
{/netabare}

後期課程の始まり↓#62~
{netabare}
オールマイトが引退となった今、
ストッパーの外れた悪人たちは増え続け
死柄木たちヴィランも裏で動き続けている。

雄英高校ではインターンの話があり、
ここで初めて通形ミリオ達ビッグスリーが登場する!
3期はミリオくんが1-Aのみんなに実践形式で戦い
インターンについて教えて終わる。
ミリオくんがビリから努力でトップになったこと、
個性が強いわけではなく使い方次第で強くなれることを
知った出久くんは何か大きなヒントを得た様子だった。
{/netabare}

1期の時からナレーションとして
出来事の解説をしている出久くんの声は
いつの頃の出久くんが話してるのか気になる。
「この時の僕達は〜」などの言い方をしているから
未来の出久くんなのは確かなんだろうけど、、
卒業したあと?大人になった出久くん?プロヒーロー?
とても気になります(゚^ ゚ )

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

86.0 9 熱いでシリアスなアニメランキング9位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (767)
3354人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Open the world!

稲垣理一郎さんとBoichiさんによるSF漫画のアニメ化作品。「週刊少年ジャンプ」で現在も連載中。単行本は既刊13巻まで。(放送終了時点で)

原作の稲垣理一郎さんは小学生時代からPCで自作ゲームを作って遊んでいたという筋金入りのゲーマー。漫画連載中でも新型ゲーム機の発売日に店頭に直行した経験もあるそう(笑)。一方で、仕事に取り組む姿勢は心から尊敬すべきもので、作中に登場する科学の料理を一から作って食してみたり、工房や道場へと自ら足を運び生の知識を得たりと実直そのもの。科学的素養充分な方とお見受けした。

作画のBoichiさんは目標に一直線なパワフルな方で、漫画を描く為に大学では物理を、(芸大)大学院では映像を専攻し、また学業の傍ら、一般書を含む膨大量の科学関連書籍を読み漁ったという努力家のツワモノ。「攻殻機動隊」の原作者として今や世界的に有名な士郎正宗先生の作品群に触れ、知識が漫画を面白くする事を学んだそうです。そしてこの方も仕事の鬼^^。ソユーズを生で見るためにロシアまで足を運んだり、土器の蓋のデザインで悩んだりするほど(笑)。作画担当に留まらぬ精緻な仕事振りが光ります。

それではレビュー。

物語の発端は世界各地で発見された石化したツバメ。やがて眩いばかりの閃光が地球全土を覆う。全ての人類は石となり、その活動を停止する。

3700年の眠りから覚めた高校生、石神千空は※1人類が消えた世界「ストーンワールド」で生きる術を模索し、人類文明滅亡の謎を探ります。


一見するとトンデモな出だしですが^^;、娯楽性やドラマ性一辺倒な作品とは一味違い、ファンタジックな少年漫画の皮を被りつつも、芯(サイエンス)は厳格。やたらと高度な最先端科学や新種の造語で、それとな~く知的な雰囲気を醸し出し視聴者を煙に巻く、数多の作品群(ファンタジーとして楽しいので否定はしない)と比較すると、本作の性質は概して真逆。

アニメはあくまでも娯楽なので薀蓄必要無し!もまた真なりですが、それはそれ、これはこれとして、作中台詞の一部を借用させてもらって両者を表現するならば「前者の言葉は羽の様に軽く甘く、後者の言葉は石の様に重く苦い。」となるのではないでしょうか。一見して余計な、この雑味に当たる重さと苦さが、アニメ(物語)という娯楽に深みを与える最高のスパイスになるのです。

作中で取り上げられている「サイエンス」は、汎用性が高く物語に組み込みやすい物理、化学を中心に、その枝葉に当たる、工学、薬学、地学に料理^^と多岐に渡りますが、それら全ての要素が、作中における主人公達の第一目的である"生存"と深く結びついているため、物語を回転させる動力としても、歯車としても、より強く堅実に機能している印象を受けました。科学を利用する必然性があるので押し付けがましさが目立ちません。

物語序盤は、多様性をガバガバ受け入れ、科学の力で奔放に人類の栄華を取り戻さんとする、主人公千空とその仲間達が作る科学王国、徹底した選民思想と独裁、武力による支配、原始の生活を旨とする獅子王司率いる司帝国、両者の対立と抗争のお話。

話は横道にそれますが、15年くらい前になるのでしょうか、当時のNHKで「※2アーサー・C・クラーク氏が舞台設定をした(開拓地の)火星で展開されるドラマを、日本の漫画家やアニメーターが短編アニメ作品として映像化し、それを同氏に見てもらう」という趣向の番組がありました。

正確な引用ではありませんが、完成した作品の一つに対してクラーク氏が与えた評価は「火星を第二の地球にはしたくない。わたしたちにやり直すチャンスがあるはず」といった内容のものでした。氏の残念そうな表情がおぼろげな記憶の中から思い出されます。

欲望のままに生産と消費を繰り返す科学王国のあり様は、一見すると、わたし達の住む世界の写しに見えますが、前者が"無い"から作っているのに対し、後者が"ある"のに作っている点で大きく異なります。ただし裏を返せば、搾取する対象がある限りは安泰でも、敷かれたレールに沿って突き進めば、崩壊前の地球の姿に逆戻りする危険のある楽観に満ちた社会とも言えます。

千空の頭脳に刻み込まれた人類200万年の知識の遺産と父親から受け継いだ優しさと勇気は、人類の新たな希望となりうるのでしょうか? 歴史は決して繰り返しませんが、科学王国がクラーク氏の見た火星の開拓地の様に、わたし達の世界をなぞらないよう切に願いたい。


一方の司帝国は、獅子王司という個人による権力一極集中体制。

霊長類最強の高校生の異名を持つ司というキャラは、一言で例えるなら※3スーパーマン、なのですが、過去の苦い経験から"大人"への深い憎悪、あるいは絶望を抱く、憂いを帯びた人物として描かれています。

多かれ少なかれ、多分誰でもそうですが、わたしも例に漏れず、少年時代に大人の冷酷さや狡さ、理不尽な暴力というものを嫌というほど見てきているので、司の憤りには一部共感出来る部分はあります。…でもですね、何ともはや、大人になってから平たい目で思い返してみると、同世代にも似た様なのがいたんですよね。大勢。ただ大人より小さくて怖くなかっただけで(笑)

司の唱える、"若者は純粋で大人は不純"とする極端な世代間差別は、わたし達の世界をしつこく蝕む人種差別や性差別と同種の、憎悪を下敷きにした一種の思考放棄に当たりますが、集団をあたかも(妄想で肉付けした)人格を持った個人の様に錯覚すれば、ある小規模なグループから始まって、家柄、人種、国、性別、最終的には極端な単純化の過程を経て、とんでもない事に、全人類さえもその様に認識してしまう危険さえあるのです。(こんな世界大嫌い!的なやつ)

この「1を聞いて10を知る」試みは反証可能な科学の分野においては割と有効に働きますが、人を集団として見る時、その判断材料となる有機的かつ情報量膨大な最小単位"ヒトおよび個人"の理解が不十分であれば、せいぜい残るのは穴だらけの統計データ程度のもので、その評価は必然として恣意的なものになってしまいます。ヒトは1単位として数えられるほど単純なものではないのです。

複雑にして複雑な世界に背を向けて、嫌いなものは一括り、括ったものはまとめてポイッ! 独断と偏見とで要と不要を分け、自らの殻に閉じ篭れば、かくて名前の無い怪物の一丁出来上がり、"僕の考えた最強の世界"展開の下りとなる訳です(汗)

妄想という脆い足場の上に居を構えた司帝国は、髪の毛一本で吊るされたダモクレスの剣の例えがぴったりと当てはまります。

科学王国と司帝国、皆さんならどちらの国の住人になりたいですか?


かつて"科学者の良心"と称された※4カール・セーガン先生がそうされた様に、学校で聴きかじった科学を、目に見える形、手で触れられる形へと落とし込み、学問への恐れや不審の垣根を取り去る試み。偏見の解体。

文字情報が先行して「解った」と錯覚する事が容易な現代において、嫌煙されがちになってしまった、手で触れ、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、口で味わいながら確かめる、知る事の大切さ。収集、分類、調合、加工、試行錯誤を繰り返し、どこにでもありそうなものから、ありとあらゆるものを造り出さんとする情熱。

仕事も遊びも生活も、あらかじめ用意されたものから選択する事を常とし、釈然としない気持ちを抱えながらも惰性に身を委ね、耐えながら生きる。あるいは飽きたら乗り換える。

完成品の世界の中で、わたしたちは世界の仕組みについてどこまで理解していると言えるのだろう?

本物とはズレた世界に浸かりがちな現代人にこそ、この世界は尽きる事のない磨けば光る宝石、ヤベースゲーモノ(笑)で満ち溢れている事を改めて思い出して欲しい。

そんな願いが込められた作品の様にわたしは感じました。


※1:ジャーナリストのアラン・ワイズマン氏による同名タイトルの書籍がある。様々な分野の専門家の知見を得て、3700年どころか 人類の消えた後の云億年先の未来の地球の風景を映し出す壮大な科学エッセイ。本作(漫画原作)の参考文献リストにも同書の名を確認出来る。

※2:「2001年宇宙の旅」の原作者としても有名ですが、一流の科学者としてテレビ解説者としても活躍。プレステのゲームにも出演してる(笑)静止衛星を使った電気通信リレーの発案者でもある。

※3:アメコミの人ほどではないです(笑)でも素手でライオンの群れを撃退できるくらい強い。加えて頭脳明晰で判断迅速の人。

余談ですが、神話や伝説は別として、紀元前400年頃の古代ギリシャではパンクラテオンのチャンピオンポリダマスが、近代でも1898年にボディビルダーのユーゼン・サンドウ氏がライオンに勝利したという記録がある様です。(後者は爪と牙を封印した状態で)

それでもまぁ、第6話で司が石槍で大木を叩き折る描写はいくら何でもやり過ぎでしたね。槍が折れる^^;。杠の頭のアレとか、スイカのゴロゴロとかと同類の、突っ込んじゃいけない演出だと思うので、てきとーに脳内補完しましょう^^

※4:地球外生命の探査計画でも有名な人ですが、代表作の「コスモス」は天文学、生態学のお話を中心とした、国境や学問分野の垣根を越えた様々な挿話からなる科学エッセイ集。最高の科学入門書の一冊なので老若男女全人類にお薦めしたい!

※:物語5点の理由はシナリオや脚本もさる事ながら、科学考証の緻密さ、設定の素晴らしさがズバ抜けていたため!

ふろく1 石化について(ネタバレになるかも知れないので畳んどきます。)
{netabare}
メカ千空に習ってQ&Aの形で。

Q1:仮死状態とは言え3600年以上もヒトは生きられるの?
{netabare}
A1:千空は3689年158日もの間、脳だけはしっかりと活動させていました。活性状態の脳の寿命は長く見積もっても200年弱なので、結論を言えば不可能です。
{/netabare}
Q2:石化したツバメって一体なんなの?
{netabare}
A2:実験動物だった可能性が大ですが、それならネズミでもよかった様な気もしますし、これについては全く分かりません^^;ヒトとの繋がりは生活圏くらい? もしかしてウイルスキャリア?
{/netabare}
Q3:人類石化ってファンタジーなの?
{netabare}
A3:結論から言うと違うと思います。科学考証のしっかりしたお話なので、物語のキモとなる部分をおろそかにするとは考えづらい気はします。作中で石化と形容されている状態は、どちらかと言うとミイラ状態に近いと思われます。アニメ2話の大樹と千空の危ないキャッチドール^^;は、単なるギャグ演出とも取れますが、杠の軽さを暗示しているのかも知れません。
{/netabare}
Q4:石化した人類が蘇生するってやっぱりファンタジー?
{netabare}
A4:結論から言うと違うと思います(笑)

考えられる理由の一つは石化人類は既にヒトではないという事。

古典的には進化の原因は、交配による遺伝子の組み換えと、自然淘汰、突然変異の3要素という事になっていますが、近年の研究で明らかになった事によれば、第4の要素として後天性の遺伝子変異を可能にするものとしてレトロウィルスの組み込みというものが挙げられる様です。(エピジェネティクスというむつかしい獲得形質もありますが、あまり関係なさそうなので端折ります。)

レトロウイルスと言えば、乳腺に関連するウイルスやHIVウィルス(それとゾンビもののネタ笑)が割と有名ですが、ぐぐって調べてみたところ、ヒトゲノムの約8%がなんと内在性レトロウイルス(ヒトの遺伝子に定着したもの)由来の配列で占められているとのこと。ヒトって92%しかヒトじゃない!(笑)

SF的な想像をするなら、石化は単に外見的な特徴に過ぎず、実際の所は乾燥状態。全人類はレトロウィルスの感染によって不老の肉体と※クマムシの様な性質、それと、つぎのQ&Aにも関連しますが、もしかしたら光合成可能な体質も手に入れているのかも知れません。

※:クリプトビオシスと呼ばれる"乾眠状態"で長期間生存でき、水分が与えられると活動を再開する。蘇生時に体の損傷箇所を修復する種もいるらしい。
{/netabare}
Q5:約3700年もの間、生命活動を維持させ続けたエネルギーって何?
{netabare}
A5:ウィルス感染から肉体全体の変異、そして乾眠状態に至るまで、どれだけの年月が必要かは不明ですが、栄養供給源は作中の説明を素直に受け止めれば、外皮の何か(放射性物質が含まれている可能性あり)、あるいは微生物の類の助けを借りているという可能性も考えられます。前者ならヒトが※放射線を人体で直接吸収して光合成を行なうという単純なからくり。後者なら、例えば外皮の金属?層の内側に封じ込められたゲノム操作済みの微生物(あるいはナノマシン)が、前述の放射線やヒトの代謝物で成長・増殖し、その分泌液や排泄物でヒトを養い畑にして、共生関係を作っているとか。

※:もちろん普通の人体には有害ですが、遺伝子改造された人ならもしかして…。因みに放射線をエネルギー源にできる生物はチェルノブイリ原発事故現場付近で発見されており、地球上に存在する。ゴジラじゃないよ(笑)
{/netabare}
Q6:石化時間に個人差があったのはなぜ?
{netabare}
A6:A5に見落としがありました。脳の使用率によって石化時間が変化するんでした^^;

これを踏まえると、人体が直接光合成を行なっていたという線はあっさり消えてしまいます(汗)表皮の金属層に放射性物質が含まれているとしたら、それはその元素の持つ半減期に従ってほぼ一定の早さで減少していくので。

脳を使えば使うほど表皮を形成する物質の消費が激しいのなら、A5でもう一つの可能性として挙げさせてもらった微生物(あるいはナノマシンに類するもの)が表皮を食べていると考えるのが妥当と思われました。

まとめると

1.脳を稼動させているヒトのカロリー消費は激しい

2.共生関係にあるヒトを生存させるためには微生物はより多くの栄養を必要とする

3.栄養を得たり与えたりする効率を高めるため増殖する

4.微生物の総数が増えれば表皮の消費速度(食べる早さ)も上がる

こんなところでしょうか。

最後に残った疑問は、蘇生に必要な水の供給源。復活液(ナイタール液)が表皮に含まれる"何か"と反応した結果、水が生成された可能性が考えられますが、知識外なので今後のお楽しみにしておきます(笑)
{/netabare}
Q7:人類文明を滅ぼしたのは誰? その目的は?
{netabare}
A7:これについても全くの憶測ですが^^;、首謀者は政治的干渉をある程度無視できる財源潤沢な科学集団で、目的については地球の生態系の回復である可能性が高そうです。現在の地球も砂漠化が進み過ぎてボロボロですが、千空の生きた時代(2049年)はもっと切羽詰った状況だったのかも。前述の集団が強硬手段に訴えなければならなかった背景ドラマなんかも今後描かれたりして…。
{/netabare}
以上全部妄想です(笑)あれこれと思考する機会を与えてくれる、SF(ミステリー)好きには垂涎もののアニメだと思います^^
{/netabare}

ふろく2 4つの力について
{netabare}
電磁気力:光、電気、磁力の事。物に触れたり、燃したり、切断出来たりといった身近な現象の殆どをこの力で説明できる。

重力:質量のあるもの同士が引き合う力。時空の歪みを作る。自由落下、潮汐、惑星運行、星の成長や崩壊に関わる。

弱い力:原子核が自然崩壊する力。原子力発電所の燃料棒や※ラジウムで光る時計の文字版などに利用される。

強い力:原子核を繋ぎ留める力。便宜上の物質の最小単位とされるクォーク同士、陽子と中性子を結びつける。超近距離でしか作用しないため確認しづらい。

11話の回想シーンで小学生千空がここに触れていたシーンには感動させられました。学校で習う科学って、幹から枝葉じゃなくて枝葉から幹に向かうものが殆どで、教える順序があべこべな気がしてたので…。素直にここから学んだ方が勉強のモチベーションも上がるんじゃないかと思いました。

※:危険なので現代では生産されていない(と思う)。現在流通している蓄光素材は半導体の原理を利用しており、これとは別物。100億%安全です(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメ作品における、「ご都合主義」とは、何を指すかの個人的な定義

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
まず、☆4なので、全体としてはかなり高評価をしているという前提で。

科学アニメ。少年漫画原作らしいワクワクが詰まっています。

私、このアニメかなり好きです。設定だけなら、☆5のチャンスもありました。

でも、とある「ご都合主義」により、評価を下げました。その「ご都合主義」がナニを指すのかは、ネタバレになるので、レビューを読んで下さいっす♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ご都合主義とは、「主人公にとって都合の良いことが偶然にやってくる」ことを指す。では、このどちらがより「ご都合主義的」だと思いますか?

①クロムが便利な石を偶然にも拾いまくっている。

②大樹と杠が司帝国に行く。

私はこの2つなら、②をよりご都合主義的だと感じる。

①は、「偶然」が成り立つ。勿論、圧倒的に低い確率だが。

一方、②は、「必然」。誰にとっての必然かというと、作者にとっての必然(必要と言ってもよい)。

本作の6話目で、千空は、大樹と杠を司帝国のスパイとして送り込む。その後、コハク達と出会い、抗生物質を作るために、製鉄を行う。そこで、マンパワーを得るためにラーメンを作り、、、となるが、、、製鉄(のマンパワー)は、大樹一人いたら大丈夫だったんじゃね? と思った。

この時の千空にとっての最悪は、「司に自らの生存を知られること」。であれば、まず「出来るだけ遠くに行かなければならない(箱根止まりではなく、関西とか中国地方まで行った方が良い)」。近場の村を見つけても諦め、遠いところまで逃げ、蝙蝠のいそうな洞窟見つけて、人口を1から増やしていき、科学兵器を作りまくる方が、安全である(石神村の戦力はあてにしない)。

また(杠はともかく)大樹は巨大な戦力(体力)であり、司の元に送り込むのは勿体ない。司がいくら復活液のレシピを知っても、アルコールの醸造などは時間がかかるが、大樹がいればかなり時短になる。大樹だって、杠と共にいる以上、働かなければならないし。

さらに、司はバカではなく、大樹はバカで真っ直ぐな性格という設定だ。司も、大樹の人間性は知っている。大樹がウソを突き通せるかということ以前に、「千空を殺した司の軍門に、大樹が自ら下るなど、100億%ない」。百億歩譲って、杠を人質にとられた時、仕方なくといったところか。大樹が司の軍門に下りたいと言ってきた瞬間に、「千空は生きている」とバラすようなもんである。

せっかく、「司が千空を殺した」と思い込んでいる以上、余計なリスクを背負う必要はない。「大樹は死んだ千空を埋葬し、杠と共に逃げ去った」と思わせておく方が良い。

武力サイドがどれだけ兵を増員しても、科学サイドは、毒ガス弾1発作れば勝てる。これはそういう戦いで、時間があれば有利になるのは科学サイド。諜報などは、最終局面で必要になることであり、武力サイドがある程度大きくなり、人員を把握しきれなくなったあたりの方がスパイを送り込みやすい(また、その段階になれば、科学による誘惑で、現代の科学の恩恵を受けてきた武力サイドの人間を簡単に懐柔できる)。

よって、大樹と杠を司の元に出すのも、石神村に滞在するのも、最低レベルの悪手。

こんな簡単なこと、「頭の良い設定」の千空が気付かないわけがない。つまり、この選択は、千空が考えたものではなく、作者が考えたもの。新しい展開(石神村編)を生み出したいがために。

これが、私の思う「ご都合主義」。つまり、「自らの生み出したキャラクターに命を与えず、作者の都合に合わせて信念や発言を曲げる行為」。

選択をミスることも、正しい選択をすることも、「こいつなら当然そうするよな」と思えるかどうか。

例えばONE PIECEで、 {netabare} ルフィに心理描写がないのは、「ルフィなら考える前に行動しそう」 {/netabare}と、尾田さんが考えたから。例えばロードス島伝説で、 {netabare} 作品の途中で、語り部だったナシェルが主人公に昇格したのは、「ナシェルが思った以上に成長し、一人歩きし始めた」{/netabare}と、水野良先生がキャラクターをコントロールしないから。こういう生きたキャラが、私は好きだ。

つまりは、作者が、自ら生み出したキャラクターに負ける、覚悟。器の広さがあるかどうか。

本作の設定は抜群に面白く、科学実験などはドキドキしたし、文明を1から作り上げる過程はワクワクした。1話につき1つ物語が進む(素材ゲットや実験成功など、成果が出る)構成の確かさ。特に終盤は、少し泣けるくらい良い出来。科学の実利の面だけじゃなく、「科学とは、人の生活を良くする、助けるものだ」という力強く温かいメッセージには心震えた。

せっかくの良いアニメなのに、勿体ない。創作物全般において、私はそこに作者の気配を感じると、少し、萎えてしまうのです。

簡単に言うと、「ラッキースケベ(①)は許せても、魅力のない主人公に惚れるチョロイン(②)は許せない」ということなのですw

(とはいえ、☆5に近い☆4。今年観たアニメでも、五本の指に入る面白さなので、当然、2期は観ます♪)
{/netabare}

【余談~ 石化の理由、予想 ~】
{netabare}
私は原作未読なので、すでに答えが出ているのかもしれませんが、一応、アニメしか観ていない立場で、予想を(結果、的外れかもしれないし、ネタバレになるかもしれないので、一応隠します)
{netabare}
まず、石化が人為的なものか、自然現象かという点についてですが、私は、人為的なものだと思います。根拠は、そうじゃないと話が盛り上がらないからです(笑)

まあ、「人間とツバメだけ石化する」というのは、何かしらの実験くさいですしね。

じゃあ、人為的なものだと仮定した時、「動機は?」というと、「地球環境を守る」か、「人類を疫病(バイオハザード)から守る」のどちらかでしょうね。これは、どちらの可能性もあると思っています。

「地球環境を守る」とした場合、人類と燕以外の動物が無事なことにも理由がつくと思います。石化が解けた後、真実に気付いた人類は、「もう2度とこの悲劇を繰り返さない」と思い、科学の力を正しい方向に使っていくラストは、少年漫画、、、というよりは青年漫画らしいですが、話としては成り立ちそうです。

また、「人類を守る」は、悪者がいないので、少年漫画らしい展開だと思います。近い将来、人類が滅亡してしまうようなバイオハザードが起きて、それを回避するための苦肉の策なのかなと。本作の疑問点として、「何千年も脳を使い続けてきた、千空は、そのエネルギーをどこから得たか」というのはありますが、石化の石がエネルギー源になる仕様なら分かります。ただ、石化に伴い、(ビルの崩壊に巻き込まれるとか)必ず死ぬ人は出るわけですし、「だったら疫病のウイルスがいなくなるまで(数年)とかで石化が解けるようにしたら?」というのがあるんで、微妙な気もします(まあ、千年以上しないと死滅しないウイルスなら別ですが)。

他にも、どこかの国が戦争用の兵器を暴走させたとか、宇宙人が攻撃してきたとか、可能性はいくつかありそうですが、なんかそれだと、「物語としてつまらない」なと思います。あくまで、少年漫画ですし。
{/netabare}
さあ、皆さんの予想は? 2期で謎は明かされるのかな?
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
随分と壮大な話だな。なかなか面白い設定。これはちょっと久々に新鮮に楽しめるかな?

2話目 ☆4
お、ちゃんと人体実験したか。なら、ユズリハ復活の選択も納得。武力は危険だよな。ただ、お互いがお互いを必要な間は、身内を攻撃してもしょうがないよな。これ、人口が増えるにしたがって、鬱展開あるだろ。

獅子王はチートだな。このキャラはあまり便利に使うと厳しいが、少年漫画らしい分かりやすさはある。

4つ目の使い道は、火薬かな。

3話目 ☆4
蝙蝠の糞尿=硝酸て、なかなか頭良いよな。大仏の理論、良いね。

4話目 ☆2
狼煙をあげるのは、どう考えても悪手だろ。箱根で隠れて火薬をつくり、獅子王を倒し、その後に狼煙をあげるのが良いだろ。それで会えればよし、会えなければ仕方なし。優先順位の1位は、獅子王でしょ。この作風で、こういう「ミス」はいただけない。

5話目 ☆3
てっきり、狼煙をあげたもう片方が、止めるかと思ったら。銃か何かで、かすり傷ひとつも負わないのかよw 石化の伏線は、なかなか良いね。回想か~。ここでじゃなく、1話前のBパートのが、よくない? んで、首バツーンで、引きを作る。

6話目 ☆2
構成にやや疑問は残るが。考えてた分のエネルギー、なるほど。それが自発的に石化を解く鍵か。ん? なら、脳みそだけはもともと生きてたってことか。なら、脳みそは不老不死にならないか? なるほど、人類を助けるための石化。

いや、スパイよりも、貴重な戦力、労働力を自陣から敵陣に送り込むリスク、あと、司はバカじゃないんだから、生きてることがバレるリスクの方が大きくないか? 合理的に考えて。アルコール作りだって、司の一人の方が時間かかるだろうし。

生き残った人類。血が濃くなりすぎないか? つか、紐の強度が心配。

7話目 ☆3
言語と人種を混ぜてるのか。ギャグが強めに。自力でたどり着いたなら、天才だよな。素材を楽に集める装置。病気を治す科学ね。少年漫画らしくなったといえば、そうだが。

8話目 ☆3
便利な鉱物がたまたまあるとか、こういうご都合のところはもう、見逃さないといかんかね。猫じゃらしが穀物ってのは、初めて知ったな。

9話目 ☆3
電気ね~。一気に文明が進んだな。対照的な2つの国の争いになるが、それを1から創り合うのはおもしろい。

11話目 ☆4
スイカ、顔芸w 眼鏡美少女の誕生は、文句なく、正義だな(笑) 世界がクリアになった後に、涙で再び歪む演出は素晴らしい。科学って、本当に多くの人を救っているのな。。。でも、あれ? 眼鏡美少女は?(笑) 金狼にも眼鏡活かすのか。技術力はな、確かにムズい。SimCityみたいで、ちょっとワクワクする(笑)

12話目 ☆4
火山ガスって、そこまで危険なのか。死にいたるものだとは知っていたけど、1秒以下で死ぬほど危ないのか。少年漫画らしい熱さは嫌いじゃない。

13話目 ☆3
村に初めて降り立つ一歩目を、月の表面風の作画にしたのは、上手い。いやいや、じゃあマントル止めなけりゃ、勝ちやがな。スイカの手助けで金狼を、「勝ちなのに負けにする」ための伏線だろうけど、整合性がないな。

14話目 ☆3
騙し討ちとは、想像以上に卑怯だったな。発火は、あんなに一気に起こるものなの?

15話目 ☆4
科学は、人を幸せにするためにある。根元的なことだけど、忘れがちなこと。

16話目 ☆4
なるほど、宇宙に行ってて、難を逃れたってことか。ロマンだな~。

17話目 ☆3
司らしくないな。自分が単騎で行って、解決やん。とはいえ、違う武器を急に持たせて、どうする? 琥珀以外は、鉄の槍の方がよくないか? 各自の能力をちゃんとフル活用するのは、レベル高い。

18話目 ☆3
3人同時に木から落とすのは、「ちゃんとしていない」。時間差で一人ずつ落とし、安全を確認するべきだろう。スマホか。毒ガス弾とかの方が良くない? ビンにつめて投げようぜ。

19話目☆3
ワタアメに水力発電。常に見張りをつけとかないと、発電所のヤバさが分かる焔に破壊されそうだた。

20話目☆3
だから、焔は何してるのかな? タングステン、まあ、こういうご都合主義は許せるけどね。

21話目 ☆4
素敵な友情話。最後の、木に復活日彫ってたあたりの伏線の活かし方は素晴らしかった。

22話目 ☆3
マグマが仲間に。少年漫画だな~。

23話目 ☆5
あれは、友情だったのか、、、良い話だな~。争いのための科学が人を豊かにする。歌を入れたりして、あきない演出。

24話目 ☆5
レコード。科学は時空を超える。科学の素敵さだな。歌を、文化を残す。1本とられたな。実用だけが科学じゃない。人を豊かにするのが科学。まあ、ここで切るなら、2期の情報流さないと暴動起きるわな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

100億パーセント唆るぜ、この作品は!

評価は観終わってからします。
ただ9月位まで色々とあるので作品が観れないのは辛いなぁ。
(2019:07/31執筆)
※(2019:12/14更新しました)

原作・ジャンプ掲載分全て。
アニメ・四話まで視聴済み。(30分アニメ)


うん、期待通りな展開で嬉しいですね。かなり好きな作品なので綺麗に表現してもらいたいです。

超!簡単に書くと…
普通な日々を、学校生活を過ごしていた『石神 千空(いしがみ せんくう)』『大木 大樹(おおき たいじゅ)』『小川 杠(おがわ ゆずりは)』。
そんないつもの日常生活が一変する。原因は分からないが【人類のみが石化する(一部ツバメも)】という事変が起きた。
…そこから数千年の時が流れ何故か『千空』と半年後に『大樹』の石化が解ける。
文明は滅び、建物等は腐って無くなっていた。
「科学は地道な探求」という持論を持つ科学少年『千空』はストーンワールドでどう奮闘するのか!?
…と、簡単ですが。

ここから下は隠してますがネタバレは無いです。視聴前+数話観た感想です。

{netabare}

最初この連載作品を見た時に思ったのが『マインクラ○ト』+『学生時代の理科や化学・科学』+ファンタジーと言ったとこですかね。
ちょっと能力部分だけを例えるなら『ダンガンロ○パの【超高校級の○○】』みたいな感じがありますね。『千空』も『大樹』も『杠』も『獅子王 司(ししおう つかさ)』もそれ以降に出てくるキャラも何かしら凄いです。(全部じゃないですがね。早くメンタリスト出てこい。)

この作品って番組後半にも注意書きが出てますが「やろうと思えば出来てしまう」という事。(危ないやつもあるので自己責任でやって下さい)
科学監修も『くられ』がやっている事。
数千年後なので緯度経度等のズレや人工で作られた自然は無くなってるというリアル表現。

料理も衛生面も武器も現象も全て科学でやってやんぜ!って感じの『千空』が面白く、でも合理的と言いながら甘いとこもあるキャラに惹かれました。


最初この作品を見た時は『大樹』が主人公かな?と思ってました。1話目観ると…ね。

『千空』役の『CV小林 裕介さん』はちょっとウザいキャラが似合う声優さんになったなと個人的に思いました(笑)

ちょっと『司』がキレ者過ぎかな。ストーリーの流れ的に仕方ないけど色々と気付くまでは良いとしても物体・物質等の知識も凄い。記憶力が凄いからか?
『司』の考え方は結構納得しますね。今の世の中の…、老害共が…、と、詳しく書くとつまらなくなるのでこの辺で。
ま、独善的な価値観って感じですね。

アニメではまだですがジャンプ本誌で書いてあった物を試しにやってみました。ある話数で『麺料理』を作るのですがそのレシピを試しに作ってみました。…作って、…(汗)
食用としては問題ないけど味が…、食感が…、薬膳としても…(汗)

ある飲料もいずれは試してみます。


これから科学で発展させたり、謎を解いたりと色々と熱い展開があります。現代社会にあるものがほぼ全て無くなった世界でどう『千空』達が行動するのか!?科学ファンタジーをお好きな方は是非!

個人的にはOP曲もED曲も合って無いかな?と思いました。

{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(2019:12/14執筆)

全視聴しました。ここから先の感想はネタバレ含みます。

{netabare}

いやー、結構楽しめました。
文明が無くなった世界で『マインクラ○ト』に『化学・科学』を駆使し困難を切り開いていく、ってのは子供心をくすぐりますね。

因みに『化学』は物質の性質ならびに物質相互間の反応を研究する、自然科学の一部門。

『科学』は一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。また、その成果の内容。特に自然科学を指すことが多い。

って感じです。どっちも読みが「かがく」なので分かりやすいように一般的に『化学』は『ばけがく』と言ってます。(千空も作中に言ってます。)


謎がかなり残ってますが1番気になるのは『石化』ですね。『千空(考えていた)』と『大樹(想っていた)』だけでも解け方が違うのに『杠』はもっと違う。『杠』は何も分からないと言ってました。『千空』とは違う。
『司』はすぐ順応してたけど解け方としては『杠』に近い。
さて、一応は『復活液』で石化が解けてますが条件が違う物で石化が解けてます。この謎はまだ原作でも解明されてません。
石化された理由・原理やなぜそうなったのかが非常に気になります!


『司』の考えは結構共感しますね。
権利や税、先に産まれて文明を切り開いた年上だからそれを敬え!って世界が気に食わない、浄化しようという考えは歳が若ければ若い程共感を得られるのでは無いでしょうか?
大体文明を切り開いたお偉い人なんて少数だろうに。

そうなれば意見は割れ、『千空』VS『司』みたいな構図は遅かれ早かれ出てくる争いの種になってるでしょうね。
人間を増やす、増えると考えも様々な物が出る、そうなると…ってね。



この作品は一応現代社会(連載された時は2017年)を題材にして石化しておよそ3700年後に石化が解けてストーリーがスタートしてます。
私は鉱物とか物質の経年劣化とかよく分からないんですが今から3700年後には何も残らないもんなんでしょうか?作中では青銅製の大仏は残ってましたけどどうなんでしょう?
一応前に見た科学ニュース記事では1000年単位の月日が流れるとほとんど無くなるとは見ましたが…。
CDやDVD等はちゃんと保存しないと寿命は20年〜30年って言われるし電子データも『M-DISC』以外はちゃんと管理しないと数十年で劣化・場合により消えます。
データはともかくここまで何も残らないのかな?ま、証明は難しい…というより無理でしょうね。見る事は不可能でしょうし。でもやはり気にはなります。


後は気候かな。現代社会でも計測しだしてから赤道は徐々にズレてるし世界的に気候も変わってます。
3700年後に日本に四季はあるのかな?と、疑問。
日本が気象情報を取り出したのは明治5年(1872年)から。たった150年しか経ってない統計データで異常気象とか言ってる気象予報士ってどうなん?って思うけどそれでも気候は変わってる。
確か現在(2019年)から約2000年後には今の北極星ポラリス(こぐま座α星)は北極星では無くなり、ケフェウス座ガンマ星【エライ】が北極星になります。(科学ニュースより)
そうなると地軸とかは今よりかなりズレてると思うのですが。地球の地軸は約2万5800年周期で微妙にズレてる計算なはずだし…。
ま、高卒の素人の疑問なんでそこまで対した事じゃ無いのかな。
日本であるかは作中の簡単な例で『杠』が石化してた場所で分かります。


個人的に好きだったのは食事ですね。
流石に『ねこじゃらし』を見て「よし、ラーメン作るか!」とはなりませんが(汗)
ただ発想力やこれをネタに持ってくるのは凄いと思います。普通思い浮かびません。
…味は …オェッ
私だったらストーンワールドにある物で味付けを変えるくらいか知ってる調理法で調理するしか出来そうに無いです。

結構食事に関する製品や家電製品って化け学・軍事転用で作ってるの多いんですよね。『レーダー』=『電子レンジ』とか有名なのはナポレオンが採用した『瓶詰め』のちに『缶詰・レトルト食品』が作られる。面白いのはお掃除ロボット『ルンバ』は『地雷探知ロボット』だった等本当に面白い。
だからこそ私はこの作品が好きだし食事のエピソードであの発想力は痺れました。
『パクチー』『炭酸水』『ハチミツ(焦がしたカラメル)』『ライム』で『コーラ』は私も試しましたが『コーラ』でした。
ただパクチーが苦手なのでそこがちょっと(汗)
個人店で料理を出してるとこにはたまに自家製のコーラやジンジャエールとか出してるとこもあるのでこーゆーのは簡単に作れるんですよね。
…今度は『炭酸水』を作るとこからやってみようと思います。

もしこの作品のようなストーンワールドになったらお酒よりコーラとかジンジャエールとかの嗜好品の方が重宝されそうだなぁ。多分。


ストーリーを観て思ったのが70億人の復活は出来るかもしれませんが、1番ムリゲーなのはストーンワールドから現代社会の技術まで復活させられるかどうか。
ほぼ無理だと思います。科学ニュースでも取り上げられたのを見た事があるんですが、鉱石やエネルギーや資源など取りやすい所から取ってしまってる為に作るのが困難なアイテムや不可能になるものが出るそうです。簡単に言えば取り辛いとこまで行かないと行けないからって事です。
『スマホ』が現代社会ではかなり普及してから『砂マフィア』が砂を乱取りして砂不足、枯渇してるそうです。サハラ砂漠の砂を使えば?と思うかもしれませんがサハラ砂漠の砂はスマホやガラス、電子機器や鋳型等を作れません。ある成分が入ってないのと丸くて小さ過ぎるので。

こーゆー問題があるなか『千空』がどうやって復活させて行くのか、楽しみで仕方ないです!
『千空』で完結させるのか、何世代も掛かるのか、どうなるのかな?


{/netabare}



合理的だけど非情では無く甘さのある『千空』、そこは結構人間臭くて好きですね。『コハク』と『クロム』との絡みも良いし『大樹』と『杠』との関係も熱い!バトル部分もジャンプらしい。
次回予告の理科の実験みたいなんはとても良かった。

少し設定に疑問点もありますが全て完璧な作品は無いと思います。

第2期が1期放送後に制作決定が発表されました。
『千空』の言葉を借りて「唆るぜ、2期も」と締めようと思います。
長い感想を読んで頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

88.2 10 熱いでシリアスなアニメランキング10位
ソードアートオンラインⅡ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (3909)
22395人が棚に入れました
《SAO》事件から一年が経ったある日、キリトは、総務省《仮想課》の菊岡誠二郎から奇妙な依頼を受ける。それは、銃と鋼鉄のVRMMO《ガンゲイル・オンライン(GGO)》で突如発生した怪現象《死銃(デス・ガン)》事件の捜査であった。漆黒の銃を持つ謎のアバターに撃たれたプレイヤーは、実際に現実世界でも《死》に至る……。その不気味な事件の捜査を断り切れなかったキリトは、《仮想世界》が《現実世界》へ物理的に影響を及ぼすことに疑いを抱きつつも、《GGO》へとログインする。《死銃》の手懸かりを掴むべく、不慣れなゲーム内を彷徨うキリト。そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、長大なライフル《ヘカートII》を愛用するスナイパーの少女・シノンだった。彼女の力を借りたキリトは、自らがターゲットとなって《死銃》との接触を試みるべく、全ガンナーの頂点たる対人トーナメント《バレット・オブ・バレッツ》に挑む……。

声優・キャラクター
松岡禎丞、沢城みゆき、戸松遥、竹達彩奈、伊藤かな恵、日高里菜、高垣彩陽、平田広明、悠木碧
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大作は続く

SAO事件から一年、キリトの新たなる戦いが
銃と鋼鉄のVRMMOガンゲイル・オンライン(GGO)で始まる!

今期注目度No.1と思われる作品の登場。
前作の個人評を短く言うと
「エンタメ性演出面は抜群だが
偶然に偶然が重なりご都合主義が過ぎるシナリオに不満」
という事で世間様の評判よりは低い。
それでも魅力があり期待感は高くなってしまう作品なのは間違いない。

さて、期待を持って観た1話だが、
う、うーん。まだ導入という事で大人しいスタートだった。
視覚的にはデスガンの犯行シーンが一番の見せ所だったが
この作品にしては派手さや衝撃に欠けていた様に思う。
本人ではなくモニターを撃ったのも地味だし(この行為に意味があったかも知れないけど)
ドクロと外套の怪しい風貌の割に手にした銃がトカレフっぽいのも微妙に安っぽく感じた。
いや別に悪い銃じゃないけど小物っぽくないですかね?

それとキリトの「現実と仮想の違いは情報量の差」ってのも
ちょいと引いちゃう発言…。現実世界もうチョット見つめようよ。

まぁ大人しいスタートだったのは大作の余裕って事で次回以降も期待してみようと思う。
黙ってても盛り上がる作品にはなるよね!?

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

取りあえず事件については感じた事を書き留めておきます
【予想】{netabare}
今回の事件は「銃」に秘密がありそうだが多分関係ないと思う。
トリックは別にある。
ミスディレクションというヤツで銃に注目を集める事に意義があった様に思う。
デスガン(人物)はドクロの仮面で顔が隠れ、声も謎なので
今まで出てきたキャラの中に関係者がいそう。
手まで包帯で覆っている事には必然性がありそうで
アスナとの会話「手を握った感触で誰だか判別できる」云々が伏線になっていそう。
ただし複数犯の可能性も考慮しておくべき。{/netabare}

※2話感想{netabare}
今回の舞台である銃のVRMMO「ガンゲイル・オンライン(GGO)」の
世界を紹介する回。
話が進まず焦れったくもあるがお陰で大分知る事が出来た。
鉄と荒野の匂いもなかなかイカス!

「リアル」とは言わないがとても魅力のある世界で実に面白そう。
一つ一つの動作が丁寧かつスピーディー、
ガンシューティングの呼吸というか間というのが良く分かっている。
(さばげぶにも爪の垢煎じてあげてくれ!)
盛り上げ所の演出も良く迫力があった。
「そこから落ちるのいくら何でも高すぎるだろ!」とか
「落下中に重ライフルは当たらないぞー!」とか思いつつも
この世界に浸かり見入ってしまった。 この辺りは流石SAO。

キリトも決心した様でこの世界にどう参入していくのか期待が高まる。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
シノンの実生活とキリトがや~っと始動した回。

大作の余裕…ありすぎ!?
まず説明書熟読させてからゲームスタートさせられる感じ。
1期みたいにキリトと視聴者が一緒になって放り込まれ
手探りで進む展開が好きだったし
それによって感情移入や物語への入り込みがより深く出来たのに
今期はちょっと視聴者への説明が過ぎる様に感じる。
このまま俯瞰で物語を追わせないで欲しい。…まぁ大丈夫だと思うけどさ。

シノンは精神治療も兼ねている様子。
大会に勝てば治るってのは単なる自己暗示なだけなんだけど
キッカケってそんなモノなのかも。
治って欲しいけど治って感動する程でもないかな。
指向けられただけで不安になるのは困りモノだけど実生活で銃持つ必要ないし
「クララが立った」とは別次元。

銀行(郵便局かな)強盗は何が一番の目当てか忘れちゃってるは
幼女ともみ合いになるはでツッコミ所満載でした。
こんな強盗は居ないだろ流石に…。

メモ{netabare}
被害者=撃たれたアバターとは限らない
看護士さんと握手
シノンの父の死
{/netabare}{/netabare}

※4話感想{netabare}
いよいよGGOの世界へ。
男臭いゲームの中、女性っぽい容姿でスタートするのはまぁ良いけど
ネカマ設定なのはちょっとキモい。
早く身バレして普通に戻って欲しい…というか元々シノンは女だと勘違いしてるのか?
キリトの思い過ごしじゃないの? …別の意味で違う世界に行かないで!

GGOでもキリト無双は健在で早速ゲーム(の中のゲーム)相手に披露。
本当にいつも通りお強いですなぁ。

そして、こちらの世界でも剣で生きていく事を選択した模様。
現実的には無茶なんだけど、銃に剣で挑むのはロマンを感じるし
やはりソードアートなのだから譲れない所でしょう。
(でも大抵この設定の物はB級以下のシナリオになっちゃうんだけどね…。)
戦いではシノンの援護とか連携も見られそうなので楽しみではあるけど
アスナが見たら浮気判定になりそうな気もする…。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
いよいよBoB開催。
空白でのエントリーが吉と出るか凶と出るか。
(普通必須項目あるだろ!…とか突っ込むのは野暮?)
男だと早々にバレてオカマちゃん設定が解かれたのは良かったけど
まだ少々、口調がお淑やかな気がするのは気のせい?

試合では当然の如く強さを発揮。
剣で弾を弾くくらいお手のもの。相手の位置も察しちゃいますよ!…ぇ!?
ここまでくるとハンドガンでの牽制の意味があるのかは疑問だけどね。

相手の銃の集弾性の悪さが気になったけど、
ターゲットサークル内でランダムって設定なのでまぁ納得。
それを読んじゃうんだからキリトはやはりハンパない。

試合後はデスガンとの初接触。
怪しさ満点だし、都合良く組織のマークが露わになってて包帯の意味なし!?(笑)
キリトはもう犯人(デスガン)に辿り着いてしまったのか。
…やっぱり、推理要素は期待出来ないかな?
深く考えず娯楽アクションとして楽しむべきかな…って気になって来た。
{/netabare}

※6話感想 {netabare}
ラフィンコフィンとの戦いで負った心の傷がまた開き、
我を失いシノンに対して無気力な試合をしてしまったキリト。

戦いでは神の如き強さのキリトでも精神的にはやはり人の子。
少々「嫌な奴」に映り、ヒーローとしては薄暗いが
こういう面を見せる人間らしさは描けていたと思う。
似たトラウマを持つシノンと気持ちを共有し克服して欲しいわけだけど、
これってリハビリ療法と同じ。
もしかしてGGOを通してリハビリ見せられるのか?と思うと少々冷める。
この作品にはそういう薄暗さは求めていない。

1期の様な爽快感、希望、愛情を押し出す作風と上手く合うかが
評価の分かれ目になりそうかな。

それと、ラフィンコフィンとの回想の入れ方が唐突かつ描写不足で
「取って付けた感」「後付け感」が大きいのが勿体ない。
キリト自身が思い出したのも急なのだろうけど
もう少し前半でも匂わすタイミングはあったと思う。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
現実世界でも気持ちを引きずり悩むキリトとシノン。

モヤモヤとした展開だけど試合前のお約束で飛翔前のしゃがみと言う感じ。
それにしてもキリトは周りにも心配かけて罪作りですね。
(ネット廃人なのにリア充ってのは現代人の夢・理想の一つなのかな?)
看護士さんは流石に良いアドバイスでしたが意味深な気もします。
第一印象から訝んでしまっているので過敏になって気にし過ぎてる?

シノンの男友達の方はちょっと邪な雰囲気もあって何か怖いんですけど…大丈夫?

色々な不安を乗せたままいよいよ大会本戦へ!
{/netabare}

※8話感想{netabare}
BoB本戦開始! サバイバル形式ならストーリー的にも汎用性高そうです。
衛星での位置情報把握も今後の試合展開に絡みそうですね。

キリトはデスガンの正体を絞っているけど、プレイヤーと決めつけない方が良い様な気がする。
【予想】{netabare}主催者やハッカーだった方が実際の住所情報を知っていて犯行し易い立場だと思う。
そう考えると住所を書いていないキリトはデスガンに撃たれても死なないのかも…。
{/netabare}
それと、BoBでの中性キャラ気に入っている様子で悪ノリしてますね。
別にいいんだけど、悩みとの落差が激しいから変な感じもしちゃってます。

ペイルライダーさんはアクロバティックな動きのプレイヤーでしたが
こういうスキルがあるならメタルギアでいう雷電スタイルで戦えるって事だよね?
「剣(近接)でも戦える」プレイスタイルがあるってなると
今まで観せてきたの世界観が怪しくなり違和感が出る。
キリトの個性・特別感も落ちてしまいコチラも変な感じが…。
なんだか所々で「変な感じ」を受けてしまった8話でした。

折角出てきたペイルライダーさんこのまま出オチで殺さないで欲しいけど、大ビンチ!?
デスガン撃たないでペイルライダーさん撃って退場させてあげた方が良くないか?
ともかく気になる次回へ!
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ペイルライダーさん死んでしまったのかな?
…だとしたら可哀想すぎる。楽しく遊んででキャラ作ってただけだろうにな。

その死が今度はシノンにも迫ってます。
だからプレイヤーだと決めつけるなって言ったのに!(笑)
デスガン自体常識外れなんだから正直に戦いすぎ。
とはいえ何故かシノンは死なない感が強いので意外と安心しています。
もうちょい緊張感も欲しいけど、娯楽活劇としてはこれが正解なんだろうな。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
九死に一生を得たシノン。しかし心の古傷に触れ銃への恐怖感が蘇る…。

一話でデスガンがトカレフなのにツッコミ入れてしまいましたが一応伏線でしたね。
ただデスガン=トカレフで無ければシノン一人で窮地を脱せ恐怖心も再発しなかったのか?
とも思えないので伏線としては弱いかなという気はします。

洞窟で慰め励まされるシノン。
世間に事実が公表されてないのに「人殺し」ってイジメられてたの?
いや、それよりも流石に「人殺し」を茶化してイジメないだろ!?
そもそも他人の反応関係なく自身で抱えてるトラウマなんだろ!?
などとツッコんでしまいましたし、
しつこく余計な演出は逆効果で妙に安っぽくなってる気もします。
最後は「一人でも戦う」とか言っちゃう辺り、めんどくさい女だな…
などとも思っちゃいましたが再びトリガーを引けるのか応援&注目していますよ。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
洞窟内で推理とそしてアスナ達外野の動向。

前回に続き動きが少なくテンポとしても鈍く感じてしまいます。
犯人も複数というごく普通のトリック、変哲のない所で落ち着きそう。
だとしたら今更だけど警察の初動捜査甘いよね。
薬物注射って事になるとやっぱり看護婦さんが疑わしいかな。

それにしても仮想空間にダイブすると現実での感覚0になっちゃうってのは
改めて恐ろしい…。
もし実際あったら関連する事故や犯罪が凄いだろうな。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
いよいよデスガンとの死闘開始。

デスガン達ラフコフはSAO環境の中でPKと殺人の境が判らなくなったのか
それとも実際に殺す感覚に魅入られているのか、イカレちゃってますね。

シノンの援護もありつつ接近戦に持ち込めたキリトですが
相手も剣の達人だったようでまだ激しい闘いになりそうですし
もう一人、敵か味方か(敵だろうけど)謎の人物も居る模様でもう一波乱ありそうです。

ただ、あれを銃剣扱いにしたりペイルライダーの戦い方然り
設定がフリーダムで銃のみの世界観としては崩れている気はします。
結局我慢できずに剣を摘み食いしちゃいましたねぇ
作風と言えば作風なので別に批判ではないですけど
遠慮なく盛り上がる方へと進む展開が実に「らしい」なぁと感じる場面でした。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
シノンの牽制もあり、アスナの声援もあり、デスガンを討ったキリト。
(1話のアスナとの手繋ぎはこの為?ちょっとインパクトに欠けるけど…。)

赤目をヒントに名を思い出した訳だけど、
…その前にマスク一緒なら容姿でピンと来るだろ!(笑)
解決に近付きつつあるけど、まだ他にも共犯が居るのが確定して
もう一段底がありそうです。

そして目覚めたシノンを襲う新川君。
彼は前々から不気味でしたがついに本性を露わに…
それにしても何でもベラベラ喋ってくれちゃって、
黙ってイイ人演じてたらまだ脈あったろうにこれで全部ご破算!何がしたいんだか。
キリトはバッチリのタイミングで参上!流石ヒーロー!
アスナの労いもそこそこに直行したんだろうか? 住所把握能力も凄いかも。
{/netabare}

※14話感想{netabare}
「もしもGGOにステータス振り直しアイテムがあれば犯行は起きなかったのか?」
「そこまでのプレイヤーならAGE最強説を自分で作り上げればいいだろ
ステ振り究極論に口出し出来る程のプレイヤーでもないくせに逆恨みしてんじゃねーよ!?」
「ゼクシードから薄塩タラコへ…怨恨殺人から快楽殺人への壁はないのか?」
「更にそこから好意を持つ女性に殺意が向かうものなのか?」
…などなど、観ながら色々と思いが巡ったが、
トドの詰まり動機には全く納得できてないです。新川君狂い過ぎ。

それと、心電電極で助かるってのもC級にも程があるし…。

シノンも恐怖症から立ち直りつつあって美談ハッピーエンドっぽく締めましたが
事件自体の収まりがどうも悪く気分はモヤモヤしちゃってます。

まぁ来週から切り替え!切り替え!
シノンはGGO以外にも登場するのかな?
{/netabare}

※15話はシノン目線での総集編

【GGO編:総評】{netabare}
娯楽アニメとしては楽しめ役割は果たしていると思いますが
今までと比べるとテンポも演出もイマイチで
前期の「キリト頑張れ感」には届かなかったです。

今までに無い漢臭い銃だけの世界観に期待が高まったけど、
シノン&女子ぽいキリトで漢臭さが無くなり、
ペイルライダーの接近戦術&デスガンの銃剣の登場で銃だけの世界観が薄れ
この世界でのキリトの特異性が失われ結局GGOではなくSAOの土俵になっていました。
それでも、バトルが盛り上がって行くのなら不満なく許せたと思うけど
熱くなりきれなかった分冷静に見てしまいました。

また、序盤に集団戦(サバゲー)でこの世界を紹介していたのに、ほぼ個人戦に終始でした。
集団戦術に苦しむキリト&シノン組と言うシチュエーションも観たかったんですけどね…。
キリトVSシノンも決着付けてませんし、もっとこの世界で戦い尽くして欲しかったです。


今回はシノンで感動的なストーリーにしたかったのだろうけど
こちらも引き出しきれなかった印象です。

シノンが引金を再び引ける様になるのも
キリトとの会話で励まされて何となく治っちゃってフワフワ。
ベタでもダイハードの太っちょ黒人警官さん並に演出すれば
良いシーンに出来たと思うんだけどな。

最後の子供の命もシノンが救ったよってシーンも
後からのチョイ足し感が強く感動出来ませんでした。
やるなら序盤であの子供と絡まるなりして伏線作っておけばいいものを。

序中盤で時間をかけてトラウマを紹介していた割に
演出が足らず感動に繋げられなかった様に思います。

事件自体も14話感想の通りモヤモヤしちゃってますしね…。

何だかもうちょっとやれる気がしたGGO編でした。
{/netabare}

※16話感想{netabare}
ALOに戻ってエクスカリバークエストに挑戦!

シノンもちゃっかりと溶け込んでます。移籍かな?GGOと両立してるのかな?
今度はトラウマとか余分なものが無いので気楽にアクションものとして楽しめそう。
ただしNPCが意志を持って勝手に動き始めた気配があるのは気懸かりですね。
{/netabare}

※16~18話【エクスキャリバー編:総評】{netabare}
難しいことを考えず気楽にアクションとパーティ内のやり取りを楽しめました。

ストーリーはシンプルでゲームプレイを観ているような気分。
予想外なのはフレイヤのトール(親父)化ぐらいかな?ちょっと笑えるヒトコマでした。
新たに加わったシノンは垢抜け良い仲間になっていて一安心。スキル的にも既に欠かせない存在。
「エクスキャリバー」という言い方の違和感も彼女とキリトが説明してくれたので
まぁ納得しておきます。

キャリバー編自体は「めでたしめでたし」で締まっていますが
NPCの意志に伴う行動とユイ(AI)が現実世界を知覚した事は今後含みになりそうです。
仮想世界が現実に干渉する…なんて事があるやも!?
{/netabare}

※19話感想{netabare}
果たしてキリトを負かした相手をアスナが斬れるのか?突けるのか?
そして夢の11連撃は手に入るのか!?
今回はアスナ中心のデュエルバトルストーリー。

なんだか既にアスナ向きのスキルだなって気はしちゃうんですが
一応、勝つのか負けるのかハラハラ楽しんで応援しようと思います。

キリトが負けたみたいだけど曰く付きなのは
キリト最強を信じるファンへの配慮なんでしょうかね?
でも、どんな理由なのか何を喋っていたのか気にはなります。
剣道繋がりなのかな?しょーもない理由の予感もしますが…。
まぁ今回も気楽に楽しめそうです。
{/netabare}

※20話感想{netabare}
アスナの家庭事情&いよいよデュエル。

アスナママは絵に描いた様な教育&家柄ママでした…いや、絵なんだけどね。
親からしたら娘の事を想っての事だろうから、
もう少し愛情ある描き方でも…と思うけど完全ヒールでした。
SAOから生還してこれじゃキツイ。そりゃ仮想世界の家も即買いするわ。

そしてデュエルは激しい剣撃の応酬の末、絶剣のお眼鏡に叶い何やらお願いされる事に。
「僕達に」って事は個人的な事では無さそうだけど、
どこかの集落がピンチなのかな?別ゲーに行っちゃうのかな?

アスナの居場所を巡る意外に深い話になりそうですね。
{/netabare}

※21話感想{netabare}
無謀ともいえる1パーティーでのボス狩りに手を貸す事になったアスナ。
ユウキの言葉に後押しされボスとそして母親とも対峙する覚悟を決める。

ボス討伐でアイテムと思い出GET!スキルも継承して貰い、現実ではママを説得という
ルートが見えてきました。

相変わらずママさん悪辣に描かれています。
ママさん弁護する訳じゃないけど、なぜ厳しくするのかという心情もやっぱり描いて欲しい。
このまま自信のプライドだけで(生死の境をさまよっていた)我が子に当たる
ヒドイ親で終わったら物語が浅すぎてガッカリしちゃいそう。
まぁ、作風から綺麗な和解にはなると思うけどね。

次回からは一端現実を置いといて邪魔者排除&ボス討伐アクションが観られそうかな?
アスナの活躍が久々に堪能できそうで楽しみです。
そして最高のタイミングでキリト参上!格好良すぎてこれにはキリトファンも大満足!?
{/netabare}

※22話感想{netabare}
ボス部屋へ突入…そしてボスとの死闘。
全てが良い思い出になりそうだったが何やらユウキが秘密を抱えている様子…。

アクション満載で満足出来ました。
この作品のアクション描写は流石です。ボスの弱点はあからさまでしたが。(笑)

そしてユウキの秘密が少しずつ明らかに。
OPアニメで幼い頃、生き別れた双子でも居るのかな?とは感じていましたが
がっつりアスナと関わっていそうです。
詳細は言いそうで言わずのシンプルな焦らし効果が抜群でまんまと気になっちゃってます。

絶剣編はアクションにばかり目が行き、ストーリーには期待して居なかったけど
思わぬ所でホロリと良い話が拾えそうな気がしてきました。
{/netabare}

※23話感想{netabare}
現実世界のユウキの正体、姿が明らかに。

なんだかこの作品の登場キャラ、現実世界の重い奴がマストになりつつありますね…。

「ユウキ」と言う名やその言動でアスナとの繋がりを感じさせていましたが
実は思い病で動けない子供でした。
更には姉や両親ももう居らず会えないと言う悲しみの詰まった宝箱。
とても悲しいけれど仮想空間では確かに光り輝いていましたよ。

良く良く考えると
「現実諦め過ぎ」「体を世話する人は?」「実は恵まれているじゃん」
「これが安価に実用化されたらMMO上位、寝たきりの老人ばかりになるな」
などなどツッコミ所の多いあり得ない話なんだけど、
倫理的なものも含めて色々と考えさせられる悲しくもイイ話にはなっていたかと思います。

次回はキリトの研究と結びついてちょっと希望のある話になりそうです。
{/netabare}

※24話感想{netabare}
ユウキの登校とアスナの母親説得のお話。

何気ない日常という望みを叶えたユウキ。
何気ない日常を譲らず守ったアスナ。
ほんのりと良い話に仕上がっていました。
二人には限りある今の時間を大切に過ごして欲しいものですね。

ただ設定的には
「ユウキの家族は皆死に別れ」「アスナは母親悪く描かれすぎ」と、
チョットやり過ぎているのでフィクションぽさが強く残ってしまったのも確か。
余計な人物や感情を持ち込まない事で二人の気持ちをシンプルに感じ取れる反面、
一方的、一方通行で気持ちのやり取りや絡み合いが無く
深イイ話に成りきれ無かった様に思います。
ラノベとは言え、もう少し上手く出来たのでは?と思ってしまうのは贅沢でしょうかね?
{/netabare}

※25話感想{netabare}
暫くは楽しい時を過ごすユウキとアスナとその仲間達。
しかし、とうとう命の炎が燃え尽きる時が来る…。

ついにこの時が来てしまいましたが
曖昧にせずちゃんと区切りをつけるラストにしているのは評価できます。

一歩下がって考えるとゲームの中で臨終の時を迎えるってどうなのよ?
という否定してしまう気持ちもあり複雑ですが
作品として観れば感動的で美しいラストでした。

現実世界に肉親や未練のない彼女ならではの最期とは思いますが
とても満たされた最期を迎えられ、これだけ多くの人の心に残れ幸せだったと思います。
{/netabare}

【絶剣編:総評】{netabare}
アスナのデュアルアクション楽しむぞ!と思っていたら
あれよあれよと感動ストーリーになって行き驚かされました。
ツッコミ所や大作故のもっとやれるだろ!?という気持ちなど
何だかんだとありますが満足に足りる内容でした。
ユウキというキャラの生かし方、生き様の見せ方は流石SAOです。
ホントはこれマザーなんちゃら編って言うらしいですが
私の中では絶剣編として生かし続けてあげようと思います。
{/netabare}

【2期全体総評】
流石に1期程のインパクトや後引く魅力には足りていませんが
衰えた印象はなく更に続けていけるだけのものは持ち続けていました。
ご都合主義なのは相変わらずで気に入らない面もありましたが
慣れもあってか前作ほど落胆は少なかったです。
そしてキャラの見せ方魅力の引き出し方等の演出面は流石で
ストーリーが読めてしまっているにも関わらず心を動かすものがありました。
GGO編は不完全燃焼で思う所がありましたが全体的には概ね楽しく観られました。

これぞオススメ!って強く言える程ではなく過度な期待は厳禁ですが
万人受けする要素は持っていてアニメファンなら楽しめますので観ておいて良いかと。
何だかんだ言いつつもいつかまた続きが観られる日を楽しみにしています。
…エンタメ性は認めているので星評価はやはり高くなってしまいますね…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 91
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

仮想世界だけの関係で終わらない、生還後も絆の深いSAOメンバー

今回はデスゲームから生還し、現実に戻ったSAOメンバーが自分自身の心と向き合うお話。

この作品って作者の熱意が伝わってくるところが良いですよね。
最近のアニメはストーリーも無く、目的も見えない、心理的に何を伝えたいのかも分からないものが多いですが、そんな作者の意図が見えてこないアニメに比べると大分良いのではないしょうか。
ただ、その熱意=伝えたいもの にどれだけ共感できるかは人によると思いますが、個人的には結構共感できる部分も多く、良い感じでした。

1期はファンタジー世界に入り込めるような楽しみ方ができるアニメでしたけど、2期はそれぞれのキャラクターの心理面が中心に描かれてて、その変化を楽しむタイプのアニメ。
1~14話はキリトとシノン、18~24話はアスナの心理描写が素晴らしくて見ごたえがありました。

■良かったところ
2年間も地獄を味わった彼らが楽しそうに触れあう姿を見ると、あぁ良かったなぁと和みます。
現実では年齢の違う大人と子供が友達同士みたいに話すところも面白いですね。
キリト達は学生なのにエギルのバーに出入りしてるところとか(笑)
SAOメンバーの絆の深さが伝わってきました。

そして新しく出会ったシノンやユウキ。
キリトやアスナが他人の痛みに共感して協力し、最終的にものすごく仲良くなるっていう描写も良かったです。
デスゲームの痛みを知る彼らだからこそ他人の痛みも共感できる。理解できる。そこが良いんですよね。

■悪かったところ
1期にも似たようなシーンがありましたけど、女の子がレイプされそうになるシーンがあります。
それ自体は良いのですが、そんな嫌悪感がつのるシーンが10分くらい、長ったらしく続きます。

■本当の強さって何だろう?
仮想世界でチートなんて言われるくらいの強さを見せるキリトですけど、精神的な弱みを見せるシーンも結構あるんですよね。おそらくキリト自身も自分の弱さを知っているのでしょう。
そんなキリトはアスナのことを強いとか、自分より強いとか言います。
でもアスナはそんなことないよと言いながら、一見お嬢様に見えるて仲良しのみんなにも言えない家庭の事情を抱えてます。
(そんな強さと弱さのギャップがまた面白いわけですけど、それは置いといて)

どのキャラクターにも共通してるのが仮想世界にいるときは現実を忘れて自由に、強く生きられるということ。
周りの人間からするとそんな強い一面しか見えていないわけですけど、実際にはそれぞれ自分自身の心に抱える問題があるわけですね。
いわば人間ってみんな仮面を被ってるわけですね。

みんな強いのに何で自分はこんなに弱いんだろう? なんで仮想世界に居る時のあの強い自分で居られないんだろう?

悩み苦しむ彼らが人と触れ合うことで、本当はそうじゃない、みんな自分と同じように悩み苦しんでるんだ、それが当たり前なんだということを教わります。

自分自身の心と向き合い、乗り越えることで気づいたわけですね。自分の心と向き合う努力をすることが大切なんだ、ということに。

彼らが現実と仮想の狭間で揺れ動き、自分自身の心と向き合うことで本当の強さを勝ち取っていく、そんなドラマが素晴らしい作品でした。

【自分の敵は、結局いつでも自分自身の心なんだ】っていう描写のアニメは結構すきです(笑)
なんでしょう、真理を突いてるからかな?
アニメみたいに都合よく敵が現れて、しかも自分が抱える問題は全部他人のせいなんだ、なんて描写は現実にはありえないですしね。
自分自身が変わることで解決する、成長する、そんな姿に共感できるんだと思います。

ちょっと脱線しますが、「お前が探してるのは悪党か?悪役か?」っていうセリフどこかできいたことありますけど。あれも似たようなもので。
人間って何か問題があると他人に原因探しちゃう生き物ですけど、他人は自分の言うことを聞くとは限りませんしね。
他人を変えるんじゃなくて自分が変わることを覚えなきゃこの世の中生きづらいわけです。

でも、それが分かっててもなかなか自分を変えるのって難しいですね。
そう、難しいんです! 他人(敵)に変わってもらうのより何倍も難しい。
だからこそ安っぽいアニメに登場する敵なんかより、強く見える。
敵が強ければ強いほど盛り上がる、自分の心という名の最強の敵に視聴者の心が奪われるわけですね。

そして理由を他人に求めず、他人が敵に見えなくなったとき、人は成長し大人になる。
そんな描写がまた良いんですよね。

■1話~【ファントムバレット編】ではトラウマを抱えた女の子、シノンが登場
銃で戦う世界に飛び込んだキリトはどう戦うのか?(笑)
同じ罪悪感を抱えた二人が出会い、お互い気づかされたり支え合いながら過去の罪と戦う。そんなドラマが素晴らしかったです。
{netabare}
今回は銃がメインの別の世界、さてさてどんな具合なのか。

撃たれるとリアルで死んでしまうという正体不明のデスガン・・・そんな銃に試しに撃たれて来てよ、っていう始まり方は面白かったですね(笑)
依頼主とキリト、大人と子供が友達みたいな壁の無い会話してるなんてどんだけ仲が良いんだという感じですよね。
SAO帰還後に一緒にゲームするようになって仲良くなったのかな?
仲良しだからこそ撃たれて来てよと笑顔で言えるんでしょうね。 そんなホントに打ち解けてる感じの描写が面白かったです。

GGOに入った後、キリトがオカマっぽいしゃべり方になるのもウケました(笑)
中の人、松岡禎丞さんのこういうキャラが好きな人は「漫画家さんとアシストさんと」っていうアニメもお勧めです。

新川君がラスボスなのは最初に見て気付きましたね(笑)
優しい、そして脇役なのに暗い過去を背負っている、フラグが立まくりでした。
シノンと同じような過去を抱えてる人をGGOに誘っておいて、トラウマを利用して心臓発作を起こしてるのかな?とも思いましたけど、割と現実的な手段で殺してましたね。

助けに来たキリト、よわ! あっけなく注射撃たれてるじゃないですか!(笑)
まあ、そんな彼だからこそ Kirito が輝いて見えるのかもしれませんね。ギャップ効果??

それにしても・・・
弾道予測線を予測したり、弾丸をフォトンソードで弾き飛ばしたり、キリトやばいですね(笑)

キリトのバトルシーンってどんなバトルアニメよりも輝いて見える瞬間があるんですよね。
なんなんだろう?あのカッコよさは。目が金色に輝くから?いやいや。

他のアニメみたいに、なんとなく手に入れた力を使ってるだけっていうのとは全然違う。
平凡な人間なんだけど努力で作り上げた技術が力になってて、戦闘中にもすれすれのところで踏ん張りながら生きることをあきらめない、そんな描写が良いのかもしれません。
とても精神的に弱くて苦しむシーンが結構ありますし、むしろ凡人以下かも?
そんな彼が見せる内なる力、心の強さに魅かれるのかもしれませんね。

シノンが新川君に押し倒されるシーンはちょっと長すぎ・・・
アルヴヘイムのときのアスナもレイプされそうなシーンありましたけど・・・
こういった描写って主人公の好きな人が殺される描写よりも残酷ですよね。
なんていうか、助けに来るキリトを輝かせるためなんでしょうけどバレバレなんですよね。
制作側の意図が透けて見えて・・・そんな安い釣りのために長いレイプシーンみせるなよ、と。
たしかにキリトはかっこよかったですよ。でも後に残る感覚は嫌悪感の方が強いんですよ(悲)
レイプは1カットだけなら全体のバランスが良い感じだったのになぁ。。。

今回シノンが登場してさらに女の子だらけのアニメに。
BoBの試合中、抱き合う二人がカメラに移されちゃったりしてましたし、あとでキリトを奪い合う展開になるのかなぁと思ったら、全然そんなシーンはなかったですね。
なんだろう、女の子だらけにしてはハーレムアニメには見えない不思議感。
しかもアスナは恋敵なのにそんなの感じさせないくらい仲良しな女の子達。
SAOから生還した彼らが強い絆で結ばれてるんだなぁというのがすごく伝わってきます。
{/netabare}

■15話~【キャリバー編】はエクスカリバー、いやエクスキャリバー!を手に入れる冒険
ソードアートオンラインの良さ、ファンタジー世界を冒険する楽しみが久々に見れました。
悩みを解決したシノンがSAOメンバーに溶け込んでるところとか、女の子達に囲まれてるのに残念な感じのクラインに注目です(笑)
{netabare}
クラインがNPC(コンピュータ)の女性に目が眩んでるのも彼らしいなという感じですけど、その正体はムキムキマッチョのトールでしたね。
どこか残念なキャラは結構好きです(笑)
中の人はワンピースのサンジ役、宇宙兄弟の主役でお馴染みの声優さんっていうのもあってかなり共感が持てました。
{/netabare}

■18話~【マザーズロザリオ編】はアスナ視点のストーリー
アスナが剣の達人さんと仲良くなったり家の事情で母親と対立したりします。
剣士のアスナと剣士じゃないアスナ、仮想世界と現実は何も変わらないんだということをユウキから教わり心の強さを取り戻すアスナに注目です。
{netabare}
カッコよく負けたんですね、キリトさん(笑)
やっぱりキリトの強さは二刀流じゃないと発揮されないのかな?

キリトさん、今回、寝てばっかりだし良いとこ無いなぁと思ってたら・・・
最後にアスナ達に迫る敵軍の中に黒い影が! ホントおいしいところ持っていきますよね(笑)
ブラッキーってなんだろう?ブラックキリト?
そして、おまけみたいにクラインも登場。人ごみに紛れて目立たない、、どこか残念な感じは相変わらずですねっ。

キリトが遠距離魔法を剣で叩き落とすのを見て驚くユウキ。 反射神経や動体視力がユウキよりすごいのは間違いなさそう。
でも反射神経がものすごくてもキリトの本当の強さは剣一本じゃ発揮されないんじゃないかな?
タイピングがものすごく速くても指一本じゃ無理があるのと同じ原理で(笑)

そして、母親の説得に成功したアスナが一言「ありがとうユウキ」
今回はアスナがユウキに勇気をもらったそんなお話でした。

それにしても、名前が・・・(笑)
結城アスナとユウキをくっ付けるあたりに作者の遊び心を感じますね。
さらにユウキの中の人が悠木碧さんっていうのがまた。制作スタッフのほくそ笑む姿が想像できますね。
{/netabare}

■感想{netabare}
たかが仮想世界、じゃないんですよね。

抜け出せない仮想世界でデスゲームを強いられた彼らだからこそ良く理解できることもある。
アバターも世界もすべてが作り物・・・すべてが偽物の世界でたった一つ、【精神】だけが真実だったわけです。

そんな彼らだからこそ心の繋がりの大切さが誰よりも理解できたんでしょうね。
生還した後も仲の良いSAOメンバーを見て、現実でも仮想でも変わらない絆の深さがあるんだなと感じました。

「この借りはいつか精神的に」っていうセリフよく見かけますけど、彼らが使うと深みが違いますね(笑)

アスナ「現実世界と仮想世界の違いって何だろう?」
キリト「情報量の違いだけ」
この1話のセリフが今期のメインのような気がします。
人の心と心が繋がるのに、仮想か現実かなんて違いは無いってことですね。


アスナの母親のセリフ「本当の約束よりゲームを優先するの?」
お母さんのあるあるネタですね(笑)
でもね、お母さん違うんですよ^^;
仮想世界でのやりとりって言わばメールや電話でのやりとりの延長。
いきなりアミュスフィアのプラグを抜くのは電話中に電源切らせるのと同じくらいの暴挙なんですよ、お母さん!


そんなお母さんも仮想世界の中で泣いちゃってましたね。
仮想世界って涙を止められないんですね。
泣きたくなったら泣くしかない。
仮想世界って人の感情がむき出しになる世界なのかな?
現実だといろんなしがらみのせいで無意識に表情を取り繕う。みんな誰かが期待する役を演じている。
そんな仮面を脱ぎ捨てて自由に生きられるのが仮想世界なのかもしれないですね。

あれ?お母さんの話ばっかりになってる?


力ってなんだろう?
人から与えられた力や装備、レベル、そんなのは力ではない。
自分で努力し身に付けた技術も輝いて見えるけど、それも本当の強さではない。
自分自身の心と向き合う強さ、戦ってる時でもいつだって自分の敵は自分の心。
そんな心の強さで戦うという描写が素晴らしかったです。
単純な他のバトルアニメには無い魅力がここにあるのかな?
{/netabare}


■今後の予測{netabare}
キリトが遊ぶ側じゃなくて作る側になるっていう流れからして、20年後の加速世界、アクセルワールドは彼が関係してるんじゃないかなと思いました。
だとすると、なんで加速が必要だったのか?
誰か大切な人が病気か何かで残り時間が短く?
そんな限られた時間を意識せずにずっと一緒に居られるように開発されたのが加速世界だったりして?
今回の2期で、キリトとアスナがずっと一緒に居たいねというワードを何度か使ってるあたりからしても、今後一緒に居られなくなるような視聴者の目を奪う展開が来そうなんですよね・・・

この作者は女の子が可哀想な状況になるような描写を書くことが多いかも?
アルヴヘイム編でアスナが鳥かご状態、最後はレイプされかけましたね・・・
ファントムバレット編でシノンがトラウマに苦しみながら、やはり最後にレイプされかけ・・・
マザーズロザリオ編でユウキが余命わずかな寝たきり状態だったり。

メディキュボイドもたぶん伏線なんでしょうね。今後身近な人間が使う状況になるんじゃないかな。
寝たきりの植物状態になったとしても会話できそうなシステムですしね。

あと、前から気になってたのが、キリトのスターバーストストリームって{netabare}アクセルワールドの黒雪姫も同じスキル使ってるんですよね。
他にも似てる技多いですし、しかも全身黒いところも同じ・・・何かありそうですね、いや、むしろ何かある展開を期待してます(笑)
まあ、何もないのに黒雪姫の本名隠す必要ないですし、何かはあるはずです。

例えば仮に、アスナが次世代機の事故とか病気で寝たきり状態になったら? 余命が短かったら?
まずアスナをメディキュボイドに繋いで仮想世界で合えるようにするでしょうね、キリトは。
そして茅場の助けを得るなりして、余命が1000倍になる加速世界を開発し、
ついに命が尽きるという直前には、茅場と同じようにアスナの精神をネットワークに転写。後を追うキリト。
だけど現実世界に一人取り残された娘が気になりバーチャル世界から干渉してる。
なんて話もあるかもしれないですね。

仮想世界を作って楽しんでた茅場のことですから、今度はキリトが見せた限界の先を見たくなって実現させたのが加速世界。なんて展開もあるのかな?
キリトが極限状態でシステムの壁を越えた動きするのってアクセルワールドの心意システムに似てますしね。

いずれにせよ、ネットワークの一部になった茅場とキリトが今後再開して一緒に何かするような展開はあるような気がしますね。
{/netabare}


■通信ラグ
カッコ良いし面白いのであまりツッコミたくはないんですけど、ゲームであんな反応速度はネットワーク的に無理があるんじゃないかな。
ゲームに関係ない話なので見たい人だけどおぞ。
→通信ラグとは?{netabare}
いわゆる通信ラグってやつがあるので、どんなに人間の反応速度が速くてもそれに通信が追いつかないんですよね。
ネットワークの問題です。

簡単に言うと、メールって送信した瞬間相手に届くわけじゃないですよね。それと同じ。
今見てると思ってるバーチャル空間は数ミリ秒遅れた世界、つまり残像を見てるわけですね。

今の日本なら、どんなに早くても10ms、無線とかなら200msくらいの遅延が発生します。
自分の通信ラグを知りたい人は↓こちら
Windowsキーを押しながらRキー → cmd と入力してOK → 起動したコマンドプロンプトに ping google.co.jp を入力してEnter

たったそれくらいの遅延なら、問題ないじゃん?と思うかもしませんけど。
素早い動きが必要なゲームではたったそれくらいの遅延でも物凄い大ダメージ。
素早く動く相手の位置を正確に狙っても、すでに全然別の場所に居るわけです・・・
なので、ゲームの場合はそれを先読みして先の位置を狙うなんて技術も必要になるわけですね。
プログラム的にラグを感じさせないような先読み技術などもありますし、クライアントで処理される通信に関係ない物もあったり、もっと根深い話ではあるのですが、その先は省略します(笑)

そして20年後の加速世界、アクセルワールド・・・
あのアニメ見た方なら分かると思いますが、1000倍に加速。。ということは、通信ラグも1000倍になるわけで・・・
たとえ、10msの遅延でも 10 x 1000 = 10秒もの遅延に。相手の動きが10秒後の残像、なんてバトルどころじゃないですね(笑)

ちなみになぜ通信ラグが発生するかと言いますと、
送られた信号が伝送路を通る時間もありますがこれはさほど重要ではありません。
例えば回線が光なら、光は1秒あれば地球を7周半できますから、まあ光ファーバーの中を反射しながら通るのでそこまで速くないにしても十分速いわけです。
それよりむしろ信号を受信して処理する機械的な部分、そしてプログラム的な処理に時間がかかるわけですね。

あと、作中で情報量を増やせばもっとリアルになると言ってますが、そんな膨大な通信をしたらネットワークは一瞬でパンクしますね。
たとえ、2022年になってもこの通信ラグ=応答速度=レスポンスは改善されないんじゃないかな?
なぜなら、そこまでの品質を要求するようなサービスが無いですし、需要も無い、改善される必要も無いからです。

ちなみに最近は、インターネットの通信速度がどんどん向上してますけど、あの速度と通信ラグは実は無関係です。
回線が速いかどうかと通信ラグが発生するかどうかは関連性が無いということです。

年々、3D技術は向上してますけどここ数年は停滞気味。
遠い未来ものすごく発達するんだろうなぁっていうのが自然な考えですけど。
思うに、この先も3D技術ってそれほど進歩しないんじゃないかな?
色んな理由があげられますけど、一番の問題は作るのが人間っていうこと。
人一人が作れるものって限界があるんですよね。
3DCGを作る環境やプログラムを簡単に構築するライブラリ、作業効率を上げる手段はありますがそれにも限界があって。
さらには、そういった汎用システムによって作られる作品っていうのは細かい調整が出来ない、というよりはできるけど、結局は汎用システムを必要としない知識や労力がかかってしまうわけです。
例えるなら漫画って何年たっても絵のクオリティは向上しないじゃないですか。100年たっても結局は書き手の技術と掛ける時間の問題。
それと同じですね。

将来AIが実現すれば話は別ですけど。
映画「アイアンマン」で主人公がAIにサポートされながら何かを作るシーンありますよね、あんな感じです。あれが現実的です。
アニメや映画によく出てくる天才プログラマーなんていうのはありえないですね。
物凄いものを作る頭脳があっても、それを作り上げるのには時間と人手が必要になります。絶対的に。
具体例をあげると、今時のオンラインゲームでも人件費に億単位かかったりします。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

新しいキャラ登場

1話~14.5話がファントム・バレット編。シノン登場。沢城みゆきボイス最高。GGOというゲームで銃器中心のバトル。{netabare}ゲームをプレイした人が突然死ぬという事件があり、それの解決を図る。シノンの同級生やばい奴やった。キリトの女体化もあるよ。{/netabare}
15話~17話がキャリバー編。休憩みたいな感じ。さくっと終わった。
18話~24話がマザーズ・ロザリオ編。ユウキ登場。{netabare}病で死に瀕しつつもALOにおいて絶剣として名を馳せる。涙が出た。どうしても死が絡むと泣けてしまう。アスナに想いが託された。{/netabare}

OP
IGNITE 藍井エイル
courage 戸松遥
ED
Startear 春奈るな
No More Time Machine LiSA
シルシ LiSA
やっぱり主題歌はLiSA必須。勿論、藍井エイルも。
挿入歌
セパレイト・ウェイズ 戸松遥


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 第1話「銃の世界」
《SAO》クリアから約1年後。総務省《仮想課》の菊岡から呼び出された和人は、日本で唯一プロゲーマーが存在する人気のVRゲーム《ガンゲイル・オンライン(GGO)》にまつわる、奇妙な事件について聞かされる。《GGO》の有力プレイヤー2名が、《死銃(デス・ガン)》を名乗るプレイヤーにゲーム内で銃撃された後、いずれも謎の死をとげたというのだが……。

2. 第2話「氷の狙撃手」
大型狙撃銃《へカートⅡ》を武器とし、《GGO》随一のスナイパーとして活躍する少女シノン。所属するスコードロンの仲間と共に、他のスコードロンを襲撃した彼女は、第1目標の狙撃に見事成功。だが、第2目標として狙ったマント姿の巨漢に、銃弾をかわされてしまう。巨漢はマントの下に隠し持っていた重機関銃を取り出すと、圧倒的な火力で反撃し、シノンらは一転窮地に。仲間たちが弱気になる中、強敵との出会いを求めていたシノンは……。

3. 第3話「鮮血の記憶」
シノンのプレイヤーは、女子高生の朝田詩乃だった。彼女は下校途中で不良少女たちに路地裏に連れ込まれる。詩乃は不良少女のリーダーである遠藤から金をよこせと迫られるが、毅然と拒否。すると遠藤は手を銃の形にして詩乃に突きつける。それを見た詩乃は突然蒼白になって震え出してしまう。詩乃は幼い頃のある事件が理由で、銃に対してトラウマを抱いていたのだ。その事件とは……?

4. 第4話「GGO」
菊岡の調査依頼を受け、《GGO》にログインするキリト。彼は《死銃(デス・ガン)》に自分を狙わせる方法として、《GGO》最強のガンナーを決める大会《バレット・オブ・バレッツ(BoB)》にエントリーしようとする。しかし初めてのゲーム世界で勝手がわからず、道に迷ってしまったキリトは、近くにいたシノンに声をかける。シノンは、親切心から案内役を引き受け、《GGO》の世界をレクチャー。武器の選び方や、《GGO》独自のシステムである弾道予測線のことなどを教える。

5. 第5話「銃と剣」
《BoB》にエントリーするため、端末に必要事項を入力しようとしたキリトは、入力フォームに現実世界の名前や住所を入力する欄があることに驚く。入力しないと上位入賞した際の賞品を受け取れないという記述を見てしばらく悩むが、結局、現実世界の項目には記入せずエントリーを終える。キリトが出場するのは予選トーナメントFブロック。シノンも同じFブロックで、勝ち抜けば決勝で当たる可能性がある。二人は決勝で当たったら全力で戦おうと誓い合うのだった。

6. 第6話「曠野の決闘」
予選第一回戦で勝利したキリトの戦いぶりを見て、「本物か?」と問いかけてきたボロマント姿の男。かつて、《SAO》に存在した殺人ギルド、《ラフィン・コフィン》のタトゥーをしたその男は、キリトに「いつか殺す」と言い残し、姿を消した。ボロマントの男との接触で、《SAO》での死闘を思い出したキリトは、そのトラウマに苦しめられる。そんな中、互いに予選を勝ち進んだキリトとシノンが、Fブロック決勝で対戦するが……。

7. 第7話「紅の記憶」
ボロマントの男は《SAO》からの生還者で、殺し合いを繰り広げた相手かもしれない……。そんな思いにとらわれ苦悩を端々ににじませるキリトを、妹の直葉は心配する。一方、キリトへのいら立ちが収まらない詩乃は、恭二を相手にキリトの悪口をまくし立て、大会本戦で倒すことを誓う。だが、シノンのクールな戦いぶりに憧れめいた感情を抱く恭二は、いつになく熱くなっている詩乃を彼女らしくないと感じるのだった。

8. 第8話「バレット・オブ・バレッツ」
《BoB》本戦に《死銃》とボロマントの男が出場していると考えるキリトは、本戦開始までの時間を利用してシノンに情報交換を持ちかけ、参加者を探ろうとする。予選第一回戦の後、様子がおかしくなったキリトを見て何か訳アリだと察していたシノンは、事情を話すようキリトに迫り、彼が《SAO》からの生還者であることを知る。そのような中、いよいよ大会本戦の火蓋が切って落とされ、直径10kmの広大なフィールドを舞台にした、30名のプレイヤーによるバトルロイヤルが始まる。

9. 第9話「デス・ガン」
ボロマントの男がペイルライダーを銃撃すると、まだHPが残っているにも関わらず、ベイルライダーは消滅してしまった。ボロマントの男は自らが死銃であると明かし、真の死をもたらすと宣言。ストリーム中継で《BoB》を観戦していたアスナ達は、死銃が《ラフィン・コフィン》の元幹部であることに気付き、衝撃を受ける。一方、キリトとシノンは、これ以上の被害が出る前に倒すべく、協力して死銃を追うのだが……。

10. 第10話「死の追撃者」
背後から死銃の奇襲を受け、追い詰められたシノン。死銃が使っている拳銃“黒星・五四式”は、奇しくもシノンが射殺した強盗犯が使っていた銃と同じだった。事件の記憶がフラッシュバックし茫然自失となるシノンを、キリトを本気にさせる為に死銃が殺そうとする。だが、黒星の引き金を引き絞る寸前、間一髪でキリトが駆けつけてシノンを救出。戦意喪失状態のシノンを連れて逃走を図るキリトだが、死銃の追撃を受け窮地に陥る。

11. 第11話「強さの意味」
死銃から逃れたキリトとシノンは、砂漠地帯の洞窟に身を潜めていた。そこでキリトは、死銃がプレイヤーを殺害した方法を考察。死銃がキリトに反撃した際、黒星ではなくライフルに持ち替えたことから、現実世界のプレイヤーを殺害するにはなんらかの条件があると推理。さらに推理を進めたキリトは、ある恐るべき可能性に思い当たる。

12. 第12話「幻の銃弾」
《BoB》も終盤戦を迎え、生存プレイヤーはキリトとシノン、死銃、前大会優勝者の闇風に絞られた。死銃の共犯者が複数人いて、闇風もターゲットにされている可能性を否定できないことから、キリトは死銃よりも先に闇風を倒した後、さらに死銃も倒そうと決意。自分がオトリとなって飛び出し、シノンが狙撃を担当する作戦に出る。キリトの信頼に応えたシノンの射撃で作戦は狙い通り進み、キリトはついに死銃と対峙するが……。

13. 第13話「ファントム・バレット」
《GGO》には存在しない《SAO》のスキル《スター・スプラッシュ》を模した死銃の剣技を受け、キリトは追い詰められる。銃撃のみならず、剣撃の腕前も高いレベルにあった死銃にキリトは追い詰められ、次第に体力を奪われてしまう。一方、死銃との狙撃戦でスコープを破壊され狙撃が出来なくなってしまったシノンは、キリトと死銃の戦いを見守るしかなかった。シノンは歯がみしながらも、今自分に出来ることがないか必死に考える。

14. 第14話「小さな一歩」
誌乃を殺してから自分も死のうと、恭二が襲いかかる。だが、間一髪で和人が駆けつけて、恭二に飛びかかった。もみ合いとなる中、恭二が持っていた毒薬入りの注射器が和人に押しつけられるが、奇跡的な偶然により薬液は注入されず、和人は難を免れる。後日、和人と誌乃は菊岡に会いに行き、今回の事件に関する事実関係を聞くことに。菊岡は《死銃》の一人として逮捕された男から、キリト宛の伝言を預かっていた……。

15. 「Debriefing」
総集編

16. 第15話「湖の女王」
《ALO》で聖剣エクスキャリバーが発見されたというニュースが流れた。それは数か月前、キリトとリーファが地下世界・ヨツンヘイムでトンキーという邪神を助けたときに見つけたものだった。このニュースを知った2人は、他のプレイヤー達に先を越されないうちに、エクスキャリバーを手に入れようと決意。アスナやクライン、シノンたちを呼び集め、7人パーティーでヨツンヘイムのダンジョンに向かう。

17. 第16話「巨人の王」
女神ウルズから、霜の巨人の王スリュムの討伐と、エクスキャリバー奪還のクエストを与えられたキリトたち。ユイはこのクエストが運営者の意図したものではなく、システムが自動生成したものではないかと推測する。その場合、クエストの行方次第では、《ALO》世界そのものが破壊される可能性すらあると……。そうなる前にクエストを達成するべく、ダンジョン攻略を急ぐキリトたち。その途中、檻の中に閉じ込められ助けを求めていた女性NPC、フレイヤを発見する。キリトたちはワナを疑い、先を急ごうとするのだが……。

18. 第17話「エクスキャリバー」
キリトたちはダンジョン最下層で待ち構えるボス・スリュムと対決。しかし、スリュムのHPをなかなか削りきれず、逆に冷気による攻撃を受けピンチに。そのとき、仲間に加えたフレイヤが声を上げ、スリュムを倒すには奪われた一族の秘宝・黄金の金槌が必要だと、キリトたちに告げる。キリトは雷系のソードスキルを使い、隠された金槌を発見。フレイヤに投げ渡すが……。

19. 第18話「森の家」
《ALO》のアップデートに伴い、《新生アインクラッド》の第21~30層が解放されることになった。かつて、アインクラッド22層にあったログハウスで、キリトとユイの3人で暮らしていたアスナは、再び3人一緒に暮らす夢がかなうのではと期待に胸を膨らませる。そして迎えた、アップデート日のクリスマス・イブ。アスナはキリトやいつもの仲間達と共に第21層のボスを倒し、第22層に到達。以前、ログハウスのあった場所に向かう。

20. 第19話「絶剣」
《絶剣》の通り名で呼ばれる凄腕プレイヤーの噂を聞き、勝負を挑むことにしたアスナ。《絶剣》は超攻撃回数を誇る自身のオリジナル・ソードスキルを賭けて対戦相手を募り、挑戦者全員を返り討ちにしていた。だが《ALO》からログアウトし、現実世界へ戻った明日奈は、母・京子から、進学校への編入試験を受けるよう言い渡される。進路を押しつけ、さらには結婚相手すらも勝手に決めようとする母に彼女は反発するのだが……。

21. 第20話「スリーピング・ナイツ」
アスナは、ユウキがリーダーを務めるギルド《スリーピング・ナイツ》への協力を頼まれる。《スリーピング・ナイツ》は、メンバー同士の事情で近く解散することを決めており、解散前の思い出作りとして、自分たちのパーティーだけでのボス攻略に挑んでいた。しかし、通常は複数パーティー合同の49人で挑むボス敵を、《スリーピング・ナイツ》+アスナの7人のみで倒すのは極めて困難。勝算の薄さから、返事をためらうアスナだが……。

22. 第21話「剣士の碑」
第27層のボスを攻略しようとするアスナと《スリーピング・ナイツ》の動きは、ボス攻略専門ギルドに察知されていた。ボス攻略のノウハウを知られた上に、先を越させまいとするギルドの妨害を受け、窮地に追い込まれるアスナたち。そこへ、キリトとクラインが駆けつけ、アスナたちに加勢。キリト達が時間を稼いでいる間にアスナと《スリーピング・ナイツ》は、行く手に立ちふさがるボス攻略ギルドの先遣隊20人を蹴散らし、ボス戦に挑む。

23. 第22話「旅路の果て」
ユウキが突然アスナの前から姿を消し、《ALO》にログインしなくなって数日が過ぎた。アスナは《スリーピング・ナイツ》のシウネーにユウキが姿を消した理由を尋ねるが、シウネーは言葉を濁して詳しい事情を説明せず、「ユウキは再会を望まないでしょう」と言うだけだった。後日、もう一度ユウキと会いたい、と願う明日奈に、和人から「屋上で待ってる」というメールが届く。明日奈が屋上に行くと彼はメモを差し出し、そこに書かれた場所へ行けば彼女に会えるかもしれないと告げる。

24. 第23話「夢の始まり」
世界初の医療用フルダイブ機・メディキュボイドの被験者として、病院からバーチャル世界にダイブしていたユウキ。末期の病で無菌室から一歩も出られない彼女は、もう一度学校へ行ってみたいと願っていた。彼女の望みを叶えるべく、明日奈は和人や学校の仲間に協力してもらい、ユウキに学校生活を体験させる。放課後、ユウキはもう一箇所行ってみたい場所があると言うと、かつて自分と家族が住んでいた場所へと明日奈を案内する。

25. 第24話「マザーズ・ロザリオ」
外の世界を体感できるようになってから、ユウキの毎日はこれまでにないほど充実していた。《ALO》では多くのプレイヤーたちとバーベキューをしたり、クエストに行ったりと、賑やかな日々を送っていた。また現実世界では、明日奈たちと授業を受けたり、京都へ旅行に行ったりもした。そして3月が終わりに近づき、桜のつぼみがほころび始めるようになったある日。明日奈の元に、一通のメールが届く。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

84.3 11 熱いでシリアスなアニメランキング11位
リトルバスターズ! 〜Refrain〜(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1526)
7985人が棚に入れました
深く、どこまでも深く――。
理樹の意識は暗い闇へと沈んでいった。
壮絶な事態が進行する中で、理樹は何もすることができない無力感に苛まれた。
―なぜこんなことになってしまったのだろう―理樹は自問自答し、自分の弱さを乗り越えるために現実に抗うことを決意する。
「この世界の秘密」の真意、願いに応えるために、未来を笑顔に変えるために──。

声優・キャラクター
堀江由衣、たみやすともえ、緑川光、神奈延年、織田優成、やなせなつみ、すずきけいこ、若林直美、田中涼子、河原木志穂
ネタバレ

takoaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

友情のリトルバスターズ!2度見てもらいたいアニメ。(2回目視聴する人のための自分なりの解説もあります)

[こんな人にオススメ!]
・リトルバスターズ1期を視聴した人
・感動したい人

[ストーリー&感想]
原作プレイ済みです。総評としては、無難な展開。といったところでしょうか。所々に不満はあるものの前期より制作側の努力が見えましたし、感動もし泣きもしました。やっぱり、リトルバスターズは最高です!
でも、この作品って1回目だと感動が伝わりづらいような気がするんですよね。自分の場合がそうでした。3回目原作をやり直してやっとこの物語のすごさに気付いて、本当の意味で泣くことが出来ました。。アニメは原作の簡略版みたいなものですが、こちらでも十分リトバスのすごさが出ているので、是非とも前期から見直してもらいたいです。(あるいは、refrainだけでも)
そして、もし、途中で断念した人は以下のネタバレ読んででも見てくださればと思います!
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以下には、1回見た人の為への自分なりの解説を書いていきます。
これを読んでさらにリトバスについて知ってもらいたいです。さらに言えば、これを踏まえてもう一度見てもらいたいです。

棗恭介
{netabare} 仮想世界の創造主。理樹と鈴を除いた他の皆も世界の創造にかかわっていますが、恭介の役割が大きいでしょう。なので、リトルバスターズのメンバー以外のキャラクターの会話や行動は全て恭介により行われていると考えればよいかと思います。(かなたは もしかしたら例外かもしれませんが)
また、彼の行動の全ては理樹と鈴の成長の為。遊ぶためではない。二人を強くするために幾度と同じ世界を繰り返した。そのことを念頭に置いて恭介を見ていると、ちょっと違うように見えるかも。 {/netabare}

井ノ原 真人
{netabare} 実は彼が一番ぶれることのなかったキャラです。仮想世界の繰り返しにより、恭介は最後の世界で引籠りになり、謙吾は仮想世界を永遠と繰り返そうとする。しかし、真人は変わらない。幾度も繰り返してきたギャグを繰り返し、馬鹿を演出する。全てを知りながら、バカなふりをする。それでいて、さりげなく理樹と鈴をサポートする。ほんとに、愛すべき馬鹿です。
ちなみに、リフレインの世界で一時真人の目に全ての人が真人に見えるようになったのは 恭介の仕業だと思われます。{/netabare}

宮沢 謙吾
{netabare} 彼は皆と馬鹿をして遊んでいたかったくせに、剣道をやるといいリトバスの参加を拒んでいました。それが古式イベの後で吹っ切れて、本当の自分丸出しで馬鹿になります。まぁ、要するに彼は遊びたかったんです。だからこそ、恭介の計画に反対して仮想世界での生活を繰り返していこうと思っていたわけです。
これ故に、謙吾が一番子供だと言われたりしていますが、現実世界のことを考えると彼の仮想世界での行動も納得行きます。私が思うに、彼は現実世界では剣道一筋で皆とあまり遊ぶことがなかったのではないでしょうか?本当は遊びたい自分を隠して、剣道をし続けた彼。仮想世界でも現実のように剣道一筋でいようとした。でも、どうしても現実世界で皆と遊ばなかった自分のことを悔いてしまい馬鹿をさらけ出してでも遊ぼうとした。
この彼の心情を考えてもう一度見ると、彼の涙にさらに共感できるかと思います。 {/netabare}

古式 みゆき
{netabare} 以外と重要な人物。直接は言及されませんが、彼女は現実では死んでいます。謙吾に相談したものの、結局のところは死を選んでいます。なので、仮想世界で謙吾が彼女を助けたのは現実世界でそうできなかった自分への罪滅ぼしのようなものかと。
そんな彼女を利用して恭介は鈴の併設校問題の時、謙吾と理樹が負けるよう陥れます。死んだ人を利用してコールドゲームに用いた恭介。だから、「茶番だ」「土足で踏み込んだ」などのことを謙吾は言ったのです。
1期の小毬ルートで理樹が墓に行くシーンを見返してみてください。後ろに動く傘があるはずです。それは、原作の描写を見る限り、謙吾です。そして、その墓参りの対象は現実で死んだ古式だと思われます。{/netabare}

能美 クドリャフカ
{netabare} 1期のクドルートの中でクドは「全部思い出しました」と、恭介に告げていたかと思います。これはバス事故のことかもしれませんが、私は現実でクドに起きたことのことかと思います。現実世界でも母親・チェルヌシカの乗った宇宙船は爆発した。そして、仮想世界でこそ奇跡的に脱出したものの、現実ではチェルヌシカは死んでしまった。と、私は考えています。(もしかしたら、仮想世界でも結果的に死んでいるのかもしれません)根拠は原作のrefrainクリア後のクドルートの最後にある追加エピソードです。確か、クドと理樹が二人でチェルヌシカが宇宙で撮った映像を見ているシーンがあり、クドはそこで泣いていたかと思います。私はそれを現実世界に戻り生還したのちの二人だと思っているので、やはりチェルヌシカは死んだものかと。
さらに、クドは現実世界でのロケット事故時にテヴア行きを拒んだものと思われます。だから、恭介は「また同じ過ちを繰り返すのか」と言ったのです。謙吾が古式に対して罪滅ぼしをしようとしたように、クドも同じく罪滅ぼしをしようとしたのかと思うと、仮想世界は理樹と鈴のみではなく他の皆にとっても深い意味を持つものだったのではないでしょうか。
さらに追伸。クドがテヴアに行く際に皆にいったロシア語は「ぷらしゃーいちー」。直訳すると「永遠にさようなら」。これは、ヴェルカやストレルカの名前がそうであるように、自分の望みと反対のことを言う風習に倣った発言かと思われます。でも、普通にこんなこと聞いたら驚いてしまいますよね。来々谷さんも眉しかめてましたね。
祖国の儀式をやるときクドが理樹に言うよう頼んだ言葉は「に・ぷーか、に・ぺーら」。これは、「毛も羽もない」という意味。もとは、狩りに行く人に言った言葉らしいので成功を祈る意味があるのでしょうね。 {/netabare}

西園 美魚
{netabare} 正直、美魚ルートは私に解説できるものではなく、感じろ!と、しか言いようのない抽象的なルートです。だからこそ、一番好きなんですけども。
彼女は世界の秘密を利用して、仮想世界において美鳥を美魚にさせ、自分は孤独であろうとしました。「白鳥は 哀しからずや 空の青 海の青にも 染まずただよう」この詩の白鳥は美鳥であり、彼女は今孤独である。ならば、自分が孤独になり彼女を呼び戻そう。そう、考えたのかと思います。
でも、人ってどこにいても結局は孤独なんです。だって、いくら人といても自分は他人と交わることが出来ず自分のままなのだから。自分が白なら、他人は青。白と青は混ざらない。そういうものです。そして、孤独だからこそ人に触れ続けようと思える。
と、いったことを美魚ルートで表現したかったのではないでしょうか。完全に自分の考えですけど。そんな彼女だからこそ、他のキャラが言ったら普通の言葉に聞こえるものが、違うように聞こえてきたりもします。確か、アニメのクドルートにもそんな台詞があったかと。。 {/netabare}

小毬ルートは特に解説が必要がないと思うので割愛。
来々谷ルートは全ルートの中で一番重要かつ、完成度が高いと評価の良いルートですが、私には難解すぎます。誰か頼んだ。
ハルカルートも特に難しいことはないので割愛。

他に疑問のある方は、メッセージくだされば加筆します。

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第一話感想
{netabare}
ついに始まりましたね。冒頭から意味深なシーン、そしてOPもしっとり落ち着いた感じで表情も何かに悩んでいるようです。予想していた通り 小毬ちゃん主催のホットケーキパーティーから始まったわけですが、まさかの1話目にして来々谷ルート突入後のいじめ解決まで。前期に比べあまりにも早い展開にびっくりです。グダグダした感じがなくなってとてもよかったです。
ただ、理樹と来々谷さんが二人、手をつないだまま放送室まで来たのが少し気になります。恋愛パートはないと思っていたのですが、少し組込むつもりなのでしょうか。気になります。あと、EDで謙吾が制服を着ていたのに少し疑問を覚えました。雰囲気に合わせるためでしょうか。原作では制服を着るとホモに見られてしまうと言い、嫌っていたのですが。
とにかく1話は満足です。最初から最後まで鳥肌立ちっぱなしでした。{/netabare}

第二話感想
{netabare}
いい!実にいい演出だJCさん!来々谷ルートは恋愛部分全部のぞいたらほとんど何も残らないのでは?と、思っていたところをこのように展開するとは。花火のシーンで少々強引ではあるけれども、何とか理樹が意図せずに2人きりになる場面を演出したこと。鈴の心情の変化の演出。そして、恋について悩む理樹の脳裏に映る鈴の表情。完璧じゃないですか!贔屓目に見ていることもあると思いますが、最高です!来々谷さんがピアノを弾いてる時のBGMとしてCDアルバムripresaの音楽を持ってきたのも嬉しいです!
ただ、少し惜しかったのがロリロリバスターズの使い処。原作では、それを言ったところに鈴が入ってきて幻滅されるシーンなのですが、それがなかったのはちょっと惜しい。まぁ、鈴の心情表現のために一度鈴を退場させているので仕方ないですね。そっちの方が大切です。
今回は来々谷さんの独壇場でしたが、それより美魚がしゃべったことの方が嬉しかったです。 {/netabare}

第三話感想
 1話より2話が。そして、2話より3話がいいという。JCさんありがとうございます。
{netabare}
 姉御ルート終了ですね。見ている間ずっとクオリティーの高さに驚きっぱなしでした。個人ルートの中で一番不可解な姉御ルートを言葉より視覚、表現を通して表していたところが良かったです。原作を2回プレイしている私ですが、姉御ルートは私にとって分りづらいところが多かったため、あまり記憶になかったのですが、まさかアニメで綺麗に整理されるとは。表情って大切ですね。Cパートでの姉御の発言はこの話のカギとなるものが多いため、見ていて涙ものでしたね。最高です。来週は鈴ルートの序盤なので、また初期のノリに少し戻るかもしれませんが、どう展開されるか期待です。

 P.S Bパート後半に流れてたシンクロニクル聞いてると、どうしても雪の中から美鳥が現れるような気がしてしまうんですよね。 {/netabare}

第四話感想
{netabare}
 鈴ルートが始まりましたね。姉御ルートよりも更に記憶がないことに視聴しながら気づきました。原作でもこんな感じだったっけ?と、思いつつ見ていました。原作プレイ時には鈴に対して特にかわいいと思ったことはなかったのですが、なんだこれは。。鈴ってこんな魅力的なキャラだったか!?かわいい。かわいすぎる!でも、私には西園さんがいます。理樹もかわいかったですね。
 後半でのリトバスメンバーの理樹と鈴を祝福する時の表情が、もう、原作既プレイ者としては胸に込み上げてくるものがあって、それだけで感動しました。ただ、今回のクド、ハルカ、美魚が消える場面でうまいやり方だと思いながらも、アニメでの設定に少し疑問がわいてきましたね。アニメ組の人にはいえない疑問なのでここには書けませんが、これからどうなるのでしょうか。 楽しみです。{/netabare}

第五話感想
{netabare}
 恭介、何をたくらんでいる。そう言いたくなる、多くのことが詰められた回でした。ここら辺は原作の記憶があったのですんなりと見ていられましたね。鈴と小毬のシーンが多くなっているのに感動しました。他の女子勢が消えて一人だけ残ってるけど、こらはこれでありかな。
 原作に比べてやけに伏線が多い気がするけれども、これは実際どうなんでしょう。ちょっと原作やり必要がありそうです。
 来週、逃亡。か。。。{/netabare}

第六話感想
{netabare}
 思ったより駆け足でした。まぁ、原作の逃亡生活はこれくらいにまとめていいと思っていますが。ただ、ナルコレプシーをここでもう一度言及してもよかったのではないでしょうか。こまりさんの携帯がつながらない部分も、1期に伏線を張っておいた方が良かったのでは、と思っています。西園さんルートが終わったあたりのOP前に鈴が機会に弱いことと、恭介がパスワードを設定していることを日常風景として入れておくことはできなかったのかな。
 総合的には満足のいく出来ではありましたが、BGMに聞きなれないものが3つほど出てきて。。あれは、アニメ独自のものなのでしょうか?原作通りの演出を求めていたので少々がっかりな部分もありますね。
 反面、とても気に入った演出も。まず、昔のリトルバスターズを回想する理樹。まで、7話が放送されていないので分りませんが1期の始まりである「恭介が帰ってきたぞ」が回想に入っていたのは物語の始まりを思い出させるという理由でよかったです。それと、田舎で理樹が目撃した蛍のような球3つ。原作組にしかわからないものですが、ささやかなこの玉の演出もよかったです。
 来週からのリフレインどうなるかな?{/netabare}

第七話感想
{netabare}
 今週からリフレインに入りましたね。アニメ組の人はこれを見てわけがわからない状態になっているでしょう。だが、それが正しい反応です。原作プレイ時も、何も変わらないはじまり方なのに鈴と恭介が変わり果てていて何が起きたのかついていけない状態でしたし。ましてや、一本道のアニメなので余計困惑するでしょう。この困惑した状態は、ちょっと長い間続きます。でも、全部ちゃんと明かされるのでその時、もう一度見返してみてください。
 批判したい点としては、振出しへの戻りがあまりにも唐突すぎること。仕方ないことなのですが、もう少し鈴ルートで世界が一度終わったことを表現できたはずだと思います。また、テンポが速すぎる点も問題があるかと。ここは、振出しへの戻りに適応できるよう、そして個々の感情を表すためにも丁寧な展開が必要だったはずです。現状を見る限り、このテンポは最後まで続きそうなので少々不安です。やはり1クールは短すぎたのでは。。 {/netabare}

第八話感想
{netabare}
真人の話がいい感じに1話に収められていてよかったです。全員が真人になるシーンは正直、アニメにするとギャグにしかならないだろ!とか思っていたので短く済ませてくれていて安心しました。今週は特に可もなく不可もなくで、書くこともそんなにないですね。来週の謙吾、どんな内容だったっけ。 {/netabare}

第九話感想
{netabare}
謙吾回よかったです!アニメ組でもまだ普通に見れた内容だったのではないでしょうか?最初は物語へのかかわりも薄く、一人自分の道を歩み続けていた謙吾。でも、それは自分を演じていたにすぎず、本当の自分はみんなと遊んでいたい気持ちでいっぱいだった。謙吾が実は一番子供なんですよ。最後の泣いてるところの演技は本当に良かったですね。謙吾の心情が伝わってきます。{/netabare}

第十話感想
{netabare}
 恭介ぇぇぇぇぇぇぇ!!って叫びたくなる回でしたね。今回は解説回としてちょうどよかったのではないかと思います。アニメは時間が限られる分、こういう風に直接説明するほうが手っ取り早いですもんね。原作だと今はまだはっきりとは世界の秘密が明かされていない時点のはずなので。。
来週が最大の山場で、11話の出来によってリトバスアニメが黒歴史となるか否かが決まります。制作側もそれは100も承知のはずなので、いい出来であるはず。たぶん。 {/netabare}


第十一話感想
{netabare}
原作通りで満足でした。緑川さんの演技はさすがですね。涙腺がやばかったです。ただ、消えていくのはもっとじっくりがよかったかな。
さて、この話まで見て二つの部類がいると思うんですよね。見てきてよかったって人と、ナニコレ?っていう人。私は原作プレイ時は実は後者の方でした。まぁ、ナニコレ?ってほどではなく、「感動したけど、泣けないよね?」という程度。そんな私がこのリトバスが大好きになったのは原作を3回目プレイしているとき。色々な解説サイトを通して各キャラの立ち位置、心情などを知ったのちに2回、3回とプレイすることにより各キャラ、特に恭介・謙吾・真人の3人がやっと見えてきたんです。それにより、3回目のリフレインで初めて号泣というわけです。
つまり、私が言いたいことは1回目で納得がいかなかった人は余裕があれば繰り返し見てもらいたいという事です。1回だけじゃリトバスを真に知ることはできませんから。

来週と再来週、演出どうするんだろう。思ってみれば、ここが一番複雑だぞ。{/netabare}

第十二話感想
{netabare}
 今週はちょっとがっかりです。構成が満足いくものではありませんでした。1期のころから私が期待していたのは先週の別れの内容より、今週やった小毬と鈴が出会うシーンでした。皆消えたはずなのに実は仮想世界に残っていた小毬ちゃんが鈴に泣きながらも笑ってもう一つのお願い事を言う。。自分が原作で一番大好きなシーンで見るたびに涙涙でした。なのに、アニメでは感動はしたものの、それ以上には湧き上がる感情がなかった。残念です。
私が思うに、屋上で小毬に会う前に、鈴が彼女との約束を思い出すことにより小毬がそこにいることを先にばらしてしまったこと。また、クドや来々谷たちとの過去を思い出して一人一人がいないことを確認している場面と小毬の屋上シーンを即座につなげなかったこと。まぁ、要するに原作通りやってもらいたかったということです。残念。 {/netabare}

第十三話感想
{netabare} 西園さんが妙に優遇されていて嬉しかった最終話。これは、西園さんの登場シーンの少なさへの配慮なのかあるいは、2期で復帰した声優・河原木志穂さんへの配慮なのか。
それはさておき、まぁ13話は内容を知っていた分特に可もなく不可もなくという感じです。個人的には、原作の時からこの全員が助かる奇跡の展開はあまり好きではないので。。原作では二人だけが生き残る道も選択できるので、そっちの方が少し悲しくても好きです。JCさん、お疲れ様でした! {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チーム名は…リトルバスターズだっ!!

2013年秋、放送開始。全13話。
リトバスの続編ということで、いよいよ物語の核心へと迫るみたいですね。
Key作品なので、どのように感動させられるのか期待してしまいます。

個人的には、京アニに作ってほしかったですが…

見たらレビュー更新します\(^o^)/
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めちゃくちゃOP、ED、ともに好きです。すごくうれしいですね。評価はまだまだ変えるつもりです。


感想
【第1話】「それは突然やってきた」
{netabare}ついに待ちに待った2期放送開始。期待を裏切らない出来で、本当によかったです。戦慄が走りました。作画も崩壊してないし、JC、グッジョブです。今後も期待して見続けます。

今週の名言 来ヶ谷>この、クソがぁーーーーー!!!{/netabare}

【第2話】「そのときも雨が降っていた」
{netabare}来ヶ谷編、第2話。
来ヶ谷が理樹のことを好き!? なんか急展開ですね。
そこで、恭介はオペレーション・リトルラブラブハンターズというものを始めました。アニメだと、よくある展開です。花火以外は… とても花火はきれいでした。作画に力入ってます。
あれ、ラスト同じ日にちを繰り返してる???{/netabare}

【第3話】「ずっとここにいたかった」
{netabare}来ヶ谷編、最終回。
6月20日が繰り返されている。それは来ヶ谷が願ったから… ここからリトバスの核心に迫っていきますね。
ただ、願うだけで日にちをループできるのはどうかと思いましたが、それはこの後の物語につながる伏線だと思いましょう。
後半部分、ほんとによかったです。曲の入り方…絵の演出…、JC完璧です\(^o^)/ また、あのEDの音楽も大好きですね。この回は名作回ではないでしょうか。{/netabare}

【第4話】「理樹と鈴」
{netabare}待望の鈴編、第1話。
鈴編がはじまったみたいですが、来ヶ谷がいないような…
そして、いきなり理樹と鈴が付き合い始めましたね。なんかお似合いです(笑)
そして、猫が世界の秘密を教えるための最後のミッションを持ってきました。クラスで立候補って何にだろう…{/netabare}

【第5話】「最後の課題」
{netabare}鈴編、第2話。
県議会の人に選ばれることになるとは…
鈴が頑張って学校案内をしている姿がなんかかわいいです♪で、なぜ鈴が併設校に行くことになるんだ??
県議会の人は間違えてしまっているんじゃないか?と1人思うめんまであった… {/netabare}

【第6話】「逃亡の果てに」
{netabare}
鈴編第3話。
話がだんだん重くなってきました… あんなに鈴はつらそうなのになぜ恭介は助けに行ってはだめというのでしょうか…
なにか事情ありのようです。
そして、理樹と鈴はついに逃亡しちゃいました。ラスト、警察のひとに見つかって終わってしまいましたが、どうなるのでしょうか…{/netabare}

【第7話】「5月13日」
{netabare}!? いきなり話がとびましたね… なんで、いきなり恭介が引きこもりに!? 話についていけません… 原作やっている人ならわかるのでしょうが…
なにやら理樹と鈴が中心となってリトルバスターズを作るみたいですね。おもしろそうです♪{/netabare}

【第8話】「最強の証明」
{netabare}真人編。
理樹と鈴がリトルバスターズに真人を誘うのになぜか断ってしまっています…
それどころか、暴走してますね…
トラップの方法はうまかったですが、まさか石像をもって歩いてしまうとは… さすがいつも鍛えてるだけはある…
最後の理樹が真人を倒すところが、昔の恭介とかぶったシーン、感動しました。
EDも卑怯だぁーーーー…(笑){/netabare}

【第9話】「親友の涙(とものなみだ)」
{netabare}謙吾編。
謙吾はなにかと理樹がリトルバスターズを作ることをやめさせようとしてきますね。そして、自分が理樹や鈴を守るという使命感もあるようです。
そして、理樹は謙吾を仲間にするために、恭介と同じように力で勝負しようと野球の試合をしました。
理樹がホームランをうち、謙吾が泣き崩れるところに感動です(:_;) そこでの卑怯なsong for frinds… 泣かないわけにはいきません!
そして、次回はついに恭介です♪{/netabare}

【第10話】「そして俺は繰り返す」
{netabare}恭介編。
今回はどちらかというと過去を振り返る話でしたね。理樹と鈴を救うためにメンバーのみんなが協力してくれたこと、どれだけの時間を理樹が絶望しないよう成長するために使ってきたかを恭介が思い返す回でした。
なんだか切なくなります…
そして、恭介が血の中をはっている場面がまだこの回だとよくわかりませんでしたが…
そして、最後についに恭介が理樹の手をとりました!ここからどうなっていってしまうのか…
EDにBoys be smileが使われていたのが印象的でした。{/netabare}

【第11話】「世界の終わり」
{netabare}この話はリトルバスターズで一番泣ける話だと思います… この回を初めて見たとき、大泣きしてしまいました(:_;)
恭介や謙吾、真人が消えていくお話です。
この世界は、鈴や理樹を成長させ絶望をさせないために他のみんなが作った… すごいことだと思いましたw でも、それに全てをかけてリトバスのみんなはこの世界を作ったんですよね… なんて友情が深いんだろう、すごくいい仲間ですね♪
最初に真人がボールを理樹に渡して消え…次に謙吾が未練を残しながらもありがとうと消えていく…そして最後の恭介の「俺だってもっとみんなと遊んでいたかったんだ!!」と泣きながらついに想いを口にする場面… さらにそこでの挿入歌の遥か彼方…
まさしくここで大泣きしなければどこで感動するんだっという感じでした。
この話はレビューを見るよりも実際にアニメを見てもらったほうがいいと思います!(じゃあなんでめんまは感想レビュー書いてるんだよっw)
ちなみにすべての秘密がわかる回です!(それを最初に言えよっw)
とりあえず、見て損はないです♪)^o^(
{/netabare}

【第12話】「お願いごとひとつ」
{netabare}すべての世界の秘密を知った理樹と鈴… もう後戻りすることはできません進んでいくしか道はもうない… 襲いかかる絶望感のなか、必死になって理樹と鈴は進みます
そして、物語は最終回「リトルバスターズ」へ…
まさかEDにboys be smileを持ってくるとはw{/netabare}

【第13話】「リトルバスターズ」(最終回)
{netabare}1期から続いてきたリトバスもついに最終回。長かった…
絶望感をおさえ、未来を信じて理樹と鈴は必死にバスの中から恭介や仲間たちを救いだそうとします! ここでのガソリン漏れを抑えていた恭介…男です!
しかし、最後の1人となった恭介を救いだしバスから少し離れた瞬間、爆発が起こります… まあ結局助かって最悪の結末はまぬがれるんですがw
とにもかくにもみんな助かってよかったです(≧∇≦)
そして、クライマックスの修学旅行に行くぞっ的な終わり方!みんなすごく楽しそうでしたね! ホントハッピーエンドになってよかったです!
なんだか清々しい気持ちになれました♪( ´▽`){/netabare}


全39話、リトルバスターズという物語を駆け抜けていきましたが、本当にいい話でした。いま自分は高校生ですが、こんな学校生活送れたらなみたいな…
もちろん、あり得ませんがねw
1期だけを見たときには、楽しい学校生活にkey特有の感動シーンをつけているだけとか思ってましたが、そんな自分がバカでした…
まさか1期すべてが2期の伏線になっていたとはね…w
そんなわけで2期の伏線回収は半端ないですw

この作品は、どちらかというと大人よりも若い世代に愛される作品だと思います。
大人のひとたちはCLANNADのほうが良く感じてしまうのではないでしょうか?
そんな気がしますね♪( ´▽`)
自分はどちらも大好きですが、しいていうならリトバスをとります。

リトバスはめちゃくちゃオススメできるアニメです!
1期でこれツマラナイやと切ったそこのあなた!是非2期を見てください!
たぶん8割以上の方が評価変わるでしょうw
もし、このレビューを読んでいただけてリトバス見て好きになってくれる方が1人でもいたなら幸いです。良ければメッセにて観た感想くださいなw

ではとても長い長文、失礼いたしましたm(_ _)m



円盤売上表(1期&2期)
○リトルバスターズ! 【全9巻】
巻数   初動    累計    発売日
    BD(DVD)  BD(DVD)
01巻 8,358(1,757) 9,852(*,***) 12.12.26 ※合計 11,609枚
02巻 8,280(1,768) 9,302(*,***) 13.01.30 ※合計 11,070枚
03巻 8,047(1,622) 8,975(*,***) 13.02.27 ※合計 10,597枚
04巻 7,762(1,575) 8,723(*,***) 13.03.27 ※合計 10,298枚
05巻 7,289(1,438) 8,555(*,***) 13.04.24 ※合計 *9,993枚
06巻 7,536(1,505) 8,353(*,***) 13.05.29 ※合計 *9,858枚
07巻 7,344(1,488) 8,176(*,***) 13.06.26 ※合計 *9,664枚
08巻 7,262(1,480) 8,170(*,***) 13.07.31 ※合計 *9,650枚
09巻 7,535(1,514) 8,476(*,***) 13.08.28 ※合計 *9,990枚


○リトルバスターズ!~Refrain~ 【全7巻】
巻数   初動    累計    発売日
   BD(DVD)  BD(DVD)
01巻 8,140(1,561) 9,004(*,***) 14.01.29 ※合計 10,565枚
02巻 7,666(1,440) 8,359(*,***) 14.02.26 ※合計 *9,799枚
03巻 7,406(1,380) 8,308(*,***) 14.03.26 ※合計 *9,688枚
04巻 6,732(1,246) 7,910(*,***) 14.04.23 ※合計 *9,156枚
05巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.05.28 ※合計 **,***枚
06巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.06.25 ※合計 **,***枚
07巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.07.30 ※合計 **,***枚

投稿 : 2024/11/02
♥ : 55
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ハードルは潜るもの?

【視聴前】{netabare}
リトルバスターズの続編。

まず注意点を一つ。
前作のノリを期待してると思わぬボディーブローを食らうことになるのでご注意ください。

今作では、『世界の秘密』が軸となります。
①前作に隠された本当の意味を知りたい
②key作品の真骨頂を味わいたい
そんな方々にオススメです。

「時計の針を止めることはできる。
 …でもそれじゃ、本当に誰も救われない」
{/netabare}
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視聴中→{netabare}
【1話感想】
{netabare}
  思ってたより飛ばしますね。
  原作未プレイの方でも秘密に気づいた方は多そうです。
  EDも多分アレですよね。
  {netabare}最近良く見かけるやつ。流行りなのかな?{/netabare}
  全体的に露骨ではありますが、雰囲気作りとしては良いかもしれませんね。
  {netabare}仕掛け考慮するなら、6月20日とフラッシュバックだけで良かった気もする。
  恭介と理樹の台詞はまんま答えでしたからね。{/netabare}
{/netabare}
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【3話まで】
{netabare}
  演出面が大分良かったと思います。リフレインも期待できそう。
  内容については、完走後にハッキリ意味が解るといった類のものですので、
  今解らなくても問題ありませんよ。
  (これでも原作より解りやすくなってます)
  どうしても自分で解き明かしたいという人は、小毬ルートあたりを見直すといいかもしれません。

  構造的には美魚ルートがよく似てますね。
  特にこの二つ(姐御、美魚)は、完走後もう一度見ることをオススメします。
{/netabare}
(2013.10.20 追記)
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【4話感想】
{netabare}
  ちょっと、いや大分強引な流れでした。
  もう少し自然に繋げて欲しかったです。

  鈴の活躍が少なかったことが大きな要因でしょうね。
  『CLANNAD』みたいに常にヒロインを横につけておけば良かったと思います。
(2013.10.27)

  ※本編とは関係ありませんが、EDの件は私の見当違いでしたね。
{/netabare}
(2013.11.3)
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【6話感想】
  ここまでが鈴ルート。
  次回からが本当の『~Refrain~』です。
(2013.11.10)
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【8話感想】
{netabare}
  単体で見ると結構酷いですね。
  3話レベルの演出があればもう少し良かったと思うんですが……。

  ランキング戦の延長線上でこそ生きる話なので、そこを削ったのは大きかったと思います。
  ランキング戦については番外編見ればなんとなくわかるかと。
  {netabare}仲間内でRPGのようなバトルして、強さを決めるという趣向です。
  真人、謙吾、恭介が三強という設定。
  だから、これらを倒していく流れが自然に生まれる、という訳です。{/netabare}

  原作未プレイの方は、あと1話(2話かも?)辛抱することになりそうです。
{/netabare}
(2013.11.24)
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【10話まで】
  ……というわけでした。
  ある意味では、ここまでの主人公は恭介、ここからの主人公が理樹とも言えますね。

  詳細(ネタバレ全開です)→{netabare}
    key特有のぶっ飛んだ内容ですが、こういうことが起こった世界の物語という前提なので、
    突っ込むのはナンセンスかと。
    魔法ファンタジーに「魔法なんてありえねー」と言うのと同じですから。

    ただ、一つ気になる点が。
    虚構世界は恭介一人が作ったものじゃないですよね?
    確か……。

    修学旅行先でバスが事故って理樹と鈴以外瀕死。
    未練を残す人たち(リトバス一同)の想いが結集して、虚構世界が誕生。
    この時核となったのが恭介だったので、この世界においての神なる能力を得た。
    二人に過酷な現実に耐え抜く力をつけるというのが恭介の意志だったため、
    結果的に世界がループすることに。
    そのお陰で理樹が強くなり、それぞれの想いの解消に繋がる。
    想いを解消したメンバーが次々と消えることで虚構世界の構成する力が弱まっていく。
    世界の維持が困難になってきたこともあり、恭介が強行手段に出る。
    結果、失敗し鈴の状態が悪化。
    恭介も自責の念で心が折れ、自分の世界に閉じ籠ってしまった。
    そんな中、思いの外強くなっていた理樹が自分の力で残った仲間を集め、恭介の前へと姿を現す。
    本来の意味でのこの世界の終わりを悟った恭介は現実世界に舞い戻り、とある時間稼ぎを始めた。

    こんな感じだったと思うのですが、私の記憶が間違っているのでしょうか?
    他のkey作品と違って解釈の差は出にくい作品ですし……さてはて。
{/netabare}
(2013.12.8)
{/netabare}
--------------------------------------------------------
【視聴後】
とありえず上記の文章を読んで1ミリ単位でも期待した方に謝罪を申し上げます。(いないとは思いますが一応)
もう少し見られる作品になると思ってたのですが……。

まとめ(長文かつ駄文です)→{netabare}

まずは原作(ゲーム)について触れておきます。
物語を起承転結に分けるなら、世界構築→ループ→種明かし→状況打開、となるでしょうか。
私が評価しているのは起と転で、逆に評価していないのが、承と結です。
後述するアニメ評価のために、ここでは後者(承と結)について記述します。
①承
  キャラごとのサブエピソードの詰め合わせですが、単純に物語として弱いです。
  本筋路線で一本芯が通っていれば、また違った評価になったかもしれませんね。
②結
  起の方は設定なので問題ないですが、こちらは……。
  『CLANNAD』のように世界設定の上にある奇跡じゃないので、ご都合主義と言われても仕方がないです。

ここからアニメについてです。
まずは原作との比較。起と転はほぼ同じなので割愛します。
①承
  内容としてはここも変わらないのですが、何だかんだ言っても原作はゲームです。
  野球やランキング戦など密度を濃くするゲーム要素があるから上手く成り立っていると言っても過言じゃない。
  そこがない時点で、原作と同じでは駄目だと気づいて欲しかったですね。
  前述していますが、鈴を補佐に置いておくだけでも大分印象が変わったと思います。
②結
  ここがどうしても腑に落ちないところ。
  アニメは最後の修学旅行を新たな虚構世界での出来事として扱っているように見えたのですが、気のせいですか?
  そうならこの物語の意義そのものが消失しますし、そうじゃないなら演出がアレということになります。
  例え意図が違ったとしても、そう見えてしまう可能性があるというのは如何なものかと。

  ああ、あと『遥か彼方』の乱用も。
  幾らなんでも露骨過ぎです。
  まるで「この曲流しとけば泣くだろ。視聴者ウマシカだから」と言われているかのようでした。

  一応終盤展開のまとめ→{netabare}
    現実世界に戻り皆を救出しようとするが、ナルコレプシー(理樹の持病)がネックとなり、それができずに終わる。
    病院で目覚め、鈴と二人だけになってしまったことを知る。
    「こんな結末は嫌だ」という二人の想いにより、恭介たちの時と同様に虚構世界が創造される。
    そこで持病克服し、現実のあの時間へ。
    今度は皆を救い出すことに成功する。
    皆回復後、修学旅行のやり直しへ出発する。
{/netabare}
{/netabare}

総評としては、原作やるのが面倒なら見ても良い、と言ったところです。
前述のゲーム要素もあるので、出来れば原作プレイが良いと思いますが、何せ長いんでね。
(2013.12.29)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

80.3 12 熱いでシリアスなアニメランキング12位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (981)
4879人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作者の思いに見事に応えた、新房監督&シャフトの本領が発揮された渾身の力作

NHKで2クールにわたって放送された、第1シーズン。

☆物語☆

中学生で将棋のプロ棋士となった主人公桐山零が、
棋士として、人間として、周囲の人との出会いと関わりを通じて成長していく過程が描かれる。

1話の中で複数のエピソードを区切って消化していくスタイルながら、
尺的に足りないと感じることはなく、どのエピソードも上手く纏められている。
NHKの枠なので途中にCMを挟まず自由に区切れ、25分間使えるというのも制作側には好都合だったでしょう。

さすがにNHKで放送されるだけあって、内容的には王道路線で、
シリアスな場面が多いものの、反対にコミカルな面や萌え要素までバランス良く取り入れて重すぎないので、
アニメファン以外の幅広い一般層に受け入れられる作品なんじゃないだろうか。
将棋のルールなんかが分からない人向けにも、作品内で解りやすく絡ませてあり、この辺りは親切。

作風や主人公がどうしても似ている、と感じてしまうのはノイタミナで以前放送された「四月は君の嘘」。
これは観た人みんな思ってるでしょうね。
タイトルに「月」が入っているのは単なる偶然なのか。。

正直物語自体はそこまで斬新なものでもないし、スローペースで進むので、
昨今の尺的にゆとりのない目まぐるしい展開が多い作品と比べると、退屈さを感じる人も居るだろうが、
自分としては、この作品で特に感じた魅力はキャラクター達の人間模様や日常、
心情描写の細やかさと、台詞の重みや間の取り方など、数々の優れた演出にあると思っているので、
じっくりと丁寧にやってくれたのは(原作通りなのかは知らないが)本当に有り難い。

作品内での零の語り、零と関わっていくキャラ達の台詞には、時には非常に残酷であったり、
とても温かみがあったり、また思わず自分にも改めて気付きを与えてくれるような、
そんな深みがあったりと、毎話感慨深く大きな余韻を与えてくれた。
台詞の一つ一つを噛みしめる事ができる感受性、間を想像力で補える能力は人によって異なるとは思うが、
この作品におけるキャラ描写とそれを引き立たせる演出が素晴らしいことに疑いの余地はない。

第2シーズンになれば嫌でもストーリーは進んでいくだろうし、今後の展開にも大いに期待したいところだが、
これまでどおり、焦らずじっくりと進めて欲しい。

☆声優☆

さすがにNHK作品の配役に関しては、
デビューして日の浅い新人などを主要なキャラに配したりはせず、
実力、人気共に安定している声優とベテランで構成されていて隙がない。

中でも3姉妹に関しては見事の一言だが、
主人公零に関しても、とても良く考えて選ばれていると実感する。
通常の台詞以外に公園のグラウンドでの叫びなど、感情を顕にする場面などは、
イケボでなく、ちょっとヘタれな感じが性格に凄く合っているなと。

☆キャラ☆

先にも書いた通り、この作品の一番の魅力と感じる部分は優れたキャラ描写&演出にある。

キャラクターの心情がポエム的な独白、
ナレーションによってたびたび観るものに訴えかけるのだが、これが深く心に響いてくる。
これはキャラに共感できなければ、やり過ぎると返って逆効果で退屈さと冗長な点として捉えられる事もあるものの、
(同様にポエム的な「あまんちゅ!」で気になった点)
各キャラそれぞれが抱えている思いが、台詞の良さも相まってとても巧く表現されていた。
各キャラに共感、もしくは同情してしまう「要素」がしっかりと解りやすく提示されているので説得力がある。

時間を掛けて丁寧に描かれていることもあって、
主人公とその周りの主要なキャラに関しては、とても興味深く魅力的に映った。
中でも3姉妹は本当に癒され和む存在だったので、後半に出番が減ったのは少し寂しく思えたが、
逆に言えば前半のエピソードが特に良かったということかもしれない。

また、打って変わって香子のような存在は、女性作家ならではの描写力で、
女の嫌らしさやねちっこさなど、非常に生々しく描かれていて、こちらも同様に素晴らしかった。

☆作画☆

NHK作品はさすがに予算も掛かっているせいか、派手さはなくとも安定感があって全く不満はない。
背景美術に関しては、水彩画のような非常に淡くノスタルジックな雰囲気を醸しだしており、
また、それに合わせるキャラも違和感なく淡い質感で背景に馴染ませていて、とても温かみを感じる。

最大の見所としては、やはりシャフトならではの映像演出。
キャラの心象風景を、独自の解釈で映像化された場面は観ごたえと相性の良さを実感した。
観る人によって、または原作を読んでいる人には多少クドいと思われるかも知れないが、
自分はよりキャラの心情を理解する上で、良い方向に作用したと好意的に受け取っている。
原作者がシャフトでの制作を熱望したというのも納得。

OPやEDのアニメーションは、特に制作会社の個性が出る部分だと思うが、
零の息苦しさ、閉塞感や孤独感、葛藤、もがき苦しみながらも前へ進もうとしている様が、
抜群のセンスで表現されていたと思う。

☆音楽☆

1クール目のOP、EDで起用されたBUMP OF CHICKENの曲、
歌詞、アニメーション共に最高の出来だった。
もともとBUMPが原作のファンで以前にMVでコラボしたりしているので、
そりゃこの作品のために書き下ろした曲が、相性が良いのは言わずもがな。
できれば2クール目も変えないで欲しかったくらいだが、
2クール目のOP,EDも曲自体は悪くないし、最終話で戻してくれたのは心憎い。

作中BGMもやはりキャラの語り、ナレーション場面で使われているものが印象的だったが、
コミカルな場面もなかなか良いチョイスがされていて、曲のバラエティ自体も豊富で申し分無かった。
台詞間に挿入されるBGMが良いからこそ、その間が大きな余韻となる。
音響含めた音楽面での演出も、映像に負けず劣らずこの作品では大きく貢献していたと実感しますね。


こうして改めて一つ一つの要素を振り返ってみてみると、褒める所ばかりで殆ど点数を差し引く部分が無いように思える。
王道ながらもシャフトによる優れた芸術性が加味され、とても高いレベルで纏まっている。
本当につくづく続編が楽しみだ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

才能の残酷さを描くことで、人の内面の弱さを表現しています。

 ハチミツとクローバーで恋愛ドラマの仮面をかぶって、才能の残酷さを見せてくれた羽海野チカ。さすがですね。人の愛憎や執着、孤独や過去などのヒューマンドラマの中に、しっかりと才能というものの恐ろしさを見せつけてくれます。
 ただ、ハチクロよりも進化したと思うのが、義姉ですね。あの義姉のキャラがあるから人の内面描写に深みが出て、才能の残酷さは他人にも劣等感という形でつきつけますが、己を傷つけ孤独にする部分も描かれていました。

 才能があるからこそ、居場所が出来た半面、人の居場所を奪ってしまった。周囲の人を巻き込み歪ませる。義姉の態度のコンプレックスの表現は女性作家ならではの迫真のストーリーですね。おしいことにコミック版ほどの禍々しさの中に見える圧倒的な劣等感の表現には至っていませんが、この義姉がいるからこそ、主人公の居場所の無さが浮き彫りになるし、3姉妹との交流に意味が出てきます。

 一方で将棋という特殊な世界にのめり込む男達の心の交流もありました。島田の研究会もそうだし、何よりあの二海堂くんですね。どう考えても村山聖ですよね。聖の青春という小説にもなった羽生善治の少年時代からのライバルです。ちょっと身体の事も村山をなぞっているので、いろいろ心配してしまいますが、詳しくは小説かWIKIで。
 彼がいたからこそ、将棋に向き合うことができたような気がします。良くいる真っ直ぐなおバカキャラに見えて誰よりも将棋に真摯で、主人公のこと…というより主人公の将棋の才能を純粋に愛していたような気がします。(それから学校の先生もですね)

 なお、羽生善治はタイトル99期、史上初の7冠棋士、永世7冠という圧倒的な将棋の天才でので、二海堂=村山だとしたら、主人公が羽生なのかなあと思ったら違いましたね。宗谷でした。宗谷が目指すべきラスボスっぽかったですね。

 その前に後藤ですか。彼の性格の意味は現段階ではちょっとわかりませんね。素の性格なのか、やっぱり宗谷に対比した時にコンプレックスがあるのか。
 ただ、この後藤の態度を見せることで、初めは憎たらしいだけの義姉に対する気持ちが和らぐから不思議です。うまいですよね。結果的に才能の世界の周辺に生きている人たちの惨めさを上手く表現しています。

 そう、義姉が重箱のお稲荷さんを食べるだけで、このキャラに対する見方が全然変わっていました。ここが少女マンガの凄さですね。直前の3姉妹の敵のように見せていて、胃袋で篭絡されてしまう。これで義姉の人間的な内面が表現されて憎めなくなります。ちょっと男の作家には描けないでしょう。ここが一番本作のすごいところだったのかもしれません。

 そしてこの3姉妹ですね。どうも傷があるようです。母性の塊のような長女の内面が見えてこないことが不気味です。この作者が単なる良いおねえさんキャラを出すとも思えませんが…どうなんでしょう。菩薩…で終わるのか違うのか。以前原作10巻まで読んでますが…無かった気がします。

 で、主人公ですね。この構造って、やっぱり主人公がラスボスと対決するために周囲を顧みず…みたいな話になるのでしょうか。ハチクロを見るとそんな気もしますし、3姉妹との交流でそうにはならないのかもしれません。

 将棋の世界の話だけに限定すると、ストーリー展開はちょっとヒカルの碁っぽい感じがありますが、似たような世界ですからね。

 とにかくきれいごとではない人間の内面、特に劣等感を描かせると、羽海野チカは最高ですね。決して「いい話」ではありませんが、特殊な世界をデフォルメすることでヒューマンドラマとして、人間の本質を見せてくれています。この辺りはハチクロのやり方を踏襲している気がします。


 3月のライオンはどちらかと言えばコミック版の方がコマ割りとかモノローグとか少女マンガらしいテイストが話にあっていました。アニメはその点がちょっと表現できていませんでしたね。



 追記 少女マンガ的表現ができていない、といっても、演出で内面描写、モノローグの時は少女マンガらしいエフェクトをいれて頑張っていました。ただ、少女マンガの文法はやっぱりあの独特のコマ割り=時間の使い方と客観主観のシームレスな切り替え、エフェクト=心の動きじゃないと。ここは媒体の特性もあるのでやむを得ないでしょう。

 追記2 水というモチーフは浮かんでいれば羊水のような心地よさがあります。が、泳いだ時のねばりつく水の抵抗は前にすすむ困難、もぐったときの息苦しさは思考が暴走している感じ、音が無くなるような感覚は棋士の集中力ですね。ハチワンダイバーとかにも通じます。

 それと川ですね。川は流れ、広がりなどで原風景のような心落ち着く光景になります。滔々と流れる広い川は、人の営みのアナロジーでもあるでしょう。それを岸から眺めるという意味ですね。また、街の移り変わりを映すことで表情を変えてゆきます。あるいは自分自身の人生そのものでもあるかもしれません。
 また、川岸ですね。これが不思議な効果をだしていました。漠然とした東京の下町の表現というより、俗世界から切り離された特別な場所として機能していました。
 これが演出というだけではなく、内面の重層的な表現に効果的に機能していいたと思います。ただ、とにかく象徴的・抽象的なので何を表現していたかを考察するのではなく、画面から感じるのが作法だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 53

76.2 13 熱いでシリアスなアニメランキング13位
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (769)
4430人が棚に入れました
ジョースター家の宿敵・DIO復活の影響で、「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる能力を身につけた青年・空条承太郎。DIOの呪縛によって倒れた母・ホリィを救うため、祖父・ジョセフや仲間と共に打倒DIOの旅に出る。長き旅路の中で、次々現れる刺客を退けながら、ついにDIOのいるエジプト上陸を果たした承太郎たち。だが、そんな彼らの行く手を阻むかのように、奇怪にして恐ろしき新たなる敵の影が迫っていた――。

声優・キャラクター
小野大輔、石塚運昇、三宅健太、平川大輔、小松史法、福圓美里、子安武人、大川透
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

決着

スタンドで戦う第三部後編

ザ・ワールド無敵すぎるやろ!と思いつつスタープラチナもか!!となりつつ、一応因縁に決着をつけるわけであります。

オインゴとボインゴの兄弟話はなんだか滑稽で面白かった印象。こいつらもしれっと最強では?

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!というポルナレフ原作通りで声もぴったりいいですね!


OP
ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜 歌 JO☆STARS〜TOMMY,Coda,JIN〜(富永TOMMY弘明、Coda、橋本仁)
ED
Last Train Home 演奏 Pat Metheny Group
アク役◇協奏曲 歌 オインゴ(保村真、第27話)、ホル・ホース(木内秀信、第36話・第37話)、ボインゴ(くまいもとこ)
第27話は「アク役◇協奏曲〜オインゴとボインゴ〜」、第36話・第37話は「アク役◇協奏曲〜ホル・ホースとボインゴ〜」
OPの第47話・第48話ではDIOが「ザ・ワールド」で時を止める演出、承太郎の「スタープラチナ」と殴り合い時の掛け声オラオラ…、無駄無駄…入り。ほんと凄い楽曲やで。オラオラ言いまくり。これまた盛り上がる。
EDのアク役◇協奏曲も面白い楽曲。意外と癖になるかも。


{netabare}
原作セリフたち
「悪には悪の救世主が必要なんだよ。フフフフ」(ンドゥール)
「ジャン・ピエール・ポルナレフ、お前の命もらいうける」(チャカ)
「あああーっ、これは私のイメージじゃあない…トイレでの災難はポルナレフの役だ!」(アヴドゥル)
「味なまねをしおってこのッ!ビチグソどもがァァーッ!!」(マライア)
「て…てめえ、人間の基本道徳というものがないのか?主人公なら絶対に考えもしねえ行為だぜ…!全然エラくないッ!エラくないッ!」(アレッシー)
「脳みそ床にブチまけやがれDIOさんよーッ」(ホル・ホース)
「このダービーにハッタリなどかましやがって。そのポーカーフェイスをゲドゲドの恐怖づらに変えてから敗北させなきゃあ気がすまん!」(ダービー兄)
「だめだ…実力の差がはっきりしすぎている…これじゃあ…甲子園優勝チームに、バットも持ったことがない茶道部か何かが挑戦するようなもの…みじめ…すぎる…」(ジョセフ)
「蹴り殺してやるッ!このド畜生がァーッ!」(ヴァニラ・アイス)
「腹の底から“ザマミロ&スカッとサワヤカ”の笑いが出てしょうがねーぜッ!」(ヌケサク)
「ケッ、祝いになんかくれるっつーなら、てめーの命をもらってやるぜ」(ポルナレフ)
質問だ…右のコブシで殴るか?左のコブシで殴るか当ててみな」(承太郎)
「ひ…ひと思いに右で…やってくれ。ひ…左?りょうほーですかあああ~。もしかしてオラオラですかーッ!?」(ダービー弟)
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺は奴の前で階段を登っていたと思ったら、いつの間にか降りていた』。な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」(ポルナレフ)
「今…感じる感覚は…おれは「白」の中にいるということだ…DIOは「黒」!ジョースターさんたちは「白」。「黒」と「白」がはっきり別れて感じられるぜ!傷ついた体でも勇気が湧いてくる。「正しいことの白」の中におれはいるッ!」(ポルナレフ)
「凄まじい殺気ってやつだッ!ケツの穴にツララを突っ込まれた気分だ…!」(ジョセフ)
「今まで出会ったどのスタンドをも超えている凄味を感じたッ!エンジン音だけ聞いてブルドーザーだと認識できるようにわかった!」(花京院)
「山を登る時、ルートもわからん!頂上がどこにあるかもわからんでは遭難は確実なんじゃ!確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!」(ジョセフ)
「承太郎ッ!君の意見を聞こうッ!」(花京院)
「知るがいい…!『ザ・ワールド』の真の能力は…まさに!『世界を支配する』能力だと言うことを!」(DIO)
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」(DIO)第
「せっかく祖父のジョセフがわたしの『ザ・ワールド』の正体を、試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のような必死こいた気分で教えてくれたというのに…」(DIO)
「早く持って来いッ!!スチュワーデスがファースト・クラスの客に酒とキャビアをサービスするようにな…」(DIO)
「“ジョースター・エジプト・ツアー御一行様”は貴様にとどめを刺して全滅の最後というわけだな」(DIO)
「ジョースターの血統というのは我が運命という路上にころがる犬のクソのようにジャマなもんだったが…最後の最後はこのDIOに利用されるのがジョースターの宿命だったようだ」(DIO)
「最高に『ハイ!』ってやつだアアアアア!アハハハハハハハハハーッ!!」(DIO)
「とるにたらぬ人間どもよ!支配してやるぞッ!!我が「知」と「力」のもとにひれ伏すがいいぞッ!」(DIO)
「『無理』だと?この旅は無理なことばかりしてきた旅だった…無理だとか無駄だとかいった言葉は聞きあきたし、俺たちには関係ねえ」(承太郎)
{/netabare}


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ジョースター家の宿敵・DIO復活の影響で、「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる能力を身につけた青年・空条承太郎。DIOの呪縛によって倒れた母・ホリィを救うため、祖父・ジョセフや仲間と共に打倒DIOの旅に出る。※「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ(全24話)」の後編 


1. 「愚者」(ザ・フール)のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その1
DIOのいるエジプト上陸を果たし、ジープで砂漠を横断中の承太郎たち。彼らのもとに、一機のヘリコプターが降り立った。そのヘリは、一行の旅をサポートしていたスピードワゴン財団のもので、ジョセフの要請を受けて承太郎たちの新たな仲間を連れてきていた。

2. 「愚者」(ザ・フール)のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その2
新たにイギーを仲間に加えた承太郎たちだったが、水のスタンドの急襲によって花京院が重傷を負う。アヴドゥルは姿の見えない敵からの攻撃に対して一計を案じるものの、すんでの所で看破されてしまう。圧倒的不利な状況が続くなか、イギーはなぜかのん気にいねむり中…。

3. 「クヌム神」のオインゴと「トト神」のボインゴ
ンドゥールとの闘いで重傷を負った花京院とアヴドゥルの治療中、アスワンの街で小休止を取る承太郎たち。敵スタンドの襲撃を警戒する一行は、ポルナレフが無作為に選んだカフェに入ることに。だがそのカフェには、すでに「クヌム」のスタンド使い・オインゴと、「トト」のスタンド使い・ボインゴの兄弟が潜んでいた。

4. 「アヌビス神」 その1
承太郎たちは一路、DIOのいるカイロを目指してナイル河を下るための小型帆船を探す。一方、一行の近くの河べりを歩いていた農夫のチャカは、道ばたに落ちていた一本の装飾刀を拾う。周囲の人間が刀を抜こうとしてもびくともしないが、チャカが抜こうとすると、妖しく光る刀身があらわになった。

5. 「アヌビス神」 その2
コム・オンボでアヌビス神のスタンド使い・チャカを倒したポルナレフだったが、同じくアヌビス神のスタンドと語る理髪店の主人に襲撃される。そのことで、チャカの持っていた「刀」こそがスタンドであると気がついたポルナレフは反撃を試みる。

6. 「バステト女神」のマライア その1
ナイル川中流の街・ルクソールに到着した承太郎たち。その道中、ジョセフは傍らの岩に奇妙なコンセントがついていることに気がついた。不思議に思いながらも何気なくコンセントに触れた途端、感電してしまう。だが感電した以外は特に異常が見られないため、そのまま承太郎たちと合流を果たすジョセフ。

7. 「バステト女神」のマライア その2
敵スタンドの能力により、磁力を帯びた体になったジョセフ。敵の本体らしき女の行方を追ううちに、アヴドゥルもコンセントに触れてしまい磁力を帯びてしまう。磁力の影響でくっつきあうジョセフたちは、互いの体を引き離してから街を駆け巡り、女を追いかける。やがて、余裕を見せるスタンド使いの女を捉えるふたりだったが・・・。

8. 「セト神」のアレッシー その1
ジョセフとアヴドゥルがマライアと戦闘を繰り広げていた頃、承太郎たちはふたりが来ないことを不審に思い、ルクソールの街中を探る。すると、ポルナレフが殺気を出しながら自分たちを尾行する男を発見。男の正体を探ろうした直後、男の影が伸びてポルナレフの影に迫ってくる。

9. 「セト神」のアレッシー その2
「セト神」を暗示する敵スタンド使い・アレッシーの能力で、心も体も子供に戻ってしまったポルナレフ。混乱する彼を救ったのは、通りがかりのマレーナという女性だった。だが彼女の家の中までも、アレッシーの魔の手は迫る。浴室でアレッシーに襲われたポルナレフは、丸裸のまま本体と同じように縮んでしまったスタンドで抵抗を続ける。

10. ダービー・ザ・ギャンブラー その1
長い旅路の果て、ついに目的地であるエジプト・カイロへと到着した承太郎たち。さっそく、立ち寄ったカフェでDIOの館の聞き込みを開始する。すると、その場にいた客のひとりが「その館に見覚えがある」と静かに声を上げる。詳細を聞き出そうとするジョセフに対し、その客は情報の対価としてギャンブルでの勝負を要求。

11. ダービー・ザ・ギャンブラー その2
敵スタンド使い、ダニエル・T・ダービーとのギャンブル勝負に敗れ、魂を奪われてしまったジョセフとポルナレフ。ふたりの魂を取り戻すため、承太郎はポーカー勝負を挑む。承太郎は勝負の前にスタープラチナの精密さを見せつけ、ダービーにイカサマが困難であることを宣言。

12. ホル・ホースとボインゴ その1
カイロでDIOの館を探す承太郎たちを追い、カイロ空港に降り立ったホル・ホース。彼は新たなパートナーと手を組み、再び承太郎たちの命を狙っていた。そのパートナーとは、予知能力を持つスタンド使い・ボインゴ。ホル・ホースは、ボインゴの予知に目をつけて強引に連れ出したものの、いまいち予知能力を信じきれずにいた。

13. ホル・ホースとボインゴ その2
カイロで承太郎たちと遭遇したホル・ホースたち。ボインゴの予知で示された通り、路地裏でポルナレフのスキをついて鼻の穴に指を突っ込むことに成功したものの、ホル・ホースは次にとるべき行動がわからず身動きがとれないでいた。そこにポルナレフを探す承太郎たちが姿を現し、予知の通りに行動したことで逆に危機に陥ってしまう。

14. 地獄の門番ペット・ショップ その1
カイロの街でDIOの館の捜索を続ける承太郎たち。アヴドゥルのツテで、カイロに詳しいサングラスの男に館の捜索を依頼し、一行はしばらく待機することに。一方、単独で街を散策していたイギーは二匹の大型犬に絡まれる。イギーの眼力にひるんだ犬たちは、近くの館にいた鳥を次のターゲットに。

15. 地獄の門番ペット・ショップ その2
DIOの館を守っていたスタンド使いのハヤブサ、ペット・ショップと下水道で死闘を繰り広げるイギー。ペット・ショップは、その生態を活かした恐るべき速度でイギーに襲いかかる。イギーはペット・ショップの放った氷柱のミサイルで足に重傷を負ってしまうが、かろうじて川の中へと逃げ込む。

16. ダービー・ザ・プレイヤー その1
イギーの負傷と引き換えにしながらも、ついにDIOの館の所在をつきとめた承太郎たち。館に入った一行を待ち構えていたのは、テレンス・T・ダービーと名乗る執事だった。かつて倒したギャンブラーの弟でもあるこの男は、自身のスタンド「アトゥム神」の姿をさらし、その能力の一端を見せつける。

17. ダービー・ザ・プレイヤー その2
白熱するダービーとの魂をかけたTVゲーム対決。レースゲームで勝負を挑んだ花京院はダービーの策略の前に自ら敗北を認めてしまい、魂を奪われてしまう。

18. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1
DIOの館内部で進行する、ダービーとの野球ゲーム対決。劣勢のはずの承太郎は、なぜかダービーに対し投球予告を行う。ダービーは承太郎の行動を不審に思いながらも、相手の魂の状態を判別できるスタンド能力を駆使して優位に立とうとするが…?

19. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その2
長く険しい旅を共にしてきた仲間との、突然の別れ――。あまりにもあっけなさすぎる事態に、感情を抑えきれないポルナレフ。怒りを爆発させて剣を振り回したことで、姿の見えない敵に傷を負わせたものの深手にはならず。だが、突然空間から姿を現して襲いかかってくる謎の敵スタンドの攻撃はとどまることがない。

20. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その3
ヴァニラ・アイスの容赦のない攻撃で窮地に追いやられるポルナレフ。死を覚悟した彼を寸前で救い出したのは瀕死のイギーだった。最後の力を振り絞り、徐々に力を失っていくイギーのスタンド。隙をついて飛び出したポルナレフの剣先はヴァニラ・アイスの頭を貫いた。

21. DIOの世界 その1
ついにDIOとの対面を果たしたポルナレフ。敵意をむき出しにするポルナレフに対し、DIOは「再び仲間になることを許す」と声をかける。誘いを拒絶するポルナレフだったが、謎の現象によって近付くことすらできない。せめてスタンドの正体を見極めようと「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)」で攻撃をしかける。

22. DIOの世界 その2
闘いの舞台は闇夜に包まれ始めたカイロの市街地に。ジョセフと花京院はDIOから逃亡しながら闘い、承太郎とポルナレフはDIOを追いながら闘うという、挟撃の形をとる一行。そんな中、花京院は「DIOのスタンドの正体を暴く方法を思いついた」と、周辺の建物に罠を張り巡らせる。

23. DIOの世界 その3
ジョセフは花京院が残したメッセージで「世界(ザ・ワールド)」の能力を見破るが、DIOの非情な攻撃で倒れてしまう。激昂する承太郎は「星の白金(スタープラチナ)」で「世界(ザ・ワールド)」とのラッシュ対決に挑むものの、DIOのパワーに押し負けてしまう。

24. 遥かなる旅路 さらば友よ
ポルナレフの奇襲と自らの命を懸けたトリックで、ついにDIOへ反撃の一撃を与えることに成功する承太郎。重傷を負ったDIOは時を止めながら逃亡をはかる。承太郎はラッシュ攻撃でトドメを狙うが、それこそがDIOが仕組んだ「逃走経路」だった。承太郎に吹っ飛ばされたDIOの先には、倒れ伏したジョセフの肉体が…!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

高らかな人間賛歌で綴じる長い旅の終わり

勇気と知略、ドラマとホラー、ファンタジーとリアル、痛快な台詞回しと独特な擬音が織り成すジョジョの世界は言葉で語るには深過ぎる。

初期作品「魔少年ビーティー」から脈々と受け継がれた、因果関係の明確なトリック、ポーカーフェイスからさりげなく飛び出すハッタリ、このジョジョ第三部でもやはり、荒木先生お得意の思考のゲームをたっぷりと楽しめるのです。

粒よりのエピソードの詰まった第三部ですが、私のお気に入りの回についてのレビューと総評だけにて失礼をば。

34話と35話「ダービー・ザ・ギャンブラー」の構成は特によく出来ていると思います。
{netabare}
このお話、ギャンブル3番勝負といった内容なんですが実に無駄が有りません。

最初のギャンブル、ダービーの口車に乗せられてポルナレフが挑むのは"ねこは地面に放られた2枚の魚の燻製の内どちらを先に食べるか?"というもの。私的にはこのお題だけでも面白い。ねこも燻製も大好きなので(笑)‥と言うのは半分冗談として、ここでは"バレなきゃイカサマじゃない"ルールが提示され、第三者による協力の可能性も暗示させます。同時にギャンブルで勝負しなければならない状況をも作り出し、後の展開へと繋げるという軽妙さ。漫画で言うとほんの数ページのお話なんですが、情報が凝縮されています。

次の勝負"グラスとコイン"では先の条件を踏まえた上で百戦錬磨のジョセフがダービーに挑みます。ここで初めてダービーは本領を発揮、イカサマ師として、ギャンブラーとして、実力を明確に見せてきます。ジョセフの言葉に苛立ちを見せるダービーの描写がそれとなく後の展開への布石となっている点も巧みです。

そして最後、満を持して真打登場、とうとう承太郎が勝負の舞台に上がります。ジョセフと比べればギャンブラーとしての経験や技巧に劣る承太郎ですが、ここで彼の用いた武器が言葉とハッタリ。先の勝負でジョセフの用いた戦術、言葉による揺さぶりと、スタープラチナによる目眩ましが、両者の実力差を見事に埋めていくのです。

自然に張り巡らされた数々の伏線が最終的には整然と収束するところにジョジョの物語としての完成度の高さ、荒木先生の完璧主義振りが伺えます。

余談、ダービーが指先で本のページ数とか、トランプのおもて面を読み取る能力について、子供の頃のわたしにとってコレが最大の疑問でしたが、よくよく考えてみれば、もしかしたら印刷箇所のインクの盛り上がりや手触りの違いとかでページ数や絵柄を特定してたのかも‥とか想像出来たり‥。まぁそれはそれで超能力染みていますけど。

ですがダービーのその能力を、スタープラチナの目の良さ&素早さと共にゲームルールの中に組み込んでいるので、現実離れした特殊な条件下であってもフェアなゲームが成り立つんですよね。ファンタジーでもSFでも成立するミステリーと言うものが古くからありますが、ジョジョは正にそれに該当すると言えます。

大川透さんのナレーションによる細かな解説(原作にもある)も公正さに一味加えています。もしゲーム終了後に"こんな超能力があったんだよ"とか種明かしされるお話だったら、拍子抜けして唖然としちゃうだけでつまらないですよね。

これで煙草描写の規制さえなければ、もっと素直に楽しめたんですが‥アニメ版はその点だけが残念でした(汗)
{/netabare}
次いで40話と41話の「ダービー・ザ・ゲーマー」。
{netabare}
ダービー弟(テレンス・T・ダービー略してTD)とのTVゲーム勝負も抜群の面白さ。

「エジプト編」初回エピソードでリタイヤしたまま、長らくのあいだ戦線離脱していた花京院が先鋒としてTDに戦いを挑みます。一度は強大な敵DIOの威力の前に圧倒され、恐怖に屈してしまった彼がTDとの勝負に選んだゲームがF-MEGAというレースゲーム。ここが最初の注目どころです。

レースゲームではフレーム刻みのタイミングの遅れやキー捌きの微妙なズレがそのまま数字としてレコードに反映されますので、些細なプレイングミスで全てがおじゃん、心の揺らぎが極めて顕著に表れる、精神的タフさが要求されるゲームと言えるのです。それゆえにこのシーン、"過去を乗り越える"と言わんばかりの決意が覗く花京院の選択にゲーマーの端くれであるブリキ男としてはシビレてしまうのです。

全編に渡って花京院の度胸と集中力の高さをこれでもかと言うほど見せ付けられるお話ですが、最終的にはTDの策略とウラ技染みたテクの前に敗北してしまうという点が個人的には残念。もっともここで花京院を勝たせてしまうとTDのスタンドの謎が解けずじまいという事になるので致し方ないんですが‥。

おこがましい事を言ってしまえば、私的には承太郎を先に勝負させ敗北させ、後に花京院を勝利させる構成もアリだった気はします。TDのスタンドのインチキ能力の入り込む隙を与えないレースゲームを選ぶという必然性も加わりますし、承太郎という切り札を失う事で緊迫感がより高まると思いますし、‥蛇足な妄想ですね(笑)

あれこれ不満めいた事を書いてしまいましたが、決着に至るまでの心理描写、ゲーム展開などがとても丁寧に描写されている3部でも屈指の良回になっていると思います。

続く承太郎とTDの対決ではTDのスタンドの謎の核心にじわりじわりと近付いていく展開が面白い。

歴然とした実力差のある二人の隔たりを埋めるのが、TDの軽んじている兄ダニエルの最も得意とする奇策(イカサマ)であったりする点も皮肉めいていて味があります。TDもスタンドでイカサマ染みた事やってますが、筋金入りじゃないからギャンブラーとしての目がからっきしという点にも合点がゆくのです。
{/netabare}
放送中は歯抜けで見ていたので改めて通して観ると、やはりジョジョ、面白かったです。

第三部は陣営も目的も年齢もバラバラだったキャラたちが、長い旅を通して、泣き、笑い、怒り、喜び合いながら、除々に友情を深め、いつしか一蓮托生の固い絆で結ばれていく過程が丁寧かつ自然に描かれている所に唯一無二の心地良さがあります。消えてゆく命の尊さと儚さが痛烈に心を刺すラストへ向けての展開は、人の死が意味するものを若干分かる様になった大人の目を通して見ると、より心に響くものがありました。

ジョジョの中でも荒木先生の言う人間賛歌というテーマが特別に強く脈打っているシリーズと言えるのでは無いでしょうか?

追加シーン等を添えながらも、原作の持つエッセンスを余す事無く凝縮させた、作画、構成、演出、全てにおいて(規制箇所だけは残念でしたが)素晴らしかったです。製作者の方々のJOJO愛と不断の努力が伺えるアニメでした。


※:喫煙などの規制シーンはDVD版では解除されているそうです。3周目する機会があれば是非そちらでしてみたい(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

david productionはジョジョだけではなく「魔法少女まどか☆マギカ」にも制作協力している。

マンガ好きが選んだ、「絶対に無理だろうけど…実写化してほしいマンガ」
昨今のドラマや映画は、原作モノが多い。とりわけ、小説ではなくマンガを原作としたものは、その“トンデモ設定”をいかに実写化するのだろう…と話題になりがちだ。最近でいえば、『暗殺教室』『進撃の巨人』『テラフォーマーズ』などなど。

そこで今回は、全国のマンガ好きを対象に、「絶対に無理だろうけど…でも実写化してほしいマンガ」についてのアンケートを実施してみた!

♠リアルなジョジョ立ちは、ぜひ見てみたいもの
3位:『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)
20年以上にも渡り連載されている長寿タイトルもランクイン。ときに哲学めいた複雑な会話やストーリーが展開され、理解不能と脱落する者も少なくないが、ハマってしまえばもう抜け出せない。それゆえに、「登場人物の雰囲気を出せる人がいない」と、ファンの想いは熱烈なものだ。バトルシーンのカギとなる、精神エネルギーを具現化した能力“スタンド”に関しても、「CGだとしょぼくなる」という声が寄せられている。ちなみに、本作を語る上で外せないのが、“ジョジョ立ち”と呼ばれる、登場人物たちの奇妙なポージング。イラストだからこそ許されているが、これが実写化されてしまったら、どんなにシリアスなシーンでも爆笑してしまう自信がある。

どのアニメを視聴するか迷っている方に。今期アニメを制作会社からチェックしてみよう!

まだ単なるアニメ好きだったころ……どれくらい作品自体に惹かれるかで視聴を決定していた若者も多いだろう。しかし、アニメ好き→アニオタへと大人の階段をのぼったとき、気になるのがアニメーション制作会社。今期の「(会社名)の作品はコレか……視聴してみよう!」となっているファンも多いはず。

ひと昔は少々コアなアニオタたちが決める手法ではあったのだが、どうやら最近ではライトなアニメファンにも広がっている様子。筆者の周りのライトなアニメ好きの口から「来期のシャフトは~」といった話が出たときには驚いた。

思い返してみれば2006年あたり、「涼宮ハルヒの憂鬱」を京都アニメーション(通称:京アニ)が制作したあたりから、ライト層にも制作会社で視聴を決定する傾向が強まったように感じられる。

【david production】
今期放送中:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 後半
過去の作品(例):超次元ゲイム ネプテューヌ(2013)、妖狐×僕SS(2012)、ベン・トー(2011)

とにかく毎回驚くようなクオリティの絵と動き、演出に魅了されるジョジョ。そのため、ジョジョのイメージが非常に強いのだが、実は「魔法少女まどか☆マギカ」や「黒子のバスケ」などヒット作にも制作協力している。

魔法少女まどか☆マギカ
魔法少女というモチーフとかけ離れた驚愕のストーリーは話題を呼び、社会現象にまでなった。
「自分が知る限り、これは完璧なアニメ!」と太鼓判を押すのが『魔法少女まどか☆マギカ』。
「ビジュアルは驚くほどクリエイティブで、サントラもパワフルで刺激的。
物語とあらゆる要素が完璧に細工されたオルゴールのように所定の位置に置かれている!」。

『ジョジョの奇妙な冒険』から「911」の描写が削除! 同時多発テロ事件への配慮か
2015年1月からスタートした、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ~スターダストクルセイダーズ~』のエジプト編。1989~1992年まで週刊少年ジャンプで連載されていた漫画シリーズの第三部が原作となっている。

・近い未来を漫画として予言する能力
三部には、未来を予言する能力をもった少年ボインゴが登場。彼は近い未来を漫画として予言することができるのだが、原作とアニメで一部の表現が変化しており、視聴者の間で話題となっている。

・Tシャツに書かれた911の文字
ボインゴの予言の漫画には、日本人漫画家が交通事故に遭い、電柱に刺さって死亡する描写がある。実際に登場する日本人漫画家のシャツにも「911」と書かれており、それが予言の漫画にも反映されているわけだ。

・飛行機の描写もなくなっている
しかしアニメ版には「911」の描写がなく、さらに予言の漫画に描かれていた飛行機の描写もなくなっているのだ(原作では、電柱に突き刺さる日本人漫画家の背景に飛行機の描写があった)。

・911に関するジョジョの噂話
日本人漫画家のTシャツに「911」の数字 → 2001年9月11日に同時多発テロ発生
日本人漫画家は「おっ10時半だ」と言ってバスに乗る → 世界貿易センタービル崩落が10時28分
日本人漫画家がバス事故で死亡した背景に飛行機 → 同時多発テロを連想させる描写
日本人漫画家が突き刺さったシーンに電柱が4本 → 同時多発テロでハイジャックされた飛行機は4機

・アメリカ同時多発テロ事件
そもそも、『ジョジョ』の911描写は、2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」よりも前に描かれたものである。よって、作者の荒木飛呂彦先生は事件をもとに911を描いたわけではない。

・たべっこドーナツにも注目!!
しかし、「911」と「飛行機」と「死亡」の描写が予言の漫画にあるため、テロ発生後、読者の間で大きな話題となった。そのため、アニメでは描写を控えたのかもしれない。

・忠実すぎて感動した!
この件に関してジョジョマニアに話を聞いたところ「それよりアニメにもしっかり『タベッコドーナツ』の描写があったのが素晴らしかった。ボインゴの漫画のほうだけ平仮名で『たべっこドーナツ』になっていたのも忠実すぎて感動した!」と言っていた。

2013年10月18日、テレビアニメ版公式サイトなど各メディアにおいて、原作のPart3『スターダストクルセイダース』のテレビアニメ化が正式に発表された。テレビアニメとしては第2シリーズということになる。『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のタイトルで、2クールずつ分割で合計4クール放送。前半2クールが2014年4月から9月まで放送、後半2クールはエジプト編として2015年1月から6月まで放送された。
花京院がチェリーを食べる時に発した擬音のような台詞「レロレロレロレロ」は、2014年度アニメ流行語大賞金賞(第1位)を受賞した。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

77.2 14 熱いでシリアスなアニメランキング14位
HELLSING OVA(OVA)

2006年2月10日
★★★★★ 4.2 (708)
3717人が棚に入れました
反キリスト的モンスターの絶滅を目的とする大英帝国ヘルシング機関の当主インテグラが囲う不死身の吸血鬼アーカードによって、新米吸血鬼となったセラスの運命。
そしてアーカードとバチカンの特務機関イスカリオテに属するアンデルセンの死闘が描かれる。
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

柔な奴は近寄るな作品★

■評価
テーマ性    :★★★★  4.0
グロアクション度:★★★★★ 5.0
キャラ立ち度  :★★★★☆ 4.5
深いストーリー度:★★★   3.0
おススメ度   :★★★★☆ 4.1

■ストーリー
バンパイア狩りを生業とする英国ヘルシング機関は
最強のバンパイアこと『アーカード』を従え、増殖するバンパイアと
グールの殲滅に手を焼いていた。しかし、一つの事件をきっかけに
英国ヘルシングを狙う謎の組織『ミレニアム』の存在をしる事となる。
そして第三の敵であるバチカンも漁夫の利を得るべく隠した刃を研ぐので
あった。はたしてミレニアムとは何者なのか?この闘争の果てに何が残る
のか?

■感想
この作品・・・ダークファンタジーアクションとして強烈なインパクトを残す。
本作はグロやら宗教やら虐殺やら倫理観すべて無視して禁じ手を
アクション演出に使う気概には圧巻。アニメータの職人芸を見たという
よりも作り手の執念や怨念という様なとんでもないものを拝見してしまった。
{netabare}
この作品の説明として、三組織による三つ巴の闘争から決着までを
描いた非常にシンプルな作品になる。だけど本作のテーマである『渇
望』と『闘争』をベースに練り込んだキャラ達の黒々とした濃さは
他の作品と一線を画す。
ここに登場するキャラ達をみていると人を暴力や闘争に駆り立てているのが
『渇望』である事が良く描かれていると思う。
登場キャラの『渇望』と『闘争』をざっと書くと以下の通り。
※インテグラ:ヘルシング総帥としてバンパイアを殲滅する事を渇望。
※少佐:英国に戦争をしかけアーカードに復讐する事を渇望。
※セラス:バンパイアである事を許容できずも人の血を渇望。
※ウォルター:若き肉体とアーカードとの闘争を渇望
※アンデルセン神父:宿敵アーカードとの闘争を渇望
※マクスウェル:すべての権力を手中に収め周囲に復讐する事を渇望
※ベルナドッド:セラスの心、そして自分の生きる場所を渇望
※ペンウッド卿:臆病な自分に失望しつつも部下や友人達に報いる事を渇望
※アーカード:人間に殺される事?そして強者との闘争を渇望

登場するキャラほぼ全員がなにかしらに渇望し闘争に身を投じている。
特にナチスなども本作で登場し、その残虐性が特筆されているけれど
本質はそこではない気がする。それが何かというと実際のナチスも
経済不況に喘ぎ強いリーダーを求めた国民の渇望の果てにヒトラーが
誕生し成立しえた組織ともいえる。それにヒトラー自身も侵略戦争に
よって軍需産業を盛りたてて経済を立て直し一大帝国を築いて
ゲルマン民族の力を世界に誇示する事を渇望していた・・・。
『その時代の価値観』と『人の渇望』から生み出された闘争がナチスであり
この作品のテーマである『闘争』と『渇望』こそが人の本質でもある・・・
という事を原作者は語りたかったのではないかと思う。
(これが人の全てだとは思ってませんが)

何かに『渇望』する事は悪い事ではないし、この世の誰しもが何かに
渇望している。その渇望が人の闘争や暴力への導火線にもなりうる危険性
もあるし、尊い勇気や愛情なんてものも生み出す事が、この作品でドラマ
ティックに描かれている。このキャラ達がおりなすドラマティックな描写や
セリフが私にとって面白い所!!なんというか渇望している各々キャラが言う
セリフだから成り立つ名シーンが満載です。
登場キャラ達が渇望し闘争の果てに残すものは『虚無』か?『禍根』か?
『希望』か?色々と思うところがある結末もみどころの一つ。

それ以外でもレンタルDVDで5.1chサラウンドで聞かせてくれるのは
感激です。かなりの臨場感を感じ取れる音響設定でどのアクションシーンも
素晴らしかった。特にセラスの飛行船迎撃シーンの超重火器オンパレードは
凄すぎて口あんぐりで、アーノルド・シュワちゃんあたりにお願いした
かったアクションを全てセラスがやってくれている。

ここまで書けば察して頂いている方もいると思いますが、ストーリー自体に
深みは無いし(キャラは除く)、アクションシーンの演出も過度なグロや
残虐さの胸糞の悪さは私の想像よりも上をいく。
だからグロ大丈夫という方も油断は禁物であり、手放しに全てが最高だ!!
皆さん全員におススメです・・・とは褒め称え辛い。はっきり言うと見る人に
よっては悪趣味な作品だと思う。
{/netabare}

最後にこの作品は見たくない人は見なくて良いというスタンスの作品です。
この作品には自身の利や身を案じて争いから引き下がる・・・という様な
柔な奴は存在しない。身の一片まで焼き尽くすまで闘争そして闘争を
繰り返す強者ばかりだ。だから視聴する側もそれなりの覚悟と体力を
要求される作品だと思う。人間の本質の”一部”を覗き見たい方には
おススメしたいです。

ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

諸君私は戦争が大好きだ!

お気に入りの棚ができたときから未評価のままずっと放り込んでありましたが
ついにようやく☆で評価してやることができます

散々だったTVアニメ版
その不満点をほぼすべて解消したのがこのOVA版です
その辺のくだりはTV版のレビューに記述しておいたので
興味のある方はどうぞhttp://www.anikore.jp/review/464312/

TV版が放送されたのが2001年
OVA版がスタートしたのが2006年
原作の完結が2008年
OVAの完結がようやく去年の暮

原作は月刊誌の連載だったので
そんなに原作の進むペースは速くありませんでした
しかし、それでも一向に縮まらないペースでのOVA製作
公式HPを覘きに行くたび発売延期の文字に落胆させられました
いやまったく、累計何回延期したんだろうね?
これからこの作品を見ようという方は幸せです
ワクワクして開いたサイトに延期の文字を見つけて絶望することも
「○○までには必ず・・・」という謝罪文をみて
そんないい加減なこと言って・・・どうせそこにも間に合わないんだろ!?
などと、軽く人間不信に陥ることもないのですから

まぁしかし、その遅延は作品に対して妥協を許さない姿勢の表れで
身を焦がす思いで待たされ続けたことにも
十分納得がいく仕上がりになっています
1~4巻、5~7巻、8~10巻でそれぞれ制作会社と監督が変更になっており
お蔭でそのつなぎの部分では若干の違和感が拭えないですが
それにしたってそれぞれのスタッフが持てる力を最大限に注いだ結果
それぞれのカラーが出てしまっているだけのこと
どの巻も非常にハイクオリティな映像を提供してくれています
とにかく原作へのリスペクトを強く感じる仕上がりなので
原作ファンならば見て損は無いでしょうね

原作は知らないけれどちょっと気になる
でもOVA購入は敷居が高いという人は
3月3日からWOWOWプライムで一挙放送するみたいなので
それを見てみるといいんじゃないかな?

どういう番組構成になっているかわかりませんが
もしかしたら特典映像のTheDAWNとドリフターズは
一挙放送では見られないかもしれません

TheDAWNはヘルシングの外伝にあたる作品です
第2次大戦下の1944年ワルシャワ
かつてのヘルシング機関とナチスとの邂逅が描かれており
本編の源流となるエピソードだったはずなのですが
連載誌の廃刊によりお蔵入りとなり6話までしか発表されていません
原作者曰くまだあと80ページ分くらいあるんだとか
ファン達は皆、加筆のうえで出版されることを願ってやまないものですが
原作者の素振りからするとちょっと期待薄かもしれません

一方ドリフターズは平野耕太の最新作で
まだしっかりとアニメ化できるほど原作ストックがありません
しかし、こうやってその片鱗を見せてくれるという事は
ゆくゆくはこのOVA版HELLSINGと同等のクオリティで
ドリフターズも映像化してもらえるに違いないと
そう信じるに足る150秒でした

しかし何と言っても圧巻なのは本編映像
TV版では登場すらさせて貰えなかった
少佐率いるミレニアムの連中が
なんとも生き生きと、そう、実に生き生きと死んでゆく様には
まさに感無量でした

特に少佐は漫画史に残る名悪役でしょう
台詞回しに抜群のセンスを見せるこの作品の中でも
一際異彩を放っているのが少佐の含蓄のあるセリフの数々
彼はただの狂人じゃありません
洗練された超一流の狂人です
それを見事に演じきった飛田展男さんに脱帽
特にレビュータイトルにもなっているあの演説
本当にシビレました
あれをアニメで披露してもらえただけで
もう私は大満足です

とにかく全体的なクオリティの高さと原作再現度には太鼓判を押せる内容
前述のとおり原作ファンならば見て損は無い出来栄えですが
そもそも原作ファンならばこんなレビュー読む前に
とっくに見終わっているはずですね

原作漫画はよく知らないという方は
かなり刺激の強い作品なので
肌に合わない可能性があることを
十分に留意したうえでご覧ください
まぁその尖った部分が売りのアニメですから
そこがダメな人はとことんダメだと思いますが
ハマる人はドハマりすること間違いなしですよ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

英国を飲み込む 弱肉強食のモンスターバトル !

あらすじはあにこれを参照ください
発売時期:2006年2月~2012年12月


〇物語
時代は20世紀末 場所は英国
一般の人には知らされていない
吸血鬼 グール 人狼 などのモンスターがいる世界の中
彼らが所属する各組織 その抗争を描いた作品です。 

とってもバイオレンスでダークファンタジー系の世界観なので
戦いは血がドバドバーって流れて 思わず目を伏せるような
刺激が強い表現があります 向き不向きハッキリ分かれる作品かも

物語の展開は割とサクサクしてます 
敵味方は組織ごとで分かれているので とても分かり易かったです

ただ 1話1話がとても凝縮された内容で 
1話観終わると 結構な充実感に包まれました。


〇中二病設定
敵味方の各組織名ですが

・大英帝国王立国教騎士団(通称ヘルシング機関)
・特務機関イスカリオテ
・第九次空中機動十字軍
・ミレニアム
・ワイルドギース

どうですか とても仰々しいでしょ? 
そこにモンスターが加わるんです 
これ系が好きな人には たまらない世界観だと思います♪


〇個人的な見所紹介
冒頭に挙げた モンスター同士のバトル! 
一言でいえば 単純な殺し合いなんですが その内容と規模が凄い!

主人公は最強の吸血鬼で不死身のアーカード 
彼は 文句なしの強キャラですが 対抗するのも負けじと強キャラ
そんな モンスター同士のぶつかり合いは勿論 
そこに人類も参加しての抗争はまさに 荒々しくて非情な弱肉強食の世界!

異能の力と銃などの兵器が乱れ舞う戦場に
首都ロンドンが飲み込まれていく様子は圧巻です。


〇個人的 好きなキャラ
まずは”ベルナドット”
モンスターバトルに参加する傭兵集団”ワイルドギース”の隊長
どんな絶望の中でも 部下の前では決して弱さを見せない
その姿に 感動しました! 時々キャラが崩壊するところも好きです。

そして”セラス”
この作品に彼女がいなければ 
息が詰まって 視聴中断していたかもしれません
彼女は作品唯一の癒しキャラなんです○o。.

それと 作中段々と逞しく成長する彼女は目が離せません
序盤と終盤の彼女の凄い変化! これは必見ですよ!
 

〇観終わって
疲れました 何だろう 文字にすると勘違いさせるような感じですね
計10話なんですが何か大長編を観た後に感じる あの感じ わかります?
文字では表現できませんが ”それ”を 体で感じました。
( 良く分からない感想で ごめんなさい。 )

キャラも内容も全てが濃い!
それと 所々 残酷なシーンがあるため
正直 食事中の視聴はおススメ出来ません。 

ただ 食事しなくても 気になる展開
バラエティ豊かなキャラ達 スパイスの効いた画
ボリューム満点の内容に満腹 これらが好きなら試す価値ありです!


以上最後までお読み下さりありがとうございました。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□

〇最後に
制作会社

サテライト 1-4話 (2006年)
マッドハウス 5-7話 (2008年)
グラフィニカ 8-10話 (2011年)

三社でバトンを繋ぎ完結って普通に凄いですよね?
物語ってどうしても ラストまで観たいって思います! 
だから本当にうれしい! ありがとうございました♪。 












 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

67.6 15 熱いでシリアスなアニメランキング15位
ViVid Strike!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (242)
1281人が棚に入れました
孤児院で暮らす少女、フーカとリンネは、貧しい暮らしの中でも明るい未来を夢見て暮らしていた。
しかし数年後、リンネと離別して孤児院を出たフーカは苦しい生活の中で荒んだ暮らしを送っていた。
そんなある日、不良との喧嘩で負傷したフーカを救った少女がいた。
少女の名はアインハルト・ストラトス。挌闘競技選手である彼女との出会いが、フーカの運命を変えてゆく。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小倉唯、水橋かおり、能登麻美子、上坂すみれ、喜多村英梨、福圓美里、伊藤かな恵、斎藤千和、佐倉綾音、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

K-1 WORLD GP in ミッドチルダ

放送前、本作が『魔法少女リリカルなのは』の冠を外して
『Vivid Strike!』を名乗った時、
私は正直うまく行くのか半信半疑でした。

タイトルからして、魔法にも、なのはさんにも頼らない!
と豪語しているようなもの。
ですが、結局、貫けずにシリーズの遺産にすがり、
中途半端な萌えアニメでお茶を濁すのではないか?
そんな不安が捨てきれませんでした。

少しだけ期待してみようと思い始めたのは序盤。
ジムのサンドバックを殴る、
少女たちの本気(マジ)な打撃音を聞いた時でした。

当初は面白くなるか分からないけれど、
打撃音が気になるから見てしまう。
その内に容赦ない過去の描写などが入って来て、
引き込まれていった感じ。

よって音楽4点はBGMというより、
主に打撃音とあとは主題歌に対する評価です。


競技内容も終盤になれば砲撃手とか召喚士とかが乱入して来るかも?
と高をくくっていましたが、
むしろ終盤になるにつれ"総合格闘技”ルールすらも削ぎ落され、
より純度の高い"立ち技系格闘技”から、
さらにガチの殴り合いへと先鋭化。


ハマっていくうち、段々、私の中で、往年のK-1ワールドグランプリ全盛期の熱気が、
当時のプリンスのテーマ曲と共にフラッシュバックして来ましたw

特に {netabare}ヴィヴィオVSリンネ戦。
内容もさることながら、短期間にトーナメント戦を行う過密日程により、
試合後、勝者でも負傷したらトーナメントの先に進めず、
既に負けていた選手がリザーブとして次に補欠出場する。
大会主催者や視聴者が思い描いた決勝カードがなかなか実現しないw
そんな所までK-1っぽいのが個人的にツボでした(苦笑){/netabare}


なのはさんについても、
{netabare} 一部、エリート公務員との僻み?が言及されるだけで出番なし。{/netabare}
無事"親離れ”できたようです。


演出、構成面では回想の多用が特徴的でした。

近年、表現界には回想の濫用をくどいとする風潮があるそうで、
小説賞等でも応募作が回想しだすとウンザリされる流れがあるのだとか……。

本作はそんな空気もなんのその。
例えば、{netabare} ほぼ一話丸々回想する。殴り合いの最中も振り返りまくる。
挙げ句、決着は次回に持ち越しw{/netabare}
などコッテコテな回想多用アニメ。

過去の『なのは』シリーズでもしばしば過去が掘り起こされましたが、
それでもTVシリーズでは、盛り込みすぎたら胃もたれするかな?
と思った過去話、サブキャラエピソードはドラマCDやスピンオフ漫画等に回して、
バトルシーンに注力してバランスを取りにいったものでした。

本作の場合は、むしろ時に、多少、試合内容を省略してでも、
サブキャラまでもが、身の上話等を語り始める脂身の多さ。

私も終盤、流石にちょっとしつこいかも?と思ったこともありました。
ただ、本作の場合はそれ以上に、熱さや懐かしさも蘇って来ました。
思えば昭和のアニメでは、必殺技一発放つまでに、
各自回想で一話消費とか当たり前でしたw

この決着の前に語り尽くしたいことが山ほどあるんだ!
本気で拳をぶつけ合って、初めて打ち明けたくなる過去がある!想いがある!

細かい演出を斜に見る冷めたハートに、
熱い闘魂を強制注入された感じ。


本作は『なのは』を名乗りませんでしたが、
シリーズ原作の都築さんにも熱さが戻って来たことも確認でき、
来年夏の劇場版『なのは』3rdに向けて、予熱十分。

私はいつでも着火OKです♪

【四話感想】改めて本作の監督は西村純二さんです……。

長いので折りたたみw
{netabare}基本的にもう途中で各話感想を書く予定はありませんでしたが、
四話でなかなか壮絶ないじめ回、女の修羅場に殴られたので、
勢いでここで一筆。

元々『なのは』シリーズは絶望や不幸、馬鹿げた野心など、
美少女バトル物でありながら、人間の負の側面も容赦なく描いて来ました。
それらもみんな叩き壊す、或いは砲撃する勢いでぶつかり合った先に、感動があるコンテンツでした。

ただ、最近、原作者の都築さんに
長年、少女たちが傷付く様を描き続けた心の勤続疲労が見え隠れ……。

『DOG DAYS』で脳が蕩けるくらい凄い、
萌えキャラたちのほんわかバトルを催してみたり、

『なのは』スピンオフの『なのはINNOCENT』展開時には、
本作でまで、なのはたちが傷付くことはないだろうとの主旨の方針を語られてみたり……。

あぁ、昔のように全力全開で傷付いて、それを乗り越える筋書きを
都築さんが量産するのはしんどくなっているのかな?と私は憂慮していました。

本作でも最初、都築さんが『true tears』などの西村純二監督と組んだ時、
理由が分かりませんでしたが、四話の描写を見て、意図が見えてきた気がします。

西村監督は痛み、特に肉体的な痛み以上に、
精神攻撃による心の傷、喪失のダメージを表現して来たアニメ監督でもあります。

彼と一緒にもう一度、痛みと真正面から向き合ってみよう。
何かそんな都築さんの決意のようなものが見えた、
心身の色々な部分が痛むしんどい回でした。


これは終盤にかけて、涙腺をガードする必要もある作品なのかもしれません……。{/netabare}


【一話感想】西村純二監督×『なのは』シリーズの世界観

やはり、長いので折りたたみw
{netabare}
かつてはルール無用、リスク度外視、全力全開の砲撃をぶっ放し、
願いや友情をかけて激しくぶつかり合った
初期の『魔法少女リリカルなのは』シリーズ。

三期『StrikerS』にて、なのはさんとは違う物語を志向する中で、
秩序ある組織や管理社会を形成するルールの中で、術者の健康にも配慮しつつ、
その熱さをどう継承するか葛藤。

四期『ViVid』では、さらにルール運用が厳格な
スポーツ、格闘技大会の中で、魂の継承を試行。

そして、ついに“魔法少女”も“リリカル”の冠も消滅した本作では、
競技色をさらに強化していく模様。

ストーリーは{netabare} 喧嘩に明け暮れる、孤児の貧困少女。
(何故か広島弁wどうやって次元を越えてこの第一管理世界に伝播したのでしょうw)
彼女が競技格闘技のジムに拾われ、拳により、失われた友情などを取り戻しに行く……。
というボクシング物の王道プロットに『なのは』スピリッツの世代間継承を託す……。 {/netabare}

ある意味、拳で語り合って来た『なのは』シリーズの流れで言えばあり得る展開。
けど個人的に意外性があってソワソワするのが、
シリーズ通じて脚本を手がけてきた都築真紀さんが、
本作監督を託したのが西村純二さんだということ。

西村監督と言えば私の中では監督自身が脚本も手がけた
『true tears』や『グラスリップ』等のイメージが強く、
過去に格闘要素のあるアニメ監督も数多く務めているとは言え、
このシリーズの監督でどんな仕事をするのか、ちょっと想像が付きません。

但し、脚本・都築さんがキャラ同士のハートを衝突させた時、
監督・西村さんが修羅場を激化させることはあり得そうですが……。

初回から早速、後々起爆させると思しき伏線爆薬をせっせと仕掛けて、
激しい殴り合いの予感を漂わせています。

そんなはみ出しそうな女と女の魂のどつきあいを、
整った競技ルールとリングの中でどこまで弾けさせられるのか。

脚本力と監督力が問われ続けている、
ある種のジレンマを抱えたこのシリーズの行方を、
西村監督×都築さんの新コンビがどう導くのか。

……まさか、鶏は出て来ないとは思いますがw
この世界に拳で取り戻せる仁義はあるのか。
拳を握って見守りたいと思います♪{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残された時間を燃焼しろ! そこにお前の命の輝きがあるんだ! ……今から、お前を殴る!!

「魔法少女リリカルなのは」シリーズの外伝?みたいなことかな? シリーズを観てないので、よくわからないです(汗)

[2016秋 個人内ランキング 9位]

《以下ネタバレ》

【各話感想】
{netabare}
第1話
なかなかシビアな冒頭。格闘技系のスポ根もの? やたらとオッドアイの人物多いけど、何の意味もなくオッドアイのキャラを出すアニメはあんまり好きくないな。ヴィヴィオの「アクセルスマッシュダブル」は、「はじめの一歩」「ヴォルグ・ザンギエフ」の「ホワイトファング」にしか見えないw

第2話
絵柄があれだけど、微エロには少し萌えたw 腹とかw フーカの1日を淡々と紹介しつつ、各キャラクターに触れていく感じはなかなか良かった。

第3話
リンネのトレーニングシーンは、しっかりと筋肉を見せたいって感じでしたね。第2話の寝ているフーカの腹の描写もそうだけど、制作にはなんらかの特殊なフェチを感じる(笑)

第4話
リンネ過去編。たまたま、「いじめ~いけにえの教室~」を観てレビューを書いた直後の視聴で、不思議とリンクした。ラストのリンネの暴行リベンジで胸がスッとしてしまった私は、いけない人間なのだろうか?

第5話
大分バイオレンスな回でした。魔法少女の要素、必要ですか?

第6話
ミウラに、分かりやすい死亡(負け)フラグがぁ……。バトルシーンの手抜きがヤバイ(笑)

第7話
アインハルトの1回戦、鳩尾への肘打ちからの延髄蹴りとか、リンネよりエグいんじゃ(苦笑) フリッカージャブって、やっぱり「はじめの一歩」に似ている気が(笑)

第8話
今井VS板垣 戦を観ているようだな。二人ともスマッシュ撃ってたな。ヴィヴィオのスイッチスタイルも、ランディー・ボーイ・ジュニアがやってたな。カウンター狙わず、判定勝ち狙えばヴィヴィオは普通に勝てたんじゃ? でもここでヴィヴィオを勝たせるとか、良い展開ですね!

第9話
やはりここでリンネを負けさせるとは、凡百の格闘アニメとは違いますね。もしかしたらリンネは、「格闘技を辞めるために、格闘技を続けていた」のかな? やたら熱血展開だ(笑)

第10話
殴り合いながらの過去を回想。どこの熱血バトルやねん(笑) 熱く、熱く、熱く!

第11話
意識が無くなりかけ、トレーナーの言葉とミットの位置だけが見えるって、やっぱり「はじめの一歩」じゃんw 怪我と才能の無さを努力と理論でカバーしてきたジルが、才能のあるリンネと出会い、新たな夢をみる。「あなたの強靭な体に、私の技術と理論の全てが乗って、あなたの全身の筋肉が完璧に連動した一撃を討てたのなら、その打撃に耐えられる人間なんていません。きっと神様だって倒せます。」という言葉は、胸熱だった。神様=運命、なんだと思う。私もたまに道場で子供の指導をするので、どうしてもジルに感情移入してしまうw 才能ある若者との出会いは、それだけで幸せだよね。

第12話
殴り合って、仲よくなった後の平和な世界。百合百合してたw 太腿のアップとか、やっぱり制作の妙なフェチを感じるw キャラとか知らない人も出てきてるし、前作(シリーズ)ファンへのサービスも兼ねてるのかな? 決勝は、観たい気もするけど、ここまできたらもう蛇足ですよね。コーチ二人の会話とか、深いこと言ってた。
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
愛は奇跡を信じる力よ~♪ 孤独が心~閉じ込めても~♪

……ハッ! 仲良くして頂いている(と思ってる)天地人さんのレビューの入りに似ている(しかも平成生まれの方には伝わらない)w

絵柄と違い、ガチのバトルアニメでした。実はリリカルなのはシリーズは観たことがなく、これが初の視聴ですw 結論としては、かなり面白かったです。ストーリーにも重厚さがあり、意表をつく展開もあり、熱さもあり、悲しさもあり。

個人的には第4話が印象に残っています。人としてどうかとは思いますが、正直に言って、スカッとしてしまいました(汗)

4話以降は、ナカジマジムの面々とリンネを中心した話が多く、サブキャラもよく掘り下げられていると感じました。

一方、フーカは途中から空気になっていましたが、リンネとのラストバトルで面目躍如。この作品の主人公であることを証明してくれました。リンネの目の、心の曇りを晴らすために殴り合う姿は胸熱。ところどころ完璧に「はじめの一歩」だったのはまあ、ご愛敬ということでw

ただ私は、リンネとジルのコンビに一番心を奪われました。才能という壁に夢を阻まれたジルと、才能溢れるリンネとの出会い。ジルの「私の理論とあなたの才能が合えば、神様も倒せる」という言葉、じ~んときました。この場合、神様=運命(人生)、だと思います。ジルは自分の不甲斐ない格闘技人生を、リンネは大好きな祖父の死とその後に起こしていまった事件を、それぞれが呪っています。そんな自分の人生を吹き飛ばすような、強烈なアッパー。第4話以上に胸がスッキリしました。

リンネは強くなりたかったのではない。強くなったと思いたかっただけ。だから、形(ベルト)を欲した、というのは納得の出来る心情です。

リンネはこれまで誰とも試合をしてなかったのですね。だから、勝っても冷たい目をしていました。それは、リンネの戦う相手は常に弱い自分自身、弱い自分自身が起こしてしまった過去の出来事だから。そういう、いつまでも過去に立ち止まっている姿、誰のことも見ていないリンネを、フーカは許せませんでした。だから殴ったのです。涙を流しながら。ジャジャジャン、愛は奇跡を信じる力よ~♪(って、もう良いってw)

そんなリンネが、フーカとの殴り合いを通し、過去を払拭し、自分がどれだけ格闘技が好きなのかを自覚し、最後は青空の中で二人揃って倒れるシーンは、正に名シーン。フーカに勝てなかったからもうベルトには手は届かないのだけど、そんなのどうでも良いんですよね。リンネは自分が本当に欲しかったものを手に入れられたのだから。

最終回は、本当に色んなことに結末をつける、温かいものになっていました。ちょい役のキャラにもちゃんと後日談を用意しているとか、芸が細かい。

リリルカなのはシリーズ(というより外伝的な扱い?)は本作が初めての視聴でしたが、予想以上に楽しめました! 時間ができたら、一作目から全部観てみたいと思えました♪
{/netabare}

【総括】
絵柄とは違う、ガチの格闘アニメ。格闘技を観る、というより、そこに至るまでの経緯や、バトル中の心情の変化を楽しむアニメか。シリーズ未視聴だが、ここから入っても充分に楽しめた。他の作品も観たくなった♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フーカとリンネの投入で物語の熱さには拍車が掛かりましたけれど…

この作品は、私の中でどうにも異端の存在でした。
まずこの作品を視聴するには、「魔法少女リリカルなのはシリーズ」の第4期にあたる「魔法少女リリカルなのはViVid」を視聴しないと話についていけないと思います。

それでは「魔法少女リリカルなのはViVid」だけ視聴しておけば問題無いか…と問われると、答えは「No」…なぜなら4期に登場する人物を知るには3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を見ないと人となりが分かりません…こんな風に辿って行くと、つまりは1期から視聴するのが一番登場人物を理解できる事になる訳ですが正にその通りだと思います。

でもこれまで4期までを視聴してきた方には堪らない作品だと思います。
それは、今でこそ友達と一緒にストライクアーツに打ち込んでいるヴィヴィオが、どれだけ壮絶な日々を積み重ねてきたのか…幼いゆえに何も知らずただ翻弄され、激痛に歪むヴィヴィオを全身全霊で救い出した高町なのは…
ヴィヴィオの成長は、なのはママとフェイトママがこれまで積み上げてきた歴史そのもの…
だから主人公が高町なのはからヴィヴィオに移ってもそれほど違和感は感じませんでした。

でも主人公がなのはでもヴィヴィオでも無いとなると話は別です。
いくらシリーズの冠名を外したとしても、そこに脈々と流れるのは4期まで続いたなのはシリーズの血潮なんですよね…
もう少し前作までの繋がりを大切にして欲しかった…というのが本音です。

それともう一つ…放送の構成も違和感がありました。
この作品は4期から1年後という設定ですが、率直に疑問に思ったのは何故「魔法少女リリカルなのはViVid」の続編を先に放送しなかったのか…という事です。
確か4期はインターミドルの大会途中…ヴィヴィオとミウラの対戦前に終幕しましたが、この作品ではミウラはナマジマジムに移籍していますし…
この戦いの結果が素直に気になるところです。

それに4期のインターミドル大会で本作品に登場した選手も、この作品に多く登場するのですが誰が誰やら…というより、4期でハッキリ記憶に残らなったキャラも何の説明も無いまま外野スタンドで普通に応援しているですよね…
残念ながら負けてしまった選手は仕方ありませんが、少なくても勝った選手…というより、インターミドルを描いた後にこの作品を見る方が、色々とスンナリ頭に入ると思うんです。

少しこの作品を批判めいたレビューをしてしまいましたけれど…
実は秋アニメの中で放送が待ち遠しい作品の3本の指に入るくらい大好きな作品でした。
シリーズの冠名が無いとか、そんなのは全然関係無いくらい激アツな展開に何度痺れたことか…
これがいのすけと小倉さん効果と思うと「流石」の一言に尽きます。

いのすけ演じるフーカと小倉さん演じるリンネは幼い日を孤児院で共に暮らしました。
しばらくするとリンネはとある良家に貰われる事となり、二人は別々の道を歩く事になる訳ですが、どちらも順風満帆な人生が遅れた訳ではありませんでした。
そんな二人がストライクアーツで再び接点を持つようになり物語が動いていきます。

ジムで喧嘩の腕っぷしには自信のあったフーカの相手をしたのは、ヴィヴィオを初めとする「おちびちゃん4人衆」でした。
ここでフーカは出鼻を完全に挫かれ基礎の大切さを身を通して知る事となります。
フーカが強くなりたいのは、人が変わったように冷たい目をする様になったリンネを元に戻したいから…
でもその時リンネは、冷徹で残忍なまでの攻撃により快進撃を続けU15ワールドランク1位という手の届かない場所まで登りつめていたんです。

そんな中、満を持してウィンターカップが始まった訳ですが、こんなにも心が大きく揺さぶられる展開を目の当たりにするとは正直思っていませんでした。

リンネが最初に戦ったのは、抜剣と呼ばれる足技の使い手であるミウラでしたが、この戦いの結末には、次を視聴するのが本気で苦しくなる位に心が痛みました…

だってこの戦いの勝者の次の相手はヴィヴィオでしたから…
だから怖かったですけど、ヴィヴィオとの全力全開の一戦に臨んだ訳ですが、こんなに心が震えて号泣する展開が待っていてくれていたとは予想だにしませんでした。
多分、この回だけでも10回以上は視聴したと思います。

そして物語は本当の決着に駒を進めていきます…
物語の終わり方としてはこのシリーズ特有の良い終わり方…これはある程度予想していましたが、そこに至るまでの熱さは半端無かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、小倉唯さんの「Future Strike」
エンディングテーマは、いのすけの「Starry Wish」
どちらも作品にマッチした最高の曲だったと思います。
特に好きなのは物語の余韻を感じさせてくれるエンディングの入りの部分…
もちろん、どちらもカラオケで挑戦済で、間違いなく今期のアニソンBEST10に入る曲です。

1クール12話の作品でした。他にも例えばアギトとリインの姿恰好とか気になるところはたくさんあるのですが、それを差し引いても余りあるほど魅力ある作品だったと思います。
これで4期の続編が無くなったら悲しいですけれど…
次があるならシリーズの冠名を背負って貰えることを期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

72.5 16 熱いでシリアスなアニメランキング16位
魔法少女リリカルなのはStrikerS [ストライカーズ](TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (798)
4560人が棚に入れました
空港火災の現場…命の危機にさらされた幼いスバルを救ったのは、純白の衣装に身を包んだ、時空管理局のエース魔導師・なのはだった。我が身を省みず災害や困難と戦うその姿に心打たれた幼いスバル。彼女に憧れたスバルは、満天の星空の下、管理局の魔導師になることを決意する。4年後、晴れて管理局の新人魔導師となったスバルは、訓練校時代からのパートナー、ティアナ・ランスターと共に魔導師の昇格試験に挑んでいた。それを見つめるのは機動六課の有望な人材として二人に目をつけたはやてとフェイト、そしてなのは。試験開始を告げるシグナルとともに「StrikerS」の物語が幕をあける。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

(レビュー全面改訂です)思いは繋がる・・・

この作品は、「魔法少女リリカルなのは」の3期目に相当する作品です。
物語に繋がりあがるので、1,2期を見視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1,2期で熱い死闘を繰り広げてきたなのはとフェイト・・・
2期のラストで「闇の書」事件から6年後の皆んなの姿が描かれていたので、きっと時空管理局での熱い戦いが繰り広げられるんだろうなぁ・・・と勝手に思っていましたが、蓋を開けたらビックリでした^^;

機動六課・・・は良いとして、展開的に闇の書事件のベルカの戦士4人も仲間になる気はしていたので良いんですが、前線フォワード部隊のスバル・・・? ティアナ・・・?
えっ、なのはとフェイトが主人公じゃないの・・・?

3期の舞台設定は2期から10年後・・・という事はなのは、フェイトは19歳・・・バリバリの現役だと思っていましたが違っていました^^;
確かにハードな職務だとは思いますが、19歳で後進に道を譲るってスポーツの世界でもこんなに短い寿命の競技は聞いたことがありません^^;

・・・という先入観を持って1巡目を視聴したので、設定に対するインパクトは感じましたがこの作品をキチンと評価する事には繋がらなかったのだと思います。

という訳で雑念を払って2巡目の視聴を始めました^^;
物語は、前線フォワード部隊として二等陸士のスバルとティアナ、三等陸士のエリオとキャロの4人が、若いながらも持っている天性の素質を見込まれて、新設された八神部隊長率いる「古代遺物管理部 機動六課」に入隊するところから物語が始まります。

この機動六課・・・ロストロギア関連の危険な任務を行う実行部隊である事から、メンバーも優秀な人材が揃っています。

部隊長である八神はやてを筆頭に、スターズ分隊になのはとベルカの戦士ヴィータ、ライトニング分隊にフェイトと同じくベルカの戦士シグナム、そして後方支援部隊にロングアーチとスター級の魔道士が顔を並べるこの部隊・・・将来を見込まれ、声を掛けられただけでも十分に凄い事だと思います。

こうして戦技教導官になのはを据え前線フォワード部隊の本格的な教育が始まるのですが、日々繰り返されるのは徹底した基本動作の繰り返しばかり・・・
新人教育は期間限定である上、敵はこちらの状況を汲んでくれる訳もなく次々に現れてきます。
敵との遭遇で感じるのは先輩の圧倒的な強さと、一生かけても追いつけないと思ってしまう自分への劣等感・・・

「この中で、私だけ・・・何も無い」

きっと普段はこんな事考えないのだと思います。
でも自分に劣等感を感じている時、自分の持っているモノが見えなくなることがあります。
自分の心の奥底に眠るダメダメな部分に支配されてしまいそうで怖い・・・

そこで、難しいのが立ち直るための踏み出し方・・・だと思います。
なのはさんの教えをきっちり守っていれば・・・という気持ちは根底に流れています。
ですが、自分が出来る事を繰り返して強くなれるのか・・・実践で活かせるのか・・・
そもそも強くなるって、これまで出来なかった事に挑戦しないといけないんじゃ・・・

焦りは不安と苦しさを呼びます・・・
自分では良かれ・・・と思ったことも道の先を辿ると全然別の答えに行き着いてしまう事も・・・
きっとスポーツだったら・・・新しい技を取り入れたと思います。
でも皆んなが向かう先は戦場・・・ややもすると生命を落とす場所でもあるんです。
そんな場所に中途半端なモノなんて絶対持って行かせない・・・
これは戦技競技官であるなのはの思惑のほんの一部・・・残りは是非本編で確認頂ければ、と思います。
沢山の厳しさの中に溢れる優しさ・・・愛おしさを感じる事ができると思います。
私の中で何度見ても泣けるシーンです^^;

そして物語の後半・・・これまでの成果を発揮できる場面とも言える大規模侵攻に襲われます・・・
前線フォワード部隊もかつてない危機を迎えることになります・・・
その危機は切り抜けられるのか・・・切り抜けるならどの様にするのか・・・
この辺りは後半の見どころの目玉と言えると思います。

でも、私の中の後半のヒーローは、間違いなく「紅の鉄騎 鉄槌の騎士ヴィータ」でした。
2期では色々ありましたが、3期では前線フォワード部隊を・・・スターズ分隊を・・・何よりなのは自身を守ろうとする気概が半端ないんです・・・
そして彼女の気概は・・・行動を伴った実践シーンも描かれているのですが彼女の格好良さ・・・もう反則級です^^

絶体絶命のピンチ・・・そこでヴィータを取り囲んだのは、大切な人を傷付けた憎っくき敵・・・
身体もデバイスである鉄(くろがね)の伯爵「グラーフアイゼン」もボロボロなのですが、その敵だけは絶対に許さない・・・という気力だけで沢山の敵の中に単身切り込んでいくんです・・・

でも、ヴィータにしかできない役目はこれだけじゃありませんでした。
振り下ろす鉄槌は自分自身のためではなく、大切な仲間を守るため・・・
そして、今は自分の限界なんて言っていられない時・・・
「アイゼン・・・うおぉぉ、ぶち抜けェ・・・」
鉄槌の騎士ヴィータとグラーフアイゼンの渾身の一撃・・・
もう涙無しでは見れません(;_;)

オープニングテーマは、水樹奈々さんの「SECRET AMBITION」と「MASSIVE WONDERS」
エンディングテーマは、田村ゆかりさんの「星空のSpica」と「Beautiful Amulet」

2クール26話の作品でした。1巡目は余計な雑念でしっかり評価する事ができなかったので、今回2巡目を視聴して本当に良かったと思いました。現時点でお気に入りの棚行き決定です^^

4期が始まるという事で1期から見直しましたが、新たな発見もあり、なのはとヴィヴィオの関係もしっかり思い出す事ができたのは収穫でした。
引き続き4期を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

色々広げすぎて、色んなとこが薄くなっちゃった

もう少女じゃなくなった、魔法少女リリカルなのは。
2期の最後で高校生ぐらいに成長した彼女達の姿が紹介されてたので、次があるのなら女子高生編かと勝手に想像していましたが、そうじゃなかった。
正直、ちょっぴり残念(´・ω・`) と、思ったり思わなかったり。
まあ、それはともかくとして。
いっぱしの魔法少女(少女?)として成長を遂げた、なのは、フェイト、はやては19歳。時空管理局のエージェントとして、彼女達が重責を担うまでになった時代まで時系列は進みます。
はやてを部隊長にした新部署、”機動六課”の物語。
新人の魔導師達を加えて団結した我らがなのはファミリーが、大きな事件の解決に活躍するお話です。


内容を一言で現すなら、なのは先生と可愛い教え子達の魔法バトルもの。
原作者さんが自身で語っているように、なのはが主人公というよりは登場人物がみんな主役というコンセプトです。
2クールの前半は、新人魔導師の4人を中心に描き、上司であり教官ありで憧れの存在であり恩人でもある、なのは&フェイトがヒヨッコを一人前へと導くお話。
伏線を張りつつ、機動六課が追っている事件の全容が顕わになっていきます。
後半は事件の進展と結末を中心に、魔導師達それぞれが、それぞれの対峙するべき相手に対して決着をつける形式をとっており、バトルものの王道的なパターン。
リリカルなのはシリーズらしく、強くも優しい想いがぶつかり合う熱血バトルとなっています。

全体のストーリー構成や設定は、本シリーズらしくいかにもな出来。
キャラクターも、予想どうりというか期待どうりというか、主要な味方キャラはみんな基本的に善良で裏のない好感度の高い人物ばかりです。
そこに不満はありません。
大好きなリリカルなのは。
不満はない、不満はない、と自分に言い聞かせてみていたのですが・・・・総合的に贔屓目なしでみると、やっぱり不満を洩らさずには居られない部分がポロポロでてきます。


敵側の事情説明が足りていない。
「一方の正義の反対には同じだけの正義」なんて理屈はいいませんが、1期のフェイト、2期の守護騎士達のように、己の想いのために凛と意思を貫く相手がいてこそのリリカルなのは。
主人公側でない方への感情移入ができるのがこのシリーズの魅力です。
なのに、今回はその描写が明らかに不足しています。そういう素振りをみせるキャラもいますが、ただの敵役、ただのやられ役となってしまっている感が否めない。
たぶん、全員にそいうった事情があるっぽいのですが、そんな部分は片鱗しかみえません。これじゃ感情移入しにくい。

キャラへの集中力が足りていない。
序盤での訓練モードのときは面白かったのに、さあ、そこで成長したぞ!これから大活躍だ~・・・な筈の4人の新人魔導師の描写が後半に行くほど窮屈になってきます。
理由は明白。途中参入の”重要キャラ”と、なのは&フェイトが前に出てきているので、新人達の出番とエピソードがその分割りを食った形になっています。
なのは達がたくさん観られるのは嬉しい反面、やっぱり中心人物に一貫性がないのは違和感。
前半で散々「今回の主役はこの新人4人」という雰囲気で進めていたのに、後半になって、やっぱり前作の主人公の方がでてくる展開って。
ん?この主人公回帰のパターン、どっかで見憶えが・・・・
ガ○ダ○SEED DESTINYかよ! と、軽く突っ込みたくなりますねw

描き込みと動画が足りていない。
リリカルなのはといえば、そこらのロボットアニメに引けをとらない迫力とスピード感のバトル。・・・だったのに、それはどこに行ったのやら?
もうね、こればっかりは、どう妥協してみてもダメ。バトルの作画と演出の質低下は言い訳のしようがありません。
戦闘シーンをみてワクワクできたのはOPの映像だけでした。
キャラも増え、それに伴って戦闘のスタイルや魅せ方もバリエーションが増えて、より一層見映えがするバトルを創っていく材料は揃っていた筈なのに、まったく活きていない。
崩壊と呼ぶ程酷くもないですが、やはり前作までの質が高かっただけに、凡庸な平均点以下の出来では満足できません。


結局は、尺と予算が足りていない。
上記の不満点は、つまるところこれに尽きると思います。
2クールでやるには登場人物が多すぎでした。
キャラの魅力を追いきれず、ストーリーを破綻なく消化するのが精一杯といった感じ。
倍の4クール、そのうえで作画にかけられるお金の時間があれば、もっともっと名作になったのにー、と歯痒い思いで”たられば”を言ってみたくなる作品でした。

嫌いじゃない。
嫌いじゃないだけに、苦言も呈したくなります。

シリーズ続編も決まっているので、次は濃厚で良質な感動を期待したいと思います。






以下、とーーーっても、どうでもいいボヤキ。
(読み飛ばし推奨)
成長しても相変わらず善良でとっても主人公らしいなのはさん。
気がきいて戦闘力も高く皆から信頼を集めている完璧超人になっちゃってますが、一言苦言を呈したい。

変身バンクで愕然としたよ、ボカァヽ(゚Д゚)ノ

ダサいデザインもさることながら色がベージュってアンタ・・・
ベージュはダメでしょ。いくらなんでも主人公がベージュは。
相方のフェイトは、ちゃんとキャラのイメージカラーの黒でデザインも相応なのに、ですよ!
あ、いや、デザインはフェイトも同じか。
でも、黒のレースとべージュのレースでは雲泥の差があるのは世界の常識。
君のイメージカラーは白っしょ、白。白のレース!

なのはさんには、洒落っ気が足りてないッス

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

nk225 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「魔法少女リリカルなのはViVid」2015年4月スタート 成長する公式サイトに次々キャラクターが

人気のアニメシリーズ『魔法少女リリカルなのは』の最新作テレビシリーズ『魔法少女リリカルなのはViVid』の製作発表がされたのは、2014年8月だった。熱いファンが多い作品だけに、そのニュースは大歓迎を受けた。

それからおよそ5ヵ月、『魔法少女リリカルなのはViVid』の放送時期が遂に発表となった。2015年4月から放送を開始する。放送局や放送時間は今後の告知となるが、ファンにとっては待望の決定だ。

これまでにティザーサイトであった公式サイトも大幅リニュールした。放送時期を告知するだけでなく、最新ムービーやキャストからのメッセージも公開している。本作のヒロインであるヴィヴィオの新ビジュアルはファン必見だ。
さらに公式サイトにはさらなる楽しい仕掛けもある。サイトでは今回のヴィヴィオをスタートに、1月24日頃までの間に少しずつキャラクターが増えていくという。どんなキャラクターが登場するのか注目される。

そのキャラクターには、ヴィヴィオ役に水橋かおりさんがすでに決定している。さらに能登麻美子さん(アインハルト・ストラトス役、喜多村英梨さん(リオ役)、福圓美里さん(コロナ役)、田村ゆかりさん(高町なのは役)、水樹奈々さん(フェイト・T・ハラオウン役)と、これまでと同様に豪華人気声優が並ぶ。
原作は都築真紀さん、原作漫画は藤真拓哉さんが務める。伊藤祐毅監督とメインライターの小林成朗さん、キャラクターデザインの山野雅明さんと安定のスタッフだ。制作はA-1 Picturesが担当する。

『魔法少女リリカルなのは』は、2004年10月にまずテレビシリーズとして始まった。作品は瞬く間に人気を博し、テレビシリーズは3作品、劇場アニメは2作品が作られている。さらにマンガ、ゲーム、ドラマCDなどとその世界は大きく広がる。
そして2015年春に、新たな魔法少女の物語がはじまる。シリーズは今後もまだまだ大きく展開しそうだ。

『魔法少女リリカルなのはViVid』TVアニメ化決定!
現在『月刊コンプエース』で連載中の都築真紀さん原作のマンガ『魔法少女リリカルなのはViVid』が、待望のTVアニメ化を果たすことが発表された。

『魔法少女リリカルなのはViVid』は、2009年より上述の『月刊コンプエース』で連載されている、同シリーズの第4期として発表されたマンガ。
主人公・高町ヴィヴィオとアインハルト・ストラトスを中心に物語が展開され、次世代型文系格闘魔法少女マンガとして人気を獲得している。
これまでアニメーションにドラマCD、マンガ、ライトノベルなど、様々なメディアで展開されている「魔法少女リリカルなのは」シリーズだが、本作のアニメ化はファン待望の発表だと言えるだろう。
アニメ化の詳細は、随時告知されていく。

独立UHF系各局およびファミリー劇場で2007年4月から9月にかけて全26話が放送されたテレビアニメ作品で、『魔法少女リリカルなのはシリーズ』の第3期作品。略称は『StrikerS』(ストライカーズ)。
キャッチコピーは「魔法少女、育てます。」

本作は、前々作の第1期『魔法少女リリカルなのは』と、前作の第2期『魔法少女リリカルなのはA's』とは色々な点で大きく異なる作品になっている。
前2作の10年後の話であるため、なのはやフェイトなどの主要キャラクターの容姿や立場などが前2作とは大きく変わっている。主な舞台も、前2作は日本の海鳴市(原作の『とらいあんぐるハートシリーズ』の舞台でもある)だったが、本作では魔法文明の中心地のミッドチルダに変わっている。
新しいキャラクターが多数登場し、「機動六課」に配属された4人の新人フォワード(スバル達)の成長なども描かれている。登場キャラクターが多いため、1人で複数役を担当する声優も多かった。魔法では前2作とは違い、(高速高々度の)飛行魔法が高ランク扱いとなり、「飛べない」魔道士が数多く登場する。第2期『A's』ではなのはやフェイトの敵であったヴォルケンリッター(シグナム達)が、本作では良き仲間となっている。前2作まではよく登場していたが、本作では全く登場しなかったり、少ししか登場しなかったというキャラクターもいる(なのはの家族・アリサ・すずか・ユーノ・アルフ・エイミィなど)。
スピンオフ元である『とらいあんぐるハート3』に由来する設定の影はほとんどなくなっている。また、本作から『とらいあんぐるハートシリーズ』の製作元である「ivory」の表記が原作欄からなくなった。
前2作はそれぞれ1クール全13話で構成された4:3サイズでの制作・放送だったが、本作は2クール全26話で構成された16:9サイズでの制作となっている。

オープニングテーマ
「SECRET AMBITION」(第1 - 17話)
「MASSIVE WONDERS」(第18 - 26話)

エンディングテーマ
「星空のSpica」(第1 - 14話)
「Beautiful Amulet」(第15 - 26話)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

67.3 17 熱いでシリアスなアニメランキング17位
SHOW BY ROCK!!(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (419)
2465人が棚に入れました
音楽都市【MIDICITY】。ゴスロリ好きなネコの女の子【シアン】は、通りすがの怪しい音楽事務所社長【有栖川メイプル】にスカウトされる。優等生ウサギの【チュチュ】、ネットギークイヌの【レトリー】、宇宙ヒツジ?の【モア】、3人の仲間と出会い、ガールズバンド【Plasmagica(プラズマジカ)】を結成。バンドで世界の頂点を目指す事になる。
だが、トップバンドへの道は長く険しく、ノリが大事。数々のクセのあるアーティスト達と対バンし、Plasmagicaは少しずつ成長して行く。やがてMIDICITYの音楽シーンを牽引する存在にまで上り詰める・・・かも?
Gonna be a music millionaire!(音楽で億万長者になってやる!)


声優・キャラクター
稲川英里、上坂すみれ、佐倉綾音、沼倉愛美、谷山紀章、内山昂輝、柿原徹也、細谷佳正、潘めぐみ、早見沙織、松井恵理子、宮野真守、逢坂良太、村瀬歩、日高里菜、茅野愛衣、村川梨衣、五十嵐裕美

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

3DCGによる驚異のクオリティのライブパートは必見!(追記アリ

視聴前レビュー

サンリオの音ゲーSHOW BY ROCK!!のアニメ化です
サンリオというと女性向け子供向けというようなイメージが強いですが
サンリオ社内で男性をターゲットにした作品を作ろうという形でスタートしたのがこの企画

しかし出来上がったスマホ向け音ゲーは
音ゲーマニアからすればゆるすぎる代物で
結局居ついたのは元々のサンリオの顧客だった女性客が中心のようです

私自身はアニメ化の話が持ち上がった頃に
アニメ化されるくらいだから面白いのかな?
と少し気になって始めた感じなのですが
音ゲーとしてはちょっと物足りない感じでした

しかし、オリジナルのバンドと
実在ミュージシャンとのコラボバンドと
合わせて20組にも及ぶバンドの奏でる
100曲近い多彩な音楽に強く惹かれて
そのまま継続して遊んでいます

オリジナルバンドの中では
「徒然なる操り霧幻庵」が推しバンド
もともと和ロック大好きなんです

タイアップバンドの中では
植田真梨恵さんとコラボした
「しにものぐるい」が好み

一昔前の音ゲーは曲追加ごとにお金をせびられるものでしたが
全楽曲が無料で遊べるスクフェスのヒット以降
ゲーム内楽曲は客寄せのために無料にして
それ以外のところで稼ぐスタイルの音ゲーが増えています
コレもその一つでガチャを無視すれば
基本無料でだいぶ遊び倒せます

ほんとに多彩なバンドが揃っているので
多分誰でも一つか二つかは琴線に触れるバンドがあるんじゃないでしょうか?
という事でシステムが若干微妙ですが
曲はガチなのでゲームとしては十分お勧めできます

まぁでもそれとアニメが期待できるかってのとはまったくの別問題ですよね
そもそもゲーム内にストーリーと呼べるほどのものは無いので
PVには原作:サンリオなんて書いてありますが
ゲーム原作というよりはゲームキャラを使ったオリジナルアニメだと思っていいでしょう
アニメとして面白くなりそうなのかどうかは
正直全くわかりません

なので個人的な興味はアニメ化によって追加される楽曲にあります
ただし一部ゲーム版とキャスト変更があるようなので
その辺ちょっと心配です

キービジュアルにあるバンド「プラズマジカ」が
OPEDと挿入歌を発売することが発表されています
シアン:稲川英里
チュチュ:上坂すみれ
モア:佐倉綾音
レトリー:喜多村英梨⇒沼倉愛美
レトリーのキャラソン好きだったので
キャスト変更はちょっと残念に思っていましたが
アニメジャパンのレトリーコスのぬーぬーがかわいかったので
なんかどうでもよくなりました(何
まぁぬーも歌唱力の高さは文句ないですしね

中二病バンド「シンガンクリムゾン」は挿入歌一曲発表
クロウ:谷山紀章
アイオーン:柳田淳一⇒内山昂輝
ヤイバ:市来光弘⇒柿原徹也
ロム:丹沢晃之⇒細谷佳正
こちらは大幅にキャスト変更されていますが
ヴォーカルはクロウのみなので特に問題はなさそう

個人的イチオシ「徒然なる操り霧幻庵」も挿入歌一曲
阿:?⇒早見沙織
吽:松井恵理子
ダル太夫:潘めぐみ
ヴォーカルは阿ですが
今まで歌ってたのははやみんではない(と思う)
ので歌手自体が変更になるのか
演技部分と楽曲部分で分ける形で行くのか気になります

シンガンと腐女子人気を二分するゲームの稼ぎ頭「トライクロニカ」
シュウ☆ゾー粕谷大介⇒宮野真守
カイ:逢坂良太
リク:村瀬歩
こちらもヴォーカル変更なのか
演技と歌で分けるのか気になるところ

ゲーム内未実装のアニオリバンド「クリティクリスタ」
ロージア:日高里菜
ツキノ:茅野愛衣
ホルミー:五十嵐裕美
ジャクリン:村川梨衣
ゲームがいまいち男性層の囲い込みに失敗しているので
テコ入れで別路線のバンドを投入という事なんでしょうかw
睦月あるいは延珠
めんまあるいは白
ひなだお!あるいは杏
りえしょんだけは一条蛍くらいしか思いつかないけど
幼女役で名を馳せた声優を集めました!
って感じのユニットなのはわかりますw

プラマジの挿入歌は両A面であるそうなので
OPED+挿入歌6曲?
結構豪華な感じですね
アニメジャパンのステージ観に行った時の話だと
「ライブシーンも結構多い」ということでした
その辺も少し気になりますね

アニメがどんな感じになるのかは
とりあえず来週末の先行上映会行ってみてきますn(・x・

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

一話視聴後レビュー

一話上映会に行ってきました

2等身のミューモン体の3DCGによるバトルシーンと
擬人化verをメインに使った作画で構成される日常シーン
元々のゲームPV内の説明だとテンションが上がると擬人化体になる
という話だったような気がするけどまぁどうでもいいや

第一話なので当り前ではありますが
CGパートも作画パートもクオリティ高いです
でもふたつセットにして説明なく出したら
ご新規さんは混乱するだけだと思うんだよね
なにしろゲームプレイヤーでも展開に置いて行かれそうになったので

今回のアニメ化の目的は男性客層の開拓にある
というような話がアニメジャパンであったので
新規層にやさしい導入が必要だったと思うんだけど
その辺かなり強引な印象を受けました

あとキャスト変更のあったバンドは
歌も変更後のキャストにやらせるみたいですね
元のバンドよりもアニメのキャラソンっぽさが増してる感じ
開拓したい客層を考えるとまぁコレはこれでいいのかな?
しかし今は音楽を題材にしたアニメで溢れているうえ
そうでないアニメからもキャラソンなんかがガンガン出ている時代です
アニオタの嗜好に合わせてしまうと他の作品との差別化が難しくなるので
元のゲームが曲の多彩さ幅広さが売りなのを考えると
そのままの路線を貫いた方がオンリーワンなアピールができた気もするんだよねぇ

とりあえず2話以降も継続して観ていきますが
他人に勧めるならアニメより先にゲームかな?

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

最終話視聴後レビュー

話の大筋は深夜アニメというよりは
夕方に放送される子供向けアニメです
そこに原作ゲーム組や大友向けのネタを
ちょいちょい差し込んだような作りになっています
実際深夜に最速放送されているだけで
そのあと夕方にリピート放送されているので
深夜の客層にちょっと配慮しつつも
基本は夕方アニメだと思えば良いでしょう

純粋に深夜放送のオリジナルアニメとしてみた場合
キャラが多すぎる分掘り下げが足りないとか
何だかよくわからないバトル展開から
なし崩し的にすべて解決する
おおざっぱなストーリー展開とか
色々気になる点は多かったです

ただ3DCGシーンのクオリティだけは異常に高かったです
綺麗にデフォルメされたミューモン体の豊かな表情と滑らかな動きは
3DCGアニメーションとしては最高峰クラスだと思います
制作費の桁が一つか、下手したら二つくらい違うディズニーアニメと遜色ないレベル
これみてるとなんか他の国産CGアニメ(劇場版除く)がものすごく粗悪に見えてきます

あとはOP/EDから挿入歌の数々まで
中々クオリティが高かったのでゲーム組としても満足です
特にED曲のhave a nice music
挿入歌の迷宮Destiny&流星ドリームライン
とプラズマ絡みの曲はミューモンCGによる演奏付きで
すごく良いPV映像だったと思います
挿入曲2種に関しては最終回での使われ方もバッチリ!
あれはバンド演奏シーンで使った曲を
最終回で使いまわしたというよりも
最終回のクライマックスシーンに合わせて作った曲に
あとからCGアニメーションをつけてライブシーンを作ったのかもしれませんね

一応(?)音楽を題材にしたアニメですし
音楽部分がしっかりしていないと話にならないんですが
ゲーム内でもしばらくはアニメ曲がプレイできる形になっていたので
楽曲でアピールして本家の音ゲーへユーザーを呼び込むのにはまぁまぁ成功していたようです

ゲームユーザーの中には
アニメ化によるボーカル変更に抵抗のある方もいるようですが
宮野版シュウ☆ゾー(通称宮ゾー)以外は違和感ありませんでした
宮ゾーもまぁあれはあれで別物と割り切れさえすれば悪くないと思います

一番心配していたのは徒然なる操り霧幻庵でしたが
はやみんの歌唱力が尋常じゃないことを再確認させられて終りました

沼倉レトリーも悪くなかったですね
ちなみに沼倉さんはオーディションで選ばれたそうなのですが
最初呼ばれたのはクリティクリスタのオーディションだったそうで
自分に中学生役ができるか悩んでたところに
後からレトリー枠が追加されたんだそうな
おそらくその間にキタエリからNGが出たんでしょうねw
スケジュール合わなかったのかな?

シンガンに関してはVo変更ではなく追加だったこともあって
こちらは全く違和感なしでした
ちなみにシンガンの曲を作ってるのはボカロPのマチゲリータさん
ボカロ界では割と知られた鬼才ですね
かなりぶっ飛んだ曲を作ってるイメージしかなかったので
正直同じアーティストが作ったものとは思えませんでしたw

アニメではライブパートをもらえなかった
それ以外のグループもちょこちょこ出てきていたのが
ゲーム組には嬉しい演出でしたね
楽屋で一緒になる雫シークレットマインド
MIDICITYの音楽イベント情報を視聴者に伝える
チョイ役の田舎者集団ウワサノペタルズ
トライクロニカの追っかけでライブの最前列にいた豚は
ゲーム組以外はただのモブにしか見えなかったと思いますが
実はドーリィドルチというガールズバンドのメンバーですw

しかし一番優遇されていたのはしにものぐるい
ゲーム内でも特に人気の高いバンドです
アニメに出てきた中では唯一
ゲームオリジナルではない
実在アーティストとのコラボユニットなので
たぶん大人の事情でライブ披露とはいかなかったんだと思いますが
なんと個別回をもらう程の厚遇ぶり
さらにゲームでもまだ出てきていない「つぎはぎ」の擬人化Verが
緑髪のショタキャラとしてお披露目されて驚きました

そんな感じにゲーム組視点でみると
ファンサービスに溢れたいいアニメでした
あくまで純粋にアニメとして評価したので
ストーリーの☆評価は高くしませんでしたが
ゲームの販促映像としてはとてもよくできていました

アニメからのファンをゲームへ誘導し
ゲームからのファンへのサービスも欠かさず
さらに従来のサンリオファンにもアピールできるような
深夜アニメとしては相当マイルドなつくりで
老若男女問わず楽しめる作品になりました
これはスマホゲー原作のアニメとしては
大成功だったんじゃないでしょうか?

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

11月8日に行われたガールズバンドフェスティバル
昼の部&夜の部ともに参加してまいりました
歌える人気声優がずらりと並ぶ姿は壮観でした

対バンニコニャマの出張版も楽しかったし
各バンドの楽曲が生で聴けて最高でしたが
まぁそれはアニメとはあまり関係ないので割愛するとして

夜の部のラストに今後の展開についての新発表がありました
アニメと関係あるものだけ上げておくと
各バンドをフィーチャーしたショートアニメと
そしてTVアニメ2期の制作が決定しました

キービジュ一枚とキャッチフレーズのみの発表でしたが
その場にいたキャストさんたちにもサプライズだったようで
みなさん驚いていました

これは今後の追加情報に期待ですね!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

nk225 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サンリオキャラに異変?6頭身のアニメ調キャラが人気!“萌え”に本腰

サンリオキャラクターの人気投票企画「2015年サンリオキャラクター大賞」の結果が27日に発表され、ハローキティなどの人気2頭身キャラクターを生み出してきたサンリオのイメージを覆すような、等身&デザインのキャラクターがトップ10の4割を占めていることが注目を浴びている。

その代表格が、18年ぶりの1位に輝いたポムポムプリン(獲得票数:27万837票)に続いて2位に入った「シンガンクリムゾンズ」(獲得票数:27万802票)だ。イラストには、ハイライトや影などの表現や色を多用したアニメ調で、少なくとも6頭身以上ある男性4人組が描かれている。彼らからはほかのサンリオキャラが醸し出す、ゆるさはみられない。そんな「シンガンクリムゾンズ」は、トップ10で同じく異彩を放っている「プラズマジカ」「トライクロニカ」「徒然なる操り霧幻庵」と同じキャラクタープロジェクト「SHOW BY ROCK!!」によって誕生した。

「SHOW BY ROCK!!」は、サンリオ初のゲーム・アニメファン向けのプロジェクトとしてスタート。音楽とバンドをテーマに、キャラクターたちが世界一のバンドを目指す過程が描かれている。2013年7月にはリズムアクションとキャラクター育成ゲームの要素を組み合わせたスマートフォン向けゲームアプリを配信し、2015年4月にはテレビアニメの放送を開始した。そして「サンリオキャラクター大賞」の上位を占めるほどの人気を誇ることになるが、グッズはサンリオの公式オンラインショップで検索しても見当たらない。ここに子供や女性を中心に人気を集めてきた従来のサンリオキャラクターとの違いがある。

ゲームアプリは、音楽に合わせて三つのボタンをタッチするという子供や女性を含むライトユーザーも取り込みやすいつくりになっているが、テレビアニメは基本的に夜22時や27時の「深夜アニメ」として放送。子供向けの朝・夕方ではなく、コアなアニメユーザーを取り込める時間帯に設定された。限定グッズも、ゲーマーズやアニメイトなどアニメファン御用達の店で販売。これにより、子供や女性を中心とした幅広い客層を対象とするほかのサンリオキャラと一線を画し、「SHOW BY ROCK!!」は層を絞り、ニッチなファンの声にも対応しやすいキャラとして差別化した。

以前、ハローキティのファン「キティラー」をキャラクター化した「ハローキティといっしょ!」が、“オタクの祭典” コミックマーケットに出展したことが話題を集めたが、こちらはサンリオの子会社であるサンリオウェーブが展開。そのため、「SHOW BY ROCK!!」は、サンリオが“萌え”路線に本腰を入れた作品ともいえる。また今回「サンリオキャラクター大賞」の上位に入ったことにより、マクドナルドのハッピーセットのおもちゃになることも決定。よりサンリオキャラとして周知されることで、サンリオにどのような変革がもたらすのかにも注目だ。

【サンリオ大賞2015】ポムポムプリン18年ぶり1位 キティ19年ぶりTOP3圏外
今年で30回目を迎えるサンリオの人気キャラクター投票企画『2015年サンリオキャラクター大賞』の最終結果が27日、東京・サンリオピューロランドで発表され、27万837票を獲得したポムポムプリンが大賞に輝いた。デビュー翌年の1997年に初参加した際に大賞と新人賞をダブル受賞して以来、18年ぶり2回目の快挙。また、ハローキティは他キャラクターの躍進を受けて7位にランクインし、19年ぶりにTOP3圏外となった。

初日速報5位、中間発表3位とじわじわ順位を上げて、ラストスパートをかけたポムポムプリンが、2位のシンガンクリムゾンズとの大接戦をわずか35票差で制し、大逆転劇を繰り広げた。3位はシナモロール、4位にはぐでたま、5位にマイメロディがランクイン。

20位から順にランキングが発表され会場が大いにざわつくなか、最後に1位の大賞として名前を呼ばれて登場したポムポムプリンは小さな手を大きく振って喜びを表現。感想を求められると「はい! 僕、プリンです。みーんなが応援してくれたおかげで1位になれました。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! 本当にありがとうございました! 僕、プリンでした」とファンに感謝を伝えた。

『サンリオキャラクター大賞』は1986年にサンリオの月刊『いちご新聞』誌上でスタート。節目の30回となった今年も総勢100組のキャラクターがエントリーし、投票数は歴代最多の376万5250票を記録した。5月10日の初日速報から波乱が巻き起こり、音楽ゲーム&アニメファン向けキャラクタープロジェクト『SHOW BY ROCK!!』のシンガンクリムゾンズが暫定首位に。続く中間発表でも暫定首位を独走していた。

バンドをテーマにした『SHOW BY ROCK!!』は、今年4月にテレビアニメがスタートしてキャラクターの認知度が上昇。大人のアニメ・ゲームファンの投票により票が伸びていたとみられ、最終的にはエントリーした5組中4組がTOP10にランクインする大健闘をみせた。

『SHOW BY ROCK!!』のランクインを受け、シンガンクリムゾンズ(2位)のギター&ボーカル・クロウの声優を務める谷山紀章、プラズマジカ(6位)からギター&ボーカル・シアン役の稲川英里がサプライズゲストとしてステージに登場。イベント後、取材に応じた稲川は「たくさんのキャラクター、伝説的に有名なキャラクターもいる中、6位という栄えある順位をいただいて本当に嬉しく思います」と喜んだ。また、7位のハローキティのひとつ上という順位には「ありがたい気持ちと、キティ先輩すいませんという気持ちとで複雑です」と恐縮しきりだった。

▼『2015年サンリオキャラクター大賞』TOP10
1位 ポムポムプリン(27万837票)
2位 シンガンクリムゾンズ(27万802票)
3位 シナモロール (26万2274票)
4位 ぐでたま(22万3336票)
5位 マイメロディ(20万3883票)
6位 プラズマジカ(18万5381票)
7位 ハローキティ(14万3342票)
8位 トライクロニカ(14万2673票)
9位 リトルツインスターズ(13万8926票)
10位 徒然なる操り霧幻庵(12万7936票)

世界観など大きな点はゲーム設定をそのまま使用、TVアニメ用にオリジナルストーリーとして制作され、プラズマジカのシアンの設定、各バンドのミューモンの担当声優など、一部変更点がある。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オレのギターが真っ赤に燃える、おまえに届けと火を噴き叫ぶぅ、響けぇひぃ~っさつのぉおレーーーーーッドトマホゥーーーーーク! Beat END!!

ただ、これ(出来は38点のタイトル)を言いたかっただけなんだ。

さて、萌え燃えもえもえキャラアニメなのでキャラ紹介だけします。
※公式と異なるかも知れませんが悪しからず


♡シアン♡{netabare}
私、ひじりかわしあん♪
入学したばかりのごくごく普通の女子高生☆ ギターが好きなメガネっこ♯
軽音部に入ろうと思ったんだけど、もう4月も終わっちゃう!
GWには合宿もあるっていうし早く入らなくちゃ!!
・・・でも勇気が出ない、人見知りの小猫ちゃん、
もうビビリかわダメやん!!!

そんなこんなで自分の部屋でスマホゲームしてたら、あれあれ、
怖い画像が現れて喋ってきた!
えっ、どこに連れていくの!!!!!

なんだかんだでゴスロリファッションのスーパーギタリストとして、
プラズマジカでギターを奏でるにゃん♪

あと、なんかゴスロリファッション好きとか誰かが言ってるけど、
好きだけど、そういう服は1つも持ってないです☆

女の子がマリスミゼルみたいな恰好は好きだけど、男はやめてほしいにゃん!
{/netabare}

うさこ
プラスマジカのギターでリーダー、バニー服は夏に快適ですの♪

ぴるみ
プラスマジカのドラマー「ぴる」じゃなくて「ぴゅる」だぴゅる~!

めがつー
プラスマジカのベーシスト、ネット(だけ)は友達♯

社長{netabare}
ドMの覗き魔{/netabare}

秘書
セクシー


以下、Shingancrimsonz{netabare}

クロコリン
聞こえるぜ、家畜共の叫び声、
ギターで響かせて、声で震わせて、歌で燃え上がらせて!
・・・待つ必要はない、オレならいつでもココにいる!!
その渇きを炎で、この赤で、この魂で満たしてやる!!!
叫べ、喚け、求めろ、
おまえたちが望むのなら何度でも奏でてやる、この紅蓮の轟きを!!!!
さあ、オレのギターが真っ赤に燃える・・・!!!!!

アイオーン
我、闇の太陽神は聖なる太陽と交わらぬ、
唯一無二にして絶対なる存在。
さ、最近、プラスマジカもメンバー増えて、その、
我が禁じられた黒衣の波動を纏うホーリーアークにその身を焦がさぬよう、
はな、離れるがよい。
おい、か弱き小動物よ。
昏き玉座に傅くのは其方だけで十分過ぎる。
まずは100mから、と伝えてこい。

この対なす鏡が見るは真の闇。内なる黒き影に染まりし毒蛇。
その邪悪さ故にか弱き背丈の小さなものは下がるがよい。
磨かれしこの肉体、この魂を共にするは故に、
拙者の得物は森羅万象を司る真髄 
龍虎無双神威流 故に龍剣伝 刃 参上

労務
・・・音楽を続けるとは、そういうことだ。

{/netabare}以上

あと、その他いろいろ。


そう、何を隠そう、
シンガンクリムゾンズとシアンが好きだ!!!!!
wikiとかセリフ集とか見ずにイメージだけだと、
シンガンのカッコよさが伝わらないな。
ロム、ちゃんとカッコイイです。

この作品はシンガンのカッコよさとかわいさと、
シアンのかわいさだけで出来ていると言っても過言ではない。

シアンの声がええ☆
あのちょっと籠ったちょっと低めのちょっとハスキーで
一言に高低さがある、なんだろ、
アニメ声って言うのかな?
あの独特の声と、
猫耳と特に髪が湿ったときの巻き毛伸び伸びヘアーがええ。

あとベリーさん書き忘れたけど、{netabare}
おねえ言葉やめて欲しかったな。別に面白くも何ともなかったし。
普通にカッコよかったのになぁ。{/netabare}

別にケモナーではない。というかこれだけは覚えてほしい。
かわいい女の子がケモ耳や尻尾を付けているからかわいいのであって、
獣がケモ耳と尻尾を付けたところで、獣は獣だ。
つまり、
人間の女の子がケモ耳を付けた姿を見たいのであって、
マスコットを見たいわけではない、断じて。
そこのところ勘違いしないでよね。

素晴らしい3Dを見せてくれたが、
あの滑らかなピン○ーみたいなのは2Dと合わない気がする。
何より人間の面影が何一つない。
猫耳王国め!

さて、サン○オは活き活きとこの作品を作ってたんだろうな。
最近規制が煩い中、漆黒の闇を悠々自適に飛び回る梟のように!!!!!


というわけで、
シンガンクリムゾンズかシアンが好きになったら最後まで割と楽しめると思います♪


音楽も結構いいけど、
対バンにこ生を見ると{netabare}「ロックをぐぐれ」と萎える。
ロックのことを有名どころしか知らない自分でも思うよ。{/netabare}
そもそもニコ生って面白いのあんまないかも。ものすごいファンよりの作品。

変化するOPから分かるように萌え燃えキャラアニメなので、
ストーリーには期待しないでね、
それじゃあみんなBooDooKanでオレサマたちに握手!しに行こうぜ♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

70.5 18 熱いでシリアスなアニメランキング18位
文豪ストレイドッグス セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (411)
2286人が棚に入れました
霧深き夜――。
織田作之助がバー「ルパン」へ赴くと、先客の太宰治がいた。そこへ、密輸品の買い付け帰りの坂口安吾も合流。
悪名高い「ポートマフィア」に属する男たちの、いつもの夜だった。
だが、その日を最後に安吾が消息を絶つ。
時を同じくして、暗証番号で守られた最高保管庫のひとつが「ミミック」なる組織に襲撃される。
ボス・森鴎外から直々の指令を受けた織田作は、安吾捜索に乗り出すが……。

声優・キャラクター
上村祐翔、宮野真守、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉洸幸、嶋村侑、小見川千明、小山力也、諸星すみれ、小野賢章、谷山紀章、羽多野渉、瀬戸麻沙美、宮本充、櫻井孝宏、花澤香菜、小清水亜美、三木眞一郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

辿りつく先は闇の中…

この作品は、文豪ストレイドッグスの2クール目の作品になります。物語の内容に繋がりがあるので、1クール目を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

1クール目では、横浜を舞台に「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の抗争の物語が描かれていました。
お互い対極に位置する存在です…水と油が交わらない様に、彼らも決して分かり合う事はない…
それがそれぞれの組織に与えられた宿命だから…
登場人物の深掘りを交えながら、時には事件を…そして時にはポートマフィアとの命のやり取りを経て少しずつ…けれど確実に自分の居場所を手に入れていった探偵社新人の中島敦…
物語のスケールは逸して大きくありませんでしたが、展開を急ぐことなく丁寧に描かれた1クール目と言っても過言ではありません。

でも2クール目を視聴して確信したのは全ては今期への布石であったという事です。
そして一見さんお断りの今期…大きな2つの物語が動き出すのです。

一つ目は時間を少し遡って太宰治がポートマフィアに籍を置いていた頃の物語…
今でこそ武装探偵社の司令塔になっていますが、昔はポートマフィアの幹部だったんですよね。
探偵社とポートマフィアは水と油…決して、交わらない存在故に生き方や目標もまるで異なっています。
そんな対極の位置から位置へと動くにはそれなりの理由があるはず…
しかもポートマフィアでは将来を約束されたエリート幹部…
自殺願望者で少し変人が入っている太宰ですが、そんな彼にも唯一無二の友がいました。
そんな立場を投げ打ってまでして対極まで行かなければならなかったのか…
一つ目の物語では、そんな太宰の過去と…彼の決意の固さの理由が明かされるのですが、後悔が幾重にも折り重なって…その後悔を固める涙と約束で出来た物語だったと思います。

これだけでも胸いっぱいなところですが、おざなりにしていた「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の構図に変化の兆しが見えてきたところから二つ目の物語が始まります。
この二つ目の物語から…一気にスケールが広がっていきます。
なぜならフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド率いるギルドが横浜の街をエサにとあるモノを手に入れようと動き出したからです。

この物語の特徴は登場人物の異能力は、その人の執筆した物語から引用されていることです。
「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の頃はまだ何とかついていけました。
登場人物が太宰治、国木田独歩、江戸川乱歩、与謝野晶子や宮沢賢治といった日本文学の巨匠と呼ばれる方々だったからです。
(それでも正直存じ上げない人もいましたが…)

ところがギルドが加わってくると、意能力の世界もワールドワイドな広がりを見せるんです。
赤毛のアン、トム・ソーヤ、若草物語といった異能力の名前自体は原作も読んでいるのでピンとくるのですが、その著者については殆ど頭に何も浮かんできませんでした。
私がもしもっと文学に勤しんでいれば、今回の自分自身の反応も違ったのかもしれません。
この作品を見て久々に「もっと本を読んでいれば良かった」と少し後悔しました。

このギルド…半端無い強さです。
それに探偵社とポートマフィアにしっかり刺客を送ってくるんです。
その上、横浜を壊滅させると言い出す始末…

横浜の街を守るために探偵社の取るべき行動は一体…?
ここから先は激アツの展開が私たちを待ってくれています。

ここから先の展開を見て感じたのは、組織を一枚岩にする難しさです。
人は優しさだけ…或いは厳しさだけでは心を繋ぎとめておくことはできません。
心がバラバラになった形だけの組織…もうそれは組織じゃありません。

綻びの無い組織…言うのは簡単ですが、実現するのは限りなく不可能なんだと思います。
だから…きっと綻びはあって良いのだと思います。危機や問題に直面した時に綻びの無い面でそれらを受け止められたら、綻びがないのと一緒だから…
大切なのは柔軟性や弾力性…どこまでも柔らかく、物事に応じて形や大きさを自在に変化できるような組織こそが理想なのでは…なんて考えながら視聴していました。

オープニングテーマは、SCREEN modeさんの「Reason Living」
エンディングテーマは、ラックライフさんの「風が吹く街」
個人的にはオープニングが大好きなので、この前カラオケで挑戦してみましたが、あっけなく撃沈しました…難しかったです^^;

2クール目は12話…1+2クールで全24話の作品でした。
終盤の展開は確かに激アツでしたがそれだけではありません…
多分物語を通して最も辛い試練が待ち構えていたんです。
その試練は必要なモノ…だったのかもしれません。
でもその瞬間…頭の中が真っ白になったのも事実です…
だって全ては真逆の先にある光を共に見るために目指していたんですから…
あの展開は正直キツかったです。

そして物語は更なる高みへの布石と「see you…」
この「see you…」は期待して良い「see you…」ですよね?
続編…期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

主人公は誰なんだ。中島なのか太宰なのか2人ともなのか・・・

分割2クール作品ということで、前回の続きからスタートします。

といっても最初は太宰治の過去回ですね。
なぜマフィアから武装探偵社へと転職されたのか・・・
{netabare}
マフィアの幹部だった太宰治と、マフィアの下級構成員:織田作之助。情報屋のアンゴ。

マフィアの癖に人を殺さない織田作に、
マフィアの幹部として、今よりかはふざけていない太宰。
何を考えているか分からないアンゴ。
友情とはまた違った関係で、距離感がありつつも互いを認め合っているかのような3人。

アンゴの裏切りや、裏で操っていたのはボスだった事、
織田作がなりたかったもの、守りたかったもの、その為に戦わなければならなかったこと。
最終的には太宰を導いてくれた人として
エピソード展開は悪くなかったと感じます。

ただ・・・

その後の、武装探偵社vsマフィアvsギルド の3社戦争。

キョウカがマフィアに捕まり、
マフィアの姉さんが探偵社に捕まり、
敦はギルドに捕まり~Qがギルドに捕まり~となんか大変な事になってきて

もうてんてこまいですな。

騒がしいのはストーリー上仕方がないとは思いますが、
正直、「結局のところ誰が強いのだろう」という印象で
3社の全面戦争はいいが、一般人お構いなしかと・・・

Qの精神破壊は強いと思いましたが、
後半はすでにフェードアウトで最初の勢いだけでしたし、

ギルドも社長以外対したことなくない?残念だったよ私は・・・。

そして、武装探偵社の敦・太宰以外のキャラ立ちがしていない事へ不満も残り、
毎度毎度、中島敦に頼りすぎじゃない?
んで血を流しすぎじゃない?死ぬでしょ普通w(第二の上条当麻なの?)

独歩や宮沢は何をしてんだよ!ってw

最終決戦ともいえるギルドvs探偵社+マフィア
結局全資産を投じて異能力を発動し戦うギルドの団長と
「人虎を殺す為に侵入した!」という空気の読めない芥川
生きる意味を探しながら戦う自信のない敦・・・

でも芥川の見掛け倒しさは、もう分かっていたけどね。
芥川の太宰治依存もどうにかして欲しいねw{/netabare}


結果は、今後の余韻も残しつつハッピーエンドとして処理されていますが
やはり、若干消化不良というか、
詰め込みすぎた感じは否めないと思う。

声優は豪華だし、作画は綺麗ではありますが、
折角みんな素敵なキャラなんだから、個々のバトルとか見たかったな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

分割2クールということで、1クール最終話の内容から続くのかなと思っていたのですが、太宰の過去編に突入ですか(´・ω・`)
内容は結構良くて続きが気になるんですが、1期のキャラ達の日常パートから入るかなと思っていたので少し残念です……

1クール目で各キャラについて視聴者は知っているので、それを活かした2クール目かなと思っていたんですけどね(+_+)
まぁ恐らく過去編が数話あって、その後1クールの続きみたいになるんですかね

第1話感想など
{netabare}
冒頭で説明した通り、太宰の過去編(ポートマフィア所属時代)からスタートです。
内容としては太宰メインではなく、太宰と仲がいい下っ端の人がメインな感じ。
太宰と下っ端、情報員の飲み仲間3人の中で、行方不明になった情報員を下っ端が探すといった内容。
でも下っ端といえど、彼の異能力かなり強いですよね、数秒先の未来が見えるとか最強じゃないですか(´・ω・`)
あと、1話目で出てきた、「3人の中で誰かが死ぬ」という言葉。
太宰は生きてるはずなので、下っ端か情報員ですけど、どっちでしょう。下っ端っぽいですけど……
まあ、続きが気になる1話目でしたね。
あとはこの過去編がいつまで続くか、それが問題だ
{/netabare}

第2話感想など
{netabare} やはり主人公が死んじゃいましたか(´・ω・`)
持ってる異能力からして、死ぬのはやはり本編のような時間差ですよね
主人公が死ぬのは予想できていたんですが、裏切りで死ぬとは思ってなかったのでそこが意外でした(+_+)
マフィアですし、そういうのもありなのかな……

……と思ってたんですが、、、
公式HPの次回予告見たら、死んでなかったみたいですね(^^;
そして過去編はまだ続くんですね……
{/netabare}

第3話感想など
{netabare} 過去編終幕
今回で過去編が終了みたいですが、良い内容だったと思います(*^^*)
ジョーカーゲームを思い出すような渋みのある内容でした!

結局死ぬのは彼なんですね(^^;
死んだと思っていたら生きていたりして、〝あれ、これ死なないのかな?”とかも思ったんですが……

次回から現代に戻った話、久しぶりに探偵事務所の面々の登場が楽しみです(#^^#)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

74.9 19 熱いでシリアスなアニメランキング19位
終末のイゼッタ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (797)
3912人が棚に入れました
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

愛が恐れているのは、愛の破滅よりも、むしろ、愛の変化である。終末に咲き乱れる美しき死生観にこそ我々は魅了されるはずだった。

■Staff
{netabare}監督:藤森雅也(代表作品:トライブクルクル)
脚本・構成:吉野弘幸(代表作品:マクロスF、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト、マギ他)
キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
アニメ制作:亜細亜堂{/netabare}

■Cast
{netabare}イゼッタ:茜屋日海夏
フィーネ:早見沙織
ビアンカ:内田彩
ロッテ:東山奈央
エルヴィラ:花澤香菜
ジーク:高橋広樹
ハンス:KENN
トビアス:間島淳司
ヘルマン:置鮎龍太郎
ベルクマン:諏訪部順一
リッケルト:花江夏樹
バスラー:細谷佳正
オットー:山寺宏一
他{/netabare}

グロス請のイメージが強い亜細亜堂制作のWW2を背景とした「魔法+ミリタリー+美少女」のオリジナル作品です。

(設定関係)
軍事関係の設定考証は戦車雑誌で有名な月刊PANZERがクレジットされていましたので、まず間違いないでしょう。
本作の軍事設定詳細は下記の雑誌で特集されています。
興味のある方は御覧になるといいでしょう。
なお、同誌の記事はまとめサイトへも転載されているようです。
『PANZER 2016年11月号/PANZER Nov.2016』

12月22日最終稿
12月22日文字数オーバーの為更に6話、7話メモも削除編集
【総評】
{netabare}美学なき物語は道標を失い、WW2の世界観を使い熟すことなく軽薄なストーリーとなった残念作品。期待倒れでした。
※本作は期待が大きかったばかりに、リアルタイムでの感想で長文が多かったゆえレビュー文字数がとうとうオーバーとなりました。
本来は残したいのですが、遺憾ながら個人的に盛り上がっていた6話までの感想を削除いたします。{/netabare}
(1)作画
{netabare}秀逸な3DCGによる、兵器の精密描写と圧倒的な迫力は認めざるを得ません。
しかし、空母ドラッヘンフェルスを2Dとしたことから、3Dとの繋ぎに違和感を感じてしまったことは少々残念です。
それと、ゲール軍の鉄兜シュタールヘルムの作画はいただけません。
側面の折り込みが分からず、ノペーとした感じとなっていることと、光沢感が表現されていない点が残念です、仕上げがべた塗りではいけません。
8、9話で一部、キャラの崩れもありましたけど、難易度が高い戦闘描写の高クオリティを維持していたことは、評価に値しますし、ミリオタ視点からも十二分に納得がいくものです。{/netabare}
(2)声優
{netabare}声優さんは熱演されていました。概ね満足です。
特に、フィーネ役の早見さん、ゾフィー役の雨宮さんの演技は頭一つ突き抜けていました。
しかし、肝心のイゼッタ役の茜屋さんの感情表現には課題が残りました。
イゼッタは設定そのものにも問題があるので、声優さんが役に成りきるに当たり感情移入へのネックとなっていたのかもしれません。{/netabare}
(3)キャラ
{netabare}ここでは、各キャラの私見を交え物語を振り返ります。
各話でも記述をしている通り、主人公イゼッタの設定が致命的にチープなので、評価は辛めになります。
本作はイゼッタとフィーネに共感が出来ないと、物語として楽しむことは出来ません。
私は10話まで終始イゼッタへはイラつきました。
その理由は各話で述べている通りですので、イゼッタについてはここでは省略します。

次に準主役のフィーネです。
大公の崩御で指導者の地位につきましたが、指導者というものは私情より先に国家、国民がが優先されるものです。
しかし、フィーネの公私混同は国家指導者となっても改るところがなく、私が懸念したようにイゼッタとの友情を超越した愛情関係(以後、百合と表記)が本作のストーリーを歪めてしまったと思います。
百合路線で行くのなら、そう割り切ったキャラ設定や現実を揶揄しないようにファンタジックな世界観の設定が必要です。
いくら国名を架空設定としても、ゲールはドイツ、アトランタは米国、ブリタニアは英国、テルミドールはフランスとWW2の当事国であり実在する国家がモデルとなっているのは一目瞭然。
事実として少なく見積もっても全世界で5千万人以上の死傷者を出したWW2のリアル史実を世界観とした場合、巫山戯た百合とフィーネの愛情ゆえにイゼッタの歪んだ大義との取り合わせは、アニメのみならず文芸作品にも精通し目が肥えている層には当然不評乃至顰蹙を買う取り合わせです。
本作の場合、大義を貫く凛とした君主のフィーネを設定し、その姿に魅せられたイゼッタの成長物語と合わせ、祖母の言い付けを破るだけの信念をイゼッタが自らの意思で構築し、自発的にエイルへの愛国心や忠誠心を抱くに至ったのであれば自然なストーリーでした。
または、大公を崩御をさせず、責任の軽い王女のままの方がよりフィーネらしい役所となり、世間知らずの王女の戯言としてなら、多少の百合展開には目を瞑る事も出来ました。
イゼッタの設定と合わせ、フィーネの設定も稚拙であったことが、本作を救いようがないB級アニメにしてしまったことを、監督の藤森氏、脚本構成の吉野は特に反省をして頂きたいと思います。

ゲール側のキャラを必要以上に邪悪に設定したのもいけません。
設定の都合で、邪悪に描くのはゲールの指導者皇帝オットーだけで十分であり、SSを登場させ、そのキャラでもゲールの邪悪さを強調し、他国のキャラは真っ当に描くことで、相対的にゲールへの敵愾心を煽る手法は、ハリウッド製B級映画と同じ手法で感心いたしません。
戦争というものは、開戦動機の如何に関係なく、ゲールに限らずも交戦国全てを狂気にします。

オットーのモデルは紛れもなくヒトラーですけど、それを皇帝としたことで、特に海外ではヴィルヘルム2世とも解釈できる誤ったメッセージにもなっています。
そも、ゲールを帝政設定にした理由は何だったのでしょう?
帝政であれば、近隣諸国の王家には養子や婚姻で血縁親族が必ずいます。
野望だけで他の王制国家への侵略などは起こせません。
WW1までは欧州王室会議が欧州の安全保障に大きな役割を果たしていた歴史を研究すべきですし、ゲールの隣国であり、同じ言語圏(ドイツ語)であり、かつ、王室があるエイルと王室間の繋がりがないとする方が不自然です。
制作側は欧州王室のことを何も理解をしていないようなので、野望を抱いた軍事大国が小国を侵略する程度の稚拙さで、本作のような設定を考えたのでしょうけれど、その図式を成立させるのであれば、ゲールは11月革命を経た後の共和国として設定し、史実の通りオットーはVerfassung(全権委任法体制)を達成した擬似皇帝"Führer"とすべきです。

さて、ゲール側の人物描写ですが、不足や矛盾はありますけれど、ベルクマン、リッケルト、バスラーを掘り下げていたことは評価いたします。

リッケルトは貴族の家庭でなに不自由なく素直に育てられた国家エリートであり、ウブで女(の恐ろしさ)もよく知らない真面目な人物であり、本来汚れ役の特務に向いている資質ではないでしょう。
貴族の威光に依らず、自らの実力で国家に貢献すべく志願してエールに潜伏した折、あろうことか、エールの近衛指揮官ビアンカに一目惚れをしてしまいました。
この安直な設定を批判する向きもありますけど、私はビアンカとの恋は、無自覚で意図しないハニートラップだったのかとも思い、自分を納得させて、このエピソードを流しました。
総じてサブキャラの掘り下げが少ない中で、リッケルトとビビンカ双方を描きキャラを立てたこのエピソードに一定の評価をします。

最終回でバスラーがベルクマンの言い分に対し怒りに任せてワルサーの引き鉄を引きましたけど、バスラーはベルクマンの自己中心主義をどう思ったのでしょうね。
情けなくなってトドメを刺さなかったというところでしょうか。
戦局が極度に悪化したなか、バスラーがBf109で飛び立つシーンがありますけど、超展開戦史でV1、V2まで登場したのですから、ミリオタサービスも込めてMe262で彼に花を持たせても良かったのではないでしょうか。

ベルクマンに関しては「最終回」メモに記述をいたしましたので省略します。

エイルの近衛兵であるビアンカ、ルイーゼ、アデーレ、クリスタですけど、近衛部隊が全て女性編成というのは非現実的であり、かつ、この中でキャラが立ったのは、リッケルトととの束の間の恋と悲劇的な結末を描いたビアンカ程度で、他のキャラは百合要員にしか思えないような過大設定です。
近衛という大風呂敷よりも、シークレットサービスや、SPのようなフィーネの護衛官程度で設定べきだったでしょう。
それであれば、女性だけの設定でも不自然ではありません。

エルヴィラ・フリードマンですけど、折角花澤さんを起用しながら後半は殆ど空気となっていました。
フィーネが指導者としての自覚が足りない部分をエルヴィラがフォローするなり、フィーネが国政を顧みず百合を満喫できる為の環境要員として、活用すべきだったと思います。

ジークハルト・ミュラー、白き魔女ゾフィーを死に追いやった家系の末裔。
最後はイゼッタの秘密を守る為に射殺した自国の兵士ヨナスと出合い頭のゲール兵が脳裏で重なり、油断した隙に射殺されますけど、ゾフィーに対して責任を取ったとも思えます。
国に殉じた彼の最後と国を裏切りなお生き延びているベルクマンの運命と対照的で、好印象を抱いたキャラの一人です。{/netabare}
(4)音楽
OP曲『cross the line』、ED曲『光ある場所へ』とも良曲です。
私事ですけどDLします。
{netabare}『エイルシュタット国歌』は疑問ですけど、『魔笛』他劇中曲はハイセンスです。
しかし、曲のセンスに物語が追いついていないのが残念です。
でき得れば『ゲール国歌』を原曲『皇帝讃歌』(ハイドン作曲)で聴きたかったものです。{/netabare}
(5)物語
{netabare}「終末」には様々な意味、解釈があるようですけど、本作の舞台ドイツ語圏から考えると、とってつけたようなこじつけかもしれません。
ストーリーから考えて素直にドイツ語タイトルの「最後の魔女イゼッタ」が本作のタイトルとして相応しかったと思います。
内容ですけど、百合と魔法と戦争群像の三兎を追った結果、物語の焦点がばらけて全てが中途半端に終わった感は否めません。
戦略でもそうですけど、焦点の拡散は各個撃破され敗北の道を歩みます。
妙に現実的な設定と百合を含めたファンタジーの接合が悪く、現実とファンタジーの振幅の激しさに多くの視聴者がついて行けなかったという印象です。
視聴者は雑多な福袋よりも一点豪華を求める傾向にありますので、このシナリオの失敗は如何ともしがたいでしょう。
また、1クールの尺であれば、WW2ではなく架空の地域紛争程度のコンパクトな世界観にするべきだったのではと思います。
なお、制作スタッフ(主として監督、脚本、設定制作)は当時の政治や世相の深淵を咀嚼せず、戦史中心でストーリーの時系列を組み立てています。
したがって、本作からは政治的なメッセージは得られません。
本作の詳細な問題点は各話メモに記述をしていますので、ここでは俯瞰的な意見のみとします。

物語本筋だけでしたら「2」が最大限の評価ですけど、本作は本筋以外に圧巻な3DCG戦闘シーンなど傍系の見所がありますので、下記のように項目を細分して評価をしています。
《物語評価の内訳》
・軍事考証4.5(史実に対し、兵器、軍装、軍事付属物のレイアウト設計、描写など主としてハード部分)
・戦史考証3.5(史実に対し、作戦のフローチャート、作戦の時系列的整合性、作戦の背景など主としてソフト部分)
・政治考証1.5(史実に対し、軍事作戦以外の政治、外交、インテリジェンスの設定など)
・物語の基軸2.0(物語独自の設定における脚本・シリーズ構成)
・演出、効果4.0
・Ave.3.1≒3.0{/netabare}
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【考察】「ドイツの核兵器について」
もう、本作のレビューを書く機会はありませんので、各話メモで未稿でした「ドイツの核兵器について」に触れたいと思います。※長文なので畳みます。
{netabare}現在、先端科学の中心地は米国ですけど、戦前、先端科学の中心はドイツでした。
これは、自然科学部門のノーベル賞受賞者を御覧頂いても、お分かりを頂けるかと思います。
ドイツの科学研究は19世紀後半に設立された「帝国物理工学研究所」から「カイザー・ヴィルヘルム研究所」、現在は「マックス・プランク物理学研究所」(現在は研究項目ごとに分立している)と変遷をしていますけど、国家を挙げて科学技術の育成に取り組んできた古い歴史があります。
なお、我が国の「理化学研究所(理研)」と「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の設立はほぼ同時期で、後身の「マックス・プランク研究所」と研究連携協定を結んでいます。
特に、戦前期の「カイザー・ヴィルヘルム物理学研究所」の所長にはM.スブランク(前期量子論の父)、A.アインシュタイン(相対論)、F.ハーバー(毒ガス化学兵器の父)、W.ハイゼンベルク(量子力学)など全てノーベル賞受賞者である、そうそうたるメンバーが就任しており、量子論を確立したN.ボーアなどドイツ人外の欧米の一流科学者の多くが本研究所で研究に携わるなど、世界最高の研究機関でした。
当時、戦前ドイツの科学技術はナチス時代で突然開花したものではなく、19世紀から国家を挙げて積み上げてきた成果です。

さて、ドイツにおいて核兵器の開発はどういう状況だったのでしょうか。
まず、核兵器には核分裂エネルギーを利用した「原子爆弾」(*1)と、熱核反応エネルギーを利用した「水素爆弾」(*2)があります。
※1核爆発の爆風には「マッハステム衝撃波」という特性があるが、これは原爆の放射熱で周囲の空気がプラズマ化し生じるもの。
『オカルティックナイン』11話でアヴェリーヌ(稜歌)は電磁波を用いたプラズマ爆発によるマッハステムを暗示しているものと思われる。
※2中性子爆弾は水爆に含まれる。
核分裂エネルギーを効率よく取り出す為には「連鎖核分裂反応」を生じさせる技術が必要です。
「連鎖核分裂」は「原発」でも用いられており、ゆっくりと反応させる制御をしているのが「原発」、制御せず一気に連鎖核分裂をさせるのが「原爆」です。
「核分裂」により、膨大なエネルギーが放出されることは「特殊相対論」で既に示されております。
世界初の核分裂実験は「カイザー・ヴィルヘルム研究所」でO.ハーンにより濃縮ウランを用いて成功しました。
(原爆に必要な「連鎖核分裂反応」は後のマンハッタン計画で成功します。)
O.ハーンによる実験成功の事実が、「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の実力を知り尽くしているアインシュタイン他米国亡命科学者の顎を外したのは、理学者の立場では容易に想像できますし、ナチスによる原爆開発の現実的な脅威と危機感から、ルーズベルトへの原爆開発の提言へと繋がります。
実際、アインシュタイン達の懸念通りドイツにおける核兵器開発は1939年「カイザー・ヴィルヘルム研究所」が中心となって開発に着手、プロジェクトのリーダーは戦中の所長であったハイゼンベルクが就任し、ハイゼンベルクはヒトラーの腹心で後の軍需大臣となるシュペーアに条件が整えば2年以内に兵器化可能と回答します。
しかし、種々陰謀論めいた怪しげな話も存在しますけど、技術的な可能性はあったものの、結果的には以下の理由で完成には至っていません。

1.ユダヤ人の大量追放と科学者の戦時召集で原爆開発に必要な科学者が手薄であったことから計画に遅延が生じた。

2.原爆開発方針を巡り、高濃縮ウランか天然ウランかで意見が割れ、結局、膨大なエネルギーを消費するU235の純度を高める高濃縮は取りやめ、ハイゼンベルクの重水炉案に則り天然ウランを用いることとなり、その為にドイツ国内では製造をされていない重水の確保が急務になった。
しかし、当のハイゼンベルクはこの決定で、兵器化にはウラン濃縮が必要で、重水炉は発電施設として考案したものであり、天然ウランでは小型化し、兵器としての原爆の実用化は困難と判断している。
※重水炉と旧共産圏で使用された黒鉛炉の燃料は天然ウランをそのまま用い、現代の原発の主流である軽水炉は高濃縮ウランを用いる。
なお、当時、高濃縮ウランの製造には膨大なコストがかかることを考えれば、天然ウランの使用もあながち非現実的とは言えない。
※天然ウランの成分の殆どは核分裂を起こさないU238で、核分裂を起こす同位体U235は天然ウランの中に僅か0.7%程度しか存在しない。
また、当時、天然ウランから核分裂物質のU235を抽出する最も効率が良い方法はサイクロトロン技術を応用したローレンツ力を利用する「電磁濃縮法(Y12P)」、ついで手間がかかる「ガス拡散法(K25P)」が主流だったがどちらも膨大な電力消費が課題であった。
マンハッタン計画ではウラン濃縮の為に専用発電所まで建設をしており、潤沢な資金に恵まれた米国以外は選択出来ない方式だろう。
我が国では、理研が「ガス拡散法」、京大が「遠心分離法」でウランの濃縮を試みているが成果が出る前に終戦となる。

3.英国でもドイツの核開発を知るところとなり、原爆の研究に着手をしているが、ドイツが重水を求める理由に二通りの解釈を持っていた。
※原爆の性能向上(小型化)と水爆の可能性
どちらも英国にとっては破滅的な脅威であり、重水製造プラントがあったノルウェーの工場を攻撃し、更に重水を積んだ運搬船を攻撃して沈めドイツ核開発の息の根を止めている。
なお、重水プラントの確保はドイツがノルウェーを占領した大きな理由でもある。

4.ヒトラーは原子物理学をユダヤの科学として忌避しており、原爆開発へは予算や人員などの政治的な支援が行われなかったこと。
結局、軍需大臣シュペーアは1944年2月、原爆は本戦争には間に合わないと判断し正式に開発を中止する。

5.ヒトラー、シュペーアの会談録でヒトラーは核開発について、ハイゼンベルクチーム以外にも研究を指示していると述べている。
これは国防軍のE.シューマングチームのことであるが、この詳細はシュペアーやハイゼンベルクにも知らされていなかった。
E.シューマングの研究については現在もなお不明な点が多く、物証もなく陰謀論的な憶測も多いが、特に以下の二点が注目されている。
★広島に投下された原爆と同様「ガンバレル型起爆装置の開発」
(マンハッタン計画では現代の原爆に採用されているプルトニウム爆縮型起爆装置の開発が主軸であり、世界初の原爆実験も爆縮型で、ガンバレル型起爆装置について米国は一切非公表としている。)
★重水素を用いた水爆理論構築。ただし、水爆を起爆する為には原爆級の膨大なエネルギーが必要であり、原爆の開発を断念したドイツでの完成は不可能。
なお、戦争末期、我が国に向かって出航した潜水艦U-234号は、ウラン鉱石の他「ガンバレル型起爆装置」の設計図も搭載されていたとする証言もあるが証拠はない。
なお、U-234号は大西洋上で米海軍に降伏したが、その際乗艦していた日本海軍士官2名は自決している。{/netabare}
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※第1話から第7話までのメモは文字数制限の為削除。

第8話メモ
{netabare}各論
今回は軍事考証の必要はないので物語のみ。
吉野氏はソラノオト気分で脚本を書いているのか、戦時と平日の区別すらついていないようだ。
それにしても、戦時下の防諜対策とはどういうものかがマトモに考証がなされていない酷い回だなコリャ。
古城→重要機密施設の警備体制にしては甘過ぎるし、近衛兵が女性だけという設定も含めて非現実的。
非現実的に加え、ゲールの特務リッケルトをビアンカ達が偶然に拾い、伏線なしで痴情展開を設定してカタルシスを押しつけるご都合主義にはいい加減辟易する。

まぁ現実と非現実のギャップはあってもいいが、その折り合いのつけ方が子供騙しで既に物語のチープ化は避けられない状況と思う。
この物語の課題点は5話、6話でも散々指摘をしたし、改善の意欲も感じられないので言葉を費やすだけ無駄だろう。

アトランタが都度登場しているが、この国が欧州情勢に関与する動機が描かれていないのは致命的なミスだ。
つまり、アトランタがゲールとエイル両国を排除する「国益」は脅威の排除などという上辺なものではないだろうし、また、その程度で軍を動員出来るほど史実の米国事情は単純ではない。

米国の正義は常に攻撃された被害者の事実から始まるのがお約束。
現に史実では被害者になるように我が国だけではなく、ドイツに対しても策謀していただろう。
なぜ、そうまでして欧州情勢に介入したいのか。
史実を追い、アトランタのドロドロとした野心を見せないと視聴者をジンテーゼに誘導出来ないだろう。
ストーリー構成に参加している戦争屋にとって史実の米英同盟関係は空気のように感じているのか、設定そのものすら考えていないかもだな。

ドイツのポーランド侵攻から大西洋憲章締結に至るまでの両国の外交史を全く調べていないのが見え透いているし、戦史には詳しくても背景の歴史に音痴だと本作のように薄っぺらい脚本になる。{/netabare}

第9話、第10話一括メモ
諸般の都合により第9話のレビュー時期を逃したので一括します。
{netabare}しかし、この作品のレビュー少々書き難くなった。
{netabare}理由は余りの物語の陳腐さに我慢しきれず7話視聴後に制作会社ヘメールを入れた訳です。
他にも似たような意見があったのか、誠意のある回答を頂いた。
端的に言えば「まあ観ていて下さい。期待は裏切りません。」とのこと。
なお、今後のネタバレについては一切返信には含まれていない。{/netabare}
いや、確かに9話でマトモな流れになったが、尺も詰まった段階では少々遅きに逸した感もする。

さて、本作を視聴して戦争を感じさせないとの意見もあるようだが、想像力を欠いているのではないか?
本作を好む層は概ね実写戦争映画や実戦記録フィルムを鑑賞している層も多いと思う。
イゼッタやゾフィーのチート能力で多くのゲール兵やロンデリアン(ロンドン)市民が死んでいることを黙殺出来るとは、平和ボケな我が国の一端を窺わせ、とても憂鬱な気分だ。
一度、実戦の記録フィルムでも鑑賞してみたらよかろう。

本作では『魔法少女育成計画』のように生々しく凄惨な殺人描写がされていないだけで、実質的に多くの戦死者が出ているし、実写記録フィルムと重ね合わせれば死者累々の悲惨な状況は想像出来る。
東京空襲やサイパン、硫黄島、沖縄の玉砕戦、ドレスデンやロンドン空襲などの実写記録フィルムをしっかり鑑賞するのがよかろうが、グロいから見たくないとか言いそうだな。
しかし、それが戦争というものの現実なのだ。

戦争に対して背を向けてきた教育の歪みも問題だが、死体が少ない戦争アニメだから見易いなどと宣えているから、今般、尖閣のみならず、九州でも我が国の領海に堂々と浸入してくるシナの脅威など微塵とも感じない有難い感覚なのだろう。
シナ空軍の挑発で沖縄上空のスクランブルも異常事態だし、命を削りながらも国防に勤しみ我が国の平和を守っている自衛官諸氏の苦労を少しは考えてみたことがあるのだろうか。

某フィギュアアニメを無条件で讃えている層にも言えることだが、戦争が身近に来ているかもしれない現実は逃避して、戦争の悲惨さを感じさでないと本作を讃えながら、シナの良いように国土を蹂躙されてから後悔をしても遅いのだがな。

ガルパンオヤジの怒りはこの程度にして、物語はどうなのかに移ろう。
8話でその存在を暗に知らしめる伏線の通り、9話で白き魔女のクローンゾフィーが登場し、イゼッタに対し圧倒的な力量差で打ち負かす。
この種はイゼッタが魔力を地理的条件に依存していることに対し、ゾフィーは魔石を利用して地理的条件に左右されず魔力を発揮出来る設定だ。

この設定は上手く考えたと思うが、ゾフィーの存在を匂わせたり、古城への浸入目的が魔石の取得であったのも今後に向けての伏線で必要な尺だったのだな。

あと、ゾフィーがクローン技術で生まれた設定に対する批判もあるようだが、遺伝子操作によるクローン技術の思想的な始点はナチスの優生学からであり、実際に「レーベンスボルン」という交配で人為的に優れたヒトを作る実験が行われている。
ユダヤ人絶滅収容所ではその為の基地外じみた実験に囚人が利用されてもおり、その意味では可能性の範囲で荒唐無稽な設定ではないと言える。

次に、10話で登場したV1であるが、これは時系列的に無理があるだろう。
寧ろV2の方が現実的だ。
なぜならば、V2の原型であるA型ミサイルは1940年には既に発射実験が行われている。
フォンブラウンで調べてみるといいだろう。
対し、パルスジェット搭載のV1の開発はバトルオブブリテンの終了後であり、今回の設定はどう考えても可笑しいだろうな。

まぁ戦史を完全に無視をしているのなら、大戦初期でタイガーやパンサー、Me262を登場させてもいい訳だが、大戦初期の定石通りに3号、4号戦車、Bf109を登場させているし、また、本作が戦史準拠である事はPANZER誌でも述べられている。

しかし、設定に細かくイチャモンをつけても「魔女」の設定が荒唐無稽なので目を瞑っているのも必要か。
それでも、あまり無茶な設定をすると全てで陳腐になるので、止めた方がいいのだがな。

8話でも記述したが、アトランタ(米国)がたかが一駐ブリタニア大使の一言で軍の動員を図ったとするのはご都合主義もいいところだ。
アトランタは現実に攻撃されないと軍は動員しないし、ゲールのような独裁国家とは違い、この国は動員が正義となる確固たる理由が必要な国だからな。
でも今回ゲールがロンデニオン攻撃に踏み切ったことで、アトランタ軍動員の正当化を図るのだろうな。
史実では、ロンドン空襲時点でも米国は対独戦線布告はしていないのだけど。

10話の作画だが、2Dの爆発シーン、MS406の墜落爆発シーン、MS406vsBf109の3D空戦シーンは圧巻だった。
航空機と戦車、火砲の作画(3D含む)はパーフェクトなのに、空母の作画に課題を残したのは惜しまれる。

また、捕られたイゼッタ救出の為に、エイルの陸軍部隊と近衛が突撃の準備をしているところ、絶対装備数が少ないMS406が地上部隊との連絡もなく唐突に出現したのは、よくあるご都合主義に思える。

シナリオに厚みを加えるなら、突撃→撃退後退→空軍支援→再突撃の尺を取るべきだろう。
特に名機関銃MG34(WW2最高傑作機関銃MG42の前モデル)の連射で、エイル兵がなぎ倒されるシーンが見たかったが。
この、イゼッタ救出は重大局面で見せ場なのだから、もっと救出に苦労をするよう工夫をするべきだった。

陳腐な設定を残したまま、物語は進んだが、もう本作では誰もハッピーエンドは期待していないだろうし、バッドエンドをどのように迎えるのか焦点はそこだろう。
10話でも十二分に分かることだが、ゲールは帝政に置き換えたナチスそのものだ。
皇帝オットーはヒトラーの置き換えと見た方がいいな。

海外評価サイトでは現実の国家にするべきだとの意見もあったが、もろにヒトラーを出すといろいろと面倒臭いことになるし、この設定は仕方がないだろう。
それと、何故か10話では不可侵条約を反故にし史実通りヴォルガ連邦(ソ連)侵攻を目論んでいるが、局面はヴォルガ連邦との戦いで何か変化があるのかな。
ゲールはゾフィーを使いこなせるのか?不安な一面を見せる描写もあったが、史実通りの予定調和やオレタタ終了は避けて欲しい。{/netabare}
もうクールも残り少ないし、11話は相当詰め込んでくるだろうな。

第11話メモ
{netabare}うーん、どこまでも御都合主義で物語を進めるのかな。
しかし、親衛隊(SS)を登場させてゲールの邪悪なイメージを増幅させ、相対的にエイルへの同情を誘う演出は稚拙過ぎる。

10話で伏線が張られたベルクマンの失脚の理由も暗喩を含めて説明不足である。
一般に重大な国家機密を握っている人物を何かの理由でパージするのなら、国内に軟禁して行動の自由を制限するのではなかろうか?
したがって、寝返る必然性を含めて今話の展開は首を傾げたくなる内容だし、更に輪をかけて核兵器もどきとV2のセットか…

ベルクマンが寝返るにしても、これだけの超兵器を取引に使えば、エイルを降伏させる流れの方が自然だろうな。エイルから情報に見合う膨大な金と身の安全の絶対的な保証でも取らぬ限り。
常識で考えれば裏切り者は裏切った国のみならず、国を売った事実だけで保護国でも信用はされない。
場合によっては保護国側が取引の材料に使うだろうけど、安直に信用して行動の自由を許すなどエイルは子供が運営している国なのか?
ベルクマンをゲールに手渡してはならないだろう。

魔石の持つ裏の現実を突きつけてもイゼッタには全く感情移入をしない。
寧ろ、フェーネの危機に都合良く間に合わせる御都合主義には辟易してきた。
本作のキャラの誰にも感情移入が起こらないのは、ゴルゴ13ほどのシビアさは求めないが、現実とファンタジーの接合が悪い上に振幅が激しいことと、間の悪い百合描写と御都合主義の展開が余りにも多いことに尽きるな。
国家の命運を背負った会議に向かうシーンが、フィーネの緊張感ではなく百合なら誰でも呆れるぞ。

もう、子供なら喜びそうな話にまで劣化してしまったな。

イゼッタの出撃シーンは特攻に飛び立つような雰囲気だが、緊張感も悲壮感も中途半端で全く共感しないな。
イゼッタへ感情移入が起こらないのはストーリーの拙劣さもだが、茜屋さんの演技力にも問題がある。

イゼッタのおっぱいアップのカットはサービスとして捉えておこう。{/netabare}

【最終回】
{netabare}結論から述べる。
最終回も残念賞。
粗を探せば多々あるが、しかし、広げた風呂敷の回収はしっかり成就させている点は認める。
そこに至るプロセスや、設定の甘さは除き、イゼッタは平和への対価としての犠牲とさせたが、あくまで救われない形で幕を引くということは、イゼッタの死か消滅であることを意味する。
戦争という苛酷な現実を世界観に設定したのであれば、一つの使命を果たしたイゼッタの殉死こそ世界観に見合った彼女の最後だろう。
ゲールという国家の滅亡とイゼッタの命の取り引きで物語は醍醐味あるバランスは取れるのだけれど、脚本は本質的に履き違えてしまったようだ。
2期を考慮していないのだから、視聴者に平和の使者イゼッタを印象づける意味でもバッドエンドにすべきだった。

幕引きに至るまでについては、以下の各論でこの作品の課題点を指摘する。

(アトランタについての軍事考証)
アトランタにとってはゾフィーもイゼッタも「戦略兵器」として捉えていた脚本は評価するが、派兵(動員)に関してはモデルとした戦前の米国の政治、とりわけモンロー主義をもっと研究するべきだ。
アトランタを物語の正面へ出す場合、ゲールの潜在的脅威のみならず、具体的な脅威がアトランタにあった事実を描写すべきだろう。
史実のWW2では我が国の真珠湾奇襲後にドイツは米国へ宣戦布告をしている。
つまり、民意が国家運営の土台である米国は、仕掛けられない限りは兵を動かせない、厳密に言えば(当時は)海外派兵のような大規模な陸軍の編成は戦時状態が生じた上での戦時動員が必要な国である。
国家の成立上、地方自治が高度に発達している米国における陸軍の平時編成は州知事に統帥権がある現役州兵が主体であり、ベトナム戦争以前までは、平時における州兵の動員は治安維持等法律の緊急限定事項を除き大統領統帥の範囲外にある。
州兵、予備役の動員は戦時状態が必要十分条件であり、大統領統帥権に基づく戦時動員をする為には「攻撃された」という既成事実と大統領判断のみならず、戦時状態(宣戦布告を含め能動であっても受動であっても)の議会承認が不可欠なのだ。
つまり、当時の米国のシステムでは戦時状態を認識し、陸軍の戦時動員を完成するには1年近くかかるはずだし、動員編成に関しては軍事マニアの基本的な常識。
余談だが、太平洋戦争においてガダルカナルから反攻を開始し、太平洋戦線で終始戦闘を繰り広げたのは海兵隊である。
現在は第4軍として独立した地位にある海兵隊だが、当時の海兵隊は海軍の指揮下にあり、海軍は陸軍とは異なり平時から大統領の統帥下にある。
海兵隊は有事発生の際に速やかに編成動員可能なメリットがあるが、戦術使用は可能でも一国家を軍事的に降伏させるのには戦力不足であり、戦争終盤では陸軍の役割となる。
太平洋戦争も終盤の海軍主導の中部太平洋戦線の硫黄島、沖縄では米陸軍も戦闘に参加しており、陸軍のマッカーサーが率いる南太平洋戦線が膠着気味であったのは、動員編成が複雑な陸軍の特殊性によるものだ。

ノルマンディーにしても、あれだけの大部隊を編成する為に宣戦布告から2年半近くの準備期間を要している。
本作では大使の進言から数ヶ月でブリタニアに派兵をしているが、アトランタの政治システムや軍事常識外の陳腐な設定であったことが窺い知れよう。
各国の政治や、陸軍の性質をもっと研究した脚本でなければダメだな。
特に米国は正当な理由に基づく徴兵拒否を認めている国でもあり、戦前の我が国のように赤紙1枚で簡単に頭数を揃えられない複雑な事情もある。
完全志願制の我が国自衛隊の悩みは予備役の不足であるが、いざ戦争となれば現役の員数ではなく、予備役や後備役の動員がどれだけ可能かで、その国の軍事力が決まる。

登場国家こそパロディではあるが、史的事実関係に沿った脚本を評価していた折に、アトランタ参戦プロセスの端折り方は軍事設定において致命的とも言えるミス。
WW1のように、ゲールのUボートがアトランタの民間船舶を攻撃したシーンでも挿入しておけば、アトランタの派兵には現実味が帯びたのだが、残念だ。

(ベルクマンに見る脚本の底の浅さ)
まず、ベルクマン失脚の動機が曖昧なのは前回にも記したが、単に知りすぎた人物というだけではなく、もっと具体的な説明が必要であっただろう。
結局、ベルクマンはゲールへ引導を渡した物語のキーパーソンなのだが、その描写が雑過ぎたのが頂けない。

フィーネとイゼッタの百合百合しい関係の尺を、ベルクマンという人物の掘り下げに当てればまた違った評価となっただろう。
愛国心より個人の命が優先するとした利己的なベルグマンの人物像の描き方は、倫理的な抵抗はあっても、ある意味では真理だ。
しかし、それをゲールの国民の一人として描いたことに、脚本の政治的な意図が感じられなくもない。

脚本が、史実として祖国敗戦後でもゲールのモデルとなったドイツ人気質とはとのようなものであったかは、シベリア抑留記で記述されているドイツ人捕虜だが、ソ連に屈せず最悪の環境を甘受してドイツ人としての誇りを抱きシベリアの土になった事実を知っていればベルクマンのような描き方ができたのであろうかな。
ドイツ人捕虜の高貴な態度に胸を打たれた著者は、自分可愛いさに次々と祖国日本を裏切りソ連へ忠誠を誓っていく周囲の日本軍捕虜の節操のなさを憂いていた内容だった。
これは、15年程前に『丸』が特集していたシベリア抑留記に書かれてあった。
おそらく、ヒムラーやゲーリングのような往生際が悪かったナチス高官や、連合国に脚色されたドイツ人のイメージでベルクマンの人物像を設定したように思う。
ドイツ人であれ、アメリカ人であれ、日本人であれベルクマンのような人物は確率的に存在するのは認めるが、ネガティブな人物であればこそ、人物描写を掘り下げなければベルクマンがドイツ人代表のような間違ったメッセージを与えかねない。
そう考えるとやはり脚本の底の浅さは拭いきれない。

危険人物として暗殺の対象とされたにも関わらず行動の自由を許したゲールの対応や、売国人物と知りつつエイルがベルクマンを利用した浅はかさは「国家」というものを脚本が理解をしているのか甚だ懐疑するお粗末な展開だった。
ベルクマンとミュラーは同じ情報を扱う者として、国家への忠誠に関しては対極的に描かれている。

ミュラーがエイルへ絶対忠誠を誓う背景には彼が貴族であることが挙げられよう。
爵位は国王から授けられるものであり、国家(というより君主)に対し絶対服従を誓う根拠ともなり得る。
ベルクマン部下のリッケルトも貴族家系ではあるが、彼の国家への忠誠心もミュラーと通じるところがあるだろう。
脚本はミュラーをリッケルトの隠喩としても表現し、ベルクマンとの応酬を通してベルグマンの性格を掘り下げたかったかな。
更に、バスラーの愛国心を強調し、ベルクマンという人物像を確立したかってのかもしれないが、これだけ物語のキーパーソンとして活用した以上、ベルグマンの直接的な掘り下げをしなかったことは脚本の怠慢としか評価が出来ない。
最後は生き延びて、アトランタへ魔女の力で得た核兵器を売却したようだが、この人物の生き様は、百合や他のサブキャラの描写を減らしても尺を取るべきだった。

(ゲールがヨーロッパ征服を試みた動機が意味不明)
さて、本作はWW2を背景とした世界観だが、ヒトラーが何故欧州大陸で戦火を拡大させたかを理解しているのかが甚だ疑問なストーリー展開である。
そも、ヒトラーは全欧州の覇権を握る意図があった訳ではない。
ヒトラーの目的はWW1で喪失した旧帝政時代の失地回復であり、ポーランドを占領したのもWW1の結果でポーランドが独立し、飛び地となった東プロイセンとケーニヒスベルクの回廊復活が目的だ。
ヒトラーの政策の第一目的は「ベルサイユ体制」の破壊であり、当時のドイツ国民が支持したのもこの政策を掲げたナチスに対してである。
ヒトラーとて、それ以上のことはドイツの国力を考えても出来ないことは重々承知をしていた。
したがって、ベルサイユ体制の守護者である英仏と本格的な戦争状態となることはヒトラーの本意ではなく、ポーランド侵攻までには相当の外交努力が行われていることは注視をすべき点である。
当時の英仏もWW1の後遺症から抜け出せてはおらず、可能な限り外交交渉で決着を図る姿勢でドイツの要求を呑んでいた。
ヒトラーはポーランド侵攻にあたり、ソ連と不可侵条約を締結し、モロトフ=リッペントロップ秘密議定書に基づき、西からポーランドに侵攻、東からはソ連が侵攻しポーランドは消滅した。

勿論、ソ連との不可侵条約は後に明らかになるようにドイツ側の欺瞞工作である。
東プロイセン回廊の確保でヒトラーの目的は達したが、ポーランドと軍事同盟を締結していた英仏は「集団的自衛権」に基づきドイツに宣戦布告をする。
ヒトラーはポーランドに関する英仏の感触や、ソ連もポーランド侵攻に同意したことで英仏との対立は避け得ると判断したが、英仏はソ連は黙殺しドイツのみに宣戦布告を行う。
ヒトラーとしては不本意な結果を招いている。
実際宣戦布告をした英仏もポーランドを直接助けることはせず、ドイツとの軍事衝突を避けていたのだが、ヒトラーのタイムスケジュールには第二段階としてソ連侵攻があった。

しかし、フランス侵攻をヒトラーが考えたのは、対独英仏宣戦布告が明確な動機であり、隣国であり大国であるフランスが宣戦布告を放棄しない限りは、常に軍事的な脅威に晒せれることとなり、今でいう「先制的自衛権」という考えから軍事侵攻に踏み切ったものだ。
フランス侵攻と同時に英国のチェンバレンが辞職し、対独強硬派のチャーチルが首班となり、これでヨーロッパでの全面戦争が不可避となった。
つまり、ヒトラーのフランス侵攻はドイツにとっては防衛であり、彼が描いていた大ドイツの図版には含まれてはいない。
中央ヨーロッパや東ヨーロッパには傀儡政府を樹立せず、ドイツ直轄の軍政であったが、フランスには傀儡政府(ビシー政府)を樹立した点、南ヨーロッパにはヒトラーの盟友ムッソリーニがおり、イタリアの勢力圏をドイツが奪う意思はなかった。
スペインは中立国だがフランコ体制の同国も、ポルトガルに対しても領有の意思は見せてはいない。
ただ、イタリアがあまりに軍事的に情け無い戦いを続けムッソリーニがヒトラーに泣きついてきたことから、南ヨーロッパやアフリカへも派兵をせざるを得なくなり、イタリアの降伏で南ヨーロッパ戦線の維持をドイツ一国が背負うこととなったのは、ヒトラーの意図以外の不確定要素から生じた出来事である。

ダンケルクでの詰めの甘さは、ヒトラーがなお英国との和平を切望していた証しでもある。
しかし、チャーチルの強硬姿勢に結局、対英問題解決は軍事的な勝利しかないと悟ったのでろう。

ソ連侵攻の目的は『我が闘争』にもあるように、ユダヤ人の抹殺とスラブ人種の奴隷化と天然資源の確保であり、これは政権に就く以前からの思想であるので、ソ連がどのように下手に出ても戦争は不可避であったと思う。
『我が闘争』を読んでも、また、現実のヒトラー政策を考えても、彼の大ドイツ構想は東方拡大であり、全欧州にまで野心があったものではない。
フランスが対独宣戦布告をしなければ、フランスへの迂回路であるベルギー、オランダの軍事占領が行われたかも疑問だし、フランスを含む、南ヨーロッパは元来、彼の図版の外にある。

本作ではゲールがヨーロッパ征服の野望を如何なる動機で抱いたのかが不明瞭であり、かつ当時のドイツを巡る欧州情勢や史実は上記のとおりであり、ゲール(ドイツ)を無条件に悪者とする姿勢は、ハリウッドB級映画のテンプレや、ニュルンベルク裁判史観や侵略者ゲールを設定したのは、安直かつ幼稚に思えてならない。
WW2の設定を用いるのであれば、ゲールの国家戦略も政治的に詰めて設定すべきであろう。

(フィーネ発言の真意)
アトランタの意見では魔女を抱える国は戦略的に絶対的な優位を誇ることとなるが、それはアトランタが述べるようにゲール亡き跡の安全保障に直結する課題だ。
アトランタがこの会議に参加した経緯には大きな疑問があっても、発言趣旨そのものは妥当だろう。
フィーネはここで、イゼッタ個人の死ではなく、レイラインの魔力を吸い上げた結果は魔法そのものがこの世から消え失せるとした発言をした。
しかし、フィーネの最後の涙はイゼッタは死ぬかもしれないとの絶望のメタファーであり、その死を以ってしてアトランタの懸念は取り除けるとした大義と私情の狭間で大義を取った指導者の意見であると私は考える。
反面、フィーネの本音は魔女イゼッタではなくイゼッタとなっても愛情には些かの変化がないことと、自らの力量不足をカバーしてくれたイゼッタへの感謝の涙でもあろう。
私情と大義の狭間に揺れるフィーネは、指導者としては未熟だが、人としては共感を得るものと思う。
このフィーネを描いた脚本は評価できよう。

(イゼッタとゾフィーの対決)
イゼッタとゾフィーの属性については「(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)」で述べるので、ここではラストの対決に的を絞る。
パリ上空を舞台に繰り広げられた、白熱のバトルシーンの描写に関しては、圧倒的な作画で十分に楽しめる内容だ。
イゼッタがエッフェル塔を折るところは凄い迫力だが、迫力においてはゾフィーも負けてはいなかった。
しかし、命が惜しいゾフィーに対し、イゼッタは自らの死を厭わずに最大魔力で応じている。
イゼッタの気迫勝ちだが、イゼッタが死をも辞さない覚悟を抱くプロセスがお粗末である為に、本来は十二分に感動するべきシーンなのだが、私には50掛けとなってしまった。

(オットーの自殺)
史実でヒトラーは自殺をしたが、その状況に合わせたのかな。
しかし、史実のドイツの末期はとても悲惨であり、ヒトラーはソ連兵が闊歩するベルリンの地下壕で自殺を図っている。
本作のノイエベルリンの描写では末期ベルリンの断末魔の悲鳴が伝わらない。
私は実際、壁崩壊直後のベルリンと壁の緩衝地帯にあった空き地のまま放置されていた、総統大本営地下壕跡を訪れているから、余計に陳腐に思えるのかもしれないが。
ノイエベルリン市民が参加している地上戦を描いた方が、追い詰められたゲールの直喩にもなったろうし、オットー自殺にも説得力があっただろう。
オットーにずっと付き添っていた側近エリオットは架空設定だが、自殺を確認したという意味ではボルマンがモデルだな。

(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)
本作で最も問題となるのは、イゼッタの立ち位置だろう。
本作では執拗にイゼッタとフィーネの過去の出会いを描写し、イゼッタはフィーネへ恩義を感じていることを強調している。
また、フィーネは一国の君主の立場を超えてイゼッタを大切にすべき友人から愛の対象として描いている。
本作も多くの視聴中断者を招いたが、その原因の多くは百合展開である。
世界観と百合のミスマッチが視聴者の嫌悪感を招いたと思うが、それには十分同意を出来る。
脚本の吉野氏には戦時と平時の見境がついていない旨の指摘を散々してきたのだが、平時が背景での百合展開ならば、そうとも割り切れる。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は平時における兵士達の日常を描いた内容であるから、百合要素もエピソードの一つとして受け入れることは出来る。

しかし、国が危機に際している状況で百合でイゼッタの忠誠心として描くのは、戦争という無慈悲で凄惨な現実を余りに茶化してはいないかな。
イゼッタはフィーネの存在がなくても、戦争を終わらせる為にはゲールと対決する心構えがあれば、平和の使者としての彼女に大きな共感が生じただろう。

しかし、フィーネという個人に陶酔する余り、彼女の理想を現実化したいという利己的な理由でゲールと対峙させても何も共感は生じない。
戦争というのは一個人の理想ではどうにも出来ない過酷な現実であり、魔法というチート能力の設定を用いるところを錯誤し、現実とは大きく乖離してしまったことは本作最大の失敗であろう。

魔法と兵器の対決はエンタメ的には間違えてはいない。
『ストパン』もそういうファンタジー設定で人気を博したのだから。
しかし、本作は『ストパン』よりも妙にリアルを追求しているが故に、ファンタジー設定をよく練らずに用いると、世界観との齟齬や乖離が生じるリスクと裏腹の関係となることも指摘済みである。
軍事オタが本作を評価しない点はこれに尽きる。

更に、イゼッタの理想は大義に立脚したものではなく、フィーネの理想の具権化であったこともWW2という大きな器に対しては説得力がないものとなった。
海外評価が辛辣なのは、イゼッタの正義はフィーネの借物の正義であり、百合感情で得た極めてストイックに反する俗物的で許容しがたい点にあることだ。
ゲール討伐という大風呂を広げず、フィーネとの愛情物語に路線展開をすれば、また別の評価を得られたであろう。
最後、イゼッタが生き残る点も、殺したくないスッタフの御都合主義だと思うが、殺した方が殉教者となる訳だし、魔女というキリスト社会においては極めてアグレッシブな存在に対する明確なメッセージとなったはずだ。

逆に、エイルで過去に魔女裁判にかけられ、命を落としたゾフィーに私に共感を抱いた。
だってそうだろう。
ゾフィーは本気で愛したかつてのエイルの国王の遺言によって異端審問の上処刑された。
異端審問が吹き荒れ、魔女狩りが横行していた当時の欧州情勢を考えると、この国王の判断こそ、フィーネが見習わなければならない、私情を捨て大義を守る指導者としての矜持だが、大義には犠牲が生じ、多くの私怨を招く。
その意味でも私怨でエイルを滅ぼしたい気持ちは正直で嘘偽りはないだろうし、イゼッタの偽善よりも遥かに自然な感情だ。
更に、感情移入はゾフィー役に雨宮さんの熱演もあったのだが、対しイゼッタ役の茜屋日さんの演技力には課題を残している。

イゼッタが述べた「みんなの命を預かる人はたった一人に拘ったらダメ」はそのままイゼッタへのブーメランとなり、このセリフを吐かせながら生き延びるのは余りに矛盾が過ぎるのではなかろうか。
更に、回想でフィーネが百合私情を振り切り涙ながらにイゼッタへ戦いを命じた描写を感動として活かし、イゼッタがゾフィーに語った大義(私情に揺さぶられた偽善的な大義だが)を衝突させたのであれば、ジンテーゼは視聴者へ判断を委ねる、双方生死不明のメタファーとして結論付けなかった方が良かったのではないかな。
よって、最終回でイゼッタも消えていれば良作ではあったと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 76
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

終末のおとぎ話

【視聴完了して追記と改稿】 *2016/12/19再追記

架空のドイツ(と言ってしまっていいだろう)がヨーロッパ侵攻を開始した、架空の第二次世界大戦初期、侵略にさらされる架空の小公国が魔女の力を借りて抵抗する世界。

近代兵器と戦う魔法の面白さが主眼のようだが、序盤の近代兵器vs.魔法のビジュアルは良く工夫され、臨場感にあふれている。
特に、アンチマテリアル・ライフル(この時代なら対戦車ライフルと呼ぶべきだろうか)に跨った魔女と戦闘機の「空中戦」は、一気に視聴者を世界観に引き込む巧妙な描写に満ちた秀逸なものだ。


作中でも何度も言及されている「20世紀」的な近代戦と「世界」の非情に、時代錯誤的なおとぎ話の魔女が対抗する対比が狙いのようだが、これに相応しく、魔女と手を携えるのが「お姫様」であるのは、物語上の整合性が、一応はある。

国民の生命と安全を守るために一身を投げ出そうという宣言が、選挙で選出された政治家のものではなく、尊い血の宿命から発せられた「お姫様」のセリフである皮肉は、20世紀的非情に「おとぎ話」性がいずれ敗北してしまうであろう悲劇性を予感させるのだが、しかし、それにしては背景の設定が突き詰められた印象が無い。

国民、というより「臣民」を守ろうとする「お姫様」だが、無辜の臣民を守る盾である「兵士」それ自体が、徴兵されて銃を持たされている「無辜の臣民」の一員であるという20世紀的な事態に自覚的ではないようだ。
祖国防衛に「進んで」臨む徴兵兵士は、国家と自分が連続しているという「観念」を教育された民主社会の市民の姿であって、残念ながら「公女」に所有される「臣民」の姿ではない。

同様の無自覚は、全国民を恐怖政治で支配したのが、議会工作で成立させた法律によって「独裁者」となった「選挙で選出された首相」であった現実のドイツを、オカルト的な野望を持つ「至尊の」「皇帝」に統治される架空のドイツに無造作に置き換えた、敵の設定にも表れている。

そんな理屈に興味はない視聴者が殆どで、ただビジュアルを楽しめばよいのかもしれない。

が、そうもいかないのは、この「理屈」が、ビジュアルの眼目である近代兵器や、その運用を生み出している原動力であるからだ。


この「理屈」の根本は、「世界にも等しい無限の内面を内包した、理性的で完結した個人」という人間像が崩壊した、20世紀的な事態にあるようだ。

第三帝国を自称してはいても、法制度上では「帝国」に移行したわけではなく、立憲民主国家のまま「首相」が「法律」によって全体主義独裁国家を支配して「世界制覇」に乗り出したのが現実のドイツだった。
作中では描かれてはいないが、同じく民主革命から生まれた「ボリシェビズム」という全体主義と、アメリカニズムという全体主義が立ちふさがったのが第二次世界大戦だったと言えるだろう。
(アメリカの全体主義は、全国民を「消費者」として組織化したところにある。貧乏人=金銭が支払えない=消費者になれないものを社会の外部に排斥して野垂れ死にさせるのは、「収容所」に収容することと意味的に等しい)

民主制のこのような不調は、民主制を担う自律的で理性的な「人間」の崩壊に関係している。

この、自律性を失った壊れた人間=半ばモノになってしまったような、機械のパーツのような人間観は、政治だけでなく様々な文化芸術に影響し、戦争それ自体に対しても例外ではない。

意味性や精神性と断絶した物質的「科学」の技術性を体現する工業化が、ライン作業に代表される、歯車化した「人間」と生産設備のコンビネーションを実現する。

最新兵器の量産は、こうした「歯車」人間の全てを部品として配置する全体主義国家の「総動員体制」によって推進された。

大戦初期で圧倒的な戦果をもたらした「電撃戦」の要諦もまた、通信機と時計でコントロールされた「機械」と「人間」のシステマティックな連動であり、何よりも「システムの部品」化した人間を前提として実現される。

機甲部隊に代表される〈マン-マシン系〉として統合されたシステムは、「鋼鉄のロマンチシズム」といった美的表現として文化的にも受容されたが、このような機械融合的人間を「美」と感じる感受性は、今日でも多くのミリタリーファンを生み出す一要素でもあるだろう。

近代兵器の戦闘を、アクションとして「カッコよ」く「面白い」と感じる感性は、このように、必ずしも軍国的主張と直結しているものではなく、一つの時代精神の文化的要素の一側面でもあるのだ。

こうした、複雑で巨大な「理屈」である時代精神は、何が原因で何が結果なのか判然としない程に絡み合い、眩暈さえ誘発する。

その「理屈」を十分に見据えることなく、一要素である「カッコよさ」や「面白さ」だけを抽出しようとすると、「作品」という構築物が大きくゆがむことになって、肝心の「カッコよさ」が十分に発揮されなくなる懸念を抱かせる。



あの大ヒットアニメが、戦車から「おぞましさ」や「禍々しさ」を完全脱色し、「楽しさ、面白さ」だけを蒸溜抽出するために、「戦車道」という言語道断の大ウソを土台に「世界」を丸ごと創造したことは、本作と好対照をなしている。

「カッコいい」玩具としての戦車を、可愛らしい少女が「楽しく」操る「大ウソ」の「世界」は、「戦争」映画ではない「戦車」映画という、誰も想像しなかった形で見事に成立した。

通常はミリタリズムとは切り離せないはずの戦車から「楽しさ」だけを取り出そうとする娯楽への徹底した意思が、常軌を逸したディテールの追及によって逆説的にミリタリズムそのものを作品外へ放り出す批評性に突き抜けるまでに至ったのだが、「現実」を引きずる本作の設定は、逆に兵器の「カッコよさ」が危うくなる危険をはらむことになってしまう。

異様に拘泥したディテールの蓄積が、戦車の存在のリアイティを一切の現実的「背景」から切り離して問答無用に成立させていたのに対し、「20世紀」というセリフが作中で頻出するように、本作においては兵器のリアリティを現実の時代性に依存しているからだ。

しかし、上述したように、民主制の不調として現れる全体主義国家の「独裁者」の代わりに、血統によって「所有」する「皇帝」や「お姫様」に単純に置き換えたことによって、総動員された全体主義国家の国民によって生産される「20世紀」の「近代兵器」が、足場を取り払われたような不安定さを呼び込んでしまう。


はたして、近代兵器に対決するものとして持ち込まれた「魔法」は、新しい何かを語ってくれただろうか。



{netabare}冒頭に記したように、現実の歴史性などを描写する意図はなく、単に魔法vs.近代兵器のビジュアルの面白さを描くのが主眼だったという観方もできなくはない。

が、全体としてみると、架空の国家という設定に寄りかかりすぎて、肝心の近代兵器が、全体主義国家同士が、世界をおのれの全体性に組み込もうとして激突した第二次大戦と強固に結びついてしか存在できないという「理屈」を、やはり軽く考えすぎているようだ。

例えば、チャンバラの面白さを描くための時代劇があるとして、登場人物が「身分の差に阻まれて自由に恋愛できないなんて人間の尊厳を傷つけている」と発言すれば、強烈な違和感を感じるだろう。
同じ人物が「殿の無念を晴らすため」クライマックスのチャンバラを引き起こすとなれば、違和感どころか肝心のチャンバラ自体の面白さそのものが「あり得ない」と感じられるに違いない。

全体主義の「首相」を「皇帝」に変え、究極の全体性が争われた世界大戦を「悪い王様」と「健気なお姫様」の戦いに変換する作為は、こんな例え話の陰画と言える。

「理屈」に合っているいるかどうかは、アラ探しの言いがかりではなく、チャンバラ=魔法戦が面白くみられるのかという印象をダイレクトに支配するものだ。
「理屈」っぽい議論が嫌いであっても、「印象」の違和感からは、やはり逃れられそうもない。


現代人が戦争の悲惨として想起する「戦場や都市を埋め尽くす無数の死体の山」は、世界大戦の記憶に由来している。
大量死=悲惨=戦争は悪、の連想は、「お姫様」の忠実な「騎士」が首級を争う戦争とは全く異質な20世紀性=部品化した人間が戦争の資源として総動員される全体性の「理屈」に深く結びついている。

戦場を埋め尽くす「廃棄物のような」兵士の死体は、壊れた兵器の部品が散乱している戦場の光景とパラレルだ。
ミリタリーファンを喜ばせる整列した兵器という「工業製品」が並ぶ光景もまた、部品化して整列させられる「人間(のかけら)」と同根源であって切り離すことができない。

20世紀の戦争の「悪」は、人が死ぬこと自体ではなく、部品化した人間を戦争の「歯車」として「例外なく」強制的に配置する、支配の非情な全体性にある。
全体主義が「悪」を生むのではなく、「悪」の政治的表現として全体主義が現れる。
大量性に埋没する廃棄物のような死もまた、「悪」の原因ではなく、結果だ。

「死」そのものが問題であるのなら、廃棄物としての「死」もまた、「王様」が聖性を保証する忠実な「騎士」の名誉ある固有の「死」と同一視して賞揚してやれば済むだろうし、現実にもそう作為されている。
が、それは歯車化の強制の隠蔽として、欺瞞的に称賛されている「嘘」に過ぎない。
「嘘」はどう言いつくろっても「ウソ」であると直観されているからこそ、現代の「戦死」や「兵隊」を美化する言説は、正しさを強調すればするほど、胡散臭さもどこまでも増す。


このように、登場人物が口にする「20世紀」の戦争という「背景」には、「お姫様」や「皇帝」はどちらも矛盾して、落ち着き場所が無い。

作中では、魔女の秘密を知った徴兵兵士が密殺されたり、ドイツの情報将校が任務中にあっさりと落命するエピソードで、部品として廃棄される20世紀的非情性を意識しているように見せかけてはいる。

が、廃棄物のように量産される匿名の屍者の群れを描きながら、ドイツ情報将校の墓を見せたり、魔女やお姫様の宿命的な苦悩を描くといった形で、特別な「固有の人間性」を無造作に持ち込んで並べてしまう描写は、この「背景」の「理屈」に対して、真剣に考慮したり、そもそも視野に入れているのかと疑わせる程に無頓着だ。
それは、それぞれのエピソードの「唐突感」と「ご都合感」という「印象」として現れる。


別に、現実の歴史性に矛盾しているからよくない、という話ではない。

問題は、「ファシズム」や通俗的な「戦場の惨劇」を「舞台」から排除した安易な「政治性」などではなく、設定した「舞台」と「理屈」の突き合わせを欠いている、という単純なことだ。

置き換えられた「皇帝」では、大量生産される兵器の「美」と「世界大戦」を支える「背景」を持ちこたえられない。
その裏返しとして、「お姫様」も「世界の救済」を持ちこたえられない。

終盤で、戦術行動に組み込まれて発動する「魔法」は、現代の巡航ミサイル技術のような形で描写され、魔法という異質な力ではなく、現代的な「オーバーテクノロジー」が大戦兵器を凌駕しているに過ぎないようなビジュアルに落ち着いてしまうが、「20世紀」と魔法との対立を、真剣に「理屈」にわたって考察することを怠った結果に思える。

さもなければ、原爆に似た「決戦兵器」やミサイル状の攻撃を、「魔法」でひとくくりにはしまい。
近代兵器を支える20世紀性と魔法が対立するものならば、20世紀科学による「原爆」という非情な「大量死」兵器を、「魔法」によるミサイルで精密誘導する方が相応しいだろう。

結局、「架空の国」と「魔法」に寄りかかった「理屈」の軽視が、ビジュアルやストーリーの緊迫を削いで、安易に流れたという印象を拭う事が出来ない。
「善い魔女」と「悪い魔女」の戦いに収斂してゆくストーリーからは、登場人物の語る「20世紀」という「言葉」は意味を失ったただの音声と化して、兵器の存在感と共に霧散してしまった様だ。

戦争を没歴史的に「人の戦い」一般に解消してしまっては、「20世紀」戦争の「悪」に指一本すら触れることはできないだろう。
ラストで、「理屈」を軽視した一般化を語るのが「お姫様」であるのは、本作の必然と言っていいものだろうか。
無内容な「一般論」に「20世紀」が解消されると同時に、視聴者のいる「21世紀」へと繋がる通路もまた霧散した。

「おとぎ話」を駆逐した近代という時代が決定的に揺らいだ「世界大戦」に「おとぎ話」を対決させるトリッキーな構成は、結果的に土俵すら成立できない不発に帰結してしまったようで残念だ。


【追記】

ラストに登場するイゼッタの顔の見えない描写は、生きていたというよりも「半ば廃人化した余生」と読み取れた。

「戦死」よりもなお悲惨な印象を与えるが、時代の「悪」を「魔女」が単身で引き受けて破滅することで「浄化」する、という展開こそが、「理屈」の軽視を示しているように思われる。




とはいえ、この破綻は、いささか興味深い側面がなかったわけではない。

おとぎ話のような「現実的でない」お話を近代が駆逐していくとき、勃興してきたのが「SF」というジャンルだった。
それこそ「非科学的」な戯言と鼻で笑われる「おとぎ話」を、それならば「科学」を土台にして創ってやろうという倒錯した意思が、SFというジャンルを定義している。
「現実」が「おとぎ話」を鼻で笑う事など許さない、という倒錯した意志が。

浮き沈みはあるにせよ、「あり得ない」おとぎ話を「科学」的な土台の上にでっちあげる、サイエンスとフィクションのエッジの上に構築物を築き上げる強固な意志が、今日までSFを継続させている。

が、近年のライトノベルやアニメでは、構築の意思が著しく後退しているようだ。

何らかの異世界や超常能力を描くとき、「科学」の土台を作り上げる〈サイエンス/フィクション〉の構築性は放棄され、「魔法」や、さらに説得的な設定のない「異能」で済ませてしまう作品ばかりが目に付くようだが、「科学」のみならず、土台に何かを構築して「おとぎ話」性を支える「理屈」の必要性までも、ここでは放棄されている。
それは同時に、「現実」から鼻で笑われることへの無感覚でもあるだろう。

本作もまた、20世紀的科学性に対抗するモチーフを持ち込みながら、疑似科学の構築ではなく「魔法」の導入を選んでいる。

リアリティというものが「現実」に対するフィクションの反抗であるとするならば、それはガジェットの導入「だけ」で実現できるようなものではないのだろう。

製作者や作家だけではなく、視聴者や読者も積み上げられる「理屈」に耐性が無くなっているのかもしれないが、「理屈」の軽視がビジュアルやストーリーをどう貧しくするのか、本作が一つの指標となるかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第二次大戦を下地にした魔女と王女の物語…信じ尽くす大切さを問う物語

この秋、ユーフォ二期とともに期待した作品でした。第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフに、小国の皇女が大国に立ち向かう。それに加わる魔女、これは面白そうだし、1話で引き込まれてしまいました。展開しだいではそうとうな作品になる予感がしました。

1話…あっという間に引き込まれてしまいました
{netabare}小国の皇女(モチーフはスイス?…ではなくリヒテンシュタインだったようだ)フィーネが、大国で戦争しかけているゲルマニア(どう見てもドイツ)の脅威から自国を守るために、同盟を求めてイギリスっぽい国にいく話でした。
道中で敵から逃れるために奮闘するフィーネ。従者は倒れ、自国はとうとう戦争に巻き込まれ、自らも囚われとなっても信念を曲げないフィーネがカッコいいです。それからキャラデザインも良いです。最後に主役のイゼッタが登場してフィーネを救う場面で次回へ。箒でなく銃に乗った魔女のイゼッタ、こんな設定もありかと。

1話があっという間に終わった感じです。これは面白そう。最後までこの面白さが持続しますよう祈ります。{/netabare}

2話…二人の絆
{netabare}フィーネのピンチを救ったイゼッタ。国にたどり着いたは良いけど、フィーネは重傷。イゼッタとフィーネの関係が深いものだった事が分かり(1番肝心なところは後回しみたいだが)、イゼッタはフィーネの国を救うことを決意する。

魔女狩りのピンチをフィーネが体を張って救ったのかなと思いますが、イゼッタがどうしてゲルマニアに連れられそうになったのか、興味がありますね。とにかく深そう。まだ2話か、先が楽しみで仕方ないです。{/netabare}

3話…最終兵器魔女
{netabare}大国に攻められる小国、兵士たちのフラグたちまくりのなか、戦闘は圧倒的不利な状況。大国の軍は余裕降りまくり、これフラグだよな?
そこにイゼッタが参戦、なんだこの魔女は?圧倒的ではないか!ランスのファンネル?楯?おいおい、つえぇぇぇぇぇl!
ピンチはたった一人の魔女によって救われた。という展開。それと、フィーネの心の強さと王的資質いったら…惚れます。これは思っていた以上に面白い。つかみはすごく良かったです。でも、鬱な話も有るんだろうな…{/netabare}

4話…魔女の秘密
{netabare}魔法が使えるのは特定の場所のみ。そこから外れると使えないという。
フィーネの父、つまり王が亡くなり、フィーネが王位へ。そこでイゼッタを登場させて白き魔女の再来を告げ、他国への牽制も狙うという。
イゼッタとフィーネの過去が明らかとなり、イゼッタが忠誠を誓う理由が分かりました。それにしてもフィーネがカッコいい。

白き魔女の裏切り、気になります。イゼッタがゲルマニアに捕らえられていたこともあり、再び捕らえられて洗脳させられ…なんてことないよね? あまりにもフィーネとイゼッタの絆が強いから、イヤなフラグに感じます…{/netabare}

5話…探り探られ
{netabare}フィーネの王位継承式でイゼッタを面前に披露。その能力を世界発信して、他国を牽制させる狙いだ。
白き魔女の末裔の存在はやはり影響が大きく、小国を無視できなくなっていた。が、ゲルマニアはその存在を見透かし、イゼッタに弱点が有ることを察知する。
ゲルマニアの侵攻が再びはじまるが、そこは魔法が使えない場所。フィーネ達は策を練り、その侵攻を食い止める。という展開でした。

大国対小国の心理合戦、なかなかの筋書きでした。ただ、ゲルマニアの諜報部員が入り込み、イゼッタの弱点がバレそうな気配、眼鏡君も加わりそうな気配が…眼鏡君、いっぱいフラグ立てているからなぁ…。

ここに来て、ちょっと粗が見えてきた気が…。近衛が全員女子というのはさすがにないかと。しかも、先祖伝来って言うからね。近衛師団の女子団っていうことにしていいのかな? ま、細かいことだけど。{/netabare}

6話…貴重な眼鏡君
{netabare}小休止の日常回…と思ったのは前半だけ。ゲルマニアには何か研究施設があったり、新型戦闘機が製作されていたりと着々と準備始めてます。研究ってまさか核じゃねぇよな?
ブリタニアで会議が行われるためイゼッタ、フィーネが向かうことに。その頃、スパイの報告が入り、ジークが向かい、イゼッタの秘密を知っている眼鏡君を射殺…そうだ、この話は戦争の物語だったね。ジークの決意を聞いたときに、そういう役目を負う人間が必要だよねと思った。

バチバチ戦う以上に緊張感あるストーリーだったように思います。前半の日常も良かったですけどね。フィーネの可愛い部分が見えて。ただ、パイを食べているフィーネがどうしても小鳥ちゃんに重なったのは何故だろうか…。{/netabare}

7話…いっしょにおいで
{netabare}ブリタニアに到着したフィーネとイゼッタ、そこにはゲールに対抗する諸国のお偉いさんが会議をしていた。ゲールは空母を完成させ、さらに強力な力を手にしていたという。フィーネはイゼッタが空母を蹴散らすと告げる。
魚雷を従えて空母に向かうイゼッタ。しかし、空母はすでに出航、敵に動きが読まれていたのだ。待ち構えていた敵兵に狙われるイゼッタ。4発あた魚雷は2発失い、しかも海に墜落。魔法使える地場からずれたのだ。魔力使えるポイントには空母が、そこでイゼッタは空母の隙を狙い、魚雷をぶち込む。見事空母を撃破。しかし、その動きでベルクマンに弱点がばれてしまい、しかも、なぞのカプセル登場で次週。

ゲルマニアはイゼッタのほかにも魔女を捕らえていたようだ。ということは、イゼッタを逃してものうのうとさせていたのは、魔女の力がどんなものか、弱点は何かを探っていたということなのかなと思う。ゲルマニアも実際に魔女の力がどんなものか計りかねていたのではないだろうか。
イゼッタが戦っているシーンは痛快なんだが、服の汚れぐあいとか、一生懸命さとか見ていると、なんか切なくなる。不幸な話にならないでほしいと心から思います。{/netabare}

8話…スパイと近衛の小さな恋物語
{netabare}エイルシュタットに潜入したリッケルト。目指すは旧城、その途中で出会ったのがビアンカとロッテだった。ロッテの実家の宿屋に宿泊し、ビアンカとも仲良くなるが、目的である旧城に潜入。そして発見した白き魔女の秘密。その証拠を持ち帰る途中に近衛に見つかり、ビアンカに撃たれて絶命するリッケルト。ビアンカもまさかの展開に呆然とするしかなかった。リッケルトに証拠を託されたローレンツもまた、近衛に狙撃され死亡する。証拠は謎の住民に引き継がれ…
一方、ブリタニアでは仮面舞踏会が開かれ、フィーネとイゼッタが外で踊ろうとしたところに現れたベルクマン(なぜお前がここにいる?)と謎の少女。謎の少女はイゼッタの唇を奪い、口を切らせて血を吸う。その瞬間、謎の少女は白目を剥き気を失う。
イゼッタの力を知ったアメリカ…アトランタ合衆国ではこの戦争に本格参戦を決定した。それはゲルマニアとともに、脅威となってきたエイルシュタットも撃ち滅ぼすために…

後半の伏線を張った回でした。ゲールの魔女は何なんだろう?人工物?となると、イゼッタを捕まえていたのはイゼッタの魔力を抽出するためだったのか?
アトランタの本悪参戦で戦局ががらりと変わるんだろうな。エイルシュタットはどうなってしまうのか…。
なんだか悲しい結末待っているのではないかとハラハラします。ED物悲しいし…{/netabare}

9話…展開急変、あぁ…ヤバい…
{netabare}ブリタニアの会談から3ヶ月、包囲網が築かれつつあり、ゲールの動きが鈍くなっていました。イゼッタは世界から注目されるようになり、エイルシュタットも束の間の休息感に浸っていました。
そこから一転、ゲールが西を囮に東から攻めてきました。イゼッタは新兵器とともに向かいますが、打ち込んだミサイルが何者かに撃退されてしまいます。なんと、ゲールが送り込んだのは魔女。しかも、伝説の白き魔女(のクローン)なのです。クローン技術使ってきやがった! 伝説の白き魔女はイゼッタに止めよう説得しますが、フィーネのために戦うと言う。イゼッタは白き魔女と戦うけど、魔法使える場所なのに墜落、白き魔女はアンチ魔法の道具使えるものと思われます。敗れたイゼッタは鎖に吊るされ…
イゼッタの敗北により、空ががら空きとなり、ゲールはエイルシュタットに突入。首都がぼろぼろ…

急展開でした。どうなるのか気になって仕方ありません。いちおう、これまでの伏線を回収しつつ、次の展開に入ってきてますが、一気に重い展開になってしまいました。白き魔女の過去に何があったのか、戦争はどうなるのか、イゼッタはどうなってしまうのか…。

これ、一期で終わるのかな? どうせなら丁寧に描いてほしいので、二期までいかないかな? このままだと半端になってしまう気がします。面白いだけに、丁寧にいってほしいです。{/netabare}

10話…絶望か、希望か、どっちに進む?
{netabare}イゼッタが捕らえられ、エイルシュタットは首都が陥落。イゼッタを命がけで救うエイルシュタットの兵士たち。イゼッタはなんとか救われ、首脳陣たちが避難した防空壕兼秘密基地で療養。
そのころ、ゲルマニアはゾフィーの力を使い、ブリタニアに大量のミサイルを撃ち込み、ロンドン…ロンデニアを木っ端微塵に。ゾフィーがゲルマニアの兵器として確立したことにより、ベルクマンがお役ごめん。ほぼ捨てられて状況に。ゾフィーの量産化が図られ、さらにはどう見ても「核爆弾」を開発したゲルマニア。もはや怖いものなしとばかりに各国に講和の条件を突きつけ、さらには東の大国ソ連…ヴォルガ連邦と不可侵条約結んで(当然表面だけ、侵攻する気満々)、最後はアメリカ…アトランタを攻める気でいる。

ジークから白き魔女の秘密が語られ、その力の源になっている魔石の半分を見せられたイゼッタは…で次週。

フィーネがその先をどうするのかを迷い、イゼッタは姫を助ける決意は変わらない。どう転んでも魔石を使うんだろうね…となると、イゼッタの命は…。
ゲルマニアの先も見えてきたようです。二次大戦をトレースしているので、ゲルマニアは連合国から逆襲され、首都陥落、皇帝自殺(もしくは暗殺)という全体の流れなんでしょう。しかし、イゼッタ対ゾフィーの決着はどうなることやら…なんとかイゼッタが生き残れる決着にならないだろうか…イゼッタがあまりにもけなげ過ぎて、見ていると切なくなるんだよね…{/netabare}

11話…そういう展開になるよね…
{netabare}秘密の基地がゲール軍に発見され、急襲される。フィーネは投降を覚悟し、絶体絶命のピンチ。そこに魔法を使って救出するイゼッタ。魔石の片割れを使い、魔法を使えるようになったのだ。それはつまり、命を削ること。フィーネが弱気になっているのを檄するイゼッタ。フィーネも覚悟を決めて最後まで戦うことに。
ゲール軍に付いてきたベルクマン。ベルクマンは自分が生き残るためにゲールの情報を伝えた。その内容は国の終末を意味し、それを阻止する必要があり、フィーネとイゼッタは最後の決戦に向かう。

かなりすっ飛ばしましてつじつま合わせがスゴいのですがが、内容は濃かった回でした。ベルクマンとジークの会話が良かったです。
えっ?もう終わり?…やっぱり一期では短い…イゼッタ、生き残って幸せな結末になってほしい…。{/netabare}

12話(最終回)…「地球のみんな!ちょっとずつ元気を分けてくれ!」
{netabare}ゾフィーとイゼッタの最終決戦はこんな感じでした。
ゲールが主催する会談に向かうフィーネ一行に立ちはだかるバスラー。これを振り切り会場へ向かうが、その途中、ジークが倒れる。彼が最後に観たのは眼鏡君の幻だった…。
一方、ゾフィーとイゼッタの最終決戦は魔石の力を全解放した激しいものとなる。二人は信頼する者のために戦い、一方は裏切られ絶望し、一方は最後まで信じ抜くことで戦った。ゾフィーがイゼッタとの戦いから離れられないことに、ゲールの部隊はミサイルを発射する、クローンの力を使って。
ゲールと諸国の会談に現れたフィーネ。フィーネはイゼッタがゾフィーと戦っていることを伝え、終息させると宣言する。しかし、魔女が残ると同じことになると憂慮する首脳たち。それに対しフィーネは言う、すべての魔力をこの世から無くすと。これはイゼッタからの提案だった。
イゼッタはすべての力を使い、この世にある魔力の全てを吸い上げる。ゾフィーの魔力もゾフィーのクローンの魔力も、ミサイルに搭載された爆弾の魔力も…。
これによってゲールの力は弱まり、大戦の流れも変わり、3年後にはゲールが敗れる。フィーネはとある森にあるコテージを訪ねる。そこには成長したロッテに車イスを押される赤い髪の女性が待っていた。

終わっちゃった…どんな終わり方するかと思ったら、あるあるな感じでした。イゼッタが全てを背負い、最悪をを除去する。よくある。生きていたことを示唆する終わり、あるある。
ゾフィーが救われなかったのは可哀想かな。最後に何かしら笑顔にできるシーンがあってもよかったように感じます。{/netabare}

第二次世界大戦をトレースしたこの物語。キャラは本当に良かったです。イゼッタは最後の最後までブレませんでした。とにかくフィーネのために戦い、やり遂げました。綺麗な衣装着てボロボロになるイゼッタの姿は切なかったです。フィーネは小国ではあるが国王として苦労と悩みを抱えながらも国のために戦いました。エイルシュタットの幹部、ゲールの幹部、それぞれ曲者揃いだけど個性強くてそれが絡んで物語を盛り上げました。

ストーリーは12話でギリギリまとめた感じは否めません。世界観が大きいのに、こじんまりとテンプレのようなまとめ方です。これだけのキャラと内容なら二期とは言いません、せめて5話くらい余裕があったらもっといい作品になったと思います。映像は好きでした。特に戦闘の場面は滑らかで迫力ありました。

魔女と王女の世界を変えるための戦い。戦争をモチーフにしてますが、人間の物語が強くなってます。期待分のものは見れたように思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 53

67.7 20 熱いでシリアスなアニメランキング20位
トータル・イクリプス(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (814)
4013人が棚に入れました
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡の淵へと追いやった。圧倒的な物量で迫るBETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の抵抗を試みた。しかし、押し寄せるBETAに劣勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大半を失うことになる。以降、30年近くも攻防は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人類は未だ泥沼の中でもがいていた。2001年、極東の最前線を支える日本帝国では、次期主力戦術機の開発が問題となっていた。そこで、国連軍の「プロミネンス計画」における日米共同の戦術機改修計画が提案される。帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画責任者の任を与えられてアラスカへと向かう。それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指していた。その出会いが運命を大きく変えることを、このときのふたりはまだ知らずに――。滅亡の危機に瀕した地球を舞台に、対"BETA"戦の要である人型兵器"戦術機"の新型開発をめぐる、熱き人間たちのドラマを描いたロボット・アクション作品!
ネタバレ

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ては稲垣前監督の思い付きから始まった・・・

【総括】
稲垣前監督の思い付き・・・第1話から武御雷を出したい。
彼は『オルタ』が好きで、武御雷への思い入れもあったようです。
しかし普通に『TE』を始めてしまうとそれは難しい。
そこで考えられたのが『帝都燃ゆ』です。
だからあれは『TE』ではなく『オルタ』のテイストで作られているのです。
しかもアメリカでの試写があったのでかなり力を入れて作られました。
(実際に渡米の直前まで作画の修正作業をしていたらしい)
こうしたことが第3話以降の制作スケジュールをタイトにした原因となったことは明らかです。
また、ストーリー的にも『帝都燃ゆ』と『TE』本編では温度差が大きいので、
初めて観る方に過度の期待とその後の大きな落胆を与えてしまいました。
未完とはいえどこに向かっているのかが分からないストーリーの弱さはもちろん原作の問題です。
私は放送前のレビューで『本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味だから、
うまいアレンジを期待したいところです』と書きましたが、残念ながらそうはなりませんでした。
ストーリーの流れはほぼ原作通り。
ただ日本やソ連内部の主導権争いといった部分をほとんど削ってしまったので、
ますます温くて良く分からないストーリーになってしまいました。
結局のところ、私を含めた『マブラヴ』ファンにとっては『ぬるぬる動く戦術機が見れて良かった』、
その程度の記憶しか残らない作品となってしまったことは非常に残念です。
それでも2期が作られそうな感じはあります。
(根拠は第24話のレビューをご覧ください)
個人的には『TE』の2期よりも『マブラヴ』の本編、
そして同じ外伝でも『TE』より遥かに面白い『シュヴァルツェスマーケン』や、
『THE DAY AFTER』のアニメ化を期待したいところです。
『TE』は『オルタネイティヴ第一計画』と銘打ってますので、今後の展開はこんな感じでしょうか。

第二計画:マブラヴ・エクストラ
第三計画:マブラヴ・アンリミテッド
第四計画:マブラヴ・オルタネイティヴ
第五計画:シュヴァルツェスマーケン
第六計画:THE DAY AFTER

これはあくまで『マブラヴ』オタである私の希望でしかありませんがw
でももし実現出来るなら、その時はきちんとした準備をしてからにして欲しいと願って止みません。

【各話レビュー】
{netabare}
【第24話】《最後まで頑張って観た人の感想「結局何がしたかったの?」・・・だよねw》
最後ヒヤヒヤしながら観てしまいました。
唯依がいつ狙撃されるのかと・・・。
そう、原作では最後に彼女が何者かに狙撃されて終わるのです。
それにしてもBETAとの戦いも戦術機の開発話も中途半端で一体何なの?と思ったはずw
原作だとこれで全体の1/3くらいに当たる第1部が終了したところです。
アニメの終わり方は2種類用意していたようで、
ひとつは完全に完結させる終わり方だったらしいのですが、
放送されたものを見ると2期を作りたそうな感じですね。
実際に出来るかどうかはわかりませんがw
ではこの先、話はどう展開されるのか?
・・・私も知りませんw
続きは2月発売予定のゲームでどうぞw
そうそう、テロの黒幕であるマスターが投げたナイフが地図の日本に刺さりましたが、
あれは『オルタ』のあの事件の黒幕が彼であることを暗示してるのだと思います。
実は他にも『オルタ』との関わりがあるシーンが原作にはあったのですが、
あれは削らないで欲しかった・・・。
とにかく無事に最終回に辿り着けて良かったですw
いろいろと問題点が多かったアニメ版TEですが、その教訓を今後に生かしてもらいたいものです。
何といってもこれは『オルタネイティヴ第一計画』なのですから・・・。

【第23話】《『我々は勝利した!』・・・選挙速報☆当選確実☆》
いや~、予想はしていたとはいえ凄いテロ(ップ)の嵐でしたw
せっかく出来のいい回だったのについてないですね~、本当に。
さて、今回のテロを起こしたのは難民解放戦線とキリスト教恭順派である訳ですが、
恭順派の方が一枚上手だったようで、難民解放戦線のメンバーは悲惨な末路を迎えてしまいました。
一方、戦術機の戦いの方はというと、実に良く動いてました。
演出も良かったし、ストーリーの面白さとは関係なしで楽しめる回だったのでは。
そのストーリーですが、相変わらず原作と同じ流れで進みつつも、違う部分が多くなってきました。
一番の違いはビェールクトが動いていること。
原作ではクリストファーはファルクラムに乗ってるんですよね。
で、最後に登場した変な装置も登場しません。
あれは何なのでしょうね?
次回でちゃんと分かるといいですが・・・。
その次回はもう最終回です。
やっと盛り上がってきたのにw
無駄を省けばもっと面白く出来たはずという思いもありますが、
『終わりよければ全てよし』という言葉もありますから、綺麗に終わらせてもらいたいものです。
もしも原作通りの終わり方をしたら・・・見た人の反応が怖いですw
『えっ、一体何なの?』っていう終わり方なのでw

【第22話】《こんなところにも日中関係悪化の影響が・・・イーフェイの運命は大きく変わったw》
イーフェイは原作では瀕死の重傷を負うのに・・・。
今中国人キャラを酷い扱いにするのは得策でないと判断したのか?w
ここまでの流れは全体としては原作通りですが、細かい部分に違いが出て来ました。
イーフェイが怪我をするのも、イーニァとクリスカが会うのももう少し後。
それと細かい描写が結構省略されていて、ちょっと残念です。
さて、インフィニティ―ズが攻撃していた施設はソ連のG弾研究所なのだそうです。
レオンの口から『G元素』なんて言葉が出てましたが、
『オルタ』をやってない人には何のことだかさっぱり分からない筈。
簡単に言うとBETAが持ち込んだ地球外物質のことで、
そのひとつから作られるのが『G弾』という強力な爆弾です。
『G元素』はハイヴ(BETAの巣)にあるので、
国内に10個ものハイヴを抱えるソ連はこの戦争が終わりさえすれば、
そうしたBETAの置き土産を大量に獲得することが出来るのです。
ちなみにハイヴ内での鹵獲物は国連が管理するとの条約がありますが、
カムチャツカのことを見てもソ連がそんなものを守る訳ないですよねw
BETA大戦後には世界的な資源獲得戦争が起こる。
それがこの世界の未来。
もちろんBETAに勝てれば・・・ですが。

【第21話&BD3巻】《何というか・・・おっぱいでけ~って感じの作画だったw》
中原さん、生天目さん、能登さんの3人によるコメンタリー。
「1巻、2巻、武道館!」はインパクトがあってズルい~というのと、
能登さんが「打ち上げはアラスカで!」と言っていたのが印象に残りました。
あ、BD3巻の感想です。
本編はテレビver.とほとんど変わりませんでした。

では21話。
今回のテロ、難民解放戦線の後ろにキリスト教恭順派がいることが分かりました。
マスターというのがリーダーの模様。
彼らの主張は
『BETAは神がもたらしたもの。だから抵抗(戦争)はやめ、運命(死)を受け入れよ』
というもの。
多くの難民を生み出すBETA戦争を悪とする難民解放戦線と一応利害は一致しているのですね。
そしてさらにその後ろにアメリカがいるというのがサンダークの考えな訳ですが、
確かに今回のインフィニティ―ズの行動は怪しさ満点でしたw
実際はどうなのでしょう。
さて、BETAのいる研究施設のようなところのシーンで『酵素の注入停止』と言ってましたが、
あれはBETAの活動を鈍らせる酵素のことです。
ならばそれを兵器に使えと言われそうですが、
大量生産が難しいという都合のいい設定があるので無理ですw
ということで次回はBETAさん大暴れか?w

【第20話】《また急にシリアスモードに・・・ああ、何というジェットコースター・アニメ》
前回までのことがまるでなかったかのように真面目な話になりましたw
OP、EDも変わって別のアニメのようですw
ということでテロ編スタートです。
いや~、一時はテロ編はやらないのかと思ったくらいに空気が緩んでましたがホッとしました。
ただ原作とは少し話の進行が違いますね。
アニメのオリキャラであるナタリー絡みの話は原作にはありませんし。
ここから先、ほぼ原作通りに進んだとして残り4、5回でちゃんと収まるのかが心配です。
さて、難民解放戦線が出て来ましたので、この世界について少し補足します。
BETAが支配しているのはユーラシア大陸。
ユーラシアを追われた人々はBETAのいない南北アメリカやオーストラリアに逃れ、
難民収容所などで生活しています。
戦争特需で経済的に潤っている国での貧しい生活。
こうしたことが難民解放戦線などの組織を生む背景になっているのです。
しかしこのテロ、サンダークは起こることを十分に予測していた節がありますね。
サンダーク自身がテロ組織と関わりがあるとは考えにくいですが、
これを利用して何かしようとしている可能性は十分にあります。
あとはBETAがどう絡んでくるのか・・・。
その辺が今後の注目ということになるでしょう。

【第19話】《これは今後の悲劇的な展開を際立たせるための演出だ・・・はぁ~、言ってて虚しくなってくる》
はい、温泉回です。ネタ回です。ギャグ回です。
大胸筋回です。激辛回です。百合回です。
も~何なんだ今回は。
今更エロで釣ろうって言うのか。
本当に意味が分からない。
あんまり面白くないと思っていた原作が神に見えてきましたよw
前半の水着回とは違って完全なアニメオリジナルの話でしたが、
何の意味もありませんでしたよね~。
『エウレカセブン』のフットサル回を思い出しましたよw
残りあと6話くらいか・・・。
本当にどういう終わり方にするつもりなのか?
仕方ないから次回に注目・・・と思ったらまた『特別編』という名の小休止w
もう本当にどこまでネタを提供すれば気が済むのかなw
既に私の中では『アニメ版TEなんて最初からなかったんや~』となりつつあります。
まあ最後はそうした気持ちを覆すような締めを期待したいところですが、期待薄かな~。
いや~、今回も愚痴ったな~。
レビューを読み返すと最初のうちはまじめに書いてるな~w
でも最近は愚痴ばっかり。
それがこの作品の現状を端的に示していると思います。
マブラヴシリーズ、初のアニメ化。
どうしてこうなった・・・。
今日は何回『本当に』って言っただろう?
いや、本当に呆れてます・・・。

【第18話】《キレがあるのにコクもある・・・最近飲み屋のシーンばっかりだなw》
あれ、OPが変わってない・・・だと?
11月から新OPだと聞いていたのにどういうこと?
はぁ、前回に引き続き今回も作画が酷い・・・。
EDクレジットにずらりと並ぶ外国人の名前を見て納得w
内容も相変わらず。
元々TEは原作からして微妙な話だったりするんですが、
アニメ版はそれに輪をかけて微妙のような・・・。
原作だともうこの辺から○○編が青旗編と並行して始まってるのに、そんな気配が全くありません。
どうもサンダークが何か企んでるっぽいので、もしかしたらここからはオリジナル展開?
今回もユウヤの過去話を含めて大部分がアニメオリジナルでしたし。
もはや原作を読んでいる私にも話がどこに向かっているのかも分からない状態です。
今更ながらもっと全体の構成をしっかりして欲しいな~。
同じマブラヴシリーズの『シュヴァルツェスマーケン』の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいくらい。
あちらはあんなにも面白いのに。
『シュヴァルツェスマーケン』とは1983年頃の東ドイツを舞台にしたラノベで、
最近第4巻が出たばかりです。
こちらは絶望感と緊張感に満ちていますので、ぜひ読んでいただきたい作品です。
さて、TEに話を戻すと、来週は温泉回・・・だと?

【第17話&BD2巻】《マスター、もう一杯・・・ほろ酔いのオレンジジュース》
まずはDB第2巻が届いたので感想を。
作画がかなり修正されていて、クオリティが上がってます。
ただ作画はこの後更に酷くなってくるのでまだまだ安心はできませんがw
4話5話でたくさんあった『湯気』がなくなり、見晴らしがとても良くなってます^^
コメンタリーは3話のみですが、ユウヤ、唯依、クリスカの3人なので、1巻よりも内容があります。
(第1巻のコメンタリーには2話でお亡くなりになった女の子たちが登場。
作品への思い入れがないせいか、殆ど画面無視でガールズトークに終始。
たまに画面見て「あ、私死んでる~」とか言ってるような感じだったのでw)

では17話。
ひとつの話としての構成は悪くない。
しかし内容が大して面白くないし、作画は酷いし、手抜き感はあるし・・・。
何ともコメントのしようがない回ですねw
アバンはオリジナル。
あとは大体原作通りですが、場所が違ったりしてますね。
いや、本当に書くことがないw
個人的には青旗編が一番嫌いなので、早く終われという感じですw
この後の○○編はツッコミどころも多いけど、まあそれなりに面白いとは思います。
取りあえず来週はもっと頑張って欲しいな。
あ、来週からOPが変わります。

【第16話】《ワタシ中国人アルヨ・・・中国人キャラに「アル」とか言わせるなんて昭和時代のアニメじゃあるまいし》
とりあえずサイボーグ006を思い出してしまいましたw
でも今回気になったのはそれくらい。
作画はここ最近では一番安定していたし、戦術機は相変わらず良く動くし。
このくらいのクオリティでずっと作れればいいんですけどね。
さて、対人模擬戦の青旗がスタートした訳ですが、早速それぞれの国の思惑が見えてきました。
日本はXFJ計画の存続を賭けた戦い。
アメリカとソ連は他国を従わせる為に圧倒的な勝利を目指した戦い。
他国を従わせるということは自国主導でBETA大戦を終結させるということ。
それは戦後の世界でどの国が主導権を握るのかということでもあります。
そもそもラプター自体が戦後の対人戦争を睨んで開発された戦術機な訳ですが、
それはまたラプターが動いた回にでも。
今回はイーフェイがいろんな意味で堕ちてしまいましたw
着々と進むユウヤの『ユーコン・ハーレム化計画』。
本人は戦術機LOVEで全く自覚がないのが困ったのもです。
そして次回はとうとう難攻不落と思われたクリスカまでもが・・・。
ところでこの話、どうやって終わらせるつもりなんだろう?
原作は第一部終了で止まっているのですが、
アニメでは流石にあんな終わり方はないと思うんだけど・・・。

【第15話】《美味い、美味いよ、参ったぜ・・・唯依の肉じゃが大作戦》
作品解説・・・のような何かを挟んで再開です。
そしてブルーフラッグ編スタート。
相変わらずヌルヌル動く戦術機、カクカク動く人w
取りあえずひとりだけ作画がやたらといいイーフェイはスタッフから愛されてるに違いないw
今回からはシャロンも登場でますますハーレムのようになってきましたが、ユウヤは戦術機に夢中でw
そのユウヤはアラスカに来てから変わったと本人も自覚し始めたようですが、
そこで彼の米軍時代を知る男・レオンの登場です。
ユウヤが本当に変わったかどうかが試されることになる筈です。
ところで何でアメリカは他国に情報を収集される危険を冒してまで青旗に参戦して来たのか?
アメリカの思惑は一体どこに?
それは次回以降に明かされる・・・と思いますw
思惑と言えばこの期に及んで日本国内の国産に拘る勢力の話が出て来ましたが、
ならばプロミネンス計画への参加や、
レールガンの持ち出しに関するエピソードも描くべきだったのでは?(原作にはある)
その辺の構成がどうも中途半端で気になります。
そして最後にラプター登場!
(レオンさん、そんな所にいたら危ないだろw)
真打みたいな戦術機だけど、あんまり好きじゃないな~・・・。

【第14話&BD1巻】《1巻!2巻!武道館!!・・・光線級大活躍!》
まずはBD1巻を見たのでそのことについて。
作画の修正が数カ所ありました。
また、テレビ放送時に黒く塗り潰されていた所は・・・、
簡単に描写すると『内臓モグモグ』『生首ゴロゴロ』って感じでしょうかw

それでは14話。
Aパートは中々熱かったです。
やっぱり光線級が出てくるだけで状況が大きく変わってしまうんですね。
その光線級(今回はCMにも登場!)。
出来れば前回倒した要塞級の中からワラワラ出てくれば最高だったのにw
そして光線級吶喊(レーザーヤークト)も見たかった。
でもそれは『シュヴァルツェスマーケン』がアニメ化された時の為に取っておくべきか・・・。
熱かったAパートに比べるとBパートはアッサリ気味。
まあ原作でもそんな感じでしたけど。
とにかくこれで『カムチャツカ遠征編』が終了。
相変わらずこの世界の人類は表面上はともかく、心の奥底からの団結はしませんね。
でも実際にこういうことは起こり得ることだと思っているので、
この大戦を『団結しない人類』がどう戦って行くのかが気になります。
さて、この後は特別編とかいうもので一息入れて、その後青旗編~○○編へと進む筈です。
ストーリーが原作とは少し違うものになるかもとの情報もあるので楽しみです。

【第13話】《ええい、帝国軍の戦術機はバケモノか!?・・・不知火弐型頑丈過ぎw》
普通突撃級と壁の間に挟まれたら大破しそうなものですが、
あれだけ頑丈ならそれだけでも戦術機として十分な価値がありますねw
まあ、実際は主人公補正という目に見えない『機能』が働いたんでしょうが・・・。
アバンでは今回も過去話。
で、取りあえずこの人誰?って感じだったのでは?w
あれは崇宰(たかつかさ)恭子様です。
苗字からも分かるように五摂家の方で、青い武御雷に乗ってらっしゃいました。
私もそれ以上のことは分かりませんがw
さて、今回は結構面白かったです。
戦術機もBETAも良く動いてました。
ただ、ユウヤと唯依の会話になると時間が止まってしまうのがな~。
せっかくの緊迫感が台無しです。
でも唯依姫のデレが可愛いので許すw
中原麻衣さん、本当に上手いですね。
そうそう、要塞級BETAが出て来たのにあっけなく倒されて拍子抜けした人もいるのでは?
元々要塞級はただ大きいだけで、それ程脅威度の高い敵ではありません。
ただ十分な武器や弾薬を持たない状況で対峙した時は強敵ですし、
倒した後も注意しないといけないのですが、次回にそのシーンがあるといいな~。
とにかく今回は超・俺得ステラさん大活躍で満足でした!
・・・結局そこに落ち着くのかw

【第12話】《山本伍長・・・君は天才ですか?》
オリキャラ・山本伍長の登場で原作とは少し違った展開になりました。
原作では唯依がひとりで数体の戦車級BETAと戦いながらレールガンの破壊を試みます。
これがなかなかの激闘で、
『ふん、私を喰らいたいのか・・・だがな、私は些か高く付くぞ』
みたいなカッコイイセリフもあったのに・・・。
テレビ版の方も悪くはありませんでしたが、少し疑問も。
まず、足の遅い兵士級BETAが先行してあんなにたくさんいるのはおかしいのでは?
また、そんな状況でユウヤが戦術機から降りたのも疑問です。
原作では唯依をコックピットに収容して応急処置してたのに・・・。
あのシーンのせいで何か緊迫感が薄れてしまったような気がします。
ところで山本伍長がコアモジュールのプロテクトを突破してしまいましたw
『悪名高き横浜のプロテクト』と本人が言っていたようにあれは破られないで欲しかった・・・。
なにせ国連軍横浜基地の天才科学者・香月博士(『マブラヴ』本編の登場人物)が作ったものですから。
ちなみに原作ではコアモジュールと冷却モジュールに挟まれたフレームの隙間に入ろうとします。
さて、レールガンの持ち出しを諦めて次回はどうなりますか。
最後に一言・・・ステラさん可愛い^^

【第11話】《事件は戦場で起きてるんじゃない。基地で起きてるんだ!・・・踊る大謀略戦「軍事機密を死守せよ!」》
とうとう姿を見せたソ連の謀略。
彼らの描くシナリオはこんな感じでしょう。

BETAを基地に導く

国連軍には全てを放棄して退避させる

ミサイルや空爆、戦術機によってBETAを殲滅

基地に戻りレールガンを接収

国連軍には全てBETAに破壊尽くされ、何も残っていなかったと報告

欲しいのはレールガンの技術情報でしょうから、使える状態じゃなくても構わないのでしょう。
だから多少の破損は覚悟したこんな作戦に出た訳です。
しかし本当にこんなにうまくいくかどうか・・・。
BETAの行動を人間が完全に予測するなど不可能だということを忘れていませんか?
さて、今回は派手な戦闘シーンこそなかったもののテンポも良く、なかなか楽しめました。
ほぼ原作通りでしたが、レールガン付きの伍長はオリキャラですね。
しかしこの手のキャラは大体運命が決まっているような・・・w
唯依姫は久々の戦車級BETAとのご対面です。
ここで2話のシーンを活かすのかな~、そうだといいな~。
一方、相変わらずどこか浮いた存在のクリスカとイーニァ。
『突撃砲ってあんまり面白くないよね』ってw
そしてやはり気になるラトロワ中佐。
次回はそれぞれのキャラがどう絡んでくるのか?

【第10話】《同志マブラヴスキー、貴様の父は誰だ?・・・我が偉大な祖国、ソビエト連邦です!ナシュ・ウラー(祖国万歳)!》
今回は興味深いシーンの多い回でした。
まずはレビュータイトルにあるような儀式。
これは中央から派遣されている政治将校向けの一種のショーみたいなもの。
内心ではそうしたエリートロシア人を酷く嫌っている訳ですからね。
それにしてもロシア人でありながら最前線にいるラトロワ中佐がやはり気になります。
次にブリーフィングのシーン。
3者の思惑がぶつかり合って面白かったです。
どうにかして不知火やユウヤを出撃させたいボーニング社のハイネマンやソ連のサンダーク中尉。
そこに何かを感じて思い通りにはさせまいとする唯依やイブラヒム。
そんなこととは関係なしにユウヤの希望を叶えようとするアルゴス試験小隊の面々。
最後は命令という形で決着が付きましたが、果たしてそれがどういう結果を導くのか・・・。
そして久々の登場となった巌谷中佐。
帝国軍内の描写は3話以降では初めてですね。
実は原作ではもっと多いのです。
しかも会話の中身がもっと濃い。
しかしそれは『オルタ』を前提にしていることも多いので、
アニメ版ではその辺のさじ加減が難しいのかもしれませんね。
さて、地中侵攻によりBETAが基地近くに出現。
これはソ連の思惑通り・・・なのか?

【第9話】《とあるツンデレ娘の電磁投射砲・・・唯依姫?いつの時代の方ですの!?》
実戦試験が始まりました。
と同時に護衛部隊は非協力的だし、参謀たちは何やら企んでいたりで直ぐに劣勢に。
いや~、実にソ連らしくていいw
そして今回初登場になるソ連の試験部隊を率いるサンダーク中尉が実に胡散臭くていいw
今後の活躍を期待してますよ!
今回のハイライトはレールガンの発射シーン。
素直に良かったと思います。
ただそこに資金を集中したせいか、他の戦闘シーンで止め絵が使われていましたね。
前回のレビュータイトルじゃないけど、何が起きても変じゃない!
今後もいろんな面でハラハラさせてくれそうですw
今後といえばクリスカとイーニァにはどんな秘密があるのかにも注目したいところです。
さて、今回は原作とは少し違う展開だったんじゃないかと感じて読み直してみましたが、
ほぼ原作通りでした。
違うところといえばレールガンの射線から退避する場面でラトロワ中佐のモノローグが入ったこと。
あれは『まだ』なくても良かったような。
でもないと行動が分かりにくいかな~・・・。
最後に白井黒子さんから一言。
「三下の『背中に気を付けろよ』みたいなセリフは死亡フラグですのよ!」
・・・実に分かり易いフラグ、ありがとうございましたw

【第8話】《何が起きても変じゃない・・・カムチャツカ遠征編始まる》
前回のバカンスムードから一変して最前線へ。
しかもソ連領内。
子供の頃のイメージのせいか、あの国の中では何が起きても変じゃないという気がしてしまいます。
そして早速そんな雰囲気を醸し出している回でした。
さて、せっかくソ連に行ったのならあの国の状態について誰かに説明セリフを言わせて欲しかったです。
国土の殆どを失い、シベリアの東の端で何とか踏ん張っていること。
アラスカの一部をアメリカから借り受けて政治機能はそこに移転したこと。
これらが分かっていると『ロシア人はアラスカに逃げた』という少年兵のセリフも理解しやすいのに。
しかし最前線の少年兵たちは荒んでますな~。
まあ、ロシア人じゃないというだけで最前線に送られてしまっては仕方ないのでしょうか?
あの世界でもソ連の民族問題は健在ということですね。
そしてそんな彼らが恐れている(?)ラトロワ中佐の存在が今後の鍵を握りそうです。
そうそう、今回は戦車隊が登場!
ロボットものはどうしてもロボットだけが戦っているようになりがちですが、
あの世界は総力戦ですから、ああいう描写はちょっと嬉しかったです。
ただ、最初に出てきた戦車級BETA、大き過ぎです。
本当はもうちょっと小さいw

【第7話】《水着美女とキャッキャウフフ♪・・・君も国連軍においでよ!》
水着回終了。
やはりただのサービス回でしかありませんでした。
ユウヤと唯依やクリスカの関係を描きたいなら水着である必要はないですし。
ちなみに最後のシーンは前回言われていたように広報用の素材撮影です。

切りがいいのでここで3話~7話の総括を。
原作を読んでいても物足りない部分でしたが、アニメでもそれは同じでした。
『マブラヴ』に必要不可欠な『絶望感』や『燃え展開』が圧倒的に不足しています。
演習は唯依の言うように所詮『ごっこ』でしかありません。
番外編である2話であれ程のものを見せてしまったので、余計にそう感じてしまいます。
あとサービスカットを入れる余裕があるのなら、
カットしないで欲しいシーンがたくさんあったのですが・・・。
全体的に説明不足が目立ちます。
さて、次回からはまた『マブラヴ』らしい話になります。
原作で一番好きな部分です。
だから余計なサービスカットなど入れずにしっかりと作って欲しいな~と強く思います。
予告で声が聞けた○○○○さんの登場、今から楽しみです。

最後に7話で印象に残ったことを。
唯衣姫のケツがエロ過ぎる!
あの作画に全てを注いだんじゃないかと思うくらい、いい絵でしたw
・・・ああ、真面目に書いた総括が台無しに。

【第6話】《夏だ!海だ!水着だ!・・・無人島ツアーもあるよ》
今回は『環境耐久試験』が行われるカリブ海に浮かぶ島が舞台。
環境耐久試験とは熱帯や極寒の地で戦術機の性能がどの程度落ちるのかを確認するものです。
忙しいのは主にメカニックの人たちでパイロットはそれ程やることがありません。
なので完全にリゾート気分。
いや~、見事に水着回ですねw
これがアニメオリジナルだったりしたら怒りも感じるのだけど、しっかりと原作にある話です。
だからもう仕方ないと諦めるて楽しむしかないw
戦術機がもっと見たいぞ!とか、2話の雰囲気が懐かしいぞ!という人は、
そろそろ切ろうかなと思う頃かもしれませんが、早まってはいけません。
8話からは面白いと思います(原作通りなら)。
なのでもうちょっと辛抱しましょう。
それにしても後方はのどかですねw
最前線の悲惨さが嘘のようです。
BETAは空を飛ばないし、ミサイルのような遠隔地を攻撃する手段もありません。
だから後方が急襲される恐れはないんですよね。
さて、話の方はなんだかんだで無人島に辿り着きました。
美女ふたりに囲まれたユウヤが羨ましいw
この3人、いったいどうなるのでしょう?
次回予告からすると一線を越えてしまうのか!?
・・・って言うか、予告狙い過ぎw

【第5話】《ユウヤの異常な愛情・・・ または彼は如何にして反抗するのを止めて94セカンドを愛するようになったか》
ユウヤの目が怪しい・・・。
『不知火弐型』を見つめる目がw
ハーレムには目もくれず、彼はこのまま戦術機LOVEな男になっていくのでしょうか?
さて、ユウヤVS唯依の第2ラウンド。
今回はユウヤの方に味方したくなります。
だってベースになっている機体が『不知火壱型丙』ですから。
唯依が語ったように現場からの要求に答えて思いつくままに改修を重ねた結果、
とんでもなく反応がピーキーで燃費も悪くなってしまったという曰く付きの機体。
そのせいで100機くらいしか生産されませんでした。
だから『ベテラン衛士しか乗りこなせない』とユウヤが言ったのはほぼ正解。
そういえば第2話で唯依たちを助けに来た教官が乗ってましたね。
さすがにうまく乗りこなしてましたが・・・。
で、これをアメリカの技術でアップグレードしようというのがXFJ計画。
今回登場したのは『不知火弐型フェイズ1』。
外見は壱型丙とまったく同じ。
中身の部品をより性能のいいアメリカ製に変えているだけです。
『フェイズ1』という名が付いていることからも分かるようにこれはまだ完成形ではありません。
『フェイズ2』の登場はもうちょっと先になります。
さて、来週は○○回か・・・。

【第4話】《やっぱりアラスカは寒いね・・・という訳で湯気多め》
さあ、始まりました。
ユウヤと唯依の言い争いがw
知ってはいましたがアニメで見てもいい感じはしませんね、やっぱりw
でも序盤は主人公に共感しにくくするのはアージュ作品では普通のことです。
最初から魅力的な人間であるとこはほとんどない。
そしてここからいろいろな人に出会い、様々な経験をして成長していくことになるのが常道です。
この先ふたりの行く先には何が待ち構えているのか?
とりあえずは観る側も今の状況に辛抱しながら見守ることが重要です。
さて、本編が始まって2話目。
おかしなことに気付きました。
チョビが可愛いw
原作ではただギャーギャーうるさいキャラでしかなかったのにw
何か作画もいいし、もしかしてスタッフに愛されてる?w
ロシアっ娘たちの作画もいい。
他が総じて微妙なだけにこの待遇の差は目立ちます。
そういえば第1,2話で頑張り過ぎた影響は第6話まで出るらしいです。
ということは第7話からはクオリティアップが望めるのか?
ま、期待しないでおきましょうw
今のところ原作から大胆なカットが行われてます。
話の繋がりとしては十分だと思うのですが、
今後の展開を考えると残しておいた方が良かったのでは?と思うところがあり、わたし気になります。

【第3話】《拝啓、大原さやか様・・・僕はあなたの声を聞いているだけで》
本編開始。
舞台はアラスカに。
分かってはいましたが、全く違う話になりましたw
BETAに侵略されていない地域のどこかのんびりとした雰囲気は、
第1話前半の京都の様子と似てますね。
ただこちらは軍事基地。
集まっているのは各国のエース級衛士と敏腕メカニック。
ぬくところではぬいて仕事はキッチリという感じでしょうか。
原作既読者としてはやや緊張感に欠ける展開が続く序盤の出来が心配だったのですが、
活字で読むよりもアニメの方がずっと面白く感じます(ストーリー自体の面白さは別として)。
ということで今後にも大きな期待をしたいところなのですが、
3話にして監督が交代してるんですよね。
アニメスタッフの中では稲垣さんがもっとも『オルタ』の世界に詳しかった為、
いろいろと負担が大きくなり過ぎたというのが表向きの理由らしいです。
現場を離れるわけではなく、脚本や絵コンテに専念するということですが、
序盤でのこうしたゴタゴタはあまりいい感じはしませんね。
さて、主要キャラの声には殆ど違和感がありませんでした。
というか大原さやかさんの声が好き過ぎるw
この人の声を聞いているだけで昇天しそうな私がいる。
何でうちのかみさんはああいう声じゃないんだろう・・・。

【第2話】《いい『オルタ』だった・・・来週からは新番組『トータル・イクリプス』をお送りします》
『帝都燃ゆ』が終了。
最初は1話くらいの分量で作る予定だったこのプロローグ。
しかし出来上がった初稿のシナリオは何故か4話分。
さすがにプロローグとしては長過ぎだろうということで2話に縮めたらしいです。
ちょっとエピソードにブツ切り感があった(特に前編)のは、
この辺に原因の一旦があるのかもしれません。
戦術機のCGは相変わらず低予算の割りには良く頑張っています。
可動兵装担架の展開とか見ていてワクワクしました。
そして武御雷の登場シーンはただただ神々しかった。
BETAの動きは大体思った通りで良かったです。
あの圧倒的な物量で迫ってくる怖さを理解してもらえたはず。
ただ光線級の描写に不満が。
短いインターバルでレーザーを放ち、殆ど外すことがないというのが光線級の脅威。
それなのに演出の都合なのか結構外しまくってました。
こうした設定は兵器の開発が戦闘機から戦術機へシフトするきっかけとなった重要なものなので、
もうちょっとしっかりと描いて欲しかったものです。
さて、いよいよ来週から本編が始まります。
原作通りなら今回のようなグロシーンは今後殆どないはずです。
それを安心と取るか、物足りないと取るかは人それぞれだと思いますがw

【第1話】《始まった・・・けどこれは『オルタ』だよね》
いきなり原作にはないアニメ・オリジナル話。
まあ、原作通りに始めたら話がさっぱりわからないでしょうから、
主人公のひとり『篁唯依』の過去を見せながら世界観の説明をするのは良かったと思います。
それでも『オルタ』初体験の方には疑問だらけだったと思いますがw
とりあえずは30年以上も地球外生命体『BETA』と戦争をしていて、
『戦術機』と呼ばれるロボットが兵力のひとつとして使われている世界だと分かればそれで良いのでは。
・・・と言いつつも、もうちょっとうまいやり方があったのでは?と思わざるを得ないです。
これでは掴みとしては弱すぎますし。
そもそも試写会では2話まで続けて見せているんですよね。
だったら初回は1時間でやった方が良かったのでは?・・・
一方で、動く戦術機がカッコイイ!
もともと戦術機のデザインが凄く好きだったわけですが、
アニメで見て改めてその造形の良さを認識しました。
戦術機見たさに5回も続けて観てしまったw
次回は京都防衛戦!
戦術機大活躍!の回だといいのですが、違うだろうな~きっとw
いずれにしても楽しみです。
最後に一言・・・人物作画、もう少し頑張ろうw
アップの絵はいいんだけど、それ以外がなあ~・・・。
{/netabare}

【放送前レビュー】《戦術機開発をめぐるアラスカでの熱き戦い・・・敵はBETAか人類か》
{netabare}
かつて、アメリカのレーガン大統領は国連でこう演説しました。

『恐らく人類を一致団結させる為には、外的な、宇宙の脅威が必要なのです。
もしこの世界が外からやってくるエイリアンの脅威に直面したならば、
世界的な差異などというものはあっという間に消えてしまうだろうと私は考えています』

あれから25年、エイリアンは現れず、
その間私たちは絶えず人類同士の紛争を目の当たりにしてきました。
もし今、人類の共通の敵… もっと見るである宇宙人が攻めて来たとしたら、
世界は本当にそれぞれの利害を捨てて一致団結することが出来るのでしょうか?

ここは人類に敵対的な地球外起源種・BETAと30年以上も戦い続けている『地球』。
そこには存亡の危機に瀕してもなお、一致団結出来ない人類の姿があります。
この『地球』の姿を見たら、レーガンはいったい何を思うのでしょう?

さて、『トータル・イクリプス』は『マブラヴ・オルタネイティヴ』の世界観を活かした外伝です。
ほぼ独立した話なので本編の内容を知らなくても大丈夫。
(しかしこの世界の歴史を軽く知っておくとより一層楽しめます)
何故外伝を先にアニメ化したのかというと、本編のアニメ化にはいろいろと障害があるのです。
長編である、口うるさい濃いオタがいる、政治や思想が絡んでいる(ように見える)、
エロゲである、避けて通れない強烈なグロがある・・・などなど。
アニメ化の話は8年くらい前からあったようですが、
こうした理由により制作決定とまではいきませんでした。
そこで今回の『トータル・イクリプス』のアニメ化です。
この作品は『マブラヴ』シリーズの中では最もアニメ向きの作品だと言われています。
確かに可愛いキャラが多いし、登場する戦術機の種類も豊富で、
映像ソフトのみならず、フィギュアやプラモといった立体物の展開もし易いかもしれません。
一方、ストーリー面では激戦の連続である最前線の話ではないということもあり、
本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味で、
物足りなさを感じるという声が濃いオタの間にあることは事実です。
しかし今回のアニメ化に際しては単に原作をトレースするだけの作品にはせず、
『アニメのトータル・イクリプス』を作りたいと言っているようなので、
その辺でのうまいアレンジを(不安もありますが)期待したいところです。
もっともマブラヴオタとしては、
ぬるぬる動く戦術機やBETAがようやく見られるというだけでも十分幸せなのですが・・・。

物語は国際協調をスローガンに戦術歩行戦闘機(戦術機)開発の
情報・技術交換を目的とした計画(プロミネンス計画)が進められているアラスカが舞台。
それぞれの国がそれぞれの事情を抱えてここに集って来る訳ですが、
徐々に兵器開発をめぐる参加各国の政治的介入や、兵器メーカーの思惑、
更にはこの世界に生きる人々の思想や信条などが絡んでいき、
テストパイロットたちはそれに翻弄され始めることになります。
そんな中テストパイロットとして、衛士(戦術機のパイロット)として、
そして人として成長していく若者たちの姿が原作では描かれています。
はたしてアニメではどういう『トータル・イクリプス』になるのでしょうか、とても楽しみです。
放送はテレビ東京系で7月1日深夜スタート。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

わざ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ネットで見た疑問に対する解説(世界観・設定について)

ネットで見た、いろんな疑問に対する解説をしていこうかな、と思います。
ネタバレを避けるために、深くまでは解説しないつもりです。
「分からないところがあってネットで調べたいけど、ネタバレが不安!」っていう人に役立つと思います。
ちなみに私は、マブラヴ(エクストラ~オルタ)プレイ済みです。トータルイクリプスは、漫画を読んでるだけなので、詳しくは知りません。
よって、世界観などマブラヴ作品に共通する部分などの解説です。

{netabare}
・一話:帝都燃ゆ 前篇
{netabare}
Q:BETA(ベータ)って何?
A:簡単に言うと、異星生命体です。どういう目的があってか地球に攻めてきて、人類は非常にやばい状態です。

Q:なんでロボット(戦術機)で戦うの?
A:BETAには様々な種類がいますが、その中で一番厄介なBETAが、光線(レーザー)級と呼ばれるBETAです。その光線級のレーザーの性能は「380㎞離れた高度1万mの飛翔体を的確に捕捉し、30㎞以内の進入を許さない」、だそうです。とりあえずものすごいってことです。これによって、戦闘機、爆撃機などの航空戦力が無力化されたために、高機動力の陸戦兵器である戦術機が使用されているというわけです。

Q:なんで首都が京都なの?
A:この作品の日本は、第二次世界大戦で、1944年に条件付き降伏をしているため、原爆を投下されていません(かわりにドイツに落とされました)。そして、無条件降伏をしていないため、権力のある皇帝が存在し続け、京都が日本帝国の中心となっているからです。

Q:なんで女ばっかなの?
A:男もいます。いますが、とっくに男は徴兵され、前線に送られています。

Q:なんであんなにエロいパイロットスーツなの?
A:このアニメの原作は、小説ですが、その小説の原作がエロゲだからです。一応、羞恥心をなくすため、という設定があります。

Q:日本以外の国は?
A:ユーラシア大陸の国はほぼ壊滅状態といってもいいでしょう。ヨーロッパもかなり押されていたはずです。

Q:核使わないの?
A:使ってます。使ってもこれだけ苦戦してます。
{/netabare}

・二話:帝都燃ゆ 後篇
{netabare}
Q:主人公(唯依)以外死んじゃったの?
A:そのようです。というか唯依は主人公ではありません。まだ未登場のユウヤ・ブリッジスという日系アメリカ人です。

Q:いろんなBETAが出てきたけど詳しく!
A:あんまり長いとあれなので簡単に。
・緑色で硬い甲殻のようなものを持っているBETAが突撃(デストロイヤー)級です。攻撃方法は突進。後ろからの攻撃には弱い。
・大きな腕を持っている白いBETAが要撃(グラップラー)級です。攻撃方法は腕による打撃。顔に見えるものは尾節にある感覚器官です。サソリに近い感じです。
・少し小さめで赤色のBETAが戦車(タンク)級です。攻撃方法はまとわりつき、かじる。物量で押されなければ戦術機の脅威とはなりません。ですが、このBETAに数多くの戦術機が破壊されています。
・黄色く、巨大なBETAが要塞(フォート)級です。攻撃方法は尾節による打撃攻撃など。動きは遅いですが、要塞の名のとおり、高い防御力と攻撃力を兼ね備えています。
・白く、人より少し大きい程度のBETAが兵士(ソルジャー)級です。攻撃方法は、打撃や咀嚼?です。BETAのなかで一番弱いです。また、このBETAにトラウマを持っている方も多いですw
・光線級は、1話のときに解説したので割愛します。
2話まで登場したBETAは、これらだと思います。まぁ、まだいろんな種類がいるんですけどね…

Q:戦術機とか明らかにハイテクなものが存在するのに、戦艦が現役ってどうなの?
A:相手は、人間ではなく航空兵力のないBETAですから戦艦の艦砲射撃は有効なのです。二話では、戦艦が活躍していましたね。ちなみに、この世界では第二次世界大戦で大和級戦艦が沈没しておらず、数度の大規模改装を経て、現役となっています。また、史実では建造中止となったアメリカのモンタナ級戦艦も存在しています。

Q;艦砲射撃が有効なら遠距離射撃をずっと行ってたほうがよくない?
A:無理です。光線級は飛んでくる砲弾をも正確に撃ち落とします。今回、艦砲射撃が有効だったのは戦術機が光線級の数を減らしてくれていたからです。

Q:唯依を助けにきた青い戦術機は何?
A:唯依も言っていましたが、「武御雷(たけみかづち)」という戦術機です。唯依らが搭乗していた「瑞鶴」の後継機であり、最新鋭の戦術機です。
また、日本帝国には「五摂家」(史実で存在した五摂家とは別物です)という政治の中心となっている武家があり、五摂家の者は青い戦術機に搭乗します。(ガンダムでいうシャア専用の赤いMSみたいなものです)
今後、よく登場する機体なので覚えておきましょう。

Q:青い武御雷には誰が乗っているの?
A:これはTE本編にはおそらく関係の無い疑問だと思います。一応、答えておくと、五摂家のうちの斑鳩家の当主が搭乗していたと思われます。彼は、京都防衛戦で斯衛第16大隊の指揮官をやっていたそうなので。

Q:京都攻められて、いきなり3年後に飛んだけどあのあとどうなったの?
A:京都が壊滅したので、遷都し、首都は東京になります。その後も、BETAは侵攻を続け、東京直前まで攻められ、そして膠着状態に。状況を打破するため、とある新兵器が使用され、押し返す。といった流れで3年経ちます。詳しくはマブラヴオルタ本編で説明されます。

Q:次回予告で「ラプター」って出てきたけど、戦闘機じゃないの?
A:現実世界では戦闘機ですが、マブラヴ世界では戦術機の名前となっています。1970年代には戦闘機が全く役に立たないことになってますからね。ラプター以外にもストライク・イーグルやラファール、タイフーンなど世界各国の戦闘機の名前が戦術機につけられていますね。
{/netabare}

・三話:錚々たるユーコン
{netabare}
Q:アラスカのユーコン基地は何してるところなの?
A:国連軍ユーコン基地は、BETAに対抗するため、各国の相互協力などを目的とした基地です。トータル・イクリプスではXFJ計画という日米協同の計画を軸にストーリーが進んでいきます。

Q:輸送機や戦術機が高く飛んでいたけど、光線級に撃ち落とされたりしないの?
A:ユーコンから一番近いハイヴ(BETAの基地か巣みたいなもの)は、ソ連領マガダン州エヴェンスクのハイヴですが、ここからユーコンまでかなりの距離があるので、光線級の射程外のようです。

Q:XFJ計画って何?
A:日本帝国の戦術機「不知火」(二話で教官が乗っていた機体)の改良を目的とした計画です。

Q:模擬戦で戦術機が派手に動き回っていたけど、あんな動きできたの?
A:まず、前回までとは戦術機が違います。二話まで主に登場した機体は、「激震」と「瑞鶴」の二つです。三話で登場したのは「F-15E ストライクイーグル」と「F-15ACTV アクティブイーグル」です。前者の二つは、第一世代機といって、機動力よりも装甲を重視しているのですが、後者は第二世代機であり、装甲を減らし、機動力を重視した機体となっているため、第一世代機よりも遥かに高機動なのです。あとは衛士の操縦技術の差でしょうか。

Q:対人訓練って意味あるの?
A:対人訓練でも、戦術機の操縦技術向上には効果が得られます。また、ブリーフィング中にイブラヒム中尉が言っていた「CASE:47」は、対テロリスト用の演習プログラムです。このような世界情勢ですし、各国政府に不信感を抱いている人も少なくはないでしょうから、対人訓練もある程度は必要だと思われます。

Q:唯依はユウヤの操縦のどこに失望したの?
A:これは、次の話で明かされると思いますけど、ユウヤが突撃砲をパージした後のタリサの近接攻撃をよけるところを見直せばわかると思いますよ。
{/netabare}

・四話:朧月の群れ
{netabare}
Q:吹雪って?
A:1997年に配備された高等練習機であり、不知火の多くのパーツを流用しています。主機出力は低めですが、武装化すれば、実戦での使用も可能です。

Q:イーニァとクリスカが乗っていた戦術機は何?
A:ソ連の「Su-37UB チェルミナートル」ですね。ソ連の第二世代機「Su-27 ジュラーブリク」を準第三世代仕様にアップグレードした戦術機です。二人が搭乗しているのは、複座型コックピットを搭載したもので、前席(イーニァ)がガンナー、後席(クリスカ)がドライバーです。

Q:今回出たBETAってシミュレーションかなにか?
A:今回の戦闘は、JIVES(ジャイブス)というシステムを使ったシミュレーション訓練でした。JIVESは、戦術機の実機を使います。また、弾薬消費による機体重量変化など実戦におけるあらゆる状況をシミューレートすることができ、より実戦に近い訓練が可能です。

Q:ユウヤはなぜ日本の戦術機を乗りこなせないの?
A:戦術機は開発した各国の運用思想によって、特性が変わってきます。
日本の場合は、起伏の多い地形があり、そのような環境の中での運用を考慮して急激な加減速にも耐えうる設計がなされています。また、頭部の大きなセンサーマストなど日本機は突起物が多いですが、その突起物を利用し、機動制御を行います。これは、稼働時間向上のための工夫であり、日本製戦術機の大きな特徴です。
それに対し、アメリカ製戦術機では、機動制御を跳躍ユニットだけで行なっています。ユウヤは、日本を毛嫌いしていることもあり、日本製戦術機の特性を理解しようとせず、アメリカ式で無理矢理に吹雪を操縦しているため、乗りこなせていないのでしょう。

Q:ユウヤは実戦経験がないの?
A:ありません。
ユウヤが特別というわけではなく、米軍衛士は対BETA実戦経験がない衛士が多いです。なぜなら、アメリカ大陸は、1974年にBETAユニット(BETAの宇宙船みたいなもの)が落着しましたが、一年前の中国の惨状(1973年に中国にBETAユニット落着)を見ているため、BETAユニット落着とほぼ同時に戦術核を集中運用し、BETAを殲滅しました。それ以降、地球に飛来してくるBETAユニットは、核兵器で迎撃しています。

Q:最後に出てきた戦術機は?
A:XFJ計画の主役である「不知火 弐型」です。次回に期待しましょう!
{/netabare}

・五話:正しき資質
{netabare}
Q:冒頭の訓練の洞窟みたいなの何?
A:あれがハイヴ内部です。ハイヴへの侵入に成功した場合、あのように横坑(ドリフト)と呼ばれる通路を通り、最深部の反応炉へ辿り着き、破壊することが、ハイヴ攻略の目的です。

Q:今BETA何やってんの?
A:BETAは常に進軍しているわけではありませんし、前線では、一生懸命BETAの侵攻をこれ以上広げないように、間引き作戦を行なっています。

Q:二話は、青い武御雷だったけど、唯依の武御雷は色違ったけどなんで?
A:作中で「インペリアルロイヤルガード」って出てきましたね。帝国斯衛軍のことです。武御雷は、斯衛軍用の戦術機なのですが、武御雷及び瑞鶴の色は、衛士の出身の家の格によって変わります。
最上位が、「紫」、政威大将軍が搭乗。
次が「青」、五摂家の者が搭乗。(二話の最後で登場)
次が「赤」、五摂家に近い有力武家出身が搭乗。(一、二話の小隊長)
次が「山吹色」、譜代武家出身が搭乗。(唯依)
次が「白」、武家出身が搭乗。(一、二話の訓練兵らなど)
最後が「黒」、武家以外の一般衛士が搭乗。
基本的に上位の機体のほうが性能が高いです。
{/netabare}

・十一話:BETA進撃
{netabare}
Q:重光線(レーザー)級って?
A:中国の実験小隊のメンバーが「重光線級」と言っていましたね。トータル・イクリプスではまだ未登場です。今後登場するか分かりませんが、一応解説しておきます。
簡潔に説明すると、名前のとおり光線級の強化版みたいなBETAです。光線級、重光線級の二つをあわせて「レーザー属種」とも呼ばれています。
全高は21mと戦術機より大きく、レーザーの威力も光線級よりかなり高いです。レーザーの発射インターバルは36秒。このように強力なBETAですが、生産コストが高いBETAのようで量産はされていないようです。

Q:電磁砲を爆破できないなら、BETAに喰わせればよくね?
A:確かにそうすることでソ連への情報流出は防ぐことができますが、その代わりに、BETAに情報を明かすことになってしまうのです。
BETAはああ見えても学習し、対策をしてくることがあります。例えば、BETAは当初、地球に来たときは、光線級が存在しませんでした。よって、航空戦力を用い、戦局を優位に進めていた人類ですが、航空戦力に対抗した光線級の出現によって、航空戦力が無力化されたのです。このように電磁砲への何らかの対策をとってくることが考えられる以上、BETAに最新鋭の兵器の情報を与えるのは危険なので、最後の手段にしたいですね。
{/netabare}

・十五話:追い縋る十字架
{netabare}
Q:最後に出てきたラプターって何?
A:アメリカが開発した第三世代戦術機で、高いステルス性が特徴の機体です。ステルスなのは実在するラプター戦闘機と同じですね。
また、ラプターは、ステルス性能が高いだけではなく、他の第三世代機を圧倒するほどの機動力も兼ね備え、正に最強の戦術機といえるでしょう。
しかし、非常に高価なのも特徴で、脚部の設置樹脂のみで第一世代機と同等の価格だそうです。
また、劇中に登場した紺のカラーリングのラプターは先行量産型で、通常型は灰色です。
{/netabare}

・十七話:仄暗き追憶
{netabare}
Q:ラプターのステルス性能ってBETAに効果あるの?
A:BETAに対してラプターのステルス性能は「全く効果ない」です。
それなのに何故ステルス性能なんてついているのか。
それは、アメリカがBETA大戦後の人類同士の戦争を見越しているからです。
BETA大戦が終結すれば、BETA特有の希少資源や枯渇した食糧や資源を求めて、各国同士で戦争になるとアメリカは予想しているのでしょう。
{/netabare}

・二十四話:白い闇
{netabare}
Q:結局BETAとの決着はつかないの?
A:つきません。
TEは戦術機開発の物語であって、BETA戦争が話の主題ではないですから。
二話のような対BETA戦を見たい人は、「マブラヴオルタネイティブ」をプレイするか、オルタがアニメ化するのを待てばいいと思いますw
{/netabare}

・原作ゲーム「マブラヴ」について
{netabare}
アニメを見て、「原作ゲームにも興味が出た!」っていう人はいると思うので少し原作について書いておきます。
トータル・イクリプスはゲーム「マブラヴオルタネイティヴ」(以下、オルタ)のスピンオフ作品です。
トータル・イクリプスでは、戦術機開発に関する物語でしたが、オルタでは、BETAとの戦争が本筋となっていて、トータル・イクリプスのような人類同士の啀み合いはそれほどありません。(対人戦が全くないわけではありませんが)

「それじゃあ、オルタっていうやつをプレイすればいいのか」と思った人! まだ早いです。
オルタには、「マブラヴ」という前作があります。マブラヴには、EXTRA編とUNLIMITED編というものがあります。(最初はEXTRA編しかプレイできません)
EXTRA編は、BETAが存在しない平和な私たちが住むような世界が舞台で、よくある学園モノのエロゲーです。朝は、幼馴染の女の子が起こしに来て…みたいな感じの。
UNLIMITED編は、EXTRA編で特定キャラのルートをクリアするとプレイすることができるのですが、「平和な学園生活を過ごしていた主人公が朝目覚めると、人類とBETAの戦争が起きている世界に飛ばされていた!」という始まり方で、主人公は、変化した世界に戸惑いながらも、BETAとの戦争に巻き込まれていく…というストーリーです。
この飛ばされた世界がトータル・イクリプスと同じ世界であり、トータル・イクリプスよりちょっと後の時間軸です。
大体の登場人物は、EXTRA編からオルタまで同じで、ストーリーも繋がっています。
よって、オルタをきちんと楽しみたいのなら、前作「マブラヴ」からのプレイをお勧めします。
また、オルタには、同じくアージュより発売の「君がいた季節」、「君が望む永遠」のヒロイン達も登場します。
マブラヴとオルタは18禁版と全年齢版がPCにて発売中。
PS3、Xbox360にて両作品とも発売中。
PCの18禁版では、エロ・グロともにあり、その他全年齢版ではエロカット・グロ修正あり、だったと思います。
最後は、宣伝っぽくなっちゃいましたが、原作ゲームに興味を持った方は、ぜひやってみてはいかがでしょう。
{/netabare}


完璧に調べてから書いているわけではないので、間違いがあったら指摘お願いします。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

恋敵だそうです 解ったげて・・

2012年7月1日 - 12月23日TV放送された。全24話。
「マブラヴ オルタネイティヴ」(ギャルゲ)を元にスピンオフ
のメディアミックス展開として制作されたTVアニメ作品。

本編が2001年10月22日を基準にしたSF設定なので平行世界か
時代改変モノとなるのかな。

第1話と第2話は世界観を説明する、TVアニメ版オリジナルの
プロローグとなり、シリーズの特徴である残虐シーンも盛り
込まれていが、テレビ放送では真黒に塗りつぶされている。

1話は世界観とヒロイン達のセイラー服姿での描写があり、
京都斯衛軍衛士養成学校に通う訓練生時代が描かれている。

2話は訓練生だったヒロインが前線に駆り出され・・この戦
いで親友や恩師を失い、たった一人生き残ったという悲惨な
経験をする・・如何にも不気味なクリーチャーが親友を喰う
シーンや頭部が転がる描写が有る。

"グロが苦手な人は絶対に視ない方が良い!"TV版は真黒処理
とはいえ、何が起きているかは"容易に想像できるグロ映像"
等が戦闘の随所に含まれている。

ヒロインが居た部隊はヒロイン以外全滅。その後直ぐに京都
がBETにより陥落崩壊・・此処までがエピローグ。

3話以降は、それから3年後の世界を描く。
※2話で最終回説の強い作品。


日米共同新型戦術機開発チーム"アルゴス試験小隊"に配属に
なった"ユウヤ・ブリッジス"小尉と"篁 唯依"中尉の二人を
軸にしてテストパイロットやメカニック達による熾烈な戦い
や非情で残酷な戦場が描かれる。

序盤は此処のプライドやコンプレックス等の兼ね合いで良く
あるバラバラで歪な人間関係などが描かれる。

因みに映画やアニメで多少誇張があるが・・上官に初対面で
あからさまに不快感ではなく敵意剥き出しなのはアニメ的。
的確に御託を並べる感覚があれば"唯依"に言われて当たり前
の事を上官で開発者としてそのまま言われているだけ・・

ユウヤ・ブリッジスは質の悪い厨二みたいだ・・精神が12歳
~15歳程度にしか感じない・・エリートとは到底思えない。
ディスティニーのシン波のワースト。年齢がシンより上なら
ユウヤがNo1確定。 後は後半に蟠りが消え成長する可能性
の分だけはシンよりマシ程度。
グロ等もそうだけど終始過剰な演出でピーキーに煽る傾向。
そういう如何にもな誇張や人のグロ精神が苦手な人も注意。

キャラデザは萌系でやや綺麗系とロリ系のMix。デティール
はやや高めで個性や表情も良く出ている感じ。 メカデザは
それなりに個性があって動きも良い感じ。カット割等演出は
矢張り基本的にピーキーな雰囲気を煽るアングルなども含め
作風としては一貫性があるかなと思う。

その分兵士の休日的な余暇はこれ又底抜けに陽気でアメリカ
のミリタリー映画っぽいイメージ。トップガンの見過ぎか?

国家間のイニシアチブの取り合いや連合してても他国の兵器
がボロクソにやられると「ざまみろ」我が国こそ先進国で優秀
な「民族!!」的な表現も多い。

似た傾向の作品は結構あるし特別なものは無いのでグロ映像
やピーキーで厨二な主人公が浮いて印象に残る様な感じ。
それでも主人公中心に収束する辺りが如何にも元エロゲ風。

敵の進撃が常にワンパターンの描写で何とも言い難い・・
1クール丸々成長しない世間知らずのお子様主人公と同じ。
13話でまた調子ブッコキのドヤ顔でラブコメとかギャグ。

内容だと視聴層は小学生向け。総合的には中学生だけど・・
一部表現や映像は高校生にもどうか?疑問符。大人には・・
稚拙過ぎて見処が映像や音など世界観中心になりそう。
そのバランスだと矢張りグロとバカ台詞が際立ってしまう。

折り返しは敵との人類存亡をかけた劣勢で悲壮な戦況の最中
で思想だの政治だの人間同士の醜態の王道展開の中でユウヤ
が全ヒロインに惚れられて・・色んな死を見ても成長しない
ユウヤを皆が「変わった」「成長した」「何かを期待させる」等の
テンプレ大絶賛・・その周囲に居るメインがクライマックスに向かって我こそ主役だとカオス展開。2期でもやる気か?

結局着地できず。



良くも悪くも「音楽制作 - avex entertainment」
ハードなSF風メカ系(ロボ兵器)バトルアクション等世界観に
良く馴染んでいるように感じた。倖田來未は結構聴いた。


OP「Go to the top」作詞・歌 - 倖田來未 (2話~19話)
※第1話ではエンディングテーマとして使用された。

OP「Doubt the World」歌 - 栗林みな実 (2O話~24話)

ED「signs 〜朔月一夜〜」歌 - 栗林みな実 (2話~19・24話)

ED「スノウメヰデン」歌 - 美郷あき (17話) 
※第24話では挿入歌としても使用された。

ED「Revise the World」歌 - ayami (20話~23話)

挿入歌
「NO PLACE LIKE A STAGE」 歌 - GRANRODEO (第3話/第16話)
「True 4 Eyes」 作詞・歌 - 栗林みな実 (第4話)
「Apocalypse of Destiny」 歌 - ayami (第5話、第23話)



ユウヤ・ブリッジス:小野大輔
アメリカ陸軍戦技研部隊からアルゴス試験小隊に転属
少尉。コールサインは「アルゴス1」。米日人のハーフ。
幼少時に受けた差別から日本に異様憎しみと差別観が有る。

篁 唯依:中原麻衣
アルゴス試験小隊配属。日本の譜代武家出身の女性士官。
日本帝国斯衛軍装備実験部隊「白き牙中隊 中隊長で中尉。
「XFJ計画」日本側開発主任。新型戦術機の開発に関わる。
戦術機操縦技能も極めて優秀で、徒名は「ユイ姫」

タリサ・マナンダル:野川さくら
陽気で活発で喧嘩っ早い気性の荒いネパール陸軍の少尉。
コールサインは「アルゴス2」勇猛な山岳民グルカ族出身。
童顔で小柄な体形であることから徒名が「チョビ」と定着
戦術機操縦は非情に優秀だが勘と感覚に頼った操縦を行う。

ヴァレリオ・ジアコーザ:浜田賢二
アルゴス試験小隊所属。イタリア共和国陸軍の少尉。
コールサインは「アルゴス3」小隊の潤滑油的な役割の存在。高い機動性や状況判断能力でベテラン衛士以上の腕を誇る。
ラテン系特有の軽いノリで女好きだが、面倒見が良い。

ステラ・ブレーメル:大原さやか
コールサインは「アルゴス4」スウェーデン王国陸軍の少尉。
的確な判断力と高い狙撃能力を持つテストパイロット。
彫刻を連想させるようなナイスバディの巨乳を持つ美貌。
穏やかな性格で茶目っ気も有るが、茶化されると怒る。

ヴィンセント・ローウェル:杉田智和
国連軍戦術機実験評価部隊配属。アメリカ陸軍の軍曹。
メカニック担当。世界でも屈指の非情に優秀な技能を持つ。
快楽主義で女好き。人に対する細かな気遣いを忘れない。
実は努力家。不知火・弐型の整備主任を務める。

イブラヒム・ドーゥル:小山力也
アルゴス試験小隊率いる指揮官。トルコ共和国陸軍中尉。
元トルコ陸軍の精鋭・第94戦術機甲大隊「コブラ」の衛士。
元アルゴス1。常に部下の安全を最優先に考えている。


クリスカ・ビャーチェノワ:生天目仁美
ソビエト連邦陸軍の実験部隊・イーダル試験小隊に所属
Su-37UB「チェルミナートル」搭乗テストパイロットで少尉。
ユウヤ達アルゴス試験小隊の面々とライバル関係にある。
排他的で交流がない精神的に不安定な部分を垣間見せる。

イーニァ・シェスチナ:能登麻美子
ソ連軍イーダル試験小隊所属テストパイロットで少尉。
クリスカとともに“紅の姉妹”の異名で呼ばれている。
幼い外見から想像できない高い戦術機操縦能力を秘めてる。
熊のぬいぐるみ「ミーシャ」を大切にする等、幼さもある。

イェジー・サンダーク:斧アツシ
イーダル試験小隊の指揮官。ソ連戦術機開発を率いてる。
エリート部隊の中央戦略開発軍団に所属の中尉(大尉相当)
極めて有能で冷徹で目的達成のためなら手段を厭わない。

フィカーツィア・ラトロワ:本田貴子
ソビエト連邦陸軍精鋭部隊・ジャール大隊を率いる中佐。
歴戦の勇士で特にロシア被支配民族の人々の英雄的存在。
愛機はSu-37M2「チェルミナートル」既婚者で息子がいる。


レオン・クゼ:羽多野渉
アメリカ陸軍第65戦闘教導団"インフィニティーズ"少尉。
ユウヤと同じハーフで「日系人としての誇りを持っている」
日本人を侮蔑するユウヤの元同僚で非常に険悪な間柄。

シャロン・エイム:田中理恵
アメリカ陸軍少尉。「山猫」の異名を取る凄腕の女性衛士。
ユウヤの元同僚で元恋人。現在レオンと恋人関係にある。
鋭い洞察力を持つ。陽気で世話好きであるが勝ち気な性格。

ガイロス・マクラウド:竹内良太
アメリカ陸軍少尉。特務隊"インフィニティーズ"の一員。
筋肉質な体格で無骨かつ寡黙だが気遣う余裕も併せ持つ。

キース・ブレイザー:松本忍
アメリカ陸軍中尉。特務隊"インフィニティーズ"小隊長。
沈着冷静冷徹な人物。癖の強い部下を纏める。

フランク・ハイネマン:津田英三
「プロミネンス計画」技術顧問。謎めいた部分が多い人物。
ユーコン基地出向中のボーニング社戦術機開発部門重役。

崔 亦菲:石原夏織
統一中華戦線の中尉。暴風試験小隊長。殲撃10型に搭乗。
中華民国国籍。戦術機の射撃/近接戦等操縦技能が優秀。
凶暴で強気で強引な性格。指揮官としての能力も高い。
王 霞鳳(潘めぐみ)李 玲美(赤崎千夏)慮 雅華(三宅麻理恵)
といった部下たちを率いている。

甲斐 志摩子:高橋美佳子
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAにより機体ごと大破死亡。

石見 安芸:藤村歩
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAにより機体ごと大破死亡。

能登 和泉:金元寿子
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAの襲撃で機体を失い死亡。

山城 上総:植田佳奈
京都斯衛軍衛士養成学校訓練生で、唯依の親友の1人。
嵐山補給基地防衛任務中、BETAに包囲された所を唯依に
発見され喰われる前に撃ち殺してくれと懇願するも・・
唯依が躊躇う間に目前でぐちゃぐちゃに喰い千切られる。


指導者(マスター):鈴村健一
「真の平等と人類皆の平等なBETAによる救済」リーダー。
キリスト教恭順派をまとめ上げ、高いカリスマ性を有する。

少佐(クリストファー):稲田徹
元軍人だけで構成された部隊を率いる壮年の男性。
東欧連合試験小隊から奪ったSu-47「ビェールクト」を駆る。

ヴァレンタイン:櫻井浩美
難民解放戦線の実働部隊リーダーを務める女性。

ジゼル・アジャーニ:佐倉綾音
ヴァレンタインの妹。テログループの一員。
国連軍警備部隊の格納庫を襲撃し、兵器などを強奪した。

ナタリー・デュクレール:柚木涼香
ユーコン基地の歓楽街にあるバー「Polestar」の従業員。
幼少期にフランスからカナダへ疎開してきた難民。

リダ・カナレス:ayami
XFJ計画専任オペレーターの1人で、スペイン出身。

ニイラム・ラワムナンド:日笠陽子
XFJ計画専任オペレーターの1人で、インド出身軍曹。
唯依を肴として女性同士の性的な妄想を楽しむり百合傾倒。

フェーベ・テオドラキス:高森奈津美
XFJ計画専任オペレーターの1人で、ギリシャ出身。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

72.3 21 熱いでシリアスなアニメランキング21位
逆境無頼カイジ UltimateSurvivor(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (804)
3775人が棚に入れました
高校卒業後に上京した後、働きもせずに自堕落な毎日を過ごしていたが、借金の保証人になったがゆえに肩代わりをする羽目となり、その返済のために危険なギャンブルの世界に足を踏み入れていく主人公・カイジ(伊藤開司)。
平穏な環境ではただのダメ人間だが、命がかかった極限の状態に置かれると、人並外れた度胸とギャンブルの才能を発揮する――ある種張り詰めた雰囲気の中…。「ざわ…ざわ…」

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

未来は、僕らの手の中

圧倒的面白さっ・・・!
限定ジャンケン、人間競馬、Eカード、あぁそして、くじ引き・・・
人生を賭けたギャンブル、命運分かつ瞬間の歓喜、安堵、落胆・・・
”本当のめくるめく快感は、常軌を逸するからこそ辿り着ける”
バリケードで囲まれた、刺激的な面白さに胸が震えること間違いなしっ・・・!


と煽ってはみてもやはり、こうはなりたくないなぁ・・・と内心
後輩の借金の肩代わりとか、妙に生々しいんですよねぇ・・・
まぁそこはフィクションだと割り切って、物語は賭博主体
人間の薄汚れた本性が垣間見れる種々の心理的ゲーム戦の、あのドキドキ感、ハラハラ感、合わせて、ざわざわ感・・・
ライアーゲームとは違った、泥臭さといいますか、タバコの煙が立ち込める下衆な空気で満たされていて、しかしだからこそより際立つリアルな臨場感、言うなれば、ざわざわ感・・・
カイジに乗っかって、アニメを見ている自分自身もゲームに参加し、思考し、感情を共にしたくなる、異様な引力があります
こういう心理戦系だと、中盤の話で主人公が負けるわけがない、ましてや体のパーツを失ったり、死んだりは絶対しないという安心があって、どうにも興が醒めるのですが
この作品にはそれがない、地に足着かない感じがこれまた私を酔わせてくれます

スタッフ&キャストは基本アカギを引き継いでますね
ちょっと三文字が目立ちますが、堅実な作りです
流れる冷や汗と共に伝わるエキゾチックな緊張感、絡みつくネチネチとした心理描写も、流石は”逆萌え”と”完全ストロングタイプ”をコンセプトにしているだけありますね
萌えと完全に切り離された世界でアニメを作る”逆萌え”
需要を押し切り、独自のスタイルを歩む”完全ストロングタイプ”
アカギの時もそうでしたけど、2007年の美少女アニメ黎明期に、大きな博打を打とうじゃないかというスタッフの心意気にはざわめくものがありますね
キャストでいうと、カイジ役の萩原聖人さんもアカギの流用(ry
アカギ同様、最初はやっぱり声に突っかかるところがあるのですが、そのうち自然になってきますね
他利根川さんや、佐原なんかは癖が残ってますが、まぁなんとか

ざわ・・・ざわ・・・でリズムを作るんじゃないっ!
「未来は僕らの手の中~」とか歌いながらどこまでも降下してくOPのあの不条理さ
あれこそこのアニメの本質でしょうね
とまぁ意味不明なことを口走ってみるわけですが
はっちゃけてるOPも、哀愁漂うEDも、カイジらしい楽曲だと思います

Congratulation!
あれ?s付けn(ry
分単位で心境が劇的に変わっていくサブキャラと、ネジの外れた狂人の敵キャラ・・・
福本キャラですねぇ、見てて飽きません


ざわ・・・ざわ・・・
泥沼の心理戦はやっぱ面白いですね
ん~でもこれはもしかしたら自身に、カイジたちがが恐れ慄く様をテレビの前という安全な場所で見ることで感じる”安全であることの愉悦”てのがあるのかもしれません
ともあれ、これを見れば運否天賦の人生に、勝利への活路が開けるかもっ・・・!?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

未来は僕らの手の中!!

 ブルーハーツの名曲「未来は僕らの手の中」をカイジ演じる萩原聖人がのカバーしたOPは非常に熱く、作品にとても合っています!
 自らの手でチャンスを掴もうともがく、そんな作品。

 シリーズもの一作目ですので、カイジを観るならこの作品から

あらすじ:
 主人公伊藤開司(カイジ)が友人の保証人となって抱え、法外な利息により膨らんだ多額な借金…こういった借金を一括で返済するチャンスが与えられるという船「エスポワール(フランス語で希望を意味)」に乗り込み、命のかかった極限状態で頭脳戦を繰り広げる。


 ギャンブルアニメの圧倒的名作。出てくるギャンブルがどれも奥深く、非常に見ごたえがあります。カイジシリーズの人気も納得の面白さです。

 頭脳戦が好きな方は絶対に触れてみるべき作品ですし、別に頭脳戦が好きじゃない方でもハマる可能性も十分にあるので、万人におススメ!(ただし、『萌え』とか『kawaii』成分は圧倒的に不足しています。)
 原作愛も感じられる良いアニメ化なので、原作ファンにも勧めしたいです。

以下ネタバレ付き評価詳細{netabare}
♦物語
 今回のギャンブルメニューは
 ・限定じゃんけん・鉄骨渡り・Eカード・ティッシュ箱くじ
 買占めや、声を出さずに落下していく男、焼き土下座…。
 話したくなるような展開目白押しです。セリフも名言多し…。

 ただ、個人的に残念なのは、「ティッシュ箱くじ」のしょうもなさ…。
 なんも凄いとも深いとも思えなかったです…。それまで、凄くよかったのに…。
 
 一期観たら、二期も絶対観た方がいいですね!

♦キャラクター
 福本作品の主人公キャラとして、「アカギ」がいますが、今回の「カイジ」は、彼ほど強くはなく、甘いところもある人間臭いキャラとなっています。損してしまうような優しさに加えて、土壇場で閃く勝負強さ、きっと観てるうちに皆好きになってしまうような魅力がカイジにはあると思います。 利根川も名言多いですし、キャラも文句なしな作品です。

♦声優
 文句なし。原作との違和感あまりなし。演技の熱量は最高です。
 カイジ演じる萩原聖人さんは、アカギも演じられているんですが、演じ分け完璧です。ちゃんと人間臭いカイジが表現できています。
 佐原とか利根川は声優でなく俳優を起用しているので、正直演技がうまいわけではありませんが…(滑舌が悪いですし、佐原は声質が合ってない気もします。)。渋い感じはするので良いと思います。

 ちなみにモブキャラに大量に中村悠一がいますw
 ざわ…ざわ…もしっかり再現

♦作画・音楽
 作画も文句なし。音楽はOP「未来は僕らの手の中」が好きです。
{/netabare}

 一期観て気に入ったなら、二期である「逆境無頼カイジ 破戒録篇」も絶対観るべきです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ざわ・・・ざわ・・・

刃物のように鋭利な顎と鼻が特徴的な作画。
知らぬ間に借金を負った主人公、カイジ(伊藤開司)が、借金返済を求められるが、返せる金を持っていない。
そこで、借金をチャラに出来る、上手く行けば儲ける事も出来るチャンスを与えると言われ、その誘いに乗る事から、物語が始まる。

エスポワール号という船の中で行われる『限定じゃんけん』で星を集めるゲーム。
{netabare}そのゲームで騙され騙され裏切られ、それでもカイジは人を見捨てない。
その為、借金は膨らみます。

次に待ち構えていた借金返済のチャンスは『鉄骨渡り』。
最初は、高さ5メートルぐらいのところの橋(幅は足1つ分より少し幅がある程度)を渡るというもので、1位になりたければ、前を歩くものを突き落としても良いというゲーム。落ちても骨折程度で済む。

この予選を抜けた者が本番、建設中のビルに鉄骨を掛け、高さ74メートル、落ちれば即死。しかも鉄骨にしがみつく事は許されず、常に鉄骨には電流が流れている。
次々に落ちて行く中、カイジとバイトの後輩である佐原のみ。
その佐原が何とか橋を渡り切り、ゴールであるビルの中へ入ろうとドアを開けるが気圧差による突風に吹き飛ばされ落下。
それを見たカイジは絶望するも、そこに1つの希望、夜でしかもゴール手前で横等見る余裕の無い中、見つけたそのガラス張りの階段を発見したカイジはそれを上り、見事ゴールするも時間切れ。

しかし当然、ここで引けるはずもなく、相手の不手際を指摘する事により、新しいチャンスが生まれる。
『Eカード』というゲームで勝てば賞金を得れる。
金を持っていないカイジが賭けるものは耳。
金の代わりに針が耳(鼓膜)に向かって進むというもの。
対戦相手は利根川、ゲーム主催者側のNo2。
その利根川はいかさまを使っていたが、それを看破し、そのいかさまを逆手に取り、何とか追いつく。
その後は心理戦で勝ち、ゲームにも勝つ。

だがここでカイジはゲームを辞めず、主催者である平藤会長に挑戦を申し込む。
ゲーム内容は、またいかさまをやられたら敵わないという事で、カイジが決める事に。
ゲームは非常にシンプルで、ティッシュ箱に印の書かれた当たりをどちらが先に引くかというゲーム(はずれたくさん)。
賭ける金額は1億だが、カイジはその額を持っていない為、指1本に付き2000万という破格でゲームが行われるが負けてしまい、指を切断される。
{/netabare}

作画と内容から、かなり人を選ぶ作品だと思います。
個人的にはとても面白かったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

78.5 22 熱いでシリアスなアニメランキング22位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (582)
3141人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ようやく見るに至る

再放送されていたのを見たことはあったが、追っていたわけではなく、話の内容はほとんど知らないも同然だった。
しかし、アマゾンプライムビデオにいつの間にかあったので、見ることができた。

何かと葛藤が多いし、割と人がばんばん死ぬんやなあ。思っていた以上にシリアス。潜水艦離脱からの中だるみしたのか無人島漂流。いつの間にかグランディス、サンソン、ハンソンが良い奴になってるし。キャラソン一挙放送みたいな謎回もあるし。ツッコミどころありすぎ。
さらに気づいたら、最終話に向けて一気にシリアス展開。僕の大好物である後日談も交えて、最終的にはしばらくロスに至る自分史に残る作品だと感じた。本当にずるいよ。庵野秀明。最後の脱出とか、あれだけで泣けてしまうよ。
{netabare}エレクトラがひっそりとネモとの間に子供まで作っているのはたまげた。サンソンはグランディスだと思っていたのに、まさかのマリーと結婚しているのもびっくりだわ。{/netabare}
褐色露出多めヒロインも当時も現在でも斬新でありですね。NHKも共同制作に入っているわりにはやりたい放題やっていたみたいね。なんにせよジャンとナディアがハッピーエンドを迎えられたのは良かった。

鷹森淑乃の声も良かったし、貞本義之のキャラクターたちみんな良かった。

人を殺すくらいなら殺されたほうがまし。とは言うけど、人殺しに自分だけで済むならまだしも、自分の大切な人が殺されても平気でいられるのだろうか?殺人は駄目なのは当たり前だけど、正当防衛というものがある。

23話には驚かされた。あれが例の嫉妬に狂った女エレクトラなのか!背筋がぞくぞくした。まじでとんでもないな。
{netabare}ナディアがネモの実の娘でそっちに愛を注がれるのは嫌だから殺そうとするなんて。清純で冷静沈着なお姉さんだと思ってたのに。挙句、自殺未遂ですよ。これじゃあ、単なるメンヘラですやん。ネモの圧倒的な漢気で全部解決。
嫉妬描写が多いグランディスのほうがやりそうなのに。あ、でも、グランディスのほうが気持ちいいほど分かりやすい性格しているから大丈夫やな。お嬢様育ちとは思えない。料理上手だしね。結婚詐欺の被害に会って、財産も勿論だが、ほぼ全てを失うという悲しい境遇を乗り越えているから強い。{/netabare}

ナディアが肉食を嫌う。科学、文明を嫌う。菜食主義って文明社会でないと達成できないよなあ。なのに、無人島に漂流したとき、自然と共に自分は生きていくだなんて矛盾を抱えている。食糧を盗むことでしか生活できないなら、自然と共生しているとはとても言えない。人間は自然の中では生活しきれないからこそ、文明を作りあげてきた。この便利さからは逃れられない。

子鹿を殺したことを責めるが、ライオンとかは子供を狙うじゃん。動物を殺すのは駄目でも植物は許されるのか?肉食動物が肉を食べることを知らないし、卵が動物の生まれる前の段階なのにそれは食べることができる。一見ヴィーガンのようだが、違う。そもそも僕はヴィーガンの思想自体理解しきれない。菜食主義でも肉を無理矢理食べると感動して菜食主義を辞めたくなるらしい。肉食には抗えない。人間も動物だからね。自分のポリシーとして貫くぶんには構わなくても、人に押し付けてはダメ。おいおい蚊は殺してもええんかーい!!過去のトラウマはそう拭えないもんだね。後日談でも断固として食べてないし。

ナディアは思春期特有かもしれないけれど、非常に面倒くさい。自分の過去を振り返ってもそう思う。なんでこんな面倒くさい思考回路してたんだろう?恥ずかしい。だからこそ、ナディアを見るとイライラしてしまうんだなあ。上手に描いているもんだ。腐った物を食べてお腹を壊したところを助けようとしたジャンに感動してしおらしくなったなあ。

ジャンもデリカシーがないなあ。女性の気持ちに鈍感。女性にキスを誰としたとか訊いたらまずいやろ。かくいう僕も女性の気持ち、ましてや人間の気持ちなんて分からない。努力はしているつもり。男子校生活は終わったはずなのに未だにおかわりしてるもんだから、なんだかんだジャンに共感できる。
キングがなんか可哀想。

そして、潜水艦から切り離されたあたりからシリアスからはほど遠いほのぼのとした生活。無人島とか部族とか。ナディアが浮気してしまえるほどの緩さ。いくらなんでもジャンが報われない。

マリーの声を聴くと水谷優子が忍ばれるなあ。

OP
ブルーウォーター 歌 森川美穂
ED
Yes, I will... 歌 森川美穂
この作品が放映されたとき僕は生まれていなかったけれども、曲は聞いたことがあって好きだった。どちらもいつまでもリピートできる気がする良曲。特にED。メッセージ性も強くて好きだな。
他にも大量のキャラソンやら挿入歌やらあるけど、見ている途中で僕もたるんできたので、あんまり印象に残ってない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は、1889年。発明好きの少年・ジャンは、万国博覧会の会場で謎の少女・ナディアに出会う。ナディアに一目ぼれしたジャンは、ひょんなことからナディアとともに冒険へと旅立つことに―。


1. エッフェル塔の少女
パリの万国博覧会にやってきた発明好きの少年ジャンは、セーヌ川の岸辺で見かけた少女・ナディアに一目ぼれ。そこへ、ナディアの持つ宝石"ブルーウォーター"をねらう三人組があらわれる。

2. 小さな逃亡者
ジャンの活躍で三人組から逃れることができたナディアは、ル・アーブルにある彼の家で夜を明かす。ところが翌朝、三人組が万能戦車グラタンでふたたび襲ってきた。ナディアとジャンは、空を飛んで逃げることに。

3. 謎の大海獣
ジャンとナディアの乗った飛行機が故障し海に不時着。偶然パトロール中のアメリカの戦艦に発見され助けられた二人。しかしほっとしたのも束の間、今度は謎の大海獣が現れ、戦艦と激しい戦闘を始めてしまう。

4. 万能潜水艦ノーチラス号
謎の大海獣と戦艦の戦闘中に、海に投げ出され取り残されてしまったジャンとナディア。すると二人の前に最新の装備を持つ潜水艦が現れる。二人はエレクトラと名乗る女性から親切なもてなしを受ける。

5. マリーの島
ノーチラス号に別れを告げたジャンとナディアは、改良してもらった飛行機でフランスに向かう。ところが、突然攻撃を受け飛行機は近くの島に墜落、しかもその島は謎の侵略者たちによって占領されていた。

6. 孤島の要塞
侵略者にマリーが捕らえられてしまった。ジャンとナディアはマリーを救い出すため、島の中心にある秘密基地へ潜入する。二人はそこで、ノーチラス号と闘っていた潜水艦を目にする。

7. バベルの塔
ジャンをかばって囚われの身となったナディア。ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルは、ナディアをなぜかプリンセスと呼び、マリーとキングを人質にして組織への協力を迫る。彼の狙いはいったい何なのか?

8. ナディア救出作戦
グランディスたち悪党三人組と再会したジャンは、ナディアを助け出すため力を合わせることに。ジャンと対面したガーゴイルは、ナディアたちの命と引き換えに、ブルー・ウォーターの在り処を聞き出そうとするが。

9. ネモの秘密
ネオ・アトランティスの基地が崩壊、グラタンで海へと逃げ出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、ネモの判断で救出されることに。そこで、初めてナディアに会ったネモは驚く。

10. グラタンの活躍
ネモの命令で部屋を分けられケンカをしてしまったジャンとナディア。一方、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船カルカロドンを追撃するのだが、逆に地下水道で新型の浮遊機雷に囲まれてしまう。

11. ノーチラス号の新入生
ノーチラス号の窮地を救ったグラタンの活躍が認められ、グランディスたちは見習い乗組員として採用されることに。客員となったナディアも何か役に立とうと、船内の調理場でグランディスを手伝うのだが失敗ばかり。

12. グランディスの初恋
魚料理にあきて不満をもらすハンソンたちを見かねたネモは「狩りの日」をもうけ、ノーチラス号は無人島に上陸。次々島に繰り出す船員たち。その夜、無人島の浜辺でグランディスはナディアに自分の過去を語る。

13. 走れ!マリー
小鹿を狩ったことに激怒するナディアはジャンとケンカ、ほかの船員たちもみんな仕事が忙しく、かまってもらえないマリーはキングと島の探検に出かける。古い線路を見つけたマリーたちだが、迷子になってしまい。

14. ディニクチスの谷
ガーフィッシュを追い、再び海に出るノーチラス号。そんな時、マリーが灼熱病にかかってしまう。そしてナディアまでもが倒れてしまい、二人ともあと2日の命と診断される。病気を治すには特別な薬草が必要だった。

15. ノーチラス最大の危機
ノーチラス号の科学の力にますます感動するジャン、逆に反発するナディア。そんな折ノーチラス号は、ガーフィッシュとの戦闘の最中に損害を受けてしまった。修理をするため海上へ浮上すると、そこには。

16. 消えた大陸の秘密
全ての争いの元となっているブルーウォーターを持つ自らの運命に悩み苦しむナディア。一方、船体修理中に機関部で漏れた有毒ガスにより犠牲となったフェイトたちを埋葬するため、ノーチラス号は海底遺跡へ向かう。

17. ジャンの新発明
父の死を知りその敵を討つためノーチラス号の正式な乗組員を志願したジャンだったが、ネモに断られてしまう。すっかり落ち込むジャンに、ナディアは「またジャンの飛行機で飛んでみたいな」と、彼を元気付ける。

18. ノーチラス対ノーチラス号
度重なる戦闘補修によって資材が不足したノーチラス号は、補給のため南極にある秘密基地へ向かう。その途中、謎の物体に捕えられてしまう。それは何億年も前に生きていたとされる巨大なオーム貝・ノーチラスだった。

19. ネモの親友
南極大陸の地下に広がる秘密基地に到着したノーチラス号。ネモはジャンとナディアをつれてある場所へと向かう。その途中には遥か太古に絶滅した様々な生物たちが、氷で保存された氷の博物館があった。

20. ジャンの失敗
ガーゴイルは空中戦艦を建造し、ネモを倒すため再び動き始めていた。一方、ますます発明に没頭するジャンは、小型ジェット機を造り上げるが、実験に失敗し、その爆発によってガーフィッシュに見つかってしまう。

21. さよなら...ノーチラス号
ガーフィッシュの集中攻撃を受けたノーチラス号だが、逆にガーフィッシュを撃沈。ところが、空中戦艦からガーゴイルの新兵器・スーパーキャッチ光線が発射され、ノーチラス号は空中に引き揚げられてしまう。

22. 裏切りのエレクトラ
海底へと沈んでいくノーチラス号。ネモ船長は乗組員をメインブロックに集め、戦闘ブロックを切り離した。自爆した戦闘ブロックがガーフィッシュを全滅。ネモ船長は、船長室にナディアたちを呼び出し。

23. 小さな漂流者
ナディアたちを乗せた船長室は、ゆっくりと海中を進み、とある砂浜に漂着。しかし島はもう誰も住んでいない無人島。ナディアは、誰も、悪人もいない、この島で生きていこうと決心する。

24. リンカーン島
一夜明け、ナディアは島を"リンカーン島"、漂着した入江を"キャプテン湾"、砂浜を"ナマジャキビーチ"などと命名。科学文明と縁を切って生きていくと、森の中へと行ってしまった。

25. はじめてのキス
ジャンとナディアは、肉を食べるか食べないかで激しく言い争う。肉を食べない!と一方的に宣言し、意地を張るナディアはジャンに対して怒ってばかり。そして、腐ったホウレンソウの缶詰を食べ、寝込んでしまう。

26. ひとりぼっちのキング
人はひとりで生きていられないと感じ、ジャンにあらためて感謝し優しくなったナディア。その様子を見たキングは、激しく傷つき動揺。そして、仲良く寄り添いあうジャンとナディアを目撃し、ついに家出をしてしまう。

27. 魔女のいる島
リンカーン島を激しい台風が襲う。ジャンがせっかく作った小屋は吹き飛ばされ、発明した数々の装置も崩壊し、キングは強風に吹き飛ばされ行方が判らなくなる。台風が去った夜、見慣れない島が流されてきて。

28. 流され島
エアトンがおびえる「恐怖の大王」から逃げるナディアたち。重力異常でいつもより速く走り、高くジャンプすることが出来るのだが、やりすぎて島を一周してしまう。「恐怖の大王」の正体、それは。

29. キング対キング
新しい島での生活をはじめたジャンとナディアだが相変わらず言い争いが絶えず、グランディスはネモへの思いがつのるばかり。そんな中サンソンとハンソンはふとしたことから意見が対立、ケンカになってしまう。

30. 地底の迷路
グラタンの修理が完了する日が近づいていた。目指す場所はアフリカ東海岸だ。ところが蚊が大量発生し作業どころではなくなってしまう。一方ジャンとナディアは不思議な穴を発見する。その穴の中で目にしたものは?

31. さらば、レッドノア
地下にある遺跡で突然壁に吸い込まれたナディアは、島の中の大空洞に浮かんでいた。そこは衛星都市レッドノア――。そしてナディアの前に謎の巨人が現れ、アトランティス人の歴史を語り始める。

32. ナディアの初恋?
潜水をはじめた島からグラタンで避難したジャンやグランディスたち。だが途中でガーゴイルの空中戦艦に攻撃を受け、アフリカにある村に不時着する。ナディアはそこで出会った少年・ハマハマに一目ぼれする。

33. キング救助作戦
キングを捕らえて宝を要求してきたのは、グランディスの初恋の相手で、彼女から全財産を奪った男、ゴンザレスだった。その上、キングを助けに向かったグランディスとナディアまでもが捕われてしまう。

34. いとしのナディア(はーと)
ジャンはサンソンから、歌を作るようアドバイスされ、自分のすべての科学技術を投入して新しい発明に取り掛かる。ところが、発明に熱中しかまってくれないジャンにナディアは苛立ってしまう。

35. ブルーウォーターの秘密
グラタンが到着したナディアの故郷・タルテソス。何かに導かれるように大きな火山湖の中を進んでいくナディア。すると湖水が割れ、謎の地下遺跡が現れる。そこは古代アトランティス人の遺産「ブルーノア」だった。

36. 万能戦艦Ν(にゅー)-ノーチラス号
突如現れたネオ・アトランティスの空中戦艦。攻撃からジャンたちを守るため、ナディアは捕らわれの身となる。だがガーゴイルは約束を破り攻撃を開始する。ジャンたちは、間一髪のところを謎の小型艇に助けられ。

37. ネオ皇帝
ネオ・アトランティスの攻撃により消滅したと思われたN-ノーチラス号は、アフリカ大陸の地下トンネルを使って空中戦艦の攻撃を回避していた。一方、ネオ皇帝の力によりブルーウォーターが発動し。

38. 宇宙(そら)へ
パリ上空で、N-ノーチラス号とレッドノアの戦いの火蓋が切って落とされた。レッドノアの周囲には1億ボルトの電磁バリアが張られていて、内部に突入することができず苦戦を強いられる。

39. 星を継ぐ者
奇跡的に自らの意識を取り戻したネオは、命をかけてナディアを洗脳から解放する。ガーゴイルは見せしめに、エレクトラ、ジャンを次々手にかけ、悲しみに沈むナディアは、ここで最後の決断を迫られる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1度しかない人生、パーッと生きろ!! 良質な愛とJewelの冒険譚をあなたに…

最近、巷では特撮映画『シン・ゴジラ』が大変なブームとなっています。
ゴジラシリーズとしては通算29作目、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに日本純正で作られた映画だそうで、新作を心待ちにしてた特撮ファンの間では久しぶりのゴジラに歓喜の声が多数
また、ここまで一気に知名度が上がった主な理由の1つとしては、スタッフの豪華さが挙げられている事でしょう。
総監督および脚本を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した、トップクラスの人気を誇る庵野秀明氏
特技監督には庵野氏と親交の深い樋口真嗣氏、音楽は鷺巣詩郎氏が担当し、他にも摩砂雪氏、鶴巻和哉氏など庵野作品ではお馴染みの顔である人達の作品を久しぶりに拝見出来るというのも、従来のアニメファンを取り込んだ相乗効果として人気に繋がっているようです。
残念ながら私は特撮については全くと言っていい程、知識が無く、その為スタッフの偉大さについてもイマイチピンときません。
そういった方面には些か疎いので、名前を出されても「聞いた事がある」「○○に関わっている」位の印象でしかなく、「何が凄いのか」「どういったディテールに凝っているのか」など、あまり詳しい説明は偉そうに語れない身なのですが…
しかし、そんな私でも彼らが作り上げた作品の中で1番心に残っている物があります。
それこそ、今日ご紹介するアニメ『ふしぎの海のナディア』です。
こうして私がレビューを書いているという事は、期待していた通りの素晴らしい出来だったという証明と言えるのは間違いありません。
と言う訳で今回は『シン・ゴジラ』放映記念と称しまして、愛と夢の詰まった冒険譚をじっくり語って、盛大に褒めまくっていきます!!
まずは簡単なあらすじから…

汝は冒険者か?
危険と言う名の滝を潜り抜け、その奥に伝説の正体を求める者か?
ならば、我を求めよ……

時に西暦1889年
世界中の海では謎の船舶遭難事故が相次いで起こっていた。
人々は古来より海にすむ怪獣の仕業だと噂し、各国首脳は新兵器による攻撃だと互いに非難し合い、緊張が高まりつつあったその頃…
産業革命以来の急速な産業と科学の発達の中で列強各国は、アジアやアフリカの植民地をめぐって対立し、衝突を繰り返していた。
19世紀末、心ある人々は、迫りくる世界大戦の翳に脅えていたのである……

そんな科学万能主義が世間に良い意味でも悪い意味でも影響を与えていた繁栄期のフランス
そこでは、その「怪獣」とやらが起こした被害によって父親が消息不明になってしまったジャン・ロック・ラルティーグ少年が日々を発明に費やしていた。
彼はめげずに「人生をパーッと生きる」と言う叔父の言葉を胸に、父の生存を信じて今日も健やかに生きている。
さて、ジャンは発明の成果を試す絶好の機会である飛行機コンテストに参加する為、辺境の町ル・アーヴルから大都市パリで開かれている万国博覧会にやってきた。
しかし、コンテストに向けて機体を整備していた折に、彼は自転車でセーヌ川のほとりを滑走する褐色の少女に一目惚れしてしまう。
その少女…ナディアとの出会いこそ、ジャンが大空に、地底に、海中に、そして宇宙へと旅立つ大冒険の始まりだった!!
彼は彼女の持つ宝石…ブルーウォーターを胸に秘め、大切な仲間達と共に壮大な世界の第一歩を踏み出していく…
どんな困難が待ち受けようと、ナディアの手をしっかりと握りながら……


ではここからレビューに入っていきたいと思います。
今作には基になった小説が存在しておりまして、原案はジュール・ヴェルヌ作『海底二万マイル』『神秘の島』と言う有名作品です。
恐らく幼少期に読んだ事がある方も多いのではないでしょうか?
そう、ジュール・ヴェルヌと言えば、子供の頃に読書好きだった方にとっては1度は読んだ事があるであろう作品を数多く手がけた有名人、私のようなSFファンにとっては元祖、始原、神様の如き存在なんです(笑)
なぜなら、彼がいなければSFが生まれる事もなく、空想科学なんて代物が実を結ぶこともあり得なかったかもしれないから…
1つのジャンルの興隆に大いに貢献したとして、SFを語る上では外せないとてもとてもありがたいお方なのです。
しかし、その有名なヴェルヌ先生の名前とその作品名をお借りしておいて大変言いにくい話なのですが、このアニメ、ストーリー展開だけ見るならまるで別物です。
所々、小説に出てきた登場人物がアニメの中で名前として登場して活躍する位であり、キャラ設定や物語はまるで別物
これは狂信的なSFファンからしたら違う箇所のオンパレードで発狂してしまいそうな程の代物ですね(笑)
まあ、「原作」ではないので間違ってないから無問題(日本語って難しい…)
しかし、個人的に作中の織り成す全体的な雰囲気は原案の小説を読んだ時と概ね似ている感じが致しました。
『海底二万マイル』は近代科学、『神秘の島』は自然科学を根底に置いたSF冒険小説であって、どちらも科学技術啓蒙小説である事には変わりません。
読む前の期待感、読んでいる時のワクワク感、読み終わった時の爽快感は計り知れない物であり、したがって登場人物が一部以外違えど、その雰囲気は『ふしぎの海のナディア』でも充分に通じるかと思います。

さて、この物語の概要は既にあらすじで述べた通り、発明好きの少年ジャンがサーカスの少女ナディアと出会う事によって始まるボーイミーツガールストーリーです。
しかし、一般的なこの手のジャンルと一線を画している所がこの『ふしぎの海のナディア』と言う作品にはあります。
それは出会い、仲良くなり、困難に陥り、喧嘩し、仲直りし、また困難に陥り、喧嘩し、ずっと喧嘩し…と、とにかく主人公とヒロインの仲違いがやたらと多い所(主に悪いのはナディア)
私はボーイミーツガールと言うジャンルが堪らなく大好きで、その手の類の作品は良く拝見しているのですが、恐らくいがみ合いの数に関してはこのアニメが1番です。
そして、この作品を観てとにかく感じるのはジャンが凄く良い奴だという事ですかね…
私が彼と同じ立場だったなら、アフリカ編(32話、33話での出来事の総称)でこのヒロインは見限ります(笑)
いやあ、ジャン君、あそこまでやられて大した聖人ですよ、君は……
とまあ、私の反応からも分かる通り、余程の人格者か聖人か、逆に人間の底を知った性格破綻者か狂人でない限り、ましてや一般人なら絶対に彼女の事を性格が悪いと感じるでしょう(勿論、それ=嫌いという訳ではありませんよ!)
しかし、その性格の悪さが上手い方向に作用したのは幸か不幸か、ヒロイン以外のキャラクターも軒並み魅力的に映ってるのがこの作品の大きな特徴です。
主人公のジャンは基より、誰よりも精神年齢の高い幼女マリーや誰よりも人間らしいライオンのキング、グランディス一味のリーダーで恋多き女のグランディス姐御、力持ちの熱血漢で名言宝庫のサンソン兄貴に機械工学の天才でジャンと気の合うハンソン兄貴と、その他にも揃いも揃ってかっこいい、可愛い、美しい、楽しい、面白い登場人物ばかり
また、当の本人であるナディアも島編(23話~31話での出来事の総称。細かく言えばさらに分けられるがここでは割愛)まではおかしくなる事もあれど、気がちょっとばかし強すぎて、多彩な我儘態度を持っていて、少しばかり意地っ張りだけれども、根は寂しがり屋(笑)の女の子と感じられたので、そこまで不快感を感じずに笑いながら観る事が出来ました。
まあ、冗談はともかく、皆を助ける為、自ら囮になったり、死んだ人に向けた墓を命掛けで作ったりと本質は悪い娘ではありません。
なので、だからこそ、アフリカ編が堪らなく惜しく感じるというジレンマ
もしかしたら初見はあの話を観ない方が良いのではないかと個人的には感じてしまいます。(事実、後のストーリーには全く関係ないんです)
まあ、観ても後悔、観なくても後悔の八方塞がりのような物なので、これはもう各々の自己判断で宜しくお願いします。
「一体ナディアは、何を考えて生きているのでしょうか…」
全くもって同感です(笑)

さて、本作は「生と死」「様々な形の愛」「運命のあり方」「異種間同士に交流は成立するか?」など私達に伝えている事が数多くあるアニメです。
そして今作の根幹を成す最大のテーマとしては「科学至上主義は平和を導くか?」という近代から続く科学万能思想に警鐘を鳴らした物
こういった問題について思いを巡らせると、常々、私が最初にレビューした『鋼の錬金術師』と言うアニメを思い出してしまうのです。
あのアニメで軸となっていたテーマも「錬金術という科学が作り上げた魔法のまかり通る世界で、紡がれる科学的探究は果たして幸福へと繋がるのか?」という『ふしぎの海のナディア』と同様の類の産物
科学者の持つ、いや、人間全体が持っている知識の探究の果てにある業を上手くテーマに組み込み、後々にはSF設定と絡めて救われない現実、報われない感情、そしてその「罪」に値する「罰」について赤裸々に、臆することなく、見事に表現したのが『鋼の錬金術師』でした。
それに対して、この『ふしぎの海のナディア』は『鋼の錬金術師』よりも幾分、希望、救いを含めたアニメとなっています。
倫理と科学がいつもぶつかる理由は正に両方が相容れない物
人間が良い心と悪い心を両方持っている以上、科学にも善と悪とができてしまう。
それ自体が世界を跪かせる神の光となるか、世界を滅ぼす悪魔の光となるかは未来を知る者にしかわからない…
しかし、科学を扱っている者は悪魔でも、ましてや神でもない、ただの人間なのだ。
ちっぽけな存在で、間違いを犯す存在で、狂おしいまでに、病的なまでに何も出来ない無力な存在
しかし、だからこそ、科学だけじゃなくそれを創り出した人間自体を信じたい、信じる事しか出来ない…
このアニメは絶望的過程が待っていても「もう少し信じてみてもいいんじゃないか?」と使う人間其の者を「信頼」する勇気を与え、ある観点において、『鋼の錬金術師』とは逆の意味で前向きに捉える事の出来た物だったと思います。

では、存分に語った所で総括を…
私は「スチームパンク」というジャンルをこよなく愛しており、実はそれ関連の物語だと言う噂を聞いて観始めたのが今作へと至るきっかけでした。
しかし、全話観終わった結果、これは「スチームパンク」に収まる話ではないなと断言できてしまいます。
19世紀~20世紀の時代、産業革命以降のヨーロッパが舞台と背景的にはばったり合致
蒸気機関は全く出てきませんが、その代わりに超科学兵器や古代秘密兵器が目白押しに登場してきて、最終的には現代科学も凌駕する発明品ばかりが登場するオンパレード
ライト兄弟が開発する数年前に飛行機を作り上げたり、南極到達を一歩先に登場人物達が行っていたりと歴史改変要素も数多くあります。
だから、どちらかと言うと、このアニメはヴィクトリア朝時代の感覚で見たレトロフューチャーSF作品と捉えた方が上手く実像を捉えてると言えるでしょう。
SF冒険活劇としてはとてもワクワクする、まさしくこれぞ「ジャパニメーション」と呼ぶにふさわしい作品
これが25,26年前、現在から数えて四半世紀前に作られた物だと考えると、いやはや、驚嘆の色しか出てきません。

ただ、これはレビューを書こうと思ったきっかけとはなりません。
なぜなら、それはあくまで「面白い」という範疇に留まる作品であり、私の書く条件となる「心に訴えかけてくる」作品とは少し違うからです。
上記で語ったテーマなども確かに書く理由とはなりましたが、中盤の展開などもあってか、後一歩、後もう少しなのに…という印象がずっとまとわり続けていたのを覚えています。
しかし、最終回になってようやく…
私はこのアニメのレビューを書こうと決めるに値するきっかけを見つけられました。
詳細はネタバレになるので省きますが、要するに、このアニメ、最終回の破壊力が凄まじいのです。
今まで観てきた人なら絶対に損させない、最高のエンディングがあなたを待っています。
製作者の方達は最後、ああいう風に締める事を想定していたんでしょう…
いや、もう、最終回でようやく分かるあの演出の真意は一言でいえばもう、「ズルい」領域です(笑)
私の書いている文章の意味は最後まで見た方なら必ず分かる物
未視聴組の方々にとっては、恐らく喪失感が物凄い事になるかと思うので、観る際には注意してください…

さて、この作品を観ていた最中、私は毎週決まった時間、テレビに噛り付くように観ていた幼少期を自然と想起してしまいました。
誰にでもあった、何かに夢中になっていた時代
ただ、ひたむきに好きな物を追い続けていたあの頃
当時は「追い続ける」事に対して全員が胸を張って応えていたような気がします。
まあ、自分は精神が未だに餓鬼なので、あの頃と全く、何も変わってないような気がするのですが(笑)
しかし、最近は子供でさえ、そういった事に正直でいられない時勢のようにも感じてしまいます。
他人に流され、世間に流され、未来に流され、自らの気持ちに素直でいられない…
ただひたむきに前だけを見つめていた時代とは、少し情勢も変わってしまったのかもしれません……
しかし、だからこそ、こういった昔の情景を思い出させてくれる、とても有意義に楽しめる時間を与えてくれる作品と言うのは貴重であると私は思うのです。
これを観て「好き」を追い続ける事に感化されるも良し!
元には戻れない、過ぎ去りし過去に思いを馳せるも良し!!
ただ、純粋に物語を楽しんで視聴を終えるのも良いでしょう!!!
『ふしぎの海のナディア』を観て楽しんでくれるならば、それで充分。
そして、このように様々な意味の籠っているこの作品は現代だからこそ、是非とも未視聴組の方々にはお勧めしたい作品なのです。

1度しかない人生、純粋な「好き」をこのアニメで追い求めてみませんか?
ここまで読んで下さってありがとうございました。

PS.
この作品ですが、調べてみると実に色々な内部事情に溢れています。
これをレビュー内で書いてしまうのは則さないかな…と悩んだりもしたのですが、他サイトで詳しく説明している記事を見つけたので、URLだけここに記載しておきます。
興味のある方はどうぞご覧になって見て下さい。
もう1つの制作陣が考えていた最終回や、制作現場の裏事情話が垣間見れるので、これを見れば『ふしぎの海のナディア』の見方も変わるかも…!?
http://blog.freeex.jp/archives/51334289.html
http://blog.livedoor.jp/thx_2005/archives/51803823.html

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

褐色の肌をもつナディアが、どうみてもベンガリ顔な件

ここのところ熱いレビューが何本も挙げられて気になっていた本作、取り敢えず完走したのでレビューを挙げておきます。

◆総評

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』が割と好きなので、本作もどちらかというと贔屓目に評価したいのですが・・・1990-91年の制作アニメということもあって、流石にこの作画とシナリオでは、放送当時の評判はともかく、今見ても十分に面白いか?感動できるか?というフラットな評点を付けることにしている私の評価方針では、どうしても低めの評点となってしまいます。

もっとも、本作と同じくNHK製作・放送アニメで、本作よりもさらに古い1978年の作品『未来少年コナン』(宮崎駿監督)に私は ★ 4.1 というかなり高い評点をつけているので、本作に関して、まずそちらとの比較をしてみます。

(1) 作品内容としては、両作とも典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”型のストーリーであり、
{netabare}
 ①割と平凡そうな少年が、ある日偶然出遭った謎の少女に惹かれて、
 ②彼女に振り回されながらも、何者かに追われている彼女を懸命に守ろうと奮闘し、
 ③やがて彼女の信頼を獲得するとともに、周囲に次第に仲間が増えていき、彼女の素性・秘密も明らかになっていく{/netabare}

・・・という展開を取る点も共通しています。

(2) 但し、両作の視聴後の感想として、一番違うのは、

 <1> 『未来少年コナン』には第8話(※{netabare}少女が少年を救うために初めて身を挺する回{/netabare})という圧倒的な ★★★回(=神回)があり、それを境に作品世界にグッと惹き込まれてしまったのに比べると、
 <2> 『ナディア』には(※あくまで私個人の評価ですが)神回どころか、★★回(=優秀回)すら一度もなく、結局シナリオに思わず引きずり込まれる、ということがなかった点です。

はっきりいえば、私は宮崎駿監督の特に後期の劇場作品は、幾ら世間的には名声が確立していようとも、個人的には実は余り高く評価していないのですが、その私であっても、『未来少年コナン』の第8話の思いがけない展開には感嘆せざるを得ませんでした。
それで、本作に関しても、放送当時あれだけ評判が良く、現在でもファンが多い有名作品ということで、きっと『コナン』のような凄い展開があるのではないか?と期待していた部分はあるのですが、結局全39話を完走してもそういった展開には出遭えませんでした。


◆それでも、ナディアはやっぱり青春のヒロインなのかも?

上に、本作は作画/シナリオとも今の水準からみると出来が不十分で、思わず惹き込まれる凄い展開も見当たらない・・・と書きましたが、それでも褐色の肌を持つヒロイン(ナディア)には他のアニメ作品に余り類例のない不思議な魅力がある気がしたのも確かです。
というより、私のナディアの第一印象って「あ、これベンガリの女の子だ!」というものでした。

※ベンガリ(Bengali)←インド東部の西ベンガル州&ビハール州等とバングラデシュ国(旧東ベンガル州)の主要部族(ベンガル族)の人。

本作でも最初のうちは主人公のジャン少年はナディアのことを「インド人の少女」と勘違いしていたのですが、そのうちに彼女の素性が判明して・・・。
←って、ここ、シナリオにケチを付けるのは野暮とは思いますが、アフリカ系とか大西洋・カリブ海系だと、同じ褐色の肌でも、ナディアみたいな顔立ちにはなかなかならないんだよなあ・・・やっぱりどうみても彼女はベンガリ顔ですよ(断言)、何で「{netabare}古代アトランティスの末裔{/netabare}」とか変な設定にするのかなぁ(意味不明)。

・・・ということで、本作に関しては個人的に残念感が強く、余り高い評点にはなりませんでしたが、ナディアは'90年代初期のアニメヒロインとしては例外的にかなり記憶に残る素敵なヒロインである、という点には大いに納得しました。

シナリオの散漫さは・・・制作年代を考えれば仕方ないです。
これから初めて本作を見る方は、ヒロインを見て楽しむ作品と思って諦めましょう。


◆制作情報
{netabare}
原案          ジュール・ヴェルヌ 『海底二万マイル』(海底二万里)
総監督         庵野秀明
監督          樋口真嗣(第23話 - 第39話)
シリーズ構成     大川久男
脚本           大川久男、梅野かおる
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽           鷺巣詩郎
アニメーション制作  東宝・KORAD{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== ふしぎの海のナディア (1990年4月-1991年4月) ==========
{netabare}
第1話 エッフェル塔の少女 ★ 19世紀末のパリ、ジャンとナディアの出遭い、グランディス一味からのナディア救出
第2話 小さな逃亡者 ☆ ル・アーブルのジャン宅へ、ジャン自作飛行機発進・不時着
第3話 謎の大海獣 ☆ アメリカ軍艦エイブラハム号の2人と1匹救助、海獣捜しとナディアの猛反対、交戦・エイブラハム号大破、2人と1匹の再漂流
第4話 万能潜水艦ノーチラス号 ☆ 潜水艦の救助、水中の交戦、離艦(飛行再開)
第5話 マリーの島 ☆ 島への不時着、島への侵略者(ネオアトランティス(NA)仮面部隊)、マリーの父母の死・埋葬 
第6話 孤島の要塞 ☆ 仮面部隊のマリー誘拐、NA秘密基地潜入、ブルー・ウォーターの不意の反応、ナディア投降
第7話 バベルの塔 ☆ NA首領ガーゴイルの野望、殺人兵器「バベルの塔」発射実験
第8話 ナディア救出作戦 ☆ ジャンとグランディス一味の協力、潜水艦ノーチラス来援、ナディア救出・NA秘密基地壊滅
第9話 ネモの秘密 ☆ ノーチラス(NC)号船長ネモとの対面、二つのブルー・ウォーター(ナディア&ネモ)
第10話 グラタンの活躍 ☆ ノーチラス号への機雷攻撃、ガーゴイルからの入電、万能戦車グラタンの機雷排除成功  
第11話 ノーチラス号の新入生 ★ ノーチラス号のオーバーテクノロジー
第12話 グランディスの初恋 ☆ ノーチラス号の目的(NA討滅)、グランディスの過去話 ※空気読めないナディアが微妙・・・・
第13話 走れ!マリー ☆ ナディアとジャンの喧嘩、マリーのNA兵遭遇、ネモ船長のNA兵射殺 ※同上
第14話 ディニクチスの谷 ☆ マリー灼熱病発症、ナディア発症、進路反転(深海洞窟リーフ64へ、薬草採取)、発症者回復
第15話 ノーチラス最大の危機 ★ NA大型潜水艦ガーフィッシュとの海中戦、アメリカ連合艦隊&バラクーダ号の対潜攻撃、機関員フェイトの犠牲
第16話 消えた大陸の秘密 ☆ 海底のアトランティス廃墟、犠牲者の埋葬
第17話 ジャンの新発明 ★ 早く大人になりたいジャン、ヘリコプター開発成功、ナディアへの約束
第18話 ノーチラス対ノーチラス号 ☆ 南極大陸近海の海底の墓場、オウム貝撃退、巨大水中トンネル通過
第19話 ネモの親友 ★ 南極大陸地下大空洞へ、2万年前のアトラン人の超科学遺産、長寿クジラとナディアの対話(父・兄との再会の予言)
第20話 ジャンの失敗 ☆ ジャンとナディアの微妙な心模様、エレクトラへのやっかみ(ナディア)、エレクトラの復讐心
第21話 さよなら…ノーチラス号 ★ ガーゴイルの本格攻勢、エレクトラ副長の自爆具申・ネモ船長の躊躇、ノーチラス号轟沈の危機
第22話 裏切りのエレクトラ ★ 戦闘ブロック切り離し・爆破、ネオ皇帝登場 ※13年前の惨事と船長・副長・ナデイアの素性が明かされる注目回だが脚本・演出は年代相応に稚拙×
第23話 小さな漂流者 ☆ ナディア・ジャン・マリー・キングの孤島漂着
第24話 リンカーン島 ☆ 
第25話 はじめてのキス ☆ ※毒キノコにあてられたナディア
第26話 ひとりぼっちのキング ☆ 
第27話 魔女のいる島 ☆ 台風、エアトン伯爵との再会
第28話 流され島 ☆ グラディス一味との再会、ナディアの手料理
第29話 キング対キング ☆ 
第30話 地底の迷路 ☆ 万能戦車グラタン二号、孤島地下の秘密基地へ、ナディアの異変
第31話 さらば、レッドノア ★ M78星雲から来たアトランティス王家の血を継ぐ者(ナディア姫)、神聖大要塞レッドノア機動、ナディアの運命拒絶、タルテソスへの招待、流され島からの脱出
第32話 ナディアの初恋…? ☆ アフリカ大陸へ、ナディアの一目惚れ(村長の息子ハマハマ)、囚われたキング
第33話 キング救助作戦 ☆ グランディスの仇(悪党ゴンザレス)、ハルハルの許嫁(ナディア失恋)
第34話 いとしのナディア♥ ☆ ※これまでのナディア&ジャンの心情推移のまとめ
第35話 ブルー・ウォーターの秘密 ☆ ナディアの故郷(タルティソス)へ、ノアの箱舟、ナディアの真の力と自己嫌悪、ジャンと仲間たちの励まし
第36話 万能戦艦N-ノーチラス号 ☆ ガーゴイルへのナディア投降、エレクトラ副長・ネム船長との再会、N-ノーチラス号発進
第37話 ネオ皇帝 ☆ ネオ皇帝とナディアの対面、地球人の創造主、ネオの地球人への服従勧告、最終決戦へ
第38話 宇宙(そら)へ… ☆ パリ上空~宇宙空間の戦(レッドノアvs.N-ノーチラス号、グラタン号活躍、レッドノア突入、神前裁判の茶番劇)
第39話 星を継ぐ者… ☆ 続き(ネオの意識回復・犠牲、ナディアの意識回復、ジャン死亡・甦生、ブルーウォーターの力喪失、地球帰還とネモ船長の犠牲)、後日譚(12年後){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)8、☆(並回)31、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「ブルーウォーター」
ED 「Yes, I will...」
挿入歌 「マーメイド・メモリー」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

68.5 23 熱いでシリアスなアニメランキング23位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (656)
3208人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局無難なお話でしたが、観て損というわけではない。

12話{netabare}
大方の予想通り、葵が最後にアンノウン側に寝返り敵となったが、最後
のバトルはあっけなく地球を代表する6人がアンノウンを殲滅に追い込ん
でめでたしめでたし・・・。1クールで無難にまとめた感じがします。
最後はカナリヤの歌が皆に勇気を与えて大逆転勝利っていうシナリオなん
だろうけど、無難で陳腐すぎ・・・尺の関係もあるから仕方ないのかも
しれないが、最後のバトルはもう少し中身のあるバトルにして欲しかった
感じがします。作画は良くなかったけど、そこそこ楽しめたので、この
作品はそれで良しってことにします♪{/netabare}
11話{netabare}
いよいよ戦いは佳境に入りました。千種のお母さんが負傷して、6人は
アンノウンとの戦いに向かう。葵は最後になにかしでかしそうな感じが
漂っているが、コールドスリープの子供達は助けられるのかな?
アンノウンの侵略の事情ももう少し詳しく知れたらよかったが、概要は
つかめた感じで、ストーリーはいいんだよね。作画はいつも通りでした。
これ、DVDで作画直したりしないよな・・・。{/netabare}
10話{netabare}
どうも作画の雑さが際立っていたように感じます。引きの作画は適当
なのか・・・背景もなんらこだわりのない殺風景な感じが目立つし、
アップの作画以外は気になって仕方なかったけど今に始まったこと
でもないから・・・で済まないよなぁ・・・。千種兄妹のお母さん、
ちょっと無駄に明るすぎてうるさい。カナリヤ一人で勘弁して欲しい。
さて、本当の戦いはこれからなのだろうが、日本に残るコールドスリ
ープに入った子供たちの救出は可能だろう。しかし、コードをつけている
仲間達は殺すわけにはいかないよな・・・。面白いストーリーだし、
キャラの個性も好きなんだけど、ほんと作画がね・・・毎回言うけど
もったいないよ。{/netabare}
9話{netabare}
カナリヤが戻ってくるまで、じっくりと作ったね。見えている世界は
偽物で、真実は植物系の何かに浸食されている感じでしたが、アンノ
ウンに見えていたものは、実は本当は人間の姿なのかな?そして、管
理局で視覚を制御されている者は、人間がアンノウンに見えて、侵略
者が人間を操作し滅ぼそうと画策していたってことかな・・・。
いずれにしても、なかなか面白い内容なのに、作画が相変わらずで惜
しいね。{/netabare}
8話{netabare}
この世界が人為的に作られ操作されている世界だとしたら、その理由は
なんだろう。ここにきて話の内容が興味深くなってきました。本当の
世界があるのでしょうか・・・そしてそれはどのようにして掴み取ること
ができるのでしょうか?首の後ろにあるチップが空想?世界の原因だと
思うが、もしかしてアンノウンの方が現実世界からの使者だったりする
とか・・・考えすぎかな?後半になってグッと作品の重みが出てきたね。
見続けて良かったです。{/netabare}
7話{netabare}
ほたるが舞姫の危機を救うが、ラストはどういうことだ?舞姫のコード
板がアンノウンに撃たれてから、姫の力が一気にダウンしたということ
は姫はどうなるのか?本部で管理するための電子的識別コードだけの意
味あいじゃないのかな?ちょっと謎。そもそもQualideaって英語は無い
し、これはいったいどういう意味なのかな?Qualifyって動詞があるけ
ど、名詞・形容詞形は―deaが語尾に付く形はないし・・・なんだろね?
英語じゃないのかな?謎だったため、外国のwikiでも調べたが、タイト
ルは、Kuoridia-code? みたいになってて、ローマ字表記でした。
あまりこだわる必要も無いのかもしれないけど気になります。ちょっと
謎が多いので、最後まで観ますw 結構面白くなってきましたが、これ
で、ほたると舞姫まで消えてしまうとか無いよな・・・。なんか見落と
してたかな?録画を観直している時間がないから、次週注目します。{/netabare}
6話{netabare}
アンノウンの大襲撃の指揮にあたる舞姫の過去のエピソードを挿入した
戦闘シーン。舞姫の正義を貫く熱い血は祖父譲りなんだね。そして、仲
間を信じ仲間の為に戦う熱い気持ちの根底にはほたるとの絆が存在して
いて、それはそれで美しい話だと思った。壱弥はただぶち切れてしまっ
たが、戦っているだけマシだなw 次週はほたるちゃんが加勢して、千
種兄妹が東京に到着して、どうにかなるのか?40分もたせれば大丈夫と
いうことだったが・・・。{/netabare}
5話{netabare}
壱弥のカスっぷりは半端無いな・・・。最初の威勢はどこへやら・・・。
ただ、壱弥が塞ぎこんでるおかげで、千種兄妹の会話が多くなり面白い。
明日葉の『うける』を聞くとちょっと笑っちゃう。姫はいい子だね~。
でも、心に深い傷があるようだ。ところで・・・カナリヤはどうなった
んだ?作画は相変わらず所々手抜きっぽいとこあるな・・・w{/netabare}
4話{netabare}
壱弥の最初の傲慢さの必要性は理解できた。壱弥が仲間の重要性を知り
丸くなる所までの4話ですな。しかしさ、やっぱ舞姫が一番強い感じが
します。だけどさ・・・どうやってやっつけたのさ?肝心のとどめの
一撃が作画されなかった理由が分からんな・・・。止め画で戦闘終了し
いきなり舞姫の勝利宣言って・・・あまりにも手抜きすぎないか?
あと、戦闘に歌が出てくるのは好きじゃないな・・・。なんか調子狂う
よ。千葉の兄妹はいい味出してるよね。いいとこもあるけど、荒削りな
面も多くて・・・、でももう少し見ちゃうかなw。
カナリヤはどうなったんだろうか・・・?{/netabare}
3話{netabare} 
相手の力量も測れないような首席でいいのかな?・・・と思いつつ、カナ
リアの歌が止まると、壱弥の戦闘能力が存分に発揮できないことが露呈し
た。その程度であの自信は過剰だよね。舞姫の方が断然強そうだな。
ただ、壱弥はいいとこある奴だということは分かった。強大なUNKNOWNに
対し、3校でどのように戦うのか、次週注目って感じですね。舞姫だけで
勝てんじゃないのかな?・・・とも思いつつw{/netabare}
2話{netabare}
壱弥が1話ほど強烈でなくなったので見易かった。これくらいの気性の悪さ
なら十分耐えられる。霞の存在が壱弥にマイルド感を与えていい関係に思え
る。ある程度メインキャラの紹介は済んだ感じでしょうか。そこそこ楽しめ
そうなキャラの集まりだということが認識できました。あとはストーリーが
どうなっていくのか・・・。{/netabare}
1話{netabare}
まず壱弥が胸糞悪くて嫌い。とても酷い性格で気分を害する。そういう
性格になった訳もあるんだろうけど、これがメインキャラだと、観る気が
失せそうだ。キャラ画もかなり雑な部分が目立つし、戦闘と爆破の作画に
関してはそこそこ力が入っているようだけど、決して綺麗な画ではない。
話もたいして面白くないし、UNKNOWNとの闘いの中で繰り広げられ
る人間模様に興味をそそられない。
別に視聴継続しなくてもいいかな・・・と思うような1話だった。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

オマージュの果て

【2016.09.30 少し修正整理】

作画が弱いと一目でわかる。それだけに、これさえなければという印象を持ちがちなのだが、本当にそうだろうか。


序盤の設定を見ると、いわゆる「テンプレ」の、異能で世界を守る学生ヒーローもので、主要キャラクターたちも人気のライトノベルからピックアップしてきたような類型性を強く漂わせている。
だが、無自覚に類型をなぞった安直さよりも、妙に自信のありげな、確信犯的な迷いのなさを感じさせるものだ。


{netabare}創作物は先行作の影響の上に誕生してくるものだが、「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、おそらく「セカイ系」を源流としている。

社会領域を排除し、キミ/ボクのセカイが世界の存亡という破滅的状況と直接に重なる「セカイ系」は、さらに遡れば『新世紀エヴァンゲリオン』にたどり着くだろう。

正体不明の由来のしれない圧倒的な暴力が理不尽に襲い掛かり、破滅寸前である世界を救うため、基盤も仕組みも分らない「陰謀組織」の得体のしれない権力が、少年少女を意義の不明な死闘へと駆り立てる『エヴァンゲリオン』世界。

ここから、子供の目には理不尽な運命を残酷に押し付ける得体のしれないブラックボックスのような「陰謀組織」に見える「社会」を、すっぱりと整理して消去し、子供の「理不尽なセカイ」と「理不尽に破滅する世界」を二重化する方向へ純化したのが「セカイ系」と言えるだろう。

そして「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、「セカイ系」から、キミ/ボクの関係が世界の命運を決定する=ボクの行動がそのまま世界をコントロールしているという、幼児的な「全能感」の快楽だけを抽出して消費する、「セカイ系」の自堕落な頽廃形態を量産するための「テンプレ」として生じているようだ。

本作の設定やキャラクター造形は、明らかに「テンプレ」をなぞっているのに、「セカイ」の造形に「陰謀」的な得体のしれなさを匂わせることで、「セカイ系」の更にその源流の先行作へ向けてオマージュを捧げているような、意図的な作為感を漂わせる。

この印象は、中盤から終盤にかけ、この「世界」が、「学生」の全能感のための「テンプレ」ではなく、学生を支配下に置くための舞台装置であったことが暴露されることにより、やはり先行作品へのオマージュないしは回答であったからだ、と示しているように思う。

「テンプレ」を疑わずに「学生」に感情移入して「世界」の支配感を甘受していた視聴者は、「世界」の最下層を支える部品に過ぎなかったという「真の」設定を前に、衝撃を受けることになる。


このような仕掛けにもかかわらず、本作が退屈で雑な視聴感しか与えないのは、設定やストーリーに注力しているように見える割に、アニメというビジュアル表現に対して意識が不足しているような印象を感じさせるからだ。

それは、作画が乱れている、といった水準の話ではない。

明らかに戦闘に不向きなスクールユニフォーム的な制服で戦闘する。
人間が無造作に空中浮遊し、自在に空を飛ぶ。
掌をかざしたり、剣を振るだけで遠距離の巨大な敵が爆発する。
等々…

セリフがいかに勿体ぶって意味深長であろうと、それを表現するビジュアルがこのように安易で工夫のないものであれば、アニメという映像表現として説得力が激減するだろう。

異能力によって空を飛んだり敵を爆破するのはいいとして、そこに超常的な力が作用しているのだという映像上の表現が無ければ、他人の夢を説明無しに見せられているようなもので、「凄いことが起きている」という作中の状況に対して白けた距離感しか生まれない。

明らかに映像表現として質を高めようという意図の見えないビジュアルは、そもそもこのストーリーをアニメとして表現しようとする意欲があったのかとさえ疑わしく感じさせる。


そのストーリー自体も、ビジュアルが「テンプレ」の約束事に寄りかかって工夫を放棄した安易なものであったように、やはりオリジナルな工夫は無かったのだとラストで暴露される。

キャラクター各人の異能を「せかい」という明らかに不自然で耳障りな用語で表現していたのは、この「セカイ/世界」が、個々人のセカイ=価値観の闘争の場であると示したかったからであるようだ。

だが、価値観の相対的な優劣が「世界」を形作るとは、現実の価値相対主義を単に追認しているだけであって、改めて創作物として世に問うような何らかの「作家的主張」でも新たな「知見」でもない。

しかも、オマージュを捧げた先行作において、理不尽な暴力をもたらす「敵」が本質的に理解不能な「謎」の存在であったのに対し、説明の可能な侵略行為という「理解可能」な「敵」を設定することで、「異次元」の敵との闘争もまた、価値相対主義に回収されてしまう単なる価値観の闘争という現実の物まねに矮小化してしまう。

先行作に対して「説明」という「回答」を返したように見えるものの、先行作が、価値相対主義の現実を「理解不能な敵」を創造することで撃とうとした地点から、完全に後退してしまっている。

その「価値相対主義」も、結局のところ徹底的に闘争されることはなく、「大人」から勝利を「禅譲」されるようなラストが、本作を、安易で自堕落な「全能感」の満足へと着地させる。

大人と若者の間の壁は普遍的で、若者はいつの時代も「壁」を越えようとする。

本作においても、大人の「世界」を打ち破り、「若者」の世界を創造する「進化」を描こうとしたのかもしれないが、ギリギリの最後の最後で「大人」が退いて勝利を譲るような描写は、近年の若者の主張が、大人との闘争を避け、「居場所を「譲って」くれないのはおかしい」、「後進に道を譲って「くれない」のは間違っている」という「要求」である事態を追認しているとしか見えない。

「要求」する若者が「闘争」しようとする若者の足を引っ張る現実に背を向け、消費者根性が染みついた「要求」を描いてしまう本作は、挑戦的な見せかけにもかかわらず、幼児的な「全能感」の満足を企図した「テンプレ」からやはり脱してはいなかったのだと落胆させる。


ストーリーの貧しさに加え、映像表現の貧しさが、単なる娯楽として視聴することも不可能にした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

清々しいほど分かりやすい

 キャッチしている人のレビューみて気になったので、観はじめたら止まらないで一気に視聴してしまった。
 別にラノベ原作だからとかでスルーしていたのではなく単純に気づいていなかったんだよな。ということで、少しでも認知されるべくレビューを書きたくて仕方のないそんな作品。
 ただし!
 別に素晴らしい作品というわけでもないのがじれったい。
 そして、なんかレビューしたくなる作品だったことをここに記す!

ライトノベルが原作。
 物語は、終末後の世界感で非日常であり、完全なファンタジー路線ではあるものの、学生をメインに持ってくることで、日常を同時に描きつつラノベらしい長ったらしいセリフ回しの会話劇を楽しめると妙な没入感に浸れる。
 この長いセリフ回しを演出で全て回収しているのが化物語っている化け物みたいなすごいアニメもあるけれど、そこまでは期待してはいけない。

 このアニメをレビューするにあたり調べてみたところ、どうやら、ラノベ界では有名人の3人が別々のレーベルから同名の作品を出すという新しい試みから生まれたものらしい。
 作者によって描く主人公が違うという点はまず抑えておきたいポイントだろう。ちなみにこのなかの3人では渡航しか知らなかった。言わずもがな『俺ガイル』の作者だ。

ライトノベルが原作だということは
 ライトノベルの特徴としては、現実逃避感が他の作品よりも色濃く出てる。これは割と謎の現象だとずっと思っている。
 そして、私としては一番ラノベ原作アニメの好きなところでもある。
 ちなみに、現実逃避感=世界観の破綻ではないので誤解のないように。悪い意味のように聞こえるかもしれないけれど良い意味のつもりで書いている。
 だからここが受け入れられない人は世界観が破綻しているように見えるし感じるしつまらないものになってしまうのだろう。
 そもそも、映像作品であれば、どこかに現実逃避したい欲求があるだろうに、なにも隠すことはないと思うのだがな(揶揄)。
 もちろんなかには本当に破綻しているものも少なからずあるから、アレルギー反応的に見ないという層があるのも納得できてしまうのも悲しい。
 しかし、この現実逃避モードに入ってしまい、没入感に浸ってしまうと、最終回にはあーもうこの仲間たちと物語を楽しめるのはこれでお終いかと喪失感が半端ない。
 これをのんのんびより病ともいう(いわない)。
 この作品の最大の魅力はここにあると私は思う。ただし! この没入感へ誘われることができるのは一握りの上級者のみ……(良いか悪いか判断できない)。

キャラ設定のバランスが良い
 強い個性を持ったキャラが登場するのは割とライトノベルらしさの一つで、ここイコールで作品の魅力として読まれているものもあるだろう。面白いかは別にして。
 今回の作品では東京、神奈川、千葉と3つのグループに分かれていて、それぞれがペアのような形で戦闘をおこなったり日常を楽しんでいる。
 このペアリングを紹介しよう。

まずは東京!
 主人公タイプの男で中二病とドジっ子でヒロイン。
 王道ラブ個風。

次に神奈川!
 脳筋元気少女と冷静だが主席の全てを肯定する女。
 百合っぽい。
 
そして千葉!
 ネクラ兄とツンデレ妹。
 どっかでみた兄妹……千葉でヒッキーで妹的にポイント高そう。

 キャラ設定と、ペアリングがある程度考えられているのも見どころであるが、さらに中二とネクラのやり取りはBLへの守備もカバーしているようにも見えなくはない。(ここ試験に出ます)

主人公が変わっていく構造。
 これは新しい試みのためにそうなったと思っているというかそうせざるを得ないのが、主人公は誰? って話。
 それぞれの本で主人公がいてそれを一つの話にまとめるとなると、ブレる。だから最初から序盤は東京、次に神奈川、最後は千葉で、みたいに恐らく決まっている。もしかしたら原作の段階でもそういうプロットになっていたのかもしれない。

 実はすごく難しいけれど、やっぱり作家なのかね、ちゃんとまとめきった感じはある。この構造も話の流れからすると凄くフィットしてるから不自然にならずに普通にやられたって感じだった。
 んな簡単に壊れるかい! ……みたいなツッコミを入れたくもなったけれどね。タイムスケジュール的に難しいだろうというところか。
 でも、「作画が良かったらな」とも不思議と思わない。そんなの抜きで面白かったと言える。

 いつもなら、絵ガー、音ガーとかそんなレビューもするんだけれど、あんまり書きたくないっていうのが正直なところ。
 作画の良い例と悪い例の両方を2:8位の割合で楽しめるのでおススメだ。この対比が良い所を際立たせることに成功している……もうやめよう。
 きっと複数レーベルに渡ってチェックしていたらあれ?? 思ったより時間取られるからちゃんと描く時間ないね。って感じだったことにしよう。

 ちなみに音楽は謎に力を入れていて、OPもEDも12話なのに変わってたような気がする。っていうか全部良いよ。カッコいい。ClariSとGARNiDELiAが一緒に歌うとかちょっとやってくれた感ある。

 さて、ここまで読んでもらえたらきっとこの作品を観たいと思ってくれることだろうと期待してネタバレはなしで書いてみた。見たことない人がここまで読むかという根本的なところもある。

 早く書きたかった理由はここで、作画が駄目だからこの作品はダメだとかラノベ臭が半端ないからダメだという意見に飲まれてほしくないという理由からだった。睡眠時間をちょっとずつ削って二日かけて書いてみました。どうぞこの下にあるハートマークをダブルクリックしてください。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

70.6 24 熱いでシリアスなアニメランキング24位
宇宙の騎士テッカマンブレード(TVアニメ動画)

1992年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (67)
400人が棚に入れました
連合地球暦192年。謎の宇宙生命体『ラダム』が突如として地球に来襲、人類の宇宙進出の夢を懸けて作られた軌道エレベータ基地・オービタルリングを瞬く間に占拠し、地球侵略を開始した。地球製兵器では傷つけることすらできない強靭無比のラダム獣に対し、唯一対抗し得る兵器であるオービタルリングのレーザー砲を奪われた人類には対抗する術がなく、その侵攻をただ黙って見ているしかできなかった。そんなある日、地球上のラダム獣や地上に根付くラダム樹の調査・分析をしている外宇宙開発機構の前に、正体不明の記憶喪失の青年が現れる。

声優・キャラクター
森川智之、松本保典、林原めぐみ、横山智佐、鈴置洋孝、飯塚昭三、中原茂、子安武人、水谷優子、小杉十郎太、島香裕、横尾まり、飛田展男
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

オービタルリングを描いた数少ないアニメ ~ランタノイドとアクチノイドを覚えられる?替え歌歌詞付き~

作画は他の方も指摘されている様に、回によっては見慣れているはずのキャラが別人の様に見えたり、ガッチャマンに登場する人みたいに見えたりする事がある為(実際にカメオ出演している回もあるがこれは別として)違和感を禁じえない部分があります。しかしメカや背景については緻密に描かれている部分も有り、これらの点は当時としては水準以上だったのではないかと思います。

一方で人物の内面の描写はかなり複雑かつ丁寧であり、声優の鬼気迫る演技も相まって、旧来のアニメで提示されてきたステロタイプのキャラとは明らかに一線を画していた様に思います。(相羽兄弟は別格として、脇役のフリーマン、レビン、バルザックなども風貌といい振る舞いといい強烈な印象でした。)その後のアニメキャラに繋がる橋渡し役を担っていたのではないでしょうか? 

また当時のSFアニメの中ではテクノロジーの描き方が白眉と言えるもので、ブルーアース号の飛び立つ、天に向かって湾曲したジェットコースター状のカタパルトや、軌道エレベーターの発展型である、土星の環の如く地球を取り巻くオービタルリングなどは今見ても衝撃的です。

音楽については作中BGM、オープニング、エンディングテーマも含め、全て作品の世界観と合致しており素晴らしいです。特に後半opテーマ「永遠の孤独」と挿入歌「マスカレード」は主人公Dボゥイの悲壮感をストレートに表現しているという意味では限り無く完璧に近い曲、歌詞だと思います。

以下は永遠の孤独のメロディに乗せたランタノイド、アクチノイドの覚え歌。自分の為だけに昔作ったものです。テッカマンブレード好きならすぐに暗記出来ます。トイレとかに周期表を張りましょう。学生の方などのお役に立てればと思い、僭越ながら公開させて頂きます。いつかボカロに歌わせたい。
{netabare}
1
血まみれの  この指先  止められるのは
ラーンターン セリウーム プラセオージムー

2
何もかもが  終わるときだけ
ネーオジム  プロメチウーム

3
狂った    運命(デスティニー)
サマーリゥム ユーロピゥーム

4
迷い込んだ     永遠の    孤独さえ
ガードーリニゥム  テルビウム  ジス、プローシウムー

5
心の     どこかで笑う     戦いだけが   自由
ホルミウム  エルビウムツリウム イッテルビウム ルテーチゥム

6
これ以上   失う    ものなどーもう無いからー
アクチニウム トリーウム プロトーアクチーニウムー(ウラン)

7
どこまでも  追い求め   取り戻せ     未来を
ネプツニウム プルトニウム アメリーシウムー キュリーウームー
8
この地球(ほし)に いつかは     魂 帰るだろう
バークリウム    カリフォルニゥム アインースタイーニウムー

9
この体     バラバラに    たとえ 砕け   散っても
フェルミウム  メンデレビゥム  ノーベーリウムー ローレンシゥーム

10
WOO MY DESTINY  WOO MY DESTINY
ランターノイドー アクチーノイドー


※重要:6は7、7は8、8は7の節回し(メロディ)で歌う。
{/netabare}
以下はイメージの連なり。かなりテキトー
{netabare}
ランタンの競市でプラモ作りのセオリーを説明される

新型GMのプラモを使って

プロメテウスは夏のヨーロッパでガードする 照りつける太陽を

これプロシウム

ホルマリン持ってエルビスが釣りに行った

言ってるビーム 流転します

悪それはトールが壊した最たる悪

ウラノスはポセイドンとハデスのおじいちゃん

アメリカへ渡ったキュリー夫人

ハンバーグをバクバク食べ

カリフォルニアから来たアインシュタインに

フェルミオン砲をぶっ放す

メンデレーエフ先生はノーベル賞がもらえないので

ローレンス先生にやつ当たり


※上記人名含む固有名詞は全て実在のものとは何の関係もありません。
{/netabare}
ランタノイドとアクチノイド以外の元素についてはアニメ「エレメントハンター」のEDテーマ「スイヘイリーベ~魔法の呪文~」で覚えましょう。こんな曲、子供時代に聴きたかった‥。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画は不安定だが、とても見ごたえのあるSFヒーローもの

この作品は、1975年に放送された『宇宙の騎士テッカマン』
を元に制作されたオリジナルアニメである。

私は、この作品の後に宇宙の騎士テッカマンを知ったため
詳しくはコメントできないが、一部の設定を除き、全く
異なる作品として作り上げられているようだ。
別物として、考えた方がいいだろう。

作品のジャンルとしては、復讐劇としての要素が非常に強いSF
ヒーロー物だが、1990年代の作品の中でも特にハードで、主人公が
最初から最後まで報われない鬱展開に仕上がっている。少なくとも、
近年のテレビアニメでは中々お目にかかれない卓越したストーリー
展開であることは間違いない。

一時的に暴走したのを機に戦意を完全に喪失したり、自分の目的を
達成するために、後半では寿命を削ってでも肉体を強化しようと
試みるのだが、今度は脳に障害を起こす等とことん負のスパイラルが
連鎖していくのだ。最終的には平和をもたらすことに成功したものの
その代償はあまりにも大きいものだった。
今までの事を考えると、あの終わり方が彼にとって一番幸せ
なのかもしれない。切ない。耐性がない人は視聴しないほうがいい。

それを可能にしたのは、主人公の憎むべき敵であり、全ての
元凶ともいえるラダムの凶悪さにある。いわばキャラクター設定だ。
なぜ、ラダムがオービタルリングを占拠したのか、
どうして主人公以外のテッカマンが存在するのか、
ラダム獣が植物化してラダム樹へと変化すると何が起きるのか
こういったことは作中できちんと説明されるので安心して欲しい。
ラダムの凶悪性が把握できている頃には、主人公がなぜあそこまで
ラダム討伐に力を注いでいるのか分かってもらえると思う。
(ここまで行くともはやいじめの領域に達しているような
気がしないでもない)

ラダムだけに関わらず、主人公を支えるブルーアースのメンバー
やラダム側のテッカマン達にもきちんと焦点が当てられているため
そういった点にも抜かりはない。

個人的に思い入れのあるキャラクターが非常に多く、選び出すと
キリがないだが、ここではあえて劇中屈指のネタキャラとして
愛されているテッカマンランスを挙げていこうと思う。
彼はラダム側のテッカマンの一人であり、戦闘力も高いのだが、
やたら自信家な人物として描かれている。

単独行動を取り、先にブレードを仕留めようとウキウキな気分で
立ち向かっていたのだがタイミングが悪かったのか、たいした
活躍を見せずに消えてしまったなんとも哀れな奴だ。
要はただの咬ませ犬である。

まあ、別の見方をすれば自らの命を犠牲に
死亡フラグを丁寧にレクチャーしてくださるありがたい教師ともいえる。
彼を象徴する代表的な台詞と言えばやっぱりこれ。

「フッ、いくら進化したと言えど、この至近距離からの
ボルテッカではひとたまりも……なにっ!?」

文字だけ見ても、典型的な咬ませ犬のテンプレそのものだ。
そりゃあ、テッカマセランスと呼ばれても仕方ないわな。合掌。
(他のラダムテッカマンと比較しても存在感はかなり薄い方だったので、
ぶっちゃけいなくてもいいんだけどね。)

作画に関してだが、非常にムラがあり、とても不安定な点はぬぐえない。
キャラクターの顔が多岐にわたっているのは勿論の事、
一部のシーンは色塗りがされていなかったり、使いまわしている
場面も多い。

原因は、予算や時間の都合によるものだというのは納得していたが
流石に48話のエビル作画だけは非常に目についてしまった。
なんせ顔だけでなく、髪の色がまるっきし違うのだ。
「あいつこんな色してたっけ?」と自分に問いかける始末。
もう少しで話が終わるのでせめて色だけはきちんとして欲しかった。
勿体ない。声優の演技に救われたのは言うまでもない。

作画はそこまで気にしない、濃厚なストーリー展開を好む
SF好きの方にはオススメ。但し、これでもかといわんばかりの鬱要素が
詰まっているのでそこだけ注意して欲しい。

個人的には、名作の域に入っても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。 名作だと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「仮面の下の涙を拭えっ!!」

1992年タツノコプロ製作。
『宇宙の騎士テッカマン』(1975年 未見)から設定・世界観を一新し、
ハードSFアニメとして再構築した4クール作品。

【物語 5.0点】
悲壮。過酷な宿命を背負った主人公“Dボゥイ”こと“テッカマンブレード”が、
宇宙からの侵略者にひとり立ち向かう。
仲間の協力も得ながら徐々に心を開いていくが、
そこへ襲い掛かるさらなる悲劇と絶望のフルコース。
それでもヒーローは、男は、燃え尽きるまで戦い続けねばならないのだ。

プロット自体は変身ヒーロー物の王道だが、
主人公に課せられる試練が心身共にアニメ史上屈指のベリーハード。
キャッチコピー「仮面の下の涙を拭えっ!!」は伊達じゃない。

運命に立ち向かう男の生き様に魂が震える。


【作画 2.5点】
不定形。本作唯一の弱点。

作画そのものは実はそんなに悪くはなく、
むしろ戦闘シーンのメカニック描写などは上々。

ただ作画担当によってキャラデザ?何ソレ?
と言わんばかりに大きく変動する人物描写は、
声優さんの演技がなければキャラ判別困難。


【声優 5.0点】
主人公Dボゥイ役の森川 智之さんVSライバル・テッカマンエビル役の子安 武人さんによる
宿命バトルには単純な演技を超えた鬼気迫る物がある。

そして、{netabare}その決着を受けて、大トリを務めるラスボス役・若本 規夫さんの煽り文句は圧巻。{/netabare}

さらにはヒロイン役を務めた林原めぐみさんだけでなく、
クールだが秘めた情は厚い司令官フリーマン役の鈴置 洋孝さん
オカマなメカニック役の中原 茂さんら、
脇を彩るボイスも濃厚。
あとは{netabare}ミユキ役の水谷 優子さんとか。{/netabare}

本作はフリーマン視点で物語を俯瞰する脚本であり、
ナレーションも務めた鈴置さんの沈着冷静なナビゲートが
ハードな展開をいっそう引き締める。
(上記のキャッチコピーはフリーマンによる次回予告の締め文句でもあり、
彼が語ってこそ味わいが出る)

90年代アニメの中でも、本作の魂が籠もった熱演は別格かつ伝説級。


【音楽 5.0点】
極上。総勢60余名のオーケストラ編成に
勇壮な混声コーラスをアレンジしたメインテーマなどの迫力のBGM。
繊細な弦楽が、ロボットとも有機生命体ともつかないテッカマンの神秘性も内包しつつ、
地球圏に跨がるSFバトルを大いに盛り上げる。

OP&ED主題歌は前後期4曲とも小坂 由美子さん。他に挿入歌もあり。
確かな歌唱力に裏打ちされた、伸びのあるビブラートが、主人公の哀しみと共鳴。


【キャラ 5.0点】
悲運が積み重なった主人公には“Dボゥイ”ほか様々な名前、異名があり、
そのこと自体が彼の過酷な運命を象徴している。

ここでは本作の徹底した悲劇設定から生まれた主人公名言だけ引用しておきます。

{netabare}「Dボゥイも相羽タカヤも今ここで死んだ。俺はテッカマンブレードだ」{/netabare}


【感想】
“隠れた名作”としての悲劇が語られることも多い本作。

よく見るのが『セーラームーン』の裏番組で埋もれてしまったとか、
テレビの自主規制で表現萎縮が進む中、
ハード過ぎる描写故にろくに再放送もされなくなっていったとか。
(エロ面でも、一応、一部変身シーンで乳〇が見えるアニメでもありますしね)

けど都会の人気アニメが放送後回しにされる北陸在住の私には無関係(苦笑)
本作も『セーラームーン』の裏ではなく、
全国放送終わった少し後の夕方16時台~17時台の枠で観てました。
因みに後の『エヴァ』何かも、私は旧劇公開に合わせた夕方再放送を視聴してました。
後回し地方民も悪いことばかりではありませんね。

夕方、帰宅してすぐにグロエロ不問でハードなアニメを自主規制なしで楽しむ。
あの頃は良い時代でしたな~(遠い目)
(もっとも、帰宅しなくてもスマホの動画見放題サービスで本作を視聴できる
今もまた良い時代ですが)


本作は私が“神アニメ”と呼べる数少ない傑作の一つ。
今世紀実現した『スパロボ』参戦後も依然埋もれているようなので、
一人でも多くの人に掘り起こして欲しいと願います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

61.0 25 熱いでシリアスなアニメランキング25位
アイドルマスター XENOGLOSSIA[ゼノグラシア](TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (210)
996人が棚に入れました
物語の舞台となるのは、ロストアルテミスと呼ばれる月の崩壊から、約百年余り経過した復興歴107年の地球。そこには地球に降ってくる砕けた月のかけら(ドロップ)の被害を防ぐために活躍する「iDOL(隕石除去人型重機)」の姿があった。
そして「iDOL」を操縦できるのは、選ばれた少女たち「アイドルマスター」だけなのである。彼女たちの使命は、毎日の学業生活のかたわら「iDOL」に乗って、地球に降りそそぐ隕石を大気圏外で破砕することなのだ。ヒロインたちは、どんなアイドルマスターに成長していくのか?鉄の塊の巨大ロボットと少女たちが紡ぎだす新たな物語の幕が上がる!!

ZACmn92102 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

アニメ史上最悪の原作レイプ作品

2006年末ごろコミケで予告としてアイマスゼノグラシアの映像が公開されました。

その当時、原作アイドルマスターはゲーセンにしかなく、
プレステ2の基盤だったのでグラフィックがかなり悪く、稼働は
芳しくありませんでした
(ナムコ社員、鉄拳制作の原田さんも
”プロデューサー活動日誌 アイマスPにインタビューその1”
でググると出てくるインタビューでそう語ってます)

他ソフト入れ替えや撤去が相次ぎ、X-BOX360版が2007年1月に
発売予定でしたが、360本体自体が全く普及して無い状態で
さらに360本体に欠陥が見つかり売れ行きは絶望的な状況でした。

そんな時、声優総入れ替えされ、ロボアニメにされた
ゼノグラシアを見て原作アイマスファンはどう思ったのでしょうか。
何せ、原作アイマスは声優の性格をキャラに取り入れるほど
声優とキャラを一体化させてたので、それを外すということは
徹底的な原作改変を行う宣言に等しかったのです。

超豪華声優陣、当時コードギアスで絶好調のサンライズ、スパロボ出場確実
誰がどう見てもゼノグラシア路線が主流となってしまうことは明らかでした。
原作ファンたちは怒るどころか、2007年4月1日の原作ライブで
原作展開が終わるという噂が流れるほど恐怖しました。
そんな原作ファンに対し、原作アイマスは黒歴史、原作声優はお払い箱!
等と煽る悪質なゼノグラファンまで出る始末。

アイマスゼノグラシアのプロデューサーもこうなることは簡単に
予測できてたと思います。予測をするのがプロデューサーの仕事なの
だから。
もし、ゼノグラシアが先に大ヒットしたら、原作アイマスは声優の違和感、
キャラの違和感により受け入れられず、消滅してたでしょう。
バンダイ本体も混乱を避けるため原作アイマスの露出を抑え、
ゼノグラシアを全面に出すでしょう。
ちょうど今のゼノグラシアと原作アイマスの周囲の状況がそのままひっくり返るわけです。

もし、原作アイマスが大ヒット中ならこんな物は作らなかったでしょう。
当然、大量にいる原作ファンを敵に回し売れなくなりますので。
原作が弱小だと侮ったから余裕で叩き潰せると思ったのでしょう。

たしかに原作はシナリオがキャラによって違うため、それを一つにするのは
難しかったでしょう、原作が当時全く無名だったから、忠実に作っても
ヒットするのは難しかったでしょう。

だからといって、原作を潰すような作品を作っていいのでしょうか?
自分たちの売り上げさえ確保すれば原作なんか潰れても構わない、というか
潰しちゃえ!という傲慢さが見え隠れしてます。

しかし、2007年2月、当時始まったばかりのニコニコ動画により
奇跡的に原作アイマスが大ヒット
その勢いは酷い欠陥を抱えオワコン化してた360本体ごとヒットさせるほどでした。
360を持ってなくてもアイマスをよく知ってるファンなんて
人も増えちゃいました。何せあのニコニコなので・・・

2007年4月、放送が開始されましたが全く話題になりませんでした。
アテにしてた舞-HiMEファンまでアイマスに取り込まれたらしく、
舞-HiME系アニメと呼ばれてたのに、舞-HiMEと比べて
壊滅的な売り上げになってしまいました。


長くなりましたが、ゼノグラシアの内容の感想です。
残念ながら?絵の破綻は全くありません、最後まできれいです。
もしあったらネタとしておいしいアニメになったのでしょうが(笑)

しかしSF考証はエヴァの劣化コピー。
2007年の時点で10年前の作品だったエヴァをそのままコピーできず
劣化させてしまうのは情けない。
(あとARMSとか砲神エグザグソン、FSSとかからもコピーしてますが、どれも
中途半端で劣化してます。)

シナリオも壊滅的な破綻は無いですが、丁寧さが足りず超展開や
伏線の放置が多かったです。
こちらもエヴァを劣化コピーしたようなシーンが多いのはマイナスです。

キャラは、原作キャラを全く頭に入れなくても、おかしな行動が多く、
あんまり感情移入できそうにありませんでした。
もちろん原作ファンという立場で見ると、劣化というか・・・妖獣化
といったほうがいいほど酷すぎます。
重要な、キャラの主張も酷い。相手の否定がキメ台詞って・・・

ロボの動きも、ロボ自体もいまいちかっこ悪い。

結局、ロボアニメとしては中の下ぐらいで、単品のロボアニメとしては
最悪ではないけど、今ほかにいくらでもいい作品があると思いますよ。

アイマス関連作品、原作付作品として見た場合はアニメ史上最悪極まりない作品です。
何せ、原作を潰すことを目的としたアニメ化作品なんて前代未聞です、
実際ライブ日をぶつけたり、CD発売日をぶつけたり・・・
偶然、奇跡的に原作がたまたま、ギリギリのタイミングで大ヒットしたから
難を逃れただけで、そうでなかったら今頃は…

とりあえず、これはアイマスではありません!本気で全く無関係です!

というのも、肝心のゼノグラを制作したサンライズプロデューサーがこう発言しましたし。
(ゲームのアニメ化依頼を
「ゲームのキャラで舞-HiMEを作れと好意的に解釈して考えました」
と発言、ところがゲームのキャラが改変されすぎてほとんど残っておらず
ほぼ舞-HiMEキャラで舞-HiME作ったのと同じ状態でした。)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

普通に微妙。

2007年4月 - 9月TV放送。全26話。制作はサンライズ。

アーケードゲーム『THE IDOLM@STER』を「原案」としており、
同作のメディアミックス企画「PROJECT IM@S」の一環として
制作された作品であるが、設定やストーリーはゲームと全く
異なる(wiki)※原案となるゲームとは「別物」又は「黒歴史」と
いう扱いのようです。

アイドルマスターのキャラをサンライズらしく?ロボットに
搭乗させて舞-HiMEの様な美少女バトルを展開させる為の物語。


1話目を視た感じ・・既に全てが微妙・・主人公らしき天海 春香
(井口裕香)の田舎育ちのお上り風ドジっ娘アピールの極普通の娘
が・・という如何にもサクセスっぽい初期設定で既に視聴欲は・・
可也失せていて・・キャラデザもありふれた感じで製作年よりも
古く色あせて感じた。

高槻 やよい(小清水亜美)萩原 雪歩(堀江由衣)水瀬 伊織(田村ゆかり)
秋月 律子(中原麻衣)も登場してもう少し視てみようかな・・程度。
石田さんやら小野さんやら兎に角声優は文句なく凄いと思う。

舞乙女シリーズや宇宙かけやアイマス同様に豪華声優が出演している。
これだけ揃っていると・・1クールくらいなら余程酷い内容でも視る
人は居るかなとは感じた。入り口はとりあえず其処までは酷くない。
OPはそこそこ内容がイメージできる感じ?EDは・・手抜き?曲は別に
悪く無いと思うけど主人公だけの映像・・推せるほど魅力あるかな?

シナリオも演出も作画も男性向けかな・・無駄に露出多いし・・
作画は・・キャラをあまり丁寧に描いている感じがしない・・
色彩もベタッとした感じで野暮ったい印象・・
キャラとメカのデザインが好みではなく・・服飾もパッとせず
魅力的なシナリオが足りない・・演出のセンスが合わないなって
ところに・・作画が駄目だなって感じただけ・・世界観など設定は
本気で描いて多少センスを失笑か爆笑かに振ってくれたら充分・・
次回予告パート部分が一番ノリが良く楽しい・・マジです・・

作業機械に無駄な脚を付けたロボで空中~宇宙を飛行して・・
グ~パンチ(正拳突き?)でドロップ(隕石※月の欠片)を粉砕する。
この一瞬以外笑い所もなく・・先ずは学園モノっぽく友情ごっこ。

枚話・・お風呂シーンを何処でどう描くか以外・・本気だす気は
ないようです・・1話目でキャラの魅力が微妙と感じた人は其処が
切り時と思いました・・時々無意味に入る下ネタも痛々しいかも?

6話のロボVSロボバトルで限界かも?と思った人も其処が切り時・・
まぁ勢いで?7話の水着回を視てからでも良いかもだけど?・・

一応ロボがロリコンの変態だからロリ美少女しか搭乗できないって
設定も確り説明されるのでスッキリします。
だからコクピットも座席タイプなのに跨る騎乗スタイルという・・
超意味不な構造なのですね・・はいはい・・トップを狙え2みたいに
少女の乗るメカだけ棒を跨ぐ仕様よりは控えめなんですね・・

後は只管学園ラブコメ風スポ根路線でロリコンロボと少女の恋愛風。
たぶん折り返しまで耐えられた人は耐性も付いて案外観れるかも?
そこそこ面白いのかもね?等と楽しみ方のコツを掴めてるかも??
前半よりは後半は色々大きく展開するので少し盛り上がる感じだし。

S「見せて貰おうか。サンライズの作画の技術とやらを!」

B「内容薄い!脚本家、なにやってんの!」
脚「美しい少女が、嫌いな人がいるのかしら?」
B「内容薄いぞ! 少女くらい脱がせ!」
R「ほぅ、思いきりのいいパイ炉tsだな。」
B「内容が薄いぞ。幼女は脱いでてくれるんだ、なまじ隠さずに映せと言え」
S「見えるぞ!私にも全裸幼女が見える!」
K「変態紳士も地に墜ちたものだな。」


少し冷静になってみる・・
S「内容が無い」・・
スタッフ「あんなの飾りです」・・「エロい人にはそれが分かルんですよ」
エロい人(視聴者)「なっ なにぃ~!!」

販売元「戦いは非情さ・・・。」
こうして噛み合わないまま黒歴史に?
いや それ程でも?何処にでも転がってる普通の微妙アニメかな?

ぶっちゃけ・・舞乙女シーリーズの延長上だけでやったほうが評価
だけは此れよりは・・されたと感じるのだけど・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

巨大ロボットと少女の恋・・・上級者向けアニメ

原作レイプの代名詞、なぜかロボットアニメになってしまったサンライズ版アイドルマスターです。

声優が全て変更されており、一部キャラの性格も改変(改悪?)
そのうえ悲惨な末路を辿るキャラもいるので
原作ゲームファンがパロデイ作品として割り切って見るのも難しそう。

個人的には、萌えと燃えの融合、そして愛憎渦巻くシリアス展開で話題をさらった
舞-HiME・舞乙-HiMEのスタッフによる作品ということで期待してました。

やはり舞シリーズのスタッフだけあって、キャラ立てはよく出来ている。
キャラの掛け合いなどのコメディ部分は見ていて楽しいし
シリアスな部分も、危機感の出し方とか演出レベルはかなりのものだと思う。

ただ、あからさまにエヴァをパクリスペクトした設定や
一部キャラの行動原理や敵組織の目的が不明瞭なのは気になるところ。
とにかくめまぐるしく展開が動くので退屈はしませんでしたが。

で、本作のテーマは「巨大ロボット(アイドル)と少女(マスター)の恋」です。
絆なんて生温いもんじゃない。恋ですよ? 恋。
正直このテーマは最後まで見終わっても、ちょっと受け入れ難いものがありました。

{netabare}既に序盤からロボットに対して過剰に感情移入しまくるヒロインからしてアレですが
その後、元カノが出てきてロボットを間に挟んだ三角関係に発展、
そしてヤンデレ化、挙げ句の果てには「あなたが好きです」とガチ告白。
どういうことやねんと。こんなん見せられた時、どんな顔していいか分からない。{/netabare}

他のロボットアニメのロボと比較しても、明確な違いというのが
せいぜい「盗撮」ぐらいで、無機質で言葉も話せない存在であることに変わりはない。
ロボットではないけど、例えばリリカルなのはシリーズにおける魔法の杖は言語を発し
所有者と意思疎通できてることが視聴者にも分かりやすく伝わるので
そこから両者の間に絆が生まれるのも自然に感じられるんですよね。
物言わぬ存在だからこそ色々想像や妄想が膨らむってのも一理あるけど
やはり言葉を話せる設定にした方が良かったんじゃないかと思う。「恋」まで踏み込むなら尚更。


何だかんだで楽しめた部分も結構ありましたが・・・
これはアイマス云々関係なく、一部の上級者向けの作品でしょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
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