2024年度の格闘おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の格闘成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月03日の時点で一番の2024年度の格闘おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.6 1 2024年度の格闘アニメランキング1位
ダンダダン(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (255)
822人が棚に入れました
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

少年の憧れ「不思議と恋愛」を真正面から描いた古き良き系譜。

 とても面白かったです。テンポや演出などアニメのレベルの高さはあるでしょうけど、古き良きドタバタ劇を上手く今風にアレンジしたと思います。

 本作においてはUFOはSFというよりもオカルトとして展開しています。そのオカルトを題材としてゲスト妖怪・宇宙人が繰り広げるギャグとバトル、そして恋愛感情は「うる星やつら」を思い出します。ハーレムではない4人組みの関係性も同様です。

 リメイク版の「うる星やつら」が少々退屈だったのと比べて、キャラ付け、ストーリーの幹、オマージュなどで情報量の密度が3倍くらいになっていました。この情報量が現代的で一時たりとも退屈させなかった要因でしょう…とはいいますが、やはり最後の数話は若干間延びやマンネリが感じられたかもしれません。ほんのちょっとですけどね。

 そして、なんといっても「涼宮ハルヒ」の影響です。恐竜が出てきた回で学校に閉じ込められたシーンが朝倉涼子とのバトルシーンにそっくりで気が付きましたが、宇宙人、未来人、超能力者もしくは地底人のうち、宇宙人…はゲストですが、妖怪と超能力者がメンバーにいます。ジジなる少年は父が火山学者とのことですので、おそらく地底人なのでしょう。

 雑誌ムー(作中ではポー)という少年のころみた、オカルトへのあこがれというのは「涼宮ハルヒ」のテーマそのものです。「君の名は。」でも坊主の彼が持っていました。つまり、UFO,ネッシー、妖怪などはクリエータたちのあこがれだし、そういうあこがれを持ち続ける少年はどこにでもいます。

 オカルトが実在して不思議な仲間がいて、普通ではない学校生活を送れたらな、という少年の夢のようなものを感じました。この少年の夢と淡い恋愛にワクワクドキドキする高校生活というのが「うる星やつら」から「涼宮ハルヒ」を経由する日本のコミック・ラノベの一つの系譜だと思います。

 ただ、近年この系譜が「女子だけ部活もののきらら系」「ストーリーがない異世界転生もの」「コメディの弱いラブコメ」「中途半端なSF」「感動ポルノ」などに浸食され、20年30年たっても面白かったと語れるような作品が減っていると思います。

 つまり、視聴者が見たい要素が純化してニーズに応えすぎて物語やテーマが消失した抜け殻のような作品が量産されています。もちろん、それぞれのカテゴリーで優れた作品はありますがごく少数だし、優れた作品であっても時代の変化に耐えられるのか不安になる作品も多いです。

 そんな中で、本作ですね。正統派のラブコメであり、コミック・ラノベ的な不思議を真正面から扱っています。「うる星やつら」「涼宮ハルヒ」を彷彿とさせるボディのしっかりした作品が、2024年にコミック原作で登場したのは心強い限りです。この両作とて途中で失速しています。その意味で今後原作「ダンダダン」がどうなって行くかわかりませんが、この1期のアニメ「ダンダダン」は素晴らしい作品になったと思います。

 ただし、その本作をもってしても、2006年の「涼宮ハルヒ」2011年「まどかマギカ」などと同列で名前が後世に残る作品になれるかなあという気はしました。
 それはなぜかと言えば物語のスケール感が小さいからです。不思議は登場しますが、冒険や広がりがありません。ですのでカタルシスがこの両作に比べて弱い気がします。もちろん本作は完結していませんが、涼宮ハルヒは少なくとも1巻の結末をシャッフルという手法を使い、あるいは「サムデイインザレイン」というわけのわからない回で完結させました。
 今後、学校や街にとらわれない広がりがあるか、カタルシスを作れるか、ですね。そうでないと10年後には忘れ去られる気もします。

 一方でオカルトを「都市伝説」の名のもとで大量に消費し、不思議なものを信じるというより一種の話のタネになってしまった現状、この種の話に入り込めなくなっているという点では時代のせいとも言えます。1999年以降オカルトは急速に風化し、ネットの登場でオカルトが半分ギャグになってしまった現状からはもうカテゴリーとして成立しないジャンルになっているのかもしれません。だから、本作でもウルトラセブンのオマージュになってしまっており、そこに実存感がありません。ひょっとしたら自分にもという夢がオマージュによって薄れてしまっています。

 それと宇宙人やターボばばあをはじめ「性的なもの」のテーマ性が中途半端だったのも惜しいですね。そこが軸にならないと、テーマが見えなくなります。

 アニメとしての作画、美術、カメラ、構図、演出、エフェクト、色彩テンポどれをとっても素晴らしかったです。特に人物の表情が素晴らしかったと思います。

 評価はそうですね。テーマやカタルシスが弱いのと、続きがあり中途半端なのでストーリーだけ4にします。あとは5ですね。





1話 方向性はわかりませんが面白い。SARUのアニメ表現は最高だなあ

{netabare} サイエンスSARUは今のところハズレなしの印象です。独特なアーティーなアニメ表現がとても良いです。作画もいいですし。

 ダンダダンですか。名前はかねがねという感じです。こういう話だとは知りませんでしたが。初回はアニメに意識を持っていかれて話を確認するため2回見てしまいましたが、オカルトアクションボーイミーツガール?ホラーヰタセクスアリス?そんな感じでしょうか。

 はじめの格闘シーンで女の子が容赦なくボコられるのが、なるほど攻めた作品だという期待感になりました。その割にスカート鉄壁じゃん、さすがサイエンスSARU。机に座っているときもわざわざ椅子の背でスカートの部分を隠していたので性表現のデオドラントがすごいな、と思っていました。

 で、あのエロい拘束シーンですか。うーん、だったら格闘シーンで見えたほうが不自然じゃない作画だった気がしますが、そこは椅子も含めて演出なんでしょう。下着はシンプルなデザインですけど、肩紐が浮いていたりなかなかの作画でした。薄い本の展開っぽかったですね。性的な内容なのか?と思いましたが、アクションも派手でしたのでどの方向性かわかりません。

 処女を強調した以上、そこはテーマにしてほしいですけどね。これだけ性的な内容を入れたのだから。そこが軽いと単なる少年漫画どまりでしょう。ただ「ギャル」に対する視聴者(読者)への言い訳な気もしますけど。

 心情とか過去をセリフで説明しちゃうのが今どきの少年漫画的でそこでちょっと期待感が薄れましたが、初回のアニメのクオリティーはすごかったので継続視聴します。

 一番最後の「この作品は、実在の人物(○○○を含む)、団体とは一切関係ありません。」の〇〇〇に気づけた人はアニメを注意深く見ている人でしょうね。{/netabare}


2話 思ったよりエロくないいし、がっつりオカルトで少年向け感があります。

{netabare} 考えてみれば「イチモツがない」と言うことは「性的な作品ではない」という宣言なんでしょうか。1話を見るとセックスがテーマに含まれるかとおもいましたけど。
 2話を見ると微エロは見せますけど、むしろ孤独な主人公がヒロインと出会う、ボーイミーツガールなのか、友情物語なのか。何しろイチモツがないですから男女の友情が成立するということかな?そういう話は含まれるでしょう。  

 最後イチモツを取り戻したときにはどうなることか、その辺よくわかりません。去勢された男子=恋愛もセックスも出来ない草食系男子とも取れます。
 名前が話題になる話はそこが結論になるんでしょう。本名でオカルンが呼ばれる日はいつ来るんでしょう?そして、モモがオカルンを高倉健と呼ぶときはどんなときでしょうか。

 思ったより本格的なオカルトで行くんですね。というより変身ヒーローものの亜流の匂いもします。期待よりは少年向けテイストが強いですが、話、テンポ、演出、作画が高水準なので面白く見られています。後半の白黒+赤の画面でこれだけ魅せるのは大したものです。

 それとOPみると2人サブキャラがでそうですが、その辺どういう展開なんでしょうか。味方なのか敵なのか。 {/netabare}


3話 結構普通だったかも。頭を使わないで見られる系かな?面白いけど。

{netabare} 回を追うごとに普通の少年マンガになって行きます。面白いですが展開は一般的なボーイミーツガールものになりそうですね。もうちょっと何かあるのかと期待していましたが、そこは期待外れです。それとも何か仕込みがあるんでしょうか。

 それと、祖母があの若さなのは何かオカルト的なものがあるのでしょうか?「幽遊白書」の婆さんがたまに若くなっていた気がしますけどそれとは違いそうです。理屈では40歳ちょっとで高校生の祖母になれますけど。

 面白いのは否定しませんが、どんどん頭を使わなくなっています。レビューを継続する内容があるかどうかはもう数話見極めたいと思います。{/netabare}


4話 汚いセリフと表情が良かった。ターボババアの出自が今後活きるのか?

{netabare} 追いかけっこのシーンは迫力はありますが、こういう速いだけの作画というのはあまり好きではないです。ただ、汚いセリフのテンポが快感になります。ウイリアムテル序曲をベタに使いながらもセリフと効果音が効果的で耳的には非常によかったです。

 それとこの作品はむしろ止め絵の方が気に入っていて、人物の作画のカメラアングルと表情が非常にいいですね。この作品の特筆すべきところでしょう。

 追いかけっこで終わるのかな、と思っていたらターボババアは「理不尽な死」と言葉を選んでいましたが、凌辱され殺されたた少女の怨念ということですか。だから、イチモツを切り取る妖怪だったんですね。このターボババアの話が今後なにかあるんでしょうか。イチモツが戻ってもタマがないのかな?

 カニはちょっと「デビルマン」の「ジンメン」をオマージュしている感じでした。ところでなんでカニなんでしたっけ?意味がありそうですけど。
 カニが温泉で赤くなるのか?と思ってちょっと調べたら40度くらいからすこしずつ赤くなるみたいですね。固くなるのは60度からだとは思いますが。{/netabare}


5話 恥ずかしすぎる青春劇に悶えましたが、そこが良かったです。

{netabare} 青春劇が恥ずかしすぎて悶えてしまいます。ギャルとオタクはもはやテンプレですし、ギャルのパワーで恋愛描写を省略したり恥ずかしさを相対化する機能だと思っていましたが、本作は思いっきり内面を描いた恥ずかしい青春もの展開でした。
 だが、それがいい…という奴ですね。キャラの性格造形と立ち位置を深掘りしつつ、短い時間で面白く丁寧に描写しました。内面を自分で説明しているのでわかりやすすぎますが、テンポが良すぎるぐらい良いし、ギャグテイストでやっているので気になりませんでした。

 それにしても、日常パートの作画が本当に素晴らしい。前半の学校のシーンの2人の表情がたまらないですね。コミックとアニメのいいとこどりをしたような感じで、これこそがアニメ化の意味ですね。これは本当に良かった。「ダンジョン飯」とか本作とか見ると、日本のアニメはまだまだやれると思わせてくれます。

 それとあのピンク髪の娘はゲストではなく続くんですね。なかなか濃いキャラで期待が持てそうです。

 コミックスをポチリたいのを我慢しています。アニメをフレッシュな気持ちで見たい作品ですけど…読みたくてしょうがないです。 {/netabare}


6話 体感時間5分の圧倒的テンポ。1週間のロスがきつい。

{netabare} アイラが金の玉を拾ってポケットに入れるシーンのカメラワークのレベルの高さに魅了されてしまいました。もちろん、話も面白い、キャラ立ちがすごい、演出もいい、何よりテンポですよね。

 コミックのアニメ化はこの作品のテンポを見習ってほしい。コミックの段階からこのテンポだとしたら、削ることを知っている原作者なんだと思います。全部だらだら見せて、聞かせて、説明するのではなくとにかく怒涛のようにすすめる…それでいて話を見ていれば説明の必要がない過不足のない作りこみ。つまり推敲がきちんとできている考え抜かれた作品ということでしょう。

 ストーリー、演出、作画、カメラワーク、テンポ、声優あらゆる面で最高です。

 恋愛の部分もいいですね。可愛い事に気づくって…甘酸っぱすぎるでしょう。ボーイミーツガールにふさわしい展開です。それにモモの友達のギャル達がいい子すぎます。
 声優さんに金玉とかクソダラと言わせる光景もメタ的に想像して1粒で2度おいしいですね。

 という事で今週もさっき見始めたと思っていたら体感5分で終了です。1週間のロスがきついなあ…それにしてももう6話かあ…分割2クールであってほしい…いや、4クールでもいいですよ?{/netabare}


7話 シリアスさのチューニングに違和感があります。これがやりたいの?

{netabare} アニメ作品はきれいごとだけでは奥行が浅くなるので、つらい事や悲しい事、痛い事、ストレスがたまる事など必要があれば描くのは避けるべきではないと思います。

 ですが、どうでしょうね。この作品のチューニングとして今回の後半の回想をあそこまで丁寧に描く必要があったのか。主要キャラ2人とターボババアに同様の出来事があるんでしょうか?
 例えばターボババア発生の原因となったのか知りませんが過去犠牲になった女子学生たちのことを描いているなら今回の回想はわかります。しかし、実際にはこのレベルの悲惨さは他の主要キャラでは描いていません。

 そこの違和感はかなり強く感じました。つまり、妖怪退治で過去の悲惨な出来事を掘り起こす話になってしまうのでしょうか?そういうじめじめした部分を省略することで、深味とサラリとした部分を両立するのが良かったのにと思わなくはないです。この深掘りがやりたいのなら、主要キャラのどちらかで初めの内に見せておくべきでした。

 要するに今回の悲惨さとか女の辛さが主要なテーマであるとか、キャラたちの過去を深掘りするとか、アイラのキャラ描写に役立つならいうことはありません。ただ、何で突然この妖怪の深堀りだけするの?というのが本気でわかりません。
 そして、この7話が面白くないとはいいません。エピソードの出来が悪いとも思いません。ですが、チューニングというかバランスが非常に悪いなあと思いました。そして、ちょっと悲惨さがテンプレな気もしますので、その点でもっと短く描いても良かった気がします。

 はじめアイラの実の母だと勘違いしましたが、葬儀のシーンを見ると違う人みたいですね。その割に父親の淡々とした感じに違和感はあります。悲しみをこらえて虚無になっている感じでもないし。そこにまだ設定が残るのかな?アイラの母親も今回の妖怪と同じだという読みとり方も出来なくはないですが…

 ということで、本作の初の減点項目ですね。こういうシリアスがやりたいなら1~6話の導入がちょっと違う気がします。引き延ばしが始まらなければいいのですが。{/netabare}


8話 オカルトがメインというよりラブコメ?涼宮ハルヒの影響が強い?

{netabare} テーマというか視点をどこにもてばいいのかわからなかったですが、結局ラブコメということみたいですね。オカルトバトルは一つの話の要素であってテーマではないと見た方が面白く見られる気がします。

 ラブコメでもみんな主人公のあそこを狙っているということで、そこに意味性がある可能性もありますし、2人の肉食系女子に翻弄される草食系男子ですね。ここに性的なメタファがあると思うのですが、そこにまだまだ意味性は薄いですね。妖怪の原因というか被害者に女性性が関係はしてますけど。

 で、オカルトの視点で見ていたので気が付かなかったですけど、今回見て思ったのが「涼宮ハルヒ」の影響が大きい気がしてきました。妖怪や宇宙人、超能力者と来てますからね。ハルヒとキョンがいないハルヒの世界ですね。その意味では世界系の話になるのかな?

 そして、教室に閉じ込められるシーンは朝倉涼子とのバトルのときを嫌でも思い出します。OPを見る限りもう一人男子キャラが出てきそうですが、これで未来人か地底人がくれば完璧ですね。この男子が2人いる構造もハルヒですし。無理やりハルヒの影響を強弁するつもりはなく、なんとなくそう感じたという話です。


追記 女子のスカートの下の影が一直線になっていて、スパッツをはいているように見える作画がちょっと気になりました。光源が真上以外にああなることってあるのかなあ…と思ったりしました。 {/netabare}


9話 ラブコメバトル回。後半の作画とエンタメ度がすごかったです。

 作画がなんかすごいことになってました。特に13分以降の後半の水中戦です。動きだけでなく表情も良かったです。今回、内容は無いですが、ラブコメバトルとしてエンタメ度はすごいです。


11話 世界系=ハルヒ、うる星などの系譜か。分割2クールだよね?(願望)

 この状態、構成で数年の2期待ちはない気がするんですけど…この感じはひょっとして分割2クール?まあ、願望70%ですけどね。

 はじめにいろいろテーマがどこにあるのかを考えましたが、要するにラブコメですよね。現代のラブコメの構造としてオタク+ギャルというのは考えてみれば王道です。

 そこにサブカル好き、そして非常に強く感じるハルヒ臭。そう、この作品から非常に強く感じるのは「涼宮ハルヒの憂鬱」です。特にハルヒ=桃子の性格造形は非常に強く感じます。

 それと4人という構造的には「うる星やつら」もありますけどね。つまり、あたる、ラム、面堂、忍の関係性ですよね。「ハルヒ」が世界系と言われていますが、実は「うる星やつら」もラムとあたるの恋愛がそのまま世界の存続に繋がるという点で世界系です。

 ですが、世界系の本質はそこにはなく「日常の崩壊により少年が特別な存在になる=恋愛のスタート」というもともと思春期課題こそが世界系ではないかと思います。うる星は実は終わらない日常などと言われていますが、ラムの登場で日常が終わるところからスタートしています(それがビューティフルドリーマーの違和感の正体な気がします)。

 エヴァはもちろんですが、例えばガンダムにしたって、日常の崩壊とガンダムによって力を得るところから物語が始まります。つまり世界系作品は14歳から16歳の少年が主人公になるのは、自己拡張、日常の破壊というのは思春期のメタファになっているのでは?と思います。

 本作の「日常の終了の終わり」「力を得る」ことこそ思春期の始まりのメタファであり、その時恋愛が始まる。これこそだ世界系の本質ではないかと思いました。つまり、それは何百何千何万と作られた日本のラノベ、コミックの王道そのものです。それこそが、日本の正当派世界系少年コミック的SFラブコメです。だから本作は面白いのではないかと思いました。



 

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青春こそ宇宙最大のミステリー!?

霊媒師の孫で、幽霊は信じるが宇宙人は信じない女子高生・綾瀬桃。
オカルトマニアで宇宙人は信じるが幽霊は信じない同級生少年・オカルン。
それぞれ異能を獲得してしまった二人が、凸凹とぶつかりながらも、怪奇現象に立ち向かったり、青春したりする同名コミック(未読)の、
連続アニメ化作品1期目(全12話)

【物語 4.5点】
オカルト、バトル、青春が高水準で寄せ鍋された好シナリオ。

幽霊物でよくある、霊の生前の悲しい過去を見事に掘り下げ、感動回に昇華させた第7話。
{netabare} 美少女JKが下着姿になる{/netabare} エロティックも交えて宇宙人との水中戦も含めたハイスピードバトルを展開した第9話。
など濃厚な回が、時に下ネタも含むギャグも絡めながら、毎週繰り出され続ける。
最初から最後まで勢いを落とさず突き抜けた愉快な深夜アニメ。

それでいて、振られたばかりのヒロインと、
そのヒロインが人生で初めてと言って良いくらいの友達となったオカルト少年。
適宜、新たな美少女、イケメンキャラとのハプニングの横槍で、嫉妬や動揺を演出しつつ、
少年少女の青春劇が展開されるのも高得点。

地味に5話にて、例の如く喧嘩する桃とオカルンを目撃した、桃のダチのギャルが、
何て仲睦まじいんだとキュンとなる件が私は結構好きですし、共感します。

怪異とのバトル中まで喧嘩を引きずることで、街の一大事と俺達の青春を並列させる。
青春の価値を際立たせる、この種のバトル物ではお馴染みの脚本パターンですが、ハイテンポで良き。
初回から、{netabare} 桃が、オカルンの本名が、憧れの俳優・高倉健と同姓同名だと知った衝撃の胸キュンと、
ハチャメチャバトルの締めの爆発がシンクロする場面{/netabare} で、
私のハートはわしづかみにされました。


当初から、この夏予定の2期も企画されていたのか、最終12話がぶつ切りENDに。
最近、分割クール体制の作品を中心に、こうした構成が多く一部で不評を買っていますが。
後を絶たないということは、分割の間に再放送などを挟んで盛り上げれば、
より多くの視聴者獲得に有効だからなのでしょうか。

実際、これから新規で観る方は、今春の1期再放送から追いかければ、2期にスムーズに接続できるでしょうし。
ただ、キリが良くなきゃ嫌だという方は、エピソードの切れ目となる9話辺りまでで、
2期に向けて待機することも選択肢としてオススメします。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サイエンスSARU

あまりにも高カロリーな作画のアニメを視聴していると、
消化不良を起こして消耗してしまう自覚が私にもあります。
が、本作の場合は、ハイレベルなバトル映像などが展開されるにも関わらず、
観るぞ!と気合を入れなくても、スルスルと消化できてしまう。

何でだろう?とインタビュー等を漁ってみると、
やはり描き込み過ぎて見辛くならないよう、抜く所は抜く工夫が成されていたとのこと(※1)


一方で、ターボババアの赤、アクロバティックさらさらのピンク、
カミッシーの緑など。
怪異ごとにテーマカラーとなる背景色を決めて、空間支配を演出するなど、
こだわる所はこだわり抜く。

韋駄天ターボババアとのチェイスなど、背景と一体となった疾走シーンもスピーディ。
が、最も疾走感が出ていたのは、9話ラスト、
{netabare} 下着姿と裸で抱き合ったまま、皆がいる学校の廊下に戻って来てしまった桃とオカルンらが、
羞恥から悲鳴を上げて遁走するカットなんですけどねw{/netabare}


エロ絡みと言えば、怪異の攻撃などで、粉々に破れちゃう女子高生の制服が頻発するのも、昭和かwって感じで印象的。

で、その散り散りになった制服について、
{netabare} アニメだからと都合良く無償で再生を当たり前にせずに、
ちゃんと星子婆ちゃんに、制服買って下さいと懇願する{/netabare} 件も、
私の中では高得点ですw


【キャラ 4.5点】
仲良く喧嘩できる桃とオカルンら人間だけでなく、
怪異もキャラ立ち良好。

あのEDアニメの招き猫?はいつ登場するのだろう?
原作未読の私はワクワクしていいましたが、
中身が{netabare} ターボババア{/netabare} だったと知った時の衝(笑)撃と言ったらw

桃の祖母・星子もそうですが、
婆ちゃんが暴言も交えて活躍するバトルアニメに外れはありません。


主題歌アニメの斜め上からの伏線回収と言えば、
OPにてUFOに牛一頭丸ごと捕獲されるカット。
宇宙人ネタの代表事例であるアブダクション(動物連行)や、
キャトルミューティレーション(動物の内蔵、血液抜き取り)の象徴と思しきあのカットがまさか、
{netabare} 牛乳と同成分の血液を持つドーバーデーモンに、
治療用に提供された餞別の乳牛の場面{/netabare} だとは思わないじゃないw

悲劇の経緯を抱えた幽霊系も良いですが、
ドーバーデーモンさんも生活感あって好きでしたね。
依代を変えて継続的に登場し続けている幽霊系怪異と同様、
ドーバーデーモンさんにもまた再会できると嬉しいです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・桃役の若山 詩音さんと、オカルン役の花江 夏樹さんによる、
痴話喧嘩?も交えた掛け合いを軸に、
CV.佐倉 綾音さんや、石川 界人さんも絡んでいく。
メインの少年少女役には一線級が起用され実力を発揮。
花江 夏樹さんは気だるげ妖怪モードへの切り替えにも好対応。

キャスト陣をさらに盤石にしたのが怪異役で気を吐いたベテラン勢。

ターボババア役の田中 真弓さん。
ターボババアは、イ◯モツだの、オ◯パイだの卑猥な罵詈雑言(ピー音なし)が多い怪異ですが、
オーディションの際、真弓さんは、こんなセリフを自分と同年代以上の大御所に言わせちゃいけない!私が引き受ける!
との使命感を持って挑んだとのこと。

2024年も色々な声優さんのエピソードに触れて来ましたが、
私はこの件が一番笑撃的でしたw
真弓さんの献身により、ベテラン声優の名誉は守られましたw

また、あの7話の出来は、アクロバティックさらさら役の井上 喜久子さんの熱演が無ければ成り立たなかったでしょうし。
あとは執拗に“バナナ”を追い求めるセルポ星人役の中井 和哉さんとかw


桃の祖母・星子役には水樹 奈々さん。
元々、弾けたり、声を張る役もこなす能力も備えた元・演歌歌手。
この婆ちゃんみたいな、キツイ口調の役も回って来るようになる。
奈々さんは円熟期に入ってからが面白い声優さん。
今後もドスを利かせて、コブシを利かせて、魅せて頂きたいです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は牛尾 憲輔氏。
牛尾氏とSARUと言えば、私の中では、
テクノ、エレクトロサウンドで『平家物語』を呑み込んでしまった仕事が印象的。

今回もオカルトバトル全般から青春、ギャグまで、求められる守備範囲は広範でしたが、
時に昭和歌謡曲風まで電子音でカバーしてしまう牛尾氏のサウンドは万能です。


OP主題歌はCreepy Nuts「オトノケ」
ラップ歌詞の随所に心霊オカルトネタを仕込んだ同曲。
このままだと幽霊・妖怪偏重ですが、
そこは『ウルトラマン』をオマージュしたOPアニメでバランスを取る。

ED主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「TAIDADA」
招き猫がドライヤーで波打って始まるEDアニメとか誰得?と最初は思いましたが、
(EDの子猫拾う話は原作の巻末おまけエピソードが元ネタとのことでファンサではあるらしい)
徐々に病み付きに。
て言うか、玉に爪立てるのはお止め下さいw

名前見た瞬間に、主題歌アーティストも濃いな~とニヤニヤが止まらなかった1期。
2期以降も楽しみです。


【参考文献】(※1)(※2)「月刊Newtype 2024年12月号」

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメは観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!

龍幸伸による原作漫画は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中(既刊18巻、未読)。
アニメ1期は全12話。監督は山代風我。制作は『映像研には手を出すな!』、『平家物語』などのサイエンスSARU(東宝の子会社)。2期の制作が決定済み(以上、Wikipedia参照)。
(2025.2.24 投稿 2.26 一部加筆修正)

【アニメは観ればわかる!】
日本アニメ・漫画の特徴ともいわれてますが、日本のアニメ・漫画は、とにかく設定に関する説明が多い。特に昨今のアニメの主人公が最初からチート過ぎることもあり、そのチート内容の説明であったり、その主人公の強さに見合った強いライバル(敵)なんだという説明も多い。

もっとも、アニメ・漫画は、そもそも「画で伝えるメディア」。敵が強いなら、そのことを言葉ではなく画で見せればいいんです。

本作は、そんな「アニメは観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!」というコンセプトがガンガン伝わってくる映像で魅せる作品。作ったのは、監督初作品となる31歳の山代風我監督。粗削りだけど、その辺の昨今の日本アニメに対するモヤモヤ感を吹き飛ばすだけの勢いを感じました。

また、原作漫画の龍幸伸さんも、「漫画は観りゃわかるんだから余計な説明なんかいらねぇ!」というコンセプトで描いているそうなので(※Youtubeでの原作者インタビュー参照)、いいマッチアップだったんじゃないでしょうか。

本作は、宇宙人やネッシーといった「オカルト」と、ターボババアやアクロバティックさらさらといった都市伝説などの「怪異」という「よくわからんもの同士を戦わせたらすごいんじゃねーか」という単純なコンセプトから出発したそう(※Youtubeでの原作者インタビュー参照)。

もっとも、本作は、オカルト、怪異に限らず、OPは1966年放送の初代ウルトラマンのOPのオマージュ、3年B組金八先生、俳優・高倉健、「24時間戦えますか」はバブル期、阿部寛の『下町ロケット』、古畑任三郎、志村けんのバカ殿様などなど、年代・分野を問わず日本のカルチャーを幅広く取り込んでいます。

ところが、海外の人はもちろん、日本人でも、これら全てをリアルタイムで観ていた人は少ないでしょうから、事情が分からないと白けるかもしれないのに、画で物語に引き込んで、その背景事情に興味がわいたなら自分で勝手に調べやがれ!(※細かい説明なんかしてやらねえ(笑))という画で魅せる自信がないと決してとれない視聴者に優しくない「強気な姿勢」できた(笑)

でも、この「画を観ればわかる」、「画で物語に引き込む」という強気の姿勢が功を奏した結果が、本作の世界的な大ヒットを生んだ原動力なのだと思っています(※現に海外では、本作をきっかけとして俳優・高倉健をはじめとする日本の文化に興味を持つ人が増えているようです)。


【「強気な姿勢」の功罪】
さて、いきなりの第1話、ターボババア(CV.田中真弓)の主人公・高倉健ことオカルン(CV.花江夏樹)に対する「オッパイ吸わせてやるからよお、イチモツしゃぶらせろ」というセリフが強烈過ぎて、国内外で物議を醸すことに(笑)

確かに、字面だけみるとパワーワード過ぎるんですが、実はターボババアがこのセリフを言うだけの理由があったことが第4話で明かされます。当然、1話の段階ではわかりませんし、第4話でも明確な説明はないので、きっとわかってもらえるはず!という、ここでも視聴者に丸投げの強気な姿勢。

もっとも、この観る者に細かい解釈を丸投げという表現者の強気な姿勢は、古くは短歌・俳句の「体言止め」から『シティーハンターのGet Wild』、『サムライチャンプルーの四季ノ唄』に続く、全てを語らず余韻を残すというハイコンテクストカルチャーである日本古来の表現でもあります。

また、山代監督の演出も斬新といわれていますが、監督曰く過去のアニメなどで気になった演出を高校生からメモって来たものの集大成のようです。さらに、称賛されている第2話の白黒表現も、本作のオマージュ元である過去の白黒テレビで放送されていた頃の「特撮」に対するオマージュの意味があるそう(※Youtubeの監督インタビュー参照)。

というわけで、観る側が最近接していないというだけで、温故知新じゃないですが、まるっきり由来のない表現ではない。

説明がないことでストーリー展開のテンポも上がって、こういった「映像で魅せる」というコンセプトと相まって、より視聴者の想像力を掻き立てる映像になっている。そして、それがオカルトや怪異といった「よくわからないもの」の表現ともマッチしていると思うのです。


もっとも、説明がないことの弊害もあって、例えば、怪異だけでなく宇宙人にも「お札」が効く理由がよくわからないし、星子(CV.水樹奈々)が美魔女な理由も不明なので、映像の勢いで誤魔化されている面は多分にある。

さらに、話題の第7話で、外国人のアニメ実況者がアクさら(CV.井上喜久子)と白鳥愛羅(CV。佐倉綾音)が実親子だと勘違いしていたので、正確には内容が伝わっていない。まあ、正確に内容が伝わってなくても、号泣してるんですけどね(笑)


結局のところ、本作は、「(立ち止まって考えると)意味はよくわからんが観ていて飽きない作品」なので、とりあえず一旦は制作者側の意図に乗っかって楽しむのが吉な作品だと思いました。アニメは愉しむのが一番。

あとは、もし本作を観て興味がわいたなら背景事情を調べていくと色々と面白いことがおまけ的に分かるというような仕掛けになっているんじゃないでしょうか。


【声優】
『リコリコ』で井ノ上たきな役だった若山詩音さんが、もう一人の主人公である綾瀬桃を演じてます。海外では、『週刊少年ジャンプ』を代表とする少年漫画の女性主人公の既成概念を変える主人公と評されているようです。でも、「たきな」もそうだし強い女性主人公自体は昔からいるので、そこまで持ち上げられていることに若干違和感あり…

『ワンピース』のルフィ役として有名な田中真弓さんがターボババア役として出演。他の代表的な役も『天空の城ラピュタ』のパズーだったり、『ドラゴンボール』のクリリンだったりと若い男性が多いので、年相応の女性役であるBBAをやりたかったそう(笑)

「とりあえず第7話を観ろ!」の意味を私もようやく理解することができましたが、その第7話に登場するアクロバティックさらさら役の井上喜久子さん(17歳おいおいw)が控えめに言ってヤバイ。
娘で現在声優の井上ほの花さん(24歳!?)が小さい頃、彼女をリゾートホテルのプールに一人で残してしまったことがあり、しばらくしてプールが深くて足がつかないことに気づき、青ざめて一目散に娘のところに駆け戻った時の感情を再現したそう(※ダンダダンのラジオ参照)。滅茶苦茶迫真です。


【音楽】
Creepy NutsによるOPの「オトノケ」は、『マッシュル』のOPとして全世界で人気となった『Bling-Bang-Bang-Born』に続いて話題に。現在、個人的にもヘビロテ中。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

69.7 2 2024年度の格闘アニメランキング2位
ザ・ファブル(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (115)
345人が棚に入れました
最強の天才殺し屋...でも殺してはいけない? 幼少期から殺し屋としての英才教育を受け、 どんな敵も 6 秒以内に鮮やかに葬り去る、 無敵の殺しの天才・通称“ファブル”。 ある日、組織のボスから 「1年間誰も殺してはならない」 という突然の指令を受けた彼は、 人殺しをしない全く新しい生活を送ることになる。 佐藤明と名乗り、プロとして初めて過ごす普通の生活。 しかし、平穏な日常の中に蠢く、不穏な空気が明を放っては置かない...。 果たして、この最大にして至難のミッションを遂行することはできるのか!? 寓話と呼ばれし無敵の殺し屋“ファブル”の、 カッコよく、滑稽で、 そして少し風変わりな 1 年間の殺し屋休業生活が始まる!

声優・キャラクター
佐藤明:興津和幸
佐藤洋子:沢城みゆき
清水岬:花澤香菜
海老原剛士:大塚明夫
小島賢治:津田健次郎
ボス:小村哲生
ジャッカル富岡:福島潤
浜田広志:石井康嗣
黒塩遼:岩崎諒太
高橋勝也:三野雄大
砂川宗一:髙橋耕次郎
マツ:水内清光
田高田健二郎:大西健晴
貝沼悦司:朝比奈拓見
マスター:一条和矢
河合ユウキ:梶裕貴
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

累計発行部数2500万部突破は伊達じゃない!

大阪府岸和田市出身、『ナニワトモアレ』で第41回ちばてつや賞準大賞を受賞し漫画家デビューした南勝久の原作漫画は、『週刊ヤングマガジン』(講談社)での連載が2019年に終了(全22巻、原作未読)。
アニメは全25話(2024年)。監督は、御年81歳、『装甲騎兵ボトムズ(1983年)』、『火の鳥(2004年)』などの髙橋良輔。制作は、『マイホームヒーロー』、『アンダーニンジャ』などの手塚プロダクション(以上、Wikipedia参照)。
(2024.12.5 投稿)

一昔前のヤンキー漫画のようなキャラクターデザインと、時代に合わせてマイナーチェンジされてはいるものの「やくざもの」なので人を選びそうではありますが…、実写映画化、累計発行部数2500万部突破は伊達じゃない!
他のアニメのレビューを書いている途中の気分転換で観始めたのに、こっちが先に完走するくらい面白かった!


【あらすじ】
現代日本が舞台。昨今の監視社会、厳重な監視カメラ網を抜け、6年で71人を暗殺、正体に繋がる痕跡を全く残さないため、裏社会でもその存在が都市伝説化し「ファブル」(寓話)と呼ばれる「殺しの天才」が主人公。

主人公は、殺し屋組織の長で育ての親でもあるボスに呼び出され、最近の活躍が目立ちすぎとして、「1年間大阪に移住し、誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」との指示を受ける(※ただ、ほとぼりが冷めるまで身を隠すだけなら、一般人と同じ生活をする必要がない点をいぶかしむ。)。

かくして主人公は、ボスから「佐藤明(アキラ)」(CV.興津和幸)という偽名を与えられ、同じくボスに育てられ、地図を完全記憶できる運転手で仕事のパートナー、アキラの妹という設定で同行することになった「佐藤洋子」(CV.沢城みゆき)と大阪にあるとされる太平市(※岸和田市がモデルのよう)へ。

そこで、古くから組織と付き合いのある地元の暴力団「真黒(まぐろ)組」の庇護の下、幼少期から殺しの技術をボスから叩き込まれ、殺ししかしてこなかった青年が、一般人として新たな生活を始めるのだった…

もっとも、何より面子・プライドを重視する裏社会の人間たちが伝説の殺し屋の存在を知りながら、これを自らの面子とプライドにかけて放置するわけもなく、明は事件に巻き込まれていくことになります。


【日常パートは基本的にコメディ】
裏社会を描いた作品ですが、主人公の明は、部屋の中を素っ裸で過ごしたり、福島潤さん演じる「寒い芸人ジャッカル富岡好き」という世間ずれした、とぼけたキャラとして描かれているので、日常パートは基本的にコメディ(※ただ、コメディといってもブラックジョークもアリ)。

そこに妹設定のはずの洋子が、伝説の殺し屋に臆することもなく、世間知らずの(設定上の)兄に容赦のないツッコミを入れていきます(※ボケとツッコミのセンスは流石の大阪出身。)。

この洋子のキャラが沢城さんの演技と相まって本当に秀逸。見た目は、若くて美人、酒好き優男好きで年相応のチャラさを醸す一方で、伝説の殺し屋のパートナーとして相応しい才能を持ちながら、それをおくびにも出さず、長年裏社会に身を置いてきた年不相応な達観・冷めた内面を隠し持った「化け物」を沢城さんが好演。

特に洋子が優男の口車に簡単に乗せられているように見せて、内心の男に対する冷静な論評が適格で最終的にその男を手玉に取ってしまうシーンには、二人の外見と内面のコントラストが皮肉たっぷりで笑かしてもらいました。
(※特にこのシーンで、他人に見せる筋肉をつける時間があるなら、より実践的な格闘技を習った方がましという発想が、すごい本質的なんですが少なくとも恋する乙女の発想じゃあない(笑))


視聴前は、ビジュアルからもっと裏社会メインの話なんだと思っていました。確かに、殺しや理不尽な話もきっちり描かれていますが、日常生活がベースなので、こういった緩い日常に緊張感ある裏社会の話がピリリと加えられ、そのギャップが程よい感じの仕上がりになっていると思います。


【「サヴァン症候群」について】
さて、明の突飛な行動や、興津さんの演技には賛否ありそうですが、参考までに作中でも言及されている「サヴァン症候群」について、ちょっと触れておきたいと思います。

サヴァン症候群とは、「自閉症スペクトラムなどの発達障害や認知機能の遅れを有しながら、特定の分野で類まれな才能を発揮する症状やその人を指します。」(※GoogleのAI検索結果)
(※ちなみに、サヴァン症候群の能力としては、広い土地の地理や道路などを覚えている、一度しか聴いたことのない曲を演奏できる、何も見なくても正確な時間がわかる、まるで写真のような絵を描くことができるなどが挙げられています。)

というわけで、明については、あのような演技になっているのだと思われます。また、洋子もサヴァン症候群のようなので、組織のボスが彼らを最初から狙って育成していた可能性はありそう。


【明という抜き身の刀を収める「鞘」はあるのか?(※感想)】
{netabare}真黒組の組長から明の世話を任された若頭・海老原(CV.大塚明夫)は、はじめ明が普通の生活を送ることを信用せず、明を「シリアルキラー」(※殺人鬼)ではないかと警戒します(※これは、裏社会の人間としての特別な反応ではなく、むしろ普通の反応だと思います。)。

確かに、シリアルキラーは「快楽殺人犯」をいうので、放置しておくと周囲の人間を無差別に殺していきます。しかし、大量に人間を殺した人が全てシリアルキラーなのかといえばそうではない。

もっとも、明は殺人がダメなことだと認識していても、殺人に対する天賦の才と幼少期から人の命の軽い環境にいたため、対象を6秒以内に確殺するなど殺人に対する躊躇・抵抗感がない。

根が純粋で他人を思いやる気持ちを持っていたとしても、明のこの状況は、持っている才能が才能だけに周囲が危険視し始めるので、何らかの明確な「ストッパー」、「安全弁」がない限り、本人も破滅することになる。
(※だから、ボスはしばらく一般人として平和に暮らしてみろと指示したのでしょう。まあ、本人もインコが30年以上生きることを知った際に、自分が長生きできるとは思っていない様子でしたが…)

抜き身の刀、しかも、その切れ味が抜群であるなら、持ち歩くには、それを収めるためのしっかりとした「鞘」が必要になる(※例えば、『シティーハンター』の冴羽獠における槇村香みたいな存在)。

あくまでフィクションですが、個人的には最終的に明をどういう風に収めるのかが気になる作品でした(※本作は、まだ原作漫画の途中まで)。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハードすぎないコミカルすぎない絶妙なバランス。緩急の上手い作品。

 16話まで見ました。見逃し配信で見ています。4、5~8話を飛ばしてしまいましたが、ほぼコミックス通りなのでレビューします。見逃し配信の最後が9月末なのでその前後でディズニーに1か月は入ろうかな、と思うくらいには面白いです。
 原作は何年か前にどっかの食堂で読んだら面白くてその店にある8巻まで数度通って読みました。ちょうど今やっているあたりだと思います。

 こういう作品ってとっかかりが難しいです。1巻の表紙を見ると「殺し屋イチ」「シマウマ」みたいなドロドロの奴を想像していました。こんなにギャグ…だけではない部分もありますが、面白いとは思いませんでした。
 シリアス部分のハードさは少し前にアニメでやった「マイホームヒーロー」くらいですが面白い部分が本作の方が多いです。といっても「静かなるドン」のようにギャグに振りすぎてません。その辺の緩急のバランスが非常に上手くできています。あるようでなかった新鮮な感覚があります。

 そう…この緩急は非常に上手いです。佐藤洋子というコメディよりのキャラを置いたのがいいです。洋子の酔っ払い男の鑑賞、最高です。活き活きしています。それでいて、只者ではない感がいいです。アニメでは沢城みゆきさんがやっているのが非常にキャラに合っています。

 この緩急に関しては、メインヒロインのミサキは洋子と違う意味でいいです。性格が一般人感覚で結構いい性格だろうと思わせる描写が初期からあるので、自然読者・視聴者が応援したくなるキャラになっています。
 素性として{netabare} もとグラドル、AVもどきのイメージビデオの女優をやったり、ちょっと強制的なエロいシーンなど{/netabare}いろいろありますが、その辺の昔の事を含めてなかなか可愛いキャラに描けています。作中の登場人物からのミサキへの評価は読者目線に近いのではないでしょうか。つまり描写やエピソードが上手いということです。この2人のキャラが秀逸です。

 アキラ自身も新しい場所で今までと違う生活をするという話で、そのドタバタがアキラのコミカルな日常に見えます。見えますが、それはアキラの出自にかかわることだとわかってきます。
 それとアキラに憧れるクロを置くことで、アキラの能力の説明が物語上で自然に理解できていきます。この真骨頂が今やっているキャンプ編です。

 この主要キャラ3人プラスクロ以外は比較的シリアスで、その配置が上手いのでしょう。

 アニメはほぼ原作と同じ水準の面白さがあると思います。会話劇のセリフが多い作品なのでアニメの方が理解しやすいかもしれません。

 作画がいいかどうかというレベルでは動きがないですが、原作からさほど動きがある絵ではないので、違和感はほぼありません。丁寧な作りなので必要十分以上の水準だと思います。サブの「あっちの人たち」の描き分けが良くわからないのも一緒です。




追記 最期までみました。

 原作の一番面白いところで終わりましたね。ヒナコの手紙は一つの文学だと思います。最高ですよね。会いたいけど会わないほうがいいことが分かっている感じ。恨みもないし、後悔もない。その精いっぱいの想いがこもっています。

 全編でこの話が一番いいと思います。ミサキとどうなるの?がないのがちょっと残念ですけど、原作の既読勢からするとここが面白さのピークだと思います。

 総評としては「原作でいいじゃん」がつきまといますけど。一方でアニメは若干のエロシーン以外はほぼ忠実だったので、原作読んでいない人でも十分評価できるのではないかと思います。ですので、4はつけたいなと。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 10

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

またも手塚アニメーションとヤングマガジンのコンビw まあ内容は、うーん

ヤングマガジンの人気作を手塚アニメーションがアニメ化する流れが続いていますね。
マイホームヒーロー、アンダーニンジャ、ファブル…。いつまで続くねん。
いや別に文句があるわけではないのですが。

さて、このファブルですが…。
原作はあまり好きじゃないんですよね。結局今は読み飛ばしてしまっています。

何が悪いのかと言うと…。
まあ改めて見ましたけれど、主人公、ちょっと変で、あまり格好良くは無いです。

見た目は冴えないけれど実際には凄腕の殺し屋、というのは本来格好良いキャラなのですが、それにしても格好良くない部分が多すぎて、なんだかなぁと。
結局、キャラをあまり好きになれないのでした。

まあヤングマガジン全般的に、そういうところはあるのですけれどね。
純粋に格好良いヒーローが出てこない。
弱さとか、情けなさとか、悪さとか、そういう人間の醜さを持った主人公が多くて。
私はそういうところが、ジャンプとか普通の漫画誌と比べてヤングマガジンが好きじゃない部分なのですが、もちろんそこが良いと、一定の人気を博しているのもわかりはします。
私もカイジは好きですし。
弱さ、嫌さが耐えられる範囲なら、面白いと感じられる。あるいは面白さがそれだけずば抜けていれば、欠点はどうでも良くなるし。

カイジは私は初福本伸行で、何だこの絵は、主人公はクズだし、からの、ずば抜けた面白さに一気に魅了されましたよ。

私にとってファブルは、ヤングマガジンの好きじゃない面が強すぎて、ちょっと敬遠している作品でした。
欠点以上の魅力は感じられなかった、ということです。
まあそういうこともありますね。

というわけで、アニメになって、嫌な面がマイルドになって見られるようになっていたら、と期待したものの、そうでは無さそうなので諦めですね。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 0

71.1 3 2024年度の格闘アニメランキング3位
らんま1/2(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (81)
240人が棚に入れました
早乙女乱馬と、天道道場三女の天道あかねは親が決めた許婚同士。

しかし乱馬にはある悩みが...。 中国での修行中、伝説の修行場「呪泉郷」に落ちてしまい、 水をかぶると女に、お湯をかぶると男に戻るという、不思議な体質になってしまっていた!? 乱馬とあかね、そして個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドタバタ格闘ラブコメディー、ここに開幕!
ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

リメイクってやっぱり難しい!

犬夜叉からアニメに入った私は、高橋留美子オタクとは言えないまでも、一応るーみっくワールドの主要作品はなんらかの形で触れてきました。らんま1/2は、原作はほぼ未読ですが、アニメ(旧作)は全編見ています。ただ、旧作は、当時シーズン制がとられていなかったため、アニメが原作に追いついてしまった後は、オリジナルを混ぜつつ進行していったのですが、このオリジナルアニメが全体的にかなりつまらなかった印象があります。正直、最後まで見るのは苦行でした笑 

旧作はオリジナルエンディング(とすら呼べないような終わり方)だったので、らんま1/2をリメイクすること自体はありだと思っています。しかし、現時点において、このリメイク版はあまり高く評価していません。その理由は以下のとおりです。

(1)らんま1/2はラブコメですが、平成前半といういまから30年も前の作品であるため、コメディの部分は、どうしても現在の感覚とは合いません。これを一番よくわかっているのは、高橋留美子先生自身のはずです。というのも、同じ日常ラブコメ系統ではあるけれども平成後半の作品である「境界のりんね」におけるギャグと、らんま1/2のギャグはかなり違うからです。にもかかわらず、コメディの部分も原作に準拠して丁寧に使ってしまっているので、ギャグが古くて面白くないんですよね。例えば {netabare}あかねが登校時に男子高校生蹴散らすシーンとか、良牙の迷子設定とか、 {/netabare}正直令和時代に見せられても、というのが正直な印象です。

他方、ラブについては、長く読まれる恋愛小説が多くあるように、普遍性を持っている部分が大きいです。だから、リメイクするのであれば、ラブコメ全部を原作準拠でリメイクするのではなく、恋愛部分を原作準拠でやりつつ必要に応じてコメディの部分を再編成するくらいのことをするべきだったと私は思います。特に、あかねちゃんは、(当時はそういった表現はなかったけれど)ツンデレの先がけともいえるヒロインですし、ヒロインが多く登場する点も、令和のラブコメアニメを先取りしているわけですから、恋愛部分は令和においても十分通用すると思うのです。

(2)現代の多くの作品は、12話1シーズン完結が多いので、初めてらんま1/2を視聴する方は、12話で少なくとも一区切りつくことを期待して視聴するのではないでしょうか。その観点からすると、話のテンポが遅いと思います。 {netabare} 人気サブヒロイン、シャンプーが出てくるのも遅すぎますし、12話終わっても私の推しである久遠寺右京はまだ全く出てきません。{/netabare} 3−4話くらいで脱落する人が結構いそうな気がします。

(3)深夜アニメや配信で見る時代に、たまたま4話目とか5話目から見始めるなんて人はあまりいないでしょう。そういう時代に、毎回のように冒頭で、らんまが水をかぶると女の子になっちゃうという設定を解説するのは、冗長でしかないと思います。擬音については、私はそこまで気にしていませんが、うる星やつらのリメイクでかなりここでも不評だったのに、失敗から学ばないのね、と思ってしまいました。

(4)私はテレビはほとんど見ないのですが、2023年末の紅白をたまたま見ていて、anoさんという方を知ったのですが、初めて聞いただけで、この話し方と声、無理って思ってしまったんですよね。完全に個人の好みではあるのですが、それもあって、anoさんが歌っているOPは基本スキップしていました。私は、OP・EDもアニメの一部だと考えていますし、作品を作ってくださった方たちへの敬意という観点からもクレジットも見ているのですが、その例外をおそらく初めて作らなくてはいけなかったのが、自分の好きな高橋留美子作品になったことは、率直に言って残念でした。

(5)旧作の声優陣は、その後日本を代表する声優になった方も多く、非常に豪華でした。旧作から30年経ったにもかかわらず、その旧作の声優陣が引き続き担当していることは奇跡だといってもよいかと思います。ただ一つだけ気になったのが、らんまとあかねの呼吸が最初から完全に合ってしまっていること。山口勝平さん、日髙のり子さんはいずれももちろんトップレベルの声優さんではあるのですが、やはり共演の機会が多いこともあり、最初から阿吽の呼吸になってしまっているように感じます。でも、らんまとあかねは最初は呼吸が合っていてはいけないわけで、その点、若干の違和感は持ちました。

(6)リメイクならやはり作画・キャラデザは期待してしまいます。あかね、シャンプーはまぁ普通に可愛いとは思うのですが、絶対もっと可愛くできるでしょ、って思ってしまいました。

全体として、私はらんま1/2をリメイクするのであれば、原作に準拠して令和には通用しないコメディも入れながら長々と100話を超えるような作品にするのではなくて、エピソードの取捨選択をしっかり行なって、らんまとあかねや他のサブヒロインとの関係を中心に、3−4シーズンくらいにまとめてほしかったんですよね。そういう感じには現状なっていません。

まぁこれを機会にグッズがいろいろ売り出されるのは嬉しいですが。2期制作は決まっているようなので、継続視聴はします。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

決して悪くないけど、小さくまとまってしまった感じ

タイトル通り。

うーん、正直、先に発表された「うる星やつら」よりはずっと良い。普通に面白い。
だけど、1989年のオリジナル(と言わせてもらうが)より上かと聞かれれば、作画は確かに上だけど、それ以外は全てオリジナルが上回っている。

なんというか、こじんまりまとまってしまったというか、当時の振り切れた感のパワーは感じない。適度によくできたアニメという感じ。

「うる星やつら」もそうなんだけど、あえての原作に寄せた漫画的な演出は失敗だと思う。やはり漫画とアニメは見せ方の根本が違う。塩梅が難しいのはわかるが、どうしてもパワー全開のオリジナル版があるために、それと比較してしまうし、単純に面白さが当時ほど伝わらない。

ヒット作のリメイクはどれだけ難しいのかがよくわかる。まあ、それは宇宙戦艦ヤマトでとっくの昔に証明されているのだけど。ダメだった作品をリメイクで素晴らしい作品に昇華させることはできる、劇場版マクロスとか。だけど、金字塔的によくできた作品をリメイクするのは無理がある。特に高橋留美子のアニメ化作品は全て金字塔的に成功しただけに・・・。

あと倫理観とか全て80年代の原作をリスペクトするなら、導入時点で、テキストで80年代を言うのではなく、80年代に入り込む演出が必要だったと思う。たとえばベタなやり口だと、アルバムを開いて思い出を振り返る的な。なんにせよ、導入演出がないから、80年代の倫理観とか、そういうものが入り込まない。今の子はおかしいと思うだろうし、当時を知る自分たちも、え?なんで中途半端にしてんの? となってしまう。

いやー、本当に惜しい。声優もオリジナルキャストが主演を固めているから、声の違和感は感じないだけに惜しい。

ただただ、惜しかった。配信だけにして、「バブルへGO!!」じゃないけど、導入演出でうまく時代を飛ばして、倫理観も80年代の原作のまま突き進むべきだった。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

千差万別我愛你

平成初期のアニメのリメイク、お話の舞台は80年代の東京だそうです
旧作は知りませんが有名な作品なので気になっていました。
EDテーマが好き、女乱馬とシャンプーがかわいい

乱馬とあかねを取り巻く周りのキャラクターは色んな愛の表現で好き好きいって迫ってきて大騒動に発展する騒々しいラブコメバトルアニメ
テンポの良い掛け合い、個性的な設定に面白そうなキャラ、声優は大御所ばっかりだし作画は良いし歌もいいしとてもいいアニメでした、どんどん面白いキャラ増えてきて、これ絶対もっと面白くなっていくやつじゃないですか
続きが早く見たい!

滅茶苦茶な設定をギャグみたいな展開と一緒に単純明快に説明しきった手法がすごい、1話で引き込まれて、次々と現れる奇人変人によって出来上がっていく極上の舞台にワクワクする

娘の部屋をノックもしないで急に入る父親にビックリ、許嫁っていうのも全然聞かないし、今のアニメではあまり見ない感じの暴力とかもあって昔のアニメなんだなーって思う

顔は変わってるっぽいけど、髪の毛の色も変わってる? アイラインいつの間に引いたんだろう? 
本人の身体が女に変化するんじゃなくて、別人の身体になってるのか変身なのかな?
父のパンダ化なんて道着とかメガネとかどこ行ったんだろ?衣装もセットなら乱馬は服そのままっぽいし、謎

{netabare}
旧作アニメがかなり長いことは知ってたので恋の進展もスローペースかな?って身構えてたけど、意外とあかねと乱馬が両想いっぽくなるの早かった、あかねが意外にも露骨にやきもち焼くから王道な恋のライバルキャラのリョウガとシャンプーですらつけ入る隙なさそうなので、二人の恋に割って入るキャラは出てこなさそうだけど、どこまでこの面白さを続けていけるのか注目してます

{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17
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