教官でラノベ原作なおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの教官でラノベ原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の教官でラノベ原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.7 1 教官でラノベ原作なアニメランキング1位
聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (108)
361人が棚に入れました
元サラリーマンが異世界で無双!? 出世を目前に凶弾に倒れた一人のサラリーマン。 なぜか神様によって十五歳の治癒士・ルシエルとして異世界に転生することになってしまった。 しかも生まれ落ちたこの国では、治癒士は嫌われ者のようで……。 身の危険を感じたルシエルは、護身のため敢えて冒険者ギルドの門を叩く。 しかし、訓練は想像以上に厳しく、さらには「物体X」という謎の飲み物を飲まされる毎日。 あれ? 何だか治癒士とは関係ない生活のような……? “ドM”で”ゾンビ”な“治癒士”の生き残りをかけた日常が始まる――!

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

どう評価したものか・・・う~ん、何かが足りていないような・・・。

う~ん・・・、うーむ・・・。

どう言えばいいのかなぁ・・・。


とりあえず、物語は追えました。
主人公のルシエルが恵まれた才をベースに、努力と人間関係で異世界転生モノのテンプレである「俺つえー」へ近づいていく過程は、まぁ、受け止め得る流れだとは思います。


ただですねぇ、一見、私の好きなタイプの仲間が増えていったり、人間関係が広がったりしていくタイプの様なのですが、何かが足りない。
何なんだろうか・・・。

何が理由でこんなにも「毒にも薬にもならないような印象」を受けてしまったのかなぁ。

別に致命的なガバがあるとか、不誠実ないい加減さを感じる訳でもなく、物語もポイントポイントでは「ハートを刺そうとする演出」が盛り込まれているのは察することはできるのだけれども・・・刺さらねぇ・・・。
まるで紙でも食べているような感覚なのです。

熱量?
でも、暑っ苦しいキャラクターが、それらしいセリフを発してはいるのです。
それも、一般的には、うまい声優さんだったりします。
でも熱量が伝わってきた感じが無いのです。


作品との相性なのかなぁ・・・。


相性と言えば、総じて、いわゆるキャラクタの魅力が不足しているという印象はあった様な気がしています。
残念ながら、いい人だとは思うのですが主人公ルシエルにもあまり魅力を感じませんでしたし。
いわゆるキレイドコロ系のキャラクタも配置され、容姿もそれなり、ちゃんと耳系のキャラクターも配置されていましたが、こちらも、いまいちな印象。
かろうじて、ルミナが中の人の声質が気に入って、少し印象に残っただけでした。
それに全体的に、キャラクタのお顔が面長系でしたかね。
大人っぽく見えてダメだったのかなぁ?
そんなこともないと思うのですが、どうにも、印象が薄かったです。


アニメの視聴に際して、視聴者に必ずしも何か教訓めいたことが残る必要もないかもしれませんが・・・。

何度も視聴して、見るたびに気づきがあったり、楽しさや、面白さがあったり、見るたびに、勇気がもらえたり、慰めてもらったり、ホッとしたりと言った感情を揺らしてもらえる作品はやっぱり印象に残り、何度も視聴したりするものです。
そういった作品と比較してしまうと、少し物足りない感じがしました。

ただ、物語はそれなりに追えたという事を前向きに評価するとすると・・・、



「時間つぶしにはなった」


というプラス評価しか残らなかった・・・、かもしれません。


少し厳しめの感想かもしれませんが、私が好きになる要素のカケラはちりばめられていたと思いました。
次があるのかどうかはわかりませんが、もしあるとしたら、私的「フツーに面白かった」評価を目指してほしいと思いますw。

以上です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

チート過ぎず主人公は努力もしていて内容はなかなか。ただ作画が…

さて、まあいつものですね。後は細かなバリエーションの違いです。

主人公が死んだ理由が警官からの拳銃強奪事件中に撃たれてという珍しいものでした。
主人公が異世界転生する舞台装置として、責任問題で人生が真っ暗になった警官が可愛そうだと思いましたが、じゃあいつも転生者を轢かされるトラック運転手は可哀想ではないのでしょうか。
でも転生トラックの運転手は、いつものことなので慣れているのでは。
まあ慣れていれば良いってものではないかもしれませんが。

転生後はキャラクターメイキングができるというタイプでした。
このあたりまでは、あーはいはい、という感じでしたが…。

内容自体はそんなに悪くないと思いました。主人公がサラリーマンだった経験から体当たりで向かっていく、常識的でちゃんと挨拶もできている、今の所チート過ぎる様子はなくちゃんと努力して少しずつ成長している、ヒロインに見とれたり人間性があり共感できる、などなど、これらを満たさないひどい話が多い中では充分及第点です。

何度も言いますが別に異世界転生系の話が嫌いではないのです。
視聴者をバカにしているのかと思うほど酷い話が嫌いなだけなのです。
ちゃんとした内容なら、むしろ異世界転生系の話は好きなのです。
というわけで、内容はちゃんとしていると思いましたが…

作画が微妙。絵柄は微妙ですし、作画全般なんとも…。
キャラデザ中国の人ですかね? 見ない名前でしたが。
うーん、アニメというのは絵がキレイじゃないときついものがあり、そういう点ではこの絵は… と思ってしまいますね。
とはいえ内容は悪くもないので、可能なら見れたら見たいです。
まあ本数次第で。

全話感想
そこそこ悪くもない、という感じで最後まで見ました。
主人公は悪い人物ではなくきちんと努力し正しい行いをし、世界観も割りと考えられていて… とまあ、特に悪い部分がそうは無かったので。

強いて言えば絵は悪いですが、それは最初からわかっていて我慢できないほどでも無いですし。

しかしとりあえず無双はしていないですね。
無双とタイトルにつくとあまり苦戦せずに勝ち上がるイメージです。
いや私はそういう全く苦戦せずらくらく、という話はむしろ嫌いで本作のような内容の方が良いのですが、無双というタイトルを見て期待した人の期待は裏切るのでは? と心配になりました。

まあ私にとっては裏切ってくれて特に問題ないので良いのですが。

全体的にコミカルに描いていますが言うほどギャグですかね?
その当たりはちょっとチグハグに感じました。
別に主人公は真面目に頑張っていると思いますしギャグとして笑えるわけでもないですし… いやコメディタッチにする必要ありましたかね?

まあ、ちゃんと作られた話で決して悪くは無かったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

1にも2にも訓練訓練!

原作未読 全12話

現世亡くなったサラリーマンが異世界に転移して治癒士となり、Lvが低いため戦闘力がなく、冒険に旅立つ自身もないので、ギルドで知り合った教官にひたすら特訓の毎日を送ることになります。訓練して己を鍛え上げながら治癒士としての活躍を描く作品です。

色々とありますが、この作品で印象に残ったのは訓練でしたねw

徐々に強くなり最後は教官以上に強くなって冒険に出かけよう!みたいな感じなると思いますが、この作品は強くなってはいるかもしれませんが、教官に全然歯が立ちませんw

その後の後半のお話で、訓練の真価が発揮されます。

キャラデザも異世界もの違って萌え系ではないキャラでした。

お話は結構良いお話。切りの良いところで終わっています。

OPはなすお☆さん、EDは中島由貴さんが歌っています。

最後に、何度か書いているかもしれませんが、何故不味そうな食べ物・飲み物は紫色なのでしょうかw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

80.7 2 教官でラノベ原作なアニメランキング2位
ロクでなし魔術講師と禁忌教典(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (938)
5097人が棚に入れました
魔術と科学が共に発展した世界――ルヴァフォース。
魔導大国・アルザーノ帝国の南部に位置する「アルザーノ帝国魔術学院」はこの世界で最先端の魔術を学べる最高峰の学び舎である。
およそ四百年の歴史を有するこの学院は魔術の道を志す全ての者の憧れであり、学院の講師や学生たちも自信がその輩であることに誇りを抱いている。

この由緒正しき学院に突如として赴任してきた非常勤講師、グレン=レーダス。
「お前らに、本当の魔術ってもんを教えてやるよ」
《ロクでなし》と呼ばれるこのオトコの破天荒な授業が、今はじまる。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、藤田茜、宮本侑芽、小澤亜李、高橋広樹、喜多村英梨

フロー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

雷精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ

このシーンがピークだった
12もやる必要あったかな、、、
原作は面白いらしいけど買う気にはならなかった

魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)ど云う位なので
最低な魔術理論(盗視等)の講義や
リア充イベント(文化祭等)の破壊や
「禁忌」教典とされるアカシックレコードの
抜け道的な入手方法等
ろくでなし魔術講師らしい事をしてくれるかと思ったら
まさかのバトルメインの作品


少し残念

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とことんテンプレにこだわった作品かな?

原作未読。最終話まで視聴。

「これでもか!」というほど、どこかで見たような展開がひたすら繰り返されます。
しかし、この作品の面白いところは少し『ずらして』いるところ。
第1話から思わず突っ込みまくりでした。
{netabare}『って、負けんのかい!』みたいな感じで・・・。{/netabare}

ヒロインが{netabare}『銀髪だと思わせておいて実は金髪・・・、と思わせておいてやっぱり銀髪でした』{/netabare}みたいな展開も良かった。

そう考えると、この作品はズバリ「魔術系コメディ」。
敵キャラのクソっぷりも心地良い、この作品の感じは嫌いではなかったです。

そういえば、最後まで{netabare}禁忌教典(アカシックレコード){/netabare}について、あまり語られなかったなぁ。
何か、まだ火種がくすぶっている感じだし{netabare}(っていうか、根本的には、まだ何も解決していないような気が・・・){/netabare}、第2期とか考えているのかな?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 42
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

ロクデナシ講師(嘘)が学校に来て美少女達といちゃいちゃしちゃうよ♪角川産テンプレアニメはもう嫌だ(><)/売り上げ→続編の可能性追記(7.28)

原作未読/全12話

角川産のテンプレラノベアニメ。
またか!って感じでした。

※レビューにはほとんどネタバレを含みません
※かなり批判しています。

( 'ω'o[総括レビュー]o
{netabare}
角川発のテンプレラノベアニメ(´・_・`)

ストーリーは、ロクデナシ(嘘)教師が魔術学校の女の子達といちゃいちゃしまくる感じです。

どこかでみた設定、ありきたりなキャラに当時は1話で速攻断念しました。

それからしばらくすると、ネットで2話が好評だっため、渋々2話を視聴(;´Д`)

結論でいうと、[駄目]でした。

ただ、悪キャラが登場して、
ギャグとシリアスを混ぜて中途半端になっただけ。

そもそもこういうアニメもういいんですよ。

酷い言い方すると、魔術?美少女?
(´・∀・`)ヘッって感じ。

物語に魅力もないしキャラ釣りにも程がある!( ˘•ω•˘ )

そもそもこういうアニメ円盤売れてます?
全部3000以下ですよね?

角川はこれを分かってこういうアニメを制作してるんでしょうか(;´Д`)

もう需要が無いことを自覚して、さっさととりやめて欲しいです。

結論をいうと、[テンプレラノベが好きな人なら楽しめる]アニメだと思いました。

語彙力皆無の書き殴りレビューですいません。{/netabare}

( 'ω'o[観点事のレビュー]o
{netabare}
[物語]/1.0★☆☆☆☆
誰かが考えたのをコピペしたような感じです。
まったく魅力がありませんでした。

[作画]/2.0★★☆☆☆
悪かったですね(;´Д`)
戦闘シーンにあれはちょっと……(´・_・`)

[声優]/2.5★★‪✯‬☆☆
グレン先生の声が若干合ってない気がしました。
ヒロイン達も人気声優にこだわり過ぎたかな?

[音楽]/3.0★★★☆☆
1話、2話ではOPもEDも流れ無かったため★3で。

[キャラ]/1.0★☆☆☆☆
グレン先生が本当に不快。
好きな人には申し訳ないんですが、
ああいう性格のキャラ本当に無理です。

[総評]/★1.9{/netabare}

総合点数【22点】

[続編の可能性]
{netabare}
※上の方が優先度高めです
※あくまでも個人的な意見です
※オリジナルアニメの場合は原作ストックは評価対象に入りません

※総評星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ----------------
★★★★★/80%~100%
★★★★☆/50%~79%
★★★☆☆/30%~49%
★★☆☆☆/15%~29%
★☆☆☆☆/15%未満
---------------- 8×キリトリセン ----------------

[円盤売上]/★★☆☆☆
※1巻2485枚/平均2485枚(暫定)
(6巻全データ分かり次第追記)

[原作ストック]/★★★☆☆
※原作5巻分消化/8巻まで刊行中
10巻で続編制作可能と仮定した場合、
原作ストックが補充されるのは「2017年12月」頃と予想されます。

[終わり方]/★★★★☆
※続きを予感させる終わり方をした模様です。

[作品評価]/★★★☆☆
※多数のサイトで普通評価

[制作会社]/★★★★☆
※『ライデンフィルム』
2作品の続編を制作しています。

[総評]/★★☆☆☆
※ありそうではありますが、円盤2000枚じゃ厳しいよね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

82.1 3 教官でラノベ原作なアニメランキング3位
図書館戦争(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1983)
11570人が棚に入れました
時は2019年、公序良俗を乱し人権侵害の表現を取り締まる「メディア良化法」が施行された現代。
強権的かつ超法規的な「メディア良化委員会」とその実行組織『良化特務機関』の言論弾圧に唯一対抗できる存在、それが図書館だった。かくして図書館は武装し、良化機関との永きに渡る抗争に突入することになる。図書館の自由を守るために。

声優・キャラクター
井上麻里奈、前野智昭、石田彰、鈴木達央、沢城みゆき、鈴森勘司、佐藤晴男、田中理恵

にゃにょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

カミツレの花言葉

もしかしたらそんなに遠くはない未来に…と思いつつも、たぶんここまでは無いであろう…、けど近いものは起こりうるかもしれないと思わせられる話でした。
深いお話だと思います。
言論の自由や出版・閲覧に関することを色々と考えさせられました。
武力による規制に対して武力で対抗することを余儀なくされた図書館。
何だか胸が痛くなります。

そんなお話を主軸に甘い恋愛要素が程良く混ぜ込んであります。(ちょっと甘めかもしれませんが私は好み!)
見ていて小っ恥ずかしくなるような純情路線です。
「ああぁぁ~お前らそこで行かずしてどうする!いけ!いくんだ!ぬお~このヘタレどもめ~><」みたいな(笑
何とも可愛らしい恋愛模様でキュンキュンさせて頂きました。

カミツレの花言葉「苦難の中の力」「逆境に耐える」「逆境の中の活力」などだそうです。忘れません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

表現の自由のためにミリタリーで闘うラブのコメ

2021/5/29 追記>
今日「ノイタミナpresents シネマティック オーケストラコンサート」ってのに行ってきました。
ノイタミナ放送開始15周年を記念してのコンサートだそうで。
「図書館戦争」「四月は君の嘘」「約束のネバーランド」三作品のOP曲、ED曲、劇伴曲のクラシックアレンジをオーケストラで名シーンの映像とともにお届けする、というものです。

君嘘と図書館戦争好きなんで行ってきたんですが、予想外に良かった!!!

生のオーケストラはやはり迫力があります。
その演奏とテーマごとに丁寧に編集された映像がうまーくマッチしている。
タイミングもぴったり♪

図書館戦争の映像見るの久しぶりだったんですが、こうして見ると{netabare}郁と堂上{/netabare}の熱血ラブコメですね
熱量と糖度激高で成人病が心配笑。
久しぶりに視てみたくなりました。

<補足です>
こういうご時世、徹底したコロナ対策が施されてました。
会場に入る時、アルコール消毒、検温はもちろん。
座席は半分間引いて一列空け。
登壇者にMCなし。曲目の説明もなし。
淡々と映像を流し、ストイックに演奏する。
一曲終わるとオベーション。
聞こえてくる声は休憩時間を告げるスピーカーからの案内のみ、という徹底ぶり。
おかげさまで安心して楽しむことができました。

<2019/1/7追記>
CS-333(AT-X)で1/12(土)20:30から再放送が始まるそうなので番宣です 笑

詳細は去年書いたレビューが下の方にありますのでそちらでどうぞ。

設定に変わったところのある作品ですが、
とにかく甘いラブコメを堪能したい方は是非お試しください。

見てるとたぶん
「ここに乙女がいまーっす!」とか
「あっまぁーーーい!」とか
「ハンバァーーーグッ」とか
叫びたくなること請け合いです


<2018/4/27初投稿>

有川浩原作小説のアニメ化。
今からちょうど10年前です。

有川浩さんというと自衛隊三部作(「塩の街」「空の中」「海の底」)のようなちょっと不思議なミリタリー&LOVEが基調の作品をイメージしてしまいます。
「図書館戦争」はそんな有川浩さんの代表作。
表現の自由のためにミリタリーで闘うラブのコメです。

舞台は現在に極々近い未来の、でも現実とは少し事情のことなる架空の世界の日本。
(wikiで調べたら2019年ってことになってるんですね)

何が違うかというと、その世界の日本では"人権を侵害すると国が判断した"表現を規制する「メディア良化法」が施行されています。
メディア良化法に基づいて国は「メディア良化隊」を立ち上げあらゆるメディアの検閲を暴力的に行なっています。
プチ軍事力をもって。
恐ろしい。
(といっても現実だって知らんうちに言葉狩りが進んでいる昨今。事態はあんま変わんないですね。
暴力が付いて回っているか、いないか、だけの違い。)

そんな「暴力的な検閲」に対抗し「表現の自由」を守るため、図書館が立ち上がります。
その対抗手段が「図書館の武装」
法的な裏付けもとりつつ、図書館は図書隊を立ち上げ武装を進めていきます(マジかおい!)

つまりこの物語は
「武力による検閲に対する武装した図書館のレジスタンス」

最初見る人はこの設定にびっくりしてしまいますが、これにだんだん馴染んでくるとこの作品が楽しくなります。

この作品をこれから視ようという方は上記の突拍子の無い設定を予備知識で持っておいた方が良いと思います。


と言ってもですよ。
この作品の魅力の半分はさらに別のところにあるんですよ。

それは「ラブのコメ」

図書館の戦闘部隊「図書隊」の以下の5人を中心に物語は進んでいきます。

主人公:笠原郁♀「熱血バカ」22歳、身長170cmと長身
図書隊の新人。脳筋。意外と乙女。

堂上篤♂「怒れるチビ」27歳、身長165cm
郁の上官。真面目、誠実、責任感強い、よく怒る(郁に)

小牧幹久♂「笑う正論」27歳、身長175cm
堂上の同期で同僚、同チーム。穏やかで冷静、笑い上戸

手塚光♂「頑なな少年」22歳、身長180cm
郁の同期で同チーム。万能の優等生。

柴崎麻子♀「情報屋」22歳、身長157cm
郁の同期で寮のルームメイト。良いオンナ。ちょっと不二子っぽい。声も今の不二子でしたね。情報通。

他にも多数出てくる登場人物も交え、シリアスなエピソードに絡めるようにしてLOVEがコメディな感じで展開されていきます。
それもカロリーバカ高のとっておきに甘ーいやつ。
むしろこっちがメインじゃないのか。

人の気持ちの揺れ動きなども繊細に描かれていて、そうしたところも○

まとめると、
表現の自由という、現代社会がひっそりと抱える深刻な問題に焦点を当てながら、人間ドラマとミリタリーな濃厚LOVEコメが楽しめるという、無国籍料理のような味わいの一品です。

私はどハマりしました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 67

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

視聴スタンス次第

2011.4.18第1レビュー
2012.3.12第2レビュー
(原作未読)

★結論★
「教官!私はドジでノロマな亀・・・&戦闘シーンもあるよ!あ、あと、表現の自由は大事だよね!」

背後にあるメッセージに着目すると、あまりにも浅くてお粗末だが、
肩の力を抜いて、難しいコトを考えずに気楽なラブコメだと
思って観れば、満足できる作品だと思う。

★以下、詳細★
恋愛コメディ要素と軍隊バトル要素、青春成長要素を含めた作品。
すべての要素がある程度の作り込みで、一応満足できるが、
結局どっちつかずの印象もある。

もっとも、これが制作者の狙いなのかとも思う。

つまり、作者の伝えたいメッセージを、より多くの人に伝えることが目的なのであるから、
そのための手段として、多くの人に受け入れられやすい平均的で無難な作りにする必要があったのだと思う。

その点では、
「表現の自由の危機を、より多くの人に知ってもらう」
という、作者の目的は十分果たせたのではないだろうか。

ただ、肝心のメッセージ部分が浅くて薄い。
たしかに、多くの人に知ってもらうために内容を簡素化するのは、
1つの方法だとは思う。
しかし、そのために一番大事なメッセージ部分まで簡素化してしまっては、
本末転倒なのではないだろうか。
それとも、作者はこの問題について、この程度の理解で問題提起をしたのだろうか。

(或いは、原作者はしっかりと書いていたが、アニメ化するにあたり、
話数の都合で浅くせざるを得なかったのかもしれない)


この作品のメッセージ部分は、
「表現の自由が、国や自治体の規制によって危機に瀕している。
表現の自由を守らなければならない!」

という主張なのだが、
これが極めて一方的な主張に過ぎず、説得力が弱い。

ある主張をする場合には、自分の主張だけを声高に主張するだけでなく、
反対側の立場の意見を考慮したうえで、
さらにそれを上回る反論をして説得力を増す必要がある。

本作品には、そこがまったくない。

主人公サイドの掘り下げはあったが、敵対組織サイドの掘り下げがほとんどない。
敵側人物の掘り下げをすることで、メッセージの説得力も増すし、
アニメ作品としても面白さが増したのではないかと思うのだが・・・。

表現規制の合憲性という、最高裁でもたびたび争われてきた深い問題について、

表現の自由を守る側=善 規制する側=悪

という単純な構図で描かれていたように感じられたのが残念だった。


★さらに詳細(表現の自由に関する問題点)★

~問題点~
出版物について、
その内容や描写が「有害である」との指定をして販売を規制するのが、
問題となった条例のおおまかな内容です。

~規制する側の言い分~
エロ本、エロマンガ等を野放しにすると、
青少年の健全な成長に悪影響を与えます。
青少年は保護しなければなりません。
悪影響を与えるような本は、
「有害図書」に指定して、出版方法を規制しましょう。


~規制される側の言い分~
エロ本じゃなくて芸術なんだ。表現なんだ。
「有害図書」とか、お前が決めるな。
規制されるかもって不安があったら、自由に作品を書けなくなる。
また、青少年にも、色々な出版物を読んだり知ったりする権利があるんだ!
それに、一律に規制したら、関係ない成人にも影響するんじゃない?


両者の言い分は、どちらが正しいのか?
それらをどのように調和させていけばいいのか?


最高裁は、平成元年の判決で、
岐阜県の青少年保護育成条例について
憲法に反していない、という判断をしました。

この判決(の多数意見)は、条例が憲法違反となるかどうかについて、
明確な判断基準を示していないと言われています。

このような判決の下では、同じような条例がどんどん制定されたり、厳しく改正されやすくなるかもしれません。
表現の自由や知る権利が無防備に規制される可能性があります。
そして、東京都で改正された青少年育成条例の問題がマスコミ等にも大きく取上げられました。

ですので、このアニメの良化委員会が「公序良俗!」だけを理由にどんどん規制をしてくる姿勢は、
実は、このような不安定な状況まで含めて表現している、とも受け取れます。

・・・もっとも、この作品が、判例解釈まで含めた深い考察をしていたかについては、かなり疑問ではあります。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26

65.5 4 教官でラノベ原作なアニメランキング4位
とある飛空士への恋歌(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (656)
3724人が棚に入れました
海の尽きる場所を、 空の果てを見つけるために。 僕らは空飛ぶ島・イスラに乗って旅に出た。
革命によりすべてを失った少年、革命の旗印とされた孤独な風呼びの少女……。
“空の果て"を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら
空の孤島・イスラに乗り旅立つ。
友情、恋、冒険。
そして彼らには、守りたいものがあった。
少年少女たちの恋と空戦の壮大な物語がいま、はじまる。

声優・キャラクター
花江夏樹、悠木碧、竹達彩奈、石川界人、下野紘、立花慎之介、浜添伸也、田野アサミ、早見沙織、南條愛乃、丹沢晃之

ミミック さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とにかくスケールが大きい

ラノベ原作で全四作の第二作目。(一作目はアニメ映画)

この作品の世界観は本来の球体の地球ではなく、
実は平面なのではないか?というファンタジーだが、
アニメを観ただけでは分からない部分が多いので、
観終わった後に考察などを読むことを推奨します。

本作は「イスラ計画」という空の果てまで行こう!
という政策だったのだが、裏では市民を欺いている
というもので、そのことに気がついた主人公を含む
訳ありの少年少女達がイスラという巨大な空飛ぶ島
に遣うのですが、空中で展開される物語が非常に面白い。

まず、ダブルヒロインの形をとり恋愛面での面白さ、
そして、空という大きなスケールを活かした飛行機での
戦闘シーン。どちらも細かく書かれていて何度観ても
違う方向で惹き込まれてしまう。

登場人物も友情、ライバル、恋愛と、どれを取っても
話には欠かせないキャラばかりで、話の進みも良く
観やすかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

敦賀迷彩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

予告編観たとき、、

かなりの期待度でしたが、う~ん、今一つでした。

恋愛モノなのか、いや、悲恋なのでしょうが、盛り上がりが掛けてた気がします。
盛り上がりがに気を取られなければ、纏まっているお話しだとは思います。
ですが、初見のアタシにとっては舞台設定も分からなかったので、戦争相手国とか、よく事情が解りませんでした。

原作、読めと言うことでしょうか?

確か、キャラクターデザインの担当は、サクラ大戦の人だったかと。なんか、勿体無い作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

悲しみも憎しみも超えて

原作未読 全13話

航空機が発達した世界で移動浮遊大陸イスラに都市を築き、「空の果て」を目指して行く、主人公のカルエル・アルバスを中心に所属する高等学校飛空科のお話を描いた恋愛戦争ファンタジー作品です。

前半は飛空科たちの訓練や日常のお話、後半からは飛空科も巻き込まれながら戦闘シーンが中心となります。

この作品は恋愛要素ももちろんありますが、私は吸い込まれそうな果てしなく続く青い空が印象的でした。コクピットの中から見た空、空戦の部分も迫力がありましたね。

設定が分かりにくい部分があったり、あっさりしていたところもありましたが、世界観は好きでした^^
まだ続くような内容ですが、その後のことがなんとなく予想ができるので切りがいい感じはします。

OP 作画はその先の出来事を暗示した内容ですね。
ED サビの部分が心に響きました。

最後に、飛空科が作っていた料理が食べたくなりましたね。やっぱり私は恋愛より食べ物に目が止まってしまいますw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 35

68.5 5 教官でラノベ原作なアニメランキング5位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (656)
3209人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳

ぷらむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

非常に惜しいアニメ

非常に惜しい、ポテンシャルが高すぎるアニメ。
最近見直したから書いてみる。

物語自体は今までに例を見ない実力作家3名が書いてるだけあって凄まじい設定。まあ千葉カス君は俺〇イル感強すぎたが。
そして制作側も声優のキャスティングもさることながら、LiSAとClariSというアニソン界を背負っていると言っても過言ではない実力者を前半と後半でそれぞれ2曲ずつ。

原作は作家3人が分かれて東京神奈川千葉の3つからそれぞれの物語、そして千葉カス君の両親の若き頃である原点の物語、最後にこのアニメの原作であり3作+1作を纏めあげた本編のクオリディアコード。
構想にどれだけ費やした事やら。
原作を読んでいればなおアニメが面白くなるだろう。

だがしかし、始めに書いた通りこれはクソアニメだ。いや正確には神アニメのポテンシャルを秘めたクソアニメだ。
そう、神アニメのポテンシャルを秘めながら何がこのクソアニメをクソアニメたらしめたか。
それは構成と作画だ。
あまり構成について触れている人は少ないので作画から言ってみるが、とりあえずCGはよく出来ていた。大抵の量産アニメは原画との分離感、作画の脆さが露呈する部分ではあるが関係者が関係者なだけに下手なCGは作れなかったんだろう。エフェクト部分なんかはとてもよかった。
しかし問題は原画の方で、影も無ければシワもない服や背景。極めつけは序盤はそこそこだった作画が中盤から終盤にかけて恐ろしいスピードで劣化していき、舞姫の巨大丼が縮小してしまうという作画崩壊まで起る始末。

まあ作画はこの辺にして構成の方だが、個人的に百歩譲って作画が少々ゴミでも別にさして問題ではなかった。終盤は許容レベルを超えていたが、構成がちゃんと出来ていれば無視できるレベル。
とにかく構成が駆け足で、特にカナリアが死ぬ(死んでないけど)ところとかコンマ何秒よあれ。

自分としては2クールに分けてでも24話構成にするべきだったと思う。
なんならクズと金貨のクオリディアは切るとして、本格的に本編に入る前の東京神奈川千葉それぞれの部分を多少混ぜ込んでもよかったまである。
まあ外伝的な感じで出してくれてもいいが、今となっては叶わんだろう。
とまぁ原作を読むことをおすすめ致します。特に千葉はおすすめなんでどうぞ。

珍しく長文を書いたがそんだけ惜しいアニメってこった!
以上。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

国破れて中二あり!?

三人のライトノベル作家が複数レーベルに跨がって、
共有した世界観にて、キャラをぶつけ合う。
三位一体メディアミックスの主軸を担う1クールアニメ作品。

ライトノベル展開の内、私は橘公司さんによる富士見ファンタジア文庫の小説
『いつか世界を救うために-クオリディア・コード-』をアニメ視聴後に購読。
(要するに{netabare}神奈川1位のヒロイン・天河 舞姫ちゃんの潜行調査(ストーキング)が目的w{/netabare})


時に中二と揶揄されるラノベバトルを思う存分やるには、
設定から大人の理屈ごと強制排除することが有効であることを、
改めて思い知らされる作品。

少年少女にしか使えない能力。少年少女にしか扱えない武器。
加えて本作では、未知の生命体に世界の大半が滅ぼされ、
多数の人類と共に大人社会が消滅!?

少年少女が人類抵抗組織の幹部にまで食い込み、能力者集団を指揮。
「さぁ、今日も世界を救おうか!」てなノリで、
おびただしい数の<アンノウン>を能力全開で撃破♪

で、終盤{netabare}やっと、まともな大人の女性幹部と巡り会えたと思ったら、
お母さんですらS方面に症状をこじらせて殲滅戦を叫ぶ有様w{/netabare}

さらには、少年少女の能力発揮には各々がコールドスリープ中に夢で抱いた<世界>を
どう具現化するかが重要。などと言う、お墨付き設定まで付いてきて、
あなたの妄想力を強力にアシスト♪

こういう雰囲気でスカッとしたい方には楽しめる作品だと思います。


難点は作画。何とも受け身が取れない作画だなぁ(苦笑)と思いました。

作画兵団が息切れして、描画が崩れたとしても、
変顔のセンスで誤魔化したりできれば、
大抵のダメージは軽減可能。

ですが、本作の場合は、視聴者がまだキャラを把握し切れていない序盤から、
誤魔化しのセーフティーネットもないまま、顔面から垂直落下。
クオリティ頂点のOPアニメーションから、日常シーン作画等の底辺への落差が凄まじく、
このキャラ誰だったっけ?という戸惑いと共に傷口が広がります。


三人の作家、主題歌、声優など、結構ゴージャスで、
ごった煮になりがちなメディアミックスの割に
シナリオ展開も良好に感じました。

それだけに、何故、作画だけ、
こんなに人員、補給が貧弱だったのか?という悔恨が残りました。
一度でいいからOPアニメ品質で、バトルシーン見たかったなぁ……。


個人的には金髪ヒロイン、刀×ヒロイン、銃×ヒロインなどの好物も美味しく頂けた。
その点では満足度の高い作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

物語は良いのに、作画が・・・

原作未読。

本来は近未来異能力バトル系の作品・・・なのだろうけど、個人的には人間関係を楽しむ作品かと・・・。

主人公の6人の人間関係が絶妙でおもしろい。
{netabare}6人は厚い信頼関係で結ばれた3組のペアで構成され、女性同士は仲が良いのだが、男性2人は顔を合わせれば言い争いが絶えない。それでいて実は厚い信頼関係で結ばれている・・・。{/netabare}
前半は6人の人間関係だけでも充分に楽しめる作品。

物語は後半に急展開!
毎週、続きが気になって仕方なかったです。

と、ここまでの評価だけなら『今期のバトル物No1!』って言いたいくらいなのに・・・。
とにかく”作画が残念”な作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 51

64.6 6 教官でラノベ原作なアニメランキング6位
究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (328)
940人が棚に入れました
冴えない高校生・結城宏がひょんなことから入手したフルダイブRPG『極・クエスト』。技術の粋を集めて作られたこのゲームは「リアルを極めた」という謳い文句に違わず、グラフィック、NPCの挙動、草木の香りや肌をなでる風、すべてが究極の出来映えであった――リアル過ぎて、クリア不可能なほど「めんどくさい」ゲームである、ということ以外は。「フラグ数10,000,000,000,000,000以上!? 身体能力も現実そのままかよ!!」「ええ。殴られれば痛いし、斬られれば数日は傷が治らない。史上最高にリアルなゲームよ!」報酬は達成感のみ。軽い気持ちで遊べない、史上最もストレスフルなゲームを攻略せよ!

声優・キャラクター
山下大輝、竹達彩奈、ファイルーズあい、井澤詩織、古賀葵、石谷春貴、小西克幸、日野聡、松岡禎丞
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

企画自体が無茶

2話までの感想{netabare}
「ヘンなところをリアルにしようと拘ったせいで操作が面倒臭くなっただけ」というクソゲーあるあるをベースにした作品、になるのかな?
1話、騙されてゲーム買わされるくだりが“ラムネ&40”っぽいなぁと思ったら、エンディングでファイエクのパッケージデザインにことぶきつかさ(ラムネ&40のスタッフ)が出てちょっと笑っちゃった。
ついでにヤサぐれたエトナみたいなキャラが出たり、ベルト姫が竜宮レナみたいになってたり、これは…「なんか○○っぽい」と思わせるのを意図的にやってる?
いやベルト姫はたまたまだろうけどさw
と思ったら、作者って“慎重勇者”の人なのか。
ああ、あの作品もヘラクレスの栄光っぽいなと思ったら魔王がまんまムドーでドラクエ6でしたって話だったし、やっぱ狙ってる?

こういう系…ゲームやアニメを題材にした作品って、どうしてもその業界に忖度というかおべっか使ってる様な素振りが出てしまうモノで(ぱっと思い出したのでは“ハイスコアガール”と“アニメガタリズ”)、クソゲーと断ずるからにはそういった匂いを出さずにどこまで攻められるかがポイントになる気がする。
最近でも普段結構ダメ出しをしてる某ゲーム実況が、ゲストに開発スタッフが来た回では妙に褒めてばかりでダメ出ししなくて「まぁそうなっちゃうよなw」という出来事があったり。
そういう圧に屈することの無い姿勢を貫いて欲しいトコロだけど…どうかなぁ?
BGMでゼルダの子守唄を使ったら神、まず無いだろうけど。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
前回の感想でファイナルソードというクソゲーがゼルダの曲パクってたネタを書いたワケだけど、なんと、この作品PVの頃から既にやってたのかw
宝塚記念のファンファーレかぁ、全然気付かなかった。
ちゃ、ちゃんと許可取って…る?フリー素材じゃないよね?

と、そんな感じでリアルのクソゲーあるあるを全面に出して指指して笑う系だと思ったのだが、作中の「極クエスト」はクソゲーを通り越して精神障害を引き起こしたり、それこそショック死とかの被害者が出そうなヤバい出来。
というか、描写された分だけで言えば「最初の選択をミスったこと」と「やり直しができない」部分がダメってだけで、そこまでクソゲーという気がしない。
痛覚伝達は致命的だけど、それはもうゲーム内容とはまた別の問題のような…。
で、それならそれでこんなゲームが出回るなんてなにかウラがある?という展開になることを3話終了段階では期待したのだけど4話、あれれ?

主人公が陸上辞めたのはてっきり怪我などの理由で復帰の道は無いのかと思ってたら、いつでも復帰できそうな内容。
マイクに「小便漏らしたのはお前が話しかけてきてトイレ行けなかったせいだ」と突っかかって衝突して、業界から目をつけられて躍進できないってことでもないみたい。
オチが見えちゃったというか展開が想像できるようになっちゃったというか。
更には、やり直しが出来ない(一度ルートを選んだら別ルートを選べない)ゲームのはずなのにカムイが色んなルートの攻略を知ってて、どういうこっちゃ?
他のプレーヤーのプレイ内容を見て理解したというような態度でもない。
何台もVRハード持ってたってことか?
やり直しの利かない設定のゲームを攻略したのでスゲーと、何台もVRハード持っててスゲーでは「スゲー」の質が違うのでは?
後者ではあまり参考にならないというか、前者の体での攻略情報を描写しなきゃいけないところを、スタッフは混同してる感じ。
「詰み」ではなく継続すればまだ攻略の目があると提示したかったのかな。
更には「ヘルズフルーツスライサーになった幼馴染は全能力が十数倍に跳ね上がる」って…ゲームの「リアルを極限まで追求した」って謳い文句から外れてね?
ま、まぁそれ言ったら幽霊の存在もアレなんだけどさ。
最初に提示された設定、厳密にはそれで私が解釈した設定(制限)と、4話で提示された設定が噛み合ってないような…。

でもってゲーム復帰の動機が色仕掛けって、あっれー?アヤシイ新興宗教や自己啓発セミナーみたい。
一応レオナが含みを持った台詞を言ってる(中古で引き取り料が発生するようなゲームを買わせた理由を問われ「まだ詳しく話せない」と返してる)ので、何かウラはありそうなんだけど…期待して大丈夫なんかね?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
一度辞めた極クエストへの復帰の動機が色仕掛けという安直なモノでガッカリしつつも、謎や問題はまだまだ山積みなのでそれの解決法に期待してたのだが…。
あっれー?それでいいの?
まずアリシアの対処法が「一番嫌がることを言う」で愛の告白。
…。
ん?これって滅茶苦茶口からのデマカセだよね?
特に「昔からずっとずっと好きだったんだ」ってセリフには引っかかりを覚える、明確な嘘だよね。
この流れならせめて、一旦しおらしくなったアリシア「小さかった頃、川で溺れた私を助けてくれたわよね」ヒロ「あ、ああ。あの時はオレも必死だったよ」アリシア「ウソだよバーカ」
みたいなのは欲しかった様な?

で、アリシア対処に上手く行って「逃げずに真正面から向き合うこと」に攻略の手応えを感じたヒロは次にマーチンの亡霊への対処もするんだけど…。
あのう、これって、「幼馴染という設定を心に叩き込んでキャラになり切れ」ってだけなのでは?
もっと悪い言い方しちゃえば「体験してもないことをあたかも体験したかの様に振舞え」で、それが本気で向き合ってることか?と思うと、むしろ非常に不誠実な気ががが。
何年前から付き合いがあるか知らんが(本編で言ってたっけ?)幼馴染としてずっと一緒に過ごした積み重ねを、昨日今日知ったヤツが分かったような態度をするのは…なんか、なんかなぁ。
「三日前にアニメを見始めました」って人が10年前のアニメに知った口叩いたら「ん?」とならんか?
どこまで詳しく知ってるかによるけど、少なくても本編のヒロは「昔の出来事のビジョン」を見せてもらうまで誓いの言葉を知らなかった。
思い出せなかったではなく知らなかった。
うーんうーん、そういう設定のゲームってことで全ての突っ込みは無意味になるんだけど、なんか釈然としない。

で、モヤモヤしてイヤだったので結構考えたのだけど、ちと閃いたかも?
「TRPGで本気で成りきりプレイをするのは不誠実か?」と考えるとそうではない。
では究極進化した~は何が違うんだ?と考えたら、そっか、ヒロとマーチンが対等じゃないんだ。
ヒロはマーチンがNPCだと知ってて、一方でマーチンはヒロがPCだとは知らない、自分がNPCだということすら知らない。
この決定的な違いを無視して対等かの様に・しっかりと向き合ったかの様に扱って「いい話だな~」と片付けられたのが違和感の正体…じゃないかなぁ?
もし本気の対等であるなら「今度オレの世界の町を案内してやるよ」くらい気の狂った言動をしないとならん。

ふ~、モヤモヤが晴れてスッキリしたー、といってこの作品が面白くなったワケではない。
まだ謎は沢山あるので視聴は続けるけどスッキリした形で終わってくれるんだろうか。{/netabare}

総評{netabare}
色々ヒデーなと思いつつも事情を知ったら…原作がまだ全然進んでなくて、アニメは水増ししまくりで1クール続けたんだそうで、そうであるならヒデーと思った部分も合点がいく。
不快なシーンをだらだら続けたり、どうでもいい小ネタをずっと引き摺るのもそれが原因か、と。
しっかしまぁ原作ストック無いのにアニメ化って誰も幸せにならないと思うのだが、なんでこんな企画が通ってしまうのうだろう。
ちょっと前には“グレイプニル”がそうだったらしく結構同情的に捉えてたんだけど、こう連続で続けられるとちょっと…ねぇ?

なによりこの作品で一番ダメだと思ったのは、レオナがひたすら無礼な言動をかますワケだけど、それが最後までずっと安全地帯からだった。
ぎゃふんと言わせる…まではなくとも、せめて何かリスク背負わせろと。
ある程度地位を固めたお笑い芸人が、後輩芸人の体当たりネタをスタジオのソファーにどっかと座ってゲラゲラ笑ってる姿を見せられてる感じ。
実際あったんだけどね、あれ結構気分悪かったぞ?

但しこれも「先の展開でレオナが手痛い目に遭うシーンが用意してあるんだけど、そこまで行く前にアニメが終わってしまった」で、これで何が悪かったか考えるとアニメ化の企画自体ということとなり、クリエーターの責任ではないと思うと悪く言うのも気が引ける。
あくまで原作はちゃんと考えられてるって前提ね。
“慎重勇者”があるのでそこは好意的に思いたいトコロなんだけど、偶然だったのかなぁ?
「ゲームを題材にしてるけど、ゲームのこと詳しくないでしょ?」と言いたくなるところがチラホラあったような…?
オープンとインスタンスの違いが不明瞭なのが個人的にはすっごい気になった。
それと作中の描写を見た限りではゲームがクソなのは開発が意図的にそうしたものでしかなく、それは「現実よりもクソゲー」には当たらないような?
出来上がったものが開発意図とズレてるとか、開発者が人間でないとかなら分かるんだけど…だって開発者は現実で人物として居るんでしょ?
そいつの性格が悪いってだけで、それは現実の範囲でしょう。
ぶっちゃけ“痛いのは嫌なので~”の方がクソゲー、あっちは開発者が人間(の感性)ではないと明確に示されてる。
また「そんな手法でいじめを回避したところで別の手口のいじめを受けるだけ」「何も解決してない、むしろ悪化したかも?」と思うこともあったり無かったり。


総評としては、アニメ化の企画自体が失敗。
「原作のここからここまでをアニメ化する」の範囲指定ミス。
「きっとこの後不快に思った部分に溜飲が下がる展開があるんだろう」と好意的に捉えるならね。
逆を言えばアニメはフラストレーションパートのみで形成されてて、それだけで楽しむというのはかなりの上級者(そして上級者は原作を読む)。
そんなに事を急いたところで「繋ぎ」とか次の仕事に便宜図ってもらえるとかでもなきゃ誰も得にならない気がするのだが、今のアニメ業界では原作ストックがそんなに無いのか?{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

この手の主人公は苦手だなぁ・・・

コメディに特化すればそれなりに楽しめた作品だと思います。
時折挟まるシリアスパートがかなり足を引っ張る印象です。

陸上大会でのトラウマを引き摺っている主人公。
私、こういう人、苦手です。
エピソードもその後の言動も、あまり同情出来ない。
自分より強そうな人には弱気で、自分より弱そうな人にはめっぽう強気。

・・・嫌なヤツ。


ホント、コメディに特化していれば面白かったかも知れないのに・・・。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

なんで宝塚記念のファンファーレ?

 
(全話視聴後)

その後、宝塚記念のファンファーレは流れなかった。怒られたかな? たまたま?
まあ明らかなパクリなんで音楽は最低評価にしておく。

で、元々眠かった話だが、終盤でも寝てしまうし興味は持てずじまい。
ドM系ギャグ作品とは思うが、笑った記憶が無い。というか内容がほぼ思い出せない。でも別に思い出さなくていい。また忘れるから。
テキトーな内容だったから評価もテキトーでいいや。

__________

(3話視聴後)

視聴中は何度かウトウト、どうにも寝てしまう。3話観たとこだが脱落しそう。
もう一度あらためて観てみようとは思うけど…

それより、これ競馬民なら「は?」ってなると思うが…
早川太海さん作曲の「宝塚記念ファンファーレ」みたいな音楽が、作中で複数回使われてる。似てるレベルじゃなくて同じかと思った。
少なくとも数百万人が耳にしたことある曲をモロに使うとかチャレンジャーすぎでは。EDクレジットには何も触れられてなかったようだが大丈夫か?

確認される方は
・「フルダイブ1話中盤、ゲームを起動してすぐ女神が出てくるとき」or「第1弾PV冒頭」
・「宝塚記念 ファンファーレ」
これらを聴き比べてほしい。偶然の一致と思う人などいないと思うが。

ツイッターでは早くから指摘されてたようで、けど公式サイトや公式ツイッターの反応はなさそうだが…どうなん?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

66.5 7 教官でラノベ原作なアニメランキング7位
スパイ教室(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (254)
797人が棚に入れました
陽炎パレス・共同生活のルール。 一つ 七人で協力して生活すること。 一つ 外出時は本気で遊ぶこと。 一つ あらゆる手段でもって僕を倒すこと。 ――各国がスパイによる"影の戦争"を繰り広げる世界。 任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える『不可能任務』に挑む機関―灯―を創設する。 しかし、選出されたメンバーは実践経験のない7人の少女たち。 毒殺、トラップ、色仕掛け――任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙しあいで打ち勝つことだった!? 世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!

声優・キャラクター
リリィ:雨宮天
クラウス:梅原裕一郎
グレーテ:伊藤美来
ジビア:東山奈央
モニカ:悠木碧
ティア:上坂すみれ
サラ:佐倉綾音
アネット:楠木ともり
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

しょぱい教室

最終話でまたしてもシリアス展開{netabare}を匂わせるような感じで幕引きであります。

スパイものとしては大失敗だったからパイを食べたのかは定かではありませんが、
最後はハッピーエンドで丸く収めておけばまだマシだったような気も致します。

劣等生代表のリリィには緩衝材としての機能があるようで、これを前面に出しておけば、
色々なことの誤魔化しが効いたはずですが、切れ者キャラのグレーテが出張って来て
シリアスパートになると逆に空回り感が増幅するような印象を受けてしまいます。

もしも落ちこぼれメンバーを見てただ和むだけの作品だったならば
案外それなりの人気作品になっていたのかもしれませんが、どういうわけか
シリアスパートが匂わせだけで、結局何もないという肩透かしを繰り返して
しまっているため、続編ありきと言えどもかなり微妙な幕引きであったようにしか思えません。{/netabare}

●予定調和をもたらす「先見の明」?

グレーテと先生の髪型は何気に似ています。
髪で輪っかを{netabare} 形成しその輪っかで左目を囲うような感じのものであります。

この髪型は「烈日の黄金郷」のヴエコや「忍の一時」の主人公母親と同じものでありますが
片目を強調するこのような表現の元ネタは【プロビデンスの目】というものでございます。

【プロビデンスの目】は【プロメテウスの目】とも言いまして、
「先を見通すことができる」目というような意味合いになるかと思います。

「この目」により「先見の明」を得られるわけですから、グレーテは政治家先生の並外れた
射撃の精度や弾丸の起動もすべてが見えていたということになります。

例えば「鬼舞い」の主人公妹のヘアピンにより表現される【プロビデンスの目】では
この効力により、大学院に飛び級できたり、性転換の新薬を開発できるという
ある種のチート能力を得られることが示されております。

【プロビデンスの目】はとても便利な設定であり、これさえあればすべて辻褄が
合ってしまうため、様々なシーンで多用されます。

この「全能なる目」というものを知らないと物語の展開について行けなくなることも
多々ございますので、是非とも目の描写には注意を怠らないように心がけてください。

弾丸の起動と発射タイミングが読めることについては「魔眼」で説明はつきますが
しかしそれで納得できるかどうかは別の話であります。

シリアス展開における予告ホームランからの見事な空振りのような結末には、
ここまで来るとむしろ潔いと言えるようなまでの爽快感をも抱いてしまいますが、
意外にもラストミッションと思われたエピソードはあっさり終わりまだまだ続きが
ある{/netabare}となるとやはり予告ホームランを期待してしまうしかないでしょう。


●何か起こるかと身構えているも?

{netabare}特に何も起こらなかったというのが今までの流れであります。
緩い日常からシリアスの任務に移行したとしても、かえって微妙な展開だったりもします。

個人的にはコメディにはあまり興味はありませんが、本作の場合はコメディパートの方が
まだマシと思える程シリアスパートにキレがありません。

恐らくは尺の都合上今回の任務がラストミッションであると思われます。

ターゲットをいぶり出す一連の流れまではまぁ良しとして、
いきなり交戦状態になり、そして最大のピンチを救ったのが鳥であります。

鳥を手なずけるスパイというのもある意味粋ですが、自己犠牲の鳥さんが
瀕死の重傷に陥ったならば、リアクションが難しいところであります。{/netabare}

取り敢えずここで物語評価を1段階下方修正しておきます。

●結論から言うと、本作は「鬼舞い」よりは面白い

当方はアニメアンチであり、日常系アンチであります。
故に当然の如く日常系の代表作みたいな{netabare}「鬼舞い」に辛口評価となるのは必然的帰結でございます。

前回当方は、本作を日常系として見たら案外いけるというようなことを申したわけですが
その考えは想定外なまでにビンゴでありました。

日常系の典型とも言える「鬼舞い」を見た後にあたかも日常系作品のような本作を見ると
その対比効果なのか詳細は不明ですが、何故か本作の方が遥かに面白いと感じられるのであります。

日常系の何が面白くないのかと言えば、個人的にはバカの一つ覚えみたいに毎回毎回
同じような展開を延々と繰り返し、それを見ているとそのバカの一つ覚えに辟易し
げんなりするというのがその理由であります。

本作「スパイ教室」は半人前のスパイたちがトライ&エラーを繰り返す日々を描いている
という意味においては恰も日常系作品のようにも見えますが、それでもミッション遂行という
目的意識、あるいは達成意識があるだけ大分マシで未来志向性があるとも言えるわけであります。

理由はただそれだけでも、ただ作画だけが凄いという理由でごり押しされている
「鬼舞い」に比べたら本作の方が遥かに「物語性」においては優位にあると確信いたします。

既に「観終わった」?という熱狂的ファンの猛攻により「鬼舞い」の評価は、もはや
「あにこれ」ユーザーには制御不能な状況に陥り、「覇権」というスラングの真意は
覇権国家中国を暗示していたかの如く?真のあにこれユーザーであったはずのかつての
レビューワーたちの意見はガン無視される状態になりつつあります。

その正体が、中華勢なのか?AIによる自動書き込みなのか?定かではありませんが
そのごり押しにより、あにこれユーザーみんな大好きな「覇権」を鬼舞いが獲得するとしたら
少なくとも生粋の日本人のレビューワーが、「鬼舞い」の作画ではなく物語について
第三者にわかるように言葉を尽くして説明すべきだと思います。

もしもそれができないというならば、覇権を握ったのは「彼ら」という皮肉なオチになるだけデス。{/netabare}

●日常系極上教室

本作に期待をし過ぎると{netabare} 失望する結果となりますが、何も期待せず
スパイものではなく日常系として見たら案外慣れるものかもしれません。

細かく見れば減点要素は多数あり、あまりオススメもできませんが
何も考えずに気軽に見れる作品と言えばそのように思え、
何となく視聴継続できるというのが本作最大の利点なのかもしれません。

盛り上がりもしないが急降下するわけでもないフラットな日常系{/netabare}
それはそれで需要があるような気もいたします。

●またシリアス展開に戻る?

キャラデザだけで肝心の中身{netabare}が伴わないようなままここまで時間を消費
しただけのような気がいたします。

新たな任務によりまたシリアスな展開に戻りそうな予感もいたしますが
ドタバタコメディ訓練期間にどのような意味があったのか巧い事
示すことができるのでありましょうか?

いつぞやの不可能任務回には大した意味もなかったようにしか見えず
印象もほぼ残っていないよう謎多き物語展開でありましたが
改善の兆しが全く見えない現状では悪夢が再び繰り返される予感も払拭できず…{/netabare}

この流れをそろそろなんとかしないと鬼舞いになりそうであります。


●下方修正止む無し
前回はリリィリーダーが体を張ったプレイで見事笑いを取ってくれたことにより
印象はすこぶる良く、{netabare}改善の兆しも見えたようにも思えましたが・・・
いよいよこの辺が限界点なのかもしれません。

不可能任務達成前に遡るような形で進行する物語構成には、
【8】人目のメンバーの関係で少しでも早く隠し玉の【8】人目を登場させたい
という意図があったからそのようになったのでは?という憶測も
十分成り立ちそうな気もいたします。

不可能任務のオペレーション回ではシリアス路線を目指していたようでありますが
気が付けば緩い感じのコメディ路線に舵を切っていたりして、
方向感が定まっていないような印象を受けてしまいます。

最終的には完全なるコメディで仕上げるという選択肢も残っていそうですが裏設定的な解釈では
またシリアス路線に戻るという可能性も捨てきれません。

キャラ的な要素で言えば十分人気アニメになり得る潜在能力を秘めている本作ですが
キャラと物語とのシナジー効果が未だ発揮されておらず、物語に今一つ魅力が感じられません。

現状の物語評価は「3」がいいところで、もしもこの先更に迷走することになるなら
それ以下の評価にもなり得るようなジリ貧の下降トレンドに入ったような {/netabare}気配をも感じます。


●回想による奇襲攻撃が意図するものは?
本作のメインテーマはどうやらSPY家族的な{netabare}「家族」のようでありまして
そこに焦点を当てるような具合で敢えて回想シーンの挿入が図られたようでありますが、
これは次の展開で大きな動きが顕在化する変化の兆しを意味するものでありましょうか?

五話にしてようやくやや多すぎるような印象あった各キャラの持ち味や
それぞれの絡みが巧いこと描かれ、今までの中では一番まとまりがある物語展開のように
見えましたが、そろそろ土俵際いっぱいでケツにに火がついた本作に逆噴射の機会が{/netabare}
ようやく到来するのか?見極めたいところであります。

ちなみにキャラ性を最大限に生かしたリリィリーダーの渾身のハニートラップ、
あるいは自虐的羞恥プレイは、予想外に笑撃的でありました・・・

●再起不能か?サイキッカー

{netabare} 緩い感じで進行中、未だ進路転換の兆しなしであります。
初回の掴みは悪くないような印象を受けましたが、予想外にゆるゆるな方向に進み
ここまで来てしまうと後戻り不能なレベルと言えるのかもしれません。

不幸を招く少女の正体がサイキッカー的存在と判明したのが
今回の唯一の救いだったかもしれません。

ナチスドイツやCIAはその手の研究をしていたらしいので、アーニャ・フォージャーも
実はただのフィクションとは言い切れないところあり、まだ完全妄想的スパイものではない
かもしれない?可能性は残っているような気もいたします。

もしもなんつってスパイコメディ路線をこのまま最後まで突き進むとしたら、ある意味
それは潔いと言えますが、意図するところが不明ということになるような気がいたします。{/netabare}

●テンポが良すぎる【8】人衆
路線としては相応に緩い感じでサクサク進行しているようであります。

直前での急な{netabare}作戦変更には盗聴器ありきの陽動作戦という意味合いがあったということは
一応理解は出来ましたが、完全に伏線を回収したわけではないので、もしかしたら終盤辺りで
機能する可能性も無きにしも非ずなのかもしれません。

しかしながら現状までのこの緩い路線ならば、どちらかというSPY家族寄りなので
もしかしたら?プリプリよりもよりライト層向きなのかもしれません。

3話にしてラスボス級を倒してしまいましたが、それ以上の盛り上がり展開を果たして
今後描けるかどうか?{/netabare}次回以降が運命の分かれ目と言えるのかもしれません。



●「髪」が暗示する未来
裏設定的な話になりますがクラウス指導教官は、{netabare}「烈日の黄金郷」の「ヴエコ」や
「忍の一時」の主人公母親と共通点がありますが、もしかしたらこれは
「チェンソーマン」のアル中先生で示された「先見の明」を暗示しているのかもしれません。

「プロジェクトチーム名」は【灯火】、指導教官の願いは「家族」でありますから、
これはもしかしたら、予想外の急展開もあり得るということなのかもしれません。

当初の予想では「SPY家族」並みに緩い展開で行くのかと思いましたが、
教官の回想シーンを見る限りは、シリアス路線に {/netabare}向かうようにも思えます。



「SPY家族」に「プリプリ」とスパイ系作品は人気が高い傾向があるように思いますが
本作もその流れに乗ってグイグイ行きそうな手応えを感じます。

取り敢えず可愛い女の子キャラを敷き詰めればそれだけで人気アニメになり得る
こともしばしばあるのがこの世の常でありますが、ぱっと見た感じその条件は
十分クリアしているように思います。

どちらかと言うとシリアス路線の「プリプリ」に比べるとやや緩い感じの路線で
あるようですが、緩目の方がより多くの層に受け入れられることもあり、また
最近の人気作品の傾向を見ると明らかにコメディタッチの作風が支持されている
ことからしても、人気作品枠で考えたならば本作はかなり有力候補になり得ると
予想することができるでしょう。

今期始まったばかりでありますが、現時点での人気作暫定筆頭候補と言わせて頂きましょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

暗殺教室ごっこ

暗殺教室とプリンセスプリンシパルを少しずつ混ぜたようなアニメ
ただ両作品と比較すると、緊張感が足りないのでゆるく見たい人向けです
リリィや主人公達がやってることってスパイがやることじゃないですよね

絵とか声優とかキャラデザはいいので、美少女がわちゃわちゃやってるだけで楽しめる人なら見てもいいかも


この作品の最大の欠点は、{netabare}主人公や敵スパイを無敵にしてしまったことかな?

灯のメンバーに比べて主人公や敵が無敵すぎて、どんなチート特殊能力でも無効化しちゃうし、
物理的な攻撃も効果ないし、なんでもできすぎてぜんぶがお遊びに見えちゃうのが残念なところです

シナリオのほうも敵地で監視されている環境で楽しそうに遊んでいるように見えるし
敵に次々と倒されていっても、敵は誰にもとどめささないから、あー誰も死なない平和な萌えアニメなのかな?って {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 28

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

極上ではありませんw

原作未読 全12話

スパイ養成機関に所属している落ちこぼれたちを集めて、不可能なスパイ任務に挑む作品。

それぞれが強い個性を持っていて、それをまとめているのが一流のスパイである「クラウス」、課題を与えて任務に挑めるように指導していきますが、感覚でスパイの技術を身に着けたクラウスなので、全然教えていませんw

また、不可能な任務にしては結構あっさりとしている感じで、なるほどと思えるところはありませんでした。

本格的なスパイアクション作品ではありません。

可愛いヒロインたちが、自分たちの過去と向き合い、指導され任務を遂行していくお話。と書くと非常にシリアスな作品ように聞こえますが、全然そんなことはありませんので、ライトな感覚で観れる方にはいいかもしれません。

分割2クール?2期(2nd season)は現在(23年夏期)放送中です。

OPはnonocさん、EDは鈴木このみさんが歌っています。

最後に、YouTubeでキャストさんたちが、色々なミッションに行う番組ありました。ヒロインの一人「リリィ」役の雨宮天さんがミッション失敗で結構本気で悔しがっていたところが印象的でしたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

71.2 8 教官でラノベ原作なアニメランキング8位
月とライカと吸血姫(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
750人が棚に入れました
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――その実験体、イリナ・ルミネスク を24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。

声優・キャラクター
林原めぐみ、内山昂輝、日野聡、小松未可子、木野日菜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ちょと古い作りのアニメ。だがそれがいい。今期No1ですね。

 さて、本作は冷静に考えると、差別問題の解決の部分のストーリーが甘く、テーマという意味では期待外れかもしれません。もちろん、イリナとレフの頑張りが人の心を動かしたとのは読み取れますが、トップと女性のあの2人は政治的プロパガンダですからね。もう少しここの話に奥行きがあれば差別問題に関しては深まった気がします。

 ただ、です。本作は恋愛ものだと見た場合、あまりこの差別問題を中心にしてしまうと、尺からいって、2人の心理描写を省略したりセリフだけの恋愛ものになってしまったでしょう。ボーイミーツガール…2人の命がけの宇宙飛行そして命がけの恋愛が、差別問題解決への答えだったと思います。

 ちょっと古いタイプのラノベ的な舞台設定と物語に感じますが、それだけにストーリーにボディがあって、見ごたえもあり、何よりキャラがちゃんと活き活きしていました。
 
 古いと言えばアリプロジェクトに林原めぐみさんですからね。ゼロ年代感がすごいですね。古い言葉でいえば「だが、それがいい」ですね。

 アニメにとって作画は大きな要素だと思いますが、本作をみるとやはりストーリー、脚本、そしてキャラだと思います。本作はその意味では私にとってはですが、今年のTVアニメではブルーピリオドと並んでナンバー1かなあ。



以下 視聴時のレビューです。

 あらすじの吸血鬼という単語でちょっと敬遠していましたが、宇宙飛行士ものということで、なんとなく見始めたらまさかの出来でした。非常に面白いです。今のところ今期NO1ですね。もちろん継続視聴です。

 宇宙飛行士ものというよりもそれは物語の設定です。今のところ幹になっているストーリーは、差別される立場でもプライドと強い想いに基づく試練の選択をする吸血姫、そしてそれを支える落ちこぼれた優等生という、差別問題と人間ドラマの部分に注目ですね。
 ですので、気になるポイントは、吸血鬼全体の被差別問題まで行くのか。あるいはヒロインのアイデンティティの問題か、個人的な救済か。それは現実社会でなのか、命の捨て方による魂の救済なのか。または主人公の命がけの献身となるのか。恋愛の行方は?等々ですね。

 キャラデザは萌え絵の要素はあるんですけどちょっと写実が入っていて、物語の雰囲気とあっていてバランスが非常に良かったです。作画も丁寧だし、人も良く動いていました。

 で、7話です。 {netabare}まさか7話でここまでくると思っていなかったです。逆にいえば話の展開が早くて飽きさせません。宇宙開発もの的な詳細な話をばっさりとカットしたのが不満といえば不満ですが、そのおかげでテンポが良くなったのでキャラに感情移入しやすいのはプラスでした。

 吸血鬼が被差別民族のような感じで、命令を聞かざるを得ないヒロイン…という設定と主人公の関係をどう考えればいいんだろうと、初め戸惑いはありました。
 もちろんですが、主人公と心を通わせる展開になります。ただ、ゆっくりとエピソードを重ねながらなので自然と受け入れられます。その意味では4話が良かったですね。レモンの炭酸水をキーアイテムにしたのは良かったですね。吸血の設定もよく物語とマッチしていました。で、7話です打ち上げ成功…そして帰還と。

 そうですね。ここからが重要なテーマです。ヒロインがどうなるのか。なんか死亡フラグみたいなセリフが結構あったので心配ですが、一方で、この主人公ならなんとかしてくれるかも、という期待もあります。


 SF的にいえば、ロケットの技術的問題をどうやってクリアしたのか、という部分が根性論に見えましたね。
 ストーリー的には、吸血鬼の迫害からヒロインが宇宙飛行士に立候補するまでの心理描写が弱いこと、ロケットの研究所の研究者たちがいつの間にヒロインの心情的な味方になっている部分の描写が弱いです。ここがちょっと残念ポイントです。 {/netabare}


9話 とにかく話が面白いですね。宇宙飛行と恋愛。話の本筋が明確です。そして、テンポもいいし、ツンデレ具合がなかなか悶えます。 {netabare}白薔薇ちゃんもデレましたね。結構チョロくて笑いました。ここはもうちょっとなんかあっても良かった気がしますね。そして、ヤキモチ…ラブコメでした。{/netabare}

 後は人種差別問題ですね。ここがちょっとなあなあになりかけてるんでしょうか。それとも何かこれからあるんでしょうか。テーマ的な深掘りは、正直それほどでもない予感があります。

 ですが、とにかく見ていてこれほどワクワクするアニメは久しぶりです。吸血姫という設定と宇宙飛行競争。うまく組み合わせましたね。原作はとりあえず3巻まで買って寝かしてあります。



10話 こういうのが好きです。切なすぎる。

 設定とか作画とかがすごい…ではなく、話が純粋に面白い話っていいですね。ここまでダレるところ無しですね。

{netabare} お別れ前に何気ないデートをする。自分の死を覚悟して。もう切なすぎます。こういうストーリーできちんと恋愛感情の深さとか相手を思いやる気持ちを表現して、別れ際に笑うって…バス停のシーンとかもう涙なくしては見られませんでした。

 イリナちゃんの生存確率が上がってうれしい半面、政治的思惑の外的要因かあと、ちょっとそこは興ざめはありますね。ただ、レフとイリナががんばったから周囲の心を動かしたのかもしれません。
 最後は2人がどこかで会えるのか、心を遠くで通わせて終わりなのかわかりません。{/netabare}

 それにしても、いい話だなあ…。話の面白さなら2021年度TV部門ではNO1候補かなあ…


11話 恋も自由にできない国ではいけません。今時珍しい純愛ですね。

 そう恋も自由にできない国ではいけません。民主主義というのは欠点も多いですが、やっぱり人の気持ちが尊重されるという意味ではベターな選択なのでしょう。話が面白過ぎてこの辺りのテーマを忘れていました。

{netabare}  吸血鬼の差別問題はちょっと浅くなりましたが、2人の気持ちが痛いほど伝わってきてもうペンダントのシーンは涙失くしては見られませんでした。この差別と不自由の中で命がいつ消えるかもしれない状況で、せめて気持ちだけでも伝えたいという…もう苦しいくらい愛おしいです。{/netabare}本当に今時珍しい純愛ストーリーですね。

 暗躍する人々の思惑ではありますが、もうそういう些末なことはいいです。ぜひハッピーエンドでお願いします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

共産趣味宣言!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
私が「共産趣味」という言葉を知ったのは、声優の上坂すみれさんがそれについて語っていたのを聞いたのがきっかけです。

作中の共和国の政治体制やメカなどがソ連的なノスタルジーを誘う物だったので、レビュータイトルは「共産趣味宣言!」としました。

本作のモチーフは史実でいうと主に1950~1960年代に行われた米ソの宇宙開発競争です。米国サイドに立った有名な『ライトスタッフ(The Right Stuff)』という映画がありますが、本作は「共産趣味」とは切り離せないソ連サイドに立った作品です。

ただし、作中の国名(ツィルニトラ共和国連邦とアーナック連合王国)やロケットや人工衛星などのの機体名は架空の物に置き換えられています。

クドリャフカにあたると思われるライカ犬も出てきますし、たぶんガガーリンやテレシコワに相当しそうな宇宙飛行士候補生も出てきます。

両大国はどちらも人類初の有人飛行を目指して競争しています。そこで人間に先立ち動物実験としてソ連はライカ犬を打ち上げています。史実では人間の直前には霊長類などが打ち上げられていますが、本作では「吸血鬼を打ち上げよう」というなかなかに荒唐無稽な話になっています。

どうやら吸血鬼のイリナは人間扱いされていないようなのですが、外見的にほぼ人間ですし言葉によるコミュニケーションも可能です。イリナの世話係に任命されたレフの心情やいかに、といった感じのお話になるんでしょうか?

余談: 本作の原作はガガガ文庫刊行のライトノベルらしいのですが、内容的にはかつての朝日ソノラマ文庫みたいな雰囲気の懐かしさを感じます。まあ、単なる気のせいかもしれません。
== [第1話視聴終了時のレビュー: ここまで。] ==

2021.10.13追記:
第2話で、旧ソ連で流行ったと噂された物をモデルにした、炭酸水の自動販売機が出てきましたね。普通の飲料水に、購入時に炭酸ガスとシロップを混入する仕組みらしいです。

宇宙飛行士訓練施設を含めた旧ソ連の「星の街」をモデルにしていると思われる街並みや訓練装置の描写も良く描き込まれていると思います。

2022.2.2追記:
アニメは爽やかに終わったけど、原作はこれ以降の話があるみたいだからこの先はまた何やら闇はあるんじゃないかという気はしますよね。(未読)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

偉業の陰に異形在り

原作未読


20世紀初頭は宇宙に行くなんぞ狂気の沙汰だった…とは作品の中のとあるキャラのセリフです。
それからおよそ半世紀。米ソの宇宙開発競争をモデルに疑似ソ連“共和国”視点で人類初の宇宙飛行を実現すべく奮闘するお話です。タイトルにある“ライカ”とは実在した犬の名前であり、人間を大気圏外に飛ばす前に先遣隊として飛び立ち散華されたというある意味シンボリックな存在とのこと。

 『“彼女”に対する国家ぐるみの追悼は罪の意識を軽くするための虚しい努力にほかならない』
  by ライカの世話をする生物学者、アドリア・コトフスカヤ氏(1956年11月9日)

犬とはいえ“同士”と見立てその尊い犠牲を顕彰するみたいなノリをお世話役がチクリと釘刺したように、ちょっと個人の倫理観へなにかしら訴えてきそうな内容です。タイトルにて“月”“ライカ”“吸血姫”と並行表記されてる吸血種族「ノスフェラトゥ」の少女イリナ・ルミネスク(CV林原めぐみ)が主人公とありますので、実験犬ライカの写し合わせとなるべき存在であることが類推しやすい安心設計でした。

お目付け役レフ・レプス(CV内山昂輝)と吸血姫の交流を軸にしてのタイトルを裏切らない展開の全12話を好意的に受け止めてます。面白かったですね。

どうみてもフルシチョフにしか見えないあの人だったり作り手はよく研究されてたかと思います。訓練風景もそうなんですがドのつくフィクションにもかかわらず現実味ありそうな佇まいでした。
そのフルシチョフ時代にガガーリンが人類初宇宙へ…となるわけですが、もしかするとそんな偉業の裏で異形さんが活躍されてたかもねと想像の翼を広げるのが楽しい作品です。




■声優林原めぐみのお仕事

エヴァンゲリヲンの綾波レイでも
ちはやふるの桜沢先生でもありません

{netabare}林原めぐみさんの原体験はらんま1/2の女らんまなんです、私。そんなのを彷彿とさせる本作でのアクトっぷりに大興奮だったことは内緒です。
これで山口勝平さんがキャスティングされてたらと思ったんですがさすがにそれはありませんでした。{netabare}…がしかし、かすみお姉ちゃんがいらっしゃったので個人的にニヤリとできて充分でございます。{/netabare}{/netabare}


■吸血鬼を設定に組み入れたこと

我々が想像する吸血鬼成分よりだいぶ薄めでした。ほぼ人間と変わりがありません。なにゆえ?

 特定の人種や民族 → 確実にめんどくさい
 犬などの愛玩動物 → これはこれで愛護団体がめんどくさい

想像上の生き物に保護団体などついてませんので民族問題を含む描写を扱うに適した素材だったのではないかなぁと愚考してます。

{netabare}つまり苦情を避ける仕掛けがなされていたということです。だからこそもっと踏み込んでもらって良かったのですがその点は個人的に消化不良でした。
“吸血鬼も同じ○○”みたいな紋切り型な着地は悪くはありませんが、安全運転過ぎた気もします。
昨今は日本列島でも北と南であえて分断を作ろうとする動きがそれこそ旧ソ連残滓みたいな連中主導で展開されておりますが、基本的に日本人に『民族問題』は馴染みがありません。

 {netabare}架空というか消滅した国家と架空の被差別民族{/netabare}

某ベラ○ーシなり某ユ○ヤとか実在のなにかを出すわけではないから、も少し制作者(原作者!?)の主張ないしエゴを見たかったです。ちょっと苦情避けなのかなんなのか腰が引けてるように見えました。
史実とのオーバーラップや小道具などこだわりを見せてたので、終盤に向けて期待値上げてたわりにはね…って感じです。{/netabare}



20世紀初頭。荒唐無稽と言われた構想は足掛け半世紀後に実現したという物語でした。
ひとつ前の東京オリンピックの頃合いです。たぶんその頃に宇宙行きを“金”で解決できると思ってた人はどれくらいいたのでしょうか?
さらに半世紀経過した現在地にいる私たちは次の半世紀後に向けてどんな夢を見るのかちょっと夢想するのも楽しそうです。


冒頭実在のコトフスカヤ博士が感じたやるせなさ。ライカならぬイリヤのお目付け役アーニャ・シモニャン(CV木野日菜)研究員が博士と同じような経験をするかどうかは見てのお楽しみです。



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

-----


2022.01.19 初稿

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38
ページの先頭へ