戦いで続編なアニメ映画ランキング 13

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の戦いで続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番の戦いで続編なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.3 1 戦いで続編なアニメランキング1位
機動戦士ガンダム F91(アニメ映画)

1991年3月16日
★★★★☆ 3.8 (463)
2553人が棚に入れました
宇宙世紀0123年、シャアの反乱から約30年が経った時代。大きな戦乱も無く平和な世界の中、人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。しかし、地球連邦政府の疲弊・腐敗から、秘密裏にコスモ貴族主義を掲げる軍事組織クロスボーン・バンガードが設立され、スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲する。その最中、民間人の少年 シーブック・アノーは襲撃から避難するために、友人達とともにコロニーを脱出するが、同行していた内の一人 セシリーが連れ去られてしまう。近隣のコロニー「フロンティアI」に辿り着いた一行は、地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護される。艦内にはF91と名付けられた整備中の新型MS(モビルスーツ)があった。混乱の中成り行きでF91で出撃することになったシーブックが戦場で対峙したのは、クロスボーン・バンガード軍のMSビギナ・ギナに搭乗していたセシリーだった…。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

是非ともリメイクされて欲しい不遇の名作

まず最初にお伝えしたいのは、この作品が「劇場版のガンダム作品」として屈指の名作でありながら、とにかく時勢に恵まれず、内容に見合った扱いを受けられずにきた不遇の名作であるという点です。
この作品の魅力については他のレビュワーの方々が語ってくれていますので、私はまず、この作品がなぜ不遇の名作となってしまっているかについて私見を交えて書かせてもらいたいと思います。

この「機動戦士ガンダムF91」という作品は、ガンダム劇場版10周年を記念する作品というふれこみで製作されたものですが、当時はガンダムシリーズの展開が行き詰まりを迎えつつある冬の時代だったようで、そういった状況の打開を図るべく、過去作の反省も踏まえて「分かりやすいTVガンダム」を作ろうという構想の基で企画が生まれ、現在でも第一線で活躍している名だたるクリエイター達が結集し、それまでのシリーズ作にはない挑戦的な作りこみがなされながら製作されてゆきました。(企画が生まれる要因となった過去作の反省については後述させてもらいます)

そのためこの作品は、初代ガンダムから始まった「宇宙世紀」と同じ時間軸の下で物語が描かれているにも関わらず、良くも悪くも他のガンダム作品とは一線を画した仕上がりになり、公開当時はシリーズファンの間でも評価が割れた作品となりました。

評価が割れた大きな要因として、それまでの歴代ガンダム作品の魅力の一つとなっていた「過去作の登場人粒や設定」が時を経て最新作品に登場してくるオマージュ的展開がこの作品では殆ど用いられておらず、それと同様にそれまでの歴代作品が膨大に積み上げてきていた敵勢力側のモビルスーツ(ロボット兵器)の系譜も排除され、全く新しいアーキテクチャーによるロボットデザインがいきなり導入されたりしている点が挙げられます。
故に熱烈なガンダムシリーズファンの方々にとってこの作品は、初代ガンダムに連なる歴代の「宇宙世紀系ガンダム作品群」の一つとして受け入れられ難い側面を持っており、色んな意味で一線を画した作品として捉えられることが多いようです。

この作品は元々、当時の歴代TVガンダムが描いてきていた「人類の戦争」という子供向けTVアニメで扱うには重く難解すぎるテーマを、それまでより分かり易く描くことを目標に1クール分のTVアニメ番組として企画されたものだったらしく、この企画が生まれた背景には、TV版第2作の「Zガンダム」が作品自体の出来は良かったものの「難解で複雑な内容」故に子供市場へのウケが良くなく、製作側とスポンサーが期待した程に商業成果をあげられなかったことと、連続して製作されたTV第3作「ガンダムZZ」がZガンダムの反省を踏まえすぎて迷走し、番組途中で路線変更を余儀なくされた上に、結局Zガンダムを下回る商業結果を残しそうだと判断され、そこから商業的巻き返しを図るために第3作「ガンダムZZ」の放送期間中に急遽物語ラストの核となるプロットを丸々抜き出して「逆襲のシャア」という劇場版作品を作る羽目に陥った製作側の苦い経験があったようです。(逆襲のシャアは大ヒットし名作となりました)

しかし子供市場にも受け入れてもらえる「分かりやすい新ガンダム」を実力派クリエイターを集めて作ろうとしたものの、戦争という「題材」を使って魅力的なアニメ作品を作ると、結局子供向け作品としてベビーすぎる内容になってしまい、当時のTV局の自主規制的縛りやTVスポンサーとの折り合いなどがつけられなかったのではないかと言われています。
逆にいえば、実力あるクリエイター達が作品を面白くしようとするこだわりが、「TV版F91」製作の足枷になってしまったといえなくも無いかもしれません。
様々な背景事情が入り乱れ製作状況を二転三転させる羽目になったサンライズは、最終的に「機動戦士ガンダムF91」という作品を劇場用の120分映画に濃縮する形で製作・公開することにせざるをえなかったようです。

そうした製作環境の変動は少なからず作品の品質にも弊害を与えていったようで、この作品では、本来なら時間をかけて描かれるべき繊細な場面が、尺の都合などで止むを得ず端折られたり削られたりしている所が幾つか存在しています。この点もまた、この作品についてファン達に物議を醸させ、作品への評価を割れさせる一因となったようです。

しかし尺の都合で削られてる所があって唐突に場面が飛んでしまうことがあるにしても、本作は全体的に話の流れがとてもスムーズでテンポも良いので、私個人としては観ていてどんどん惹きこまれ120分間があっという間に終わってしまった感じでした。そして「端折られた箇所への違和感」は私的にギリギリ許容できる範囲ではありました。(気になる人はとことん気になるかもしれません)
この作品に高い評価と共にレビューコメントをつけていらっしゃる方々の多くが、この作品のそういった部分を「展開を急ぎすぎている」「話が駆け足しすぎてて勿体無い」と仰っていて、劇場版でなくTVシリーズとして相応の話数と尺を使って描かれたこの作品を観てみたいという願望を持っていらっしゃるようですが、私も全くの同感です。

(ここからはこの作品の魅力について具体的に書かせていただきます。)


視聴して頂ければ納得していただけると思いますが、この作品にはガンダム世界のエッセンスが作品公開当時にサンライズが費やせる最高のクオリティで詰め込まれており、公開から25年余りが過ぎた現段階においても、その内容が殆ど色あせておらず、劇場用のガンダム作品としては屈指の名作であると言い切れる出来栄えになっています。

この作品の具体的な時代設定は宇宙世紀0123年で、これは初代ガンダムの一年戦争時代(宇宙世紀0080)から40年後、ZガンダムとガンダムZZのグリプス戦役と第一次ネオジオン戦争時代からは34年後、逆襲のシャアの第二次ネオジオン戦争からは30年後、ガンダムUCのラプラス戦争時代からは27年後にあたる設定になっています。
F91では、この時代に起こった紛争の中で必死に生き抜こうする人々の「出会い・裏切り・葛藤・成長・愛憎・決別・和合」といった様々な人間ドラマが、宇宙戦艦やモビルスーツ(ロボット兵器)を主兵器とした戦争を通じ繰り広げられてゆきます。

この作品のロボットアニメとしての戦闘シーンは、今の時代でもこの作品を凌げるものに中々お目にかかれない程に魅せ方を心得た好演出が多く、そういった観点からも時折無性に観たくなる程の魅力を備えています。
ただ、佳境を迎えたラストバトルの最後の最後のシーンはとても素晴らしい演出がなされているのですが、私は個人的にあともう一つ「決め手」となる演出が加えられていて欲しかったなとも感じました。(ここは人によって意見が分かれる部分だと思います。)
そしてそこからエンディングにゆくのですが、森口博子さんが歌っていらっしゃるEDテーマがこれまた非常に素晴らしく、ラストの感動を否がおうに盛り上げてくれます。私は初観直後にクライマックス~エンディングの流れを3回ほど観直して余韻に浸りまくっていました。そしてこの曲はガンダムのテーマソングとしては初の「NHK紅白歌合戦」出場を果たしたヒット曲でもあります。

この作品は当時の名だたる実力派クリエイター達が結集して作られたため、作品全体に凄まじいほどに秀逸な演出が惜しむことなく散りばめられており、物語の土台となる世界観を徹底して「肌で感じられる」描写で描きまくってあります。(昔の勘違い高品質アニメにありがちだった無駄に細かい描写などでは決してありません。作品の魅力をきっちり引き立てている好演出ばかりなのです。)

それによってこの作品は、主人公が活躍する戦闘シーンだけでなく「戦争によって人々の日常が破壊されてゆく」ガンダムシリーズでは通例となっている場面や、紛争の中で人々があがいてゆく「非日常の日常」の場面などがガンダムシリーズ中随一の出来となっており、そこは必見の価値があると思います。
物語中に流れる価値的描写も、様々な価値感を持った登場人物達がそれぞれの存在意義と生き方に根ざした行動をとってゆき、それらがきめ細やかに絡められてゆく形で描写がなされており、「戦争に絶対の正義無し」されど「人の道は如何や?」というガンダムの真髄ともいえるスピリッツがあますことなく表現されています。

少し穿った言い方をしてしまうと、通り一編のテンプレ的な行動しか登場人物達に許容できない子供的感性の人からみると、この作品のキャラクター達の行動は矛盾だらけで中途半端で意味不明なものに映ってしまうかもしれません。が、そこがこの作品の人間ドラマとして実に味わい深い部分だったりします。これは年齢を重ねないと見えてこない「大人の特権」的な味わいかもしれませんね。
この作品が企画されたきっかけは「子供にも分かりやすいTVガンダムを作ろう」でしたが、良くも悪くも随分と大人が愉しめる「味わい深い作品」になってくれたものだと思います。

しかしこの作品に更なる+@の魅力を与えている何より要因は、「命の儚さ」や「人間の厭らしさ」といった「戦争や人のネガティブな側面」を様々な人間の価値感を織り交ぜながらがっぷり描きつつ、その泥沼の先に「光明」を見出せる「人間の持つ可能性」をポジティブに描けている所なのではないでしょうか。



「機動戦士ガンダムF91」という作品は、時間と尺をかけてじっくり描かれた作品として世に出るはずが、当時の作品の受け手である市場が未成熟だったために、尺に限界のある劇場用作品として世に出ざるをえなかった「不遇の名作」だと思います。
もし可能であればこの作品をOVAやTVアニメとして、是非ともリメイクしていただきたいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ブルーレイよりDVDがオススメです

どうも昔からガンダムにはあまりハマれなくて・・・
いやちゃんと見てはいましたけど・・・
ただこのF91では宇宙世紀という世界観だけは引き継がれつつも、登場キャラクターを一新することで新鮮な気持ちの作品に仕上がっていると思いました
要はアムロだのシャアだの言わんのですw
この辺は旧作にこだわりを持たない人の方が入り込みやすいと思います
そしてとにかくラストが感動的だった
今までの悲しみばかりが残るガンダムシリーズのイメージを全て吹き飛ばしてくれましたね
ガンダムが「人を殺すため」ではなく「人を救うため」に使われるのが素晴らしい
ちなみにブルーレイ版はマスターフィルムの状態が悪いらしく、無理矢理に鮮明さを出そうとした妙にコントラストの強い色彩になっています
フィルム上の傷やゴミなんかも逆に目立っていました

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

chanchan さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

平成ガンダムしか知らない人に特に見て欲しいガンダム!!

私も平成生まれですけど昔からスパロボやGジェネのユーザーなので、基本的にガンダムシリーズはほぼ全作の内容を知ってますし、ちょいちょいアニメも見てます。
だからこそ言いますけど、F91は半端なく面白いです!!ゼータとかも捨てがたいけれど、私はF91が一番面白いと思います。

劇場版なので尺が短く、多少話を詰め込み過ぎな点は認めますけど、ガンダムに必要な要素をしっかりと含んでいて、見応えがあります。

この作品の評価すべき点はまずストーリー!!ガンダムシリーズは大体主人公が一般人で戦争に巻き込まれていくものが多いですけど、このF91もそれらと同様に戦争に巻き込まれるパターンです。それ故に戦争の愚かさを恋愛要素も含みつつ短い尺で表現出来ている点が素晴らしいです。

後は音楽ですね。森口博子さんの曲が良すぎて…。EDなんて場面にもぴったりで号泣ものですwww

時間軸は逆シャアの30年後で、宇宙世紀を舞台とした話ですが、その割にはこれまでのガンダムシリーズとストーリーの関連性が無く(背景的にはありますが)、ガンダム初心者にもオススメ出来る作品です。

まぁ何が言いたいかと言うと、タイトルにもある様に平成ガンダムしか知らない人に見て欲しいって事です。別に平成ガンダムを否定してるわけではないですよ!?私だって種や00見ましたし、どっちも大好きです。
ただ少しでも興味を惹かれたなら見て欲しいな~って素直に思ってます。

ちなみに、漫画でしかありませんが続編の機動戦士クロスボーンガンダムも完結編まで全巻持ってます!!こっちもオススメです!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

68.1 2 戦いで続編なアニメランキング2位
劇場版 図書館戦争 革命のつばさ(アニメ映画)

2012年6月16日
★★★★☆ 3.8 (467)
2438人が棚に入れました
日本を揺るがすテロ事件が勃発する中、デートの最中だった笠原郁と堂上篤に緊急招集がかかった。新たな任務は、小説家・当麻蔵人の身辺警護。テロの手口に小説の内容が酷似しているとして、メディア良化委員会は作家狩りを始めたのだ。法廷闘争が始まる中、郁たち図書特殊部隊は判決まで当麻を守りきらなければならない。図書隊と良化隊の衝突が激化する中、重傷を負ってしまう堂上。動揺する郁に、堂上は任務の遂行を託す。郁は、当麻を守り、表現の自由を守ることが出来るのか!? ――そして郁と堂上とのもどかしい恋の結末は!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、前野智昭、イッセー尾形、石田彰、鈴木達央、沢城みゆき、鈴森勘司、潘めぐみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

“今度こそ”スタートラインに立てた図書館戦争

前作のテレビシリーズは2008年の春アニメとしてノイタミナ枠で放送されましたが、肝心の『メディア良化法』と呼ばれる架空の法律から表現の自由を訴えかけるという内容もソコソコに、ラブコメ要素がメインのトレンディドラマ風味の作品になってしまっていました;


仕舞いには原作でも重要視される【中澤毬江にまつわるエピソード】が放送局の自主規制によりオミットされるという自体に陥り、【表現の自由を問う作品が表現規制された】ということに原作者は肩を落とし、多くの原作ファンが憤慨するという賛否両論を巻き起こした問題作になったわけです
(上記のエピソードはちゃんとアニメ化され、セル版DVD3巻、もしくはBD-BOXには収録されております)


今作を鑑賞した劇場で今年のアニメ映画の中では初めての出来事だったのですが、来場者の年齢層がかなり高いことに驚き
有川作品ファンの幅広さとアニメ版図書館戦争の知名度を思い知ることとなりました











さて、今作ではやっとこさ肝心要の『メディア良化法』に対して図書隊が踏み込んでいき、表現の自由を訴えかけるという待望の展開が描かれます!


早速冒頭からテロリストがヘリで原発に自爆テロを図って建屋に穴を開ける・・・
という衝撃ニュースが飛び交い“見慣れたあの光景”がテレビから映し出されるというショッキングな幕開け


そしてこのテロ組織の犯行の手口が、原発テロを題材にしたエンターティメント小説の内容に酷似しているものとみなし、図書隊の宿敵であるメディア良化委員会は小説の著者である当麻蔵人を拘束しようとする


これを許しておけば事態を皮切りに良化委員会は『作家狩り』をはじめるであろう、と判断した図書隊の面々
すぐさま当麻蔵人を保護し、法廷で正々堂々と良化委員会、延いてはメディア良化法の在り方そのものに踏み込んで戦うことを決意し、彼の身辺警護を始める


初めのうちは事件に巻き込まれたことを他人事のように疎ましく思っていた当麻蔵人
良化隊が行う『検閲』にも、上手く逃れながら作家業を続けることがプロの仕事であると考えていた彼を通して、これまで読み手側の都合がメインに描かれていたメディア良化法が、初めて書き手側の目線で語られます


彼もまた稲嶺元司令の過去(通称:日野の悪夢)を語り聞かされ、これまで自分が無視し続けてきた検閲の非道極まりない実態を知ります
さらに図書隊の面々と触れ合っていくうち、自分の本を命懸けで守る若者たちがいた、という事実にもやがて心を動かしていくのでした・・・











当初から破天荒な世界観が物議を醸し出していた作品ではありますが、今作はやたらロケハンに凝っていて、、、
JR立川駅前
都営新宿線市ヶ谷駅
中央道諏訪湖SA
大阪御堂筋
大阪北区
そして新宿三丁目の紀伊国屋書店(新宿本店がそのまま紀伊国屋として登場)
とまあ、この辺の背景描写があまりにも丁寧すぎて映画を観終わって劇場を後にすると、ソコにはさっきまで映画の中に広がっていた景色がある・・・という強烈なデジャヴを感じました(´q`)
最近流行の【ご当地アニメ】もこういった架空の設定が前提の作品ではちょっと考えものですよね・・・


あとアニメ版で柴崎と手塚ってあんなに仲良かったっけ・・・?
いつの間に進展してたの?w
(これについては記憶違いかもしれませんので観直して来ます^^;ようつべで公式にオンエア版全話が配信中ですよー)


あとこれはこまけぇことかもしれませんが、夕食を食べてる当麻蔵人先生
どう見ても小食っぽいインドアタイプなのにご飯を「おかわり」発言ェ・・・
だって“おかずの揚物に手が付いてないよ・・・”
ご飯だけめっさを早く食べたのか?wまさかのおかず2週目なのか?w
真相は闇の中へwww


天ぷら屋でキスが揚がってくる「キスでございます」のくだりもまさかのダジャレかよ!とw
一瞬凍りつくかと思ったぜwww


音楽はテレビシリーズに引き続きオイラの大好きな菅野祐悟さんだったのですが唯一に一点だけ!どうしても気に食わないのがOPアニメーションで流れてくるかなりキャッチーで激しいロック調のインストナンバーが図書館戦争の雰囲気とまるで合っていない・・・;
そこは高橋瞳を連れてくるトコだろぉがーっ!


作画の面はとにかく笠原に注目したいですね(笑)
喜怒哀楽の激しい彼女のコミカルな表情
そして後半では、もはや一介の成人女子とは思えないジャッキー・チェンばりのアクションを繰り広げてくれますw
ホント、名実共に笠原から目が離せない作品となってますよ^q^
オイラの勝手な憶測ですけど、たぶん『わすれなぐも』でロトスコをやってた新人さんが、もしかして来てる???


いやはや、それはさておき
実弾が飛び交う世界なのに相変わらずな【絶対に死人が出なさそうな中途半端な緊張感】がこのシリーズのイチバン残念なところ;
予告編からして『堂上教官がまるで死にそうにない』のが薫り伝ってくるのは流石に問題視すべきw
あと露骨なラブコメ路線から多少シリアスな路線に回帰したことで、ラブコメとの両立が上手くいってないのも解るのがちょっとぉ・・・











んでもまあ日野の悪夢、笠原と堂上の出会いといったテレビシリーズのダイジェスト的な組み込みを説明臭くなく自然に潜り込ませたのには拍手
極めつけは劇中で一瞬ではありますが中澤毬江ちゃんが映るかつてのスタッフの罪滅ぼし的なシークエンスもあるんで多少大目にみてこのぐらいが妥当な評価
何より大事なことは、この作品を観たアナタが【表現の自由】とはどうあるべきなのか?をこの物語から汲み取って、少しでも考えるキッカケになってくれることであるはず・・・なのでは?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

ちびもす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

表現の自由を考えさせられる作品。

2008年に放送されたTVシリーズの続編である本作。
原作は「阪急電車」、「フリーター、家を買う」で有名な有川浩先生の小説、図書館シリーズの「図書館革命」にあたるお話です。
ストーリーとしましては、あまり派手な演出は多くなく、終盤までは静かな話運びとなります。ですが、クライマックスではしっかりとタスクフォースらしい働きを存分に発揮してくれますのでご安心を。
今回、重要人物の一人の声優として、俳優のイッセー尾形さんを起用されていましたが、正直違和感がなかったとはいえない出来でした。イッセー尾形さんの演技は素晴らしいものだったと思いますが、演技の雰囲気が合わなかったのか、映画のほうが合わなかったのか…その点が少し残念に感じました。ともあれ、原作ファンの私自身としては満足な出来だったと思います。ただ、TVシリーズも原作も知らない方には少し入りにくいかもしれませんね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

朝霧麻衣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

表現の自由が守られる日が来るのか

【ストーリー】
あらすじはアニメ本編で書いたので省略します。
この作品ではアニメ本編から続いている表現の自由に関する抗争に進展をもたらす事件が起きます。原発テロを起こしたテロリストの犯行手口が、ある作家が出版した小説の内容に酷似していたのです。これをきっかけに「メディア良化委員会は」書籍の検閲を超え、執筆者の弾圧にまで踏み込むこととなります。遂に「メディア良化委員会」と「図書隊」法廷の場で全面的に対決することなります。そんな中で主人公である「笠原郁」を中心とした図書隊の面々はどのような行動をとっていくのか。

【みどころ】
アニメ本編から続いている教官との関係は進展するのか、日本における表現の自由はどうなっていくのか、そんな所が見所です。

【所感】
アニメ本編のレビューでも書きましたが、非常に政治色の強い作品となっています。権威ある立場にいる者による不当な表現の弾圧、メディアの偏向的報道などが題材となっています。古来より歴史は勝者によって作られるといいますが、時が経過してもずっと残り続ける書物は人類にとって貴重な資料です。今でも昔の書物が見つかることで歴史の教科書などは大きく内容が変化していくほどです。そんな重要な書籍の数々を権力者の都合で弾圧することは決してあってはならないことだと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16

68.7 3 戦いで続編なアニメランキング3位
劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-(アニメ映画)

2014年2月8日
★★★★☆ 3.9 (311)
2181人が棚に入れました
一度引退を決意したもののヒーローに復帰したワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックス Jr.。復帰から数ヶ月後、2部リーグのヒーローとして活躍する2人は、相変わらず言い合いをしながらも日々、街の事件・事故の解決に取り組んでいた。そんな中バーナビーは、スカイハイ、ブルーローズ、ドラゴンキッド、ファイヤーエンブレム、折紙サイクロン、ロックバイソンらHERO TVで活躍する1部リーグのメンバーを見て、1部に復帰したいとこぼす。虎徹はバーナビーを諭しつつ複雑な思いを抱くのだった。一方、“マーベリック事件”によりオーナー不在となったアポロンメディアは、新たにカリスマ実業家のマーク・シュナイダーを新オーナーに迎え会社の立て直しを図っていた。立て直しの一環として、シュナイダーはバーナビーを1部リーグへ復帰させる。だが、バーナビーの相棒はワイルドタイガーではなく、シュナイダーがスカウトした新ヒーロー、ゴールデンライアン(ライアン・ゴールドスミス)だった。時を同じくしてシュテルンビルトでは奇妙な事件が起こり始める。街に古くから伝わる女神伝説になぞらえた不可解なものだったが、それはシュテルンビルトを揺るがす未曾有の大事件への序章に過ぎなかった…。

声優・キャラクター
平田広明、森田成一、中村悠一、寿美菜子、楠大典、伊瀬茉莉也、津田健次郎、井上剛、岡本信彦、遊佐浩二、小山力也、水樹奈々、麦人、大塚芳忠
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

自分と誰かを比べないこと。みんなそれぞれ違うけど、それでいい。

TIGER&BUNNY(タイガー&バニー)、
略してタイバニの劇場版第二弾♪

テレビシリーズ最終回の
その後の物語が描かれています。

ヒーローたちが帰ってきたよ♪

タイバニを全話見ていなくても、劇場版第一弾さえ見ていれば、
ストーリーをつかむのは問題ないと思います。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
超能力を使える能力者・NEXT(ネクスト)が
ヒーローとして市民を守っている近未来の街。

二部リーグのヒーローとして活動中の
ワイルドタイガーこと虎徹(こてつ)&バーナビー。

会社の方針で、
一部リーグに復帰できることに!

だけど復帰できるのはバーナビーだけ。
虎徹の代わりに新しいヒーローがスカウトされていた。

その頃街では、
伝説の女神を模した不気味な事件で大騒ぎだった。


ヒーローをやめた虎徹の姿は
なんとも寂しいものがあって…。

やっぱり彼は、
ヒーローとして動き回っている姿が一番合っている♪

肝心の映画の内容は、うーん…。
なんだか途中で飽きてしまいました。

ストーリーかな、
ストーリーに飽きたのかな。

ヒーローいっけええええ!な見どころも
全体的に少なかったし。

敵もぼんやりとしていて、
ひとつの事件が引き延ばされている感じがしました。


しかし!

抑えるべきポイントは
よくわかっていらっしゃる!

ラストシーンまでに私が見たいと思っていたポイント、
{netabare}
虎徹の見せ場、
タイガーとバーナビーのコンビ復活、
そしてヒーロー総活躍…。 {/netabare}

これらをしっかり見せてくれました!

山場、ラストシーン、そしてEDまでの流れが、
すっごくよかったです!!興奮したわー!


≪ 個性 ≫

今回のヒーローたちは、
何かしら悩みを抱えている様子が描かれます。

それぞれの悩みは違うけれど、たどり着いた結論で共通しているのが
「どんな自分もそれでいいんだ。」という個性に対する受容。

それぞれがこれまでの殻を破った
新しい一面を見せてくれました^^

自分らしさに対する葛藤を受け入れるには、
仲間の存在が欠かせなかった。

「おまえはおまえだ。」的なことをさらっと言える関係、
素敵なライバル関係だなーとかっこよく思ったよ^^

見ている人にも「おまえはおまえだ。だから自信を持て。」と
応援したいメッセージも込められていたのでしょうね。


● キャラクター
新しいバーナビーのパートナーが、
今回のNEWヒーロー・ゴールデンライアン。

嫌な奴だなーと思っていましたが、
だからこそ前パートナーの虎徹のよさが際立つというもの。笑

さらに中村悠一さんの声が好きなので、
嫌いになれませんでしたw


ヒーローたちはみんな相変わらずかっこいいですね♪

私のお気に入りはTVシリーズから変わらず、
ずっと虎徹です^^

今回もかっこいいおじさまだったわ♪


● 音楽
【 OP「ネメシス」/ NOVELS 】

前作に引き続きNOVELSが担当で嬉しい♪

前作のOPの方が個人的には好きですが、
こちらもOPらしい雰囲気の曲で、悪くはなかったと思います^^


【 主題歌「harmonized finale」/ UNISON SQUARE GARDEN 】

きましたよー、神曲ですよ!!

前作の主題歌も大好きなのですが、
この曲はそれを越えてきた。

タイバニきっかけで
ユニゾンの曲が大好きになったのですが、

この曲、私の中のユニゾンの曲ランキングで
トップ5に入ると断言できるほど好きな曲なのですよね♪

曲単体も好きだったのですが、
ラストシーンとこの曲のイントロへの流れがまた素晴らしい…!

なんかもう、
感極まって泣きそうになりました(´;ω;`)笑


● まとめ
これまでのヒーローたちには深みを。
NEWヒーローで新しい風を。

そしてやっぱりヒーローかっこいいな!という満足感を。

完成度の高さを底上げする総合力は
さすがだなと思える劇場版でした♪

完全新作ストーリーですし、
タイバニが好きなら、きっと楽しめると思います^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

オイラの期待の仕方が悪かったのか?┐(´_`)┌

タイバニシリーズ最新作
ユニゾンさんが歌うEDテーマの歌詞の通りなら
「ずっと続けばいいな けど 終わりが近いづいているのもわかるよ」
とまあたぶん暫くは今作を完結編として位置づけるっぽいです


で、完結編として観ちゃうと至極中途半端です(爆)


前作『The Bigining』とは違い完全にオリジナルストーリー
冒頭に軽く入るテレビシリーズのダイジェストが親切設計
『星空サンライズ』に寄せられたファンの投稿によれば初めてタイバニに触れたお父さんでも楽しめるとのことで、初心者ウェルカム構成はgoodです
この辺はアメコミヒーロー映画をお手本としているだけあって評価すべきところだとオイラ思います
























マーベリック事件の完結後、衰えを隠しきれずも2部リーグのヒーローとして奮闘するワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹
しかし新オーナーの命令で虎徹は解雇され、海外から雇われてきた若者「ゴールデンライアン」がバーナビーの新たなパートナーとして選ばれる


ヒーローを生業とすることの決断を迫られ悩んでいたテレビシリーズまでとは違い、今作では遂に【ヒーロー=サラリーマン】であることを突きつけられ如何ともし難い理由で引退を余儀なくされた虎徹


一方凸凹コンビながらもゴールデンライアンの実力の高さも相まって活躍する新コンビ「ライアン&バーナビー」


しかしシュテルンビルトに伝わる伝説になぞらえた事件を起こす謎のNEXT能力者が現れ、彼らに圧倒されてしまい苦戦強いられるヒーローの面々
さらに犯人逮捕をこじらせるヒーロー達を見かねたダークヒーローのルナティックまでもが動き出す騒ぎ
謎に満ちたNEXT思想犯達の真の目的とは・・・?
虎徹の命運はどうなるのか・・・?
かつては復讐に生きた男バーナビー、己が信念こそが正義だとするルナティック、復讐を成し遂げんとするNEXT思想犯
3つの正義がシュテルンビルトでぶつかり合う
























まず明らかに後付けな今作のキーワード「女神伝説」が全然しっくりこない
それに敵味方共にポッと出の新キャラに美味しいところを持っていかれて翻弄されるヒーロー達ってのが情けなさ過ぎる;
ドラゴンキッドは明らかにテレビシリーズより弱い
本作のエピソードの約1/3を占める「ファイヤーエンブレムの出生」はテレビシリーズで特にその素性が語られていなかったとはいえわざわざこのタイミングでやるのには無理がある
ってか何によりオイラが期待していたのは結局のところテレビシリーズでは決着が着いていない「ウロボロス」の真相
これが一切なんも絡んでこない


『The Bigining』もあったわけですし、せめて新キャラクターや女神伝説の伏線は欲しかったですね
初心者ウェルカムは大変結構ですがシリーズを追いかけてきたファンへのサービス、もっとあっても良かったんじゃないでしょうか?
上記した主題歌が奏でる【卒業感】やさらにパワーアップしたCGのバトルシーンは素晴らしかったです
作画に関してはフルアニメーションを多用したヌルヌル感で欧米アニメを意識してるっぽくこれは好みが分かれそうな部分
楓がちょっと大きくなってたのは微笑ましいところ(笑)


良かった部分が大きいだけあって詰め込み過ぎは「映画」としてよろしくない
その辺は『モーパイ』の方が上手く出来てましたし、個人的にはさとうけいいち監督の次回作の方が楽しみですわ

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

バンダイチャンネル様、ありがとうございました。

たまたま5/24のバンダイチャンネル様無料放送を当日に知り、無事視聴できました。
発売までまだ時間あるのに、太っ腹ですねえ。好感度↑です♪。今後もぜひお願いしたいです。

本編見たのはすいぶん前なので久々の視聴でした^^。
しかし、すぐに当時の熱さが蘇ってきましたね。
やっぱこの感じ♪・・という感覚です。

ストーリーは本編以降の続編なので新鮮な感じで楽しめました。
”程よい意外性”と”お約束”がいい感じで絡み合ってます。
以前本編視聴時に若干うざく感じられたバーナビーの苦言セリフも、
本作ではなつかしさと愛情にあふれるセリフに感じられました。

キャラのデザインがどのキャラも大人っぽく成長したのかな?。
みんな魅力UPしていましたね。
あと、短い時間の中でも各キャラの個性をちゃんと演出してたのがよかったです。
不意な細かいネタも満載で思わず笑えた。

アクションシーンは、なんかもうハリウッド映画を意識したつくり?に感じました。
もう境界線がなくなってる気がする。
ワイヤー移動のところも視点が臨場感たっぷりでスピード感ともに楽しめました。

また主人公の年齢ならではの悲哀、喜びも絶妙に描かれていて、感慨深かったです。
学生時代に一度見て、虎徹くらいの年齢になってからまた視聴してみるのもいいかもです。

ひさびさに本作が見れてとても幸せでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

73.5 4 戦いで続編なアニメランキング4位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (436)
2169人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

JBさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

OTIKA

物語としては、とてもショックというか
ユリカとアキトがとても不憫に思えて悲しかったです。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえとはいいますが
これはもう・・・殺すだけではすまされない、すましてたまるか!
というような、怒りさえ覚えてしまうほどでした。
これで終わってしまうのは、あまりにも不憫なので
佐藤竜雄監督に続編を作成して欲しいとは思いますが
叶わぬ夢なのでしょうかね・・・=w=
2005年に続編製作中止発表されていますが、なんとかならないものかと・・・

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

ジョニー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今だに何回でも見れる数少ない作品

TVシリーズとは異なり、作画のクオリティーは現代でもトップクラスと言えるほどの高クオリティーです。
人によっては鬱だとかシリアス過ぎるという人もいますが、
私としては笑いと真面目の黄金比が見事に実現されていると思います。
自分はユリカが好きなので、少し寂しいですが、内容は素晴らしいです。
TV版の三年後のストーリーという事で、見た目も結構変わっていますが『相変わらずのメンバー達』が相変わらずの掛け合いをしてくれ、これぞナデシコと思わせてくれます。

私は未だに続編を待ちわびています。。。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

ふもふも さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

遅かりし復讐人よ・・・・。

 もはやTV版とは別物といってもいい完成度。星雲賞とっただけのことはあります。


 TV版でやや不足気味だったシリアスがぎっちり詰まっています。北辰かっけぇ~。
 でもちゃんと「あ、ナデシコだ」という場面も詰まっているので安心です。艦長として成長したルリが拝めますし(私はこっち派)。


 戦闘の作画はなかなかすごいです。さすが劇場版。ブラックサレナかっこいいですよぉ。専用BGMがまた印象的。あと山寺さんが演じる北辰はいかにも「強敵!」という印象を受けます。登場シーンがいいですねぇ。


一見の価値ある良作。自分はこれを見るためにTV版を見たようなものです。あ、もちろんTV版も良いですのであしからず。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

68.8 5 戦いで続編なアニメランキング5位
劇場版 トリニティセブン 悠久図書館と錬金術少女(アニメ映画)

2017年2月25日
★★★★☆ 3.6 (143)
893人が棚に入れました
ある日、“魔王因子"を持つ魔王候補・春日アラタが、トリニティセブンの一人・浅見リリスの魔道書『ヘルメス外典』に何の気なしに触れた瞬間、眩い光に包まれ、目の前には謎の少女が姿をあらわす。「リリム」と名付けられ、アラタとリリスを親と慕う少女。だが、少女の出現と同時に、世界に異変が―。目覚める禁忌の“悠久図書館"。そこには、錬金術の究極の産物―人の手によって造られし"白き魔王“が封じられていた。“白き魔王"は、真の魔王へ至るため、アラタとトリニティセブンたちの抹殺を企てる。かつてない強大な力を持つ"白き魔王“を前に、世界の崩壊と、絶体絶命の危機がアラタたちを襲う―。アラタとトリニティセブンたちは、この世界を守れるのか?彼らの最後の戦いが今、始まる―!

声優・キャラクター
松岡禎丞、原由実、内田彩、佐倉綾音、日笠陽子、柚木涼香、村川梨衣、東山奈央、洲崎綾、釘宮理恵、諏訪彩花、三木眞一郎、福原綾香、赤﨑千夏、日高里菜、島﨑信長、M・A・O、南條愛乃

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「深夜アニメの劇場版」らしい作品です。

『トリニティセブン』のTVシリーズが終わってから3年くらいだったか(良く覚えていない)で劇場公開された作品です。

私は映画館ではなく、「あにてれ」(テレビ東京が運営するアニメ系動画配信サイト)で会員向けに無料公開されていた奴をPCでネット視聴しました。初見は数か月前ですが、レビューを書く前に再視聴しましたよ。

ちなみに「あにてれ」ですが、テレビ東京系列で放送中のアニメの見逃し配信のほか、有料会員だと『ロストユニバース』とか『スレイヤーズ』とかの意外と懐かしい人には懐かしいかもしれない作品が観られたりします。

で、本作ですが冒頭5分弱はTVシリーズのダイジェスト兼キャラクター紹介に充てられています。残りの45分くらいが本編、そしてEDクレジットが5分くらいでその後に1分くらい次章プロローグ的な映像があります。

TVシリーズ以上にナチュラルにメインキャラクター全員で男女混浴とか、本作品の特長を前面に押し出した作りになっています。そして普段はアラタと一緒に学園にはいないキャラクターたちとの一時的な共闘とかは劇場版らしいと思います。その他お約束の合体技とか、実にお祭りっぽい楽しい作品ですよ。

まあ、でも劇場に観に行ったりはしなかったわけですけどね。TVシリーズ本編が好きなら、ぜひどうぞ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ファン「なら」必見?

[文量→中盛り 内容→感想系]

本編のアニメは視聴済み。ただ、大分前に見たんで内容はうろ覚え。そんな視聴者のために、冒頭で本編のおさらいをサラッとやってくれるので、ありがたかったです。

【総括】
エロい要素は健在で、ハーレム中二バトルのど真ん中って感じでした。劇場版らしく、作画は良いです。これは続編もある、のかな?

【視聴終了】
{netabare}
相変わらずの、不必要なエロ展開。まあでもそれがこの作品の個性なんで、必要な展開と言えます(ただ私は、この作品を映画館で見る勇気はありませんw)。

かなりバトルシーンが多くて、勢いで一気に押しきった1時間って感じ。

リリムの消滅というのが感動させどころであったのでしょうが、正直、ポッと出たキャラにそこまでの感情移入は……。まあ、劇場版らしいけど。

アラタの新たな力、パラディンフォームのデザインは、格好良い……のか(汗)? 最初、「鬼の手」かと思った(笑)

個人的にはこの作品で好きだったのは、「風間レヴィ」のキャラと、「不動アキラ」の戦闘スタイルだったのだけど、そこが薄味で残念。

あと、これは間が開いているから仕方がないのだけど、専門(作中)用語の連続で、頭に???が浮かびまくっていました。

と、別に酷評しているわけではなく、そもそもテレビシリーズでそこまでハマっていない人間が、劇場版にとやかく言ってもしょうがないんですよね。元から、「ファンが観る」前提で作られているわけですから。

そう意味では、劇場版らしく派手でポイントを押さえていて、ちゃっかりストーリーも進めていて、まずまずの出来だったとは思います。

ただ、個人個人の呪文詠唱が長すぎて、かなりダラケました。やはり、複数ヒロインの劇場版は難しいですね。どのヒロインにも見せ場作らなければいけないし。正直、あの連続呪文詠唱させるくらいだったら、序盤でリリムとアラタの交流に尺を使えぃと思うのは、多分みんなそうでしょうね。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

KYY23 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

美少女と神秘的な音楽♪

U-NEXT動画見放題配信により1080P画質で視聴しました。テレビ放送版も視聴済みです。
テレビ放送同様、期待通りのハーレム的シーンも一部登場、女の子の可愛さ全開です。

若干、本編は短く感じましたが・・・

あと、BGMや、キャラソン良すぎ!低音がすごくて、BOSEのウーハーやスカルキャンディヘッドホン クラッシャーワイヤレスで聴くとノリノリになれます。

TUTAYAディスカスでオリジナルサウンドトラックのCDをレンタルし、カーナビのメモリーに入れて聴くときもあるくらい好きです!
本作は音楽にも力を入れていることが解ります。神秘的なサウンドトラックで作品の良さを引き立てます♪

家族からは「恥ずかしいから車で聴くのは止めて!」と言われ、ラジオやテレビに切り替えられてしまうこともありますが(;^_^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

72.0 6 戦いで続編なアニメランキング6位
劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い(アニメ映画)

2017年8月26日
★★★★☆ 3.8 (143)
804人が棚に入れました





「話をしようと思う。俺と、美遊の……これまでの話を」

世界は滅びに向かって進んでいた。
その歩みを止められるのは、〝聖杯〟たる美遊の犠牲のみ。
世界か、美遊か——。
〝世界の救済〟を掲げるエインズワースが突きつけられた問いに対し、
イリヤが出した答えは、両方救うという単純な〝ワガママ〟だった。

戦いは小休止を迎え、一行は美遊と士郎が育った家に身を寄せる。
団らんのなか、士郎は、美遊との過去を話し始めた。

あらゆる願いを無差別に叶える神稚児だった美遊。
士郎は、切嗣と暮らしていた家に、身寄りのない彼女を引き取った。
それから、5年。二人は本当の兄妹のように平穏な暮らしを送ってきた。

しかし、そんな日常は突如として終わりを告げる。
美遊の生家へと訪れた二人。その前に、美遊を“奇跡”として希求する樹里庵が姿を現し——。

美遊と士郎、エインズワースの因縁が、ここに語られる。


声優・キャラクター
杉山紀彰、名塚佳織、門脇舞以、花江夏樹、下屋則子、小山力也

フロー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

別に、、、ただの名も無き英霊くずれさ

ほぼ士郎や美遊、ジュリアンやエインズワース家の
独壇場でした
プリズマ☆イリヤと言いつつも
舞台は前日譚ですから
イリヤと美遊の出会いよりも前の話なので
イリヤ、凛、ルビー、辺りは使い回しでした
もしかしたらルヴィアやサファイアは新録かも、、、

別にかかずゆみさんに不満がある訳では無いけれど
美遊フィーチャーだからこそ
3タイトル連れ添った松来未祐に
この映画を見て欲しかった、、、

改めてご冥福をお祈りします

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

彼の口によって語られる美遊とエインズワース家との因縁とは!?

劇場でこの作品が上映されたのが2017年の8月…
視聴したいと思っていながら中々機会がなく、ようやく視聴に漕ぎ付けることができました。

劇場版だから短期決戦…
これまで極力この作品の情報に触れないようにしてきたので、ほぼ白紙の状態で視聴に臨むことができました。

この物語の舞台は、これまでのイリヤたちの世界から5年9ヶ月ほど遡った時代…
ここでいきなり衛宮切嗣と幼い頃の士郎が登場したのでビックリ…
二人はやがて訪れる人類滅亡から人々を救済する方法を探して各地を旅していました。

そんな折、二人は冬木市に訪れました。なんでもここには天正の時代から続く神稚児伝説が語り継がれた場所でもあったとか…
そんな話をしていた矢先、街を飲み込もうとする謎の闇と、闇を消し去った光を二人は目の当たりにしたのです。
光の発信源に向かった二人は、崩れ落ちる家屋の中から一人の少女を救い出しました。
その少女の名前は美遊…身寄りを失った彼女は、切嗣に引き取られ士郎と一緒に暮らすこととなり、物語が動いていきます。

幼い頃の美遊…って、テレビアニメ版でも十分幼かったですが、それよりもっと幼い頃の美遊…
可愛いですねぇ~
家の中では士郎にべったり…ずっと後を付けたり物陰から覗き込んだり…
色んなことが分からないから本能で行動しているんですよね。
切嗣は部屋に閉じ籠りっ放しなので、相手をしてくれるのは年の近い士郎だけ…
もともと士郎って優しいじゃありませんか…
だから優しく接してくれる士郎が、きっと美游にとっての全てだったんだと思いますし、懐くのも無理ないと思います。

ちっぽけかもしれないけれど、そんな幸せは長く続かないのが世の常…
ある日、美遊のことをずっと探していたエインズワース家の連中に連れ去られてしまうのです。
切嗣は目的を成就させるため、美遊を引き取った…
士郎は切嗣の思いを受け継ぐ筈だった…
けれど、美遊はとても良い子なんです。
一緒に積み重ねてきた時間が人の思いを変えるのは決しておかしい事じゃありません。
士郎がずっと言いたかったこと…
士郎が言えなかったこと…
美遊を攫われて大人しくしている士郎じゃありません。
大きなうねりの中にその身を投じて…物語は一気に激しさを増し加速していきます。

本作品の登場人物は決して多くありません。
けれど、その中でも間桐桜の存在は一際輝いていたと思います。
そこには私たちの良く知っている桜がいました。
物腰は決して強くありませんが、士郎を慕っているのはぱっと見で分かる位に反応が素直…
そして彼女の一番の大切は…やっぱり自分じゃないんです。

どの様な形であれ美遊も桜も…士郎のことを慕っていました。
そして士郎も嫌じゃ無かったからお互いを大切にし合えたんだと思います。
それなのに二人とも士郎の目の前で…

士郎の怒りに我を忘れる姿…きっと初めて見たのではないでしょうか。
基本的に彼はいつも冷静でしたから…

イリヤシリーズはスピンオフなので、独自の世界観を持っていましたが、この作品に関してはこれまでの…とりわけFate本編との繋がりが強かったです。
士郎が身を投じたのが、そういう世界だった…というのも理由なのでしょうけれど、お馴染みのキャラにお馴染みの場面…Fateシリーズを視聴した方なら、この接点は嬉しいご褒美だったのではないでしょうか。

エインズワース家が美遊に目を付けた理由と目論み…
その身を投じた戦いの果てで、士郎は何を願うのか…
伝えたかったことを士郎は美遊に伝えられたのでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

完走して振り返ってみると、これまでの点と点が線で結ばれて腑に落ちたような作品…
本編さながらの熱いバトルシーンと、これまで耳にしてきた懐かしい台詞の数々…
そして原点に回帰する作品だったのではないでしょうか。

もう一つ…この作品の冠名は「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」であるにも関わらず、主人公であるイリヤが登場したのは、ほんの少しだけでした。
登場しないので「扱いが雑」というレベルにすら到達していません。
でも、劇場版の限られた尺の中で士郎と美游の物語を描き切るためには、その位の大英断が必要だったのかもしれませんね。

主題歌は、ChouChoさんの「kaleidoscope」と「薄紅の月」
お気に入りは「薄紅の月」
これは士郎の歌ですね。歌詞が胸に染み入ります…

上映時間90分の作品でした。
圧巻…この一言に尽きる気がします。
気になるのは続きです。
物語としては綺麗に纏まっているのですが、まさかここで終わらないですよね。
原作の連載は続いているみたいですし…
この後もこのシリーズが続いてくれることを期待しています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

プリズマ☆イリヤの大事な一作ですので、新作放送前に見ておいた方が良いですね。

2017年公開の劇場版アニメ 90分

原作 ひろやまひろし TYPE-MOON 監督 大沼心 脚本 井上堅二 水瀬葉月
制作 SILVER LINK

Fate/stay night のスピンアウトであるテレビアニメ「プリズマ☆イリヤ」シリーズの一作。
スピンアウトと言うわけでは無くて、一期の前日譚のようなもの。

放送分のプリズマ☆イリヤ(4回に分けて放送)は全部観たので、
まあ、当然と言うべきか、この作品も観ることになりました。

作風ですが、期待したロリ魂はほとんど見当たりません。
イリヤシリーズと言うよりプチ聖杯戦争になってます。

主人公は「衛宮士郎」で、ほぼ一人舞台。
この作品はfate衛宮物語とかのタイトルにしてラストでええー!って方がヒットしたのでは?
と、思ってしまいました。
まあ、監督と制作会社を見れば即バレですが。

ここ2年のfate祭りの一環として、プリズマ☆イリヤもなんかやれよってノリかな。
内容はイリヤファンもfateファンも楽しめるように工夫されたもので、
衛宮士郎のしつこくない、コンパクトな戦闘アクションシーンが堪能できます。

舞台はいつもの冬木市なんですが、いろいろ様子が違う、
なんてことは、プリズマ☆イリヤ ドライ!!を見た人ならすぐ納得できるでしょう。
プリズマ☆イリヤドライは陰鬱としたムードと物語でありながら、
イリヤ役の門脇舞以のチャーミングな演技で楽しい作品になってましたが、
この劇場版は士郎主人公と言うことで、まさかの男くさい作品です。
二兎を追う物はって感じでイリヤファンにはちょっと辛い作品です。

ラストは一気に晴れ晴れとイリヤ一期に繋がってほっとしますので、
イリヤファンなら観るべき価値は十分にあります。
ステイナイトのファンは?まあスピンアウトとして戦闘を楽しめますね。

よくよく考えると、両方取り込んで上手くまとめた作品だとは思います。
縦ロールの女の子とかちょっと期待したんですが・・・

イリヤ全部観た人なら必見。
そうでない人はプリズマ☆イリヤのほうが必見です。

評価はイリヤたちの活躍が無いのでややマイナス。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

60.2 7 戦いで続編なアニメランキング7位
バイオハザード:ディジェネレーション(アニメ映画)

2008年10月18日
★★★★☆ 3.5 (63)
366人が棚に入れました
1998年夏、米国中西部の工業都市ラクーンシティでバイオハザードが起こった。国際的巨大製薬企業アンブレラ社が開発したT-ウイルスが研究所から漏洩、市民が次々と感染しゾンビ化していったのだ。このバイオハザードを食い止めるため、米国政府は「滅菌作戦」としてラクーンシティにミサイル攻撃を行った。これによってラクーンシティは跡形もなく消し飛び、消滅した。アンブレラ社は政府から業務停止命令を下され、それが元で世界中でアンブレラ株が暴落、会社は事実上崩壊した。 しかし、これを皮切りにT-ウイルスはテロリストたちの手に渡り、バイオテロに利用され始めることとなった。

声優・キャラクター
山野井仁、甲斐田裕子、安藤麻吹、竹田雅則、矢島晶子、広瀬正志、江原正士、小山力也

もぐりん。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

バイオ好きならオケー

カプコンの人気ゲームソフト、【バイオハザード】の
フル3DCGアニメ。

ラクーンシティ事件のその後的なお話。

ハリウッド映画の実写版バイオとは違い、ゲームの時系列
に沿った内容です、登場人物もゲームではおなじみの
あの方たちです(^-^)

クリーチャーもゾンビは当たり前でタイラントの第3形態
みたいなのも出てきます。

非常にキレイな画像でゲーム中のデモムービーみたい。

しかし!恐らくゲームをプレイした人を対象としたような
お話なので(当然か?) 初めて見る人には説明不足な点
も多数あり・・・ 

ゲーム中の世界観はこの作品を見れば理解できるハズ、
今度バイオ6(ゲーム)もリリースされるし、3Dアニメも
リリース予定なので気になる方は視聴してみては?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

Zel さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ラクーンシティの惨劇から7年・・・。あの恐怖が蘇る。

2008年期間限定(14日間)劇場公開作品

元来ゲームシリーズの大ファンです
期待半分、不安半分で観に行きました
レオンやクレアの活躍などでファンとしては楽しんで鑑賞する事ができました
しかし辛口ですが普通にCGアニメとしてはそこまでお薦めできる作品では無かったと思います
CG技術は圧巻でしたけど、ストーリーにもう少し捻りが欲しかった

バイオハザードを映画化するならやはりゲーム版初代バイオハザードの洋館を舞台にして欲しい
ホラーとして最高の舞台だと思う
ド派手なガンアクションは要らないので、不気味な洋館の静けさや惨劇跡、謎解きを映像と音響で堪能させて貰いたいものです

レオン・S・ケネディ役の山野井仁さん
コードギアスでオデュッセウス・ウ・ブリタニアをやっています
クレア・レッドフィールド役の甲斐田裕子さん
超電磁砲ではアンチスキルの黄泉川愛穂をやってます

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

69.6 8 戦いで続編なアニメランキング8位
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(アニメ映画)

1978年8月5日
★★★★☆ 3.9 (60)
294人が棚に入れました
ガミラスの侵略を退けてから1年後の西暦2201年、白色彗星帝国が宇宙の各惑星にその侵略の手を伸ばしていた。地球は復興をほぼ終え、都市は活気づき平和に満ちていた。古代進も護衛艦艦長として輸送補給船団に同行していたが、偶然、発信源不明のメッセージを受信する。そのメッセージは、救いを求めるような女性の声であった。かつてのヤマト乗組員たちは、危機の正体を突き止めるためにヤマトを発進させる。テレザート星に到着した古代たちは、メッセージの発信者であったテレサを救出する。テレサは、白色彗星帝国が宇宙の星々を次々と侵略しており、次に狙っているのが地球であることを告げる。白色彗星帝国は地球に迫り、最新鋭戦艦アンドロメダを旗艦とした地球艦隊を全滅させる。ヤマトは白色彗星の渦の中心核に波動砲を打ち込む。彗星は火の玉となって炎上するが、その中から巨大な要塞、都市帝国が出現する。

声優・キャラクター
富山敬、一龍斎春水、納谷悟朗、仲村秀生、青野武、野村信次、安原義人、神谷明、林一夫、永井一郎、緒方賢一、木村幌、ささきいさお、伊武雅刀、梶哲也、峰恵研、小林修、小宮和枝、大塚周夫、阪脩、村越伊知郎、曽我部和恭、富田耕生、市川治、矢田耕司、上田みゆき、広川太一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

断固、こちらが正史(笑)!

とりあえずリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト2022 愛の戦士たち』も始まった(2017年現在)ことですし、旧作にあたる本作品について触れておきます。

TVシリーズの総集編だった劇場版『宇宙戦艦ヤマト』のヒットを受けて、完全オリジナルストーリーとして作成された劇場版ヤマト第2弾です。

ストーリーとしては、ガミラスとの戦いを描いたTVシリーズおよびその総集編だった劇場版第1作の直接の続編となります。とりあえず本作を観るならどちらかは観ておいた方が良いでしょう。ただ、新作『宇宙戦艦ヤマト2199』を観ていたらどっちも観ていなくても大丈夫だとは思います。

あらすじに関してはあにこれの「あらすじ」にまとまっている内容でだいたい問題ありません。ということで敵は白色彗星帝国です。親玉のズォーダー大帝は眉毛と髪の毛がつながった面白い顔をしていますが、メチャメチャ傲慢でおっかないです。

旧作のヤマトシリーズの特長の一つとして作曲に宮川泰(みやがわ やすし)を起用している点が挙げられると思いますが、そのおかげで楽曲面ではとても聞きどころのある作品になっています。

本作品では彗星帝国側のメインテーマというべき『白色彗星』という基本曲があって、この主旋律のアレンジがTVアニメ版の『宇宙戦艦ヤマト2』の戦闘場面でBGMとして使用されています。どちらもめっちゃカッコいい曲です。

それと地球防衛軍側の旗艦アンドロメダの名を冠する『新造戦艦アンドロメダ』も名曲ですね。

さて、タイトルに掲げた件ですが、本作を元にして映画公開翌年にTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』が放送されています。

「さらば~」と「ヤマト2」は基本ストーリーは同じなのですが、ラストが大きく異なっています。まあこの違いについては多くの方がご存知だと思うのですが、「さらば~」の時間軸だとその後の続編に話がつながりません。

以後の続編は「ヤマト2」の続編ということになります。しかし個人的にはヤマトは「さらば~」で終わっておけ、という気持ちでいっぱいです。

反物質に関するあたりとかSF考証的にはグダグダで、観ていた当時にもツッコんでいた記憶はありますがストーリー的にはまあまあ面白かったです。

…しかしヤマトでも既に痛い目を見ているのに、新造戦艦のアンドロメダでも艦底を防御できる武装がないのは納得がいかない(笑)。
(↑ものすごくどうでもいい…。)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今の人が観て泣けるかどうかはアレですが

私ら昭和世代のオッサンには宇宙戦艦ヤマトってのは避けて通れない作品ですんで、誰にも読まれなくても一応敬意を表してレビュー書きます。

 松本零士という人は置いといて、アニメとしての宇宙戦艦ヤマトとしてはコレが一番泣けますわね。というか今風に言うと鬱ですわねw
勿論一作目もとてもイイですが、コレ観た後のドッとくる疲労感。
まぁ話を終焉に向かわせるために登場人物を尽く殺してるとも言えるかもしれませんが、子供時分にコレ見せられた日にゃタマランですよ。
どうも松本零士はコレに関しては原作者として否定的らしいですけど、畳みかけるような絶望感はオッサンになった今でもグッと来るんすよねぇ。
 んでラストの沢田研二の歌ですよ。

ん~昭和w
でも2199みたいなリメイクすれば別でしょうが、いい作品沢山見てる今の世代じゃコレでは泣けないかもですね。
特攻賛美って見方しちゃうとちと冷めちゃうかもしれませんが、ザ・コクピットの"音速雷撃隊"で泣ける人ならこの映画も最良の御馳走で御座います(汗)

ホント、これで終わりにしとけばよかったのにね~(汗)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大ヒットが作品の運命を狂わせる

1978年公開:最後のメッセージを信じ、涙を流したあの頃

初代のヒットを受けて作られた『完結編』。
この映画の公開時、最後にこんなメッセージが表示されていました。
『ヤマトを愛して下さった皆さん さようなら もう二度と姿を現すことはありません』
私はストーリーよりもこのメッセージに泣いた子供でした。
ところがわずか2カ月後に始まったテレビアニメ『ヤマト2』でその純粋な気持ちは裏切られることにw
しかしこの作品、何回見ても同じ事を思います。
『ズォーダーって馬鹿なのか?』
もうちょっと真面目にやってればあっという間に地球侵略など終わっていただろうに・・・。
だいたい参謀にいかにも無能そうなサーベラー辺りを置いている時点で酔狂な人なのかもしれません。
あ、だから全宇宙征服なんてことを考えるのか・・・。
私的にこの作品の一番の見所はアンドロメダのカッコ良さです。
活躍度を考えると無駄にカッコイイ戦艦といえなくもありませんがw
ちなみに『ヤマト2』での方が活躍します。
そして私にとって『ヤマト2』の存在価値はそれだけ。
とにかく『さらば・・・』の超絶大ヒットによってヤマトという作品は、
この後負のスパイラルへと入っていったのです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

69.7 9 戦いで続編なアニメランキング9位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (48)
274人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

63.5 10 戦いで続編なアニメランキング10位
アフロサムライ:RESURRECTION-AFRO SAMURAI(アニメ映画)

2009年12月12日
★★★★☆ 3.8 (38)
236人が棚に入れました
「一番」のハチマキを持つ者は世界を制する力を持つ。「一番」に挑戦できるのは「二番」のハチマキを持つ者のみ。だが「二番」に対しては誰でも挑戦でき、ハチマキを狙う者達から常に狙われ続けることになる。かつて「一番」を持つ父を殺されたアフロは復讐のため「二番」を手に入れ終わることのない戦いに身を投じる。

che さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Hy buddy!! This is the entertainment of entertainment men!!

帰ってきたアフロサムライ!アフロサムライの続編!
ハッキリいって前回以上の出来です!悪乗りも磨きがましてます!
今度はアメリカンのバイクが出てきますwフロントフォークやフレームが竹ですww
ヘッドライトのしたに注連飾りついてますw
しかもハンドクラッチです!!無駄にcoolですww

今回は前回より少し内容もある感じですね。でももはや無くても楽しめるからww
音楽も前作に引き続き安定したCoolサウンドです!
今回ヒロイン役をルーシーリューがやってます、アニメにハリウッド俳優ってw
まあこの時点でもう、観る価値あるアニメだと思いますよw

前回より少し違ったかなと思うのが、美術ですかね。
前作から美術も圧倒的なクォリティだったんですが、今回はねぶた祭りのねぶたとか出来てきて、
その上でDJがプレイしてる「祭り」(祭り=(クラブ)イベントてニュアンスなんでしょうがね)
とかが有って凄く面白かったです。
ってかこんなイベント有ったら絶対きます!絶対おもしろいでしょ!!
話それましたが、そのねぶたの上での戦闘や、ねぶたを突き破って中に入って戦闘したり、その時ねぶたにアフロと敵の戦ってる影が映るじゃないですか、中に入ってるわけだから、それを外から描写したりとか。
そいう、面白い描写もあったし、
城の天守閣の屋根の上で戦ったり、桜吹雪が舞う中桜の大輪の下で戦ったりと、
いわゆる日本文化の美を描写した美術が前作に比べて多かった気がしました、それがとても良かったです。

現実離れした美の表現などはアニメでこそ、表現しやすいと思うのでもっとそう言うのを表現するアニメが有ってもいい気がしますが、少ない気がしてとても残念だと思います。
多分日本って国がもつ美意識は独特でその感覚はが他国より勝ってると思うんで、だからかな。
逆にエンターテイメントをやらせたらアメリカ人の右に出る人種は絶対いないと思ってま僕はw
彼等はいい意味でも悪い意味でもバカだからwMTVとか観たらその差は歴然ですw
美しい作品は無い事は無いんだけどね、ジブリの作品とか、最近だたらサマーウォーズ綺麗だったかな
「モノノ怪」の美術や表現はTV作品としてはかなりハイセンスだと思うし、ただやっぱりマイノリティだよね。
あ、因みにこの作品、美術でエミー賞とってますよ、それ程です。

悪乗りや、日本の美意識、こう言った多角的な視点から訴える表現が出来る作品、
それが僕がアフロサムライは「最高のエンターテイメント」だと思う理由です。
ってかこの映像作品つくった監督パネエよまじでw
あ、第3段するらしいですよ!絶対映画館いこw

タイトルは
「ヘイ、兄弟達!! これこそエンターテイメントの中のエンターテイメントだぜ!」


こう言う人にオススメ

前作の人
音楽の人
バトルの人
ルーシーの人
サムエルの人
Qタランティーノの人(QTの映画に感じがにてるからw)
モンスターアフロの人(今作アフロの頭はアフロとは言えないほどの域に達しているからw)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

GONZO×RZA×サミュエル・L・ジャクソン 

岡崎能士氏の原作をGONZOが見出しアニメーション化を企画。
偶然ハリウッド俳優サミュエル・L・ジャクソンがこの企画を見つけるや
「俺がアフロサムライだ!」と、自ら製作への参加を表明。
主人公アフロサムライを含む二役で、ボイスアクターとしても出演を快諾したらしい。

そして本作では、ルーシー・リューが登場。
主役アフロに対し復讐の執念を燃やす魅惑な謎の女敵役 シヲを華麗に演じる。
さらに音楽をヒップホップグループ、ウータン・クランの総帥で、「キル・ビル」
「ゴースト・ドッグ」などの映画音楽でも有名なカリスマアーティストThe RZAが
担当するなど、日本アニメとハリウッドメジャーの豪華共演を実現させた。(以上 公式サイトより抜粋)


主人公は巨大なアフロヘアの黒人の侍、そしてBGMはヒップホップ。
アンドロイドやアメリカンバイク、コンピューターも登場するはちゃめちゃ振り。
セリフは全編英語100%で字幕スーパー。
海外向けに日本が作った日本のアニメが全米で大人気らしいという
ニュースを見たのは2~3年前だっただろうか?
その時はあまり気に留めていなかったのだが、
今回この作品を観て、アメリカンなものを散りばめてはいるものの、
決して海外に媚びた作品だとは思わなかった。

そして前作より物語は深くなっており、背景の美術もきれいだった。
特に印象に残っているのは、何度か出てくる満開の桜のシーンと
ねぷたが行く祭りでのスタイリッシュなバトルシーン。
それからキラキラとさざめく海を見渡す丘からの眺めなどなど。

音楽は好みが分かれるかもしれないが、ヒップホップが苦手じゃなければ
たいていの人に聴き易い渋めのサウンドだ。

そして前作と何より違うのは、メインキャストに女性がいること。
主人公アフロの友人の妹であり、アフロを兄の仇として追う立ち居地が
物語と映像全体に奥行きと深みを与え、しっとりとした味わいが出ていた。

アフロの過去と友人関係、父親を乗り越えるという意味、
親子の絆というものが、殺伐としたシーンに織り込まれていく中
{netabare}「この世には血よりも濃い絆があるんだ」{/netabare}
というセリフが印象的。
桜の花びら舞う切ないシーンも、とても良かった。

いつか『ゲド戦記』を読んだときも思ったのだけれど
特に息子というのは、父親を自分の手で殺すくらいの覚悟で
精神的に乗り越えなければ、一人前とは言えないのかもなぁ・・

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヒップホップなサムライ

サムライチャンプルーが好きなら…とお勧めされたので。
アクションシーンが凝っていて、ヒップホップが効いているので雰囲気は近いかも。

監督はバジリスクの木崎文智さん。
バジリスクは1話しか観てないけど、印象的なキャラ作りと、舞台を最大限に生かした戦闘シーンの見せ方が上手な人なんだなと思った。


良かったところ
作画が常にぬるぬる動いてる。アフロもキャラも常に動いてる。GONZOの気合の入れ方がハンパないなと思った。

バトルシーンは最初の橋上の戦いとねぶた上の戦いが好き
橋の戦いは
揺れながら敵との距離をつめて、傍観視点で斬りかかり、キャラの近くで断面を見せる。この流れるような剣劇が美しいなと思った。
そして最後に木の橋の下を描いて、びちょびちょ垂れる血で上の惨事を表現。とても印象に深く残った。

ねぶたの戦い
こちらは行動範囲が広いため、基本的に傍観視点でのアクション描写だったけれど、ねぶたの内側で戦い、外側から影だけで写す演出はねぶたの大きさも動きの大きさも見せられて面白いと思った。

キャラは濃いキャラだらけだけど、その中でもクマ(仁之助)が好き
着ぐるみのクマの被り物をしたサムライで虚ろな目は吸い込まれそう。
キュートな見かけによらず、バイクを乗り回しアフロに斬りかかるギャップに恐怖と格好良さと可愛さが強調されていて存在感が半端なかった。


気になったところ

物語の縫合性がイマイチ
復讐にハチマキを奪う必要性を感じないし、
最初の襲撃直後は二番のハチマキを手に入れるのに消極的だったアフロが、何故七五郎に戦いを挑んだのだろう。
最後に記憶を取り戻したクマだが、それまで記憶を失っていたという描写がなかったので、唐突に感じてしまった。

それから緩急の差が無くて途中で集中力が切れてしまった。
後半部分は非常に長く感じて、ハチマキはお土産屋さんで入手して早く決着付けよう?
とずっと思ってた。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

63.8 11 戦いで続編なアニメランキング11位
劇場版 フリクリ オルタナ(アニメ映画)

2018年9月7日
★★★★☆ 3.4 (60)
234人が棚に入れました
モヤついている高校生・河本カナ。嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた! 煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・。力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?

声優・キャラクター
新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

17歳の叫び

アニメーション製作Production I.G×NUT×REVOROOT
監督:上村泰、副監督:鈴木清崇、脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行、キャラクターデザイン:高橋裕一

何がフリクリなのか分からない。
2000年製作のOVAフリクリの監督である
鶴巻和哉から発せられた言葉だ。
それだけフリクリという作品には、
多様性があるということだろう。
音楽、作画、パロディ、ロボット、SF、青春などなど、
渾然一体となってさまざまな要素が盛り込まれていることが、
ひとつの特徴といえるかもしれない。

舞台は何の変哲もない田舎町。
ごく普通の女子高生、河本カナ(カナブン)は辺田友美(ペッツ)、
矢島聖(ヒジリー)、本山満(モッさん)という
3人の友達といつも一緒。
秘密基地「ハム館」を拠点に、楽しい学生生活を送っていた。
しかし、彼女たちの前にハルハラ ハル子が現れて、
日常は大きく変化していく。

街にできた大型ショッピングセンター、
カナブンのバイト先の蕎麦屋で
男がいつも同じ月見そばを注文することも
ひとつの象徴だろう。日本初の女性総理大臣は
国民に何かを隠して計画を進めている。
激動の予感を漂わせながら、カナブンの日常は過ぎていく。

女子高生たちは日々の暮らしを満喫している。
ヒジリーは大人ぶって年上の恋人と付き合っている。
モッさんは進路を決めて自分の力で夢に向かって邁進している。
カナブンはある男子が気になり始める。
ペッツは高村薫の『照柿』を読みながら、
幼馴染のカナブンを特別な存在として意識し、秘密を抱えている。

日本での公開はこちらが先だったが、
『フリクリ プログレ』の製作が決まったあとに
オルタナの製作が開始されたため、
プログレの内容とは、違う形でのやり方が求められていたという。
つまり、プログレのほうが正当派の続編であって、
こちらは、あくまで番外編。本編とは少し外れた内容になっている。

そして、違いをどこで出すかということで、
女子高生の日常を描いた青春ストーリーに
ハル子が絡んでくるという展開になっている。

正直なことを言うと、この話であったなら
『フリクリ』である必要性はほとんどない。
女子高生の青春ストーリーが中心にあって、
ハル子や世界観が重なってくる。
そのため、ハル子のポリシーというか哲学が
ずれているように感じてしまう。
監督がこの作品で重視したのは、
「女子高生のリアル」だとインタビューで語っている。

監督の上村泰はガイナックス時代に『トップをねらえ2!』の
設定制作補助を務めたところからキャリアをスタートさせ、
その後もいわば鶴巻和哉の下で仕事を覚えた人物。
鶴巻和哉のやり方をつぶさに見てきたため、
フリクリの監督としてはうってつけの人物だったのだ。
そして、脚本は舞台作家で演出家でもある岩井秀人を起用。
これは鶴巻和哉が昔のインタビューで語っていたことだが、
フリクリを考案していたときには、色々な舞台を頻繁に見に行っていて、
演出は舞台の手法にかなり影響されたそうだ。
アイロン型の工場やギターを武器のように
使用するというような小道具の使い方は確かに舞台っぽい。
そういう面も踏まえた抜擢だったことが想像できる。
上村泰監督はフリクリのファンだと語っており、
その結果、完成したのが、この『フリクリ オルタナ』なのだ。

ここで、冒頭の鶴巻和哉のコメントが浮かぶのだが、
どれだけ近くにいても何が正しいのかは、分からないのだろう。
特に、このフリクリという作品には、
当時の時代性やガイナックスの社風が色濃く反映されている。
そういう意味では、このフリクリも「アリ」なのだとは思った。

物語の核をなすのは、主人公カナブンとペッツの話となる。
彼女たちの関係性が、この世界の命運を決定づけるキーとなっていく。
{netabare} 女子高生の叫びが世界に関係していくというのは面白いが、 {/netabare}
この作品は良くも悪くもOVA版『フリクリ』を意識しすぎているのが
マイナス方面に働いてしまっている。
それと、この2人を話の中心にするなら、
もう少しそれぞれの想いを前面に出したほうが良かったと思う。
ほかの2人のエピソードを削ってでも、
こっちに持ってくるべきだったのではないかと感じてしまった。

個人的なフリクリという作品に対するイメージは、
「バットを振り切る」ことが重要で、
色々なことに縛られていない自由度が最大の魅力だと思っている。
しかし、この作品では女子高生のドラマを
丁寧に描いていくこと以外では、
ほぼ前作の方向性をなぞっただけという印象は拭えない。
プログレの方向性があったにせよ、
もう少し前作に縛られない部分もあったほうが良かった。

また、この監督は音楽に対して、
あまりにも無頓着すぎるのではないだろうか。
ピロウズの曲が流れているところで、
キャラクターが歌い出すシーンがあるのだ。
どうしてこういうことをやって良しとしたのかは理解できなかった。
理由はあるのだろうが、これは百パーセントあり得ない演出だろう。

それぞれのドラマはよく作りこんでいて、
完成度が高いだけに色々と惜しい作品だったと思う。
ピロウズの曲自体は相変わらず聴かせてくれる。
(2019年10月20日初投稿)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 41
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつまでもこのままでいたい!・・・・ そう思ったって良いと思うです。

   久々の初日、初回上映で見れたです。
 かなぶんを中心としたペッツ、ヒジリー、モッさんの仲良し4人組の日常、非日常をそれぞれの視点に描かれたお話だったです。かなぶんと出会ってかなぶんの能力に気づいた、お姉さん自称なのか?宇宙捜査官ハル子が、やたらちょっかいを出してくる展開です。長い上映時間だったです。

 かなぶん、ハル子やたら目立ってたです。敵なのか侵略者だかわからない、突然出てくる機械生物とハル子が戦うです。宇宙だか火星の話が、何の関係があるやら出てくるです。

 4人でバカやって騒ぎつるむ日常は、ありがちな女子高生なでしょうか?です。4人で興味本位に共同制作して作るロケットは、楽しかったと思うです。

 4人それぞれに互いに、何も知らない事情が描かれていたところも見所です。心配なのか?役に立ちたいと思うのか?ハル子の行動に注目です。
 大人だかの恋のことだったり、進路で自分でつかむために進む夢だったり、同年代の恋する気持ちはどういうものか?だったです。自分が思ってきた変わらないでほしいと思う毎日は、友達にしてみればどうだったか?を破天荒に描かれていたです。

 常にハル子が中心にいるようで、絡むハル子の大胆かついたずらにも見える行動があったです。ハル子は、何をしたいのか?あまり私には理解できなかったところがあるです、

 全体を通して、かなぶんが望むいつも変わらない毎日は、自分としてもそんな気持ちは持っていたいと思うです。かな分が望んでいても、一番の親友は実は、どうなのか?、つらい現実も見せられたです。{netabare}最後の方で、人は年を取る、周りの風景も変わる、そんな中でも笑顔は変えないでいいとか言ってたようなセリフは、共感できるものがあるです。{/netabare}

 かなぶんが思うように、いつまでも4人仲良くしていきたいと思うのは、決して悪くない人として当然の願いであると考えるです。このお話は、そんな自分が望まなくても変わるもの、変えてはいけないものを訴えてもいるように見えたです。そこが、面白みなのかもしれないです。「これでいいのか?」な終わり方だったけど・・・・・・・・です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんで今更フリクリ?

2000年リリースされたOVAフリクリの18年越しの劇場版アニメ。
なんで今更フリクリ?
あのガーッときてドーンってなって、しっちゃかめっちゃかで、ピロウズのメロディとナオ太とハル子がロボと宇宙人でズゴゴゴゴってなるあのフリクリのアニメ映画です。

OVAの方は視聴済みですが、内容をほとんど覚えていないです。
宇宙人のハルハラ・ハル子は前作から続投ですが、それ以外のキャラは出てこず、前作との繋がりも、多分無いです。
主役はある街の女子高生「河本カナ」と、その友人たちで、彼女たちが青春したり、友情を深めたり、夢を追いかけたり、裏切られたり、それでバカヤローと叫んだりする話になっています。

OVAのフリクリが頭にあった上で視聴しましたが、比較的分かりやすい作品になったと思いました。
OVAは、ギター担いだベスパ女が主人公を撥ね飛ばした挙句、ギターでぶっ叩いて額からロボを出すという視聴者置いてけぼりな内容でしたが、劇場版はストーリーに起承転結がついていて、良くいえばとっつきやすいですが、悪くいえばフリクリらしさが薄れたと感じました。
私的には悪くはなかったですが、本作を見ているのはもう十中八九、フリクリOVAを芳ばしい時期に触れてしまったおじ様たちなので(私も然り)、本作のできについては納得いかない方が大多数なのではないかと思います。
フリクリってさあ、もっとめちゃくちゃだったじゃん、と。
ひとつのアニメ作品として見ると普通に面白いと思いますが、"あの"フリクリをイメージすると肩透かしを食らうことと思います。

130分強の映画ですが、中は6話分のアニメに分かれています。
続編のフリクリプログレでワンクール完結となっている様子ですが、本作だけでも完結しています。
面白かったですが、女の子も可愛いというほどでもないし、マミ美のようなインパクトも無く、OVAの方が高レベルだったように思いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

67.6 12 戦いで続編なアニメランキング12位
GODZILLA 星を喰う者(アニメ映画)

2018年11月9日
★★★★☆ 3.7 (54)
218人が棚に入れました
アニメーション映画『GODZILLA』(通称:アニゴジ)がついに最終章を迎える。

二万年後の地球で繰り広げられた、<ゴジラ>とそれに抗う人類の物語。最終章『星を喰う者』では、超科学が生み出した<メカゴジラシティ>をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命<ゴジラ・アース>と高次元怪獣<ギドラ>が相まみえる。

『アニゴジ』の誕生は2017年。これにより『ゴジラ』は新たな領域へ足を踏み入れた。同年11月公開の第一章『GODZILLA 怪獣惑星』はゴジラ映画史上初の3DCGアニメーション作品であり、その映像体験は大きな驚きと称賛をもって迎えられ、第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は、アニメーションならではの<メカゴジラ>の新解釈で観客を圧倒した。

そして最終章では、虚空の神<ギドラ>と破壊の王<ゴジラ>がついに激突。戦いの果てに待つのは、人類への啓示か。

監督は、昨年公開の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』で邦画年間興行収入ランキング1位を獲得し、確かな演出力を遺憾なく発揮する静野孔文と3DCGの第一線で培われた手腕を『シドニアの騎士 第九惑星戦役』、『亜人』、『BLAME!』で磨きあげ、余すことなくその魅力をフィルムに焼きつける瀬下寛之が務め、両者の最高のコンビネーションは最終章でも見事に発揮されている。ストーリー原案・脚本は、『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などで知られる虚淵玄が担当。観る者全てを出し抜く突破力抜群のアイデアに今作でも驚かされるのは間違いない。

制作は米国エミー賞最優秀賞(デイタイム・エミー賞アニメーション番組特別部門最優秀賞)を4度受賞を果たし、直近では「スター・ウォーズ」シリーズの最新アニメーション作品「Star Wars: Resistance」を手掛けるなど、国内外から高い評価を得ている3DCGスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。


声優・キャラクター
宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、小野大輔、堀内賢雄、中井和哉、山路和弘、上田麗奈、小澤亜李、早見沙織、鈴村健一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ゴジラ』が食い散らかしたテーマをSFとして総括した力作。

人類&ビルサルド&エクシフの三種族共同戦線が、
怪獣化した地球の奪還を目指してゴジラに戦いを挑む“アニゴジ”三部作の最終章。

昨今の世界における怪獣映画の再興については、
童心に戻って怪獣を楽しむ気持ち半分、斜に見る気持ち半分。
そんな捻くれた私にとっては、『ゴジラ』映画が繰り広げて来たお祭りの中で、
怪獣とは?怪獣退治とは?ゴジラに通用するのは科学か?伝承か?人類はどうあるべきか?
等々、整理されぬまま散乱したテーマを、硬派なSFの枠組みで、
角度を変えて諸要素を考察したりして、再構築を試みた本劇場版シリーズは、
有意義な思索に耽ることができた刺激的なSF映画鑑賞でした。

最終章はバトルそっちのけで時に心象世界も交えた
哲学的な問答が応酬される場面が特に多かったのですが、
私は食い入るように見入ってしまいました。


ただ、やはり明快な怪獣映画として観るのは全くオススメできません。
だって三部作通じて例えば……
{netabare}ビル群や名所を破壊するゴジラの勇姿が観たい。
都市じゃない二足歩行のメカゴジラが観たい。
この世界の物理法則に則った、首だけじゃなく、ちゃんと胴体もあるキングギドラが観たい。{/netabare}
こんな『ゴジラ』ファンとして求めて当たり前の権利すらSFに蹂躙されるw

第一部・人類の知恵と勇気、第二部・マッドな狂気を含んだ科学と
ゴジラに立て続けにぶつけて、
特に第三部に至っては、カルトな狂信を含んだ宗教が出張って来るわけです。

私としては、カルトじみた宗教の描き方にしても、
人類文明が説明できない現象をカルトと断じるのは、
人類がその現象を理解できるレベルにないからである。
さらに進歩した文明は神への信仰による奇跡をも数学的に説明できる。
などとキチンとSF設定として組み上げられており、
それらを骨組みにして具現化した脅威(即ち{netabare}ギドラ{/netabare})には、
背筋が凍る迫力を感じました。

けれどSFに興味ない方にとっては、怪獣プロレス見物に胸躍らせて劇場に足を運んだら、
怪しげな宗教勧誘ビデオを見せられたwといった感じでトラウマにすらなりかねないので、
鑑賞の際は、自らの視聴動機と本SF映画との
折り合いの目処を立てて行くのが必須だと思います。


本三部作を展開した時期も尚早だと感じました。
例えば、魔法少女が消費し尽くされ、ブームも底を打った所へ、
諸要素を逆さに見たり、SFも交えて再構築してみたりすれば、
それはブレークスルーになり得ます。

が、『ゴジラ』の場合は、2014年に二度目のハリウッドリメイクが成功し、
2016年に日本で『シン・ゴジラ』の大ヒットがあって、
2019年公開予定のハリウッド版続編『~キング・オブ・モンスターズ』と
再興した怪獣映画の収穫期へと向かう上り坂の途上。

そこでゴジラの周辺に転がった諸々のテーマをSFとして冷静に振り返っても、
ゴジラに熱狂していく人々にとっては水を差されかねないタイミング。
私も怪獣バトル要素が悉くお預けにされて、
これは興行的には上映前に予告編が打たれた『~キング・オブ・モンスターズ』が
全部持って行くパターンかな?と苦笑してみたりw


とは言え、再興した『ゴジラ』ブームもやがて踊り場に至り下り坂に向かうでしょう。
パーティーの後で、取り残された人々の耳元に、
実はこんな渋いSFゴジラもあるんですよ♪と囁いてみる。
本作はそう言うポジションの映画だと感じますw

だから私としては本作を良作SFとして評価し語り継ぎつつ、
来たるべき終焉の時を待ちたいと思いますw
(但し怪獣映画ファンの端くれとしては、ブームの終わりは勿論来て欲しくないので、複雑な心境ですw)


以下、一部、時事ネタや私見も交えたキワドい感想&考察長文。

{netabare}人類文明の過ちが怪獣を生んだのではない。
そもそも人類は怪獣を生み出すための前座に過ぎなかったのではないか?

冒頭から虚淵玄氏&ニトロプラスとその一味による
逆からテーマを再構築する伝統の捻り技に脳汁を分泌させられた最終章。

前作で提示された決して倒せないからこそ怪獣という視点も交えつつ、
加速するSF設定はやがて、文明とは興隆と栄華の果てに
怪獣を生み出し滅び去ると言う宇宙観に到達。
主人公は無敵のゴジラとの死闘に加え、
エクシフの信仰や宇宙観から滅びの運命を受け入れ、心地よい終焉を迎えるよう迫られ、
心身共に過酷な状況に追い込まれる。
次第に、主人公はゴジラ相手に単純な勝ち負けとは異なる道。
敗北する運命との向き合い方等を自問するようになり……。


世界にとって普遍的な文明論を投げかける一連の流れの中で、
私が異彩を感じたのは、主人公とエクシフの司教が心象世界で対峙する中で、
やがて破滅する運命にある文明のイメージとして、
“ヒロシマ”や“ナガサキ”を連想させる入り組んだ島国と思しき地形に炸裂する
原子爆弾のキノコ雲と言う、ローカルな題材が提示されたこと。

日本人にとっては“ヒロシマ”や“ナガサキ”は確かに進化し過ぎた文明がもたらす
悪夢や破滅の代表的なイメージです。
ところが世界にとっては、ある人は“ヒロシマ”や“ナガサキ”の悲劇の詳細なども知らなかったり、
原爆など大きな爆弾程度の認識だったり……。
さらに一部の戦勝国(と思っている方々も含む)にとっては、かのキノコ雲、
特に日本に上がったそれは勝利確定や解放の祝砲だったりもします。
先日も、キノコ雲に抱くイメージの相違に起因する騒動が持ち上がったばかり……。

さらに本作はエクシフの司教への抵抗として、
モスラがエノラ・ゲイと思しき重爆撃機を撃墜する、
一部米軍遺族等にとっては噴飯物?のイメージも展開。

そして葛藤の末、披露されたラストの、
美化された特攻映画の如き?ゴジラへの単機突撃。

こんなローカルな日本のネタや思考法で、
普遍的なテーマをNetflixを通じて世界へ発信しても、
一体どれ位の方が理解してくれるだろう?と訝しんでいた私ですが、
やがて『ゴジラ』は日本のローカルな土壌から生まれた作品だと、
スタッフは暗に主張したかったのでは?との仮説も芽生えて来ました。


そこで私が思い出すのは初代『ゴジラ』
水爆実験による第五福竜丸・被爆事故から着想を得たという製作エピソードの流布により、
進歩した人類科学文明による環境破壊への怒りを具現化した
反核怪獣映画とのイメージが一般化している初代『ゴジラ』

ですが私がもう一つ重視するのは昭和二十九年という製作・公開年代。
米軍の焼夷弾により東京が焼け野原と化してから間もなく十年。
東京の街を眺めると一見綺麗で、戦後復興も順調に進んでいるように見える。
けれど敗戦の記憶は未だ人々の心に燻り続けている。

どうにか心の荒廃をなだめて、取り繕った東京の街並みが、
ゴジラによって再び破壊され火の海となる惨劇。
展開される地獄絵図はまさに十年前の大空襲の再来!?

これはもう日本人は敗北や喪失に対して狂気するか、達観するか、墜ちるか。
もはや悟りでも開くしかない、いたたまれない心境。

この敗北感の二段重ねもある点こそが、
私が未だに『ゴジラ』映画は初代が原点にして頂点と信じる理由の一つ。

当時鑑賞した900万人超の日本人がゴジラに抱いた原点の絶望感を説明し切るには、
敗北を重ね、追い打ちをかけられたと言う、
二次大戦での敗戦経験も含めた日本人のローカルな心情の表現が欠かせないのではないか?

こうした視点に立った場合、
一度ゴジラに敗れて地球を追われた人類が再戦を挑んでは跳ね返される。
という敗北を重ねる基本設定の上に、
敗れ続ける人々の心境を日本人特有の?敗北感や死生観も交えて、
ラストに向けて最大化させていく構成は、
これも、ある意味、『ゴジラ』の原点をリスペクトして
世界に向けて誤解や白眼視も恐れず発信した、
勇気ある試みだったと私は受け止めています。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

あっけない幕切れ

このアニメ映画は、ゴジラシリーズで初の長編アニメーション映画
として制作された作品である。ちなみに、このアニメ映画は3部構成と
なっており、今作はその三作目にあたる。
地味に、専門用語が多いので、それの事前知識を踏まえたうえで
視聴したほうが、比較的スムーズに理解しやすいと思われる。

前作のラストから続いているので、あらすじは省かせていただく。

全体を通した感想だが、今までの2作を全て台無しにしている
としか思えない中々酷い出来だった。ゴジラよりも人間に焦点を
当てていることはひしひしと伝わってきたのだが、
結果として悪い方向へ進んでいったようにしか思えなかった。

良かったところを挙げるとするならば、ギドラのデザイン位だろうか。
かなりスタイリッシュなイメージがあるが、ゴジラアニメにおいては
これで正解だったと言える。

前作よりも明らかに、ゴジラの出番は少なくなっていた。
怪獣バトル要素はほぼ皆無といっていい。一応、戦闘シーン
は用意されているが、非常に味気なく、見所は一切ないので
睡眠時間に利用する視聴者が続出しても不思議ではない。

私自身劇場で見てはいないが、仮に隣の席に座っていたおじさんが
爆睡をしていたとしてもサイレン並みにうるさいいびきを
かいていない限りは起こすことはしないだろう。

なんせ、ギドラに至っては、ただゴジラの体に巻き付いている
だけなのだ。ゴジラvsビオランテでも似たようなシーンが
あったが、特に違和感なく視聴でき作品に没頭することが出来た。
今作のギドラ戦においては何の感情もわいてこない。
任天堂のゲーム、ポケットモンスターに登場するウツボット
による巻き付きの方がよっぽど怖いように見えるのは私だけだろうか。

(一応)痛そうな雰囲気は伝わってくるが、見方を変えれば
マッサージをしているようにも見えるので、誤解を招く
可能性もある。ギドラがゴジラへ向けて、直接光線を放てば
その点は払拭されるのだが、その辺りは議論しなかったのだろうか。
予算が足りなかったという事でいいのかな?

人間ドラマに関してだが、魅力的なキャラクターがいない上に
掘り下げが全くと言っていいほどされていないため、没頭するのは
困難を極めた。そもそも、冒頭から眠気を誘われる会話が
延々と続くので、人によっては眠眠打破などといった
眠気覚ましドリンクを常備する必要が出てくる。

前作では割と好印象だった主人公だが、今作はそこまで惹かれる
ものがない。最後のシーンも共感しづらいものがあったし。
終始コメディアンを貫くことは難しかったから、あの判断
を下したのかな?と自らを納得させることにした。
要は只のこじつけである。

今後も、虚淵氏脚本のゴジラ映画を作る予定はあるのだろうか?
もし上層部内に一人でもその気があるのなら、止めたほうが良い
とだけ告げておく。
この様な作風を求めているゴジラファンは、相当限られている上に
二度も同じ手が通用するとは到底思えないからだ。
一定のファンはつくだろうが、今まで以上に酷評が
溢れかえるリスクの方が高い。

そうなった時どのような対処をするのか、興味本位で見て
みたくはあるが、今後のゴジラ作品に悪影響を及ぼす
可能性がある。ここで手を引くのが賢明な判断だろう。
虚淵ゴジラはこれっきりにしてもらいたいというのが私からの想いだ。

良くも悪くも虚淵色が非常に強いゴジラアニメとなっているため、
虚淵ファン以外は観ないことを推奨する。
今までのゴジラアニメを心の底から楽しんでいる人なら
特に問題なく見れる作品だと考えている。
私からは無理に勧めない。

先にゴジラキングオブモンスターズを見たのでそっちの感想も。
2014版のゴジラよりも明確なバトルシーンが増え、臨場感ある
仕上がりとなっていた。当然のことながら、こっちのギドラは
光線をきちんと吐いてくれるので戦闘面で
退屈することはなかったように思う。初代のオマージュとも
いえるシーンが挿入されているのも大きなポイントとなる。
やはりゴジラはこうでなくちゃ。

冷静に思い返せば、ストーリーは少しばかしおかしなところがあったが、
それを差し引いても心の底から楽しめるゴジラ映画であった。
機会があればまた一度視聴してみたいものである。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

召喚するか、ドアを開けるか

NETFLIX世界配信。
ポリゴンピクチュアズ制作。
静野・瀬下監督、脚本虚淵玄。

シリーズ最終章。
総評としては怪獣映画ではなく、
未知の巨大生物に挑むサイエンスフィクション。
宗教・哲学・科学を交え人類の苦闘が、
称賛すべき映像と共に描かれています。

物語の軸は一貫して「生命論」であり、
この点に於いては一定の評価をしたいのですが、
最終章だけに、論説ばかりが先行して、
スペクタクルな活劇としては物足りないです。
{netabare}ギドラ・モスラ、ほとんど見せ場がない。{/netabare}
やはり娯楽怪獣映画としては厳しいでしょうか。

人類は興味深い観察対象であり、
ゴジラという究極の生命体の前座である。
{netabare}驚くべき進化、生命力で人類史を蹂躙する。
エクシフが仕掛ける、人類史への功名な罠が、
神と崇める、高次元怪獣ギドラを召喚させる。{/netabare}
ゴジラとは人類の傲慢さへの「罰」なのでしょう。

撃退するのか、全滅するのか、
力強くも悲劇的なメッセージと共に、
金色の終焉の翼は天高く舞い上がるのです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

67.5 13 戦いで続編なアニメランキング13位
劇場版マジンガーZ/INFINITY(アニメ映画)

2018年1月13日
★★★★☆ 3.6 (50)
150人が棚に入れました
かつて世界征服を目論む悪の天才科学者Dr.ヘルによって滅亡の危機に瀕した人類。しかし“鉄の城”と呼ばれたスーパーロボット“マジンガーZ”を操る兜甲児とその仲間の活躍により、平和な時を取り戻していた。そして世紀の戦いから10年―。パイロットを離れ科学者となっていた兜甲児はある日、富士山地中に埋まった超巨大遺跡インフィニティと、そこから現れた謎の生命体リサに遭遇する。そして、時を同じくして謎の復活を遂げたDr.ヘル。彼は無限の可能性を秘めるインフィニティで、かつての野望を完遂しようとしていた。有史以来最大の危機、絶体絶命の状況の中、伝説のパイロットがマジンガーZと共に再び立ち上がる。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、茅野愛衣、上坂すみれ、花江夏樹、高木渉、山口勝平、菊池正美、森田順平、島田敏、塩屋浩三、石塚運昇、関俊彦、小清水亜美、藤原啓治、田所あずさ、伊藤美来、石丸博也、松島みのり

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界に向けたという意味で真のジャパニメーションエンターティメントにして『マジンガー』シリーズの1つの到達点だゼーッ!!!

永井豪先生の画業50周年記念として、2018年は『マジンガーZ』『デビルマン』『キューティーハニー』がリメイクされます
そして、同時に今作は『マジンガーZ』生誕の45周年記念作でもあります
日本公開を前にイタリアやフランスで先行公開されるなど世界的に、特にヨーロッパ圏で絶大な支持を得ている『マジンガー』シリーズ最新劇場映画
言わずもがな、“人が乗り込んで操縦する、戦う巨大ロボットアニメ”というジャンルを打ち立てた正真正銘の元祖です


そもそも『Z』という作品ですが、元々は今日で言うところの“メディアミックス”に近い形態の作品で、豪ちゃん先生の連載とテレビアニメ第1作がほぼ並行する形の作品で、豪ちゃん先生の漫画はあって無いようなテレビアニメでした


その後、直接的な続編である『グレートマジンガー』に続いて続々とリメイク作品やOVAや劇場映画が作られた『マジンガー』シリーズ
正直、どこからどこまでを『マジンガー』シリーズとするかは意見が別れるところです
Zやグレートと競演してる『グレンダイザー』は含めるのか、名前だけ「魔神」を拝借してきた『ゴッドマジンガー』は含むのか、スパロボの『マジンカイザー』とOVAの『マジンカイザー』とそのリメイクの『マジンカイザーSKL』はどう解釈すれば良いのか、など一口に語れない部分が多すぎます


さらにややこしいことに『ロボットガールズZ』では“東映のロボットアニメだから”という括りで『ゲッターロボ』や『鋼鉄ジーグ』を含めたダイナミックプロ作品と一緒に、『ガイキング』や『ダンガードA』といった東映オリジナルのロボットアニメが競演してます(あ、これは要りませんでしたか?w)


そこでこの『マジンガー』シリーズを総括した上で、テレビシリーズ『Z』&『グレート』の直接的な続編を描く、というのが今作になります


Dr.ヘルやミケーネ帝国とマジンガー達の死闘から10年後、物語の地球は2017年現在に準拠する形で復興されていた
それも全て、光子力の研究が進んだことで人類は旧来のエネルギーが抱えていた問題を全て解決することが出来たからだ
兜甲児と弓さやかは新・光子力研究所の研究員となり、剣鉄也は炎ジュンと結婚して軍属として平和な世界に貢献していた
そんなある日、富士山宝永山で建設中の光子力プラント地下からマジンガーを握りつぶせるほどの巨体を持った魔神、通称「マジンガーインフィニティ」が発掘された
甲児がインフィニティに触れた時、インフィニティの中から少女の姿をした生体アンドロイド「リサ」が姿を現す
その3ヵ月後、突如として復活したDr.ヘルによって襲撃される光子力研究所
そしてリサはインフィニティに隠された“神にも悪魔にもなれる力”「ゴラーゴン」の存在に気付く…


監督は『マジンガー』世代ありつつ、東映アニメーションで数々の劇場映画を手掛けてきた志水淳児
脚本は漫画家うめ、のシナリオ担当である小沢高広がアニメ初脚本
豪ちゃん先生独特の艶めかしさを取り入れて大人に成長したキャラ達をデザインしたのは飯島弘也
ロボットアクションはトゥーンシェード3DCGということで、より現代的に洗練されつつも一目でマジンガーとわかるデザインは柳瀬敬之
劇伴や主題歌のアレンジは渡辺宙明先生の実子である渡辺俊幸
そしてその主題歌を歌うのはもちろん我らがアニキ、水木一郎だゼーッ!!!


この主題歌、俊幸さんお得意のプログレッシブなアレンジでかなり疾走感あるふれるものになってはおりますが、実のところテンポはオリジナル版と変わっていません
まさに原曲の味わいを残したままの現代風アレンジというわけ


キャストは兜甲児に森久保翔太郎、弓さやかに茅野愛衣、キーパーソンとなるリサに上坂すみれ、といった具合に若手~中堅の実力派声優で固められる一方
テレビ版で甲児を演じてた石丸博也や、さやかを演じてた松島みのりがチョっとした役で登場しており、観てる最中に思わず「おっ!?」となる小ネタが嬉しい


この手の映画で何の意図があってか分からない芸能人をぶっ込まれる傾向があるものの、あしゅら男爵が朴ろ美とセットで宮迫博之だったり、お色気リリーフとして登場する「マジンガールズ」なる4人組アイドルのうち2人がおかずクラブだったりするものの、“マトモな台詞がほとんど無い”というオマケっぷりで特に違和感はありません
むしろこの「マジンガールズ」でおかずクラブと組まされる残りの2人が何故か田所あずさと伊藤美来
ころあずとみっくは芸人枠なのかよ!w
知ってたよ!w


今作でオイラが最も評価したいのがデザインや芝居やアクションやコメディもさるところながら、非常に筋の通ったプロットです
と、いうのも先述の通り『マジンガー』シリーズは年々複雑化しており、もはや“サーガ”と呼べるラインからは逸脱してしまっているのが現状なのです
ところが今作の作中では多元宇宙論(マルチバース論、私達が知りえる宇宙とは並行して存在する“可能性の宇宙”があるという理論)を肯定している描写があり、それがキーワードとして機能しているんです
つまり並行宇宙(パラレルワールド)の存在を仮定したとすれば、これまで描かれてきた数々の『マジンガー』シリーズにおける劇場映画、OVA、リメイクシリーズ等を全て肯定することが出来るというわけです
これ、もちろん今作の評価としても十分素晴らしいものですが同時に『マジンガー』シリーズ全てを総括してしまったということになるんですよ!?
凄すぎますね


しかもそんな複雑で眠くなる話を語ることをメインテーマとせずとも、単純明快でマジンガーにも多元宇宙論にも興味ない人が観ても爽快な気分を味わえるスーパーロボットvs機械獣軍団の大バトル、というエンターティメント作品としてのストーリーラインがこの作品にはあるってのが良い
きっと海外のファンも喜んでくれたことかと思います


それに光子力研究所がある富士山麓が主な舞台ということでロケハンも丁寧
日本の象徴たる富士山を様々な角度で取り上げつつ、そこで決戦を挑むマジンガーの勇姿はとても映えるものでした
富士山が小高い丘、ぐらいにしか見えなくなるインフィニティの巨体を対比させる造形物としても上手く画面上で機能してますしね
訪日外国人に大人気のスポットとして有名な新倉山浅間公園や富士山本宮浅間神社も登場し美しく描写されております


と、同時に急速に発達したことで昭和の町並みを僅かに残した未来都市、という描き方がオリジナル作品が孕んでいた放送当時の面影をノスタルジーという形で隠し味にしているのはニクイ演出です


そうそう、光子力研究所が存続してる理由が光子力の平和利用を前提としてる為、研究成果の一般公開が義務付けられてる…ってのがエネルギー技術で最先端を行きつつもそれを独占せず海外に輸出しちゃってる日本、と重ねて観たのはオイラだけでしょうか


また、冒頭でアメリカが真っ先に倒された為なのか、マジンガーのピンチを救ってくれる描写が克明なのが『マジンガー』LOVEなイタリアやフランスなのもこの作品がどんな国で人気なのか伺えましたな


エンドロールは何故か吉川晃司の書き下ろし曲…ですがこれは個人的には割りとどーでもよくw
唯一この映画で少し残念かな、と感じたのがプロダクトプレイスメントが雑、という点でしょうか
おまえのことだよ日産!


ともかくこの映画自体とても軽いノリで進んでいく一方で、実は45年も解決できなかった問題にキッチリ答えを出してるってのが素晴らしい
クライマックスには泣きましたよね

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代性を反映しつつノスタルジーも感じる手堅い作り(SKLの話題も少し)

2018年1月公開のマジンガーZ新作映画。
見てきました!今年の楽しみだったので良い映画で嬉しい。

ドラマとアクションのバランスが良く、ノスタルジーを感じさせながらも時代性も反映され、全体的に良く出来ていたと思います。ロボットバトルのシーンが多いこともあり詰め込み気味ではありましたが(SKLほどじゃないけどね!!w)。
物語としてはテレビアニメの10年後、大人になった甲児たちの葛藤や未来への可能性を描き、「神にも悪魔にもなれる」をキーワードに光子力とマジンガーにも焦点を当てています。
初めて見る人であっても基本的な設定を知っていれば置いてきぼりを喰わないだろう展開、ストレートなキャラ配置も良いですね。

マジンガールズのエロ描写だけは、正直苦笑してしまいました。嫌いではないですけどちょっと露骨すぎてw
エロは無いと寂しいと言えばそうですが、さやか、ジュン、リサの色気には艶っぽさや上品さ、健康的な可愛らしさがあってこの3人だけでも個人的には満足だなあと。

キャスティングは演技力のある声優さんばかりで盤石。イメージにも合っていました。初代のキャストも別キャラクターで積極的に起用していてなかなか面白い配役が見られました。
作画は文句なしに素晴らしかったです。キャラデザも雰囲気を残しつつブラッシュアップもされているため古く感じませんし、新キャラクターのリサも作品に馴染みつつも不思議な存在感があってとても好きです。

強いて気になった所を挙げると、味方量産機(イチナナ式)のデザインがマジンガーっぽくないのが不満といえば不満でしょうか。いわゆるリアルロボットみたいで、これは「誰が乗っても動かせる」特別じゃない感を狙っているのかな?

あとBGMがちょっと悪目立ちする部分もあって個人的にはあまり好きではないです。音楽に関してはEDが一番良かったですね。


{netabare}

10年という歳月を経てしがらみを背負った甲児やさやかの葛藤、親子関係の色々など、ドラマ部分での見所も多くなっています。ジュンの「昔は良かったなんて死んでも言うもんか」という台詞からも、懐古的なものだけがこの作品で描きたいことではないのだなと感じました。
女性の強さ、ロボットのバックアップの描写の多さ、ロボットやエネルギーの扱いの難しさなどを描いた所にマジンカイザーSKLと共通点がありました。SKLスタッフが永井先生から言われた「今のロボットはバックアップがないとだめ」という部分も本作ではしっかりと描いたと思います。

「神にも悪魔にもなれる力」であるマジンガーや光子力に対する世界の反応はリアリティがあり、かつ普遍的でテーマにも繋がっていて良かったですね。光子力の扱いも、危険性を内包したエネルギーとして客観的に描かれました。
世界を肯定すること、多様性の強みと弱みを受け入れていくことがそれらを良い方向に運用していくという結論は、王道でベタですが大好きです!さやかが会見で「次は上手くやります」と言い切ったのもそうですが、理解されなくても批判されても信念を貫き、それが結果として大きな流れを作っていく。言葉ではなく行動で示すことが人の心を動かす、という王道展開がとても良かったです。


親子関係の描写が多かったのも好きです。
さやかと弓博士は立場と意見をぶつけ合いながらも、世界が消えるかもしれないと知った時、弓博士はさやかの努力と気持ちを肯定しました。
ジュンにとってお腹の子は戦士ならば足枷でもありますが、女性としてなら鉄也と自分を繋ぐ存在で何よりも大切なもの。
甲児にとってはお爺ちゃんから託された「神にも悪魔にもなれる」という言葉を今度はリサに託し、リサは希望と可能性を甲児に示して見せる。甲児にとって娘としてリサと再会する可能性は、未来に希望を見出すには十分なものだったと思います。

それでも甲児が「世界を肯定する」という言葉を口にするのにわずかな溜めがあったのは、現代を生きる人間としては共感する部分でした。もしかしたら、甲児をヒーローとして見ている古参ファンにとっては悲しく感じるシーンかも知れませんが…

10年の歳月が流れてマジンガーが博物館に飾られていたり、統合軍のプロパガンダに甲児が引っ張り出されたり、良くも悪くも彼らは勝利の象徴となっています。平和の象徴には未だなり得ていないのがもどかしい所ではありますね。
インフィニティは悪魔でマジンガーZは神かといえばそうでもないっていうのが永井作品らしい。Dr.ヘルとインフィニティは脅迫で光子力を得、甲児とZには人々が自分から力を貸してくれる、その対比も上手くできていました。
光子力を世界中から送ってもらうシーンはまさしく元気玉ですなw


人の心ひとつで世界が滅亡にも平和にも転がる、というのは永井作品やよく理解して作られた派生作品をいくつか見ていれば容易に読み取れる共通点。極限状態で人間性が問われ、そこに主人公たちだけではなく世界全体の人々の心が影響してくる展開は永井作品の根本に流れ続ける魂と言って良いかもしれません。
その良い面を端的に表していたのがボスのラーメン屋での描写で、とても好きなシーンです。ボスは一般の人と戦士のちょうど中間にいる、美味しい役回りだったなあと。

もっとも、この手の展開で世界を滅亡させちゃうのは永井先生くらいだろうなと思いますけどw


あとメタな視点になりますが…
光子力の発電所建設に地元の人たちが反発する所とか、東日本大震災の影響が脚本にも出ているのではないかと思います。本作の企画自体は震災前(2009年頃)から立ち上がっていたようですが、本格的に制作が始まるまでには数年があったそうですから。
SKLはちょうど震災前頃に完成した作品で、最終巻には重力炉のメルトダウンや津波の描写がありましたが、震災後なら自粛した可能性もあったと思っています。
ファンタジーでもアニメでも、シリーズ通してこういう問題を描けるのは貴重だと思います。
{/netabare}


一度だけの観賞なので細かい所はわかっていないかも知れませんが、とても良い作品でした。こういうノリが好きなら映画館で見る価値はあると思います。おすすめします。(2018.1.25)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「アニメゴジラ」と同じ匂いがプンプンする

「ゴジラ」のアニメ化と同じく最新の3DCGで「マジンガーZ」をリブートさせた企画。「デビルマン」と同じく永井豪作家50周年企画。

正直言って「エヴァ」世代の僕にとっては全編通してセンスが著しく古く感じる。キャラクターデザイン(アメコミ系やアダルトアニメで活躍されてる飯島弘也さんなので2000年代中頃な感じ)、メカニックデザイン、背景未来美術など東映が総力戦に出れば出るほどダサい。

一応シナリオは現代的に大人が鑑賞できる程度にリタッチされているが、どれだけ大人向けに作ろうが、基本40代後半のオヤジ向けなので20代の若いアニメファンは取り込めない。

しかし、ゴジラ同様3DCGのクオリティは最高クラスであり、流石に日本最大手の配給会社なだけあって手抜かりなしでよく動く。特に戦闘シーンのCGクオリティは凄まじく、モーションキャプチャーを使ったアニメの中では一番かも知れない。

あと、永井豪然り飯島弘也さんなので、お色気シーンがちらほら有り、肉感的で変に官能的だ。これは好みを分けるだろう。間違ってもデートで行くようなアニメではなく、ビール片手におっさんがブツクサ言うアニメであって、「ヤマト2202」や「ガンダム オリジン」のような企画だ。

ちなみに飯島さんは師匠に「キューティーハニー」や「グレンダイザー」で女性キャラを描かせたらピカイチと言われた荒木伸吾さんの嫡子であり、その縁もあって今回の総作画監督の抜擢なのだと思う。

クオリティはまあまあなので一度は見たほうが良い。何よりも3Dで動くマジンガーの戦闘シーンだけは必見である。その分野に詳しくないだけすごいと感心した。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8
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