戦いで笑いなアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の戦いで笑いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の戦いで笑いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.3 1 戦いで笑いなアニメランキング1位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (639)
4223人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
{netabare}
本作のヒロイン「楓」を務めたのは、女子高校生ながら話題の女優『広瀬すずさん』。

とある番組での、悪質に切り取られたかのような彼女の言動が世間の反感を買い、謝罪騒ぎにまで発展したのをご存じの方もいるでしょう。

そう言えば以前にも彼女は、「明星一平ちゃん夜店の焼きそば」のCMで、一部言動が誤解を招くとして差し替えとなる騒ぎも起こりましたね。
これも謝罪騒動同様、私的には少々解せなかったんですよね。

全く………、


『ぶっちゅ~~~~~~~~~~、全部出たと?』


という言動の、一体どこに誤解を招く要素があったと言うのでしょうか。

しっかり口をすぼめ(ソースを)絞り出す様の、一体どこに何の誤解が生じていたのでしょうか。

広瀬すずさんには、これからも逆境に負けず作中の「楓」と同様に、自身の信ずる道を邁進していって欲しいものです。




………………………………ふぅ。

シュッシュ、フキフキ
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
{netabare}「お前という奴は迷いなど微塵もない眼をしおってぇ」{/netabare}
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

{netabare}「君は俺と同じだよ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」{/netabare}
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
{netabare}蓮と楓を繋いだメルヴィル著の『白鯨』。たしか船長さんが船もろとも鯨と運命を共にした話だったことは覚えていて、本編では一郎太が鯨に化けたあたりから嫌な予感しかしなかったのですが。。。
{/netabare}

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
{netabare}主人公と同年代の女の子だからといってヒロインではありません。九太が蓮に、彼が人間界に戻るための触媒と思えばたぶんすっきりします。
序盤、多々良と百秋坊が触媒となって蓮と熊徹を結びます。楓はもともと蓮が持っていた好奇心を現実世界に落とし込む存在として役割を果たします。
途中から出てきたのもあって恋愛要素を前面に出すと話がぼやけるため、あのくらいの按配で良かったことでしょう。{/netabare}

■女よ、GOMEN
{netabare}虎徹への弟子入り直後、剣士としての成長きっかけとなったのは母の幻影「なりきる。なったつもりで」の一言。宗師さま巡りを経て『大事なことは自分で見つける』と気づきがありました。これまで他人のせい、自分の殻に閉じこもっていた蓮が一皮むけるために母は必要でした。
楓もそう。8年ぶりに人間界に戻ってきた蓮は楓がいなければ路頭に迷って野垂れ死にしてたかもしれません。一郎太とのバトルでも早まって差し違えて終わってたかも。
父子愛がテーマの作品で、といいつつも結局女がいなければ何もできないのが男だったりするような。こうゆうこと言うのは女性に言わせれば男の甘えだそうです。{/netabare}



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
{netabare}
ひとつ気になったのは、ケモノらしさについてです。
作中、「ニオイ」に触れられませんでした。ケモノ臭いだとか、人間臭いだとか。バケモノとは言っても、獣人なんできっとケモノ臭がすると思うんです。

バケモノの子を見て後、もののけ姫が無性に見たくなって見てみると、その部分において明らかに違います。
バケモノの子に出てくるケモノたちは臭いも無ければ、見た目以外ほとんど人間と違いが無い。
文明も発達しており、異国風と思わせといて玉かけご飯を普通に食うくらい、生活にも違いが無い。
もしかしたら、生活型が日本人と同じで無臭になってしまった・・・という裏設定が(!)
なんて妄想したりw
熊とか、体臭すごいですし、ニオイの演出も加わるとより面白くなってたんじゃないかと感じました。
九太が人間界に戻ったときに、九太に染みついたケモノ臭さに楓が鼻をつまむシーンとか見たかったんですけどね(笑)
でもニオイに突っ込むと、一郎彦の正体がすぐばれてしまい話がややこしくなるから、なんて事情が見え隠れするのであえて入れなかったのかなー、なんて勘ぐったりしてw

仮に、ニオイがあったら熊鉄のオヤジらしさに、より一層リアルさがあったのかもしれない。
一方で、ニオイなど生臭い要素をなくしたことが、マスコット的な愛らしいオヤジキャラの演出に一役買っているんだろうなとも思うので、結局この作品には「無臭」のバケモノが正解だったんでしょうね。
熊鉄のことを「可愛い」と感じる背景に、実はニオイも深く関係してるんじゃないかと、一人納得しましたw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

62.6 2 戦いで笑いなアニメランキング2位
DRAGON BALL Z 神と神(アニメ映画)

2013年3月30日
★★★★☆ 3.6 (220)
1184人が棚に入れました
全宇宙の運命を賭けた魔人ブウとの壮絶な戦いから数年後の物語。全宇宙のバランスを保つ破壊の神・ビルスが長い眠りから目覚めてしまった!フリーザを倒したというサイヤ人の噂を聞きつけて、悟空の元へやって来るビルス。久々に現れた強敵を前にワクワクする悟空は、界王の忠告も無視してビルスに戦いを挑むが、その圧倒的なパワーを前に手も足も出ずに敗れてしまう。「地球にはもっと破壊しがいのあるヤツがいるといい…」不気味な言葉を残してビルスはその場を去っていった…果たして悟空たちは破壊の神を止めることができるのか!?

声優・キャラクター
野沢雅子、山寺宏一、森田成一、佐藤正治、鶴ひろみ、田中真弓、堀川りょう、古川登志夫、古谷徹、緑川光、草尾毅、八奈見乗児

アラジン♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

【ネタバレ有】 「“お祭り的な”意味合いの作品!」

 
 結論から言えば、“特に観る必要のない作品”である。

 ただ、“ドラゴンボールファン”(以下、ドラゴンボール=DBとする)なら、どんなにくだらない作品であっても、正式なDB関連作品である以上、観ないといかず―、
―最近は、良いアニメ作品ばかり観ていたため、“息抜き”として観たに過ぎない。


 結果として言えば、全く期待していなかったという意味で、期待通りの内容であった。

 ただ、観る前の予告や、周りからぼんやり聞いていたこともあって、今までの“DB史上最強の敵”が出てくることは知っていた。
 そのため、DB内の“力の序列”を知っておく上で観たわけである。


 ちなみにだが、自分の中の評価において、☆0などは存在せず、今まで観てきたアニメ作品の中でも、“最低点が”☆3.0である。
 なので他の人たちのレビューの☆3.0とは意味合いが違い、“平均点”という意味ではなく―、
―☆3.0が自分の中での“底辺”であるということは、この作品の“物語”は内容など無いに等しく、
“最低”という意味である。


 また、当然ながら、“DBのキャラ”たちは、“DBの世界全て”を通して言えば、文句なしの“☆5.0”であるが、この評価(=☆4.0)は、この作品のみにおいての評価である。
 
 なので、今までのDBのキャラたちが、この作品において特別良かったわけでもないため、高評価にはせず、この作品オリジナルキャラの、“破壊神・ビルス”とその付き人・“ウイス”に最終的に好感が持てたという点で☆4.0にしている。



 何度も言うが、この作品を観る必要はない。良かった点も無いに等しい。

 “鳥山明”さん含め“製作者側”も、力を入れて制作している感じは受けず、“お祭り的な意味合い”で作った程度だろう。
 
 そのため、DBの世界で実際にあのレベルの敵が現れたら、あの程度のリアクションな訳がなく、お祭り的な作品である以上、“生と死の緊迫感”など微塵(みじん)も感じないし、視聴者に感じさせようとする努力もしていない。


 初めに“力の序列”を知るためにこの作品を観たと言ったが、この作品は“DBであってDBでない”と思っていた方が良いかもしれない―。

 実際はこの後、DBの世界の時系列的には、「ドラゴンボールGT」において悟空が“スーパーサイヤ人4”になり、さらにスーパーサイヤ人4の悟空とベジータがフュージョンすることによって、力の序列で言えば、“DB史上最強の戦士”・“スーパーゴジータ”が誕生するわけだが―、

―この作品の力の差を見る限り、ビルス(少なくともウイス)の方がはるかに格上だろう。なので、力の序列という点でも、この作品のビルスとウイスはカウントする必要もないかもしれない。

 (ちなみにだが、GTを“蛇足”と言う人がいるが、はっきり言ってGTという作品の意味がちゃんと見えていない。(ここでは深くは言わないが)、もちろん、“Zまで”と“GT”を比べてどっちが上かは言うまでもない…、が、ことGTとこの作品とではレベルにおいて、全くの別物である…)


 ここまで批判ばかりになったが、まぁそれでも、EDの、DBの世界を短くまとめて、一気に描いていたのは懐かしくて良かったし、何より、久しぶりにDBの世界に気持ちが入れた気がして良かった―。

―なので、それだけでも、観る価値はあったということにしておこうか…。

(終)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

こんなドラゴンボール見たかったぁ(ノ∀`*)~♪

【劇場公開作品第18弾!】2013年公開 上映時間85分

フリーザ、セル、魔人ブウ すべてを超越する存在がいた!!!
今、闘いの歴史が変わる――       
                        (キャッチコピー引用)

シリーズ劇場版作品としては17~18年ぶり!!
ファンならずとも当時、誰しもが無中になったであろう
あのDRAGON BALLシリーズのまさに待望というべき作品!!


そしていよいよ来るべく15年4月18日より
『ドラゴンボールZ 復活の「F」』がこれまた公開!!
とまだまだドラゴンボール旋風はおさまりそうにありません(o*゚∀゚)o♪

復活のFて(*´艸`) フリーザさんですよ!!w
皆さま盛り上がっていきましょう━。.゚+:((ヾ(。・д・)シ)).:゚+。━!!


そんな訳で待望の新作公開も待ち遠しいですが
本作「DRAGON BALL Z 神と神」を今一度プレイバック!!
この度レビューさせて頂きます(*`・ω・)ゞ


まず本作
魔人ブウ編から4年後のある日という時系列のお話のようです
私もGTまでは詳しく最後まで見れていないのですが(ノ∀`)

ドラゴンボールZの続編と考えればよろしかと思われます!!

とにかくドラゴンボールキャラオールスター全員集合!!
と言わんばかりの面々にテンション上がりまくりですよ↑↑


当然今作でも地球の平和を脅かす強力な敵キャラが登場する訳ですが・・・

はい! どうぞ、こちらですよ『ビルス』様。•ω•)⊃ドゾー

ん?猫と犬を足して2で割ったような容姿になんとも
コミカルで、それでいてお茶目なお方ですねッ。:+((*´艸`))+:。

あ、でも強いですよー地球なんてあっという間に消せちゃうんですから!!
スゴイんですホントに強いんです!!

そりゃもうね・・・あれですよ、『ブウ』とかね、冷や汗モノですよヽ(;゚д゚)ノ

『ベジータ』さんとかね!! 踊っちゃうしかないくらいですよね(o´艸`)


あとちっちゃくなったピラフ一味たちは最高でしたね!!
もーお腹いたいよぅ(*>ω<)ノwwヤメテクレw

トランクスとね! 色々あったりね!
あれ!? ピラフ一味の女のコちょっとかわいいなぁ|ョω・*)w


と、とりあえず『ビルス』様にしーすーを食べさせてあげて。•ω•)⊃ドゾー

とまぁ見事なコミカルな作品ですヽ(*´∀`)ノ♪



え(・ω・;?
ドラゴンボールの醍醐味は熱いバトルでしょ?

確かに|゚Д゚)!!!

でもバトルもちゃんとありますよー(゚∀゚)
なんかサイヤ人の強さの概念もスゴイことになってます✩

でも今作はそれ以上にコミカルな作品に仕上げっておりますゆえ、
バトルもの苦手な女子の皆さまでもドラゴンボールのキャラさえ
ある程度把握していれば存分に楽しめる内容と思います(*>ω<)b


ドラゴンボールのキャラたち×こんなに笑えちゃう面白い作品!

鳥山先生が描きたかった世界が見れた気がします♪

あらためて私は笑いながら
「あーこーいうの見たかったぁ(ノ∀`*)」て思いました!!


そんな訳でまだ観てない方も今ならまだ間に合う(*>ω<)bヾ(・ω・;)ナニニ?
新作公開の前に今一度!!
DRAGON BALL の世界に触れてみてはいかがでしょうヽ(*´∀`)ノ

オススメです(*>ω<)b

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

メモリアル要素の強い、永久保存版。

ドラゴンボールは成長の過程で通過してしまった作品であって、今更見るものでもないかなー。
古き良き思い出として掘り返すものでもないかなー、というのが正直な気持ち。

こだわりがあるほどのファンでもなんでもありません。リアルタイムでそれなりに楽しんでいただけ。

そんな私ですが、ある日、同世代の友人に誘われ一緒にレンタルで見てみることに。
人付き合いのつもりで見る分にはいいかな、なんて。そんなノリで見ました。

でも、というかやはり、いざ見始めると夢中になってしまうものですね。


「破壊の神ビルスが本作のボス。
宇宙最強の名を冠する彼が退屈しのぎに戦う相手を求め地球にやって来る。
しかし地球最強の戦士たちは、ちょうどブルマの○○歳のバースデーパティーの真っ最中で・・」

そんな設定にかこつけて、歴代のキャラ大集合です。
今までとは違い単独上映なので尺の使い方が贅沢で、ピラフ大王の活躍シーンがまさかの長さ。
本題のボスとのバトルそっちのけでワイワイ。というかボス自身も茶番に参加してしまうという始末w
この新キャラのボスが思いの外、すんなり歴代キャラに馴染んでいる。良キャラである証です。
そんなわけでギャグ要素が強く、くだらないシーンも朗らかな気持ちで楽しめます。

もちろんバトルも見応え充分。派手なだけじゃなく、旧来のシリーズには無い斬新さも感じられました。
街の破壊も犠牲者もほとんどなく、CG表現にもかかわらず、らしさを失わないという意外さは見所。
意外と言っちゃ失礼ですが、激しいセリフもソツなくこなす野沢ボイスもまだまだ健在で驚きました。
映像の端々に作品を大事にしている尊敬の念が散りばめられています。
だからこそ、というのでしょうか。
「あの懐かしいドラゴンボール!」というのを存分に感じ、夢中にさせてくれます。
あっという間にリビングがオトナ帝国に様変わり。ぼくらに現実なんて・・・((;^ω^)イラナイ
ずっと歌っていようぜ、チャーラーヘッチャラー・・♪

そんな懐かしさと同時に、どことなく感じた寂しさ。
「か・・・め・・・は・・・め・・・・・・・・        ひゃーーーーーーー!!!」
に代表されるように、野沢さんの現役がもう長くないのも確か。内海神龍もこれで見納め。
先日の宮崎駿引退のこともあって、なんだか切ない気分に。
もしかしたらドラゴンボールもこれが最後かもしれない。
そんな思いが、不意に、こともあろうにこの作品に、真摯な眼差しを向けさせるのでした。
こういう世代の終わりを見届けながら、自分も老いていくんだなぁ・・なんて。


そうです、私は間違っています。あくまでこれは娯楽作品です!(´;ω;`)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

64.3 3 戦いで笑いなアニメランキング3位
映画 犬夜叉 時代(とき)を越える想い(アニメ映画)

2001年12月15日
★★★★☆ 3.6 (29)
334人が棚に入れました
高橋留美子の人気コミック(週刊少年サンデー連載)がTVアニメ化に続いて、ついに劇場映画化。戦国時代にタイムスリップした少女かごめと妖怪・犬夜叉のコンビが、大陸から攻めてくる妖怪軍団に立ち向かう。物語は原作を離れた完全オリジナル・ストーリーで、大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸など新キャラクターも登場する。 15歳の誕生日に境内の井戸から戦国時代にタイムスリップした日暮かごめは、半妖怪・犬夜叉の封印を解いてしまう。こうして出会った二人は、妖力を秘めた“四魂の玉"のかけらをめぐって邪悪な妖怪たちとの戦いを繰り広げていく。だが新たに現れた大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸の狙いは“四魂の玉"ではなく、犬夜叉が持つ鉄砕牙と呼ばれる剣だった。瑠璃と玻璃の美少女妖怪を従えた瑪瑙丸は、実はかつて犬夜叉の父と死闘の末に封印された過去を持っていたのだ。そして犬夜叉とかごめが出会った御神木にも隠された秘密が存在していた……。

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この世に迷いなき者 一点の汚れもなき者などいるのでしょうか。

最初は四魂の玉が砕け散るシーンから始まりました。何を今更と思っていたら、その砕け散った
破片のひとつが、ある薄暗い森の奥に落下します。と、大きな木から人型の妖怪がずるりと
落ちてきました。この四魂の玉のかけらが力を与え、眠っていたその妖怪を目覚めさせたようです。
それは言います。「封印を解くためには破滅の牙が必要だ」と。
と、そこからさらに二つの人影が矢のように尾を引きつつ夜空へ消えていきました。
 どうでもいいですが、ヤロウのはだかをドアップで映さないで下さい。かといって女ならいいと
言うものでもありませんが。

 とある田園を歩く殺生丸。そこに先ほどの影が飛び掛りますが、ほんの一払いで軽く撃退されて
しまいました。これが実はのちのち弥勒と珊瑚を苦しめた二人なのですが、それを大した苦労もせず
撃退するのですから、流石は殺生丸。よっ女殺し!(それは誉め言葉ではない)
 実は殺生丸の腰にさしていた剣が「破滅の牙」ではと思ったようなのですが、どうやら違うようです。
妖怪は影に命じます。
「これではない、別のところにある」

 画面は変わって現代。かごめちゃんが何と片手で卵をらくらく割っています。今時主婦でも卵の片手
割りはどうかというのに、伊藤家の裏技も使わずなんなく割ってます。そこまでうまいなら料理もうまかろ
うと思われるのですが、フライパンを熱しすぎて白い煙が立ち昇ったり、慌ててとき卵に砂糖を入れて
いたりと手順が悪いことこの上ありません。
 しかし驚くべきはその熱しすぎたフライパンで作った卵焼きがまったく焦げなかったことです。日暮
さんちのフライパンは今ハヤリのこげないフライパンを使っていると推測されます。しかしあれはフッ素
加工のため、白い煙が出るまで熱してしまうと毒ガスが発生するのですが、こんなところで死にそうな
目にあったら今回の敵の立つ瀬がなくなるのでそれは無視されたようです。

 さて、おいしそうなお弁当が出来上がり、じいちゃんが伸ばした手を撃退しつつかごめちゃんは戦国
時代へ向かいます。そんなに飛び跳ねたらお弁当の中身はグチャグチャだろうと思うのですが、真空
パックにでもしているのかまったく平気です。井戸を潜り抜けると、駅にチャリを置いている通学生の
ようにそこにあった自転車に乗って颯爽と走り出しました。

 一方犬夜叉達はというと、大きな妖怪と格闘の最中です。弥勒によると「大陸に生息するさそりという
妖怪」とのこと。素早く動き回る上に、ハサミと尾が彼らを狙い、大苦戦です。四魂のかけらを取り出し
さえすればいいのですが、そのありかがわかるかごめちゃんはのん気に自転車をこいでいる最中です
から、もう少し戦わなくてはなりません。というかかごめちゃんが戻ってくるまで井戸のあたりにいれば
いいと思うのですが、ここは本編の伏線となるところですから、大さそりもはりきって暴れまわっています。
 きららももちろん応戦しています。サソリの尾が前足を掠めたにも関わらず飛び掛っていきます。弥勒
はあまり役に立ちません(失礼)。落ちてきたさんごちゃんを抱きとめてお尻をなで、平手打ちをくらって
います。

 やっとかごめちゃんがやってきました。四魂のかけらが尾の先にあることを見抜きます。尾を切り落とす
犬夜叉。まってましたとばかりに弥勒が風穴に吸い込み、かけらも手に入れました。
 さあここでランチタイムです。かごめちゃんの作ったお弁当が広げられます。
 「かごめ様の作られたものでしたらどんなものでもありがたいことです」
 弥勒が余計なことを言って睨まれています。
 七宝ちゃん(一応今までも画面内にいました)がたこさんウィンナーをおいしそうに食べています。が、
何故今回に限って律儀に(犬夜叉含め)箸を使っているのでしょうか。
 やっぱり犬夜叉と、卵焼きを取り合うことになり、拳にものをいわせた犬夜叉にとられてしまいました。
「子供相手に大人気ない」となだめる弥勒ですが、たこさんウィンナーに箸を伸ばしたら七宝ちゃんとかち
合い、「何かを訴える子供のまなざし」攻撃(ばーいクレヨンしんちゃん)に、たこさんウィンナーを譲ることに
しました。
 かごめちゃんは自信作だった卵焼きの感想を犬夜叉に聞きますが、犬夜叉は「それよりもあれ、ねーのか」
と倦怠期を迎えた夫のごとく無視してリュックサックをごそごそ。カップラーメンを取り出します。
 お湯沸かそうぜという犬夜叉に対してかごめちゃんは、「おすわりおすわりおすわりおすわり…」と「ファン
カーゴ」のCMの人も真っ青な早口で唱えて立ち去ってしまいました。
 地面にめり込むどころか埋まってしまった犬夜叉を前に、弥勒は「今までで一番強烈なおすわりでしたな…」
とつぶやくのでした。

 しかしそんな彼らを見つめる影がありました。よみがえった妖怪です。妖怪にはストーカー法は適用され
ないので、物陰から見放題です。
 どうでもいいですが、彼の風貌を見る限り蛾の妖怪のようですが、そこら中に蛾をはびこらせて、リンプンで
窒息死したりしないのでしょうか。それでなくとも蛾の一生は短いと思うのですが。これで最後火が弱点
だったりして、「飛んで火にいる夏の虫」というのがオチだったら笑えますが、これは落語ではないので
ちゃんと戦うと思います。

 一方かごめちゃんは、大さそりとの戦いでガタガタになったチャリに乗りつつ森へ。壊れた自転車はとても
危険なので乗ってはいけません。
 そこには、何かの気配を悟ってやってきた桔梗がいました。相変わらずこの人、職業「死人」のままのよう
です。
 あわてて隠れるかごめちゃん。ところが自転車を倒してしまったので隠れるも何もありません。この音が
聞こえないのは志村けん扮するひとみばあさんくらいです。
 かごめちゃんがそおっと顔をあげた時、桔梗の姿は消えていました。

 場面は切り替わって弥勒とさんごに。きららが先ほどのさそりの毒にやられたようです。と、突然きららが
さんごの腕から飛び降りてどこかへ走り去ってしまいました。慌てて探す二人。
 森の奥へ入って行くと何やら顔色の悪そうな今時コギャルでもやらないメイクのお姉さんが2人。きららを
その腕に抱いています。
 弥勒は近づいて言いました。「私の子を産んではくれまいか」
 さんごちゃんの飛来骨がものの見事に弥勒の脳天にヒットしました。よく考えたらこれで妖怪を簡単に
吹き飛ばしているのですから、弥勒の頭には鉄板が入っているに違いありません。
 2人は言います。「この子の手当てはしておいた」
 さんごちゃんはお礼を言ってきららを受け取ろうとしますが、きららの様子が変です。突然さんごちゃんに
牙をむきました。
 驚くさんごちゃん達に「きららは我々がもらう」と2人。その姿がさらにきっかいな衣装に変わりました。
 同時に、さんごちゃん達に木のつるがからみつきます。足元からはさそりが。
 
 そう、あの大さそりも元々この妖怪達がよこしたものでした。その毒に触れたものを仲間にしてしまうの
です。この妖怪達の名前は瑠璃(るり)と玻璃(はり)。大陸から来たそうですが、思い切り日本名なのは
どう解釈すればいいのか悩むところです。もちろん今回の敵であり、2人のボスである瑪瑙丸などは、
丸がつく限り日本の妖怪じゃないのかと突っ込みたくなるのですが、突っ込んだところで撃退できるわけ
でもないので静観することにします。
 さんごを助けようと弥勒は風穴を開きさそりを吸い込みはじめます。そこへ瑠璃が「この時を待っていた」
と、弥勒の風穴を自らの手に模写してしまうのです。
 早速瑠璃がその風穴でさんごちゃん達を吸い込もうとした時、1本の矢が彼女らを追い払います。
かえでばーちゃんでした。
 変な気配がしたからやってきた、と七宝ちゃんの変化した馬に乗ってきたようです。ばーちゃんは牛だと
思っていたようですが。

 さて犬夜叉は。
 かごめにガツンと言ってやらなければ気がすまないと言いつつ探しています。
 かごめちゃんはというと、桔梗が立ち去った場所そして今いる場所が、初めて犬夜叉と出会ったあの
ご神木の前であることに気がつきます。犬夜叉が刺さっていたその場所に手を当てているうち、矢の
めりこんでいた穴に何か光るものがあることに気がつきました。それを取ろうとして指を切ってしまうかごめ
ちゃん。
 そこに犬夜叉が飛んできました。かごめちゃんが手を切っているのに気がつくと、懐に入れていたかごめ
ちゃんのハンカチを裂いて指に巻いてあげます。行為自体はとても素晴らしいのですが、人のハンカチで
やってしまうのが犬夜叉らしいところです。
 そしてさんごちゃん達と合流しようと帰りかけた時。
 蛾のリンプンが降ってくるのに気がつきます。
 それとともに現れた瑪瑙丸。さしずめ、歩く公害といったところです。
 犬夜叉はかごめちゃんに「息をとめていろ!気を失うぞ」とムチャなことをいい、自分は戦いに。
 
 瑪瑙丸の構えがどうも変だと思ったら、冥加じーちゃんが「大陸の妖怪」と解説してくれました。元が
昔日本に攻め入ってきた時に、どさくさにまぎれてやってきた妖怪らしいです。元の戦いって、元寇つまり
カミカゼというヤツですか?なるほど、日本の歴史の勉強にももってこいですが、テストとかで元寇の戦いで
「何故元は敗北したのか」の問いに「日本の妖怪が大陸の妖怪を追い返すために戦っていたから」と
日本中で1人くらいは書くやつがいるに違いありません。
 ともかく、犬夜叉が使う日本の抜刀術と違い、向こうは刀も太刀でありそもそも拳法との合体技ですから
なかなか難しいところです。確か日本の抜刀術は刀の構えから死角が出来るため、そこをつかれたら
ひとたまりもありません。
 そしてとうとうかごめちゃんは我慢の限界に達し、息とともにりんぷんを吸い込んで倒れてしまいました。
犬夜叉も瑪瑙丸の一撃を食らい倒れました。
 ここまでは少年漫画映画の定番です。
 瑪瑙丸は、ある封印を解くために鉄砕牙が必要だったのでした。
 地面に刺さった鉄砕牙を抜こうとしますが、結界が張られていて掴むことすら出来ません。
 彼はかごめちゃんに目をとめ、彼女を連れ去ったのでした。

 犬夜叉が気がつくと、心配そうに七宝が覗き込んでいました。
 かごめがさらわれたことに気付き慌てる犬夜叉。手当てをしてくれた七宝に一言のお礼もなく、かごめ
を救い出しに向かいます。
 一方かごめちゃんは。
 木のつるでしばられ気を失っている彼女に、玻璃が瑪瑙丸からもらった四魂のかけらを埋め込んだ勾玉
を額に取り付け、体の中に潜ませます。
 目を覚ましたかごめちゃん。気丈に矢をつがえます。そこへさんごちゃんと弥勒が駆けつけてきました。
 せまい室内(というか木の中)は大変です。
 犬夜叉もやってきました。
 ここで何故か瑪瑙丸は余裕たっぷりの表情。

 単純オバカな犬夜叉は瑪瑙丸の挑発に乗って、鉄砕牙の一撃を放ちます。しかしそれは、瑪瑙丸の
狙い通り封印を解いたのでした。
 その封印とは。
 瑪瑙丸は「飛妖蛾(ひようが)」という一族であり、封印されていたのはかつて犬夜叉の父と戦った瑪瑙丸
の父の力。つまりそれを吸収しようとしていたのです。どうでもいいですが、映画中「ひょうが」「ひょうが」と
連呼されて、まるで私が悪のボスのようで困りました。
 天井が崩れ始め、慌てて逃げるかごめちゃん達。

 封印はぐんぐん小さくなり瑪瑙丸の体に吸収されていきます。やがて彼の体をギリギリとりまくだけに。
その力に吹き飛ばされて、かごめちゃん達はバラバラになってしまいました。かごめの体を庇う七宝ちゃん。
やがてそこから幾千万の蛾が飛び立っていきます。
 その蛾は村を襲い人々の魂を抜き出します。殺生丸の元にもやってきましたが珍しく邪見が追い払いま
した。殺生丸に「下がっていろ」と言われたりんは「殺生丸様すごーい!」と感心しています。
 邪見はいばろうとしましたが、大きな蛾が顔に張り付き大慌て。殺生丸の心無い見事な蹴りで何とか
助かりましたが、またもさっさと置いていかれてしまうのでした。
 一方かえでばーちゃんのいる村にも蛾の大群が。しかしこちらはばーちゃんの結界で大丈夫でした。
 そこへボロボロになったかごめが七宝ちゃんを抱いて現れました。彼女は倒れこみ、気を失ってしまいます。

 がけから様子を見ている桔梗。彼女には、瑪瑙丸が「時代樹」を大きくしていることに気がつきました。
時代樹とはご神木であり、今その時代時まったく別の時の中にいる木なのです。
 そこへ殺生丸が。しかし彼は興味を無くしたかのように立ち去ります。不思議そうに尋ねるりんに対して
「あれは死人だ」と言う殺生丸。
 魂は空を飛び、時代樹の元へ。再びそれはぐんぐん大きくなり始めます。同時に木は生い茂り始め、
あたりを覆い尽くします。

 さて。ある洞窟に結界を張って逃れていたさんごちゃんと弥勒。あのたんたんたぬきの家に逃げ込んだ
ようです。体勢を整え、迎撃に向かおうとする二人。とめるたぬき。
 もちろん2人がタダで行くはずはありませんでした。たぬきを見つめる2人の顔は、きっと三途の川に
いる脱衣ババはこんな感じに違いありません。

 時代樹が大きくなる間手持ち無沙汰な瑪瑙丸は、大分前に張った伏線を思い出します。余興余興、と
嬉しそうに葉っぱを口に当て、音を出す瑪瑙丸。きっと小さい頃は「俺草笛吹けるんだぜ」と言いながら
友達と帰っていたに違いありません。500年も前ですから羨ましがられますが、今だったら「バカじゃねぇ?」
の一言で終わりです。
 その音に立ち上がるかごめ。かえでばーちゃんの声が遠くに聞こえます。
 体が言うことをきかないと気がついた時には、妖しく伸びた爪を振り下ろしていました。

 何とかケガをした体をおしつつ、つり橋をやってきた犬夜叉。巫女の衣装に桔梗かと思いますが、それが
かごめであることに気がつき近寄ります。
 ところが。
 長く伸びた爪が犬夜叉の体を貫きました。
 驚く犬夜叉。
 かごめの指先から爪が飛びます。
 何かに操られているらしいと気がつきますが、攻撃するわけには行きません。
 逃げる犬夜叉。
 ご神木の前にたどり着きます。
 一方、意識はあるものの体が乗っ取られているかごめもそこへ。
 矢をつがえますが、それが500年前と同じ状況であることに気がつきました。
 桔梗が犬夜叉を射た時のように。
 「逃げて、犬夜叉!」
 その瞬間、瑪瑙丸がいる球体に飛来骨が。思わず彼は葉っぱを離します。
 ようやくさんごと弥勒が駆けつけてきたのでした。
 そこへ現れる瑠璃と玻璃。ときらら。
 リベンジの始まりです。

 一瞬呪縛の解けたかごめは、犬夜叉に「今のうちに逃げて」と言います。しかし、冥加じーちゃん
にも「逃げろ」と言われていい加減頭に来ていた犬夜叉は「どいつもこいつも逃げろ逃げろとうっせぇ」
と逆ギレ。今までこんなに逆ギレをかます主人公がいたでしょうか。
 再び瑪瑙丸の呪縛がかごめを襲います。
 矢をつがえて犬夜叉を狙うかごめ。
 「犬夜叉!」
 叫びもむなしく矢は犬夜叉の胸に突き刺さりました。
 同時に、かごめの額から四魂のかけらが落ち、犬夜叉に刺さったはずの矢は消滅。あわててかけ
よるかごめ。しかし、犬夜叉の意識はありません。
 人の気配に顔をあげるかごめ。桔梗がいました。
 男を巡って女同士の恐ろしい戦いの始まりです。
「所詮お前と犬夜叉は生きている時が違う」
 冷たく桔梗は言います。結婚相手が気に食わない小姑の口調です。
 桔梗は時代樹の説明をした後、井戸を指差し「あれももうひとつの時代樹、つまりご神木から出来て
おり、あの時代樹に反応している」と言います。その通り、井戸からは新しい枝や芽が出始めていま
した。
「時代樹は我々とは時代を異にするもの。今頃お前の時代にも影響を及ぼしているだろう。訪れた冬は
もう終わることはない」
 そう言って桔梗はかごめに元の時代に帰れと命令します。
「犬夜叉をおいて帰れない」というかごめに「その犬夜叉を傷付けたのはお前だ。お前と犬夜叉が
共に生きていけるはずがない」と叫ぶ桔梗。いやー、女って怖いですね。
 続いて一喝とともに桔梗はかごめを井戸に突き落とします。その上から枝が井戸をふさいでいきました。
しかし桔梗も「無論、死人の私もな…」とつぶやくのでした。

 現代に戻ってきたかごめ。
 茫然自失のまま外に出ると、雪があたりを覆っていました。出かける前はきれいに咲き誇っていた
ご神木の花も枯れ、じーちゃんが一生懸命祈りを捧げていました。
「もう犬夜叉に会えない…」
 かごめはその場に座り込んでしまいます。

 その頃、弥勒は瑠璃と戦っていました。風穴をコピーした瑠璃。風穴対決ですが、もっと吸い込んでやろう
と風穴を大きくしすぎた瑠璃は、制御できなくなりみずから吸い込まれてしまいました。
 犬夜叉は意識を失ったままです。
 現代ではじーちゃんが祈りを捧げていますが、まったく効き目はありません。
 お母さんが羽織るものを持ってきました。巫女姿で座り込んでいるかごめにもかけてやりますが、それでは
足りないと思い、コートを持ってこようとします。
「あなたはあなたのしたいようにすればいじゃない?」
 お母さんはかごめににっこり微笑んでみせました。
 
 さんごはきららにのった玻璃に大苦戦しています。きららを傷付けるわけにも行かず、玻璃の攻撃も相当
なものです。
 玻璃はきららにトドメをさすように命じました。
 襲いかかってくるきららを前に、さんごは抵抗をやめました。
「苦しいのは私だけじゃない」
 弾き飛ばされるさんご。
 もう一撃、と玻璃はきららに命じますがきららの様子が変です。岩に頭をぶつけています。
 何をしているのかと問う玻璃にさんごは「きららも頑張っている」とつぶやきます。
 そしてきららの額から、勾玉が落ちました。
 やっと正気に戻ったのです。
 一気に形勢逆転するさんご。
 玻璃の体を真っ二つ。
「まだまだこれから!」と叫ぶ玻璃でしたが、魂を瑪瑙丸に吸い取られ落下していきました。

 一方かごめは、胸の四魂のかけらが光っていることに気付きます。急いでご神木に駆け寄るかごめ。
「かごめ、そこにいるのか!?」
 何と、犬夜叉の声が聞こえてきました。
「何だよ、逃げちまったのか」
 茶々を入れる犬夜叉に、否定しかけてかごめは「私、逃げてたのかも…」とつぶやきます。
「私、居ても何もしてあげられないから」
 と言うかごめ。
 犬夜叉はふと顔をあげてかごめの姿を見ました。優しくかごめを抱きしめる犬夜叉。
「俺にはお前が必要なんだ」
 二股かけている男が、どちらの女にもよく言うセリフです。
 
 かごめちゃんは戦国時代と切れたわけではないことに気がつき、井戸に向かいます。ところがそこ
からは木の根っこがうようよと出ていました。
 ご神木に向かって「犬夜叉、井戸に入れない!木がふさいでいる」とかごめちゃんは言います。
そこに「おねえちゃんが壊れた」と突っ込む弟。なかなかツボを心得ています。
「巫女の矢があるだろうとかえでが言ってる!」犬夜叉のアドバイスに、そんなもの…と言いかけて
かごめちゃんは、何かが埋まっていてそれを取ろうとして手をケガしたことを思い出します。
 じーちゃんから破魔矢を1本もらってそれをご神木に突っ込むかごめちゃん。
 抜いた時には矢じりがついていました。
 じーちゃんから弓矢を奪い取り、かごめは駆け出します。お母さんが「これ」とクリーニングした制服
を差し出してくれました。
 それに着替えてかごめちゃんは矢を井戸の底に向けます。
 放たれた矢はみるみるうちに根をボロボロにし、その後を追ってかごめちゃんも飛び込みました。

 犬夜叉は、戦国時代の方でも木が井戸を覆っているのを見て、鉄砕牙でそれを取り去ろうとします。
七宝に下がるように言い、刀を構えた瞬間!
 爆発とともにかごめちゃんが戻ってきました。七宝と会い、「犬夜叉は!?」と言うと、吹き飛ばされて
黒焦げになっていました。
「なにしやがんでぃ!」
「井戸がふさがっていたからあんたの言う通りにしてきたのよ!」
 さっそく痴話げんかです。
 止めねばかごめが帰ってしまう、という七宝に「大丈夫、いつもの2人じゃ」というかえでばーちゃん。

 時代樹の上にある魂の固まりはますます大きくなっていました。
 さんごちゃん、弥勒の元へ犬夜叉もやってきます。犬夜叉の鉄砕牙ではまったく役に立ちません。
その上力をすっかり吸収した瑪瑙丸は雑魚妖怪で襲わせます。かなりどうでもいいですが、巨大化した
瑪瑙丸は上半身裸にスカートを身にまとっています。ハッキリいってただの変態です。きっとスカートの
下もはいていないに違いありません。とんだセクハラ妖怪です。これでは年末の忘年会でも笑いを
とるどころか静まり返ってしまうでしょう。

 援護に回るさんごちゃんと弥勒。七宝ちゃんも追いかけられながら頑張っています。
 かごめちゃんが矢を抜いてかまえました。
「あんたなんか大っ嫌い!」
 矢が瑪瑙丸を掠めます。それが強大な力を持つことに気付いた瑪瑙丸。
 そしてかごめちゃんも、瑪瑙丸の額に力が集まっていることに気付きます。
 そこに向かって矢を放ち、出来た結界の隙間に犬夜叉が爆流波を放てば勝てるかもしれない。

 1本目は外れてしまいました。ところがそれが瑪瑙丸の左の羽をもぎ落としました。そのあまりの威力に
本気でビビるかごめちゃん。まるでちょっと脅しのつもりで壁を殴ったら、その壁がもろくてぽっかり穴が
あいてしまったのに驚く不良のようです。
「今度は絶対大丈夫だ!俺が必ず爆流波を叩き込んでやる。お前はいつものように睨んでろ」
 かなり失礼な言葉ですが、犬夜叉なりに励ましています。
 ムッとしながらも狙いを定めるかごめちゃん。しかし周囲の風に流されてなかなか狙いが定まりません。
「何やってる!早くしろ!」
 かごめちゃんも言い返しました。
「あたしのことだって信じなさいよね!矢が届かないかも知れないのよ」
 犬夜叉はニヤリと笑った後、「じゃあお前の矢を俺が爆流波で加速させるぞ」と言って鉄砕牙を
構えます。
 ついに放たれた矢が、空気を切り裂いて瑪瑙丸へ。爆流波が矢を押し、見事額を貫きます。
 そして瑪瑙丸は滅んだのでした。

 木も元に戻り、たんたんたぬきに乗って一同は村へ。
「よくぞ瑪瑙丸を倒されましたな、犬夜叉様!」
 冥加じーちゃんも嬉しそうです。
「やはりワシが教えた弱点を…」
「何にもしてねぇ」
 あわれじーちゃんは叩き潰されたのでした。


 ああ、またあらすじ説明かよ私…。
 最初の方でも言いましたけど、面白いなと思ったのは途中かごめちゃんが現代に無理矢理戻されて
しまうこと。それも敵の手によってではなく、恋敵の桔梗に。憎い演出ですよ。
 ただ残念だったのは、CMのカットがいくつか使われていなかったこと。
 さんごちゃんの「きらら、ごめんね…!」はなかったし、かごめちゃんがご神木を見上げて「もう犬夜叉
に会えない…」とつぶやくシーンもなかったです。どちらかというと茫然自失状態で言ってました。制服
ではなく巫女姿で。
 あと、CMのキメとなる「俺を信じろ!」と鉄砕牙を振るうシーンも違ってたな。残念。
 ま、出来上がる前からCMしてるわけですから仕方がないですね。
 だけどホントに面白かったです。
 ジャンプ映画を否定するわけではないけど、主役の前にかつてない強敵現る→主役コテンパンに
やられる→普段は敵の人間が助けてくれる→印籠的アイテムが出てくる→敵倒す、というパターンに
慣れていたので、ライバルが助けるどころか更に敵、アイテムなし、というのはなかなか新鮮で面白
かったです。
 ただひとつだけ難癖つけるなら、殺生丸が出てくる意味が「一応オールキャストで出しとこう」的な
立場でしか描かれていなかったこと。
 何かをするわけでもなく、ただ歩いているだけ。ちょっと残念でしたね。例えば七宝を助けて立ち去る
とか、何か「この為に出てきたのか!」という役割が欲しかったかな。
 あともうひとつあったや。「時代樹」というのが非常に分かりにくかった。上の感想でも大分おざなりに
なっていますが、映画の中で私が理解したとおりに書いてます。つまり、瑪瑙丸が眠っていたのが
時代樹という木で、妖しい力を持っているらしく、その中に力が封印されていたらしいです。よーわからん。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

ヒロインコレクター さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

うーん

ちょっとこの作品は好きにはなれないですね
全体的に暗いし映画ってもっと楽しむものだと思うので見ていて苦行でしたね

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

ootaki さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

関係性がまだまだ

アニメ第1弾なのですが、見ていて少し辛かったです。悲劇が多過ぎて、戦国時代より過酷な内容でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
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