復讐で仲間なTVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の復讐で仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月20日の時点で一番の復讐で仲間なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

94.8 1 復讐で仲間なアニメランキング1位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1680)
7024人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 105

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

申し訳ありません…。何の成果も得られませんでした!。

 タイトル通りな気分で見終わりました…。仮に私には合わなくても、ヒットの要因の一つくらい切れっ端でも掴んで帰ってやる!と思って挑みましたが…。


私には「最低3話まで見て盛り上がらない作品はそっから盛り返すことはない」というジンクスがありまして、当初そこまで騒ぎになってない頃に数話見たがピンとこなかったので保留状態だったのですが、やはり避けては通れないタイトルですし、宙ぶらりん状態はモヤモヤするので挑戦しました。(物凄い長期作品はジンクス外ですが。)


本作は多くの要素を揃えているが、みんなそこそこという印象でした…。とにかく見辛くなるような要素が少なくてビジュアルも小綺麗にまとまっている。しかし、面白さとはマイナスが少ないことではなく、いかに強烈なプラスの要素や個性を打ち出せるか?ではないでしょうか?。


本作の問題点としてまず感じたのはキャラである。バトルものにおいては、敵役が非常に重要なのは今更言うまでもないだろうが、敵役にまで及ぶキャラ愛、キャラ造形の妙技を感じられない。中ボスは本当にかませか、能力だけが先行している駒という印象。


キャラづけのために過去回想でこんな悲しい事情が…な展開をやるのはあまり上手な手とは言えないが、決して全否定はしない。ただ、その内容が「別に…」で思わず沢尻エリカ状態になってしまう。


櫻井さん演じる薬売りさん初登場の「妖ayakashi」の一篇「化猫」や、私の大好きな「マルドゥック・ヴェロシティ」のボイルドみたいに壮絶すぎる悲劇や業を巧みにかつドラマティックに描けてこそ初めて悪堕ちの物語は胸を打ち共感に達する。


味方の人気キャラ?な善逸や亥之助もだけど、キャラを出落ち的にだけでなく奥行ある生きた存在にする技が弱いように感じられた。


それでは成功例を示せ!と言われれば、私は「ジョジョ」シリーズを挙げざるを得ない。かの作品では、中ボスどころか、モブですら名セリフを吐き、忘れ難い印象を強烈に残してくれる。能力バトルの面白さも雲泥の差。


というか、善逸たちはあんなに人気キャラなんだからもう大活躍で、炭治郎と硬い絆を築くのかと思ったら、本格的に出てくるのは11話以降とかで、戦闘も2回くらいしかない…(最初は顔見せ的なやつだし)。


つーか、二人とも出落ち的なインパクト勝負という印象だし、流石にウザ絡みとしかいいようながないテンションの連続はねぇ…。片方は引き算が効いたキャラにすれば良かったのに。


そもそも問題だが、主人公が何の欠点もない、クラスの良い子な感じの炭治郎なのはどうかと…。少年漫画の主人公ってアウトサイダーか、最低でもクラスの外にいるようなキャラだからこそオタクでも共感できる気がするのだが。あと、欠点が個性になるだろうに。


あと、2クールもやった割にはあまり話が進んでいないのが第2の問題だろう。2クールあれば、グレンラガンは穴底から宇宙へ、攻殻機動隊ならサブの話をやりつつ巧みに「笑い男」の物語を纏められるレベルである。


原作があるとはいえ、本作の大きな山って実質はvs累だけじゃね?という気が…。その累も打倒に血道をあげてきたわけでもなく、事件の影に常にいたわけでもなく、急に出てきたキャラだし…。あと、ラストの切りどころもなんか微妙。


そして個人的に一番の問題は、善逸の件で多少触れましたが「笑い」である。私が本作を視聴していて一番の強敵だったのはやたらコミカルシーンになるんだけど…そのたびに寒〜い気持ちになって虚しくなることが多いことでした。


映画評論家の町山さんの邦画についてのコメントを援用するなら「コミカルな場面でテンションとノリだけで持っていこうとしても笑えません。かえって寒くなるんです」。この言葉を本作に贈りたい。特に善逸(ちなみに下野さんは大好きですからあしからず)。


近年だと、軽妙にコミカルとシリアスのバランスを極めていた「よりもい」、宮野さんの怪演を中心に破壊的なギャグを打ち込んでいた「ゾンビランドサガ」という傑作が出てきてる中で、このテンション一辺倒なのは笑えない。


唯一笑ったのは、善逸と出会ってすぐの炭治郎の無表情のシーン。ちゃんと引き算のギャグになってるし、善逸のツッコミもちゃんとはまっていた。


まぁ、笑いのツボは人それぞれって言っちゃえば話は終わっちゃうのですが、それを言っちゃあアニメの評価も好きずきであって同じことだと思います。これが笑える人がいても否定なんてしませんが、少なくても私は全く笑えませんでした。


私としては、本作も近年見かけがちなバブル的に一時騒がれるけど、しばらくすればあれは何だったんだろうなぁ〜な作品の極端な一例に過ぎないと思われました。


本作がかつてのような伝説作品のようになって、長い間アニメ界に影響を与え続け、アニメ史上においてエポックな作品として絶対語られるようになる未来は全く私には見えません。


物凄く悪い作品とも、頭にくる作品とも言いませんが、なんか薄い作品だった…の一言で締めたいと思います。


(追記)

 劇場版もそうですが、本作のヒットは思わぬ要素、コロナと幼児にまでウケた点が大きいと思われる。とにかく主要キャラが総じて幼い感じで、そんな子達がワチャワチャしてて、クールやニヒル要素があまりない。そして、親御さんとして見せても安心な良い子感(それが私は物足りない)。そういった偶発的な要素が大きかったのではなかろうか?。後でもっと盛り上がってるところ映画化しても今回のような成功は二度とないでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

家族の肖像(※女性漫画家と新しい波の兆し)

アニメーション制作:ufotable
監督:外崎春雄、脚本:ufotable
キャラクターデザイン:松島晃、
音楽:梶浦由記、椎名豪、原作:吾峠呼世晴

最近の週刊少年ジャンプは、
ダーク系が主流なのだろうか。
『HUNTER×HUNTER』しか読んでないので
分からないが、『約束のネバーランド』も
同じ系統だし、読者層の年齢が上がって、
売れ筋も変化しているのかと想像している。

とはいえ、この作品が重視しているのは、
ジャンプの王道を踏襲した作風。
努力、成長、友情、純粋さ、家族愛など、
ジャンプに必要なものは、
全て揃えているように思える。

大正時代のある場所。
優しくて家族思いの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、
兄弟の世話をして長男としての務めを
果たしながら、毎日を懸命に生きていた。
家族の結束が固く、より大切にされていた時代。
ある日、町に炭を売りに出かけていた炭治郎は、
帰りが遅くなったため、知り合いの家に
泊めてもらうことになる。
夜になると鬼が出ると言われていたからだ。
{netabare}翌日、家に戻ってみると、母と兄弟たちが
惨殺されているのを発見する。
炭治郎はそのなかから僅かに息のある
妹の禰豆子(ねずこ)を抱えて助けを求めるために
雪山のなかを飛び出していくのだった。{/netabare}

{netabare}鬼に対抗して禰豆子を人間に戻す方法を探すために{/netabare}
炭治郎は、冨岡義勇の紹介で鱗滝左近次の元で
修行に励み、鬼殺隊に入隊。
禰豆子とともに鬼に対抗していく。

ここまでの物語はジャンプの王道展開そのもの。
修行して戦い、敵のボスと遭遇し、目的を確かにする。
大きな特徴といえるのは、相手側の鬼は
元々が人間で、昔の家族との記憶を
全員が朧気ながら持っていること。
その時の想いに沿った攻撃を仕掛けることもあり、
死に際には、家族の思い出とともに消滅する。
敵が人外であっても心を持った者であり、
そこを重視する作りになっているのは、
最近の少年漫画の流行りなのかもしれない。
この設定は『HUNTER×HUNTER』の蟻編を想起させる。

浮世絵を意識した水の表現法をはじめ、
作画面のこだわりは素晴らしい。
動きもスムーズで乱れるところがない。
制作陣の相当な意気込みが感じられる。
家族とのつながりを重視したのも、
関係性が希薄になりつつある今の時代に合っている。

ただ個人的にはストーリーに惹かれるものがなく、
第1話を除いた前半から中盤に関しては凡庸な印象。
よくある設定が想像通りに進んでいき、
敵との戦いにも新鮮さは感じられない。
絵の良さはあるが、戦いのシーンが長い割には、
刀で戦うという制約があるため、バリエーションが少ない。
また、炭治郎と禰豆子以外の味方のふたりが騒がしくて、
コメディにも辟易としてしまう。
ジャンプ作品なので仕方ないとは思うが、
お約束に縛られ過ぎていると感じた。
しかし、多くの人の心を奪ったであろう
19話の展開や魅せ方で一気に物語へ引き込む。

鬼の家族ともいえる集団が住む森に炭治郎たちは向かう。
十二鬼月のひとりである累を筆頭とした
蜘蛛の糸を操る鬼たち。
家族を大切にするという記憶だけに
取りつかれていた累は、恐怖による支配で
鬼の家族を形成していた。

蜘蛛の糸に捕らえられ、月光のなかで浮かぶ禰豆子。
炭治郎は死を覚悟して累へと突っ込む。
この回は動きだけでなく、止め絵の美しさも
しっかり考慮されているのが感じられる。

家族との思い出。
幼いころに見た神楽の記憶が炭治郎に力を与え、
父の舞が自身の動きと重なっていく。
一方、禰豆子の脳裏には母が現れる。
妹は兄を助けるために残った力を絞り出す。

誰にでも大切なものがある。
心と体が弱っているときに、
家族や大切な人が自分のことを
愛してくれているということを思い出すだけで、
大きな助けになることがあるのだ。
そんな普遍的なことを物語と映像で
ドラマチックに表現した手腕は見事だった。

鬼殺隊のトップである9名の柱。
十二鬼月の新たな追手。
鬼舞辻無残の血を得て、
より強力になった下弦の鬼が
炭治郎たちのいる列車に乗り込む。
続きは映画の無限列車編で。

家族の物語はどこに向かうのだろうか。
(2019年10月12日初投稿)

女性漫画家と新しい波の兆し
(2020年5月23日追記)

先日、週刊少年ジャンプで
最終回を迎えたというニュースが流れた。
ひとつの作品として、これは異例のことだ。
恥ずかしながら、リアルタイムでアニメを観ていたときは
社会現象になるほどの大ヒット作になるとは、
全く予想していなかった。
2020年5月の時点で、累計発行部数は、
6000万部を超える見通しだという。
2019年度の集計では、10年間連続1位を
獲得していた『ONE PIECE』を抜いた。
現在でもコミックスの品薄状態が続き、
映画公開も控えていることから、
さらに数字を伸ばすことが予想されている。
現在、たった20巻までしか刊行されていないことを
考えると驚異的といえる。
この数字は、過去の全ての漫画と比較しても
30位以内に入るという。
私の周りでも普段アニメや漫画にそれほど
親しんでいない人が夢中になっているのを
よく耳にするので、それだけ一般層にも深く
浸透しているということだ。

作品の特徴としては、やはり女性作者が少年漫画誌に
少年漫画のロジックで描いたことだろう。
上記でも触れたが、少年ジャンプに必要とされるものは、
全て揃えているように感じる。
ただ、そこに女性作者特有の視点が付加されている。
それが、多くの人々の琴線に触れたのだろうか。

家族愛がこの作品のテーマのひとつであることは
間違いないだろう。原作は未読だが、
アニメで観たところ、敵味方関係なく、
家族について多くの時間をかけて描写しているのは、
大きな特徴となっている。
しかも、時代は大正時代をわざわざ選んでいる。
そのことに頭を巡らせたとき、
昔、友人の女性と話していたときのことを思い出した。

「もっと昔の時代に生まれたかった」
と彼女は言った。
「今の時代はあまり合わないのよ」と。
いまひとつ意味を理解しかねて、
色々と話を聞いてみると、自分の祖父や祖母たちと
過ごした時間のなかで感じたり、書物のなかでの
知識によって、人と人との関係性や
家族の形、男女の役割など、全てが心地良かったようなのだ。
当時の私は、それを聞いて、よくある懐古主義なのかと感じた。
例えば、雑誌『サライ』を好きだと言うように。
昔の時代だと、不自由なことも多く、
楽しいことも今よりは少ないような気がすると私が口にすると、
彼女は、それでもいいと言った。
規律や狭い常識に縛られていても、
それが自分にとっては、合っている気がすると。
結局、私は彼女が感じたことをよく理解できなかった。

今になって思うのは、人生においてたくさんの
選択肢があったとしても、必ずしもそれが幸せに
つながるわけではないということを
彼女は感じていたのかもしれないということだ。
決められた自分の役割のなかで、
何かをひとつずつ選び取っていくほうが、
自分の性には、合っていると考えていたのだろう。
彼女は、とても頭の良い女性だったが、
地図を読めないことをよく嘆いていた。
彼女にとって、人生に対する考え方は、
もっとシンプルな形をしていた気がする。
それは、昔の日本文化のなかに確実に存在していた
「潔さ」や「温かさ」とでもいうべきものだったように思う。

私は『鬼滅の刃』が幅広い人々の
支持を受ける理由のひとつに
そういうものがあるのではないかと感じる。
主人公の竈門炭治郎は大家族の長男として、
毎日、懸命に働きながら、
たくさんの兄妹の面倒を見ていた。
彼は定められた自分の役割を全うすることで、
満ち足りた幸せを感じていた。
やがて鬼によって家族が惨殺され、
僅かに息のあった禰豆子を助けるために、
さまざまな困難に立ち向かっていく。
そして、禰豆子のために生きていくことを決意する。
決断に全く迷いはなかった。
そんな状況にありながらも炭治郎が大切にすることは、
他人の気持ちに寄り添うことだった。
たとえ、相手が鬼だとしても、その哀しみを受け止める。
多くの人々の哀しみを全て抱えながら、
敵に向かっていくのだ。
全てを背負う度量があって、ストイックで真っ直ぐだ。
こういうほぼ絶滅してしまったと思える男性像に
女性読者は惹かれるのだろう。
この層は「歴女」と呼ばれる人たちとも被る気がする。
また、善逸や伊之助も抱えている背景がしっかり描かれ、
その事情や彼らの強さの理由が分かるのもいい。
彼らは、自分のできることに向かっていく。

もうひとつ女性作者に特有だと思えるのが、
作品をズルズルと引き延ばしたりしないことだ。
最近の売れる漫画は、ほとんど終わることができない。
物語が終焉に向かったら、きちんと終わらせることも
作者の仕事ではないかと個人的には思う。
出版社側の立場だと「必ず売れるコンテンツ」は、
ずっと手放したくないのは理解できる。
ただ、そんな状況にあっても
幸せな作品の閉じ方を決断できるのは、
女性作者のほうが多いのではないかと感じる。
女性作者は基本的にラブストーリーを
描くことが多いため、
長く引っ張れないという事情も大きい。
それを考慮しても、女性漫画家のほうが
綺麗に終わらせるイメージがある。

指摘されているように、
妹がマスコット化されたことも
女性人気に火をつけた理由だろう。
喋らないヒロインが固定されることで、
主軸が男キャラばかりになり、
女性が好みそうな構図になっている。
これは少年漫画としては、異例ともいえるアプローチで、
読者には新鮮に映る。
ただ、爆発的なブームの理由が、
この部分だけと言われると、それは、無理がある。
あくまでも、ひとつの要素だろう。

いずれにせよ、この作品の大成功で、
ますます少年漫画誌における
女性漫画家の進出が加速する気がする。
同じ少年漫画のロジックに基づいても、
違うタイプの作品ができあがることを証明したからだ。
それは、少年漫画誌における新たな波となって、
今後の業界を大きく変えていきそうだ。
もちろん、アニメ化が大ヒットの大きな要因。
制作を担ったのがufotableで、
その技術力の高さや見せ方の工夫は卓越していた。
今後、残りの原作がアニメ化されるのを楽しみに待ちたい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 91

88.4 2 復讐で仲間なアニメランキング2位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1176)
5537人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タイトルに偽りなし!

原作未読。最終話まで視聴。

主人公がハメられ、酷い目に逢わされる第1話から始まる、他の異世界転生モノとは一線を画す作品。
主人公の尚文たち同様、視聴者も、何度もどん底に突き落とされる。
こういう所が、好き嫌いの分かれ目かも知れない作品。

私も何度も、どん底に突き落とされ、不快な思いをしました。
尚文たちが少しでも上向くと、必ず、突き落とされる。

{netabare}終盤に、女王の帰還をもって初めて、正当な評価を得られる。

しかし、『クズ』と『ビッチ』は逆恨みを増長させるばかり・・・。
剣、槍、弓の勇者もどきは、尚文たちに謝罪の一言もなく、相変わらず、一人前に勇者気取り・・・。
むしろ、ここまでくると笑えてくる。{/netabare}

人間たちの内側に秘めた汚さ・愚かさの表現が秀逸。
逆に、尚文とラフタリア、フィーロ、メルティの絆の美しさが光る作品。

ラフタリアとフィーロの感情表現の豊かな表情が、とても好印象の作品です。

続編を期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 63

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再視聴で最後まで

私が感じた限りの駄目な部分を箇条書きで挙げさせて頂きます。


Ⅰ.異世界に転移した経緯の部分が雑過ぎること
世界を救う為に転移させられた → わかります○
転移させられたのが日本人だけ → わかりません×
特別な能力(特殊能力や身体能力)がない一般人 → わかりません×

普通に考えて世界の危機を救う為に転移させるなら、身体能力や特殊な技能を持っている方を呼び出しますよね?
呼び出しできる相手を選べないだけだろうと皆さんは思うかも知れませんが
その場合だと仮定した場合でも何故、日本人だけ?
しかも若い日本人男性だけ??となる訳です。
完全にランダムで不確定な召喚魔法だとしたなら、日本人で男性で年齢が若い者だけというのは些かご都合主義が過ぎるのでは?
と凄く感じました。

Ⅱ.登場人物が転移後の世界に慣れるまで秒なのが、ご都合主義過ぎて違和感
現実で自分自身が異世界に転移させられた時のことを想像してみて下さい。
まず夢と考えますよね?
そして現実だと理解するまでにある程度の時間を要すると思います。
更に異世界でモンスターがいる世界だと認識した際、物事を進める上で警戒をし
慎重に物事を進める筈です。
それこそ我らが偉大なる御方アインズ様のように。

それが転移しました。
あー異世界なのかぁ~ → 勇者なのね! → 世界救ったら報奨金くれよな
となるのは異世界転移の経験者か余程の愚者かの二択ですねぇ~

Ⅲ.マインに盾の勇者(岩谷尚文)が騙され身包みを剥がされる件の場面で
全員一致で盾の勇者を犯人だと決め付けるのはどうなのでしょうか?
マインの装備が豪華な物に変わっていたり、盾の勇者の所持金や所持品が無くなっていることなど
少し考えればマインを疑う者が出てもおかしくないのではないでしょうか?
それが全員揃って疑うことをしない愚者だけとは……このデミウルゴス頭が痛くなりますねぇ~


と駄目な部分を箇条書きで3項目挙げさせて頂きましたが
他にも個人的趣向の部分で申し上げるなら
盾の勇者の仲間になるであろう面子に男がいないことなどが頂けません。
理由があればいいのですが、理由のないハーレムは私個人として毛嫌いする要素ですので……

リゼロ、オーバーロード、幼女戦記、転スラ etc...
など数多くのなろう系作品を観て来ましたが
転移の理由付けなど、各所に渡り設定の甘さやご都合主義が目立ち
とてもではありませんが、今後観る価値がないと言わざるを得ません。
私自身、アインズ様に仕える身ですので
多忙であり、時間がないので視聴する作品は厳選したい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

*************************
16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

85.7 3 復讐で仲間なアニメランキング3位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1043)
5029人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

奴らは『馬鹿』だが、『間抜け』じゃない。 (、なので『知性』はあっても『迂闊(&慢心)』な奴らは当然・・・)

※ご注意※
初めて見る方は、作品上リョナ描写(女性の凌辱・嬲り強姦)や、血飛沫流れる惨殺描写があるので、或る程度の『耐性・心構え』をもって視聴して下さい。
(定番の安定したキャラ画なので要注意)
あらかじめ原作小説やコミカライズを読むのもイイですが、オススメは洋画のリュック・ベッソン監督『ジャンヌ・ダルク』の冒頭シーン。
フランス百年戦争のさなか、幼少のジャンヌの村に粗野で『野蛮で下品なイングランド兵』が押し入ってくるシーンを見ておくのもいいと思います。(イングランド兵をゴブリンに“見立てる”となお良し)
(ってゆーか、皆さんもうご存知ですよネ)


2019.01.10【簡易感想】

「まおゆう-魔王勇者-」と同じくキャラに固有名は無く、吟遊詩人の語りのような寓話的構成。なので、会話シーンはヤハリ見づらいような、落ち着かないような・・・正に「歴史に『名』の残らない男の物語」。(笑)
ファンタジー異世界で、魔王軍と戦うヒューム(人族)と各種族(エルフ・ドワーフなど)同盟の物語が『主軸』でありながら、話のメインは亜流(支流)のほうになります。
勇者パーティー(女の子3人)が居ましたが、本編とあまり関係なかったですね。(笑)

神々がダイス(サイコロ)を振り々々世界を構築した象徴かのように、夜空にはダイスみたいな「緑と赤の月」が浮かぶ世界。
超弩級のモンスター退治等で名声や箔を付けたがる者にとってゴブリン退治は「ドブさらい」みたいな認識。(でも命がけなドブさらい)
個体は弱小でも家畜のように簡単に屠殺できるつもりでいたら、集団で見事に返り討ちにされてしまう危険な存在のゴブリン。
すでに他の方々が言われるように、こちらに登場するゴブリンは知性は低いが(生産力・想像、創造力無し)凶暴・凶悪で、略奪・強奪、殺傷・惨殺、狡猾・残忍、増殖の為に婦女強姦と「純粋な悪(災厄)」。
(正に『ヒャッハーーー!』な集団。「オネガイ助ケテ、モウウシマセン」と命乞いをする『フリ』に気を緩めると、確実に後ろから脳天カチ割られてしまいます。)

その中でただひたすらゴブリンしか興味が無く、ゴブリンを狩りまくる男“ゴブリンスレイヤー”。
寡黙で超慎重、生真面目すぎて人との関りが上手く出来なく、他者からは変人扱い。(でも、判ってくれる人はちゃんと居ます!)
そして仕事(ゴブリン退治)は自信のコンディションや休養を顧みず、容赦なく徹底してゴブリンを殺しまくるプロフェショナル性。
こんな事(日々)を続けたら人間性が喪失しそうですが、かろうじて保っていられるのは幼馴染の“牛飼娘(爆乳)”のおかげなのでしょうね。
そして、ゴブリン退治を甘く見て全滅したパーティーの生残りで駆け出しの“女神官(現実の残酷さを目の当たりにしてチビることチビること)”と出会い、
同盟の指示で嫌々下層災厄のゴブリン退治の仕事を押し付けられた、
“妖精弓手(最年長だが容姿は若く、現実の残酷さを知らない『冒険』に夢見がちなエルフ)”
“鉱人道士(酒好きの陽気な爺さんなドワーフ)”
“蜥蜴僧侶(乳製品が大好物。ネイティブ・アメリカンな姿のリザードマン)”パーティーとつるむうちに、徐々に堅物だったゴブスレが柔らかくなったように思えて見てて好感でした。
(でも“剣の乙女”は犯罪被害者遺族の心象みたいで重かった~~・・・)


(底辺の?)アナザーストーリーな感じなので、地味で嫌なモノも見られますが、
・ありきたりな王道ファンタジーに飽きた方には、狩猟の専門性や迷いの無いゴブリンの殺生とマヌケなヒューム側の犠牲者に嬉々し、
・キレイ事のファンタジーが好きな方には、嫌悪と蔑視があったかもしれませんネ。

でも、敢えて「誰もやらなかった(やりたくなかった?)」ジャンルで、且つ丁寧気味に仕上がってるので良かったと思います。
続きがあるようなニュアンンスでしたので、気長に2期目も期待してます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

TRPGの世界観に抗い、サイコロの出目に左右されず生きる

アニメーション製作:WHITE FOX、監督:尾崎隆晴、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志
原作:蝸牛くも

RPG世界に存在するモンスターのなかで最弱とされるゴブリン。
退治しても稼ぎが少ないため、冒険者たちは要請を避けることが多い。
しかし、ゴブリンだけにこだわって討伐する男がいた。
多くの人々は蔑みも込めて、彼をゴブリンスレイヤーと呼んだ。

残酷描写が話題になった作品で、海外からの人気は高い。
その理由として考えられるのは、
主人公のキャラクター像だと想像する。
復讐の炎に身を焦がす、過去に傷を持つ男というのは、
ハードボイルドを好む層に魅力的に映るのかもしれない。

元はアスキーアートを使用した二次創作的な作品で、
ゴブリンだけを殺す男がいても面白いのではという
単純な発想から生まれ、様々な既存作品のキャラクターを
当てはめて発展させたものだ。
そんな経緯からか、登場人物たちには全員名前がない。
例えば主人公のゴブリンスレイヤーは、
ドラクエに登場する「さまようよろい」がモデル。
鎧兜の後ろから出ている赤い飾りのデザインなどは、
完全に「さまようよろい」と同じだ。
ほかにも牛飼娘が『銀の匙』の御影アキだったり、
鉱人道士(ドワーフ)がハンター×ハンターのネテロ会長だったりと、
言われてみると、確かに似通ったデザインだったりする。
調べてみると、それぞれモデルがあるので面白い。

さらに世界観はバックボーンとされているTRPGという、
テーブルゲームのひとつである会話型RPGを想定している。
プレイヤーはサイコロを振ることで運命が決まっていく。
作中で頻繁にサイコロが出てくるのはそのためだ。
ゲームマスターという全体を裁定する神のような存在がいて、
秩序や平和を望む人々と魔人王が支配する混沌を
目指す勢力に世界は二分されている。
これらを理解していないと、
作品の全体像が見えないのが正直なところだ。

というのも、この作品をリアルなRPGというつもりで
観ていると、かなり多くの部分で疑問を感じてしまう。
まず、ゴブリンをこの世界で弱いとしている
説得力をほとんど感じることができない。
もちろん、RPGをやったことのある人なら
事前のイメージでそう思えるだろうが、
この作品のゴブリンは知性がないといえど、
普通に剣を振り回してくるし、毒を塗った弓矢も放ってくる。
毒にやられると短時間で死んでしまう。
死亡すると生き返ることができない。

この世界では物語の何年も前からゴブリンによる殺戮が頻発している。
性格は狂暴で、人間を殺して強奪することを当然と思っている。
そんな危険な相手が雑魚と見なされ、相手をするのが
駆け出し冒険者しかいないということが既に納得できない。
当然ながら、複数で来られたらやられてしまう。
シャーマンや「渡り」などの上位種がいれば尚更のこと。
これは国家レベルで対処しなければならない事件だ。
しかも、ゴブリンはオスしかおらず、女性の人間を襲い、
短い期間で自分の子供を何匹も産ませることが可能だという。
だとすると、ゴブリン相手に女性の冒険者、
しかも駆け出しが討伐に向かうことなどあり得ない。
これは、より残虐シーンを描きたかったためだけと思え、
個人的には、設定が破綻していると感じた。

また1話でリアルな描写を入れているのは良いのだが、
{netabare} そのままの世界観で物語が進むのかと思うと、
その後は、百匹以上はいると思えるゴブリンたちを、
たった5人で殺してしまうなど、
どう控えめに見てもリアルなどとは思えない。
相手が毒を使うときに限って、
毒に反応するカナリアを連れて行くのも{/netabare}ご都合主義だ。
リアル描写として納得できるのは、
洞窟で長い剣を持っていくのはタブーということや、
大量のゴブリンを刺すときに血糊で滑るので、
敵の武器で殺していくというところくらいなもの。
途中からは普通の異世界ものとなってしまった印象だ。
またゴブリンスレイヤー以外のキャラの掘り下げも
ほとんど見られず、凡庸なストーリーといえる。

ただ、この作品をリアルなどと考えずに、
残虐シーンのある異世界ものという感覚で、
そしてTRPGということを踏まえて観ると楽しめる。
{netabare} 例えば、8話でゴブリンスレイヤーが、
死にかけるのだが、{/netabare}
TRPGの神のような存在が興じる不条理な世界に
抗うという描写があって、面白いと思った。

全体の作画の雰囲気や効果音、OPの音楽などは
この作品にとても合っていたと思う。
また、全12話の物語を俯瞰して、
ゴブリンスレイヤーの人生を追って考えてみると、
構成や脚本は上手くまとまっている。
これは、最後の2話分の展開が優れていたことが大きい。
視聴者は最初から少しずつ
ゴブリンスレイヤーの苦悩を見せられている。
{netabare}村が襲われ、大好きな姉が目の前で凌辱され惨殺されたとき、{/netabare}
怖くて動けなかったことに対して自分を責め続け、
ゴブリンを殺すことに異常な執着を持つようになる。

そんな心を失った男が次第に、他人に心を開き、信頼を得ていく。
多くの人々の力を借りて{netabare}大量のゴブリンから牧場を守ったことで、
ゴブリンスレイヤーのなかで何かが大きく変わった。
その結果「ゴブリンを殺すだけ」ではなく、
「冒険者になりたい」という将来の希望を
初めて口に出すことができたのだった。{/netabare}
苦しみも哀しみも、そして喜びも他人と分かち合えることが、
人生をより豊かにすることを彼は初めて知ったのだ。
このゴブリンスレイヤーの心情の変化に
至る展開は上手く描いていた。
ラストに続編があるようなテロップが出たが、
ひとつのお話として、現時点でしっかり完結している。

自分の望むことを得るためには、
サイコロの出目になど左右されないほどの
何かをやり切るだけの強い意志と
周りを動かすだけの力が必要なのだ。
(2019年2月9日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄譚には決して載らない名もなき男の話

2019.01.06記
原作未読


重たい話と聞いたので。シリアスものは好物なのです。
全12話のダークファンタジー。下手なあらすじより↓のキャッチコピーが分かり易いです。

『俺は世界を救わない ゴブリンを殺すだけだ』

{netabare}目の前で姉をゴブリンに凌辱されて殺されたトラウマを基盤に{/netabare}ゴブリン殺しに執念を燃やす寡黙な男の物語です。
RPGでもステータス低め。こんぼうで屠れるくらい非力。雑魚キャラの代表格のゴブリンですが、習性を聞くとけっこうパンチが効いてる感じです。
臆病。集団で村を襲う。略奪種族で物を作る発想はない。メスがいないため他の種族(人間とか)に種付けする。対人間の場合、男は殺し女は輪姦す。生き残ったものは学習し力を蓄えてく。成熟度にあわせて、ホブ・シャーマン・ロート・チャンピオンなど意外と種類豊富だったりもします。
まあ同情の余地はない感じです。{netabare}子供のゴブリンを容赦なく叩き殺すシーンがありますが感情動かされることはありません。当たり前のことです。とはいえ珍しい描写ですね。子供に手をかけるのってご法度みたいなところがありますから。{/netabare}

エログロに目がいきがちではあります。ゴブリンの習性を鑑みて、主人公ゴブリンスレイヤーVSゴブリンのシンプルな対決構造でもあります。無論エログロないしバトルの賞味期限はそれほど長くないため屋台骨が必要です。この作品の場合はこちらを面白く感じられるか?なんだと思います。それは、、、


 愚直にPDCAを回す職人の話


1話 ビジュアルで視聴者を引き付ける
2話 世界のルール説明
視聴理由がカタルシスを得る目的なら違いますし、物語構成は後半追い上げ型ともちょっと違いますので、2話まで観て肌に合わなければ撤退可でしょう。
そしてこの主人公であるゴブリンスレイヤー。ひたすらゴブリンを狩る男は実は意外と弱い。ステータスはきっと半端なものでしょう。だからこそ、考えて実践し修正しそして繰り返す。感情を廃した極端なまでのストイックさは弱さを覆い隠すための鎧のようにも思えます。

世界を救う勇者ではなく、町の一介の小鬼殺しにスポットをあてる発想は自分には新鮮でした。その昔やっていた某『プロジェ○トX』が好きな御仁にはこの物語はけっこうしっくりきそうな気がします。どこかしら中島みゆきの歌声が聞こえるようなそうでないような。“女神官”“妖精弓手”キャラの固有名称無い理由が名もなき地上の星の物語だからというわけではよもやあるまいとは思いますが。。。
自分はしっくりくるものがあって楽しめました。

なお、コミュニケーションを取るのがド下手な今後の彼が心配です。待つ女“牛飼娘”を筆頭に、好意を寄せてくれる面々から影響を受けてさらに一段レベルが上がって欲しいですね。
{netabare}協力を仰いで総力戦へと繋がった最終盤は意外と彼には人望のあることがわかりました。一人の限界を超えて複数人のパーティをマネジメントできるならレベルアップも可能でしょう。{/netabare}

淡々というより黙々とした展開。その中で“妖精弓手”“女神官”“牛飼娘”“受付嬢”ら女性陣がアクセントを加えて飽きのこない作り。良作です。



■余談 ※あくまで個人的所感です
リアルでも“女子高生コンクリ詰め殺人事件”を筆頭に、国内においても、まるでこの作品で描かれたゴブリンの所業と思しき事件はあるとの前提ではありますが、規模と実態という意味で、
{netabare}本作は『竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記』に記述されている世界の異世界版と見立てて鑑賞してました。
※詳細は省きますが一言でいうと敗戦後の引き揚げ体験記で、原典はアメリカの中学校で教材として扱われておりました。しかしこの物語を当の日本人が知りません。{/netabare}
{netabare}誤解無き様、特定の国・民族を貶める意図はありません。事実の把握、起こったらどう対処するか、起こらないようにどう対処するか、それ以上でも以下でもないです。己の思考に自信満々との傲慢さもなく、集合知を信頼したいので事実は共有されるべきと考えてます。これをもって憎しみを増幅させるから止めろとのご意見は拝聴しても、「仮に起こったらどうするか?」または「同じことが起きない様にどんな準備をしてるか?」と問うことになると思います。{/netabare}

第二第三の剣の乙女を生まないようにするのが男子の務めでしょう。

{netabare}「わかってもらいたかった 怖くてつらくて痛くて恐ろしくて そんなことがこの世にあって そういうことをするものがこの世界にはいる 分かってもらいたかっただけです」剣の乙女(第9話){/netabare}

奇しくも世界を救った勇者さんが言ってるじゃないですか。

{netabare}「僕たちが世界を救ったって村が滅んじゃったらやだもんね~」勇者さん(最終話){/netabare}

{netabare}その勇者さん、魔人王を前にしてこうも言ってました。「これが終ったら村に戻って三人でお祭りに行くんだー!」(10話)。{/netabare}

大事を成す(世界を救う)者にも依って立つところ(村)は必要です。足元を支える裏方さんのお話でした。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ 

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2019.01.06 初稿
2019.06.22 追記
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 89

76.6 4 復讐で仲間なアニメランキング4位
ダーウィンズゲーム(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (506)
2271人が棚に入れました
平凡な高校生である須藤要のもとに見知らぬアプリ「ダーウィンズゲーム」の招待メールが届く。アプリを起動させてしまったカナメは、プレイヤー同士が異能を駆使して戦うゲームに巻き込まれてしまう。わけもわからぬまま、襲い来る強力なプレイヤーとのバトルを切り抜け、カナメは生き残ることが出来るのか!?

声優・キャラクター
小林裕介、上田麗奈、大森日雅、八代拓、花守ゆみり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

燃えよダーウィンズ!

原作未読


言いたいことだけ言おうかしら!?
注)読み手無視します。悪しからず。


【高校の同級生's】

 須藤要(CV小林裕介)
 京田浩之(CV小林千晃)
 篠塚ヨウタ(CV落合福嗣)
 ハマダ(CV広瀬裕也)


着ぐるみ『バンダ君』がどう見ても『ドアラ』にしか見えない件
背番号は“1994”ならぬ“666”ってオーメンですか?

バク転せずに包丁持って今日も新人狩りしてます。まずはハマダが…

おいおい!うちのドアラになんてことさせてんだ!ったくもう


ん!?京田を新人狩り?

川上憲伸以来のうちの新人王になにしてくれてんだ!オラ


2011年の優勝以来、守道が継いだ翌年を除きずっとBクラス。ちょっと気が立ってました。すみません。

その優勝決定の横浜スタジアムはバックネット裏に居た私です。
岩瀬でなく浅尾でのゲームセット
優勝監督インタビューの後に現役時代のチャント


 {netabare}さーんかん 落合 広角 打っ法~{/netabare}

 {netabare}レフトへ ライトへ ホームラァーンンー{/netabare}


あの甘美な一瞬をもう一度味わいたい
背番号“666”じゃなかった(^_^;) “66”よもう一度!

しかしそれは二度と叶わぬ夢。親会社の紙面ばりに見当ハズレなことしかせん球団首脳に辟易ですわ。


それにしても福嗣クンのキャスティング狙ってませんかね?
スタッフの中に重度のドラキチがいるに違いません。


我ながら見事な考察。もう今シーズンの仕事はやり切りました。


{netabare}アンコールですか!? しょうがないなぁ{/netabare}


主題歌はASCAの『Chen(チェン)』…じゃなかった『CHAIN』

内容にも少し触れとくと、主人公カナメはどうやら新人ながら特別な力を持ってミラクルを起こす模様です。まるでウォーリー与那嶺みたいですね。
彼が率いて巨人のV10を阻止したナゴヤ球場になんと私のリアル父親は居たそうです(マジ)。血は争えません。残念ながら球場の中には入れなかったらしいですが(笑)



ダーウィンっていうくらいだから種の進化的ななにかを期待してました。
例えば父には果たせなかった優勝の瞬間を球場の中で迎えるコツみたいなのをです。
蓋を開けてみたらただのデスゲームでしたね。巻き込まれ型のやつにストーリーを望むべくもありません。食傷気味です。

渋谷を舞台に多人数参加のデスバトル始まりましたが見るべきはちらっと映ったセンター街入口の大盛堂書店でしょうか。創業者は言わずと知れた“不死身の分隊長”船坂弘元軍曹であります。
興味あったらお調べください。このデスゲームが屁に見えるくらいの戦地アンガウルで、このアニメに出てくるどのキャラも鼻糞に見えるほどの生き残りの執念を見せた軍人さんです。


※{netabare}大盛堂書店と球団以外のネタは第一話に全部詰まってます。{/netabare}




■結局最後まで観てしまった

ドラゴンズ&渋谷への愛着の残り香と全11話で短めなのもあってまあいっかと最後まで。
結局デスゲームっていくら主人公が足掻いたところでゲームを作った人を超えるにはなりにくい。破滅願望あるゲームマスターならワンチャンありそうでもそうなるとしらけます。それこそ「殺されるために殺す」みたいなね。

{netabare}終盤で仲間になったランキング1位のお姉さんはどこいっちゃったの?{/netabare}

ストーリーへの期待を捨ててバトルっぷりを楽しむという作品です。



■僕は気づいてしまった

思った以上に、シュカ(CV上田麗奈)がイカれてて良かった。

で、アニメに感じる物足りなさの話になるんですが、カナメとの濡れ場がない不自然さ。
これ以外にもいくつか作品を鑑賞してきてアニメ作品で濡れ場がないことにすっかり慣れてしまいました。しかし湧き上がる違和感。

 グロ と ○○

 ヴァイオレンス と ○○

対になるであろう ○○ に入る単語ってあまり求められてなくって僧侶枠でやれば?くらいの扱いなのかしら、と思います。
マスではそうかもしれませんが、きちんと描かれてる作品は総じて自分の評価は高い。『虐殺器官』『PERFECT BLUE』あたりがそうでした。


{netabare}例えばクライマックス最終話。笑顔で人体を切り刻めるシュカ。グロと暴力で彼女の狂気が伝わってくるシーン。カナメだって、殺人への躊躇いを振り切ってワンらの手駒をばんばか射殺してる頃合い。
そんな二人が闘い終わった直後なんて昂ぶってるでしょうに。回りくどい言い方やめれば

{netabare}ヤルだろう、普通。{/netabare}

隠すことで逆に嘘っぽくなってしまうことに僕は、気づいてしまった。
それか実写映画のお約束を踏襲してくれないことへの不満なのかなぁ。{/netabare}

いややっぱり違う。昂ぶれば行為に至る。「リオのカーニバルベイビー」「楽園ベイビー」。名作『クラダルマ』主人公の出生タイミングも災害下緊急事態に種の保存本能が働いたからだし。

何処がダーウィンやねん!?
種の保存より断絶に向ってることにも気づいてしまった僕は続編あっても観るかは微妙です。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.28追記


ドラゴンズ元ネタ詳細 注)ダ:ダーウィンズ ド:ドラゴンズ

・{netabare}ダ:バンダ君 ド:ドアラ 見ためが酷似{/netabare}
・{netabare}ダ:京田浩之(要の同級生) ド:京田陽太(2017年セ新人王){/netabare}
・{netabare}ダ:666(バンダ君の背番号) ド:66(落合博満監督の背番号){/netabare}
・{netabare}福嗣クン ご存知、落合博満氏のご子息です{/netabare}
・{netabare}ダ:CHAIN(主題歌) ド:Chen(2004-2011在籍の台湾出身投手)
  {netabare}※学生だった彼をスカウトしたのは故大豊泰昭氏です。彼も台湾出身。{/netabare}{/netabare}
・{netabare}ダ:カナメ(Dゲーム期待の新人) ド:ウォーリー与那嶺{netabare}⇒名は要{/netabare}{/netabare}

皆さんいくつ見つけられたでしょうか?



2020.03.21 初稿
2020.04.28 追記
2020.10.09 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53

六目チャー飯 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

性懲りも無い作品

相変わらず目新しさの無い金太郎飴的な世界観に辟易する。
デスゲームに異能力、ラッキースケベと色んな要素をてんこ盛り。

まだ最初だから色々説明不足は当然としても、
それを知ったところで興味が湧く気配は全くないし。

それより、キャスティングの違和感や回りくどい台詞、
多すぎる一人語りが痛すぎて見てらんない感じ。

なんか色々とセンスないよねえ。

絵は綺麗だからしばらくは様子を見てみるけど、
より印象が悪化する気がしないでもないかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

sukesuke さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この主人公、うざいぞ。

フツフツと感じるこのうざさ。
説明されたのに、そんなこと聞いてない! なんで!? というやり取りのオンパレード
まじでバカだ。本当にバカだ。

というか演出でわかるように説明されてるのに、全て主人公を通して説明してくる。
さらにその主人公がクソバカなもんだから反吐がでる。
原作がこうなの? まじで視聴者バカにしてるわ。

4話で諦めそうなんだが、しばらく垂れ流そう。
ほら、いつも通り総合得点詐欺のアニメだってわかるかもしれないな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

76.8 5 復讐で仲間なアニメランキング5位
K(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1510)
8631人が棚に入れました
葦中学園高校の屋上で、シロこと伊佐那社は1匹の仔猫と共に昼食をとっていた。昼食後、クラスメイトのククリから学園祭の買い出しを頼まれたシロは街へと向かうが…!?
現実とは異なった歴史を歩んだ現代日本が舞台。7人の「王」それぞれの確執と、巻き込まれる少年の運命を、異能者バトルと共に描く。


声優・キャラクター
浪川大輔、杉田智和、小松未可子、津田健次郎、小野大輔、宮野真守、沢城みゆき、堀江由衣、櫻井孝宏、福山潤、中村悠一、佐藤聡美、梶裕貴、柿原徹也、飯塚昭三
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

<最終話まで視聴完了> いろいろともったいなかった

登場人物、いわゆるイケメンだらけで女性少なめ。
声優陣は素晴らしく豪華。作画も細かくて綺麗。
街を行き交う人々の描写も、実写映像観てるようなリアル感。
だけど・・・
スピード感溢れるアクションシーンもそこそこ見応えはありながら
結局最後まで、物足りなさと説明不足を感じてしまってた。
自分の理解力が足りなかったんだろうか・・と公式サイトを確認したら、
「現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本を舞台に」って書いてあった。
でも、1940年代の第二次世界大戦はチラッと出てきたよね。
っていうか、そこ・・けっこう大事だったんじゃなかったか。

キャラデザや作画、声だけでは引っ張れないものだなぁとつくづく思った。
どんなジャンルにおいても、物語の内容が肝心。
それに何より、いくらどれだけ脇役陣がカッコよかったとしても
主人公にある一定以上の魅力がないとね。
もしかしてその魅力を表現するシーンとして、ところどころコミカルな部分が
描かれていたようだけど、逆効果だったようにも感じずにはいられない。

何がしたいのかとか、人物関係は把握できたものの、
腑に落ちない部分がたくさんあって、なんとももったいない。
登場人物が多すぎたのかもしれないし、話があっちこっち飛びすぎて
元ネタは奥深そうで興味沸くのに、とても満足はできなかった。

男同士の愛憎に関しても、なんだか観てるとじれったいというか中途半端。
モヤがかかってスッキリしないし、そこはもう少しストレートに
表現しちゃったほうが納得もできた気がする。

とにかく、観る人の好き嫌いはハッキリ分かれそう。
なんと続編制作決定、とあったので、そちらのほうに期待すべきなのか。

音楽や声、キャラの顔つきなど、けっこう好みだったので
☆評価は高めになってしまったけれど
続編は物語をもう少し固めてくれるといいなぁ・・
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<8話の感想>

山盛りあんこ、やたらアピールされることが、解せぬ(笑)
なぜかヘリだけすごいリアルなCGで笑ってしまった。
納得できる終わり方になるのか、ちぃっと不安。
---------------------------------------
<7話の感想>

んん?ついにか?って思ったら終わっちゃった(笑)
次回以降に期待。
---------------------------------------
<6話までの感想>

事件のいきさつがようやくわかってきたものの、
まだ不透明なところが多い。そう、不透明さと透明、無色。
無色であるシロはいったい何者なのか?猫は何者なのか?
黒幕がまだ登場していないのだろうね。
--------------------------------------
<4話の感想>

断片的にはクスっと笑えるけれど、なかなか本題にいかないし
いかないとしても、もう少し練られた伏線を投入して欲しい。
でないと惹き込まれないし、ダレてしまうよ。
アクションシーンとか、いい台詞とか見応えを感じるシーンがほとんどなく
いろいろとすでにミスリードされてるだけで、本当はきっと
すごく単純な話なのかもしれない・・と思えてきた。
この作品、最終回後に一気に観る方が良いかもしれないね。
-----------------------------------
<3話までの感想>

原作のないオリジナルアニメということで、
毎週ごとに謎をかけられていくような気がしてきた。
反響ばかりを期待して内容が疎かにならないといいなぁ・・

部屋にある武士言葉を話す掃除機とか、食事シーンや
あっちこっちでの会話にコミカルな部分を配置してるだけでなく
今回、やや京都弁の草薙(櫻井孝宏)がマスターを勤める店で
スケボーくんの八田(福山潤)と太っちょ白パーカーサングラス男
釜本(中村悠一)が取っ組み合いの喧嘩をしてマスターに叱られるシーンが笑えた。
だってまんま『しろくまカフェ』のマスター(櫻井)とパンダ(福山)と
グリズリーベア(中村)だったから。
それに、最近は高校生や草食系青年役が多かった中村さんが久々に
ワイルドメンズな声(熊以外で)を出してくれているのが嬉しい。

で、今回は前回以上に {netabare} BLっぽいノリが随所に見て取れたので {/netabare}
やはり多くの人が感じたらしい第一印象は当たっていたのかも。
深夜枠とはいえTV放送なので、露骨な描写はないと思うけれど
今の段階で『咎狗の血』くらいな雰囲気はあるからねぇ。
個人的には全然OKなので、何でもどんどんやってくれと
楽しみにしているのだけど、軸はしっかり描いて欲しいなぁ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 66

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

わーかりたい、わーからない、わーからーずーやー♪

各色の王様やその仲間達の異能バトルなお話ヽ(*´∪`*)ノ"

第一王権者 白銀の王  
第二王権者 黄金の王
第三王権者 赤の王  
第四王権者 青の王   
第七王権者 無色の王

アニメではこの5人の王様がでてきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★(?)★メインの3人。
主人公シロ、
ヒロインのネコ
行動を共にして行く事になるクロ。
観てて癒されるバランスの良いチームって感じです♪

★赤★
個人的に思ったのは赤の王 周防尊(すおうみこと)が 率いる組織「吠舞羅」。
暖かくて、仲間思いで、笑いがたくさんの
すごく素敵なメンバーだと思いました☆
尊って見た目ちょっと怖いし、もの静かで話し方もだるそうな話し方
なんだけど、すごくいい人柄って感じで、心優しいから
ついていく仲間がたくさんいるんだろうなって思いましたヽ(´∀`*)ノ
あと、11歳の少女のアンナが可愛い♡
アンナに対する尊のさりげない優しさが好きです〜!

★青★
青の王でセプター4室長 宗像礼司(むなかたれいじ)。
公的機関である対能力者治安組織でまぁ、警察的な感じですかね。
一時は「吠舞羅」にいた伏見がセプター4へ。なかなか好きなキャラです。
セプター4になぜ行ってしまったのか・・「吠舞羅」の八田が絡んでます。
伏見と八田とはーーーーー。

印象に残る、赤と青について少々書いてみました。

ちなみに私的お気に入りキャラはクロと伏見ですね・・ですが・・
・・・うーん・・いいキャラいすぎて迷いますっw


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてもちろん忘れちゃいけないのが主人公シロの存在♪
シロの性格とても好きです。
どことなく可愛い少年ですが、終盤〜最終回はとてもかっこよかったですヾ(●´□`●)ノ

白銀の王とはいったい誰なのか?
黄金の王とはなにものなのか?
そして無色の王とはーーーー?

謎がたくさんのこのお話。
ぜひ観て欲しい作品(オススメ)の1つです。

とてもおもしろい作品で私は満足です★
泣くまではいかなかったけどジーンとしたシーンや特にシロが放つ台詞に
涙でそうになりました( -ω-。)

OP曲「KINGS」が大好きです♪テンション上がる!
ED曲「冷たい部屋、一人」は、OPとは対照的でゆったりしてて、こっちも結構好き♪
OPのサビの部分で背景月にクロの姿が一瞬映るんですが
とーってもかっこよくて何回もリピートしましたっw
EDのネコはもう美しい♡その一言ですヽ(@´з`@)ノ


映画観てないので観たいです!
あとは秋からの2期楽しみです〜♡

読んでくださりありがとうございました人´Д`*)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 45

ちゃ~しゅ~ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

声優の無駄遣い(~_~;)

皆さんどうお思いでしょうか.このアニメ,OPは空耳の嵐ですしw,物語の分かりづらさといい,微妙すぎたのですが...別に分かりづらいアニメを批判する気はないんです.ただ,分かりづらいアニメって「理解してみたい,もっと知りたい」って思うか,思わないかがキーポイントだと思うんですよ.エヴァQがその典型でしょ.しかし,このアニメに関しては何にも思わなかった…

ホントただの声優アニメだなって思いました.

櫻井さん,みゆきち,まも,ゆうきゃん,浪川,杉田,聡美ちゃん,D,福潤,津田さん...

もったいなぁ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

59.5 6 復讐で仲間なアニメランキング6位
ドラゴンボール超(スーパー)(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (241)
1020人が棚に入れました
ファン待望の新テレビアニメシリーズの舞台は、悟空が魔人ブウとの壮絶な戦いを終え、平和を取り戻した地球のその後です。原作者・鳥山 明の原案によるストーリーを新たにテレビアニメーションで描きます。これまで原作でも描かれていないアニメ完全新作になります。誰もがワクワクする新しい「ドラゴンボール」の世界、『ドラゴンボール超』にぜひご期待ください!

声優・キャラクター
野沢雅子、堀川りょう、鶴ひろみ、草尾毅、古川登志夫、佐藤正治、田中真弓、渡辺菜生子、皆口裕子、石塚運昇、塩屋浩三、山寺宏一、森田成一、八奈見乗児

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

新章「破壊神シャンパ編」16年1月から 新キャラのビジュアルも

【アニメキャラの魅力】世界を救った事も!変身出来るスケベな豚「ウーロン」の魅力
国民的名作『ドラゴンボールシリーズ』の初期に登場した、変身能力を持つ印象的なキャクター「ウーロン」。決して戦闘能力が高いわけではないので、他の登場人物のように強くはありませんが、名セリフとともに世界を救った事もある素敵な豚キャラです。今回はそんな「ウーロン」の魅力について紹介したいと思います。

■変身能力
「ウーロン」は悟空たちがドラゴンボールを求めてやってきた、とある村で出会います。ウーロンには他のものに化ける変身能力があり、鬼の姿になったり、強そうな鎧をまとった兵士になったり、巨大な牛の姿になったりも。しかし、どれだけ強そうな格好でも、実は中身の戦闘能力は変わりませんので、実際に戦うととても弱いです・・・。そのため、悟空にあっという間に退治されてしまいます。強そうな見た目で村人を惑わしていましたが、その正体は子豚のような見た目でした。しかも、変身していられるのは5分間だけで、再び変身するためには1分間の休みが必要です・・・。

ブルマがホイポイカプセルを無くした時に、代わりのバイクに化けるもののすぐにつぶれたりと、この変身能力も果たしてどこまで役に立っているのか疑わしいところです・・・が、亀仙人がフライパン山の炎を消す時、交換条件としてブルマのおっぱいをつつかせるという場面で、ウーロンがブルマに化けて代わりに亀仙人に“ぱふぱふ”までさせ、無事(?)に炎を消す事が出来ました。どうやらそれなりに使い道はあるようです。

■とにかくエッチでスケベ
ウーロンの魅力といえばなんといってもとにかく“エッチでスケベ”な事です。南部変身幼稚園同期の「プーアル」から、女の先生のパンツを盗んで追い出されたという前科をバラされてしまった事も。また、「ブルマ」に睡眠薬を入れたジュースを飲ませ、裸で眠り込んだ彼女のおっぱいをつついてやろうという、今考えると少年誌でやっていいのかというような企みを試みたりもしています。さらに、ブルマのパンツを餌に釣りを仕掛けられればまんまと引っ掛かかった上に、ブルマがパンツを履いてないのを見越してパンツに変身し「さぁ履け」と言ったり・・・、とにかくスケベなエピソードには事欠きません。

■ピラフの世界征服の野望をくいとめた功績も?
悟空たちと一緒に旅を続けるものの、とにかく戦力になってるのか疑わしい「ウーロン」ですが、実は「ピラフ」の世界征服の野望を食い止めるという活躍もしています。7つ集めたドラゴンボールを奪った「ピラフ」一味が神龍(シェンロン)を呼び出し、世界征服を願おうとした瞬間、

「ギャルのパンティおくれーっ!」
と「ウーロン」が叫びます。するとシェンロンはその願いどおり、ギャルのパンティを1枚「ウーロン」に与え、ドラゴンボールは再び世界各地に飛び散り、「ピラフ」の野望は打ち砕かれます。いつも役に立ってるのか疑わしい「ウーロン」ではありますが、この時ばかりは“良い働き”をしたと言えるでしょう。

ピッコロ大魔王編以降、『ドラゴンボール』はそれまでの冒険活劇的な路線から完全にバトルものとしての特色が強くなり、もともと戦闘向きではない「ウーロン」の活躍する場面はほとんどなくなってしまいます。彼の数少ない活躍を見たいという方は、作品初期である悟空の少年時代の頃のコミックスやアニメを観返してみると良いと思います。

【アニメキャラの魅力】国民的ヒーローは無邪気なバトルマニア!?「孫悟空」の魅力とは?
誰もが知る国民的人気作品『ドラゴンボール』。そしてその主人公である「孫悟空」。今日本でもっとも有名なアニメキャラの一人ではないでしょうか。今回は、そんな「孫悟空」の魅力のほんの一部(特に純粋さ)について、ご紹介させて頂きたいと思います。

■「純粋」ゆえの強さ
少年ジャンプの主人公には、熱い心を持ったピュアなキャラクターが多く見られます。そして、「孫悟空」はその中でも極め付きの「ピュア」と言えるでしょう。初期の頃、彼の弱点はシッポでした(懐かしい設定です)。それを亀仙人に「鍛えろ」と言われ、それをバカ正直に実践して本当に弱点を克服。それを命じた当の亀仙人すら驚嘆させます。

彼の闘う動機は「悪いやつだからやっつける」です。しかしそれは表向きであり、彼は純粋に強い相手と戦いたい、そのためには自分も強くなりたいという思いが根源にあります。ですから、彼はドラゴンボールを自分の欲得の為に使ったことはありません。煩悩まみれの我々は、生きていく上で悟空ほどピュアになることは難しいです。だからこそ、孫悟空の圧倒的なピュアさに惹かれるのかもしれません。

■「勧善懲悪」は表面構造?
初期の「レッドリボン軍」や殺し屋「桃白白」、対立していた頃の「天津飯」や「餃子」との戦いは、一見すると勧善懲悪の物語です。しかし、孫悟空は結局、強い相手と戦いたかったのです。彼の怒りや正義感は極めて単純なもの。この単純さは、その頃の悟空の年齢設定だけ(子供だから)によるものとは言えません。成長してからも、彼の姿勢は変わっていないからです。強い相手と対峙した時の彼の表情には、高揚感と歓喜こそあれ、敵意や憎悪といったものとは無縁である事に気付くでしょう(クリリンが殺された2場面は相手への憎悪を露わにした珍しいケースと言えます)。

■親としての欠陥?
しかし、孫悟空が「孫悟飯」の父親となる事で、少し様相が変わってきます。彼は無邪気なバトルマニアであり、その為に他の事が目に入らなくなります。「セル」との戦いで「悟飯」が苦しんでいる時に助けの手を差し伸べようとせず、それを「作戦」とした「孫悟空」は、「ピッコロ」からその非情さを指摘されます。「トランクス」が死んだ時は、「ベジータ」でさえ怒りに我を忘れ、無謀と頭ではわかっていても「セル」に立ち向かいました。「ピッコロ」と「ベジータ」、かつては悪の権化であったこの二人の方が、悟空よりも強くその“父親らしさ”を垣間見せたのです。

これはある意味皮肉とも取れますが、主人公である「孫悟空」のヒーロー像を変に糊塗したり理屈をこねないで、悟空の“親としての欠陥”をそのまま描いたところに、逆にこの作品の深さがあるようにも思えます。天才はどこかで人として何かが欠落している。「孫悟空」のピュアさの光と影とも言えるのではないでしょうか。

【アニメキャラの魅力】怒りでパワーが大爆発!孫悟空の息子「孫悟飯」の魅力とは?
『ドラゴンボール』でサイヤ人編から登場する「孫悟空」の息子「孫悟飯」。コミックスを最初から読んでいる方はご存知のとおり、彼の名前は「孫悟空」の育ての親「孫悟飯」から取られたものです。今回は、そんな「孫悟飯(悟空の息子の方)」の魅力についてご紹介致します。

■恩師ピッコロ
悟空がカメハウスに連れてきた悟飯ですが、地球にやってきたサイヤ人「ラディッツ」の襲撃を受け、悟空は戦いの中で死んでしまいます。そして、地球に襲来してくるサイヤ人(べジータとナッパ)に対抗するため、かつての孫悟空の宿敵「ピッコロ」に育てられる事に。そのため、魔閃光のようなピッコロの影響を受けた必殺技を使うこととなり、悟空とはやや違った戦いのスタイルを歩みだすのです。

最初は戦える戦士を増やすため、イヤイヤながら悟飯を鍛えていたピッコロでしたが、徐々に情が移り、悟飯がピンチのときに彼をかばい死んでしまいます。以前の邪悪だったころのピッコロでは考えられない行動ですね。この「孫悟飯」と「ピッコロ」の絆は、サイヤ人編~フリーザ編のハイライトとなり、『ドラゴンボール』の重要な魅力のひとつとなりました。

■怒りでパワーが大爆発
少年期の悟飯の大きな特徴は、怒るととてつもないパワーが引き出される事。ラディッツとの戦いでは、悟空が絶体絶命のときに「おとうさんをいじめるなーっ!」と閉じ込められていた宇宙船を破壊し、ラディッツをもしのぐ戦闘力をはじきだしてラディッツに体当たり。形勢逆転のチャンスのきっかけを作りました。また、フリーザ編でも「ドドリア」に殺されそうになった「デンデ」を助けるため、ドドリアに突撃しにいったり、変身したフリーザに怒りのパワーで一時期は互角かと思われるほどの戦いを見せます。完全体になったセルとの戦いでは、16号が目の前で破壊された事をきっかけに一気にスーパーサイヤ人に。そしてかめはめ波を放ち、完全無欠になったかと思われたセルを倒すことに成功するのです。

■青年期には思わぬトラブルがいっぱい?
セルを倒した後の魔人ブウ編(青年期)では、悟空とは違い普通にハイスクールに通い、クラスメートのビーデル(ミスターサタンの娘)と知り合います。街中でのトラブルをスーパーサイヤ人に変身して解決していた事で、金色の戦士として名前が知られ始めてしまったため、ブルマに相談して変装するためのスーツを作ってもらい「グレートサイヤマン」と名乗ります。しかし、その見た目のダサさが自分ではわかってないようで・・・まわりからつっこまれています。サイヤ人編、フリーザ編と戦いに明け暮れていた頃とは違い、悟飯の普通の生活が垣間見れる、いわゆる「日常回」のようなシーンとも言えるでしょう。

後に魔人ブウ編で戦いが激しくなると、これまで通りの激しい戦いを繰り広げることになりますが、戦いの後は学者となりビーデルと結婚。自分の正体を知られないために右往左往するドタバタ劇があったり、ビーデルとのラブコメがあったりと、青年期にはそれまでにない悟飯の魅力がたくさん詰まっています。

少年期は、ピッコロとの友情や怒りのパワーで形勢逆転したりと、戦士としての魅力が大きいですが、青年期になるとなんだか三枚目な一面も出てきてしまう「孫悟飯」。名作バトルアニメ『ドラゴンボール』。そんな彼のギャップに注目して観て(読んで)みるのも楽しいと思います。

【アニメキャラの魅力】「かめはめ波」のパイオニア!ふだんはスケベなじいさん「亀仙人」の魅力
少年ジャンプの歴史に残る大ヒット漫画『ドラゴンボール』。主人公「孫悟空」の師匠として登場するのが「亀仙人」です。最近は、悟空達サイヤ人勢があまりにも強くなりすぎてしまったため、戦いに参加する事はなくなってしまいましたが、悟空の少年時代は、悟空やクリリンが乗り越えるべき存在として抜群の存在感を誇っています。今回は、そんな「亀仙人」の魅力についてご紹介いたします。

■武術の達人
少年時代の悟空が助けたウミガメに乗ってやってきたサングラスとアロハシャツがトレードマークの、飄々としたふざけたじいさん「亀仙人」。実は、武天老師としても知られる武術の達人で、悟空の強さを見込んで修行に来ないかと誘います。ドラゴンボールを集め終わり、亀仙人のもとに修行にやってきた悟空と、ともに入門しようとしてきたクリリンに亀の甲羅を背負いながら牛乳配達をさせたり、足腰や腕などを鍛えるために素手で畑を耕させたりと厳しい修行をおこないます。修行の後の目標としていた天下一武道会には、「ジャッキーチュン」「として正体を隠して悟空やクリリンの成長を実際に確かめようと忍び込んだりも。決勝戦で悟空と対戦した時は一進一退の攻防の中、武道会場に月が出て悟空が大猿に変身してしまうというアクシデントもありましたが、悟空と亀仙人の師弟対決にハラハラして夢中になった方も多いのではないでしょうか。

■ドラゴンボールを代表する必殺技「かめはめ波」のパイオニア
亀仙人の魅力を語る上で忘れてはいけないのが、彼こそがドラゴンボールを代表する必殺技「かめはめ波」のパイオニアであるという事です。かめはめ波が初登場するのは、フライパン山の燃え盛る炎を消してほしいと牛魔王に頼まれた時。普段はひょろひょろの身体だった亀仙人が、かめはめ波を撃つ時にはムキムキの身体になり、特大のかめはめ波を放ち、見事にフライパン山の燃え盛る炎を消します(もっとも手加減をしなかったせいでフライパン山の牛魔王の城まで吹っ飛ばしてしまいましたが)。これがドラゴンボールシリーズの中で、初めてかめはめ波が登場したシーンで、それ以後かめはめ波は悟空やクリリン、ヤムチャ、御飯、果ては悟空たちの細胞を持ったセルまでもが使う、ドラゴンボールを代表する必殺技として定着していきます。亀仙人がいなければ、かめはめ波がドラゴンボールを代表する必殺技として有名になることはなかったでしょう。その後のドラゴンボールのストーリーに大きな影響を与える事になった“かめはめ波”のもともとの使い手は亀仙人ということを忘れてはいけません。

■普段はスケベなじいさん
天下一武道会やレッドリボン軍との戦いなどでは、戦う者としてのスイッチが入り頼れる存在でしたが、普段はただのスケベなじいさんです。出会ったばかりのブルマに、「助ける条件としてパンツを見せてほしい」と条件を出したり、カメハウスではエッチな本やエッチなエアロビのビデオを見たり、ブルマに化けていたウーロンの誘いでぱふぱふさせてもらったり・・・。くしゃみをすると人格の変わるランチさんの特性に気付いてなかった頃は、ランチさんにも手を出そうとして怖い方のランチさんにマシンガンをぶっ放される有様です。当時子供だった読者には、エッチな事に興味を持つきっかけが、こうした亀仙人の行動だったなんて人も少なくないのではないでしょうか?

■実は寿命では死なない?
連載開始当初からすると作品の中で20~30年ほど経ち、悟空もだいぶ歳を取ったというのになにげにまだ生きてる亀仙人。ピッコロ大魔王との戦いで倒される事はあってもドラゴンボールで生き返り、寿命ではいまだに死んでいないというしぶとさを誇っています。コミックス終盤で魔人ブウとの戦いが終わったあとまた歳をとりますが、外見は変わらずサングラスが変わっただけです。『ドラゴンボール』の登場人物の中で、寿命で死んだキャラクターはナメック星の最長老さまぐらい。亀仙人もおそらくこのまま生き続けるのではないでしょうか。

今ではすっかり影が薄くなってしまった「亀仙人」。悟空の少年時代ではストーリーの中で欠かせない存在感を放っています。そんな彼の活躍やスケベなおこないに注目しながら、今一度コミックスを読み返してみると、「亀仙人」の新たな魅力を発見出来るかもしれません。

【アニメキャラの魅力】人気ナンバーワンの最強女戦士!「人造人間18号」の魅力とは?
誰もが知る国民的アニメ作品『ドラゴンボール』。主人公「孫悟空」を中心に物語は展開、それぞれのキャラクターもとても人気があります。その中のひとり、「人造人間18号」は、クールなツリ目のストレートブロンドヘアの美女。おまけにツンデレという魅力的なキャラクターです。今回は、そんな「人造人間18号」の魅力についてご紹介いたします。

■悟空とバトルなしで孫悟空ファミリー入り!
基本的に敵が仲間になっていくストーリー展開の多い『ドラゴンボール』。孫悟空ファミリーになるキャラクターは、敵としてバトルをし、バトルの中で孫悟空の人間性に触れて仲間になるのがパターンです。砂漠の盗賊の「ヤムチャ」、ライバルの殺し屋流派の「天津飯」、地球を征服しようとした「ピッコロ」に、サイヤ人王子の「べジータ」。「クリリン」は、同じ流派のライバルでしたが、修行で孫悟空と競い合ったという意味で戦っています。しかし、孫悟空を倒す為にレッドリボン軍の生き残りの天才科学者「ドクター・ゲロ」が改造した「人造人間18号」だけは、実は孫悟空とバトルをしていません。人造人間18号に惚れた「クリリン」の優しさに触れて仲間になるという、他キャラとは少し違った展開を持ちます。

■強さの裏側に潜む女子っぽさ!
戦闘中に髪をかき上げたり、破れた洋服に気を使ったりと、圧倒的なパワーを持つにも関わらず、女子っぽさも持ちあわせおり、ピッコロ大魔王やフリーザやセルのように絶対的な悪ではないのです。好戦的な性格で、人が死んでも特に何とも思わない様子ですが、特に殺戮を好む性格というわけでもありません。自ら好んで強くなったという事ではなく、双子の弟と一緒にさらわれて改造され、最終的にはドクター・ゲロを恨んで殺したり、普通の女の子に戻りたいと思わせる姿からは、心の中にある悲しさやせつなさを感じてしまいます。

■クリリンとの結婚して普通の人妻に!
人造人間18号は、ドラゴンボールの中では珍しくマトモな恋愛結婚をしたキャラクターです。クリリンとのラブラブな結婚生活はクリリンのデレデレな発言でわかります。クリリンとの娘「マーロン」をもうけますが、そこにも他の孫悟空ファミリーとの違いがあります。

メンバーの子供の多くは、その後戦闘メンバーになっていきます。孫悟空とチチの息子「孫悟飯」に「孫悟天」。孫悟飯とビーデルの娘の「パン」。トランクスとブルマの息子の「トランクス」。付け加えるとビーデルもミスターサタンの娘ですし、チチも牛魔王の娘。基本的に、子供は次世代の戦士になっていく展開がほとんどです。それに対し、クリリンと人造人間18号の娘の「マーロン」だけは、まったく戦闘をしません。特に子供の教育・成長に関してはほとんど取り上げられる事はありませんが、娘をとても大事にしている姿はちらほらと出てきます。圧倒的な強さを持つ人造人間としての姿と、普通の人妻という設定のギャップもまた彼女の魅力といえるのではないでしょうか。

チチやブルマやビーデルなどの女性キャラクターと比べても、かなり異色なキャラクターである「人造人間18号」。『ドラゴンボール』の女性キャラの中では、まだまだ彼女の男性人気は続いていく事でしょう。

【アニメキャラの魅力】敵役から戦友へ!悟飯の父へと変貌を遂げた究極のツンデレ「ピッコロ」の魅力
「世界征服」を企む組織・団体は、自分たちの利益や理想の世界建設などを目的とする事が多いですが、「ピッコロ大魔王」は世界に向けての放送で、「悪を世界に広めること」を世界征服の目的として挙げています。レッドリボン軍など及びもつかない純粋な悪役。読者が同情なしに、ためらうことなく敵視できる存在は大変重要です。

■悟空達と「やむなく」共闘するなかで・・・
天下一武道会での悟空との死闘の後、サイヤ人の襲来でピッコロは大きな転機を迎えます。苦戦の末に倒したラディッツをはるかに凌ぐサイヤ人が地球に迫ると知った彼は、大きな潜在能力を秘めた「孫悟飯」を無理やり修行に連れ出し、特訓を施します。しかし、サイヤ人との戦いの中、ナッパの攻撃から悟飯をかばって命を落とします・・・。

「オレと・・・ま・・・まともにしゃべってくれたのは・・・おまえだけだった・・・。きさまといた数ヶ月・・・わるく・・・なかったぜ・・・。死ぬ・・・な・・・よ・・・悟飯・・・」

そんな名セリフを残して。一年の修業の中で、魔王としての彼には考えられなかったものが、悟飯に対して芽生えていたのです。勝手な推測ですが、このセリフを境にピッコロのファンは大きく増えたのではないでしょうか。この時、純粋な悪の存在としてのピッコロも共に死んだのです。

■悪ではない生き方
悪としての存在理由を失った彼には、善の面である「神」と分離している理由もなくなりました。「神」との融合はそれを象徴する出来事です。神と半々とはいえ、馴染み深い方のピッコロのキャラクターが色濃く残った点は多くの読者にとっても嬉しかったのではないでしょうか。基本はツンデレですが、時折ギャグにも参加するような一面も見られるようになりました。

■そして悟飯の父として
主人公の「孫悟空」は純粋なバトルマニアであり、その一方で人間として欠落した場面も持っているといえます。作者はそれを無理に補おうとはせず、クリリンやピッコロといったキャラクターを配置しました。そして、ピッコロが補ったのは、悟空の“父としての側面”でしょう。実の父である悟空より、ある意味では悟飯の理解者だったのがピッコロです。セルとの戦いで、悟飯の苦境を故意に救わない「作戦」を採った悟空を、「今悟飯が何を思っているか分かるか!?怒りなんかじゃない!なぜ、お父さんは僕がこんなに苦しんで死にそうなのに助けてくれないんだろう・・・僕の命よりフェアな男らしい勝負の方が大切なんだろうか・・・と」という言葉で厳しく糾弾し、悟飯の気持ちを代弁したのは、それを端的に表した名場面でした。

悪役から戦友へと大きな変化を遂げた「ピッコロ」。『ドラゴンボール』という国民的作品において、物語に無くてはならないキャラクターのひとりである事は間違いありません。もはや、一度も見た事がないという方は少ないでしょうが、ぜひ今一度あの「ピッコロ大魔王」の恐怖、そして無くてはならない味方へと変貌を遂げる過程、そして孫悟飯に芽生える愛情など、彼の魅力的な姿を観返してみてはいかがでしょうか?

日本ラグビー金星はどれだけすごい?例えが「ヤムチャがベジータに勝つ」というもの!?
ラグビーW杯イングランド大会1次リーグB組の初戦で、日本が過去優勝2回の強豪・南アフリカを34-32で撃破する大金星を挙げた。「世紀の大番狂わせ」、「W杯史上最大の衝撃」と世界を驚かせたこの勝利のすごさをラグビーを知らない人に伝えようとする動きが、ネット上で広まっている。

例えば「ドラゴンボール」を題材にした「ヤムチャがベジータに勝つ」というもの。「ドラゴンボール」を知らない人にとっては逆に分かりにくくなってしまうかもしれないが、作品終盤では表舞台に登場することも少なくなったキャラクターのヤムチャが、主人公・孫悟空のライバルであるベジータを倒すということは、作品ファンならすぐに「あり得ないこと」ということが分かる。

もともと、ラグビーは番狂わせの少ないスポーツと言われている。接触プレーが多いため、実力のあるチームがそのまま勝つケースが大半であるためだ。

【アニメキャラの魅力】最初に空を飛んだのは俺だ!命を削って闘う男「天津飯」の魅力とは?
『ドラゴンボール』では、「ピッコロ」や「ベジータ」をはじめ、敵だった人物が後に共闘する展開が多いです。その元祖とも言えるのが、今回ご紹介する「天津飯」です。アニメでは原作よりも更に悪役として登場し、「イノシカチョウ」という珍獣とグルになり、村を荒らさせては村から用心棒代をふんだくっていました。しかも、利用価値がないと見るやイノシカチョウを焼いて食べようとまで・・・。天下一武道会では、抵抗できなくなったヤムチャの脚をへし折るなど、その極悪ぶりを発揮します。しかし、悟空との決勝戦で徐々に武人としての誇りを取り戻し、鶴仙人と袂を分かちます。「ピッコロ」や「ベジータ」と違い、地球を支配することが当初の目的では無いため、一度悪役でなくなると、以後は礼儀正しい武人として活躍します。

■仲良し「中華料理グループ」
「チャオズ」とは兄弟のような絆で結ばれています。ナッパとの戦いでチャオズが自爆して果てると、我を忘れてナッパに立ち向かいました。また、脚をへし折ったヤムチャとも和解後は仲良くなり、行動を共にすることが多くなります。ヤムチャと一緒にコンビを組んでセルジュニアと戦う姿は原作にはないものです。生真面目な彼が苦戦した、界王神のダジャレテストでもヤムチャに助けてもらっています。

■舞空術
最後の天下一武道会において、その技の多彩さでも群を抜いていたのも「天津飯」でした。排球拳のようなギャグ要素満載のものもありますが、注目すべきは、やはり「舞空術」でしょう。これによって初めて登場人物たちが“空を飛ぶ”という要素がこの作品に持ち込まれたのです。これ以後は空を飛ぶことが当たり前になりました。

■命を削る「気功砲」
このアニメの力のインフレについていけなくなった「中華料理グループ」でしたが、天津飯には気功砲があったため、かなり後まで活躍の場がありました。自分の命を削ると分かっていても、仲間のために使ってしまうこの技には、彼の生真面目さと自己犠牲の精神が象徴されていると思います。「ベジータ」「ナッパ」戦で、「チャオズ」の死に激昂して放った気功砲は、彼自身の命を削り絶命に至ります。また新気功砲は、第二形態のセルを足止めすることに成功しますが、(アニメでは原作よりはるかに多く撃っています)やはりこれも彼の命を削る結果となりました。きっと、こんなストイックな一面にランチさんも惚れたのでしょう。

【アニメキャラの魅力】予の辞書に正々堂々の文字はない!偉大な悪役「フリーザ」の魅力とは?
「宇宙一」を自認する偉大な悪役「フリーザ」。通常であれば、その戦闘力を生かして宇宙征服に乗り出すところですが、実は彼は征服した星を高く売るという、今で言う「地上げ屋」のような商売人です。つまり取引相手がいるわけで、アニメでは(無論原作でも)そのようなシーンはないのですが、星の売買で商談もしていることになります。

ちなみに、1日で征服できる星に手間取っているサイヤ人をなじる場面も見られます。もしかしたら、納期(?)を守ろうとする良心的なビジネスマンなのかもしれません。お金が欲しいなら、その宇宙一の戦闘力で力ずくで奪ってもよさそうなものですが、アニメを見ている限り、結果よりもその過程を楽しむタイプなのかもしれません。

■中尾隆聖さんのハマリ役
フリーザと言えば中尾さん。という位のハマリ役となりました。どちらかというとオカマっぽさを残した慇懃無礼な口調は、彼の声質にぴったりでした。悟空との最終接戦で時々「ばいきんまん」に聞こえてしまうのは微笑ましいですが・・・。ちなみに、中尾さんはピッコロ大魔王の手下のタンバリンの声もやっているので、自分の役でクリリンを二度殺したという貴重な(?)存在でもあります。家でお子さんにタンバリンの役をやることを告げた時は「悪役だね」と言われてしまったそうですが、フリーザの声を演じるといった際には尊敬の眼差しで見られたそうです。

■悪役でなければならなかったのは
悟空は今まで、相手を戦闘不能にすれば止めを刺していません。(初代ピッコロ大魔王との決戦は、殺すか殺されるかだったので例外。結果的にピッコロは生き残っています)。悟空が非情になりきれない部分はベジータが「汚れ役」として敵を殺してきました。つまり、悟空がフリーザを殺すには、見るもの(視聴者)を納得させる必要がありました。「冷酷」なだけでなく徹底的に「卑怯」で、感情的にも「殺されても仕方ない」存在でなければならなかったのです。瀕死のベジータに止めをさしたくらいでは足りないのです。

ピッコロを背負って逃げる悟飯を狙ったり、悟空が何度も情けをかけても卑怯な手段で悟空を倒そうとしたりと、今までの敵役にはない「見苦しさ」があり、自らの「追尾気円斬」で真っ二つになった挙句に消滅させられても、そこに同情の一片も寄せられない最期となったのです。

■偉大な悪役の最期
消滅したはずのフリーザでしたが、最後の役割はなんと、トランクスの強大さを引き立たせるためのものでした。原作では5コマほど、アニメでも実質戦闘時間10分位で消滅させられてしまいます。しかし、『ドラゴンボール』において、ピッコロ大魔王やベジータさえも及びつかぬ“偉大な悪役”として強烈な印象を残したのも確かです。劇場版で「復活」を遂げたのも、そのような「人気」ゆえなのかもしれません。

【アニメキャラの魅力】実は地球人最強!人格円満!名脇役「クリリン」の魅力とは?
国民的、世界的に人気の高い名作『ドラゴンボール』。ベジータ編から、どんどん地球人以外のキャラクターが登場し、それにつれて「クリリン」は、第一線で強敵と闘うには力不足に・・・。登場人物の中では地球人最強でありながら、セル完全体に放った渾身の「気円斬」はセルの首筋に命中するも傷ひとつ付けることができませんでした・・・。そしてついに魔人ブウとの戦いでは、悟空から参戦しないように言われてしまいます。少年ジャンプの魅力である「力のインフレ」についていけなくなった「クリリン」。それでも作品の中では重要な役割を果たしています。今回は、そんな「クリリン」の魅力についてご紹介したいと思います。

■現実と非現実の橋渡し
クリリンは死ぬ時に「一度は結婚したかった」などとつぶやいています。鳥山明先生は「ラブコメが苦手」と自認しており、悟空やベジータの時同様に、クリリンが結婚した経緯も明らかにはしていません。しかし、悟飯にさりげなく恋愛のアドバイスをしたり、18号への想いから人造人間停止装置を破壊したり、「恋愛」に関する行動を数多く取っているのもクリリンと言えます。戦闘(しかも後半は地球外生命体ばかり)がメインのこの作品において、恋愛や結婚という要素を持ち込み、現実との橋渡しをしてくれるのも、他でもない「クリリン」なのです。

■良識ある「大人」としてのクリリン
クリリンは当初、亀仙人への弟子入りを悟空と競い、悟空を追い落とすために様々な姑息な手段を使う「嫌なやつ」でした。しかし、悟空と兄弟弟子になり行動を共にするうちに、戦闘しか頭に無く世離れした悟空を良識でフォローする、そんな役割を担うようになります。更にフリーザ編以降、パワーアップした悟空が現れるまで他のキャラクターがなんとか時間を稼ぐ、というパターンが多くなりますが、クリリンはその中で司令塔的な役割を果たし、力及ばぬとわかっていても何とか強敵に立ち向かおうと策を巡らす勇気を見せてくれます。

■悟空のやる気スイッチ(?)
この作品の大きなターニングポイントのひとつ。それは、クリリンが殺される事で、悟空がそれまでにない存在へと変容する所でしょう。初代ピッコロ大魔王編で、悟空の心を突き動かしていたのはクリリンが殺された事への怒りでした。悟空がドラゴンボールの力を真に欲したのはこれが最初でした。それは、クリリンを生き返らせたいという一心。そしてフリーザ編での有名なクライマックス。クリリンの無残な最期を見た悟空は、その怒りから遂にスーパーサイヤ人へと変身を遂げます。そして、クリリンを侮辱したフリーザに対し、「それはクリリンのことか!」という有名なセリフとともに、更に力を爆発させます。悟空のクリリンへの並々ならぬ友情を感じる名シーンです。

いまさら改めて紹介するのもおこがましいほどの有名作品『ドラゴンボール』。中でも初期から活躍する名脇役「クリリン」の魅力は、ここで書ききれるほど小さなものではありません。「懐かしい」などと感じられた方は、是非改めて最初から読み返してみてはいかがでしょうか?大人になった今だからこそ、新たな「クリリン」の魅力に気付くかもしれません。

新章「破壊神シャンパ編」16年1月から 新キャラのビジュアルも
人気アニメ「ドラゴンボール」の新作「ドラゴンボール超(スーパー)」(フジテレビ系)の新章「破壊神シャンパ編」が2016年1月24日にスタートすることが18日、分かった。テレビアニメの放送開始から30年を迎える16年にスタートする新章は、原作者の鳥山明さんが原作・ストーリー・キャラクター原案を手がける新エピソードで、地球をかけた格闘試合が開催されたり、第6宇宙と第7宇宙の戦いが描かれる。また、破壊神シャンパなど新キャラクターが描かれたビジュアルも公開された。

フジテレビ編成部の野崎理プロデューサーは「アニメ放送開始から30周年という記念すべきタイミングで『ドラゴンボール超』の物語はいまだかつて、コミック、テレビシリーズ、劇場版など一切描かれてこなかった前人未到の領域に突入します。ついに新キャラクター・破壊神シャンパの正体が明らかになるなど、鳥山原作の新キャラクターが続々登場し、活躍します。そして、新しい展開やイベントも次々に発表されていくと思いますので、これからのドラゴンボールの動向にご期待ください!」とコメントを寄せている。

「ドラゴンボール」は週刊少年ジャンプ(集英社)で1984~95年に連載された鳥山明さんの人気マンガが原作。テレビアニメは1986年にスタートし、「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」「ドラゴンボールGT」と名前を変えながら、11年以上にわたって人気を集めた。その後「Z」を再編集した「ドラゴンボール改」を09~11年に放送。14年には魔人ブウ編を取り上げた「ドラゴンボール改」(魔人ブウ編)も放送された。

「ドラゴンボール超」は、鳥山さんが手がける完全新作のオリジナルストーリーで、悟空が魔人ブウとの戦いを制した後から物語がスタート。破壊神・ビルスと孫悟空の出会い、復活したフリーザとの戦いなどが描かれている。

べジータ崩壊! “誇り高き戦闘民族の王子”が、たこ焼きを焼く理由とは?
人気シリーズ最新作、『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)が第6話を迎えた。今作は、今までのいわゆる“バトルもの”であった『ドラゴンボールZ』などとはと一味違い、ギャグ要素をふんだんに取り入れたコミカルな仕上がりとなっており、その中でも主人公である孫悟空の最大のライバル、ベジータの“キャラ変”が、シリーズのオールドファンの困惑を誘っているという。

「プライドの塊だったベジータの変わりようには驚きましたね。第6話は、豪華客船で行われているブルマの誕生日パーティの回だったのですが、その中に紛れ込んだ宇宙最強の神、破壊神ビルスに対して、ベジータは少し交戦しただけで軍門に下ってしまったんです。過去に父親がビルスに土下座させられ、足蹴にされている光景を思い出してしまったからとはいえ、あの誇り高き戦闘民族の王子が情けないですよ。ほかにも、ひざまずいて“たこ焼きピラミッド盛り”をビルスに捧げたり、トランクスが誤って水鉄砲をビルスに浴びせると、急いで海に飛び込み、巨大タコを捕まえ、たこ焼きを焼いて機嫌を取ろうとしたりと、もう見ていられなかったです。敬語を使っているベジータなんて誰も想像していなかったですから。視聴者も『こんなのベジータじゃない……』『誇り高きサイヤ人の血はどこいった?』『ベジータって、たこ焼きの焼き方知ってたんだ……』とガッカリしたようです」(アニメライター)

第2話でも、ブルマやトランクスを連れて家族旅行に行くなど、今作のベジータは“らしく”ない。前作でも、少しずつ穏やかな性格にかわっていく描写はあったものの、キャラがブレるほどではなかった。一体どうしてこうなってしまったのだろうか?

「今作は、原作者の鳥山明先生が原案に関わっているのが理由ですね。もともと鳥山先生はギャグ漫画タッチの作品を好んでいて、『ドラゴンボール』も、もともとそのラインで始まった作品だったんです。その後、人気が出るにつれて、編集サイドの意向もあり、本格的バトルものになっていった。それをまた今作からギャグタッチで描くようになったので、キャラクターにギャップが生まれてしまったんでしょうね。そのギャップも面白いポイントとして狙っているのはわかるんですが、ギャップがありすぎて引いてしまっているファンがいるのが現状です。もう少し話が進んだら、本格的バトルに移行していくとは思うのですが、それまで視聴者をキープできるかは疑問ですね」(同)

原作者である鳥山明は、実は『Z』に入る前に終わらせようとしていたのだが、それを編集と世間の人気が許さなかった。マンガ界有数の大作家でも、編集と読者を無視して作品を作ることはできなかったということだ。そんな鳥山明の“ドラゴンボール観”と、視聴者の“ドラゴンボール”がすれ違い、今回、ベジータにたこ焼きを焼かせてしまったのではないだろうか?

「生まれ変わりたい憧れのマンガキャラクター」
マンガのキャラクターというものは、やはりカッコイイもの。仲間のために立ち上がり、どんな困難をも乗り越えていく。その姿に、憧れを抱いた人も少なくないだろう。では、もしも生まれ変われるとしたら、どのキャラクターになりたい? 今回は、「生まれ変わりたいくらいカッコイイキャラクター」についてアンケートを実施してみた。

孫悟空 (ドラゴンボール/鳥山 明)
少年マンガらしさ全開の主人公だ。非常に脳天気な性格で、「ま、いいか」で何でも済ませてしまう。大勢に支持される主人公というものは、一貫して「素直で楽観的」という共通項があるのかもしれない。悟空のおおらかな性格は戦闘時にも見られ、ピッコロやベジータと激しい戦いを繰り広げたときも、最終的に命を奪うことまではしなかった。その結果、敵として戦った相手は改心し、悟空の味方に。ベジータ曰く、「反吐が出る甘さ」らしいが、それゆえに賛同者が多いことは事実。ただ強いだけではない、仏の心を持ったヒーローだ。ちなみに、猿みたいな尻尾がチャームポイント。

『ドラゴンボール超』の作画が幼稚園児レベル? 右手が左手のべジータに悲鳴続出!
言わずと知れた超名作アニメ“ドラゴンボールシリーズ”の新作が、『ドラゴンボール超(スーパー)』として18年ぶりにフジテレビに帰ってきた。アニメシリーズとしては初めて原作者の鳥山明がストーリー原案に携わるとあって、今の子どものみならず、当時少年だった現在の大人たちからも期待の声が多く寄せられていた。しかし、7月5日の初回放送を終えると、視聴者の不満の声が少しずつ聞こえるようになり、8月9日に放送された第5話「界王星の決戦!悟空VS破壊神ビルス」により爆発することとなった。

「作画があまりにもひどいんです。始まった当初から違和感を覚える視聴者は多かったのですが、先日放送された5話で初めて本格的な戦闘シーンが描かれ、そこで一気にみんな引いてしまいましたね。動きは固いし、遠近感はブレブレだし、顔つきは腑抜けみたいだしで、正直言って幼稚園児レベルですね。極めつけは、次回予告のビルスに向き合うべジータの右手です。右手なのに親指が外側にあり、まるで“右手が左手”みたいになってしまっているんです。これにはファンも『恐怖映像!!』『いや、左手の手袋を右手にしてしまっているだけに決まっている!』『いや、ジョジョの“両手が右手の男”J・ガイルへのオマージュだ!』と、混乱の声が上がっています」(芸能ライター)

シリーズ前作の『ドラゴンボールGT』までは主にセル画を利用していたが、デジタル制作に切り替えたことが原因のひとつといわれているが、ほかのデジタル作品ではそういった問題はそれほど聞こえてこない。では、なぜこのようなことが起きてしまったのだろうか?

「製作元である東映アニメーションが、予算の都合でフィリピンやインドの、ろくに『ドラゴンボール』を知らない制作会社に委託してしまっているからといわれています。制作費の安いこの世界ではよくあることですね。それでもファンからは『ドラゴンボールというキラーコンテンツで節約とか意味分からん!』『さすがにこの作品だけは大事にしなきゃダメでしょう!』と、怒りの声が上がっています」(同ライター)

『ドラゴンボール』で嫌いなキャラはフリーザ!? 孫悟空の声・野沢雅子が役にのめり込みすぎ!
『ドラゴンボール』、孫悟空の声優・野沢雅子が“嫌いなキャラ”を告白した。

『趣味どきっ!』(Eテレ)で今月4日から放送の「一声入魂!アニメ声優塾」(毎週火曜、全8回)の第1回目に登場した野沢。この番組はタレントの中川翔子を塾長に、毎回ベテラン声優を講師に招き、その経験や裏話を披露するというもので、野沢は自身の出演作にまつわるエピソードを明かした。

野沢の代名詞となっている『ドラゴンボール』の孫悟空。そんな悟空との出会いはオーディションで、原作者の鳥山明が野沢を選んだという。さらに野沢はアニメの放送が開始されてからも原作を読まずにアフレコに臨んでいたといい、その理由を「原作を読んで行っちゃうと、どういう人(キャラ)が出るのかわかっちゃう。それが嫌。悟空と一緒の気持ちでやりたい」と語った。

それでも悟空と「気持ちは一体化している」と言う野沢。番組で『ドラゴンボール』シリーズで嫌いな敵役を聞かれると、「フリーザ」と即答。フリーザといえば、「フリーザ編」で悟空と死闘を繰り広げる“宇宙の帝王”。今年4月に公開された映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』のイベントでも野沢はフリーザ嫌いを公言しており、「フリーザ、憎たらしい」というコメントを残している。番組ではフリーザの声優・中尾隆聖との関係について「仲良いんですけど、(フリーザを)やっている間はあんまり口を聞かないかも」と語っており、改めて野沢が役にのめり込んで演技をしていることをうかがわせた。

そんな野沢、4月に出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系)では“私生活でも役が抜けないこと”を悩んでいると告白している。なんでも、“~だす”が口ぐせの『いなかっぺ大将』の風大左衛門を演じていた時は、駅で切符を買う際に「高田馬場だす」と駅員に言ってしまったなど、日常生活でも風大左衛門が出てしまっていたとか。

現在声優歴が52年という野沢。“役にのめり込みすぎる”というのは、名声優の証なのかもしれない。

あの“未亡人”にメロメロになる人が続出! 「付き合ってみたいマンガの“人妻”キャラ」
清廉潔白な大和撫子、作画崩壊かと見紛うほどのスタイルの持ち主…。マンガには多種多様なヒロインが登場し、読み手を夢中にさせてくれる。なかでも、妙な色気を振りまき、読者を魅了してしまうのが、「人妻キャラ」たち。「あー、こんな奥さんがほしい」と悶えた人も少なくないだろう。

【2位】ブルマ
『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社)
2位にランクインしたのは、『ドラゴンボール』の勝ち気なヒロイン・ブルマ。主人公・孫悟空の最初の仲間であり、悟空のライバル・ベジータの妻である。仲間内から「体はいいのに、性格が悪い」と言われるくらいの気性の持ち主で、自らを「かわいい」と言ってのけるほどの自信家。しかも、旅の目的は「素敵な恋人作り」だというから目も当てられない…。が、戦いのなかでは積極的に仲間をサポートし、時に感情で動いてしまうものの、その行動力には眼を見張るものがある。激怒したかと思えば、いつまでも怒りを引きずることもなく、非常にあっけらかんとしたその性格は、まさに「肝っ玉母さん」向き。尻に敷かれること確実だが、イマドキの草食系男子からすると、頼もしい女性かもしれない。

1位は、初代担当編集も認める、最凶のアイツ! 『ドラゴンボール』史上最強の敵 TOP5【マンガなんでもランキング】
7つ集めると願いを叶えてくれるという秘宝をめぐり、主人公・孫悟空と宿敵たちとの熾烈な戦いを描いた、『ドラゴンボール』。「週刊少年ジャンプ」誌上で、約10年に渡って連載された人気作だ。その作中には、実に個性豊かなキャラクターが登場する。なかでも、読者に強烈なインパクトを残したのが、「敵キャラ」たち。そこで今回は、そんな『ドラゴンボール』に登場した、史上最強の敵についてアンケートを実施してみた。

【1位】フリーザ
約3分の1の票数を獲得し首位に君臨したのは、誰もが認める大本命、「フリーザ」。作中では宇宙最強の存在として登場し、「宇宙の帝王」の異名のままに、悟空たちを苦しめた。普段は部下にも丁寧語を使い、物腰柔らかな態度を崩さないが、それがやけに不気味。そして、ひとたび怒り狂えばその本性が露呈し、子どもなどの弱者も容赦なく始末する最悪の存在だ。ちなみに、フリーザのモデルとなったのは、連載当時社会問題となっていた「地上げ屋」。部下を恐怖によって支配し、手に入れた惑星を売りさばくといった悪行は、まさに地上げ屋そのもの。Googleで「地上げ屋」と検索すると、予測変換で「地上げ屋 フリーザ」と表示されるほどの悪名高さ(?)である。ちなみに、本作の初代担当編集者である鳥嶋和彦氏は、とある番組で、「ドラゴンボールはフリーザ編で終わるべきだった」と語ったそう。まさに、「有終の美」を飾るにふさわしい悪役だったということか。

【2位】魔人ブウ
ピンク色の肌にぽっちゃり気味の体型、そして大好物はお菓子と、およそ悪役とは思えない特徴を備えた「魔人ブウ」が2位にランクイン。人を始末するときも、チョコやクッキーなどのお菓子に変えて食べてしまうなど、その戦闘方法もかわいらしい…が、よく考えると非常に残虐である。その正体は、邪悪な魔導師・ビビディによって造り出された、古の魔人。作中では、「心の動き」がリアルに描かれた悪役キャラであり、犬との交流によって、「善の感情」が芽生えるシーンもあった。しかしながら、心ない存在にかわいがっていた犬を打たれてしまったことがきっかけで、大激怒。完全なる殺戮マシーンと化してしまう場面は、考えさせられるところもある。

【3位】セル
3位は、ドクター・ゲロの手で造り出された人造人間、「セル」。悟空やベジータ、ピッコロ、フリーザなどの遺伝子を組み合わせて造られており、彼らの能力や技もコピーしているという、凶悪な存在である。非常に好戦的な性格で、戦いにおいて勝利することを最も重視する。それは、自分の強さを確認するために、「セルゲーム」と呼ばれる武道大会を開くほど。その一方で地球征服には興味を示さないため、ほかの悪役とは一線を画す存在である。ただし、強さのためならばほかの人造人間を吸収するなど、手段は選ばない残酷さも持ちあわせており、そういう意味においてはこれまた最強の敵といえるだろう。方向性が異なれば、良きライバルになれたかも。

【4位】ベジータ
『ドラゴンボール』における悟空のライバル的存在、「ベジータ」が4位に。数少ない「サイヤ人」の生き残りのひとりであり、極端にプライドが高い、惑星ベジータの王子様。一時は、フリーザとともに、惑星の地上げ行為に従事していたこともある。悟空に対して激しいライバル意識を燃やすが、バトルスタイルは正々堂々としたものを好み、真正面からぶつかり勝利することを望む。ここらへんが王族の気品を感じさせるところか。当初は戦いにおいて仲間が犠牲になることも厭わないフシが見られたが、地球で過ごすようになってからは、周囲の人間を大切に思うようになった。魔人ブウとの戦いでは、悟空を「天才」だと認め、大人になった一面を覗かせた。

【5位】ピッコロ大魔王
5位にランクインしたのは、「ピッコロ大魔王」。『ドラゴンボール』序盤に登場し、作品の方向性を決定づけることに一役買った。正義や平和を嫌い、法も裁きもなく、あらゆる悪事がはびこる世界を望むという、生粋の悪いヤツ。だが、長年「電子ジャー」のなかに封印されていたという、ちょっとおちゃめな設定を持つ。魔族を生み出す力を持っており、手下にクリリンや亀仙人を殺害させるなど、当時の読者には非常に衝撃を与えたと思われる。悟空との戦いに敗れた際に、「マジュニア」と呼ばれる、息子(分身)を生み出したが、その分身は大魔王とは異なり、後に悟空と共闘するなど、主要メンバーのひとりとして活躍することに。

そのほか、
・アックマン
・レッドリボン軍
・亀仙人(!?)
などにも票が入った。前述の悪役キャラばかりが目立つが、それ以外にも本作には魅力的なキャラがいっぱい。各々に思い入れがあるということだろう。
何年経っても根強い人気を誇る、『ドラゴンボール』。未読の方は、いまから読んでみてもいいかも。色褪せることのないおもしろさに、きっとハマるはず!

【アニメキャラの魅力】無邪気で天然でチャーミング!?圧倒的な強さを持つ「魔人ブウ」の魅力とは?
連載終了してもなお、世界中にファンを多く持つ『ドラゴンボール』。魅力的な登場人物と引き込まれる戦闘シーンがとても魅力的な作品です。主人公「孫悟空」の前に現れる敵はいつでも強く、絶望すら感じさせるツワモノ揃いです。今回は、中でもこれまでとは違った意味で絶望を味わせてくれた「魔人ブウ」の魅力についてご紹介したいと思います。

■非戦闘状態とのギャップ
魔人ブウは人間ではないので言葉はほとんど話しませんし、なかなかふざけた(チャーミングな)外見をしていますので、一見絶望を感じさせるような狂気や強さは感じません。お菓子を食べてますし。笑顔で目も殆ど線になっていますし、“子供っぽい”というより子供そのものの行動。しかし戦闘になるとこれが本当に強い・・・。外見と強さのギャップに、当時は度肝を抜かれたものです。

■腹が立つほどの無邪気さ
魔人ブウの魅力という点においては、やはりその強さと無邪気さが最も印象的な特徴かと思います。しかしながら主人公である悟空側がバタバタ倒れていくのを、面白がって無邪気にはしゃぐ魔人ブウに、本気でイライラしたファンも多いのではないでしょうか。と同時に、その圧倒的なブウの強さに、どこかドキドキを感じてしまうのも事実。物語の後半は毒気(?)も抜け、魔人ブウはミスター・ブウとしてミスター・サタンのところに居候していますが、二人が仲良く暮らしている姿はとても微笑ましいです。二人とも間違いなく悪い人ではないですから。

■絶望的、圧倒的な強さ
ブウの登場時、その強さには本当に衝撃を受けました。悟空やベジータをはじめ、主要な悟空サイドの人間が全く歯が立ちませんでしたから・・・。怒った時の強さはまた一番と凄いのです。ただ、どうしても彼の個性上シリアス一辺倒にはならず・・・。強いだけではなく、子供っぽさや天然な一面、そのチャーミングな姿にどこかコメディを感じさせる「魔人ブウ」。今一度、彼の活躍を見返してみてはいかがでしょうか?また新たな魅力を発見出来るかもしれません。

【アニメキャラの魅力】ツンデレ男性の元祖!?サイヤ人のエリート王子「ベジータ」の魅力とは?
国内外問わず、あらゆる年代に大きなインパクトを与え、今なお人気の高い『ドラゴンボール』。魅力の要因は設定やキャラクター、戦闘シーンの描写などなど、たくさん挙げられますが、かなりの数の登場人物がありながら、それぞれに魅力的な個性を持たせている非常に優れた作品でもあります。今回は、そんな登場キャラクターの中から、とびきり印象的なキャラのひとりである「ベジータ」についてご紹介いたします。

■ツンデレ男性の元祖!
ベジータは間違いなくツンデレ男性の元祖です。連載時は“ツンデレ”という言葉自体、ほとんど聞くことがありませんでしたが、普段は勝気でプライドも高く、つっけんどんな対応をしているにも関わらず、時折自分の弱さをチラチラと見せるのです。なおかつ、妻となる「ブルマ」に対する愛情表現もまた良い。憎まれ口の割には目を反らしながら顔を真っ赤にしていたり・・・。そして、いざという時にはストレートに愛情を表現するのです。これが“ツンデレ”以外のなんだと言うのでしょうか。

普段はぶっきらぼうで、ここぞという時に優しかったり可愛かったり・・・。ベジータは“ツンデレ男性”を好きな女性の心を鷲掴みにしました。「ベジータ好きは“ツンデレ”好き」。 間違いありません。

■心境の変化を味わうことが出来るキャラクター
ベジータは、初登場時は敵のひとりとして登場し、そのインパクトは特に大きいものではありませんでした。しかし、カカロット(孫悟空)と関わり、共に戦うようになってからは、ベジータのだんだんと移り変わる心境を垣間見ることができます。

まるで人を信用せず、自分の事だけ考えているような人でしたが、ブルマと一緒になってからは周りへの理解や許しを表現できるキャラクターへと育っていくのです。そう、“単なるプライドの高い嫌な奴”から“ツンデレ”キャラへと変化、成長していくのです。ベジータほど初登場時からキャラ変したキャラはいないのではないでしょうか。

■「カカロットォォォォォォ!!!」「きたねえ花火だ」など名言多数!
ベジータは作中のキャラの中でも、特に多くの名言を持つキャラクターです。登場したばかりの頃は「カカロット」と孫悟空を呼んでいたのが印象的でした。そして、キュイを倒した時の「きたねえ花火だ」。これはネタとして使われることも多く、とても有名ですね。ある意味衝撃的かつ感動的でもあったのが、戦闘に負け、自らの死が近づく時に息子「トランクス」に向けて言った「・・・ママを大切にしろよ」。ここで彼のキャラクターは揺るぎないものになったように思えます。他にも多くの名言・名セリフを持っていますので。

2015年夏アニメとして新作が放送される『ドラゴンボール』。ぜひ、初回から見直し、「ベジータ」の成長を振り返りながら、自分の中での名言探しをおこなってみてはいかがでしょうか?また新たな魅力が発見出来ると思います。

【原作者・鳥山明先生のコメント】
『ドラゴンボール超』は、魔人ブウ編の完全なる続きになります。ちょっとした闘いの後のやりとりがあって、破壊神ビルスが登場する『神と神』編、そしてフリーザが蘇る『復活の「F」編』と続き、そして、新たにボクがストーリーを書き下ろしたのは、ついに、この宇宙をも飛び出してしまった奇想天外な話です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

DB超待望の新作だと思っていた俺の姿はお笑いだったぜ

GT以来のDB新シリーズ。時系列は魔人ブウ編が終わって、悟空がウーブに出会うまでの間の話。

以下、各編ごとの簡易5段階評価です。
1~18話 神と神編  ☆☆    {netabare}だが、肝心のビルスに魅力なし。見どころはどこかと言われると、ベジータのキャラ崩壊か?(えー{/netabare}
19~27話 復活のF編 ☆    {netabare}超サイヤ人になるだけで瀕死になる悟飯。光線銃が胸を射抜いただけで瀕死の悟空(銃弾が効かなかった子供の頃より弱く見えるぞ?)。GTを笑えない所かそれ以下の脚本崩壊ぶり。あの頃のDBはどこにいった(遠い目{/netabare}
28~46話 第6宇宙編 ☆☆☆   {netabare}対になった宇宙で格闘大会というビッグイベント。だが毒なんぞで倒れる悟空や、反則だろもっかい出してくれよと潔さのない悟空の姿を見てゲンナリ。最後のブルー界王拳は良かったけどもうちょっと何とかならなかったもんかね。でも42話、波乱の祝勝会の話はマジで爆笑しました。面白かったです。{/netabare}
47話~ 悟空ブラック編 ☆     {netabare}未来から来たトランクスがらみの話。
久々にシリアスでとても面白そうな空気を醸し出しているが、随所にある設定の粗が気になる。
特に未来時代の軍隊はブラックとかなりマシにに戦えてる気がするのだが何故なのだろう。セルの時よりも戦えてる気がするが、おかしくないだろうか?
あと、ザマスの思想が自分勝手すぎる。不死身の力得ておきながら私利私欲とか、完全に自分の事棚に上げてますね。
悪役的にはいいキャラなのかもしれませんが、無能なのはゴワスですね。ザマスの悪の心にも気づけないとか、神様に悪の気がある事に気づいた元地球の神にも劣るんじゃないんでしょうか。

はあ……。64話まで見ましたけど糞アニメすぎる……。
随所に見所はあるのですが、それを打ち消すほどに構成が悪すぎますね。しょっちゅう未来から過去に行って戻ったり、そこで魔封破覚える特訓してきたのに壺壊されたり札忘れたりで準備が悪すぎる。スペアも用意しとらんとか。その上魔封破使うのが特訓してないトランクスとか。完全に悟空が過去に行った意味がないですやん。
後は、ザマスが完全にただの胸糞キャラすぎて意味わからん。こいつは、理念を持って人間を殺してるのではなくただの嫌悪感からの殺意に見えるし神も殺してるし、完全に動機が理解不能。ただの自分大好きっ子ですやん。
まだ私利私欲のために悪をやっていたフリーザやピッコロ大魔王あたりのがマシに思えますよ。
ここまで見たんだから一応続きは見届けますけど、正直そんな期待はできないかなって感じです。{/netabare}

我慢できずに途中断念。
長編はダメダメな出来なんだけど、短編ギャグ回はそれなりに見れる出来だったなと思いました。
でも正直落ち目になっていくDBは見たくないのでもうこの辺りでギブアップしておく事にします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

うっきー星人 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

宇宙サバイバル編以降の評価です

宇宙サバイバル始まる前は5回に1回位、たま~に観る程度で糞つまんね~と思ってましたが、
宇宙サバイバル始まってからはワクワクしています

特にアルティメット悟り飯と17号の復活には期待してます
作画も少しまともになってきたというか、昔の神バトルを思い出させる部分も出てきました
OP観るとすごいテンション上がる自分がいるwww

お金かければ面白くなるブランド作品なんだから、制作者にはぜひ頑張って欲しいですね

<追記>
やっぱ訂正 3.7→1.8
凄まじいゴミアニメと化しましたw
戦闘力関係めちゃくちゃすぎ、ストーリーぐっちゃぐちゃ、キャラも安物のパチもんみたいなのばっか
やはりドラゴンボールはブウ編までだった

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

65.9 7 復讐で仲間なアニメランキング7位
Fairy gone フェアリーゴーン(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (254)
951人が棚に入れました
かつて妖精は、"兵器"だった――。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに。それぞれの生きる道を選択する。戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こす。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語――。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正、諏訪彩花、中島ヨシキ、園崎未恵、子安武人、大塚芳忠、津田英三、種﨑敦美、沖野晃司、小松未可子、間宮康弘、津田健次郎、麦人、川田紳司、寿美菜子、井口裕香、興津和幸、江川央生、伊藤静、土師孝也、東地宏樹、乃村健次
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

体裁だけは名作風

ベテランのラノベ作家が原案・脚本でぱっと見作画はとても綺麗、声優も惜しみなくベテランを起用して音楽にもこだわってる…と概要だけなら名作としか思えない雰囲気

……なんだけど、実際に見ると疑問とツッコミしか湧き上がらない出来
やりたいことは分かるし、設定も膨大でキャラの背景まで作り込まれてるのにそれを脚本にも演出にも反映しようとしてないから上滑り感が漂う
作家が好きなのでHPは確認して、放映分(3話まで)は設定やあらすじ、伏線を一通り読み取れるように最低でも各3回ずつは視聴しているけど、正直見る度ツッコミどころが増えている状態

1~3話視聴時点
{netabare}まずよく言われるけど固有名詞の羅列について
これ自体は別に気にならないし、ファンタジーなんだから独自の世界観を感じられる良い要素のはず
ただ、語るべき部分と不要な部分の取捨選択がズレ続けているから何を言われても耳に残らない
そもそも主人公たちが所属するドロテアは何を目的に動くのか?主要な任務はなんなのか?という基本すらアニメ3話時点で曖昧なまま
そしてヒロインがドロテアに所属する経緯も、マスコット役の小動物が押収物として回収されずにヒロインと一緒にいる理由も、それどころか仕事先の省庁に動物を連れて行く理由も一切語られない
1話で争点になって3話で一部情報が開示された「黒の妖精書」は確かに重要だけど、キャラを取り巻く環境が不明なまま話が進むから行動原理が全体的に不明瞭なままになる
そういう基本情報はおざなりなのに、妖精書の著者名ばかり羅列されてもそりゃあ意味不明としか言いようがなくなってしまう

そしてキャラの行動原理について
1話でオークション警護の任務に就いていたマーリヤは探していた幼なじみを庇うために(立場上)先輩にあたるフリーに対して威嚇射撃を行う。
それ自体は「芯の通ったキャラクター」のような振る舞いだけど、全体を通すとツッコミどころしかない

①任務をサボってオークションの出展物を弄る
②幼なじみ(ヴェロニカ)がオークションを襲撃し、複数名を殺害する
③ヴェロニカを止めるため戦闘を開始したフリーに対して威嚇射撃を行う

つまり、物語冒頭から一切仕事をしないばかりか邪魔だけを行ったことになる
マーリヤの理屈としては、「故郷を同じくするたった一人の生き残り」であるヴェロニカを探すため、敢えてオークション警護を受けたというものがある
そのためフリーを止める理由は一応あるわけだが、それにしても殺人強盗を犯した相手を一切諫めず庇い立てするのは行動に正当性が無さ過ぎる
しかもこの行動が人物背景が曖昧な1話時点でのものだから、マーリヤに共感も同情も感じられずただ不快な行動に映ってしまう

そしてこの1話ラスト、フリーはマーリヤを自分が本来所属する組織、「ドロテア」にスカウトするわけだが、普通に考えて有り得ないだろうと
いくらヴェロニカに繋がる人間とは言え、仕事を放棄して自分に銃を向けた人間を引き入れるなんてリスクのほうが大きすぎる
ともに仕事をする中で「感情にまかせて背後から狙撃される可能性」というのを考えないのか?
しかも各話アバンにてフリーは大戦を生き抜いた元兵士だと明かされている
なら余計に裏切りのリスクは理解しているべきだし、キャラの背景を理解するほど行動の矛盾が大きくなってしまっている

ちなみに1話でこんな暴走をしたマーリヤ、2話3話にて「仕事でしょ?やります」「仕事だから撃ちます」と決め台詞のように「仕事」を連呼する
初登場から仕事を無視し続けた人間なだけにすさまじい説得力があると思う

そして何より気になった演出、作画について
基本的にこのアニメは作画がとても良いと評判だけど、正確には「止め絵がとても良い」だと思う
やはりツッコミどころになっている1話アバンのフリーが剣を投げるシーン
「上」の決定への不満から剣を投げるが、何故か下手投げ。しかも叩きつけられたかのように勢いよく地面に突き刺さる
そもそも怒りで当たり散らすなら上手投げだし、剣は刺さらず地面を転がるだけでは?
そして2話アバンで戦友がフリーを庇って刺されるシーン
右手に剣を握り、フリーから見て左手側から真横に走ってきてフリーの前に立ちはだかるが、敵に刺された衝撃で握った剣を左前方に投げ飛ばしている
横から来たなら剣は慣性に従ってフリーの右手側に飛ぶはずでは?そもそも歴戦の兵士(HPによると英雄とも呼ばれる人物)が覚悟して刺されに行ったのに剣を手放すか?
そして3話のビター・スウィートが走るシーン
カットごとに剣の持ち方が順手、逆手でコロコロ入れ替わる
走るとき、人混みの中だけ逆手なのかな?と思いきや相手を攻撃するときは常に逆手のため、順手で持つ理由がそもそもない
また、ビター・スウィートに対してマーリヤが発砲する際、ビターの足元に撃った跳弾がビターの正面にいるフリーに向かって飛んでくる
どこから撃ったかというとビターの背後…ではなくビターの正面側、つまりフリーの後ろの建物の屋根から撃っていた
ビターに撃った弾がピンポイントに地面の角に当たってフリー側に跳ね返った?

こんな感じで、「格好いい止め絵」を描くために前後の動きの整合性を無視したシーンがあまりにも多い
そりゃ突き刺さった剣越しにキャラが映ってる画がお洒落なのは分かるけど、そのために動きに違和感持たせちゃ駄目だろうと
ついでに2話のバイクは全体的に手抜きがバレバレ過ぎた
バイクが横転する場面は横転させた原因も理由も分からないような引きの画だし、
横転したバイクを立て直して相手を追う際にはバイクを拾いに駆ける様子どころかバイクを立て直す動きすらカット、追いかけた相手がいきなり急停止したさいにバイクを降りて強襲する動きもカットしていきなり敵の尋問を始める
見ていて「バイクの乗り降りを描くのが面倒くさいから手を抜いたんだなあ…」ってのがはっきり伝わってくる

脚本面でも触れたけど、全体的にカットの取捨選択があまりにも適当すぎる
「ここは物語に重要じゃないから省略しよう」じゃなくて、「ここを描くのは好きじゃないからカットしよう」で制作してるんだな、と


最後に脚本の構成と設定開示について
このアニメ、公式HPやTwitterを閲覧することが前提の構成になっているのが何より大きな問題
2話にてマーリヤがウルフランの撹乱に気付くシーンがあるが、何故気づけたのかはTwitterでしか明かされない
ついでにマーリヤが愛用しているのが何故猟銃なのかもTwitterでの開示
国家や街、各組織の特徴はHPでのみ開示されている
要するに、オリジナルアニメでありながら視聴者に「予習」を求めた作りになっている
これが漫画・小説原作ならファン向け作品と言うことである程度納得もいくけど、オリジナルで展開しながらアニメ内で世界観を完結させられないのは脚本としてどうなの?としか言えない
前クールでオリジナルアニメの「荒野のコトブキ飛行隊」は、突飛な設定だけど設定自体はそこまで重要じゃなく、シンプルなシナリオと分かりやすい空戦の迫力をウリにしていた
その上で裏設定を推測できる情報を散りばめて世界観を広げていたけど、本作はその真逆
「妖精」にまつわる様々な設定がシナリオの中核にあって、2クールかけてそれを丁寧に紐解いていく難解なシナリオがウリ…のはず
なのに設定はアニメ内では明かされず、アニメ単体では世界観があまりにも狭いものになってしまっている
取っ付きにくい独自設定を、そもそもアニメ内で理解させることをすでに諦めている時点でオリジナルアニメとしては失敗なんじゃないかとすら思う

これですら全体のツッコミどころのうち半分にも満たないレベルの粗まみれ
今後も視聴はするけど、そろそろ無難に楽しめるレベルの話を見せてほしいかな{/netabare}


4話視聴
{netabare}フリーやっぱり無能すぎないか?
ビターの妖精の能力をやられただけやり返すカウンタータイプと見抜いたのは流石に戦い慣れてる
けどそこから、なんで攻め倦ねる?
カウンタータイプの弱点は受けたダメージをビター自身も無視できないって点だろうに
だからここでフリーがとるべき行動は、マーリヤにフォローを任せて相討ち狙いで攻撃に専念すること
なのに妖精の痛みにビビって拳銃にもビビって動けなくなる始末……
ついでに言えばビターは戦闘前にルパンもどきに一発、戦闘中に4発近く発砲している
リボルバータイプなら残る弾数は1発か2発、戦闘中のリロードは実質できない
予備の拳銃を取り出すだろうと想定しても、その隙を狙えば十分すぎるくらい勝機はある
発砲の予兆から避けるくらいの技量があるのにそんな簡単な計算もしないのか?
そしてマーリヤまさかの特攻
ここは近接用にナイフを持っていたりと好きなシーン、だけどフリーあまりにも情けない
そりゃビターにも煽られるよなぁってだけじゃなく、戦争で庇われた頃から成長してないかよ、と思ってしまう
2話でウルフランが「お前は俺に追いつけない」って言ったのに納得してしまった

そっから一旦場面が切り替わって回想
アバンの回想地獄から解放されたと思ったらこれか…
まあ最後まで見ると必要な演出だったと分かるけど、それにしても後半でも回想挟むしちょっとクドすぎかなあ
というか何より時系列の歪みがエグすぎる
なんで回想の途中でさらに2年前の回想を入れようと思ったんだ…
最初見たときは『2年前』って表記が何時の時点からの2年前か分からず本気で困惑した
回想くらい順番に進めてくれよ…

そして場所を移してドロテアによる査察
妖精兵器による反乱を起こさないかを調査してるんだろう、というのは分かる
フリーの上官と、その女性のかっての上官が立場を変えて領主と査察官になっているのは時代の流れを思わせて好きなシーン
だけどやっぱりドロテアの活動が不明瞭すぎるし、査察を受けた領地が統一ゼスキアにどういう立場で従っているのかも不明瞭なまま
いずれ明かされる伏線として意図的に隠す部分も有るだろうけど、単純な描写不足で必要なところまで隠れているから意味深なようで意味深にも見えない微妙な展開
そしてこの領主に匿われる形でウルフランが登場するけど、全員の立場が何も見えてないから
「何故ウルフランがこんな所に!?」の驚きよりも「そりゃウルフランくらい出てこないとこのシーン不要すぎるしなぁ…」と変な納得をしてしまう

あとはフリーの無能パート
置き引きにまんまとやられる…のはまあお約束だから最早ツッコまないけど、
そっから誘導されてると分かっていながら分断に引っかかるのはさすがに駄目でしょう…
というかツーマンセルで相手が動いてるのはわかっているんだし、近接戦闘が苦手で本調子でもないマーリヤを一人暗い場所に置く時点でおかしい
そもそも妖精書を入れた鞄を自分が持つこと自体おかしい
妖精書を狙うビターの足取りが掴めず、ルパンもどきを連れ去る人間もいる
となると自分達と妖精書が狙われる危険は割と高いわけで、そんな状態で二刀流かつ近接特化の自分が妖精書を持つのは戦闘で邪魔だろうと
鞄自体妖精書くらいしか入ってない小さなものだし、本調子でなく戦闘に参加できないマーリヤに持たせるべきだろうと
要らんフェミニストぶりを発揮して自分が鞄を保持した挙げ句目を離して置き引き食らうって最悪すぎる

ちなみに良いと思ったシーンも今回はあった
さっきのマーリヤのナイフもそうだけど、フリーが地下墓所への通路で拳銃を取り出したシーン
狭い場所では剣を振れないために拳銃を握るって言う判断は合理的だし装備としても違和感がない
……まあフリー自身も拳銃持ってるならなおのことビターの拳銃の装填数は考えているべきだけど
ただ、惜しむらくはやはり演出
ただでさえ暗い地下墓所で、しかも黒い拳銃を握るなんてシーン何やってるか見えるわけ無いだろうと
何を装備したのか通路を降りる段階で手元をアップにしてくれよと
結局通路を降りきるまで何持ってるかよく分からないのは単純にもったいない
ついでにマーリヤ腹を刺されても悶えないって超人すぎない?
妖精がダメージを食らうと痛みで何もできなくなるのに、いくら小さなピックと言えども自分が刺されればもっとルパンもどきくらい苦しむだろに
もしかして妖精のダメージフィードバックのが本体のダメージより痛い?んなアホな…

粗筋については今までと変わらず、1話の話を少し振り返ったことで多少伏線を回収しようとしたのは今までより良かったかな?くらい
まあそれに倍する勢いでキャラと勢力を増やしていったから意味ないけど

ヴェロニカお前もしかしてステンドグラス越しにストーキングしてたのか?とか監視対象が地下に潜ったなら屋内で待機しとけよ、とかツッコミは追いつかないけどそれはそれ
次回はもっと面白ければいいなあ…
{/netabare}


5話視聴
{netabare}アバンで怒濤の回想
分かるよ?やりたいことは
でもこれ4話の戦闘の続きな訳で、なんで盛り上がりをぶった切って回想詰め込むの?
内容そのものはマーリヤとヴェロニカの過去と、そこから連なる現在を対比的に見せているので面白い…というか今までで一番好きな内容だった
でもタイミングはそこじゃないよね?多分Aパートのマーリヤとヴェロニカの会話に関する情報を開示するためにこの回想を用意したんだろうけど、
作中のドラマに落とし込むことができず、場当たり的に必要なシーンをアバンに突っ込んだ印象が強くなってしまってる
陳腐ではあるけど、マーリヤとヴェロニカが決別に至る前にレイ・ドーン襲撃や一人村を旅立った様子などを語り合う形でいいのでは?

そして相変わらず無能のフリーさん
パティに苦戦する中スイッチが入って一転敵を打ち負かす、ありがちだけどハマると格好いい演出
ただ、動きや戦法が変わったわけでもなく、スイッチが入った結果やったのは「力押しで敵の剣を折る」…は?ただの火事場の馬鹿力?
そして本気になったはずなのに敵に武器を構える時間を与えたり、それどころか武器の詰まった鞄をわざわざ敵に蹴って返す始末
敵の方はというと、戦力差を見極めて受け取った鞄をもってさっさと撤退、盗んだ黒の妖精書をフリーに投げることで追走を躊躇わせる潔い判断力を見せる
そしてBパートの歓迎会では敵を捕まえられず機嫌の悪そうな様子を見せるフリー
逃げられた理由は「舐めプして武器を与えて棒立ちしてたから」なのに不機嫌になるって……マジでセルジュに介護してもらえば?

4話から続く黒の妖精書騒動に一区切りついたところでフリーの行動を列挙すると…

①ビターの拳銃の装填数に気付かず、さらに妖精の能力にビビって近づけなくなる
②ドロテア以外に最低2つの勢力が狙っている黒の妖精書から目を離して置き引きにあう
③ツーマンセルを組む相手を追跡中、敵に誘いをかけられていると気付きながら相方と分かれて行動……ちなみに相方は本調子でなく後衛のため自衛手段なし
④敵が思ったより強いため油断を捨てる……かと思いきや力押しが酷くなっただけで舐めプはさらに悪化、自分の慢心から敵を逃がす

これはちょっともう駄目すぎだろうと
結果的に敵が逃げを優先して妖精書を返してきたから結果オーライだったものの、持ったまま逃げられたらどうするつもりだったのか
そもそもビターの手に途中で妖精書が渡っていたら、フリーは妖精書を奪われた挙げ句襲撃犯を逃がす大失態を犯していたところだった
1話時点ではマーリヤのが酷いと思ってたけど、蓋を開けてみればフリーがそれに輪をかけて無能だったというオチ
感情を優先するマーリヤをスカウトするなんて謎采配だと思ったけど、本人が感情優先の舐めプ野郎なんだからそれも当然だったのかも

残るシーン、マーリヤとヴェロニカについてはいい感じ
殺しを平然と行うヴェロニカに対して動揺を見せてくれたし、マーリヤが今後どう向き合うかは純粋に気になる
ただまああヴェロニカの身体能力はリアル調のアニメでやって良い演出ではないだろうと思う
みんな多少アニメめいた動きはするけど、中でもヴェロニカはやりすぎて白けるくらいある
キャラの好みと「意味もなくカッコつけたシーンにしたい病」で相変わらず考えなしのカット作ってるな、と

公領関連は今後の事件の焦点になるだろうから現時点ではノーコメント

ドロテアの歓迎会は…いらなくないか?
未だに組織の様子はほぼ見えてないのに、歓迎会でキャラだけ増やされても何とも思えない
というか愛着のない新キャラが半数以上を占める日常パートって純粋に退屈
歓迎会やるならそもそも入隊時の描写を細かく見せないと説得力がない、くらいの感想しかない

総評としては今まででは一番面白かった回
ただ、それも本筋と独立した回想の描写だけで、いざ本筋になると「シナリオ進行のためのシナリオ」みたいな行動の不可解さ、意味のなさばかり目立つ脚本と作画は相変わらず
マーリヤについては今回で多少好感度もあがったので、次回以降フリーが有能さを見せてくれるといいなあ…無理だろうけど
{/netabare}


6話視聴
{netabare}妖精を出さず、ドロテアの仕事の様子をメインにしているのは割と好き
ただ、人工妖精の暴走と黒の妖精書発見を同時に扱うのはどうなん?って思う
錯綜する事件や情報が、最終的に一つの点を結ぶってのは展開的に予想できる
ただ、錯綜するものを同じ話数で等分して描写するからどっちも半端になって内容的にはスカスカな印象になってしまってる
暴走原因の調査を今回のメインにして、Bパートラストで黒の妖精書発見のニュースを仕入れて7話でそっちにシフト、じゃ駄目なのか?
フリーの無能を示しただけのパティ戦とか無駄話だけで掘り下げにならない歓迎会とかやってる割に本筋の尺がカツカツなら明らかにペース配分がおかしい

しかも黒の妖精書追跡にマーリヤとクラーラが出動するのがおかしい
二人とも役割は後衛なわけで戦闘になれば勝ち目はないだろうと
今回はただのゴロツキだから良かったものの、黒の妖精書なんて結構な勢力が探し求めてるのは3話のアレで分かってるだろうに
というか酒場に行かせたりバイクで尾行したりって、どう考えても女二人じゃ目立ちすぎると思うんだが
私服で素性を隠しているはずが逆に目立つ結果になって、オークション代理人にバレて危うく逃がすところだった
ネイン局長は人選についてドヤ顔だったけど、対象者確保に成功したのはほぼ結果オーライ
フリーだけじゃなくその上まで無能なのか…?

というわけで話はスカスカなのにツッコミどころは減らない感じ
予告とかあらすじを調べた時点では、話が大きく動くと思ってワクワクしてたのに、あまりにも内容が無さ過ぎてガッカリしてる
ついでに言えば、クラーラの回想とかまっっっったく要らない
5話の歓迎会でネイン局長との出会いを語っているわけで、その時点で入隊の動機は察せられるやろと
それをわざわざ回想を挟んでまで改めて描写するなんて正直時間の無駄だし、そもそもタイムリミットのある中で対象者を探すって状況でやる話じゃない
尺稼ぎみたいなシーンは多いのに肝心の本筋は描写不足ってのが本当に多すぎる
7話はもうちょっと本筋に主眼を置いた展開になってほしい
{/netabare}


7話視聴
{netabare}今までの中ではハッキリと面白かったので物語の評価を0.5引き上げ
やっぱアクションシーンが無いほうがこの作品面白いんじゃないか?と思う
これまでは半端にアクションを挿入することで設定がただ記号的に語られる上滑り感があったけど、
ドラマをメインにしたことで設定に意味が出てきた印象
逆に、妖精を使ったスタンドバトルを期待してた人にとっては6話に引き続き退屈な回だっただろうな、と

ビターが絡んできて、グイ・カーリンの幹部から妖精書を回収しようと奔走する流れは結構気に入っている
正攻法では黒の四を見ることができないなら、ドロテアに押収させてでも目的を達成しようって考え方も面白い
互いにやり過ぎなければ政府機関もマフィアも遺恨を脇に置いて協調するって流れは世界観にマッチした雰囲気を感じる

人工妖精の暴走についての捜査も面白そうな雰囲気ではあるんだけど、やはり妖精書と構成を二分したために微妙な感じになってる
元公安のチェイスが伝手や過去の捜査から真相に迫ろうとする様子や、
妖精省と軍部の軋轢、その間に入るドロテアって図式は政治ドラマとして普通に面白い
ただ、6話から一つの筋として辿っていくならともかく、
話が妖精書と行ったり来たりしつつ更に他の陣営の様子を交えつつ、大量の人名を整理していくのは面白さを理解した上でもやや面倒くさい

物語の展開的に現時点で重要なのは黒の妖精書探索よりも人工妖精の暴走事件
ただし、黒の妖精はマーリヤがメインなのに対して人工妖精はチェイスがメインでフリーは脇を支える役割
「話的に人工妖精を追いたいけど主人公を見せるには妖精書を追わないと…」
みたいな状態になってしまって主軸を定めきれない脚本になったのかな、と

こっからはツッコミ
いよいよ人物名が処理しきれなくなってきた…
群像劇の要素が強いから人物が多いのはわかるけど、会話パートでいきなり第三者の名前が出てきても誰のことだかわからなくなる事がある
特に人工妖精の暴走原因を調べる技師たち
6話で数分しか出ない上に名前を呼びあうのは仲間内だけ、みたいなキャラが7話ではチェイスのセリフ中にポンポン出てくる
おまけに未登場のキャラも会話上で登場するようになるので整理がかなり大変
台詞の途中で名前を出す際に顔を映すとかしてくれればいいのに
こういうときはお得意の回想を挟まないから、理解をこっちの記憶力に依存し過ぎな演出になってる

というか回想、今回は珍しくアバンにも本編にも登場しなかった…んだけどCにぶち込みやがった
しかもビターの回想、かつ現在の時系列で扱う事件に関わってくるかどうかも一切不明な内容
いい加減に、「脚本にうまく織り込めないから適当にぶち込んだろ!」みたいな回想の入れ方はやめろよ…
ただでさえ今回はEDの入りが演出的に最悪だったのに、Cパートまで意味不明って有り得ない

序盤から続く固有名詞の羅列がいよいよ問題化してきたな、という以外は割と問題なく見れた回だった
回想の不要さは最早お約束レベルだし、そろそろ(呆れるという意味で)慣れてきた
ついでにバトルなどアクションシーンがないおかげでコンテの違和感も最小限ですんだのも高評価
こんな調子で8話も期待したいけど、そろそろバトルが出てきそうだし、そうなるとまた酷い演出を見せられるのかな…という不安が残る
{/netabare}


8話視聴
{netabare}6話7話と積み重ねた話を雑に流す内容……Aパートは好きだったがBパートが洒落にならないレベルで酷い
ギルバートの屋敷に乗り込んだあと、支援型妖精を扱うクラーラが突入の合図を示す流れはかなり好き
支援型ってやっぱりこういう市街地では無類の汎用性を示すよなって感じ
とは言え屋敷周辺を他の隊員が固めるってのは7話の時点で見せていてほしかった描写
普段から小出しにしている回想とかじゃなく、こういう緊迫感ある展開こそ伏線があればよりワクワクしたのに、というくらい
で、タイミングを見てビターを取り押さえようと目論むドロテアと、それを察して出し抜くビターの構図も面白い
必要となれば裏切りもするけど、一応の義理立てとして妖精書を放置してドロテアに回収させるのも「憎めない悪役」という雰囲気
……まあビターを確保するってのも8話でいきなり出てきたから、辻褄合わせのぽっと出なフレーズに聞こえてしまって上滑りするのは相変わらず
設定を開示することには余念がない割に人物や組織の目的・行動に対する描写が全然ないから、
「やっていることはわかるけどもっと見せようがあるだろ?」みたいなモヤモヤ感が付き纏う

そして妖精書確保が終わったら本格的に人工妖精暴走事件
こっからが本当にひどかった
内部犯行の可能性と、アーケイムに匿われた元技術者のエディ・ロイドが関与している可能性、この2つからハンスの取り調べを行う
そしてチェイスの独自調査からエディ・ロイドに息子がいたという事実が判明する流れ
このあたりの展開は文句なしに好き
新型の暴走は操りやすい旧型を復帰させて首相を暗殺するためだった、というのも展開的に盛り上がる
なのになんで事件が尻すぼみのまま解決されるかなあ…
いや、チェイスは本当に優秀な雰囲気だったし、その後のドロテアの動きで事件が解決されたのも理解できる
でもアーケイムだのダミアン・ヴェロニカだの各勢力が結集している中で、結果的に「ただの様子見でしたー」で終わるってどうなんだ?
2話かけて記念式典を焦点にずっと話を盛り上げてきたのに、結局何事もなく事件解決、よかったね!で終わってしまうなんて…
アーケイムがまだ何か狙ってるのも、ハイブランツ公が暗躍しようとしているのも描写されてるし理解できるよ?
できるけど、こんなあからさまに話が盛り上がるポイントすら空振りさせる必要がどこにあるの?
というか式典でアーケイムもハイブランツ公も殆ど動きがないわけで、なら前2話で彼らの暗躍をあんな時間割いて描く必要あったか?って話になる
だったら上記に挙げた、妖精書関連でのドロテアの動きをもっと丁寧に見せる時間くらいあっただろうに

で、今回何より酷いと感じたのは挿入歌
何考えてるの?チェイスがバイクに乗りながら取り調べを回想してるシーンでバラードってなんかもうドン引きだったんだけど
確かに話の全体を見れば、結局式典も何も盛り上がらないちゃちなイベントで、犯人の心情描写が大事だってことはわかる
ただ、あの場面自体は「首相暗殺の時が迫る中、犯人確保に向けてバイクを走らせる」って緊迫感のあるシーンなわけで、
そんなシーンにあのバラード流されても「いやそんな場面じゃなくね?」みたいな気分になって笑ってしまった
というか挿入歌を入れるなら犯人確保後、搬送前のやり取りのシーンにすれば違和感もなかったのに
「EDをカットしたくない、でもイントロが本編にかぶさる形だから挿入歌を入れるとおかしくなる……せや、適当なシーンに歌流したろ!」みたいな感じ
今回だけ特殊EDとして歌を変えて本編にクレジットを載せる形にして、あの最後の場面のやり取りを掘り下げたほうが良かったんじゃないの?
なんかちょっと前に、「挿入歌は映像作成後に作られている!」みたいな記事があったけど、
あの映像を見てあんな挿入歌をぶち込んだなら音楽集団としてあまりにもセンスが無いと思うので嘘であってほしいくらい

あ、この回は本編に無関係な時間軸の回想はなかったので、その点は最高だった
まあその分前回のビターの回想が意味不明すぎるままなんだけど
次回は話が大きく動きそうな予告映像だった……けど、同じく話の動きそうだった今回がこの出来なので期待薄かな
{/netabare}


9話視聴
{netabare}いよいよ話が大きく動く回
ハイブランツ公が首相を庇った報奨として妖精武器を求め、それに応じてドロテアが搬送を行う…という展開
妖精武器を扱う戦争請負人、ビーヴィーによる襲撃という今までにない規模の戦闘が描かれていた

ハイブランツ公の思惑や暗躍を続けるウルフランの真意など今後の展開に係る描写も多い回
ただ、一番の見せ場である戦闘が相変わらず真っ暗なのが本当に酷い
襲撃に向いた地点を選んで夜間に戦闘を行うってのは合理的だしそれ自体はかなり好みなんだけど、本当に真っ暗にするアホがどこにいるのかと……
オマケにドロテアの制服は黒だし襲撃側も暗色系の服装、出てくる妖精も暗色で唯一分かりやすいのはビーヴィーの妖精武器のみ
オズの二丁拳銃にナックルガード状の刃がある…なんてこんな暗い戦闘じゃ分かりづらすぎる
せめて襲撃前に打ち合わせを行って、各々の武装を確認するシーンを用意するとかしてくれよと

あと、妖精武器が具体的にどう強力なのか全くわからないのはどうなの?
オズの妖精をスパッと斬っていたのは果たして能力なのか単純な切れ味なのかも不明
フリーが「こっちも妖精武器でないと対抗できない」と言っているが、能力不明なまま言われても説得力がなさすぎる
というかフリーは護送中の妖精武器を使って戦闘をするけど、ものすごくアッサリ負けてるわけで……
最終的に負けるのは分かるよ?普段と勝手の違う武器だし慣れない間合いでは勝ち目が薄いのも理解できるし
でも、武器を変えて挑んだ結果、互いに変わった力を使うというわけでもなく普通に戦闘し敗北
あんな簡単に負けるなら普段の双剣で戦ったほうが良かったんじゃないのか?という疑問が残ってしまう

マーリヤに関しては特に違和感も無いけど、やっぱ妖精デリケート過ぎない?
敵兵を貫通して威力の落ちた銃弾一発、しかも本人じゃなく妖精に当たったもので気絶するって何なんだろう
そんなに妖精がデリケートなものなら、敵の妖精に銃弾浴びせれば勝てたんじゃないの?

総評すると、「予定調和の敗北を見せられた回」といった感じ
というか、「突然の襲撃に味方が壊滅的打撃」って普通に考えればかなり盛り上がる展開なのに、
これまでにドロテアが活躍したシーンがなさすぎて「そりゃそうやろ」としか思えなくなってるのは脚本に問題がありすぎる
また、この襲撃でオズが犠牲になったけど正直何も思わないというか…
歓迎会で実質初登場(一応訓練や査察で出てるけど)したあと特に絡みもなく、8話Cパートで軽く言葉をかわした程度
ぶっちゃけ8話時点で名前忘れてた程度には存在感なさすぎなキャラだから、犠牲になろうが「はぁ、そっスか」くらいにしか思い入れが…
エガオノダイカのがまだお涙頂戴の準備をしていただけ若干マシだったとすら思えてしまう
思い入れが強いキャラを殺すと反発が来る、みたいな狙いからかもしれないけど1クールラストに向けた展開としては弱すぎるだろうと
これがセルジュ・クラーラ・チェイスのいずれかなら驚きや衝撃も強い分感情も揺さぶられたと思う
「マーリヤのトラウマを刺激するために適当なキャラを殺しとくか」、みたいな作業感が強くてむしろ萎えてしまった
お得意の回想でオズの掘り下げでもするのかな?したらいよいよギャグアニメとして笑うことにする
{/netabare}


10話視聴
{netabare}オズの死に責任を感じたマーリヤが迷い、仲間の説得を受けてドロテアの活動を続ける決意をする回
主人公が過去のトラウマを乗り越えるって展開はよくあるものだし、目新しさはないけどきちんとまとまった話だったと思う
ここにシュヴァルツ・ディーゼ、妖精省、チェイスらアーケイム捜索組の描写が挟まれることで、1クールラストに向けた助走の回となっている

ただ、面白いと感じた点とおかしな点が同時に展開されるのが惜しい
それがオズの死体の扱いとマーリヤの進退について

妖精器官は本来違法なもので、首相直轄のドロテアに所属していることで例外的に妖精兵の存在が許されているという点
オズの死亡をもって体内の妖精器官が妖精省の管轄となり、死体ごと持ち去られてしまうというシビアさは世界観にマッチした好みの展開だった
妖精器官の再利用などあるのか?や器官の摘出だけで済ませる事ができない理由はあるのか?など想像すると面白い

それだけに、進退を迷うマーリヤの扱いが気になってしまう
マーリヤは(確認される限り)唯一の妖精憑きであり、局長が情報を握りつぶしたとは言え希少価値は非常に高い
そうでなくても妖精兵としての登録を受けている以上、ドロテアを離れると即座に拘束される対象となる
となると「親しい人が死ぬのは嫌だからドロテアを抜ける」なんて呑気なことを言える立場には無い
もちろんマーリヤにとってはそんな組織の論理なんて関係なく、自身の葛藤に気を取られて周囲が見えないのも当然と言える
ただ、フリーの立場としては説得に感情や目的、仲間との絆を語り聞かせるのは大事だけど、
組織としての考えも描写してくれないとただの「お友達ごっこ」みたいな甘っちょろさばかり目についてしまう
せめてフリーが酒を飲んでいるときに局長とのそういった会話を回想してみせるとかあれば……

ハードな世界観なのに、やけにヒロインには甘い展開ばかりなのはどうなんだろう?と
未だに「災いの子」と呼ばれた経緯や村で爪弾きにされたような描写も無いのもファッショントラウマみたいな上っ面感が漂ってしまう
回想が多い割に村での境遇が描かれないせいで、災いの子ってのもヴェロニカに執着するのもどことなく上滑りしてる
「世界はマーリヤに厳しいけど、仲間の優しさが守ってくれる」みたいなのを表現するにはマーリヤ自身の苦境の描写が薄いな、と

今後の伏線については素直に楽しみ
列車襲撃によって、自身に向いていた反乱の疑いを逸しつつフラタニルを入手したディーゼと、戦争準備を進めるビーヴィーの動きはワクワクする
恐らくそれを阻止するためだろう親書を託すレイ・ドーンや動きが活発になったウルフランらアーケイムも次で何かしてくれそう

あとは純粋に悪い点
以前にも言ったけど挿入歌が本当に要らない
普段は使い回しのインストなのに突然挿入歌が入ってこられても笑うしかない
戦闘中のハードな曲はまだ問題ないんだけど、今回みたいなしっとりした展開にボーカル曲をいきなり出されても困惑してしまう
「一話につき一曲音楽を売りつけるノルマでもあるの?」みたいなやっつけ感すらある
挿入歌は、全編ボーカルのアニメでも無い限りは「物語の大きな山場」を演出するためのものでないと効果が薄い
それを、本作みたいに「大事なシーンはとりあえず全部ボーカル入れる」みたいなことをされると
「あ、ここで泣けってこと?はいはい泣く泣くー」みたいに受け取ってしまうし、白けてくる
こう言っては悪いが、最近はボーカルが流れるたびに失笑してしまい、画面のストーリーが頭に入らなくなってきている
BGMが邪魔で何度も見直すのはいい加減不毛すぎる
音楽集団を名乗るくせに音楽を効果的に使う方法を理解してないの?という感じ
曲単体でいくら良くても、やってることはあくまでもアニメの演出の一環なわけで、雰囲気を崩すような曲を流すくらいなら全編BGM無しでいい
だんだん不快になってきたので音楽の評価を更に下げておいた

次回は戦争が始まりそうで結構楽しみ
シナリオはどうせ1クール時点では尻すぼみで終わるだろうし、
せめて画面で市街地戦を行って、派手で分かりやすいバトルをしてくれると良いかな
{/netabare}


11話視聴
{netabare}いよいよハイブランツ公の反乱が始まり、ビーヴィー・ネイン局長・フリーが妖精武器を持ち戦争に突入、と盛り上がりのピーク…のはず
なのにその実態は、描写の大半が陽動で戦闘も散発的なために状況から読み取れる緊迫感が画面から感じられないガッカリ感のほうが強かった
オマケに「カッコつけたいだけのシーン」のために局長が人外じみた動きをするために、リアル調の雰囲気が逆に損なわれてしまっている

これまでの事件がハイブランツ公の思惑によるもので、暴走事件により戦力となる人工妖精を削ぎ、
妖精武器フラタニルを襲撃によって所在不明にしつつ奪うという計画的な動きがこの回で明言される
この辺は今まで見ていた視聴者への答え合わせでしかないからとくに言うことはないかな、くらい
そこから局長がアリアドラを持ち出し戦場に向かうまでは普通にワクワクした

ただ、これ以降の展開があまりにも酷くて正直視聴を止めるか迷ったレベル

ハイブランツ側はアーケイムから供与された人工妖精を防衛戦力に公都ハプシュタットに立て籠もっている
そこに局長が参戦し、妖精武器を手に敵を薙ぎ払っていく…とそれ自体は構わない
ただ、局長の動きがあまりにもあんまりじゃないかと
七騎士とも呼ばれるだけあって人工妖精がいくらいようが障害にならない、というのは分かる
妖精の天敵である妖精武器であれば(なんで装甲を切れるかは謎だが)人工妖精を簡単に切り裂ける、というのも妖精武器の強さを端的に示していて面白い
ただ、それと銃撃の中を単騎突撃できることは別だろうと
「単騎であることを活かして敵陣地に潜入、撹乱して同士討ちを誘って銃を封じる」、とかなら分かる
でも「単騎で突撃して銃弾は一切当たらず敵をとにかく薙ぎ払う」なんてどこの無双ゲーかと
ここまで散々陰謀だの動員戦力数だの地に足ついた会話をしておいて、戦闘になったら途端に作品が変わったように無双されるとむしろ白ける
しかも敵のど真ん中で一人きりなのに、人工妖精の操縦者一人潰しただけで
「投降しろ!→全員投降」はあまりにもお粗末すぎないか?なんで銃を全員捨てるんだと
「局長カッコイー!デキる女ー!」やりたいだけで展開を考える力が無さすぎじゃないかと

そこから場面が変わり首都防衛戦
市街地を進行するビーヴィー一行は各所に陽動部隊を配置して宮殿を目指す
ドロテアは局長ら不在のため、実働隊員が査察から帰還した4名しかいないなか防衛戦に参戦することになる
ここで何より気になったのがフリーの持つベロスティール
局長と同じく人工妖精に覿面のためバッサバッサと薙ぎ倒す…んだけど、やっぱなんかこう舐めプ感がある動きをするなあ、と
というか敵が陽動部隊の人工妖精少数のため、イマイチ妖精武器を持ち出したことへのインパクトが無いというか
腰に帯びたベロスティールを見た瞬間は「どんな見せ場が待ってるんだろう…?」とワクワクしたのに、やったことは雑魚処理一戦だけ
そんな一回ぽっちの前哨戦で早々と披露した挙げ句、「ベロスティールだ!すごい!」って適当に持ち上げられても肩透かしにしかならない
結局ベロスティールに関しては見せ場なし、ビーヴィーに関してはただの口笛おじさんにジョブチェンジして11話終了という消化不良

というかこの脚本、執拗なまでに盛り上がりを外すことばかりに力を注いでいるんだけどなにを考えているんだろう……
レイ・ドーンの親書が間に合わず反乱を許してしまう、という展開自体に不満があるわけではない
ただ、その流れと以降の展開に対して1ミリも親書が役に立たない死に設定同然になっているのが問題
「レイ・ドーンはじつはいい人なんだよ~」をやりたいんだろうけど、これじゃあまりにも遅きに失した感が強くて無能にしか思えない
加えて今回の反乱全体
ハイブランツ公領の独立→鎮圧戦(陽動)
首都市街地襲撃(陽動)
宮殿東門・西門襲撃(陽動)
宮殿大天門襲撃(本命、12話に続く)
と起こった戦闘の大半が陽動で、規模も散発的なレベルで練度が低い
戦略的な意味で言えば防衛戦力を段階的に削ぎつつ本命への攻撃を確実にする、と面白いし理解できる行動をとっている
ただ、アニメ的な意味で言えば今回は1クール最終話直前の一番の盛り上がりなわけで、そんななかで地味な陽動ばかり描写してどうするんだ?と
これが6話くらいで、ここから盛り上がりをかけていくならワクワク感があるけど、最終回直前でしかも前回が溜め回となるとガッカリ感のほうが強い
2クール目は10月からなのに、1クールをとことん地味なまま盛り上がりを作ろうとしないのは見ていてあまりにもしんどかった

あと、あの口笛おじさん本当にどうにかならないのかな…?
またもや挿入歌に失笑することになるとは思わなかった
ビーヴィーが口笛を吹くシーンを印象的に見せようとしたんだろうけど、そもそも口笛吹くキャラじゃないじゃん?っていう
吹くにしても列車襲撃前の静かなシーンとか、もっとそれらしい場面はあっただろうと
そういう場面的な問題を別にしたとしても、今回の挿入歌が口笛を前提にメロディを作られているせいで、メロディが単調すぎて盛り上がりに欠けている
これはさすがにあんまりだろうと……
そもそも演出として口笛がキャラとも場面とも合わない上に、口笛合わせの音楽のせいで挿入歌まで陳腐になるなんて絶望しか無い
前回はハードな曲は問題ないと評したけど、今回のせいでその評価すら覆ってしまいそう

というわけで今回は前回望んでいた戦闘面のインパクトすら感じられず完全に肩透かしの回だった
次回が恐らく最終話だけど、きっとゼスキア崩壊の雑な鬱エンドを狙ってるんだろうな、と
当初抱いていた期待は完全に地に落ちたので、エガオスイッチを導入して驚きのハッピーエンドを迎える超展開を期待してる
{/netabare}


12話視聴
{netabare}ドロテア組vsビーヴィーの戦闘シーンはこのアニメ通しても最高に面白かった回
一人の強敵を相手に仲間と協力して戦う様子や、あくまで戦乱にこだわるビーヴィーと鎮圧任務に徹するフリーの立場も明確になっていた
正直このくらいの戦闘が中盤にあったならば手放しで褒められる作品になったんじゃないかってくらい見せ場としてよくできていた
11話の口笛おじさんも口笛止めてくれたり、武器を盾にして銃弾を防いだり多少はマシな演出になってくれたのも高評価

ただ、それらを除けばあとはツッコミどころまみれの投げっぱなしエンドという印象
ビーヴィーに殺されたオズを思い、仇を取る思いからも奮起するドロテア一行…という一見熱い展開
ただ、以前も触れたけどオズってアニメ中じゃ無言で酒飲み続けたシーンと、マーリヤの帰り際に挨拶を交わしたシーンしか交流が描かれて無い
そんな人物の仇討ち云々言われても、気持ちはわかるけどなんとなく上滑りしてる感じがしてしまう
言っては悪いがお涙頂戴の安易な舞台装置にすらならないただの踏み台と言った印象で、死んだオズは良いように利用されてるなとすら思う

次いで戦闘シーンでのジェットとの回想
一言で言うと「知らんわ!」
ジェットが大事な戦友なのは2話の回想の時点でわかっているし、そいつから託されたのも分かっている
でも、「前に進め」とかなんとか、作中で描かれていない過去をさも名シーンかのようにフラッシュバックされても唐突な感すらある
描かれていない過去を唐突に戦闘中に振り返って、描かれていない人物との絆がさも力を与えてくれるようなシーンを作るなんて何を考えているのかと
これが中盤なら、この戦闘を経てジェットとの過去を描くなりして掘り下げもできるけど、今回最終話だろうと
掘り下げができないタイミングでよく知らない人物との過去の絆を持ち出されても、見てる側は「いや、そんなシーン知らんし」としか言えない
過去がキチンと描かれているなら間違いなく名シーンになったと確信できる場面なのに、これまでの積み上げが足りなすぎて半端な演出になっている

あとはやはりレイ・ドーンとシュヴァルツ・ディーゼ
レイ・ドーンが妖精武器を持ち出していた事からこの二人が戦うのは予想がついていた
ただ、時系列的にレイ・ドーンがあの場にいるのはかなり無理があるし、そもそも戦闘をアッサリ片付ける意味はあるのか?と
というかせっかく奪ったフラタニルに活躍の機会を与えないのはどう考えても演出として意味がなさすぎるだろうと
「簒奪者を自認するからこそ、皇帝を我がものとしたサイダルの騎士ガーランバトルの所持した武器を使う」みたいな意味合いだろうけど、
そんなオサレ感だすんじゃなく実際的な意味を見せるべきだろうと

あとはなんと言ってもマーリヤ
「戦うのは怖い~」とか独白したかと思えば敵を見れば豹変して「かたきを討たないと~」って……
ビャクレー行って自分を見つめ直した意味あるか?ってくらい情緒不安定にも程がある
あそこで感情に揺さぶられながらも自制心を持つような葛藤を見せれば成長が見えるのに、なぜか1話の頃の感情重視の自分に逆戻り
正直オズが死ぬ前の仕事連呼してた頃のほうがマシだったし、オズの死は成長要素にもならず無駄でしか無い
というか2話で自分が危険なのにウルフランを撃つのを躊躇う性格だったのが、怒りに任せてヘッドショット狙いに行くって滅茶苦茶すぎるだろうと
ヴェロニカに対すること以外成長しないってことですかそうですか……

挿入歌に関しては今回は(目立たないので)言うことなし
口笛おじさんにジョブチェンジすることも無かったので大満足
というか口笛を吹かないなら最初から吹かない方向で統一しろよ、と改めて感じた程度

総評としては「戦闘以外は最終話として落第点」といったところ
3話でアクセルと接触した理由が明かされていないからビーヴィーは生存
ヴェロニカ関連が2クールに回されたのでシュヴァルツ・ディーゼは話の整理のため1クールのうちに死亡
妖精武器の封印が解かれていたのでレイ・ドーンがシュヴァルツ・ディーゼを討ちにいく
戦場が分断していてドラマを作りづらいのでドロテア陣営は全員生存
こういった予想がことごとくそのまま当たってしまう平凡なシナリオだったな、という感じ
とは言え「全部レイ・ドーンがなんとかしてくれました!」みたいなヤケっぱちなエガオノダイカパターンに入るとは思わなかった
ここで皇帝が殺害されてディーゼが倒れて、ゼスキアがさらなる動乱期を迎えるようなハッキリとした「引き」があるとばかり思っていた
まさか2クール目への引きも作らず、無理矢理ハッピーエンドからの朝日を拝んで終了!なんてB級映画みたいなオチになるとは…
展開的には予想を超えず、オチはざっくり纏まるような小ぶりにすぎる最終回だったなあ
{/netabare}


疑問・違和感まとめ
{netabare}とりあえず1クール終了時点で積み上がった疑問等について
シナリオ上に残った今後の謎ではなく、現時点の描写における疑問

妖精兵の身体能力
作中ヴェロニカやネイン局長、ビーヴィーなど人間離れした動きをするキャラが多かった
もちろんアニメだから大げさな動きで魅せるのは大事だけど、「お前もはや妖精いらんやろ!」みたいな動きが多い
連携に特化したヴェロニカはともかく、妖精を出していないネイン局長、別々に戦うビーヴィーに関しては妖精の特異性を霞ませるだけになっているんだが…
「本物の妖精兵は一騎当千と思え」というフリーの台詞は練度のことを指しているのか、この人間離れした動きを指しているのか
仮に妖精兵になると身体能力が上がるならそれはそれで説明が入るべきだろうし、やはり違和感がある

妖精兵のダメージフィードバック
マーリヤはアホほど痛みを感じて、ともすると自分の肉体以上に妖精の痛みに引きずられてしまっている
フリーは気絶こそしないものの、割と敏感に痛みを感じている様子がある
ところが敵になるとマーリヤの妖精が直接体を燃やすような大きな損傷を受けないと痛みを見せない
我慢してるだけ?キャラによってそのあたりにバラツキがありすぎる
マーリヤに関しては妖精憑きのため、直接人間に取り憑いた分敏感なのかな?とも思うが、他については説明がつかない
演出面で戦闘バランスをとって勝敗を決めるためのファッション要素かな?

兵器運用
大戦時代のレドラット王国では大砲を使っていたにもかかわらず、統一後はハプシュタット鎮圧でも首都防衛でも大砲は使われなかった
それどころか爆弾も敵専用の兵器となっており、いくら平和とはいえ兵器運用のノウハウが10年足らずで衰え過ぎかな、と
新型人工妖精を開発する程度には兵器開発にも力を注いでいるはずなのに、その様子が見えず傭兵団にも劣るのはどうなんだろう
兵士の質は(ありえないレベルとはいえ)練度の差と思えば見ないふりもできるけど、兵器については明らかにおかしい

その他技術
車が蒸気を上げていたところを見るに、電気技術は発達していないと思われる
ではこの時代の通信技術は何が用いられているのか?
フリーらがカルオーの査察を行っているタイミングとシュヴァルツ・ディーゼがハプシュタットにいるタイミングがほぼ同時期
その後レイ・ドーンから親書を預かり帰還、というタイミングでハイブランツの反乱が発生する
いつ、どうやって首都ロンダキアはそれを察知した?
統一ゼスキアはもともと小国をまとめて出来上がった
もとがいかに小国とはいえ、各公都と帝国首都との距離は日本の尺度で県を跨ぐような距離では済まないはず
まして技術の拙い時代の移動手段では情報伝達にかなりの時間がかかる
そういう諸々を説明できる要素がないまま反乱~鎮圧までが終了してしまった
レイ・ドーンについても、フリーらが帰途についたあとに妖精武器を持ち出し、列車に乗り首都に向かうなど時間的に可能なのか?
反乱を起こす日時が予めウルフランから伝わっていたとしても、あのタイミングで首都に到着するには障害が多すぎる気がする

各回想について
各話に回想を入れることで過去に起こった出来事が断片的に分かるようになっている
実際、フリーとウルフランについては「現在所属する組織に入った動機」はともかく、「どのような事件を経て今に至るのか」は分かってきた
ただ、マーリヤとヴェロニカについては正直分からないことしかない
もちろん2クール目にて描かれるはずだけど、それにしても不足する描写は多い
災いの子とはなにか?どのような扱いを受けたのか?ヴェロニカはそれをどうして受け入れたのか?
逃げ延びたあとのマーリヤはどこでビャクレーとの伝手を得たのか?
ビャクレーは違法行為をしないと自認しながらなぜグイ・カーリンにコネがあるのか?
逃げ延びたあとのヴェロニカはどこで服を揃え、どこで銃を調達し、どうして釈放されたのか?
わからないまま「私は災の子」だの「全部奪われた」だの言われても……と思っていたら、そのまま1クール終わって呆然としてる
ヴェロニカについては2クールにて明かされるだろうけど、マーリヤは説明した気になって放置されそう
そしてなによりビター・スウィート
黒の妖精書を集める理由なんだろうけど、なんで意味もなく過去の父親との会話を回想した?
あれについては全話数のどこにもつながらないまま宙に浮いているんだけど、どうしてCパートに入れた?
あのシーンをドロテアの突入準備を描く時間に当ててくれればと未だに思わずにはいられない

フラタニルの存在価値
結局活躍しないまま終わったフラタニルは、(シュヴァルツ・ディーゼの作戦はともかく)アニメ的にはどうしたかったのか?
12話視聴の感想にてその考察はしたものの、やはり意味は薄い…というか最終話の演出として不十分すぎる
「レイ・ドーンすげえ!」をやるためにフラタニルを出したのかもだけど、その場合列車襲撃にてフリーがボロ負けしたため効果が小さい
というかあの列車襲撃時点でフラタニルを使った理由全く無かったのはどういうこと?
最終話にてフリーがヴェロスティールを持ってビーヴィーと渡り合っていたけど、ならやはり普段の双剣で良かったんじゃないの?
ヴェロスティールと妖精が対峙したのは上に駆け上がってひと刺ししたところだけ
しかもビーヴィーには痛痒すら感じさせられていないまま、あとはビーヴィー相手に切り合いをしただけ
フラタニルは負け戦専用兵器ってこと?完全に存在価値が無いんだけど…
オズを殺すために事件を用意したい、で適当にフラタニルを表に出したものの、結局脚本で扱いきれず持て余した感が大きい
あるいはこれも(最後ブツ切りだったから)2クール目にてレイ・ドーンが持ち出したりするのか?
一応そのパターンでも色々想像はできるけど、その場合フラタニルに見せ場がないままキーアイテムになるのは半端すぎるかなと
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

気長にいきまっしょい

オリジナルアニメ。分割2クールの前半12話分。


24年前勃発の“統一戦争”が終結し10年後の世界。リアルでも新兵器が戦術の発展に寄与してきた歴史がありますが、こちらの世界でそれに該当するのが「妖精の力を宿した妖精兵」なる人体兵器とのことです。
戦争が終わればコストのかかる兵器は適切な量を維持したまま徹底した保管管理が求められます。ご多分に漏れず平和な世界での妖精兵はいろいろストッパーがかけられてました。人が兵器であるということからも帰還兵のPTSDやら退役軍人の再就職などの問題も絡んできそう。ここらへんを期待しての視聴開始です。
ざっくり感想でいえば、ファンタジー世界ながらある程度、“大戦後10年経過した世界”に相応の説得力は感じられる仕様にはなっておりました。


そして世界観と設定。これは作りこまれてるのではないかと思います。
妖精は意思を持つとかスタンドアローンで何かするという描写が今のところはなく、宿主のスキルといった扱い。個々に名前や性能の違いもある模様。
このテの戦記ものはキャラが無限増殖する傾向にあって覚えきれないものです。地勢や諸国間の力関係であったり、登場人物の相関などは12話終わった時点では残念ながらふわっとしています。

P.A.WORKS製作とあって作画は期待通りで、音楽もかっこいい。
が、実は序盤の戦闘シーンの劇伴が自分にはしっくりきませんでした。エッジ利かせたギターのリフなんてめちゃくちゃ好みなんですけどね。これってどういうことかというと、実写映画『ワイルド・スピード』のカーバトルやってる時のノリの音なんです。本作に於いては、場を固定した剣でのつばぜり合いをやってる画と時速○○km/hの疾走感を強調したい音とが喧嘩している感じ。
しっくりこないのは劇伴だけではなく、後半の戦闘シーンでもなんかへんなところがありました。{netabare}例えば第11話の無能な衛兵隊。いくらなんでもゆっくり歩いてる相手には一発くらいあてなさいよ。{/netabare}
バトル作画は自分的にはOKです。そしてこの作品はおそらく人間ドラマで魅せたい作品なんだろうな、今後そんな展開してくんだろうなと思ってます。


分割2クールという形を取っており、あにこれではいったん区切るルールのようですので暫定でも『観終わった』にせざるを得ないのですが、まだ評価する段階ではないでしょう。今言えることは後半も観るつもりだということでしょうか。まだ途中ながら、完結してから一気に鑑賞するのに適しているかもしれません。前半が冗長気味です。
というのも12話終了時点で、何が起こっているかの説明はあります。しかし誰が何をしようとしているのかの説明が薄い。行動原理が不明なため人名や組織名・国名が覚えられません。だいたい理由や背景と相関づけて覚えますからね。
このへんはベテランラノベ作家ながらシリーズ構成・脚本は初という十文字青氏の経験不足によるものかもしれません。3か月期間をおいての巻き返しに期待します。


ここまで苦言めいたことを述べてきましたが全体の印象は真逆で、はっきりいって世界観は好物ですし、シリアスではNGと思われるご都合過ぎる展開も抑えめです。萌え抜きキャラデザインも見てて安心感があり、OPEDも作品世界にマッチし、しかもかっこいいです。
繰り返しになりますが、行動原理の説明がないことが致命的なだけです(笑) 
妖精兵は一騎当千の設定ですのであまり場面はないのですがモブをなぎ倒す“妖精兵”“七騎士”の無双ぶりなど、横山光輝『三国志』の橋の上の趙雲が好きな人とかには合ってそう。

とりあえず様子見。あとは後半に向けての自分用メモ



■いろいろ整理する時
登場人物多めの作品でメモること二点
・時系列おさえとく
 →統歴○○年と出てたのは親切でした
・人は所属組織と国で覚えとく
 →ドロテアの人は最低限覚えられるはず
・あわよくば国の位置関係
 →これはちょっとわからんかった
※あとはフリーとウルフの元同僚組、マーリヤとヴェロニカの幼馴染組を注視しとく


■登場人物一覧

{netabare}マーリヤ・ノエル(CV市ノ瀬加那)妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に配属されたばかりの新入隊員。所有する妖精は、「アッシュクラッド」
フリー・アンダーバー(CV前野智昭)「ドロテア」第一部隊隊長代理。所有する妖精は、「レッドフッド」
ヴェロニカ・ソーン(CV福原綾香)マーリヤと同郷の暗殺者。所有する妖精は、「ブラッドドーター」
ウルフラン・ロウ(CV細谷佳正)フリーの元同僚のテロリスト。所有する妖精は、「フィッチャー」
[ドロテア]
クラーラ・キセナリア(CV諏訪彩花)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「トメリーズ」
セルジュ・トーヴァ(CV中島ヨシキ)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「ブリンツテイル」
ネイン・アウラー(CV園崎未恵)「ドロテア」局長 兼 第一部隊隊長。所有する妖精は、「モルズニーク」
リリー・ハイネマン(CV種﨑敦美)「ドロテア」第三部隊隊長。
ロバート・チェイス(CV沖野晃司)
オズ・メア(CV間宮康弘)所有する妖精は、「エアレー」
[妖精学者]
ダミアン・カルメ(CV子安武人)
カイン・ディスタロル(CV麦人)
[マフィア]
アクセル・ラブー(CV川田紳司)所有する妖精は、「ピリーウィギン」
“スウィーティー”ビター・スウィート(CV寿美菜子)所有する妖精は、「スクライカー」
[統一ゼスキア]
マルコ・ベルウッド(CV大塚芳忠)
グリフ・マーサー(CV津田健次郎)
レイ・ドーン(CV津田英三)所有する妖精は、「スローンテイカー」
[その他]
エレノア・ニード(CV小松未可子)
パトリシア・パール(CV井口裕香)
ジョナサン・パスピエール(CV興津和幸)
ビーヴィー・リスカー(CV江川央生)
ソフィー(CV伊藤静)
シュヴァルツ・ディーゼ(CV土師孝也)
ジェット・グレイヴ(CV東地宏樹)
ユアン・ブリーズ(CV乃村健次)所有する妖精は、「ノルカ」{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.05 追記

2クール完走後追記。3か月空くと全く分からなくなる恐れあり。


2019.06.29 初稿
2020.02.05 追記
2020.07.27 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

かつて妖精は兵器だった

序盤 あれどっかで

中盤 なんかなぁ

終盤 おお

この話は妖精を兵器として使った戦争の後の話
ジャンルは戦争・バトル・妖精・ファンタジー
妖精らしい妖精はあまり出てきません。サブタイトルがかっこよすぎです。「かつて妖精は兵器だった」これは私の好きな展開になるのでは?と思ったら...
まぁ期待外れもいいとこですよ。確かに妖精は出てきますが、基本は「終戦後の微妙な緊張感やまだ終わらない闘い」をメインに描いたものでした。荒廃した都市で何を考えるのか、とかではなく現時点で起こっている問題を解決する、いわば警察みたいなことをしている主人公たちです。そして肝心な妖精がどっかで見たことあるような感じです。そのうち「ザ・ワールド!」とか叫びそうですねw
しかし、この作品だって褒めるとこはあります。世界背景(設定)は好きです。荒廃した都市は出てきませんが、戦争の残骸は出てきます。それを見て何を感じるのか、何を思い出すのか。
そして主人公たちの考え方が面白いです。ある少女は周りがどんどん死ぬことを「私が不幸な人間のせいで」、と捉えた。ある男は自分だけが助かって生き残ることを「自分が幸運のおかげ」と捉えた。同じことのはずなのに、こんなにも見方が変えれるのはかなり面白いですよね。男のほうは冷酷な奴なのか、と言われればそれは違いますね。彼は彼なりに言い訳を作って逃れてるだけなのです。その受け入れがたい、直視できない現実から目を背け、理由をつくり自分を保とうとしてるだけなのです。これは人間模様がでますよね。そういうとこも確認しながら視聴を。

監督は鈴木健一さん。はたらく細胞の監督をされた方ですね
シリーズ構成は十文字青さん。テレビアニメのシリーズ構成は初だそうです
キャラデザは清水貴子さん。ジョジョや創聖のアクエリオンEVOLのキャラデザをされた方ですね
劇伴は(K)NoW_NAMEさん。灰と幻想のグリムガルの劇伴やopedを担当した方たちですね
アニメ制作はP.A.WORKSさん。安心安全の会社ですね

作画は普通。妖精は3DCGでしたがその他は丁寧でしたし、妖精のモデルも丁寧な印象でした。戦闘シーンも細かく良かったです
opは(K)NoW_NAMEさんの「KNOCK on the CORE」結構好きです
edもおなじく(K)NoW_NAMEさんの「STILL STANDING」
声優さんは市ノ瀬加那さんをはじめとする前野智昭さんや細谷佳正さんなどの演技が良かったです。役にあっているなと感じました

総合評価 まぁテーマ負けかな。でも面白くないわけではない

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

65.8 8 復讐で仲間なアニメランキング8位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (106)
472人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

匿名係長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

高評価多いから見てみたけど

ネメシスという化け物が世界を荒らしている。
対処できるのは過去にネメシスに触れ呪いを受けた魔法使いだけ、しかしそんな魔法使いも忌み嫌われているという設定。

うーん、戦う理由が分からない。
小悪党が言っていた、助けてやっても感謝の言葉すらなく、頼られるのはネメシスが現れた時のみで、倒してもその後は掌返しって、、、
ホント、そんな奴ら助ける動機が見つからないと思ってしまう。
あるとすれば依頼されて倒すことで得られるであろう報酬くらいでわ?

加えて主人公が精神的に子供すぎるというか、バカすぎる。

何というか主人公の戦う理由が、カッコいい魔法使いになりたいとか、魔法使いが誤解されてるのがどうというフワッとしたもので始まっている事がこの上なく共感出来ない。

そこは過去に親を殺されたから駆逐してやる的な理由があって然るべきなのではないか??

どこからともなくやってくるネメシスの巣を見つける為に旅に出るらしいが、師匠がそんなものは御伽話であって、有るならとっくに誰かが見つけていると、、
ホントその通りである。

主人公はやってみなきゃ分からないと話を全く聞かない系だし。
結局旅立つとして、当ての無い旅なら現状と対して変わらないのではないか?
(主人公達が住んでる家は気球みたいな飛行船)
てか、全くの半人前である状態で旅立って何ができるというのか。

徳川の埋蔵金を見つけ出す!と言って子供が家を飛び出るようなものだ。

せめて何かしらの情報を手にしてから冒険スタート出来ないものなのか?
と、色々と思うところだらけなんですよ。

この後、仲間出来たり成長して強くなったり強敵と戦ったりするんだろうけど、こんなフワッとした状態でストーリー進んで面白くなるのだろうかと不安が大きい。

レビューでは高評価多いので、ちょっと期待しすぎていたのだろうか。
もちろんまだ3話までしか見ていないので、評価材料は少なすぎると思いますが、現段階では正直面白くないという感想です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

NHK王道冒険ファンタジーの遺伝子は?

地上波夕方ヒロアカの後は逆転裁判…
えぇまたこれかと思ってたら

裏番組のEテレで放送

監督:岸誠二(瀬戸の花嫁、月がきれい、あそびあそばせ)

声優
主人公セト:花守ゆみり
ヒロイン:悠木碧
他、豪華声優人多数…

異世界魔法ファンタジーかな?王道アニメに期待です!


4話まで視聴
思った以上にゆっくりした展開、ようやくヒロイン登場&冒険スタートって所かな?
ヒロイン役に悠木碧さんだった理由が分かる回でした。
さすが何種類も声出せる悠木碧さんにピッタリのヒロイン設定。

私的にNHK冒険ファンタジーアニメで思い出されるのが未来少年コナン、ふしぎの海のナディア
NHK名作冒険ファンタジーアニメの遺伝子は引き継がれてるのかな?

視聴完了
最近では珍しい2クール近い話数なのに安定した面白さは流石、NHKでした。
意外と政治的な主張があったり、モダンファンタジーアニメだった。
ファンタジーの割りに若干ワクワク感が足りないのがマイナスかな…
それは今期残した謎を解決してくれる2期に期待。

主人公セトを演じた花守ゆみりさん、少年役に違和感なくって最大の発見かも。
色々声出せて多くのキャラ演じれるのは悠木碧さんと思ってたけど、花守ゆみりさんもこれから少年役増えそう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

68.0 9 復讐で仲間なアニメランキング9位
THE UNLIMITED -兵部京介-(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (559)
3243人が棚に入れました
風になびく美しい銀髪、何かを悼むかのようにその身にまとった漆黒の学ランを着た青年……彼の名は兵部京介。
エスパー犯罪組織パンドラを指揮し、超能力者の同胞たちのために革命を起こすまで、その黒い翼は闇の空を羽ばたき続ける。
椎名高志原作「絶対可憐チルドレン」に生まれた偽悪のヒーロー・兵部京介がオリジナルストーリーによるスピンオフ・アニメーションとなって登場!
刻(とき)の運命にあらがって、無限を解き放て…!
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

UNLIMITED―闇でしか裁けない罪がある―

2012年秋アニメの『CODE:BREAKER』と似た印象の作品ですね。あと、キャラデザがあまり好みじゃないです。

(2013.1/12 1話:超常脱獄 -Schooler of deadlock-)
{netabare}憶測ですが、主人公の兵部京介は過去に受けた出来事に対する復讐を行おうとしているのではないか?これで違ってたら…ね┌|゚□゚;|┐ガーン!!

OPで兵部に撃ちこまれる銃弾、そしてUNLIMITEDモード時に顕わになった兵部の額の銃痕、さらに実験場での一枚の写真から、そう思ったわけですよwww


これは主人公・兵部京介の復讐の物語なのか?{/netabare}


(2013.1/19 2話:暗殺のメロディ -Ghost of WW2-)
{netabare}冒頭でアンディは兵部達、組織を裏切ったのか?と勘違いさせられてしまった^^;

というか元々スパイのようだが…

兵部京介、まさにTHE UNLIMITED(限界ない)ですねwww

それにしてもアンディは色んな能力持ってそうwww{/netabare}


(2013.1/27 3話:清楚と汚濁 -Queen not a princess-)
{netabare}「P.A.D.R.A参上!」って中学生かwwwヾ(・・ )ォィォィ

エスパーとノーマルの確執らしいものも垣間見られたが、やっぱり兵部はロリコンなんじゃ?(゚д゚){/netabare}


(2013.2/2 4話:絶対領域 -Children Territory-)
{netabare}OPが英語から日本語になってる(゚д゚;)
サビ:闇でしか裁けない罪がある。時よ、永遠に止まれ

アンディの任務はパンドラに積載されている、とある装置を探し出す事。


ザ・チルドレンが君臨する新しい世界を造る事が兵部達の目的か。
ただ、ここにきて「絶チル」観てないと関係性が分からなくなりそうな展開は、やめてほしいな^^;

どうやら、兵部の復讐の物語ではなさそうです(>_<)

絶チルで主役だった彼女達のキャストも当時のままなんですね。

明石薫(CV:平野綾)
野上葵(CV:白石涼子)
三宮紫穂(CV:戸松遥){/netabare}


(2013.2/11 5話:ストレンジャーズ -Portrait of the family-)
{netabare}マッスルwww まぁ、他のキャラの個性が立ちすぎて、こういうキャラじゃないと印象薄くなるからね。

ユウギリの「はじめてのおつかい」回ですね
予算は…国民の税金からですか?wwww

アンディは合衆国の捜査官?、二重スパイと成るのか。
兵部が能力者だけの世界を造ろうとしている理由は前の大戦で上官の裏切りで同胞を失い、B.A.B.E.L.に復讐を果たし能力者を保護する為。それと、兵部の命はもう永くはない?

警備員、ルパンかと思ったwww

大量殺人者とエスパー達の救世主、どちらも兵部の顔であり、そのどちらが欠けても兵部ではない。{/netabare}


(2013.2/17 6話:闇、走る-As true as a lie-)
{netabare}アンディ、船から降りるのか?

拾ってくれた人への恩義の為に、兵部達と戦うのか。
兵部も自身にとってはこれが最後の革命(もしくは復讐)となる?

やっぱ、絶チル観た方が良い^^;?
兵部、アンディに昔の自分を見ているようですね。

次回から、その兵部の過去へと遡る展開なので期待!{/netabare}


(2013.2/23 7話:超能部隊 前編-Generation ZERO PART I-)
{netabare}兵部の過去編と言う事だからOP映像もモノクロに。所々大戦後と思われる描写もある
幼い兵部が出会ったフジコは、兵部少年にとって初恋の相手?

「絶対に大陸での戦闘には超能力特務部隊は派遣させない」この言葉は守られるのか?
兵部の超能力は超能部隊の隊員達の能力と同じ?{/netabare}


(2013.3/2 8話:超能部隊 後編 -Generation ZERO PART Ⅱ-)
{netabare}誰にも負けないくらい強くなる事を願う事が、兵部自身の為になる。
あの模擬戦前の、兵部の目は何なんだ?

超能力を持った自分が自分である為に、信じた道を歩む事を決めた兵部少年

カタストロフィー号の心臓である伊ノ八號は、あのイルカの脳だったのか(゚д゚;)

兵部という化け物を生み出し消し去ろうとするのは「恥」の意識からくるものなのか、はたまた「罪」の意識からくるものなのか?
どちらかというと前者の方だろうな。日本人だし…

マドンナ・リリー(白ユリ):汚れのない心{/netabare}


(2013.3/9 9話:カタストロフ -Pandora's box opens-)
{netabare}兵部、囮の無人機に簡単に引っかかったなww
合衆国は伊ノ八號を使って、エスパー達を根絶やしにする事で世界の覇権を握ろうとしているのか。

伊ノ八號、カタストロフィー号を失った兵部達は、どうするのか?{/netabare}


(2013.3/16 10話:遠い楽園 -Original Sin-)
{netabare}蕾見不二子は兵部の姉なのか。
兵部の考えに違和感を抱く、薫(Queen)…

早乙女(兵部を撃った人物)は兵部達を徹底的に仕留めるつもりなんだな。

兵部は早乙女への復讐を果たすつもりか。巻き込みたくないんだなきっと兵部は、これからの未来を担うチルドレン達を。
エスパーのノーマルへの想い、ノーマルのエスパーへの思惑、それぞれの思いはどのような結果をもたらすのか?

それにしても毎話ごとにEDが変わるのは観ていて面白い演出ですね!{/netabare}


(2013.3/23 11話:あらしの中のふたり -OUTLAWS-)
{netabare}OPがサイケデリックな感じになってる(゚д゚;) 
OPの演出が面白い(歌詞が日本語→英語、映像がカラー→モノクロ)

エスパーをノーマルが管理する世界を造りあげる事が早乙女の目的
ユウギリが造られた存在!?

予知は予知でしかない。それが全て正しいという訳ではないのだから、根絶やしにするという発想はどうも…

アンディの放ったトンファーの一撃に差がありすぎww
チャフなら窓を破壊して空気の逃げ道造ってあげればいいんじゃ…アクセラさんみたいにww

まさかのユウギリがラスボス展開なの!?(゚〇゚;)マ、マジ...{/netabare}


(2013.3/30 12話:未来へ -LΛST RESOLUTION-)
{netabare}自分の死と引き換えに薫を守る兵部は、正にナイト(騎士)だな。
リミッターをも凌駕する、兵部の永年蓄えられた体内因子(無意識に発する超能力の残滓)

結局、早乙女を殺さなかった兵部。殺してしまえば、ノーマルとエスパーの確執は深くなる一方だろう…
だから、殺さなかった。そうする事で、エスパーとノーマルが互いに思いあって生きていける世界を望んだ。{/netabare}

絶対可憐チルドレンのスピンオフとなるこの作品。
絶チルは未視聴ですが、これだけでも楽しめる内容ではあります。
1クールなので、個人的には、ノーマルとエスパーどちらが優位に立つのか?と言う答えを出さないで終わったのは良かったです。

続編が期待できるか…というと微妙でしょうね^^;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

以前は椎名高志からギャグとエロを取ったら何も残らないと思っていましたが・・・

週刊少年サンデー連載中の椎名高志原作の漫画
絶対可憐チルドレンのスピンオフ作品です
私は原作こそ週刊連載を読んでいますが
数年前にアニメ化されたものは未視聴です
本作はどちらも全く知らなくても十分楽しめる作りにはなっていますが
チルドレン他バベルのメンツの紹介などは最小限な感じなので
どちらかに先に目を通してからのほうがいいかもしれませんね

椎名高志原作のアニメというと大分昔やっていたGS美神を思い出します
GS美神はギャグメインの作品の中にところどころシリアスな場面があって
そのギャップによってそれぞれを引き立たせるような手法でした
最近の作品だと空知英秋の銀魂なんかがそんな方向性ですね
その後の椎名作品にはあまり長く続かなかったものがいくつかありますが
基本路線は同じような感じでした

原作絶対可憐チルドレンも連載開始当初はそんな感じだったのですが
徐々にシリアス比率が高くなっていき
最近の本編はシリアスが中心で
その分不足しがちなギャグ要素を補うためか
「さぷりめんと」と題した4コマ漫画を
本編の扉絵代りに同時連載しています
ですから、今回椎名作品としては異例なくらいにシリアス路線ですが
今の原作の方向性からすれば必然だったかもしれません

話の中核になったのは大戦中の兵部と蕾を描いた原作の1エピソード
そこにアンディ・ヒノミヤと夕霧というアニメオリジナルキャラを投入しつつ
1クール分に見合うように話を膨らませた作品となっています
もともと好きなエピソードの一つでしたが
アニメ版はさらに深みが増してよくまとまっていました

最近本編の方ではショタ京介しか出てこない状態なので
久々に少佐が大暴れするシーンを見ることができたのは
色々と感慨深いものがありますね

オリジナルキャラの二人も良かったと思います
実質的に京介と同等レベルの扱いを受け
もう一人の主人公といっても過言ではないアンディ・ヒノミヤ
パンドラのあの濃すぎるメンツの中で
しっかりキャラが立っていたし格好良かったです
ただ視聴者に素性を明かすのがちょっと早かった気はしますね
もうちょっと引っ張っても面白かったんじゃないかなぁ

夕霧ちゃんはとにかくかわいかった!
クロワーゼの湯音といい東山奈央の幼女役は破壊力抜群ですね
もうこれは麻雀好きの女子高生とかスクールアイドルの妹とか
そんなのやらせてる暇があったらもっとょぅι゙ょ役を斡旋すべきだよ!

ちなみに原作の日本人キャラ達は皆
源氏物語由来の名前がついていまして
この二人もその命名規則に準拠して付けられています
夕霧は光源氏の子の名前ですし
ヒノミヤはおそらく輝く日の宮からでしょうね

この二人はぜひ本編にも登場・活躍させてほしいところです
アンディは既にサプリメントの方に出演を果たしていますし
そんなに望み薄でもないような気がしますがどうでしょうね?

単品のアニメとしてみても
スピンオフ作品としてみても
良くできた作品だったと思います

唯一の難点は声優に関して
もともと原作で持っていたイメージと
アニメで当てれらた声が合わないキャラが一人いたことです
まぁ好みの問題と言ってしまえばそれまでなんですけどね
それに今回のアニメでは大して出番も多くなかったので
それほど強くは気になりませんでした
とはいえ1期のアニメを観ようという気にはならないし
2期があっても観ないかもしれません
何しろ受け付けなかったのが主役(明石薫 - 平野綾)なんだもの・・・

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

闇でしか裁けない罪がある

解き放て・・・アンリミテッド!!

「絶対可憐チルドレン」のスピンオフ作品。
絶チルは未視聴ですが、これ単品でも内容は理解できるし、概ね楽しめました。
ただ絶チルの知識があった方が、より楽しめそうな感じはします。

主な見所としては、まず、良質な作画による超能力バトル。
エフェクトを派手に効かせてるのが特徴で、スピード感もあり爽快です。

エスパー犯罪組織「パンドラ」のリーダーである兵部京介
とある事情でパンドラに加入することになったアンディ・ヒノミヤ
この2人のメインキャラの関係性の変化も見所ですね。

普通人(ノーマル)から迫害を受けたり軍事利用される、
そんな理不尽な社会への復讐がパンドラ、そして兵部の行動理念。
人種差別をテーマにしてるわけですが、その辺りはちょっと消化不良でした。
復讐の対象が社会そのもの、というよりも
兵部が個人的に恨みを持つ人物に復讐の焦点が絞られ、話が小じんまりしてしまった感。
せめてそのキャラ(ラスボス)を、もっと初期の段階で匂わせておけば
また印象は違っていたかもしれません。

OPとEDに凄く力が入っていて
特にEDに関しては、物語後半から毎回のように曲や映像が変わります。
その回の内容に適したものになっていて、スタッフの作品への愛情と拘りを感じました。

話題性には乏しかったけど、今期の中では私的TOP3に入る作品。
「厨ニ」「ダークヒーロー」「能力バトル」が好きな方は観て損はないと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 39
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