幽霊おすすめアニメランキング 110

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの幽霊成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の幽霊おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.9 1 幽霊アニメランキング1位
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (1278)
7210人が棚に入れました
両親の再婚で義理の兄妹になった二人。義妹が自称幽霊の少女に憑かれてしまい、成仏させるため義兄と恋愛することに。
お兄ちゃんとLOVE×LOVEしないと死んじゃう! ?ツンツン妹×幽霊少女×新米兄貴の新感覚ドタバタラブコメディ!

声優・キャラクター
橋本ちなみ、間島淳司、小倉唯、金元寿子、内匠靖明、愛美、佐々木未来、田中真奈美、佐久間紅美、青山穣、伊藤美紀、橘田いずみ
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

日本は今日も平和です   あれ?平和に陰りが…   平和終了のお知らせ

【1話】
今期のぶっ飛びキチガイ枠確保しました(笑)(残念、大はずれ)

結構レビュー書いている人が多くて、しかもそろって同じこと書いてるので気になって視聴したところ…
まぁ同じ感想を抱きますよね(笑)

私は似たようなマンガ作品を1つ知っています。
『君は淫らな僕の女王』
このマンガを超える完成度の高いぶっ飛び作品には未だに巡り合ってないですねぇ。
なぜか、それはヒロインや設定があまりにぶっ飛んでいるのに、その設定を利用してヒロインを可愛く魅せている上に恋愛を成立させているから。

最近、妹のようs(ry(略し方わからない)はどこまで迫れるか。
笑いの要素ではかなり勝るものがありますが、どこまで設定を生かせるか、ヒロインを魅力のあるキャラにできるか。

とはいったものの、特に考えずにバカアニメとして視聴しても十分楽しめそうなのですが(笑)
まぁ色々と期待して視聴したいなぁと思います。

(追記)
期待はずれもいいところでした。以上。


【2話】
あれ?おかしいぞ?
最後まで見る気マンマンだったのに、いきなり視聴断念候補になったぞ?
{netabare}謎設定、謎シリアス、謎お兄ちゃんといった第2話でした。
いや、この手のぶっ飛びアニメでその複雑設定はやりすぎでしょ。
こういうアニメのいいところは分かりやすいバカさ加減だと思うんです。
はっきり言ってしまうと、設定を幽霊だけにしちゃってもいいくらいだと思います。

いや、ひたすらおしっこ描写してる中、そのシリアス見て得する人いるんですか?
シリアスやるとしても、もう少し幽霊について描写してからじゃないと何も伝わってこないです。
ていうか不愉快極まりない。
理不尽にヒロインが襲われるとかならまだしも、「死ねば?」って…
正直この言葉だけで視聴断念してもおかしくありません。

お兄ちゃんと妹の人物描写とふたりの間のやり取りがあまりにも少なすぎというか、どういう人か伝えようとしなすぎ。
妹が心配なのか、ただ動かされているのか見分けがつきません。
家のトイレはまだいいんですよ。
1時間も我慢してるなんて知らないもん。そりゃ1時間もこもってたら心配するよ。
ただ、うっとおしく見えるのも事実。
そんな中2話で無理やり連れてったら、マイナスに感じるのは仕方ないことです。
しかも「まだ具合悪いのか?」ときた。
妹の100m走見てなかったんですかねぇ…
そして無理やり保健室。
これはうっとおしいww
そしておもらしの後の二人の心情も謎。
「下着を履いてなかったように見えた//」(セリフどんなだっけ?こんなニュアンスだったはず)
えー注目するところそこ?
せめてさぁ
「本当はトイレに行きたかっただけなのに、保健室に連れてくなんて申し訳ないことしたなぁ」
とか思ってくれればまだいいのにさ。
そのあとに妹に必死に謝って、少し妹がデレるとかそういう展開出来るじゃん。
妹も
「私はトイレに行きたかったのに無理やり連れてった!!」
とか言って、泣いたり怒鳴りつけたり出来たと思うんですよ。
でないと、二人の間のやり取りが少なすぎになるでしょ。
こんなに描写少なくて兄妹アニメが成り立つわけがありません。

切りたいところではありますが、もしかしたら挽回してくれる可能性もあるので、もう少しだけ見ます。
でも、この調子だとすぐに切るな。{/netabare}


【3話】
これはちょっと厳しいかな…
{netabare}テンプレには自分に合うテンプレと合わないテンプレがあると思います。
・合うテンプレ
「キターー!!」「待ってました!」「ちょwwおまww」
・合わないテンプレ
「うわ、またきたよ…」「もういいから…」「いいかげんにしろよ…」
妹ちょのテンプレに関しては自分にとって完全に合わないものだと思います。
そのテンプレとは、兄貴に無理やりな行動をさせてエロシーンにもっていくこと。
頭がおかしいようなエロシーンに関しては必ず兄貴が絡まないと成立しないので、このシーンがくるたびにテンションが下がってしまう仕様。
こんな感じで視聴を続けるのは少し厳しいかなと。
バカなぶっ飛びシーンにツッコミを入れるのが楽しみでしたが、その前にテンションが下がってしまえば、ツッこむ気になれないし、楽しめなそうです。

3話本編について触れます。
渡り廊下で兄貴が出てくる展開、うん知ってました。
無理やり妹を引き止める兄貴、うん知ってました。
そして風によってスカートが捲くれる…前に常識的な視聴者の代弁のようなツッコミが入ります。
これは、こういうシーンを作れば視聴者が「そーだ!そーだ!」となると思って作ったんですかね?
いやいや、ツッコミ以前に兄貴に行動させてること自体が問題なんですよ。
うっとおしい、ウザイというのもありますが、問題はそれだけではありません。
それは妹の好感度についてです。
この流れのアニメからすれば、妹が兄貴に対して好意を抱くのは必須だと思うんです。
ただ、こんな行動ばかり取られると、好感度なんて上がるわけがないんですよ。
え?妹の好感度が上がる場面もちゃんとあるって?
いやいや、どう頑張ってもトータルで大きくマイナスだから。
視聴者の頭に残っているのはおしっことか兄貴ウザイばかりだと思うし、妹も例外ではないと思うんです。
まだ問題があります。
それは今回の話の冒頭で妹が嫉妬していること。
嫉妬はある程度相手を意識しなければ起こりえないことです。
妹は今までの2話の兄貴とのやり取りで兄貴に嫉妬するだけの好感度をもったようです。
いやいや、ねーだろ。
視聴者と妹の認識のズレですよね。
これで感情移入できるわけもないし、兄貴は最悪だけど、妹もよくわからなくなってしまいました。
まだ問題があります(笑)
それは兄貴と妹が一緒になってから日が浅いということ。
これは完全に設定ミスだと思うんだよな。
せめて最初から兄妹なら後で小さい頃の回想とかで補完できたものの、まだお互い全然面識ないから、今の二人のやり取りが全てになるんですよね。
そんな中嫉妬とか無理がある話で…
しかも、妹の方は時々暴走したりして兄貴の立場からしたら「こいつの考えてることが全く分からない」状態なわけで、それを「なんで怒ってるんだ?」で済ませるのはなんか違うと思います。

2話の感想でも述べましたが、二人の間でのやり取りがあまりにも少なく、浅すぎると思います。
ていうかそれ以前に定めた設定のせいで、やるべきことが多くなりすぎ、それをやりきれないから全く共感できないものになってしまっていると思います。
嫉妬のくだりもなぁ…こういうことやりたいなら、2話の感想で述べたようになんでそれなりの描写をやっておかないのかなぁ…
次の回で視聴断念すると思います。
この手のアニメでこれだけ色々なことが気になっている時点で最初から楽しんで視聴できるわけがなかったんですよ。{/netabare}


【4話】
なんでこんな長々とした感想書いてしまったんだろう…
呆れすぎて笑ったアニメはこれが初めてだろうなぁ。
{netabare}悪霊退散!悪霊退散!
呪い 呪われ 困った時は
ドーマン! セーマン! ドーマン!セーマン!
相談しましょう 陰陽師 レッツゴー!

自分の命が危うい、幽霊に体を乗っ取られそうになる、辱めという実害を受ける、本体が無き者にされそうになる…
こういう状況でお祓いを考えないほうがおかしい。

足りない描写はめっちゃ多いですが、今回に関して言えば、幽霊の気持ちと幽霊の有益さの描写が圧倒的に足りない。
これが全くないから、邪魔どころの話じゃないんですよ。
幽霊がどれだけ兄貴のことが好きで、想ってきたかが分かれば、少しは同情して願いを聞いてあげようくらいはいくと思います。
しかし、「生きていた時の記憶はない、お兄ちゃんが好きだったことだけ覚えている」では、なんの共感も得られません。
また、幽霊が少しでも有益なら少しはマイナスな気持ちを相殺してくれたでしょう。
何かしらのアドバイスだったり、見えないことを利用して例えば兄貴の部屋に行って兄貴の気持ちを探るとか。
しかし、実際は本当に自分勝手なだけなんですよね。
このあたりは、あだち充のQアンドAとかヒカルの碁を読んで勉強してきてくれと言いたくなります。

以上のようなことが全く描写されなかったため、さっさといなくなれという気持ちにしかなりませんでした。
少しでも描写があれば、兄貴に迫ったシーンも同情できたんでしょうが、描写なしで「今までの嫌な私はいないんだよ」って…
成仏しろよ!(彦麿ボイス)
もういいや。
なんでこんなにたくさん書いちゃったんだろ?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20
ネタバレ

チョビ髭 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

もどってきた!黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!!

BPOも顔まっかw でお馴染みの『妹ちょ』。レビュー書くなら、けしからんと説教するか歓喜のブヒをどれだけ体現できるかみたいな二極化でしょうか。面白くないので何故そんなにも評価が分かれるのかの考察。解ってる人は解ってるな内容だとおもうので適当にスルー推奨。

ご存知でしょうがこのアニメはT・S・T(貞操帯)と呼ばれる大人のおもちゃを女子高生の義妹に装着させ////にさせるブヒブヒアニメ。この一文だけでどう考えてもAVアニメのカテゴなのは明らかですが血税の投入される放送システムを使った上に22時台という暴挙に出、規制委員会をも////に成功した斜線が副題の作品。

人に罵られる事で興奮する真正変態アニメですが、何故アニメが人を不快にする事をやめないかを語ることは“オタク”を考察する事も必要になります。
オタクとは何なのか。トークショウ『オタク is Dead ’06.5.24』、著書『オタクはすでに死んでいる』共にオタキング(岡田斗司夫)より抜粋。

【知らない人用】 {netabare}女の子に意地悪してかまってもらう事がうれしい、赤く染めると可愛く見える、は誰でも知ってる既知事項なのでスルーしますが、この『オタク イズ デッド』というライブもヲタにとっては伝説的ライブなので結構有名です。語り手岡田氏はGAINAXの創始者であり自他ともに認めるオタクの王様です。ようつべに転がっていますので詳細が気に成る方はそちらで。

その中でも興味深い考察は“オタクのアイデンティティとは誹られる事”の一節です。
オタクとはその昔、日常に潜む得体の知れない人物達、見る人々に行動原理を理解されず友を為す者も奇異な風貌。そんな身近に潜む怪異に外側から貼ったレッテル、それが“オタク”の始まり。

コミュニティから爪弾きにされ、隔離され、寄せ集められた傷を負った者達。オタク第一世代と紹介される人々は押し込められた箱の中、互いの顔を見つめ合い、何故こんな状況に陥ったのかと悩み始めます。隣人と自身とを比べ、ジャンルを超え興味の対象へのアプローチや熱意を認め合いながらオタキングは一つの答えを導き出します。

“我々の行動は非生産的である”と。だから効率人間に理解されないのだと。しかしそんな中“萌え”が生まれます。自身を理解されたいと声高に叫ぶ第二世代の布教活動の中、画期的言葉が発明され理解が進みます。

布教活動は商業化へと進み、アニメから生まれた“萌え”は他のジャンルの解釈を促し、と同時に萌え度を測り始め、低き浅きと第一世代達にとっては同胞であったはずの者達を誹り始めます。それが第三世代。理解された事で解放の後の悲しき物別れ、そうやってオタクは死んだのだと結ばれます。{/netabare}

結局のところ商業化できた萌えのみ、ミーハーやヤンキーへの訴求力を身につける事が出来、それができなかったジャンルの者達を相変わらず馬鹿にしたといったお話です。
と、ここまでが下地でここからが私の考察。

悲しく同情を引く内容で岡田氏の話は終わってしまいます。が、その後アニヲタはアイデンティティを取り戻します。ライブの後起こった話になります。
“萌えブタ”の誕生です。ぶひいいいいと自慰行為を繰り返す彼らは己の行動によって排他される存在へ回帰でき正当に誹られる権利を取り戻す事ができたのです。

なので私は適度に彼らを罵倒し支援しているのですが、この誹られ文化とメディアとの相性、こいつが一部で滅法良い。メディアの常套手段である炎上商法、これとの複合コンボはまるで、オーバーオールを着こなした小さき冒険者と階段を下ってくるカメとの出会い。

萌えというオタク心をくすぐる一見デス・スパイラルな世界を如何に魅力的に見せるかこそが、メディアに廻った彼らの命題であり救済な訳ですが、それでもメディアの仕事には義務が発生します。当たり前ですよね、放送システムは血税を使い構築、維持、管理されているのですから。

岡田氏も彼らはオタクではないと定義づけされています。何故なら彼らは生産者と消費者の関係でしかないと。氏はその道に深く関わってしまっている為それ以上の明言は避けておられますが、結局のところ『金』これによって自身の世界を破壊し続けているのでしょう。

自己とコミュニティの永続性を傷付け続ける、そんな拝金主義へ氏はぎりぎりのラインまで説明してくれています。これは哲学的にはよく知られるロジックですがこの『妹ちょ』はそれを端的に見せてくれます。俯瞰すれば社会と媒体の自由を破壊しているのですが彼らは無限1upを繰り返します。チートこそが本願だと信じて。(マリオ無限:ゲーム性とマリオの尊厳の意)

炎上商法については、まぁ要するに実写化するんですって。
ここで酷評レビューを書く事は結局のところ宣伝に成る、そんなメディア戦略を総じて炎上商法と呼びます。巧妙なトリックで実際、宣伝依頼を受けた業者も批判の論調を装い内容を流布します。

この手口は天皇陛下を政治利用などの国家威信級の禁止事項にもよくつかわれます。最近では左側のボンクラが不遜を働きましたが、調べれば右側も大概です。陛下に拝謁する機会を得る人間がそんなんですからBPOぐらいはお茶の子さいさい。私も習ってタイトルネーミングに活かしていますw 

よって結論、ペナルティを設けなければ規制はできないへ行きつき、めでたくドラえもんにも光さんや蒸気さんの仕事を発生させる事に成功せしめました。誹られ文化はまた一歩覇権への道を進め、歓喜の豚さんは恍惚の表情だったと二極化の理由を私なりに説いてみました。

長文御高覧いただきありがとうございました。



【このアニメ本来の萌えポイントはMizm=こんなレビュー書いた私が一番(////)】

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

女性原作者が描く義妹微エロラブコメ…ヒロインとの距離感が新鮮

この作品には、色々思い出があります。

3歳の娘を膝で寝かせながら、ソファで何気なくチャンネル回していた夜10:30…
嫁が隣に座っている状態で、おもむろに始まった本作…
日和に憑依された美月による「◯▲Xお兄ちゃん♡」連呼
そしてまさかの{netabare}憑依美月ひとりえっち&日和とのイチャ百合シーン{/netabare}

開いた口がふさがらない俺…(嫁&娘の前で本作1話を観るという拷問。チャンネル選択権なし&膝の寝かけてる娘のせいで動けず)
大爆笑で興味津々、そして「XXXお兄ちゃん♡」と俺をからかう嫁…
興味と睡魔がせめぎ合った挙句、(幸いにして)睡魔が勝った膝の上の娘…

その2週間後、BP◯に審議され最深夜枠降格というニュースを目にし、
「あ〜、あのアニメやね〜。あの内容じゃ仕方ないよね〜」と嫁を言わしめた作品…

そんなこんなでかなりネタアニメ扱いされているけど、実はエロ要素は最初の2話までで、あとは大したことない。
世の中もっとやばいエロアニメなんて掃いて捨てるほどあります。
ただ、正月三ケ日直後の1/4(土)10:30-という、世の小学生がまだ正月気分で夜更かししている日時に、
このような破廉恥なシーンを流してしまった哀れな末路です。
せめて水曜1:00-、PT▲の五月蝿い自称有識者が寝てから放送すれば良かったのに。

その後、{netabare}(嫁娘に隠れてこっそり♡){/netabare}全視聴した感想としては、
「巷の義妹微エロラブコメとは一風変わっていて面白かった」ということ。
あまりこの種の作品を見慣れていない人にとっては
「どれも大して変わらん」「コンセプトは同じ」
なんでしょうけど、ヒロインの描き方や主人公-ヒロイン間の距離感、さらにはヒロイン間の関係の描き方が全く違います。
(…はい。ハーレムモノ妹モノ貪り見てきたリアルシスコンの哀れで愚かな視点であることは、重々承知しています。)

というのも、そこらの妹微エロラブコメの原作者はほぼ男性。
そのため、ヒロイン全て男目線で都合よく描かれている。
・ヒロインは主人公にデレデレ♡(+男心をくすぐる微ツン)
・ヒロインは主人公の前ですぐすっぽんぽんになる。
・ヒロイン同士で主人公の奪い合い。いわゆるハーレム。
・ヒロイン間の距離感の移ろい、喧嘩したり仲直りしたり…という描写は希薄な作品が多い(一部例外もあるが)

ところが本作は原作者が女性のため、ヒロインがご都合主義満載女ではない。
・多少迫ったりするものの、主人公の前ではむやみに脱がない。ちゃんと恥じらいがある。
・主人公に対する心の変化、少しずつ惹かれていく描写が丁寧に描かれている。
・ヒロイン間の感情の移ろい、友情関係の変遷が綿密
・みんな主人公に惹かれているものの、上記友情関係も相まって嫉妬したり遠慮したり応援したり…

そして主人公の神前夕哉、これはきっと女性目線で見たテンプレ男性像です。
気が利かない、空気読めない、でも一生懸命に尽くそうとする、たまに強くて頼れる一面を見せる…
どうしようもなくウザい、面倒臭い、関わりたくない…義兄のはずなのに、
なぜか気になる、ときめいてしまう、時々見せる真剣な眼差しに、ついキュンってなってしまう…

むしろ、本作の真の主人公は義妹・美月です。
いきなり妹ができて、兄らしくなろうと一生懸命尽くしてくれるちょっと鈍感な義兄に、
(日和のせいとはいえ)少しずつ心が近づいていく、可憐で内気で不器用な妹の話です。
そのままだと全く近づかない義兄妹の距離が、日和とTST(貞操帯)というスパイスの存在で近づいてゆく。
頭では義兄に惹かれる自分を否定しながら…でも深層心理(と身体)は義兄に近づいてゆく…
そんな女性目線の義兄ラブストーリーです。ちょっとえっちいけど…

きっと女性目線のため、多少のエロ要素があるとは言え嫁も共感でき、
爆笑しながら興味津々だったのでしょう。

巷のご都合主義ヒロイン満載の微エロラブコメなんかよりも、ずっと女心が丁寧に描かれているので、
男性はきっと勉強になると思いますよ(笑)
まぁ見る人によっては物足りない、内容が薄っぺらい、ただエロいだけ…という見方にもなりますが、
夕哉ではなく美月に感情移入してみると、これはなかなか面白い作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

67.4 2 幽霊アニメランキング2位
学校の怪談(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (249)
1469人が棚に入れました
『学校の怪談』(がっこうのかいだん)は、フジテレビ系列局で2000年-2001年までの間に放映されたテレビアニメ。
【ストーリー】宮ノ下さつきたちは学校の旧校舎に迷い込み、そこで妖怪たちに襲われる。
旧校舎のなかでさつきの母親が遺した「オバケ日記」を発見し、それに記された方法に従って妖怪を撃退する。 そのとき、妖怪「天の邪鬼」をペットの猫「カーヤ」の中に誤って封印してしまう。
カーヤの中から天の邪鬼を追い出すためには旧校舎内の他の妖怪を退治しなければならない事がわかり、さつきたちは「オバケ日記」の情報をたよりに、他の妖怪たちを退治していく…。


声優・キャラクター
川上とも子、間宮くるみ、本田貴子、津村まこと、佐久間紅美、中尾隆聖
ネタバレ

サメロン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

泣ける唯一のホラーアニメ!天邪鬼との友情、そして【幻の第三話】が観たかった……

このアニメを初めて観たのは2000年、当時の私は8歳でした。
本編だけじゃなくてEDも怖すぎて、最後に画面を手がBANってヒビを入れるシーンは卑怯
まだ小学生低学年だった私はビビリまくってこのアニメを観ていました。
てかホラー耐性のない下手な大人が一人で観ても怖がるかも。笑
それぐらい秀逸なホラーアニメです。

ちなみに中学生1年のときに2回目観ましたが、まだ少し怖かったです。
その後にも数回観ていますが、怖がることはなくなりましたね。
実写のホラー観まくって、慣れてしまったのでww


◆◇特殊能力や異能などは一切使わず、知恵と勇気で妖怪達を霊眠させていく◇◆
学校の怪談では他のアニメなどでよくある、特殊能力や異能の力で退治したり、除霊したりはしません。
全てその妖怪の起源にまつわる方法で、退治するのではなく霊眠させて妖怪を封印します。
だからこそ生まれる緊張感や恐怖、そういったものを登場人物達の視点で観ている私達も味わうことが出来ます。


◆◇天邪鬼との友情◇◆
簡単に天邪鬼という妖怪を紹介
『第一話に出てくる妖怪で人間の恐怖心を栄養とするオバケ。
 霊眠場所であった裏山の大楠木が宅地開発で切り倒された事により復活した。
 そして主人公である女の子、宮ノ下さつきの母(佳耶子)に霊眠させられた恨みからさつき達に襲い掛かるが
 オバケ日記を手に入れたさつき達により霊眠させられる。
 だが霊眠に必要な依り代が無かったため、身近にいたカーヤ(猫)の肉体に封じ込められることとなった。
 以降の話でも終始登場するメインキャラ』

この天邪鬼ですが、初めは親子2代に渡り自分を封印したことを恨み、復讐を考えますが
作品を通していく中で、さつき達(特に敬一郎)に愛着が沸き、脅かしたり、嫌味は言うものの
さつき達がピンチになる度に妖怪(幽霊)の霊眠に必要なヒントを教えてくれます。
後半では、自らが囮となって敵に飛び掛ったり(猫の姿のままだが)するなど
自分自身で手助けをしている。

最終話辺りでは{netabare}もう既に力が戻っており、だがさつき達(特に敬一郎)と別れたくなくて
わざと猫の中に霊眠(封印)されていたのでした。
だが最後の強敵である逢魔からさつき達を守る為に猫の体から出てさつき達を守る為に自らを犠牲に逢魔と一緒に霊眠されます。
「貴様(逢魔)のせいで大切な約束を破っちまったじゃねえか!」{/netabare}
私はこの辺りで涙をポロポロと流していました。

今までいつも素直になれず、正反対のことを言っていた天邪鬼が最終話ではさつき達への思い、気持ちを口したシーンにとても感動したのでした。


◆◇幻の第三話。口裂け女の話について◇◆
学校の怪談の第三話『あたし、きれい? 口裂け女』が口唇口蓋裂症の障害者団体からの抗議により放送中止になり、
第一話と第二話の総集編『特別編!!霊眠の恐怖』に差し替えられたのでした。

私は正直これに憤りを感じています。
いくら侮辱される原因になるかもしれないって、アニメ会社に講義して放送中止にするってありえないです!!
そもそも口裂け女と口唇口蓋裂症の障害者は何の関係もないですよね?
それをネタに侮辱する奴等がアホなだけで、このアニメと何の関係もない。
しかもアニメには講義する癖に
当時辺り劇場公開されていた口裂け女の実写映画等には一切言わないのですから呆れます。

この話はガチで観たかったのに、一部の人間のせいで視聴していた人、全員が迷惑をこうむる訳です。
小学生はこういうことに敏感ですから
寧ろ「これ観れなかったのてめーのせいじゃねーか!」と逆に口唇口蓋裂症の障害者の子供達が苛められる原因になると思うのですが……
ほんと呆れて何も言えませんね。

結局この話は完全にお蔵入りとなり、DVDにも収録されず幻の第三話となった訳です。
あー、ホントに観たかった!!


◆◇今作の作品の恐怖心を最大限引き立てるいるのは秀逸なBGM◇◆
学校の怪談の怖さ、恐怖を最大限引き立てているのは間違いなくBGM
何か起こるか分からない不穏なシーンではそれを音で感じさせる音楽
妖怪(幽霊)に追われているシーンなどでは、急がせ駆り立てるような音楽
しかもこれが1つだけではなく何種類も用意されています!
これは凄いとしかいいようがない。


◆◇現在の妖怪事情◇◆
最近、妖怪=恐怖・畏怖する者ではなく
某アニメのせいで妖怪=可愛い・面白い者に変わってしまいました。
これは本当に害悪アニメそのもので
今の子供達は何かあれば妖怪のせい、自分はやってないと全ての責任を妖怪に押し付ける現状。

本来、妖怪とはそれをしたら悪いこと、したらいけないと教えたりする為の存在
例をあげると学校または塾から帰りが遅い子供達を心配した親が
子供達を早く家に帰らせる為に作ったのが口裂け女の起源です。
その噂を模様して実際に口裂け女の格好した女性が出たのも有名な事件です。
そんな妖怪の存在をことごとく否定し、改悪してしまったのが某アニメです。
妖怪大好き人間の私は某アニメを断じて許しませんね!!


と学校の怪談の魅力と現在の妖怪事情語ってみましたが、どうでしたでしょうか?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

HAKU さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

夏の定番!

自分が小学生の時に観ていました。
とっても楽しみにしていたのに、20話しかなかったんですね・・・。
それでも、何度も何度も観た覚えがあります。
子どもには結構怖かったと思いますが、それでもギャグもあって、ちょっとしたスケベな部分もあって、いいバランスだったと思います。
さつきも可愛いけど、桃子さんがまたいい味を出して・・・

大人になってから観ても、とても楽しめました。
作画が不安定だったり、敬一郎の演出がくどかったりはありましたが、思いで補正もあるし、ストーリーは素直に楽しめるものなので、20話一気に観てしまいました。
ババサレは当時もトラウマでしたが、大人になっても・・・
何か物音がしたり、部屋の窓やドアに虫などが当たったりするとドキッとします。(笑)
今、扉を開けたらやばいんだろうな・・・心の中で(ババサレババサレババサレ)って言ってから開けようかな・・・とかね(笑)

残念なのは、口裂け女の話がカットになったことです。
当時は分からなかったのですが、そういった病気の支援団体(?)からクレームがついてしまったからだとか・・・。深夜アニメではなかったからってのもあるし、子ども向けってこともあって、そういったことには丁寧に対処しなければいけなかったんですね。
話自体は完成しているだけに、その物語が世に出ないのは残念でなりません。
DVDだけでも収録してくれたらよかったのですけど・・・。

話は怖いだけでなく、感動するものもありました。
{netabare} 天邪鬼がだんだんデレてくる部分も好きでした。
大人になった自分からすると、もう少し天邪鬼のことを疑わないようになったりしたら気分よかったなとも思うくらいでしたが、小学生ですからね、さつきも、当時の自分も。
でも、だからこその最終話だったと思います。
助けてくれるだろうと思っていたけど、その助け方であったり、約束を守るところであったり・・・胸にグッとくるものがりました。
最終話のED終わりに、いつかまた、という言葉があって、さつきたちの(天邪鬼の)物語は終わりじゃないんだなって思えて嬉しかったです。{/netabare}
大人になっても、最後まで観てよかったなと思える作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

最も子供を色んな意味で泣かせたホラーアニメかな(感動×恐怖)

2000年にゴールデンタイムの時間で放映されたホラーアニメ


私が小学生のときにリアルタイムで視聴しました。
今とは違い当時の私は、怖がる可愛さとあどけなさを備えていたので
布団を頭に被ってガクブル!ガクブル!しながらお姉ちゃんと観たのが記憶に残ってます。


EDの最後に画面に手がバンッ!と叩き割る演出に泣いた記憶もあります。
あの演出怖すぎでしょw小学生にはトラウマw


BGMもとても秀逸で幽霊が迫ってくる感じとか
気味が悪いなぁ~って感じも画面を観ていなくも音だけで伝わってきます。
前にも書いたする気しますが、私がBGMを評価するのは本当に稀ですよっ!
サントラのCD買う程に評価してます。


でも何と言っても一番の魅力は
特殊能力や異能の力を使わないで、知恵と勇気だけで妖怪達を霊眠させていくことにあるんじゃないかな?
これよりキャラクター達の状況が、観ている私達の状況と重ね合わせて観てしまうんですね
等身大ってやつでしょうか


フフフ、ここまで私をビビらせたのは実写を含めても、この作品が最初で最後ではないでしょうか(∩ˊᵕˋ∩)
その後、中学生のときに2度目
大人になって3度目と観ましたが、ネジが飛んでしまった私には効きませんよ?笑


また幻の第三話。口裂け女の回なんて有名?ですよね
何と予告だけやって放送しなかったんです。
理由は分かりません。怖すぎて苦情が殺到したのかな?
気になる人は調べて見て下さい。



でも怖いだけじゃないんです!この作品
お母さんを失ったお話とか、最初は主人公達に敵意しか無かった天邪鬼という妖怪が
自分の身を犠牲にしてまで主人公達を守るようになったり
最終話なんて本当に涙物ですよ。


そして何よりも私の好きな声優さんトップ10に入る
今は亡き、川上ともこさんがヒロインの宮ノ下さつきを演じています。
弟の敬一郎の声はハム太郎の間宮くるみさんだったりもします。


長くなりましたが、これ観て私とホラーアニメ談議でもしましょう(๑˃̵ᴗ˂̵)و

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

64.5 3 幽霊アニメランキング3位
究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (327)
933人が棚に入れました
冴えない高校生・結城宏がひょんなことから入手したフルダイブRPG『極・クエスト』。技術の粋を集めて作られたこのゲームは「リアルを極めた」という謳い文句に違わず、グラフィック、NPCの挙動、草木の香りや肌をなでる風、すべてが究極の出来映えであった――リアル過ぎて、クリア不可能なほど「めんどくさい」ゲームである、ということ以外は。「フラグ数10,000,000,000,000,000以上!? 身体能力も現実そのままかよ!!」「ええ。殴られれば痛いし、斬られれば数日は傷が治らない。史上最高にリアルなゲームよ!」報酬は達成感のみ。軽い気持ちで遊べない、史上最もストレスフルなゲームを攻略せよ!

声優・キャラクター
山下大輝、竹達彩奈、ファイルーズあい、井澤詩織、古賀葵、石谷春貴、小西克幸、日野聡、松岡禎丞
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

企画自体が無茶

2話までの感想{netabare}
「ヘンなところをリアルにしようと拘ったせいで操作が面倒臭くなっただけ」というクソゲーあるあるをベースにした作品、になるのかな?
1話、騙されてゲーム買わされるくだりが“ラムネ&40”っぽいなぁと思ったら、エンディングでファイエクのパッケージデザインにことぶきつかさ(ラムネ&40のスタッフ)が出てちょっと笑っちゃった。
ついでにヤサぐれたエトナみたいなキャラが出たり、ベルト姫が竜宮レナみたいになってたり、これは…「なんか○○っぽい」と思わせるのを意図的にやってる?
いやベルト姫はたまたまだろうけどさw
と思ったら、作者って“慎重勇者”の人なのか。
ああ、あの作品もヘラクレスの栄光っぽいなと思ったら魔王がまんまムドーでドラクエ6でしたって話だったし、やっぱ狙ってる?

こういう系…ゲームやアニメを題材にした作品って、どうしてもその業界に忖度というかおべっか使ってる様な素振りが出てしまうモノで(ぱっと思い出したのでは“ハイスコアガール”と“アニメガタリズ”)、クソゲーと断ずるからにはそういった匂いを出さずにどこまで攻められるかがポイントになる気がする。
最近でも普段結構ダメ出しをしてる某ゲーム実況が、ゲストに開発スタッフが来た回では妙に褒めてばかりでダメ出ししなくて「まぁそうなっちゃうよなw」という出来事があったり。
そういう圧に屈することの無い姿勢を貫いて欲しいトコロだけど…どうかなぁ?
BGMでゼルダの子守唄を使ったら神、まず無いだろうけど。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
前回の感想でファイナルソードというクソゲーがゼルダの曲パクってたネタを書いたワケだけど、なんと、この作品PVの頃から既にやってたのかw
宝塚記念のファンファーレかぁ、全然気付かなかった。
ちゃ、ちゃんと許可取って…る?フリー素材じゃないよね?

と、そんな感じでリアルのクソゲーあるあるを全面に出して指指して笑う系だと思ったのだが、作中の「極クエスト」はクソゲーを通り越して精神障害を引き起こしたり、それこそショック死とかの被害者が出そうなヤバい出来。
というか、描写された分だけで言えば「最初の選択をミスったこと」と「やり直しができない」部分がダメってだけで、そこまでクソゲーという気がしない。
痛覚伝達は致命的だけど、それはもうゲーム内容とはまた別の問題のような…。
で、それならそれでこんなゲームが出回るなんてなにかウラがある?という展開になることを3話終了段階では期待したのだけど4話、あれれ?

主人公が陸上辞めたのはてっきり怪我などの理由で復帰の道は無いのかと思ってたら、いつでも復帰できそうな内容。
マイクに「小便漏らしたのはお前が話しかけてきてトイレ行けなかったせいだ」と突っかかって衝突して、業界から目をつけられて躍進できないってことでもないみたい。
オチが見えちゃったというか展開が想像できるようになっちゃったというか。
更には、やり直しが出来ない(一度ルートを選んだら別ルートを選べない)ゲームのはずなのにカムイが色んなルートの攻略を知ってて、どういうこっちゃ?
他のプレーヤーのプレイ内容を見て理解したというような態度でもない。
何台もVRハード持ってたってことか?
やり直しの利かない設定のゲームを攻略したのでスゲーと、何台もVRハード持っててスゲーでは「スゲー」の質が違うのでは?
後者ではあまり参考にならないというか、前者の体での攻略情報を描写しなきゃいけないところを、スタッフは混同してる感じ。
「詰み」ではなく継続すればまだ攻略の目があると提示したかったのかな。
更には「ヘルズフルーツスライサーになった幼馴染は全能力が十数倍に跳ね上がる」って…ゲームの「リアルを極限まで追求した」って謳い文句から外れてね?
ま、まぁそれ言ったら幽霊の存在もアレなんだけどさ。
最初に提示された設定、厳密にはそれで私が解釈した設定(制限)と、4話で提示された設定が噛み合ってないような…。

でもってゲーム復帰の動機が色仕掛けって、あっれー?アヤシイ新興宗教や自己啓発セミナーみたい。
一応レオナが含みを持った台詞を言ってる(中古で引き取り料が発生するようなゲームを買わせた理由を問われ「まだ詳しく話せない」と返してる)ので、何かウラはありそうなんだけど…期待して大丈夫なんかね?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
一度辞めた極クエストへの復帰の動機が色仕掛けという安直なモノでガッカリしつつも、謎や問題はまだまだ山積みなのでそれの解決法に期待してたのだが…。
あっれー?それでいいの?
まずアリシアの対処法が「一番嫌がることを言う」で愛の告白。
…。
ん?これって滅茶苦茶口からのデマカセだよね?
特に「昔からずっとずっと好きだったんだ」ってセリフには引っかかりを覚える、明確な嘘だよね。
この流れならせめて、一旦しおらしくなったアリシア「小さかった頃、川で溺れた私を助けてくれたわよね」ヒロ「あ、ああ。あの時はオレも必死だったよ」アリシア「ウソだよバーカ」
みたいなのは欲しかった様な?

で、アリシア対処に上手く行って「逃げずに真正面から向き合うこと」に攻略の手応えを感じたヒロは次にマーチンの亡霊への対処もするんだけど…。
あのう、これって、「幼馴染という設定を心に叩き込んでキャラになり切れ」ってだけなのでは?
もっと悪い言い方しちゃえば「体験してもないことをあたかも体験したかの様に振舞え」で、それが本気で向き合ってることか?と思うと、むしろ非常に不誠実な気ががが。
何年前から付き合いがあるか知らんが(本編で言ってたっけ?)幼馴染としてずっと一緒に過ごした積み重ねを、昨日今日知ったヤツが分かったような態度をするのは…なんか、なんかなぁ。
「三日前にアニメを見始めました」って人が10年前のアニメに知った口叩いたら「ん?」とならんか?
どこまで詳しく知ってるかによるけど、少なくても本編のヒロは「昔の出来事のビジョン」を見せてもらうまで誓いの言葉を知らなかった。
思い出せなかったではなく知らなかった。
うーんうーん、そういう設定のゲームってことで全ての突っ込みは無意味になるんだけど、なんか釈然としない。

で、モヤモヤしてイヤだったので結構考えたのだけど、ちと閃いたかも?
「TRPGで本気で成りきりプレイをするのは不誠実か?」と考えるとそうではない。
では究極進化した~は何が違うんだ?と考えたら、そっか、ヒロとマーチンが対等じゃないんだ。
ヒロはマーチンがNPCだと知ってて、一方でマーチンはヒロがPCだとは知らない、自分がNPCだということすら知らない。
この決定的な違いを無視して対等かの様に・しっかりと向き合ったかの様に扱って「いい話だな~」と片付けられたのが違和感の正体…じゃないかなぁ?
もし本気の対等であるなら「今度オレの世界の町を案内してやるよ」くらい気の狂った言動をしないとならん。

ふ~、モヤモヤが晴れてスッキリしたー、といってこの作品が面白くなったワケではない。
まだ謎は沢山あるので視聴は続けるけどスッキリした形で終わってくれるんだろうか。{/netabare}

総評{netabare}
色々ヒデーなと思いつつも事情を知ったら…原作がまだ全然進んでなくて、アニメは水増ししまくりで1クール続けたんだそうで、そうであるならヒデーと思った部分も合点がいく。
不快なシーンをだらだら続けたり、どうでもいい小ネタをずっと引き摺るのもそれが原因か、と。
しっかしまぁ原作ストック無いのにアニメ化って誰も幸せにならないと思うのだが、なんでこんな企画が通ってしまうのうだろう。
ちょっと前には“グレイプニル”がそうだったらしく結構同情的に捉えてたんだけど、こう連続で続けられるとちょっと…ねぇ?

なによりこの作品で一番ダメだと思ったのは、レオナがひたすら無礼な言動をかますワケだけど、それが最後までずっと安全地帯からだった。
ぎゃふんと言わせる…まではなくとも、せめて何かリスク背負わせろと。
ある程度地位を固めたお笑い芸人が、後輩芸人の体当たりネタをスタジオのソファーにどっかと座ってゲラゲラ笑ってる姿を見せられてる感じ。
実際あったんだけどね、あれ結構気分悪かったぞ?

但しこれも「先の展開でレオナが手痛い目に遭うシーンが用意してあるんだけど、そこまで行く前にアニメが終わってしまった」で、これで何が悪かったか考えるとアニメ化の企画自体ということとなり、クリエーターの責任ではないと思うと悪く言うのも気が引ける。
あくまで原作はちゃんと考えられてるって前提ね。
“慎重勇者”があるのでそこは好意的に思いたいトコロなんだけど、偶然だったのかなぁ?
「ゲームを題材にしてるけど、ゲームのこと詳しくないでしょ?」と言いたくなるところがチラホラあったような…?
オープンとインスタンスの違いが不明瞭なのが個人的にはすっごい気になった。
それと作中の描写を見た限りではゲームがクソなのは開発が意図的にそうしたものでしかなく、それは「現実よりもクソゲー」には当たらないような?
出来上がったものが開発意図とズレてるとか、開発者が人間でないとかなら分かるんだけど…だって開発者は現実で人物として居るんでしょ?
そいつの性格が悪いってだけで、それは現実の範囲でしょう。
ぶっちゃけ“痛いのは嫌なので~”の方がクソゲー、あっちは開発者が人間(の感性)ではないと明確に示されてる。
また「そんな手法でいじめを回避したところで別の手口のいじめを受けるだけ」「何も解決してない、むしろ悪化したかも?」と思うこともあったり無かったり。


総評としては、アニメ化の企画自体が失敗。
「原作のここからここまでをアニメ化する」の範囲指定ミス。
「きっとこの後不快に思った部分に溜飲が下がる展開があるんだろう」と好意的に捉えるならね。
逆を言えばアニメはフラストレーションパートのみで形成されてて、それだけで楽しむというのはかなりの上級者(そして上級者は原作を読む)。
そんなに事を急いたところで「繋ぎ」とか次の仕事に便宜図ってもらえるとかでもなきゃ誰も得にならない気がするのだが、今のアニメ業界では原作ストックがそんなに無いのか?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ギャグだけやっていれば...

タイトル通り、フルダイブRPGのクソゲーを主人公がプレイするアニメ。
ギャグ全振りだったならめっちゃ面白かったと思う。
シリアスがマイナス要素でしかなかった。

{netabare}
ギャグアニメなら許される意味不明な行動やガバガバ設定もシリアス展開となるとさすがに違和感が出てくる。
途中何回も「なんで主人公このゲームやめないんだよ」とか「なんで陸上とゲームを同列で見てるんだ」って突っ込みたくなった。
陸上設定がほんとに要らない。
陸上でかなりの成績の選手が学校でいじめられてる陰キャなのも意味わからないし。

ゲームの設定も雑。
他のプレイヤーと同じ時間に存在できてイベントも共有されてるけど、それならプレイヤー個人のストーリーに問題が生じるはず。
衛兵隊長のテスラがボスになってたけど、一人しかいないはずだしね。

あと、ゲーム内の展開も微妙。
主人公がログイン後すぐに親友(マーチン)を殺してしまい、そのことが原因でその親友と仲の良かった幼馴染がキレて、主人公に復讐しようとする。
当然そんなの許せるわけがない。
なのに、5話後ぐらいには主人公が幼馴染、さらには幽霊として登場したマーチンになぜか許される。
自分を殺したやつを許すのも、兄を殺された幼馴染が主人公を許すのも意味が分からない。
感動演出してたけど、さすがに自分はあれで感動なんてできないし、むしろ「は?」って感想。
揚げ句の果てにラストバトルではなぜか幼馴染が主人公を庇って死ぬという...。

一方でギャグ部分は面白かった。
駄目な点も多かったけどギャグ部分が面白かったおかげで、このアニメにそんな悪い印象はない。
クソゲー実況を見てるような感覚で見られたし、突っ込みが面白かった。
あと、神居好き。
声優が松岡なのもめっちゃマッチしていて良かった。

ほんとにギャグだけでやっていれば...。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話
SAOっぽい?目標がテンプレだけど、ギャグがかなり面白いのはいい。
いきなり親友殺すって...展開が予想つかない。

2話
これ親友を殺すっていうけど、ほかのプレイヤーには別の親友がいるって感じなんだろうか。
普通痛覚も同じでかつ殺されかけたゲームまたやるか?w
これ現実側のストーリーもあるのか。現実が蔑ろにされるアニメ多いからたまにはいいね。
元陸上選手でやめて虐められてる?陸上選手が?

3話
ログアウトしろw 緊急事態でもログアウトできないゲームって訴訟もんだろ

4話
いやいや、なんで陸上と糞ゲーを重ね合わせてるんだ 
主人公がゲームをやめると、陸上をやめたことと重ね合わせて妹がなぜか切れだす。
なんでカムイは全分岐把握してるんだろう。
店員がヒロを好きになってるかも意味不明だし、あんな糞ゲーをまたやろうと思ってるヒロも意味不明。
真面目なストーリーガバガバでいらんからギャグでやってくれこのアニメ。

5話唐突にご都合主義。突発的な殺人だったって"想像"できるからといって無罪。
時代的にそんな現実の法律のようなものがあるのもおかしいし、確定もしてないのに無罪になった。

6話
幼馴染が負けない戦闘。なんで好きっていったら刀止めてくれるんだよ...。
アリシアの兄殺したのになんで殺すの戸惑ってんだ。
いきなりアリシアのキャラ変わりすぎ。
兄殺したやつが許されるわけ...。
言ってる通り所詮ゲームなのになんで主人公こんなに深刻なんだ。
ほんとギャグだけやっていてくれ。
マーチン謎に成仏するしもう滅茶苦茶。これ泣き所...?
「ぬら」で許してもらえるというw 殺人犯が何で許されるw

7話  

8話
ゲームやってることと陸上を絡めてるの笑う。ゲームやらせてくれって妹に真剣に頼むとかシュールで馬鹿らしい

9話
相談所w マジで何でこのゲーム続けてんだ。作画が死んでる。
都合のいいときだけ唐突に主人公に仲良くなるモブ。

10話
何で幼馴染仲間になってるんだ。イベントでプレイヤーが他人に干渉できる謎。

11話
この世界は全プレイヤーにとって共通で時間が進んでるのに何で全員同じイベントを経験できるの?
わざわざ自分からタブーに触れて殺されに行く主人公あほすぎる。
気づいても仲良くしとけばいいじゃん。
どうしてあなたが...って反応になるのも意味わからんかな。
この世界ならゴブリン=悪じゃないのかどう考えても。まあゴブリン利用した政治の設定はしっかりしててよかった。

12話
いやなんで幼馴染味方になってるんすかね...。
自分を殺したやつを許すってなんだよ。幼馴染も何で許せる。
ここもしかして泣かないといけないところ...?
てかゲームのNPCが死んだぐらいでそんなやけになるか。
なんでライトニングなんとか見抜けるんだよw 
裏技って根性論じゃねえかw
主人公何でこんな強くなってるんすかね。
SAOのアインクラッド編ラストみたいなご都合主義。
いや、負けるのかよw 何だこのラスト。
で、更に故障してもデータを引き継げる裏技があるというご都合主義。カムイ製作者説。
{/netabare}
{/netabare}
7/1レビュー 7/13訂正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

史上最もストレスフルなゲームを攻略せよ!

この作品の原作は未読ですが、あやち、しーちゃんが出演すると知り視聴を決めた作品です。


冴えない高校生・結城宏がひょんなことから入手した
フルダイブRPG「極(きわめ)・クエスト」。

技術の粋を集めて作られたこのゲームは
「リアルを極めた」という謳い文句に違わず、
グラフィック、NPCの挙動、草木の香りや肌をなでる風、
全てが究極の出来映えであった――

リアル過ぎて、クリア不可能なほど
「めんどくさい」ゲームである、ということ以外は。

「フラグ数10.000.000.000.000.000以上!?
身体能力も現実そのままかよ!!」

「ええ。殴られれば痛いし、斬られれば数日は傷が治らない。
史上最高にリアルなゲームよ!」

報酬は達成感のみ。軽い気持ちで遊べない、
史上最もストレスフルなゲームを攻略せよ!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そもそもRPGって高ストレスなモノだと思うんですけど…
そう思っているのは私だけでしょうか。

モンスターを倒しても倒してもちっともレベルが上がらなかったり、最近では、課金してガチャ回しても欲しいカードが全然手に入らなかったり…
作品への愛が向かう気力を保ってくれる…それがゲームなのではないでしょうか。

ゲーム解説の一環としてガチャを回す動画を何度か拝見させて貰いましたが、皆さん、それなりにレアリティの高いカードをゲットしているんですよね。
キラッと輝くカードが欲しいのに、回すといつも青天ばかり…
自分の持っている運の弱さもあるのでしょうけれど、青天ばかりだと心が折れそうになるんですけど…
これってストレス以外のナニモノでも無いと思うのですが、その作品が大好きなので、向かわずにはいられないんですよね^^;

…すっかり脱線してしまいました。
私の場合、痛むのは心と財布ですが、この作品では肉体にダメージがあるんですよね。
どうしてそこまでリアルを追求したんでしょう^^;
ゲームを進めていく上で、嬉しいことと苦しいことのバランスって大事だと思うですが、このゲームは大きくバランスが崩れているんです。

しかも、私と違って結城はこのゲームに愛着も未練もないんです。
何故、結城はこのゲームを続けるのか…
それは、あやち演じる如月 玲於奈の存在にほかならないのではないでしょうか。
玲於奈はNPCではなく、リアルでは相当の美人ですし…
と思って視聴していましたが、どうやらゲームを続ける理由はそれだけじゃなさそうです。
ゲームの中で色々なモノを見知りして感じて…気がつくと、もう後戻りできないところまで結城は足を踏み込んでいたようです。

この作品では原作の1~2巻の内容が描かれたそうです。
そして原作は既刊3巻までしか刊行されていないので、続きを制作するにもストックが不足しているようです。
ご都合主義の部分が無い訳ではありませんが、結城の徐々に変貌していく様は一見の価値があると思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、前島麻由さんによる「ANSWER」
エンディングテーマは、如月玲於奈(あやち)、アリシア(ファイルーズあいさん)、ミザリサ(しーちゃん)、結城楓(古賀葵さん)
による「キスイダ!」
個人的にはオープニングテーマが大好物でした。

1クール全12話の物語でした。
回数を重ねるごとに面白さの増していく作品だと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

77.8 4 幽霊アニメランキング4位
若おかみは小学生!(アニメ映画)

2018年9月21日
★★★★☆ 4.0 (160)
732人が棚に入れました
小学校6年生のおっこ(関 織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることになった。

旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、小鬼の鈴鬼、ライバル旅館の跡取り・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修行を始めることになった。

慣れない若おかみ修行に、毎日失敗の連続…。

「あたしって、全然しっかりしてないじゃん。」

落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに助けられ、一生懸命に接客していくうちに、少しずつ成長していくのだった!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【酷評注意】是々非々 貶してから褒めてみる

☆制作スタッフ
▼原作:青い鳥文庫(講談社)
▼原作者:令丈ヒロ子
▼アニメーション制作:DLE、マッドハウス
▼話数:劇場版94分{netabare}
▼監督:高坂希太郎
・実績
(監督)
『CLOVER』『茄子 アンダルシアの夏』『茄子 スーツケースの渡り鳥』
▼脚本:吉田玲子
・実績
(シリーズ構成/脚本)
『カスミンシリーズ』『マリア様がみてる 』『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』『のんのんびよりシリーズ』他多数
▼音楽関係
主題歌:「また明日」
▼CAST(略)
テレビ版に掲載{/netabare}

☆エピローグ
冗談抜きに酷評します。
劇場版のみの方、テレビ版と劇場版、原作既読と劇場版と様々な立場があると思いますが、私はテレビ版視聴済みの立場でレビューをします。
なお、閲覧の際、本レビューでは、本作ファンの方々の気分を害する可能性があることを特記します。

原作未読
テレビ版視聴済

【本文】{netabare}
辛辣なレビューになるから、本作の劇場公開が終了したタイミングで書くことにした。
先にテレビ版をレビューするか迷ったが、圧倒的に出来が良いテレビ版のレビューより、問題の多い劇場版からレビューすることとする。
タイトルの意味はそういう事である。
テレビ版を視聴した者の立場として素朴に「これ、劇場版《製作》する必要があったのか?」である。

テレビ版の後半クールのEDは劇場版のカットシーンで、劇場版鑑賞に来て下さいアピールが見え見えだったことからも、本作はテレビ版既視聴者をメインターゲットにしているのだろう。
ま、それでも内容が伴えばそれで良しだが、あっさりと言えば劇場版はテレビ版のダイジェストで横手さんの脚本を吉田さんが書き直したようなものだ。
それでも宣伝効果で前評判が高く、連休中の公開初日から数日は確かに休みも続き客入りも良かったそうである。
しかし、その後は失速し、興行成績向上のために有名監督や評論家を動員しての鑑賞批評をネット媒体やマスメディアでキャンペーンを張ったのも、一般鑑賞レビューが増えるに従いテレビ版と差異がないことが世間に周知されるとともに、テレビ版と変わらないなら劇場版の鑑賞は別にしなくてもいいな、となりつつある傾向に製作側が危機感を抱いたからだろう。
それを裏付けるかのように、他のサイトではステマ的なレビューすら散見された。
一部の劇場では公開延長があるようだが、マスコミが宣伝するように人気が高いのが理由ではないだろう。
私が鑑賞したシネマで本作は一番小さい劇場割り当てであり、かつ、公開最終日前日にも関わらず、客入りは良く見積もっても6割程度。
子供客で確認したのは1人だけ。
後は私のようなオヤジばかりの『ガルパン』と似たような客層だw
つまり、フェイクニュースを垂れ流してまで興行実績を残すことに必死なのが本作の現実ではなかろうか。

劇場版とテレビ版の大きな相違は、①交通事故のシーンとテレビ版第1話「おっこ」が旅立つカットシーンの追加②「ウリ坊」登場シーンの変更③美陽登場シーンの変更④「おっこ」の両親を殺した加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したハプニングエピソードの追加⑤神楽の舞子をきっかけに「ウリ坊」「美陽」「鈴鬼」との別れを示唆するシーンの追加⑥両親との回想シーンの追加⑦「ウリ坊」と「みねこ」(祖母)のエピソード追加拡大といったところだ。

【各論】
<物語の批判点>
(1)前述のとおり、テレビ版視聴前提であれば②を除き「美陽」や「鈴鬼」の登場シーンを焼き直して尺を浪費する必要はなかった。そのまま「春の屋」の幽霊として登場させればいいし、テレビ版未視聴者でもさして不思議とは思わないだろう。
(2)②の「ウリ坊」の登場シーン変更だが、おっこが事故にあった瞬間ウリ坊が救出した設定としている。
その後の物語の展開を考えると「ウリ坊」が「おっこ」の両親を殺して、おっこを春の屋へおびき寄せた「悪霊」ようにも見えてしまう、かなり、疑問を抱いた設定変更だった。
なお、⑦は「ウリ坊」が「春の屋」の地縛霊となった経緯のエピソードであるが、さして尺も浪費しておらず「みねこ」のCVに花澤さんを起用し、ファン層の拡大という意味からも設定すること自体はストーリーの大局上、毒にはならない。
(3)③だが、妹を庇う姉としての登場が劇場版、「秋好旅館」に居場所が無くて「春の屋」に悪戯しに来ていたのがテレビ版、劇場版は「おっこ」と「真月」の出会いと合わせて登場シーンを設定し直しているが、前述のとおり物語に大きな影響を与える準主役の「ウリ坊」と立場が違う「美陽」の登場シーン変更ため態々尺を取る必要はないし「美陽」の境遇を考えるとテレビ版の方が共感する。
寧ろ、劇場版でイメージまで変更する必要はないキャラなのだ。
(4)⑥の演出にも関わらず、両親を失った「おっこ」の子供らしい感情発露の心理描写はテレビ版の方が遥かに丁寧であり上手だった。
劇場版では回想シーンを増やしたにも関わらず、テレビ版より劣ったのは、回想シーンのカット映像と他のエピソードとのジョイントの意味付けが希薄であり、結果、共感に至らなかったこと。
テレビ版のように「おっこ」の心理描写は派手な事故アクションや両親との思い出カット挿入ではなく、独立した尺を取り丁寧に描写をするべきだった。
(5)①の事故シーンだが、作画に関しては迫力があった。
しかし、このシーンの挿入は微妙であり、子供が鑑賞する想定ならショックが強すぎる。
もう少し和らげるか、子供には理解し難くても、続く電車内でハシャグ親子を窓の反射で間接的に眺め、悲しみを堪える「おっこ」の心理描写のメタファーと事故を繋げるメタファー演出と後の④のエピソードとオーバーラップするように繋げた方が作品の「品」が断然向上する。
(6)「真月」のキャラを立て過ぎている。
テレビ版でもやり過ぎではないかと思っていたが、劇場版ではよいよ…?(苦笑)である。
テレビ版では小学生らしい描写があったから救いもあったが、劇場版では彼女の部屋の描写を含め小学生が「哲学」に達観するなど、ほとんどギャグに等しい設定だ。
このため同じクラスメートの「おっこ」とのギャップが更に激しくなり興醒めした。
更にキャラデザがテレビ版以上にデフォルメされたプリキュア状態で見るに耐えなかった。
(7)「真月」もだが「美陽」のデフォルメも激しかった。ただでさえ本作の子供キャラは子供の視聴を前提としたデフォルメ系である。
確かに劇場版では背景美術に拘っただけあって素晴らしい出来だ。
しかし、逆に子供キャラがデフォルメされ過ぎていて、折角の素晴らしい背景に対し著しく浮いてしまうのだ。
『ゆるキャン△』のレビューでも述べたが、作品とは総合的な観点で評価されるものである。
キャラデザの性質を考慮せずに、背景に力を入れても徒労ではないのか。
自動車の精密描写も含めて作品の基軸ではなく傍系に拘っても、単に演出の自己満足にしか見えないのだ。
(8)テレビ版と同じエピソードを劇場版でやる必要性を感じない。
特に「あかね」と「おっこ」のやり取りはテレビ版第2話横手脚本、劇場版吉田脚本と明確に分かれるシーン。
だが「あかね」に説教する「おっこ」に説得力があるのは断然テレビ版である。
何故かというと、テレビ版では「あかね」への説教の以前に両親を亡くした「おっこ」の子供らしい素直な悲しみの感情表現が伏線として丁寧に描写されていたが、劇場版ではこの部分が圧縮され「おっこ」は両親を亡くしたという事実のみで、父親が健在で母親を亡くした「あかね」に説教を垂れただけの説得力の片鱗もない描写になってしまっている。
演出や脚本が「(4)」で述べたような「おっこ」の心理描写は既に済んでいるとしたのか、はたまた、テレビ版を視聴したのであれば深い説明が要らないと判断したのか定かではないが、その程度の描写なら「あかね」のエピソードの意味はなく不要であったし、尺の無駄遣いだ。
(9)これは批判というよりも疑問に近い。
⑤のシーンは本作の「完」を連想させるのだが、劇場版では曖昧な形「暗喩」で表現されている。
テレビ版の最終回を視聴した限りでは2期もあり得る終わり方であり、ネタバレになりかねない⑤のシーンは本当に必要だったのか?
テレビ版の2期はありません!劇場版でシメます!という製作ポリシーがない限り、やってはいけないシーンであったのではなかろうか。
喉にモノがつかえたような後味の悪さである。
(10)「グローリー」とのエピソードも焼き直しでありほとんど必要がない。これも「グローリー」の紹介程度にして、既に「おっこ」とは信頼関係が構築されている前提で劇場版のストーリーを立てれば良かったのだ。
このエピソードを冗長化させたのは、背景に拘った動機と同様に「ポルシェ911タルガ4」の3Dモデリングを観客に自慢したかった演出の自己満足にしか見えないし、本当にポルシェのステマ?wかと思うほどこれだけは良く出来ていた。(ステマをしなくても売れる有名なスポーツカーだけどねw)
本エピソードは物語がもうダメだと考えていた頃なので、ポルシェばかり見入っていた。
欲しくても買えないからねw
それにしても、本作のスタッフは相当カーマニアなのだろう。
現代では非現実的なT型フォードや初代クラウンが現役で花の湯温泉街を走り回っている。
「おっこ」の学校も木造校舎で現代では非現実的なのだが、クラッシックカーも遊び心のあるファンタジーとして許容は出来る。
しかし、ポルシェをあれだけ精密なモデリングとするなら、フォードやクラウンもポルシェと同等の精密モデリングとするべきであり、中途半端である。

以下はどうでもいいことだが、和の風景に合わせたオープンカーなら、マツダロードスターや絶版ではあるがホンダS2000など、国産の名車をプロップとして採用するのもアリではないかな。
「グローリー」のブルジョア生活を強調するのなら、ホンダNSX(23,700,000円)レクサスLFA(37,500,000円)という手もあるし、本作は子供が対象なのだから、我が国の工業技術の結晶である国産高級スポーツカーを採用し、将来の日本を担う子供達にモノ作りの夢を託す配慮があっても良かったと思う。
因みに、本作に登場するポルシェ911タルガ4だが、外観で分かる範囲で推測してみると、LEDヘッドライトが標準装備であるからグレードはGTSで21,540,000円。
ブレーキキャリパーがイエローであるから、オプションのセラミックコンポジットブレーキ(1,545,000円)がプラスされる。

<物語で評価される点>
残念ながら本当に少ない。
(1)ポルシェに乗って買い物に出かけた「おっこ」が事故の記憶を思い出しPTSD症状を起こした点。
これが、批判点(5)で述べた事故のメタファーだが、折角こういう名演出があるのに作品全体の軸として繋げきれていないのである。
(2)④はテレビ版にはないエピソード。
加害者一家が春の屋に泊まったシンクロニシティと、両親を殺した加害者を知った「おっこ」が両親との死別を乗り越えて花の湯での新たなスタートを誓い、明るく前向きに生きようとしていた矢先の実に残酷なシーンだ。
「おっこ」の複雑に絡み合った、いたたまれない心理描写は見事であった。
劇場版では実質吉田オリジナル脚本はここだけだが、流石、吉田脚本だと感じたシーンである。

(★は一個0.5点)
物語
★★★★★☆☆☆☆☆2.5
(各論のとおり。)
キャラ
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(デフォルメ減点有り。)
音楽
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(劇伴はまあまあだが、劇場のサウンドシステムを活かしているとは言い難い。主題歌は記憶に残らなかった。)
作画
★★★★★★☆☆☆☆3.5
(各論のとおり。)
声優
★★★★★★★★☆☆4.0
(テレビ版と一部キャスト変更があるが、大局には影響を与えていない。)

【雑感】
本作は原作も素晴らしく、また、テレビ版は良い出来で一定の評価ができるのに何故こうなったのか不思議でたまらない。
問題の核心はテレビ版を焼き直したプロットにあるのだろうか。
その責任が何処に起因するかと推測するとき、DLEやマッドハウスをはじめ製作委員会が制作に相当関与したと思われる。
おそらく、製作委員会で企画したプロットありきで、コンテと脚本を仕上げた結果が本作ではなかろうか。
つまり、監督も脚本もほとんど関与出来ない次元でプロットが決定している可能性が高いのだ。
原作ではテレビ版以外のエピソードもあるはずだが、テレビ版のエピソードを多用したところをみると、芸術的判断よりも政治的判断が濃い印象を受ける。
国内のファン向けであれば、テレビ版のエピソードよりも劇場版オリジナルの④のエピソードを軸に、テレビ版では触れられていない「おっこ」と両親の平和で心温まる日常、つまり前日譚にも尺をしっかり取り、天国と地獄の如く不幸のどん底に落ちた「おっこ」をより強調することと、若おかみ修業を通して悲嘆から立ち直り成長していく「おっこ」の成長物語とすることが出来たし、脚本吉田さんの起用はこのようなオリジナル性があってこそ生きるのだ。
純粋に芸術的視点で作品を作り込むのなら、テレビ版に左右されず、一からプロットを考えるはずであるが、本作はそういう構成にはなってはおらず、国内のファン向けではなく「アヌシー国際アニメーション映画祭出品」審査員向け作品と考えるのが妥当かもしれない。
審査員は恐らくテレビ版を観てはいないだろうから、相応の評価は受けるだろう。
本作ファンの一人として、可能であれば、マッドハウスのエースいしづか監督を起用し、吉田さんとコンビで作品を作り直してもらいたい気持ちだ。

高坂監督はマッドハウスで活躍し、ジブリ作品も参加経験が多く『風立ちぬ』の作監も務めた有名なアニメーターではあるが、業界キャリアに対して監督経験はそう多くないし、テレビ版のマッドハウス増原監督やDLEの谷東監督とは違いフリーだ。
この状況で劇場版の監督を依頼された経緯を考えてみると、公開されている事情の他、本作はアヌシー祭出品に向けて、カンヌ経験があり、ジブリ作品を手がけていることから国際的に名の通る監督の起用が政治的に必要であったのだろう。

なお、公式の高坂監督コメントに、本作はマルクスの世界観【下部構造が上部構造を規定する】で表現したとのコメントがあるが、本作を鑑賞した限り、テレビ版のシーン流用で独自性発揮の制約もあるし、また、演説でもない限り94分程度の映像では弁証法的唯物論のフル展開は厳しいだろう。
穿った見方をすれば小学生が労働する様は『蟹工船』的とも言えるが、本作はプロレタリアの悲惨さを強調し階級闘争を求めたものではないことは皆様御承知のとおり。
また、実際、本作はそのような組み立てにもなっていない。
ゆえに、誰かが本作を高く評価したといっても、それはコミュニズムへの感化とは無縁の出来事であると、あえて釘を刺しておく。
ま、あのコメントは当然好ましくはないが、監督本人の思想がマルキシズムに立脚しているという程度の意味だろうから。{/netabare}

率直に本音を述べれば、本作を鑑賞した後の気分は詐欺にあったときと似たような感覚だった。
テレビ版を視聴済みなら、あえて1,500円を支払い鑑賞に行く必要は感じられないし、いずれ「Amazonプライム・ビデオ」にエントリーされるだろうから、それを待って視聴しても良いと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

明日、親が死んだらどうする?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
このアニメ映画は、物凄く評価が難しい作品だった。多分、これまで観てきたアニメの中でもトップレベルに、☆を迷った。

子供向けの作画ではあるけれど、「家族の死」という、とにかく重いテーマを、かなりライトな雰囲気で描いている。

物凄く不安定で微妙な綱渡りを、ギリギリのところで渡り続けるようなアニメ。

このアニメのクオリティは、間違いなく高い。あとは、好みの問題。

ギリギリまで☆4と迷ったけれど、う~ん。やっぱり☆3とします。レビューは、その辺りの理由と、じゃあ自分ならどうしたいかを書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作品のテーマは、「両親の死を受け止め、どう前進するか」で、これは色々な媒体でやられてきたと思う。

それを、「児童向けアニメ映画」の中でやったのは、スゴいチャレンジだと思う。

両親が、自分の目の前で事故死する。

多分それは、子供にとって、世界でこれ以上ないレベルの苦しみだろう。

序盤はそんな悲劇を感じさせないように、明るい、むしろ明る過ぎる、軽すぎる雰囲気の中でストーリーが進む。が、「流石に最後までこのノリなわけはなく、どっかでシリアスくるよな」と思うので、あまり不謹慎な感じは受けなかった。

中盤の、「あかね&幸水」の話は、子供らしく親の死を悲しむあかねと、まだ死を受け入れられていないオッコとの対比を魅せ、「水領」の話は、オッコにあるトラウマを魅せ、オッコの深い悲しみを魅せる、上手い展開になっていたと思う。

問題は、「木瀬文太」だ。オッコの両親の死の原因になった劇場版オリジナルキャラ。ここのエピソードで、おそらく評価が分かれるのだろう。

私は、やや否定的。

オッコの「春の屋旅館の若女将ですから」というのは、確かに感動したけど、当然、「小6でそれは聖人君子過ぎないか?」と思う人もいる。

私はやっぱり、「無理」だ。今、私は30半ばで、親も健在だけど、(仮に相手の過失が小さくても)もし事故の加害者と会ったら、あんな風にはできない。ましてや、オッコは小6。いくらアニメだとしても、ちょっと理解できない。

また、お客さん(加害者)の立場でも、「絶対に泊まりたくない」。そこで、「自分がツラい」と加害者に言わせた、脚本の吉田さんは流石だとは思ったけど、あそこはそのまま春の屋に泊めなければ、私は☆4にしたかな。

もし私なら、①オッコが宿泊を勧める→②木瀬家は、「ありがとう。でも、自分達がツラいんだ」と言って、春の屋を後にする→③祖母から、「頑張ったね」的な励まし→④オッコ、号泣しながら笑って、「春の屋旅館の若女将ですから」→⑤大人達も皆泣いてフェードアウト→⑥神楽のシーンに移行。に、するかな。

勿論、そういう展開にすれば評価を下げる人もたくさんいるだろうし。この辺は、好みの問題ですね。

あと、個人的な好みを言えば、「成長して幽霊が見えなくなる」と「親の死を乗り越えて前に進む」は、どちらか1つに絞って、そのぶん丁寧に描いてほしかったかな、映画の尺なら。まあ、要素が2つあることが詰め込みすぎなのか感動の倍増なのかも、好みの問題でしょう。

いずれにせよ、制作はそういう「良し悪し」を全て分かった上で、このようなストーリー、演出にしている、「意図」は感じたので、これはこれで良いアニメだと思った。

あと1つ。

レビュータイトルにもしたけど、それが何歳であっても、「明日、親が死んだらどうする?」ということは、常に思わなければいけないことなんだと思っている。

今年はコロナが怖くて実家には帰っていないが、親が60を過ぎたあたりからは、できるだけ実家に顔を出してきた。それはやっぱり、「親の死」を明確に意識するようになって、今のまま(あんまり親に顔を見せないまま)では自分自身が絶対に後悔するし、親自身を喜ばしてやりたいという気持ちもある。実際は、自分も仕事が忙しいし、休日は自分自身に時間を使いたい気持ちもあるけど、やっぱり、親は大切にしたい。

でも、いくら何をどうやったとて、もし親が死んだら、その時は絶対に後悔するんだと思う。仮に親が120まで生きようが、何をどう努力し、覚悟しようが、やっぱり後悔はするんだと思う。寂しくなるのだと思う。

まして、そこに努力や覚悟がないのだとしたら、どれだけ後悔するのだろうか。寂しくなるのだろうか。

私は今、道場で小中学生に剣道を教えているが、彼ら彼女らの中にも、親に対してひどい態度をとる者はいる。試合に応援に来たときとか特にそうだ。

まあ、年頃だし、分からなくはない。余計なお世話だとも思う。それでもそんな時、親御さんがいなくなったあとに、彼らには言う。

「もし、明日親が死んだらどうする? それでも、後悔ないか?」

彼ら彼女らの心には響かないかもしれない。でも、1人でも2人でも、考えてくれたら嬉しい。そう思って、たまに言っている。

このアニメ、是非とも子供に観てほしいな。

私のような深夜アニメ好きのオッサンが、演出が~とか作画が~とかストーリーが~とか言ってする評価なんて、本当はどうでも良い。

子供が、子供の目線からこのアニメを観て、100人中1人でも2人でも、自分の生き方や親との関係について考えるきっかけになってくれればそれで良い。

そんなアニメでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期イチの注目株と聞いたので観てみました

テレビ版と原作は触ってません。


以下ネタバレ内に推測上のテレビ版との比較を入れています。
(こんな状態で語るのはおこがましいと思いますが、あにこれに劇場版の感想書いてる人が少ないので一応記載させていただきます。勘違いしている部分があったらその都度指摘してください。詳細を書いてくれる人が現れたら消しますので参考程度で)

{netabare}1スタッフが違う
脚本もキャラデザも監督も違います。つまりはTV版のつぎはぎ総集編ではないということが言えます。

2原作は同じ
オリジナルエピソードではなさそうなので、エピソードの被りはあるかもしれません。

3視点を変えている
これでしょうね。テレビ版は織子が若女将として仕事をする中で、様々な困難に挑み、失敗しながら少しずつ成長していくお話がメインなのかな?{/netabare}
映画版は両親を亡くした織子のトラウマを少しずつ克服して行くところを中心に描いています。

これよりネタバレを含む感想{netabare}
家族との幸せな時間…両親との別れは突然に訪れます。
反対車線に飛び出したトラックに突っ込まれた乗用車。数分前まで会話をしていた両親が亡くなるのを目撃した織子はいったいどれほどのショックを味わったでしょう。
しかし、描かれたのは落ち込んだ様子の無い織子。
おそらくいつもやっているように誰も居ない我が家に挨拶をして離れ、引き取り先の祖母のもとへ向かいます。
移動中は特に両親の話題に触れず夏休みの間だけ親戚の家にお泊りに行くただの女の子のよう。

勿論徐々に両親について話題が出てきますが、
最初は「お父さんとお母さんは生きてる気がする」と言っていました。
幽霊がみれたことも一因なのでしょうか。
現実に目を向けられていない織子。仲居さんが気の毒そうな表情を浮かべますが、織子は気にする様子がありません。
そんな中、母を失ったばかりだという親子が旅館に泊まることとなり、時にお客さんと言い争いになりながらも、親身になってもてなしてゆく織子。
最初はやり場のない怒りを織子にぶつけていた同じくらいの年の子は、織子のやさしさにふれ、たまらず泣いてしまいます。

このあかねという子が布団に潜り込んで泣いてたところは印象深いシーンの一つです。
おそらくあかねさんは同い年の織子が両親を亡くしながらも強く正しく生きているのをみて、恥ずかしさ少々、自分に尽くしてくれたことで愛情を感じ安心して堰をきったのでしょう。
ひとしきり泣いて気持ちに整理をつけたあかねさんは、登場直後のひねくれた感じではなく素直で優しそうな子に変わりました。

続いて登場したのは恋人と別れた直後のお姉さんなお客さん。
織子と意気投合し、織子をドライブに誘いますが、事故のトラウマで震えが出て呼吸も大きく乱してしまいます。
最初は大丈夫でもちょっとした拍子でトラウマが呼び出されてしまう様子は、震災の体験談などで聞いたことがあります。
物語に関わりのないちょっとした仕草ですが、これによって物語のディティールがより細かくなったように感じます。

そして、心の支えにしていた幽霊が徐々に見えなくなっている織子。両親が死んだことも理解できるようになり急に孤独を感じるようになります。
織子役の小林星蘭さんの「置いていかないで!」と泣き崩れる演技、真に迫っていて織子が気の毒に思えて非常に胸が苦しくなりました。
一時自暴自棄になり飛び出す織子にハラハラ。
しかし、これまでの若女将の経験でいつの間にか大人になっていた織子、
事故で正面衝突をした張本人を前に、「私は関織子ではなく春の屋の若女将おっこです(どうぞくつろいでいってください)」と伝えます。
この時の織子がもう、どうしてこの娘はこんなにも逞しいのだろうか。まだまだ小学生だというのに…こんな良い子が…と、我が子の成長を見守る親の気持ちといいますか、そのような感じで胸がいっぱいです。
冷静になれば、菩薩か!と突っ込みを入れたくなるところかもしれませんが、そんな気分にはとてもなれませんでした。{/netabare}

物語の展開はほんとファンタジーです。しかし映像や見せ方のディティールがリアルなのでドキュメンタリーのように錯覚してしまう節があります。
また、両親の死を使った感動ストーリーに一瞬思えますが、最後まで見るとこの作品が織子の成長を描いたものであることがわかります。
この作品は一言で表すことが非常に難しいです。
変なレッテル貼りになっていないかとドキドキしています。

やはり、実際に見ていただくのが良いでしょう。
そして、それぞれ心に感じたことを自分の中で消化していただくのが良いと思います。
私は私の感想を大切にして、さらに読み込んていきたいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

60.8 5 幽霊アニメランキング5位
チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (204)
636人が棚に入れました
社畜として日々働くだけの男、桐尾礼治。今日もうつろな目で会社に向かって歩いていたらいつの間にか異世界の森にいた。…あぁ、これが流行りの異世界転生か。持っていたスキルは「鑑定、創薬」の2種類。あれたいしたことない・・・、でもいっか。そう考えていたけど、思った以上にチートなスキルだということが判明!その世界にはなかった回復薬などを次々と製造し、あっという間に一儲け。もう社蓄として働くなんてまっぴらごめん!悠々自適なスローライフを送ろうと決意し、ドラッグストアをオープンさせる。異世界のドラッグストアを舞台にしたスローライフの物語が始まる。

声優・キャラクター
福島潤、松田利冴、熊田茜音、松田颯水、東内マリ子、内村史子
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

2話までの感想{netabare}
えっらい上級者向けだなぁ…。
上級者といっても偉いってことではなく、なろうアニメ上級者…なろう異世界モノに脳をジャブジャブ漬けて、もうお約束部分は見飽きたヨって人向け。
いや分かるんだけどさぁ…何の作品だったっけ、街や建物の絵がスタッフを同じとする別作品の丸コピーで問題になったやつ、ちょっと前にあったじゃん?
ぶっちゃけアニメが1クールでこれだけ量産されてると、その都度1から美術を起こすなんてやってんれないって気持ちも分からんでもなくて「別にいーじゃん」というのが個人的な感想。
いっそのことナーロッパ世界はシェアワールド化して素材の使い回しOKにしていいんじゃね?とさえ思ったり。
一番はアニメの数を減らすことだけど、そこに労力裂くなら他の部分に回したほうが良いって。

という立場からすると、転生してから異世界人と出会い店を開くまでのエピソード、要は他の作品と被りまくる部分を省くのも…認めなきゃいけないのかなー?とは思うけど、やっぱり「ええっ?」ってなりますねw
「他にあるであろう本編」が存在しないのに“ぐらぶるっ”や“アズールレーンびそくぜんしん”みたいな、外伝?スピンなんとか?をやってる感じ。
ノエラが明石(アズレンのキャラ)に似てる?と感じたせいかも知れんけど…あ、思い出した、崩壊3rdを全然知らないのに“戦乙女の食卓”を見せられた感覚、あれが一番近い気がする。
30分枠でそれをやるってのもこれはこれですっごい勇気が要ったんじゃなかろうか。

というかね、実際本編見てみると前述の「美術を新作ごとにいちいち起こすのは大変」と言わんばかりのことがチラホラと見受けられまして…。
弓道警察レベルの園芸ツッコミなので畳んでおくけど、{netabare}作中に登場する薬草が実在する植物をモジったものになっている。
1話中盤、トオギリソウはオトギリソウ、アマメはアマナが元ネタかな?
また、トオギリソウは画面にも出て、いかにもオトギリソウ的な見た目をしている。
で、1話後半の安眠茶の原料ランデンフラワーはリンデンフラワーであろう。
なのだけど…画面に描かれた花は全然別モノ。
待て待て、リンデンフラワーってのはつまりリンデンバウムの花、リンデンバウムは“魔法使いの嫁”で老ドラゴンが死んだ後に生えて杖の材料になったアレで、そっちでは花もしっかり正しく描かれてたぞ?
他では“なむあみだ仏”のEDで出たり(和名セイヨウボダイジュですんで)、気付いてないだけで結構アニメでは登場してるんじゃないかな?
背景スタッフがちょいと声かけりゃ同業者から資料貰えそうなモンで、こんなところでボロを出すのは戴けない。
ってか安眠茶だったらそれまでの流れを踏まえてセントジョーンズワート(オトギリソウ属)じゃダメだったのか?いやこれは原作のせいか?
更に2話でトオギリソウがタネを株元に散らばらせてるシーン、あれも雑、ヒペリカムでググれようわーん。

あんま言うとホント弓道警察みたいでイヤなんだけどさ…。
あくまで一文字違いの架空植物で現実のとは違うって言い訳も立つけど、正確だったらそこでニヤリと楽しめたのかも知れないと考えるとなんか勿体無い。{/netabare}

原画がヘタれるのはまだしも、ここ最近美術だか背景が息切れ起こしてないか?と思うことが立て続けにあって、業界大丈夫かと心配に思ってしまう。
“ブルーリフレクションレイ”でハスとスイレンがキメラ起こしてたり、“100万の命の上に~”2期でグラインダーがあったり、モンストアニメTVの紫苑PVのシオン(花)がとてもシオンじゃなかったり…他にもあった気がするけど、前からこんなモンだったっけ?
この作品2話の忌避材スプレー缶のノズルもどうなってるんだ?まぁそれ言い出したらポーションの瓶も不思議になってきてキリが無いんだけどさ。
“聖女の魔力は~”では薬研は登場しなかったけど蒸留器はアリ、こっちは薬研は出たけど蒸留器は見当たらない(まだ2話なので今後出るかも?)、ここら辺も資料共有すればいいのに…。
全部の作品を“無職転生”並に気合入れるのは難しいのは分かるけど、もうちょい取材してニヤリとさせて欲しいトコロ。


と辛口が続いたので誉める点。
アナベルって名前のキャラのテーマ色が赤、通だねぇ。
アジサイの一種で普通は白花なんだけど、最近赤花が出回り始めて業界ではにわかに注目されてる。
え、ただの偶然?
それと2話までしかやってないのでいつまで続けるのか不明だけど、最後の方に入る「次回のお客様」、“エルガイム”のNEXT HEVY METALか?ww{/netabare}

3話感想{netabare}
「これの何処を楽しめばいいのだろう」という意見をどこかで聞いて、確かにそう思いつつも、私は「モジってるとはいえ実在の薬草をベースにした内容」であるならそこを楽しめるッスよ?と思ってたし、2話まではその視点で見てたのだけど…。
3話、何も触れやしない!
香水って何の花の香りだよ?□□の香りは子供にはちょっと…とかやらんのか。
揮発性が高いから涼しいって何だよ?△△を入れたら効果が増したとかじゃないのか?
「身代わりノエラ」も、○○の穂を束ねて作ったとかやらんのか?ってかなんか怖いぞ。
あ?若返り?水銀でも飲ませとけ。
まるで子供向けなノリではあるけど、子供向けなら尚更そこら辺は拘らなきゃ存在意義が問われる。
ってか子供向けこそ作る側には高い教養が求められるワケで、これにはそれが感じられ…感じられ……う~ん…。
こうなってくるとホント、私も何を楽しめばいいのか分からない。{/netabare}

4話感想{netabare}
なにこれ、ナゾナゾ?
ロクショウという木の実があって──
・とても貴重な「食材」で誰もそれが成る木を発見してない
・それを材料にしてソースを作った伝説の料理人が居たが、調理方法は秘密のまま死去

調理法が不明なのに貴重な食材とは此は如何に?
「この森のどこかに木があるらしい」みたいなバグ哲学的なヘンテコさを感じる。
伝説のソースを再現しようとどっかの金持ちが買い集めてて値が上がった?
それともあくまで不明なのはソースの作り方であって、他の調理方法があるってこと?
一般には大して美味くもない薬として利用されてたが、美味しくいただく方法を伝説の料理人が考案した?という可能性も考えたが、作中散々「食材」と言ってるのでそれは無いっぽい。
ヘルナンドは以前王宮でそのソースを振舞われたことがあるらしく、普通に考えればその時は伝説のシェフが存命だったんだろうとなるけど…。
もしかしたらレシピは残っているものの王宮からは門外不出で、庶民の間で尾ひれ背びれが付いて伝説のシェフの逸話になった、とか?
入手方法も、山に入ると稀に拾うことが出来るとかそういうこと?
動物に探させる高級食材といえばトリュフが思い浮かぶが、そういった手法がまだ確立してない世界ってことだろうか…。

なにより、なんで私は辻褄の合う理屈をこんなに頑張って考えてるんだ?

ま、まぁいいんだ、不思議な感じのする絵本的なノリを目指したのかな?ってことで、これだけで悪いとは断じない。
なのだけど…そうだったのに…Bパート、精力剤の話になって、おいィ!?
誰だ子供向けだと言った奴は?オレだ!
「方向性がワカラン」に拍車がかかる、一体何処目指してるんだ?{/netabare}

5話感想{netabare}
マジでなんだこれ?
まず魔獣狩りにはロングボウが常識化してる文化的な下地があるハズで、それって捻らずに考えればなるべく接近したくない、もしくは出来ないから…だよね?

「接近したくない」=魔獣は危険なので接近戦は避けたい、ショートボウの威力では倒せない
「接近できない」=魔獣は近付くと逃げてしまうので気付かれない様に遠くから射抜く

ということだよね?
とりあえず両方の前提を満たし、更に誘引剤を使っても死の危険も無く「ショートボウの方が有利」になる条件を考えると、「会場の森には逃げ回る弱い魔獣(ザコ)しか居ない」ということになると思うのだけど…これ、パっと分かる?
あくまで特定の条件──実戦ではなくお祭りの一環──の時だけショートボウが有利、ルールの隙を突いたというお話で、そうでないなら他の大会参加者がバカで間抜けで阿呆になってしまう。
…であるなら普段どれだけショートボウが劣ってるかをしっかり見せてくれないと、意外性もナニもありゃしない。

感覚的にはキツネ狩りやウサギ狩りがベースで、だけど野生動物相手だと今の時代厄介なので「魔獣」へ安易に置き換えたんだろうけど、魔獣って言葉を使っておいて「キツネやウサギみたいなもの」を即座に連想するのは無茶じゃないか?
熊や狼クラスは居ないの?
会場となる山の周囲をそういうヤバい魔獣が入ってこない様に役人が警戒してるとか、肝心の魔獣がどういうものか前もって説明が無いので全然ピンと来ない。
(一応登場する魔獣の絵でソレっぽい説明は果たしてるかもだけど、イノシシはどうなんだろう?)
というか「熊や狼クラス、もしくはそれ以上に凶悪な魔獣が寄って来たらどうするの?」が念頭にあって、それを回避する「ナニか」が無ければ物語として何も盛り上がりが無い。
例えばショートボウの射程範囲内であればリリカは確実に急所を射抜ける腕前があるとか。
でないと作中の描写だけでは翌年、他の参加者も誘引剤+ショートボウを使う様になってリリカは再びザコ化すると思うのだが、いいのかそれで。
他の参加者も誘引剤を使ってて、だけど主人公の作ったのはソレよりずっと強力だということにすりゃ良かったのに…。
そうであっても数の暴力の前に「やっつけ負け」の可能性があるワケだけど、作中そんな素振りもありゃしない。
「ゲームっぽいノリをしといてゲームに詳しくないでしょ?」というのはこの作品に限った話じゃないけど、じゃあ作者は何に詳しいん?を考えるとこっちが暗い気持になる。

魔獣を倒すとツノ?キバ?になるというのも如何にもゲームっぽいけど、これも説明あったっけ?
発祥はドラクエの「魔物だろうが殺すのイクナイ」と煩いPTA対策で“アベル伝説”で宝石化する様にした──だと思うんだけど、説明する必要の無い常識だと言われるとちょっとなぁ。
ま、まさか倒すと宝石じゃなくてツノだかキバになったので…元ネタはスパルトイ(竜牙兵)ってワケじゃないよね?
それはそれで上級者過ぎるというか、作者詳しいじゃんwと考えを改めなければならないが、まぁそれは無いでしょー。

第2パートのミナが屋敷を出られないのも今まで気にかけなかったの!?だし、大工呼んで地下への入り口を目の前で作ってもらった後でハシゴに気付くってどういうこと?大工作業中に分かるだろ。
第3パートのノエラの拾い食いの件も…レイジが拾い食いを言い当てておいてミナが同じことを言ったら「よく分かったな!」と驚くのって、何なの?
そこはノエラが「同じこと言われたー」じゃないの?
微妙に言動が噛み合ってなくて気が狂いそう。
コロナによる別撮りで起きた弊害ってことじゃないよなぁ。

それよりなにより、腹痛に悶えるノエラがそこに居るというのに「どうやったら拾い食いを止めさせられるかなぁ?」なんて呑気に考え込むなよ。
とりあえず助けろ、考えるのはその後だろ?
もし、もしだよ?学習させるためにちょっと痛い目見てもらうにしても、せめて命に別状は無いと確認しろよ。
作中では病状の確認をしないで放置…怖いよコイツ!食中りを舐めてる?薬師なのに!?
あいや、チート薬師だからこそ、もし病状が悪化してもそん時はそん時で治す薬を作れるしぃ~といった驕りを表現してたのか?こわっ、死ね。
こんなサイコパス主人公に拾われて──こんなサイコパス作品に登場させられて──ノエラも可哀想。
ハッ、そうやって同情を引くのが狙いか?
ノエラがキャラとして好きか嫌いか以前のペットの虐待見せられた感じで胸糞悪いんだが、いいのかそれで?
その後も掘り下げようと思えば、拾い食いは人狼にとっては重要な行為でそれを止められるとストレスで死ぬ、何が落ちてるか分からない人間の領域で果たして人狼は生きていけるか?みたいなのを展開できそうだけどそんなモノありゃしない。


なんか必要な描写が足りてないというかポイントを外してるというか…ワザと不愉快にしたり山場を無くして凪の様にしてる?
転生や開店までの経緯、従業員との馴れ初めを端折ったことを考えると…そうなのか?


というかちょっと思ったんだけど…自分語りになるので畳んでおきますね。{netabare}
前回の感想で指摘した「ナゾナゾ」、ひと言でナゾナゾと言っても色んなジャンルがあって、その中では「ウミガメのスープ」に該当するのかな?
そういうのがあるのは知ってたけど具体的にどんな出題があるかまでは知らず、最近youtubeで色々あるのを知って幾つか見てみたのだけど…ホホウと感心するモノもあればイラっと来る出題もあったり。
「この違いは何だ?」と考えてたら違う答えが出てきてしまったw

要はウミガメのスープって「どう説明されたら相手は理解できるか」を考えること、つまりは相手の立場に立つこと、それができない共感能力ゼロなサイコパスが、自分の考えだけをダラーっと発表(説明とは言い難い)しただけとよく似てる。
ということに思い至っちゃいまして…。
たまに…週イチで一問解く程度ならまだしも、何問も一気に見てしまったせいかな?
サイコパスの言い分を必死に補完するなんてバカバカしい、という感情が沸いて来てしまったり。
もうちょいマイルドな言い方すれば、ナゾナゾとして考え抜いた末に「人に理解できない説明」を出題してるワケで、そこには当然いやらしさというか意地悪的なものがあって、一度に大量に当てられると悪意としか感じなくなってしまう。
これがイラっと来た原因かなぁ、と。
まぁなにより、自分自身がここ(あにこれ)に書いた文章に「オレって説明ヘタだなぁ」と痛感してるのに、意図的に説明をヘタにするとは何ゴト!?という反発もあるのかも?w

で、何が言いたいのかというと、「出題者が人に理解できる説明文を書けないキの字」がウミガメのスープ全共通の最適解で、天然だったら救いようが無いし意図的であっても大量摂取するとイラっと来る。{/netabare}

でもって話をこの作品に戻すと、意図的にウミガメのスープ的なのを狙ってる…って可能性は、無いかな?
必要な描写が端折られてるのはどう考えてもワザとだし、その姿勢は視聴者への挑戦と取れなくもない。
いやもうね、「この作品の何を楽しめばいいんだ」を探すのが楽しみ方になりかけてるw
こんな作りが何本もあったら困るけど(大量摂取は危険だけど)、週一だったら耐えられるかなぁ?、と。
ただ、話の作りがサイコパス的なのはまだしも、主人公がサイコパスなのはいただけないなぁ。{/netabare}

6話感想{netabare}
今回はストーリー自体はキの字じみたことは無かったが、3パートに分けずに道具屋関連だけで1本というのはクドく感じた。
えっ、魔王パート?ありゃ次回予告でしょ。
ってかあの世界がどれだけの技術水準かは知らんが伝統工芸の職人技が失われる瞬間を見た気がする。
金接ぎとか見て「そんな面倒なことしないで接着剤使えば良いのに」と思ってそう、「山に緑を取り戻す」と言われたら緑のペンキぶち撒けそう。
アナベルからしたら修理のお手軽さに比べて支払う代金が割に合わない、レイジから接着剤買う(貰う)方が早いし道具屋?は早晩職を失うんじゃね?
どんなに新技術を導入してもカセキ爺さんがお役御免にならない様にしてた“Dr.Stone”がどれだけマトモか再確認できた。
アナベルが直接レイジに頼みに行かなかったのが悪いって?いやレイジが気が利かんだけだろ、どんな懐事情かは知ってるんだろ?
新品買えないから修理でお茶を濁してるって作中でわざわざ描いてたじゃん。
結局主人公がサイコパスに行き着くというか…金に無頓着なのを美徳と考えてるみたいで、だけど周囲はそうもいかなくて、それで起きるであろう摩擦を考えてない(まぁ「世界」がそういうこと起こさないんだろうけど)。

瞬間接着剤でレイジとノエラの手がくっついて「うわーToloveるクセー」と思ったら古手川批判を展開、はぁそうッスか。
その直後場面転換でトレンチコートを着た客が袋を手に店を出るシーンがあるのだけど、そこで「お、この客は悪者で商品が悪用される展開か?」と一瞬、ほんの一瞬期待したのだけど…そんなことは無かった。
ホントにただのMOBかよー。
レイジの発明によって多くの人が迷惑を被る話って無いの?
トンでもないものを作ってしまったと己の浅はかさを後悔する話って無いの?
「アレ作れば目の前の問題は解決できる」と閃きつつも、果たしてこの世界にその技術を持ち込んで大丈夫か?と逡巡することは無いのー?

──と考えたら、転生させた神がどこまで許容してるか?に行き着いた。
何をやっても構わんとお墨付きを貰うとか、異世界がそんなの気にしてられないくらい逼迫してるとか、あればねぇ…。
…やっぱ1話で転生までの経緯を描かなかったのが足引っ張ってない?{/netabare}

7話感想{netabare}
前回の道具屋がどっかで見たデザインで、誰だっけーと頭に引っかかってたんだけど、思い出した。
“くじびきアンバランス”の山田薫子だ!
我ながらよく覚えてたなと驚きつつ、これってひょっとしてヒントなんじゃないか?と思ったり。

くじアンは“げんしけん”内のアニメ作品、いわゆる作中作のスピンアウトで、それ単体で見ても正直キャラの関係性が分からない…様な作りだったとボンヤリと記憶。
けんしけんで視聴者(げんしけんキャラ)からどう受け取られてるかを見せたことで、このキャラ(くじアンキャラ)はどういうヤツなのか前もって分かってる前提の作り。
“チート薬師”もこの作りと共通してない?
違いは“げんしけん”に当たるモノが無いってことだけど、それは原作やコミカライズってことで…納得できるかどうかを試してる?

いやねぇずっと引っかかっててねぇ、マトモなアニメーターならこんな作りにはしないと思うんだ。
手を抜いたとか手癖でなんとなく済ませたとかではない、目的をもってこうしたんじゃないか?と。
じゃあその目的は何?を探ってるワケなんだけど──ウミガメのスープか?とか思ったり──ヒントを小出しに散りばめてるってことは…無いかなぁ?


ってところで7話、ずっと引っ張ってた魔王がようやく訪問。
この世界がどんな情勢だか分からないのでサッパリ分からない。
魔族と戦争してるのならお代払ってもらうどころか接収だか略奪されてもおかしくないし、そもそも前線では薬を必要とする人が居るんじゃないの?とか、考えても詮無いこととは分かってても気にしてしまう。
そして後半、本音を吐いてしまう「本音ストレート」って薬…作り立てを効果隠して一切悪びれることなくノエラに飲ますって、やっぱコイツ頭おかしいよ。
と思ったらミナも効果分からんのに新作だと言って勝手に飲むとか、頭おかしいよ。
その後の展開も、ランチさんというかうる星だからんまで見た様な二重人格のアレ、最近(?)では“Toloveる”の酔っ払ったハルナ。
ってやっぱそっちかよ!作者は他の系統の作品も見ろよ、ヴィンランドサガとか。
Toloveるはララは頭おかしいキャラとして成立してたが、こっちのレイジは常識人扱いっぽいのが気持ち悪くて仕方無い。

しかも効果はあくまで本音が見えるだけで行動に出るワケではない、実害は無い、ランチさんみたいにマシンガンをぶっ放つワケではない。
性格を悪くする薬でもない。
薬の効果が消えても本音が見えなくなるだけで、腹の底でどう思ってるかは変わらない。
なので一瞬だけご機嫌取りをしたって意味が無い。
対症療法しかしない作品なだけでもアレなのに、今回は対症療法する必要すら無い。
「へー、そう思ってるんだぁ」「言わせたいだけ言わせとけ」というだけで何もビビらんでいいと思うのだが、先に挙げた作品群のイメージで「怯えるのが妥当」というのを実践しちゃってる。
原理を分からず上っ面だけパクってきたので変なことになってる。

かくいう私も既存作品の似たシチュのイメージに引っ張られてふふっと笑いそうになったんですけどねw
よくよく考えると変だぞ、と。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

脳死で見るアニメ

個人的に今期で一番面白かった。(まだかげきの最終話みてないけど)
他人のレビューを見たところ高評価をしている人が一人もいないようでびっくりした。
普通に大多数の人は楽しめそうなアニメだと思ったんだけどな...
ということで、一人目の高評価レビュー

{netabare}
タイトルがいかにもなろうという感じだが、内容は本当にスローライフ。
戦闘要素が一切ないので、それほどなろうだという感じはしない。
そして、薬に関しては専門性も一切ないアニメ。
"チート"薬師とタイトルにあるが、本当にチートで「これ薬じゃないだろ」ってものがドラえもんの秘密道具感覚で出てくる。
だけど、そういうぶっ飛んだところを含めて面白い。
最初の方はまだ薬の範疇を出てなかったけど、最後の方になって完全に薬関係ないものが出てきたり魔法のような薬がでてきて面白かった。
釣りの餌や勉強がはかどる薬とかw

まあ、こういうところ含めて突っ込みどころが沢山ある作品なので、
そこで酷評する人もいるかもしれないが、自分的にはこの作品はそんな頭を固くして理屈を求める作品じゃないと思ってるので、その突っ込みどころを含めてギャグとして見ていました。

物語の起伏は一切なく、これといった展開もあまりない。
強いて言うなら子供向けアニメのような雰囲気。
けど、それはタイトルにある通りだし、実際コメディ面が面白かったので虚無アニメではなかった。
スローライフを謳いつつ戦闘要素を入れてくるアニメより全然いい。

キャラも良かった。
基本的に魔王を含め悪意の持ったキャラが出てこないので安心して何も考えずに見られる。
キャラ同士の掛け合いが面白いし、男の主人公も邪魔になってない。
むしろ、あの主人公がツッコミ役になることでギャグ的な面白さが増していた。
それとノエラが可愛い。「美味の味~」が好き。

悪かった点はまず作画。背景が静止画だったりで酷かった。
あの薬を作るときのダンスは謎の面白さがあったからまあいい、というかなんか癖になって好き。
あと、タイトル普通に「チート薬師のスローライフ」だけでいいのに...
それと、10話のAパートのムキムキになる話だけは無理だった。
あれはかなりきつい、ノエラ達が好きなだけに見てられなかった。

その他の話はどれも面白かったのでおすすめです。
個人的にはスライム300年より断然好きだった。
OPとEDも両方今期トップ10に入るぐらい好きです。

↓一話毎感想
{netabare}
1話 8/10
タイトルがつまらない。
見にくい作画。ケモナーには受けそう。
ゴミのような味とはw ノエラかわいい。
これ異世界である意味ほんとないよなあ。
この黒髪女寒い。ノエラほんとかわいい。
何この画面の隅の妖精。これいる?
子供向けみたいなノリだな2本構成ってw
2本目は短いけど。
可愛さに負けて面白く感じてしまった。
萌えアニメとして面白い。癒し枠
最後の挿絵超可愛い

2話 9/10
主人公が空気。子供向けアニメみたいな作画だな。
いやなんで無料で渡すんだよw
ほんとに朝にやってそうなアニメ。
だからなんで無料なんだよw
ノエラかわいい
不快なキャラが出ないのが安心して見られていい。
催涙弾かな? 謎音はめ。
この魔王も敵ではないのか?

3話 7/10
化粧品かな? 安定の謎ダンス。
増えた子もかわいい。

4話 8/10
もはや薬が全く関係なくなってきた。
唐突にイキる主人公w
また媚薬か... 死んだってこの子も転生者?
2本目オチ含めて面白かった。

5話 9/10
薬師要素消えたぞw
この動く的当てられるなら遠距離いけるだろw
不正はなかった。
ん?この子幽霊なのか?
ノエラほんとかわいい。

6話 10/10
一週間に一回の癒し枠。
接着剤は薬だった...?
剥離剤って初めて聞いた。
ポーラ面白い。禁錮三日、優しい。

7話 10/10
よかった、ギスギスじゃない。
2話の人にはただで渡したのに平等ってw
男には厳しい。はたらく魔王様
薬じゃなくてもう魔法じゃないかw 
いやこええよw 

8話 7/10
ほんと薬師要素皆無だなw
変な芝居が始まった。
あの石鹸いらんかったやろw
唐突なシリアス。3min蘇生薬とかいうただの魔法。
うーんこういう感動展開は安っぽいしいらないかなぁ。
今回は微妙

9話 9/10
謎水着回いらない。
けどそこまでオタク向け感ある水着じゃないのはプラス。
最近の薬師は釣りの餌まで作るのかw
いや釣り針飲むのはマジで痛そう、かわいそう。
ビビかわいい。一体どこの毛を除毛するんだ
ノエラかわいい。イラスト目浮津氏じゃん。
 
10話 5/10
なんか別アニメになってる。
ムキムキとかやめてくれ。今回微妙だな。
ダンス二回見られて満足。遺伝子って体液かよw
何のプレイだよこれ。後半面白かったけど前半が。

11話 8/10
直球ネーミング面白いからやめろw
おいこれ薬じゃないだろw
なぜかこの世界でも知れ渡ってる紫外線。
けど割と近代的な器具あるしな。
なんで大丈夫ってわかるんだよw
プラシーボじゃん。
主人公興奮するな。カズマさんかな?
元の世界でも薬作れw

12話 9/10
現実でもチートパワーで何とかしろ。
パーティーに行く魔王w
現実世界の話はやめろ
謎時系列シャッフル
その看板見えてるのかよw
美味の味~ 
主人公髪型変わったか?
にしても作画が、後ろずっと静止画w
ほんとに子供向け番組みたいな終わり方 
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ココロハヤル」10/10
ED「マイニチカシマシファーマシー」9.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

可愛くて愉快でちょっぴり心温まるゆるふわ!? 爽快!? 創薬コメディー

この作品の原作は未読です。
事前情報も無く、何となく視聴を初めて完走した作品でした。

主人公を演じるのが福島さんで、ヒロイン役を松田利冴さん、熊田茜音さんが演じられていましたが、作風にも合っていたと思います。


社畜として日々働くだけの男、桐尾礼治·レイジ。

今日もうつろな目で会社に向かって歩いていたら、いつの間にか異世界の森にいた。

…あぁ、これが流行りの異世界転生か。

持っていたスキルは「鑑定·創薬」の2種類。
あれたいしたことない…、でもいっか。

そう考えていたけど、思った以上にチートなスキルだということが判明!

その世界にはなかった回復薬などを次々と製造し、あっという間に一儲け。

もう社蓄として働くなんてまっぴらごめん!

悠々自適なスローライフを送ろうと決意し、
ドラッグストアをオープンさせる。

異世界のドラッグストアを舞台にしたスローライフの物語が始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

最近、異世界スローライフ系の作品が多いように感じるのは私だけでしょうか。
「神達に拾われた男」、「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」、「くま クマ 熊 ベアー」や「賢者の孫」などが代表格でしょうか。

こうして作品を振り返ってみて一つの共通点に気付きました。
スローライフ系の主人公は、どの作品においてもチート級の能力を持っているということです。
最近放送された「聖女の魔力は万能です」も然り…

異世界に限らず、私たちがスローライフを送るためには相応の資金と能力が不可欠なんでしょうね。
でも、「もう社蓄として働くなんてまっぴらごめん!」と言って悠々自適なスローライフを送るなんて、ちょっと羨ましいんじゃありません…!?
異世界に転生できない私たちは、社畜としてこれまでも、そしてこれからも生き続けていかなきゃなんですけど!

しかも、悠々自適なスローライフに加え、ちょっぴりハーレム要素が盛り込まれているのも、羨ましさに拍車を駆けている気がします。

そんな主人公であるレイジを演じるのは福島潤さん…
レイジは物語の展開上、ちょいちょいツッコミを入れることになるのですが、台詞の端々に「この素晴らしい世界に祝福を!」のカズマを感じたのは、きっと私だけじゃないと思います。

アクアを罵倒したり、アクアの不幸に抱腹絶倒したり、挙句の果てにはスティールでクリスのパンツを剥ぎ取ったりといった傍若無人な振る舞いは決して忘れることはありません。

だから基本的にレイジは好青年なんですが、カズマが脳裏にちらつく度に評価が微妙に変化する…
私にとってのレイジはこんな感じでした。

一方、ヒロインの押しはミナ一択でした。
みんなとの関わり合いを経て、少しずつ行動範囲を広げられたのはホント良かったと思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、熊田茜音さんによる「ココロハヤル」
エンディングテーマは、ノエラ(松田利冴さん)&ミナ(熊田茜音さん)with 桐尾礼治(福島潤さん)による「マイニチカシマシファーマシー」

1クール全12話の物語でした。
肩の力を抜いて自然体、且つ気軽に視聴できる作品だったのではないでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

66.2 6 幽霊アニメランキング6位
IDOLY PRIDE(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (168)
478人が棚に入れました
関東郊外にある星見市。「年に一度やってくる流星群の観測に最も適した町」であることからこの名前が付けられた。そんな星見市にある小さな芸能事務所、星見プロダクション。そこから華々しいデビューを飾ったアイドル・長瀬麻奈は、ライブバトルで連戦連勝を果たし、またたく間にアイドルランキング・VENUSプログラムを駆け上がった。数年後、星見プロダクションは新たなアイドルを見出すオーディションを開催。そこへ現れたのが、麻奈を姉に持つ長瀬琴乃と麻奈そっくりの歌声を持つ川咲さくらだった。ふたりをはじめ、続々とアイドル志望者が集まり、活気づく星見プロダクション。集まった10人は、寮での共同生活を始める。加えて、麻奈を超えんとするTRINITYAiLEや、麻奈に並々ならぬライバル心を抱くLizNoirが彼女たちの前に立ちふさがり、プライドを胸に競い合う。麻奈を取り巻く様々な思いが錯綜する中、アイドルたちは最高峰を目指していく。

声優・キャラクター
神田沙也加、橘美來、菅野真衣、結城萌子、夏目ここな、佐々木奈緒、宮沢小春、高尾奏音、相川奏多、日向もか、首藤志奈、雨宮天、麻倉もも、夏川椎菜、戸松遥、高垣彩陽、寿美菜子、豊崎愛生
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

6年に一度の超新星

サイバーエージェントグループ×ミュージックレイン×ストレートエッジ
アイドルを題材にした合同メディアミックス企画のアニメ展開作。

【物語 3.5点】
内容は正統派の新人アイドル成長物語。

いきなり、{netabare}かつてマネージャー少年が関わったソロアイドルが幽体になる。{/netabare}
という突飛な展開があり、それがメインストーリーの根幹を成す。
変化球ではあるが、これも、偉大なアイドルの影に対して自分たちは、ライバルはどう向き合うのか?
という王道の補強や、新人とライバルの実力差を覆す下剋上の一因として活用される。

舞台はアイドル物によくある近未来。
トーナメントの勝敗をAIが決する設定。
公平な判定により、弱小事務所でもアイドル活動に集中できる世界の黒子に徹する。

あと、{netabare}医学の進歩{/netabare}も偉大です。現代では不可能な展開もドンドン行けますw


デビューライブが折り返し地点と、やや遅め。
前半、新人たちは、そつなくこなしているけど何かが足りない。
そこを、追加メンバー加入により、人間関係の空気を変化させる。
繊細な心情描写により、アイドルマネジメントを体現した、
長い舞台裏の日々が、私は印象に残りました。

いや……でもアイドルはやっぱりライブでしょ?
という方は後半「VENUSグランプリ」再始動までは、やや退屈でしょうか?
そういう方は、思い切って、公式配信の前半総集編→後半話というルートもあり。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・Lerche

日常シーンは手描き、ライブシーンはCGも交えて。共にソース量は並。
天体やステージ演出に組み込んだ心情比喩などセンスは光るだけに、
ここで動かせばグッと来る!というシーンで止まるのは惜しい。

ライバルとなる先輩たちに、振り付けの手本を示されるシーンでは、
実力差が分るよう、モーションも奮闘。

キャラクター原案はQP:flapper。
このイラストレーターユニットが関わる美少女はカワイイ。衣装、制服含めて凄くカワイイ。
でも作品は今ひとつヒットしないw報われて欲しい……。


【キャラ 3.5点】
メインの星見プロダクションの新人アイドルは総勢10名。他、ライバル等。
1クールで個別回一巡は不可能と割り切り、グループの関係性描写に注力。

伝説のアイドル・長瀬麻奈。
彼女の影を追う妹・長瀬琴乃。受け継いだ物と向き合う川咲さくら。
辺りは物語を追っていれば把握できるが、
他は、私も結構、意識して覚えようとして、
終盤でようやく顔と名前が一致して来たくらい。

アイドル物なのに、もっとキャラを売り込まなくて良いのでしょうかw


推し……というより、そろそろソロアイドルに時代を変えて欲しい
との願望を持った私にとっては、
長瀬麻奈は待望のキャラだったのですが……。
彼女については外伝コミック展開もあり。


【声優 4.0点】
本プロジェクトの一角、ミュージックレイン。
およそ6年に一度「スーパー声優オーディション」を実施し、
多彩な活躍が見込める人材を選りすぐり、
ミッチリ育て上げて、世に送り出している(以下、敬称略)

第1回(2005年)寿 美菜子、高垣 彩陽、戸松 遥、豊崎 愛生
(スフィアとしても活動。本プロジェクトではLizNoirとして登場)

第2回(2011年)麻倉 もも、雨宮 天、夏川 椎菜
(TrySailとしても活動。本プロジェクトではTRINITYAiLEとして登場)

第3回(2017年)相川 奏多、橘 美來、夏目 ここな、日向 もか、宮沢 小春
(本プロジェクトでは星見プロにてユニットを結成)


ミュージックレイン3期生お披露目&3世代集結作でもある本作。
(※アニメでは寿 美菜子さんと、豊崎 愛生さんは{netabare}キャラがデビュー前{/netabare}のため出番少ないですがw)
レビュタイにも掲げた通り、私の視聴動機はほぼ声優目当て。

新人声優さんも、そつなく声を当て、歌える辺り凄い原石ですが、
プラス、オーラーをまとった演技を繰り出して来る先輩声優は格が違います。
特に第10話の{netabare}悔しさと嬉しさで感極まったCV.雨宮 天さんの{/netabare}演技は流石の貫禄。

他の事務所からも、歌って踊れる、売り込みたい若手が
星見プロの中の人として出演。

そんな中、目を引いたのは白石千紗(妹)役の高尾 奏音さん。
彼女もオーディションを勝ち抜きデビューしながら、
所属事務所に撤退されたりと苦労多きお方。
しぶとく活動し続けているのを見ると、嬉しくなります。


【音楽 4.0点】
清 竜人氏、大石 昌良氏らがアイドル曲を提供。
インパクトはさほどでもないが、クオリティは水準以上で、徐々にハマる感じ。

ロックチューンで発破をかけられる、LizNoir
お洒落ポップスで元気を補給できる、TRINITYAiLE
往年のアイドル路線を思わせる、月のテンペスト
動画見るとかわええ~~と萌えるwサニーピース

とユニットごとの音楽性も明快で、気分に応じて使い分け可能。

ただ、本作の一押しは何と言っても「song for you」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

ゲリオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

アイドルアニメ量産時代に終焉か

正統派アイドルアニメ。
既存のアイドル作と異なる部分、勿論それは「幽霊がいること」だ。
ところがその幽霊さん(長瀬麻奈)が、2話以降とにかく何もしなかったのは首をかしげた。
せっかくの独自性が全く機能しなかったのである。

このまま幽霊設定に意義をもたないままアニメ終了を迎えるのかと思ったら、最後の最後、最終回でお涙頂戴の展開が訪れる。
しかもメインヒロインである妹(長瀬琴乃)関連ではなく、まさかの牧野マネージャーとの感動の別れ。
最後までほとんど感情の起伏を見せなかった牧野が、ここにきて号泣するのは反則。
ってか、主役のアイドルたちそっちのけで、裏方と幽霊がクライマックスを全部持ってくとか有りなのかよとも感じたが、申し訳ない。正直良かったです、最終回のシーン。単純な男です。俺わ。
つまりは1話と12話だけ見ればオッケー。そんな作品だった。
2話〜11話は何の変哲もない凡作って感じだけど、最終回のワンシーンだけでポイントちょいUP出来た形。

せっかく正統派アイドルアニメなので、メインヒロインたちにも触れておきたいが、う〜ん…「薄かった」としか表現の仕様がないんだけど…
10人いても半分以上が"キャラ立ち"があまり出来ていなかったんじゃないかと。
さすがに見分けが付かないとか覚えられないとかいう程ではないものの、そもそもこんな人数要るか?って話。まぁ、そこはソシャゲを控えた作品の宿命ということで仕方がないかもしれない。
主人公2人を除いて印象に残ったのは、佐伯遙子さんとかいうオバ…お姉さんだね。
過去編だった第1話から事務所に所属として唯一登場してて気になっていたことも大きいが、一人だけ年が離れた遅咲きアイドルって設定が良かった。
…と思ったら20歳だった件にはガッカリ。牧野や麻奈より年下かよ。
いっそのこと28歳とかにした方が視聴する身としては面白かったのに。発案担当者は冒険心が足りない。

4話から加入の早坂芽衣は、幽霊を認識できることから作中キーパーソンになりそな感じで登場。
見た目ビッチっぽいのに声が東山奈央(の劣化Ver笑)っぽいとか、キャラ的にも圧倒的に他より目立っていた。
ただし、前述したように肝心の幽霊が積極的にストーリーに絡んでこないもんだから大した役割は得られなかったけど。
まぁ、牧野だけが麻奈の幻を見てる頭のおかしい説を打ち消しただけでも、霊能力設定の意味はあったのかもしれんが。

作画については、特段大きな崩れはなく無難な仕上がり。
ただし見せ場であるライブシーンで静止画が多様されていたことに苦言を呈されていたことがネット上に散見された。
もちろん自分もそれは思ったが、よくよく考えれば本作にコストをかけた高品質なライブシーンって必要だろうかという疑念も生じる。
"ラブライブ"のような人気シリーズにおいては、当然そこに力を入れるのが必須とされるが、"アイプラ"という誰も知らない始まってもないコンテンツのライブ動画、みんなそんなに見たいだろうか?
そんなことを考えたら、ある程度止め絵で誤魔化すのは制作側にしてみれば仕方がないことかもしれない。

まとめ。ストーリーに関しては上述した通り1話と最終話だけ良かったが、正統派アイドルの部分は正直もう見飽きた。
コメディを全面に打ち出してる"ゾンビランドサガ"みたいな変化球でもない限り、これ以上アイドル物は業界に不要なのかもしれない。
自分の中でも、日常系作品が食傷状態になって見なくなったと同様に、量産アイドル作品も終焉の時代が訪れてしまった気がする。
これからアイプラのソシャゲがリリースされる予定だけど、どう?
半年後にサ終とか悲しい未来の可能性ない!?
アニメの出来も悪くはなかったし、作画崩壊しまくった"WUG"より全然マシ。若手声優さんも頑張ってたし、楽曲もなかなか良い。
ただ!ただしかし!アイドル物はもう入る余地がないのだ!…そう考えてしまうのは自分だけだろうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その人は、私に夢をくれた。

この作品はメディアミックスの一環として制作されたみたいですね。
この作品の登場する星見プロダクションの「月のテンペスト」と「サニーピース」は実在するグループなんでしょうか。
アニメ化より先行してライブが配信されたようですので…

「月のテンペスト」と「サニーピース」に起用された声優さんは新人さんが多かったのでしょうか。
殆ど知らない声優さんでした。
知っていたのは「放課後ていぼう日誌」で主人公の陽渚を演じていた高尾奏音ちゃんくらい…

ですが2つのグループを取り巻くライバルや先輩は大物揃いです。
ソロアイドルである長瀬麻奈役を演じるのは神田沙也加さん。
3人組のTRINITYAiLEは「TrySail」の天ちゃん、もちょに夏川さん…
4人組のLizNoirは「スフィア」のハルカス、彩陽、みなちゃんにあきちゃん…
大先輩に囲まれてのアフレコはさぞかし緊張したことでしょう。


青春全部かけてアイドルの最高峰へ。

アイドルという「空間」をつくっていく喜び。
その過程では、誰しも汗を、涙を、時には血を流している。

それでもアイドルを続ける。
輝きたい。
稼ぎたい。
一番になりたい。
笑顔にしたい。
夢を叶えたい。
見返したい。
認められたい。
見つけてほしい。
乗り越えたい。

そんな、たったひとつの、プライドを胸に――。

最初からスポットライトを浴びる人なんていない。
誰しもみんな、弱かった。
屈しない者だけがアイドルの最高峰へ辿りつく――。

これは、大きな夢と、過酷な現実を前に青春を駆ける、
切なくも熱い、アイドルたちの物語。


メディアミックスのサイトのTOPページの記載を引用させて頂きました。

Twitterなどで本作のスマホゲームの事前登録の情報が流れてきていましたが、その背景には汗まみれになりながら歯を食いしばってレッスンしているアイドルが映っていました。
アニメの中では過酷な部分は殆ど描かれませんでしたが、これが実際のアイドルの在り方なんでしょう。
思いで手に入る程生易しい世界ではありません。
そして彼女たちを突き動かすのは様々な想い…

こういうアツさ…個人的には大好物です。
ですが、アニメの方はもう一捻り加えられていました。
ソロアイドルである「星降る奇跡」と呼ばれるようになった長瀬麻奈を取り巻く物語です。

後悔が無かった訳じゃないと思います。
誰よりも…彼女が一番悔しかった筈です。
手が届くはずだったのに届かなかったから…
目標が達成できなかったから…

でも最終話で見せてくれた彼女の思いはもっと繊細で複雑でした。
だけど、お互いの持ち場立場が足枷になっていて、一番伝えたいことがおざなりになってしまった…
これが悔しくない訳…ありませんよね。

だから「月のテンペスト」と「サニーピース」が輝きのてっぺんを目指すサスセスストーリーも悪くありませんでしたが、個人的には長瀬麻奈を取り巻く物語の方が印象に残りました。

「舞台裏のドラマが、ステージを輝かせる。」
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「IDOLY PRIDE」
エンディングテーマは、「The Sun, Moon and Stars」
どちらも星見プロダクションの皆さんが歌っています。

1クール全12話の物語でした。
近ごろのアイドル系の作品の中では、上位に食い込む作品だったと個人的には思っています。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

67.8 7 幽霊アニメランキング7位
ゲゲゲの鬼太郎 [第6作-2018](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
324人が棚に入れました
アニメ化50周年を記念して制作される。

21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。
科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。
そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前に
カランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これは面白い! 今一番、面白いアニメだと思います。

現代の社会問題や風刺をふんだんに要素に盛り込み、スマホを操る今風のアニメ美少女の猫娘やヒロインの少女の犬山マナちゃんや依頼者と全く新しい鬼太郎です。

3話の五輪批判(ただし、まずいのか五輪とは明言してないが)は印象的でした。
皮肉なのはスマホ歩きをしていた小学生が巨大競技場を建設している横で
「こんなの作るくらいならもっと金を使う事があるだろう」とか言ってた事です。
そして、奇遇なもので三話のあとで西日本大水害が起こってしまったんですよね。
東京五輪なんかの準備をしている資金と労力があるくらいなら、北陸大雪、熊本地震、大阪北部地震、猛暑など日本で立て続けに起こっている天災に投じてもらいたいものですね。

そして、この作品は地獄少女が好きな方にも合っている作品だと思います。
少しだけ地獄少女と雰囲気が似ています。
14話に出てきた妖怪も閻魔あいと妖怪になったいきさつがそっくりです。
ちなみにこの回で一時的に体を取り戻した目玉おやじの声がドラゴンボールの孫悟空そっくり、目玉おやじの声優が悟空の人で砂かけババアの声優がルフィですしね。
さらに17話に出てきた妖怪が追っていた「姫様」の横顔が閻魔あいにそっくりだでした。
15話が予想の斜め上を行く展開に神作だと話題になってましたが 、17話もかなりの神作でした、最後の方は感動しました。
17話の妖怪の物語って地獄少女の輪入道の生き様にも似ている気がします。
ちなみに13話のゲスト妖怪は輪入道だったりします(勿論、地獄少女の輪入道とは別個体ですが)
この話しも「一番醜悪なのは人間」という事で考えさせられる話しでした。

地獄少女好きの人には全話見るだけの価値はあると思います。

追加① この作品でちょっと気になる事をひとつ。字幕の女性キャラの一人称がなとが正確ではありません。
例えば女性キャラがどう聞いても「わたし」と発声しているのに字幕では「あたし」と表記されている部分などがやたら多いです。
アニメの字幕はなんだか、結構、いい加減な傾向があり、声優の発声を正しく記してない部分ってありますね。

追加② ネットで検索していると「ゲゲゲの鬼太郎をダシにして五輪反対を訴えるなんてケシカラン、もし水木しげる先生がこの話しを視たらどう思うんだ!?」
とかいうレビューがありました。

いえ、元々、水木しげる先生は太平洋戦争で出征させられて片腕を失う重傷を負ったりして、
元々、政治的・思想的な方で漫画でも反戦漫画など非常に思想的な作品を描かれる方です。
ゲゲゲの鬼太郎に関しても「子供たちのための痛快な漫画」などではなく、元々、思想的です。
さらに言うと水木氏は妖怪研究家であり「妖怪は日本の妖精である」とも言って妖怪の存在を信じています。

あと、水木先生の描かれた反戦的な漫画でチハ戦車を「こんなブリキのオモチャのような戦車を作った人はおれたちに謝って欲しいよ」と悲壮感たっぷりに兵士が発言しているくだりがあり、
チハ戦車や突撃する日本兵ををギャグにしているような愉快痛快なアニメのガルパンとは大違いです。

追加③
このアニメはコミカル話しも多いですが、反面、ハードな所があり、とても子供たちに見せられるような内容ではない描写がたくさんあります。
悪い人間が多数の難民たちを無理矢理、外国から船で連れてきて、彼らを妖怪を利用してダイヤモンドにしようとするためにコンテナに詰め込もうとする際に逃げだした難民に背中からピストルで発砲し難民はぶっ倒れます。
そして言ったセリフが「馬鹿野郎、この弾丸一発でお前らを何人買えると思ってるんだ」です。
凄い発言ですよね?

そして、このアニメの深みを高める部分として、この時間帯のアニメでは珍しく、敵対した妖怪を倒す(殺す)事があります。
それが例え「かわいそうな妖怪」であったとしてもです(これは復活しない性質の一部の妖怪の話しだけで全ての妖怪には当てはまりませんでした)。

追加④
この作品の挿入曲の曲調がどこかで聞いた事あるなと思ったら、
最高のアニメ音楽職人、キュアメタルこと高梨康治さんの担当だったんですね。
この人、仕事しすぎですね、
この人のツイッターを見に行ったら「一カ月で百曲収録した」とか凄い事言ってます。

追加⑤
ところで、あの、「名無し」という黒幕っぽい妖怪(?)ですが、もしも六期のラスボスではないとすると、あの妖怪と決着をつけたあと、物語が終わるのかまた新展開になるのかまだわかりません。
どうなるんでしょうね?
ゲゲゲの鬼太郎は今、六期ですが、ゲゲゲの鬼太郎五期は三年くらいやったし前番組のドラゴンボール超も三年くらいしたので、この六期も三年くらいやるのかもしれません。
少なくとも一年はやると思います。
最近の1クール、2クールが主体のアニメとは違うロングラン作品なので、そこを踏まえて慌てず騒がずにサザエさんやちびまる子ちゃんや地獄少女を視るようにゆったりと構えて視るのが正解の作品だと思います。
私も一話、一話の展開に興奮しすぎました。
まあ、元々、私はそういう主義ですし、アニメを視る時に「早く終わらないかな?」なんて思いながら見るのは良くないと思います。
アニメは一話、一話、楽しむために視るものであって、完走したりコンプリートするために視るものではありませんしね。

第20話について
これまた、教育的・思想的な内容の話しでした。
「日本で昔起きた戦争」というのを「日本がアメリカに一方的に攻められた戦争」と誤解していた、まなちゃんに間違いを正すシーンがあります。
太平洋戦争(大東亜戦争)で真珠湾陰謀説とか「日本はアメリカに嵌められた」とか主張している右寄りの人には抗議したくなる内容だったかもしれませんね。
とはいえ、遠い南洋の島で戦死していった英霊たちに感謝する部分、彼ら兵士達にも人生があったというような描写もあり、単なる左翼思想だけの話しではなかったのは良かったです。

21話がなんだか、明らかに子供向けの善悪がはっきりしたお涙頂戴的な話しでイマイチでした(あくまで大人の私の意見であり、こういう子供向けの話しもロングラン作品ではちょくちょく必要なのは理解できる)が
22話はやたらハードな話しでした。
鬼太郎が間接的かつやむおえなかったとはいえ人を殺してますし、他にも妖怪が暴れ回った事で人が死んでます。

それと気になったのが、今回の話しで暴れる妖怪(牛鬼)を封じた神様であるカルラ様(迦楼羅天)が
やたらと人々に科学的、生物学的な説明をしていたのが印象的でした。「気体」がどうだの「細胞を変化させ」だの・・・
相手が現代人たちだから、こういう説明をした方が良かったと判断したのでしょうか?
もしも、昔の人相手なら「禁忌」とか「神の戒め」とか神秘的・神事的・宗教的なものの言い方をして人々を畏怖させていたでしょうね。
でも、それだったら「元通り岩に妖怪を封印する」みたいな、原始的な方法で妖怪を封じるのではなく、
もっと科学的機関に預けて厳重に保管させた方が良いのにと思いました。
そうしないと、またどこかのバカが封印を解くと思います。

現実に11、12話で日本はタヌキ妖怪軍団に支配されかける程の危機を迎えたのですから、それなりの予算を投入して対妖怪特務機関でも作って、
戦いを鬼太郎一味にまかせたりせずに対妖怪戦闘部隊を作ったり、倒した妖怪の厳重な封印管理を行ったりするべきだと思いました。
まあ、そこまで現実的に考察するのも無粋なのかもしれませんが・・・

追加考察 タヌキ妖怪軍団の話しって思えば、ジブリ作品の「平成狸合戦ぽんぽこ」のダークバージョンみたいな話しでしたね。

25話について
久しぶりで可愛いマナちゃんを堪能できました。
それでこの話しをなんだか「地獄少女のパクリだ」とか言う意見が多いですね。私は地獄少女の大ファンではありますが、
地獄少女のプロット自体が実はゲゲゲと必殺仕事人を参考にしたものです。
ちなみにゲゲゲの鬼太郎4期第35話『鬼太郎の地獄流し』脚本:島田満1996.9.8は2005年放映の地獄少女より九年も前の話し。原作に至っては数十年前の話しです。
中には地獄少女の「人を呪わば穴二つ」を地獄少女のオリジナルだと思っている人も居るようでした。
その言葉は日本で昔からあった諺です。

27話
バックベアードを首領とする西洋妖怪軍団との戦いという新章突入です。
魅力的な新美少女キャラも登場し期待度抜群です。
しかも、この新章にはあの「名無し」も噛んでいるようです。
それと今回の話しはマレーシアから逃げてきた難民妖怪たちとの軋轢が問題になっていて、そこが恒例の社会風刺になっていました。
西洋妖怪の強キャラたちに全滅させられたようですが・・・

ゲゲゲの世界観について解説
アニメ鬼太郎は現在、六期まであり、他に「墓場鬼太郎」がありますが、 全て、それぞれパラレルだって事は製作者たちが明言してました(訂正、一期と二期だけは直接の続編として続いてました)。
三期のヒロインのユメコちゃんの四期への続投問題でスタッフが審議した時、別世界の鬼太郎を描くべきとか言って、続投させなかったのもその一つです。
ちなみに原典の筈の漫画盤ですら、掲載誌によっていろいろパラレルがあるようです。
バッグベアードもぬらりひょんも鬼太郎一味の「長年の宿敵」などではなく、掲載誌や各期のアニメごとに初顔合わせの敵でしょう。

ですので。ゲゲゲ六期は基本的に独立した物語で「過去期のアニメ盤ゲゲゲではこうだった」とか「原作ではこうだった」という意見はあまり意味がないようです。
過去作はどうだったとかではなく、新しく創られた最新作の鬼太郎だと割り切って楽しむのが一番、良い楽しみ方だと私は思います。

今季の鬼太郎は数話の特別(不穏)な話しを除いては基本的に鬼太郎は「正義のヒーロー」「人間の味方」です。
その動機は「過去に"ミズキ"という人物」に助けてもらったからだそうですが、
「墓場鬼太郎」派の人は今の六期鬼太郎が好みでない人はいるようですね。
墓場は鬼太郎は不気味なスレた性格で「人間・正義の味方」ではなくホラー色が強かったですから。
加えて言うと、六期鬼太郎は前にしていたドラゴンボール超のノリが垣間見えますね。スタッフもほぼ同じなのでしょう。
上にも書きましたが、14話の目玉親父はほとんどDBの孫悟空で「身勝手の極意」のような動きをし、幽遊白書の霊丸のような攻撃をしてました。

34話
久しぶりの社会風刺ネタ
{netabare}ねずみ男が先頭に立って「アニエスの即刻、国外退去を求める」「アニエスが居るから日本が西洋妖怪に攻撃されるんだ」と・・・
それを庇った鬼太郎に対してもねずみ男は「鬼太郎、お前、俺たちとアニエス、どっちが大切なんだ?」と鋭い問いかけをして鬼太郎を追い込みます。

鬼太郎は、はっきりとは返答しませんが、「その質問に答えを出してはいけないと思うんだ」と眼玉親父に言います。
アニエスも鬼太郎に「なぜ、私を助けてくれたの?」の回答
にもはっきりと返事はしませんが、FF9の名言の「誰か助けるのに理由なんてものがいるのかい?」が鬼太郎の心情なのかもしれません。 {/netabare}

35、36話
いよいよ、西洋妖怪篇が佳境に入ってきました。
日本妖怪たちに石を投げられるアリエスを庇った猫娘がアリエスに「頼れる時には誰かを頼りな」と諭す所はカッコイイです。ワンピースのルフィの名言を彷彿とさせます。
ブリガドン計画の内容も明かされました。
バッグベアードが今までのシリーズにないほどの外道に描かれています。
何かと暗躍する「名無し」の動向に気になります。

それにしても、今回の鬼太郎はえらく作画が気合入ってますね。
前作の「ドラゴンボール超」の神作画をそのまま、引き継いでいる感じです。
ただ、平常回ではあんまり、その神作画の素晴らしさを体感出来なかったのですが、シリアスな展開が深まっていくとどんどん映えてくる感じです。

* ただし、不安要素として主演で鬼太郎役をうまくこなしていた沢城みゆきさんの産休問題ですね。収録分が終わったらどうするんでしょうね?

西洋妖怪編終了。
バックベアードが第二形態としてムキムキマンになって戦ったのはオドロキました。
美少女魔女アリエスともお別れ。
いずれは再登場しそうな気がします。特に名無しとの戦いの時には駆けつけてくれる筈です。

それで、38話で、また平常回に戻りました。
しかし平穏な日常どころか、その平常回第一回の露骨に凶悪犯罪要素があり世相的な悪の話しでした。
ねずみ男が死体喰いの妖怪と結託しての新商売というか犯罪行為・・・
病気で死んだ母親の死体を死体喰いの妖怪に食わせて年金詐欺、交通事故を起こして轢き殺した死体、つい女性が旦那の頭を殴ってつい殺してしまった死体なども依頼されて同様に処理。
ねずみ男は「俺には金(依頼料)、死体喰い妖怪は死体が喰え、依頼者には利益、三者全員が得するウィンウィンウィン」とはしゃいでましたが、
とても子供向けアニメとは思えない。あんまりな凶悪犯罪描写・・・・
ある意味、バックベアード以上に悪質な行為に唖然としました。

43話
滅茶苦茶、重い話しです。ていうか西洋妖怪編、終わってからやたらダークな話しが多いです。
今回の話しはアニメ鬼太郎史上でも最高級のダーク話しです(ちなみに話し自体は原作にあったが大幅なリメイクを加えてます)
{netabare}人が死にます。
そして今回は鬼太郎が人を殺します。そしてその娘に「私はあなたを許さない、絶対」と言われます。
この娘もいくら愛する父親のためとはいえ正気ではなくなっています。吸血妖怪になってしまった父親のために自殺サイトで志願者を募集するのですから。
おそらく、彼女はいずれは妖怪化して鬼太郎を襲う気がします。以降に引きずる話しです。{/netabare}
それと今回の話し、どう見ても某〇〇〇〇細胞の事件に着想得てますね。

45話
今回もダークな話しでした。 {netabare}
ラスト近くになって急に雲行きが怪しくなる嫌な話しです。
正直、怖かった。いや「妖怪が出てくる」とかとは別の意味で怖い話しです。
鬼太郎は自ら人を殺す事は本当にやむおえない時だけで稀ですが、見殺しにする事は結構ありますね。
もっとも。今回は対象人物が警察に自首してれば助けてたでしょうけど。{/netabare}

46話
この話しの感想ですが、やたらと敵が強かったです。鬼太郎一味壊滅寸前。西洋妖怪軍団より強かったのではないだろうか? 予想外の事態 {netabare}まなの不完全五芒星覚醒{/netabare}がなければ鬼太郎一味が負けてたです。これだけ鬼太郎一味を苦戦させた妖怪も珍しいです。

47-49話
名無しとの決戦話しです。しかし・・・{netabare}約一年間、引きずってきたボスとしてはちょっと呆気なさすぎですね。むしろ名無しとの決戦の前振りの猫娘とマナと鬼太郎の葛藤劇が良かったですね。
マナの母親をうっかり殺してしまったと思い込む猫娘とマナ,五芒星の力が暴走して猫娘を殺してしまうマナ、鬼太郎の事と次第によってはマナを殺さんばかりの怒りを示す鬼太郎・・・とかなりハードな展開でした。
これらの話しは名無しの話しというよりマナちゃんの宿命とご先祖様の話しが主題なのかもしれません。
それにしてもマナちゃんは近年のアニメでも屈指の可愛いヒロインですね。外見的にも性格的にも・・・最後に名無しに名前を付けて成仏させてやる所は良かったです。しかし名無し、簡単にやられすぎ・・・
今までの日常回の敵や中ボスでも、もっと鬼太郎一味を苦しめた妖怪は多数います。46話の雛人形とか・・・
気になるのはあの世から連れ帰った猫娘の処置はこれからどうなるんでしょうね? またお姉さんに戻るのかあの幼女の姿のままなのか・・・{/netabare}
それにしても、マナちゃんは可愛い、私が見てきたアニメ美少女でもトップクラスの美少女キャラです。

新情報
四月以降も鬼太郎、続くようです。
もう、名無しで引っ張るのも難しいと思いますので、
名無しとの決着が付いたあとのボスは月並みですがぬらりひょん?

50話
新展開、鵺を始めとする地獄四将という新たな強敵たちと戦いへと突入です。
しかし、特筆すべきは敵より味方です。
新キャラクターの鬼道集という組織に属する石動零(いするぎれい)CVは神谷浩史さん。
もはや鬼太郎ワールドの雰囲気のキャラとは全く違うキャラです。
このキャラは「邪鬼眼」というか「菊池秀行の世界」というか「アララギ先輩」というか・・・悪く言えば厨二病の妖怪ハンターのキャラが加わります。彼が出てくるシーンは違うアニメになってるぞ・・・
EDもまるで「幽遊白書」のようなEDに変わりましたし。
鬼太郎と対する敵は同じなのですが、彼はいわば「悪・即・斬」のような考え方で、人に害をなした妖怪は降伏しようと許さず、取り込んで自らを強化します。
「鬼神の腕」とか言ってるのは「ぬーべー」を彷彿とさせますね。

なんだか「ゲゲゲの鬼太郎」という定番作品を利用して凄い傑作アニメ作品を作ろうという制作側の意気込みが感じられます。
ただ、このアニメ、子供対策なのか箸休めのためなのか、ちょくちょく、幼稚な話、子供騙し的な話、たわいのない話も織り交ぜているのですが・・・そういうのが気に入らない人もいるかもしれません。
しかし、前にも書いた通り何年も続くロングラン作品にはそういう回も必要なのです。

鬼太郎の「正義」について
{netabare}50話での石動零との対立でも思ったのですが、鬼太郎自身、決して「盲目的な人間の味方」ではなく、独特な立ち位置の部分があります。
それは墓場鬼太郎のひねくれた鬼太郎とも違います。
彼は弱い妖怪を虐待したり、犯罪行為を行った人間の味方では決してありません。
そういう人間は懲らしめたり脅したり警察に自首を薦めたりします。
33話では「娘が幼い頃、妖怪と契約して繁栄と引き換えに将来、娘を嫁として差し出す」と約束した件で娘を助けるように懇願する父親に対して「そういう約束があるのなら守るべきだ」とつっぱねます。
そして、前にも言ったように猫娘を力が暴走して殺してしまったまなに対して「事情次第では殺す」ほどの怒りを燃やします。
要するに人間だろうと妖怪だろうと、固定的に何かの味方とか、何かを敵として動いているのではなく、
状況と事情を調査し思考したうえでの彼なりの「正義」で動いているのです。 {/netabare}
やはり結構、深い作品です。

51話
ついに「元号変更ネタ」
というか、ひょっとするとあらゆるアニメの中で初めて元号変更ネタを使ったアニメかも。
それとちょっと気になったのは「鬼道衆」というのが出てきたけど、これって東京魔人学園にも出てきた設定ですね。
別物でしょうけど・・・
{netabare}思ったより早く大きな猫娘復活です。{/netabare}

ていうか、今期の鬼太郎、バトルアニメの要素がやたら強いです。
さすがにドラゴンボール超の後番組ですね・・・

52話
今回は石動零も登場せず、上記に書いた箸休めのための子供たちへの教訓的な話し。どこかで聞いたようなストーリーですし、大人が見たらイマイチな回かも。
{netabare} 「早起きしなくても良い、勉強しなくても良い、お手伝いしなくてもいい、お母さんがうるさい」。
だからといって、それから逃避して自分に都合の良い世界に行ってはいけませんというような話。
最後は予想通り「お母さんがうるさいのは子供を思ってのためと感涙の再会」{/netabare}
まあ、こういう話しも嫌いではないですが。

*訂正 対象年齢層も低くどこかで聞いたような類型話しではありましたが、今思うと適度に面白かったです。

53話
ぬ!? 子供っぽい話し、二連発!!

54話
30年前の話しですが、鬼太郎が人を殺してますね。それともあの父親を殺したのは泥田坊なのでしょうか?
やや深めの話しです。人と妖怪がどうしても共存できない場合、鬼太郎は仕方なく妖怪を倒してしまいます。

55話
たわいのないギャグ話しでした。

鬼太郎、52~55話で急に日常回になってます。
いや、別に必ずしも日常回が悪いというわけではなく、今まで多くの傑作日常回を生み出してきた六期鬼太郎にしては、正直、52話以降の日常回は出来がイマイチな気がします。
どうやら鬼太郎役の沢城みゆきさんが産休したので、今は事前に撮り溜めした日常回の放映を続けているようです。
これから、当面、そうなるようですね。
新シリーズの地獄四将篇が非常に面白そうだっただけに中断は正直、残念です。

56話
地獄四将篇はひとまず中断のようです。
まあ、また面白くなってきました。
{netabare}石動零もようやく、再登場し西洋妖怪たちが再び襲来、バッグベアード復活をもくらむ彼らとの闘いという展開になるようです。 {/netabare}

*ちょっと考察
うーん・・・・・皮肉にも私があまりの面白さに感銘を受けてオール5に評点を上げてから何だかイマイチというか迷走してきましたね。
推測ですが沢城みゆきさんの産休問題もあるんでしょうが、
ゲゲゲ自体が三月いっぱいで終わるかどうか議論があって、続投が急に決まってしまい迷走してるのかもしれません。
確かに名無しとの決着が着いた段階で終わってたら綺麗にまとまってましたね。
それでも52話までは文句なく面白かったんですけどね。
それと「地獄四将篇」というのは一人目の鵺が倒された時点で終了でもうやらないのかもしれませんね。

63話
今の鬼太郎六期は「地獄四将と鬼道衆・石動零」「バッグベアード復活をもくらむ西洋妖怪残党」といったメインストーリーをちょくちょく交えながら、単発回主体という感じで。少々、話しの流れが読みにくくなってる中、今回はまあまあ面白かったです。

基本的には七夕回でしたが、魅力的なゲストヒロインたる笹の精・星華とぬりかべとの淡い恋模様、相変わらず金儲けと土地開発が目的のねずみ男と人間の陰謀。
そして {netabare}ねずみ男を騙して操るタヌキのような凶悪な妖怪、あしまがり、なんだか、鬼太郎ってタヌキがやたら悪役として登場しますね、なかなか強い妖怪で鬼太郎たちを結構、苦戦させます。 {/netabare}
善悪がはっきりした。ありがちな話しとも言えない事もないですが、こういう奇をてらってない話しも楽しくて良いです。
EDもシリアスなものから、やたらとノーテンキなものに変更されました。コメディ主体に路線変更のつもりでしょうか?
それにしても、星華の声優が{netabare}ひーちゃん{/netabare}だったのも驚きました。

64話
地獄少女にでも出てきそうなハードな話し。
「地方権力者に牛耳られた町」というのは「野生の証明」以来、ちょくちょくある話しですね。

65話
最高クラスのおふざけ回、鳥取、鳥取と鳥取愛布教の話しです。

66話
これは何と言ったら良いのか・・・{netabare}ハッピーエンドかと思いきや、ドンデン返しの残酷な結末に驚かされます。
本当にこの結末で良かったのか・・・特にマナは相当にショックを受けてました。
それと鬼太郎はこうなってしまうという事を察していたのに止めようとしないのがなんとも・・・「本当に良いのか?」くらいの一言くらいあっても良いと思います。{/netabare}、今季の鬼太郎はつくづく深いです。

67話
ギャグ回、面白かったです。
ラインだかフェイスブックもどきだかのサイトで「いいね」を貰う事に狂って暴走してしまう女性の物語です。
しかし、配役された嶋村侑さんも酷いキャラを演じたものですね。この人は演技の幅が広い。

68話
地獄流しの話、てっきりハードな話しかとおもったら、{netabare}子供向きの教育回、悪い事はしてはいけない、反省する事が大切、人は誰しも一人で生きているわけではないなど、良い要素が盛り込まれてます。ラストもすがすがしいハッピーエンドです。{/netabare}

74話、75話
地獄四将最強の玉藻の前(九尾の狐)との対決、強かったです・・・
戦闘力も高かったが頭もキレる妖怪で鬼太郎一味、石動零を苦しめます。
そして地獄と現世の境を破壊しかけて日本をいやこの世を未曾有の危機に陥れます。
{netabare}幸い、猫娘&まな&アニエス姉妹のヒロイン陣、鬼太郎ファミリー、地獄四将の一人の伊吹丸の助太刀もあり、倒すことができました。そして次週からはついに鬼太郎究極の宿敵たるあの妖怪との闘いを描く新章がはじまります。{/netabare}

あと、思ったんですけど、あの日本の女性総理、無能で情けないの一言に尽きる。
普通、こういうフィクション作品で女性指導者が出てくると大概はキレものなのですが、まるで女性の欠点を凝縮したような無能な指導者で、こんな人が日本の首相なので鬼太郎たちの苦労もことさら辛くなっているのでしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ゲゲゲイのYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」もオススメ

<2020/5/2 追記>
全話見終わりました。
丸②年!全97話!
かなり面白かったですよ。
勧善懲悪だったり、
人間社会へのアイロニーだったり、
愛だの恋だの平和だのだったり、
純粋に妖怪楽しむ話もあったり
飽きさせませんでした。
本シリーズは鬼太郎、目玉おやじ初めて声優を一新してましたが良い感じにハマってて気にならなかったし。
やはり鬼太郎は永遠。

ところで話は変わりますが、
ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」のYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」というものがありまして。
鬼太郎好きの方には是非一度ご覧いただきたい。

そしてもしこの動画にハマったら椎名林檎「公然の秘密」PVもおすすめします。
後ろのダンサー二人が凄いです!
向かって右側が東京ゲゲゲイのリーダーなのですが、左側の女性ダンサーともどもごっついカッコイイです。

<2019/12/7 追記>
第84話「外国人労働者チンさん」
この南方妖怪チンさんがマッパで、本名が放送禁止用語?
ということで馬鹿馬鹿しいシモネタ回でした。
一応外国人労働者問題をチクリとはしてますが基本はシモネタ。

秀逸なのはこの「チンさん」の声優。
杉田智和!
まさかというかやっぱりというか笑
アフレコでチンさんの本名を連呼する杉田智和

<2019/9/29 追記>
第73話 ヤマタノオロチ回
子供の頃、この話がめちゃくちゃ怖かったんですが、その恐怖の根源の部分が6期バージョンではかなり軽くなってます。
これなら子供が見ても怖くない。
自分にとっては物足りないですが。

第74、75話 玉藻前≡九尾

白面の者というかナルトの中のアレです。
白面に比べると可愛らしいですけど。
白面先輩が怖すぎるだけかも。

お話はすっきりうまくまとまってました。
古谷徹を宿し旅に出る神谷浩史とかシュールだな、と思ったり。

これで長かった四大妖怪編も終わり、次回からはついにあの「知らんうちに人ん家に上がり込んで気がついたら一緒に飯食ってる『冴えない彼女の育て方の加藤恵』のような図々しさがウリのアイツがやってくるそうですよ。
多分、孫じゃない方だと思います。

<2019/9/8 追記>
第72話 妖怪いやみ

確かこの妖怪って原作や昔のアニメでも出てましたね。
鬼太郎の「じゅて〜む」はなんとなく覚えてます。

インパクト強いんですけど、今回はめちゃくちゃ面白かった。
6期の鬼太郎の中でも指折りじゃないでしょうか。

一年以上見ていて美形猫娘にも慣れたこともあり、猫娘がカッコ良いです。
心象風景の描写も◎。

鬼太郎に興味あって6期観てない方はこの話だけでもお勧めしますよ。

そして次回予告。
「ヤマタノオロチ」回ですか。
小さい頃、多分二期かな。
これ観てものすごく怖かったこと覚えてます。

<2019/6/8追記>
3週前の56話は吸血鬼エリート
先週の58話は半魚人とカマボコ

前者のエリート、私はアニメで見たのは初めてですが、原作で読んだ記憶があって、水木しげるキャラの中でもかなり個性的。
シティボーイズのきたろうさんにちょっと似てて本当にこういう人いそうな感じ。

本作でもこのエリートさん、ギター弾くんですけど弾いてる絵面も曲も妙に頭に残ってクセになる。
お話はよく覚えてませんでしたが、アニメのストーリーはオリジナル要素が強いような気がします。
でも面白かったですよ。
中尾隆聖さんの声がぴったりハマってる。
さすがはフリーザ様。

後者のカマボコは、子供の頃、おそらくアニメ版第2期で見た記憶があります。
こちらはストーリーは大体覚えていて、6期のアニメも概ね同じかな。
あらすじが、
{netabare} 鬼太郎は半魚人に大王イカに変えられ、木っ端微塵に爆破され、大量のカマボコにされ、売り飛ばされます。目玉おやじたちはそのカマボコを買い集め鬼太郎を蘇生。{/netabare}
とシュール。
なぜこうなる?という超展開です。
ただ昔見たとき、なんか怖かったんですよね。
自分が幼かったからでしょうけど。
その怖がった自分を思い出しながら懐かしく楽しみました。

<2019/3/25追記>
48話観ました。
予想外にハード

レビュータイトルは嘘です。
いや、まんざら嘘でもないか。
これまでは爽やかだったり心あったまったりする話も多かったし。

ところがですよ。
最初の頃からネタ振りされ続けてきた「カオナシ」じゃなくて「名無し」さんが先週ぐらいから話の中心になってきてます。

で、これが重い。

あれ?今は深夜かな?
と錯覚するくらいには。

どう話が転がっていくのか来週が楽しみです。


なんだかんだでほぼ1年観てきました。
総論としては意外と面白い。
最初↓のレビューでも同じこと書いてましたね 笑

でも本当に面白いと思ってます。
だってなんだかんだで1年間毎週見てたもの。
録画だけど。

嫌味にならないくらいの、ちょっとしたスパイスという感じでダークさが振りかけられてます。

いろんな面で良い塩梅。

6期でこの面白さ。
やっぱ鬼太郎って永遠だな。

<2018/4/1初投稿>
※視聴中なので評価はデフォルトの3です

6作目なんですね。
ここ何作かはほとんど観てなくて興味もなかったのですが、たまたま今作の1話を見るともなしに見てしまいました。

意外と面白い。
日曜朝、ONE PIECEの前の時間なので純粋に子供向けかと思ったら案外そうでもない。

スマホが普及してたりユーチューバーが出てきたりの現代が舞台。

お話は昔の鬼太郎に寄せてる感じ。
もちろん墓場鬼太郎までは行かないけど、それでも少しだけダークな雰囲気が漂ってます。

絵は綺麗ながらも少し影があります。
キャラクターの造形も然り。

鬼太郎はヒーロー的に闘いますが、熱量は少なくクール。
目玉おやじが解説担当なのはいつものこととして。
ヒロインの女の子は必要なんかな?とか思いましたが、いないとたぶんこれからのお話に深みがなくなっちゃうんでしょうね、という感じ。

今回の鬼太郎の世界では人間には妖怪が見えない。
妖怪の存在を信じ始めると見えてくる。

鬼太郎に夏目友人帳や地獄少女とか少しまぶしたような印象を受けました。

これからネズミ男や猫娘、子泣き爺や砂かけ婆などの常連が出てきてどういう感じになるか、2話目以降が少し楽しみです。

最後にちょっとびっくりポイント
○目玉おやじが野沢雅子。感慨深いですね
○鬼太郎が霊ガンみたいのぶっ放してました

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

匿名係長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

現代×妖怪=鬼太郎6期

鬼太郎ですよ!
ゲゲゲの鬼太郎!!

私事ですが、鬼太郎大好きなんですよw

一期と二期が特に好きだったなぁ。
三期も好きだったけど記憶が曖昧。

と、言うわけで、やっとこさ見終わりましたよ!

現代風にアレンジされたエピソード多数。
見終わっての感想は、良かったっちゃあ良かったけど、傑作かと聞かれれば、そうではないと答えますって感じの作品なのではないでしょうか。

今回は三期のユメコちゃん的なポジションにマナという女の子が登場します。

最初は妖怪など信じてなかったけど、もっと知りたい!仲良くなりたい!と、だいぶグイグイ系の出だしでした。

キャラとしては新キャラのマナちゃんと超絶美女になった猫娘がインパクト大でしたね。

コレは賛否両論あるでしょうが、マナちゃんもたまにウザい時が無きにしもあらずでしたが、出しゃばりも次第に薄れ、最終的には嫌いなキャラでは無かったです。

猫娘が八頭身美女になってることについては、元々猫娘は鬼太郎に好意があるキャラだったし、原作のような見た目よりかは花があるって事で、これはこれでアリなのかなと思います。

声についても、鬼太郎を沢城みゆきさん、目玉のオヤジ役を野村雅子さんが演じるというなかなか面白い配役でした。

最初は野村雅子さんに鬼太郎役をやって欲しかったというのが正直なところでしたが、それだとドラゴンボールのイメージが強くなりすぎてしまう気がしたので、この配役で良かったのかもしれません。

というのも、鬼太郎の必殺技に「指鉄砲」というものがあるのですが、完全に幽遊白書の「霊丸」なんですよw

元々指鉄砲は鬼太郎の指自体を飛ばす技なのですが、流石に描写が厳しかったんですかね?
まぁ、より必殺技っぽく見せるという狙いもあるのでしょうが。

それはそれとして、もし野村雅子さんの声で鬼太郎が霊丸を撃ってたら、自分としてはカメハメ波を撃つ悟空を連想してしまうと思うんですよねw

しかも中尾隆聖さん(ドラゴンボールZフリーザ役)も適役として出演されていますので、戦闘シーンは劣化版ドラゴンボールになってしまっていたんじゃないかと。

なので、声は慣れれば問題なく楽しめると思います。

{netabare}
14話で目玉のオヤジが元の姿になって戦うシーンがあるのですが、そこは完全に悟空でしたw

野村雅子さん、サイコーですw

本職じゃないので当たり前なのですが、ヒカキン役の声優ヒカキンさんは正直ダイコンさんでしたw
{/netabare}

では何故、傑作たりえないのか、
それはやはりストーリーですかね。

ネタ回はあって良いと思うのですが、個人的に65話の魔猫の話はさすがに酷いと思いました。

{netabare}
過去作品のサザエ鬼の話とか凄く好きだったんですが、今回まさかの夢オチ。
うーん。。。ってなっちゃいましたねぇ。
{/netabare}

もちろん面白い回も沢山あります。
7話の幽霊列車は自分的に神回だと思ってます。
これは脚本家が回によって異なるので仕方ないんですけどね。

クオリティの高い回があるが故に駄作回が目立ってしまっていたんじゃないかと思います。

しかしながら、バックベアード編の間延び感、ナナシ編の無理矢理感、最終決戦の駆け足感は特に気になってしまいました。

個人的な要望でしかないかもしれませんが、鬼太郎の幽霊族としての力を発揮しての戦闘が見たかったです。

ピンチを仲間に助けてもらうのは過去作品でもそうなのですが、鬼太郎自身の霊力による逆転というか、不死身さみたいなのが特に無く、トドメに霊丸撃って決着なパターンが多い。

あと、よく使われてた、ちゃんちゃんこを腕に巻いて殴るちゃんちゃんこパンチより、普通に昔のような戦い方をして欲しかったかなと。

更に言えば、今回の鬼太郎はダークな部分があるのですが、放送が日曜朝9時ってこともあり、何となく中途半端になってしまってる気もしました。

むしろ深夜放送にした方がもっと良いものになっていたんじゃないかという勝手な思い込みもあります。

悪さをしたねずみ男に対する制裁の描写が少なめってのは時代ってことなんですかねぇ。

でも、要所要所でのねずみ男、マジ、サイコーでした!

ということで、過去作品を見てきた方なら懐かしい妖怪たちにまた会えますし、好きな妖怪の違ったストーリーが楽しめたり、現代風に描かれた世界で昔とは違う人間と妖怪の在り方みたいなものを見ることができます。

変に人間だけの味方ってわけじゃない今回の作品は、鬼太郎を初めて見るという方にも原作にとても近い作品として楽しめると思います。

全97話で見応えもたっぷりあり、子供から大人まで楽しめる作品だと思うので、時間のある際は視聴してみても良いんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

66.4 8 幽霊アニメランキング8位
SELECTION PROJECT(セレプロ)(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (134)
281人が棚に入れました
ずっとずっと憧れたあの場所へ毎年夏に開催される、アイドルを目指す少女たちにとっての最大の登竜門「SELECTION PROJECT」それはアイドルを目指して努力する全ての少女にとっての憧れの舞台。そして、伝説のアイドル「天沢 灯」が生まれた場所。美山鈴音もそんな夢のステージに憧れたひとり。幼い頃から病弱だった彼女は、病室のベッドの中で何度も灯の歌を聴いた。たくさんの笑顔と勇気をくれた彼女の歌声。誰かの支えになれるような、誰かを笑顔にできるような、誰かに幸せを届けられるような……「灯ちゃんみたいなアイドルになりたい」中学校最後の夏、鈴音は夢を叶えるために、第7回「SELECTION PROJECT」への挑戦を決める。SELECTIONに挑む少女たちは、誰にも負けない強い気持ち、積み重ねた努力、人並外れた魅力を持っている子ばかり。それでも、何千人の候補者のなかから選ばれるスターはたったの数名。いま、夢を叶えるために、少女たちの熱く過酷な戦いがはじまる――。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

掴め。夢を叶えるために。

この作品はオリジナルアニメで、「アイドル×オーディション×リアリティーショー」をテーマとしたメディアミックスプロジェクトなんだそうです。

ということは、実際にセレプロからアイドルが誕生するということなのでしょうか。
と思いながら公式サイトをググってみると、SELECTION PROJECT 1st Live ~Cheer for you!~が22年の1月に開催されるそうです。

そのライブは、TVアニメ「SELECTION PROJECT」メインキャスト9名による
ユニット「9-tie」初の単独ライブなんだとか…
何でもTVアニメで描かれた少女たちの軌跡をライブパフォーマンスで辿ってゆく趣向らしいですよ。

今回のメインキャストが応募した「SELECTION PROJECT」は第7回目といっていたので、先輩や後輩のアイドルもいるのかな…と思いましたが、どうやら「9-tie」が一番最初のアイドルユニットになるようです。


毎年、夏に開催され、アイドルを志す少女たちにとって
夢を掴むための最大の登竜門と言われる全国アイドルオーディションリアリティショー

「SELECTION PROJECT」

今年で第7回目を迎えるこのオーディションを勝ち抜いた少女たちは、
皆等しく華々しいデビューを飾り、国内外を問わず人気を博している。

全国アイドルオーディションリアリティショーでは、
北海道、東北、北関東、南関東、近畿、中部、中国、四国、九州・沖縄の
全国9つの地区予選を勝ち抜いた少女たちが、本選オーディションに挑む姿を
ドキュメンタリー映像やLIVE配信で追いかけていく。

そして少女たちの勝敗を決めるのは、
リアリティショーを視聴しているユーザーからの投票のみ。
数多くの投票を受けて、オーディションを勝ち抜き、
アイドルとしてデビューする栄冠を手にするのはいったい誰なのか!?

同じ夢を目指す戦友であり、ライバルでもある少女たちの
青春熱血オーディションバトルが今、幕を開ける!


こちらが公式HPのINTRODUCTIONです。


毎年夏に開催される、アイドルを目指す少女たちにとっての最大の登竜門

「SELECTION PROJECT」

それはアイドルを目指して努力する全ての少女にとっての憧れの舞台。
そして、伝説のアイドル「天沢灯」が生まれた場所。

美山鈴音もそんな夢のステージに憧れたひとり。
幼い頃から病弱だった彼女は、病室のベッドの中で何度も灯の歌を聴いた。
たくさんの笑顔と勇気をくれた彼女の歌声。

誰かの支えになれるような、誰かを笑顔にできるような、
誰かに幸せを届けられるような……

「灯ちゃんみたいなアイドルになりたい」

中学校最後の夏、
鈴音は夢を叶えるために、第7回「SELECTION PROJECT」への挑戦を決める。

SELECTIONに挑む少女たちは、誰にも負けない強い気持ち、積み重ねた努力、
人並み外れた魅力を持っている子ばかり。

それでも、何千人の候補者のなかから選ばれるスターはたったの数名。
いま、夢を叶えるために、少女たちの熱く過酷な戦いがはじまる――。


そしてこちらが公式HPのSTORYになります。

INTRODUCTIONは、このセレプロの概要の説明になっていて、STORYはこの作品に寄り添った内容になっています。

アニメーション制作は動画工房で、キャラデザも可愛らしい…ときたら、私にとって視聴しない理由は見当たりません。

一応キャラクターを紹介しておきます。
日本を9つのブロックに分けて地区予選が開催され、各地区での優勝者1名が本選に進めるというシステムです。
公式サイトの各キャラクターのプロフィールを見ると、体重や3サイズまで記載されています。
これって、もしかするとハラスメントかなにか…^^;?

北関東ブロック代表:美山 鈴音(CV:矢野妃菜喜さん)「私、歌うことが大好き!」
南関東ブロック代表:花野井 玲那(CV:水野朔さん)「仲間じゃない。私たちはライバルなのよ」
近畿ブロック代表:濱栗 広海(CV:南雲希美さん)「自分、なんのためにここにおるん?」
四国ブロック代表:今鵜 凪咲(CV:荒井瑠里さん)「やばーい! それってすごくない?」
北海道ブロック代表:八木 野土香(CV:羊宮妃那さん)「あの、その、みんな落ち着いて!」
中国ブロック代表:淀川 逢生(CV:岩橋由佳さん)「後悔のないように目一杯楽しむしかないですよね」
東北ブロック代表:小泉 詩(CV:白河みずなさん)「まぁ…プロなんで」
中部ブロック代表:山鹿 栞(CV:花井美春さん)「ありえませんわ! このわたくしを差し置いて!」
九州・沖縄ブロック代表:当麻まこ(CV:下地紫野さん)「自分のために…だけじゃ前には進めない」

書き出してみて気付いたこと…
今回出演している声優さんの半分も知らないという事実でした^^;

どんどん新人声優さんが参入しているんですね。
でもあまり新人っぽさを感じる演技ではありませんでしたけれど…

一方、物語の方はセレプロ地区予選を経て本選出場者が決まり、本選出場者が1か所に集められて様々なパフォーマンスを披露しながら、皆さんから貰った応援(エール)の数が合否を左右するシステムになっています。
あとは概ねINTRODUCTIONに記載された通りです。

そして、センターの美山 鈴音には正直既視感を強く感じる設定が盛られていました。
この設定がどの様に評価されるかで、この作品の良し悪しが決まってしまうかもしれません。
設定が分かりやすく、展開として物語に織り込むのも比較的容易であるのは、素人の私にでも理解できます。
それ故、安直感とご都合主義が常につき纏ってしまうのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Glorious Days」
エンディングテーマは、「Only one yell」
どちらも、本作品で誕生したユニットである9-tieが歌っています。

1クール全13話の物語でした。
公式サイトのTOPページに9-tieの皆さんが掲載されているのですが、そこから「ナナニジ」感を感じているのは、きっと私だけじゃないと思います。
違いはスカートの丈くらいでしょうか^^;

今後、どの様にこの作品は進化していくんでしょうか…?
9-tieが「ラブライブ」のμ's的な伝説の存在となり、後進が9-tieを目指して奮闘する展開になったりして…^^;
それとも、とことん9-tieを推していくのでしょうか。
設定と展開はありきたりでしたが、私は結構楽しませて貰ったので今後の展開にも期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

アイプラ二期

動画工房制作のアイドルアニメということで少しは期待してたが...。

{netabare}
正直一話段階でつまらなかった。
一話から見知らぬキャラ同士のライブ対決とか見せられても全く面白くない。
主人公の紹介すらされてない状態で。

それで回を増すごとにアイプラ感が出てきて最終的にはほぼアイプラと設定丸被りと言う...。
ただ、心臓の下りとかをアイプラよりも丁寧にやっていた印象があるので、アイプラの上位互換ではある。(面白いとは言っていない)

メインストーリーとしては、セレクションプロジェクトというアイドルを選定する企画に9人が参加し蹴落とし合うというものなのだが、まあこういうアニメの性質上当然全員で合格したいという流れになる。
ただ、企画の内容が毎回おかしくてかなり気になった。
プライベートを監視して配信するとかいう気持ち悪い内容もあったり、(しかもアイドル達はなぜか配信してるのに喧嘩するという)
最後の選定方法もアイドルがそれぞれ落としたい誰かひとりに投票するという、気が狂っているとしか言いようがない選定方法。
予想通り全員に1票入って同点と言うオチなのだが、なぜかそこで全員失格になると言う。こんなことしたらネットで炎上するだろって言いたくなる。

そこからセレプロはダメだから独立しようという流れはかなり良かったんだと思うんだが、独立して人気が出るとセレプロ側からもう一度プロジェクトに参加しないかという誘いが来る。
こんなの、独立して人気が出たから金儲けに使えるってわかって誘ってるだけじゃん。何でまた入るの?って思った。

最終回付近もさらに酷かった。主人公が急に倒れライブに参加できるか危うくなることに。
そんな状況でなぜか他のメンバーは主人公の心配をするのではなく、主人公がライブに来る前提でライブの時間稼ぎをするという。
脚本が色々と頭おかしい。

こういう系のアイドルアニメはどうしてこうなっちゃうのか。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆1
アイプラ臭がする。もう駄目そう、キャラが多すぎる。
何ブロックもいきなり出されてもなぁ。
キャラ覚える気すらなくなる人数。
マジでアイプラか?w
動画工房なだけあってかわいいキャラは多いんだがほんとにそれだけ。
一番かわいい子が勝った。 最悪な1話。
出てきたばかりのキャラの予選を一話かけてやられても何も面白くない。こんな内容せめて10分以内に終わらせてくれ。

2話 ☆4
英語発音が。
これここから主人公だけの成長物語になるのかな?
一話微妙だったけどアイプラよりは普通に面白くなりそうだな。
元ライバルに励まされて主人公が再度アイドルを目指す過程が丁寧に描かれていていい。
おい、前半良かったのに後半駄目そうな雰囲気。
あくまで主人公に焦点を当てればいいのになんでこういっぱいキャラを同時に描こうとするのかなあ。
いや、辞退するにしては動機が薄すぎない?
審査的には勝ったんだら勝ちでしょああ、台無し。
やっぱりアイプラと同レベル。クマ寒い
なんで私生活を配信するんだよ、変態しか喜ばんだろ、意味わからん。

3話 ☆4
デスゲーム始まりそう。
プライベート撮影とか気持ち悪いわ。幽霊まだ出てこないの?
君たちアイプラにいなかった?
自分から姉の曲選ぶのは違うくないか、結局姉利用してるじゃん。
チームだけどソロってバラバラじゃんw

4話 ☆4
撮影されてるのに喧嘩すんなよ。こいつら誰だよ。
自分らしさってなんだ? 次回はもう一つのチームやるのか?
どこもギスギスだな。

5話 ☆2
何でカメラの前でどのチームもギスってるの?
ほんとこいつらあほな何でカメラの前でこんなに喧嘩してるの?
評価下がるでしょ。
撮影されてる設定が邪魔すぎて...気にしてしまうわ。
いや衣装だっさw 曲の雰囲気と声があってない。
会話さっむ。

6話 ☆3
アイプラみたいな最後まで同点オチはやめてくれよ...。
水着回きらい。黒髪は意識高い。
プラオレと混ざるわ。え 心臓移植!?w
くっそwww 
まあ心臓の傷での葛藤描写はいいんだけどアイプラとかぶりすぎてて笑わずにはいられない。

7話 ☆6
アイプラ二期。このマスコットきもいわ。
草、落ち込んどるやん。アイプラよりは丁寧。
主人公を全員で励ます展開とか普通に良かった。
これアイプラより前にやってたら割と評価してたと思う。
は?何でそんな意味不明な方法でで落とす人決めるんだよ。

8話 ☆8
意味不明な選定法。ア イ ド リ ー プ ラ イ ド
まあ見せ方がアイプラとは違っていいんだけどさw 

9話 ☆7
やっぱり結構丁寧にやってるから感情移入できていいな。
全員自分に入れてるって言うパターンだよね。
それでパンダが全員を試してたんだっていうオチ。

10話 ☆4
全員通過オチだろうけど予想出来て面白く無いなぁ。
知ってた。まあだろうな。は??
全員失格ってなんだよw うっそだろww
奇を衒ったゴミ展開やめろ。
あほくさ、別の事務所行け。これネット炎上するだろw
SELECTIONとは。
糞みたいな事務所からのその後の展開は悪くないって言うね。

11話 ☆1
注目度あったらいけるやろ。
あんな大規模な選定やって糞みたいな落とし方したら話題になるにだろ。
どう考えても運営が頭おかしいのになんでこいつら参加者を攻めてるの? 
いや、なんで参加者が悪いみたいな風潮になってるんだ。
一話の奴か。いや結局売れるから利用したいだけじゃん。
参加しねえよな? ?????? 
独立して人気上がったからそれを横取りしようとしているようなところに再参加するのは本気で理解できない。 

12話 ☆2
謎に倒れるの草。
200万稼いだらって結局稼げるなら利用したいってことね。
これ起き上がったとしても安静にしとかないとだめだろw
だから何で来る前提なんだよw
普通来ない前提で考えるだろ、リアリティがない。

13話 ☆4
百合 アイプラ要素www
何この最終回w
最後まで印象に残らなかったキャラ何人かいるな。
セレクションとはなんだったのか
最後はGlorious Daysなのね。CGなのか。

曲評価(好み)
OP「Glorious Days」☆6.5
3話挿入曲「B.B.」☆6
4話挿入曲「SPARKRASH」☆6
5話挿入曲「NOiSY MONSTER」☆4
11話挿入曲「いつか かなう 夢」☆8
ED「Only One Yell」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

アイドルは趣味の範囲外

オリジナルアニメ


 「ステージの上だけ輝いたらいいと思ったら大間違いよ」

と叱咤激励されながらステージに立つまでのオーディションに臨む少女たちを描いた動画工房さんのオリジナルアニメ。
アイドリー○○とかアイドリッシュ○○みたいな系譜なんだと思います。
世代的には『ASAYAN』を思い出しますが最近だと『Nizi Project』みたいなもんでしょうか。デビューまで密着するリアリティショーなノリは悪くありません。キャラデザインも動画も悪くありません。
ご都合なストーリーに目を瞑れば楽しめるでしょうが当方6話で撤退します。
…レビュー終了



それなのにわざわざこうして書いてるのは、作品の良し悪しよりもアイドルアニメにイマイチ乗り切れない理由が見えてきたので整理がてらに残したいから。基本自分語りで以下

■ここがダメだよアイドルアニメ

(1)前提なり背景

アニメを観るようになって、せっかくだからヲタさんが好きそうなものを経験してみよう!と好奇心で走り抜けた初期フェイズ。
リアタイではないものの『ラブライブ』『バンドリ』は楽しめました。これでエンジンがかかって沼にハマるわけでもなく前者はサンシャインで卒業、後者は3期までは見届けました。賞味期限が切れたことを実感してます。


(2)そんでもって結論

もちろんステージで輝くことが彼女らの活動目的全てではないとお断りしての話ではありますが

 {netabare}成果物に魅力がない{/netabare}

ステージパフォーマンスや楽曲そのものに魅力を感じるからこそバックストーリーに興味がわくものという意味合いで自身納得しました。
アニソンはストーリーやキャラに寄り添って初めて輝きます。神曲と言われるものでも未視聴作品の楽曲に心震えることはほんとに稀。アニメに限らずドラマ主題歌/CMタイアップなんかも同じ向きありますね。昨今は地上波が退潮気味だったりでタイアップものでのヒットが減った分、画と音のシンクロを手軽に楽しめるアニメは貴重です。
本題に戻りましてそれでもさすがに主題歌は力入れててもキャラに歌わせる挿入歌は残念ながらほぼ印象に残りません。ライブ映えとか狙ってるのか良くも悪くも単調なリズムと音の運びだったりしますがまだギリセーフで、詞に目を移すと壊滅的なことがわかります。コール&レスポンスに特化したいのかもしれません。
そんな曲を頑張って唄う少女(少年)たちの構図。素敵な歌い手には素敵な曲を望むところであります。

そして実際に素敵な歌い手さんかどうか。中の人=歌う人であります。ダメさでいえば曲よりもこちらが決定的かもしれません。声優さんはあくまで声のプロであって歌はちょっとと思ってます。技術でそこそこできちゃうんですよ。カラオケ上手い人止まりで“歌”に昇華できてる方がどれだけいるのかしら。
それに特徴的な“声”が排除される構造にもなってます。リアルでのライブ想定なので最低限のビジュアルが求められることになり選択肢が限られてくるのです。特徴あるからといって野沢○子御大に声がかかることはもちろんありません。いわゆるアニメ声に抵抗有る無しも関係ありましょうがそもそも画一的で面白みがないのだと思います。たぶん中の人が一人二人変わっても気づかないです。

あくまで私見です。楽曲に力があり歌い手の実力があると見ることができれば、その裏のストーリーも

 もっと知りたい!

と思えるのだということです。なおパフォーマンスの一翼部分“画”はやる気と予算で制御可能。
“作画”と“曲”と“歌”の3点セットの掛け算はとてつもない魅力となってリターンすることはあります。だがしかし“曲”“歌”どちらかがマイナスを叩き出せば演算結果もマイナスになっちゃう感じ。
※どっちもマイナスだとプラスに転じるかもww


 {netabare}「ステージの上でまず輝いてから!話はそれからだ」{/netabare}

と遠吠えしたところでこれはこれでビジネスモデルが確立しちゃってます。ニーズを掘り起こしてペイさせたことは素直に称賛するに値しますよ。
本作はオーディションものでした。よって“成果物”の発表は最終盤になることでしょう。キャストに新人さんも多いので頑張ってほしいです。



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

-----



2021.11.20 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

71.9 9 幽霊アニメランキング9位
サマーゴースト(アニメ映画)

2021年11月12日
★★★★☆ 3.8 (64)
242人が棚に入れました
光溢れる世界を描き出す気鋭のイラストレーター loundraw(ラウンドロー) 初監督映画作品「サマーゴースト」2021年公開決定!
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

夏の深淵

短編らしく緊密に構成された、メッセージ性が濃厚に感じられる作品だった。
どこかノスタルジックな風合いの映像に、繊細な劇伴音楽が寄り添い、
何よりも全編にただよう、ナイーブな内省の手触りが好ましい。

青年期が直面する生と死のテーマそれ自体は、既存作品と較べても
ファンタジックなフィルターに和らげられているためか、尖鋭な印象に欠けている。
感覚的にメッセージを感受し、あまり踏み込まない鑑賞法も確かに正解かも知れない。
ただ、自分が感じ取った本作の個性は、むしろ主知的な側面にある気がする。

幽霊とのファーストコンタクトで、いきなり質疑応答がはじまる。
あおい:「幽霊にも、スクールカーストってあるんですか?…」
ここはクスっと笑っていいところなのだろうが、本作の基本的な方向性、すなわち、
真剣で切実な「問い」の物語であることがすでに示唆されているように感じられた。

友也。あおい。涼。

「生きる」とはどういうことかを知ろうと、彼らは必死に模索する。
そのそれぞれの「問い」の在り方を精細に注視したい思いに自分は駆られる。
絢音を加えた四人のそれぞれの視角から重ね写しに浮かび上がる、
生と死をめぐる独自の省察、それこそがこの作品の創造のコアなのではないか、と。

大勢に逆行しているとは承知しつつ、敢えて自分はテーマにロックオンする。
観念的な事象を扱うにあたり、「経験」という概念を用いて可視化する方法をとった。
かなり思弁的な内容につき、適宜スルーでお願いします。


{netabare}1 友也

絢音と友也との、初対面の問答はこのようなものだった。

 ―きみは何が訊きたいの?
 ―幽霊には世界がどんなふうに見えるのか、知りたいんです。
 ―それは無理ね。簡単に説明できるものじゃないから。
  幽霊のことは幽霊にしかわからない。

絢音の素っ気ない返答はしかし、その先の展開を予告したものだ。
二度目に会いに行ったとき、「友也くんはどうして生きてるの?」と逆に質問され、
「自分が生きているのかどうか、時々わからなくなる」と本音を漏らす。すると、
「じゃあ、試してみる?」と、彼の手を取って、空中散歩へと誘いだす。

絢音は友也にこんな「飛び方」を指南する。

  深い場所。心のずっとずっと奥で願うの。
  魂は君が望む方へ向かう。
  さあ、考えて。きみはどこへ行きたい?

魂の促しに注意を澄まし、自分が本当に願うことに照準を合わせる。
二人の幽霊は美術館を訪れ、満喫する。絢音とともに過ごす自由で濃密な時間。
それは友也にとって、かつてない深い「経験」だったのではないか。

友也の幽霊チャレンジを、"考察"風に説明するとこんな感じだろうか。
飛翔は勿論、しがらみからの解放であり、自由のメタファー。
そこから、自己の心の奥底へとダイブ。深く沈潜し、真実な心の声を聴く。

ここで、この先の物語を読み解くための一つの仮定を立ててみたい。
機械のように虚ろな日々を送る友也が心の底から求めていたものとは、
生きていることを本当に実感できる、確かな「経験」だったのではないか。
そして、絢音の本質、それは彼を「経験」へと導く存在だったのではないか――。


2 あおい

物語の終盤。三人が互いの抱える問題をカミングアウトする流れの中で、
飛び出していった涼のあとを追い、泣き崩れる彼の傍らであおいが語りかける。

  わたし学校でいじめられててさ、ずっと苦しかった。
  生きてる意味とかそういうの、全然わかんなくなっちゃって…
  何か新しい答えがほしくて、幽霊をさがしたの。

このシーンのあおいの言葉は、作品理解へのブレイクスルーとなる重要なものだ。
セリフは次のようにつづく、

  涼くんとは全然違うのかも知れない。
  でも、きっと友也くんも悩んでるんじゃないかな。
  わたしたちが出会ったことには、意味があるはずだよ。

同じ「意味」という語が二度、口に出されていることに注意したい。
両者の間に認められる決定的なニュアンスの違いを精確に捉える必要がある。
ここにおそらく、本作のテーマ的省察の最重要ポイントがあるはずだ。

「生きてる意味」がわからない。・・・
サマーゴーストに会おうとしたあおいの動機、それは「意味」を知ることだった。
だが、生きる意味とは何か。それは果たして問いとして成立しているのだろうか?
その「意味」はいわば虚像であって、追っても追っても遠ざかってゆく逃げ水のようなものだ。
それに疲れ果てて、いつしか生を無意味と決めつけ、逃避する口実にすりかえられる。

友也が絢音(?)に死へと誘われるシーンで、その真相が明らかにされる。

 ―何の意味があるの?
  つらいだけの世界にどうしてそんなにしがみつくの?
 ―たしかに嫌なことばっかりだけど・・・まだ終わってないんだ。
  涼くんとかあおいちゃんとか、少し顔をあげれば、新しい出会いがあるって知った。
  ・・・おまえは絢音さんじゃない。死ぬ理由を探してた僕だ。

「意味」への問いに潜んでいた自己欺瞞の罠が暴露される。
「生きる意味」を問うことは、「死ぬ理由」を探すことと背中合わせの表裏一体なのだ。
あおいの場合も、幽霊はひとりぼっちだと聞いて安堵していたことから、
「生きてる意味」よりも、やはり「死ぬ理由」の方に傾斜していたのだろう。

だが、彼女はすでにその先にいた。

「わたしたちが出会ったことには、意味があるはずだよ。」

無根拠にあるものと信じ、漫然と追い求める「意味」ではない、
自らの経験の中から自身で見出し、与えていこうとする「意味」。
そこには彼女の変化と、獲得されつつある能動性が反映している。

この二つの「意味」のあいだには深淵が横たわっている。
それを跳び越えること、それが「認識」と呼ばれる営為なのだ。
われわれが正しく生きるために跳び越えねばならない深淵は、実は足元にある。
時にそれは冒険であり、決死の飛躍である。


3 絢音

「わたしたちが出会ったことには、意味があるはずだよ。」

あおいのこの言葉に対応した、具体的なストーリー展開が、友也と絢音の交流だろう。
絢音は友也に自分の死の真相を打ち明け、遺体を見つけてほしいと願う。
友也だけが絢音の助けを必要としていたのではなく、二人の関係性は相互的なものだ。

いま仮に、生きるということをフラットに、一つのプロセスとして捉えた場合、
友也が陥っている状態がいわば生の「プロセス不全」だとすれば、
「死」が宙吊りにされたままの絢音の現在もまた、同じような不全の状態だと言える。

 ―僕は絢音さんを見つけたい。今はそれだけです。
 ―わかった…。きっとそれで全部わかるね。
  命の終わりは友也くんの未来で、私の過去。二人のちょうど真ん中だから。

遺体を発見すること、すなわち絢音の死の確定を結節点として、
それが終点である絢音の過去と、そこが起点となる友也の未来とは
完全な対称性を示している。二人の人生が「死」を境に向かい合っているのだ。

この事実は同時進行する二つのシーンによって象徴的に表現されている。
絢音が入っているトランクを掘り起こすのと並行して、もう一人の友也は
自室の押し入れに隠しもっていた真っ白なカンバスを掘り出す。
絢音の過去と友也の未来。終わりと始まりが同じ一つの瞬間に重なり合い、燃焼する。
そしてこの瞬間に、二人が出会ったことの「意味」が集約されているのだ。

友也にとってその瞬間は、絢音との「経験」を完結させるものだ。
だが同時に、そこからはじまる新しいプロセスの「意味」を規定するものでもある。

掘り出したトランクを開けて絢音と対面したとき、
絢音の「死」という、抗いようのない現実を彼はあらためて「経験」する。
この経験は友也にとって、彼女と出会った経験の「意味」をさらに問いつづけ、
生に向き合う構えを根本から変化させる契機となるはずだ。

  現実に戻って絢音さんを見つけなきゃいけない。
  いつか死ぬってこと。絢音さんが生きていたってこと
  もっと、ちゃんと知らなきゃいけないんだ。

では、「もっと、ちゃんと知る」ためには何が必要か?
一つの経験の意味を、新たな経験によってさらに深めること。
そのようにして、「経験」はさらなる「意味」を求めて深まりつづける。
その連鎖こそが「生きる」ということの実質なのではないのか?
「生きる意味」とはその果てに、最後のピースのように得られるものであるはずで、
性急に求められるべきものではないのだ。

「きっとそれで全部わかるね」、と絢音は言った。
「死」という経験を経て、友也が一つの認識に達することを彼女は予感していたのだ。
そのとき彼もまた、一つの深淵を跳び越えたのである。

掘り起こされたカンバスと向かい合い、友也の制作の日々が流れる。そして、
完成された作品に描かれていたもの、それは花を抱いて微笑む絢音の肖像だった。

そこに定着されたものは紛れもなく、成就した一つの「経験」の姿だ。
生きるということ。「経験」によって「意味」に到達すること。
このアニメ映画が伝えるメッセージは確かにそこに結実している。同時にその絵には
絢音への思慕とともに生きていく友也の決意が示されているようだ。


4 涼

一年後の夏の夕暮れ。同じ場所で三人が再会する。
春に逝った涼がサマーゴーストになって現れる。その理由はおそらくシンプルなものだ。
「ちゃんと話せてよかったぜ。最後はしゃべれなかったから。・・・」

実は四人のなかで涼だけが、「プロセス不全」からは自由だった。
未来を断たれた苦悩の中でも、真っ直ぐに正しいプロセスを貫いていた。
生まれてきたことへの懐疑、不条理と向かい合う恐ろしい苦悶の時間を送りながらも、
最後まで生を意欲しながら逝った、その死に向かうプロセスが正しく完結しているからこそ、
彼の表情は安らかで、生きていく二人を励ますことさえできるのだ。

ラストシーン。涼が去ったあと、友也とあおいが滑走路に佇んでいる。

今さらだが、最後に一つ、残された問いがある。
なぜサマーゴーストと会う場所は、飛行場の滑走路なのだろうか?
それらしい答えは幾らでも見つかりそうだが、自分としてはこじつけと言われようと、
これまでの論旨を踏まえた解釈を提示してみたい。

サマーゴーストの登場シーンは、飛行機が滑走路へ着陸するイメージで描かれていた。
これは多分、彼女が「死」という深淵を飛び越えて、三人の前に現れたことを意味している。
友也とあおいも、それぞれの経験の中で深淵を跳び越え、二つの死を経験して
現在の地点に着地している。このラストシーンはそのことを強く印象づけるものだ。
そして今、そこからふたたび歩き出そうとしている。

 もしかしたら、言われたとおりにしてた方が楽だったかなって時々思うよ。
 でもいいんだ。どんなことも、どうせいつか終わるって思ったら、
 なんか、こわくない気がしてきたから。
 ちゃんと、自分で選んでいくよ。

生とは死に至るプロセスである。
死はそのプロセスの終点として予見的に内在し、生を補完している。
待ったなしの現実。その中でもがきながら能動的に、主体的に「意味」を見出してゆく。

そう、やはりこれは、ささやかな「認識」の物語なのだと思う。{/netabare}


2023. 8. 28

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高校生らしい「小さいながらもそれが世界の全て」が上手く切り取られている

【レビューNo.80】(初回登録:2023/9/3)
オリジナルアニメ映画で2021年作品。40分程度。
交流ある蒼い星さんがレビューをアップされたのを見て、そういや視聴したい
思いつつもずっと放置してたなと。
出来れば夏が終わるまでに視聴したいなと思い立ったので、夏休みの宿題感覚
で視聴&レビューに挑戦しようかと。

(ストーリー)
高校生の杉崎友也、春川あおい、小林涼の3人は、インターネットを通じて知り
合い、ある場所で花火をすると現れると噂される若い女性の幽霊(サマーゴー
スト)に会いに行こうと思い立つ。
目的の場所で花火を始めると、噂通り佐藤絢音の幽霊が現れる。
そして彼女はいった。「私が見えるのは『死に触れようとしている人だけ』」
そう、3人はそれぞれに悩みを抱えており「死」について考えていたのだった。

(評 価)
・イラストレーターらしい「絵になる」作画
 ・本作はイラストレーターのloundrawさんの初監督作品になります。
  公式サイトより
  「思っていた以上に器用に生きられなくて、でも、孤独を楽しめるほど強く
   もなくて。期待に応えようとするほどに、自分が自分でなくなっていく。
   そんな自分を、どうにかつなぎ止めたくて描いた落書き。
   映画『サマーゴースト』は、そんな一枚のイラストから生まれた物語です。」
  ということで、「Summer Ghost」の絵を投稿したことが制作の切っ掛けに
  なっているようです。
  本作以外にもアニメCM作品等の世界観や綺麗な作画などが評価され、世間
  では「ポスト新海誠」の呼び声も高いそうですね。
 ・で、本作ですが作画の綺麗さもありますが、場面が切り替わるカットの頭
  やここぞというシーンの作画が、まるで「完成されたイラスト」を見せら
  れたような少し不思議な感覚を覚えます。
  独自の色使い(塗り)や構図等文字通り「絵になる」という表現がピタリ
  とハマるような。
  この辺りはやはり優れたイラストレーターさんなのかなっと。

・高校生らしい「小さいながらもそれが世界の全て」が上手く切り取られている
 ・絢音の言葉「私が見えるのは『死に触れようとしている人だけ』」にあるよ
  うに、この作品でテーマとなっているのは「死生観」です。
  3人のそれぞれの悩みですが
  {netabare}●友也
   受験を控え、先生や親から優等生でいることを強いられている今の生活に
   息苦しさを感じている。どこか生きてる実感が持てない。
  ●あおい
   スクールカーストによるいじめ。自分にはどこにも居場所がないと感じて
   いる。
  ●涼
   病による余命宣告。未来が閉ざされたことに諦観の念を抱いている。{/netabare}
  それゆえに死について考えたりするわけですが、個人的にはその前段の
  「高校生らしい小さな世界」
  を上手く切り取っているなと感じました。
 {netabare}・大人になってから分かることですが、「高校生が知っている世界」って実は
  視野が狭く意外とちっぽけだったなと感じることはないでしょうか。
  例えばあおいのいじめの問題ですが、大人なら逃げてもいいとか、学校以外
  の居場所だってあると分かりますが、今の彼女には「(他の世界を知らない
  から)学校だけが世界の全て」な訳です。
  だからいじめに耐えながらもそこにしがみつくか、「死」という形でこの世
  界を終わらせるかの2択になるわけで。
  友也の問題も本当はいくつもの選択肢があるはずですが、今の彼には「学校
  と家庭」しか知らない「小さな世界が彼の全て」ですから、息苦しさを感じ
  ずにはいられない。
  涼に至っては、「これから世界が広がる可能性」を知ることもなく終わって
  しまうという・・・
 ・(当時の自分を振り返ると分かると思いますが)そういう高校生らしい
  「(まだ知らないがゆえに)小さいながらもそれが世界の全て」
  を上手く切り取っており、その世界観の上で巧みにそれぞれの「死生観」を
  展開してるなという印象ですね。
 ・そしてそんな「閉塞感のある小さい世界」からの解放を感じさせてくれるの
  は、この作品の見どころ「幽体離脱」なのかなっと。
  これをセットで魅せる辺りにも非凡なセンスを感じますね。{/netabare}

40分という短編映画ということもあり、セリフやキャラの掘り下げ等も最小限に
留めていますが、
・冒頭の3人の「久しぶりだね」からの花火シーンから始まり
・「花火×サマーゴースト」というひと夏の物語として
・それぞれの抱える悩み(「閉塞感のある小さい世界」)→「死生観」へと繋ぎ
・その「閉塞感のある小さい世界」からの解放 →それぞれが進む道を描き
・冒頭のシーンの伏線回収で物語を締める
テーマ性もしっかりしており、これを「完成されたイラスト」めいた作画で魅せ
るという、かなりレベルの高い作品だと思います。
物語のテンポはいいですし。
ただ個人的にはテーマがちょっと合わなかったかなあっと。
それにドラマやエンタメ性にちと欠ける感もありますし。
その辺りは脚本を務めた 安達寛高=乙一が後日発表した「花火と幽霊」をモチ
ーフにした姉妹作「一ノ瀬ユウナが浮いている」を先に読んじゃった影響が大き
いのかも。個人的には断然こっちなんで、それでバイアスがかかってるところも
多々あると思います。
しかし客観的にみれば上述のようによくできた作品だったかなっと。

最後に重い腰を上げるきっかけを頂いた蒼い星さんに、アザ━━(*゚∀゚*)ゞ━━ス!!、

(おまけ)
乙一について等少しあれこれw
{netabare}・本作を視聴して頭に浮かんだのは、彼のデビュー作「夏と花火と私の死体」。
 タイトルからして本作を連想させてくれる。内容はホラー作品ですがw
 ただ「誤って殺してしまった死体を隠蔽」というのは、佐藤絢音の境遇その
 もので、この辺りは乙一の引き出しなのかなっと(黒乙一)。
・冒頭のシーンの伏線回収はどちらのアイデアだろうか?この辺は(白乙一)
 っぽいかな。でもこのシーン矛盾があるような・・・
 {netabare}→ サマーゴーストが見える条件「死に触れようとしている人だけ」
   サマーゴーストとなった涼に逢うためには2人は・・・って話で、前向き
   に生きるようになった2人は涼には逢えないのでは?!
   まあ野暮なツッコミですがw{/netabare}
・姉妹作「一ノ瀬ユウナが浮いている」は切ない「ピュアラブストーリー」。
 ネトフリとかでアニメ化してくれないかなと思いつつも、どうも実写化向きな
 気がするな。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

頑張って生きていく

ある場所で夏に花火をしていると現れる幽霊。
そんな幽霊を探しに集まる3人の少年少女
しかし、サマーゴーストを見ることが出来るのは「死に近づこうした者だけ」だった。

友也は自分がやりたい事ができず母親から勉強を強制され人生に嫌気が刺している男の子。

{netabare} これは厳しいですね。
母親にスケジュール管理され毎日がお説教は小言ばかり、そんな毎日は嫌になります。

彼は絵を描く事が好きで絵の道に進みたいけど母親の言いなりにしかなれない男の子です。
だから、生きることにもあまり未練はなく…… {/netabare}


あおいは、学校で虐められている女の子。
{netabare} イジメは悲惨ですね。
だから、自殺してしまおうって考えてしまう。
作中のセリフにも「虐められる方にも問題があると思うんですけどね」って先生?ぽい感じの人のセリフがありました。

良く聞く言葉だけど私からすれば「はぁ?」ってなる、じゃ普通に学校に通ってるだけの女の子が虐められてもいい理由って何?
その理由で、虐められてる子を、家族を世間を納得させられますか?
「じゃ、虐められても仕方ない」なんて思わせられるでしょうか?
虐めを肯定していい理由なんてないのですよ。
周りがそんなのだから本人が傷付くのです。
だから、死のうかと考える。
救いのない世界で生きている事に疲れて{/netabare}


涼は、病気と戦う男の子。
{netabare} 余命が9ヶ月……春までは生きられない。
でも、作品では1番誰よりも生きたいって思っている男の子……

余命……もしも私なら何をするかな……仕事や学校を辞めて、沢山の人に再会する旅をしようかな?
お別れや余命の話しはしない。
ただ、思い出話に花を咲かせるだけの他愛のない時間、事情は言わない私が最後にみたいのは涙じゃなく笑顔だから……なんちゃってww {/netabare}

そんな3人はサマーゴーストに出会う。

実はサマーゴースト佐藤絢音と言う名前で

{netabare} 生前は母親と喧嘩別れをして家を飛び出して車に跳ねられ気絶をした彼女が死んだと勘違いし運転手がトランクケースに入れて生き埋めにして事故を隠蔽しようとして殺された女の子。

死体が見つからないから、行方不明だけど生きてるって信じてお母さんは待ってるけど……
これは、辛い……本当に……

そんな彼女は、これ以上お母さんに心配掛けたくないから自分の身体を探して欲しいと彼らにお願いします。
事実を知ったらきっと凄く泣くけど、事実を知らなければお母さんは前に進めないから……

友也は絢音に幽霊から幽霊から見る世界を見せて貰える。
それは自由で色々行けて気兼ねしなくていい世界でした。
作中で友也も指摘されてましたが、私も「楽しそう」だと思ってしまいました。

でもね。
多分、死者しか解らないけど、生きていた方が多分いいんだよね。
サマーゴーストは、生きてやりたい事が沢山あったと言いました。{/netabare}
旅行にも沢山行きたかったと。

世の中には一人一人が悩みを持って居て、生きる事に疲れている人も、死にたいと思ってる人も沢山いると思う。

サマーゴーストも言ってました。
「頑張って生きなよ」
生きる事って勇気が沢山必要で、困難も沢山ある……毎日躓いて悩みに押しつぶされて……
人生なんて楽しい事より苦しい事や辛いの方が圧倒的に多いと思います。

それでも、生きているから出来ることも沢山あるし生きていないとできない事も沢山あるのです。
死んでしまった絢音は好きに自由に生きている様に見えるけど、彼女からしたら生きていた頃の方が輝いていたと思っているのです。

だから、彼女は伝えた。
死んだ自分は生きた頃に戻れないし、人の悩みなんて他人が受け止められる程、軽いものじゃないし、生きるのは大変だ、だから無責任に「大丈夫」なんて言えないけど!
「頑張って生きなよ」って応援してあげる事は出来るから!

生きているからまだ、引き返せる
生きているからまだ、立ち向かえる
生きているからまだ、未来を歩める
生きているからまだ、間に合う

友也は最後には生きる事を選びます。
{netabare} 言いなりの人生ではなく自分の気持ちを母に伝えて夢にチャレンジしたいと。

あおいも、いじめっ子に言い返せる様になりました。
まだまだ状況は最悪なんだそうですが、きっと彼女なら戦い続けられる事でしょう。

涼は病死しました……
1番生きたかった彼……
でも、そんな彼にも奇跡が起きました。
涼は余命より長い時間を生きられました。
春を迎えられないと言われた彼は最後まで生きる事を諦めずに「病気は治ると信じていた」から少し長く生きられたのだと。
桜満開の中、あの世に旅立てたのです。

その夏の始まり……まさかのサマーゴーストに涼がなってましたね。
多分、生きる事に希望を見いだせない2人を心配しての事ですが、もぅ大丈夫ですね。
この後、彼も成仏出来る。{/netabare}

この作品は、全体的に暗い印象を受けましたが、メッセージ性の強い作品の様に感じました。
この作品は40分と短い映画です。

しかし、映画のポイントとしては「生と死」がキーワードになっていて思います。
この作品を見た後は私も「頑張って生きなきゃなぁ〜」と思える作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

55.1 10 幽霊アニメランキング10位
ミヨリの森(OVA)

2007年8月25日
★★★★☆ 3.2 (36)
131人が棚に入れました
不仲な両親の間で育ったミヨリ(11歳)。そのせいか空想癖があり、いつも心を閉ざして他人との関係を
ずっと否定してきた意地っ張りな少女だった。母は男をつくって家を出て行き、ミヨリを一人で育てることに
不安を感じた父は、ミヨリを祖母の住む田舎に預ける。
祖母の家に着いた早々にミヨリは近くの森に散歩に出かける。ミヨリは何もない森の中で強い孤独を感じていた。
しかしその森で数々の不思議な出来事に遭遇し、やがて森の精霊たちがミヨリの前に姿を現しだす。

声優・キャラクター
蒼井優、天野ひろゆき、市原悦子、元ちとせ、高島彩、松尾翠、伊藤利尋、吉崎典子、佐々木恭子、辻親八
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ここに居たいと思える場所

最初に言うとこれは子供向け、児童向けです。
それを念頭に入れておかないとダメですね。
実は皮肉が込められているとか、奥深いテーマがあるとかそんなことはなく、とても素直な作品。

そのため僕は受け入れるまで時間がかかりました。
「なんだこれ面白くないじゃん!」・・と思いつつ、一時間くらい見続けていたらやっと面白みを感じられるようになりました。
素直な心がない人には忍耐が必要かもしれません。

でも最後まで見ると満足感ありました。
(100分超もあれば愛着もわくってもんですが)



あらすじは・・
両親の不仲をきっかけとして、幼少期を過ごした祖父母の田舎に預けられた主人公の少女ミヨリ。
森に住む精霊たちや村に住む子供たちとの交流を通じて、ミヨリは成長していく。


僕が最近観た作品としては『ももへの手紙』や『思い出のマーニー』の導入に近いと感じました。
しかしそれらと比較すると(テレビスペシャルということもあるかな?)質が低いように思います。
作画はのっぺりしてるし、キャストは俳優が多いので拙いし、話も淡々として盛り上がりに欠けるし・・。途中で止めようかと思いました。

まあ、そう思いつつも見ていたんです。
すると、段々と慣れてきたというか面白くなってきました。
作画案外イケるよな、蒼井優の声可愛いな、みたいな具合に。


物語はミヨリが田舎に馴染んできてから動き出します。

嫌々田舎で過ごしていたミヨリが少しずつ田舎を好きになっていく。
そこで生きている精霊や人間との付き合いが増え結び付きが強くなっていく。

そうして、今まで感じなかった想いが芽生えます。
{netabare}
自分の意志で選んでここに居たい、ここを守りたいと思う心。
受け身で自身の殻に閉じ籠っていたミヨリに初めて生まれた自我の心。
{/netabare}

後半はミヨリ役の蒼井優さんの演技がイキイキとしてきて、BGMも合わせてドラマチックに響き、高揚感を高めてくれます。

ミヨリが前半と打って変わって積極的に、頼もしい女の子になっているのも見ていて感慨深いです。
そう考えると長い時間かけてミヨリの変化を描いていたのにも意味があったのだと思えますね。
蒼井優さんの演技に関しても、そうした効果を狙ってのものだったのかな?って思います。


田舎っていいよね、とか。
人のせいにしてばかりじゃいけないよ、とか。
悪いことするとバチが当たるよ、とか。
そんな言葉も浮かびましたが一番はタイトルのようなメッセージです。
「私はここに居たい、ここで生きたいんだ!」と思える居場所を見つけられることって幸せだと思いました。


ミヨリのように、素直な心で接して見てあげてほしい作品ですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

ねるる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

孤独な少女と森の精霊たちとの交流と成長を描くジブリ風作品

原作漫画未読。
フジテレビ夏休み特別企画として放送された作品。2007年制作。放送時間140分

~あらすじ~
不仲な両親の間に育ち、どこか冷めたような心を持つ主人公ミヨリは、ある日父親の実家である田舎へ預けられる。家の周りにある森には精霊たちが住み、ミヨリは不思議な体験をしていくこととなる。森に住む精霊達とのつながりで孤独な少女が成長していくお話。

ジブリ作品の美術監督を務めた山本二三監督作品ということで、格別に美しい作画を堪能出来ました。

作画は抜群に良いですが、物語は少し幼稚。児童向け文学作品のようなストーリーで、小学生にはおすすめですが、大人が見るには深みが足りませんでした。もう少しミヨリが森に選ばれる理由や能力を深堀して欲しいし、周りの人間や森の精霊達と交流を深めて仲良くなるような、歩み寄るような描写も増やさないと物語が響いてこない。

一番の残念ポイントはキャラクターの魅力の無さ。
主人公ミヨリは、勝気で意地っ張りで思いやりに欠ける子。応援したくなるような気持ちになれない、可愛げのない子で残念でした。育った環境、両親にも問題はあるけど、もう少し可愛げがあっても良かったのかなと思う。

声をあててる俳優陣が上手くないのも残念。
ミヨリの声を演じる蒼井優さんも、ペンギン・ハイウェイの時はそんなに下手に感じませんでしたが、今作は素人感が強い。キャラクターの気の強さだけが悪目立ちしているような演技で残念でした。祖母役の市原悦子さんも、別撮りしたかのような声浮きが気になりました。空気感が1人だけ違う感じがした。

物語の舞台設定、作画は良かったけれど、所々に残念さを感じる作品でした。もっと面白いと思って見たんだけどな、ちょっと期待ハズレでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

81.4 11 幽霊アニメランキング11位
ゴールデンタイム(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (2201)
12054人が棚に入れました
東京のとある私立大学の法学部に入学した主人公・多田万里は、入学式の後に行われる新入生オリエンテーションの会場である学部キャンパスへ移動中、道に迷ってしまう。同じく道に迷ってしまった同学部の新入生・柳澤光央と出会い、意気投合した万里であった。なんとか目的の場所へ辿り着く目処がついたそのとき、2人の前に薔薇の花束を持った美女が現れる。彼女は花束を光央の顔に何度も叩きつけた後、その花束を光央に渡し「入学、おめでとう」とだけ告げ去っていってしまう。スタイルも身につける物も全てが完璧な彼女・加賀香子は光央の幼馴染みで、幼い頃に光央と交わした「結婚」の約束の実現を夢見て、さまざまな形で光央を振り回してきた。そんな香子から逃れるために、有名私立大学の付属高校からこっそり外部受験で現在の大学に進学してきた光央だったが、新入生オリエンテーションの会場でも香子は2人の前に現れる。香子もまた、光央を追って外部受験で法学部に入学してきたのであった。

声優・キャラクター
堀江由衣、古川慎、茅野愛衣、石川界人、木戸衣吹、比上孝浩、佐藤聡美
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

高飛車姫と記憶のない王子の逃避行(全24話)

(総評)
見終わってみれば、なんてことない爽やか〜リア充物語でしたよ…

20〜23話くらいが、観るの重たかったかな。
気持ちの視野の狭くなってしまった主人公が、シリアスにうろたえてアワワギャーッとなってしまう類いが嫌な人には向かないかもしれません。

たくさんの脇役の楽しさのおかげで、主要キャラの味も引き出され、観切ることができました。
(非リア充ながら常に自信を持って面白いことしてくれる「二次元君」、
主人公達が活動していたお祭り研究会の面々の集団的な笑えるやり取り、
いつも主人公に安易な理解はせず、しかし愛ある喝をいれてくれる隣の部屋のナナ先輩、
ビシッと言うとこは言うけど、気の抜けた笑いをもたらしてくれる香子のお父さんなど。表彰もんだっ)

三角関係をうまいこと記憶喪失に絡めたのか〜?ぐらいで始まった印象でしたが、段々、{netabare}記憶の混濁と再喪失{/netabare}の重みになり。の、割に爽やか〜に復活・終結しましたね。
んー。記憶云々入れないで、普通に大学生活の変わったラブコメにした方が脇役ももっと生かされて面白ったのでは…?

でもやっぱり最後まで見守った1人としては、りんだの保護者のような姉さん心が凛々しく美しい!と思ったし、万里と香子のバカップルはどこまでもバカップルに幸せでいればいいじゃないと思いましたよ。

でもやっぱりオレ対オレを長引かせるより二次元君の私生活を充実させてやるとかかんとか、笑えるところがもっと見たかったかな。



視聴中のダラダラとしたレビュー
{netabare}
キラキラした青春ラブコメになるのかなーと思っていたら、
主人公とヒロインが情けないエピソードに巻き込まれ、ドタバタ劇の中で自分のあり様を見つめていくようだ。
{netabare} このヒロイン、見た目は近づき難いゴージャス美人なのに、片想いの幼馴染への執着心がトコトン強くて、彼の前で喋り出すとドンドン…高飛車で強気でゴリ押しで勘違いも甚だしい酷いキャラになってしまう。
(またやっちゃったー!!って、潮が引いた後のような反応がおかしい。)
昔流行った「白鳥麗子でございます!」みたいだな。
主人公に対しては、名前がなかなか覚えられなかったくらい意識しない分、自然体で情けない面を見せている。主人公には、素直に失礼を詫びて後悔できるのにね。 {/netabare}

3話
{netabare}「NHKへようこそ!」?みたいな展開を見せた、宗教誘導サークルの エピソード。思わず、そうくるなら続きが楽しみだ!と乗り出してしまった。変な話の方が気になるじゃない。「四畳半神話大系」でもああいうの出てきたけど、サークルってそういう罠がありがちなんでしょうか(ー ー;)。

そういえばうちの町には…
一見オシャレな自転車屋で、中には若い女の子と楽しそうにツーリングする写真がいっぱい飾ってあって、どうですかアナタも、と自転車買わせて誘われて行ったが先は宗教関係、というお店があるらしい。罠!!{/netabare}

幼馴染にキッパリハッキリ振られて、ヤケになって。
「自分の想いばかりを見てきた自分」の過去を捨てたい彼女と、{netabare}記憶喪失で過去が無い、{/netabare}今だけがある主人公。どこか無謀な2人はいつも破れかぶれで荷物を置いて逃げるハメに。でも何だか、気づけば2人とも楽しい。
「何をおいてきたって、結局大丈夫みたい。私、以外と頑丈みたい。」
さりげなくいいセリフかも。
{netabare}
4話の茶店で声かけてきたNANA先輩は、ただのパロディネタかと思ったら、公式サイトのキャラクターリストに居るね。この先も出てくるのかな。
林田先輩も奈々だけど…?2人のナナって点もパロディ??なぞだ。
香子のちなみ責めはおかしかったけど、笑えない人もいるかも…。男の人にはどうなんだろう、この性格難ヒロイン。 {/netabare}


5話
{netabare} 「ありがとう、すべてのいのちにありがとう」香子さんの想定大爆発、やるなぁ〜
ブァーカブァーカってミツオ…。
こーこさん、失言して〜口笛〜って今時( ̄O ̄;)オモシロイ
{/netabare}
「さすが親友!親友だから!親友なのに!」親友大連発。心の友に飢えていた香子さん、よしよし。
記憶の幽霊はどうしたいのかな。

6話、7話
{netabare} ミツオの告白を見届けてショック。
まだ引きずってたのかな?と思ったらこーこさん。違ってた。

万里の告白断ったのも、ちゃんと自分のルールで落とし前つけたかったんだね。

香子さん、「超音波」なるちなみの男女問わないモテモテさに嫉妬して…そんな何もない自分にまたガッカリして。
入学したてで仕切ってるちなみは確かにすごいけど、香子さんはコンプレックスを受け止めて言葉にできてるのが、可愛いね。言える万里とのいい関係。
壊れないで欲しいけど、失った過去が絡んだときの万里の不安定さが陰りを見せる。
反面、2人の付き合いだしのキラキライチャイチャパラダイスが〜

あのね、2人のはじめては、パリで!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
パリ!行きたい!どーやったら行けるんだろ〜*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
{/netabare}
万里さん落ち着いて!そのノリは詐欺に乗せられる男のようだぞ

でもこの2人のミュージカルみたいなノリが楽しくて、もういいじゃないラブラブで!と思うんだけど、そうは問屋がおろさないんだろうか。どこの問屋?
万里の過去問屋、りんだ番頭はんが出てくると、香子さんといた明るい部屋が途端に生活感を帯びて物悲しく。どうなっちゃうの。

この作品は、登場人物の名前がとても覚えやすいな。あだ名を絡めたり音をふんでたりするからかな。

8話
やなっさん絶不調。やつれて部屋は荒れ、女に絡まれ。
やなっさんを助ける万里の、こーこさんのパクリなノリが楽しいね。 {netabare} 芸達者な万里さん。記憶が欠けたぶん、他人の反応の吸収応用力がいいのでしょうか。
「あの人だったらこうするな」っていうマインドをいくつも蓄えとくことって、支えになるとか。
万里の中の「あの人だったら」はだいぶ欠けてるのかな?記憶がない場合の「自分だったら」はどこから出てくるものなんだろう。不思議だね。

記憶の背後霊、一瞬、起きてきた香子さんかと思った。怖い。
{/netabare}

9話
香子さん、不安になってる。やっぱり聞いてたのかな。
「ごめん、全部オレが悪い」
から始まる高校時代の回想。

万里、メソメソした子かと思ってたら、男らしいところあったんだね。ややこしい状況の時に、とっさにリンダを隠して守って…。


10話
二人がひとりの中に同居している万里。記憶はないのに気持ちが浮上してきて。
ナナ先輩が居てくれるおかげで、リンダと万里のモゾモゾした空気を観続けることができる。
ナナ先輩、携帯メールは病院の外で送っていたり、タクシーで後部座席でもちゃんとシートベルトしてたり。社会規則を守ってる方じゃないですか。
{netabare}
倒れた万里と介抱してたリンダの元へお見舞い、香子さん無理してる…頑張ってる。自分の混乱した心情を整理した上で人に伝えるのって、難しいよね。万里は、整理できなくても混乱しているんだって現状を、香子さんに伝えるべきじゃないかな。やなっさんと二次元君の悪ノリが飛び込んで来たおかげで、楽しい。 {/netabare}

11話
いろんな先輩たちのアドバイスが楽しかった。ねじれた三角関係が不安になるけど、まわりの人達に恵まれてると気が紛れるね。

13話
記憶の幽霊が怖い。自分を縛る自分。でもうまい設定かなぁ。万里を嫌いになれないもの。
あとやっぱりおまけんの人達とのくだらなくも明るいやり取りが、いいねぇ。香子さんとのおかしなデートも。こういった思い出を日々積み上げることが、きっと幽霊を祓う力になるんじゃないかな。
オープニング見る限りは、この先も万里と香子さんのラブストーリーがメインなようなので、ちょっとホッとしてε-(´∀`; )見守ります。
記憶の幽霊の溶解や和解がどうなるのかが、今後の盛り上がりになりますね。

14・15話
二次元君キャラ面白いなぁ。
海行こう計画。たくさんのくだらなくも楽しい記憶を積み重ねていければいいね。そうだ、うまく行くことばかりじゃないんだ、それを楽しもうと決め込んでる万里、こーこさんも惚れるわ。

どっか安宿でも泊まってけばいいのに、強行軍の帰り道。
ドキドキした。

16話
実際の事故と、聞いてた「事故る」の感覚の違いを語る二次元くん、素直でしみじみ。
事故後にずーっとこうこさんの顔を覗き込んで心配してた万里。
おとーさんもいい人…楽しい人ー。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 39
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

青春とは嘘であり、悪である

青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境を肯定的にとらえる。
彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。
彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。
仮に失敗することが青春の証であるのなら友達作りに失敗した人間もまた青春のド真ん中でなければおかしいではないか。
しかし、彼らはそれを認めないだろう。
すべては彼らのご都合主義でしかない。結論を言おう。
青春を楽しむ愚か者ども、
砕け散れ。

このアニメを見ていると比企谷のこの言葉を思い出します。
いつか視聴断念するだろうなぁ、と思いながら視聴してましたが、ここ数話、そして今回の8話が本当に理解出来なかったので断念します。


なんというか、やりたい事、伝えたい事、作品の魅力が全然見えてこないんですよ。
それでいて、キャラの行動も意味不明な事が多い、共感出来ない事ばかりです。
{netabare}○記憶喪失
{netabare}まぁ色々ツッコミどころはありますが、扱う事自体はいいんですよ。その設定を生かせるなら。
この設定は明らかにリンダ先輩ありきのものじゃないですか。
他のエピソードに絡めるくらいでないと、捌ききれない設定だと思うんですが…
とりあえずリンダ先輩が置かれた状況を整理すると、友達以上恋人未満だった同級生が告白し、返事をする日に相手が事故に遭い記憶喪失、その後その同級生は自分のことを先輩と呼び、同級生は何も知らないが、自分は全部覚えている状態。
とんでもない状況ですよね…
リンダ先輩の立場になって考えたら、気が気じゃなくなりますよ。
しかし、実際に視聴するとあまりリンダ先輩の気持ちが伝わってこないんですよ。
設定を捌ききれてないから、リンダ先輩の感情がすんなり自分の中に入ってこないんです。
このエピソードが中心ならまだいいんですが、加賀香子などなど、他のエピソードもあって、描写が弱いし、描写をするタイミング、展開も良くないと思います。
普通に考えれば期待度が大きいはずのリンダ先輩にあまり感情移入出来ない、この時点で今後の期待度はかなり落ちました。{/netabare}


○各キャラの行動に対する共感
{netabare}私だけなのかなぁ、このアニメのキャラの行動に全然共感出来ないのは。
特に居酒屋のアレ以来の行動がマジで意味不明で、私はもう無理だと思いました。
適当に意味分かんなかったこと挙げてきます。
・岡「バカじゃん?」
→私「えっ、何それは…(ドン引き)」
いや、いくら呑みの場とはいえ、もっと言いようがあるでしょ…
それで、さらに問題なのはこの後です。
岡の言い分としては、アレは呑みの場のため告白としてカウントしてない、柳沢があれだけ避けるとどうすればいいか分からないとのこと。
これに対し、万里は励ます会なるものを作り、遊園地に岡が来て、一緒に遊んで仲直りだそうです…
ねーよ(笑)誰か比企谷呼んで来てくれよ。
まず、岡が柳沢を傷付けたということを理解してないことがおかしい。
飲み会の幹事もやって、天然だけどもあれだけ気配り出来そうなのに、そこに気付かないのはちょっと…
そして、それを誰も岡に指摘しないのもおかしい。誰も思わないの?
告白に対して「バカじゃん?」って言われて、他の人にも噂されるってどうよ?
「バカじゃん?」以外に言葉は無かったんですかねぇ…
この際、岡が気付かなかったとしても、誰か気付いて「あの言い方は流石に酷かったんじゃない?やなっさんに謝ったら?」くらいの言葉はかけれたはず。
そりゃあ告白した柳沢はアホだろうけど、その返答は余裕で柳沢の行為を凌駕するでしょ。自業自得では済まされないレベル。
相手のことを考える、相手の立場になって考えるということをしないのでしょうか?
自分のことしか考えてないじゃん。
そんなんだから、問題なぁなぁにして、特に解決した描写もないまま仲直りさせたんでしょ?
何?9話を見ろって?もうお腹いっぱいです。

・「多田くんのことが好きです」
もうさぁ…このカップル本当に互いのこと好きなのか分からないっすわ。
「片思いに敗れた優しさに多田くんを選ぶ(割愛)」
まさに見ている人が思うことですよね。加賀さんいわく、これじゃあ嫌だからシナリオがあったとか言ってるけど、視聴者に突っ込まれないように先回りしたみたいな印象なんですよ。
そんなこと言うくらいなら、もっと多田くんが好きだという描写して、そんな言い訳くさいことをヒロインに言わせないで下さい。
それか、多田くんにそんなに早く告白させないで下さい。
そして多田くん、あなたは彼女が部屋で寝ている中、何堂々と他の女の人と恋愛絡みの話してるんですか?
加賀さんに告白して、友達やめよう的な発言して、それだけ本気で考えていた描写して彼女出来た挙句にやることですか?
マジで本気度が分からない。好きなの?そうでもないの?
リンダ先輩の描写は絶対に必要です。
というわけで、これは完全に展開ミス、この描写をやるとしても、付き合ってすぐの時にやるのはさすがにおかしいんしゃないですかねぇ…
あぁ、付き合ってすぐだけど、リンダ先輩のこと気になってるのか。
これは君のいる町以来の問題作候補かな(笑)

・リア充うぜえ?
変換ミスじゃないですよ。意図的な?です。
いや、確かにうっとおしいんだけども、なんか茶番っぽいんだよなぁ。
例えるなら、中学生くらいの演劇部が文化祭のステージで大袈裟に彼氏彼女を演じてるみたいな。
たぶんね、文化祭の方は笑いが起こると思うんですよ。
それくらいシュールなリア充描写に見えた。
あれ恋愛じゃなくて演技でしょ?嘘で誤魔化してる親を騙すための偽装カップルでしょ?って感じでした。
もう、何を伝えたいのか全く分からない。
ウザさを伝えたいのか、単に恋愛描写を伝えたいのか、浮かれっぷりを伝えたいのか、シュールな図を届けたいのか。
今の僕には理解出来ない…{/netabare}{/netabare}


初めてスマホで文章書いたわりには、予想外に長くなってしまいました。
今期のラノベ枠がどんどん脱落していく件について。
岡田さん脚本の長井監督なら何か変わってたかなぁ?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

さんちゃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

主人公とヒロインが顔と顔を見合わせて「ぷっ・・あははは!」て笑うようなアニメのままで良かったのに

いつか面白くなるかなーと思いつつ見てたけど
いつまで経っても盛り上がりが無くつまらなかった。
2クールも必要だったのだろうか…。

冷静に考えるとシナリオ自体に不自然さはそこまで無かったけど
如何せんキャラの心情が突飛で理解に苦しんだ。
また、意図不明なアクシデントの挿入が多々あり、感動しようと
真剣に観ている気持ちを阻害するため、結果として駄作をつっこみながら
楽しむスタンスで視聴せざるを得なかった。

以下気になった部分を箇条書きします。
やや酷評にあたるかもしれないので、ゴールデンタイムが好きな人は見ないで下さい。

例えば、理解に苦しむ心情としては、
{netabare}
・多田万里が卒業記念Tシャツに名前が書かれていなかったという
理由で突然泣き出す。「おでの!おでのなばえがない!」こんな男嫌だ。幼児退行かっ!

・21話辺りで、加賀香子が万里の精神的な病状を憂えて「大丈夫、
大丈夫、全部大丈夫だよ。私が一緒にいるよ。私が一緒なら世界征服
だって出来るよ」みたいな事いってたにも拘わらず、次の話で何の
前触れもなく突然、別れようとか言い出す。

・リンダ先輩と仲良く話してるだけで、岡ちゃんがいきなり現れ
万里を「最低」と罵って万里を無視しだす。
理由については後々説明はあるけど、もう少し事前に岡ちゃん視点での憤りを
見せないと、視聴側からすると訳が分からない。
その前に、岡ちゃんがヤナっさんに未練があったなんて、全話通しで見てもピンと来ない。
いくら飲み会の席とはいえ、ヤナっさんに告られた時、平気な顔して
「馬鹿じゃん」て返事してたし。あれ見て、その事実に対する説明もその後数話
おざなりにされてたから、ヤナっさんの告白自体単なるギャグ要素として作用してたのかな
って思ってた。
(女性キャラが香子、リンダ、岡ちゃんの3人になって、それぞれの心情を2クールで
描こうとすると尺的に難しそうなんで、結果としては岡ちゃんがヤナっさんに好意を
抱いてるって設定自体不要だったのかもしれませんね…)

・リンダが最終万里の事を恋人として好きだったのか、友達として好きだったのか
ちょっと曖昧。
8話辺りで、リンダにその答えを聴いた時「あの時の答えはノーだよ」って言ってたのに
最終話で「全部イエスだよ!」とか言い出す。本当にイエスなら、あの時どうしてノーと
答えたのかに対する心情があまりに説明不足。
{/netabare}

意図不明なアクシデント等については、
{netabare}
・3話で宗教サークルの勧誘に引っ掛かる。大学から宗教という単語は連想しづらい。
それだけに意外性はあったけど、なぜ宗教??このアクシデントが切っ掛けで、
加賀香子が多田万里を意識し始めるし、最終話要となるハート型の生き残りの鏡
に繋がってくるんだろうけど、あんな軟禁まがいの事してる時点で事件だよ。
所謂つり橋効果を狙うにしても、もっと他にやり様が無かったものだろうか?

・9話でリンダのお兄さんの結婚予定相手の浮気現場を押さえるって話。
これで、お姉さん気質で利口で大人っぽく万里をリードしてたリンダに対するイメージが
ぶち壊れて、やる事がエグくて怖い女というイメージが最後の最後まで拭いきれなかった。
万里と相談して、万里がそういう行動を起こそう!って泥をかぶるならば王道展開として
理解できるけど、なぜヒロインにとってマイナスになるような見せ方をしたのか。

・19話でリンダが万里を突き飛ばすけど、地面に倒れた万里の背中に
犬のフンがつく。これは本当に引いた。アニメでまさか犬のフン描写があるとは
思わないし、特に笑いに繋がった訳でもないし、一旦大学に戻らせるためのイベントとしても
これは無いかなー。一体何を感じさせたかったのか理解不能。

・8話でヤナっさんを励ます会で岡ちゃんが呼ばれて持ってきたのが生麺。
それは笑いどころなのか?あれか、慌てて持ってきたのが赤べこだったりコケシだったり
鮭だったりしたらもっと爆笑を生んでいたのだろうか?
慌てて持ってきたという背景(行動理由)がある以上、シュールな笑いには結びつきにくい。
単純にギャグとして取り入れていたのだとしたら、作者の笑いのセンスは少し錆びが付いている。

・万里の顎絆創膏。疲れた、もう何話か忘れました。
{/netabare}

奇想天外な作品ばかり作って失敗するライターやクリエイターに宛てた
テンプレ的な煽り文句を若干改変入れて引用させて頂くと
「誰もやらなかった事に挑戦する」と言うが大抵それは先人が思いついたけど
「あえてやらなかった事」だ!王道がなぜ面白いのか理解できなければ
予想外な展開は破綻しか齎さないぞ!と言ったところでしょうか。

普通にやってれば、それなりに見応えもあり、きっと感動を呼ぶ事も出来たのに
敢えて王道から逸れて微妙な新しさを生み出そうとした結果、何だかとっ散らかった印象
しか残さなかった感じが強い。
サムライフラメンコとまではいかないけど、最近敢えてテンプレ的な内容を
崩すのが流行ってるんですかね…。

無理して予想外な方向へ話を持っていって滑ってる事が多かった。
良い所はちらほらあってそれだけに最後のどんでん返しを期待して見続けましたが、
それを続けるには時間の無駄だったっていうのが個人的な感想です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

81.5 12 幽霊アニメランキング12位
花物語(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1683)
11007人が棚に入れました
神原駿河は幼い頃に死別した母から干からびた猿の手のようなミイラを譲り受けていた。曰く、その手に願えば、どんな願いでも三つだけ叶えられるという。しかし、その猿の手は、願いを叶える代償として最終的に身体と魂を乗っ取る怪異「レイニー・デヴィル」だった。駿河は二度まで願をかけてしまうが、先輩の阿良々木暦・戦場ヶ原ひたぎ達の助けによって怪異に取り込まれることは避けられた。しかし、後遺症として左腕が怪力を発する毛むくじゃらの猿の手となり、駿河はそれ以来左腕を包帯で隠して日常生活を送ることになる。
それからおよそ11ヶ月が過ぎ、駿河が三年生になった春のこと、駿河は奇妙な噂を耳にする。なんでも「悪魔様」に相談をするとどんな困った悩みごとでも解決してくれるという。悪魔の左手を持つ駿河は因縁めいたものを感じ、「悪魔様」の正体を突き止めようとする。そして「悪魔様」がいるという学習塾跡地へと向かうのだが、そこに居たのはかつての駿河の宿敵だった。
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

面白いくらい自分には合わないアニメシリーズ  【追記】原作めっちゃ面白いじゃん!!(原作読みました)

【短い感想】
やっぱりダメでした。
どうしてもこのシリーズは自分には合わないんだろうなー。
しかも、それぞれのシリーズを視聴するたびに自分には合わない理由がいくつか見えてくる。
それが逆に面白いくらいではあるんですが、理由が見えるくらいともなると、本編を楽しんで視聴することは自分にとってほぼ不可能なんだろうなーとも思ってしまったり。

まぁでも1週回って自分にとって『特別なアニメ』になっているような気がします。
他の合わないアニメは「つまらない」とか「腹が立つ」とか「意味がわからない」とか「キャラが合わない」等、直感的な理由で合わないことが多いです。
このアニメはそういう直感的な理由、さらに言えばストーリーやキャラ以外に合わない理由が自分の中にあるんだから、ある意味凄いしやっぱ特別な感じがします。
それにちゃんと本気で面白いと思える所もありますしね。
ね?貝木さん


【長い感想】※最近全然感想書いてなかったせいか、暴走気味です。
○面白かったところ
{netabare}・貝木!貝木&貝木!
貝木は最早神なので説明不要。

・日傘(cv.日笠)
同じシャフトの電波女と青春男の花澤さん(cv.花澤)を思い出す声優ネタ。

・沼地「負け犬の遠吠えだ。やらずに後悔する方がいいに決まっている」
ヤマノススメを見ていた私にとって、阿澄さんが演じていたひなたの「やって後悔した方がいいじゃん」と元気いっぱいに話していたことを思い出して笑ったシーンです。

・1on1で敵にパスした神原
戦術的にも虚をつく面白い発想だったし、その後に二人の生い立ちと繋がって話が組立っていったことも凄かったと思いました。

まぁこんなところでした。
毎度ながら、1シーンの面白い場所はいくつかあるんですが、1作品通した面白さとか、伝えたいことが自分の中に入ってこないんですよね。
いや、確かに全体の繋がりとか、神原の悩みながらも自分のするべきことを見定めようと頑張っている描写とか、色々やっていることは私にもわかるんですが…
どうしても心から面白いと言えないです。
理由については下にいくつか書きます。{/netabare}


○物語シリーズが自分にとって合わない理由
{netabare}まず大前提。
ていうか今回ようやくそれに気付きました。流石に気付くの遅すぎたかも。
『物語シリーズは原作既読者向けのアニメ』
これは流石に間違いないと思います。
原作読んでないと話ついて行けないですよ、このアニメ。

ついて行けない理由について、今回大きく感じたのは『会話と演出の不一致』です。
私、シャフトの独特な演出がどうしても苦手で、今まで直感的に合わないと感じていたんですが、他にもちゃんとした合わない理由があると今回思いました。
例えば沼地がひたすら過去について話し続けるシーン。
あのシーン、普通のアニメであれば過去の話の内容に合わせた映像を流すと思うんですよ。
過去の沼地の行動の様子だとか、ほかの人とのやり取りの様子だとか。
しかし、花物語はそういう描写は断片的で、バスケットボールが大量に転がったり、浮いたりする演出をしてきます。
こんな感じで会話と演出、聴覚の情報と視覚の情報が一致しないんですよ。
もうね、中々内容が頭に入ってこない。
こういう演出は物語シリーズのセールスポイントではあるけど、間違いなく弱点でもあると思います。
友達なんて一切出さないし、人がいる描写もするわけがないし、独特ではあるけど、かなり縛りをかけてアニメを作っているイメージです。

そして、とうとうここまでに至りました。
『画面を見ないほうがまだ内容を理解しやすい』
小説を読むときって、ただ文字を読むだけということはしないですよね?
頭の中で情景を思い浮かべ、登場人物の声を想像したりといわゆる脳内補完をしながら読むはずです。
今回は画面を見ずに声だけ聞いて脳内補完しながらの方が内容を頭に入れやすかったです。
内容って文字だけとか、声だけとかで理解するのは無理だと私は思います。
いくつかの情報、視覚や聴覚、そして脳内補完によって分かっていくものだと思うんです。
しかし、今回で言えば視覚と聴覚の情報の不一致、さらに言えば視覚情報の演出は内容と関係なく、意識を他の物にそらしてしまいすらするもの。
そして、アニメーションを見ながらの脳内補完は無理です。
一度試してみたら分かると思いますが、流石にこれはできませんよ。
ここまでに至ってあのシーンは画面を見るのをやめました。
ストレスが溜まって仕方なかった。
演出に意識を取られてるうちに物語が進んでしまって会話を聞き逃してしまうこと、虫食いになってしまったシーンが出来てしまうこと。
その状態で最後良い感じで締められても、途中で感じたストレスと聞き逃した空白感を埋めることはできませんでした。

物語シリーズが原作既読者向けだと思うのはこういうシーンにあると思います。
原作読んでればストーリーは既に頭に入ってるから、ある程度話を聞かなくても、置いていかれることはないと思うんですよね。
その間に演出に注目して、「この演出すげー」とか「この表現法凄いなー」とか内容以外にも注目出来ると思います。
しかし、原作未読者で初見の視聴者にそんな余裕はなく、内容を頭に入れていくことで精一杯の中、逆に演出に内容理解を邪魔される感じ。
まぁイライラしますよ。

花物語のあの沼地の回想シーンに注目して書きましたが、物語シリーズ全編に言えることだと思います。{/netabare}


【終わりに】
このシリーズを楽しく見る方法は最早原作を読むしかないんだろうなーと思いました。
でも、小説とかラノベって苦手なんですよね。
俺ガイルですら1巻で止まってるし。
SSならいくらでも読めるんですが。
最近アニメも全然見なくなってきたし、次のシリーズがアニメ化されても見ないかもしれないですね。
貝木が出たら100%見ますが(笑)


【追記】
上に色々書いておきながら、アマゾンで注文して原作買って読んじゃいました(笑)
原作に手を出した理由、きっかけとしては、シリーズ通して感想を書いてきたのに、一度も“ストーリーの内容”についての感想を書いたことがない、それが悔しいということだったんですが。
今となっては、「どうしてもっと早く原作を読まなかったんだろう」と激しく後悔しています。
それくらい面白かったし、心が動いた作品でした。
アニメ見た時とは全くと言っていいほど逆の感想になりました。

文学少女のシーンを客観的に観るとこうなる【男子高校生の日常】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17162619
原作読んでてこの動画を思い出しました。
動画の前半が原作、後半がアニメ物語シリーズと見立てられるくらい、両者には差があると思いました。
この動画を出した理由については、下の前置きにて少し説明します。
ニコ動見れない方、ごめんなさいです。



【長い長い感想】
長いです。
まとめだけでも読んでもらえたら幸いです。
原作のネタバレもある内容になっているので、ご了承ください。
○前置き
{netabare}原作をまだ読む前、私はこの作品は間違いなく原作既読者向けの作品だと言い切りました。
しかし、いざ読んでみると、それは違うなと思ってしまいました。
これまでの考えを合わせると、このアニメは原作未読者向けでも原作既読者向けでも無くなる。
じゃあこのアニメは誰向けなのかと?

まず言えるのは「原作既読、未読」で分けるのがそもそもの間違いということ。
アニメと原作ではタイプが全く違います。
それこそ上で紹介した動画くらいに。
原作は「過程と結果」の作品です。
アニメは「過程より結果」の作品です。いや、もっと言えば、“過程を描きたくても出来なかった”作品です。

物語シリーズでの評価としては、言葉遊び、そして会話劇というのが多く挙がる意見だと思います。
しかし、いざ原作を読んでみると、言葉に出していない“心の声”というのがとても多いというのが印象的でした。
それもただ多いだけじゃなく、細かく、丁寧に、たまに余計なこともありますがw主人公の考えていること、その時の情景などがすごくイメージしやすいんですよ。
余計なことも面白いですし(笑)
どんどん物語に入り込んでいって、どんどんキャラに感情移入していって、飽きることがまずなかったです。

今までアニメを見て、感情移入できない、話についていけない、何を言いたかったのか分からないといった否定的感情をもっていた私。
その理由は、展開の早さだとか、演出と会話の不一致によって理解しにくくなっているとかだと思ってましたが、ただ単純にキャラの描写や心情描写が全然足りなかったんだろうなと思いました。

上で紹介した動画の前半は心の声があります。
しかし、後半は心の声がありません。
後半の方はさぞシュールに見えたでしょうし、本当に物語を知らなければ「何やってんだコイツら?」という感想を持ったに違いありません。
非常にシュールですが、原作とアニメではこの動画くらいの差があると思います。

アニメは本当に本当に原作の心の声がほとんどない。
あのサブリミナル文字表記ありますよね?
あのほとんどが原作で心の声として届けている文です。
まぁ読める訳もなく、止めて見たところでズムーズにアニメを見れる訳もなく、シュールさは増すばかりの演出ですよね。
原作を読んだ今、あのサブリミナル文字表記は演出ではなく、原作を再現しきれないアニメスタッフの気休めにさえ見えてしまいます。
心の声の尺を取れない分、せめてものサブリミナルといった感じ。

しかし、原作読んで、原作が凄いというのは分かりましたが、それと同時にアニメも凄いということも感じました。
だって、心の声サブリミナルにした挙句、まだまだ原作の多くの場所をカットしながらも1つのアニメを作ってるんですよ?
やっとの思いで5話に収めてますが、原作全部再現したら8話くらいにはなるはずです。
心の声全部やったらとんでもなくスローでテンポの悪い物語になるでしょう。
最早原作の再現のしようがないし、アニメ化なんてそもそも不可能だし、これだけ制約をかけられていて面白い作品にしろという方があまりにも無茶ぶりなんです。
だからこそ“過程を描きたくても出来なかった作品”なんです。

そして凄いのは、“過程より結果の作品”で評価される作品を作り出したこと。
沼地に会った、左腕が元に戻った、貝木に焼肉を奢ってもらった、バスケをした、阿良々木の車に乗った、またバスケをした、青春した…
日記で言えば、その時どんなことを思ったということを極力省いて、起こったことを並べただけで面白い作品にしている(のだと思う…)
実際凄いとは思うし、頑張って1つのアニメを作ったのだとは思いますが、それでもアニメでは満足できませんでした。

こんな感じで、アニメと原作両者の違い、感じたことは終わりにしておきます。
後は本編について原作を読んで感じたことも踏まえながら書きます。{/netabare}


○神原駿河
・神原駿河ってどんな子?①
{netabare}暦に「甘言褒舌(かんげんほうぜつ、暦の造語)」と称される程のプラス思考でやたらと暦やひたぎを賞賛し、勤勉で人当たりも良く爽やかな性格。
非公式ファンクラブ「神原スール」がある程後輩の女子にも好かれ面倒見が良いが、実はBL好きな腐女子。
更に、同性愛者、マゾ、露出狂、欲求不満で、それらを肯定している。スポーティーというより猥褻な印象が強く、メメからは「エロっ子ちゃん」と呼ばれたこともあった。 (ウィキペディアより引用)

今までの神原の印象といえば、私もこの説明文と大体同じ印象でした。
真っ直ぐで、爽やかで、腐っていて、百合で、変態。
しかし、花物語を視聴したあとなら、確かにそういう性格な描写もありながらも、真面目というか、色々考えているというか、とにかく今までと違う印象をおそらく多くの人が抱いたでしょう。
それは正しい反応であると私は思います。

というよりも、その違和感は気のせいでもなく、キャラ崩壊でもなく、当たり前のことです。
今までの物語での神原は“阿良々木暦から見た神原”もしくは“他人から見た神原”であり、花物語の神原は“神原駿河から見た神原”だからです。
『自分が思う自分と周りが思う自分が一致する人というのは多分いなくって~(割愛)』
花物語あとがきの西尾維新さんの言葉ですが、作者自身が他人と自分の認識のズレというテーマをこの作品で描きたかったのでしょう。
今までと今回の神原が違うように見えたのなら、それは作者の考えを実際に体現できたということであり、ある意味で狙い通りの反応なのかもしれません。

神原は百合であり、変態であり、腐女子なのは確かですが、それらだけで神原が構成されているわけではなく、とくに神原駿河から神原を見た場合、その要素は神原を構成する上でほんの些細なものなのかもしれません。{/netabare}


・神原駿河ってどんな子?②
{netabare}①では今までと違って見えたということを述べましたが、では実際どんな風な人物に見えたのか述べていきます。
ただし、これを書くには先ほど述べた原作の“心の声”というのが非常に重要であるため、ほとんど原作の感想になることをご了承ください。

神原は花物語で非常に真面目な一面、悩んでる一面を見せ、さらには「自分がよくわからない」「自分らしさってなんだろう」というような、彼女自身でさえ神原駿河という人物が分からないような、かなり曖昧で揺れ動いているような人物像になっていたと思います。
それでも原作を読むと、「これが神原だ!」と言ってもいいような人物像がいくつか見えました。

それは“諦めの悪さ”であり、“負けず嫌い”であり、“融通がきかない”ということ。
そして、それがよく分かる描写に関しては、アニメでは心の声カットどころか、場面そのものをカットしているため、中々神原駿河という人物が見えてきませんでした。
さっきの日記でいう“その時どんなことを思った”という描写の省略なわけです。

では原作ではどんな場面でどんな描写をしていたか。
まずこんな言葉が出てきました。
「諦めたらそこで試合終了だ」
バスケをやっていない人でもまず知っているであろう有名なセリフ。
そして、バスケをやっていた神原ならなおさらでしょう。
沼地に会う→左腕が戻る→貝木に会う→沼地に会う
この言葉が出てきたのは左腕が元に戻ったシーンと貝木に会うシーンの間の出来事のときです。
アニメだと沼地と2回目の接触まではかなりあっさりしている印象ですが、実際は1週間かけて沼地を捜索しても手がかりは掴めず、捜査は困難を極めるといった状況だったんです。

苦労して必死に捜査を続けますが、しかしまぁ、神原からしたら別に沼地と会わなくても損は何もないし、会ったところで得もありません。
ただ、治った左腕と何か関係があるかもしれない、それだけの理由で沼地と接触しようとし、苦労しながらも諦めずに捜査を続けていきます。

左腕が治った理由が分からなくても、もやもやした納得出来ない気持ちは沼地が言ったように時間が解決してくれるかも知れない。
その考えも神原の頭をよぎりましたが、それは無理だと、「バスケットに人生をかけた私は、諦めたらそこで試合終了だと、骨の髄まで叩き込まれている。」と言って、諦めずに沼地を捜し続けました。

パロネタではありますが、『諦めない』という神原の性格が見えてくる非常に意味のある場面だったんじゃないかなぁと私は思ってます。
特に沼地を捜索した描写もなく、貝木と会ってその後の場面で沼地が教室にいるのと、苦労して捜索した描写があって、それでいながら沼地の方から神原の所へ来たとでは、大分印象が違うはずです。

次に注目した言葉。
「バスケットボールというスポーツに勝ち負けはない」
私はアニメ花物語を見て、神原がバスケットに対してどういう考えを持っているかすごく気になってました。
今まで神原はバスケをやっていた、全国大会に導いてきたという経緯は描写されていましたが、じゃあ神原はどんな気持ちでバスケをやっているのか、あの1on1はどんな気持ちで承諾したのか気になってました。

特に考えを明らかにしないうちに2度のバスケ勝負をした結果、本当の意味で“ただバスケをした”というように見えました。
表向きの青春っぽい描写が目立ち、裏での神原の思い、駆け引き、決意などが見えずに終わってしまったと思います。

1回目の1on1で見えたのは、バスケで語ることによって、神原の左腕の経緯を言葉で語りやすくするという沼地の狙いくらいでした。
でも、原作には神原のバスケに対する考え、自分の性格分析といった描写があります。
「バスケの試合に勝敗はついても、それが勝負かどうかといえば少し違う気がする。」
100%の確率でシュートを決める人はいなくて、確率が絡んでくるスポーツ。
バスケだけではないですが、勝敗には時の運や試合の流れが絡んできて、極論を言えば「運がいいチームが勝って、運が悪いチームが負ける。」と述べています。

言葉遊び満載のシーンなんですが、逆にこういう考えにたどり着くことによって、神原はバスケを純粋に楽しめたと言ってます。
それは神原がとても『負けず嫌い』であるから。
神原はあの走りを見ていると、バスケットプレイヤーというよりなら、陸上アスリートっぽいと私は思います。
実際、今までの描写も話もバスケより陸上、短距離の方が圧倒的に多かったはず。
でも、神原は陸上をやることはなかった。
陸上は偶然の確率が絡んでこない、勝ち負けが明確な競技であり、負けず嫌いだった神原は陸上をやるべきではないと述べました。
神原が負けたとき、何をするか分からないため。

以上のことを踏まえ、神原が今までやってきたバスケ、沼地との1on1は勝負ではなく、楽しむもの、もっと言えば負けず嫌いの神原にも楽しめるスポーツでした。
「バスケットボールの技量を競うゲームで運において劣ったから負けたからと言って、恥じる理由も悔いる理由もない。」というのが神原のバスケに対する考えのようです。

しかし、沼地との2回目の1on1は“勝負”です。
神原自身が“勝負”という単語を何度も用いて強調しています。
そして、神原の考える勝ちは運やまぐれではなく、100%の確率で決まるものを言います。

神原のバスケに対する思いを聞いていれば容易に想像できますが、さらに原作では心の声を加えてダメを押してます。
「一か八かで勝っても仕方ないんだ。」
「五十パーセントの確率の博打に勝ちましたとか言って、そんな勝利を誇れるか!」
だからこそのダンクシュートでした。
こういうキャラの行動に対する理由の描写って私すごく好きなんですよ。
こういう丁寧な描写をする作品本当に好きです。

これらのシーンによって、神原のバスケに対する考え、“負けず嫌い”という性格がより明確に見えてきて、神原という人物が大分見えました。
それに加え、運と勝負の使い分けの言葉遊びも楽しめたシーンでした。{/netabare}


・神原駿河ってどんな子?③
{netabare}みなさんは花物語を見て神原駿河はどんな女の子に見えましたか?
私は原作を読んでようやく神原遠江と同じ意見になりました。

「駿河。あんたの人生はきっと人より面倒臭い。
 だるくてうざくて仕方がない。
 だけどそれはあんたが優れているからではなく、あんたが弱いからだ。
 あんたは一生、その弱さを抱いて生きることになる
 ――願わくば、その『面倒臭さ』を、あんたが生きがいとせんことを」

神原はとにかく面倒臭い子なんです。
神原はやらなくてもいい事、ほかの人なら気にしないことをたくさんたくさんやってしまいます。
冒頭の左腕ガムテープ縛りも新聞確認も事件を止めるためのものではなく、事件が起こってしまえば何の意味もありません。
それでも自分が関与したかどうかという事実だけを知るために続けています。
悪魔様(沼地)に会おうとしたことも同じ理由です。
その悪魔様が自分であるかも知れないという事実を確認しようとしただけ。
別に悪魔様が悪いことをしているという噂もない、悪魔様がたとえ自分だったとしても誰も困ってないはずなのに。
左腕が治った後に沼地を捜すことも実際は無駄で誰も得しない行為のはずです。
左腕が治ったならこれ以上神原が求めるものは何もないはずだし、相談もないのに会いに来られるのは沼地にとって逆に迷惑かもしれません。
最後に沼地に会いに行くのも同様に意味がないはずです。

神原の面倒臭さはこれだけではありません。
神原は他人の意見に対して聞き流すことが出来ません。
これは私が先に挙げた“融通の利かなさ”が特に関係しているんですが、他にも挙げていた“諦めの悪さ”と“負けず嫌い”も関係しています。
というよりも、この3つの性質は非常に似ているものであり、3つの性質が重なり合うことによって、より神原の面倒臭さを引き出しているのではと思います。

沼地の悪魔様としての行いは、言ってしまえば呆れて言葉も出ないような行為です。
それでも神原は聞き流せません。怒って沼地に手を出してしまうほどです。
ただ、沼地の行為が呆れたものに聞こえるのは、その行動だけを切り取った場合の話。
沼地のこれまでの生い立ちや沼地の行動原理、主張をしっかり聞けば決して理解出来ない行動ではありません。
それゆえに神原は1つの主張を納得してしまう。

「逃げの何が悪い?
 この世にあるほとんどの問題は、逃げることで解決するじゃないか。
 逃げて先送りにしているうちに、問題は問題じゃなくなってしまう。
 『今このとき』に解決しようと思うから、ひとは苦労するんだよ。」

こうやって人の意見をどんどん聞いてしまうがゆえに神原はドツボにはまっていきます。
貝木が言った、「逃げるだけじゃ解決しない問題もある」なんてまさに矛盾みたいな意見なのにやっぱり納得してしまいますからね。

補足しておくと、神原は沼地や貝木の意見に納得しただけであり、それを聞き入れたわけではないと思うんです。
これは自論なんですが、人の意見は自分の意見に変換できてようやく聞き入れたことになると思うんです。
神原は納得こそすれ、それを自分の意見にすることが出来ません。
この辺も“融通の利かなさ”が関係してると思うし、考えが固い子なのだと思います。
逆に沼地なんかは貝木の意見を聞き入れたりと、神原よりも柔軟な発想が出来る子だと私は思います。

また、相手が発する意見に対して跳ね返せるような自分の意見、考えも持ち合わせていません。
いや、本来なら大抵の人には通じるかもしれませんが、今回は相手が悪すぎました。
神原の面倒くささに対して、「それはあんたが優れているからではなく、あんたが弱いからだ。」と言った母の言葉は的を射ているのでしょう。
遠まわしに「お前は井の中の蛙で大海を知らないんだよ」と言われてるような気もします。

後々、阿良々木先輩に「時間が解決してくれる」なんて言葉を発してしまいますが、「それこそお前の言葉じゃないな。誰かにそんなことを言われたか?」と言い返した阿良々木先輩は流石です。
明らかに神原が発した言葉は自分の意見ではないから。

その後神原は「私は阿良々木先輩の意見に納得した」と言いますが、これこそが人の意見を自分の意見にするということだと私は思います。
『釈然としないけど納得するしかない、実際言われた通りなんだし』これまでの神原はこういうイメージでした。
阿良々木と話してからは、『その通りだ。よし、やるぞ!』というイメージでした。
ああ…うまく言い表せない(笑)

とにかく、色んな意見に振り回されたけど最後の最後にようやく自分の意見を持つことができた、というのが花物語というお話なんじゃないかなと私は思います。{/netabare}


・神原駿河ってどんな子?まとめ
{netabare}花物語は神原の「けれども」という思いの連続を表した物語だったなぁと思います。
色んな意見に振り回され、色んな考え、想いが神原の中を駆け巡り、ひたすら揺れ動くブレブレの神原を描いた作品だと思います。

原作読んでようやく神原が左腕についてどんなことを考えていたのか見えてきましたが、沼地にお礼を言おうとしていた事や、左腕が治った時のなんとも言えない感情の揺れ動きはアニメではどうやっても読み取れませんでした。

では花物語の神原をまとめたいと思います。
悪魔様の噂を聞き、自分が悪魔様ではないことを確かめるために接触しようとする。
沼地の話を聞いて怒りを覚え、思わず手を出す。
けれども沼地の意見には納得してしまう。
左手が元に戻る。
けれども嬉しさよりもなぜ戻ったという疑問が先に浮かんでしまう。
けれども嬉しくて、涙すら出てしまう。
けれどもやはり治った理由が気になって沼地を捜索する。
貝木に遭遇してしまい逃げようとする。
しかし、回り込まれてしまった。
貝木に対して先輩たちの憎き敵として振舞おうとする。
けれども貝木を嫌うことができず、貝木の言葉に言いくるめられてしまう。
沼地とバスケをし、話を聞く。
左腕を奪ったのが沼地と分かったけれども、返せとも言えず、お礼を言うことも、なんの言葉をかけることも出来なかった。
実は沼地が死んでいたことを知り、ひたすら走った挙句、阿良々木先輩に拾われる。
阿良々木先輩に相談し、戦う決心がつく。
けれども沼地が自分が死んだことに気づいていないと知り、怖くなる。
沼地のディフェンスに圧倒されるも、100%の勝利を掴むためダンクをする。
沼地が成仏する。
けれども神原はこれで良かったのかと自信を持てずにいる。
お前は青春をしたんだよ。

これだけ目まぐるしく感情が揺れ動いたキャラを中々見たことがありません。
それも、今までは悩むことが少なく、真っ直ぐな少女というイメージを持っていただけになおさらです。
これだけ振り回されたら自分がよく分からなくなるなんて最早当たり前だと思います。

しかし、ただ単に優柔不断故の結果ではなく、神原の面倒臭い性格によるという大きな理由が見えたため、感情移入しやすかったし、神原の複雑な気持ちを味わいながら原作を読み進められました。

実際、こういう複雑な物語ってキャラの心情が伝わって来るかどうかが凄く大きいと思うんですよ。
物語全体を見れば、『神原が色々悩んだ末に1つの答えを見つけて青春しました』といった単純な構成かもしれませんが、神原自身は単純では済まされない時間を過ごしてきたはずです。
それを知った中で、「やって後悔しないことだ。」という考えにたどり着いた神原を見るとでは、印象が全く違います。

心の声がたくさん詰め込まれた原作と、色々カットしてあっさりした作品となったアニメでは大分差があると思いました。
この物語で一番気に入ったセリフもカットされてましたし。
最後にこの言葉を書いて終わりにしたいと思います。(とか言ってオマケも書く気マンマンですがw)

{netabare}神原が走り疲れて阿良々木先輩に拾われ、車や自転車のくだらないやり取りをしていた場面。
そんな中、おもむろに「なんかあったのか?」と聞いてきた阿良々木先輩。
このあとの神原の心の声が一番お気に入りのセリフです。

『(省略)この人はやっぱり阿良々木先輩なんだなあ、と思わされる。
 変わっても変わらなくても。
 成長してもしなくても、阿良々木先輩だ。』

この後神原は阿良々木先輩に相談して、戦うことを決意しましたが、このセリフを見ると、阿良々木が神原のことを気にかけた時点で神原の決意はかなり固まっていたような気がしました。
この人ならこんな訳がわからないことでも相談しても大丈夫というような安心感も伝わってきたし、背中を押してもらいたいという気持ちも伝わってきました。
神原にとってやはり阿良々木先輩は偉大であるということも伝わってきました。
変わっても変わらなくてもその人はその人かぁ…
いい言葉だなぁ…{/netabare}{/netabare}


○オマケ:沼地蠟花について
書きたいことがいくつかあるので、近いうちにまた書きます。
ていうか時間が経ちすぎたので、一旦投稿しちゃおうというだけですが(笑)…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あれこれ予想するのが大好きな人にとってはかなりおいしい作品!

今回は、猿の手に取り憑かれた女の子が「自分で勝手に助かるだけ」なお話。
一見するとするがの物語に見えますけど、、【怪異】が何なのか? 視聴者にネタバレしてるように見えなくもない物語でした。

物語シリーズってホント、ミスリード&逆転ネタが多いですよね。
一緒に会話してるのに実は全然別の物が見えてたり、思い込んでたものが実はそうじゃなかったり、まるでパズル(笑)

普通に見てたら聞き流しそうな重要なキーワードが大量に盛り込まれてて、もう一度見直してみると全然違うドラマに見えるところが面白いですね。

分かりにくいダメなアニメという感想もありますが、このアニメの分かりにくさって視聴者に考える楽しみを与えるための演出なんですよね。
本当にスタッフの腕が悪くて分かりにくいアニメもありますけど、それと一緒にされちゃってるのがちょっと残念。

分からないからこそ面白いのにね・・・それが好奇心。
すべて把握できないとすっきりしないという視聴者には向かないアニメかもしれないですね。
個人的には、全てが明かされて終わるよりは終わりが無い終わり方のアニメの方が好きです。この世界はまだまだ終わらない的な(笑)


■感想
まず思ったのが、、、あれ? あの人が!{netabare} 生きてるじゃん!
前回、ジーパン刑事殉職みたいな終り方したのに(笑)
貝木ファンとしてはかなり嬉しい展開。

ゴーストバスターと競争して負けるするが・・・泣いてる表情が可愛かったです。
ていうか、あの化け物みたいな足の速さは何!?

ヒゲ生やしてさらにキャラが濃くなってるし(笑)
意外と貝木って登場回数多いんですよね。
この作品に込められた主張を貝木に語らせてるようなシーンも結構ありますし、作者はぜったい貝木のこと好きでしょ(笑)


それにしても阿良々木くん不在のするがってホント普通の女の子なんですね(笑)
人間って相手によって話し方とか性格変わりますけど、するががあららぎ君と話すときに被る仮面は変態仮面だったってことですね。

そしてするがと話すときに貝木が見せる振る舞いは、親戚の普通に優しいオジサンみたいな性格。
悪人のような貝木、善人のような貝木、恋する貝木、優しい貝木、
これまでいろんな性格を見せることで視聴者をビックリさせてきた貝木ですけど、今回の物語はその見る人によって相手の振る舞いが変わるっていうところを作者が主張してるように感じました。おそらく!

しかし、貝木の言葉はいつも深いですね。なんなんでしょうね、このカッコいいおっさんは(笑)
というよりはこの作品に登場する大人ってみんな深いですよね。
現実にこんな大人いないでしょ!ってくらい何かを悟ってる感じの大人ばっかり。

貝木「どの方向から見ても同じ性格のやつはいないし、どの時点でも同じ性格のやつもいない」
深い!
人は人をどう見るのか。
人が真実だと思って見てる他人なんて幻想でしかない。沢山ある側面の一つでしかない。

でもこれって、分かっててもやっぱり主観視点で見てしまうのが人間の面白いところ。


阿良々木くんいわく、
「僕らしさっていうのはお前が決めていたのかもしれない」→するが
「好かれたいやつに好かれたいキャラをみんな演じちゃうものなのかもしれないな」
「そんな演技をしているうちに見失うものも、失うものもあるんだろう」
髪、短い方がよかったなぁ。。
大学生になって深い話が得意になった阿良々木くんなのであった(笑)
あの髪の長さは伊達じゃない!

このアニメって見る人によって見え方が違うネタがかなり多いですよね。
この花物語はとくにこの主張が濃い感じがします。
しかも今まではドラマ仕立てにして雰囲気で主張してたのに、今回は直接言葉にして決定的に伝えてるところが今までと違うところ。


沼地さん幽霊でしたね。。。
八九寺も幽霊でしたけど、今回は幽霊に遭遇するまでの流れがやたら丁寧に描かれているところが、ん?もしかして?
元々存在した幽霊を探し出したように見えますが、するがが悪魔様のうわさをかき集めるうちに思い込んで作り出した怪異にも見えます。

・怪異は周りの期待通りに振る舞う。
・人間がそこにあると思うからそこにある。
そして今回、本人は自分が怪異だと気づいてない。←ここ新しい!
それに気づいて怯えるするがの表情がかなり印象的でした。
え・・・?あの幽霊、、、自分が幽霊だってことに気づいてないじゃん・・・、みたいな。

今回、シリアスな話が続いてあまり面白くないっていう感想が多いみたいですけど、こんな複雑なパズルみたいな物語を書く作者のことですから・・・逆になにか意図があるんじゃないかと考えちゃいますね(笑)
どんなに面白い物語も視聴者に見えてもらえなければ何の意味も無いわけで、そのためには視聴者を作品に引き込む要素が必要となるわけですが。
このアニメではあららぎ君がその役割を担ってる、というわけですね(笑)

逆にこの点が全く理解できてない悪い例が、最近のタイトルの中ですと「グラ◯リップ」ですかね・・・
頑張って我慢して見続ければ面白いかもしれない作品Σ 理解できるかどうか挑戦させてるんだ、という感想もありますが、、、それって、例えるなら、客商売なのに物凄い態度の悪い定員さんと同じ原理ですからね・・・
仮にもプロのアニメーターなら他のアニメ作品と同じくらいの最低限の努力は見せてほしいものです。どんなにおいしい料理も接客が最低だと味を試す気にもなりませんしね。

その点この物語シリーズはよく理解できてると思います。
面白い話を作る能力だけでなく、視聴者の引きを作るテクニックもしっかり押さえてるところが素晴らしい。
つまりそう、、あららぎ君ありがとう!そういうことです(笑)

にも関わらず、なぜ今までみたいにあららぎ君を使って引きを作らないのか?
これまでの実績があるので、そんなに引きを作らなくても視聴者は見てくれるっていうのもあるんでしょうけど、他に何かないか注意してみてみると、、、
怪異に遭うまでの流れをこんなに丁寧に見せるのは初めて?かもしれないんですよね。
怪異の秘密をチラつかせてる?? 今後の展開のための下ごしらえ?

うーん、分からない(笑)絶対何かあるはずなんですよね・・・
{/netabare}

■怪異ってなんだろう?
{netabare}
幽霊なのか妖怪なのか、神様なのか伝説なのか、思い込みなのか、何なのか分からない。
というよりは意図的に何なのか分からない見せ方をして視聴者に予測する楽しみを与えている。
むしろ、どういう見方をしてもつじつまが合うように作られている、そんな作品なんだと思います。
どんな風にも見える世界観、それがこのアニメの重要な魅力の一つなのでしょう。

とあるレビューは怪異のことを幽霊のように解釈してたり、妖怪のように解釈してたり、
そう考えてみると、どんな見方をしてもつじつまが合うんですよね。
想像が現実になる人間原理ネタが一番近いような気もしますが、それは視聴者への見せ方・トリック・誘導ということで全部思い込みとか夢落ちでしたってパターンもありそうですし。
どんなエンディングになってもおかしくないところが面白いですね。

物語シリーズってある意味、視聴者の【期待通りに振る舞う】作品ですよね(笑)
見る人によっていろんな見え方(解釈)になるあたりが。


↓怪異関連のセリフ
忍野「人間がそこにあると思うからそこにある物、それが怪異だ。」
忍野「怪異は周囲の認識通りに現れる。周囲の期待通りに振る舞う。そういう物だ。」
撫子「怪異にあえば怪異にひかれる」
撫子「怪異を知ることで怪異を信じることになってしまう」
貝木「スズメバチ → あれは瞬間催眠というやつだな」
貝木「怪異など俺は知らない。しかし、怪異を知る者を知っている。」
貝木「正確には、怪異を知ると思い込んでいる者を知っているだけなのだがな。」
貝木「お前たちの思い込みに俺を付き合わせるな」
貝木「嘘だろうとどうだろうと、所詮この世に真実など無い。」


1、人の思い込みが怪異ということらしいですね。

じゃあ、ただの想像がなんで現実に影響を与えるのか?
人間原理ネタ的に実際に現実に影響を与えてるという設定の可能性もありますし、
現実に影響を与えてると思い込んでるだけという可能性もありますよね。
例えば、自分が見ている怪異が周りの人にも見えてるというシーンは、単に周りの人にも見えていると観測者が思い込んでるだけの可能性もあるわけです。

そもそも、怪異が見えるキャラが中心で展開していくアニメなので誰にでも見えると錯覚しがちですが、八九寺のように見える人が限定される怪異やシーンもありますしね。
起きているときに夢を見ているような状態と言えばしっくりくるかもしれないですね。正気の人間には想像しづらい状態ですけど。
夢の中ではこれが夢だと気づかなかったり、現実離れした現象にも違和感を感じなかったり、そんな状態に近いのかも。

現実に影響を与えているのかいないのか?
どちらでもつじつまが合うように作られた物語。
視聴者に予測する遊びを持たせるようなスタイル。上手いですね。。。

2、周囲の期待通りに振る舞う

たとえば、しのぶが体だけでなく性格まで子供っぽくなってるのは、あららぎ君がそういう風に見ているからそういう振る舞いをしているということらしいですし。
八九寺にしたって自分で考えて行動してるように見えますけど、あららぎ君がそういうリアクションを期待してるから思い込みでそう見えているだけという可能性も。

3、暗闇

400年前しのぶが暗闇に追われたとき嘘をついてたのはしのぶなのに住人まで消滅するのはおかしい、という感想もありますけど。
そもそも怪異は周囲の住人の思い込みなんですよね。
住人が消えたと思い込むか忘れるかしない限り存在し続けるもの。
ですから、住人が先に消えるのは必然なんでしょうね。
まあ、この現象にしたって住人が消えてると観測者が勝手に思い込んでるだけとか、あるいは元々別の理由で消滅した住人達にもっともらしい観測者の理由づけがされたという可能性もありますよね。

暗闇ってひょっとすると周囲の認識のずれなのかも?
吸血鬼が神様になるというのが誰かの思い込みだとすると。
本当に神様だと思ってる住人と吸血鬼だったことを知ってる住人とで認識のずれが生じますよね。
話を照らし合わせるとつじつまが合わなくなって信仰=思い込みが薄くなり消滅する。みたいな。

4、貝木はどちら側?

貝木にはおそらく怪異は見えていないんでしょうね。
ただし、見えないから、信じてないからといって他人を信じ込ませることが出来ないわけでは無いですし、見えてるか見えてないかはどちらでも良いわけです。
そして忍野達とつながりのある貝木のことですから同じ技術を持っていても不思議じゃないですし、相手を思い込ませることで怪異を見せる、なんてこともできちゃうんでしょうね。

例えば、スズメバチは瞬間催眠だと言う貝木ですが、掛けられる側がそれを怪異だと思い込めば怪異なんでしょうし、
貝木がどちらなのかに関係なく見る側がどう思い込むかの問題。
貝木の目には勝手に思い込まされて一人芝居をしているような相手の姿が映ってるんじゃないかな?

貝木がなでこの説得に失敗しかけて蛇に縛られてたシーンがありましたけど、
何も見えてないのに縛られてる感覚があっただけなのかもしれないですし、
痛がる一人芝居をすることでなでこに思い込ませてただけなのかもしれないですし、
なでこが勝手に痛がる貝木を想像していただけなんて可能性もあるんですよね。

でもそう考えると実は忍野も怪異が見えて無いのかもしれないですね。
見えなくても退治できないってことは無いでしょうし。
ひたぎのカニのときも怪異をつかんだり投げ飛ばしたりしてましたけど、その前のシーンで「僕にはまったく見えないがねぇ」と言ってましたし、少なくともカニは見えてないはずなんですよね。
あのカニはひたぎの思い込みで、カニをつかんだり投げ飛ばしたと一人芝居をすることでひたぎに思い込ませていただけ、、、という可能性もあるんですよね。

貝木と忍野、二人には怪異が見えてないかもしれないですし、見えてるかもしれない、
怪異を信じてないかもしれないですし、信じてるけど見えてないなんて可能性もありますよね。
たとえ本人の口から告げられたとしても本当のことを言ってるとは限らないですし、
視聴者としてはすっきりしないところですが、、、それが色々予測できる面白い要素にもなってますし。
どちらなのかに関係なく見る側が何を信じるか、ということなのでしょう。

そう考えると、この二人って表向きの言ってることが違うだけで実際には同じような人物っていう可能性もあるんですよね。
{/netabare}

■ここからは推測なのですが・・・
先がつまらなくなる可能性があるので見るかどうかはご注意下さい。
{netabare}
貝木は怪異かもしれないですね。
色も白いですし、かいい と かいき という名前も・・・
作者の力の入れ方からしても、何かあるんじゃないかなと考えざるを得ないキャラクター。
忍野達と知り合いという割には2ショットで並んでるシーンが無いのも少し奇妙なんですよね、偶然かもしれないけど。


↓ここからは貝木が怪異だったらという前提で過去のシーンを思い返してみます。

飽くまで複数の人が共通認識する詐欺師という振る舞いはそのままで、
性格が毎回違うのはおそらく見る人の期待がそうさせてるんでしょう。
というよりは、自分の認識に周囲からのすりこみが混ざってるという感じかな。

・ひたぎ にとっての貝木
助けてくれる人なら誰でも好きになってたでしょうねと語るひたぎの前には、ひたぎに片思いしてるように見える貝木。
ひたぎってファザコンだからあの父親の無口キャラが貝木に影響してるのかも。
母親と別れたくはなかったけど、その重さをカニに丸投げしたところを見ると深層心理では別れたいとも思ってたでしょうし、
その別れるための汚れ役を引き受けてくれるキャラを期待して貝木がそれに答えたという風にも見えますね。
誰かのせいで分かれることになったと思い込む方がひたぎにとっては楽だったってことなんでしょう。
そもそも言うとおりに謝ったり、町の中に入らなかったり、悪人がそんな都合よく動くところが不自然ですよね(笑)

・委員長ちゃんにとっての貝木
ほとんどこの二人のカップリングは無いですね。だから、委員長ちゃんだけに見せる振る舞いは無し。
おそらくこれにも理由があって、誰かに頼るような弱みを絶対見せられないあの性格を考えると、貝木に期待することが何もなかったということなのかな。
周囲には影響与えていないけど、あの性格のせいで逆に自分の中に怪異を生み出しちゃったパターンですね。

・ファイヤーシスターズにとっての貝木
悪人ではなく悪役を求める期待に応えてものすごく悪い印象の貝木。
結局、殴っても何も解決しないとか子供のようにあしらわれて勝てなかったのも、かれんの心がそうさせたのかな。
心の底では正義なんて何の役にも立たないということに気づいてたんじゃないかな。

・するがにとっての貝木
猿の手の解決方法を教えてくれる優しいオジサン。
猿の手に取り憑かれ、競走で絶対に負けられないという苦しみを抱えるするが。
あのゴーストバスター貝木の異常なスピードはおそらく・・・
心の底では苦しみから逃れて競走で負かしてくれる相手を望んでいたということなのでしょう。
悪魔パーツのコレクターの話は猿の手から逃れたいするがの期待がそうさせたんでしょうね。


最初、貝木はものすごい詐欺師の悪人として登場し、次にひたぎの命を救う正義マン、そして今回は優しいオジサン。
変わり具合が凄かったですよね。
でもそれって人間なんだしいろんな側面あるのは当然なのかな。
と思いきや!
実はいろんな性格を見せてたのは人間ではなく怪異としての振る舞いでした。
みたいな展開になるかもしれませんね。

人間だったとしても怪異だったとしても、同じふるまいを見せる・・・

貝木も自分で「どの方向から見ても同じ性格のやつなんて居ない」としつこいくらいに言ってますし。
今までもあったこの主張が、花物語になってしつこいくらいに濃くなってきたところを見ると何かあるんじゃないかと考えちゃいますね。


偽物語の時に、ひたぎからあなたは偽物だと言われたときの台詞
「そう、その通り俺は偽物だ」
これって詐欺師として偽物だという投げかけなんですけど、ひょっとすると存在自体が偽物だという返事だったのかも・・・・
偽物語というタイトル、貝木そのものが偽物の物語という意味も含んでたのかもしれないですね。
ゴーストバスターっていうかお前がゴーストだったんかい!みたいな(笑)

貝木じゃないにしても誰か重要なキャラクターが怪異だったみたいな展開はありそうなんですよね。
あららぎ君が彼女だと思ってるひたぎが実は怪異っていうパターンもあるかも。
前から不思議だったのが、しのぶって女の子に嫉妬する割に一番バッティングしそうなひたぎとの2ショット見たことないんですよね・・・
たまたまなのか、嫉妬してるから影から出てこないのか、それとも何か別の理由が・・・?

さすがに全部夢落ちでしたっていう展開は無いでしょうけど、
ひょっとしたら、居ないことにされてる自虐ネタで笑われてたあららぎ君が実は本当にいなかったって展開だったらちょっとウケますね(笑)

これだけ緻密に構成された物語を書く作者ですから何かビックリするトラップを仕掛けているに違いない!と期待しちゃいますね。

以上、ただの憶測でした!
{/netabare}


■主観って(アニメに関係ないので哲学や物理が好きな人だけ見てください)
{netabare}
見る人によって違った見え方になる。

主観ってそもそも物理法則レベルで仕方がない話。
宇宙に絶対が無くすべてが相対的であるようにその物理世界に存在する人間の脳、シナプスの活動が絡み合った人の思考にも絶対が無い。

・脳
人間の脳は情報を蓄積し新しく入って来た情報と蓄積された情報を【比較】する装置みたいなものなので、この【比較】する作業が思考の正体ですね。
なので、自分が自分で考えて行動してると思ってることも、実際には蓄積された膨大な情報=無意識と何かを比較している機械的な作業に過ぎないということです。
そして、比較対象がなければ人は考えることが出来ないということです。

絶対的な比較対象が無いのに人は何を基準にするのか。
脳に蓄積された膨大な情報これを仮に深層心理と呼ぶなら、人は何かを考えるとき無意識のうちに深層心理から比較対象を選び出します。
これが主観の正体ですね。

選び出すというよりは、あみだくじに近いかもしれませんね。
ものすごく複雑なので運任せに見えますが、実際には判断する前に答えは決まっている。
脳に情報が入る前にその情報が処理されるルートが決まっている。

「言葉にした時点で脚色が入る」と言いますが、むしろ、
人が何かを見たり聞いたり、得た情報が脳内に格納され理解した時点ですでに脚色が入ってる、ということなのでしょう。

なので、こればかりはどんなに経験を積んでも少なからず主観が入ってしまう。
まあでも、主観が入ることを前提に考えられるならほとんどの場合問題わけですが。

そして人物の見え方だけでなく、正義や悪、倫理観、好き嫌い、人が見てる世界は全てが主観ということです。

いきなり宇宙空間に放り出されると精神が崩壊しそうになると言いますけど、これって何もない空間には比較対象が無いから自分を見失って思考が狂うってことなんでしょうね。
普段どれだけ無意識に比較対象を選び出してるかというのを実感できる良い例。

・人が作り出す絶対
この世に絶対は無いのにあるように感じるのは何故でしょう?

それは、絶対的と平均的を区別できてないというのが一つ。
絶対はないけど、多くの人がそう思うであろう平均値は実際にあるわけで、人間が人間社会で生きてくにはこの平均を基準にしていれば大抵上手くいくわけです。
飽くまで平均は平均、この平均が通用しない人がいるということは忘れないようにしたいですね。

そして、勘違いの二つ目が定義された絶対。
これはこうなのだ、あれはああなので、という絶対的な環境パラメータが定義されたグループの中に限定されますが、絶対的な基準をもとに間違えようのない判断をすることが可能となります。
噛み砕いていうと、りんごはりんご、りんごは赤い、とか。
1+1=2
のようなものです。
りんごが赤いのは当たり前でしょ?と思うかもしれませんが、別の生き物から見たら赤くないかもしれませんよね。
そもそも犬みたいに景色が白黒で見える生き物もいますし、赤が赤く見えない生き物もいるかもしれません。
1+1=2、これは間違えようもない、宇宙共通でしょう?と思うかもしれませんが。
この時空とまったく異なる物理法則のパラレルワールドがあるとしたら、そちらの宇宙ではこの数式が全く通用しないかもしれません。
{/netabare}


▲ファーストシーズン
2009.07 → 15話 【化物語】
2012.01 → 11話 【偽物語】
2012.12 → 4話 【猫物語(黒)】
▲セカンドシーズン
2013.07 → 26話 【猫物語(白)→傾物語→囮物語→鬼物語→恋物語】
2014.08 → 5話 【花物語】
▲ファイナルシーズン
▲ネクストシーズン
▲劇場アニメ【傷物語】※主人公のエピソード → {netabare}こよみが吸血鬼になったストーリー。2012年公開予定だったのに延期され、現在は未定。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「変態の阿良々木暦」の意志を、「変態の神原駿河」が受け継いだ物語。

2014年8月一挙放送。
全5話。


【前置き】

元々本作は、2013年に放送された「物語シリーズ セカンドシーズン」の中の一章として組みする作品なのですが、本作だけ時系列的に大きな違いのある作品ということで、別枠での放送が決定しておりました。
当初の放送予定は、2014年に放送された同じくシャフト制作のアニメ「ニセコイ」の後枠である6月中。
……が、制作上の都合で予定が変更となり、同年8月に一挙放送と相成ったワケです。

結果として蓋を開けると、セカンドシーズン放送開始から計1年以上も待たされたことになり、ファンとしては中々辛い思いをしました…。
(でもまぁ、傷物語の延期具合に比べれば……ね。)

ただ、視聴し終えた今となっては、本内容を別枠にした理由や、放送を延期しただけのクオリティに関し、全て納得のいくものでしたので、総じてとても満足しております。



【あらすじ】

かつて、どんな願い事も魂と引き換えに叶えてくれる怪異の左手を手にした女子高生『神原 駿河(かんばる するが)』。

阿良々木君との一件でその怪異は去ったものの、後遺症としてその左腕は怪力を発する毛むくじゃらの「猿の手」だけが残り、彼女はそれ以来、左腕を包帯で隠し日常生活を送っていました。

それから11ヶ月、彼女が高校3年生になった春のこと。
神原は、奇妙な後輩「忍野 扇(おしの おうぎ)」より、なんでも願いが叶うという「悪魔様」の存在を聞きます。

「願いの叶う悪魔」に因縁めいたものを感じた神原はその正体を突き止めますが、そこに居たのはかつてバスケットボールで彼女と競い争っていた相手『沼地 蠟花(ぬまち ろうか)』だったのです……。



【論じてみる】
{netabare}
本作は、セカンドシーズンの多くと同様に、主人公である阿良々木君の視点ではなく、各ヒロイン(今作では神原)を視点に物語が進みます。

そして、時系列で言えば阿良々木君が高校を卒業した後が舞台であり、アニメ内では本作のみ飛び抜けて一番新しいエピソードであることが分かります。
登場人物こそ少ないものの、劇中で一番新しいエピソードということで、時が経った各キャラクターを見れることは、それだけで十分新鮮味があり楽しかったですね。
この時系列ならば、別枠での放送にも納得でした。

まぁそれ抜きにしても、「レズ」「露出狂」「BL好きの腐女子」「ロリコン」「マゾヒスト」「欲求不満」等々……。
メイン個性を重ね着したような型外れなキャラクター『神原 駿河』を主軸に話が進むだけで、もう既に非常に面白いのですけどね。
シナリオとしてはシリアス方面の色が強いので、その個性も(少し?)抑え気味に描かれてはいましたが。


作画に関しても、セカンドシーズン以上に目を見張るシーンが多く、時間をかけただけの出来であったことは間違い無いでしょう。
水しぶきが上がるシーンや、以前にもあった神原家の本のドミノ倒し、それにお肉の生々しくも美味しそうな様(これは夜に見てはイケない!!)など、紙芝居の中にも趣向を凝らした絵が沢山あり、非常に見応えがあって退屈させられませんでしたね。



さて、本作で登場する、神原のかつてのライバル『沼地 蠟花』。
彼女は、疲労骨折で足を故障し、松葉杖での生活を余儀無くされてから、新しい趣味として「願い事を叶えてくれる悪魔様」を名乗り、不幸な相談事に乗っていました。
しかしそれは、「他人の不幸は蜜の味」という名の下で、その不幸話を収集するでしか無い、とても褒められたものではない悪趣味な生業だったのです。

『私に…、悪魔様に相談してくる高校生達の手紙は、それに録音した通話記録は…、私の何よりのコレクションだよ。』

淡々と、とても下卑た台詞を並べるものだとは思いましたが、実際に彼女のような状況下に置かれたら、そのような不幸話でも聞いて笑っていないと、自身を保てないのかもしれません…。
それが本当の解決策で無かったことは、「本人の真実」を聞いて分かりましたが…。

声を担当した阿澄佳奈さんは、基本的に見た目も内面も可愛らしく(加えて小さい)キャラクターを演じることが多いので、このような立ち振る舞いをするキャラクターは新鮮でしたね。(あっ、やっぱり小さいですけどね。)
ただ、やはり低音を意識していたとはいえ素の声は可愛らしいので、同じくシャフト制作の「魔法少女まどか☆マギカ」の佐倉杏子(声.野中藍さん)のように、基本的に可愛くて素直な子だったのが、あるキッカケによりちょっとムリをして悪ぶっている感じに思えましたね。
実際、この「沼地 蠟花」も、そういう子だったんだろうなと、私は思っています。


趣味敵とも呼ぶべき、神原の左手に宿る「願うを叶える悪魔」を、神原から奪った沼地。
ひょんなことからこの怪異の存在を知った彼女は、神原だけでなく、色々な噂を元に数々の悪魔の部位を見つけ出し、自らに取り込んでいたのでした。
それは、いつか自らが怪異そのものとなるのも同じ……。

それを本人は可哀想とは微塵も思っていない、そして誰に迷惑をかけているわけでもない。
それでも神原は、それを放っておくことは出来なかったのです。

偶然出会った阿良々木君(←服装もうちょぃなんとかならなかったの?)の助言の元、神原は彼女に、バスケットボールでの対決を挑みました。
彼女の趣味を止めさせる為…、そして彼女に真意を突きつけ…救う為に……。

「一番良いのは、やって後悔しないことだ。」

この時の神原の台詞には、グッときましたね。

この勝負での神原のプレーは、同作者の「刀語」を彷彿させる奇策そのものでしたね。
ただ私的には、この勝負自体は重要でなく…プレーの中で「負ケタクナイ」「私モダヨ」とお互いに人間味ある意思疎通が交わせたことこそが、物語の全てだったように思います…。
最後に阿良々木君が、神原に


『オマエは、正しいことをしたわけでも、間違ったことをしたわけでもないんだから…。

 オマエは……、青春をしたんだ…。』


と言ったように…。

こう、またなんとも綺麗な締め方をするところが、阿良々木君の格好良さですね。

「オマエくらいだからな、僕のトークのアンダーグランドに付いて来られるのは。」

と互い認め合うこの2人の関係は、時が経っても寸分も変わること無く、これからもこうあり続けることでしょう…。


エンディングは物語シリーズ定番、各ヒロインが歌う新作主題歌
『the last day of my adolescence』「神原駿河(沢城みゆき)」。
これも定番通り作詞「meg rock」に作曲「神前暁」…とはいきませんでしたが(神前さんが療養につき活動休止中の為)特に違和感無く、というより映像にグイグイ惹き込まれるカタチで、とても魅入ってしまいました。
(ラップの部分は、少し虚をつかれましたが。)

その映像というのが…、もし沼地と神原が中学時代にバスケットボールを通し仲良くなっていて…、悪魔なぞに出会うこと無く、高校時代をお互い過ごしていたら…というパラレルワールド。
そこでも沼地の足は怪我を負ってはいたようですが、同じ直江津高校のユニフォームを着てせめぎ合うラストシーンは、作中とは違ったカタチですが、ちゃんと沼地が救われていることが窺え嬉しかったですね。

泥沼ディフェンスで知られる「毒の沼地」と「神速天使 神原」の大勝負。
その勝敗は誰にも分かりませんが最後、ハーフラインから飛んでいた神原に…、軍配が上がることはあったのでしょうか……(笑)
{/netabare}



【吉報であり凶報でもある第2話】
{netabare}
そうそう、吉報であり凶報としても忘れてはいけないのが、本作第2話。

セカンドシーズン最後の物語『恋物語』のラストで、衝撃的な最後を迎えた『貝木 泥舟(かいき でいしゅう)』の生存が確認されたのは、非常に嬉しかったですね。
(と言っても、霊的な者が存在するこの世界観では、安心は出来ませんが…。)

詐欺師として、人を信じず、金に汚く、非人道的で、息を吐くように嘘をつく男、「貝木 泥舟」。
しかし、こと神原に対してだけは、

「本来そんなことは、天変地異が起ころうともありえないのだが、今日に限りお前が相手に限りっ!!

 …………特別だ……、お茶くらい奢ってやる…。」

と、優しく手厚く?接してくれるのでした。
なんだかんだで、予約までして焼き肉を奢ってくれてましたしね…。

しかし初顔合わせでの、あの神原をも出し抜く貝木の異常な脚力(というか走り方)には、思わず吹いてしまいました。
素で泣いてる神原も、可愛かったですしね。


貝木は、昔まだ神原の母親が神原を生む前…、まだその母親が「臥煙 遠江(がえん とおえ)」と呼ばれていた大学生時代…。
彼女に、淡い憧れの感情を抱いていたと告白します。

この貝木が、そのような過去を正直に?吐露するのは、これまた新鮮でしたね。
そんな昔話をしながら、「肉を食え肉を」と促しつつも、その憧れの人から「駿河を気にかけてくれ」と頼まれたことも告げたのです…。
もうここまでくると、ホント神原の思った通りの「無愛想だが親切な親戚のおじさん」みたいな立ち位置でしたね。


『俺はお前を騙さないし、俺はお前に害を成すつもりはない。

 だからお前は、俺を嫌いになれない。

 好きな奴がお前のことを好きなってくれるとは限らないのと同様…、

 嫌いな奴がお前のことを嫌いになってくれるとは限らないんだよ。』


彼が最後に差し出した『ゴーストバスター(←削除)貝木 泥舟』の名刺からも、この台詞の本心ぶりが窺えた気がしましたね。
しかしコイツはやっぱり、ほんと
「どーしようもない小悪党の癖に、言うことだけは格好えぇ。」
ですね。(↑誰の台詞かピンとキタ人は、通ですね♪)

「恋物語」以降、彼の人気はウナギ登り気味な感じを受けますが、何を隠そう私は(←誰も興味ねぇよ)彼の初登場時「偽物語」での小悪党でしかない頃から、メチャクチャ大好きなのです。
いやはや…、私は非人道的なキャラクターが好きなのかもしれません。
最も、それ故の強烈なアイデンティティーが、そのキャラクターにあってこそですけどね。
{/netabare}



【総評】

シナリオも良し、作画クオリティも申し分無し、サプライズもあったりと、私的には待たされただけの面白さは十分味わえた内容でした。
沼地の過去回想に関しては、かなり尺をとっていて長くは感じましたが、私的には絵のギミックを見るのも楽しみの一つなので、それ程気にはなりませんでしたしね。
総じてセカンドシーズンの物語の中でも、非常に見応えあり楽しめた作品でした。
(一挙放送だから印象値も違うので、後々どう変わるかは分かりませんけど。)

ただ、なにぶん長編の物語となってきた「物語シリーズ」なので、時系列や各々のキャラクターについて前情報は必須。
故に、初めての人の敷居が高くなってしまっているのは残念です。

それでなくとも、この演出も含めて合わない人は合わない作品だとは思いますし、見れば見るほど味が出る作品でもありますので、初見では今の評価程の楽しみを味わえない方が多くなっているように思えました。
全シリーズアニメ化を謳っているので、これから映画「傷物語」や「ファイナルシーズン」へと、まだまだ継続して制作されていく作品になるかと思いますが、その頃にどれだけのファンを獲得しているか、そしてどれだけのファンが残っているかも、作品の評価の別れ目となっていくことでしょう。

まぁ私は、このキャラクター達の良い意味で無駄な会話劇にトコトンハマった人間ですので、最後の最後まで付き合うこととなるのでしょうけどね。
そんな私には、この新作一挙放送の2時間は、とても贅沢なものでした。


さて、次は「傷物語」ですよね。
聞いた限りでは、2012年公開と耳にしていた筈……。

……………。

どこで世界線を間違えたのだ私はっ∑(゚д゚lll)!!


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
{netabare}『貝木 泥舟』声 - 三木眞一郎さん{/netabare}


◇一番可愛いキャラクター◇
『日傘』声 -日笠陽子さん



以下、どーでもいい駄文なので〆ます。
{netabare}

作中、神原と阿良々木君とがメールで、

神原【昔の知り合い(女の子)に、おっぱい揉まれた。】

阿良々木君【僕も混ぜて!】

と、やりとりする場面がありました。
(返事がなくて阿良々木君は、焦っていましたがwww)


なるほど……。
女子高生に対しては、こういう卑猥な返事がウケるということでしょうか……。

よし…よし………うん…、…今後はこう対応してみよう……グヘヘ。

………………。

…………。

……。


……あぁ、そうか…。


貝木の言葉を借りるなら……

「この件から俺が得るべき教訓は、今の自分には…女子高生から連絡が来ることなぞ、一切無いということだ…。」
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 60

83.4 13 幽霊アニメランキング13位
輪るピングドラム(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2090)
10556人が棚に入れました
双子の高校生・冠葉と晶馬、そして妹・陽鞠は三人で暮らしている。余命いくばくもない陽鞠を連れて、ある日水族館を訪れた兄弟たち。楽しく過ごす中、倒れた陽鞠はそのまま息絶えてしまう。霊安室で絶望する冠葉と晶馬だったが、死んだはずの陽鞠が、突如ペンギンの帽子を被り起き上がり叫んだ! 「生存戦略!」「妾はこの娘の余命を伸ばすことにした」。だが、被っていた帽子が落ちると、いつもの陽鞠に戻っているのだった――。不思議なペンギン帽子のおかげで、
陽鞠の余命は少し伸びたのだ。ペンギン帽子を被った陽鞠が再び、冠葉と晶馬に命ずる。「ピングドラムを手に入れろ!」ピングドラムとは何か。そのカギを握るのが、女子高生・苹果という人物と解り、探り始める冠葉と晶馬。ある偶然から陽鞠と苹果が仲良くなったことから、苹果が高倉家に出入りするようになり……!?

声優・キャラクター
木村昴、木村良平、荒川美穂、三宅麻理恵、石田彰、能登麻美子、堀江由衣
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

同世代透明存在の独白

2019年3月30日 初稿
2019年(令和元年)5月1日 追記
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リサ「うーん、幸福ってなに?」
マナブ「またすごい質問だなあ」
リサ「なんだと思うの?」
マナブ「そうだなあ、わからないけど、なんとなく、今思ってるものだけどいい?」
リサ「うん、なに?」
マナブ「ガラクタ」
リサ「えー、幸福はガラクタなの?」
マナブ「気に入らなかったら、違うのもある」
リサ「なに」
マナブ「ほら、マンガとかでさあ、馬の頭に釣竿つけて、先っぽにニンジンつるすでしょ。馬はそれを追いかけてずっと走るって」
リサ「うん」
マナブ「あのニンジン」

『CARNIVAL』SINARIO3「TRAUMEREI」より抜粋
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1.同世代透明存在の独白
平成が、終わった。
振り返ってみると、どんな時代だったか……?
そう考えてしまう日も、近頃多かったな。
悪い事ばっかだったと思うけど、良かった事もあった気がする。
現在を生きているから、現在を客観視出来ない。
悲しき現状、生者全てが辿り着く真理

そんなどうにもならない上記踏まえて個人的見解、嫌な事ばかりだった。
辛く苦しい悲しみの時代
アイ(愛、I)を喪失した時代
平成不況、失われた10年、大災害勃発、猟奇事件頻発
そんな中で生を受け成長した俺達は、多くが「きっと何者にもなれない」と言う漠然とした確信を抱えていたと思う。
断定出来ない、自分だけかもしれない、でも俺はそう感じてた。
「頑張れば『生きる意味』が見出せる」社会はもう無くて。
「頑張ったって『生きるだけの意味』は見つからない」のが俺の社会になった。

この『輪るピングドラム』と言うアニメは、そんな呪縛が「自分だけのモノじゃなかった」と実感した作品だ。
無宗教無信仰な人間に齎された「赦しの寓話」
自らの価値観に強く根付かれた「人生の物語」
そんな個人的解釈が、今日になっても生き続けている。

別の言葉で語るなら、本作は俺に「生きるだけの意味」を与えてくれたんだ。
上手く生きられない俺の欲しかったメッセージ
口下手な俺が心中にて思い描いていた理想世界
俺の代わりに伝えてくれた叫び、信念の媒体物
「『輪るピングドラム』は『俺』の想いの『代替物』だ」
視聴時に思ってしまった事は、今でも記憶に新しい。

宗教は自分の人生に「意味」を植え付けるモノだと、何かで読んだ記憶がある。
神様の存在は、自らの実存を肯定してくれる。
神様の存在は、自身の死をも肯定してくれる。
宗教とは、人生を全肯定してくれる概念、人民にとっての「縋り」
でも、神はもういない。
一部の層には未だにいるが、普通の人にはもういない。
それは、人間が考える頭を持ってしまった故の結果
宗教学より哲学こそ隆盛を誇ってしまった故の結末
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冠葉「神様なんて、いないんだろ?」

『輪るピングドラム』第1話
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それはつまり、人生の意味を与えてくれる存在が消失したと言う事
勿論、宗教に依存せず、新たな意味も見つけられるだろう、人間そんなに弱くない。
でも、だったら次はどこに頼ればいい?
社会、仕事、恋愛、趣味、家族、友人、多くある。
でも、俺の生まれた時代から頼りになる概念はどんどん少なくなっていく。
消失の一途、次第に減少していく「意味」
世間的に「まだまだ」の若輩者でさえ、既に多くを失くしている。
これら全てを失くしたら、いよいよどうやって生きていけば良いんだろう。


生きていく「意味」が、分からない。


『輪るピングドラム』はそんな奴等に向けられた物語だ。
「物語」を無くした人に向けられた、新たなる『物語』
宗教、社会、仕事、恋愛、趣味、家族、友人
これらに続く新たなる依存先『輪るピングドラム』
永遠にして不変なる依存対象『輪るピングドラム』
本作は「人生」を無くした人に「意味」を与える『物語』
観終わった今、以上の様に思う。



視聴前、難解だ難解だ難解に次ぐ難解だと、耳にたこが出来る程言われた。
相手の口に酸味成分100%で告げられた故「どんだけこの作品難しいんだよ」
少しばかり身構えて観た事を憶えている。
しかし、個人的見解から語るに、本作はそんな難しい話じゃない。
「ピングドラム 考察」で検索すると、出るわ出るわ数多の解釈
物事を深く考え過ぎているんだろう、THE 日本人
演出それぞれに明確な意図があると思い込む、言わば考察の蟻地獄だ。

この暗喩が○○の事件に関係している。
ここの演出は○○を意図した描写だよ。
ああ、そういう考察も間違いじゃないと思う。
色々解釈を与える為、敢えて本作の如き作風にしているのは、全話観たなら火を見るより明らか
ただ、それはこの作品の理解に必ずしも必要って訳じゃない。
そこはあくまで、メッセージを伝える為の一土台に過ぎない。
大事なのは、この作品が伝えたかった事を「感じられる」かどうかだ。
沢山考えて良い、色々思い浮かべて構わない。
でも、最後のメッセージはどうか「感じて」観て欲しい。
その時こそ「観て良かった」と、明確に思える作品になる筈だ。

「『輪るピングドラム』は賛否両論の評価を生み出した難解作品」
そう捉えられた事に、安堵と恐怖を同時に感じた。
安堵したのは何故か?
この内容を1回観ただけで分かってしまう世界は、悲しすぎるから。
恐怖したのは何故か?
この内容を1回観ただけで理解してしまう人が、一定数いる証明だから。
分からなかった「お前達」が、がっかりする事は無い。
本作が分からないのは、今が幸せな証明だ。

俺は思う。
本作をはっきり「つまらない」と断罪する人
本作を単純に「おもしろい」と断言出来る人
それはなんて幸せな事なんだろうなって。
幸せに生きている事を、自覚していない幸福者
そして、それはとても素晴らしい事だ。
知らない方が良い、分からなくても良い事というのは世の中、確かにある、あってしまう。
出来るのであれば、そういった概念こそ無くなって欲しい。
けど無くならない、それが現実
だからこそ上記のような方には、知らない分からない状態がこれから末永く続く事を祈るんだ。
出来るだけ永く「幸福」であり続ける為に……

その理論で言えば、俺は絶対「幸福」になれないだろう。
俺は2度と本作を忘れる事は無い。
俺は2度と本作から逃れられない。
だから、せめていつか、この作品を真の意味で肯定出来れば良い。
俺はまだ「ピングドラム」を手に入れていないから。
俺はまだ「輪るピングドラム」に辿り着いていないから。
本作を観て、止まらない涙を得ながら強く思えた、それが今現在俺の近況です。
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リサ「ねえ、ニンジンを追いかけちゃだめかな?」
マナブ「あれは、どうやっても届かない仕組みになってるんだよ」
リサ「うん、わかってる。いいんだ、なんか、一生懸命走りたいの。後悔したくない」
マナブ「それなら、しかたないね」
リサ「しかたないなあ」

『CARNIVAL』SINARIO3「TRAUMEREI」より抜粋
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2.『輪るピングドラム』完全理解へと至る個人的解釈
正直、書かなくて良いと思った。
なぜなら『輪るピングドラム』は、自分自身で観て「感じる」作品だから。
本作を1番理解したのは「意味不明だけど涙が出てきた人」
暗喩表現で支配された作品には、視聴者の数だけ答えがある。
そんな概念に確定的解答を植えつける事こそ、正しく傲慢の表れだろう。

初見なら考察サイトは観ない方が良い。
自らの想いのまま、心に響いて、胸が痛くなった箇所だけを大切にすべきだから。
色々な言葉があって、表現があって、どれが耳に残って離れないかは人それぞれだから。
出来るのであれば、それをずっと憶えていて欲しい。
そして、余裕があったのなら、手前の頭で考えるんだ。
それが、本作を観た人間にとって「大切な一部」となる。
観終わった時、貴方が感じていた事、考えていた事
それが、貴方にとっての正解だ。

だから、以降の内容はこの批評を読んでいる読者様の自己判断に任せようと思う。
自分が辿り着いた「感覚」を、喪失させたくないなら絶対に見るな。
どうしても分からない、でも拠所となる何かしらの答えを知りたい。
そんな「生きる」覚悟をどうしても忘れられないなら、持っているなら……
確定事項でない事のみ念頭において、どうか読んで欲しく思う。




①『銀河鉄道の夜』と『輪るピングドラム』
{netabare}
第1話で小学生男子2人が語っていたのは『銀河鉄道の夜』
本作は、著者の宮沢賢治が亡き妹トシの想いを胸に、幾度も推敲を重ねて作った作品
その為、途中のストーリーに形態毎、大幅な加筆・変更が多く発生している。

「『輪るピングドラム』は『銀河鉄道の夜』に関係している!」

これは正しいんだけれど、正しくない。
どのヴァージョンに準えて『輪るピングドラム』は作られたのか。
考察するとしたら、そこまで言及しないと不完全と言えるだろう。
-----------------------------------------
[『銀河鉄道の夜』の違い]
【第1次稿】(「九、ジョバンニの切符」孔雀のシーン「そしてあの青い橄欖の森が~」から現存)
・「青年」と共に登場している人物は「三人姉妹」と「男の子」(【第2次稿】も同様)
・「琴の宿のお姫様」←カムパネルラがうっとり見ていた(恋慕)
・ブルカニロ博士登場(【第3次稿】まで同様)


【第2次稿】(「九、ジョバンニの切符」冒頭から現存)
・苹果がジョバンニとカムパネルラに渡されない
(長姉が「苹果」を5個所持→2人の妹、男の子、青年に1個ずつ渡す)


【第3次稿】(「四、ケンタウル祭の夜」から始まる)
・父親がラッコ密漁に伴う他人への殺傷→監獄へ収監
・「青年」と共に登場する人物が「女の子」と「男の子」(姉弟)へ変更(【第4次稿】も同様)
・燈台守が初登場
・苹果がジョバンニとカムパネルラに渡される(【第4次稿】も同様)
(燈台守が「苹果」を所持(個数不明)→姉弟、青年、ジョバンニとカムパネルラに渡される)


【第4次稿】(後期形。現在一般的に流布されている『銀河鉄道の夜』)
・午后の授業より始まる
・父親が監獄へ収監されていない
・ブルカニロ博士消失
-----------------------------------------

と、一部を一覧にしただけでここまで分かれる。
そして『輪るピングドラム』とこれら4つのヴァージョンの適合性を検証してみると、実に面白い事が分かった次第
『輪るピングドラム』は『銀河鉄道の夜』全Verを参考にして作られた作品だった。
しかし、余りにも膨大な情報量故、全て書き上げるのは不可能と判断
参考にしたサイトのURLを貼った上で、纏める形と相成った事、ご了承願いたい。

-----------------------------------------
[『銀河鉄道の夜』と『輪るピングドラム』]
◎『銀河鉄道の夜』におけるトシのイメージ的存在
○2人の場合(【第1次稿】【第2次稿】)
・「琴の宿のお姫様」……宮沢賢治の妹に対する恋慕表現(カムパネルラがうっとり見ていた)
・「青年」と共に登場する「三人姉妹」の長女
               ↓
冠葉によるお姫様「陽毬」と「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」への愛情描写


○1人の場合(【第3次稿】【第4次稿】)
・「女の子」(「姉」)

《参照URL》
http://oryzajpn.com/archives/7077627.html
http://oryzajpn.com/archives/7273171.html
http://oryzajpn.com/archives/7643255.html
http://oryzajpn.com/archives/8224312.html



◎「三人姉妹」【第3次稿】にて統合・分離→トリプルHの原型?



◎ひかり=エネルギー=生命(【第3次稿】)
         ↓
冠葉「晶馬、俺は手に入れたよ、本当の光を」
by 『輪るピングドラム』第24話より

《参照URL》
http://oryzajpn.com/archives/3257542.html
http://oryzajpn.com/archives/3430391.html



◎宮沢賢治の父政次郎の二面性(【第3次稿】【第4次稿】)
・家業が質屋→宮沢賢治に「社会的被告」としての側面在り(犠牲を糧に生きる罪人)
・ジョバンニ父とカムパネルラ父が融合した存在=政次郎
・ジョバンニ父=「犯罪者」として収監(【第3次稿】のみ)
 カムパネルラ父=倫理的な威厳のある父
            ↓
高倉剣山の二面性……事件を引き起こした「犯罪者」←世間から見た評価
          威厳のある理想的な父親←家族から見た視点
          冠葉から見た父、晶馬から見た父の違いも示唆?

《参照URL》
http://oryzajpn.com/archives/8490780.html


◎プレシオスの鎖を解く=家族間の絆を解く(【第1次稿】~【第3次稿】)
               ↓
『輪るピングドラム』第24話 家族決別=「みんなの幸」へ至る

《参照URL》
http://oryzajpn.com/archives/11518358.html

◎ブルカニロ博士の言葉→『輪るピングドラム』第24話へ至る
どんな正しさを選んだとしても、それが自分で選んだモノなら。
どれもが皆「ほんたうのさいはひ」になる。

相手との違い(精神的決別)を実感しても、人間は受け入れる。
受け入れた上で、前に進む事が出来る。
それぞれ進む道は違っても、互いに進む姿は同じだ。

寂しかったり、悲しかったり、辛かったりするだろう。
けれど、自分で選んだ道なら、全部含めて前へ進むんだ。
その姿がいずれ「ほんたうのさいはひ」になる。
世界は繋がり、またいつか、きっと会える日が来るだろう。
-----------------------------------------
{/netabare}




②「ピングドラム」の意味、「輪るピングドラム」の意味
{netabare}
「ピングドラム」
(1)「愛」って意味だよ。
A.
「ピングドラム」を輪すと言う行為に、付加価値的な「愛」が発生する。
「苹果」を渡すという行為に、付加価値的な「愛」が発生する。
したがって「ピングドラム」(ついでに「苹果」)自体は愛ではない。


(2)「永遠なる生命」って意味だよ。
A.
『銀河鉄道の夜』において「苹果」(ピングォ」は多くを暗喩している。
その中の1つが「永遠なる生命」
「こっちの世界」(現世)と「あっちの世界」(来世)を繋ぐ存在
要するに、1つの世界に捉われず生き続ける「生命」の事
「苹果」=「ピングォ」=「永遠なる生命」
しかし、これだと「ドラム」の意味が入っていない、惜しいけど却下


(3)「永遠なる生命の躍動」って意味だよ。
A.
(2)に「ドラム」の意味を追加した。
「ドラム」とは楽器のドラムが示す如く、動物が鳴き声以外の方法で音を立てる動作を指す。
ゴリラが両腕で胸を叩いたり、キツツキが木の幹を突いたり、他の鳥が翼や尾羽で音を奏でたりもする。
「ドラミング」って聞いた事あるだろう。

ビートを奏でる、それはつまり、自らの存在を証明する行為に他ならない。
自己を主張する鼓動及び躍動の言語化


プリンセス・オブ・クリスタル「荻野目苹果がピングドラムを持っている……多分な」
苹果は多蕗に、自らを覚えてくれるよう行動していた。
苹果は愛に従って生きる、事件と関わりのある人間
以上の点から、プリンセス・オブ・クリスタルが推察

しかし、彼女は多蕗への「ピングドラム」を持っていない。
異常でも妄執でも執念でも、彼女自身の生命の躍動が齎す「愛」なら良かった。
けれど、苹果が多蕗に抱いていた愛?は、桃果が「運命日記」に記載していた内容から解釈して作り上げたもの
桃果と一つになって、家族を元へ戻す為の偽愛
もしこれを「愛」と称するなら、桃果が多蕗に抱いていたものであって、苹果が多蕗に抱いていたものじゃない。

したがって、苹果は多蕗を愛していない。
だから「ピングドラム」も持っていない。
彼女自身の想いが紡いだ「生命の躍動」じゃないから。


要するに。
『ピングドラムを手に入れるのだ!」の意味は。

「永遠なる生命の躍動を手に入れるのだ!」
         ↓
「自分が死んでも生き続ける、命の鼓動を植えつけろ!」
         ↓
  「大スキだよ!! お兄ちゃんより」
改変世界にて、いなくなった自らを「愛」と言う形で主張したメッセージ


第17話某シーンの意味は。
冠葉
「俺じゃ、ダメなんだろ。もう……俺には陽毬を救う事は出来ないんだろ?」

プリンセス・オブ・クリスタル
「お前には出来る」
「わらわには、それがわかる」
「なぜならピングドラムとは、それはお前の……」以下想像文
(陽毬を想って行動する結果だ)

冠葉
「俺には……無理だ」(陽毬を大切に想う「生命の躍動」に、彼女自身が気付かないから)
←前話にて冠葉と陽毬は口論&陽毬は眞悧を好き?と冠葉が勘違い
                 ↓
陽毬が冠葉の「生命の躍動」を真に実感した時、冠葉はピングドラムを手に入れ、輪る。


上記が分かれば「輪るピングドラム」の意味は簡単だろう。
「永遠なる生命」を、植えつける行為が輪っていく。
誰かの存在は他者へと宿り、それが「愛」となって昇華する。
植え付けられた相手もまた誰かに、自身の存在与えて「愛」となる。
世界は、そうして輪っていく。
だからこそ、人は「運命の果実を一緒に食べ合う」
「苹果譲渡」(ピンガァドゥラム)が輪る。
それは、繋がりを保った永遠なる世界
相手が死んでも己の中で生きる、終わる事なき永遠なる世界だ。

「運命の果実を一緒に食べ合う」
連続していけば、彼等にまたいつかきっと会える。
そこに「愛」があるなら……
「愛している」という言葉があるなら……
世界は、永遠に繋がり続ける。
いつか出会える「運命」なんだ。
{/netabare}




③最終話を理解する
本作をきちんと観る上で、唯一躓きそうなのが第24話だと思うので、いくつかの解釈だけ載せておこうと思う。
{netabare}
(1)ペンギンマークの檻に入っていた冠葉・晶馬の意味
千江美「晶馬と冠葉君は、私達が知らない間に仲良しになっていたんだもの」→仲良しになった顛末の暗喩=檻での会話
・企鵝の会(KIGA)の印=両親が幹部=世界の全て(冠葉・晶馬にとって)
 晶馬……父親の演説を余り聞かずに逃避
 冠葉……父親の演説を素直に聞いて順応
               ↓
KIGA(企鵝)の組織(大人の世界)から逃れられない子供の世界=檻(≒卵 by『デミアン』)


・企鵝→飢餓=愛情に飢えている暗喩
 冠葉父→冠葉「お前を選ぶんじゃなかった。私は家族に失敗したよ」
 Q.何故、冠葉に苹果は渡っていたか?
 A.両親に愛されなくとも、真砂子には愛されていたから。
 
 晶馬には両親がいる→KIGA(企鵝)の活動に没頭→愛されている感覚が当時は不足していた……?


そして、飢餓状態から脱する為、冠葉は晶馬に苹果を分け与える→「愛」となる



(2)兄2人消失の解釈
「プレシオスの鎖を解く」「ブルカニロ博士の言葉」参照



(3)冠葉のペンギン型「赤い何か」が出て行く描写
・企鵝(飢餓)が失われていく→愛されていると実感していく冠葉の描写
 冠葉の慟哭は、自らが愛されていなかった事を再度実感した故の叫び
                ↓
だから、ペンギン型の「赤い何か」は「苹果」に変わる=「永遠なる生命」に溢れている=自分を憶えていてくれる→「愛」の充満



(4)「生存戦略」とは……?
生きる為の戦略→「何か」を獲得する為の行為全般を指す
「生存戦略しましょうか!」
第1話
冠葉の「苹果」を「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」が頂く行為

第2話以降
「苹果」→「ピングドラム」を手に入れろと言う言葉にシフト
両者の意味・違いは②にて解説

第24話
冠葉へ苹果(「永遠なる生命」)を分け与える陽毬(「愛」)→「運命の果実(苹果)を一緒に食べる」→運命は乗り換わり、自身も「生きる」を獲得=「生存戦略」達成!



(5)「花婿は誰か?」
第9話
ペンギン帽子=運命の花嫁に捧げる花冠
陽毬「誰の花嫁になるの?」
眞悧「多分、その答えは運命の至る場所にある」


では「花婿」は誰か?
それは、以下に注目すればわかる。
・変身バンクシーンにおける兄弟の違い
・第12話における冠葉の病院道中、病院内での回想
・第17話、多蕗は陽毬を離さない冠葉に何を見たか?
・第20話における陽毬と眞悧の恋愛議論と最終話の対比
・第24話、最後の生存戦略


そもそも、最初の変身バンクから待遇は明らかだった。
晶馬はボッシュートで、冠葉はそのまま。
それは、冠葉の苹果(陽毬を想う「永遠なる生命」)が陽毬に渡った事で、彼の覚悟自体をプリンセス・オブ・クリスタルは理解していたから。


そして第12話以降、プリンセス・オブ・クリスタルの真似をする陽毬の姿が回想や描写でちょくちょく描かれる。
プリンセス・オブ・クリスタルの一面が芽生えていく証明?
また、命を明け渡そうとする冠葉の手を押し戻す所からも、プリンセス・オブ・クリスタルの冠葉に対する優しさ、愛が分かる。
プリンセス・オブ・クリスタル=陽毬の失くしてた意識の側面


第17話で多蕗は高倉家に復讐しようとしたが、冠葉の陽毬を離さない行動に桃果を見出して止める。
これは「今」陽毬を真の意味で救おうとしているのが「冠葉」だと気付いたから。
「昔」は晶馬だった、しかし「今」は冠葉である。
多蕗は、自らが桃果に救われた時と同じ行動を、加害者家族の冠葉から見たんだ。


第20話、陽毬は眞悧と恋愛議論を交わす。
-----------------------------------------
眞悧
「さて、今日はある恋のお話です」
「追えば逃げ、逃げると追われる」
「あれほどうまくいっていたのに、ある日突然そっけない」
「逃げられた!」
「さあ、キミならどうする?」

陽毬「私だったら追いかけない」

眞悧「なぜ?」

陽毬「疲れちゃうし」

眞悧
「う~ん……確かに」
「そういうタイプの人もいるね」
「つまりキミは“逃げる役目しかやらない”と宣言するわけだ」

陽毬「うん……どういう意味?」

眞悧
「両方が逃げるんだから、それはお互いが“私からは近づきませんよ”と相手に言うのと同じってことさ」

陽毬「つまり……?」

眞悧「その恋は実らない」

陽毬「それでいいよ。私恋なんかしないもん」

(中略)

陽毬「例えばだけど……」

眞悧「うん」

陽毬
「相手が逃げたら、私は追えばいいの?」
「それで恋は実るの?」

眞悧「実る場合もある」

陽毬
「そうかな?」
「そういう相手は逃げ続けて、絶対こっちには実りの果実を与えないんじゃないかな?」

眞悧
「鋭いね。そう、逃げる者は追う者に決して果実を与えない」
「それをすると、楽ちんなゲームが終わるからね」

陽毬「ひどい……」
-----------------------------------------
上記の会話を踏まえた上で、最終話を観て欲しい。
陽毬は「追いかける」「果実を与える」
「疲れた」って良かった。
そして何より、逃げる者(=冠葉)を「ひどい……」とは思わない。


第12話
-----------------------------------------
冠葉「帰るって、どこにだよ」

プリンセス・オブ・クリスタル「それは、運命の至る場所」
-----------------------------------------
「運命の至る場所」……第23話、第24話の電車内
              ↓
第24話の生存戦略=プリンセス・オブ・クリスタルと陽毬が真に合一
そして、冠葉を追いかける。
プリンセス・オブ・クリスタルが気にかけていた存在は誰か?
陽毬が最終話へ至るまでの間に、理解した想いは誰のものか?

それは冠葉、冠葉の陽毬を想う「生命の躍動」
自分の事だけを考えてくれていた「愛の証明」
それを、最後にして彼女は否定する事無く、受け入れる。
              ↓
陽毬が冠葉の「生命の躍動」を真に実感した時、冠葉はピングドラムを手に入れ、輪る。


結婚式ってあるだろ?
参加した事ある人は分かると思うけど、あれって新郎が新婦を待つ構成になってる。
新郎が先に辿り着き、新婦がヴァージンロードを渡って新婦へ追いつく。
そして、2人は愛を誓う。
これってまんま、最終話の冠葉と陽毬なんだ。

では、晶馬の立ち位置は何か。
晶馬は、花嫁と共に道を歩む「父」
選んだのは晶馬、見つけたのは晶馬
だから、晶馬が元々、父親として「家族」を維持するべきだった。
しかし、彼にそれは出来ず、晶馬から冠葉へ父親の役割は代わる。
そんな「父親代わり」は、最後にして晶馬へと戻り、彼は見届ける。
花嫁の進むヴァージンロードの行き先を、ピングドラムの結末を。

簡単に言うなら……
自分を選んでくれた「お父さんと結婚する!」と言っていた少女が、自分が選びたい人を見つけて「花嫁」になるのが「運命の至る場所」での顛末

大切な人=運命の人≠花婿
苹果を貰った事で、陽毬が思い出したのは「愛を貰った」事
晶馬に、愛された事を思い出す。
だから、晶馬=大切な人=運命の人
そして、その「愛」(=「苹果」)を誰かに与えたいと思う=花嫁となった証
それを踏まえて、愛そうと思ったのは冠葉

愛を貰ってばかりだった女の子が、初めて愛を与えた相手
愛を頂いてばかりだった少女が、花嫁として愛を与える。
その相手は、最初に晶馬へ「愛」を分け与えた冠葉
「愛」は、絶対に戻ってくる。
大切な人に与えた分だけ、他の大切な人から戻ってくる。

「愛」の永劫流転

冠葉が最初に愛を与えたのは、晶馬
晶馬が、冠葉との約束を叶える為に愛を与えたのは、陽毬
彼女が最後に愛を与えたのは、冠葉

つまり、花婿=冠葉
{/netabare}










3.同世代透明存在の独白・後記
冠葉に感情移入し過ぎてしょうがなかった。
男だったら、こいつの気持ちにかなり共感するんじゃねえかと思う。
何しているか分からない兄貴の事を、分からないまま馬鹿にしたり、批判したりの弟妹
でも、彼が1番、この「家」を「家族」を、支えていた。
勿論、守ってやってる見返りなんて求めていない。
冠葉は、誰かに褒めてもらいたいから、関係を維持させていたんじゃない。
「俺」が支えたいから、自分の意志で「家族」を守ってる。
それは、父親との約束により生まれた思想

通り過ぎない嵐なんかどこにもない。
でも通り過ぎるのを待っていたら、大切な人は守れない。

そして彼は、父になった。
どのように金を稼いでいるか、生活を維持させているか、決して話さずに、耐え抜いていく。
そういうのって男なら日常茶飯事、俺も耐え忍んで生きている。
心を固く冷たく強くして、少しでも早く大人にならなきゃいけないから。
全てを犠牲にしても、守りたいモノって確かにあるし。
だから、俺の事なんてどうでも良い、二の次だ。

しょうがない。
しょうがない。
しょうがない。

でもさ、やっぱり、辛いんだよ。
しょうがないって思っていても、辛いものは辛いんだよ。
1人だけ蚊帳の外で、矢印の方向が違うから、理解されない。
大っぴらに語れない事ばかりなんだから、愛される訳もない。

途中の展開が、悔しくてしょうがなかった。
なぜなら、冠葉の状態が続くと苹果は獲得出来ないから。
自分の存在を、他者へと委ねられないから。
誰かに植え付ける行為を、行う事すら出来ないから。
死んだらそれっきり、眞悧のように呪って終わり。

だから、普通は変わらないといけないんだと思う。
平成が終わった今、変わらないといけないんだと思う。
多くの事件に事故、事象や事案の余波は未だ健在
正直今も、生きる事すら、ままならない。
でも、だからこそ、変わらないといけないんだと思う。
俺は今、間違いなく眞悧であり、冠葉だから。

まだ、俺は何も手に入れていない。
夢に生きてた頃、想い出せない。
輝いていた頃、記憶にない。
恋に落ちてた頃、そもそもない。
愛し合ってた頃、ある訳ない。

だけど、最期に、ある言葉は伝えたいと思えた。
「運命」って言葉は大嫌いだけど。
本作と巡り会えた『運命』には感謝したい。
最期に言いたい言葉を『輪るピングドラム』は教えてくれたから。

いつか、最後の日に、その言葉を言えたら良い。
それはきっと、俺が人生を「幸福」に終えられた証だから。
本当の光を手に入れたら、絶対笑顔で言ってやるんだ。

「ありがとう、愛してる」って。
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小さな頃に見ていたものは、まだ何も知らなかった時代のまぼろしなんかではなくて、いまでも見ることが出来るずっとそこにある変わらないものだった。
辛くなるからって無理に忘れてしまわなくても良かったんだ。
僕は気がつくのが遅すぎた。
必要なものを、自分で隠していたんだ。
でも、こんな僕でもまだ全てを失ったわけではなかった。

世界は残酷で恐ろしいものかもしれないけれど、とても美しい。
思えば、そんなこと、僕らは最初から知っていた筈なんだ。

時間が過ぎて、僕のことは忘れてしまっても構わないけれど、僕が今ここに書いている言葉のいくつかをときどき思い出してくれるなら、それより嬉しいことはない。

追伸。
今までありがとう。
出来ることならば、誰も憎まないで生きてください。

『CARNIVAL』小説版 PROLOGUEより抜粋
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{netabare}
☆『輪るピングドラム』を紡いだ物語・出来事
【銀河鉄道の夜】
上記で紹介した通り、宮沢賢治稀代の傑作
著者の妹トシに向けた鎮魂小説もとい、生者(自身)へ手向けた慰めの物語


【かえるくん、東京を救う】
村上春樹の小説『神の子どもたちはみな踊る』にある短編の1つ
第9話において、同作者の小説『スプートニクの恋人』が登場するのは、作中の「理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない」という言葉が、両方の物語に登場するから。
『神の子どもたちはみな踊る』は、1995年を軸に描かれた短編集
95年を境に、生きる意味を失う前の想い、失った後の不満、再生、失敗、絶望、希望を主人公達を通して描いている。
主人公は、大きな事を何も出来ない=きっと何者にもなれないお前達の1人
そんなささやかさの中で、かえるくんは東京を救う。
何者にもなれない人間が背中を押すことで、かえるくんは東京を救うのだ。
「かえるくん、東京を救う」は、掻い摘んで言うとそんな物語

また、同作者の『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』は地下鉄サリン事件を紐解いたノンフィクション
因みに私は、村上春樹なら『神の子どもたちはみな踊る』が1番スキ


【地下鉄サリン事件】
作中における「あの事件」
情報量が多い故、詳細はググって調べるべし。
陽毬が学校へ行けなくなったのも、父母が犯罪者であった為、学校にいられなくなった→辞めさせられたんだろう
これを見ると、地下鉄サリン事件の前に起きた「松本サリン事件」で、加害者と疑われていた河野さんの子供に向けた学校の対応は、間違ってなかったんだろうな(=冠葉・晶馬のいる高校がそれか)


【透明な存在】
「神戸連続児童殺傷事件」(酒鬼薔薇聖斗事件)において、犯人である酒鬼薔薇聖斗が残した言葉
事件の詳しい内容はhttps://www.nagaitoshiya.com/ja/1999/sakakibara/#comment-163を参照。

この事件を詳しく紐解くと、本作が「神戸連続児童殺傷事件」とも深い関わりを持っているとわかる。
・透明な存在→愛されなかった子供と、愛されず成長した大人、両方を指す

・「世界でただ一人ぼくと同じ透明な存在である友人」=バモイドオキ神=眞悧
「みじめでなく価値ある復讐をしたいのであれば、君の趣味でもあり存在理由でもありまた目的でもある殺人を交えて復讐をゲームとして楽しみ、君の趣味を殺人から復讐へと変えていけばいいのですよ、そうすればうるものも失うものもなく、それ以上でもなければそれ以下でもない君だけの新しい世界をつくっていけると思いますよ」
                ↓
             冠葉の行動へ至る

・酒鬼薔薇聖斗の描いた絵=光と影の世界
 バモイドオキ神=眞悧は2つの世界を超越
真砂子
「明るい場所と暗い場所は共存しなくてはならないの」
「すべてを明るい光で照らしてしまうと、必ずその反動で、暗い場所が明るい場所を攻撃するのよ」
                ↓
             冠葉の行動へ至る

・かえるくん、酒鬼薔薇を救えない
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初めて勃起したのは小学5年生で、カエルを解剖した時です。
中学一年では人間を解剖し、はらわたを貪り食う自分を想像して、オナニーしました。

一橋文哉:酒鬼薔薇は治っていない!
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酒鬼薔薇聖斗にとって、自分を救ってくれるかえるくんはいなかった(「かえるくん、東京を救う」参照)
かえるくんは死に、不安と不穏に包まれ、彼の世界は透明のまま終わる。


【余談】作品を示唆する予言
『輪るピングドラム』が世に登場する前、某サイトでこのようなコメントがあったので、ここに引用する。
彼か彼女か、いずれにせよこの人もまた、透明な存在だったんだと思う。

以下、引用
28 林檎 投稿:2008年3月31日 @11:19 AM
酒鬼薔薇聖斗様があの時に行った行動を、今現在の大人たちが忘れているとしたら、それは彼の悪行が無駄になったということになると思うんですね。
あんなに残酷なことが出来ますか。
出来ないでしょう。
大人でもためらうほどの残酷な行動を、当時の日本は彼にさせたのではないですか。
子供は誰しも、犯罪を犯すために生まれてきたわけじゃない。
子供の世界は小さい。
だからそれゆえに簡単に壊れる。
大人のように世間をよく知って、それなりに自分のその中での生き方を得ているわけではないから、子供は簡単に途方にくれる。
そのときに救いの手が一つだけでもあったなら、彼は変わっていたかもしれない。
周りの大人たちが、異常だ、理解できないなどと遠巻きにしなければ、彼は犯罪者としてのレッテルを張られなかったのかもしれない。
ま、想像ですけどね。
いつも彼は一人だったと思います。
だからこそ自分の中で想像上の友達を創り上げ、自分が生きる意味を示すバモイドオキ神様を遂行し、殺人を自分が生きる目的だと思った。
そうするしかなかったんじゃないですかね、やっぱり。
今の時代も、酒鬼薔薇聖斗様は子供の心の片隅に棲んでいますよ。
頭角を現さないだけで、ひっそりと息を潜めているんです。
今の世間はどうですか。
子供も簡単に犯罪を犯す。人を殺し、騙し、陥れる。
全ては大人がしていることです。ニュースを見て、報道されている内容をしってアホらしくなります。
今のご時世、大人も犯罪を犯しているのですから、子供が人を殺すのは当然ですね。
私は私で、彼を尊敬し、敬っています。
彼は当時の腐った日本に大きな打撃を与えてくれた方ですから。
でも、今はどうなんでしょう。世の中の人みんな、彼を覚えているでしょうか。
忘れているとしたら、なんと悲しいことでしょう。
彼の悲痛な悲鳴があの事件にはあったはずなのに、ニュースで多くの報道がされるように、事件は新たな事件に押しつぶされ、殺されて行く。
この世界が悲しくてなりません。
でも、私は彼を永遠に忘れないでしょう。私に、希望を与えてくれた人だから。墓場まで持っていくつもりです。
それだけを言いたかったんです。失礼します。

https://www.nagaitoshiya.com/ja/1999/sakakibara/#comment-163
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

考察

陽毬はリスカ少女に似ている
{netabare}
この物語は、ある家族(冠葉、晶馬、陽毬)の崩壊の話だと思う。

端からみれば、この家族はすでに崩壊していると言えるかもしれない。
この家族には大人がいない。両親は世間を敵にして消えた。
この3人の子供に血縁関係はない。
幼少期にそれぞれに傷を受けて、この世から消えそうになっていた。

それでも3人は、お互いに寄り添うことで何とか生きている。

しかし陽毬は難病を抱え、死の間際にいる。
冠葉と晶馬にとってこれは全く受け入れ難いことだろう。
この3人が寄り添うことで、何とか生きている存在なのだから。
陽毬の不在は、家族の崩壊であり、冠葉と晶馬にとって心の拠り所を失ってしまうことを意味する。
なので、冠葉と晶馬は純粋に陽毬への愛情から陽毬の命を救おうとしているのではなく、実は自分の存在を守るために、陽毬を救おうとしている、という側面がある。
しかし2人は、純粋に陽毬救いたいんだ、と思い込んでいるし、そうありたいと もがいている。
このような綻びが物語を通して大きなテーマになっているように思う。

そして、
この物語は、それらを1つずつ乗り越えていく話かと思いきや、
だんだん崩壊に向かっていく。

終盤で陽毬は、この家族に自分の居場所がないような感覚に囚われる。
物語を通してこの3人は本当に、ありえないくらい、お互いを想いやっている家族のように描かれている。
が、なぜか陽毬はそこで自分が透明になっていくかのような感覚を持ってしまう。
陽毬は、3人のお互いへの愛情が空回りしていて、実はお互いを無視してすれ違っている、という本質的な問題に感づいてしまう。
そこにこの家族を巡るもう一つの破綻の原因を、サネトシの促しによって陽毬は気づいてしまう。
陽毬は晶馬を恋しており、晶馬はそれには答えられない。
冠葉は陽毬を恋しており、陽毬はそれには答えられない。
という、三角関係。

ペンギン帽子をかぶった陽毬は、別の人格に乗っ取られた、というように描かれているが、
見方を変えると、陽毬の秘められたもう一つの人格、家族をつなぎとめるために演じているいい子ちゃんな自分の反動、という風にもみることができる。
ペンギン帽子の陽毬は、2人に無理難題を迫る。
晶馬は早々に不満を漏らし、理不尽を正そうとする。だけどそれでは陽毬は救えない。なので脱落する。
冠葉は陽毬のために何でもしてやろうとする、しかし冠葉は常に「してやろうと」するだけで、冠葉の愛は悪く言えば自分の都合のいい押し付けの愛になってしまう。

陽毬が冠葉に近づくとなぜか裸になる。たぶん冠葉にとっての陽毬は性愛の対象として見てしまう、ということを表していると思う。
このシーンは実に悲劇的である。
裸の陽毬を前にして冠葉はなす術なく膝をつく。
家族としての愛情を求められる陽毬に対してどうしても女として見てしまうこと、
自分の恋心は陽毬に受け入れられないこと。
そして自分の愛の示し方、「なんでも俺がやってやる」というような愛(サソリの炎とは、このような愛の形を言っているのではないかと思う)では、陽毬を救えないこと。
で、やはり俺ではダメなんだ、という絶望的な嘆きになる。
これに対する陽毬は冷たい視線のまま、だけれど抱擁している。
ここに陽毬の悲劇があるように思う。
陽毬の恋は晶馬には受け入れられない。なので冠葉の受け入れられない(自分に対する)恋の辛さが痛いほどわかる。

この三角関係が、
3人のお互いを非常に想いやっているはずの家族の崩壊の大きな要因になっているのだと思う。

そして、お互いの愛がなぜか、お互いを苦しめることになっている。
冠葉は陽毬のために何でする(ただし自分一人を犠牲にして)。
しかし他人を犠牲にするような方法で陽毬を救ったとして、陽毬は幸せにはなれない。陽毬はそういうことを望んでいるわけではなない。冠葉の愛は自分勝手な愛に向かっていく。
陽毬は冠葉を救うために、自分の命を投げ出すと決意する。
しかし陽毬が死ぬ、ということは冠葉にって自身の死より苦しい仕打ちになるだろう。陽毬の献身的な愛もまた、自分勝手な愛情に向かってしまう。
晶馬に関しては、ひたすら受動的である。そして自分によって誰かが傷つくことを非常に恐れている。苹果を避けようとしたり、陽毬をおじさんの家に行かせようとしたり。冠葉と同じように陽毬を想っている(家族愛として)が、人が傷を負うことを恐るために、何も救えない愛でしかない。

つまり、
この家族の崩壊の原因は、
呪いをかけられたから、親が犯罪者だから、冠葉が親と同じ犯罪を犯そうとしているから、サネトシの思惑の犠牲になって、ということは本質的な問題ではなく、
3人のそれぞれの愛が、3人を崩壊させていく、
という愛の残酷な皮肉、なのであり、これが物語の大きなテーマになっているんだと思う。

サネトシという存在は、そのような愛の側面に絶望した人間。
サネトシが3人を破滅させている、というよりは、
このような、愛が破滅に向かう摂理について、モモカに証明しようとし、
モモカは逆の形で、愛が破滅を救えるということを証明しようとして苹果に日記を託した
という風に見えます。

ピングドラムを見つけて運命を変える
というのはこのような愛のための崩壊を救う「何か」を見つけ出せ、ということだと思う。


最終話
晶馬はペンギン帽子に「冠葉と晶馬で運命を変えろ」と言われます。
冠葉を妄信から救え、とか、事件を防げ、ではなく、
これから対峙しないといけないはずの「冠葉と一緒に」です。
晶馬はこの時点でまだ何をすればいいのかわからなかったはずです。

冠葉と対峙して晶馬が言ったことは「陽毬を返せ」であり、
それに冠葉が答えた言葉は「お前には陽毬を救えない」です。
到底2人で何か救えそうにありません。
そして、陽毬は死んだまま(自分を消滅させることで冠葉を救おうとしている)、
これもまた2人を救えそうにありません。

この時点で3人の家族は完全に崩壊に向かっています。
サネトシはモモカに「破滅を見せてあげる」と言います。

そこに苹果が現れます。
苹果はその前に「陽毬の命を救う」というセリフのもと、この3人の元に駆けつけます。
でもたぶん、苹果が救おうとしたのは陽毬の命ではなく、想い合うことで破滅しようとしている3人の運命であり、晶馬の心を救おうとしたのだと思います。
なので、そのために自分が燃えても構わない、という愛を示せたのでしょう。

苹果の愛を示されたことで、晶馬は冠葉と対立ではなく向き合おうとすることができます。
晶馬が冠葉と向き合おうとしたことで、陽毬が単なる自己献身ではなく、冠葉に愛情を示そうと立ち上がることができます。

ここに1話でペンギン帽子が言った「ピングドラムは苹果が持っている」の伏線が回収された、と見ます。
ピングドラムは晶馬の心から出てきたように描かれていますが、それは苹果の愛をもって初めて見出せたもの、なのでしょう。

陽毬は傷だらけになりなが冠葉の元に進みます。
その際に自分が家族でいることで、実は苦しんでいたことを告白します。
してもらってばかりで「そんなことを言う資格はない」と、いい子ちゃんで通していた、自分の殻を破って、本音で向き合おうとして はじめて冠葉の心までたどり着くことができた、んだろうと思います。

ここでもやはり陽毬は裸になります。冠葉はまだ苦しんだままです。
そして晶馬も、やり方の違う冠葉への反発、自分の血縁によって冠葉や陽毬を苦しめたくない、という愛への消極的な姿勢を捨てて、冠葉に歩み寄ります。
そうしてやっとピングドラムが生まれる。

3人はお互いを「自分の都合」という色眼鏡でみることをやめ、本音で寄り添える本当の愛を持てた。
自分の苦しみを相手にも分け与える覚悟ができたため、本当の彼らを直視できるようになった。
というところに運命の乗り換えが起きた。救いが生まれた、ということだと思う。

晶馬がピングドラムを陽毬に渡す時、陽毬はやはり裸だけど、幼児の姿になっています。
これは晶馬にとっての陽毬があくまで「妹」である、
また陽毬は「妹」としての晶馬の愛情を、恋の苦しみを超えて心から受け取れた、ということを示していると思います。

その後晶馬は燃え尽きてしまおうとしていた、苹果に「愛してる」という言うことで苹果を救います。
苹果はまったく見返りを期待しない愛を自ら選びました。
しかし、どんなに純粋に愛を持っても、まったっく見返りがない、ということは自身が燃え尽きてしまう、ということを表していると思います。
これは、冠葉が見返りのない愛を陽毬に注ぎ消耗していくのに似ています。冠葉は見返りがない愛ために、燃え尽き、どんどん自分勝手な愛に変質していったのでしょう。
晶馬の「愛してる」には、もう一つ意味があるように思います。
それは、陽毬の前ではっきり口にすること、陽毬の恋心を傷つける恐れをちゃんと乗り越えた、ということが込められているように思います。

晶馬の愛の過ちというのが少しわかりにくいのですが、
冠葉が押し付けてでも「してあげる」愛が実は相手を傷つける、というところの対照的なものであり、自分の愛が人を傷つけることを恐るあまり、何物も救えない、というところにあるのかな、と思います。

えーっと、
次に、サネトシが冠葉に「お前たちは呪われている、いずれまた破滅するだろう」みたいな捨て台詞を吐きます。
この「呪い」は「愛」のことだと思います。「愛」というものは今は大丈夫でもいずれ破滅をもたらす「呪い」なのだ、とサネトシは言いたいのだろう。

遡りますが、苹果が運命を変えようと電車に乗り込む前に、苹果はいろんな人から想いを託されています(小さなピングドラムとでもいうべきか)
ひとつは、モモカからの日記
ひとつは、ユリから。ユリはタブキに救われました。タブキは陽毬と冠葉に(ゴンドラの出来事で)救われました。それが回り回って苹果に託されています。
またもう一つ、ダブルHから陽毬へのプレゼントという形で託されています。このダブルHにマフラーという形の陽毬の愛を届けたのがサネトシなんですよね。陽毬が想いを届けることを自分で断絶したマフラーをサネトシが拾ったことで、苹果の呪文となって回ってきています。
この辺りが面白いですね。

陽毬が何か見失ってしまいそうになって図書館でリンゴ(晶馬からもらった)を置いていきそうになるのを止めるのもサネトシですね。

最後の最後、

陽毬は命を救われます。これは冠葉と晶馬が共に運命を変えた、真実の愛を見つけたことの恩賞でしょうか。ピングドラムを見つけたら陽毬の命も救われる、のペンギン帽子の予言が果たされている。
しかし陽毬の家で冠葉と晶馬はいなかったことになっている。
冠葉と晶馬は陽毬の命を救った。だけどその代償として冠葉・晶馬から陽毬は失われてしまった、ということしょうかね。
ここが重要だと思います。冠葉と晶馬は、自分に都合の良い愛ではなく、自身から失われてもいいので相手を救いたい、という本当の意味での自己犠牲の愛を成就できた、ということなんだろうと思います。なのでラストシーンでこの3人が一緒にいちゃダメなんです。
そして冠葉晶馬は、子供になっています。なぜか?大人の姿のまま陽毬の家をすれ違うシーンであったら、どうしても冠葉・晶馬がいずれまた陽毬と出会うことを見ている側が想像してしまうから、それを避けたかったんじゃないかな、と、思います。

このラストで、登場人物は皆、一番大切な人を失っています。
晶馬は、陽毬・リンゴ
リンゴは、晶馬
冠葉は、陽毬
マサコは、冠葉
ユリとタブキは、モモカ。

これは、愛の喪失を乗り越える、ということの物語でもあるように思います。
ユリとタブキが象徴的ですが、愛するモモカを失って、
・他人を犠牲にしてもモモカを取り戻す
・モモカの復讐をする
いずれも愛がなせることでしょうが、この愛は破滅をもたらします。
そうではなく、愛する(愛される)ことができたから、喪失を破滅を乗り越えられる、というメッセージ(タブキが語っていますが)が、それぞれの試練として課せられた(乗り越えられた)、ということを意味していると思います。

また、冠葉・晶馬が兄弟のように並んで歩いている、という点について。
冠葉・晶馬が、本当の意味で兄弟(あるいはそのような愛情)になれたことを示していると思います。
物語を通して、冠葉・晶馬は、陽毬がいることで兄弟として成立しているようなところがあります。
2人の仲が悪いように見えませんが、性格が反対なので、別の方向を見ているようなところがあります。
冠葉は兄である俺がダーティなことは全部引き受けるので、お前は陽毬の前で笑っていろ(主に陽毬の気持ちを考えてことだと思う)、というようなスタンスです。
晶馬は終盤までその冠葉のスタンスにただぶら下がっているような状態です。
だけど真実の部分を話し合った結果二人は決別することになります。
つまりお互い真に語り合うことをしないために、家族としての体裁を保てていた、ということだと思います。
(また一人の妹想う2人の同じように強い想いが、意見のすれ違いによって争いになってしまう、という皮肉)
単に冠葉と陽毬、晶馬と陽毬が、寄り添うだけでなく、冠葉と晶馬が寄り添って分かち合うところにピングドラムがあった訳です。そこに内実は崩壊していた3人の家族が、本当に家族として暮らせる 何か を見つけられた、ということでしょう。
なので、陽毬を失ったあとに、この2人が一緒にいれるのだと思います。
だし、陽毬の想い。自分が失われるとした場合に、2人に本当に望むこと。私がいなくても家族でいて欲しい、という願いが叶った形なのかもしれません。

***
こどもブロイラーとキガの会を巡る愛の残酷な皮肉

晶馬は直接的に親に捨てられた、という描写はありませんが、晶馬としては幼少期に親の愛をえられなかった、という思いがあると思います。
キガの会というのは、愛の皮肉の例だと思います。
キガの会は子供ブロイラーがあるような社会を変革する、と、言います。
しかしキガの会が革命のために話をしている、そのすぐ側で一人の女の子が親に捨てられ子供ブロイラーに送られようとしています。キガの会には、このような小さな存在、実際の被害に対して目が向かないのです。
晶馬や冠葉も恐らく、親から目が向けられなかった子供だったのでしょう。
晶馬や冠葉は子供ブロイラーに送られることはなかったですが、それと同等の檻の中で飢えていました。
キガの会は愛のためにこの世を救おうとしているはずですが、目の下の自身の子供への愛も注げないでいるのです。
これも残酷な皮肉だと思います。

***
個人的に、

陽毬がリスカ少女のように見えます。
陽毬の呪いとは身体の病気ではなく精神的な病気だったんじゃないか。
幼少期に陽毬は心に大きな傷を負っています。
そのことが呪いとなって、自分を絶対的に愛してくれている2人の兄を前にしても、
自らを消し去ろうとしてしまう。
絶対的に愛している体(てい)の欺瞞に、あまりに敏感に気づいてしまう。なのでサネトシと近い。

あまりにも愛情に溢れた家族の「体(てい)」の中での自分を演じてしまう。
そのことに綻びがある。
あきらかに自分のために奔走している兄たちに、何をしているのか、問い正すこともできず傍観してしまう。
あきらかに自分のために傷ついている兄たちのために、自分を滅することでの救いをもたらそうとしてしまう。
実際、物語の中で陽毬は脇に置かれたまま。陽毬はただ天使のように置かれた人形のような存在であるようにも見える。
そのように演じてしまう。

そして、陽毬と同じように大きな傷を抱えたままの2人の兄(だけ)では妹を救えなかった。
この3人は、3人では破滅を逃れられなかった。

なぜ苹果が必要だったのか?
苹果は登場人物中、唯一と言っていいほど、親に愛された幼少期を過ごしたから、かな。
苹果も序盤では親の愛を疑い、独善的なやり方でそれを取り戻そうとしますが、
そもそも愛を失っていなかった、ということに気づくのだと思います。
どうしても人は100の愛を得ようとしてしまいますが、100も愛を施せることは通常ありえない。
普通、親から100の愛情を受けることはないと思います。
だけど、100無い、ということは、0ではない。
そこに気づけた。100ではない愛情でもちゃんと愛を感じられた、というところに苹果の成長があったように思う。

だから苹果は、陽毬を、3人の家族を救う鍵になれた。
最後に到るまでの陽毬・冠葉・晶馬3人の愛は、未熟な愛だった、あるいは消耗して磨り減った愛だった、と言えるかもしれません。
気持ちだけではどうにもならない、
本当の意味で成長し、別の誰かから小さくとも愛を受け取ることで、誰かを救えるようになったんじゃないかな、と思います。


{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ウテナから来ました

 第一話視聴後のレビューです。全話完走予定。ウテナが面白かったので監督つながりで視聴を開始しました。このレビューは自分の考えを整理するためにメモ、みたいなものです。完走後に追記するかは未定です(多分しない)。第一話のネタバレがありますのでご注意を。評価点は完走後に付けます。<追記しました>


子供たちの会話と銀河鉄道の夜:{netabare}
 この作品は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜(以下『銀河』)』をベースにしているようです。子供たちの会話を抜粋します。表記は『銀河』準拠。
 <前段>
  「苹果(リンゴ)は宇宙そのものなんだよ。手のひらに乗る宇宙。」
  「この世界とあっちの世界をつなぐもの。」
  「(あっちの世界とは)カムパネルラや他の乗客が向かっている世界だよ。」
  「苹果は愛による死を自ら選択したものへのご褒美でもあるんだよ。」
 <後段>
  「(死んだら全部)お仕舞じゃないよ。むしろそこから始まるって賢治は言いたいんだ。」
  「愛の話なんだよ。」

 『銀河』の概略はこんな感じです。
 「孤独な主人公ジョバンニ。父が行方不明で、母が病床のため、働かなければならず、学業にも身が入らない。学校ではいじめられ、職場ではからかわれ、親友のカムパネルラと話す機会も減った。親友のカンパネルラはみんなの人気者。
 二人は、銀河鉄道に乗り込む。様々な人と触れ合うことで、ジョバンニは、「ほんとうの幸」という生きる目的を得た。気が付くと、車中からカンパネルラの姿が消えてしまっていた。
 ジョバンニは目を覚ました。丘の上で寝てしまっていたのだ。丘から下りると川の近くに人だかりがあった。カンパネルラはいじめっ子のザネリを救うため、川に飛び込み命を落としていた。」

 『銀河』における銀河鉄道とは、この世界と死後の世界をつなぐもので、苹果は、死を象徴するものとして出てきます。子供たちの会話の前段部分は『銀河』を説明したもので、後段部分はその解釈です。
{/netabare}

第一話の構造:
 第一話は、子供たちの会話だけで成立しています。
 第一話の前半が『銀河』の世界を再現する<前段>部分で、後半が『ピンドラ』の世界を描き始める<後段>部分に該当します。これが第一話の構造です。


<前段>とTSM荻窪線:{netabare}
 『ピンドラ』が本当に『銀河』の世界観を引用するのかどうか、という疑念を確信に変えてくれるのが「TSM荻窪線」です。

 「TSM荻窪線」は東京メトロ丸ノ内線がモデルですが、荻窪から池袋に行く際に、丸ノ内線の始発駅から終点駅という行き方はあまり考えられません。少なくとも途中での乗り換えが一般的です。それにも関わらず、三人は「TSM荻窪線」のみで池袋まで到達しています。

 このような経路の選択をしたのはなぜなのか。
 「他の路線がないため選択肢がなかった」のであるなら、それはそういう世界を作った「監督の意向」です。「他の路線があるのに使わなかった」のであるなら、それは「三人の意向」です。
 いずれにしても、誰かの意図で始発から終点まで電車に乗っていた、ということです。

 さらに重要なことは、終点で起こった「ヒマリの死」です。つまり、始発から乗り、終点に到達すると死が訪れる、という『銀河』の世界が露骨に描かれているのです。始発から乗る以上、引き返すか途中下車するか乗り換えるかしない限り、死へと到達してしまう世界です。

 以上のことから、意図的に『銀河』の世界が踏襲されており、事実再現されている、と言えます。主人公の男の子達の名前もショウマとカンバですから、ジョバンニとカムパネルラに同一視されます。ヒマリは、「自ら死を選択」していないからご褒美の苹果がないのです。
 ここまでが第一話の前半で描かれている<前段>部分、『銀河』の世界です。
{/netabare}

<後段>と「輪る」「ピングドラム」:{netabare}
 第一話の後半で描かれているのが<後段>部分、『ピンドラ』の世界です。終点での出来事のあとから第一話のエンディングまでに該当します。
 「(死んだら全部)お仕舞じゃないよ。むしろそこから始まる」「愛の話なんだよ。」
 死んで始まると言いたいのは、賢治ではなくて幾原監督です。『ピンドラ』の物語は、死んで初めて始まるのです。愛の話だからキスシーンで終わるのです。第一話というのは、子供たちの会話を映像化しているだけです。
 『ピンドラ』が「愛の話」だと宣言されているわけですから、「ピングドラム」は十中八九「愛」のことでしょう。

 で、問題は「輪る」の意味するところ。

 最初は輪廻観かと思ったのですが、転生ではなく蘇生ですからちょっとロジックが足りないです。山手線が採用されていないのもダメ押しですね。三人の親や子も登場しそうにないので、世代を超えた円環構造もなさそうです。

 となると、横のつながりが「輪る」ですかね。男女の三角関係ならグルッと「愛」を回せそうな気もします。または、男から女へ、そしてその女から元の男へ、の循環ですかね。
 この辺は第一話だけでは情報不足かもしれません。
{/netabare}

 『銀河』自体は、様々な解釈がされています。これに対して幾原監督の解釈を提示した上で、その土俵の上で描かれたのが『ピンドラ』の世界なんじゃないのかな、と思っています。

 ここからはテーマを探ってみます。『銀河』のテーマに幾原監督の「愛」が乗っかったのが、おそらく『ピンドラ』のテーマになるでしょう。

『銀河』のほんとうの幸:{netabare}
 ジョバンニは蝎(サソリ)のようになりたい、と願います。
 「蝎は虫を殺して食べて生きていた。ある時イタチに見つかって食べられそうになった。一生懸命逃げたけど、いよいよ捕まりそうになってしまった。その時井戸に落ちて、溺れてしまった。蝎はイタチに食べられなかったことを後悔した。どうせ死ぬのなら、イタチに食べられていたら彼を一日生かすことができたのに。神様お願いします。むなしく死ぬくらいなら、まことのみんなの幸のためにこの体を使ってください。すると蝎は真っ赤なうつくしい火となって、闇を照らし続けた。」

 賢治の宗教観は、(たぶん)キリスト教と仏教のハイブリッドです。無意な死である自殺を否定しながらも、自己犠牲は肯定しているのです。ただ、推奨はしていません。蝎が虫を食べていたように、蝎がイタチに食べられるのが「自然だ」と主張しているのです。
 これは食物連鎖に限った事ではなくて、人が一人で生きるのではなくて、みんなと助け合うのが「自然だ」と言っているのです(この助け合いの連鎖が「輪る」?)。

 ジョバンニは「みんなのほんとうの幸」のためなら「自己犠牲」も厭わないと生き方を決めました。ですが、「みんなのほんとうの幸」が何なのかが分かりませんでした。そこで「みんなのほんとうの幸」を探すことを決めたのです。

 これに対する幾原監督の解答が「愛の話なんだよ。」ということです。みんながそれぞれ「愛」を得られるような世界が「みんなのほんとうの幸」につながるのでしょう。
{/netabare}

愛の話:{netabare}
 幾原監督の「愛」は既にウテナで描かれており、その「愛」観は特徴的な二元論から成立しています。特異な主張を持つ作家は、やすやすと自分の意見を変えませんので、今作でも大きくは変わっていないはずです。彼の主張は、男女のそれぞれに二元論を用意して、その組み合わせで「愛」に関する二元論を作り出す、というものです。

 女性には、お姫様と魔女がいます。王子様に選ばれて守ってもらえるのがお姫様で、選ばれなければ必然的に魔女化してしまいます。魔女は王子様をたぶらかそうとします。
 男性には、特定の女性に愛を向ける本物の王子様と、不特定多数の女性に愛を向ける偽りの王子様がいます。
 本物の王子様が、魔女にたぶらかされずに正しくお姫様を選び、それにお姫様が応えること。これが幾原監督の言う「ほんとうの幸」である「真実の愛」です。これ以外の愛の形は「偽りの愛」になります。
(この「選び」「応える」構造が「輪る」?)
{/netabare}

プリンセス・オブ・ザ・クリスタル:{netabare}
 で、プリンセス・オブ・ザ・クリスタルと彼女がやったこと。
 ヒマリは、プリンセス~略~、つまりお姫様に変身していますので、最終的には、王子様に選ばれるお姫様になることは間違いないでしょう。ヒロインポジションだし。

 問題はカンバ。カンバは多数の女の子と関係を持っていることから、「偽りの王子様」に該当します。ですが、最後にはヒマリへの愛に向き合う「本物の王子様」の側になりました。この転換の契機となっているのは、プリンセス~略~がカンバの身体から抜き取ったものが関係していそうです。

 彼女が抜きとったのは、苹果ではない赤いもの、「まっ赤なうつくしい火(=蝎)」なのではないでしょうか。そもそもカムパネルラと蝎は、「自己犠牲」という点では共通しますが、結果は大きく異なるものです。カムパネルラは「一対一」の犠牲であり、蝎は「一対全」の犠牲です。
 「一対一」こそが本物の王子様とお姫様による「真実の愛」の形です。カンバは蝎のもつ不特定多数への愛を奪われたことで「本物の王子様」に立ち返ったと考えるとしっくりきます。「真実の愛」ではないけれど、一応は愛なのでヒマリの「一時的な延命」が可能になるのでしょう。

 ショウマは、何も問題なしです。カンバの女好きを非難していますから、「本物の王子様」の素養があります。または、まだ愛を知らない可能性もあります。どちらにせよ、プリンセス~略~に何もされずにさようなら、というわけです。

 ちなみにですが、「一対全」の愛が「偽りの愛」だと言いたいわけではないですよ。「真実の愛」「偽りの愛」というのはウテナから感じた私の感想であって、重要なのは、「目指す愛」と「目指さない愛」という二元論を用意することです。この二元論を「唯一の愛」と「普遍的な愛」としても、「一対一の愛」と「一対全の愛」としても構いません。
{/netabare}

テーマまとめ:{netabare}
 ショウマとカンバ、つまり、ジョバンニとカムパネルラの別形態による『銀河』ifストーリーが『ピンドラ』である、というのは間違いないでしょう。察するに、カムパネルラ役の男の子の「自己犠牲」を描いた上で、誰かが「真実の愛」に到達する、みたいな構造を持ちそうです。遅かれ早かれザネリの代替キャラも登場するでしょう。

 蝎の話は「死に方」に関するものです。ジョバンニは「死に方」を考えることで「生き方」を獲得しました。「どう死ぬか」は「どう生きるか」に転換できるということです。おそらくこれを端的に述べたのが「生存戦略」というキーワードでしょう。生きることは「真実の愛」を探すことですから、「ピングドラムを探すこと」自体が「生存戦略」でもあります。

 『銀河』をやる上で、唯一足りてないのが苹果です。この「欠けたものを探すこと」が「ピングドラムを探すこと」になります。ピングドラムは絶対に苹果の形をしているはずです。今まで書いてきた事柄を整理するとこうなります。
  苹果=死=どう死ぬか
  どう死ぬか⇔どう生きるか
  どう生きるか=生きる目的=ほんとうの幸=真実の愛=ピングドラム
 結果、苹果=ピングドラムなんですけど、これを繋ぐためには生存戦略が不可欠なわけです。
{/netabare}

 第一話のレビューとしてはこんなところでしょうか。第二話以降を気楽に見るために二回も見ちゃいましたよw それでは第二話以降に行ってきます。

★★完走後の追記★★{netabare}
①愛の二元論(上記の修正込)
 ピングドラムは、「愛による死を自ら選択したものへのご褒美」、つまり、「自己を犠牲にして誰かを生かしたときに生まれる愛」のことでした。
 で、修正したいこと。この作品の世界は、「愛のある世界」と「愛のない世界」で成立していて、この愛の中には「恋<一対一の愛<一対全の愛」という上下関係が成立しているというものでした。愛の中で二元論を作っているわけではありませんでした。プリンセンス~略~が最初にカンバから抜き取ったのは、「恋」でした。

 作品の世界は、「TSM荻窪線」のある「愛のない世界」です。「氷の世界」「美しい棺」と称される「子供ブロイラー」が存在するような世界です。カンバとショウマは、自己を犠牲にすることで、「愛のない世界」を「愛のある世界」へと変換しました。これが「運命の乗り換え」です。これにより、ヒマリと苹果ちゃんは、突如として別世界の電車の中に現れました。「命⇔蝎の炎」の路線です。

②運命の果実を一緒に食べよう
 「一対一の愛」を実現するためには、「選び」「選ばれる」ことが必要です。男女を限定しなくなっていますが、幾原監督の王子様とお姫様理論ですね。この選択と被選択のいずれもが達成されないと、その人は「何者にもなれないお前たち」と呼ばれてしまいます。
 この「選び」「選ばれる」ことが「運命の果実を一緒に食べよう」というセリフに表れています。ピングドラム(苹果)を「分け与え」「受け取ってもらう」ことです。ピングドラムは、カンバ→ショウマ→ヒマリ→カンバとまわりました。これが「輪る」「ピングドラム」ですね。

③取り残されたタブキとユリ
 愛が「輪る」構造は、世代間にもあるのでしょう。タブキとユリは「愛のない世界」に取り残されしまった、愛を知った夫婦です。彼らは子供を産み、「蝎の炎」に頼らずともその子供に愛を与えることが出来るのでしょう。
 登場人物たちは総じて親子間に問題がありましたが、愛を知る親が「愛のない世界」に残された、ということです。カンバとショウマ以外の希望のかたちでしょう。

④サリン事件
 首謀者残党である企鵝の会。彼らは別に悪者ではないような気がします。
 彼らはこの世界を壊したがっていました。彼らの言う「聖なる炎」は「蝎の炎」のことでしょうから、愛のある世界を作りたかったのです。手段についてはさておいて。

 この事件の採用は、社会風刺ありき、ではないと思います。『銀河』の世界を再現するためのものでしょう。『銀河』には、船舶事故の犠牲者が出てきます。この船舶事故とは、タイタニック号の事故であると言われています。これを現代と地下鉄に置き換えたのが「サリン事件」だったのだと思われます。

⑤サネトシ
 この人がザネリです。「空の穴分室」にいましたが、「空の穴」というのは『銀河』に出てくる言葉です。彼の言う「呪い」は、他人を犠牲にして生き残ること、すなわちザネリの生のことでしょう。「罪」も同様の概念でしょう。

⑥苹果ちゃん。
 表記も『銀河』準拠だし、果実の苹果が出てくる前に登場したこともあって、レビューを盛大にやらかしたかと不安にさせてくれました。無事に果実の苹果が出てきて良かったです(笑)。
 彼女はずっと運命に縛られていました。でも、最後は死に至る電車を乗り換える「運命の乗り換え」を実行してくれましたね。ヒマリたちが表の主人公だとしたら、苹果ちゃんは裏の主人公でした。

 エンディングを見る限り、ショウマとカンバは銀河鉄道の旅を続けるんですかね?乗り換えをしながら愛のある世界を作り続けるのでしょうか?「ほんとうの幸」を作る側ではなく、いつか味わう側に成れるのでしょうか??
{/netabare}★★追記ここまで★★

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

82.9 14 幽霊アニメランキング14位
黄昏乙女×アムネジア(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1770)
9015人が棚に入れました
度重なる増築により迷路のように入り組んだ私立誠教学園。中等部一年の新谷貞一(にいやていいち)はある日、旧校舎で迷い偶然たどりついた部屋で、不思議な雰囲気を纏う少女・庚夕子(かのえゆうこ)と出会う。彼女は自分を“旧校舎の幽霊”だと言う。自分の過去を思い出せない夕子の為、貞一と夕子は「怪異調査部」を立ち上げ、この学園で語り継がれる数々の怪異を解き明かしていく。

声優・キャラクター
代永翼、原由実、福圓美里、喜多村英梨
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー

原作未読。

主人公の新谷貞一(にいや ていいち)は、旧校舎の幽霊である「夕子(ゆうこ)さん」に遭遇する。
しかし、彼女は自分の死にまつわる記憶を無くしていた。
真相を明らかにするため、「怪異調査部」を設立することになる。
新たな部員も増え、さまざまな怪談の正体を突き止めつつも、彼女の死の真相へとせまっていく。


萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー。
色んな要素を詰め込んでいるのに破綻せず、高水準にまとまっている作品。


まず、メインヒロインの夕子さんの魅力がやばいです。
黒髪ロング長身で純真無垢な大和撫子、それでいながら大人の色気があって実にエロい。
そして、恋する乙女です。
見ていたら「さん」付けでしか呼べなくなります。

サブキャラクターたちも、ギャグ・シリアスともにイケる良キャラです。

* とにかく元気でまっすぐだけど、勘違いで暴走しがちな小此木(おこのぎ)さん
* クールでボーイッシュな美少女と思いきや、ヘタレな霧江(きりえ)さん

そんな魅力的な女の子に囲まれている貞一くんも、イヤミを感じさせないキャラです。
優しくておっとりしていて押しに弱いのに、やるときはやる。
何より一途で、ほんと好感が持てました。

むしろ全員ヒロイン。



作風としては、お色気を絡めたコメディが目立ちます。
下品ではないので見やすかったです。
ギャグは、言葉、動き、見た目など、さまざまな角度で飛ばしています。
「見られちゃった……私の体の一番深いところまで///」というセリフがひどい笑いに。
画面内にずーっと人体模型が映っている回のシュールさも凄まじかったです。


ですが、シリアスな部分はがっつりシリアス。
感情が揺さぶられます。

ギャグ→シリアスという流れは素早く自然に行われています。
気付いたら見入っています。

大げさだったり、ひねりのない内容だったりするのですが、演出と音楽がいいんですよね。
夕子さんの過去が明かされるときの演出はほんと面白い。
{netabare}
長時間に渡って映像が一人称視点というのは、独特で良かったですね。
閉じ込められてパニックになる演技も良かったなぁ。

……ところで、他人同士は、同じ体験を同じように感じられるんでしょうか?
人が「赤い」とか「痛い」とか感じたときの主観体験のことを「クオリア」といいます。
クオリアは本人にしか感知できないので、人がある感覚をどのように受けているか、他人が知ることは不可能です。
そもそも、クオリアはなぜ存在するのか、科学で解明できず、主に哲学で扱われる分野です。

また、人間の感覚とは映画を見ているのと同じで、自由意志が介在する余地がない、という説(随伴現象説)があります。
映画館のようなシーンも出てきましたし、こういった哲学分野の話を意識をしているのかもしれませんね。
{/netabare}


そして、シリアスなシーンから、ラストの感動シーンへ。
マジ泣く……。
話の予想は付くのですが、演出と音楽でぐぐっと持って行かれるんです。
{netabare}
夕子さんが最後に戻ってきたのは賛否両論あると思います。
戻ってこなかったら重いですがインパクト大。
戻ってきたらご都合主義ながら後味が良い。
しかし、アフターエピソードが見れたし、キスが未練で取り憑かれたなんてロマンチックだったのでおkです。
{/netabare}


作画は良いわけではないです。
しかし、色使いが独特です。
例えば、夜のシーン。
普通窓の外の景色は、濃い青か、月の光の黄色。
ところが、この作品では、「赤・青・紫・緑・黄色」と、雰囲気に合わせて色を変えます。

画面のカットと組み合わせて、

* 白の背景に黒の影で「孤独」
* 白と黒のしましま模様で「迷い」
* 無色で「望まない世界」

など、画面全体を使って感情を表現しているのが特徴です。
シャフト風味。

ということで作画の割に視覚効果が高いです。


音楽は文句なし、というか素晴らしい。
OPの「CHOIR JAIL」はかっこよくて耳に残るよなぁ。


どの要素もレベルが高く、12話できれいに収まっており、とても満足できました。
1クールものではトップクラスにお気に入りの作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 101

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

乙女の幽霊と共に、忘れてしまった彼女の死の真相を探る

学園が舞台のホラー・ミステリー・恋愛ものです。

ホラーものは苦手なので、
最初は選んだことを後悔しましたが、

エピソードを見進めていくにつれて、
最後には好きになれた作品でした。

本気のホラーじゃないけど、
画面は全体的に暗いし、ホラーな雰囲気は満載です。

舞台が古い学校というのがね、
もう背景的に怖いのです。笑

全12話です。
(+未放送1話ありますが、そちらは未視聴です。)


● ストーリー
学園に噂される怪談。

この学校には夕子(ゆうこ)さんという幽霊がいる。
この学園で亡くなったという女生徒が幽霊として現れるのだとか。

新谷貞一(にいや ていいち)は噂されている幽霊本人である庚夕子(かのえ ゆうこ)と出会ってから、つきまとわれることに。

学校の地下室には夕子さんの死体がある。
怪異調査部として、夕子さんの死の真相を探る。


今は使われていない旧校舎。
その地下室に眠る夕子さんの死体。

しかし、幽霊となった夕子さんは自分の死の真相が思い出せない。

そこで、貞一に協力してもらって、
怪異調査部として死の真相を調べてもらうことにするというお話。

夕子さん自体は明るくて美人でスタイル良し、
周りから認識されないことを除けば、普通の女の子です。

メインの舞台となる旧校舎が不気味で、
そこがホラーなんですよね。

怪異調査部として、
学校で噂される様々な怪談を調べていくのですが、
真相は大したものではありません。

実際の怪談だってそうだろうから、むしろ大したことなくてよかったという安堵の方が個人的には大きかったです。笑


この作品の核となるエピソードは10話から。
ここからがこの作品の本体ともいえるエピソードでした。

夕子さんの死の真相は、
ホラーというよりミステリーの部類。

幽霊より人間の方がよっぽど怖いよね…。

貞一くんの存在に救われていく夕子さんが可愛かったです。

10話以降を見て、
この作品が人気な理由もよくわかったし、
私自身も面白かったと思えました。


● キャラクター
登場する人数は少ないですが、
個々がしっかり個性を持っているので物足りないとは感じませんでした。

夕子さんは、幽霊。

美人で、スタイルもよくて、明るくて。

最初は貞一につきまといすぎで、
うっとうしくないかな?と思いましたが、

当の本人は幸せだったみたいで、
じゃあいいや。笑

色仕掛けしたりラッキースケベだったり、
毎回えっちな描写があるのはお約束。


貞一くんは中学1年生の男の子。

幽霊とはいえ、美人でスタイルのいいお姉さんにアプローチされたら、
そりゃまあコロッといっちゃいますよね。笑

純真で優しい心の持ち主です。
中1とは思えない懐の深い人物です。

夕子さんへの気持ちが彼を強くしていきました^^


他、怪異調査部のメンバーとして、小此木ももえ(おこのぎ ももえ)、庚霧江(かのえ きりえ)の2人が登場します。

小此木ちゃんはムードメーカーな怪談大好き少女。
この子の行動力の源は最後までよくわからなかったけど、
単純に怪談が好きなだけということだよね?

暴走して話を広げてくれるので、
作品には欠かせない子でした。


霧江さんはクールを装っているけど実は怖がりな一面のギャップが可愛すぎました^^


● 音楽
【 OP「CHOIR JAIL」/ 鈴木このみ 】

鈴木このみさんのデビューシングル。

ホラーな雰囲気を感じる曲調で、
この作品にぴったりです。


【 ED「カランドリエ」/ 奥井亜紀 】

黄昏時によく似合う曲。
怪しげなメロディーが旧校舎の不気味さともマッチしています。

夕子さんが歌うバージョンもよかったです♪


● まとめ
きれいにまとまっていて、
良い作品でした^^

夕子さんの死の謎と、
二人のいちゃいちゃがこの作品の本体です。笑

ホラーな雰囲気をまとったミステリー&ラブコメは、
この作品ならではの空気感でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夕子さん美人すぎっっ 幽霊が全員こんなんだったら、私も今すぐ死んで幽霊になって合いたい!!(死にたくないけど)

ストーリー

主人公の新谷貞一が通う私立誠教学園は創立60年に誇る伝統的な学園でした。その学園は市街地を見下ろすように小高い丘の上に建てられていて、夕方になるとかなり美しい夕日が見えます。けれど、この学園には奇妙な噂がありました。そう。それは旧校舎に幽霊がでると。その幽霊は旧校舎にとらわれているっと言われる夕子っと呼ばれる幽霊だそうです。

ある日、貞一が旧校舎のある部屋に入りましたら、そこにいたのはある長いストレート綺麗な髪を持った少女でした。そう。その少女こそが噂の夕子だったのであった。

私の感想。

いやー しかし、こんなに笑えて、そして、こんなに感動的なストーリーになるとは思いもよらなかったぜ~ すごすぎるぜ~ 私はずっとこの作品はホラー系か、グロ系になると思っていたのにこんなに充実したストーリーと感動的なエピソードがあるなんて思いもよらなかったぜ~すごいすごい。馬鹿になんてしていませんよ!! ただ驚いただけです。 

でも、こんなに主人公が持てるとは思わなかったですね~はじめは。はじめはただの痛い人かと思ったら、こんなにもてるなんて誰が想像するかって感じですよ。 まあ、若干途中からきずき始めましたがww でもまあ、こんなにもてるとは私も思いよらないですよ~ まあ、そのほうが私にとっておもしろいですから好きですけど。貞一のこれからが気になりますね~ 誰を選ぶかがww

しかし、幽霊がこんなに美人だと知ったら私も見てみたいですね~ 超美人の幽霊。まあ、幽霊らしい物は過去に見た事があるんですがね~ 光だけだったので、正直姿がまったく分かりませんでした。私が思うにたぶんあれは女性ではなかったような気がしますが。あ~気になる。

ここまできて、私が書いてきた事あまりこの作品に関係ありませんねww 

まあ、正直この作品の事を話したら結構ネタバレになってしまうのであまり言う事はないんですよ。いいやでしょ? レビューを読んだらネタバレが豊富でこの作品のおもしろさが半減しちゃうって。だから、あえてあまり関係ない事でお茶を濁しているんだよ。(あれ?濁すだっけ? 薄めるだっけ?)

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品は先ほど私の感想。の所で述べたようにこの作品はホラー系やグロ系ではありません。なので、そういうのがかなり苦手だって言う人にもかなりお勧めできる作品です。

そして、ラブコメが好きっと言う人にもお勧めです。笑いあり、ささやかな恋もあり、最高です。ストーリーもかなり充実していますし。まず見てください。

オープニング

「CHOIR JAIL」
おいおいおいおい このオープニングかなりレベル高いんじゃねぇのか?すごすぎるンじゃね~のか? ってかすげ~な おい!

ってつい初めて見た時口にしてしまいました。
かなり曲がいいです。ってかすごくいいです。カラオケでは絶対歌えないと私は思いますが、かなりいい曲です。良い曲すぎて感動してしまいます。もう、「ええの~」ではなく「マジで! やばくねぇ これ」って感じです。(言っている意味わからねぇな)正直このオープニング大好きです。

エンディング

「カランドリエ」
オープニングが強すぎたのか、分かりませんが、エンディングはそれほどではありませn。けれど曲自体はかなりいいと私は思います。でも画像はもう少し工夫をしてほしい意です。まあ、オープニングには負けますがww

「カランドリエ -夕子-」
いや~ いいですの~

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

75.4 15 幽霊アニメランキング15位
To LOVEる -とらぶる-(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (1181)
7726人が棚に入れました
高校生になったが恋愛に奥手な結城リトの元に、宇宙人のデビルーク星の王女ララがやって来た。この二人と周りの登場人物が織り成す、ちょっとHだが愉快痛快なドタバタラブコメディ。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

その災難、宇宙規模w

今日もことごとく美少 女絡みの災難に見舞われる主人公少年周囲のドタバタを描いた、
少年ジャンプ連載(2006~2009)の同名コミック(未読)の最初のアニメ化作品。

【物語 3.5点】
1話~数話完結で男子高校生の結城リト等がトラブルを突破する構成。
人間男子→人間女子の間に巨乳宇宙人女子が押しかけてくる三角関係が基軸で、
この1話に割と大真面目に地球の命運がかかっていたりする。
ラブコメの波動と軽んじていられないスケールw


原作から、色々と筋書きやキャラ設定を改変しているとのことで、
ラブコメ物なら通常はある程度、話が進んでから
起爆剤として逐次投入されるであろう地球内外のヒロインズが、
ほぼ前半1クールまでに各話ダイジェスト紹介風に
押し込められて襲撃して来る猛爆ぶりで、
折り返し地点で既に美少女だらけのハレンチ{netabare}体育祭{/netabare}が催されるハーレム状態w


【作画 3.5点】
アニメーション制作・XEBEC(ジーベック)

ジャンプの限界に挑戦したという
男の子以外にはオススメし辛い、えっちぃアニメw

とは言え、肌色率が高い割に
“謎の光”等が発光する一線を越えたシーンはそれ程多くはなく、
スカートの“防御力”も比較的高めで、
むしろ、えっちぃ目に遭う女子の仕草で魅せるタイプ。
ヒロイン作画もアングルでフェチズムを追求w

(物足りない方には『~ダークネス』に堕ちるという選択肢もありw)


ロボ、SFでも実績があるXEBEC。
その実力はトラブルばかりもたらすララの発明品や、
建屋倒壊、宇宙戦艦、宇宙植物の無茶振りにも対応する
引き出しの多さを発揮し、危機を演出。


幅広い芸当ができるスタジオの解散。返す返す惜しいです。


【キャラ 4.0点】
主人公の男子高校生・結城リト。

“ラッキースケベ”とはよく言った物ですが、
彼の場合はもはや女難w

主立った災難だけでも……
{netabare}人知を越えた宇宙料理を食す。
宇宙で一番ヤバイ殺し屋に命を狙われる。
地球滅亡を賭けてマラソンさせられる。{/netabare}
などなど命が幾つあっても足りませんw

リトが想いを寄せる春菜についても、
関係を進展、改善しようとする度に
えっちぃハプニングが発生し中々距離が詰められず。
アンラッキースケベ?な感じでチョット可哀相なくらい。

これだけ日々スケベに包囲されているのだから、
少しは耐性が付いて天狗になっても良さそうな所ですが、
スカートが捲れるだけで動揺する純情ぶりは
終始変わらず、何か憎めませんw


ハーレム主人公に対しては、つい爆発を願ってしまう私ですがw
背景には、リトくらいの試練を乗り越えてくれないと納得できない。
という悪感情もあるのだと思いますw
美少女やスケベとトラブルは等価交換なのですw


えっちぃ展開に拍車をかけているのが、彩南高校の校長。
己が性欲の赴くままに、女生徒にセクハラ目的のイベントを仕掛ける、
堕落教師ぶりで、たがも歯止めもあったもんじゃありませんw

トラブルで校舎が崩壊しても、自業自得としか言いようがないですw


【声優 4.0点】
ララ役の戸松 遥さんのとろける小悪魔宇宙人ボイス。
春菜役の矢作 紗友里さんの清楚美少女ボイス。
を主軸に、名塚 佳織さんの潔白風紀委員ボイス、
福園 美里さんの感情希薄系・宇宙暗殺者ボイス、
など魅惑の甘々ヒロインボイスが多数押し寄せて来る本作。

特に、とまっちゃんのララが「リト~~♪」
と絡んで来る、嫌な予感しかしない積極口撃が忘れられませんw


受ける主人公リト役は渡辺 明乃さん。
凜々しい女性役も多い声優さんですが、
ここでは純情少年ボイスを提供。
翻弄されるだけでなく、やる時はやる(やんなきゃ皆死ぬw)
女声でも芯は通して来る。


【音楽 3.5点】
劇伴は明るいキーボードの弾ける音色でトラブルにもポジティブ対応。
意外とマーチが流れたりするのも前向き?ですw


OPはTHYME「forever we can make it!」
“人の心に覗き穴が付いていたら どんなにいいだろう”
などと告白タイミングについて煮詰めた味のある歌詞も交えて、
ヒロインズがリトを狙い撃ちする良作ラブソング♪

ラブコメなら深イイ女性ボーカルのバンドソング等に巡り遭えるかもしれない。
そんな期待を抱くようになったのも本作辺り。


EDは前期がANNA(from Bon-Bon Blanco)「ラッキーチューン」
後期が同「kissの行方」
いずれも、一人の夜に想いを募らせる良作。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ラブコメだね、うんラブコメだ。

 えーと、ラブコメである。
 もう少し詳しく言うと、ハチャメチャエロラブコメである。
 端的に言い切ってしまうと、ハチャメチャエロラブコメfeaturing戸松遥である。
 以上!


 予定よりレビューが短くなったため、残りのスペースで「やぴっくすのごきげん♥キックキング」をお送りします。
 
 は~い!みんな!やぴっくすだお~。今日もみんなと「ごきげん♥」にクッキングしちゃお~!
 今日の料理は「激辛きんぴらごぼう」だお。
 まずは材料から、
 立派なごぼう 1本
 小ぶりな人参 1本
 鷹の爪  3~4本
 ごぼうと人参は良く洗って泥をしっかり落とすんだお。
 良く洗ったごぼうを包丁の背でこすってやるんだお。
 これでごぼうの皮がむけてしまうのだ。
 でも、あんまりこすり過ぎるとごぼうの風味が損なわれるからほどほどにするお。
 ごぼうの表面がおおむね白くなったら、ごぼうを切っていくお。
 ささがきするお。
 水を張ったボウルに鉛筆を削るような感じでごぼうを切って落としていくんだお。
 切り終わったごぼうはこのまま水にさらしてあく抜きするんだお。
 あっ、忘れてたお!
 みんな、ごきげん♥感を出すために鼻歌を歌いながら料理するんだお!
 ちなみにやぴっくすは最近のヘビーローテーションの「CLICK」だお!
 あく抜きしている間に人参を切るんだお。
 ごぼうの大きさと大体同じになるぐらいに切るといいお。
 火の通りと食感がよくなるんだお。
 人参が切り終わったら下準備完了だお。
 鍋にサラダ油をひいて、鷹の爪・ごぼう・人参をぶち込むんだお。
 ごぼうの水けを良く切っておくこと、油が跳ねて危ないお!
 鷹の爪は割って入れるのがオススメお!激辛度がグーンとアップするお!
 中火から弱火ぐらいで焦げないように混ぜて、しんなりするぐらいまで炒めるお。
 しんなりしてきたら、醤油・砂糖・みりんで甘辛い味にしていくお。
 このへんはもうテキトーなのだ!
 味をみながら好みの味付けにするといいお!
 全体に味がなじんだら出来上がりお!
 ご飯が進む~!
 食べ過ぎに注意するお!
 もう二度と出番はないだろうけど、楽しかったお!
 またいつか会える日を夢見て、アディオスだお!

 ここまでお付き合いしてくださった頭のおかしな、もとい、心の優しいあなたのために、特別特典として追加レビューをお届けします!

 この作品を因数分解して、成分の大きい順に並べてみます。
 ハチャメチャ・・・押しかけ女房を宇宙人にした時点で、何でもアリ!そら、ハチャメチャにもなるわ。
 エロ・・・・・・・メインヒロインのララの脱ぎっぷりが凄い!ほぼ毎話全裸になっている。その他のキャラも露出多め。
 コメ・・・・・・・シリアスなところはほとんどないので、全体的にコメディなのは間違いない。面白いかどうかは別にして。
 ラブ・・・・・・・あるよ。ラブコメだもの。

 
 戸松遥のファンなら観なさい。
 花澤香菜が主人公の妹です。ファンなら観てはどうですか。
 個人的には金色の闇と古手川唯が好みでした。
 こんなところですかね。
 
 
 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ハレンチな!

漫画よりエロ控えめです
つかキャラクター可愛すぎだろ・・・jk

作画は良くも悪くも、ジャンプアニメクオリティ
制作はジーベック、作画が気になるところはかなりあります
それと、テンポ悪く、だいぶ眠たくなります
アニオリの23話とか、ギャグセンスもいまいちです

リwwwトwwwwwどう転んだらあぁなるんだよ、裏山
ま、ラブコメハーレムですよ
サービスカット、エロシチュエーションばっかしの
ただ、もっとパイオツが見たかったかな、OVAは良かった

ララ役の戸松遥は、戸松キャラベスト3に挙げられるくらいいい演技してます
そしてレギュラー声優はもちろんのこと、ゲスト声優に中田譲治さんや山口勝平さんが来てたりと、かなり豪華です
中でも注目したいのが大浦冬華さん、レンくんもルンちゃんもこの人がやってるんですが、別人と思うくらい演じ分け上手いです
正直言ってすごい好みのキャスティングです、もっと語りたい
矢作紗友里さんは、今作のキャラはそんなにですね
えむえむっのノアやアスラクのアニアみたいな、合ってる時は衝撃がすごいんですが・・・
福圓美里さんは、あぁ最高です
DTBの銀といい、ストパンの芳佳といい、今作の闇ちゃんといい、無限の可能性を感じます
花澤香菜さんは、あぁ最高です
今作の美柑は、ABの天使ちゃん、よいちのかごめと同じくらいの、花澤インパクトの持ち主です
OVA第五弾に出てきたララの妹二人は、レールガンコンビ、伊藤かな恵ちゃんと豊崎愛生さん
第四回声優アワード新人女優賞の二人とあって、とにかく萌えます

OP「forever we can make it!/THYME」、神OPです
私の大好きな背景溶け込み型クレジットで
映像も曲も、とにかく素晴らしい
もはや本編です

矢吹健太朗神がいかに偉大なのかが分かります
その点、アニメはも少し、うまく料理してもらいたかったですが
キャラクターは総じて可愛いです


2期はキャラ説明やらが一切ないので、2期見る人で、原作未読の方にとって、この1期は避けられない道です
頑張ってください(?)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

77.1 16 幽霊アニメランキング16位
それでも町は廻っている(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1360)
7104人が棚に入れました
嵐山歩鳥は、丸子商店街の喫茶店「シーサイド」で、ウェイトレスのアルバイトをする女子高校生。ある日、マスターの磯端ウキが、店を繁盛させる秘策を思いつく。それは、話題のメイド喫茶だった。しかし、関係者が誰もメイド喫茶を知らず、ウェイトレスがメイド服を着ればメイド喫茶だろうと「シーサイド」はメイド喫茶として再スタートする。同級生でありウェイトレスの同僚であるトシ子、同じ学校の先輩双葉、歩鳥に思いを寄せる同級生広章など、歩鳥の周囲の日常は流れていく。

声優・キャラクター
小見川千明、悠木碧、櫻井孝宏、入野自由、矢澤りえか、白石涼子、杉田智和、ゆきのさつき、田村睦心、仙台エリ、松来未祐、黒田崇矢、金光宣明、桜井敏治、中博史、千葉繁

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

隠れた怪作

<2018/12/23初投稿>
原作既読。
本放送時に観てました。
原作は割と最近に完結。

架空の街、丸子商店街。
多摩川なんかも出てくるので神奈川県川崎市の新丸子駅周辺でしょうか。
田園調布から中原街道を西に進み、丸子橋を渡った辺り。
地味な下町が舞台です。

そんな丸子商店街の鄙びたメイド喫茶「シーサイド」(なんだそれ?)で繰り広げられる日常コメディというか、なんだろ?

他愛もない出来事にぼんやりした細かい笑いと、時おりハッとするような一言や出来事。
たまに推理ものになったりSFだったりホラーだったりファンタジーだったりUMAや隠し味程度のラブコメも。

つまり謎作品。

基本一話完結形式です。

主要な登場人物は

・嵐山歩鳥(ほとり)
推理小説が好きで将来は探偵になりたいと本気で思ってる、頭のネジが変な角度で刺さってる女子高生。
色気ゼロだけど「おまんじゅうのような」愛嬌がある。
歩鳥の弟曰く「野球の才能がある人が、バットで書道やってるような人」
シーサイドでバイト中

・辰野トシ子
歩鳥の同級生・友達・バイト仲間。
あだ名は「たっつん」「たっつんつん」
美人で巨乳でなんでもソツなくこなす。
歩鳥の相方兼お守り役その①
つまりツッコミポジション。
左利き。眼鏡。
そういや原作で野球の攻守を「攻めて、受けて」って言ってた。

・紺双葉
歩鳥、たっつんの先輩。
少年のようなクォーターのロッケンロールな美少女。
口が悪く、怖そうだけど実は極度の人見知りで甘えん坊。
歩鳥の相方兼お守り役その②
つまりツッコミポジション。
担当はベース。金髪。

・針原春江
さんま似の、歩鳥とたっつんの同級生。
卓球部。
性格がめちゃくちゃ良くて子供に好かれる。
安定した人格の極めて常識人。
たっつんとは中学時代ライバル関係。
「ピンポン」でこんな人を見たような・・・

・真田広章(ひろゆき)
歩鳥の幼馴染で同級生。
そこそこイケメンなのに自覚はなく、なぜか歩鳥に片想いしてる。
歩鳥へのリアクションが童貞。
いや女性関係のリアクションは悉く思春期の童貞のそれか。

・磯端ウキ
シーサイドの経営者兼マスターでお婆さん。
旦那に先立たれ一人でお店を切り盛りしてた。
趣味はパチンコと麻雀。
子供の頃からよく遊びにくる歩鳥の面倒を見ていた。
お守り役その③。
CVはなんと櫻井孝宏さん。
ババア役もこなすイケボ。

・嵐山猛(タケル)
歩鳥の小学校高学年の弟。
常識的な小学生。
賢く小学生の割には冷静。

・嵐山ユキコ
歩鳥の小学校低学年の妹。
ピーキー。
このまま大人にしてはいけないタイプ

他にもたくさん出てきます。
みなどこにでもいそうだけどちょっとずつ個性的でクセがある。

アニメの出来そのものは良いと思うのですが、シャフト演出が物の見事に滑った作品かなと思ってます。

特に笑いのところ。
原作の笑いはただでさえぼんやりしてるのに、アニメ版は笑いどころで溜めを作りすぎててなんだかなぁ、という感じでした。
あと歩鳥を可愛く見せる必要はなかったのでは。

その分、評価下げました。

あと、これは仕方ないとこなのですが、話数が足らず原作が本当に面白くなるところまでアニメではやれてませんでした。
アニメ放映時はまだ原作も続いてましたしね。

原作は作品掲載順が時系列になっておらずバラバラで一話完結。
なのに話と話が微妙につながっていたり。
読み進めるとどんどん面白くなってきます。
噛めば噛むほどのスルメのよう。

風変わりな作品ですがまだの方には是非観てほしい、そんな作品です。

できれば続編やってほしいけど無理だろなー。

<2019/1/1 追記>
新年初書き込みです。
一言言っておきたくて。

この原作者さん、絵柄はぬぼーっとしてわかりにくいですが実は絵がめちゃくちゃ上手。
デッサン狂うなんてことはなく、人間の体全体を的確に描いてます。
どんなポーズでも自由自在。
ついでにいろんな漫画家さんの絵柄のパロディもしれっと。

きれいな顔描く人や、迫力ある絵を描く人は数いれど、こんだけ正確に書き上げる漫画家さんはそうは見かけない。

つっても私の素人意見ですが。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36
ネタバレ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

(男+女) ÷ モラル = 0

原作未読で視聴。 制作はシャフトで全12話。監督は新房昭之。


『東京の丸子商店街に住む女子高生の「嵐山 歩鳥 (あらしやま ほとり )」の日常をコミカルに描く物語』。 なお、物語の舞台は、主として歩鳥(ほとり)がアルバイトをする近所の昭和臭のする喫茶店「シーサイド」で展開されます。また、作品のジャンルは日常コメディに分類されるそうです。ですからストーリーのようなものはありませんし、イベントのようなものはありません。あまり期待してはいけません。


序盤、この作品のペースに慣れるのにちょっと時間か掛かるかもしれません。ですが、2話ぐらいから徐々に慣れてくると思います。慣れたかどうかの目安としては、シーサイド店長のお婆ちゃんのメイド服姿に違和感を持たなくなった時です。



私はいつも他の方のレビューなどを参考にして次に観る作品を決定するのですが、今回は、まどマギ、物語シリースを手掛ける監督でお馴染みの「新房昭之」のタグでこの作品に決めました。彼が手掛ける作品は、ハズれが少ないんですよねホント。そして今回の場合ですが、やはり当たりでしたよ。登場人物が見事にアホばかりでとても面白かったです。特に、主人公の天然系のアホの「ほとり」、ちょっと勘違いした自意識過剰なアホの「トシ子」、男勝りなアホの「紺先輩」、この3人が揃うと会話が楽しくてもう最高でした。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉がありますが、あれ嘘ですね。アホが3人集まっても、アホさ3倍増しでした。


制作はシャフトなので、多少の独特な演出があります。苦手な方もいるかとは思いますが、私はこの作品のようなコメディと、シャフトの独特な演出とはマッチしているのではないかと思っています。 ここで私の個人的な好みで申し訳ないのですが、私はシャフトの演出の中で俗に言う「シャフト角度(*1」と呼ばれるものが好きですね。シャフト作品でこの演出のシーンが出て来ると、「来た!シャフト角度!」と心の中で発してしまいます。私の中ではもはや歌舞伎の見得のポーズをみたいな扱いです。ただ、この作品ではあまりそれが見られなかったのでちょっと残念でした。


音楽も良かったです。オープニングの曲は、誰でも一度はどこかで聞いた事がある山下達郎作曲の「Down Town」で、それをちょっとミュージカル風にアレンジしたものでした。お洒落な感じで良かったです。ちなみに歌っていたのは「坂本真綾さん」でした。エンディングの曲は、作品中の文化祭で、ほとり・トシ子・春江・紺先輩が結成したバントの演奏でした。こちらも良かったです。


これほどの良作な作品で2期がないのが不思議です。読みたい原作がまた1つ増えてしまいました。


見ても大丈夫なネタばれです。第8話のコインランドリーのテレビから流れる野球中継。試合の得点は、{netabare}56対2{/netabare}です。無茶苦茶です。勝ってるチーム、勘弁してあげてw。




*1)シャフト角度とは、振り向き越しに顎を天井の方に向け、目線だけを下に向けて相手を見下す極端な上から目線の仕草です。(シャフ度などと言われたりもします) (。-人-。) ゴメンネ ちょっとレビュー長かった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私に媚びすぎだよ!

【あらすじ】
女子高生が知り合いのばあちゃんの喫茶店でバイトを始める。でもその喫茶店、最近メイド喫茶になったらしいよ。

【成分表】
笑い★★★★★ ゆる★★★☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★☆☆☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
日常、コメディ、ちょっとファンタジー、ちょっと恋愛、ちょっと感動、ちょっと謎解き

【こういう人におすすめ】
一般人~アニメハマり始めくらいの人。笑いたい人。日常コメディ舐めてる人。

【あにこれ評価(おおよそ)】
74.4点。好評だが☆4くらいであと一歩乗り切れない人が多い。

【個人的評価】
広い分野を網羅する日常コメディの傑作。でも広すぎて器用貧乏に。でも相当好き。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}  主人公はアホめな女子高生。しかし舞台は学校というわけでもなく、バイト先というわけでもありません。舞台は町。
 基本的な立ち位置は日常コメディ。日常系ですが、コメディの質も高いです。推理要素やいい話もサラリと紛れ込んでおり、SFのような非日常に発展したりもします。さらにお色気シーンや萌えの要素もあり、恋愛は隠し味程度で進展する気配ゼロ。不毛にスタイリッシュであり、随所に無駄な薀蓄を含み、男性陣がハーレム状態になったりもしない!
 私のためにあるようなアニメです!
 媚びすぎです!
 生まれてくれてありがとう!
 ちょっとこのアニメに関しては欠点を挙げられません。惜しむらくはあまりに広範を網羅しているせいで器用貧乏になり、私の中のアニメ1位を「四畳半神話大系」にとられてしまっている点。

 まだ観てない人には下の謎解きを紹介します。この謎解きが「謎解きとしてすごすぎる」ということではなく、このレベルの謎解きが日常系コメディのなかにさらっと組み込まれているのがすごいんです!

 ↓以下、第3話前半の約3分間のストーリーを文章化。
{netabare} とある2枚の絵が持ち込まれる。
 一枚は普通の老人の自画像であった。主人公はその絵が正方形であることを指摘する。依頼人は絵と作者についてこう紹介した。
「この絵を描いたのは僕の祖父だ。三人兄弟の末っ子で生前は売れない画家だった。祖父は博打打ちで碌に財産も残さなかったが、多くの絵を描きためていた。祖父の死後、その形見の絵を祖父の兄弟と、遺族の我が家とで三等分したという」
 しかし、本当の問題はもう一枚の絵だった。
 それはさきほどとほとんど同じ肖像画であった。
 目が4つあること以外は。
 絵のタイトルは両方とも「目(自画像)」。
 主人公はこの絵が描かれた理由を推理することにした。 {/netabare}

 真相は是非アニメで見てください! {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36

75.1 17 幽霊アニメランキング17位
六畳間の侵略者!?(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1175)
7086人が棚に入れました
高校入学から一人暮らしを始めることになった苦学生、里見孝太郎が見つけた家賃五千円の格安物件。その部屋“こころな荘一〇六号室”は…狙われていた!意外なところからつぎつぎ現れる可愛い侵略者たちと、孝太郎との壮絶な(?)闘いの火花が、たった六畳の空間に散りまくる!健速が紡ぐ急転直下のドタバトルラブコメ、ぎゅぎゅっと始まります。

声優・キャラクター
中村悠一、鈴木絵理、大森日雅、田澤茉純、長縄まりあ、鈴木達央、竹達彩奈、悠木碧、早見沙織、高本めぐみ、洲崎綾、田村ゆかり、鬼頭明里
ネタバレ

うち. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

六畳間に集まる侵略者達!?

ヒロイン全員侵略者ではなく宇宙人と地底人が侵略者です。
ラブコメで時々シリアスという感じですかねー、一話は怒濤の展開、三話はマラソン回でしたがマラソンではなく障害物マラソンでした。
詳しく知りたい人はラノベを読む、大まかなな本筋を知りたい人はアニメを観るのがおすすめ。

ラノベの一巻を購入したのでお約束は出来ませんが感想を書くかもしれません。
一巻読んだ感想
大まかな違いを書きます。ここからはネタバレというより、違いを書きますが一応ご注意を。それが大丈夫という方はどうぞ…
{netabare} ゆりかの扱いが酷い(笑)陰の功労者なのですが誰も魔法少女と信じません。アニメ以上に不憫なキャラです。大家さんの掘り下げと桜庭先輩の掘り下げがラノベ版の方が充実しています、特に桜庭先輩は読んでおかないと何故孝太郎に好意を抱いているのか不透明だったのでその疑問が解消されました(されます)
侵略者メンバーで幽霊の早苗は一巻の時点で孝太郎に対する敵意がとあることで薄れています。 {/netabare}
ラノベ版を読むと桜庭先輩と早苗とゆりかの印象が変わります、そのかわりアニメのように展開が早いというわけではありません。アニメ一話がほぼ一巻の内容をざっくりとカットして映像化しているのでご注意。

九話感想
ゆりかが可愛い…だと!?
ラノベ読んだから知ってましたけどね
タイトルの解釈としては『陽だまりと虹』は孝太郎がゆりかに対するイメージであり、ゆりかが孝太郎に対するイメージかなと思いました。
 九話は孝太郎がゆりかをおんぶしているシーンがまさに孝太郎がゆりかにとっての『陽だまり』という感じが出てて良かったと感じました。

十話感想
早苗が孝太郎の身体に入って眠っていましたが、あれは早苗的に『暖かいから入っている』らしいからです。
孝太郎は最早、早苗に対しまったく敵意もなくなおかつ家族感覚なので暖かいみたいです。朝に寝起きの悪い孝太郎を起こしに来るルースはびっくりしています(尺の都合によりここの下りはカット)
ゆりかの馬の役はいじめとかではなく、ゆりかには馬の演技が上手いと評価されてまた馬役をしました。

十一話感想
キリハが左腕に付けていた篭手は雷と炎を操れる代物です。
キリハは障害物競走で完走寸前までいったので運動は得意な方なのでしょう、急進派のリーダーにはスタンガン的な衝撃を与えて昏倒させました。
急進派のリーダー、シジマ・タユマは騒動の後地底にて裁判にかけられます。シジマは所謂武家に当たる家で生まれ武力による侵略を提唱して一定の支持を得ています。地底の技術は確かに地上を圧倒していますが数は断然、地上の人間が多いですし対策も早いでしょう…サンレンジャーはその為の組織です。
今回サンレンジャーが遊園地まで出動しませんでしたが、ラノベ版だと遊園地に出動します。一瞬でやられますが、ゆりかの防御魔法で大事に至りませんでした。
サンレンジャーという組織は全国に居るらしいです(あやふや)あのスーツは一応戦える機能が備わっています。

キリハは可愛いのですが後々にならないと真価が発揮されないもったいないキャラですかね。

キリハの過去については…ラノベを買おう!
ここで言うのは止めておきます。
大家さん貴方は一体何者なんだ…

十二話感想と総評
クリスマス回&演劇回でした。
アニメの尺に合わせて一話並みの再構成がされました、ある意味原作越えをした回でした。
ヒロイン全員が可愛いと感じたのは久々なんじゃないかと感じました。どのヒロインも薄い印象ではなく色濃く記憶出来るアニメだったのはないでしょうか?(一話で切らなければ)
十二話は原作超えたと個人的な感想です。
本当に素晴らしいアレンジ、改変、再構成が光るアニメでした、スタッフの皆さんありがとうございました。

アニメは終わりましたが、ラノベはまだ続いているので気になる人はチェック!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

みんな可愛すぎんでしょおおおおおおお

 HJ文庫よりライトノベル原作、ハーレム気味ラブコメ作品。
幽霊に魔法少女に地底人に宇宙人に付き人に大家さんに先輩に……節操のないヒロインの種類と多さ。
1話の時点じゃ「あ、これ、がをられ枠か」もしくは「脳コメ枠か」とか感想を抱いても仕方ない。
だって全員一挙登場するんだもの……。

しかしながら1話の雑多感に反して、2話以降から丁寧なキャラクターの掘り下げが進行してゆく。
設定の無茶苦茶さはあるものの、内容は見せ場やメッセージ性がハッキリしてるので意外に観やすい。

1話は顔見せ、2話以降から各キャラが深く関わるエピソードがそれぞれ用意されている、
侵略戦争とは名ばかりで、そんなに駆け引きやバトル対決的な内容ではない、
といった辺りを念頭に置けば、方向性が分からず振り回されることなく、視聴できるかもしれない。
しかし特殊キャラたくさん出してきたのに、最も普通っぽい先輩が一番メインヒロインっぽいという。

■キャラクターを輝かせるエピソードの展開力
{netabare} この作品は実にキャラクターの魅力を引き出すための話作りが上手いと思う。
初めにいいなと思ったのは、第三話の部活対抗障害物マラソンの話。
この話で最も印象に残ったのが桜庭先輩とゆりかふぁいおーの助け合いシーン。
侵略者面々の中で一人抜けたポンコツぷりを発揮してたゆりかだけに、その健気さに胸を打たれる。
先輩の聖人っぷりも拍車をかけて、ゆりかに恵みあれといった気持ちにさせられた。

ハーレムモノで男キャラ不在の中でのキャラ掘り下げというのも新しく、
厳密にはハーレムモノというよりキャラによって別個のドラマがある作品という印象が強まった。
安易なラブコメに走らずに個性を描く方向に重点を置いたことで、結果魅力を高めているのではないか。

そんなこんなで全員それぞれが際立つエピソードが用意されているために、
観ていけば観ていくほどキャラの魅力が深まっていって、みんな可愛い……

早苗ちゃん:人懐っこさが可愛い どんなときでも味方になってくれそうな信頼感
ティア:反応がいちいち可愛い 小っちゃくて度々弄ばれるけど、案外懐が深くて頼もしい
ルースさん:誠実で可愛い 常識人的ポジションだけど最も暴れてた人
ゆりか:ポンコツ可愛い 泣いたり笑ったりオチ担当だったり面白い でも影の功労者だったりする
キリハさん:機転が利く可愛い 最初は読めない人だったけど、真意が明かされて好感を持てた
桜庭先輩:ヒロイン可愛い 完全に惚れちゃってるよね、という行動の端々が破壊力ありすぎる
大家さん:自由人可愛い 一人だけ別格な格闘家やってるあたり笑えつつ、いると安心感ある
ハニワも竹達と悠木碧だと思うと頭がとろけそうだった。

これほど全ヒロイン魅力的な作品もそうないな……。
そして主人公の孝太郎も終始明るい好青年で、いざというときは台詞も格好良くて好感度高かった。{/netabare}

☆総評
 展開自体はチープさもあったのだけど、キャラクターは本当ずば抜けて良い作品だった。
作画も安定感があり表情豊かで、ポーズも特徴的に決まってて良かった。
ちょっとした所作にどきっとさせられることもあり、可愛さがオーバーブレイクする。
1クールでこれらのキャラを一通り描ききっていて、満足感のある内容だと思う。
ただ方向性を掴むまでの出だしがネックか。まぁ総じて予想以上に良作のキャラ萌えアニメだった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

あしすと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この作品は1クールアニメでは魅力が伝わらないタイプだったのではないかと

原作未読です。

最近たまたまこの作品の原作の良い評判を目にしたのですが、それに対して「でも自分はそんなにこのアニメに強い印象はなかったな~。原作はもっと面白いのかな~」と思ったわけで。

ただ、そのように思いを巡らせたことで一つ気付いたことがあるので、自分へのメモがてらレビューにしてみます。



このアニメに対する自分の印象は、
「ファンタジーハーレムときどきバトルで、決してつまらなくはないものの無難だったアニメ」
というものでした。

そこで今回あらためて「なぜ無難と感じたか」を突き詰めてみたのですが、それはアニメ範囲内では「設定が活かされてない」と無意識で感じていたからみたいなのですよね。


つまり、幽霊やら地底人やら宇宙人やら魔法少女やら、いろいろなキャラがいましたけど、それぞれが上手く絡むことなくエピソードがそれぞれが独立していた、というか…。

例えば幽霊早苗ちゃんメインのエピソードで、他のメンツが地底人やら宇宙人やら魔法少女である必然性があまりなかったように思えて、
その必然性のない状態が、全メンバーの人数分だけメインヒロインキャラを変えて繰り返されただけで、起伏のない状態のまま最終回までいってしまった、みたいな…。

なんか言葉が上手くないですね。伝わっていなければゴメンナサイ…(>_<)




ただ、最近目にした原作の良い評判というのは「伏線の回収の仕方が絶妙」というものでした。

それで思い出しました。
あー、言われてみればなんか伏線っぽい展開はあったな~。結局アニメ範囲内で回収されることはなかったから記憶に残ってなかったけど。


この原作って、20巻くらい出てるんですもんね。

もちろん原作者さんが魅力的な話を作り続けられるからそんなに続くのでしょうけど、それはそれとして、そりゃあ20巻も続いていればじっくりゆっくり伏線回収もできて面白いラノベになりますよね。


かたやアニメ。

何巻までアニメ化されたのかは知らないですけど、きっとこの作品って序盤はメインキャラの自己紹介巻が続いて、
序盤だけでの伏線回収とか、アニメ化された際に合わせた序盤の盛り上がり巻とか作らなかったのでは?


いや、ラノベはあくまでラノベですから、アニメ化を見越して12話24話でまとまりそうなポイントに合わせてメリハリのある盛り上がり回を作るというのは本来違うのかもしれないというのは分かるんですよ。

でも、自分は新しい漫画やラノベを積極的に発掘しようとするタイプではなく、アニメ化されたものの中からかなり気に入ったものだけ原作に進むタイプなので、アニメ12話の時点で強い印象がなければその先には行かないというのが事実なわけで。


例によって話が行ったり来たりしてしまいましたが、今回何を言いたかったのかをまとめますと、
そんなに伏線回収が巧みな原作なのだとしたら、それがまったく感じられなかったアニメ12話の構成(原作序盤の構成)はもったいなかったんじゃないかな~
…ということなのでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

70.9 18 幽霊アニメランキング18位
ブラッドラッド(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (1037)
6624人が棚に入れました
魔界のとある地区で“ナワバリボス”をしている吸血鬼・スタズ。吸血鬼然としている事が嫌いで、ジャパニーズカルチャーを愛する彼のナワバリにある日、日本人の少女・柳冬実が迷い込んでくる。ナマの人間、しかも日本人に会えたスタズのロマンチックは止まらない! だが、ちょっとナワバリを狙った侵入者を退治している間に、冬実がモンスターに食べられて死んでしまった!! 幽霊となってしまった冬実を前に、必ず生き返らせると血意したスタズだが・・・!?

声優・キャラクター
逢坂良太、野水伊織、寺島拓篤、ブリドカットセーラ恵美、木村良平、南里侑香、斎藤千和、米須太一、山本和臣、遊佐浩二、稲田徹、梶裕貴、浅野真澄、岸尾だいすけ、徳本英一郎、ロア健治、白川周作、松田健一郎、イッキ、菊タロー、明平鉄平、つぶやきシロー、三石琴乃、藤原啓治、若本規夫
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

中途半端すぎ(最終話まで

全10話。打ち切り?


●関連URL
・番組公式サイト:http://bloodlad.jp/
・番組公式Twitter:http://twitter.com/anime_bloodlad
・原作漫画特設サイト:http://www.kadokawa.co.jp/sp/201108-01/


あらすじ

東魔界でナワバリボスをしているオタクな吸血鬼・スタズのもとへ、ある日、人間の女子高生・柳冬実が紛れ込んでくる。
戸惑いながらにも冬実に会ったスタズは、自分の中から湧いてくる気持ちを整理出来ずにいた。
しかし束の間、冬実はナワバリ破りに来た魔物に喰われ、幽霊となってしまう。
スタズは自分の気持ちの整理のためにも、彼女を生き返らせようと「血意」する。


どうやらはたらく魔王さまの吸血鬼版って感じですね。
取り敢えず見てるけど取り立てて面白いわけでもないしつまらないわけでもないから困る。


各話感想は1~4と8話~
{netabare}1話
吸血鬼の話なのか。
なんか自分語りがどっかで見たことあるような。
はたらく魔王みたいな感じのアニメかな?
OP見る限りキャラ多いな…
Ω\ζ°)チーン骨でした。
魔界なのかここ。なんで吸血鬼が惚れてんだよ普通逆だろ。
おい世紀末な服が転がってるぞww
すしTシャツwwwお前は外国人かw
チンピラ同士の縄張り争いアニメなのか…
あのゲームってFF書いてあったぞ今ww
あら?急に漫画みたいにセリフ出てきた。
完全に今季のはたらく魔王枠だな。こっちはチャラいがw
心臓がパンッ!超良い音だったぞwww
食われてるうううううううううwwww
えええええええええええええw
/(^o^)\
衝撃的すぎるww
って全裸になってただけかww何があったんだww
うわー食われて死んだのかよww
VVV1話ばりの衝撃度w生き返らせる事が出来るのかよw
あったまっちゃうwwエロいなw
人間じゃなくなっただけで手のひら返しすぎだろw
どらがむぼーるw
7つの玊集めるのかよww神龍ww
ふっかつのじゅもんwwぱわすわーどだろそれw
ブラックカーテン。
三つ目がとおるwww
見破りのサーチアイズ!?キッラキラしてんな。
占いでもなんでもねぇw
これはパンダみたいなのが本体なのか?
ミミック吉田w
眼鏡が三つ目分だけあったwww
ミミックさすが変身能力。
トイレちけえええええw
なんか黄色目のハゲがバトーさんに見える。つちのこ!?


2話
まさかのシリアス展開で消えちゃうのかと思った。
なかなか吸血鬼様がカッコイイ。給血鬼!w
オニクロw
ブラックカーテンどういうシステムなんだ。
何故ダーリンにするんだw
オニのパンツってそれラムちゃんのじゃねぇのか!w
給血鬼強いなw 人体蘇生の書!
次の敵はウルフか。幼馴染であり宿敵なんですかー(棒
どうせ大した奴じゃないんだろw


3話
縄張りボスwあれなんか想像と違うキャラだった。
「持ってんじゃん」
なんだそのすげーアイテムw異次元パンチだな。
DBだかでそんな敵がいたようないなかったような。
ハトムネ運送w クルゥックゥククルゥって鳩ってどこでも同じ鳴き方するよなぁ。
仲良しだったのかよ。
女をやるなw顔がひどくて吐いてるんじゃないだろw
絶対ハトムネ運送酔だろ!
なんでボーリング… え?ボクシング?わけがわからないよ。
ふゆみwwラウンドガールwどんだけおっぱいでかいんだよ。
おいハムスターじゃなくて三つ目の動物なんで頭にウルトラマンの仮面かぶってるんだw
今度はあれか明日のジョーのおっさんか。
元に戻してやりたいって理由が希薄だよなぁ…
え?何処に消えたんだ?
謎の女だな。人体蘇生の書持ってたのかよ。
なっ!?

うーんどうも面白い展開になる気がしない…
微妙すぎる。まぁもうちょっと見てみるか。


4話
なんだアニキ吸血鬼の王なのか。どうせ大した事無いんだろうw
殿堂魔界…超強い奴の集まりなのか。
なんだ狼結構強かったのか。
巨大リュック女はホント何のためにいるんだかわけわからんな。
くまのぬいぐるみ目が3つあるw
服アホっぽいってより子供っぽいな。
フユミも泣いてるw
巨乳女の下乳いいなぁ。私が見たいもの?モノ?完全に誘ってやがるw
なる程力が封印されてるのか。兄さん怖いwまるでアダムスファミリーだなw
スタズ頑丈だなおいw
魔力を抑えこむ拘束弾。なる程封じるためだったのか。
スマホに興奮すんなw
トレジャーハンターだったのか。ただの巨乳だと思ってた。
ほう。強いのかこいつ。あれ?異次元に取り残された?
あっ足また消えてる。あれ?魔界じゃなかったっけ?
ただ眠いだけかと思ったらそういう事か。
リズ?妹?姉貴?何者だ?ダースベーダーか?
フランケンシュタインが医者なのかw
妹だったか。
ジャッジメントインパクト。なんか凄そうだ。
最大にして最強の刑務所。おもちゃ箱なのか。
なんのボタンなんだ…処刑でもされんのか?
むむっゾンビでも出るかと思ったらなんか違うようだ。
なかなか次週が気になる。


8話
割りとOPが良いんだよなぁ…
何故ここまで人気が出ないのか不思議だ。そこそこ面白いんだけどなぁ。魔法少女モノよりよっぽど良い気がするんだが。
謎だ謎すぎる。エロや萌えが無いからなのだろうか?
負け犬の首輪。アンダーチョックチョーパー?
リズは常に仮面外しておけばいいと思う。ってかなんで付けてるんだか。
HEYYOU!耳が魚だよ!
雪男がつぶやきシローっぽいしゃべり方だなwってかつぶやきシローなのか?
妥協ラーメンってなんだよ何に妥協したんだよw味か?味なのか?味玉妥協すんなw
フユミなんでそんなとこにいんだっけ?ダメだすでに先週の記憶が無い…
フユミの股間キックwひどいw
おまえら姉弟だったのか。ママセクシーすぎんだろw
足をちょっとだけだして逃げるのかよw
限定一点物w完全にフィギア感覚だなw
何この異次元使い。強すぎ。スタズもっと強かったw
ぜっ全裸だと?wうっはパンツスーハーしちゃうのかよwこれは下半身が反応してしまうw
どういう理由でパンツをお宝認定してんだw
ベルどんだけスタズ好きなんだよw下半身スッポンポンじゃないかw


9話
何者が心臓を握っていたんだ…
なんか新しいの出てきた。眼鏡好きなのか。
お宅の可愛い部下に拘束?
お父さんのそっくりさん?
若本さんだと!?かっけぇw王様なのか。
ベル移動が自在過ぎるなほんとwえ?ベルとラブラブ中だと?
スタズは連れなのか。男連れ…余計ヤバイ気が。
はい惚れてます。
スタズいきなり振られたw鳥頭かよw
ベル側のおかあさんか。なんでフユミを知ってんだよ。
マグカップまで眼鏡かよ。
王様は何処の王様でなんなんだ?
王への宣戦布告しにきたのか。
なんかよくわかんないけど戦争になりそうだ。
なっなんだ?自分でかみきって何がどうなってんだ。
って首輪を外すためだったのか。
なんかすげぇ転がってるなww
ベルママとフユミママ同一人物だったのか。
血を操れる特権魔術便利だなぁ。
あれ?ってかフユミとベルは種違いかなんか?あれ?同じ人間ならこいつらも一緒になるはずじゃ?
あっ生き返ったら寧ろくっついちゃうのか?
わけがわからないよ。しっかしまぁこれからって所で終わっちゃうんだなぁ。10話までとかどうなってんだ。


最終話
謎のドラゴン現れる。
ベルの親父だったのか。なる程フユミをこっちの世界の子にするのか。
そりゃ女の取り合いになるよなぁ…子供もだけど。
フユミは一人で育てのか…いいおやじだな。
なんだフユミはスタズの事気になってたのかよって生き返ってみなきゃわからないってなんじゃそりゃw
呪いの団子。近い破れば死ぬのか。
何このりかちゃん人形…wっておっさんが持ってたフィギアかよw
フユミなんで下着なんだよw
母親だけ傲慢だな。ベルの親父もフユミの親父も良い奴だ。
クールデシジョン。頭に触れないと発動出来ないとかしょぼいw
リズ間に合ったか。なんかカッコイイ戦闘だったな。
クソでかい神?ベル親父は神だったのか?
あら?スタズおかしいぞ?
なんだか魔界も荒れてるな。ハト郵便懐かしいww
生き返ったら記憶無くなるのか…
フユミ空気読めない子ww
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
これで終わりかよ…なんという中途半端感。
元々10話のつもりだったのか打ち切りになったのかどっちなんだろ。
残念過ぎる。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

楽しめた吸血鬼コメディでしたが…

オタク文化を愛する吸血鬼:スタズが死んで幽霊になってしまった少女:柳冬実を救い
元の人間に戻そうとする吸血アクションコメディ。

※1話感想{netabare}
今回の成分 吸血鬼3:幽霊2:血意1:オタク1:ナワバリ1:影武者1:カーテン1

期待していませんでしたが1話目から面白そう…というか面白かったです。
会話のテンポも良くギャグもプッと笑えますしアクションもなかなか。
カーテンや影武者がタイミング良すぎるなど都合の良さはありましたが
広がりそうなストーリー性もあってラストは少し感動の予感もします。
万人にウケそうでコレならもうちょっと今期注目作の上位に来ても良さそうなんですが。
(現在16位以下)
…話題性がないのかな?癖のある作画かな?

物語としては柳さんが魔界に来た理由が気になります。偶然ではない様に思いますが。
誰がブラックカーテンを用意したのでしょうか?裏で何者かが動いている気配がします。
次回は人間界に乗り込んじゃうみたいですがどうなる事やら楽しみです。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
今回の成分 マインドコントロール4:空間魔術師4:給血2

前半で冬実の設定を固めました。
生き返る希望が見えているので気楽にコメディが楽しめます。

そしてハッチャケた魔術師が土足で登場。
ブラックカーテンは盗まれた物のなのでしまえないらしい。
もっとシリアスな理由があるのかと思ってたけどそうでもなさそう。
ご都合主義もスゴいけどこのコメディ展開なら気にならないからまぁいいか。
深く考えず楽しみます。

次回は魔界に戻り狼男との戦いが待っているようです。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
今回の成分 ライバル4:ボクシング3:ウェスタン1:鳩1:人体蘇生の書1

西魔界でライバルの狼男と対決でシリアスになるかと思ったけど仲良いのか。
もう茶番な対決なんだけどなかなか楽しめたからいいかな。
ミツ目の小動物は意外と出番が多そう。
ミート君&丹下はチョット古い気はするけど。
次回はお兄さんの所に行くらしい。フルッフー♪
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回の成分 兄弟(妹)4:殿堂魔界3:監獄1:好奇心1:マッドサイエンティスト1

テンポ早くて目まぐるしいです。
監獄入れられるとは思いもしなかったわ。
空間魔術師のサービスカットがありましたがどうも色気を感じない。(^_^;)
明るくて嫌いではないんだけどな。
次回は監獄から出る様です。冬実もビンチみたい。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
今回の成分 封印5:人造魔人4:魔素1

もう封印解いちゃいました。このアニメ全然引っ張らないのか。
何故封印したのかという秘密も想像通りでした。
スタズがナワバリを統一してからこんな展開になるのかなと思ってたのですが
スキップして初期設定は踏み台だったみたい。
息切れしないで何処まで行くのか見物になってきました。

フランケン先生の理論はよく分からないけれど
冬実の方もスタズの血を飲ます設定を早くも捨てて純粋な幽霊になるみたいです。
現世には戻れなくなっちゃわない?とも思うけど人体蘇生成功させれば良いか。
次回は人造魔人(正確には魔造魔人かな)退治の様です。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
今回の成分 タイマンバトル5:親友3:空間転移1:雑種1

このアニメどこ行っちゃうのかと思いましたがやっと伏線と繋がってきました。
オタク設定にも意味が出てきましたし魔道具泥棒とも関わりが見えてきて
ストーリーとしてまた楽しめそうです。

スタズガ強くなりすぎてバランスおかしくなるかもと心配しましたが、
パロディを織り交ぜつつ激しいバトルは観ていて楽しめました。
ウルフくんの意地も見えました。今後、彼も強くなって欲しいですね。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
今回の成分 魔界体験7:誘拐2:巨乳1

リズが世間というか魔界を知る話。
リズの掘り下げでキャラに魂が入りました。可愛くて好感触。
今まで孤独で兄しか居なかったのだろうけど
冬実の優しさに触れて心が少し動いたみたいです。
「魔界には悪い子しかいねーんだよ」の決めゼリフもやっと活きて来ました。

拉致された冬実は何処に?そして何故!?ベルは鳴るのか!?いざ南魔界に!
結構面白くなってきました。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
今回の成分 異空間バトル4:姉弟3:恋愛1:ぱんつ1:つぶやき1

まさかコッチも姉弟でしたか…そして母の存在まで。
冬実に何の用なんだろう?バトルした理由は?気になります。
それにしてもベルは乙女らしい。
ちょいちょい態度に出てたけど完全にスタズに惚れてたんですね。
何時何処で惚れたのだろうか?
{/netabare}

※9話感想{netabare}
今回の成分 血3:ドッペルゲンガー2:メガネ2:姉妹1:玉座1

あーなるほど、ドッペルゲンガーだったのか!
…とはならないよね。まぁ強引な設定に丸め込まれてあげるけど。
何だかんだ言いながら楽しめたこの作品も早くも来週最終回みたいです。
まだ色々あるけど上手く纏まるかな?
リズ回のキャラ掘り下げが良かっただけに他のキャラの掘り下げも観たかったな。
{/netabare}

※10話感想&総評{netabare}
今回の成分 ダークヒーロー3:呪い2:父親2:ハイドラ1:作り笑い1:ライバル1

それにしても親兄弟が小出しに出てくるアニメですね。
そして予想通りやはり戦いはまだ続くEDでした。
期待してなかった分気楽に楽しめはしたんですが、これ続編やるのかな?

完全に中途半端で色々気になるこの段階ではきちんと評価出来ないです。
キャラについてもリズ以外は出ただけで掘り下げが足りないので感情移入出来ませんでした。
あえて強引に走る展開は嫌いではないですけど、
ここで終えられてしまうと何の印象も持てません。
詰まらなくはないですが終わりが締まらないと結局は時間の無駄に感じてしまいます。
続編が出ない事には誰にもお勧めできません。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36

ギータ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

アニメって1話にしてこれだけ評価が変わる作品もあるんですね

切りました。
ある意味衝撃的な作品でした。

1話と2話であれだけ評価が変わってしまったのはこの作品が初めてだし、おそらく最後になるのではと思わせられるほどでした。


このアニメでの失敗、いや大失敗といえる設定が2つあります。

①死んでしまったヒロインに対して主人公が全く魅力を感じなくなってしまったこと
せめてですよ、全くではなく、魅力が半減したくらいに抑えてほしかった。
1話では私もヒロインに魅力を感じていましたし、死んだのも面白かったですが、それで主人公が魅力を全く感じなくなると、不思議と視聴している私も魅力を感じなくなってきます。
アニメキャラとの共感を考えれば、この設定は大失敗です。
キャラが笑っているからこっちも笑顔になる、泣いているからこっちも悲しい、同じように魅力を感じないからこっちまで魅力を感じなくなってしまう。この考えはそんなに的外れではないはずです。
また、主人公がヒロインを生き返らせたい執着心が全く見えてきません。
これもヒロインの魅力を下げることに拍車をかけています。
ヒロインが死んだ後だけでなく、生前も魅力がなかったかのような気分になります。
生き返らせたいという行動はでていますが、心情描写や表情の表れ、回想などそういうものが弱く、行動と心情が一致してないように感じました。

②死んだヒロインがわりと普通の生活を送ってる
これで完全に冷めました。
2話にして「もう無理かも」と思わせるほどでした。
主人公はヒロインが死んだことによって魅力を感じなくなった、しかし視聴者側からすれば三角布がついただけにしか見えないんです。
その上で、他の人の記憶に影響が出ているものの、普通に学校に行ったりと「は?」となるような描写をしてきました。
「えっ?死んで魅力がない設定にしたヒロインに普通の生活させるの?それでなくても、死者が生きている人達と学校で勉強するっておかしいのに?」
※見返してないので曖昧です。大きく間違ってはいないはずですが、間違っていたらすみません
→ちょっと見返しました。そういえば不思議スプレーがありましたね。んでもって生き返った時のヒロインに配慮した行動だったと。主人公の行動には納得できました。でも、設定、アニメ全体を考えたらやっぱ変な気がします。なんかどうしても噛み合わない。

視聴者側からすればヒロインは普通の生活をしている、生前とあまり変わらないように見えるのに、主人公は魅力が全くないと申しているんです。
全く噛み合いません。感情移入しろと言う方が無理だし、感情移入したらさらにヒロインに魅力感じなくなりますよね(笑)
2話にしてこのアニメが大崩壊したように感じました。


そのほか気になるところや見どころがあれば視聴も続けたのですが、1個も見出せなかったので切ります。
ヒロインの魅力すら否定してるわけですからね(笑)
まぁ珍しいものを見れた気分にはなったので、これはこれであr…いや、ねーべ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

76.5 19 幽霊アニメランキング19位
空の境界 第一章 俯瞰風景[フカンフウケイ](アニメ映画)

2007年12月1日
★★★★★ 4.1 (1104)
6344人が棚に入れました
落下する少女の夢、俯瞰を断つ直死の眼 連続する少女たちの飛び降り自殺。現場はすべて、かつては街のシンボルタワー、今では廃墟と化した巫条ビル。屋上には浮遊する「霧絵」がいた…。\nそして事件が5件を数えた頃、万物の生の綻びと死線を視る能力「直死の魔眼」を持つ両儀式が謎に挑む。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、藤村歩、田中理恵
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

空の境界の序章 空の境界の作風を実感! 俯瞰の視界、浮遊と飛行とは・・・

「空の境界」は奈須きのこによる、同人誌に掲載された長編伝奇小説である。全7章で構成され、本作は第一章「俯瞰風景」が映像化された。「そらのきょうかい」でも「くうのきょうかい」でもなく、「からのきょうかい」なのでお間違えの無い様に。略称は「らっきょ」。

「空の境界」は奈須きのこの小説だが、奈須きのこと武内崇の所属する同人サークル(現在は有限会社Noteのブランド)「TYPE MOON」の作品に「月姫」、「Fateシリーズ」などがあり、「空の境界」と世界観を共有している。奈須氏によると「微妙にズレた平行世界」とのこと。

劇場版「空の境界」は圧倒的な映像美、迫力満点の戦闘シーンと、難解且つ素晴らしい世界観を、原作小説を忠実に再現し映像化したufotableの力作である。
本作のメインテーマは「境界」である。相反する二つのものに関するメッセージが緻密に組み込まれている。
その各々に対する矛盾もまたテーマの一つだ。
奈須氏の命の重さ、禁忌を主題とした本作の完成度には脱帽するばかりである。
「生」と「死」、「殺人」と「殺戮」などについて考察するわけだが、テーマがこれであるから必然的にグロテスクな描写がある(しかも美しかったり)。
また、難解な言葉(辞書的意味では用いない)や、時系列のシャッフルにより、物語の理解はやや困難である。
しかし、この時系列シャッフルこそが「ミステリ」における叙述トッリクとして作用しているのである。
決して時系列の通りに見てはいけない(2度目からはご自由に)他にも、原作にはなかった「色分け」が行われている点も魅力的だ。式の服の色や、月の色なども見てみると楽しい。
全7章に渡って展開される両義式と黒桐幹也の関係も素晴らしい。
設定はここで説明するとつまらないので、作品を視聴することをお勧めしたい(丸投げであるが(笑))
副題のThe Garden of sinnersは直訳すると「罪人の庭」と言う意味。sinには(宗教・道徳上の)罪という意味があり、guiltの(法律上の)罪とは区別される。
Theの次のGardenが大文字であることから、これはギリシアの人生の目的を心の平静(アタラクシア)に見出した精神快楽主義のエピクロス学派を意味する。よってThe Garden of sinnersは快楽主義に溺れた道徳的罪人という意訳が適切ではないか。



第一章の本作は「空の境界」の時系列で、全7章のうち4番目にあたる作品だ。本作の視聴だけでは、物語の全体像はおろか基本設定すら見えてこない。なぜならこの第一章は、奈須作品を視聴する視聴者の「ふるい」としての機能を有しているからである。その為、独特の世界観・台詞回し・時間軸を十二分に表現した作品に仕上がっている。よって一章を視聴して視聴を断念する方もいることだろう。しかし、私は五章の矛盾螺旋が一番好きなので、一章で断念されるのは残念。
副題のThanatosについて、Thanatoは精神医学用語で死亡恐怖症という意味。

考察←観る前に見ない様に。
{netabare}

時系列:4/8
1998年9月
両儀式:18歳 職業:高校生(サボりがち)
黒桐幹也:18歳 職業:大学中退 伽藍の堂に勤務

原作との相違:中(原作の補填による尺の増量が主)
原作との尺の比 73P:50min=1:1(1分当たり1.46P)
(一番原作との尺の長さの比が合致していると判断される2章の比を基準:1とする)
(原作の頁数は講談社文庫を用いる)

・「俯瞰」について
私達の認識出来る世界は肌で感じ取れる程度のものでしかなく、人間は自身の周りにあるものでしか安心出来ない。地図で自分の位置を知っていても、それは単なる知識に過ぎない。
高所から世界を俯瞰したとき、自身は狭い世界しか認識できないが、実際は狭い世界は、俯瞰の視界から展望出来る広い世界の一部である。
この時に、認識の内に、世界の隔たりが出来、ズレが生じて、「遠い」という衝動(突然襲い掛かる暴力のような認識)を得る。
自分が体感できる狭い世界より、自分が見ている広い世界のほうを「住んでいる世界」と認識することが出来ず、知識としての理性と経験としての実感が摩擦し、意識の混乱が起こる。しかしそれは一時的なもので、まともな認識のプロテクト(理性や知識)があれば、無意識下で制御出来て、地上に戻れば正常に戻る。だが不安定な状態にあるとき、意識の混乱から逃げ出したいという気持ち(或いは世界の同一性を実感する為に落ちてみたいという気持ち)へ向かってしまうのだ。(谷に行って底を覗きたくなる感じにも共通する意識かもしれない)

橙子「視界とは眼球が捉える映像でなく、脳が理解する映像だ。私達の視界は私達の常識によって守られているから・・・」
という台詞は、カントの認識論を彷彿させた。
認識は感性(受動的な知覚を担う)と悟性(感性と共同して認識を行う。概念把握)のア・プリオリ(経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念)により成り立つ、という哲学である。
眼球が捉えた映像は、私達の脳内で、常識に合致した「モノ」として認識される(常識に合致しないモノは、お化けや幽霊などの怪奇現象として処理されたりする)。

「俯瞰」については情報化社会のメタファーと認識すると分かり易い。
私は震度6強の地震を経験し、被災者として日々を送ったことがある。自身の周りも被災し、認識出来る世界で災害が起こった。しかし、2011年の東日本大震災での津波の映像を見たとき、私はそれが現実に起こっているんだと知識ではわかっているものの、それを実感することは不可能であった。
「遠い」東北の地で起こったことを自分の住む世界と同じ世界であると認識することは困難だ。そこで無意識下で自身の住む世界と被災地を別の世界と認識してしまうのだ。

・「浮遊と飛行」について
自身と世界、理想と現実のズレを認識した人間は、その乖離に苦悩し、生きる目的を失ったときに、それから逃れようとする。これが「逃走」だ。
浮遊と飛行は「逃走」するための手段である。
目的のない逃走を浮遊、目的のある逃走を飛行と呼ぶ。
「浮遊」(例え:羽ばたかない蝶)は、自己の現在置かれた不遇の状態を甘んじて受け入れ、受動的であることである。
今回の霧絵の場合は、理想と現実の乖離に耐え、生きる目的も無いままに、受動的に死を受け入れることである(詰まるところ、自然死、病死)。
此れには、生きる目的が無いにも関わらず、死ぬまで生きるという無意味さを受け入れる勇気、死ぬまでの毎日を生き抜き、刻一刻と迫る死を待つ勇気が必要だ。
「飛行」(例え:羽ばたく蝶)は、自己の現在置かれた不遇の状態を打破する、或いは暫定的に打ち消す(紛らわせる)、或いは解放される為に、”能動的”であることである。
今回の霧絵の場合は、その乖離に耐えず、生きる目的が無いから、能動的に死を受け入れる。(詰まるところ、自殺(しかも他人に自己の死を強調))
人間は、無意識下で、日々のストレスから逃れる為に、夢を介して、この飛行を行っている場合があるらしい(夢とは欲求の捌け口である為)。

「飛行」による自殺について、幹也曰く「極論だけど甘えなんだと思う。当事者にはどうしようもなく逃げたい時もあるだろう。それは否定できないし、反論もできない。だって僕も弱い人間だから」。


・なぜ彼女ら8人の自殺が「事故」と表現出来るのかについて
巫条霧絵は手に入れた霊体で、自分と同じように逃避行動をしている仲間を見つけて、友達になろうとした。「生きる目的」や「生の実感」がきちんと有るものの、夢の中で「飛行」(前項参照)をしていた少女は、霊体の巫条霧絵に介入され、夢の中の無意識下の飛行を、霧絵の能力である強い「暗示」に依って意識するに至った。
彼女達は夢の中だからこそ、飛行出来て、尚且つ、無意識下の為、自身が飛行出来たことには気付かない。しかし、一端意識してしまうと、理性が利かなくなるほどの強い衝動を得てしまうのだ。自分は現実に飛行出来たのだから、当然次も飛行出来る筈だと。
ここでの飛行には、逃避行動に於ける「飛行」と、俯瞰の視界から展望する世界を自己の居住する世界と同一視する為の飛行という二つの意味が含まれているのではないか。
そして、彼女達は、霧絵と同質の存在(つまり霊体)となった。
巫条ビルは時空が捻れており、本来死んでいない少女の幽霊も確認出来た。これは巫条ビルの上空は、巫条霧絵の現出した俯瞰風景の内部だからだろう。少女達は霧絵の暗示により精神に異常を来たし(具体的には、現実に人間単体での飛行(=能動的な現実逃避)が可能であるという脅迫のような逃れられない衝動)少女達は自己の意思とは表現出来ない自殺をすることになった。
よって、彼女達は夢の下での「飛行」中に精神に干渉され、「ボディジャック」状態で自殺したことになる。よってこれは彼女達の意志による故意の自殺に該当しない。より事故と表現出来る。


・黒桐幹也が寝ていた理由について
幹也は独自に一連の自殺を調査しており、結果として霧絵にたどり着いた。しかし、霧絵の幹也を死ぬまでの付き添いとしたい、「浮遊」から逃れる手段として、彼が欲しいという強い想い(暗示)から、昏睡状態に陥ってしまう。式が固定電話に録音された幹也のメッセージを恋しがっていたことや、ふいに巫条ビルに赴き、落下してきた少女に「幹也!」と叫んだのも、幹也が霧絵に魅入られた少女の様に「飛行」、つまり霧絵の下で自殺したものと勘違いした為である。橙子の延命努力により数週間昏睡していながら、リハビリもせずに復活した。


・式が巫条ビルに駆けて行って自殺した少女に「黒桐」と叫んだ理由について
前項での説明通り、幹也は霧絵による昏睡状態に陥っていた。自殺した少女は霧絵の暗示によって意識下での飛行が可能であるとの強迫観念より跳んでおり、また、これは霧絵の人恋しさによるものである為、黒桐も同様に跳ぶ可能性があった。式は電話で幹也の声を聴き、胸騒ぎがして巫条ビルに赴いた為、少女を黒桐と勘違いした。


・式の義手について
式の義手については第三章痛覚残留で明らかになり、何故式が巫条ビルの幽霊に操られた義手を止められたのかは、第四章伽藍の洞で分かる。式がビルからの跳躍の後に、片手で着地出来たのもこの義手のお陰であり、式の義手は霊体を掴むことが出来るので、巫条ビルの幽霊の首を掴むことが出来た。


・巫条霧絵の俯瞰風景について
巫条霧絵は{netabare}荒耶宗蓮によって{/netabare}、病院の外が見晴らせる階の窓のある病室で、家族も居らず、一人で何年間も、不治の病によって不自由な生活を強いられていた。彼女は病室から展望出来る外の世界をずっと憎んでいた。自分は不自由なのと対照的に外の世界の住人は自由だからだ。彼女は外をずっと眺めている内に、外界への憎悪と羨望による呪詛から、病室周辺の風景を脳内に取り込み、同時に盲いることに依って、強力な能力を得た。
彼女の視界は空中にあり、彼女の精神・肉体が存在する器とは別に、彼女の視界の存在する場所に、荒耶宗蓮によって二つ目の器・巫条ビルの幽霊を与えられた。

空を飛ぶという行為は、空の果てを目指す行為である。空の果てには、自分が逃避しなくて住むような世界(=生の実感や生きる目的のある世界、或いは死への恐怖が無い世界)があるのかもしれない。霧絵は黒桐の首尾一貫とした揺るぎ無い人間性に憧れ、また、「生の実感」を他者に供給する人物として、空の果てに自分を導いてくれることを望んだ。
(この空自体も隠喩と解釈することも十二分に可能だ)

霧絵「わたしは生に執着していて、生きたまま飛びたかったの。彼とならそれが出来たはずだから」

霧絵「あの人、子供なのよ。いつでも空をみてる。いつでもまっすぐにしている。だからその気になれば、どこへだって飛んでいけるんだわ。そう――わたしは、彼に連れて行ってほしかった」

巫条ビルの幽霊は、巫条霧絵の二つ目の身体だったので、彼女は一度死を経験しながらも、生きながらえるに至った。病室の霧絵を見限って出来た、巫条ビルの幽霊と病室の巫条霧絵との間の境界は空(ソラ)の境界とも呼べるかもしれない。


・巫条霧絵について
{netabare}巫条霧絵の起源は「虚無」。荒耶宗蓮は両儀式と相反する能力者をつくる為、彼女に長年の夢と悪夢を同時に与え続け、「死に依存して浮遊する二重身体者」にさせたのだ。
前述の通り、式の入院していた病院に霧絵も入院していたのだが、式が橙子に会う前、橙子の前任医師は荒耶宗蓮だった。霧絵の病室の病室代や管理費は荒耶が払っており、身寄りの無くなった彼女をずっと保護していた。{/netabare}
巫条家は混血の大敵である四家系「浅神」「巫浄」「両儀」「七夜」の一つである「巫浄」の傍系であり、盲いることにより特別な力(呪詛)を手にいれる。巫浄家の人間は強力な暗示能力も持っており、暗示によって相手を支配することが出来る。式の右手が勝手に動いたのも、「堕ちろ」という暗示も、これで説明出来る。
{netabare}彼女は、両儀式、浅上藤乃と同様に起源に「虚無」を持ち、特別な家系故に、特別な力を発現した。
「陰陽太極図」で式が一つの肉体に二つの人格を持つ二重存在者なのに対し、彼女は二つの肉体に一つの人格を持つ二重身体者である。
彼女も浅上藤乃と同様に荒耶宗蓮の「根源の渦」である「 」への到達という最終目標の為に両儀式と接触する駒となった。{/netabare}
幹也(そして、僕はさっきまでの夢を思い出した。蝶は最後には墜落してしまった。彼女は、僕についてこようとしなければ、もっと優雅に飛べたのではないか。そう、浮遊するようにはばたくのなら、もっと長く飛べていたはずだ。けれど飛ぶという事をしっていた蝶は、浮遊する自身の軽さに耐えられなかった。だから飛んだ。浮くのをやめて)

黒桐が霧絵に眠らされている間に見た「ゆっくりと浮遊する蝶が一羽あり、そこに蜻蛉が現れ、蝶は蜻蛉に追いつく為に羽ばたいたが、遂には堕ちた」という夢は、身体中に腫瘍があり、余命幾ばくも無い霧絵(=蝶)が「浮遊」している所に、生きる望みである幹也(=蜻蛉)が現れて、霧絵は幹也に「気付いて欲しい」と、後を追うも、結局気付いてもらえず、「飛行」してしまったという隠喩であろう。
{netabare}尚、四章伽藍の洞で両儀式が入院していた病院に巫条霧絵も入院しており、霧絵は、式の元に何年も通い詰めていた幹也を目撃していた。{/netabare}彼女は恋人という生きる目的、死ぬまで付き添ってくれる人が居ないことを悔やみ、同時に幹也を、自分を救ってくれる人物として望むようになる。式に「落ちろ」と暗示として連呼したのは、彼女が幹也という依り所を持っていて、羨望していたからだろう。彼女は式に殺された時に感じた「生の実感」を、もう一度味わう為に、「飛行」という逃避行動を一度採ってしまったことによる開放感をもう一度味わう為に、自分が死に至らしめてしまった少女達への自責の念から逃れる為に、巫条ビルからの転落死を選択した。


・「oblivious」について
obliviousは英語で「~を忘れて」「(没頭して)~に気付かないで」という意味の形容詞。名詞はoblivionで忘却という意味。巫条霧絵をイメージして奈須きのこ監修の下、梶浦由記によって作詞・作曲された。4章を視聴すると分かるが{netabare}巫条霧絵は両儀式の入院する病院に入院していた経験があり、そこに小まめに見舞いに来ていた黒桐幹也と出会うのである。{/netabare}「本当は空を飛べると知っていたから 羽ばたくときが怖くて風を忘れた」という歌詞も、本作を視聴すれば意味がわかるだろう。巫条霧絵の静かな恋について上手く纏められている。


・「俯瞰風景」という作品について
巫条霧絵は祈祷(本性は呪詛)を生業とした古い家系の末裔で、重い病気に掛かり何年も病室から地上を俯瞰し、空を見上げていた。彼女は意識が途絶えるくらいまで外を見つめ、外を憎み、恐れた。彼女は継続して世界を「俯瞰」することにより、周辺の風景を脳内に取り込み、二つ目の器である巫条ビルの幽霊を手に入れた。{netabare}与えたのは荒耶宗蓮。{/netabare}巫条ビルの幽霊、巫条霧絵の意識体は、夢の中で「飛行」を行っていた少女達に近づき、「飛行」が可能なことを意識させた。そして彼女達は飛び、当然の如く落ちたのだ。巫条霧絵は、黒桐幹也を拠り所とし、生きたまま「飛行」することを望んだ。しかし、黒桐幹也を拠り所として必要としていた両義式により巫条ビルの幽霊は殺されてしまう。彼女は、罪の無い少女達を殺してしまった自責の念と、幽霊である自身(二つ目の器)の心臓を貫かれた時に感じた圧倒的なまでの死への奔流と生への鼓動をもう一度味わう為に、
あらんかぎりの死をぶつけて生の喜びを感じる為に、巫条ビルの俯瞰から転落死するのだった。
巫条霧絵は「浮遊」することが出来ていたのだが、黒桐幹也に追いつこうとすることで「飛行」という手段を選んでしまったのだ。しかし飛行を選んだ彼女は死んだ後も雲の上を目指し空に落ちるように飛行するはめになる。


・名言(原作より抜粋)

橙子「君の俯瞰風景がどちらであるかは、君自身が決めることだ。だがもし君が罪の意識でどちらかを選ぶのなら、それは間違いだぞ。我々は背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道で罪を背負うべきだからだ」

幹也(いくら正しくて立派でも、死を選ぶのは愚かなんだ。僕らは、たぶん、どんなに無様で間違っていても、その過ちを正す為に生き抜かないといけない。生き抜いて自分の行いの結末を受け入れなくてはいけない。)

式「幹也、今日は泊まれ」

橙子「自殺に理由はない。たんに、今日は飛べなかったんだろう」
{/netabare}

感想

最後の式の「幹也、今日は泊まれ」は良かった。式のクーデレっぷりが最高である。また、私も昔、高いところから高速で落下する夢をよく見た。あれは無意識下の飛行だったのだろうか・・・



この一章は、視聴者に世界観を何と無く掴ませながら、しっかり今後の伏線を十分に張って終わっている。原作の長々とした文を簡潔に短く纏め、視聴者に分かり易く(全部観た後二回目観ると分かる)展開している。

本作は考察のし甲斐があり、非常に面白い。また現代人への処方箋のような役割を果たし、私達にカタルシスを与える。

私は全章視聴後原作を購読したが、読み応えがあって大変面白い。アニメを観た人は補足の為にも、お勧めしたい。
未視聴の方は、是非挑戦していただきたい作品である。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 55
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

圧倒的なクオリティの映像と音楽で描くポエム

原作未読。
全8章からなる物語の1章目。約50分。

まずは「空の境界(からのきょうかい)」シリーズに共通することを紹介します。

圧倒的な映像美と、ダイナミックな動き。
映画的なカメラワークが使われ、画面全体に立体感が溢れています。

その中に隠れる、独特な色使い。
蒼に対する橙、赤に対する緑。
色で言うと正反対、補色関係にある光の使い方が特徴。

この表現は「相反する二つのもの」というメッセージを表しています。
これに加えて「生と死」「殺人」という非日常なテーマを扱っている作品です。

そして、バトルシーンもありますが、どれも圧巻。
作画・演出を担当しているのは、Fate/Zeroを作ったufotable。
その会社が、映画用に力の入ったクオリティで描いています。

また、梶浦由記が作曲し、Kalafinaが歌うエンディングテーマはどれも素晴らしく、内容にも深くリンクしています。
まったくハズレがないと言ってもいいほどです。

キャラクターたちも魅力的です。
メインキャラクターは以下。

・両儀式(りょうぎしき)
・黒桐幹也(こくとうみきや)
・黒桐鮮花(こくとうあざか)
・蒼崎橙子(あおざきとうこ)

この名前にも実は意味があるのですが、それは内容を追っていくと分かってきます。


なお、「空の境界」は、時系列が特殊です。

正しい時系列では、
2章→4章→3章→1章→5章→6章→7章→8章

詳しくは、
{netabare}
2章(1995年9月)
4章(1998年6月)
3章(1998年7月)
1章(1998年9月)
5章(1998年11月)
6章(1999年1月)
7章(1999年2月)
8章(1999年3月)
{/netabare}

そのため、1章だけを観ても状況が掴めません。
それに加えて、難解で抽象的なストーリーや台詞。
同じ言葉をさまざまな別の言葉で言い換えていたり、辞書に載っている意味とは違う意味で用いたりしています。
一つ一つ紐解いていく必要がある、「言葉のあやとり」のような会話です。

また、その映像美がある意味「壁」を作っています。
「死」や「殺人」を扱っているため、死体や血しぶきの表現がリアルで、グロテスクです。
苦手な人には辛いかもしれません。

この1章が、このシリーズ全体を観られるかどうかの「境界線」になっていると思います。
その境界線をまたぐことができたなら、終章まで楽しめると思います。


ここからは考察です。

俯瞰風景 → ココ
殺人考察(前) → http://www.anikore.jp/review/450923/
痛覚残留 → http://www.anikore.jp/review/452086/
伽藍の洞 → http://www.anikore.jp/review/452849/
矛盾螺旋 → http://www.anikore.jp/review/456943/
忘却録音 → http://www.anikore.jp/review/466298/
殺人考察(後) → http://www.anikore.jp/review/491929/
空の境界 → http://www.anikore.jp/review/491992/


【1章「俯瞰風景」の考察】
{netabare}
1998年9月の話。

EDテーマは「oblivious」
「~に気付かないで」という意味。


「狭い空間」とは「現実」を表しており、「広い空間」とは「理想」を表しています。

「俯瞰」、つまり、客観的な視点で見たときに、理想と現実の間の距離を感じてしまう。
それが「遠い」という感情を呼び起こし、「逃げ出したい」という気持ちに繋がっていきます。

ビルから投身自殺した少女たち。
橙子「彼女たちは、本当は死ぬつもりはなかった」
「逃走」していた彼女たち。
「浮遊」していたが、暗示をかけられ「境界」を乗り越えて、「飛行」という手段を選んでしまった。

では、「逃走」「浮遊」「飛行」とは何か?

式「地に足が付いていない。飛んでいるのか?浮いているのか?」
橙子「逃走には2種類ある」
幹也「トンボを追いかける蝶々の夢を見た」

この3つのセリフにヒントが隠されています。
「逃走」は2つに分けられます。

1つは「浮遊」
・目的のない逃走
・永久に続けなければいけない勇気

浮遊するように羽ばたく蝶々に例えられています。
目の前の辛い現実から目を背けず、現状に耐え続けること。


もう1つは「飛行」
・目的のある逃走
・一時の勇気

トンボを一生懸命に追いかける蝶々に例えられています。
自分の弱さに耐えきれなくなったとき、人は「飛行」を選ぶ。
つまり「死」という、幹也に言わせれば「極論だけど甘え。けれど、否定できないし、反論もできない」選択肢です。
トンボを追いかけた蝶々がやがて力尽き、地上に墜落してしまうように。

これには、
トンボ=黒桐幹也
蝶々=巫条霧絵
という現実の関係を表す、もう1つの意味も含まれています。

橙子「我々は、背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道によって罪を背負うべきだ」
橙子はそう言いましたが、巫条霧絵は、自らの罪に耐えきれず、また、1度経験した「死」に魅了されたこともあり、ビルからの飛び降り自殺という「飛行」を選びました。

空(そら)に浮かぶ、空(そら)を飛ぶ、その2つの境界線。
それを上から眺めた俯瞰風景を知ってしまったがゆえの行動。

「飛行」という方法に気付かなければ、選ばなかったはずなのに……。


なぜこのようなことになったのかは、後の章で分かってきます。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 56

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ひたぎさんより怖い女、”両儀 式” あんた怖すぎだよ・・・。

(内容について)
本作品は面白い作品ですが、人を選ぶかも知れませんね。

第一章 俯瞰風景
第二章 殺人考察(前)
第三章痛覚残留
第四章 伽藍の洞
第五章 矛盾螺旋
第六章 忘却録音
第七章 殺人考察(後)
「空の境界」は全7作品で構成されます。BD-BOXだと、他に「終章」(後述)と「Remix -Gate of seventh heaven-」、「全七章の軌跡」が収録されています。
本レビューでは、全七作品についてまとめてコメントさせていただきますね。


本作は死をテーマにした作品です。殺人という行為を通して生・死についての意味を表現しているのかな。
作品中、殺人シーンや戦闘シーンでは血しぶきドピュドピュ、手や足があっちゃこっちゃ状態で、そういうのが弱い人は余り見ない方が良いカモです(でもR指定は無いので、一応規制範囲内の描写みたいですね)。


原作は長編小説で、原作をご存じ無い方だと本作品は少しとっつきづらく感じてしまうかも知れません。理由は作品を一章から見ても設定や背景について説明されない為、人によっては置いてきぼり感を感じてしまう可能性があります。でも二章、三章・・・と観つづけていくと、時系列こそ前後してしまう時はありますが、ちゃんと設定・背景について説明があります。なのでそこまで見続けるモチベーションを維持出来るのであれば、この作品の物語としての完成度にきっと驚いてしまう事と思いますよ。


キャラクタの作画についてですが、ちょっと賛否両論あるかも知れません。メインヒロインの両儀 式さんですが、設定上中性的な顔立ちとされている為、好みによっては男性からも女性からも好かれない可能性があります。正直私的にもあんまり好きな顔では無いです。


さて両儀 式さん。ちまたでは化物語主人公の”ひたぎ”さんが危ない女としてあげられていますが、両儀 式さんの危なさはそれ以上!ともかくヤバイ、マズイ、怖ひ・・・。
まぁでもこのお方、とっても強いんです。剣術も達人級ですし、体術も相当なもの。この方が怒ると、目がピカーって光って襲い来る敵をバッタバッタとなぎ倒す。う~んカッコよす。
そんな訳で、本作品の見所はなんと言っても派手な戦闘シーンでしょう。戦闘が始まると、タイミングドンピシャ(あ、当たり前ですね)でメチャクチャカッコ良い音楽が掛かって場を盛り上げます。特にカッコ良いのが四章の病室でのシーン、それと五章の最終決戦シーン。これはも~鳥肌ものですよ、本当に! ここだけでも良いから(オイ)絶対観てね!


前述しました通り、最初は物語の設定や背景が解らずに戸惑うかも知れません。また難解な定義説明シーンがちょっと多いかな。でもそれで観るのを止めてしまうのはもったいない作品ですので、先ずは最初の1回は純粋に戦闘シーンのカッコ良さを満喫して下さい。次にもう1回観れる機会があるなら、今度はじっくりと物語の構成を楽しんで下さい。とても良く出来たお話で有るという事を解っていただけると思います。(作品冒頭からちゃんと伏線が張られている事などに気がつくと、きっと関心しちゃいますよ)


あ、そうそうBD-BOXに収録されている「終章」ですが、全編対話シーンだけで構成されます。観ると物語の終わりを締めくくるに相応しい内容が語られますが、観なければ観ないで支障の無い内容です。なのでストリーミング配信等の手段で観られる方は、無理をしてまで観る内容では無いかと思います。


(BD-BOXの事を少しだけ)
Blu-ray Disc Box版にて鑑賞しました。どうでも良いことですが、これ箱がでかすぎ。本棚に収まらない・・・。あんまり萌えるキャラでは無いので、”ビジュアルブックとかはいらないから小さくしてね”と個人的には思いました。画質は相当綺麗ですね、細かい点まで描写されていて文句なし。サウンドも5.1chサラウンド対応していますので大きな音で聴けば迫力満点です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

73.0 20 幽霊アニメランキング20位
ロザリオとバンパイア(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (877)
6321人が棚に入れました
高校受験に失敗してしまった平凡な少年・青野月音は、最後の希望校として、「書類審査だけで入学できる」という怪しげな高校「陽海学園」に入学した。しかし、その学園は人間世界でマイノリティとして片隅で生きることを余儀なくされた妖怪達が通う学校であった。入学式の日、美少女バンパイア赤夜萌香に出会った月音は一目惚れ、一方の萌香は血が美味しいという理由で月音に興味を抱く。
 陽海学園では人間社会に溶け込むために生徒も教師も人間の姿をしているが、その正体は全て妖怪や妖(あやし・いわゆる「人外」の存在)。正体をばらすことは校則違反である上に、人間は居てはいけない。月音は萌香に人間であることを隠していたが、知られてしまう。それでも萌香は月音を許し、秘密を共有する。

声優・キャラクター
岸尾だいすけ、水樹奈々、福圓美里、こやまきみこ、釘宮理恵、井上喜久子、関智一、千葉紗子、子安武人
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

バトル少々、ラブコメ大半!

■話数
全13話

■ジャンル
妖怪、ラブコメ、ハーレム、バトル

■簡単にあらすじ
人間の主人公が妖怪だけの学校に入学してしまう話。

■感想
*オーソドックスな物語

物語の流れは、毎回妖怪絡みの事件が起こり、ちょっとしたバトルがあり、そして事件解決といった感じです。基本はラブコメで、バトルはほとんど一瞬で終わります。(最終回を除く)


*パンチラ多発

この作品はパンチラが多いです。スカートがとても短いので、アングルによっては普通に立ってるだけでもパンチラが発生したりします。
しかし、僕的にはそこまでパンチラは気になりませんでした。誰もパンチラを気にしてないので、正直えっちな雰囲気は皆無で、ただただパンツが見えてるだけに思えました。


*いろんな妖怪たち

キャラは有名な妖怪がたくさん登場します。ヒロインたちはみんなまぁまぁ可愛いです。


↓↓各話の感想↓↓
{netabare}
1話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}妖怪の学校ヘ入学{/netabare}

2話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}サキュバス登場{/netabare}

3話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}魔女登場{/netabare}

4話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}人間界に帰ってしまうのか!?

妖怪しかいないけど、周りは美少女ハーレム。うーん、難しいな。{/netabare}

5話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}水泳部に入部!?

ヴァンパイアの弱点はそのままなのか~ ってことは、ニンニクもダメなのかな?{/netabare}

6話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}新聞部としての初仕事。

ワーウルフ、なかなか強いな!落下して負けたってことになってるけど、地上やったらまだ勝負決まってなかったし。{/netabare}

7話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}雪女、登場!!

なかなか可愛い!!いい感じだね♪{/netabare}

8話の感想 ★★★ 3.0
{netabare}テストが近づく

先生、怖い:;(∩´﹏`∩);:
勉強がますます嫌いになるよ{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}夏休みに海へ

初の続きもの。バトルメインになってくるのかな?これから楽しみ!!{/netabare}

10話の感想 ★★★★ 4.0
{netabare}魔女を止められるか!?

今までで一番激しいバトルでした。やっぱ、バトルはこれぐらい迫力がなくちゃね!{/netabare}

11話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}新聞部存亡の危機

ラスボス登場!ここからラストまでどこまで盛り上げることができるか、この作品の評価はそこで決まりますね。{/netabare}

12話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}公安委員会の闇を暴けるか

妖に捕まっちゃったよ!!これ、現実だったらめちゃくちゃ怖いだろうな。{/netabare}

13話の感想 ★★★☆ 3.5
{netabare}月音は助かるのか。

血を与えたから眷属になったりしないのかな??敵が妖狐でかっこよかった。ただ、あいつだけ形態変化して、特に最終形態はフリーザみたいだった(笑){/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

妖怪ラブコメアニメ

原作未読。
スカート短すぎでございます。

◆この作品の内容は・・・
妖怪世界の学校に人間でただ一人通うことになった主人公と可愛い妖怪ヒロイン達のラブコメ&バトルアニメです。

◆この作品のみどころは・・・
人間なのに妖怪の学校に通う事となった主人公。
しかし、この事を知っているのはメインヒロインのヴァンパイアのみ。
この学校は人間との共存を目的とした学校で、妖怪達は普段は人間の姿に擬態し人間の社会をこの学校で学ぶわけですが、もしその中に人間が紛れていると知られたら命の危険が・・・。
人間との共存を考えているとはいえ、妖怪達にとっては人間は蔑むべき敵。
四面楚歌の中で、人間の主人公がどう学園生活を送っていくのか・・・。
また人間という事を隠した環境でのドタバタハーレムラブコメ展開もなかなか楽しいものです。

◆いろいろな妖怪が登場・・・
登場する妖怪はみな誰もが知っているような妖怪ばかり。
普段は人間の姿をしているとはいえ、その正体を表した時は見物であります。
特にメインヒロインの腰ポン、胸ボンのヴァンパイア変身はとってもグラマー。

◆毎回戦闘シーンがありますが・・・
各回ごとにいろいろな妖怪が登場し、事件になり最後戦闘になるというオーソドックスなストーリーを展開しますが、このアニメの戦闘シーンはとっても短時間で終わるシンプルな内容となっていました(ラストバトル除く)。
各回ごとに、戦闘にかかった時間を「~秒でしたでちゅ~」とご丁寧な解説付き。

◆終盤は・・・
終盤までは無難な内容でしたが、ラストの2話は非常に盛り上がる内容でした!
2期への展開が非常に気になります。
しかし、私この作品を気になって原作を調べてみましたが、このアニメの展開は原作とはかなり異なるらしいですね。
原作の方が断然面白そう・・・。

◆豪華声優陣・・・
有名な声優を挙げると
「水樹奈々」「福圓美里」「釘宮理恵」「千葉紗子」「子安武人」「関智一」「池田秀一」「ゆかな」など。
まさかこのパンツアニメに「池田秀一」とはなんと贅沢な!
また「釘宮理恵」の演じるキャラは少し無口でクールなキャラなので、「くぎゅううう」らしさがあまりなく残念でならないところです。

◆パンチラについて・・・
なんといったらよいか・・・パンツ見えすぎでございます。
「ワカメちゃん」パンツとまではいきませんが、近いものを感じました。
アングルによって普通に立っている状態でも何気に見えます。

◆総評・・・
いわゆるキャラ萌えアニメですが、妖怪世界というちょっと変わった設定のラブコメアニメとしては中々面白い内容だったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

謎こうもりが100万回のジュテーム 焦げてもめげずにアチチ アチチ

2008年放送のテレビアニメ 全13話

原作 池田晃久 監督 稲垣隆行 構成 山口宏 キャラデザ 藤田まり子
音楽 田中公平 制作 GONZO

当時良くネットに貼られたaa
若い作者「原作の設定を壊さないためにエロは控えめで・・・」
制作「分かりました。パンツで行きましょう!」

これはもちろん「ロザリオとバンパイア」のネタです。

歌手として大成功を収めつつあった水樹奈々主演と言うこともあって結構期待された作品。
多くの人は1話冒頭の自転車パンチラで嬉しい絶句を味わったことでしょう。
当時の水樹奈々は武道館を3夜連続ソールドアウトにするほどの人気歌手。
観客が「モカさーん、パンツー」と叫ぶと、真顔で「私はモカではありません」
と答えたとニュースにもなったらしい。

実は原作は知らないんですが、割と普通の熱血系少年漫画らしいです。
アニメ版は昭和テイストのエロとギャグに彩られた(その筋の人にとっては)豪華作品になりました。
一期は原作を原案と解釈した改変作品、二期はオリジナルストーリーだそうです。

邪推ですが、たぶん原作通りに作れば全くの別作品が作れるんではないかと思います。

声優陣はハーレム要員として、
水樹奈々、福園美里、こやまきみこ、釘宮理恵、千葉妙子、斎藤千和など
ギャグ要員 子安武人 The BOSS 池田秀一
忘れちゃいけない 主人公は岸尾だいすけですw

まさにどんどん突っ込んでくださいのサンドバックアニメとして優秀作品。
当時は夢中になって見てました。ニコ動で再視聴でコメ書きまくりw
死にかけたGONZOが息を吹き返した!と本気で思っていたんですよ。

一期二期とも水樹奈々さんの曲は最高で今でも時々聞いてます。
作画は微妙でパンチラもそれほど嬉しくないんですが、
ジャンクフード的アニメとして魅力ある作品だと思います。
実は二期のほうが面白いです♪

aaで怖そうな監督は砂ぼうずが初監督、のちにジュエルペットサンシャインやタイムボカンなど手掛ける一風変わった経歴です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

76.1 21 幽霊アニメランキング21位
ハヤテのごとく!! 第2期(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (918)
6243人が棚に入れました
あなたは知っているだろうか?この日本に想像を絶する金持ちがいる事を。
知っているだろうか?その跡取り娘に、全くの偶然から仕えることになった、借金まみれの少年執事がいる事を…。
少年の名は綾崎ハヤテ。主である三千院ナギの恩義に報いるため、日夜一流の執事となるべく努力しているのだった!!

声優・キャラクター
白石涼子、釘宮理恵、田中理恵、伊藤静、生天目仁美、松来未祐、井上麻里奈、中島沙樹、矢作紗友里、中尾衣里、浅野真澄、高橋美佳子、植田佳奈、堀江由衣
ネタバレ

助手さ~ん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この頃のハヤテが懐かしい(^^;) キャラ紹介多めw

〈簡単なあらすじや紹介〉
親に約1億5000万の借金を押し付けられヤクザに売り飛ばされた不幸な少年、綾崎ハヤテがクリスマスの夜出会った少女三千院家のお嬢様、三千院ナギを助けた事により彼女の執事として働く事になる!
そんな借金執事の生活を描いたギャグラブコメ(バトルあり)です。1期はギャグ多めですが2期ではどちらかと言うとラブコメ中心となってます!

[キャラの紹介と最新の人気投票ランキングトップ10!]
・第1位 桂 ヒナギク(伊藤静)
本作のヒロインの一人で人気投票では3回連続1位を取ったもっとも人気のキャラ!白凰学院の生徒会長でもありまさに才色兼備です。負けず嫌いであり高所恐怖症でとても可愛いです。
2期ではそんなヒナギクの活躍がたくさん見られるかと思います^^僕の一番好きなキャラです!

・第2位 天王洲 アテネ(川澄綾子)
このキャラは2期ではちょっとだけ映るだけです。
ハヤテの初恋の相手でかつて永遠を誓った少女。
3期が原作どうりだとこのキャラ中心の内容となりますがネタバレになるのでこの辺で終わります。

・第3位 三千院 ナギ(釘宮理恵)
本作のメインヒロインで三千院家のお嬢様です。
趣味は漫画、ゲーム、アニメなどでやや引きこもりで学校にはたまにしかいかないが飛び級のため頭はいい。
性格はツンデレ、声優さんからも分かるとうりですw

・第4位 綾崎 ハヤテ(白石涼子)
本作の主人公でものすごく不幸です!
戦闘能力はガンダムなみ、とある家庭の事情により家事や料理のスキルは一流だが女の子と関わるのがあまり得意ではない。天然で女の子のような見た目からたびたび女装をさせられる。顔で笑い心で泣く少年です!

・第5位 マリア(田中理恵)
三千院家に仕えるメイドで完璧超人の一人。
第1回、2回の人気投票では2位だった人気キャラ。
基本は優しいがやや黒い所もある。
台所に潜む黒い物体が苦手。もと白凰の生徒会長でもある。

・第6位 瀬川 泉(矢作紗友里)
生徒会3人娘の一人(他 朝風 理沙、花菱 美希)
生徒会3人娘の中では唯一トップ10に入っているキャラ!
委員長をやっているが仕事はほとんどヒナギクに任せっきりです。性格は明るくいつも笑顔でニコニコしてます^^
このキャラが好きな人も割と多いのでは?

・第7位 西沢 歩(高橋美佳子)
第1回、2回の人気投票でも7位になっており不動の7位ww
特にとりえがないのが特徴!普通が似合う少女。
ハヤテの前の学校のクラスメイトでハヤテに恋心を抱いている。

・第8位 春風 千桜(藤村歩)
クールでメガネの似合う生徒会の書記。しかし実は影で咲夜の専属メイドとして働いている。メイドの時の名前はハルでメイドの時と普段では全然違います。隠れアニオタでもありゲームセンターに良くよったりする。2期でもメイド姿も出るのでその変わりように注目!

・第9位 愛沢 咲夜(植田佳奈)
お笑い好きでツッコミ役にまわる事が多いキャラ。
ナギや伊澄とは親友であり伊澄のやり取りは面白いですね!

・第10位 鷺ノ宮 伊澄(松来未祐)
天然でおっとりしていていつもオロオロしてます。
方向音痴ですぐ迷子になって気がつけば違う国にいってるなんて事もあります!機械音痴でもあり携帯が使えないなど可愛いキャラです。しかし最強の超能力者であり怒らすと怖いかも~霊感が強く以外と強いです。

・他にもいろんなキャラがいますがここまででトップ10は終わりとさせていただきます^^

[他の主なキャラの簡単な紹介]
・橘 ワタル(井上麻里奈) ランキングは13位
この作品において貴重な男キャラでナギの許婚です。
しかし本人は伊澄に好意を持っています。

・貴嶋 サキ(中島沙樹) ランキングは12位
ワタルに仕えるメガネっ娘メイド。でドジっ子
見た目は有能そうだが実は家事が苦手。
ワタルに恋心を抱いている。

・桂 雪路(生天目仁美) ランキングは19位
ヒナギクの実の姉で年は12歳離れている現在28歳。
白皇学院の世界史担当教師でありハヤテ達の担任の先生。
酒がものすごく好きで金の亡者!基本グータラでダメ人間だで面白いキャラ。

・花菱 美希(中尾衣里) ランキングは14位
生徒会3人娘の一人。
学級副委員長で主にツッコミ担当です。
ヒナギクをいじるのが好きで過去に自分がいじめられていた
時にヒナギクに助けてもらった事があり自分のヒーローのような存在だと思っている。ヒナギクに恋心を抱いているがかなわない思いと胸の奥にしまっている。

・霞 愛歌(加藤英美里) ランキングは15位
 白凰学院の生徒会副会長
基本は優しい人だが本当はサディストでジャプニカ弱点帳を作り人の弱みが書いてあり困らせ甲斐のある人を見つけると容赦なくいじりまくる。
{netabare}2期でジャプニカ弱点帳が出ますよwww{/netabare}

[好きな曲]
1クール目のED [本日、満開ワタシ色!]
歌 桂ヒナギク(伊藤静)生徒会3人娘はバックコーラス
この曲はヒナギクの現状の気持ちを表してる曲ですね。
生徒会3人娘はバックコーラスも良くテンションの上がる曲ですね^^ヒナギク可愛い!

第12話の挿入歌 残酷な天使のテーゼ 桂ヒナギク(伊藤静)
僕は原曲よりも最初にこっちを聞いたのでどうしてもイメージが強いです。原曲とまた違った良さがあっていいですね!
ヒナギクのライブシーンはかっこよかったです!

キャラソン 「Do my best 」 桂ヒナギク (伊藤静)
この曲はどんな時でもbestを尽くすヒナギクぴったりの曲ですね。かっこいい曲です!


[感想]
{netabare}2期ではヒナ祭りなどヒナギクが活躍するシーンが多いですね!ラブコメとして良かったと思います。相変わらずのギャグも健在ですよ。他にも咲夜の誕生日パーティーとか下田温泉とかいろいろありますね!
曲はヒナギクの曲が好きなので書きましたがELISAさんが歌うopのWonder Windはとても綺麗な歌声ですっと聞ける良い曲ですしKOTOKOさんが歌う2クール目のopのdaily-daily Dr
eamも勢いのある曲です^^
ヒナギクとハヤテのやり取りが見所ですね!他にもキャラ紹介で書いたキャラも活躍しますよ!(アテネ以外)
3期も楽しみです^^{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

ともか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

パロネタは程々にしてラブコメ要素を加え、バランスが取れたシリーズ第2期の作品。

アニメ第1期を視聴済み、原作の少年漫画は未読で視聴。
シリーズ第2期に当たる、2クール(全25話)の作品。

パロネタを濫用していた1期と比べてだいぶ観やすくなった印象。
「ピー音」や「見せられないよ!」の表示が出てこないし、
分からないパロネタがあっても普通のギャグだと思いながらスルーできて、
自主規制の方法に少々イライラした1期と比べても好感が持てた。

もうひとつ1期との決定的な違いは、
キャラ同士の絡みが多くなり、ラブコメ要素が格段に強くなっている点。
明らかに狙っているようなシーンが多すぎるとマイナス点になるが、
この作品の場合はぎりぎりのラインを攻めてきた感じ。


作画について、
絵柄は1期と似ているけれど、色使いが鮮やかになった気がする。
どちらのほうが良いとも言えず、好みも多少分かれると思う。

声優はどのキャラも違和感がなく、演技力のある顔ぶれだったと思う。


音楽は前期・後期の曲で使用回数の振り分け方が不思議。
具体的には1曲目が1~17話で全話数の約7割を占め、
2曲目は残りの回でしか流れなかった。

前期(01話~17話)OP曲… Wonder Wind(歌:ELISA)
後期(18話~25話)OP曲… daily-daily Dream(歌:KOTOKO)
前期(01話~17話)ED曲… 本日、満開ワタシ色!(歌:桂ヒナギク 他)
後期(18話~24話)ED曲… カラコイ〜だから少女は恋をする〜(歌:ナギ&ハヤテ)
最終回ED曲… Wonder Wind(歌:ELISA)

EDは前期・後期ともに、ほとんどキャラソンのようなもの。
曲自体にはあまり愛着は持てなかったけれど、映像は面白かった。
また、個人的にはOPもKOTOKOが作詞して歌った後期の曲のほうが元気があって好き。


キャラについて、
相変わらずほとんどの人物が面白おかしい個性的なキャラでとても楽しかった。
主要キャラから背景扱いのキャラまで本当に様々なので、
準主要キャラくらいまで覚えていれば十分だと思う。
その他の人物は「いつだか登場していた気がする」程度の記憶でほとんど問題なかった。

ただひとつ気になったのが、キャラ人気投票の結果を反映させたのだとしても
ヒナギクが相当ひいきされていたように感じる。
私はヒナギクも嫌いなわけではないけれど、
ナギのほうがネタの塊のように面白いキャラだと思っていたので
出番が大きく減ってしまったのは残念。


冒頭にて設定の説明だけはあるけれど、
第1期で出ていたキャラについてはあまり説明されないので、
この作品の前に第1期を観ているのがベストだとは思う。
ところが1期は4クールもある上、
パロネタを濫用していて、ネタが分からない人は容赦なく置いていかれるような
ちょっと困った作品なのがネックかもしれない。

普通に1期から順に観るのも、いきなりこの2期から入るのも、
どこかで予備知識を得て2期から観始めるのも視聴者次第といったところでしょうか。
私は1期から観てきましたが、総じて前よりも楽しめたと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

けみかけ的「ハヤテ」をラブコメとして楽しむため、グルメなヲタのあなたにオススメする調理方法☆

2期ということはこのアニメには1期があるわけです


1期はハヤテという作品の特徴である「パロディギャグ」を惜しみなく投入しまくり、
日曜朝4クールという長丁場なこともあってか、季節柄に合わせた時系列へ再構成したオリジナルストーリーでした


ようは原作とは違うんですが、このパロディギャグというのが曲者でして
元ネタがわかんない人には最後までわからず仕舞い
版権に関わる部分はいわゆる「ピー音」入れまくり
何がなんだかわかんないままドタバタと話しが進むがナントナク笑える
結果【ハイコンテクスト過ぎる不条理系カオスコメディ】と化していて、原作の方で最も需要たる「恋愛」要素が軽薄になってしまいました
正直好みがあるでしょうが陳腐さを感じましたね


2期ではスタッフが総入れ替えされ、1期からそのまま時間軸を引き継いだものの、
以後の展開に関しては原作通りに路線変更しました


そんな中でもパロディギャグに関しては全体的に控えめにされ、
逆に恋愛に絡むエピソードへの演出には特に気を配っているように伺えます


これは逆に1期からハヤテに入ったファン層を裏切る形となってしまいますが、
オイラとしては「ハヤテの醍醐味は恋愛要素(ラブコメ)にあるでしょ」と思いますのでこちらの方が魅力を感じます


新スタッフには【せんせいのお時間】【瓶詰妖精】で地味ながら堅実な仕事をしてくれた
岩崎良明×白根秀行×J.C.STAFF
(シリーズ構成は黒田洋介と共同)
さらに新キャラデザに【ゼロの使い魔】の藤井昌宏


1期では長丁場ということもあって作画には『安定感』を求められていたが(38,39話は例外)2期ではさらに『高水準』な作画を見せてくれており、全体を通してよく動く
端的にこちらの方がクオリティが高いです


さてさて、前述の通り『1期』を導入としてしまうと『2期』には違和感を感じる方が多いようです
しかしながら2期は「既に導入は終わっている」という前提で話が進んでしまうので、「2期から入る」のは少々難解かもしれないです


そこでけみかけ的に回りくどい提案なのですが・・・
「原作をサクッと5巻まで読んでいただく」
ここまでしていただければ原作6巻以降に相当する2期へそのまますんなりと入っていただけ、ハイクオリティなラブコメを存分に楽しんでいただけると思います


少々めんどくさいですが4クールある1期を見るよりは圧倒的に楽かと思いますので、オススメです


余談ですが2曲あるED曲とEDアニメーションはどちらも素晴らしいですね☆

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

82.0 22 幽霊アニメランキング22位
ふらいんぐうぃっち(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1295)
5957人が棚に入れました
青森の親戚の家で居候をすることになった15歳の魔女・真琴と、彼女を取り巻く少年少女の日常をコミカルに描く物語。

声優・キャラクター
篠田みなみ、鈴木絵理、菅原慎介、葵井歌菜、三上枝織、日野まり、井口裕香、佐倉綾音、茅野愛衣、小澤亜李
ネタバレ

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

日常×魔女アニメ 安定の面白さと、和む、癒される感じ[毎話実況レビュー2作目]

2016年春アニメ
2015年の幸腹グラフィティに引き続き今期の毎話レビュー枠
ということで、更新していきたいと思います。

はいふりか、くまみこか、この作品と、どれ見よう~
って悩んでて、好きな声優のみかしー(三上詩織さん)が出ていたので
それで視聴を決めましたw

日常ものの雰囲気がありますが、主人公の子は魔女なので
何かあるかもしれません。
シュールな笑いが起こるシーンも多く、面白いです。


第一話 6年振りの不思議
{netabare}主人公は魔女の真琴、青森に帰って来たところから話はスタート。
真琴の同級生の圭の声が棒って言われてるけど、何か感じがあっていいと思うけどなぁ。。
顔のデザインは作品にあった優しい感じ(-∀-)

真琴は高校生だったみたいで、学校に通いだします。
始業式、そこで、重大発言。

「東北地方は結構魔女多いんですよ」

何とwww
一話で2個ある見所の一つ目でした。

見所の2つ目はですね、
あの真琴がほうきにまたがって、飛ぶシーン…の、
それを目撃して目が死んでる千夏ちゃん。
1話目イチ笑ったシーンですw
こんなとこで飛んでいると他の人にも
見られてそうですが。。(´・_・

まぁでも
千夏ちゃんのおかげでこの作品が成り立ってると言っても
過言じゃないほど、千夏ちゃんは重要な子です。
冒頭での、真琴を頭イっちゃってるやばい人と勘違いするとこも
笑えますw

とまぁ、20分弱見た感想としては、
静かなようで、賑やかなようで、微妙にジブリ感のする作品でした。

EDはmiwaさんが担当で、アニメでは銀の匙以来の出会いです。

2話以降も期待したいと思います。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



第二話 魔女への訪問者
{netabare}またシュールな絵から始まりましたw(何か降りてきた…)
一話でmiwaさんがED担当だと書きましたが、すみません、
OP担当だったみたいです。

マスコットキャラのたか丸くんが登場。

前半は春の訪れの話で、さっき書いた、何か降りてきた人物が
春を運ぶ運び屋さんだったようです。
……(´・_・`)ちょっと見た目が怖いなぁ
千夏ちゃんが怖がるのも分かる。
悪い人に見えるけど、根はすごくいい人でした。
ウチにも春をありがとうございます_(._.)_ 

後半はふきのとう(ばっけ)を道端で採って、家で揚げて食べる話。
作画陣の作り込みの意欲がにじみ出てました笑
ふきのとうの揚がった姿がすごく美味しそうで、
それを真琴がすごく美味しそうに食べるので、
何か食べたくなる衝動に駆られました

でも、実際は結構苦いらしいし。。
千夏たんも顔で嫌がってましたねw

EDもいい感じで今日も平和に鑑賞しました。
ほのぼの枠に入りそう。
20分見て思いましたが、今回の話のタイトルは
「春の訪れ」の方がしっくりくると思うのです。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第三話 畑講座と魔術講座
{netabare}このアニメは前半と後半に話が分かれるのかな。
今回は新キャラ登場回です。(要必見(・ω・!)

前半は魔女としての格を上げるため、真琴が畑仕事に挑戦します。
草ボーボーの状態から肥料をまいて、耕して……。
平和な時間が流れておりました。
……奴が現れるまでは、、

奴はすばしっこく、挑戦的な視線をふっかけてくる奴です。
とんねるずのみなさんの……でたまに使われるネタ
「こいよ~」
が脳裏を過ぎって一人でウケてました笑
前半のまとめは「みんな似たもの同士」、これに尽きます。

後半は千夏ちゃん「未知との遭遇」第二回!!
ということでターバンぐるぐる巻きの謎の女性が倉本家にやってきます!

あの千夏ちゃんの目が点になる表情が好きなんですよね
今後もそういう場面あるのでしょうか。。

ターバンぐるぐる巻き女の正体は、世界を放浪してる真琴の姉、茜でした。
なんでも、魔女界では有名な御方だそうで、
気さくな感じで千夏たんともすぐに打ち解けてました。
サーヴァント…じゃない、お付きの猫たちの会話も聞けますw

茜は真琴に簡単な魔法を一個教えてすぐに帰ってしまいます。
成長確認と、たまには魔法使えよっ!って言いにきたのでしょうね。
やらないと腕がなまってしまうのは僕達人間と同じみたいです。

と、以上ここまで、3話について書きましたが
今回も相変わらず平和で見ていて和んだ、しかしみかしー要素が
足りない一話となりました。
次回はみかしー(が演じてる子)の出番期待してます{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



第四話 桜の中の占い師
毎回レビューの前にタイトルを書いていて、題名からも平和なアニメだな-って感じが最近しています。
{netabare}と、いうことで。 きました4話!

祭りに圭と千夏ちゃんと真琴の三人で行くシーンから話は始まりますが
今回は祭りがメインじゃないです。
祭りの部分では、圭君の以外な弱点を楽しみましょう?
「(ぐぬぬ…) 圭め……。さらっと真琴の肩に手を……羨ましいッ」

さて、ふらいんぐうぃっちは今までではですね、
1話の中で、一応前半後半の区切りがあったのですが、
今回の4話目は全体で話一話として成り立っています。

真琴の姉茜に因縁?を持つ魔女犬飼との出会いですね。

今回は今まで、というか、今年アニメの中で一笑った回でしたww

ー一年前ー
茜と祭りで飲んだ夜、ひょんなことから人間犬化してしまった犬飼。
果たして彼女は無事、人間の姿に戻ることができるのでしょうか!?

これが主題ですね。
今回は千夏ちゃん「未知との遭遇」!!って感じじゃなかったです(^_^;
あのOPで「何だこのキャラ……?」と思わせられていた
謎が解けてちょっとすっきりしたです。

でも、夜には普通の人間の姿に戻れるんですね。
日中はほぼ黒タイツ状態って……それもそれで酷ですが。。

犬飼さんは超絶美人なので最後まで必見ですよ~!

ということで4話の感想は短いですがここまで。

ふらいんぐうぃっち可愛い番付に有力者がエントリーしましたね笑
真琴、千夏ちゃん、茜、そして犬飼(人間ver){/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第五話 使い魔の活用法
{netabare}2クールじゃなければもうすぐ半分になりますね。

というわけで5話です。
使い魔の活用法、とタイトルはなっていますが
今回はタイトル離れというか、内容はものすごく平和でした。

真琴の使い魔の真っ黒ネコの「チト」回です(*^_^*)

前半はチトが散歩しながら街のスポットを探す話、
後半はそれをもとに真琴と散歩する話。

前半はチトのことが気になった千夏ちゃんが
チトを尾行するんですが、どのシーンが後半の伏線になるのか、
見ていただきたいですね。

…………書く事が、、ない。

うん、そんなわけで5話は散歩回でした。
真琴が可愛い回でもありました~{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第六話 おかしなおかし
{netabare}今回の6話は簡単にいうと「千夏ちゃんが魔女の弟子入り」
をする回です。
魔女たちの間で有名な謎のほうきあるあるに始まり
かっこいい、可愛い魔女になりたい!と言い出した千夏。

じゃあ簡単な魔法からやってみようってことで始めたのは
「お菓子に魔法をかけて遊ぶ」って魔法。

これで千夏と真琴が茜の罠にまんまと引っかかるっていう……笑
効果が反対だったら良かったのに。。

と思いつつ見ていた6話でした。
……それにしても圭って魔術に興味ないのかな……
3人が魔法使ってるときも無視してDVD見始めたし。

魔女になってから何をしてもいいってのは平和な設定ですね。{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第七話 喫茶コンクルシオ
{netabare}第七話は喫茶店に行く話がメインかと思ったら
尺的に前半の山菜採りの方がメインっぽいようです。

今回はなお(みかしー)が台詞多くて良かった。
みんなで山菜採り、木々が綺麗で小川のせせらぎが心地よい、
自然を堪能できた回でしたね。

茜昼間からビールと山菜の天ぷらで、もうおっさんですww

喫茶コンクルシオはOPの最後に出てくるアレですね。
もしかしたら現実にもあんな店ありそうなって感じが。
皆さんも廃墟を見つけた際は「二礼二拍一礼」を実戦してみてはどうでしょう。
p.s. 新キャラが登場しました。{/netabare}

満足度:●●●●●●●○○○



第八話 常連の鳴き声
{netabare}今週は新しい子が登場、
椎名杏子ちゃんとそのお母さんです。
杏子ちゃんお母さんとそっくりで可愛い(*´`)
声優は井口裕香さんかなぁと思って見ていたら最後のEDで
井口裕香と書いてあったので「よしッ!」正解でした(^_^;

8話目は喫茶店のおはなしです。
コンクルシオは200年も続くあちらの世界の皆さんの交流の場なんだと。

そんなわけで人間以外にも、いろいろな人がやってきます。

カップルのてんとう虫とか (お母さん虫と会話できるってすごいw)
夜のとばりさんとか (ハンドルネームみたいで笑ったw)
狐……狐。 (こいつが今回のオチをすべて持っていった笑)

そんないろいろなお方が来店する一見カオスそうな店だけど
流れてる雰囲気はまったり。
彼らから代金は頂かす、周りの害虫駆除等をしてもらってるそうです。

今日は一番満足できた回でした。

ED後のCパートは今回はちょっと長く
茜が魔法の実験で面白いことをやっています。

キーワードは「ベトナム」と「水墨画」。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●●



第九話 明日の明日は今にある
{netabare}始まりはお母さんの絵本から。
お母さんはプロの漫画家で千夏ちゃんはその絵本をチェックしています。

お母さん「きつねさんがコンコン……」

千夏「お母さん、きつねはワンって鳴くんだよ」

…千夏ちゃん先週のあれをひきずって・・笑

(追記)
→コメントを頂きました。
先週のアレは犬ではなく、やっぱり狐であって
狐の鳴き声は犬に似ているんだよ、ということを伝えたかった。
そう考えると、僕は狐の鳴き声は知らないので
こんこんじゃなくてワンに近いのかもしれませんね笑
コメントありがとうございました_(._.)_ 

今回のタイトルはなんでしょうね。
繋がりはよく分かりませんが。

犬飼さんが久しぶりに登場して
みんなで占いをしました。

ストーンが落ちる描写が
リアルで良かった

結局、占いはあっけなく当たったというか、
唐突でしたねw{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第十話 料理合わずと蜂合わず
{netabare}いつも1週遅れていましたが、これで最新に追いつきました。

前半は圭と真琴となおとで学校の調理実習。
カレーとハンバーグって、、重い。
昼前だったら最高だけど、昼からだと辛そう。
(僕の学校は午前でした。食べてからまた昼飯w)

前半は、ただただ真琴の作った「魔女の指」が衝撃的でした(゚o゚;;
ネットで画像検索したら実際にもあるんですね…
なぜ血が付いているんだろう。。
気持ち悪っ(笑
理由が分かる方がいたらメッセお願いします~_(._.)_

さて、その翌日、後半は
みんなでりんごの蕾取り「摘花」です!

圭の解説がわかりやすく、自然の描写も良かったですね。
真琴の作った魔女の指の効力がまだ続いていましたw

もうあと2話となると、名残惜しくなってきますね。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第十一話 くじら、空を飛ぶ

すみません、遅くなったので見所だけ。。

くじらが街にやってくる!
魔女の新聞は特別!(見てみたい)
みんなでホットケーキパーティー、
美味しく食べて歴史も学ぼう!
杏子ちゃんかわいい。

では最終回にて。

満足度:●●●●●●●●○○



第十二話 魔女のローブと日々は十人十色
{netabare}ついに最終回となりました。
始まりから、終わりのムードがひしひしと伝わってきます(;_;)

真琴も箒乗りが上手になっていてチトさんからお褒めの言葉が……笑
今回はチトさんがいつになく喋りまくりでしたw

千夏ちゃんにローブを作ってあげて
犬飼さんは占いをしていて、
茜は今日も昼からかんぱーい!…酔ってる…

いつものふらいんぐうぃっちの姿がそこにはあります。

で青森が舞台ですので
最後の締めはやっぱりねぷた!(作中ではねぶただったかな…忘れました。)
(ねぷたとねぶたの違いはググりました。)

作画気合いが入っていましたね。
祭りですので犬飼さんの占いも繁盛、気合が入っています。
もちろん茜の酔っ払いっぷりも。w

みんな浴衣姿も良かった(^_^

そして真琴たちの元に訪れた
金魚たちの幻想的な風景に包まれる中、
作品は無事、幕を閉じました。

12話通して感想を書いてきましたが
1話1話感想を書いていたので、
他の春期アニメに比べると
思い入れも強く、内容もよく覚えています。

このレビューをまた見返した時に
作品のことを思い出して、くすっとなれるような
文章になっていることを祈ります。

では、僕のふらいんぐうぃっちの書き留めは
以上をもって終わりにさせて頂きます_(._.)_ 
3ヶ月の間、お付き合いいただきありがとうございました。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



作品全体:●●●●●●●●●●
オススメ:超


終わり、後の楽しみ。

・2期への期待
・サウンドトラック
・原作コミック
・声優のうぉーきんぐ、さーちんぐうぃっち。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 39
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ゆっくりとした口調や柔和な言葉遣いに安心します。

田舎での落ち着いた日常を描いた作品の様です。

主人公の真琴が魔女なので、少しだけ不思議な事が起こりますが、それらの出来事が自然に日常に溶け込んでいる所に魅力を感じました。同じ様に田舎での日常を描いたアニメ「のんのんびより」と比べて、キャラの年齢が全体的に高めなので、口調や言葉遣いもさらに柔和で、よりゆったりとした空気を醸し出しているのではないかと思います。

登場する人たちの殆どが、他者の行動に自分の行動を合わせたり、気を使ったりせずマイペースに行動している点は、都会を舞台にした日常アニメのキャラたちが、常にお互いの孤独を補い合い、気を使いあう行動に走りがちなのと比べて、自由であり、予測不能であり、それゆえ面白いと感じました。

1~4話
{netabare}
2話で圭君が道端でフキノトウを見つけた時も、なおはあまり興味を示さなかったらしく、さっさと家に帰ってしまいました(笑)。

この作品で今のところ耳障りなものをただ一つ挙げるとすれば、1話で登場したマンドレイクの叫び声で、片耳を塞いで引っこ抜いた真琴は魔女だからってよく無事だったなあと思います。少し離れた所になおもいたので結構危なかったかも知れない。

4話はこれまでの3話と比べてやや賑やかな回になっていた気がします。(ノロイっぽい顔になってた人もいたし)個人的には最初の3話の方がこの作品の魅力を強く感じられました。それでも取り立てて派手と言う訳でも無く許容内でした。やはり毎週楽しみです。桜並木の描写は非常に美しかった。

演出について、使い魔である猫に安易に人間の言葉を喋らせなかったり、3話のお姉さんが去るシーンでも僅かに煙が立ち昇っただけだったりと、控えめな中にも動きや構図などで魅力を出し、作品の雰囲気を壊さぬよう細心の注意を払っている事が伺えました。後者のシーンを見た時、なぜか私は既視感に近いリアリティを感じました。ああいったシーンで、見栄えはするものの雛形に従った表現しか出来ていないアニメと異なり、日常の中の不思議を文字通り空気の様に描いているアニメは、私の知る限りでは殆ど例が無く(※1古いヨーロッパの映画の何かにこんな描写があったかも)素直に感服させられました。畑を開けるために引っこ抜いた雑草の描写や動物たちの動きについても、地味な中にも目を楽しませるものがあり、見ているだけで幸せな気分になってしまいます^^

※1:ジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」ヤロミル・イレシュ監督の「闇のバイブル 聖少女の詩」にそれっぽい描写が確認できました。前者は英・米共同の、後者はチェコの映画。
{/netabare}
5話~最終話
{netabare}
5話はねこ好き必見のねこ主役回であると共に、登場する人物同士が互いに気兼ねする事無く、各々自由に振舞っていた様で、この作品の雰囲気がこれまで以上に強く出ている印象を受けました。

6話では不動の圭くんが珍しくも呆れ気味に漏らした独り言がありましたが、それとは関係なく、かねてから思っていたのですが、ふらいんぐうぃっちの作風は「長くつしたのピッピ」等で有名なリンドグレーン原作の※2「やかまし荘のこどもたち」にちょっと似てると思いました。

むしろそれよりも落ち着いている空気が有ります。上記の作品でも、子供達がぐらぐらして抜けそうな歯を上手に抜く方法を考えたり、草むしりの最中に変な言葉を発明してみんなで遊んだり、ザリガニ釣りに行ったりと、のどかな日常を描くばかりで、取り立てて事件と呼べる様な挿話がありません。

映画版も製作されているのですが、こちらでは出演している子供達の演技も、演技と言って良いものかどうか迷う程に自然で、ハリウッド映画や日本映画に散見される、子供を大人にとっての都合の良い操り人形として扱っている様な、わざとらしい描写の仕方とはまるで違っていて、安心して視聴出来ます。

ふらいんぐうぃっちを気に入った人なら、アニメ一筋の人でも充分に楽しめる映画だと思いますのでおすすめです。

7話は山菜取りとか、山菜をおつまみにしたお姉ちゃんの昼酒とか、廃屋の魔法喫茶や、可愛い幽霊も登場して、物語の展開的にも、美術的にもふらいんぐうぃっちの魅力が凝縮した素敵な回でした。チトさんもいつも以上にニャゴニャゴ喋ってました^^

7話から引き続いて8話も魔法喫茶を舞台に、とっても落ち着いた会話劇が繰り広げられます。椎名さんとそのお母さんの二人の新キャラが物語に加わりましたが、作品の雰囲気は微動だにしませんでした。※3アザミを食べるてんとう虫って見た事有りませんが、葉っぱの部分にアブラ虫がわんさと付いているのを見た事があるので虫にとっても美味しいんでしょうね…。

生長しきったアザミの"がく"や成長し切った葉のイガイガ部分は人間にとっては食用に適しませんが、若芽や若葉、茎、根っこまで、殆どの部分が食用になります。採る時はくれぐれも棘に気を付けましょう。刺さると細菌感染する恐れがあります。

今回も和みました。

最終回は裁縫回、裁縫好きのブリキ男にとっては楽しい回でした。布地選びから採寸、裁断、縫製など、要所要所丁寧に描写されていました。裁縫の手際の良くない私は、裏地付きの見事なマントをぱっぱと作ってしまう真琴の手腕に驚かされました。熟達している人なら出来そうなので、魔法と言う程ではないですが、とても羨ましく思いました。

※2:ピッピにも似ていると思います。リンドグレーン原作のスウェーデン映画(他の国の製作ものはあまりよろしくない。)は他にも色々有りますが、どれも面白いと思います。

※3:概ね鞘翅につやが無いのが草食、あるのが肉食らしいです。作中描写は肉食のナナホシテントウみたいに見えますが、一応テントウムシもアザミを食べる!
{/netabare}
最期まで大きなドラマも中くらいのドラマも無く、小さな小さなドラマを丁寧に一つづつ積み重ねている印象を残す作品でした。こういったアニメは私は今まで見た事がありません。最終話でもその姿勢は揺らがず、いつも通りやさしい時間が過ぎ去りました。


以下はアニメ本編とはあまり関係なく、どこでも採れそうな野草について
{netabare}
ヨモギ:ばばばあちゃんでお馴染み(もしかしたら知ってる人少ないかも)の万能野菜。天ぷらが美味です。それ以外で使うなら湯掻いて水に晒して灰汁を取る。枯れたと思っても地下茎から芽が出てくるので栽培すれば半永久的に葉を収穫出来ます。

ナガミヒナゲシ:近年よく話題に登りますが、特定外来生物などには指定されていない。花が枯れてから花芯を採取します。素手だと黄色い汁が付いて中々取れませんので、袋(新しいのを使うのはもったいないので油っ気の無い空いた菓子袋などで)ごしに取るなどしましょう。炒めても茹でてもおいしい。芥子の実の一種ですが無害です。ナッツの様なこくがあります。

カラスノエンドウ:ソラマメ属。天ぷらが美味ですが、虫が付いている事があるので気になる人は湯掻いて水で何回かすすぐ。おひたしや炒め物など何でも使えます。

タンポポ・ノゲシ・ブタナ:タンポポは全草食べられます。天ぷら、油炒め以外で食すなら湯掻いて灰汁を取る。

スギナ:天日干しか電子レンジで4~5分乾燥させて、すりこぎ等で砕いて粉末状にする。風味がよく青海苔の代わりとして使える。栄養価が非常に高いらしい。

フキ:八百屋でも見かけますが、日当たりのそれほど良くない所に自生している事があります。良くあく抜きすれば葉も食用になり、豚挽きを練ってこれに巻いて、ロールキャベツの様にしてつゆなどで煮ると非常に美味です。同じ場所に関東では1月下旬~2月下旬にかけてフキノトウが出ます。

ミント:近所で見つけたらラッキーです。耐久性が非常に高いので粗悪な環境でも育ちます。一本だけ引っこ抜いて(根が繋がっているので他の株を傷めない様に途中で切断すべき)土に刺して控え目に水やりすれば脅威の成長力で地下茎を張り巡らせます。冬に枯れても復活し、半永久的に葉を収穫出来ます。

ローズマリー:近所で見つけたら超ラッキーです。柑橘系のさわやかな香りが魚、肉料理にとても良く合い重宝します。小枝を一本失敬して挿し木にすれば、根を広げてプランターなどでも成長します。猛暑には弱いのですが、うまくいけばこちらもまた半永久的に葉を収穫出来ます。

セイタカアワダチソウ:香りは春菊に似て華やか。葉はハーブに、花穂は天ぷらに最適。茎が残りますが、極上の味わいです。晩秋~初冬にかけて繁茂します。

ノゲシ:酷暑に計れてしまいますが、寒さには非常に強く、ほぼ一年中収穫できます。背の高いタンポポといういでたち。葉はロゼット状ではなく互生なので区別出来ます。やや苦味が強いので、基本湯掻いてあく抜きしてから料理に使います。ほうれん草の代わりやそばのお供、炒めものなど色々使えます。天ぷらにするなら洗って水を切るだけで大丈夫です。

ブタナ:茎だけががひょろりと長いタンポポの様な野草。タンポポと同じでロゼット状に葉を付けます。葉は大きく食べでがあり、花も美味。全草食用になります。

ヨメナ…花期は7〜10月ですが、ロゼット状に広がった葉を年中見かけます。葉の形は根元がまっすぐで先端に少し刻みのついたきつねの尻尾型。あくや苦味が少ないので下処理は特に必要ありません。春菊に似た風味も良く、さっと湯掻いたものを薬味として利用したり、おひたし、炒め物、天ぷら、お吸い物にヨメナごはん、何でも使えます。キク科の植物は食せるものが非常に多いです。

田舎住まいでなくとも皆さんの身近に食べられる野草は沢山あると思います。是非お試しあれ。

※1採り過ぎはその種がそこで自生出来なくなる原因になるので控えましょう。

※2必ず火を通しましょう。「のんのんびより」のお兄ちゃんみたいな事をやると稀ですが感染症になる場合もあります。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 81

かさい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

J.Cらしさと良さ

なんとも言えない満足度を得られる素敵なアニメ。
ただの癒やしアニメではなかったことは確か。
J.Cらしい丁寧な作品作りがマッチしたアニメになっていたと思う。

※本レビューはブログ『「ふらいんぐうぃっち」の挑戦と生活実感』に多大な影響を受けております。

【注目スタッフ】
〈メインスタッフ〉
監督:桜美さん
音響監督:岩浪さん
撮影監督:大川内さん
制作:J.C.STAFF

〈演出〉
橋本敏一さん
佐山聖子さん
倉川英揚さん
二瓶勇一さん

【良かった点】
〈演出〉
・カット割り
基本的にテンポは遅い。ゆったり気味のカット割りだが、退屈ではない。
スルスルカットが流れていくシーンもある。ギャグ調の時はテンポを少し変えたり。複数人での会話シーンも多かったが、特段被写体が変わるごとにカットを割るのではなく、キャラ自体に芝居をさせて見せるシーンもあれば、上手くタイミングをとって、頻繁にカットを割るシーンもあった。
被写体を映すタイミングと切る(映し替える)タイミングが絶妙だった。
ふらいんぐうぃっちらしい落ち着く画面もここから来ているのかもしれない。

・被写体の映し方、視線誘導
制作陣の意図したチラリズムが見え隠れしていたのもこの作品の魅力。
なんてこと無いカットでキャラはなんてこと無い体制になりあたかも自然に見える腰や太腿、脚などが目についてしまう。これは確実に狙っているアングルであり、視聴者も自然に視線がそちらがわに移ってしまう。
主人公の真琴に関しては肌の露出度が少ないにもかかわらずそのチラリズムは驚異的である。太腿は完全にタイツでガードされているが、撮影処理によって質感のあるタイツに変わり、人が履いているとい実感がより強く強調されている。
お姉さんのだらしないただ寝っ転がっているポージングにも見え隠れしている胸や太腿に必然的に目が言ってしまう。何より罪なのは、このアニメは正真正銘の日常アニメで彼女達は100%健全だということだ。
制作陣、視聴者はそうではない。

・カメラと被写体との距離感
日常を切り取るには近すぎても遠すぎてもダメなんだなと。
キャラ同士の距離感も近すぎず遠すぎず。
日常を切り取る描写としては、かなり引目のロングショットで背景主体や場面説明などに用いられてもいた。

〈作画〉
・そこまで描くか
新たにカットを割らなければならないシチュエーションでも見せてくる。
徹底された日常描写のなかではこの作品だからこその作画シーンが幾つもあり、一つ一つ上げていきたいくらいだ。
日常の芝居は地味でしかもカロリーが高い。
そのため、一般的なアニメは省略できるカットは省略し、次の動作に上手く繋げていく。しかし、この作品の場合は自ら進んでわざわざ入れなくても成り立ちそうな芝居もカットを足して付け足してくる。
[例]
1,トラックの荷台から降りる千夏ちゃんの手を取るお姉さん
なんてことのない一連だが、お姉さんの大人で自然な気遣いが自然と描写されている。他のアニメも場面によってはある一連。

2,コンセントにプラグを差し込む
これは初めて見た。本当になんてことのないカットを手をアップにしてまで見せてくる。圭くんの料理への意気込みや集中力を感じるカットでもあるが、趣味っぽい気もしなくもない。

3,靴を脱ぐ・靴を手に取る・戸を閉める・立ち上がる
日常で必然的に生じる動作。ここも直前でカットを割らずに作画。
ふらいんぐうぃっちの基本スタンスが伺える。

・大人の子供の芝居の差
はっきりと差別化されている。
大人のキャラの芝居には無駄な動作が殆ど無い。言ってしまえばなんの変哲もないごく自然の芝居。
一方子供の千夏ちゃんは無駄な動作しか無い。身体で大きく芝居をする。
表情もコロコロ変わるし一つ一つの動作も可愛らしく仕上げてきている。どこかの小学生を参考にしたかのようなあるあるな仕草。
大人の芝居をさっぱり目にすることによって、より子供の動きがイキイキ見えてくる。そんな差。

・こだわりの猫
黒のシルエットはロングショットだとCGにしても違和感がない。
手描きパートでも猫らしい、動物らしい仕草などに非常に作り手のこだわりを感じた。歩く、尻尾を振る、回る、あくびをする。そんななんてことのない仕草に胸キュンするのだ。

・細かくはない、丁寧な作画
日常の芝居の描写は細かいが、芝居付け自体は細かくはない。やり過ぎだけどやりすぎてない感じ。これ以上行くと作画アニメになってしまう。
そのバランスも良かった。

〈撮影〉
・服の質感、タイツの質感、髪の質感。
監獄学園のイメージ。質感がやはり違うよなぁ。
ただ適当にグラデ処理がされているのではなく、太腿から踝にかけてだったら、より肌の質感を強める影付けになっていたり、服だったら皺に出来る影が意識されていたり。
タイツの処理は印象的。こだわり加減からスタッフに変態がいる気がしますね。今の段階ではJ.C独自のスタイル。

・撮影処理
バスの窓の水滴とか、川の水の表現とか。
窓の透け具合や反射。

・ピント調整
ボケとピン送りのタイミングも絶妙。演出的な撮影処理。

・玉ねぎアップ
J.Cらしさが詰まってる。玉ねぎここまで描かなくてもええんやで?
グラデ加減がほんと絶妙。玉ねぎにも玉ねぎらしさを忘れない。

〈脚本〉
・セリフ
良い。キャラとキャラの間のやりとりに無理がなく嘘もない。
キャラクターがしっかりしているため、セリフに違和感も感じなかったし、らしいセリフと思わせるセリフも多々あり、キャラ設定や構成の上手さも感じたり。

・会話のスピード、バランス
良い。カット割りや場面転換とも密接関係があると思うが、焦らずゆったり、でも遅くもないキャラのスピードで会話が進む心地よさ。

・聞かされていると感じるセリフが一切ない。
キャラ同士で説明的なセリフのやり取りはあるが、視聴者に向けたセリフと感じるセリフは殆ど無く、彼女達の日常を覗く傍観者に徹することが出来た。

・年相応のセリフ
ここでも差別化。子供は子供らしく、大人は大人らしく。
声優さんの演技も噛んでる。

・会話の流れにも無理がない
安心して聞ける。このあたりは原作力も感じたり。

〈音響〉
・環境音、SE
岩浪さんは派手なアクションSEなイメージがあったが、僕街でかなり印象が変わって、器用な方だと理解した。
田舎の自然で自然なSEが自然に耳に入ってくる。
全体的に抑え気味にしている印象。

・子供の演技、大人の演技
子供は子供らしさ全開に。大人は自然に。
演技指示がなかったとは思えない感じがしますね。
大人の女性陣のサバサバっとした自然な演技が個人的にはかなり好み。

・動物陣、可愛い上手い
猫:茅野愛衣さん
猫:佐倉綾音さん
鼠:小澤亜李さん
まず上手い。
しっかり猫してるし可愛らしさとかも備わっていて、これは実力がないと無理だなと。
嫌がったり嬉しがったり、少し威張ったり、あくびしたり、人間と会話したり、結構色々やってるなと。
難易度高いです。

〈音楽〉
・テンポ感
ゆったり目なシーン、少しスピーディーなシーン。お馴染みなシーン。
場面に合った楽曲。癒やし成分かなり放出している。曲だけ聞いてたら寝てしまいそうな。


・フィルスコ的なBGM
偶然?遊び心も感じる楽曲も少なくない。
雰囲気を第一にした劇伴だったように思う。
ふらいんぐうぃっちの為の楽曲。

〈美術〉
・美術の雰囲気
良い感じ。場面描写も丁寧でした。


〈キャラ〉
・ユニーク
可愛らしかったり少しお馬鹿だったり、長所も短所もバランスよく引き出していて、個性も十分あったと思う。
深い余計な設定がなかったのが大きかった。

・お姉さん相変わらず
エロい。

(OP)
・大畑さん
愛すべきは大畑さんOP。
元気が出ます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

82.5 23 幽霊アニメランキング23位
幽☆遊☆白書(TVアニメ動画)

1992年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (929)
5950人が棚に入れました
主人公の浦飯幽助は、車に轢かれそうになっていた子供を助けたが、死んでしまう。しかし、幽助の死は霊界にとって予想外の出来事であったため、生き返ることになった。そして、妖怪が人間界で起こす悪事を取り締まる霊界探偵として働き始める。

声優・キャラクター
佐々木望、千葉繁、緒方恵美、檜山修之、田中真弓、深雪さなえ、天野由梨、京田尚子、林原めぐみ、折笠愛、白鳥由里、中原茂、飛田展男、玄田哲章、鈴木勝美、古田信幸、二又一成、子安武人、真殿光昭、納谷六朗、辻谷耕史、曽我部和恭、若本規夫、山口勝平、松本保典、森川智之、近藤玲子、菅生隆之、高山みなみ、江原正士、大谷育江、西村知道
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「戸愚呂100%の恐怖!」

原作コミックは立ち読み程度。

いきなり{netabare}主人公少年・浦飯幽助が死に、生き返るための試練に挑む。{/netabare}
と言う意表を突いた導入から広がる霊界設定などが特徴的だったジャンプ原作アニメ。

当初は霊界探偵など特色ある展開もあったものの、
次第に暗黒武術会だの、魔界統一トーナメントだの、
ジャンプ黄金期の能力インフレーションや、
昨日の強敵(とも)が今日の仲間になるといった王道の論理に惹かれるように、
結局は能力バトル物としてヒートアップしていった作品。

私も印象に残っているのは能力バトルアニメとしての諸要素。
人間にしても、妖怪にしても、
生き様と言いましょうか、死に様と言いましょうか……。
各々が背負った宿命や性格が、明快にバトル空間で表現されています。
やはりジャンプらしいバトル長期化により、お話はなかなか進みませんがw
応酬される減らず口共々、熱くなれる王道バトル作品だと思います。


後々、私の嗜好に影響を与えたキャラも多数おり、
例えば蔵馬。飛影と共に、主人公・幽助を凌ぐ人気を誇った、
妖狐の力を受け継ぐ美少年。
棘のある薔薇が似合う美男子(CV緒方恵美)が時に血まみれになりながら、
可憐に戦う姿には、男の私にも危険な衝動を巻き起こしましたw

後年、私に乙女向け作品の美男子に一定の耐性が付いたのは、
『聖闘士星矢』の瞬と蔵馬のお陰だと思っていますw


次いで玄海。幽助の師である天才霊能力者で、お婆さん。
弟子を突き放した言動も見受けられますが、
実際には弟子想いが興じてトーナメントに覆面で乱入する程、
師弟愛に溢れたお方。

後年、私が老体に鞭打って死力を尽くすキャラに惹かれたりしたのは、
玄海の老いの一徹を目撃していたからだと思っています。


さらに触れておかねばならないのは、戸愚呂(弟)。
生物学的におかしいレベルに発達した蠢く筋肉とグラサンがダンディな、
暗黒武術会編でボスキャラとして立ちはだかる大妖怪で、
彼とのバトルは物語中盤のクライマックス。

特に100%フルパワーを発揮した時の彼は激ヤバで、
{netabare}発散する妖気で観衆の四分の一が消滅するわw
肉体もガチムチ筋肉を通り越して
もはや動く屋久杉か世界樹(ユグドラシル)みたいにグロテスク化するわw
実際、玄海に相当修行を仕込まれてパワーアップしたはずの幽助が、
殴ろうが蹴ろうが大木やギガスシダーの如くビクともしないしw

極め付けが、妖気を込めた指で、空気の弾丸を飛ばして、
幽助を吹っ飛ばす圧巻のパフォーマンスw
如何に舐め切った攻撃でヒーローを叩きのめして絶望感を与えるか。
と言う90年代のトレンドを存分に体現したラスボス感溢れる堂々たる振る舞い。

尚も、指で空気弾を連謝して幽助を追い込んでいく戸愚呂弟の勇姿を眺めていて、
……ぶっちゃけ、残りの筋肉イラネーじゃんw
と爆笑しながらも、当時の私は画面に釘付けになりました。{/netabare}

仲間を想い過ぎた故に、色々こじらせた生き様や
突き抜けた言動と併せて、私にとって、戸愚呂弟は、
『ドラゴンボール』のフリーザや、『~ダイの大冒険』の大魔王バーンらと並ぶ、
90年代ジャンプを代表するボスキャラの一人です。


馬渡松子さんのOP曲「微笑みの爆弾」を始めとした主題歌もハズレがなく人気でした。
本作全盛期の当時、放送はフジテレビ系列でしたが、
テレビ朝日のバラエティで人気アニソンランキングをやったら、
上位全部『幽☆遊☆白書』だったと言う異様な光景が妙に記憶に残っていますw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

りゃむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

3点だけ言わせてください・・・

1、やっぱり富樫は天才だということ・・・

連載の最初に目指した方とは違って結局ジャンプらしいバトル展開になりましたが、構成力はずば抜けてすごいんだと思います。
原作たった19冊ですがそれをアニメで112話分やっても間延びはしつつ飽きさせないですからね!
(ちなみに今やってるジョジョは2クールで同じくジャンプコミックス12巻分を消費しました。つまりジョジョの進行度の約1/3のテンポw)
追記するのであれば今と違って一つの作品に大きく力を注げたぶん脚本もしっかりしていたのでしょう。


2、放送当時における需要を抑えながらにして時代をさきがける、現代アニメーションの原点もうかがえる作品

いろいろありますが、有名どころで特筆したいのはやはり新房監督演出回(当時は監督ではなかったんですが)でしょうか。
飛影対武威と浦飯対ドクター戦は、やはり今の映像作品で頭一つ飛び出たセンスを感じるシャフト演出の先駆け。そのセンスはもとから現れていたといわざるを得ないでしょう。

そのほかにもBGMやOPEDのはまり具合。キャスト陣営は今や大御所、他の名作で主役級を張りながらも、2013年現在、新作に出演しても違和感を感じさせないくらい第一線声優を起用。
今から約20年前まだ声優にもアニソンというカテゴリにもそこまでの多大なマーケットがなかった時代ですよ?

3、アニメオリジナルシナリオが原作の描かれなかった部分としてきれいに消化される不思議

これは特に終盤魔界統一トーナメントのあたりでしょうか。
ほかのレビューでも書きましたがオリジナルシナリオは二通り
・原作の設定、世界観をぶち壊し原作レイプと呼ばしめる作品になる
・ハガレン1期に代表されるように原作を離れ1つの別作品として完成する
このどちらかが多いような気がします。
しかしながら幽遊白書では原作で描かれなかった、見たかったあのシーンをアニメでやってくれました。
売れる作品ではなく、面白い作品。ファン目線で何が望まれるのかを理解していなければこれはできません。
そういった意味でもスタッフの愛情を感じます。

まぁつらつら書きましたが、放送当時から20年近くたってそれでもBDBOXが発売されてしまうくらい名作の一つなわけですよね。
自称アニオタなら一度は見ておくべきでしょう。




こっから下は個人的な領域(テリトリー)です。
幽遊白書俺的ベストバウト(アニメ編)

5位妖狐蔵馬VS鴉
亜生物体って何だろう?と当時小学生の自分には理解できないようなことを一生懸命悩んだのを覚えています。

4位飛影VS躯
最高の痴話げんかですよね。

3位幽助、桑原、幻海VS円、梁、魁
修の拳・奥義の呪文を丸暗記してましたww

2位桑原VS吏将
てめぇはすっこんでろぉ!!

1位幽助VS戸愚呂(弟)
悩みどころですがやっぱりこれですよね。物語で一番盛り上がったところですし・・・

こうやって見ると暗黒武術会編ってやっぱ名シナリオなんですねw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

伊達にあの世は見てねえぜ

冨樫義博先生の代表作と言ってもいい作品ですよね、アニメは土曜の夕方放送です。
個性的なキャラクター達がとにかく沢山登場し、少年漫画の王道ここに極まれりといった塩梅です。


<物語>
霊界探偵編と暗黒武術会編と仙水編と魔界編の大きく4つの主軸があり、テレビ版では完結まで描いています。
初期の霊界探偵編では情味溢れる小話を持ち味としていて、続く暗黒武術会はジャンプお家芸のバトル路線で盛り上がりが最高潮に達しますね。
戸愚呂弟という最大の宿敵が当時の子供達の目に如何に強烈に映ったか。
その影に潜んで地味な印象を受ける仙水編ですが、これもまた名編であることに間違いはありません。
冨樫先生が最も病んでる時期に生まれたといわれる仙水というキャラクター、邪悪な意識を隠し切れない悪役の風格と所々見せる人間的な仕草が堪りません。
魔界編は大分駆け足でしたが、本作が当時の我々に宿した厨二病イズムは絶大で計り知れません。

<作画>
若き日の新房昭之さんが演出を担当されている回などは、評判高いですよね。
特に58話の邪王炎殺黒龍波を放つ回と74話のドクター神谷と戦う回ですか、影の明暗やレイアウトなど新房さんらしさが際立っています。
その他アクション作画には目を見張るものが多々ありました。

<声優>
浦飯幽助は佐々木望さんが声をあててたんですね、今知りました。
桑原の千葉繁さんについてはもう何も言うことがないです。
その他ベテラン声優が集まっていますね、一つだけ思うのは、鞍馬の妖狐の時の声優が男性でイメージとちょっとズレてました。

<音楽>
OP「微笑みの爆弾」って良い曲ですが歌詞が難解ですよね、"二つ丸を付けてちょっぴり大人さ"の辺りとか。
EDはどれも名曲ですが、「アンバランスなKissをして」のイントロは抜きんでてますね。

<キャラ>
この時代ってステレオタイプの不良が流行ってましたよね、「ジョジョ4部」も同じ時代だったと記憶してます。
しかも幽助と桑原の関係って、仗助と億泰とどことなく似てて、妙にリンクするなぁと思ってました。
比べるようなものでありませんが、時代のトレンドだったのでしょう。
それはともかく、幽助も桑原も鞍馬も比叡も良いキャラしてますよね。
本作の魅力としてキャラクターというのは一番にある気がします。


原作では描写が不足していたトーナメント参加チームの掘り下げがしっかりしてあったり、戦闘シーンも追加されていたりと、良い意味で原作を補填するアニメになっていたと思います。
ジョルジュ早乙女などはオリキャラではあるのですが、違和感なく溶け込んでいましたし、最終話で実はナレーションの中の人だったと判明するギミックも面白かったです。
展開にも勢いがあって、そもそも作品自体がアニメにマッチしていたように思えますね。
見ておくべき作品の一つだと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

71.5 24 幽霊アニメランキング24位
神さまのいない日曜日(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1071)
5685人が棚に入れました
15年前を境に、人々が生まれなくなると同時に死者が生前と変わらず動き回るようになった世界。そこでアイは墓守──死者へ安らぎを与える職業──として村人たちの尊敬を集めていたが、ある日やって来た「人食い玩具」と名乗る者によって真相を知ることとなる。村人たちは全て死者であり、アイが彼らによって信じ込まされていた両親についてのことも、実は嘘だった。村人たちを弔った後、アイは破綻している世界を救おうと決心し、同じく墓守である傷持ちや人喰い玩具を追ってきたユリーとともに旅へ出る。

声優・キャラクター
豊崎愛生、浪川大輔、佐藤利奈、能登麻美子、藤原啓治、柿原徹也、小松未可子、内山昂輝、喜多村英梨、野島裕史、渡辺明乃、丸山詠二、吉野裕行、今井麻美、原紗友里、加隈亜衣、高橋未奈美
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

泣いた(;_;) (最終話まで

○関連URL
アニメ公式
http://kami-nai.com/
富士見書房
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201210kamisama/
webラジオ
http://hibiki-radio.jp/description/kami-nai
神ないラジオ~紗友里と亜衣の日曜日~
http://kami-nai.com/special/navigate.html


あらすじ

15年前に人々が生まれなくなると共に死者が生前と変わることなく動き回る世界。その世界でアイは墓守──死者へと安らぎを与える職業──として村人の尊敬を集めていたが、ある日やって来た人喰い玩具と名乗る者によって事の真相を知ることとなる。住んでいた村の住民は全て死者であり、彼女が信じ込まされていた両親についてのことも実は嘘だった。彼らを弔った後に、彼女は破綻している世界を救おうと決心し、同じ墓守の傷持ちや人喰い玩具を追ってきたユリーと旅に出る。


各話感想
{netabare}1話
いやぁ会場3分後に行ったらすでに満員で見れないorz
がしかーし、ニコニコは裏技があるのです。
携帯から放送へ行くとなーんと見れちゃうんですね。
恐らく携帯は席が別で用意されているからだと思われます。
くっそーでかい画面で見たかった><

最初からシリアスエンジンバリバリでこれはとても面白そうな予感。
もう最初から謎だらけで次回が気になります。
墓守がなんなのか?なんで街中の人殺しちゃったの?
ハンプティーハンバーグさんは何者なの?何がどうなってるの?
携帯画面でしかもちょいちょい画面が飛んでしまったので見逃し部分も多々あったので次週復習しようと思います。
早く次回が見たいけどこれ次回は2週間後なんだろうか…
待ち遠しい。

一旦復習
殺すのは墓守の仕事で墓守だけが安らかな眠りを与える事が出来る。
神様がいなくなって人は死ななくなった。
あいちゃんは墓守?
ハンプニーも墓守?


2話
主人公の女の子はアホの子なのかな?
えっハンプニーが撃たれた。味方か!?敵なのか。
親友だったのか… 娘も死んだのか。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
どうして女の子を盾にしたし。わけわかんねぇw
決闘はトンズラかよ。
結局主人公は墓守なのか墓守じゃないのか。
だからなんで着いて行くんだw墓守になるために着いて行くのかな?
おんぶで恥ずかしがっちゃって可愛いw
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
何故飛び降りたしw
ってかいつの間に仲良くなってんだw
神様いなくなっちゃんだから確かにわけなくてもいいんじゃね。
12歳だったのかーい!小学生じゃないか!
32.3のおっさんだったのか。
神は馬鹿だったのか。
日光に弱いとか吸血鬼かよw
はんし熱で2億のゾンビこええ。
EDの入りがいいなぁ。こういう特殊ED好きだなぁ。


3話
あいちゃんのお母さんなのかな?お母さんだったか。
OPこんなんだったっけ。
ハンプニーさん何かに似てると思ってたけどやっとわかった。
デビルメイクライっぽい。
キタエリって太いのか細いのかよくわからん。
まぁライブやってる位だし細いのか。
何処へ向かってるのやら…
死ぬ方法だと!?村の連中殺してなかったっけ?
人類最後の一人!?どうしたんだ急に…
ファンタジーものは先読みしたくないから考えたくない。
ちょw突き落とすなw 本当なら川浅くて死ぬだろw
あれまたこいつ。追いついてきたのか。
自殺攻撃ってなんじゃそりゃ。
えっやっぱお父さんだったのか!!
暴徒鎮圧用のゴム弾。パンツびちょびちょww青の縞ぱんですよねやっぱ。
レースとかまったく興味が持てないです。
なんか仲良くなっとる。墓守も現れた。
拷問でもされてんのかな?
極度の疲労で記憶がなくなる?
幸せに死にたいのか。なんでやっやめろなんだ?
幸せに生きて幸せに死ぬのか。
わけがわからん敵だな。
墓守いいとこで登場!
思い出したか…お母さんはアルファって名前なのか。
墓守どんな力してんだよw
なんだお母さん勝手に消えて子供生んだのかよ。精子が欲しかっただけか。
アスティン。え?ハンプニー死んじゃうの?え?
工エエェェ(´д`)ェェエエ工 鳥肌立った。
あっ死者として復活したのか。
と思ったら墓守としてお父さん見送るのか。
泣ける。泣いた。いい最終回だった(´;ω;`)ブワッ
もっとお父さんと楽しくやっていた所を書いても良かったんじゃないの?
なんでそんな詰め込んじゃったんだ…
本当にいい最終回だった。
ってこれから先墓守として成長していく所を書いていくのかな?
この回が一番の盛り上がりになってしまわないよう願う。


Q.なんでハンプニーは死んだのか?
墓守だけが死を与える事が出来るから。

この解釈であってるよね?原作既読の人教えて下さい。
ハンプニーの願いがかなったから死んだわけじゃないんでしょ?


4話

5話
子供は出来ない。魔女がいたのか。
5人の体から必要なパーツを引きぬいて作られた…
まさかの人造人間。6人のラップスター。
ぽっくすさん組み合わせが違うって何がどうなってんのw
死者の体にも健康があるんですね。
まさかの想像妊娠!子供が欲しいと思っていないのに妊娠。
スカーの声が関係している。
お城のお姫様ェ…ミイラ姫じゃないか。やっぱ姫も死者なのかな?
謎の黒ローブ集団。
生者がオルタスに住む方法。死ねばおkとな。つまりそれは死者じゃないか…生者が住む方法ではないよね。
黒ローブ集団は死にに来たのか。
死者の皆さんに幸せな最後を迎えて欲しいアイちゃん。
ウッラは生者だったのか?なんかややこしくなってきた。
毎度毎度EDの入りがいいなぁ。しかし一枚絵ってのはホントに安上がりで頂けないな。


6話
コロシオハケ?死の姫だったのか?
そして死者として復活するわけか。
オルタスの闇。見られたり声をかけられたり触れられると死ぬのか。
ウッラはコロシオハケ。まるで死神だな。
OPかっこいい。
子供は15歳で選ぶのか。生者なら出て行く。残るなら死者になる。
ウッラは知らなかったのか…
愛ちゃんもそうだったもんな。
全員死んだらっておい。そりゃウッラにとってはいいかもしれないが…
あらら話しちゃうのか…
あぁやっぱ知ってたのか。
死ぬ事の意味が無くなった世界で死者と生者に何の意味があるのだろうか?
何かメリットデメリットみたいなものがあればわかりやすいんだけど比較しようがない。
キリコを通して抱きしめるとな。その発想は無かった。( ;∀;) イイハナシダナー
ウッラの母。恨みの塊だったのか。
セリカは時間を止めて何かを待っていると。
え?双子じゃないんか。スカーの子?どういうこっちゃ。
しかしまぁ毎度毎度特殊EDがいいね。
赤髪誰だ…


7話
学園?早速きたか赤髪。アリスカラー。
アイちゃんも制服着てる。一体何が始まるんです?
キタエリデビュー曲。歌手に転向でもするのか。
子供が生まれなくなったから学校も無くなっていくのか。
言ってるそばから誘拐かよ。
スパルタ学園なのかな?
強制収容所ww 年少者強制学習所。
おい色々おかしいぞwお迎えの車やらごく平凡な授業とかww
売られたww
マギータ先生やべぇ。
レールガンごっこしとるw
はいはいサービス回。そういや何歳だっけ12歳だっけ?
周りは皆高校生位なのかな?
異能者の学園だったのか。なんかアニメの方向性変わってない?w
強く願ったらこうなっちゃったのか。
レールガン?(難聴
ちょwアリスカラーさん大胆な覗きだなおいw
今回完全にギャグ日常回だな。説教の前に服着ろ服w
なる程大脱走計画してたわけか。
補助金目当てで生徒増やしてんのかよ。ってか政府なんてあんのかよ。
キタエリは幽霊Dなのか。ボクっ娘。
Dエンジーストラトミットス?名前なげーよ。
西方の魔女。ウィスパ。なんか凄い能力だな。
オルタスにいる時から監視してたのか。
アイとアリスとウィスパの出会いは運命?どういうこっちゃ。
珍しく普通のEDだな。まぁ本編の作画がいいからEDこれでもいいのかなw
しかし今回出会った学園の子達は生者なのだろうか?
死者なのだろうか?願いが聞き届けられたから生者なのかな?


8話
ゴーラ学園Ⅱ
大脱出会議ってなんだよw
あいちゃん委員長みたいだなw
出ても行くところが無いんだろうな。やっぱりか。
どうせ売られたり捨てられたりで行く場所無いんだろうね皆。
私にはあなたが無理?どういう事?
キタエリスカートで浮いてるけどパンツ丸見えじゃないのかw
夢を持てるのは居場所があるから。まぁそうだよな。
生まれた時から目が見えなかったのか…
盲目生活なんて考えられないな。
両親には黙って来ちゃったのかよ…
アイが眩しすぎるのか。
脱出は明日の午前3時。
世界を救うとか夢が壮大だな。
世界を壊すことで救う?世界が2つ?あるがまま?
・観察者がいない世界。誰もいなくても成立する世界。
・観察者がいる世界。人が見てる世界。主観。
何を壊すんだろう。人なのだろうか夢なのだろうか。
ターニャは来なかったか…
残る…だと?アイちゃん頑固だな。ターニャ来たか。
先生にバレてた…
弾丸を弾丸で相殺だと!?
ブーザービーター狙っと物を狙った所に飛ばす力。
特殊EDか今回も。
スカー育児放棄だと!?何があったんだよ。
今回は2話で完結なのかな?


9話
小さな共同体を壊すことで世界を救う。
アイちゃんその方法で世界を救うことに異論は無いのか?手伝っちゃうの?
アイちゃんは本来死んでいる人間を墓守として埋めて本来あるべき世界へ戻すことで世界を救うんじゃなかったの?
死者の街とか行ったりしてしまって考え方変わっちゃったのかな?まぁ学園の時も悩んで葛藤してはいたが…
「墓守が生まれる場所」
タイトルが凄く気になるな。スカーやっぱどっかいっちまったのか。
ターニャ両親の元へ戻れたのか。だいぶ端折ったな。
まぁ原作見てないからよくわからんけどまぁペースはいい感じで見やすい。
ウィスパとアリスは付いて来るんだね。
子供はセリカって名前だったんだっけ。
スカー一体どうしちゃったんだよ。何をそんなに躁鬱になっていたんだ…
なんだなんだどうしたんだよウィスパ。誕生日かーい!今回も日常回だな。ってしかも昨日かよw
年に一度のお祭りねぇ…誕生日が待ち遠しいのは二十歳になる位までだな。それ以降年取りたくねーしか思わない。
アリス16歳だったのか。そういや学校行ってたもんなw
あぁウィスパが車で叫んだのはケーキの看板見て思い出したのか。
人は日々刻々と変わっていくものだよ。
変わらない人のほうが珍しいんじゃないかな?
変わらない思いや考えもあるだろうけど。
見事な霧じゃなく嫌な感じだと?幽霊とか出るのかな?
クリスタルが生えてたり穴が開いてたりと道路として成り立ってないな。
音が消えた…嵐の前フリか。いきなりの雷。
墓守だと?ちっちゃい光の玉が?ブラックホールじゃんまるで。
え?分身?何人いるの?3人か?ぎゃーうじゃうじゃいた。
ストーリーサークル。墓守が生まれる場所…
何百人。何千人。同一の個体が生まれるのか。
一度しか確認されない墓守もいると。
スカーは自分が生まれた場所に戻りたかったのか?
おいおいこの先やばそうだな…ウィスパ帰っちゃうのかよ。
キタエリも短い出番だったな。
墓守集団怖い…ってか神様がいなくなっちゃったからその反動だか代償だかで墓守が生まれてるのかな?
ハンプニー…お母さんも…精神世界か?夢の世界か?
覚えておけ。
「お前を動かすただひとつの言葉は生きたいだ」
スカー…何を悩んでいるんだ…
墓守としての自分か母親としての自分かを悩んでいたのか。雷はなんだ?何か祈りが叶ってしまったのか?
ユリーさんプロポーズとかマジかっこいいじゃん。結婚してやんよを思い出した。
なんかちょこっとうるっとしたよ(´Д⊂ヽ
オースティア?3-4組は閉じ込められている?どういう事?
このアニメ安定して面白いなぁ。
しかし原作も終わってないからきっと中途半端に終わってしまうのではないかと思ってしまう。
スカーの回収したし新しい話がまた始まるのかな?
毎度毎度うまく話をまとめられている印象で凄いなぁこのアニメの構成。


10話
え?全てが初期設定に戻る町?人間も?
いきなり虐殺始まった…うわー怖い何この町。
最後の舞台はこの変な町が舞台なのか。
3年4組Ⅰ
荒れ果てた町になったけどあれ?
さっきのとこどうなったの?
アイちゃん麦わら帽子みたいなのかぶってたっけ?
なんかヒマワリみたいだなw
3年4組に何があるんだ?
部外者は一度中に入ると戻れない。全てを解決しない限りは…
アリスの救いたい世界があるのか。
イチャコラしやがってw
特定のルートと特定の穴からじゃないと来れないのな。
アリスの故郷だったのか。
リーさん?あれだれだっけ。あぁお化けのキタエリかw
なんで実態あるんだろうな。
14年前で冬で雪が降っている。まずは感想を言えとな。雪が綺麗って以外に何も無い。
ディー?あれ名前なんだっけ忘れちゃった。
キタエリよくわからんがお化けになっちゃったのか。
アイちゃん何処行っても人気だな。
スカー達はこの町で暮らすのか。
調理部ってアイちゃん料理出来るのか?
引っ越してきたばかり?え?どっから?なんも持たないで旅してなかったっけ?
ずーっといたくなるだと?迷いの森みたいな感じか?
3年4組が望んで作られた隔離された世界なのか。
1年ずつのループ。中の人間はリセット。
1年に少し足りないループでカレンダーがずれてるのか。
檻そのもの。
アリスとキタエリ以外知らないのか。中の人間は作った事すらわからないと。
死者はコクメイを通れない。生者ばかり。
3万人も入れたのかよ。
なる程それで冒頭に戻るわけか。
アリスの敵。キタエリが敵だと!?なんで?
カーテン外そうとして死んじゃったのか…
うーむ毎度毎度特殊EDがいいなぁ。
しっかしまぁややこしい設定だ。


11話 3年4組
ループを繰り返す発端になった文化祭前日のことをアイちゃんは調べる。
アリスが手がかりを外から持ち込んでいるのか。
キタエリが燃やしてんのかよ。
やがてひと月が過ぎてっておい!一気に飛んだなwアイちゃん13歳か。
随分ゆっくりしてんだなこの町で。スコップ忘れかけてたのか?
墓守って事も忘れそうにっておいおい世界に溶けこんで来ちゃってるじゃないか。
願いってのは叶っちゃいけない?叶わないからいいのか。
まぁそれはあるけど目標を新しく見つけろよ。
単なる通過点か。
ディーさんが敵…
3年4組は閉ざされた世界にいた方が良いとな。ひきこもりか!
もってかれそうになるのか。ループに取り込まれるとかヤバイじゃないか。
ん?何が起こった?10?
なる程いつもなら9対9で揉めてたのか。変革を起こしたのか。
アリスが置いてディーが回収、アイちゃん見つけられないと。
お?スルーしたか。アイちゃん何かを感じ取ったか。
あっディーにバレた。おいおいすんなりに取られるなよw
自分が死んだ事を思い出したか。3年4組のループを消しちゃったらディーも消えるんだなきっと…
やっぱりか。
だからウィスパになった。ささやき続ける。壊せ壊れろ壊し続けろ。
アリスはバスケ好きなんだな。そしてディーはアリスが好きなんだな。可愛いw
んな都合の良い話があるわけないだろ!いや神様に願えばありそうだな。
アリスに好きってバレちゃうからだめなのか?
ディーが消える事知ってるだろ。アリスに嫌われたくないのか。切ないな。
アリスの血で濡れているだと?うわー殺してリセットしたのかよ。ヤンデレってレベルを超えてる…
今日のアリスには僕が必要だ…そう思っていたのにアイちゃん…何…これ…
これはヤバイ。嫉妬に狂いそう…
3年4組が開放される為なら構わないのかよ…聞いちゃったよ…
おまえ…消えるのか…?切ない。


12話
ディーは何か怪しいこと企んでそう。
あらアリスがいてディーが来ないのか?
またリセットコースかよ…クラスメイトに思い出させて何かが変わるのか?
そうだよな生き返って下さいって願っていれば…
うわーリセットコースか。なる程思いの強さで改変強化が行われるのか。
えっディーもリセット?14年分消えちゃうのかよ…
おいおい皆で落っこちる気かよ。
世界の大元はアリスだったのかよ…
まさか死んだのもアリスだったのか。あれ?じゃあディーはなんで幽霊なんだ?
このアリスのいる世界から出たくない思いが幽体化したのかな?
無かった事に…してはいけない。アリス…(´;ω;`)ブワッ
え?そこでアイちゃん切れるの?
なる程墓守に埋められちゃったらしょうがないな。
ディー実体化してる。
え?アリス生きてるの?あれ?Fin?最終回だったのか?
全13話じゃなかったっけ。まぁどっちにしてもイイ最終回だった。

ちなみに最後なんでアリス生きてるの?と思った方はこちらを見るといいでしょう。公式で説明されています。
http://kami-nai.com/special/navigate.html

恐らくアイちゃんが神様だったていうオチになりそうな予感がする。2期やって欲しいなぁ~><
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 55
ネタバレ

オッス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画と音楽が良かったが、終わり方が・・

考えないで観る分には泣けた。アイが人として出来すぎてる?やアイの行動のおかしさなどを考えなければ楽しめた。
最終話の終わり方がやや投げやりに見えた。
原作を買ってくださいという言葉が見え見えである。
あの終わり方を避ける構成にして欲しかったなあ。
余談だが、ハンプニーを主人公にした方が万人受けしそうかなと思った。
町などの作画かなりいい。今期アニメあまり観てはないが、トップクラスの作画である。
あとOPがいいね。今期の中では進撃OPの自由の翼と同じぐらい好きだ。
1話 {netabare}
第一印象はほのぼの系アニメだと思ったが、思ったより内容がシリアスだった。
ハンプニーが全員惨殺をしたシーンが印象に残った。
なぜ、ハンプニーが村人を全員惨殺をしたのか気になるし、ハンプニーがカッコいいから次が観たいと思った。
{/netabare}
2話 {netabare}
アイの発言が面白いw
外の世界が残酷ならばハンプニーに銃に撃ったられて死んだ方が幸せだったかもしれない。故にハンプニーは殴ってまでも止めようとしたのだろう。まあ幼女を殴るのは頂けないがw
ハンプニーが惨殺の理由と設定が語られましたね。
それでハンプニー不老不死なのか。最近のインデックスの映画のキャラを思い出しますね、死にたいけど死ねない人なのか。。ハンプニーがどうなるから気になる。
{/netabare}
3話 {netabare}
ハンプニーは不老不死であるが故の死にたい理由を語られた。
世界の中での真の孤独死は辛い。ハンプニーの演技も上手かったこともあり、この時点で私は少し泣けた。
ハンプニーの理不尽な暴力の意味を語られた。前の話にも触れたが、やはりハンプニーなりの理屈がありアイを救うための暴力である。
ハンプニーはただ死にたいのではなく、本当は幸せに生きて家族に惜しまれて幸せに死をしたいのであると盗賊に告げる。
要するに自分の死に意味を見い出したかったのであろう。
盗賊たちによってハンプニーは殺された。しかし、ハンプニーが死ぬ間際にハンプニーとアイは¨アイの父親はハンプニーでありハンプニーの娘はアイでもある¨ことが発覚し、ハンプニーは彼の死を惜しんで泣くアイを見て言いたい事を言い残せず死んでしまう。これは本当の意味の死ではないが、ハンプニーの星の数ある死の中で唯一家族に惜しまれる死でありハンプニー願ってる死である。
このハンプニーの独白で思わず涙が。。。
思い出を作れば幸せのまま死ねるのでもはやハンプニーには未練がないから墓守に埋めて貰う事を頼み、ハンプニーは安らかに眠った。即ち、本当の意味の死である。。

最終話的なお話が3話で終わらせた事に驚かされた。
最近アニメにしては珍しいのではなかろうか。
そういう意味では次が気になる。
{/netabare}
4話 {netabare}
ハンプニーの死は引きずらず、あっさり忘れるアイ。。そこらへんは考えないでしよう。
アイの相変わらず面白いアホキャラであるw
なんで3人旅してるのか?多分世界を救う為かな。
墓守は少数精鋭だと思ったら多くの墓守が死んでいた事には驚いた。
オルタスの町の作画が素晴らしい。じっくり観て欲しい。
ベッドのスカーさん可愛いすぎる。この作品の好きなキャラはスカーさんになりそうだ。
個人的には3話が良かったので正直次が不安だったが、面白かった。
{/netabare}
5話 {netabare}
キリコさんは死者だったか。
いつの間にかユリーがアイの父さんになっている感がある。流石、声がヒロシだけあるw
いつも通りアイちゃんなかなか空気が読めないキャラである。
変な複合人間が何故出来たのかがこの話で説明された。生まれが違う5人が居て、彼ら彼女らは子供を作りたくて魔女に訪ねた。魔女は別の方法で子供を作れるらしい。魔女に従い、子供(キリコ)は生まれた。しかし代償として魔女によって彼女ら彼らは複合されてしまう。5人の内4人は2人間として複合されてると思うが、あと一人はどうなったのか?あと4人の半分はどうなったのか?
スカーさんが想像妊娠だと・・ OPのスカーの子供っぽい方が生まれるですかね。何故妊娠したのでしょうか?ウッラは何故あんな格好なのか?
次が楽しみで仕方がない。


{/netabare}
6話{netabare}
相変わらず作画は力が入ってる。背景が綺麗だ。
なるほど、ウッラは見た触れた声をかけられた生者を殺す能力を持っている。15才で死者にならければならないルールがオルタスにある。15才未満を生者を死者させてしまうためウッラはあんな格好か。
アイは過去の経験からウッラが自分と同じ境遇にあると悟る。
キリコは今ウッラとアイ同じ境遇であるが、アイはいずれ永遠が破綻するのが約束されてることに対してウッラは全員死者になられば永遠であり破綻はしないと言う。ハンプニーが出てくる描写がいい。泣きそうになりました。
アイはウッラに真実を伝えに行く。キリコに反対をされるが実行する。ウッラは半分は気づいてたようだ。どうやらキリコを説得でき友達になれたようだ。
スカー「この子は私の子です。」
アイとヒロシ「えっ!?」
俺「えっ!?えええおい、スカーさんいつの間にやっ・・・というより父親誰ですか・・!?」
最後がよく分からなかったが、面白かった。

{/netabare}
7話 {netabare}
アイが捕まってゴーラ学園に閉じ込められたらしい。
そこからまさかの学園物となる。この作品は章ごとに舞台変わりますね。前期のはたらく魔王さまは舞台があまり変わらないので少しだけマンネリを感じた分を考えればまあいい(はたらく魔王さまはオリジナルが多い上原作2巻しか消化してないので仕方がないが・・)
お風呂のシーンはまさにサービス回って感じか。
スカーさんの子供どうなった?
ゴーラ学園の紫髪の小さい子がスカーさんの子供だと思ったんだけどな・・
勘違いか・・
{/netabare}
8話{netabare}
アリスのフリースローうめええしかも全部綺麗に入るw
アイが純粋すぎるなー
アイがいくら正しくてもピンク髪の彼女は気にいらないと思うからゴーラ学園に出るのを拒むのだろう。
それだけ彼女の過去の闇は深いのだ
しかしアイの必死の説得によって彼女を出るのを同意させる。あっさり変わり過ぎな気がする。尺の都合で心理描写カットしてるのかなー
ゴーラ学園脱出直前に先生と鉢合わせるアイ達。
先生が最終警告してもアイは逆らうから銃弾を放つ
狙った物を必ず当てるアリスのスキルを駆使して先生の銃弾を相殺して先生を諦めて撤退させた。
なるほど最初の冒頭のスーパープレイはスキルを使ったのね。誰か死ぬと思ってドキドキして観てたけどアイ達は誰も死なせず無事脱出した。
そしてまさかのスカーさんが育児放棄ww
神ないはEDの入り方が上手いな 次が気になりますw

{/netabare}
9話 {netabare}
アリスの誕生日祝うアイ。
うむ、俺もアリスみたいな考えだ。
アイは誕生日においてアピールが重要と言う。
なるほどね、私が次の誕生日の時に友達にアピールするか(笑)
うーん
とりあえず、スカーは墓守を捨て(泣いた=墓守を捨てる)赤ちゃんを選んで結婚という流れか。
原作既読者によると、すばらしい塔のシーン丸々全部カットという話が・・ 見たかったなあ
{/netabare}
10話 {netabare}
いきなりアリスが町を焼いて3年4組の皆殺し・・
1話の最初のハンプニーのシーンを思い出す。
銃の音に迫力があり、緊張感が出て良い。
生者によって作られた世界(ループしてます)に居るから年を取れないアリスは「17歳になりたい」という。
なるほど、前のアリスの誕生日はただ単なる物で意味があったのか。
しかしアイとディーの会話から察するにディーはこの世界にずっと居たいと思っているようだ。
アリスは相反するディーを敵と告げて話は終わる。
どんな展開になるのだろうか・・
{/netabare}
11話{netabare}

どうやら3年4組のループの原因はディーのようだ。
過去にディーは死んでしまった。ディーの死を認めない3年4組達がこの世界のループを作ったとアイは知る。
しかし、アリスはディーが死んでしまった事を知らない。
過去にアリスはループの矛盾を作って世界のループを解決しようとして、ディーによって証拠を消して辻褄を合わせられ失敗する。
ディーの行動はアリスの居る世界に存在したいが故の行動だ。
ループを解決するために3年4組の人を殺した時に、
アリス「人としての一線を超えてしまった」
と言ったシーンが、ちょっと涙が出そうになりました。
1話前のアリスは生き返るかもしれないと分かっていても殺したくはなかったのですね・・
ディーの真実を知ってしまったアイはアリスに対して「何かを犠牲にしてまで3年4組を救いたいですか?」
と問う
アリスは、どんな犠牲を払ってまで3年4組を救うと誓う。
それはディーを犠牲しても救うと示してる。
この話を聞いてしまったディーは・・・
で終わりですね、EDの入り形が毎回上手いなあ
演出が上手い、ファンタジー感と緊迫感があって面白い。
ループ解決しても元死んでいるディーは消える運命なのか・・
ディーが可哀想ですね。。
{/netabare}
12話{netabare}
実はディーが死者ではなく、アリスが死者のようだ。
ディーが普通の世界で透明だった理由は
ループ世界の生者が普通の世界に出ると透明になるからか。アリスは死者だから透明にならかったという事か。
アリスがディーを助けたあとに
アリスが3年4組で過ごした日々を無駄にしたくないのセリフで泣けたけど
ループ世界を破壊した後に何故かアリスが生き返ったシーン(fin)を見たら
俺「はっ!?ここで終わらせる!?」
ここで終わるならせめてアリス死んで良かったと思う。
泣けたシーンがちょっと台無しだ
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

神さまのいない世界、それは絶対的なもので縛られる事なく意志によって変わる世界

(2013.6/29)
原作未読。
dアニメストアで先行上映していたので視聴しました。

{netabare}かつて神が7日間で造った世界。しかし15年前に人類は人として終わりを迎えその代わりに墓守と呼ばれる新人類?が生まれた。

人がいなくなった新世界でアイはどんな世界を夢みるのか?
人は死に向かって歩いている、その死を迎えることで人は完成する。{netabare}完成させる(埋葬する)役割を担うのが墓守。{/netabare}

結構、ダークな世界観ですが、豊崎さんのふわっとした声質が世界観をやわらかくしてくれているのが幸いですね。
それと対比するように浪川さんのクールで抑え気味の声が緊張感を演出しているみたいでギャップがあって面白いです。

神様がいなくなった世界を変えようとするのか?
それとも、墓守としてアイの成長を描く物語?{/netabare}

何にしても、個人的にはかなり引き込まれたので期待(´▽`)

どうでもいいですが、1話以降の配信が7/26からって…1か月近くも待たないといけないのかorz

(2013.8/1 2話)
{netabare}通称:スカー(傷持ち)と名乗る墓守。スカーは墓守にとって大事な要素を持っていた、それは感情の喪失…

この定義?が正しいとするならアイは、まだ墓守としての役割を果たしていない。
しかし、アイにとっての墓守とは埋葬した人々を忘れる事なくその胸に刻み続ける使命を持つ者。

「お前の死に、意味はやらん」 かつてハンバートも墓守だったのか?
それに不老不死な故に人の死(人らしい死に方ではなく死者としての死)は許せなくて人を愛し、そんな世界を造った神に抗うのが彼の目的?

ハンバートは墓守ではなく普通の人間だった。そして、怠惰な神などではなく人の願いをそれなりに考えた結果できた世界が今ここにある。{/netabare}

(2013.8/3 3話)
{netabare}地獄のような世界での天国のような希望を見つける…

幸せに生きて幸せの中で死ぬ。そんな、平凡で当たり前な死生観だけどこの世界では尊むべき価値のあるもの。
ハンプニー・ハンバートとして生きた者がキズナ・アスティンとして死んだ。
ってか、ハンバートは最後まで生きていると思ったんだけどまさかこんな展開になるなんてね^^;{/netabare}

(2013.8/10 4話)
{netabare}どこから捕まえてきたんだスカーww 
世界救済の旅をする事になったアイ達、何か世界救済なんて言うと怪しい宗教みたいですけど^^;

「最後の世代の少女」というキーワードからして、キリコは墓守と世界について何かを知っている?

アシュラ仮面みたいなのが出てきたぞ(゚д゚;)!?
オルタス・死者の国とはいっても、外見上は生者と変わらない。
オルタスに潜む闇は、姫が生者もしくは墓守なのか?それならキリコが墓守について知識があるのも納得いく。{/netabare}

(2013.8/10 5話)
{netabare}キリコ、「欠落した五芒星」の一員いや6人目だからその例えは無いか。そして、かつて生者だった者たちの体を使って生まれたもの。
スカーの体調不良の原因はオルタスの姫様?
生者にも死者にも始まりは平等にあり、終わりないものはない。
オルタスの姫・ウッラは神に祭り上げられた者ですが、境遇はアイと似てますね。{/netabare}

(2013.8/24 6話)
{netabare}生者が生者を死に至らしめ死者として蘇らせる。見ただけでは解らない儚い死と永遠の生、死生観のない世界で人々が本当の意味で「生きる」事を実感できるのか?
ウッラに憑いているコロシオハケは取り除く事はできないの?ウッラが人として扱われていない(生者としても死者としても)この街を変える事なんてできないとは思いたくはない。キリコのそれは、優しさではなく自分勝手な想いのようにみえる…

生の柵からの解放と死者としてではなく生者として生きる人間としての解放。

どういうこと?ウッラの双子の姉がスカーの子供で、ウッラ自身の母親ではない?{/netabare}

(2013.8/24 7話)
{netabare}勝手に連れてきておいて、学園に入学させられるっておかしいだろ。強制収容所と呼ばれるゴーラ学園、希望が峰学園と系列が一緒かなww?

アリス、オルタスで会ったライオン面の少年と同一人物?
異能の力を持つ者が集う学園か、一気に展開が…失速しなければいいんだけど^^;

ディー、魔女じゃなくて幽霊でしょwww ウィスパーって映画があったような?あっ、あれはキャスパーか(-д-;){/netabare}

(2013.8/31 8話)
{netabare}アリス、青峰のスタイル意識してる?www
大脱出会議のBGM、どこかで聴いた事があるような…(〃 ̄ω ̄)ウ~ン

アイの前向きな考えは、ゴーラ学園の人だけでなく今の私にとっても必要なものです(゚ー゚)(。_。)ウンウン
脱出するなら、日をおく必要はないと思うけどそこまでアイに肩入れするアリスの心情が知りたい。

主観的な世界と客観的な世界があり、その世界を壊す事で自分を変えるキッカケにしているのか、アリスは?
対してアイは世界を維持したままの変化を望んでいる。

スカーの育児放棄!? どうなっているんだ?|;-_-|=3 フゥ{/netabare}

(2013.9/19 9話)
{netabare}「世界を救うために、世界を殺す…」それに同意したアイは、突然居なくなったスカーを探す事に…
スカーの情緒不安定さは、急に子を授かってしまった事によるもの、だとしても何故逃げ出したのかが分からない。

口ん中がパサパサしそうなシフォンケーキですねwww
墓守は人種・顔立ちによる区別が人間より少ないから、ああいう事(ストーリーサークル)が起こる?

まるでアイ、スカー、アリス、ユリーが家族のようですね。{/netabare}

(2013.9/19 10話)
{netabare}オスティアに閉じ込められているアリスのクラスメイト達を助ける為にやってきたアイ御一行。

ディーは生きている人間?だとしたら何でディーだけ霊体化してアリスの元に居るんだ?
オスティア、まるでゲーム(過去の時間で止まったまま)の世界。ここに居れば死者と何ら変わらない生活が外見上は送れる、けれども記憶・経験は違う。
その意味では、死者の街オルタスの方がまだ良いように思えますね。

ディーがアリスの敵ならディーは、この3年4組という世界の永遠を願った?{/netabare}

(2013.9/19 11話)
{netabare}アイが3年4組に来て、1ヶ月の時が過ぎようとしていた。 同じ時間のループは同じ思考しか生まない。新しい思考が生まれてしまっては二度として同じ時間のループは、起こりえない。

まさか、もうディーは死んでいたのか。まぁ霊体だから当然と言えば当然なんだろうけど^^;

ディーの気持ち分からなくはないし、できればそうあってほしいとも思うけど生きている以上それが正しいとも思えない。
この儚くも悲しい想いは報われるのか?{/netabare}

(2013.10/2 視聴完了)

新しい世界に居場所は無い。なんて、勝手に自分で決めつけてるだけじゃないのか?自分の意志次第で世界の捉え方は変えられる。

永遠なんてものは無いのに、自分自身が存在するためにそれを求めようとする。意志次第で変わると言っても限界があるのにね。

神さまのいない世界で人間と墓守のハーフとして育った者、神さまのいない世界で別の生き方を手にした者、神さまのいない世界で神が存在する・しないに関わらず永遠を求めた者。神すらも凌駕する想いは、世界を変えられるのか?




変わった世界で彼女達が見るものはなんなのか?作画(背景)は2013年のアニメだけでなく、今まで観てきた作品と比べてずば抜けて綺麗で幻想的でした^^ ですが世界観は良かっただけに、2クールあればまた違った評価になったかもしれません。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

77.5 25 幽霊アニメランキング25位
BLEACH ブリーチ(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (894)
5568人が棚に入れました
黒崎一護は霊が見える以外は普通の高校生であった。死神朽木ルキアと出会うまでは…。
最初は死神の存在を信じなかった一護だが、人の魂を喰らう化け物、虚(ホロウ)が襲ってくる。家族を助けるために虚に立ち向かう一護。絶望的状況の中、一護はルキアから死神の力を貰い、死神となって虚(ホロウ)を撃退した。
しかし、彼に死神としてのほとんどの力を奪われ、弱体化したルキア。そこでルキアは自身の力が戻るまで一護に死神代行を務める様迫る。一度は断る一護だが、「俺の同類を作りたくない」、家族を救われたなどの理由で死神代行を引き受ける。

声優・キャラクター
森田成一、折笠富美子、伊藤健太郎、松岡由貴、杉山紀彰、速水奨、浪川大輔

Rexuz[コン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ブリーチはまだ続く

先ず「BLEACH」がどんなアニメなのか、知らない方のためにも簡単に説明していきたいと思います。

★物語の内容

主人公は幼い頃から霊が見えるが、それ以外は普通の高校生。
ある日突然、主人公「一護」の幼い妹達が人の魂を喰らう化け物、虚(ホロウ)に襲われ、家族を助けるために死神「ルキア」から死神の力を授かる。
死神代行となった主人公「黒崎一護」は己の任務を遂行すべく数々の戦いを繰り広げる。
バトル中心のアニメです。

ここで皆さんは「死神」と聞いて、あまり良いイメージを持たれないと思うのですが、このアニメの死神は現世・霊界の均衡を保つ世界の調整者として魂の成仏や虚(ホロウ)の退治を行う者として設定されています。
そしてその死神の代行がこのアニメの主人公「黒崎一護」というわけです。

基本的に虚(ホロウ)を退治する時は、死神だけが持つと言われている(刀、剣)「斬魄刀(ざんぱくとう」で斬り、その魂が自動的に「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」へと送り込まれる。

尸魂界(ソウル・ソサエティ)とは死神達が住む世界。
簡単にいうと「あの世」です。
そして虚(ホロウ)と死神は幽霊と一緒で、普通の人には見えません。

まあ内容はざっとこんなもんですね。

他の方も仰ってますが、BLEACHの欠点は原作を追いつきそうになると、所々でオリジナルが入り物語を遮ります。
しかも中途半端な所でオリジナルが割り込んで来るので、ここで断念する方が多いのだと思います。

そこで皆さんが退屈しないためにも、オリジナルが出る回をまとめてみました。ご参考までに。

★各オリジナルストーリー★

・尸魂界潜入篇
第33話 奇跡! 謎の新ヒーロー
(オリジナルは一つのみ。観音寺がメイン)

・バウント篇
第64話~第109話★
(バウント篇自体がオリジナル。好き嫌いが分かれる話。面白くないと感じた場合は飛ばした方がいい)

・破面・出現篇
第128話~第137話
(日常が主な話、136話と137話は藍染と関係してるアランカル達とのバトルなので、時間があったら観るべし。)

・虚圏突入篇
第147話~第149話
(メノスの森篇。本篇と話が繋がってるので観るべきだろう)

・新隊長天貝繍助篇★
第168話~第189話
(原作とは全く関係なく、矛盾点も多い。破面篇の続きが早く観たければ、ここは飛ばすべきだろう!話も長すぎる)

・破面・VS.死神篇
第204話~第205話
(2話のみ。瑠璃千代ちゃんの話、結構退屈でした)

・破面・空座決戦篇
第213話~第214話
(カラクライザーの話。ギャグが好きなら観る価値はある)
第227話~第229話
(過去の話と日常の話。228話には女キャラの水着姿が見られます)

・斬魄刀異聞篇・刀獣篇★
第230話~第265話
(斬魄刀のお話です。設定は面白いですけど、ストーリとは全然関係ないので、破面篇の続きを早く観たい方は飛ばした方がいいでしょう。)

・破面・滅亡篇
287話、298話、299話、303話、304話、305話、
311話~316話
(破面篇とは関係ないので、時間に余裕のある時だけ観た方がいいです。)

・護廷十三隊侵軍篇
第317話~第341話
(僕が最も好きなオリジナルストーリーです。コンちゃんが大活躍します(。・ω・。)オリジナルキャラの望実が可愛いです♪隊長達のバトルが面白いですので、オリジナルとして結構オススメできる方です。)

※★がついている所は丸ごとオリジナルストーリーです。

ブリーチはオリジナルが多いので、断然漫画の方が面白いですが、戦闘シーンはアニメの方が迫力があります。
取り敢えず、「尸魂界救出篇」63話まで観てください。ここで面白くないと感じたのなら、残念ですが、この作品は貴方には合わなかったと思った方がいいでしょう。
バトルアニメや血が苦手な方には合わないかも^^;
ここまで我慢して観れた方は「破面・出現篇」まで一気に突入してください^^オリジナルがつまらないと感じた方は飛ばしても結構です。
藍染編が一番面白いので、それまでは断念しないでくださいね( ̄▽ ̄;)ノ
長いアニメですが、オリジナルを抜いたら200話もないくらです。(2004年10月5日~2012年3月27日放送終了)

・死神代行消失篇(2011年10月~2012年3月27日)
第343話~第366話
オリジナルを飛ばした方、そうでない方、原作の続きはここからです。
藍染の戦いから17ヶ月後。

因みにアニメでは「死神代行消失篇」が最後になりますが、原作はまだ最終章の「千年血戦篇」が残っているので、半年後にアニメが再開する可能性もあるみたいです。
原作に追いついてしまったのと、キャストが揃わないのもありますからね。
おそらく一時的だと思います。
最終回で一護は「死神代行はまだ続ける」と言ってましたし、「これが最後ってわけじゃないんだから」「またな」と言ってましたからね。
しかも原作の最終章「千年血戦篇」は「破面篇」より長いらしいのでまた再開すると思います。

さてここからが感想です…

★感想
切りの良い所で終わりましたが、原作の最終章をやらなかっただけに、伏線が沢山残ったまま終わってしまったのがとても残念です。
「死神代行消失篇」もだらだらと引き伸ばしすぎで、引き伸ばした分最後は面白くなるんだろうなと思い期待しましたが、正直オリジナルストーリーの方が面白いくらいでした。
序盤~中盤の「藍染編」まではかなり楽しめると思います。
でもやっぱアニメより原作の方がオススメですね。
アニメは最終章までいってないのもありますし、これから見るんでしたら、原作の方をオススメします。

以上BLEACHファンによる感想でした!


投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

かくして刃は振り下ろされる・・

言わずと知れた、超有名「週間ジャンプ」で今も連載中のこの作品。


ユウレイが見える主人公「黒崎一護」。
ある日、自分を死神と言う「朽木ルキア」と出会う。
ルキアは死神の世界「ソウルソサイティ」から悪霊「虚(ホロウ)」退治にやって来たと言う。
そんな最中、虚が一護の家に現れ家族を襲う・・
そして、ルキアまでもがやられてしまう・・
一護はルキアから死神の力を半分、分けてもらおうとするが、
あまりにも強い霊力であった為、全てを抜き取ってしまう・・
そこから、ルキアに代わって死神代行としての日々が始まるのだが・・


まずこの作品は「死神代行篇」から始まるのですが、
初めて観るストーリーに引き込まれます。
「死神」と聞けば悪いイメージを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、
この作品の死神は、世の中に彷徨っている成仏出来ない霊を
成仏させる(BLEACHでは「魂葬-コンソウ-」と言う)仕事と、
悪霊「虚」を退治する仕事をしています。
そして普通の人には見えません。
そして死神のくせに「ソウルソサイティ」世に言う「天国」?
みたいな所で生活をしています。
そんな設定が面白く、一気に観てしまいました!


しかし、「血」とか苦手な人はダメかもしれません・・
なんせこの作品の死神には「刀」が重要なんです。
刀がカッコイイんです!
だから、切ったり、刺したりします。
何かが吹っ飛んだりすりので苦手な人は注意です!


最初はワクワク!ドキドキ!しながら観れるのですが、
やはり原作があるので、追いついてしまいそうになると
オリジナルストーリーに入ってしまいます。
私が途中で断念したのはこれが原因です・・
(とか言いつつ300話位までは観ていましたがw)
もうオリストがくだらな過ぎる!全くもってけしからんのです!
そして急に本編に戻ったりするので余計に意味が分からなくなります。
観ている人ほとんどが言うのは
「「尸魂界(ソウルソサイティ)救出篇」までが面白い!」
と、いう事ですw
興味のある方はここまで観てみるのもいいかもしれませんw


基本的に作画はキレイだし、キャラもカッコイイ&カワイイ子達がたくさん出てくるので、そこは存分に満足出来ると思います。
(男は冬獅朗、女はルキアが好きです(*´∀`)ww)
音楽もOP/ED共にJ-POPを起用し、
映像もオシャレな感じに仕上がっているので、そこも楽しめる一つでした。
(2個目のOP、D-tecnoLifeはかなりカッコイイですよぉ♪)


今も原作は購入していますが、
原作も微妙かもしれません・・w
しかし、面白くなる波が激しいのでやめる事もできず・・ (´・ω・`)
そんな感じで、断念しちゃいました・・


投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

おこめ93 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

超長編アニメ。観て損はない!...と思います

本作は、ひょんな出来事から悪霊:虚(ホロウ)の退治者:死神になってしまった高校生、黒崎一護(くろさき いちご)とその仲間達の活躍を描いたアニメ。

-------------

全話見終わっての感想は、後半忙しいなとw

前半は、面白くて・楽しみでワクワクしてました。
グワーっと物語に引き込まれる感じです。

ただ、途中途中で本編とは関係ない内容のアニメ(大人の事情w)が
入るのだけど、それが長いこと...
何十話に渡って観させられると、正直観るのをやめようかと
何度も思わされました。
(実際、観てなくても本編を観るのに支障ないかと)

中盤で、本編に戻って話が進むと、また面白くなってきます。
さすがというか、戦闘シーンは迫力があって見ごたえ十分です。

後半は、終わりに向けて、猛ダッシュw
あれもこれも詰め込んで、戦闘シーンも凝縮(圧縮か?短縮か??)。
途中だらけた回をもっと後半にもってくるべきだと感じました。


超長編アニメだったので、終わってしまう~;;と
悲しい気持ちになりましたが、ちょうどいい終わり時だったのかなと思います。

OP、EDの曲は、どれも秀逸で、見ていてワクワクします。

ただ、これだけは言いたい。
回ごとに作画が変わりすぎ!!!!!
うまい人と、そうでない人のキャラが違いすぎて違和感半端ないっす。
うまい人の回だと「カッケー!一護かっけー!!」ですが、
そうでない人の回だと「うあー、目がぁぁぁ目がぁぁぁ...」と切ない気持ちに...w

時間に余裕のある方は、ぜひ見てみてください。
「ブリーチの続きを観る!」という楽しみが1つ増えますよ~♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
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