takato さんの感想・評価
4.3
公開された時点で百点、アリスとアテナさんの師弟愛で千点、エンドロールで5千点。
数ある日常系の頂点にして至高の作品は何か?。私は万感の想いを込めて「ARIA」シリーズであると言いたい。そんなあいつらが帰ってきた…。それだけで百点をあげたくなる駄目な大人ですが、60分しかないとは思えない傑作でした!。
本作はアリスとアテナさんを中心にした物語である。となれば、ファンなら一番気になるのは、故 川上とも子さんからアテナ役を引き継いだサトリナさんがいかにはまっているかだろう?。正直「はわぁ〜」な駄目アテナさんはかなりの一致度である。ただ、シリアスになるとやはり違う…。だから物足りないか?というとそんな事は全くなし!。何故なら話自体も、キャラの活かし方も凄く上手いから!。
数ある名キャラクラーばかりの「aria」においても特に大好きな広橋さん演じるアリス中心の物語というだけで盛り上がってしまうが、本作においてもグッとくるエンタメとして力と、テーマ性が見事に両立している。
子供はドキドキとワクワクが満ちているが、それを受け入れるのに精一杯。素敵なオトナはそれらを作り出すことも、見方次第でそれを見出すこともできる。すなわち、現象学的にも、受動的では世界は無意味に感じがちだが、積極的に把握しようとすることで世界の意味を見出だせるという本作を通してのテーマを軽やかに実現させている。
そして、終盤の展開とその後に流れるナレーション、からの〜ed曲「エコーズ」。全てが絡み合っていて、大きな物語のダイナミズムがなくても思わず目頭が…、これこそariaの真骨頂。「水」の街に相応しい、想いが波間を伝わり、そして響き合い高みへ昇っていく。
そしてedロール後に流れたものを見て「えっ!」ってなった…。こういうedロール後におまけが〜な作品は多いが、ここまでビックリ+歓喜したのは初めてかも。ファンならばこの状況でも全員もれなく突撃すべし!。