ヨッシャア! さんの感想・評価
1.8
脚本・人物の個性は、丁寧な作品づくりにこそ宿る ※10話まで視聴
【物語】 1.5 / 5.0
「やれやれ系の勉強優先主人公が、やむを得ない事情でハーレム環境(ヒロインは姉妹)に放り込まれる」という、「同じ掲載誌である週刊少年マガジン原作で、似たようなあらすじを見たことがあるような?」となる導入のラブコメ作品。
フタを開けると、場当たり的かつテンプレートで見飽きた内容が続き、はっきり言ってストーリー構成はかなり下手で古臭さすら覚える。
「『上げて下げて』を繰り返せば面白くなるんだろ?」という、脚本作りに対するナメた姿勢が透けて見えるような展開の連続に辟易する人も少なくないだろう。
【作画】 2.5 / 5.0
人物・背景ともに、美少女ラブコメに求められている水準は維持できているように見える。
が、美少女キャラが主な売れ筋である男性向けラブコメ作品において、それは「あって当然のもの」であり、特別評価をする点ではないのも事実。
そこから更に一つ上の評価を得るには、原作者もしくはアニメ制作陣のこだわり・フェティシズム(例えば人物の肉感であったり、人体の細かな動作であったり)が必要になってくる。
当作品の作画には、その点が見えてこない。
【声優】 2.5 / 5.0
極めて無難。
この点においては制作陣の守りの姿勢が見える。
悪くはないが、良くもない。
【音楽】 1.0 / 5.0
印象に残らない。
【キャラ】 1.5 / 5.0
物語の項でも述べたが、そもそも話の流れが場当たり的であるため、登場人物たちの言動も場当たり的になっているように感じた。
また、記号的な個性を魅力として据えているためか、どうにも既視感のあるキャラクター造形になってしまっているのも気になった。
脚本も併せて、「人物」や「環境」をもう少し丁寧に掘り下げても良かったのではないだろうか。
【総括】 9.0 / 25.0 (平均 1.8)
これという作品の個性が見えてこない、典型的な「ヒロインのガワを売り出すためのラブコメ」といった印象を強く受けた。
原作者の力量なのか、複数のヒロインを捌き切るだけの構成力は感じられず、ストーリーの展開も場当たり的で内容も雑。
昨今、キャラクター・ストーリーともに個性的なラブコメ作品は増えており、あえてこれを選ぶ理由が思いつかない、というのが率直な感想であろうか。
ただ、パラレルワールド?のような描写があり、折り返し以降、オカルトやファンタジー、SFなどの展開を絡めて話を盛り上げてくる可能性もあるので、現状はその点にかすかな希望を抱くのみである。
・追記
視聴継続中だが、やはりきわめて凡庸。どんでん返しはあるのだろうか。