小学生でファンタジーなアニメ映画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の小学生でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番の小学生でファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.7 1 小学生でファンタジーなアニメランキング1位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (267)
1230人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

史上最高のおねショタSF映画!もりみー原作が苦手な人にこそ観てもらいたい!

『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』のもりみー(森見登美彦)の新境地を『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』の石田祐康と新井陽二郎のタッグが描いたジュブナイルSF


とある郊外の町が舞台
10歳にして勉強や研究に熱心な好奇心旺盛で達観した思考を持つ少年、アオヤマ
ある日、海も無い町中に唐突に大量のペンギンが出現したのを目撃する
アオヤマ少年と友人はすぐさまにペンギンの出自を探す探検に出るが謎は深まるばかり
その後アオヤマ少年はその達観視した口調が災いし、クラスメートのガキ大将と衝突してしまう
そのピンチを彼が淡い恋心を抱く近所の歯科衛生士の“お姉さん”に救ってもらう
アオヤマ少年がペンギンの謎を追っていることを知ると“お姉さん”はジュースの缶を宙に放り投げた
すると彼女が投げたジュース缶が突然ペンギンにメタモルフォーゼした
「この謎を解いてごらん、君には出来るか?」
かくしてアオヤマ少年は“お姉さん”とペンギンの関連を探り出そうとするのが…


まず一連のもりみー原作の多聞に漏れず、達観視した上から目線な主人公による一人称が主軸となっているのですが、早合点するなかれ
もりみー原作でありながらも畳み掛けるような喋り口調でまくし立てる作品ではないのです
主人公が落ち着いた少年であるという点や、アオヤマ少年を演じた北香那の感情を殺した芝居、そして全体的に間を大切にしたテンポ感を含めて、どちらかというととてもゆったりとした時間が流れる作品になっています
かつ暑苦しい青春モノでなく、もっと爽やかなジュブナイル作品というのも手伝っていますから「もりみー原作はちょっと…」という方にこそチェックしていただきたいところです


この辺りの演出、石田祐康率いるスタジオコロリドの若いスタッフが中心となったことも大きいと思います
少年の、自覚なき恋心を大切に描いていますし、その一方で少年が“お姉さん”に興味を抱くキッカケが“お姉さん”の豊満な「おっぱい」というのがエッチでコミカルでとっつき易いです
また、過去作の様にスタジオコロリド内製が強いのかと思いきや、流石に初の長篇ということもあって亀井幹太監督が演出処理を買って出る、佐藤順一監督がクリエイティブアドバイザーとして参加する、等これまでのコロリド作品とは規模の違いを感じます
一言で言うなれば、これまでのもりみー原作アニメが若者向けな文学作品だったのに対し、今作は老若男女広く、もっと言えばファミリー路線にも喰い込める、本当の意味でのエンターティメントに振った作品に仕上がっていると言えましょう
今日までコロリドを見捨てなかったフジテレビにはよくやった!と言いたい


ところでもりみー原作といえば【いまいち何を考えているのかわからないヒロイン】の存在でありますが、今作の“お姉さん”もまたもりみーヒロインであることに変わりありません
彼女のイヤラシさの無い奥ゆかしさを、蒼井優が見事に演じきっていてコレにも拍手です
キャスティングは完璧で、いわゆる大人の事情なども感じさせません
それは主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Good Night」も同じで、まさにこの映画の為にある一曲と言える楽曲です
エンドロールで程よい余韻に浸れることを保証いたします


また、途中で『台風』が来たり、『坂のある町を駆ける』のは思わずコロリド作品ファンには笑みがこぼれてしまうところでしょうw
コロリドにとっては今作が初の長篇にして、1つの記念碑となった、のではないしょうか?
まあ細かいことは置いとくとしても、とかく【おねショタ】っていうジャンルは本当に尊いと思ったのがオイラの本音ですよw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 63
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

表はペンギン、裏はエヴァンゲリオン

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:7
情感:6
合計:36

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちはいったいどこから来てどこへ行ったのか……。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」

(公式ページより抜粋)

視聴経緯については、先日見た「若おかみは小学生」同様、2018年に公開されたアニメ映画で、さよ朝やリズ青と共に名前があげられることが多かったから。

若おかみ~があまり響かなかったので、4作品中トップにあげられることの少ない本作は正直あまり期待していなかったのですが、意外にも高得点でした。

冒頭のあらすじを読むとこじんまりとした作品のようですが、スケールが大きく、SF、セカイ系と言ってよいでしょう。それでいて、個人の思春期の問題がテーマにされており、私はエヴァンゲリオンを連想しながら見てしまいました。

{netabare}本作はいくつかのもの(お姉さん、海と呼ぶ球体、ペンギン等)が象徴的に描かれていて、それを何と捉えるかで様々な受け取り方になると思いますが、全体のテーマは私にとっては「異性への憧憬」や「アニマの昇華・離別」(それによって少年は成長するのだ!)であると捉えました。(ペンギン・ハイウェイが象徴する道も、少年が通る成長の道ではないか)

個人的に、自作長編小説におけるテーマのひとつであり、お姉さん的なキャラを登場させたことがあるので、最早そういうテーマでしか見られなかったのですが(苦笑)
注.私の言う「アニマ」とは、ユングのものとはズレていると思いますが、精神的な異性に対する憧憬の原点(簡単に言えば理想の女性)みたいなもので、例えば、初恋の相手が2次元(アニメキャラ)みたいな形で接触する人も多いのではないかと思われます。

ですので、万人受けはしないと思いますし、特に女性は共感できるのか不明。女性にも異性への憧憬はあるでしょうが、本作のモチーフがそれに符合するのか全くわかりません。

そのようなごく個人的な体験により、お姉さんが偶像でないかという疑問は、最初の喫茶店のシーンから出てきて、コーラがペンギンに変わったところで確信に変わりましたね。

普遍的なテーマに寄って考えると、幼少期は想像(内的)世界と現実(外的)世界が共存しているけれど、どこかで想像世界に踏ん切りをつけて現実世界のみを見るようになるということでしょうか。

小説を書くことでお姉さん的存在と問答し、離別した私としては、アオヤマ君がお姉さんに再会できるのは内的世界に向き合うかもしれない老後、究極的には死んだ時だと思ってしまいますが、そうやって大人になった自分にとって、彼には昔の自分を重ねてしまい、背中を押してあげたくなりました。{/netabare}

青春の原風景を見に行けた感じでしょうか。主人公の性格や豊かなお姉さんの憧れが真っ直ぐで、爽やかな満足感を得られました。

客観的にも、テーマが深くて濃いものである割に、テーマに対応するぎりぎりの低学年を主人公にし、愛くるしいペンギンを登場させることで巧みにカモフラージュされているので不快感はあまりなく、終盤はジェットコースターのようなアニメーションも堪能でき、楽しめる作品と思います。

(2020.6視聴)
(参考評価推移:4.3)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

66.3 2 小学生でファンタジーなアニメランキング2位
星を追う子ども(アニメ映画)

2011年5月7日
★★★★☆ 3.6 (648)
3191人が棚に入れました
ある日、父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄。誰かの心がそのまま音になったような唄を、忘れられずにいた少女アスナに訪れたひとつの出会い。お気に入りの高台に向かう途中、異様なケモノに襲われたアスナはシュンという少年に助けられる。アガルタという遠い場所から、どうしても会いたい人と見たいものがあってやって来たと語るシュン。2人は心を通わせていくものの、突然シュンはアスナの前から姿を消してしまう。そして聞かされる哀しい知らせ。それを信じられずにいたアスナは、学校の新任教師モリサキから地下世界の神話を教えられる。そこはこの世の秘密が隠されたあらゆる願いが叶う場所で、アガルタとも呼ばれているという。そんな中、アスナの前にシュンに瓜二つの少年と彼を追う謎の男たちが現れる。男たちの狙いは、アガルタへの鍵であるクラヴィス。追いつめられた少年とアスナの前で、ついにアガルタへの扉が開かれる。そこでアスナは、男たちのリーダーが亡き妻との再会を切望しアガルタを探し続けていたモリサキだったということ、少年がシュンの弟シンだということを知る。アガルタへの入り口を目前にして、アスナはある決意をする。「もう一度、あの人に会いたい」。アスナ、モリサキ、シンの3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る―。

声優・キャラクター
金元寿子、入野自由、井上和彦、島本須美、日高里菜、竹内順子、折笠富美子

あくせる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

試写会にて拝見。

先日行われたよみうりホールにおける試写会に参加してきました。

公開前だからネタバレできないギギギギギ。

でも、公開前でも話せることはたくさんある。
作品のテイストとして今までの新海誠さんと言う監督のイメージとは一味違う感じを見終わると受けます。
ですが、試写会後時間が経つと実は新海誠さんらしいのではないだろうか?
そんな気持ちがムクムクと湧いてきました。

新海誠さんと言われてどんな映画を思い出すでしょうか?
映像美で思い出す方が多いと思います。
切ないストーリーと言うこともあると思います。
人によっては鬱展開という表現をするかも知れませんね。
私にとっては出会いと別れのストーリーだと思っています。

この作品から感じる映像のフレーバーは確かにジブリよりかもしれません。走り駆けて飛んで冒険して未知と出会う。
少年と少女の出会いも、大人の対応もジブリ的かもしれませんね。
ただし、ジブリ的と言うのは普遍の少年少女へ向けたアニメとしてのテイストを指すくらい広いことだと思うんですよ。

ある部分を取り上げてジブリ的、と言うのなら全てがジブリに組み込もうと思えば可能です。
逆にそれだけ原風景にジブリアニメが入ってる人が多いのでしょうね。

私がこの作品にジブリ的なものを感じたかと言うと……実はノーです。
実に良い意味のアニメ的な要素が多々あります。
そして、それ以上に新海誠と言う監督の良さが表現されてると思うのです。
映像の質と言うのは、自体の綺麗さを如何にうまく表現するかです。映像を美しく作り、それを効果的に表現する。
この作業において日本国内のアニメ映像としては抜群の映像美でした。

そして、ストーリー。
凄く丁寧な作りでした。
私は以前映画の仕事をしていたもので、試写中(上映中)でも映像の尺の長さが反射的に分かります。
そして、今まで見た中で一番丹念に物語のスタート地点を説明していきます。私個人の感覚としては「あれ?これ尺大丈夫?」という感覚が鑑賞中に訪れました。
けれど、物語の大きな展開が訪れ、加速して、最後のセリフを聞いた時にストンと落ち着きました。
「ああ。そっか。これはこういう物語でこの一言が俺は聞きたかったんだな」と思い非常に納得すると同時に映画を思い出して「楽しい二時間だったなー」としみじみと思いました。
表現の手法と言う意味では実に大勢の方に見てもらえるアニメに。
テーマとしては相変わらずの新海誠さん。
そして、書きながら気づいたのですが「新海誠」監督作品について回る「新海さんらしさ」と言う物表現が違うだけで相変わらず存在しました。
余韻と間がないのではなく、余韻と間がある場所が違ったんですねきっと。

作品のテイストやスタイルを変えずにさらに大勢の人々を楽しませる作品として、進化してます新海誠監督!
今までのファンの方も、今まで未見の方も是非劇場で楽しい時間を過ごしてください。

#実際試写会の客層の多様さは驚きでしたね。
#ネタバレは自重します。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

チヒロ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

試写会にて観てきました。走るんですよ!?新海さんの作品でw

試写会で一足先に観てきました!おもしろいです! 驚きです!


今までの新海さんの作品はすべて観てきましたが、
この作品は良い意味でおどろかされました。

なんというか、新海さんの作品って、余韻とか間とか、
音のない情景をメインに扱っていた作品が今までは中心でした。

しかし今回の作品は、そういった余韻などの要素がメインではなく、完全なるアニメーションになっていました。要は伝え方が変わって、情景ではなく登場人物の行動を通してメッセージを伝える普通のアニメーションの手法にチャレンジしている感じです。

だって走るんですよ!?新海さんの作品でw


で、よくジブリっぽいと言われていましたが、確かにそういった部分はあります。

だから今までの新海さんの作品の雰囲気そのままではなかったので、
最初は若干の戸惑いがありました。

が、、そんなのは一瞬!  ていうか、そんな事どうでも良くなったw

すぐにおもしろくなって引き込まれました! 魅入ってしまいました!


今までの作品では絶対に考えられなかったバトル要素もあったのですが、相変わらずの神作画で描かれていて、大迫力ですw

約2時間あったのですが、ホント一瞬で終わってしまいましたね。


ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫と、これぞジブリっていう感じの作品が最近ずっとありませんでしたよね。

今回の星を追う子どもは、まさにそれに変わるアニメかもと感じました。

もしかしたら、宮崎駿がいなくなった時に、あの路線を引き継ぐのは新海誠かもしれない。

そう感じさせるとても楽しい2時間でした。


個人的には、今までの新海さんのような作品も観たいと思う部分もありますが、表現の仕方が変わっただけで扱われているテーマは相変わらずの新海誠です。


また背景が相変わらずとてもキレイで、印象的。

子どもから大人まで、誰にでも楽しめる作品だといろんな記事に書いてありましたが、確かにいろんな人が親しめる名作アニメだなぁと思いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

campanule さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新たな新海ワールド!

試写会に行ってまいりました!
今までの新海さんの作品とは一線を画す、スピード感溢れる作品に仕上がっています。

あらゆる意味でジブリ作品へのオマージュと受け取りました。ジブリ黄金期を彷彿とさせる、メジャー感が半端じゃありません。
秒速を好きな人には、いろんな意味で衝撃を与える事でしょう。

作画は相変わらず壮絶なまでのクオリティ!
音楽、BGMも新海作品ならではの荘厳なイメージ。
心理描写は繊細で、生々しい。
テーマはシンプルで深いです。

今までの新海さんのファンには賛否両論あるだろうけれど、個人的には雲の向こうや秒速を作った新海さんでなければ生み出せないアニメだと思いました。

公開後はもう一発いきます!
深読みしたいシーンは満載です!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

65.5 3 小学生でファンタジーなアニメランキング3位
未来のミライ(アニメ映画)

2018年7月20日
★★★★☆ 3.2 (230)
873人が棚に入れました
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんが出会ったのは、未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。それは、誰も観たことのない、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―

声優・キャラクター
上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

不愉快です。クズ夫婦にイライラします。ネグレクトは虐待です。

 マイナス100点。最悪の映画です。

 子育てに大事なのは願いではありません。子供は勝手に育ちます。親の願いで育つことはありません。親ができることは危機回避と背中を見せることだけです。親が子供に願いだすと、それが暗黙でも言葉や表情、行動に現れます。絶対にやってはいけません。元気で健康に育ちますようにですら、病気が見つかったら、障碍者になったら失敗になります。子供のすべてを受け入れなければいけません。
 それで子供が逃げ出したり歪んだりする小説やアニメなんて沢山見てきたでしょう。このアニメは何を考えているのでしょうか。

 子育てに大事なのはスキンシップです。クリエーターで子育てものを作るなら心理学くらい確認しろ、と言いたいです。4歳くらいの男児ならネグレクト(放置)も虐待です。ましてあそこまできつく当たるのって何なんでしょう。陰でいくら愛してるといっても、子供に伝わらなければ意味がありません。何よりスキンシップ、特に母親との肌のふれあいが無い子供は不安定になります。

 母としてなぜあそこまで子供に冷淡になれたのでしょう。嫉妬で新生児に電車を振り上げても自制できる子供が、あそこまで傷ついているのです。我が子を追い込んだ自分を省みることができない、ということは仕事のレベルも推して知るべしです。しかも外に飛び出した子を追いかけもしないで。

 平等に愛情を注ぐように気を付けていてもどうしても妹に手がかかってしまう、という感じが全くありません。完全邪魔者扱いです。何かに気がついたり心配するそぶりも見せません。1場面くらい反省らしきことを言っていますが事の重大さも認識していないし、真剣に悩んでいる風にも見えません。
 入れ替わりで産休に入る人がいたって、子供が大切ならそんなのは会社の責任で何とかすればいいし、在宅だってできるでしょう。自分が全部正解みたいなツラで仕切るな、と言いたいです。

 今の時代ですから、仕事に出るなとはいいません。いや、推奨すべきなのでしょう。が、仕事をやっている奴がそんなに偉いのか?夫の批判をしているけど、お互い様という考え方はできないのか?と思います。
 本当に子育てに優先することが、仕事にはあるんでしょうか。食わなければいけないのはわかりますが、折り合いがつけられないのでしょうか。
 
 夫は夫で、自転車で補助輪を外して頑張っている我が子を放っておいて、あれはないでしょう。母親もフォローもしないし。犬に対しても同じだったということは、そういう性格なのでしょう。生活を考えない使い辛い家を作ったり。

 これって、庭の木が見るに見かねて助けてくれたってことでしょう。父親らしさも母親らしさも皆無です。若夫婦の奮闘記にしても、レベルが低すぎます。そもそも若くなさそうだし。35歳、精神年齢10歳にしか見えません。設定は良く知りませんが。

 まったく感動も感情移入もできませんでした。というか不愉快でした。



22年8月 評価見直し中。極端な評価や感情的な部分を補正。初回見たときの印象と改めて旧作と比較したときの点数の補正など。

 冷静に考えるとあのバイクの爺さんだけはキャラが良かったのでキャラとストーリーにちょっとずつ点数入れます…が、やっぱり良い感情がもてない映画なことに変わりありません。

 なぜかと言えば、夫婦が変わらないで、子供が木の力を借りて自分自身の旅で救済を得たからです。夫婦側でも旅があり何かを悟って間違いに気が付くならいいんですけど。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

樫の木の記憶

細田守監督作品。

甘えん坊の4歳児くんちゃんに妹が出来る。
両親は赤ん坊に付きっきりで育児に追われ、
くんちゃんは家庭に居場所が見つからない。
疎外感を感じた彼は小さな樫が茂る庭へ飛び出す。
{netabare}そこには不思議な世界が待ち受けていた。
くんちゃんの心の冒険が始まる。{/netabare}

家族の絆を描くどこか啓蒙的な作品です。
ここにも戸惑ったレビューが数多くあります。
たしかに娯楽としては、弱いと思います。

家族とはそもそも偶然性で出来ている。
子供は親を選べないと言うが親も子供を選べない。
{netabare}ここで重要なことは、
偶然とも呼んでいい些細なことの重なり、
その繋ぎ合いが家系図を作るということだ。{/netabare}
家族とは、偶然性が生んだ共同体である。

もしもあの時、懸命に走らなければ。
もしもあの時、懸命に働かなければ。

歴史は選択した小さな出来事の集合である。
家庭を持つ方はきっと感じるものが、
あるのではないでしょうか、そう思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 50

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

子育てアニメでした・・・

観て来たよ。
えー、このアニメの感想ですが。
ホント「子育てアニメ」なんで独身にはつらい内容かと思います。
細田監督は「サマーウォーズ」からずっと
家族をテーマにしたアニメを制作してきましたが
過去作よりさらに直截的な作品だなと感じました。
ファンタジックなものを期待していると落胆するかもしれません。

親戚が集まって、しばらくしたら子育て話が始まって、
子供が泣くから寝不足だとか
なんやかんや苦労話を聞かされて、
ボクは興味ゼロでも適当に相槌打つしかなくて
でもやっぱり可愛いんだよなと
子供の写真を見せられて
ボクは「あ~可愛いね」と返すしかなくて。
最後は「子供はイイゾ!雀犬お前も結婚したらどうだ!」
みたいな。はぁ。


そういう居心地の悪さを終始味わうことになるかもしれないので
独身の皆さんは覚悟しておいた方が良いかもしれないです。
登場人物とのライフステージの違いは如何せん埋めがたいもの。

ただ家族持ちの方からも「子育ての苦労なんて現実だけで十分です」
といった否定的な感想をちらほら見かけたので
誰のために作ったのかよく分からない作品になってしまったようにも思います。

人物の描写は非常にリアリティー重視で良く出来ていたと思います。
なのでCVに声優を使っていなくても違和感はあまり感じなかったのですが
デフォルメがきいていないぶん
まるでホームビデオを100分見せられているような感覚がありました。

公開後の感想を見聞きした限り、予想以上に否定的な意見が多い。
我が子の成長を見届ける喜びを共有したいという思いに悪意はなくとも
ネットが普及し個人が情報を気軽に発信できる時代になった今、
SNSやBLOG、動画サイトで自らの幸せや充実ぶりをアピールする人が増えており
他人の自己顕示欲というものに皆うんざりしているようにも思います。

国民的アニメを作りうる監督として期待されていた細田さんも
自身の個人的な体験をベースにした作品を作るという
これまでの路線を変更しないと今後は大衆の支持を得られないのかもしれません。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

64.5 4 小学生でファンタジーなアニメランキング4位
バースデー・ワンダーランド(アニメ映画)

2019年4月26日
★★★★☆ 3.3 (53)
192人が棚に入れました
誕生日の前日、自分に自信がないアカネの目の前に突然現れたのは、謎めいた大錬金術師のヒポクラテスとその弟子のピポ――「私たちの世界を救って欲しいのです!」と必死でアカネに請う2人。そしてアカネが無理やり連れて行かれた世界は――骨董屋の地下室の扉の先から繋がっていた〈幸せな色に満ちたワンダーランド〉! ふしぎな動物や人が住む世界から、色が消えてしまう!その世界を守る救世主にされたアカネが大冒険の果てに下した、人生を変える決断とは?

声優・キャラクター
松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、藤原啓治、矢島晶子、市村正親
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

童話の世界

原恵一監督、Signal-MD制作。

児童文学からのアニメ化。

自分を持てない少女アカネの前に、
謎の錬金術師と小さな妖精ピポが現れる。
骨董品屋の地下室の扉で繋がる不思議な世界。
彼らの世界を救うため少女の冒険が始まる。

扉の向こうはカラフルな色彩の世界で、
そこには不思議な住人が暮らしている。
歴史では蒸気機関は発明されるも、
どうやら科学が発展しなかった世界だ。
{netabare}人々は便利さの追求よりも、
穏やかな生活を選んだのでしょう。
児童文学ならではの緩やかな主題があります。
アカネは緑の風の女神となり、水が枯れ、
色が失われつつある世界のために前へと歩む。{/netabare}

子供の目線で世界を眺めてみる。
大人たちが忘れてしまったものを、
未完成である子供たちは知っているのだ。
彼らは透明な窓を持っているのでしょう。
きっとありのままに世界を眺めている。
監督らしい主題がここでも健在ですね。

純粋に楽しむには少し生き疲れたけど、
児童文学ですから素直な心で楽しめればと。

童心の心象風景、童話の世界、
私たちにも未だ冒険の舞台があるのです。
それで良いのではないでしょうか。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 38
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

緑の風の女神の勇気

 平成最後に見ようと思っていたけど、令和元年初日になってみることになったです。

 仮病で学校を休んだ主人公のアカネが、叔母チィの店に自分の誕生日プレゼントを取りに行ったです。
 怪しい手形に手を入れてしまい手がハマってしまうことにです。
 すると床下から、怪しいヒゲのおじさんヒポクラテスと弟子の妖精ピポに、緑の風の女神として世界を救ってほしいと頼まれるです。
 チィも興味本位になり、ヒポクラテスの首飾りなどで、一緒に異世界に行って冒険するのです。
 いきなり、悪いやつみたいな2人組が、現れるです。この二人は、実はこの物語の真相に大きく関わる二人だということは、最後まで見てのお楽しみです。

 この世界の水が枯れ果てて、色がなくなりつつある自体とは?です。それを救う雫きりの儀式とは?も、最後までの注目です。

 冒険もアカネとチィの絡みが、面白いです。また、背景作画を通した世界観に、素晴らしさを感じたです。
{netabare}  ヒツジのコートもどこか可愛らしさと面白さを感じたり、この世界ならではの金魚に乗って水中を移動するところなども良かったです。{/netabare}

 この物語の真相が明らかになって、アカネがしずく切に立ち会ったときの行動も、いい見せ場だったと思うです。

 冒険を通してアカネが、今までの生活と冒険で気付かされた幸せというものについて、この世界そのものが、かけがいのないプレゼントだったということを示してくれたお話だったです。優しいアカネの母親も良かったです。「これでいいのだ!」です。

{netabare}  最初、アカネがハマった手形の前に佇むピポの後ろで、後ろ姿な野原しんのすけの置物が、なんか面白いです。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

子供向け?大人向け?オタク向け?

クレヨンしんちゃんの方がよっぽど大人も楽しめる作品です。
原作の対象が高いので、スタート位置が違う事は勿論ですが、クレヨンしんちゃんの場合、子供向けに昇華されて安定した面白さがあるように思います。

このアニメのキャラクターデザインや作画は、子供向けにしてはコミカルさが足りないと思いました。
このアニメのストーリーは大人向けにしてはシンプルすぎると思いました。
では、誰に向けたものなのでしょうか。
最近のアニメは一部の客がお金を落とせば良いという考えが特に深夜アニメを中心に蔓延しているそうですが、これは一体何処を目指しているのでしょうか。

今ならオトナ帝国が、安定した土台とプロ達個々の仕事の結晶だったとわかります。
綺麗な世界、綺麗な作画、安定したストーリーの運び方、どれも良いと思いますが、私はあまり楽しめませんでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

76.0 5 小学生でファンタジーなアニメランキング5位
続・終物語(アニメ映画)

2018年11月10日
★★★★☆ 3.8 (343)
1914人が棚に入れました
高校の卒業式の翌朝。顔を洗おうと洗面台の鏡に向かい合った暦は、そこに映った自分自身に見つめられている感覚に陥る。思わず鏡に手を触れると、そのまま指先が沈み込んでいき……。気がついたとき、暦はあらゆることが反転した世界にいた。

2018/11/10より全国劇場にてイベント上映開始!

声優・キャラクター
神谷浩史、斎藤千和、加藤英美里、沢城みゆき、花澤香菜、堀江由衣、喜多村英梨、井口裕香、早見沙織、井上麻里奈
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

怪奇現象学

シャフト制作。

現代の萌え怪奇絵巻、文学的鬼太郎。
その名も「こよみリバース」である。

大学入学を直前に控えた、
{netabare}阿良々木暦の摩訶不思議な鏡の国の冒険。{/netabare}

原作はあまり心に響かず期待薄でしたが、
独自の絵が付き、音が入り、命が吹き込まれ、
オールスターキャストの豪華な共演が、
娯楽として驚きの仕上がりを見せています。

{netabare}ロリコンサービスショットに、
セクシー羽川猫、表情豊かな斧乃木余接、
艶っぽい臥煙遠江の初登場!?など、
見所満載のシリーズ総決算になっています。{/netabare}

妹だけが変化のない、とある日常を巡り、
街を彷徨い、その謎の核心に迫る阿良々木暦。
{netabare}彼の心残りが原因で、歪み共鳴した異質な世界。
そこから無事に帰還できるのか!?
パロディ、メタ展開、余白を繋ぎ、
最後はツインテールと笑顔の衝撃波である。{/netabare}

やはり楽しい物語ですね、
次なる物語への跳躍でしょう。

大学編があればと期待しています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 50
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不思議な世界

原作未読 上映時間 約150分

テレビアニメ放送(未定)に先駆けて6話分を劇場版としてひとつに纏めて公開した作品です。

阿良々木 暦が私立直江津高校を卒業して、大学入試の合格発表前の出来事を描いています。朝、洗面所の鏡に映る自分を不思議に思ったあと、その鏡の中に引き込まれたお話です。

キャラデザは、テレビアニメ版と同じなので違和感なく観れました。

いつもの阿良々木暦の一人語りがメインで、色々なキャラとの会話劇もたくさんありましたね。{netabare}(まさか神原 遠江(臥煙)さんまで出てくるとは思いませんでしたw){/netabare}

女性キャラがほぼ登場しますが、いつもと違った面が観れました。
{netabare}
成人になった八九寺真宵、レイニー・デヴィル姿の神原駿河、クチナワ口調の千石撫子、ブラック羽川や少女姿の羽川翼、背が低くなった阿良々木火憐、人間の時の忍野忍、ツインテールの戦場ヶ原ひたぎ、表情や仕草が豊かな斧乃木余接、学ランを着た(男性?)忍野扇、そして老倉育さんだけは最初誰だか分からないくらい容姿や性格が変わっていましたねw
阿良々木暦の女子制服姿で真剣に語っているところは、ちょっと笑ってしまいました。
{/netabare}
PG12作品ということで、やたらと下着姿や裸のシーンが多かったですw

化物語の世界を満喫しました。この作品の特徴として、アクションシーンが少なく会話する時間が長く、150分もあるので退屈するかもしれませんね。

テレビ放送はいつになるのでしょうか? 早く観たい方で、化物語シリーズが好きな方は観てもいいのではないかと思います。

ED TrySailさんが歌っています。

最後に、原作の物語シリーズはまだ続いているにゃ~。またTVアニメか劇場で続きを観たいシャシャシャ~。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

鏡の反射率って知ってる?

視聴理由 物語!

視聴前 サムネ誰だろ

視聴後 及川さん可愛いすぎ

この話は阿良々木暦君が自分の映った鏡に異変を感じ取った
ジャンルは…哲学?
まぁ物語シリーズって感じだね
もとは映画だったんだけど映画の方みてなかったんだよね

今回も女の子たちが可愛いすぎる
そして今回のサムネの女の子はなんと今までの作品に登場してきた女の子でした
いやぁ惜しいなぁ…

音楽は普通。まぁもとは映画だったから無理やり6話に分割した感じで音楽が微妙
作画は素晴らしく物語シリーズって感じがして良かった。あとキャラデザが好み。

総評 物語シリーズって期待しても全然良い話

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

61.1 6 小学生でファンタジーなアニメランキング6位
マジックツリーハウス(アニメ映画)

2012年1月7日
★★★★☆ 3.6 (29)
171人が棚に入れました
本と勉強が大好きでちょっぴり弱気なジャック(声:北川景子)。どんな動物とも仲良くなれる冒険好きなアニー(声:芦田愛菜)。仲良し兄妹の2人はある日、ねずみのピーナッツを追って入り込んだ森で、大きな樫の木の上に小屋を見つける。中に入ってみると本が一杯。恐竜図鑑を開いたジャックが思わず“行ってみたい”と呟いたところ、たちまち小屋が光に包まれ、ぐるぐると回転を始めた。気がつくと、なんとそこは恐竜の王国。早速、外に飛び出したアニーは恐竜のヘンリーと友だちになる。最初は怖がっていたジャックも恐竜の生態に興味津々で、草むらを探検するうちに金のメダルを拾う。ところが、ティラノサウルスに追いかけられて大ピンチに。間一髪で危機を逃れ、ようやく元の世界に戻ってきた2人は、この不思議な木の家を“マジック・ツリーハウス”と名付けるのだった。翌日、再びマジック・ツリーハウスへ行くと、ピーナッツが大きな本を眺めている。その本には“4つのメダルが奇跡を起こす”と書かれており、表紙には4つのくぼみが。そのくぼみに恐竜の王国で拾ったメダルを合わせると、吸い込まれるようにピタリとはまった。好奇心に駆られた2人は、第2のメダルの場所を示す謎の言葉を頼りに、中世のお城の世界に飛び込む。メダルは手に入れたものの、今度は騎士たちに追われることに。アニーの機転によって何とか逃げ出したところ、月明かりの中で美しい魔法使いモーガン(声:真矢みき)に出会う。魔法をかけられた彼女は、自分の魔法が使えなくなってしまったのだと語る。メダルの奇跡がモーガンを救うと考えた2人は、第3、第4のメダルを探して本の世界に旅立つことを決意する……。

声優・キャラクター
北川景子、芦田愛菜、山寺宏一、水樹奈々、真矢みき

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

奇跡を起こす方法は魔法だけじゃない! ヒストリカルファンタジーの傑作をジュブナイル風味にして堂々のアニメ化!

あの名作児童文学が遂にアニメ化!
しかも日本スタッフの手で!
くぅ~><アツイじゃねぇっすかー!


脚本はプラネテスの大河内一楼
監督はとある魔術のインなんとかさんの錦織博
制作スタジオは亜細亜堂
っとまあ、あずまんが大王&かいけつゾロリのスタッフがみごとに集結
しかも作画クオリティハンパないw
教室の中を行き交う子供達のカットは必見です!
早くも2012年最高の作画アニメ候補!


キャストには芦田愛菜(嗚呼、あの魔女ねw)、北川景子、真矢みきといったゲスト陣がメインを占めました
魔女芦田wの声が甲高すぎて終盤耳が痛くなってくることを除けば演技などは一切問題ナシ!w









アーサー王に仕える魔法使いのモーガンは何者かにネズミの姿に変えられてしまい、魔法の力を失ってしまう
偶然にもモーガンのマジックツリーハウスを見つけた好奇心旺盛な女の子のアニー
アニーの兄妹で本が大好きだけどちょっと気弱なジャック
二人はマジックツリーハウスの魔法で本の世界を旅出来るようになります


モーガンの魔法を取り戻すことを決意した二人は、4つ集めると奇跡を起こすという魔法のメダルを集める冒険に、本の世界へ旅立つこととなる


本の世界が舞台、ってことで地球史や世界史をめぐる冒険が子供の探求心をくすぐります
4つの世界はそれぞれ・・・
☆恐竜が闊歩する白亜紀
☆中世のお城
☆ローマ帝国時代のポンペイ
☆カリブ海の海賊のアジト
二人の冒険と平行して歴史を学べるというシリーズなんですね


原作の序盤を部分的に抽出したオリジナル構成ですが、ジャックお兄ちゃんの精神的な成長にメインが据えられていてかなり見応えあり
冒険から帰ったジャックの実生活が少しずつ変化していく様は微笑ましくも勇気付けられます
子供向けと侮ってはいけません><


モーガン先生がなんか【アホ毛キャラ】にされてしまいましたが、可愛いので許す!w
終盤、劇場でマジ泣きしたのは内緒ですよ^q^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

真矢みきの成長w

あらすじは割愛。

対象年齢は多分小学生低学年ぐらい、もしくはそれ以下。割とベタに親子向き。
尺も長すぎず短すぎず、子供向けとしては良かった。ただ大人が見るには、というか中学生以上にはゆるすぎる(笑)全体的にテキトーだけど、ごちゃごちゃしてないので分かりやすく見やすいアニメではあった。

まぁ原作は知らないけど、ブレイブストーリーをもっとシンプルに、重いテーマも取り除いて、きっちり子供向けの内容にしてあるじゃないかなと思います。序盤カエルが跳び回ってたシーンにかなり迫力がありますよね(笑)それ本筋に全然関係ないんですけど(笑)あとイルカに乗ってるとこなんか爽快で本当に良かったです。

ちょっと気になったのはイルカを捕まえて食おうとしてる海賊を悪者っぽく描いてたとこかな。
ああいうのをさらっと入れるのは少し嫌だなー・・・いっそのことクジラの方がよかったw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本好きだった私自身に魅力的な話だった。

アメリカ合衆国の児童文学作家、メアリー・ポープ・オズボーン著、

食野雅子訳による児童文学シリーズです。翻訳されたのは

2010年代までに発売されたものはすべて既読済です。

原作の主に最初の数巻をアニメ映画にした

感じです。

そこの部分は原作既読だったので頭の中で

描いていたものが形になっていてこの世界に

すぐにでも行って、本の世界を冒険して

みたいなと思える感じの作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

67.9 7 小学生でファンタジーなアニメランキング7位
岬のマヨイガ(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.5 (40)
138人が棚に入れました
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ"だった。それは、“訪れた人をもてなす家"という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ"でいま始まる――。

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

古いけど色々と良い家じゃん

見に行くか、見逃すかを悩んだ作品です。
でも、せっかくなら見に行こう!と見て来ました。
最初は岬の上にある家が頭上から映し出されるシーンの私の感想は。

森と草ばっかり、景色めちゃ綺麗じゃん、絶壁じゃん落ちたら死ぬ、家の庭めちゃデカいじゃんでしたw

私はユイとひよりは姉妹かと思って居たら違うのですね。
元々は他人同士だった2人をお婆ちゃんが引き取りマヨイガで生活する事になります。

ひよりは両親を居眠り運転の車に衝突され失ってしまいます。
きっと、それが原因?で喋れないのだと思いますが、その辺の説明がなくて……多分。

ユイは両親が離婚して父と二人暮しです。
父は、母が出ていったのはユイのせいだと言います。
挙句の果てに、ユイが用意していたご飯を、いきなりキレだして机から弾き飛ばすし。
自分が辛く当たるのは、全てはお前の為だ!と言う始末……

明らかに、奥さんが出てったのは貴方のせいですよ。って思いました。

作中で私が良いシーンだと思ったのは、ラストのユイが偽物の父に無理やり連れていかれそうになるシーンです。
ユイは父が怖くて何も出来なくて何も言えなくて……ひよりも助けようとするけど何も出来なくて……

でも、ひよりにとって、お婆ちゃんとユイと3人は家族だから、新しい家族を二度と絶対失いたくないから、彼女は声を出す!
両親を失って無くした声だけど、姉を失わない為に出した声……血なんて繋がってなくても、出会って数日でも間違えなく家族で大切だから、守りたいって気持ちから出た声。


後は、お婆ちゃんのピンチに駆け着けた、ひよりが、お婆ちゃんの「自分に出来ることを」って言葉から考えて行動したシーンが凄く良かったです。

さて、作品としては面白いと思います。
原作はもしかしたら面白いかもしれません。
でも、映画で見たら……設定がイマイチ理解しにくかったり視聴者側が想像で補わないとならない点が多すぎる気がします。

キャラの心情のヒントが少なすぎて感情移入が出来にくく、最後まで見ても消化不良って感じが残ってしまいます。
うーん、面白くはなくはないですが……普通くらいかな……

声優さんも余り上手くはないかな?
なるほど、ゲスト声優さんですか……
私はアニメでは物語が1番楽しめるポイントで物語が良かったり、キャラに感情移入しやすければ、あまりも酷くない限りは言わないのですが、物語も中途半端と感じる部分もあり。
そちらが更に浮き彫りになって感じたりもしました。

声優さんで言うと、座敷わらし役で、ナナニジの藤間さくら役をしてる天城サリーさんが出てます。
私のアイコンもナナニジの佐藤麗華ですが、ナナニジのアニメはともかく、ナナニジの音楽も聞くし、計算中も見てて好きなので、その辺も楽しみにしてましたが、セリフ少なっ!w(*꒪꒫꒪)

作中には、座敷わらし以外にもカッパや雪女など妖が沢山出てきます。
実は、私は妖怪が割と好きです。
理由としては父が妖怪などが好きで小さい頃から、妖怪番組やら本やらを見て育ちました。

だから、その辺も気にしてましたが、あれだけ妖怪居て殆ど山火事を消す方に回って出番と言う出番もなくw

面白いのは面白いとは思うし作品のメッセージ性も伝わりはしましたが、オススメしますか?となれば話は変わってくるかな?とは思ってしまいます。
好きな人は好きになれそうな作品かな?と思います。

お婆ちゃんの昔話の語りは面白いしわかりやすかったと思います。
作風をガラリと変えてくるのもいいですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

あっ、冒頭の山道の作りもすごく良かったです。
私の母方の実家がド田舎なのですが、山道の再現が凄く良かったです。
後は、落ち葉や枯れ草の種類や葉の色や道の色もリアルで上手く再現してるなぁ〜って少し懐かしい気持ちになりました(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

マヨイガは、人を取り込む邪悪な魔物でなかった

 避難所でユイが、喋れないひよりと出会い、キワと出会うです。キワが孫として2人を引き取り、人里離れたマヨイガという古民家で一緒に暮らすお話だったです。

 マヨイガというと、「迷家-マヨイガ-」や見たような邪悪な妖魔を思い浮かべるけど、似ても似つかないモテナシガだったです。住む人に尽くし、喜ばせたいと思う自然の精霊??のような存在のようです。

 おかしいと思って警戒するユイだったけど、家族として三人で生活して地元の人たちと仲良くしていくうちに、マヨイガを認めるようになっていったデス。

 ふぃぎっとという妖怪と何気なくコンタクトを取ってるけど、ユイもひよりも何気ないようだったです。キワが、鬼太郎に近いものを持っているです。人と妖怪のつながりも、このお話では面白いものです。
 良い妖怪もいれば悪い妖怪もいるわけで、それが悪さをして対峙することになるのです。キワを思うユイ、ひよりが力を合わすとき、見てのお楽しみになるのです。

 昔話みたいなマヨイガをはじめ妖怪の存在があったです。お互いを大事にしたいという三人の家族として、在り方を見せてくれたどこか心の温まる要素も描いていたと思うです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夏休みの妖怪映画

妖怪ウォッチが下火になってきたはずが、まさかの妖怪映画バブルが到来しましたねえ。
震災後の岩手が舞台という事で、どんな闇の深い映画なんだろうと気構えていましたが、心配していたような事はなく、10歳未満でも安心して楽しめる物語になっていました。良かった。
だからそうだとは限らないのですが、緊迫感は薄めです。大人が見るにはやや退屈に感じる場面がありました。
じゃあ、面白く無いの?
いえ、そうではありません。流石のデイビッドと思えるだけの作画良さがありました。
(マヨイガのCGはもう一歩踏みこんで欲しかったですが)
作画で楽しめるオタクならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

64.5 8 小学生でファンタジーなアニメランキング8位
ドラえもん のび太の大魔境(アニメ映画)

1982年3月13日
★★★★☆ 3.5 (82)
436人が棚に入れました
春休みのある日、のび太の家に一匹の子犬が迷い込んで来た。その子犬ペコは、山と積まれた航空写真の中から、コンゴにある不思議な巨神像の写真を探し出した。 のび太、ドラえもん、スネ夫、ジャイアン、しずかたちはどこでもドアでアフリカに巨神像の謎を解きに行くことにした。巨神像はバウワンコの神といって、その実物を見た者はいないのだ。そして伝説によると、そこには犬の王国があるのだという。その巨神像を捜し求めてジャングルをつき進むドラえもんたち一行の前に、様々な障害が待っていた……。

kochiro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

だからみんなで

この作品の挿入歌が大好きです。
大長編ドラえもんの映画では
宇宙小戦争 の「少年期」
雲の王国 の「雲がゆくのは…」
と、本当に武田鉄矢さんの作詞は心に響きます。

だから僕は弱虫なんだ、心の中を探してみたけど
だって僕の勇気なんか、全部出してもこれだけなんだ。

そうだ君も探してくれよ。心の中の少しの勇気を
だって僕と君のを合わせたら勇気が少し大きくなったろう

きっと、みんなの心を合わせたら
きっと、僕は弱虫じゃないよ
きっと、みんなと強くなれるよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私の原点

劇場版ドラえもんはあまり好きではなかったので、ほとんど見てないのですが、これは結構面白かったかなと。内容もよく覚えているし、大変思い出深い作品ではあります。

アフリカの奥地にある魔境を探しに行くお話なのですが、最初は冒険譚とはほど遠く「あぁ何もでてこねー、つまんねーよ!」と言い、ドラえもんの道具で獣を呼び寄せて楽しむという・・・
この映画のポイントは「先取り予約機」でしたっけ、まぁとにかくそのアイディアに幼い頃は驚きました。要はタイムパラドックスなお話なのですが、正直見所はそれだけだった気もしなくもないです(笑)

アニメは年々進化していくものなので、おそらく出来は後年のドラえもんの方がよいと思います。
まぁ思い出補正ですね、こんな魔境もあり得るかも知れないという夢がつまっておりました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

タイトルなし

子供の頃、何度も観ていたドラえもんの長編アニメ映画。
私達人類は簡単に言うと、猿から進化したと言われていますが、隔絶された場所で犬が進化したという設定で、そことの絡みの中で物語が構成されています。
なのでサイエンスフィクションとも言えるかもしれません。

この作品は弟が大好きで、どれくらい大好きかというと、子供の頃飼い始めた犬に、登場人物(?)のペコと同じ名前をつけたほどです。

またドラえもんのアニメ映画では、武田鉄矢氏が手掛ける歌がとても印象的で、作品の良さを更に引き立ててくれます。本作は「だからみんなで」

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

67.6 9 小学生でファンタジーなアニメランキング9位
ふれる。(アニメ映画)

2024年10月4日
★★★★☆ 3.5 (16)
53人が棚に入れました
同じ島で育った幼なじみの秋と諒と優太は、東京の高田馬場で共同生活を始め、20歳になっても親友同士。それは趣味も個性も違う彼らを、島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」がテレパシーのような力で結びつけていたから。彼らは身体に触れてお互いの心の声を聴いていたが、ある事件をきっかけに聴こえなくなる。「ふれる」に隠されたもう一つの力が徐々に明らかになり、3人の友情は大きく揺れ動く。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私にとっては地味にフィフスインパクト

【物語 4.0点】
監督・長井 龍雪氏、脚本・岡田 麿里氏、
キャラクターデザイン・総作画監督・田中 将賀氏。

『あの花』など秩父を舞台にした青春三部作を終えた同チームが、
次に挑んだのは、東京の古民家でルームシェアする20歳の男女5人が織り成す人間ドラマ。

孤島の不思議生物“ふれる”の力により、互いの心が読めるようになった男子3人。

不思議生物“ふれる”はSNSをキャラクター化した側面もあるでしょうか。
心の声を波風立てないように取捨選択して、わざわざ口に出して、相手の腹を探る。
リアルの面倒なコミュニケーションの手順をすっ飛ばして、
男子3人が心の声で繋がって友情を育めてしまう。

しかも“ふれる”は(※核心的ネタバレ){netabare} 生活が逼迫した孤島でのギスギスしがちな人間関係の円滑化のため、心の声から火種になりそうな要素を自動的に除去する能力を有する。
“ふれる”を介した人間同士は真っ白な信頼の置ける存在と安心できてしまう。
いわば自動ミュート&ブロック機能付きの{/netabare} 超高性能&余計なお世話なSNS媒体。

“ふれる”が便利過ぎて、男子3人は、狭いフィルターバブルの中に閉じこもりがち。
本作に登場する3人以外の他者は、平気で猫を被るし嘘も付く、目的のためなら打算で他人を利用する。
腹の内では何考えているか分からない。一般社会における“普通の人間”たち。
リアルの人間関係の怖さの好表現により、“ふれる”に依存していたい男子3人の尻込みに説得力を持たせています。

そんな男子3人の元に、“ふれる”なんかに頼らずに友情を築いて来た幼馴染の女子2人、秋の空の女心が来訪。
年頃の男女が、ひとつ屋根の下で、混ざり合うことで、恋の予感も醸される中、
“ふれる”を介した3人の関係性にも変化が、便利な“ふれる”に頼り続けて来たしっぺ返しが訪れる。


終盤には“ふれる”の機能の核心に迫るファンタジー展開もありますが、
主軸はリアルで他者と関わる憂鬱さを描いた、
胃もたれしそうな人間ドラマ。

展開は地味だったはずなのに、私は結構惹き込まれました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作は『空青』からこの座組と関わっているCloverWorksが続投。

メインの男子3人の表面上の関係性は“ふれる”を介して明快に説明される。
が、それ以外の人間関係については、例えば意味深な表情から、読み解く労力を、
鑑賞者の側も要求されます。

本音を示唆する表情描写という要求にも同スタジオは流石の解答。
取り扱いに難儀するリアルの他者の気持ち悪さが作画でも詳述されており、私も冷や汗をかきました。

料理の作画、プロップデザインを通じたルームシェアの生活感の変化も味でした。
女子2人が加わると、洗面所に歯ブラシが増え、台所に従来レパートリーになかった新たな調味料が加わる。
その過程が何かエロかったですw

この感度で、小物や、男女の生活ルールにまつわるシチュエーションの変化なども捉えると、
説明セリフなど無くとも、恋愛の進展なんかが、ちゃんとアンテナに引っかかって来る。
終始とても読み解きがいのある背景、作画でした。


不思議生物“ふれる”。
トゲをワサワサと震わせながら、動き回る“ふれる”の挙動には、
セリフがない生物とは思えないほどの存在感はありました。
恋愛の波動を媒介したら赤面する様子も愛らしかったです。

ただ、田中 将賀氏が最初に書いた一発で、制作チームの内輪であっさり決まったと言う、
黄色いハリネズミみたいな“ふれる”のキャラデザ。
私はもっと各方面と突き合わせて試行錯誤して、
“ふれる”自体が鑑賞動機になり得る位のマスコット性を追求して欲しかったかなと、
売れ残った“ふれる”ピンズセットを眺めて思いました。


【キャラ 4.0点】
小野田 秋
BARでアルバイトする長身男子。よく鴨居に頭をぶつけている。
両親不仲な家庭環境のギスギスから、口に出して伝えることに徒労感を覚える生い立ち。
他者と仲良くなりたいと思っていても、口より先に手が出てしまう典型的なヘッジホッグジレンマ。
喋りたくないけど繋がりたい。その想いが“ふれる”を呼び寄せる。

祖父江 諒
体育会系な不動産屋で叱り飛ばされる新人サラリーマン。
何とかなるさという感じで3人の関係性を見守る兄貴分なムードメーカーだが、
その軽さがクレームや人間関係トラブルを招くことも。

井ノ原 優太
デザイナー志望の専門学校生。
口に出して伝えるのも面倒だが、手も出せずに卑屈になってしまう。
秋とは違ったタイプのこじらせボッチ気質。

以上のメイン3人に、
姉御肌の樹里さんと、八方美人なトラブル引き寄せ気質の奈南(なな)さんが、関わってトライアングルなどを絡めて来る構図。


“ふれる”バブル内の人間以外は腹の底が読めないのは上述の通りですが、
それ以上に読めないのは人々を媒介してきた“ふれる”の真意。
登場人物の本音は、言葉にすることで概ね解答されますが、
“ふれる”は無口なので、行動については、最後まで鑑賞者の想像に委ねられる形。

ここでどれだけ“ふれる”含めて感情移入できるかが、終盤ファンタジー局面での感動度を左右しますが、
私は少しは言ってくれなきゃ分からないのでイマイチ感動できず。
この辺りが、人間のみならキャラ4.5点だった評点が4.0点に落ち着いた理由です。


【声優 3.5点】
主演・小野田 秋役・キンプリ・永瀬 廉さん。
祖父江 諒役・俳優・坂東 龍汰さん。
井ノ原 優太役・俳優・前田 拳太郎さん。

メイン男子3人のキャストは若手俳優、タレントをオーディション選出。
永瀬さんは映画『ドラえもん のび太と空の理想郷』でアフレコ経験もあり。
近年、若手俳優らを選りすぐると、自分は声優にも憧れていました、
秩父三部作も観てましたとアニメに理解がある才能が集うので確率が高い。

演技はややたどたどしい面もありましたが、
前向きな姿勢が3人の掛け合いからも伝わって来たのでそこは好感しました。

もっともタレント俳優キャスト陣の中で一番良い味出していたのは、
メイン3人の小学校時代の担任・脇田役の皆川 猿時さんの呑んだくれ演技でしたが。


一方で、樹里役には白石 晴香さん、奈南役には石見 舞菜香さん。
男子3人と交錯する女子2人には実力者声優を配する。
普段なら実力差が引っかかる所ですが、
本作は男子より女子の方が一枚上手なので不思議と違和感は少なめでした。

脇で最近もP王国・異端審問官として活躍されている津田 健次郎さんも登場。
お馴染みのネットリボイスで(※核心的ネタバレ){netabare} ビ◯チ{/netabare} とか言わせちゃイケマセンw(一応褒め言葉のつもりですw)


人気タレント俳優陣をメインキャストにすることで、
朝の情報番組でも取り上げられ、まずまずの上映館数と、
私が行った映画館では1番スクリーンもおさえることができた本作。
が、公開初週日曜の席はガラガラ……。

こんなことならキャスト全員アニメ声優でも変わらなかったのでは?
ちょっと親しげにおしゃべりできたからって樹里さんも、奈南さんも
すぐに次の段階に進める程、人間関係は単純ではありませんし、
イケメンアイドルや俳優でホイホイ客が釣れるほど興行は簡単ではありません。
女子はそんなに甘くないと思います。

やはりこのキャスト布陣はベストではないとの私の邪念は消えずこの評点。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は横山 克氏とTeddyLoid氏。
最近の横山氏はピアノ、ストリングス、エレクトロの中でも、
エレクトロ成分アレンジへの傾倒が目立つ印象ですが本作でも同様。
今回は電子サウンドを得意とするTeddyLoid氏と再び絡み、
渋い人間ドラマとは裏腹に、サウンドは意外と気分爽快。

EDはYOASOBI「モノトーン」で初の劇場アニメ主題歌を担当。
今回も脚本・岡田麿里氏書き下ろしの“原作小説”「ふれる。の、前夜」から
歌詞を書き起こしているため作品解像度は上々。

この原作小説、HPでボイスドラマ配信されているので、
本編ではダイジェストされた学生時代の男子3人、
優太が急激に太って、また元に戻った経緯などを知りたい方は、
一聴されてみてはいかがでしょうか。


【余談】
20歳の男子3人メインのビジュアルに今ひとつ鑑賞欲求が湧いてこなかった俺氏。
引っかかったのが“ふれる”の刺々しいデザイン。
これTVアニメ版『エヴァンゲリオン』でも登場したヘッジホッグジレンマ(ハリネズミのジレンマ)を具現化したような風貌だな。
それで気になって劇場に足を運んだ次第。

『エヴァ』は数次に亘るインパクトの末、
大人になったシンジ君が他者との関係に向き合う覚悟が決まっていくお話でしたが。
大人になり切れない自分にはシンジ君に取り残された感も抱えていまして(苦笑)

そんな私にとって完全に分かり合えない他者の気持ち悪さや、
他者との心の境界が無くなる恐怖などに、改めて向き合った本作は、
東京の一角、相当、小規模ながらフィフスインパクトだったのかなとも感じました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人は1人では生きていけない、それでも1人で生きていく

 「超平和バスターズ」最新作。今まで思春期の男女関係の衝突やすれ違いを描いてきた岡田麿里さんが描く青年期に変化する人間関係と心の触れ合いのヒューマンドラマ。主人公秋くんが察しの悪いコミュ障で人に触れ合うことが苦手ながら寂しさを嫌う、という現代の若者らしい設定。されどイケメン。タイトルにもあるふれる。という可愛い謎生物によって秘密を共有しながら相手に自分の心を伝えられる能力で男3人組の仲を強固にし、田舎の島から上京し新生活を始め、環境や人間関係、やりたいことが変わってくる変化の過程が丁寧に描かれる。ファンタジーを生かした設定や生々しい会話をするキャラクターたち、コミュ障故になかなか表現もままならず言いたいことも伝えられず、何をやっても上手くいかない生活が続き衝突の末、絶望的な状況にまで陥る。ここまでストレスを溜めるのも今までないが、あくまでこの主人公たちの衝突はふれる。により起こるものというのも面白い。
 作品自体は田中将賀さんのいつものキャラクターデザインで非常に見覚えがある絵なのだが、キャラに魅力がないというか、可愛いキャラがいないのは女性向けなのかとも思うが、それであっても女性キャラの性格が悪い意味でいい感じ(見ればわかります)なのはちょっとキツいんじゃないのか。終盤にかける盛り上がりは新海誠風味なんだけど、あくまでローファンタジーでエンタメ映画にはならないところはあった。岡田麿里さんの脚本は100点。これまた素晴らしい人間関係の衝突にどうにもならない苦悩。まとめ方もメッセージ性も上手く畳んだ印象だった。
 総評としては抜群に面白い映画では無いけど何か世界の見方が変わる映画だった。良作ではあるけど、まあおすすめはできないし、何度も見れるような映画でもない…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3
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