家族で冒険なアニメ映画ランキング 12

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の家族で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の家族で冒険なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.5 1 家族で冒険なアニメランキング1位
未来のミライ(アニメ映画)

2018年7月20日
★★★★☆ 3.2 (230)
868人が棚に入れました
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんが出会ったのは、未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。それは、誰も観たことのない、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―

声優・キャラクター
上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ちょっとした奇跡がつながってつながって、今の私達がいる。

『バケモノの子』に続く、
細田守監督の長編作品。

細田監督の作品の中では、
『時をかける少女』が一番好きです。

8月ごろに劇場で見てきました。
(レビューは書いていたのに、投稿が遅くなりました^^;)

大きくない会場でしたが、満員でした。

少し遅めの時間帯だったからかもしれませんが、
大人しかいませんでした。(年齢層はバラバラ。)

もっと子どもが多いかと予想していましたけれど。
でも内容は確かに子ども向けではないかな。笑

100分ほどの作品です。


● ストーリー
4歳のくんちゃん(♂)に妹ができた。

妹・未来(みらい)の世話に追われる両親に対し、
くんちゃんは寂しさを感じる。

むしゃくしゃする気持ちから、
わがままを言ったり、未来に意地悪をしたり。

そんな気持ちで中庭を通ると、
不思議な世界と不思議な人たちに出会った。


細田監督の作品には
現実世界に溶け込んだファンタジー設定が多い気がします。

今回もそうですね。

くんちゃんは中庭を通して、
家族の未来や過去に触れます。

そんなこと、
現実世界ではありえないファンタジーですが、

出会った人たちから教わったことを自分の行動に活かしていく様子は、
ただの4歳児にも見えます。成長だねえ。

ただ、これまでの作品で感じた
“どうなるかわからないドキドキ”という点からは
遠かったように思います。

むしろ、刺激を期待せず、
日常系作品だと捉えたほうがいいぐらいですw

育児に奔走する両親と、
両親の愛が欲しいくんちゃんの、

ちょっと慌ただしいけれど、
振り返ってみると、幸せと奇跡が詰まった日常。

そんな中に、少しのファンタジーを織り交ぜて…
という物語でした。


≪ 脚本ではなく、絵で魅せようとしていた? ≫

だけどごめんなさい、
私には物足りませんでした。

それはドキドキな冒険を期待していたから、
というのもあると思うのですが…。

くんちゃんは不思議な体験を、
日を置いて何度も体験するので、
短編集のようにも受け取れる作品です。

ひな人形のエピソードは、
嫌いではないのですが、
やたらと時間がかけられていたような。

飽きてきたなーと思い始めたところに、
{netabare} 無駄に緊張感を持たせた、だるまさんが転んだのような、スローモーション。 {/netabare}

それほど重要でも見せ場となるシーンでもないのに、

「私達は大きなスクリーンで何を見せられているの?」と
なんだかあきれてしまいました^^;


しかし、作画はきれいだったしこだわりも感じられたし、
全体的に力が入れられているのが、よく伝わってきました。

キャラの表情も豊かというか、顔芸というかw

今回の作品では、脚本よりも、
こうした絵で魅せようとしていたのかな?

描きたかったシーンやキャラの表情を、
楽しんで描く。

それがこの作品の源なのだとして、
こちらもそれをわかった上での鑑賞であれば、
もうちょっと楽しめたかも。笑


● キャラクター
甘えん坊の4歳児、くんちゃん。
いやーこの年頃の男の子はかわいいですね(*´Д`)ハァハァ

だけど、わがまま全開、駄々っ子全開。笑

愛するには、
難しいキャラですw

お母さんもお父さんもたくさん出番がありますが、
よくある両親キャラだし…。

未来ちゃんはかわいかったですが、
かわいいというだけで、特別なインパクトもないし…。

キャラで評価できるのは、
ひいじいちゃんぐらいかしら?

馬もバイクも乗りこなすひいじいちゃん、かっこよかったわー!
彼の起こした奇跡も素敵♪

cv.福山雅治なのは、気付きませんでした。
エンドロールで驚いたw


● 音楽
【 OP「ミライのテーマ」/ 山下達郎 】
【 主題歌「うたのきしゃ」/ 山下達郎 】

どちらも、なんだか懐かしさを感じるメロディ。

穏やかな2曲で、
この作品にも合っていたと思います♪

私は主題歌の方が好みかな^^


● まとめ
つまらなさや怒りを感じるほどではないですが、
全体的に平和なストーリーでした。

少なくとも、
「よし、観るぞ!」と意気込んで見るタイプの作品ではありません。

この作品を観終わった頃には、
子どもの成長を大らかに受け止められる気がする…そんな作品でした^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

不愉快です。クズ夫婦にイライラします。ネグレクトは虐待です。

 マイナス100点。最悪の映画です。

 子育てに大事なのは願いではありません。子供は勝手に育ちます。親の願いで育つことはありません。親ができることは危機回避と背中を見せることだけです。親が子供に願いだすと、それが暗黙でも言葉や表情、行動に現れます。絶対にやってはいけません。元気で健康に育ちますようにですら、病気が見つかったら、障碍者になったら失敗になります。子供のすべてを受け入れなければいけません。
 それで子供が逃げ出したり歪んだりする小説やアニメなんて沢山見てきたでしょう。このアニメは何を考えているのでしょうか。

 子育てに大事なのはスキンシップです。クリエーターで子育てものを作るなら心理学くらい確認しろ、と言いたいです。4歳くらいの男児ならネグレクト(放置)も虐待です。ましてあそこまできつく当たるのって何なんでしょう。陰でいくら愛してるといっても、子供に伝わらなければ意味がありません。何よりスキンシップ、特に母親との肌のふれあいが無い子供は不安定になります。

 母としてなぜあそこまで子供に冷淡になれたのでしょう。嫉妬で新生児に電車を振り上げても自制できる子供が、あそこまで傷ついているのです。我が子を追い込んだ自分を省みることができない、ということは仕事のレベルも推して知るべしです。しかも外に飛び出した子を追いかけもしないで。

 平等に愛情を注ぐように気を付けていてもどうしても妹に手がかかってしまう、という感じが全くありません。完全邪魔者扱いです。何かに気がついたり心配するそぶりも見せません。1場面くらい反省らしきことを言っていますが事の重大さも認識していないし、真剣に悩んでいる風にも見えません。
 入れ替わりで産休に入る人がいたって、子供が大切ならそんなのは会社の責任で何とかすればいいし、在宅だってできるでしょう。自分が全部正解みたいなツラで仕切るな、と言いたいです。

 今の時代ですから、仕事に出るなとはいいません。いや、推奨すべきなのでしょう。が、仕事をやっている奴がそんなに偉いのか?夫の批判をしているけど、お互い様という考え方はできないのか?と思います。
 本当に子育てに優先することが、仕事にはあるんでしょうか。食わなければいけないのはわかりますが、折り合いがつけられないのでしょうか。
 
 夫は夫で、自転車で補助輪を外して頑張っている我が子を放っておいて、あれはないでしょう。母親もフォローもしないし。犬に対しても同じだったということは、そういう性格なのでしょう。生活を考えない使い辛い家を作ったり。

 これって、庭の木が見るに見かねて助けてくれたってことでしょう。父親らしさも母親らしさも皆無です。若夫婦の奮闘記にしても、レベルが低すぎます。そもそも若くなさそうだし。35歳、精神年齢10歳にしか見えません。設定は良く知りませんが。

 まったく感動も感情移入もできませんでした。というか不愉快でした。



22年8月 評価見直し中。極端な評価や感情的な部分を補正。初回見たときの印象と改めて旧作と比較したときの点数の補正など。

 冷静に考えるとあのバイクの爺さんだけはキャラが良かったのでキャラとストーリーにちょっとずつ点数入れます…が、やっぱり良い感情がもてない映画なことに変わりありません。

 なぜかと言えば、夫婦が変わらないで、子供が木の力を借りて自分自身の旅で救済を得たからです。夫婦側でも旅があり何かを悟って間違いに気が付くならいいんですけど。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

くんちゃん、すきくないの

主人公は4歳の男の子「くんちゃん」。
くん付けで呼ぶと"くんくん"になってしまう危うい名前をつけられた彼の元に、ある日、妹「ミライちゃん」が現れる。
新しく家に来た赤ちゃんに両親はかかりきになってしまい、嫉妬感でイライラが募ってしまったくんちゃんは、妹に癇癪を起こしてしまいこっぴどく叱られる。
誰にも相手してもらえず、わかってもらえない状況に疎外感を感じたくんちゃんは、一人庭に出たところ、自分を飼い犬の「ゆっこ」だと名乗る男が現れる。

幼稚園生の男の子からの目線である一般家庭の情景描写をしながら、新しい家族のあり方と子供の世界の広がりを描いたアニメーション作品。
幼き日の妄想のような異世界が登場し、そこで犬のゆっこや、成長したミライちゃんを名乗る女性と冒険をするストーリーとなっています。
監督は『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』でおなじみの細田守氏で、カンヌ国際映画祭での受賞作品ですね。

ただ、内容は海外においても賛否があります。
子供の目線で家族のあり方を描写し、不思議な冒険に、と書くとシンプルに映るのですが、その実は結構な意欲作となっています。
構成は複雑で、結局言いたかったことは何かがファジーで分かりづらく、かなり哲学的な内容と言わざるを得ないです。
ストーリーが進むとくんちゃんは、両親の子供の頃や自分のルーツ、曽祖父の決意を目の当たりにして子供ながらに"お兄ちゃん"としての自覚を持ってきます。
ただ、過去の辛い時代を知って今は恵まれていると知るというシンプルな話ではなく、やはり最終的には、私にはよくわからない話でした。
興行収入は奮ったものの、世間の評価も今ひとつのようです。

また、その年令の男の子という設定なのでかくあるべきという話ではあるのですが、とにかく、くんちゃんがわがままです。
それは狙いだったのかもしれないのですが、主人公に魅力がなく、多分、多くの人は見ていてイラつくと思います。
一方で、赤ん坊のはずのミライちゃんは、なぜか超絶大人しく、こっちはとてもファンタジーを感じました。
赤ん坊なんて在宅で仕事しているお父さん一人でなんとかなる存在じゃないだろうに、なぜか泣くシーンが殆ど無いです。
ミライちゃん以上にくんちゃんがわがままを言い、仕事中の父の邪魔をして、癇癪を起こして部屋を散らかすので、終始、くんちゃんへのフラストが溜まる作品だったと思います。
反面教材として親が子供に見せるといいのかもしれないですが、やっぱり子供が見てもドン引きするんじゃないかなあと思います。

ラストも結局どうなったのかよくわからない終わり方でした。
一方で、過去作と比較して良かった点として、やっぱり声優で芸能人を起因しているのですが、今回はそれほど違和感を感じなかったですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

70.3 2 家族で冒険なアニメランキング2位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (639)
4223人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
{netabare}
本作のヒロイン「楓」を務めたのは、女子高校生ながら話題の女優『広瀬すずさん』。

とある番組での、悪質に切り取られたかのような彼女の言動が世間の反感を買い、謝罪騒ぎにまで発展したのをご存じの方もいるでしょう。

そう言えば以前にも彼女は、「明星一平ちゃん夜店の焼きそば」のCMで、一部言動が誤解を招くとして差し替えとなる騒ぎも起こりましたね。
これも謝罪騒動同様、私的には少々解せなかったんですよね。

全く………、


『ぶっちゅ~~~~~~~~~~、全部出たと?』


という言動の、一体どこに誤解を招く要素があったと言うのでしょうか。

しっかり口をすぼめ(ソースを)絞り出す様の、一体どこに何の誤解が生じていたのでしょうか。

広瀬すずさんには、これからも逆境に負けず作中の「楓」と同様に、自身の信ずる道を邁進していって欲しいものです。




………………………………ふぅ。

シュッシュ、フキフキ
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
{netabare}「お前という奴は迷いなど微塵もない眼をしおってぇ」{/netabare}
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

{netabare}「君は俺と同じだよ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」{/netabare}
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
{netabare}蓮と楓を繋いだメルヴィル著の『白鯨』。たしか船長さんが船もろとも鯨と運命を共にした話だったことは覚えていて、本編では一郎太が鯨に化けたあたりから嫌な予感しかしなかったのですが。。。
{/netabare}

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
{netabare}主人公と同年代の女の子だからといってヒロインではありません。九太が蓮に、彼が人間界に戻るための触媒と思えばたぶんすっきりします。
序盤、多々良と百秋坊が触媒となって蓮と熊徹を結びます。楓はもともと蓮が持っていた好奇心を現実世界に落とし込む存在として役割を果たします。
途中から出てきたのもあって恋愛要素を前面に出すと話がぼやけるため、あのくらいの按配で良かったことでしょう。{/netabare}

■女よ、GOMEN
{netabare}虎徹への弟子入り直後、剣士としての成長きっかけとなったのは母の幻影「なりきる。なったつもりで」の一言。宗師さま巡りを経て『大事なことは自分で見つける』と気づきがありました。これまで他人のせい、自分の殻に閉じこもっていた蓮が一皮むけるために母は必要でした。
楓もそう。8年ぶりに人間界に戻ってきた蓮は楓がいなければ路頭に迷って野垂れ死にしてたかもしれません。一郎太とのバトルでも早まって差し違えて終わってたかも。
父子愛がテーマの作品で、といいつつも結局女がいなければ何もできないのが男だったりするような。こうゆうこと言うのは女性に言わせれば男の甘えだそうです。{/netabare}



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
{netabare}
ひとつ気になったのは、ケモノらしさについてです。
作中、「ニオイ」に触れられませんでした。ケモノ臭いだとか、人間臭いだとか。バケモノとは言っても、獣人なんできっとケモノ臭がすると思うんです。

バケモノの子を見て後、もののけ姫が無性に見たくなって見てみると、その部分において明らかに違います。
バケモノの子に出てくるケモノたちは臭いも無ければ、見た目以外ほとんど人間と違いが無い。
文明も発達しており、異国風と思わせといて玉かけご飯を普通に食うくらい、生活にも違いが無い。
もしかしたら、生活型が日本人と同じで無臭になってしまった・・・という裏設定が(!)
なんて妄想したりw
熊とか、体臭すごいですし、ニオイの演出も加わるとより面白くなってたんじゃないかと感じました。
九太が人間界に戻ったときに、九太に染みついたケモノ臭さに楓が鼻をつまむシーンとか見たかったんですけどね(笑)
でもニオイに突っ込むと、一郎彦の正体がすぐばれてしまい話がややこしくなるから、なんて事情が見え隠れするのであえて入れなかったのかなー、なんて勘ぐったりしてw

仮に、ニオイがあったら熊鉄のオヤジらしさに、より一層リアルさがあったのかもしれない。
一方で、ニオイなど生臭い要素をなくしたことが、マスコット的な愛らしいオヤジキャラの演出に一役買っているんだろうなとも思うので、結局この作品には「無臭」のバケモノが正解だったんでしょうね。
熊鉄のことを「可愛い」と感じる背景に、実はニオイも深く関係してるんじゃないかと、一人納得しましたw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

66.0 3 家族で冒険なアニメランキング3位
借りぐらしのアリエッティ(アニメ映画)

2010年7月17日
★★★★☆ 3.6 (663)
3151人が棚に入れました
とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。アリエッティの一家は、屋敷の床上に住むふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。借りぐらしの小人たち。そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない。それが床下の小人たちの掟だった。そんなある日、アリエッティは翔に姿を見られてしまう・・。

声優・キャラクター
志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也、三浦友和、樹木希林
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

我が家においでませ

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 2回目です。95分くらいの現代ファンタジー。
 「傑作か」と聞かれると「まぁまぁで」と言いたくなるのですが、好き嫌いで言うと結構好きな作品です(悪いところはレビューの下の方にまとめています)。

 スケール感はとても綺麗に表現されていると思います。軒下とその周辺というアリエッティの世界が、家と庭へと拡大して、その先へというストーリー展開に合わせた世界の作り方もいいですよね。小人のいないシーンでも時折不意に入るローアングルが、私たちの知らない世界を見せてくれて、ドキッとさせてくれます。

 甥っ子と遊んだりすると、彼らの住む「膝丈の世界」に驚いてしまいます。腰丈のテーブルの下を走り回り、腰掛けるソファによじ登り。そんな彼らの目線に合わせると、自分たちのスケールで作られた世界のなんと不便なことか。でも、彼らにとってはもともと「そういう風に作られた世界」であって、そんな世界にいることに何の疑問も持ってはいないんです。アリエッティたちも同じですね。
 私たちも以前は確かに「膝丈の世界」に住んでいたんですが、成長とともに気が付くとギャップが埋まっていて、いつの間にか「当たり前の世界」に住んでいる。でも、最後までこのギャップが埋まらないのが、アリエッティたちのいる「小人の世界」です。


ギャップ:{netabare}
 問題はスケールのギャップではなくて、認識のギャップ。

 アリエッティたちは「借りぐらし」をしています。でもハルは彼女たちを「泥棒の小人」と言っていました。
 例え少量でも、返すあてのない無断の借り物は泥棒です。「借りている」と主張する側と「盗まれた」と主張する側の認識の乖離は埋められず、事実は「盗まれている」のです。正に借りパクですね。小人と人間の間には、「取る側」と「取られる側」というギャップが拭えないのです。

 アリエッティたちも同族からは「借り」ないはずです。同族だと罪になるけど、他種族なら「借りる」という言葉を使って「盗む」ことを正当化してしまうのです。
 これは私たちも同じです。私たちも生きるために「殺し食べる」必要がありますが、同族に対しては罪になります。他種族に対しては「いただきます」という感謝の言葉を使って、「殺し食べる」という事実を正当化するのです。
 「借りる」も「いただきます」も罪の意識を軽減するための言い訳の言葉と捉えることができます。善悪の問題ではなく、それぞれがそういう「当たり前の世界」を作り上げているのです。生きるための行動に罪を感じてしまっては、生きること自体が辛くなってしまいます。
 それぞれの異なった「当たり前の世界」が存在していることが、この作品の根底にあります。

 小人に理解を示すショウ。彼ですら二つの「当たり前の世界」を壊し、一つにすることはできませんでした。
 彼は盗まれたものを「わすれもの」とすることで、小人の正当化を幇助しました。でも、これは上から目線のほどこしであって、「共生」ではありません。「取る側」と「取られる側」という一方通行の構図自体は変わらないのです。彼のほどこしを受けることは、アリエッティたちにとっては、自助努力を無くした単なるペット化に等しいものです。プライドのあるアリエッティは受け取りませんでした。

 相容れない二つの世界が出会ってしまったら、ハルのように破壊するか、ショウのように懐柔するか、このいずれかであって、共生は困難なのだとこの作品では語られています。アリエッティパパの言うとおり、「見つかってしまたら離れる」ことが生への道なのです。もののけ姫の結論に非常によく似ています。

 もし、巨人というのがいて、私に餌付けをしてきたらカチンと来ますよ。私はペットになる気はありません。自力で「借りる」ことを選択するでしょう。例えそれが巨人にとっての「盗む」だとしても、です。「悪者なら殴っていい」とまで理論を展開するつもりはありませんが、環境の変化に合わせて、自分を正当化する新しい「当たり前の世界」を作り出してしまうことでしょう。
 もし、我が家にアリエッティが来たら、餌付けしたくなっちゃうけど…見て見ぬふりをしなければいけませんね。餌付けはエゴですものね。ビデオで撮ってこっそり愛でることにします。
{/netabare}

アリエッティの髪型:{netabare}
 アリエッティは髪を上げたり下ろしたりと結構忙しいですよね。

 最初は、初めての屋内探索の日に行っています。日取りが事前に決まっていたこと、衣装替え、髪を上げる、腰のベルトなどからすると裳着(成人の儀式)のアレンジみたいに思えます。14歳ですから妥当な年齢です。裳着は結婚適齢期に入ったという意味も持ちます。アリエッティママが、アリエッティにスピラーとコミュニケーションを取らせようとしていることからも伺えます。

 最後の髪下げはエンディングで、こちらは二つの意味を持ちそうです。
 一つ目は、ショウ(人間)との別離。角砂糖を受け取ること自体は「和解」とか「共感」だとは思います。そして、ヘアクリップをプレゼントするのですが、「あげる」というよりは、「借り物を返した」だけですからね。「盗む」にはならなかったけれど、最後まで真の意味での与える側にはなれなかった、という埋まらないギャップを感じます。「共感」までが限界で「共生」はできませんでした。

 二つ目は、女性化ですね。髪が伸びるとか髪を下ろすというのは、やっぱり女性を感じます。成人の儀式があって、女性化が描かれているので、やっぱり結婚は近そうです。相手は、スピラー…なの? 少なくとも選べるほどは候補がいなそうですけどね。まぁ、選ぶなんて言っているのも私たちの価値観のもとで成立することであって、彼女たちにとっては選べないことが「当たり前の世界」なんでしょうけどね。

 ちょっと話はズレますが、エンディングテーマ中に、スピラーがアリエッティに木イチゴを渡すシーンがあります。この木イチゴの大きさは、ちょうど角砂糖と同じくらいです。角砂糖はカバンにしまいますが、木イチゴはその場で口に含むんでいますよね。こういうのを見るとやっぱりアリエッティは小人側なんだな、と思います。
 スピラーはコオロギの足ではなくて、木イチゴに変えていて、渡す仕草からも思春期っぽさが出ていましたね。
{/netabare}

小人と人間:{netabare}
 冒頭の軒下を駆けるアリエッティには、高い身体能力を感じますよね。で、そんなアリエッティが拍手喝采を送るのがアリエッティパパなんですけど、そんなパパを優に超えていくのがスピラーです。身体能力以上の生命力みたいなものを感じます。
 一方のショウ。心臓の手術に備えて、安静にするためにこの屋敷に来たわけですけど、どんどん弱っていく。顔色が変わらないので分かりづらいですが、胸を押さえるシーンが増えますよね。

 「滅亡する種族」と「繁栄する種族」という大局の対比があるのですが、その中身を見ると少し違う。
 「滅亡する種族」の家庭には逞しいお父さんと活発な子供達がいるんですが、「繁栄する種族」の家庭には、二人の老婆と心臓を病んだ少年しかいないんです。種族という大きな枠で見ると滅亡する側と繁栄する側なんですけど、家庭という局所でみると、滅亡と繁栄が逆転されています。「生きて行く滅亡する種族」と「死に行く繁栄する種族」という構造になっています。
{/netabare}

エンディング:{netabare}
 ショウとの別れのあとで描かれるのは、「生きて行く滅亡する種族」が川を下る姿だけです。
 ヤカンの上で描かれるのはアリエッティとスピラーの思春期です。これはやはり「生きて行く」姿だと思うのです。そして、ヤカンは障害物にも引っかからずに川に沿って下って行きます。この流れに沿う感じとその淀みのなさに、小人という種族の行き着く先の必然性みたいなものを感じてしまいます。やっぱり運命には抗えない「滅亡する種族」なのだろうと実感してしまうです。結局、エンディングテーマ中で描かれているのは、思春期という清々しさを隠れ蓑にした「生きて行く滅亡する種族」の姿なんだと思うわけです。

 エンディングでは、ショウについては何も描かれていません。ショウには不吉なフラグが立っているんですが、そのフラグを壊すところも行き着く先も描かれません。この描かないところがなんとも嫌な予感を受けます。
 「生きて行く滅亡する種族」が「生きて行く滅亡する種族」として説明されている以上、「死に行く繁栄する種族」も「死に行く繁栄する種族」なのではないだろうか、と予測せざる負えません。

 ただ、この予測に対しては二つの反証があります。
 一つ目は「君は僕の心臓の一部」というショウのセリフ。このセリフは、心を奪っていった的なものではないと思います。奪ったのではなく、その逆。補完しただと思います。
 ショウの心臓は、そもそも病んだ心臓・欠けた心臓です。生きることに後ろ向きでした。ここの欠けた部分に、アリエッティのために頑張るという思考が加わって、生きることに前向きになった、というのがショウの持っているストーリーです。アリエッティがショウの生を補完してくれたのです。ショウは生きたいのです。
 二つ目は、オープニングの「僕はあの夏…一週間だけ過ごした」という語り。二日後の手術前に「あの夏」という振り返りはないでしょうから、もう少し先の未来からの語りでしょうね。ショウは生きているんです。

 二つ目の反証はショウの生存を確定的なものにしますが、一つ目の反証は期待できるという程度のもので、反証とは言い切れません。オープニングだけでしか生存を明言しないために、最後の最後でモヤモヤしてしまうのですが、個人的には明言しなくて良かったと思います。最後に言い切ってしまうと、積み上げてきた「生きて行く滅亡する種族」と「死に行く繁栄する種族」という構造を壊す、ご都合主義エンドになっちゃいますからね。
 まぁ語りの時点での生存が確定していたとしても、「死に行く繁栄する種族」の枠から抜け出せなければ、どれほど元気かはわかりませんけどね。個人的には元気でいて欲しいです。
{/netabare}

 何やらこの作品には賛否があるようですが、決して悪い作品ではないと思います。
 テーマが分かりづらいなんて意見もあるようですが、構造をシンプルにしている分、むしろ分かりやすいのではないでしょうか。「(別々のところで)共に生きよう」という擬制的な共生は、もののけ姫が持つテーマと変わりません。一緒にいることに価値を見出しているのではなく、別々のところであっても生きていることに価値があるってことです。「生きろ、そなたは美しい」の精神です。

 で、悪いところがないのか、と言われると残念ながらあります。結構あります。
 以下、文句。{netabare}
 軒下、家、野外と舞台が展開していくにも関わらず、後半になると世界のダイナミズムみたいなものが、むしろ失われていきます。これはホントにダメ。

 私たちの天敵(?)のゴキブリが、小人にとっては天敵足りえないというのは百歩譲って許しましょう。でも、カエルとかネズミとか「外にいる怖いもの」のエピソードに不足しているのはどうなんですかね?チラ見せだけにせずに、外の怖さを感じるエピソードも欲しかった。結局外に出るんだし。

 ディティールへのこだわりが強いのは分かるのですが、なんにも効果を持たずに、綺麗なものの列挙で終わっちゃうのもいただけませんね。例えば、アリエッティ一家の三人が使っているマグカップのデザインは、ハートダイヤクラブなんですけど、スペードはありません。スペードをショウかスピラーに担わせておけば、とかね。描いたものを活かそうという視点には欠けています。

 あと人物描写。感情にもうちょっと溜めが欲しい。唐突な感情爆発が結構多いです。感情爆発自体は構いませんが、そこに至る過程があまり良くありません。人物の掘り下げもちょっと足りない。
 最後にアリエッティ。あんなに楽しそうだったアリエッティが、罪の意識に苛まれて後半はほとんどふさいだ顔。最後の最後はハツラツとしたアリエッティが見たかった。
{/netabare}

 酷評してもおかしくないんですが、脚本が宮崎駿だけあって、骨子自体は悪くないと思います。アニメ作品としての表現の部分が今ひとつなだけで。ただ、観察眼は良いと思いましたし、水関係の描き方はホントに素晴らしい。なによりアリエッティがかわいい!全てを許しましょう!


対象年齢等:
 私が一番重視しているのって対象年齢なんですけど、この作品はちょっと厳しい。
 言葉の選び方やキャラクター(昆虫とか悪役)の使い方は子供向けっぽいんですよね。でも、「借り」の概念を伝えるエピソードに乏しくて、子供への説明は足りてないように思えます。大人向け、というのも粗が目立って難しい。
 子供が見ても分かるように説明するか、後半のエンタメ要素を増すかのテコ入れは必要でしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

セレナーデ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」の不自然さ

「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」
自分としては、冒頭5,6分にアリエッティママが放ったこのセリフで全てが決したといっていい。この一言で本作への期待値がスゥーっと下がり、その後の展開も期待値に背反することなくエンディングを迎えたのである。引きの強さを感じた場面も少しはあったのだが、総じて言うと、予感した通りの低空飛行シナリオであった。
それくらい、ママの一言はある意味象徴的といえるものだった。

◆「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」の不自然さ

このセリフ、一言で言うと説明くさいんである。

そのセリフが発せられたのは、アリエッティが外界から帰宅した直後。まだ外界の危険性を熟知していないアリエッティの活動的な行動を、アリエッティママが心配し、諭すシーン。

そのシーンでは、「外界の生物が小人にとって脅威となることは、小人の世界での社会通念である」という情報を発信している。つまり、人間にとっては特別注意を払う必要のないカエルや猫のような小動物も、小人にとっては命を脅かす存在であり、そのことは小人の世界では常識だ、という世界観を、アリエッティとママとの会話で「表現」しようとしていたわけである。

・・・・・・であるのだが、カエルや猫が脅威的な存在である世界観において、心配の言葉をかけるなら「カエルや猫だっているのよ?」とかそういう親身な言い回しが自然と思う。

そこのとこ「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という一言は、作品が持つ「小人にとって外界の生物(小動物)は脅威である」という世界観を「描写」するのではなく、視聴者に「説明」しようとしてるようなマインドが感じられる。

シナリオの文脈ではさも「自然に発せられた咄嗟の一言」のような口跡だったけれど、視聴者を意識しすぎてる香りがして、観てるこちらとしては、ナチュラルな一言には感じない。

しいて例えるなら、免許とり立てでいざこれからドライブにいかんとしてる息子に注意を促すとき、本来なら「気をつけて走りなよ」とか「右折には気をつけるんだよ」と目線を合わせた物言いをするところを、いきなり「車社会には危険がいっぱいあるのよ」という大上段な諭し方をされたような、ぎこちなさ。

ママのセリフにはそのような、表現として生硬な印象を受けてしまう。視聴者に対し、小人の生活を「見せる」ためではなく、小人の生活を「教える」ために見繕われたような不自然さ、それは、作品世界への陶酔の妨げに他ならないんである。

で、

しいては「そんなセリフがまかり通った脚本」に、後の展開にも一抹の不安を覚えてしまったわけで、個人的な感想の範囲として、その不安は奇しくも的中した形となった。
楽しめれたのは、小人が人間の家宅を探検するときはこうやってるんですよ的な描写くらいで、基本的には予感したとおりの味気なさ。病に苦しみ死を案じていたショウくんのドラマのカタルシスの薄弱さ、樹木希林が小人の捕獲に執念を燃やす唐突さと動機の不明瞭さ、住まいを放棄しざるを得ない宿命を背負ったアリエッティ一家の結末の投げやり感。あと、なんだ、あれとか、これとか、それとか。ともかく、面白くねえなこれ、の連続で。

脚本至上主義者の自分としては、「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」には、その面白くねぇなの連続を予感してしまったのでしたとさ。

以下、ネタバレじゃないけど、独り言で。

◆「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」は子供向け

{netabare}「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」に対しての考えをもうちょっと言わせてもらうと、こういう説明じみた表現自体は、全然あってよいと思います。

ただ、本作にはやって欲しくなかったな、というだけで。

このママのセリフは、低年齢層向きな手法なわけです。表現としてはかなり直接的で、「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という言葉と、「小人にとって外界の生物は脅威である」という情報とのリーチを短く表現している。

なんで直接的な表現が子供向きかというと、単純に分かりやすいから。
というより、そうでないと子供に分かってもらえないかもしれないから。

大人は「直接的な表現」でも、対する「間接的な表現」でも対応が可能なわけです。怒った表情で「怒った」と言いながら勢いよくドアを閉めて退室される、柔らかい笑顔で「怒ってない」と言いながら勢いよくドアを閉めて退室される、どちらも”怒り”の表現であると理解できる。

むしろ後者の「間接的な表現」のほうが、残る印象は強いんじゃないかと勝手に推測してます。少々の計算というか、「空気を読む」という作業を通過したほうが、大人は真に迫る説得力を感じられるんじゃないかと思う。

しかし、子供の場合、皆が皆「空気を読むスキル」を有しているとは限らない。人生経験が不十分であるがゆえ、「『怒ってない』と言ってたから怒ってないのだろう」と認識してしまう子がいても不思議ではない。

仮にママのセリフが本当に「カエルや猫だっているのよ?」であったとした場合も同じで、子供によっては、「外にはカエルや猫がいると説く」+「心配する声のトーンや表情、前後の会話の内容など」で、
≒「小人にとって外界の生物は脅威である」と答えを導き出す計算が働かず、「外にカエルや猫がいることをママは教えただけだ」と、そのままの意味で捉えてしまうかもしれない。

つまり、「行間を読む」とか「文脈から察する」と言った高度なリテラシーを要求する間接的な表現方法は、低年齢層のオーディエンスをおいてけぼりにしてしまう危険性がある。

そんなリスクを背負う表現をするくらいなら、素直に「直接的な表現」をした方がいい。怒ったなら「怒った」、悲しいなら「悲しい」、許せなかったら「許さないぞバイ*ンマン!」、外の世界が危険だったら「外には危険がいっぱい」とキャラに言わせたり、叫ばせたり、説明させたりすれば、子供に情報が正確に伝達する可能性はぐんと高くなる。低年齢層向けコンテンツであれば、その手法は極めて真っ当な手段であり、大正解だと思う。

ただ、個人的には『借りぐらしのアリエッティ』が、ターゲットを低年齢層に特化させた作品だとは、ちょっと思えない。低年齢層寄りではあるかもだけど、アダルト層の集客を見込んだシナリオや演出を目指してる姿勢も、なんとなく感じるわけで、本作が劇場版の『ドラえもん』や『アンパンマン』や『プリキュア』と同じ敷居かと訊かれると、感覚的にはやっぱNOなのです。

だからこそ「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という、お子様向きである純度の高い直接的説明的なセリフには、少々落胆してしまいました。もうちょっと気の利いたセリフにならんかったのかと、そんな気分になりました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ここに宣言しよう、「小人姫アリエッティー」の方が絶対良かった!

二回見ました、この作品。
まぁ酷評の人が多いと思います。なんせ終わり方が、というか話全体が設定と共に縮小してしまって薄い内容になっていましたからね。

では、なぜこの作品は設定と共に縮小してしまったか、それから結末を回避することは可能だったのかを吟味していきましょう。

この作品で一番面白かったのは初めの30分でしたw
小人という設定、小さい人間から見た世界観、小人の生活スタイルなど斬新なものばかりで興味津々で見入ってしまいました。特に作画。家具など本当にリアルに描かれている部分もあれば、水(水滴)みたいなものは独特な最近のジブリらしいタッチで素晴らしいデキだったと思います。
問題はアリエッティーが子供に見つかってから。ここから小人ワールドから人間を含めた世界を描き始めます。

一つここで疑問。人間の子供を出す必要があったのか。
この作品は人間と小人が共存または敵対する世界を描いています。もしこの作品に人間を登場させなかったらどうなっていたでしょう。全体的なスケールは小さくても、その枠内で壮大な話を展開出来たのではないでしょうか。
例えば、人間を完全に敵と設定することで、もういないと思われていた別の小人たちと小人たち内だけの冒険を始める。スケールは小さくなりますが、ストーリーとしては独特の世界観を維持しながらファンタジー物語を展開することが出来ます。勿論映画としてのメッセージは完璧に変わりますが、視聴者にはこちらの方が受けたのではないでしょうか。

話を戻します。
本編が始まったのは主人公であるアリエッティーが人間の子供と接触してから。ここから映画としての方向性が見えてきて、世界観も一気にファミリアーになります。
さて、今作品での最大の問題は世界観を最終的にどっちつかずにしてしまったことです。
人間の観点から見るのか、小人の観点からこの作品を描くのか。
人間の観点になると、病で元気をなくしている男の子が小さいけど頑張っている小人から勇気を得る、生きる意味を知るといったテーマになります。
小人視点になると、人間に存在がばれてしまった事から新しい居住地を探す羽目になる。その過程で別の小人たちと出会い、生きていける可能性を見出だす、
といったものになるでしょう。
この二つをごっちゃにするから中途半端な作品になってしまい、結末も曖昧なものになってしまうのです。

では、選ぶとしたらどちらが良かったのか。それは明らかに後者でしょうね。前述したように、世界観はジブリの技によって良く描けているのだから、それを利用する以外はないでしょう。それに病の男の子が誰から生きる勇気を得る、といったパターンはありきたりで斬新さに欠ける。

私がもしこの設定で話しを進めるとしたら、もうちょっと尺を長くして、さらに特殊な能力、「脳内で意思伝達できるテレパシー」なる設定でも追加して、話を一気に世界規模にします。
そうですね、タイトルは「小人姫アリエッティー」でw
初めの20分は小人独特の世界観を描いて、その後すぐ現在の居住地を人間に見つかり新たな開拓地を目指す。その旅路に新たな小人民族と出会い、そこから人間に対抗すべく長年計画を練っていた馬鹿げたシュール小人民族たちの存在を知る(まぁ勿論反乱なんか出来るわけがないんですが)。しかし、主人公の秘められたそのテレパシー能力が開花し、それにより世界中に住んでいる小人たちを集合させ・・・・
この後は想像にお任せしますw反乱するのも良し、友好関係を築くのも良し。劇的最後を迎えるのもありですねw

まぁ要は世界観は良く描けているんだからそれをベースに話を展開させた方が良かったのでは?といったことです。

ここからは二つ目の問題。人間と小人の世界観を合わせた上でのストーリー展開で、あの最後以外の最終を迎えられたのか、というよりあの最後より良いオチは無かったのかということですけど、う~ん多分難しい。
よくよく考えれば、あの終わり方はあの尺と設定にしては良く出来ていると感じてしまう。一応、二人のオチは付いている訳だし(だって後半から突然アリエッティーの旅だけを描くわけにはいかないから。なんせタイトル「借り暮らし」ですからw)、あそこからの発展は不可能。それに人間たちが全面的に協力して新しい居住地を探す旅に出るってのも無理がある終わり方。
だったら、もうあのオチで良いじゃん!ってことになる。

結論、人間と小人の世界観をごっちゃにしたのが全ての間違いだった。

うん。なんかすいません、製作者の皆さん><ホント勝手なことばっか書いて・・・汗

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

69.4 4 家族で冒険なアニメランキング4位
映画ドラえもん のび太の宝島(アニメ映画)

2018年3月3日
★★★★☆ 3.8 (26)
128人が棚に入れました
国民的アニメ「ドラえもん」の長編劇場版シリーズ38作目。ドラえもんのひみつ道具「宝探し地図」を使って宝島を探していたのび太は、太平洋上に新しく出現した島を発見。ノビタオーラ号と名付けた船で島に向かうが、その途中で海賊に襲われ、しずかがさらわれてしまう。海賊に逃げられた後、宝島の秘密を知る少年フロックとオウム型ロボットのクイズと出会ったのび太たちは、しずかを助けるために宝島を目指すが……。人気俳優の大泉洋が、のび太たちを襲う海賊船の船長シルバーの声優を務める。監督はテレビ版の演出を手がけてきた今井一暁。脚本を「世界から猫が消えたなら」などで知られる映画プロデューサーで小説家の川村元気が担当。星野源が主題歌と挿入歌の2曲を書き下ろした。

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

男の子って、何でつまらない意地を張るのかしら?

児童文学『宝島』をモチーフにした作品であることが、冒頭で示される本作。

で、その後の展開は私の予想のかなり斜め上を行きましたw

本作脚本の川村元気氏が関わった映像作品については、
私は『君の名は。』を始め企画・プロデュース作などを数本観ただけですが、
最初の印象から、迷宮入りのリスクも恐れず、
どんどん予想外の要素を盛り込んで話を転換させて来る辺りは、
何だかとても川村さんらしいな。と思いましたw
事前にPV等からシナリオや世界観の真相を言い当てる人がいたら
ちょっと尊敬しますw

設定等が“大きなお友達”の鑑賞に耐えられる。
と言い切るには、やや無理があるとも思います。
(“なぞなぞ”も所構わず頻繁ですしw)
ただ、そもそもこの22世紀の猫型ロボットは、
現代文明では破綻しないシナリオにも、
「どこでもドア」や「通り抜けフープ」で穴を穿ってしまうのでw
設定の緻密さやリアリティを突き詰めてもしんどいだけ何ですけどねw

それよりも子供向けに喜怒哀楽を大きく表現して、
楽しませるプロットを組んだのは『ドラえもん』の脚本としては正解。

またギャグの小ネタと見せかけて、クライマックスでしっかりと回収する。
一度見せた小物やキャラはもう一度使う。
あとは{netabare}鼻からカルボナーラとかw“たぬきロボット”の石頭とかw{/netabare}
これらの伏線芸も堅実かつ明快で、思わず頬が緩みました。

今見せたこいつは何処で再登場させ仕掛けて来るのだろう?
そんな感じでワクワクしながら、のび太たちの冒険に同行していたら、
捻くれた大人の私も、設定破綻の穴に嵌らずに完走。
最後もややハードランディング気味ながら、
親父と一度話したくなるキッズ向け家族映画の佳作として、
無事、着地することができました。

私にとって「宝物以上の、宝物」だったかは自信がありませんが、
ハートに確かに温かい物は残る一本でした♪


あと、『ドラえもん』に推しも何もないのでしょうが……。
しずかちゃんのファンにとっては色々な意味で必見ですよ♪


レビュータイトルは、{netabare} そのしずかとセーラのガールズトーク?から……。
普段しずかちゃんは四人+一体の中で紅一点。
専ら少年たちの中のマドンナ属性を表現する役回り。
これが女の子同士で男子評なんかを語らせることにより、
キャラの心情が掘り起こされた辺りが、
入浴シーンよりプレミアムな感じがしました。

男らしさ、女らしさ。
それを真っ正直に表現すると陳腐で、それらを覆してこそ賞賛に値する。
内外問わず生温かい風が吹き荒れている昨今……。

本作が見せた果敢な男女描き分けからの、父親像、母親像の提示。
さらには男であることに空回りするガキ大将の必死さも含めてw
この観点からも、何だかホッコリさせられた劇場鑑賞でした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

511 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

泣いた

いつも通りドラえもんの映画は泣ける

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

65.9 5 家族で冒険なアニメランキング5位
ちいさな英雄 ―カニとタマゴと透明人間―(アニメ映画)

2018年8月24日
★★★★☆ 3.5 (28)
94人が棚に入れました
兄と弟の勇気、母と子の絆、そして、たったひとりの闘い。小さな涙と優しさは、3つの物語を通して、やがて大きな強さとなっていく――。

声優・キャラクター
オダギリジョー、尾野真千子、田中泯

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ちいさな英雄たちによる、3つの物語。

スタジオポノックによる、短編映画。

3つの短いお話で構成されています。

あまり良い評判を聞いていなかったので、
期待せず見たのですが、私にとっては当たりの作品でした。

3つともそれぞれ良さがあって、
好きだったなあ。

1つの話が15分程度で、
全部で50分ほどの作品です。


● ストーリー
全作品監督が異なり、
話の雰囲気も作画も全部違います。


『カニ―二とカニーノ』
監督:米林宏昌

カニーニとカニーノは、サワガニの兄弟。
まだまだ半人前なカニの兄弟と、大好きなお父さん。
荒れた川に流されてしまった父を探すために、兄弟は旅に出る。


カニー二とカニーノの家族は、
みんな擬人化されています。

台詞はほぼなし。

というか、すべてカニ語。笑
明確に聞き取れるのは、お互いが呼ぶ名前だけです。

それでも言葉を越えて、表情や声色で、
言いたいことや感情などは十分に伝わってきます。

言葉がなくてもなんとなく言いたいことがわかるのは、
表現のうまさなんだろうな。

水の中の表現が好きでした。

話は短いけど、
兄弟の勇気と父の愛、家族の愛にしっかり感動しました(´;ω;`)


『サムライエッグ』
監督:百瀬義行

シュンは運動が得意な小学生3年生。重度の卵アレルギー持ち。
幼い頃から卵を食べたり触れたりするとアレルギー反応が出て、
救急車で運ばれたことは一度や二度じゃない。
周りには当たり前のように卵が溢れてて、
油断するといつ卵に触れてしまうかわからない。


卵アレルギーの子と、
その母親の物語。

これはぐっときました。

卵が食べられないこと以外は、
周りの子どもと変わらない子。

だけどただそれだけのことが、
他の人と命に関わって異なることが、
どれだけ生きにくいことなのか。

母としても、
一歩間違えたら子どもが死んでしまうかもしれなくて、
周りがその恐怖や重さを理解をしてくれないこともあって、
孤独で恐ろしい戦いと向き合い続ける。

子ども目線でも母親目線でも、
考えさせられる内容でした。

見てよかった作品です。
そして同級生の女の子が可愛くて大好き^^


『透明人間』
監督:山下明彦

僕は透明人間。
服を着て、仕事をして、確かにそこにいるのに、
みんな僕のことが見えないようだ。
言いたいことはたくさんあるのに、誰も存在に気付いてくれない。


これは…強いな。
作品としての重みが。

誰からも認知されない辛さ。
おもりがなければ簡単に飲み込まれてしまうもろさ。

透明人間はたぶん私たちの本質のようなもの。

他人に認知されない時の辛さ、
心の支えがなくなれば簡単に死に向かってしまうもろさ、
誰かに笑いかけてもらうことの幸せ。



この3作品の並びも完璧だと思いました。

まあ、子どもが見ると
最後の「透明人間」は難しくて消化不良かもしれませんが。笑

3つ合わせて1時間に満たない作品だけど、
ものすごく見ごたえがありました。


● 音楽
【 主題歌「ちいさな英雄」/ 木村カエラ 】

この主題歌、作品の雰囲気と合ってなくないですか?
こんなポップな曲、少なくとも「透明人間」見てから聴く曲じゃないw

私の中では曲の良し悪し以前の問題なんですけど^^;

「あーそぼあそぼ♪」な歌詞で
一気に子ども向け感を増してますが、

そもそも3つとも遊んでいる内容じゃないしw
結構真面目なお話だし。

余韻を台無しにされてしまうので、
聴かなければよかったとさえ思ってしまいました。

★3残しているのは、
劇伴は良かったからです。


● まとめ
短編だからか、
あっという間に見てしまいました。

胸にくる、良い作品でした。

生きるって、みんないろいろある。
何かと戦っている。

ちいさな英雄たちに、
生きていく勇気をもらいました^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

三者三様の魅せ方は面白かったが、劇場版と考えると・・・、

【レビューNo.27】(初回登録:2023/2/4)
3本の短編アニメ映画で2018年作品。(1作品20分程度)

(個人的事情)
視聴のきっかけはお気に入りのレビュアーさんが本作のレビューしてたので、面白そうだなっと。
ただそこで気になる情報があり、いろいろ調べてみると制作会社のスタジオポノックって
「2014年スタジオジブリの製作部門解散」→「溢れたクリエイター達が集まり同社を立ち上げ」
と、ジブリ音痴な私には「えーっ、ジブリとか今そんなことになってんの?!」と正直本編よりも、
そっちの方がインパクトがあったかも(笑)

Ⅰ.カニーニとカニーノ(脚本・監督:米林宏昌)
 (ストーリー)
  サワガニの親子が川底で暮らしていたが、嵐の日父が濁流に流されてしまう。そんな父を
  探すため2人の兄弟(カニーニとカニーノ)は旅に出る。
 (評 価)
  {netabare}カニの親子、魚を捉えるカワセミ・・・真っ先に浮かんだのは「クラムボン」でお馴染みの
  宮沢賢治「やまなし」ですね。なんか小学校の時習ったなあーっと。
  この「やまなし」のテーマは(宮沢賢治の妹がこの頃亡くなったようで)「死の怖さと生
  の喜び」らしいのだが(小学校ではそんなテーマ習ってないけどねw)、なるほど今風にアレ
  ンジするとこんな感じになるのかな。作画的にはかなりジブリよりって感じですね。{/netabare}   
 
Ⅱ.サムライエッグ(脚本・監督:百瀬義行)
 (ストーリー)
  重度の卵アレルギーをもつ子供と母親の絆の物語
 (評 価)
  {netabare}Ⅰのファンタジーっぽい世界に対し、まさにドキュメントを見てるような作風ですね。母親役
  「尾野真千子」の関西弁だからこそよりストレートに伝わる
   ・いろいろとままならないことに対するぶつけようのない苛立ち
   ・それでも子供のことが心配で愛おしく思う感情等
  がなかなか演出効果としてはよかったのではないかと。{/netabare}

Ⅲ.「透明人間」(脚本・監督:山下明彦)
 (ストーリー)
  近くにいるのに誰にも認知されない。それどころか重りと持っていないと空に舞い上がってしま
  う、まさに「空気のような存在」の俺って・・・
 (評 価)
  {netabare}正直前半は退屈だったのだが、ラストの風に飛ばされながらのスピード感や目まぐるしく変わる
  カメラアングル等動→静「自らの存在証明」までの展開はなかなか秀逸だったかなっと。
  この辺り「中田ヤスタカ」の臨場感ある音楽もマッチしてたように感じました。{/netabare}

恐らく「生」というのが共通テーマなのかな。それを三者三様の魅せ方がしっかりしていたのは面白
かったと思います。ただこれって劇場用作品なんですよね。個人的には
「映画=非日常な特別な空間≒娯楽性」
というイメージが強いので、これを劇場で観たときに同じ評価ができるかといえばちょっと自信が
ないですね。配信だったからこそのこの評価かなっと。
それと「ちいさな英雄」というのはあまりピンっとこなかったかな。  

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

今ある環境に屈しない3組のちいさな英雄たちのおはなし○o。.。

あらすじはあにこれを参照ください。

上映時期:2018年8月~

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇物語
合計3本の短編劇場作品です( 3本で合わせて54分 )○o。.

1話:カニーニとカニーノ
水中で暮らすカニの爪で漁をする家族の日常風景を描いた作品 
{netabare}
冒頭に小魚を捕まえて笑顔でいたら
後半大きな魚に食べられそうになったり

お父さんが居なくなって兄妹だけで探しに行ったりと
自然の厳しさや食物連鎖を肌で感じそして家族の絆の大切さを実感し
成長していくカニーニとカニーノ 

内容よりもカニの爪を器用に使って漁をする斬新さにビックリ♪
{/netabare}

2話:サムライエッグ
卵の食物アレルギーを持つ子供と家族の物語
{netabare}
コンビニやスーパーで視界に入らないことのない卵製品
その数は世の中に溢れかえっています

症状に悩まされるのは本人だけでなく家族にも負担が掛かります
だからこそ食物アレルギーを克服する! 

彼の戦いは始まったばかりですが 
希望に溢れた感じで終われたのは良かったかな○o。.
{/netabare}

3話:透明人間
透明人間の日常を描いたおはなし
{netabare}
誰にも認知されない寂しさを描いた内容になっていますが
食べても軽いってどうなってるんだろう?うー秘密が知りたい!
{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇主題歌
木村カエラが歌う”ちいさな英雄”
彼女らしいポップな楽曲です。

〇作画
スタジオポノック制作
3話とも監督が違うのですが
全体的に柔らかい作画が印象深かったです

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって
視聴前はタイトルだけで
きっと可愛らしい物語なんだろうなぁって勝手に判断してました
ほんとごめんなさい!

現状を変えていこうと前向きに生きる3組のちいさな英雄たち!
その決意に勇気もらいました! 今日とは違う明日が待っている!!
よし! わたしもがんばろ○o。.。

〇最後に
3作品とも監督が違うから
世界観や作画の表現などがそれぞれ違っていて楽しかった♪
共通して水の映像がありますがみんないい味出してて感動しました○o。.

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。






 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

66.5 6 家族で冒険なアニメランキング6位
ファインディング・ニモ(アニメ映画)

2003年12月6日
★★★★☆ 3.7 (83)
623人が棚に入れました
サンゴ礁の海を舞台に、“人間の世界"へさらわれた我が子を懸命に探す父親の大冒険を描いたファンタジー・アニメ。「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」を手掛けたピクサー社が、“リアルな水の表現"にこだわり、最新のCG技術を駆使して作り出したかつてない映像世界が展開する。全米ではアニメ史上最高となる驚異的な興収を記録する大ヒットとなった。 オーストラリア、グレートバリアリーフ。広大な海の中でカクレクマノミの400個の卵が孵化しようとしていた。しかし、無事に生まれたのは母親の命と引き換えに助かったたった1つだけ。父マーリンは、この子を“ニモ"と名付け、同じ悲劇を繰り返さないと誓い過保護なまでに大事に育てていく。そして6歳になったニモに、初めて学校へ行く日がやって来る。しかし、突然の悲劇がニモを襲う。彼は、人間のダイバーにさらわれてしまったのだ。打ちひしがれるマーリンだったが、陽気なナンヨウハギ、ドリーの助けを借りてニモを取り戻す旅へと出るのだった。

声優・キャラクター
アルバート・ブルックス、エレン・デジェネレス、アレクサンダー・グールド、ウィレム・デフォー、アンドリュー・スタントン、オースティン・ペンドルトン、ヴィッキー・ルイス、ボブ・ピーターソン、エリザベス・パーキンス

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジョン・ラセター(ピクサー&ディズニー)と宮崎駿(スタジオジブリ) -前編-

ここ最近本作「ファインディング・ニモ」、「ベイマックス」、
そしてこの前地上波で放送された「アナと雪の女王」とディズニー漬けですw
そして、どの作品も非常に完成度が高く、
「爽快でおもしろかったです」としか言いようがないのであまり書くことがないw
「アナと雪の女王」(2013年)、「ベイマックス」(2014年)と最近の作品ならともかく、
「ファインディング・ニモ」なんて2003年の作品ですよ。
本作はピクサーがディズニーに買収される前の作品なので、
厳密に言えば、ディズニー作品でなく、ピクサー作品です。
まぁ買収後の作品もディズニー作品とピクサー作品は区別されていますけどね。
私はピクサー作品のレビューを書く度に
「ピクサー作品は名作の宝庫!是非視聴してみてください!」ということを
何度も訴えてきていますw 
それはなぜかと言えば、あにこれでのピクサー作品のレビュー数があまりに少ないからですw

さて、本作の監督はアンドリュー・スタントン氏とリー・アンクリッチ氏。
製作総指揮はジョン・ラセター氏です。
ちなみにジョン・ラセター氏は「アナと雪の女王」、「ベイマックス」の
製作総指揮も務めています。
一時期は低迷期を迎えていたディズニー映画を再び蘇らせたのは、
ジョン・ラセター氏の手腕と言っても過言ではないでしょう。
「アナと雪の女王」や「ベイマックス」の完成度の高さからもそのことは窺えるはずです。

本作の舞台はオーストラリアのグレート・バリア・リーフなんですけど、
ジョン・ラセター氏がまず関係者全員に告げたのは
「全員スキューバーの免許を取るように」ということですw
「実際に海の中を見ないで本作を作れるはずがない」ということですねw

ピクサーのアニメ制作は完全分業体制でシナリオにしても、
笑い担当、アクション担当と細分化されていて、
スタッフ同士納得のいくまで何度も何度もミーティングを繰り返し、
何度も何度もリテイクを繰り返し映像を作り上げていきます。
スタッフ1人1人のこだわりも半端なく
例えば、本作のニモやマーリンのモデルはクマノミという深海魚ですが、
1日中観察したり、スケッチしたり、写真を撮ったりと何ヶ月もそんなことをして
動きをつけていったと思います。
ピクサーの制作現場の映像は円盤の特典映像にもありますので、
併せて視聴することをお薦めします。

ストーリー自体は非常にシンプルです。
一言で言ってしまえば、「お魚さんたちの海の中の大冒険」ですからねw
要考察の複雑な日本アニメーションのストーリーに慣れている方からすると
ちょっと物足りないかもしれませんが、映像美だけでも充分に楽しめます。
さながら海の中をジェットコースターで駆け巡るような爽快感、まさに極上のアトラクション。
エンターテインメント性は極めて高いです。

本作の舞台はオーストラリアのグレート・バリア・リーフと書きましたが、
その景観が3DCGで忠実に再現されているのでしょうけど、
シーンによってかなり大胆に色合いを変えたり、明暗を調整したりしているのが印象的でした。
楽しいシーンは爽やかで明るい海に、悲しいシーンはおどろおどろしく暗い海にと
いくつもの海の顔を見せてくれて、これがとても幻想的で、
どこか宮崎駿ジブリ作品を観ている感覚を覚えました。
また、物忘れが激しいドリー、
普段は「魚は友達、餌じゃない」と陽気だが、血の臭いを嗅ぐと見境がなくなってしまう鮫のブルースと
強烈なキャラたち。
さらには、一瞬の空白の後、ドリーが物憂げな表情をするというような
何気ない間の使い方なんかもそうなんですが、
ここでもやはり宮崎駿ジブリ作品との通底性を感じました。
まぁ全然具体性のない話ですし、あまりに暴論、というか妄言なのは重々承知していますw

ただ、ジョン・ラセター氏は宮崎駿監督と懇意で、
来日した際には必ず宮崎駿監督のもとへ訪れるというのは、有名な話です。
「こんな映画を自分も作ってみたい」とジョン・ラセター氏に思わせた作品は、
「ルパン三世 カリオストロの城」ですし、
ピクサーではアイディアに煮詰まった時、宮崎駿ジブリ作品をスタッフ全員で視聴するそうです。
ピクサーは3DCGアニメーションで有名ですし、宮崎駿ジブリ作品とは表現方法は違えるのですが、
もしかしたら無意識的に宮崎駿ジブリ作品のイズムを継承しているのかもなんて思ったり。

「ジョン・ラセター氏は宮崎駿監督の後継者なのか?」
宮崎駿監督にこんな質問をしたら「そんな言い方はジョン・ラセターにあまりに失礼だ!!」と
きっと大激怒されると思いますw
宮崎駿監督にとってジョン・ラセター氏は映画監督の喜びや苦悩を共有できる友であり、
お互いに刺激を与え合う「対等な関係」なのでしょう。
「崖の上のポニョ」は本作から刺激をもらって、その着想を得たのはないか?
一視聴者としてそんな想像をしてしまいました。

最後に、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんを題材にした
「ネイチャージモン」という漫画があるんですけど、
その中で寺門ジモンさんが焼肉屋についてこんなことを言います。
「ウーロン茶とキムチが美味しくない焼肉屋は肉も美味しくないと思っていい。
できあいのウーロン茶、できあいのキムチ、そんな店はタレもきっとできあいだから。
業務用のものでもなかなかの味のものもある。効率もいい・・・
だが・・・・そういう商売にならないようなところで妥協する人間は
きっとすべてにおいて妥協してしまう人間。そういう人間に感動は作れない!」
これはまさに至言だなと。
そしてウーロン茶やキムチも一切の手抜きがない焼肉屋が、
ピクサーだったり、スタジオ・ジブリなのでしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

可愛いクマノミ、みつけました。

以前観た感想です。

妻とこれから生まれるはずだった卵たちを失ったクマノミのマーリンは、
たったひとつだけ残された卵にニモと名づけ、
もう失いたくない、という思いから過保護にたった一人の息子を育てていた。
そんな中、人間に捕らわれてしまったニモを取り戻すためマーリンは旅に出るというストーリー。
家族愛(親子愛)と絆、友情を描いたファミリーで安心して観れる作品です。

オーストラリア・グレートバリアリーフの海を舞台としているので
海の描写、映像、魚たちが色鮮やかで綺麗・・都心の人の多い海とは輝きが違いますね。

大人には物足りないかもしれないけれど、自分にもいつかニモのような存在が出来たらわかるような気がしました。自分の親も私が子供の頃は心配して少し過保護になったり、こんなふうに子供のことを想ってくれたのかと考えると胸がさっと熱くなります。

この作品を見て、小学生の時の教科書に「クマノミとイソギンチャク」の共生の話が乗っていたのを思い出しました。
クマノミで検索してると候補に「クマノミ 料理」と出てくるので
「えっ・・こんなに綺麗で可愛いクマノミ食べるの・・?(驚愕)」と思ったらその方の経験談では塩焼きにしたそうで金魚っぽいらしい・・(困惑)
そして、何故か隠れ小料理屋さんもヒット(逆に気になる・・)

他にもクマノミについて調べてみると、ファインディングニモが放映した時期は密かにクマノミブーム期で、
東南アジア等で漁師が青酸をサンゴに拭きかけ、瀕死のカクレクマノミをすくいとり、日本に出荷することもあったとか。
無理な取り方でイソギンチャクとサンゴが死に、お客様に買われたクマノミは数日で亡くなるという。これは悲しい・・。
今はどうかわからないけれど、安易な取り方はして欲しくないですね。

<ディズニーシー タートルトーク体験 >
映画とキャラが関連してますが、話はだいぶ変わります。
{netabare}2009年にディズニーシーでオープンしたアトラクション 「タートルトーク」
アメリカンウォーターフロントにあるS.S.コロンビア号の船尾にあります。

つい、アトラクションはライド系に走ってしまうので、
この日は始めてタワーオブテラーに乗りました。
写真を見たら他の人と比べなんか死にそうな表情をしていたので爆笑。
フリーフォール系は貧血で倒れるときの感覚に似てるからもう乗らないwwwと思いました。
そんな中、休むか!(笑)と思い、テレビでも以前特集してたし、待ち時間空いてるから30分だし行ってみよっかなーと軽い気持ちでした。

まずは、「レクチャールーム」でクジラ語(クジラを呼ぶ挨拶)の練習
\クージーラーさーんハローー/ ←後に使うよ
それと、待ってる間もキャストが説明を交えて盛り上げてくれる。

海底展望室の窓(スクリーン)には海の世界が広がって、椅子に座ります。
とりあえず、控えめに座ろうかとクマノミのように一番後ろに座りました。
(大きなガラス窓越しに、ウミガメのクラッシュとお話しすることができます。後半に自由に質問するチャンスが3回!当たったらラッキー)

(おおまかな流れ)
司会キャスト
「みんなでクラッシュを呼ぼう! おーいクラッシュー」
クラッシュ登場
 「お前たちー、最高だぜー!」「うぉー!!」のやり取り。そして練習。クラッシュから質問。
その後、我々のオフェンスタイム(40-60人くらいから3人くらい)がある。クラッシュが「なんでも質問していいぜ。大人も遠慮すんなよー。」と言っていてもここは夢の国。恥ずかしがらず自重した質問をしよう(矛盾)

(質疑応答)
Q「今、何歳なんですか?」
クラッシュ「150歳なんだ。だけど、まだ若いぜぇーその証拠に・・(腹側の甲羅を見せて)腹筋、6つに割れてるんだ!」
会場 (すげー かっけーー)(それ、甲羅のせいでしょ・・)

Q「どうしたらクラッシュさんみたいな亀さんになれる?」
クラッシュ「どうして亀になりたいんだ?」
Q「クラッシュさんをリスペクトしてるからです!」
クラッシュ「………………来いよ。」
会場(キャー クラッシュサンカッコイイー)

Q「今、アイドル活動していて・・」
会場  (ざわざわ・・・・)
Q「人気ランキングが落ちて・・」
会場  (それで・・?)
Q[アイドル辞めようか、真剣に悩んでいます」
会場  (重い・・これは重い質問だ・・・)

クラッシュ「・・がんばれ」
会場 (          )(゚д゚)
クラッシュ「君は本当はどうしたいの?」
Q「アイドル、続けたいです(泣)」
クラッシュ「他は気にせず、やりたい道を行くと良いよ」
(他にすっごい いい事言ってたのに忘れたw)
Q「ありがとうございます。頑張ります」
会場 (がんばれーーー)(応援してるぞ!)

そして、色々トークと演出あって終了。
クラッシュさんのアドリブ、切り返しの上手さに嫉妬するほどだった。
ディズニーマジックなのか、観客(会場)も優しさに満ちてた。
クラッシュさん、かっけーっす。尊敬!十分大人も楽しめました。

後は、他にも「ディズニーシーの爆笑王 クラッシュ」として(まるで芸能人みたいやな)
質疑応答を検索すると色々(クレイジーなのも)出てきました。
是非、ディズニーシーにお越しの際は体験してみてください。
質問コーナーで帽子とか目立つ小物、上着を着て恥ずかしがらず「俺を選んでくれ!!」オーラを出すと選ばれるかもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

息子を探して海の旅。親子の絆の物語。

2003年公開のピクサー長編アニメ。

たとえ映画を観ていなくても、クマノミを見れば
「あ、ニモだ!」と言ってしまうのが定番となっているほど、

とても馴染みの深い作品ですね。

専門家によると、
ニモはカクレクマノミではなく、
クラウン・アネモネフィッシュという種類のクマノミだそうです。

魚って難しい…。笑

いろいろ頑張っている主人公は父(マーリン)のはずなのに、
息子のニモの知名度の方がかなり高いww

私、お父さんの名前を
映画を観るまで知りませんでした。笑

やっぱりかわいいものの方が
世間には受けがいいのでしょうか…w

お父さん、とっても頑張っていたよ!

100分ほどの作品です。


● ストーリー
父と2人で暮らすニモは、
今日から学校へ。

過保護な父にうんざりしたニモは、
サンゴ礁を飛び出し、人間に捕まってしまう。

必死に追いかける父・マーリン。

残されたわずかな手がかりをヒントに、
ニモを探す旅が始まった。


開始5分から怒涛の展開。

一気に惹きつけられました。

舞台は海。
広い広い海。

小さなマーリンには
敵が多すぎる。

だけどそんな海を
果敢に冒険していく姿にドキドキ!

次から次へと、
海の生き物たちの様々な姿で楽しませてくれる。

人間じゃない生き物たちの
ありのままの姿を生き生きと描く。

そういう演出、
ディズニーは本当にうまいと思う。


≪ 父と息子の絆 ≫

子どもを守らなきゃという想いが強いあまり、
息子を信頼せずあれこれ口出ししてしまう父親。

父の気持ちを知らず、
自分は信頼されていないとむっとする息子。

そんな2人が離れて互いの冒険をすることで、
お互いが成長していく。

父親は、
息子の成長を信じ、耐えて見守ることの大切さを。

息子は、
命を落とすかもしれない恐怖と危機を乗り越えようとする勇気を。

ラストはボロボロ泣きました(´;ω;`)

子どもが観てももちろん楽しめるけれど、
これは親子で観るのがおすすめ!

特に父親と息子が一緒に見るには、
最高だね!

父親の参考書と言えるかもしれない。


● キャラクター
マーリンとニモは、
これといって挙げる特徴は特にない。

しかし、周りのキャラが個性豊かで楽しい♪

マーリンと一緒に旅をする、
物忘れが激しいドリー。

マーリンと同じく父親である
ウミガメのクラッシュ。

などなど…。

どのキャラも表情がとても豊か。

目など顔全体が細かく動いていて、
台詞以上に気持ちを伝えてくる。


サブ主人公的なキャラのドリーは、
この作品のムードメーカーといえます。

物忘れが激しいから、
大事なこともすぐに忘れちゃう。

観ている人にわかりやすく
「さっきこう言ってたのにー!」と
ハラハラさせたり、じれったく思わせたりと、
非常にうまい立ち位置です。

続編の「ファインディング・ドリー」も
楽しみになりました♪


● まとめ
ニモが有名すぎて、
ニモが冒険するのだと思い込んでいましたが、

冒険するのも主人公も、
父・マーリンでした(笑)

だからこの作品を真に楽しめるのも、
実は父親のほうかもしれませんね。

どきどきするし、笑いもあるし、しっかり感動もできる。

とても見ごたえがあって、
あっという間に時間が経った100分でした♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

62.0 7 家族で冒険なアニメランキング7位
映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ(アニメ映画)

2017年4月15日
★★★★☆ 3.3 (25)
115人が棚に入れました
ある日の夜、野原家にUFOが不時着。UFOの中にいたのは、宇宙から来たという宇宙人のシリリだった。シリリが発した光線を浴びたひろしとみさえは25歳若返り、ひろしは10歳に、みさえは4歳の姿に戻ってしまう。シリリは、生き物を若返らせることは出来るものの、成長させることは出来ないのだという。そして、日本の南にいるシリリの父親なら、ひろしとみさえを元の姿に戻せるらしい。翌日、シリリはしんのすけのズボンの中に入り、野原一家は日本縦断の旅に出発する。
その後、カスカベ防衛隊にシリリの存在とひろしとみさえが子どもになった事がばれてしまうも、他人には言わないという約束を交わす。ようやく新幹線に乗り込んだ野原一家だったが、泥棒に全財産とシリリの私物を盗られてしまい一時静岡に下車することに。そしてヒッチハイクで八尾という宇宙人オタクの男に拾われ彼の家に行くが、シリリの存在に気づいた八尾がシリリを捕まえようとしたため、野原一家たちは森へ逃げる。そこで、しんのすけ、シリリ、シロの3人は誤って熊本行きのトラックに乗ってしまい、熊本へ。一方、ひろし、みさえ、ひまわりの3人は、反省した八尾と共にしんのすけ達を追って熊本へ車を進める。
なんとか熊本で再会を果たした野原一家だったが、謎の二人組のモルダダとカスリーに捕まってしまう。
そんな中、シリリの父親による恐るべき陰謀が進められようとしていた。
ネタバレ

はまち さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

何を考えてあのラストにしたんだろう。

とにかくラストの展開が酷すぎる。それまでは丁寧なストーリーだったのにね。

{netabare} 宇宙人のシリリは最初人間を怖がり、自分の星より技術力が圧倒的に低い地球を馬鹿にしていたが、野原一家と出会い旅をすることで人間たちを見直し、地球(日本)の風景や生き物の素晴らしさを実感することで成長していくというのがこの映画の根本だったはずだと思います。

実際この映画では旅をするシーンにかなりの力を入れており、シリリの感情の変化を丁寧に描いていることにより「シリリ」を魅力的なキャラクターに出来ていました。

しかしラストのシリリと父であるチチシリとのシーン。
今までチチシリの言いなりとして生きていたが、シリリは反抗します。
でもその反抗が中途半端で、微妙な感じに終わりました。

なんでここを熱いシーンに出来なかったのだろう。
これでは今まで見てきた1時間以上が本当に無駄。

で色々あってシリリは一大決心をしてチチシリを裏切ります。
そして野原一家と暮らします。

エンディング後にシリリの母が来てあっさり帰ります。
ここも本当に腹が立ちました。
結構決意してたのに普通に帰るとか、意味不明。

ギャグシーンにしたかったのかもしれないけど
「笑えるか」という思いです。酷いです。


なので中盤までは結構良い映画でした。
今回はクレしん映画25作品記念ということで過去映画の要素が隠れてたりしてそこも良かったです。
でも酷い映画です。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スタンドバイミー

・監督:橋本昌和
・ゲストキャラ:シリリ
・敵キャラ:シリリの父

シリーズ25作目。

しんのすけと宇宙人シリリとの友情冒険もの。
{netabare}
シリリと出会い、みさえとヒロシを子どもにさせられてしまい、それを治せるというというシリリの父の元へ向かうため春日部から沖縄まで旅をするといった展開。
その道中でシリリとの友情を深めていくのだけど、感動的な音楽に乗せてセリフの無い映像だけで見せるところはなんだか感動した。

後半でシリリの父が企むバブバブ化計画が明らかとなり、シリリが父に立ち向かい、しんのすけとの友情が試される展開に胸が熱くなった。

前作のサキちゃんのように、ゲストキャラであるシリリの背景を丁寧に描いているのでやはり大崩れすることはなく、まずまずの作品に仕上がっていたと思う。子どもたちだけで冒険する様はまさにスタンドバイミーのようであった。

しかし、ラストが唐突で肩透かし感はいなめなかった。

そして25周年だからなのか、過去作のネタやキャラを登場させていて古いファンにもうれしい画になっていた。
気付いただけでもブタのヒヅメのSMLや、温泉の指宿ちゃんに後生掛ちゃん、踊れアミーゴのサンバBGM、ユメミーワールドの編集者等、クロスオーバーな感じが楽しかった。

DVD化されたらゆっくり見てもっと他の作品からも登場してなかったか確認してみたいと思う。

ヒロシの声がやはり切ない…。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

ゆん♪ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

劇場クレシン、ちょいホロリが良いよね^^

毎回見てるわけでは無いけど、今回はひろしCV森川さんだったし、ショタ化してるし(笑)

少年が家族守って頑張ってる-!って思ったらカッコ良く見えた!!

小さくなってもパパ!家族を守る姿にホロリ

シリリパパも、最初はただ単に子供嫌いなのかと思ったけどよかれと思って教育してたって事なのね…シリリ良い子だったし


地上波で鑑賞。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

63.6 8 家族で冒険なアニメランキング8位
アーロと少年(アニメ映画)

2016年3月12日
★★★★☆ 3.7 (18)
106人が棚に入れました
もしも、隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅をまぬがれていたら?」というかつてないスケールの世界観をテーマにしている。

絶望をまぬがれ文明を言葉を得た恐竜たちは、言葉を持たない人間たちと共存しており、我々が知っている地球とは少し異なる舞台で物語が進行する。

本作の主人公は臆病で甘えん坊の恐竜アーロ。

大好きな家族とはぐれてしまった彼は、言葉も通じない見たこともない生き物・人間の子どものスポットと出会う。

見た目も性格も正反対なひとりぼっちの同士の二人が手を取りあうことで、どのようなストーリーが紡ぎ上げられるのか。

壮大なアドベンチャーである最新作も見逃せない内容となった。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

斜め上過ぎる文化観と美し過ぎる自然描写、そして言葉無き友情

2015年11月に本国で公開されたピクサーの最新作
監督は『崖の上のポニョ』の全米公開版のディレクションや『カールじいさん』の同時上映短篇であった『晴れ ときどき くもり』の監督を務めたピーター・ソーン


日本公開の予告編では言葉を話す恐竜と原始人の少年が言葉無き友情を育む物語とされてますが、オイラにざっくり解説させてもらうとコレは立場が逆転した人と動物の話で所謂【動物モノ映画】
本来なら飼い主の立場にいる人間がペット的な扱いを受け、文化的上位にいるのが恐竜、やがてお互いの立ち位置や種族を超えた友情が芽生えていく・・・というのがこの映画です


もし隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅していなかったら・・・
恐竜たちは姿こそ変えずも言葉を話し、家を建て、畑を耕し、家畜を飼って暮らすという文化を持っていたであろう、というちょっと斜め上過ぎる世界観
草食性恐竜一家の末っ子として生まれたアーロは体も小さく、とても怖がりのため満足に仕事をこなせず姉や兄からはからかわれていた
そんなアーロを一人前にしてやろうと、パパはサイロを荒らす謎の泥棒を捕まえて殺すようアーロに仕事を与える
しかしサイロを荒らしていたのはこれまで見たことも無い生き物、原始人の少年スポットだった
スポットの気迫に恐れを為し、殺すことをためらったアーロはスポットを逃がしてしまう
パパは一家にとっては害獣であるスポットを逃がしておけんとアーロを連れ出しスポットに止めを刺そうとするが氾濫した川の濁流に飲まれ命を落としてしまう
パパを死なせてしまったアーロは気に病むがある日またも一家の敷居にスポットが忍び込んできたのだった・・・


まず四足歩行の草食性恐竜が首を器用に使って畑を耕している、という世界観があまりに突拍子も無く、コレを素直に受け止められるかが多くの人にとっての関門になりそうです
『のび太と竜の騎士』みたいに人の姿をした恐竜でなく、基本的なフォルムは変えず知性と文化を持ち合わせた恐竜というのがあまりに幼稚に見えてしまいます


また、スポットそのものの行動が犬っぽいというのも人によって可愛く見えるか否か怪しいです
原始人ならむしろ猿っぽく動く気がしますからね


にも関わらず、パパの死を境にシリアスな展開が続き子供が泣き出してしまうようなショッキングな場面も多々あります


最も見どころに感じるのがアーロとスポットの二人旅の中で時折挟まれる雄大な自然
草花や木々、山々に河川、雲や雨などまるで実写かと見紛う美しさの自然が、果てしなく広大に描かれておりココには本当にお金がかかっていそうなだなぁ、と溜息が漏れます


お話の中で演出が上手いなぁ、と感心したのがアーロとスポットが自分の出生を語る場面でお互い言葉が通じないが故に一言も交わすことなく互いの家族を説明していたのが印象的でした


日本語吹き替え版には子役の石川樹をはじめとした話題の芸能人が起用されていましたが、旅の途中で出会うティラノサウルスのブッチ役である松重豊の座った声は聴きどころです
松重豊は『百日紅』といいナレーター業といい、声の仕事も器用にこなしていて凄いですね


全体的にイイハナシであることや美しすぎるフィールド描写には素直に拍手を送りたいところ
ですが、前述のとおり根本的に【動物モノ映画】なので臭過ぎるというか泣かせが露骨なところがワザとらしい一作でした
Kiroroのbestfriendのアレンジが流れる日本語版エンドロールも寒い、そんなハッピーエンドじゃないし
また、最新の学説に伴いヴェロキラプトルに羽毛が生えているといった描写があるのに対し、そもそも巨大な四足獣が家を建てて暮らしているという生活感は説得力に欠け、‟映画的な嘘”があまり上手くなかったという印象を与えます
世界的にもそれなりのヒットはした模様ですが製作費が予算を遥かにオーバーしたようでピクサー初の赤字作品となった模様ですね

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アーロの成長を描いた王道物語。子供に見せたい映画

物語は友情や家族をテーマに大事に描かれていて、どこか懐かしさを思い起こさせる。奇想天外なストーリーや派手な演出はないかもしれませんが、ゆっくりと、でも確かに心に響く映画でした。
言葉が少なく情景やキャラの表情で心情を描いていたのも、子供には逆に親しみやすかったのかもしれません。(劇場の子供達の反応は良さそうでした)
言葉で全て語るのでなく、表情や行動からそれを感じ取って欲しいという作り手の思いが込められた作品だと思いました。

この映画の大前提は、「もしも地球に隕石が落ちなかったら」

恐竜は絶滅せず、知識を得て彼らなりの生きる術を身に付けている。ここでは後から生まれてくる人類の方が知能が低く、まるで犬のような扱いです。
アーロは恐竜ですが、中身は人間そのものです。外見は異なっても、アーロの考え方や行動は共感しやすく描かれていて、アーロの経験や成長を美しい大自然の中で疑似体験出来ます。劇場でこれを観ていた子供達は、きっと素敵な冒険をしたことでしょう。

CGによる背景はどこまでもリアルで、本物と見間違う出来でした。必ずしもリアルが良いとは思いませんが、この作品はとことん本物を追及し、あたかもそこにいるような気分にさせてくれます。

物語は弱虫のアーロが勇敢な少年と出会い、一緒に冒険をしながら成長していく話です。
中でも、下記の3つの成長か印象に残っています。

{netabare}
アーロは偉大な父親を、少年スポットのせいで失ってしまいます。でも、スポットが殺したわけではなく大自然の脅威によるもので、その危険を避けることも出来たのです。アーロはスポットを憎んていましたが、次第に心を許していきます。
岩の下敷きになった時、穴を掘って助けてくれたのはおそらくスポットです。アーロを元気付けるために食べ物を運んで来てくれたのもスポットです。アーロは戸惑いながらも心を許し、憎むのをやめます。彼を憎んだところで父親は帰って来ない。そして、アーロ自身が生きていくために彼が必要だと感じたのでしょう。

死んだ父親の幻と再会したシーンでは、切なくて涙が出ました。このまま父親の後に付いて行く方がアーロにとって幸せなのかもしれない。そこには怖いものもなければ、悲しみもない。きっとこれまでの弱虫アーロなら、それを選んだはず。でも、アーロは友達のために生きることを選びます。幻を振り払い、自分の力で起き上がり、スポットを助けに行きます。
生前父親がアーロに「お前は強い子だ」と言った理由がようやくここでわかりました。

スポットとの別れのシーンでは、最初に他の人間の姿を見掛けた時、アーロはスポットを彼らから遠ざけようとします。自分以外の者の所へ行って欲しくなかったのでしょう。アーロにとってスポットは、もはやなくてはならない大切な友達になっていました。ずっと一緒にいて欲しい、いるべきだと。
当初、アーロは、親を失ったスポットが人間の元へ戻ることはないと思っていたかもしれません。でも、アーロの目の前でスポットを温かく迎え入れる人間の家族を見て、そして彼らに甘えるスポットを見て、考えを改めます。自分に帰る場所があるように、スポットにも帰るべき場所がある。ずっと一緒にいられたらアーロはどんなに幸せだったでしょう。でも、スポットの幸せを願うからこそ、アーロはスポットを彼らの元へ送り出します。
最後のハグは互いの幸せを願い、道は別れても決して忘れない、大好きたよと告げているようでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「怖さを受け入れろ。逃げも逆らいもせず、乗り越えていくんだ。自分の事を信じてな。」

もしも地球に隕石が衝突せず、
恐竜たちが絶滅していなかったら…?

恐竜たちは言葉を持ち、
生きていくために家族や仲間と力を合わせて暮らす文明を築いていたかもしれない。

そんな切り口で描かれた物語の世界。

ピクサーの圧倒的な映像技術が見せる、
太古の世界を満喫できます。

90分ほどの作品です。
同時上映は「ボクのスーパーチーム」(7分)

毎回ディズニーの同時上映短編アニメーションはクオリティが高い…。


● ストーリー
トウモロコシを栽培して暮らす恐竜の夫妻に3匹の子どもが生まれる。

末っ子のアーロは体が小さく、気も弱い。

自分に自信をなくしているアーロに、
父はトウモロコシ泥棒の退治を任せる。

罠にかかったのは、
言葉を持たない原始人の子ども・スポットだった。


この作品では、
2つの変化が物語として描かれています。

1つ目は、弱虫なアーロが成長していく姿。
2つ目は、アーロとスポットの関係。


≪ アーロの成長 ≫

自分は何もできない弱虫だと思っているアーロ。

だけど、その気になった時には、
本人も気付かないうちに大きな力を発揮している。

自分では自分の成長に気付きにくいもの。
アーロは、自分の持っている力に気付いていないだけ。

そんな描写が至る所で表現されています。

こうやって成長していく姿は、
観ていて嫌な気分になる人がいない、

王道な展開ですね♪


≪ アーロとスポット ≫

恐竜と人間。

アーロは草食なようなので、
スポットを“食べ物”とは思わないみたいです(笑)

アーロは言葉を話すけれど、
スポットは言葉を一切話しません。

身振りで何かを伝えようとします。

二人の間に言葉のやり取りはないけれど、

一緒に過ごす時間の積み重なりが
徐々に二人の心の距離を近づけていく。

互いが伝えようとしていることが
わかるようになる。

それは二人と観客の距離も同様。

二人が心で会話している内容が、
観ている側にも伝わってくる。

これはピクサーの映像技術がなせる業…
なのかもしれませんが、

ここは夢見る気持ちに従い、
観ている人も言葉を越えた何かを感じている、と思いたいです。


● 作画
アーロの質感。
怪我をした皮膚。

美しい自然。
荒れ狂う自然。

全てが見惚れてしまう美しさです。

川に落ちたり流されたりするシーンが何度かありますが、
実際にスタッフは荒れた川に流されてみたんじゃないの!?

と質問してみたくなるぐらい、再現度が高いです。

この技術は、さすがトップレベルというか、
もはやぶっちぎってますね。笑


● 音楽
【 日本語版主題歌「Best Friend」/ Kiroro 】

う~ん…。

確かにいい曲ではあるけれど、
定番ソングすぎて、

わざわざこの曲にしなくても…というがっかり感。

この曲を主題歌として使う意図がつかめません。

う~ん…。


● まとめ
ストーリーとしては、なんてことないよくある話。

家族とはぐれてしまった弱虫アーロが、
スポットと一緒に家を目指す旅物語です。

途中で飽きてしまうシーンもあったけれど、
衝撃的な展開も、笑える場面も、感動できる場面も用意されています。

ただまあ、ハードルを上げて観る作品ではありません(笑)

美しい自然と、
美しい友情と家族の愛を、

ゆったりと楽しむ分には、ちょうど良い作品でした^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

65.3 9 家族で冒険なアニメランキング9位
ドラえもん のび太のドラビアンナイト(アニメ映画)

1991年3月9日
★★★★☆ 3.5 (86)
485人が棚に入れました
ある日、絵本の世界を体験できる『絵本はいりこみぐつ』でいろいろな童話や物語を楽しんでいたのび太たち。ところが絵本の話なんか全部知っていると、ジャイアンとスネ夫は、たくさんの絵本をバラバラにしてその順番を目茶苦茶にしてしまう。怒って帰ろうとしたしずかは、帰る途中空飛ぶじゅうたんとぶつかり、片方のくつをなくしてしまう。翌日、くつが足りないことに気づいたドラえもんは大慌て。片一方だけだと絵本から出られないのだ。さらに絵本はのび太のママに燃やされされてしまうのだった。絵本の中に閉じ込められたしずかを助け出すため、『シンドバットの冒険』の物語を手掛かりに、タイムマシンでアラビアンナイトの世界へと向かう・・。

声優・キャラクター
大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、肝付兼太、たてかべ和也、加藤正之、千々松幸子、阪脩、加藤治、加藤精三、松島みのり
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

しずかちゃん救出大冒険

シリーズ12作目。
{netabare}
絵本入り込み靴を使った導入部分でつかみはOK。
みんなが良く知っている童話や昔話をうまく利用して、それをごちゃまぜにするというのも子ども心をくすぐるナイスアイデアだと思う。

今回は奴隷として売られたしずかちゃんを助けるための冒険な訳だけど、その元凶を作ったのは、元はと言えばのび太のお母さんである。勝手に絵本を処分されてピンチに陥ってしまう。なんだかいつぞやも、もしもボックスを勝手に処分されたこともあったような…笑。お母さん危険すぎる。

しずかを探して過去のバグダッドへ。ドラえもんが四次元ポケットを失うなど、ドラえもんの能力を制限したのもスリルが上がって良かったと思う。

登場ゲストキャラもなかなか魅力的で良かった。特にランプの精がおバカでかわいい。あと旅行ガイドのミクジンもナイス。

そして本作も全裸しずかが登場。
しずかちゃんが奴隷となり、変なおじさんに鞭を振るわれたりして、画的にまずい感じがした。

さらに今回特筆すべきは、全体的にブラックユーモアが光っていて笑えた。とにかく本作はみんな口が悪くていちいち面白い。
「ポケットの無いドラえもんなんかただの中古ロボットじゃないか」とか、「ドラえもんは心配性なんだから。だから頭に毛が1本も無いんだよ」とか。
ひどすぎるwww
{/netabare}
いつもよりもギャグ路線でこれまでのシリーズの中でもおもしろい方だと思った。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

少しの黒さが光る、「映画ドラえもん」の名作の一角

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
映画ドラえもん12作目。千一夜物語、というよりは、アラビアンナイトを下敷きにした作品、という方がしっくりくる。

数ある映画ドラえもんの中でも、「冒険」「戦い」という点に重きがおかれ、個人的にはかなり好きな作品です♪

【視聴終了】
{netabare}
ドラえもんの話の中でも、他の創作モノを旅するというのはいくつかありますね。これらの作品群は、やはり原作(元ネタ)があるぶん世界観に入り込みやすいけど、一方で、どう原作を裏切っ(違いを出し)てくるかというのも見所のひとつ。

アラビアンナイトの主人公である「シンドバット」という分かりやすい「英雄」と、のび太達が「共闘」することで、のび太達を英雄として描くことに分かりやすく成功している。また、途中で四次元ポケットを奪われ、「自力」で戦う姿は、共感性の高いものだと思う。

数ある映画ドラえもんの中でも、黒さというか、怖さがあった。しずかちゃんが奴隷扱いされる場面とか、子供ながらにドキッとした。

でも、それでこそ「ドラえもん」だと思う。

自分が好きな映画ドラえもんの一角。らしさがいっぱいに詰まってると思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

旧ドラ版ドラビアンナイト。元ネタはアラビアンナイト。

旧ドラキャストのドラ映画。
子どもの頃見て以来また見てみました。
のび太たちが絵本の中に入って遊んでいるうちにしずかちゃんだけ絵本の中に取り残されてしまい・・・そんなしずかちゃんをドラえもんたちが助けに行くことになります。
今回も色々道具が出てきて楽しかったです。
またミクジンやランプの精など意志を持った道具やロボットも愛嬌たっぷりでした。ミクジンはお茶目なところもあって面白かったです。
アラビアンナイトや色々な絵本というか昔話や童話のネタが多かったです。

EDの夢のゆくえも名曲です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

64.8 10 家族で冒険なアニメランキング10位
わんぱく王子の大蛇退治(アニメ映画)

1963年3月24日
★★★★☆ 3.7 (15)
53人が棚に入れました
 東映長編漫画映画の第6作。日本神話を題材にした冒険活劇アニメ。様式化された美しい画面、スピード感あふれるアクション、「ゴジラ」音楽で有名な現代音楽の巨匠・伊福部昭の力強い音楽など印象深い作品。幼い王子・スサノオは母・イザナミの死がどうしても納得できず、母親が行ったという“黄泉の国”を探しに海へと乗り出す。旅の途中、夜の国に住む兄のツクヨミや、高天原を治める姉のアマテラスを訪ねるがどちらも黄泉の国への道のりを教えてはくれなかった。しかたなく高天原で働くことになったスサノオだったが、持ち前の負けん気がわざわいして失敗が重なり国を追い出されてしまう。出雲の国へとやってきたスサノオは、そこで美少女クシナダ姫に出会い、彼女が八つの頭を持つ大蛇・ヤマタノオロチに生贄とされると聞き、怪物退治に一肌脱ぐことになるのだが…。

声優・キャラクター
風間杜夫、岡田由記子、久里千春

AXIOM25 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

49年前の神話世界

日本のアニメーションの歴史に興味があり、
白蛇伝から始まる東映の劇場アニメの初期のものを何本か見ました、その中でも特に好きな作品です。

物語は日本の神話から採られており、それを子供向けにアレンジした感じです。
スサノオノミコトを感情豊かな少年に設定して、彼の冒険譚として画く事で小さな子供でも理解し易くなっていると思います。
ストーリーはそんな教育的側面が強く特筆すべきところはないとは思いますが、改めて現在の目でみると新鮮な感じもしました。

作画は非常に特徴的で、動物のキャラクターなどにはディズニーなどの影響を感じるものの背景や人物はどこか簡略化された平面的デザインで、日本の伝統絵画よようでもありモダンな現代アートのようにも感じます。
その平面的なキャラは静止画で見ると短足で奇妙な画に見えるのですが、動いているのを見るととても可愛く思えてきます。空を飛ぶ馬アメノハヤコマが特に可愛くて好きですね。

そのアメノハヤコマにスサノオが乗ってヤマタノオロチと対決するクライマックスは、本当に手に汗握る名場面。
現代のような派手なCGやエフェクトもなくセリフも最小限ですが、手で書かれたアニメーションのアクションと音楽だけで引き込まれてしまいます。

音楽はゴジラの音楽などで有名な伊福部昭さんです。これがほんとに重厚で素晴らしい曲ばかり、個人的に特に印象的だったのはアマノウズメのダンスのシーン。
ストラヴィンスキーの春の祭典を思わせる所と日本的な要素がミックスされていて、日本古代の神話世界を幻想的かつ力強く表現しています。

この50年近く前の作品を今現在の目で見て評価するのって結構難しい所があるのですが、単純にキャラクターたちが生きているように動き、それに合った音楽が盛り上げる・・・
そんなアニメの面白さの原点を感じさせてくれる自分にとっては大切な作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

gallery+ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメ史上屈指のシーン

東映動画の子ども向けアニメ。しかし子ども向けとはいえ全く手は抜いてない。というより、今のアニメでもこれくらいの手間を掛けたアニメが作れるかどうかも微妙なくらい。どんだけ子どもに対して真摯に取り組んでいたか窺わせる作品。

古事記・日本書紀のモチーフに、スサノオノミコトを主人公に据えた冒険活劇。母と子の愛の物語としても楽しめる。
しかしやはり最大の見所は、ヤマタノオロチとのラストバトル。天馬・アメノハヤコマにまたがり、八本の頭一つ一つと戦い退治する十数分の作画を担当したのは、ルパン三世(1st)、カリオストロの城で余りに有名な大塚康生氏。臨場感・躍動感ともに文句なし。しかもバンク一切なし。とんだけ真面目に創ってるのかと。絵の具1トン用いたと言われているが、それも当然と思わせるクオリティ。しかも音楽が伊福部昭とくれば、怪獣バトルアニメとしても燃える燃える(笑)。文句なくアニメ史上最高のシーンの一つに数えらるべき十数分であろう。
なお、この作品は日本アニメ史上初の作画監督システムを導入(作監第一号は森康二氏)。長編ながら統一感のある作画も見所の一つ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

日本のアニメーション映画制作の起点

東映動画のファンタジーアニメ―ション映画

その後日本で長く営まれることとなるアニメーション映画の制作方法等は
この「わんぱく王子の大蛇退治」から考案されたとのこと。

ストーリー的にも家族、ボーイミーツガール、アクション、冒険等を取入れ
起承転結のしっかりした構成が確立されてます。

キャラ画など平成世代には馴染み難いと思いますがそこはサラッと受け止めればいいかな。

後半の大蛇退治パートは必見です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

69.1 11 家族で冒険なアニメランキング11位
ミラベルと魔法だらけの家(アニメ映画)

2021年11月28日
★★★★☆ 3.6 (14)
48人が棚に入れました
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』『ズートピア』、ジャレド・ブッシュ『ズートピア』
音楽:リン=マニュエル・ミランダ『モアナと伝説の海』
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

足を引っ張る要素がなければ…。

 久々のディズニー映画。予告の段階で思ってたが、キャラ多すぎ問題が少々足を引っ張ってる。しかし、それ以上の問題はミュージカル要素。


 本作のテーマは割としっとりとした地に足のついたものだけに、テンション高いミュージカルと食い合わせが微妙。地味になりかぬないからミュージカルを入れたのかもだが、それじゃあ本末転倒。普通にしっとりした場面も、コメディータッチな場面も活きてたからそんなに無理して入れなくても感が。


 ミュージカルの問題は、下手するとその場面では話の進行が止まってしまうとこがある。本作ならミラベルが持っているギフトは、特別なものじゃなく人間力、即ち思いやりの心だって着地のために必要な描写がもっと入れなきゃならなかったような。


 他の家族の面々も能力じゃなくて、それぞれのあるがままの人格が大切なんだってよりなるべきなんだろうがキャラ多すぎ+ミュージカルで尺足らず問題が…。


 決して悪くはなくてイキそうなになるけど(クライマックスのドアベルのとことか)、イキ切れない勿体ない印象の作品ですた。それにしても、イザベルを平野綾さんがやってるのを意味深に感じてしまうお年頃。


 それにしても、なんか最近アメリカアニメ映画は家族推しが過ぎる気がする。こんなに多いと逆にアメリカ人は不安なのか?と勘繰りたくなる。


 ちなみに近年の家族作品だと『ミッチェル家とマシンの反乱』は傑作でした。基本イケテナイ駄目駄目家族で、家族マンセーじゃないバランス感覚が良い。主役の娘がオタクの映画志望なのがクライマックスにちゃんと活きてるし。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

呼び寄せる奇跡の魔法

 親子3代で、魔法の家と奇跡のロウソクよりギフトという魔法を授かった家族の話で、ギフトを授かれなかったミラベルを中心におばぁちゃんたちとの関わりを描いたです。吹替版を見たです。

 楽しい生活といとこの晴れ舞台を境に家に起きつつある異変に気づいたミラベルが、真相とそれを防ぐために聞き込みを繰り返し冒険的な展開になるです。
 ミラベルの家族のルーツと、守ってきたことが失ったとき大切なことを見つけ、奇跡を生む感動の展開が素晴らしかったです。

 ミラベルなどのキャラCG、リアルに近い表情や本当のような手など、美しい背景、魔法の家のパフォーマンスがすごく良かったです。
 特にミラベルをはじめ家族の歌、音楽、ラテン系の音楽、ミュージカル展開も素晴らしいです。動物が出てきたり、蝶が舞う映像は綺麗だったです。
 またもDISNEY凄い映像をつくったです。家族でも楽しめるです。字幕版も見るです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

68.6 12 家族で冒険なアニメランキング12位
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(アニメ映画)

2000年4月22日
★★★★☆ 3.8 (190)
1316人が棚に入れました
しんのすけや幼稚園の子供たちも夢中になっている『アクション仮面』の映画最新作「南海ミレニアムウォーズ」が公開される。アクション仮面の敗北を示唆する予告にしんのすけはどぎまぎし、野原一家・風間と風間のママ・ネネとネネのママ・マサオとマサオのママ・ボーちゃん(いつも通り親は不在)は、映画の完成を記念した豪華客船ツアーに参加し、船の旅を満喫する。一方、いつもの春日部は、しんのすけ達がいなくて一部はのんびりしたり、少し寂しかったりする人達もいたのであった。そして夜。待ちに待った船上試写会が始まった。だが、その試写会の途中で上映が突然ストップ。謎のサル軍団が現れてツアーに参加している全ての大人達とアクション仮面役の郷剛太郎を南の島へ拉致し、子供達だけがとり残されてしまった。しんのすけ・風間・ネネ・マサオ・ボーちゃんの5人から成る"かすかべ防衛隊"は、大人達を助けに行こうと、豪華客船に置いてあったジェットスキーを暴走させ、南の島へと上陸。さらに、ひまわりとシロも彼らを追って船を飛び出す。

声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、真柴摩利、林玉緒、一龍斎貞友、佐藤智恵、玉川砂記子、萩森侚子、大塚智子、川澄綾子、立木文彦、高田由美、富沢美智恵、三石琴乃
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

『正義の味方は、タマタマも丈夫なんだね♪』 『当然だ!』

劇場版クレヨンしんちゃんの第8作。
2000年公開。


【前置き】

原恵一さん、脚本&監督作品の第4弾。

前作に引き続き、公開前の予告とは異なる内容から(私の中で)物議を呼びましたが、じゃあ今回も面白くなかったかと言われると、そうではなく。
実際、1作目以降ずっと下り気味だった興行収入も、本作で初めて右肩へ上がったそうです。

さて、第6作が「ぶりぶりざえもん」の映画だとすると、この第8作は「アクション仮面」の映画です。
こう言うと、第1作の「アクション仮面VSハイグレ魔王」が既に…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、本作ではヒーローとしてのアクション仮面ではなく、俳優としての「アクション仮面=郷 剛太郎(ごう ごうたろう)」がメインの作品なのです。

勿論、しんちゃんも大活躍しますけどね。



【あらすじ】

『アクション仮面』の映画最新作の公開を記念して開かれた豪華客船ツアーに参加した、野原一家とカスカベ防衛隊の家族一同。

アクション仮面を演じる「郷 剛太郎(ごう ごうたろう)」と顔見知りのしんちゃんは、特別ゲストとして客船に来場した彼と挨拶をした後、客船で公開される映画を楽しみにしていました。

しかし放映の途中、突如客船に乱入した猿に大人達が捉えられ、近くの無人島に連れ去られてしまったのでした……。



【論じてみる】
{netabare}
まず本作は、これまでどこかしかで表現があった魔法的なファンタジー要素が、一切無い作品です。
故に、しんちゃん達カスカベ防衛隊の、地力が見れるのがポイントですね。

常識人の風間君、泣き虫のマサオ君、博識のボーちゃん、そして…回を重ねる毎に暴力性を増すネネちゃん、。
猿に連れ去られた大人達を探しに行こうと、無人島へと突き進むこの5人の活躍は、少々尺稼ぎ感のようなエピソードもありましたが、総じて小ネタが一杯で楽しめました。

今作で一番笑わせてくれたのは、「マサオ君」でしたね。
本編で、お嬢様の「酢乙女あいちゃん」に恋をしたマサオ君は、今作ではピンチの度にその名前を出され、乗せられることで性格が豹変し、奇想天外な行動の数々を見せつけてくれました。
初期から比べると、なんとも濃いキャラになったことで……。

しかし頭の中が あいちゃんで一杯のマサオ君は、崖で手を差し伸ばしてくれたネネちゃんに対し、ふいに

「ありがとう、あいちゃん!」

と言ってしまい、思わず手を離されてしまう場面も……。
「いけない!」と言っていたネネちゃんでしたが、その本心が故意でないことを願ってやみません。


後は、その5人を追いかける「ひまわり&シロ」の奮闘も良かったですね。
ひまわりも勿論ですけど、いやはやシロの万能っぷりが凄まじかったです。
一家に一匹ですね、この綿飴犬は。

ひまわりが皆に追いついた時、しんちゃんを見て緊張が解けたのかふいに泣きだしたシーンは、少~し目頭が熱くなりました。
その涙を優しく舐めるシロも、また優しいんだからもぅ。

そうそう。
ここで、ひまわりから貰った哺乳瓶を回し飲みするシーンの、風間君にも笑かされました。

しんちゃん「トオルちゃん、ママのオッパイ美味しい?」

風間君「うん、美味しいよ、ママ!…………………あっ………。」

誰一人笑うことなく、一同の目が風間君に集中した瞬間でしたね。
しんちゃん、なんというトラップを……www



さて、本作のボスキャラ、無人島で猿達を従える「パラダイスキング」。
これまでのボスキャラと違い、仲間は猿のみなので、総じて本作のオリジナルキャラはパラダイスキングのみ。
そう考えると、少し作品の色が薄い印象ですね。

実際、彼のエピソードとしても、日本を飛び出し無人島に住もうとした動機など無明瞭な部分があり、どことなくキャラ立ちが不安定です。
子供達に人気のアクション仮面を屈服させることの意義はまだしも、大人達を連れ去った理由が無理矢理アニメーターにして自分の自伝を作らせる為というのは、ちょっと首を傾げてしまいます。
見た目だけで言えば、ファンキーなアフロヘアーにダンサーのような奇抜なコスチュームが見栄え良いのですけど。

ただ、生傷だらけになりつつも猿を従えた実力は、正真正銘の本物。
ファンタジー要素が一切無い作品だけに、その格闘術や猿のような身軽な動きは、見ていて非常に格好良かったです。

そして、「貴様、まともじゃない!」と言い放つ郷 剛太郎に対し言い放った台詞

『まともじゃ王様は務まらねぇ。

 王様ってのは欲張りで、気まぐれで、残酷で!!

 ……退屈してるんだ。』

は、その残忍さが際立っていて、とても印象的でした。
{/netabare}



【アクション仮面を演じる、郷 剛太郎の咆哮】
{netabare}
ファンタジー要素が一切無い作品だけに、無人島で皆が助けを求めるのは、やはり俳優でありアクションスターである、郷 剛太郎さんでした。
ただ、本人が言う通り、アクション仮面とは架空の特撮ヒーローであり、彼はそれを演じているに過ぎないワケです。

しかし、子供達を人質にとられ、彼はアクション仮面としてリングの上で、パラダイスキングの言いなり通り、決闘をさせられてしまうのでした。
子供達の夢と、自分のプライドを懸けて……。


「柔道三段、空手三段、剣道ニ段、他にムエタイ、少林寺、サンボ、骨法、ブラジリアン柔術等…、カポエラも少々。」

っと、これだけの格闘技経験を持ち合わせている剛太郎。
しかし、ルール無用のジャングルで培ったパラダイスキングの変則的な攻撃は、それを上回るものでした。

「テメェみてぇなガキ相手のインチキヒーローとは、わけが違うぜ!」

この台詞に激情してしまった剛太郎の気持ちは、同じ男として…なんだか分からない気がしなかったですね。
だからこそ、心配しリングに近付いて来たしんちゃんに、うつ伏せのまま

「やぁ、しんのすけ君…。ごめんよ、カッコ悪くて…。」

と、言うことしか出来なかった彼を見るのは、とても胸が痛かったです。


ただ、涙ぐみながらも「アクション仮面」は絶対に悪者に負けない、と言い放つしんちゃん。
それに呼応して、子供達は勿論、大人達もリングに揃い

「ヘッ、まるでサルだな。」

と、皮肉めいた台詞を吐かれながら、皆で剛太郎を「アクション仮面」として応援していくのです。
それに涙した剛太郎が、空へ

「ウオォーーーー!!!!!」

と吠え、奮闘するこの一連のシーンは、曲の効果も合わさり劇中一番の名場面です。
勿論、ここで特上の蹴りをお見舞いした後に言い放った

「カポエラも使うと言ったハズだ。」

も、忘れられない名台詞です。



勿論、格好良いだけでなく、クレヨンしんちゃんらしいコミカルな要素も、しっかりこなしてくれますしね。
クライマックスで、しんちゃんが彼の「キン●マ袋」にしがみついたシーンが、それを物語っています。

しんちゃん「正義の味方は、タマタマも丈夫なんだね♪」

アクション仮面「当然だ!」

素敵ですね。
子供のこういう台詞に、平然とこう答えられる大人でありたいと、私は常々思います。
{/netabare}



【総評】

「アクション仮面」というキャラクターを最後まで演じ切った、「郷 剛太郎」の活躍と心情が何より魅力的な作品でした。

放映当時は、前作に続いて尺稼ぎ感のある中盤が鼻についたり、パラダイスキングという存在が不明瞭な点からも、そこまで評価はしていなかったのですが…。
今、まさに剛太郎の年代になって見返すと、彼の心情に深く共感してしまい、涙腺が崩壊しちゃいました。

シナリオ的には「んんっ?」っと思うところもありますが、それを補って余りある彼の奮闘は作中と同じく、子供だけでなく大人の心もバッチリ掴むのでは?と思いました。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


ちなみに、彼が吠えるシーンで流れる音楽「アクション仮面の闘志」は、劇場版でも個人的には3指に入る名曲です。
この曲を超える上位2曲は、次の作品の、あの2つの名シーンの音楽しかないでしょう。

次回作は、第9作「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『アクション仮面 / 郷 剛太郎』声 - 玄田哲章さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『野原ひまわり』声 - こおろぎさとみさん



以下、ひろしの痔について。
(※例の如く、どーでもいい話なので〆ます。)
{netabare}
作中、しんちゃん考案の「尻歩き」により並み居るサル達を屈服させる大人達でしたが、ひろしだけは持病の痔を気にしていましたね。

ここで思い出しましたが、いつぞや本編でしんちゃんが、ひろしの痔を周囲に話す際に、こう言うシーンがありました。


「オラの父ちゃん、長男なのに痔なんだぞ。」


一瞬何を言ってるのか分かりませんでしたが、このダジャレに気づいた時、ここまで頭の回る5歳児に、私は憧れすら抱いたものです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

メア さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

猿サル猿サル猿サル

「しんのすけが主人公としてメインで活躍する作品を作る」
という方向で制作された作品らしいのです!w(゚o゚*)w

野原家加えて、多くの家族が豪華客船ツアー(『アクション仮面』の映画完成記念)にて、映画を視聴中に突然映画が止まってしまい、サルの軍隊(?)が襲ってきて、親たち(アクション仮面役含め)を連れ去ってしまうのです。
そして残された子供たちの中、かすかべ防衛隊のメンバーが救出に向かっていき、(後にひまわり&シロも)親たちを救出。そして、サルの統率者であるパラダイスキングの野望であるアクション仮面打破を防ぐのです。

今作はなかなか「おふざけ」と「シリアス(的な展開?)」がよく入り混じっていた。
 悪く言うと中途半端ですが、面白い作品でした。

縛られた親たちがしんちゃんの案で行う「大行進」は、昔見たとき真似した記憶が(出来なかったんですけどね・・・)あって懐かしく、これを必死でやったり熱く語る大人たちが面白おかしかったですねヾ(・ω・o) ォィォィ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

シグマル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

古い作品だけど

公開から10年以上経っているがいまだに色あせていない作品だと思います。

あらすじ
野原一家はアクション仮面の最新作の試写会を行う「南海ミレニアムツアーズ」という豪華客船ツアーに参加していた。しかし、試写会が始まるや謎の猿軍団が出現し、ひろし、みさえ、アクション仮面の役者さん達大人全員がさらわれてしまう。船に残されたしんのすけ、風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボー君、そして妹ひまわり達は、大人がさらわれていった島へ上陸する。そこには猿軍団を支配するファンキーアフロ兄さんのパラダイスキングが大人達を奴隷にしていたのだ。果たして、しんちゃん達「かすかべ防衛隊」は、大人達を救うことが出来るのだろうか?架空のヒーロー・アクション仮面が、正義の為に戦う劇場版第8作。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
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