Witch さんの感想・評価
3.3
(最終)会話劇はよかったが全体像でみると・・・まあドンマイw
【レビューNo.113】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
ラノベ原作(なろう・カクヨム発の模様)で2024年作品。全12話。(初回は1時間)
完全にタイトル切りを決め込んでいたのですが、交流あるかんぱりさんやえり
りんさんのレビューを拝読すると大分イメージしてたものと違う・・・という
かむしろどんな作品か気になるまであるなっとw
(ストーリー)
冴えない中年会社員(社畜)の佐々木は、ペットショップで文鳥「ピーちゃん」
を購入した。ピーちゃんは異世界から転生した高名な文鳥賢者であり、人間の
言葉がわかる特殊な能力を有していた。そんな佐々木とピーちゃんが、異世界
と現実世界を行ったり来たりするストーリー。(wikiより)
(ピーちゃんの転移魔法で現実世界⇔異世界への往来が可能)
(評 価)
・第1話:現実世界と異世界のギャップが・・・これは今期のダークホースなのか?
{netabare}・原作は意外としっかりしてるっぽい
異世界でのサクサク感が「なろうっぽいな」と思ったら、やはり元々なろ
う・カクヨムで連載されていたようです。しかし
・「第4回カクヨムWeb小説コンテスト」で特別賞受賞
・「このライトノベルがすごい!」で2022年版第1位
とかなり評価されていた作品のようで(受賞作=当たりではないが)大き
くは外してこないんじゃないかなっと・・・知らんけどw
ちなみに原題は
「佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で
異能バトルに巻き込まれた件 〜魔法少女がアップを始めたようです〜」
と(後述しますが)なかなかに「ごった煮感」が凄いなっとw
・ごった煮について
ざっと1話の流れを列挙すると
{netabare}・中年会社員の佐々木がピーちゃんの力を借りて異世界へ転移。
「金貨8万枚」よろしく現実世界の商品を転売ヤーで大儲け。
(ついでに成り行きでレストランも経営w)
・で、ピーちゃんから魔法を教えてもらう。佐々木には魔法の才能もある
模様。
一方現実世界には(魔法とは別に)「異能力」が存在。異能力者に襲わ
れている星崎という女性を魔法で救出。しかしこの星崎、実は異能者を
秘密裏に管理する政府の組織「内閣府超常現象対策局」の者で、佐々木
は異能力者と勘違いされ、そのまま組織にスカウト→国家権力も働いて
なし崩し的に組織の一員に(一応国家公務員に転職www)
なんかこの辺もそれっぽい作品がなかったか?!
・そして佐々木の住むアパートのお隣さんには、「未来日記:我妻由乃」
っぽいヤンデレJCが・・・佐々木さんロックオン?!
(母親が育児放棄してるっぽく、よく玄関の外で過ごしている模様)
何か系統の違う3作品程のネタをミックスしてる感じですね。
(ここにまだ魔法少女らが乱入してくる模様w){/netabare}
・それでも結構面白かった
{netabare}・佐々木の中年会社員設定が上手く機能している
異世界では「本家・異世界なろう作品」もビックリなほどサクサク展開。
でも不快感がなく意外と面白く観れたかなっと。
・佐々木になろう特有の「俺tueee感」とかがなく実に落ち着いている。
・商談シーンなども良識ある商社マンっぽさが逆に新鮮。
現実世界でも「社会人ラブコメ」とかのなんちゃって社会人より、よほ
ど真面目に社会人してたのは結構ツボったw
・ストーリーが体系立っていて視聴しやすい
上述のように(既視感にまみれた)ごった煮状態なので全体像をみると
「一体何の話なんだ?!」
ってことにはなるのですが、頭から視聴する分には意外と体系立ってい
て順序よくストーリーが流れ、スンナリ受け入れることができ視聴しや
すかったという印象ですね。
・現実世界と異世界のギャップ
そして一番上手いと思ったのが両世界のギャップですね。
・異世界ではサクサクと脳天気な展開をみせながらも
・現実世界では
・「内閣府超常現象対策局」という謎組織と不気味な上司・阿久津
・お隣さんにはヤンデレJC
という不穏な空気が漂い、今後の展開が非常に気になるなっと。
両者のバランスが程よい感じなのも好印象のひとつですね。{/netabare}
作品的にはどう進んでいくのか全く読めないですが、第1話としては上々
の滑り出しだったのでは。初回1時間は伊達じゃなかったなと。
今後大化けするか出オチで終わって失速するかを含めて、暫し注目して
いきたい作品ですかね。{/netabare}
・第2-3話:落ち着いた味のある会話劇が個人的には好み
{netabare}2話では現実世界メインで
・佐々木の初任務で「非正規の異能者組織の一斉摘発」。
・しかし敵の能力は強力で、佐々木ら内閣府超常現象対策局は壊滅状態に。
→ 佐々木の交渉術でこの場を手打ちに持ち込む。
・危地を救われたお礼に星崎とお食事に。(星崎はまんざらでもない様子w)
→ 星崎はJKであることが発覚!
(普段は厚化粧と高飛車な言動で年齢を誤魔化していた模様)
・帰り道に(ホームレスっぽい)魔法少女と遭遇。
3話は異世界メインで、スローライフかと思いきや
・佐々木が拠点とするヘルツ王国で隣国との戦争が勃発。
・佐々木は、そこの領主ミュラー子爵から支援物資の調達を依頼される。
→ 佐々木は見事依頼を完遂するもミュラー子爵は戦死。
・ミュラー家の跡目争いが勃発。
→ その争いから危険を避けるために、ミュラー子爵の娘エルザを預かる
ことに。
意外と異世界もきな臭い展開でした。
・「歳の差ラブコメ」をやりたいのか?!
・星崎さんはJKだった
・前出のお隣さんヤンデレJC
・敵のリーダーも見た目は少女
(彼女にも気に入られ、仲間に誘われる)
・魔法少女
・ミュラー子爵の娘エルザ(盛り髪少女)
ヒロイン候補が何故か少女ばかりなんだよなw
「歳の差ラブコメ」を狙っているのか、意図してそういうキャラばかり登
場させている感じがしますね。
・落ち着いた味のある会話劇が個人的には好み
この辺、早くも評価が分かれているようですが、
・「佐々木×ピーちゃん(星の賢者)」
・「佐々木×ミュラー子爵」
の会話劇が
・落ち着いた大人の感じで、杉田さん他声優陣演技も味があり良き。
・セリフにも味・センスがあり、これもなかなかに良き。
って感じで、個人的には結構高評価ですかね。
まあ人によっては退屈と感じるところもありそうですが・・・
という感じで、個人的にはここまではまずまずの評価といったところ。
ただここからギアを上げていくとなると伸び代があるのかは、少々疑問に感
じるところではあったかな。
物語に何かしら基軸が欲しいところですかね。{/netabare}
・第4-7話:やはり会話劇は好みだが・・・評価下方修正⤵
{netabare}>佐々木は見事依頼を完遂するもミュラー子爵は戦死。
ミュラー子爵は実は生きていたようですね。
(戦で敗走するも、政敵を炙り出すために偽情報を流した模様)
ミュラー子爵との会話劇はやはり味があり、個人的には好みかなっと。
ただ他の要素が・・・
現世では
・魔法少女とのバトル
(魔法少女は異能者を憎み、殺してまわっている模様)
・「非正規の異能者組織の一斉摘発」の際、対峙した敵のリーダー
→ 二人静さん、佐々木の職場に転職?!
などエピソードは進むのですが、イマイチ面白くないんですよね。
なんというか、現世と異世界の相乗効果的なものを期待してたのですが、
それそれ別物って感じで漠然と2つの世界を見せられている感じですね。
>物語に何かしら基軸が欲しいところですかね。
杉田さんや悠木さんらの演技は素晴らしく会話劇は◎ですが、肝心の物語
は何を見せられているのかちょっと疑問符ですね。
まあラスト2話位であっと驚く展開でもあれば、最終的には手のひら返し
になるんでしょうが、正直厳しい感じがしてきましたね。
7話ラストでエルザが異世界の荷物に紛れて現世にやってきたので、ここ
に隣のヤンデレJCが絡めば何かが起こるかもですが、さてさて・・・{/netabare}
・第8-9話:危険信号・・・ちらかしただけで終わりそうな
{netabare}>7話ラストでエルザが異世界の荷物に紛れて現世にやってきたので、ここ
>に隣のヤンデレJCが絡めば何かが起こるかもですが、さてさて・・・
特に2人がエンカウントすることもなく、まあ無難に終わりましたね。
佐々木のエルザを諭すような接し方など、その辺りの声優の演技はやはり
上手いなって感じで物語自体も点で観る分には悪くなかったですが、全体
像でみると「このエピソード意味あるんか?!」って疑問符でしたね。
それから初期の数々の設定等
・久しぶりの上司・阿久津に「そういやそんな人物やそんな設定だったけ」
・ヤンデレJC久々の登場も「ただ登場しただけ」で見せ場なし。
そういや星崎さんや魔法少女も長らくみてねーなw
・二人静さんも8話で重要任務を任されたが、9話は異世界メインでテンポ
が悪くて仕方ない。
>現世と異世界の相乗効果的なものを期待してたのですが
2つの世界が逆に足を引っ張りあってテンポが悪く、数々の設定も持て余
し気味に見えてきたのでかなり危険信号ですね。
また異世界の方も、佐々木の周りが不幸に巻き込まれているだけで、佐々
木自体は基本行商等順調なんですよねw
今もお世話になったマルクさんが、政敵の策略により投獄されたので救出
るすために皆が奔走中。
脳死で観る分にはそれなりって感じですが、冷静に振り返ると
「異世界での山場の話がこれなのか?!」
って感じで、これもどうなのかと。
う~ん、杉田さんや悠木さんらが演じるキャラはよかっただけで終わりそ
うな・・・{/netabare}
・第10-12話:可もなく不可もなく
{netabare}少し持ち直した?!って感もありますが、冷静に考えると
・中だるみが酷く、それから比べると相対的にそうみえるだけ
・いうても大きなバトル2つぶち込んだだけやしなあ
→ 「ピーちゃん無双」はカッコよかったが、そこまでバトルに魅力
はなかったかなあ
ってところで可もなく不可もなくって感じですかね。{/netabare}
(最 終)
・「異世界」のスローライフをみせたい
→ 「現実世界」のごちゃついた設定がノイズに感じる
・「現実世界」の波乱万丈ぶりを描きたい
→ 「異世界」が挟まってきてテンポが悪い
という感じで、本来なら2つの世界の相乗効果で面白くみせたいところが、
逆に足を引っ張り合っているという印象ですかね。
あと例えば
「佐々木の幸福の最大化」
的な基軸みたいなものが前面に出てれば、もう少し面白みもあったように
思うのですが、
「漫然と2つの世界のエピソードをみせられている」
という創りも残念だったかなっと。
>う~ん、杉田さんや悠木さんらが演じるキャラはよかっただけで終わり
>そうな・・・
この辺りの会話劇は味があって面白かったんですけどねえ・・・
これも全体像でみるといろいろごちゃついていて、それを最大限に活かせ
る創りでもないんだよなあ。
全体的に嫌いではなかったので、まあドンマイって感じでw