吸血鬼アニメ映画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の吸血鬼成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月18日の時点で一番の吸血鬼アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.4 1 吸血鬼アニメランキング1位
傷物語 鉄血篇(アニメ映画)

2016年1月8日
★★★★☆ 3.7 (1695)
13028人が棚に入れました
それは3月25日― 春休みのある日のこと。
私立直江津高校に通う高校二年生・阿良々木暦は、
偶然に学校一の優等生・羽川翼と知り合う。
彼女の口から飛び出したのは、最近出没するという「金髪の吸血鬼」の噂だった。

普段人との関わりを避けているものの、気さくな翼のことを好ましく思う暦。
その夜、暦は噂の吸血鬼と遭遇する。
“怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。
金髪金眼の彼女は、四肢を切断され、周囲に血を撒き散らしながら、暦に助けを請う。

求められるままに、キスショットに自分の血を与える暦。
次に目覚めたとき、彼は彼女の眷属に生まれ変わっていた。戸惑う暦に、キスショットは告げる。

「ようこそ、夜の世界へ―」と……。

声優・キャラクター
神谷浩史、坂本真綾、堀江由衣、櫻井孝宏

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

作品紹介もどきレビュー

Ⅰ鉄血篇 (三部構成の第一弾)

本編:約60分

2015年1月8日 全国ロードショウ
(全国ロードショウ 有り難い!名古屋まで行かなくても地元で観れる!)

仕事がちょうどシフト休みだったので初日に観に行けました。
2回目のお昼からの上映でしたが、お客さんの入りは平日だからか?地方だからか?
4~50人と、ちょっと少なかったです。(多分地方だからだよね^^;)
おかげでそんなに周りを気にせず楽に観れました。

 物語シリーズの始まり「傷物語」やっと観ることができて嬉しかったです。
でも、まだ三分の一なんだけどね^^;

阿良々木 暦とキスショットとの運命の出会い 
たっぷりと時間を使ってて、そりゃぁもうドキドキでした。

まだ第一部なので、羽川、キスショット、忍野メメとの出会い→うんぬんまでなんですが、60分が あっという間でした。
ホント もう終わり?って感じ!
これから!って所なので、気持ちはうずうずしまくりです。
(はぁ~だれかなんとかしてくれ~って感じ!)
Ⅱ熱血篇が2016年夏公開予定なんですが、待ち遠しいよ・・・

映像は、よく動いてました!
もう紙芝居なんて言わせない! なんてw
キャラデザは、TV版より綺麗でした。
特にキスショット大人ver.は、美しい大人女性で、セクすぃーです!
でも、阿良々木君の方は、たまに こいつ誰?って感じのキャラデザシーンもあったりwしてます^^;
それ以外だと、たまに「おそ松さん」に出てくる感じのギャグ風な絵が一瞬入ったりしますが、それも含めて殆どTV版と変わらず、あのまんまですかね?!
あとは、海が実写(シャフトだから)っぽかったけど、あれ、描いてた映像だったら凄く綺麗ですな!
(でも・・・うん、多分 実写だと思うけどw 素人なので間違ってたらごめんなさい)



個人的感想

ファーストシーズンのアニメ『化物語』(全15話)では、すでに阿良々木君は吸血鬼もどきでした。
どうしてそうなったのか?解らず観始めた人が殆どだと思います。(自分も)
『化物語』観終え、好きな作品となったので、どうしても最初の話が知りたくて、後に原作「傷物語」だけ読みました。
内容は、ネタバレになるので書きませんが、これ読んだらキスショットが大好きになりました。
それまではガハラさんだったけど、キスショット押しにw !
だって、こんなエピソード知っちゃったら・・・ね。。。 (。・ ω<)ゞてへぺろ♡

なので原作知らない人が、この「傷物語」を最後まで観終えたら、僕みたいにキスショットのことが好きになっちゃうかも。。。です!(@≧Д≦@)


僕的に言えば
待ちに待った傷物語!
待ったかいがあった内容でした!
欲を言えば、3部に分けないでほしかった・・・
けど、それで120分に詰め込みすぎて作品の質が落ちるのも嫌だけどw
あとはTVアニメで観たかった・・・気もします^^;


物語シリーズが好きな人なら、お金払って映画館で見る価値は十分ありますよ!
そうでない人でも、後にでるDVDをレンタルして観て損はない話だと思います。

久しぶりに映画館で観て興奮しました。
楽しかったです。
勿論 お気に入り棚へ!です。
次も必ず映画館で観ますよ! (`・ω・´) キリ

投稿 : 2024/12/14
♥ : 47

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

儂を助けてやると‥‥‥

原作未読 約60分

傷物語三部作の第一作目

初日、観てきました。満員でしたね〜 待ちに待ったお話です^^

阿良々木 暦とキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(忍野忍)との出会いとエピソード、化物語の前の話いわゆる物語シリーズの原点となるお話です。

作画が背景、キャラとともにリアルすぎて気味が悪いぐらい凄かったです。でもコミカルなシーンもありましたね。

各キャラの感想は
阿良々木 暦、初々しいかった、羽川 翼、めがね&三つ編みおさげ(久しぶり)で初々しいかった&可愛い、忍野忍、綺麗&可愛い&幼かった、忍野 メメ、久しぶり&かっこ良かったです。

テンポよくお話が進み、これからというときにあっという間に終わりました。

ちょっと硬派な感じの傷物語、テレビシリーズような切り替えも健在で、物語シリーズが好きな方は是非観てくださいね。おススメです^^

夏に上映予定の次回作「傷物語 熱血篇」が今から楽しみですね(前売りチケット買ってしまいましたw)

最後に、公開記念のキスショット・アセロラドリンク(ミニミニドーナッツ添え)を買いました。ミニミニドーナッツは、本当にミニミニでしたねw

投稿 : 2024/12/14
♥ : 29
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

6年間も待たせやがって

待たされすぎて興味はほぼ尽きかけてましたが(笑)
OPで大仏がドーンと出てくるハイセンスっぷりや、忍野メメ登場シーンの格好良さに絶頂ヌレヌレでございます!

それにしても、これは相当尖った作風でしたね。
TVシリーズのようなキャッチーな要素を期待してるファンを全力で殴りにかかってきてます。
時系列を弄って、羽川とのシーンの前にアレを冒頭に持ってきた意図としては、
まず最初に、これがTVシリーズとは違う作風なのだと明確に示しておきたかったのでしょう。
おかげで速攻で頭を切り替えて、作品に没頭することができました。

まあとにかく、映像作品としては文句のつけようがありません。
冒頭シーンは原作未読で初見だと意味不明なんですが、モノローグなしの映像だけで
「阿良々木君に何かとんでもない事態が起きている」ということが、息詰まる程の緊張感をもって伝わってきます。
そう、何と言っても、いつものモノローグがないんですよね、この映画。
その代わりに、細かな息遣いや表情でキャラの心情を表現しています。
{netabare}(ただ、血塗れのキスショットを発見して逃走→助けに戻るという、
この場面での阿良々木君の心情変化は、映像だけだと説得力に欠けてるように思えた){/netabare}

終わり方が中途半端なのはいただけませんねぇ。
なぜ三部作なのか。その辺の事情は何となく想像はつきますが、
これは三部作というより「傷物語」という一つの作品を三つに分割しただけなんじゃないでしょうか。
「鉄血篇」と銘打っておきながら、観終わって「鉄血篇・完」という印象を持てないのは、正直かなりマイナス。

アーティスティックな演出技法でブイブイいわせてるシャフトさんが、
「映画」というメディアで持ち前の芸術性をTVシリーズ以上に爆発させたかのような作品。
そこに見惚れるか、芸術性(笑)と切って捨てるかは、人それぞれ。
会話劇中心のTVシリーズとは別ベクトルで、観る人を選ぶ作品になっています。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 26

77.0 2 吸血鬼アニメランキング2位
傷物語Ⅱ 熱血篇(アニメ映画)

2016年8月19日
★★★★☆ 4.0 (568)
3761人が棚に入れました
高校二年の春休みに、美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・
ハートアンダーブレードと出会った阿良々木暦。四肢を失い、瀕死の状態に
あった彼女を助けた暦は、しかし自らも吸血鬼になってしまう。

人間に戻るためには、奪われたキスショットの四肢を取り戻さなければならない。
怪異の専門家・忍野メメの助言を受けた暦は、過酷な戦いに乗り出していくことになる。


彼の前に待ち受けているのは、
身長2メートルを超える巨漢である吸血鬼を狩る吸血鬼・ドラマツルギーと、
巨大な十字架を自在に操る半吸血鬼(ヴァンパイア・ハーフ)のエピソード。
そして、吸血鬼退治を専門にする、物静かな人間・ギロチンカッター。

はたして暦は、3人の「敵」から、キスショットの四肢を奪い返すことができるのか? 
雨がそぼ降る3月最後の夜、血戦の幕が静かに上がる―。

声優・キャラクター
神谷浩史、坂本真綾、堀江由衣、櫻井孝宏、入野自由、江原正士、大塚芳忠

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

阿良々木暦と3人の吸血鬼ハンターの死闘

さて、傷物語 第二章 熱血編

原作 一切未読

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードから四肢をもぎ取った3人の吸血鬼ハンターと阿良々木暦の死闘が描かれます。

テレビ版と比べて非常に凝った作画と音楽であっという間に視聴し終わったと思ったら、70分弱でした。

登場キャラ
阿良々木暦
羽川翼
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード
忍野メメ
ドラマツルギー
エピソード
ギロチンカッター

最後の3人が吸血鬼ハンターで、ハートアンダーブレードの指示通り、1対1での決闘となります。
なんで、阿良々木くんは急に強くなったの?とか突っ込みどころ満載だが、前作に続いてパンツがすべてを許すという構成になってます。
終物語下巻放送直前の連続制作と言うことで、感動とか衝撃と言うよりは、お祭り的要素が強く、ここまで見といて飛ばすとか考えられないということで・・・
もちろん。第3章を観終えて初めて正当な評価、という作品でしょう。

印象的なEDは、フランス人ジャズ歌手「クレモンティーヌ」の歌う「etoile et toi」。
代表作は日本のアニメソングをボサノヴァのリズムに乗せて歌った「アニメンティーヌ」というCD。
このEDが気に入った人は是非とも聞いて夏にぴったりの音楽「ボサノヴァ」を味わってみてください。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 26
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

傷物語第2章は、半端に眠たい鉄血篇と、切なくて感傷的な冷血篇をつなぐ、「熱血」の名にふさわしい吸血鬼ハンター達との死闘がつづくのだけど、見どころは美麗な作画に尽きるので、

まあこれ単体で観る人もいないだろうってことで、
第3章への橋渡しよろしく、サクサクと話は進む。
だから、きっと、あまり細かいことは気にしないで
見飛ばして行っちゃうのが正解なんだろう。

暦が、無闇やたらといいオトコなのが違和感があって、
羽川との会話シーンで、コメディ寄りに落とそうとするのだけど中途半端・・・
というか、会話シーンはギャグパートっていうお約束が
完全に崩壊している・・・

見せ場は、羽川については、
第1章からのお決まりでパンモロだったりパンツ頂戴(←!)だったり、
やっぱ、化物語と比べて巨大化し過ぎてておかしいぞ?
の偽乳疑惑だったりしがちだが、
いちばん綺麗なのが、
{netabare}暦とエピソードとの決闘を傍観している最中に、
エピソードの投げたどでかい十字架に横っ腹を抉られて、
血と臓物を思い切りぶちまけつつ身体を回転させながら倒れるシーン!
ここホント綺麗で、陶酔してしまう。{/netabare}

それともうひとつの見せ場が、
キスショットちゃんが、
{netabare}キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード姐さんへと、
不思議なメルモちゃんばりの超速二次成長を
視覚化・微エロサービスしてくれるところ{/netabare}

という作品なんで、
もう完全にマニア向け。
としか言いようがないし、
単体での評価も、しようがない。

この作品を、前後の鉄血篇と冷血篇を見ないで、
これだけ単体で観賞しようという無謀なチャレンジャーが、
もしもいるなら、ぜひ評価をうかがいたい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 26
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

自己犠牲‥‥

原作未読 70分程

傷物語三部作の第二作目

化物語に繋がるお話のIIです。Iの鉄血篇を先に観ることをオススメします。

今回も初日に観に行きました!

リアルでかっこいい阿良々木くんにもだいぶん慣れましたね。

今回は特に羽川翼さんが頑張ってました。

羽川さんといえば、いつものセリフ(何でもは知らないけれど、知っていることだけ)と{netabare}パンツ{/netabare}、今回も{netabare}パンツ{/netabare}がキーパンソンのひとつでしたねw(ちょっとやりすぎ感がありましたが^^;)

鉄血篇ほどインパクトはありませんが、バトルは凄まじかったですね。そしてよく動く、動く、動きました。

お約束なコミカルなところもあり少々脱線したところもありましたが、羽川さんと阿良々木くんが青春物語という感じがしました。途中ウルっとしたところもありましたね。
{netabare}
阿良々木くんがワザと羽川さんを突き放すシーン(結構きつかったですね)、それを理解している羽川さん、阿良々木くんが羽川さんを助けるシーンなど、2人の関係は化物語で恋人同士以上の関係だったのもうなずけますね。
また、羽川さんがエピソードの巨大な十字架で切られた時、阿良々木くんの血で治していましたが、そうなると羽川さんも吸血鬼にはならないのでしょうか?
{/netabare}

タイトルにあるように阿良々木くんは熱血漢いっぱいで、羽川さんの魅力もいっぱいの作品でした。吸血鬼が主体なので血がよく出てきます。グロな表現もあるので観る方は気をつけてくださいね。

さて、どんな結末を向かえるのか最後のIII冷血篇楽しみですね(公開予定1月6日)チケット買ってしまいましたw

今回もキスショットアセロラ{netabare}(コーラ){/netabare}ドリンクについているコースターの言葉をタイトルにしました。今回のドーナッツは前回よりちょっと大きかったですねw

最後に、次回の予告篇の上映がありましたが{netabare}最後の羽川さんのセリフ「ノーブラでもみもみして~」は{/netabare}ちょっと引きましたw

投稿 : 2024/12/14
♥ : 24

81.7 3 吸血鬼アニメランキング3位
傷物語Ⅲ 冷血篇(アニメ映画)

2017年1月6日
★★★★☆ 4.0 (525)
3521人が棚に入れました
〈III 冷血篇〉は暦と怪異の別れを描く

ドラマツルギー、エピソード、そしてギロチンカッター―
怪異の専門家・忍野メメの助力も得て、3人の強敵との戦いに勝ち抜いた阿良々木暦。

彼はついに、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの
四肢を奪い返すことに成功する。
すべては、普通の人間に戻るため……。

しかし再びキスショットのもとを訪れた暦は、吸血鬼という存在、
その恐るべき本質を知ることになるのだった。
決して取り返しのつかいない自分の行為を悔やみ、そしてその顛末に困惑する暦。
後悔にさいなまれる彼の前に現れたのはほかでもない、暦の「友人」羽川翼だった。
そして彼女が暦に告げた、ある提案とは……。

声優・キャラクター
神谷浩史、坂本真綾、堀江由衣、櫻井孝宏、入野自由、江原正士、大塚芳忠
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

怪異譚の始まり 夜のお伽噺

シャフト制作。

怪異譚の始まりがここにある、
化物語の前日譚、こよみヴァンプ最終章。

吸血鬼との邂逅、羽川翼との出会い、
独特でダークな映像と会話の妙がある、
全編を通じて陽が登らない夜のお伽噺である。
劇伴「鉄血篇エンドロール」「スパシーボ!」必聴です。
不穏な音に痺れますね。

ここまで登場人物が少ないのに、
どうして映画が成立するのか、
ほんとに不思議なシリーズです。

忍野メメの真骨頂でしょう。
{netabare}どちらかが死ぬぐらいなら、
お互いが苦しむことを選択する。
苦しみを分かち合い、そうやって生きていく。
これは傷を舐め合う血の物語なのです。{/netabare}

人間側の正義と化物側の正義、
それぞれの倫理の対立、そして阿良々木暦の覚悟、
私もまた今日を生きていこうと誓う。

これがシリーズの始まりである。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 48

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

21世紀の千夜一夜物語 第一幕の終演 良心の問題

2017年公開の劇場版アニメ 傷物語第3章 完結

原作 西尾維新 総監督 新房昭之 監督 尾石達也 制作 シャフト

2009年化物語冒頭で描かれたキスショットの壮絶な物語がようやく完結。
ついに物語シリーズは時系列的完成を見た記念碑的作品です。
初めて物語シリーズが世に出たのは、2005年の「ひたぎクラブ」で、
化物語の刊行は翌年2006年、「傷物語」は2008年に執筆刊行されたようです。

化物語の最終話(2010年)で傷物語制作発表されていたのにもかかわらず、
発表は2016年~2017年ということで、その間に大量の続編放送がありました。
わずか1年間の物語に、まるでシェエラザードの千夜一夜物語のような多様な語りで視聴者を虜にしたシリーズですが、
まずは一区切り、終わってはいませんが。

阿良々木暦が「ドラマツルギー」「エピソード」「ギロチンカッター」を倒したため、
今回の登場人物は非常に少ない。

阿良々木暦 CV神谷浩史
羽川翼   CV堀江由衣
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード CV坂本真綾
忍野メメ  CV櫻井孝宏

そして、化物語につながる物語の最終章が始まるわけです。
他人を救うための自己犠牲で負った傷は現実はともかく、物語内では勲章です。
この作品は10年近く前に書かれた前作品の序章と言う位置づけの、
あまり挑戦的な作風ではありませんが、自己犠牲という名の良心を問われる物語です。
しかし、グロに次ぐグロ、その先にある心の優しさなどまともな感覚ではないとも取れます。

人は人を食らう人ならざるものを許すという感覚を持つことが出来るのか?
その答えは「化物語」から続く長い一年間で考えされされることになります。

シェエラザード(シェヘラザード)は7世紀ササン朝ペルシアの女性。
ペルシアのシャフリアール王は処女を集めてハレムを造り関係したのちに殺していた。
シェヘラザードは王のハレムに志願し、王の閨で一つの物語を語ると夜が明けた。
彼女は千一夜のあいだ物語を語り続け、王の子を3人作り、王は人の優しさを学んだという。
これは、「千夜一夜物語」の外枠物語で「シンドバット」や「アリババと七人の盗賊」などは内枠物語。

追記
大人気の羽川翼と阿良々木暦の乳に触る触らないのシーンですが、
吉川英治の「宮本武蔵」の巌流島の戦い直前の武蔵とお通の発情シーンを思い出したのは私だけでしょうか?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

化物語の前日譚の「第3弾」に該当する本作は「赤く濡れて黒く乾いた血の物語…決して癒えない僕たちの大事な傷の物語…」

ここまであっという間…気が付いたら第3弾に到達してしまった気がします。
これまで視聴してきた2作はどちらも1時間そこそこ…
実質2時間ちょっとしか経っていないのだから当然といえば当然なのですが、内容の濃密さが余計に体感時間を加速させるのでしょう…

阿良々木 暦とキスショットは可能性の低いと思っていた賭けに勝利しました。
これもキスショットの持つ吸血鬼としての能力が結果的に功を奏した訳ですが…

キスショットが歩んできた道程…
時折見せるキスショットの本気の笑顔がとても印象的だったと思います。

でも、心に沸々を湧き上がる違和感が払拭できない…というか徐々に大きくなっていくんです。
それは化物語で最初に見た忍とのギャップです。

本作に登場するキスショットは大人…けれど、化物語に登場する忍はどうみても子供…
そう、容姿にギャップが有り過ぎるんです。

だから本作の一番の見どころは、傷物語がどの様に化物語に繋がっていくのか…という点に尽きると思います。
でも物語の展開上その予兆は一切無く…心の折れるような出来事が突然やってくるんです。
心の準備なんてしている余裕は微塵もありませんでした。

少なくてもこれまで間違った事をしているとは思わなかった…
振り返っても決して間違った行いは無かったと思います。
唯一違うとすれば、たまたま立場が違っただけ…
ただそれだけ…
なのに、僅かなその違いはその後の道筋を真逆に違えるに十分足り得た…という事実だけが取り残されてしまうんです。
そしてその事実は一人の人間が背負うにはあまりに重すぎました…
だから自分の良心への呵責に悩まされるかは別にしても、逃げてもきっと誰も文句は言わなかったと思います。

ううん、正直軸足はだいぶそっち側に向いていたように思います。
だから思います…
彼の友人である彼女は心底優しいと…
言っていることだけなら残酷にも捉えられるその一言一句の裏には、彼の未来に禍根を残したくない、という何とも彼女らしい優しさが感じられるではありませんか…

だから彼女も全力全開で彼に挑みました。
言い方はとてもソフトだったけれど、微塵の隙間もなく否応なしに納得せざるを得ないロジックが展開されたと思います。
彼女の言動の理由は、それがお互いがお互いのままでいられる唯一無二だときっと知っていたから…
ちょっぴりへたれだったのは間違いなく彼の方…
でも、勝機ゼロの戦いに向かおうと決意させてもらったのは事実です。

次の瞬間、画面いっぱいに広がる死闘…死闘…死闘…
その死闘を見ていて思いました…
「これじゃ誰も報われない」という事を…
だからこんな感じでは絶対終わって欲しくないと思っていました。
だって私の愛すべきキャラ像とかけ離れていましたから…
こんな風に壊して欲しくないよ…

阿良々木 暦とキスショットが紡ぐ決意と懇願の物語…
そして死闘の裏に潜む真実に気付いたのは彼女…
どこまで行ったら立ち止まれるのだろう…
どれだけ血を流したら優しさに気付くのだろう…
今言わなきゃ絶対後悔する事を悟った彼女は事態に対して身を呈する事を厭いませんでした。

本懐は遂げられなかったのかもしれない…
この結末は残酷だったのかもしれない…
でも、彼の目から溢れる無色透明な血液は、彼の優しさの証だったと信じています。
だから一緒に歩んでいくと決意した…
ラストの笑顔にそんな彼の強い意志を感じた気がします。
きっとこれ以上無い最高の形で化物語に繋がったと思います。

この作品を視聴したら、化物語がもう一度見たくなりました。
化物語に登場するキャラをもう一歩深掘りしながら視聴できる事に喜びが感じられると思うから…
視聴して良かった…待って良かったと思えた作品でした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 22

76.0 4 吸血鬼アニメランキング4位
続・終物語(アニメ映画)

2018年11月10日
★★★★☆ 3.8 (343)
1914人が棚に入れました
高校の卒業式の翌朝。顔を洗おうと洗面台の鏡に向かい合った暦は、そこに映った自分自身に見つめられている感覚に陥る。思わず鏡に手を触れると、そのまま指先が沈み込んでいき……。気がついたとき、暦はあらゆることが反転した世界にいた。

2018/11/10より全国劇場にてイベント上映開始!

声優・キャラクター
神谷浩史、斎藤千和、加藤英美里、沢城みゆき、花澤香菜、堀江由衣、喜多村英梨、井口裕香、早見沙織、井上麻里奈
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

怪奇現象学

シャフト制作。

現代の萌え怪奇絵巻、文学的鬼太郎。
その名も「こよみリバース」である。

大学入学を直前に控えた、
{netabare}阿良々木暦の摩訶不思議な鏡の国の冒険。{/netabare}

原作はあまり心に響かず期待薄でしたが、
独自の絵が付き、音が入り、命が吹き込まれ、
オールスターキャストの豪華な共演が、
娯楽として驚きの仕上がりを見せています。

{netabare}ロリコンサービスショットに、
セクシー羽川猫、表情豊かな斧乃木余接、
艶っぽい臥煙遠江の初登場!?など、
見所満載のシリーズ総決算になっています。{/netabare}

妹だけが変化のない、とある日常を巡り、
街を彷徨い、その謎の核心に迫る阿良々木暦。
{netabare}彼の心残りが原因で、歪み共鳴した異質な世界。
そこから無事に帰還できるのか!?
パロディ、メタ展開、余白を繋ぎ、
最後はツインテールと笑顔の衝撃波である。{/netabare}

やはり楽しい物語ですね、
次なる物語への跳躍でしょう。

大学編があればと期待しています。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 50

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

鏡開き

高校を卒業した阿良々木暦。
起床して顔を洗うと鏡が奇妙な事に気づく。
鏡の中に入り込み、反転した世界へと行ってしまったのであった。

まずは、鏡について。
日本では鏡は神聖化。
神の依り代として奉られています。
それは何故か。
鏡に映る姿を神と同一化していたから。
鏡=かがみ=「か『が』み」
神の中に我(=自分)を入れています。
漢字表記だと「ネ『我』申」
日本古来の宗教である古神道の考え方の説明でした。

鏡の中の世界が裏側の世界、というのは良い設定ですね。
元の世界へと戻るべく奮闘する阿良々木君。
登場人物は、元の世界の裏側設定の人格が現れています。
表があるから裏がある。
当然の事ですが、案外忘れがち。
鏡というと反射を浮かべる人が多いですからね。

高校を卒業して大学へ入るまでの不安定な時期。
しかも合格発表が、まだ済んでいませんからね。
心に余裕と緊張が同居するごちゃ混ぜな心情。
阿良々木君でなくても不安でしょう。

本作品で、本当に阿良々木君たちの高校生活は終わります。
立つ鳥跡を濁さず。
反省はしても後悔はしないように。
大学生になった阿良々木君を少し垣間見れるのが『花物語』
物語シリーズのファイナルシーズンですが、大学生編があってもいいですよね。
大人姿の八九寺真宵や死んでいる設定だった臥煙遠江、
出番の少なかった老倉育などのキャラにも光を当てました。
鏡だけに「光を当てる」……
阿良々木君たちが関わる怪異譚。
続編を期待しています。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不思議な世界

原作未読 上映時間 約150分

テレビアニメ放送(未定)に先駆けて6話分を劇場版としてひとつに纏めて公開した作品です。

阿良々木 暦が私立直江津高校を卒業して、大学入試の合格発表前の出来事を描いています。朝、洗面所の鏡に映る自分を不思議に思ったあと、その鏡の中に引き込まれたお話です。

キャラデザは、テレビアニメ版と同じなので違和感なく観れました。

いつもの阿良々木暦の一人語りがメインで、色々なキャラとの会話劇もたくさんありましたね。{netabare}(まさか神原 遠江(臥煙)さんまで出てくるとは思いませんでしたw){/netabare}

女性キャラがほぼ登場しますが、いつもと違った面が観れました。
{netabare}
成人になった八九寺真宵、レイニー・デヴィル姿の神原駿河、クチナワ口調の千石撫子、ブラック羽川や少女姿の羽川翼、背が低くなった阿良々木火憐、人間の時の忍野忍、ツインテールの戦場ヶ原ひたぎ、表情や仕草が豊かな斧乃木余接、学ランを着た(男性?)忍野扇、そして老倉育さんだけは最初誰だか分からないくらい容姿や性格が変わっていましたねw
阿良々木暦の女子制服姿で真剣に語っているところは、ちょっと笑ってしまいました。
{/netabare}
PG12作品ということで、やたらと下着姿や裸のシーンが多かったですw

化物語の世界を満喫しました。この作品の特徴として、アクションシーンが少なく会話する時間が長く、150分もあるので退屈するかもしれませんね。

テレビ放送はいつになるのでしょうか? 早く観たい方で、化物語シリーズが好きな方は観てもいいのではないかと思います。

ED TrySailさんが歌っています。

最後に、原作の物語シリーズはまだ続いているにゃ~。またTVアニメか劇場で続きを観たいシャシャシャ~。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 28

73.2 5 吸血鬼アニメランキング5位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (169)
1081人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
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とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 28
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ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

吸血鬼と人間の間に生まれたダンピールの美しくも切ない物語

原作既読(小説)

吸血鬼ハンターシリーズはOVA含めて2本アニメ化されています。
OVAはちょっと可愛いデザインで、中々入り込めにくい作品ですが、この作品はDの世界をよく表現した作品ですね。
キャラクターデザインも原作の挿絵を担当している天野喜孝さんがキャラクター原案として参加しているところがあって、イメージが原作と重なり入り込めやすいです。

お話は、遥か未来の吸血鬼が支配する世界。不老不死、不死身の肉体、超人的な力、超常現象、異世界の魔物などを生み出して人間を奴隷扱いにしている各地の吸血鬼を倒すために旅をしている美しき青年”D”の物語です。ダークファンタジーですね。

とにかく吸血鬼やその他の魔物が細かく書かれていて怖いですね。

主人公であるDがかっこいいです。つばの長い帽子(旅人帽)をかぶり背中には長刀を背負い全身漆黒の格好、そして口数も少なく、馬(アンドロイド)に乗り走る姿は素敵でしたね。{netabare}(特に冒頭の月に照らされたシーン){/netabare}

2001年制作と思えないほど、背景や人物の作画が綺麗で今の作品と比べても全然違和感がありません。

バトルも非常に凝っていましたね。スピード感があり、色々な能力を持った魔物との戦いは面白いです。

お話も1時間40分の中にきちんと収まっています。オススメです。
{netabare}このシリーズの最後の見せ場であるDの微笑が観れて良かったですね^^{/netabare}

最後に、この作品はDの小説3番目”D妖殺行”を元となっていますので、もし気に入った方は是非原作も読んでみてくださいね。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 25
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るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

天野嘉孝さんの絵が動いています! 度肝を抜かれた気分で参ったw

原作:菊地秀行
監督:川尻善昭
ブランド:マッドマウス
ジャンル;吸血鬼/伝奇モノ・103分
内容は”あにこれ”の粗筋で充分。

観た方の心に斬りつける正に映像美に尽きます。
キャラクター原案の天野嘉孝さんは、ロマサガやFFのキャラデザインでご存知の方も多くいると想います。人を惹きつける癖のあるタッチで妖艶かつ幻想的な雰囲気と描かれ一度観たら忘れないインパクトある絵。
あの独特の絵を描き起す再現力を観た瞬間、圧倒されました。
キャラだけではなく中世を彷彿させる街並み・荒廃した背景でも世界観を魅せてくれます。

また、主人公のDが寡黙で芯ある男らしい姿に痺れるんですよね。語りも重厚な世界観を潰さない静かな台詞回し、圧倒的な強さを描くバトルシーンから目が離せないです。
相乗効果として格調高いBGMが演出を高め、1シーンがクライマックスとさえ感じさせる絵の強さが伝って来るので、もっと見せろ! となりますw
絵とバトルだけ繰り返し観ているとゲーム感覚に近い爽快感に似た気持ちにもなりました。私だけかもしれませんね、すいませんw 

内容もシンプルでわかりやすくテンポも良いので映像美と音楽を壊さず、最後の結末も巧く素晴らしい余韻です。

不満は1つだけです。{netabare} カロリーヌ とのバトルをカットしすぎです! どんなバトル演出かと期待していたら一瞬で斬られたw{/netabare}

絵に抵抗なければ世界観・映像美に満足する作品です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 24

65.4 6 吸血鬼アニメランキング6位
BLOOD THE LAST VAMPIRE -ブラッドザ・ラスト・ヴァンパイア(アニメ映画)

2000年11月18日
★★★★☆ 3.6 (188)
851人が棚に入れました
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア)は2000年から展開された、Production I.G制作のメディアミックス作品群。少女と怪物が繰り広げる戦いを描いたホラーアクション作品。
【ストーリー】1966年ヴェトナム戦争のさなか、日本の横田米軍基地内のアメリカン・スクールに、ひとりの日本人少女・小夜が転校してきた。彼女の正体は、闇に生き暗躍するヴァンパイア・キラーであった…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ハリウッド映画の監督たちに影響を与えた作品

セーラー服を着た少女が怪物相手に日本刀を振り回しぶった切る。
怪物は翼手と呼ばれるヴァンパイア、そして少女の正体は?
という2000年に公開されたホラーアクション作品。

企画協力に押井守氏 制作はProduction I.G。
パッケージジャケットを観ていただければおわかりのように、
主人公 小夜はものすごく筋肉質で、口元もへの字で表情も強張った感じ。
可愛いってキャラからは程遠いタフウーマン。

個人的にはこの作品の後 2005年に放送された『BLOOD+』の小夜のほうが好みだが
こちらの小夜のほうが好みという人もいるかもしれない。
その『BLOOD+』と話は繋がっていないものの、予習として観るのはおススメ。

とにもかくにも、彼女の強さは圧倒的な迫力。
無駄のない動きで、怪物たちを叩き斬る姿はなかなかのもの。
舞台となるのは1966年の日本。
ベトナム戦争の最中である横田基地内のアメリカンスクールに
転校してきた小夜が、謎の組織による監視のもと、怪物を倒すべく探索するという物語。

登場人物の多くがアメリカ人という設定なので、セリフは英語。
主人公である小夜の声は流暢な英語を話し、ハリウッド映画界でも活躍している
数少ない日本人女優の工藤夕貴。ちなみに英語のセリフは字幕つき。
そのせいもあるが、全体の雰囲気からアメリカ映画を観ているような錯覚をしかけた。

1話完結の映画スタイルなので、話の内容はシンプルそのもの。
若干物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれない。

が、ジェームス・キャメロン、クゥエンティン・タランティーノ、
ウォシャウスキー兄弟など、ハリウッドを代表する映画監督達に
多大な影響を与えた作品なので、観る価値はあると思う。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 39
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えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

大好物です(^^♪

結論から言ってしまうと、
ダークファンタジーで、
ホラーな猟奇譚で、
吸血鬼の物語なので、
{netabare}もちろん、大好きな作品です!

そしてそれだけでなく、
ひと息つけるシーンも、ギャグも一切なしで、
陰鬱で凄惨な展開で押しまくるスタイル、
たまりません!!

本当は元々ホラーは苦手なんですけど、
吸血鬼を、強く脆く、哀れな生き物として描く感触が絶妙。
その吸血鬼を、駆逐し殲滅し殺戮するサヤの、
滅びゆく彼らに立ち会うときの表情と憐憫、
死に逝くモノへの哀悼と共鳴。

そして。
サヤはあっさりと、
謎の存在として表舞台からは消えてしまって、
でも
その生きて来た痕跡だけは残して。

たっぷりの余韻と、
不思議なカタルシス。

全部が、いいです。
緻密な演出も、
独特の世界観も、
暗くて激しい作画も、
美しく悲しいアクションも、
大好物なのでした。
それはもう、{/netabare}とてもとても。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 19
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四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

BLOODシリーズの原点にして、最高にクールなこの劇場版は、押井カラーの暗さ残しつつ、神山健治脚本が、シンプルでスピーディで上出来なアクションホラーで、

本編自体が短いから、息つく暇もないぐらいの早さで、
ベトナム戦争当時の東京郊外の夜の闇の中、
異形のヴァンパイアと太刀もつ小夜の肉弾戦が、
リアルかつグロテスクに繰り広げられる。

日本刀を振り回す、決して美形でない女の子(?)が好きなら、
そして当然だけど、血が飛び散るのがOKなら、
これは一度は見ておかないと。

何しろ、私の場合、最初に大スクリーンでこれ見ちゃったせいで、
のちの、このシリーズの実写版もTVアニメ版も、
全然心に響かないぐらい、
強いインパクトをくれた傑作で、
最近では、意外と公開当時ほどには評価されていないのが残念。

特にTVアニメ版では、
{netabare}主人公にいろいろ伏線盛り過ぎたうえに、
TVスタイルに小奇麗なキャラデザになっちゃって、
さらには当然のように日本刀とか血とかに意味づけしたりで、
アニメ的お約束な中二設定しまくって、{/netabare}
まあ随分とシラけさせられた。

作品中では、日本刀を使う旨味が実によく描かれているのが秀逸で、
サーベルや銃の攻撃が点の殺傷力であるのに対して、
{netabare}日本刀の強みである、線または面の攻撃力、すなわち、
敵の急所を突けなくても、切り払うことで破断面積が多く稼げるならば、
結局失血死に至らしめられる、という、
戦国殺法=実際、日本刀での斬撃には、腿とか腕とかを狙って刃こぼれを抑えながら敵を出血で撃退する、というのがあって、
この殺法にのっとった、大量出血をさせることによって敵を殲滅する殺し方が、
ヴァンパイア相手には有効だというところがきれいに描かれていて、
これが活劇としてもみごとに作画に反映されて、{/netabare}
画面を引き締めてくれるので余計に気持ちいい。

ほとんど唯一のギャグシーンである、
{netabare}「Fake!!」って小夜が叫ぶシーンも、
対敵中でのんびりしてる間もないんで、
見てるこっちも一緒になって前のめりになる始末で、{/netabare}
まあとにかく、オチも含めて、スタイリッシュでクールなんである。

実写版やTVシリーズ見た方には、
ぜひこの世界観を味わって頂きたい作品。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 18

66.7 7 吸血鬼アニメランキング7位
劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞(アニメ映画)

2013年8月24日
★★★★☆ 4.0 (109)
721人が棚に入れました
監督はテレビアニメ版、OVA版も手がけたヤマサキオサムが担当。脚本の藤澤経清、キャラクターデザイン・総作画監督の中嶋敦子も、同じくテレビ版、OVA版から続投する。アニメーション制作はスタジオディーン。キャストも同様に、千鶴役の桑島法子を筆頭に、三木眞一郎(土方歳三)、森久保祥太郎(沖田総司)、鳥海浩輔(斎藤一)、吉野裕行(藤堂平助)、遊佐浩二(原田左之助)、津田健次郎(風間千景)ら、ファンにはおなじみの顔ぶれが並んでいる。

声優・キャラクター
桑島法子、三木眞一郎、森久保祥太郎、鳥海浩輔、吉野裕行、遊佐浩二、津田健次郎

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラストでの「土方推し」に基本構造の無理が残るものの映画としての再構築の成功に賞賛を

乙女ゲー原作史上、稀に見る豪華スタッフに支えられた傑作シリーズを改めて劇場版としてリブートさせた第1章


テレビアニメシリーズで言うところの第1期シリーズ全12話に当たる部分をよくある“総集編”というカタチではなく完全な新作として作り直しております
設定も原作やテレビシリーズとは多少異なっております


○元治元年三月、雪村千鶴が新撰組と初めて会った時点で既に山南さんが左腕を負傷している
○池田屋事件では四国屋にいる土方へと伝令に走った千鶴でしたが今作では直接池田屋に向かっている
○原田と不知火が初めて戦うのが公家御門ではなく池田屋
○千姫さまが未登場(当然ながら君菊さんも)
○平助が御陵一派から新撰組へと復帰する油小路事件を一部カット
○雪村綱道が早くも登場、変若水と羅刹の真相をあらわにする
○南雲薫に唆されて変若水を飲むことになる沖田ですが今作では自らの意思で羅刹となることを選択する


とまあ、ざっと目に付いたところでは以上の点がテレビ版とは異なります
全12話、劇中の時間にしておよそ4年弱
千鶴と新撰組の出会い~鳥羽・伏見の戦いに至るまでの膨大なエピソードを見事90分強という尺にまとめあげたことは大変素晴らしいと思います
『なのは』や『スタドラ』は少しこーゆー作品を見習うべきです


完全新規の映像もまた、テレビシリーズの特に第1期で顕著だった不安定な作画やぬるい色彩を改めました
特に「鬼の視点から視た世界」なる灰色掛かった背景描写、羅刹や鬼がその本性を発揮する際のオーラのエフェクト等はクオリティが高く、世界観を美しく彩っています


それにしても劇中での藤堂平助の扱い
これは恐らく最も賛否の分かれる所かもしれません
千鶴と歳が近いこともありトモダチ感覚で「千鶴」、「平助くん」と呼び合う仲の二人は恐らく今作で最も近しい距離感です
油小路事件など、視聴者のカタルシスを揺さぶり易いエピソードもある平助はどうも監督もお気に入りのようで、かくいうオイラも『平助ルートでいいんじゃね?』とすら思うこともありました
ですがそれだと後半で新撰組の責任を一手に背負ってしまうことになる土方の立つ瀬が無い
今作でもやっぱり最後にオイシイところを持っていくのは土方
メインキャラ(この場合パッケージキャラとも)の魅力がサブキャラに負け気味というのはどうもいただけません
こればっかりは薄桜鬼というシリーズの基本構造上どうしても脱却できないジレンマみたいなものだと思います


いやまあしかし、薄桜鬼シリーズに限らず新撰組を題材にした作品群の本質ってのは【イケメン達が敗北し続ける】哀愁感と【散り散りになりつつも仲間を信じ続ける】絆の強さにあるとオイラは思ってます
第2章は来春とのこと、率直に楽しみであります


EDテーマはシリーズではお馴染みの吉岡亜衣加
今作も素晴らしい新曲を携えてスクリーンに歌声を響かせていますよ

投稿 : 2024/12/14
♥ : 12

敦賀迷彩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

えっヾ(゚д゚ )三( ゚д゚)ノ"?

オトメイトの作品ですが、意外や意外良く出来てました(*´・ω・`)bよ

新撰組を題材に、池田屋、負け戦敗走を描いているのでお話しは惹かれます。

声優さんと音楽、五つ星⭐(*´・ω・`)bよ

後々、登場人物もね(*´・ω・`)b

投稿 : 2024/12/14
♥ : 11

にゃろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

一味違う薄桜鬼(*´ω`*)

TVアニメのリメイク版という感じです。
ストーリーの流れは、まるまる1期と同じでした(*^^*)

映画の尺に上手くまとまってはいましたが
その分シリアスさが増したかなと思います。
TVアニメの1期は、新選組の和気あいあいとしたシーンも見所だったので
それが全くと言っていいほど無くなったのは、ちょっと残念です(;_;)

しかし、新しいシーンが多々あったり
それでいてTVアニメの名シーンなんかはそのまま残っていたりして
それなりの見応えはあったと思います(*´∀`)♪

なにより戦闘シーンが格段とカッコよくなってます!
躍動感があり凄い迫力を感じます!
千鶴の腕試しをしたときの斎藤一とか
最後の風間千景と土方歳三の戦いとか
めっちゃカッコよかったです(*´ω`*)

薄桜鬼ファンなら見ても損はないと思いますよ!

映画館で見るともっと感動できたんだろうなぁ。
第二章も楽しみです(^^)/

投稿 : 2024/12/14
♥ : 10
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