友情で小説原作なおすすめアニメランキング 32

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの友情で小説原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の友情で小説原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.1 1 友情で小説原作なアニメランキング1位
響け!ユーフォニアム2(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (1601)
7177人が棚に入れました
吹奏楽コンクール京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部は、強豪ひしめく関西大会に向けて練習を開始する。
臨時講師の先生も迎えて、レベルアップに勤しむ久美子たち。
しかし、そこへ昨年退部した傘木希美がやって来て……!?

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、藤村鼓乃美、山岡ゆり、種﨑敦美、東山奈央、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、沼倉愛美、久川綾、中村悠一、桑島法子、櫻井孝宏
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第2期も文句なしの良い作品でした!

原作未読。
高校の吹奏楽部を舞台にした『青春群像劇』の第2期。
第1期を未視聴に方は、必ず第1期を先にご視聴下さい。

【第1期~第2期を通しての感想】
この作品の一番の魅力は『リアルさ』だと思う。

京アニだけに作画がリアルなのは言うまでもない。特に背景や演奏シーンなどは圧巻だ。
それだけではなく、登場人物や物語も、物凄くリアルに描かれている。

【主人公の久美子】
彼女は、最近のアニメにありがちな万能型の主人公ではない。
彼女は(誤解を招くかもしれないが)、あくまでも『ストーリーテラー』にすぎない。
事件の核心に触れ、我々視聴者に伝えてはくれるが、事件の解決に直接的な役割を果たす訳ではない。
そのせいで、彼女が事件の解決現場にいなかった{netabare}『あすか問題の解決編』があっさりと片付けられてしまい、本作のファンの間でも物議をかもしたほどだった。(この件については、後述します){/netabare}
しかし、逆にこういうところが実にリアルである。

【夏紀(ポニテ)先輩と優子(デカリボン)先輩】
第1期から良い人全開だったポニテ先輩。
第1期は困ったちゃんだったが、第2期に入って良い人指数急上昇のデカリボン先輩。
この二人は、いつも何だかんだと言い合いをしながら・・・。
実にいいコンビだ。

【サファイアとカトちゃん】
第1期は見せ場もあった二人だが、第2期は作品全体を和ませる、重要な息抜きシーン要員。
あと、吹奏楽や作中の小道具について分かりやすく説明してくれる役割も、自然な形で果たしていた。

【終始圧巻の神回・第5話】
三日月の舞のフルバージョンは演奏が明らかに1期よりレベルアップ。
作画・演出も、新しいカットと1期&劇場版と同じカメラ割のカット(微妙に違うような気がするので、きっと新しく作り直したのではないかと?)を織り交ぜるなど京アニのこだわりを感じられた。
{netabare}
カトちゃん、めっちゃ良い娘。
何か言い合いしているポニテ先輩とデカリボン先輩。「ケンカするほど何とやら」本当に微笑ましい光景。
熱いあすか先輩。これでみんなが燃えないはずがない!
2期に入って良い人指数急上昇中のデカリボン先輩にも、見せ場があった良かった。

演奏中のみぞれが表情豊かに、動く!動く!

麗奈のトランペットソロとみぞれのオーボエソロの間が、私の涙腺崩壊ポイント。
楽しかった思い出たちが涙を誘う。

全国が決まった時の希美先輩の表情が絶品。
Cパート最後の久美子とみぞれの会話で、ここまでの流れを綺麗に総括。
{/netabare}

【多くの人が理解に苦しんだ第10話】
あすか問題の解決編。私も視聴直後の感想は『理解できない!』でした。
{netabare}あれ?こんな解決法で良かったの?
『あすかが全国模試で30位以内』
あのヒステリママがそんな事で許しちゃうの?
わざわざ学校にまで乗り込んできて大騒ぎした、あのヒステリママが・・・。

「しばらく部活を休んだ結果、全国模試で30位以内になりました」では「大学進学を考えたら、部活を辞めることが正解」という結論しか導き出せない。これではむしろヒステリママの思うつぼでは?
むしろ『部活をつづけた状態で全国模試30位以内→その結果を盾に部活を続ける』展開の方が理解しやすい。
(いや、これでは『あすか問題』自体が発生しないのか(笑))

久美子が泣きじゃくりながらあすかに本音をぶつけたシーン・・・。
非常にいいシーンだと思いました。だけど・・・。
そもそも、久美子や部員たちの本当の想いなんて、あすかは誰よりも良く知っているでしょ!
それに、あすかの心を変えるのが目的ではなかったよね?
あすかの母親の心を変えることが、あすかが全国大会に出場するための『条件』だったよね?
いつの間にか、「久美子があすかの間違った考え方を正す」みたいな感じになってしまっている。
「母親から強要されている」あすかが、「母親を説得して復帰する」流れが正解でしょ?{/netabare}

しかし、第1期から愛し続けたこの作品。
『最終話目前につまづいている場合ではない!』と一念発起し、自分なりに1週間必死に考えて、自分なりの結論を導き出してから11話を視聴しました。
以下は、私自身のモヤモヤ感、解消のためのレビューです。原作未読組の独りよがりな自己解釈です。御容赦下さい。m(__)m
そもそも悪いのは、あすかとあすかママの最終決戦が全く描かれなかったせいなので・・・。
あと、飛ばしてもらっても結構です。(^^;)独り言みたいなモノなので・・・。
{netabare}
あすか問題が明らかになるのは第2期7話。あすかの母親が職員室を訪れたことにより発覚する。
しかし、第1期13話の演奏前のあすかのセリフ。
「ずっとこのまま夏が続けばいいのに・・・」
からも推測されるように、かなり前からあすか母娘の間では議論されていたと思われる。そして、母娘の間では『夏までは部活を続けて、秋になれば部活を辞めて受験に専念する』的な約束が交わされていたものと想像される。

ところが、関西大会も勝ち抜いて、全国大会出場が決まってしまった。
副部長としての責任感もあっただろう。
あすか自身も認めるように『欲が出て』しまったせいもあるだろう。
あすかはズルズルと部活を続けてしまう。
恐らく、母娘の間ではその後も話し合いが持たれたであろう。
しかしあすかは「今、副部長の私が抜けることは出来ない」的なことを言って、退部を拒み続けたのではないだろうか?
このままでは「らちが明かない」と考えた母親がとった行動が、あの『学校訪問』ではなかったのではないだろうか?

あすかは、最後の一瞬まで母親の説得を諦めていなかったと思いたい。

初めは簡単にできると思っていた母親の説得が、思いのほかてこずってしまう。
初めは部員たちに「大丈夫!」と明るく振舞っていたあすかも、徐々に余裕を失っていく。
そして、万が一母親の説得に失敗した時のことを考えて、夏紀に後を託したのではないだろうか?
そして部員達には変な期待を持たせないように、復帰を諦めた風に振舞っていたのではないだろうか?

あすかが探し求めていたのは母親を説得するのに必要な『盾と剣』。
『盾』は全国模試。
しかし、『剣』が見つからない。『剣』とは母親に反論を許さない『言葉』。

そして第2期10話の久美子とあすかが対峙する場面。
何度も見返しているうちに、私にはこのように見えた。
  久美子=仮想・あすか
  あすか=仮想・あすかの母親
(さあ、私を言い負かせてみなさい!)
前半。久美子の言葉に対し、理路整然と言い負かすあすか。
ここまでの展開は、直前の、かおりと晴香があすかの説得をしていた場面にも重なる、全く同じ展開だ。
しかし・・・。
「あすか先輩と本番に出たい!私が出たいんです!」
泣きじゃくりながら発した久美子のこの一言から形勢が逆転する。
「子供じみてて何が悪いんですか!」
あすかの反論が止まる。

あすかが久美子の頭を撫でるシーン。
あすかの表情はうかがえないが、顔は紅潮し、口元は緩んでいるように見える。
ストレートに見れば『久美子の気持ちが嬉しい』表情なんだろう。
しかし私には『剣が見つかった!これで母親を説得できる』という表情にも見えた。
あすかが見つけた、久美子から教えられた『剣』とは『自分の本当の気持ち』
理路整然とした大人ぶった言葉ではなく、子供じみた、だけど、自分の心の奥底にしまい込んだ本当の気持ち。
それは『父に演奏を聴いてもらいたい』という気持ち。
このあすかの想いにだけは、さすがの母親も反論できないだろう。

「この前の模試のことで話があるって・・・」
葵の言葉に、その場を走り去るあすか。
あすかは「全国模試30位以内」という『盾』も手にする。

『盾と剣』を手に入れたあすかは母親の説得に成功し、吹奏楽部に復帰を果たす。
{/netabare}
しかし、疑問も一つ残る。それは、あすかの母親はなぜ『駅ビルコンサート』だけは参加を認めたのか?
いや、違う!{netabare}あすかは母親の許しを得て参加したんじゃない!
母親の目を盗んで参加したんだ!
仕事か何かで母親が不在なのをいいことに・・・。{/netabare}

以上、長々と勝手な自己解釈を書き込んでしまい失礼しました。m(__)m

【最後に】
後に『名作』として語り継がれるであろう作品を、リアルタイムで視聴していることに、毎回、喜びを感じていました。

本気の京アニの恐ろしさ。皆さんもぜひご堪能下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 160

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

奇跡は努力の先にあった!(祝:第2期総集編劇場版公開決定)

※他のレビューアーの方からの指摘のあった誤字を修正。(2018.11.24)

原作小説『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部の一番熱い夏~』(第2巻)および『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部最大の危機~』(第3巻)のアニメ化作品です。

先に『響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ!~』がアニメ化されており、本作はその続編にあたります。

なお、本作を2期目から観ても良くわからないと思いますので、1期目から観るかもしくはストーリー的には1期目の総集編となっている劇場版をご覧になってから本作を観ることをおすすめします。

たぶん1期目には2期目でキャスティングされるキャラクターたちがちゃんと画面に映っていて、例えば続けて一気見しても違和感なく観られると思うのですが、そのことこそが本作の「奇跡」といえます。

本作でメインキャラクターのひとりとなる2年生の鎧塚みぞれですが、1期目から合奏の場面でオーボエ奏者としてしばしば画面に登場しています。ですが、実は第2巻は1期目制作中には刊行されていなかったのです!

ではなぜ2巻の設定を踏まえたみぞれ先輩が1期目からいるのかというと、原作者の武田綾乃先生から、京アニは2巻のプロットや草稿を提供してもらいそれをアニメに反映したというのです!

傘木希美が1期目最終回で吹奏楽コンクール京都府大会の観客席に現れるのもそういう事情によるものです。

誰にも2期目を約束されていないうちから、本作はそういう努力をしてきたのです。OP「サウンドスケープ」の歌詞にある通り♪奇跡が努力の先にあるなら 限界は私が決める!♪という具合に本作は制作に取り組んで、それが報われたわけなのです!

演出に必要なら同じ曲を異なったイメージに聞こえるように何度も録音し、小説の記述に合うよう作曲し、楽器作監を立て、演奏に合うよう運指やブレスの作画をして、そうした努力の先に奇跡の作品が生まれたと思っています。

本作5話では作中での吹奏楽コンクール自由曲「三日月の舞」フル演奏で、一切の台詞無しに演奏描写のみを見せるという前代未聞レベルの超絶演出をやっていますが、それも1期目からの演奏描写の積み重ねがあって初めて成立可能なのだと思っています。

実に、大変な作品に出会えたと思っています。

2016.12.30追記:
そういえば本作品のもうひとつの奇跡は、こんな作品づくりをする音響監督(台詞/BGMとも)がTVアニメに関わっているってことでしょうか。

特に台詞は、ドラマや洋画の吹替えを連想します。今風のアニメにはあまり無い感じで凄く良い芝居でした!
(これが商業的に正解かは、わかりかねますが…。)

== ↓これにサンキュー下さった方もいるので置いときます。 ==
5話久美子がTV観てるシーンが凄い。(←放送終了まで自重とは書いたけど…)

「フルートの音に苦しむ」から真っ先に連想するのがキカイダーのギルの笛とは、なんというおっさん…。
原作小説既刊分すべて既読です。以下、放送終了まで自重(笑)。(評価も保留)

→ 2016.11.03追記
5話で久美子がテレビで強豪校の演奏を観ているシーンですが、なんと画面からの光で久美子の服の色が微妙に変化しているのです。

予告映像で気づいたのですが、なんというこだわり映像なんでしょう…。
(アホやろ、京アニ…(笑))

→ 2016.10.14追記
第2回「とまどいフルート」においてみんなプールに行ってて水着なのは、原作に沿ったものです。京アニがわざわざそういう演出にしたのではないので、原作未読の方は勘違いなさらぬようお願いします。

なお、明日香先輩と香織先輩の水着が黒白色違いのお揃いというのも原作の記述通りです。

「わざわざ水着回を入れる必要などない」という意見がネット上で散見されたため、念ため。

→2017.1.7追記
ちなみにプールのシーンですが、原作では水着の部長もいました。部長の水着はあすか先輩、香織先輩とお揃いではありません(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 132

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

個性が息づいている作品です

響け!ユーフォニアム2は前半部と後半部とに大きく分かれています。
どちらとも個々の部員の内面にこだわった内容で、涙があふれてきます。

■前半部
今まで全く目立たなかった2年生の鎧塚みぞれを中心に描かれています。

みぞれの心の弱さ、おくびょうな性格には、感じるものがあります。

人間は誰でも心のどこかに弱い部分を持っています。
だからこそ、根暗だったみぞれが、あるきっかけで明るくなったとき、私は嬉しくなりました。

おそらく「自分も変わることができる。成長することができる」と感じたからだと思います。

変化した彼女の吹くオーボエはこの上なく温かく、彼女の笑顔は天使のように愛らしかった。

ちなみに、このときの吉川 優子の頑張りは見事でした。
一生懸命努力したからこそ、みぞれの心に強くうったえることができたのだと感じました。


■後半部
強いカリスマ性を持っている田中あすかを中心に描かれています。

だが、彼女も一人の女子高生でした。
悩みもあるし、涙も流します。

あすかにとって、吹奏楽部の人間関係など、どうでもよいことでした。
彼女はユーフォさへ吹ければ、それでよかったのです。
ユーフォを吹いている時だけが、父親と語り合える唯一の時間だったのです。

そんな彼女に、ある選択を迫られる出来事が発生します。
それは彼女にとって、とてもつらい決断でした。

このときの黄前ちゃんの行動は見事でした。
いつもは人畜無害そうな顔をしているのに、心を貫かれました。


■全体を通して
主人公の黄前ちゃんは、前半部でも後半部でも、巻き込まれキャラでした。
そして、この物語は前半部と後半部とで、それぞれ心を貫く衝撃があります。
珠玉の感動ではありません。まさに心をえぐるような感動です。
見終わった後、見て良かったと必ず思います。

ちなみに、ここではポニーテールの中川夏紀が4月の頃に比べて人間的にも大きく成長している様子がうかがえます。
友達の傘木希美を懸命に応援する姿や、自分へのメリットが全くないにもかかわらず、田中あすかやみんなのために懸命に頑張る姿勢には、思わず脱帽します。
夏紀は来年、誰からも慕われる立派な副部長になるでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 129

85.9 2 友情で小説原作なアニメランキング2位
リズと青い鳥(アニメ映画)

2018年4月21日
★★★★★ 4.1 (572)
2363人が棚に入れました
北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当している鎧塚みぞれと、フルートを担当している傘木希美。

高校三年生、二人の最後のコンクール。
その自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。

「なんだかこの曲、わたしたちみたい」

屈託もなくそう言ってソロを嬉しそうに吹く希美と、希美と過ごす日々に幸せを感じつつも終わりが近づくことを恐れるみぞれ。

親友のはずの二人。
しかしオーボエとフルートのソロは上手くかみ合わず、距離を感じさせるものだった。

声優・キャラクター
種﨑敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、杉浦しおり、黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、桑島法子、中村悠一、櫻井孝宏
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あの子は青い鳥

山田尚子監督作品、脚本吉田玲子。

群像劇としてのユーフォニアムから、
思春期の少女2人の機微な心情に焦点を当て、
より先鋭化した形で描写され提示される、
あまりにも美しく儚い旅立ちの物語。

足音の効果音が印象的に導入され、
2人の未来を象徴するかのように、
違う歩幅で、リズムで共に歩いて行く。
{netabare}ここでは大きな物語は、徹底的に排除され、
日々の練習風景と少女の心情のみが反復される。{/netabare}
少女たちの所作の1つ1つがあまりにも美しく、
その機敏な運動の中に、身体の美を見ました。

内向的なみぞれと明るく社交的な希美。
{netabare}童話「リズと青い鳥」が詩的に象徴するように、
それぞれの現状と未来に不安を覚え始める。
微妙な距離を生む対比された2人の感情、
上手くかみ合わないオーボエとフルート。{/netabare}
小さな青い鳥の幸せとは何でしょう。
ここにあるのは少なからず誰もが通過する、
イニシエーションではないでしょうか。

少女の美しさと儚さの一瞬を切り取り、
残酷さまでもドキュメントした記念碑的作品。
それでも前途ある未来を輝き解き放って欲しい。

私の大切な宝物となりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 127
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

山田尚子監督が目指していたものをやり切った、実写的表現の到達点

アニメーション制作:京都アニメーション、
監督:山田尚子、脚本:吉田玲子、
作画監督・キャラクターデザイン:西屋太志、
音楽:牛尾憲輔、美術監督:篠原睦雄、
色彩設計:石田奈央美、原作:武田綾乃。

揺れるポニーテール、廊下を歩く足、瞬く瞳。
静かな劇伴が流れるなかのふたりの情景。
絵柄は滲んだブルーを基調とし、透明感のある色彩。
響く足音、キャップを開ける音、楽器を組み立てる音。
様々な生活音を拾い上げていく。
細部まで徹底的なこだわりを感じさせる。
思わず息を詰めて観てしまうような静謐感が作品全体に流れている。

私は冒頭のシーンを観たときに、この感覚はどこかで味わったような気がすると、
鑑賞中にずっと考えていたのだが、
それは岩井俊二監督の『花とアリス』だった。
岩井俊二監督のなかでいちばん好きな作品だが、
それを初めて観たときのような鮮烈な印象を受けた。
眩いばかりの透明感を重視した絵作りだ。

『リズと青い鳥』は『響け!ユーフォニアム』シリーズの続編に位置づけられる。
田中あすかや小笠原晴香たち3年生が引退した後の
春から夏にかけての一部分を切り取った物語。
しかし、シリーズ名がタイトルに入っておらず、
単体で観られることも意識して制作されている。
私は原作を全巻既読で、TVアニメも映画も過去作品は
全て鑑賞済みなので断言はできないが、
初見の人でも十分に楽しめるのではないかと感じた。
人間関係は観ていれば、ほとんど理解できると思うし、
基本的には鎧塚みぞれと傘木希美の関係性についてのストーリーのため、
それほど分かりにくくはないと思う。
ただ、もしかするとみぞれと希美の依存といえる関係性が理解できず、
物語に入り込めない人がいるかもしれないが、
そんな友人同士の繋がりもあると考えてもらうしかない。
これは、いびつな形ですれ違い続ける愛と嫉妬の物語だ。

アニメ的な手法よりも実写的なカメラワークを
意識しているシーンが多く見られる。
足の動きや手の動き、会話の「間」などで、心情を表現している。
また、感情を表すような目元のアップシーンが多い。
アニメではなく、実写ではよく使われる手法だが、
この作品では重視されている。
そして、被写界深度を意識した絵作り、
つまりカメラの焦点とボケを意識している点はシリーズと同様だ。
物語にはそれほど大きな起伏がないため、
好き嫌いが分かれるタイプの作風だが、
映画としての完成度はかなり高い。

{netabare} 特に素晴らしいと感じたのは冒頭のシーン。
何かの始まりを予感させる童話の世界から現代の世界へ。
まだ人があまりいない早い時間の学校に鎧塚みぞれが到着して、
階段に座り、誰かを待っている。自分の足を見る。不安げな瞳。
誰かがやってくる。
視線を向けるが、期待した人ではない。
そして、待ち人がやってくる。いかにも楽しそうで快活な表情、
軽快なテンポの歩様、揺れるポニーテール。
それに合わせて流れる明るいメロディ。
フルートのパートリーダーである傘木希美だ。
鎧塚みぞれは、それとは逆に表情が乏しく、口数も少ない。
彼女なりに喜びを表現して希美と一緒に音楽室へと向かう。
途中で綺麗な青い羽根を拾った希美は、それをみぞれへと渡す。
戸惑いながらも希美からもらったものを嬉しく感じるみぞれ。
この青い羽が、閉じられた世界の始まりを予感させる。

校舎に入り、靴箱から上履きを取り出すときのふたりの対比。
廊下に彼女たちの足音が響くが、その音のテンポは全く合わない。
完全な不協和音。ふたりの関係性が垣間見える。
みぞれは少し距離を置いて、希美の後に付いていく。
階段の途中の死角から希美が顔を覗かせてみぞれを見る。
希美は少し驚いたように、目を何度か少しだけ動かす。
教室に着いて鍵を開け、椅子と譜面台の並んだ誰もいない室内に
2人だけが入っていく。
吹奏楽コンクールの自由曲は、「リズと青い鳥」。
この曲を希美は好きだという。
そして、ふたりで曲を合わせてみるところで、
タイトルが映し出される。

この一連のシーンだけで気持ちを持っていかれるだけのインパクトがある。
とても丁寧で実写的で挑戦的な作風だと感じ、
私は思わず映画館でニヤついてしまった。

物語はみぞれと希美のすれ違いを中心にしながら、
それに劇中曲である「リズと青い鳥」の物語がリンクしていく。
童話のほうの声優にちょっと違和感がある。
ジブリ作品を見ているような感覚だ。
みぞれがリズ、希美が青い鳥の関係性として観客は見ているが、
最後にふたりの立場が逆になる。
みぞれの才能が周りをなぎ倒すようにして解放され、
美しいメロディを奏でる。
同じように音楽に真摯に取り組んでいたみぞれと希美の差が
明らかになる瞬間だ。

二羽の鳥がつかず離れずに飛んでいくシーンが映る。
左右対称となるデカルコマニーの表現。
そして、ふたりの色は青と赤。
心があまり動かずしんとした雰囲気のみぞれが青、
情熱的で人の中心になれる希美が赤だろうか。
このふたつの色が分離せずに混ざり合っていく。

みぞれが水槽に入ったふぐを見つめるシーンが度々出てくる。
おそらくみぞれは、水槽のなかのふぐを羨ましいと思っている。
仲間だけでいられる閉じられた世界。
そこが幸せで、ほかは必要ないと考えている。

この作品は意図してラストシーン以外での
学校外のシーンを排除している。
鳥籠=学校という閉じられた空間を強調しているのだ。
閉じられた学校という世界のなかにあって、
さらに閉じられた水槽内にいるふぐ。
それをみぞれが気に入っているというのは、
みぞれの心情を示している表現だろう。

たくさんある印象的な場面でいちばん好きなのは、
向かいの校舎にいる希美がみぞれに気づいて手を振り、
みぞれも小さく手を振って応えるシーン。
そのとき、希美のフルートが太陽に反射して、
みぞれのセーラー服に光を映す。
それを見てふたりがお互いに笑う。
言葉はないが、優しく穏やかな音楽が流れるなかで、
(サントラに入っている「reflexion, allegretto, you」
という曲で、1分20秒と短いがとても美しい)
何気ない日常の幸せをいとおしく感じさせる。

ラストシーン。歩く足のアップ。
一方は左へ、一方は右へと進んでいく。
希美は一般の大学受験の準備ために図書室で勉強を、
みぞれはいつものように音楽室へと向かう。
帰りに待ち合わせたふたりが歩く。
足音が響く。
ふたりの足音のリズムは、時おり合っているように聞こえる。
お互いに別の道を歩くことを決め、そこでようやく何かが重なり始めたのだ。
ふたりの関係がこれからどうなるかは分からない。
しかし、最後に「dis」の文字を消したところに、
いつまでも関係がつながっていて欲しいという作り手の願いがこめられている。{/netabare}
(2018年4月初投稿・2020年5月5日修正)

大好きのハグから続くラストシーンについて
(2018年5月11日追記・2019年3月15日修正)

{netabare}みぞれは希美の笑い方やリーダーシップなど、
希美自身のことを好きだと告白するが、
それに対して希美は「みぞれのオーボエが好き」だと言い放つ。
このやり取りは一見、ふたりの想いのすれ違いだけを
表現しているように感じるが、実はそれだけではない。

友人として以上に希美のことが大好きなみぞれにとって、
とても厳しく感じる言葉だが、これは希美自身にとってもキツイ言葉。
みぞれの才能を見せつけられて、ショックを受けているときだから尚更だ。
それなのに、敢えて言ったのはなぜか。
この言葉には、自分は音大には行けないが、
みぞれには、音大に行ってオーボエを続けて欲しいという
願いがこめられているのだ。
「みぞれのオーボエが好き」という希美の言葉がみぞれに対して
どれだけ大きな影響を及ぼすのかを希美自身は自覚している。
単に希美が自分の想いを吐露しただけではない。
「みぞれのオーボエが好き」は童話における、
一方的とも思えるリズから青い鳥への
「広い空へと飛び立って欲しい」と言った想いと同じ意味を持っている。

それは、帰り道に希美が「コンクールでみぞれのオーボエを支える」と
言ったことからも分かるし、それに対して、
みぞれが「私もオーボエを続ける」と宣言をしていることからも明らかだ。
しかし、このやりとりはどう考えても違和感がある。
つまり、希美はコンクールの話をしているのに、
みぞれは、コンクール後のことについて語っているからだ。
会話がすれ違っているように聞こえる。
ところが、そうではない。
つまり、ここでは希美が音大に行かず、
フルートを続けなかったとしても、
みぞれは音大に行く決意をしていることを示している。
これは希美の「みぞれのオーボエが好き」に対して
みぞれの出した答えなのだ。

実は原作では、音大を受験するかどうかの話を
みぞれが希美に問い詰めるシーンがあるのだが、
映画では、完全にカットしている。
その代わりに、左右に分かれていく足の方向と
図書館での本の借り出し、楽譜への書き込み、
最後の会話によって表現している。
「みぞれのオーボエが好き」という言葉が
みぞれの背中を押したという、別の意味を持たせているのだ。
そのあとの「ハッピーアイスクリーム」で
ふたりの感覚が足音のリズムとともに、ようやく一致したことを描いている。
また、みぞれが校門を出るときに希美の前を歩いたり、横に並んだりする。
切なさはあるが、やはりこれはハッピーエンドといえるのではないだろうか。

音楽については、フルートが反射する「reflexion, allegretto, you」と
ラストシーンで流れる静かだが心地良いリズム感の「wind,glass,girl」、
そして、字幕の時の「girls.dance,staircase」、
「リズと青い鳥」、Homecomingの「Songbirds」が印象的だ。{/netabare}

コメンタリーを視聴して(2019年2月14日追記)

{netabare}昨年発売された脚本付きBDを購入して、
本編とインタビューは手に入れてすぐに観たのだが、
脚本やコメンタリーは後回しになってしまっていた。
脚本を読んでみると、「リアルな速度の目パチ」など、
とても細かい指示がなされていて驚いた。
目を閉じ切らないまばたきも指示されている。
また、作画については「ガラスの底を覗いたような世界観」という
指南書が配られていたという。
映像では山田尚子監督の意図を確実に実現している。

そしてこの作品には3つの世界観が表現されている。
学校、絵本、そしてみぞれ(希美)の心象風景だ。
絵本は古き良きアニメを再現させるよう
線がとぎれる処理を行っている。
心象風景は、よりイメージ感の強い絵作りを意識したという。
希美が走る水彩画のようなタッチ。
左右対称の滲んだ色の青い鳥など。
これら3つの世界観が上手く活かされていて、
物語に彩りを与えている。

それに加えて、BDで解説を聞かないと気付けないのが、
生物学室のみぞれと希美のシーン。
最初から何段階かに分けて色合いを変化させている。
夕方の時間の経過とともに初めは緑っぽかった室内から
オレンジ系に少しずつ色を変えるのと、
カットごとに順光、逆光でも変化させている。
確かに言われてみて確認すると、
生物学室での色合いはとても繊細だ。

髪を触る仕種については山田尚子監督自らの発案。
曰く、みぞれがそうやりたいと言っていたから。
キャラが監督に下りてきていたそうだ。
また、「ダブル・ルー・リード」も監督のアイデア。
これは映画館で観ていたときから、
洋楽好きな監督が考えたことだろうと予想していたので、
インタビューを観たときは、あまりにもそのままで可笑しかった。
印象に残ったのが、スタッフのいわば暴露話で、
内面を描くよりも映像(ビジュアル)で見せたいと
昔に語っていたことがあったそうだ。
監督は昔の話だと恥ずかしがっていたが、
まさにこの作品はその方向性を貫いたといえるだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 122
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Agree to disagree

2018.11.11記


本作鑑賞にあたりTV版1.2期を視聴済


あにこれでも評価の高い、吹奏楽部員らの青春を描いた【響け!ユーフォニアム】のスピンオフ劇場版。TV版にも登場した傘木希美(フルート)と鎧塚みぞれ(オーボエ)の二人の関係に焦点を絞った物語です。
実はユーフォシリーズの出会いは本作がきっかけ。リアルでの飲み友達(非ヲタ)の職場同僚が劇中歌「girls,dance,staircase」{netabare}(Homecomings手前に流れるボーイソプラノのやつ){/netabare}を歌っている方のご家族だったから。…遠い(笑)

事前準備のつもりで観たTV版にドはまりし、本作に関しては、訳知り顔で「キャラのデザイン変わってんじゃん。なんだよー」と知ったかモードで公開から少し日の経った時期に劇場で鑑賞しました。結局・・・


 『間髪入れずに2回め行きました』 余韻忘れられず 『3週間後に3回目行きました』


2回目はひっかかりの解消を目的に、3回目は「みぞれのオーボエが好き」でもう一度劇場で音色を堪能したかったからが理由。当たり前ですが駄作と感じてればリピートはしません。
90分とやや短めの上映時間ながら濃ゆい時間が流れる至福のひと時。「ながら見、ダメ、ゼッタイ」良い意味で観客に緊張を強いる作品です。

TV版の視聴が必須か?は微妙なところです。理解に幅を持たせるためにTV版を観るに越したことないですが、本作は2人の少女の物語としてTV版と独立した作りになってますので単独での視聴も可能です。事前準備するなら、松:TV版コンプしてどうぞ、竹:2期1~5話を押さえてどうぞ、梅:YOUTUBEでそれっぽいの探してどうぞ、といったところでしょうか。
元からのファンはもちろんのこと、TV版がイマイチだった人、TV版観てない人もと間口広めです。タイトルに〝ユーフォ”を持ってこなかったことから意図は明白だと思います。


ざっとあらすじは、
少女(リズ)と青い鳥との出会いと別れを描いた童話「リズと青い鳥」を題材とした同名の楽曲をコンクールの自由曲に選んだ北宇治高校吹奏楽部。その曲中、オーボエとフルートの掛け合いパート、なかなか二人の息が合わなくて、、、
奇しくも掛け合いパートは少女と青い鳥の心情を表現しているとされる箇所。「出会い」「別れ」「リズの気持ち」「青い鳥の気持ち」曲の解釈に懊悩しながら、折しもリアルでは三年生が直面する「進路の選択」なども重なって、希美とみぞれの関係にも変化が生じていく。。。


山田監督の作風まさに真骨頂だと思うのですが、セリフ外の情報が極めて多いです。
背景絵、音、光の表現、表情だけではないキャラの仕草(足や手の動き、目線)、目にうつる全てのことは メッセージになってます。あ!耳もね。観客に緊張を強いる作品たる所以です。
わかりやすくてわかりづらい、解釈を観客に委ねてる分捉え方に幅があり、皆さんの感想読むのが楽しみでもあったりします。
少なくても進級、進学と環境が変わることを控えた局面、今までの関係がそのまま続くことはないことが見えてきたところでの各々の選択と決定に至るまでの葛藤など、時間が有限だからこそ輝きを増す青春というものに抵抗がなければ視聴をお勧めいたします。



以下、鑑賞済みの方向けのネタバレ感想です。

■合意できないことに合意する

{netabare}「disjoint」から「joint」までを見てね、冒頭と終幕の1カットに挟んだ監督からのメッセージはわかりやすいです。
「disjoint」数学用語で〝互いに素”互いに共通の公約数を持たない数の関係性を言うようです。一方「joint」は繋ぎ目や接合部とイメージしやすい単語ですね。
二人で一組、優子先輩もその境地には達することができなかった希美とみぞれの間に横たわる強い関係(とTV視聴組の私は思ってた)が実は混じることない別物で、って展開でした。

これ希美ファンにはしんどいかもしれない。2期1話宇治川のほとりで花火を見ながら高坂麗奈から弱さを理由にいったん逃げたと評された希美の弱い部分、みぞれの才能への嫉妬がはっきりと出てるから。ブランクはやはり大きかったのか?元々の才能の限界なのか?再入部前、〝韃靼人の踊り”の音色に誘われてやって来た黄前久美子に「フルートが好き」と笑顔を見せた希美を私たちは知っています。

一方みぞれファンにもしんどいかもしれない。せっかく2期4話で取り戻したみぞれの情緒がまた不安定になるから。みぞれの病的なまでの希美への依存は強いままだった。希美に拒否されることが何より怖い。希美がいれば羽ばたける。希美のために吹いた関西大会みぞれの〝三日月の舞”エモいオーボエソロ、舞台袖で見守る希美の1カットとともにホッと胸を撫で下ろしたことが昨日のことのようです。

自分にとって大事なものが、希美は『フルートが大好きな自分』、みぞれは『希美と一緒にいられる自分』。演奏にベクトルが向いてる希美と、その人そのものに向いてるみぞれで齟齬が生じてくるのは避けられませんでした。お互い求めるものが微妙にズレていて、その行き違いが切ないったらありゃしないのです。

それが顕著に表れたのがハグしてお互い好きなものを言い合うシーン。観た人には説明不要かもですが、、、
あそこでみぞれが「希美のフルートが好き!」って言えてれば万事解決、オールオッケーだったんでしょうがそうならない。お互いを大切に想っていてもどうしても相手が求めてるものを供給できないもどかしさ。全編通してそんな感じです。{/netabare}

{netabare}じゃあ「joint」とは何ぞや?
融合して一つになった、、、ってことではないですね。またそれがいいんだと思います。
あくまで繋ぎ目や接合部。お互い交わらないことを自覚して、それでもお互いを大切に想う気持ちを大事にしようという一点で繋がった二人。関係性の変化をこれまた冒頭とラストの二人の描写で表現しています。詳しくは言わんよ。

お互いが大事に思ってたはずの『フルートが大好きな自分』『希美と一緒にいられる自分』を相手に求めることを諦め、それでも

『自分を大事に思ってくれているみぞれ』(希美視点)
『自分のオーボエを好きと言ってくれている希美』(みぞれ視点)

を大事にしようと相手を思っての気持ちへと深化した(そう思いたい)、まさに希美とみぞれのためにある物語でした。諦めをともなって痛みに向き合って二人とも大人の階段を一段登りましたね。{/netabare}

{netabare}当初二人に対して感じた“しんどい”思いは、エンドロールが流れる頃には観る側にほろ苦さを残しながらも、今まで以上に希美とみぞれへの愛着を持たせる前奏となったのです。{/netabare}


主役を演じた種﨑敦美さん東山奈央さん。間や空気感を大事にする作品で、行間や吐息ひとつに想いを込める演技は素晴らしかった。特に希美役東山さんは本作のMVP、明るさとカラ元気、嫉妬と焦り、強がりと繊細さをないまぜたとても人間くさい希美を好演されてたと思います。
本職ではない本田望結ちゃんも及第点です。童話パートでの二役、本職でない女優を配置することで本編ストーリーと別物感が出てました。ジ○リっぽかったですね。あえて別物感を出しているけれど“少女と青い鳥”“希美とみぞれ”の心情はリンクはしていてっていう仕掛けは良かったです。{netabare}監督は望結ちゃんに演じ分けをしないよう指導してたとのこと、物語の筋を考えれば納得です。{/netabare}



「切ない真実に、あなたは涙する——」

本作のキャッチコピーです。ネタバレ畳んだとこの骨子に沿うと、{netabare}童話パートと現実パートの意味合い、麗奈と久美子の煽り、楽器に太陽光を反射させ合うシーン、進路で悩む二人、新山先生とみぞれ、みぞれのオーボエソロ、その他諸々、{/netabare}劇中一つ一つのシーンが二人の心情をよく表す計算しつくされた丁寧な仕事のように私には映りました。
劇場版にありがちな尺不足、説明不足を感じなかった、という点をもって高く評価するものであります。



■蛇足

女子ウケ良さそう

萌え萌えしてないし、思春期女子の考えそうなことと大きく脱線してない気もするので、敷居は低いです。女性監督というのも大きいかもしれません。

話のとっかかりとして、お薦め作品聞かれた時の回答として、使えるシーンはありそうです(無責任)。
相手が視聴済の場合には、男性諸氏は希美とみぞれの行動や言動についての共感、非共感を聞いてみると面白いと思いますよ。リアル寄りのキャラ設定ということで、一歩引いての客観的な感想というよりも自身の経験や考えを反映したものを披露してくれそうです。

意中の子だったらなおさら。
相手の考え方が良く分かる試金石になるやもです。その結果、「あ、これ脈ないや」との切ない真実に、あなたは涙するかもしれませんが、それもまた一興です。



-----
2019.02.22追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 93

87.5 3 友情で小説原作なアニメランキング3位
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)

2019年4月19日
★★★★★ 4.3 (423)
1952人が棚に入れました
昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

京都アニメーションについて

はじめに注意書き

本稿は 劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~ の要素をそれほど含みません。予めご留意くださいませ。


-------------

※本作に関する評価は評点にて

実は公開直後の2019年4月に本作品を劇場で鑑賞し、なにかしら書こうと思ってましたが筆が進みませんでした。

 「この続きの物語を早く観たい」

真っ先に沸き上がった感情がこれで、それ以上でも以下でもなかったことが理由です。

鑑賞後の感想が「続編早く観たい」だったので、その後の続編発表はなによりの朗報でした。無名の大学生の小説を発掘し素敵な物語に仕立て、数年かけて育ててきた魅力的なコンテンツ『響け!ユーフォニアム』。拙稿のTV版のレビュータイトルは1期2期を通じて “ モブはいない ” としております。
コンテンツの歩みは仕上げの工房から始まり、地方のハンデを乗り越えながら三十年以上かけて築きあげてきた実績と、一人一人輝きを見せるキャラクターたちは誰一人として欠けてはいけないクリエイター集団としての京都アニメーションという制作会社の実像とイメージを同じくするものでした。



2019年4月。
「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」の公開前後、京都府宇治市にある京アニショップの店頭ボードにはこのようなメッセージが添えられていました。


{netabare} 劇場作品を一本作り上げるには、すべてのスタッフが
一丸となって取り組まなければ乗り越えられません。
 クリエイターが、日々真摯に作品の制作に向き合うの
は勿論、制作を支えるスタッフも、クリエイターが自分たちの
作業に集中できるよう、最適な環境を整えてくれました。
 全てのセクションが毎日細かな情報まで共有し、遠く
離れたスタジオにいるスタッフでも、まるで隣の席にいるか
のように感じることができました。そして、時間との戦い
になっても、一人として諦めることはありませんでした。
 最後は、各スタジオのスタッフが一ヶ所に集まり、この作
品の完成を一心に目指しました。あの時の高揚感は忘
れることができません。一人として欠けては、この作品が
皆様のもとへ届くことはなかったでしょう。

 「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」には、
京都アニメーションとアニメーションDoの“いま”を余すこと
なく詰め込んでいます。映画を通して、私たちの想いを
感じていただければ幸いです。
 
 そして、ここから続いていく劇場作品もまた、同じように
大切な想いが詰まっていて、『京アニ映画year』はそうし
た想いが寄り集まって始まります。

 私たちの想いが、皆様に響きますように-----。

    京都アニメーション・アニメーションDo一同 ※原文ママ{/netabare}



届きました。響きました。


しかし、ここから続いていったであろう大切な想いが詰まった作品たちは現在足踏みまたはゆっくりと歩を進めている状況です。
「今暫く、時間をください。」「必死に戦っていきます。」公式コメントで誓われてる以上、我々は再起を信じて待つほかありません。


次は自分たちの番だと思ってます。


 『一人でも多くの人に京アニの作品を知ってもらいたい』


“ 夢に向かって一生懸命な人たちのプロの仕事を紹介する ” とのスタンスで普段はアニメを観ない層へ働きかけています。けっこうな方が実際の作品を観て感想を寄せてくれました。

『らき☆すた』『CLANNAD』『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』『Free!』『響け!ユーフォニアム』『聾の形』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』etc
アニメに興味のない層はこれらのタイトルを知りませんから、技術的なことや内容よりもクリエイターのモノづくりへの想いに言及することで一般層の琴線に触れる場合が多いと感じております。


あにこれはレビューサイトです。
レビューを書くことは抽象的な映像作品を言語化するというやっかいな作業です。そのやっかいな作業を質量関係なくおこなった経験が皆さんにはおありです。
一介の在野レビュアーごときの世迷い言に少しばかりでも共感してくれて、どこかで思い出して行動に移していただけるのなら望外の喜びです。



願わくば、地上波のゴールデンタイムで京アニ作品が流れるその日まで。



世間の話題に挙がらなくなっても京アニの必死な戦いは続きます。
私たちも決して希望を捨てることなく、また、アニメファン一人びとりがこれからも長く心を寄せ、京アニ再興の道のりを見守り続けていきましょう。


令和元年九月七日 記


※本稿に関するサンキューには御礼メッセージを控えさせていただきます



-------------
2020.03.20追記

○周忌や月命日でもないなんともない日にあらためて更新です。
レンタルなり配信が開始されたのでしょう。レビュー新規投稿なりサンキューをいただく機会が増えました。劇場公開からそろそろ一年。

何かの折にコンテンツに触れられることはありがたいことです。
一方で、消費される宿命にあるのもコンテンツの事実。
忘れない。想い続ける。いざやろうと思っても四六時中というわけにはいきません。


さて、実績報告となります。
事件後、普段アニメを観ることのない4名の知人に京アニ作品を鑑賞していただきました。反応は様々でしたがそれでいいかなと。

引き続き、各々が現実世界で動いていく。
今後更新するかはまったくの未定です。


2019.09.07 初稿
2020.03.20 追記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 75

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ただただ感無量

いやー凄く良かったです。
黄前ちゃんをはじめとして、麗奈、葉月、緑輝、などの懐かしい人達に会えることができました。
この短い映画の時間で、よく一年間をまとめられたものだと、製作スタッフの方々に感謝します。

最初に 「響け!ユーフォニアム」が聞こえてきたとき、
胸がジワーとこみ上げてきました。
あの名曲は、あすか先輩から黄前ちゃんに、しっかり受け継がれていました。

この映画では、黄前ちゃんは2年生。彼女はいつも、巻き込まれキャラです。
今回は、一年生の悩みにいろいろと巻き込まれます。

誰も悪い人はいないのに、悩み、涙を流す一年生たち。
そう、みんな一生懸命生きているからこそ、悩むのです。
奏ちゃんやさっちゃん、みっちゃん、それに求。
一人一人の悩みは違います。でも本人にとっては真剣な問題です。

そんなとき、黄前ちゃんみたいに、気軽に相談できる人がいたら、安心します。
話しを聞いてくれるだけでいいのです。それだけで、安心するのです。
自分は一人じゃなかった。そう感じて安心するのです。

でも、黄前ちゃんは、話しを聞いてくれるだけじゃなく、納得できるまで追いかけてきます。決して手を抜きません。
そして、ときには厳しいことを言って叱ります。
一見、人畜無害そうに見える黄前ちゃんに叱られると、誰もが驚いてしまいます。
でも、それは、相手を思いやって叱っていることに、すぐに気付きます。
だから、みんなは黄前ちゃんを好きになるのです。

ところで、今回も立派だと思ったのは、中川夏紀の行動です。
一見怖そうに見える彼女は、本当に立派な副部長です。
自分に不利になると分かっているのに、あえてみんなのために頑張っている。
一年前も彼女はそうでした。彼女の心は、とても清らかです。

こんな人たちがいる吹部は、素敵ですね。

最後に、あすかのお父さんがつくったあの名曲を、後輩の奏ちゃんも受け継いでほしいと思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想いはつながっていく

製作:京都アニメーション、監督:石原立也、
シリーズ構成:花田十輝、
作画監督:池田晶子、原作:武田綾乃

久美子が高校2年生に進級した
原作の2冊分をまとめた作品の映画化。
ただ、希美とみぞれの関係性を描いた部分は、
『リズと青い鳥』で映画化されたので、
それ以外の部分ということになる。

物語は黄前久美子と塚本秀一のシーンに始まり、
桜が舞い散る新入生入学時に
吹奏楽部員がパフィーの『これが私の生きる道』を
演奏して歓迎するところからから描かれる。

物語は最初から最後まで
久美子と新入生のユーフォニアム担当・
久石奏との関係性が軸になっている。
これはある意味、映画『届けたいメロディー』と
同じような構成だ。
ただ、今回はそれに加えて、久美子の脳裏には、
卒業生のあすかの姿がいつも思い浮かぶ。

2年生になった久美子は、
トランペットの加部ちゃん先輩とともに
1年生指導係となり、後輩たちの面倒を見ることなる。
低音パートには、チューバの鈴木美玲と
鈴木さつきのW鈴木とコントラバスの
月永求、ユーフォニアムの久石奏が
新たに加わり、波乱を巻き起こす。

部活において「頑張るとは何なのか?」と
いうのが、大きなテーマのひとつ。
効率良く技術を上達させていくことか、
それとも部内の皆と仲良くして
溶け込んでいくことなのか。
難しい問題だが、どちらも正解というのが
正しいのだろう。ほかにも正解はあるだろうし、
また、部内の状況によっても変化する。

純粋に正しいことと間違っていることだけで、
部活内は割り切れるものではない。
時には間違っていたと思えることでも、
人間関係によっては
正しいことになることもある。
無理をして何かを合わせなければ
いけないこともある。
久美子はそれらを踏まえた上で、
現在の北宇治において「頑張る」ことに
ついて、踏み込んだメッセージを奏に送る。

{netabare}奏は過去の経験から、部内の人間関係を鑑み、
自分自身の演奏を諦めることを決断した。
そんな奏を諭すために久美子たちが
連れ出した場所は、あすかを説得するときに
利用したのと同じ校舎裏のゴミ収集場だった。
かつて、あすかに跳ね返されたのと
同じ場所だったことは、その時の出来事と
関係性をしっかり対比させる制作陣の意図だろう。
(当時は、あすかも演奏を諦めていた)
1年前、久美子は同じ場所で自分の他者に対する
距離感をあすかから思い知らされることになるのだが、
今回は、距離感を詰めて雨中に飛び出した奏を追いかける。
「気になって近づくくせに、
傷つくのも傷つけるのも怖くて、
なあなあにして、安全な場所から見守る。
そんな人間に相手が本音を
見せてくれていると思うの?」と
あすかから言われた自分から脱却するために行動する。
「本音」が知りたいと久美子は奏にはっきりと問う。
そして自分の経験から本心で
「頑張ることは無駄ではない」ことや
「頑張っている奏のことを
自分たちは見ている」し、
「奏のことを守る」ことを伝える。

かつて麗奈から教えられたように
頑張ったからこそ、コンクールがダメ金で
「死ぬほど悔しい」と思うことができる。
結果が出なくて死ぬほど悔しいのは、
頑張ったことで得られる本物の気持ちなのだ。
あすかや麗奈から久美子に、
そして、久美子から奏、そのほかの部員へと
想いがつながっていく。
今回の物語で監督がこだわったのは、
そういう何かを受け継いでいくことなのだろう。

雨に濡れて、次第に久美子の天然パーマが
ストレートになっていく様や、
あすかに対したときのような熱のこもった
説得シーンには引き付けられた。
これは、奏への説得と同時に
1年前のあすかに対しての久美子の回答でもあった。
そしてコンクール当日にあすかが現れ、
名残惜しそうにする久美子に絵葉書を渡していく。
わざわざ映画で原作のこのシーンを入れたのは、
続編で回収するつもりだろうと考えたい。

時間を短くまとめるために、奏との関係性と
そこから垣間見えるあすかに対する想いを
強調したことで、久美子の成長を軸にした
1本の作品としてまとまっている。
初見のときは、観賞の直前に
また原作を読み返していたこともあって、
展開に無理があると感じていたが、
100分という時間制限を考慮すると、
最初から最後まで計算され尽くされている構成だと思う。

ただ、奏と夏紀の関係性についての描写が薄いため、
問題が起こって解決するまでの経緯が
今ひとつ腑に落ちない感覚に陥ってしまう。
また加部ちゃん先輩との関係性も
積み重ねられていないだけでなく、
先輩の努力などもあまり分からないため
その重大な決断が心に響かない。
時間がないので仕方のないことだが、
久美子が部長になる際の優子や夏紀との
やりとりや黄前相談所創設の説明も
全くなかったことは残念だった。
(黄前相談所創設は、久美子が後輩から
信頼を得て、スムーズに部長として活動できるよう
優子が1年前から計画して行ったことだった)

これらを考えると、本来は2期で入れるべきところを
敢えて無視した秀一との関係を無理して入れる
必要があったのだろうかと感じた。
しかも秀一と別れる理由が原作での
部長に指名されたからということなら分かるが、
映画では曖昧にした上に、
秀一が納得しているのも気になってしまう。
ただ、この関係性を描くことは
石原監督のこだわった部分だったようで、
しかも、秀一との会話を入れることで、
奏と夏紀の関係性や求についてのこと、
麗奈との友情の機微などを表現できているので、
物語全体に深みを持たせられたとは思う。
また進路に悩むということで、原作にはないのに
敢えて久美子が父と将来のことを話すシーンまで
入れている。そこには父の姉に対する
後悔の念も滲んでおり、父親も何かに迷う
ひとりの人間であることを示しているのが面白い。{/netabare}

初見のときは、原作との違いや描写不足から
細部に不満を感じたが、何度か観ると、
限られた時間内での完成度の高さが目に付く。
しかし、やはり描写不足が拭えないのも確かで、
できれば最終章はテレビ放映することを願う。
音楽は相変わらず聴かせてくれて、
部員それぞれの動きも迫力があった。
(2019年5月26日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 68

91.1 4 友情で小説原作なアニメランキング4位
響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3141)
13948人が棚に入れました
高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部をきめたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

文句なしに良い作品でした

第3期最終話まで視聴後追記。

「学生時代に部活動頑張った!」なんて人には、おすすめのアニメです。
また本作を未視聴の方のために、参考になれば・・・。

本作のジャンルは、『青春群像劇』。
高校の吹奏楽部を舞台とした青春アニメです。
魅力的な部員がたくさん出てきます。
お気に入りの部員さんが見つかると、俄然、視聴が楽しくなります!

以下は、おせっかいな注意書きです。必ずしも見る必要はありません(笑)
{netabare}
◎前半は『鬱展開』が多いけど、我慢!
第1期の前半は、後半~第2期のネタ振り。そのため、前半はかなり『鬱展開』が多いです。
「この作品が嫌い」という方の多くは、この『鬱展開』が合わなかったのかな?と・・・。
私も初見の時は第2話で切りそうになりましたが、我慢して引き続き視聴している内に本作の魅力にハマっていきました。
とにかく「前半は我慢が必要かも?」です。

◎百合展開?
第1期の後半以降は百合展開?と思われる展開になります。
私は「百合」というより「女子同士の友情」だと思いましたが、「この作品が嫌い」という方の多くは、この部分に引っかかったようです。
まあ、どちらにしてもそんなに濃い目の百合の話にはなりませんのでご安心を!{/netabare}

さあ、皆さんも第13話のラストで涙腺崩壊してみませんか!

-------------------------------------------------

原作未読。
作画と演出はさすがの京アニ。
声優陣は若手(だけど実力はある)を主役陣に、他の作品なら主役級のベテランを脇役に配置するなど絶妙。
文句なしに良い作品でした。

{netabare}
主役よりも脇役に感情移入してしまう私としては、一押しは夏紀先輩です。
『夏紀の姿』=『吹奏楽部の雰囲気』
初めは無表情で全くやる気の感じられなかった夏紀の表情が徐々に明るくなり、11話の優子と追っかけっこするシーンなど微笑ましくさえ感じました。

今作のもう一人の主役は香織先輩でしょうか?
せっかくコンクールを前に一致団結していた部員たちが、自分の事を思って分裂し、集中を欠き・・・。
そんな時、滝先生から再オーディションの提案が。
ソロパートを諦めきれない自分の思いと、そんな自分を気遣ってくれる周囲の思い。色々なモノを背負いながら立ち上がったシーンは感動的でした。
3年生の中でも気遣いNo.1の香織は、ソロパートにかける自分の思いのために、そして自分の事を思って分裂し、集中力を欠いてしまった吹奏楽部を一気に立て直すために立ち上がったんだと思っています。
自分だけじゃなく、吹奏楽部のメンバー全員が納得できる形でソロパートを決定できる再オーディションの方法を受けて立ったんだと・・・。

最終話。
滝先生が出発前に話し掛けていた写真の女性は誰?
コンクール会場に姿を見せた少女は?
結果発表を受け大喜びする部員たちとは対照的に一人目を伏せてうつむいたあすかの真意は?

願わくば第2期で明らかにならん事を期待しています!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 212
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Come on!Join us‼︎ & Bravo‼︎(余談3追記)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫

原作 - 武田綾乃
監督 - 石原立也
シリーズ構成・脚本 - 花田十輝
キャラクターデザイン - 池田晶子
シリーズ演出 - 山田尚子
美術監督 - 篠原睦雄
色彩設定 - 竹田明代
楽器設定 - 高橋博行
撮影監督 - 高尾一也
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 松田彬人
音楽制作協力 - 洗足学園音楽大学
演奏協力 - フレッシュマン・ウインド・アンサンブル
音楽監修 - 大和田雅洋
アニメーション制作 - 京都アニメーション
製作 - 「響け!」製作委員会
放送期間 - 2015年4月 - 6月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


京都アニメーションの新作「響け!ユーフォニアム」

京都アニメーションならではの美しくて繊細な作画と
その中で生き生きと動くキャラクター達。
吹奏楽の魅力溢れる楽器の質感と演奏描写。
ホール特有の臨場感と緊張感。
そして合奏で生まれるダイナミックな高揚感。

アニメ視聴歴の短い私がこの様な事を言うのは大変おこが
ましいのですが、長年に亘って培ってきた京都アニメーシ
ョンの技術がいかんなく発揮されている印象を受けました。

京都アニメーション製作と聞きますと必然とでも言うの
でしょうかやっぱりその作画力に注目しちゃいます。
何気ない街の信号機の押しボタン、音楽室の備品らしい
楽器の傷や黄昏時の公園の背景、夕日や水銀灯が反射し
キラキラと輝く水面。演奏する時の息遣いや指の動き。
何秒も映らないシーンに対してのこだわりと言うので
しょうか、本当に細やかな描画が凄いと思います。
そしてその様な素晴らしい背景の中でそれぞれのキャラ達
が豊かな表情で丁寧に動いています。

私、京都アニメーションの横顔の描き方、けいおんやたま
ラブのレビューでも書かせて頂きましたが大好きなんです。
額から鼻そして唇、顎のライン、つい吸い込まれる様な瞳の
美しさにこの作品でも心を奪われました。
第1話から制作サイドのこれでもかと言わんばかりの熱意が
伝わってくる作画。
まるで映画かと勘違いしてしまうくらいのレベルを維持
しつつ圧巻の最終話までいきます。
凄いです!
ここまで作画に関して書かせて頂きましたが、是非その
目で実際に堪能して下さい。

次にストーリーなのですがお話としては、とある高校の
吹奏楽部の成長物語をヒューマンドラマを交えながら
描いた、ある意味では部活物の王道的なお話です。
しかし高校生ならではの憂い、葛藤、喜び、そして少し
ばかりの恋心を吹奏楽部の成長と共に全く手抜きの無い
リアルな描写で描ききってます。
そのリアルさに何度も心が震え、学生時代の楽しくて熱く
て切ない記憶が蘇りました。
特に吹奏楽部に対しての描き方は吹部在籍者もしくは
経験者も納得の内容だと思います。
そして1クールという短い時間の中でも出来るだけの楽器
の紹介や演奏、お手入れの仕方、吹部内のパート・編成の
説明、全国コンクールまでの仕組みなどの解説もあります
ので吹奏楽未経験の方でも凄く楽しめるかなと思います。
アイキャッチで毎回違う楽器が登場するので、
あっ、これなんだろ?
って興味を持つのも楽しいかもしれませんね。
尺の都合上十分ではないかもしれませんが吹奏楽未経験者
の方でも楽しめる様な配慮がなされている点が凄く嬉しい
です。

どうしても吹部というのは女子率が高いのでキャッキャ
ウフフ、はたまた女子特有のギスギスした関係等想像
するかと思われますが、体育会系並みの練習のキツさや
辛さ、顧問の先生または部員同士の確執、そして音を奏で
る喜びや音楽を通して築かれていく信頼関係や友情等も描
かれていますので学生時代に何か部活に打ち込まれた
方など特に共感出来る部分も多いのではないでしょうか。

アニメのタイプには非現実的でリアルではありえない事を
私達に擬似体験させてくれる楽しさと現実的でリアルで
あり得る事を共感しながら楽しませてくれる作品がある
と思います。
しかしどちらも同じアニメの醍醐味。
この作品は後者の良さが詰まった素敵なシンフォニーです。
少しばかり女の子同士のファンタジーもありますけれど。

胸を熱くさせるセリフの1つ1つ。
葛藤、友情、愛情、情熱のこもったストーリーを盛り上げ
る声優さんの演技もまた素敵です。
メインキャラを務める声優さんは私的に余り存じ上げ無い
方が多かったのですがその周りを固めるベテラン(年齢は
若いですが実力派の方を含め)の声優さんの演技が光って
ます。
エンドロールでおおっ!この人出てたんだ!ってなるのも
楽しみです。

そんな作画、ストーリー、声優陣のバランスのとれた
作品を盛り上げてくれるのが
OPの「DREAM SOLISTER」、EDの「トゥッティ!」
どちらもブラスバンドを取り入れていて、この作品の楽し
さと音楽を奏でる、みんなで合奏する楽しさが凄く伝わる
素敵な曲だと思います。

特に最終話のEDは…これは内緒ですね。是非!

最近視聴したアニメの中で最初から終盤までここまでの
期待感と緊張感を維持したまま視聴したアニメはなかなか
ありません。
ストーリー的な面白さもありますが、人間関係、心情、
音の対比の表現が素晴らしいと思います。

ボキャブラリーの少ない私には多くは語れません。
是非視聴して下さい。
そして感じて下さい。

とここまでなるべくネタばれ無しで感想を述べてみました
けれど、

上手く伝わるかなぁ…ちょっと不安。

でも、私自身初の5点満点の作品となりました

「響け!ユーフォニアム」

音楽とは聴く者の心を打ち震わせ、繋ぎとめる
世界共通の言語。

しっかりと心に響きました。ガチです!


【主要登場人物・出演者】

黄前久美子 - (CV:黒沢ともよ)
加藤葉月 - (CV:朝井彩加)
川島緑輝 - (CV:豊田萌絵)
高坂麗奈 - (CV:安済知佳)
田中あすか - (CV:寿美菜子)
小笠原晴香 - (CV:早見沙織)
中世古香織 - (CV:茅原実里)
塚本秀一 - (CV:石谷春貴)
後藤卓也 - (CV:津田健次郎)
長瀬梨子 - (CV:小堀幸)
中川夏紀 - (CV:藤村鼓乃美)
吉川優子 - (CV:山岡ゆり)
斎藤 葵 - (CV:日笠陽子)
黄前麻美子 - (CV:沼倉愛美)
松本美知恵 - (CV:久川綾)
滝 昇 - (CV:櫻井孝宏)


【主題歌】

オープニングテーマ
「DREAM SOLISTER」(第2話 - 第12話)
作詞 - 唐沢美帆 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - TRUE

エンディングテーマ
「トゥッティ!」(第1話 - 第7話、第9話 - 第12話)
作詞・作曲 - ZAQ / 編曲 - 高田暁 / 歌 - 北宇治カルテット
[黄前久美子(黒沢ともよ)、加藤葉月(朝井彩加)、
川島緑輝(豊田萌絵)、高坂麗奈(安済知佳)]

メモリアルエンディングテーマ
{netabare}
「DREAM SOLISTER (Wind Orchestra Ver.)」
(第13話)
作曲- 加藤裕介 / 編曲 - 松田彬人
{/netabare}


【mio's café】
ここからはネタばれの感想となりますので未視聴の方は…
出来ればご遠慮ください。
それでもという方は…Come on!Join us‼︎

{netabare}
良かった、本当に良かったです。
最初はヒロインらしからぬどこかクールでちょっと
ネガティヴな主人公:黄前久美子ちゃんにこの子この先
どうなるんだろうって不安だったけど、見事に変わって
くれましたね。
周りに良き友人、先輩、先生に囲まれて葛藤しながらも
成長し、本当の自分の気持ちに気付いていく様は見事でし
た。
CV:黒沢ともよさんの演技も普段のクールでグタグタな
低音ボイスから気持ちが高揚した時のちょっと上擦った
感じの声まで凄くメリハリがあって素敵でした。
本当にリアルな女子高生らしさが出ていたと思います。

そんな久美子を序盤で支えたのが超ポジティブ思考の2人
のお友達。
加藤葉月ちゃんと川島緑輝(サファイア)ちゃんでした。
でもこの2人のポジティブさ微妙に違うんですよね。
そのあたりの細かい使い分けも凄く上手だったと思います。
葉月ちゃん演じるCV:朝井彩加さん、
緑ちゃん演じるCV:豊田萌絵さん。
多分初めて名前を見る方だったのですが凄くキャラの魅力
を引き出していて良かったと思います。

久美子と最初にお友達になった加藤葉月ちゃん。
序盤のチューバとの馴れ初めは笑っちゃいました。
こうだと決めたら突進するポジティブ要素の他に以外と
感受性が高くナイーブな感じ。
感動しやすく、お友達の為なら頑張れる女の子。
8話告白シーンでの後ろからのカメラアングルで瞬きする
所、橋の上での緑ちゃんと再開して涙が溢れ出すシーン。
切なかったですね。
逆に9話でヘコむ緑ちゃんを励ます姿が愛おしかったです。

そして川島緑輝ちゃん。
「命かけてます!」
「その言葉待ってました!」
なんと前向きなキャラなんでしょう。
あのちっちゃい体でコンバスってのも良いですね。
後ろは振り向かない前進あるのみの超ポジティブ思考。
事あるたびに久美子にハッパかけてくれます。
そんな緑ちゃんでもさすがに9話ではへこんじゃってちょっ
と心配しちゃった。
8話でのいきなり登場した妹の琥珀ちゃん。
「こりゃ、ヤバいね〜」
葉月ちゃんの言葉そのもの。かなりヤバかったです。

緑ちゃんが背中を押して葉月ちゃんがさりげなくフォロー
する。
タイプの違うポジティブキャラの魅せ方がとても印象に
残ります。

そんな2人に割って入るかの様に久美子の心を虜にした
高坂麗奈ちゃん(CV:安済知佳さん)。
凄いですね。
私の中で「高坂麗奈」という「戦場ヶ原ひたぎ様」に
勝るとも劣らないキャラが誕生しました。
第1話でのあの涙。
凄くわかるんです、あのダメ金の悔しさ。
吹奏楽は一人じゃないからこその悔しさ。
皆んなが1つにならなきゃ取れない代表の座、
だけど一つになっても取れない代表の座。
嬉しさも倍なら悔しさも倍だから…
麗奈の気持ち凄くわかるんです。
リアルですね。
(私が現役の時はダメ金という言葉が凄く嫌いでした。
あの評価方法自体今思い出しても酷だと思います。)

私がこの作品を見始めて凄く興味があったのが、いかに
して金に届くまでの吹部に育っていくのかという事と
第1話で訪れた久美子と麗奈の関係がいかに変わっていく
のかという事でした。
第5話が吹部としての大きなきな転換点、そして第8話が
久美子と麗奈の関係の大きな転換点だったと思います。
作画の美麗さに音楽が優しく重なり、私までなんだか
幻想的な夏の夜の夢を見ているようでした。
背後の夜景が透けて見える白いワンピース。
久美子の顔をなぞる麗奈の白くて細い指先。
「特別になる…」
ユーフォニアムとトランペットでの2重奏。
その曲名も

「愛を見つけた場所」…

背景、音楽、キャラのあまりの美しくしさに背筋が
ゾクゾク。
最後のEDまでドキドキしてました。
近年の京都アニメーションの中でも突出した出来だと
思います。
負い目を感じて後ろ向きだった久美子が麗奈の強くて
真っ直ぐな気持ちの虜になった第8話。
好きな人の為なら全てを敵に回しても構わないという覚悟
の第11話。
この2話に共通していた事が好きな人の為なら死をも厭わな
いという気持ち。
高校生にはちょっとオーバーとか百合展開とか思われる方
もいらっしゃるかと思いますが、私にはそう感じませんで
した。
憧れや人を尊び好きになる気持ちは男女の壁を越えたそう
いう物だから。
人生にそう何度もない出会いが高校生の久美子に訪れた
だけだと思います。

そして麗奈と同じ目線に立てた第12話への大きな導火線
だったと。

「悔しい…悔しくて、死にそう…」

第1話での麗奈と同じ言葉を発した久美子のシーンには
見ているこっちまで心が張り裂けそうでした。
自然と涙が溢れました。
久美子が駆け出すシーンからの作画は圧巻です。
この12話での作画に関してちょっと興味深いツイートが
ありましたので。
以前京都アニメーションでアニメーターとして活躍してま
した斎藤敦史さん(現在はフリーとしてSAO、アルドノア・
ゼロ、ガリレイドンナ等のメインアニメーターとして活躍
中)のツイートなんですが、ちょっと引用させて頂きます。

「ユーフォニアム12話、ちょろっとだけ観たけど
どうやったらこんなクオリティになるのか意味が
分からない。無理〜。
演出がどのぐらい手を入れてたのか気になる。」

凄いですね、プロで同業者しかも元京アニの方が見ても
この感想です。

やはり京都アニメーション、凄いです。

メインキャラとモブ的なキャラの区別がつかないくらい
それぞれのキャラが魅力を発揮するのも京都アニメーショ
ンの作品の特徴の一つ。
今回も沢山の魅力的なキャラがいましたね。
当初から私が注目していたのが
低音パートリーダー田中あすか先輩(CV:寿美菜子さん)
新任顧問の滝昇先生(CV:櫻井孝宏さん)
の2人でした。

最初はあすか先輩の弾けたキャラに魅了され(寿美菜子さん
の演技もまたぴったりです)ていたのですが、お話が進むに
つれて見え隠れする過去と影。
リーダーとしての資質を持ちながらみんなとは一線を画す
あすか先輩の本心というのがとても気になりました。

新任顧問として赴任してきた滝昇先生。
私的にはもう何と言っても櫻井孝宏さんの演技が大好きです。
櫻井さんの顔が滝先生になるくらい素敵でした。
クールで優しい仕草で語りかける言葉の中にある熱い
情熱。
時には残酷ともとれる指導方法をとりますが、大事な所
での言葉はさすがです。

色んな言葉がありましたが最終話でのチューニングルーム
からみんなを送り出す時の言葉は最高でした。

「では皆さん行きましょう、全国に」

これで頑張れないわけがありません。
演奏始まる前から私のアドレナリンが噴出しちゃいました。
吹奏楽に対する情熱と生徒への信頼が感じられる素敵な
先生です。
あんまり言うと麗奈に怒られますね。

でも最終話が終わってもあすか先輩と滝先生2人の中にある
過去というか事情みたいなのが一番引っかかりました。
2期あれば明らかになるといいな。

中世古香織先輩(CV:茅原実里さん)は何と言っても10.11
話での再オーディションのお話が胸に残りましたね。
周りをそして自分を納得させ気持ちよくコンクールに向か
えるように敢えての再オーディション。
最終話での麗奈のソロパートを聴くマリア様のような表情
が全てを物語っていました。

小笠原晴香先輩(CV:早見沙織さん)もいろんな葛藤があり
ましたけれど、お話が進むにつれての成長がとても良かった
です。早見沙織さんの独特の鼻にかかったような声が私的に
は高ポイントでした。

一人一人あげていくと大変なレビューになりそうなので
最後にこの人だけはというキャラを。
中川夏紀先輩(CV:藤村鼓乃美さん)です。
私的に最大のダークホースって言い方はおかしいかもしれ
ないけれど、お話が進むにつれて一番魅力的になりました。
ポニテ先輩最強です!
最初の頃はこの先輩なんだかなぁ〜って感じだったんです
けれど、自身の過去の辛い思い出や久美子のトラウマを
取り払い、再オーディションの時も関係修復の為に影で
支えていましたね。
優子ちゃんとの微妙な関係も凄く好きです。
屈託のない笑顔でコンクールに出場するみんなを支える
姿に癒されました。
最終話では感動する葉月ちゃんの肩にそっと手を回す
シーンに思わず涙。
やっぱポニテ先輩最強!そういえば最終話はポニテ祭りで
したね。
私も翌日、久しぶりにポニテしちゃいました。
影響されやすいタイプなので…

もうキャラ紹介だけのなんだかなレビューになっちゃい
そうですけど、それだけ魅力に溢れたキャラがいる作品
という事かな。

最初から最後まで右肩上がりで楽しめた当作品。
中でも特に好きだったのは第5話、第8話、第11話、
第12話、第13話でした。

私の視聴したアニメの最高評価は4.9というのが何作品か
あるのですがあと0.1点というのが今までの壁でした。
凄く面白かった、感動した、泣いたそれでも充分なんです
がこの作品を視聴してその0.1というのがわかりました。

「心が震える」

これが0.1点の答えでした。

最終話でこの答えが出るかどうか、緊張のスタートです。

コンクール当日の朝、いきなり画面から伝わる緊張感。
目覚ましより早く起きてる久美子がまずリアル過ぎま
した。
静かな朝だからこピリピリ張り詰めた空気感という
のが伝わります。
そしてお姉ちゃんとの微妙な感じ…
そんな空気を麗奈との肘の小突きあいで飛んでけぇ〜って
麗奈も緊張してるんでしょうね、ついほっこりほぐしてく
れました。
現在の私のアドレナリン充填率70%

淡々と準備が進みみんなの表情もどこか硬い…
そんな緊張をほぐすかのようにチーム「もなか」からの
プレゼント。
サブメンバーの屈託のない笑顔に癒されます。
またもやほっこり。
小笠原部長とあすか先輩の掛け声でいざ出陣!
それにしても滝先生のタキシード姿、滝シードでした。
かっこいい♡
私のアドレナリン充填率80%

会場に到着してますます高まる緊張感。
もう私までリアルで見ているかのような気持ちの高まり。
あのホール独特の匂いまで再生されました。

館内で流れるアナウンス、チューニングルームでの音合わ
せであたふたする様子、音に共鳴するペットボトルの水。
凄くリアル。
現在、私のアドレナリンの充填率90%

招集がかかりいよいよです。
そして滝先生の言葉

「では皆さん行きましょう、全国に」

先生と生徒の気持ちが一つになった瞬間でした。
私のアドレナリン充填率100% 一気に噴出…
心が震えました。
そうです、最後の0.1点がきたんです。
しかしこれは序章、「心の震え」第1波です。

緊張の演奏開始。もう合奏を楽しむよりも祈るような
気持ちです。
ライトに反射する細かいダスト。
引きと寄りのカメラワーク。
みんなの気持ちのこもった表情。
「全国に行くんだ」
セリフと共に映し出される久美子の表情。
獲物を狙う野獣のような表情に「心の震え」第2波が
来ました。
凄い、この子達…

譜面に書かれたメッセージ、
「絶対金賞‼︎来年一緒に吹くぞ‼︎」中川
「絶対絶対ゼッタイぜったい‼︎全国‼︎」加藤はづき
「久美子ちゃん。次は火星まで手を伸ばしましょう!
行きますよ‼︎」みどり
「全国、行こうね」麗奈
胸が熱くなります。

いよいよ麗奈のソロパート。あの伸びやかな演奏の始まり
私も緊張MAX…
でもその演奏を聴く香織先輩の表情に「心の震え」第3波が
来ました。
色々あったけど今彼女達は演奏を楽しんでるんだ。
充実しているんだ、良かった…

演奏も終盤、みんなの演奏にも力が入ります。
滝先生も渾身の指揮。
フィニッシュ。涙が溢れました…
みんな凄く良かった、本当に…

いよいよ各賞の発表。
この緊張感、凄いです。
湧き上がる歓声と悲鳴、凄いどこまでリアルなんでしょう
みんなの表情に「心の震え」第4波。

最大の関門、代表校発表。
そうですね、言葉は入りません。表情だけで充分です。
素敵な演出に「心の震え」第5波。

もう私、鼻水まで出てきちゃいました…
どうしてくれるんでしょうか…

言葉では言い尽くせない、感じて欲しい作品です。
素敵な演奏、素敵なドラマを見せてくれてありがとう。
彼女達と京都アニメーションに感謝しています。

最後の集合写真、
屈託のない笑顔の滝先生が印象的でした。

あっ最後に一つだけ、立派な音響設備があれば別ですが
最終話だけはヘッドホンかイヤホンで視聴して欲しいです。
是非‼︎



〜凄く余談〜吹奏楽コンクール〜
{netabare}
この作品を通じて吹奏楽に興味を持たれた方がいましたら
是非、近くの地区大会、支部大会等のコンクールに足を
運んで欲しいです。
7,8月に都道府県、8,9月に支部(関西、九州とか)、11月に
全国というスケジュールで毎年行われます。
日にちをずらして小、中、高、大、般という様にだいたい
行われますが、高校生以上の金を狙う方々の演奏の迫力や
美しさたるもの凄まじいものがあります。

そんな中で私が凄く思うのが小学生の部の演奏を聴いて
欲しい事です。
まだ吹奏楽を生で聴いた事が無いという方がいらっしゃい
ましたら、是非近くのホールに騙されたと思って足を運ん
で欲しいです。
小学生と侮る事なかれ、今の子供達のレベル凄いです。
どんなに小編成のバンドでも心に響くものがあります。
子供達の演奏する圧倒的な音楽を体で感じて欲しいです。
是非!

凄く余談でごめんなさい。
{/netabare}

〜凄く余談2〜リアルユーフォ二アム〜
{netabare}
ご存知の方も多いかと思いますが、昨年吹奏楽界に激震が
走りました。
何が激震なのかというと九州吹奏楽コンクールで長崎代表
の活水中・高等学校が全国コンクールの切符を手にしたん
です。
いゃ〜おめでたいではないですかぁ。
そうなんです。おめでたいんです。

ってそこではなくて、何が凄いかと言いますと、
この活水中・高等学校は九州ではほぼ無名、長崎県大会で
も好成績を残した実績も無く一昨年まで部員不足でコンク
ール出場すらままならない学校だったんです。

そんな学校に昨年の4月に革命が起きました。

九州を代表する吹奏楽の超名門校「精華女子高等学校」
を35年間指導されてきた藤重佳久先生が精華女子高等学校
の定年退職を期に長崎・活水学院の教授に就任。
大学での音楽講義、中・高等学校、大学の吹奏楽部の音楽
監督を兼任する事になりました。

音楽特に吹奏楽は指導者で大きく変わると言います。
私も実際にその様な学校はこれまで幾つも見てきています。

「わかりやすく楽しく、目標を共有する」という指導論を
軸に1980年頃からの創部間もない精華女子を指導し全日本
吹奏楽コンクールには過去19回出場、平成26年には8回
連続・通算10回目の金賞を獲得。マーチングに至っては出
場した15回全てにおいて金賞というまさに吹奏楽界のレジ
ェンド。

就任5カ月での全国出場。
地区大会1回戦負けの常連校がまさかの甲子園という感じで
しょうか?
もちろんこの5カ月の間色々な意識改革、厳しい練習があっ
たと思います。先生を慕って転校してきたり入学して来た
生徒もいるかもしれません。
私立の学校なので施設や楽器にお金をかけたかもしれませ
ん。

でも楽器がいいから、設備がいいから、いい生徒が集まる
からでいい音楽は奏でられないのが吹奏楽なんです。

無名の学校を短期間にここまで成長させハーモニーを作り
上げるのは並大抵の事では無いと思います。
これから毎年藤重先生の指導を受けたいという生徒が全国
から活水学院に殺到するかもしれませんね。

昨年の全日本吹奏楽コンクールは銅賞でしたが、精華女子
高等学校で一つの音楽を作り上げ、活水中・高等学校でまた
新たなる音楽を作り上げようとする藤重先生。

いつか九州吹奏楽コンクール鹿児島開催の時、新しい藤重
先生の音楽聴いてみたいです。
これから楽しみがです♬
{/netabare}

〜凄く余談3〜劇場版公開前に7回目の視聴〜
{netabare}
うん!
何回見てもこんなに心が熱くなれる作品、
やっぱりユーフォです。
何でだろう…
「DREAM SOLISTER」を聴いてるだけで胸が熱くなり
涙が溢れてくる…

やっぱり私にとっては最高の出逢い。

何回見ても感謝の言葉しかありません。

原作・武田綾乃さん、制作・京都アニメーションさん、
「響け!」製作委員会の方々。
制作に関わった数多くのスタッフ、キャストの皆さん。

劇場でまた北宇治吹部のみんなに逢えるのが楽しみです。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 199

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

意欲作(2016.11.2修正: 演奏は第二のアフレコ)

ストーリーについては既に多数コメントがあると思うので違う観点で。

本作は吹奏楽部のお話なので演奏シーンが多い。下手だった演奏が上手くなっていく過程とか、キャラクター毎の演奏技術の差みたいなものを「演奏自体で表現する」というある意味前代未聞レベルのことをやっている。

単に「主人公はあるいはライバルは天才演奏家」みたいな話ではないのがミソで、いわば楽器演奏が声優の台詞とほぼ同等のポジションといえる。
(2016.11.2追補: 劇場版BDのスタッフコメンタリーで、音楽プロデューサーの斎藤氏がまさにこのことについて話していた。あ、厳密には演奏を先に録るからプレスコですが。)

Blu-ray収録のメーキングなどを見ても場面毎に必要な演奏を収録しているし、作画の面でも楽器のピストンや運指が変にならないようにかなり注意していると思われる。

ロボット物の「メカ作監」にあたる「楽器作監」がいたり、吹奏楽自体を描くとすると本作以上の体制であたることはとても難しいだろう。「京アニだからやろうとしたし、できた」と言えるかもしれないが、後世の作品は本作続編も含めてと比べられると考えると、「大変なものを作ってしまったなあ」というのが正直な感想である。

2016.06.26追記:
そういえば本作では「画面が青枠で囲われていたら、実際に起きた出来事ではなく誰かの頭の中での想像上の出来事」という演出ルールがあって、これが徹頭徹尾キッチリ守られていたのが面白いと思いました。なんと、BD/DVD特典OVAの中でさえこのルールは守られていたりします。

逆に過去の回想であっても、作中世界の出来事であれば色調を変えたりはありますがこの青枠がつかない。これ、アニメの演出として意外と良かったんじゃないでしょうか。

…でも、あにこれのレビューだけでなくネット上で感想とかを読んでいてもこれを指摘した人はいませんね。みんな気づいてますよね?

2016.6.29追記: tvkでの再放送を告知するためタイトル変更
他の局はわかりません、すみません。← 再放送は終わってしまったのでタイトルから削除

2017.3.13追記:
2016年の1期目分に続き2期目分も総集編劇場版公開が決定とのこと。祝!

2017.8.25追記: NHK BSプレミアムでの再放送を告知するためタイトル変更
NHKBSプレミアムにて「響け!ユーフォニアム」の放送が決定しました!

【放送局】
NHKBSプレミアム
【放送日時】
本放送:10月1日より(日)前7:30~7:54(全14回)
再放送:10月6日より(金)後11:45~前0:09

2017.8.26追記:
地上波放送されなかったBD&DVD 7巻収録「かけだすモナカ」も第14話として放送されるようです。

2017.12.19追記:
いよいよBSプレミアムでの放送も12/24が最終回です。その直後に続けて番外編「かけだすモナカ」を放送ですね。

2018.1.17追記:
とっくにNHK BSプレミアムでの再放送は終了していましたが放置していましたので、レビュータイトルから再放送告知を削除しました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 179

65.8 5 友情で小説原作なアニメランキング5位
天官賜福(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (60)
175人が棚に入れました
仙楽国の太子・謝憐(シエ・リェン)は天賦の才を持ち、人々を救うことを志して修行を積み、飛昇し武神となった。しかし彼は二度も天界から追放されてしまう。そして800年。謝憐は三度目の飛昇を果たした。しかし”三界の笑い者”といわれる彼に祈りを捧げる者は今やどこにもいない。謝憐は功徳を集めるべく、人々の住む下界に降りてこつこつとガラクタ集めをしながら、神官として出直すのであった。ある日、謝憐はガラクタ集めの帰り道で、”三郎(サンラン)”と名乗る不思議な少年と出会う――

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

設定が凝り過ぎた中国BLアニメ

中国小説原作の古風なファンタジーのBL一歩手前アニメ
アニメ一期はまだあまりBLっぽさが前面に出てないですが、原作はBLです
※中国本土では同性愛が推奨されてないため、アニメはBLを薄くしたのだと思います

すごいクオリティだし物語も凝っています
小難しい話はスルーしてBL視点で見れば最高だけど、BLに興味なくてストーリーだけ楽しみたい人にとっては敷居が高くてきついアニメだと思います
かなり辛辣なレビューになってしまいましたが、美術も物語もキャラの信頼関係も美しくて素晴らしいBLアニメ、説明不足で敷居高すぎる序盤がとにかくもったいない

このアニメの欠点はアニメづくりや海外展開に慣れてないところ、もっと丁寧に説明してくれたら海外でも受け入れられやすかったかも

中国の独特な凝った設定がかなりとっつきづらいし説明が足りないので最初はわけがわからない、整いすぎた美形ばっかりなので慣れるまでは顔の判別が難しいし、モブが無駄に目立ちすぎてるし、中国語に慣れてないので誰のことを話しているのかもわかりづらい
そんな感じで序盤はなにがなんだかわかならくて敷居がとても高く感じられますが、このアニメの魅力は小難しい設定ではないので、とりあえずわからないところは無視して5話くらいまで見続ければだいぶ慣れてきて見やすくなってくるかも
キャラクターの行動も唐突で、なんでそんなことした?って思うような行動も多いのがもったいないかな

【音楽】
主題歌はOPがシドさん、EDが雨宮天さんで、どちらも好きだしいい曲だと思うけど、あくまでも中華風なだけで中国の歌ではないので、中国版の主題歌のほうがこの作品の雰囲気に合っていると思う
日本の幕末アニメの主題歌を外国人が歌っていたらなんか違うって思うのといっしょかな?

【シナリオ】
例えていうなら古文書のような印象のなんか堅苦しい世界観設定で、その独特な文化が色濃く表れたエキゾチックな世界観は魅力的だけど、中国人以外には馴染みのないワードや理解できない概念が多く会話を聞いていてもイメージがわかないので、とても敷居が高く感じます

【バトル】
作画は凄いけど単調なバトルシーンは面白みが少ない

【総評】
欠点ばかり書いたけど、BLが好きな人は最初のとっつきづらさに我慢して見続ける価値アリです!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

pikotan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ソフトBL作品

魔道祖師に続き完走です。最近は中国作品も観られるようになってきました。
文化風習が異なるので、世界観や物語に多少分かり難い部分もありましたが、魔道祖師よりは分かり易いですね。
そして魔道祖師よりもBL作品に思えました。
日本版のオープニングはシド、エンディングが雨宮天さんの曲でしたが、どちらも素敵な曲でした。
特にオープニングはボーカルであるマオさんの甘い歌声が、この作品にハマり過ぎというくらいハマっていました。
中国では一話制作にどの程度の期間を使っているのか知りませんが、作品のクオリティはかなり高いです。テレビアニメというより劇場版レベルですね。
敢えてもう一歩な点を挙げるならキャラの書き分けですかね。
日本のアニメでも特にアイドル系作品だと、みんな美形で誰だか分からなくなることがありますが(私だけ?)、この作品も顔が似たイケメンばかり登場するので、服装や髪型、声などで判別するしかないんです。
視聴者のほとんどは女性でしょうからマッチョ系などは需要無いかもしれませんが、たまに優男ではない筋肉質なイケメンがいても良いかなと思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 4

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いずれ字幕版も見てみたい

実写ドラマを見るほどではないですが、この手の衣装の感じは好きなので、
中国制作のアニメのクオリティの現在地を確認する意味も含めて視聴しました。

まず作画が素晴らしい。とにかく素晴らしい!日本のアニメだったら省略されていそうな、
細かい動作も丁寧に作画されていて惚れ惚れします。まあ、たまに露骨にクオリティーの落ちたカットもありましたが、原画が欲しくなりますね・・・特に霊文の。

これはBL作品なので(匂わせる程度なので全然大したことないのですが)たぶん誰も注目していないと思いますが、霊文の美しさには卒倒しそうになりました。霊文様と言わせていただきたいです。

しかしメインはイケメンキャラたちです。彼らが会話しているだけで癒されます。たまに出る崩し顔は、唐突過ぎて演出的にスベっているときもありますが、
国の文化の違いによって笑いのツボが違う場合のガイドとしては機能していると思いました。

似た問題として、脚本はまだまだかもしれません。
ストーリーがよくわからないと言っている人が多いように感じます。僕もよくわかりませんでした。
おそらくですが、ストーリー上重要なセリフとそうでないセリフを同じようなトーンでしゃべっているので、視聴者がストーリーラインを見失いやすい構成になってしまっているのではないかと思います。
シロウト考えですが、ナレーションを入れるとか、
重要なことは何度も言わせるとかした方が良いのかもしれません。



挿入歌はもちろんですが、日本版の主題歌はどちらも世界観に合っていて素晴らしかったです。



今回は話数によってテレビで見たり配信で見たりしたのですが、
wikiによると30分に収まらなかった話はテレビではカットされているようです。
・・・テレビもそれくらい融通利かせろよと言いたくなりますが、
今後は実写含めて、テレビの尺にとらわれない作品が勢いを増すでしょうね。

↑うーん、フル尺を視聴するために配信で全話見直すかブルーレイを買うか迷う・・・。

「魔道祖師」の存在は後から知ったので、これから見ます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 4

80.6 6 友情で小説原作なアニメランキング6位
NHKにようこそ!/N・H・Kにようこそ!(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1539)
7908人が棚に入れました
大学を中退して4年目の佐藤達広は、ひきこもりとなっていた。佐藤は、自分が大学を辞め、無職でひきこもりであることなど全てが、謎の巨大組織の陰謀であると妄想する。その組織の名はNHK(日本ひきこもり協会)。そんな折、中原岬と名乗る謎の美少女が佐藤の前に現れる。佐藤をひきこもりから脱却させるべく、岬は「プロジェクト」の遂行を宣言。その「プロジェクト」の目的が不明のまま、岬による佐藤のカウンセリングが始まる。

声優・キャラクター
小泉豊、牧野由依、阪口大助、小林沙苗、早水リサ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人間失格

とびきりの分裂病だ。

そして神様はとびきりの悪者である。
いつも驚くほどの不幸を用意している。
人生の円グラフは歪な形で表示されるのだ。
苦しいが90%、例外なんてない。

主人公サトウは衆人の目を気にし引き籠る。
{netabare}彼の妄想は日々悪化し、大学を中退する。
心の統合に失敗したのか?
グレートマザーが完膚なきまでに立ち塞がる。{/netabare}
そうだ人生を断とう。

ネトゲ廃人・マルチ商法・自殺幇助の会、
容赦なく襲ってくる亡霊化したものたち。
消え伏せろ悪党ども。
麻痺させることだ、ぎりぎりまで思考を。
曰く「死に至る病」とは絶望らしい、
絶望とは、自己の喪失だって?
冗談じゃない、本当の孤独を知るべきだ。
そうだ人生を断とう。

このアニメが良質だと感じるのは、
{netabare}引き籠りを贅沢なことだと言及したことだ。
死を選ばぬ限り人生は続いていくのだから、
何かに夢中になり生きていくしかないのだ。{/netabare}

糞ったれめ、今こそ対決の時なんだろう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

僕らの青春を 大げさに言うのならば<改稿>

[NHKにようこそ!]

大学を中退して4年間ひきこもっている主人公:佐藤達広。彼はひきこもりであることが、謎の巨大組織NHK(日本ひきこもり協会)の陰謀だと妄想していた。そんな彼のもとに中原岬という女が現れ、佐藤をひきこもりから脱却すべく、岬のカウンセリングが始まる。

原作未読。
ひきこもっている佐藤君を救う為に、カウンセリングが始まっていくのですが、彼は自分はひきこもりではない事を証明する為に色々やらかしてしまうw隣に住む高校時代の後輩:山崎と一緒にギャルゲー作ったり、自殺のオフ会に何故か参加して、自殺する寸前で助かったり、課金ネトゲーにハマって損をしたり、はてはマルチ商法にまでひっかかってしまうw

この作品、割とコミカルに表現されていて重たくは感じなかったです。佐藤君以外の登場キャラも一癖ある連中で、それぞれ悩みを抱えている。作中、人は自分よりダメな人間を探して安心すると言った表現があり、皆、佐藤君にならありのままの自分の弱さを見せられる。主人公だけではなく他の登場キャラの弱さもしっかり描かれているのも見所。

自分も少しの間引きこもった事があります(苦笑)その時は自分探しみたいな感じでひたすら本読んだり趣味に没頭したりしていたのですが、本作を改めて振り返ってみると引きこもりの人とこんなにも献身的に付き合ってくれる人はそうそういないものだと感じた。そりゃあ作り話なんですけど一度こもった人、それに近い憂鬱な人なら分かると思う。この作品がどれだけ人間臭くてある意味眩しいかと。主人公おいおいって思う人も少なくないと思いますが追い込まれて引きこもりになると、こんな風になるセオリーに近いものがあって、自分もダブル部分が少なくなかったり。そんなこんなでコミカルに描かれてはいるもののリアルな部分もあって、そんな不甲斐ない登場キャラみんな愛せるし、大げさに言うのならば、きっと僕らの眩しい青春の形なんだろう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

受信料とるあそことは無関係(微調整)

あまり引き篭もりに見えない引き篭もりの主人公とそれを更生させようと頑張るヒロインを眺めるアニメ。
コメディ&シリアス。
全24話。

タイトルからあのNHKを舞台にしたアニメかと思いきや引き篭もりの更生物語。
ギャンブルが出来ないカイジみたいな主人公(早い話がダメな人)とアニメギャルゲ大好きな後輩、天使のようなヒロイン。
大体この3人を主軸にネトゲ依存 マルチ商法 自殺オフ会等の危ないエピソードを面白おかしく時にシリアスに描かれて行く。
基本的に終盤除き主にコメディなのだが油断してるとちょっといい話で多少泣かされる。
メイン3人のやり取りも見ていて結構楽しく、たまに羨ましくもなる。
特に後輩山崎との関係は、ある意味理想的とも言える。

この3人もそうだが、その他に出てくるキャラも大体何か問題抱えてる点もリアルと言えばリアルで面白い。
本作をシリアス一直線でやるとおそらく途方もなく重く欝な物語になってたはずだから基本コメディ風にしたのは個人的に成功ではないかと。
さすがに終盤はシリアス多目になってくるがこれは話の展開上仕方ないしシリアスはシリアスで結構良く出来てるんで退屈はしない。

難点は、やや人を選ぶ物語と言うことなんだろうが元々原作からして万人向けにしようとは思ってないような気がする。

引き篭もってれば、いつか岬ちゃん(ヒロイン)が目の前に現れてくれるという希望を持たせた罪作りな作品。

自分は小説と漫画版も知ってるが、このアニメ版の岬ちゃんは原作と違い本当に可愛い。
原作は原作で味のある岬ちゃんだがアニメ版の足元にも及ばないだろう。
漫画版は読みやすいんで余裕があれば見てみるのもいい。アニメ版とは結構違いがあり面白い。

こんな子が現れて構ってくれるならそりゃ引き篭もるのも悪くない。
勿論ただ可愛いだけで終わるようなつまらんヒロインではないがその辺は本作見て貰えたら納得。

どうも余り有名とは言い難い作品らしいが、余り知られてないのは勿体ないと素直に思える良作。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

78.0 7 友情で小説原作なアニメランキング7位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1461)
7826人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

気持ち悪いのに目が離せない・・・。

屍鬼のキャラは髪型が独特で髪型につい目がいってしまいました。
なんだこの髪型・・
まぁアニメだしということでおいといて・・。

最初1話や2話あたりは正直退屈でした。早くも飽きそうっw
しかし、気付いたらストーリーに見事に引き込まれていましたヽ(*´∪`*)ノ"
結構おもしろかった!
あっという間にすべて観てしまいました。

ですが、個人的に主人公の印象があまり残っていません。
原作読んでいないからかもしれないですが・・。

後半すごくハードでした。
村が狂った。
殺害シーン、肌がやける気持ち悪いシーンたくさんありました。
気持ち悪いのになぜか目が話せない・・不思議な変な怖さを感じました。
寝る時目瞑ると蘇る;;っw

グロいのがダメな方にはオススメできない作品です(´_`。)

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『人間』と『ヒト』

ジャンルはミステリー/ホラー/サスペンス

外部から隔絶された小さな村が舞台
とある地区から死体が発見されると、
その後も次から次へと村人は不自然に死んでいく
あまりにも死人が多いため、
村の唯一の医者である尾崎は不審に感じる…

ここからの話の展開はお見事でした
ひきつけられます
ただ、途中で失速した感がありました

しかし、この中盤戦は物語の結末の伏線となっていました
ラスト数話の伏線回収が観ててとても面白かったです
やや盛り上がりに欠けた中盤ではありましたが、大事なストーリーでしたね
是非、最後まで観て頂きたいです

盛り上がりという面ではラスト数話はホントに最高です
思わず気分が高揚してしまいました
何が起きたのか、それはご自分の目で確認してほしいです
この作品はあまり前知識なしで観たほうが良さそうなので

ゾクゾクドキドキハラハラの展開
私好みで満足です

ちなみにグロさは中辛くらいです
そこまでグロくはないので、耐性なしでも楽しめると思います


キャラは個人として魅力的な者はいませんが、
村人一人一人に人間味があり、そこがまた面白いです
人間とはなにか。考えさせられます
医者の尾崎は特に人間味が溢れていると思います
彼の言動や行動は良い意味でも悪い意味でも人間らしい
この作品の最重要人物です


OP,EDはどの曲も作品の雰囲気に合っていて良かったように思えます
好きなのは後期OPですが、作品にベストマッチだったのは
前期のOPとEDですね
OPへの入りが見事で、とても良い演出でした
EDはnangiさんの独特な歌声がぴったしでした


この作品は物語性重視の方にオススメです
人間の感情、行動、本能、温かさ、怖さ、謎…
人間本来の姿…一つの動物としての『ヒト』が垣間見られるわけです

ダークな雰囲気が好みの方にも合うかもしれませんね
いい感じに暗いオーラが漂ってます


最後はクソ○○!とか思いましたが、
今ではこの終わり方で良かったと感じています


『人間』と『屍鬼』は違った存在です
ただ、『人間』と『ヒト』となるとどうでしょう?
この二つは似て非なる存在とも言えますし、
イコールの関係とも言えるはずです

そもそもどこからが『人間』でどこまでが『ヒト』なのか、
ナニが『人間』でナニが『ヒト』なのか

このことはいくら考えてもキリがないくらいです
それだけに興味深く、面白い

もちろんネットで調べれば様々な解答が得られますが、
これは自分で考えるからこそ意味があると思います

と、普段は主に可愛い女の子キャラや素敵なOP,EDを
探し求めている私のような者でさえも
いろいろと考えさせられた深い深い作品なわけです

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

71.6 8 友情で小説原作なアニメランキング8位
NO.6 ナンバーシックス(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (1085)
5998人が棚に入れました
2013年、理想都市『NO.6』に住む紫苑は、9月7日が12回目の誕生日であった。だが、その日は同時に彼の運命を変える日でもあった。ふとしたことから、『矯正施設』から抜け出してきた謎の少年、ネズミと出会う。彼を介抱してあげた紫苑だが、それが治安局にばれてしまい、NO.6の高級住宅街『クロノス』から『ロストタウン』へと追いやられてしまう。それから4年、謎の事件をきっかけに彼は様々な事件に巻き込まれ、いろいろな人々と出会う。そして、理想都市が成り立っている裏側にある現実・『理想都市 NO.6』の隠された本質と意図を知っていく・・・。

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

外部から内容を補完しないと感動できないって・・・(>o<")

■NO.6ってどんなアニメ(*゚・゚)ンッ?
「NO.6」ってなんの事だろう・・・っと思いつつ見始めました!
ジャンル的には近未来SFという事でしたね♪
そして背景はというと、世界が荒廃した後に、人類は6つの理想都市でやむなく生活することになったのです。
そんな6番目の都市「NO.6」では住民を完全管理して住民に安全で不自由のない生活を与える反面、少しでも疑問を持った住民に対しては非人道的な処置を行うような裏の顔を持った都市でもあったのです。
そんな管理社会に疑問をもったNO.6の外に住む住民とNO.6の治安局との対立と、殺人蜂の事件から愛するものを守るために立ち向かう主人公のシオンと、NO.6に憎悪の念を向けるネズミという少年との出会いからお互いに変化する心情を描いた壮大な世界観の物語なのです♪
 
 
■前半までみた感想なのですよ(*^o^*)
1話はプロローグって感じなので、2話でいきなり4年後のお話になっちゃうので本格的な本編はここからですね(>o<")
なので、1話で切ってしまうというのはやめたほうが良いような気がします♪
 
印象的には近未来SFという事で、設定自体はありふれている感じですよね♪
なので、力で押さえつける社会に立ち向かう構図に「またかっ!」って思う人もいるかもしれませんけど、アタシσ(゚-^*)は嫌いじゃないですし、ベタとも言う設定の中でどれだけの個性を表現できるかに注目していきたいと思っています♪
 
そしてこの作品でよく耳にする「BL」やら「ホモ」についてはまったく当てはまらないと思います!
もともとアタシσ(゚-^*)自身が「BL」苦手なので、この作品を後回しにしていた原因だったのですけど、いざ見始めたら何てことはありませんでしたよ♪
シオンとネズミの出会いが、お互い自分では今まで気付いてなかったけど、心の奥底で求めている物を持ってると感じたから惹かれあって、それが「性的な愛」ではなくって「家族愛」的な感情だったのではないかと思いました。
なのでそんな愛を表現した描写がちょっとそれっぽく感じられるのかもしれませんけどね♪
*** 追記 start ***
って思ったのですけど・・・最終回を観て前言撤回です♪
キスシーンの手の添え方は・・・ゾクッと鳥肌が・・・私的にアウトー!!でしたΣ( ̄ロ ̄lll)
*** 追記 end ***
 
とにかく、ちょっとダークで壮大な世界観と、その中で自らの運命に抗うように行動を起こすシオン達の心理描写が丁寧に描かれている印象なので、後半に向けての展開にも大いに期待が持てますね♪
 
ネズミが「シェイクルピア」の『マクベス』が好きだっていう設定もちょこっと注目してみたいです♪
宿命の名の下に自らの野心と罪を正当化して、責任を免れようとしたマクベスの弱さから、自ら悲劇を招いたような内容の物語なので、ネズミがどのように感じて好きになったのかも何気なく注目していこうと思ってます♪
 
後半に向けて、殺人蜂の謎が何なのか、サフちゃんはどうなるのか、そしてシオンとネズミの関係は今後どのような方向に向かっていくのか、見所が多いだけに楽しみですね♪
 
 
■総評(最終回を観終えて♪)
作品としても・・・物語としても・・・残念な結末になっちゃいまいたね(>o<")
全体的に感じた印象は自ら課した壮大な世界観や設定を生かしきれずに終わってしまった感じです!
そもそも、1クールで纏められる内容ではなかったって事でしょうね。
特に最終回を見終わって、(゚Д゚) ハア??って思ったので、色々内容を見直し補完した上でもう一度最終回を見直しました∑(; ̄□ ̄A アセアセ
その上で、パチッ☆-(^ー'*)bナルホドそういうことかって、やっとジーンと感じることができました!
 
この作品の肝でもある、『ネズミ』と『森の民』と『エクステリア』と『NO.6』の関係や、と『サフちゃん』と『エクステリア』の間で結ばれた約束など・・・その他たくさんの大切な部分の描写がごっそり抜けているような気がします!!
それと、シオンとネズミの関係も、最後の結末に行き着くまでのプロセスでそんなに力をいれて描く必要があったのかも疑問です、微BL臭と言う中途半端な描写をするならもっとクローズアップするところがあるでしょって“(`(エ)´)ノ彡☆ プンプン!!しちゃいました!!
途中まではよかっただけに・・・あぁ~もったいないって印象です♪
 
それと、原作は読んでないですけど、おそらくこの作品は原作小説で楽しむべきなんだと悟っちゃいましたw
原作小説を読んだことのある人のレビューを読んでみたいですね(>o<")
 
 
■MUSIC
OP曲『Spell』
 歌:LAMA
 ナンバーガール・SUPERCARを知ってる人には嬉しい曲ですね。
 シンセの音色が心地よいオルタナ・ロックでこの曲を聴いてNO.6を観る決意をしましたw
 
ED曲『六等星の夜』
 歌:Aimer
 Aimerさんって1st singleがこの曲だったのですね♪
 ちょっとハスキーなボイスが切なさを感じさせるしっとりしたナンバーです♪
 
2011.09.04・第一の手記
2011.09.17・第二の手記(追記:総評/MUSIC)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

微腐(65点)

全11話。
近未来小説原作。原作未読。

個人的満足点:65点
アニメ系統:世界系SF(微腐w)

NO6という近未来都市で物語りは展開する。
正直レビューの仕方に困る作品。
基本、序盤に伏線をばら撒きながら
徐々に回収していくスタイル。

話自体もシリアス調で個人的には好みなのだが
所々で親密な男の友情(微腐)が入るw
これって必要なのかなと少々疑問はある。

それでも中盤から終盤にかけ徐々に謎があかされていき
物語の盛り上げ方は良かったと思う。
ただし、最後が駆け足ですぎさった。
何だか謎も謎のまま終わってしまった部分もあり
伏線を回収しきれていない印象。
こういう物語はきっちり回収してくれないと
不完全燃焼で終わってしまうのでもったいない。
最後の閉め方もおいおいおいと突っ込みたくなった。
世界観など好みだっただけに残念で仕方ない。

映像、音楽はなかなかよかったように思う。
個人的にはED曲「六等星の夜」が好み。
しっとりとした曲調が良かった。

素材、絵、音楽、展開となかなかの物だっただけに
残念な印象になってしまった。
原作はもっと面白いのかな?
原作既読者のご意見も聞いてみたいものだ。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

「微腐」という新語が生まれた記念すべき作品。



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以下、これまでの感想。
ネタバレが含まれる場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。
近未来都市NO.6には何か隠されているようだ。
まだまだ謎だらけ。
こういう世界は個人的には好きだが
物語の展開しだいでどうにでも化ける。
いい方向に化けてくれればと思う。

作画はすごく綺麗。
幻想的で美しい描写がよかった。

個人的にはこの先の展開に期待。


2話視聴。
展開が早い。
これは、おもしろそうだ。
かなりシリアス欝な展開になりそう。
好物の気配がする。
来週にも期待せざるを得ない。


3話視聴。
ぐっと盛り上がってきた。
これからNo6の謎に迫るのかな。
こういうシリアスな話はいいねえ。
来週にも期待。


4話視聴。
少し西ブロックがどういうところか見えた。
そして、NO.6と繋がりがある人物も。
表と裏といった感じか。
NO.6の裏側が気になるね。

しかし、紫苑にイライラするわw
何でこんなにイライラするんだろうか。

5話視聴。
色んな意味でドキドキしたw
これBLではないと思うのだが
所々BL臭が香るw
そして、サフが急にからんできた。
ただの幼馴染だと思っていたのだが
話の根底にかかわってくるのか?
まだまだ謎がいっぱいだが、先が気になる。

6話視聴。
否な予感が的中した。
NO6恐るべし。
そして、ネズミがとる行動は?
理想を追いかけるシオンと現実に生きるネズミ。
そんな構図になってきたのか?
なかなか盛り上がってきた。

7話視聴。
腐腐腐
何という腐な展開w
でも意外と否な感じはしない。
熱い友情ものに近いからか?
紫苑とネズミの想いがぐっと近づいた感じ。
いい感じで盛り上がってまいりました。
来週も楽しみ。

8話視聴。
いよいよ核心に迫ってきた。
まだまだ謎は多いがNO6の本当の姿が少しずつ見えてきた。
紫苑とネズミの行動から目が離せなくなってきた。

9話視聴。
人間狩りがすごかった。
NO6のやり方がえげつない。
しかしながら、矯正施設へ潜入。
果たして、2人の運命は。
そしてサヌはどうなったのか?
残り2話最後の盛り上がりに期待。

10話視聴。
緊迫した展開。
潜入に成功した2人。
紫苑に異変。
そして、サフとついに。
来週で最後。
どんな結末になるのか。
何か色々謎のまま終わってしまいそうな気がしないでもない。

11話視聴。
なんだか無理矢理終わらされた感じ。
しかも最後この鬱な展開とwktkしてたのに拍子抜けした。
なんだか勿体無い印象だけ残して終わっていったなあ。
そういえばCの時もこんな感覚だった気がする。
11話ってやっぱりきついんじゃね?
なぜ11話にこだわるのか謎だわ。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理想が生み出す権力社会に捕らわれた女王蜂を解放するために

2003年から刊行されている、あさのあつこ氏による
近未来SF小説が原作だが未読で、ほとんど予備知識ゼロの視聴だった。

理想都市「No,6」に住んでいた男の子、紫苑が主人公。
2013年、12歳の誕生日を迎えた彼の家に、
矯正施設から逃亡してきた謎の少年・ネズミが侵入。
何の疑いもなく匿い、撃たれた怪我の応急処置をしてやる紫苑と
人間不信のネズミの運命的な出会いから始まり、2話からは4年後の話に飛び、
早いテンポで進みながら、理想都市の裏側に隠された現実が暴かれ、
2人それぞれの目的のため、物語は壮大なスケールへと展開していく。

1話、2話のスピード感と迫力あるシーンにすぐ惹き込まれ、
天然で、天使のような優しさを持つ甘ちゃんな秀才の紫苑よりも、
自然児的な敏捷性と賢さを持つ謎めいたネズミの
生き延びようとする強烈なエネルギーの魅力に
結局最後まで引っ張られたという感じ。

この作品のテーマとして、理想を追求するがゆえの権力社会が生み出す
歪みへの反発と、白か黒か、敵か味方か、壁の内側か外側かという
二者択一的な考えでなく、第3の選択肢もあるという提案、
そして生きていくことへの讃美が感じられた。

第3の選択というのは男か女か、恋愛か友情か、という2分割じゃなく
性別を越えた人間愛と表現したら近いかもしれない感情が
紫苑とネズミの関係や、性別を明かされないイヌカシに見受けられたし
生きていくことへの讃美は、ネズミの言動だけでなく
紫苑が助けた赤ちゃんに込められていたと思う。

そして、No6という市に忠誠を誓わせられ、
少しでも不満を持つと不穏分子とされて排除されるシステムや、
市庁舎の屋根や床の模様が蜂の巣のようなデザインだったり
人間に寄生する蜂や、女王蜂の姿をしたエリウリアスなど
理想都市の成れの果て=権力社会は、なにかと蜂の社会に揶揄されていた。

それから、他のレビューを拝見するとBLと書かれてたりするが、
軽いキス程度でそう決め付けるのはどうなんだろう?
失いたくない大切なものの存在と、
その存在を自分の命をかけても守りたいという感情は、男同士の恋愛だとか
友情という言葉で片付けてしまえるような簡単なものじゃなく
過酷な状況に置かれた中での戦友みたいな、複雑な感情があったように思う。

でなければ{netabare}別々の道を行く{/netabare}最終回のラストシーンに
納得いかなくなってしまうからね。
そもそも、2人は最初から相反する性格だったし、目的も違っていたのだから。
親友のように同じ方向を見るのでもなく、自分にないものを持つ者同士、
相手を観察しながら驚いたり、憧れたりして惹かれていったのだし、
生活を共にすることで喜怒哀楽の様々な感情に気づいて影響しあい、
絆と信頼が深まったものの、それは恋愛感情に限りなく近いとしても、
性的な吸引力ではなかったはずだ。

ちなみに、原作者のあさのあつこ氏は5年前の雑誌『ダ・ヴィンチ』で
この作品について、「私は友情と恋愛の区別ができないからこそ濃密で独特な
感情というものを書いていきたい」とコメントしていたとのこと。

しかしながら全11話では、伏線が回収し切れていなかったり、
謎が残ったままだったり、少々ご都合主義な部分があるのも否めない。
手先の演出から伝わる心理描写や、編み棒などの細かい表現、
いいセリフもたくさんあっただけに、
最後で詰め込みすぎてしまったようなのが、とても残念だし
深く感動できなかったのはそのせいだったんだと思う。
良く言えば、視聴者にその後を想像させるような余韻ある終わり方だったけどね。
そしてAimerの唄うED「六等星の夜」がとても良かった。
原作は面白いのかもなぁと感じるので、機会があったらぜひ読んでみたい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

76.6 9 友情で小説原作なアニメランキング9位
巌窟王 -がんくつおう(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (603)
3360人が棚に入れました
パリの青年貴族・アルベールは退屈な日常に飽き、刺激を求めて、親友のフランツとともに、カーニバルで賑う月面都市・ルナを訪れていた。
そのころ、ルナの社交界では東方宇宙からやって来た謎の紳士、モンテ・クリスト伯爵の話題でもちきりだった。オペラ座でモンテ・クリスト伯爵の姿を見たアルベールはその存在感に圧倒され、成金とも怪人とも呼ばれるその紳士に興味を引かれる。やがて、モンテ・クリスト伯爵との交流を深めていったアルベールは、伯爵の妖しい魅力の虜となっていく…。
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

良作SFミステリー

「三銃士」で有名なアレクサンドル・デュマ・ペールの小説「モンテ・クリスト伯」を元にしたアニメ。
脇役の一人に過ぎなかったアルベールを主人公にしたり、
未来のパリや、宇宙を舞台にしたりとSF色を強くしてる。

制作:GONZO 全24話

一部衣装をANNA SUIがデザインしたり、
作画は衣装や模様にテクスチャーが浮かんだり目に慣れるまで独特ですが綺麗です。
愛と復讐がテーマなので、貴族同士の泥沼満載なので人によっては視聴中ストレスが溜まるかもしれない。
精神的に不安になるような背景と効果とキャラが若干いるので、
ファミリーで観たり、お子様と観るのはオススメできないです。
一人でコッソリ嗜むのがオススメ。

衝撃の18話{netabare}
EDで有人操縦式の人型ロボット兵器みたいなのが出てたので気になってましたが、あれは「鎧」と呼ばれるようですね。
突然鎧で戦う場面見たときは「間違えて違うアニメの録画したかな??」と思うほど世界観とマッチしてなかったですw
その鎧の威圧感と不自然さに爆笑してたら、実はアルベールは一服盛られて
フランツが戦ってると気づき表情が青ざめました。

アルベールのことを「友以上に」想い、伯爵の真の姿を見破って警告していたのはフランツだったんですね。
アルベールは潜伏偵察するときも正面から行こうとしたり純粋ゆえの世間知らずでしたが、フランツのような良い友達に恵まれたことは唯一の幸運でしょう。
フランツが惨たらしい死を迎え、アルベールが叫び、唐突に迫るEDには
あまりにも恐怖を感じて・・18話を観た後は何もやる気が出ずベッドに横たわってはフランツのことを考えました。
普段アニメの内用は引きずらないはずですが、次の日の仕事の時さえ落ち込むほどにこのアニメにハマったことに気づいたのです。{/netabare}

OPとED{netabare}
OPとEDがどちらもJean-Jacques Burnelの曲。
洋楽のアニソンって珍しいですよね。
どちらもモンテ・クリスト伯爵/エドモン・ダンテスの心情を歌った歌詞でOPは「WE WERE LOVERS」最終回で和訳付きで流れるので鳥肌です。
EDは「You won't see me coming」ドラム連打から曲が始まり復讐や恨みを綴った歌で歌詞の中に何度も「エドモンダンテス」と入ってることから23話のクライマックスに繋がります。

<親愛なるアルベールへ>
(20話のフランツの手紙がメッセージ性があったので忘れないように一部記したいと思いました)

「君がこれを読む時はおそらく俺はもう傍にはいないだろう
だからプレゼントの代わりに聞いて欲しい
アルベール・・いいか 決して誰も恨むな
俺、思うんだ

愛する気持ちも、憎む気持ちも、
最初は人を思う気持ちから生まれたんだって
悲しいことに思いは時として相手に届かず愛が憎しみに姿を変えることもあるだろう
そんなときは子供の頃を思い出して欲しい
傷ついても傷ついてもまっすぐにしか愛せなかったあのころを

どうか生き続けてくれアルベール
傷つくことを恐れずまっすぐに人を愛して
お前に逢えて本当に幸せだった」

この言葉があったからこそ、アルベールは誰も憎むこともなく
ただ真っ直ぐに生きて、第一話の世間知らずな少年ではなく
誰かを懸命に愛せる人に変われたのだろう。
この作品のメッセージ性はこの手紙の中にあると思う。
予告で言っていた「待て、しかして希望せよ」の言葉の意味を
最終回のエドモンの手紙で知り、今、余韻に浸る {/netabare}

感想とまとめ{netabare}
視聴時、凄くストレスが溜まった・・
一日一話で見てると前半(特に一話目なんて)穏やかな始まりだったけど
後半に進むにつれて貴族同士の泥沼やユージェニーの両親、エロイーズに凄く腹が立った。ユージェニー可哀想すぎる・・。
アンドレア・カヴァルカンティ侯爵が外面良くしてるのに時々悪意に歪んだ表情を見せるのが素直に気持ちが悪くてスタッフの魅せ方がすごく上手いと思った。
毎回語り手がフランス語でシャレオツって思ってたら22話で語り手が巌窟王と知る。
巌窟王+エドモンダンテス=モンテ・クリスト伯爵と知るまでの過程も丁寧で面白い。
ペッポが女装の美少年という設定を途中忘れて、アルベールがユージェニー奪回する20話は心に染みた。最終回でモデルになったのは意外(笑)
最終回でアルベールが苦労の末に大使の秘書となり、ヴァランテーヌとマクシミリアンが幸せそうで良かった。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

退かぬ!媚びぬ!省みぬ!

全24話
ジャンル:復讐劇
原作アレクサンドル・デュマ・ペール「モンテ・クリスト伯」のアニメ化。

主人公アルベール視点で見せる復讐劇を描き彼の成長譚になっている。退屈な日常から刺激を求め月面都市ルナに旅する主人公と出会ったモンテ・クリスト伯に憧れを抱き日常が豹変してゆく。主人公の考え方は共感できる部分は少なく短絡的な行動が目立ち呆れる所が大きい。それを咎める友人フランツの言葉に聞く耳もたず死線を彷徨うことになる。 いわゆる死ぬなきゃわからないオバカな子。
そんなアルベールとフランツの友情の確執と想いの深さを見せたキャラ立ちが序章となっている。

8話辺りから復讐劇の影が薄っすらと滲み出してくる。
この作品の見所になりますが、実に憎しみをたぎらせる業の深さが隠されている。悲劇と呼ぶにはあまりにも過酷な運命が醍醐味になっている。
それらを体現する心理は、嫉妬・地位・名誉・権力・物欲など人の穢れた欲でしかない。醜悪な美の象徴である貴族の世界観とゴミグズのような人の性が入り混じり実に爽快な気分にさせてくれる復讐劇。

相反して愛とは何か?復讐を裏付ける愛憎劇あるテーマは、次回予告にも使われている「待て、しかして希望せよ」の意味を噛み締めることになる。
それが愛と憎しみの表裏一体の答えのように感じる。

作画は、テクスチャと呼ばれる手法でキラキラした服装デジタルピクチャが特徴。慣れるまで目が疲れるが近未来都市のフランス・パリの世界観の煌びやかさを魅せる。
好き嫌いはあると想うが、陰鬱な復讐に隠された想いを感じても損は無い作品である。

個人的に復讐劇と観ると序盤は拍子抜けするも中盤から伏線を考えさせミステリーとも陰鬱な雰囲気に引き込まれて行くのが醍醐味である。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人は愛するが故に笑い、泣き、そして憎む…。それでも僕は…

(2012/9/9:1週目)
{netabare}1話~9話までは引き込まれるように観ていましたが15話までは少し中だるみ感が個人的にですがありました(^_^;)それ以降は食い入るように観れたので良かったです!

フランツの言葉で印象に残ったのは、「愛しさと憎しみなどは人を思う感情から生み出される」ですね。
モンテ・クリスト伯爵の復讐は人を想うが故に起こった事なのかもしれません…

良い作品でした!まだ観たことがない人はぜひ一度観てください(^・^){/netabare}

(追記:2012/11/30 2週目)
25年前、無実の罪を期せられた伯爵が25年後に復讐相手の家族を巻き込みながら復讐を成し遂げる物語です。

内容は復讐劇だけあって、かなり濃いですが主役は伯爵ではなく、アルベール子爵です。

伯爵の復讐ですが、{netabare}「他人の恨みや妬みと言うものは本人の預かりしらぬ所で密かに成長していくものです。本人が幸せであればあるほど」{/netabare}からもわかるように憎しみを強く抱いています。

ですが、{netabare}ダングラールに復讐を果たす際,伯爵(巌窟王)は毅然とした顔をしていたのに対しエドモンは泣き顔だった{/netabare}ので、憎しみだけでなく友人に手を掛ける事に対する悲しみもあったのでしょう。

そんな伯爵の最大の復讐相手であるアルベール子爵に送った言葉が{netabare}「待て。しかして希望せよ」{/netabare}でした。
なぜ、この言葉を送ったのか?{netabare}「悲しい時に想いが相手に届かず、愛が憎しみに姿を変える時もあるだろう・・そんな時は子供のころを思い出してほしい。傷ついても傷ついても真っ直ぐにしか愛せなかったあの頃を」{/netabare}から思うのは、かつての伯爵はアルベールのような真っ直ぐな性格だった事が窺がえます。

復讐事態は伯爵メインで進みますが、もう一つの復讐(伯爵の大きな復讐の過程として利用された)で観られるカヴァルカンティ候(CV:関智一)の演技力にも目を向けてみて下さい。

伯爵の復讐は絶望、憎しみ、畏怖の念に満ちていたかもしれない。それでもアルベールは{netabare}「貴方(エドモン)のように生きたい」{/netabare}と伯爵の{netabare}死に際{/netabare}に言った。

伯爵の真っ直ぐな愛が何時しか憎しみに変わり、復讐という形で幕を閉じたとしても、それでも僕は傷つく事を恐れずに、かつての伯爵のように真っ直ぐに人を愛する…



以下、楽曲の和訳
(検索したら見つかったので勝手ながら拝借しましたm(__)m)
・OP

{netabare}心にもない残酷な言葉
そして嘘もあった

決して貴女を泣かせるつもりなどなかった

でも愛とは私達を弱くする反面
強くもするもの

そしてまもなく

私は完全に貴女に心を奪われた
貴女に溺れ

自分を見失い 貴女に魅了され
翻弄されて 私は茫然とする

すべては思うままに

だから今宵私は歌おう
全ての友への歌を

二度と会うことのない友へも

昔の友
いまでも敬愛する友たち

そしてもう一度会いたい
友の為に歌おう

貴女が私を愛してくれることを
ただ祈る そして
私を信じてくれることを

私と共に笑い 共に泣き
静かなる時を共に過ごしてくれることを祈る

永久の愛を私に

貴女と私は恋人同士だった

二人の夢が潰えたのは
人生のせいではない

そう友の裏切り

そして私達が結ばれることは
もう決してなくなった{/netabare}

・ED

{netabare}私はもはやかつての私ではない

そして、お前の目にするものは、真実と異なっている
 
私はお前に会う為に、こうして宇宙を越えてきた

未知なる物を恐れる事はない

お前は気付かないだろう

お前は気付かないだろう

私の一撃までは!
                                         
私が一人の男だった時、一人の女性を愛した

しかし今の私は過去から来た化物だ
 
復讐は時間をかけ慎重にやるのが効果的なのだ

遠からず全ては私の思惑どおりになるはずだ

お前は気付かないだろう
  
お前は気付かないだろう

私の一撃までは!

お前は気付かないだろう

お前は気付かないだろう

私の一撃までは!

エドモン

私の名を呼ぶがいい

それが私の名だ

エドモン

それが私の名だ!
                   
エドモン

私の名前なのだ!!{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

67.6 10 友情で小説原作なアニメランキング10位
ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (710)
3238人が棚に入れました
青春にはいつも、解き明かせないたくさんの謎が溢れてる!

「原作シリーズ累計55万部突破」初野晴の大人気・吹奏楽青春ミステリ<ハルチカ>シリーズ、待望のTVアニメ化!
原作はシリーズ累計55万部を突破した大人気・吹奏楽青春ミステリ<ハルチカ>シリーズ。廃部寸前の弱小吹奏楽部で、吹奏楽の甲子園と呼ばれる"普門館"を目指す、幼なじみ同士のチカとハルタ。
部員集めに翻弄する日々と、仲間たちと交わす友情、そして次々に現れる謎(ミステリ)。チカとハルタの奏でる音楽がいま、遠く高らかに鳴り響く!

声優・キャラクター
ブリドカットセーラ恵美、斉藤壮馬、花江夏樹、山下誠一郎、千菅春香、島﨑信長、瀬戸麻沙美、岡本信彦、山田悠希
ネタバレ

伝説のししとう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

視聴者皆チカちゃん状態

今季の大本命。
某アニメと比較しないレビューにしたいと思います。

視聴前は、謎解き:吹奏楽=1:1だと思っていたので、こんなにミステリー要素の強い作品だとは思いませんでした。
ただそのストーリーが面白いかと言われると、残念ながらそうでもなかったです。
一番の問題は、ハルタが超人すぎることでしょう。とても高校生とは思えない知識量で、難事件をズバズバと解決していきます。視聴者に推理する余地を与えず、そのハルタの推理も??と思うところも多く、強引なところがありました。
謎についても、吹奏楽とはなんの関係もない謎が多すぎます。{netabare}ベトナム戦争だとか、学生運動だとか…学校内に絞ってほしかったです。{/netabare}まあでもそれがハルチカの特徴だと思うから、合わなかったってだけかな。

{netabare}最終話では銅賞で悔しがっているシーンがあり、チカちゃんに関しては涙を流していましたが、吹奏楽の描写がほとんどない以上、あまり感情移入できるものではありませんでした。マレンが部長だというオチは良かったと思います。{/netabare}
やはり謎解きか、吹奏楽か、一つに絞るべきでしょう。

まあP.A.だから期待しすぎたというのもあります。良くも悪くも、TARI×2の橋本監督らしいアニメでしたかね。評価はもう少し厳しくつけてもよかったのですが、チカちゃんが可愛かったのでこの評価とします(まあえるたそには遠く及ばないけれども)。
{netabare}ハルタのホモ設定については、ハルタとチカちゃんの間に恋愛が発生しないようにするためらしいので、不問とします。{/netabare}

作画はP.A.にしては悪い方だったでしょう。
良かったのはOPですね。今季ナンバーワンです。fhanaさんの高音が気持ちいい。

実写化するんですね…これといい氷菓といい…なんでそんなに実写化をしたがるのか、理解できませんね。
橋本環奈がチカちゃんって……笑うしかない。

二期来たら視聴しますが、P.A.が二期を作ったことは一度もないので、おそらく来ないでしょうね。
P.A.の次作はロボット物なんだよな〜正直期待できない。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

仲間集めのために謎を解いていく話

あらすじは公式を見てくださいね。

完結してから思い出すと、1~2話完結方式で、ハルタとチカが日常の中でトラブルを抱えている人達の悩みを掘り下げて、結果的にその悩みにミステリー的な謎が潜んでいて、結果的に吹奏楽部の仲間が増えていく、ようなお話でした。

以下ネタバレ
{netabare}
この作品をポジティブに捉えた感想

比較対象として名が上げられる「氷菓」という作品がありますが「氷菓」のミステリーは「暗いオチ」が良くあるのですが、このハルチカは「明るいオチ」が多いという感じですね。
どんないざこざも、他者との溝も、全部すれ違いのような謎のがあって、その謎を解決すればお互いは分かり合える、そんな事を感じた話が多かったですね。

チカのパワーで大体の悩みを持ってる人が明るくなるだろうなーと思いますし、キャラが持っているコメディ感が、暗い話でも最後は明るくする力があるなーと思いました。

私の好きな話は#07 「周波数は77.4MHz」です。好きなキャラはその話で仲間になる檜山 界雄 (声 - 岡本信彦)です。
名前もわからない素人のパーソナリティが、素人のおじいさん達と深夜ラジオで喋りまくる。そのアンダーグラウンド感が「いいなー!」とラジオ好きからはたまらないなーと思います。

以下は率直な感想

各話に共通するテーマがあったかなと思うと、あまり思いつきませんでした。そのせいか、あまり深く掘り下げる必要を感じさせなかったのが残念。「青春」アニメという提供されたテーマに沿っているというのが正しいのかな。

でも、青春」といっても、ハルタとチカが12話の中で「成長」したかなあといえばそれは感じませんでした。一話それぞれをキャラが「良い気分」でおわってしまうから、挫折がそんなになく、キャラの成長を妨げた感じがあります。

よく言えば「青春」というテーマに関連する成分「恋愛」「友情」「熱血」「コメディ」等々、色々なものをより取り見取りで押し込みました!という感じの作品でしたね。
悪く言うと、その成分の全てが中途半端な掘り下げな作品に見えると思います。さらに言ってしまうと、1話完結方式が、ミステリーの規模が小さく見えるように作用して、印象に残らない話が多いのが残念です。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スカートの下の白いひらひらって何?知っている人がいたら教えて!

気になって気になってアニメどころではありません。
ってことはないですけど。テヘ!

P.A.さん制作だから、作画がクリアーです。
しかし、瞳の描き方がくどい。
七色の瞳なんてちょっと気持ち悪いですね。

「ハルチカ」って言うくらいだから、ハルタとチカが主人公。
アニメ内容は後述することとして、チカの性格がピカイチ。
一言でいうと、人を惹きつける性格。
初対面でもフレンドリー、情にもろくて一本気。
穢れない心で飛び込んで来るので、あっという間に友達です。
この子の性格、好きだなあ。
是非知り合いになりたいです。

ちなみにハルタは推理探偵ポジションでややBLがかっています。
それも手伝って、男女が絡む学園ものでは珍しく恋愛は皆無です。

作品は、学園推理ものin吹奏楽部の様相。
もしかして、京アニの2作品を混ぜている?
ここは、混ぜるな危険!とだけ言っておきます。

以下は私的なことなので閉じます。

{netabare}舞台は静岡県市清水区。
清水にはあまり思い入れはないけど、静岡文化会館にはドッキリ。
ここで入学式や卒業式があったり、コンサートのバイトをしたり。
あっそうそうロビーこんなんだったっけとか、会館前の雰囲気が懐かしいじゃんとか。
入学式の時、会館3階から眺める桜があでやかなことあでやかなこと。
それもこれも約30年前のお話、青春時代を思い出し嬉しくなりました。
この他、静岡の街は私にとって思い出がいっぱい。
もっと、私の大好きな静岡舞台のアニメが観たいですね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

65.5 11 友情で小説原作なアニメランキング11位
ブレイブストーリー[BRAVE STORY](アニメ映画)

2006年7月8日
★★★★☆ 3.6 (443)
2627人が棚に入れました
三谷亘(ミタニワタル)は小学5年生。どこにでもいるような、普通の少年だった。ある日、幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。数日後、夜中に目が覚めた亘は、気分転換に散歩に出かけたが、たまたま幽霊ビルで隣のクラスの優秀な転校生・芦川美鶴(アシカワミツル)が上級生に痛めつけられている現場に居合わせてしまう。助けようとした亘もまた暴力を振るわれるが、亘によって解放された美鶴は魔術を使って漆黒のバルバローネを呼び出した。そして、上級生に反撃する。最後には、バルバローネは上級生たちを飲み込み、消してしまった。夢としか思えないその光景が亘の心を掴む。そして美鶴は姿を消した。

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ここまで変わってしまうのか・・・

宮部みゆき著のファンタジー冒険小説原作の

アニメ映画です。

原作既読の私にとっては内容がなんか違う、

違和感があるみたいな感じで、どうも

その原作のイメージを払拭しきれなかった。

そのせいで原作は数十回は読んだくらい

面白かったのに、映画の方は

そうでもなかった。

それに声優だけでなく俳優の起用など

も変な感じがした。(ジブリに似た感じは

あるのだけれども・・・)

原作既読の私には合わない作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

Zel さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

こんな運命、間違ってる!

2006年劇場公開作品

三谷亘は小学5年生
どこにでもいるような普通の少年だった
ある日幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で要御扉に出会う
そこを潜り抜けると亘たちが住んでいる現世とは違う不思議な世界が広がっていた

爆発的ヒットした小説がアニメ化された作品
悲惨な現実を変えたくてというのが主人公が異次元に旅立つ理由
その悲惨な現実というのが、父親が不倫して相手の女に子供ができて離婚。母親は子供を巻き込み一家心中未遂を企てる。
というあまりに悲惨というか、ドロドロした理由
個人的にそこが嫌で最初で冷めちゃった感じです
せっかくのファンタジー設定もこれだと興醒めしちゃいます

もうちょっと割り切って観れれば面白いのかも知れませんが(汗)
声優陣も思い切り芸能人で固めてますね
やはり声優はプロにして欲しいです
感情移入できません

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

Daiki@キツネ子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これはボクの勇気の話

すっごくひさしぶりです!
このアニメを観たのは^^

自分はこの作品がすっごく大好きです!

自分がまだ小学生低学年のころに何度かみて
そのときちょっと感動したのを覚えています。

主役は小学生のワタル君とミツル君で
ミツル君は少し大人っぽくて違和感があると思う。

このアニメはファンタジー系であんましバトルとかは
ないです。

でも少し迫力があると思う。

このアニメの見所は自分的に後半ですね、
多分だけど感動すると思う

というより感動してほしい!

このアニメは人気がないようで少し残念です
でも理由が原作の話を映画ひとつに詰め過ぎたせいなんですよね
(そんなこと知らずに好きだったんですね・・・自分)

でもどうか暇つぶしにでもいいので
見て欲しいなと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

68.1 12 友情で小説原作なアニメランキング12位
劇場版 図書館戦争 革命のつばさ(アニメ映画)

2012年6月16日
★★★★☆ 3.8 (467)
2438人が棚に入れました
日本を揺るがすテロ事件が勃発する中、デートの最中だった笠原郁と堂上篤に緊急招集がかかった。新たな任務は、小説家・当麻蔵人の身辺警護。テロの手口に小説の内容が酷似しているとして、メディア良化委員会は作家狩りを始めたのだ。法廷闘争が始まる中、郁たち図書特殊部隊は判決まで当麻を守りきらなければならない。図書隊と良化隊の衝突が激化する中、重傷を負ってしまう堂上。動揺する郁に、堂上は任務の遂行を託す。郁は、当麻を守り、表現の自由を守ることが出来るのか!? ――そして郁と堂上とのもどかしい恋の結末は!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、前野智昭、イッセー尾形、石田彰、鈴木達央、沢城みゆき、鈴森勘司、潘めぐみ

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『作家狩り』とは…恐ろしいわぁ(;´`)

図書館戦争の続編となる劇場版になります。
タイトル通り『革命』を主に描いた作品です。

この作品の世界観は独特なのでTVアニメを
先に視聴する事をオススメします。

今作のストーリーに大きく絡んでくるのが『作家狩り』。
1人の作家の身体を巡る激しい戦いが始まります。
自由に本が読めない上に、その本を書く著者にまで
手をかける……恐ろしい世界ですよね(´ー`;)
そんな事件を逆手に取り『革命』で自由を取り戻す
行動に出る関東図書隊の活躍を描いています。

『革命』と共に作品の核になるのが主人公・笠原 郁の恋愛。
TVアニメでは曖昧な関係で終わった彼女の恋ですが
この劇場版で恋の結末を迎えますので乞うご期待(ゝω・)
シリアスなシーンも多い作品の中で笠原 郁の不器用な恋愛模様は
良いアクセントになっていたと思います。

個人的には『革命』シリアスと『恋愛』ラブコメが
バランス良く描かれていたという印象です♪
どちらのお話も十分に楽しむことができました!

1つだけ解せないのがイッセー尾形の起用。
重要なポジションをなぜ彼に演じさせたのか…。
あの演技が味だとしたらおれには理解できませんわ(;´Д`)


評価の点数はあまり高くありませんが
満足のできる出来に仕上がっていると思います。
TVシリーズ視聴済の方にはぜひオススメです♪



《キャスト》
笠原 郁(CV.井上麻里奈)
堂上 篤(CV.前野智昭)
小牧 幹久(CV.石田彰)
手塚 光(CV.鈴木達央)
柴崎 麻子(CV.沢城みゆき)
玄田 竜助(CV.鈴森勘司)
稲嶺 和市(CV.佐藤晴男)
手塚 慧(CV.吉野裕行)
折口 マキ(CV.田中理恵)
児島 清花(CV.潘めぐみ)
当麻 蔵人(CV.イッセー尾形)


《主題歌》
『初恋』/Base Ball Bear

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

“今度こそ”スタートラインに立てた図書館戦争

前作のテレビシリーズは2008年の春アニメとしてノイタミナ枠で放送されましたが、肝心の『メディア良化法』と呼ばれる架空の法律から表現の自由を訴えかけるという内容もソコソコに、ラブコメ要素がメインのトレンディドラマ風味の作品になってしまっていました;


仕舞いには原作でも重要視される【中澤毬江にまつわるエピソード】が放送局の自主規制によりオミットされるという自体に陥り、【表現の自由を問う作品が表現規制された】ということに原作者は肩を落とし、多くの原作ファンが憤慨するという賛否両論を巻き起こした問題作になったわけです
(上記のエピソードはちゃんとアニメ化され、セル版DVD3巻、もしくはBD-BOXには収録されております)


今作を鑑賞した劇場で今年のアニメ映画の中では初めての出来事だったのですが、来場者の年齢層がかなり高いことに驚き
有川作品ファンの幅広さとアニメ版図書館戦争の知名度を思い知ることとなりました











さて、今作ではやっとこさ肝心要の『メディア良化法』に対して図書隊が踏み込んでいき、表現の自由を訴えかけるという待望の展開が描かれます!


早速冒頭からテロリストがヘリで原発に自爆テロを図って建屋に穴を開ける・・・
という衝撃ニュースが飛び交い“見慣れたあの光景”がテレビから映し出されるというショッキングな幕開け


そしてこのテロ組織の犯行の手口が、原発テロを題材にしたエンターティメント小説の内容に酷似しているものとみなし、図書隊の宿敵であるメディア良化委員会は小説の著者である当麻蔵人を拘束しようとする


これを許しておけば事態を皮切りに良化委員会は『作家狩り』をはじめるであろう、と判断した図書隊の面々
すぐさま当麻蔵人を保護し、法廷で正々堂々と良化委員会、延いてはメディア良化法の在り方そのものに踏み込んで戦うことを決意し、彼の身辺警護を始める


初めのうちは事件に巻き込まれたことを他人事のように疎ましく思っていた当麻蔵人
良化隊が行う『検閲』にも、上手く逃れながら作家業を続けることがプロの仕事であると考えていた彼を通して、これまで読み手側の都合がメインに描かれていたメディア良化法が、初めて書き手側の目線で語られます


彼もまた稲嶺元司令の過去(通称:日野の悪夢)を語り聞かされ、これまで自分が無視し続けてきた検閲の非道極まりない実態を知ります
さらに図書隊の面々と触れ合っていくうち、自分の本を命懸けで守る若者たちがいた、という事実にもやがて心を動かしていくのでした・・・











当初から破天荒な世界観が物議を醸し出していた作品ではありますが、今作はやたらロケハンに凝っていて、、、
JR立川駅前
都営新宿線市ヶ谷駅
中央道諏訪湖SA
大阪御堂筋
大阪北区
そして新宿三丁目の紀伊国屋書店(新宿本店がそのまま紀伊国屋として登場)
とまあ、この辺の背景描写があまりにも丁寧すぎて映画を観終わって劇場を後にすると、ソコにはさっきまで映画の中に広がっていた景色がある・・・という強烈なデジャヴを感じました(´q`)
最近流行の【ご当地アニメ】もこういった架空の設定が前提の作品ではちょっと考えものですよね・・・


あとアニメ版で柴崎と手塚ってあんなに仲良かったっけ・・・?
いつの間に進展してたの?w
(これについては記憶違いかもしれませんので観直して来ます^^;ようつべで公式にオンエア版全話が配信中ですよー)


あとこれはこまけぇことかもしれませんが、夕食を食べてる当麻蔵人先生
どう見ても小食っぽいインドアタイプなのにご飯を「おかわり」発言ェ・・・
だって“おかずの揚物に手が付いてないよ・・・”
ご飯だけめっさを早く食べたのか?wまさかのおかず2週目なのか?w
真相は闇の中へwww


天ぷら屋でキスが揚がってくる「キスでございます」のくだりもまさかのダジャレかよ!とw
一瞬凍りつくかと思ったぜwww


音楽はテレビシリーズに引き続きオイラの大好きな菅野祐悟さんだったのですが唯一に一点だけ!どうしても気に食わないのがOPアニメーションで流れてくるかなりキャッチーで激しいロック調のインストナンバーが図書館戦争の雰囲気とまるで合っていない・・・;
そこは高橋瞳を連れてくるトコだろぉがーっ!


作画の面はとにかく笠原に注目したいですね(笑)
喜怒哀楽の激しい彼女のコミカルな表情
そして後半では、もはや一介の成人女子とは思えないジャッキー・チェンばりのアクションを繰り広げてくれますw
ホント、名実共に笠原から目が離せない作品となってますよ^q^
オイラの勝手な憶測ですけど、たぶん『わすれなぐも』でロトスコをやってた新人さんが、もしかして来てる???


いやはや、それはさておき
実弾が飛び交う世界なのに相変わらずな【絶対に死人が出なさそうな中途半端な緊張感】がこのシリーズのイチバン残念なところ;
予告編からして『堂上教官がまるで死にそうにない』のが薫り伝ってくるのは流石に問題視すべきw
あと露骨なラブコメ路線から多少シリアスな路線に回帰したことで、ラブコメとの両立が上手くいってないのも解るのがちょっとぉ・・・











んでもまあ日野の悪夢、笠原と堂上の出会いといったテレビシリーズのダイジェスト的な組み込みを説明臭くなく自然に潜り込ませたのには拍手
極めつけは劇中で一瞬ではありますが中澤毬江ちゃんが映るかつてのスタッフの罪滅ぼし的なシークエンスもあるんで多少大目にみてこのぐらいが妥当な評価
何より大事なことは、この作品を観たアナタが【表現の自由】とはどうあるべきなのか?をこの物語から汲み取って、少しでも考えるキッカケになってくれることであるはず・・・なのでは?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

watawata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

劇場版だけのことはありますね^^

TV本編は物語の起伏に乏しく個人的にはイマイチだったのですが。
やはり劇場版は違いますね。アクションシーンが盛りだくさん。
要所要所に盛り上がりのポイントがバランス良く配置されてますね。
見ていて飽きが来ませんでした。
でも作品中にTV版の補足はあるもののちょいと、説明不足でしょうかね。
まずは前作を視聴することをオススメいたします。

お気に入りの作品の一つなので、第二期製作希望です^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

59.1 13 友情で小説原作なアニメランキング13位
もしドラ(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (552)
2113人が棚に入れました
都立高校の弱小野球部マネージャーとなった川島みなみは経営学の大家・ドラッカーの著書『マネジメント』を手に、そう宣言した。すべては入院してしまった親友・宮田夕紀に感動を与えるために。だがこの野球部は問題が山積みだった。言いたいことが部員に伝わらない監督、レギュラーであることを疑問に思う俊足外野手、キャプテンであることを悩む四番打者、そして監督への不満を抱えたエースピッチャー。みなみの目の前には多くの難題が立ちはだかる。野球部にとっての「顧客」とは? 部員のやる気を引き出すための自己目標管理とは? マーケティング、社会貢献、高校野球へのイノベーション。『マネジメント』に書かれた企業経営や組織論のエッセンスを高校野球に応用し、みなみと野球部員達は甲子園に出場できるのか?

声優・キャラクター
日笠陽子、花澤香菜、柿原徹也、陶山章央、津田健次郎、浅沼晋太郎、仲谷明香、細谷佳正、中西英樹、赤澤涼太、内匠靖明、平田絵里子

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

正直、面白くはないです…。

アニメ化前に原作は既読でした。実は原作も面白くはないです。(←じゃあなぜ、お前は観た(笑)?)

原作は「ドラッカーの著書『マネジメント』を初心者向けに解説するために、高校野球の部活の運営に当てはめたストーリーを作ってみました」的な本です。本書自体が後にコミカライズされましたが、そちらもほぼ原作小説に忠実なストーリーだったはずです。病弱な友人とか、そんなお涙ちょうだい設定はいらんのや…。

本書が初めてだったかどうか定かじゃないですが、本書の後に同じようにちょっと小難しい有名な実用書を解説するために小説やマンガ仕立てにした作品が雨後の筍のようにたくさん出た気がします。

作品がそんなバックグラウンドを持っていたせいか、本作はNHKの企画で製作されたのでした。キャラクターデザインはコミック版準拠だったように記憶しています。かなり原作に忠実に作られていますが、原作が面白くないので面白くありません。ただ、原作の内容を知りたくて「アニメなら頭に入りやすい」という向きにはお勧めできます。

野球部の部活が舞台となりますが、間違っても野球のシーンに期待してはいけません。グラウンドの作画とか、パースがおかしいし噴飯ものでした。まあ、ストーリーを追うのに支障は出ませんけどね…。

何で観たか思い返してみると、単に「原作もつまらないながらも読み通したし、話のネタくらいにはなるかもしれないから観てみるか…」程度の動機だったような気がします…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ノーバントノーボール作戦について

ベストセラーのアニメ化。
ドラッカー理論を高校野球で解説したアニメです。

ドラッカー理論の解説については可もなく不可もなくです。
ストーリーについては平凡で、結末は予想可です。
にも拘わらず少々泣いてしまいました。

私は趣味が被るため、野球アニメは敬遠しています。
このアニメについては、日笠さんと花澤さんの共演と、キャラのかわいさにより視聴しました。

ここでひとつプロ野球について。
このアニメで出てくる「ノーバントノーボール作戦」。
細かい駆け引きで成り立つ野球では、一般的にはありえない作戦です。
でも、私はこの作戦が好きです。

勝負の世界では勝つことは重要です。
しかし、プロ野球はエンターテイメントです。
勝つことを重視するあまり、大事なことを忘れているような気がします。
高度な技術を魅せることがプロ野球の至上と思うので、敬遠やバントのような作戦は見るに堪えません。
このような作戦をとることは個人的には興醒めで、やめてくれと思います。

アニメの感想の方が少なくてすみませんでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

みなみと親友と野球とマネジメンと

面白かったです
10話構成と、わりと短いほうですが
テンポよく最終回まで持っていったなという印象です
簡単に言えば無駄な部分が少なかったって感じです
どの話も楽しめたことは評価出来ると思います

正直、ついこの前までこの作品がアニメ化されてるの知りませんでしたw
前に世間的に話題になった作品だったので名前は知ってましたが
映画は観てないですがアニメは良かったと思います

けっこうマネジメントについての説明は多かったです
ドラッカーの「マネジメント」買う日が来るかなぁ…
ラノベがかなりたまってきてるので無理か笑
いや、それ以前にお堅い書物は苦手でした。ヘ(≧▽≦ヘ)

azusaさんの歌声を久々に聴けたのも良かったです
アマガミ以来かな?
透き通った声が私好みの歌手さんです

野球を中心とした笑いあり涙ありの青春ものです
意外にコメディ要素多かったです
野球の試合も熱く、全体的に楽しむことができました
もう少し評価されても良いのかななんて思ってます

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

67.3 14 友情で小説原作なアニメランキング14位
少年陰陽師(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (206)
1449人が棚に入れました
時は平安。安倍昌浩は、稀代の大陰陽師・安倍晴明(じい様)の末の孫で、陰陽師。といってもまだまだ半人前。よき(?)相棒の、物の怪(愛称もっくん)と、じい様におちょくられながら、修行に励む日々。ある時は、異邦の大妖怪を倒し、またある時は、黄泉の屍鬼の大群から都を救う。 そんな中、またもや昌浩の周りで奇怪なことが……!

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

陰陽師の王道ファンタジーの話。

結城光流の原作の小説でスタジオディーンが

制作したアニメです。原作未読。

話は王道ですねとしか言えないくらい

王道ものだった。人々を異形のものどもから

守る陰陽師一族の末の孫が

異形のものどもと戦いながら町や人々を

守っていく感じです。

王道ものは展開が読める分さらっと

見ることができると思います。

キャラにイケメンが多かったなあ・・・

(そんな趣味はありません!)

OP、EDはそこそこで悪くはなかったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少しづつ思い出しながら書きかけ。できれば、またみたい。

放送当時大好きだった。

もっくんと昌浩のかけあいがちょっと笑えてほほえましくて
観ててとても好きだったなぁ。

途中、この二人の関係についてのお話があって、
{netabare}初めての出会いのことなんかも描かれたり、
あることがきっかけで、あんなに仲良かった二人が
一緒に入られなくなりそうになったり、
切なくて感動的だった気がする。 {/netabare}

おぼろげだけど、
OPかEDで人型のもっくんと赤ちゃんだったころの昌浩が
まどろんで眠ってるっぽいイラストを見て、
ジーンときちゃったりしてたような。

OPの曲は普通にいい曲ですが、
EDは、曲は悪くないのに
もう勘弁してほしいってくらい歌が下手すぎて、
いったいどうしちゃったんだろうとびっくりしました。
後半から少しましになったけど、いままでで最低でした。

終了時確か続きがあると思ってずっと期待してましたが、
いまだに作られてない。

再放送してほしいな。

続編も見たい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

runa21 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

巡ってきた

主人公は
偉大な陰陽師清明の孫で、
唯一の後継者です。

まだまだ子どもですが、
清明の無理難題に文句を言いながら
あらゆる事件を解決するため奔走し、
それによって少しずつではありますが
後継者として成長していきます。


っと言う話です。


原作から入ったので、
楽しんでみれましたが、

もしかしらた原作を見ていない人は、
スピードが速すぎて
ついていけないかもしれません。


この話を見ると、
おそらく貴船に行きたくなると思います。

なぜかは原作を読んでいただくか、
アニメを見ていただければわかると思います。


陰陽師なんだから清明神社じゃないの?
っと思われるかもしれません。
もちろん、清明神社も行ったことがあります。
よかったです。

よかったですが、

この話を見た後は、
きっと貴船です!!
絶対に貴船です!!


っと言うことで、
貴船に行ってきました。


いや~よかった。
人生初の流しそうめんを経験しました。

「日常」を一瞬思い出しながらも
かなりテンションあがりました。

いつくるか、いつくるか、
っと構えていても、
なかなか反応するのが大変です。

気を抜いて
素晴らしい景色なんて見ようものなら、
そうめんが通過してました(笑)


そうめん通過した瞬間の
「あー(゜o゜)」
っという何とも言えない顔は
おそらくなかなか体験できません。


一瞬の気も抜けません。

動体視力と
反射神経と、
集中力を

ここまで酷使したのは
小学校のドッジボール以来でした。


隣に座っていた海外のお客さんも
めっちゃ盛り上がっていました。



しかも涼しかった!!


女性客がなぜか多いのは、
縁結びがあるからではなく、
この話が理由かもしれません。


少年陰陽師見た方は
ぜひ貴船まで足を運んでみては
いかがでしょうか。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

78.7 15 友情で小説原作なアニメランキング15位
風が強く吹いている(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (418)
1425人が棚に入れました
夜。逃げるように街を駆け抜ける蔵原走(くらはらかける)。その横に、不意に自転車が走り込んで来る。見知らぬ男が、走に向かって問いかける。「なあ!走るの好きか!」。男の名は清瀬灰二(きよせはいじ)。走は、灰二に導かれるまま、竹青荘という古びたアパートに辿り着く。そこに暮らす個性豊かな9名の住人。最後の空室を勧められ、戸惑いながらも、押し切られていく走。まさか自分が、『10人目の男』だとは、夢にも思っていなかった…。

声優・キャラクター
大塚剛央、豊永利行、内山昂輝、入野自由、榎木淳弥、上村祐翔、興津和幸、株元英彰、北沢力、星野貴紀、木村珠莉、中村浩太郎、河西健吾、日野聡

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

そして、次に襷をつなげるのです。

「風が強く吹いている」は
等身大の男子大学生が本気で箱根駅伝に向かって物語を創り、進んで行く作品です。

箱根駅伝出場は無謀ですか?
物事に本気で立ち向かったことはますか?
無理だと笑っている人に本気で笑い返せますか?
努力のあとの結果には何を求めますか?


竹青荘寮生は10人。
10人もいるけど、すぐに憶えられるほど個性的です。
その中で陸上経験者は3人。
陸上を諦めたニコチャン先輩
高校で実力がありすぎて孤立したカケル
過去に何があったかわからない主将ハイジ
残り7人は陸上未経験ですが全員が箱根の為に努力する姿はカッコいいです。

8話から面白くなってきます。
正直、本作品4話まで観て、物語の動きが鈍いなぁと思い保留作品にしてましたが、8話からは目が離せなくなりました。
中盤からは見逃せない展開で、チームとして順風満帆ではない物語の中でどの様に団結して行くのかも見所です。

最後まで襷をつなぐ箱根駅伝というスポーツの清々しい青春物語を楽しめます。

是非、観て頂きたい作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

それぞれが感じる、美しきこの世界

アニメーション製作:Production I.G.、
監督:野村和也、
シリーズ構成・脚本:喜安浩平、
キャラクターデザイン:千葉崇洋
原作:三浦しをん

完璧なフォームで走る蔵原走(カケル)。
それを自転車で追いかける清瀬灰二。
猛スピードのなかで、灰二は問いかける。
走るの好きか?

主人公のカケルは、高校時代に
長距離の有望選手だったが、陸上をやめてしまっていた。
ある日、竹青荘の寮長である灰二から誘われ、
カケルは寛政大学の寮に住むことになる。
そこは灰二が何年もかけて計画していた
箱根駅伝を目指す陸上部のための住まいだった。
事情を何も知らされていなかった寮生たちは、
灰二に翻弄されながらも箱根駅伝に向けて走り出す。

どれだけ上手く嘘をついているか。
創作物を目にするときに私が重視していることだ。
サークルにも入っていない大学生たちが
1年足らずで箱根駅伝出場を目指す。
このあらすじを読むだけなら、そんなことは不可能、という
ひと言で終わりだろう。
健康ブームにも乗り、昨今は市民ランナーが増えている。
走ることに対するリアリティの感覚は、
より厳しくなっていると思う。
ジョギングの経験がある人なら分かると思うが、
1キロ3分のタイムは、普段から走っている人でも
才能がなければ、まず難しいスピード。
それを20キロとなると、ほとんど超人だ。
しかし、この作品はキャラクターの心情に寄り添い、
過程をとても丁寧に描いているため、
いつの間にか嘘の物語に引き込まれてしまう。

原作は未読だが、実写映画は視聴済み。
映画は2時間を超える作品だったが、
やはり、そのくらいの時間では
箱根を目指す描写が足りないように感じた。
その点、この作品は23話をかけて、
きっかけから葛藤、10人それぞれの想い、
ハードな練習、予選会などを描き切っている。
主人公ふたりはもちろん、ほかの部員たちの出身や
性格、バックボーン、家庭の事情、
子供のころの出来事など、細部まで考えられていて、
全員の人間像が見えてくる。
生き生きとしたリアルなキャラクター設定。
どの人物も本当に魅力的なのだ。

そして全話を通じて展開がとても上手く考えられている。
メンバーがひとつになっていく心の動き。
いちばん遅い王子の走りを皆で応援するときの団結。
カケルの過去を全員で共有する温もり。
「何のために走るのか」という
ジョージとジョータの問いに対する灰二の答え。
全ての出来事がラストに向かって絡み合いながら
一本の道になっていく。

{netabare}予選会の歓喜の通過後、箱根駅伝に挑む。
1区/王子、2区/ムサ、3区/ジョータ、4区/ジョージ、5区/神童、
6区/ユキ、7区/ニコちゃん、8区/キング、9区/カケル、10区/灰二。
走っているとき、それぞれの心に大切な思い出が蘇る。
全員が色々な想いを抱えて走っている。
秀逸なのがその時に自分の生き方を振り返り、
心のなかで何かが大きく変化する描写だ。

王子は灰二からかけられた言葉、
ムサは風呂場で灰二と交わした会話、
ジョータは弟への期待と葉菜ちゃんへの恋心、
ジョージは戸惑いと後悔、
神童は寛政大学ランナーの全ての想い、
往路5人それぞれの感情と向けられる期待を受け止めて走る。

特に心に残ったのは復路の21話の描写だった。
ユキは、カケルのスピードを箱根の山の下りで感じる。
その世界は美しいが、あまりにも寂しすぎた。
生きた人間には耐えられそうにない。
そのときにユキの母親の声が響く。
母は新しい父との間に妹を身ごもった。
とても柔らかい幸せそうな母の笑顔。
ユキは耐えられず、家族と疎遠になった。
その母が箱根まで来て、妹や義父とともに
息子のために声を張り上げていた。
ユキのなかで世界が変わるのだった。

ニコちゃんにとって走ることは、厳しく、楽ができない世界。
一度は完全に諦めてしまったことだった。
高校時代の顧問に体格の問題から
別競技への転向を薦められる。
走ることが大好きだったニコちゃんは、
そこで気持ちが切れてしまった。
灰二がいたから、また味わえた気持ち。
「走ることが好きだ、愛してる」
改めて想いが強烈にこみ上げてくるのだった。

キングにとっての現実は演じなければいけない場所。
しかし、走っているときだけは演じる必要がなかった。
そこは最も自分自身を感じられる世界になった。

カケルは、走ることについての特別な想いを
走り出す前から噛みしめていた。
そして、幻の自分を前方で見つめながら、
究極ともいえる領域へと踏み込んでいく。

灰二は怪我をしてから、ここまでの道のりを思う。
自分は弱いと思い、強さを求めてきた。
速いことよりも強さが欲しかった。
それを手に入れたことを証明するために、
灰二はゴールを目指す。{/netabare}

走ることによって辿り着くゴールは全員が違う。
しかし、タスキをつないで想いを共有できることは、
かけがえのない、とても幸せなことだった。

美しい世界が、確かにここにあった。


走ることに対するちょっとしたつぶやき。
{netabare}何のために走るのか。
昔は、よく考えた。
走ることは物心がついたころから大好きだった。
空気を切り裂き、筋肉が躍動する。
スピードに乗って加速した世界の変化に夢中になった。
それはユキが感じた「美しきこの世界」のようなものだと思う。

今でもよく思い出すのが中学の陸上部で
先輩たちとともに走ったインターバル練習。
学校の周囲の長い距離をゆっくりと走りながら、
合図とともに100メートルほどのダッシュを何度も繰り返す。
先輩から褒められるごとに自信を深めた。
しかし、学内でいくら速くても、
広い世界に出ると、速い選手はたくさんいる。
たった3キロほどの大会に出ても、
そのほとんどの時間がメチャクチャ苦しくて
耐えられないほど辛いものになる。
自分との闘い。
勝つためには限界を超えた苦しみを
ずっとひとりで抱えなければいけない。
何のために走っているのか分からなくなった。
私は高校生になってサッカー部に入った。

社会人になって忙しくなり、フットサルをやらなくなって
時おり、健康のためにひとりで走るようになった。
私はやはり走ることが好きなのだと実感した。
この作品を観ていると、そんなことを思い出した。{/netabare}
(2019年5月3日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「あり得ない」のその先へ

 ぺー 「敗北を知りたい」
 同窓A「全く強すぎるというのも罪ですな」

仕事始めここ数年では恒例のご挨拶。箱根駅伝は年始の楽しみの一つな私。箱根路を疾走するランナーには遥か及ばないものの自分も走るので、彼らがどれだけ凄いかのさわりくらいなら理解できてるつもりです。

だからこそ視聴する前から「あり得ない」のはわかりきってたこと。ん?それ以前に、ランナーでなくてもそりゃわかるか。素人込みの大学生が箱根を目指す物語だなんて。。。
視聴動機は“三浦しをん”。原作の出来が仮に直木賞作家の駄作だったとしても一定水準は満たしてるやろ、とだいぶ上からの入りでした。どうもすみません。原作も漫画も未読です。


で、掌を返すわけであります。あり得るあり得ないはいったん置いときますね。全23話。ハイジの表情(かお)に全てが集約されてると感じた最終回。
注)いきなり最終回のネタバレなので観終わった人だけ開けてね!

{netabare}ゴール直前で膝爆弾が爆発した瞬間だけ顔を歪めました。しかしその刹那以降、ゴールテープを切るまで苦悶の表情を浮かべることは一度もありませんでした。{/netabare}
{netabare}これには正直やられました。ハイジが倒れるか大ブレーキで足を引きずりながらゴールするかのイメージしか持てなかったからです。脳裏に浮かぶはロス五輪のアンデルセン選手的な展開。{/netabare}
{netabare}9人が繋いだ襷の意味=ハイジが求めた“走る意味”がシンクロし、プレッシャーや不安とは別次元の喜びに満ち足りていたあの表情です。おそらく選手としては人生ラストラン。″頂点”を見つけてカケルのもとまで辿り着き崩れ落ちました。理想の走りに近いと評されたカケル。なぜ走るのか?一生かけても未完で終わるだろう物語の襷はハイジからカケルへと託されたのです。{/netabare}
そのハイジの表情に至るまでの紆余曲折が丁寧に描かれた青春ストーリーでした。

メインは学生寮竹青荘住人の寛政大学に通う大学生10名。


ハイジ(清瀬灰二)声豊永利行
カケル(蔵原走)声大塚剛央
ニコチャン(平田彰宏)星野貴紀
ユキ(岩倉雪彦)声興津和幸
キング(坂口洋平)声北沢力
神童(杉山高志)声内山昂輝
ムサ(ムサ・カマラ)声株元英彰
王子(柏崎茜)声入野自由
ジョータ(城太郎)声榎木淳弥
ジョージ(城次郎)声上村祐翔


すくすく伸びゆく″青竹”の字が逆転していることが何かを指しているのか、皆ここに至るまで何かを諦めたり挫折したり、痛みを抱えている面々です。
メイン10名と登場人物が多い弊害は、2クールかけて各人に焦点をあてられたことであまり気にはなりませんでした。
取ってつけたような理不尽エピソードによるトラウマ発生ではなく、なにかどこかでちょっとボタンを掛け違って停滞してしまった駅伝メンバーたちです。
{netabare}ケガに対して切り捨てる監督と焦るなと慮る監督。結果として教え子二人は走ることに背を向けます。本人の意向より適性を重視する監督もいました。何が正解だったかはわかりません。正解がないからこそそれでももがいて足掻いて答えを見つけ出そうとする彼らに共感を覚えました。{/netabare}


放送が日テレ系と本職の駅伝中継職人だったこともあって予選会を含めたレース再現度は高いです。
そのため走ってる人がついこの間まで素人だったということを除けばレースの臨場感は充分伝わってきました。

よくある高校の青春ドラマと比較して自由度の高い大学生という設定。選択肢が多くある中であえて無理ゲーに挑む彼らの心の変化をぜひ見ていただきたい。
挑む壁は無理ゲーだとしても、挑戦を通して向き合わなければならない自分自身の課題は身近にありそうな素材ばかりです。


 「あり得ない」のその先へ


箱根を目指すという題材のリアリティはほぼ無いといって差し支えがなくても、描かれる人物にはリアリティを感じられる。
本作は後者の視点により軸足を移すことで満喫できました。逆に前者が気になると本作は楽しめません。こういった場合こう思うわけであります。


 物語くらい夢があってもいいよね


嗚呼、久しぶりに使うこのフレーズ。そして物語には続きがあるのです。

{netabare}まずは微笑ましいやつ。。。
・ジョータ続けてるんかい!
と走りに魅せられたこの間までの初心者さん。
・カケルと藤原の終わらない旅
常人には見えない景色を二人は見ていてさらにその先を追い求めて止まないことでしょう。
・ハイジの親父さん
王子の公認記録突破の時のハイジ。大事なところでは寡黙なのは親譲りなのか。
時は流れて、親父さんは妻とは離れた場所で息子を見守る。贖罪?応援?息子への想い? 震えるストップウォッチに父親が息子に抱く感情が痛いほど伝わってくる。父もつらいのだ。
そして、ハイジは父と同じ指導者の道へと進む。{/netabare}


カケル、ハイジ、そして王子の人気が高いようですが、誰が良いとかはあえて触れず。
バラバラだった10名が繋ぐ襷の物語。力作です。


■オマケ1
酒を飲むときくらいはちょっと陸上から離れようかww
{netabare}最終回Cパート。一升瓶の差し入れは右手に『天下の険(麦)』左手に『ニライカナイ(泡盛)』
箱根から理想郷(ニライカナイ)へ(笑)
ユキかニコチャン先輩は気づいてそう{/netabare}


■オマケ2
「予選会は昭和記念公園に隣接する自衛隊駐屯地からスタートする」
軍用飛行場が母体のこのエリア近所には今は社名変わって存続中の“立飛飛行機”があり、冬期作品「コトブキ飛行隊」の“隼”の製作協力をしてたりしました。
軍用研究の名残りなのか同じくご近所には「宇宙よりも遠い場所」でお馴染みの“極地研究所”なんていうのも。聖地巡礼が捗るかもしれません。
{netabare}そういえばハイジの親父さん、一人で見に来てなかったな?これは自信ない。{/netabare}


あー、ちょっと恋要素は蛇足に見えました。



-----
2019.08.28追記


視聴時期:2018年10月~2019年3月リアタイ視聴

前半ED「リセット」がお気に入り



2019.04.20 初稿
2019.08.28 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

58.5 16 友情で小説原作なアニメランキング16位
少年ハリウッド(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (177)
869人が棚に入れました
かつてアイドルになることを夢見ていた32歳の桜木広司は、ある日アイドルグループ「少年ハリウッド」の新メンバーにスカウトされる。広司は柊剛人(ひいらぎ つよと)と名を変え、年齢を17歳と偽ってアイドルになることを決意する。原宿にある架空の劇場「ハリウッド東京」を舞台に、「少年ハリウッド」の少年たちの夢と成長を描く。

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

初の男子アイドルもの(´▽`)

イケメン男子5人がアイドルグループとして
成長して行く姿を描いた作品。 全13話。


原作は小説のようですが未読。
その原作から15年後を描いたのが今作。
個人的に初の男子アイドルものなので
どんなもんかと興味津々で視聴を決定。

少年ハリウッド=グループ名です。
ストーリー自体はほぼ予想通りでしたw
可もなく不可もなくの展開が最後まで。
良く解釈すると安定して視聴できる
悪く解釈すると盛り上がりに欠ける。
残念ながら、今作は後者に当てはまるかな(;´∀`)

イケメン男子たちにもあまり魅力を感じられず
歌やダンスも正直微妙なところでしたかねぇ。

逆に面白かったのは演劇や歌番組に丸々1話を
費やす演出ですかね。 驚きましたw
新しい試みで良かったと思います♪

総評として
『ほらほらぁ、彼らの過去…気になるでしょ?
げ・ん・さ・く・買っちゃいなよ!』っていう
メッセージだけはビシビシ受け取れましたw


アイドルものとして、あまりオススメはできませんが
好きな声優さん目当てなら楽しめるかも知れませんね。

残念ながら男子アイドルものの今後の視聴を
躊躇させる作品だったと思います(´▽`;)
が、この作品すでに2期も決定してるんですよね。
リベンジするか……う~ん、検討しますw




《キャスト》
風見 颯(CV.逢坂良太)
甘木 生馬(CV.柿原徹也)
佐伯 希星(CV.山下大輝)
富井 大樹(CV.蒼井翔太)
舞山 春(CV.小野賢章)
風見 紗夏香(CV.堀江由衣)
勅使河原 恭一(CV.新田将司)
シャチョウ(CV.浪川大輔)



《主題歌》
OP
『ハロー世界』/少年ハリウッド
ED
『ハリウッドルール1・2・5』/少年ハリウッド(第1話)
『子鹿のくつ』/風見 颯(CV.逢坂良太)(第2話)
『運気上昇イエローパンチ』/富井 大樹(CV.蒼井翔太)(第3話)
『Life and death』/カスタマイZ(第4話)
『エアボーイズ』/少年ハリウッド(第5話)
『マジでJIN JIN』/風見 颯(CV.逢坂良太) 甘木 生馬(CV.柿原徹也)(第6話)
『ハロー世界 popcorn ver.』/少年ハリウッド(第7話)
『永遠 never ever Bitter chocolate ver.』/舞山 春(CV.小野賢章)(第8話)
『うたいたい歌』/カスタマイZ(第9話)
『赤い箱のクラッカー ~Let's Party~』
佐伯 希星(CV.山下大輝)富井 大樹(CV.蒼井翔太)舞山 春(CV.小野賢章)(第11話)
『ハロー世界』/少年ハリウッド(第13話)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

男性のアイドル物語

15年前に解散した伝説のアイドルグループ・少年ハリウッド。
現在の少年ハリウッドは、まだまだ駆け出しのアイドルグループであった。
その少年ハリウッドの頑張る姿を描いた物語。

大まかなストーリーの流れはありますが、1話完結の話も多いです。
気に入った放送回だけを視聴しても大丈夫でしょう。

自分が印象に残ったのは演劇回と歌番組回。
中小規模の芝居を見に行った事がある人であれば分かると思いますが暗転する場面が少ないです。
芝居の出来は微妙かなぁ……
芝居の終わりに拍手をする気は起きませんでした。
ただ、人気の有る無しに関わらず、自前の劇場を持っているだけでも凄いです。
アイドルグループという事でAKBのようなイメージを持って自前の劇場を持っている事にしたのでしょう。
真面目にやっているのにお笑いに見える歌番組回。
演歌の人が出てきた時には笑ってしまいました。
真面目に歌っている場面なのですが、どうしても笑いをこらえきれません。
アイドルグループの少年ハリウッド以外にも色々なジャンルの人たちを登場させたかったのでしょう。
突然、現れたミス・モノクロームが出演したのには驚きを隠せません。

個人的に一番問題になったのはキャラの目でしょうか。
よく言えば人形の瞳、悪く言えば死んだ魚の目と表現してもいいのかな^^;
おそらくアイドルという事で目をキラキラさせたかったのでしょう。
各キャラの目のために顔が怖い印象を持ちました。

まだまだ下積み時代で大きな失敗や挫折のない少年ハリウッド。
すでに2期目の制作が決定。
それほど面白い作品とは思えませんが……
2期目では困難を乗り越える姿が見たいものです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

アメリカのハリウッドのお話ではありませんw

原作未読 13話 2015年1月 2期予定

アイドルグループ「少年ハリウッド」のメンバーがデビューするまでのお話です。

女性アイドルの作品(アイドルマスター、ラブライブ、Wake Up Girl)は観ましたが、男性アイドルの作品(うたプリは未視聴)は初めてだったので興味があって観てみました。

キャラデザは苦手な方もいるかも知れませんね。

でも1話まるごと劇にしたり、歌番組にしたり、結構実験的なことをしているのでなかなか面白かったです。
{netabare}(まさかのミスモノクロームの出演にはびっくりしましたw){/netabare}

それぞれのキャラに焦点を当てているのも良かったですね。結構感情移入できました。

OP/ED EDは曲が多くてアイドルらしい曲ばかりですね^^

最後に、{netabare}他にもミュージカルぽいのもありましたが{/netabare}観ている私の方が恥ずかしくなるシーンもありましたねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

62.6 17 友情で小説原作なアニメランキング17位
バチカン奇跡調査官(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (191)
825人が棚に入れました
美貌の天才科学者にして真理究明の申し子・平賀と古文書・暗号解読のエキスパート・ロベルトという若き天才神父コンビが、バチカンに寄せられる奇跡の申告を調査し真偽を確かめる“奇跡調査官”として、 世界中の謎や事件に挑みます!

声優・キャラクター
岡本信彦、諏訪部順一、江原正士、斉藤壮馬、遊佐浩二、安元洋貴、代永翼
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「聖職者と呼ばれていても、現実はこんなもの」ってことが言いたのかな?

原作未読。

最初に「この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等はすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。」と、断りを入れないといけないほど、とある宗教団体をイメージさせる作品。
このレビューも、あくまでも”この作品に対する”レビューですから・・・。
とある宗教団体に対する批判ではありませんからね!(笑)

【物語の構成】
1 第1話から第4話
2 第5話
3 第6話から第8話
4 第9話から第11話
5 第12話
の5つの物語で構成されている。

このうち、1、3、4の物語はバチカン奇跡調査官の平賀とロベルトによって{netabare}否定されている。
むしろ、陰に潜む陰謀まで明かされている。
もはやこれは、宗教団体ではなく犯罪集団の物語だ。{/netabare}

2の物語は、平賀が本人から直接聞いた話。
{netabare}平賀は「真実の話」と結論している。
ただ、私には戯言にしか見えなかった。
平賀もローレンも「あらゆる資料を調査した」と言ったが、過去の資料に矛盾が無いのは当然だ。
そもそも、調べようにも資料自体が存在しないような話が多かった。{/netabare}

5に話に至っては、{netabare}単なる偶然が重なったとしか思えない。{/netabare}

【聖なる奇跡】
そもそも、「聖なる奇跡」なんて命名して特別扱いをするから、こんな不正が発生する。

『自分だけ(もしくは自分たちだけ)は特別な存在である』と認められたい『承認欲求』に打ち勝てない者。
私利私欲のために、犯罪にまで手を染める極悪人。

「聖職者と呼ばれていても、現実にはこんなもの」人間の醜さを描いた物語。

【バチカン奇跡調査官・平賀とロベルト】
正直11話までは、この物語の中で唯一、まともな人間だと思っていた。
ただし、この感想は12話で覆された。
{netabare}
平賀とロベルトも、自分の事、自分の身内の事となると、『単なる偶然』=『聖なる奇跡』と呼びたいらしい。
ただし、この二人はバチカンに申請しなかっただけマシ。{/netabare}

【最後に】
ミステリーと呼ぶには少し物足りない作品かな?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

種も仕掛けもあるのかないのか

原作未読 全12話

「奇跡の申告」を元にバチカンから派遣された神父で奇跡調査官の2人の活躍を描くミステリーホラー作品です。

世界の教会が舞台で、1エピソードにつき4話・1話・3話・3話・1話と5エピソードで構成されていました。

奇跡や奇跡に伴う殺人事件の謎を解くというお話です。殺され方も酷いですね。

作画も重苦しい雰囲気で、この作品の世界観がよく表現されていました。

ホラーが気にならなければ、謎解き作品が好きな人は観てもいいかもしれませんね。

OPはSCREEN mode、EDは奇跡調査官の一人、平賀・ヨゼフ・庚(ひらが・ヨゼフ・こう)を演じている岡本信彦さんが歌っています。

最後に、エンディングの終わりに奇跡調査官の2人の会話で終わるのですが、中には恋人同士の会話みたいな感じのところがありましたねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

それは、奇跡か呪いか犯罪か。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
掲載誌からいって、ジャンルはミステリーホラーかな。(私はホラー苦手ですが)ホラー要素は大して怖くなく、ミステリーの要素が強かったです。

ミステリーとしては中の下ですが、まあ、あまり頭を使わなければ、なんとなく雰囲気でやや漠然とほんのり楽しめましたよw

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
天使のような~ 悪魔の笑顔~ この街(世界)に あふれて~いるよ~♪ 挫けそうでも~ 迷いそうでも~ 見つけ出す 必ず 本当の 心(奇跡)を~♪」by 近藤真彦 ミッドナイトシャッフル

っていうアニメです(笑)

奇跡を信じるからこそ、偽奇跡の真実を暴くっていう設定は面白かったかな。ロベルトも平賀も基本は司祭なので、「もしかして本当に奇跡か?」と思っているのは新しかったかな~と。

ミステリーのキモともいえるトリックでしたが、まあ、可もなく不可もなく。

大抵が、謎解きの段階で肩透かしをくらう。一応科学的な根拠を提示してくれますが、それが若干こじつけくさいというか、10回チャレンジしたら1回くらい成功しそうなことが都合よく毎回成功している感じがした。

最後の12話は、特によくわからなかった。いや、作品全体の中ではメチャクチャ重要なエピソードかもしれないけど、如何せん唐突に始まり、唐突に終わったので、視聴後に、頭の上に??????が浮かんでいる状態だった。

最終回の存在意義が、ある意味で一番のミステリーでした(苦笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
キリスト教の世界観をを下敷きにした、ミステリーホラー? なのに、1話の中で解決までもっていけないのは、ここで切られる恐れがありますよ~。

2話目
なんかこう、奇跡が安っぽいかな。

3話目
マリオの件、ジェームズを都合のよい目撃者に仕立てるのは良いとして、マリオが血管症と部分的な記憶障害を引き起こすというのは計算できないわけだから、普通に証言されていればアウトだったわけで。ご都合主義だな~。都合良く証言者が現れるとかw

4話目
ナチスを絡めてくるのね~。証拠ごと燃やすという暴挙&危うく大量殺人w 硫酸かけるくらいなら、普通に銃殺で良かったのでは?

5話目
1000の願いって、例えば、「コップを左に動かして」「コップを右に動かして」って、1000回繰り返したら良いだけじゃない?

6話目
洞窟の中の覆面男、手が白人ってだけで、容疑者が二択になるんじゃ?

7話目
ビックリするから、いきなり叫ばないでほしいw ヘビの毒による幻覚ってこと? 毒蛇に噛まれた場合、口で吸い出すと、感染症のリスクが増したり、幹部への刺激によって血の巡りが早くなり、逆に毒が回ります。犯罪者の予言は、自作自演がデフォ。

8話目
仲違いという、トラップ。予言はこじつけ、というデフォ。ミステリーで、「未知の」を出したら、負け。やや、腐臭。

9話目
首を深く切られたのに、悲鳴って上げられるのかな。

10話目
ふーむ。

11話目
コカインって。吸ったことがないからwよく分からんが、そんな少量でみんなが都合よく幻覚見るようなものなのか?

12話目
急に作画良いけど(笑) よく分からない最終回だな。これが初回でも納得がいく。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

63.2 18 友情で小説原作なアニメランキング18位
チア男子!!(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (187)
800人が棚に入れました
人を応援することで主役になれる、世界で唯一のスポーツがある。
チアリーディングに青春をかける、ちょっとワケアリだけど、キュートな男子大学生たちの物語、それが『チア男子!!』。
柔道でザセツした坂東晴希は、幼馴染の橋本一馬に誘われて、前代未聞の男子チアリーディングチーム「BREAKERS」を結成する。
集まってきたのは、理屈っぽい溝口、大食いのトン、お調子者の関西人・弦とイチロー、そしてチア経験者の美青年・翔という個性は揃い。
"壊したい”何かをもつ男たちの、新たなる挑戦が始まる...!"

声優・キャラクター
米内佑希、岡本信彦、小野友樹、杉田智和、林勇、桑野晃輔、小西克幸、安元洋貴、山谷祥生、畠中祐、村瀬歩、沢城千春、勝杏里、広瀬裕也、木島隆一、文曄星、木村隼人、弓原健史
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

バク転とか、一回やってみたいよね(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
基本的には女子向けかもしれませんが、BLではありません。男子チアリーディングをテーマにした、青春群像劇、スポーツもの。一番近いのは、「ウォーターボーイズ」かな。

原作は小説。「桐島、部活やめるってよ」で有名な朝井リョウさんの第2作目。

OP、スゲェ好きです。「メロディ」「歌詞」「映像」が、ここまで気持ちよく噛み合うのもそうないので、マジでOPだけでも観てほしい。

アニメの内容知らなくても、絶対に楽しめるし、アニメも観てみようという気になる、良OPですよ♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
スポ根は好きです。だから、本作のような作風も好きです。

ただ、、、大学のサークルで、オール初心者。マイナーな男子チア。という状況の中で、カズ以外のメンバーが、なぜにここまで高いモチベーションを保っていけるのかが、腑に落ちなかった。

まあ、メガネとハルは、立ち上げから丁寧に描かれたので、多少は理解できる。トンが自分を変えたいというのも、まあなんとなく。ショウは経験者だからOK。イチローとゲンは、、、なんだろうな。

大学という自由な環境の中で、あそこまで生真面目に、全力で、物事に打ち込めるものなのかな? ウチらは体育会系の剣道部で、みんな高校までゴリゴリにやってきて、本気で全学(インカレ)に向かっていた集団だったけど、それでもあそこまでモチベーション高く練習に励んではいなかった(大学の部活で、高校よりストイックなのて、かなり一部だと思います)。

なんか、みんな真っ直ぐで気持ち良い奴ばかりで、若干気持ち悪い(苦笑)  むしろ、後期加入メンバーの方が、しっくりきたかな~。

これが男子高校生とかなら、あの汗臭さもストンと腑に落ちるんだけど、大学生なら、「風が強く吹いている」みたいなノリの方がしっくりきます。せっかく大学生なんだから、もっと酒を呑んでほしかった。それが、大学生設定の良さなのに。

だから、クリスマスパーティーみたいなノリは好きだった。ヒサシは、面倒くさい奴だった(笑)。

アニメ全体をみると、やや淡白な展開が続く。キャラ数が膨大なだけに、そこを深めた結果、ストーリーが薄くなったイメージ。

やっぱり、作画が問題かな。

チアリーディングというド派手、しかも男子の躍動感を描くにしては、動きが少なく、集団競技なのに、数人のカットや顔のアップなどが多く、全体の動きを魅せるカットはかなり少ない(あったとしてもカメラ引きすぎ)。

これに関しては予算と制作体制上、仕方がないのだろうけど、せめて最終回だけは、大人数の迫力ある演技を、フルで見たかったかな。競技の魅力は、言葉やストーリーではなく、動きで魅せるべきでしょ、アニメーションなのだから。

そこだけ不満だったので、☆を1つ下げたしたが、後は、悪くないアニメでした。実写化されましたが、確実に、アニメより実写の方が似合う作風でしたね。

ちなみにバク転は、挑戦したこともないです。高校、大学の頃なら、練習すれば出来たかもだけど、現役だから怪我したくなくて、剣道以外の運動は極力しないようにしてたし、今はもう、絶対に無理な自信があります(笑){/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
作画はなかなか綺麗だな。早稲田? まあ、原作者、早稲田だしな。部? サークルだよな。ポカリそのまんま? スポンサーかな?

2話目 ☆3
まあみんな、自分には「他の可能性がある」って思いがち、だが、基本的に、1つの競技を続ける方が良い。肩痛いのに、倒立?

3話目 ☆3
この、男だらけの銭湯シーンが、ギャグなしで入るから、誤解を抱かれるだろうね。この、可愛い系の男子とか。いくら芝生でも、マットなしはな~。

4話目 ☆3
皆がやたらにチアに向けて前向きなのが、ちょい気持ち悪いというか、出来すぎというか。

5話目 ☆4
まさかのトン彼女宣言から、EDの演技の流れは良かった。

6話目 ☆3
ここで、ショウのトラウマ。まあ、よくある流れというか、王道ですな。

7話目 ☆3
ヒサシ、こういうキャラは必要だよな。ストイックだな~。一生懸命な奴だけに、扱いが難しい。まあ、正論はいつも正しいけど、いつも正論を言うことが正しいとは限らないしね。

8話目 ☆3
ヒサシはな~。「真面目は長所だけど、クソ真面目は短所」なんだよな。ぬるま湯だとブロッコリーはおいしくゆで上がらないて、やたら上手いこと言うよな。陽明大に落ちて、早稲田? 大学チアで、男女混合で関東で強いのって、帝京か日体くらいだけど、早稲田受かるなら落ちるわけないし。モデルはないのかな? ヒサシのブロッコリーは、声優さんも良かったな。

9話目 ☆3
カズの家族。痴ほう症はきついよな。精神的にくる。

10話目 ☆3
あそこで怒鳴るのは素敵だったな。ショウにはお似合いだね。

11話目 ☆3
これは予想外の展開だな(笑) 良い展開だけど、怪我のリスクあるから、柔道やるのはどうだろう? チアの大会後なら、素敵なんだけど。

12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「Go! Fight! Win! Let's Go BREAKERS!!」

この作品の原作は未読です。男子だけのチアリーディングってダイナミックで恰好良いと思います。
ですがチームの華…という視点で見ると、どうしても女子から一歩見劣りしてしまう…
視聴前はそんな微妙な立ち位置であるこの作品を視聴するか迷いましたが、視聴を重ねるうちにハマってしまった作品です。

この物語の主人公は坂東 晴希…柔道一家で育った彼はこれまで柔道一直線で進んできましたが、どうしても勝ち進む事ができないうち、肩を壊してしまいました。
そんな時に幼馴染である橋本 一馬から男子だけのチアリーディングチームを作ろうと誘われ、物語が動いていきます。

柔道一家に生まれ、物心付いた時にはもう胴着を着て柔道をしていた…
これが柔道ではなく、楽器やスポーツでも同じ…所謂幼いころからの英才教育…
確かに小さい頃の方が物事の吸収力も高く、雑念も少なく、ただ親の言われた通りにノルマをこなしていく…

この英才教育が推奨できるかと問われると、正直良く分からないです…
少し前までは良い事とばかり思っていました。
自分の子供を絶対に一流のプロに育てるんだ…という明確な意志がある場合は別ですけれど、大概は親として子供の自信に繋がる一芸を身に付ければ将来何らかの役に立つ…と思って先行投資するんです。

でも人間って勝手な生き物で、先行投資をすればするほど見返りが欲しくなり、結果的に子供に過度な期待を背負わせる事になるんですよね…
一方、子供の方だって小さい頃は訳が分からずやってきて、親とベクトルが合っていればそのまま突っ走るだけですが、少しずつ成長して周りが見える様になったら、それよりもっとやりたい事ができるかもしれないんです。

だから柔道一家に生まれたから絶対に柔道の道に進まなければいけない、という事は決して無いと思います。ですが、これまでの規定路線から外れようとする事には悠木と膨大なパワーが必要になると思いますけれど…
だからこそ、晴希の勇気には賛同できましたし、素直に応援したいと思えるようになりました。

でも男子だけのチアリーディングって、見ている分には恰好良いと思いますが、実際にやるのは相当ハードルが高いように思いますし、何よりメンバーが集まるか、という不安もありました。
それに初期メンバーは素人ばかりでバック転はおろか倒立すらできないところからの出発なんです。
前途多難過ぎのスタートを切る訳ですが、物語の進展に伴いいつの間にかできるようになっていました。

私も小学生くらいの時にバック転をチャレンジした事がありますが、当時決してスポーツ音痴ではありませんけれど相当練習した記憶があります。
体格もこれまでのスポーツ経験もバラバラ…そんなメンバーが一斉に出来る様にはけっしてならないと思います。
陰で一生懸命練習していたのかもしれませんが、逆にそういう努力するシーンは皆無ではありませんでしたけれど、決して多くは無かったと思います。
そういう泥臭い部分って個人的には大切だと思っているので、団体競技における厳しさという視点にもう少し厚みがあっても良いと思いました。

それと、視聴前に華が無い…と思っていましたが、それは間違いでした。
BREAKERSのコーチは女性ですし、晴希の姉の晴子だって登場します。
それに女子チアリーディング部の酒井 千裕ちゃんというなかなか可愛い子も登場します。
まぁ、彼女にはオチがありましたけれど…

目標は全国チアリーディング選手権のファイナル出場…
寄せ集めで創立して未だ1年しか経っていないBREAKERS…
それに生きていれば、チア以外にも問題が出てくるのは至極当然…
そんな決して恵まれない状況の中で、彼らがどこまでの高みを目指せるのか、そしてチアリーヂングの意味とは…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
完走して振り返ってみると熱い作品だったと思います。

オープニングテーマは、ラックライフさんの「初めの一歩」
エンディングテーマは、BREAKERSの「LIMIT BREAKERS」

1クール計12話の作品でした。作品のタイトルだけでは伝わらない要素をたくさん含んだ作品だったのではないでしょうか。
原作も全1巻で完結しているようなので、終わり方も悪くなかったと思います。
総じて楽しめた作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

題材が男子チアという目新しさだけ

男子チアという今まであまり取り上げられたことの無いスポーツ?がテーマ。
逆にそれ以外は至って凡庸なスポコン友情ドラマ。
恋愛要素はあまり無いが、悶々とした男子の情念は時折感じる。

いい意味で凡庸。


決して駄作ではない。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

60.8 19 友情で小説原作なアニメランキング19位
グイン・サーガ - GUIN SAGA(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (128)
742人が棚に入れました
古く雅な王国パロは、辺境の武の国モンゴールの奇襲を受ける。
パロの国王と王妃は殺害され、首都クリスタルは陥落。王女リンダとその双子の弟、王子レムスは王宮に隠された古代機械によって、モンゴール軍の手を辛くも逃れたが、そこに待ち受けていたのは鬱蒼と広がる深いルードの森。さらに追っ手に阻まれた二人の目の前に現れたのが、豹の頭をしたひとりの超戦士の姿であった…。

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

未完の長編

原作者が他界し未完のままだったそうですが弟子?さんが続きを創られてるそうですね

アニメは全26話、これからって時に終わってしまって残念です
しかし、さすがのNHKクオリティ大変良く出来ています

ファンタジー好きなら大変楽しめます
魔法あり、剣士あり、政治あり
それだけに続きが気になってしかたありません

主人公グインの容姿を気にしては楽しめません
ファンタジーなんだからこれはこれでアリです^^

続編、期待したいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私、剣道部は、サーガ(英雄譚)フェチです(笑)

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
日本の正統派ファンタジーの、レジェンドクラスと呼べる作品(原作)。

私の中の王道ファンタジーの、スタートでありゴールはロードス島戦記なので、あまり誉めちぎるのは悔しいのだけれど、好敵手として、認めざるを得ない作品です。

原作はゆうに100巻を超え、気軽な購買を防ぐほど(笑) 、、、ただ、作者がお亡くなりになり、本当の意味での完結は迎えられない作品でもあります。その無念、いかばかりのものだったか。ご冥福をお祈り申し上げます。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
さて、内容としては、豹頭の戦士「グイン」が、戦乱に巻き込まれながらも、仲間を増やし、次第に大きなうねりの中心になっていくという、ザ・王道。でも、はじめは敵だったり、自分を信頼してくれなかった人達が、剣を交える中で仲間として加わっていくという展開は、何度観ても心が震えます。

ロードスもそうだけど、例えば「幻想水滸伝(ゲーム)」や、「暁のヨナ(アニメ)」、「うたわれるもの(一期)」。もしくは、「伝説の勇者の伝説(ちょい違うけど)」。もっと言えば「三國志」のような「展開」が好きならば、観て損はないかと思います。

原作の量が量ですし、アニメでは(いくら2クールとはいえ)スッキリ完結できるわけではありません。(てか、グインに関しては、「完結してない」とか、無粋です。個人的には、漫画「BOY」の「未完の情景」的な美学でもって、作者の遺志を尊重したい)。

でも、王道ファンタジーが、好きならば、このアニメを「観ている時間」は無駄にならないと思います。

目的地につかなければ意味がないのなら、それは「移動」にしか過ぎません。道中を楽しみ、そこに意味を見いだせれば、それは「旅」と言えます。さあ、グインと一緒に、素敵な旅に出ませんか?(格好いいこと言った風w)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

傑作です

全話を視聴し終わったときの感想は「続編をやってほしいな」でした。
一応、切りの良い所で終っていますがこれからもっとおもしろく
成りそうな所で終るって不完全燃焼な気分です。

本作アニメ版以降の物語があるみたいだが、残念なことに作者が
病死のため原作が未完で終わっているので、続編のアニメ製作は
あまり期待が出来ないんでしょうね
原作の未完もアニメの続編が無いのもとても残念です。
原作者の意思をついで正伝、外伝共に別の作家さんが続きを
執筆しているみたいですが・・・

本作のストーリーはタイトルの「サーガ」の名に負けないとても
壮大な世界観で硬派な物語です
各キャラクターもとても濃いキャラ立ちをしているのでどんどん引き込まれ
最近では珍しく26話をほとんど一気に視聴してしまいました。
イシュトヴァーン、アムネリスなどの脇キャラでも、主人公としてスピンオフ
やまったく別の作品を書けそうなキャラで、それこそスニで冒険童話を一本書
けそう。

原作の初出が30年以上前だがこの頃の中高生向けの作品は「銀河英雄伝説」
などの良作が多い、現在の量産型ライトノベルと比べると差は歴然。

アニメーションとしては、作画も動画も正直微妙な部分もあるが
NHK放映の作品だから限られた予算で良く作っていると思う。
なのでアクションしシーンなどの経費がかかるところはあまり動きません。
配役は硬派な作品らしく渋めのキャスティングで物語をより一層おもしろく
しています。

最近の萌え萌えしたラブコメや中身の無いエ□作品に飽きていて、まだ本作を
視聴していない方はお勧めします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

77.7 20 友情で小説原作なアニメランキング20位
若おかみは小学生!(アニメ映画)

2018年9月21日
★★★★☆ 4.0 (161)
737人が棚に入れました
小学校6年生のおっこ(関 織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることになった。

旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、小鬼の鈴鬼、ライバル旅館の跡取り・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修行を始めることになった。

慣れない若おかみ修行に、毎日失敗の連続…。

「あたしって、全然しっかりしてないじゃん。」

落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに助けられ、一生懸命に接客していくうちに、少しずつ成長していくのだった!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

児童文学とみなすか否か

原作未読


まずは最初にして最大の分岐

Q タイトル見て「おーティーンの女の子や、ぐひひ」と思う

YES→たぶん期待に沿えません
NO →細腕繁盛記、たまに小学生、です


監督はジブリの一軍、そして脚本は吉田玲子氏。作品パッケージにはこの文字

 “文部科学省選定作品/少年・家庭向き”

少女はどうすんのさ?ということは置いときます。元は児童文学だそうです。
コロナの空き枠なのか地上波でやるとのことだったので、と強い動機はなく突撃しました。

小学生が女将をやる理由について少しだけ。
関織子(CV小林星蘭)あだ名は“おっこ”。父母の実家が旅館をやってまして祖母が現役女将として切り盛りしてますよ、というところから。ひょんなことで父母を亡くし祖母に引き取られ旅館のお手伝いを始めます。そんな冒頭。


94分。やや短めです。
全体の雰囲気は90年代の大作じゃないほうのジブリ。ラインナップから『紅の豚』『もののけ姫』を抜いた『山田くん』みたいな他のやつ。スペクタクルを感じないけどほろっと心が温まる系。
小学生設定なんですがどうなんだろう。教室風景がホントさわりだけ。おっこ、見た目は小学生なんだけど大人びてるとは違うかな。しっかりした素直な子としときます。きっとこんな小学生は滅多に出会えないと思われる逸材でした。

 {netabare}だから小学生っぽさを取り戻したとこはギャップでね{/netabare}

こじんまりとした良作。そんな印象です。
悪い意味でひっかかったのは児童文学にしては…というのを脱却してなかったところ。健闘してるとはいえ小学校の図書室の書架の中からお気に入りはもう見つからないだろうと思います。自分は汚れてしまいました。
わずか94分でお話の辻褄合わんなぁと思うとこしばしば。ここはまあいっかとスルー。
ここでそう考えるかなぁと後半ちょいちょい思ったり。まあそれなりにスルー。

 子供と一緒に観ることができて良かったなぁ

なによりこれでしょうね。ボーナスポイント付与。家族と安心して楽しめるっていうのも個性です。



※ネタバレ所感

■トラウマの種まき

{netabare}対向車線飛び越えてくるトラックが生々しい。良し悪しですなぁこれ。

物語的には◎。後々占い師のお姐さんとのドライブ中にPTSD発動する時のしっかりした伏線になっております。この点は丁寧だと思います。

家族鑑賞には△。親を事故で亡くすことの生々しさは必要なのかちょっと判断しかねますね。{/netabare}



視聴時期:2020年5月

-----


2020.05.20 初稿
2020.08.15 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【酷評注意】是々非々 貶してから褒めてみる

☆制作スタッフ
▼原作:青い鳥文庫(講談社)
▼原作者:令丈ヒロ子
▼アニメーション制作:DLE、マッドハウス
▼話数:劇場版94分{netabare}
▼監督:高坂希太郎
・実績
(監督)
『CLOVER』『茄子 アンダルシアの夏』『茄子 スーツケースの渡り鳥』
▼脚本:吉田玲子
・実績
(シリーズ構成/脚本)
『カスミンシリーズ』『マリア様がみてる 』『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』『のんのんびよりシリーズ』他多数
▼音楽関係
主題歌:「また明日」
▼CAST(略)
テレビ版に掲載{/netabare}

☆エピローグ
冗談抜きに酷評します。
劇場版のみの方、テレビ版と劇場版、原作既読と劇場版と様々な立場があると思いますが、私はテレビ版視聴済みの立場でレビューをします。
なお、閲覧の際、本レビューでは、本作ファンの方々の気分を害する可能性があることを特記します。

原作未読
テレビ版視聴済

【本文】{netabare}
辛辣なレビューになるから、本作の劇場公開が終了したタイミングで書くことにした。
先にテレビ版をレビューするか迷ったが、圧倒的に出来が良いテレビ版のレビューより、問題の多い劇場版からレビューすることとする。
タイトルの意味はそういう事である。
テレビ版を視聴した者の立場として素朴に「これ、劇場版《製作》する必要があったのか?」である。

テレビ版の後半クールのEDは劇場版のカットシーンで、劇場版鑑賞に来て下さいアピールが見え見えだったことからも、本作はテレビ版既視聴者をメインターゲットにしているのだろう。
ま、それでも内容が伴えばそれで良しだが、あっさりと言えば劇場版はテレビ版のダイジェストで横手さんの脚本を吉田さんが書き直したようなものだ。
それでも宣伝効果で前評判が高く、連休中の公開初日から数日は確かに休みも続き客入りも良かったそうである。
しかし、その後は失速し、興行成績向上のために有名監督や評論家を動員しての鑑賞批評をネット媒体やマスメディアでキャンペーンを張ったのも、一般鑑賞レビューが増えるに従いテレビ版と差異がないことが世間に周知されるとともに、テレビ版と変わらないなら劇場版の鑑賞は別にしなくてもいいな、となりつつある傾向に製作側が危機感を抱いたからだろう。
それを裏付けるかのように、他のサイトではステマ的なレビューすら散見された。
一部の劇場では公開延長があるようだが、マスコミが宣伝するように人気が高いのが理由ではないだろう。
私が鑑賞したシネマで本作は一番小さい劇場割り当てであり、かつ、公開最終日前日にも関わらず、客入りは良く見積もっても6割程度。
子供客で確認したのは1人だけ。
後は私のようなオヤジばかりの『ガルパン』と似たような客層だw
つまり、フェイクニュースを垂れ流してまで興行実績を残すことに必死なのが本作の現実ではなかろうか。

劇場版とテレビ版の大きな相違は、①交通事故のシーンとテレビ版第1話「おっこ」が旅立つカットシーンの追加②「ウリ坊」登場シーンの変更③美陽登場シーンの変更④「おっこ」の両親を殺した加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したハプニングエピソードの追加⑤神楽の舞子をきっかけに「ウリ坊」「美陽」「鈴鬼」との別れを示唆するシーンの追加⑥両親との回想シーンの追加⑦「ウリ坊」と「みねこ」(祖母)のエピソード追加拡大といったところだ。

【各論】
<物語の批判点>
(1)前述のとおり、テレビ版視聴前提であれば②を除き「美陽」や「鈴鬼」の登場シーンを焼き直して尺を浪費する必要はなかった。そのまま「春の屋」の幽霊として登場させればいいし、テレビ版未視聴者でもさして不思議とは思わないだろう。
(2)②の「ウリ坊」の登場シーン変更だが、おっこが事故にあった瞬間ウリ坊が救出した設定としている。
その後の物語の展開を考えると「ウリ坊」が「おっこ」の両親を殺して、おっこを春の屋へおびき寄せた「悪霊」ようにも見えてしまう、かなり、疑問を抱いた設定変更だった。
なお、⑦は「ウリ坊」が「春の屋」の地縛霊となった経緯のエピソードであるが、さして尺も浪費しておらず「みねこ」のCVに花澤さんを起用し、ファン層の拡大という意味からも設定すること自体はストーリーの大局上、毒にはならない。
(3)③だが、妹を庇う姉としての登場が劇場版、「秋好旅館」に居場所が無くて「春の屋」に悪戯しに来ていたのがテレビ版、劇場版は「おっこ」と「真月」の出会いと合わせて登場シーンを設定し直しているが、前述のとおり物語に大きな影響を与える準主役の「ウリ坊」と立場が違う「美陽」の登場シーン変更ため態々尺を取る必要はないし「美陽」の境遇を考えるとテレビ版の方が共感する。
寧ろ、劇場版でイメージまで変更する必要はないキャラなのだ。
(4)⑥の演出にも関わらず、両親を失った「おっこ」の子供らしい感情発露の心理描写はテレビ版の方が遥かに丁寧であり上手だった。
劇場版では回想シーンを増やしたにも関わらず、テレビ版より劣ったのは、回想シーンのカット映像と他のエピソードとのジョイントの意味付けが希薄であり、結果、共感に至らなかったこと。
テレビ版のように「おっこ」の心理描写は派手な事故アクションや両親との思い出カット挿入ではなく、独立した尺を取り丁寧に描写をするべきだった。
(5)①の事故シーンだが、作画に関しては迫力があった。
しかし、このシーンの挿入は微妙であり、子供が鑑賞する想定ならショックが強すぎる。
もう少し和らげるか、子供には理解し難くても、続く電車内でハシャグ親子を窓の反射で間接的に眺め、悲しみを堪える「おっこ」の心理描写のメタファーと事故を繋げるメタファー演出と後の④のエピソードとオーバーラップするように繋げた方が作品の「品」が断然向上する。
(6)「真月」のキャラを立て過ぎている。
テレビ版でもやり過ぎではないかと思っていたが、劇場版ではよいよ…?(苦笑)である。
テレビ版では小学生らしい描写があったから救いもあったが、劇場版では彼女の部屋の描写を含め小学生が「哲学」に達観するなど、ほとんどギャグに等しい設定だ。
このため同じクラスメートの「おっこ」とのギャップが更に激しくなり興醒めした。
更にキャラデザがテレビ版以上にデフォルメされたプリキュア状態で見るに耐えなかった。
(7)「真月」もだが「美陽」のデフォルメも激しかった。ただでさえ本作の子供キャラは子供の視聴を前提としたデフォルメ系である。
確かに劇場版では背景美術に拘っただけあって素晴らしい出来だ。
しかし、逆に子供キャラがデフォルメされ過ぎていて、折角の素晴らしい背景に対し著しく浮いてしまうのだ。
『ゆるキャン△』のレビューでも述べたが、作品とは総合的な観点で評価されるものである。
キャラデザの性質を考慮せずに、背景に力を入れても徒労ではないのか。
自動車の精密描写も含めて作品の基軸ではなく傍系に拘っても、単に演出の自己満足にしか見えないのだ。
(8)テレビ版と同じエピソードを劇場版でやる必要性を感じない。
特に「あかね」と「おっこ」のやり取りはテレビ版第2話横手脚本、劇場版吉田脚本と明確に分かれるシーン。
だが「あかね」に説教する「おっこ」に説得力があるのは断然テレビ版である。
何故かというと、テレビ版では「あかね」への説教の以前に両親を亡くした「おっこ」の子供らしい素直な悲しみの感情表現が伏線として丁寧に描写されていたが、劇場版ではこの部分が圧縮され「おっこ」は両親を亡くしたという事実のみで、父親が健在で母親を亡くした「あかね」に説教を垂れただけの説得力の片鱗もない描写になってしまっている。
演出や脚本が「(4)」で述べたような「おっこ」の心理描写は既に済んでいるとしたのか、はたまた、テレビ版を視聴したのであれば深い説明が要らないと判断したのか定かではないが、その程度の描写なら「あかね」のエピソードの意味はなく不要であったし、尺の無駄遣いだ。
(9)これは批判というよりも疑問に近い。
⑤のシーンは本作の「完」を連想させるのだが、劇場版では曖昧な形「暗喩」で表現されている。
テレビ版の最終回を視聴した限りでは2期もあり得る終わり方であり、ネタバレになりかねない⑤のシーンは本当に必要だったのか?
テレビ版の2期はありません!劇場版でシメます!という製作ポリシーがない限り、やってはいけないシーンであったのではなかろうか。
喉にモノがつかえたような後味の悪さである。
(10)「グローリー」とのエピソードも焼き直しでありほとんど必要がない。これも「グローリー」の紹介程度にして、既に「おっこ」とは信頼関係が構築されている前提で劇場版のストーリーを立てれば良かったのだ。
このエピソードを冗長化させたのは、背景に拘った動機と同様に「ポルシェ911タルガ4」の3Dモデリングを観客に自慢したかった演出の自己満足にしか見えないし、本当にポルシェのステマ?wかと思うほどこれだけは良く出来ていた。(ステマをしなくても売れる有名なスポーツカーだけどねw)
本エピソードは物語がもうダメだと考えていた頃なので、ポルシェばかり見入っていた。
欲しくても買えないからねw
それにしても、本作のスタッフは相当カーマニアなのだろう。
現代では非現実的なT型フォードや初代クラウンが現役で花の湯温泉街を走り回っている。
「おっこ」の学校も木造校舎で現代では非現実的なのだが、クラッシックカーも遊び心のあるファンタジーとして許容は出来る。
しかし、ポルシェをあれだけ精密なモデリングとするなら、フォードやクラウンもポルシェと同等の精密モデリングとするべきであり、中途半端である。

以下はどうでもいいことだが、和の風景に合わせたオープンカーなら、マツダロードスターや絶版ではあるがホンダS2000など、国産の名車をプロップとして採用するのもアリではないかな。
「グローリー」のブルジョア生活を強調するのなら、ホンダNSX(23,700,000円)レクサスLFA(37,500,000円)という手もあるし、本作は子供が対象なのだから、我が国の工業技術の結晶である国産高級スポーツカーを採用し、将来の日本を担う子供達にモノ作りの夢を託す配慮があっても良かったと思う。
因みに、本作に登場するポルシェ911タルガ4だが、外観で分かる範囲で推測してみると、LEDヘッドライトが標準装備であるからグレードはGTSで21,540,000円。
ブレーキキャリパーがイエローであるから、オプションのセラミックコンポジットブレーキ(1,545,000円)がプラスされる。

<物語で評価される点>
残念ながら本当に少ない。
(1)ポルシェに乗って買い物に出かけた「おっこ」が事故の記憶を思い出しPTSD症状を起こした点。
これが、批判点(5)で述べた事故のメタファーだが、折角こういう名演出があるのに作品全体の軸として繋げきれていないのである。
(2)④はテレビ版にはないエピソード。
加害者一家が春の屋に泊まったシンクロニシティと、両親を殺した加害者を知った「おっこ」が両親との死別を乗り越えて花の湯での新たなスタートを誓い、明るく前向きに生きようとしていた矢先の実に残酷なシーンだ。
「おっこ」の複雑に絡み合った、いたたまれない心理描写は見事であった。
劇場版では実質吉田オリジナル脚本はここだけだが、流石、吉田脚本だと感じたシーンである。

(★は一個0.5点)
物語
★★★★★☆☆☆☆☆2.5
(各論のとおり。)
キャラ
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(デフォルメ減点有り。)
音楽
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(劇伴はまあまあだが、劇場のサウンドシステムを活かしているとは言い難い。主題歌は記憶に残らなかった。)
作画
★★★★★★☆☆☆☆3.5
(各論のとおり。)
声優
★★★★★★★★☆☆4.0
(テレビ版と一部キャスト変更があるが、大局には影響を与えていない。)

【雑感】
本作は原作も素晴らしく、また、テレビ版は良い出来で一定の評価ができるのに何故こうなったのか不思議でたまらない。
問題の核心はテレビ版を焼き直したプロットにあるのだろうか。
その責任が何処に起因するかと推測するとき、DLEやマッドハウスをはじめ製作委員会が制作に相当関与したと思われる。
おそらく、製作委員会で企画したプロットありきで、コンテと脚本を仕上げた結果が本作ではなかろうか。
つまり、監督も脚本もほとんど関与出来ない次元でプロットが決定している可能性が高いのだ。
原作ではテレビ版以外のエピソードもあるはずだが、テレビ版のエピソードを多用したところをみると、芸術的判断よりも政治的判断が濃い印象を受ける。
国内のファン向けであれば、テレビ版のエピソードよりも劇場版オリジナルの④のエピソードを軸に、テレビ版では触れられていない「おっこ」と両親の平和で心温まる日常、つまり前日譚にも尺をしっかり取り、天国と地獄の如く不幸のどん底に落ちた「おっこ」をより強調することと、若おかみ修業を通して悲嘆から立ち直り成長していく「おっこ」の成長物語とすることが出来たし、脚本吉田さんの起用はこのようなオリジナル性があってこそ生きるのだ。
純粋に芸術的視点で作品を作り込むのなら、テレビ版に左右されず、一からプロットを考えるはずであるが、本作はそういう構成にはなってはおらず、国内のファン向けではなく「アヌシー国際アニメーション映画祭出品」審査員向け作品と考えるのが妥当かもしれない。
審査員は恐らくテレビ版を観てはいないだろうから、相応の評価は受けるだろう。
本作ファンの一人として、可能であれば、マッドハウスのエースいしづか監督を起用し、吉田さんとコンビで作品を作り直してもらいたい気持ちだ。

高坂監督はマッドハウスで活躍し、ジブリ作品も参加経験が多く『風立ちぬ』の作監も務めた有名なアニメーターではあるが、業界キャリアに対して監督経験はそう多くないし、テレビ版のマッドハウス増原監督やDLEの谷東監督とは違いフリーだ。
この状況で劇場版の監督を依頼された経緯を考えてみると、公開されている事情の他、本作はアヌシー祭出品に向けて、カンヌ経験があり、ジブリ作品を手がけていることから国際的に名の通る監督の起用が政治的に必要であったのだろう。

なお、公式の高坂監督コメントに、本作はマルクスの世界観【下部構造が上部構造を規定する】で表現したとのコメントがあるが、本作を鑑賞した限り、テレビ版のシーン流用で独自性発揮の制約もあるし、また、演説でもない限り94分程度の映像では弁証法的唯物論のフル展開は厳しいだろう。
穿った見方をすれば小学生が労働する様は『蟹工船』的とも言えるが、本作はプロレタリアの悲惨さを強調し階級闘争を求めたものではないことは皆様御承知のとおり。
また、実際、本作はそのような組み立てにもなっていない。
ゆえに、誰かが本作を高く評価したといっても、それはコミュニズムへの感化とは無縁の出来事であると、あえて釘を刺しておく。
ま、あのコメントは当然好ましくはないが、監督本人の思想がマルキシズムに立脚しているという程度の意味だろうから。{/netabare}

率直に本音を述べれば、本作を鑑賞した後の気分は詐欺にあったときと似たような感覚だった。
テレビ版を視聴済みなら、あえて1,500円を支払い鑑賞に行く必要は感じられないし、いずれ「Amazonプライム・ビデオ」にエントリーされるだろうから、それを待って視聴しても良いと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

TV版とは一味違う良さ

原作未読。TV版は視聴済み。
TV版のダイジェスト版程度のつもりで視聴したら、良い意味で裏切られたという・・・(笑)。
途中までは、確かにTV版のダイジェストだったけど、後半のエピソードはTV版のアフターストーリー。

主人公のおっことウリ坊、美陽、鈴鬼の繋がりの深さはTV版を視聴していないと、チョット分かりづらいかな?
本作では、かなりあっさりと描かれていたからね。

{netabare}おっこの両親が亡くなった交通事故の加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したくだり。
圧巻でしたね。
ここに繋がるんだって・・・。{/netabare}

TV版のレビューでも書いたけど、タイトルだけで敬遠するのは、もったいないレベルの作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

73.5 21 友情で小説原作なアニメランキング21位
赤毛のアン(TVアニメ動画)

1979年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (137)
641人が棚に入れました
高畑勲と宮崎駿がスタッフとして参加した最後の世界名作劇場。モンゴメリの名著である原作を忠実に映像化している。働き手の男の子を引き取る予定だったカスバート兄妹の元へやってきたのは、なぜかアン・シャーリーという女の子だった。手違いから起きたこととはいえ、感情表現豊かな彼女と共に暮らすことを決めた兄・マシュウと妹・マリラのふたりは、やがてかけがえのない家族の一員としてアンを愛するように…。

声優・キャラクター
山田栄子、槐柳二、北原文枝、麻生美代子、高島雅羅、坪井章子、京田尚子、井上和彦

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

鼻唄まじりにノルマをこなせる …カモ。

近頃も放映されていたのでやはり観ましたが、アンの引き起こす夢たっぷりなあがきと、結構周囲からドン引きされてる^^;紆余曲折は、やはり面白いです。
生命力の強い子だよね

子育て経験のないマリラが、扱いづらいアンにどうしてやるのが一番いいことなのか、心を砕くところにシミジミしてしまいましたよ。


*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*

はしっても はしっても おわらない はなのなみ

みずうみはとおく もえるくもは もっと とおく…

(間奏) (ジャッジャージャッチャララー♪……)

はなのなかで いちにちは おわる…

さめない ゆめみたいに さめない ゆめみたいに

*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*


赤毛のアンのエンディング「さめないゆめ」。

子供の頃、父が世界名作劇場のテーマソング集のカセットテープを買ってくれまして、よく聴いていました。その中にもちろんこれも入っていて。

うっとりするような美しいメロディと詩です。
オーケストラの盛り上げ方もドンドコドコドコ、ドラマチック。
早足なピアノを追って重なる、伸びやかな唄声。さらに唄声を突き上げるように吹奏楽の音が響いて消えるあたりは、何度聴いても鳥肌が立ちます。
トコトコポコポコとユニークな打楽器の音が挟まるところも、アンの足音か荷馬車のようで楽しい。

アンのように「想像の余地」を働かせながら、花びらが舞っているなか駈けて行く姿を思い浮かべながら、口ずさんでみると…


例えば畑の草むしり…耕す時…豆の選別…

いいえ、例えば 山積みになった乾いた洗濯物をたたまねばならない時…


そんな時には、はいコレ。
「さめないゆめ」を口ずさんでみましょう。

はしっても はしっても おわらない はなのなみ〜


あら不思議…
いつ終わるともしれない洗濯物たたみも(ためすぎ。)、軽やかでワクワクしてくることうけあいです。
終わらない作業が、贅沢で楽しい上質な時間であるかのように錯覚できるではありませんか。気分のすり替え技です。

…あんまり深刻な作業に当てると、「おわらない」って笑えないので、注意は必要ですが。ブラックになりますので。
「恋は水色」が毎回かかる度に猟奇殺人事件が起きるアメリカンサイコサスペンスドラマみたいになりますので。(by クリス・カーターの「Millennium」)


最近は、採ってき過ぎたフキノトウを延々と洗いながら
「あらっても〜 あらっっても〜 おわらない〜♪」とやっていました。
どうせやらなきゃならない事は、なんとかいい気なもんでやってしまいたい…。

終わったあかつきには、コーヒーを淹れるもよし、ダイアナ気分で一杯呑むもよし?



物語のなかの料理を再現するレシピ本シリーズの「赤毛のアンのお料理ノート」、以前いくつか挑戦しました。昔のものだからカロリーは高いです。バターや砂糖がドカドカ…。
でも、アンの心ときめかしていた「ごちそう」ってとても美味しそうです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そうさのう・・わしは視聴したほうが良いと思うが・・

全50話。
世界名作劇場。

孤児である主人公アンがグリーンケイブルスの老兄妹のとこに引き取られて成長していく日常系。
名作劇場は、どっちか言うとお子様向けのイメージが強いが、コレに限ればガキの頃に見ても良さがいまいち分からんのではないかと。個人的には大人向けの地味な名作という印象。
そう地味であるが故にこのレビュー数の少なさなのか、それとも単純に古いからか。名作なのに寂しいもんだ。

主人公アンは、駿の爺さんも裸足で逃げ出したくらいの妄想癖逞しい女の子。
それでいて古美門弁護士に負けないくらい機関銃のように捲し立てる。しかも短気というおまけつき。
かなり賛否分かれるキャラだろう。

しかし思うのは正統派美少女。それでいて性格もおしとやかなんて無難で面白みの無い主人公で無く癖が強く好みも分かれるだろうが、当たればでかい主人公を持ってきたというのは恐れ入る。
自分は正統派より癖のあるほうを好むんでアンという主人公を比較的容易に受け入れることが出来た。

全50話中36話までが少女時代。以降ある程度成長した後のアンの物語。
個人的には少女時代の話のが好きだ。成長後も勿論いい話、泣ける話も多いが見ててなんか寂しくなる。
この辺りは見て貰えたら同じ感覚を味わえることだろう。多分。

この物語を語る上で外せないのがアンを引き取ることになった兄妹。
夫婦では無く兄と妹というところがミソなのだ。
アンにどこまでも甘く、女性が苦手な兄のマシューとアンを厳しく教育しようとするが実は愛情深い
妹のマリラ。
この兄妹のバランスが最高だ。アンとこの2人の交流こそが最大の見所だろう。

特にマリラは自分的には一押しキャラで、このマリラとアンの絡みはどれも大好きだ。
彼女(マリラ)は早すぎたツンデレなのだ。時代が彼女に追いついていなかった。
もし赤毛のアンが今この時に放映されていたならば世のツンデレ好きから歓喜の声で迎えられていただろう。
このマリラがたまに見せるデレ。愛情、優しさが堪らなく可愛いくもあり微笑ましいのだ。

さてそろそろまとめに入ろう。
人は選ぶが間違いなく名作だと思う。男が見ても普通に楽しめる(ただし大人)はずなんで未視聴なら1度は見て損はないだろう。
流行の最新アニメもいいが、たまにこういう古くてもいいものを見直してみるのもまた乙なもんだ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

rurube さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

聡明な子。

この作品にはほど良さがある。

最近の作品は演出ばかりが過激になってストーリーとの間に溝が出来ている。生き死にの中での成長が果たして適切なのか?

例えば『クレヨンしんちゃん 戦国』があるが、あの経験をした野原一家が日常に帰った時に何の変化も無くぶりぶりざえもんしている事に対する一種の恐怖がある。あんな経験したら人間として成長しなきゃおかしくないか?という疑問だ。これはエヴァも同じだがシンジ君が全く成長しない事に対しておかしくないかと感じる。これはストーリーが破綻しているのと同じだ。

『赤毛のアン』の良さは彼女の人生の中で彼女がしっかり成長していく事だと思う。アンは赤毛を気にしているけれども他人からしたらどうでも無い事だ。親友のダイアナとの間に少しでも亀裂が入るとアンは枕を濡らし不幸のどん底での生活を余儀なくされるが大抵の場合すぐに仲直りする。

彼女に起こる事は要するに普通の事であり彼女から発信された出来事だ。
急に女の子が落ちて来る物語の中で人生を生きるのではない。人生の中で物語が進んでいく。

『幸せの青い鳥』の中で幸せは日常の中にあると語っているが『赤毛のアン』は人生という物語を人々に教えているのだと思う。

この作品を語る上でこの少女の素晴らしさについて語らないわけにはいかない。アンほど可愛らしい女の子を私は知らない。一人でおしゃべりして一人で空想して一人で笑って、世の中に対して明るい。素直で時々ドジで癇癪起こす、それがグリーンゲイブルズのアン。
彼女の人生は素直に他人に話せる様なものでは無いと思う。両親は幼い頃アンを残して亡くなりそれ以後は子守として貧しい生活を送り最終的には孤児院での生活を余儀なくされた。それを素直に話せる心の明るさを持っている。けして人生に対して悲観していない。

アンを知っている人は彼女を誇りに思うだろう。アンが奨学金を貰ったとき自分の事の様に誇らしい気持ちになるのは世界の美しさをアンが教えてくれたからだ。

最後にこんなに素晴らしい作品を書いてくれたL・M・モンゴメリに感謝。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

67.8 22 友情で小説原作なアニメランキング22位
フランダースの犬(TVアニメ動画)

1975年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (123)
635人が棚に入れました
ベルギーのフランダース地方の小さな村。ネロ少年は、牛乳運びの仕事をする祖父ジェハンを手伝いながら、貧しいながらも幸せに暮らしていた。彼のささやかな夢は、絵を描くことと、いつかルーベンスの絵を見ること。ある日、ネロは主人に酷使され捨てられた犬、パトラッシュを介抱し、共に暮らすようになる。

声優・キャラクター
喜多道枝、一龍斎春水、桂玲子、及川ヒロオ、大木民夫、中西妙子、駒村クリ子、菅谷政子

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

泣けるアニメは数あれど

ラスト、ほんとに泣ける

号泣とかじゃなく、じんわりポロリと泣けてくる(;;

現代の子供に見せたいアニメのひとつです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最終回を一緒に観た人の言葉が忘れられない

十数年前に、

「フランダースの犬」を編集し
数時間程度に収めた特番を観た時にあった話。


主人公ネロと愛犬パトラッシュの一生を
ナレーション解説とともに送る番組。

私は視聴済みだったので他のことをしながら
懐かしんで「うんうん…」なんて頷いてました。


一緒に居た人が興味をもったようで、

「これは誰?…へぇーそうなん?ほなコッチは?」

なんて風に私に色々聞きながら観ていたのですが


その日はポカポカ陽気のお昼で、

隣に居た人はいつの間にかウツラウツラとして
中盤くらいからは寝てしまっていました。


そして物語も進み

わたしがラストシーンに少し涙ぐんでいると

「ハッ!」と起きたその人が一言。


「…あ~っ……

“ネロ ネロ”言うから寝てもーたわ!」



そう言って、もう一度眠り始めました。



あの時どうツッコんだらよかったのか

いまだにわかりません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

多分、ラストシーンだけ観た人と、全話観た人の差が日本一のアニメ(笑)

やはりこの時代にしては、子供向けアニメで(ネタバレで隠すのもなんだがw){netabare}主人公死亡エンド{/netabare}にしたのは、新しかったのかな? 今の深夜アニメなら全然有り得る展開だろうし、逆に、今の子供向けアニメなら絶対に許されない展開だろうね。

内容は多分誰も興味ないだろうから、トリビアをw

①原作では、ネロは15歳のイケメンで、女の子からもモテモテなプレイボーイ→だから、娘に手を出されたくなくて、コゼツ(アロアの父)はネロにツラく当たってたらしいです。

②「フランダースの犬」のパチンコ版があったらしい。その時の確変演出が、例のラストシーンだったため、パチンコしている人達から{netabare}「逝け! ネロ、死ね!」{/netabare}という言葉が聞かれるようになり、あまりに酷いので、その後は世界名作劇場はパチンコ化はされなくなったとか(てゆうか、よくフランダースの犬もOK出したよねw これが母を訪ねて三千里なら、確変演出も問題なかったかもw)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

64.9 23 友情で小説原作なアニメランキング23位
戦闘妖精雪風(OVA)

2003年9月1日
★★★★☆ 3.6 (142)
606人が棚に入れました
『戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい・ゆきかぜ)は、神林長平によるSF小説。これを原作としてラジオドラマ・OVA・漫画化された。
南極大陸の一角に突如出現した巨大な霧の柱。それは異星体ジャムの地球侵略用超空間通路だった。地球防衛機構は「通路」の向こう側、惑星フェアリイ上でジャムの侵攻を食い止めるために、フェアリイ空軍を設立し、前哨基地を置いた。30年以上に及ぶ人類とジャムの戦いに、今だ終わりは見えなかった…。
人間を信頼するより機械である戦術戦闘電子偵察機「雪風」を信頼する青年、深井零が愛機に乗り戦闘情報を収集するうちにジャムと接触する。ジャムは零と雪風に興味を示す一方、人間に対してあるゆる手段を使い戦いを挑んでくる。この戦いは何のための戦いなのか。
やがてジャムはフェアリイ空軍に総攻撃を開始する…。

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

雪風が…敵だと言っている・・・  彼女の声を聞いて下さい。

SF小説が原作です。筋金入りのSFもの。
私、自慢ではありませんがロボット物、メカ物はほとんど観ません。ですがこの作品、そんな私から観てもとても楽しめました。も~純粋にメカがカッコ良い! 戦闘機がカッコ良い! 雪風に惚れる!
機械である戦闘機に惚れるというのも変な表現ですが、言葉にするなら正にそんなイメージなのです。


南極に突如出現した超空間通路なる別の惑星(惑星フェアリィ)に繋がる空間。そしてそこから地球に進行してきた謎の異星体ジャム(JAM)。
ジャム(JAM)に対し、人類は逆に彼らの惑星に攻め込み、そこに基地を築きます。その基地に所属するパイロットの深井零少尉と、愛機である完全自律制御のスーパー戦闘機であるスーパーシルフ、コードネーム”雪風”の活躍を描く作品です。


先ず何がすごいかと言うと”戦闘機の描写”! なんだかアニメで描写される戦闘機って、現実ではあり得ない挙動を取ったりして覚めてしまうのですが、本作で描かれる戦闘機はとにかくリアル。戦闘機の挙動、その一挙動×2が現実的で、それでいてスピード感、緊張感というものを全く失っていません。

そしてその機体の美しい事・・・・。特に主人公の乗る”雪風”のカッコ良さは格別! 無駄のないフォルム、まるで女性のようななまめかしいライン。そして時には恐ろしいまでの戦闘能力を発揮する・・・。正に電子の妖精と呼ぶに相応しい機体です。


戦闘の描写も素晴らしいです。自衛隊の協力を得ているそうで、登場する兵器は非常にリアル。計器や武装の描写も素晴らしいです。そして英語で行われる戦闘指示は否が応でも雰囲気を盛り上げてくれます。
戦闘機のドッグファイト(空中戦)は手に汗握ります。特に渓谷の中でのスピード感溢れる戦闘は見応え有り!目にも止まらない高速での戦闘を本当に上手く表現しています。目の前に迫る渓谷。そして後ろから迫り来るミサイル。その緊張感たるや凄まじい物があります。


戦闘やメカにばかり目がいきがちですが、ストーリも目を見張るものがあります。
他人に感心を示さない深井零少尉の唯一の友人であるジェイムズ・ブッカー少佐。友人で有りながらも上官である彼は非情な命令を深井零少尉に下さなければなりません。いつも零少尉を気遣う彼が唯一出来る事は見守ること。「必ず無事に帰還しろ。これは命令だ」。彼らの男の友情をその目で確かめて!


機械の塊である”雪風”にだけは心を開く深井零少尉。そして彼は意志を持たない筈である”雪風”といつしか心を通わせ、”彼女”と1つになっていく・・・。
”雪風”は時折人であるかの様な行動を取ります。ある時はパイロットである深井零少尉を気遣い、そしてある時は戦闘に恐怖する。言葉は話せず、唯一意志を伝える手段は戦闘ディスプレィに表示される味気ないコマンドのみ。しかし深井零少尉は”彼女”の言葉を感じ取ります。彼女の意志を受け止めます。
私は”雪風”がまるで人間の女性の様に思えました。
深井零少尉は”彼女”を求め、そして”雪風”は”彼”を求める。機械と人間、決して交わることの無い線上で彼らは交わっていくのです。2人の恋?とも言えない微妙な心理描写も見所です。


謎の異星体であるジャム(JAM)とは何なのか?そして彼らの目的はなんなのか? 
想像を超える能力を持つジャム(JAM)に対し、人類はどの様な決断を行うのか? そして彼と彼女、深井零少尉と雪風はどうなっていくのか!?


「行こう・・・・・雪風・・・。」 戦闘の妖精が今、飛び立ちます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

しゅりー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦闘機の好きな方にオススメ

EMOTION20周年作品ということで2002~2005年にGONZOが制作した全5話(合計約3時間)のOVA。
神林長平さん著作の小説の一部エピソードに多少オリジナル要素を加えたというSF戦闘機アニメ。


南極大陸の一角に突如として現れた巨大な雲のような超空間通路。
通路の先から現れる「ジャム」と呼ばれる異星体との戦争が33年続く世界。
地球上での幾度かの戦いの後に人類がジャムを追い込んだ通路の先、
緑色の空の惑星フェアリィを舞台に味方を見捨ててでも必ずジャムとの戦闘情報を
持ち帰ることを任務としている特殊戦第5飛行隊のパイロット深井零(ふかい れい)と
その上官のジェイムズ・ブッカー、そして零の搭乗する戦闘機に搭載されている
戦闘知性体「雪風」を中心に描かれる物語になっています。


個人的には何年も前から戦闘機ヲタの知人に「観ろ。とにかく観ろ。」と
薦められていたのですが、何か拒否感が働いてしまい今回初視聴。
本作の持つ独特のキャラクターデザインやジャムの存在感が受け入れ難かったようです。


本作、戦闘描写やコクピット内部の雰囲気などの手の込みようが異様です。
マクロスシリーズのような変態的カメラワークのミサイル描写とかは
それほどありませんが、戦闘機の旋回の様子や機銃発射時のレティクルの動きなどを、
固定アングルや飛行物を中心に捉えた追跡視点の中で重量感を
持って描いているイメージが強いです。

コクピットの静けさや通信の雰囲気もどこかリアルなように感じ、
同じ戦場を飛ぶ特殊戦の戦闘機に乗っている気分になる映像が多いです。
そのあたりはさすが航空自衛隊の協力があったからでしょうか。
そういえばフライトシューティングのリプレイ映像にも近い雰囲気がありますね。


先程も少し触れましたが、多田由美さんのキャラクターデザインは
ちょっと特徴的で観る人を選ぶ印象があります。
このキャラクターデザインと零役の俳優、堺雅人さんの演技、
BGMの少ない本編内で重要なシーンに流れる曲のピアノの音色などが合わさり
零の普段静かながら激情も併せ持つ独特の存在感を醸し出している気がします。

また、雪風が起動音を発する時の無機質な雰囲気は、機械らしさを強く印象に残します。
しかし、私はこれが雪風が本編で行う様々な意志表示、行動との間にギャップを作って
雪風の強烈な個性を表現しているように感じました。
そんな独特の雰囲気を持つ零と雪風も興味深いですが、
私は中田譲治さんの演じるブッカーの人間味溢れる姿が気に入ってます。


SF作品の持つ独特な世界観、メイヴを初め洗練されたデザインの戦闘機が飛行する情景、
先述の戦闘描写などを好きな方はとことんハマれそうな要素を持ったアニメだと思います。

ただ理不尽な言いがかりになりますが、私はちょっと好きになれない部分のあるアニメでした。
キャラクターデザインには慣れましたし、説明不足な話作りも5話で描ききれない情報量の多さから
仕方なしと思いますが、惑星フェアリィの空や建造物内、ジャムの作り出した空間などの
緑色系の配色からだんだんと生理的嫌悪が強くなってしまったのです。
途中で何度か地球側のシーンがあり、地球の空が描かれたせいもあったのか、
5話の光景を目の当たりにし「蒼い空がみたいよぉ…」と呟いてしまうくらい心理的にやられていました。


そんな訳で私にとってはちょっとトラウマになりそうな本作ですが、
最近の戦闘シーンが落ち着かないアニメに辟易している方には一見の価値ありではないでしょうか。
本作を気に入った人の中にはACE COMBATなどのゲームをやりたくなる人もいるのかなと思います。
本作を薦めた知人が以前、OVER Gというゲームで空母にプガチョフ・コブラで着艦する練習を
執拗に繰り返していたのもきっとそんな衝動からなのでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

GONZO厨の墓標

GONZOの輝かしき時代に作られたサブカル厨御用達アニメ。
本格的にアニメに嵌り始めた頃に丁度OVA化されてたので、その影響からか大分嗜好が偏ってるわけですが、ともかく私にとって思い出深いアニメであることには違いないです。最近またGONZO見るようになったけど復権は遠いですね。悲しいです。

さっくり言うとAI戦闘機とそれに溺愛するパイロットが意思疎通を図るセカイ系じみたSFだったかな。異星人がどうたらは結局どうだったのか思い出せない。
機械と人間の関係を描くという点だけ見ればSFの定番ですが、「ソラリス」にむっちゃよく似てた記憶があります。オススメするとしたら古いタイプのハードSFに興味ある人だけですね。あとは押井作品にもよく似てるので押井ファンならストライクゾーンに入ってきそうです。

まぁ、このサイトのタグで疑問に思う点があって、主人公の深井零の中身が割と若いので「ハードボイルド」とは少し違うんじゃないかな。wikiによると「ハードボイルド」は、感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情 、精神的肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表す言葉、らしいけど・・・・

むしろアダルトチルドレン?っつーぐらい非常にナイーブなキャラクター像ではなかったか・・・?今考えると声優が「倍返しだ!」で今話題(2013年9月現在)の堺雅人だったせいかもしれない。でもかなり役には合ってたとは思う・・・ともかく私にはミステリアスでナイーブなキャラというイメージがあります。

内容はともかくそのハイクオリティな映像には説得力がありました。
もの凄い戦闘機の描写とか人物描写もリアルで細かい、そういうとこ萌えポイントです。
なんとなく雰囲気だけでここまで書いちゃったけど、いつもに増して中身がない(笑)

まぁ要するに格好良ければそれでいいだろってことだね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

62.8 24 友情で小説原作なアニメランキング24位
ロケットガール(TVアニメ動画)

2007年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (120)
590人が棚に入れました
有人ロケットの打ち上げを目指すソロモン宇宙協会(SSA)だったが、失敗の連続で絶体絶命のピンチに陥っていた。起死回生のため、パワーはないが実績のある旧型ロケットで打ち上げを計画するが、そのためには飛行士の体重を40キロ以下にしなければいけなかった…。小柄な女子高生たちが宇宙飛行士!?

声優・キャラクター
仙台エリ、生天目仁美、長谷川静香、菅生隆之、柳沢真由美、豊嶋真千子

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

誤解されていますが、アニメ史上トップクラスのハードSF

原作は野尻抱介氏の作品中でも特にラノベ風ですが、内容は一貫したSF的テーマがあって、それに基づいて全てのストーリーを構築するという、いつも通りのハードSFです。

宇宙SFかつロボットものではないアニメといえば宇宙兄弟とプラネテスがメジャーだと思いますが、
・宇宙兄弟はSF風人間ドラマで、SF要素は多くない
・プラネテスは文系SFに近く、ハードSFの要素は少ない
ということで、本格的なSFアニメとしては本作はトップクラスと思います。

「宇宙空間で作業のできる人間をできるだけ安価に打ち上げたい」というテーマから、固形燃料で、シャトルじゃなくロケットで、赤道に近い南国で、体重はなるべく軽く華奢で、スキンタイトスーツで・・・と論理的思考を重ねていった結果として女子高生がパイロットになっており、実はご都合主義がほとんど介入していません(ちなみにNASAも真面目にスキンタイトスーツを考慮しているそうです。しかも本作が出た後から)。

その代わり、各キャラクターの背景とか人間ドラマ的な部分はご都合主義的に簡略化されていて、あっさりし過ぎています。が、それこそがSFです。これが許せない人はイーガンの「宇宙消失」を読んでみてください。発狂します。

アニメ化にあたり、SF的考証の部分はかなり省略されているので、「よりもい」などの女の子グループがある目標を達成する系アニメと捉えられそうで、そう捉えるとあまりに薄味ですが、原作を読んでいただくと全く違うことが分かってもらえると思います(原作は文体自体はラノベですので、すごく読みやすいです)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ご都合アニメだけど、キャラとストーリーが魅力的

女子高生が宇宙飛行士になる話。
小型、安価、機動力が売りのロケット。
女子高生を宇宙飛行士とすることは商業的にありそうです。

作品全体として、宇宙飛行士訓練の過酷さがうまく表現されています。
とくに、体力のない茜の単独踏破には感動しました。

また、宇宙飛行時の危機回避能力には、知力・体力はもとより、冷静な勇気と強い精神力が必要であることをこの作品は教えてくれます。

宇宙デブリを増やしたり、都合のいい着陸にはやや不満ですが、ハラハラするストーリーに目が離せない魅力的な作品ですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

重くはない、しかし軽すぎもしない B

原作未読

女子高生が宇宙飛行士になるという設定からしてある程度予想できるとはいうものの、それにしても展開が強引すぎるところがありました。とにかく、女子高生が先にありきなので、細かいところ(時には大きなところ)もスルーして見るくらいの度量が必要です。

ただし、萌え、お色気重視なのかなと思いきやそうでもなく、結構真面目なテイストが伝わってきます。では、青春ものとしての色彩が強いのかというと、必ずしもそうとも言い切れず、結構ライトな感じではあります。どの方向に向いているのかが今ひとつ定まらない、そんな作品に感じられます。

どうしても、プラネテス、宇宙兄弟(私は漫画を一部読了)と比較すると、かなり物足りない部分があるは否めないと思います。ただ、この2作と比較こと自体が間違っているというもの。本作単独で見る際には、女子高生が主人公で、重苦しいテーマがない、割とライトな宇宙ものと捉えてみれば、それなりに楽しむことができると思います。見たまんまの絵柄どおりです。

OPがICHIKOさんなので、ゼロの使い魔が好きな方にとっては、非常に引き込まれると思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

57.6 25 友情で小説原作なアニメランキング25位
ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン(Webアニメ)

2015年4月1日
★★★★☆ 3.3 (130)
531人が棚に入れました
ニンジャ殺すべし!
ニンジャ抗争で妻子を殺されたサラリマン、フジキド・ケンジ。
彼自身も死の淵にあったそのとき、謎のニンジャソウルが憑依。
一命をとりとめたフジキドは「ニンジャスレイヤー」――ニンジャを殺す者となり、復讐の戦いに身を投じる。
近未来都市ネオサイタマを舞台に、 ニンジャスレイヤーvsニンジャの死闘が始まった。
マッポーの世に救いは無いのか? 走れ、ニンジャスレイヤー、走れ!  

ポロム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

見終わった感想(修正済)

ドーモ 注意事項デス。
1.原作(書籍版読んでいます)重篤な忍者ヘッズ(ニンジャスレイヤーファン)
2.ニンジャスレイヤーが好き過ぎて書きたかった。書いてしまった。
3.忍殺語が溢れいています。重点。いいね?

『ニンジャスレイヤー』は
ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズの
アメリカ人コンビによる妻子を殺され忍者になった主人公の復讐劇をメインに
アクション、SFにボーイミーツガール、コメディホラー要素もある奥ゆかしい小説。
翻訳チームが翻訳後Twitterで連載して
物理書籍版(ダレン・シャンやハリポタ並に分厚い本。時として武器にも使用可能)や漫画が発売された。
2-3年前に兄に第一巻「ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上」を貸してもらい、
小説の文の7割がカタカナでクレイジーな世界観にハマった。
現在、第3部の連載が行われているが、私はキョート殺伐都市舞台の今第2部
「マグロアンドドラゴン」迄読んでいます。
仕事が落ち着いたら・・早く第3部も読みたい・・。

当時、書籍版の告知を見てアニメ化すると聞き、
「アイエエエエエ?ニンジャ・・アニメナンデ?」と
ニンジャリアリティショック(NRS)起こしている自分に混乱しました。
アニメ版で特にお気に入り回は
「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」
シルバーカラス=サンとヤモト=サンの切ない話と「少し明るい海」です。

OPはSouth Park Let's Fighting Loveを思い出すような映像とROCK。
最近になって上の方に英語歌詞の字幕があることに気づいた。
作画はアメリカのカートゥーンと90年代を混ぜた感じで時々FLASHっぽい。
まさにチャージマン研と鷹の爪混ぜたような感じ。
格ゲーのようにいきなりスライドして登場するのはずるい(笑)

動きがFLASHみたいだったり、あえて雑なところは
小説では首がサヨナラしたりグロが多いのであえての自主規制かもしれない。
古事記?にも書かれている通りにアイサツするシーンと
ニンジャスレイヤーの戦闘シーンは気合が入ってる模様。
爆発四散して「サヨナラ!」するシーンだけ声優の本気が見えた

実際そんな感じだけど、ヤモト=サンとナンシー=サンのカワイイヤッター!な姿が見れたので
それだけで私は幸せです。何も言うことないです。
だけど、一つ言うとしたら、実写パートはいらない。
翻訳チームの趣味だと思うけど、まさに哲学だと思う。

<補足>
アニメ版はついに最終回を迎え、2016年 春に地上波TVシリーズ
(スペシャル・エディシヨン版)放送が決定された。
原作ストックは山ほどあるし、大いに楽しみ。備えよう。
このアニメを観て「原作も見たくなりました」という
ニュービーはなかなかいないと思うけど、もし見るなら
Twitterでも連載されているし、物理書籍版もあるし
たくさんエピソードがあるけど、時系列バラバラなので好きなところから見て
内なるカラテの高まりを感じニンジャリアリティショックを受ければ良いと思います。(*´∀`*)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

サツバツ! ネオンサイン煌々と輝くマッポーの世に舞う赤い影 ドーモ、ニンジャスレイヤーです。

アメリカ在住の※1ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズの二人による合作小説「ニンジャスレイヤー」のアニメ化作品。


クリスマスの夜、謎のニンジャ抗争に巻き込まれ、妻と子供を失い、自らも死の淵をさまよった平凡な"サラリマン"フジキド・ケンジ。彼は正体不明のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」に憑依され地獄から蘇えった!! 復讐の戦鬼ニンジャスレイヤーとして!!

ニンジャを殺すニンジャ、すなわち"ニンジャスレイヤー"となったフジキドは怒りと悲しみをその身に宿し、血で血を洗うイクサの世界にその身を投じていくのだった!!

上のあらすじを読んでスポーンとかゴーストライダーみたいなアメリカンコミックスの定番ダークヒーローものを連想された方もいるかも知れませんが、本作の方向性は概ね左斜め上(笑)、シリアスと言うよりはシュール、殺伐と言うよりは荒唐無稽という言葉がぴったりで、加えて、エロやスプラッタ描写も随所に見られるので、雰囲気はどちらかと言うとZ級映画、あるいは視聴年齢制限ありの「※2ミュータント・タートルズ」という趣です。

原作ジャンルは「サイバーパンク・ニンジャ活劇小説」との事(笑)

そんなワケで、ニンジャを始め、ヤクザ、さらりまん、サイボーグ手術から電脳空間まで、サイバーパンク小説の金字塔「ニューロマンサー」ネタがそこかしこに盛り込まれています。奇妙な組み合わせではありますが、実の所、忍者とサイバーパンクの繋がりはかな~り古いものなのです。

物語の構成は至ってシンプル。ニンジャスレイヤーがソウカイヤニンジャと死闘を繰り広げるだけのバトルものの体裁をとっており、ドラマらしきものは無きにしも非ず(笑)

異色なのは女子高生ニンジャ、ヤモト=サンが主役となるお話。バトルパートは相変らずですが、こちらはややシリアス色が強く、涙を誘うシーンもちらほら。友情や師弟愛などがしめやかに描かれています。

作画については「天元突破グレンラガン」から脈々と続くTRIGGERらしいダイナミックな表現全開なシーン2に対して、格闘ゲームに出てきそうなキャラの立ち絵を紙人形劇みたいに動かしたり(お辞儀の時は斜め30度、倒れた時には90度傾けるとか)ズームしたりするだけのシーンが1くらい。過剰表現(これはお約束?)や執拗な焼き増しシーンの連発などのお遊びなんかもあったりして、のびのびと自由に制作されている様です(笑)

また、あくまでも古典TVゲームレベルですが、人体切断や血の表現がややきついので、苦手な人は注意されたし。周知の事かも知れませんが、ニンジャにとって飛び蹴りやチョップ、スリケン(手裏剣)等で首をはねる事などたやすい事なのです。何のフォローにもなっていない気もしますが、※3血の色は設定上、緑である事が多い様です。一応(汗)

90年代の残虐格闘ゲーム「モータルコンバット(米)」というのが家庭用に移植された際にも、わたしはこの緑の血というものを見た事があるのですが、生身の人間から得体の知れないヘドロの様なものが噴き出す図は、それはそれで別の意味でキモチワルイものがありました(汗)何となく本作との繋がりを感じずにはいられません。日本人のわたしには緑ならOKという※4CERO的なヨクワカラナイ感覚に対する皮肉の様にも見えてしまいました(汗)
{netabare}
皮肉と言えば、クローンマッポ(警官)とクローンヤクザが同じ工場で生産されている描写があったり、マッポがサラリマンを暴行するシーンがあったりと、けっこーやりたい放題。現在の純日本製アニメだったらまず実現不可能? いずれも「天才バカボン」の目玉のお巡りさんのピストル乱射並みに危険なシーンな気がします(笑)
{/netabare}
バトルとスプラッタでゴリ押しするアニメと思って、一度は切ってしまった作品でしたが、珍妙な言葉"※5ワザマエ"だけは頭から離れず、後に読んだ「紅殻のパンドラ(漫画版)」内でもこの言葉が積極的に引用されていたので(笑)それに後押しされる形で視聴再開に至った次第。

するとどうだろう‥ゴウランガ!! あれよあれよという間に、この奇妙奇天烈にして狂気渦巻くニンジャ世界に中毒めいた陶酔感を覚えていく様ではないか! これをサイオー・ホースと言わずして何と言おうか!

なお↑みたいな色々と間違った解説(CV:ゴブリンさん)が劇中にちょくちょく差し挟まれるんですが、その中に散見されるコジキ、ハイク、ミヤモトマサシ?等からの引用もほぼデタラメなので、笑って聞き流す事を推奨します(笑)

視聴に際しては※6ニンジャリアリティ・ショックへの気構えを忘れずに!

カラダニキヲツケテネ!

サヨナラッ!


※1~6
{netabare}
※1:作品理解の一助となるかも知れないので、2010年8月にTwitterにアップロードされた二人の原作者のインタビュー記事を引用。↓

「最初に生まれたのは言葉だった。ニンジャスレイヤー。ニンジャを殺す。知っての通り、ニンジャ達は日本という国を支配する半神のような存在。それを殺すなんて、なんたる反骨の精神か、とね。そこから全て始まった」byブラッドレー・ボンド

「私たちは物事をシンプルにしたかった。ネット化され監視の目が光り続け、政府や経済ではなく、大衆自身がIRCとBBSで自らの首に巻きつけようとする見えない首吊り縄を、カウンターする為である。社会は悩み進歩すべきだが、個々人がセプク(切腹)してはいけない。」byフィリップ・N・モーゼズ

始まりから間違ってる(笑)モーゼズ氏の方はまともな事を言っている様だけど‥。ボンド氏はニンジャ神話(古事記?)と北欧神話の類似性をいち早く指摘した事でも有名な人らしい。ニンジャ神話!?

※2:原作はアメコミ。正式にはティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ。怪しい液体を浴びて亀から亀人間へと変身した4人が、ネズミ忍者スプリンター先生と共に悪の組織の野望に立ち向かうアニメ。第一シリーズ(テレ東で放映されてたやつ)の悪役シュレッダーの台詞(日本語吹替版)のノリは本作とどことなく通ずる所がある様な無い様な‥スプリンター先生の掛け軸「アニメ道」とかも(笑)

※3:原作小説(Twitterで連載中)では、バイオ血液は体内では緑色だが空気に触れると赤く変色するという事になっている(汗)

※4:家庭用ゲームやパソコンゲームの表現規制、対象年齢表示を独断と偏見で定め、取り仕切っている非営利団体。詰るところ検閲みたいなもの。

※5:使用例は「お見事なワザマエです。」とか。腕前の誤植っぽい(笑)

※6:作中にて、ニンジャとの遭遇により引き起こされるパニック症状を指す語。失禁、失神、心停止などに見舞われる。アイエエエエ!!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本語がさらに好きになる作品です

いい最終回でした(汗)

ラストのインガオホーの山焼き、一瞬でしたが最高のビジュアルでした。
ワッショイ!の連呼で殴り合うラオモトとフジキド、アツかった・・・

色使い・テキトウさを逆手に取った動きのバカっぽさ・80年代のニンジャ映画ブームの妙な盛り上がりを思い出させる台詞の数々、ほんとスバラシイです。何が面白いのかを言葉にするのは難しいですが楽しかったですw
因みに私は内容は全く頭に残ってません(汗)

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25話観ました。総集編とサブタイトル付いてました。

私は原作読んでないですし、この作品自体が物語が記憶に残らない類の代物なので私の大きな勘違いかもしれませんが、

ぜんぜん総集編じゃねぇ(滝汗)

もうね、目に余るヒドサに拍車がかかってます。
真面目な人は既に脱落してるでしょうが、私的にはタマランです。
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昨晩、15話をたまたま目にしてしまったわけですが。
どうも気になって仕事に身が入らないのです。
あの叫び、あの動き、あの色使い、あの言葉遣い・・・・
出会わなければ、こんな思いをすることも無かったものを。

という事で、結局続き見てます(汗)
癖になります。
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たまたまニコ動で目にしてしまいました。
イア゛ア゛ア゛ァ~イア゛ア゛ア゛ァァァ~ってなんか斬ってるし(汗)
耳に残ってしょうがないんすけど。
ダイナマイトの信管というか導火線目にも留まらぬ早さでブチブチむしってるし・・・
なんか観てはいけないもの観てしまったような気がします。

昔のピットファイターとか初代モータルコンバットを思い出しますね、コレw
すごく観たいけど、コレに人生の貴重な時間を使う事は何か間違ってる気がします(汗)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16
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