2024年度の人生おすすめアニメランキング 11

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の人生成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月08日の時点で一番の2024年度の人生おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.6 1 2024年度の人生アニメランキング1位
チ。―地球の運動について―(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (178)
665人が棚に入れました
第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞ほか、数々の賞を席巻。 若き天才作家魚豊(うおと)が世に放つ、地動説を証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語 15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。 彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。 が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。 ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。 異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。 彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
ネタバレ

アニメアンチ2号 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【チ】の女神【サンタ☆ソフィア】に心臓を捧げよ!

●メビウスの倫理の輪で踊る演者たち

考えれば考えるほど矛盾すると言いますか、支離滅裂な要素が溢れ出てくる
{netabare}本作最大のやらかし要因は聖書と某教会を線で繋いで扱ったことでしょう。

異端という概念は聖書解釈において生み出された価値観でありますが、
そもそも聖書にあった内容を教会が拡大解釈、曲解したため矛盾に満ちた教義となり
最終的には魔女狩り的な一方的弾圧聖戦劇場の様相を呈するに至るのでありました。

早い話が後に転生したラファウ2世が言うように地動説を研究してもリスクは
「政治次第でいくらでも避けられる」というのが作品内においても真実であります。

ラファウ2世は成り行き?でアルベルトの父を刺し殺してしまいますが、この時代に
裁判所の役割を果たしていたのが教会でありますから、宣言通り政治的取引により
無罪を勝ち取ることができるのであります。

当時12歳のラファウ1世では若さ故に政治というものが理解できなかったのかも
しれませんが頭がいいはずのバデーニさんやヨレンタお嬢、そしてノヴァク審問官も
政治による回避法があることを知らなかったのであります。

免罪符が絶賛売り出し中となるのは少し後のことなのかもしれませんが、
十字軍遠征の時に既に軍資金を寄付した者が免罪措置を受けられる事例は存在していました。

頭がいいはずのバデーニさんですが、丸刈り頭のアイデアはあっても
政治というものを知らなかったのがとてもとても残念無念で悔やまれます。

本作のノヴァク審問官管轄内においては地動説それ自体が異端思想であり
これを研究したものは死罪の判決を受けるようでいて、初犯ならば
恩赦が与えられるというとてもややこしい話になっています。

1回目はイエローカードなので改心したら許されるということなのかもしれませんが
悪魔にそそのかされた異端が口先だけでなく本当に改心したという保証はどこにも
ありませんので、例え1回目でも審問官の例の取り調べが行われるのが道理となるはずです。

一番確実なのは免罪符を買わせるという行いにより改心したかを確認する方法でしょう。

そうしまして異端である地動説がある程度世に広まっていなければ教会もこれに
警戒心を抱くことはないはずなので、隠れて地動説を研究する者がフベルトやポトツキ
以外にも複数いたということになります。

麻薬と同じで世の中に広まってるから取り締まるわけであります。

なので地動説の記録など麻薬と同じように世の中に溢れていなければ、他の人には
広まらないということになり、ノヴァク審問官の仕事キャリアも蓄積されないことになります。

少なくともノヴァク審問官管轄内では異端思想とその地動説が溢れていたことになるはずです。

このような状況で仮に地動説研究が教会に発覚したとして、初犯は改心することを
まず試すのが賢い選択であると考えられます。

研究資料は釈放された後他で入手したらいいだけの話であります。

ラファウ1世にしてみたら身近な義父が地動説を研究していたことは意外だったかも
しれませんが、それだけ地動説研究が世に広まっていたことの裏付けと言えるのであります。

異端は改心しないから処刑するはずなのですが、異端に改心の機会を与えたり
一方で異端は嘘つきだから拷問で口を割らせる必要があるとか、ダブルスタンダードの余り
どっちなのか意味がわかりません。

どこからどう見ても異端の不審者にしか見えないフベルトが釈放された緩さが不明であります。
ヨレンタお嬢のように歯の50本60本は抜かれないと許されないはずです。

異端の定義が適当なのは某教会のご都合主に由来しますが、それに乗っかった上で
本作内で新たなる適当なトンデモ異端認定基準を上書きしますのでカオスの極みに達します。

教会の倫理観は混沌を極め故に改革運動が起こるまではいいのですが、しかし
その改革運動も何を目指し何を正そうとしているのか五里霧中であります。

狂気の占星術師や兄弟殺しの暴徒の信者に火薬をばら撒くテロ集団たちが踊る世界。

このような前提で考えれば超人ラファウ2世の言うことが一番まとも?
にも思えてしまい、少なくとも刺殺事件の理屈は合理的となります。

ラファウ2世誕生前のすべての地動説信者は政治力もなく語るべき正義もなく
そうして教会の力に屈しただけの負け組=歴史の登場人物ではなかったのです。

ラファウ2世は政治力により教会とともに生き残り、思う存分好きな研究をしたのでしょう。

それ以前の演者たちは運命に翻弄されただ命を失い独自で勝ち取るものは
何もありませんでした。

しかしもしもアルベルトが転生していたとしたら、勝ち組は他にもいたことに
なるかもしれません。

他に転生による救済がないとしたらラファウ2世との対比により
皆犬死ということになるのであります。

かのニーチェ大先生も「権力への意思」を有する「超人」こそが正義であると
推奨していましたので正義はラファウ2世にこそにあるのであります。{/netabare}

●プロパガンダの目的

所謂「地動説」というものについてざっくり調べてみますとそもそもそれ自体がなかったと
言いましょうか、コペルニクスのところでようやくそれらしい仮説が出来上がりまして
しかし、当時は誰からもまともに相手にされないようなトンデモ理論であったわけです。

コペルニクスはカトリック教会の祭司であり、ガリレオは【イエズス会】の支持を
得て「地動説」に関する研究を行っていました。

{netabare}結局のところ教会が「地動説」を弾圧したなどと呼べるような事例は皆無に等しく
「地動説」を理由とした弾圧は大嘘であり、天文学の研究はトンデモの地動説も含め
普通に行われていたということになります。

本作においては根拠不明な「地動説」弾圧のお題目劇場がこれでもかという感じで
かなり強烈に展開されまして、さながらどこぞの特定アジア国のプロパガンダ映画
のようにも思えてしまいます。

「南京事件」はありましたが、日本兵が民間人を30万人虐殺したとか、
「従軍慰安婦」はいましたが、強制連行で皆酷い目に遭わされたとか
そういう内容を宣伝するプロパガンダ映画のようにも思えてしまいます。

教会に属するノヴァク審問官による地動説支持者の弾圧は、まさにどこぞの国の
プロパガンダ映画の手法そのままであり、論理の飛躍があまりに惨過ぎて
流石にやり過ぎではないかと思うに至るわけであります。

残酷拷問シーンなどを見ると心的ショックの影響で冷静な判断ができなくなる
傾向がありますが、プロパガンダ映画とはまさにその効果を狙って作られます。

ドイツ兵が赤ん坊を宙に放り投げ銃剣で刺すという残酷話は
第一次世界大戦の時に流布された典型的なプロパガンダであります。

フィクションだと割り切って見れば問題ないという考え方もあるとは思いますが
そもそもガリレオ裁判の件を非常に歪曲した形に加工し刷り込むのが我らが国の教育であり
マスメディアでありますので、地動説を使ったプロパガンダ工作はとても有効
ということになるようであります。

本作における教会による弾圧の被害者とは誰だったのかと言えば、地動説支持者である
ように見えてしかしそのような不特定多数の人々並びに団体は史実では存在しませんでした。

史実で教会が弾圧したのは誰かと言えば、それは「異端」であります。

そうしましてコペルニクス、アルベルト以前の時代に異端として弾圧を受けた勢力が
いたとするならそれはやはり【テンプル騎士団】ということになるでしょう。

キリスト教徒とは別の信仰を持つその【シオン】の一族は天体の神々を崇め奉り
【占星術】に精通していたのであります。

占星術とは黒魔術の一種でありまして、それを使う魔女ということになりますから
これを口実に弾圧することができるという話であります。

転生前のラファウが裁判の掛けられた理由は地動説研究のように見えますが
史実を踏まえて敢えて解釈するなら異端思想にとりつかれていたから、
裁かれたということになります。

ヨレンタお嬢もシュミット隊長も天体の神々を崇め奉る異端信仰を
持っていたため弾圧されたわけであります。

(性別不明の)チョンマゲキャラは褐色肌を持つ流浪の民でありますから
【シオンの民】を暗示し、【テンプル騎士団】という存在に繋がるわけであります。

その時代にはいなかったはずの地動説信奉者の団体の弾圧物語とは
「星の眷属」=【バビロン】の子孫にあたる種族の宗教戦争=聖戦を表現していたのであります。

「フ【ベル】ト」から「アル【ベル】ト」に繋がる「転生」ありきの物語には
「星の眷属」の神話が関係しています。

そういうことで永劫回帰する超人ラファウがいたり、カレンデュラがアルベルトに転生したり
また、フベルトがデュラカに転生するのが当たり前になるわけであります。

【フェネクス】が介在する転生再生の宗教を知らなけらば、本作に異世界転生が
必要な意味が理解できないかもしれませんが、現代人には理解できなくとも
神話の物語とは必然的にこのような不思議な世界観を描くものであります。

占星術師とは天文学者ではなく、{/netabare}魔女の類であるのというのが真実です。
ということでピタゴラス教団の占星術師も地動説に似た宇宙論を信仰していたのであります。

疑問点のすべてが解けてみましたら、オカルト系トンデモ作品だったというオチのようです。


●「カレンデュラ、お前もか?」

最後の最後で死んだはずの{netabare}ラファウが登場したことの解釈としては、そもそも
死んでいなかったというパターンとパラレルワールドで転生したというパターンがあり
{/netabare}恐らくはどちらでの解釈も成り立ち得る作りに敢えて仕上げたのだろうと
そのような印象を受けました。

{netabare}一見視聴者に判断を委ねたような格好になっていますが、作者の本心では
恐らくパラレル転生の方が望ましいものだったのでありましょう。

どうやら本作の作者は哲学に傾倒していたようであり、特に地動説という学説について
特別な思いがあったというわけでもないものの、近代合理主義運動を好意的に捉えており
それ故に地動説を流布するチンドン屋の如く宣伝工作活動の片棒を担ぐために
わざわざ本作のような天文絡みの作品を作ったのでは?という疑惑がもたれます。

地動説推進派とそれを弾圧する勢力の二項対立により「ヘーゲル弁証法」を
表現しているとかいう話であります。

しかしヘーゲルにもマルクスにも興味ない人にとっては実にどうでもいい話でございます。

甦ったラファウで「ルネサンス」を表現しているという解釈も成り立ちそうですが
パラレルワールドで再生したラファウには「永劫回帰」というニーチェの思想が
反映されていたなんていう説があります。

ニーチェとは、【優生思想】に毒されており、精神病患者みたいな傾向が見受けられまして
「ナチスドイツ」との親和性が疑われてしまいがちですが、ある意味オカルトという
テーマでは見事にシンクロしてしまうのは、永劫回帰的宿命?なのでありましょうか。

ラピュタが何度でも甦るように超人ラファウも甦り、「人がゴミのようだ」と
刺殺しまくるのが運命なのかもしれません。

「永劫回帰」とは?
大型台風によりレンガが飛ばされて来て顔面強打、死にます。
再生して再び同じように電柱が飛ばされて来て顔面強打、普通は死にます。
しかし「超人」とは強固な顔面力によりレンガや電柱を受け止め
顔面力で障害物を破砕するという力を持ちます。

凡人は何度でも顔面被弾で死ぬ運命を繰り返しますが
超人は(顔面力により)運命に打ち勝つことを繰り返すということらしいです。

前世では弾圧に屈し死んだラファウが二周目では障害を排除して生き残りまして
天文学も発展しますので「超人」化成功ということになります。

このお見事なまでの「永劫回帰」と「超人」思想のリメイク表現に対して
拍手喝采する!?にはまだまだ気が早く、まだまだこんなもんじゃないと
言わなけらばならないでしょう。

いったい何のために生み出されたのか今一つ意味がわからない、移動民族に属する
チョンマゲキャラでありますが、名前を「デュラカ」と言います。

ヨレンタお嬢から頭巾のようなものを受け継いだのには何か意味があったのでしょう。

そんな時こそ「デュラカ」「ヨレンタ」でアナグラム解析をしてみます。
出た結果は「カレンデュラ」であります。

ちなみに「デュラカ」「ヨレンタ」「ノヴァク」でアナグラムによる言葉合成をしますと
「デュラカ」「レン」「ヨ」「タ」「ノァ」「ヴ」「ク」

①カレンデュラ②ノア③ヨヴ④タクとなります。

「ノア」と「ヨヴ」は父なる神を信じる者(=本作では悪役扱い)
「タク」は磔=「磔の刑」であります。
{/netabare}
~太陽と「カレンデュラ」の神話~

「昔、イタリアのシチリア島に住む少年クリムノンは太陽の神アポロンに恋をします。」
「昼間、彼の心は喜びであふれていますが、夜になり、太陽が姿を消すと寂しくて」
「たまらなくなりました。その様子を見ていた雲の神様はいたずら心を起こして、」
「8日間も太陽を隠してしまうのです。」

「アポロンと会えなくなった少年は嘆き悲しみ、恋い焦がれるあまり、ついに」
{netabare}「死んでしまいます。雲間からクリムノンのあわれな亡なき骸がらを見つけた」
「アポロンは少年をカレンデュラの花に変え、この世に再生させました。」
「自分を恋い慕った少年へのせめてもの贈り物でした。」
「太陽の色をした花に生まれ変わったクリムノン。」
「今でも花が太陽に向かって咲くのはアポロンを見上げているのです。」

これは太陽に焦がれる美少年クリムノンが「カレンデュラ」に転生する神話です。
つまりチョンマゲの正体は美少年クリムノン・・・だからこそ、

「カレンデュラ、お前もか?」
「お前もLGBTなのか?」と思った次第であります。

本作OPソングは「怪獣」、EDソングは「へび」そして「アポリア」です。
「怪獣」と「へび」はラファウを表現しているのだと考えられます。

「アポリア」は「アポリオン」=「アポロン」のことでありますので、
花の神話が示すようにチョンマゲの美少年がテーマの歌ということになります。

狂人とも目されるニーチェはアポロン信者でもあるからこそ
「神は死んだ」とキリスト教を否定する考えを表明するわけであります。

クリムノンが永劫回帰した必然的運命としてチョンマゲのカレンデュラは
朝日に包まれて安からに永眠するという結末を迎えるのですが、それに加えて
太陽神の別の神話についても少し考えてみようと思います。

褐色の「移動民族、流浪の民」と言えば【フェニキア人】でありまして
彼らの太陽神は【鬼神バアル】であります。

【バベルの塔】計画立案者、力ある指導者【ニムロデ】は志半ばで息絶え、そして
その魂は【フェネクス】により運ばれ天に上り【太陽神バアル】となります。

【フェネクス】は不死鳥とも言われ「復活・再生」のシンボルであります。

夜明けの空に向けてチョンマゲのカレンデュラは伝書鳩を放ちました。
この鳩はどこに向かって飛んだのでしょうか?

「カレンデュラ」の神話を踏まえて考えたら「焦がれる思い」は「太陽」に
向けられたということになると考えられます。

太陽に向かって飛ぶ鳥とは【フェネクス】を暗示していますので、
つまり「復活・再生」=「転生」のフラグが立ったということになります。

「カレンデュラ」の魂は【フェネクス】を暗示する鳩に運ばれて太陽の元に運ばれます。
【太陽=バアル】であり、【バアル】の別名は【ベル】であります。

永劫回帰&異世界転生を前提にアナグラム解析をかけますと
「とある」名前と【ベル】が繋がります。

「とある」「ベル」→「トアルベル」その答えは
「アルベルト」であります。

永劫回帰で転生したのはラファウだけでなくカレンデュラのチョンマゲもそうであり
神話を踏まえて考えるとアルベルトに転生したということになるのかもしれません。

もしそうだとするなら永劫回帰恐るべし!拍手喝采の結末でございます。

ニーチェ思想のリメイクをまさか異世界転生のファンタジスタで表現するとは
負け組ルサンチマンにしてみれば狂人級の発想であると言うべきなのかもしれません。

『ヨルシカ - アポリア(OFFICIAL VIDEO)』の映像を確認しましたら
【フェネクス】を模した鳥人間が【バベルの塔】から黄色い天体に向けて飛んでいました。

魚の群れは【ダゴン神】の比喩表現だと思われますが、全部
【ニムロデとバアル】の神話に関係する映像表現のように見えます。

永劫回帰の神話表現のおかげで、近代合理主義って何だってけ?と怯むしかないですが
そこで更に「タウマゼイン」という概念を用いて凡人負け組ルサンチマンの
息の根を止めようと押しまくるわけであります。

「タウマゼイン」とは一般に使うものではなく特別な存在を認識した時に限って
使用する言葉であると推測いたします。

具体的には死に際に月の光を浴びた時のラファウの心境がそれを表していたのでしょう。

ノヴァク父さんが最期に懺悔の言葉を吐いた時のその対象であったのも
月(の神)であり、月光に照らされた当人も同じように「タウマゼイン」の
心境にあったのだと考えることができるでしょう。

「タウマゼイン」とは本人の主観による感慨や情念のことを言い
ヨレンタお嬢がいう「感動」というのも同じような感覚であるのかもしれませんが
しかしそれも他人、第三者から見たら別の意味に転じてしまうものなのであります。

「月の光」を浴びたラファウそしてノヴァク父さんは「ルナテック」であったのです。

「『lunatic』は、狂気に満ちた、非常識な、または精神的に不安定な人物を
指す英単語である。
また、そのような行動や状況を表す形容詞としても使用される。元々は、
月の影響で精神病にかかると考えられていたことから、この言葉が生まれた。」

本人は「タウマゼイン」だと感じたのかもしれませんが、実に月の光を浴びた
ラファウは恰も精神病患者のように狂人化して自殺したり、またアルベルトの
父を刺し殺したというのがオチであります。

ニーチェが「神が死んだ」と言い、未来での神の死を望み
超人=狂人の時代が訪れることを願っていたのでありますが
その意図するところは、反逆のカリスマ=【ニムロデ】信仰を「超人」
という概念でリメイクしようということなのかもしれません。

ラファウの名前の由来は「ラファエル」なのでしょう。
「ラファエル」は「ラビエル」とも言い「カルディア人」の神でありました。

カルディア人は天文学・占星術に精通していましたので、彼ら【バビロン】の
星の種族の神に当たるラビエル=ラファエルを超人級の主人公の名前に流用
したのでありましょう。

天体の神の化身でありますから「天体パワー=月の光=ムーンプリズムパワー」
を浴びて覚醒したということだったのかもしれません。

転生再生に関して重要な意味合いがあるものとして、天体のペンダント
についても言及しないといけないかもしれません。

あの天体ペンダントはどう見ても「ベルセルク」の「ベヘリット」です。
持ち主が転生するわけですが、地動説とは当然関係がないはずであります。

白き鷹がフェネクス転生してしまう儀式のためのアイテムでありますから、
それと同じものを使うのだとしたらダークファンタジーの物語に転生するでしょうか?

本作において紛らわしいのは、神というのは具体的にどのを神を指しているのか
判然としないところであります。

結局のところ本作で積極的な意味合いを持たせている神とは、天体信仰を推奨する
神々のことであり、天体信仰を全否定するユダヤ教やキリスト教の神は問題外で
ネガティブな扱いを受けているようであります。

ソクラテスには奇妙な能力があり、なんでも「ダイモーン」という
スタンドみたいな背後霊の声を聞けたとかいうことであります。

「ダイモーン」は後のキリスト教ではデーモン=悪霊となりまして、そうならば
ソクラテス(ないしプラトン)は悪魔憑きという評価を下されます。

古代ギリシアの宗教を好意的に捉えていたニーチェももしかしたら?
狂人の如き悪魔憑きであったのかもしれません。

いずれにしても信じる神や宗教の違いにより、悪魔が天使となり、また逆にも
なり得る話でありますから、「タウマゼイン」が狂人的精神疾患の兆候であるという
解釈も場合によっては成り立つ話であります。

地動説の話をしていて、きっとこれは科学に関係する物語なのだろうと思ったら
「永劫回帰」の「異世界転生」で、茫然自失のこりゃ「たまらんぜィン」
という、そんなオチでいいのでしょうか??

ストア哲学信奉者ブルータスが英雄カエサルを暗殺した後のこと
民衆に自分の信じる正義を訴えかけます。

すべては共和政ローマのため独裁者には正義の天誅をお見舞いしたったぞ!
と息まく哲学の人でありましたが、彼の原理主義的理想論は民衆には聞き入れ
られず弁論術の甲斐もなく政権交代の企ては泡と消え、反対勢力に追い込まれた
挙句、非業の最期を迎えるのでありました。

哲学とは貴族の道楽程度の代物でしかなく、それに特別な価値もないでしょう。
「タウマゼイン」とはゲテモノ喰らいの賛美の言葉でございましょう。

マルクス主義も超人思想も本質は宗教と何ら変わりませんし、
ヘーゲル弁証法とは食ったらうまい名産弁当ではありません。{/netabare}

英雄は弁論により生まれませんし、良作も弁論だけでは作れません。

弁論術や机上の理論で辻褄合わせをしようとしたのが本作の最大の
失策だったのではないかというのが個人的見解であります。




●もしかして、やらかした?かもしれない可能性にアンチはメシウマ!?

ほんとちょっと数話前のお話で、命を懸けて{netabare} 何とか未来に託す展開がかろうじて
成り立っていたはずなんですが…それをまさか?死んだはずのラファウ先生
登場でなんか、すべて台無しになっていませんか?

改めて冷静に考えてみましたら一般視聴者目線では
この展開は無理あり過ぎという結論になりそうです。{/netabare}

最後の最後でのまさかの駄作認定されるかもしれない最大の懸念要因は
あの{netabare}「最後のラファウ、何?」{/netabare}という題目でございます。

タイトルを「チ」とかでなくて「パラレルワールド、マンセー!」
にすればよかったのかもしれませんよね?

途中まではかなり面白かったのですが、ピークアウトした最後の最期で
何を表現したかったのかさっぱり意味不明なまでのシュール展開に苦笑がこらえきれません。

●【大淫婦☆ソフィア様】が指す光へ

パン屋青年アルベルト(略して「ア【ベル】」)が神父様に
罪を告白するシーンが最終局面で描かれます。

この神父様は恐らく若かりし頃の{netabare}ヨレンタさんが拷問を受ける場面で
同席した審問官の片割れだったと思われます。

遂に最終話で「彼女」の決定的な「証拠」?が明らかにされます。

「硬貨を捧げれば、パンを得られる」
「税を捧げれば、権利を得られる」
「労働を捧げれば、報酬を得られる」
「なら一体何を捧げれば、この世の全てを知れる?」

「この世の美しさのためなら犠牲はやむを得ない」

以上のことが何を表しているかと言えば、それは【等価交換の原則】であります。
【等価交換の原則】とは物理法則を含む自然界の現象を端的に表すものであります。

そういう一般現象みたいなのは確かにありますが、亡霊先生は兎も角として
告白の場面で神父様の口からこの【等価交換の原則】が語られる時には恐らく
信仰に関わる話、更に突っ込んで言うならば宗教思想を表しているのだと
解釈することができるでしょう。

キリストが生まれる前の遥か昔ユダヤ人がまだ祝福されていた時代にユダヤ人が
荒野で飢えに苦しんでいた時に神はマナという食物を天より降らせたなんだと
聖書にあるようですが、これは「硬貨を捧げれば、パンを得られる」とは真逆か
全然別の発想であると考えられます。

強いて言うなら祈りがマナをもたらしたということですが、硬貨でマナが得られるなら
古代エジプト人は滅びなくて済んだという話であります。

【ローマカトリック教会】の信者にありがちなことですが「免罪符」を買えば
罪は贖えると短絡的に考えている人が圧倒的多数であったわけです。

亡霊先生ラファウは自分の信仰心に従い「ア【ベル】」の父親を殺します。

それは【等価交換の原則】により「対価」を払わなければ「知」の報酬が
得られないという確信があるからであります。

対して「ア【ベル】」は父が殺されたことは「大変遺憾である」が、「知」を得るためには
「犠牲」が必要という一般原則自体は否定するどころが真理であると考えているようです。

亡霊先生、「ア【ベル】」、そして神父様皆が揃って【等価交換の原則】を
支持しているということになります。

本作の作者は何だか意図不明は引用を連発する癖があるようで、微妙なところがありますが
やらかした感満載の引用「コリント人への手紙」もその最たるものであると言えます。

「コリント人への手紙」とはパウロがコリントの教会に宛てた手紙でありまして
要するにコリント教会にはいろいろと問題がありそれを憂いた内容が記載されていたのでした。

コリントという都市は経済的に繁栄した大都市であり、ギリシア・ローマ文化
の影響が根深く浸透した快楽主義的文化傾向が強い土地であったため、
当然の如くそこの教会も堕落の極みを体現していたのであります。

ギリシア・ローマの宗教的影響が濃厚故に教会は堕落の娼婦たちにまみれ
いつもの【イニシエーション】の病に犯されておりましたので、
コリントという都市の本性とは【大淫婦バビロン】であったということになるでしょう。

神殿の娼婦に対価を捧げれば「快楽」と【イニシエーション】の成果が得られます。
「女神の偶像」はその手に天秤を持ち適正な価値を測ります。

女神に対価を捧げ、女神の天秤が釣り合えば正義であり
【等価交換の原則】により欲しいものが手に入ります。

「デルフォイの神託」を受ければ神殿の巫女を介して知恵が得られますが
これも【等価交換の原則】に基づく【イニシエーション】の一例であります。

この【イニシエーション】においては巫女=神殿娼婦が必須となりますが
彼女の役割は【女神アシュタルト】などの神々を憑依させる依り代になることであります。

巫女を介して神々と媾う【イニシエーション】故に彼女らのことを「神殿娼婦」と呼び
そのような神殿が中央に位置するような都市は【大淫婦バビロン】の性質を帯びます。

【快楽都市バビロン】をルーツとする宗教とは【偶像崇拝】の宗教であるということになりまして
娼婦を金で買うような感覚でやるとりする取引こそが【等価交換の原則】ということになります。

神殿の巫女は知恵を与えてくれますが、その対価は高くつようであります。
知の女神様は娼婦のように対価さえ支払えばわけへだてなく取引に応じてくれます。

公正なる女神様による【等価交換の原則】により知の祝福はもたらされ
バデーニさん、オクジー君、ヨレンタさん、騎士団の隊長とすべての構成員
チョンマゲ娘、「ア【ベル】」の父さんも、すべての人が天に召されました。

【等価交換の原則】こそが真理であると信じる宗教においては祝福は勝ち組の証であります。

本作では「神」という言葉が頻繁に使われますが、例え神父様が言ったとしても
それがキリスト教の神を指すとはどこにも書いてませんし、本作ではむしろ
別の神の話をしているのだと理解すべきでしょう。

強いてい言うなら本作に登場する神とは【グノーシスの神】のことでありまして
例えば【知の女神ソフィア】、【土星神サターン】、【太陽神バアル】であります。

パウロが「コリント人への手紙」でコリントの教会の問題に頭を悩ませていた要因として
挙げられるのが「ギリシア」や「バビロン」由来の異教の神々の信仰に関する宗教思想及び
それに連なる儀式悪習の数々でありました。

天体の神々など【グノーシスの神】を崇め奉る宗教思想こそが教会の堕落の要因
であるとわざわざ手紙で注意喚起したわけであります。

「タウマゼイン」という聞きなれない言葉が突然出てきますが、これにより
本作作者の意図するところは「魔術」(的な)という意味合いを示したかったのでしょう。

聖アクィナスなる人物もギリシア思想&占星術の影響を受けていますので
どちらかと言えば【グノーシス主義】的傾向があり、クリスチャンの典型
とも言うべきパウロとは宗教観に隔たりがあるように思われます。

ローマ帝国がクリスチャンを問答無用に弾圧した事例が物事の本質を
ついていると言えるのかもしれません。

ローマ人とクリスチャンとの間には相容れないものがありローマ人は皆殺しに
するくらいの激しさで攻撃しましたがクリスチャンにより全部跳ね返されて
宗教戦争という面ではローマ側が完全撤退を余儀なくされたわけでした。

またローマとよく似てるギリシアの思想をキリスト教に組み入れようとする試みも
行われはしましたがどうにも相性が悪いらしく、真面目なクリスチャンはギリシア思想を
キリスト教からは排除することを選ぶのでありました。

異端とされる【グノーシス主義】ではプラトンの思想などを積極的に受け入れ
独自の思想を展開させますが、それとは違うクリスチャンはギリシア思想には
見向きもしません。

プラトン、アリストテレス、アレクサンドロスが何を言おうがキリスト教とは
関係がないという話であります。

かくしてクリスチャンは聖書こそが真実であると信じ、
【グノーシス主義】はそれとは別の教義を作り上げます。

細かく言えば色々ありますが、ギリシア思想や【占星術】などとごちゃ混ぜチャンポンが
許されるのは【グノーシス主義】だけでありまして、そういう意味では本作の作者は
【グノーシス主義】の観点から聖書を解釈しているのか?キリスト教とは全く違うような宗教観が
惜しげもなく大々的に示されているようであります。

裁判にかけられ死んだように見えたラファウでしたが、まずは
ノヴァク父さんの元に現れ、今度は「ア【ベル】」の所に現れます。

本作主題歌の「怪獣」とは恐らく「MONSTER」という作品の「なまえのないかいぶつ」が
元ネタであると推測されまして、ラファウの元ネタはヨハンということになるのかもしれません。

亡霊みたいなラファウはこのヨハンをモチーフにしていると考えるとなんとなく
彼に与えられた役回りが見えてくるような気がします。

ラファウ=怪物=MONSTER=獣という関係が成り立つとすると
【獣】は女神の子どもとも考えられ、ラファウは女神との意思疎通を図る
メッセンジャー役ということになるのかもしれません。

知の女神の巫女がラファウということで、そういう前提ありきで
「ア【ベル】」を誘惑したということなのかもしれません。

そんなわけで「知の女神」の祝福を受けた地動説信奉者たちは【等価交換の原則】により
命を対価として支払い尽く死んでいったというのが本作の概略でありまして、
割に合わない詐欺師に引っ掛かったような無意味さと虚しさしか残らない結末に
大いに脱力してしまったというのが個人的な感想でありまして、最終的には
評価の方もそれに応じて脱力気味になってしまいました。

フランシスコ・ザビエルの肖像画でもお馴染みのあの髪型ですが、まず
ザビエルの肖像画についてはフェイク、捏造の類であるようで、あのトンスラなる
頂点を剃るヘアスタイルはイエズス会では採用されておらず、カトリック教会
の一部だけに限定されるものであるようです。

結論から言えば似非クリスチャンの髪型であり今時誰もあんなんやっておりません。

あの妙な頂点剃りヘアの意味するものは何かと考えた結果、2つくらい心当たりが思い浮かびまして
1つは【グノーシス主義】的割礼の儀式、もう1つは【土星信仰】の表明であります。

ユダヤ教徒は年頃になると男根の先の皮を剥くという儀式を行いまして
これを割礼の儀式と呼びます。

【グノーシス主義】ではなんでも反転する癖みたいなものがありまして
ユダヤ教で行う割礼を反転させて頭の先でやったというのが仮説その1
【グノーシス主義】的割礼説であります。

【土星信仰】説が意味するのは、剃り残した周辺の髪を土星のリングに見立て
上から見たらドーナツみたいな感じの土星のヴィジュアルを頭で表現しまして
土星の偶像(崇拝)を示すというものであります。

土星は【サターン】=【サトゥルヌス】であります。

12月25日は【バベルのニムロデ】の誕生日であり、【サトゥルヌス】の祭典
【サートゥルナリア祭】に該当しますのでローマ人にとっては特別な意味が
ある日ということになります。

クリスマスとは【ニムロデ】の誕生日であり【サートゥルナリア祭】でありまして
イエスキリストの誕生日というのは捏造の類の大嘘であり、都合のいい
教義のデフォルメはローマカトリック教会ではよくある話であります。

日本の教科書に載ってる「フランシスコ・ザビエル」の肖像画は偽者で
それとは別のザビエルの銅像みたいなものを見ましたら、禿げてはおらず
どことなくノヴァク父さんに似ていると言いますか、ノヴァク父さんの元ネタが
本物のザビエルなのかもしれません。

ザビエルのヘアスタイルもクリスマスもこの世はすべて嘘だらけでありますので
偉大なる思想家哲学者の引用文や神父の説法にも騙されず、まともな感性を頼りに
生きて行くしか道がないと言わざるを得ません。

拷問虐待虐殺の類はできるだけない方が健全で
まともな倫理観がある人ならばそれはおかしいと感じるはずでございます。

理屈や権威や引用文などで道理が通るものではありません。

ラファウ先生、人を刺しておいて理屈で正当化できるほど世の中狂っておりません。{/netabare}
先生はいったい大人になるまでにどのような学びを得たのでありましょうか?



●「👹神様👹!!」見つけました👹!?

そもそも「地動説」とは何なのかについて詳しく言及する気配もないまま終わりに差し掛かり
正直やり辛いとこもあるために考えを整理する意味で材料を陳列してみようかと思います。

例えば古代ギリシアの偉大なる思想家プラトンは、その著作を見る分には大変知性が高く
{netabare}ある意味合理的な考え方をする人であると考えることができます。

プラトンの世界観や宇宙観が後の文化人に与えた影響は大きいものであったはずであります。

プラトンには見えていた特別の世界それは「イデアの世界」というものでありますが
他の下賤な一般ピーポー即ち我々には知り得ない世界だったのでありましょう。

彼の「洞窟の比喩」で示される本質を照らす「光」とは、「ソフィア」であり
「アポリオン」であると解釈できます。

プラトンは「『チ』を愛する」人だったのであります。

「フィロソフィア」=「哲学」の本質は
「『チ』の女神を愛し」、「アポリオンを愛する」ことを意味します。

早い話が女神信仰を表していまして、哲学とは宗教であるというのが結論であります。

プラトンあるいはソクラテスなどには合理主義者の一面がある一方で、他の一面もありまして
つまり【エレウシスの秘儀】というものに嵌っていたという話でございます。

【エレウシスの秘儀】これを乱暴にとても端的に言うなら、オカルト宗教儀式でありまして
薬物摂取してラリっちゃう【イニシエーション】であります。

本作では【占星術師】なる世にも奇妙な挙動不審者が何度か取り上げられますが
この不審者が何なのかについても詳しい説明は当然の如く省略されますので
怪しさは更なる極みに達するわけであります。

「タロットカード」を考案したのは【フリーメイソン】でありますが、
この「占い大好き!」のサークルメンバーの集いの開祖と言われるのが
「ユダヤ人」と【フェニキア人】の混血である石工職人の親方であります。

【フェニキア人】は「古代ギリシア人」と同じく天体観測が生き甲斐の種族でありますが
その文明のルーツは【バビロン、シュメール】にあります。

そういうわけで「天体観測」大好きの人々は【占星術】に精通しておりその「チ」は
「古代ギリシア」を介して近代にもたらされたということになります。

近代【メイソン】は先人の「チ」を受け継ぎ【占星術】の研究に熱を上げたのでしょう。

やがて形骸化が進んだ【メイソン】をブラッシュアップするための近代合理主義的傾向が
強い【イルミナティ】が組織化され、【メイソン】のかじ取り役を担います。

【イルミナティ】=「啓蒙思想主義者」の活動以降、それっぽい近代的宇宙論の学説が
生み出されたようですが、そもそもの始まりは古代の【占星術】により集積された
「チ」にあったわけであります。

そういう経緯がありますので「土星は【サターン】」「金星は【ヴィーナス】」というように
天体には神々の名前がついていまして、宗教的な宇宙論と現代の宇宙論が完全に一本の線で
繋がっていることを決定的なまでに示すわけであります。

「地動説」を正当化するためには古代から蓄積されてきた研究データに依存するしかないわけですが
古代人は「地動説」を研究していたのか?と言えば、恐らく「地動説」という発想は
どうでもいいことで、単に天体の神々崇め奉ることだけに宗教的情熱を傾けていたのでしょう。

古代人は天体の神々が中心となる世界を妄信しており、
世界の中心には自ら信じる神がいると妄信していたのでしょう。

それは近代の【メイソン】にあっても同じことでありましたが
それを正当化する理屈=仮説が近代になり「啓蒙主義者」の手によりできましたので
あの手この手を使って(主に彼らが設立した大学などを通じて)世界に拡散させ
それなりには世界に浸透したのでありましょう。

しかしながら進化論と同じく地動説の仮説もそれが真実であると証明することは
未だ成し遂げられずに今に至ります。

それは一つの学説にすぎず、地動説と天動説のどちらが正しいのか?以前に
その手の学説に興味がないならば完全無視していい位に取るに足りない考えであります。

天体観測が死ぬほど好きな人ならば兎も角、地動説それ自体が【占星術師】と
同じくらい胡散臭いといいますか、挙動不審であります。

ますは自然哲学みたいなものをトレースしてみますと古代ギリシアの思想に行き着きまして
そこで古代ギリシアの思想について詮索してみますとなんだか怪しい宗教儀式を
どいつもこいつもやっているようにしか思えない奇妙な状況に遭遇いたします。

プラトンも嵌っていた?ともいわれる【エレウシスの秘儀】とは
ドラッグパーティみたいな側面があったようであります。

ドラッグ体験者が見た「イリュージョン=幻覚」(のようなもの)を映像表現した動画見て
{/netabare}しばらくした後に思ったのが、プラトンの「洞窟の比喩」と「光」で真実を照らす存在
のことであります。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm2396057

👹「チ」の女神=ソフィア様👹はここ↑にいたのかもしれません。

「チ」の出所はわかりましたが、それとは一線を画すはず?の
「地動説」というとてもとても科学的な?仮説の出所はどこにあるのでしょうか?

永遠の謎であります。




●死兆星が輝いた

前回のチョンマゲ娘の{netabare}最期についてはとりわけ無駄死に感が鮮明でありましたが
要するに頭のチョンマゲで太陽を指し示す天体信仰表現するためだけに作られた
キャラということなのでしょう。

現実界のローマカトリック教会の話になりますが、司教だとかのお偉いさんに賄賂でも
渡せばいくらでも天体観測や研究はできるわけでありまして、本作においても恐らくは
その路線で巧いことやれば地動説の研究もどうにかなったということなんだと思われます。

たまたま運が悪かったのか?根回しが下手すぎたのか?
バデーニさんもヨレンタさんも皆無駄死にしているような気がしてなりません。

ノヴァク父さんが勝手に勘違いして?地動説信者を次々弾圧していったような流れに
なっていましたが、そうしますと教皇直属アッシュ審問官が出てきた意味がわかりません。

中途半端に聖書を引用したり、中途半端に教会の有様を描いてみたりした
皺寄せが終盤になって顕在化してきたようにも感じます。

ここに来てラファウの亡霊が化けて出たのか?
それとも実は根回しが成功して死亡回避できましたということなのか?
現段階では定かではないですが、いずれにしても例の【テンプル騎士団】の
玉砕劇 {/netabare}の意義について明確に描けてない以上は減点せざるを得ない
というのが個人的な感想でございます。

ピークアウトした後の失速感が凄いですが、果たして
亡霊先生によるここからの巻き返しは可能なのでしょうか?


●「刻印」が示す宿命的邂逅

ノヴァク父さん無双と言うべき展開であります。

本作で一番存在感あるこのお父さんがすべてを{netabare}台無しに?いえ、
すべての方を付けるため命を賭けて修羅の如く激高、猛進いたします。

冷静になって教皇直属アッシュ審問官に事の成り行きを報告し出直せば、もう少し
マシな展開が期待できたのでしょうが、どうやら問題の組織長が自分の娘ヨレンタ嬢
であることを察したようで、一旦引き上げて出直すとかいう考えを持つはずもなく
この件を早急に片づけて、終わった後に「手袋」で確認しなければならんと考えたのでしょう。

(とは言え右手に対する異常なまでの執着心には少々、狂気の悪寒が・・・)

チョンマゲ娘が身に着けていたヨレンタお嬢の形見の品にももしかしたら
見覚えあると察したのかもしれません。

兎に角すべての元凶は「地動説」にあり、娘もその犠牲者であると信じて、ついに
問題の邪教組織を撲滅できるあと一歩のところで、アントニー司教が掌返しの
裏切りでありますから、冷静さを失いはらわた煮えかえるのも止む無いことかもしれません。

「まさかそんなはずがない」と思った悪い予感が今まで尽く当たり続けてきて
「今回もまさかそうなるのか」という悪い予感がまたしても的中してしまったようです。

まさかと思った悪い予感、「娘が組織長かも?」というやつが今回も確信に
変わり、頭の中がぐちゃぐちゃになり無双状態になったようであります。

問題の組織の最後の残党チョンマゲを仕留めれば何とか敵討ちは終わり、冷静さを
取り戻せたのかもしれませんが、司教の裏切りですべてが終わったようであります。

アントニー司教の詰めが甘かったのは既定路線で、金に目がくらんだ
拝金主義者の当然の結果であると言えます。

その一方で同じ拝金主義者のチョンマゲ娘はここでジエンドなのでしょうか?

もうワンチャンありそうな気もしますが、拝金主義者の幕引きとしては上等と言いますか
伏線回収していますのでこれにて終焉という可能性もあり得るのかもしれません。

ノヴァク父さんが自分自身で言うように彼は完全に「悪役」です。

彼の役回りは【ローマカトリック教会】そのものと言ってもいいでしょう。
悪役に対する正義の役は【イエズス会】であります。

真の勝ち組は【イエズス会】であり、悪役勢力を「秘密結社」を用いて断罪する
役回りであります。

チョンマゲ娘はいかにもそういう役回りに向いていたように見えましたが
残念ながら今回でフェードアウトした可能性がかなり高いようです。{/netabare}

そうしますと落としどころがかなり難しいように思いますが
次回以降どう展開するのでありましょうか?


●畜生どものジョーカーゲーム

「地動説を研究していたことを認めますか?」
「その研究が{netabare}教会公認の学説と異なることを理解していましたか?」
この裁判の結果は、被告有罪(火刑処分?)であります。

ある意味アントニー司教は如何にも堕落の教会、拝金主義者の群れにいそうな感じのキャラ
であり彼の役回りは理解はできなくもないですが、チョンマゲ娘の口車に容易く
乗せられるのは少し詰めが甘いと言いますか、ちょろ過ぎではないでしょうか?

証拠資料を隠滅できたかどうかは定かではないですが、ラファウの裁判記録が
もしも残っていたら全部ひっくり返ってしまいます。

前代未聞の地動説研究におけるレッドカード一発退場事案なので教皇庁まで
裁判記録の報告がなされるのは必至ではないでしょうか?

仮に資料がなくとも教皇直属アッシュ審問官がノヴァク父さんと同行して、
地動説と異端思想に染まった人殺し集団を現認し、交戦してますので
教会に敵対する組織ということが明白な時点で全員異端となり
それと同行していたチョンマゲ娘もアッシュ審問官の拷問に掛り💀のはずで。

ノヴァク父さんは冷静さを完全に失っていますが、教皇直属アッシュ審問官
に告げ口したらチョンマゲは詰みであります。{/netabare}

詰めが甘いのは「ゲームプレイヤー」でしょうか?

●友愛結社のロケットパンチ

シュミット隊長率いる秘密のギルド騎士団員はやはり
{netabare}【テンプル騎士団】を表していたようであります。

【テンプル騎士団】により金融業の礎が築かれたなどと言われておりまして
この組織の後衛に当たる【フリーメイソン】の時代には近代的な銀行屋が
世界制覇を目指して悪だくみを企むこととなるのでございます。

ヨレンタ父さんの教会側と対立しますので当然【テンプル騎士団】は教会側には属さず
何の宗教騎士団なのかわかりにくいのですが、結論は【シオンの騎士団】であり
神殿再建を目指す騎士団ということになります。

今でいう【シオニスト】ということなのですが、本作ではシュミット隊長が
【太陽崇拝】の信徒だったことから、神殿再建主義者の正体がバレてしまうのであります。

ついでに言えばヨレンタさんの【土星信仰】もこれと一対の関係にあり、
太陽と土星を崇め奉る【バフォメット教団】の存在が示唆されるわけであります。

【テンプル騎士団】に資金提供していたのは誰かと言いますと
【ヴェネツィアの黒い貴族】でありまして、そういうことで「黒い肌」を持つ貴族と
本作の「褐色の肌」を持つチョンマゲ娘が繋がるわけであります。

娘の無駄に長い「チョンマゲ」は天体信仰のシンボル【オベリスク】を示すものであり
そこから「星の子」あるいは「星の種族」。
拝金主義者でコインマニアであるところから商人、そして奴隷商、海賊の民。

例の司教曰く「移動民族、流浪の民」すなわち【ドリフターズ】。

それは奴隷の下の更に下の奴隷の民、【カナン人】。
ヨレンタお嬢から受け継いだ頭巾が示すその色「ポエニ」の【フェニキア人】。

彼らが後の「世界金融」を牛耳ることになる闇の種族でありますが、
褐色の拝金主義者=チョンマゲ娘は印刷機で紙幣でも刷って
銀行屋にでもなる暗示でありましょうか?

「褐色の商人」と「教会の司教」が手を組むのは既定路線ですが、
「地球の運動について」という本の出版では大して儲からないでしょう。

紙幣を世界にばら撒き戦争ビジネスでがっつり儲けた種族が
そんな小っちゃい話で満足するわけがありません。

【テンプル騎士団】まで出しておいてスケールが小さい方向に進んで行っているようです。

手袋のサイズを間違えたお父さんに対して娘のロケットパンチが飛びましたが
何を表しているかと言えば、お父様の「行い」が間違いであることに対する叱責
というわけであります。

右手を飛ばしてまで自分の主義主張をねじ込んで来る秘密結社の構成員には
ただならぬ執念を感じます。

父という存在は頑固で独りよがりで時代遅れだとかそういうことの表明なのですが
「父」とはやはり「父なる神」を意味していまして、面倒だからこの辺で父なる神を
切り捨てようかと考えた【ローマカトリック教会】と切り捨て御免の切り裂きジャッカー
【イエズス会】が本格的に動き出すぞという暗示なのかもしれません。

そもそも【ローマカトリック教会】は天動説に拘っておらず、強いて言えば
天動説を信じているのはプロテスタントであります。

プロテスタントは基本拷問とかしませんし、ヨレンタ父さんの役割が謎過ぎます。

父の独断で拷問をやった?ということにしたのかもしれませんが
十字軍以降は特に教会の腐敗は惨く、個人の暴走とかでは済まない状況で
内にも外にも教会に対する不満がどんどん募り、宗教界改革に繋がるわけであります。

免罪符が示すように拝金主義者が教会を腐らせたのでありますが、何故か
拝金主義者の商人と野心家の司教がタッグを組み儲け話に夢中になるなら
教会、世の中は更に腐敗し目も当てられないことになるはずであります。

教会の人が皆善良であるわけがなく、むしろ逆で腐敗は必然であるはずのに{/netabare}
この流れだとやはり何かが噛み合ってないような気がします。


●父君の名は。

本作の伏線をきっちり回収してくるところなど含め物語展開は鮮やかであると言えます。

シュミット隊長に焦点が当たるような流れが続いていましたが、その背後には
{netabare}不気味なまでに冷静な眼差しでその動向を見つめる存在が描かれていました。

貧しい農村の出にも拘らず文字が読めるという特別な青年、その名は
フライ君であります。

25年前の少年がシュミット隊長だったという可能性もありましたが、まず
顔が父親にも叔父さんにも似ていませんし、隊長の性格が明るすぎて、父親を殺された
子どもには到底思えず、【チの女神】の祝福を受けるにもっとも相応しい人物というなら
火薬の調合を熟知している彼こそが妥当ということになるわけであります。

しかしながら、フライ君については一つ重大な矛盾が生じます。

彼は女神=【セントソフィア】の祝福を受けているのにも関わらず、信じている神が
父権を象徴する父なる唯一無二の絶対神だったようであります。

彼の父親は「父なる神」の敬虔なる信仰者でありましたが、改革派と呼ばれる勢力に属する
叔父さんに父親が殺されたという事情により、恨みもあってかより一層父親の信じた
「父なる神」に傾倒していくことになるわけであります。

シュミット隊長にもヨレンタお嬢にもある種の天体信仰の傾向が見受けられましたが
それは古代ギリシア人が天体を神と見なし信仰の対象としていたのと重なるところが
大いに認められるものであります。

【セントソフィア】=「知の女神」とは多神教を代表する女神でありますが、
【ソフィア】の祝福を受けたのにも拘らずフライ君はその女神を裏切ったということで
太陽信仰の信徒を代表するシュミット隊長により粛清されたという、そういう
思惑がある?描写であったような気がいたいします。

「キリスト教」には正統派だとか厳密な意味での改革派というのは存在しません。

【ローマカトリック教会】は自らを正統と主張するのでしょうが、それに対して抗議する
「プロテスタント」は【ローマカトリック教会】の教義を全否定するような立場であり、
話をわかりやすく言えばむしろ「正統」は「プロテスタント」ということになるでしょう。

しかし現状はカトリックもプロテスタントもカルバン主義者もエヴァンゲリオンも
皆が皆自らこそが正統であると主張するようにカオス状態にあると言うべきかもしれません。

正統派と改革派が絵に描いたように見事に対立して宗教戦争を展開したのはむしろ
「ユダヤ教」の方でありまして、こちらの方は圧倒的な力の差で、正統派が
改革派により粛清、虐殺されました。

「卍ナチスドイツ卍」のヒトラーがユダヤ人を迫害した話はあまりに有名ですが
ヒトラーには妙な噂話がありまして、それは「ヒトラー=ユダヤ人説」なるものであります。

ユダヤ人がユダヤ人を虐殺する?とかさっぱり意味がわからないと思われるかもしれませんが
朝鮮戦争やベトナム戦争で思想の対立により同じ民族同士で殺し合いが行われたように
宗教思想の対立が原因により同じ民族内で壮絶なる闘争が展開されることも十分
あり得る話と考えることができるでしょう。

今のユダヤ教徒主流派は改革派であるところの【シオニスト】勢力であります。
粛清された側の正統派は「父なる神」を信じていました。

それに対して改革派はどのような名の神を信じているのか?
大いに謎めいていると言わざるを得ません。

ちなみにプロテスタントは「父なる神」を信仰しているのに対して
カトリックは「聖母なる神」を信仰しています。
表向きは「母のマリア」が「聖母」ということになっていますが
よくよく調べてみると聖母の本当の名は【イシス】であり【アシュタルト】あり
多神教の女神がルーツでありました。

【イースター】という主にカトリックが行っている宗教行事は、
【イシター】、【イシュタル】の名が由来であります。

改革派に父が殺され、今度は改革派に通じている秘密結社により息子が殺されます。
これは明らかに宗教戦争を表していると捉えるべきでしょう。

そんな中で地動説は人を救い、世に平和をもたらすでしょうか?
むしろ宗教戦争の片棒を担ぎ、対立を悪化させているだけではないでしょうか。

「地球の運動について」という表題の本を出版したとして、それで
【シオニスト】が確信的に引き起こす武力闘争は止みますでしょうか?

地動説を世に広めるために命がけの信者がいたとして、それはごくごく少数の
マニアみたいな存在であり、それで世の中がひっくり返るなら未来の世界はもっと
平和でないとおかしいはずであります。

多くの犠牲を出しながらも地動説という仮説にできることが{/netabare}大してないことが
本作最大の弱みのように思えて仕方がありません。




ボンバーマンの{netabare}フライ{/netabare}君の回想は無いのでしょうか?

右だと思いましたが、やはり{netabare}右手{/netabare}でした。
「ロスト・シンボル」も右です。
https://youtu.be/lCqHytVmUww

もちろんそこには意味がありますが、本作ではどうでしょうか?





●ダークサタンパワーメイクボム!

真打登場の組織長がやはりと言いますか、いえ少しばかり{netabare}早すぎる感じで
自爆テロを敢行しフェードアウトしてしまいました。

41歳まであと2年のギャップは埋まりませんでした。
もしかしたら「【チ】の女神」降臨によるフィナーレは起こり得ませんでしょうか?

チョンマゲ娘が遺志を継ぎ13年後に革命を起こせばなんとか辻褄が合いそうですが、
そんなに巧くはいかないでしょうか?

率直な感想としては自爆テロには極左のマルクス主義者みたいな狂信性を感じます。
地動説に憑りつかれ過ぎて冷静さを欠いているようにしか見えません。

自分の信念をただべらべら喋り過ぎるだけの組織長では
世の中を変えるだけの力があるように思えませんでした。

まるで銀河英雄伝説の地球教徒みたいな残念感が溢れ出ています。

シュミット隊長の口ぶりをからすると隊長が25年前の少年なのでしょうか?
あまりに変わり過ぎているように見えましたが25年の歳月は長かったという
ことなのかもしれません。{/netabare}

「願い事」の星【金星】はオクジー君の{netabare}死亡フラグだったようですが
【土星】は組織長の死亡フラグだったのかもしれません。
【土星】は【死神の星】でありますので。{/netabare}

流れ星に願う人は{netabare}魂を持っていかれる{/netabare}という話は恐らく真実なのでしょう。


●ムーンプリズムパワーメイクアップ!

本作視聴者に対してセーラームーンネタをやるのは一見無謀なことのようにも思えますが
天体信仰、ではなく天体観測の肝はまさに{netabare}セーラームーンにあると言っても過言ではありません。

天体信仰と【呪術文化】のルーツはシュメール文明、【バビロン文明】にあります。

信仰と無関係に{/netabare}天体を必死に観測する種族などこの世に存在した試しがありません。

古代ギリシア人にしても天体は神でありまして、ルネサンスや近代合理主義のルーツである
ギリシア・ローマの思想は{netabare}宗教とべったりの価値観に基づいています。

古代の古典作品を見ると確かにもの凄く合理的な側面もあることは確かでありますが
彼ら古代人の宗教に対する異常なまでの情熱や狂気を帯びた熱狂の度合いは、現代人が見たら
ドン引きする位にある意味悍ましいものであると確信いたします。

オリンピックの元ネタであるオリンピアの祭典は全裸の男祭り大会であります。

特に古代ギリシアの秘儀はとてもとても人には見せられるものではなく、それが理由で
古代ギリシア人が野蛮人扱いされると近代合理主義の神話が崩れてしまいまして
古代ギリシア・ローマの科学は世界一!と宣伝した人の立場が悪くなってしまいます。

そういうことで宗教的秘儀【イニシエーション】は現代のタブーとなっています。

詳しいことは兎も角、古代人が願ったことは
「ムーンプリズムパワーメイクアップ!」なのであります。

月の女神に神の力を乞う、それが古代人の儀式でありました。
セーラー戦士の中でも特に強いのが【金星】と【土星】であります。

「太陽信仰」についてはチョンマゲ娘の回想シーンとシュミット隊長のくだりでかなり明確に
示されましたが、あれはシュメール、【バビロン】から続く伝統的宗教儀式を表しています。

それと同じようにヨレンタさんの語りのシーンでも【土星】に対してただならぬ情熱を
抱いていると見受けられるような描写が示されるわけであります。

30年の歳月の重さをわざわざ【土星】を「指さして」説明する意味はないように思います。

なぜわざわざチョンマゲ娘に【土星】の話を振るのかと言えばチョンマゲ娘の
「チョンマゲ」が【オベリスク】の役割を担っていたからであります。

更に言うと今回なぜか「剣」を持っていたヨレンタさんですが、柱のように長細い形状のものは
【オベリスク】を暗示するものとして表されます。

ローマカトリック教会の敷地にもある【オベリスク】でありますが天体信仰の人達にとっては
とてもとても重要なシンボルであるが故に神である天体の位置を指し示すために【オベリスク】は
必ずそこに設置すべきものとなるわけであります。

天体の下や天体を指す柱状のものは星の神話の物語においては必ず出てくるものであり
それこそが信仰であることを表しています。

拝金主義者の【流浪の民】をルーツにする褐色の娘が運命の星に導かれ
そして材料はほぼそろった感じです。

ヨレンタさん現在39歳であと2年のギャップも恐らく埋まると予測しています。
落としどころは「革命」{/netabare}以外に方法がないような流れ向かっているようです。

●オリオンを辿る真実

本作の物語について考えれば概ね評価に値する水準にあるように思います。

しかしながその一方で何とも言えない「偏り」みたいなものが開始早々から
横たわっているような妙な感じを覚えるのでありました。

最大の鬼門はあの異端審問官{netabare}のお父様でありまして、兎に角やりすぎなのであります。

父の虐待と言えば「竜とそばかすの姫」でも少しばかり強引な感じでねじ込まれておりましたが
今にして思えばその作品の歌姫の父親にしても、仮想世界の自警団しても、役立たずだったりとか
有害だったりだりとかで、早い話が描写の背景には父権、パターナリズムを否定する
意図があったようにも見えてくるのであります。

女性的なものや母性を否定するような世界観を敢えて露骨に描写し、そこで反動的パンクの衝動
を引き起こして逆方向に持っていくという振り子運動の展開をやってみせたのではないでしょうか。

本作においても義父を含め父は頻繁に登場しますが母親がどういうわけか登場しません。

父と母と子がいて初めて家族があるとも考えられますか、母という存在がいないことにより
家族関係や人間関係に偏りが出ていると、そういうことを意図した描写だったのではないかと
そのように考えることができます。

物語序盤で扱われた「オリオンの3つ星」は「天下三分の計」の如く世界の均衡を示唆する原理
あるいは(製作者にとっての)世界の真理?を表すものだったのかもしれません。

母がいない世界では、男の権威が行き過ぎたものになり、極端な体罰として表れ
それは世界を歪に歪ませるとそういうことを言いたかったのでは?と推測いたします。

しかしながら三位一体こそが真実であるという信念も行き過ぎれば宗教でありまして
教会が作り上げたとされる歪んだ世界秩序を打倒するにはそれを全否定する革命思想や
無神論的合理主義など極端な左翼思想で対峙するしかないというのも、同じ穴の狢と
言うべきではないでしょうか?

意図的に「母」を排除した物語展開を作り出し、いよいよ真打登場ということなのでしょうが、
堕落した権威を打破するジャンヌダルクにスポットライトが当たるのはいいとしても
「手」を血に汚し、「その手」で過ちを犯した父親にどのような裁きを与えるのか
こちらの問題においてこそ「チ」の女神を戴く本作の真価が問われるべきではないでしょうか?

キリスト教の最大のテーマとも言えるものとして
「隣人を愛し」「敵を愛せ」の精神、そして「悔い改め」があります。

古い人たちの罪を贖うにしても、地動説や近代合理主義では釣り合わないような気がします。
世俗の権威を否定してそしてジャンヌダルクはどこに着地するつもりなのでしょう?{/netabare}




●「灯火」と「ミッションアンタッ【チ】ャブル」

【デウス・エクス・マキナ】とはギリシア悲劇などで使用された演出手法であり
「機械仕掛けの神」を意味する言葉であります。

これはある意味究極の「ネタバレ」になりますが【デウス・エクス・マキナ】が降臨すると
{netabare}それまでの問題がすべて解決してしまうというご都合主義展開を作り出せる常套手段となり得、
とても便利な手法ということで様々な作品に多用され、故に物語がマンネリ化
してしまう元凶となることもしばしばあったのであります。

例えばオペラ座の「プリマドンナ」が絶体絶命のピンチの時に「救済者」が突然現れ
「予定調和」のように解決してしまうのが典型であります。

その発動条件は、聴衆が物語の演者に感情移入して救済を神に願うようになること
でありまして、作家は聴衆をマインドコントロールするよう細工を施すのであります。

本作においては【チ】の女神が「機械仕掛けの神」となり発動するという都合上
必然的に伏線として【灯火】が小道具として使用されるというわけであります。

そして【チ】の女神を暗示するもう一つの小道具は「本」でありますが、「本」は蔵書や
図書館に繋がることから、これにより【チ】の女神のアーカイブのアクセス権を得たことを
暗示でき、そういうことで「チ」の女神の祝福を得たことを示すことができるのであります。{/netabare}

「蝋燭の炎」と「本」は伏線として使用されたと解釈できます。

3人はこの伏線により三位一体の使徒として出会う運命にあったと言えるのです。

ヨレンタさんのお父様は教会に {netabare}恨みを抱いていましたので、復讐を果たすべく
反教会側の活動家になってもおかしくない状況でありましたから、お父様が組織長になった
という可能性も十分考えられたかもしれませんが、ヨレンタさんとの手袋の一件で
うっかり過ちを犯してしまったエピソードが取り上げられており、このエピソードにより
【チ】の女神に祝福されてないことが明らかになります。

お父様よりもむしろヨレンタさんに【チ】の資格があることが対比的に示されるわけであります。

手袋は比喩みたいなもので、お父様の過ちは「先見の明」(=【プロビデンスの目】)が無く
(ある意味感情的な判断で?)異端審問官としての仕事を続け、誤った判断に基づき
拷問の類を一方的に行い続けてきたことが示されています。

同じように「父や主人の過ち」を体罰や虐待により示したものとしては
「ヴィンランド・サガ2」に出てくる農園の主人の事例がありますが、激情して暴力をふるう
虐待をするというのは「創造主ヤハウェ」を揶揄しているというように解釈可能でありまして
そういう親父殿は時代遅れで未来では通用しないという意図が込められた
「悪意ある」比喩的表現であるという風に捉えることができます。

そうい都合で「父」は【チ】により導かれる物語のメインキャストにはなり得ず
父と娘の対比構造からわかるように、娘の方に主導権があるのだから必然的に
組織長の役に抜擢されるのは娘という結論になるわけであります。

年齢的には41歳くらいと28歳くらいというのが秘密結社に関わる構成員の設定に
丁度いいと判断されたようです。

アダム・ヴァイスハウプト(1748年生まれ)は1776年に28歳で秘密結社を創始し
1789年の41歳の時にフランス革命が開始されるということで、その年齢に設定を
合わせてきたのでありましょう。

ヨレンタお嬢様の捕囚は25年前の16歳の時?だったようであります。

そして、世界三大発明についても恐らくは構成員に対応する伏線的小道具
であったと考えることができるのかもしれません。

世界三大発明の「火薬」担当は例の男性で確定しています。
「羅針盤」も実は海洋民族が使うので誰に繋がるのか確定してます。
残りの「印刷技術」ですが、やはり一番似つかわしいのが【チ】の女神の代理人ではないでしょうか?

やはり組織長のヨレンタさんということになりそうです。

そういうわけで「太陽信仰」{/netabare}と所縁が深い海洋民族がどの種族なのか?
追求する必要があるということになります。



●「チ」の女神転生!?☆彡【デウス・エクス・マキナ】☆彡の動きについて

15話から16話そして17話への物語展開は鮮やかだと思います
しかしながら15話の最後の貧民たちの{netabare}ヘアスタイル{/netabare}にそして{netabare}刺青{/netabare}
みたいなのには流石に絶句しました。

フランシスコ・ザビエルの例のヘアスタイルですが、ある意味この作品のおかげで
あのヘアスタイルの意味に気が付くことができたのは感謝したいところでありますが、それでも
複数の{netabare} 貧民の頭の頂点を「ザビる」?{/netabare}ような展開はあまりに強引過ぎてはないでしょうか・・・

結局のところ{netabare}【グノーシス主義】を表明する都合{/netabare}あのヘアスタイルをこれでもかと
強引にねじ込んでくるのはやむを得ないということなのでしょう。

強引だが必然ということで意図は理解できるのでヘアスタイル分の減点はしないでおきます。

ヨレンタさんの手袋に{netabare}ついて少し考えてみましたが、手袋に思い当たるところはなく
恐らくは【赤い】頭巾との関係性で【紫色】{/netabare}に意味があったのではないかと推測いたします。

ヨレンタさんの人種ついての詳しいことは17話以降に明らかにしようと思います。

ヨレンタさんの服装が示すシンボルカラーは{netabare}「所属」を表しており、そこから
女神転生と【デウス・エクス・マキナ】発動の条件が揃ったという
伏線を示すシーンだったように思います。

ヨレンタのお父様は「ぴったりの手袋」をプレゼントするはずでした。

ある意味「ぴったりの手袋」なんですがサイズが違っていたという意味で{/netabare}
お父様は「過ちを犯した」のであります。

それに対してヨレンタお嬢は「父の過ち」を糾弾するようなことを言ってしまったので
お父様はぶち切れたのであります。

{netabare}この一連の流れは、ユダヤ教の唯一絶対の神であるところの人類の生みの親であるアドナイの神が
アダムとエヴァを優秀な子どもに育成できず、更にその子孫たちも罪を犯して
神を裁きを受けたという「ノアの大洪水」や同じように罪故に滅ぼされた
【ソドムとゴモラ】の事件を前提にしていまして、子どもたちにぶち切れて大量虐殺した人類の
お父様にあたる神を批判しているという、そいう意図がこめられたシーンであると推測されます。
要するに【グノーシス主義】はアドナイの神を徹底的に批判する傾向がありまして
「お父様」はダメなので「救いの女神」に希望を抱くというわけであります。

この回は【グノーシスの女神】が動き出す伏線として重要な回であると考えられます。
そうして回想シーンを交えながら16話、17話に繋がり、{/netabare}
【デウス・エクス・マキナ】が発動されるのだと予測されるのであります。

16話に登場する鎧の騎士団は教会絡みなので「十字軍」を連想しそうですが、
{netabare} 教会への【反抗】を意図する集団でありますから【テンプル騎士団】を暗示
しているのだと考えられます。

【テンプル騎士団】は【ソロモン神殿】に関係する組織でありまして【シオン長老】という
ユダヤ教の祭司がその背後にいるとか言われていますが、個人的にはユダヤ教徒とは
ほぼ関係がなく、それよりも【フリーメイソン】の前身が【テンプル騎士団】であったという説が
正解ではないかと考えています。

近年においては【フリーメイソン】に潜入した【イルミナティ】がフランス革命を起こした
などと言われておりまして、それを受けて謎の騎士団の隊長は
「すべての教会の教えを否定し」
「すべての宗教を廃絶する」と
世界革命計画を表明するわけですが、革命思想の出所は【イルミナティ】にあったのであります。

我々の教科書に載っている偉大なる近代の啓蒙思想家とは、【イルミナティ】の思想を
吹聴するよう仕込まれた御用学者であったわけです。

カルヴァン主義の予定説みたいなことを隊長は口にしていますが、とっても乱暴に言えば
それはキリスト教の異端に限りなく近い考え方で、近代合理主義とヒューマニズムの
流れに乗ってキリスト教がセクト化細分化してかなりカオスな状況に見舞われたことを示すもので、
ある意味結末は【イエズス会】の狙い通りになったと言えるのかもしれません。

そういう意味で革命は大成功したとも考えられます。

25年前の回想シーンの挿入そして互いにリンクさせる展開は巧いと思いました。
ただ個人的には今の年齢は27歳がいいように思い【イルミナティ】創設者の
【アダムヴァイスハウプト】の秘密結社元年の年齢を調べてみたら28歳でありました。
そうすると回想シーンは25年前ではなく20年前ではないか?と少し疑問を持ちましたが
兎に角3人{/netabare}の物語がリンクしまして詳しいこともいずれ明かされるのでしょう。

【チ】が示す【灯火の女神】を前提にしていますので{netabare}「松明」とか「蠟燭の炎」とかが
効果的に配置されていまして、聖書と松明(=【灯火】)を並べて自然主義者の団長の口から
聖書を否定させるような発言を言わせるシーンはなかなか計算高いと思いました。

「それじゃ知性のない【獣】と一緒だ」という真面目な信者と
「そもそも人は【獣】とさして変わらん」と返す秘密結社の隊長の対比構造も鮮やかです。

まさに【大淫婦バビロン】は【獣】に乗ってやってきますので。

25年前の少年は回想シーンについては繋ぎ方を見るに反抗を企てる騎士団に属する
あの時に本を机に隠した謎の青年であるような気がします。

17話のチョンマゲ娘に本を偶然といいますか運命的に託したのがあの回想シーンの
後の少年であるとした方が展開がきれいなるので恐らくは彼がチョンマゲ娘と
次のシーンで出会うのではないでしょうか?

そうして【グノーシスの女神】の化身ともリンクしてくるのでありましょう。

あの少年とチョンマゲ娘と…3人が教会と対立するという構図が出来上がるのではないでしょうか?

そういう意味で三銃士それぞれの「人種」を分析する必要があると考えますが、
少年の分析が一番難しく、チョンマゲ娘との関係性で推理する必要があるような気がいたします。{/netabare}

●【チ】に足がついてない人たち

本作は「妙なヘアスタイル」が印象的なとある宗教教団と近代合理主義に毒された
狂信的地動説信奉者の信念を掛けた熾烈な闘争劇のような様相を呈しているところもあるようで、
従いまして視聴に当たっては教会や自然科学思想に関する予備知識があった方が
いいのではないかという意見も一理あると言えるかもしれません。

しかしながら個人的には現実世界の人類史の出来事と「本作の教会」の仕掛けた
闘争劇展開を比べた時には、妙なズレを感じずにはいられませんでした。

一番気がかりなのは「あのヘアスタイル」ですが、{netabare}それは後回しにするとしても
キリスト教最大派閥であるローマカトリック教会にとっての最大の宿敵であり、
最大の脅威は(本物のクリスチャンであるところの)プロテスタントでありまして
プロテスタントをこの「チ」から一匹残らず駆逐しなければ、ローマカトリック教会は
滅亡する運命を待つだけでした。

(真の)プロテスタントは聖書の言葉は神の言葉と信じ、聖書の教えにないか、
教えに反するようなローマカトリック教会の悪行を次々告白、猛抗議するわけですから
世間体が悪くなるばかりか、実は似非クリスチャンだったという教会の本性がバレて
偽装工作が水泡に帰す定めにありました。

(本作の描写に反して)恐らく現実世界の「カトリック」は
聖書の言葉を引用することを避けるでしょう。
そもそも正しい解釈を知らないか、ローマカトリック教会の教えと聖書の言葉が
矛盾してしまうとカトリックの立ち位置が揺らぐからであります。

教皇と権威ある教会に対して聖書の解釈論争を果敢に挑むプロテスタントと正面からやり合うのは
どうにも分が悪いということで、策を弄して各種の工作により敵を弱体化させようと考案されました {/netabare}
史上最凶で最狂の秘密結社が【イエズス会】というわけであります。

敵対勢力を潰すことが彼らの目的であり、正義でありますから
手段は問わないわけであります。

{netabare}魔女狩り、革命、断頭台、すべての手段は目的により正当化されます。
それが彼らの信条というわけであります。

余談ですがオリンピックパリ大会の開会式で生首マリーアントワネットのパフォーマンスを
誇らしげに見せつけた一件も、個人的には彼らの犯行声明を明示する意思が
介在したように思えてなりません。{/netabare}

「教会権力 VS 近代合理主義」という対立軸を基点とした本作の物語展開というのが
根本的におかしいような気がします。

教義に関しても真理に関しても説得力がまるでない教会権力側に正義が無いのは見たままの通りですが
{netabare}そうだからそれに立ち向かう【占星術師】か何かの類の地動説信者が正義になるかというと
それはまた別の話と言いますか、地動説信者の価値基準をどう受け入れたら
いいのか困るところであります。

個人的には天動説だろうが地動説だろうが人は生きて行くものであり
仮に数学的証明が成り立ったとして、それは異世界転生先の魔法の書
みたいなもののように思えてなりません。

地動説信者に極端にサディスティックな拷問を加えることにより、あるいは
残酷な死を与えることにより、それで地動説の価値は上がるのでしょうか?{/netabare}

フラットアース理論信者も怪しいですが、本作を見ると地動説信者も胡散臭いと言いますか
根本的なところがズレているように見えてしまうのでございます。


●フラットアーサーの逆襲

数年前のことになりますが「you tube」にはフラットアース理論について解説する動画が
かなりの数出回っておりました。

{netabare}NASAが撮影したとされる宇宙の映像記録の数々がフェイクであり、捏造であるという話は
それなりに世に知られており、スタンブリーキューブリック監督もその手の映像加工に
関わった云々なんて言う噂もあるようです。

もしも本作を視聴して地動説が真実であるということを華麗に証明できるなり、フラットアース理論を完全に打ち負かすような論法を容易に見出せるならば、
今までの「人類の闘争史」とは何だったのだろうか?という感じで、沈みゆくこの島国で
お気楽極楽な平和ボケの日々を満喫できるのでありましょうが、一筋縄ではいかない
プロテスタントとローマカトリック教会のややこしい宗教闘争について何か
語ろうとする時にカオスの渦の中に巻き込まれて溺れてしまいそうになる一方で、その片や
個人的にはどれほどの意味があったのか記憶にない教科書に書いてあった地動説と
フラットアース理論とどちらの仮説が正しいのかと考え始めたならば、それは膨大なる
時間の無駄でしかないという結論に至るわけであります。

例えばローマカトリック教会に恨みがある人にしてみたら、本作に描かれる腐りきった
教会の悪逆非道ぶりとそれに抗う登場人物に対して感情移入がしやすいということも
あるのかもしれませんが、「魔女狩り」と称する大粛清劇即ち狂信的ホロコーストを
まるで本作に登場する異端審問官のように極めて熱心にある意味勤勉に遂行したのが
【イエズス会】であったというのがことの真相でありますから、
「チ」のタイトルが「血」を意味するのであるならば、尚更に焦点を絞って
【イエズス会】とはどういう【血族】のものなのかについて、あの「妙なヘアスタイル」も含めて
考えなければならなくなりまして、地動説に関わる「地」についても恐らくは{/netabare}
「ばいばい、アース」という作品が暗示する「古のアース」=「地」の{netabare}【血族】と
秘密結社【イエズス会】が{/netabare}見事繋がるのではないかという疑惑について
追及しないわけにはいかなくなるのであります。


●大淫婦バビロンに連なる【獣】

ローマカトリック教会とはローマ帝国の宗教的権力機関でありまして、そもそも
ローマ帝国はローマ人固有の宗教思想が故に被征服民たるユダヤ教徒やキリスト教徒を迫害し
一方的に弾圧してきたわけであります。

{netabare}ユダヤ教徒はローマ帝国の圧倒的な軍事力により完膚なきまでに叩き潰されねじ伏せられましたが
後のキリスト教徒が大増殖した時には弾圧しきれず、ローマ人が得意とする力のごり押し政策は
断念せずにはならなくなり、キリスト教を帝国の統治のために利用する方向に切り替えたのであります。

ローマ帝国はキリスト教を公認し、遂には国教と定めます。
しかしながら肝心の教義はローマ帝国の都合がいいように書き換え、
異教徒をうまく取り込めるようにと異教の神々や異教の習慣なども取り入れ{/netabare}
終いには教会はまるで【怪獣】のように膨大な力を持つ権力組織となったわけであります。

{netabare}ゲルマン人の大移動の時に帝国は分裂し、帝国の歴史は終わったかのようにも見えましたが
帝国からその権力と権威を引き継いだ?というか奪い取った{/netabare}ローマカトリック教会は
「不死身のモンスター」の如くしぶとく生き残ったのであります。

{netabare}旧約聖書に登場する四匹の【獣】は、
【バビロン】、「メドペルシャ」、「ギリシア」、「ローマ」を意味します。

世界帝国のルーツは【古代バビロン】にありますが「第四の【獣】」=「ローマ帝国」こそが
最も手強い「アンデッドモンスター」みたいな存在であり、その【獣】が今もなお
世界を支配していると言われています。

ローマは宿敵である【フェニキア】の将軍【ハンニバル】との闘争に勝ち
世界を統べる覇者となったように見えましたが、しかしながら状況は
「卍ひっくり返り卍」最終的にはローマ帝国あるいはローマカトリック教会は{/netabare}
【フェニキア人】に乗っ取られたなどという妙な結末が待っていたようであります。

その辺について簡潔にまとめているのが↓この動画であります。

河添恵子【秘密結社?「イエズス会」とは?」】
https://youtu.be/i21c4NYS5Yg


【フェニキア人】とはどのような人種、「血」族でしょうか?
{netabare}彼らは【バビロン文明】の後継者であり、従いまして「呪術文化」の種族であります。

【フリーメイソン】はハリーポッターでもお馴染みの「魔法学校」の元ネタでありまして
(ユダヤ神秘思想)【カバラ】研究機関であると言われたりもしますが、早い話が
【黒魔術】研究機関ということになります。{/netabare}

{netabare} 本作にも登場する【占星術】というもののルーツも【バビロン文明】や【シュメール文明】にあり
なので【フリーメイソン】においてもこの【占星術】を熱心に取り扱ったわけであります。{/netabare}

【占星術】と【数秘術】はセットで扱われるケースが多く、ピタゴラスの定理でお馴染みの
ピタゴラスも自身のオカルト教団で【フリーメイソン】と似たような
いかにも怪しい研究をやっていたようです。

{netabare}ルネサンスとは古典の復興を意味し、近代合理主義のルーツとなったのが古代ギリシアの思想であった
などと言われたりもしますが、偉大なる哲学者と名高いプラトンなども古代のオカルト宗教儀式を
行っていたのではないかという話もございます。

イタリアでルネサンス運動が起こり、その辺りで【イエズス会】が設立され、
ルネサンスの波に乗って【啓蒙思想】が世に広まるのですがその【啓蒙思想】を宣伝するため
役に立ったのが後の社交クラブ化した【フリーメイソン】であります。

「啓蒙思想」の説法を垂れる学者さん擬きを「啓蒙思想家」と教科書ではそのように書いていますが
「啓蒙(思想)」を英語で言うなら「エンライトンメント」=Enlightenmentで、
似たような言葉では「イルミネート」があります。
意味は【光で照らす】でありますので、【啓蒙思想家】や【啓蒙主義者】は
【光で照らされた】即ち【イルミナティ】ということになります。

[【イルミナティ】は、イエズス会の修道士であったインゴルシュタット大学
教授のアダム・ヴァイスハウプトが、1776年に創設した秘密結社である]
というのは有名な話ですが、イエズス会の修道士が作った秘密結社「【イルミナティ】が
【フリーメイソン】を乗っ取り【イルミナティ】の御用学者であるルソーなどの革命理論を
聴衆に吹聴し工作員を使ってフランス革命を仕掛けた云々、
歴史の真相はどうやらそういうことらしいです。{/netabare}

フランス革命の際に発明された「ギロチン」という大量殺戮装置を考案したのも恐らくは
本件の工作員関係者の仕事ということなると思いますが、
魔女狩り-弾圧-ホロコーストという一連の独特で妙な嗜好性みたいなものは
「彼ら」特有の「血」が由来であるように思えてなりません。

「拷問、【卍】十字架刑【卍】、火刑」などこういう類のものを好んで行う行動原理や思想のことを
敢えて一言で表すならばそれは【グノーシス主義】ということになるでしょう。

アメリカ合衆国にあの【女神像】を贈呈したのはフランスでありますが
{netabare}より厳密に言うならフランスの【メイソン】が米国の【メイソン】に
【女神像】=【アイドル】をプレゼントしたのであります。

ジャニーズにしろ女子アナにしろ多くのファン=信者から支持される存在は
「アイドル」でありまして、女神像崇拝の宗教思想が根源にあります。

女神には様々な名がありますが、自由の女神の名は何と言うのでしょうか?
女神が右手で掲げる【灯火】は【光】であり女神の【灯火の祝福】を受けたものは
【👁】が開けるのであります。これを【啓蒙】と表現するわけです。

【灯火】は「知」=【チ】=「知恵」を、そして【理性】を象徴的に示すものです。 {/netabare}

フランス革命の時に生まれた新たな宗教とは、【理性】の崇拝であります。

そして【グノーシス主義】とは【チ】=「知恵」の女神を崇め奉る宗教思想を表します。

{netabare}「聖【ソフィア】大聖堂」とは【チ】=「知」の女神を崇め奉るための施設でありまして
そういうわけで「【灯火】の女神の名」は【ソフィア】ということになります。

「哲学」は「フィロ【ソフィー】」であり、「フィロ【ソフィア】」であります。
「哲学」とは「【チ】を愛する」を意味し、その由来は【チ】の女神信仰にあるということになります。

【灯火】は「女神の【チ】の祝福」でありますが、人類で最初に
【チ】の祝福を受けたのは誰でしょうか?

最初の人類はアダムとエヴァであります。
そう【チ】と言えば、エデンの園で彼らが食べた【知恵の実】であります。
「知恵」は【灯火】であり【光の祝福】を受けたものは【👁】が開けるのであります。
エデンの園で【チ】を与えたものは【蛇】でありますが、ある時は【竜】となり
【稲妻】となるこの【蛇】は【サタン】であります。

【サタン】とはそもそも【堕落した天使】でありましたが【サタン】の首領は
かつての【光の天使】であり【知恵の天使】でもあるその名を【ルチフェル】と言います。
【ルチフェル】はラテン語で【明けの明星】を表します。

【アイドル】雑誌のタイトルが【明星】なのはただの偶然ではなく、
単純に信仰心の正しい表明なのでしょう。

【明けの明星】とは【金星】のことでありますが、【金星の女神】の名は【ヴィーナス】であります。
「金星の女神」の名には、「イナンナ、アシュタルト、フレイヤ」など様々ありますが
その【血】の系統をざっくり把握するならば(ノアの子)「ハム」の子孫が作り上げた
【バビロン文明】、シュメール文明に起因する「血族」・種族と共に
彼らが頼る神々もそういう文明に寄り添い共にある存在であったということになるでしょう。

ハムの子孫が生み出した【バビロン文明】とは別の文化や思想を持つ存在が
(ノアの子)セムの子孫=ユダヤ人でありまして、ユダヤ教の主神創造主ヤハウェが
ユダヤ人だけを特別視した理由は、都会育ちの文明人よりも素朴で田舎臭いユダヤ人の方が
誠実そうで約束(モーセの十戒)を守ってもらえそうな気がしたからなのかもしれません。

知恵の女神の祝福を受ける「血族」は「知識」があるので建築学や占星術や数秘術なども
熟知しており、従いまして経済的に大繁栄するので【バビロンの黄金都市】や
【バベルの塔】や「ピラミッド」みたいな立派な建物を造り大都会で豪華に暮らすのですが
片や田舎者のユダヤ人は素朴で質素な生活をおくるしかないということになります。

そんなわけでソロモン王の時代に豪華な神殿を造ることになった際には
【フェニキア人】の血を受けたヒラム・アビフというカリスマ建築士の指南を
受けるのでありました。

豪華なソロモン神殿は当時の無知なユダヤ人の技術水準では建設できなかった
のでしょう。

かつての(カインの子)エノクの子孫たちは
優秀といいますか仕事ができる「血統」でありましたが
(カインに殺された)アベルの弟セツの子孫はどちらかというと
仕事ができない感じで、最終的には「アース」の「全地」では
(カインの子)エノクの子孫が大繁栄をし、片やカインに殺されたアベルのように
誠実な羊飼いという生き方を選ぶものはほぼいなくなったわけであります。

知恵あるエノクの子孫たちは仕事ができるからこそ自信過剰になり、
自分こそが優秀だと経済競争あるいは富の争奪戦を行い、
万人に対する万人の闘争というべき終わりなきライアーゲームに明け暮れて、
ゲームの勝者となるためにありとあらゆる手段を尽くし、その結果
この世の「全地」が目をそむけたくなるような悪行で溢れかえり
その有り様を見るに見かねた創造主が、大洪水のグレートリセットボタンを押して
「全地」は水に溢れ「知恵ある血族」は大洪水で全滅したわけであります。 {/netabare}

これが「ばいばい、アース」の悲劇と言えるものなのかもしれません。

{netabare}生き残ったのはノアとその一族のみでありましたが、ノアの子ハムとその子孫の中に
【グノーシスの女神】の意思を受け継ぐ血族が誕生し、後にその復讐劇が
展開されるに至るのでありました。

(ハムの子)【カナン】は(ハムの父)ノアから呪いの言葉を受けます。

もの凄く端的に言えば大洪水にも拘らず生存を許されたノアとノアの子セムとヤペテとは
血統が違うというのが、(ハムの子)【カナン】でありまして、生存を許されない側の
血統ということになります。

創造主ヤハウェは【カナン】を救う気がないので【カナン】と「その子孫の血族たち」は
【グノーシスの女神】を頼り、そして以降2つに枝分かれした「血族の抗争劇」、
あるいは宗教戦争が長きにわたって繰り広げられるわけであります。

【カナン人】は正面対決ではユダヤ人に負け、海に逃れたカナン人の子孫【フェニキア人】も
ローマ帝国には戦争では惜敗を期したので、「知恵」を駆使した権謀術数や騙し討ちの類で
支配地域を拡大するようにしたのでありますが、これが結果的に大成功だったわけであります。

ノアの言葉を介して【カナン】に発動された呪いの言葉、預言によれば、
【カナン】はセムとヤペテの奴隷の更に下の奴隷になれでありましたが、いつの間にか
支配関係は「ひっくり返り」、(本物のセムの子孫である)ユダヤ人や(ヤペテの子孫である)
白人のプロテスタント系クリスチャンが【カナン】の子孫に搾取される奴隷になっているような
有様が展開されるのでした。

【グノーシス主義】とは「鏡に映った世界」を是とする思想でありますから、
世界の善と悪、右と左、光と闇がひっくり返った世界を願うのであります。
♂と♀の役割がひっくり返るという発想もその典型であります。

苦しんでいる人を救うために自己犠牲の精神を発揮し行いで示したのが
イエス・キリストでありますが、【グノーシス主義】を信じる者たちは
「その逆」を熱心にやり続けます。

天体の周期運動だとか【占星術】だとか数秘術的に美しいとかいう発想はオカルト宗教そのもので
海や山が美しいというごく普通の感覚とは余りにズレ過ぎていてそれを普通にゴリ押しされても
違和感しかありません。

まるで【カナン人】の恨みを晴らすだけのために描いているようにしか見えない極端に
サディスティックな拷問プレイにも見るに堪えないものを感じますが、【イエズス会】や
ローマカトリック教会を敵に回して命がけで何かを成し遂げようとする地動説信奉者の方も
狂信的なオカルティストにしか見えないのが厄介であると言えます。

実家には地球儀が置いてありますが、本作を見て改めて思ったのが地球儀というのは
サッカーボールの代わりにするぐらいしか使い道がなく、まるで役に立たない代物
というのが個人的見解であります。

【偶像崇拝】=アイドル崇拝が美しくないように、
地球儀崇拝も本質は同じように思えてきました。{/netabare}

もしも自分が異端審問官だとしたら地動説を妄信する人に対し
地球儀を飾ることの意味について問い詰めたいというのが本音であります。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

知の怪獣たる人間の性を深く洞察した逸品

15世紀前半・中世ヨーロッパの“C教”が信仰される“P王国”にて、
天動説を説く教義に背くとされた地動説を巡り、
宇宙の真理であると地動説を追求する者、
信仰を守ろうと地動説を弾圧しようとする者など、
様々な人生が交錯する同名連載コミック(未読)のNHK総合・連続TVアニメ化作品(全25話)

【物語 5.0点】
信念を持って真理や信仰を追求する人間の可能性と狂気を活写している。

第一印象は、またぞろカトリックを悪者にする、よくある中世エンタメ作。

私も大概キリスト教嫌いなので、本作もまた、
腐敗と迷信に溺れる暗黒時代の“C教”の迫害を覆さんと、
真理の探究者が奮闘する展開を期待しましたし。
特に序盤は、ノヴァクのエグ過ぎる拷問にも負けずに、
地動説を貫き通そうとする人々に共感する視点で観ていました。

ところが、話が進むに連れ、本作は、科学的思考が宗教を見下す一方的な話ではなく、
地動説の信奉者も、神の信奉者も、自らの信念を貫き通す人間として尊崇し、
また畏怖する視点の物語だと、徐々に軌道修正。

私は無意識に、地動説を信じる自分たち現代人の方が、
天動説を盲信していた中世ヨーロッパ人より優れていると決め付けていました。
実際、C教会にて、自ら信念も持たず、組織に命令されるがまま、
地動説の迫害に加担する信徒たちは愚かです。
が、それは、現代社会にて、組織の論理のままに、
時に不祥事まで犯してしまう現代人も同様なのではないでしょうか。

特に転機となったのが、第9話のピャスト伯。
{netabare}彼は天動説にて、惑星軌道が複雑化する解決不可能な難問を乗り越え、
自らの天動説の正しさを証明せんと一生涯を捧げる。{/netabare}
彼の信念と生き様を見ていて、
私は自らの信念のため、幸福と救済のために、世界を知ろうと真剣に探求しているだろうか?
そう考えると、中世人は皆、頑迷だと笑うことはできないのではないか。

因みに、地上から天動説視点で見ると軌道が惑う故に“惑星”と呼ぶという由来も、
私は恥ずかしながら本作をキッカケに初めて認識しました。


中世を舞台に現代人にも信念や真理への向き合い方を問うという視点に立てたことで、
本作を視聴する時間は、知的好奇心を持つ人間について哲学する有意義なひと時となりましたし。
ラスト3話の展開についても、解答が示されない故のまとまりの無さよりも衝撃の方が上回りました。

特に第二十二話「君らは歴史の登場人物じゃない」
{netabare}ノヴァクのような狂信的な拷問官が、後のガリレオの時代の如く、地動説を迫害するのは中世でも当たり前。
この歴史認識そのものがミスリードだと気付かせる転回劇には、私もやられた~と唸らされました。
信念を覆されたノヴァクだけでなく、私もまたキリスト教は邪教だとのバイアス(先入観)で、
世界を歪めて認識していたとハッとさせられる。{/netabare}

良くも悪くも人の主観が世界の認識を変えてしまう事例が、
視聴者側にも当てはまることを思い知らせる大仕掛け。お見事でした。


この流れで、謎を残した最終回について、すなわち、
{netabare}ポーランド王国にて、地動説研究のバトンを繋いだ“青年”ラファウこそが、現実の歴史に繋がる物語であり、
これまでのP王国の物語はパラレルでした?という突飛な設定。{/netabare}
これも私は、現代より劣った中世ヨーロッパを信じたい現代人の偏見は虚構同然だと、
一石を投じる価値ある構成だったと感じました。

最終話の{netabare}アルベルトと司祭{/netabare}の告解室のやり取りも私は好感。
経典の内容は絶対だと盲信して信仰を押し付ける宗教家は愚かですが、
人にとってどの真理探求や信仰のあり方が救済となり得るのか。
ある程度悟って、各々の告白者に合った道を選択、提示できる宗教家の説法は、
科学至上主義と拝金主義に覆われていく後の近代社会でも有効。
終わってみれば宗教も意地を見せた作品でもありました。

正しい真理を追求する人間が素晴らしいのではなく、
人間は真理探求のあまり怪物と化すこともあると自戒できる者こそが歴史を作る。
己の信じる真実をぶつけ合ってSNSで分断を深め合っている現代人にも耳が痛い。
同時代への示唆にも富んだ一作。歴史として語り継ぎたくなる逸品です。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・マッドハウス

ノヴァクさんの拷問タイムなど、死傷者多数のグロテスクな描写にも果敢に挑んだNHKアニメ。

が、私にとってよりトラウマになったのが、オグジーの宇宙観。
C教において現世の地上とは穢れて不完全な世界の底辺であり、
人々は信仰によって来世の天国で神に救われねばならない。

生来、こうした宗教観を刷り込まれたオグジーの中では、
天動説に基いた夜空の星々は、天から穢れた大地を見下ろす目玉のようなおぞましい姿で認識されており、
オグジーは卓越した視力を持ちがながら、星空を直視することもままならない。

この現世の美しさや幸福からも目を背けさせる信仰の歪さを体現した
大量の目玉が降ってくる星空イメージの背景美術。
私は爪剥がしより痛いと恐怖しました。


その他、本作には例えば{netabare}金が大事なドゥラカとヨレンタ{/netabare}など、信念をぶつけ合った議論の末、
人間が理屈をこねて練り上げた信念など軽く凌駕する景色があるという展開も多々あり。
世界にはまだまだ知らないことがある、神が不完全に作ったと説かれる現世も十分に美しい。
認識できるだけの背景美術は用意されていました。


【キャラ 4.5点】
地動説を継承していく複数の主人公視点。
このキャラ構成自体が、人の生涯を超えて残り続ける信念のしぶとさを表現する仕掛けとしても機能。

彼ら地動説信奉者たちを横断するように立ちはだかる異端審問の拷問官・ノヴァクというキャラ設定も、
信仰側の信念を体現する上で効果的かつ狂気でした。
ノヴァクさん、仕事では異端の口を裂きながら、家庭では娘を愛する子煩悩な父だったりする。
拷問を、帰宅を遅らせワークライフバランスを乱す残業くらいに軽く考えている。
私も仕事をする時、自らの職業は世の中に資する内容なのか、よくよく自戒したいと逆説的に痛感しました。

特に真理探求の意志や教養も持ってなかったオグジーみたいな存在まで、
地動説に巻き込まれて行く主人公群の一角に据えられるのも興味深いキャラ展開でした。
対照的に知識と野心を持った修道士・バデーニとのやり取り。
特に「文字を残すというのは重い行為だ。一定の資質と最低限の教養を要求される。
誰もが簡単に文字を扱えたら、ゴミのような情報で溢れかえってしまう。
そんな世の中、目も当てられん」
との一説、平生ゴミに溺れている私にとっても身につまされる説教でした。


その他、拝金主義を示唆する主人公視点・ドゥラカと、
極端な環境保護を示唆する異端解放戦線のシュミット隊長との議論など、
キャラたちも中世を越えて、現代社会にも通じる信念を持った曲者ぞろいでした。


【声優 4.5点】
淡々とネットリと拷問する異端審問官ノヴァク役の津田 健次郎さん。
真理に対してピュア過ぎる第一主人公・ラファウ役の坂本 真綾さん。
などキャリアを重ねてきた実力者が、連綿と続く地動説ストーリーを好表現。

その流れで、少女ヨレンタ役。この声は早見 沙織さんかな?と私は誤認していましたが、
仁見 紗綾さんという若手声優でした。失礼致しました。
元々ナレーション志望から、演技にも興味を持って、両方やれる声優業界に入って来たという仁見さん。
発声はキレイで、演技にもまだまだ伸び代がある。まだまだ端役が多い若手ですが、
オグジー役・小西 克幸さんいわく、スーパー新人らしいので、
今後、台頭して来たら、注目していきたいです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は牛尾 憲輔氏。
どんな世界観・舞台も得意の電子和音で彩ってしまう。
氏の個性は諸刃でもありますが、
現代的なテーマも問う本作の作風には合っていたと感じました。

OP主題歌はサカナクション「怪獣」
随分、久しぶりに聞くな?と思っていましたが、これが実に3年ぶりのシングル。
放送中ずっとフルバージョンがリリースされずにヤキモキしましたが、
先日じっくり練り上げた末に、作品を咀嚼した好タイアップ曲を完成させてくれました。
“この世界は好都合に未完成 だから知りたいんだ”というサビのフレーズが特に苦くて好きです。

ED主題歌はヨルシカ。
前期「アポリア」、後期「へび」共に、淡々とした曲調の中に詩的な歌詞を込める。
が、正直に白状すると、濃厚な本編で消耗しきった私は、
EDまで咀嚼、解釈する気力は残っておらず、
毎回ピアノサウンドで癒やされる時間になっていましたw
今後フルサイズで公開されているPVでも見直して噛み締めていきたいです。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 18
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「勉強が嫌い!?」 →学問の自由が保障されている現在に感謝すべきでしょ!!

【レビューNo.175】(初回登録:2025/3/23)
コミック原作で2024年作品。全25話。
放送前にネットをチェックしていたら、「原作は面白い」と前評判が高かった
ので期待してた作品ですね。
放送途中に図書館に原作があるのを知ったので、以降は既読状態で視聴してま
した。


(ストーリー)
15世紀前半の中世ヨーロッパの「P王国」では、「C教」という宗教が中心と
なっていた。
地動説はその教義に反く考え方であり、研究するだけでも拷問や火あぶりと
いった迫害対象となっていた。
主人公の少年ラファウは将来を嘱望されていたが、地動説に出会ってしまい、
その美しさに魅入られ、命を賭けて研究を続けることになる。
しかしある日、彼の元に「異端審問官」のノヴァクが現れて・・・
そして時を越えて「地動説に触れ真理を探究する者たち」の物語が紡がれて
いく。


(評 価)
・「地動説への苛烈な迫害」というフィクションを描いた作品
 {netabare}「地動説への苛烈な迫害」といえば日本だと
 「それでも地球は回っている」
 でお馴染みの「ガリレオ裁判」の印象が強く、中世ヨーロッパ全土がそうい
 う時代であったようなイメージがありますが、実際は地動説を唱えたコペル
 ニクスは教会と良好な関係を築いていたりと必ずしも軋轢があった訳ではな
 かったようです。

 実際本作のモデルであるポーランドのアニオタたちからは
 「我が国にこのような迫害の歴史はない!!」
 というご立腹の声も挙がっていたようでw
 (ポーランドは宗教的に比較的寛容で、異端審問が活発だったのは西ヨーロ
  ッパ諸国だった模様)

 その辺りは原作者も十分承知していて、
 ・人間の持つ「知性と暴力」について描いてみたいという出発点
 ・この勘違いも面白く感じて、テーマにしたいと思った
 といった経緯から、意図して史実とは違うフィクションを描いたようです。

 本作はそんなフィクションの世界を「15世紀前半のヨーロッパの『P王国』」
 という架空の舞台で、時間の経過と共に主人公を替えながら「3章仕立て」
 で描きつつ、第4章(最終章)は(パラレルワールド的に)「15世紀後半の
 ポーランド王国」として、アルベルト・ブルゼフスキやコペルニクスといっ
 た実在した人物を登場させて締め括っています。

 物語としても
 ・「地動説への苛烈な迫害」=「信念のために命を懸ける」
 と緊張感が跳ね上がるので、この設定は効果的であったように思いますね。{/netabare}


・「勉強が嫌い!?」 →学問の自由が保障されている現在に感謝すべきでしょ!!
 {netabare}本作を視聴した率直な感想がコレですかね。
 作中では様々な形で学問に関する不自由・不平等さを描いています。
 ・地動説への苛烈な迫害
 ・「女だから」という理由で満足に研究をさせてもらえないヨレンタの話
 ・文字を知らないオクジーの話(この世界の平均的な庶民)
  そして文字を覚えようとするオクジーに対するバデーニの選民的思想
  → 一定の知的レベルでない者が文字を扱うと”ゴミ”のような情報で
    溢れかえってしまう(言い方~www)

 そのような世界に比べ、学問の自由が保障されている現在日本はなんと
 素晴らしいことか!!
 そのことに気付いた時、図らずも身が引き締まる思いでしたね。
 子供たちには「勉強しろ!」という説教よりも本作を視聴させて、
 「いかに自分が恵まれた環境に生まれてきたか」
 を気付かせ、感謝させた方が効果があるんじゃないかと(笑)

 また本作は「C教」という宗教が中心にある世界です。
 (某作品の受け売りですが)時代が混迷するほど宗教は力を発揮する。
 それは「救済」という絶対的な答えをくれるから――
 しかし、そんな教えに疑問を感じる者がいて・・・
 本作では最終章にて次の言葉で締め括っています。
 「いくら悩んで問うても神は口を開かない。
  だから永遠に私たちは考え続けられるのです。
  私はそれを幸福だと思いたい。」
 誰かに委ねるのではなく、自ら考え続けられる人間でありたいですね。{/netabare}


・アニメーションとしても優れていた
 {netabare}本作はテーマ性だけでなく、「魅せるアニメ」としても優秀でしたね。
 例えば象徴的なのが、ラファウが投獄されてるシーンなのですが、
 ・細い上窓から月明りが差し込んでいる描写があるのですが、その光を動
  かすことで時間の経過やラファウの心の機微を巧みに表しているという
 
 また「異端審問官」のノヴァクの不気味さの表現も巧みで
 「本当に恐ろしいのは同胞に対してここまで非情になれる人間」
 というのをトラウマレベルで植えつけられるような見事な演出でしたね。
 (彼の登場によりジェットコースターのような展開になるのはホント凄い!)

 原作だと”ここぞ”というシーンでセリフがあったところもセリフを使わず、
 アニメションで魅せるような上手い工夫もなされていたと思います。{/netabare}


「人間が持つ押さえきれない知的探求心」
など、人によっていろいろなテーマを見出だせる懐の深い作品だったかなっと。
視聴前は
「地動説の話をどうやって面白くするねん!?」
と少し懐疑的にみてましたが、さすが前評判が高い作品でしたね。
原作のよさを制作陣がしっかり料理していたと思います。


OP『怪獣/サカナクション』
・サビの部分で宇宙の広がりを感じるピッタリな楽曲でしたね。
 しかし遂にサカナクションもアニソンに参戦ですか・・・


(追 記)
本作の後半で
{netabare}・活版印刷で「地動説の書籍」を量産して世界をぶっ壊す{/netabare}
という計画が持ち上がりますが、さながら2024年の選挙戦を暗示してたかの
ようでしたね。
従来のオールドメディアで覆い隠されていた不都合な真実がSNSにより白日
の元に晒されるという、大きく流れが変わる節目の時代を迎えたのだと。
そういう意味でもタイムリーな作品でしたね。
(で、我が国はSNSを規制するような方向に動いているとか・・・
 ホント救いようのない国ですね)

投稿 : 2025/04/05
♥ : 14

68.8 2 2024年度の人生アニメランキング2位
俺だけレベルアップな件(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (816)
929人が棚に入れました
異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”が突如発生してから十数年、世界には”ハンター”と呼ばれる超人的な力に覚醒した人間たちが出現する。 ハンターはその力を使い、ゲート内のダンジョンを攻略し対価を得ることを生業としているが、強者揃いのハンター達の中で、「水篠 旬」は人類最弱兵器と呼ばれる低ランクハンターとして生活していた。 ある日、低ランクダンジョンに隠された高ランクの二重ダンジョンに遭遇し、瀕死の重傷を負った旬の目前に謎のクエストウィンドウが現れる。 死の間際、クエストを受けると決断した旬は、自分だけが「レベルアップ」するようになり—。


声優・キャラクター
水篠旬:坂泰斗
諸菱賢太:中村源太
向坂雫:上田麗奈
最上真:平川大輔
白川大虎:東地宏樹
後藤清臣:銀河万丈
犬飼晃:古川慎
水篠 葵:三川華月
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

分割するにしても1期1クールで作品に仕上げて欲しい。

 面白い…とは思います。話も設定もキャラも展開も。ただ、正直4クールくらいある作品の起承転結の起の部分で終わった感じです。

 アニメの作品としてそれでいいのか?という気がします。例えば類似作のSAOなどは前半部分でかなり壮大なゲーム世界を描き切っていて、それでいて序章の役割を果たしました。本作は世界の構造とか陰謀、復讐、主人公の行く末…何も解決してません。

「シャングリラフロンティア」「ドクターストーン」「ブルーロック」など長めの作品は皆そうと言えばそうか…逆に言えばだから私は2期以降、2クール目以降の評価を低くするのかなあという気がします。
 もしこま切れに作品を作るなら、長めの作品は原作人気に胡坐をかかないで1期、1クールごとの区切りは意識してほしいなあ、と思います。

 原作がこういう構成ならアニメ制作で作りかえるのは難しいと思いますが、だったらせめて2クールで企画するべきでしたね。なんの解決も見ないまま話が終わってしまいました。
 と、思ったら2期のアナウンスがありました。うーん…興味が持続するかどうかです。

 本作の評価は前半は非常に興味深かったです。設定もキャラも独自性がある気がしたし、ある意味日本の作品より自然な大人を描いていた気がします。観月さん、最高でした。
 ですが、ただ、後半は後ろのドラマは進みますが中途半端、主人公自体は戦って鍛えるだけになってしまったので、正直9話~12話は飽きました。

 ですのでストーリーは独自性を考えて3.5点。キャラも3.5点…というか全部3.5点かな。平均よりは良いけど、高く評価は出来ないという感じでしたね。それはやはり1期1クールの作品で見た場合、何も描けていないからです。




1話 演出がA1の過去作の引用?女の子に〇〇フラグたち過ぎ。街はソウルにしか見えません。

{netabare} 本作については嫌でも反日のワードが目に入ってしまい、情報がある以上先入観無しに見られないので視聴どうしようかな?と思いましたが、A1ピクチャーとのことで、やっぱり見ることにしました。

 これって舞台が韓国じゃなくて日本に変更になっているという話を聞いてましたが、OP後の街の風景で見える河は完全に漢江ですよね?ソウルにしか見えませんでした。そもそも車が右側通行なので、日本ではないです。もし、韓国版、日本版のコミックスで言うなら韓国版準拠なのでは?名前は日本風にしているかもしれませんが。

 というか作中で国名って言ってなかった気がします。あのファンキーな髪型はあちらではいらっしゃるのでしょうか?
 一方で、冒頭の島は台湾?船との比較でちょっとスケール感違いますけど…別に国がどうこうとか気になることはありませんでした。話が面白ければそれでいいです。

 設定そのものはある程度練れた感じはしました。ただ、なんで異世界風の服装だったのか意味がわかりませんでした。後から説明あるんでしょうか?
 話は主人公が選択するところがちょっと不自然というかあり得ない選択だったのは良くなかったです。

 ただ、問題は演出ですよね。ボス部屋は完全にソードアートオンラインの9話の74階層だし、冒頭のアリの群れは「86」です。つまり過去のA1ピクチャーの演出で楽をしてますよね。

 それと一番まずいのはB級ヒーラーの観月さんが死亡フラグ立ちすぎでしょう。キャラデザが適当だし声優さんも知らない方ですし。そういうところの詰めというか仕掛けが甘い気がしました。

 うーん、A1ピクチャーはここ数年で良い作品も作っているので、別に制作会社が悪いとかスタッフの質云々じゃなくて、A1たたき上げでA1的演出になっちゃったんでしょうか?監督さんが「女神寮の寮母くん。」しか経験が無いようなので、がんばってください。

 見るかどうかわかりませんが、別にアニメの中で日本を壊しても面白ければ全然気にしないのでお好きなように。
 次は見るかもしれませんが、あらすじを見る限り凡庸な異世界ものかな?であれば、2話で判断します。{/netabare}


2話 主人公の言動に一貫性が無い気はしますが、導入はよかったかも。

{netabare} 母親の病気を支えているなら何をおいても助かるべきだと思うのですが、犠牲になる選択が良く分かりませんでした。それと病院にいる娘がもし妹なら、妹は兄にくらべて随分のん気に生活している気がしますが、どうなんでしょう?

 という部分が違和感なだけで、導入は工夫したと思います。1話2話まるまるかけるのはどうよ?と思わなくはないですが、一方で冒頭にクライマックスがあるのは新鮮かもしれません。そして、デスゲーム的な迫力はありました。

 あと、死亡フラグたったと思っていた観月ちゃん、情けなくも助かりましたね。今後リベンジがあるんでしょうか?

 最後のコマンド画面が英語なのは、日本向けと言うより世界市場を意識しだしたんでしょう。ピッコマ・カカオと韓国のゲーム会社が製作委員会に入っているみたいだし、韓国のアニメ戦略には注目した方がいいかもしれません。{/netabare}


3話 女子のキャラデザ以外はまあまあ良いと思う。

{netabare}  女子の作画というかキャラデザが本当にA1ピクチャーズ?という点以外はいいのではないでしょうか。もう1点は主人公の言動が若干不自然なところが気になるくらいですね。
 本作の舞台ですが、自動車は左ハンドル右車線だし、地下鉄の入り口はソウルでした。もうメタ的な韓国だの日本だのは無視して見させていただきます。

 主人公がレベルアップするのに努力が必要なところが面白いと思います。ゲームのコマンドみたいなのに理由を付けられるなら、もっと面白くなりそうですが、韓国のエンタメは理屈よりストーリーですから恐らくそこは無いと思っています。
 死亡フラグで出番が無くなると思っていた観月ちゃんが今週も出ていましたね。復活するならかなり意外です。

 今後は、題名の通りに強くなるであろう主人公ですね。ダンジョンの謎に迫れるのか、ハーレムなのか、強くなるプロセスを描くのか…その辺が気になるので視聴を継続します。 {/netabare}

4話 ストーリーは良いけど世界観と主人公が見えてこない。

{netabare} この展開をチートになるまでじっくり説明して主人公を描いたととるか、3話以上使って、やっとスタートかと取るかですね。

 主人公の内面って何か見えたかな?という気もします。負けず嫌いでも使命感でも母の事でもなく…彼のモチベーションはなんでしょうね?強くなる喜びかもしれません。そういう物語的な見方はできます。ただ、言動がチグハグな感じは否めません。

 それと物語の世界のヒントのようなものが見当たりませんので、考察厨としては辛いところです。韓国の話はストーリーや展開はあるのですが、奥行きとかテーマ性にかけることが多い気がします。もちろんそれは偏見で優れた作品もあるのでしょうが、本作については何も見えてこないので正直ちょっと飽きてきた気はします。

 ということで次話で判断かな。観月さんがすっかりメンヘラっぽくになってるのがちょっと興味あります。{/netabare}


5話 少し懐かしいストーリーがある俺TUEEEみたいですね。

{netabare} うーん…面白いかどうかと言う点では微妙なんですけど、やっぱりSAOっぽいなあという感覚があります。A1ピクチャーだから演出が似るのはわかるのですが…

 別に模倣が駄目と言いたいわけでは無くて、SAOという作品が持っていた面白さを日本は捨ててしまって、そこを上手く拾う人が韓国にいたのかな?という気がしました。

 緊張感があるシリアス系統で「ははめつのおうこく」などがありましたが少数派です。俺TUEEEであってもストーリーがある作品が「SAO」の他「魔法科高校」など12~3年ころにはありました。日本は異世界転生やゲーム転生ばかりで初期設定はひねっても、ストーリー展開が下手な作品が増えていますので、本作はちょっと懐かしい感じがします。

 その点で出来そのものはまあまあの水準なのですが、どういう話・展開になるのかに興味があります。

 それとA1ピクチャーがなぜこのクオリティで作品を作っているのかは気になります。22年はリコリコやかがみの孤城を作った会社です。クレジットを見る限り日本人スタッフばかりなので、日本人のレベルが下がっているので習作というならいいんですけど…大丈夫でしょうか?{/netabare}


8話 面白い部類ですが底の浅さは感じます。そろそろ話に展開が欲しいですね。観月さん復活で良かったです。

 総集編を挟んだとのことですが、続いて何よりです。

 さて、中間なので総括的なレビューです。本作はいわゆるなろうではないです。話の登場人物が非常に映画・ドラマ的な作りです。日本以外ならこうだろうなという作りですので、ひょっとしたら日本以外の国では人気が高いのではないでしょうか。

 日本の「なろう」系のテンプレでストレスが少ない話が見たい人のニーズからは外れているのかもしれません。その点は好みですので、どちらが優れているかという問題ではなさそうですね。

 ただ、話としてどこを目標にしているのか、が未だに分かりません。主人公が強くなりNo1になって、何かの秘密を知るとか、最強の敵と戦う、人間界の何かのドラマが始まって(復讐?恋愛?)それが解決するなどでしょうか。

 そこのゴールイメージの想像ができないのでちょっとダラダラ感は感じるようになっています。ここであの観月ちゃんを出したのはドラマ作りが上手いと思いますが、彼女が主人公が強くなって感動する的なドラマでしょうか?それを8話以降でか…と思わなくはないです。中間ですのでもう少し何か欲しかったかな、と思います。

 ということで、話は面白い部類だと思います。アニメとしてはB級ではありますが、それほど悪くはない作りだと思います。日本的ではないので展開というかリズムが合わないストレスと冗長感があるかな、という点が欠点でしょうか。
 結局話の幹が分からないので考察もそれほど…と言う感じです。その点では最近の米国・韓国の映画・ドラマ作品の底の浅さと共通するものは感じます。

 

投稿 : 2025/04/05
♥ : 12

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

日本の「なろうアニメ」は世界からこう見られてる?

Chugong(原案)、DUBU(作画)によるウェブトゥーン(※韓国発のウェブコミック)は、『ピッコマ』にて日本版が掲載中(全179話、日本版ウェブトゥーン既読)。
アニメ1期は全12話(2024年)。監督は中重俊祐。制作は、『四月は君の嘘』、『86』、『リコリス・リコイル』などのA-1 Pictures。2期は2025年1月から放送予定。
(2024.4.3 投稿 11.26 2期開始に向けて修正)

本作は、2024年冬の海外配信サイトで『僕の心のヤバイやつ』、『葬送のフリーレン』、『薬屋のひとりごと』に次ぐくらい人気が高く、逆に日本での人気が低かった作品。ということで興味がわいたので、追っかけでアニメと日本版ウェブトゥーンを見ました。

本作を簡単に表現するなら、「海外版なろうアニメ」。ただ、「日本のなろうアニメ」を観た海外の人たちが、もっとこうした方が面白くなる!を具体化したという印象を受けました。

おそらく、その試みがある程度成功した結果が海外での人気につながっているのではないでしょうか。
もっとも、日本人には、海外の人がこうした方がいいと思ったところに日本人がこれまで当たり前だと思っていた部分(暗黙の了解、お約束)があるので違和感があるのかもしれません(※後述)。


【あらすじ】
現界と異界とを繋ぐ「ゲート」が出現した架空の現代が舞台。
ゲートから溢れ出るモンスターには、ミサイルなどの近代兵器は効かず、「ハンター」と呼ばれるゲートの出現とともに現れた人間の覚醒者のみが対処でき、モンスター討伐の対価として高額な報酬を受け取っていた。

主人公のソン・ジヌ(または水篠旬:CV.坂泰斗)は、他のハンター達から「人類最弱兵器」と嘲笑されるE級ハンターであった(※基本的にハンターは、覚醒時の魔力量によってE~S級にランク付けされ、そのランクが変動することはない)。
しかし、主人公がD級ダンジョンに挑んだ際、隠された「高難易度の二重ダンジョン」を発見し、その「ボス部屋」で他のハンターを逃すために主人公は死んだはずであった…
しかし、主人公の目が覚めると「自分だけレベルアップできる」という能力を持ったハンターに再覚醒していた(→「俺だけレベルアップ」な件)。


【俺だけレベルアップな件】
本作では、上に書いたようにハンターの力量を表すランクは固定。したがって、「主人公だけ」が最底のEランクから最高のSランクまでレベルアップするというカタルシス要素に清々しいまでの全振りです。
本当に、本作はハーレム要素もないので社会的地位を上り詰めることに特化しています。また、主人公が、異世界ではなく架空ではありますが、あくまで現実世界で成功するという表現もより直接的です。

いわゆる「異世界もの」の視聴目的の一つには、「日ごろ心の中に鬱積している同種の情緒を解放し、それにより快感を得る」というカタルシス要素があるでしょうから、その爽快感を最大化したという印象を受けました。

もっとも、日本人にとっては、いくら努力をしてもランクが上がることがなく自分以外のランクが固定されることについて、やり過ぎと感じる人が多そうです。

ただ、この辺は、「親ガチャ」で生じた貧富の差がその後も覆すことが難しいと思っているのか、そうでもないと思っているのかといった社会に対する見方の違いなどが影響していそうです。
(※「韓国統計庁が17日発表した「2021年社会調査」の結果によると、韓国の成人の6割はどれだけ努力しても社会階級の移動は難しいと考えていることが分かった。また、過半数が子どもの世代でも階級移動は容易ではないと考えていた。」【世宗聯合ニュース(2021.11.17)】)


【強くなると見た目が変わる】
本作では、別人レベルで顔つきや体格などの「主人公自身の見た目」が変わります。

日本人にとっては賛否あるところだとは思いますが、強くなれば顔つきが精悍になり筋肉がついて体格などの見た目も変わること自体は、むしろ自然なことだといえます(※これまでの日本のアニメを観て、強くなったのに体格が変わらない方が不自然と思っていたのかも?)。

これに対して、原作が日本のアニメだと、主人公自身の見た目がほとんど変わらない代わりに、防具やオーラなんかが出て、外装に変化をつけるパターンが多い。

どっちがいいかは価値観の違いもあるので置いておくとして、異文化交流ではないですが、他にも日本人がこれまで当たり前の表現だと思っていた部分との違いを感じるかもしれません。


【ファンタジー文化の受容度合いの違い?】
この辺については、日本人が、アニメ、漫画、小説、ゲームといった幅広い分野で長年をかけて培ってきたファンタジー世界の雰囲気みたいなものは、完全に海外まで浸透していないことが原因の一つなのかなと考えています。

したがって、日本で培われてきた暗黙の了解的な、お約束的な部分まで伝わっていないので、感覚のズレが生じている。逆にいえば、お約束に縛られていないので、例えば、強くなったら体格が変わるのが普通という発想を実現することに躊躇がない。まあ、あくまで1つの推論ですが…


【エポックメイキング的な作品かも?】
さて、A-1 Picturesが韓国のウェブトゥーン作品をアニメ化したというのは、エポックメイキング的な作品になるんじゃないかと思ってます。

まず、アニメ化できそうな原作が少なくなってきているという台所事情がありそうです。したがって、他にも日本で人気のある韓国発のウェブトゥーン作品があるので(例えば、『入学傭兵』)、本作の海外での成功をきっかけとして、これから増えてきそうです。

次に、韓国のウェブトゥーン作品は、スマホの縦読みにあわせているので、日本の漫画と比べてコマとコマのつなぎが荒い。なので、特に戦闘シーンは、動画にするとより迫力が出るので、アニメ化に向いてそうです。

また、アニメの海外展開ということを考えた場合、日本人の感覚が通用する場合と通用しない場合がある。例えば、全世界に共通の表現もありますが、ドン引きしたときに顔に縦線が入る描写や、焦ったときに汗をかく描写は、漫画由来の日本特有の表現です。

加えて、アニメの中で表現されている世界はフィクションではありますが、現実世界の文化や価値観を多少なりとも反映したものなので、それが全世界に受け入れられるとも限らない。


ということで、これから本作のような作品が増えてきそうなので、「日本のなろうアニメは世界からこう見られてる」的な視点で観るのも一興ではないでしょうか。
(※ちなみに、他のウェブトゥーン原作のアニメには『神之塔』がありますが、これも日本の漫画を原作とするアニメと似ているようで何か違う感じがしました。)


【音楽】
『アルドノア・ゼロ』、『Re:CREATORS』、『86』などの澤野弘之さんが担当。内容と不釣り合いなぐらいかっこいい(笑)

投稿 : 2025/04/05
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

恐く無いと言えば嘘になる 諦めたらそこまでだ こんなところで息絶えてたまるかっ!

この作品の原作は未読です。

韓国発の作品で、日本語版は韓国語版とはストーリーやキャラクターに差異があるんだそうです。
と言っても、違いは舞台設定が韓国から日本になったことと、登場人物名が違うんだとか。
とは言え、登場人物は1クールの作品なのにメッチャ出てきたので、全く覚えられませんでしたけれど^^;

事前情報無しで視聴に臨んだので、主人公の名前ですら間違ってインプットされていました。
私は主人公の苗字は「水島」だと思っていましたが、「水篠」なんだそうです^^;


異次元と現世界を結ぶ通路“ゲート”が突如発生してから十数年、
世界には“ハンター”と呼ばれる超人的な力に覚醒した人間たちが出現する。

ハンターはゲート内のダンジョンを攻略し対価を得ることを生業としているが、
そんな強者揃いのハンター達の中で、「水篠 旬」は人類最弱兵器と呼ばれる低ランクハンターとして生活していた。

ある日、低ランクダンジョンに隠された高ランクの二重ダンジョンに遭遇し、
瀕死の重傷を負った旬の目前に謎のクエストウィンドウが現れる。

死の間際、クエストを受けると決断した旬は、
自分だけが「レベルアップ」するようになり――


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

韓国発の作品で久しぶりに面白いと思える作品に出会えたと思いました。
ですが、本当に韓国発の作品かと問われると答えに窮してしまいます。

確かに原作の著者は韓国の方だと思います。
ですが、アニメーションについては、制作が「A-1 Pictures」さんで、作り手のスタッフさんもほぼ日本人で構成されています。

ですが、原作に光るモノが無いと、例え超一流のアニメーション制作会社が
腕を振るったところで、結果は火を見るより明らか…
だから題材としてはとても良かったと言えると思います。

旬の様に謎のクエストウィンドウが現れるのは、ごく稀に起きることなんだそうです。
物語を見ていると、旬だけ特別なのでは!?
と思えなくもありませんが、現象は解明され先駆者もいらっしゃるようです。

一般的にハンターの能力は生涯固定であるのが当たり前なので、レベルが変動するということは、相当稀有なことなんでしょうね。
しかも、最弱と周りから揶揄される最底辺から這い上がる様も格好良いと思います。

ですが、旬はただ格好良いだけじゃありません。
視聴していれば分かると思いますが、死と隣り合わせで、いつ死ぬか分からないリスクは、寧ろ劇的に向上しているのではないでしょうか。

今までは低レベルのクエストしか受けてこなかったから、そこに出現する敵もそこそこのレベル…
だから例え最弱でもほぼ人数合わせだけなので、致命傷を負うリスクはゼロではありませんが、そこまで高くはなかったことでしょう。
それでも、いつも傷だらけと言っていましたが…

そう、レベルアップは一見神の力を得た如く見えるかもしれませんが、それを行使するには、一筋縄ではいかない、ってことですよね。

レベルアップにより旬のレベルがどれほどになっているかが楽しみですね♪
まぁ、相当レベルは上がっているんでしょうけれど。

個人的に気になるのはこれからです。
現状に辿り着くのも相当大変で、いつ死んでもおかしくない場面が山ほどありました。
旬はきっと更なる高みを目指すと思います。
それには、あとどれくらい死と隣り合わせの激闘を繰り返さなければいけないんでしょうね。

心配してくれる家族や同僚の方もいるんです。
どこかで折り合いを付ける必要があるのではないでしょうか。
…なんてね、物語が途端につまらなくなってしまいますよね~^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、SawanoHiroyuki[nZk]:TOMORROW X TOGETHERさんによる「LEveL」
エンディングテーマは、krageさんによる「request」

1クール全12話の物語でした。
本作品も続編の制作が決定いたしました。
第2期は「俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-」というタイトルになるんだそうです。
詳細な情報はこれからですが、続きが楽しみで仕方ありません。
しっかり堪能させて頂きました!

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6

65.7 3 2024年度の人生アニメランキング3位
やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (113)
345人が棚に入れました
処刑前夜、牢から逃げ出す令嬢ジル。 何の咎もない自分を罪人に仕立て上げたのは、婚約者の王太子・ジェラルドだった。 戦場で「化け物」と恐れられ、いつしか「軍神令嬢」と呼ばれるようになった働きもすべて初恋のためだったのに……。 初対面で求婚された、あの夜。もし、もしも、渡された薔薇を手に取らなければ……。 後悔にくちびるを噛みながら兵の矢に討たれたジルは生涯を終え――た、はずだった。 気がつけば、そこは2人が出会った6年前の夜。 ジルは、10歳に戻ってしまった自分に戸惑いながらもジェラルドの求婚をかわすため、たまたま手を掴んだ男に「一目惚れした」と嘘をつく。 だがそれは、6年後の未来に暴虐の限りを尽くし、クレイトスを火の海に沈めた隣国の皇帝・ハディスだった――! でも、ジルが知る姿とはまるで違うピュアすぎる「恋愛オンチ皇帝」で……!? やがて、ジルは決意する。ジェラルドではなく、ハディスと結ばれることで失ったすべてを取り戻していこうと。 「あなたを必ず更生――いえ、しあわせにいたします」 生涯最悪の選択を回避したやりなおし令嬢の大逆転劇が、幕を開ける!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

誰向けなのか、良く分からないやり直し令嬢もの…。バトルアニメ?ラブコメ?

 最終話(12話)まで観ました。2025.01.03

 主人公のジルつおい!ステゴロでも負けへん…。一回目って、どんなお子様だったんすかね…。魔力が凄いからで説明されてますが、単純に危険人物です。

 そして、ロリコン皇帝も強い!龍帝だから…。人間核弾頭リーサル・ウェポンでキレると怖そうです。二面性と言うより、サイコパス寄りの男キャラで、DV後たまに優しい系の男っぽくて、好感度は低いです。

 物語は、皇帝の座をめぐって後半延々とバトルを繰り返します。1回目の展開が不明なので、ジルがキーキー騒ぎながら戦っていますが、それが妥当なのかが判断できません。

 ロリコン皇帝は敵だらけだし、1回目はどうやって切り抜けたのかな?後、女神も何なのか不明なので、要らない要素な気がします。

 結局、1回目でジルの国はロリコン皇帝にやられて無茶苦茶になるんでしょう?

 ジルは、ロリコンの子供を10人産む宣言して物語を締めます。イタリアの女傑、カテリーナ・スフォルツァみたいな王女になれたら良いですね。実に貴族らしい発想です。政略結婚させまくって、皇帝権の安定を図る気らしいです。てめぇで天下取った方が早くね?

 何か、いちいちキモくてザワっと来る所が視聴者を選びそうです。絵柄は可愛いのにね!٩(♡ε♡ )۶

………………………………………………………………………

 2話まで観ました。2024.10.21

 これは厳しい…。主人公のジルは10歳の頃から強かった様です。令嬢とかそれ以前の問題では?軍艦をぶん投げたり、飛んでくる砲弾を素手で防いだりします。

 己の武で生きていけますよね?貴族社会に留まったり、結婚したりする意味が不明です。何処か他所で自分の帝国を樹立して初代皇帝になった方が良いのでは?

 ジルは自立している様で、中途半端に男に頼っている感じの気持ちが悪い主人公です。男性作家なら絶対に創作しないタイプのキャラクターですね。

 そして、ロリコン皇帝もきつい人物です。幼女の気を引こうとあれこれ画策しますが、幼女性愛者が被害者を誘惑しようとしている感じです。イケメンならロリコンでも無罪なんでしょうね…。

 また、皇帝の相棒のドラゴンもキモいです。翼が独立しておらず、手に羽根が生えているので鶏みたいです。これ、可愛いか?羽毛を毟られた鶏みたいなのが好きなのか?

 男性視聴者向きでは無いのが明らかなアニメの様です。順当に篩にかけられている様な気分がします。
………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.10.11

 軍神令嬢!?冒頭からパワーワード炸裂です。どうやら主人公は、戦場で大活躍している様です。

 16歳の小娘が戦場で大活躍出来る?どういう世界観なのかな?ヴェルサイユの薔薇のオスカルは一端の士官だったけど、40歳近かった…。指揮官として軍功を挙げて評価されるには時間がかかります。純粋な武力、戦士として評価されていると言うことなのでしょう。

 1話からツカミにツッコミ所満載で不安になります。貴族とは言え、令嬢が最前線で戦うってどのくらい国が疲弊してんの?首都ベルリン陥落まで戦ったナチスドイツ並の総力戦をしてるのかな?

 そして、シスコン王子は何でこんなに戦闘力の高い女性にワザワザ求婚するの?婚約後の10歳から5、6年でそんなに強くなる?もう、子供の頃から呂布子や成吉思汗子みたいなキャラじゃないと説得力無くね?もしくは巴御前…。並の女じゃありません。

 恐らくこれは、宿敵のロリコン皇帝との因縁を作るための下らない設定に過ぎません。作画やキャラデザインは良い感じですが、スタートから暗雲が立ち込めています。いくら他の悪役令嬢、やり直し令嬢ものと差別化が必要とは言え、やり過ぎです。

 そして、結局はラブコメ展開に…。今後、上手く色々な伏線を回収出来るか注目したいと思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 2

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

二言あるような…? まあ訂正したから良いのか…?

婚約していた王子が実はシスコンでそのカモフラージュのために婚約していただけ。
それに気づいたら謀殺され、過去に戻って王子から逃れるために竜帝に求婚した、という流れですね。

作画は悪くなく、女性向けですがヒロインは男性が見ても普通に可愛らしいと思いました。
まあ成長後は微妙で子どもの頃は可愛いという感想ですが。

境遇も普通に理不尽で、応援したくはなりました。
相手の竜帝は、前世では冷酷だったのに、今は大人しくてこの変化は一体、という感じはありますね。


で、一番疑問に思ったのは求婚は嘘だったと明かした部分。
ここで、いや二言あるじゃん、と、ちょっと変に思ったのですが…。

でもまあ、落ち着いて考えれば確かに本当はとっさに出たことで嘘だったわけで、それを告白するのは、正直だったと言えば正直だったかも。

どうなんでしょうね。とっさに嘘をついてしまった場合、
嘘でしたごめんなさいと明かすのと、
嘘だったと言わず、黙って本当にするのと、
どちらが正直なのか。

前者は正直に嘘をついたと告白している。告白すれば嘘をついて良いというものなのか。嘘は嘘、他人を裏切る行為です。
後者は嘘をついたという事実が無かったことになるわけで、自分の心の中を裏切っては居るかもしれませんが、対外的にはわからない。他人を裏切ってはいません。

私は後者の方が良いのでは、と思って違和感だったのですが、前者でも正直者の行動なのかも…?
とか思いました。でも、前者で救われるのは自分の心で、後者で救われるのは他人の心ですよね。
だったら後者の方がやっぱり良いと私は思います。

さて、不満は多少あっても質はそれなりで、多分見れば面白いのでしょう。
ですが… 結局は女性向けラブコメなんで、100%好みではないです。
見るかどうかは要検討です。

ただ時間帯がReゼロをリアタイする前の時間なので、流れで見ても良いのかも。考えます。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ここにも「ドロボー猫」がw(3話まで視聴して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

視聴の動機は、本作メインヒロインのキャスト、内田秀さんです。
はい。自分にとってはヘブバン声優さん。ヘブバンでは「ななみん」ですね。
 ヘブバンにログインしたら、毎回何らかのボイスが流れます。
 レアボイスが流れないかと毎回楽しみなんですよね^^。(各種オマージュネタなどなど)

最近流行りの、令嬢やりなおしなろうモノか?・・と甘く見ていましたが
いやいや本作、クオリティなかなか高そうです!!。

少しシリアスなテーマを含んでいるハズなのですが
それらを全て吹き飛ばすパワー、テンポ、明るさ(能天気さ?)がある♪。
作画の表情描写は丁寧だし、動きもダイナミック!。


気付けば、ここにも「ドロボー猫」がw。
本作ヒロインも、かなりの食いしん坊キャラ?。
 なんか、マケインムーブが続いている??w。

いろんな他作品にも登場する、マスコット的な動物系キャラ。
基本的に自分は苦手な要素で、たいていはしっくりくるものがないのですが
本作のあのキャラにはハマった!。
はい。井澤詩織さんキャラ。
はい、反則w。いや、グッジョブです!!。ナイスキャスト!。

ただ1点、本作を支持すると社会的にマズくないか?。と懸念がw。
はい。○リ。
いや、否定はしませんが、中の人は16歳?。だからセーフ??。いやアウトですね。。

個人的に、今期のダークホース。
  
 

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5

77.9 4 2024年度の人生アニメランキング4位
ルックバック(アニメ映画)

2024年6月28日
★★★★★ 4.1 (110)
431人が棚に入れました
漫画へのひたむきな思いによって出会った2人の少女の姿と運命を描いた、藤本タツキの同名読み切り漫画を劇場アニメ化。
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載している。そんなある日、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画の画力の高さに衝撃を受ける。ひたすら漫画を描き続けるも、京本との画力差に打ちひしがれた藤野は漫画を描くことを諦めてしまう。しかし小学校卒業の日、京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

しっかりと狂っている鋭利な漫画創作物

多才で学級新聞の4コマ連載も器用にこなす小学4年生・藤野。
引きこもりでありながら背景画4コマで藤野を凌ぐ絵を出してくる京本。
少女2人の運命が交錯していく半生を描いた藤本 タツキ氏の同名読み切り長編コミック(未読)の劇場アニメ化作品(58分)

【物語 4.5点】
成果=才能✕投入時間

以前どこぞのビジネス系動画で耳に挟んだ公式が思い浮かんでずっと離れない。
余韻を引きずる創作青春物語でした。

舞台モデルとなったのは原作者出身地の秋田県にかほ市。
雪国の田舎町でクラスで1、2番くらい絵が上手かったくらいで、画家になれるわと褒められ舞い上がった少女が、
京本の圧倒的な才能に直面して狂わされる。

天才に追い付こうと藤野は青春全てを漫画に捧げようとする。
友人とお付き合いする時間、武芸に励む時間など、
社交性が高い陽キャ人間属性を全てかなぐり捨ててまで絵に没頭する。
が、引きこもりの京本は、それ以上の時間を投入して、さらに先を行ってしまう。
元々自分より画力がある人間が、学校に行くのをやめたというハンデを生かして、自分以上に絵を描く努力をするのだから当然だ。

漫画家を目指すのもまた、全うな人生のレールから外れる狂気。
持てる才能を、どれだけ人間やめて育めるかの勝負。

幼い頃は絵が上手いともてはやされるけど、成長して、やがて社会に出る現実が迫って来ると、
絵なんていい加減卒業しなきゃと白眼視される。
挙げ句、友人には「オタクだと思われてキモがられちゃうよ」と言われる藤野。
因みにこのセリフ、原作者が実際に言われた言葉とのことで。


こうした作家志望の狂った部分が序盤から容赦なく描かれている。
だから終盤、才能への嫉妬ゆえの(※核心的ネタバレ){netabare} 絵をパクられたと京アニ放火事件さながらに襲撃事件を起こす男の狂気も、{/netabare}
本作の文脈から、作家志望なら嫉妬の処理を一歩間違えばこうなるのかな?くらいには納得でき恐怖しました。

本年は、短尺ながら鑑賞消耗度が高いODS(非映画デジタルコンテンツ)のアニメ作品興行が多い印象ですが、
本作は、その中でも特に心を削って来る内容。

海外サイトではドラマだけではなく、ホラー、サイコスリラーにも分類されている『ルックバック』
これをG(全年齢対象)に区分した映倫。
やっぱり冒頭10分くらいしか審査してないのでは?という私の疑念がますます深まりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオドリアン

絵描きたちへの賛歌を志向し、手描き感を残した映像を追求。
押山監督は脚本、キャラデザ、作画監督と兼務を重ね、
監督自身も最後の1週間に原画1000枚を量産するなど、
まぁまぁ人間やめてる少人数制作の狂気で応える。

原画のラフな線を動画に残すため“原動画”なるポジションも設定。
妙に生々しい本作のアニメーションの質感を支える。


創作シーンについても、普通は絵を紙に描き込んでいる様子などが思い浮かびますが、こうした描写は本作では割と少なめ。
むしろ、貧乏ゆすりする藤野の後ろ姿。
その後ろ姿のバックの四季が次々に切り替わる光景。
デッサン鍛錬で積み上がるスケッチブックの山。
など創作の狂気に囚われた人間が、膨大な時間を投入する有り様を強調する表現が際立ちます。

寝食も忘れて創作に没頭する人間って、やっぱりトイレで座ったまま寝ちゃうんだなw
何かにここまで人生を捧げた経験がない私には、
こうした創作アルアル?表現が興味深く、刺激的でした。


{netabare} 藤野が京本に自分の漫画を褒められて舞い上がるシーンの雨天。{/netabare}
{netabare} 中学時代、藤野と京本が応募漫画作品が初めて入選した雪深いコンビニの一夜。{/netabare}
漫画の道が開けていく場面の荒天。
ここも才能と努力で、陽の当たる“普通の”人生から外れていく方向性も想起させられ心に残りました。


【キャラ 4.0点】
主人公・藤野。
“みんな”にキモい、案外、絵が普通だったと手のひら返された自分の4コマ漫画を、
誰よりも、ちゃんと見てくれていた引きこもり超絶背景マンの京本。
{netabare} 自分よりも才能がある奴と思って嫉妬していた人間から自分を認められる。
こんな劇薬ぶっこまれたら、退路を絶って人間やめて漫画家の道を猛進するしかありません。{/netabare}

京本にとっても藤野は憧れの“先生”であり、外の世界の光をもたらしてくれる救世主。
ある種の共依存にも結ばれた名コンビ。
その関係性の変化も本作を痛切にしているスパイスです。


【声優 4.0点】
作画に手描きの生っぽさを求めるならば、演技にも記号化されない天然素材の生っぽさを求める。
こうした方針の元、キャスト陣には、
主演の藤野役に河合 優実さん、京本役に吉田 美月喜(みづき)さんと、
俳優陣をオーディション選出。
一方で記号化されたキャラ作りを求めたい作中4コマシーンには、
森川 智之さん、坂本 真綾さんと声優陣を起用。

筋は通っていますし、実際メインお二方の演技は上々でした。
あと、メインお二人は顔立ちも、どことなく藤野&京本に似ている気がしますしw

河合さんは接する人間によって仮面(ペルソナ)を起用に使い分ける、
藤野の社交性を好表現できていましたし。

吉田さんも引きこもり成分が天然配合された京本のボイスがハマっていました。

音響も良質な天然素材を確保したと慢心せず、
例えば京本の秋田弁訛(なま)りが、藤野に連れられ外の世界を知る内に徐々に訛りが取れて明るくなっていく。
その変遷を表現してもらうため“訛り変化一覧表”を用意するなど、
細部に渡るディレクションで素材を引き出す好采配。


が、昨今のアニメと実写の中間領域で求められがちな“ナチュラルな演技”とやらも、
今のアニメ声優ならば十分できると思っている私の強固な価値観を揺るがすまでは行かず。
ここもベターであってもベストではない。4.0点が上限ということで。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は青森出身の音楽家・haruka nakamura氏。

雪国から、ギターの才能の自己実現を求めて上京したという同氏。
同氏のアーティストとしての原点は、秋田などがモデルの本作の世界観と親和性があります。
純度の高いピアノ、ストリングスに時に聖歌隊の歌声もアレンジした歪なくらい美しい楽曲群は、
ここも、さながら才能に殉じて人生を捧げる絵描きたちへの賛美歌の様相。

そして、こうした創作への“殉教精神”は同氏が作編曲したEDの女性ボーカルバラード「Light song」で極致に達します。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

京アニ事件の消化か、実存主義的責任論か、アシへの未練か。

 原作既読で、私の原作の読み取り方って、京アニ事件への鎮魂かなと思っていました。例の事件が2019年で本作が2021年発表ですのでそれが正解かどうか時期で判断するのは微妙です。ただ、本作を読んだときに、あの事件で才能ある人たちが亡くなられたことについて、違う道に進んでいた方が良かったのか?創作に携わる事が不幸だったのか?という疑問が少し解決したからです。

 ただ、そう考えると鎮魂という生易しいことではなくクリエータとしてあの事件を自分で消化したかったのかなとも思いました。つまり、悼む気持ちよりも自分事と捉えたのかもしれません。

 結果として、ショックを受けてもヒロイン藤野はマンガ家であることはやめませんでした。つまり、漫画家でも画家でも結果がどうあれそうしなければ生きていけない人種だととりました。京アニ事件のショックを創作者の視点でとらえたという意味です。つまり意味付けも幸不幸もなく、創作者としてしか生きられなかった被害者と自分の生き方を消化したかったのかな、と。


 一方で、運命論を否定した実存主義的な人間の選択と結末についての自己責任論と捉えることもできます。もしあの時と考えたところで、進む道を選択したのは自分自身です。途中の妄想の中でifを考えたところで結論は変わりません。ただ、それレベルであればかなりの凡作に見えてきます。普通過ぎるくらい普通の話になってしまいます。

 そうしたときに、事件を単純にモチーフにしたととるだけだと、悼む気持ち、自分事と捉えていないなら、扱い方がかなり下品かなという気がしてきます。
 友情論もあることはあります。が「京本が死んだのが私のせい」と捉えている限りにおいて、ちょっと違うかなと思います。人生がクロスしなければというifはよくある話ですし、そこに注目しすぎると感動ポルノになりますし、創作論とも相容れません。味付け程度でしょう。

 創作論で言えば、2人を比較した場合、藤野は話を作る才能があった。京本は絵を描く才能が有ったあるいは、絵を上手く描く才能と漫画を描く才能と別物である、という話程度のことではないでしょう…ないと捉えたいです。

 やっぱり焦点は人生がクロスする場面の話ですよね。そこをしつこく書いていました。その出会いがなければ藤野は漫画家をあきらめていたわけで、ifを使ってそこに焦点を当てています。つまり、藤野にとって漫画を描かざる負えないということにつながります。そして、それを鎮魂ととるのか、責任ととるのかと考えられると思います。最後の数分、漫画の数ページですね。ここをじっくり考えると面白いと思います。


 で、実は現在「ダンダダン」が放映中です。「チェンソーマン2部」について、藤本タツキ氏の元アシスタントで「ダンダダン」の作者である龍幸伸氏の事を知ったわけです。「ダンダダン」の連載が2021年です。ちょうど本作の掲載時期です。

 龍幸伸氏の絵が素晴らしくて、彼がアシスタントを抜けてから「チェンソーマン」の作画がひどくなったという話があります。作中の2人の関係に非常に近しいものを感じます。ですので、藤本タツキ氏の龍幸伸への未練を断ち切る作品だったのかな、という気もします。

 そうなると完全な自慰行為じゃんと思わなくはないです。まして、殺される結論とそのモチーフとして京アニ事件を出すなら最低だと思わなくはないです。

 で、本作の劇場アニメ版ですが、私は演出過剰で冒頭の空から住宅にズームするシーンからちょっとイラッとしました。それは本作の中身を味わうのに必要なのか?という気もします。そして、机の上に鏡があってヒロイン藤野の顔を映していましたが、余計な演出です。背中で魅せるのが良かったのにと思います。

 と上げてゆくときりがないですが、原作はわずか140ページ程度の短編なので余白、行間があった作品です。無駄な演出で水膨れになっただけじゃんという気がします。
 そして今回、上のどの解釈が正しいのか、新しい視点はないのかと思い見ました。が、原作でいいじゃん、という内容でした。60分足らずの作品にわざわざアニメ化する意味があったのか疑問が残ります。

 評価3なのは上の解釈の答えがわからないので、評価できずにします。そして、原作が2021年だから京アニ事件の鎮魂・消化の意味があるのかなともとれましたが、2024年に見ると、自己責任論・運命論かアシスタントへの未練かどちらかに見えてしまいます。


追記 評価した部分を書いていなかったので追記します。

 創作論、云々よりやっぱり人生における分岐点の話、そういう人がいたという話の方が本質に近いのかなという気もします。どっちの才能が上という話ではないし、お互いが依存していた話でもないし。
 内容は、人の死に意味があるとすれば、人との交わりである…うーん、やっぱり実存主義的な話なのかなあ。原作版そのものはまだまだ色あせていない気もします。


 そして、アイデンティティの問題ですね。変わり者といわれてもその道を行くのか。平凡に生きるのか。いばらの道に行くのがマンガ家であるというのも大きな話の幹ですね。

 その選択のきっかけとして承認があったわけで、その承認をしてくれて自分を漫画家まで持ち上げてくれた人物の死の話がありました。

 だから、その人の死を悼むには漫画を描くしかないということがもっとも中心となる話の構造でしょう。もちろん、この部分があるから私も評価しています。

 

投稿 : 2025/04/05
♥ : 7

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

名付けて逆「スラムダンク現象」。『さよなら絵梨』の映像化には期待したい。

 今年は「ハイキュー!!」に「マッドマックス」に本作と並の傑作どころやない、大傑作かも…な期待作が揃っていたのですが…。


 「スラムダンク」を熱愛して山王戦なんか穴が開くほどに読み込んできた私としては、もう一昨年?の新作映画は正直物足りない出来でした。リョーちんの蛇足なエピソードが足されてより短くなった尺に、最高の物語のあらすじ、上っ面をなぞっただけのような薄まった原液を注入した、テンポアップし過ぎな作品。CGによるリアルスポーツのような感覚に挑戦したかったのかもだが…という評価でした。


 何故「スラムダンク」を引き合いに出したかというと、本作は逆なようで同じ事態に陥ってしまったように思えました。あちらはテンポアップし過ぎて薄まった、こちらは膨らませようとしてテンポダウンしてやはり薄まった。どちらも内的要因だけでなく外的要因もあってか。原作を読んでいた時のテンポ感、ドライブ感を踏み外してしまったように思えてなりません。


 「スラムダンク」或いは「ハイキュー!!」の場合は、長い物語を短い一本の映画にしなくちゃならなかった。こちらは短い物語でなんとか映画一本にしなければならなかった(私としてはビックリ二本立てを仕掛けてくるくらいいしても良かったような気もしますが)。


 といってもやはり元々の物語が映像にしてもせいぜい30分、長くても45分くらいのものだから一本の映画としての満足感は薄い…。「デジモン ぼくらのウォーゲーム」や「プリキュア オールスターズメモリーズ」のような短い尺を有効に使い切っ大傑作たちも存在するわけで、尺やサイズに合わせた物語作りは思っていた以上に大切なことなんじゃないでしょうか?。


 私としては、「原作通りにしろ厨」はナンセンスだと思います。映像化する以上は変更はやむを得ない、むしろ+に転じさせることだってできるように思います。しかし、漫画を映像化する場合は、細部ではなくその物語の本質である構成やテンポ感に手を加えるのは危険なように思えます。やはり物語のサイズ感にピッタリな形態を選ぶべきでしょう。商売上の色々はあるのかもですが、商売人でもない私はそこまで忖度してあげる必要は感じません。


 こんなこと言うのはアレかもですが、どちらもこれなら家に帰って原作漫画を読み返した方が良かった…。あとで時間をおいて予告を見直したら変わらずグッときた。やはりもっと短くして、二本立てにするべきだった!。「さよなら絵梨」は映画の話なので、みんな大好き映画についての映画になるから映画化した際の伸びしろに期待。内容も正直本作より濃密ですし。

 

 (後記)


 配信で改めて見たが、こんなに引き伸ばしてたか…と初見のとき以上に感じてしまった。クライマックスなんて原作では3,4カットで畳み掛ける感じなのに、こっちでは体感3分くらいない?ってくらい長い。


 アニメーターの方としては、アニメーションは「動き」だろ!ってのはわかるのだが、やはりアニメはそれだけじゃなくて演出の方が重要に私は思う。予算とかの兼ね合いもあったろうが、出崎さんや庵野さんが枚数使えなくても魅せる演出で効果的なシーンを作っていた例もある。


 本作に限ないが、タツキさんの作風はドライに突き放したところが持ち味で、映画的に翻訳すると細かいカットをパンパンと積み重ねタイプの方が良かったんじゃないかなぁ〜。本作の場合はそれでも根底に強烈にエモがあるから、かえってそれが浮き上がってくる構造になってるし。その点、予告やpvだとそれこそ短いカットがポンポンと切り替わっていくスタイルにならざるをえないから、かえって本作の魅力を拾えてるように改めて思いました。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

68.0 5 2024年度の人生アニメランキング5位
バーテンダー 神のグラス(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (107)
322人が棚に入れました
「神のグラス」と称されるほどの若き天才バーテンダー、佐々倉溜。パリより帰国し、銀座のバーで働き始めた彼のもとに、多種多様な事情や生き様を抱えたお客様が訪れる。彼らに差し出される一杯のグラスが、あるときは彼らの人生を変え、あるときは彼らの心を少しだけ慰める――。酒と人とがドラマを紡ぐ、大人のためのスタイリッシュ・BARストーリー!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【第2作】「西尾節」と「シャフト演出」と「戦場ヶ原」を抜いた『化物語』

【レビューNo.129】((最終レビュー)初回登録:2024/6/21)
コミック原作で2024年作品。全12話。
第1作は好きだったので、第2作にも期待ですかね。

(ストーリー)
バーテンダー・佐々倉溜は、パリから帰国後銀座のバー”イーデンホール”で
最近働き始めた。
ホテル・カーディナルの営業企画部で働く来島美和は、ホテルのカウンターバ
ーに相応しい、客の魂を癒す「神のグラス」を作れるバーテンダーを探してい
るが一向に見つからず焦っている。
偶然街で出会った溜がバーテンダーであると知る。
(公式サイトより)

(評 価)
・第1話:温故知新的な取り組みは評価したいが・・・う~ん、様子見ですかね
 {netabare}・第1作は2006年にアニメ化されており、2回程視聴してますかね。
  第2作の位置づけが分からなかったのですが、公式サイトや1話を見た限り
  では、リメイクというより
  ・原作からの主要キャラや舞台等世界観を引き継いだ上で
  ・現在風解釈等を加えながらの完全新作ストーリー
  という感じっぽいですね。
  原作未読なので、完全アニオリかどうか等は判断できないですがw
  1話はベースとなる世界観を提示する必要があるので、ある程度前作で既視
  感のあるものをみせつつ、ところどころ改変が行われているという感じでし
  たね。

 ・例えばグルメなんかは「食堂食堂」や「ダンジョン飯」等ここでも異世界モ
  ノが席巻している感があり、個人的には少々食傷気味な感じではあります。
  (これらの作品は好きなんですが、こうも異世界モノが多いとね・・・)
  なので、下手に「異世界バーテンダー」とかに走らずに、こういう時代だか
  らこそ過去の名作に回帰してみようという「温故知新」的な取り組みは大い
  に評価したいところですね。
  第1作での魅力であった
  ・バーという(重い扉で閉ざされた)隠れ家的な空間に流れる緩やかな大人
   の時間や癒し
  ・そこで繰り広げられる人間ドラマ
  ・バーやお酒のウンチク等
  第2作ではどうみせてくれるのか。

 ・ただ1話を観た感じだと「う~ん、コレジャナイ」って感じが・・・
  ・前作より幼さを感じるキャラデザやコメディ要素を加えたキャラ描写
  ・前作よりも明るい感じの色調
  ・過剰なアニメ演出等
  前作の素材の味を楽しむような大人な空気感が・・・って感じですね。
  しかし
  ・第2作を創る以上、前と変わらないという訳にもいかんやろしなあ
  ・第2作として面白いテーマ性とかがあるかも
  ・新作エピソードは気になる
  という感じではあるので、しばし様子見ですかね。
  あと前作は思い出補正がかかってる可能性もあるので、この機会に前作も見
  直してみようかなっとw{/netabare}

・第2-3話:第1作とは異なる方向性はきちんと提示されていたと思う
 {netabare}先日の 第1作のレビューで
 ・第1作はよくも悪くも「昭和世代が思い描く『かっこいい大人の男像』」を
  描いている
 ・第2作は尖った感じがなくなり、凡庸な作品になりそう
 と書いたのですが、

 第1話
 メインキャストが神嶋部長から来島美和に変更。
 それに伴い、神嶋部長の人間ドラマをカット。
 その分佐々倉の人間臭いキャラ描写を追加。
 → 「かっこいい大人の男像」が後退

 第2話
 第1作で2話分のエピソードを1話に詰め込み
 → 人間ドラマは薄味になり、ストーリー重視の味付けに

 第3話
 見習いバーテンダー・川上京子を追加。
 第1作では友好的な熟練バーテンダー・葛原が越えるべき壁という存在。
 まさかのカクテル対決w
 → 第1作では客に寄り添う存在であった佐々倉を第2作では前面に押し出し
   た演出

 やはり第1作のエピソードが古く時代に合わないという判断なのか
 ・第1作:客の人間ドラマとそれに寄り添う佐々倉
 ・第2作:佐々倉の人間臭さや彼や来島美和、川上京子等の成長譚
 という方向に舵を切っていくのかなあって感じですね。
 個人的には
 ・第1作の「昭和世代が思い描く『かっこいい大人の男像』」がストライク
 ・第1作でしっかり描かれていた「人間」が、単純な記号化され面白みがな
  くなったように感じる
 と、どうしても辛口になってしまうのですが。
 第1作とは異なる方向性はきちんと提示されていたのかなっと思いますね。{/netabare}

・第4話:第2作のやりたいことは大分明確になってきたかな
 {netabare}前回のレビューで書いたように
 >・第1作:客の人間ドラマとそれに寄り添う佐々倉
 >・第2作:佐々倉の人間臭さや彼や来島美和、川上京子等の成長譚
 >という方向に舵を切っていくのかなあって感じですね。
 がより鮮明に描かれていたのかなっと。

 Aパートは
 ・ホテル・カーディナルに凄腕フレンチシェフのスカウトを画策
 ・このシェフを口説くために佐々倉も一役買う
  → 利き酒対決や酒にまつわるエピソードを絡め、シェフの心を動かす
 という流れでしたが、
 ・やはりシェフよりも佐々倉に焦点を当てた演出で「佐々倉スゲー」をやり
  たいみたいな
  → う~ん、少し話が軽く安っぽくみえるのかなあ
 
 Bパートは「見習いバーテンダー・川上京子の苦悩」ということで
 ・ようやくカクテル作りの許可が出たが、オーナーからは厳しいダメ出し
 ・自分が目指すべきバーテンダー像がわからない
 それを「キング・オブ・カクテル」と呼ばれるマティーニで
 ・佐々倉の作る顔のある→酒の個性を引き出したカクテルとは
 ・他のバーへ行き、多様なマティーニを飲み比べ
 でしたが、第1作にはなかった
 ・若手バーテンダーの共演
 ・駆け出しの頃の佐々倉の描写
 ・カクテルレシピだけでなく、ステアや温度管理といった技術面の細やかな
  解説
 などは第2作のウリとしてよかったのでは。
 今回の新キャラ・バー「Hell's Arms」の金城ユリも今後の出番が楽しみな
 キャラではありますし。
 また会話の中でカクテルコンクールの話も出たので、以降でそちらの話も描
 かれるのでしょうか。
 それにラストは熟練バーテンダー・葛原と来島会長で何か仕掛けてくるよう
 な引きで終りましたし。
 (これも第1作にはない展開ですね)

 一長一短はありますが、(第1作とは異なる)第2作のやりたいことは大分明
 確になってきたように思いますね。{/netabare}

・第5話:悪くないが凡庸かな
 {netabare}今回の主役は、葛原の愛弟子チェン。
 ストイックだが、視野が狭いようで・・・
 >それにラストは熟練バーテンダー・葛原と来島会長で何か仕掛けてくるよう
 >な引きで終りましたし。
 前回のフリは佐々倉ではなく、チェンの見識を深めるためのようで、
 ・「サントリー 山崎蒸留所」見学ということで関西へ研修ツアー
  (来島会長の人脈による)
 ・他のバーテンダーと触れ合うために、川上京子と金城ユリも同行
  (あと孫の特権で来島美和も)
 ということで、はじめはツンケンとしたチェンでしたが
 ・佐々倉のフォロー
 ・自身の京都の苦い思い出と向き合い
 最後に何かを掴んだようです。
 う~ん、話は悪くないですが、もうひとつ面白くないんですよね。
 回想なんかも入れてますが、全体的に人物描写が単純な記号化されて平面的
 というか、やはり凡庸な感じが否めませんね。
 「サントリー 山崎蒸留所」の辺りは、昔住んでたことがあったので、
 「おお、こんな風景だったわw」
 と、懐かしさがありましたが。
 
 川上京子と金城ユリとの交流を深める目的もあったはずですが、途中から別
 行動になったので、その目的も果たされずでよかったんか?!
 今回2人は「コメディ要員か?!」という扱いでしたね。
 この2人はカクテルコンクールに出場すると表明したので、今後そちらも描か
 れるんでしょうね。
  
 よくも悪くも「第2作はこんなもんかな~」という印象ですね。{/netabare}

・第6話:「バーという”特別な空間”だからこそ面白い」が薄まった
 {netabare}今回のエピソードは
 ・来島美和の後輩・樋口由香利のまさかの結婚話
 ・心がささくれだった中間管理職と患者を救えなかった女医の出会いの物語
 でした。

 樋口由香利については、来島美和ともに最初からずっと登場していますが、
 仕事でいいところがなく、どこかお気楽で浮付いたキャラって感じなんです
 よね。
 ・そんな彼女の”結婚”といわれても、唐突感だけが凄くて感情移入できな
  かった
 ・佐々倉の彼女の本心を見抜いてた描写が「佐々倉スゲー」よりの演出で
  「バーテンダー="優しい止まり木"」
  からズレてる感じがどうも好きになれない
 
 また中間管理職と女医の物語ですが
 ・ストーリー重視で薄味、この2人に焦点が当てたいのか、佐々倉よりなのか
  創りが中途半端
 ・バーという”特別な空間”に入ったという空気感が不足している
 この辺りも第1作ならこれだけで1話分の尺を使ってたところを、上述由香利の
 結婚話も詰め込んでいるので、まあそうなるわなっと。

 やはりこの手の話になると、第1作に比べ
 「バーとバーテンダー(優しく寄り添う存在)だからこそ独自の面白さがある」
 という尖った感じが薄まり、無難でライトな仕上がりだなという印象ですね。
 いつまでも「第1作がよかった~」という私は老害でしょうか(笑)
 第2作として新作のエピソードをやってくれてるのは、ありがたいですが。{/netabare}

・第7-8話:正直どうでもよくなってきた(笑)
 {netabare}7話はチェン君の話がメイン
 ・葛原の元を破門された模様
 ・父親が来日(シンガポールの有名ホテルの跡取りとして連れ帰るため)
 ・バーテンダーを本気で目指すことを決めたチェンは、佐々倉の元で研鑽
  を積みつつ、父に認めてもらうためにカクテルを作るのだが・・・

 また8話はカクテルコンクール回。
 ・川上京子
 ・金城ユリ
 ・チェン君
 が出場。その模様とそれぞれの新しい始まりを描いて終わりました。
 チェン君の騒動も一応の決着を見ましたが・・・

 正直どうでもよくなってきました(笑)
 エピソードは進むものの、こちらに積み上がってくるものがないなっと。

 >「バーという”特別な空間”だからこそ面白い」が薄まった
 前回こう書いたのですが、少しフォローしておくと
 ・第1作はバーでの人間ドラマや男のカッコよさなど、かなり特化した創り
  → (バーでのシーンが大半で)バーの空気感等も注力して創りやすい
 ・第2作は”前作とは違うベクトルを”ということで、多様化を意識
  → まあ「バーの空気だけ重厚に」とかは創りづらいよなあ
 って感じですね。
 正直原作未読なので両作とも、どこまでが原作準拠でどの辺がアニオリ改
 変なのかも分からないですし。
 そういう意味では「第2作は第2作の面白さ」があればと期待していました
 が、ちょっと厳しくなってきましたねえ。
 一応最後まで視聴予定ですが、ただ”凄腕バーテンダー”が出てくるだけの
 作品で終わりそうですね。
 この”凄腕バーテンダー”も「佐々倉スゲー演出」でみせたかと思えば、重
 鎮からは「ひよっこ扱い」等なんかチグハグなんだよなあ。{/netabare}

・第9-10話:人間を描くってやっぱり難しいんだと思う
 {netabare}第2作の目玉として第1作では描かれなかった
 ・”佐々倉溜”という人間を深堀して描いていく
 という試み自体は評価したいのですが・・・

 ざっと作品内での”立ち位置”でみても
 ・「神のグラスを作る男」とか”凄腕バーテンダー”と持ち上げる一方で
 ・重鎮(老害?)からは育てるべき人材として「ひよっこ扱い」
 ・佐々倉自身も自分が未熟だと納得していない様子
 ・その一方で高みを極めし者のように説法を垂れるという
 もうストーリー都合でキャラを動かしちゃってるなあっと。
 
 それに今回はついに佐々倉の過去が明かされますが
 ・人が死んだという話を絡めればインパクトがあり、説得力増すやろ
 という、制作側の浅はかな考えが透けて見えるというか・・・
 ”キャラ造形”って
 ・作り手が「彼はどういう人間か?」というのを考え抜いた上で、それを
  作中の言動に地道に落とし込んていく
 ・その積み重ねを経て、視聴者側がどう受け取るか
 ということだと思うのですが、やってることは
 ・こういうエピソードで説明したから、彼はこんなキャラということでい
  いよね♡
 という制作側のキャラの押しつけだったり、レッテル貼りレベルにしか過
 ぎないんですよね。
 やはり人間を描くって難しいですね。でもそこを超えてくるから私たちは
 「プロのクリエイターってやっぱり凄い」
 とリスペクトの念を抱くわけで、そういうところをインスタントにやろう
 している作品はねえ・・・

 >こういう時代だからこそ過去の名作に回帰してみようという「温故知新」
 >的な取り組みは大いに評価したいところですね。
 と最初に書いたのですが、どうもアニメ化の経緯もタック二階堂さんの
 「サントリー案件」
 というご指摘が的を射ている気がしますね。
 そう考えるとこの凋落ぶりも納得ですね。{/netabare}

(最 終)
「西尾節」と「シャフト演出」と「戦場ヶ原」を抜いた『化物語』

率直な感想がこれですかね。
第1作を知らなければ、「バーとバーテンダーが登場する一風変わった作品」
として、それなりに楽しめたかもしれませんが、前作の尖った部分を切り捨
て、凡庸な人物描写やサントリー案件を加えた本作は”コレジャナイ”って
感じですね。

まあ「昭和の男臭さ」がプンプンする第1作と同じテイストで令和のアニメ
を創る訳にはいかんやろ、という判断は理解できます。
とはいえ、
>「バーとバーテンダー(優しく寄り添う存在)だからこそ独自の面白さが
>ある」
という根幹が揺らいでしまっては「本末転倒だろう」って思う訳ですが。

今回”佐々倉溜”という人物描写に結構尺を使ったものの、あまり魅力的に
描けていないからなあ。
いろいろと多角的に描いてみたものの、結局どれも中途半端に終わった印象
ですね。
>「バーという”特別な空間”だからこそ・・・」
やはりこの空気感がないと、漠然とバーのシーンを見せられても響くものが
ばない気がしますし、そこが本作の生命線だったのではと思いますね。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 21

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

グルメものより話の広がりは無い。虚構と虚栄の世界ですね。

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.20

 佐々倉さん、結局ホテル王に取り込まれたか…。仕方ないですねぇ…。孫娘やホテル関係者とあれだけ濃厚に関わってたら、身内扱いされるのも当たり前かなぁ。

 薀蓄モノはネットがこれだけ普及すると、説得力をもたせるのがものすごい難しいので、より権威のある者の傘下に入るのはある意味現代的なのかもしれません。

 薀蓄漫画の傑作、美味しんぼの山岡士郎と佐々倉さんの差が如実に出た感じがします。

 山岡士郎はネット普及前の80年代の人物で、当時は情報を独占していた大新聞社の社員で、対立していたとは言え、得体の知れない政財界のフィクサー、海原雄山の御曹司として、教養と裏表の一流人脈を継承していた怪物でした。

 だから、薀蓄にも説得力がありました。対して佐々倉さんは原作ではネット黎明期の人物なのかもしれませんが、アニメでは現代人です。

 ヨーロッパの一流バーにいたと言っても、所詮は狭い世界の住人で、垂れる高説に裏付けが決定的に欠如しています。各界の著名人とフランクに接触出来る山岡士郎との差は歴然です。

 佐々倉さんは、最近バケの皮が剥がれつつある、フランス在住逆張りシッタカおじさんと同程度の人物である疑いが濃厚です。情報源はウィキペディア的な…。

 ネット以前なら物知りバーテンダーとして通用したかもしれませんが、カクテル知識も、客がスマホでググったら、異説が出てきて、それを根拠に反論してくる可能性があります。

 理論や意見は発する人間の立場を絶対に超えません。バックにケツ持ちがついている人物と、何の権威も無い人物の発言は同価値では無いのです。

 サントリーもこの辺を分かっていて、アニオリ宣伝改変を突っ込んだり、ホテル王を絡ませたりしているんでしょうね。

 まぁ、会社の力で下請けや顧客をいじめている大資本の考えそうなことです。薀蓄漫画やアニメ受難の時代に上手くまとめたと評価すべきでしょうが、釈然とはしないですね。
………………………………………………………………………

 11話まで観ました。2024.06.16

 早いもので、間もなく最終話です。このアニメ、何となく良い感じのエピソードを積み重ねながらも、何か物足りない感じがします。

 主人公の佐々倉さんに、魅力が無いんでしょうね。新人バーテンダーのひたむきさは女性バーテンダーの2人やチェン君に敵わないし、熟練の苦労人キャラとしては、「バー・風」オーナーの師匠に敵わない。

 やさぐれ無頼漢キャラは兄弟子に持っていかれているし、ホテル王には鼻垂れ小僧扱いされています。

 客に対して凄腕バーテンダーとして高説を垂れますが、発言に権威と説得力が足りません。

 魂の救済やら、佐々倉さんのせいで客が死んだとか、何を言ってるのかと。夜の世界はヤバい奴が蠢いております。そいつ等に比べたら、まだまだ若造の丁稚に過ぎません。

 そもそも、酒を飲んで魂が救済されるのか?毎日ホッピーを飲んで、中は七割位入れてくれ!たみゃらん!とか言っている其辺の親父の魂は救済されて無いのか?

 酒が飲めない人から見たら、高級バーで最高の一杯を求める客も其辺のホッピー親父も単なる迷惑アル中では?

 ラスト、どんなオチをつけるかで、だいぶ印象が変わりそうです。
………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2024.05.30

 原作や前回のアニメ化作品、ドラマ版を観ているタック二階堂さんやwitchさん達のレビューによると、今回は大幅に雰囲気を変えてアニメ化している様です。

 主人公の佐々倉さんは、お客様の魂を癒やすためにバーテンダーという生き方をしているそうなので、本来はバーに集まる人々の人間模様を描くのが、テーマとして妥当なのかもしれません。

 ただ、原作と現在では社会状況が違い過ぎるので、工夫した結果が今回のアニメの雰囲気に繋がっているような気もします。

 そもそも、銀座の高級バーに頻繁に来れる様な奴に魂の救済が必要か?今回の話の様に場末のバーのバーテンダーや場末のシングルマザーホステスみたいに魂以前に物理的に困っているような人達が激増している時代に、何を言ってる?という気がします。

 もっと、治安の悪い街のスナックやバーの方がふさわしい様な…。そんな所に来るやつにカクテルの味は分からんか…。

 今回、佐々倉さんの先輩が作った、女性酔い潰しレイプカクテルみたいな話ばかりになりそうです。

 原作の縛りで深夜食堂みたいな物語にも出来ないし、サントリーの宣伝も噛んでそうなので、殺伐とした話にも出来ない…。物足りなさの原因はそこかもしれません。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.04.25

 Aパートの、権威ある男性にアレコレ薀蓄でどうこうする話は、人によってはブチキレるんじゃね?と納得いきませんが、Bパートの若いねーチャンに対するマティーニの薀蓄話は面白いです。

 Bパートのバーにいた、ボーイッシュで格好良い女バーテンダーが居る店が近所にあったら、下心こみでケツの毛をむしられるまで通ってしまいそうです。剣呑剣呑!
 
 バーに行きたくなります。ワイにも顔のあるマティーニを頼むで!

 こういう、若い同僚とかにマウント取れるマメ知識みたいなのが面白いと感じるのは、老害レベルが上がった証拠かもしれません。おっさん向けのアニメですね。

………………………………………………………………………

 3話まで観ました。2024.04.18

 タック二階堂さんの書かれている通り、老人達の独壇場ですねぇ…。モノ消費よりコト消費って、こういうことなんでしょうか。

 情報を消費しているので、権威と経験、知識ある男性がマウントとっているんですよね。登場人物のねーチャン達はお色気マウント取られ要員でしかありません。

 今回、主人公はカクテル勝負で負けてしまいましたが、相手の状態によって味を変える是非は?人によっては主人公が勝ちかも…。ねーチャンは権威が無いので審判すら出来ません。

 共産党が政権を取ったら、私の好きな甲類焼酎の発泡酒割が至上のカクテルになるのになぁ…。労働英雄が飲むべきカクテルじゃ!所詮、評価なんて時代の価値観に過ぎませんて。
……………………………………………………………………… 

 2話まで観ました。2024.04.11

 美味しんぼだなこりゃ…。京極さん、四万十川の鮎で号泣みたいなエピソードをAパート、Bパートでやりました。

 酒は基本的に毒で、飲めない人も多いので、グルメものより話のオチの説得力に欠けます。飯を喰えない人はいませんからねぇ。

 カクテルも、物語を消費している部分が大きく、主人公の作るカクテルを飲んでゲストキャラがホロリとするのに、説得力がありません。

 みんな単なるアル中で、カクテルに何となくな物語があれば、喜ぶ様な単純な連中なんじゃね?と、いう疑問を感じます。

 そもそも、美味いという基準も怪しいです。カクテルの主要な材料の一つであるメキシコのテキーラは、本当に美味いのは伝統的な技法で作ったものらしいですが、それだと副産物のメタノール(メチルアルコール)を排除出来ないので、アルコール分解酵素の弱いアジア人向けには売れないそうです。

 日本で買えるのは工業的に成分を調整したテキーラなので、アジアのアミーゴ達は可愛いそうだと知り合いのホセが言ってましたが、視力を失う危険と天秤にはかけられません。

 バーでオシャレにカクテル飲んで喜んでいるのも、見た目が良いとか、伝統とか、物語と雰囲気を楽しんでいる部分が大きいので、8割方虚栄と虚構です。

 夜の街とはそういうものだ!ですが、この価値観を共有してないと、このアニメは楽しめなさそうです。

 学生の頃、金が無くて工業用エタノールを鍋で蒸留して添加物を除いて飲もうもして、下宿を火事にしかけた頭の悪いロシア人みたいな友人は、面白さが分からんと言っておりました。

 カクテル飲ましたくらいじゃ、駄目だこりゃ…。
……………………………………………………………………… 

 初回観てのレビューです。2024.04.07

 オシャレなウンチク漫画が原作の様です。バーへ行きたくなりますね。期せずしてスナックバス江と同じ様な感想に…。

 バーテンにカクテル作って貰うと美味いんですよね。腕の良いバーテンはまさに酒飲み界の至宝…。

 その代わりお高いので、そうそう行けないです。スナックより非日常かも…。

 バーに行っている気分になれるので、酒好きにはたまりません。さぁ…、家でカクテルでも作りながら観るか…。甲類焼酎の発泡酒割、カクテル名、労働英雄(ルンプロマイスター)!(´Д⊂ヽ

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ビジネス系の漫画がアニメ化するのって珍しい。しかし… なんだかなぁ、ですね

原作は序盤だけ既読。ジャンプ+だかで無料で読めた時に。

こういうビジネス系漫画という、青年誌ジャンルがありますね。
職業を題材に人との関わりを描いていくという。
気づけば何十巻と続いていることも多いながら、アニメ化することは少ない印象です。
なので珍しいなぁ、と思いました。なんでこれがアニメ化したのでしょうね?

それこそ酒系なら神の雫なんて相当ブレークしましたけど、アニメになってないですし。まあドラマか映画かになっているみたいですが。

でもまあ、本作は知らないけどアニメ化するくらい人気だったのでしょうかね。
ちょっと調べたら2006年にもアニメ化していたそうで。そりゃすごいですね。

まあバーテンダーの技術をアニメ化しているのはちょっと面白さもありましたが…。
原作通りですし特に見る必要は無いと思いました。


しかし、珍しいだけに色々感想が思い浮かんじゃったのでくどくどと語ってみます。

見た印象としては…。まあ原作通りなんですが、他人を上から目線で評価している人間って、改めて感じ悪いですね。
いやまあ、こういうビジネス系漫画はこういう評価する人間が出てきて、主人公が高く評価されてこそなんですが…。

何様だよ、って感じがありますね。
私がバーに行って勝手に「これは神のグラスではない」とか言う資格ってあるんですかね? 無いと思います。そんなことを言える人間って何様だよ、ってなりますよね。

だから、こういう作品に出てくる評価者、食通は、人間国宝とか、大きな組織の長だったり、それなりの箔を必要とするわけですよ。海原雄山とか味皇とか。
しかし本作だと小娘が偉そうに評価しているので、ちょっとイラッとしました。

いやもちろん美味しい、美味しくない程度はどんな客にも言う資格はありますが。
飲む前から失望したとか、偉そうだな、とイラッと来ました。

またこの漫画のキャッチフレーズのようなセリフに文句をつけるのも野暮ですけれど、客を裏切って良い仕事というのは、この世に一つも無いと思います。

医師や薬剤師は確かに「お前のせいでウチの子は死んだ」と言われてしまうのでやばいです。
でもバーテンダーは、注文を聞き違えても人は死なないし、『すみません、作り直します』で済むじゃないですか。もちろん激昂して手がつけられなくなるキチガイ客というのは居るでしょうけれど、そんな客に正当性は無いのでは。

後は女を酔い潰したい男と、断りたい女が並んでいた場合、男はアルコールを増やして欲しい、女は減らして欲しい、どちらに加担しても他方を裏切るわけですが、どうするんでしょうね? 
まあそういう話があるかはわかりませんが。ノンアルコールを出しながら話題が弾んで仲良くなる手伝いをして、両方きっちり満足させる、あたりが落とし所でしょうか。
漫画なら可能でしょうけれど、現実では不可能ですね。
そこまでやらなきゃバーテンダーじゃないなら、求める基準が高すぎですね。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3

71.2 6 2024年度の人生アニメランキング6位
らんま1/2(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (84)
254人が棚に入れました
早乙女乱馬と、天道道場三女の天道あかねは親が決めた許婚同士。

しかし乱馬にはある悩みが...。 中国での修行中、伝説の修行場「呪泉郷」に落ちてしまい、 水をかぶると女に、お湯をかぶると男に戻るという、不思議な体質になってしまっていた!? 乱馬とあかね、そして個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドタバタ格闘ラブコメディー、ここに開幕!
ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

リメイクってやっぱり難しい!

犬夜叉からアニメに入った私は、高橋留美子オタクとは言えないまでも、一応るーみっくワールドの主要作品はなんらかの形で触れてきました。らんま1/2は、原作はほぼ未読ですが、アニメ(旧作)は全編見ています。ただ、旧作は、当時シーズン制がとられていなかったため、アニメが原作に追いついてしまった後は、オリジナルを混ぜつつ進行していったのですが、このオリジナルアニメが全体的にかなりつまらなかった印象があります。正直、最後まで見るのは苦行でした笑 

旧作はオリジナルエンディング(とすら呼べないような終わり方)だったので、らんま1/2をリメイクすること自体はありだと思っています。しかし、現時点において、このリメイク版はあまり高く評価していません。その理由は以下のとおりです。

(1)らんま1/2はラブコメですが、平成前半といういまから30年も前の作品であるため、コメディの部分は、どうしても現在の感覚とは合いません。これを一番よくわかっているのは、高橋留美子先生自身のはずです。というのも、同じ日常ラブコメ系統ではあるけれども平成後半の作品である「境界のりんね」におけるギャグと、らんま1/2のギャグはかなり違うからです。にもかかわらず、コメディの部分も原作に準拠して丁寧に使ってしまっているので、ギャグが古くて面白くないんですよね。例えば {netabare}あかねが登校時に男子高校生蹴散らすシーンとか、良牙の迷子設定とか、 {/netabare}正直令和時代に見せられても、というのが正直な印象です。

他方、ラブについては、長く読まれる恋愛小説が多くあるように、普遍性を持っている部分が大きいです。だから、リメイクするのであれば、ラブコメ全部を原作準拠でリメイクするのではなく、恋愛部分を原作準拠でやりつつ必要に応じてコメディの部分を再編成するくらいのことをするべきだったと私は思います。特に、あかねちゃんは、(当時はそういった表現はなかったけれど)ツンデレの先がけともいえるヒロインですし、ヒロインが多く登場する点も、令和のラブコメアニメを先取りしているわけですから、恋愛部分は令和においても十分通用すると思うのです。

(2)現代の多くの作品は、12話1シーズン完結が多いので、初めてらんま1/2を視聴する方は、12話で少なくとも一区切りつくことを期待して視聴するのではないでしょうか。その観点からすると、話のテンポが遅いと思います。 {netabare} 人気サブヒロイン、シャンプーが出てくるのも遅すぎますし、12話終わっても私の推しである久遠寺右京はまだ全く出てきません。{/netabare} 3−4話くらいで脱落する人が結構いそうな気がします。

(3)深夜アニメや配信で見る時代に、たまたま4話目とか5話目から見始めるなんて人はあまりいないでしょう。そういう時代に、毎回のように冒頭で、らんまが水をかぶると女の子になっちゃうという設定を解説するのは、冗長でしかないと思います。擬音については、私はそこまで気にしていませんが、うる星やつらのリメイクでかなりここでも不評だったのに、失敗から学ばないのね、と思ってしまいました。

(4)私はテレビはほとんど見ないのですが、2023年末の紅白をたまたま見ていて、anoさんという方を知ったのですが、初めて聞いただけで、この話し方と声、無理って思ってしまったんですよね。完全に個人の好みではあるのですが、それもあって、anoさんが歌っているOPは基本スキップしていました。私は、OP・EDもアニメの一部だと考えていますし、作品を作ってくださった方たちへの敬意という観点からもクレジットも見ているのですが、その例外をおそらく初めて作らなくてはいけなかったのが、自分の好きな高橋留美子作品になったことは、率直に言って残念でした。

(5)旧作の声優陣は、その後日本を代表する声優になった方も多く、非常に豪華でした。旧作から30年経ったにもかかわらず、その旧作の声優陣が引き続き担当していることは奇跡だといってもよいかと思います。ただ一つだけ気になったのが、らんまとあかねの呼吸が最初から完全に合ってしまっていること。山口勝平さん、日髙のり子さんはいずれももちろんトップレベルの声優さんではあるのですが、やはり共演の機会が多いこともあり、最初から阿吽の呼吸になってしまっているように感じます。でも、らんまとあかねは最初は呼吸が合っていてはいけないわけで、その点、若干の違和感は持ちました。

(6)リメイクならやはり作画・キャラデザは期待してしまいます。あかね、シャンプーはまぁ普通に可愛いとは思うのですが、絶対もっと可愛くできるでしょ、って思ってしまいました。

全体として、私はらんま1/2をリメイクするのであれば、原作に準拠して令和には通用しないコメディも入れながら長々と100話を超えるような作品にするのではなくて、エピソードの取捨選択をしっかり行なって、らんまとあかねや他のサブヒロインとの関係を中心に、3−4シーズンくらいにまとめてほしかったんですよね。そういう感じには現状なっていません。

まぁこれを機会にグッズがいろいろ売り出されるのは嬉しいですが。2期制作は決まっているようなので、継続視聴はします。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

決して悪くないけど、小さくまとまってしまった感じ

タイトル通り。

うーん、正直、先に発表された「うる星やつら」よりはずっと良い。普通に面白い。
だけど、1989年のオリジナル(と言わせてもらうが)より上かと聞かれれば、作画は確かに上だけど、それ以外は全てオリジナルが上回っている。

なんというか、こじんまりまとまってしまったというか、当時の振り切れた感のパワーは感じない。適度によくできたアニメという感じ。

「うる星やつら」もそうなんだけど、あえての原作に寄せた漫画的な演出は失敗だと思う。やはり漫画とアニメは見せ方の根本が違う。塩梅が難しいのはわかるが、どうしてもパワー全開のオリジナル版があるために、それと比較してしまうし、単純に面白さが当時ほど伝わらない。

ヒット作のリメイクはどれだけ難しいのかがよくわかる。まあ、それは宇宙戦艦ヤマトでとっくの昔に証明されているのだけど。ダメだった作品をリメイクで素晴らしい作品に昇華させることはできる、劇場版マクロスとか。だけど、金字塔的によくできた作品をリメイクするのは無理がある。特に高橋留美子のアニメ化作品は全て金字塔的に成功しただけに・・・。

あと倫理観とか全て80年代の原作をリスペクトするなら、導入時点で、テキストで80年代を言うのではなく、80年代に入り込む演出が必要だったと思う。たとえばベタなやり口だと、アルバムを開いて思い出を振り返る的な。なんにせよ、導入演出がないから、80年代の倫理観とか、そういうものが入り込まない。今の子はおかしいと思うだろうし、当時を知る自分たちも、え?なんで中途半端にしてんの? となってしまう。

いやー、本当に惜しい。声優もオリジナルキャストが主演を固めているから、声の違和感は感じないだけに惜しい。

ただただ、惜しかった。配信だけにして、「バブルへGO!!」じゃないけど、導入演出でうまく時代を飛ばして、倫理観も80年代の原作のまま突き進むべきだった。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

千差万別我愛你

平成初期のアニメのリメイク、お話の舞台は80年代の東京だそうです
旧作は知りませんが有名な作品なので気になっていました。
EDテーマが好き、女乱馬とシャンプーがかわいい

乱馬とあかねを取り巻く周りのキャラクターは色んな愛の表現で好き好きいって迫ってきて大騒動に発展する騒々しいラブコメバトルアニメ
テンポの良い掛け合い、個性的な設定に面白そうなキャラ、声優は大御所ばっかりだし作画は良いし歌もいいしとてもいいアニメでした、どんどん面白いキャラ増えてきて、これ絶対もっと面白くなっていくやつじゃないですか
続きが早く見たい!

滅茶苦茶な設定をギャグみたいな展開と一緒に単純明快に説明しきった手法がすごい、1話で引き込まれて、次々と現れる奇人変人によって出来上がっていく極上の舞台にワクワクする

娘の部屋をノックもしないで急に入る父親にビックリ、許嫁っていうのも全然聞かないし、今のアニメではあまり見ない感じの暴力とかもあって昔のアニメなんだなーって思う

顔は変わってるっぽいけど、髪の毛の色も変わってる? アイラインいつの間に引いたんだろう? 
本人の身体が女に変化するんじゃなくて、別人の身体になってるのか変身なのかな?
父のパンダ化なんて道着とかメガネとかどこ行ったんだろ?衣装もセットなら乱馬は服そのままっぽいし、謎

{netabare}
旧作アニメがかなり長いことは知ってたので恋の進展もスローペースかな?って身構えてたけど、意外とあかねと乱馬が両想いっぽくなるの早かった、あかねが意外にも露骨にやきもち焼くから王道な恋のライバルキャラのリョウガとシャンプーですらつけ入る隙なさそうなので、二人の恋に割って入るキャラは出てこなさそうだけど、どこまでこの面白さを続けていけるのか注目してます

{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 17

60.7 7 2024年度の人生アニメランキング7位
恋は双子で割り切れない(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (99)
242人が棚に入れました
いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない── 初恋こじらせ系双子ラブコメ開幕! 白崎純と琉実・那織の神宮寺姉妹は小さいころから家族同然で育った幼なじみ。 見た目ボーイッシュで乙女思考な姉・琉実と、 外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。 顔はそっくりだけど全く正反対な2人。 純はいつからか芽生えた恋心を抱えながらも、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど…… 「わたしと付き合ってみない? お試しみたいな感じでどう?」 琉実が発したこの一言が、3人をいびつな三角関係へと導いていく――
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

幼馴染が結ばれる困難性×双子分

主人公高校生男子と二卵性双生児の姉妹との三角関係などを描いた、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
主人公が優柔不断なのは想定通り。
そもそも告白がゴールの定番恋愛シナリオをなぞらず、
主人公と姉・琉実のカップル解消を物語のスタートに持って来る時点で、
告白や決断という区切りのドラマに本作の焦点は無いと感じます。

むしろ皆、なんで決め切れないで悩んでいるのかが詳述されていて、
そこが興味深いと思えれば良シナリオ。


「ゼクシィ結婚トレンド調査 2020 首都圏」によると、
結婚した男女の内、幼馴染とゴールインした割合は僅か0.7%だと言う。
幼馴染じゃドキドキできない事などが一因なのだとか。

幼馴染には、確かに一般的な恋愛パターンを踏襲できない難しさがあるのかもしれません。
例えば、お互い知らない者同士だった男女が、憧れ(幻想)を抱き合い接近する。
互いを知る内にドンドン惹かれ合って、告白して結ばれて、めでたしめでたしというテンプレ。
始めから知り過ぎている幼馴染同士じゃ、中々こうはいかないのかもしれません。

本作の主人公・白崎 純と双子の神宮寺 琉実と那織姉妹に至っては、
幼馴染かつ、家もお隣で、昔から家族ぐるみの付き合い。
この親戚の従兄弟同然の至近距離から、恋愛関係にアップデートしようとしても、
心身はそう簡単に切り替えられない。
それにしても、白崎&神宮寺両家の父兄の皆さん。
純くんに、映画トークやミリオタネタばっかり振って恋愛進展には、まるで役に立ちませんw

優柔不断に酌量の余地がまだあったので、私はさほど苦も無く完走できましたし。
どこぞの某豊橋の“プロ幼馴染”でもないですが、
ラブコメにおける幼馴染の“マケイン”率の高さを突き詰めるとこういうことなのかも。
と勉強になりました?という感想が残りました。

本作はそこに、さらに双子の姉妹関係変容への恐れなどが加わり、こんがらがっていくわけですが。

道中、主人公の親友・森脇こと“教授”による、
欲望の赴くまま本能で決めちまえよとの喝だったり。
終盤、{netabare} 坂口から琉実への敗北覚悟の特攻だったり。{/netabare}
とっとと好きと言って決めてしまえばいいじゃん?という方方からの圧力。

決め切れない状況にイライラする視聴者へのガス抜きとも取れますが、
私はモヤモヤした三角関係に、明快に決め過ぎる事例をぶつけることで、
恋愛関係と簡単に割り切れない間柄だってあるんだという主張を浮き彫りにする演出と取りました。


【作画 3.0点】
アニメーション制作はROLL2が初元請け。

キャラデザの一貫性などは無難に保って完走できてましたし、
表情描写も、それなりに豊かで悪くはなかったのですが。

例えば、終盤10話、{netabare} 那織が文字通り裸一貫で純に特攻して来た、{/netabare}
心情表現の面でもエロ方面でも見せ場となるシーン。
私は何故か、ドキドキよりも、もっと画力があればなどと思ってしまったんですよね。

振り返ると、柔らかめのタッチや、全体にぼかした撮影、映像スタイル自体が、
私の好みに合わなかったのかもしれません。

ぼやけていたと言えば、作品タイトルロゴ。
トレンドの右肩上がりの手書き調のレタリングに、
ピンクのぼかし加工が施されているのですが。
この作品タイトルを、白地背景に置いたために、遠目に見ると、
年齢制限受けてモザイクでもかかってるのかって位、目立たないのが難点。

私は本作をサブスク視聴したのですが、
ある時、ガチで本作を探し出せなくて難儀した週がありましたw
これでは、検索画面からアニメ探している利用者には本作は見つけてもらえないのでは?と心配になります。


物語がモヤモヤを描くのは良いのですが、
映像やレタリングはクッキリハッキリでお願い致します。


【キャラ 4.0点】
主人公・白崎 純。
園児の頃から仲が良い双子に恋慕されるという爆発必至のポジションw

ただ純に関しては、モテる理由は一応あったかなとも思います。
特に序盤、小学校時代に、クラスで浮いていた那織がトラブルに陥った際に、
女子同士の喧嘩仲裁に割って入った純くんには感心しました。
あんな女子の魔窟にスーッと入っていく勇気は俺にはありませんw

さらに純の情状を酌量すると、作中、純にはモノローグが一切なかったとの件。
視聴者は、純の心中を置かれた立場や仕草等から類推する他ない。
結果、純は、視聴者への弁明でもある、心の葛藤を独りごつシーンもないまま、
優柔不断などの罪への批判をまともに浴びることにw

ただ、これらの事情を鑑みても私は純くんの爆発を願うことに変わりはありませんがw
最終話の{netabare} 双子ビンタ被弾{/netabare} も当然だと思いましたし。
優柔不断の葛藤が興味深いことと、優柔不断が許されるかは、また別問題です。


モノローグを封じられた純の心中を吐露させたのは親友の“教授”森脇でしょう。

さらには双子の姉・琉実と同じバスケ部の親友で彼氏持ちの浅野 麗良の恋愛相談。
双子の妹・那織と、オタクな毒舌に応酬できる希少な眼鏡っ子“部長”亀嵩璃々須(かめだけりりす)との、知識の青春駄弁への浪費。
などなど本作は、三角関係の当事者間では語り辛い心情を、外部化できる親友ポジが充実していました。


中盤、登場した琉実の親友のギャル・雨宮 慈衣菜(しえな)
上記の、未知の女(ひと)に憧れてゴールインという常道に照らせば、
実は、いっそのこと、純が双子ではなく慈衣菜とくっつくのが、もつれた三角関係をスッキリ精算する最も合理的な方法かもと私は思ってみたり。
彼女、意外と料理もお上手いみたいですし。
が、恋は合理性じゃないでしょうし、
何よりそんなことしたら双子に後ろから刺されかねないでしょうがw


あとは終盤、{netabare} 部室よりも文芸オタクトークに対応できる強敵(とも)との出逢いを優先した、
遊戯部の部長・古間 怜人にある種の男気?を感じました。
あの部室争奪チェス、良い対局でした。{/netabare}


【声優 4.0点】
双子の姉・神宮寺琉実。
体育会系なのに、恋愛では奥手で、駆け引きでも相手の出方待ちの譲り合い。
でも妹に対しては世話を焼く姉でありたい。
そんな姉役にはメインヒロインは初めてとなる後本 萌葉さんを抜擢。
しっかり者でありたいんだけど、初々しさも混ざり合うフレッシュな演技。

一方で妹・神宮寺那織役には経験豊富な内田 真礼さんを起用。
主人公・白崎 純役の坂田 将吾さんと多彩なオタクトークで会話を弾ませ、
姉の焦燥を誘う。
運動したくない帰宅部のクセに、スタイルは“胸部格差”も含めて姉を脅かし。
恋愛でもグイグイ仕掛ける攻撃重視だが、心根は繊細で、
上手く行かないと葛藤するなど、しっかりと世話が焼ける妹。
複雑な役柄を、これまで数多の妹役も演じて来た引き出しの多さで好演し、
展開を引っ掻き回す妹ペースを作り出す。

新人と実力者が交錯するキャスティングが、個人的に一番のドキドキ要素でした。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は、うたたね歌菜氏。
同クールの『マケイン』BGM同様、会話劇の下支えから、心情曲まで、
多彩なジャンルを組み込み対応するが、
こちらはバイオリンなど、より優雅な旋律、及び修羅場曲が多かった印象。

OP主題歌は神宮寺那織役の内田 真礼さんの「パラレルなハート」
明るい歌声に乗せて、乙女心の察知を要求する攻め重視のアップテンポナンバー。
那織に、真礼に翻弄されっぱなしの1クールでした。

ED主題歌は琉実(CV.後本 萌葉)&那織のデュエット曲「ハニーシトロン」
劇伴うたたね歌菜氏も編曲で参加し、
本編の引きに合わせて、アップテンポver.とバラードver.を使い分ける。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 10
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

「純がかわいそう」 →「コイツ、ち●このもげた伊藤誠やんけ!!」

【レビューNo.145】(初回登録:2024/10/6)
ラノベ原作で2024年作品。全12話。
”ラブコメハンター”の私としては、「とりあえず観なきゃ!(使命感)」
というところでしたが・・・


(ストーリー)
幼き日、白崎純のお隣に神宮寺琉実・那織の双子の姉妹が引っ越してくる。
3人は意気投合して一緒に過ごすようになるが、やがてそれぞれが恋心を抱く
ようになる。
姉である琉実は中学3年時、妹である那織の気持ちを知りながら純に告白し、
付き合うことになったものの、その1年後突然別れを切り出すのだった。
それぞれが心に複雑な感情を抱えたまま、高校生となった3人の新たなる恋物
語が動きだす。


(評 価)
・予想外によかった第1話
 ぶっちゃけ「幼馴染×双子姉妹」ということで
 「どうせ冴えないオタク男子が、都合よくかわいい双子姉妹に言い寄られる
  いつものやつやろ」
 とあまり期待はしていなかったんですよね。

 そんな中での
 「間違いの多い生き方をしてきた」
 のモノローグから始まる、これまでの経緯を語る姉・琉実のAパート。
 そして
 「私は実に醜い人間であります」
 のモノローグから始まる、これまでの経緯を語る妹・那織のBパート。
 同じ日常風景でも、姉妹によって景色が異なる様が丁寧に描かれており、
 意外と面白いかもと思ったのですが・・・


・ストーリーありきのキャラ描写?!
 ところが1話の終わりで、付き合っている純に琉実が別れ話を切り出す辺り
 から雲行きが怪しくなってきます。
 {netabare}・妹の那織も純のことが好きなことを知っていたが、踏み出せないことを
  見抜いて先制攻撃を仕掛けた。
  (純の初恋相手は那織であることも気付いていた)
 ・それで付き合うことになった2人だが、”那織を出し抜いた”という罪悪感
  から1年で別れ話を切り出す。
  しかも今後は那織と付き合えとか?!
  いろいろと謎の「姉ムーブ」が発動w
 そして純も純で琉実に未練がありそうながらも那織に告白、それで今度は
 那織と付き合うことになるのだが、
 ・2人の心中は全て分かっていたと今度は那織から別れを切り出す。
  → 「3人の関係をリセットした上で再度やり直したい」というこちらも
    謎理論{/netabare}
 ストーリー上姉妹どちらかと上手くいくとそこで終わってしまうので、いろ
 いろ画策したくなるのは分かります。
 しかも別れ話をねじ込んだ方がインパクトがありますし。
 でもそのストーリーありきでキャラを動かしちゃってるんで、姉妹の言動に
 全く共感できないというか、「この茶番は何なんだ?!」という不快感しか
 湧いてこないんですよね。

 で、ここまでの流れをみると「純がかわいそう」って感じにもなりますが、
 そもそもこいつがしっかりしていないから2人が迷走するわけで、終盤の
 大事なところも
 {netabare}・純の友人・坂口が琉実に猛アプローチ
  → デート(?)までこぎつける
 ・坂口の本気度に焦った純はデート現場に駆けつけるも
  「琉実・那織もどちらも同じ位に好きだ。だからどちらかを選ぶことが
   できない。だけど必ず結論を出すから時間をくれないか?」
 え―――っ、人のデートに割り込んでおいて、問題先送りとかどういうこと
 やねん?!
 それを聞いた琉実も
 「ちゃんと考えてくれてるってわかっただけで、私は十分♡」
 って、お前もアタオカやろ!!
 こんな”茶番”で身を引かされる坂口もそりゃ絡みたくもなるわなw{/netabare}
 他のレビューでも書きましたが、こういうどっちつがずで問題先送りキャラ
 (おまけに性には奥手)って個人的には
 「ち●このもげた伊藤誠」
 にしか見えないんだよな~。

 そんな感じで3人の関係を簡単に決められない原作者都合でキャラを動かし
 てる印象が強く、3人の言動には違和感を覚えずにいられなかったですね。


・その他不快要素が・・・
 那織のオタクキャラを不快と感じるレビュアーさんも多いようですね。
 スポーツ好きでコミュ力の高い琉実への対極のキャラ付けでしょうが。
 (あと純とは同好の士というのも)
 私も会話の8割位がサブカルからの引用を絡めてくるので、正直イラっと
 きましたね。
 何かやり過ぎでクドさを感じるというか。
 そのくせ、結構人見知りだったのは内弁慶過ぎてツボでしたが。
 
 新キャラのモデルやってて頭のネジが緩そうな雨宮慈衣菜は、いろんな意味
 で浮いていて好きになれなかったですね。
 (CV:石原夏織さんから合っていなかったような)

 あと女バス部員は人の恋路にヅカヅカ踏みこんできたり、「私にだけ内緒な
 んて~」とか女子の友情ごっこが痛々しかったかな。
 そんな中浅野麗良は姉御肌で{netabare}「男は1回ヤるとそればっかになる」{/netabare}との金言
 ありがとうございましたw


最初からあまり期待していなかったですが、第1話で「おっ」と思ったものの
やはりそこまでだったかという感じでしたね。
「琉実・那織もどちらも同じ位に好きだ。だからどちらかを選ぶことができない。
 → ということでオープンな二股交際をさせて欲しい!!」
『かのかの』の主人公直也って「天才かよ!」と思ったのは私だけ?!
ある意味これが一番丸く収まる方法でしょう(笑)

作画は多少低予算感や怪しいところもありましたが、ヒロイン2人はかわいく
描かれていたので、よかったのでは。


OP『パラレルなハート/内田真礼』
ED『ハニーシトロン/神宮寺琉実(後本萌葉)&神宮寺那織(内田真礼)』
・どちらも作品にはマッチしていたんじゃないですかね。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

大さじコショウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

妹ちゃんがキッツいかなぁ…?

そろそろ今期も終わるので、一気見しているところです
「悪くはないかなぁ」ってぐらい

ラブコメだと思いますが、
コメディ的というか笑い的な明るい要素は少なめです。



◆ キャラ ◆───────────────────────────────────────
ヒロイン姉妹は見た目は可愛い
姉は面倒な女性って感じで、しっくりくるんだが
妹は言動やらがアレすぎてピンとこないかも
アメリカンジョークのような知的会話ではありますが
本場でも常時ジョークいってるわけじゃないので、
たまに挟む程度が良かった。
                    (個人的に妹ちゃんは無い…)

主人公は妹に合わせてる時の言動はともかく
優等生の可もなく不可もなくって感じの味付け
むしろ姉妹に振り回されてるのもあって若干可哀そう
姉妹の感情に対して優柔不断だが、
年相応だし悩む気持ちは当然あるでしょう。



◆ 展開 テンポ ◆────────────────────────────────────
可もなく不可もなく。 一気見してるのもあるが特に特出すべき点は無し



◆ 作画 声優 ◆─────────────────────────────────────
絵は安定しています。 キャラデザ好きだし可愛いとは思う。

声優さんは詳しくないですが、特に違和感は無し



◆ 総評 ◆────────────────────────────────────────
妹ちゃんが結構癖ッけが強くて
言動が伝わりにくいので感情がわかりにくいです。後半はマシになりますが
それに合わせる主人公でもあるんで、
視聴者は蚊帳の外で置いてけぼりになるときもあり

下手に妹の味付けしたせいで、
せっかくの性格面倒な姉も変に薄くなってる印象

母親似の姉、趣味話が通じる妹ってぐらいが良かったかな

悪くはないんだけど、うーんって感じで
雰囲気も明るめなシーン少ないから見るタイミングは計るべきでしょう
一応最後まで見る予定です

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

58.4 8 2024年度の人生アニメランキング8位
ぶっちぎり?!(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.8 (70)
170人が棚に入れました
―逃げぬ心と見つけたり―灯荒仁(ともしび あらじん)は、かつての親友浅観音真宝(あさみね またから)との再会をきっかけに強者たちの戦いに巻き込まれていく…。そんな中、巨大な魔人の影が現れ…?! 監督・内海紘子、シリーズ構成・岸本卓、キャラクターデザイン・加々美高浩、制作・MAPPAが送る、ヤンキー×千夜一夜物語!
ネタバレ

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

作画と音楽は◎だが、何がしたかったのか分からない期待ハズレな作品

2024/04/09 視聴完了 全12話

最後まで見ましたが、この作品の伝えたいことが掴めないまま終わりました。ヤンキー×アラビアン風の目新しい題材でしたが物語のせいで面白くなり損ねた感じ。全12話あるけど、話の積み重ねがないのが問題だと思う。
後半から一気に話がシリアスになりますが、前半の流れガン無視で主人公と幼なじみの話に焦点がうつるので、前半なんだったのという感じ。結局本気人(ほんきびと)ってなんだったんだろう。{netabare} 目立ってたヘッドの摩利人もあっさり退場だしほんと謎。 {/netabare}

主人公は、童貞を捨てたい!という強い思いを持っている設定ですが、強者のヤンキーたちに気に入られるという、ヒロインのような扱いでBL匂わせを感じました。脱童貞を掲げるキャラにありがちな貪欲なスケベ心もないし、スケベだけど芯があるというようなキャラ設定でも無い。影があまりにも薄い主人公で魅力に欠けていました。可愛い母親をババア呼ばわりしていたのも好きじゃない。
ヒロインも見た目は可愛いけど、極度のブラコンの変態で口が悪いというだけであまり惹かれる要素がない。
制作側が特に気に入って力を入れていたであろうヤンキーのヘッド摩利人は、かなり作画コストかかっていたし出番も多かったけど後半からの扱いが雑で残念。

魅力的になりそうなキャラはたくさんいましたが、物語が良くないので活躍の場もなく結果イマイチな感じなってしまっていました。

さすがのMAPPAと言うべき素晴らしい作画とキャッチーな音楽、声優のキャスティングもベテランから中堅勢、若手と幅広く起用していたのにも期待度高まっていたのに、結果面白くならなくて残念でした。物語をもっと練っていたら面白くなった気もしますが、期待ハズレな作品となりました。


⬇️以下途中レビュー
2024/01/18 1話視聴レビュー。
MAPPA制作のオリジナルアニメーション。

ヤンキー×アラビアンな作品。
レベルの高い作画で描かれる昭和感強めな作風が目新しい。
一部の女子に物凄く刺さりそうな雰囲気がある。
ヤンキーものなのにファンシーさも出してるこの感じ、化けそう。
今の所、ダサさ7割、面白くなりそうな予感3割な感じだけど、今後に少し期待して継続視聴してみたいと思います。

2024/03/11 8話まで視聴
ここまで見たけど中々面白くならない。もうダメかも。主人公の影が薄いし、ヒロインの魅力も欠けてる。力の入れどころに疑問を感じます。せっかくだから最後まで見るけど、今後面白くなることは無い予感。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 13

たナか さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

推しグッズ広告動画

東リベに続け!なヤンキーバトルイケメンアニメ。
やや懐かしいノリの悪ガキバトルにファンタジー要素をプラス。

東リべだとツラい層に向けたライトなヤンチャキッズのグッズ広告動画。
推しチーム人気投票!グッズたくさん!楽曲も買ってね!と搾取ビジネス臭が凄まじい。
これ大丈夫なの?と思ったがターゲット層の養分たちには好評なようで良かったですね。

威血頭(いちず)高校に転入した心優しいDTの荒神。魅那斗會(みなとかい)とシグマスクワッドの勢力抗争に巻き込まれる中、不思議な魔人との出会いにより彼の運命は大きく狂うことになる。

OP・映える見栄切りのカッコ良さはさすがMAPPA。好みではないが曲も合ってる。
ED・クセになる良曲。劇中ぶっちぎりでゲスいまほろが京アニヒロインっぽく見えて面白い。

05
よく言えば丁寧…なのか…

前回のヒキで一夜の匂わせ、今回で多分シンドの中にいる…はず程度の進展とシンドの回想説明回。一夜の登場引っ張りすぎでは?千夜とのシンクロ率が上がったのは愛こそ全て的な?ヤンキーやアラジンといったモチーフも古ければ、今時のサクサクファストアニメを否定しているようなじっくり進行の話運びまでもが昔気質。世代交代が進んでないのがよくわかる。

ツイッターでは養分たちがキャッキャとハシャいでるのでこれはこれでいいみたいです。
話がぜんぜん進まないのでもういいかな。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ヒロインがアバズレ!今更ヤンキーかよ…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.04.07

 ヤンキーアニメなのに、人間以外が表に出てきてバトルするので、何やってる感が強いです。

 ヤンキーモノの定型で、地元の仲間が一番大切みたいなオチなのも既視感しかありません。

 アラビアンナイト的なキャラ設定も上手く機能していません。作画がとても良いので、もう少し、面白そうな企画は無かったのかな?と不思議に思います。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.02.05

 こんなんウケると思ったんか?東リベがヒットしたけど、アレは、ダラダラと喧嘩に明け暮れたり、非生産的な生活を送っているヤンチャな下層階級を描いた純粋なヤンキーものではありませんよ?

 社会の脱暴力化が進んで、ヤンキーの就職先のヤクザも非合法化された現代に、こんな高校生いませんよ。

 たくましいワルガキ男子がバトルしているのを観て喜ぶ層はいるそうですが、もはや一般ウケはしないジャンルです。

 しかも、ヒロインの性格が悪い…。まぁ、ヒロインも本当は容赦無いDV彼氏になりそうなコイツらが好きでは無いのかもしれません。

 どういうヒットの方程式で作ったのか不明ですが、時代錯誤すぎます。マーケティングとか機能してるのかな?

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6

66.8 9 2024年度の人生アニメランキング9位
戦国妖狐 千魔混沌編(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (34)
115人が棚に入れました
時は永禄七年。 その戦国の世に人があり、闇があり、人を喰う闇があり、闇を狩る人があり、 手を取り合う、人と闇があった—— 人間好きの妖狐・たまと、人嫌いな仙道・迅火の"義姉弟"が、「精霊転化」の力で、闇(かたわら)と戦い、乱世にはびこる巨悪を討つ!! 第一部「戦国妖狐 世直し姉弟編」 第二部「戦国妖狐 千魔混沌編」 迅火とたま、二人の旅の先にあるものとは…!? 疾風怒濤の戦国バトルファンタジー、ここに開幕!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

拳も含めて語り尽くす変則3クール構成

引き続き原作未読で視聴継続。

【物語 3.5点】
前シーズン第一部「世直し姉妹編」は1クール。
本作・第二部「千魔混沌編」は2クール。
一風変わった分割3クール放送となった本シリーズ。

単純に前後半で分割2クール構成にしたら、
中途半端な折り返し地点で、主人公が山戸迅火(やまとじんか)から千夜(せんや)に交代してしまう。
これらの懸念も解消するための変則分割3クール。

「千魔混沌編」は1クール目にて、千夜が8年歳を重ねる区切りもあり。
2クール目は、“無の民”らとの最終決戦を中心にひたすらバトル回が続く。
平凡な企画だと、「千魔混沌編」を1クールに押し込んで、
訳が分からないシナリオだったけど、戦闘シーンの派手さで強引に押し切った凡作に終わる所。

本作は最終決戦に入っても、戦いに参加する一人ひとりの人生をしっかりと踏まえつつ拳で語り尽くす。
本作も結局は、戦いばかりじゃ全て解決しないよね。
というありがちな結論にたどり着くわけですが、
バトルに話数を費やしているからこそ、そろそろ話し合おうかという流れも納得度が高い。

正直、BDも各部・上下巻BOX展開で販売数が計測不能に終わるなど、
商業的には成功とは言えない本作。
ですが、創作者サイドにアニメ化を待望されていたという本作は、
端から大きな人気獲得よりも、スタッフたちが納得行くアニメ化を目指した企画だったのかもしれません。

その意欲、人間も闇(かたわら)と呼ばれる妖怪の類も人生丸呑みする
大河ファンタジーのスケール感は存分に伝わって来る好感できるアニメ化でした。

理想を言えば連続3クールなら、私もよりドップリと世界観に浸れたのでしょうが。
企画都合に追われるように奇妙な所で話をぶった切る凡百の分割クール作品よりは、
シリーズ構成も工夫して作品の良さを引き出そうとする愛を感じました。


一方で、過去の水上 悟志氏関連のアニメ作品のように、
本作が、私の心の糧となるような芯を残していった作品だったかと言われれば、やや微妙。
もちろん、{netabare} 真介と灼岩の数年越しの再会や、神雲VS道錬の龍虎の拳の語り合い{/netabare} など、
各登場人物の矜持が示されるエピソードには心を揺さぶられるものはありました。

が、無の民が言う“運命力”の“特異点”となり得る千本妖狐奪取など、
シナリオの核心となる要素については、
{netabare} “運命力”の濫用による調整が、無の民破滅の過去を招いた{/netabare}
などの理屈は分かりましたが、イマイチ共感できない部分も。

これも視聴時の私の心境やタイミングもあるでしょうし、
見る角度を変えて、再見すればまた違った感動もあるのかもしれません。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・WHITE FOX

良好。

戦国時代に、巨大からくりロボのレーザービーム、
千手観音じみたバトル形態、
液体みたいに形状変化する、なうetc……。

戦闘シーン作画は、カロリー、対応力共にかなりの物が求められましたが、
同スタジオは質量共にクリアし、
水準以上のバトルアニメーションを常時供給し続けてくれました。

野暮な要望で恐縮ですが、私は、このスタジオに『惑星のさみだれ』を再アニメ化して欲しいくらいですw


上述の通り、8年経過するポイントでは、各キャラの成長した姿の新規デザインも求められましたが、
膨大なデザイン量にも応えられる兵力も有していました。
{netabare} 純粋な少女だった月湖ちゃんも、やがて日本酒でほろ酔いするお姉さんに成長するのですw{/netabare}


【キャラ 4.0点】
弱い人間から強い闇(かたわら)になりたかった第一部主人公・山戸迅火(やまとじんか)
千本妖狐に成り果てた迅火を、闇から人間になりたい第二部主人公・千夜が殴りに行く。
メインキャラの交錯で一本軸を通す構図。

ムドなど、殴り合った強敵(とも)が、後年、憎まれ口を叩きながらも、
力になってくれる辺りも王道展開。


液体動物状の闇(かたわら)なう。
機械的な喋り方(CV.豊崎 愛生さん)で語尾を“なう”で締める姿を見ていて、
私もTwitterで“〇〇なう”とかツイートしていたの、
もう随分昔の話だな~とたそがれてみたりw

その他、闇(かたわら)では緑のドングリみたいな形状で色んな修羅場に出没し、
悪知恵を働き損ねるタゴの小物感が地味に好きw
シリアスな中で、コメディリリーフで、ガス抜きするキャラ要素があったのも、
長期バトル完走を支えてくれました。


こんな漫画な戦国時代に、史実など絡んでこないだろうと高をくくっていたら、
足利義輝の永禄の変がガッツリ関わって来て尊氏、狂喜なうw

しかも義輝を格好良く描いた大河ドラマ『麒麟がくる』よりも、
さらに雲の上を目指す高潔な理想を持った漢として美化した上に、
{netabare} 横死の回では特殊ED・BGMまで頂いちゃって。{/netabare}

『逃げ上手の若君』でも尊氏が暴れていますし、
令和の世に、いよいよ足利の時代が来てますね♪(どこにw)


【声優 4.5点】
第二部主人公・千夜役の七海 ひろきさんは元宝塚歌劇団・男役スター。
性別、年齢の枠を越える演技ならお手の物という特性で近年、声優として出演作を増やしています。

本作の千夜については、単に外見10歳から16歳程度に成長するだけなら、
幼少期と少年期で別のキャストを立てる手立ても考えられますが。
千夜は、成長後も、“幽界干渉”により精神世界に潜入する際は、幼少期の姿に戻ったりする設定。
これを一人一役で整合性を保って演技できる。
七海さんは、キャラ作りの面でも本当に重宝する“男役”だと思います。

そんな千夜に対する“トップ娘役”となったヒロイン・月湖役には内田 真礼さんで盤石。
ラスト、{netabare} 戦いの後、50年千夜と添い遂げた所まで、{/netabare} 人生を表現しきった演技お見事でした。

その他、己の身に人と闇(かたわら)両方の人格を宿した灼岩役の黒沢 ともよさんなど、
シリーズ通じて、スケール感の中で登場人物の生き様を体現する声優さんの妙演の数々が堪能できます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
私が名前を発見しただけで視聴動機となるくらい溺愛している作曲家。
心情が昂ぶる際の、オーケストラは相変わらず一級品です。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で和風対応も実証済みの同氏ですが、
本作はバンドサウンドもアレンジした、和風シンフォニックロックで戦国時代のバトルを盛り上げる。


OP主題歌はSTEREO DIVE FOUNDATION「KATAWARA」
アップテンポなバンドナンバーですが、
曲名以外は横文字を使わない、純日本語歌詞で主人公・千夜を謳った、
こちらも作品愛を感じる主題歌。

EDは1クール目が主演・千夜役・七海 ひろきさんが「夜の隨」で歌劇の実力も示す。

ED2クール目はRainy。「万里一空」
13歳でプロ歌手デビューし、現在は16歳の女性アーティスト。
時代は移り変わり、また凄い歌い手が次々と台頭して来ます。

ED両曲とも、千夜と月湖の関係を踏まえた上で聴くと味わいが滲み出てくる良バラードです。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

戦国時代を持て余し気味…。不快さは無いけど何かが欠落している不思議な感じを受けます。

 最終話(22話)まで観ました。2024.12.26

 無の民との因縁もサクッと片付き、強いけどバトルジャンキーでしか無い(雑なキャラ設定だな!)万象王も仲間にして迅火も助けてハッピーエンドでした。

 最終話はほぼエピローグで、キャラクター達のその後が描かれますが、ここまで観ると何となく感慨深いものがあります。

 戦国時代を舞台とする意味は全く無く、1期から続く果てしない茶番劇に付き合った末の感情とも言えるかもしれません。

 しかし…、迅火は何となく妖怪化して本懐を遂げましたが、もっと効率の良い方法があったのでは?妖怪と人間の差は何処にあるのか?妖怪を食えば人間も妖怪になれるのか?

 闇の世界(妖怪界)と人間界が近すぎ、戦国時代が終わってもそれは変わらない感じで、実は社会構造的には何も進展していないし、最終的にはバトルジャンキー的なキャラクター達しか最後までつるんでいないのは、戦国時代と妖怪という何でもありの設定に甘えたラストの様にも感じます。

 本作品のラストは、大河ドラマのそれで、時間経過によるキャラクター達の老化と死を描いた、結局は物語を畳むための皆殺しエンドの亜種でしかないのかもしれません。

 何となく最後まで観てしまいましたが、長すぎる茶番劇につきあうのは大変なので、オススメはしにくいです。もっとサクサク進んだ方が良かったかなぁ…。

……………………………………………………………………… 

 10話まで観ました。2024.09.21

 迅火を復活させるために、山の神の力が必要ということで、封印されていた千夜のドラゴン親父と戦うことに。

 親子の和解が…と、思ったらいつもの通り邪魔が入って…。原作も爆発的に人気があるわけではないくせに、少年誌的な尺稼ぎしてんじゃね〜よ!

 断怪衆との因縁もどこかへ行っているのに、目的不明な勢力が1期から引き続き介入してきたり、いい加減にして欲しい感じです。中国人とかにはウケるのか?

 どうせ真介連れてくるんでしょうが、何をやっているのか…。内容の無い話をこねくり回すのは、ラノベだけにしてもらいたいですね。
………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2024.09.01

 1期から引き続き、内容があって無いような物語が続きます。そして、完全フィクションキャラは当然の様に実在の人物をモデルにしたキャラに食われます。

 足利義輝みたいなドラマチックなキャラの前には、千夜や真介なんて道化以下ですね。

 感想としては、着流しで将軍様の前に出てくんな!そして妖怪いすぎ。史実を下敷きにする意味ある?日本風ファンタジーで良かったのでは?ダイナミックな歴史の潮流の前には、千夜達など小賢しいだけです。

 謎の五人衆も大したやつらでは無いし、迅火なんて今更復活させてどうすんの?

 千夜と月湖は時間経過と修行で強い大人になり、タマも成人体になってロリ成分皆無に…。

 世代交代(主人公交代)と時間経過で何かを誤魔化している感じしかしません。これは面白いんですかね?マジでもうワンクールやるの?本編よりそっちの意思決定の過程の方がドロドロして面白ろそうなんですが…。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

事情があるとはいえ、今作の主人公はなんか面倒くさい

前作を経て真介が大人となって師匠というか保護者枠になったあたりは剣術の腕も含めて成長したなぁという印象。主人公は真介曰く俺が10人束になっても敵わないほどの強さながら人間になりたいという願いから戦いをしないという縛りをしていて、それゆえに幾度も窮地に陥って、それをどう乗り越えるのかが見どころだと思っていたけれども…。

どうも、松岡禎丞扮する好戦的な悪役に対して5話で一転して戦う事になった理由がなんか釈然としないといいますか、屁理屈が過ぎるかなという印象でした。前作でのお涙頂戴なのもアレで微妙でしたが、今作の主人公は色々と矛盾というワードとは切っても切り離せない感じでちょっと感情移入は出来ないなと。

あと、戦国ファンタジーとはいえ、足利義輝公のように実在の歴史上の人物の名を使って物語に絡めるのはなぁと。キャラ的には懐が広く主人公らにアドバイスを与える等、何気に重要な役割を担っていただけに個人的には完全オリジナルのキャラクターの方が良かったかなと感じました。もっとも、ヒロインの月湖を作中で南蛮由来の衣装にさせたかったというサービス精神からだったら、その権限は将軍クラスでないと無理かと思われるのでちと納得ですが汗。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5

61.0 10 2024年度の人生アニメランキング10位
神之塔 Tower of God 工房戦(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (21)
88人が棚に入れました
衝撃的なラストシーンで幕を閉じた第1期から6年後、選別者にとって狭き門である20階に居たのは、何度脱落しても「塔の王になる」と挑戦を続ける男・王野 成(おうじ なる)。莫大な受験料のために借金を抱える王野は、最後のチャンスとして再び試験に挑戦し、そこで圧倒的な強さを持つ謎めいた長髪の男・ビオレと出会うが、ビオレは塔の支配者であるザハードに対抗する犯罪組織「FUG」のスレイヤー候補であった。

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

勿体ぶり過ぎて収拾がつかなくなった産廃アニメ

 最終話(13話、通算26話)まで観ました。2024.12.31

 工房戦終了!勝ったのか?色々な思惑が交錯しますが、交錯しているだけで、だから何やねんとしか思えません。早く塔を登って欲しいです。

 アクションも迫力が無いし、登場人物は無駄に多いし、視点もとっ散らかるし、相変わらずバトルに勝利しても主人公達の得るものは少ないし、仲間が増える以外にお話が進んでいる気がしません。

 こんなのに付き合っていいるほど人生は長く無いので、オススメ度は低いですね。

……………………………………………………………………… 

 7話(通算20話)まで観てのレビューです。2024.11.20

 2期との間隔が不明確な感じで14話から工房戦スタートします。が、いきなり拳銃を使ったゲームに脱線します。1期でもやった、王冠争奪戦みたいなので、勝つとアイテムをくれるそうです。

 くだらねぇ…。神の塔を登るのにアイテムが役に立った試しが無いし、結局試験官の気まぐれで全て進んでいくので、無駄なエピソードです。尺稼ぎもいい加減にしろ!

 何度チームの絆を確かめる展開をやるのか…。しかも、仲間が増えてるし、クンを活躍させるためだけのゲームかな?

 そして、1期の登場人物が出てきて、2期登場人物の影がさらに薄くなります。2期主人公の王野なんて、そこらのモブ以下じゃん…。

 話が進まねぇ…。ゴチャゴチャした奴らが争いますが、キャラクターが多すぎてワケがわかりません。1期のキャラ以外は別に全員どうなってもでも良い感じなのでバトルも盛り上がりません。

 工房戦てなんなん?多数のキャラクター達が裏切と協力を繰り返し離合集散しますが、色々な勢力が何のために戦っているのかが良く分かりません。

 もう、擁護不能なレベルで意味不明な争いを眺めているだけになっています。ラヘルはどうした?

 色々ぶっこみ過ぎて、収拾がつかなくなっています。しかも、原作が続いているので、完結もしない様です。

 原作はダラダラ続き過ぎてフェードアウト、アニメも完結せずに中途半端に終了コースまっしぐらですね。

 この手のアニメの評価は一つだけです。考察とか無駄だァァァ!純粋見る価値無し!大した話でも無いのだから、もっとスピーディーにやれや!

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

ミュラー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

1期と比べるとまだまだ

連続2クール放送だが、第2シーズンは「王の帰還編」と「工房戦編」からなる。
「工房戦」の方が、1期の懐かしいメンバーが出てくるので、面白い。
終盤になるほど良かったが、それでも1期に比べると、今一歩かな。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

タイトルなし

ラークちゃん推し

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

70.1 11 2024年度の人生アニメランキング11位
がんばっていきまっしょい(アニメ映画)

2024年10月25日
★★★★☆ 3.7 (14)
42人が棚に入れました
敷村良子氏による同名私小説を題材にした劇場アニメ化作品となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

頑張るってなんですか?(CV.雨宮 天アンニュイモード)

愛媛県松山市。高校の女子ボート部5人+男子部員1人らの青春を描いた、
敷村 良子氏の同名原作小説(未読)の劇場アニメ化作品(95分)
実写映画、テレビドラマ版も未見。

【物語 3.5点】
淡々とした青春作品の佳作。

特に“泣ける”とか、カタルシスなどは狙わず、
後から振り返った時、心に大切な何かを残す志向の作品。
いわゆる“つまらない邦画”の良い部分が滲み出た渋い一本。

主人公“悦ネエ”は小学校の頃は発育で先行し、何でもトップ取れる、クラスのリーダー格として活躍。
が、中学以降は周囲に追いつき追い抜かれ、凡才化。
以後、何事に対しても諦め癖が付き、怠惰な高校生活を送っている。

そこへ埼玉から転校してきた同級生女子が立ち上げたボート部に、
巻き込まれるように入部し、ボートに打ち込む内に、
徐々に負けた時の悔しさとか、頑張る意義を思い出したり。
ちょっとした思い込みから、ボタンの掛け違いが生じて、仲間とのリズムが合わなくなったりして、
やっぱり自分はダメなんだと思い悩んだり。

主人公の葛藤がドラマチックというより等身大。
ヒロインの心情を我が事として糧にできる。
五人の心を一つにできなければボートが前に進まない「一艇ありて一人なし」の精神が好表現されている。
この辺りが、本原作及びメディアミックスが30年近く語り継がれている由縁なのだろうなとは思いました。

最初、伊予の青空や海を全面に強調したビジュアルから、
何で夏公開にしなかったのだろうと不思議に思いましたが、
結局、本作は感動の夏!というより、
じっくりと青春を味わう読書の秋といった風情の文芸作品なのだと感じました。


構成は1時間半の中に、復活したボート部女子5人+元々活動していた男子部員1人の約1年間を粛々と押し込む。
とは言え、序盤、{netabare} “ダッコ”と“イモッチ”が前触れもなく教室に押しかけて来て、{/netabare} 秒で部員集結イベが終了しちゃった時は、
えらいハイテンポだなと、吹き出してしまいましたw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・萌&レイルズ共作による3DCG作品。

複雑な水の表現はCGならでは。
水面に映る艇と人物の揺らめき、艇のオールの動きに合わせた波紋の動きなどにリアリティがありました。

後は、伊予の海岸の夕暮れは綺麗でしたね。
“海の見える駅”梅津寺駅の踏切は絵になります。
ただ終盤の重要局面で、松山市駅の観覧車にまで乗っちゃうのは、
ちょっと聖地巡礼狙い過ぎな感もありましたがw

それ以上に私が評価したいのが人物の表情描写による心情の掘り下げ。
ボートに打ち込むに連れ、瞳の輝きのレベルから、
吹っ切れた良い表情になっていく悦ネエはベタですが心地良かったです。
私はライバル校のエース・寺尾 梅子の、こっちを気にしている感じの表情が好きでした。
で、やっぱり{netabare} 主人公が挫折した時、キッカケとなる忠言をもたらしてくれました。{/netabare}

最初はバラバラだったオールの動きが、どんどん一体になっていくなど、
映像から言葉以上に、ボート部員たちの成長の手応えを感じられる。
こういうアニメーションには、つい加点したくなってしまいます。


【キャラ 3.5点】
原作から“悦ネエ”などのニックネームは継承するものの、
姓名は一新しているという劇場アニメ版。

原作でも“悦ネエ”以外は掘り下げも少なく、
実写映画、テレビドラマ共に他のボート部員など
主人公以外は比較的自由に改変されて来たという本コンテンツ。

地元の有力企業の令嬢として設定された、兵頭 妙子こと“ダッコ”と井本 真優美こと“イモッチ”は、
仲良く喧嘩する、財力をバックに夏休みは合宿場所を提供するなど、
深夜アニメでもよく出没するカップリング造形。

顧問のじっちゃんにしても、ずっと黙ってボート部員の練習を見守り続けて、
終盤に決定的なアドバイスをする。で、{netabare} かつて国体チーム指導経験のあるスゲー奴だった。{/netabare}
という如何にもスポーツアニメ物でありがちなコーチキャラ。

そして美少女5人に囲まれる爆発必至なポジションにも関わらず、
ボート一筋で鈍感力全開な男子部員・二宮くんw

主人公こそ悩みを口に出して相談しない、
真意についても、表情から推し量る必要があるなど、
文芸作品ならではの繊細な乙女心を体現しますが。

キャラクター全体で見ると、部活アニメ物の一式揃ってますって感じで、
意外と私のような深夜アニメ脳でも付いていけました。

だからと言って、エロいシーンとか期待しちゃダメですw
本作は水着回も温泉回もない真面目な部活物ですから。

とは言え、『ラブライブ!』などの西田 亜沙子さんがデザインしたJKは、
やっぱり艶めかしいです。


【声優 4.5点】
三津東高校ボート部員
艇の先頭から順に、

コックス・佐伯姫“ヒメ”……伊藤 美来
ストローク・村上悦子“悦ネエ”……雨宮 天
3番・高橋梨衣奈“リー” ……高橋 李依
2番・兵頭 妙子“ダッコ” ……鬼頭 明里
バウ・井本 真優美“イモッチ”……長谷川 育美
(以上敬称略)

ナチュラルな演技もできる声優を追求してオーディション選出した結果、
結構な豪華声優陣に。

主演の雨宮 天さんの、心のモヤモヤを言葉にできない感じなども伝わって来ました。
クドいようですが私は、“ナチュラルな演技”くらい、俳優やタレントじゃなくても、今のアニメ声優ならばできると思うんですよね。

アフレコ初心者がよく躓くという、飲む息の中に心情を込める芸当も、この布陣ならば容易い。
それでいて“イモッチ”役・長谷川さんの語尾「~ですわ」のセレブな言葉遣いなど、
濃い目のキャラ作りにも対応する。
何より、コックス・ヒメ役・みっくの「キャッチ、ロー」などの掛け声。
声を張り慣れたキャストの指示は、部員にも心にも良く響きます。

拡大を続けるアニメと実写の中間領域においても、
演技面におけるアニメ声優の優位性が着実に高まっていることを実感する作品でした。

ただ、初日初回の劇場内、私含めて観客3人だけでしたがw
有名タレント起用して宣伝してもコケる。人気声優で固めてもコケる。
アニメ映画興行はごく一部の大ヒット作以外は閑古鳥な難しい企画です(苦笑)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林イグネル小百合氏。
ベースとなる北欧音楽の優しい音色を軸に、
時に女性ボーカルバラードも交えつつ、伊予の風情を演出。
一方でボート競技シーンでは疾走感のあるストリングスで押して来る、
攻守にバランスの取れたBGM。

意外性は「野球拳」のフレーズが随所に挿入されたこと。
私も本作で聴いて調べて初めて知りましたが、
そもそも「野球拳」とは愛媛県松山市の伝統芸能が本元の踊り芸とのことで。
お馴染みのメロディが流れても誰も脱いだりしませんのでご安心?下さいw


主題歌は、僕が見たかった青空「空色の水しぶき」
個人的にプロデュースするアイドルのメンバーがピチピチ(死語w)の10代の内は、
作詞の筆も走る印象の秋元 康氏。
本曲も、オールや“がんばっていきまっしょい”を歌詞に入れて来るなど作品解像度もまずまず。
そんなに宇宙的に歌詞を捻らなくても、ベタな言葉で良い青春曲は書けるという感じの佳作。

秋元氏は、眩しいJKの青春劇に、さらに興が乗ったというわけでもないでしょうが、
同グループによる挿入歌「マイフレンズ」も作詞提供。


ところで脱線しますが、乃木坂の“公式ライバル”として昨年デビューしたという僕青。
乃木坂がAKBの公式ライバルという設定は一体どこへw(別に無くなったわけでもなくライバル設定は共存しているらしいですが)
私も、2.5次元ばかりに入り浸ってないで、3次元アイドルの方も、そろそろアップデートしとかないとと、ほんのり危機感を覚えましたw

投稿 : 2025/04/05
♥ : 13

pMzNC26468 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

声優の無駄遣い

作画や声優、音楽とお金をかけてる感じは凄くするけど全て噛み合ってなくてテンポ感のズレからくる気持ち悪さが全てを台無しにする

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1
ページの先頭へ