ラノベ原作で冒険なTVアニメ動画ランキング 53

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のラノベ原作で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年07月06日の時点で一番のラノベ原作で冒険なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.2 1 ラノベ原作で冒険なアニメランキング1位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1170)
5477人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

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18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


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17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

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16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
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15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


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物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/07/06
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

最高のリアルが向こうから会いに来ない

4話までの感想{netabare}
盾職が主人公の作品と言うと…“アブソリュートデュオ”と“ドルアーガの塔”くらいしか思い出せないや、それくらい珍しいケースだとは思う。
あとは「盾なのに○○」ではなく「盾だからこその○○」が描かれてたらいいなぁ~って感じで見てます。
ただねぇ、噂で耳に入ってくるのは芳しくない情報が多く、それに惑わされて色眼鏡で見るようなことはしないぞ、と自分に言い聞かせてはいるけどなかなか難しい。
その一方アニメの範囲は「つまらなくなる・馬脚を顕す」前までではなかろうかってのも聞いてて、あ、それだったら大丈夫かな?とも思ってたり。

内容は…まぁいいんじゃない?
主人公が謂われなき不遇に遭うけど、これで不快不快言う人は多分“世界名作劇場”を見れない。
最後いけ好かない連中の鼻をあかす展開になると思うので…もしならなかったらそれはそれで凄いけど。
むしろ主人公がそこまで性格捻くれるほど・味覚障害起こすほどの目に遭ったかなぁ?と思わなくもないけど、これは既に主人公が「異世界転生モノ」の作品を幾つも知ってて勝手に期待していてそれが裏切られたからだろう、と思って納得させてる。
それと召還された勇者が全員日本人って件。
日本人は日本人でも全員パラレル日本で、召還した時の座標が同じだったって思えばそこまで不自然でもないかな?

そんな感じでだらーっと見ながらの4話。
うっわ、分かりにくっ。
実際のラフタリアは大人になってるけど主人公視点では子供のまま。
味覚障害もそうだけど心を閉ざして外部の情報をマトモに受け付けられなくなってた(ラフタリアの説得をなかなか聞こうとしなかったのもそのせいだろう)って表現だと思うのだけど、テキトーに見てると時間が飛んでるかのような錯覚を覚える。
テキトーに見てた自分が悪いですね、ハイ。
とはいえ、剣と弓の勇者が不正を告発して、その件がどうなったかは有耶無耶になってる気がするのでやっぱり時間飛んでる感。
自分を笑ってた貴族は主人公の被害妄想が生んだ幻影?
「実際」と「主人公視点」が混ざり合っててなんかようワカラン。

以上は1回見ただけの感想なので、もう一度見返しての感想追記するかも。


追記
もう一回4話見直して来た。
↑と繰り返しになっちゃうけど「実際に起きてること」と「主人公が認識してること(主人公の視点)」には違いがあり、これを理解しないで見ても意味不明だと思う。
ラフタリアが大人か子供かで見分けは容易だけど、そもそも描き分けがされてることにも気付いてない人居そう、自分も危なかった。
具体的には主人公の認識では奴隷の呪いを解除されたラフタリアはなにか一言言ってプイと後ろを向いて立ち去ってしまったことになってる。
実際は槍の勇者にビンタかましてるんだけどね。
更にその後、裏切られたと思った主人公は「こんな世界は滅んじまえ」と言って「カースシリーズの条件が開放されました」って画面が出る。
その後言い寄るラフタリアを頑なに拒否したのは以前からの認識障害だけでなく、盾の効果も加わってた?
認識障害自体は味覚が無いことで表現されてはいたけど、気付かなかっただけで4話だけじゃなく3話もなにかトリック仕掛けてあったりして?
4話最後ではその認識障害も治ってメデタシメデタシで、今後はこの妙ちくりんな表現は無くなるのかな?
なんなんだろうね、心理表現をどうにかしようとしたらこんなんなっちゃったのかな?良い悪いはなんとも言えん。

ってよりも、ひょっとして…盾の勇者の真価を発揮させるには何個かある「ほにゃららシリーズ」の開放が必要で、そのために王様はワザと追い込む真似をした。
なーんてことは無いよ、ね?まさかね?
もしそうなら決闘の不正が有耶無耶になったのも納得できてしまうのがコワイところ。
あ、噂は聞いてるけど内容は全然知りません、念のため。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
なんか4話がピークでそれ以降パっとしない話がダラダラ続いてるだけのような…それだけだったらまだ良いのだけど…。
個人的に「バイバイキ~ン」ないし「ヤなかんじ~」ってノリで空に飛ばされてキラーンってなるのってツラい。
ギャグならまだしも、普通のストーリーものだと「それが出来るならとっ捕まえて吐かせろよ」と思ってしまってホントツラい。
お前あかほりかよと、4クール作品かよと。
結局謎を引っ張るのにお手軽で都合のいいテクなだけで、真面目に話を考えてると思えなくなってしまう…からだと思う。

それでもボケーっと観てたら18話、黒幕と思しき教皇が再登場。
そしてご丁寧にも「ワタシが犯人です」と自供してくれました。
ぐへぇ、このパターンか!
今までダラダラやってきた出来事から証拠を繋ぎ合せて黒幕に到達するんじゃないのか。
こういうのって最近では“シリウス”でもあったけど、聞いてもないのにベラベラ喋るのはやっぱどうしてもう~んと言わざるを得ない。
これが一話完結モノで「その回のウチに陰謀を暴く」ってのならまだ分かるんだけどさ、時代劇でよくある「冥土の土産に教えてやろう」っての。
けど何話も引っ張ってコレってのはなぁ。
こういうパターンな場合は視聴者に伏せて引っ張るよりも、とっとと明かしてキャラクターは知らない体で話運んだ方が良いと思うのだが…。
しかも19話では後から駆けつけてきたレンとイツキがわざわざ敵の斜線上(クレーターの中)に集まる始末。
…。
どうしちゃったんだ?スタッフ力尽きた?原作からこうなの?{/netabare}

21話までの感想{netabare}
奴隷紋便利過ぎ!!
↑で書いた様に教皇が突如自供始めた段階でイヤな予感がして、21話の裁判もまぁ便利能力でお手軽に汚名を晴らせてしまいました。
やっぱ雑に感じるなぁ。
そりゃね、あんな世界だから平民の証言集めても意味が無いのかも知れないけど、個人的には自白剤使わずに証拠を集めて叩きつける展開にして欲しかった。
そうじゃないと5話以降の中身何だったんだよとなってしまう、退屈な話を見た甲斐が無くなってしまう…ってそれも↑で書いたか。
どうしても1話の段階で自白剤使えば良かったんじゃんってなるし、バイバイキ~ンしたのはやっぱり悪手だったということになるし(とっ捕まえて吐かせろよとずっと思ってた)、自白剤投与できるだけの「お膳立て」を揃えてくれたのも王女の鶴の一声にしか思えない。
それまでの主人公の努力が実を結んだって気がしなくてう~んう~ん…。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ん?あれ?
死刑を回避したことでまた厄介ごとが増えるのかと思ったらそうじゃない?
また、「なんで王様がそこまで盾の勇者を嫌ってたのか」の話をするのかと思ったらそれも無いっぽい。
相変わらずビッチは毒盛ったりして関係が改善もしなければ悪化もしない、変化が無いというのはどういうこっちゃ。
ってか情状酌量というか執行猶予というか…とりあえず再犯じゃん。
もう死刑は免れようが無いんじゃね?と思ったらどうもそうでもないっぽい。
…?
結局尚文の取った選択って、あんま言いたくないけど、良い悪いは置いといて戦争を知らない平和ボケした現代日本の価値観から「ギロチンコワイ」となっただけにしか思えない、良い悪いは置いといて(二度目)。
それに対してあの世界の価値観と摩擦を起こすことで問題提起する展開ならまだしも、23話まで見た限りそうじゃないっぽい。
…人が死んでるの沢山見てるんじゃなかったっけ?
どうしても死刑にできないのなら、再犯したら片腕落とすとかビッチは顔焼くくらい当たり前の世界だと思うんだがなぁ、罪人の刺青すら無いのん?
もっと言えば奴隷紋なんていう便利機能があるんだから心を入れ替えるまで鞭打ちとかすればいーじゃん、死ぬまで改心しなかったらそれは仕方ないってことで。
ってか思想警察居ないの?盾の勇者の誤った噂なんかしようものなら死刑でいいじゃん、もう、面倒臭いなぁ。

このアニメを大人向けだと評してるのを目にしたけど、個人的にはむしろキッズ向け、バイキンマン反省しないじゃん?
「人の話を聞かない」で間を持たせるのも1年以上放送するホビー系アニメじゃ日常茶飯事で、深夜アニメしか見てない人には新鮮に映るのかなぁ?と真剣に悩んでしまったり、煽りじゃなくて。

でもって23話、実在してないゲームのレベル上げだのアイテムだのモンスターの経験値だの設定の話をダラダラされても、その…ゲーム実況見たほうがマシな気が。
ってかそれをこのタイミングでやる!?
ここへ来て新キャラ登場もそうだけど、放送あと3年くらい続けるのかな?{/netabare}

25話までの感想{netabare}
なんか「おおおええああええ~」って歌いたくなる設定が飛び出してきて吹いた。
こんな終盤でソレ!?今のボクには理解できない(アニソーンアーニソーン)。
でもって他の勇者達と和解に向けた素振り・ヒント出しすら無いままエンド。
わぁい。
これ言うとどうせ老害とか言われるんだろうけど、こういう話(団結しないといけないのに足踏みが揃わない)って過去にいくらでもあってさぁ…。
えーっとマンガ版の幻魔大戦がこんなんじゃなかったっけかなぁ、超能力戦士が団結しなきゃいけないのにやってることは基本内ゲバ。
そんなの面白いワケもなく打ち切りでね、石森章太郎であっても。
ってかこの設定だったら勇者の一人が別世界のスパイやっててようやくイッパシの物語の体で…原作ではどうなってるか知らないけど、アニメそこまでやってくれないと「一つの作品」として至ってないというか…。
実は王様は向こうの世界の出身でもいいぞ、それくらいやってくれよと。{/netabare}

総評{netabare}
4話がピークでそれ以降は下降線。
“デジモンアドベンチャー02”のデジモンカイザー編だけ見せられた感じ。
話ブツ切りでもせめてカタルシスパート入れてくれよって気持ちだけど、それすら無い。
ってかこれ成り上がりじゃないよね?
本来勇者として相応の地位を与えられるところをなんやかんやで奪われて、それを取り戻しただけのような…。
成り上がりってのは元々無いものをもぎ取ることじゃない?
例えば皇位継承者が一度失脚して、返り咲いて即位したら成り上がりと言うか?というと、う~ん。
どこの馬の骨とも分からんヤツがあの手この手で玉座に就いたら「成り上がり」になるけどさ。
本来勇者に与えられる地位以上のものを手に入れたら成り上がりと言っても良いだろうけど…。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 17
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

2019年個人的一番にしとこう←まだ早いだろ

この作品にはものすごく感情移入してしまった。個人的どストライク。不遇な環境の中で誤解され蔑まれても地道に動き続ける奴はかっこいいし、それを認めてくれる信頼できる少数の人間がいるのは非常に有り難いこと。
1話~4話にかけて本当に涙が止まらなかった。4話は傑作中の傑作だったのではないかと思う。{netabare}異世界に勝手に召喚されたうえ、パーティーに加わるふりをしたマインに強姦の罪をでっちあげられ、国王には最初から理不尽な扱いをされて誰からも信用されていない尚文が人間不信になり、味覚がなくなるくらい心が荒んでいたところ、奴隷としてではあるが、ラフタリアと出会い、最初は自分が防御しかできないことから攻撃手段として育成しようくらいしか思っていなかった。そこに元康から決闘を申し込まれマインによる魔法攻撃を食らったために敗北を喫し、勝手にラフタリアの奴隷契約を解除されたシーンが辛さと怒りが半端じゃない。でも、解除されても側にいて抱きしめてくれるラフタリアと安心しきった尚文を見て3話までも泣けたけど、頂点に達した。{/netabare}劇場版ならここがクライマックスで終わりだけど、25話あるからしょうがない。とはいえ、好きです。地道な活動を続けたり、商才を発揮したり。それでも一度着せられた汚名は中々返上できないのが辛かった。主人公の性格が一番最初とは全く違っていて兎に角びっくり。

俺強ええというよりは周囲が弱いっていうのはあった。敵は強いのに盾以外が情けない。槍の勇者元康には特にイライラさせられた。なんで弱いのにそんなに上から目線なんだよ。マインにも早く成敗されてくれと念じながら見ていた。{netabare}やんちゃで教養がないために第一王女なのに第二王女のメルティが王位継承権一位。それを奪うために槍・剣・弓を崇拝し、盾を悪魔と呼ぶ宗教を利用して尚文を陥れ、かつメルティ暗殺を目論むわけだが、教皇の暴走もあって失敗する。そして、父である王とともに処刑されることに。処刑を決めた女王の気持ちは辛かっただろうが、尚文の温情で本名マルティはビッチ、冒険者名マインは阿婆擦れに。王の名前はクズにされる。処刑免れて改名させられたのに堂々としているのは凄いもやもやするけど、最後のほうにようやくすっきりできたかな。{/netabare}

瀬戸麻沙美の声が終始可愛かった。フィーロも可愛かった。あとはなんといっても女王がセクシーだった。安定の井上喜久子ボイス。母と言えば井上喜久子。いつものことだが17歳とは思えない妖艶な声。

{netabare}ラフタリアの故郷の領主となり復興して拠点づくりして{/netabare}俺たちの生活はこれから始まるっていう終わりかたも好きだった。

続きが気になるけど、かなり成り上がったからさらっと流す感じで制作してほしい。


OP
RISE 歌 MADKID
FAITH 歌 MADKID
ED
きみの名前 歌 藤川千愛
Falling Through Starlight 歌 瀬戸麻沙美
あたしが隣にいるうちに 歌 藤川千愛
挿入歌
Cold Illusions 歌 Gyan Greaves
ED好きだった。アニメの内容に合致しているし、頭に残るメロディ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ごく平凡なオタク大学生・岩谷尚文は、図書館で出会った1冊の本に導かれ異世界へと召喚されてしまう。与えられた使命は、剣、槍、弓、盾をまとう四聖勇者の一人「盾の勇者」として、世界に混沌をもたらす災い「波」を振り払うこと。大冒険に胸を膨らませ、仲間とともに旅立った尚文。ところが、出発から数日目にして裏切りに遭い、金も立場もすべて失ってしまう。他人を信じられなくなった尚文は奴隷の少女・ラフタリアを使役し、波に、世界に、立ち向かおうとするが-。果たして、この絶望的状況を打破することはできるのか?すべてを失った男の成り上がりファンタジー、開幕。

1. 盾の勇者
図書館で『四聖武器書』という本を読んでいたところ、突如として異世界へ召喚された大学生・岩谷尚文。伝説の勇者の一人「盾の勇者」として世界を救うことになるが、ある朝、金と装備が盗まれてしまう。

2. 奴隷の少女
奴隷商に案内され、自らの剣となるパートナーを探す尚文。だが、手持ちの少ない尚文が買えるのは、病を患った亜人の少女のみだった。尚文はラフタリアと名乗る生気のない少女に、過酷な戦いを強いる。

3. 災厄の波
様々なスキルと技能を習得し、ラフタリアとの連携も抜群によくなった尚文。迫りくる波に対抗して武器と防具を新調し、波の刻限を示すという龍刻の砂時計へ向かう。すると、そこへ元康たちがやってきて……。

4. 暁の子守唄
波が去ったのも束の間、メルロマルク城での祝宴のさなか尚文は元康から決闘を挑まれてしまう。奴隷を使役するのは勇者にあるまじき行為であり、即刻、ラフタリアを解放せよというのが元康の言い分なのだが……。

5. フィーロ
オルトクレイからなけなしの報酬を渡された尚文は、ラフタリアの要望で再び奴隷紋を入れ直した。数日後、奴隷商から購入した魔物の卵くじも孵化。新たな仲間を加えるが、滞在中のリユート村にマインが現れ……。

6. 新しい仲間
謎の少女の正体はフィーロだった。フィーロは変身能力を持つフィロリアル・クイーンであり、人間の姿にもなれるという。しかし、変身のたびに服が破けるため魔法の服が必要に。尚文は素材を求め、新たな冒険に出発する。

7. 神鳥の聖人
除草剤を必要としている村があると聞き、行商に向かう尚文たち。村は魔物化した植物に飲み込まれ、住民は避難を余儀なくされていた。人間にも寄生するこの植物、どうやら原因を作ったのは元康のようで……。

8. 呪いの盾
疫病に苦しむ東方の村の話を聞き、薬を届けに行く尚文たち。疫病の原因は、1ヶ月前に退治されたドラゴンの死骸が適切に処理されぬまま腐敗してしまったためだった。死骸処理の依頼を受け、尚文たちは山を目指す。

9. メルティ
東方の村で、尚文はメルティと名乗る少女に出会う。フィーロとすぐに打ち解けた彼女は、一緒に王都に行きたいという。どうやら護衛とはぐれてしまったらしい。しぶしぶ同行させるのだが、王都で待っていたのは……!?

10. 混迷の中で
メルティを拒絶した尚文は、粛々と次の「波」に備える。協力したいという少年兵を条件付きで受け入れ、加えてレベルアップしたラフタリアをクラスアップさせようとするが……そこに王の嫌がらせが待ち受けていた。

11. 災厄、再び
辺境の村で新たな「波」を迎え撃つ尚文。志願兵の協力もあって村人の安全は確保したが、「波」はいつまで経っても収まる気配がない。尚文がほかの勇者の援護に向かうと、そこには巨大な幽霊船が浮かんでいて……。

12. 漆黒の異邦者
ソウルイーターを一撃で仕留めた謎の少女、グラス。「真の波の戦い」を始めると告げ、最初に攻撃を仕掛けた錬、元康、樹を圧倒する。尚文たちの連携技も通用せず、満身創痍の中、尚文は再び憤怒の盾を使おうとする……。

13. 盾の悪魔
メルティへの攻撃を防ぎ、騎士団を追い返した尚文。しかし、メルティ誘拐と騎士殺害の濡れ衣を着せられ、逃避行を余儀なくされる。各地に厳戒態勢が敷かれる中、尚文たちに追い打ちを掛けるような事態が発生する。

14. 消せない記憶
山火事を起こすというマインの暴挙により、麓の村まで逃げてきた尚文。しかし、騎士団の包囲網を突破するのは簡単ではない。メルティは知己の貴族を頼ろうとするが、ラフタリアにとってここは因縁の地域で……。

15. ラフタリア
イドルを追い詰めるラフタリア。その瞳には復讐の炎が灯り、殺意を帯びた切っ先がイドルののど元に突きつけられる。尚文の言葉で一度は怒りを飲み込むが、イドルが再びラフタリアに襲いかかろうしたそのとき……。

16. フィロリアルの女王
衰弱した子どもたちを連れた尚文にタイラントが襲いかかる。フィーロが狙われていると気付いた尚文は、フィーロに乗ってタイラントを街の外へおびき出すが、正面から戦ってもダメージが通らず手詰まりになってしまう。

17. 紡がれる約束
四聖勇者が和解しなければ皆殺しにするというフィトリア。さらにメルティを人質にするという強硬手段に出るが、それでも尚文は和解を拒絶。その想いを汲み取ったフィトリアは、代わりにフィーロとの一騎打ちを提案する。

18. 連なる陰謀
勇者たちと話し合うため、尚文は正面から関所を抜けようとする。しかし、そこには一番話の通じなそうな元康が待ち構えていた。問答無用で襲いかかってくる元康。かつてないほどの殺意が意味するものとは……。

19. 四聖勇者
教皇が有するのは四聖武器の力を備えた究極の武器。その刀身から放たれる「裁き」と強大な魔力障壁を前に、尚文たちは為す術がなかった。窮地に陥る中、偽勇者として裁かれる側となった元康が驚きの行動に出る。

20. 聖邪決戦
教皇の「大聖堂」に囚われながらも、攻撃の手を休めない尚文たち。しかし、神聖な領域において呪いの盾は無効化され、あと一撃が届かない。尚文は新たに解放された呪いの盾を使おうとするが、竜の怒りに心を蝕まれて……。

21. 尚文の凱旋
ミレリアのおかげで一命を取り留めた尚文は、彼女から勇者召喚の真実と盾の勇者が迫害される理由を聞かされる。そして、尚文の冤罪を晴らすというミレリアによって、オルトクレイとマインの弾劾裁判がはじまる。

22. 勇者会議
紆余曲折ありながらもクラスアップを果たした尚文たち。三勇者とともに祝賀会という名の会談に参加し、いわゆる「ボーナスステージ」の存在を知る。一方その頃、ラフタリアは祝賀会場で揉め事を起こしていた。

23. カルミラ島
カルミラ島に向かう船の中で再びラルクに遭遇し、尚文はペースを崩されながらも、気さくな彼と徐々に打ち解けていった。経験値稼ぎに、賑やかな食事。この世界にきて初めてと言えるくらい充実した時間が流れていく。

24. 異世界の守護者
海上で波を迎え撃つため、メルロマルクは大艦隊を編成する。女王自ら指揮を執るが、三勇者は相変わらず役に立たず、尚文たちが孤軍奮闘するばかり。尚文はラルクとテリスの協力を得て波に対抗するのだが……。

25. 盾の勇者の成り上がり
グラスは異世界の勇者を名乗るラルクの仲間だった。尚文は強烈な連携攻撃を耐え凌ぎ、一騎打ちでグラスに肉薄するのだが……。本当にこの世界を守りたいのか、尚文はグラスとの戦いの中で己の覚悟を問われる。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 14

87.7 2 ラノベ原作で冒険なアニメランキング2位
転生したらスライムだった件(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1370)
6364人が棚に入れました
スライム生活、始まりました。

サラリーマン三上悟は気がつくと異世界に転生していた。
ただし、その姿はスライムだった。
魔物種族と仲間となり、獲得したスキルを駆使しながら、
さまざまな問題を解決していくスライム創世記。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、花守ゆみり、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、田中理恵、日高里菜

leone さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

時々アニメでは、あまりにも友情が多すぎる時点が来ます。

時々アニメでは、あまりにも友情が多すぎる時点が来ます。つい数秒前まで敵だったキャラクター達が突然何の理由もなく大親友になる。悪意やわだかまり、猜疑心も何もない。何の問題もなく、ただ1つの幸せな大家族団らん。利便性的同盟もなければ、裏切られる恐れ、ゆっくりの関係の解凍もない。説き伏せて敵対関係から脱するという考えを理解できます、でもちょっと待て。一言二言を言うだけで、これでよしと、未来永劫親友同士のできあがり? これが完全に皮肉ではないと受け止めるべきですか?

そしてどうやらこれはすべて、新しいリーダーとして突然選ばれた主人公をめちゃくちゃ尊敬するらしいから。はい、そうです、彼らは真の愛であるリムル=テンペストを見つけた。彼への愛は余りにも莫大で、彼をはべるため、あるいは彼と友達になるために以前の怨嗟すべてをわきへやる事ができます。ナノ秒単位ですべてが許され、全員が完全調和として一緒に暮らすこたができます。2番目のエンディングがこの問題を如実に物語っている:ほぼキャスト全員が皆で楽しくやっている。何もかかっていない、何の対立もない。ただ毎日、四六時中バラ色で晴れやか。


リムルには人生の目標は何も持っていない。彼自身は何も欲していない、その代わりあちこちにさまようではゆきずりの人々を助ける。人々が彼の周りに集まっては、同様に彼らの有りふれた問題の助けに時間を捧げる。なお、これを非常に受動的な態度で行われている。何か新しいことが起こったとしたら、彼は反応、例えば理由もなく現れたジェネリック一般的悪役をぼこぼこにする。長期的な目標を獲得した時点でも、それらも単にほとんど知らない他者から預かれたもの。そのうちのひとつのケースでは、もちろんこれが筋書きを進めるための最適解だったらしい、その人の重要さをあらかじめ予言によって知らされていたのだ。このふたりは会ったことないにもかかわらず一緒になる運命なので、その理由は。。。運命か何か。

どうやって私がそのような人に共感できる?天使が羨望に赤面する、あまりにも利他的な主人公をわざわざ書いている。やりすぎたのだ。特にに危険に満ちた不思議で新しい世界には、このように振舞う人は実在しない、それでも、もし実在したとしてもそれはまったく感動できない人になる。人々は典型的な英雄主人公じゃない。人はよりきめ細かい、そして欠点を持つもの。想像してみてください、出会ったことがない適当な人達があなたの所に入り込んで報酬もなしに用事の助けをするように頼んでくる。これを繰り返しに。もちろん、彼らの要望を毎回律儀に行ってあげますよね?何の苦情もなしに、自分の願望を何も持てないに?

しないだろうと思います。なにせ、大半の人は天使ではない。


ちなみに、リムルの性格についてほとんど知ることはなく。これは私たちが知っているほとんどすべてです:

1)ある程度で二次元は好きで
2)適当な良きことを、適当なジェネリック悪役に対してしばしば行う。

乳腺を好むという事と、ジェネリック悪オーバーロードを嫌うという事以上、特に明確な信念または興味を持っていなさそう。それと積極的にワイフを探しているわけでもない。何人かは自分の意志で彼らと一緒に加わるが、彼女らの存在を楽しんでいるとしても、別に積極的一緒に行動したいや彼女らとの関係を発展させようとしているわけでもないし。こんなにたくさんのエピソードの後にも関わらず、何が彼に行動を起こさせているのかを未だわからない。ただ。。。受動的に時間を過ごしていると、問題の解決を彼に押し付けている周りの人たちの助けをしていることだけが。


転生の後、ほぼ瞬時にリムルは神のような力を手に入るので、彼にとってほとんど誰も大きな脅威となることはない。出生時に受け取ったチート能力のせい、ほとんど努力することもなしに。スライム ー 弱いはずだったモンスター ー は即座に神的なものなので、まるでスラームに転生したという点をほとんど無意味にする。圧倒的な力を持つ主人公を扱う方法があるでしょう。せめてそれに基づいた気の利いたセリフや一応まともな冗談を送る。チート主人公に関しての嫌みも。もしかしたら主人公が面白い使い方で能力を利用する、画策したり、困難な道徳的判断を下すとか。自分の冷酷さを強調することも場合によっては面白い。残念ながら、リムルは機械的情報の長文やジェネリック超利他的なセリフを好むので、ここにあたった。

圧倒的な能力と完璧な利他主義でキャラクターは困難な道徳的判断を回避できるため、ひどい組み合わせです。彼らは簡単な方法を取り、ほとんど努力をせずに何でも解決することができます。つまり、私たち全員がその例に従い、私たちが遭遇するあらゆる問題を解決すべきと暗示しています。 しかし、残りの私たちは神のような力を持っていないので、どうしてほしいていうの?時には難しい決断をしないといけない、それらはフィクションの中でも最も面白いものになる傾向がある。


残りのキャストは大抵、さらに酷い。先も言っていたように、ラムルは疑いもなく彼を崇拝するファンクラブに囲まれている。彼らは各エピソードの間に彼を何度も称賛することなので、すぐに飽きがくる、そしてこれはキャラクター間の対話をほとんど損なわせる。彼らもこれを超えた特性をほとんど持っていない。このファンクラブにはもちろん当然のことながら彼に欲望する女性は含まれている。本物のハーレムかどうかを議論できるが、どちらにしてもこれはファンクラブメンタリティの一種。これは実際の人々がお互いに話す方法ではない、少なくとも正直に話をしている場合。主人公を熱狂的ファンクラブに24/7囲まれているのを見たくはない。

敵対役はどういうわけかさらに酷い。基本的に2つの種類がある:

1)一般にアニメやフィクションの悩みの種である筋金入りのひげを生やしている黒マントの悪役。痛いほど明白に「悪」。何せ主人公が難しい道徳的判断を行うとか、このようなことはあってはならない。それに敵対役達はほぼゼロ性格描写とゼロ面白いセリフを貰うので。もちろん期待するほど無能ですから、ここも減点。

2)はなからリムルを敵対するつもりもない「敵対役」達。実際には、数分それを与えると、お互いは親友になっている。この心の変化の理由はそれほど些細なものであるため、最初から本物の衝突もなにもない。

このアニメはなんて勇敢な姿勢を取っている。良きものは善、悪しきものは悪。良きもの全員は主人公を好き。実際、ー 前に述べたようにーとにかく彼らは主人公と友達になっているため、悪者らしい奴らの多くは実際悪ではない。時には戦うこともなく。飴をいくつかあげてみてください、これで間に合うかも。ちなみに、この世界では 「魔王」は 「公式の友情使節」の略ですか?なにせ、ー登場する魔王達による判断ではーそう見えてもしかたない。なんてのんきな人達の集まりなのでしょう。何やら、なるためには「堕落」する必要があると言っていたのだけど、おそらく冗談と受け取っても差し支えない。


プロットにどう影響するか恐らく察することができるでしょう。敵は即座に友達になるため、作者は物語を進めるために何ができるかな?「新しい敵を突然出現させる」と推測し場合、正解だ、これが結果です。根本的なテーマやメッセージもなくて、プロットはあるポイントから別のポイントに突然移行し、出来事に考える必要な時間を与えることもなく。

リムルはジェネリック悪(または「悪」)役Aを倒す
- >
リムルはジェネリック悪(または「悪」)役Bを倒す
- >
リムルはどこかに旅して日常の用事Xを解決します。
- >
リムルはジェネリック悪(または「悪」)役Cを倒す
- >
リムルはランダム場所Yに移動し、複雑専門用語病気やらから連中を救い。

そして、これらすべてから何を得たのか?まとまったプロットではない、それは確かです。面白いテーマもない。


コメディーも同様に受けづらい。その理由の一部は私が延々と語るのと同じ友情。何千回も見たことあるどたばた喜劇と、同様に予想可能なジェネリックファンサービスで構成されている。あまり期待してはいけないことをわかっているが、このアニメはブラックコメディや容赦ない解説のほんの少し一片でさえも挙げることを恐れている。ここには嫌みや反語、あるいは最も単純な皮肉の一片もない。自己認識はない。見ることができる限りサブバージョンはない。既存慣行に対する愚痴はない。ここではすべてが明白で、額面どおりでとても陳腐ですが、コメディーはそれが意外と大胆であるからこそ効果はあるのだ。このアニメは安全であることを満足している。どんな形ででも波風を立てるを恐れて。結果として、明らかになろうとしている時でさえ、それは面白くない。

さらに、リムルの会話内容は、内的独白を含めて、めちゃくちゃジェネリックでドライに聞こえる。彼と彼の情報吐露説明能力 ーつまるところはロボット ーは単に周囲の出来事について説明し、個人的な観点やより深い思考に関してはほとんど提供してこない。世界観構築の間違った方法は単に情報をダンプして、「うーむ?、そういう事ですか。」で、それで終わり。もちろん、リムルはこの情報を利用して目の前の敵を倒すかもしれないが、これは常に非常に機械的で、ありのままな方法に行われる。戦術に関してはほとんどない。世界は明白に白黒であるので、どんな道徳的議論はさらに少ない、気まぐれの情報吐露はこれを助けるためにほとんど役立たないことになる。それも対話が書かれた方法に関する問題でもあり。台詞は単純化でありきたりな方法で送られてくる。せめて個人的なアイデアや気の利いた発言でそれを盛り上げてください、しかしもちろん残念。正しくは、リムルは時々ジョークを伝えようとするが、それらは上で概説した理由で失敗に終わる。


「でも明確な個人的信念を持つ主人公は困る。どうやって他の人が自己投影するのか?」

まあ、もしかすると自己投影は必ずしも必要ではない。しかし望んだとしても問題は逆。どうやってこんなにも受動的でイニシアチブを欠いてる人に自己投影すろのか?段ボールの切り抜きや白紙の状態で自己投影したくはない。

面白いキャラクターは実際に何かを信じる。人生に目標を持ってなお、それらを達成するのに苦労する。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

羊頭狗肉ってことなんかなぁ ※酷評注意

原作未読


ユルく楽しんで気にしなければよい。まあその通りなんですよね。ただ・・・

 これいつになったら面白くなるんだろう?

2クール。本編23話+外伝+閑話の計25話の物語。
2018年秋期開幕時点で、『SAO』『色づく世界の明日から』と並んで本命視されてた作品だったと思います。
受け止め方は漫画やラノベなど原作既読勢とアニメ勢とで差がある気がしてます。賛否両論ある本作について、自分は弾かれてしまった側でした。
鑑賞のお作法を知らないだけかもしれません。ネガティブに捉えてしまう事象が積み重なって何回かあった敗者復活のチャンスを自ら潰しちゃいましたって印象です。

2クールかけて平坦な流れ作業を追った感じと言いましょうか。以下、ユルく楽しめなかった理由です。


≪転スラがダメな3つの理由≫


■{netabare}【ホップ】{/netabare}スライムである必要あった?
まずはこれでしょう。転生したところでスライムじゃあお先真っ暗ですがな~の先入観をどう面白く覆していくのか?が皆無です。
{netabare}第1話でチートスキル連続ゲットといきなり最強となった日には、{/netabare}タイトルから想像するに、今後の物語の中で小出しにすればよいカードをいきなり捨てる行為です。タイトル詐欺と呼ばれた良作はこれまでもありましたが、本作はそれとは違う悪質なものを感じます。
モンスターの知名度ではトップクラスのスライムで客寄せして、店頭に並んでさえくれたらOK!と作者の安直さが透けて見えるのです。これはJAROの出番でしょう。
さらに、その後の展開の不味さでネガティブ評価が確定しました。

スライムの見た目だったり弱小イメージを全く活かせてないのです。
ゲル状で変身のエフェクトがかけやすいというのは他でも代替可能です。「このスライムごときが!」とは口だけ。{netabare}あっさり軍門に下るか、なぶる前にリムルの魔素量に実力を認めた状態から初対面、のどちらかです。{/netabare}
出オチと見せかけて実は、、、が無かったことでまさに“羊頭狗肉”の詐欺商売に堕してしまった感があります。
これならゴブリンでもドラキーでもおおなめくじでも、なんならミジンコやアリさん、出川○朗とかインパクトがあればなんでも良かったと思います。プロの仕事ではありません。



■{netabare}【ステップ】{/netabare}なんだこの安易な国造り
所感は以下↓
1.薄い 2.浅い

1.については過程を説明する時間が短すぎます。
{netabare}※()内は種族のリーダーさん
第2話  ゴブリン(リグルド)
第3話  我狼族(ランガ)
第5話  ドワーフ(カイジン)
第10話 オーガ(紅丸)
第15話 オーク(ゲルド) リザードマン(アビル)

シズさん回の第6~8話と、1クール終了間際の中締め回の第11~14話を除き、“強敵(または難課題)出現”⇒“リムルワンパン”⇒“仲間となり忠誠を誓う”の短いサイクルでのワンパターン。これ飽きますって。{/netabare}

2.については闘いの後に焦点絞ると見えてくるでしょう。ざっくり言うと変わり身が早過ぎるのです。
{netabare}“敵対”⇒“リムルワンパン”⇒“リムル許す”⇒“なんて寛大なリムル様~”&“被害を受けた側もあっさり無問題”

なわけありますかいな!? これで被迫害・被虐殺側の感情のしこりが一切無くなるわけないでしょうに。{/netabare}

せめてもの、争いは何も生まないとか憎しみの連鎖は次の悲しみを生むだけだぜい、といったメッセージが見えるわけでもなく、単純に “話せば分かり合える” それと “俺(リムル)の寛容さを受け入れるよね?” せいぜいこの程度です。理解が追いつきません。

本作の製作者は人間(いやモンスターなんだけどね…)の感情の機微を理解しているのでしょうか。これが原作の落ち度なのか、製作にあたってしょぼい選択をしたのかは不明です。
規模拡大の過程がイージー過ぎるのが前半パートを平坦な物語にしました。逆にストレスなく観れたという捉え方もできますが、統治の仕方にも不味さが垣間見えて追い打ちをかけます。

 {netabare}①為政者(リムル)は常に正しい判断をする
 ②為政者が方向性の指示に留まらず方法まで口を出す
 ③臣下は為政者に対する異論を持っていない
 ④臣下間での感情の軋轢がない
 ⑤生産の量と質は期待値を下回ることはない

ジュラ・テンペスト連邦国で繰り広げられるのは上記5点を前提とした国造り。大衆が夢見るユートピアでありちょっと小狡い誰かが政権奪取に向けて民衆に説く方便みたいな何か。{/netabare}

単に人間観察の質量が不足しているか? それとも空想平和主義思想に耽溺するオツムが残念な人なのか?
後者であれば時代錯誤も甚だしいところですが、連邦国の拡大のプロセスと統治のしかたが、まるで独裁者が権力取得前に国民に語るそれと酷似してて気持ちが悪いのです。
リムルはいい奴なんだけど、圧倒的な力を有した者が制圧する構図はわかりやすく、それでいていっさいの軋轢がないという違和感の処理に困ってしまいました。
繰り返しますが、アニメくらい夢があっていいじゃん?のスタンスなり気にしなければまだ許容できるものだとは思います。リムルはいいやつだしね。



■{netabare}【ジャンプ】{/netabare}嗚呼 静江さん
ほぼ結論ですので軽く。この後どうすんのさ?

{netabare}第1話アバンの伏線をあっさり(第6~8話シズさん回)と回収し過ぎ。しかもこれまた拍子抜けするほど軽い。{/netabare}
{netabare}レオンにシズさんの存在確認ができればOKなの?レオンを一発殴ればOKなの?{/netabare}
{netabare}しかもそのレオンにかすりもせず2クール終了とはこれいかに? ※追記:2期決定なのでそこで描かれるのかも{/netabare}



2期ありきはいいとして、原作のストックがまだまだ残っているのもいいとして、何をしたかったのかよくわかりませんでした。
スライム設定を活かすつもりもなく、国造り(仲間集め)を安直なものにし、謎要素は早々に開放して長らく迷走することになりました。

以上、自分がこの作品を受け付けられなかった3つの理由でございます。




あとはボヤキ・・・

■だから童○は!と○貞を腐すような設定
原作第一巻の発売が2014年ということは、執筆時点での37歳設定は就職氷河期どストライク世代です。非正規が多く結婚できないとかパラサイトシングルとかタイミング逃して彼女いない歴=年齢な殿方が多いのは事実かもしれません。
マーケティングとしては正しいかもというのはお断りしておきます。ただこれは私の好みと関係しますが、オタク趣味をもってる層へのステレオタイプなネガティブイメージそのまんまなのがちょっと。すなわち “童貞” “引きこもり” “コミュ障” “ロリコン” 。こういったのが活躍するものを作れば、お前ら勝手に自己投影して盛り上がってくれるんでしょ?が透けて見える作品が好きではありません。
{netabare}ゼネコン勤めの経験を活かして、との描写もありアラフォー主人公の理由はあったと思います。{/netabare}
{netabare}30歳まで云々だから大賢者も取得したのか、ってのもまあ理解できる。{/netabare}
個人的嗜好ですね。おそらく今後こういう系統の作品は積極的に観ることは無いと思います。


■CMでヘビロテしてた前半OP曲のPVがダサい
最後はこれ。
現在の声優さんはアフレコ以外の仕事も多く大変です。
ただ今回に限ってはPVでの本人映像はやめとけば良かったのに。声優さんの歌の上手さって声のトレーニング(ボイトレ)に立脚してるもんだと思ってます。
声の使い方のプロですので、よっぽどでない限り歌も技術でなんとかなります。ただパフォーマンスは別でしょう。声の表現には長けてても体の表現はよっぽど練習するかライブを繰り返すでもしない限り素人さんです。

仮に寺島さんがライブを相当数こなしているパフォーマーなんだったとしたら、撮影スタッフはもうちょい格好よく撮ってあげてくださいな。
これまで作品自体にプロの仕事を感じられなかったのでそれと連結して考えちゃったところもあります。完全とばっちりの寺島さんと寺島さんのファンには申し訳ない!



以上、なんだかなぁ・・・のボヤキ2点でした。いいがかりみたいなもんかなとも自覚してます。



※リアタイ所感
少し気の毒だったのは、年末年始を挟んで一呼吸おいての敗者復活チャンスをみすみす逃しちゃったところでしょうか。
{netabare}15話で仲間集めに一区切りつけたのはギリ間に合うタイミングでした。同じ路線ならインフレしていくしかなくなったからです。{/netabare}
{netabare}そこで16話から登場の“魔王”の皆さん。切れ味鋭い変化球はもちろんミリム。トカゲのガビルもネタキャラとして可能性を感じる後半の出だしではありました。{/netabare}
{netabare}起承転結の転を受けてふくらますかと思いきや、もういっぺん“転”が来て尻すぼみ不時着というのが正直なところです。言うまでもなくシズさんの教え子の子供たち編ですね。{/netabare}


一気見だとさらに辛いかもしれません。
原作やその他メディアミックスと合わせて楽しむくらいじゃないと厳しいものがあるんじゃなかろうか。


{netabare}結局24話の外伝が一番面白かった。これシズさんロスなんかなぁ。{/netabare}



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2019.08.26追記


視聴時期:2018年10月~2019年3月リアタイ視聴


なろう系の中でも特に打率の低い異世界転生もの。リアタイ視聴を止めて評価の高いものを選んで後追いで鑑賞することを決めた2019年夏。
そういえばきっかけは『転スラ』でした。すでにこの時、「今後積極的に観ることはない」と言ってますね。
トレンドなのか新作けっこうな比率で異世界転生ものがリリースされてますもの。これらを対象から外すと余裕あるスケジュールを組めそうです。とはいえ、がちがちのルール縛りもつまらないのでユルめに運用するつもり。



2019.04.08 初稿
2019.08.26 修正
2019.09.17 誤字修正

投稿 : 2024/07/06
♥ : 80
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

流行?の俺つええ

異世界転生+俺つええ。俺つええは結構シンプルで爽快感を感じる。少し飽き飽きするところもあるが。あとは仲間集めの規模がでかすぎる。登場人物がとにかく多い。把握するのが少し大変だったかも。大賢者役の豊口めぐみ上手かった。23話のドヤなんか特に好き。
シズが登場するあたりが切ない。別れのシーンはうるっときた。{netabare}現代日本ではないが母親の元に戻れた。最後は託されたシズの教え子を救うことができてめでたい。{/netabare}
オークの王の話も地味に感動を覚えた。{netabare}腕を食べさせて飢餓を少しでもなくそうとしていたなんて。生きるためには犠牲を払うものかも。オーガの郷を襲ったのもいいように操られただけ。喰われそうな状態で逆に喰うのはさすがスライム。{/netabare}
ミリムの扱い方が雑だったのはちょっと許せない。主人公より強いのになあ。
オーガ優秀な部下として成長してるし、これからも楽しみ。シオンとシュナ好き。
全25話だけど、23話がもはや最終話みたいな感じ。TRUEの挿入歌と共にこれまでを回想するのは凄くノスタルジック。アニメは終わったけど、まだ色んな怪しいキャラクターがいる模様。別れは辛い。{netabare}食べたヴェルドラがこれからどうなるか楽しみ。人型になったガビルの妹にも注目したい。{/netabare}

続きは見る予定。

OP
Nameless story 歌 寺島拓篤
メグルモノ 歌 寺島拓篤
作詞も寺島拓篤本人がやっている。2クール目がより好きかな。前奏部分が特に。2期のOP映像で精霊王が悪い奴っぽく見えるが良い奴。
ED
Another colony 歌 TRUE
リトルソルジャー 歌 田所あずさ


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第1話 暴風竜ヴェルドラ
ゼネコンに勤めるサラリーマン、三上悟は通り魔に刺されて死んだ。ところが意識が戻ると三上はなんとスライムへと転生していた! しかも300年前に封じられた暴風竜ヴェルドラが話しかけてくる。スライム三上の運命は……!

第2話 ゴブリンたちとの出会い
スライム三上は暴風竜と友達になり、互いに名前を送り合う。かくしてスライム三上はリムルと名乗ることになった。リムルはヴェルドラを封印から解放しようと試みるが、それは周辺諸国に大きな衝撃を与えることになる。

第3話 ゴブリン村での戦い
洞窟を出たリムルが出会ったのは、牙狼族の襲撃に追い詰められたゴブリンたち。なりゆきでゴブリンたちの戦いの手助けをするリムル。そしてその夜、ジュラの森の支配者の座を狙う牙狼族が襲ってきた!

第4話 ドワーフの王国にて
リムルたちは、衣食住を支えてくれる技術者を求めてドワーフの王国・武装国家ドワルゴンを訪れる。ところが入国の際のトラブルでリムルたちは牢獄に囚われてしまう。そこに鉱山でアーマーサウルスが暴れているという報告が入る!

第5話 英雄王ガゼル・ドワルゴ
鍛冶屋カイジンのピンチを救ったリムルは、エルフの店で祝杯をあげていた。そこに現れたのはカイジンを目の敵にするベスター大臣。大臣がリムルをバカにしたため、カイジンはベスターを殴り飛ばしてしまう。

第6話 シズ
近隣のゴブリンたちも合流してますます賑やかになる村。そんなある日、リムルは自由組合(ギルド)の冒険者、カバル、エレン、ギドと遭遇する。そこにはリムルと同じ日本から呼び出された、召喚者のシズもいた。

第7話 爆炎の支配者
魔王レオン・クロムウェルによって、空襲に燃える東京から召喚されたシズ。彼女はレオンによって上位精霊イフリートを憑依させられていた。そのイフリートがシズの体を乗っ取り、暴走を始める。

第8話 受け継がれる想い
魔王レオンのもとにいたシズを救い出したのはある勇者だった。その勇者のことを胸に、長い間、人々を救うために働いてきたシズ。そしてシズは今、最期の時を迎えようとしていた。シズはリムルに最期の願いを伝える。

第9話 大鬼族の襲撃
リムルたちの村の開発は着々と進んでいた。ひとり洞窟で新たなスキルを試していたリムルに救援要請が入る。駆けつけると、6人の大鬼族(オーガ)がいた。大鬼族(オーガ)は言う。「正体を現せ、邪悪な魔人め」

第10話 オークロード
大鬼族(オーガ)たちは、豚頭族(オーク)の軍勢に襲われた生き残りだった。豚頭族(オーク)たちは武装し、道化の仮面の魔人も同道していたという。リムルは大鬼族(オーガ)に自分の部下にならないかと持ちかける。

第11話 ガビル参上!
大鬼族(オーガ)のベニマルたちを迎え入れ、さらに仲間が増えたリムルの村。そこに蜥蜴人族(リザードマン)のガビルがやってくる。ガビルは、豚頭族(オーク)の侵攻に怯えるゴブリンの村々を従えようとしていたのだ。

第12話 狂いゆく歯車
災厄の魔物・豚頭帝(オークロード)と、豚頭族(オーク)の軍勢がジュラの森を席巻しようとしていた。この危機に動いたのは大森林の管理者・樹妖精(ドライアド)のトレイニー。彼女は森で台頭してきたリムルに目をつけていた。リムルに豚頭帝(オークロード)の討伐を依頼する。

第13話 大激突
蜥蜴人族(リザードマン)と同盟を結ぶため湿地帯を目指すリムルたち。道中、リムルたちは豚頭族(オーク)に襲われていた蜥蜴人族(リザードマン)を助ける。それはガビルの妹だった。ガビルの妹は、先走る兄を助けてもらえるようリムルに懇願する。

第14話 全てを喰らう者
ついに魔人ゲルミュッドが姿を現す。ゲルミュッドの真の狙いは豚頭帝(オークロード)を豚頭魔王(オークディザスター)へと進化させ、ジュラの森を支配させることだった。ゲルミュッドの真意を感じ取った豚頭帝(オークロード)はある行動に出る。

第15話 ジュラの森大同盟
豚頭族(オーク)との戦いの戦後処理が始まった。そこでリムルは豚頭魔王(オークディザスター)・ゲルドの最期に「リムル自身がオークの罪を背負う」と約束をしたと打ち明ける。それを聞いた蜥蜴人族(リザードマン)、大鬼族(オーガ)がとった行動とは…。

第16話 魔王ミリム来襲
穏やかな日々が続くある日、破壊の暴君(デストロイ)のふたつ名を持つ魔王・ミリムが突如、中央都市リムルを襲撃する。その強大な力の前に圧倒されるランガやベニマルたち。果たしてミリムの狙いは…。

第17話 集う者達
中央都市リムルを、魔王・カリオン配下の三獣士のひとり、魔人フォビオが来襲する。だがフォビオはミリムの返り討ちにあい瞬時に倒されてしまう。リムルたちはフォビオに、この国を訪れた目的を問いただす。

第18話 忍び寄る悪意
ミリムに負けた怒りが収まらないフォビオ。その前に現れた、中庸道化連の2人の道化は、フォビオも魔王になればミリムに対抗できるとそそのかす。暴風大妖渦(カリュブディス)の力を使えばそれが可能になると言う。

第19話 暴風大妖渦(カリュブディス)
封印を解かれた暴風大妖渦(カリュブディス)は、空泳巨大鮫(メガロドン)を引き連れて、中央都市リムルを目指して進む。リムルたちは総力をあげてこれを迎え撃とうとするが、暴風大妖渦(カリュブディス)はあまりに強い。

第20話 ユウキ・カグラザカ
リムルは夢を見る。それはシズがイングラシア王国で、召喚された子供たちの先生をやっている夢だった。シズの未練を晴らすため、イングラシア王国の王都を目指すことを決めるリムル。そこにはシズの教え子たちが待っているのだ。

第21話 シズさんの教え子達
シズの教え子たちの先生となるリムル。しかし、一方的に召喚され、限られた寿命となった子供たちの胸中は複雑で、リムルにも反抗的な態度をとってくる。そこでリムルは、模擬戦をしようと子供たちに持ちかける。

第22話 迷宮攻略
自由学園の子供たちはやがて死ぬ運命にあった。だが、リムルは上位精霊を宿らせれば子供たちを救うことができると考える。そこでリムルは子供たちとともに、上位精霊がいるという「精霊の棲家」へと足を踏み入れる。

第23話 救われる魂
うまく精霊を呼び出すことができるのか。精霊の棲家の最深部にたどり着いた子供たちは、順番に光の台座の上で精霊を呼び出すことに挑戦する。それを見守るリムル。そして、子供たちに応えるように姿を現す精霊たち……。

第24話 外伝:黒と仮面
これはリムルが転生してくる前の物語。フィルウッド王国が多くの冒険者を集めて、復活した悪魔の退治を依頼する。そこには「爆炎の支配者」の二つ名で知られるシズの姿もあった。だがこの依頼には大きな裏があった。{netabare}退治が無理だと帰りたがる奴が切られるわけだが、悪魔に憑りつかれていた。怪しげな魔法使いが冒頭で女の人に召喚され、依頼された悪魔で皆殺ししようとするがシズによって阻止される。原初の悪魔ぽい。本当は王国が冒険者を魔族に生贄として捧げていた。国家全体が悪魔に支配されていた。オルトスはシズを生贄にしようと攻撃してくるが、原初の悪魔と思われるクロが助けてくれる?圧倒的強さでスカッとした。彼との会合が楽しみ。{/netabare}

第25話 ヴェルドラ日記
{netabare}イフリートを捕食するシーンから。ヴェルドラは将棋相手が欲しかったようだ。ツンデレやら、久しぶりに喋るための努力が語られる。見た目に反して超繊細で寂しがり。お触りして温かいとかも。シズの教え子応援もするぞ。いつの間にか将棋の実力が逆転してる。{/netabare}総集編と所々、作品に関連する語り。作中で前野智明に出番がほとんどなかったから、作ったのかな?

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15

80.3 3 ラノベ原作で冒険なアニメランキング3位
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (802)
3980人が棚に入れました
「ゲームで魔王やってたら、異世界に召喚された!?」MMORPGクロスレヴェリにおいて坂本拓真(さかもとたくま)は、他プレイヤーから『魔王』と呼ばれるほど圧倒的な強さを誇っていた。ある日、彼はゲーム内の姿で異世界へと召喚されてしまう。そこには「私こそが召喚主」と言い張る少女が2人いた。拓真は彼女たちから召喚獣用の奴隷化魔術をかけられる――しかし固有能力《魔術反射》発動!奴隷と化したのは少女たちで……!? 魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、開幕!

声優・キャラクター
水中雅章、芹澤優、和氣あず未、原由実、大久保瑠美、加藤英美里、種﨑敦美、森嶋優花、千本木彩花、置鮎龍太郎、石田彰、大塚明夫
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ロールとペルソナ

*誤記修正


また妄想充足型の異世界転生無双ハーレムものか、と思いつつ視聴すると、設定や描写の各所が奇妙なバランスを見せていて、不思議な視聴感がある。
不思議と感じるのは、このバランスが意図しているのか偶然なのか判然としないせいで、どう捉えたらいいのかモヤモヤした感想を喚起するためだろう。


引きこもりの最強ゲーマーが、ゲーム内の最強スキルごと異世界に召喚される冒頭は、これからゲーム的「異世界」で無双するチート願望全開の妄想が展開されると予期させながら、意外にも妄想にブレーキをかける慎重な設定がなされていることが明かされる。

{netabare}主人公の「最強スキル」は、「異世界」の中でも異常に強力なものだとされていながらも、「世界」の根本を捻じ曲げてしまうような「異質」なものではなく、異世界なりの「ことわり」の範囲内にある能力であり、「チート」と言えるほどの「主人公に不利なことは絶対に生じさせない」妄想実現力を保証されてはいない。

この「異世界」に向き合う主人公の姿勢も、固有の歴史性をもって自生した、無数の他者によって構成されている「世界」であるという、この種の物語では異常ともいえる極めてまっとうな認識に支えられている。

ラノベ的な、妄想と「世界」を直結させて他者のいない幼児的な全能感の満足を目指すのではなく、私とは無関係に他者によって構成された「世界」の中に「この私」の居場所を探していくという一般性のあるストーリーは、しかし、ラノベ的な「引きこもりのヘタレ」が「社会」との接触に慌てふためくという設定が生み出しているのであり、ラノベ的指向の視聴者と妄想には距離感のある一般指向の視聴者を、共にまたがって引き付ける巧妙なバランスを見せている。
このバランス感覚が、意図的なのか偶然か判然としないのが本作の特徴かもしれない。


他者=社会との交渉に忌避感のある「ヘタレ」主人公は、RPゲーム内の「ロール」であった「魔王」のキャラクターを「ペルソナ」として纏い、何とか交渉をこなそうと奮闘する。
この内面の「ヘタレ」とペルソナとしての「魔王」キャラとのギャップの面白さがアニメとしての見どころだが、ストーリーが進み、主人公が社会に居場所ができてくるに従って微妙な変化を見せることになる。

社会とのかかわりが深まり、社会の中で「ディアブロさんという人」が認知されていくにつれ、ゲーム内のロールであった「魔王ディアブロ」を模した「ペルソナ」は主人公の「仮面」であることを逸脱し、社会の構成員=一員としての「ディアブロさん」という役割〈ロール〉へと再帰してゆく。


以前に、別作品の感想の中で、大人が職業を持って社会参加することは、個人としての人格を超えて社会内での役割〈ロール〉を演じることである、と書いたことがある。

普通に働く大人は、仕事においては、個人としての「好/嫌」や「損/得」の判断を切り離して、役割の命じる職業的な判断をもとに行動して役割〈ロール〉を果たす。それが社会的な存在としての「大人」=社会人だ。

主人公が「ヘタレ」の個人的感情を抱えながら、異世界での社会的存在=社会の一員である「ディアブロさん」として振る舞うギャップは、普通の大人の日常的な仕事の比喩でもある。

そう、内心で戸惑いながら、「魔王」=ディアブロさんとして本心とは違う行動をする描写は、引きこもりくんが社会人デビューして職業人になろうと奮闘するメタファーになっているのだ。

自己肯定感の乏しい「ヘタレ」が「異世界」でチヤホヤとされる居場所を得る展開は、ラノベ的妄想の共有感ではなく、普通人の普通の職業生活のメタファーが支えている。

社会の一員=「ディアブロさん」の役割〈ロール〉を全うしようとする主人公が、単なる「無双」のチート野郎とは異なる印象を与えるのは、こうした設定とストーリーの微妙なバランス感覚のせいだろう。


繰り返すが、こうしたバランス感覚が、意識的に生み出されたものであるのか少しばかり怪しいのが、本作の弱点かもしれない。

コメディとしての笑いを支える「ヘタレ」と「魔王」のギャップは、召喚という設定によって持ち込まれた、主人公の「現代日本人」としての価値観や思想が、「異世界」のそれと違和しているというギャップに根拠づけられている。

半裸の美少女に迫られて手出しできないという「ヘタレ」ぶりも、現代日本人の感覚に規定されている。
異世界の倫理・価値観であれば、奴隷の少女たちをどのように弄んでも何の問題もない。
が、現代日本の倫理観が、手出しをできないヘタレぶりと同時に、「奴隷」化は本人の自由意思による合意であるという「言い訳」を生み出す。

自由意思による自己決定が高い価値を持つことは、現代日本では支配的な価値観ではあるし、視聴者には説明抜きで共有されている。

だが、もしも本作のバランス感覚が本当に意識的なものであったなら、制度に縛られ「個人」や「自由」の概念が存在しない「異世界」に、「自由意思」という革命的な「新思想」を持ち込んだことが主人公のモテモテを支えているのだという描写を、作中で明確なものとして挿入できたのではないか。

その果てには、自由意思が徹底されるなら、一対多数の恋愛という「自己決定」もあるのではないかといった、「現代」の制度性を逆照射することまで射程に入れられたはずだ。

残念ながら、ここでは視聴者の常識をあてにするばかりで、日常感覚を異世界と対比して対象化しきっていない印象がある。

こうした、ちょっと詰めの甘い感じが、バランス感が意図的なのか偶然か不明のモヤモヤにつながるようだ。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

今はこれが精一杯

1話感想{netabare}
異世界転生…ってよりもこれは召喚だね。
タイトルからして「うわぁ」と思ったが、見てみたら案外抵抗を覚えなかった自分に驚愕。
…。
なんでじゃろ?
ってことで異世界転生や召喚モノで自分的にOKなのとダメなのを比較して考えてみたらちょっと答えが出て来た。
召喚したヤツ(自分はよく「黒幕」って表現する)は絶対どこかに居るハズで、悪い言い方するとそいつに“誘拐された”ってのが実状なワケで…主人公は自ら「異世界行きたい」として行動(思うだけじゃダメよ)したワケじゃないじゃん?
登場人物がそいつに視線を向ける作品だと結構平気。
また黒幕には黒幕なりの理屈・事情があって共感できる・出来ない場合は対峙すべき存在として描かれてないとどうにも気持ち悪い。
あれだ、ずっと前にSAO(二期)の感想でも書いたっけか、一期は召喚(比喩)したヤツが黒幕で敵対対象で、そいつの用意した世界なんてブチ壊しても構わないって状況だからチートでも気にならなかったのに、二期では云々。
幼女戦記では存在Xの考えに全く共感できなかったうえに主人公の行動も(敵対してるかのように振舞ってはいるが)迎合してるだけでダメだった。
イセスマでは1話の段階で不快感そんなに抱いてない頃(ダメだと判断下す前)に書いたなぁ、転生させた神様が実は黒幕なんじゃね?みたいなこと。
オバロは風呂敷広げるばかりでいつになったらそっちに話進むんだろう?と様子見。
デスマは鳥居とかそれっぽいことを提示してはみたけど結局掘り下げなくて残念だった。
ナイツマは…知るかあんなの、ナイトブラッド以下。
桃色パラドックスではちゃんと事情が描かれてた。
織田信奈の野望では黒幕は出なかったけど主人公は世界への違和感は常に感じてた(誘拐犯に用意してもらった世界が自分の干渉によって崩壊するのを恐れてた)。
…他にもOKだったのとダメだったの色々あるんだろうけどパっと思い出せるのを羅列してみるとこんな感じ。
要は召喚したヤツ(人ではなく現象であっても)に迫ってくれないと、結局「その場」を主人公のために用意してくれた誘拐犯の掌の上で踊らされてるだけにしか感じずダメっぽい。

答えが出るもなにも、前からちょくちょく語ってはいたんだけど…より一層明確になったというか、この反射にも似た反応は一貫できてると再確認。


前フリ長くなったけど話をこの作品に戻すと…
召喚に初挑戦したレムは内に魔王を封印してて、それの作用によって誤作動起こして地上人を召喚しちゃった、って感じじゃないかな。
まだ1話だしそこまで詳しくは迫ってないけど、多分そうじゃないかなー?
で、原因は事故であっても構わない、事故の原因を突き止めて解決(この場合元の世界に戻るか留まるかの選択権を得る)って方向に話が進んでくれるのなら。
「なんでオレはこの世界に来ちゃったんだろう?」と疑問に思うこともなく「異世界たーのしー」ってだけに終始する内容だと困っちゃうワケですが…果たして今後どうなるかね?
ってかタイトルで損してないか?これ。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
原作未読だけど「原作では○○なんじゃないかなー」ってのは想像できて(合ってるかどうかは不明)。
で、感じるのは、原作は“百錬~”といい勝負なんじゃねーの?ってこと。
実際この作者の他の作品のタイトル見てみたら…ある意味凄い、「そん時ウケてる他作品のパクり」ばっかりで、これって編集から「今○○がウケてるからそれやって」って言われたのをソツなくこなしてる職人らしい。
仕事でやってるんだからそれで正解なんだろうけど、けどこれって…どうしてもソツのない・無難な作りになってしまうのも想像に難くない、器用貧乏とでも言いましょうか。
んで実際、「なんでこの世界に来てしまったんだろう」「どうやったら元の世界に戻れるんだろう」って探索はどこかにすっ飛んでしまい、これも恐らく“参照”してる他作品がそうだからってことなんでしょう。
多分「元の世界に戻るための探索するのがウケてる」ってなったらそういうの書くんじゃね?

で、これらはアニメから感じる原作の推測でして…これはまぁここで書くのは適切じゃない。
が、そんな原作でありながらアニメスタッフはどうにか面白いものにしようって意気込みを強く感じまして。
お色気押しって実は気を使うんだねぇ、イセスマや百錬はそれやっても「不快」のほうが先に来るのだけど、こっちはそこら辺注意してたんじゃないかな。
主人公最強も頑張って嫌味を消し、他の男性キャラの扱いが悪いのも改善し、一応ピンチらしい演出も入れる、と。
原作からそうなんかも知れんけど、そこをちゃんと辺汲み取ってアニメスタッフは強調してたんじゃないかな。

とはいえ、だ。
やっぱりTVアニメじゃ限界はあって。
序盤街中に現れた魔物を始末するシーン、背景に倒された衛兵や冒険者を映して欲しかったけど、それが無い。
流れで「そういう状況」ってのは分かるけど、そのシーン(主人公が魔物を倒す)だけ切り取って見ると残虐行為してるだけになってたり。
あと川でエデルガルドと接触のシーンもやけに唐突だったような…?
う~ん、やっぱりこれが限界だったんじゃないかなー。
まぁ結局はおっぱい押しが(この作品を魅力的に見せるには)正解だってことで落ち着いちゃった感じでした。


総評としては、テンプレラノベアニメをどうにか面白くしようと頑張ったアニメスタッフの意気込みを見るのには良いかも知れない。
やる気無しで作ったらイセスマや百錬と同程度になってた気がする。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異世界転生枠

異世界転生+ヒキオタ+最強+エロのテンプレ暑中見舞いギフト。
ついでにヒロインは金髪巨乳+黒髪貧乳のこだわりよう。

第2話まで見たけどこれが意外と面白い。
なぜなのかは知らんが面白い。
スマホ太郎や綴る主人公よりは遥かに期待できるかも?
絵がよく動くのも劇伴がいいのもポイント高いわ。

・3話目
はぁ.......{netabare}エロ要素が薄くても十分面白いじゃねーかwww{/netabare}
止め絵が多くなってきたような気がするけど、上手くやりくりして欲しい。

・4話目
ここにきて.....{netabare}今期全アニメ最高の熱い展開wwwwwwwwすげぇ!{/netabare}

・5話目
前回と比べるとかなり大人し目。
{netabare}なんだかモゾモゾする展開。(意味不明)
あと主人公のソリロキーがちょっとしつこい。
多用し過ぎるとテンポが悪くなる。
まぁ新キャラの顔見せ回ということで。{/netabare}

・6話目
あ~..........
{netabare}エロエロエロエロエロエロエロエロエロエロ石田wwwwwエロエロエロエロ
エロエロエロ石wwwww田wwwwwwwwwwwww{/netabare}
.......な回でした。
なおネット上の情報では、放映局の違い(自主規制?)でエロ度に天と地の
差があるもよう(笑

・7話目
今回もエロい、そして熱い。
{netabare}引き篭もりの素が出てしまった豆腐メンタル崩壊から、仲間パワーによって
一気に持ち直すというありきたりの展開なんだけどなぁ。
ここまで楽しくさせる制作スタッフはスゲーわ。
劇伴も絵もよかったし、何より石田wwwwwwが頑張ってた。
ここまでシェラにかなり比重が置かれているけど、8話目で決着とすれば、
残りの9~12話がレムの話になるのかな?
まだEDのロリっ子も出てきてないしね。{/netabare}
つーか既に2期望んでますよハイ(笑

・8話目
強敵とのバトル回
{netabare}ちょっと一部(というか男キャラ)の作画が崩壊してませんかね?
あと強敵x2との対戦にしては動きがイマイチ。
主人公のソリロキーで解説する時間も多過ぎる。
今回はもっと作画に力を入れて欲しかったし、そうすべき回だったはず。
その辺が残念だったので、評価も若干下方修正。
ラストは安定のエロ落ち。
しかも放映アニメでは触れてはいけない場所に手を出してしまったなwww{/netabare}
そうそう、今度はスマホ向けにゲーム化されるそうで(笑
コケずに稼いで2期3期と作ってくださいよ!

・9話目
水着回(嘘
{netabare}しかしあれだな、露出度が高いほどエロさが薄れていく典型だわ。
強敵っぽい聖騎士様が手下に担がれて退場していったのには笑えた。
それにしても、レムの体臭は何だったんだろうか?
ディアブロの方がよっぽど臭そうだけど。{/netabare}

・10話目
出産回(嘘
{netabare}まあエロやり過ぎて、肝心の戦闘シーンがおざなり気味というか......。
もうちょっとディアブロの強さを映像でしっかり出して欲しいわ。
残り2話?でメガネっ娘と聖騎士様とロリ魔王のオチつけられるのかな?
2期決まってるんなら無理にまとめなくてもいいけどさ(笑{/netabare}

・11話目
エロ無し回!!!
{netabare}......の割にはイマイチ熱くなれない。
怒り覚醒の展開がありきたりだからか?
ディアブロの活躍自体がほとんど無かったからか?
いや違うな。
アリシアが悪魔崇拝者として人間を憎む立ち位置がピンとこないからだ。
ここまでの展開で一番のマイナス要素だと思うわ。
魔族の大集団が進軍してくるシーンはもっと盛大に描かないとダメだろ。
聖騎士様の消え様も捨てキャラ扱いで実にあっけない。
今回の見所はレムへの拷問&オーバーキルだけだったな。
それすら映像的には物足りなかったけど。
終盤の尺不足はエロを詰め込み過ぎた弊害なのか?
このアニメ、絵的にもエロ方面には全力で肝心の部分が手抜き状態。
そこはホント残念でならない。
つーか、レムに刺さってた剣はどこ行ったんだよ(笑{/netabare}

・最終話
ん~前回の感想そのままというか。
{netabare}結局アリシアの絡みが話をつまらなくさせてしまったような?
魔王vs魔王の対決シーンも薄味でパンチ不足。
終盤の構成に難有りだと思う。
エミールだけはいい味出してたけど(笑{/netabare}
俺の中での評価は下方修正となったが、もし2期があるならこの先の展開に
期待したい。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8

71.8 4 ラノベ原作で冒険なアニメランキング4位
異世界はスマートフォンとともに。(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (974)
4049人が棚に入れました
神様の手違いで死んでしまった主人公は、異世界で第2の人生をスタートさせる。
彼にあるのは神様から底上げしてもらった身体と、
異世界でも使用可能にしてもらったスマートフォン。
様々な人達と出会い、大切な仲間を得ていく中で、
いつしか主人公はこの世界の秘密を知る。
古代文明の遺産を受け継ぎ、お気楽な世界の王たちと力を合わせながら、
彼はのほほんと世界を巡っていく−

声優・キャラクター
福原かつみ、内田真礼、福緒唯、赤﨑千夏、高野麻里佳、山下七海、上坂すみれ、甲斐田ゆき
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

旨い話には…

1話感想
{netabare}まずお断り、異世界転生に対してのスタンス
昨今異世界転生ネタが溢れ返り、その反動か最近世間では排斥の流れになってるような気がする中のこの作品。
因みに個人的には異世界転生自体は否定も肯定もしません。
それより問題は、転生した先で(前世の記憶を使って)白人酋長モノをやり──白人酋長モノ自体も悪いことではないのが厄介なトコで、マズいのは“蛮族(原住民)どもが理由もなくありえないくらいアホに描かれる”ことにあるかと。
ここでいうアホってのは「いくらなんでもそれじゃ生活すらできないだろ」「○○があるなら××が開発されて然るべきなのにそれ無いの?」といった無茶な設定のこと。
最近ヒットした作品でいえば“けものフレンズ”も広い意味では白人酋長モノ。
けど、フレンズ達があそこまでアホでも不自由なく生活ができる理由は作中でしっかりと描かれ、だからこそヒットしたとまでは言わないけどヒットの一助にはなったと思います。
ここら辺マトモに描けない限りは無茶な白人酋長モノ、ひいては異世界転生モノはひとまとめで白い目で見られるんじゃないかな~?

と、↑は他のアニメの感想にも書いたことなのだけど、異世界転生モノには全部転載してったほうがいいのかな?

で、今回この作品を見て書き忘れがあることに気付いた。
・望郷の念が無い
・自分と同じような転生者が他に居ない
これも結構ドぎついんだよね、そんなに現実の暮らしが嫌なのかと。
元の世界の家族や友人に思いを馳せるのはカッコ悪い・リアルでそれやるのが苦痛と認識してる人が支持してる…のか?
ホームシック情けない・家族友人のことは考えたくない、みたいな。

…。
と書いたけど、この作品はそんなのは些末なことと超越しちゃってるかも。
なんかね、ここまで話が旨すぎると逆に恐い、疑ってしまう、神様なにかウラがあるんじゃね?と。
神様は実はこの世界に飽きてる?最悪破壊したがってる?など。
黒幕は自称神様で、主人公はそいつにまんまと掌の上で泳がされてるだけなんじゃ…。
原作全く知らないので先の展開知らないけど、「もしそうであるなら──」と考えると不思議と不快感はない。
逆に「そんなことないよ、本当に最後まで都合のいいことを用意してもらうだけだよ」であるなら、もはや病的としか…。
ってかこれ厳密には転生じゃなくて召喚よね。{/netabare}

3話までの感想
{netabare}その将棋とやらってさ、あんたが発明したんじゃないよね?
著作権フリーと自分が発明したかのように振舞うのは全くの別かと。
今後も先人が築いた英知を自分の手柄として盗んでく展開なのかな?{/netabare}

4話感想
{netabare}この作品は突っ込むことを楽しむってのが正しい見方になるのかな?
もう突っ込むことすらバカバカしくも感じつつ、ちょっとやってみる。

・父親に毒を盛った犯人を見ぬけない程度の魔眼能力

そんなのに太鼓判押されても嬉しくないというか…。
せめてその能力故に他人が信用できず血の繋がった家族以外心を開いたことがない、って過去でもあった方が主人公スゲーに説得力持たせられると思うのだが。

・この世界では一夫多妻制

だったら前もって王様の側室出せよと、ユミナの腹違いの兄弟出しとけよと。
描写が無く言葉だけでそういう設定なんだと言われましても、唐突にしか感じないというか。
ユミナからしたって一夫多妻がOKな世界で腹違いの兄弟も居ない一人っ子って、それはそれで寂しいんじゃないか?
というかね、ハーレムが認められるのは宗教的理由を除けば、死亡率が高い(特に赤ん坊)時代に後継者が途絶えさせないためって認識なのだけど、そうであるなら主人公の力で死亡率が抑えられる(我が子を見殺しにはしないと思うので)以上子沢山になりすぎて、将来跡目争いが大変なことになりそうな?
ってかこの調子でいくと主人公は不老不死になると思うので、跡目争いで子供同士が殺し合うのを眺める結果になりそう。
まさか主人公は子孫を残せないってことでもなかろう…それはそれで悲惨だし。

・ユミナがギルドの仕事

結婚すれば王様って言ってたので、恐らくユミナは継承権第一位。
そんな姫様が直々にクエストこなすって…騎士団呼べ。
前回公爵が「国から調査団送る」みたいなこと言ってたし、居るんだよね?
国の治安部隊が出動できない(するまでもない)些末な事件の対処をギルドが請け負ってるって形じゃないのか。
さもなくば国とギルドとで管轄の奪い合いをしてると思うので、姫様の介入は要らぬ火種になるんじゃなかろうか。
つか依頼する方も腰が引けるんじゃなかろうか。
もしくはクエストやってる最中、画面には映らないだけで護衛が大挙して取り囲んでるとか?
ピンチにならないので出る必要が無いってだけで。
ってかそっちのが良いと思うんだが…主人公の活躍を宣伝する証人となってくれるワケだし、なにより「こんな偉い人に惚れられるなんて」と、より優越感を満たせる。

ってかさ、ああいう世界で推理モノやるんだったらさ、発言者の地位によって証言の有効度が違うとか、それくらいやってくれんかのう。
まぁゴチャゴチャ書いたけど要は

王様といいつつフランクすぎて権威を感じない

だけなんだけどねー。
これは神様にも当てはまるので、ひょっとしてワザとそうしてる?
ってか主人公はずっと神様に監視されてる?
それと国王も公爵もハーレムOKな世界でいながら子供は1人だけって…ちと黒いものを感じるのだが。
スーシーとユミナって従妹関係なワケだけど、実はスーシー母って国王から下賜されたものだったりして。
スーシーの母が目を患ったのっていつだっけ?
ユミナ母がそう仕組んで、目の病気を理由に王妃の座を退かせたとか…でもって血の繋がり的にはスーシーとユミナは従妹ではなく腹違いの姉妹でまるで将棋だなとかサ、そういったの無いのん?

──と、突っ込んでみた。
最終話まで突っ込み続けられるだろうか…。{/netabare}

5話感想
{netabare}まずは↑の訂正。
「恐らくユミナは継承権第一位」と書いたけど、4話のアバンで明確に継承権第一位と言ってますね。
見落としてました…ってよりすっかり忘れてました。
で、それを踏まえた上での5話感想。
どういう政治体系なんだか知らんけど、↑でも書いた様に国が動くまでもない問題をギルドが請け負ってるんちゃうのん?
主人公が冒険者の心得みたいなのを語ってたけど、その気になれば軍を動かせる立場(実際できるかどうかは知らんが)のユミナにする説教かいな?
女子はスライムを毛嫌いしてたんだし、ユミナ「スライム退治はパパに頼んで軍を出動させます」でもええんやで?
ギャグ系でよくあるじゃない?金持ちの息子で何かある度お金で解決図ろうとするネタとかさ…そういうキャラに仕立てることもできるハズなのに何故やらないんだ。
取り巻きの女子がどれも一緒になってるというか、相手がどんな人だか分かってないっていうか、設定忘れてるというか…まぁ考えてないだけなんだろうけど。
サーチがロケートオブジェクトとディテクトシークレットを足したようなものと解釈してたけど、ロケートパーソンも兼ねるのか。
スマホ使って範囲も拡張されたみたいだし「この世で最高のお宝」でサーチかけたらヒットしそうな勢いだ。
それですぐ横に居る女の子が光って二人は幸せなキスをして終了でいいんちゃう?もう。{/netabare}

7話までの感想
{netabare}突っ込むの疲れてきたけど一応。
ゲームのエルシャダイのOPでそれまでの経緯(数百年間敵の居場所を探し続ける)をダイジェストで流すのだけど、そこで「永遠の命などあるのもか、処刑せよ」と、不老不死となった主人公を時の権力者(と思われる)が殺そうとするシーンがあるのだけど…。
なんでそんなことが起きるのか分かってるのだろうか?
この作品は誰も主人公を危険視しないのか…。
第一王女には陰ながら護衛が着いてたという設定が出て、↑でやったツッコミを回避した…に見せかけてるけどスライム館でその兆候は無かったし、今思いつきました感は拭えない。
あれなんかね、なろうでは伏線張るのはご法度だったりするのかな?
それにしたってアニオリでそれくらいやってくれても…。
ところで、同時期に放送されてるアニメで“賭ケグルイ”ってのがあるのだけど、そこで「銃口に口紅を詰めときました」と言われ、銃の扱いを心得てるキャラが軽はずみに銃口を覗き込むシーンは“無かった”。
ほう、分かってるじゃーんと感心したのだけど、一方のこの作品では逆に銃口覗き込むシーンあっても良かったんじゃ?と思ったり。
素人がやりがちなやっちゃいけない行為なワケだけど、それあった方が「ああ、この世界ではそれまで銃ってのが無かったんだなー」と説得力が増したハズ。
なんていうか“らしさ”の追及がホント甘いと感じる。
アニメーターもイヤイヤ作ってるんだろーなーと思うのだけど、それを悟らせちゃアカンちゃうかのう。

今回は原作自体の評価は避けて、なるべくアニメ単品としての感想にしてみました。{/netabare}

11話感想
{netabare}スタッフも「さぁどうぞ突っ込んでください」ってスタンスで作ってると思うので頑張ってそれに応えようとと思ったけどアッサリ断念。
突っ込むのも面倒くさい。
とりあえず…どんなに変に思えてもそれがその民族の正装であるならとやかく言うものではない。
すっかりあの世界の王にでもなったつもりか。

さてそんな中、褒める場所を1箇所発見。
空中庭園の背景のスイレンがしっかり熱帯睡蓮だった。
…単に担当した人がたまたま知ってただけで、打ち合わせや取材でそうなったってことじゃないんだろうけどね。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}さて、と。
実は最終回まで黙ってたことがあって…といっても別に隠してるワケでもないし知ってる人は知ってると思うのだけど、この作品のメイン作監(西田美弥子)って湖川友謙の一番弟子らしいです。
でもってこの作品の原作はロボが出るらしいと噂も聞いてたのでそこらへん一応期待してました(別に湖川はロボの人って感じではないが)、が、全然出ませんでしたね。
妙な期待持たせてもアレだなと思って黙ってたんだけど正解だったっぽい。

内容?まぁこんなもんでしょ、アニメスタッフも「これが面白い」とは全然思ってないっしょ。
ずっと神様から授かった借り物の力で無双して(よくチートと称されるけどコード自作してないのはどうなんですかね)、最後も女の扱い困ったら神頼み。
恐らく女性から見たら一番イヤな男性像を描いてみたんじゃないかな?
ってか女キャラ自体が妙に男っぽい。
あんな複数で結託したら、男の方から告白せざるを得ないように外堀から埋めてくというか真綿で首を絞める方向で攻めると思うのだが。
事あるごとに「結婚まだっすかー?」ってニュアンスのことをネチネチ言われること請け合い。

因みに作者はハイパーグラフィアなんじゃないかな(※)。
パソコンを与えて書体だけは見れる形にした感じの。
で、病人の頭の中を覗くという意味では面白いのかも知れないが、だったらもっと荒唐無稽でも良い気がするんだがなぁ。



芸術・クリエイティブの分野で精神異常なんてよくあることで、これ自体に差別的意図はありません。
が、一方でそういうのであることが評価を得やすい「なろう」のフォーマットは危険だと思う。
もっと乱暴な言い方してしまうと、頭の良いヤツがキチったことやるのとバカがキチるのは全然別モノかと。
バカがキチってるのを見せられても…ちょっと笑えない。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

何でも出来ることは、何にも出来ないことに等しい

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
とにかく、「主人公がなんの努力も苦労もせずにチートクラスに強く、無条件で可愛い娘からウハウハされる」のが楽しめるんなら、観ても良いアニメかと。

まあ、気楽な作品ではあり、最後まで「ツッコミ」を楽しみながら観るには最適なアニメでした。私はやってないけど、ニコ動やアニメ実況なんか好きなら、最高の素材じゃないかな?(知らんけど)w

まあ、そんな邪道な楽しみ方しか出来ない抵クオリティアニメとも言えますが。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ガチで何でも出来る人をアニメにするのと、ガチで何にも出来ない人をアニメにするのって、どっちが面白くなるのかな? まあ、どっちも面白くならないだろうね。「強くてNEW GAME」って、2周目だからまだ楽しめるんだよね。

ストレスフリー(超ご都合主義)は、逆にストレスになるということも、本作で学んだw

この作品、「異世界にスマホ」は良いとして、「身体能力、魔力適性、その他諸々パワーアップ」がいらない設定だったんだろうな、と。

しかも、「スマホが異世界使用」もいらない設定だったかな。

「異世界の常識やルールに右往左往する貧弱主人公が、現実世界の情報をググって応用し、ギリギリ乗り越えていく話」で普通に良かったと思う。

それこそ、科学的な話から歴史的な話、工学や建築学、格闘技の知識、なんなら怪談やトリビアを話すとか、何でもかんでもググって解決していく話。

(しかもそれが、実際にあるサイトとかでも調べられて、視聴者もスマホ片手に観るとか……まあ、権利がムリだろうが)。

例えば、1話目のアイス作るクダリなんかが良いイメージに近い。でも、あれでも接待ゴルフしすぎ。例えば食材にしても、卵とか牛乳の味が違ったり、ない食材があった方が良かったと思う(てか、バニラビーンズとかあったのかな)。

んで、時には「ググってもなんともできないこと」も当然あったり、「ネットの嘘に踊らされて」みたり。そこで初めて「検索も万能じゃないことを知る」で、良かったんじゃないかな~と。

他にもツッコミ所多数(長いからたたみます)、{netabare}例えば、1話で冬夜の服が「珍しい」という理由で売れたが、だったら異世界人の服のキャラデザを、もっとオリジナリティあるものにせんと。つか、九重八重がどう見ても、サクラ大戦の「真宮寺さくら」やん。つか、感覚強化で血の臭いを感じたなら普通は逃げる(回避する)やん。つか、スマホより有用な無属性&全属性魔法とかあれば、スマホいらんやん。つか、文化や風習、倫理観など現実世界と共通しすぎていて、異世界である意味あるの? つか、回復魔法の呪文がリカバリーって、英語かい。オリジナルのネーミングくらい考えろよ。つか、2時間後に宿に集合って、4000万もってて少しも奢らないんかい。つか、主人公、たまには現実世界を懐かしめよ。つか、主人公チート級の戦闘力あるくせに、ポジション司令塔って。つか、敵が人外なのに内緒話する意味は? つか、能力がチート過ぎて推理にならんよ。つか、拭き取っただけで毒を除去できるとなぜわかる? つか、ユミナ姫、人の本質を見抜く看破の魔眼なんて便利なもんもってるなら、バルサ伯爵の本質を見抜けよ。父親殺されかけなくてすんだやん。つか、この世界の常識は分からんが、普通は男性の王族の方が王位継承権上じゃね? つか、別に悪くはないが、琥珀って普通は茶色だけどね。つか、スライム、本の紙だけ溶かして革表紙を溶かせないなら、革製の衣類を着ていけば良いんじゃね? 建物が燃えるかもって、石造りやん。つか、今度は探索系のチート魔法かい。つか、シャボン玉があるなら普通真っ先にイメージするやん。つか、どこまでチート重ねるんだい。つか、船酔い患者をおんぶって更に酔うやん。つか、「こちらの様子を伺っていた何者か」で検索かければ良いやん。都合に合わせて出来ないこともあるんやね。つか、シャイニングジャベリンは氷を貫けないんかい。つか、竜の牙、なぜ村長は上から目線? つか、気になるなら「この剣の持ち主」で検索しろや。つか、王とのバトルで致命傷可って。つか、アクセルを使えるのは良いとして、その状態で切り合うって、アクセルは動体視力も上がるの? つか、銃へのプログラムかなり複雑やん。いや、自転車って、ゲート以外の交通手段が必要かい? ゲートの発動条件が、行ったことある場所から、行った記憶がある場所に、微妙に変わってるやん。つか、母上若すぎ。つか、バイオハザードやん。つか、プログラムまで瞬間で組むんかい。つか、殲滅魔法強すぎ。つか、山本勘助って信玄の忠臣だろ。つか、スティールで心臓とか奪えよ。つか、信玄が二度死んだのに四天王あっさり過ぎるだろ。つか、王族みんなヒマなのか、働け。つか、全員水着の面積狭すぎ、恥女か。つか、つか、これ朱雀も青龍も出る流れね。つか、永続魔法って、MPはどうなってんの? つか、ディフォルメ化して浮けるなら、それでスリップ回避してから元に戻れば良いやん。つか、これ以上戦力増強してどうするん? つか、王族になれば一夫多妻すらOKかい。つか、ユミナ正妻は確定かい。つか、何の悩みもなくハーレムエンドまっしぐらとか楽なアニメだな。つか、ただのクズ男やん。つか、ガラスの仮面かい。つか、USBポートの規格が合うんかい。つか、次は未来予知に巨大ロボかい。つか、深く考えなくてよいっていう神のアドバイスは、視聴者に向けたものなのか? つか、恋愛神って、名前のヒネリなしかい。つか、神様のクダリは必要か? つか、責任もてないって理由なのに婚約はできるんかい。つか、いよいよスマホ関係ないな、純粋な意味でのハーレムアニメだな。{/netabare}

あ~、ツッコミ疲れたw でも、このへん、なんか(アホくさ過ぎて)ニクメナイんだよな~という感じで少しは楽しめたんで、評価1は付けませんw


さて、ネタではなく、ここからガチで酷評です。

まあ、簡単に言うと、主人公を「何でも出来る」という風にデザインしたのに、都合に合わせて「出来ない(やらない)ことがある」から、変になる。

「何でも出来る」なら、本来ピンチや困ったことにはならないはずなのに、作者の都合に合わせて、ピンチを演出している。キャラ自身が、そのキャラなりの思考回路やおかれた状況の中で考えて行動しているのではなく、作者が自分の都合の良いように、駒のようにキャラを動かしているタイプの作品に感じた。キャラが生きていない。

(「ロードス島戦記」の作者、「水野良先生」とかはその辺が凄いよ。「キャラが動いてくれないと書けない」「キャラが動き出したら全部書き直すこともある」と公言されてるし、それは読んでいても感じる。だから、出版が遅れる遅れるw)

つまり、根本的な問題として、作者に、登場人物を愛し、共に苦労して冒険しようという気概を感じないんだよね。

本当に良い作品というのは(それがファンタジーであれ恋愛であれスポ根であれ何であれ)、「作者が登場人物をリスペクト」しているように感じる。例えば、自身が産み出したキャラクターをストーリーの都合上どうしても殺さなくてはいけなくなった時、本気で悩み、泣きながら描くような、そんな姿勢だ(「キングダム」の「原泰久先生」は、あのシーンやあのシーンなんか、本当に泣きながら描いてました。「尾田栄一郎先生」もそうだそうです)。

きっと、そういう作者の思いって、読者(視聴者)に伝わると思う。

登場人物が、作者の「妄想」を具現化させるだけの「単なる道具」なら、多分、人は泣けない。それを、自身の「夢」を具現化させるための「相棒」にまで昇華できれば、多分、人は泣ける。やってることは近いんだけどね。

とはいえ、「小説家になろう」原作ということで、原作者はセミプロ?みたいなものなのかな。小学生の時、「RPGツクール」で作ったゲームのシナリオを思い出した。それでもまあアニメ化されるくらいには注目されているということなんで、(原作者の)今後の動向(成長)には期待して注目していきたいと思います♪
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 39
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

謎の神様パワーでモテる人生をゲットだぜ!

❁⃘❁┈┈┈┈┈INTRODUCTION┈┈┈┈┈❁❁⃘
彼にあるのは神様から底上げしてもらった身体と、
異世界でも使用可能にしてもらったスマートフォン。
様々な人達と出会い、大切な仲間を得ていく中で、
いつしか主人公はこの世界の秘密を知る。
古代文明の遺産を受け継ぎ、
お気楽な世界の王たちと力を合わせながら、
個性豊かな女の子たちと共に
彼はのほほんと世界を巡っていく (公式引用)
❁⃘❁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁❁⃘

異世界が流行ってる今の感覚で観ちゃうとテンプレだな〜
と強く感じる部分は多いと思うけど、
5年前の異世界作品と思ったら面白い方だと思う。

内容はありがちでも女の子たちが可愛くて
それぞれ個性もしっかりしてるのでキャラは楽しめます!

ただ、ここまで恋愛を持ってくるとは思ってなかったので
恋愛要素が多いことに少し戸惑いますね。
{netabare}
終着点がみんなと結婚の約束をすることなら
あまり必要じゃなかったのでは?と感じるバトルシーンが
結構含まれていたように思いました。

笑えるところと癒されるところが
いくつかあったのは良かったです(*´`)


◆1話【 目覚め、そして異世界】

フランクな神様いいキャラしてるなぁ〜
スマホをそんなあっさり使えるようになるのも凄いけど、
身体能力の向上と魔法の才能まで与えてくれた
神様パワーっていう謎の雑設定なにそれw

冬夜の、ギルドの例えがハローワークって発想好き。
あと異世界ならアイスクリームの教えは特許とれそう(°﹃° *)

◆2話【 初旅、そしてサムライ。】

スライム討伐をエルゼたちが全否定して
ブヨブヨネバネバした物体が生理的に無理だから
って言った瞬間、リゼロのアクア達が即座に浮かんだw

なんだこの生意気な小動物みたいな可愛い子はーっ♡
と思ったらスゥちゃん喋り方がそう聞こえるだけで
しっかり王族らしい筋の通った素敵な性格してるの好き。
スゥちゃんだけじゃなくてお父さんも
王族だけどフレンドリーでいい雰囲気なのいいな(*´`)

サムライの八重も仲間入り、うんうん、
いいね、着々と女子が集まりだした集まりだしたw
チートだとしてもなんでも出来る冬夜が羨ましい。


◆3話【 将棋盤、そして地下遺跡。】

アルマちゃん、、狐キャラきたぁぁああああ♡!

「このタイミングで冬夜殿が訪ねてくれるとは、
おそらく神が君を遣わせてくれたのだろう」
ってアルフレッドが冬夜に言うのを聞いたとき
冬夜と神様は顔見知りだから無きにしも非ずな感じがして
もしかして神様はあれからずっと
冬夜の事を見てるのかな?と思い始めてきた。


◆4話【 婚約、そして押し掛け。】

急に出てきたユミナと婚約させられるけど、、
サブタイ通り本当に押し掛け。
人の本質を見抜ける魔眼の持ち主なら
相手(冬夜)の心情とかも察せる子になっておあげw
個人的に今の所ユミナはグイグイ感がちょっと苦手だなー。

冬夜の神獣となった琥珀のちっこいバージョン
ぬいぐるみっぽくて可愛いですね(*´`)
持ち前の威圧感は欠片もなくなっちゃった!!


◆5話【 スライムキャッスル、そして新機能。】

「爵位!?!?」「辞退!?!?」この流れ好き。

4話の時よりもユミナの性格が砕けてきてて
最初の苦手意識も薄れました‪(*ˊᵕˋ* )
それに冬夜が他の女の子に変わらず優しく接してても
ユミナは嫉妬とかでそれを否定する訳でもなく
むしろそんな冬夜を受け入れてる感じが好感度高い。
それとも一夫多妻の世界だと
取り合いにならないからその余裕なのかなw


◆6話【 引っ越し、そしてドラゴン。】

ユミナのお父さんから爵位の代わりに
大きい家を貰って5人で過ごすことになる。
ユミナ以外のみんなが邪魔をしまいと遠慮をしたけど
「4人とも同じくらい好きだし家族みたいに思ってるよ」
と冬夜は伝える。

これはユミナもさすがに嫉妬するか!?と思いきや、
ユミナは1歩前進と捉えて凄くポジティブな上に
お嫁さんになるつもりではあるけど独占するつもりはない
という12歳にして大人な考えのユミナに完敗です(๑⃙⃘´꒳`๑⃙⃘)
、、4人ともお嫁さんになるつもりかしら♡w

ドラゴンとの戦いを終えたあと、
ドラゴンでさえ琥珀には頭が上がらない様子を見ると
琥珀が本当に凄い立場の神獣だという事がよく分かる。


◆8話【 日々の暮らし、そしてイーシェンへ。】

冬夜、少女を拾って帰る。の巻www
ここでレネちゃんが謎に仲間入りするのは
何か今後に関係してくる意味があるのかな??


◆7話【 獣人の国、そして監視者。】

「可愛い、可愛い、可愛い、筋肉〜、、」
スマホの写真をドローイングってw
上手いこと魔法と掛け合わせて使いこなしてるな。

プログラムで作られてる動くクマさん可愛い♡
このプログラム魔法めちゃくちゃ便利じゃない!?


◆9話【 オエド、そして不死の宝玉。】

八重のお兄ちゃんイケメンだったーっ!!!

宝玉のせいで戦が起きてたけど
冬夜の一斉攻撃であっという間に不死者達をノックアウト。

宝玉を目にはめてた自信たっぷりな持ち主からも
小物移動の魔法を使って一瞬で奪えた、、呆気ないw
チートに磨きがかかってきた(*•̀ㅂ•́)و


◆10話【 海、そしてバカンス。】

水着回ですねぇ〜〜〜(°﹃° *)
お胸のサイズに個性が出てるアニメは良いね!

召喚で呼び出した蛇の珊瑚と亀の黒曜と契約成功。
にしても蛇がオカマちゃんだと
必然的にNARUTOの大蛇丸を思い出してしまうw


◆11話【 ぱんつ、そして空中庭園。】

移籍を探していたら空中庭園を発見し、
そこでパンツ丸出しのフランシェスカと出会う。
またもやいいキャラ出てきちゃった〜w
フランシェスカから勝手に認められて
冬夜は空中庭園のマスターに。
マスター登録で遺伝子を取り込むために
突然フランシェスカが冬夜にしたキスが全然
フランクなものじゃなくて驚いた(°﹃° *)

2人のキスを目の当たりにして気持ちが爆発したのか
好きという気持ちを打ち上け張り合うように
リンゼが冬夜にキスしちゃったよ〜
1番勇気ある子なんじゃないか??
張り合った相手のフランシェスカは人間じゃなくて
何千年も前に人の手で作られた子だしw


◆12話【 決断、そしてスマートフォンとともに。】

ライムさんに対する
フランシェスカの棒読み「キュンキューン」がツボすぎる。

おいおいおい、
ただのハーレム求婚フィーバーやないかいwww

恋愛における「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」
って言う人が結婚できないお約束が存在するのは
なんと恋愛神のせいだったのか!!

8話で起こった冬夜がお風呂に入ろうとしたら
着替えてる最中で下着姿の4人と遭遇したトラブルも
恋愛神のせいだったのねw

そんな恋愛神だけど、
「片方だけの幸せなんて恋愛じゃないのよ」って
しっかり良いことも言ってる(*´`)

フランシェスカは、未来が見えてた博士から
冬夜は最終的に9人と結婚するって聞かされてるらしい。
最後に9人の女の子たちが並ぶ映像が流れるから
その子たちが結婚相手になるんだろうけど、
その中にスゥちゃんも入ってたーっ(๑⃙⃘´꒳`๑⃙⃘)
612歳の妖精族のリーンさんも入ってたんだけど、
まさに異世界ならではのメンツですねw
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

85.6 5 ラノベ原作で冒険なアニメランキング5位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1042)
4991人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

小鬼の報酬

【視聴完了して改稿】*末尾に追記


RPGでは「ザコ」扱いのゴブリン専門の「凄腕」冒険者の物語。

小物のゴブリン退治専門でいながら「最強」の主人公は、しかし「主人公最強」という決まり文句で語る気にはなれない。

そもそも、活劇は、その本性上、主人公は必ず勝利しなければ成立しない。
活劇において主人公が戦闘に勝利する=最強でなければ、活劇を物語ることはできない。

ようするに、活劇に対して「主人公最強」と言い放っても、それは何も言っていないのと変わらない。

なぜ「強い」のかを説得的に設定していることが、本作の特徴と言える。
なんとなく懐かしいものをまず感じるのは、80年代のアニメファンの「設定ごっこ」の匂いのせいかもしれない。


かつてアニメファンの間では、架空のアニメの設定を作り上げて楽しむ遊びが流行っていて、有名なところでは『機動警察パトレイバー』が、ゆうきまさみ を中心とした仲間内の「設定ごっこ」から誕生したことが知られている。

そうした「ごっこ」遊びでは「パターン破り」が一つの典型になっていて、よくある展開、お約束の描写などを、殊更にひっくり繰り返すことが、ある種の定番だった。
『パトレイバー』にも数々の「パターン破り」が盛り込まれていたが、さすがに才能あるクリエイターの集団だけあって、単純な「逆張り」の受け狙いにはとどまらず、後続作品の新たな「パターン」ともなる独自性に昇華されていた。

本作の「ゴブリン専門でいながら高い等級の冒険者」は、とりあえず機械的に「パターン」の逆をゆく「設定ごっこ」の「パターン破り」を連想させる。
が、逆パターンを足場にした、それこそ、かつての「設定ごっこ」を思わせる設定の突き詰めが、単なる受け狙いの逆張りではない独自性の発揮にまで至っていて、冒険の背景としての扁平な「世界」ではなく、立体感のある「世界」として異彩を放っている。

同期に放映された、「最弱のスライムが実は最強」の能力を持っている「逆パターン」の別アニメが、「逆パターン」を補強する設定が一切みられないのと比較すると、姿勢の違いは明瞭だろう。

TVアニメとしては暴力的な描写を貫いた第1話は、そうした設定を効果的に表現していた。

RPG風の「異世界」では、冒険者は「ギルド」から受けるクエストをこなすことで経験値と金銭を受け取る。
これが「お約束」だ。
たいていの異世界ものでは、こうしたルーチンは当然の前提として、改めて説明されることはない。

しかし、こうした「異世界」の仕組みを無心に眺めると、どうなるだろう。

クエストの成功に対して支払われる「報酬」はどこからやってくるのか。
依頼と支払いの業務を行う「ギルド」、そうした各所の情報を統合して処理する事務員や拠点の維持の、その費用はどこからやってくるのか。
その「世界」の住人であれば、視聴者のように「お約束」で思考停止しているはずがない。

第1話で能天気にゴブリン退治に向かう新米冒険者パーティ、あるいは背景にたびたび登場する陽気な新米たちは、まさに自分たちの「報酬」がどこから来るのか考えてもいない半人前=ルーキーであり、視聴者の分身として作中へ導入されている。


「報酬」が支払われるなら、金銭を「提供」するものがいるはずだ。
冒険者のクエストに金銭を提供するのは、すなわちモンスターやクリーチャーによって「被害」が発生しているからだろう。
そう、金銭を拠出するのが誰であれ、「報酬」を出してまで退治を依頼するのは、報酬に匹敵するほどの「被害」が発生しているからだ。ほかに理由は考えられない。
直接に「被害」を受ける者か、被害を防ぐ義務を持つ行政官か、いずれにせよ「被害」を回避するために「報酬」の金銭を拠出する。
冒険者の苦労に対する「ご褒美」で賞金が出るわけはない。

もしもモンスターによる「被害」が、平均して年に5人の死亡、といったものであれば、規模の大きな村や町なら、そのまま放置しておくこともあり得るだろう。

放置できないほどの「被害」、「報酬」を出してまで、どうしても解決しなければならない「被害」の実態を示すために、まず第1話の描写が要請された。
ゲーム的異世界への逆張りで、安直な「逆パターン」の新奇性を狙ったわけではない。
逆に、これほどの「被害」も無いのに、お気楽な「ザコ」狩りで、どこからともなく「金銭」の支払いが発生するはずはないだろう、という批評性が込められもている。

新米冒険者の「入門」として「定番」になるほどゴブリン狩りが頻繁に依頼されるものであれば、あの「被害」が果てしなく繰り返されているということだ。
妄執にも似た、主人公ゴブリン・スレイヤーの動機と行動は、こうした設定から説得力を強力に与えられている。
この説得力のために、あの第1話はある。


いったんゲーム的・空想的な「異世界」設定に異を唱えた以上、表現の方もファンタジックな架空性から距離が生じる。
原作小説がどのような文体で綴られているか知らないが、なんとなく本作が大藪春彦ふうに感じられるのは、ゴブリンに対して徹底的に非情な主人公の動機が「復讐」で、ゴブリン狩りのテクニックがまさに「狩猟」に近似しているからのようだ。

狩猟で獲物を仕留めたいなら、獲物の生態について学ばなければならない。
行動圏や生殖生態や行動様式を知り、足跡やマーキングや糞の痕跡を追って、ねぐらや移動ルートを見切って追い詰める。

鉄砲を持てば好き放題に動物を殺しまくれるわけはない。まず銃の射程内まで獲物に接近することができないだろう。

こうしたことを学ばずに山に入っても、空手で引き上げるのが関の山だ。
剣や魔法を備えていても、むなしく返り討ちにあう冒険者パーティのように。

小説では、文体を模写するパスティーシュという技法がある。
文体と、その文体で描かれるものとの間に生じるギャップ=「異化効果」の面白さを狙う技法だが、ゲーム的「冒険」を、「狩猟」のテクニックで描く「異化効果」が、「ダークファンタジー」というよりも大藪春彦=「ハードボイルド」ふうの印象を生み出している。

こうした「パスティーシュ」の雰囲気が、「パロディ」が広く浸透していた80年代「設定ごっこ」の印象につながるのだろうか。


ハードボイルドと言えば、別作品のレビューで、ハードボイルドの本質は「社会の外部から侵入した報道カメラの視線」であると書いたことがある。
大藪春彦の小説が、一般的に了解されている「ハードボイルド」風の様式から外れているのに、なお「ハードボイルド」であると感じられるのは、大藪の小説の主人公が、例外なく社会に溶け込むことを拒絶した「異邦人」であるからだ。
日本社会に侵入した「異邦人」の視線と圧倒的な暴力にさらされることで、見慣れたはずの日本社会が異界化してゆく。

本作の主人公が大藪ヒーローを連想させて、「ハードボイルド」の雰囲気をまとうのは、彼が「人間社会」=作中の用語ではヒュームの世界から逸脱した、「外部」の異端者であるからに他ならない。
「外部」にはじき出す原動力が「復讐」への強い執着であるところも、大藪との共通項だ。

「人間」の冒険者からは軽侮されているのに、他種族の冒険者と良好な関係を結ぶ描写が、互いに「人間」社会の外にいる、主人公の「外部」性を示している。

こうしたところが強力にオッサンのツボを突いて引き付けられるのだが、大藪春彦が亡くなって20年以上、最近では作品の流通も盛んではないので、あまり共感はしてもらえないだろう。

しかし、共感はなくとも、ファンタジー「異世界」の「お約束」的な「調和」の限度を超えて振るわれる主人公の暴力こそが、視聴者を曖昧に拘束している「ゲーム的異世界」の「お約束」性を告発していることを感じ取れるはずだ。
人によって、「告発」の衝撃が暴力描写への単純な不快感だと誤解されるとしても。


主人公の「外部」性は、人間「社会」の外部であるのみならず、この「世界」自体に違和する、「世界」への告発者であるのかと予感させる。

もしも主人公が「外部」性に定義されているとしたならば、浮き彫りになるのは、平和な「世界」に「外部」から侵入するゴブリンという異物を、「内部」の主人公が退治しているという物語などではない、という構図だ。
主人公の「外部」性が敵対する対象である以上、「ゴブリン」は、この「世界」に内在する、「世界」に組み込まれた一要素である以外にありえない。
「外国」から押し寄せる外敵を「国内」の英雄が防ぎとめる、といった類型で了解することはできないだろう。


主人公の視界には、この「世界」はゴブリンによる「被害」を「内包」したものであると見えている。
だからこそ、ゴブリンを「世界」から「追放」したり、「侵入」を防ごうとするのではなく、あくまで世界「内」で殺し尽くそうとする。

そんな主人公にとって、世界のすべてはゴブリンを狩るための「手段」の相関として捉えられているようだ。
各種の「装備」のみならず、カナリヤや粉塵爆発の「知識」から、協力する「冒険者」たちまで。

孤独の印象が強い冒頭から、後半には他人と交わるようになったかのように見える展開だが、しかし、その冒頭から、主人公は他者を拒絶しているわけではく、折々にきちんと感謝や謝罪の言葉を述べる様が描かれている。

問題にするのはゴブリンを狩る「手段」としての有効性であり、有効であれば何ものでも受け入れるのであって、あらかじめ何かを排除する姿勢は最初からない。「他人」もまた同様だ。

本作のキャラクターには固有名詞=個人名が与えられていないが、こうした道具的な「手段」の相関として世界をとらえる主人公の視線を反映しているのかもしれない。

「ゴブリン狩り」という動機によって配置される道具の相関。

しかし、「世界の中のモノや人といった存在者を道具的関連の相関として了解する」とは、ハイデガーが記述したダス・マン=ふつうの人の実存そのものだ。

ようするに、いっけん非情で特異に見える主人公は、(ハイデガーが正しければ)視聴者と同じく、神なき時代の「普通の人間」なのだ。

「普通のオトコノコ」が活躍するアニメが、慎重に主人公を無能力化・無個性化することで視聴者に同化させようとする作為に比べ、「普通の人間」がここまで際立つのは、やはり背景=舞台となる「世界」の設定力が優れていることと、その「世界」の外にはじき出された「外部」性のためだろう。


{netabare}ナレーションによれば、この「世界」は、「秩序」の善神と「混沌」の悪神のせめぎあいで創造されたものだ。
せめぎあいの手段が「サイコロ」である設定が明かすのは、この「世界」が、偶然性によって「出来上がった」ものであり、何ものかの一貫した「設計思想」の下に「構築」されたものではない、ということだ。
「混沌」の神と共に「偶然性」によって創り上げられた、ということは、即ち、この「世界」では「秩序」は部分的なエラーのように点在しているだけ、ということを意味する。

つまり、世界にとって「バグ」にも似た「モンスター」を排除しさえすれば、「本来の」秩序だった美しい「世界」が復活する、という一般的なゲーム的ファンタジー異世界のエンディングは、本作の「世界」には望めない、ということだ。

モンスターもまた、聖者や勇者と同様に、「外部」から「侵入」する異物ではなく、秩序と混沌のモザイクであるこの「世界」に組み込まれた不可欠の組み石であり、恣意的に抜き取ることはできない。
最下級モンスターである「ゴブリン」による「犠牲」もまた。

戦闘の決定的な場面で、主人公が振られる「サイコロ」を幻視するように、アインシュタインの確信に反して、この「世界」の神々はサイコロを振る。
この「世界」の神々は、スカウターによって計測される能力値が大きければ自動的に勝利が「保証」されるような、定められた「秩序」を約束しない。

高等級冒険者であっても、ちょっとした加減で死を迎えるこの「世界」を、もっとも的確に象徴するものとして、本作の「ゴブリン」の設定がある。

単体であれば半素人でも撃退できるザコ。
しかし、群れとなれば一撃で消し去ることはできない。
必然的に撃ち漏らしが発生し、逆襲や逃走を防げない。
逆襲の手数が多くなれば、冒険者は対処しきれず致命傷を負う。

こうした設定によって、「最弱」のゴブリンは、状況次第で、新米が無事にクリア出来たり、ベテランが落命する予測不能の結果を導く。

無事にゴブリン狩りをクリアした新米は、しかし2回目には全滅するかもしれない。
ベテランであれば、5回は成功しても、6回目には死ぬかもしれない。
高等級冒険者でも、100回続けてクリアし続けられる保証はない。

丁半博打でサイコロの出目を永遠に当て続けることはできないように、誰であれ何時かは必ず敗れ去るであろう「ゴブリン」は、こうして「神々のサイコロ」性を象徴している。
勇者であっても敗れて不思議ではない「ドラゴン」や「魔王」では、サイコロ性は明瞭にならない。
容易に狩れつつ根絶は困難な「ゴブリン」こそが、この独特の「世界」を象徴する。

ある意味では現実世界そのものといった身もふたもない「異世界」だが、この現実に似た「世界」が、本来は反現実的な空想の産物である「異世界もの」と比べて独特の印象をもたらすのは皮肉だ。
量産化される数多の「異世界もの」が、いつの間にか制度化した「お約束」によって奔放さを失った類型と化しているのだと暴露する本作の「世界」は、やはりゴブリンを足場にしているからこそだろう。

しかし、勝利が「保証」されないということは、逆に敗北が「運命」づけられてはいない、ということでもある。
「ゴブリン」狩りの道具として「世界」の全てを活用しようと企てる主人公の姿勢は、「サイコロ」の目がどう出ようとも勝利する手段を必ず確保する意志の現れだ。

確率的にいつかは訪れる「ゴブリン」による「死」=「敗北」を絶対に回避する意志。
いわば「神々のサイコロ」=世界の仕組みを越えようとする主人公の意志は、やはり「世界」の「外部」性から生じていることは明らかであるように思う。
サイコロを振る神々の世界で、神なき時代のダス・マンに近似するのは必然なのだろう。


最終エピソードで主人公と共にゴブリンとの野戦に挑む冒険者の群れは、「狩猟」に似た「ゴブリン狩り」とは打って変わり、ファンタジー風のバトルでビジュアル的に楽しい。

多数の冒険者と協調して野戦に挑む描写は、主人公が偏屈さを捨て、他者と親和する「和解」を表現している、わけではない。
そもそも最初から、主人公は他者を拒絶などしていない。

主人公と共に冒険者たちが一つにまとまるのは、むしろ主人公の視界に映る「世界」がどのようなものであるのか、その「外部」の視線に映る「世界」の実相を冒険者たちに共有させるためであるように見える。

社会外から侵入するハードボイルド探偵の「外部」の視線が、その社会の汚れて歪んだグロテスクさを「内部」の人間たちに突きつけるように。

ハードボイルドとは、不愛想なのに時折キメ台詞を口にしたり、マッチョがタフを気取るポーズのことではない。
それらは「内部」を告発する「外部の視線」を表現するための技法であって、本質は視線の「外部」性にこそある。

「サイコロ」に振り回される無秩序を疑問視しせず「世界」を肯定する冒険者たちに、「世界」の実相を垣間見させる野戦は、冒険者たちに自覚があれば「世界」の足元を見極める視線を身に着けさせるだろう。

だが、視線の外部性は、単純に外部に立っているということではない。
否応なく「外部」の視線で見つめてしまう存在でありながら、しかし同時に「内部」に囚われて外側に立つことができない分裂と矛盾が、「ハードボイルド」を駆動する。

はじき出された「外部」の視線で「世界」を見つめつつ、「想い出」の象徴である牛飼娘によって強力に「内部」へと繋ぎ留められる主人公もまた、冒険者たちとの結びつきによって、一層「ハードボイルド」性が強化されるだろう。

同時に、野戦によって主人公の「外部」の視線を垣間見た冒険者たちの中から、いつか「ハードボイルド」な冒険者が誕生するかもしれないと想像させてくる。

それは、今日は雑兵扱いされている、新米冒険者の明日の姿かもしれない。
そう、「たまたま」身に着けた防具で命拾いした新米は、その意味を掴むことができたならば、生き残っていくことが出来るかもしれない。
ハードボイルドに。


アニメやマンガでは、「復讐」は、「虚しい」「何も生まない」と薄っぺらい説教をされることが多い。
が、「何も生まない」とは、第三者が外側から観察して、費用対効果の経済効率を測定しているに過ぎない。
今このときを「復讐」を糧に生きる主体の前に、経済効率が何の意味を持つだろう。

冒険者たちとの野戦を通過し、いつかは「冒険」したいという希望を漏らすに至った主人公は、「復讐」の先へ向けた視線を獲得したと見える。
が、それは経済効率を受け入れたからではない。

復讐を果たしたとき=「ゴブリン」を絶滅させたときに思いを馳せるのは、「世界」の象徴である不可欠の構成要素が除去されたとき=「世界」が決定的に変質したとき、初めて「世界」を肯定して受け入れることができるかもしれないという(半)自覚の芽生えだ。
裏返せば、「世界」がこのままである限り決して肯定はしない/できないという、いま現在の、冒険者たちとの距離感でもある。
と同時に、「新しい世界」に出会う「冒険」は、「世界を変質」させるだろう「ゴブリン狩り」と根底で通じているのだという無自覚の気付きを、主人公の「冒険者」への憧れの芽生えは示している。


「神に抗う」「神に反逆する」と仰々しく看板を掲げるアニメは数多い。
本作の主人公が、世界の命運よりもゴブリン退治を志向するのは、こうした「パターン」の「逆張り」に見える。

しかし、「世界を象徴して」いる「ゴブリン」の退治において、「神々のサイコロ」を拒絶する意志は、すなわち世界を創った「神に抗っ」て「反逆す」ることと等しい。
矮小な小物狩りに特化した主人公は、決して「勇者」を補完する「日常の守護者」ではなく、その突き詰めによって、「世界」の根幹と支配性に挑戦しているのだ。

たった一つの「駒」では「何も変わらないだろう」という神々の傲慢なナレーションは、主人公によって「世界」の足元が掘り崩されていったとき、その無自覚をさらけ出すことだろう。
この「駒」は、多数の冒険者はもとより、必要とあらば「勇者」をも道具に使うに違いないのだから。

狭小な個人的意思が、実は「世界を変える」ことと等しいのだと描く物語は、この設定の突き詰めによって実現している。
「報酬」を発生させる果てしのない「被害」を撲滅する、煉獄にも似た「ゴブリン狩り」の向こうに、「世界」が変質する希望が微かにほの見えるようだ。



こうした物語を追うと、やはり本作は「ダークファンタジー」ではなく「ハードボイルド」の様式で描かれていることが必然のようだ。
ダークファンタジーがあくまで暗黒の世界の「内部」で完結する物語であるのに対して、主人公の「外部」性が「世界」に対立する本作は、やはり「ハードボイルド」だろう。

本作のキャラクターは固有名詞を持たず、名前を呼び合うことはないが、主人公も例外ではない。
主人公の字名すら、ゴブリンスレイヤー=オルクボルグ=小鬼殺し、と固定してはいないのは、ハメットの『コンチネンタル・オプ』に代表されるハードボイルドの「名無しの探偵」の系譜に連なる存在である証のように思われる。

愛想がないのに女性が惹き付けられる主人公だが、本作やアニメに限らず、はぐれ者が女性にもてるのは物語の定番でもある。
ハードボイルド探偵のような、主人公を始めとする「はぐれ者」に女性が惹かれるのは、(ちょっと嫌な言い方だが)建前に反して女性が社会の中心部から排除されている現実の反映なのかもしれない。
「女子供」という言い回しに典型的なように、社会人未満として社会の中枢から遠ざけられる「周辺」性が、はぐれ者の「外部」性と親和するのだろうか。

本作では、殺される寸前で死を垣間見た、日常と冒険の境界に立つ受付、人外の種族、といった「周辺」性や「外部」性が、主人公の外部性と引き合う。
現象面だけ見て「ハーレム」というのは少し表面的に過ぎるようだし、「女性は視聴に注意」などと殊更に本作から女性視聴者を遠ざけるのは、余計なお世話というものだろう。



TV放送されるアニメであれば、放送に当たって様々に制限が付けられる。
第1話は、それでも制限の中で表現の限界を探る意気込みが感じられた。

が、8話では、TV的な制限で作品の雰囲気を損なう描写があり、少し残念な気がする。

奇跡によって蘇生した主人公が起き上がるシーンで下穿きを身に着けているが、設定やストーリーの流れからすると、ここでの主人公は全裸であったほうが自然だろうし、それで問題があるとは思えない。
一目瞭然でワザとらしく不自然な、下着をつけたビジュアルは、TV放送上の制限ではあるのだろうが、「この通り、放送に配慮しております」という宣言のようなもので、「物語への没入」が「放送の視聴」へと引き戻されて、白ける。

つまらないと言えばつまらない言いがかりだが、だからこそ、こんな下らないTV放送配慮が表面化して作品の雰囲気を損ねるのは、それこそ「つまらない」ことだと思う。




友人と呑んだ時に本作の話が出たのだが、友人の評価は低かった。

上記の感想は、「復讐」に憑かれた男が「世界」に敵対している、という視聴から生じたものだが、友人は「ゴブリンスレイヤー」とは「ゴブリンをスレイ」する「職業」名と視聴したらしい。

主人公のゴブリン狩りを「仕事」とみなせば、なるほど、「仕事」への取り組み方や向き合う姿勢、何より受益者である「消費者」の満足といった点で、まったくバランスを欠いた現実味のない「仕事」に見えるのも無理はない。

しかし「仕事」という点から読み返してみると、主人公とギルドの冒険者たちとの違和は、「復讐」としての「狩り」と、経済的な「職業」としての「冒険」の隔たりでもあるのだなと思えてくる。

異種族の冒険者との良好な関係は、彼らの「冒険」が、「好奇心」や「宗教的な修行」といった「仕事」を超えた非・経済的なものであるところに、「復讐」と引き合う根拠があるのだろう。

視点によって、同じ「世界」でも全く違う光景が見えるのだなと、ちょっと面白かった。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

途中で断念したにしとく

6話までの感想{netabare}
世界観がようワカラン。
リアルを追求してるのか放棄してるのか…どっちなん?
ゲームのパロなんてさくまあきらが散々やったし今更やられてもなぁ。
多分スポンサーは分かってて言ってるんだろうけど、これをダークファンタジーと謳ってて「?」。
今期放送されてる別作品で例えると、もし“ユリシーズ”を本格歴史小説って言われてたらモヤっとすると思うんだけど、そんな気分。
ただのゲームのパロディ作品でしょう。
TRPGにしろゲームのシステムってリアルの生活をデフォルメしたもので、それを更にデフォルメ重ねたところでリアルにはならない。
あれだ、藤田咲に初音ミクの物真似させても素の藤田咲とは全く違うものにしかならないって感じ。
だって、ねぇ。
野生動物よりも恐ろしい魔物退治を専門にしてるハズの冒険者が、鉈持ったアイヌより弱そうなんだもの。{/netabare}

総評というかなんというか{netabare}
あんま言いたくないんだよなぁ。
言ったところで「じゃあお前はどうなんだよ」「そんなこといえるくらい立派なのかよ」って言われたら返す言葉もなく言いよどむ事柄でして。
かといってそうやって黙り続けても鬱憤がたまるばかりでして。
なるべく別作品挙げたくないんだけど、共通した「アカン方向」ってのがあって…昔からあるものではあるんだろうけど、ラノベってジャンルに於いては“キノの旅”が奔りかなぁ、と思ってて。

皮肉ると皮肉った対象より偉くなった気になれる、イヤな感情ではあるけどまぁ分かる。
けどね、それが有名な逸話「お菓子を食べればいいじゃない」にしかなってないのはどうなんだろう。
もっと詳細に書くと、貧困にあえいでる人が「パンすらロクに食べられない」と言ってるのを聞いて、「パンが食べられないならお菓子を食べれば良いじゃない。こんなことにすら気付かないなんて大衆(この世界の住人)はナンてバカなんでしょう」とふんぞり返られても「いや、アンタの方がよっぽど…」としか思えない。
要はパンよりも菓子のほうが高価って前提(常識)があるにも関わらずそれを無視し、解決にすらならない解決策を持ってこられても困っちゃう。
世間知らずのバカが知った口利いて「ボクってなんて賢いんだろう」って振舞われても「なんだよコイツ」にしか思えない。
“トネガワ”でネズミ講を「なんて新しいビジネスモデルなんだ」と持て囃してた海老谷と変わらない。
厄介なのはこれはあくまで「パンよりお菓子の方が高価」っていう常識が前提で、もしこれが創作世界で「お菓子の方がパンより安い」って設定なのなら成立はするんだけど、じゃあそれは前もってハッキリと提示しておかなければならない。
この基本設定をボヤかして煙に巻いて賢いつもりになってた(と自分は感じた)のが“キノの旅”で、どうにもこの悪習が綿々と続いてる気がする、“劣等性”とかね。
ヤベーのは「前もって提示しておかなければならなかったこと」が、「説明するまでも無い常識」と「書いてる人が常識知らずで本当に知らなかった」の二者に分かれる中、後者側の人間が前者のつもりになってるのが痛々しくて。

で、話をゴブスレに持ってくると、やってることが既存ゲームに対して「お菓子を食べれば良いじゃない」って言ってるだけにしか見えない。
「そんなことは分かってるよ、ゲームだから端折ってるんだよ」としてた賢い先人に、そんな事情を知らん無能がダメ出しして勝った気になってるだけにしか見えない。
バカほど人の気遣いに気がつかない。

まず1話のレイプシーンだけど、「批判してる人はあのシーンがショッキングだったから拒絶起こしてる」みたいなこと言われるけど別にそれはどうでもいいんだ。
もしあれがダメって言う人は小池一夫の作品読もう。
残酷描写の良し悪しではなく、それをすることで他の部分に与える影響のほうが問題でして。

そうねぇ、最初のギルドの有り様からしておかしい。
ゴブリン退治…だけでなく、モンスターの被害に会ってる村が金を出してギルドに討伐依頼して、ギルドは冒険者に公募かけて名乗り上げた人が退治に向かう、と。
…?
村人からは前取りしてーの冒険者へは後払い?
え…これじゃあ「村滅んでくれたほうが・冒険者死んでくれたほうが儲かる」にならない?
汚職待ったなしだと思うのだがどういうこっちゃ?と思ってちょいと調べてみたら…えっ、作中のギルドって国営?
…??
年貢取って更に依頼料せしめるってこと?
ってか1話では「とても依頼をこなせそうもない冒険者」を村に送ってなかったっけ?
依頼こなせないどころか孕み袋として母体を提供する形になって更に悪化させてなかったっけ?
国営としたら大失態なんじゃ…なんでこんな???
もうこんなの「意図的に使えないやつを送った」って噂立ちそうなもんだが。
競合他社があったら即座にそっちに客取られて潰れるところを、国営として独占してるワケだ。
ってことで国やギルド自体が腐敗してるって話か?と思ったらそうではないっぽい。
改めて言う、

金のみで動く・金額次第で何でもやる・金こそが全て

っていう拝金主義ならそれはそれでいいんだ。
現ナマでしか受け付けないみたいだし、ギルドの隣に高利貸しや悪徳両替屋や人買い屋が当たり前のように併設されてる、それならそれでいい。
受付嬢はクソの権化で国王はアホの極み、それならそれでいいんだ。
けどその後の作中描写はそうでないらしい、むしろ優良企業(組織)みたいな扱いでもう意味が分からん(わかってるけど)。
これは他のこともほぼそうで、最初に印象付けた出来事に対し、その後の描写がそれに背く形になってて、「お前何言いたいの?(わかってるが)」って中身になってる。

あんまダラダラ長く書いてもしょうがないので(といいつつもう充分長いけど)先に言っちゃうと結局これ、なろう系の鉄則「他人に厳しく自分に甘い」の「自分に甘い」の部分をののままに、「他人に厳しい」の部分をより過激にしただけ。
自分に甘いの部分に関してはイセスマなんかと変わりない。
ああ、ここでいう自分ってのは自己投影先のゴブリンスレイヤー並びにそれを賞賛する喜び組ね。
他人ってのはMOBのこと。
わざわざ人前で部下を叱り付ける上司ってのはよく居るけど、叱り付ける部分を殴る蹴る追加しただけ。
上司そのものは社長(神様=作者)に気に入られてて何一つペナルティは無く、他人に厳しいシーンだけを見て「なんて厳しい人なんだ」と騙される人も居るだろうけど、その実「自分には甘々」ってのが透け透け。
話題の1話のレイプシーンだって所詮は他人(MOB)、もしエグさを売りにしたいならもっと主人公(作者や視聴者が投影するキャラ)と親交を深める・充分感情移入させてからやりゃあいいのにそうじゃない、温い。
それでいて他人がゴブリン被害受けたら介錯するクセに自分がやられたら処女同衾で復活だってさ。
それ以外でもやれ改造転移スクロールだの小麦粉粉塵爆発だのセメントだの、前もって先の展開を知ってるとしか思えない準備の良さ(神様に気に入られてるので)。
難局を脱する際、あくまで普段持ち歩いてる特別でもなんでもないもので特殊な使い方をすれば「機転を利かせた」になるけど、ピーキーな道具をピーキーな場面で都合よく準備できてるのはご都合主義でしかない、お前未来予知能力者かよと、アクエリオンの不動指令かよと。
TRPG語るならエンカンブランス気にしよう。
えーっとかつて緊張感やピンチ演出について書いた事がある気がするけどそれではまだ説明足りてなかったなぁ…。
ピンチっていうのは「先の展開知らないで分の悪い賭けに打って出ざるを得ない状況」であって、それこそ運を天に任せてサイコロを振る瞬間であって。
先の展開知ってる限りはどんなに怪我しようがピンチじゃない、どうせ助かるって分かってるんだから…そういう意味では「異常な用意の良さ」はマイナスにしかならない。

他にも結局ゴブリンスレーヤーは誰からも悪し様に扱われない。
イントロダクション見ても「彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく」と、あたかも他人からどんなに恨まれようがゴブリンさえ倒せればそれでいいって印象を受けるが実際はそんなことは描かれていない。
なんとかゴブリン倒せたけど村人から「殺してやる」と恨まれることはない。
道すがら村人がレイプされてて助けてくれとすがられるけど犯人がゴブリンでないので「あっしには関わりのないことです」と素通りすることもない。
(牧場襲ったのがゴブリンでなかったら見殺しにしてた、くらい言わせればいいのに)
ずっと最弱(と認識されてる)ゴブリンばかり狩る変人扱いかと思えば吟遊詩人に歌われる英雄扱い。
これに関してはひょっとしたらドンキホーテよろしく笑い者として知れ渡ってるのかな?と思ったけど、サンチョのようなツッコミ役ナシでひたすら「ゴブスレのやることは正解」になるのでまぁ気持ち悪い。
「頭おかしい人の頭おかしい行為」ではない、正解引いてるんだから。
世界はゴブスレを賞賛するための道具に過ぎない。

まぁなによりも、だ。
ルールブック読んだだけで、一人でプレイしただけで、TRPGやったことないでしょ?
ってのがモロバレで。
ここら辺なぁ…鼻にかけたくないし、ある意味TRPGやったことある人にもキツいこと言うことになってしまうんだけど、現在廃れてるのは廃れるだけの理由があるワケで。
よく知らない人が昔そんなのが流行ったって噂だけを聞いて、妙に高尚なモンだと勘違いされるのもこれまた困ったモンで…。

TRPGを食った一因(あくまで一因)として格ゲーがあるけど、“ハイスコアガール”を見てもらえれば分かりやすいけど、癇癪起こして台バンする人って当たり前のように居ました。
TRPGだってそういう人が参加することはあるワケで…それでいてゲーセンの店員のような強い強制力を持った人ってのは居ない。
じゃあそういう連中野放しにしたらどうなるの?ってのは火を見るより明らかでしょう。
またそういう人を寄せ付けないようにしたら閉鎖的にならざるを得ないし、まぁ廃れて行くばかり。
高尚な遊びとして高尚な方のみが集う高尚な場(その場合私もお断りされちゃうけど)なんてのはあり得ないワケで…なにより自分が高尚だと思い込んでる人ほど厄介で。

で、だ。
ゴブスレの内容ってさ、そんな「廃れさせた奴ら」の行動まんまソレで。
私は存在は知りつつ最近まで専門用語までは知らなかったのだけど、和マンチとか吟遊GMとか言うらしいね、詳しくはググって。
むしろそういう悪行を悪行と知らずにカッコイイものと認識してるらしく、正に自分は高尚だと勘違いしてる手合いそのもの。
(かといって排斥したところで閉鎖的なのが加速するだけではあるんだけど)
「オレって糞野郎」と思ってるならゴブスレはもっと世界から悪し様に扱われさせるっしょ。

ここら辺は本当なぁ…マトモにやってた人にもプライドはあるワケで、「どうして廃れたのか」を喧伝するには口が重たかったのかなぁ。
現在の認識ではこれが正しいTRPGになっちゃうんですかね?
ちと他の作品でも(古い人から見たら)TRPG分かってない描写があっていい加減不満爆発してめっちゃ長文書いちゃいましたが、結局は「もっと勉強してくれ」に尽きます。
イメージだけでマウント取りに語ってるっていうのが丸分かりでね…所詮他作品キャラを寄せ集めたメアリースーではこれが限界なのかも知れないけど。

長々と書いてしまったけどこれにて、長文失礼。{/netabare}

追記{netabare}
ああん、そういうことそういうこと。
ダラダラ長文なだけで全然主張が見えてこないクソ駄文だと自ら思ってるけど、それに引き換え他の方の感想がやっぱり端的で素晴らしい。

↑で「ググって」って言葉で端折ってしまったけど、“吟遊GM”の件。
実際それってどういうこと?というと、要はGMの操るキャラクターが無双して大活躍して賞賛浴びるのが最大の目的で、参加プレーヤーはその引き立て役に徹する(徹させられる)ってプレイスタイルのことです。
そんなんやろうと思えば容易な話で…だってGMはこの先何があるか知ってるんだもの、この先どんな罠があるか知ってるんだもの、この先何が必要だか知ってるんだもの、敵はどうやれば倒せるか知ってるんだもの。
GMにとって気に食わないヤツ(のキャラクター)はテキトーな理由で悲惨な目にあわせるのが可能なルールなんだもの。
例えば初見では絶対分からない罠にプレーヤーを引っ掛け、どんな罠があるか前もって知ってる(当たり前だが)GM操るキャラクターはそれを颯爽と回避し(これといった理由は無い)、「お前こんな罠も分からないの?バカなの?」といってマント取るの。
「オレ(の操るキャラ)はなんて有能なんでしょう」ってのを見せびらかすのがメインで、プレーヤーはそれのための踏み台、そういう精神に侵された奴がGMを務めるTRPG。
それが更に深化して自キャラを引き立たせるために参加プレーヤー(のキャラクター)には泥水啜れ・肥溜めで溺死しろ・ゴブリンに犯されて死ね、さもなくば賞賛しろってのを強要し出す始末…ゴブスレにはそれしか感じない。
自分はそういうのはGM接待プレイと呼んでましたが…まぁ参加はしたくないですね。
で、GM接待プレイを許容できる人はこれを面白いと言っても差し支えない。
もうそこら辺になってしまうと良い悪いの話では無く許容できるか否かなだけかと。
私は許容できない、それだけ。
ただちょっと怖いのは「え、TRPGってそういうもんでしょ?」って風潮になってるのならそれはどうなんだかなぁ…?{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

彼の何に魅かれるのか考えたとき、人間の本質が見えてくる。

2018年12月30日 記載
子供の頃って、自分は何にでもなれると言う万能感で溢れていました。
根拠の無い自信で、無謀すぎる思考に取り巻かれた世界
叶えたい夢があったなら簡単に叶える事が出来て。
信じたい理想があった時、それは確実に成就出来る。
私自身も、本気でそう思っていた節があります。

勿論、そんな事は有り得なくて、在る訳無くて。
役割が伴わなければ、存在を為せないのはサルトルの言う通り
しかし、その期間は人間として1番強い時期でもあります。
無条件に「夢」や「理想」を信じられる。
「何にでも」にはなれなくても「何か」にはなれる。
全ては叶えられなくても、真に目指したい夢には到達出来る。
全ては成し遂げられなくても、信ずるべき理想には到達出来る。
子供の「思い」と言うのは、人間が本来併せ持っている「強さ」であると、私は感じます。

無知故の強靭、無恥故の蛮勇
そんな風に信じている人を馬鹿者と吹聴する大人もいる事でしょう。
しかし、そう考える事の出来る「強き思い」は何物にも変え難い信念です。
そう考える事の出来る「強き思い」は、決して覆せない覚悟となります。
そこに到達した際の役割を全う出来るだけの「覚悟」と「信念」があれば。
「夢」や「理想」なんて、決して幻ではないのです。

そして、そんな強気さえも浮かばなくなっていた今日この頃、私は本作に出会いました。
主人公は「何にでも」にはなれず、「なりたかった何か」にもなれず、「なりたい自分」が分からなくなっていた人間でした。
だからこそ自然、彼に感情移入して物語を楽しめた次第です。
現在の自分とどこか似通った部分を垣間見て、その際に私は、人間の本質を見つけたような気がします。

本日のレビューでは、少しその事についても書き添えると致しましょう。
今回御紹介するのは、喪失を取り戻す男の話
何も無い自分に「意義」を見出した『ゴブリンスレイヤー』の物語です。




【あらすじ】
これは、ある男の物語
英雄ではなく、勇者にもなれない。
ただ、小鬼を殺すだけの男の話

全てが運と知略で繰り広げられるこの世界
そんな盤上で、1人の男は只管ゴブリンを殺す。
そこにあるのは復讐を超えた義務
そこにあるのは後悔を越えた殺戮

武勇伝や英雄譚はお呼びでない。
そんな華々しい世界は、ここにはない。
小鬼を殺し、殺し、殺し、殺し続けた血の道があるだけだ。
「お前に小鬼が殺せるのか?」
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」

これは、そんな彼が織り成す「世界」の話
英雄ではなく、勇者にもなれない。
ただ、小鬼を殺すだけの男が真に成りたかったモノを、見つけるまでの……
「世界」を超えた『世界』の話だ。




{netabare}
1年が終わりました。
艱難辛苦の厄年でした。
個人的事情は抜きにして、昨年のアニメを振り返ってみると、どこぞの細胞やら、どこぞのお兄さんやら、「働く」事をテーマの一要素としたアニメが多く出ていたと感じます。
「労働賛歌」を謳ったり、「働く事の意味」を見つめ直したり、十人十色
「娯楽は時代を反映する」
娯楽に反映される程、労働に苦しむ今の社会って危険なんだろうなと感じた1年でした。

屈指のジャパニメーション国家もとい「労働問題」に辛苦する国、日本
これまで培ってきた産物から社会問題へ言及するのはよくある事
ディズニーやチェコアニメーションなんて観るとよく分かります。
ただ、それはそれとして、昨今の「あからさま」なのは嫌いじゃねえけど観たくねえと思ってしまうのです。
「働く」と名の付いた作品や、明らかに働く事をテーマとしている「勤務地」が舞台のアニメ
「辛い事もあるけど働くのって良いよね!!」みたいなポジティブメッセージを随所に感じてしょうがありませんでした。
そんな短絡的思考で容易に割り切れる問題じゃねえよ。
そう考えた結果、過労死する惨状がこの世界にはあるんだよ。
こういう「前向き」に感化されたら、自分の思考自体がよからぬ方向へマインドコントロールされてしまう。
労働嫌いな私は上記の要素も相俟って、そういった作品は観る事こそあれどあまり嵌れない始末でした。

そして、私のそんな心境は『ゴブリンスレイヤー』において、正に熟考を発揮します。
しかし、それは私のお気に入りの形で。
暗喩的且つ的確なメッセージで以って。
不快にならない程度に、上手く描かれていました。
そう、本作はそんな適度のバランスに保たれた世界で、「働く」と言う事を自然に考えさせてくれる作品なのです。
正確に言えば「労働」を基点とした「人生観」について、と言う所でしょうか。
「働く」事によって「人生」をどのように謳歌するか。
自然に考えさせてくれる描写が非常に多かったと言えましょう。

その大部分はゴブリンスレイヤーと言う人間から。
彼と言う「冒険者」に魅かれた結果、生み出された産物でした。
冒険者としての職業が成立する世界
主人公のスタンスは自分の現在と似通った箇所が多かったです。
「はたらくぞ はたらくぞ 毎日毎日戦場」の世界
誰もが向上心に溢れ、ドラゴンやらオーガやら悪魔やらロックイーターやらを倒して上へ上へと伸し上がろうとする世界
その中で、黙々と最弱モンスターであるゴブリンのみを狩り続ける彼、ゴブリンスレイヤー
成し遂げられるのは小さき事だけ、社会の風潮に溶け込めない逸脱者の自分と重なりました。
この先、ゴブリンを殺せなくなる日が、働けなくなる時がやって来る事に困惑を覚える彼、ゴブリンスレイヤー
「未来」「将来」と言う言葉がずっと迫っている、先なんてさっぱり分からない日々を送っている現状と重なりました。
結局、「先の事」なんてちっとも分からなくて、目の前の事を精一杯やるしか無いんです。
今を生きていくだけで精一杯、生きているだけで丸儲け。
そう考えていく事でしか、自らを保ち続けられない自分を、私は彼から見出しました。
弱き人間の本質を、彼を観ていた自分に見つけたのです。

そしてだからこそ、小鬼の「恐怖」を身を以って痛感しているゴブリンスレイヤーが、社会の「部外者」である彼だけが、その対処の為に彼等だけを狩り続けると言う姿勢に、私は痺れてしまいました。
あくまで自身のスタンスを貫き続け、その結果、他者からどのような目で見られ、蔑まれ、怯えられ、馬鹿にされようとも、その意思を曲げません。
そして、そんな自らの抱いてきた信念が、行動が、少しずつ実を結んでいきます。
偶々助けた女神官から、彼の逸話を聞いて集まった妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶に広がり、剣の乙女との邂逅を経て、最後にはギルド全員と意思の共有をするに至りました。
彼が培ってきた努力の体現には、感極まるより他に無いでしょう。
そして、その過程の変遷が彼の行動をずっと見守り、信じ続けてきた牛飼娘をも救ってしまいます。
牧場と言う、ゴブリンスレイヤーと牛飼娘の「帰る場所」
その「聖域」が元の形を維持し続けられた事で、そこからまた「冒険者」として旅立つ事が出来るのです。
この構成が、もう堪らなく素晴らしかった。
強き人間の本質を、彼女を観ていた彼に見つけたのです。

それは確かに、無駄じゃあなかったんです。
彼がこれまでゴブリンを殺し続けてきた過程は、決して無かった事にはならなかったのです。
目の前の事を精一杯やってきた、現在のみを見据えて生きてきたゴブリンスレイヤーの5年間は、決して無駄ではなかったのです。
私の胸はどうしようもない幸福で胸が張り裂けそうになった次第
そして、辿って来たこれまでの日々は、彼に1つの夢を呼び起こさせます。
子供の頃から、なりたかったもの
自分が叶えたくても、叶えられなかったもの
今でも、まだ叶えたとは思えていないもの

「冒険者」

自覚した彼は「死ぬまで生きていく」人生の中、追い続けるでしょう。
人間の「強さ」を取り戻した彼は、自らの道程を求め続けるでしょう。
「冒険者」になると言う「夢」を。
「冒険者」として生きたいと言う「理想」を。
「部外者」から「冒険者」へと変化した彼の「物語」は今、始まるのでした。
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まるで、偉大な物語の中にでも迷い込んだような気分です。
闇や危険が一杯に詰まっていて、その結末を知りたいとは思いません。
幸せに終わる確信がないから。

こんな酷い事ばかり起きた後で、どうやって世界を元通りに戻せるんでしょう?

でも、夜の後で必ず朝が来るように、どんな暗い闇も永遠に続く事はないんです。
新しい日はやって来ます。
太陽は、前にも増して明るく輝くでしょう。

それこそが、人の心に残る偉大な物語です。
子供の時読んで理由が分からなくても。

今ならフロド様、なぜ心に残ったのかよく分かります。
登場人物達は重荷を捨て、引き返す機会はあったのに帰らなかった。
信念を持って道を歩き続けたんです。

(フロド:その信念って何だい?)

この世には、命を懸けて戦うに足る、素晴らしいものがあるんです。

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』サムワイズ・ギャムジーの言葉より抜粋
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振り返ってみると、この『ゴブリンスレイヤー』と言う作品は、全てを喪った者の「再生」を描いた作品だったと感じます。
自分にとっての世界が崩れた時、人は別の何かにまた「世界」を見出します。
彼にとっては、それがゴブリンであり、スレイであり、ゴブリンスレイでした。
「姉」と「過去」に囚われた彼が、「世界」を小鬼殺しと言う殺戮に見出すのも必然と言えましょう。
しかし、その「世界」自体がそもそもにして狂っていた時、脱却する事は容易くありません。
何故なら、そこに彼は生きているから。
そこが、彼にとっての「世界」だから。
世界とは、良くも悪くも、人間にとっての生きる指針なのです。
それは、現実でも盤上でも変わらないでしょう。

しかし、その囚われた「世界」の中でそれを超える『世界』に出会えたなら……
その『世界』の数々が「世界」を生きる彼自身の「再生」を生み出したなら……
彼の「世界」が『世界』に取って代わる日も近いはず。

『世界』
それは、冒険者になると言う「夢」
それは、ゴブリンに捉われない愛すべき「仲間達」との日々
それは、自分の事を信じて待っていてくれる「大切な存在」
それはきっと、彼自身が元来望み、信じ、願っていたモノ
彼がずっと、子供の頃から求めていた「強き思い」なのです。


「行ってきます」
「ただいま」
上記の言葉は、そんな彼にとって、非常に重くて尊い挨拶
「冒険者」として旅立ち、「大切な者」の元へ帰る為の応酬として、非常に重くて尊い挨拶
だから、私は願います。
この『世界』を繋ぐ架け橋が、いつまでも彼の元で生き続ける事を。
この『世界』に満ちている、優しき希望が彼の中に芽生え出る事を。
心の底から、願うのです。
願うより他に無い、視聴後の私に満ちた感傷でした。
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Let out your strength from within, from within
力を注げよ 心の底から 心の底から

Then you will begin to appreciate the hope
ならば君は この優しい世界に満ちる希望に

In this graceful world
感謝し始めるのでしょう
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Let out your cries from within, from within
叫びを放て 心の底から 心の底から

Remember who you used to be
昔の自分を思い出して

Everyday can be your new beginning
どんな日も 君の新しい始まりになるのでしょう

Mili「Within」歌詞の一節より抜粋
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https://www.youtube.com/watch?v=3UJ_mERvw3A




P.S.
2018年も様々な方面で魅力的なヒロインが多く登場しました。
そして、本作で私は本年度No.1のヒロインを見つけられた次第です。
それは、ゴブリンスレイヤーの幼馴染、牛飼娘
誤解されやすい彼の思いをきちんと汲み取ろうと行動し、読み取っています。
彼と真摯に向き合って、語り合って、受け止めています。
そして、その上で、ありのままの彼を理解しようとしています。
それらの努力が功を奏したからこそ、お互いが相手を「大切」であると言う想いを惜しみ無く披露出来ているのです。
素晴らしき最高のヒロイン、及び主人公との強い関係性でした。
彼女はずっと彼を信じていられる。
彼女は彼にとっての『世界』となれる。
彼にとっての、新しい『世界』になれる。
最終話を観て確信した、生涯忘れられない少女だと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15

75.8 6 ラノベ原作で冒険なアニメランキング6位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (683)
3750人が棚に入れました
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。最強と名高い女剣士は今日も仲間たちと共に、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。様々な謎と脅威が襲いかかる深層域で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む! 迷宮都市オラリオの地で、それぞれの物語が今、鮮烈に交差する! これは、強さを求め続ける少女と、その眷族の物語。

声優・キャラクター
大西沙織、木村珠莉、村川梨衣、高橋未奈美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ダンまちに外伝を求めるのは間違っているだろうか

原作未読


劇場版『オリオンの矢』を控えた本編の再放送を観了後。だいぶ後回しにしていた『外伝ソード・オラトリア』をやっとこ観ました。2期も始まりましたのでその前に予習しとこ!そんな感じです。


本編は至極真っ当な古典的RPGの薫り高い良作でした。主人公ベルくんの成長物語や紐…女神ヘスティアに魅せられた本編の1期です。
思ったより硬派じゃあーりませんか…ってのが、「タイトルでもったいないことしてるな~」の褒め言葉にも繋がりました。


今回のソード・オラトリアは本編と時間軸を同じくするもう一つの物語。ロキ・ファミリアに焦点を当てた外伝に相当します。
ファミリアの豪華なメンツはこちら↓

{netabare}アイズ・ヴァレンシュタイン(CV大西沙織) LV.5 剣姫
レフィーヤ・ウィリディス(CV木村珠莉) LV.3 サウザンド・エルフ
ティオナ・ヒリュテ(CV村川梨衣) LV.5 アマゾン
ティオネ・ヒリュテ(CV高橋未奈美) LV.5 ヨルムガンド
フィン・ディムナ(CV田村睦心) LV.6 ブレイバー
リヴェリア・リヨス・アールヴ《CV川澄綾子(外伝)、種田梨沙(本編)》 LV.6 ナイン・ヘル
ガレス・ランドロック(CV乃村健次) LV.6 エルガルム
ベート・ローガ(CV岡本信彦) LV.5 ヴァナルガンド

※サポートメンバーもそこそこ。一部紹介。
ラウルーノールドLV.4超凡夫 クルス・バッセルLV.4 リーネ・アルシェLV.2
 ⇒超凡夫って(笑){/netabare}


1期の健闘で期待値が上がり、聞けば外伝の小説もなかなか良いらしい。いわゆる期待作ポジションからのスタートということだったのに

・なんか胸囲の格差社会の話になっとる
・本編の主人公と思しき娘さんの百合百合しさ

あーダンまちよお前もか・・・ラノベの闇に沈んでしまうのか!? およよ・・・となりかけました。
レフィーヤの成長物語のようなので百合嗜好薄めの自分にはキャラへの共感が薄くなりそうと不安になった序盤です。
意外と硬派だった本編のノリを期待した皆さま。どうしてもしんどい場合は撤退も選択肢でしょう。


さて、そんななかで本作の価値は

 {netabare}“そりゃ他にもファミリアがあるわな”{/netabare} 


もともと暇を持て余した神々の遊びみたいなもんで“ファミリア”と呼ばれる各神様の眷属(出入りの自由度高いけど…)パーティが複数あることは本編でも説明がなされてました。
言うまでもなく主役はヘスティア・ファミリア。紐・・・ヘスティア様とベルくんです。
主役はフォーカスされて当たり前。しかし同時並行して各ファミリアが別の場所でクエストをこなし、当たり前ですが各々の思惑で動いているのです。
そこを拾ってくれてよかった。拾われたのがこのファミリア以外考えにくいであろうロキ・ファミリア。この物語の基本設定を考えれば一足とびで2期に移行するよりも外伝をリリースすることは自然な流れだったように思えてなりません。

というわけで、

1.ベルくんたちがすったもんだしている横で何が起こっていたのか?

ありきたりですいませんが、具体的に形にしたことをなにより評価するものであります。

本編あっての外伝ですのでこちら単体の視聴はオススメしません。私はすこし時間が空きましたができれば1期から続けて観ることをお薦めします。またはこれ観ておさらいするとか。
本編とのリンクでは一部怪しいところありなものの、ところどころニヤッとできることでしょう。

{netabare}・アイズがベルくんに稽古をつけた理由の一つは“強くなるためのヒントが欲しい”事情があったから{/netabare}

本編描写の答え合わせであり、また両者の意思がいいタイミングで絡んだ結果でストーリーが進んでいったことがわかります。
ファンタジーは作りこまれてるに越したことはありません。本編が一見、“ハーレム”+“俺TUEEE”のコンボのように見えて安直さを感じなかったのは、こういった作りこまれた物語だったからとの背景もあるでしょう。


外伝としてはこれで充分な気がします。ところがさらにもういっちょ

2.やはり主役はベルくんということに(笑)

時系列の繋がりと同様に、この作品のメッセージが本編と外伝で乖離することはありませんでした。
ちなみに本編の主役らは驚くほど登場時間が少ないのでそちらのファン(私含む)はご愁傷様です。この一言のために松岡さんと水瀬さんアフレコに呼んだんかいな?というくらい。
それでも主役は主役だねと感じられる展開はお見事。ぜひ作品を実際観て感じてください。

{netabare}ベルくんもそうだったように、高めの目標をクリアすること、作中では“冒険”と言われてる困難を克服しないと次の高みに辿り着けないという設定がお気に入りです。形を変えてアイズもレフィーヤも彼女らなりの冒険をしてましたね。{/netabare}


上記1.2.を感じることができたので多少の百合やティオナ・ティオネのバスト漫才にも惑わされることなく、いや正直邪魔と思ったのですが、価値ある一品だと思いました。
いやだって本編だって似たようなばいんばいんはあったとは思うんですが、比重掛け過ぎですよ。こういうのは塩梅が大事なのです。
できれば1期とセットで観たい。そんな不思議な作品でした。



■オマケ
アイズさん何考えてるかわかんないです

{netabare}うーん、なんでアイズさん、ベルくんに謝ることにあんだけ固執したんでしょう?
・怖がられてると思い込んでて誤解を解きかたったから
・責任感から迷惑かけてゴメンと本気で思ってたから
・それは方便でベルくんに興味があったから

結論が導き出せないので考えればいくつでも出てきそうです。
剣を壊したら「(店の人に)怒られる」と言ってみたり、服破いてレフィーヤに謝ってみたりと、無事でなによりとの周囲の反応がアイズさんにはよくわかってなかった模様。天然っぽい返しをするヴァレン何某さんであります。
人との距離の取り方を学習中って感じでしたね。そして本人も取れるようになりたいとの指向がある。親とのやり取りがいわくありげで影を落としてそうでした。

そうみると、謝んなきゃ!って思ったら思い込んだでそれ以外の融通きかなさそうですし、“助けられる→逃げる”を繰り返すベルくんはアイズにとって特異なコミュニケーションをとる人として興味の湧く対象でもあったし。
それらしい理屈は思いつくのですが決め手に欠けます。{/netabare}


{netabare}もしかすると、強くなりたい彼女にとって、逃げ足がはぐれメタル級のベルくんから得られる経験値量を感じ取り、つけまわしてたのかもしれませぬ。
それにベルくん「しあわせのくつ」持ってますもんね。
だいぶナナメ上方向でとっても納得した気分になったのでこのへんで。{/netabare}


読んでいただき有難う御座いました。



視聴時期:2019年7月

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2020.03.22追記

リリース順
 本編1期→外伝→劇場版→本編2期→?たぶん本編3期

外伝(本作)の放送をしたことによって、ヘスティアファミリアに視線が集中しすぎず、なかなかダンジョンに入らない後の展開も許容されてるのかと。


2019.08.05 初稿
2020.03.22 追記
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/07/06
♥ : 56
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

わざとつまらなく作った?

ダンまち本編は見たことないです、内容も全然知りません。
という状態で見始めた外伝、感想はというと──

{netabare}つ、つまんない…。
ただひたすら盛り上がりに欠けるばかりで、「自分こういう点が苦手だわー」という大きなマイナスになるところが無いのがこれまた厄介。
退屈で面白い所がないってのが正確な言い方だろうか。
なんだろこれ?本編が物凄く売れてて、税金対策でワザと赤字出すためにつまらなくしてるのかな?
おそらく6話くらいまでの内容って少年誌原作モノだったら1話で収めちゃう程度なんじゃないかな。
ピンチらしいピンチもなく、さりとて圧倒的な力でいなすでもなく、ファッションピンチも「死力を尽くしてピンチ」ではなく「持てるパフォーマンスを発揮できなくてピンチ」って…。
じゃあパフォーマンスが発揮できないのは重たい理由があるのかといえば大したこともなく…ガクッガクッと肩透かしの連続。

なにより口をあんぐりしたのは6話、レベルアップを目指してアイズがウライオス?をソロ撃破目指すってところ。
ウライオスとやらがどれだけヤベー奴なのか口で説明するだけで全然緊迫感が無いのもさることながら、もしソロ撃破が無理そう(気を失うなど)な時はリベリアンが援護してくれる状態での対決って…マジか!?
そこは地面に線でも引いて「これより後退することがあらば私を撃て」とするところじゃないのか?
倒すのは目的ではなく強くなるのが目的であってソロ撃破はあくまで手段でしょ?
いわば修行みたいなもので、そこで自分を追い込むどころか保険かけまくりで、それでめでたくソロ撃破できてレベルアップおめでとーって…え?ええええっ?
なんだこの緊張感の無さ…。

でもって8話、ここでまた「えーなんで?」と不思議に思うことに。
オリビアが追い詰められてもないのに親切に自ら仮面を外して説明をベラベラしゃべって、その後でバンシーに「あの時の生き残りか」と気付くんだけど…順番おかしくね?
過去の惨劇をほのめかしたらしくこく食い下がられ、「あの時の生き残りか」って気付いて、その後にベラベラ喋るのが順番としては自然だと思うんだけど…。
「折角ここまで事件に関わったのだから教えてやってもいいか」みたいな感じでね。
そうでないとあの場にバンシーが居る意味が薄い(「居たから聞き出すことが出来た」っていう活躍?必要性?を潰してる)というか、オリビアが唐突に饒舌になって笑ってしまいましたよ。
単に順番入れ替えるだけのことなので作画(予算)的な制約は考えにくいし、やっぱりワザとつまらなくなるように作ってる?

最終話の12話も…う~ん…。
対精霊戦だけど、相変わらず強さが分からない。
まぁ舞台がダンジョンなので山吹き飛ばすとか数キロに渡って焦土にするとか海水を沸騰させるとか、そういった「パっと見で分かるハッタリ」が描きにいのは分かるけど…。
退路絶たれたとか制限時間あるとかじゃない…よね?見逃してる?
道中鍛冶屋キャラが小躍りしてたようにレアなアイテムが転がってたみたいだし、それ持ち帰って装備強化してから挑めばいいんじゃ…と思ってしまったり。
他にも10話の意図の通じてない「警告」や11話の狙撃って先言えやとか意味のないパーティ分断等々、要らん部分はカットカットで詰めれば全2話程度で終わる話をダラダラやってるだけのような?
ジャンプアニメの引き伸ばしかな?レズエルフも要らんよね。
と、思い出せるものだけでもあれこれと突っ込み所満載で、それでいて「不快」とまではいかないのが始末に悪い、不快だったら視聴切れるんだけどねぇ。

物凄く好意的解釈をすれば、上記の突っ込みどころは全て「本編と対比」してる箇所で、本編を知ってれば楽しめるって内容なのかも知れないが…正直これで「本編見てみよう」という気持ちは起きない。
更にタイミングが悪いことに同期にはグラブルが放送されまして…。
そっちは1~12話までを無(もしくは低)課金モード、13話を廃課金モードのシナリオ展開で、それぞれの対比を描くという荒業を見せてくれました。
廃課金モードでは主人公が激強で、ハエを叩き落すようなノリで敵をサクサクいなして「うおーこいつヤベーくらいつえー」というのをありありと見せつけてくれました。
オラトリアはダンまちと対比して高レベルパーティの話なんだよね?
いかにも高レベルらしい「うおーこいつらヤベーくらいつえー」というシーンがあったかといえば何話かの「アイツ一人に任せればいいんじゃね」くらい。
重要な1話からして武器失うわ魔法うまく使えないわミノ取り逃すわで(それでいてファッションピンチ)、設定では強いと語られてるけど全くそうは見えない。
グラブルの13話みたいなノリを1話でやれば印象は全然違ったんじゃないかなー?と思うと残念でならない。
尺的にそんなシーン入れる暇がなかったとはとても思えないし…むしろ尺稼ぎウゼーって内容だし。
ってかね、グラブルは13話だけでも、見よう、カブトボーグ好きなら必須。

で、こんな内容になってしまったのはやっぱり税金対策と考えるのが一番ハラの立たない平和的な解釈だと思う、皮肉とか抜きでね。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ダンジョンに百合を求めるのは間違っているだろうか?

[文量→大盛り・内容→考察系]

前作、「ダンまち」は視聴済み。★4つと楽しめました。続編ではなく、スピンオフなんですね。

【総括】
ダンまちの、幕の内弁当みたいなアニメだな~と。色んな要素が詰め込まれすぎ、初見(本編未視聴)では辛いかもしれません。

ホントに、純粋にエンタメ作品だったと思います。今期(2017夏)は、純愛ものに本格SFと、濃い作品が多かったため、このような作品は楽しく観られました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レフィーヤを筆頭に、ロキファミリアの面々の成長物語、なのだと思います。

物語序盤、ビビり魔法使い(&それなのに重宝される様子)にイライラさせられましたが、ラストバトルでは、レフィーヤの魔法によりアイズが救われるという熱い展開に感動。ちゃんと、努力の描写もありましたし。(ラストにロキを投げ飛ばすなど、精神的にも強くなりましたw)

最終話、デミ・スピリット(穢れた精霊の分身)の大魔法によりピンチに陥った時のフィンによる檄は格好よかったけれど、「それとも、ベル・クラネルの真似事は、君たちには荷が重いか?」という台詞だけは違和感を感じました。なんでこんな大事な場面で(主人公だとしても)ベル「ごとき」の話をするのかな、と。

でも、きっとそれくらい、ベルがやった(Lv1ながらミノタウルスに勝利する)ことは、冒険者的に、凄い(有り得ない)ことだったのです。多分、経験の長い冒険者ほど、「勝つための準備」を怠らず、「勝算が高い戦い」をしているのでしょう。例えばライオンなど野生の獣は、狩りを成功させることより、自らが傷つかないことを優先させると聞きます。だから自然界においては「威嚇」が大事な要素になっています(戦わずして=互いに傷つかずに、優劣を決める)。いくら大物を仕留めても、そこで負った傷が化膿して死んでしまったり、弱っているところを他の動物に教われたら意味がないしね。

規模的には、オラトリア最大のロキファミリア。しかも、その主要メンバーであるフィン達は、いつの間にか「勝ち目の薄い戦いをすること=冒険」からは遠ざかっていて、それ(不確定な未来への挑戦という冒険者の本分)を、ベル君の姿や、デミ・スピリットとの戦いの中で取り戻していく様子は、かなり胸熱でした。魔法、バトルと、作画は流石で、かなり迫力もありましたしね。

と、ここまでは好評。ここからは、やや問題点を。

とにかくこの作品、百合&日常系? バトル系? ミステリー? と、いったいどこを目指しているのかがわからなくなるように、作風が動いて(ブレて)いましたね。ラストも、無理矢理(しかも説明会話だけで)まとめた感じで、しかも、(レヴィスのことなど)ちゃんと伏線を回収しきれずに終わりましたし。まあ、スピンオフですし、それはそれとして、本編のファンだから楽しめましたよ。「本編のファンだから」楽しめたのかもしれないけれど。

個人的には、序盤や8話目のような、百合百合した日常系展開の方が好きでした。というか、スピンオフなんだからそっちを観たかったかな、という感じ。まあ、バトルもかなり熱かったので、バトル一本に絞ってもらっても全然よかったけど。

あと、本作、久しぶりに「OPもEDも作品に合ってないな~」と感じました。音楽自体は良かったと思いますが。

ただ、全体的にはかなり楽しみました。評価、4と迷うけど、本編には及ばないので、3で!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
あの場面で、ビビり魔法使いに一番大事なポジション任すというのもね、う~ん。バトルはなかなか迫力がある。

2話目
バラメーターが(上がり幅含め)ランダムアップというのは、本人にとっては辛いやな。

3話目
ここで魔法の真価が。なんか、固有スキルとかパラメーターのランダムアップとか、才能でかなりの部分が決められる感じですね。

4話目
ここで、本領発揮ですね。ん? エロ? と思ったらグロだった。

5話目
バトル、バトル、バトル! 団長格好良し。

6話目


7話目
ユリユリしてますな~。

8話目
こういう日常系の方が良い感じ。

9話目


10話目


11話目
ベルVSミノタウルスは、やっぱり燃えるな。

12話目
ちょっとドズルさんがいらっしゃったw
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 30

74.7 7 ラノベ原作で冒険なアニメランキング7位
デスマーチからはじまる異世界狂想曲(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (785)
3843人が棚に入れました
デスマーチ真っ最中のプログラマー“サトゥー”こと鈴木一郎。仮眠を取っていたはずが、気が付くと異世界に…!?
視界の端には、仮眠前に作っていたゲームを思わせるメニュー画面。

レベル1の初期状態。ただし初心者救済策として実装したばかりの「全マップ探査」とマップ殲滅ボム「流星雨」×3付。目の前には蜥蜴人の大軍が!
助かるために「流星雨」を使用したサトゥーは、その結果レベルが310となり莫大な財宝を手に入れる―。
夢か現か、ここにサトゥーの旅が始まる!

声優・キャラクター
堀江瞬、高橋李依、河野ひより、奥野香耶、津田美波、悠木碧、早瀬莉花
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ザ・異世界漫遊記(ゲーム世界での日常系)

- 自分にとって、高級料理のように敷居が高いわけでない、
B級グルメのように気軽に楽しめ、味も淡泊で毎日食べても飽きない作品 -

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都内で働くプログラマー、鈴木一郎は、
ゲーム開発の納期に追われ日曜返上でデスマーチ状態。
会社の自分のデスク下で寝込み、目覚めたら異世界に飛ばされていた。

そこでは見た目は15歳に若返ったものの、中身は29歳のまま。
どうやら彼が開発に関わったゲーム世界の住人になったようだ。
彼のこの世界の名前はサトゥー。

途端に命に係わる危機的状況発生。
思わず防衛のため、ゲーム初心者用のチートなコマンドを発動させ、間一髪命拾いした。
しかもその成果で、あり得ない戦闘レベルやポイントを獲得してしまう。

彼の視界には常時、相対する人・物すべてのステータス表示が見える。
ここでは出会う相手のプライバシーなどはあって無きがごとく。
名前、年齢、職業、特技、趣味、レベルなど何でもわかる。
自身のスキルポイントやレベルも確認できる。

さらに、この世界のやることなすことのほとんどが彼自身の新しい称号に直結。
膨大に所持したポイントを割り振れば、基本的に称号に相応しいレベルアップも自在で、
なんでもチャレンジした方が得でやったもん勝ち。
マップ表示もできるので、道に迷うこともない。

そこでせっかくのチート能力、これは夢なんだと割り切り、
異世界を観光気分で満喫しようと思った彼だったが、
彼を慕う異性(なぜか全員20歳未満)の扶養家族が
雪だるま式に増えるのであった。

彼の恋愛対象は20歳以上なので、微笑ましい仲間が増えるだけなのだが
妹や娘のような彼女たちの保護者としての甲斐性を試される日々が始まった。
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アニメは1クール全12話。
原作は2018年4月現在、ラノベ既刊13巻、コミック版既刊6巻。

<この作品を楽しむためのポイント>

”小説家になろう”サイトで作者は、今作はたまに魔物や魔王との戦闘あっても、
基本はほのぼのファンタジーと宣言している。

つまりこの作品、最強の冒険者としての疑似体験をただのんびり楽しむ類。

ゲーム世界での、そこそこ刺激的な異世界紀行を
主人公と共に楽しめるか否かが評価を分けそう。

ドラマチックで予想外な展開とか期待してもたぶん肩透かしを食うので要注意。

<全話観終えて>

趣味性の強い原作の性格上、気に入る人はごく限られる作品だったよう。

自分は、本作のように女の子ばかりが主人公に集まる
不自然なものは本来はあまり好きではない。

しかし、アニメ第1話でこの作品には興味が持てた。
そして出版された小説12巻まで、コミック版6巻まで1か月で読み切った。
その後、アニメ放映中に出版された小説第13巻も読んだ。
web版は一部既読のみ。

と言っても、原作の大ファンというわけでもない。

自分が原作を面白く読めたのは
ロリコン風味や主人公モテモテのハーレム要素ではなく、
この作品には、Sim City,Cities Skyline,Simsなどの
都市開発や人間の育成シュミレーションゲームの要素があったから。

以上3つのゲームは、ゴール無く時間の許す限り何時間でも楽しめる。
自分は、一時嵌って中毒のようにのめり込んだことがあった。

主人公サトゥーには、そんな箱庭ゲームのような世界で
人知れず自己満足の世界を作っている者として共感できた。

そんな作品の性格上、原作に忠実な場合、
たかが1クールでは最終話はどこで終えても中途半端感は残っただろう。

仮に2クールあったとしてもおそらく中途半端なのは変わらないだろう。
しかし2クールあれば、もっと見応えある強敵とのバトルも描けたとは思う。

アニメは、改変せず背伸びせず、与えられた尺の中で、
原作の大まかな流れに沿って終了の道を選んだ。
そんな、原作紹介アニメとして割り切った方針は決して悪くないと思う。

原作のあとがきから察するに、アニメ制作者と作者のコミュニケーションはよくとれていたようだ。
そのためか、最後まで原作のいい部分をなるべく残そうとする努力を感じられた。

そこを踏まえた上での最終評価となった。

<声優について>
{netabare}
サトゥー役の堀江瞬さんは、
草食系男子に徹するキャラなら問題なかっただろう。
序盤はなかなかよかった。

しかし結果的に、本作では明らかに実力不足。
特にバトル時の張り上げた声は、あまりに線が細すぎて違和感が大きい。

演技の幅が狭いとサトゥーは演じきれない難しい役だ。
原作では、彼の表と裏の差は話が進むほどに大きくなる。
もしこの作品が2クールあったら演技力の狭さが足枷になり違和感が拡大し続けただろう。
キャリア豊富で演技の幅広い実力派声優でないと務まらない。
これは明らかな配役ミス。

ゼナ役は、今が旬の実力派、高橋李依さん。
アリサ役は、キャリア豊富で演技の幅の広い悠木碧さん。

ゼナは原作では、途中退場したまま話の蚊帳の外にずっと置かれるので
アリサが実質的なメインヒロインになる。

ゼナは、真面目で清純な性格を演じられればいいが、アリサは、難しい役。
喜怒哀楽の豊かさとツッコミの的確さが求められる。
適材適所の配役だった。

リザ、ルル、ナナ役の声優も地味ながら上手く嵌っていた。

ポチ、タマ、ミーアの声優は、可愛いは正義、の魅力を
原作以上に高めてくれたと思う。

以上、女性キャラの魅力で、キャラの評価は4.5とした。
{/netabare}
<観たことのある異世界召喚ものと本作>
{netabare}
個人的に本作は、同じ異世界召喚ものの中で、
あにこれでも大人気で円盤もよく売れてる
「オーバーロード」「Re:ゼロから始める異世界生活」よりも好感がもてた。

それは上記2作品の主人公が、
人外の外見だったり、面倒くさい性格だったりすることが
好きになれない一番の要因なんだと思う。

「ナイツ&マジック」「ログホライズン」
「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」は、本作以上に楽しめた作品。

以上がこの作品と共通してるのは主人公の、
中身は20~30代前半の大人(作品よっては作中の外見と別に)であり、
時には年齢以上の強かさ、老成ぶりを発揮する点。

皆、賢明で洞察力深く、探求心旺盛、努力家。
元居た世界でも専門分野で有能で
それが異世界での活躍の基になってる点に説得力がある。

基本、仲間に降りかかった火の粉は全力で払うが、
変なプライドや独善で火中の栗を拾うような愚かな行動はしない。

権勢欲や名誉欲は希薄、
そしてどちらかと言えば恋愛よりも趣味に生きる系で
弱者はいたわり、包容力があり好感が持てる。

こんなキャラなら異性に持てるのも道理。
結果的にハーレム状態になるのはむしろ自然で違和感も反感もわかない。
{/netabare}
<原作について>

原作は、読者を飽きさせないようする工夫が感じられる。

よくこの作品と比較対象にされる
「異世界はスマートフォンとともに」は、当初はまあまあ楽しめたが、
心身ともに高1の主人公では、どんなに紳士的に描こうとも青臭い所が滲み出るし、
安易でご都合主義な人と事件との遭遇、
そしてその解決のワンパターンに途中で飽きてしまった。

本作でも、ご都合主義頻出なのは当て嵌まる。

ただ、作者は本職がプログラマー。
なので、この作品の緻密な異世界設定は
専門家ならではのものがあり見どころ満載。

ファンタジーであっても、
プログラマーが描くプログラマーキャラの行動に現実味がある。

リアリティがある主人公が、徐々にスキルを高めその環境に適応し、
さらには環境に影響を及ぼす様に説得力があるのはポイント高い。

※ 以下、アニメの1クールの尺では描き切れないネタバレも若干含む。
{netabare}
結構な巻数があるのに、12巻まで読んでも
なんでゲーム世界に取り込まれたのか、それすらも未だ不明で、
主人公の行動半径と人脈が末広がりになっていくのみ。
13巻でようやくサトゥーがこの世界に呼ばれた理由が見え始める。

特に小説第3巻などは、web版にない書き下ろしで
バトルとは無縁の生産系の物語+異世界での食生活など日常描写ばかり。

全体的には一本調子防止のため定期的に
魔物など、倒すべき強敵が現れたりすることもあったり、
悪人が表れ勧善懲悪的な展開になることはある。

ただ、主人公がチート過ぎる。
どうやって勝つかといった、見せ場はあるももの、
命がけのハラハラドキドキとは無縁。

「ソードアートオンライン」のようにゲーム内での死が、
現実の肉体的死に直結するといった設定は明示されてないし、
命がけと感じられない点は弱点だろう。

またハッピーエンド派の作者ゆえ、
大切な仲間の危機的状況は必ず突破、
殺伐とした結末とは無縁。

そんな中でも、なかなかいい設定だと思ったのは、
主人公はの能力がチートで最強ではあっても万能ではない点。

元から音痴でリズム感に問題あって
音楽センスに欠けることが足かせになり、魔法詠唱が不得手。
それだけは努力をしてもずっとものにならなかったりする。
どんなにスキルポイントを割り振っても、センスや知識がないと
使える能力にならないのだ。

そして主人公は、センスに乏しいものは一旦置いておいて
仲間のスキルアップや生活改善に繋がる知識を吸収することを欠かさない。
そして実験で検証。新たなスキルや技術は日々進歩する。
そんな、努力家の彼は好ましいのが飽きずに読み通せた一番の理由。

次に、彼を取り巻くヒロインたちが可愛い点も魅力。
そして彼女たちも話の流れの中で歩みは遅くても確実にレベルアップして
成長する様をしっかり描いていることも好きな点。

また他に、日本からの召喚者、勇者ハヤトとサトゥーとの交流エピソードが
男一人にヒロインばかりの話に飽きていたタイミングで
ちょうどいい気分転換になった。

ハヤトは高2で召喚され、サトゥーと出会ったのは25歳。
彼の一行は、サトゥーと同じく美女ばかり。
しかし、これまたサトゥーと同じくパーティ内での色恋は無縁。

ハヤトとサトゥーの異性の好みが逆なのがその原因なのだが、
もし、サトゥーとハヤトの一行が入れ替わってたら、
色ボケ満載の全く違った物語になってたことだろう。

ここらは、作者のセンスの良さを感じた。
なんでも主人公に都合よくいくわけでもないのが可笑しい。

出来れば彼とのエピソードもアニメで観たいが
そのためには尺は2クール以上ないと無理なのは残念...。

また、20歳以下は恋愛対象外のサトゥーが恋したのは、
なんと齢1億歳を超える〇〇〇〇〇なのは極端で面白かった。

原作では、誰にも倒せない魔王との戦いなど、巻を重ねるほどに
スキルアップしたサトゥーに相応しいバトルにグレードアップしていく。
アニメ序盤のチート全開の能力も再び登場。
これはもはや神のレベルと言えよう。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

目的を探すのが目的

8話までの感想・夢か現か{netabare}
正直何が面白いのか分からないのだけど、かといって不快さも無いのでダラダラ見てます。
なによりこれ、主人公が今居る世界を夢か現かどっちか分からないというフワっとした立ち位置で、であるなら行動がフワっとしてても「まぁそんなもんか」と納得せざるを得ないというか。
よく比較に上がるイセスマは、あくまで主人公は現実のものとして捉えた上で妙な行動をするから「気持ち悪い」と感じるワケで、こっちにはそれが無い。
それが良い事なのかどうかは現状自分には判断できない。
ゲーム世界であるならその中のキャラクターなんて「せ1」「ま1」とか名付けるのなんて普通だし、PTメンバーを経験値分配の都合で殺すこともごく普通(システムがそうであるなら)。
で、そういった完全にドライに捉えてる視点と、あたかも現実のものとして捉えてるかのような視点、それらがゴッチャになってるのが奇妙っちゃあ奇妙。

それと内容っていうか全体のノリとしては、TRPGってよりもファンタジー版GTA的な…何て言うんだ?オープンワールド?
その世界にポンと放り出されて「何やったらいいか分からない」、長じて「何やってもいい、但し行動には結果が付きまとう(悪人プレイしたら警察に追われる、等)」って感じの印象。
これといった目的も無く、まずは目的を探すことからスタートっていう気の長い、物語としてどうなんかな?という内容かと。
なので暫くは世界観説明ばっかりが続いて…大抵の「物語」は目標に向かって進んでる最中にちょいちょいと挟んで説明してくものだと思うので、やっぱり奇妙っちゃあ奇妙。

原作未読だけど、これで最後「なんだやっぱりここは夢の世界じゃないかアハハ」もしくは「なんてこったこれは現実か」のどっちかに主人公が気付くオチだったら良いけど、相変わらずフワっとしたまんまでズルズルと終了したら自分はちと厳しいかも。
または人を数値でしか見れなくなって気が狂うとか。
それとプログラマー設定全然生かされてないっすね、オープンワールドのデバッグプレイ的ノリだとするならDUPEとか壁抜けとか無を取得とか試すもんじゃないのかな。
一応イベントスキップらしきネタは出たけど、結局「でなおしてまいれ」に素直に従ってるし。{/netabare}

最後まで見て{netabare}
目的を探すのが目的で、結局最後まで目的見つかりませんでしたってのがこの作品の内容になるのかな?
一応「プログラマーがこの世界の仕組みを探る」って内容もあったような気もするけど、それにしてはお粗末で…。
最終話、薬瓶DUPE(アイテム増殖)試せよと。
インベに仕舞うとどの順番で収納されるかとか、取り出したらその欄は空欄になるのか別のアイテムがズレ込んで来るのかとか、並び変えできるのか・した場合アドレスズレはないかとか。
某作品では「スマフォに登録できる魔法の種類が100個(3ケタ)にケタが上がるとパンクすで99個まで登録できる」みたいな設定があるらしいというのを聞いたことがありまして。
しかもそれが「理系向け」を謡っるそうで…128や256を超えるとアカンってのなら分かるけど、100をキリのいい数字と思ってるなんてンなアホなと呆れた記憶があります。
まぁなんつーか…ハッタリが全然弱い。
この作品も、こんな内容なら前世がプログラマーって設定要らんよね、邪魔よね。

それと10話だったっけ?鳥居とか神様の幻影見たりとか。
これまた別作品で、誰の発言だか忘れたけどスタッフが「それっぽい謎をテキトーにほのめかしとけば後は視聴者が勝手に考察してくれる」みたいな発言してるのがありまして。
この作品もそのノリなんかなーと思うと考えるのもバカバカしい(※1)。
ってかね、こういうことばっかりやってると信頼無くすぞ、昔からある手法ではあるけどさ。

と、ここで個人的な最近の“なろう”考
長くなるので畳んでおきます
{netabare}なろう作品…とくに“イセスマ”が余りに酷い内容で、更に似たようなのが今後次々とアニメ化されると聞いて「なんでこんなのが持て囃されるんだ?」というのは嫌でも気になります。
で、「読者がバカだから」ってのはちょっと短絡すぎだし人をバカにしてるし、それ以外での理由をあれこれ考えてみたものです。
と、そこへ興味深い発言を発見しまして。
「所詮投稿者は素人だし、最後まで書き切ることなく失踪するのが頻発しすぎで、もう読者は作家を信頼してないんだよ」みたいな内容。
これを聞いた瞬間、ああそういうことかと膝を叩いてしまいました。
なんといっても具体的に思い当たるフシがありまして…。
なろうじゃないけど“マキャベリズム”って作品がありまして、途中主人公が誤解を元にヒロインに拷問される回がありまして。
「後で誤解が解けて謝罪するシーンあるんでしょ」と思ってた自分としては何処も不快感は無かったのだけど、人によっては「ヒロインけしからん」と不快感を露わにしてまして(アニコレではない)。
それを見て「まぁあと数回待てって(※2)」と思ったもんだけど、これって作家を信頼してない・「後で誤解が解けて謝罪するシーンを描いてくれる」かどうか信頼してないのだとしたら…確かにその考えに至ってしまうかも?
作品が途中で止まって作者失踪することを「エタる」って言うらしいのだけど、エタる作品ばかりに触れていたらなにも期待しなくなって「とっととオチだけ書け」って姿勢になっちゃうかも知れない、自分も。
イセスマはそこら辺気遣って「溜め」に当たるシーンをすっ飛ばしてとっととオチに至る、起承転結でいえば起と結しかない作風にした、と言われたら、自分は結構納得してしまいます。
…。
けどねぇ、だからといってねぇ…作家が読者・視聴者に信頼されてない状態ってのは悲しいことだと思うんだけどなぁ。
※1の部分についても、自分自身それに傾きつつあって「こりゃイカン」と言い聞かせるようにはしてるんだけどねー、なるべくねー。
当然信頼(≒期待)した結果裏切られたことも多々あるけど、まぁ自分がガッカリするだけだし、それはココで吐き捨ててお終いです。
とりあえず作家はその…信頼ゼロ状態の作風・信頼損なう作風ってのは止めて欲しいトコロ。
でもなぁ、4月からはアニメ本数トンでもなく増えるんだよね?
1話切り3話切りが頻発して、※2みたいな作りは「そこまで待てない」として切り捨てられそうだし、作る側もそこ意識するだろうし、短慮な作品が推奨されやすい環境に向かってる気がして…なんか悲しい。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 9

さえぽん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

低クオリティアニメです。

毎回冒頭に書いてますが私のレビューは超辛口です。
回れ右されたほうが良いかもしれません。

SILVER LINKのアニメにしては低クオリティ過ぎない?と思っていたんですが、connectというところと共同制作だったそうです。

とにかく戦闘アニメーションがもっさりで、演技が下手な役者が大根芝居をしてるように描かれていて全くハラハラしませんし爽快感もありません。

9話のアニメーションとか特に酷かったですね(^_^;)

こういうのって「主人公は負けない」と心の片隅でわかっていても戦闘にハラハラしたり爽快感を感じたりするのが良いアニメーションだと思います。

しかしスピード感も無く動きもダサくてモッサリで高校生の文化祭の劇を観ているようです。
9話は通常であれば感動する結末が待っているのですが、その前の戦闘のアニメーションがあまりに酷すぎて三文芝居の茶番劇に見えてしまい、感動するシーンでも全く心が動かされませんでした。

これはすべて演出を担当した人の技量による物だと思います。
この福多潤という演出家の経歴を観てみましたがかなり年配のベテランの方のようですが、どうもセンスが80年代90年代のまま進化してない方のようです。

元々の物語の設定としては、最近の異世界転生物としてかなりありきたりな部類に入りますが、ここでアニメーションすらも低クオリティとなると、必然的にこういう低レベルな作品になってしまうと思います。

作画の方も小学生が書いたかの様な酷い顔になってるシーンが所々あり、観てて苦笑いしが出てこない部分もありました。

原作としても微妙な部分もあり、まず主人公が社畜中の社畜だったにも関わらず異世界転生した時に、山積みされてる仕事の心配を一切してない点にかなり違和感を感じました。

私も一時期社畜同然な仕事をしていた時があって、その時原付き出勤していた際に後方確認してないタクシーに横からぶつかられて、もらい事故をした時がありました。
その時タクシーに対する悪意や怒りなどの感情は全く無く、
ぶつけられてそのまま横転して原付きが破損し、ジーンズのひだり太ももの部分が真っ赤に染まったのでそこそこの怪我をしたのもすぐわかったのですが、横転して起き上がって一番初めに頭に浮かんだ言葉が「仕事に遅れる!!」でした。

社畜な方じゃなくてもトラブルがあった際は仕事の心配は少なからずするものですが、この主人公はある時急に異世界に飛ばされてもあれだけ社畜だったにも関わらず一切仕事の心配などはなかったので、
かなり心理描写に違和感を感じました。
トンデモ魔法やトンデモスキルは、ファンタジーの世界なのでなんでもアリかと思いますが、心理表現は私達現実の人間と同じにしないと観てるほうが感情移入できません。

大まかな物語のプロットとしても、物語の冒頭で主人公のレベルが300以上になって、スキルポイントも振り放題のチート能力を得てしまうのですが、
似たようなチート系異世界転生物と違って、なんか本当にゲームでチートを使っていきなりレベル99にしてスタートした時のような、
ワクワクするのは最初だけで、結局どの敵と戦ってもみんな弱すぎてすぐ飽きちゃう、そんな流れと同じ作品です。
異世界に飛ばされて最初に蜥蜴人族の群れに襲われた時がこの作品のピークだったように思えます。
何か問題があっても結局主人公がそれに対応するスキルをポチポチとマックスまで振ればそれで終わりになるので。
後、主人公は存在しない魔法も作り出せてしまうというチート力すらもありますので、どういうトラブルが発生しても特に心配に感じないのが致命的です。

それと私がアニメで割と重要視するのがOPとEDです。
EDは大丈夫だったのですが、ちょっとOPの歌が酷いですね…。
声優さんのユニットらしいのですが、せめてこういう歌って踊らせるユニットを作るなら最低限の歌唱力がある人を選抜して入れないと…。
別に本物の歌手の人の様な歌唱力がある必要なんてないですけど、ただせめて最低限のラインをクリアしてないと、こういうアニメで使う場合は作品のクオリティを下げるだけだと思います。

キャスティングに関しては頑張っていて好きなキャストさんも結構いたので好感を持てました。

とりあえず異世界転生した瞬間が一番盛り上がる瞬間で、その後すぐレベルが300以上になってスキルポイント振り放題のチート性能を手に入れてから、以後は物語がすべてイージー過ぎてなんの面白みのない展開が最後まで続きます。

半年後くらいには頭の中でこのアニメのタイトルすらも他人から言われな限り一切浮かんでこなくなりそうな、そんな作品です。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5

78.8 8 ラノベ原作で冒険なアニメランキング8位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (752)
3296人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思考実験の国を巡る、ならず者の旅、キノの旅、シズの旅

ライトノベル「キノの旅」のアニメ化作品。原作は時雨沢恵一さん。映像化は2003年のテレビシリーズ、短編映画2作を経て、今回で4作目。

本作「キノの旅 -the Beautiful World-」で主役を務めるのは、前作に引き続き、キノとエルメス、一人と一台のコンビの他に、前シリーズのコロセウム回で登場したシズと陸{netabare}とティーを加えた2人と一匹のトリオ、(通称)師匠と相棒、フォトとソウの4組。{/netabare}

一貫してキノの旅のみを描いていた旧作と比較すると、今回は"キノの旅"が全体の約2/3を占め、そこに別の旅人達のお話が変則的に差し挟まれる構成。そのためロードムービーの色は薄くなり(元々それ程強くは無かったけど)オムニバスないしは短編集といった、原作により近い体裁を取っているという印象を受けます。

全12話中3話が旧作のリメイク、それ以外の9話の内4話+がキノ以外を主人公に据えたお話になっています。以下にサブタイのリストを載せときます。(リメイクはサブタイの頭に"Re:"付記)
{netabare}
第1話 人を殺すことができる国(キノ)
第2話 Re:コロシアム(キノ)
第3話 迷惑な国(キノ)
第4話 船の国(シズ)
第5話 嘘つき達の国(キノ)
第6話 雲の中で(フォト)
第7話 歴史のある国(師匠)
第8話 電波の国(シズ)
第9話 いろいろな国(キノ、シズ)
第10話 Re:優しい国(キノ)
第11話 Re:大人の国(キノ)
第12話 羊たちの草原 (キノ)
{/netabare}
リメイクは「コロシアム」「優しい国」「大人の国」の3本。キノの旅の起点であるエピソードの「大人の国」は、新作から見始めた人たちの為にどうしても除けないとしても、残念ながら他2つについては再構築の意義があまり感じられませんでした。アンケート結果に従って再アニメ化が決定されたそうなので仕方ない気はしますケド…。

各話についてのあれこれ
{netabare}
リメイクに対する不満を挙げればあれこれありますが、取り分け残念だったのが2話「コロシアム」。こちらは元々活劇描写の多いお話なのですが、それだけに作画面の劣化がひどく目立ちました。旧作と比べてキャラが全然動きません。また、前後編の2話に渡って描いたお話を無理矢理1話にまとめているので、これも物語の質を下げる原因になりました。時間的な余裕が無いので、キノ、シズ以外の人物-王、コロシアム参加者、門番(被支配者層)-の心理描写が丸ごと端折られており、台詞に重みが乗らず、結果、淡白かつ殺伐とした印象だけが残る薄味なお話になってしまいました。

6話は狂気に近い利他的精神を持った奴隷フォトが人間性を取り戻していくお話。主人公が特異な風習を持つ国を訪れるという毎度のパターンからは外れるものの、フォトを旅人とし、それ以外の登場人物を訪れた国の住人と見なすと、本質的には似た形式の話と捉える事が出来ます。自由をぎこちなく受け入れていくフォトの姿が、「大人の国」の女の子の姿と重なりました。今回のテレビシリーズでは最も印象に残るお話でした。

劇中に登場した毒草は多分トリカブト。ここで描かれた様に、開花前の状態では(葉の形状が酷似している為)ニリンソウやサンリンソウとの見分けが難しく、その致死性のある神経毒と共に、とても危険な事で有名です。トリカブトの花の特徴は名の由来となったとされる鳥兜に似た形状。山中等でなくとも(わたしは見た事無いけど)公園とか、その辺の道端とかにも群生している事があるそうなので、特に小さなお子様をおもちの方はくれぐれもご注意あれ。野草好きのわたしでも大事を取ってニリンソウにはあまり手を出さない様にしています。

7話は"師匠"とその相棒のお話。人伝に聞いた話という体裁をとっているので、他のお話と比べて明らかに話が出来過ぎていて、より寓話的、もとい精細さに欠ける与太話っぽいテイストではありますが(笑)ならず者ストーリーテラーの語るお話として相応しい雰囲気が出ていたと思います。

昔話というのは大抵そんなものですが、わたしは特にミュンヒハウゼン男爵の「ほら吹き男爵の冒険」をモチーフにして作られた映画、テリー・ギリアム監督の「バロン」を思い出しました。つまり、真実など、どこ吹く風、世の言い伝えは全てまゆつば、それならば、人は真実よりも自分の気に入った嘘を信じるという(笑)なかなか皮肉の効いたお話になっているのでした。

8話「電波の国」も7話と同じく、やはり真実よりも都合の良い嘘を選ぶお話。4話の「船の国」も似たテーマを扱っていますが、ひとたび流布した(ほら)話や長年続いた悪習は、払拭したり撤廃したりする事が非常に困難であるという事を寓話的に描いたお話になっています。~という言い伝え、~は常識、~は安心安全(汗)など、多数派がその様に唱えれば、その情報の内容がいくら不条理なものであっても、人は容易に騙されてしまうという事を示唆しています。

現代においては、マスコミによる情報操作、都市伝説、(インターネット)プロパガンダ等がその類と言う事が出来ますが、ここで描かれるのは"※国"という狭い社会の中でのお話。

家族、学校、職場、サークル、宗教団体等の様に、閉鎖された社会の中では、嘘が是正される機会が少なく、その中での"常識"は偏りの激しいものになりがちです。本作で度々描かれる、内輪の常識が外の世界では(その逆もまた然り)通じない、延いては丸っきりのお笑い種だなんて、悪夢みたいな冗談みたいな光景、皆さんの周りには無いでしょうか? わたしは良く目にします。そう言えば、このあにこれも一種の内輪でしたね(笑)

※:本作では都市国家の様な小国家をただ単に国と呼ぶ。

9話「いろいろな国」は小説で言う所のショートショートを幾つか集めた回。コメディ色の強い小話が殆どですが、その中の一つ「徳を積む国」のみは皮肉の効いたいつものテイスト。かつて殺人を望んだ男が、その願いを叶える為に善行を積み続けた結果、善人そのものの様になってしまったと言うお話。ウソでもホントでも、行動が精神に、精神が行動にと、フィードバックを繰り返す内に、両者の境が曖昧になり、それが本質になってしまうという事はままあるもの。模倣という行為の本質を掠めた、微笑ましくなる様な、怖ろしくなる様な、若干嫌~な後味を残すお話でした。(褒め言葉)

10、11話はリメイク。「コロシアム」程がっかりする事は無かったものの、やはり私的には旧作の描きの方が心動かされるものがありました。「優しい国」ではキノが感情を顕にする貴重なシーンが省かれてしまっていた点がとても、「大人の国」では(一代目)キノのキャラデザが刷新されていた点がちょっとだけ残念でした。別にイケメンにしなくても良かったのに(汗)

最終12話は全話中最悪の印象を残す回となりました。理由は以下に。

一つ目。クルマで撥ねられた羊がゴムまりの様に飛ぶシーン。描写を誤魔化す事で殺戮行為をコメディにしてしまっている点が非常に不快でした。キノの残虐行為にワンクッション置く意図が明白で、却って見苦しい表現になっていたと思います。救うにせよ奪うにせよ、命を軽々しく扱う(作中人物ではなく制作者が)描写はわたしは嫌いです。旧作2話にはキノが狩ったウサギの皮を剥ぐ前に脱帽し、一礼するシーンがありますが、こちらとの演出の違いに大きな差がある様に思いました。

二つ目。設定上では品種改良によって異常なまでに闘争心を高められたという事になっている羊たちが、なぜ内輪もめもせず、群れを作り、十年もの間、平和に暮らしていたのかという点が疑問でした。闘技場の様な狭い場所に押し込められていた時分にはあった、過度なストレスから開放されたからと解釈すれば良い気もしますが、それならば元々同族同士で争う様に改良された羊なのに、人間にのみ襲い掛かるのは何故?という別の疑問が生まれます。

羊たちの行動原理の根底にあるのが"人間への恨み"としてしまえば、ファンタジー的にはそれで結構ですが、そうすると品種改良云々という科学的な話とどこか噛み合いません。両者を都合よく合成した作り話という印象を受けました。

踏まえると作中後半にある「何故闘う?」というキノの問いは、羊たちに向けられた言葉ではなく、争うにたる合理的な理由も無いままに争いを続ける現人類(視聴者)に向けられた、作者の代弁とも取れる問い掛け(第四の壁を越えたメタ的な)だったと解釈出来るのではないでしょうか? この台詞に辻褄合わせする形で物語が組まれたのかと思うとかな~り興醒めしてしまいました(汗)

最後。エピローグのシーンについて、上とはまた別の意味で取って付けた様な印象があり、蛇足に感じました。元々数冊の本からの抜粋で全体が作られているアニメなので、特にエンドマークに相当するエピソードを入れる必要は無かったのではないかと思います。3期への布石とも取れますが、内容は取り留めの無いものだったし…。
{/netabare}
キャラについて、キノのアウトロー的な面、奔放な性格はそのままに、外見的描写はあからさまに女性寄りになり、旧作にはあった中性的な雰囲気が弱くなりました。コートを着用しないシーンが不自然なほど多くなり、体のラインをこれ見よがしに目立たせている風にさえ見えます。作中9話でもちらっと触れられていた様に、性別を隠す事は道中の無用なトラブルを避け、延いては自己防衛の有効な手段ともなり得るので、それを敢えてしないキノが何だか旅人として間抜けに見えてしまいました(汗)物語と演出の間の矛盾を感じます。

また、キャラデザ全般についても大きな変化があり、旧作とは異なり、よりラノベ的な、端正な顔立ちのキャラが多くなり、それぞれの個性が薄くなった印象を受けました。シズ、師匠、相棒あたりなんかは特に顕著で、理想的な顔立ちを追求すると、皆同じ顔立ちになってしまうと言わんばかりにそっくりさんで無個性でした。髪型と服装以外の外見的特徴で個々が区別が出来る様にして欲しかったです。「世界は美しい、ゆえに美しい」ではなく、「世界は美しくない、ゆえに美しい」が本作のキャッチコピーでもありますので(笑)

総評として、旧作と比べて全体的に雰囲気が明るく、キャラデザも今風、アニメが時代を映す鏡として機能している事を如実に表す作風の変化を感じました。命のやり取りなど殺伐としたシーンが度々描かれる作品なので、この変化は手放しでは受け入れ難いものがありました。構成の不備が第2話「コロシアム」と第12話「羊たちの草原」にあった事も残念です。

心待ちにしていた再アニメ化だったので、期待度が大き過ぎてがっかりしてしまう箇所もいくつかありましたが、なんだかんだで前期では取り分け楽しみなアニメの一つになっていました。原作ストックが山の様にあるので、次回のアニメ化に際してはリメイクエピソードを除外して、もう少し雰囲気暗めに作って欲しい(笑)というのが一視聴者としての願いです。

いつかまた始まる旅人の物語に期待を込めて!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 52
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

流れの革命家ごっこ

2話までの感想
{netabare}あっれー?こんな作品だったっけ?
あっれーーー?
ま、まだ2話だしね、今後の挽回に期待。{/netabare}

3話までの感想
{netabare}↑の感想ではあんまりなので2話の感想から。
敵を倒して──イヤな奴をやっつけて気分爽快って内容な場合、相手のやろうとしてたことを挫(くじ)くのが最も爽快であり、じゃあ相手のやろうとしてたこと(=意思)が見えないのであればそれは物足りないこととなる。
将棋…でなくてもでも勝負事でよく言われるのは「相手の最も嫌がる手を打つ」であり、じゃあ何を最も嫌がるのかってのは相手の意思を読まなければ(エンタメだったら見えてこなければ)ならない。
これといった理由を書かずとも納得させることができる「一番嫌がること」は死ぬことで、ぶっ殺せばそれで爽快ってのはある意味正解ではあるけど、それだけではやっぱり手抜き感を覚えてしまう。
そんなんだったら敵はモンスターにでもしとけばよく、人間である必要性が無い。
要は主人公側の意思だけでなく、それぞれの立場のそれぞれの意思(それが正しいかどうかは関係ない)が描かれてなければ面白いとは思えない。

で、2話の王様って、単に気が触れてただけちゃうん?
保身のために国民を蔑(ないがし)ろにしてたなら「保身=死にたくない←嫌がること」としてぶっ殺してザマァとなるが、ただ狂ってた奴を殺したのであれば「楽にしてやった」だけにしか感じない。
別に国のためを思ってああいう制度を入れたワケでもなさそうだし、国が滅んだとしてもやっぱりザマァにはならない。
むしろ国を思ってた者にとってはトンだ迷惑であり、そしてそういう立場のキャラが登場しないことに違和感。
王子がそうなんじゃないのかよと思うのだが、王子も王子で国はもう諦めてるみたいだし…。
教条染みた内容であるが「○○党は出来が悪いから××党に“試しに”政権執らせてみよう」ってことをして手痛い目に遭った経験を知る者なら「トップを挿げ替えれば良くなる」という発想には至らないでしょう。
あの事件が起きる前ならまだアリだったのかも知れないが、今となってはどうしても時代遅れのような…。
これはもう作者も「あの頃は若かったな」と苦笑いしてそうな予感…いやどんな人となりか知らんけどさ(※)。

そして3話は…ああ、うん、まぁアレか。
政治的な話はあんましたくないのだけど、領土の概念がハッキリしてないのでテーマとしてイマイチのような。
それこそ移動する国は摩擦を起こしたくないのであれば自分とこの領土を決めてその中でグルグル回ってれば良いだけ。
城壁を築いて通せんぼも、某島の実行支配を揶揄ってるように思えるが、先にも書いた通り領土の概念、領有権が不明なのでナンともかんとも。
こういうのって当事者同士でどうこうだけでなく第三国にどう映るか(バックに何が着いてるか)ってのが問題で…999だったら星系レベルで離れてるから気にならないけど、キノの場合は…ねぇ。


1話から通して謎なのは、国であることの必要条件、城壁外の統治・治安、城壁は無尽蔵に広げていっていいの?等。
恐らくリアルでは海なところを森にして比喩ってるんだと思うけど、それにしたって実際には領海があるし、何処の領海でもないのなら好きにしていい(海洋投棄など)ってことでもなかろう。
「城壁の外はどの国の支配下にもしてはいけない」って取り決めでもあるんかな?その場合も結局は国際合意の元でしか無いワケだが…。
例えば城壁の外で金脈見付かって、その鉱脈の所有権巡っての争いとか…今後そういう話来るのかな?
他の国との経済交流など必要なく自給自足で各国が独立して存在できるとしたら、どれだけ身勝手に振舞えるだろうか?というシミュなんかね?



今の時代に軍のコンピューターが「地球ノ環境ノタメニハ人類ハ不要ダ」とかいって暴走する話なんかやったら「古っ」ってなると思うんだ。
科学万能説も、あるいは科学万能説に警鐘を鳴らす作品も、今となっては古臭いと思うのだが…。
だからといって昔そういう作品が多く作られたのはくだらないってワケではなく、キノについても似たようなもので…別に作者批判ではないのだが、人によってはそう見えちゃう?{/netabare}

4話感想
もうどこから突っ込んでいいやら分からない。
下書き書いたらめっちゃ長文になってしまって誰も読まない予感。
次回以降どうにかうまくまとめて書ければいいのだが…。

8話までの感想
{netabare}真面目に書いたらすごく長くなってしまって誰も読まなさそうだし、簡単に。

5話、ああ、木枯し紋次郎のディスりね。
7話、安田講堂かあさま山荘の映像見て思い付いたのかな、連合赤軍大勝利で機動隊が大惨敗ねぇ…。
8話、ラマルク主義批判か…まぁそれはいい。
ただ、シズは真実をいきなり市民に明かすのではなく、国のトップにだけ明かし、どう報道するかはお任せしますって行動は思いつけないのか。
この「間違ってないから正しい」と、必要な過程を何段も飛ばす行為は船の国でやらかしたのと一緒、まるで成長してない。

作劇に於いて、他の作品や出来事を見て「オレだったらこうする」って書くのはよくあることだと思うが、だからといってテーゼまで描き切れないのであればアンチテーゼじゃなくてアンチでしょ、ってのは何かの感想で書いた気がするが、キノは正にそれを感じる。
「あてつけがましい」って言葉が一番シックリ来るかな。
こうなってくるとマグリットもディスってるんじゃないかとさえ思えてくる。
他にも色々言いたいことはあるけど、それは最後まで見てから(書かないかもしれないし、気が変わるかも知れない){/netabare}

断念{netabare}
8話で断念。
いつか見るだろう見るだろうとずっと「今観てる」状態のままでしたが「途中で断念した」にします。

↑でも書いた通りグチグチと小姑みたいな小言は長々とあるのですが、それは割愛するとして、その一方でゲゲゲの鬼太郎第六期が始まりまして。
それを見て「ああこれだ」と思ったのでこちらの〆の感想を書くに思い至った次第(あんまり他作品と比較するのは良くないんだけどさ)。

鬼太郎の方を先に書くと4話、妖怪の森へ少年が迷い込み、持ち出し禁止の木の実を持ち出して森の主が激怒するって話でして。
オチは木の実を返して謝罪して「どの世界にも侵してはならぬ掟がある」と説教されてエンドですが、自分の価値観的にはこっちでして。
これがキノだと山の主をスタイリッシュに銃殺して、エルメスが「木の実は本来タネを遠くに運ばせるもので、森の外へ持ち出したっていいのにね」と知ったような口聞くんかなぁ、と思ったり。
つまりはその世界の歴史文化風習を踏みにじるのがカッコイイと思ってるみたいで、自分にはどうにもダメでした。
「それぞれの国はバカにしやすいようにバカな風習しか書けない」ってのが透けて見えるけど、例えそうだったとしてもそれが歴史としてそうなってるのならそうならざるを得ない沿革があったんでしょう、と自分は思ってしまうので。
女人禁制の土俵に女性議員登らせてニヤニヤしてた政党もあるくらいなので、そういうのを支持する人も居るってのは分かるけど、ちょっとねぇ。

まぁなにより何話だったか町の英雄の遺品をディスったこと、元々“誰かが整備した道路”が無ければ役立たず、その程度でしかないバイク如きがその“誰か”に感謝することなく常に上から目線なこと。
住所不定無職が地に足ついて生活してるカタギに知った口聞くのがどうにも耐えられませんでした。
(木枯し紋次郎はカタギの人が道を歩いてたら自分は端っこを歩くと仰ってますぜよ)
よく銀河鉄道999に例えられるけど、あれは「あんなトンでもない路線を敷ける鉄道会社が発行した切符を持ってる」ってのが身分保障になってるワケで、それすらないキノは賊と同じなワケで…。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 10
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界の静けさ。人の、醜さと脆さと強さ。第1級のファンタジーとしての雰囲気、名作に成りそうな風格が漂う、制作陣の本気がそのまま直球で伝わってくる作品で、

世界は美しくなんかない。
そしてそれ故に、美しい。
というキャッチコピーそのままの物語が展開して行きそうで、
一話にしてすでに、名作の予感さえただよっています!

前作未視聴、原作未読、前知識なし、で視聴に及んで、
これは素晴らしいファンタジーだ。と、視聴後はしばし、
その空気感にたゆたってしまいました。

もちろん、ファンタジーといっても、
ドラゴンが空を舞っている訳でもなく、
エルフやドワーフが出て来る訳でも、
魔法が飛び交う訳でもないけど、
まさに寓意に満ちた、ホントの意味での優れた「ファンタジー」で、
一発でその秀逸な世界観に心をもっていかれたのです。


鑑賞しながら思い起こしていたのは、「星の王子さま」のことでした。

ご存知の通り、王子さまは、作中で寓意に満ちた話を、
遭難した飛行士である「私」に話してくれますが、
星から落ちてきたって話も、さまざまな寓話も、
すべて王子さまが話して聞かせたことだけで、
ただの「脳内ファンタジー」なのかも知れません。
そして、砂漠で二人きりの時間を過ごす間、
なんのファンタジックな出来事も起きません。

でも「星の王子さま」は、まごうことなき最上質のファンタジーで。

キノの旅は、凄く、それに似た匂いがしたのです。



相棒のオートバイがしゃべるってことを除けば、
アニメとしての、いわゆるファンタジー要素は何もない。
機械がしゃべるってことだって、
それで自律起動したり勝手に走りまわったりすることもなく、
ただキノとお話しできるだけ。
これだって一人旅の寂しさ故の脳内会話だったってことにしてしまえば、
全ては現実世界と何も変わらない。



でも実際に、この一話だけで、一級のファンタジーとして成立している。

それは、おそらくは、物語の世界のあり方が、
そこだけが私たちのいびつな現実世界と違って
少しだけ違う方向に歪んでいること。
そしておそらくは、それぞれの都市国家が、
独自の文化をもち、独特の風習に倣って存立していること。

キノ自身は定住する場所をもたない旅人であること。

その前提条件があって、その上で、人と人が係わりあうことが、
凄くデリケートな出来事として存在すること。
そういった、人の在り方と、人に対する視線が、
ファンタジーとして見事に結晶していることが、この物語の魅力な訳です。
生き残る術として、夜ごと銃の訓練を怠らず、
寝るときには銃を握って胸に抱いて眠る。
そういう世界に生きていて、なお、都市から都市へ、
流れ続けて生きていく。
この少年の生き様は、それだけで寓意に充ち満ちた、
美しくなんかないからこそ、美しい。
そんな魅力的な話として心に刺さったのです。


第2話視聴。
第1話に比べると、先が読めてしまう展開ではあったんだが、
驚いたのが{netabare}キノが女の子だったってこと。これ、前知識ゼロの私だけで、どうやら周知のことではあるみたいなんですけど。でもこの、明かし方も、犬のリク君にエルメスが「スケベ犬!」と怒鳴って、そのあとリク君がシズに耳もとで囁いて、シズの呼びかけ方が、「キノ君」から「キノさん」に変わってってところまで気づけませんでした。その前に、キノがシズの、同行しようという提案に対して「知らない男に付いていっちゃいけないって言われてるんで」って発言で気づかなきゃいけないところなんですけどね。{/netabare}
そして、世界は美しくなんかない、と、キノが珍しく抑えられない程に怒っていたのが、{netabare}本来なら自暴自棄になっていてもおかしくない状況で、夫を喪ったばかりの、美人で、うら若き未亡人に、にこやかな笑顔で騙されて「コロシアムの国」を訪れていたこと。そういう目に会っていたからこそ、コロシアムの国を目指すときのキノが妙に弾けて道を急ぎ過ぎていて、その反動で、未亡人の所業にやり切れない憤懣を抑えられず、怒りを国王に、ひいては国王とともに堕落していった国民皆に向けていたことに、納得がいきます。{/netabare}


第11話視聴。
{netabare}これまでは、淡々と、様々な国が描かれ、その国と係るキノ、ときにはシズのエピソードが綴られてきて、
悪くはないんだけど、なんか作品世界としては広がりがなくて物足りないかな、なんて思い始めてきたところで、
この11話。

キノの誕生秘話が明かされました。
「滑稽な悲劇」とでもいうべき様々な国の成り立ち方を傍観して、ときに加担してきたキノたちにとって、
自分の出自に関する、悲劇的な現実が提示され、
世界の醜さ、残酷さが、冷厳に提示されます。
世界と係る当事者である以上、滑稽に映る国についても、
キノには悲劇なのだと、思い知らされます。
タメが長かったけど、やはり凄味がひと味違う作品だと痛感しました。{/netabare}

最終話視聴。
{netabare}ラストを締めくくるにふさわしい、素晴らしいエピソードだった。
世界の残酷さとともに、
自然や生物の残酷さも、無辜の人々の善意の残酷さも、
主人公キノの残酷さも、すべてを余すことなく描き切ってくれた、
という満足感とともに、
あらためて、世界が、美しくないからこそ愛おしいのだと、
そう感じられる話だった。
途中中だるみかとも思えるエピソードもあったが、
ローファンタジーなりのリアリティを追求したからこそ、
こういうはなしになったのだ、と、
十分に満足のいく仕上がりだった。{/netabare}
「10月クールTVアニメ 早めの折り返しBEST10」1位→https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46297/

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投稿 : 2024/07/06
♥ : 48

80.8 9 ラノベ原作で冒険なアニメランキング9位
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (774)
3210人が棚に入れました
ステータスポイントをVITのみに捧げた少女メイプル。その結果得たのは、物理・魔法攻撃・状態異常無効に強豪プレイヤーも一撃死のカウンタースキル!? 自らの異常さに気づくことなく、今日も楽しく冒険に挑む!

声優・キャラクター
本渡楓、野口瑠璃子、早見沙織、新井里美、加隈亜衣、諏訪ななか、杉山紀彰、佐藤聡美、小野賢章、山崎たくみ、竹達彩奈、神奈延年、佐藤利奈、山口勝平、石田彰、皆口裕子、丹下桜
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

メイプル超合金w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、ゲーム世界、バトル、主人公最強系。

という分かりやすい、ありがちな設定。

でも、実はこのアニメはかなり面白く、中盤までは個人的覇権にしようかと思っていたほど。

ストレスフリーにストレスを感じる人以外には、オススメできますね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
勿論、超ご都合主義とか、ゲームバランス悪いとか、まあ、色々マイナスはあるでしょう。

でも、このアニメで抜群に素晴らしいのは、「ゲームをゲームとして楽しむ」という姿勢が徹底されていること。

例えば、釣りや水遊びを楽しんでみたり、星空を眺めたりするだけじゃなく、朧やシロップが仲間になったとき、イベント中に関わらず無駄にレベルを上げてみたりとか。

「その時、メイプルが楽しいと思うこと」をやるというのが基本線にあるので、観ているこちらまで楽しくなる。

ゲーム世界に飛び込む系は、「SAO」に代表される、リアルとのリンク(実際に死ぬとか)があって、だからこそ、ゲーム世界でも真剣に戦うものが多いが、「防振り」は、「所詮はゲーム」ということが徹底されていた。

例えば、ゲーム世界で無双するメイプルが、学校に戻れば相変わらず鈍臭く、ドッヂボールも避けられない。ゲームにハマりすぎて危機を感じ、3日間ゲームを離れる。最終話でも、勉強の大切さに触れる。

ゲームで相手を倒すことにも一切躊躇なし。だって、所詮はゲームだから。

なんか久々に、「ゲームをやりたくなる」アニメだった。

それに、様々なスキル習得が、あくまでゲームの範囲内に留めているところが素晴らしい。

特に、序盤。

スキルの習得条件が、「普通はやらないけど、絶対にあり得なくはない」という良いラインをついていて、まずまず納得できた。ゲーム素人&天然のメイプルならではの手段でスキルを獲得していく過程が面白く、「ただのチート」ではなく、「正しいチート」だからこそ、応援できる。

あと、作画ね。こんなにふざけたアニメなのに、作画が良いから、格好良さまで得ている。

本当に、良いバランスだった。こんな手垢がつきまくった世界観でここまで面白く出来るのかと脱帽。

してたんだけどね、途中までは。

きっかけは、メイプルがガンダム(フリーダム)になった辺りから。

「盾の勇者の成り上がり」でもそうだけど、盾役が攻撃手段を手に入れてしまうと、途端に魅力が半減する。

本作で上手かったのは、攻撃手段をヒドラ(毒による状態異常)に止めていた点だったのに、攻撃力まで最強クラスにしちゃだめでしょ。もっと、スキルの組み合わせとか、仲間との連携とかで敵を撃破してほしかった。

それから、第4回イベントも、少し長かったかな。この作品の良さである、「ゲームを楽しむ姿勢」がやや弱り、皆が真剣すぎて、ちょっと引いた。SAOなら、いくら熱くても良いんだけどね。

てなことで、後半にやや失速はしたものの、十分に面白く、2期が楽しみな作品ですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
変な行動で、使えないスキルゲットしてる(笑) たったこれだけで、こんなに耐性スキルゲットできるの? ありそうなレアアイテムゲット(笑) 大物食いのスキルは、攻撃力とかに全振りしてれば、結構ゲットできてる人多いかもね。壁役のスキルを大量にゲット(笑) このユニーク装備の達成条件は結構キツいけど、情報さえあれば、やってやれないことはないよね。

2話目 ☆4
運営の会話入れるなや(笑) あれ? スキルの取得条件開示しなくしたの? アレが良かったのに。麻痺と毒と防御力。さらに、盾での攻撃(悪食スキル+シールドアタック)。回避盾、、、スパロボなら、オーラバトラー(笑) 歩く要塞(笑) ゲームを楽しむ姿勢は、気分が良い。作画も悪くないね。初戦闘&単独でボス撃破。んでレアアイテムかな。

3話目 ☆3
悪食スキル回数に、防御貫通。運営の露骨な修正はヒドイ(苦笑) ネトゲの凄い人、、、リアルの金持ちか、廃人か(笑)? バトルに星空。何気に作画良いのが、ズルいアニメだよな(笑)

4話目 ☆4
朧とシロップ、可愛いし、イベント中にこの子達を鍛える辺りが、この作品の良いところ♪

5話目 ☆4
集められなかったら、それはそれで良い。う~ん、歌と止め絵でガッツリとばしたな(苦笑) 綺麗な海を、毒の海に~♪(笑) サリーのPK能力の高さよ(笑) 最後は暇つぶしで終了(笑) このまま楽しくゲームをプレイしてくれたら、個人的には、覇権かも。

6話目 ☆3
お、珍しく現実世界。現実の楓の残念さ(笑) また音楽流しか。あんまり多用しちゃだよだよな。今度は攻撃極振り×2ね。

7話目 ☆4
味方がどんどん強くなる(笑) 台詞の辻褄(笑) たまにあるね、イベント前にアイテム持っている時(笑) もはや、ショートコントやん(笑) 見捧ぐ天使、やべぇな(笑)

8話目 ☆3
だから、食うなや(笑) グロいグロい(笑) エヴァかい(笑) デンドロビウム、いや、フリーダムか。ここまでやると、ちょっとやり過ぎな。

9話目 ☆4
ホントに要塞になってきたな(苦笑) これ、ザコギルドを刈りまくった小規模ギルドが一番稼ぐな。最後は、直接対決で相手のマイナスを狙いにいくか。炎帝、可愛いな(笑) これ、スキル使う相手か?

10話目 ☆4
笑えるくらい、メイプル強ぇな(笑)

11話目 ☆3
段々と、メイプル攻略方法が成立してきたな。

12話目 ☆4
暴虐で、お茶を飲むなや(笑) もはや、パニック映画(笑) 勉強、大事(笑) 全ステータス5%upって、トッププレイヤーにはでかいよな。そろそろ5桁(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 32
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

メイプルちゃんを好きになれるか、見守りたいか。

僕は。。。。。

原作知らず。第9話までを見た段階での感想です。

近未来の超没入型・感覚没入VRゲーム内での主人公たちの活躍をのほほんと描いていく、おきらくごくらくファンタジー。本作の主人公、メイプルちゃんは通常のゲームプレイヤーがとらない行動、ゲーム運営が想定しないような行動をとり続けるがゆえに、バグめいた形で常軌を逸した強さを身につけ続けることになるわけですが。。。「俺TUEE」転じて「わたし超TUEE」な世界が展開されます。ストレスフリー。ゲーム内イベントという起伏はあるものの、基本的に平坦。深く追ってはいけない、気楽に、そこにあるまま流しておく。僕にとってはそんな感じの作品。

音楽にEasy Listeningというカテゴリがあるが、それの動画版という感じ。劇中歌の「Good Night」という曲が、けっこうよい雰囲気を醸しています({netabare}歌詞すべて英語。。。それっぽく歌おうとしているのだけど、口先発音なのがかえって気になる。LRぐちゃぐちゃだし、Aboveを思いっきりアボブとか発音しているし・・・{/netabare})。ふと、Yashiki Gotaとかゴンチチなんかを思い出す、そんな感じの曲です。なんかもっとダイレクトに「近い」のがあった気もするんですが。

アニメーションとしての作画は及第点と思います。エフェクトガリガリではありますが、近未来ゲームという世界観からすればちょうどよい。キャラデザインはよいほうなのではないかと思う。少なくとも女性陣は可愛らしい。ゲーム内アイテム、装備品が少々簡素に思えるところもあるが、それはご愛敬か。

主人公をはじめとする可愛らしい女の子たち、なんかカッコいいおっさん(?)のゲーム内の活躍を、のほほ~んと眺めていられるなら、特に損はしないのではないでしょうか。

さてメイプルちゃん。
僕自身は、もう・・・いいかな。っていうか嫌いだし。Easy Watchingとして流すことはあるかもしれないが、鑑賞という形にはならなさそう。なぜならこの作品、本質的に「賢者の孫」と同じなんだもん。


― 多くの方が指摘される「そも、ゲームとしてこれダメだろ」
{netabare}いやほんと(笑)。主人公たちにとってのEasy-Peasyな世界を演出するという点では、これでもいいのかなと思う。でも、オンラインゲームとして長くはもたないでしょうね。こういうゲームって、Money・Time・Player Skill(賢さ、要領の良さ含む)の総和・総乗に対して平等公平というのが原則。ガチャ運だって最終的には投入資金によって収束していくわけです。システムとしてそれを崩してしまっていては、プレイヤーはたまったもんじゃないですね。

さも「バグ挙動」のように言われていますけど、結果としてそのままにしている&プログラムとして挙動が安定しているのなら、それは仕様です。{/netabare}

― ファンタジーとはいえ、あの没入型ゲーム機すげえな。
{netabare}どんな仕組みで「味覚」「嗅覚」「触覚」を再現しているのか。いやすげえな。狂四郎2030(徳弘正也)を思い出します。むしろそっちのコンテンツが先だろう。きっとそっちのコンテンツはひと段落してしまった後の世界なのだろう。{/netabare}

― 形を変えた「主人公礼賛之図」
{netabare}すでに3話だったか4話だったかのあたりでその片鱗が見え始めています。大意としては「メイプルがどんな変なことをしでかし、結果として強くなったとしても、もう驚かない、諦める」旨の発言が出始めます。これって、主人公を異質な存在として棚上げし、そのままそれを諦観とともに受け入れるということに他ならないと思います(そう感じてしまいました)。なんだかよくわからないけど主人公スゲー、主人公サスガーの礼賛と何ら変わらない扱いです。

いや、もう、いいよそういうの。おなか一杯。{/netabare}

― たちの悪い「やっちゃいました?」
{netabare}作者としては、主人公・メイプルを「永遠の初心者(最強)」として描きたいように思えるのですが、まともな女の子としてそれを成立させるのは無理があるでしょう。結果として「天然ちゃん」というキャラ付けをしているのだと思いますが。。。。いい加減、鼻につきます。

{netabare}最序盤における、ゲーム世界の常識からかけ離れた行為・行動は許せます。一緒に遊ぶはずのサリーが現れず、あまりよくわからないゲーム世界で一人行動をしていたので。

冒頭に述べた通り、メイプルは「通常のゲームプレイヤーがとらない行動、ゲーム運営が想定しないような行動をとり続ける」が故にどしどし強化していくわけですが。。。。問題は、いつまでそれが自然に成り立つかだと思います。僕としては、その後のメイプルの行動、物言いがおかしく感じられます。

あんなにギルドメンバーや他ギルドのプレイヤーと交流をしていながら「その社会」に入れないのでしょうか。空気読むではありませんが、他者を見、共に行動していれば、次第に理解していくもので、そういう社会性を持っているのが人だと思います。それが獲得できないということは・・・と、思ってしまうのです。

その一方で、「ゲームのことをしっかり理解し、ゲーマーになっている」描写も見受けられます。双子のプレイヤーを引き連れて階層ボスと対峙するシーンでの発言は完全に「わかっている」ものの口ぶりです。

結果としてメイプルが、Theバカ(あるいは、コミュニケーションに結構ガチめな問題があるタイプの子)か、あるいは、極めて性悪な子かのどちらかに見えてきました。
{/netabare}

これ、、、賢者のお孫さんと同じに思えるのです。ただ、見た目かわいい女の子というだけで。男女関係なく、こういう人物が物語の中心にいるのは好きになれない性分でして、見ていて辛くなってきました。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゲームは遊ばれてナンボ(笑)

VR-MMORPGを舞台に、とある女子高生ゲーム初心者とその仲間たちの
楽しいゲームライフを描いた同名小説(web版、ラノベ版共に未読)のアニメ化作品。

【物語 3.5点】
テンポ良好。見やすい。

1クール内でイベントや新エリア実装などの新要素を切れ目なく打ち出して来るゲーム運営。

局地的には主人公メイプルの予想外の奇行によりグダグダな印象ですがw
トータルで見たら、優秀な運営なのかもしれません。

その土台の上で、メイプルが
トントン拍子でヘンテコスキルや装備や仲間を獲得していく様。
ノンストレスな展開にスルスルと誘い込まれる。


いわゆる異世界転生物でもデスゲーム物でもないため、
ゲームからログアウトすれば普通の高校生活が待っている。

ゲームでクセになった言動が、
リアルで飛び出してしまう描写は微笑ましいです。

リアルに影響が出ると懸念したら、ちゃんとゲームはお休みする。
人間やめたネトゲ廃人たちのアンダーワールドではないので安心です。
(もっともメイプルはネトゲ廃人とは別の意味で人間やめていきますがw)


【作画 3.5点】
ゲームならではのスキルが飛び交う戦闘描写など人物作画はまずまず。

こだわりを感じるのは、ゲーム内の背景描写。
例えば、{netabare}星空が広がる絶景を眺めながら、
飲むと瞳の色が変化するドリンクで浪漫に浸る{/netabare}
など、戦闘だけではなく、
ここでしか味わえない景色やグルメを演出し、VRゲームを美化。


【キャラ 4.0点】
話題の“超大型初心者”メイプル。
防御特化を軸に多彩なトンデモスキルを乱発するが、
その基本プレイスタイルは
{netabare}絶対的な防御力によりダメージをシャットアウトして、
後は、麻痺→毒のコンボで、息絶えるのを待つ{/netabare}
などという鬼畜の所業w

それでも彼女が仲間と人気を集めるのは、
その愛嬌、ひとえに可愛いは正義の濫用と言う他ありませんw


周りの仲間もライバルも、
みなチョットずつ変ですがw心はピュアな良い人たちばかり。
PKして死体蹴りするような人格破綻者に遭う心配もなく、
視聴者もノーダメージで完走可能です。


【声優 4.0点】
主人公メイプル役は本渡 楓さん。
天然成分配合のポジティブモンスターを演じさせたら破壊力抜群ですw

メイプルをゲーム沼に引きずり込んだサリー役は野口 瑠璃子さん。
名のあるキャスト陣の中でも臆せず経験豊富なゲームプレイヤー役を好演。
今後、エンカウント率が上がりそうな若手声優さんです。

「がお~」と告知してくるドラぞう(CV.丹下 桜さん)や
CV.玄田 哲章さん等で編成された管理者たちなど、運営陣も鉄壁。


【音楽 4.5点】
OPは純情のアフィリア「究極アンバランス!」

如何にもMMOのCMなんかで流れてきそうな明るい曲調。

“胸騒ぎ次元転送 可能にするVR ゴーグルの向こうは
光に包まれ 飛び込んでくるアナザーワールド”

などと売り文句も決まる。
(こうして、また廃人が生まれていくのですねw)


EDは佐々木 李子さんの「Play the world」
こちらも明るいリズムで、一生懸命前に向かって歩いていくポジティブソング♪


劇伴は増田 太郎氏。
古き良きゲームミュージック風だけでなく、多彩な作風で愉快なゲームライフを演出。

運動会徒競走風の?ほのぼのBGM「あたふた突撃」をメイプル無双シーンに起用するなど、
音響でも、腹筋を攻撃してくるw

白眉は佐々木 李子さん歌唱の挿入歌「Good Night」
ボサノバ調の軽快なリズムに乗って、
経験値やポイントを積み上げる苦行をポジティブに転換する。
コツコツ行きたい時にチョイスしたい応援歌です♪


【感想】
ゲームクリエイターのインタビューなどを読むと、
狙い通りのプレイをしてくれるのも良いのですが、
制作者も思いも寄らなかったプレイをされて遊びの幅が広がった時こそ、
クリエイター冥利に尽きるんだ。
という主張をしばしば目にします。

実際のゲームでも、こんなん絶対誰もやらないだろうw
という隠し要素が必ずと言って良い程、仕込まれている物。

マニアがセオリーと決めたゲームプレイだけに硬直化したらジャンルは縮小するばかり。
クリエイターは常にプレイヤーの奇想天外なプレイによる
破壊と創造を待ちわびている。


だから、本作にてゲーム運営をもひっくり返すメイプルを
“大魔王”などと愚痴っている管理者たちも、
内心ではきっと、ゲームの新たな遊び方を開拓してくれて
嬉しくて堪らないんですよ。きっと!(←暴論w)


このVR-MMOが今後メイプルにどう玩具にされていくのか?
制作が決まった続編でも、しっかりと見届けたいと思います♪

投稿 : 2024/07/06
♥ : 40

83.5 10 ラノベ原作で冒険なアニメランキング10位
GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1857)
10139人が棚に入れました
異世界戦争勃発!陸上自衛隊員達の運命は――?20XX年、突如として東京銀座に「異世界への門(ゲート)」が開かれた。中からあふれ出た「異世界」の軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと調査に赴く。第三偵察隊の指揮を任されたオタク自衛官の伊丹耀司二等陸尉は、巨大な炎龍に襲われる村人たちを助けたことで、エルフや魔導師、亜神ら異世界の美少女達と奇妙な交流を持つことになるが……

声優・キャラクター
諏訪部順一、金元寿子、東山奈央、種田梨沙、戸松遥、日笠陽子、内田真礼、安元洋貴、石川界人
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

開いた扉はすべてを変えていく

1話から2話を一気に観たら話にあっという間に惹き込まれました。
非常に面白い。
シンプルで分かり易いスト-リー。
テンポもとっても良い。

オープニング「GATE~それは暁のように~」
(作詞・作曲 - 岸田 / 編曲・歌 - 岸田教団&THE明星ロケッツ)が最高!
イントロとサビの部分が特にいい。
テンションがどんどん上がる。

原作未読でしたが
2話観た後は無性に読みたくなりました。
個人的に今期のダークホースか!?

<監督:京極尚彦(きょうごくたかひこ )さん>
近年の大ヒットシリーズ、『ラブライブ!』の監督さん。
今迄ノーマークでしたが、今作が注目のきっかけになりました。
ラブライブ!はまだ全く観てないので後で必ず観ようと思います。

<シリーズ構成・脚本:浦畑達彦さん>
『僕は友達が少ない』『境界線上のホライゾン』『咲-Saki-』など
評価高いシリーズ作品を数多く手掛けてらっしゃいますね。

<アニメーション制作:A-1 Pictures>
電波教師と同じ制作会社とはとうてい思えないほど作画はいい。


★第1話「自衛隊、異世界へ行く」
★第2話「二つの軍勢」{netabare}
<ゆりかもめに乗り損ねたばっかりに隊長になっちゃった主人公>
異世界に繋がるゲートが東京銀座六丁目に突然出現。
そこから現れたRPGの世界観まんまの軍隊やモンスターたち。
空には兵士乗るドラゴンが飛び交い、人族の兵士は馬を駆り
弓矢や剣で民間人を無差別大量殺戮。
ゴブリンやオークなど人外の兵士も多数。

非番中に同人誌即売会に行く途中の新橋で
その混乱に偶然居合わせた自衛官、
伊丹耀司(いたみようじ)(CV諏訪部順一)33歳。
あり得ぬ事態にも冷静に柔軟に対応。
機転を効かし民間人避難に多大な貢献をする。
そして、一躍ヒーローとして時の人となり昇進。

陸上自衛隊が出動後は、異世界の軍隊はあっという間に制圧。
防衛の任は果たされ、残されたゲートは自衛隊が奪取。
異世界は特地と呼ばれるようになる。

ゲートを使うのは今度は自衛隊。
伊丹は、交渉と情報収集の任を持つ特地派遣隊に配属される。
さらには、本人は望まぬのにとても重要な役割を担わされていく…。

<ファンタジーなのにリアリティ豊か>
自衛隊は専守防衛の立場で先に攻撃することは絶対しない。
しかし自衛隊が防戦すれば、圧倒的な戦力差で
敵側はあっと言う間に掃討されてしまう。

敵側の横暴さゆえの自業自得の結果なので
可哀そうと思う以上に観ててスカッとできます。

陸上自衛隊の兵器や戦闘シーンもリアリティを感じる。
ミリオタの受けも良さそう。

日本とA国、
そして異世界の最大国家の施政者たちの描き方も丁寧。

それぞれの国の立場や思惑もわかりやすく
今後の展開に目が離せなくなりました。

<魔法少女が好きで仕事より趣味優先で生きたい主人公>
昼行燈のおっさんキャラの典型。
仕事に対する情熱や、やる気は普段は全く見せない。
頭も良く、周りから給料泥棒と言われながらも
クビや左遷を回避する程度には職務には忠実。

マイペースでオタク。けど、成熟した大人の有能さも併せ持つ。
即断即決で、必要とあらば火中の栗も拾いに行ける勇猛心の持ち主。
根は正義感に溢れ優しく、やるべき時はやれる頼りになれる奴。

野心も欲心も少なめで老成した部分もあり、
見た目だけでは単純に推し量れない性格。

実は人望厚いとてもかっこいいキャラなのです。

自分がこの作品を気に入ったのは
こんな主人公のキャラが、どストライクだったのが大きい。

こういうキャラは冷静かつ柔軟性があり、能ある鷹タイプなので
いろんな困難や課題を飄々としながらも
いつの間にか乗り越えられると相場が決まってる。
だから落ち着いて見守れるし、
特にスカッとさせてくれる活躍を見せてくれるのが楽しい。

類似キャラとしては、
年長となるが「機動警察パトレイバー」の後藤隊長。
そして最近では、「バディ・コンプレックス」の倉光艦長あたり。

伊丹は、第3偵察隊隊長になって
次回からエルフのようなキャラとも交流するようで楽しみです。
彼の指揮下にある隊員たちの中でも
特に女性隊員2名は、OPから既にキャラ立っててかなり魅力的。
{/netabare}
★第3話「炎龍」{netabare}
<陸自の中から第3偵察隊のみをフォーカス>
1、2話から雰囲気がガラリと変わりました。
今迄は大局的に見た国家間な戦争の悲惨な現実をクローズアップ。
しかし3話でファンタジー色全開。
特地の人類と人外のキャラとの交流が始まった。

<主人公の味方側主要ヒロイン続々登場>
話のテンポの良さは今作の特筆すべき魅力です。
単調ではなく緩急巧みで飽きません。

今回、魅力あるキャラが一挙に3人も登場。
それぞれに既視感がある。
他作品の人気キャラからモデリングしてる印象。
独自性もありとてもいい。
今後の主人公モテモテのハーレム展開必至を暗示してました。
キャスティングも絶妙です。

(以下、本編ではまだ不明瞭な点はwikiを参照)

◎テュカ・ルナ・マルソー(CV金元寿子)…エルフ。
今回はまだ顔見せ程度ながら主要キャラの一員なのは間違いない。
エルフはファンタジーに必要不可欠といっても過言でないので
今後の描き方が楽しみ。

◎レレイ・ラ・レレーナ(CV東山奈央)…魔導師と呼ばれる魔法使い。
レレイという名から綾波レイをモデルにしてるのは明白。
そして長門有希も入ってる第一印象。
淡白な性格ながら少女の面影が強い15歳。
無表情ながら聡明さを感じるキャラが魅力。

東山奈央さんはナレーションも担当してて
思えば、初回からレレイの淡々としたキャラによる
主人公解説はいい味だしてました。

◎ロゥリィ・マーキュリー(CV種田梨沙)
…死と断罪の神エムロイに仕える不老不死の亜神(神に近い存在)。

個人的に最も注目したくなったキャラ。

見た目は「俺妹」の黒猫。
そして中身は「デート・ア・ライブ」の時崎狂三。
巨大なハルバード(斧槍)を武器として常時携行。
ゴスロリが神官の証。

見た目は12~13歳くらいの少女でも、戦闘力が半端無い。
笑顔で盗賊を容赦なく瞬殺する残忍さを持ちながらも
住民には神の使いと敬われる人望とのギャップがいい引きでした。
主人公の部隊に興味を持ったようで
初対面でもいきなり主人公の膝の上に座ってみたり、
小悪魔的な魅力も全開でグッド!

◆炎龍…ガメラの世界のギャオスのような存在。
やはり自衛隊VSドラゴンの構図は怪獣映画をほうふつとする。
捕食対象として住民を襲撃。
この世界の住人にとっては最恐最悪の存在であり、
軍隊でも出会ったら逃げるしかない。

口から吐き出す炎が最大の武器。
頑強な体と空を自在に舞う機動性。
天下無敵。知恵が回り同じ手は二度と通用しない。

隊員「怪獣と戦うのは自衛隊の伝統」なんて台詞が飛び出す。
また、2話の最後で初登場時の隊員の台詞に
「首1本のキングギドラか!?」なんてのもありました。

地上に立った時の動作と顔のドアップはゴジラに激似で
狙っての怪獣寄せなキャラデザと演出。
それらが実に効果的で戦闘描写が実に見事。
緊迫感と恐怖感がよく伝わるシーンでした。

そんな天敵にも逃げ出さず住民を守るため果敢に挑む偵察隊。
苦戦の末、ロゥリィのサポートもあり片腕をもぎ取る。
炎龍の一時撤退にかろうじて成功。
隊員は無傷だったが多くの住民の命は失われた。

伊丹は、被災し行き場を失った民を
ゲート中心に展開した自衛隊駐屯地であるアルヌスの丘に
独断で連れ帰ることにする。
(上層部に報告したら受け入れ拒否かもしれないので)
通信が繋がらなかったことにした。)

ロゥリィは、救援してもらう必要性はないが
避難民を守護する神官としてのお目付け役として同行。
陸自の装備や武器、そして謎の異世界人の人柄や技術に
好奇心の塊となり、興味津々で楽しそうなのはレレイ以上。
仮に民がいなくても勝手に付いて来ると思う。

役者もかなり揃ったので次回も楽しみです。
{/netabare}
★第4話「見知らぬ地へ」{netabare}
3話視聴後に、とりあえずコミカライズ版の原作読みはじめました。

ますますこの作品が気に入り、本来の原作小説も読まずにはいられなくなった。
と同時に、アニメと原作と比べてどうのこうのという悪弊にも陥りそう。
早速、敵側の姫君ピニャがコミックよりマイルドなキャラで若干不満。
でもサブヒロインの位置付けで、
これからどう描かれるかとても楽しみの一人。

<今回は戦闘はゼロ>
その分、丁寧な人物紹介と人間関係の状況が描かれた。
伊丹と正反対な性格ゆえ対立も多いが、
これからサポート役となる必要不可欠のパートナー、
エリートの柳田が初登場。

また、日本で勃発中の自衛隊特地派遣の是非の問題、
日本の近隣C国の思惑まで描かれた。
今後はR国も登場すると思われる。
特地の利権問題がリアルで話が濃い。

これ、1クールじゃ到底描き切れない、と思ったら
どうやら分割2クールでの全24話予定のよう。
それで今回のペースダウンも納得。

<自衛隊の避難民救援施設のリアルな描写>
ここでの仮設浴場の入浴シーンはアニメオリジナル。
一見サービスシーンと見紛うが、露出は多くない。
サービスというより合理的なシーン。
話の流れを自然にすることに貢献。
のんびりとした裸の付き合いで、リラックスしたフランクな会話。
初対面の3人のヒロインの距離が一気に縮まる。
そして異世界の住人から見た日本が見える。

<3人の会話から三者三様のキャラが見えてくる>
レレイは、思った以上に社交性があり、地味ではあるが無口キャラではなかった。
勤勉で探究心旺盛。日本語の習得も人一倍熱心。

陸自の防御マスクと戦闘服を借りて避難所近辺の探索開始。
なんか可愛い。好感度急上昇。
早速、翼龍の鱗という市場で高価に取引される
避難民自活のための資金源を見つける。

テュカは、炎龍に父親を殺されたダメージが大きすぎて心が病んでるようだ。

ロゥリィは、相変わらず謎多いけど、子供の頭を洗ってあげたりと根が優しい。

<イタリカへ>
次回、伊丹の部隊は、特地での商取引の情報収集と
ヒロインたちの送迎と護衛の任で、とある領地に同行。、
彼女たちの目的は龍の鱗の換金目的のため。

伊丹は強運の持ち主。
だけどトラブルに巻き込まれる、という先天的な星を持つ。
ただでは済まない第二の冒険の行方は如何に。

<原作読むと描くべきことが多い>
完全なコメディリリーフに振り切ったおばかキャラもいないし、
完全ギャグ路線は、まず無いと思います。
まだ始まって間もない現時点では、断定するには早計ですが。

<伊丹は、口では軽そうにしてても異性に対しては意外と堅物>
多くのヒロインから慕われてハーレムっぽさはありだろう。
ただベタなハーレム物にしては、キャラデザが微妙。
オッサン臭さを排除してもっとかっこ良くしないとね。
人間ドラマ重視の物語と予測してます。

それにしても
モテ度で伊丹に敵わない柳田のほうが
キャラデザがスマート、というのが皮肉ww
{/netabare}
★第5話「イタリカ攻防戦」{netabare}
イタリカへ無事到着した伊丹一行に待ち受けていたものは
500~600名の敗残兵で組織された盗賊の度重なる襲撃に疲弊した街だった。
街の攻防の総指揮は、盗賊襲撃をてっきり自衛隊による襲撃と思い
街に先に駆けつけていた帝国の第三皇女ピニャが執っていた。

伊丹隊は成り行きで攻防に協力することにする。
ピニャは伊丹隊を最も突入確率の高い城門前に配備して囮にするつもりだった。
しかし、思惑が外れ敵は自らの戦力に集中。
危機的状況に陥る…。

<王道の冒険&ヒーローものの魅力全開>
毎回、脚本が丁寧で無駄が無く見事。
状況の説明、キャラの掘り下げを確実に織り込みながらも
きっちり緊張感と次回への期待感を募らせる。

頭打って、異世界の言葉があっという間に理解できるようになった伊丹は
ご都合主義もいいところだが、
まあそのほうがストーリーがスムースになるのでいいと思う。

レレイ、片言ながら日本語が話せるようになってきた。
方位磁石に好奇心一杯の彼女がとっても可愛い。

道中、黒川二等陸曹を意識するテュカはどうやら百合の気もありそう。

ロゥリィの仕える神は、闘いの神。
人を殺めることは否定しない。
でもそれだけに動機が重要。
偽りや欺きは魂を汚すとされ彼女のハルバードで断罪される。
戦う動機を正直に告げる伊丹を
本格的に気に入り協力関係が強固になる。

次回、伊丹たちに、陸自のヘリも加勢する一大攻防戦のクライマックス。
ロゥリィの神の使いとしての能力も全開か。
伊丹たちは街を守り、ピニャの信頼を得ることが出来るのか。
{/netabare}
★第6話「戦女神の騎行」{netabare}
<伊丹散々、主人公は誰?>
今回は、健軍俊也(けんぐんしゅんや)団長(CV小山力也)率いる
第4戦闘団(ヘリによる空中機動部隊)と
ロゥリィと脳筋娘の栗林二曹が主役だった。

小山力也さんの演技が流石。場面を引き締めてました。
原作に忠実な「地獄の黙示録」(1979年)のオマージュも見事。
陸自無双再び&近接戦闘の見せ場たっぷり。

ロゥリィの胸を触ってぶん殴られ、
金髪縦巻きロール、ベルばら娘のボーゼスたちに単独捕まり、
痛めつけられる羽目になる伊丹。

どうやら彼には女難の相あり。
生傷絶えない状況から脱却して、
オタク三昧な平穏な日々を満喫できることは当分なさそうで哀れw

<イタリカは盗賊から救われ自衛隊と協定締結>
一大攻防戦はAパートのみであっという間の決着。
自衛隊&ロゥリィの共闘で盗賊全滅、圧勝する。

鋼鉄の天馬と称した戦闘ヘリ、銃器の殺傷力…
ピニャは、異世界のとてつもない兵器の威力を目の当たりにして
自分が井の中の蛙であることを思い知る。
人道的という概念すらない帝国側の武人たちには
初めてのカルチャーショック。

<戦闘狂娘たちと伊丹たち>
伊丹は的確な判断力、実行力がある優れた指揮官として描かれた。

南門に待機していた伊丹隊の内、東門へ救援に向かったのは、
伊丹と富田二曹と栗林二曹、そしてロゥリィの4人。

ロゥリィ×栗林、アイコンタクトだけで分り合う無言のシーンがかっこいい。
仲間として息もびったり無双発揮。バッタバッタと敵を掃討。

共闘する中で、伊丹と富田はサポートに徹し、
彼女たちの背後を取ろうとする敵だけを射撃。
自然と役割分担が決まって見事なチームワークでした。

そしてハルバートによる人体切断は見せず、血しぶきも最小限。
血の海もなく死体の損傷具合も控えめ。
ロゥリィと栗林の戦闘シーンは、グロさを抑えることで、
まるで演舞や演武のような美しさがあり見事な演出でした。

<リアルな自衛行為>
イタリカの代表から派遣要請があり出動した第4戦闘団。
威嚇射撃など悠長な手順が、彼等に無いのは当たり前。
交渉、駆け引きは政治や警察の役目であり、
交渉の余地は無いという前提で彼らは出動して実力行使する。

1話の銀座事件も、2話の帝国同盟軍によるアルヌスの丘急襲も
自衛隊が応戦する先にあるのは、無差別大量殺戮の可能性しかない現実であり
一瞬の判断で死ぬか生きるか真っ二つ別れるリアルな戦場。
生存本能と闘争本能むき出しで、
使える武器はすべて使い全力で応戦するのが
自然な描写と言えましょう。

ただ、平和な社会に慣れきった日本人にとっては、
犯罪を取り締まる警察と
軍事行動で戦争の被害を最小限に食い止めようとする自衛隊を
混同して、立場の違いも理解しかねる方も多そう。
この一方的な無双の戦闘シーンに拒絶反応を起こす視聴者が数多くいても
無理もないと思います。

<調子に乗った、数では何倍もの敵軍勢>
元帝国側正規軍の盗賊は、臆病を嫌い、
戦場で全力で戦って死する勇猛を美学としている。
そんな彼らに、仮に威嚇射撃したとしても、
停戦はおろか、却って舐められ、
市民含め犠牲者の増加も食い止めようもないだろう。

異世界の軍隊は、近代兵器の威力にこの時点でも無知に等しい。
近代兵器の威力を知る者は、自衛隊との過去の戦闘体験済みの者に限られ
体験者は、死亡済か捕虜になってるかで、盗賊の首領は無知蒙昧な一人なのは明らか。
冷静な戦力分析などもできるわけもなく、
なまじ元軍属であるゆえ、降伏は末代に至る恥とばかり
名誉のためなら捨て身で立ち向かう輩と思われる。

<認めんぞ。こんなものが戦いであってたまるか…そうは思わんか?>
そして予測以上の戦力差に、自衛隊とロゥリィに、
一矢も報いることなく当然大敗した盗賊たち。
ロゥリィに問いかけた首領の台詞が空虚に響く。
問いかけには無言のまま首領の止めを刺すロゥリィ。
神の裁きは、戦闘の是非と人知を超越。
このシーンの意味するところは深い気がした。

<もし原作通りなら>
今後、平和な日本の世論で誤解される自衛隊も描かれることになるでしょう。
そこは、この作品の魅力の一つと思います。

6話まで観て、多少のアレンジはあっても丁寧な作りなので、
原作からの、不要な省略や改悪する心配はなさそうで、今後に期待します。

ただ、陸自無双の大規模対人実戦シーンは、
少なくても1クール分の残り6話の中ではもうないでしょう。
原作うんぬん抜きにしても、
ピニャという、間近で近代兵器の恐ろしさを知ることになった王族も現れ、
不用意な軍事行為は避けるのが当然の流れになると思われますし。

おそらく当面は、武力より交渉力、作戦立案力などの
頭脳戦が鍵になる新たな局面を迎え、
外交力がものを言う流れへ移行するのと思われる。

既存キャラの掘り下げと共に、
まだまだ重要な新キャラも増えていくはずです。

分割にせよ2クール目があれば、
炎龍との決着で陸自の武力の大きな見せ場もありそう。

<レレイの存在感がますますアップ>
レレイ、OPの壇上の彼女の演説シーンと
今回の通訳と商談における彼女の有能さが暗示しているように
今後は彼女の勤勉さと聡明さが物語上重要になりそうです。
レレイは今の所、一番のお気に入りキャラとなりました。

<バラだな!?…バラです!!>
今回は、ピニャの騎士団を発見したときの伊丹と倉田の会話が面白い。
オタク同士ならではの、短いキーワードで盛り上がり思わず二人が身を寄せるシーン。
コミックにはない描写でアニメオリジナルかな?(小説は未読なので)
阿吽の呼吸が伝わる、動画と声優によりキャラに命宿るアニメならでは楽しさでした。

アルヌスの丘を中心に、文化交流の活発化もどう描かれるのかも楽しみです。
{/netabare}
★第7話「皇女の決断」{netabare}
毎回、話の切り所が非常に上手い。
引きが絶妙なので、次回が非常に気になる。
今回も、見せ場となる次回へのインターバルとして上出来でした。

全体的に、いいテンポ感を生み出してると思います。

コミック版から、印象的な台詞はかなりカットされてるけど
自分はそれをマイナスには感じない。

例えば、伊丹がレンジャー資格を持ってると判るシーンは
贅肉を上手く削ぎ落としつつ、アニメ用に上手くアレンジできてる。

思えば、レンジャー資格持ちだからこそ、
1話で非常事態に遭遇しても動揺することなく敵を刺し殺したり、
状況を冷静に分析して最善の策を生み出す力があったのだと納得出来ました。

<「と」の一言だけでかわいさ伝わるレレイ>
レレイが橋渡しをしての自衛隊幹部とピニャたちの会話シーン。
会話上の通訳の省き方が、レレイの個性と上手くかみ合ってて、
クスッと笑えるほどいい感じでしたね。

<前回のギャグを上手く再活用>
今回も前回もAパートの終わりは、女性キャラに引っ叩かれ伊丹の情けない叫びで締めくくり。
諏訪部さんの演技力がいい感じに嵌ってます。
今回と前回は別な脚本家さんが執筆してますが、上手く連携できてますね。
今回は前回以上に漫画チックな伊丹の生傷とやられ具合も絶妙。
またまた女難再来のギャグが今回の一番のツボでした。
憐れな伊丹。前回はグーパンチ、今回は半殺しの上、平手打ちの締めとは…。
アニメならではの楽しい演出。
今後も原作をどうアレンジするか楽しみです。

<新登場の人外キャラも魅力的>
ウサ耳娘と猫耳娘がとっても可愛い!
新登場の中でも蛇髪メデューサは、モンスター娘属性ありますね。
同時期放映中の「モンスター娘のいる日常」は
キャラデザにドン引きして1話で挫折しましたが、
これくらい人間に近いときっと視聴継続出来たのに、と思います。

<今回で丁度コミックの2巻まで描かれた>
次回は久しぶりに日本が舞台に。
3人娘とピニャとボーゼス、初めての日本訪問編。

異世界のかわいい5人のキャラたちによる、
色々な不思議発見の旅の行方は如何に?
伊丹のスマホに大量に送られていたメールの主は一体何者なのか?

もしかすると省略されるかもと、少し心配したキャラも
ちゃんと日本編で登場してくれそうなので、次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第8話「門の向こうのニホン」{netabare}
前回は、伊丹の女難再来の描き方やレレイの「と」の件など、
時にコミック版より面白い演出があり、
期待値ちょっと上がってたせいもありますが…
今回はコミック版の面白さにはいまひとつ届かないかな、といった印象。

話を詰め込みざるを得ないと思われ、緩急が不足して出来事の羅列に終わっていた感強し。
淡々と話が進み、笑える所のタメが足りずツボらなかった。

例えば、ロゥリィの質疑応答自体は、全体的にはいい感じでしたが、
ロゥリィの年齢が明かされる所は、コミック版に忠実に
伊丹の心の声や周りの反応をもう少し丁寧に取り入れたほうが
視聴者の好奇心を駆り立てられて好かったかも。
流れがあっさりでいまいちでした。

あと、国会での質問者の幸原野党議員のキャラデザに違和感強し。
オシャレすぎて国会議員というより女優やタレントのように見える。
自分としては、コミック版のように色気は極力排除して、
ショートヘアで男顔負けの切れ者感ある
いかにもお堅い感じの中年女性のデザインの方が
ギャフンとさせたときの痛快感があったのに、と思う。

<今回の、コミック版を超えてると思えた好かった点>
・地下鉄で、ロゥリィにツンデレ台詞を求める伊丹の描写。
・ピニャとボーゼス牛丼初体験時の、子供のような無邪気さで口元にご飯粒付けたまま食べるシーン。
・梨紗のキャラデザ。

コミック読んで、残念系のアラサー、梨紗は結構好きなキャラです。
で、アニメでの登場を密かに期待していました。
次回からの彼女の絡みが楽しみです。
もちろん、箱根温泉でのサービスシーンも期待してます(^.^)

それにしてもロゥリィのハルバート、
通常は一般人には持ち上げることすら不可能なほど重いよう。
しかし6話で、伊丹はハルバート持ったままのロゥリィをお姫様抱っこして走ってました。
ロゥリィが手に持つと重量制御出来て極端に軽くなる、といった設定なのかな???
まあ、神さまの武器兼法具ですから何でもありですねー。
{/netabare}
★第9話「箱根山中夜戦」{netabare}
前回も今回も、伊丹の人脈、影響力、修羅場に強い指揮官としての凄さが何気に滲み出てた回でしたね。
天才的な危機回避力と状況判断力で機先を制する智将の才覚あり。
さらには、旧知の中で同じ趣味を共有できる防衛大臣との意外な繋がり。
持って生まれた運の強さもあって彼自身も将来、防衛大臣になりそうな予感。

せっかくの入浴シーンなのにバスタオル巻いてたりと、
なんだかバラエティの温泉紹介番組みたいな残念な画もありました。

そして、全体的にコミックからは、かなりのシーンがカットされてました。
例えば伊丹の元嫁、梨紗宅でのやりとりで、ロゥリィにいきなり♡で飛び掛る梨紗とか、
梨紗の代わりに朝食を準備する伊丹とか…。
そもそも梨紗の家に転がり込んだのは、
本来の宿泊先である市ヶ谷会館が放火されたためなのですが、
言葉の説明不足で状況はわかりにくい。
(前回の最後に、梨紗のPCのモニターにそのネットニュースが映ってましたが)

特地に残されてる倉田と猫耳娘との件も丸ごとカット。
新キャラの嘉納防衛大臣と伊丹の絡みも随分アレンジされてました。

カットの結果、梨紗の腐女子ぶりもマイルドになってて少し残念。
でもその分、異世界ヒロインズにいい感じに尺を使って
バランス感覚が素晴らしい!

伝えるべき情報を上手く整理してポイントを絞り込むことに成功。
クスッと笑えるシーンが多く前回よりも楽しめた。

前回不満だったシーンのタメのなさも今回は全くなく、
例えば伊丹と富田の入浴中の会話の間とか絶妙だったし、
いきなりドアップのロゥリィそっくりのビスク・ドールでギョッとさせるなど
脚本だけでなく、絵コンテと演出も実に冴えてたと思います。

伊丹夫妻の離婚の経緯を入浴中の女子の会話に
コミック以上に丁寧に組み込んだのもグッド。
また、「荒野の少年イサム」ネタなど、
コミック版からそのままの印象的な台詞も
随分生かされてたので全体的には大満足です。

<FATE(フェイト) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり>
伊丹の過去に関しても、アニメではかなり省略されてる部分があり
箱根夜戦内でFateに因んだコードネームが使われたのは、
アニメだけだとわかりづらいですが、コミック読んでると納得。
伊丹が特戦群に所属していた時に、同僚にゲームやアニメを布教した結果を
さりげなくシャレに使ってるようでww

<殿下、ここは異世界です~そうだった!>
この台詞のパターンの繰り返しにはツボった。
ピニャとボーゼスの、日本の特殊な芸術にどんどん嵌っていく様が可笑しい。
とても皇女と優秀な部下とは思えないほど、少女に戻ってしまった二人。
前回の牛丼体験のシーンといい、今回の腐女子への道にまっしぐらの描き方といい、
二人はとても素直な女の子として描かれ可愛さアップ。
この二人の描き方はコミック版を超えてます。

<やっぱりレレイが一番>
今回はロゥリィ推し。それはそれでとても好かった。
コミック版以上の可愛さでしたね。
個人的には、発情モードで伊丹に迫る彼女より
朝日に向かって祈る神々しさ溢れるロゥリィ、
ファッションに開眼して原宿で白いドレスを自慢げに着こなすロゥリィがお気に入り。

しかし、今回は台詞も少なく地味な存在でしたがレレイがそれ以上に輝いてた。
台詞や動作少ないのに、画だけでもしっかり存在をアピール。
安心しきって子供の顔で伊丹に身を寄せて眠るレレイ、
湯船でじっと動かず、空中に浮かべたお湯の玉を注視しているレレイがとても可愛い。

肉(ロゥリィ)と野菜(レレイ)のバランスのとれた栄養価満点の出来でした。

次回はOPにもある浴衣のロゥリィの狂いの乱舞が観られそう。
そして、某国群の奸計を突破するための奇策発動なるか?

次回はどんな演出で魅せてくれるのか、自ずと期待が高まります。
{/netabare}
★第10話「絶望と希望」{netabare}
4話以来のシリーズ構成の浦畑さんの脚本、
1話以来の京極監督の絵コンテ&演出でした。
原作からの省略のさじ加減と、アニメ独自のキャラの描き方は
相変わらず絶妙で安心のクオリティ。

<皆さまぁ~こんな夜半にわざわざご足労さまぁ~♥>
A国の政治的駆け引きにより、特戦群の護衛が解除されて伊丹一行に危機がせまる。

工作員はA国だけじゃなかった。
C国もR国の工作員もターゲット近くにて意外なお見合い状態。
夜陰で状況もよく分らないまま工作員同士の乱戦。
しかし、本当の脅威は別にあった。

<エロのいいところで邪魔が入るのは、アニメでもドラマでもお約束>
案の定、突然の伊丹の携帯に太郎閣下の警告メール。
興をそがれたロゥリィの欲求不満の矛先は伊丹から工作員たちへ。
着物姿のロゥリィ、颯爽と登場。
彼女のハルバートが宙を舞う。
効果的なBGMと相まってコミック版よりグロさ抑えた分、
夢の中の世界のような幻想的なシーンに感じた。
(6話の対盗賊戦の時より、血しぶきはそれなりに描かれたけど)
もはや誰のコントロールも効かない情け無用の修羅の世界。
あっという間に、多くの魂がエムロイの神に召される…。

<今回もロゥリィ推し>
バトルの魅力と彼女のカリスマ性発揮。
網タイツ履くロゥリィのセクシーさに釘付け。
あっという間の30分。

しかし次回以降は、いままで一番目立たなかったテュカの物語になる予感。
彼女のメインの武器は、日本で購入したコンパウンドボウ(化合弓)になるよう。
エルフの彼女に相応しい武器ですね。

<殺傷せず、無力化が出来れば良い?>
出しゃばらず、さりげなくサポートするレレイ。
彼女は温和で、ロゥリィと対照的なのが
この作品のバランスを支えてると思う。
そして賢く有能。魔法の威力は要所で必ず活かされる。
日本でのお土産にノートPCをチョイスするとはさすが!

<誰が好み?…容姿はエルフ、性格は黒ゴス、保護欲そそられるのはプラチナブロンドの娘かなぁ>
アニメでは青い髪のレレイ。
梨紗の台詞は、原作と同じだけど違和感ありすぎ。
さすがにツッコミたくなりました。
しかし、伊丹と梨紗の絆の深さ感じるこのシーン、とても好い。
カットされず良かった。

そして、伊丹と梨紗の別れ際のシーン。
梨紗はいじらしくてとてもかわいい。
伊丹も梨紗のことをいまだ愛してるのが伝わってきたのがとても好い。
しかも、異世界3人娘による、銀座事件犠牲者慰霊の献花をネタに
大衆を大量動員して伊丹たちを逃がそうとする梨紗、中々やりおる。

前回腰やられ、登場早々退場した公安のコロンボ駒門、ちょっとだけ再登場。
グッジョブで工作員の奸計を封印。公安の面目を保つ。
「伊丹、露払いはしといたぜぇ」の一言が渋かっこいいい。

<栗林の銀座です>
今回特に、栗林妹のドジっ娘ぶり、いい味出してたなぁー。
身長と髪型が違うだけで、目鼻立ちはそっくりなキャラデザも好かった。
脳筋系と天然系。一見正反対な姉妹なようでも、
マイペースで不器用な所が似てるのが微笑ましい。
二人とも、打たれ強い逞しさを感じます。
姉はアナウンサーの妹のマイクを奪い公共の電波を私用w
結果的に二人の絡みは、工作員たちの抑止のひとつの要因となった。

ところでTV局の撮影クルーを全員女性にしたのはアニメオリジナル。
どういう意図なんだろう。
でもそのほうが好いので、まあ、いいっか(^.^)

<全24話なら残り2話で折り返し>
今回でコミック版第3巻の内容終了、次回から4巻の内容へ。

次回にてようやく、次のお話に繋がる重要キャラのお出まし。
CV日笠陽子さんの演技が楽しみです。

1クール目の締めも大方の予想がついてきました。
2クール目はいつからなんだろう。
むしろそっちのほうが気になります。
{/netabare}
★第11話「来訪者」{netabare}
日本と帝国が開戦して5か月が経った。
武力による争いは、イタリカ以来しばらく途絶。
帝国軍は軍備再編中で、一見平和な日々が続く。

そんな平時、ゲートを介しての人的、物的交流が盛んになるにつれ
アルヌスには、仕事を求める者、商人など、多数の異世界の住民(人族も異種族も)が多数集い、
難民キャンプの周辺に少しずつ町が出来て活気が出てきた。
そして避難民自立支援の組織が母体となる、アルヌス協同生活組合も生まれていた。

日本から帰国して多くを学んだピニャは、個人的趣味嗜好は一旦封印。
為政者らしく己を律し、和平のため不眠不休で有力者の根回しと交渉に尽力する。
日本からは外務官僚も特地に乗り込み、事態は水面下で行われる外交戦術へ移行、新たな局面へ。

今回、栗林の出番ゼロ、久しぶりの黒川登場。
そして、外務省官僚の菅原、ダークエルフのヤオなど新キャラ多数登場。
(ただ、EDのキャスト表記は、ミスで次回分のキャストが表示されてしまった模様。
公式HPのNEWSにて謝罪文載ってます。)

<綾波降臨!>
冒頭、いつもと違う聡明さの欠片もない、幼げで寝不足気味の寝起状態のレレイ登場。
物憂げな目元なんか、まんま綾波レイ。
演出の遊び心が楽しい。
原作コミックでは一コマしかないない描写を上手く拡大、絶対狙ってると思います。
そして今回、この後彼女は本編に一切絡まず。
しかしこのシーンと、レレイ役の東山さんのナレーションで存在感はバッチリ!
控えめなのがレレイの魅力だし、適度な緩さが彼女の持ち味。
的を射った演出に感謝です。

<主人公が30代に相応しい成熟度なのが、キラリと光るシーン>
ロゥリィは1000年近くもの長い間、星の数ほどの出会いと別れを繰り返した。
伊丹もたかが33年とは言え、人生いろいろあったんだろう。
黒川に対して「最後まで責任を持てないのなら何もするな」の一言がかっこいい。
伊丹とロゥリィが酒場で二人きりになってからの、
大人同士の落ち着いた会話も味わい深い。
しばし伊丹がオタクだということを忘れる。
今回で一番好きなシーンでした。

因みにコミックではプラスαで、ロゥリィの心情がよく伝わる
心の声の描写も盛り込まれ、より魅力的なシーンになってます。

<またまたロゥリィ推しの押し>
いつの間にか、伊丹じゃなくヨウジと、下の名前で呼ぶロゥリィ。
二人きりになると、すっかりお気に入りの伊丹に再度のアプローチ。
日本から戻っても諦めず、なんとしてでも「しっぽり」したいようだ。
お酒の席の自然な流れでちょっとだけいいムードへ。
でも、齢961らしい策略もまたしても邪魔が入り逃げられる。
日本から帰ってから、これで何回失敗したんだろうか?
登場早々の新キャラで今回の邪魔者、ダークエルフのヤオに
向けられた腹いせの一芝居が、当に神の悪戯となる。

<綾波の次はルパン降臨!!>
伊丹、いいこと言って、目がイケメンぽくなったなと思ったら、
ロゥリィの嫌がらせでヤオに誤解され危うく成敗されそうになる。
あらら、あっという間に三枚目に逆戻り。
しかし、ヤオの一瞬の隙に神出鬼没にも伊丹は消えていた。
逃げる緑の人、伊丹の後ろ姿は、まるで緑ジャケットのルパン三世。
イケメンモードの伊丹はカリオストロのルパン風。
これまた演出の遊び心が楽しい。

因みに伊丹が猛ダッシュで逃げるときの台詞、
アニメでは諏訪部さんのルパンの物まねで「あ~ばよ~」だけでしたが
コミックでは「あ~ばよ~ とっつあ~ん ツケといて~」ですww
これだと露骨過ぎるし、アニメだと一言だけでも物まねで伝わるので必要十分でしょう。

善意でしたことも裏目に出てしまうとは…。
ヤオはなんとも不憫なキャラ。
間が悪いというか、運がないというか、いろいろポンコツらしい。
なぜなら、彼女がアルヌスに訪れたのは、他ならぬ伊丹たちに炎龍退治を依頼にきたのだから。
知らぬこととは言え、伊丹に恐れられ、避けられてどうするw
彼女に比べたら、特殊な芸術に開眼したピニャのポンコツぶりなどかわいいもの。
ヤオ役の日笠さん、こういう役やらせると見事に嵌る。さすがです。

<F-4ファントム復権>
開戦5か月の間には、陸自のみならず空自も特地に派遣。
F-4は、かなりの旧世代機だけど、
戦闘機同士のバトルもないし、帝国軍への牽制なら十分過ぎ。
対炎龍としてはどうなのか、は今後のお楽しみ。

今回、作画かなり力入ってました。
二機のF-4の演習シーン、ヌルヌルの動きは3DCGで細部は手書きの作画らしい。
短いシーンながらなかなかでした。
演習を目撃したヤオが感動するのも納得のかっこよさ。
F-4はやっぱり名機だよなぁ…子供の頃にプラモ作った記憶が蘇る。

あと、ヤオの回想の中で出てきた炎龍にF-4同様の作画の拘りを感じた。
動きのヌルヌル感、確実にヴァージョンアップしてる印象。
この流れの感じから察するに、しばらく先とは思うけど、
本格的な再登場時への期待値高まる。

<語学研修も活発化してる様子とか町中の交流シーンに興味ある方は原作をどうぞ>
原作から端折るところは思いきり端折ってますが、かなり丁寧な進み方。
いかにも、2クール目がありますよ、という流れでしたね。

次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第12話「伊丹なら」{netabare}
<1クールの最後の2話は、思った以上に原作の流れを尊重>
アニメ11話は、原作コミック4巻頭より、第25話「炎流の影」、第26話「褐色の使者」より、
12話は、第27話「ヤオの希望」第28話「絶望のヤオ」より。
原作2話分の話でアニメ1話を構成。丁度、4巻のど真ん中で区切られた。

<今回は、締めに相応しく脚本チームの総大将、浦畑達彦さんのシナリオ>
いわゆる、俺戦(おれたた)エンド(「SHIROBAKO」で一躍有名の業界用語)と言っていいかも。
原作を多少のアレンジはあれども下手なカットもなく好印象。
原作知らないと中途半端な区切りと捉えかねませんが、
物語の流れを知る自分にとっては、そつのない纏め方だと思います。

<見事じゃレレイ、さすがはわゎ………見事過ぎて言葉もない>
淡きこと水の如し。
カトー役のチョーさんの演技最高!
アニメオリジナルのギャグ。使い古されたベタさでしたが、
打たれ強い師匠と淡白キャラのレレイのコンビのおかげで大爆笑!!

<不幸を呼ぶ女、ヤオ>
どうやら彼女に関わるとロクなことが起きないようだ。
伊丹こそが彼女が求める英雄であったがすれ違い。
見た目美女でも、中身が不器用で武骨な彼女の願いは果たされるのか?

GATEはヒロインズのキャラの立て方が絶妙です。

<ピニャも今回、かなり可愛いい>
ちゃんと趣味と職務の両立も出来てる様子。
語学研修中の薔薇騎士団は彼女の命令により、
伊丹の実態調査もしてるようで抜け目がない。
キャラとしてどんどん面白味増してきて、
レレイ、ロゥリィに次いで好きなヒロインになりつつあり。

イタミハーレム絶賛拡大中か!?
来期乞うご期待!!

<小説版は単行本全10巻(本編5巻+外伝5巻)で完結済>
(文庫版では本編10巻+既刊の外伝は6巻迄となります)
アニメ1クール目は結果として、
原作小説の本編第1巻(文庫版では第2巻まで)「接触編」に該当してましたね。
来年1月開始決定の「炎龍編」(第2クール)が非常に楽しみです。
これは小説第2巻(コミック版では第4~7巻)相当となります。

はなから2クールでコミック7巻まで描くつもりだからこそ、
1クール目最後をコミック上の半分で区切ったのでしょう。
配分がしっかり決められてるようで、これなら無理なく7巻まで描き切り
ひとつの大きな達成感を味わえそうです。

小説版3巻以降(「動乱編」「総撃編」「冥門編」)のアニメ化は、
「炎龍編」終了後の反響次第でしょう。
せっかくなので、出来れば小説版5巻の最後まではアニメ化されて欲しい。
そのためにもこの「接触編」と次の「炎龍編」が商業的に成功することを祈ってます。
{/netabare}

<アニメ版第1クール「接触編」の総評>
今クールスタート作品の中では、一番面白く一番のお気に入り作品となりました。
伊丹という主人公が、自分にはツボでしたので初回から嵌れたし、
自衛隊に対する偏見も特にないので、自衛隊無双もエンタメとして単純に楽しめた。

リアルな戦争と外交と異世界ファンタジーのコラボが絶妙。
かつてこれほどまでにリアルとファンタジーが無理なく共存していたアニメに出会った記憶がありません。

ヒロインでは、ロゥリィも大好きですが、レレイが最高でした。
アニメでの彼女は、コミック以上に可愛かった。
過去観た全てのアニメの中でヒロインのマイベスト3には入ります。
「そこに居てくれるだけで癒されるヒロイン」ランキングなどあれば、ベスト1間違いなし!

<アニメのキャラデザに関して>
伊丹他オッサンキャラとメインの3人のヒロインと黒川はコミック版とそれほどは変化ない。
しかしそれ以外、女性キャラを中心に若々しくマイルドになってました。
男キャラでは、公安の駒門のアニメでのコロンボ化が面白かった。
女性では、特に栗林はスマートになり美人度がかなりアップ。
ピニャはコミックでは、髪型が全然違い年齢的にアニメより5歳以上年長に見えるし、
ヤオなんか、ボンテージファッションでもっとアグレッシブで野性的なイメージです。
梨沙もアラサー感、残念感がコミック版のほうが強い。
自分はどっちもありで気にならなかったけど、原作好きな方には賛否両論ありそう。

演出は全体的に外れが少く、コミックとは別の魅力があって好かったです。
シーンによっては、コミック版を超えていたと感じられた所もありました。
結論としてコミック、アニメ、どちらも一長一短があり両方とも好きです。

アニメ版「炎龍編」も大いに期待します。
コミック版は既刊分の7巻までは数回読み返しましたので、
これから待ってる間に、入手済で読み始めたばかりの小説版も全巻読破するつもりです。

<炎龍編開始直後の追記> (2016.1.12)

2クール目開始までに、小説版の本伝は読破しました。

非常に面白かったし、結末も好かったですが、
状況や背景の説明が長く、くどかったり、
筆者の価値観が出過ぎていたりして、
結果的に物語のテンポが悪く
意外なストレスを感じることがありました。

肝心な場面で舞台や時系列が、
あっちこっち飛ぶこともあり。

原作をこれから読もうかな、という方は
旨味成分のみで構成されたコミック版を
初めに読むことをおすすめします。

その上で、コミック版では描き切れていない部分に
興味が持てたら小説版を読むといいかもしれません。

また、2016年1月からスタートした2クール目は
あくまでも分割された全24話の残り12話です。
2クール目をアニコレでは別スレで炎龍編としていますが、
実際は動乱編までが描かれます。
誤解しがちですが、二期ではなく一期の一部として認識すべきと思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 43
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Operation Tomodachi(オペレーション・トモダチ)

リフジンな理由で特定の方々から嫌われている職業、
というものが世の中には存外あって、
その代表格とも呼べるのが、本作の主役『自衛隊』であります。

いまはもうだいぶニッキョ-ソなるものも弱体化しておりますが、
ふた昔ぐらい前のガッコ-には、
クラスのなかに自衛隊員のお子さんがいたりすると
  「〇〇くんのお父さんは人殺しですっ」
なんて教壇で断言しちゃうセンセイなんかもおられたそうです。

  サベツ、ダメ、絶対。

  ちなみに、言っておいた方がよいだろうから言いますが、
  僕自身は、リアル自衛隊肯定派であります。

  震災の折、大変お世話になりましたし、
  災害派遣で現地に赴かれた元陸自の方にいろいろお話を伺い、
  純粋にリスペクトいたしております。

  政経・国防論からも肯定・改憲賛成派なんですが、
  そっちはあにこれカンケ-ないので割愛。
  ここは、個人の政治シンジョ-を述べる場ではありませぬ。


さて本作は、そんな自衛隊が異世界で大活躍するおハナシです。
元自衛官の方の原作(未読です、ごめん)でして、
軍装や隊規についてはけっこう正確ではあるまいかと(たぶん、ですが)。

ただし、
関連法規いろいろぶっちぎっておりますので、
IFものとしての完成度は、それほど高いものではありません。

  原作者である柳内たくみさんが、
    エンタメ性重視で関連法規に目をつぶったのか、
    ほんとに現場のことしか知らんかったのか、
  は、本人のみぞ知るところ。    

  ただ、ドラゴンだの魔法使いだのが出てくるおハナシであり、
  現行法規どうこうというのはヤボに過ぎるので、
  あくまでも『エンタメ特化』作品として評価すべきと思っております。


この物語は、
銀座のど真ん中に突然、異世界と日本をつなぐ『門』が出現し、
六万人もの武装した中世ふうの軍勢が、
いきなり軍事侵攻してきたところから始まります。

  民間人への一方的な攻撃、虐殺、逃げ惑う人々。

すぐに陸自が出動し、これを鎮圧。
ただし『門』は消滅せず、謎の世界とつながったまま。
日本政府はこ門の先を『特地』と命名し、
調査および大規模テロの犯人逮捕という名目で、
自衛隊を派遣することにいたします。

で、門の向こうにあったのは、
剣あり魔法ありエルフありドラゴンありの冒険ファンタジー世界。
しかも、様々な鉱物資源が手つかずのままで、宝の山状態。

自衛隊は、特地を治める『帝国』との講和条約締結に向けて、
現地に駐屯地を設けます。

帝国も一枚岩ではなく『講和推進派』と『反対派』が混在する状態。
とある町の攻防戦で知り合った第三皇女を抱き込み、
反対派を懐柔するためにあれやこれや。
それに特地利権を狙うリアル世界の諸大国の思惑なんかが絡んできて、
なんかいろいろ大変だけどガンバロウ、
みたいなところでこの一期はおしまいになります。

  自衛隊と現地軍のド派手な交戦というのは、
  二話でほとんど終了。
  剣だの弓だので現代兵器にかなうはず、ありません。

  あと、大きめの戦いは、イタリカの野盗掃討戦ぐらいかしら。

  わりとジミめな政治的水面下の動きが多めに描かれており、
  異文化コミュニケーションみたいなのが、
  全体的にかなり大きくクローズアップされております。

  萌え成分もきっちりしっかり盛り込まれており、
  ガチのミリタリーアクション作品とは呼べない雰囲気かと。

  SF(空想科学小説)と称するのもけっこう気が引け、
  ミリタリー成分多めの異世界ファンタジー、
  ぐらいの位置づけと考えたらいいんじゃないかと思います。



ちなみにリアル自衛隊というのは、
ここまで自由に動けるものではなくガンジガラメなのですが、
そこは本筋と関係ないのでネタバレで。
{netabare}

本作では帝国による突然の銀座軍事侵攻に対し、
すぐに実弾フル装備した自衛隊が出動していますが、
リアルに考えると、これは大ウソ。

  そもそも初期段階では相手の武装も人数も目的も、
  何一つわかっていることがないわけです。
  せいぜい「武器を持ったヤバいやつが大勢暴れてる」ぐらいの情報量。

  そのぐらいの情報量で自衛隊に治安維持出動要請などできるわけもなく、
  初期対応としては、まず警察や機動隊が出動します。
  (警視庁だけでも四万六千人いますしね)
  たぶんSATを出す出さないだけでも情報が錯綜して、てんやわんや。

  で、もちろん警官や機動隊は重火器などもっておりんせん。
  六万もの殺意をもって武装した『軍隊』に、
  催涙ガスだの放水車だのがたいした抑止力になる道理もなく、
  瞬く間に弾を打ち尽くし、
  相当数の警官や機動隊員が殺戮の餌食に。

  神奈川県警なんかも駆り出されたりして時間をいたずらに浪費し、
  何千、ひょっとしたら何万という犠牲者を出した末に、
  ようやく『警察では対応できない・ムリ』という判断がなされ、
  都知事の要請~総理大臣の認可というプロセスを経て、
  遅まきながら自衛隊の治安出動が開始されるのがリアルなところかと。

    はあ?
    なにやってんだよ、なんのための自衛隊だよ。
    この税金ドロボーがぁ。

  そんな声も聞こえてきそうですが、
  それが『シビリアンコントロール』の実態なのであります。
  
  実際のハナシ、
  自衛隊って設立以来、一度も『治安出動』をしたことがないんですよね。
  ゴ〇ラみたいに見た瞬間『警察ではムリ』とわかる相手でない限り、
  スクランブル出動というのはマジでキビしいんです。
  (このあたりに興味のある方は、
   麻生幾さんの『宣戦布告』や
   有川ひろさんの『海の底』なんかをご一読あそばせ)

イタリカ攻防戦でも、
ピニャコラーダ(第三皇女)の治安維持協力要請を現場で受けちゃってますしね。
  ワ-グナ-鳴らすんかい、
と突っ込むまえに、そんなもん自衛隊が勝手に受けたらあかんのです。
それって内閣総理大臣の専権事項なんですから。

というか、そもそも論として、
門=GATEが日本にしか繋がっていないことだけを理由にして
  『門の向こうは日本であると考えることにした』
と言い切っちゃてるところがリッパな国際法違反ではあるまいかと。
(向こうには、帝国という『主権国家』があるわけでして)

  もちろん、そこに自衛隊を派遣するための緊急立法、
  本作でいう『特地法』も同じです。
  あんまり言いたくないけど、けっこうロコツな憲法9条違反。
  平和をアイするパヨクさんも、
  みんな大好きコクレンさんも黙っちゃいません。

というわけで、
良識派の方々の『ええんか』という問いの答えは『あかん』です。
ただ、どこまでいってもファンタジー作品、
魔法使いだのエルフだのドラゴンだのが出てくるおハナシですから、
そこのところはムリにでも飲んでおくんなまし。
{/netabare}


僕的なおすすめ度は、エンタメ視点で堂々のAランク。

単純な『自衛隊TSUEEE』ではなく。
アクション、萌え、プチ社会問題などがうまく配合され、
いろんな角度から楽しめる総合娯楽作品に仕上がっております。

もちろん自衛隊が主役のおハナシではあります。
いやほんとそうではあるんですが、
既述のとおり、いろんな意味でリアリティがありませんので、
厳格な考証を求めるディ-プなミリオタさんには軽すぎるかもです。
(拙ごときが見ても「はあ?」なカット多いですし)

むしろ『萌え要素のある異世界ファンタジー』好きの方、
それも、出尽くした感のあるモチーフにいささか食傷気味な方あたりに、
こんなんありますよ、とおすすめしたい的な感じかと。

主役の自衛隊員、伊丹耀司がマツリに熱狂するレベルのヲタ、
彼が指揮する第三偵察隊の倉田武雄もヲタ(てかケモナ-)という設定も、
視聴のハ-ドルをかなり下げてくれておりますし。


  ただ、自衛隊嫌いの方は、ご覧にならない方が賢明かと。

  自衛隊に限らず近代兵器ってたいがい『あんなもん』なんですが、
  火力で圧倒するシーン、イラッとする方いるかもです。
  (僕は『すっげえ迫力』と素直に感心したクチなんですが)

  他の方のレビューを拝読していると、
  剣や弓しかない相手に重火器砲弾を容赦なくたたき込み、
  何万人も死傷させたことを『虐殺』と解する方もおられるようです。
  他の戦争アニメで同じような感じ方をした経験のある方は、
  やっぱ、ムリして見ることはありません。  

  ここでちょっと、ムダ知識。
  {netabare}
  リアル世界の日本には『警察比例の原則』というのがあります。
  これは警察権を行使する際のキマリゴトで、
  相手の脅威度や、目的達成の必要性・難易度なんかを考え、
    必要以上にアレしちゃだめよ、
    相手のヤバさに比例した方法でナニしなさいね、というもの。

  おまわりさんが凶悪犯人に発砲した際、
  ぎゃあぎゃあ文句いう人たちは、これを拠り所にしています。

  この『警察比例の原則』は、自衛隊の治安出動にも適用されます。
  ですから、
    剣や弓だけの相手に重火器や戦車砲の使用はアレじゃね?
  という声は単なる『考え方の違い』ではなく、
  ちゃんとした論拠のあるご意見であり、カンタンに否定できないんです。
 
    そんなもんリチギに守ってたらこっちが死ぬわ

  という言い分は、ジンケン派の方々にはおそらく通用いたしません。
  原作者さんが本作をあまりリアルに寄せなかったのは、
  そういうめんどくさい事情を考慮したからかも知れませんね。
{/netabare}


お話は、二話のBパ-ト以降、
主人公の伊丹耀司率いる第三偵察隊の活動がメインになり、
けっこう、というかかなり、小ぢんまりしていきます。

この第三偵察隊、途中で魔法使い・エルフ・神官が合流しますので、
リアルなハードミリタリー感は、ほぼ皆無。
てか、どちらかというと萌え成分が、かなり多めではあるまいかと。

キャラ編成に合わせているのか、殺伐としたシーンも少なく、
むしろコミカルな演出やプロットが多用されていて、
一話二話で「うげ」と思った方も、次第に落ち着いてくる感じですね。

  ただし、イタリカ攻防戦はけっこうインパクトありますし、
  国会に呼ばれてリアル日本に戻ったりとか、
  いろいろとメリハリをつけたプロットが展開していくので、
  ストーリーが冗長という感じはいたしません。

  二期はけっこうグダグダになっていくのですが、
  少なくとも一期は、
  しっぽまでけっこう美味しく食べられます。


役者さんのお芝居は、ほとんどが高レベルで安定していてよき。

主人公の伊丹耀司を演じる諏訪部順一さんが、
まるでコンマスみたいに全体のトーンをうまく調整していて、
でこぼこのないまとまった世界観を構成しています。

  東山奈央さんの演った、レレイ・ラ・レレーナ
  種田梨沙さんの演った、ロゥリィ・マーキュリー

この二人は、ユニークなキャラ造形をしているので一聴の価値アリ。
あと、特別なお芝居は何もしていませんが、
内田姉弟のおねえさんである、

  内田真礼さんの演った、栗林志乃

が、拙個人として、とってもお気に入り。
脳筋な自衛隊のしたっぱ、という感じがよく出ていて楽しい演技でした、

  ちょっとだけ残念に思ったのが、
  日笠陽子さんが演じたヤオ・ハー・デュッシ。

  むか~しからある定番で無難なキャラに、
  むか~しからある定番で無難なお芝居をのせた感じで、
  登場と同時に物語のテンションがガクッと落ちた気がしました。

  もちろん、彼女のキャラ造形が好きな方を否定はいたしません。

  いたしませんが、拙的には、
  こういうフックが少ない昔ふうのキャラには、
  『安心・安全』ではなく『攻めたキャスティング』をした方が、
  物語の鮮度が維持できたように思うのであります。
  (日笠さんファンの方、ほんとごめんなさい)


作画は、さすがA-1 Picturesさんという感じで、
おおむね問題なし。てか、きれい。
加えてアルヌスの丘での夜戦表現などは『ど迫力』のひとこと。すげえそす。

  ほんと、ほとんど全編で高品質なのですが、
  なぜか時々「はあ?」というカットが混じっちゃうんですよね。
  イタリカ攻防戦なんか、
  作画チ-ムの『見せ場』のはずなのに、
  なんじゃこれ的なカットがいくつも差し込まれてだいなしに。

  あまりリアルに描くと残虐になる、という配慮かもしれませんが、
  ばっと見は、ただ『ヘタ』なだけ。
  あんたら、描いてなんぼのショーバイでしょうに。


音楽は、劇伴とEDは、まあまあよき。
で、あくまでも極私的な評価にすぎないんですが、
OP曲、岸田教団&THE明星ロケッツさんの『GATE〜それは暁のように〜』は、
好きくありません。
もっとはっきり言うと『きらい』です。

  曲そのもののよしあしというよりも、
  バンド名に『教団』とつけるセンスが好きくありません。
  あと、歌詞がおもいつかず『Wo』でごまかしたのもマイナス評価。
  (それやっていいの、寺山修司さんぐらいだと思います)

  曲自体は楽しくていい感じだと思うし、
  カット割りもていねいで世界観をよく表していてよき。
  ほんと、単に拙がヘンクツなだけのイチャモンなのであります。



いずれにいたしましても、
本作における自衛隊というのは『テーマ』ではなく『モチーフ』です。
あんまり難しいことをいってる作品ではありません。

ムカシ映画の『戦国自衛隊』にインスパイアされ、
自衛隊がファンタジー異世界行ったら反則級の無双状態になるんじゃね?
みたいなお気楽想像から生まれた娯楽作品かと。

かわぐちかいじさんの『ジパング』みたいな社会派アニメと違い、
楽しんでいただけたらそれでよし、
好きか嫌いかはジブンで判断してくださいね的な作風なのであります。

  なにかのプロパガンダみたいな要素はなく、
  政治的にうんちゃらかんちゃらもありませんので、
  安心してご賞味あれ。

    いやいやそうじゃないんだ、
    自衛隊を『正義』みたく書くこと自体がプロパガンダなんだ、
    キュ-ジョ-さえありゃ鉄砲なんかいらないんだ。

  そういう方のご意見も、当然尊重いたします。
  いたしますが、たかがアニメのことでもありますし、
  ここは穏便に収めてやってくださいまし。
  
  逃げんのかゴラァ、とか文句いわれましても、
  そのあたり拙の愚考するところは、
  レビュータイトルに全て込めさせていただいておりますです、はい。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 23
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Domestic only

2022/01/23 投稿

まず,タイトルが微妙なのです
「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」
もう今更長さについてはあえて触れないとして・・・(まあ実際それほどは長くないですし)
でも・・・正直に言って読み方がよく分かりません・・・
GATEの方は丁寧に読み方が付いているけど,
「斯く」の方です(語彙力・・・というか漢字力?^^;)
まあなんとなく文脈的に「かく」かな?と読んでいたのですが微妙に自信なしw 「しばらく」もこんな字だったような(暫くでしたw)この文章を書くに当たって調べたら「かく」で当たってました。「しばらく」だったらかなりコメディー方向に振ったタイトルでそれはそれで良かったとは思うのですが・・・
とにかく,このタイトルで「なんて読むんだ?」なんて言っている自分のようなちょっと教養の無い輩にはこの時点で敷居が高かったりするのです。
なかなか人を選ぶタイトルです!!

しかもアニコレでは,評価が割と分かれているようなので気になります。
自分はどっち?たぶん,ダメなほうかな?w


とりあえず,見始めると随所に強烈な違和感を覚える(後述)のですが面白い!!
話のテンポや,次回が気になるような構成の力でしょうか?自分は割とチョロくどんどん話に引き込まれてしまいました。

キャラクターもなかなかに魅力的に感じました。
ハーレム構成員の女の子もですが
それ以上に,柳田(メガネの人)とか菅原(外務省の人)などがけっこういいと思いました。変な意味じゃ無く(笑)

20話の{netabare}シェリー救出とか24話のピニャ救出などはウルウル{/netabare}しちゃいました。

20話見終わった後などは,「あと4話で終わるの寂しいなぁ~」といった心境になっていました。
かなり,のめり込んで楽しめた作品だったと思います。




しかしこの作品,常に強い違和感を感じさせ,問題提起してきます。
まず1話冒頭
銀座に門が現れ,オーク,ゴブリン,コボルド,ドラゴンライダー,その他騎士などが攻め込んで来ます。指揮官がいてある程度陣形なども取っていることから明らかに軍事的な進行(侵攻?進攻?どれが正しいんだ?)と捉えられると思います。
そしてその中で,事件に巻き込まれた33才オタクの主人公が警官に襲いかかろうとした異世界の兵士の胸を剣で刺します。(ここはせめて民間人を助けるためにしてくれれば印象はちょっとは違ったかも・・・)
その後,銀座に到着した自衛隊によって,攻めてきた,オーク,ゴブリン,コボルド,ドラゴンライダー,その他騎士などは退けられ一応事件は収束します。

後に日本政府は門の向こう側を特別地域(特地)として日本国内と考え自衛隊を派遣します。自衛隊は門の向こう側のアルヌスの丘に陣を張り,現地の軍隊と交戦します。
2話の会話で成された内容によると,銀座とアルヌスの戦闘での異世界側の犠牲者は12万人と言われています。

12万人ってどの位か調べてみると
東日本大震災 約2万
新型コロナウィルス感染症 日本国内約2万
日清戦争の日清両国の総犠牲者(病死も含めて)約4万人
長崎の原爆 約7万4千人
関東大震災 約11万
広島の原爆 約14万人
日露戦争 日本軍約9万 ロシア軍約8万

こうやって並べてみると,関東大震災と広島の原爆の間です。
自衛隊が銀座とアルヌスの丘で殺した異世界人の数です。





とりあえず,日本国憲法の条文を貼っておきます。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


戦争で勝った連合国軍は日本に再び戦争を起こさせないよう,このような憲法を作らせ軍隊も解体させました。

ところが冷戦が激しくなるとアメリカは日本に軍事的組織が必要であると考えるようになっていきました。なんせ日本の近隣にはソ連,中国,北朝鮮と日本の脅威になりかねない国々がひしめいています。敗戦国とは言え有力国である日本は西側陣営として守りたい。在日米軍のみではアメリカの負担も大きい。
そこで警察予備隊を経て自衛隊が設立されました。
日本に軍事的な組織を設立するに当たって,ネックとなるのが9条の②の条文です。
ここの解釈が,自衛隊の性格を決定づけることになるのですが。
②の条文には前提として「前項の目的を達するため」という文言があります。前項の目的とは①の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」の部分に当たると考えられます。したがって国際紛争を解決する手段としてでなければ軍事力の保持は可能という解釈が成り立ちます。
では,具体的にどのようなケースか?
日本国憲法は国民に基本的人権を保障しています。
つまり日本国の政府は日本国民の基本的人権を守る義務を負っているという事になります。つまりは日本国民の生命や・安全・自由・財産などが脅かされた場合には守らなければならないという事です。そのための,つまり自衛のための最低限度の戦力の保持は可能であると。※ここら辺の解釈については諸説有ります。


そんなわけで,自衛隊法という法律を作り自衛隊を作りました。

以下自衛隊法から自衛隊の任務に関する部分引用

第一章 総則
第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動
3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。


銀座への出動は「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛すること」を目的とした出動と捉えていいかと思います。
とはいえ,敵側死者数6万という数は,国内世論的には相当数の異論が噴出する可能性もあり得ます。

一方,特地への自衛隊派遣については,特地を日本国内と考え派遣したという設定ですがこれにはかなり無理があるように思います。まあ門を介して日本に隣接はしているのですが,とりあえず領有に関しては,どこの国も領有していないのであれば言った者勝ちと言った側面もあるのですが,国際的に認められるには他国政府から承認される必要もあります。領有を一方的に宣言し自衛隊を派遣するのは,門のこちら側での紛争の火種になりかねません。
やるなら,自衛隊法第3条2の一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動としての派遣が適切でしょう。門周辺の警備に当たる的な?でもなぁ~でも相手側が攻めてきて6万の死者が出ちゃうんだから・・・
邦人救助の名目では?いやこれも自衛隊法上無理か

以下引用
(在外邦人等の保護措置)
第八十四条の三 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があつた場合において、外務大臣と協議し、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができる。
一 当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たつており、かつ、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。第九十五条の二第一項において同じ。)が行われることがないと認められること。
二 自衛隊が当該保護措置(武器の使用を含む。)を行うことについて、当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従つて当該外国において施政を行う機関がある場合にあつては、当該機関)の同意があること。
三 予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と第一号に規定する当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。

一~三まで全て当てはまらないですね。


ここで気がついたのですが,このアニメの放映時期2015年って集団的自衛権に関するいわゆる「解釈改憲」なるモノが行われたりして,自衛隊を巡る状況が大きく変わった年でもあります。
それを踏まえると,おそらく作中でも解釈改憲が行われ,自衛隊を特地に派遣することを可能にしたとみるのが妥当という気がします。
つまり,安易に解釈改憲を重ねれば自衛隊が大量虐殺を行う未来もあり得ると言うメッセージと受け取ることもできるのでは無いでしょうか?というかそう思いたいw




この作品を見ていると楽しいのですが,「自衛隊とは斯くあるべきなのか?」との思いがチラチラ頭をよぎります。

有るランク付けでは自衛隊の軍事力は世界第5位だとか,予算的には世界第9位だとか実はGATE同様かなりの実力を持つ軍事的な組織だったりします。しかも,憲法上は曖昧な存在のまま・・・
一方で,銀座とは言わないまでも,北方領土や竹島は占領されたまま。尖閣諸島は中国の船舶が頻繁にやって来て,北朝鮮は日本海にミサイルをたびたび発射。日本周辺をロシアと中国の海軍が隊列を作って航行・・・「正義と秩序を基調とする国際平和」は大丈夫か?

憲法第9条は守るべき?改正すべき? 解釈改憲って有り?とりあえず玉虫色で触れない?どれが一番いいのだろうか?


そして作中では重ねて,自衛隊による大量殺戮が行われます。
そして,それを割と好意的に描いています。
なかなかの,問題提起ですね!

この作品を見て,自分は改めて自衛隊について考えたり調べてみたりしました。そういった問題提起的な側面からもこの作品の価値は高いように思います。



そして,自分に対しての違和感
この作品で自衛隊が人間を大量に殺すことには違和感があったのですが
ゴブリンやオーク,ジャイアントオーガなどなどイメージがモンスター寄りの一部のデミヒューマンが殺されることには全く抵抗を感じませんでした。
人間の指揮する軍勢を構成していると言うことは,知性を持ち言葉を理解する種族と捉えていいと思います。つまりは,人種的な違いですよね?
なのに人間以外の殺戮に違和感をもたない自分,おそらく人種差別の出発点はそこなのでは無いでしょうか?


ところで登場人物の名前で栗林ってふと気になりました。
栗林中将って聞いたことあるような・・・栗林忠道陸軍大将,硫黄島の指揮官だった人物でした。作中の栗林みたいなキャラに名前使っちゃっていいのだろうか?というか大日本帝国の軍人を連想させるような名字は極力避けるのが無難だったように思います。
ちなみに他の自衛隊関係のキャラクター何人か(全員じゃ無いですよ)検索してみたら検索したキャラの名字全て大日本帝国陸軍の人物に該当者有りでした,まあ珍しい名字とかでは無いので偶然かも知れませんが・・・
主人公の伊丹に関しては自衛隊法を眺めていて気がついたのですが,
最後の附則に方面総監部の所在地等が一覧表が記載されていて,
方面総監部所在地は札幌市,仙台市,東京都,伊丹市,熊本市となっていました。この中で最も名字として捉えやすく地名のイメージが薄いのは伊丹ですよね?


まとめると,予想に反してミリオタでもハーレム好きでも無い自分が見ても,すごく楽しめました。娯楽作品としてかなりお勧めです。
一方で自衛隊に関して,問題提起をしていてそういった意味でも存在価値が高いと思います。

ただし,短絡的に自衛隊による大量虐殺アニメと受け取られかねない恐れもあるので,国外への展開は控た方が無難な作品と言えるかと思います。


恐れ入りますが,法解釈等の論争はご容赦下さい。
事実誤認などのご指摘はアニコレのメールでしていただければ,こっそりと訂正させていただきます^^;

投稿 : 2024/07/06
♥ : 24

79.7 11 ラノベ原作で冒険なアニメランキング11位
Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season 後半クール(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (536)
2366人が棚に入れました
俺が必ず、お前を救ってみせる。コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年・菜月昴。頼れるものなど何一つない異 世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。幾多の死を 繰り返しながら、辛い決別を乗り越え、ようやく訪れた最愛の少女との再会も束の間、少年を襲う無慈悲な現実 と想像を絶する危機。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年 は再び絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。

声優・キャラクター
小林裕介、高橋李依、内山夕実、水瀬いのり、村川梨衣、新井里美、子安武人、岡本信彦、天﨑滉平、名塚佳織、高野麻里佳、田中あいみ、能登麻美子、坂本真綾
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ようやく話が進んだ

前半で溜めに溜めてついに解放!!

エミリアの試練の行方、ガーフィールとの和解、ロズワールのよく分からない野望、屋敷の防衛などなど話が一気に進む。前半を取り戻すかのような快進撃!!

{netabare}エミリアの消された過去の中に出てきた育ての母、そして次が気になる扉を開こうとした謎の死なない少女。ほんでもってまともだった頃のベテルギウス。誤認でエミリア母を殺してしまうわけだが、あそこまで狂ってしまうものなのか?
過去のエキドナの言いつけに囚われたベアトリスがスバルの行動によって吹っ切れてロズワールの魔法でもたらされた何でも食べちゃうウサギをやっつけちゃうの痺れた。手を繋いでいるの可愛い。
ラムの深い愛にも痺れた。{/netabare}

スバル自体には強い力があるわけではないが、なんかカッコいいと思わされた。
続きが気になるなあ。


OP
Long shot 前島麻由
ED
Believe in you nonoc
挿入歌
Door エミリア(高橋李依)。
あなたの知らないこと ラム(村川梨衣)。
挿入歌がいい感じに感情を揺さぶってきた。いいっすね。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第39話 STRAIGHT BET
聖域に降りかかる惨劇、そしてロズワールの屋敷やアーラム村を狙うエルザたち。次から次へと襲い来る脅威の全てが残酷に仕組まれた罠であることを告げられたスバルは、どうしようもない八方塞がりな状況に絶望してしまう。そんなとき事態を打破する方法を思いつくことのできないまま自問自答を続けるスバルの前にオットーが現れ、スバルを殴りつける。様々な想いが込められたオットーの拳を受けて、スバルはまた希望を取り戻す。

第40話 信じる理由
人以外の生き物たちと会話をすることができる恩寵、言霊の加護を持って生まれたオットー・スーウェンの人生はまさに波瀾万丈と呼ぶにふさわしいものだった。能力によって故郷を追われ、行商人として独り立ちしてからは魔女教に襲われ、スバルと出会い、そして今もまた文字とおり命懸けの鬼ごっこの真っ最中。オットーは与えられた役割を果たすため、ガーフィールの猛攻をかわしながら、必死に時間を稼ぐ。

第41話 クウェインの石は一人じゃ上がらない
姿を消したエミリアは墓所の中にいた。パックが消えてしまったことで蘇り始めたエミリアの失われていた記憶。大切なことを忘れてしまっていた自分自身に戸惑い挫けそうになるエミリアに、スバルはありったけの気持ちを伝える。そして墓所を出たスバルたちを待っていたのは、オットーとラムの協力によって満身創痍となったガーフィール。墓所の入り口を塞ぎ、聖域の解放を阻止しようとするガーフィールとスバルの戦いが幕を開ける。

第42話 記憶の旅路
第一の試練に挑み、かつて暮らしていたエリオール大森林に降り立ったエミリア。あれだけの醜態をさらして、よくも顔を出せたものだと嫌味を言うエキドナに対して、エミリアは不敵な笑みを浮かべ、同じ魔女の悪意になんて屈してあげないと言い返す。森の奥へと進んでいく二人は、開けた場所にそびえ立つ大樹へとやってくる。その根本には閂のついた小さな扉があり、そこは幼いエミリアが遊ばされていたお姫様部屋だという。

第43話 平家星の笑った日
自由に外へ出ることを禁じられるなど、小さな不満はありながらも、母様と呼び慕っていたフォルトナと共にエルフの集落で平和に暮らしていた幼いエミリア。しかし、その平穏は魔女教大罪司教「強欲」担当、レグルス・コルニアスの出現によって脅かされようとしていた。一方、墓所の前でエミリアが試練を突破するのを待っていたスバルたちの元にやってきたシーマは、まだ聖域が聖域と呼ばれる前の出来事について話し始める。

第44話 エリオール大森林の永久凍土
ジュースとフォルトナの前に立ちはだかる虚飾の魔女パンドラ。ジュースとフォルトナは持てる力の限りを尽くして、パンドラに立ち向かう。その頃、幼いエミリアは封印のある場所を目指して走っていた。パンドラが求めるものを渡せば、皆を助けることができるかもしれない。しかし、必死の思いで辿り着いた封印のある場所には既にパンドラが待ち受けていた。幼いエミリアにパンドラは封印を解くのための鍵を渡して欲しいと告げる。

第45話 聖域の始まりと、崩壊の始まり
それは遥か昔、遡ること400年前の出来事。嬉しそうにエキドナとの馴れ初めを語るロズワールに、気安く馴れ初めなんて言葉を使うなと返すベアトリス。言い合う二人の間に入ったリューズは、自らもまたエキドナに救われた一人であると話す。三者三様の三人に共通しているのは、エキドナへの感謝であった。しかし、喧嘩しながらも仲良くエキドナのことを話し合う当たり前のような毎日は、一人の男の出現によって終わりを告げる。

第46話 咆哮の再会
ロズワールとの話し合いで、屋敷への襲撃を止めようとしたスバル。しかし、ロズワールは400年もの長きの間ずっと抱き続けてきた信念を曲げることはなかった。エルザたちを止めるため、一刻も早く屋敷へと向かわねばならないスバルは、ガーフィール、オットーともにパトラッシュが引く竜車へ乗り込む。一方、第一の試練を突破したエミリアに対して、ラムはとある願いを口にする。エミリアはそんなラムの想いに触れ、エミリアはラムに手を差し伸べる。

第47話 水面に映る幸せ
エルザの攻撃に徐々に押されていたフレデリカ。そこへ両腕に銀色の手甲を身につけたガーフィールが駆けつける。数年ぶりとなる姉との再会も束の間、激突して激しく火花を散らすガーフィールの手甲とエルザのナイフ。そんな中、スバルはベアトリスのいる禁書庫へと向かっていた。禁書庫に現れたスバルに驚くベアトリス。400年もの永きに渡り、呪いのような契約に縛られ続けたベアトリスを、外に連れ出すと告げる。

第48話 血と臓物まで愛して
ありうべからざる今を受け入れ、エミリアは第二の試練を突破し、第三にして最後の試練に挑む。そしてラムはパックと共にロズワールを阻止すべく戦いに身を投じていた。すべてはそれぞれが成すべき役目を果たすため。またロズワールの屋敷で繰り広げられているガーフィールとエルザの戦いも激しさを増していく。ギルティラウに追いかけられていたスバルは、現代知識無双の出番だと意気込み、小部屋へと誘い込む。

49話 俺を選べ
最後の試練を突破して、墓所の外に出たエミリアが目にしたものは、視界を奪うような猛吹雪だった。辺り一面が真っ白な雪に覆われた目の前の広場で、聖域とアーラム村の人々は肩を寄せ合っていた。彼らの周りに氷の壁を作り、凍てつくような寒さから守っていたのは、かつて契約を結んでいた大精霊。意を決してエミリアが氷の壁に触れてると、手のひらを通じて何かが流れ込んでくる。ふと聞こえた声に頷くようにエミリアは行動を開始する。

50話 月下、出鱈目なステップ
ロズワールが発動させた天候を操る大魔法よって、大量のマナが発生していることを嗅ぎつけた大兎は、徐々に聖域へと集まり始める。ロズワールとラムを連れて墓所へと避難するエミリアたちだったが、まるで全てを覆い尽くすような大兎の群れが迫っていた。絶体絶命かと思われたそのとき、エミリアの元にスバルとベアトリスがやって来る。三大魔獣の一翼である大兎を相手に、スバルとベアトリスの初陣が幕を開ける。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今日も元気にレム睡眠

ナンバリングは#39 - #50と続きもんです。分割2期の後半に該当することもあってここでいったん区切りつけますね~な全12話。
地上波の録画での視聴で気づいたこと。30分の尺をぱんぱんに使ってる説が濃厚です。CMが少ない気がします。なんならOPも削ってストーリー用の時間を確保してるかのようでした。
あいかわらずレム睡眠中ということになるので物語そのものはノンレムで進行しますよって…んっ!?

言えることは2つ

 ・劇場版観ておいて良かった
 ・よく理解できなかったけど面白かった

前者:たまたまエミリアたんの過去をモチーフにした『氷結の絆』を観てたわけですが、今回は彼女が過去に向き合うお話。キチンと劇場版でのネタが良い意味でフラッシュバックしてくれました。もうひとつの劇場版『Memory snow』は未見です。
後者:「あれ!?どんな話だったっけ?」「なんでこんなこと言ってるんだろう?」が頻発しました。拒絶感が出てきてもおかしくないのに不思議と平気。よく理解できなかった理由は悪い意味で原作準拠と想定。行間をだいぶ省いてたのだと思います。それでも面白いと感じた理由はわりとはっきりしていて“一区切りつけたから”に他なりません。その結論に至るまでの大きな流れにブレがないので迷子にならずにすみました。


前半終了時点での着目点はこうでした↓

{netabare}・“暴食”の大罪司教ライに名前と記憶を食われたレムと記憶を食われたクルシュ
・強欲の魔女エキドナの試練(エミリア?orスバル?)
・精神壊れたエミリアたん
・【重要】エルザとメィリィの屋敷襲撃
・【重要】多兎の聖域襲撃
・亜人ガーフィールの暴走
・ベアトリスの契約
・とにかくロズワールがイラッとするわ{/netabare}

なんかしら結論が欲しかったのが8つありました。結果はそれら8つのうち1個目以外の7つが解消。大きな流れがブレてないよねと言ったのはこういった理由からでございます。これからの方は一気に2クール駆け抜けるでしょうがリアタイ組は余裕あればおさらい推奨です。

2期は制作側も冒険でした。1期で確立した作品の強みをあえて隠してますから。それはなにか?

 1.レム不在
 2.死に戻らない(後半2クール目)

職場にもレムのフィギュア持ってる強者がいます。あにこれの中でしたら「○○かわいい」頻繁に飛び交ってますが、こうして身近に嫁認定してるのがいるくらいには強烈な魅力を放つキャラクターです。客観的に4番エース不在でウケるのか?は不透明でした。
そして“死に戻るスバルの苦悩”。安易な死に戻りを是としないことをついに決意したナツキ・スバルが

 シュタインズゲート(仮)に辿りつけるか?

リセットせず最適解を手繰り寄せる最難関ミッションに取り組む2期後半です。タイムリープ風な楽しみ方のあった作品の視点の置きどころを変化させてなおそれを上回る魅力を提示可能かは不透明でした。
結果、レム不在や死に戻りのない展開はかえって良かったんじゃないかしら?と感じます。
エミリアに集中できて彼女の魅力も1期より引き出せてたと思いますし、エルザの屋敷襲撃と多兎の聖域襲撃を同時に防ぐ無理ゲーをどうクリアするかの謎解き要素も“リセット不可”縛りで面白みが増したと思われます。
だからこそよくわからんかった自分の理解力の無さを嘆いております。

{netabare}・エミリアの母って?
・ミネルヴァ(憤怒の魔女)なんかエミリアに思い入れありそう
・ペテルギウス えっ!? ペテルギウス???
・ベアトリスとロズワールの『先生』はエキドナでよい?
・虚飾の魔女パンドラさんってことでいいんですかね?7つに入ってないですけど…
・↑彼女時間操作できる能力っぽいからスバルの死に戻りの鍵になるのかしら?
・そもそも封印のメリデメがよくわかってないぞ
他にもスルーしてて気づかないの多々と思われる{/netabare}

あまりにも散漫となるのでここまで。
どこかで再度覗いてみよう。原作読めばいいんでしょうがなかなかそこまで辿りつかないんですよね。



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ

-------

2021.04.18 初稿
2022.01.28 修正

投稿 : 2024/07/06
♥ : 41
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

後半戦

後半戦

50話
{netabare}
スバル&ベアトリスでお膳立て、エミリアでフィニッシュと
意外とあっさり大兎討伐完了。
(白鯨はかなり話数使った気が)

ロズワールは、みなに謝罪し陣営にキチント協力すると
約束はしたけど、結局、スバル脅してたよね。
懲りないというか何というか…

最後に、スバルはエミリアの騎士として正式に選ばれエンド。

1期の頃のスバルは気持ち悪かったけど、しっかり成長し、
区切りの良い2期後半戦だった。
{/netabare}

49話
{netabare}
パックが、エキドナサイドの精霊だったとは!

ロズワール、ベアトリス、パックとエキドナサイドが
付いているエミリアって、エキドナが母オチは無いにしても、
何か理由があるのかな?

そして、スバルがベアトリスと契約完了。
{/netabare}

48話
{netabare}
色々な意味で衝撃的な回だった。

暗殺組織 vs スバル達
腸狩りさん、ガーフィールの前に散る。
姉より、弟の方が強かったのね。
でも、スバルはベアトリスを探し中。
次回見付かるのかな?

ロズワール vs ラム&パック
パックが大精霊だったのにまず驚き、
次に、ラムがロズワールに片想いとは!!
ガーフィール(泣

エミリアは、最後の試練をクリアも、
エキドナは会ってくれず、代わりに
憤怒の魔女ミネルヴァが来てくれる。
エミリアの母について知っているけど言えない、
何かの制約があるのかな?
嫉妬の魔女サテラの様な気がするけど…

そして、エミリアが扉を開けると、
これって、エミリアが凍結させた故郷に繋がった?
{/netabare}

47話
{netabare}
暗殺組織 vs スバル達
ペトラの一言により、気合が入るフレデリカ。
姉弟、どっちが強いんだろう?

エミリアは、第2の試練を乗り越えたけど、
エキドナの「僕は君が嫌いだ」は嫉妬心からなのかな?
{/netabare}

46話
{netabare}
ロズワールたちを襲撃してきた何かの続きが見れるのかと思ったら、
スバルの作戦が発動し、ロズワール邸へ救出に向かう。

ラム vs ロズワールになったのは意外であり、
ロズワールが、ラムレムの故郷を滅ぼしたとは!!

ロズワールって、エキドナを師としているから、
魔女教か何かなの???
{/netabare}

45話
{netabare}
キレイなロズワール(初代?)が見れた回。

エキドナ師匠の元、弟子ロズワールと、リューズ、ベアトリスが
仲良く暮らしていたのに、何が襲撃してきたのか?
{/netabare}

44話
{netabare}
エミリアの過去回続き。

パンドラ曰く、エミリアは魔女の子供とのこと。
とすると、顔が似ている嫉妬の魔女の子供?

スバルサイドは、子分2人引き連れ、ロズワールの元へ…
ロズワールの盤上には、オットーは含まれていなかった模様。
オットー…。次回は、スバル vs ロズワールかな?
{/netabare}

42話~43話
{netabare}
エミリアの過去回。

まさかのキレイなペテ公登場。
そして、大罪司教「強欲」担当レグルスが…

魔女因子を持たないペテ公が代償があるのに、
魔女因子を取り込むほどにエミリアを守る理由と、
フリューゲル様とは誰なのだろう?

パンドラって、まだスバルと面識ないから、
敵なのかな?ちょっと先が気になる。
{/netabare}

41話
{netabare}
ガーフィール14歳というのが一番の衝撃だったかな。
そうすると、ラム、レムも同年代で、
エミリアだけは結構歳いってる感じだね。

次回は、久々のエキドナ登場。
{/netabare}

40話
{netabare}
前半、オットーの幼少期の出来事から、街を追い出されるまでが、
早送りで流れ…特殊能力者だったのねー
もう、主人公級の扱いじゃないですかー

エミリア、メンドクサイ女だなー
スバルも一癖あるしお似合いなのかな。

次回、ガーフィールとバトルの?
{/netabare}

39話
{netabare}
スバルとロズワールの共闘?でいいのかな?
それと、パックからエミリアへの一方的な契約破棄。
契約が破棄されるとエミリアの過去の記憶が分かるようだけど、
パックの再登場はあるのかな?

パックに契約破棄されて絶望に打ちひしがれたエミリアが、
スバルに語る過去とは…

濃い1話目だったけど、オットーがMVPかなー
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 4

72.1 12 ラノベ原作で冒険なアニメランキング12位
棺姫のチャイカ(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (996)
5761人が棚に入れました
原作:榊一郎「棺姫(ひつぎ)のチャイカ」(ファンタジア文庫)、キャラクター原案:なまにくATK(ニトロプラス)、監督:増井壮一、監督補佐:小森高博、シリーズ構成:待田堂子、キャラクターデザイン:新井伸浩、美術監督:岡本好司、色彩設計:岩沢れい子、撮影監督:福田光、、、、

声優・キャラクター
安済知佳、間島淳司、原優子、斎藤千和、細谷佳正、佐藤健輔、野水伊織、幸田夢波、森嶋秀太、山本和臣、藏合紗恵子、勝沼紀義、ブリドカットセーラ恵美、金尾哲夫、大空直美、村瀬歩、櫻井孝宏、小日向茜、牧野由依、緒方恵美、東地宏樹
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ありがちっぽいベーシックなファンタジー作品なのに、結構ハマってしまった!衝撃の事実っ!!w

本作は榊一郎のライトノベルが原作の作品です。2014年4月から全12話で放送されています。2期は2014年10月から放映予定です。

あらすじ・・・主人公の「トール・アキュラ」は幼少時より戦士としての腕を磨いて育ったが初陣を飾る前に戦乱の世が終わり自らの身の振り方に悩んでいた。一方ヒロインの「チャイカ・トラバント」は各地に散らばって保管されている父の遺体を集める旅をしていた。そんな2人が山の中で偶然出会う所から物語は始まる。チャイカの探し求めるものとは「禁断皇帝・魔王・狂戦王」など数多くの異名を持ち、巨大な魔法帝国「ガズ帝国」を何百年もの間治めていた皇帝「アルトゥール・ガズ」のバラバラになった遺体であった。遺体は1部でも膨大な魔力を秘めているため、チャイカの旅はそれを阻止する組織などとの対立により困難を極めていた。縁あってチャイカと行動を共にしたトールと妹のアカリは、彼女を自分の雇い主とする事で自分の身の振り方・生きがいを見つける事となる。かくして3人の旅は幕を開ける事となる。

総評としては「ベーシックなファンタジーの枠に入る作品ながらも、特徴的で躍動感あふれるキャラクターの存在により面白さが際立つ作品」といった感じです。個性的な世界設定を持っていますが、その1つ1つが解りやすく構築されているので非常に溶け込みやすいです。

主人公とその妹は「乱破師(サバター)」と呼ばれる戦士で一時的に身体能力を高める奥義‘鉄血転化’を使います。奥義には詠唱が必要でセリフは「我は鋼なり、鋼ゆえにひるまず鋼ゆえに惑わず、一度敵に逢うては一切合切の躊躇無くこれを討ち滅ぼす凶器なり」といったもの。なんだか古臭い魔法詠唱みたいですが自己暗示の一種らしく、そう考えれば現実的なセリフっぽく見えて私は結構気に入ってます。カッコいいですね♪

そしてヒロインは「機杖(ガンド)」と呼ばれる武器で魔法を使う「魔法師(ウィザード)」です。ガンドはどう見てもアンチマテリアルライフル(対物ライフル)っぽいデザインですw こちらも呪文の詠唱が必要みたいですが、まあアッサリしてるので見てて痛いほどではありませんw
そしてチャイカちゃん少し喋り方がカタコトなんですね、これが中々可愛いんです☆お気に入りのセリフは「衝撃の事実っ!」です。つい彼女が話すシーンは耳を集中させてしまいます。このキャラ設定は秀逸ですね!

基本的に国同士や人間同士の対立や対決が多いので、モンスターみたいな部類はごく少数しか登場しませんね。対立する相手の人間味も描かれている所が好感を持てる要因の一つかもしれません。
唯一の不満はOPテーマが全然駄目です。コレ大丈夫ですか?と思えるほど自分の中で低評価。

ファンタジーが無理と言う方にはそのまま苦手なジャンルかと思いますが、ファンタジーが好きな私にとっては大変楽しんで視聴する事が出来ました。2期も決まっている作品で1期と物語は続く形で描かれます。1期ではストーリーや登場人物など色々な謎がありましたが2期で明らかになっていくと思います。大きく期待しておりますので、これから楽しみです!

*以下ネタバレレビューにて注意!
{netabare}
ドラグーンのフレドリカが戦闘後仲間になったり・アルベリックジレットが自分の職務に段々疑問を持つようになったりとベーシック作品ならではの先の読みやすい展開もありながら、フレドリカがいきなり脱皮したり・航天要塞がまさかの体当たりであっけなく沈んだりと意外性もほどよくあって良かったです。
また第1話で「謎の影」に語られているチャイカは主人公のチャイカだとばかり思っていたのに、実は蒼のチャイカだったってのはやられましたね。良い仕掛けだったと思います♪

*最後に好きなキャラランキング*
1位「フレドリカ」
ドラゴンの彼女はややデザインがイマイチですがw人型の彼女は本当に可愛いです。わがままな感じもドラゴンならではなんでしょうけど、自由奔放な感じの彼女が魅力的に描かれてますね。

2位「チャイカ・トラバント」
カタコトな言葉遣いと、純粋な感受性を感じさせるセリフがとても可愛いですね。少しウザくなってくるのかなーって最初思いましたけど、そんな事は無く最後まで全然可愛かったですね。

3位「ヴィヴィ・ホロパイネン」
ツンツンした感じが可愛いツンキャラ代表の彼女ですが、最後の描写でなんだかチャイカに変身しているような…。2期での彼女がどうなってしまうのかハラハラする終わりかたでしたね。

{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 44
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正に紅白つけがた、、、いや、甲乙つけがたい魅力あり(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
観た人には分かるレビュータイトルにしてみました(笑)

ジャンルとしては、ファンタジー、バトル。でも実際はキャラものだったかなと。女性キャラはみんな可愛らしく、バトルもそこそこ迫力あって、視聴時「は」、かなり2期が楽しみな作品でした(苦笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
よし、2期のことは2期に書こう(笑)

最初の2~3話は、かなり楽しんで観られました。特にトールとニコライ(モヒカン巨漢)のバトルは、良かったです。ラノベ原作なのに、厨二的な必殺技も、(トールの界王拳wみたいなやつ以外)はなく、ちゃんと地味に剣技で戦ってたあたりは、剣道部的に好印象でした♪

中盤以降、多少ダレる部分もあったけど、ストーリーは「父親の死体を集める」という点で一貫していたので、とても観やすかったです。(かなり簡単でしたが)所々に謎というか、伏線もあって良かったです。

なにより、キャラが可愛い。

白チャイカは、なんといっても眉毛! 太眉で可愛いって、アニメでもリアルでも貴重です!(アニメ→けいおんのむぎ。リアル→怒り新党の夏目ちゃん)。しかも、ロリ&片言&記憶喪失&魔法使い&天然&ロシア風。要素を詰め込み過ぎだけど、それでもうまくまとまっていました。

個人的にお気に入りはアカリです。私は兄妹なのに恋愛してるやつは生理的にNGなのですが、これは血の繋がりがないからOK! アカリの、トールに対する偏愛というか変愛wは、かなり笑えました♪ 今まであまり観たことないキャラでしたね。

フレデリカもキャラは良かったけど、ちょっとチートでしたね、戦力的に。フレデリカがいなければ、もっと戦闘や攻略に工夫が生まれ、面白かったと思います。まあ、それはフレデリカが悪いのではなく、便利に使った(楽した)作者の責任ですが。それに、ややグロのシーンもあり、萌えには一歩届かず。

赤チャイカは、ツンデレだし、負けず嫌いなのに可愛げがあって、正に紅白つけがた、あっ、間違えた(笑)甲乙つけがたい魅力ですね♪ 赤派、白派で別れて意見を戦わせてるのも、よくわかります。……ところで、あの赤チャイカの武器、かなり好きな武器なんだけど、元ネタやら正式名称がよく分からん。個人的には、ダイの大冒険のヒュンケルや、ラグナロク(ラノベ)のジェイスが使ってたイメージだけど、もっと前からあるのかな?

作品として惜しかったのは、主人公であるトールが薄味だったこと。サバターとか、(原作では違うのかもだけど)アニメではわりと説明不足でいきなり用語が出てくるんで、最初は3Dの青い人と関係あるのかと疑ってしまいました(笑) まあ、忍者みたいなもんだと解釈してますが、この辺り(トールの過去やなぜチャイカにあそこまで肩入れするのか、サバターとは何か)を更に深く掘り下げられれば、もっと感情移入できた気がします(まっ、それやっちゃうと白チャイカをあそこまで掘り下げられませんが)。

早目に2期が発表になるくらいですから、計画はあったのでしょう。だったら、1期でムリに終らせようとせず(ストーリーを追いかけるのではなく)、 じっくり時間をかけても良かったような気がしないわけでもないです。

と、いうことで、あにこれではあまり評価されていませんが、私は個人的に結構楽しめましたよ、1期は(笑)(笑)(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 32

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

チャイカの片言言葉・・・慣れたら可愛らしく感じました^^

この作品は原作未読、事前情報無しで視聴した作品です。

この物語の主人公は、トールという20歳の青年です。彼は戦争でしかその業を活かせないサバターという職種なのですが、戦争が終結してしまい世の中が平和になると・・・無職になって無気力な生活を続けていました。そんなトールを支えるのが妹である同じくサバターのアカリちゃんです。

ある日のこと、無職貧乏生活真っ最中のトールは山に山菜を取りにいきます。
そこで、本作のヒロインであるチャイカと出会うのです。チャイカにはある目的がありました。
それは彼女が一生賭けても達成したい願い・・・それに触れたトールとアカリはチャイカの願いを叶えるために立ち上がり・・・物語が動いていきます。

チャイカの願い・・・それは、誰もが欲するもので良くも悪くも使い道は持ち主次第というモノでもあるので、一度それを手にしてしまったら、簡単に手放せるものではありません。
守るもの・・・
狙うもの・・・
横取りしようとするもの・・・
チャイカの願いはたくさんの人の思いや野望と折り重なっているので、行く先々で危険な状況に陥ります。

それでも3人・・・途中からフレドリカを加えた4人の連携で、何とか危機を回避しながら前に進んでいきます。
このフレドリカの話・・・個人的に大好きです^^
生き甲斐って、人に認めてもらうことだったり、必要としてもらうことだと思います。
人から認めてもらえなくなったり、必要とされなくなったら・・・たとえそれがどんな理由であれ寂しさを感じてしまうと思います。
大切な人である程その空いた穴は大きくて・・・その寂しさを紛らわすための言動・・・分かる気がします。

それとサバターであるトールとアカリの戦闘シーンは格好良かったと思います。特に「鉄血転化」後の2人のバトルシーンは見応え十分でした^^

この作品も・・・になりますが、人間模様が豊かで面白いです^^
トールに対するアカリの気持ち・・・少しズレていますが可愛らしい限りです。
フレドリカは・・・どうしたいのか現時点では良く分かりませんが、所期の目的に変化の兆しが見えなくもありませんね^^
トール達と敵対関係にある相手の中にも、きゅんきゅんする思いを感じ取ることができます。
敵対関係・・・と書きましたが、完全な敵対関係・・・という感じではありません。
その辺りの微妙なさじ加減は、是非本編をご覧頂き感じ取って欲しいと思います。

物語の終盤・・・トール達の目的とは別の次元で蠢く陰謀に巻き込まれる形で超大型兵器が登場します。
その大きさはたくさんの人間が乗っても余りあるほど・・・
その兵器の中でも戦いは続きます・・・色んなことが一気に起こるので、目を離す隙もありません・・・
結果的にその戦いも終焉を迎えますが・・・爪痕はあまりに大きいものでした。

こうして1期目のチャイカの旅は終幕するのですが・・・既に2期の製作が決まっていて、それが何と今秋放送とのこと・・・これは喜ばずにはいられません^^

1期12話のこの作品ですが、結果的に分割2クールの作品になりそうです^^
トール達と敵対する相手・・・でもどこか憎めない一面を持つ人達と、今後トール達がどの様な物語を紡いでいくのか、凄く楽しみです♪

投稿 : 2024/07/06
♥ : 35

78.6 13 ラノベ原作で冒険なアニメランキング13位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (658)
3372人が棚に入れました
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、――少年が歩み、女神が記す【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、早見沙織、大西沙織、渡辺明乃、千菅春香、KENN、逢坂良太
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

つなぎの2期

今作はダンジョン攻略よりもファミリア同士の抗争が主眼。
またもベルが大活躍。

最初はアポロン・ファミリア。因縁をつけられて決闘という事態になってしまうが、色々あっても解決。この辺りはまだ面白さが水平線。

次は色街を取り仕切るイシュタル・ファミリア。この話が個人的に熱かった。一気に面白いと思うに至った。イシュタルがエッチすぎる。この魅力には逆らえないのも分かる。春姫も可愛くてたまらないんだけど、なんだかんだ姉御肌で面倒見が良いアイシャも好きだったな。最後まで春姫思いで優しい。
フリュネは怖すぎた。自称美しすぎる女だけど、サイズがおかしい。とはいえ、やられかたがちょっと可哀想。
フレイヤに対して嫉妬に狂っていたイシュタルが途中から完全に負け確実な行動になったのは草。少々寂しくもある終わり方。
この話でまた一人ハーレム要員増えたな。いちゃいちゃしてヘスティアが嫉妬するのも頷けるなあ。

最後は兎に角戦いたいけど、滅茶苦茶弱いアレス・ファミリア。若干のドタバタあったけども、ヘスティアとベルの絆が強くなってこれからの3期に向けてどうかというところ。アイズの少しだけ伏線ぽい{netabare}憎しみが垣間見える{/netabare}シーンも気になる。

面白いし、続きを早く見たいけれど、キャラクターが増えすぎて時々分からなくなりそうになってしまう。そこは難点。


OP
HELLO to DREAM 歌 井口裕香
ED
ささやかな祝祭 歌 sora tob sakana


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第1話 神の宴(パーティー)
18階層にて黒い階層主(ゴライアス)を撃破し、無事に生還した【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネル。ダンジョン探索の合間に開かれたささやかな酒宴。その席でベルは、他の冒険者から、あからさまな挑発を受け、乱闘騒ぎを起こしてしまう。乱闘騒ぎの相手は【アポロン・ファミリア】。その団長であるLv.3の冒険者、ヒュアキントスを相手に、ベルは完膚なきまでに叩きのめされる。そして後日、ベルとヘスティアのもとに一通の書状が。それは、アポロンが主催する神の宴への招待状だった--

第2話 太陽神(アポロン)
神の宴で主催者のアポロンから、ベルを賭けた派閥間の決闘--【戦争遊戯(ウォーゲーム)】を持ちかけられたものの、これを断固拒否したヘスティア。しかし翌朝、ベルとヘスティアの本拠地(ホーム)に【アポロン・ファミリア】の襲撃が。アポロンが気に入った子供は、地の果てまで追い回される--かつて同じ憂き目に合ったダフネとカサンドラから、そう聞かされるベル。街中に追手が配置され、ベルとヘスティアが提案を呑むまで、どこまでも追い込む……それこそがアポロンの狙いだった。そしてヘスティアを連れ、逃げ惑うベルの前に、【太陽の光寵童(ポエブス・アポロ)】ヒュアキントスが立ちはだかる--

第3話 集結(コンバージョン)
タケミカヅチやミアハの協力を得たことで【アポロン・ファミリア】の襲撃を切り抜け、アポロンに宣戦布告を叩きつけたヘスティア。ベルをアイズとの特訓に向かわせ、自身はアポロンとの【戦争遊戯(ウォーゲーム)】開催に伴う交渉に臨むことに。一方で団長・ザニスの手により、半ば強引に【ソーマ・ファミリア】に連れ戻されたリリ。必死の思いで主神・ソーマに派閥からの脱退を願うものの、聞き入れらることはなかった。アポロンとの交渉を終え、タケミカヅチ、ミアハと共にリリの救出に向かうヘスティア。ベルとの約束を果たすため、そして大切な仲間を救い出すために--

第4話 戦争遊戯(ウォーゲーム)
神酒(ソーマ)の魅惑に打ち克ったリリ、友を助けんと名乗りを上げたヴェルフと命の三名が新たに【ヘスティア・ファミリア】に改宗(コンバージョン)。更にヘルメスの助力もあって、派閥外の助っ人としてリューが参戦。未だ歴然とした物量の差はあれど、ベルたちを取り巻いていた絶望的な状況には、光明が差し始めていた。迎えた【戦争遊戯】当日。好奇、憂慮、期待、信頼--迷宮都市(オラリオ)中の様々な目が見守る中、リューの魔剣が、命の魔法が、開戦の狼煙を上げる--

第5話 竈火の館(ホーム)
【戦争遊戯(ウォーゲーム)】に見事勝利し、ベルを守りきった【ヘスティア・ファミリア】。リリも正式な手続きを経て改宗(コンバージョン)を済ませたことで、派閥は主神も含め総勢五名に。本拠地(ホーム)についても、先の騒動で破壊された教会に代わり【戦争遊戯】の副産物として手に入れた【アポロン・ファミリア】の巨大な館に引っ越し、新たな門出としては、まさに順風満帆。更に特筆すべきは、史上最速でLv.3に到達という快挙を成し遂げたベル。それに伴い、派閥の名声はうなぎのぼり。この機を逃すまいと、ヘスティアは更なる団員の増強を画策するが--

第6話 淫都(イシュタル・ファミリア)
夜な夜な不審な動きを見せ、出歩く命を心配し、後をつけることにしたベル、リリ、ヴェルフの三名。【タケミカヅチ・ファミリア】の友人である千草と合流し、命が向かった先は、オラリオが誇る、もうひとつの顔--大歓楽街だった。命と千草が歓楽街を訪れた理由は、昔なじみの友人が働いているという噂を聞きつけたからという話……だが、尾行のさなか人混みに揉まれて、ベルは仲間たちとはぐれてしまう。そして、迷い込んだ歓楽街で、肉感的な魅力を放つ娼婦・アイシャに目をつけられ、半ば強引に彼女の客となることに--

第7話 狐人(ルナール)
娼館で出会った狐人(ルナール)の娼婦・春姫の助けで、アマゾネスの娼婦たちから命からがら逃げ出し、なんとか貞操を守りきったベル。だが、望まぬ形で娼婦となり、助けられる資格もないと救いを諦めている春姫に、疑問を覚える。更に命の尋ね人が当の春姫であったこと、そして彼女が所属する【イシュタル・ファミリア】が第一級冒険者まで擁する大派閥で、非常に狡猾で好戦的であることを知らされ、ベルの疑問は、苦悩へと変わっていく。その頃、フレイヤを目の敵にするイシュタルは、ベルがフレイヤの寵愛の対象であることを知ることに--

第8話 殺生石(ウタカタノユメ)
春姫を身請けするため、ダンジョンに潜り、モンスターを狩り続けるベルたち。しかし、ダンジョン内の食料庫(パントリー)で突如襲撃してきた【イシュタル・ファミリア】により、ベルと命は捕らわれの身となってしまう。拘束され、監禁された状態で目を覚ましたベル。眼の前には、肉欲を剥き出しにし、ベルを慰み者にせんとするフリュネの姿が。恐ろしい第一級冒険者に手篭めにされ、廃人となるまで絞り尽くされる--悪夢すら生易しいと思えてしまう現実からベルを救ったのは、またしても春姫だった--

第9話 戦闘娼婦(バーベラ)
術者の生命と引き換えに、狐人(ルナール)が持つ妖術を無制限に使用可能とするアイテム『殺生石』。『階位昇華(レベルブースト)』という破格の妖術を有する春姫の過酷な運命を知り、立ちつくすベル。脆い覚悟をアイシャに見透かされ、言い返すことすらできなかった。ベルが憧れ、そうありたいと願う英雄の姿とは--為すべき行動を思ったとき、ベルの右手が白い輝きを放ち始める。『春姫の英雄』になることを誓ったベルは立ち上がり、再度【イシュタル・ファミリア】の本拠地(ホーム)へ乗り込む--たったひとりの少女を救うために。

第10話 英雄切望(アルゴノゥト)
捨て身の行動により命が開いた血路に飛び込み、殺生石を砕いたベル。その状況にあってなお、救いを求めようとはしない春姫に、ベルは思いの丈を叩きつける。春姫の本当の願いを聞かせてほしいと。詠唱された『階位昇華(レベルブースト)』の妖術が加護を与えた先はベル・クラネル。偽りなき願いを叫ぶ春姫を背に、ベルは第一級冒険者たるフリュネを迎え撃つ。同刻、紅く燃え盛る歓楽街の一角。その中心にはオラリオ最強の冒険者、そして--最強を束ねる美の女神(フレイヤ)の姿が--

第11話 進軍(ラキア)
女神イシュタルの天界への強制送還を以て歓楽街の一角は壊滅。春姫も晴れて解放され【ヘスティア・ファミリア】へ改宗(コンバージョン)も決まった。そんな中、国家系派閥【アレス・ファミリア】によるオラリオ襲撃の一報がもたらされるものの……圧倒的な戦力を有する迷宮都市が普段の営みを乱すことはなく。ベルも穏やかな日常を送っていたが、ほんの些細な言葉の行き違いから、ヘスティアが本拠地(ホーム)を飛び出してしまう--

第12話 女神と眷族(アイノウタ)
オラリオを襲撃中のアレスに捕らえられてしまったヘスティア。アイズやアスフィの協力もあり、ヘスティアの元に辿り着いたベルだが、不慮の事故により、ベル、ヘスティア、そしてアイズは谷底の濁流に呑まれてしまう--ベルたちが流れ着いた先は山間の集落・エダス村。強大なモンスターの庇護に預かる平和な村で、ベルとアイズは、体調を崩したヘスティアの看病、そしてアレスの動向を警戒しつつ、村の世話になることに。ヘスティアの回復を見守る日々の中、村では豊穣を祈願する祭の日が近づいていた--

投稿 : 2024/07/06
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

さらに暇を持て余した神々の遊び

かつて「タイトルで損をしてる」とも謳われた『ダンまち』こと『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の2期でございます。

意外にも真面目にダンジョンRPGしてたことを好意的に捉えられてたのは周知の事実かと思います。
外伝を挟んだり、劇場版を挟んだりしてからの満を持しての2期でした。そしてのっけから重要なこと↓

 {netabare}今回はダンジョンに入りません!{/netabare}

真面目なダンジョンRPGを期待してたところ肩透かしを食らいました。
ここは評価別れそうなところですね。「タイトルで損をしている」なら可愛いほうで「タイトル詐欺じゃん」となると穏やかではありません。面白ければ不問に付される程度のことでしょう。
ダンジョン入らずに何するの?は本編でご確認ください。ちなみに私は特に気になりませんでした。
やや人の出入りはあるものの1期で良いと感じた部分はそのままに、世界観を拡げてくれたと感じられたことが理由です。

【1期で良いと感じたポイント】
 1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
 2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
 3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
 4.緩急つけた魅力的なキャラたち

この1.~4.がブレてないんですよね。外形は変わっても脈打つものは何だろう?に着目すると一本筋が通っている。そんなお話になってます。
原作が長寿シリーズであり、世界観がきちっと固まっていると思われる作品です。
導入部分は正統派ダンジョンRPG(1期)。実は群雄割拠であることを説明する目的でロキ・ファミリアをピックアップして作品の幅を横に拡げた外伝。
そして第2期。オラリオという世界の中心みたいな場所があって、神々と眷属がファミリアを形成していることが前提だったこの世界の根本部分の説明がなされます。

オラリオ外の地域や人について言及がなされ、その比較文化的観点からダンジョンのある都市オラリオの世界での位置づけがわかってきます。
さらに、本作の特徴でもある神々と眷属の関係性や異なるファミリア間のルールなどにもメスが入ります。1期の時から小出しにはなっていた


 “なんでダンジョン中心の世界観形成がなされてるの?”


神々の思惑やこれまでの歴史を踏まえて明らかになっていった2期でした。
私は1期のレビュータイトルに “ 暇を持て余した神々の遊び ” とネーミングしたわけですが、暇かどうかはさておいて、奇しくも そのような様相を呈していったわけです。

1期のおさらいを兼ねた特別編の第0話を除いての全12話。
{netabare} 終わってみれば「3期あるよ!」アナウンス込みの俺たたエンドではありますが、{/netabare}世界観を拡げてくれた第2期となりましょう。
1期気に入った方は放っといてても鑑賞候補に挙がるでしょうから、その時に「ダンジョン入らないけど意味はあるよん」くらいの構えで楽しんでいただけたらよろしいかと思います。
OPEDは特に印象に残らない普通の曲でした。




※ネタバレ所感

■全12話の構成

{netabare}大きく3篇に別れてましたね。

#1~#4 アポロンとのいざこざ
#6~#10 イシュタルとのいざこざ
#11~#12 痴話喧嘩{/netabare}

{netabare}日常回の果てに視聴者が食いつきそうな見せ場(10話の春姫救出バトル)を提示してちゃんちゃんではありませんでした。

前2つのアポロン編とイシュタル編。
前者でヘスティアファミリアの増員、後者で春姫とベルくんのやり取りを通じ英雄の定義を試みます。
最終2話で「神の思惑」「ダンジョンクエストの最終到達地点」「オラリオとオラリオ外」を提示しての終幕でした。

興味深かったのはアポロンとイシュタル双方に対するフレイヤの態度。ベルくんにご執心な女神様がアポロンにはやや寛容でイシュタルには観た方はご覧の通りなほぼ真逆な対応をしました。この境界線って何だろう?
酒場のシルちゃんから貰った緑色の石がヒュアキントス団長の即死攻撃からベルくんを守りました。割れた石の下にはフレイヤの刻印。なんでシルちゃんがそんなマストアイテムを持ってたかは不明ですが、あくまで間接サポートです。対してイシュタルにはカチコミ入れての吉原炎上。

ベルくんが超えられそうな壁なら捨て置いてるというのか?
ベルくんに興味を示した面々のベルくんへのアプローチの仕方によって態度が変わるのか?

未だ私にはよくわかっておりません。{/netabare}


■神と眷属の関係
神と眷属の関係、ファミリア間のルールなど詳細がわかってきました。

{netabare}・別のファミリアは抗争に口を出せない ギルドもファミリア間抗争に口出しできない{/netabare}
{netabare}・ファミリアの移籍には神の許可が必要

成文法はなく暗黙の了解みたいなものが多いようです。ギルドも仲裁の権限を与えられてるわけではないというのは驚きでした。控えめにいって神々の匙加減、悪くいえば気分次第。
ふざけてそうでフレンドリーそうでそうは言っても神は神で絶対なものであることが伝わってきます。{/netabare}


■ベルくんが主役の理由
みんなベルくん好きですね。

{netabare}オッタルに「ここにミノタウロスの群れを呼べないかしら?」と表情変えずに嫉妬するフレイヤを筆頭にメインネタだったアポロンとイシュタル。ヘスティアは言わずもがなです。
ヴァレン某との初ダンスのサポートをするミアハやヘルメス。援軍かけつけのタケミカヅチその他神様たちに愛されております。
その理由の一端が明かされてましたね。ベルくん本人の英雄願望と辻褄の合うネタ明かしでした。{/netabare}



※オマケ

■春姫さん正妻説
海外の映画を観るとよくわかるんです。娼婦がヒロインの作品はとかく暗い話が多い。
立場を超えた愛を描いた『プリティウーマン』『ムーランルージュ』などの名作も入りは男が上、女が下からスタートします。
対して日本はびっくりするほど対等な目線で描かれることが多いと思います。

{netabare}本作のイシュタル編もまさにそんなお話。娼館というより遊郭の佇まいであったことも大きいかしら。身請け制度は海外にはなかったと思います。
ちょっと日本式の捉え方について海外の反応なんて眺めるのも面白いかもしれません。
ヒロイン春姫さんだけでなく、アマゾネスを統括していたアイシャを2期屈指の好キャラとして描いてもおりました。職業に貴賎なしは言い過ぎかもしれませんが、対等とするに抵抗はない。日本人の皮膚感覚です。{/netabare}

{netabare}イシュタル編はベルくんと春姫を通しての英雄の定義と申しました。

別の作品レビューで触れた記憶があるお話。海軍大将を務めあげ、第16、22代総理大臣となった山本権兵衛の妻ときは遊女です。
詳細は他に譲るがこの男。ときを貰い受けるために身請けではなく強奪という手段を強行し(結局身請け金は支払った)、晴れて夫婦になって以降は、生涯を通じて妻に尽くした剛と優の者であったとされています。ときも出自をわきまえ公の場には一切出てこなかったとのこと。

ベルくん↓
「あなたが娼婦だからですか?英雄にとって娼婦は破滅の象徴。あなたはそう言いました。だけど僕とあなたが憧れた英雄はそんなんじゃない!たとえ娼婦でも!恐ろしい敵が待ち受けていたって!英雄は見捨てない!」

日本人にとって“英雄”という概念は欧米人と比較すれば希薄なところではありますが、前に出過ぎない春姫の印象と合わせて、実在したとある夫婦を想像させるものでした。{/netabare}


{netabare}ただちょっとねというかなんというか。
なにがなんでもヒロインは生娘にするという断固たる意志を感じるところがいやはやなんともw{/netabare}



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.02 初稿
2020.04.18 修正
2021.10.15 修正

投稿 : 2024/07/06
♥ : 64
ネタバレ

toshi1015 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作既読 英雄に憧れるベル君の冒険譚

※アニメを見終わるまで☆評価は3のまま変えていません
原作ラノベ 「大森藤ノ」GA文庫 1〜15巻
漫画「九二枝」ヤングガンガンコミックス 1〜10巻
(2019.07.12外伝ラノベ ソードオラトリア12巻発売)

【裏表紙の紹介文】
アニメ2期
※原作ラノベの裏表紙の説明文なので、結末などは書いてませんが、展開など若干ネタバレがあるのでご注意を。7巻以降はアニメが追いついて来てから追記予定です。

6巻
{netabare} 「ヘスティア、君に『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込む!」「なんだとアポロン!?」
『戦争遊戯(ウォーゲーム)』ー対立する神々の派閥が総力戦を行う神の代理戦争。勝者は敗者の全てを奪う。そして敵神(アポロン)の狙いはー
「君の眷属、ベル・クラネルをもらう!」
戦闘開始までの期限は一週間。更に追い打ちをかけるように今度はリリが【ソーマ・ファミリア】に捕らえられてしまう!
もはや絶望的な状況。それでも少年と『出会い』、幾多の『冒険』を経た絆が今ここに集結する。全ては勝利するために!
『上等だ、アポロン!僕等は受けて立ってやる、この戦争遊戯(ウォーゲーム)を!』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

アニメ1期
1巻
{netabare} 迷宮都市オラリオー『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ!【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」「はいっ!僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
2巻
{netabare} 「はじめまして、白髪のお兄さん」
ベルに声をかけてきたのは、自ら《サポーター》を名乗る少女・リリだった。半ば強引にペアを組むことになった少女を不審に思いながらも、順調にダンジョンを攻略していく二人。束の間の仲間(パーティー)。
一方でリリが所属する【ソーマ・ファミリア】には悪い噂が絶えない。その先には、人の心までも奪うとされる《神酒(ソーマ)》の存在がー?「神様、僕は……」「大丈夫、ベル君の異性(ひと)を見る目は確かなのさ。神(ぼく)のように、きっとね」
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
3巻
{netabare} 「……君は臆病だね」「!?」「臆病でいることは冒険で大切なこと。でもそれ以上にも、君は何かに怯えている」
突如憧れの女性【剣姫(けんき)】アイズと再会を果たしたベル。そこで突きつけられてしまった事実。自分を抉る最大の因縁。紅い紅い、凶悪な猛牛・ミノタウロス。
少年はそんな自分を情けなく思った。そして少年は始めて思った。
僕はー英雄になりたい。『偉業を成し遂げればいい、人も神々さえも讃える功績を』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
4巻
{netabare} 「「「Lv.2〜〜〜〜〜!?」」」
先のミノタウロス戦での勝利によりLv.2到達、世界最速兎(レコードホルダー)となったベル。一躍オラリオ中の注目・羨望を集めることとなった少年の元には、仲間(パーティー)への勧誘が絶えない。廻り巡る環境(せかい)。そんな折「俺と契約しないか、ベル・クラネル?」偶然にも自分の装備《兎鎧(ピョンキチ)》を創った鍛冶師(スミス)のヴェルフと出会い、仲間を組むことに。しかも、彼は圧倒的な力を誇る《魔剣》唯一の創り手らしいのだが……?
犬人(シアンスローブ)ナァーザ、そして女神ヘスティア、ベルが交わした2つのアナザーエピソードも収録!
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
5巻
{netabare} 「リリ達は囮にされました!すぐにモンスターがやって来ます!」「…そんなっ」「おいおいっ、冗談だろ?」
鍛冶師(スミス)のヴェルフを加え中層へと進んだベル達。しかし他パーティの策略により一転ダンジョン内で孤立してしまう。
ヘスティアはベルを救うため、Lv.4の元冒険者・リュー、さらには神・ヘルメスと共にダンジョン侵入を試みるが……
「ー階層主(ゴライアス)!?」立ち塞がる最凶の敵が、ベル達を更なる絶望へと追いつめる。希望(ひかり)を求め、決死行が繰り広げられる、迷宮譚第五弾!
『限界までー限界を越えて己を賭けろ』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}


15巻まで読みましたが伏線など小難しい事は考えなくてOKです。
迷宮の謎やらベル君の祖父やら色んな派閥の思惑的な描写や、外伝でもアイズ視点から色んな派閥や謎的な事を書かれてますが、気にしないで下さい。
伏線っぽい話しを蒸し返すときはその都度説明があるのでヘーキです。
ベル君の冒険をただ楽しみましょう

1期では1〜5巻まで今回2期は6巻からスタートになります。
なお漫画側はまだ単行本になって無い雑誌側でアニメ2期の話しが始まったばかりなので「1期の復習は漫画1〜10巻オススメです。」話しの先を知りたい方はラノベ6巻からどうぞ

【世界観】
永遠の時間に飽きた神々が神の力を使わない事で人と共存する世界。
・神の力を使わない事で人と暮らす神様達は恩恵を与える事でファミリアと言う派閥を作り眷属達には力を、神には恩恵を失わない為にも神様を守る。
・経験を積むだけではLVは上がらない。己の器を乗り越える事でランクアップLVが上がる。

【迷宮都市オラリオ】
地下迷宮の上に作られた都市オラリオ
・己の器を超える鍛錬、モンスターを倒す事で得られる素材など、ドワーフノーム獣人ホビットエルフ様々な種族職種、神々のファミリアで溢れる都市。

20190803 追記 1〜4話視聴
原作6巻の【ソーマファミリア】神とリリ、【ヘファイストスファミリア】神とヴェルフ、【タケミカヅチファミリア】神と命、と各ファミリアの神と子供の関係と各子供の決意からの【アポロンファミリア】との戦争遊戯だったわけですが…

個人的には1期の山川吉樹監督の演出の方が好みでした。

各話に盛り上がりを入れ視聴者を飽きさせず増やす為だとは思いますが結構端折っていて原作未読な方達は置いてきぼりにならないか心配です…。(とある3期の二の舞いにならなければ良いけど…)

個人的には原作>コミック>アニメ な感想ですカメラワーク?が漫画よりアニメの方が単調に感じました。

原作1冊を4話ペースなら9巻までやるのかな〜今回の【J.C.STAFF】はどう転ぶか…とある原作未読者置いてきぼり演出になりませんように…。

【裏表紙の紹介文】
7巻
{netabare} 新生【ヘスティア ファミリア】始動!
『戦争遊戯』という激戦を乗り越えた新に眷属となったリリ、ヴェルフ、そして命。ベルのもう一つの家族。深まる絆。だが、
「ここは私達のホーム、女主の神婦殿さ」
 命を追ってベルが迷い込んでしまったのはオラリオの歓楽街【イシュタルファミリア】が管理する『夜の街』。
「私はこの歓楽街に買われた身です」
 そこで少年は囚われの身である極東の少女、春姫と出会う。蠢く陰謀に呑み込まれるベルが下す選択はーー。
『これっきりでいい なろう、あのひとの英雄にーー』
 これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

75.1 14 ラノベ原作で冒険なアニメランキング14位
ありふれた職業で世界最強(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (664)
2961人が棚に入れました
“いじめられっ子"の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強"異世界ファンタジー、開幕!――そして、少年は“最強"を超える。

声優・キャラクター
深町寿成、桑原由気、高橋未奈美、日笠陽子、大西沙織、花守ゆみり、加隈亜衣
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

原作と脚本と作画三拍子揃った低品質

原作未読で取り敢えず一話を見てみた

意味が、わからない……
クラス転移の経緯がOPで済まされる百錬形式ってのもさることながら、
「錬成師」ってのがどういう職業なのかも、ありふれてるって部分もよくわからない
ついでにいじめも陰謀も描写が一瞬程度だから主人公が闇落ちする理由も薄い
というか時系列が無意味に行ったり来たりしすぎて何を語りたいのか分からない

あらゆるなろう系のなかでもダントツに説明が不十分だし、ダントツに描写自体つまらない
盾みたいに這い上がるのを楽しむんだろうけど、そもそも虐げられる描写が薄すぎてテンプレをなぞる意志しか感じられない
オマケに「錬成!錬成!」とか叫んでるシーンも滑舌が微妙な上に場所のためか録音のためか反響が酷くて「先生!」連呼してるようにしか聞こえない

面白かった点は主人公が異常なまでに現状解説をし続けてくれるところかな
「左腕を食われた!」なんて言ってる場合かよ失血死するやろ!みたいな
「ナカノヒトゲノム」よりずっと実況のクオリティが高いのは思わず笑ってしまった

2話、3話視聴
{netabare}最終話まで2話以降の感想を書く気が無かったけどあまりにもあんまりなので追記
一言で言えば「センスの無さの見本市」

1話でおざなりだった転移の経緯が2話で軽く回想される
まあそのくらいしてくれないと意味不明なだけだしそこは当然
ただ、シナリオの進行上主人公とその他クラスメイトは別行動をとってるわけで、主人公視点の回想じゃないと意味がないだろうと

ダンジョン突入までの主人公の具体的な境遇はカット、転移直後の混乱や職業差別の描写はカット、メインは担任が萌えキャラめいたデザインだってことだけ
1話に登場してない担任の容姿なんざ誰が興味持つんだと
あのデザインだしOPにもでてるんだしどうせヒロイン紹介なんだろうけど、それならせめて主人公視点で回想して、主人公との繋がりを見せろよと
勇者()の道化ぶりと担任のヒステリーだけは伝わったけど、そこに主人公の思考が入らないから主人公の豹変の説明には全くなっていない

というか女キャラが負傷したわけでもないのに何日も眠り続けるとか最早病気だろうと
心労とかそんなのを考慮しても「ショックで何日も意識を失ってました!」なんて有り得るわけないだろうに
というかせっかく挿入した回想ですらこの女キャラと主人公の接点が描かれないから、何日も寝込むようなショックを受ける理由すらあやふやなまま

あとは主人公の行動
各種武器を作れる理由はもう(どうせ理由もないだろうし)気にしないけど、「裏切られたの!」の一言で全部信用するとか有り得ないだろうと
自分自身が裏切られたから同病あい哀れんでってことだろうけど、急激に性格が変貌するような人間不信なのになんで簡単に言い分を信じるんだ?
あれか?裸で金髪で幼女だからか?そのくらい性欲に正直な方がよほど理屈が通るくらいのチョロさ
オマケに強力な吸血鬼を封じるための枷すら簡単に破壊するわけだけど、能力の汎用性高すぎるだろうと
魔物食べただけでそこまで変貌するならそんな職業どこも「ありふれ」て無いだろうと
性格・行動・能力のどこを見ても滅茶苦茶で、どこぞの賢者の孫の方がまだ理解できるレベル

ついでに触れるとお前の故郷どこだよと
自分の故郷の言葉として「月=ユエ」なんて名を吸血鬼に付けたわけだけど、お前の故郷ってのはCCさくらの漫画の中なのか?
そのまま中国語ってことでも良いけど、その場合お前中国人だったのかよっていう疑問すらある
故郷=地球、人類みな兄弟!みたいなグローバル思想でも持ってんのかもしれないけど、お前それなら帰ってきた先がヨーロッパでも帰郷の実感をもてるのかと
銃に名前を付けるくらいの中二病患者だし、発言の一切が雰囲気だけのものって可能性が一番高いのがなによりアホらしい

あとは3話の戦闘全般
吸血鬼のユエはいくら何百年と封じられていたにしても弱すぎるだろうと
最上級魔法があまりにも弱い
弱点を狙ったとは言え、主人公の銃で一撃で倒せる相手に最上級魔法2発撃ってダメージは殆ど無しって…
強大な力を持っているから封じられたにしては弱体ぶりが酷い
新メンバーの強さを示す格好の機会なのに、そこすら見せ場を主人公に譲って仲間は無能として描かれるのは孫と共通する

あとは寄生植物戦
何簡単に吸血鬼が寄生されてるんだと
さっきも言ったけど、お前あまりの強さに封印されたんじゃなかったのかと
オマケに主人公は「魔物を食べてたから耐性が付いてた!」で寄生を無効化するし…
なにが問題って、寄生植物の能力は「魔物を操る能力」なわけで、操られる側の魔物を食べたところで耐性が付くわけがない
ここも、
「主人公は寄生されるけど、吸血鬼は上位種だから操られることなく主人公を助ける」
とすれば武器の威力で勝る主人公と、種族としての基本スペックで圧倒する吸血鬼って差別化ができただろうに
役割分担が出来ないならキャラを増やすなとしか言えない

ついでに作画が酷い
描きにくいだろう部分はざっくりカットして適当に繋ぐ、ちょっとでも動きを見せないといけないものはCGで誤魔化す、そんなんばっかり
主人公に刺さった杭が、抜けたとたんCGになって落ちたのを見たときはさすがに真顔になった
しかも発泡スチロールみたいな軽い動きで跳ねるし…
止め絵できれいに見せかけて、その実作画枚数を極端に削ることに執心してるのが見て取れる

音楽もセンスがない
いや、正確にはお洒落でセンスのある曲なんだけど、この作品には壊滅的に合わない
なんでイキリ主人公がドヤ顔で戦闘するシーンがムーディな曲なんだと
BEMみたいに世界観自体をお洒落にしようとしてるならともかく、そういう要素が皆無なのに曲だけ力を入れてダダ滑りしてる印象
加えて言えば、全編曲の雰囲気を統一すればいいのに、戦闘が終わる直前になると何故か普通のバトルアニメみたいな曲に変化するのも意味不明

あまりにも酷いから吐き出せるだけ吐き出したけど、要するに
脚本の視聴者への配慮の無さ
原作のシナリオの甘さ
作画の作り込みの甘さ
音楽のセンスの乖離
これら諸々が一通り揃ったような出来映え
こう言ってはアレだけど、このアニメで唯一面白いのは雑さの粋を極めたアイキャッチだけだと思う

こんな適当をやって枠をつぶすくらいなら邪魔にならないようOVAでひっそり作ってひっそり消えろと言いたいレベル
{/netabare}

最終話視聴
{netabare}評価については3話視聴時点と特に変更なし
気持ち悪い展開がより重篤さを増したな、という程度
ウサギの追加以降完全にハーレムアニメにシフトしていったけど、ハーレム展開が始まってからのほうがずっとキツかった

スマホ太郎くらい機械的にハーレムを収集する展開なら「馬鹿だなぁ…」と思いつつもまだスルーできる
そもそもスマホ太郎って、あの世界で生活するために繋がりを作って色々やっているからある意味ハーレムを作ろうが問題ないところがあるし
ただ、この作品の場合最終目標が「故郷(地球)に帰る」なわけで、そんなとこに化け物集団を引き連れるなんて控えめに言ってもアホかと
吸血鬼はまだ見た目に問題がないからともかく、ウサギ人間なんて即通報モノじゃないのかと

というかそういう諸々を全部無視したとしても、あのハーレムの作り方は本当に気持ち悪い
主人公が「好きなやつがいる」って言ったそばから「それでも良いからハーレムに加入する!」で主人公がやれやれ顔するって…
「俺は止めたのに女から寄ってきちゃうよーモテて困るわー」って普通に考えると気持ち悪いし最高にかっこ悪いと思うんだけど
主人公・ヒロインの性格や振る舞いも含めて作者の性癖披露会の場にしかなってない

あと、同級生ヒロインへの義理立てだけが目的で馴れ合うつもりが無いって言うなら義理立てを済ませたあとはサッサと帰れよと
同級生相手にマウントとってイキって悦に浸るためだけに同級生とのんびり帰るって思い切り馴れ合う気満々だろうと
「関わりたくないけど優しいから関わっちゃったーやれやれ強い俺ってば頼られて辛いわー」だけで最終話を終えるとかどういう神経してんだか

主人公の性格があまりにも場面ごとに一致せず、言行に一貫性がなく、そのくせ自尊心ばかり大きいのは純粋に不快
その点話はグチャグチャだけどストレスが溜まることがないだけチート魔術師のが若干マシだった
{/netabare}

そういうえば二期が決まったんだとか
どういう神経していればこれの二期なんかやるんだろうと思ったけど、最終話を見て納得した
これ、戦闘シーンがほぼ動かないから作画枚数殆ど要らないんだわ
基本は止め絵で、動くシーンはキャラが一人でクルクル回る場面くらい
あとはカットの切り替えで動きは全部省略
おかげでお絵かきして色塗りパパっと済ませるだけで寄ってたかって「作画綺麗!」って褒めてもらえる
そういうコストの安さと引き込んだ声優のラインナップで視聴者を釣り上げて、中身がどんな汚物でも評価してもらえるってことなんだと思う

投稿 : 2024/07/06
♥ : 14
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

いつもの

1話感想{netabare}
なんかおっかなびっくり状態で前情報はなるべく入れずにアニメを視聴。
「ありふれた~」って言うから農家かな?と思ったら全然違ってた。
どこがありふれた職業なんだろう?

まぁそんなことよりもですよ、よしもときんじ+アスリードじゃねーか!
よ し も と き ん じ じゃねーか!!!!(二度目)
うっわこれズルい、「あははこの人じゃしょうがないw」と何やっても許せちゃう監督じゃん。
アームス(アニメスタジオ)はやってるんだかやってないんだか分からん状態だし、アスリードってポストアームスよね、これも文句言いにくいw
ってかそういう文句言われにくいスタッフを選んだ?(言われにくいというか、言い疲れちゃったというか…ISUCAとかsin七つのナントカとか)
あいや、“勇しぶ”は結構マトモだったと思うけどね。
さすがにアニメ業界も手を打ってきてる…のか?
“バルキサス”の流れから考えると適任だったりして。

ってことでカット割りがおかしいのはいつものことです、もう監督の名前見た時点で諦めるしかない。
むしろ乳首出なかった方が異常にすら思えるw今後出るのか?(出ても光ってるけど)
レベルアップってそういうことじゃない…そもそも「経験値ってナニ?」ってとこから説教かましたいけどそれはよしもときんじも分かってるでしょう。
まだ始まったばかりであまり言うことも無いけど、コッソリ梅津泰臣が参加するなんてこと、ないかなー?
…ってかアームスって今どうなってんの?{/netabare}

5.5話までの感想{netabare}
えっ、このタイミングで総集編!?
リアルの事件に配慮してってことではないっぽい。
しかも監督がよしもときんじって…これはどうしても“sin七つの大罪”を浮かべてしまうんだけど…あっちは4話と10話の後に総集編や特番だったか。
そのうち声優にボーリングやビリヤードやらせるのかな?…アートランド…うっ頭が。
いやまぁこういうのって経営?が悪くて監督に責任あるかどうか不明だけどね。
作画崩壊で有名な“いもいも”は監督が制作の社長なので言い逃れできないけど、よしもときんじは経営に首突っ込んでるのかね?
ひょっとして「ヤバい案件」の請負人だったりして?

ところでどれだけの方が“sin七つの大罪”を全話見たんだろう?
シリ構は別だけどやっぱり似通ってる部分はあって、分かりづらさというか表現のヘンチクリンさはどっこいどっこい。
ここに文章投稿してる方…そうでなく人と会話するだけでも「果たしてこっちの言わんとしてることは相手にちゃんと伝わってるかな?」ってのは気にすると思うのだけど、よしもときんじはどうにもそれが、変。
必要なカットが足りてなくていちいち脳内補完が必要で、それでもsinは「毎回新悪魔の紹介してけばいい」という大雑把な条件をこなして一応サマにはなってた。
が、こっちは…うわぁい。

と、ちょいと気になって更に調べてみたら、監督よしもときんじ作品には鈴木雅詞がシリ構やってる作品が多いみたい。
先のsinもシリ構じゃなくてメインライター名義だけど組んでる、ああ全然気にしてなかった…。
それ誰?というと空鍋で有名な“シャッフル”や“GIFT”の人…“みなみけおかわり”の方が有名?
キャラを闇堕ちさせるのが持ちネタみたいで、以前やってた“ロードオブヴァーミリオン”も作品としてはイマイチだったけど、今改めて思うと「全キャラ初期段階から闇堕ち状態(頭のおかしい不愉快なヤツしか居ない)」ってコンセプトなのだとしたら徹底してたなぁ、と。
この作品にうってつけじゃん!と思うのだけど、よりによって別の人…な、なんでー?
ってことで、鈴木雅詞がシリ構やってたらもうちょい見れたモンになってたんじゃないかなー?と思うとちょっと残念。

あーそうそう内容についてだけど、総集編やったお陰で話が理解できた気分。
最初からこの展開・時系列順で本編やれば良かったのに…と思わなくもない。
逆に時系列ゴチャゴチャいじくってたのはキャラの性格に一貫性がなくて矛盾が生じるのを誤魔化すためだと思うのだけど、総集編をやったせいで暴いてしまったような?
い、いいのかこれ?{/netabare}

6話感想{netabare}
うわぁ、このウサギのノリは…“サムライブライド”のカネツグや“sin七つの大罪”のレヴィアタンだ。
何度か別の作品の感想で書いてるけど「残念キャラ」が自爆かますネタは嫌いじゃないのだけど、それが行き過ぎてキャラいじめになってるアレ。
ウザいを通り越して「なんでそこまで不快に描いちゃうのよ」と、見てるこっちが頭抱えたくなるアレ。
sinに関しては↑で散々挙げてる通りスタッフが一部一緒だし分からんでもないが、サムライブライドは…アームス繋がり?え、ここで!?
なんでこう行き過ぎたキャラいじりをやってしまうんだろう、これに関しちゃ原作関係なくアニメ制作側のやらかしだと思うのだが。{/netabare}

最終回感想・総評{netabare}
いつものよしもときんじ。
絵描き上がりの監督…特にバイオレンス&エロスをメインとした人、梅津やバリの延長線としてはこんなもんかと。
だからといって評価甘くする気も無いのだけど、アームス・TNK・アスリード辺りはもう「こういう作風」として確立してると思った方が気が楽かと。
そうさねぇ、一騎当千とクイーンズブレイドとハイスクールD×Dを全部と、ついでにサムライガールズ・ブライドとsin七つの大罪と閃乱カグラ東京妖魔編も見れば「いつも通りっスね」で殊更に批判するのもバカバカしくなるというか。
(一騎当千に関してはシアの声が浅野真澄に聞こえて仕方無いのも手伝ってるかも?)
1話の意味不明さも“プリズムアーク”(監督:バリ)に比べれば生っちょろいし、説明の下手さも“弁魔師セシル”(監督:梅津)の有罪判決後の扱いの表現に比べれば全然マシ。
むしろ上記の一連の作品群の中ではWHITE FOXの力か作画良い方だったりするもんだから、これまた余計に酷評しづらい。
敢えて言えば「乳首シーン無いじゃん」って方のが気になる、というか評判悪いのは乳首が無いから?とさえ思えて来たり。
いわゆるお色気アニメとしては及第点だけどそこからお色気を抜いた感じで、果たしてそれで何が残るの?と言われるとなんとも言葉に詰まる。
あと同期に“異世界チート”が放送されてたのも大きいかなぁ、あっちは「まともに“アニメーション”を作る気はありません」って態度で、それに比べれば大分マシ。

内容に関してはハイDと良い勝負かと。
おっぱいおっぱい煩かったのを「ふっ」に置き換えて、部長一筋だったのを子猫一筋にした感じ。
但しやっぱりミュウはキモいね、SAOのユイか“盾の勇者”のフィーロと同じ声優使ったら逆にウケたんだがさすがに避けた?
ってかよしもときんじ監督作品だと小倉唯って“機巧少女~”の小紫や“sin七つの~”のバブやってて結構馴染みがある感じ、一方日笠はどこにでも居る感じ。
そうそう、それと同期放送の“コップクラフト”に川村敏江が居てビビったんだけど、こっちでも9話で関わってるらしいのだがそれは驚かななかった。
“ロードオブヴァーミリオン”の鈴木雅詞繋がりか、普通によしもときんじが顔広そうなので。
でもってこれ以上の内容については二期を見てからかな~?
二期決定といっても別にアニメの評判が良くて決定したんじゃなくて最初から決まってたことでしょ、BD発売決定ってのと同じ。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

つまらないけど、一応最後まで見る

虐げられるところとか迷宮から脱出する過程とか割と大事なところをあっさり流しているせいなのか、全体的に構成が微妙で話がよく分からない。つまらない。それでいて、無駄な好奇心から最後まで見てしまう。
むしろ、原作を改悪しているのでは?わざと面白くないように作っている気がする。同じ時期にやってた異世界~も一緒な気がする。
制作側からの挑戦だね。←一体どこに対して?

自宅のエアコンつけたら、ゴキブリが落ちてきて頭からその光景が離れない。そのせいでつまらないと感じたんだろうな。いや、絶対違うな。でも、どこが具体的に面白くなかったか指摘できるほど見てない。割と流し見だったから、フィーリングの問題か。登場人物がごちゃごちゃしているような。そこかなあ。
それでいて、2期決定とはやりますねぇ!!

楽曲と声優は一応評価できる。

OP
FLARE 歌 Void_Chords feat.LIO
ED
ハジメノウタ 歌 DracoVirgo


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい--!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす--。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、開幕!--そして、少年は“最強”を超える。

1. 第1話 奈落の底の化け物
クラスメイトと共に異世界へ召喚された”いじめられっ子”の少年・南雲ハジメはクラスメイトの裏切りにより、迷宮の奈落へ突き落とされてしまう。奈落に潜む魔物に襲われ、必死に逃げるハジメ。しかし、錬成師という地味な能力では太刀打ちできるはずもなく、重傷を負ってしまう。異世界でも最弱の彼は心身共に絶望の淵に立たされ--。

2. 第2話 パンドラの箱
「邪魔するものは誰であろうと必ず殺す」--生きて帰るため、そう誓ったハジメ。変貌を遂げ、強化された能力で錬成した武器・ドンナーを使って、次々と魔物を倒しては喰らい、自らをさらに強化していく。一方、香織はハジメを失った現実を受け入れられないでいた。そして、迷宮を突き進むハジメは、異様な雰囲気を持つ扉を見つける。

3. 第3話 黄金の吸血姫
運命的な出会いを果たしたハジメと吸血鬼の少女・ユエ。突如魔物の強襲を受ける二人だが、ハジメの強化された力とユエの吸血鬼の力を合わせて退ける。お互い”裏切られた”者同士、信頼を築き始める二人。そして、地上への道が迷宮の最深部にある可能性をユエから教えられたハジメは、さらに迷宮の奥へと進んでいく。

4. 第4話 最奥のガーディアン
襲ってくる魔物を倒し、ついにオルクス大迷宮の最深部100階層に到達したハジメとユエ。そこで待ち受けていたのは、六つの頭と長い首を持ち、赤黒い目と鋭い牙を備えた巨大な化け物・ヒュドラだった。二人は錬成した武器と魔法を駆使するも、苦戦を強いられる。そんな中、ハジメはヒュドラの不意を突いた攻撃からユエを庇い--。

5. 第5話 反逆者の住処
ヒュドラとの戦いで気を失ったハジメは、見知らぬ場所で目を覚ます。ユエに尋ねると、戦闘後、「反逆者の住処」と呼ばれる場所への扉が開いたのだという。二人は地上への道を探すため、辺りを散策し始める。一方、訓練を経て強くなった香織たちは、ハジメを失ったオルクス大迷宮65階層に到達し--。

6. 総集編 オルクス大迷宮
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、「錬成師」というこの世界では地味な能力に加え、訓練で向かったオルクス大迷宮であるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落の底に突き落とされてしまう。絶望の淵のなか、ハジメは吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす。

7. 残念なウサギ
オルクス大迷宮からユエと共に地上へ帰還したハジメ。しかし、喜びも束の間、何やらワケありな兎人族の少女・シアと出会い、一族の危機を救ってほしいと依頼される。次の大迷宮攻略のヒントになると考えたハジメたちは彼女の依頼を受けることに。一行はシアの故郷・ハルツィナ樹海へ向かうことになったのだが--。

8. ライセン大迷宮
新たにシアを仲間に加えたハジメたちは、迷宮があると噂されるライセン大峡谷を訪れる。偶然にも迷宮の入り口を発見し、攻略に挑むハジメたち。しかし、かなり曲者な迷宮の主、ミレディ・ライセンが仕掛けたトラップに苦しめられてしまう。数々の罠を潜り抜けた先でハジメたちを待ち受けていたものは--。

9. 過去との再会
ライセン大峡谷の迷宮を攻略したハジメたちは、商業都市フューレンを訪れる。街の冒険者ギルドから、北の山脈地帯で行方不明となった冒険者の捜索を依頼されたハジメ。一行は捜索に向かう途中、湖畔の町・ウルに立ち寄る。そこでハジメはオルクス大迷宮で離ればなれとなったクラスメイトたちと予期せぬ再会を果たす。

10. 黒竜を穿つ者
冒険者捜索のため、クラスメイトや愛子先生と行動を共にすることになったハジメたち。一行は、ギルドの情報をもとに北の山脈地帯に向かう。ハジメたちはそこで魔物による破壊の跡と、かろうじて生き延びていた冒険者ウィルを発見する。話を聞くと、漆黒の竜に襲われたという。その日の夜、ハジメたちの前に巨大な黒竜が現れ--。

11. 女神の剣
美しき竜人族の女性・ティオから、ハジメたちはウルの町が魔物の大群に襲われる危機にあることを知らされる。魔物と戦う準備に取り掛かるハジメは、その仕上げとして、住民たちの前で愛子を豊穣の女神として祀り上げる。戸惑う愛子であったが、住民たちの士気は高まっていく。そして遂に、魔物の群れとの戦いが始まる。

12. 化け物たちの休日
魔物の大群に勝利したハジメたちは、ウィルを送り届けるため、フューレンの街に帰還する。愛子を救ったシアへのお礼も兼ねて、ハジメは二人でフューレンの観光区へデートすることに。デートの途中、地下から人の気配を感知したハジメは、シアと下水道を調べてみることに。そこには薄汚れた海人族の女の子・ミュウがいて

13. 忍び寄る影
ミュウを救ったハジメたちはイルワの手紙を届けるため、宿場町ホルアドのギルドを訪ねる。そこへ、必死な形相をしたクラスメイトの遠藤浩介が現れる。遠藤は迷宮で魔人族に襲われた仲間たちを救うため、助けを呼びに地上へ戻ってきたのだという。ハジメは実力を知った遠藤に、協力を求められるが--。

14. 無能の無双
女魔人族・カトレアに苦戦する香織たちの前に姿を現した白髪眼帯の少年。それはかつて迷宮の奈落に落ちて死んだと思われていたクラスメイト・南雲ハジメだった。それぞれのクラスメイトがさまざまな感情を抱くなか、かつて無能の烙印を押されたハジメが圧倒的な力で魔物たちを蹂躙していく--。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 12

68.9 15 ラノベ原作で冒険なアニメランキング15位
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (1006)
5483人が棚に入れました
父親に勘当され、家を追い出されて七重島にやってきた高校生『八真重護』は一人暮らしを始めた部屋で地縛霊『龍ヶ嬢七々々』と出会う。
重護は、10年前に何者かに殺害された七々々を成仏させるため犯人捜しを決心する。かつて七々々が世界各地で収集し、今では島のあちこちの『遺跡』に隠されている『七々々コレクション』。
この不思議な力を持つお宝を使えば七々々を殺した犯人を見つけることができる。重護は七々々コレクションを手に入れるため冒険部に入部する。
しかし、七々々コレクションを狙って、ひとくせもふたくせもあるプレーヤーの思惑が渦巻いていた。
騙し騙されのお宝争奪戦が、今、始まる!

声優・キャラクター
田辺留依、小野友樹、阿澄佳奈、花澤香菜、興津和幸、鈴木絵理、早志勇紀、能登麻美子、鳥海浩輔、内山夕実、伊藤かな恵、櫻井浩美、細谷佳正、久野美咲
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

今日の七々々コレクションはこの向こうに・・・

鳳乃一真によるライトノベル作品を原作とする

作品です。全11話、原作未読。


八真重護は父親に勘当されてとある島に島流しとなって

しまう。そこで暮らす安アパートには地縛霊の龍ヶ嬢七々々

が住み着いていたのだった。七々々はこの島を開発した

天才集団の一員だったが何者かに殺されてしまっていた。

重護は七々々を成仏させるために犯人を探そうとするのだった・・・


七々々コレクションが様々な力を秘めており、それを見つける

ためには隠されている場所の謎を解かなければならない。

この謎解きと七々々や重護をはじめとするキャラたちが

とても魅力的な作品だと思います。謎解きは七々々コレクション

と言う不思議な力を秘めているとのことでしっかりとした

遺跡の中にあってそれぞれに一種のパズル的なものや身体能力を

試すようなものまでと多種多様な罠、仕掛けもありという感じ

で、こっちもワクワクしながら見ることができた作品だと思います。

それからキャラもかなり個性の強い方々が揃っていて

キャラたちが織り成していく世界観がまた独特な方向に

広がっていくようで、謎解きの中でのキャラたちのやり取りも

面白いと思います。


謎解きが私の好きな某パズルバトルアニメの中に出てくる

ような、ただ謎を解くのではなく様々な仕掛けが存在し失敗すれば

その代償も払わなければいけない。それも全部引っ括めて挑むだけの

覚悟を持っていなければ到底クリアすることは愚か挑戦すらも

できないくらいというのであったため、より楽しんで見ることが

できたと思います。

個人的には終わり方があんな風でしたし、まだいろんなことの結末を

迎えていないのが多いので二期をやってくれないかなと思っています。

◆個人的点数評価 82.715点

◆余談

{netabare}
謎解きがあった作品ですが、謎解きの部類でも一種のパズルと

似た傾向があるものでありました。

{netabare}出だしの試練の謎解きは見た瞬間にあれが答えを導く鍵に

なるなと思えるほど上手く、出だしに持ってきていました。{/netabare}

{netabare}こんなのはさておき、ラストの謎解きがフィボナッチ数列を

鍵とするものでしたが、実はこの謎解きの構造を見たときに

星座が云々よりもこの数列が思い浮かんでいました。

その理由はですね、あの構造を上から見たときに植物に見えた

からということです。フィボナッチ数列は隣り合う二項の比率が

一般項のnを大きくするに従って黄金比に限りなく近づいていく

数列なのですが、そもそもなぜ黄金比とまで言われるのか。

私は正確な理由付けは知りません。そんなものには興味がない

からです。ですが今それが黄金比と言われて納得が私はできます。

この比率が様々な点において合理的な数値であるという事実が

あるからです。黄金比は1:(1+√5)/2=1:1.6180・・・

なんですがあまり複雑なことを言うとあれなので簡単に言うと

植物は光合成をしないと生きるのに必要な栄養が足りません

枝を広げていってもより高いところを目指そうとすると

葉っぱがかぶってしまいます。ではその時にどのように葉っぱを

つければ重なりが少なくなるのかと言うと黄金比を満たすように

葉っぱを生やしていくと重なりが最も少なくなります。

また植物の中で一つの花に複数の(大体数百個とか)種をつける

ものはその種をつける雌しべの並べ方すら黄金比を利用している

のです。そんな感じで効率を求めた時にこの比率が一番になる

というわけです。{/netabare}

さて上二つはどうでもいい話でした。(と言ってもこれから書く

こともさほど変わらないくらいどうでもいいことなのですが・・・)

このパズル的アイデアを利用したものがすごく好きなので

ここにちょっとした謎解きを書こうかななんて思いましたが

長くなりそうなのでやめておきます。

本当によくわからない謎めいた余談にお付き合いいただき

ありがとうございます。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 35
ネタバレ

雪だるま* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

On your way 現世 Adventure!

◎放送時期:2014年4月~6月(全11話)
◎ジャンル:冒険活劇

●原作:鳳乃一真(ファミ通文庫刊) ●監督:亀井幹太
●キャラクター原案:赤りんご ●シリーズ構成:倉田英之
●キャラクターデザイン:川上哲也 ●アニメーション制作:A-1 Pictures

■あらすじ■
父親に勘当され島流しに合った八真重護は、「七重島」にて
新たな暮らしを始めることになる。しかし借りることになったアパートには
10年前に殺された地縛霊の少女・龍ヶ嬢七々々が住み着いていた。
重護は七々々を成仏させるため、犯人探しと「七々々コレクション」の
収集を決意する。

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☆★感想★☆

※原作未読。

作画は綺麗だし、キャラ絵も可愛い。
話のテンポも悪くないし、キャラ同士の掛け合いもわりと面白かったです。
でも肝心の内容に纏まりがなかったというか、展開が少し雑でした。

ジャンルを「冒険活劇」にしましたが、アドベンチャー色は薄かったですw
謎解きというか遺跡攻略のシーンはもちろんあるんですが、
説明が分かりづらいうえに結構 淡々としてました^^;
しかもそれも毎回やるわけじゃなかったので、ガッツリなアドベンチャー
ものを期待していただけに、正直 物足りなかったです。

1~3話はワクワクしながら観ていたけれど、それ以降は唐突めいた展開が
増えて置いてけぼり状態になりました。
途中から七々々ちゃんに関係してない組織のもめ事とかバトル要素が
入ってきて、それが足を引っ張ってしまってたように思いますね。
個人的にはもっと七々々ちゃんに焦点を当てた展開にして欲しかったです。
キャラを増やし過ぎて 視点が方々に散らばっており、掘り下げが不十分
だったのも残念でした^^;

それでもキャラ自体はわりと好きでした^^
唯一 キャラにハマれたので完走出来たって感じですw
重護が主人公なのに胡散臭いっていうキャラ付けも面白味があったし、
中でも「ちっちゃい+八重歯」な金髪探偵少女・壱級天災ちゃんは
『もうこの子がメインヒロインでいいのでは?』と思ってしまうくらいに
可愛くて魅力的なキャラでした。
ぽぷらちゃんやこまちゃんなど、阿澄佳奈さんがこういうキャラを
演ると やはりハマりますね\(^o^)/

しかし、やっぱりそのせいもあってか
本来のメインヒロインである七々々ちゃんの影が全体的に薄かったです。
まぁ地縛霊で外に出れないという設定上 仕方なかったのかもですが…。
あと、ダルクなんですが個人的に {netabare}「男の娘」{/netabare}という設定以外の
キャラ付けが弱かった気がします。

最終的にやはり尺不足だったのか、
結局解決してないことが多いまま終わってしまいましたね。
{netabare}
○七々々ちゃんを殺した犯人
○七々々コレクションについての真相
○ゆんちゃんについて(最後のCパートでどうやら生き返った?ような様子が
見られましたが…)

その他にも七々々ちゃんは本当に成仏したいのか?とか、
あと「祭」のことも重護と雪姫姐さんとの関係は語られましたが、
その他のことはよく分からなかったですね。{/netabare}

もし2期があるのであれば一応観たいと思いますが、
公式Twitterで『続きは原作で!』と言われていたので2期制作は
微妙かもですね><
ノイタミナもしばらく枠が埋まっていますし。

●OP「バタフライエフェクト」/私立恵比寿中学
●ED「微かな密かな確かなミライ」/スフィア

OPがわりと耳に残りやすい曲でした^^
BOΦWYの「鏡の中のマリオネット」という曲に似てるとの声が
多かったみたいですw

■好きなキャラ■
やっぱり、天災ちゃんですかね(*´▽`*)
とにかく可愛いし有能。表情がころころ変わるところも良いですね。
そして前述しましたが、阿澄さんの力も大きかったと思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 29

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

七々々の七不思議

原作は未読で視聴です

タイトルの“埋蔵金”ってところに惹かれました

“埋蔵金”っていうから
てっきり“現金”絡みのお話かと思って観たのですが
全然違ってました^^

お宝探しのお話なんですね~


ちなみに“埋蔵金”ってWikiで調べてみると
「埋蔵金(まいぞうきん)とは、行方不明だとされる“財宝”のことである」と書かれているので
“現金”限定ではないみたいですね

なんだか
はるか昔元カレに
「誕生日のプレゼント、なにが欲しい?」って訊かれて
「お金~!!」って
何も考えずにFinal answerしたときみたいな感じかな?

(この後本当にFinalになりました~(ToT)



お話は
タイトルのとおり
メインヒロインで地縛霊の「龍ヶ嬢七々々」ちゃんが隠したお宝をめぐるお話です


謎解きや
バトル
ちょっとHぃシーンや
ラブっぽいエピソードなんかも盛り込まれて

とても見ごたえアリで“面白そう”

なんて盛り上がったところで
終わってしまうという

最近のこの手のアニメ作品にありがちな展開


序盤はミスリード的な展開や
伏線がいっぱいで
それだけでおなかいっぱいになってしまいます

特に登場人物の関係性に頭が混乱します


さらに
お宝探しの謎解き

謎解きに絡めて繰り広げられる
ラブコメ的展開

まあ
謎解きやらで少々堅くなったおつむを揉み解すみたいな展開でしょうか


そして
後半は探し当てたお宝が
ドラえもんの秘密道具のように扱われて
派手なバトルという
テンポのいい展開


最後は

七々々ちゃんの
「プリン忘れないでね♡」
なんてプリティなおねだりで終わるという

ブチ切れモノの結末・・・


でも
これだけ
謎解きやらアクションやら
見せ場が多い中で

結局一番(私的に)目立っていたのが
地縛霊の七々々ちゃんというから
なんだか合点がいきません


ここで
七々々ちゃんについて
私の超偏向した所見を・・・


一番最初の見た目は・・・

なんか“イ○娘”ちゃんが成長したらこんな感じになるのかな^^


声は・・・

なんか“黄○乙○×ア○ネ○ア”の“ゆ○子”さんみたいに
ちょっと軽め^^
最近の幽霊声ってこんな感じなのかな^^
(ちなみに
中のひとは「田辺留依(たなべるい)」さんという方
最近出てきた人みたいです)

オンラインゲームとプリンが好き

お宝のネーミングセンスがイマイチ

身体の線は細いのに
オッパイが意外に大きい(怒

格闘技が得意らしく
じゅうごくんの腕を2回ほどへし折っている・・・

とまあ
普通のかわいい地縛霊です^^


こんなにかわいらしいキャラ属性を備えた七々々ちゃん

ただ
不可解なことに
周囲の人たちのほとんどが
その存在をすんなり受け入れてしまってる

地縛霊なのに・・・


自称“名探偵”の「天災(てんさい)」ちゃんと付き人の「ダルク」ちゃん(くん)なんか
夜な夜な部屋に押しかけ一緒にゲームに興じている

さらに
お宝探しのオブザーバー的存在なのは分かるのですが
主人公の「八真 重護(やまじゅうご)」くんの
お部屋にとり憑いている地縛霊という設定であるが故
お話の見せ場にまったく絡んでいない


作中での
彼女のアグレッシブなシーンといえば
1話目序盤のインディ・ジョーンズ張りのアクションと

EDで毎回流れる
巨大プリンの上でカラメルソースを撒き散らしながら走りまわるシーンくらい
(っていうか正直汚い^^!)

まあ
お話のなかでは
じゅうごくんや「冒険部」の人にお宝のヒントを与えたりして
キーマン的な役割を果たしているっていう点でいえば
おいしい役どころなのかもしれません


もしかしたら
このお話って
お宝なんかより七々々ちゃんにまつわる七不思議を解いていくのが
隠れたメインテーマなのかな?


2期やるんだったら
ぜひ観てみたいですね~

投稿 : 2024/07/06
♥ : 31

75.8 16 ラノベ原作で冒険なアニメランキング16位
ゼロから始める魔法の書(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (712)
3704人が棚に入れました
魔女がいて“魔術”が普及している世界。その中でも、世界がまだ魔法という技術を知らなかった時代――。世界を滅ぼす可能性を秘めた魔法書“ゼロの書”を探して旅をする魔女・ゼロと、その護衛役として同行する人間になることを夢見る半獣半人の傭兵との交流が描かれていく。

声優・キャラクター
花守ゆみり、小山剛志、大地葉、加藤将之、子安武人

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

職業人という選択

たくましい獣頭の戦士が少女を護衛し、旅をする。
ネコ科の獣頭が絶筆した大河SF小説を思わせるが、二番煎じでも模倣でもないのは明らかなので、まあいいいだろう。

世界の秘密にまつわる冒険譚は、ヒロインの造形がライトノベル的な定型要素の集合に見えるのと同様に、定番的なものに見えるのだが、意外に抵抗なく視聴できるのは、主人公のモフモフの傭兵が、傭兵という「職業人」であるからの様だ。


ライトノベルでは、主人公は「学生」であることが多かったように見受けられる。
或いは「成長途上」にある若者だが、要するに社会的に「まだ何者でもない」という意味では、大きく「学生」とくくっていいだろう。

超現実的な異能力世界観や、ファンタジー的魔法世界観であっても「○○養成学校」のように半ば無理矢理に「学生」を設定しようとするのは、読者層をにらんだマーケティングか作者の信念かは分らないが、いずれにせよ、世界の根本に迫る物語に(社会の成員である大人を差し置いて)「何者でもない」学生を中心的に関わらせるために大きなハードルを抱え込むことになる。

「それが『世界』の意思だからだあ!」という一言で十分な説明になっていると了解する読者/視聴者が多ければ問題はないが、大抵は二重三重の屁理屈で、「学生」が「世界の命運」を左右するさまを社会が傍観することを理屈付けなくてはならなくなる。
「学生」の「承認欲求」の満足と「世界の存亡」を重ねる為には、お手軽な近道は考えにくい。

矛盾なく必然として見せられる表現力や構想力が伴っていればいいのだが、全ての作者/製作者がそのような手腕を持つとは期待できそうもない。
結果、「世界」か「主人公」、あるいはその両方共が「嘘くさく」なって、視聴者を物語から遠ざけてしまうことになり易い。

例えば、「戦士」が主人公であれば「世界」の帰趨を決める闘いの「物語」はスムーズに語れるのに、まだ何者でもない「士官候補生」にすることによって「もっともらしさ」の構築というハードルをわざわざ高くした挙句に、自ら足をとられてしまう。


本作を比較的楽に視聴出来るのは、主人公を「傭兵」にすることによって、「物語」にかかる負荷が低くなっているからだろう。
社会経験を持ち、社会的に承認されたスキルやキャリアを持つことを手形という「公的文書」で証明される「職業人」の主人公は、「世界」に余分な設定を要求することなく、「物語」にかかわっていく事が可能だ。

負荷の少ない事が、本作の「世界」に安定感を生じさせている。
カメラの周囲3kmの外側は書割が途切れた何もない空白であるかのような有りがちな人工感を感じさせることなく、映っていない画面の外側にも「世界」は広がっているのだと自然に感じさせる。
とりあえず「世界」に拒絶感を感じさせられることなく、「物語」を見つめることが可能だ。


意外に年齢が若そうな主人公は、十分に「若者」らしいドラマを演じることが出来るだろう。
若い視聴者の感情移入の為には、特に「学生」が必須であるとは思えない。若い「職業人」は十分に「主人公」を務められそうだ。

物語世界内で、ひとかどの自立した職業人である主人公は、ストレートに物語世界の中心に関わり、視聴にあたってストレスや違和感はない。

が、ビジュアルが追い付いていない印象があり、少し残念だ。

原作については知らないのだが、物語を追うと、どうやらヒロインの魔女は、非常に「美し」く、内面的には(バランスは多少欠いているものの)「成熟した大人の女」であるらしい。
が、ラノベ的な定型要素をマンガ化したようなビジュアル・デザインが、「美しい」「大人の女」であると直観的に把握させにくくしている。

マンガ家の若木民樹は、現代の創作物では「ブス」は背景の「モブ」であってすら存在できない/登場させられない、と指摘していたが、そうした或る種フラットなビジュアル構成が、ヒロインの「美しさ」を突出したものとして表現できない一因であるかもしれない。

ここを乗り越えて、ヒロインが「美しい」「成熟した女性」と了解できるようになれば、会話やストーリーの流れに入り込んで物語を追うことが出来るようになる。
この了解が無いと、ヒロインと主人公の関係が、陰影のない上滑りしたものに感じられてしまうだろう。
が、いったん了解が成立すれば、両者の関係が、幼い「ラブコメ」ではなく、成人の「ロマンス」であるのだとわかる。

「世界」を変える冒険が「契約」に従った仕事であるとすれば、物語は平板だ。
しかし二人の関係が重ねられることで、「物語」はロマンチックな彩りを持った冒険譚として現れてくるだろう。

書いていて些か気恥しいが、これも「若い」職業人を主人公にした成果と言うものか。

中途半端なラブコメがストーリーを邪魔しているように見えたとしたなら、一度「成熟した美女」と「自立した職業人」のロマンスだと頭をリセットして視聴してみるのもいいかもしれない。

余り出来のよくない「ラブコメ」が不自然な抑圧性を感じさせるのは、恋愛に「寸止め」を掛ける物語の作為が権力性を帯びるせいだ。
「学生」が主人公の物語に頻出するようにみえるのは、「学校」の権力的な制度性と照応するからだと思える。

ラストの主人公とヒロインの会話は、二人がラブコメ制度の「コマ」ではなく、「ロマンス」を生きる恋愛ゲームのプレイヤーであることを示しているようだ。

本作の物語が、ラブコメの制度性を離れてロマンチックな冒険へ向かう自由さを獲得しているのは、やはり「学校」を離れた「職業人」の主人公を設定したことによる効果なのだろう。

だが、こうした観方も、ヒロインが「美貌の大人」であるという了解があってのことだ。
繰り返しになるが、ビジュアル表現で直観させられないのは大きな弱点だろう。

物語の途中で、登場人物のセリフで「ヒロインは美貌である」と説明されても映像作品としては無理がある。
そういわれてしまえば1話から、これが「美しさ」を表した描写のつもりだったのか、と思い当たる表現が幾つか思い当りはするのだが。

キャラ絵がかわいらしいというだけでは、作品世界内で「美しい」と了解されている、という表現にはならないだろう。


冒険譚はストーリーだけ抜き出すと、しばしば類型的で平板だ。
語り口やディテールの味付けで、面白さや魅力が生まれる。

ロマンスを絡めた味付けは十分に魅力的で、「世界」やキャラクターの設定とも良くかみ合ってしっかりと構築されて見えるのに、ビジュアル表現の弱さで説得力が減殺されてしまっているのが残念だ。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世間知らずな魔女と獣の傭兵の魔導書ファンタジー

この作品の原作は未読ですが、公式HPを見ると「第20回電撃小説大賞≪大賞≫受賞作」と記載されているので、きっと読み応えのある作品なのだと思います。

私がこの作品の視聴に至ったのは、あんハピ♪の花小泉杏、灼熱の卓球娘の旋風こより、まほいくのねむりんを演じた花守ゆみりさんの名前を見かけたから…
花守さんがこれまで演じてこられたキャラを見ると、大概ほわんとした感じが多いので、この作品のヒロインであるゼロもそんな感じなのかと思っていましたが…蓋を開けたら全然違っていましたね。

この物語の主人公は獣落ちした傭兵で。名前はあるのでしょうけれど結局TVアニメ版では謎のままでした。
これにも理由があるのですが、その理由は本編の中で明らかになります。

そしてヒロインは自らの一人称を「我輩」というゼロ…
彼女は魔女で直視するのもはばかられるほどのぜっせの美女なんだとか…
そして傭兵はゼロと一緒に旅をする事になるのですが、実はそれは異様な組み合わせだったんです。

この物語の世界における獣落ちは「汚れた存在」に位置付けられていて人間から忌み嫌われている上、獣落ちの首や血は魔術の格好の材料なので、獣落ちはいつも命の危険と隣り合わせで生きているんです。

そんな獣落ちが魔女と一緒に旅をするという事は、いつ殺されてもおかしくない状況を自ら作り出していることにほかなりません。
だから獣落ちと魔女の組み合わせは異様なのです。

ですが、傭兵とゼロの組み合わせ…深い部分は本編でご確認いただければと思いますが、決してその様な関係などではありませんでした。
いえ、むしろ真逆といっても過言では無かったほどです。

ずっと独りぼっちだったゼロが、旅のパートナーとして最初に選んだのが傭兵…
白地に黒の縞模様の入った虎の姿の傭兵は、剣の腕が抜群で残忍な所業が噂になるほど…
そんな傭兵もゼロには身体が大きくモフモフで温かく寒さを凌ぐにはもってこいの存在だったのです。

もちろん、直ぐにこんな関係になれる訳ではありませんでした。
そりゃそうです…だって傭兵にしてみたら自分の命がかかっているのですから…
だからどんなに優しくても時間を積み重ねても、これまで虐げられ命を狙われ続けた時間が長いので身体に刷り込まれた「従来の当たり前」はそう易々と消え去ってはくれません。

トラウマ…きっと誰もが持っているであろう過去の記憶による縛り…言うのは簡単なんですけれど、実際には相当やっかいなモノだと思います。
だって自分の意志とは無関係に突然体が硬直したり、咄嗟に回避しようとどんなに頭で分かっていても身体が勝手に動いてしまったり…心が折れるのを防ぐために勝手に自分に言い訳したり…
本当に自分ではどうしようもないこと…
これが自分の命がかかっているなら尚更です。

ゼロも…自分が魔女じゃなかったらこんなに思いを傭兵にさせる事はないのに…
ゼロの振る舞いは常に気丈…だから普段の彼女からは微塵も感じませんが、そうして自分を責めた事だってきっと一度や二度では無いはずです。
ずっとそんな感じの女の子じゃないと思っていました。
ゼロの涙を見るまでは…ですけれど。
そう…思っている以上にゼロは繊細で優しい女の子だったんです。

傭兵はゼロを護衛しています。
有事の際には彼の腕っぷしが必ずゼロを守ってくれるから…
それじゃゼロは傭兵をどうしているの…?
この答は是非本編でご確認頂ければと思います。
優しさの形ってホントいろいろあるんだなぁ…
これが彼女の決意なんだ…
まさかの展開が待っていてくれています。

オープニングテーマは、たぴみるさんの「発見者はワタシ」
エンディングテーマは、Chimaさんの「はじまりのしるし」

1クール全12話の物語でした。
終盤の展開が少々足早だったのが唯一残念に感じた事です。
原作のストックが無くなったのかと勝手に思っていましたが、既刊は9巻でアニメ化されたのは1巻部分のみなんだそうです。
原作のストックはたくさんあるのに…
設定含めて面白い作品だと思います。
この作品が販促目的だけでなく、アニメで完走してくれる事を期待しています。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 23
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

獣人戦士とロリ魔女・・・いい組合せと思って期待したんだけどなぁ。

昨年、話題沸騰&炎上した「Re:ゼロから始める異世界生活」と同じ制作はWHITE FOX。
アバンで西洋の寓話風の挿絵が印象的。
魔女と人(王国)との諍いが絶えない中世風の世界。「獣堕ち」と呼ばれる人から生まれた(もしくは何らかの理由でなった)半人半獣の人間がいる世界(教会の教えでは前世の業のせいだと言われているが、実は・・・)。

巨漢で白虎の獣堕ちの男。粗暴に見えても実は心優しい『傭兵』と幼女の風体ながら、素振りから見てそれなりの年を重ねてそうな俗世に疎い泥闇の魔女『ゼロ』(お互い真名を明かしてないのでこの呼び名)。
プラス半人前の魔女の男の子・アルバス{netabare}(実は女の子らしい){/netabare}が互いの目的の為、世界を滅ぼしかねない魔導書「ゼロの書」を探して旅するロードムービー。

昨今のコテコテに盛り付けられたファンタジー(奇抜なキャラに奇抜な衣装・大層な得物や武具に武器・空飛ぶ奇抜な乗物・多種すぎるモンスター等)から最低限ネタを切り落とし、その分生活感のある設定を抑えている印象があって良いと思います。
{netabare}
この世界では[魔術]と[魔法]の区別化されており、
・魔術:精神修行と呪文の詠唱、魔法陣による魔族(悪魔)召喚により能力行使、そして重要なのが対価(生贄)を悪魔に支払わなければならないという事。その中で「獣堕ち」の「首」は大層な魔術の対価になり高値で取引されることが多く、ならず者達がこぞって獣堕ち狩りをするから『傭兵』にとっては迷惑なはなしである。
・魔法:対価無しに呪文の詠唱のみで行使できる。それを記述されてるのが「ゼロの書」らしいです(極端すぎる例えだと相手に「死ね」と「言う」だけで死んでしまうといったところか?)。
この設定が生かされるか?流されるか?ちょっと気になるところです。

あと個人的には『傭兵』がチョットお気に入り。
生まれながらに半人半獣。当然幼少時はイジメや嘲笑を受けて身の不幸を嘆いてヤサグレそうなものですが、人格者の両親に育てられたおかげで凶悪凶暴にならずに済みました。しかし住んでいた村に「獣堕ち」の首を狙う盗賊が現れ村人に被害が。『傭兵(当時既に大人を上回る体躯で13歳らしい)』は納屋に匿われていましたが、外では母と村人が『傭兵』差し出す差し出さないので口論。『傭兵』は単身盗賊の野営地に乗り込み盗賊たちを皆殺しに。その後は村に(迷惑がかかると思ってか)戻らずに渡りの傭兵稼業として転々と旅をしているようです。大男=オッサンという偏見のあるせいでアルバスにオッサン呼ばわりされるとスゴク怒ってたように年齢は20歳前後ぐらいと結構若そうです。なんせ『ゼロ』の色挑発や裸体に赤面するほどウブウブですから。顔の表情も人間ぽく豊かに表現してますが、これは好みが別れそうな感じ。自炊料理も結構得意そうです。EDでは仕込み中に材料全部『ゼロ』に食べられてますが。腕っぷしや身体能力もなかなかのもの。大剣を軽々と扱い、崖から顔面着地(笑)でも無事でいるというタフさ。人からは嫌われていることを自覚しているがゆえに、か弱い者には手を差し伸べる優しさが好感です。{/netabare}

「ゼロの書」探索の旅で人間の姿に戻すことを条件に『ゼロ』の護衛を渋々引き受けた『傭兵』。これからどう展開するか期待抑えめで注目してます。

【視聴終了】
なんか「十三番」が出てきてから面白味が失速してきたような感じがしました。あと本作に限らず今期、他の「ラノベ原作物」は総じて世界観のデザインが力量不足気味に思えます。メインキャスト以外『[ファンタジーだからこんなもんでいいだろう]テンプレート』にハマった、背景・建築・小道具類・モブ・サブキャストなどなど・・・ひねりが無くてちょっと残念(ウェニアス王の、貧相で風格の無い事といったら!)。デザイン担当が居なかったのか?未熟だったのか?あまり気にしなかったのか?とにかく(個人的には)気になってました。

部分的に見てみると「結構イイ所」もあるんですが、全体的に見ると「何か」が足りなくて面白味が出せてなく残念に思えました。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 21

68.8 17 ラノベ原作で冒険なアニメランキング17位
スクラップド・プリンセス(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (271)
1770人が棚に入れました
ラインヴァン王国の王女だったが、マウゼル神より下される預言により“16歳になった時世界を滅ぼす猛毒”と告げられた幼い王女は秘密裏に処分されるはずだった…。
しかし、助けられ15歳にまで成長していた。パシフィカと名付けられた王女は、生存を知った王国軍と教会に狙われることになり、血の繋がらない兄・シャノンと姉・ラクウェルと共にあての無い旅に出る…。

声優・キャラクター
折笠富美子、三木眞一郎、大原さやか、近藤隆、川澄綾子、水島大宙、水橋かおり
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作を尊重しながら、アニメ版として完成度も高い

2003年4月~10月放送のTVアニメ。全24話。

実は原作もアニメもリアルタイム組だったりします。
ストーリーもテーマも一貫していて、良いキャラクターも多く、完成度の高い作品という印象です。

原作はうろ覚えですがそれなりに長くて、ドラマガの読者層にあわせて男性向け、ハイティーン向けにバトル、エロ、グロ要素も結構あったと思います。人気作だったので(引き延ばしとまでは言いませんが)脇にそれる話もそれなりにありました。全体的に派手で勢力図も複雑で、万人向けではなかったと思います。(イラストレーターもエロで主に活動している人だったはず)

アニメ版は全体的に優しく爽やかな印象になり、SF要素が若干難解であることを除けば、割と広い視聴者層に受け入れられやすくなっています。
ストーリーのまとめ方や様々な要素のブラッシュアップのし方からも、原作を尊重しながらアニメ独自の方向性を貫いたと感じます。
個人的にはアニメ版の方が好みかな。

今回かなり久しぶりにDVDBOX引っ張り出したんですが、「あれ、こんなに地味だったっけ?」とw
ストーリーはスケールが大きいのですが、とにかく地味です。そしてそこがイイ!

まずキャラクターデザインから地味。原作の絵は服飾デザインが少しエロティックなので女性キャラクターはかえって良いバランスになってます。
キャラクターの可愛さ格好良さはよく出ていました。
作画は大変そうな所もたまにはありましたが、全体的に崩れる所はなかったと思います。
感情表現を表情よりも仕草や行動に頼る少し珍しい作風で、それに加えて表情も小さな動きに留まっているのに豊かです。よく見てないと見逃しかねないかも?
演出も良くも悪くも地味です。

音楽はOP、ED、BGMどれも作風に合っていて、使い方も抑え目で心地良い。

配役も良かったと思います。どの声優さんも自然な演技で、その辺りは作品の方向性に合わせている印象。
特に女性陣の演技が皆自然かつ個性的で、キャラクターに合っていて楽しいです。

【ストーリー】
舞台は剣と魔法の世界、ダストヴィン大陸のラインヴァン王国。
マウゼル神の託宣により「16歳になったときに世界を滅ぼす」とされた〈廃棄王女〉は、15年前、生れ落ちたと同時に秘密裏に殺されたはずでした。
しかし彼女は命を救われ「パシフィカ」と名づけられ、養父母と義理の姉兄に育てられ、15歳になっていました。
その生存を知った王国とマウゼル教は彼女を殺そうと刺客を差し向け、父親が殺されたことをきっかけに、三兄弟の逃亡の旅が始まります。

【キャラクター】
パシフィカ…廃棄王女。誰に対しても裏表が無く、自分の立場に悩みはするものの基本的に前向き。シャノンに対しては生意気ですぐに手が出るが大のお兄ちゃん子。
シャノン…義理の兄。ラクウェルとは双子でシャノンが弟。剣の達人。普段はやる気ナシだが妹を護りたいと思う気持ちは本物。割と悩む性格なのか、色んなことを割り切れずに本編内で一度思い切りへたれてました(まあ状況的に仕方ないか)。
ラクウェル…二人の姉で魔法の達人。常におっとりしているが三兄弟の中では一番大人で、精神的に二人を支える。どんな事をしても妹を護ると誓っており、時にえげつない戦法を取ることも。

【作風】
{netabare}
状況としては結構深刻なんですけど、パシフィカの気持ちの強さと明るさ、良好な人間関係や日常の穏やかさがそう思わせません。

行く先で出会う人達はパシフィカを疎ましく思うばかりではなく、友達になったり、いきなり一目惚れしてプロポーズしてきたり、敵だったのに本人の気持ちの変化から助けてくれるようになっていたり。

日常描写にもかなり尺を割いています。それこそ最終回手前まで食事やら洗濯やらw
逃亡生活の緊張感の中にこういうシーンが入ってくるのが好きですね。
(あと何故か地味に馬の描写が入ります。レオの白馬がカスール家の馬車馬の片方にアプローチかけてて可愛い。ラストで子馬が産まれる!って言ってて和みましたw)

戦闘シーンは対人の接近戦とドラグーン対ピースメイカーのバトルがあり、どちらもこだわりが見えました。
対人戦の方はシーン自体少ないですが、ただ剣を打ち合うだけでなく、牽制や足払いやなど殺陣のような駆け引きが魅力です。
ドラグーン戦は派手さはないですが、読み合いやエフェクトの表現などわかりやすく工夫されていたと思います。
{/netabare}


【パシフィカの成長と答え】
{netabare}
ラストでパシフィカがシリア・マウゼルに言った「私も姉兄のためならなんだってすると思う。でも、皆が自由に選べない世界は何か違う」という答は長い旅を経験して成長したから言えたのだと思います。
ラストでレオを男性として意識しはじめているのも含め、姉兄離れの第一歩かなw
記憶はないとは言え、フューレとの一件は(ストーリー全体からすると無くても成立しますが)パシフィカを成長させたと思いますし、レオがパシフィカへの想いと彼女を守るという決意を強くする良いエピソードだったと思います。

フォルシスとの兄弟仲も良好そうで何より。
{/netabare}

設定などは重い部分がありますが、綺麗にハッピーエンドを迎える心が暖かくなる作品です。
映像で語る部分が多いのでじっくり観るのが好きな人にお勧めです。(2016.1)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 15

うぃず さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

捨て猫王女の前奏曲

最近、2000年代前半のアニメが心地好いみたい。
現在に比べるとキャラクターデザインに違和感が....なんて部分も多々ありますが、この時代に於けるアニメのキャラクター、ストーリー、音楽等、他には無い物を生み出さそうとしている気位の高さが伝わってくるのです。

こちらの作品からも笑いや涙を沢山貰いました。
そして.....ちょっとだけ寂しくなってしまうのはきっと愛着を感じていたからかもしれません。

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16歳になると「世界に災厄をもたらす」と予言された事を発端に処理された筈の「廃棄皇女」(凄いネーミング....)と称された「パシフィカ」(CVは現在「リトル・ウィッチ・アカデミア」でロッテ役をされている折笠富美子さん)と彼女を守る義兄妹「シャノン」(CV:三木眞一郎さん)と「ラクウェル」(CV:大原さやかさん)が様々な刺客から逃れるべく荷馬車で旅を続けて行く冒険ファンタジー。

世間の人々は「廃棄皇女」が噂により苛まれた恐怖の存在である事は知られています。ただそれが具体的にどういうものなのかはパシフィカ自身も疑問を残す所でもあり、なかなか明かされません。

逃亡を続けてきたパシフィカが求めたものは何て事のない平凡な日常生活。
セリフを聞いても判ると思いますが、パシフィカの口調はいかにシリアスな場面でさえ、凡庸かつ無邪気な可愛らしさで溢れています。

後半「王都ザウエル」篇に入ると、とある理由からパシフィカが生き生きしているのです。それまでに味わう事が出来なかった平凡な幸せを謳歌している姿にこちらもホッコリ。でも、その幸せは一過性のもの。現実との落差はとても大きく、とても辛く、感傷的に成らざるを得ません。しかし、そんな状況に陥ってしまったのにも拘らずパシフィカはまだジョークを言うのですよ。
なんて逞しい娘かしら。笑 

そしてシャノンの格好良さ!
名セリフのオンパレードですよ。

いずれの話も練り込まれた演出には感心するばかり。
特に吉田玲子さんが脚本を手掛けた19話には涙腺崩壊してしまいました。

キャラクター的に全員がボケ役という状況なので、
ギャグも「クスクスッ」ってな感じであっさり気味ではありますが、
そこがまた登場人物各々の関係性を窺わせる様で微笑ましい。
*個人的には17話の似顔絵シーンが大好き♪

後半にかけてはパシフィカとの交流で培ってきた各キャラクターが抱いた思いが如何なく描写されます。それは喜怒哀楽を経た心強さとは表裏一体の脆さを孕んではいるのですが。

あと、ゼフィリスが可愛いです。(ボソッ)


EDは伊藤真澄さんが担当。(嬉!)
毎話ごと物語の余韻を引きずる様にフェードインされる不思議な歌声とメロディに酔いしれ、現実に戻る事を拒んでいる私......そんな不安と期待が入り交じる名曲ですね。

本当に素敵なファンタジーアニメでした。
「うたわれるもの」が好きな方も良かったら是非~

投稿 : 2024/07/06
♥ : 6

papa0080 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

え?何コレ面白い

特に見る物がなかった時に友人と何か見るアニメないかねぇ?
そんな感じでとりあえず見た作品、全く期待してなかったのですが予想外に面白かったです

16歳になると猛毒(いわゆる災厄)をもたらすと言われる王女が実は生きていて
その王女を守るため血のつながりのない兄と姉が同行する逃亡劇
王女パシフィカはその由来から廃棄王女と呼ばれている

旅を続ける際、様々なエピソードがあり、なかなかどうして面白い
笑いあり、感動あり、涙あり、ツボをきちんと押さえている
まさかこんな適当に選んだ作品が自分の中でアニメBEST100に入るとは思いもしませんでした

廃棄王女と知れれば周りから恐れられ、生きている事が発覚すれば追手をかけられる
その中においても明るく振る舞うパシフィカはとても無理をしている様にも見れた
何とか自分を保っていられるのは血の繋がりもない兄と姉が居たからだと思う
と、同時に何も出来ずただ守られているだけの状況は辛かったんじゃないだろうか

兄と姉は何故そこまで他人でもある、しかも廃棄王女を守るのか
それは彼女が本当にただの女の子だからかもしれない
何も悪い事もしていない、ただ生きているだけで憎まれる、15歳の妹
たとえ予言があろうが、長年ともに生活した家族を殺される
納得出来る物じゃないのは多くの人は理解出来るのでは
でも、しかしそれが全く関わりのない他人だとしたら・・・

もしかしたら自分は災厄が起きるかもしれないなら、殺して欲しい
なんて思ってしまうかもしれない自分が少しいやになります
そんな事を考えさせられる重い物語でもあるなと思いました

逃亡中、廃棄王女とわかると多くの人が恐れ憎んだが、中には違った反応を見せる者も
明るく振る舞うただの少女、その事を理解してしまった人達はどういう選択をするのか
16歳を迎えた時、何が起こるのか、曖昧だが恐ろしい物でもある事実に対しては?

バトル物としては少々物足りないかもしれませんが、人間模様は大変面白い
視聴した時、重い物語ながら不思議と重苦しく感じなかったのは
パシフィカのキャラによる物なんだな~と思いました
萌えとは遠いキャラですがとても好感のもてる女主人公です、記憶の中でですが・・・

正直評価される程の作品ではないかもしれない
それでも自分の記憶に残っているのは、後半のある話がとても印象深いものだったから
正直全てを覚えていなくて、見たのは何年も前なのにそこだけは今でも鮮明に思い出せます

一般的に評価は低いと言われるかもしれませんので、期待せずに見てください
ただ色んなアニメを見てきて、内容全部忘れちゃった、てへっ☆
とはならなかった作品なので個人的にはおすすめです

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11

65.5 18 ラノベ原作で冒険なアニメランキング18位
とある飛空士への恋歌(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (656)
3721人が棚に入れました
海の尽きる場所を、 空の果てを見つけるために。 僕らは空飛ぶ島・イスラに乗って旅に出た。
革命によりすべてを失った少年、革命の旗印とされた孤独な風呼びの少女……。
“空の果て"を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら
空の孤島・イスラに乗り旅立つ。
友情、恋、冒険。
そして彼らには、守りたいものがあった。
少年少女たちの恋と空戦の壮大な物語がいま、はじまる。

声優・キャラクター
花江夏樹、悠木碧、竹達彩奈、石川界人、下野紘、立花慎之介、浜添伸也、田野アサミ、早見沙織、南條愛乃、丹沢晃之
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

憎しみと愛情を乗せて空へ

飛空士官を乗せた浮島イスラの旅の行方と
カルエルとクレアの恋物語。

追憶の方は視聴済みですが直接的に繋がった話ではないのでまた新たな作品を観る感覚。
雰囲気的にラストエグザイルに近い気もしました。

ハートフルな旅と爽やかな恋のはじまりからスタートを切りましたが、
所々、憎悪や困難を暗示した描写があり途中から急展開が予想され興味を惹かれます。
またオスプレイ型の飛行機なので
自由度の高い色々な動きも見られそうなのも楽しみの一つです。
期待して観ていこうと思います。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※6話までの感想{netabare}
ここまでは地味で低空飛行とも捉えられますが
カルエルとクレアの愛憎と苦悩や背景、それと共に学生達の交流の様子をじっくり描き
しっかりとした下地が完成したように思います。

その間にもイスラは進み続け
聖泉を越え不穏な足音が聞こえイヤな予感もして来ました。
【予想】{netabare}6話でのやり取りが死亡フラグに見えるので
近いうちにミッちゃんかチハルの片方だけが亡くなると思います。{/netabare}
愛憎と冒険のストーリーがいよいよ動き出しそうで今後更に注目です。
期待通りの作品なら今期でも一、二のストーリーになるのではないでしょうか。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
…予感はしていましたがミッちゃんの立派すぎる最期が涙を誘いました。
最愛の者を亡くしたチハルの心情を考えると心が痛みますが
「なんとなく飛空士になりたい」と語っていた彼女も
志を引き継ぎ立派な飛空士へと成長することでしょう。

今までののんびりとした学生生活から一転して戦場へ投げ出される形と成りました。
ゆっくり地道に下地が築け心情も丁寧に描けていたので重く響く衝撃を与えてくれました。
そしてここからも更に響いて行くと思います。

覚悟が出来ていようといまいと敵は襲ってきます。
それでもイスラの人々を守る為に戦地に向かう学生の姿を興味深く見届けたいと思います。

また引き込まれるストーリーだけでなく作画の方も素晴らしかったと思います。
飛行機の動きの一つ一つが丁寧で旋回等も滑らかでスピード感もありました。
期待以上の作品になりそうです。
…毎話感想しておけば良かったかな?今からでも遅くはないか。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
覚悟はしていましたが想像以上の犠牲。
ウォルフガングにマルコ、ファウストと共に貴族組はほぼ全滅。
特にファウストとはまだ絡みがありそうでしたから戦死は意外でしたが
誰しもが死と隣り合わせだという事を印象付けてくれました。
ボルトアクションVS機関銃、飛空機の技術も圧倒的な差がある中
良く奮戦し時間を稼ぎ数機撃墜までして奇跡的な戦果を挙げ
イスラ防衛に繋がりましたので無駄ではない犠牲でした。
生きている者への明日へも繋がると思います。

書簡はカルエルを救ったウミネコ戦空機の国からの物ですかね?
敵の真意も分からないけど、敵がこのタイミングでこんな手紙よこさないよね?
次回観れば分かると思うけど、正直ちょっと分かり辛い…。
書簡投下シーン入れるとかセリフ補完とかもうチョット出来なかったのかな?
{/netabare}

※9話感想{netabare}
身も心も皆一様に傷つく中いつも通り明るく気丈に振る舞うアリエルが魅力的で
それがまた悲しみを物語っていた気がしました…。

そしてついにカルエルとクレアお互いの正体が分かる事に。
ざわつく風の中での告白が何とも印象的でした。
自分の一番愛しい人が一番憎む人。
一番憎む人を愛してしまった自分。
運命と自分が許せなくなって塞いでいる様子は観ていて辛かったです。
ただ部屋から出ず水も飲まないのはリアリティに欠けます。
人間どんなに辛くても喉は渇くし排泄はするものです。
…って、そこまでは追求し過ぎかな? でもしたくなる作品なので。

「私には皆と空を飛ぶ資格はない、もう二度と。」
クレアもその身分故に戦場へ赴く事がないのは分かりつつも
皆と仲間として過ごしてしまった事に申し訳なく合わす顔もないのでしょう。
特にカルエルには過去の経緯や多くの感情ものし掛かってますし…。

イスラは前に進むしかないのですが二人の関係は前進出来るのでしょうか?
イグナシオやアリエルは架け橋になれるのでしょうか?
気になる所であっと言う間にまた次週…。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
心の整理がつかぬまま、こちらの事情などお構いなしに
また戦闘になってしまいました。

義務ではないのに、死は怖いのに、不安なのに、
少しでも皆を守る力にと己がやれる事を考え飛び立つ4人の学生達。
振り絞った勇気の行方はどの様な結果になるのでしょうか。
無事と言わずとも生きて帰って来れると良いのですが…。

空戦の作画は高レベルで安定していて
学生達の緊張感と相まって手に汗握って見入っていますね。
{/netabare}

※11~13話感想{netabare}
4人の活躍やクレアの風能力の再開眼そして援軍もあり戦闘には勝利。
しかし和平締結の人質としてクレアが空の一族の元へ。
半年後クレアを差し出した事もあり旅はついに終焉。空の果てに到達。
言い伝え通りの不思議な光景を目の当たりにした旅人達は凱旋帰国し
再会と祝福のひとときを迎える。
しかし安穏はせずクレア奪還の為にカルエルは再び戦いの空を目指すのであった。
というのがあらすじ。

うーん。序盤じっくり積み重ねてきた作品にしてはラストは大味な感じが否めない。
アリエルの歌えない恋歌のシーンは良かったけど
グッと来る感動場面には出会えず終いで高まっていた期待がやや空回り。
カルエルがイスラで多くの事を経験して成長した結果
『憎しみより愛情が勝る』という選択肢を選ぶはず、選んでるはずなのだけど
それがどうもピンと来ない、しっかり伝わって来なかった。
もう少し気持ちが伝わる演出が有ってくれれば印象は
かなり良くなったと思えるだけに少々残念です。

それとアッサリしてたけど帰りの食料や燃料とかどうなってたの?
という微妙な疑問も有ったりします。(^_^;
{/netabare}

【総評】
丁寧に作られた良作ではあるけど演出不足でパンチが足りない。

前半じっくり積み重ねてきた割に後半畳むのが拙速で活かし切れていない感じを受けました。
ペース配分から2クールものかなっと思ってしまったのだけど1クール。
これなら前半もう少しコンパクトにして後半に高まる感情の演出に力を割いて欲しかったです。
話自体は悪くないのでもっと演出に凝ってくれれば胸に残る作品になり得たはずなのですが…。
まだ完全なハッピーエンドではないので続きはあるかも知れませんが
これ以上広がる世界観は無さそうなのであっても微妙かも。

作画関連は空戦が特に素晴らしくそれだけでも観る価値はありますが
シナリオ重視だとやはり物足りなさが残ります。
少々期待が大きくなったので辛口かも知れませんが、まずまずの良作止まりというところでした。
まぁ、この手のジャンルがお好きでしたら楽しめると思います。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

愛は憎しみ超える

原作の知名度は低めなご様子
どうみてもオスプレイみたいな航空機に乗り、割と戦闘を繰り広げるし、王制から共和制への革命とかあってシリアスな展開も多い
恋人を守って撃墜されるのは胸熱だ
全体的な面白さはそれなりで、そこまでドラマチックとも言えないが、そこそこ見てはいられるなという感じ
地味だから話題になることはないな。

憎しみよりも大切なのは許すことそして愛ですな
ありがちと言えばそうだが、兄妹同然で育ったヒロインの頑張りが切ないですな

声優さんたちは今も活躍されている方々ばかり

次回予告をぶっつり切るのは草
日本家屋だったり箸だったり不思議に思える世界観
カップリングしてハッピーな人もいるなかで{netabare}俺たたエンドかあ。{/netabare}


OP
azurite petit milady 悠木碧、竹達彩奈
ED
風が知ってる 赤い公園
赤い公園のアニメ初タイアップ曲とのこと
今更ながら津野米咲さんのご冥福をお祈りいたします


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
“空の果て”を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら、空の孤島・イスラに乗り旅立つ。それは故郷に戻れる保証のない、危険を伴う旅だった……。


1. 「旅立ちの島」
“空の果て”を見つけるため、旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島イスラ。その出帆式典に、飛空士見習いのカルエルはいた。華やかな式典の雰囲気とは裏腹に飛空機を操縦するカルエルの目線は、イスラ管区長ニナ・ヴィエントに、憎しみを持ってむけられていた……。

2. 「カドケス高等学校飛空科」
湖畔で偶然出会ったクレアのことが気になるカルエル。カドケス高等学校飛空科に入学し、センテジュアル組になったカルエルは、実習で飛空ペアを組むことになり、クレアにペアを申し込む。しかし、ヴァンヴィール組のファウストが因縁をつけてきて……。

3. 「風の革命」
カドケス寮にクレアを招くカルエル。アリエルが絶品のカレーでもてなし、クレアの緊張がほぐれ寮生たちとも自然と打ち解ける。カルエルたちが入学して一か月が経ち、飛空演習はライフルによる狙撃や、編隊を組んでの飛空など、空戦仕様のものとなっていく。

4. 「星の海原」
ファウストの計略によって、クレアと共に遭難してしまったカルエル。海にエル・アルコンを着水させ救助を待つが、雨が降り雷も鳴り始め……。一方、カルエルたちを心配するアリエルは、父ミハエルが幼いカルエルを家に連れてきた日のことを、思いだしていた。

5. 「風呼びの少女」
出帆から4か月が過ぎ、イスラは聖泉の間近まで来ていた。飛空生たちは真夏の青空のもと厳しい陸戦訓練をこなし、湖畔で野営をすることに。和気あいあいの楽しいキャンプであったが、クレアの表情はどこか暗く、なぜかカルエルと距離をとろうとする。

6. 「聖泉」
イスラは世界の中心と予想されている聖泉に辿り着く。その壮大な景色に感動する飛空生たち。島は聖泉到達を祝い、お祭りムード一色に。しかし、騎士団が撃墜した飛空機が、空を領有するという伝説の「空の一族」であると発覚。この先の旅に暗雲がたちこめる。

7. 「散華」
「聖泉に立ち入るものを無条件に攻撃する」という空の一族の艦隊を、騎士団がいち早く発見。旧式の木造駆逐艦隊は恐るるに足らず、レオポルドが全戦力をもって殲滅する。その頃、後方空域を偵察していたチハルとミツオ機が、敵の超大型爆撃機を発見し……。

8. 「鳥の名前」
空の一族の戦略にはまり、主力を引き剥がされたイスラが爆撃を受ける。イスラで待機の任務が下っていたカルエルたちは、イスラを守るため、自らの判断でエル・アルコンで飛び立つ。しかし、敵機カマキリの編隊に次々と撃ち落され、劣勢に追い込まれていく。

9. 「きみの名は」
空の一族による爆撃を受けた二日後、合同葬儀が行われ、ミツオを喪ったチハルは泣き崩れる。その夜、級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、墓碑の前で偶然再会する。カルエルはクレアを抱きしめ気持ちを伝えるが、クレアは思いがけないことを口にする。

10. 「勇気の飛翔」
アリエルが怪我のせいで飛空士をあきらめること、正体を明かしたクレアが自分のせいで退学することをイグナシオから聴き、目が醒めるカルエル。その時、イスラの空に警報が鳴り響く。飛空生にも出撃命令が出るが、それは観測機の囮になることであった……。

11. 「恋歌」
撃墜された観測機に代わって、観測機を担う決意をするノリアキとベンジャミン。カルエルとイグナシオはふたりを掩護するため、敵機を引きつけ囮になる。そのカルエルの視線の先、今にも撃沈しそうなルナ・バルコの甲板の上に立つクレアの姿が見える。

12. 「空の果て」
イスラとの休戦交渉の座についた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオのとりなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、思いの丈を彼女にぶつけるが……。航行を続けたイスラはついに、旅の目的地「空の果て」に辿り着く。

13. 「きみのいる空へ」
空の一族との調停を結び、「空の果て」を見つけたイスラはその役割を終え、住人はバレステロス共和国に帰還する。凱旋式典の会場を埋め尽くした民衆の前で、カルエルは旧バレステロス皇国第一皇子カール・ラ・イールであることを明かし、ある思いを告げる。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 5
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

空の果てを見つけるために

タイトルに「恋歌」とある通り 恋愛アニメ。
恋愛部分は べったべたの王道。

そこはいいんだけど、それ以外があまりにもひどい。

壮大な世界観、戦争、あらゆる要素はそこに集約するためだけのモノ。
だから説明不足ではないのです、鼻から説明する必要が無いのだ。

そんな主張が聞こえてきそうなくらい出来が悪い。

前半は

壮大な世界観を掲げ、意味深なワードをばら撒きながら
展開し描かれる物語は「飛空士」の学校という狭い世界。

キャラクターのバックボーンが明かされるたびに
それまでの行動に疑問符がつくことがたびたびある。

後半は

世界観の説明がようやく追いつき「空戦」という見所もあり
ようやくアニメーションとして見れるようになった。

絡んだ人間関係が様々な形で「終わり」を迎える瞬間は
物語としての見どころだろう。

作画はあやしく、雑。
アニメーションは及第点だが「空戦」に限って言えば良い出来だろう。

カラッとした恋愛モノでは間違ってもない。

全体的に、後半に向かうにつれて暗くじめめっとした物語に
なるので見るタイミングを間違えないように注意が必要だ。



自分用メモ

ここまで世界に入り込めない一話も珍しい
圧倒的に駄目な一話を耐えられるかどうか

第一話 旅立ちの島
{netabare}
「男なら笑え、門出だろうが」

キャラクターのバックボーンの出し方が雑、下手 脈略って知ってる?

幼稚で情緒不安定で自己中心的な主人公 成長がみどころ?

うーん、理解できないくそみたいなボーイミーツガール
わたしはまだまだ理解力が足りないようだ
「あの、抱きしめてくれてありがとう」 ⇒ ???

次回予告 ぶつ切り

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第二話 カドケス高等学校飛空科
{netabare}
主人公が恋愛脳すぎる(自称する性格との乖離が激しい)

貴族と庶民 主人公なにも出来てないぞ、おい

キャラクター紹介回

男女で組んだ方がいい?らしい?

主人公は元殿下 設定の出し方雑じゃね?

クレアとの出会い、絡み方が雑というか狙いすぎ
重要キャラクターですよー恋愛要素だけじゃないですよ

貴族と庶民の恋愛の壁だけだと薄いからなぁ

主人公が元殿下なみの秘密がクレアにもあるはず

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第三話 風の革命
{netabare}
主人公、女のことしか頭にねぇな

主人公、ここまでの想いと過去を抱えて よく頭お花畑でいられるな

クレアは有能

「嵐だ」 からのぶつきり
{/netabare}
第四話 星の海原
{netabare}
金髪 お兄ちゃん

劇に石を投げる少年を絶賛する民 何だこの国?
劇で女王役の女性を王役の男性がいたわっているのが小さく映るので仕込みではない?
何だこの国?

あー、一目ぼれの理由はこれか。
人外だから人扱いされたことがなかったのかな。

やっと 話が始まった。
愛する人は敵 さて面白くなるかな。
{/netabare}
第五話 風呼びの少女
{netabare}
水着回 良く迷うこと

大惨事

風呼びの力を失った

時代遅れの蛮族はどっちかねぇ
{/netabare}
第六話 聖泉
{netabare}

戦争前の日常回 雰囲気は好き

{/netabare}
第七話 散華
{netabare}
質も量も負けている

フラグは回収されるもの

話の内容は面白くなってきて会話の間もとてもいい
けど作画がなんだかあんていしないなぁ
{/netabare}
第八話 鳥の名前
{netabare}
主人公の独白がイライラする
戦闘中にべらべらしゃべるアニメはいかんよ

「大丈夫、信じろ。僕は負けない」 ⇒ 本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第九話 きみの名は
{netabare}
敵の敵は味方

みんな死んだ!!みんな死んだんだぞ!!

本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第十話 勇気の飛翔
{netabare}
貧乏が悪いんだ!!

関係性がつながりそしてフラグ立て回
{/netabare}
第11話 恋歌
{netabare}
学生は囮 だから情報は信じません

タイトルを引っ張って来るだけはある。
集約、意味のある回ではあった。
ここまで来るまでが色々とひどすぎたけど。

「私に答えて」 ⇒ 復活するんかい!! ……いやしないと話にならないけど
{/netabare}
第12話 空の果て
{netabare}

男性はロマンチスト 女性はリアリスト

はい、それから それから ⇒ そらのはて

全部いえたのは初だっけか?
{/netabare}
第13話 きみのいる空へ
{netabare}
革命から十年、痛みが消えるにはまだまだ短い時間
この国の民衆は駄目だ こんな国は亡びる
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 3

66.2 19 ラノベ原作で冒険なアニメランキング19位
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (393)
1565人が棚に入れました
夢にまでみたゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子もついてきて!? 母親同伴の新感覚冒険コメディ開幕!

声優・キャラクター
茅野愛衣、石谷春貴、鈴代紗弓、原田彩楓、Lynn、新井里美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

ゲーム選びを間違ってる

1話感想{netabare}
う~ん、母親キャラでヲタ的に最強なのは電童のベガさんだと思ってるのだが、息子が高校生かぁ…う~んう~ん。
もうちょいしっかりしていて、それでもどこか抜けてるくらいが丁度良いと思うのだが、なんか抜け過ぎな気が。
だって反抗期も終わった頃でしょ?
作中で見せるような態度はなんか違う気が…小学生だったら抵抗無く受け入れられたんだが…。
また“八神くんの家庭の事情”(アニメは見てない、ドラマはかなりアレ)の様に、母親が異常に若く見えるってワケでも無いんだよね?
クラスメイトからの反応とか無いからワカラン。
八神君の~は当時原作者の本集めてたので買ってはいたがモブキャラの反応(からかい)が結構エゲつなくて不快だったんだけど、あれって必要なことだったのかなぁ?とこれを見て思ったり。
今後色々と明かされてくのか?
それとギルド攻撃したら警察…じゃなくて警備兵に追われて整形しないと手配度が上がりまくりとかじゃないとゲームとしてもツマラン気が。
そうじゃないならオブジェクト破壊なんてそもそも出来なくさせとけよと。
まぁこれもゲームに何かウラありそうなので様子見か、“アウトブレイクカンパニー”みたいな展開にはなってくれんスかね?

因みに監督は“ラストピリオド”の人、シリ構は最近チェックし出した赤尾でこ。
序盤鼻歌が「パタパタママ」っぽくで「オイ危ねぇ!」と思ったらEDがホントにパタパタママでビビったw
これが一番の癒しだった1話でしたとさ。{/netabare}

2話感想{netabare}
ドラマタなんて何年ぶりに聞いたろう。
“ラストピリオド”内の“ひぐらし”もそうだったけど、パロ?(ソノモノなんだけど)の絵が本家と同等かそれ以上にクオリティ高いのは誠意を感じる。
ひょっとして“ぱすてるメモリーズ”も作画頑張ってたらアウト食らわなかったんじゃない?とふと思ったり。
(「めっちゃ頑張ってんなー」となれば苦情言う側も言いづらくなるっしょ)
ってかこのゲームに参加できるのは一人っ子のみ?兄弟居ないんかいな?
政府主導で親と仲良くすることを目的としたゲームなら、普通に育児ゲーで良いじゃんって思ってしまうのは野暮か。{/netabare}

3話感想{netabare}
ママの性的アピールはあくまで視聴者に向けてのもので、真人はそれを「やれやれ」とか「もう勘弁してくれ」としか思ってない、ってことかな?
真人がそれで心ときめかす様だったらキモいの一言だが、そうじゃないっぽい?
現状なんかよく分からんな、後者だと思って忌避してる人多そう。

それはそうとポーターの声っててっきり“ミリオンアーサー”の錬金だと思ったら全然別人じゃねーか!
ってかミリオンアーサーの方でゲストキャラやってるじゃん!?
あっれー、自分の耳もうダメか?{/netabare}

4話感想{netabare}
わぁい、オブジェクト破壊は伏線だったか!
これツッコんでたオレ凄くない?凄くなくない??
ナルホド、巡回GMの代行をする話になるのか。
ゲーム世界内でどんなことをしても運営からお墨付きを貰ってる限りチートではない、という力押しな理屈が成立する。
これにより最近流行の異世界転生・転移系で不満だった部分(※)がかなり軽減されますね。
ワイズママにコード流した(言葉通りの)黒幕によって起こされる問題を解決してく展開になるのかな?
擬似メタネタ…と言えばいいのか?
作品内での現実とゲーム世界との関係とか、そこら辺をいじる話なのかな?と考えると、監督が岩崎良明なのも適任な気がする、ラスピリのメタネタを知ってるとねw
欲を言えば「1歩間違えたら億単位の損害請求来てた(オンゲでのチート行為ってそういうことなんだけどね)」ってのを知ってゾっとするワイズママは見たかったなぁ、まさか反省してなかったりして?



誰が転生させて誰がその力を授けたんだ?(黒幕の存在)→その黒幕を追求しない限り「結局黒幕に踊らされてるだけでは?」という考えが拭えない。
この問題を放置したまんま転生・転移モノで話を進められてもどうにものめり込めない部分がありまして。
この作品で言えば「この場合の黒幕」に該当するのは運営、決して悪巧みしてるって意味ではなくてね。
また、例え黒幕が出たとしても…ここぞとばかりに槍玉に挙げるのも心苦しいけど、某戦記の存在Xなんてのは「そうはならんだろ」って思考をしてて、これもやっぱりのめり込めませんでした。
異世界はスマナントカでは黒幕(神様)がキの字でやっぱり「う~ん」って感じだったし…。
ってことで、この作品もどこまで運営の主張が理に適ってるかがカギになる…かも?
作者だか監督だか(多分両方)ネトゲに詳しいみたいなのでちと期待。{/netabare}

5話感想{netabare}
モンペ対策に突貫で学校作ったって…もうなんか泣ける、開発大変すぎるだろー。
オブジェクトすり抜けや突然死なんてそりゃそうだ、非戦闘区で死亡可能なんてバグの温床待ったなし。
VR…恐らく3Dだと思うのだけど、仮組みで配置のNPCはもっとこう、ローポリ&ワイヤーフレーム丸出しみたいなのになると思うんだけど…ってそこら辺はアニメーターの方が詳しそう。
あくまでそういうのに詳しくない人(私含め)にも分かり易いように表現したんだろう。
一方で母が出しゃばることに「システム上そういうゲームなんだからしょうがない」と割り切れない主人公に違和感。
あとテストプレーヤーって何人なんだ?
一緒のクラスになれて嬉しいみたいなことを言ってたが、多分クラスは1組しか無いんじゃないかな。
そして授業のテスト内容…え、ダメージ計算式公表されてるのか。
(自分がやってたネトゲはダメージ計算が複雑※で、しかも開発と運営が別で、恐らく運営は把握しきれてなかった)
ヘタに知ってる素振りをしたら「お前クライアントハックしたな」と疑いかけられそう、ってかそういう奴への抜き打ち調査に便利そう。
ってかタイトルで全体攻撃で二回攻撃と言ってるのに、状態異常判定は多段ヒット方式なん?



それでも他のネトゲよりは単純だとも言われてたり、自分は然全理解できなかったけどねー。
スキル係数とか公表されてない数値あるわ、当然乱数も乗るので試行から式を導き出すのは非常に困難で蔵解析は公然の秘密扱いでした(ボソッ{/netabare}

7話までの感想{netabare}
ええ、まだメディ絡みの話を続けるのか。
ここへ来て急失速、というか「え、なんで?」という混乱が…。
他にプレーヤーどれだけ居るの?ひょっとしてあの世界の顔絵文字連中は中身入り?NPCじゃないのん?
あっ、NPCってノンプレーヤーキャラのことね、開発の組んだプログラムに沿った反応するだけ。
料理対決にしろミスコンにしろ、採点は機械任せでしかないと思ったのだが…違うのか??
まさか「AIが感情を持つか?」みたいな物語じゃあるまい、だったらまずは自分のグラがテキトーなのを嘆くっしょ。
冒頭平然と一緒に風呂に入ってたのは「そこまでグラは描き込まれてないから」だと解釈してたのだけど、この判断も間違ってる?
“ナカノヒトゲノム”がNPCだか中身入りだか曖昧でどういう世界なんだかよく分からず、一方でこっちはしっかりゲームの中として表現されてるのを評価してたのだが、どっちも似たり寄ったりになっちゃった感じ。
自分が考え方古いのか?今はもうAIが自分で考えて自分で行動するのが当たり前の価値観なのん?{/netabare}

8話感想{netabare}
おおう、なんかワケ分かんなくなってきた。
まず、このゲームは「母を立てるゲームデザイン」なんだよね?
あ、ゲームデザインってグラフィックの意味じゃないぞ。
ドラクエ2で例えれば「サマルにローレ以上の打撃を出せるように頑張る」なんてことをやっても、無理なものは無理。
もし出来ちゃったら「お前何かやったろ」って話で。
母が出張ってくるのが嫌だろうが、そういうデザインのゲームなんだから諦めろとしか思えない。
母よりも活躍できる前提でモノを考えてるのがイマイチ理解できない。
それとワイズはもうログアウト出来るのだけど面白そうなんで残ってるって立場だよね?
親子の問題は解決したんだよね?
じゃあ、ママコとマーの親子の問題は解決したの?してないの?
もし解決してるならログアウトしろ、してないなら諦めろ、としか思えない。
個人的には「ワイズ同様もう解決してるけどGMパトロールごっこが楽しくて残ってるんだろう」と思ってたんだけど、あれ?解決してないのか?
その場合ママコの方が圧倒的に「問題」を抱えてる気がするんだが…。
もしそうだったら尤もらしいことを言いつつその実空虚なモノとなってしまう(いわゆる「お前が言えた立場か」になってしまう)のだけど、良いのかそれで?{/netabare}

9話感想{netabare}
セブンデイズウォ~戦うよ♪ってことで「ぼくらの7日間戦争」2019、12月公開予定。
ダンジョンが少人数攻略不能とのことだが、具体的にどう無理なのかの描写はナシ。
これは「そう言われてるけど蓋を開けたら実は…」って展開の前フリだったりする?
ってかインダン方式じゃないのか。
ギルドは設立したらまずはスローガン掲げるものだと思うが…ギルド名がソレってことだろうか。

この作品って「A:なんでもかんでも母親が出しゃばってきて息子の活躍する場を奪ってウザい」がベースだと思うのだけど、CMではあたかも「B:なんでもかんでも代わりにやってくれる母親ありがてぇ」って内容であるかのように扱ってるキライがする。
(友人は後者だと思って「うわキモっ」と1話すら見てません)
どうもアニメスタッフとCM担当、いやアニメスタッフの中でも、どういう方向性の作品なのか解釈・意見が分かれてる予感。
アベコベというか、結局どっちつかずというか。
企画の段階はBだったけど、スタッフの一部が反骨燃やしてAをねじ込んだ…な~んてことは無いよね?{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
リアルネトゲのチート対策…って書くと人によって受け取り方変わっちゃう?、「不正プログラムの利用」対策ってことになるけど。
不正利用者が多くていちいち取り締まりしてられんって時、じゃあ開発はどうするかというと「不正プログラム使ってると不利になるアプデ」を仕掛けることは、ある。
(実際は不利というより無意味になる。そして大抵は健全プレーヤーも割を食らう)
簡単な例ではめっちゃ火力上がる不正プログラム利用者が大量に居たとしたら、反射ダメージ持ちモンスターを実装する、とか。

ということで12話、反射ダメージ持ちが出て「お?」と思ったけど、それだけでした。
タイトルで2回攻撃って言ってるんだから、それが意味を成す展開にはできなかったのかなぁ。
どんなゲームシステムだか知らんけど、1回目攻撃して反射ダメージ食らって、このまま2回目の攻撃をしたらヤバい→けど一度攻撃を開始したら途中で止めることができない→大変だー、みたいな。
「願いごと」のオチもドラゴンボール吹かしてたけど、どっちかっつーと風タクじゃね?
最後は「ククク、ヤツは四天王の中で最弱…」エンド。
ぶっちゃけ開発vsルベールだかリベールが物語のメインじゃダメだったのかな?
ポータはママか?原作読む気は起きない。{/netabare}

総評(↑と重複してるのでこれだけ読めばいいかも){netabare}
CM見ると顕著なんだけど、同期放送の“異世界チート魔術師”が「チート」をどう捉えるかスタッフ間で一本化されてない感じがしたのと同様、こっちでも「母親」の扱いをどうすればいいかがアベコベになってる気がする。
つまりは

A:なんでもかんでも母親が出しゃばってきて息子の活躍する場を奪ってウザい
B:なんでもかんでも代わりにやってくれる母親ありがてぇ

の二つの解釈があって、それがバランスよく両立するのではなく、お互い殺し合ってる感じ。
最終回でなんとかすり合わせを目指そうとした展開にはなったけど根本がおかしいのでピンと来ない。
根本というのは…結局コレ、ゲーム世界でしょ?
まーが思い通りに行かなくて不満を漏らす訳だけど、「そういうデザインのゲームなんでしょ?」と思うと全く共感できない、望んで入ったのではなく無理やり連れてこられたにしても。
ポケモンで「トレーナー(人間キャラ)同士の戦闘がしたいのになんでポケモンでしか戦えないんだ」と文句言ってるようなモン。
プレーヤーのマナー次第でどうにかなる範囲を超えている。
せめて不満を垂らすならその相手は開発・運営なのに、よりにもよってシラセの手先になるという謎行動。
制作に関わって業界通になりたいという風でもないし、「開発のご機嫌を取れば自分に有利なアプデがしてもらえる」とかそんな感じなのかな?と邪推までしてしまう。
実際、「開発に恩を売ってコネを作るために巡回GM代行をしてます」って方がよっぽど清々しいと思うのだが…。
なにをもって自分が勇者として活躍できるゲームだと誤認したのだろう?
他の方も指摘されてるけど「このゲームをどんなに嘆いてもあなたの希望を叶える設計にはなってません」でしかなく、この目的の不明瞭さは「母の扱いがどっちつかず」と合わさって、もう何がしたいのか分からない内容に。

メディパートは冗長、親子間のPvPがダメという価値観もよく分からない。
お色気シーンにしたってお前CEROいくつだよと、政府開発ゲーちゃうんかよと、裸になっても全身タイツ状態でしょ。
逆に、そう思ってたからこそ多くの方が脱落したらしい序盤のママコのお色気シーンや皆で風呂に入ってるのは余り気にはならなかった…という皮肉的な側面も。
多分制作側はそう狙ったんじゃないと思うので…。
一方で10話のマッサージまでの茶番は違和感しかなかった。

そんなことも踏まえると…やっぱりこれ、制作前のスタッフ間の協議が不十分だったんじゃないか?と感じてしまう。
こういうのを主題が定まってないって言うのかな?{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 18

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

茅野愛衣がママっていいよなあ

あんなママがいたらいいなあとか思うけど、実際のことを想像するときついものがある。起こすためにキスされるのはぞっとする。
息子に対してだけでなく、赤の他人に対してもあそこまでの包容力を要する人間が果たしているのか?その人を伴侶とした夫はどんな人間なのか?そこ気になるポイント。

子供のことを考えすぎるあまり過保護になる親、子供を疎ましく思い、子供に責任を被せたがる親、子供に自分のできなかったことをさせて子供の成果を自分の成果のように感じるあまりコントロールしたがる親が登場。
主人公の周囲の女の子の親はそういう毒親。解決はテキトーでいいんです。

そこまで印象に残ってないけど、ラノベ感溢れてた。個人的にそこまで悪い印象はない。


OP
イヤヨイヤヨモスキノウチ! 歌 スピラ・スピカ
ED
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃ママ 歌 大好真々子(茅野愛衣)
なんだこのEDは。不思議な気持ちに。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第1話 少年の壮大なる冒険が始まると思ってたら…え、どういうことだよこれ…。
高校生の大好真人は、ゲーム内空間に「転移」してプレイする新しいMMO-RPGのテストプレイヤーに選ばれた。説明に訪れた白瀬女史の言葉もそこそこに、真人はさらばリアルとばかりにゲームの世界へ! ところがゲームの世界には、母親の真々子もなぜか一緒に来ていた。驚く真人だが、真々子は大好きな息子と一緒に冒険が出来ると無邪気に大喜び。しかも彼女の通常攻撃はチート級の強さだ。真人の攻撃力は普通で、健全に親離れ進行中の彼としては、諸々イメージ台無しでガックリ。かくして母親同伴のRPGがスタートした。

第2話 女子ばっかなのは偶然だ。誤解するな。笑顔でこっちを見るな。
勇者の親子として登録された真々子と真人は、「お母さん面接」で仲間を決めることに。面接に来た商人の小さな女の子・ポータは健気で素直な感じの子で、二人は気に入り仲間になってもらった。次の、賢者・ワイズの履歴書の写真に、真人はトゲトゲしさを感じぞんざいに扱うが、その書類は彼女自身が変身したものだった。扱いの悪さに怒ったワイズは、転移魔法で彼を街の外へ。その結果ワイズと二人になった真人は、これが「母親が子供と仲良くなるための」RPGだと彼女から聞く。それが真々子の強さや同伴の理由だったのだ!

第3話 下着は防具。守備面積は大きめに。さもなくば息子が死ぬぞ!
ワイズも仲間になり、真人たちは白瀬からママン村での特殊クエストを依頼された。そこでまず街で装備品を整えることにする。真々子は息子とお買い物と大喜び。防具店では真々子のコスプレショーのようになり、真人は頭をかかえてしまう。そんな真々子に、はしゃぎすぎと真人は強く言ってしまい、ぎこちないムードに。だが真々子は、愛する息子の耳掃除をすることで上手く仲直りが出来た。そしてママン村に到着した一行は、「夜の女帝」いう悪魔が、痩せマッチョなイケメンホストの生け贄を求めていると知る。

第4話 子供は子供で、親も親で人間で、色々あるけど何とかするのが親子だろ。
夜の女帝の正体は、なんとゲーム内でケンカ別れしたワイズの母親だった。娘と別行動で、彼女は自分の趣味丸出しでゲームをエンジョイしていたのだ。しかもシステムを改変可能なチート能力を使っているらしく、運営側の白瀬も太刀打ち出来ない。本来なら損害賠償ものの大問題だが、白瀬はワイズと夜の女帝が仲直りできれば、そこは大目にみてくれるという。屈強な青年たちを玉座代わりにしてご満悦の実母の放蕩ぶりに、恥ずかしさめいっぱいのワイズは、白瀬の提案に乗り、真人たちもワイズに協力することにした。

第5話 そこは夢と希望に満ちた、子供達の領域。子供達の、だ。ここ大事!
真人とワイズ、ポータは、ジョコ・アカデミアの生徒になった。ここで学園生活を送れば大量のSPや特別なアイテムもが入手できるのだ。学園で出会ったメディという癒術師の少女は内気かつ清楚な子で、真人は真のヒロイン登場と胸をときめかせる。だが彼女の母親・メディママは、真人たちを見下すトゲトゲしい人。しかも勝手に授業参観しながら魔法を使ってメディだけに答えさせて、SPを独占する始末。メディママの不正にワイズもポータも「母に母を」と、留守番中の真々子の力を借りようと真人に言うが……。

第6話 なんという美少女…いや母さんじゃなくて。その格好で近寄るなやめろ。
白瀬の根回しもあり真々子も学園に登校して、メディママと同じように真人たちの授業を参観することになった。自分の魔法が通用しない真々子に対して、メディママは強いライバル心を燃やす。さらに真々子はアイテムクリエイションの授業で行われた調理実習では、一緒に料理を始めてしまったり、水泳の授業では旧スク水姿で参加したりと天真爛漫な行動の連続。水泳ではメディママも自信満々でセクシー水着姿を披露するが、真々子ばかりが人気で怒りがメラメラ。そんなメディママを見て、嘲り毒づく声を真人は聞く。

7. 学祭の主役は学生だ。それはただ制服を着ている人も含まれてしまうのだがな…。
メディママに毒づいていたのはメディだった。メディママに素直に従っている彼女ではあったが、強烈に鬱屈したものを抱え込んでいたのだ。そのことを偶然知ってしまった真人と真々子は、なんとかしてあげたいと考える。そんな時、学園祭が開かれることになった。保護者の参加もOKで出し物の企画も自由。真人たちは、真々子の手料理を出す模擬店に決めた。その話を聞いたメディママも模擬店での出展に加えて、真々子の店と売上で勝負しようと言いだした。その勢いに飲まれて、真々子は勝負を承諾してしまったが……。

第8話 言わなきゃ伝わらないが、言ったらかなりの確率でぶつかる。厄介だよ、親子。
真人はメディからメディママへの本音を聞くことが出来たが、彼女は母親の前では本心を押し殺して従順になってしまう。ワイズやポータもメディを励まし、友達になろうとするが、娘を優秀にして「一番の母親」になりたいと考えるメディママは、彼女に友人はいらないと言う。母の教育熱心さが自己満足のためだと知って悲嘆に暮れるメディは、感情を開放し凶暴なドラゴンに変貌してしまう!暴れるメディを止めようとする真人たち。だがメディママは、この後に及んでも「一番の母親」に固執して真々子に挑んでくる!

おっと、こんなところにスイッチ床があるぞ。まあ踏まないけど。いや踏まないから。
メディも真人たちと行動をともすることになった。そんな時、新しいタワーダンジョンを攻略すれば、どんな願いも叶うという情報が舞い込んできた。そこを攻略して真々子より強い力を手に入れようと、真人たちはダンジョンがあるチャンカーの町へやって来た。到着早々、母親集団に「うちの子を捜して欲しい」と請われるが、白瀬によればそんなイベントは用意していないという。そこで白瀬と一緒にダンジョンを調査することに。トラップやモンスターの攻撃を回避して進む一行の前に、剣士風の少女が現れた。

第10話 お母さんと一緒ギルドは千客万来!……って、招かれざる客ばっかかよ!
真人たちの前に立ちはだかった少女は、反逆組織リベーレの四天王一人「母逆のアマンテ」と名乗り、ダンジョン攻略のため町の冒険者を配下にしたと、聞きもしないのに喋ってくれた。真人たちは、アマンテから冒険者たちを解放するためにも多くの仲間がいると感じ、その場は一旦撤退する。そして町で「お母さんと一緒」ギルドを開設して、仲間の募集を始めることに。だがアマンテの手下のポッチたちが、妨害工作を仕掛けて来た。彼らは爆弾で町を破壊されたくなければ、とある要求を飲めと真々子に迫ってくる!

第11話 受け止める勇気。慈しむ心。あと全身鎧。それが母親に必須の……ん? 鎧?
真々子の母性によって心を入れ替えたポッチたちは、それぞれの母親の元に帰っていった。ポッチの母親は真々子や真人へのお礼として、彼女の母親仲間とともにギルドに加わり、一緒にタワーダンジョンを攻略してくれるという。まだアマンテの手下のままの子供たちもたくさんいるのだ。かくして結成された母親だらけのパーティは、なんとも井戸端会議的なノリに。イマイチ冒険感に欠けた雰囲気でダンジョン内に突入した一行の前に、待ちくたびれたアマンテが現れ、なぜか真々子と洗い物や洗濯物対決をすることに!?

第12話 その願いは叶えないでくれ、と強く願った。だが願いは叶えられた。
着々とダンジョンを進んでいく真人たち。途中で合流したポッチが、アマンテはダンジョンを攻略して「この世界から母親を一人残らず消してくれ」と願うつもりだと教えてくれた。そんな暴挙を許せるわけがない。一方アマンテは、すでに頂上の百階層に到着してラスボスを倒したものの、願いを叶える部屋には入れずにいた。そこに真人たちが現れて、そのまま対決する流れに。戦いの中アマンテは真々子に向かって、真々子の存在が息子の可能性を奪っているのだと言い放つ! 思わず動揺する真々子。その時、真人は……。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 13
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

一筆啓上。

・担当省庁・担当企画室さま、白瀬さま始め運用担当者さま
{netabare} 母子の関係改善、向上という目的に対しMMMMMORPGという手段が適切かつ妥当であるという根拠はどこにあるのでしょうか。その根拠となる調査・研究・実験結果を母子の関係とその改善・向上の定義と共に示していただきたい。ことさらに「血税の使い道」を云々するものではなく、純粋に国家が主導するプロジェクトとしての妥当性に対する疑念です。
上記の「母子の関係とその改善・向上の定義」とも関連しますが、本MMMMMORPGの効果測定について、その手段を示していただきたい。作品冒頭におけるガバガバアンケートのようなものを呈示し「改善したと思う」の回答数を数えるなどというものではないはずで、測定・計量可能な指標によるものだと推測しますが、その指標が想像も出来ません。{/netabare}

・ポータさま、ワイズさま、(僕が想像する第9話以降の)メディさま
{netabare} ゲームの世界をほどほどに楽しまれたなら、なるべく早く現実世界にお戻りになることをお勧めします。あなた方の存在は大好親子パーティーにとって戦力である以上に、この冒険を継続する動機の一つです。もう少し言うならば、あなた方がパーティーに加わっていることで勇者真人が冒険を継続可能な精神状態を保てている、あるいは、保ててしまっています。この冒険の継続が大好親子、特にあなた方がそれなりに意識を向ける存在・真人くんにとって意義のあるものなのか、ご一考いただければと思います。{/netabare}

・大好ままこさま
{netabare} 今更私ごときがこのようなことを申し上げても何も変わらないと思いますが、一縷の望みを託して敢えて申し上げます。本MMMMMORPGの目的を理解されているのならば、真の意味での母子の対話を密にしていただきたい。しかるに、あなたの為さりようは母子の対話の形をとってはいるものの、物語の冒頭から一貫して母親の意向を有耶無耶のうちに押しつけているに過ぎないものと見て取れます。そこにロジックはなく、感情で押し通すを繰り返し為されているように思います。泣く前に、抱きしめる前に徹底的に会話をしてください。あなたのような母親を持つ息子にとって、あなたの涙は「リセットボタン」です。全てをながして「元通り」にしているに過ぎず、それでは変化も改善もあり得ません。
母子とはいえ、それは二人の人間の関係です。「わかるわよね」では絶対にわかり合えません。ホウ・レン・ソウは母子間であっても対話の基本と考えます。何事を為すに当たってもまずはご子息に、せめて行動の前に「ホウ」だけでもしてあげられませんか?{/netabare}

・大好真人さま、
{netabare} もう諦めろ。とっとと現実に帰ってこい。その世界では君たち母子の関係はこじれる一方だ。と言うより、君自身が背負い込むものが一方的に増えていくだけだ。敢えて申し上げる。暴言を許して欲しい。
君はお母さんの見た目の若さや美しさに惑わされているかもしれないが、その見た目に反し君のお母さんの中身はもはや老人だ。いっそ、痴呆が始まってしまった老齢者と見なしてもよいレベルだ。と言っても、高校生の君にはピンとくるものではないだろう。しかし、ある程度年をとってしまった私の目には、君たち母子のゲームにおける振る舞いは「介護の現場」と大差なく見える。
何を言っても理解してもらえない、同じような行為による同じような迷惑・精神的負担の繰り返し、そして君自身の中にしっかりと根付いてしまった「対話による改善」に対する諦観がその根拠だ。
その世界において押しつけられているお仕事、すなわち、他の親子の関係改善というお仕事を繰り返して行くにつれ、否応なく自覚することになるだろう。無論、それはゲーム内のある存在によって歪められたものであるが、しかし、他の「母親」は変わってくれるのだ。だのに、君の母親はそのような影響を受けていないにもかかわらず、何も変化しない存在ではないか。
君自身が、自分の母親を大切に思う気持ちに気がついたことで、そのゲームの目的は達せられている。現実世界において遅かれ早かれやってくる問題を、なにも高校生のいま、仮想世界の中でまで体験することはないだろう。役所の人間にいいように使われているという現状にも留意すべきだ。
とっとと現実に帰ってこい。{/netabare}


本作品に対する不満点とか考えとかを箇条書きしていたら、手紙形式もありかも、などと思ってやってみました。

作品そのものに対しては、ママさんが一切成長も変化もない存在に見えてきてしまってですね・・・まぁ、某猫型ロボットが介護している小学生と同じに見えてきたんです。当人のスペックはいろいろ高いですがね。それと、お母さんのセクシーシーン、本当に無用。

子離れできない母親というのは、現実でもそれなりに見かけますが、やはり見ていて複雑な気持ち(←ものすごく言葉を選んでみた)になります。

原作は、作品名とそれがラノベであることを知っていたのみ。3、4年くらい前かな、電車内広告で矢鱈とプッシュされていた時期がありました。当時も思いましたが、今も「えぐいテーマを選んだものだ」と思います。作者は否応なしに自身の「母子観」をさらけ出すことになるわけです。それがどろどろとした重たいものだとしても、薄っぺらいものだとしても、内面の吐露の中でもかなりハードルの高い部類に思うわけです。まぁ、本作にレビューをしている私自身も(他の皆様も)、少なからず同類なのですがね。覚悟を決めて、以下。

{netabare}だらだらと視聴してきましたが、8話での描写を目にしたことで、9話目以降の視聴をやめることにしました。いくら魔物化して自我を失ったに等しい状態だとしても、親に暴力をふるうシーンを描くなら本当にやってから書け。二撃目を本当に出すことが出来、その上で、それでも同じお話しを書けるというのなら認めてやる。{/netabare}


[2019/09/08 v1、投稿後に若干修正]

投稿 : 2024/07/06
♥ : 27

71.1 20 ラノベ原作で冒険なアニメランキング20位
スレイヤーズ(TVアニメ動画)

1995年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (296)
1815人が棚に入れました
天才魔道士リナ=インバースはひょんなことから、剣士ガウリィとアトラス・シティに向かう旅に出た。二人をつけ狙うゼルガディスの目的は、魔王シャブラニグドゥの復活にあるらしい。魔王とは一体、何者なのか?その企みは?

声優・キャラクター
林原めぐみ、松本保典、緑川光、鈴木真仁、子安武人、石川悦子

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最高の冒険ファンタジー!

シリーズ物第一弾、全26話。男向け魔法少女物

■TVアニメ
スレイヤーズ     ←ここ
スレイヤーズNEXT
スレイヤーズTRY
スレイヤーズREVOLUTION
スレイヤーズEVOLUTION-R
■劇場版
スレイヤーズ(劇場版)
スレイヤーズRETURN
スレイヤーズぐれえと
スレイヤーズごぅじゃす
スレイヤーズぷれみあむ
■OVA
スレイヤーズすぺしゃる
スレイヤーズえくせれんと


当時メッチャはまっていましたよこのアニメ。
好きな声優が出ていたのには今更ながらに驚いた。林原めぐみとか緑川光とか石田彰とか…
一昨日からニコ生で一挙放送やっていますよね!見ていない人必見いますぐにニコ生行って来るべきだ!

暴れるモンスターあれば、とことんぶちのめし。
輝くお宝あれば無理やり独り占め。
大胆不敵!電光石火!勝利は私のためにある!

主題歌
オープニングテーマ「Get along」
歌 - 林原めぐみ・奥井雅美、作詞 - 有森聡美、作曲 - 佐藤英敏、編曲 - 大平勉
エンディングテーマ「KUJIKENAIKARA!」
歌 - 林原めぐみ・奥井雅美、作詞 - 有森聡美、作曲 - 奥井雅美、編曲 - 矢吹俊郎

どっちも最高に好きでした。いやぁもう音楽聞いただけで懐かしさのあまり涙が出てきますよ。゚(゚´Д`゚)゚。


当時何度も何度も繰り返し見て覚えた黒魔法↓
「黄昏よりも暗き存在(もの)、血の流れよりも赤き存在(もの)
時間(とき)の流れに埋もれし偉大なる汝の名において、
我ここに闇に誓わん、我らが前に立ち塞がりし
全ての愚かなるものに、我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことを
ドラグスレーーーーーーーーーーーーーーーーイヴ!!!」

いやぁもう本当にハマりましたよハマリまくってましたよ。
ドラゴンボールよりハマってたかもしれない位ハマってましたよ。
いい歳して呪文詠唱したら魔法が出せるんじゃないかと思っていたりいなかったりw
一々魔法の詠唱の言葉が中二病心に火を付けたんでしょうねぇ。片っ端から魔法の詠唱覚えていましたよ。
友人とどっちが覚えられるか的な競いあいになっていたっけ。


魔法少女モノと聞くとプリキュアとかセーラームーンが思い浮かぶと思いますが、このアニメはRPG的な感じですね。
FFとかドラクエみたいな。なので完全に男向けなアニメです。
カッコイイ魔法を使ったり、剣士や白魔道士やら等が仲間になっていき、ドラゴンを倒したり怪物を倒したり街を守ったり、世界を救ったりともうまさに王道のRPGみたいな感じです。

このアニメの面白いところは単純にカッコイイ話だけではないのです。ギャグ要素満載ですっとぼけた話が中心なので実に気軽に見れる面白い作りになっています。が、それでいてカッコイイ所はキッチリしめるというこの抜群の切り替えの良さ!
昨今のアニメは見習うべきだ。

もうねぇシリーズ物どんだけ出ているんだって位超長編アニメなんですが、実に面白い。個人的にはドラゴンボールより好きだったりしますね。思い出補正があるのかも…やっぱりDBの方が好きかも…w
これ以上に面白いRPG系冒険ファンタジーものって現代だと無いんじゃないかと。伝勇伝はかなり面白かったが続編出なかったのが凄く残念。あれが続いていれば個人的にこのアニメを超えていたかもしれない。

もしアニメを見てハマった人がいれば全シリーズ見て欲しいです。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 17

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ファンタジーコメディの源流。 チート主人公に必要なモノは何だろう

転んでもタダではおきない守銭奴
ドラゴンも跨いで通る乱暴者

銀河英雄伝説・ロードス島戦記など硬派とされるラノベに
一切興味がなかったじぶんが食いついたのが
スレイヤーズでした。表紙絵が可愛かったですし

上の2作品を買うようになっても外出用であって
家で読むのはスレイヤーズですね(笑)

今でこそ、堅苦しくないファンタジーの方が多いですが
当時は堅苦しくて重たい世界観が主流だったと思います


・はじめに
まずキャラが可愛いってことは一番大切ですよね
可愛くなきゃそこでお別れです

そして、主人公が普通な少女じゃ、トラブルに巻き込まれることはできても
自分がトラブルの種にはなれません。

自称普通の主人公もたいてい普通じゃないですよね?
それなら初めから特別ってすりゃいいのに


・愛されるチート主人公
主人公リナは世界トップクラスの実力がある魔道士で、
その気になれば世界の大英雄になれますし
人類どころか魔族までその名がとどろく有名人です。
しかし、名声に全く興味をしめさず
力を誇ることもありません
彼女の仲間たちも同様です。

自分を美少女天才魔道士といっていますが嫌味じゃない
リナは俗っぽいです。。
小銭に汚い!生活力がありすぎます。
誰よりも力を持ちながら、あっけらかんと
日々旅する生活を愛していて
きままな風来坊といった少女なんです

そんな主人公ですから巻き起こす物語は
愉快でアニメも痛快娯楽劇といった
コメディー作品に仕上がっています。

チート主人公に求められる個性は
力や名声を誇示しない、
俗っぽさと愛嬌を持っている
こういった個性ではないでしょうか

主人公に求められることは
共感できるか
もしくは憧れられるかでしょう。
リナの生き方には憧れることができます。


・さいごに
作画には古さを感じますしギャグシーンのリアクションも
オーバーで古典的です。。
しかしながらキャラクターとストーリーに魅力がある作品は
時代を超えて楽しめるものだと思います。
また世界観がもともと軽いのでチープに感じる作画は
リナの破天荒なキャラクター性を引きたてるように思います。

主人公が名声や力、明確な目標をもっている作品も良いですが
そんなのクダラナイと吐き捨てて颯爽とするヒロインは
痛快であり、カッコよく、そして可愛らしいです。


長々とおつきあい頂き誠にありがとうございました。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 20

JBさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

これぞファンタジー! 呪文も書いてみるw

ファンタジーと言えば、このタイトルを挙げない人はいないのではないでしょうか。
また同様に、林原めぐみの代表作としても挙げられるタイトルだと思います。
今回、あにこれでレビューを書くという事がなければ
観直す機会はなかったかもしれないので、改めて観直しましたが、
今観ても、やはり素晴らしかったです!
世界観や各種設定が実に完成度が高く、深く練りこまれています。
特にファンタジーにはつき物の魔法に関しては、結構な種類があり
それらの呪文となる難し気な言葉も、よく考えついたなと感心せざるを得ません。
ファンの方は、この呪文を覚えようとした経験があるのではないでしょうかw
特に代表格であるドラグ・スレイブの呪文はね♪
て、ことで!下記にちょっとだけ呪文を書いてみますかw
ちなみに「存在」は「もの」と読んで下さい。
 
【ドラグ・スレイブ】
黄昏よりも暗き存在、血の流れよりも紅き存在
時の流れに埋もれし、偉大なる汝の名において
我、今ここに闇に誓わん、我が前に立ち塞がりし
全ての愚かなる者に、我と汝が地から持て
等しく滅びを与えんことを。
ドラグ・スレィィィィィブ!!
 
【ギガ・スレイブ】
闇よりもなお暗き存在、夜よりもなお深き存在、
混沌の海にたゆたいし、金色なりし闇の王。
我ここに汝に願う、我ここに汝に誓う、
我が前に立ち塞がりし全ての愚かなる者に、
我と汝の力もて等しく滅びを与えんことを。
ギガ・スレィィィィィブ!!
 
【ギガ・スレイブ】(完全版)
闇よりもなお暗き存在、夜よりもなお深き存在、
混沌の海よ、たゆたいし存在、金色なりし闇の王。
我ここに汝に願う、我ここに汝に誓う、
我が前に立ち塞がりし全ての愚かなる者に、
我と汝の力もて等しく滅びを与えんことを。
ギガ・スレィィィィィブ!!
 
【ラ・ティルト】
永久と無限をたゆとうし、全ての心の源よ、
尽きること無き蒼き炎よ、我が魂の内に眠りしその力、
無限より来たりて裁きを今ここに。
ラ・ティルト!!
 
【リカバリィ】
聖なる癒しの御手よ、母なる大地の息吹よ、
願わくば我が前に横たわりしこの者を、
その大いなる慈悲にて救いたまえ。
リカバリィィィ!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 11

67.9 21 ラノベ原作で冒険なアニメランキング21位
ダンタリアンの書架(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
3922人が棚に入れました
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだヒューイは屋敷の地下で静かに本を読む少女、ダリアンと出会う。彼女は禁断の『幻書』を納める『ダンタリアンの書架』への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

声優・キャラクター
沢城みゆき、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

雰囲気が良いですねo(*^▽^*)o~♪

■「ダンタリアンの書架」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
ラノベが原作のダーク・ファンタジーなのですけど、ミステリーっぽい内容にもなってますね♪
ミステリーと言い切れない点は、基本1話完結だと思うので、綿密な伏線も張れないでしょうし、絶対に謎解き不可能なシナリオ構成もありますので、本格的なミステリー小説と比較してしまうと、物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?
そう考えると、やっぱりファンタジー作品なのでしょうね♪
 
日本では、マジックリアリズム的な表現を用いている作品が多くなってきているようですけど、「ダンタリアンの書架」の独特な雰囲気もその部類に入るのでしょうね♪
そう考えると「GOSICK」に似た感じを受けるのも頷けるような気がするのです。
ミステリーとファンタジーの狭間でグレーな部分の位置付けの作品って評価の目線をどこに持ってくるかでだいぶ評価が分かれそうですけど、アタシσ(゚-^*)はこういう作品は大好きです♪
どうせ推理しても解らないので・・・
(´ρ`)ヘー・・・とか( ̄。 ̄)ホーーォとか・・・(^ー'*)bナルホドとか言いながら雰囲気を楽しめれば良いなって思ってます♪
 
 
■注目はやっぱり「ダリアン」と「ヒューイ」ですよね(-ω☆)キラリ
ヒロインのダリアンは小さくって、とっても可愛い女の子なのです♪
そんな小さな体に、90万666冊の幻書を封印している迷宮図書館の入り口と、その錠前を胸元に持っているのです。ちょっとインデックスっぽいですねw
お人形さんのような美貌と、赤ワインのような瞳が魅力的なのですけど、その美貌とは裏腹に、強烈な毒舌の持ち主でもあるので・・・
ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) ォィォィって思わずしたくなっちゃいますねw
でも可愛いからなんか許されちゃうのかなw
 
「ダンタリアンの書架」の鍵を持つ主人公のヒューイがどのように立ち回っていくかがこの作品の方向性を決めていくような気がします。
迷宮図書館内の子供の頃の回想シーンをどう結び付けていくかも注目ですよね♪
 
 
■前半まで視聴した感想(*^o^*)
まず、沢城みゆきさんの演技がとっても良いです。
ダリアンの魅力を余すことなく出し切っている所はさすがですね♪
まり†ほりの寮長先生とはまた違った毒舌っぷりでした!!(*`◇)<毒毒毒毒ブオォォオ*_*;)
 
舞台は20世紀初頭のイギリスで、その街並みや情景とシリアスな展開が非常にマッチしていて、コントラストの使い方がしつこくなく、重い空気感を演出していてダークな雰囲気をさりげなく演出しているような印象を受けました。
 
残念なのは幻術をつかったバトルシーンには物足りなさを感じちゃいます。
せっかく良い雰囲気を作っているのに、幻書の危険な香りや重みが感じられずに、魔法少女的なきらびやかな演出で綺麗に終わってしまっているのです・・・。
幻術を使わない格闘シーンは悪くはないので、もったいないなーって印象です。
  
 
■総評
各話単体での出来自体はショートストーリーとしてそこそこ面白いのです♪
でも・・・最終話まで通しての印象としては、各話の出来栄えにバラつきがあるので全体を通してのストーリーがぼやけてしまっていましたね。
なんだかドラえもんのポケットを迷宮図書館に例えるなら、ポケットの中のアイテムが幻書ってところでしょうか!
色んな幻書をクローズアップしてショートストーリーを構成するのはもちろん魅力的なのですけど、この物語の根底でもある迷宮図書館や鍵守や読み姫の関係などの説明や描写が不足しているのです♪
「ダンタリアンの書架」の世界観を作るだけ作って放置という状態になっちゃってますね!
雰囲気の作り方が良いだけに、肝心の物語に深みが感じられない要因となってるのが残念だなぁって思っちゃいました><
 
ともあれ、ダリアンちゃんの毒っぷりと可愛らしさは一見の価値はありますね♪
続編みたいですか?と言われたら。。。o(゚^ ゚)ウーンとなりますけど、他の読み姫との絡みも気になりますし2期やるならきっと観ちゃうと思いますけどね(*v.v)
 
 
■MUSIC
OP曲『Cras numquam scire』
 歌:Yucca
 寂しさを感じさせる、しっとりとした歌声で作品の雰囲気作りに一役買っているナンバーですね♪
 
ED曲『yes,prisoner』
 歌:maRIONnetTe
 意味腐なED映像はさておき・・・この曲のタイトルもかなり鬱ですねw(@`▽´@)/ ハイッ囚人!!
 聴くと心が病んでいくようなプログレッシヴ・ロック的?なナンバーですw
 
 
2011.08.28・第一の手記
2011.10.02・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 49
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局よく分からなかった(55点)

全12話。
ライトノベル原作。原作未読。

個人的満足点:55点
アニメ系統:ダークファンタジー

舞台は1900年ごろ?のヨーロッパ。
「幻書」によって引き起こされる出来事を
主人公ヒューイとダリアンが解決する物語。

作品の雰囲気はかなり好みだったが
どうも、毎回、パターンが同じで退屈。
さらに、急に話がすっとんでいくので大筋が見えない。

7話では急に新たな登場人物と読姫が出てきて
またもや、話がつながらない。
11話も何の前触れも無く過去の話が出てきて
新たな読姫?出現。
12話で3人とも出てくるが何のことだか意味が分からない。
雰囲気はお気に入りだっただけに少々残念な出来だった。

しかし、ダリアンはいい。
この毒舌に沢城さんの声。
毎話、ダリアン見たさにアニメを観ていたのは間違いない。
過去の自分の感想みても、ほぼダリアンで吹いたw

音楽の雰囲気は非常に良かったが
EDの実写が少々違和感を感じた。

全体的に残念な作りだった。
お勧めではないが沢城さん好きなら
それだけでいけるかもしれない。


と、まあ、残念な内容になってしまったが
つまり、何が言いたいかというと

ダリアン=真紅+翠星石 つまり俺得w


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以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。

作品の雰囲気は結構好み。
今後、どのように物語が展開するのか楽しみである。

ダリアンの声優さんが沢城さんなのも見逃せない。
個人的にはダリアン役の沢城さんはかなりツボだ。
ダリアン可愛いよダリアン。
(真紅+翠星石と感じ「ゴチです」と思ったのは内緒w)


2話視聴。
作品の雰囲気はかなり好みぽい。
だが、面白いかと言われれば今のところ、そこまで面白みを感じない。
それでもダリアンが好きだわ。
アニメの雰囲気とダリアンだけでしばらくはいけそうw
来週も継続。


3話視聴。(3話、4話)
ダリアンが可愛い♪
スコーンを出すのですっ!
スコーンは?
可愛すぎるw

展開は相変わらず幻書のからんだ事件。
少々展開に飽きてきてしまった。
が、ダリアンが可愛いので継続w

4話視聴。(5話)
物語は可もなく不可もなくかな。
ちょいとグロイ所もあるので
グロ耐性が全く無い人は気をつけたほうがいいだろう。

そんなことより、ダリアンの1つ1つのセリフがいいね。
あのしゃべり方で毒吐くのがたまらないw
ダリアン可愛いよダリアン。

5話視聴。(6話)
なんだか飽きてきたw
毎話幻書がらみで事件が起きて解決の繰り返し。
何かこうもっと盛り上がる展開にならないものかな。
でもダリアン可愛いのでがんばります。

7話視聴。(8話)
あれ、俺のダリアンは?
ダリアンが出てこないんだが・・・
ダリアーーーーーン。
変わりに幼女思考の変態とガラクタなるものが出てきた。
一瞬違うアニメ見てるのかと思ったw
どうやら、主役はダリアンだけじゃないようだ。
話によって違うみたい。
ダリアンは「黒の読姫」でガラクタは「銀の読姫」らしい。
まあ、ガラクタもいい味出てたのでこれはこれでよしとしておこう。

8話視聴。(9話、10話)
ダリアン復活\(^O^)/
久しぶりにダリアンの毒舌が惜しみなく炸裂。
毒舌を堪能できて満足。
しかし、毎話同じことの繰り返しかな。
盛り上がりに欠けるね。

9話視聴。(11話)
作画が変わったのかと思ったw
どうやら本の世界に入っていたようだ。
うむう、しかし、毎回代わり映えしない。

10話視聴。(12話)
今回は楽譜が幻書みたいな感じ。
そして、いつもとあまり変わらない。
10話だな内容は12話。
次で終わりなのかな?

11話視聴。(13話)
ヒューイの過去の話かな?
何か意味がよく分からなかった。
来週まであるみたい。
ふむう、なんだか微妙だなあ。

12話視聴。
結局最後も意味が分からず終了。
まあ、ダリアンが可愛いので、許すとしようw
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 31

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ゴシック―ロマネスク

ミステリー? いや、凝ったトリックも謎解きもないし、
魔法もの? といっても壮大な世界観もバトルもないし、
何やら不思議なアニメではある。
個人的な、ざっくりの印象で強いていうなら、
奇譚風に仕立てられた、正統派ヒューマンドラマといったところか。


幻書、というものをめぐって物語は展開する。
幻書とは、この世界にあってはならない禁断の書物で、
世界の秩序を変えてしまうほどの、恐るべき魔性の力を秘めている。

このアニメが最終的に人間ドラマとなる理由、それは、
各話それぞれの事件がつねに、おのれの歪んだ願望を遂げるために、
幻書のもつ強大な力を利用しようとする、世の人間たちが引きおこすものだからだ。

その結果、幻書を管理する立場にある主人公の二人が、
事件に巻き込まれるたびに、いやでもそこに見ざるを得ないのは、
人間のかなしい業であり、愚かさであり、狂気である。
二人とも、そうした人間模様を、どこか達観して眺めている風があって、
この作品を一貫する静かな、はかなげな雰囲気はどうもそこから来ているようだ。


ゴスロリ幼女に全部持っていかれた感はあるが、
主人公のヒューイはそれなりに魅力的なキャラクターだと思う。
一抹の影を帯びた、若くして老成してしまったような彼の人格の奥には、
確実に戦争の傷跡がある。この事実は11話で明らかにされる。
大空への無垢な憧れが壊されてゆく、この11話が、最も詩的で、美しい。
ラストは、来るべき次の動乱への予感をはらんで、張りつめた終末感を漂わせているようだ。

人間の最大の狂気としての戦争、どうやらこれが本作の隠しテーマであるらしい。
うっかり見過ごしていたが、全編見終えてから1話を見返すと、
過去のプレイバックの中に、しっかりと予示されているではないか!


舞台となる英国の風土を象徴する霧が、冒頭から立ちこめているように、
繊細な情景描写がストーリー以上に雄弁なのも、このアニメの特色だろう。
明暗のコントラストの効果は全編を一貫しているが、
とりわけ印象深いのは、しばしば描かれる月明かりの場面だ。
月は古来、狂気を象徴するものとされている。ここに、
隠しテーマの暗示を推測するのは、うがちすぎる深読みだろうか。


オープニングのソプラノ独唱に代表される、
静謐な作品世界のトーンを際立たせる音楽の素晴らしさも付け加えておきたい。
一方で、そうした雰囲気からは突出した異物のような、
エンディングの不気味な実写映像は何を意図しているのだろうか?

「この世界には知るべきでない事があるのです。」
・・・作中、ダリアンが時折つぶやく言葉だ。

決して見てはならない、知ってはいけない禁忌の領域の一端を垣間見せるために、
あえて実写を用いて、現実そのものに潜む禍々しさを象徴風に表現した、そう解したい。
おどろおどろしくも不思議に懐かしい、寺山修司の世界などに通じるものが感じられる。


最後に総評です。

いぶし銀のような渋さと、深い余韻が味わえる、玄人好みの秀作。
O・ヘンリーの短編などを好まれる文学愛好家には、特にツボかもしれません。
勿論、ダリアンの可愛さを愛でるためだけでも、断然、視聴する価値はありです。
(え? こっちが王道ですか? 失礼しました。)


(初投稿 : 2019/07/07)

投稿 : 2024/07/06
♥ : 10

83.7 22 ラノベ原作で冒険なアニメランキング22位
慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (862)
3499人が棚に入れました
超ハードモードな世界の救済を担当することになった女神リスタ。チート級ステータスを持つ勇者・聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で......?「鎧を三つ貰おう。着る用。スぺア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」異常なまでのストック確保だけに留まらず、レベルMAX になるまで自室に篭もり筋トレをし、スライム相手にも全力で挑むほど用心深かった!そんな勇者と彼に振り回されまくる女神の異世界救済劇、はじまる!

声優・キャラクター
梅原裕一郎、豊崎愛生
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

異界の診断基準

*極微修正*


まるでホストクラブの源氏名のような名前の主人公だが、名は体を表す(?)ようにルックスも態度も俺様ホストのようで、女神たちをたぶらかして最強ぶりを見せつける。
主演声優のせいか、主人公がコメディ化した「ゴブリンスレイヤー」に見えるのは気のせいだろう。


「俺TUEE」と称されるアニメは数多いが、TVアニメには、その歴史の最初期に、どんなピンチでも一切の説明抜きで表情も変えずに高笑いして粉砕する『黄金バット』という「強い!絶対に強い!!」先達が存在する。(いや、表情の変えようはないけれども)

後出しジャンケンのような追加設定の小出しや、作者が設定しておいたセキュリティホールを突かせて「主人公最強」を演出する、スケールの小さい「TUEE」たちに今更どんな感心のしようも無い。

無表情ぶりは先達を見習ったかのような主人公の「最強」は、「後出しジャンケン」の説明それ自体ではなく、「後出し」ではなく最初から準備していた「先読み」なのだという曲がりくねった理屈付けが主眼であり、要するに、どう「屁理屈」を捻り出すのかという無理やり感が笑いを生む面白さの源泉だ。

おそらく自分は「慎重」なのではなく「普通」なのだと思っているに違いない主人公が、案外と視聴者に違和感を持たせないのは、現代人の視聴者には、保険やリスク管理の仕組みが日常的なものであるからだろう。

保険料は基本的に、事故の起きる確率と発生する損害額を掛け合わせて算出されるが、確率が低くとも損害額が膨大であれば、保険料は高額になる。

あるいはリスク管理で「低リスク高頻度」と呼ばれる範疇。
ある作業で致命的な事態が発生する確率が1%であっても、毎日その作業を行うのであれば、1年に3回は致命的な事態が発生する。

「世界」と「生命」を賭けて「頻繁に」戦闘を繰り返すのであれば、手間暇を掛けてありそうもない事態に備えるのは、保険料を払うのと同じことだ。
主人公の度を越した「慎重」が、ほんの「ちょっとだけ」度を越しているに過ぎない程度に見える距離感は、現代人の普通の感覚に支えられている。


「異世界」では「病気」と言われてしまう主人公だが、精神科医が「異常」であるとの診断を下すためには、意外に社会通念や常識が大きく考慮されるものだそうだ。

もしも「世界中の人間が俺を見張っていて、悪口を電波で広めている」と訴えれば、30年前なら間違いなく妄想と診断されただろうが、誰でもスマホでツイッターする現代では、必ずしも病理学的な妄想とは診断できないかもしれない、らしい。

現代日本人の素人目には強迫神経症を発症しているほど「異常」とは見えない主人公の「慎重」ぶりが、「異世界」では「被害妄想」の「病気」と云われてしまうのは、つまるところ現実と「異世界」の社会通念=常識の違いを現しているという事になるだろう。

「異世界転生もの」では、「現実」と「異世界」の常識の違いは、現代人には「常識」であることが「転生先」の異世界では「特別」に凄い=有利に働くように描かれることが殆どだが、凄い「病気」と表現するところに批評性が感じられる。

必ずしも意図して込められた批評性ではないかもしれないが、「(現代)日本人なら説明抜きで異世界と転生の設定を納得する」という、ネタを割るような第1話の冒頭の女神のセリフからして「異世界転生もの」への批評的視線が織り込まれている。

「転生先で女神から聖なる天命を授けられ、剣と魔法の異世界で魔王を斃すべく戦いに挑む」

ゲームファンなら感涙にむせびそうな展開は、現代の日常語に翻訳すれば、

「未知の超常力で不可解な場所へ拉致され、物理法則さえ不確かな異次元で命がけの戦闘を強制される」
になるわけで、未知の不審人物=自称女神の言葉を鵜呑みにして、戦いに赴けるものかどうか。
ステータスに魔法が表示されているなら「異世界」の物理法則は「現実」とは異なることを意味する。まず石を落として万有引力が存在することを確かめてからでなくては、うっかり歩き始めることすらできないだろう。
賭けられているのは「世界」の命運以前に、自分の生命なのだから。

あまたの「異世界もの」の「勇者」が、女神の言葉のままにいきなり「冒険」に飛び込んでいけるのは、主人公を「病気」と診断する異世界の「診断基準」=常識をまるで疑わないからだが、「信憑」できるのは、女神のセリフのごとく「異世界」「クエスト」「魔法」「ステータス」「ギルド」などなどの「お約束」に無批判であるからだ。

「俺TUEE」系の異世界アニメの視聴では、とかく「感情移入」が特権化され、ヒーローに一体化して視聴できるかが問題視される。
一体化すれば全世界を手中にする全能感はあるものの、逆に言えば一体化に失敗すれば何も得るものが無いという事だから、それも当然かもしれない。
ヒーローに一体化するとは、視聴者が「お約束」と一体化する事でもある。

だが、本作の、現代日本人の普通の感覚を維持した主人公に「感情移入」して「世界」を眺めるとき、主人公=普通人の視線の前では、この「世界」は「創りもの」の「お約束」に乗っかった不確かなものであり、あまたの「俺TUEE」ヒーローの「TUEE」は、恣意的な「お約束」の上で「後出し」や「意図的なセキュリティホール」に演出されているだけに過ぎないことが、嫌でも意識化されてしまう。

主人公に一体化する「俺TUEE」アニメの視聴マナーで視聴することで、嫌でも「俺TUEE」の空想性が暴露されてしまうという本作の批評性が、「屁理屈」のこね合いに不思議な説得力と笑いを生み出すのだろう。



「診断基準」の差を強調する、(現代人には)当たり前の用心を「ありえない」と連呼する「異世界」人の描写は、後半へ進むに従い、連呼するシーンが増え、その分、わざとらしさも増えて屁理屈のひねりが無くなり、笑いのボルテージが下がるのが残念。

終盤では、{netabare}主人公や女神の前世などの設定が明らかにされ、なにやら、「あり得ない」の連呼は「現代」と「異世界」の差異を表現する仕掛けではなく、単純に「異世界」では「あり得ない」異常な能力だと示しているに過ぎないかのような印象に変わってしまう。


作画も展開も粗雑さを感じさせる物語を視聴し続けられたのは、「空気を読まない」主人公に、ある種の爽快感があったからだ。

往々にしてラノベの主人公は、異世界であろうが、学校であろうが、周囲の人間の顔色をうかがう「空気を読む」描写が過剰で、辟易させられることが少なくない。
俺TUEEの活劇の最中でさえ、見得を切りながら横目で顔色を窺って、「称賛」や「承認」を得られているかどうか、こっそり確認している姑息さが透けて見えて、うんざりすることも珍しくない。

「空気を読まない」爽快は、しかし終幕での数々の「設定」の暴露で、結局は主人公に「承認」をかき集めたい欲望には逆らえなかったのだな、と落胆を感じさせた。

前世「設定」の暴露は、主人公の「慎重」は異世界の「あり得ない」能力か、それとも「現代」の「ありふれた」常識か、という「診断基準」を巡る緊張感を無化して、「あり得ない」能力に一元化する。
現代目線では「ありふれた」用心ではないかという批評的な視線を放棄し、「あり得ない特殊能力だ」と特別視されて絶賛されるとは、まさしく恣意的な「俺TUEE」そのものだ。

「現代人」と「異世界の勇者」の差異の交点としての主人公に感じられていた「厚み」は、「暴露」によって、主人公が「異世界の勇者」へと一元化されて平面化することで、タイトル通り俺TUEEに回収され、消失した。

結局、類のない勇者という「承認」と「称賛」と引き換えに、「差異」が生み出していた主人公の「厚み」は消失して、「異世界もの」の物語群にありふれた「俺TUEE」勇者が一人追加されたが、凡庸な勇者の列の末尾に主人公を付け加えることは、差異の批評性の消失と引き換えにできるほどの価値はあったのだろうか。

それでも、最終話の後半では主人公は一切画面には登場せず、ドヤ顔で「称賛」を受け取る様を描写せずに主人公不在のまま幕を閉じたところは、かろうじて多少の批評性は残っていたという事かもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 8
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「きっと、今日この時のために、私は女神になったんだと思います」

あらすじ:
超ハードモードな世界の救済を担当することになった新米女神のリスタ。チート級ステータスを持つ勇者・竜宮院聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で?
(http://shincho-yusha.jp/より引用)


これは良いタイトル詐欺!
近頃飽和する駄作なろう作品の要素を前面に押し出した良くも悪くもインパクトのあるタイトル。そんな俺TUEEE要素も展開次第ではどうにでもなることを思い知りました。内容はこのすば的なギャグかつバトル物。{netabare}だけかと思いきや、散々と見せられる聖哉の慎重さは失敗からの後悔と深き愛ゆえの行動、この物語は実は聖哉の因果を結ぶ愛妻物語だったのでした。このレビュータイトルは最終話のリスタルテの台詞です。思わず泣いてしまいました。{/netabare}ですが、個人的には惜しいところも少し。一つ目はバトルが毎回後出しジャンケンみたいになってることです。タイトル通りなのは良いですが、バトル物としてはなんでもありにも思えるので好きとは言えない展開でした。二つ目は作画が良くないこと。作品自体の評価にも現れてはいますが、動きは良く作画の崩れもギャグ的演出として活きてはいましたが、真面目なシーンでも崩れていたりシンプルに絵のクオリティがしょぼいので敵キャラにあまり迫力が無かったり、後半はかなり作画の悪さが気になります。
全体的な評価としてはギャグも面白く終盤の展開や伏線回収も見事。締め方も綺麗で予感の残るラストも良かったです。素晴らしい作品でした。



1話
{netabare}女神リスタルテは難度Sの世界を救うことになった。勇者としてチート級ステータスの龍宮院聖哉を召喚することに。しかし、聖哉はありえないくらい慎重なやつだった。

豊崎さんこんな演技も出来るんですねw演技の幅広くて凄いです。明るくて情緒豊かなリタルテと慎重すぎて冷たい聖哉のキャラが自然とツッコミとボケの関係になっていてバランスが良く、演技力の高さも相まって面白いです。この回の作画は良いですが、作品自体の作画評価があんまり高くないのが唯一の不安要素...{/netabare}

2話
{netabare}四天王の1人に急襲され、一時撤退する2人。その間、街に危機が迫る。

なろう感が出てきました。でも一応タイトル通りで安易に恋愛展開にならない設定があるのは良いところ。ハーレム展開にはなりそうですが聖哉の性格なら大丈夫そうですね。リスタルテのカットがよく挟まるのでギャグ感があるのは特徴、ギャグ顔も豊富です。最終的に2人が悪役扱いになるのは笑いました。作画はまあまあいい感じです。粘れ...{/netabare}

3話
{netabare}聖哉が筋トレではレベルが上がりづらくなり、神たちに稽古をしてもらうことに。次の街で竜族の末裔の2人(マッシュ、エルル)が仲間に。

立場逆転してて笑いました。演技もいい味出してる。1、2話単色背景だったのは単にED映像完成してなかっただけなんですねw{/netabare}

4話
{netabare}マッシュが人質に。

女神が飛んでからの流れが面白かったです。乳首映ってましたけどモザありだし酷いギャグ顔なので全くエロになってなかったですw女神様の髪の毛も優秀すぎるwギャグ回かなと思ったらシリアス。空間転位形の攻撃は女神もよくわかってないし聖哉の強さにもちょっと限度がなさすぎるかな。「成長しましたね...」ってことは聖哉は偉いおばあさんと関係があった?剣神が人間→神になったとかの話もあったしそれと関連があるかな。{/netabare}

5話
{netabare}マッシュとエルルが弟子(仲間)に。修行するもエルルのレベルが殆ど上がらない。

剣神が調子の良いやつで好感度下がりましたwマッシュも聖夜に染まりかけてるのがまた面白い。紫髪の女神もはや誰だよ。
{/netabare}

6話
{netabare}聖剣を求め竜族の里へ。竜族に歓迎されるも、聖剣はエルルの命を犠牲にしなければ手に入らないことを知る。

クッキーのくだりで女神と聖夜の信頼度が上がっているのが伺えていいですね。女神は可愛いのにギャグ顔が酷いwマッシュとエルルの純愛いいゾ〜^これ{/netabare}

7話
{netabare}騎士団に力を貸すことに。聖夜と考え方が真逆な女騎士と出会う。マッシュとエルルが封印の女神に稽古をつけてもらう(秘められた力を引き出してもらう)

なんとなくギスギスしたけどキャラの濃さでギャグに移るのが良い。あの女を見ているとイライラする、は伏線っぽい描かれ方。エルルが可愛い。アデネラのくだり面白かったです。ヒップホップは特にツボに入りました。{/netabare}

8話
{netabare}2人は無事秘められた力を引き出す。伝説の鎧の情報を教えてもらう

初っ端から面白かったです。おまけに封印の女神と聖夜の繋がりも匂わせる描写も。弓の女神も下品で面白いwしかし作画に陰りが...ギャグ演出で崩してるところもあると思いますが、時々ギャグじゃない所でも崩れています。絵のレベルも少し落ちたようにも感じます。ですが、今のところ作品自体はかなり面白いです。バトルは後出しみたいになってるのは気になりますが...他にもわざわざED削ったりして話を進めてるところがこだわられていて好きです。{/netabare}

9話
{netabare}道具屋の商人が四天王の1人で、謎の敵を召喚してしまう。

ヴァルハラさんがなんとかしてくれましたね。やっぱり聖夜は神達と関係があったのか。それと女神は臭いのかあ...まだ仄めかす程度ですけど。やっぱりギャグ演出と動きは全然悪くないですが絵のバランスやクオリティははあんまり。四天王の中でも最強のキャラに迫力が無いw{/netabare}

10話
{netabare}仮の魂と共に本来の魂をも破壊することもできる魔道具が先帝の手に。先帝は魔王に畏怖し、懐柔され武器を手に。

本来の魂は深海に保管されており、普段は仮の魂で生活している。それゆえに深海に本来の魂がある限り永久に生き続けることができる。


今回作画微妙だなあ、自分は作画の評価はちょっと甘いけど、今回絵のバランスが悪いところが多いし絵もあまり動かない。作画のことばかり気になっていたらまさかの展開。「まるで、幾度の死線を潜り抜けた戦士...」は伏線かな。看取るシーンキツい...{/netabare}

11話
{netabare}過去回

これは凄いなあ...過去のドラマ性、伏線回収が見事すぎる。でも作画はちょっと勿体無いw{/netabare}

12話
{netabare}ギャグ作品だと思ったら深い愛情の物語だった。ギャグではあるけど{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 2
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いつもの異世界転生ね。と思っていたが

リスタは女神なのに扱いが雑で乳もろだしになるとか置いてけぼりにされかけるとか。イケメンじゃん、やったーだっただけに余計に可哀想。
結局、ところどころで興奮してるけども。

主人公は俺強ええなのに、石橋を叩きすぎる性格。
まず、自分の信念を貫く。リスタの言うことは聞かない。
ひたすら筋トレするだけで強くなるし、セルセウスが精神を病むくらいトレーニングに付き合わせる。そして、能力隠匿を徹底する。
ザコ敵でも塵になっても攻撃の手を緩めない。周囲を信用しない。それが功を奏したことも。
{netabare}司教に聖水をぶっかけてゾンビを見抜くとか。{/netabare}
それに、女子供に優しくするということがない。慎重さに関しては兎に角徹底する。
リスタの握ったおにぎりしか食事は信用しないというのも。リスタは嬉しかったみたいだが。

三石琴乃さん演じる淫乱ミティスとか尋常じゃないメンヘラのアデネラと強烈なキャラクターもいる。アデネラとかあれだけメンがヘラってたのに、簡単におちて許すのはなんでやねん。
アデネラはとても可愛かった。恋して可愛くなってくのも良い。扱いが酷かったのは残念だが。

こんな調子でいつもの異世界転生と思いきや、終盤の急展開よ。
{netabare}リスタは過去に聖哉を呼び出していて、世界を救うために戦っていた。その時の聖哉は敵との実力差は気合いでどうにかなるし、レベルを上げるよりも、先に進みたい気持ちが強かった。故に、ラスボスとの戦闘で倒したと思ったのに、復活して襲われ、妊娠していた恋仲のヒロインを失い、自らも戦闘に負けてしまった。この経験から慎重さを忘れるなというメッセージを残し、2度目の転生では過去の出来事を覚えていなかったにもかかわらず、徹底するに至った。辛い過去を記憶から消されたリスタが選ぶのも実は運命で繋がっており、必然だったというわけ。聖哉も無自覚にリスタを愛していたのだろうな。多分。{/netabare}

{netabare}必死の戦闘でラスボスを倒すも聖哉は必殺技の代償で死んでしまう。その後、喪失感に苛まれるリスタには泣けた。{/netabare}

綺麗に話を完結させていて、終盤は思わず感動してしまった。
最初、微妙だと思っても見続けると感動することもあるという教訓。


OP
TIT FOR TAT MYTH & ROID
ED
be perfect, plz! 安月名莉子
TIT FOR TATはdescribes actions taken as revengeでしっぺ返しという意味。
正直、この作品の楽曲はあまり響かなかったかも。
EDのダンスも割と謎。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
超ハードモードな世界の救済を担当することになった女神リスタ。チート級ステータスを持つ勇者・聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で......?「鎧を三つ貰おう。着る用。スぺア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」異常なまでのストック確保だけに留まらず、レベルMAXになるまで自室に篭もり筋トレをし、スライム相手にも全力で挑むほど用心深かった!そんな勇者と彼に振り回されまくる女神の異世界救済劇、はじまる!

#1 この勇者が傲慢すぎる
駄女神リスタは超難度の異世界救済を任され、高スペックな勇者・竜宮院聖哉を召喚。だが聖哉は異常なほど慎重だった!リスタは用心深すぎる勇者に振り回されっぱなしで……

#2 新米女神には荷が重すぎる
魔王軍四天王に急襲される聖哉とリスタ。聖哉は持ち前の慎重さで一時撤退。神界に戻り、相変わらずのレベル上げに励む。だが異世界では四天王による、村人の虐殺がはじまっていた……

#3 この勇者は身勝手すぎる
村を後にした聖哉は、さらなる強敵に備え、またしても神界でのレベル上げ。剣神セルセウスを修行に無理矢理付き合わせ、新たな町で待望の仲間と出会うのだが……

#4 仲間なんて超いらなすぎる
聖哉は新たな仲間、マッシとエルルと合流。そんな折、アンデッドの大軍が村に迫っているとの情報が入る。聖哉は一人で戦いに向かうも、マッシュが敵に捕らわれてしまう……

#5 この女神が不気味すぎる
聖哉はマッシュとエルルを仲間にするも、いつものように神界へ。今度は不気味すぎる軍神アデネラに稽古をつけてもらった後に、伝説の武器を求め、竜族の村へ向かうのだが……

#6 竜王なのにズルすぎる
聖哉たちは最強の剣を求め、竜族の里へ。勇者として竜族の歓迎を受けるも、なんと最強の剣を手に入れるためには、エルルの命を犠牲にしなければならないという……

#7 この女騎士が犬っぽすぎる
竜族の里を後にした聖哉たちの前に、ロズガルド騎士団が現れ、力を貸してくれという。だが、そこで出会ったのは聖哉と正反対の無謀な性格を持つ女騎士のロザリーだった……

#8 清楚なくせに淫乱すぎる
難敵ベル=ブブを倒すため、神界にて修行する聖哉。弓の女神ミティスのもとで特訓するも、一見は清楚に見えるミティスには、とんでもない秘密があった……

#9 死神がとにかく無敵すぎる
聖哉は信じられない強さの死神と対峙。いつものように神界へ戻るも、死神は神界まで追ってくる。死神の圧倒的な強さに数多くの神々が倒され、絶体絶命の危機に……

#10 老人なのに強すぎる
聖哉とリスタは、再びゲアブランデへ。そこで戦帝ことウォルクス=ロズガルドなる、人類最強騎士の強さを目の当たりにする。だがウォルクスには、とある秘密があった……

#11 その真実は重すぎる
魔王に心酔する最強の敵、戦帝を退けた聖哉たち。その後、リスタは魔王との戦闘を前に、しばしの休息を提案。聖哉も珍しく休暇を受け入れるのだが……

#12 この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる
たった1人で魔王討伐に向かった聖哉。リスタは人間だったころの聖哉と自分の過去を知り、愛する聖哉のため、魔王のもとへ向かう。女神としての資格を剥奪される覚悟で……

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16

61.4 23 ラノベ原作で冒険なアニメランキング23位
異世界チート魔術師(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (387)
1416人が棚に入れました
どこにでもいる普通の高校生・西村太一と、運動神経抜群でモデル体型の美少女・吾妻凛。平和な高校生活を送っていた二人はある日突然、不思議な魔法陣の光に包まれ、見知らぬ土地へ迷い込んでしまう。そこは恐ろしい魔物が生息し、獣人やドワーフ、エルフといった多様な種族が存在する、まるでファンタジーのような世界。異世界へと導かれた太一と凛は、ここで生き抜くために「冒険者」になることを決意するが、その適性検査で、二人が“チート"な魔力を持っていることが判明して……。

声優・キャラクター
天﨑滉平、高橋李依、田中美海、大原さやか、久保ユリカ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

目覚めたそこは、戦乱の異世界だった(チェーイサー♪)

タイトルはトライネッター(クソアニメマニア)御用達の“IZUMO”のCMで有名な台詞。
あの頃ですらこういうのは「今更かよw」と小馬鹿にされる対象だったのに、令和に入ってもこれかぁw
転移までの経緯なら最近も“コンセプション”が同じ様なものだったのに、こっちのがIZUMOみを強く感じさせる、正当後継者?

前も何かの感想で書いた気がするけど、最近そうでもなくなっちゃったが自分は所謂きれぼし脳(ゲームを意図的にバグらせた動画を好んで見る人種)で、チートと言われましても自分に都合のいい効果しか起きない状態ってのはピンと来ない。
やっぱ何か自分に不都合な不具合が起きてくれないとちょっとなぁ…そこら辺は最近“ユリシーズ”がやってくれたけど、あっちはあっちで別の部分でコケたというか。
チートコードを自分で作ったのならまだしも、所詮他人に与えられたものに乗っかってるだけなので何も自慢にならないしそれでイキがられると見てて辛い。
あくまで「与えられた強大な力」をどう扱うのか・振り回されるのかがエンタメとして見所だと思うので、そこんとこ触れてくれるかどうかでこの作品の評価が分かれそうな気がする。

2話までの感想{netabare}
1話冒頭「これってチートだよな」じゃなくて「なろうだよな」と言った方がウケたと思う。
あーはいはい、召還したエメロード姫がラスボスねー…って冗談は置いといて、召還(転生)に事情がありそうなのは好印象。
最近大した意味も無く転生するのが多かった気がするので…主人公が「なんでオレが」と自問する展開は欲しいなぁ、と。
とはいえこのタネ明かしはアニメ中にやってくれるのか?
2話は世界説明、何年前のアニメなんだか眩暈を起こす。
主人公組以外に転移者居ないのかいな、“エルハザード”の陣内兄みたいの出ても困るけど。

しっかしCMの「チートな特典」ってスゲー引っかかるなぁ、それウラがあるってことやん。
一昔前の「超」と同じノリなんだろうけど、それ以上に誤用が酷い。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
お、おう…なんだこれ?
エラく地味。
3話はギルマス?がヒゲ面とはいえ喋ってる時に完全な止め絵でギョっとした。
と思ったら「相手の出方を見る」「それってこっちから仕掛けるってことですよね」と、日本語としての会話も変でクラクラした。
中華アニメだったら分かるんだけど…差別的な意味じゃなくて感性が日本のソレとは違うんだろうなと細かいことは気にならないのだけど、これって日本アニメだよね?
…。
本当にそうか?と思ってスタッフ調べたら(実は今まで調べてなかった)、監督は“アキ電”劇場版の制作進行やってたことがあるみたい。
わぁすげー、制作進行って一番過酷な印象あるけど…しかもアキ電って…TV版はかなり作画ヤバくててんてこまいだった気がするんだがチュチューン。
劇場版はそうでもなかったのかな?
でもってアクション監修としてクレジットされてる追崎史敏は制作のエンカレッジフィルムズの代表取締役。
直近では“メルクストーリア”の監督やってたけど、実際この作品でアクション監修やってるかどうかは謎だねぇ、社長としてどこかに名義載せないとアカンので仕方なく…だったりして?
だって、アクションが、ちょっとねぇ…4話戦闘シーン緊張感ゼロ。
(そういや“七星のスバル”のアクション監修もりやまゆうじも「え、本当に?」という出来で、アクション監修って肩書きはどこまで関わってるかピンと来ませんね)
多分これ俯瞰視点で5人の位置をずっと追ったらひょうきんなことになると思う、イメージしてみよう。
ってか風ってアンタ、“ブラッククローバー”のユノかよと、あっちが最近派手な戦闘見せてくれたせいで余計にショボく感じる…これはタイミングが悪い?
チートといいつつ派手さが無い、山一個くらい吹き飛ばして良いと思うのだが。
この地味さが余計に古臭い印象を強めてるんだろうけど…90年代までは行かないかな、2000年代のアニメっぽい。
ひょっとして意図的って可能性は…無いよね、まさかね。{/netabare}

5話感想{netabare}
アナスタシアでアナって、そこは「女に向かって穴呼ばわりなんて、あなたも相当な男ね」と返すんじゃないのか(“お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ”ネタ)。

ってかこの作品世界の常識がワカラン。
かつてアサシンやってても転職したら以前のしがらみチャラなん?アサシン取り仕切る組織とかないのん?「任務に失敗したら死ゾ」を強制してた力はどこ?
そんな呆気なく足抜けできるもんかな、実はスパイだったりして?
アサシンから足洗うのなら、抜け忍狩りの対象にならないように組織を壊滅させる話があるならまだ分かるんだけど…今後あるのかな?
もしくは鞍替えしたギルドの方が圧倒的に力が強くてアサシンギルド側は黙るしかないとか?
そもそもアサシン時代に働いた罪はどこに?被害者=恨みを持ってる人居るよね?人から恨まれる仕事だよね?アサシンって。
今後そこに触れてくれるなら別に構わないけど。
もう一個不思議なのは物資不足→価格高騰でよく暴動起きないな、と。
町人は粗末な食い物しか食えない・多少傷んでても無理して食う→病気の蔓延、とか無いのん?そんな長期的ではない?{/netabare}

6話感想{netabare}
あれ、同日放送してるリトライはツッコミどころ多すぎてツッコむ気力失せたんだけど、ひょっとしてこっちのがそれより酷い?
水蒸気爆発自体の原理とかは置いとくにしても、作中描写からは…それ、必要だった?
落とし穴だけじゃダメだったの?水攻めだけじゃダメだったの?熱した金属落とすだけじゃダメだったの?
何故水蒸気爆発「まで」しなければならなかったのかよく分からない、ちょいと近所のコンビニ行くのに戦闘機乗るみたいな違和感。
しかもそれが大して威力発揮したように見えない、爆発音も地味、緊張感が無い。
なんでこんな地味なんだ?とむしろ気になってもう一度見てみたけど、ああ、衝撃波(爆風・突風)が無いんだ。
どれだけ離れてたんだか知らんけど、リンの場所にはそよ風ひとつ立たない。
コンテ?演出?なんのせいかよく分からんけど、淡々と仕事でやってるだけで盛り上げようという意思を感じない。
制作スタジオの社長がアクション監修に名前載せてるんだし、あんまそれがヘボいとマズくね?
双子の懐柔も謎。
↑で「アサシンの余りにもお手軽な鞍替え」をどうにか納得できる形にしようと脳内補完頑張ったワケだけど、なんかこう、コトの成り立ちに対する常識的経緯が抜けちゃってるような?
せめて主人公からゲンコツ食らってビービー泣いた後に反省、だったら分かるけど…な、なんだ?その心変わりは?
ってか簡単に信用しちゃうの?
「敵対してた双子姉妹がのちに仲間になる」って展開は“モンストアニメ3期”のサンメタを彷彿とするが、あっちはちゃんと仲裁役のビマーに会うまで疑ってました、普通そうでしょー。
双子の掛け合いもサンメタの方が上、モンストアニメ、見よう。{/netabare}

7話感想{netabare}
↑でトライネットを挙げてたけど訂正、それより酷いやw
トライネットより前の時代の…あかほり作品…を酷くした感じ。
なろう系の多くはあかほり作品の影響を強く受けてると思うのだけど(そう思えば気が楽になる)これはそれより下、当時のクオリティ込みで。
あれだ、カシムが今にも「私は美しい」って言いそうなのが拍車かけてるwってか言わせてやっとあかほりと同等かと。
アナの死なんて長谷川勝己(あかほりの弟子筋)リスペクトかと思ったぞ。

しっかしスタッフはこの出来に「これでいい」と思ってるのだろうか。
現場がてんてこまいで各部署に連絡つけるヒマも無くて「これが精一杯、もう助けて」ってことなんだろうか。
なんせ数十秒前と後で話が矛盾してるわテンポがおかしいわ、こんなのそうでなきゃ起こり得ない気が…そういう作品って海外発注先にロクなのが無い90年代~2000年代にはちょくちょくあった気が。
コンテだか演出だか、その段階でもうダメダメってのは思いたくないのよね。
けど…そうはいっても…ドラゴンブレス食らって吐血!?やドラゴン撃退シーンの爽快感の無さとかは、もう見てるこっちが「うわあああ」と言いたくなる出来で…。{/netabare}

8話感想{netabare}
細かい話はまた後で、それより…
双子何処行った!?{/netabare}

9話感想{netabare}
双子はどうした?
「この世界で出会った仲間達」みたいなこと言ってたが、そこに双子は入ってないのか?
↑で指摘した通り、アナの件で「アサシンギルド(?)をそんな気軽に足抜けできるのか?」と思ったら案の定制裁された様に(実際はギルドの手によるものじゃなかっとしても)、ちゃんと後始末つけないとまーた消されるぞ。
戦争理由と政治理念はまた別問題だよね?片方が覇権主義でもう片方が侵略受けてるってことでもないし。
主人公が簡単に王様側についてしまったのに違和感なワケだけど、先に召還されて事情をそこそこ知るマーベルフローズン的立場の人間から「ホイホイ王様の言いなりになってお前はバカだ」と言われる展開にはならんのかな?
そもそもドラゴンから「あのお方」呼ばわりされた存在は何なのか探らないのか?
それこそあんまチートチート言うと人道に背く行為だと認めてしまった召還(この時点で違和感なんだが)そのものが禁断兵器の使用として王弟派につけ込まれない?
カシムにしても、名声を上げたいのか世を混乱に陥れたいのかよくワカラン。
普通に考えりゃ王弟派が「黒幕」にそそのかされて蜂起したってだけなんだろうけど、まんまと踊らされるにしてもちょっと頭が弱すぎる気が…。
このノリだと、黒幕側の手先が突如自白するまで気付かないって流れになるのかなぁ?


余談・園芸ネタ{netabare}
エンディングで描かれてる花はヒルザキツキミソウではなくネモフィラ。
但し花色がピンクで、品種改良で実在するかも知れないけど一般的ではない。
それが悪いってことではなく、創作作品としてアレンジ加えたのかな?と思ったら本編で一般的な水色のネモフィラが登場。
あれ?今後何かあって花色が変わる話でもあるのだろうか、そうでないとわざわざEDでピンクにした意味が…。
因みに同アニメ制作がひとつ前に作った“メルクストーリア”の最終回で出たお花畑のモチーフもネモフィラでしたね。
予算切り詰めで資料使い回しだったりしてw背景はまた別?{/netabare}{/netabare}

最終回までの感想・総評(↑と重複した部分もあるのでこれだけ見れば良いかも){netabare}
最初に「これこれこうだったらいいな」みたいなことを書いたけど、甘かった、それ以前の問題だった。
細かい部分すっ飛ばしても、とにかく

絵から緊張感が感じられない

絵だけの問題じゃないのだけど、とにかく致命的。
「アニメーションが死んでる」と言ってもいいかも知れない。
おっかしいなぁ、制作のエンカレッジフィルムズの前作“メルクストーリア”は出来良かったのに(※)…。
そっちで監督だった社長がこっちではアクション監修になってて、大きな期待はしないでも一定のクオリティは保障されるものだと思うじゃない?
何が違ったんだ?予算?スケジュール?
とはいえ、じゃあメルストと違ってこっちで監督になったのは誰かといえば、アキ電劇場版の制作進行で業界入りした人っぽい。
実際はどうか知らないけど制作進行が一番過酷な部署ってイメージなので、オーバーな表現になるけど「地獄を見てきた人間だから根性座ってるんじゃない?」と期待したのだけどなんか違ってた。
実際は「拘りなんか持たずに最低限見れる形(絵が崩れてなくて色が乗ってる状態)でさえあればいい」を重視したかのような出来栄え。
右から左のライン工の現場監督をしただけのような印象、実際の裏側は知らんけどね、作品から受けた印象として。
「ここは気合を入れる・ここは手を抜いても良い」みたいなメリハリが無くて、おしなべて絵が死んでる。
ある意味非常に制作進行っぽいっちゃあぽいのだけど、そっち側かぁ。

逆パターンとして記憶に新しい“賢者の孫”では、全体としては低クオリティなのに一部の戦闘シーンだけ妙に頑張ってる時がありました。
話の出来は置いといて、自分はそういう方のが好きですね。
恐らくそのシーンを任されたアニメーターがめっちゃ頑張っちゃったんだと思うのだけど、それと比較したらチートは必要以上に頑張りそうな現場に対し「そんな頑張らないで」とセーブをかけたかのような印象。
いや実際は知りませんけどね、これで一杯一杯だったのかも知れませんけどね。
長々書いちゃったけど、要は

ハナから真面目に面白いもの・良いものを作ろうという気はない、仕事として作業をこなしただけ

感がハンパない。
と、先に絵について語ったけど、その影響は話の方にも及んでて。

原作の頃から絶望的につまらないのかどうかは知らないけど、色々おかしいところが多すぎてツッコミが追いつかない。
事件の背景に鎮座する「あのお方」も、単に何も考えてないのを先送りするための方便にしか聞こえない。
意味ありげな描写により「アイツ怪しい」と視聴者にはアタリは付くけど、主人公がそれに迫ることは一切無いので「前進した感」が全然無い。
「○○締め上げて聞き出そうとしないの?」と思うことがしばしばで、けど基本「あのお方」について興味すらなさ気で、たまに聞き出そうとする時は「自殺してくれるアサシンが相手」というご都合っぷり。
ここら辺も最低限絵的に緊張感があれば「とてもそんなの尋ねられる余裕無いんだな」と好意的解釈もできるのだけど、余裕アリアリでくっちゃべってる感じ(というか突っ立ってるだけ)なので無理。

一番の違和感はタイトルにも使われてる「チート」の扱いだけど、これは途中入る円盤のCMからして大きく解釈がズレてるっぽい、自分とは。
ネット配信などで見てる方へCM内のセリフを書き出すと…

タイチ「リン、オレ達のブルーレイに付けるチートな特典考えようぜ」
リン「チートな特典?」
タイチ「んー、例えばオレ達の握手券」
リン「ヒーローだけに!」
タイチ「じゃあミューラの剣」
リン「それは大きすぎだよ」
タイチ「えー、ならレミーヤさんの特製手料理」
リン「それは欲しい!」

…。
うん、なんか「チート」の扱いがおかしい。
これは同期放送の“通常攻撃が全体攻撃~”でも感じたことなのだけど、ひょっとしたらアニメスタッフの中でもどう扱えば良いのか解釈が分かれてて、それが作品内容に一貫性が無い・散漫な原因になってる、ってことは…ないかなぁ?
そしたらそしたで「しっかり協議して意見の摺り合わせをしよう」なだけで、作品作りに真摯に取り組んでる感じがしない、に行き着いてしまうのですが…。
そして最後に、
双 子 ど こ 行 っ た ?



そうはいってもあの作品(メルクストーリア)は激しい戦闘も無ければ話の流れに違和感を覚えるシーンが無い訳でもない。
ただ、「決めポイントとして何度も使う気合の入ったバンクシーン」が使われてたので「これを差し込むために前後の流れが多少強引でも仕方ないか」とツッコミへのブレーキがかかったのも事実。
バンクシーンがあれば百難隠すというか、単に自分がホビー系に毒されてるせいかも知れませんが。
じゃあこっちでも、ひょっとしたらバンクシーンがあればマシに感じたのかな?と思わなくもない。
どうなんだろうね?{/netabare}

追記{netabare}
ふと思い出したんで追記。
散々チートチート言いつつ、実際には大して凄くないのが凄い。
かなりレアではあるんだろうけど転移先の世界に元からある透明マントにたじたじ、作中でこれを打ち破る描写は無かったと思う。
しかも運が悪いことに同期放送の“コップクラフト”で似た感じで透明になる術が出るのだけど、そっちは現代科学の知恵でサクっと看破、しかも暗視スコープとスプリンクラーで2回。
透明マントがどのセンサーまで目くらまし出来るか知らないけど、最強(≒チート)は透明マントであって主人公ではなかった…って所もクソ的にポイント高い。{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 14
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

THE・テンプレ……と思いきや

一話を見た感じだと、覇王みたいな主人公が孫みたいなノリでイキリつつスマホ太郎みたいに棚ボタチートで無双する話って感じかな?

全力でテンプレをなぞってるだけなので、特に内容については思うところはないかな?というレベル
というかあまりにもテンプレすぎて気づくと余所見してしまう
余所見しようが話を聞き逃そうがテンプレまんまなので、余所見した場所を見返す必要もなく話が理解できてしまうのは良いのか悪いのか…
まあ、無駄に凝った作りを目指して意味不明を作り上げた「ありふれ」よりはずっとマシかもしれない

作画もなんか動きがぎこちなかったり悪い意味でのチープさが気になるけど、それもまたなろう系らしさかな……


8話視聴
{netabare}シナリオに問題がありすぎる…
最初の2話くらいを見た辺りまでは、どこまでもテンプレを綺麗になぞり切るだけの虚無系クソアニメ枠かな?と油断してみていた
ただ、敵勢力があらわれてからの展開が無茶苦茶すぎてドン引きしてしまう

女暗殺者に意味もなく命を狙われて、殺さずに無力化して仲間に引き入れる
まあこの辺はテンプレそのままなので逆に安心感すらある
「捕らえた後、相手の被った面を取らないのか?」とか「主人公を狙った理由は聞かないのか?」とかその辺は最早些細なこと

ただ、農園で敵と戦う場面以降はテンプレすら使いこなせていないあまりにも雑な展開の連続
ヒロインコンビが舐めプして時間かけて戦う→一人だけ無茶な戦いを強いられて主人公ピンチ!覚醒!
暗殺者(アナ)が主人公の味方になって同行する→実は戦闘力ほぼ皆無!
悪事に加担していた双子がトラブルでピンチ!→主人公が(直前に守ると約束したアナを放置して)助ける!
敵?に操られたアナがドラゴンと戦う主人公の元へ来てしまう!→到着直後に洗脳が解けたアナがブレスから主人公を庇って死亡!何をすることもなく洗脳は解けたため、そもそも洗脳して操った理由すら不明!

一言でいうとひたすらに雑
それぞれ、
厳しい戦いで主人公が真の力の一端を見せる
新ヒロインと協力して行動することで親密さを深める
悪事に加担していても、騙されての行動なら許す度量を見せて仲間を増やす
仲を深めた相手の死によって、主人公が本当の力を手に入れる
みたいな意図があるのは当然分かる
ただ、
主人公のピンチは大体ヒロインのせいだから、ピンチってよりただの自業自得にしか見えない
魔物を倒せる屈強な冒険者に挑みかかるような暗殺者が戦闘力を持たないのはあり得ない
善悪の判断が出来ない双子を助けるのは分かるけど、そのために「守る」と宣言した同行者を放置して危険に晒すのはおかしい
仲間の死を乗り越えて力に目覚めるのは王道だけど、これではアナを(作者が)殺そうと思ったけど同行させ忘れたのを、無理やり帳尻合わせしたように思えてしまう
結局最初にアナが主人公を狙った理由も、狙った組織も、アナを操った理由も一切不明のままアナは墓の下に眠ってしまって出番を失っている

「こういう展開がしたい!」は伝わるけど、「どうすればこんな展開になるだろう?」を考えずにキャラを無理やり動かしているような感覚がある
脚本の段階でシナリオの構成に失敗したと言うより、そもそも原作の段階で上手くなかった展開が、アニメで露骨に目立つようになったのかなと思う

極限まで圧縮したダイジェスト展開でシナリオ理解を拒み続ける「ありふれ」
極限まで雑なシナリオで拒絶反応を生み出す「チート」
あまりにも対極的すぎる両者が鎬を削る今期の太郎枠は本当に恐ろしい破壊力を誇るなあ……
{/netabare}

最終話視聴
{netabare}「俺達の戦いはまだ始まってない!」ENDとは斬新な…
アナの所属していた暗殺組織について→完全放置
ゴブリンを生み出した双子について→完全放置
カシム達との因縁について→なんか友情芽生えた感じで放置
カシムの上役である猊下とその更に上の「あの御方」について→一切気づかず完全放置

ここまでの話に登場した要素は一切解決せず、ただ終盤の内戦が終結しただけというオチ
戦いを終わらせた立役者として主人公たちは国王から王立軍の客員(むしろ特射?)に近い立場を与えられる
ただ、そもそも全員が冒険者としての肩書をすでに得ていて、特別に身分の保証を求める立場には無かったはず
「ピンチになったら国を助けろよ?」って体よく首に縄をつけられたような扱いに格下げされたような状況なんだけど

というかカシムとの喧嘩で謎の友情を芽生えさせてたりしたけど、そもそもカシムは農園にオーガを仕向けたり、普通に考えれば純粋な敵のはず
それどころか主人公の滞在する街を魔物の大群で蹂躙しようとした結果アナが死ぬ遠因を作っているわけで、良い奴要素はどこにもない
そういう風に、この作品の中ではその場の雰囲気でなんとなく話を繋がてる部分が多すぎて、全体を通すと意味不明な部分がとにかく多い

そういう意味不明な扱いを一身に受けているアナ関連が原作でどう描かれているか気になってweb版を読んだ所、アナはそもそも存在していなかった
つまり、書籍として出版するにあたっての追加キャラだったらしい
ついでに言えば死因のドラゴンも追加ボスで、内戦の時に太一が一人で敵本拠地に行って和睦を求める展開も追加要素

書籍化に伴う改変要素が尽く邪魔な矛盾とキャラの行動のおかしさを生み出しているらしい
web版自体も決して書籍化に堪える筋書きとは思えないけど、少なくともアニメで描かれているよりはシンプルに纏まっていた
アナがいないお陰で、精霊契約あたりの流れも太一の戦いに対する恐怖を表に出す展開になっていた
内戦の際も、戦端が開かれてから和睦を求める頭のおかしい行動は取らず、
自分が力を振るうことで救われる命と、力を振るい命を奪うことへの恐怖の間で葛藤しながら戦う様子が描かれていた

web版を読む限り、地味な戦闘やら起伏の少ない展開やらは確かに目立った
ただ、それを理由にここまで意味のない、というより矛盾しか産まないマイナスばかりの追加要素が必要だったとは思えない
そもそもこれを書籍化すると決定した際に、どうして改変をここまで入れたのかがわからない
書籍化に堪える内容と思ったならそのまま文章校正だけを行って出版すべきだし、難しい内容なら書籍化すべきでない
安く使える素材で雑に調理して、刷り数だけ稼げばあとは知ったこっちゃないって出版社の舐めた態度がありありと見えてくる

これにやる気のないアニメ制作が加わるとこういう虚無が出来上がるのかな、と
「敵が強すぎて止められない!」とか叫んでるシーンで敵の狂化兵士が軒並み棒立ちしてるとかどこのジョークアニメかと思った
それに出血描写を嫌ってか、剣を持った相手と戦っているのに負傷は全てアザのみ、という雑っぷり
オマケにシナリオ自体がweb版よりも酷くなっているから、本来の目的である販促にすらならない
円盤も売れず、書籍も売れず、勝利したのは刷り数を稼げた出版社のみ、という地獄絵図が見える恐ろしい作品だった
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

なろう以下

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
どんなアニメかは、レビュー読まなくても、本作のタイトルで分かるでしょう。大量生産のお手軽異世界物語です。

てか、冗談抜きで、作者は中学生なんじゃ?

今までアニメで見てきた、他のなろう系作品は、(私も素人ですが)「素人の中では文章(構成)力ある」と思っていましたが、これが原作をちゃんと表現しているなら、マジで、(普通の人の中でも)中の下。正直、仕事やめて時間作れば、自分でも書けちゃう程度のクオリティに感じました。

あと、「なろう系」は大半がチートですが、それを開き直ってタイトルに入れてくる感じのセンスが、なんか嫌ですね、私は。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ちなみに私は、「小説家になろう」自体を、良いとも悪いとも思っていません。ただその中に、良い作品と悪い作品があるというだけです。

そして、「なろう」と言われるのは、「小説になろう原作アニメ」で、「低クオリティ」の作品です。

ただ、本作は(私の中の基準ですが)、「なろう系にすらなっていない駄作」です。

(ちなみに小説家になろうにログインしたこともないんですが)私の中で、「なろう系」の特徴だと思っているのは、

【既存の世界観+1アイディア】

です。「オバロ→ファンタジー+アンデッド」「このすば→ファンタジー+ギャグ」「異世界食堂→ファンタジー+料理」「ナイツマ→ファンタジー+ロボ」みたいな感じ。

そもそもが、「小説家になろう」とは、素人が気軽に小説を投稿し、気軽に読むことが出来るサイトなのだと思います。その中には有象無象の作品が数多あり、人気が出た一握りの作品だけが、文庫化やアニメ化までたどりつけるんでしょう。

でも、、、この作品も、その1つなの???

私は昔、「RPGツクール」というゲームにハマり、いくつかゲームを作っていました。自分の中では「オリジナルゲーム」だと思っていましたが、結局は「FF」「ドラクエ」「ロードス島戦記」など、自分が好きな創作物をごちゃ混ぜにしただけのものでした。

それと同じ様なこと(小中学生がする妄想遊び)を、大人になってもガチでやり続けているのが、「なろう」なんだろうと思っています。

既存の世界観を使うことは、パクりでもなんでもなく、「しょうがない」ことです。自分で世界を丸ごと創造できるような人なんて、ごく僅かでしょうし(まあ、そういう人をクリエイターやアーティストと呼ぶんでしょうけど、本当は)。

既存の世界観を使うメリットもあります。

最も大きいのが、「説明不要」だということ。例えば、「スライム」が出た瞬間、「ザコキャラ」だと認識したり、「冒険者」と一言書くだけで、「ギルドに属していて、依頼を受けて魔獣を討伐する等の行為で金銭を得る存在」だと分かるのは、読者(視聴者)の側に、同一の世界観(価値観)に触れてきた経験が豊富にあり、その部分に依存しているということです。

「既存の世界観」とは、作者と読者の共通言語みたいなもの。

表現する方からすれば、いちいち説明をしなくても済むし、新しいことを考えなくても良いから楽です。また、読む方からしても、自分の知識や価値観の枠内で物語が紡がれるので、大した読解力も求められないし、ストレスフリーで気楽に楽しめます。

でも、やはりそれだけでは、名作にはなり得ない。分かりやすいだけでは、超えられない壁がある。

そこで、なんとか目新しさ、オリジナリティを出そうとしたのが、(アニメ化された)過去の「なろう系」だと思っています(+ワンアイディアの部分)。

本作はなにか、「そのワンアイディアを考えることすら放棄している」ように感じられて、、、。

「やってできなかった」ならまだしも、「やろうとすらしていない」という感じを受け、このような厳しい評価にしました(まあ勿論、私がそう感じてしまったというだけではあるのですが)。

ある意味で希有だと思ったのは、「ただのパクリの集合体をなんの恥ずかしげもなく自分の作品だと堂々と発表できるメンタルの強さ、鈍感さ」です。

ていうか、開き直ってるのかな?むしろ。「異世界転生で、チートで、魔術師ですけど、なにか問題でも?」みたいな。

この作者の個性って、何なんだろう? スマホ太郎ですら、(あんまり使ってないけど)一応、スマホっていうワンアイディアを付け加えようという程度の工夫はあったのにさ。

これよりつまらない、低クオリティのアニメも、いっぱいあります。でも、「上手くいかなかったけど、やりたいことや頑張りは伝わった」って作品には、不快感はありません。が、本作は、なんか「作者が見えない」んですよね。「血が通ってない」ように感じてしまい、そこが☆1の最大の理由です。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆1
もうなんか、一工夫すらないんだね。なろう以下って感じだな。

2話目 ☆1
ガスを燃やす、、、それ、賢者の孫でも観たな。

3話目 ☆2
食パンとサンドイッチの食卓(笑)

4話目 ☆1
本来、めっちゃ凄くてレアな二属性同時魔法の凄さが、まっっったく伝わらない。このへん、NARUTOの血継限界とかは上手かった。どう考えても、スピード強化して、術師を一刀両断でしょ。体術かい。みんな大好き、粉塵爆発(笑) ダサい(笑)

5話目 ☆1
みんな知っているような知識を自慢気に出されても。なんならもう、核融合ぐらいしたら?

6話目 ☆1
この辺は、寝オチ。

7話目 ☆1
寝オチ2。

8話目 ☆1
お手軽チョロいん1名追加。

9話目 ☆1
雨を降らせて雷魔法で感電。スゲースゲー、斬新だわー。

10話目 ☆1
「そんなもの、理由になりませんよ。戦いは、常に手持ちの札でなんとかするもんです」って、キメ顔で言ってましたが、いや、ついさっき、「このままじゃ勝負にならないから、自分と同じ魔力量にして」って、タイチの魔力封じたの、お前やん。持っている魔力量も、そいつの手持ちの札じゃないんかい。ギャグなん(笑)?

11話目 ☆1
あなた、誰ですか? の、連打(苦笑)

12話目 ☆1
結局、俺たたエンドかい。ぶん投げだな。全話観たから、気兼ねなく1をつけられるな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 28

71.1 24 ラノベ原作で冒険なアニメランキング24位
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (362)
1505人が棚に入れました
若くして頭角を現し、その名を知られる凄腕冒険者の青年「デイル」。とある依頼で深い森へと足を踏み入れた彼は、ガリガリにやせ細った幼い魔人族の少女「ラティナ」と出会う。片角を折られ罪人の烙印を押されたラティナをそのまま放置できず、保護者になることを決意したデイルだったが――「ラティナが可愛すぎて、仕事に行きたくない」――気づけばすっかり親バカ全開に!?

声優・キャラクター
高尾奏音、岡本信彦、小山剛志、沼倉愛美、桑原由気、高野麻里佳、田村睦心、広瀬ゆうき、福原かつみ、井上雄貴、福緒唯、芝原チヤコ、関俊彦、中村桜、米内佑希、井澤詩織
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

イベントが始まらない

1話感想{netabare}
ロリとロリコンは違う。
ロリコン言うのが恥ずかしかろうがロリと略すのは止めてくれ。
それって「京アニ厨」を「京アニ」って呼ぶのと同じだぞ、と(京アニに他意は無いです)。

拾った少女の面倒を見る系ってよくある話だけど、いい加減「説明したからそういうことなんだよ」って設定はどうにかしてくれんかのう。
この作品に限った話ではないので殊更にツッコミ入れるのも悪いとは思うけど、「孤児院に預けてもこの町の財政ではロクなことにならない」ってのなら、同世代の乞食を出そうよ。
それだったら魔族の子はどこも引き取り手が居ない、で良かったんじゃないかな?
今後同世代の友達が出来るかどうかが個人的な見所かなぁ…?

それにしても…シリ構が吉岡たかをで爆笑したところ、キャラデで西田美弥子と舛舘俊秀の名前見つけて大爆笑。
何が爆笑って、これ“異世界はスマートフォンと共に”とスタッフ同じ(吉岡たかをは別)で、ひょっとして…と思って調べたら美術と色彩も同じでした。
因みに西田美弥子は湖川友謙の一番弟子だそうで、湖川のチャリティーにも来てたみたいで、そこに行った友人はイセスマの色紙を貰ったと自慢しております(羨ましい)。
また、イセスマの後は“ユリシーズ”で関わってて「なんかビミョーな作品ばっかやってるなぁ」って印象で、ここで一発バチっと(作画だけでも)クオリティの高い作品をやって欲しいなぁと湖川ファンの自分としては願わずに居られない。
ってか湖川自身が名義伏せて原画参加とかしてたりして…。{/netabare}

追記{netabare}
あちゃー、時間置いて文章読み返したら説明足りてなかったので追記

まず吉岡たかをで爆笑した理由。
アニメをパっと見ての印象で“このはな綺憚”っぽさを感じ(※1)、「そっちの方向を目指してるのかなー?」と思ったらシリ構が同じで「お、当たった!?」と思ったから。
但しこの人“七星のスバル”もやってるんだよなぁ…あれは原作が悪くてどうしようもなかったってことなんかなぁ?
次に大爆笑したのは、イセスマが例の通り例のアレで、作画も酷くて(※2)、それでいてスタッフ同じでこっちは作画がずっとマシだとしたら…イセスマがどういうポジだったか分かるかなぁ、と。
ひょっとしたらアニメーター育成でイセスマは踏み台扱いだった?そんなことある?
単に予算の違いなのかなぁ、こっちが予算かけてるのか知らんけど。


※1
あれも尼さんが雪の中拾った幼ケモっ娘が丁稚奉公?(成長)する話で、まぁ共通点高いかなと。

※2
そうはいっても一部妙に頑張ってるカットもあったり。
例えば遺跡の前でくつろぐシーンで、普通に座らせれば良いだけなのに半分寝そべった手間の掛かるポーズ取らせたりしてます。
ここら辺もアニメーター育成っぽい印象を加速させてる?{/netabare}

3話までの感想{netabare}
ぐぎぎ、3話で作画ヘタれかけてる…大丈夫か?この先。
個人的にはタクシー用のワイバーン?のショボさに特に目が行った、ひょっとしてデザインとか起こしてなくて回された原画マンに任せた?
そして内容は…これは「仕事とはいえ深く考えずに殺してきたことを、ラティナ絡みで後悔する」展開への前振り?
そうでないと斬り殺した魔族?の女が無駄に可愛すぎる気が…。
ってかグレゴール剣何回抜くんだw
ガクシャって学舎でいいのかな、孤児院と違って家から通う形?{/netabare}

4話感想{netabare}
あれ?
「魔族を恨んでる人間が居る」と「人間と魔族では寿命が違う」は別問題だよね?
あのメンヘラ教師が寿命の違いによる悲劇によって魔族を恨む様になったのなら分かるのだが、そうじゃないよね?
それぞれエピソードを分けて掘り下げたほうが良かった気が…特に「人間と魔族では寿命が違う」に対しラティナがそこまで悲観するのがちょっと分からない。
察しが良すぎるというか、そこまで実感するような体験してなくない?
むしろ多感な時期だからこそってことなんだろうか?
2つの問題を一緒くたにしたせいで個々の追求が薄味になってしまった予感。
また「魔族を恨んでる人間が居る」に関しては作中デイルも「こんなの八つ当たりだ」と語ってた通り、根本原因は何も解決されてなくて前回斬り殺した魔族の件も含め宿題が増えた感じ。
こっちは今後掘り下げてくれることに期待するが…スタッフ信用してだ、大丈夫かなぁ?

作画はかなりヤバい領域に突入。
と思ったらこの回作監に西田の名前ナシ…うぇ~い、今週コップクラフトで見たと思ったらあらまぁ。
取り掛かってる時期と放送される時期は一致しないのでたまたまなんだろうけど、なんかウケる。{/netabare}

5話感想{netabare}
サプライズプレゼント…定番過ぎて逆に笑える、女児アニメでももう少し捻り入れると思うのだが。
ラティナの鼻歌ビデェ、と思ったらそっかそっか音痴って設定だったか。
鼻歌の部分でもちゃんと再現してんのねー。
一方で作画…こっちはフォローできんぞオイ。
治安がいま一つの地区だとはいえ、冒険者が屯す酒場の看板娘を狙うかね?{/netabare}

9話までの感想{netabare}
うーんつまらない。
つまらないと言っても「アニメとしてダメだ」って意味じゃないところがもどかしい。
これは自分が最近のアニメ(特になろう原作系)に馴らされてしまってるせいかも知れないけど──
特に大きく話が動くワケでもなく、日常系みたいなノリでキャラ萌えで引っ張ってくにしても、ラティナ一人だけじゃ荷が重過ぎる・物足りない。
あと2・3人カワイイ娘用意してー(キャバクラに来た気分で)。
そうはいっても原作がそうだったのなら仕方ない、とも思っちゃうワケで。
むしろ「これアニメ化して」と原作渡された時「もうこの方向で攻めるしかない」と、他はどうなろうがとにかくラティナの絵だけは絶対に崩れないように徹底したアニメスタッフの判断は正解じゃないかな。
それ以外どうにもできない…こりゃまた厄介な仕事受けちゃったねぇ。

一応内容に触れると、“台詞だけで”魔王が何人居てどんな属性かを説明されても…困る。
そういうのってキャラの経験を通じて視聴者に伝えるのがセオリーじゃない?
もしくは4クール以上続いて「今後出てくるんだろうな」って保証がある場合、けどこの作品はそうじゃないでしょう。
それならもう魔王1万人居て、一人一人のプロフィールの朗読だけで1クールやったほうが面白いんじゃね?と思ったり。
(唐沢なをきのマンガでそういうのがあったような…)
でもってデイルは地元の名主の坊ちゃんかよ。
これはちょっと…アーハイハイ玉の輿ね、って感じで呆れた。
面倒臭いお家の問題・長男問題は次男が継ぐという形でクリアー…おいおい、あからさまだなぁ。
元は底辺のクズでラティナに出会ってから努力するようになって変わったって話の方が男の自分としては共感できるのだが、作者は女性…なのか?
ここら辺は感性の違いかなぁ?

ところで西田美弥子の名前“手品先輩”でも見たんだが…あれ?
なんかなかじまちゅうじ化してきてないか?{/netabare}

最終回までの感想・総評(↑と重複した部分もあるのでこれだけ見れば良いかも){netabare}
物語が…始まらないで(放送が)終わった、そんな感じ。
ゲーム買ったけどプレイしないで説明書を読んだだけ~みたいな。
同期放送の“魔王様リトライ”が「全然進まない」ならこっちは「全然始まらない」で、どっちがマシだったのかは…一応最後まで見れたのでこっち?
辛うじて絵がマシだっただけな気がしないでもない(クオリティ高いという意味ではない)。
じゃあ物語を追うのではなくキャラ押し(萌え)作品として見ようと思っても、ラティナ1人だけで1クール押し続けにはどうしても飽きが…。
二期は見てないけど“からかい上手の~”だって、メインの二人だけでなく3人組や他のカップルにスポット当てたパートがあったじゃない?
また、ラティナ自体が「一切隙の無い良い子ちゃん」で、あまりに完璧過ぎるととっつきにくい、自分は。
いやだって、普通、せめて、最低限、デイルと大喧嘩するエピはあるもんじゃない?

魔王がどうこうもさることながら、デイルが仕事で魔族を殺してたことや幻獣製のアクセサリーを新調したとか幻獣がラティナを追って街に来たとか「さぁ何か起こりそう」「この件でひと悶着ありそう」って予感は振りまくけど実際は何も起こらない。
他の方も指摘されてるけど山場が無い、イベントが始まらない。
じゃあ世界観が独特でそれを見るだけで楽しめるかといえば、所詮「なろう異世界ツクール」の基本情報レベル、正に説明書。
何か始めて「そんなんアリかよ」と文句言われる作品も多いけど、それ以前の「何も始まらない」は…なんというかそういう俎上に上がることから逃げてるみたいで、う~ん。


「物語?無いじゃん」ってことで評価の物語の項は☆1を付けといたけど、「物語が存在した状態で酷い」ではないので1は違うのかも?
けど、じゃあ幾つなら良いんだか分からんし…やっぱり「物語作ることから逃げた(あくまで私が感じた印象)」として1が妥当、かなぁ??{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「可愛い」ステータスに全振りした潔い作品…

この作品の原作は未読です。
「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」という非常に長いタイトルのなろう系作品ですが、早速「うちの娘。」という略称が設定されました。
そりゃ、そうでしょう。どう考えてもタイトル長過ぎですから…


若くして頭角を現し、近隣にその名を知られる凄腕冒険者の青年「デイル」。
とある依頼で深い森へと足を踏み入れた彼は、ガリガリにやせ細った幼い魔人属の少女「ラティナ」と出逢う。

罪人の烙印を押されたラティナをそのまま放置できず、
保護者になることを決意したデイルだったが…

「ラティナが可愛すぎて、仕事に行きたくない」

…気づけばすっかり親バカ全開に!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

予め言っておきます。
この作品はラティナをひたすら愛でる作品です。
沢山の登場人物が登場しますが、全てラティナの可愛らしさのための引き立て役に過ぎません。
ラティナの前ではデイルすら霞んで見えていたかもしれません。
そう、この作品はラティナを如何に可愛らしく見せるか…に特化しているのがオンリーワンの特徴なんです。

ラティナ役の声優さんですが、ドラマCD版がちゃんりなで、アニメ版が高尾奏音さんです。
起用する声優さんからして可愛い声質にこだわるこの徹底ぶり…
私はアニメ版のラティナしか分かりませんが、ちゃんりなのラティナも相当グッとくるんでしょうね。
いや、きっとヤバいくらいグッときそうな気しかしないんですけどっ!

1クール全12話の物語でした。
物語で描かれたのは、ラティナが拾われてから学舎を卒業するまで…
年齢的には10歳前後くらい…でしょうか。
ラティナの生い立ちが一切分からないので、年齢すら曖昧なんですよね。

ラティナの「可愛らしさ」を前面に押し出したこの作品ですが、長~いタイトルの一部と化した「魔王」の単語…
本編では人伝えで聞いた紹介程度で留まっており、その全容は明らかになっていません。
この調子で進んでいくなら、タイトルを回収できるのは何時になることやら…って感じです。

そういえば、ラティナはただ可愛いだけじゃありません。
「素直で賢い」が付与されているんです。
それに加え、住まわせて貰っている虎猫亭ではお給金を貰って働いているんです。
何にでも真剣に取り組み、新しい事をどんどん吸収していくのですから、虎猫亭の看板娘になるのも時間の問題でした。

ここでお断りしておきますが、私はこの作品のアンチではありません。
寧ろ、ラティナの「可愛い」成分で毎週癒して貰っていました。
逆に中途半端だったら物足りなさを感じていたのではないでしょうか。
だから、この潔さこそがこの作品の魅力なんだと思っています。

でも個人的にもう少し深掘りして欲しかった点があります。
それは、人間族と魔人族という種族の違いによる軋みの部分です。
確かに寿命と年齢については触れていましたが、少しサラっとし過ぎていた感がありました。
ラティナとデイルにとって避けては通れず、いつか必ず突きつけられる問題なんです。

「どうしようもない問題」なのかもしれません。
でもそれで片付けてしまっては、物語に厚みや深みが感じられなくなると思います。
逆にそういう問題にまで発展させ、それでも何とか足掻こうとするデイルの雄姿が見たかった気がします。

オープニングテーマは、ラティナによる「I'm with you」
エンディングテーマは、デイルによる「This is 勇者, but 残念!?」
曲調的にはオープニングが好きでした。
まぁ、歌っているのもラティナでしたし…

気になるのは、物語の展開と着地点でしょうか。
きっと物語的にはアニメ化されたのはきっと序章の部分のみなのでしょう。
最終話でラティナが強く願った想いは、どの様な形で叶えられるのか…
続きもアニメで視聴できるのを期待しています。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 25

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

コイツ、ダメかもしれない…

これ観てたら知り合いを思い出しました。
子供に興味ないって言ってた奴が娘が産まれた後からデッレデレになってかなり過保護になりました。
本当、面白いもんだ(笑)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全12話・30分アニメ)


『CV岡本 信彦さん』の演技のお陰か、溺愛過保護設定が板についてたと思います。『岡本さん』がまんまそーゆー親になっても面白そう(笑)


簡単に書くと森で依頼をこなしていた主人公の冒険者『デイル』。そこでキャンプしている所にガリガリに痩せ細った魔人族の少女『ラティナ』と出会う。話を聞こうとしたが魔人族の言葉しか分からなかった。ただ魔人族の言葉は呪文語と同じなので適性のあった『デイル』は片言だが会話が出来た。
『ラティナ』に身寄りがない事が分かり、ほっとけない『デイル』は下宿してる酒場『踊る虎猫亭』に連れて行く事にした。最初は孤児院等に預けようとしたが一緒に暮らしてるうちに育てる事に。
…ってとこですね。


う〜ん…、『魔王も倒せるかもしれない』がほぼ皆無でしたね。多少魔王の話は出ますがアニメ分のとこではほぼ関係ないです。そーゆー意味では物語の動きは無いかな。

なので『デイル』と『ラティナ』の物語、というか、『デイル』と『ラティナ』の寝食を共にし、色々な経験をし、そしてお互いにかけがえのない存在になっていく物語かな?と思います。
ま、『ラティナ』の成長物語でもいいのかな?

初登場時『デイル(18歳)』・『ラティナ(7歳)』


ちょっと面白かったのが『デイル』だけじゃなく『踊る虎猫亭』に来る冒険者や強面の客もデレデレなのが笑えましたね。
子供の時って本当に男の子より女の子の方が覚えも早く、何かを手伝ったりどーゆー行動を取ったら良いかを無意識にやるのがビックリですね。男の子の場合は興味持った物の集中力が凄いですけどね。
このアニメに出てる『ラティナ』は小さい時の女の子の取るような行動をよく表現出来てたと思います。手伝ったり、嫉妬したり、不安がったり…と色々ね。

前に保育園の手伝いに行く事があったんですが、小さくても女の子は女の子なんだなと思いました。考え方が面白い。
男の子は単純で楽でしたが体力系が主なのでボロボロになりましたが(笑)


ただまぁ残念なのが素人の私でも分かるくらいの作画がブレまくりでした。顔が変わる変わる(汗)

ストーリーはタイトルを変えた方が良いかも?と思うくらい。旅やバトルも一応あるけど数分程度でほとんど9割はファンタジー世界で普通に生活する様な物語になってしまってた事。
その生活中に色々な問題が起こるのでそれは面白かったけど、やっぱりタイトルとの相違を感じました。原作読め!って事ですかね?


良かったとこは『ラティナ』があざとく見えず、普通に可愛らしく観れたとこですね。
あざといだけの物語だったら私は受け付けず断念してたと思いますが、『ラティナ』の様な行動を取る小さい女の子の行動を見た事があるのでシンプルに設定も飲み込めました。

後、『ヘルミネ』の存在ですね。
このキャラはちゃんと『デイル』に現実をバシッ!と言ってくれるのは良かった。

それから「みんなと違う」に対しての傷つける行動かな。解決方法は結構ゴリ押しと言うか八つ当たりですがね。詳しく書くと面白味が半減するのでここで辞めときます。

個人的には『ジルヴェスター役』の『CV西村知道さん』がキャラに合ってた事ですね。なんか孫娘に激甘な感じのおじいちゃん!って感じでフフフッてなりました。


OP曲は『ラティナ』視点、ED曲は『デイル』視点で描かれていて物語に合ってたと思います。
血が繋がってない+別種族の家族愛と言っても良いのかな?それが好みの方にはオススメです。

投稿 : 2024/07/06
♥ : 10

65.7 25 ラノベ原作で冒険なアニメランキング25位
棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (605)
3225人が棚に入れました
航天要塞ソアラでの戦いから1ヶ月後、亡き父・禁断皇帝の遺体を求め、チャイカ、そしてトールとアカリ、フレドリカの一行は旅を続けていた。
次なる遺体の所持者は、皇帝を討伐した八英雄のひとり、クローディア・ダッジ。
彼女は優秀な魔法師(ルビ:ウィザード)であったが、いまや広大な葡萄園とワイナリーを経営する女主人となっていた。遺体をかけて勝負を挑むチャイカだったが、その圧倒的な実力差に、なすすべもなく完敗。
「完璧なる敗北…」落ち込むチャイカに、クローディアから意外な提案が……!?

声優・キャラクター
安済知佳、間島淳司、原優子、斎藤千和、佐藤健輔、野水伊織、幸田夢波、森嶋秀太、山本和臣、藏合紗恵子、勝沼紀義、ブリドカットセーラ恵美、金尾哲夫、大空直美、村瀬歩、櫻井孝宏
ネタバレ

あしすと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アニメ視聴者のことを第一に考えたとても良い作品だと思います

原作未読です。

このレビューは「棺姫のチャイカ」の1期2期を総合した感想です。



タイトルの通り、とても「良い作品」だと思います。

ラノベ原作という制限の中で、分割2クールというメリットを最大限に活かしてアニオリ展開を交えながら、ストーリー展開で視聴者を置いてけぼりにすることなく完結まで描き切った作品。


やっぱりアニメを制作する上で、最初から完結させるつもりがない作品を世に送り出すというのは、アニメ好きライト層に親切ではないと思います。

伏線をばら撒きまくって最終回ラストに思わせぶりなシーンを入れたりしているのに、「続きが気になるなら原作で」「円盤が売れれば2期もあるかもね」というのには好感が持てません。

もちろん原作有アニメのビジネスモデルとして、そういう売り方が主流になっているだろうことは分かっていますが、
それにしたって最終回ラストに思わせぶりなシーンを入れるくらいなら、アニオリENDにして続編がなくてもモヤモヤしない締め方をするくらいの誠意を見せてほしいというのが個人的な感覚です。


※ちなみに、完結しないのが嫌なら原作無しのオリジナル作品を見ればいいという話にもなりそうですが、私はラノベ・青年漫画原作のB級バトルファンタジーが好きなんだからしょうがないんです(笑)

オリジナルアニメって、ほとんど全てが「何か爪痕を残そう」という感じの意欲作ばかりで、良くも悪くもB級感がないのが個人的にあまり好きではないんですよね(笑)

もちろんそういうオリジナル作品も見ますが、あくまでも自分が最も好きなジャンルはB級感溢れるバトルファンタジーラブコメかギャグラブコメなものでw




そんな中での、この「棺姫のチャイカ」
ラノベ原作で完結したアニメ作品なんてほとんどない昨今、しっかりと完結させた作品です。


ぶっちゃけ、キャラ萌えが重要な自分にとっては、キャラはあまり魅力的ではありませんでした(笑)

チャイカはデレないキャラすぎて萌えなかったですし、アカリのクーデレ(?)はシュールで難易度高すぎましたw


とはいっても、ストーリーはかなり良かったと思います。

ダメなラノベアニメの共通点として、
①原作からカットする部分が悪く、ストーリーが繋がらない
②カットをしないようにするために詰め込みすぎて、結局ストーリーがよく分からない
→その結果、原作を知らないアニメ視聴者置いてけぼり、ということがあります。

しかしこの作品は原作をうまく再構成してアニオリENDにしたらしく、置いてけぼり感を感じることがありませんでした。

{netabare}欲を言えば
・エピローグが短すぎた
・記憶を代償にした白チャイカのエピローグをもっと描写してほしかった
・10話でこんなに上手くまとまるなら、もっと余裕をもって12話やってくれても良かった
…とは思いましたが、まぁ無い物ねだりですかね。{/netabare}



今の時代において、3クール・4クールやるというのはよほどの人気作じゃないとおそらく無理でしょう?

というか、人気作でも
・続編は円盤が売れにくい
・一度人気になっている以上、続編を作っても原作売上は伸びにくい
という理由があるのか、全然続編作られないし。

でも日常ラブコメものならともかく、バトルものを1クールで完結させるのはさすがに不可能ですよね。


となると、やっぱり2クールでのアニオリENDってすごく理にかなっていると思うんです。

このチャイカのように、単に分割2クールというだけではなく、そこで完結させる。

この作品に限らず、原作読者にはアニオリ展開に忌避感があるパターンが多いと思いますが、そこは現実的に考えて「どうせ続編なんて出来ないんだから、モヤモヤENDになるくらいならアニオリENDになったほうが綺麗にまとまって良かった」と割り切る。

ラノベ・青年漫画原作アニメが好きな自分にとっては、このような作品がもう少しだけでも多くなってほしいと思うわけです。



正直言うと、この作品は自分のストライクど真ん中というわけではありません。

しかし、ストーリーそのものというよりも「ラノベ原作バトルファンタジーアニメを完結させた」という構成において、もっともっと評価されるべき作品だと思います!

投稿 : 2024/07/06
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

存在に対する執着と翻弄されるチャイカ・・・物語の結末は如何に?

この作品は「棺姫のチャイカ」の2期に相当する作品です。物語に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお奨めします。

1期は、親を弔いたいというチャイカの純粋な気持ちにサバターのトールとアカリ、途中からドラグーンのフレドリカが応え、旅を続けて来ました。
ですが、この純粋な気持ちで起こしたチャイカ一行の行動とは別に、見えない力に引っ張られるようにして運命の渦に巻き込まれていきました・・・
そして大きな傷痕を残して物語が終わって・・・物語は2期に繋がっていきます。

存在に対する執着・・・これは遺産という形に姿を変え周りを巻き込みましたが、物質に対する執着は人それぞれ・・・頑なに固執する者、自分で新しい道を切り開いている者・・・
トール達は、旅のなかで様々な人に触れることになるのですが、この展開はとても丁寧に描かれていたと思います。

そして、途中で様々な横やりが入って順風満帆に旅を続けられず、後手を踏んでしまう展開は1期から健在なのですが、物語の核心にせまっているからか1期とは横やりの質が異なっています・・・

これまでは、収集に焦点を置いて物語が展開されてきましたが、2期では収集のその先にあるモノが何なのかが描かれていて、話数を積み重ねるたびに全容が少しずつ明らかになっていくので見応えも十分です。

チャイカ・・・彼女はこの旅で多くを吸収しました。
人に頼ること・・・
守り守られること・・・
想いに対して常に真摯であり続けること・・・
こうした彼女の考えや生き様が、周りを救い・・・結果的に旅が続けられたのだと思います。

物語の終盤・・・役者が揃い物語最大の見せ場が訪れます。
起こってはいけないことが起きたら・・・その道筋は修正されなければいけません・・・
もちろん一筋縄で・・・なんて訳にはいきません・・・
これまで大切にしてきたモノだって差し出せる・・・その覚悟はできている・・・
それでも傷だらけになって・・・ボロボロになっても前へ進もうとするトールとチャイカ達・・・

こんなにも感動的な展開・・・なのですが、ラストの尺は正直短さを感じずにはいられませんでした^^;
そもそも何故10話で終わってしまったのでしょう・・・^^;?
あと2,3話あったら、間違いなく感動の度合いも高まったでしょうに・・・
1期は12話ありました・・・2期も同じ尺話数だとばかり思っていたのに・・・(;_;)

でも、ラストの展開の早さを除けば、総じてしっかり練られた作品だったと思います。
ラスト・・・も良かったと思います^^
いつまでも皆んな仲良く・・・そうあって欲しいと思えた作品でした^^

投稿 : 2024/07/06
♥ : 32
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

王道過ぎる展開に食傷気味。1期で育てたキャラクターの良さをもっと活かす2期であって欲しかった☆

本作は榊一郎のライトノベルを原作とした作品です。テレビシリーズ第2期にあたる作品の為、前作からの視聴を推薦します。2014年10月から12月にかけて放映されました。今期では彼女らがどんな活躍をしてくれるのか…期待に胸を膨らませての視聴開始でした。

総評として「王道過ぎる展開に食傷気味。1期で育てたキャラクターの良さをもっと活かす2期であって欲しかった」…といった感じでしょうか。
‘正義(主人公)は必ず勝つ’これは我々が幼少期から「戦隊物・ヒーロー物」のようなノンフィクションを見続けてきた結果、決して覆ることの無い定義として脳に記憶されている事柄です。つまりいくら「物語を楽しみたいから視聴前からのネタバレは避けたい」と言った所でアニメである以上、我々は「見る前から結末(着地点)が解っている」と言っても過言ではありません。逆を言えば「結末は解っているけど楽しみたい」という視聴者の心理でもあるのです。簡単に言えばハラハラドキドキの展開ってヤツですね。
今作にはコレが決定的に足らなかった。
1期の放映当初から2期が決まっていた今作を見るにあたって1期は1つの物語の前半を見るような気持でしたので王道的な展開には苦痛を感じませんでした。むしろ素直な展開が多くて視聴しやすいくらいです。チャイカを初めとする登場キャラクターも魅力的でしたしね。しかし2期では前期の王道的なストーリーが淡々と続いていくのみで「どうなってしまうのか」とハラハラさせてくれる演出に欠けている印象を受けました。
・水戸黄門で最後に印籠が出て終了。
・刑事ドラマで「~ちゃんが復讐を願っていると思いますか!」というセリフに泣き崩れる犯人。
…あー、それね。
という定番の物語では、もうコアなアニメファンを満足させる事は出来ません。もう少し物語に意外性を持たせる事が出来れば、評価も変わったのではないかと思います。

しかしそう考えると最近のアニメって物語に対して貪欲ですよね。
良い傾向だと思います。
逆にドラマなんて、いまだに黄金パターンの作品が多いような気がします。
昔は「アニメなんて子供騙し」と言われていましたし、今でもそう思う人は多いでしょう。
そんなアンチアニメ派に私は声を大にして言いたいのは「どちらが子供騙しですか」と言う事ですね☆

*以下はネタバレになるため閲覧注意です!
{netabare}
この一言に尽きると思いますが
「・・・ボス弱過ぎ」
黄金RPGドラゴンクエストのボスでももっと粘るぞっ!ww
{/netabare}

投稿 : 2024/07/06
♥ : 28
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