メイドで組織なTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のメイドで組織な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月02日の時点で一番のメイドで組織なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.1 1 メイドで組織なアニメランキング1位
アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (2115)
12092人が棚に入れました
異世界交易の切り札は『萌え』だった!? 高校中退状態の慎一が、セッパつまったあげくの就活で得たのは、ファンタジー世界で、おたく文化を伝導するという仕事!? ほとんど騙された形で連れて行かれた場所は、ドラゴンが宙を飛ぶ、まさに異世界だった! が、このあまりにも異常な状況と展開でも、生粋のおたく育ち・慎一は苦も無く適応!! マジで、ハーフエルフの美少女メイドさんや美幼女皇帝陛下とラノベ朗読で親交を深める萌え展開に。だが、世の中やはり甘くない。慎一の活動に反感を持つ過激な勢力がテロを仕掛けてくる。さらに、その慎一の活動そのものにも何やらキナ臭い裏が!? 『萌え』で、世の中を変革できるのか? それとも『萌え』が、世界を破滅に導く!?

声優・キャラクター
花江夏樹、三森すずこ、渕上舞、内田真礼、上坂すみれ、藤原啓治、三木眞一郎、一条和矢
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

水着回は現場で起きてるんじゃない!会議室で起きてるんだ!

原作知らず。
キャッチさせていただいているhaigaさんのレビュー(ネタバレレビューを読む)で存在を知りました。haigaさんが異世界ハーレムファンタジーとして絶賛されていたので、どんなものかと試し視聴。。。しみじみ連休でよかった。

最後まで楽しく視聴できました。大いに満足です。本当に過不足なく、ちょうどいい塩梅の異世界+ハーレム+ファンタジーな作品だと思います。まさにちょうどいい異世界ハーレムファンタジーをお求めの方に、お勧めしたいと思います。

富士の樹海で発見された異世界とこちらをつなぐ転移門。「あちら」の国になぜか受けの良かったオタク文化をさらに浸透させるべく白羽の矢を立てられた主人公。あちらの住人たちとあちらの世界で企業経営、学校経営をしながら、オタク文化を異世界に広めていく・・・・といった感じ。

作画は高値で安定。全くないとは言いませんが、気になる崩れは特にありませんでした。
キャラデザは僕として大変好ましく、とくに女性キャラはいずれもそれぞれに可愛らしく描かれていると思います。
主要なキャラはもちろんですが、一部のモブキャラの造形もよかったです。
声の演技は非の打ちどころなし、という感じがします。


通して観終わった今の段階では、主人公やあちらの国、日本の立ち位置、物語進行の上で齟齬が生じている点など、もろもろアラが見えてしまいます。なので先にそれらをやっつけちゃいます。

世界観・設定の根幹:自衛隊(ちょっとなー)
ネタバレレビューを読む

世界観・設定の根幹:日本政府とあちらの世界(建付けとしてはいいんじゃないかな?浅く感じるけど。)
ネタバレレビューを読む

人物造形・主人公の性格・性質(ご都合主義だなー)
ネタバレレビューを読む

以上、あーやっぱりラノベだなーな浅さでした。
でも、以上の「問題点」は主人公のことを除けば、本作の楽しさを損なうものではないと思います。「全体を見終えた後にあえて言うならば難点」だよなというものであって、通して観る分には12話できれいにまとまった良作だと思っています。だってこの作品、本質はそこじゃないもの。

・ハーレムを構成する面々(人数的にも程よいかな。自衛官含めて4名だし)を愛でて楽しむ
・これでもかとねじ込まれる他作品へのオマージュ・パロディを楽しむ
・オタク文化そのものをメタ的に扱ったネタを楽しむ
・コメディー作品として単純に楽しむ

ここらが本作の本筋ではないでしょうか。パロディがらみは僕にはわからないものも多々ありました。ネタバレレビューを読む

主人公が基本的にいいやつなので、ハーレム構成員から好かれていくのもそれほど気になりませんでした。メインのハーフエルフはとてもかわいらしく描かれていましたし、ずっと好感MAXでした。僕基準ですが「ファンサービス」も程よい感じだったと思います。

本作は劇伴もなかなか良かったと思います。とりわけ、オチ、コメディパートや主人公がオタク暴走するシーンなどで流れていた「だ・んだだだだだ・だ(言語表記困難につきご容赦)」で展開される曲は最高でした。これだけで笑えます。N↓DA↑GI↑NA↓DA☆ という曲名らしい。

僕が個人的に大笑いしたエピソードは第9話です。作中でも言われている、俗にいう水着回です。。。が、水辺とはかけ離れた舞台、お城の密室で繰り広げられる「五名の最高の学者たち」のやり取りがツボにはまりました。静止画が多いですが、かなり力の入った絵面で展開される密室会議の行方に御注目ください(笑)。

最終話、最後のオチにはちょっとほっこりしました。よい幕のおろし方だったと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 25
ネタバレ

智慧ノ輪 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

個人用メモ

【製作】
feel.
【CV】
加納 慎一 - 花江夏樹
ミュセル・フォアラン - 三森すずこ
ペトラルカ・アン・エルダント三世 - 渕上舞
古賀沼 美埜里 - 内田真礼
的場 甚三郎 - 藤原啓治
ガリウス・エン・コルドバル - 三木眞一郎
エルビア・ハーナイマン - 上坂すみれ
ブルーク・ダーウェン - 富田貴洋
ネタバレレビューを読む
ここから先はネタをネタとして見れる人、もしくは「総合エンターテイメント商社アミュテック社」の関係者以外は見ちゃいけないかもしれない
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

え~っと、あの~おっきなエビがいっぱいいるところ?・・・・・・“伊勢”かい!?

原作は未読

番宣に触発されての視聴です

ジャンルは
「オタク」
そして
「ファンタジー」

「異世界」モノです


本作視聴後
なにげに「あにこれ」の自分の棚を眺めてみたのですが

正直「異世界」モノってあまり観てないんです

「まおゆう」ぐらいかな・・・

「はたらく魔王さま」も異世界だけど
ほとんどが現実世界のお話

「狼と香辛料」はファンタジーだけど異世界っていうより
どこか外国のお話っていう雰囲気

ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む

(※作品タイトルは私の勝手な都合で抜粋させていただいてます^^)

まあ冷静に考えたら
アニメ作品なんて全部
異世界のお話なんですけどね


そんな異世界が現実世界と繋がってしまって
こともあろうに
その異世界にある国に
アニメやゲームなどの「オタク文化」を広めようという壮大なストーリー

でも
どんな理屈で異世界と繋がったのか?
なんでオタク文化を布教(?)するのか?
文化交流に行き着くまでのいきさつって?

などなど
しちめんどくさい説明は一切ありません

そして
そんな国家プロジェクトレベルのお話にも関わらず
内容がとてもしょぼい

いきなり
主人公でオタクでヒキコモリの
「加納慎一(かのうしんいち)」くんが
「総合エンターテイメント商社アミュテック社」(日本政府と神聖エルダント帝国(異世界側にある国)の共同出資による第三セクターの企業らしい)の
入社試験に合格

そして
いきなりの総支配人(社員はしんいちくん一人らしい)に抜擢


主な登場人物は両手で収まるくらい
私のようなめんどくさがりにはありがたいほどの少人数


お話は
そこそこの展開はあるのですが
大量のパロディと
センスを疑いたくなるような
低レベルなひねりを効かせた
アニメやゲームのタイトル連発で
肝心の根幹部分はまったくなりを潜めてしまってます

原作の「アウトブレイクカンパニー」なんて
危うく騙されそうなタイトルの意味も
作中で語られていますが
それは観てのお楽しみ・・・

っていうか

ぶっちゃけ
終盤で
ネタバレレビューを読むみたいなことを説明してしまって
なんかこじつけ的なところもちらほら

それよりも
サブタイトルの「萌える侵略者」って
原作のサブタイトルであって

“アニメ作品”でのタイトルは「アウトブレイクカンパニー」のみのはず・・・

あに○れスタッフさま
しっかりしてください

正直
レビュー書くときの“ネタ”に困ってしまいます(怒

(ホントは
ネタバレレビューを読む


唯一救われたのは各々のキャラ設定・・・

(数えるほどの)かわいい萌え系女の子に
(数えるほどの)イケメンくん

主人公のしんいちくんが
イケメンで明るくて

私の思い描いていた「オタク」像を
大きく覆してくれたことは
そこそこ評価に値します
(かといって世の中の「オタクくん」の半分くらいがそうなのかな~なんて微塵も思ってませんよ^^)

って
それくらいでしょうか^^;




さて
散々なことをいろいろと書いてしまいましたが

そんな内容でも
観てしまったのは事実です

そう
この作品に惹かれた
一番の理由

それはテーマ曲

OP・EDともにとてもいい出来(個人的な感想です)

OPは
メインヒロインでメイドの「ミュセル・フォアラン」役の三森すずこさんが唄う
「ユニバーページ」

EDは
こちらもメインヒロインで
神聖エルダント帝国の皇帝の「ペトラルカ・アン・エルダント三世」(なげ~よ)
役の渕上舞さんが唄う
「私の宝石箱」

「ユニバーページ」は「渡辺翔」さん
「私の宝石箱」は「ゆうゆ」さんが作詞作曲をされているとのことですが

作品の世界観やキャラのイメージがとてもよく表現されていて
思わず聴き入ってしまいます


特にOPの「ユニバーページ」は番宣で流れていたのを聴いてから
頭から離れず
しばらくの間(といっても2週間ぐらい?)
録り貯めていたブツのOPのところ“だけ”をひたすら聴いていました
(実は忙しくて内容まで観る暇がありませんでした^^;)

中世ヨーロッパをイメージした荘厳な曲(Wikiより)
原作を読んだ上で渡辺が書き上げた(Wikiより)
イントロに聖歌隊を思わせるコーラスが導入されていたり(Wikiより)
古風な楽器が使用されている(Wikiより)
ファンタジー的な内容に仕上がっている(Wikiより)

なおレコーディングに際し三森は世界観を固めるために原作を熟読した上で臨んだという(Wikiより)

という力の入れよう
(私はひたすら力を抜く努力をしてます)

映像もファンタジーでほのぼのとした雰囲気

2話目までは静止画を多用していたのに
3話目からは動きのある映像に変わっていたり

最後まで意味不明なキャラが目立っていたりと
なにげに意味深で謎の多いオープニングではありました


とにかく
内容はともあれ
OPとEDのテーマが聴きたくて
毎回視聴してしまった作品でした

投稿 : 2025/03/01
♥ : 33

75.2 2 メイドで組織なアニメランキング2位
アキバ冥途戦争(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (342)
996人が棚に入れました
1999年 春 かわいいメイドに憧れて、 ひとりの少女が秋葉原にやってくる。 世紀末の“アキバ”は、 多種多様なメイドさんでいっぱいいっぱい。 メイドカフェ「とんとことん」通称『ブタ小屋』は、 今日もブヒブヒ営業中! 一緒に入店した新人メイドは破天荒さんで、 ドッタンバッタン大慌て。 推しメイドや調教師、 秋葉外生命体も現れて、 赤バットはフルスイング! これは、 全てのご主人さまとお嬢さまに贈る、 渾身のメイドお仕事奮闘記。 「みなさまのお帰りをお待ちしてますブー」
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とある科学の反社会砲(ハンドガン)

金曜夜九時、中野駅近くにある安い居酒屋のテーブル席にて。
三十代の男Aと、職場の後輩らしき二十代半ばに見える男B女Aが、
生ビールを飲みながら話をしている。
すでに何度かビールのおかわりをして、半分ぐらい出来上がっている感じ。

  男A「オレ思うんだけどさ~、メイド喫茶ってけっこうヤクザな商売だよな」
  男B「あ、自分それわかります、センパイ」
  女A「あたし、行ったことないからわかんない。そうなんですか?」
  男A「そうよ。素人バイトが作ったオムライスやらなんやらでバカっ高い値段とってさ」
  男B「まあ、ふつうの喫茶店として見たら、ほとんど崩壊してるっスよね」
  男A「おまえさ、ちょっとこの焼き鳥に『おいしくな~れ、もえもえきゅん』って言ってみ」
  女A「はい? (棒読み調に)おいしくなあれ、もえもえきゅん」
  男A「食ってみ」
  女A「はあ……。もぐもぐ」
  男A「美味くなったか?」
  女A「(口に含みながら)いいえ。……てか、なるわけないですよね」
  男A「だろ? なのに値段が三割り増しとか倍とかなんだぜ」
  男B「チェキとか、メイドさんと一緒に写真撮るだけで千円とかっスもんね」
  女A「それ、めっちゃぼられてんじゃん。ま、かわいい子多いなら仕方ないのか」
  男A「うんにゃ。ぜんぜん」
  男B「まあ、並みならアタリって感じっスかね」
  女A「え゛そうなの? ふへえ……。そんじゃ、みんな何しに行くんですか?」
  男A「世界観の……共有?」
  女A「いや、質問形で答えるのやめてくださいよ」
  男B「あ~でも、わかるっス。その場の空気にカネ払ってるつ~か」
  女A「なにそれ。水商売よりタチ悪いじゃん」
  男A「だからヤクザだ、つってんの。水商売じゃなくて空気商売」
  男B「オンナ慣れしてないヲタって、カネ巻き上げるのカンタンっスから」
  女A「あこぎだ……ガチもんのあこぎだ……」
  男A「だからさ、いっそ、全部ヤクザが経営してるって方がすっきりすると思うわけよ、オレは」
  男B「あ~、それいいっスね。抗争とかあったりして」
  男A「メイドもみんな構成員でさ。上納金あつめんのに四苦八苦してたりすんの」
  男B「対立してる店のメイド、パンしちゃったりするんスかね」
  男A「そりゃあるだろ、カチコミとかもふつうに」
  女A「あのお~、オタクの人たちって、そんな物騒な店行くんですか?」
  男A「いやほら、そこは表の顔と裏の顔ってやつでさ」
  男B「きゃぴ~んなんて言われて大ヨロコビしてる連中っスよ。騙すのなんかわけないっス」
  女A「ん~……そこはまあ、そうかなあ。あ、生チュ-おかわりください」
  男A「でさあ、男だけでなく女の子もたまに騙されるわけよ。メイドに憧れて上京したりさ」
  男B「そいで、タコ部屋にぶち込まれて抗争巻き込まれたりっスね」
  男A「そ~そ~。そいでも『あたしは暴力キラいです』ってツッパったり」
  男B「そのくせ、やたら戦闘能力高かったりするんスよ」
  男A「んで、ムショ帰りの姉さんメイドに背中で語られたりするわけだ」
  男B「そいで『極道』ならぬ『メイド道』に目覚めたりとかしちゃうんスよね」
  男A「わかってんじゃねえかおい。まあ飲め飲め」
  男B「飲むっス」
  女A「(ためいき)はあ~っ。ほんと、男の子ってこういう話好きよねえ」
  男B「好きっス。アニメ化して欲しいぐらいっス」
  男A「ん? ん~~……ひょっとして、これ、いけんじゃね? アニメ化」
  女A「はあっ?」
  男B「おおっ」
  男A「だって、男ってヤクザもん好きじゃん? メイドも好きじゃん? だったらいけんじゃん?」
  男B「マリアー~~ジュうっ!」
  女A「いやいやいやいや。そんなもん、誰が板買ってくれんですか」
  男A「舞台をアキバにして人気声優とか使ったら大丈夫だって」
  女A「いやいや、アキバって萌えの街なわけでしょ? ヤクザって似合わないじゃないですか」
  男A「うんにゃ。アキバが萌えに走ったのって、この二十年ぐらいだから」
  女A「マジで? 昭和の話とかではなく?」
  男A「そ。それまでは小汚い電気街でさ~。設定を1999年ぐらいにしたら、雰囲気とかバッチシだから」
  男B「そっちの方が、おっさんヲタが懐かしヨロコブんじゃないスか?」
  男A「だよな。つ~か、おっさんヲタの方がカネもってるもんな」
  女A「も~。またそうやって他人(ひと)のサイフ覗き込むようなマネを」
  男A「なに言ってんだ、マーケティングだよマーケティング」
  男B「そうっス。カネのあるトコロからかっぱぐのは正統なビジネスっス」
  女A「あ、かっぱぐ言った」
  男A「よっしゃあ、なんか燃えてきた。おいおまえ、企画書かけ」
  男B「書くっス」
  女A「マジですか~。やめましょうよ、通りませんって。また笑われるだけですよ」
  男A「だいじょうぶ。ウチの会社バカばっかだからゼッタイ通るって」
  男B「通るっス」
  男A「タイトルは『アキバ冥途戦争』。あ、メイドはカタカナじゃなくって漢字。極楽浄土の『冥途』な」
  男B「ぎゃはははは。サイコ-っス」
  女A「え~~……」


というような会話が実際にあったのかどうかはわかりませんが、
おそらくはそんなグダグダ話だったのが本当にアニメ化までされちゃったのが、
本作『アキバ冥途戦争』であります。

制作はみんな大好きP.A.WORKS。
お仕事アニメに飽きたのか疲れたのか新機軸を模索中で、
前作『パリピ孔明』同様、みごとな迷走っぷりです。

面白いかどうかは、本当に「人による」としか言いようがなく。
僕個人としては、こういう
  『アホなことを大真面目にやる』
という作風は大好きですし面白いとも思うのですが、
本当にパンしちゃったりしてるので苦手なひとは苦手かもです。
(というか、安倍元総理の事件の後でよくOAできたなあ、と)

基本的な構成は前フリ(長げ~よ)のように、
血で血を洗う抗争を繰り広げる1999年の秋葉メイドカフェ業界で、
そういう世界だとは知らずメイドに憧れて上京したヒロインが、
ガチやばい環境に巻き込まれつつ自分の道を模索していく感じです。
(まあ、広義のお仕事系アニメと言えなくもなく)

お話は、だいたいは1~2話完結式。
ただし、その都度状況が変わって物語がうまく転がっていくので、
惰性的なワンパタ感はありません。

物語の中心は主人公が勤務するさえないメイド喫茶で、
多店舗展開しているケダモノランドグル-プの最下層に位置する『とんとことん』。
対立するメイドカフェグル-プとの抗争だの合併だの、
15年前の抗争事件の仇討ちだのという泥臭い背景を抱えながら、
必死にあがいて生きていくメイドたちの群像劇的なアレになっております。

  ふんっ、メイド+ヤクザなんて、
  どうせ中途半端なスラップスティックコメディなんでしょ、
  なんて思ってたら大マチガイ。

       毎回、人、死にます。ガチで。

  大真面目にメイドさんが任侠・極道やってるわけですよ。

  もちろんコメディ的な演出も随所にあり、
  なんでこんな街をケーサツが放置するかなとかツッコミどころも満載。
  おバカな設定をこれでもかとシリアスにやりきる、
  徹頭徹尾ブラック・ジョ-クに特化した、
  ちょっと類を見ない感じの『おバカ殺伐エンターテインメント』なのであります。
  ネタバレレビューを読む
  役者さんや制作者が口々に本作を『お仕事アニメ』と呼んでますが、
  それもまたブラック・ジョ-クで言ってるわけで、
  そこがわかんないとまるっきり楽しめない一本なのではあるまいかと。


僕的なおすすめ度は、
完全に『人による』という前提でAランク。

そもそもブラック・ジョ-クというのは、
アニメに限らず、基本的にあまり日本人ウケしないテイストなんですよね。

感性というか国民性というか、
『くまみこ』だってボコボコに批判されちゃうし、
天下の北野武監督だって、
ヴェネツィアで金獅子とるまでは国内で見向きもされなかったわけで。
(『ソナチネ』とか、めっちゃ面白かったんですが)

  ですから、たとえばバーホーベンの『スターシップ・トゥルーパーズ』あたりを
    こんなおバカな話にこんなカネかけて、ほっんとバカだね~
  などと(好意的に)笑いながら見ていられる方なんかにオススメの一本かなと。


ただし、ホントに類を見ない作風なので、世界観をつかむまでは一苦労。
エラそうに書いてる僕にしたって一話を見たときは

  えっと……なんじゃこれ?

とか思っちゃいましたし(一話切りした方、けっこう多いのでは)。

頭の上に『?』マ-クを浮かべながら2~3話ぐらいまで視聴して、
そうかそういうことかと腑に落ちてからは、
なんとなく目が離せなくなって、
4話あたりで自信が確信にかわった次第であります。


そう思って見てみると、キャスティングからしてブラックジョークそのもの。

主役である和平なごみ(近藤玲奈)さんを囲む『とんとことん』のメンバーは、
・万年嵐子(ムショ帰りで35歳の新人メイド)
  →佐藤利奈さん『とある科学の超電磁砲』御坂美琴役
・ゆめち(店のエースメイドにしてバクチ打ち)
  →田中美海さん『ハナヤマタ』ハナ・N・フォンテーンスタンド役
・しぃぽん(銃火器の扱いが得意なガングロメイド)
  →黒沢ともよさん『響け!ユーフォニアム』黄前久美子役
と、極道とは真逆の出世作もってる役者さんばっかだし。
いやほんと、アクセラレータもまっつぁおのベクトル変換であります。

その他の役者さんも、ゲストキャラに至るまで豪華そのもの。

  クライマックス直前、10話まで生き残っていたキャラでいうと、
  高垣彩陽さんでしょ、それと皆川純子さん、小林ゆうさん、
  さらにはパンダの中身が平野綾さんだったってのに思わずびっくり。
   ネタバレレビューを読む
  それまでにあえなく死んじゃったキャラも豪華ケンラン。

  諏訪部順一さん、内山昂輝さん、
  喜多村英梨さん、石見舞菜香さん、竹達彩奈さん、小松未可子さん、
  生天目仁美さん、小倉唯さん……ネタバレレビューを読む

  まあ、役者さんというのは基本的に
  こういう『おバカを真面目にやる』という芝居が大好きなので、
  みんな大喜びで演ってると思いますが。


映像は、1999年秋葉原の『小汚い感』がしっかり出ていてよき。
作画や動きは……まあ、こんなものかしら。
あと『パリピ孔明』でコレジャナイ感が強かったモブキャラですが、
メイドカフェの客層の『たいしたことなさ』が見事に表現されています。
やっぱP.A.WORKSさんはパリピじゃなくてこっちですね。

  あと、殺されちゃたけど、内山昂輝さんの演じた取り立て屋、
  キャラデがとってもナイスです。
  いやほんと、当時ってこんなやつばっかだったんですって。


音楽はOP・EDとも、映像との合わせ技で出色の出来。

OPは世界観をばっちり表現できてますし、
ただ歩いてるだけなのにガラ悪さが伝わってくる最初のカットが秀逸。
作画はもうちょい頑張れ。

  EDは、わかる人にはわかる、爆笑必至のド演歌になっております。
  歌詞もよくできているし、
  なごみが銃弾ポトリと落とすカットは拍手喝采もの。
  そしてなんと言っても、
  これを唄っているのがレールガンこと佐藤利奈さんなのがサイコ-です。
   (佐藤さん、楽しかったろうなあ)

  最終話だけ歌唱が近藤玲奈さんに変わっているところも、
  本編のシュ-ルなエンディングと合わせ、
  いやあ、芸が細かい。
   (近藤さん、時系列に合わせて歌と最後の台詞、声かえてますしね)  


というわけで、僕的には大ヨロコビの本作なのですが、
賛同していただける方はけっこう少ないだろうなあと思っております。
何度も言うけれど、日本向けの作風じゃないんだもの。

  ガイジンさんなら手を叩いて喜びそうだけど、
  これ、海外番販売れるか?
  大手はまずムリだからやっぱネット頼みしかないような……。

だからまあ「なんで作った?」という声はいつまでも続きそうだけど、
こういうチャレンジ精神は大事です。
よくやった、P.A.WORKS。

あと、MX、KBS京都、サンテレビと、
こんなヤバいアニメを地上波が三局も流してくれてるのというのは、
ほとんど奇跡みたいなものではあるまいかと。

まあ、KBS京都は地上波で唯一、
あの『異種族レビュアーズ』を定時枠で完走した局ですしね。
なんでもアリっちゃアリなのかも知れません。

  そういえば『異種族レビュアーズ』も本作と同様、
  誰得なのか皆目わからず、
  作ったり演ったりしている人間が一番楽しそうなアニメでしたね。

  まあでも、
  制作も役者も最初から匙を投げているような作品が多い昨今、
  こういうアニメは希少であります。

  出版社だの声ブタだのが喜んでいるだけで、
  制作者や演者はこれっぽっちも楽しくない、面白いとも思わない、
  そういうアニメを日々『プロ』として粛々と作っているわけですから、
  たまにはこういうご褒美、
  キワキワの作品があってもいいんじゃないかと拙は思うわけです。

    はあ? なに言ってんの。こっちゃカネ出してんだよ。
    いいから原作どおり作りゃいいんだよ、
    たかがアニメに芸術家みたいなこと言ってんじゃねえよ。

  なんて真顔で言うやつら、ほんとにけっこういますしね。

  ここだけの話、

               誰かパンしちゃってくれないかしら。    

投稿 : 2025/03/01
♥ : 26

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

追記 日本アニメの衰退のベクトルを加速させるような作品

追記 なぜ本作が気に入らないのか。それはストーリーを排除して、キャラ設定、作画、メイドという要素を昭和任侠というフレームに乗せて動かすという作り方をしています。
 これは日本のアニメの衰退のベクトルを早めるようなやり方だし、それを意図的にやっているからです。

「ストーリーの排除」というのはテーマやメッセージなどの思想性だけでなく、恋愛、冒険、戦い、旅、闘病などによる物語性も除外してしまっています。そういう「エピソード」はありますし、一見ストーリーがあるように見えますが、キャラ・世界観の背景(裏にある社会や歴史その設定が生まれた意味性)をすべて排除して「メイドが昭和任侠」を行うという表面に見える要素だけで作品を作ってしまっています。これは作品を貫く全体としての「なんの物語か」が無いと言う意味で、物語性がないということです。

 では文学性はあるかというと、私小説的な経験もないし自然主義的な人間も感じられません。目標や選択がないので実存主義も感じないし、説明がないので読み取るべき構造も感じられません。少女が金の為ならメイド=可愛いという象徴で何でもやるならまだ分かりますが、昭和任侠の皮をかぶせたのでアナロジーが成立していません。
 ヒロインに不条理性があるかもしれませんが、脱出可能な状況なのでそこも思想があるとは思えません。あるとすればポスト構造主義ですが意味のない脱構築は「滅茶苦茶」としか言いようがありません。

 なろうに見られるような欲望も見えません。人情の部分もペラペラな表面上の関係性を見せているだけで置換不可能な人間のつながりがないので、感動も意味性もありません。つまり本作は中が空洞で虚無な「ガワ」でしかない気がします。
 日本アニメが発展してきた大きな理由である高度な物語性に喧嘩を売っている気がしました。

 本作はマーケティングの結果とも言えますが、その迎合の仕方がクリエータとしては「やってはいけない領域」に手を付けた感があるからです。

 ですので、私は本作については非常に不快な気分になりました。日本のアニメが進んでほしくない方向を体現しているようなアニメだからです。劇場版SHIROBAKO、アクアトープ、本作とそのベクトルが強まっている気がしてなりません。



1回目レビュー
 馬鹿にしてる?作画とキャラ萌えだけで良いんだろってこと?

 途中断念しましたが、最終話を確認。あまりと言えばあまりの終わり方にちょっと苦言です。結局各話一応確認しましたが、いや、これは無いでしょう。

 テーマ性、思想性、文学性などはエンタメ系としてなくてもいいと思います。1話2話くらいの掴みはあったと思いますのでそこまでは理解します。

 ただ、メイドへの憧れとかメイドをやりたいというモチベーションや夢と、命のやり取りが全くリンクしません。人を喜ばせるあるいは自己承認または生活苦などの理由が全くないのに、命のやり取りをしています。
 アンダーグラウンドな場面もありましたしフィギアが資金源みたいな感じがありましたが、なんの象徴にもなっていません。売春やクスリのアナロジーにすらなっていません。

 最後の方の感動的っぽい感じも、単なる型でしかなかったですし…さらに、これが洒落やユーモアだと思うならセンスが狂ってます。ウイットが全然感じられません。

 つまり、エンタメ極振りだとしても、せめて世界観と舞台設定、登場人物の行動原理に何か理屈とか整合性を持たせないと訳がわかりません。不条理、エログロ作品ですら設定については筋を通すと思います。

 となったときに、作画が良くて、萌えキャラがいて、ちょっと変わった設定があれば話題になるだろう?面白いって言うだろう?的なマーケティング的な発想から作られて馬鹿にされている気がしました。

 アクアトープも似たような作風でしたけど、本作はもっと極端なキャラと作画だよりな気がします。うーん、監督のヒストリーを見てもそんなにひどい作品を作る監督ではないと思うのですが、社風で企画が監督に優先するのでしょうか?

 だとしたら会社の体質です。本作はちょっと虚無を通り越して、視聴者を貶めるような考えが無かったか反省してほしいと思います。
 PAのオリジナルは2作連続だなあ…いや、神さまになった日とSHIROBAKO劇場版含めると4つ連続で似たような印象だなあ…うーん。かえって「天晴爛漫」の出来も確認したい気も…わかりません。どうしちゃたのかなあ…それが市場ってこと?
「シャーロット」は悪くなかったし「色づく世界」は最高だったのに…まあ、同社のお仕事系は正直出来が悪いと思ってますので、その流れかなあ…
 
 私が見逃した、作画やキャラデザ以外で、作品としての優れたポイントがあれば撤回しますが、しかしなあ…


 初回時のレビューは消します。6話断念でしたが、その時の感想は単なる昭和ヤクザ映画の女体擬人化でしかない、という感想でした。まあ、その通りなんですけど、昭和ヤクザ映画の事も、メイド喫茶で働く少女の事も、リスペクトしていない気がしました。

 

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

PAの無謀な挑戦ここに極まる

Cygames×P.A.WORKSが手掛けたオリジナルアニメ。
とんでもなく評価が難しいアニメと相成った。
かつてはオリジナルアニメに定評のあったP.A.WORKSさんだが、迷走に迷走を続け、ついにここまで来たかと。
どうしてこれが売れると思ったのか、それとも一歩違えば本作がヒットした世界線も有り得たのか、正直言って判断がつきかねない。

作品の内容は、90年代末期の秋葉原を舞台にメイドが殺し合いをする任侠物。
…と、一言で言ってしまえば簡単だが、決して今風のスタイリッシュなバトルアニメではなく、どちらかと言えば昭和の極道映画をパロったような世界観ではある。が、そこまでハードボイルドに振り切ってはおらず、キャラ萌えやギャグも取り入れている妙なアンバランス加減だ。
1話視聴段階では今まで見たことない衝撃の作風に期待度ストップ高となる。
オリジナルアニメとしては同じCygames出資作の『ゾンビランド・サガ』以来のインパクトだったと言える。

しかしながら第2話にてストップ高だった期待値は急落。
特段つまらないわけではないものの想定を超える内容には至らず、ゾンサガの再来を期待した身としては、いささか拍子抜けしてしまったのだ。
3話以降の浮上を期待しつつも、アニオタ界隈は『ぼっち・ざ・ろっく』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』等の話題で持ち切りとなり、本作はすっかり「その他アニメ」の中に埋もれてしまった。
決して出来が悪いわけではない。PAさんの描くキャラは活き活きと躍動している。しかし「どう考えてもこれは売れない」という悪印象が全面に出てしまう。
メイドと893の融合というアイデアは面白かったが、脚本にプラスアルファの捻りが無かったように感じたのだ。例えばストーリーにひとつのデン!とした分かりやすい軸があれば良かったのかもしれない。
そして気づけばアニメも終盤に差し掛かかってゆく。

第10話は初回以来の個人的ヒット回となった。
W主人公の1人、万年嵐子(36歳)の切ないロマンスの回だ。
今までギャグ寄りで殺しまくってきたこともあり、人の命が無価値なものに感じられた世界観だったが、この回のラストは正直泣けた。憎しみの連鎖。極道に決して幸せは訪れない。
同クールアニメ全体で俯瞰してもベストエピと言って差し支えないかも。
思えば序盤からこういう誰が見ても面白いストーリーを望んでいたんだよなぁ。
種を巻く期間が長すぎたんだよ、このアニメは。
ちなメイド喫茶に巣くう謎のパンダの正体もこの回で判明。声優はなんと平野綾!
そして衝撃の11話ラスト。
これは…予想してなかったわけではないけど、やるとしても最終回だと思ったし、あんな形とは思わなかったので、思わず声が出てしまった。
最終回12話、かなり強引な締め方であったとは思うが、制作陣が描きたいことは描き切ったように感じられた。まさに全力で駆け抜けた終盤だった。

全話完走した人にとっても間違いなく賛否がある作品。
自分としても未だにどう評価すればよいか分からない感じ。
ただ、これまでにないオリジナルアニメを作ろうとしたCygamesとP.A.WORKSの挑戦は買いたいと思う。
朗報としては、秋アニメが全て終了してから、じわじわと本作の評価が上がってきてること。
『5ch民が選ぶ2022年ベストアニメランキング』という非公式ランキング(笑)によると、なんと本作が4位にランクインしている。
1位が直近の『ぼっち・ざ・ろっく』なのは妥当として、3位が『明日ちゃんは恋をする』、5位が『平家物語』と、自分が推している作品であることを考えれば、大手サイトが集計してるランキングなんかより5chのが余程共感できるなぁとw
まー、話が逸れそうなのでランキングはさておき、とにかく「売り上げ散々」だの「出オチ駄作」だのと馬鹿にされてた冥途戦争が、ここにきて評価上昇してるのはスタッフのチャレンジ精神に報いるためにも良い傾向と感じる所存だ。一見の価値あるアニメだと思う。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

67.4 3 メイドで組織なアニメランキング3位
まほろまてぃっく(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (237)
1483人が棚に入れました
まほろまてぃっくは、マンガ雑誌『コミックガム』に連載された、アンドロイドのハウスメイド(雑役女中)『まほろ』とその"ご主人様"である中学生の『美里優』を主人公としたマンガでアニメ・ゲーム化もされている。
外宇宙からの侵略者に対抗すべく、結成された組織『ヴェスパー』が生み出した最強の戦闘用アンドロイド『まほろ』。残された寿命の短さからその任を解かれ、残された時間の全てを、少年『美里優』のメイドとして、平穏な生活を送るのだが…。

声優・キャラクター
川澄綾子、瀧本富士子、菊地由美、水野愛日、真田アサミ、荻原秀樹、私市淳、高田由美、野田圭一
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あんどろいどはでんきひつじのゆめをみるかー? 

何気にGAINAX×シャフトという豪華布陣でのアニメです。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ガイナ×シャフトの美少女萌え系微エロ戦闘メイドSF感動もの。

 なんとガイナックスとシャフトの共同制作でした。で、監督が 山賀博之氏です。見ていた頃は制作会社とか全く気にしてなかったです。今知ると、なるほどなあ、という感じです。多分、2006,7年ころに見たと思います。当時としてもちょっと古い雰囲気はありました。

 2001年制作ということでガイナックスはエヴァの劇場公開の熱が冷めた時期かと思います。シャフトも知名度の高い作品はほとんどなく、両社の唯一のメジャー?なアニメだったんですね。

 原作は既読です。なお、1期はほぼ原作準拠ですが、2期はエンディングが違います。とはいっても流れはほぼ一緒です。肌色が結構でてきますが、コミックスよりはマイルドです。手元に原作がないので最後のどこが違うかははっきりとは覚えていません。

 プラグスーツ的な戦闘美少女がメイドをやるというエヴァが意味的に解体されて、エロ要素が露骨になってアキバ的なゲーム萌えのような時代という感じでしょうか。自分でも何言ってるかわかりません。エロゲ的なキャラデザも当時のアニメの特徴だったと思います。
 当時のオタクスノビズム的な引用、つまり宇宙戦艦ヤマト的な「まほろ停止まであと○○日」とか、「マジンガーZ」のジェットスクランダーや「バビル2世」のロデムモドキなどが出て来たり、セルフパロディで「来週もサービスサービス」もありました。

 そういう雰囲気の本作ですが、このオタクたちのSF的な情熱が感じられる作りで、基本の設定はかなり面白いです。

 本作は、AI戦闘ロボットものの名作「ビートレス」やAIと人間の交流を描いたこれまた名作の「プラスティックメモリーズ」などの原型と言えます。
 AIそのものの人格の獲得問題や人間との差異などにはテーマが及ばないものの、使命と寿命そして人間との心の交流を描いたエッセンスだけ抜き取るとかなりレベルの高い作品です。
 ストーリーそのものは分かりやすいですが、一方で設定と破綻のないストーリー構成のレベルが高いので、その点で言っても決して浅い話ではありません。

 日常、学園、微エロ、エプロンドレスというアキバ系のメイド喫茶のようなエッセンスで出来上がっているのに、ちゃんとSFで戦闘美少女で感動もあるのが当時のアニメ(原作コミックス)のクリエータのレベルの高さがうかがえます。
 ですので、深読みしなくてもSF戦闘美少女の感動ストーリーという見方だけで十分に楽しめる作品です。

 2期あるうちの前半なのでまほろの素性と敵が本格的に開示される戦闘で終わっていますので、本作だけでの評価は難しいですが、初めの日常系的な雰囲気からどんどんシリアスが加わってくる構成は話として良かったと思います。

 2001年の作品、しかもガイナックスですので、作画レベルは高いです。キャラデザや線の感じで今より劣って見えるかもしれませんが、特にヒロインまほろの作画はなかなかです。
 雰囲気は当時の萌え絵「ギャラクシーエンジェル」「エンジェリックレイヤー」「鋼鉄天使くるみ2式」の時代と言えばわかっていただける人には分かってもらえる感じです。

 ということで、アキバ系の肌色多目の萌え絵と当時のラノベ的ワルノリに拒否感がなければ、楽しめるでしょう。私は秀作だと思っています。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

サモン・ザ・シルフィード!!

「まほろまてぃっく」は漫画原作、1クール(全12話)の、ほのぼの日常・SFアニメです。


この作品は、前半部に主人公の“優”とメイド(元戦闘アンドロイド)の“まほろ”、そして優の友人達や先生との『ほのぼのとした日常』を描き、戦闘から退くように命じられたまほろさんがその日常に慣れ親しんでいく過程をクスクスッと笑えるギャグシーン等を交えた物語となっています。
一方、後半部ではそんな日常から離れ、戦闘アンドロイドだった頃のまほろさんの過去。その生立ちや彼女が作られた目的、主人公との関連性を戦闘シーンを交え、前半部におけるちょっとにた伏線を回収しつつシリアスに表現しています。
故に、作品の雰囲気が前後半で一変しており、すると展開が急ではないかと言われるとそんな事もありません。
前半は、まほろさんのメイドとしての日々として取れますが一方で主人公視点の物語とも取れますし、後半は完全にまほろさん視点の物語。それぞれ話のテンポも良かった。
後半への移り変わりはある一人の人物?が原因であり、少々強引だったかもしれませんが、まほろさんの日常が崩れていく過程、また、後半への移り変わりとしては良かったと思います。


キャラに関しては、“まほろ”さんが可愛過ぎ。ビジュアル面で言えばこれ以外ありえません。
あと、式条先生の倫理と言うものを教える公民の教師のはずなのに、倫理に反しまくっている言動をする暴走キャラというのがとても面白くてよかった。
残りのキャラは、あまり目立たなかったのでその2人を引き立てるための役にしか見えなかった・・・。


ほのぼの系の作品と比べてもなかなか観易く、スルスルと視聴が進みました。作品の若干の古めかしさを感じますが、好き嫌いのあまり出ない様なストーリーで楽しめるかと思われます。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

64.3 4 メイドで組織なアニメランキング4位
まほろまてぃっく もっと美しいもの(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (117)
629人が棚に入れました
本作は、2001年10月~2001年12月に放送された「まほろまてぃっく」の続編。
リューガとの対決を終えたまほろは再び平穏な日常生活を取り戻す。そんな折、彼女たちのもとへ管理者から逃げてきたというサイボーグ・みなわが現れ、まほろの妹としてかくまうことに。敵対していたリュウガもまほろ達に心を開くようになるが、地球を外敵から守る目的で存在している管理者とのさらに激しい戦いが展開していく。

声優・キャラクター
川澄綾子、瀧本富士子、清水愛、高田由美、菊地由美、水野愛日、真田アサミ、石塚運昇、荻原秀樹、私市淳、野田圭一、子安武人

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

ドタバタラブコメディー?

たぶん1期も含めリアルタイムで視聴していたら高評価していたんだろうな
もし、今この作品を新作として放映されたら間違いなく
「これ同人作品かな?」などの酷評して低評価にしただろう。

10年以上前の作品なのであまりケチをつけたくは無いが
ある意味すごい作品ではある。
まず声優陣の違和感のある不自然な演技がひどすぎる、もしかすると
そういった演出なのかも知れないが、リューガ役の子安武人さんやスラッシュ
役の野田圭一さんはそんな様子は無く違和感を感じない演技なので作品独自の
演出ではないと思う。
まほろ役の川澄綾子さんも時々、稽古が足んないのかな?と思う微妙な演技の
時がある、その他のキャストで現在でも名前を良く見る、真田アサミさんや
清水愛さん以外が耳障りなぐらいの違和感のある不自然な演技でした。
もっとも二人ともほとんど決まった台詞を繰り返すだけなので判断しようが
無いが・・・(笑)

アニメーションの方も動画は止め絵を多用する手抜き的な演出がとても
気になる、まぁ製作がGAINAXとシャフトなのでしょうがないかなと思うが(笑)

ストーリーは原作がまだ未完の状態の中でよくまとめたなと思うが
最終話で無理やり陳腐なハッピーエンド?みたいな落ちをつけたそんざいな
ストーリーがとても残念。
原作がどんな終わり方をしたかは知らないが、もう少し捻った
ストーリーにして欲しかった。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 4
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

最強メイドまほろさん

原作未読 全14話+総集編

ガイナックス×シャフト制作、キャラクターデザインがストパンやビビットの高村和宏さん、OPの絵コンテにはエヴァ監督の庵野秀明さんと豪華な制作陣で作った作品です。

「ヴェスパー」「セイント」「管理者」という組織が陰で争う世界、「ヴェスパー」の最強のアンドロイドで主人公の安藤まほろさんが任務を終えて、余生を美里優の家にメイドとして優のクラスメイトと先生wなどのドタバタラブコメの2期です。

アンドロイドと言いますが、ほとんど人間と変わりません。
今回は訳ありアンドロイドみほろが登場します。

お話は日常ラブコメがメインですが、バトルシーンもあります。
やっぱりお風呂のシーンが多いですねw

10話以降ははシリアスなシーンが多くなり、結構ウルウルする場面もありました。ネタバレレビューを読む

なかなか面白い作品でした。

可愛くて、ドジで、心優しく、心清らかな心を持つまほろさんともし出会う事があれば観てくださいね。

OP まほろさんの中の人である川澄綾子さんが歌ってます。さわやかな曲です。
ED パレードのような曲です。まほろさん以外の女の子キャラの中の人が歌ってます。

次回予告とサテライトポエマーというコーナー好きでした。

最後に、えっちなのはいけないと思いますw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 29

おきらく さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ほのぼのからシリアスへと急展開へ

一番の失敗だったのが、原作よりも先に結末ができたことだと思います。
先に進みすぎ。原作者の、じったま先生は、どう思ったのでしょうか?

最終話も賛否があるが、たいていの場合、リアルタイムで見た人にとっては、ショックな内容。当然、この最終回だけで、いや11話のラストで、優さんを守るために大爆発した時点で、リアルタイムで見た人には(?)。何がおきたのか!というショック。最終話の初めは別のアニメ作品のような雰囲気。優さんの人格が、やさぐれた青年へと変化しすぎ。最終話は不評だというのは誰もが知っていると思います。

実は「まほろまてぃっく」は、3期くらいかけても良かったような気もします。大人の事情もあり、たいへん難しいと思いますが、即急すぎたと思います。

何もベタなハッピーエンドが良いとは思いません。本当にラストのラスト、まほろさんが復活して再会したところだけに救いを感じました。この辺の演出が、もう少し良ければ、良かったような気がします。

最初は良かったけど、最後になってこけてしまったような気がして残念に思います。個人的には思い出の作品で、十年前にDVDを何度も繰り返し見ました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

64.9 5 メイドで組織なアニメランキング5位
君は冥土様。(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (97)
293人が棚に入れました
ある日突然、メイドさんが営業に来た──。 高校生・横谷人好の家に突然の来訪者が現れた。 黒髪で清廉、丁重な言葉使いが特徴的なメイドさん。 第一声は「私を雇って欲しい」。 彼女は前職が”殺し屋”、特技は”暗殺”、家事は全くの初心者で”ドジっ子” 運命の出会いから、メイドさんと同じ屋根の下での共同生活がスタートする…!? だんだんと、感情を知らない彼女の心が揺れ動いていく──。 これは、ひとりぼっちだったメイドさんに”家族”ができるまでのお話。
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ハートフルさを全面に出す割に視聴側からの歩み寄りがかなり強いられている。

  最終話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

 第9話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

 第3話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ソース派にオススメ?

元殺し屋で天然ドジっ娘属性のメイドを雇うことになった、高校生男子宅で繰り広げられる、
日常などを描いた同名コミック(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 3.5点】
暗殺者が普通の生活に馴染む系のコメディは、最近、常に供給がある風潮なので、
特段、真新しさはありませんが、私は比較的このジャンルは何度でも美味しく頂ける質だったこと。

集中力を要する“質アニメ”がごった返す2024年秋アニメの中で、
日常物でホッと一息つける枠がもう一本欲しい所へ、本作がスッと滑り込み、
気が付いたら完走していた感じです。


中盤5話にて、この種のシナリオでありがちな、
やはりお前は暗殺者(こっち)側の人間だというシリアス展開もありましたが、
基本的には、横谷家の四季を描く、かなり日常寄りの歳時記。
メインディッシュにはなり得ないけれど、デザートならあっても良いポジション。


メイド様こと雪さんの日常の幸福を象徴するのが「勝田のソース」ではないでしょうか。
勝田惣菜店が誇る、トンカツにベストマッチする魅惑の味に取り憑かれた雪さんの姿は、
見ていて私もとても幸せな気持ちになりました。
何だかんだ勝田ソースのネタバレレビューを読む 雪さんのエピソードが、
5話より好きだったり。

苦悩と退屈に満ちた日々が続く中でも、これさえ食べられればハッピーになれる。
私も何か一つ見つけたいなと思いました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・FelixFilm

シリーズで元請けしてきた『MFゴースト』2期がズレ込んだこともあり、
同スタジオ初の同一クール複数作品放送となりキャパオーバーも懸念されましたが。
作画カロリーを抑える所は抑えながら無難に乗り切る。

平生は時に立体感も乏しい、のっぺりとした印象の作画ですが、
5話など、暗殺者・雪(シュエ)のアクションシーンや、
主人公少年・人好(ひとよし)と雪の感情が昂ぶるカットなど、
勝負所では、描きこんで来ます。


将来的なフルCGアニメ制作を目指しているというFelixFilm。
『MFゴースト』よりは2D寄りの本作ですが、
主題歌アニメーションでは大胆に実写映像も取り込むなど、
2Dの枠を破りたい同スタジオの意志は伝わって来ました。

個人的にはOPのトンカツソースと血の混同を誘発するカットからの、
赤線が入ったロゴ形成の演出が、妙に病み付きでした。


【キャラ 3.5点】
主人公少年・横谷人好(ひとよし)。
雪さんに膝枕している時は、よくあるラッキースケベ野郎。
私も爆発しろとか思ってましたがw
後半に入り、人好もまた、両親離婚による親父とのわだかまりなど、
寂しさを抱え母性の代替を求める、ちゃんと中身のあるキャラだなと見直しました。

離婚した母方に身を寄せている人好の妹・李恋(りこ)
訪れるとパッと明るくなる陽キャ。
母、妹と、太陽のような女(ひと)と別々に暮らすとなったら、
人好も雪さんに膝枕したくなるというものです。


最初メイド業はてんでダメだった雪さん。
バケツがあればひっくり返すレベルで、よく暗殺業が務まったなとw
ただ雪さんが徐々に家事に慣れていく姿も日常の尊さを象徴していました。
私も洗濯など苦痛なルーティンなどとやさぐれずに、
仕上がったタオルの柔らかさに幸福を感じてみたいと思いました。

モフモフと言えば、横谷家で飼うことになった、あげもち太郎。
その名の通りの衝撃のまるっ子さ。
フカフカは正義なのであります。


【声優 4.0点】
雪さんを演じた上田 麗奈さん。
“白狼の雪(はくろうのシュエ)”としてヤりに行く時の冷酷な低音。
勝田のソースで昇天した時の、ラリった?高音までw
芸域の広さを遺憾なく発揮。

うえしゃまも、プリキュアやっていたかと思えば、
本作と同クールで『アオのハコ』で後光が差すくらいの正統派ヒロイン・千夏先輩も好演したり。
キャリアも中堅に差し掛かり、充実の一途ですね。

2025年も既に数多くのメインキャストが決まっている上田さんですが、
私は『チェンソーマン』のレゼ役が特に楽しみです。


そんな雪を狙う猫っぽい暗殺者・グレイス役のLynnさんも、
詰めが甘い(いや、雪(シュエ)がおかしいだけかw)新任体育教師(変装)役で対抗?

終盤、絡んできたくノ一属性のクラスメイト・日陰ナカ役の稲垣 好さん。
私にとっては『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』以来、
久々のメイン所でのエンカウントで何か嬉しかったです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は得田 真裕氏。
ギャグからアサシンアクションまで、対応力が求められた音楽。
暗殺者の運命(さだめ)を内包したメインフレーズから、
弾むようなメロディのコメディ曲に、心情を深堀りするバラード曲まで。
同氏はピアノ一つで多彩なムードを演出してくれました。

実写ドラマ・ドキュメンタリーが主戦場で、アニメはたまにといったキャリアの得田氏。
個人的には、バトル物を中心に、もっとアニメにも楽曲提供して欲しい、
菅野 祐悟氏のお弟子さんです。


OPはtricot「おとずれ」、EDがDUSTCELL「表情差分」
いずれも、日常寄り。雪さんの心情を汲み取った主題歌。

自分は特に「表情差分」がお気に入り。
無表情だった雪さんが、様々な感情を取り戻していく過程が走馬灯のように駆け巡る、
心地よいアップテンポナンバーです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 14
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

2話 なぜ最近の物語の主役はいい子でなければならないのか?

1話 清々しいくらいお話がない。強引に設定を説明しただけ。

ネタバレレビューを読む


2話 なぜ最近の物語の主役はいい子でなければならないのかが分からない。

 なぜ、ラノベや少年マンガの主人公の少年は、いい子でなければいけないのでしょう?いい子でいることが美少女と恋愛できる理由だということでしょうか?
 悪いところがあると、恋愛する資格がないと思うのでしょうか。もちろん、いろいろ欠点の描写はあると思いますが、いい子というのは「本質と正義と人間が分かっている少年」という意味でです。しかも、その内容が極めて浅い「僕が考えた正しい少年」という水準です。

 このキャラ造形ってなんなんでしょうね?「ロシデレ」も「義妹」そんなキャラ造形だった気がします。「マケイン」ははじめの数話は上手くキャラを作っていたのに、結局はいい子にしようとしていました。異世界系も同じような傾向がある気がするので流行りなんでしょうか。

「異世界失格」ですら、口では独特の価値観を語っていましたが、結局人助け行脚でした。「ブラックジャック」の時代からそういう傾向がなくはないのですが、しかし、彼はちゃんと行動原理を持っていてそこに説得力がありました。

 それが「少年漫画」つまりティーン向けの令和のマーケティングとしては正しい考え方なのかもしれません。が、話としては物足りない部分になってしまいます。
 そういえば「魔女の旅々」でも、ヒロインが人助けしないと酷評されていました。「ひげひろ」では犯罪行為だと糾弾する騒ぎがありました。つまり、綺麗な行動をしないと恋愛する資格がないという感覚なんでしょうか?

 昨今のこの「主人公いい子化傾向」は少し病的な気がします。「小市民」シリーズが同時期にあったので余計感じました。童話の結末から死とか復讐、不条理とかがデオドラント化された影響でしょうか?因果応報じゃないとやりきれないくらい実生活が辛いのでしょうか。

 つまり、本作の主人公にはまったく乗れませんので、この辺で中断します。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 6
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