ファンタジーで恋愛なおすすめアニメランキング 241

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのファンタジーで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月30日の時点で一番のファンタジーで恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.6 1 ファンタジーで恋愛なアニメランキング1位
外科医エリーゼ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (130)
352人が棚に入れました
高本 葵の前世は“悪女皇后“エリーゼ。数多の悪行を働き人々に不幸をもたらした彼女は、夫・リンデンによって処刑されるという最期を迎えた。 現代に生まれ変わった2度目の人生では、過ちを償うべく外科医として人のため生きてきた葵だが、ある日飛行機事故で帰らぬ人に… しかし、目を覚ますと1度目の人生に戻っていた! 処刑される10年前に転生したエリーゼの目の前に現れたのは、自分のせいで命を落とした家族たちだった。もう、大切な人を失いたくない…後悔でいっぱいの人生なんて絶対にいや! 3度目の人生は悲劇のきっかけとなったリンデンとの結婚を回避し、医学の知識を生かして再び医者になりたいと決意する。ところがそんなエリーゼの道のりには、さまざまな困難が待ち受けていて…? この人生は、誰かの命を救うためにーー運命にあらがう“天才外科医”の、ひたむき医療ファンタジー開幕!


声優・キャラクター
エリーゼ・ド・クロレンス:石川由依
リンデン・ド・ロマノフ:阿座上洋平
グレアム・ド・ファロン:細谷佳正
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

エリーゼのために

韓国原作、現代医術の知識を持ってファンタジー異世界で医療で無双するファンタジーラブコメ

少しでも多くの命を救いたいというエリーゼの目的は良く、雰囲気もいい
残念なのは医療を主人公の目的に据えておきながら、医療は雑に扱ってイケメンとのラブストーリーに力を入れているところで、
ラブコメに医学的な正しさまで求めてないけど、素人でも「えー?」って思うこと多いのはさすがに気になった、お医者様の字が汚いのはあるあるすぎて笑った

文明レベルが適当なファンタジー世界でエリーゼが医術をただ披露して周りからチヤホヤされるだけで本当に描きたいのはラブコメっぽい
エリーゼに都合良く話を書いてるからおかしいところが多すぎるのが残念だけど
主人公の目的や性格はいい感じで、嫌な気持ちになるアニメではないので時間あるなら見てもいいかも

【気になったところ】
{netabare}
・王国が滅亡する未来は知っているんだから、婚約はともかく滅亡の未来を変えようとしないの? それよりも医者になるほうが大切なのでしょうか?
・王子と婚約を望んでおいて自分から破棄するなんて失礼なことされてるのに、それでも医者の夢を邪魔してまで婚約させようとする王様や側近が不思議
・この世界の医療レベルが曖昧、都合のいい時だけ原始的になるし、メスやマスクに滅菌手袋などちゃんとした道具があったり、医者の人達は主人公の現代医学の専門的な話が難なく通用するくらい知識あるのに、技術がないのは何で?
・糖尿病、紀元前のインドではもう原因と症状が知られていたみたいですが、この世界の医者は糖尿病のことを知っているのに、症状を見てもピンとこないみたいです、王国一の医者が? ふしぎですね・・・
エリーゼも現代で当たり前のように使っていた最先端の医療機械とか薬とかないはずだけど名医はそんなものなくても問題なくできるものなの?
・グレアム医師も医院長も、本当に名医なの? 病院の衛生管理も患者への対応も医者とは思えないし、医師免許持ってないただの貴族令嬢のエリーゼに「お前に任せる」と言っていなくなるのも、そんなエリーゼが手術するのを止めない看護師もありえないでしょう
・テレサ病院散らかりすぎだし患者の扱いがおかしくない?床ずれは知られてるみたいだけど何で看護師2人もいるのに放置されてるの?
・なんで通り魔がピストルなんて持ってるの?火縄銃とかならともかく、世界観に合わな過ぎでしょう、王家の護衛が剣で戦ってるのに??
・貴族王族の階級が適当、平民の貴族への態度もおかしいし、クラブでナンパするようなノリで貴族令嬢のエリーゼをナンパする貴族の男達、王様見てますよ
・エリーゼの前世と転生後の人格が別人すぎ、前世を悪役令嬢みたいな描き方してるけど、ただ世間知らずにするだけで良かったんじゃ?

{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

「『医療』×『異世界』はまだ未開拓だから」だけで創られたような作品でいろいろと無理筋w

【レビューNo.117】(初回登録:2024/3/31)
韓国WEB小説原作で2024年作品。全12話。
「医療」×「異世界」でどうみせてくれるのかって感じでしたが・・・

(ストーリー)
(1回目の人生)
ブリチア帝国クロレンス侯爵家の長女エリーゼ・ド・クロレンスは、その恵
まれた出自とわがままな性格により皇后まで上り詰めたものの悪行に明け暮
れ、皇帝で夫でもあるリンデン・ド・ロマノフによって処刑されてしまう。

(2回目の人生)
前世の記憶を持ったまま現代の日本で高本葵として生まれ、前世の過ちを清
算するために人を救う医者として生きてきたものの、航空事故に巻き込まれ、
またも命を落としてしまう。
(ここまでがプロローグ)

(3回目の人生)
1度目の人生と同じ15歳のエリーゼへと逆戻り。1度目の人生で処刑されるま
での記憶と、2度目の人生で培った医者としての知識と技術を頼りに、二度と
過ちは繰り返さないこと、再び医者として生きることを誓うのだった。

(評 価)
個人的には「異世界なろう(低予算)」的な作品はある意味「別モノ」とい
う見方をしていて、脳死で寛大な感じで観ているのですが、これは物語を成
立させるためとはいえ、無理筋が過ぎるだろうとwww

・「転生」という無理筋
 ・本作の特徴といえば「異世界→現在世界→異世界」という複雑な動きを
  していますが、作者側の視点に立てばその事情が見えてくるわけで
  ・通常の「悪役令嬢モノ」だと「乙女ゲーム世界への転生」というパタ
   ーンが主流なので、主人公「現在社会のゲーマー」→「ゲーム世界」
   というパターンで事足りる。
  ・でも本作では医療知識や技術を習得する必要があるため、「乙女ゲー
   ム世界への転生」というパターンが使えない。なので
   ・1回目の人生:過去の記憶を引き継ぐため
   ・2回目の人生:医療知識や技術習得のため
   という苦肉の策を弄しているのだと。
 ・別にそのこと自体はさほど問題ではないのですが、
  ・通常の「悪役令嬢モノ」だと「破滅フラグ」回避のために主人公がゲ
   ーム知識をフル活用して大奮闘
  ・本作ではその辺が非常に薄い
   (物語の主軸は「私は医療の道に全霊を注ぐ!」的なw)
   → 複雑な設定までして手に入れた「過去の記憶」の必要性は?!
  って感じなんですよね。原作やアニメ化以降では意味を持つのかもしれ
  ませんが、本作を観る限りその必要性が「??」って感じで、
  ・なんか「悪役令嬢感」が欲しい(昔はごめんなさい改心しました的な)
  ・その方が異世界での話が円滑に進めやすい原作者都合
  個人的には作為的なものを露骨に感じちゃうんですよね。
  なんか特異なことをしてる分、その部分が悪目立ちしてるみたいな。

・「医療」という無理筋
 ・最初に異世界でエリーゼが行ったのが「病棟の清掃」で、そういう意味
  では「この世界の医療レベルはかなり低いのか?」という始まりなんで
  すが、この世界の上位クラスの医者たちはそれなりの医療レベルなんで
  すよね。これはエリーゼが無双するために
  ・あまりレベルが低いと「医療モノ」として読者から馬鹿にされる
  ・そしてエリーゼとこの世界の医者とのレベル差がありすぎると、エリ
   ーゼの術式説明等が誰も理解できないため、話が成立しない
   (「何と!そんな画期的な術式が!!」がやりたいみたいなw)
  って感じで、上位クラスの医者たちをそれなりのレベルに引き上げる必
  要があるのでしょうが、医療だけでなくこの世界の文明レベルなどと比
  較してもいろいろとチグハグで歪な感じなんですよね。
  (この世界観に唐突に「レントゲン」というワードが出てきたりとか)
 ・その割には「医療」に面白みがあるのかといえば、結果的には通常なら
  「魔法」などで「チート能力」を付与していた部分を「医療」に置き換
  えただけという創りなので、目新しさ以外は「医療」に優位性を感じら
  れないという印象ですね。
 ・この辺りも今までは「魔法」というファンタジーでバランスを取ってい
  たものが
  ・エリーゼ無双のために「魔法」は禁止
  と、こちらも特異なことをしてる分・・・って感じですかね。
  (正確には変身魔法的なものは出てくるのだが)

・「異世界」という無理筋
 個人的な印象は
 ・「『医療』×『異世界』はまだ未開拓だから」だけで創られたような作品
 って感じなので、どことなく原作者の
 ・「異世界要素」ってそんなに書きたい訳じゃないけど、仕方なく
 という空気を感じるというか・・・
 まだ「俺tueee」やハーレム願望を満たすために異世界モノ書いてる「なろう」
 の方が、ある意味清々しい感じがしますね。
 なので、異世界要素はとってつけたような感じが凄くて・・・
 特に皇帝のキャラが
 ・医者エリーゼの優秀さを認め理解を示しつつも
 ・しかしその人柄や聡明さから是非皇室に迎えたい
 という「エリーゼ・ヨイショ」の第1人者なんでいろいろともう・・・
 挙句の果てに与えた最終試練が
 「『医師資格試験』の合格」
 ってことなんですが、あれだけレべチな無双ぶりをみせておいて、今更これ
 が「最難関の試練」と言われてもなんだかなあって感じなんですよね。
 (案の定、試験結果もいろいろとまあw)
 
ストーリーは非常に明快ですし、エリーゼの真っすぐさや大きな瞳のキャラデ
ザは悪くないと思うので、エリーゼ推しで観れる方にはそれなりに面白く視聴
できると思います。
しかし個人的には下手に特異なことをしている分、脳死で視聴してもいろいろ
と引っかかってくるって感じですね。
ある意味「医療」については、”鬼戦車 t89さん”のレビュー
>人間相手の医者が主人公のアニメは、今までほとんど作られていません。
の考察がかなり的を射てる感じがしました。確かに
「『(リアルな)医療』をアニメでどう面白くみせるのか?」
って問われたらう~ん・・・

OP「believer/エリーゼ(石川由依)」
はアニソンの原点に立ち返ったような良曲。これはちょっと感動した。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

この人生は誰かの命を救うために――

この作品の原作は未読です。
元々は韓国のウェブ小説だったみたいですね。

石川由依さんが出演されることを知り視聴を決めた作品です。
石川さんの高尚な声質が作品全体の質を底上げしている感じのする作品だったと言っても過言ではありません。


高本 葵の前世は“悪女皇后”エリーゼ。

数多の悪行を働き人々に不幸をもたらした彼女は、
夫・リンデンによって処刑されるという最期を迎えた。

現代に生まれ変わった2度目の人生では、過ちを償うべく外科医として
人のため生きてきた葵だが、ある日飛行機事故で帰らぬ人に…
しかし、目を覚ますと1度目の人生に戻っていた!

処刑される10年前に転生したエリーゼの目の前に現れたのは、
自分のせいで命を落とした家族たちだった。

もう、大切な人を失いたくない…
後悔でいっぱいの人生なんて絶対にいや!

3度目の人生は悲劇のきっかけとなったリンデンとの結婚を回避し、
医学の知識を生かして再び医者になりたいと決意する。

ところがそんなエリーゼの道のりには、さまざまな困難が待ち受けていて…?

この人生は、誰かの命を救うために――
運命にあらがう“天才外科医”の、ひたむき医療ファンタジー開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

原作が全4巻で完結しているようなので、もしかすると物語はラストまで描かれたのかもしれませんね。
転生に若干のご都合主義的側面を感じない訳ではありません。
ですが、石川さんの凛とした声質が全て結果オーライにしてくれたと思っています。

石川さんは2021年に声優アワードで主演女優賞を受賞される実力の持ち主ですからね。
とは言え、作品全体に影響を与える演技ってやっぱり凄いと思います。

さて、主人公のエリーゼは2度目の転生から医学の道を志すのですが、
これは時代設定が現代なので、違和感は感じません。

ですが、3度目に転生した世界…凡そ中世のヨーロッパといったところでしょうか。
その時代に最新の医学が導入される訳ですが、この設定はやはり違和感を感じずにはいられませんでした。

一番違和感を感じたのは周囲の反応です。
その時代には有り得ない医術を目の当たりにするとどうなるか…
勿論、驚きもあると思いますが、きっと反応出来ないというのが一番しっくりくると思います。
知らないことに驚きようって無いじゃありませんか。
それと一緒です。

ですが、皆さん感心していらっしゃいました。
私は医学の知識は微塵もありませんが、医学を志す方々がこれまでどれだけ
未知のウィルスと戦い結果的に医術を高みへ押し上げてきたのか、くらいは分かるつもりです。
病気を治すのって決して簡単じゃないんです。

例えば、コロナウィルスが良い事例です。
妙薬が無く感染力が増した際、沢山の方がお亡くなりになりました。
それが今ではインフルと同じ5類にまで軽症化し、マスクを着用している方の方が
少なくなっている気がしますが、発見当時、こんな生活ができるとは誰も予想できなかったと思います。

この作品で取り扱う病気や症状の中には、当時の現代医術では解決できないモノもありました。
この辺りをもう少しうまく設定してあげれば、もっと評価の上がる作品になったと個人的には思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、エリーゼ(石川由依さん)による「believer」
エンディングテーマは、荒井麻珠さんによる「Listen」

1クール全12話の物語でした。
シリーズ構成が赤尾でこさん…
赤尾さんは、1クールにどれだけの原作に目を通しているんでしょうね。
結構お名前を見かけるので、1クールに複数の作品を手掛けられているんだと思います。
原作を読んでアニメ用に構成して…
激務としか思えないんですけど!

作り手の皆さんも身体には十分留意して下さいね。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 14

94.8 2 ファンタジーで恋愛なアニメランキング2位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1817)
7700人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「もてあましてるフラストレーション」の具象化 

2019.01.05記


原作未読


You've got an easy day …と直ぐ脳裏に浮かんだ方は立派な“かつての青少年”です。

前評判の高さが視聴動機。
ラノベってもう少しタイトルなんとかなりません?家族共有HDDに2018年秋期に並んだタイトル…
「青春ブタ野郎・・・」
「エロマンガ先生(地上波再放送)」
「幼女戦記(同じく地上波再放送)」
言い訳するのがたいへんなのです。


峰ヶ原高校に通う2年生、梓川咲太(CV石川界人)が目を覚まし、自分では見覚えのない一冊のノートに目を向けると、そこには信じられない事が記されていた――。
「5月6日、野生のバニーガールに出会った。」

で始まる本編。思春期特有の不安定な精神状態が引き起こす不思議な現象“思春期症候群”が引き起こすトラブルを巡り繰り広げられる青春ドラマです。
『思春期症候群』もちろん架空の現象です。クラスメイトや家族など人間関係のひび割れ、本人の内なる心の葛藤、確かに思春期にぶつかりそうな問題を引用してヘンテコな現象を仕立てあげてます。その理論的支柱役を咲太の同級生リケジョ双葉理央(CV種崎敦美)が担います。支柱といってもTHE中二感を出すための柱。「人と話すのが嫌い。性格も暗いし、中学の頃は友達もできなくて、一人でずっといた」ような子ですが、彼女の口から「ブタ野郎」と言われるとご褒美以外のなにものでもないですね。
そして先述の野生のバニーガールが本作のヒロイン桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)さん。「桜島麻衣の桜島に、桜島麻衣の麻衣」と自己紹介するくらい自分に自信をもってますが、けっこうな頻度で咲太に赤面したり恥じらったりする典型的!?ツンデレさん。年不相応・年相応な振る舞い、両面性ある魅力的な女子です。なにより咲太をすごい好きなのが良い。

鴨志田一原作で手堅く、数話ひとまとまりのオムニバスで進むストーリーはテンポもよく見易いです。原作1巻につき数話を使い、、、こんな感じ↓

{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}

各エピソード毎に別のヒロインを立てる仕様となっており各々これがまた魅力的です。手堅い作風はなにかしら既視感を生むようですが、ベタなものとはそんなもんでしょう。
どのエピソードも、当番ヒロインの魅力とほどよくエモい脚本で飽きません。むしろいい話ばかりなり。ED「不可思議のカルテ」を当番ヒロインが務めたりとこのへんも鉄板でありベタな演出です。
ベタについて、その昔『くりぃむ○ちゅーのたりらリラ~ン』という番組で“クイズよくあるパターン ベタの世界”という名物コーナーがありました。アンケートに基づいて作られたベタなドラマを観ながら次の展開を予想するクイズコーナーです。
そのドラマの完成度がこれまた高くて、ベタとはわかりつつ涙腺が緩む回答者多数。TVの向こう側のこちらも似たようなものでした。私の既視感を挙げるとしたらこんな感じです。


本作が好感なのは、野生のバニーガールが物語の進行上必然性があって“タイトル詐欺”になってないこと。それに咲太と麻衣のカップリングの柱に揺るぎがなく安易なハーレムになってないこと。当番ヒロインに流れることなく作太は麻衣さんが好きで、麻衣さんも埋没せずに要所で顔を出してきます。
ベタな中にも筋を通していることで、数多の類似作品より頭一つ抜けてる感がします。変態的なタイトルは置いといて、サクッと観ることができる良作です。
なんやかんやで桜島麻衣のヒロイン力の高さを満喫した全13話でした。


■余談
{netabare}お前とこのグラウンドで高校生が大声で叫ぶアニメだぞ、とモデルとなった七里ヶ浜高校出身の知人に{/netabare}

{netabare}お前とこが毎度破壊されるアニメだぞ、とグリッドマンでのモデルとなった都立井草高校出身の知人に{/netabare}

このクールは知人の出身高が相次いで登場しました。ウチの母校もそのうち出ないかしら。敷地の広さと雰囲気なら「やがて君になる」の舞台とそう変わらないと自負しとります。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

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2020.03.27
《配点を修正》+0.1 麻衣先輩が最強だから(リピート視聴後修正)

-----
2020.09.22追記
劇場版視聴済み。TV版を気に入った方はわりと必見だと思われる。


2019.01.05 初稿
2020.03.27 配点修正
2020.09.22 追記

投稿 : 2024/06/29
♥ : 118
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

君のせいで

「さくら荘」の鴨志田一、
CLOVERWORKS制作。

思春期症候群なる不思議な現象に、
心揺れる少年少女の青春ファンタジー。

抜群に面白いです。
美少女アニメと見せかけて、
初回は量子論の思考実験が骨子になっている。
{netabare}シュレディンガーの猫は私ですら聞く、
生きていると同時に、死んでもいる猫。
重なり合った世界、存在の話、
観測者によって、変化する世界。{/netabare}
どこかサスペンスフルで好印象です。

キャラ良し、音楽良し、構成良し。
心に傷を抱えた女の子たちの葛藤と、
咲太と麻衣の甘酸っぱいラブストーリー。
もちろんブタ野郎としても楽しめるのだ。

最終話視聴追記。
物理法則を逸脱した思春期症候群を軸に、
設定がどこか変化球な青春恋愛物語でしょう。
{netabare}七里ヶ浜の少女翔子や咲太の傷跡、
大きな謎を残したまま映画へと続いていきます。{/netabare}

見える世界は人の数だけ存在している。
世界とは「現象」そのものなのでしょう。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 113

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

何でこんな避けられそうなタイトルにしたかと思っていましたが…。(「おるすばん妹」の破壊力、原作既読でもヤバい…。劇場版も楽しみです!)

原作がシリーズを重ねていくうちに「まあ、これで良かったのかも」と思えてくる、そんなタイトルですよね。

OP主題歌で、いくつかの原作タイトルに使用されている文字の組み合わせがランダムっぽくチカチカと入れ替わって表示された上で最終的にアニメとしてのタイトル『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』となります。

ということで、ここでタイトルの使われた原作は全部アニメ化されるのかもしれません。
(↑え、マジで…!?)

アニメでは、「バニーガール先輩」以外のシリーズのヒロインも早めにわりと多く画面には出していく感じに見えます。

……と、2話まで観たところでこの後は2話くらい放送時には観られない予定なので取り急ぎ書いておきます。このアニメ化には期待しています!

2018.10.26追記:
第3話目まで視聴完了。原作でいうと1巻目の終わりだったのと話数から考えると、原作1巻に対して3話のペースで1クール=原作4巻分のアニメ化でしょうか。

劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のアナウンスもありましたね。こちらも楽しみです。

2018.10.29追記:
劇場版のタイトルと円盤の収録話数も踏まえて、おそらく下記のようなシリーズ構成になるっぽいです。

※話数が進んだので対応する原作の全タイトルをを記載
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない: 1~3話(先輩:桜島麻衣)
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない: 4~6話(後輩:古賀朋絵)
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない: 7~8話(ウィッチ:双葉理央)
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない: 9~10話
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない: 11~13話

なお、劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は原作シリーズ6、7作目の内容になることは公式にアナウンスされていますね。原作は以降も続いていますが内容的にもここでひと区切りという感じなので、シリーズ構成的には妥当だと思います。

2018.12.10追記:
第9、10話でシスコンアイドル編終了。づっきー(広川卯月(ひろかわ うづき))役に雨宮天さんがキャスティングされてました。

公開予定の劇場版以降がさらにアニメ化された場合、そこそこ重要なサブキャラになるはずなのであんまりいい加減なキャスティングはできないとは思いましたが、天ちゃんでしたか…。

残る「おるすばん妹」編は原作でもかなり好きなエピソードなので、楽しみです!

2018.12.23追記:
原作既読であの展開を知っていてももヤバかった、12話ラストのシーン。視聴者(読者)も、ここまで時を積み重ねてあのキャラクターへの愛着が生まれていますからね。

思春期症候群的なエピソードは抑え気味でも、原作の『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』は、読んでて終盤はけっこう泣きそうになってました。

…ということで、最終回を待て(笑)!

2018.12.30追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。これまた本編からシームレスに劇場版の予告があったのですが、この作品については劇場版まで込みのシリーズ構成だったと思うので、まあこれもアリだな。モハメド・アリだ。(邪神ちゃん並感)

咲太くんは高校生としてはかなり大人で良い人なんですけど、その咲太くんも麻衣さんの助け、支えがないと誰も救えないんですよ。そして翔子さんも…。

原作通りなら劇場版で翔子さんの正体について衝撃の事実が明らかになりますので、こちらについても乞う、ご期待!

しかし、1クールで良くここまでアニメ化しましたね。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 100

87.3 3 ファンタジーで恋愛なアニメランキング3位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1286)
6337人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

スカボローフェアの意味するもの

これは、とても悲しい悲しい物語。
どんなに頑張っても、どんなにあがいても、決して報われない世界を描いています。
ここに登場する子供たちは皆、兵器として戦い死ぬことを義務づけられています。
ヒロインのクトリは、最終話で「私は世界一幸せな女の子」と言ったけど、逆にそれが切なさを感じました。


今現在でも、世界のいくつかの国では、このように報われない世界があります。
若者の輝ける未来が全く見えない国…
そうならないように、私たちは頑張りましょう。


第一話目と最終話で歌われた『スカボローフェア』。
この歌は、市場の活気ある様子とは裏腹に、二度と会えない彼女への切ない想いが語られている美しくも悲しい歌です。
でも、それはあくまでも主旋律の歌についての説明。

実は、この歌には副旋律があるのです。
それは、戦争の悲惨さや残酷さを、はじめは寂しく、そして徐々に荒々しく歌っています。
このアニメでは副旋律は歌われていませんでしたが…

この歌は、およそ半世紀前にサイモン&ガーファンクルが歌い、世界中で愛された歌です。
興味がある方は、サイモン&ガーファンクルのScarborough Fair 詠唱 をぜひ聴いてください。
きっと感動するはずです。
そして、もしよければ、副旋律の日本語訳を読んでいただければと思います。


この歌は、人の心を変え、人の行動を変え、世界を変えました。
この歌と共に全米で大きな反戦運動が湧き起こり、ベトナム戦争が終結したのです。


ごめんなさい。
全然アニメのレビューになっていませんね。
 

投稿 : 2024/06/29
♥ : 53

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある意味、驚くほど「驚き」はないかも。

超有名タイトルですが、原作のライトノベルは読んでいません。

いわゆる「人類」はヴィレム(主人公)以外滅んでいるらしいのですが、人類以外を含んでいる主人公サイドと敵対している<獣>との線引きがどういう具合になっているのか、ちょっとアニメだけ観ていてもピンときません。

クトリ(ヒロイン)をはじめとする妖精兵は、種族としては黄金妖精(レプラカーン)なんだそうです。「レプラカーン」と言われると真っ先に思い出すのは聖戦士ダンバインに出てくるオーラバトラーですが、もちろんこのレプラカーンは名前の元ネタの方ですね。

ただアイルランドの伝承の小人とは異なり、本作のレプラカーンは人間大の大きさみたいですね。

ストーリーとしては「ヒロインが社会全体のために特攻(自爆死)を強いられる」という悲劇をベースにしているということで完全に泣かせにきています。

さらに、ヒロインをはじめとする妖精兵たちがとても可愛く描かれています。もう完全に狙ってきている感じです。

一応「ヒロインの死を回避できる道を探る」ということで回避できれば悲劇が避けられるということなのでしょうが、その場合もやや「感動の押し売り」の感はあります。
(スレたダメな大人ですみません。)

とても有名な作品なので一応視聴継続はしているのですが、正直あまり期待はしていません。もし全話視聴して、ウッカリ面白かったらそれはもうごめんなさいです。

2017.6.1追記:
前回更新時の否定的な内容に反してこれを書いています。

もう完全に狙ってきている(笑)のに、逆らえない。普通に次回が楽しみになってきました。最終回次第ですけど、負けを認める方向かも…。

2017.6.27追記:
全話視聴完了。結論から言うと、負けずにすみました(笑)。

クトリの「今の私は誰が何と言おうと世界一幸せな女の子だ!」っていうのには、きっと嘘はないんだと思います。意外とちゃんと「戦時メンタル」を描けている作品だとは思うので、良作であることは否定しません。

人生のどこかでこの手の物語には出会っておくべきかとも思いますが、あえて本作じゃなくても良いという気もまたしています。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 52
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 51

83.6 4 ファンタジーで恋愛なアニメランキング4位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (587)
1946人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

影絵の世界

オー・エル・エム制作。

幼馴染の小舟潮の訃報を聞き、
故郷和歌山の離島に帰省した網代慎平。
葬儀に参列した慎平は、友人から、
潮には他殺の可能性があると打ち明けられる。
同じ頃、島にはある異変が!?

サスペンスならではの強烈な引き。
{netabare}島には自分と同じ姿の影を見たものは、
死が訪れるという伝承があった。{/netabare}

とにかく今日を生き延びること、
起きた事態を注意深く観察すること。

6話視聴追記。
とある女性の存在により事態は動く。
{netabare}影の見分け方、倒し方、そして目的、
母なる存在と首魁らしきものの正体!?
慎平の右目に宿る時間を複製する力は、
不吉な死の連鎖から人々を救えるのか。{/netabare}

10話~12話視聴追記。
山奥にある菱形医院の旧病棟から、
{netabare}異形のヒルコ像と地下壕への入口を発見。
ここらあたりはホラー色が強めの展開が続く。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}常軌を逸した離島でのひと夏の体験、
予測出来ない展開、死に戻る違った世界線、
一定以上の緊迫感があり楽しませてくれます。{/netabare}

夏祭りの夜、涼やかな余韻があり、
素敵な物語の着地だったように思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 42
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

夏の幻影

【紹介】
離島の3日間を何度も繰り返して事件の真相を追うタイムリープ×ミステリー×ホラー×アクションアニメ
閉ざされた田舎に不気味な言い伝え、他人を信用できない疑心暗鬼に次々起きる不穏な事件・・・ロケーションは「ひぐらしのなく頃に」に似ています

【感想】
すごくきれいに話がまとまっていてテンポが良くてあっという間の2クール、面白かった
夏の日差しの眩しさと温度さえ感じられる魂こもった作画が凄い、
ホラーの不気味さと夏の日差しの温かさと夏の夜の静けさと夏祭りの楽しさ
そういった夏の魅力が強く感じられる夏に見たいアニメ!!

回が進むごとにどんどん後付けで設定が増えていくのと、SFとかタイムリープの設定はあんまりこだわりがなさそうなのは残念だった
あとは、最初本格ミステリーを期待してたのでちょっと期待してたのと違う・・・ってなったけど面白かったのでいいです

絵が綺麗でバトルシーンなどとてもよく動くし、時々「映画か!!」ってなるくらい作画が壮大で凄い場面もありました
最初から面白かったけど中盤からどんどん面白くなって先が気になる展開で目が離せませんでした
{netabare} 最初のループで起きた事件のごく一部だけ見せて、この時何が起きていたんだろう?なんでこの人はこんなことしてるんだろう?って不思議に思ったことが
ループを繰り返すたびに主人公の目を通じて一つ一つ答え合わせされていって、また新しい「これはどういうこと?」が生まれていく感じでどんどん物語に引き込まれました
慎平や仲間達はみんな頭がキレるので起きたことをしっかり整理して考察して頭使って動くし、敵も頭を使って追い詰めてくる
タイムリープも万能じゃなくて、繰り返すほど時間遡行が制限されていくという突き詰められた期限が緊張感を持たせているのも良い
前半はミステリーやホラー・アドベンチャーが強めでしたが後半はアクションが強めで頭脳と異能を駆使した駆け引きがあるバトルが面白かった {/netabare}
前半に引き込まれた人が後半も楽しめるかどうかは、キャラクターや世界観が気に入ったかどうかが分かれ目でしょうか?

【BAD】{netabare}
・キャラデザはモブ感なくキャラが立ってるけど慎平と親しい人以外は掘り下げがないので死んでもあまり喪失感がないかも
・みんな死ぬときはあっさり死ぬしループもので同じキャラが何度も死ぬので死が軽く感じるかな?
・後半のバトルは前半の面白さとは違うので好き嫌い分かれそう
どんどん後付けで設定が増えてきてわけわからなくなってくるし、裏読みの裏読みの裏読みって感じがずっと続く
状況説明で忙しそうでした、これがもうちょっとスッキリしていたらよかったかな?
でも前半でキャラクターに愛着が出てくるので、ちょっと蛇足に思ってもみんな幸せになって欲しいって願いながら見ていました
{/netabare}


【主題歌】
OP星が泳ぐ(マカロニえんぴつ)

夏の暑い日差しがイメージできるような夏らしい良曲ですね、好きです!

投稿 : 2024/06/29
♥ : 41
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

消える夏の日々

アニメーション制作:オー・エル・エム、
監督:渡辺歩、シリーズ構成:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:松元美季、
音楽:岡部啓一、高田龍一、帆足圭吾、
音楽制作協力:MONACA、
原作:田中靖規(集英社ジャンプコミックス刊)

既視感のある作風だ。
誰もが感じていることだろうが、
舞台設定は『ひぐらしのなく頃に』だろうし、
主人公の設定は『あの花』にも通じる。
もちろん、時間遡行は『シュタインズゲート』や
『Re:ゼロから始める異世界生活』。
またスワンプマンのくだりは、
アメリカの哲学者の思考実験ではなく、
『サクラダリセット』を参考にしたのではないか。
そう感じさせるほど、内容にアニメ的な背景が鮮明に映る。
ストーリーは、『寄生獣』を下敷きにしている。
細部の設定や世界観、根幹をなす部分までも
かなりの相似といえるだろう。
謎解きのエピソードの絵で、
漫画『寄生獣』そっくりのシーンもあり、
大きな影響を受けていることは間違いない。

これだけ他作品の「影」を感じさせる作風は、
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を思い起こさせる。
「観たことがある」感覚は、マイナス感情を抱かせるが、
作品の完成度とは別問題だ。
この作品も『ダーリン・イン・ザ・フランキス』と同じように、
既視感はあっても優れた部分が目立つ。

タイムリープのSF的な辻褄は別にして、
過去作品のマイナス部分を考慮して
作品内の主人公優位性をなくしているのは上手い。
{netabare}例えば、あるときから敵のシデが
ループする慎平とともに記憶を引き継ぐことが
できるようになることや、
ループしたときに戻る場所が少しずつ進んでしまうことなど、{/netabare}
能力に制限をかけているところは、
物語の面白さを増幅させている。

バトル自体は、元々それほど好みではないのだが、
小早川家に踏み込むところや、
ひづるの浜辺の戦いは胸が高鳴った。
緊張感を出すための表現は好みだった。

作品のベースとなっている
慎平と潮のラブストーリーがとても良かった。
慎平は数年前に故郷から離れ、
葬式のために島に戻ってくる。
潮との別れを思い出して、
懐かしい顔や思い出の場所を巡りながら、
事件に巻き込まれていく展開になっている。

{netabare}そんなときに慎平とともに事件の謎を追うのが
死んだはずの潮で、「影」として敵と戦う役目も担う。
影となってもその人自身が持っているものは、
全く失われないことから、
潮は影でありながら、大切な人を優先する思考を持つ。

影の潮の持つ魅力に惹かれる。
謎解きホラー型のストーリーだが、
いちばんのカギとなるのが慎平と潮の関係性だ。
ここの描き方は惹かれた。{/netabare}

しかし、シデがなぜ世界を滅ぼそうと考えたのか
という理由は、相当弱いし、
{netabare}何百年も生きてきた人間が辿り着く思考ではないように思う。
リアリティを感じないし、
共感することができなかった。
何百年も生きてきたということは、
それだけ多くの人々と関りがあったはずだし、
感情を動かされた知り合いの「死」というのも
間近で見てきたはずだ。{/netabare}
その上で、たったあれだけの理由で
世界を終わらせることを選択する思考は、
あまりにも短絡的で説得力がないと言わざるを得ない。
同じ展開にするにしても、もうひとつかふたつ、
重要なエピソードが必要だと思う。

OPとEDの音楽が心に残る。
前期OPのマカロニえんぴつ『星が泳ぐ』は、
重厚なサウンドが特徴のロックで作品の謎を表す歌詞が
とても印象的だし、cadodeの『回夏』は、
ミステリアスな雰囲気でEDにふさわしい。
1話の終了時にこのEDが響くと、
謎めいた余韻を残すようで心地よかった。
後期OPの亜咲花『夏夢ノイジー』は、
敵との戦いやスピード感のある楽曲で
文句のつけようがない。
EDのりりあ。『失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。』は、
作品のラストも思わせる叙情的ともいえる曲。
ただ、この曲を聴いてラストを想像すると、
見事にすかされてしまったというのが正直なところ。
それにしても2期分で、これだけハズレの全くない曲を
揃えたのもあまり記憶にないほどで、
毎回音楽を聴くのが楽しみだった。

シデの感情の推移をもう少し丁寧に描ければ、
完璧とも思える優れた作品。
最終回まで息をつかせぬ展開で、
もう二度と戻らないひと夏の日々を堪能させてくれた。
(2023年1月9日初投稿)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 37

87.3 5 ファンタジーで恋愛なアニメランキング5位
色づく世界の明日から(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1134)
4835人が棚に入れました
物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔法使いの祖⺟・⽉白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。突然、⾒知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な⾊彩が⾶び込んでくる…。

声優・キャラクター
石原夏織、本渡楓、千葉翔也、市ノ瀬加那、東山奈央、前田誠ニ、村瀬歩
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

こぼれたあの色

P.A.WORKS制作。

色彩を知覚できずモノクロの世界で生きる少女。
彼女は自分に魔法をかけた、
{netabare}わたしは幸せになってはいけないと。
17歳の未来の少女が、
時の魔法で17歳の祖母に出会う、{/netabare}
魔法が日常に存在する青春ファンタジー。

この物語には、小さな魔法があり、
心のサプリや探し物を見つけたりと、
日常にそっと寄り添う形で存在しています。
{netabare}少女はなぜ色彩を失ったのか、
少女に色をもたらした絵を描く少年との出会い。{/netabare}

夕焼け、朝露、夜空の花火と、
色彩の世界を描くだけに風景は美しい。
美しいものを美しいままに描く、
こぼれたことば、こぼれたあの色。
色の溢れる世界を取り戻す、
世界を肯定する物語になればと思います。

最終話視聴追記。
言葉より絵や色彩で魅了する作品です。
{netabare}テーマに沿って上手くまとめたのでは思う。
ただこの主題と絵の表現力があれば、
劇場版の尺で良かったのではと思ったり、
映画なら傑作に成り得たかも知れません。{/netabare}

美麗なOPが記憶に残りますね。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 93
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

煌めく長崎の街並みと青春の光

アニメーション製作:P.A.WORKS、監督:篠原俊哉、
シリーズ構成:柿原優子、
キャラクターデザイン・総作画監督:秋山有希

魔法使いの子孫でありながら
魔法が嫌いな月白瞳美にとって、世界はモノクロだった。
花火が行われていた夏の日、瞳美は祖母の魔法によって
60年前に飛ばされてしまう。
そこで出会った、葵唯翔の描く絵画は
瞳美が忘れていた色を取り戻させてくれるのだった。

日本のなかで最も好きな都市のひとつが長崎だ。
坂があり港があり、洋風の建物が点在する。
街には路面電車が走り、
日本中から使用されなくなった車体が集められて
再利用されている。
街並みは和風と洋風が融合し、とてもバランスが良い。
街は栄えていて、飲み屋街の思案橋には、
さまざまな種類の美味しい店が軒を連ねている。

個人的には仕事で何度も訪れた懐かしさがあり、
それがP.A.WORKSの美しい絵で堪能できることから、
1話目からとても楽しみにしていた作品だった。
序盤は予想に違わない出来で1話目の作りは、
ほぼ完璧ではないかと感じた。

そんな形で視聴を開始した作品だったが、
中盤くらいから違和感が頭を掠めるようになる。
話がどういう方向を目指しているのか見えてこない。
もちろん、瞳美が自分の抱えている問題を解決させ、
色を取り戻すことが最終的な目的なわけだが、
一向に話が進んでいる感じがしない。

原因のひとつは、世界の色を取り戻すことが
瞳美だけでなく、唯翔にも必要だったことだと思う。
主役のふたりが同じ悩みを抱え、しかも自分から動かないため
話が進んでいかない。ドラマチックな展開にならない。
だから、クライマックスでお互いが心を通わせるシーンでも
全く盛り上がらず、唐突な感じがしてしまう。
これが小説だったら、まだやり方もあったのだろうが、
アニメでふたりとも消極的な性格で、
同じ問題を抱えているため、展開を難しくしている。

その影響から物語が動かず、どこに向かっているのか
分からないように感じてしまう。
瞳美に積極性がないので、母との関係性についてなのか、
自分の時代に戻ることなのか、色を取り戻したいのか、
恋人を作りたいのか、友達を作りたいのか、
魔法への意欲を持ちたいのか、ほとんど見えてこない。

これは私の好みの問題でもあるのだが、
登場人物の想いをしっかり伝えて欲しいと思う。
この作品の場合、瞳美と唯翔が大切なものを
取り戻すことが大きなテーマになっているのに、
彼らの切迫感や渇きの心情がほとんど伝わってこない。
伝わってくるのは、諦めと苛立ちだけなのだ。
原因は、彼らの望んだ幸せな世界が
物語として、映像として表現されていないからだろう。
{netabare} 例えば、瞳美なら母の、唯翔なら祖父のイメージが
少しでも表現されたなら違ってきたのだろうが、 {/netabare}
終始ぼんやりしたお話になってしまっているように感じてしまう。

若者の閉塞感を表現したという点では、
リアルと言えるのかもしれない。
思春期の若者の心情を描いているのは、
分からないでもないのだが、イメージばかりを先行させすぎて、
物語に活かされていない。

それと、絵が美しいのは素晴らしいのだが、
あまりにも綺麗過ぎて、キャラクターの造形の粗が
逆に目立ってしまうのもマイナスポイントになってしまっている。
唯翔と千草のキャラデザが似すぎているのも良くなかった。
何となく観ていると、どちらか分からないことがあった。

目指したのはハインラインの『夏への扉』や
スピルバーグ監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だろうが、
中盤があまりにも退屈すぎる。
このテーマで物語を作るのなら、安易に魔法などというものを
持ち出さないで、正面から取り組んだほうが個人的には好感を持てた。

難点ばかりを挙げてきたが、唯翔の描く絵画の世界や
そこから浮かぶイメージは挑戦的な作風だったと思う。
OPの美しさ、タイトル書体の選別、長崎の街並みなど、
美術面にこだわり抜いているのが感じられる。
描かれている世界は、とても鮮やかだった。
記憶に残る作品だったと思う。
(2019年2月3日初投稿)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 92
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全13話+“60年”の時の重みに思いを馳せてみる

2019.01.02記


P.A.WORKSによるオリジナルアニメ


前評判の良さとキービジュアル。数年前旅行で訪れたお気に入りの街“長崎”が舞台とあって、スルーする理由が見当たりません。
“眼鏡橋”“グラバー園”観光スポットもそうですが、地味に“石橋”行の路面電車や“思案橋”の信号機なんかも懐かしいですね。また行きたいです。
そして1話EDクレジットに島本須美さんの文字が! 断念する理由も無くなりました。


最初から最後までただひたすら美しい作品でした。作画や音楽だけではなくストーリーもです。棘の無いやや起伏に乏しい物語は物足りなさという弱みと裏返しでしたね。

見える風景がモノクロになり、自分の殻に閉じこもっている月白瞳美が主人公。「高校時代のあたしに会って・・・」と説明もそこそこに祖母である月白琥珀の時間魔法で60年前の過去へと飛ばされた後、高校生の琥珀とその友人たちと交流を重ねていくお話になります。
魔法/魔法使いが社会に受け入れられているのはファンタジーで、その魔法も私たちが想像するような仰々しいものではなく、“頭がすっきりする”“そこにない風景が見える”“ちょっと物体が動く”といったもの。祖母琥珀が使った時間魔法は上位魔法で習得難度が高いという設定はあるものの、普段使いの魔法は他愛のない、琥珀に言わせれば、

“日常を彩るサプリみたいなもの”

であり、魔法が全面にでてくるかというのとはちょっと違い、綴られた物語は高校生の青春です。
・なぜ祖母の琥珀(77歳)は孫の瞳美(17歳)を過去に送ったのか?
・なぜ瞳美は色を失ってしまったのか?
謎というほどではないかもしれませんが、{netabare}『瞳美が色を取り戻していく物語』{/netabare}作品のテーマとなります。


繰り返しになりますが、ただひたすら美しいです。

OP「17才」ED「未明の君と薄明の魔法」、2018年秋クールの中でも群を抜いてました。OPED両方とも一話たりとも飛ばさなかった唯一の作品です。
{netabare}最終話で「17才」イントロ流れた瞬間、歌詞の「虹がかかるよ」が頭に浮かび涙腺が・・・ 二番も良い歌詞です。{/netabare}
{netabare}モノクロから始まり、街灯のオレンジ色から街の夜景へと繋がるED画も神秘的でやなぎなぎの曲調もしっくりきます。{/netabare}

高品質な作画も最後まで安定してました。夕暮れ、夜景、太陽の照り返し、光の滲み具合。色使い・彩度の加減は下手な劇場版より綺麗かもしれません。モノクロと豊かな色彩の対比が物語の柱でもあるため、気合が入ってました。
{netabare}序盤第2話:夕暮れ時の校舎の風景作画は引き込まれました。岩崎良美「青春(タッチED)」がよく似合います。※年寄りは付いてきてね。{/netabare}
それと舞台が長崎ということで背景作画のハードル上がってたんじゃないかしら?
少しばかりの平地を除いて丘・山そして海。小高いところに建造物が立っている坂が多い街。風景絵が田舎なら青空+雲、都会なら定規でひけるビル群とかで済みそうなところが、そうはいきません。特に夜景は、空の黒と山間の黒そして海の黒とに区別つけた上で、適度に生活の灯りを散らさなければなりません。路地は曲がりくねった石畳ですし、作画班はほんとにお疲れ様でした。


肝心の物語は薄めです。キャラも心情描写をしっかり見せるわけでなく物足りなさを感じるほど。どちらかというと心象風景を見せる感じ。いかんせんヒロインの瞳美がわかりづらいし反感買いそうなキャラ。作画だけの作品なのね…残念、、、途中までの印象です。
風向きが少し変わったのが{netabare}11話と{/netabare}終盤で、最終13話の出来が良かったので少し考えをあらためました。
{netabare}この物語は、途中経過や最終話の締め方も含めて、いろいろ余計なものを付け加えると野暮になってた気がします。むしろあの程度と抑えめで良かった。{/netabare}


■最終話を観終わって ※以下ネタバレタグは視聴済みの方向け
良く出来た最終回です。そこに至るまでの過程に起伏があればさらに良しとしたことでしょう。ただしちょっと待ってください。これって完走後に、

{netabare}『瞳美が2078年に戻ってからの魔法写真美術部員の60年を想像して補完する』楽しみが残されてますよね。{/netabare}

全13話で完結というより描かれてない空白部分がむしろ重要で、そこの受け取り方で評価が別れるんだろうと思います。

{netabare}60年後、瞳美と魔法写真美術部員との再会がなかったことが空白部分を考えるきっかけでした。物語の舞台が2018年。自分に置き換えても2078年には生きていないでしょうから余計にそう思わせるのかもしれません。
瞳美が去った後、琥珀は、唯翔は、あさぎは、胡桃は、将は、千草はどんな人生を送ったのでしょう?瞳美がやってきたことでどんな変化を彼らにもたらしたのでしょう?

●琥珀:魔法の能力に目覚めた幼少期から「私は魔法でみんなを幸せにしたい」が信条だったのに、一番近しい人たちを救えなかったことは身を引き裂かれる思いだったことは想像に難くありません。娘の失踪と孫が色を失った理由はそれぞれその時に知ったのではないでしょうか?10話で瞳美は唯翔にだけ事情を話してますが、あの唯翔が琥珀に話すとはどうしても思えないのです。
瞳美が帰る時に自分の時間魔法の未熟さを実感して、以降腕を磨こうと研鑽を重ねただろうし、そのために最適な伴侶を選びました。瞳美がいなくなった後になぜ未来の自分が瞳美を遣わしたのかを考え続けた人生なはずです。
孫が帰還し一緒に母を探すと言ってもらえてどれほど嬉しかったことでしょうか。
「幸せになっていいんだよね?」孫から言われた時に70年越しの琥珀の思いが報われた気がしました。

※12話での瞳美「あれ?おじいちゃん?」の控えめリアクションが微笑ましい。
※年齢って英語でLEVELと表記するかは知らんが、「あんたはまだまだよ」的なエールは三つ子の魂百までの茶目っ気を感じる。すなわち“LEVEL17 vs LEVEL77”

●唯翔:瞳美は唯翔から、唯翔は瞳美から大事なものを受け取りました。彼が愛する女性に対してできること。“色を失った理由を直接聞いた(10話)”“魔法の中で幼少期の瞳美に会った(10話)”“幼少期一冊だけ色が見えてた絵本があったと直接聞いた(8話)”
「あの時俺が小さな瞳美に伝えたかったこと 自分を閉じ込めてほしくなかった 諦めないでほしかった」
必ず瞳美に届けたかった執念の絵本だったはずです。唯翔なら爺さんになって再開し思い出話に花を咲かせる気などさらさらなかったでしょう。進路も絵の道には進んだでしょうが、職業替えしたかもしれないし、結婚したかもしれないですが些細なことだと思います。
心を閉ざした“小さな瞳美”に伝えたかったことを伝える役目を果たした時に彼がどんな表情をしてたのかを想像するととても切ないものがあります。

※墓参は瞳美一人でした。琥珀が気を利かせたのだと思います。もしもお世話になった曾祖母ら月白家の墓なら琥珀は一緒に行ったでしょう。

●あさぎ-将くん:占い外れたみたいでなによりです。 “うさぎさんは犬さんのとなりに立って海のにおいをかいでます”

●胡桃-千草:不明。だけどお似合いでした。{/netabare}


{netabare}色を取り戻した瞳美はどんな人生を送るのでしょう?
最終話EDで、同級生二人に自ら声をかけ、その一歩を踏み出した瞳美。この二人、髪の色とかリアクションからしてどこかしらあさぎと胡桃らしき面影がありましたね。きっと孫娘なんでしょう。
彼女らは第1話で、浴衣姿で瞳美に声をかけてた二人でもあります。両シーンとも彼女らは瞳美に親しげです。受け取る瞳美側の心の持ちようが第一話と最終話では違うという対比にもなってます。{/netabare}


{netabare}“葵”“琥珀”“山吹”“あさぎ”“胡桃”“千草”、全て色を表す言葉。六色がもたらすものは、これまで“誰にも愛されてないと感じた夜”を幾重にも重ねてきた少女の心を溶かしました。物語としてはこれで万事めでたしめでたしです。
さらに、瞳美が色を取り戻す前の彼らと過ごした半年の時間でさえ、月“白”と合わせて七色の虹は架かっていたのです。この七人にとっての色褪せることのない大切な時間でした。唯翔が絵本を通して瞳美に残したかった想い。未来でも笑ってられますように、と。{/netabare}

やはり、美しい物語でした。
空白の60年間に想いを馳せると時の重みに切なさや愛おしさを感じる良作です。


しかしよくよく考えると、夏休みの最終日に宿題をあわてて片付けたと言えなくもない。



-----
2019.06.13追記
《配点を修正》


未来のお話って別世界の話として見る向きがあったのですが、本作は現在との繋がりを強く意識させるものでした。2078年には自分は退場しているはずでしょうが、孫かひ孫あたりの世代に自分の想いは伝わっていて、って素敵だと思ったわけです。

加点しときます。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 91

75.0 6 ファンタジーで恋愛なアニメランキング6位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (383)
1300人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『夜の街』『耽美』『フェティシズム』『好きになるとは?』

<2022/8/5 初投稿>
原作は未読。
点数はとりあえず5話まで見てのものです。

放送開始前のCMの時から気になってたんですよね。
ノイタミナだから高品質は約束されてるだろうし。

いざ見てみたら、楽しい
「面白い」より「楽しい」作品。

『夜の街』
まず夜の雰囲気が好き。
中学生の頃ぐらいから、夜の街とか夜明け前の紫色の空とか大好きで。
意味もなく徹夜してました。
ANNとか聴きながら

本作では夜の色彩がかなり極端。
でも夜に不慣れな子供の眼からすると、真夜中の街灯や自販機の光ですら相当に刺激的なもんです。
中学〜高校の頃思い出します。

『耽美』
耽美とは
「美を最高の価値として、ひたすらその世界に心を傾け陶酔すること」
なのだとか
漫画漫画したキャラデザなのに、妖しくやらしー美しさを追求しようとしてる。
それがなぜかうまくはまってる。
(この原作者さんの描く女性キャラって妙な色気感じますよね。寄り目だからかな?)

『フェティシズム』
吸血という偏愛の象徴のような行為。
吸血鬼ものの漫画・アニメとか絶えないですけど、それっておそらく「血を吸うという行為に妖しい魅力を感じる人」が多いってことですよね。
本作では一際やらしく、じゃなかった妖しく描かれてます笑(吸うとこは隠してるけど)

こうしてみると「謎の彼女X」とちょっと似てる気がしてきた。
謎の彼女は夜ではなく夕暮れで、血ではなく涎(よだれ)ですが

OP「堕天」、ED「よふかしのうた」はCreepy Nutsの楽曲も映像もクセになる。
他の方のレビューに書かれてたの読んで知ったのですが、本作、元々Creepy Nutsの「よふかしのうた」に触発されて作られた漫画だったんですね。
どーりでぴったりなわけです

そしてED映像。
なずなのイラストにだんだん色がシミのように広がっていくところ
これ、いいなー。
なんか何度も見てしまう

毎話変わるアイキャッチもいいですね。
雰囲気のある丁寧なイラストがかなり良い。
アイキャッチのセンスが良いアニメって、中身も面白いこと多い気がするのは気のせいでしょうか。
「シドニア」とか「DARKER THAN BLACK」とか
今季なら「リコリス・リコイル」もそう


というわけで、あんまりストーリ展開を楽しむ感じではなく、かといって日常ものともちょっと違う本作

自分は『夜の街』『耽美』『フェティシズム』を楽しんでます。

<2022/8/26 追記>
第7話まで見ましたよ。

{netabare}「コウが吸血鬼になるには、コウがナズナを好きになってる状態で、ナズナがコウの血を吸うこと」
{/netabare}
となっておりますが。
前から、これ少し違うんじゃないの?と思ってるのです。
つまり{netabare}「コウとナズナが相思相愛の状態で、ナズナがコウの血を吸うと、コウは吸血鬼になれる」{/netabare}となっておりますが

そうではなく
{netabare}「恋の仕方を知らないのは、コウだけではなくナズナも。そんな二人が恋の真似事を積み重ねながら・・・」{/netabare}という感じだったら可愛らしいなーとか思ったり

実際のとこ、どうなのかはわかんないんですけど
なんかこの方がニヤニヤできそうではなかろうか?

という願望でした。

あと、酔っ払い三人組モブに子安さんがおるとこもツボw

<2022/9/2 追記>
第9話まで見ました

なぜかの「浪漫飛行」
どっちかと言えば「夜間飛行」って感じだけど、まあでも浪漫飛行は名曲ですよ。

それにしても9話良かったですね。
ここまでで一番良い。
ここに来て本作のテーマみたいなものが見えた気も。
良い〜
なので評点UP↑です♪

あとダルオくんの声は吉野さんでしたか
EDテロップ見るまで全然気づかなかった
やっぱよっちんさんは凄腕声優ですね

<2022/9/16 追記>
11話見ました。
また予想外な展開。
ここに来て{netabare}ヴァンパイアハンター{/netabare}Dや、{netabare}傷{/netabare}物語のような展開とは

なんか「ほんわかあったか〜いスープにドライアイスぶち込んだ」ような展開

嫌いじゃない
むしろ好物

<2022/9/30 追記>
最終13話見ました

9話のレビューでも書きましたが、本作の大きな柱となっているのは「人と人との関係」なのかなと

友人関係とか、好きになるとは、とか
そんな人と人の間に芽生える感情について、
先入観やいろんな前提を取り払って、
突き詰めて考えてみようと

もちろんそれは玉ねぎの皮を剥く作業にも似た、不毛な考察ではあるのですが

そういうのも結構楽しい

あとですね
{netabare}コウくんはおそらくもう吸血鬼になりかかってるんでしょうね。
11話の閉まった学校の門を飛び越えるシーン
最終話の歩道橋から飛び降りて猛スピードで逃げ去るシーン
人間離れしてますし。
つまりもう、なずなのこと好きになってんじゃないの{/netabare}

原作がまだ連載中なので、終わりという感じの終わり方ではなかったのは残念。
続き見たいけど、好き嫌いの好み分かれる作品のようだから2期はないのかも。

原作読もうかな。。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 38
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

闇夜の憧憬

【感想】
キャラデザとか色使いがだいぶ独特だけど、賑やかなキャラクターが多くて楽しくて雰囲気がいい大好きな作品!
「夜更かし」の魅力が作画と音楽とキャラクターの雰囲気の良さで見事に表現されているところがこの作品の素晴らしいところだと思います

ラブコメとしては「愛」っていうより「憧れ」って感じが強くてあんまりラブコメって感じがなくて、これは同じ作者の「だがしかし」にも同じものを感じたので、ラブコメの面白さよりキャラクターのやりとりを楽しむ作品な気がしました
「だがしかし」は大好きな作品で、本作品も雰囲気は似てるので「だがしかし」が合うならこれも是非見てください!

好きなキャラクターはアキラ!

あまり細かいこと気にしないで雰囲気を楽しんだほうがいいとおもいます!

【私は「よふかし」のアキラと「だがしかし」のサヤちゃん推し】{netabare}
わたしはアキラがとても好きです、コウが夜の世界の魅力にとりつかれていて昼の世界「学校」からドロップアウトしていくのは「友達」として良くないと思って止めてあげてるけど
一方でコウのナズナへの憧れの強さも気づいていて、「友達」として応援してあげている
気持ちを一番尊重してあげつつも、コウ君が「昼の世界」とのつながりを完全に絶ってしまわないように気遣ってあげている
こんなに友達想いな子なかなかいなくて、天使に見えます!

ナズナもいいキャラだけど私はアキラとのラブコメのほうが見たいかも

これって「だがしかし」も似たところあって、ココノツが憧れるほたるさんよりも、
そばでずっと見つめて誰よりココノツを気遣っているけなげなサヤちゃんのほうがずっと可愛いと思ってます

なんか本命じゃないほうのけなげなサブヒロインってすごく応援したくなっちゃうんですよね
最後には泣くことになっちゃうかもだけど、きっとあなたの大切に想う気持ちは相手に伝わるよって

慰めにもなってないけど、そんなピュアな気持ちを持った子はきっといつか幸せになれると私は信じたい
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
ナズナも好きなキャラクターです
下ネタ大好きで恋愛トークNGで恋愛経験がない女子なんて現実にいるのか?って思うけど
男慣れしていてピュアな恋愛が逆に恥ずかしい子ならまだわかる

コウ君はよふかしへの憧れ、夜の街の徘徊、吸血鬼との接触
ただなんとなくで危険なことに首を突っ込んでいき、あんなにいい子が見ててくれるのにアキラには目もくれずナズナに吸血鬼にしてほしいって
破滅願望でもあるのかな?
なんでこんなになんとなく生きてるのかわからなくて、なにがしたいの?って思っちゃう
ナズナに惚れて誘惑されちゃったのならわかるんだけど、それもよくわからないし
ちょっとコウ君の気持ちに共感できそうにないです・・・

だがしかしのココノツもミステリアスで神出鬼没なほたるさんにずっと憧れっぱなしで、作者のこだわりがあるのかもですね
わたしにはよくわからなくて度し難いです

そして、吸血鬼ってとても危険な存在なわけですが、なぜか二人のことを見逃してくれます
アキラが優しくしてくれて強くは止めてくれないから今度は探偵っていうかなり強引なキャラクターが表れて阻止しようとしてきます
でもやっぱり二人にとってそんな障害ってわけでもなくて
結局は二人だけの世界なのかなー?って思うとラブコメとしては微妙かなって思いました

でもコウ君の憧れの気持ちがどんな形であれ彼の成長につながって欲しいなって思います
{/netabare}
【夜更かしの魅力?】
※アニメのシナリオとは関係ない話です、よふかしの魅力についてちょっと考えました
{netabare}
夜の街ってワクワクよりも怖いってイメージのほうが強くて私は共感はできないけど、理解はできるかも?
同じ場所なのに昼間とは違う景色、暗闇を照らす色とりどりのネオン
寝ちゃったら今日は終わり・・・今日をこのまま終わらせるのはもったいない、それなら出歩いちゃおう♪
気持ちはなんとなくわかる

だから「寝れないのは今日に満足していないから」って言葉に、納得しちゃいました
私は夜中に外出歩かないけど、寝る前にアニメもう一話見ようとか、ちょっと音楽聴いてから寝ようとか、明日着ていく服どうしようとか
寝るのもったいない気がしてついいろいろしているうちに遅い時間になっちゃうことは多くて、夜更かししたくなる気持ちはよくわかる

ほとんどの人は寝ている時間なのに外をブラブラ遊びあるく背徳感
私の実家は夜7時には街灯がなくて真っ暗ですが都会だと夜中でも明かりが消えることなくて、
田舎者の私はそれだけですごい!って気持ちが高揚してしまいました

旅行中に立ち寄る深夜のサービスエリア、まだ誰も客がいない早朝のコンビニ、カラオケでオールした後の誰もいない街並
昼間に比べて空いてる施設少なくて残念なはずなのに、なぜかテンションが上がっちゃいます
それはまるで、自分ひとりで町を貸し切りにしたようなVIP感

夜には不思議な魔力があるように思います
{/netabare}
【作画】{netabare}
都会の夜空がすごいギラギラしてますねー、夜の世界のワクワク感を鮮やかすぎる色で表している気がして表現が面白いと思いました{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 32
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 29

67.2 7 ファンタジーで恋愛なアニメランキング7位
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (343)
1106人が棚に入れました
「君は真の仲間ではない──」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦⼒外を⾔い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。「──はぁ、あんときは⾟かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が⼤パニックになってるとは露知らず、当の本⼈は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが・・・・・・「私もこのお店で働いていいかな︖住み込みで︕」突如かつての仲間であるお姫様が⾃宅まで訪ねてきて!?"のんびり楽しい薬屋経営"、"お転婆姫とのイチャイチャ⽣活"、報われなかった英雄による素晴らしき第2の⼈⽣がはじまる︕

声優・キャラクター
鈴木崚汰、高尾奏音、大空直美、雨宮天、八代拓
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

有能な私を評価してない世の中が許せないっていう作者の愚痴を聞かされている感じ

【紹介】
勇者の仲間だったが、戦いについていけなくなって戦力外だから仲間じゃないといわれ
仲間を離脱して辺境の地で薬草屋をして美少女と同居のスローライフを満喫しようとする話。

でもスローライフしているアニメという印象はあまりない。

アニメを通じて作者の愚痴を聞かされているだけだと思うんですよ。

【どうして作者の愚痴だと思ったのか】
この作品を簡単にまとめるとこのシナリオは全部、作者の愚痴だと気づく。
{netabare}
まとめるとこうです。

俺は勇者である妹から慕われていて、みんなから必要とされてるのに、一人だけ俺に嫉妬したおバカさんがお前いらないって言うから思い知らせてやろうと思って出ていくことにしたけど、俺の有能さが理解できないあいつは見る目がない、やれやれ、やっぱりみんな俺がいないとダメダメじゃん、追放されてからようやく理解できたの?でも今さら戻ってきてくれって言われても手遅れだよ、君たちが命がけの苦しい旅をしている間も俺は美しいお姫様とイチャイチャ幸せなスローライフエンジョイしている勝ち組だ、うらやましいでしょ? でも可愛い妹がお兄ちゃんがいないとダメなのって言うから、真の勇者である俺が魔王倒してあげるよ、あ、俺を追放した見る目ないやつは俺のパーティにいらないし、むかつくから惨めな最後迎えてね。ざまあ!

こういうことなんですよね。

これって鬱屈した思いがたまった作者の、自分を評価してないムカつく人たちを見返してやりたいっていう願望ですよね?

それをうまくシナリオに落とし込めていれば面白くなると思うけど、
ただ願望を垂れ流しているだけじゃ面白くならないんですよ。

{/netabare}

【キャラクター】
キャラの掘り下げや心理描写が非常に薄っぺらいので、みんな何を考えてるのかよくわからなくて、役割に応じたセリフをしゃべらされているだけの人形に見えた。
{netabare}
例えばギデオンが大事ってみんな言うけど、その絆の部分の描写が薄く、街の人も勇者パーティもギデオンの有能性ばかりを強調するので、便利な人だから必要と思っているだけなのか、人として好きなのかがよくわからなくて、終盤で急に大事な仲間みたいな空気出したのが唐突に感じた。そんな大事に思っているならもっとそれらしい描写入れるべきだと思う。

上記のような一例に限らず、キャラクターが生きてるって感じがしない。
キャラクター達は加護に振り回されている人形だから仕方ないって言うのならまあ、納得するけど。

賢者が本当に愚かで嫌な奴だけど、賢者は嫉妬に狂った感情がちゃんと描かれていて、キャラクターの中で唯一人間味のあるキャラクターだった。
{/netabare}

【シナリオ】
ギデオンのスローライフと勇者パーティの斜陽が交互に見せられて交わっていくところはどうなるんだろうって興味持てました。
タイトルにスローライフって入っている割にあまりスローライフ感がないので、タイトルで回避されるパターンと、タイトルに釣られたけど思ったのと違って視聴断念するパターンがあってタイトルのつけ方を失敗していると思う。
タイトルはやっぱり大事。

{netabare}
加護によって人生が決められて加護に人生が振り回されるという設定は面白いと思った。
でも、その設定が話を面白くしているわけではなく、キャラクターの行動の不自然さの言い訳をしているようにしか見えなかった。
普通に加護の強制を否定して自分の人生を切り開く話で良かったのでは?

特に賢者の行動や言動は不自然極まりないもので、それが加護のせいってのはわかったけど、理由がわかったところで彼の行動とそれによって起こった出来事の不合理さと不快感は消えるわけではなく、それでシナリオ的に面白ければいいけどギデオンが勇者パーティに必要な男だってことを視聴者に説明するためだけに勇者パーティを崩壊させているようにしか見えず世界のすべてが、主人公の人生のために都合よく回っているという印象になっている。

ギデオンが勇者パーティに不可欠っていうのは良いと思うけど、その証明のために勇者パーティを下げ続けたのが原因。
このせいでアレスはもちろん、他の勇者PTのメンツまでギデオンがいないとまともに旅ができない残念な人達っていう印象になってしまっている。
不自然に勇者PTを下げるんじゃなくて、主人公が勝手に自分が足手まといと判断して抜けたけど、勇者パーティは必要だってことを知ってるからなんとか探し出して連れ戻そうとしているっていう描写だけで良かったと思う。

それでスローライフしている過程で薬草だけでなく道具や武器などの知識を身に着けていって、勇者パーティを助けるキャラクターとして描けばタイトル詐欺にもならないし、もう少し面白くなったんじゃないかと思った。

{/netabare}

【総評】
まずスローライフさせたいのか、勇者パーティに入れたいのかはっきりするべきだと思う。
スローライフで幸せになったけど、勇者パーティの一員としての名声も欲しいっていう未練がましさがシナリオに表れていて、不自然で中途半端な作品になってしまっている。
二兎を追う者は一兎をも得ず、欲張るのはやめましょう。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 37
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

勇者は、義務か権利か。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
本作の長々としたタイトル通り、随分とごちゃごちゃしたアニメです。

やろうとしたことは面白く、レビュータイトルにした問いなどは非常に哲学的で、上手く料理さえできれば☆5も目指せるポテンシャルはあったと思いますが、結果としては残念な仕上がりに。

レビューでは、本作の秘められた可能性を書きつつ、構造上の問題点も指摘したいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
これ、3つのアニメ作れるね。

①真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境で薬屋をやって過ごす、ギデオンとリットを主人公にした、異世界スローライフ&イチャイチャエロアニメ。

②真の勇者じゃないと勇者パーティーを追い出されそうになったが、仲間や世界を救うため、パーティー内では最弱ながらも、バランスのとれたスキルと戦術、戦略などを駆使しながら魔王を討伐する、ギデオンを主人公にした異世界バトルアニメ。

③スキルや加護を呪いのように捉え、その葛藤に苦しみながら戦う勇者、ルーティを主人公にした哲学アニメ。

どれで作ってもそこそこ面白くなりそうです。

個人的には、②が好みです。

ギデオンの「導き手」というスキルの設定は面白いと思います。勇者が成長するまでの指南役兼護衛役。初期パラメーターが高く、バランスも良いが、ある一定以上は成長せず、次第に勇者や他の英雄に追い抜かれる。RPGなんかではよくいる設定の、中盤で死んだり離脱したりするキャラですね(笑) 

でも、それが用済みにならず、力不足を感じつつも勇者パーティーに残って戦い続けるのは、面白そうです。私、そういう立ち位置のキャラ好きですし。

(つまり、スラムダンクの木暮君や、キャプテン翼くんの来生哲兵、ドラクエ5のパパスが主人公のアニメを観たいかどうかです。私は観たいw)。

本作はまあ、③がメインでしょうか。勇者の、眠気、空腹、温度への耐性という加護。逆に言えば、生きていること、「人生」(人としての生)が奪われる呪いともとれます。

また、勇者に限らず、「やれること」「やれと言われること」と、「やりたいこと」が合わないことの葛藤。これは、私達視聴者にとっても、身近かつ重要な問題提起になっていたと思います(ここが本作で一番高く評価したポイント)。

この③については、なかなか良く描けていて、哲学的な深みを感じさせる良いアニメになり、、、そうだったのに、それが微妙なクオリティに。

問題点としては、

(1)①②③を全部やろうとして、全てが中途半端になったこと。

(2)③の超シリアスな展開の中に、①のエロ要素が入ることで、不真面目さや不謹慎さ、軽さが際立ってしまったこと。

(3)作画がクソショボいことで、②のバトルがギャグ化してしまい、なんの熱さもなくなってしまったこと。

主にこの3点により、本作の優秀な設定を全て殺しにいった作品に感じました。

というより根本的に、まとめきれないのに、この難しい3要素を全て混ぜた、原作者の力量不足や見通しの甘さはあると思いました(原作未読なので、あくまでアニメから分かる範囲では、ですが)。

ひとつひとつは凄くよい素材なのに、料理の仕方が悪く、結果としてマズい料理になってしまったという点では、アニメ系の専門学校の教材にでもしてほしい作品です。

いや、これは別に嫌味で言っているわけではなくて、世の中に無数にある「毒にも薬にもならない作品」や「何のポテンシャルも眠ってない作品」に比べれば随分と高評価で、だからこそ、「どうすれば良くなったか」ということを考えられる、「教材化する価値のある作品」だと思うんですよ。

脚本、演出、作画、全ての面で設定を生かしきれていない、なかなかレアな「もったいない作品」だと思いました。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
こういう立ち位置のキャラクター好き。昔、RPGツクールで作ったゲームに似ている(笑) 勇者が仲間を見捨てられないという設定と、竜騎士団副団長のメンツというのが、何気に上手い。

2話目 ☆3
リット、ツンデレチョロイン(笑) バトルの作画はショボいが、バトルを魅せる作品じゃないしな。放送事故レベルの間(笑) 勇者サイドも魅せて、どっかで救うのだろうけど、その塩梅が大事。

3話目 ☆4
生まれついた加護。同一加護持ちの殺傷だけが加護の強化? 凄い世界だな。加護により人生がある程度左右される世界。低レベルだが複数のスキルが使える利点を生かした薬作り。人の一面だけを見て評価してはいけないよな。

4話目 ☆3
終身雇用契約(笑) 思い出話、ちと長い。加護を超える愛。勇者ワンパン。作画は酷いな。だいぶ歪んできた。

5話目 ☆3
勇者の加護。眠気、空腹、温度への耐性。逆に言えば、生きていることが奪われる。作画も展開も崩れてきた。

6話目 ☆


7話目 ☆2
安いな。安い、安い。

8話目 ☆3
会えずにすれ違う流れかと思ったが、さて、会ってどうなるか。勇者闇落ちかな?

9話目 ☆4
勇者は、義務か権利か。勇者という呪いを、よく表現している。

10話目 ☆3
ルーティのためって、それ、導く者の影響なんじゃ?

11話目 ☆2
バトルの作画がショボくて、ギャグに見えてしまう。やってることはそんなに悪くもないと思うけど。勇者のバトルだけそこそこ作画頑張るし、なんじゃこれ。

12話目 ☆2
このアニメらしい、ごちゃごちゃした、まとまりがない悪いラスト。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 25

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

スピーディライフ

原作未読 全13話

お話はタイトルに近いのですが、少し違うのが「スローライフすることになったはずが、結構スピーディな毎日を送っています。」ではないでしょうかw

なぜ追い出されたのか、勇者との関係、スローライフの内容は詳しく語られていました。

また、主人公を追って1人の女の子が訪ねて来ます。2人の関係は初々しいですねw

1話1話の事に少しずつ不協和音を入れており、後半から全貌が見えてきます。

最終話終わって、ここからスローライフの始まりような感じがしました。

OPはゆいにしおさん、EDはJYOCHOさんが歌っています。OPを聞いているとまったりできますね^^

最後に、何故スローライフというと「薬屋」になるのでしょうかw

投稿 : 2024/06/29
♥ : 25

64.2 8 ファンタジーで恋愛なアニメランキング8位
金装のヴェルメイユ~崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む~(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (171)
533人が棚に入れました
王立オルティギア魔法学院――。 召喚魔術が成功せず留年の危機に瀕していた学院生のアルトは、偶然見つけた古びた召喚魔術の本から魔法陣を描き、封印されていた悪魔ヴェルメイを召喚してしまう。彼女は古来より恐れられる“悪魔”であり、厄災をもたらす強大な力を持っていた。 使い魔となったヴェルメイには定期的に魔力を供給する必要があり、その方法は濃厚なキスをすること。そんな2人の関係にやきもきする幼馴染みのリリア、そして前代未聞の使い魔に呆然とする生徒たち。 最強の使い魔と契約したアルトは、目標である偉大な魔法使い“魔導を極めし者”(プラチナスクエア)を目指す。 崖っぷち魔術師と不健全な悪魔のお姉さんの王道ファンタジー開幕!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

色欲のヴェルメイと嫉妬のリリア

【紹介】
エッチな悪魔と契約した美少年が魔法学園で騒動に巻き込まれていく色欲まみれなファンタジーラブコメ
主人公はかわいい少年系でウブでマジメだけど、女の子が色欲全開で猛烈アタックしてきます
ヴェルメイさんは悪魔っていうより淫魔かな?
人前でも戦闘中でも関係なく誘惑するその姿は七つの大罪「色欲のヴェルメイ」って感じだった

【感想】
ヴェルメイさんやリリアがすぐ脱ごうとするのが冷めるし召喚とかの設定が変、展開も不自然だしやりとりがなんかずれてる感じ
特に4話のリリアが{netabare}全裸で徘徊するのはさすがに引いた、3話は仕方ないとこもあるけど4話はただの変態ストーカーで女の子としてこれはないなーって思った{/netabare}

でも絵は綺麗で背景の描き方が丁寧で色合いが好き
主人公のアルトが可愛くていい子なのが良かったし、話が分かりやすくて見やすいアニメでした

ただイチャイチャしたいだけのアニメなのでかわいい男の子とエッチなお姉さんのイチャイチャが見たい人には良いのかも?

面白くなりそうな展開何回かあったのに、やっぱりイチャイチャしたいだけ? 
お話の中にイチャイチャを入れたんじゃなくて、イチャイチャするためにシナリオを書いた感じで、敵とかいいから早くイチャイチャしよっていう大いなる意思をところどころで感じました

特に終盤2話がとても残念で、続きが気にならないタイプのとても煮え切らない終わり方でした

【気になったところ】{netabare}
・終盤で急に話がシリアスになってきて面白くなりそうだったけど最後はイチャイチャしてるだけでした
・話の途中でエッチなシーンいっぱい入れてきて中断されるので話がなかなか進まないし無理やりそういう展開にしているのでいろいろ不自然
・主人公が普段すごく優秀なのに召喚できないから落第って変じゃない? 
悪魔以外を召喚できなかった理由もよくわからなかった、相手の意思とか自然法則とかを無視して召喚できるから召喚魔法は凄いんじゃないの?
・先生達は主人公が実はすごい魔力持ってることとか、悪魔の正体に気づかないの?
・学生同士のバトルもただの力比べで何でもありな感じ、もうちょっとルールとか工夫すればバトルシーンも面白くなりそうなのに
・敵の目的がいつも曖昧で、なんでこんな回りくどいことしてるのかなー?っておもう
・6話は油断して注射打たれて暴走してたけど悪魔がただの人間に注射打たれるまで気づかないの?
・注射打って暴走した先生を庇って傷つくのもなにしてるの?誰かが倒さないと被害出るでしょ
{/netabare}

【作画と主題歌】{netabare}
作画いいけど戦闘シーンで止まっていることが多い
主題歌は良かったです
{/netabare}
【キャラクターと声優】{netabare}
ヴェルメイさんの声優は内田真礼さん!
好きな声優だし上手だけど声がキャラのイメージに合ってない気がします、ちょっと声がかわいすぎるかなー

生徒会の男性キャラは良い感じそうだけど出番が少ない
主人公はちょっといい子過ぎるので好感はもてるけど面白みはないかも
したたかな部分があれば面白くなりそう {/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

照れ隠しがエロとは恐れ入る(笑)

1クール12話の間で起承転結が3周くらい回っていて、ちょっとあわただしい感じもしますが原作から意外とエピソードは削られていないので、結局は原作漫画のテンポが速めということなんでしょうね。

自身の傾向として異種族恋愛系の話はわりと好む傾向があるので、そういう意味では本作はそこそこ楽しく観ていました。

大雑把には魔法とか使い魔の召喚とかがアリなファンタジー的な世界にある学園を舞台にしたラブコメディってことになるんだと思いますが、主人公のアルトくんには特に転生設定とかはありません。

メインヒロインのヴェルメイさんは悪魔であり、人間に対しては長命種ということになります。また作中世界で過去に悪魔がもたらした災厄などもあって、悪魔であることを公にするにはリスクが伴います。

また幼馴染みのリリアとしては、自身がアルトくんに恋心を抱いていることもあり悪魔のヴェルメイさんがアルトくんと親密になることは快く思えません。

このあたりのドタバタを楽しめるか、あるいはヴェルメイさんの過去の境遇に関して一定以上の共感・同情心が芽生えるかというのは本作の視聴の上での重要要素の一つと言えると思います。

あとはヴェルメイさんが奔放そうな見た目に反してかなり純情キャラである点、逆にリリアが常識人ぽく見えてアルトくん絡みになるととんでもない暴走をする点が人情面での見どころかと思われます。

個人的にはヴェルメイさんのエロいシーンよりは、リリアの暴走の方がエロ的には目に余る感じでした。リリアはある意味で本作の被害者と言って良いキャラかもしれませんが…。

今クール最終決戦でのヴェルメイさんの過去が明かされる回については、人間のえげつなさが出ていて良かったと思います。風評って怖い…。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

昔懐かしのラノベって雰囲気

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
可もなく不可もなく。

エロ要素はあれど、不快な感じはないし、主人公はずっと優しくて安定感がある。

前半は普通に観られたし、後半はそこそこ見処もあった。中盤の展開がややスローで、評価を落としたかも。

最初の1、2話で観るのを止めようと思った人は、まず11話を観て、作品の背景を知った上で、観るか決めても良いかもしれない。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ヴェルメイさんが、もっと悪魔でも良かったかな? あれだと、ただのちょっとエロい、良いお姉さん(苦笑)

11話の回想は単独で☆4をつけた。

だからこそ、人の美しさと醜さを両方知る悪魔として、もうちょい複雑なキャラクターにできたんじゃないなと感じた。

アルトくんが、ラストにやたら真っ直ぐな告白をするのは、好印象。ぜひ幸せになってくれ。

あとどうでも良いけど、EDの入りでちょっとだけ、モスラを呼び出す歌を思い出した(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17

73.5 9 ファンタジーで恋愛なアニメランキング9位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.9 (32)
121人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2024/06/29
♥ : 19

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 12

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 11

86.5 10 ファンタジーで恋愛なアニメランキング10位
灼眼のシャナ(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (3032)
17489人が棚に入れました
御崎(みさき)市で平凡な日常を過ごしていた高校生・坂井悠二は、とある一人の少女の出現と共に非日常の世界に巻き込まれた。
その少女、名もなき『炎髪灼眼の討ち手』は、人知れず人を喰らう異世界人『紅世の徒(ぐぜのともがら)』を探し討滅するフレイムへイズの一人。そして、その少女は、悠二にこう告げた。
「おまえはもう【存在】していないのよ」と…。
彼女は、悠二が自覚のないまま死んでいることを告げ、訳あって『紅世の徒』から狙われるようになった悠二を護る事になる。そんな彼女に悠二は、彼女の刀「贄殿遮那(にえとののしゃな)」から「シャナ」という名前をつける。
2人は反発しながらも、少しずつ惹かれ合っていく…。

声優・キャラクター
釘宮理恵、日野聡、江原正士、川澄綾子、櫻井智、生天目仁美、岩田光央、諏訪部順一、こやまきみこ、野島裕史、野島健児、近藤孝行、小林由美子、田村ゆかり、白石涼子、三宅健太、伊藤静、渡辺明乃、小西克幸、菅生隆之、鈴木達央、斧アツシ、岡村明美、皆川純子、宝亀克寿、飛田展男、加藤奈々絵、大原さやか、能登麻美子
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガチのツンデレ

このころのツンデレはガチですね^^
最近のチョロインとはレベルが違う(笑)

■第1話~第6話
{netabare}
狩人を倒すところまで。
狩人を倒したから、当面、ゆーじを守る必要がなくなったけど、これからシャナはどうするのかな??
早く続きを見ねば♪
{/netabare}

■第7話~第24話
{netabare}
脇役たちも存在感あっていいですね。
シャナの気持ちの揺れ動きに共感です^^
{/netabare}

■1~3期を見て
{netabare}
3期まで見ると、何期派か人それぞれありそうですね。
私は1期派です^^

特にフリアドネ戦までが好きです。
封絶の中で戦い、生じた損壊を元に戻すには
存在の力が必要でそのために誰かが犠牲にならなくては
ならない、という設定が良かったです。

零時迷子の特性が判明してからは
戦いで生じた損壊はすべて気兼ねなく
直せるようになりましたが、それまでの戦いは
手に汗にぎるものがありました^^

それと、シャナのツンデレぶりが、とてもしっくりくる
ものだったと思います。
フレイムヘイズとしての価値観の違いがうまく「ツン」に
現れつつ、「デレ」がほどよく出てました^^

今までのツンデレキャラで一番好きかも♪
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 76

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

釘宮病の発生源

思えば俺が釘宮病になってしまったのはこのアニメのせいだったな・・・
だって仕方ないじゃん!
声がめっちゃ可愛いんだもん!
しかもそれにシャナの可愛さもプラスされてくるんだよ!?
そりゃ発病しても仕方ないじゃないですか!

やはりくぎゅの代表作と言えばシャナという人も多いのではないでしょうか?
僕もその一人ですw
ここから「ツンデレの女王」が広まっていったんですよね。

2005年と少し古いアニメにもかかわらず戦闘シーンなどの作画もなかなかのものであり、きっちりとラブコメ要素も入っている個人的良作アニメです。
最初は主人公祐二に全く興味のないシャナですが、戦いや祐二との生活を通してシャナの心に変化が生じるといった感じで描かれています。

バトル好き、ラブコメ好き、そして何よりくぎゅ好きの人たちは一度見てみることをおすすめします!

投稿 : 2024/06/29
♥ : 61
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

《異能バトルもの》の傑作にして、ジャンルを超える名作

※1-3期全部含めたレビューです。

『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じく、ラノベ原作&いとうのいぢ氏イラスト原案で、2000年代後半に大人気を博したアニメ作品です。
そして個人的には『ハルヒ』よりもこっちの方がずっと好きで、お気に入り棚にもあにこれに来た当初からずっと入れ続けている作品なので、贔屓目の評価点数とレビュー内容になっていると思います。

◆総評

「人智を超えた特殊な「力」を持つ者達が互いに争ったり、共通の敵に立ち向かう」シナリオを持つ作品のことを《異能バトルもの》と呼ぶそうで、アニメの中でも毎期最も多くの作品が作られ、かつ人気作も多く輩出しているメジャー・ジャンルですが、個人的にはレビュー・タイトルに書いたとおり、今後このジャンルで本作以上の作品に出遭う可能性はまずないのではないか?と思えるくらいの傑出した作品と思っています。
(※勿論、作画は本作の特に第1-2期はイマイチ怪しい箇所も多いのですが、全体を通してのシナリオの見事さ、という意味で本作以上の作品を考案するのはちょっと無理っぽく思える、ということ)

ファンの方には大変申し訳ないけど、正直いって、今秋から続編が放送予定の『とある魔術の禁書目録』とか、本サイトの総合順位で第10位という非常に高い評価を得ている『鋼の錬金術師 FULL METAL ALCHEMIST』(※どちらも長編《異能バトルもの》)なんて、本作に比べればシナリオ面では全く太刀打ちできない凡作にしか見えません。


◆第1-2期は学園ラブコメ要素も強いが、第3期は《フレイムヘイズvs.紅世の徒》二大陣営の総力戦に急変

本作の初見当時は、第2期を見終えた時点では、

①確かにキャラクターは、相当魅力的(特にシャナと一美のダブルヒロインが◎)だけど、
②肝心のシナリオは、そこまで褒めるほどのものではないかな?(特に第2期)

・・・と思っていましたが、第3期に入ってからの怒涛の展開に肝を潰してしまいました笑。

これ、《異能バトルもの》によくある「個人vs.個人」とか「戦隊vs.戦隊」という小規模な単位での戦闘(※本作でも第1-2期はその範囲に終始していましたが)では全然なくて、「フレイムヘイズvs.バル・マスケ」という二大陣営の激突を、その始まりから結末までを詳密に描き尽くした《ガチの組織戦もの》ですよ。

両陣営が、互いの持つ数量的資源と戦略・戦術を駆使して死闘を繰り広げる様は、一般に《架空戦記もの》とか《頭脳バトルもの》の良作とされる『グランクレスト戦記』『アルスラーン戦記』『天鏡のアルデラミン』あたりよりも遥かに本格的で見応えがあります。

・・・そして、その点だけでも見事なのに、実は本作の本当の魅力はそこではありません(下記)。


◆当初はヒロイン(シャナ)の協力者に過ぎなかった一見平凡な少年(坂井悠二)の選択→そして彼は“{netabare}男マドカ{/netabare}”になる!

ここが本作の肝(きも)なので、詳しくは書きませんが、
第1期の1番目ED「夜明け生まれ来る少女」が

{netabare}I'm just 夜明け前の暗闇が/一生を運命づける
大丈夫 少女よ 今こそ/悔やみ恥じることはない Far away …
十字を背負い 死ぬ気で炎を駆けろ!!{/netabare}

とあるように、ヒロイン(シャナ)を鼓舞する歌詞だったのに対して、
第3期の1番目ED「I'll believe」の歌詞は

{netabare}「I'll believe..」孤独も因縁さえ Yeah, yeah/灼熱の記録の欠片(かけら)/現在(いま)を映すbrightness/Can see your light
あなたを照らした光彩が/わたしの記憶(なか)にも在るなら/I'm sure that we can go/全てを証明していこう{/netabare}

とあって、明らかに少年(坂井悠ニ)の心情を謳った歌詞に変化しており、
私にはこれが、奇しくも本作第3期と同じく、2011年に制作・放送されたあの名作『魔法少女まどか☆マギカ』の

{netabare}(1)暁見ほむらの果てしなく続く報われない奮闘 → (2)鹿目まどかの決断と救済{/netabare}

・・・という流れとダブって見えてしまいました。

しかもTVシリーズ計3期72話という尺をフルに活かしたことから来る《一過性ではない感動》付きで。
(つまり本作は単に《面白作》であるばかりでなく《感動作》でもあるということ)


◆第1-2期に貼られた膨大な伏線の怒涛の回収も見所

また、伏線回収という点で本作ほど見事な作品も見たことがありません。
なんせ・・・
{netabare}
①第1期第2話で消滅した本物の平井ゆかり嬢への悠ニの復活の願い
②第1期第3話以降にバラまかれた「屍拾いラミー」の目的と結末
③第1期第13話以降にバラまかれたマージョリーとシュドナイの因縁の対決の決着
④第1期第5話以降に頻繁に描出される一美の想いの結末
⑤第1期第14話以降にやはり繰り返し描出されるヴィルヘルミナの想いの結末
⑥第1期以来繰り返し描かれるバル・マスケ三柱臣(ヘカテー/ベルペオル/シュドナイ)それぞれの願いや想いの結末
⑦その他、調律師カムシンや悠二のクラスメート(田中・佐藤etc.)それぞれの想いの結末{/netabare}

等々が律儀にひとつづつ確り回収されて終わっているんですから。
ここまで一人ひとりの登場キャラの想い・願いを大切に扱って描き切った作品というのも珍しいです。

・・・ということで、本作は個人的には特に力を入れて《一気見》を推奨したい作品となりました。


◆作品別評価

(1) 第1期(無印)  ★★ 4.5 (24話) ※2005年
(2) 第2期(II)    ★   4.2 (24話) ※2007年
(3) 第3期(Final)  ★★ 4.8 (24話) ※2011年
-----------------------------------------------
  総合       ★★ 4.6 (計72話)

※以下はシナリオの本筋に関係のない外伝OVAおよびアナザーストーリー(ファン向け)

(4) OVA1(SP)   ☆   3.6  (1話) ※2006年
(5) 劇場版      ☆   3.8      ※2007年
(6) OVA2(S)    ☆   3.6  (4話) ※2009年


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ       高橋弥七郎(『電撃文庫』2002-2012年刊)
監督           渡部高志
シリーズ構成      小林靖子
脚本           小林靖子、佐藤勝一、白根秀樹、犬飼和彦、水上清資、砂山蔵澄、ヤスカワショウゴ、
キャラクターデザイン いとうのいぢ(原案)、大塚舞
音楽           大谷幸
アニメーション制作   J.C.STAFF{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================ 灼眼のシャナ (2005年10月-2006年3月) ==============
{netabare}
 - - - - - - OP「緋色の空」、ED「夜明け生まれ来る少女」 - - - - - -
{netabare}
第1話 全ての終わり、一つの始まり ★ 突然壊れた日常(御崎高校入学1週間目)、炎髪灼眼の討ち手
第2話 灯る炎 ★ “狩人”フリアグネ(紅世の王)、平井ゆかり消滅、贄殿の遮那(シャナ命名)、
第3話 トーチとフレイムヘイズ  ★ 存在の割り込みと学校への敵襲、“屍拾い”ラミー&“弔詩の詠み手”マージョリー・ドー来市 ※本シリーズのラストに繋がる悠二の個性が見えてくる回
第4話 惑いのフレイムヘイズ ★  シャナの苛立ち、戦闘狂マージョリーvs.シャナ、シャナ惨敗
第5話 それぞれの想い ★ 悠二&一美の美術展デート(ラミーと悠二の遭遇)、マージョリーvs.フリアグネ
第6話 交錯・発動・対決 ★★ “都喰らい”発動阻止(フリアグネ討滅)、紅世の秘宝“零時迷子”
第7話 二人のフレイムヘイズ ☆ 悠二の特訓開始、マージョリーの仇“銀”、ラミー追跡
第8話 麗しのゴブレット ★★ マージョリーvs.シャナ再戦(“蹂躙の爪牙”マルコシアス顕現、シャナ&悠二の共闘成功)、ラミーの正体(紅世最高の自在師“螺旋の風琴”) ※この回自体も面白いが、第三期への伏線満載な点が◎
第9話 恋と欲望のプールサイド ☆ ※初のクラスメート日常回(水着回)
第10話 絡まる想い ★ シャナと一美の恋の鞘当て ※この回で本作は意外と日常回も面白いことに気付くはず
第11話 悠二とシャナとキス ★ 続き(“愛染自”ソラト&“愛染他”ティリエルの“贄殿の遮那”略奪計画が同時進行)
第12話 ゆりかごに花は咲いて ★★ 続き(一美の恋心噴出、愛染兄妹vs.シャナ)
第13話 校舎裏の宣戦布告 ★★ 続き(シュドナイvs.マージョリー、愛染兄妹死亡、シャナからのご褒美)
第14話 偉大なる者 ★ "炎髪灼眼の討ち手"誕生譚(天道宮での“万条の仕手”ヴィルヘルミナとの生活){/netabare}

 - - - - - - - - - - OP(変わらず)、ED「紅の静寂」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第15話 炎の生まれた日 ★★ 続き("天壌の劫火"アラストールとの契約完遂)
第16話 炎髪灼眼の討ち手 ★★★ 続き(vs.天目一個、vs."虹の翼"メリヒム){/netabare}

 - - - - - - - - - - - OP「being」、ED(変わらず) - - - - - - - - - - -
{netabare}
第17話 新たなる序章 ☆ “儀装の駆り手”調律師カムシンの一美接近、バル・マスケ(仮面舞踏会)蠢動
第18話 砕ける願い ★★ みさご祭りの夜、一美の動揺(悠二のトーチ)、"探耽求究"の仕掛け発動 ※個々のキャラの感情描写の的確さに感嘆◎
第19話 戦いの中で ★★★ 続き、クラスメート達の真実、一美告白、御崎市の調律成功、傷心のシャナ ※前回に続き《キャラ心理》の描写が◎
第20話 非情のヴィルヘルミナ ★ マージョリー退去、ミステス破壊の危機 ※シナリオの繋ぎ方の巧さは〇
第21話 遠ざかる想い ★ お焚き上げの罠、バル・マスケ来襲、シャナの自己犠牲・悠二拉致 ※シャナの恋心に気付かない悠二が〇
第22話 揺らぐ炎 ★ "頂の座"ヘカテーとの器合わせ("存在の泉"出現)、シャナに託される願い
第23話 星黎殿の戦い ★★ 悠二とヘカテーの相互干渉、マージョリー来援
第24話 紅蓮の想い ★★ ヘカテーの心の間隙、“天壌の劫火”顕現(天破壌砕)、秋学期スタート ※挿入歌「緋色の空」{/netabare}{/netabare}
------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)10、★(良回)11、☆(並回)3、☓(疑問回)0 ※個人評価  ★★ 4.5


=========== 灼眼のシャナ II -Second- (2007年10月-2008年3月) ========
{netabare}
 - - - - - - - - - - - OP「JOINT」、ED「triangle」 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 再びの刻 ☆ 秋学期の異変(フリアグネ、愛染兄妹の悪夢)、微力の徒“戯睡郷”メア(※『シャナⅢ』の第13話に再登場)
第2話 全ての序章 ☆ 悠ニの特訓、シャナと一美の弁当作りバトル、零時迷子の"戒禁"、メア討滅、ラストで近衛史奈転入
第3話 疑惑の転校生 ★ 史菜の正体探り、駆け出しの徒"駆掠の礫"カシャ撃滅
第4話 憂いの少女たち ☆ シャナ&一美の戸惑い・苛立ち
第5話 家族の食卓 ☆ ヴィルヘルミナの手料理
第6話 試練の前夜 ★ 佐藤宅勉強会、マージョリーの恋のアドバイス ※日常&コメディ回として〇
第7話 池速人、栄光の日 ★ 遊園地グループデート、悠二の親友・池の告白未遂(一美へ)
第8話 過去への扉 ★ マージョリーの昔話(1930年代のニューヨーク、"穿徹の洞"アナベルグとの戦い) ※「大地の四神」の一柱初登場
第9話 悲しみのマイルストーン ★ 続き(シュドナイの脅威、未熟者"魑勢の牽き手"ユーリーの犠牲)、悠二の封絶("銀"の炎)
第10話 帰って来た男 ☆ 悠二の父・貫太郎帰国、学園祭準備進行
第11話 約束の二人 ☆ 続き、零時迷子の創り手"彩飄"フィレス接近
第12話 清秋祭始まる ★ 仮装パレード、シャナのグランプリ選出、フィレス降下
第13話 収束、そして兆し ★★ マージョリー暴走("銀"発見)、零時迷子の"戒禁"の変質、学園の被害修復
第14話 永遠の恋人 ★ 一美のフィレスへの申出、零時迷子誕生の秘密(ヨーハンの願い)、フィレス本体降下、"銀"の腕の一撃("壊刃"サブラクの自在法発動)
第15話 覚醒 ★ "大命詩篇"の目論見、"偽りの器"史菜の零時迷子への刻印、ヘカテーの史菜回収、ヨーハン一時出現、フィレス退去{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP「BLAZE」、ED「Sociometry」 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第16話 つきせぬ想い ★ "闘争の渦"御崎市、フィレスの一美への託し物(宝具フィラルダ)
第17話 それぞれの道 ★ アウトロー(フレイムヘイズ支援拠点)の混乱、田中&佐藤の決断、悠二の鍛錬進展
第18話 錯綜の悠二 ★ 悠二の母・千草の体調異変、"聚散の丁"ザロービ接近
第19話 言えなかったこと ★ 悠二の鍛錬の成果(ザロービ撃滅)、シャナの“吼号呀(こうごうが)”ビフロンス撃滅、ラスト御崎市の異変
第20話 茜色の死闘 ★ “壊刃”サブラク来襲(自在法スティグマの脅威、ヴィルヘルミナ苦戦)
第21話 合わさる力 ★★ 続き(スティグマ破りの自在法、悠二のサブラク本体見破り・全員の協力、サブラク撃破) ※挿入歌「JOINT」
第22話 クリスマス・イヴ ★ 千草おめでた、一美&シャナの恋の決戦申込、池の告白・失恋、Xmasツリー前の待ち合わせ、ヘカテーの零時迷子奪取
第23話 危難の胎動 ★ バル・マスケの大自在式"大命詩篇(=盟主の代行体創生)"遂行開始(時計塔の変形、フレイムヘイズ突入、"敷の立像"出現)
第24話 守るべきもの ★★ 続き(ヘカテーの一瞬の躊躇、"暴君"破壊、零時迷子回収)、悠二の選択 ※ED「sense」{/netabare}{/netabare}
-------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、☓(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.2


=========== 灼眼のシャナ III -Final- (2011年10月-2012年3月) =========
{netabare}
 - - - - - - - - - OP「Light My Fire」、ED「I’ll believe」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 失われた存在 ★ 予告なしの悠二消失、冬学期、シャナ&一美の希望、悠ニの盟主代行体承諾、盟主登極
第2話 来たるべきもの ★ 上海アウトロー壊滅、"震威の結い手"ゾフィーの忠言、盟主の諸将謁見・大命布達、佐藤と悠二のニアミス
第3話 旅立つために ★ 悠二とシャナの再会
第4話 再会と、邂逅と ★ 現世の名「坂井悠二」・真名"祭礼の蛇"(紅世の創造神)、"銀"の正体判明(マージョリー戦線離脱)、悠二vs.シャナ、シャナ拿捕
第5話 囚われのフレイムヘイズ ☆ 星黎殿に幽閉されたシャナ、進む軍議と不安要素(バル・マスケ陣営)
第6話 掌のなかに ☆ ゾフィー総司令の戦力調達進行、“輝爍の撒き手”レベッカ・リードのヴィルヘルミナ加勢、最強の自在法(シャナ)、ヘカテーのシャナ襲撃
第7話 神門 ★★ 一美&カムシン再会(一美の望み、カムシンの過去話)、"大命詩篇"第二段階・創造神本体奪還作戦開始(悠二&トリニティ他"久遠の陥穽"への出立)
第8話 開戦 ★ 天道球浮上、開戦(東京)、戦線拡大(東西で陽動戦)、レベッカ&カムシン星黎殿奇襲 ※ここから両陣営の頭脳戦本格化
第9話 星黎殿へ ★★ シャナ救出作戦、天目一個出現・シャナ自由回復、クリプタ破壊(星黎殿隠蔽解除)成功
第10話 交差点 ★★ シャナvs."駝鼓の乱囃"ウアル、レベッカvs.“哮呼の狻猊”プルソン、“螺旋の風琴”とヴィルヘルミナの取引、星黎殿帰投命令(デカラビア)、星黎殿強襲(ゾフィー本隊)、シャナ開眼
第11話 聞こえる、想い ★★ シャナ隊"久遠の陥穽"へ、マージョリー回復、デカラビア陣頭出撃・戦死、バル・マスケ援軍到着
第12話 誓いの言葉 ★★ サブラクvs.ヴィルヘルミナ/カムシン/レベッカ、"祭礼の蛇"本体封印解除、アラストール離脱・シャナとの合流、シャナ大見え切り(第1期第15話の伏線回収)
第13話 狭間へと、狭間から ★★ サブラク消滅、神門破壊失敗、"祭礼の蛇"帰還{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - OP「Serment」、ED「ONE」 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第14話 大命宣布 ★★ 新世界“無何有鏡(ザナドゥ)”創造宣言、FH撤収戦開始(悠二の呼び掛け(FHの大義崩壊)、FH軍壊走)
第15話 雨中の敗走 ★★ 続き(大地の四神“晧露の請い手”センターヒル参戦、ディアマンテス&センターヒル戦死、撤収成功) ※挿入歌「u/n」
第16話 再び、戦いへ ☆ 大敗の後のこころの整理、シャナの腹案、百鬼夜行召集、星黎殿御崎市へ
第17話 誰が為に ★ シャナと「大地の四神」の残り三神接触、悠二と一美の再会・依頼、一美の承諾
第18話 闘争の渦 ★★ “大命詩篇”最終段階開始(ヘカテーの使命遂行)、御崎市最終決戦
第19話 彩飄(かぜ)が呼ぶもの ★ 一美のフィレス召喚、ヨーハン離脱・干渉、百鬼夜行出現 ※挿入歌「赤い涙」
第20話 世界の卵 ★ ロフォカレの予言、戦線混乱、シャナの大命詩篇(自在式)撃ち込み成功
第21話 一つの理 ★ シャナ達の目的(新世界の改変)、大地の四神の目的、ヨーハンの目的
第22話 異邦人の夢 ★★ ダンタリオン教授死亡、マモン死亡、両陣営の切り札開示
第23話 神の夢 ★★ “導きの神”シャヘルの神威召還(両界の嗣子)、悠二の神威召還(新世界ザナドゥ創造)、徒達の出立、カムシン消滅
第24話 涯てより開く ★★ ユストゥス誕生、悠二の望み、螺旋の風琴の自在式発動、それぞれの出立 ※挿入歌「緋色の空」、ED「光芒」{/netabare}{/netabare}
-------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)12、★(良回)9、☆(並回)3、☓(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.8

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※以下はシナリオの本筋に関係のない外伝OVAおよびアナザーストーリー(ファン向け)
{netabare}
====== (OVA1) 灼眼のシャナ SP「恋と温泉の校外学習」 (2006年12月) =====

全1話 ☆ 3.6 {netabare}※温泉ドタバタ回だがサブ・サブキャラ(緒方真竹)に注目{/netabare} ※約23分

OP 「緋色の空」
ED 「夜明け生まれ来る少女」


================= 劇場版 灼眼のシャナ (2007年4月) ===============

全1話 ☆ 3.8 {netabare}御崎市「都喰い」阻止戦(vs.“狩人”フリアグネ)のアナザーストーリー{/netabare} ※約86分

主題歌 「天壌を翔る者たち」
挿入歌 「赤い涙」


============ (OVA2) 灼眼のシャナ S (2009年10月-2010年9月) ==========
{netabare}
第1話 リシャッフル ★ 夏休みの出来事(悠二&シャナの心身入れ替わり事件) ※ドタバタコメディ回
第2話 ドミサイル ☆ 秋学期、シャナの不審行動、ヴィルヘルミナの大切な日
第3話 オーバーチュア 前編 ☆ 悠二に出会う前のシャナの"徒"討滅活動(寄木市)
第4話 オーバーチュア 後編 ☆ 続き ※overture(序曲、導入部、予備交渉)・・・という意味でラストに『シャナF』への繋ぎシーン有り ※挿入歌「portamento」{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)1、☆(並回)3、☓(疑問回)0 ※個人評価  ☆ 3.6

OP 「Prophecy」
ED 「All in good time」{/netabare}


(※以上、2018.8.29 レビュー内容をⅢに併せて全面書き換え)

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(※以下、過去のレビュー)
{netabare}
※第Ⅰ期・第Ⅱ期・第Ⅲ期(FINAL)・劇場版すべて含めた感想です。

このアニメは、日本刀を抱えた炎髪灼眼の美少女シャナが、人の“存在の力”を喰らう異世界の魔物“紅世の徒”と激しい戦いを繰り返す、という美少女バトルものの傑作ですが、
それだけに留まらず、魔物を討伐するシャナの戦いに偶然に巻き込まれた平凡な男子高校生の坂井悠二が、

{netabare}
①困惑し受身に終始してシャナから厄介者扱いされていた状態から、
②次第にシャナの戦いを支える重要なパートナーとなり、
③次いで彼女の心をも支える存在になり、
④そして第Ⅲ部では、本人の強い意志により“紅世の徒”の盟主と一体化し、その強大な力を得て、表面的にはシャナと対立しながらも実際には彼女を含めたフレイムヘイズおよび人間側と“紅世の徒”との果てしない対立の悲劇を終結に導く戦いを主導する大きな存在となっていく、
{/netabare}

という、少年の成長物語、
そして、それらの過程を通じて
少年と少女の心が融和していく恋愛物語

という、この作品の隠されたテーマを次第に明らかにしていく、意外に内容の充実した良質なアニメとなっていると私は評価します。


※期別の個人的評価(5段階)

第Ⅰ期(シャナと悠二の出逢い、シャナ誕生の物語)★★★★ 
第Ⅱ期(“紅世の徒”側の盟主復活の謀略)★★★
第Ⅲ期(フレイムヘイズVS.“紅世の徒”の全面戦争)★★★★★

従って、総合評価として★★★★(5段階で★4つ)とします。

また、この作品の私的な好感ポイントとして、
{netabare}
①人間を救おうとするシャナなどフレイムヘイズ(元人間の異能者)側=善
②シャナと対立して新しい世界を創造しようと画策する“紅世の徒”側=悪

という有り勝ちな単純な善悪二元論ではなく、むしろ人の“存在の力”を喰らう②“紅世の徒”側の事情に対して、第二主人公(悠二)が憐憫の情を持ち、シャナと対立してでも彼らを救済しようという強い意志を抱くに至る点、
{/netabare}

それから、シャナ(=メイン・ヒロイン)だけでなく、
{netabare}悠二と同級生で彼に恋しながらも、シャナと悠二の特別なパートナーシップに、時に嫉妬しつつ二人を陰ながら支えようとする一美(=サブ・ヒロイン)の側の感情推移も過不足なく描かれている点
{/netabare}

の2点を挙げておきます。

その他、この作品の難点として、上記のように第Ⅱ期のシナリオの出来がいま一つ(特に前半の学園生活パート)なために、ここで退屈して視聴を打ち切ってしまう懸念があることを挙げておきます。
しかし、本作品の本当の面白みは第Ⅲ部にこそあると私は考えるので、ここで打ち切るのは勿体ないです。


【総評】
美少女バトルものというジャンルのアニメは非常に沢山あり、また現在も毎期多数の新作が制作されている人気分野ですが、この作品はそのジャンルの最高峰にして、かつ、ジャンルを大きく超える魅力を持った作品であると私は評価します。

このアニメの作画・演出自体は、第Ⅰ期(2005年)、第Ⅱ期(2007年)、第Ⅲ期(2011年)の制作であるために、特に初期の2作は今後さらに陳腐化が進むと思いますが、ストーリー面でこの作品を凌駕する内容を持つ同ジャンルの作品は、これからもなかなか登場しないのではないかと考えます。
(美少女バトルものは、キャラ重視でシナリオは後付けのチグハグなものが大半だが、この作品はキャラが魅力的な以上にシナリオの一貫性が高い=シナリオ重視)

※なお、劇場版「灼眼のシャナ」は第Ⅰ期の最初の数話のフリアグネとの戦いのエピソードを別シナリオで描いたもので、TVアニメよりもラノベ原作に忠実な内容といわれていますが、TVアニメの方がシナリオの出来が良く、特にこちらを視聴する必要はないと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 52

86.1 11 ファンタジーで恋愛なアニメランキング11位
甘城ブリリアントパーク(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2733)
14715人が棚に入れました
主人公・可児江西也は、転校してきた謎の美少女・千斗いすずから、いきなりマスケット銃を突きつけられ、デートの誘いを承諾させられた。いすずに連れられやってきた場所、そこはダメ遊園地として悪名高い甘城ブリリアントパーク(甘ブリ)だった。

声優・キャラクター
内山昂輝、加隈亜衣、藤井ゆきよ、川澄綾子、野中藍、白石涼子、相坂優歌、黒沢ともよ、三上枝織、津田美波
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大爆笑の13話、こんなに笑ったのは久し振り。<さらに追記;13話について>

傾いたテーパパークを再建へ。
高校生支配人代行可児江の孤軍奮闘を描く作品。
というのは、表向き。
異世界起源の何でもありシュールコメディーです。

可児江の経営手腕はさておき。
冷徹なツッコミはお見事でした。
美人助手の千斗は、不器用ツンデレ。
「言葉より先に銃」には、無条件で笑えました。
フワフワ4人娘も、萌え笑いを提供。
リアルぬいぐるみたちも邪悪な笑いを奏でます。
それと、一本調子次回予告は何気に楽しみでした。

12話までは、まあまあのコメディーでした。
しかし、13話PV回が最高の出来です。
全編、シュールの乱れ撃ち。
大半、涙を流して私大爆笑。
落ち込んだ時に観ると立ち直ること請け合いです。
スカイダイビングアイロンがけって何だ。
思い出しただけで笑えます。

やるときゃやりますね、京アニさん。

<さらに追記;13話について>
{netabare}ストーリーとはびた一文関係ない最終回。
シュールコメディーにふさわしい最終回と言えるでしょう。
京アニさんの遊び心が溢れてて、超絶楽しいです。

PVがつまらない?
これを逆手にとってハチャメチャPV作成騒動記です。
従業員の意見を聞いてのPV作成。
各人が各人の立場で意見を主張。
これをまとめると・・・分かりますよね。
アッハンウッフンいや~ん・・・って自由過ぎます。
もうPVとは程遠い存在、馬の出産に至ってはもう笑うしかないです。

笑って笑って大号泣、京アニさんありがとう。{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 105
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Look at the sky It's Magic Hour!

{netabare}
チェケラッアザ〜すマ〜ジか〜(意味不明…)
と聴こえていた、謎のOPの冒頭。

正解は
Look at the sky It's Magic Hour!
みたい。

直訳すれば「空を見て!魔法の時間だよ‼︎」
って感じかな?
間違ってたらごめんなさい、英検3級です。
リスニングも壊滅的です…。
でも、これ絶対そう聞こえないですよね…

そんなテーマパークを舞台にしたアニメに相応しい
心踊るOPで始まる「甘城ブリリアントパーク」
京都アニメーションの新作という事でワクワク。

あらすじとしてはかなり端折りますがイケメン、ナルシストな主人公:可児江西也君が学校に突如現れた謎の美少女:千斗いすずちゃんに半ば脅され経営難に陥ったテーマパークの支配人代行に大抜擢!
経営再建に乗り出し、パークの仲間とドタバタありながらも、期限内ノルマの入場者数達成というお話です。

しかも支配人は本物のお姫様様!それも魔法の国の‼︎
ノルマ未達成ならパークは消滅、お姫様であるラティファ様の命も消滅というおまけ付き。

ここで主人公である可児江君のお手並み拝見って事で
第1話、第2話くらいまでのつかみはオッケーでした。

いすずちゃんをはじめ、ラティファ、エレメンタリオの4人の可愛さは言うまでも無く、モッフル、マカロン、ティラミーのマスコットトリオも見た目は可愛い。
(のちに3バカトリオとなりますが…)
やっぱり女の子の目の描き方は流石だと思います。
背景の作画も相変わらずの安定度。
さすがに京都アニメーション。
頷けます。

ただストーリー的に何か突き抜けるものが無く、最後までクスクス笑う感じで終わっちゃった…よぉ…

良く言えば、適度な笑いと適度なお色気と適度なワクワク感。

表現を変えれば市民レベルのマラソン大会で起伏の無い平坦コースをマイペースで、時折沿道に手を振りながら走っていたけどゴール前100m付近で足がつって、最後は歩いてゴールしたって感じ…

ごめんなさい、かなり抽象的で。

でも、普通に見れば多分、適度な笑いあり、感動ありのストーリーなのかもしれません。

だけどそれを許さないのが「京都アニメーション制作」という肩書きみたいなものなのでしょうか?

「京都アニメーション制作」
この言葉を聞くとかなりの方は心に何かしらの期待を抱くと思います。
これは否定出来ないと思います。

でもそれは京都アニメーションが作り上げてきたこれまで
功績から生まれたものだからしょうがないとも思います。

多分、制作サイドも1クールという短い尺の中で原作を反映しつつ原作ファン、京アニファン、普通のアニメファン、
色んな期待に応えないといけないから大変だと思います。

結果から言いますと普通に面白かったです。
ただ京都アニメーションという期待値×3乗くらいの高さから落ちた時の落差が他の制作会社の作品よりも大きいというだけの事だと思います。
(これはあくまでも京アニファンとしての思った事で、他の制作会社がどうこうという事ではありません。)

ちょっと自分でも何書いてるか分からなくなってきたので
一息入れちゃいます。

OPの「エクストラ・マジック・アワー」
AKINOさんの伸びやかな歌声と本当にテーマパークにいる様な気分にさせてくれるメロディー。
いつもアニソンに関して思うんですけど、作品の世界観とかを楽曲で見事に表現出来るって凄いと思います。
なんでこの様な曲が作れるのかなぁ〜って。

EDのbrilliant4が歌う「エレメンタリオで会いましょう」もそれぞれの声優さんがしっとりとした歌声で歌ってくれてます。優しい気持ちになれる曲です。

さぁ、気分も落ち着いたところで結論です。

軽い気持ちで見ればクスクス笑える面白い作品だと思います。

そして私が思ったのが凄く原作が気になる作品という事でもありました。
短い1クールという中で描ききれなかった所が凄く気になります。
多分、あると思うんですけれど。

だから1度原作を読んでから、改めてブリリアントパークの皆んなに会いにきたいと思います。

そしたら、また新たな発見があるかもしれませんね♪
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 95

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

安定した京アニクオリティーヾ(o´∀`o)ノ

経営不振にあえぐテーマパークの再建を
コミカルに描いた日常系作品。
全14話。
原作:ライトノベル(未読)


簡単なあらすじを!
「甘城ブリリアントパーク」の経営再建を
託された主人公がパークのキャストと共に
日々奔走するストーリー。

京都アニメーション作品という事で
作画、キャラデザはとても綺麗な仕上がり。
女の子キャラの可愛らしさはやはり秀逸♪
にわか者からするとこの作画、キャラデザだけで
オススメできるポイントになり得ちゃいますw

中堅と若手のバランスの良い声優陣も
なかなか良かったですね。
特にパークのキャスト役を演じる
ベテラン、中堅陣に惹かれました(*´∀`*)♪
面白いキャスティングだと思いますw

ストーリーだけ若干消化不良が。
経営再建を軸にしたストーリーという事で
おっさん的にはかなり注目したんですけどねぇ。

おや?「経営再建」じゃなくね!?
あれ?ただの「集客」じゃねッ?!
という……(´∀`;)
まぁ、とにかく「集客」から!
「再建」への第一歩的な事なんだろうと
良い方へ解釈しておきますw

ただ、この点に注目したのは個人的な事w

個性的でバイタリティー溢れるキャラたちと
ファンタジー色を取り入れたドタバタな
コメディは悪くなかったかと。
男女問わず楽しめると思います♬


遊園地やテーマパークなど人に夢や元気、幸せを
与えてくれる場所ですよね。
自分にとっては現状アニメがその役割を
果たしてくれていますw
これからも遊園地やテーマパークのような作品に
たくさん出会えると嬉しいですね(*´∀`*)ノ





《キャスト》

可児江 西也(CV.内山昂輝)
千斗 いすず(CV.加隈亜衣)
ラティファ・フルーランザ(CV.藤井ゆきよ)
モッフル(CV.川澄綾子)
マカロン(CV.白石涼子)
ティラミー(CV.野中藍)
ミュース(CV.相坂優歌)
サーマラ(CV.津田美波)
シルフィー(CV.黒沢ともよ)
コボリー(CV.三上枝織)
トリケン(CV.福山潤)
栗栖 隆也(CV.諏訪部順一)




《主題歌》

OP
『エクストラ・マジック・アワー』/AKINO with bless4
ED
『エレメンタリオで会いましょう!』/BRILLIANT4


【2015 5/13 レビュー投稿】

投稿 : 2024/06/29
♥ : 93

77.3 12 ファンタジーで恋愛なアニメランキング12位
いなり、こんこん、恋いろは。(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1356)
7260人が棚に入れました
伏見いなりは、同級生の丹波橋紅司に片想いをしているが、その想いをなかなか打ち明けられない日々を送っていた。ある日、いなりは宇迦之御魂神の御使いの狐・コンが川に落ちかけているところを助け、そのことをきっかけに宇迦之御魂神から変身能力を授かる[3]。その日から、いなりは友人や神々の助けを得つつ、丹波橋との仲を縮めようと奮闘する。

声優・キャラクター
大空直美、桑島法子、岡本寛志、上田燿司、池辺久美子、佐土原かおり、野水伊織、原紗友里、子安武人、三上枝織、磯辺万沙子、日野聡、花江夏樹
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天然おバカ娘

原作 漫画 未読

全10話

ジャンル:恋愛ファンタジー

神様の宇迦之御魂神から神通力(変身能力)を授かった中学2年生の伏見 いなりの、恋や友情を描いた作品。


感想

映像 綺麗ですね~
最初見たとき、主人公が女の子で、うか様も女性だったので、少女漫画原作かと思ったけど、そうじゃないんですね^^;

いなりは、明るく真っ直ぐで誰にでも好かれる正直者。
ちょっと天然入ってて、おバカでドジっ子w
観てて好感もてる娘なんですが、印象は 天然トラブルメーカーでした。(苦笑)
{netabare}
自分が好きな丹波橋君に、他の女子にラブレターを渡して欲しいとお願いされ、それを無意識に風で飛ばしてなくす
ここまではまだいいんだけど、その後が信じられなかった
神通力使って、手紙を書いた子に変心して変わりに丹波橋君に告白とか!
「ありえん!」って思わず突っ込んじゃいました。
あれは ないわ~ (苦笑)
絶対 後々トラブルになるに決まってるじゃん!
女の子同士の間で、恋愛絡みの揉め事は、陰湿でエグイいざこざに繋がるんだぞ!(`・ω・´)キリ
でも、結局、手紙を渡していない事がバレてもめるんだけど、手紙を書いた娘が良い子だったから大きな問題にならなくて助かる訳だが・・・
いなり、あの子に救われたよね。
あの行動は、十分反省して欲しい。
そもそも自分も丹波橋君好きなんだから、手紙は断るべき!
若い皆さんも、こう言う事お願いされても断ろうね^^;
{/netabare}
いなりのやる事が結構トラブル引き起こしてて、それを本人が無自覚だからたちが悪いですね。
観てるこっちは 毎回ハラハラさせらてました。^^;

まだ中学2年だからしゃーなしなんだろうけど・・・
しかし おバカだな~って。(苦笑)


恋に友達との友情、うか様との仲の良い関係、両お兄ちゃんのシスコンぶりにと、見所がいっぱいあって毎週楽しめました。

全10話しかなく、丹波橋君との関係や、うか様とお兄ちゃんとの関係も
その後が気になるので、是非2期製作して欲しいですね! ^^

女の子が主人公なので、恋愛ものが好きな女性にはオススメです。


最後に一言
京都の伏見伊奈里神社へ聖地巡礼行きたくなりましたw 
乙女ゲー持ってけば うか様に逢えるかな? ^^

投稿 : 2024/06/29
♥ : 69

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やっぱり方言はいいですの~

原作未読 全10話

京都の伏見を舞台に稲荷神社の神様(うか様)から神通力をもらった主人公で中学生の伏見 いなり(ふしみ いなり)を中心に神様を巻き込んで恋愛や友情を描くお話です。

みなさん、ほとんど京都弁というのが良いですね。町並み、神社、仏閣、そして方言と京都伏見の雰囲気が出ていてあの場所に行きたい!って気持ちにさせてくれました^^

京都弁は聞いていると語尾が優しい感じで、ちょっときつい話し方の地元(博多)の方言と比べて新鮮でした(でも博多弁も良いところありますよ。一応フォローw)

声優の皆さん頑張ってましたね^^

恋愛もありますが、徐々にという感じであまり進展しません。どちらかというと友情の方が強かったですね~

10話と短い作品なので焦点(友情)を絞った感じがしました。

その後が気になるところもありますが、きちんと終わってますね。
ちょっとウルウルとせつなくなりました。

まだ京都には行った事がありませんが、一度行きたくなるような作品でしたね。
日常系が好きな方にはオススメです。

OP/ED OPはMay'nさん、EDは坂本真綾さんが歌ってます。どちらも素敵な曲ですね。

最後に、神様の方が灰汁が強いキャラが多かったですねw

投稿 : 2024/06/29
♥ : 67

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いなり、こんこん、墨染さんにな~れ!

変身型魔法少女の恋物語と思いきや。
主人公いなりと友人たち、そして、いなりとうか様の友情物語でした。
私としては、うか様とツンデレいなり兄さんの関係の方が気になりました。
両思い感が微笑ましいですね。

キャラとしては墨染さんがお気に入り。
奥ゆかしい優しさも持ちながら、芯の強さがほの見えるところが、いかにも京女です。
この子、将来はたくましい女性になりますね。

ラストは少々強引・あっさり・消化不良。
でも、うか様がかわいいからいいとしましょう。

このアニメで使われている京言葉は耳に心地いいです。
元京都市民としては懐かしさいっぱいでした。
もっと聞いていたかった。
10話は短いです。
えっ、もうおわるの?と思いました。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 62

87.9 13 ファンタジーで恋愛なアニメランキング13位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (555)
2904人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

愛しさはずっと前から

「さくら荘」の鴨志田一、
CLOVERWORKS制作。

思春期症候群なる不思議な現象に、
心揺れる少年少女の青春ファンタジー劇場版。

藤沢に暮らす高校2年生の梓川咲太は、
恋人の桜島麻衣と心踊る日々を過ごしていた。
{netabare}そんな咲太の前に初恋相手の牧之原翔子が現れる。
しかもこの世界に翔子はなぜか、
大人、子供の2人が同時に存在していた。
翔子という2つの存在の謎、{/netabare}
咲太の胸の傷跡の秘密が今明かされる。

様々な物理現象をライトモチーフにして、
青春の甘酸っぱさともどかしさが、
不思議な世界で同居する物語はここでも健在。
崇高な超ひも理論とひも野郎理論に苦笑。

小さい頃から病弱な女の子翔子、
{netabare}確実に訪れるかわからない未来の姿に、{/netabare}
思い悩み生きているか弱き少女である。

時間と記憶が物語の鍵を握る。
{netabare}人は人生をやり直せば、
同じ幸せを得られるのだろうか。
大事な思い出を全て捨ててまでも、
やり直す価値を持つものとは何であろうか。{/netabare}

そこに思いやりと覚悟を見たとき、
幾多の人との出会いが身に染みるのです。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ブタ野郎見あたらないんですけど?

原作は相変わらず未読


もともと13話で構成されたTV版は原作小説をほぼ刊行順に並べたもの。

※TV版構成表
{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}
※劇場版構成表(今回のやつね)
{netabare}本編  第6巻「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」
    第7巻「青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない」{/netabare}

TV版の続きであり、おそらくブタ野郎シリーズ中盤のピークとなるだろう今回の劇場版。
そしてこの劇場版を経てもなお原作ストックありの状態で道半ば。2期を期待したいところですね。

TV版で「なんかと似てる」と嫌気された方はおそらくこの場にいないと思います。
そちらを踏まえてる方か、当時の私のように元ネタ良く知らずにベタ展開の持つ力強さに心地よく踊った方が映画まで観ようとしてるはずです。むしろTV版を楽しんだ方は必見であると断言可能です。


牧之原翔子(CV水瀬いのり)と桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)のWヒロインでございます。
思い出してください。TV版での麻衣先輩のヒロイン力は無双でした。1~3話最初のエピソードがピークだった私の趣味も影響してるかもしれませんが(^_^;) 大黒柱ヒロインがしっかりしてるので、サブヒロイン達が自由に遊べてたのです。彼女らの魅力も引き立つ幸福な関係でした。それが、

 メイン - サブ

ではなく

 Wヒロイン

麻衣先輩が相対的に弱まったわけではありません。麻衣先輩の強靭さはそのままで、牧之原翔子が肩を並べたのです。これだけで観る価値ありでしょう。
かつサブヒロイン達も、TV版のネタをちょいちょい絡めながら本編にも影響を及ぼしてきます。

※サブヒロインズ
 双葉理央(CV種﨑敦美)
 古賀朋絵(CV東山奈央)
 豊浜のどか(CV内田真礼)
 梓川花楓(CV久保ユリカ)


内容に少し触れとくと 「どシリアス」 でした。しかもほぼ全編。
梓川咲太(CV石川界人)がブタ野郎ぶりを発揮する機会が無くて残念です。なにがブタ野郎なのかはTV版でもよくわかりませんでしたけどね。
ついでに双葉が言うところのブタ野郎通り越してゲス野郎ぶりもおそらく無縁だったかと思います。


89分とありますがそれよりも長く感じましたかね。
個人的なツボもありまして、麻衣さん一辺倒から崩しの入った咲太を拝められたの意外性があって良かったです。そう、翔子さんと麻衣さんとで揺らぐ咲太。



■青ブタⅤ~○○の花嫁~!?

ドラクエでいうところのビアンカかフローラ選ぶやつですね。なんとなく頭に浮かんじゃいました。
FFでも7でティファかエリアスを選ばなきゃいけなかったりしますがそっちはややマイナーです。

{netabare}映画が原作第5巻の話でしたらレビュータイトル決定だったのですがずれてたので断念。{/netabare}

ただ気づきもありましてですね。※重度ネタバレ

{netabare}両方助かる世界線を見つけちゃった八方収まりの良いハッピーエンドで良かった良かったと。
それは小学4年生の翔子さんが咲太と会わないことで開かれる新たな世界線。蓄積は消えてしまい、咲太は麻衣さんともサブヒロイン達とも交差する確証なし。ってところを超えた二人。めでたしめでたし。


…そう思ってたのですが、これでどちらかを失うエンドはそれはそれでありだったのではないかと。

 “選択をすることで失うものがある”

小学生か中学生くらいで学んだわけです。しかも自分で手を下す残酷さ。
気軽にシュタインズゲート見つけられちゃご利益も霧散。誰も傷つかない優しい世界の住人のまま。{/netabare}


失う怖さを知っているという前提でこそ輝く劇場版の結末ではなかろうか。
まあアニメだから楽しめればOKです。及第点ゆうに超えてるし不満と言う程でもありません。



■(余談)あ!?既視感?

海の見える結婚式場で挙げた結婚式にいくつか参加したことあるけどここだっけ?

『SCAPES THE SUITE』だそうです。

ここだ!と思ったのだが俺行ったの『シーサイド リビエラ』だったような。ま、どうでもいいっす。


■されど麻衣先輩は麻衣先輩

{netabare}翔子さんが肉薄したのは事実です。
それでも終わってみれば麻衣先輩の圧倒的なヒロイン力にひれ伏す私がいました。

愛だよねぇ、愛{/netabare}



視聴時期:2020年2月 

-------
2020.04.22
《配点を修正》+0.1


2020.02.28 初稿
2020.04.22 配点修正
2020.09.22 タイトル修正

投稿 : 2024/06/29
♥ : 66
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤沢バタフライ・エフェクト

6月に本作を劇場鑑賞した帰り路……。

俺は長い間、自己責任論に蝕まれ、
自分がどうにか助かればそれで良いと言う人生を歩んで来たけれど、
このままじゃお前、いくらなんでも、もうダメだろう……。
との強烈な観念に襲われました。

寄付や募金なんて学校や職場の同調圧力に屈した時以外、
ほとんどろくに手を差し伸べてこなかった男が、
この映画をキッカケに俄に毎回少額ながらネットで寄付とかやり出している……。


本作の評価は?と聞かれれば、
劇場鑑賞後の時点だと、TVアニメ版からの流れを汲んだ良くできた続編映画。
原作未読組の私にとっては想定以上に内容の濃い展開が詰め込まれて、
一回観ただけだと、ちょっと理解が追い付かない&忙しいかも?……位の感想。

劇場鑑賞後の自分の心に起こった現象と作品との因果関係解明などの難題を前に、
長らく書きあぐねていた本作のレビューを年内投稿するため、
寒気強まる季節の威も借りて、先日、レンタル配信で再鑑賞しました。

二回目観て、限られた尺内に、複数の"思春期症候群”が絡まる複雑なシナリオを、
破綻なく成立させつつ、しっかりとキャラ総出演&見せ場あり。
相変わらず毒キツめの"青春ブタ野郎”ギャグ?(笑)も散りばめられた。

私の作品理解度も上昇し、素晴らしい続編映画に格上げされたものの、
やっぱり、TVアニメ版振り返りもOP主題歌も一切ないまま濃厚な本編に突入して行く、
事前予習必須のご新規さんお断り映画なんだよな……。
今年は単体の良作アニメ映画も豊富にある中で、
他の方に広く薦められるか?と言う観点からは優先順位は高くはならないよな……。
との感想は変わらず……。


けれど、私の人生に影響を与えた作品と言う意味では、
本作は今年ぶっちぎりのNo.1でした。

ほんの小さな心境の変化が世界に奇跡を起こすと信じることができた。
私の人生が切り替わるタイミングとかち合ったこと等を考慮しても、
本作のシナリオには、完成度に裏打ちされたパワーがあったのだと思います。


本シリーズの正ヒロイン・麻衣先輩は
TVアニメ版でもサブヒロイン回を経る度に"正妻力”が増していった印象ですが、
本劇場版のそれは極め付けと言って良いと思います。

レビュータイトルは2004年アメリカ映画『バタフライ・エフェクト』より。
「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる」
小さな差異が大きな変化をもたらすカオス理論「バタフライ効果」をシナリオに取り込んだ、
野心的なSFスリラー映画。

私は主人公&ヒロインらのピンチを『バタフライ・エフェクト』の鑑賞記憶とも重ね合わせて、
ドキドキしながら本作を観ていましたが、
それだけに咲太&麻衣先輩の決断の凄まじさが倍増した感じ。


『バタフライ・エフェクト』では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 主人公青年はヒロインと幸せになろうと過去をいじると、誰かが不幸になると悟る。
だからヒロインと親密になる過去をなかったことにして、皆を守る決断をする。
そして過去を改変する手段を処分し、ヒロインとは赤の他人として生きていく……。
と言う、運命を変えるリスクの重たさを思い知らされる、
かなり哀しい"ハッピーエンド”でした。{/netabare}


対して本作では最後……(※重大なネタバレ)
{netabare} 咲太は、翔子ちゃんの過去の心境を変えることで、
中学時代の咲太と翔子さんが出会わない未来を選択する。
これは『青ブタ』がここまで紡いできた物語を、
丸ごとリセットしてやり直すことを意味する。

決断前の未来も、咲太と麻衣先輩が二人でいられる割とマシな未来であったはずですが、
これを捨てて改変すれば、咲太と麻衣先輩が全く出会わない未来すらあり得る。
しかも、過去を変えた記憶は手段も含めてせいぜい夢で残り香として見る程度。
気に入らない未来だったからって、やり直しはまず出来ない。

それでも彼らは再び出会い、世界を善意で満たして、
正真正銘のハッピーエンドを掴み取ってみせました。

運命を変えると言う大きなリスクを取ってでも
咲太との未来を信じて決断した麻衣先輩マジ半端ないです。{/netabare}


麻衣先輩どんだけ咲太との運命の赤い糸に自信持ってるんですか!?
今後、"青春ブタ野郎”の眼前にどんな美少女が現れても
麻衣先輩にはまるで勝てる気がしませんw


6月の鑑賞時、夏を前に12月のシナリオなんて季節的にチョット……(苦笑)
と思ったのも事実w
けれどBD/DVD発売&配信レンタル等が始まったこの冬ならば、
おうちで聖夜のムード取り込みも含めて、季節の効果も見込めるはず。

私にとっては2010年代でも指折りの年末クリスマス映画としても、
心に残る作品になりそうです♪

投稿 : 2024/06/29
♥ : 45

69.2 14 ファンタジーで恋愛なアニメランキング14位
彩雲国物語 第2シリーズ(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (214)
1349人が棚に入れました
舞台は中国風の架空の国、彩雲国。
第2シリーズでは、秀麗が中央から離れた茶州に赴任し、新米官吏として奮闘する物語を中心に、彩雲国に影を落とす異能の一族縹(ひょう)家の陰謀に巻き込まれ、挫折や別れを経験しつつも、国王を支えるまでに成長していく。

声優・キャラクター
桑島法子、関智一、緑川光、森川智之、檜山修之、池田秀一、石井康嗣、木内秀信、伊藤健太郎、中田和宏、真殿光昭、浪川大輔、仙台エリ、子安武人、鳥海浩輔、宍戸留美、置鮎龍太郎、神奈延年、佐々木瑶子、遊佐浩二、関俊彦、勝杏里、森久保祥太郎、豊口めぐみ、小野坂昌也、岡村明美

らすきき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シーズン3をお願いしますw

視聴終了。 一期と変わらず安定した面白さでした。
話が面白いのに加え、キャラが基本的には全員魅力的なのが良いですね。 特に男側の一番メインの劉輝。大抵一番のメイン男キャラがヒロインより上役の場合、クール系きつい性格キャラで最初はヒロインとぶつかっているもののだんだん惹かれあっていく・・・って展開が多い気がしますが、この作品は最初からその王様が主人公(ヒロイン)大好きです。
ヒロインは恋愛より今は仕事!という感じです。
  男の自分からみても劉輝は可愛くて好きでしたね。 というかこのキャラならむしろ嫌いになるほうが難しいのではw
男キャラはクール系から優しいお兄ちゃん系ドS系甘えん坊系年下系ダウナー系変人系まで幅広く取り揃えていますので(もちろん全員イケメン保証付きです)、ご安心下さい。
 
 女キャラも主人公を筆頭に良いキャラしてます。 声優も緑川光がいたり子安さんがいたり何気に豪華ですね。
原作が完結しましたので、アニメもシーズン3やってくれたら最高なのですが・・おそらく厳しいのでしょうね。 

欠点をいうとすれば、歴史物なのであまり耳慣れない用語が多い上、人の名前も覚えづらいのでたまに話がよくわからないことがあります。 まぁそれでも十二国記に比べればわかりやすい世界だったかなと思います。
加えてアニメだけでは完結していないので終わりは中途半端で消化不良です。 【伏線】⌒ ヾ(*´ー`) ポイッ て感じです。まぁそれはシーズン3を想定していたのでしょうから、しょうがないですね。 そこそこきりのいいとこで終わってはいますが、俗にいう『俺達の戦いはここからだ!』的な感じです。色々な意味で。  あと1シーズンあれば綺麗に完結できるので残念。 

アニメ化に期待できないので、アニメ視聴後原作購入。 短期間で23冊読破は最近読書していなかった身としてはなかなか疲れましたが・・文句なく面白かったですね。アニメ視聴をストップし読書に専念した甲斐がありました。
めっちゃ泣けました。 一気に読ませる、世界観に引き込む魅力がありましたね。 久々に読書に夢中になれました。
本編・外伝のほかにファンブック・短編集(本編最終巻後の話)がありますが、どちらも満足できました。おすすめです。


アニメとしてはフルメタルパニックに次ぐ続編を望むアニメとなりました。
恋愛・歴史物・主人公が頑張る系が好きならばおすすめです。 
ただ合わせて78話とかなり長く・・・・アニメも原作をよく表現はできていますが、やはり原作本の方が面白いですし時間もかからないと思うので本を読むのが好きな人は本で読むほうがよりおすすめかも笑

【今作の痺れた一言】
『グダグダ言うなよ、キリキリ働け』
やっぱこの人が最強で最恐やで・・

【今作の名言大賞】
『たとえ紅藍両家があなたに反旗を翻すときがきても、私はあなたにお仕えいたしましょう』
これは 泣いた


以下アニメ視聴後原作を読む場合の参考までに。

アニメシーズン1
原作 本編第一巻『はじまりの風は紅く』
~六巻『欠けゆく白銀の砂時計』

アニメシーズン2
七巻『心は藍よりも深く』
~十二巻『白虹は天をめざす』

アニメ化未定
十三巻『黎明に琥珀はきらめく』
~十八巻(最終巻)『紫闇の玉座・下』

外伝 四冊
ファンブック『彩雲国物語 彩なす夢のおわり』
短編集『彩雲国秘抄 骸骨を乞う 』

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17

……keniee…… さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

1期にひき続き とても素敵なストーリーです

1期から視聴なさることを お勧めします

本当に登場人物が みな魅力的で
主人公 紅秀麗
囲むイケメンたち 


いろんな想いがあるのですが
ネタバレにならない表現のしかたは
どう申し上げたら伝わるのでしょう

  よい とても よいのです

イケメンたちの 秀麗に対する立ち位置

愛ゆえの (LOVEではなく大切に想う心)
接し方・・・

深いと思います

本筋は 政治です
むずかしくありませんので
ストーリーは すんなり入ってきます


1期に引き続き

みなさんに お勧めしたい作品です

投稿 : 2024/06/29
♥ : 15

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

8話の秀麗の大演説、一聞の価値はあります。

登場人物がやたら多く、名前が中国読みのため覚えきれません。
また、幽霊もどきのような不思議現象があるので、物語の流れが掴みにくいです。

前半は陰鬱な展開。
後半、タンタンの出現により俄然楽しくなりました。
肩の力を抜いた冷静なタンタンの性格が好ましいです。
また、秀麗が理想を、タンタンが現実を象徴しているようで、その対比が面白いです。

8話の秀麗の大演説には共感しました。
政治や行政に必要な心構えだと思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 15

75.9 15 ファンタジーで恋愛なアニメランキング15位
SSSS.DYNAZENON(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (346)
1109人が棚に入れました
「SSSS.DYNAZENON」は、2019年12月14日(土)、15日(日)の2日間にわたって東京ドームシティで開催された「TSUBURAYA CONVENTION 2019」オープニングセレモニーにて、制作が決定したことが発表されていた、「円谷プロダクション」と「TRIGGER」がおくる完全新作アニメーション。2018年10月から放送された「SSSS.GRIDMAN」(グリッドマン)と同じく、原作を「グリッドマン」とし、監督は雨宮哲さん、脚本を長谷川圭一さん、キャラクターデザインを坂本勝さん、そして音楽を鷺巣詩郎さんが担当する。

声優・キャラクター
濱野大輝、榎木淳弥、若山詩音、梅原裕一郎、安済知佳、神谷浩史、内田雄馬、諏訪彩花、内山昂輝、伊瀬茉莉也、田所あずさ、小笠原仁、梶原岳人、土屋李央、遠野ひかる
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

怪獣使いって、なに?

TRIGGER×円谷プロ制作。

蓬は同級生の南夢芽と会う約束をするが、
約束の時間になってそこに現れたのは、
怪獣使いを名乗る謎の男ガウマであった。

グリッドマンのその良さは、
新条アカネの歪んだ破壊と創造の世界と、
裕太・六花たちの青春、日常風景にあった。
立ち上がりは王道ロボットアニメであり、
避難するはずの群衆が描けていないなど、
諸々の点が気になり書くことを躊躇ったが、
ここに来て物語が好みの展開へと動き始める。

やはりこのシリーズは日常パートが良い。
{netabare}姉の死の真相を探り夢芽と蓬は動き始める。{/netabare}

怪獣を育てるのは人の意志!?
なぜ怪獣は生まれてくるのか!?

それぞれの過去に起因する何か、
幾つかの曲線がどこかで交わるのでしょう。

最終話視聴追記。
世界の理の外側にいて、人の理解及ばぬ存在、
{netabare}ここではそれを怪獣と呼んだ。
古代より無自覚に自由を失い続ける人もまた、
その力に従えば死の宿命からも解放されるという。{/netabare}
なるほどそうだったのかと頷きつつ、
選択を迫られた蓬の答えに一定の共感を覚える。
私としてはグリッドマンに軍配を上げますが、
こちらはこちらで見応えもあります。

非常に模範的なロボットアニメでしょう。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

いつになれば どこに行けば

原作グリッドマン


『SSSS.』の冠とデザイン見た目。明らかにってやつですね。
ダイナゼノンとグリッドマン。たぶんどっちを先に観なきゃというのは無さげです。年替わり戦隊ものがそうであるように単品で楽しめる仕様。それでもグリッドマン観といたらそれはそれで楽しめます。

当方グリッドマンは視聴済み。
自宅に戻ってきた安心感みたいなのはさっそく第一話から。※一応隠します

1.{netabare}「Scarred Souls Shine like Stars」の4つの“S”登場。{/netabare}
2.{netabare}OPオーイシさんとED内田真礼さんの組み合わせ。{/netabare}
3.{netabare}スペシャルドッグで餌付けされるガウマがアンチくんっぽいなぁ。{/netabare}
4.{netabare}アカネが怪獣作成する時に埋め込んでたビーズみたいなの発見!{/netabare}

低体温なトーンとそこはかとなく流れる不穏な空気はシリーズの特徴ですね。だがそれがいい。
基本的には特撮モノに敬意を払いつつ日常劇を見せるスタイルです。初代ウルトラマンよろしく三段階ズームで変身するシーンなんかまさにそう。自分は違いますがファンだとけっこう好きそう。
そのうえで元来は茶番と言える特撮モノの前半部分が極めて味わい深い。本丸であるヒーローVS怪獣に加え、彼らががちゃがちゃする手前/前座部分を面白いと感じると評価爆上がりする仕様です。
さあどう感じるでしょうか?

■イマイチなとこ

前はAパート“日常”Bパート“特撮的なもの”とわかりみが良かったのに今回はばらついてて見づらい。
それに土日朝に観るようなもんを平日深夜に観るわけで、低体温っぷりに油断すると眠くなります。

■良いところ

最終盤に物語が動いた前作と比較し、今回は途中からちょいちょい動きがあります。眠気に勝利すれば途中も楽しめるかも。キャラほぼ15歳前後と思春期の悩み・痛みが色濃く出ていて見応えありました。



※余談


■紀世彦→亜美→豊→だいぶ跳んで→世界観

尾崎姓のアーティストって夭折のあの人以降なかなか出てこなかったよね。偉大すぎたのだと思います。
というわけでゆたかの話。

{netabare}稲本さん(CV伊瀬茉莉也)は夜の校舎窓ガラスこわしてまわってました。{/netabare}

彼女の同級生暦(CV梅原裕一郎)はその時代を境に色を失った人生を歩んでたりもして、ひょっとすると最後はなにかしらから卒業するみたいな展開を期待してました。

{netabare}高1の蓬(CV榎木淳弥)にとって母親の恋人は信じられぬ大人だろうし
中学生ちせ(CV安済知佳)はとにかくもう学校や家には帰りたくなさそうで
転がり続けてこんなとこにたどりついた感のある33歳暦がいる
夢芽(CV若山詩音)はなにより正しいものはなんなのか探し求めてたりもする{/netabare}

悪ノリが止まりません。


■愚考其の1:俺の考えた画期的結論

勝手に尾崎の世界観(紛らわしい)に浸ってたところへ不意打ち。

{netabare}第11話でシズム(CV内山昂輝)くんが怪獣化したとこで流れた曲がなんというか…『片翼の天使』っぽい。FF7のセフィロスのやつ。

「私は想い出にはならないさ」

と怪獣続くよどこまでも…なビターエンドを示唆してたかもわかりません。{/netabare}


■愚考其の2:俺の考えた画期的結論アナザー

やっぱり尾崎というか“思春期”に戻ってみる。

{netabare}南さんの姉の名前が“香乃”というのも興味深い。ローマ字で“KANO”。
その“KANON”は最も美しいコード進行とも例えられます。導き出されるは美しき永遠のループ。

皆さんどこかしら留まってたりループしてたりな日常の殻をひとつ打ち破ってた気がします。その象徴みたいに君臨してたお姉さんナイスでした。

そして事は単純な開放を意味せず、「かけがえのない不自由をこれから手に入れていくんだ」とループをループと受け入れることで一歩前に踏み出せるという手堅いメッセージ。{/netabare}


なんというか…健全なドラマでした。
対怪獣バトルが霞んでます。それはそれで良かったのかは不明。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

-----

2021.06.19 初稿
2022.05.19 修正

投稿 : 2024/06/29
♥ : 39
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

鬱屈した令和の現代人が変形合体

往年の実写特撮ヒーローを元ネタに展開する『GRIDMAN UNIVERSE』2作目の1クールTVアニメ。

【物語 4.0点】
特撮あるあるとして、予算の都合上、最後の派手なバトルシーンにソースを集約するため、
それまでは子供が見ても退屈な日常ドラマが延々と続くという構成が挙げられます。

本シリーズは、“退屈な日常”→対巨大怪獣バトルによる解放という各話構成でオマージュ。
それが作品テーマにもなっています。

私の場合、その“退屈な日常”とやらに、バトル以上に惹き付けられました。

『DYNAZENON』では退屈を越えて、鬱屈から情動を掘り起こす濃厚な人間ドラマが展開。

日常のキャラ心理とバトルのパフォーマンスが相互に影響し合うのは典型的な設定ですが、
決してロボで怪獣を殴った余勢を駆って日常の鬱憤も晴らす乱暴なプロットではない。
登場人物各々が知恵の輪みたいに割り切れない自分や仲間の心理としっかり向き合って前に進んでいく、綿密なシナリオが渋くて好感しました。
終盤の(※わりと重大なネタバレ){netabare}蓬の夢芽への「好きです。付き合って下さい」は、近年の告白シーンの中でも強く印象に残っています。{/netabare}

ただし、人間心理だけでなく、敵勢力「怪獣優生思想」もまた各メンバー信条がバラバラで割り切れないためか、
倒してもスッキリ感はもうひとつ。
そこは看板だけでも掴みやすい統一イメージがもっと欲しかったかもです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・TRIGGER

新設の“メカニックシークエンスディレクター”が巨大ロボの変形合体バンクを磨き上げる。
(上空に光の道を敷いてまで空中合体にこだわるエネルギーの無駄遣い感こそが様式美w)

車やビルがミニチュアと化しひっくり返るバトルシーンの迫力も相変わらず。
本作は怪獣VSロボの被害が消えない設定となっており、爪痕の描写も印象的。
大量の壊れたビニール傘が遺棄されたカットが妙に脳裏に焼き付いています。

日常の心理描写についても、顔は無表情が多いので読み辛いですが、演出には力が入っており上々。
{netabare}ちせが“ゴルドバーン”を発生させる{/netabare}件などはゾクッとしました。


【キャラ 4.0点】
一応の主人公で怪獣使いのガウマ。
この現代社会では目立つ(浮きまくる)5000年来の熱血ヤンキー属性で、
高校生の蓬(よもぎ)&夢芽、ニートの暦+ちせ等、気だるげな現代人共を率いて、合体ロボ活動の中核を成す。
感情のもつれを引きずってやる気なくすは、{netabare}風邪引いて咳き込みながらコールするは、{/netabare}
頼りない現代人だけでは合体維持など無理ゲーですw

ガウマさんを裏切り者と罵る敵勢力「怪獣優生思想」の面々。
自力では怪獣を創造できず、破壊活動は怪獣の発生頼み。
怪獣の種である人間心理の情動にアンテナを張る中で、敵対する「ダイナゼノン」乗組員たちとも交流。
蓬たちの深層心理を引き出すトリガーともなる。
{netabare}ムジナさんの酒に付き合わされる暦先輩の顛末{/netabare}がグダグダで結構好きw


前作とは直接の繋がりがない中で、シリーズファンにとっては{netabare}ナイト{/netabare}との再会が望外の喜び。
来年劇場公開予定の『グリッドマン ユニバース』でも作品世界を繋ぐキーキャラクターとなるのでしょうか?


【声優 4.5点】
ガウマ役の濱野 大輝さんが「怪獣優生思想」ジュウガ役の神谷 浩史さん辺りとやかましくイキり合ったりする他は、
地声寄りのアンニュイボイスによるゆる~い掛け合いが繰り広げられる。

が、無気力に見えて、現代社会の病理に鋭く斬り込んでいるのが本作の凄い所。
特に夢芽の姉の死因を探る中で、“イジメ”と“イジり”の中間の掴み所のないグレーゾーンを演技で再現したのは白眉。

最近の若者は感情表現が苦手なのではなく、
平坦ボイスで、杭を打たれないように包み隠して防衛しているのだ。

ある世代から下の人間と接したことがあれば、非常に心当たりのある演技をしてくる。
私が本作でバトルより日常シーンに惹かれた主要因。

蓬(よもぎ)役の榎木 淳弥さんが、
{netabare}姉の過去の一端を受け止めた夢芽のことを想って泣く{/netabare}演技も繊細でグッと来ました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は鷺巣 詩郎氏の続投。
“退屈な日常”から解放される怪獣VSロボバトルを音楽でも演出するため、
日常シーンでは基本BGMなし、バトルシーンでは勇壮な金管、コーラスで盛り上げるという極端な音響方針を貫く本シリーズ。
たまに挿入されるピアノの心情曲も良好なだけに贅沢な使い方だなとも(苦笑)

OP主題歌はオーイシマサヨシ「インパーフェクト」
バトルシーンの挿入歌としても映える明快なメロディに、
世界の憂鬱をひっくり返すなどと、核心を捉えた歌詞を乗せた優秀なアニソン。

ED主題歌は内田 真礼さんの「ストロボメモリー」
どんだけ低音域に沈んで俯くんだ?って位の歌い出しの“タメ”から、
高音域のサビへと疾走していく解放感が心地よい一曲。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 32

66.4 16 ファンタジーで恋愛なアニメランキング16位
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (286)
1005人が棚に入れました
科学技術が高度に発達した機械仕掛けの理想郷「帝国」。超常の力を駆使し、“魔女の国"と恐れられる「ネビュリス皇庁」。百年にわたる戦争を続けてきた両国には、二人の英雄がいた。最年少にして帝国の最高戦力となったイスカ。ネビュリス皇庁の王女にして“氷禍の魔女"の異名を持つアリスリーゼ。戦場でめぐり逢った二人は、命を賭して戦う宿敵となった。国を、家族を、仲間を守るため、決して譲れない矜持と矜持をぶつけ合う。しかし、激闘の中で互いの素顔に触れた二人は、その生き方に、その理想に惹かれてしまう。ともに歩むことはできず、残酷な運命に翻弄されるとわかっていても。……そんな二人を嘲笑うかのように、世界の緊張はなおも高まり、大国の謀略が交錯しようとしていた。分断された世界、それでも少年と少女は想いを募らせていく―― 。

声優・キャラクター
小林裕介、雨宮天、石原夏織、白城なお、土岐隼一、花守ゆみり、和氣あず未、久川綾、笠間淳
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「あるいは」という接続詞は合っているのだろうか?

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
ジャンルはファンタジー。バトル。

ラノベらしいラノベっていう作風。科学サイドと魔法サイドに分かれた、少年と少女。2人の特出した力が、やがて世界を革新していく! みたいな。もう大体、どんなアニメか分かったでしょうか?(笑)

レビューでは、このアニメを観ていて、言葉遣いの点で気になったことをいくつか。半分、文法の話です(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュータイトルの件ですが、結論としては、「『あるいは』で合っている」が、「分かりにくい(誤解を招く)」というところですね。

「あるいは」は、「選択の接続詞」。つまり、「最後の戦場」か「世界が始まる聖戦」の一方だけが解であるということ。

私は、このアニメで言いたかったのは、「君と僕でこの戦争を終わらせよう」「そして、2人で新たな世界を作っていこう」ということなんじゃないかと思っていました。

だから、このアニメの中身的には、「さらに」とか「そして」という、「添加の接続詞」の方が適切な気がしていました。つまり、

『キミと僕の最後の戦場、そして世界が始まる聖戦』

「最後の戦場」であり「世界が始まる聖戦」でもあるという感じ。これの方がぴったりじゃないかと。

ところが、最終話にして自らの初歩的な勘違いに気付いて愕然。

アリス「私は、あなたと共闘したいんじゃなくて、決着をつけたいの!(的な発言)」

、、、「え? この二人(イスカとアリス)って、今まで対立していたつもりだったんだ、、、。」

つまり、私は、「君と僕の最後の戦場」を「君と僕(とが一緒に戦に戦う)の(が)最後」だと思っていたけど、「君と僕と(が争う)の(が)最後」だと、作者は描いていたことに気付いたんです。

つまり、格助詞「と」の用法として、「並立(海と空が青い)」「対象(佐藤さんと言い争う)」「異同(彼と私は違う人間だ)」「引用(元気ですかと手紙に書いてある)」などがありますが、私は、「並立」の「と」だと思っていましたが、「対象」の「と」だったわけですね、作者的には。

であれば、「君と僕は最後に争うのか」あるいは(それとも)「世界を始める聖戦を共に始めるのか」という選択の接続詞としての「あるいは」が成り立つので、一応筋は通ります。

では、なぜ私がこのような勘違いをしたのかというと、

「え? お前ら(イスカとアリス)戦う気ないやん。ベタ惚れやん。絶対に最後は協力するやん。新世界の王と王妃になるやん。ラブコメやん。」

と、最初から思っていたから。勘違いしていた私が悪いのですが、だったら、「イスカとアリスがガチで殺し合う未来の可能性も提示しといてほしいわ~。いけずやな~」と思ってしまう(苦笑)

そんな不信感からか、文学部的にどうも細かいことが気になった。例えば、10話であったアリス達の会話。

「単調で眠くなっちゃう、刺激が欲しいわ」
「刺激という名のスリルなら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」

って会話、変じゃない? 正しくは、

「スリルという名の刺激なら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」

だと思うけど。こういうとこ、文章扱うプロとして、どうなの?(原作者かアニメの脚本家かはわかりませんが)

まあ、そんなの別にどっちだっていいんだけど、小説
原作だけに言葉遣いが気になってしまって。アニメの内容に集中できませんでした。

中身としては、「いかにもラノベ」って感じで、懐かしさを感じた。安っぽいし痛い、使い古された台詞や展開のオンパレードだけど、そこまでの不快さはない。7話なんかそうだけど、ラブコメがそこそこ楽しいのと、最近こういう作品が少なくなってきたからかな。

とりあえず、銃がある世界で、剣で最強になるなら、弾丸より速く動けないとね~、最低でも(ちなみに、レーザーを視認して避けるのは物理的に不可能だそうです。レーザー、つまり光を視認している、目に届いているということは、同時に、眼球がレーザーで焼かれている瞬間だから)。

2期あったら、一応観るかなという感じです。学園ラブコメになっても良いですけどね、正直(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
科学VS魔術の構造? THE ラノベって感じだな。

2話目 ☆3
めっちゃいちゃついてるな(笑)

3話目 ☆


4話目 ☆3
敵も味方もキャラが増えてきたね。どちらも一枚岩ではない。

5話目 ☆3
裏切り。なんかバトルが色々? ヴォルテックス、落ちても転移するだけ?

6話目 ☆3
ミスマス隊長の魔女化か。

7話目 ☆4
幸せな捕虜生活(笑)  アリスのぽんこつっぷりが(笑)

8話目 ☆3
サリンジャーね。なぜ、銃をもっているのに、突撃?(笑) オーレルガンとか、ネーミングがいちいち(笑)

9話目 ☆3
ポップじゃん(笑) なんだよ、公認のライバルて(笑)

10話目 ☆2
すげぇ細かいけど、「単調で眠くなっちゃう、刺激が欲しいわ」「刺激という名のスリルなら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」って会話、変じゃない? 正しくは、「スリルという名の刺激なら、先日、十二分に味わっていたじゃありませんか」だと思うけど。こういうとこ、文章扱うプロとして、どうなの? 

11話目 ☆


12話目 ☆3
え? この二人対決したかったの?(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 25

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ロミジュリ? ……と思ったけど、意外と面白かった(主にコント・コメディ的な意味で)。本当はストーリーも面白いのかもしれません?

対立するに陣営の男女によるラブストーリーと思われます。
特筆すべきことが見当たらないです。

…と冒頭数話を観てそういう感想を持ったのですが、最終話まで付き合って観てみるとそんなに悪くなかったです。

特にポンコツ王女のアリス(アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世)とドジっ子隊長のミスミス・クラス、そしてツンデレメイドのリン(燐・ヴィスポーズ)の三名の女性陣の頑張りが、この話を結構観られるものにしてくれたと思います。

対してイスカはこの三人を動かすきっかけとしてはとても良く機能していたと思いますが、個人的な意見としてはキャラクターの魅力は薄かったと思います。

ストーリー的には、帝国とネビュリス皇庁との長期に渡る対立には始祖様絡みの一般には知られていない因縁がありそうだとか、璃洒・イン・エンパイアさんが見た目以上に只者ではなさそうとか、皇帝陛下があからさまに怪しいとか、皇庁側の女王選定にまつわるあれこれとかいろいろ面白くなりそうなところでブチ切られた感じがするのでそこには不満感が残ってしまいました。

もうちょっと先を見せてくれたらもう少し高い評価を付けられたかもしれないのですが、残念です。


ところでわりとどうでも良いところで引っかかったのですが、アリスの姉妹はみな「△△・××・ネビュリス9世」と名乗っています。ネビュリス皇庁での「○世」の使い方は、我々が一般的に知る「同一王朝で同名の一族が出たら、それが何人目かによって○世と名乗る」というそれとは違って始祖様からの世代を表すものなのでしょうか?

投稿 : 2024/06/29
♥ : 23
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ヒロインが恋愛小学生なのに、ラブコメとして成立していない謎展開

原作未読。

【とりあえず褒める】
序盤の説明的なセリフが多いのは、この際、目を瞑るべきでしょう。
世界観をセリフで説明しちゃうのは、ラノベにはありがちですからね。

バトルかと思いきやラブコメ的な展開?
うん、これもイイでしょう。
コメディ要素が極端に弱いので、ラブコメとしては少々違和感がありますけど・・・。
物語の序盤はこの展開が見どころですからね。
ここが最重要ポイントというか・・・(笑)。

【帝国軍の隊長が?】
帝国軍の隊長が小学生なのが意味不明。
禁書目録の小萌先生でも意識しているのか?
ただ、だとすればあまりにもお粗末・・・。
禁書目録の小萌先生は優秀な教師。
こっちの隊長は落第スレスレ、優秀とは程遠い。
小萌先生は、実は黄泉川より年上とか、ヘビースモーカーとか、見かけとのギャップが物凄い。
こっちの隊長のギャップは隠れ巨乳くらい。
いやいや、これだけでは笑えんわ・・・。

【もはや呆れるしかない・・・。第5話】
第5話。
{netabare}主人公のイスカと使徒聖のネームレス以外、帝国軍は子供の学芸会レベル。
ネビュリス皇庁も一部を除いて無能揃いのようだ。

”いとも簡単に”捕まる帝国軍の隊長。
イスカは”いとも簡単に”皇庁の陣地に潜入。
同じ頃、イスカを探すため、アリスは”いとも簡単に”帝国軍の陣地へ・・・。
いやいや、戦闘中にお互いの陣地がザルって・・・(笑)。{/netabare}

【痛々しいヒロイン】
アリス・・・。
終始一貫、徹頭徹尾、ずっと痛々しかったですね。
彼女がラブコメパートの「コメ」担当なんでしょうけど、1mmも笑えない・・・。
ひたすら痛々しいだけで、興が削がれる。

彼女の軽率な言動が、次々と問題を大きくしていく展開が続くので、見ていてイライラする。

戦闘力も微妙なんですよね。
第1話ではイスカと互角っぽかったけど、それ以降は、イスカと比べてかなり見劣りする。
いや、これでは駄目でしょう?
物語の根幹が崩れっちゃっている。
少なくとも、アリスとイスカは互角じゃないと・・・。

第9話。
{netabare}アリス、まさかの傍観って・・・。
サリンジャーを、イスカとアリスの合わせ技で抹殺するくらいじゃないと・・・。
結局、サリンジャーを逃がしちゃってるし・・・。
{/netabare}

【そして、物語は一気に畳まれる】
第12話。
突如、覚醒したかのように強さを発揮する音音とジン。
ここまで、存在空気だったイスカの仲間たちが、最終話で突如覚醒とか(笑)。

アリス。
{netabare}対サリンジャー戦では傍観していたのに、最終話は共闘するのね。
理由は?
妹を攫われたから?
側近メイドの燐が傷つけられたくらいでは、戦う理由にならないの?{/netabare}

まさかの打ち切りなのか?ってくらい一気に物語は畳まれます。
風呂敷を広げるだけ広げておいて、謎は謎のまま。
最終話。
さらに謎が追加されるという、謎展開。

まさか!!!!!!!
こんなレベルの作品で第2期とか劇場版とか考えているとか?
いやいや、まさかまさか・・・・・・・・・。
さすがにそれはありえない・・・・(笑)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 22

67.0 17 ファンタジーで恋愛なアニメランキング17位
はたらく魔王さま!(第2期)(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (263)
996人が棚に入れました
魔王城は六畳一間⁉フリーター魔王さまの庶民派ファンタジーが再び!!勇者に敗れ、異世界エンテ・イスラから現代日本の東京にやってきた魔王サタン。日本経済の荒波にもまれながらフリーターとして生計をたてる日々。しかし、魔王を追って日本にやってきた勇者エミリアもまた、テレアポとして働いていた!魔王と勇者でありながら、額に汗して働く2人は東京で再会し…⁉

声優・キャラクター
逢坂良太、日笠陽子、東山奈央、小野友樹、下野紘、伊藤かな恵
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

はたらかない監督さま!!

【紹介】
これは2期にあたります、1期とは制作会社やデザインが変わったみたい

【感想】
一期はストーリーがとても良い感じに完結していてとても満足したのでそこで物語が終わりでも良かったと私は思います
はたらく魔王さま1期がとても好きなのでできるだけ好意的に見たかったけど、一期が好きであればあるほどきついと思います

一期から雰囲気が変わりすぎていてクオリティが下がったのはすぐわかるし、作風も変わって期待していたのと違います

制作会社もスタッフも違うので作風変わっちゃうのは仕方ないけど、一期の雰囲気を壊さない努力はしてほしくて、それが感じられないので監督には作品愛がないのかな?って思ってしまいます

デザインの変更は違和感が大きすぎて戸惑いました、まず誰ですか?顔変わり過ぎ、背景の絵もなにげに酷い
一期と比較すると動きが減ってるし大げさすぎるリアクションも顔芸も雑で一期のイメージを壊してしまっています
みんなの表情も変化が少なくなって人が変わったみたいな感じがしてかなりショックです
勇者ちゃんや千穂ちゃんなんて別人でしょコレ? ひどい・・・
演出やテンポも悪くなっているので一期から連続してみると残念な部分が目立ちます
{netabare}
今期は魔王軍らしく戦闘シーンが多めで、日常シーンやコメディが多めな1期とは少し作風も違います
この作品にバトルシーンはあんまり求めてないし、作画の悪さと敵キャラクターの魅力のなさでバトルシーンはとても退屈

敵の魅力のなさはデザインもあるけど、見せ方も良くない
よくわからない強敵がある日突然やってきて引っ掻き回している感じがするのが残念で、天界関係の掘り下げが足りないかな?
キャラクターに天界の世界観やバックボーンを説明させるんじゃなくて、天界とか魔界とかファンタジーの世界観はやっぱり映像として見たい
一期の魅力だった日常シーンの面白さを止めてまで入れてきた要素なので、ここが微妙だとどうしても評価は下がるでしょうね
{/netabare}

期待とは違ったけどやっぱり雰囲気は好き
続編が決定しているみたいですが、5年かかってもいいので作画とデザイン元に戻してください(/_<。)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 38

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

1期との振れ幅が大きくて、ついていくのが大変です。

2期ってこんなに開くもんですかね。
もうあれから何年たっているのやら。
1期ラストを見ると、伏線的なものを若干回収しているような。
本当は2期をするつもりがなかったんじゃって思っちゃいます。

時の流れって怖いもの。
2期では思いっきりキャラデザが変わっているじゃありませんか。
一体この間に何が起こったんだ。
誰かがどこかに頭をぶつけんたんじゃないかって思っちゃいます。

キャラデザに合わせて、皆様方の性格がマイルドになっているような。
勇者エミリアの厳しい目つきが好きだったのに、こころもち優しい。
それもこれも、魔王をパパ、勇者をママと呼ぶ幼女のせいかな。
物語的には必要かもしれないけど、個人的にはこのキャラは必要ありませんでした。

笹塚から飛び出して、銚子やら伊那やらにご出張なようで。
都会から田舎へとまったり、物語にも幅が出てきたような。
また、核心へ迫る内容もあったりして。
ほんの少しだけ、あとが気になる終わり方でした。

原作も終了と聞いたような。
3期もあると聞いたような。
こんな2期で、3期ってどうよ。
ちょっと不安です。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 20
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

キャラデザ何故そうなった?

2023/08/11 初投稿
同日    加筆
2023/09/03 加筆
キャラクターデザインが1期から激変です。
全キャラクターが幼いイメージになり,個性も弱まりました。
ハッキリ言って,魅力が全く無くなり
見ていると違和感でストレスを感じるレベル・・・

内容も変な子供が出てきて
しかも子供が{netabare}戦うための武器になるって,{/netabare}設定が狂ってる・・・

面白くないと言うより,不快に感じるレベル
一応,ナントカ最後まで見る事は出来ましたが・・・

2期が好きな人はいいのですが
自分は2期は無かったことにしたいかな^^;

あ!
エミリアのお父さんが生きていたというのは朗報でしたw

一方,ラストシーンでチーちゃんの胸のボタンが外れているのは大きなマイナスポイント・・・
節操の無い下品さ^^;

2023/09/03 加筆部分
完結したのかと思って見たのですが,今続きを放映しているんですね!
「水星の魔女」みたいに続きを見たときわけ分からなくなりそう・・・^^;

投稿 : 2024/06/29
♥ : 20

73.9 18 ファンタジーで恋愛なアニメランキング18位
わたしの幸せな結婚(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (255)
789人が棚に入れました
この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運か―― 名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

尽くす女と守る男に一周回って新鮮味を感じる和風ファンタジー

原作小説はWeb版、ラノベ版共に未読。

【物語 4.0点】
ヒトは同類の他者に尽くすことで幸せを感じる生き物なのだという。

女は愛する旦那様のために世話を焼くことに喜びを覚え、
男は愛する女のために身命を賭して戦う。

昨今あまり語られなくなった価値観を、
主人公・斎森美世と久堂清霞の婚約者コンビのピュアな有り様から表現される。
ここから私はまず、伝統的な結婚という制度はヒトの幸せを一定程度保証していたものだったのかなとの感想を得ました。

大体「わたしの幸せな結婚」というこのタイトル。
一昔前だったらこんな平凡な作品名で世に何かを出そうなど思いも寄らなかったでしょう。
世の中それだけ価値観の多様化が進んだということでしょうし、
この作品名から一周回ってインパクトを受けた私自身に驚かされます。

結婚が幸せの絶対条件としていない点も、この作品名を含蓄のあるものにしています。
本作は純真な主人公男女の対比として、婚姻や女を血筋と権力獲得のための政略の具とする良家の醜悪さも描く。
架空の近代日本風ファンタジーである本作は、血の宿命を代々継承される“異能”という設定で固着させることで、
自由意志だけでは振り払えない、一筋縄では行かない波乱を演出しています。


あとは、自分のお気持ちで他者の表現を規制できると思っている阿呆が目に余る今日この頃。
作り手が外野の雑音に惑わされずに書きたいことを書くには、
もはや異世界やファンタジー位しかないなのではとも感じました。

例えば本作を現実の歴史ドラマなんかにしようものなら、
左から古い結婚観の押し付けだと、押し付けがましい蹴りが入ったり、
右から{netabare} 帝{/netabare} を醜悪な悪の権化に仕立てるとは何事かと怒鳴り込まれたりしかねません。

脱線しますが、近頃はNHK大河ドラマにすらも多様性やポリコレ配慮と思しきトレンドがありまして。
2年連続で、史実の裏に典型的な男女の夫婦関係とは異なるLGBTが絡んだ事実があったのでは?とのエピソードがねじ込まれていたりします。
昨年の『鎌倉殿の13人』のLGBT回は史料の裏を読んだ脚本が見事でしたが、
今年の『どうする家康』のLGBT回は正直、蛇足だった感が否めず。


愚痴はさておき、本作のファンタジー要素や異能設定に唐突感を覚える方もいるとは思いますが、
私は大河ファンタジーは得意分野なので違和感なく完走することができました。
原作者の小学校時代の愛読書『十二国記』、『彩雲国物語』、『アルスラーン戦記』。
この辺りが好みなら、1クールでは到底終わりが見えない。
制作決定した2期へ続くというスケール感も含めて楽しめるでしょう。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・キネマシトラス

惹き込まれる映像美。

決して作画枚数がMAXという感じではありませんが、
時折見せる心情ともリンクした天候、情景描写は流石は『メイドインアビス』のキネマシトラス。
セピア調のフィルターや、主線をかすれ線にする処理など、
随所にセンスを感じる画面作りで演出してきます。

魅入ってしまうのは色彩の美しさ。
単に色鮮やかにするだけでなく、
美世を幸せにする久堂家は全体的に明るい色調。
美世を苛める斎森家は暗い色調w
と明暗を使い分けた心情表現も上々。

私が毎回楽しみだったのはHALKA氏による着物デザイン。
男が愛する女性を遠慮なく着飾る楽しみ。
これもまた語られなくなりつつある価値観ですが、
このデザインの美しさで、純心から言われたらぐうの音も出ません。


【キャラ 4.0点】
“異能を持たない”ヒロイン斎森美世と凄腕雷異能者の旦那様・久堂清霞は高濃度のピュアカップル。
美世を苛める斎森家の面々や、女を血筋としかみなさない悪役は妬みと執着に塗れる。
キャラの美醜もコントラストがくっきり。


愚かな悪女として良く踊ってシナリオも盛り上げてくれた美世の異母妹・香耶。
{netabare} 没落して奉公に出されるという形で退場してしまいましたが、{/netabare}
こういうキャラの末路や覚醒も私の好物なので、今後アニオリでも良いので出番ないかなと思ってみたり。


辰石幸次や鶴木新といった御仁は人物相関図だけ見れば、美世を取り巻く広義の逆ハーレムキャラということにもなるのでしょうか。
清霞みたいな異能の天才に生まれなかったけど家の宿命やらは背負っている。
恋のライバルとはまた違った形で美世にアプローチしてくる彼らの姿に、
理想と現実の自分との狭間で苦悩する男の渋味を感じました。


【声優 4.0点】
ヒロイン美世役・上田 麗奈さん、旦那・清霞役の石川 界人さん、
美世の幼馴染・辰石幸次役の西山 宏太朗さん。
この辺りのメインどころはアニメ化に先立ち上演された朗読劇からのキャスト継続。

アニメより先にゲームやドラマCDなどが展開された場合、
アニメキャストは変更になることが多いのですが、
本作みたいに初回から勝手を知っているキャスト陣の繊細な演技を聞いていると、
キャストの継続性ってやっぱり重宝するなと思います。

上田 麗奈さんに、どちらかと言えば元気な凛とした声のイメージを抱いていた私。
初回の上田 麗奈さんのオドオドボイスを聞いた時は、
これ終盤キャラ覚醒した時、どんだけ振れ幅大きいんだ?とワクワクさせられました。

実際、最終回見たら、{netabare} 美世は勇ましい巫女?で興奮しました。
美世が旦那様のために力強い声で宣言する相手が、弱かった頃の自分自身というのは意外でしたが。
そこの“一人二役”も含めて好演だったと思います。{/netabare}


一方で私はアニメでキャスト変更になった
斎森香耶役の佐倉 綾音さんの嫉妬ボイスや、
使用人ゆり江役の桑島 法子さんの柔和な声色にも味わいを感じていまして。
声優継続か変更かもまた良作の絶対条件でもないんだなと考え込んでしまいます。


それにしても終盤登場した堯人(たかいひと)役に石田 彰さん。
2期に向けて、良い意味で嫌な予感しかしませんw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、劇場アニメ『金の国 水の国』
と私が連続エンカウント中の作曲家。

本作もまた緻密な心情曲だけでなく、
和洋折衷のファンタジー世界観や異能バトルなど幅広い対応力が求められますが、
上記の同氏の経歴なら何が来ても美しく彩ることができます。

同氏は日本語もペラペラですし、日本のコンテンツ産業にとって大きな力となる存在ですね。
秋からのアニメ『葬送のフリーレン』劇伴でも活躍を期待しています。


OP主題歌は、りりあ。「貴方の側に。」
“あなたの隣は私でいいですか?”などとド直球で想いをぶつけるピュアラブソング。
私は劇場アニメ『バブル』ヒロイン役&ED主題歌以来の遭遇でしたが純度は相変わらず。

ED主題歌は伊東歌詞太郎「ヰタ・フィロソフィカ」
私は『デカダンス』ED以来の遭遇でしたが、こちらもEDアニメーションの画力に負けない相変わらずのバラード巧者ぶり。


音楽は総じて私がまたアニメで聞きたいと思っていた作曲家、アーティストが、
存分に力を発揮してくれて嬉しかった感じ。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 34
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幸せな日々を送りたい送らせたいと願うお話

原作未読 全12話

時代は明治?大正?時代のような感じで、異能の力が重宝される世界。異能の力がないと見られていた主人公の斎森 美世(さいもり みよ)は、父親・義理の母・異母妹から幼い頃より虐げられて使用人より酷い扱いをされてしまいます。{netabare} (美世の母は幼い頃に病死){/netabare}

転機は異能者の家系で最高の名家とされる久堂家の当主・清霞(きよか)の婚約者候補として久堂家へ赴きます。清霞は数々の婚約者候補たちがすぐに逃げ出すほど気難しい性格と言われ、美世が行ったところですぐに追い出されるだろうとのことで斎森家は決めたようです。しかし、清霞は美世を気に入り、大切に思うようになりました。清霞と美世が色々な障害を乗り越え、幸せを掴むまでの物語です。

最初はとても残酷で悲しいお話が続き、自信がないのか細い声の美世はアクの強い斎森家の面々には到底太刀打ち出来ないだろうと観ていました。

でも清霞と出会って世界が変わり、その後も色々な障害がありましたが、幸せな感じで終わっています。

その時代のお話ということではなく、この作品には異能の力が随所にでてきます。ファンタジー要素も色々とありましたね。

作画がとても綺麗でした。(桜の描写など)

第2期の制作が発表されました。まだまだ一波乱二波乱ありそうですね。放送が楽しみです。

OPはりりあ。さん、伊東歌詞太郎さんが歌っています。

最後に、異母妹役は佐倉綾音さん、人の心に反感心を抱かせるいい演技でしたw

投稿 : 2024/06/29
♥ : 26

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ふわふわの綿菓子に混ざりこんだザラメのような違和感。

うわー、意味わからないレビュータイトル。
そもそも綿菓子作っている過程で、ザラメのまま混ざりこむことは無いわけで・・・(溶かして綿状にしているもんなぁ)。

まぁ、言いたかったことは、綿菓子に砂というほど食えない訳では無かったが、食える程度の違和感があったっていう意味です。
あ!?カステラにザラメでもいいかw。



総じて、苦手なタイプの絵柄ではあったのですが、最後まで視聴できたので、物語という意味では、それほど大きな障害では無かったのかもしれませんけどね。

時代背景として、この時代をチョイスしているので、旧来のステレオタイプな男女感、夫婦感、家柄、血縁などなどは、フィクションの一舞台装置として許容しなければならないでしょうね。
頭カチカチのタイプの人がみれば、それでも卒倒もんなんでしょうが。

もっとも、これらは上手に使えば、本当に魅力的な、力のある舞台装置となるはずなのですが、ちょっと力不足だったかもしれませんね。
舞台装置というよりも、舞台設定止まりだったという印象です。

どうちがうんだ?といわれると困ってしまいますが、解像度と言いますか、2次元と3次元的な差といいますか・・・、個人の感想なので深く突っ込まれると困ってしまいますwお許しを。


これも個人の感想なのですが、
あとは、作品タイトルから少し印象をかえてしまったのは「異能」であり「異能バトル」でしょうね。
純然たるシンデレラストーリーのラインと血縁、家柄、異能をめぐる思惑のバランスがあまりよくなかった気がしています。
また、いろいろなキャラクタの思いと発するセリフ、行動が微妙にずれていたような・・・。

例えば、美世の母親が美世の将来をおもんばかって能力を封印するシーン。
美世が面倒な事に巻き込まれるのは不憫だという、美世の身を思ってやっている事だとは思いますし(そうなのは、勿論)わかっているのですが、シーンやセリフを見ていると、あたかも「家」を守る為の様に聞こえてしまうんですよねぇ。

こういったような、「ん!?」「あれっ!?」って言うところがいくつかありまして、それをザラメと表現した次第なのです。

このレビューを書くに際して、Webサイトを拝見したところ、2期の予定が決まっているそうです。

第一所感は「へー、最終話で一つ形になってんのに、これからどうすんの?」

でした。

まだ、結婚自体はしていないので、そこまでにもう一つ二つなにかエピソードがあるとか、ひとまず退場していったヘイトタンクだったキャラ達の関係で溜飲が下がる様なものがあるのか、はたまた、やっぱり異能バトル系で権謀術数に巻き込まれていくのか・・・。
原作を知らないので、どうなるのかは知らないのですが、2期かぁ・・・全然違った方向に進んででいったりしてw。

興味がゼロって訳でもないので、視聴については、その時の私の心の持ちよう、時間の余裕次第かなぁ。


ああ、Webサイトに実写版の情報もありましたね・・・・・・。
ええ、ちゃんと紹介サイトをチラ見してきましたよ、ええ、観ましたとも。
紹介動画も見ましたよ、観ましたとも。

個人の感想ですが・・・学芸会に興味はないんですわ、サーセン。



最後に、この作品で一番楽しかったところが年代を越えての美世、ゆり江、葉月たち(きもの屋の女将含む)の女子会的なトークシーンですかね。
強さ、優しさ、気品、美しさ、楽しさ、いろいろなものが滲み出てくるようなシーンが多かったです。
素晴らしい演技でしたね。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 25

69.2 19 ファンタジーで恋愛なアニメランキング19位
ロードス島戦記(OVA)

1990年6月1日
★★★★☆ 3.8 (135)
684人が棚に入れました
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と「至高神ファリス」を奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて仲間と共に冒険の旅を続けるうちに、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀に巻き込まれ、「大いなる破壊」を回避するため「光と闇の均等」を説くカーラの言葉に戸惑いつつも誘いを断ってフィアンナ姫を救出し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの考えがロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本のファンタジーを語る上では外せない作品

自分の人生に最も影響を与えた本です。アニメ、漫画、ラノベ、全てを通して、自分的No.1は、ロードス島戦記の原作です。

人生で初めて読んだラノベ。学校に持ってく本を探していたら、たまたま本屋で安く束売りされてたんで買っただけ。それがまさか、こんな歴史的な名作だったとは(偶然の出会いに感謝)。

エルフは高慢ちきで耳が長く、動きが素早い。なかなか子孫ができない。ドワーフは大酒のみで力が強いが、手先が器用で装飾品などを作るのに適している。

そんな、ファンタジーの「当たり前」を、日本で初めて紹介したのが、このロードス島戦記。(世界初ではない)

日本の国産ファンタジーとしては、シリーズ累計1000万部を超え、「ドラクエ」「FF」と並び、草分け的な作品です。

(TRPG版は)ラノベの老舗、角川スニーカー文庫の初作品でもあります。

まあ、とにかく、偉大な作品ということです。

さて、アニメですが、原作ファンからすると、やっぱり不満は残ります。(尺が限られてるからしょうがないけど)色々カットしてるし。作画と音楽は素晴らしい。作画は、今見れば古くさいですが、同時期の作品の中では高クオリティー。音楽は、いずれも透明感があり、幻想的で、ロードスの世界観をよく現しています。初めてサントラ買っちゃいましたし♪

とにもかくにも、原作小説を読んでほしい。それだけですな。正統ファンタジーとはこうあるべき、という教科書みたいな作品です。

初代ヒロインのディードリットは、歴史上一番可愛いエルフです! それだけでも、観る価値はある(笑)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 32

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロードスという名の島がある。人々はロードスのことを、呪われた島と呼んでいる。

1990年OVA全13話でVHSにて発売
水野良著作のファンタジー小説のアニメ化
後に2006年にDVD復刻

20年以上前の作品とは思えない、言わずと知れた剣と魔法のファンタジーアニメの元祖
かなり古い作品なのにも拘らず作画も綺麗
声優も巧いし音楽も素晴らしい
そして何よりも原作が素晴らしい為、その物語に深く引き込まれる

原作は全部読んでるが、やはり13話にまとめる為には色々端折らなければならないエピソードが多々あった
更にOVA発売時原作が完結してなかった為終盤はオリジナルストーリー
それでもストーリーは綺麗に纏めてるし、個人的にはあのラストも悪くない
機会が在れば観て欲しい作品です

しかしディードリット可愛すぎるよね!
子供の頃ディードを演じてる冬馬由美さんの声大好きだった
今回他に最近はどんな役演じられてるのか調べたら、ヨルムンガンドのチェキータさんw
どちらも好きなキャラだけどタイプ違い過ぎてびっくりwww
いやー声優さんって凄いよねホント!

投稿 : 2024/06/29
♥ : 18

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

日本製ファンタジー作品の大御所。私が初めて読んだライトノベル。

本作は水野良のライトノベルを原作とした作品になります。
もともとは1986年にパソコン雑誌「コンプティーク」におけるテーブルトークRPGの紹介記事として掲載された事が発端で、その人気の高さから1988年に小説化となりました。本作は1990年から1991年に制作・発売されたOVAであり、小説が連載中の作品になるため結末は大きく違っています。

私が初めて読んだライトノベルであり、ファンタジーが好きになるきっかけとなった作品でもあります。主人公は若き戦士「バーン」5人の仲間とともに冒険の旅をする王道系のファンタジー作品です。累計発行部数はシリーズを通して1000万部を超えたベストセラーと言う事で、私の世代のファンタジー好きは必ず目を通している作品ではないでしょうか?

小説版のイラストは出渕裕が担当しています。本作のヒロインであるハイエルフの「ディードリット」に当時凄く憧れました。小説版では細いラインで繊細に描かれていますが、OVAではやや違ったタッチで描かれているので、当時少しがっかりした覚えがあります。「エルフ=長い耳」というイメージを広く世間に定着させたのも、この作品です。

国産ファンタジーものの代表作であり、当時を知らない方でも耳にした事はあるかと思います。最近「召しませロードス島」なんていうショートアニメも放映されてましたしね。もし気になって本作をかじってみようと思うならノベルの方をオススメしたいと思います。OVAは流石に現在と比べてアニメーション技術が大きく劣るので、がっかりする結果になると思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 18

67.9 20 ファンタジーで恋愛なアニメランキング20位
聖女の魔力は万能です Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (135)
466人が棚に入れました
ある日突然「聖女」として異世界に召喚された20代の会社員・セイ。元々の植物好きを活かして薬用植物研究所で働き始めるが、仕事人間ゆえの生真面目さに“聖女パワー”が加わり、セイは効果5割増しのポーションを次々と作り出す。 さらに、魔物討伐では凄まじい威力の浄化魔法を発動し、セイの評価は爆上がり!「聖女」であることも正式に認められ、スランタニア王国の救世主として、人々の尊敬を集めていく。 そんな彼女を見守り支えてくれるのは、研究所のヨハンやジュード、宮廷魔道師団のユーリ、そして、互いに惹かれ合いながらも、いまだ恋人未満な“氷の騎士様”アルベルトだった。 王国の最重要人物となってからも相変わらず研究三昧なセイだが、アルベルトとの仲は少しずつ深まって、恋模様にも新たな展開が――!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

客観的には面白さは…ただ、ファンとしては美しく終わらせてくれてよかった。

 終わりよければすべてよし…とファンの立場からは言いたいところですが、面白さでいえば2期は1期から半減以下になりました。ファンて、何か月かに1度に出版される新作を楽しみにしますので、実際よりも作品を過大評価します。自分でもどこか冷静な部分で面白さが減っていることはわかってるんですけど、感情的にはそう思わないで面白かったと言うでしょう。

 でも、こうしてアニメで見せられるとその現実は明らかです。始まる前からなんとなくわかってましたけどね。

 ただ、ここのスタッフはそれでも演出と作画でがんばったと思います。リズとのお茶会のシーンなど上手く作ってました。そして終わらせてくれたのでなんとなく納得が行きました。

 まあ、これ以上は言いますまい。美しい最終回でした。

 評価は…オール3…で、作画だけ4.5。美しいですが動きに乏しいので。
 


1話 面白さは1期がピーク。それ以降も話のレベルは高いですが…

{netabare}  本シリーズはアニメ1作目の1話ですっかりはまってしまって、原作は小説・コミック・スピンオフは既読です。

 で、先に言えば私にとって面白いのは、1期までの部分です。カイルとアイラとエリザベスの3人の関係性が異世界転生ものの聖女シンデレラストーリー系ではかなり出来がよかったし、聖女の力の設定と物語がマッチしていました。ストーリーとキャラに力があったと言えるでしょう。キャラの心理に深みがありました。

 ですが、それ以降ですね。沼問題以降です。ホークとの関係は安定していますし、設定上ホークエンド以外の違う結論はないでしょう。そして、いい味を出していたカイルが退場していますので、人間関係が非常に単純化されて、その後の話の展開は一般的ななろう系に近づいてゆきます。2期1話目で早速「商会」が出て来たりします。
 そうはいっても、この原作者は筆に力があるのか、それぞれの設定やキャラ、エピソードは良くできているし、面白いことは面白いです。人によっては2期以降の方が見たかったストーリーと言えるかもしれません。
 何よりホークとの結末はわかっていても見たい、見せたいところでしょう。原作はまだ終わってないですが結末にどんでん返しはないでしょう。

 私は本作の2期以降は「魔法使いの嫁」と一緒ですね。ファンとして最後まで続けてもらいたいし楽しませてもらいます。でも、やっぱり1期を越えることが出来ず、つまり原作ももっと早い段階で畳んだ方がシリーズの深みは増したような気はします。その辺は人それぞれでしょう。

 アニメ1話目見ましたが、相変わらず異世界ものとしては非常にいい出来です。空気遠近法というのでしょうか。焦点の使い方が上手いですね。それと構図ですね。特に人の位置関係が秀逸です。

 と言うわけで、ファン心理としてあまり批判したくないけど、批判したい気持ちもあります。というジレンマがある作品なので残りのレビューは最終回後にします。{/netabare}


2話 尺伸ばしが感じられないスピード感がすばらしい。

{netabare} レビューは最終回後といいましたが、一言だけ。原作ストックを気にしない面白さ重視のスピード感と構成に制作者側のレベルの高さが感じられます。「俺ガイル」の原作者でもある渡航氏のシリーズ構成が素晴らしいのでしょうか?
 2期分割のマイナスを感じさせない上手な作品として「陰実」と本作は素晴らしいと思います。{/netabare}


6話 テンユウ編はちょっと気が抜けた?特に6話は構成とセイの顔に違和感が…

{netabare} 今のところテンポ良く話が進んで面白く見ていますが、6話でちょっとセイの顔のパーツのバランスと横顔の輪郭線が結構乱れたように感じました。アップはあいかわらず丁寧な気がしますが、引き画の時です。

 それと構成がテンポがいいのはいいんですけど、ちょっと今話はペース配分はどうかな?と思います。母との思い出を短くしても良かったのでは?

 ファンとして見ているので、いいんですけどちょっとテンユウ編は出来が他の話と比べてん?と感じてました。6話で特に感じたので一応。{/netabare}


6話追記 リンゴとハチミツかあ…まあ、カレーが食べたくなります。ネタ切れ感は隠せないですね。


7話 中間総括。ストーリーはやっぱり良くない。が、演出、構図、止め絵等々で素晴らしいシーンを作り上げました。リミテッドアニメの方向性が見える作品だと思います。

{netabare} 7話前半の女子のお茶会のシーン。良かったです。華やかさもそうですが、見せ方と各キャラの演技がとても良かったです。話の内容は凡庸なんですけど、アニメの力でかなり見られるシーンに仕上がっていました。
 だからと言って、派手な作画でヌルヌル動かしているわけでもエフェクトでごまかしているわけでもありません。そこは非常に良かったです。声優さんの演技も良かったと思うし。

 で、まあ、本作の中間評価ですが、やっぱり1期の話の作りの良さに比べると、尺伸ばしの為に差し込んだエピソード感はすごいですね。私のように本作1期が本当に好きで、且つ、コミックスの美しい作画に惚れて、原作をそろえている人間からしても、レベルダウンは隠しようがありません。

 ただ、この作品、そうはいっても比較的潔く終わるような感じもあります。つまり、シンデレラストーリーとしての結末です。そこを2期で綺麗に見届けられるなら、私としては本望ですので、それで良しとします。 {/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

聖女様の素敵な異世界生活

女性版チート無双アニメかな
最強になって敵と戦う男性主人公に対して多彩な才能で上手に生きる女性主人公のなろう系
結局無双することに違いはないけど、敵とチートで戦うアニメが多すぎて、そうじゃないってだけで少し有利な気がしますね

雰囲気はとてもいいけどスローテンポで単調なのは変わらず、2期になっても変わり映えしない展開に途中で飽きてきたけど
終わり方がとてもスッキリしていて見たかった結末が見れたのは良かった

セイに都合良すぎる感じはあるけど、周りのイケメン達もセイを巡ってガチの争いしたりドロドロしたりしない、聖人君子ばっかりで好きなことをやって優しいイケメン達に囲まれて、時々聖女様の仕事して、親友もできて充実した聖女様生活って感じだった

最初は「お前いたの?」みたいな盾の勇者みたいな不遇扱いされたセイが、すっかり充実した幸せな異世界生活送ることができていて、雰囲気良くストレスなく見れる安定したアニメでした

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは令和版「『OLの教祖』岡村孝子」

【レビューNo.125】(初回登録:2024/5/26)
ラノベ原作(なろう発)で
・第1期:2021年作品。全12話。
・第2期:2023年作品。全12話。
最初はタイトル切りしていましたが、何かの拍子で視聴したら意外と面白く、
2期はリアタイで観ていましたね。

(ストーリー)
スランタニア王国では数世代に一度、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する
時代がやって来る。
今回もこの国難に対処すべく、魔を祓う力を持つ「聖女」を召喚すべく伝説
の儀式を行った。
そして召喚されたのが小鳥遊 聖(セイ)と御園 愛良(アイラ)の二人の日
本人であった。
しかし王国の第一王子カイルはアイラしか目に入らず、彼女だけを聖女とし
て扱ってしまう。
そして無視されたセイは行く当てもなく、「薬用植物研究所」にて研究員と
して、異世界ライフをスタートさせるのだった。

(評 価)
・これは令和版「『OLの教祖』岡村孝子」
 一部のネット民からは
 「BBAを召喚して何が面白いねん?!」
 と酷い言われようでしたが、主人公セイは日々仕事に追われるOLで、
 ・異世界に召喚されてしまうも、持ち前の前向きなキャラで人の輪に囲ま
  れなから、(現実世界から解放され)異世界ライフを満喫
 ・「聖女の力」でお約束の「また私なんかやっちゃいました?!」展開も
  仕事は充実してやりがいあり
  また魔物討伐でも活躍、「本物の聖女様」として国中から認められる
 ・当然周りはイケメン揃い、そして騎士団長ホーク様との恋模様
 まあ”女性版なろう”要素テンコ盛りという感じですね。
 
 個人的には昭和末期~平成にかけ、OLへの恋愛や応援ソングで人気を博し、
 「OLの教祖」と崇められた”岡村孝子”が思い浮かびましたね。
 「OLの教祖」の系譜は”今井美樹”や”古内東子”へと受け継がれるのです
 が、今ではアニメが一般に認知されたので、その辺の役割は(歌より)
 こういったアニメ作品が担っているのかなっと。

・やりがいがあり、ストレスフリーな優しい世界
 本作から受ける印象ですが、原作者は自身の経験から
 ・仕事のやりがい
 ・人間関係のストレスフリー
 を意識して執筆されたのかなっと。

 ・仕事のやりがい
  セイは異世界でも仕事人間ですが、「男性版なろう」って割と
  ・「俺tueee」で自分がチヤホヤされたい
  的な部分が目につきますが、本作は
  ・自分の”仕事ぶり”が他人に必要とされている
  ・本当に必要なことに注力して報われることにやりがいを感じる
  という方向にベクトルが向いているのかなっと。

 ・人間関係のストレスフリー
  本作の一番の特徴は、”嫌なキャラ”がほぼ出てこない点ですね。
  ・同僚や関係する騎士団、ゲストキャラはみな好意的
  ・上の者たちはセイを守るために奔走してくれる
  ・女性ならではのドロドロ感も希薄
  ・そして恋愛運も順調で視界良好
  ・唯一の不快キャラは、”聖女召喚”でセイを無視してその後も難癖を
   つけてくる第一王子カイルだが
   {netabare}→ 実は無理やり召喚したアイラを守るために道化を演じていた
   と上手く処理されている{/netabare}
  という感じで、寧ろ不自然なほど優しい世界が描かれています。
  
 そもそものセイのキャラ造形が
 「同じ職場で働きたい人」
 というコンセプトらしく、やはり原作者のOL経験を踏まえ、思うところを
 物語に落とし込み「理想の世界」を描いているように感じましたね。
 (この辺りが癒し(?)的なエンタメとしてきちんと昇華されている点が
  本作一番のウリですかね・・・知らんけどw)

上述のように狙いは非常に明確な作品ですね。そういう意味ではターゲット
層の支持を集め、アニメ化まで至ったのはまま納得ですね。
ただ個人的には
・主軸の物語しか描いていない感じで、厚み等の創り込みが弱い
・毒気のようなスパイス成分が足りていない
という感じで、2クールの尺で描いた割には少し物足りないという印象ですね。
しかし
・主人公セイは共感しやすいキャラ
・理想的で綺麗な世界観なのでストレスフリーで楽しめる
 (また原作者の作品に込めた思いにも共感できる)
・ピュアラブストーリーも綺麗に完結させてくれる
なので、かなり視聴しやすい作品ではあります。
”異世界版少女漫画”的な要素も強いですが、男性でも結構楽しめるように
思います。

OPは結城アイラで
・第1期「Blessing」→聖女感あるよなあ
・第2期「Semisweet Afternoon」→溢れ出る恋心が隠せない
この方は存じなかったのですが「才能あるなあ」と共感。

(追 記)
レビューを書きながら「『OL』ってもう死語じゃね?!」って感じたので
一応調べてみたら
・世間的にも死語いう認識はある模様
・しかしその代わりの言葉が
 ・「女性会社員」 → まあそりゃそやなw
 ・「キャリアウーマン」→「バリキャリ」「ゆるキャリ」
  → たしかに聞いたことはあるが、日常的に使ってないよな?!
正直あまりピンときませんでしたね。
男女に拘らず「会社員」が一番無難なんですかね。
レビューの方は『OLの教祖』に合わせて『OL』表記にしておきますが。
まあセイについては「バリキャリ」という言葉がピタリとハマりそうなw

投稿 : 2024/06/29
♥ : 15

70.6 21 ファンタジーで恋愛なアニメランキング21位
夏へのトンネル、さよならの出口(アニメ映画)

2022年9月9日
★★★★☆ 3.6 (83)
303人が棚に入れました
あの日の君に会いに行く。

ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに……

掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。

これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

過去ではなく未来へ向かって生きてゆく

これは主人公にとっては、ほんのひと夏のできごと。
でも、現実世界では…

ウラシマトンネル。これは過去で失ったものを手に入れることができる魔法のトンネル。
トンネルに入ると過去へ行くことができるそうです。
但しトンネルの中と外とでは時間の流れが違います。
トンネルの中ではわずか数秒の時間でも、トンネルの外では数時間も時間が経過します。


主人公は塔野カオル(とうの かおる)。彼は過去のできごとにより笑顔を失った高校生。

彼には、とても仲の良い妹がいました。
{netabare}でも、些細なことで喧嘩して、その日に妹は亡くなった。
妹は兄に大好きなカブトムシをあげて仲直りするつもりだった。
そのために木に登り、木から落ちて…

その後、家庭は冷え切ってしまい、母は家を出て行きます。
それから父は、酒に酔うたびにカオルを責め続けるのです。
{/netabare}
こんなことがあったら、誰でも笑顔を失います。
だからカオルは、未来を向いて生きていません。
彼の願いはたった一つだけ。{netabare}「妹が生き返ってほしい」それだけです。

それは無理な願いだと、彼にも十分にわかっています。
でも、それができるのならば、他は全ていらない。自分の命すら… 彼にはその覚悟がありました。{/netabare}


そんな彼が駅で出会った転入生の花城あんず(はなしろあんず)。
彼女も決して笑顔を見せない女の子。
{netabare}
大好きだったおじいさんが売れない漫画家だったため、彼女の両親はおじいさんを嫌っていました。
でも、おじいさんの影響で漫画家を目指そうとするあんず。
両親は、彼女の将来の夢を全く認めようとしません。{/netabare}


その二人が偶然見つけたウラシマトンネル。
このトンネルをめぐって物語は進行します。


トンネルの中で咲き誇る紅葉が幻想的で、とても奇麗でした。
二人とも無口で笑顔を見せませんが、お互いに相手を思いやる気持ちが十分に伝わってきます。
だから、この物語は意外と優しい物語です。

私は、ウラシマトンネルよりも、カオルの心の葛藤にいたく感情移入しました。

亡くなった人は、決して戻って来ません。
喧嘩をした後で後悔して、今度謝ろうと思っても、その人は、そのときまでに生きていないかもしれません。
だから、仲の良い人と喧嘩をしたときには、すぐに謝ったほうが良いですね。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ウラシマ効果と願いの狭間で浮き彫りになる若気の至り

【あらすじ】
{netabare}欲しいものが何でも手に入る「ウラシマトンネル」
鹿との衝突事故により電車が止まるくらいの田舎を舞台に、
{netabare}亡き妹・カレンと幸福な家庭{/netabare}を取り戻したい高校生男子・カオル。
{netabare}漫画で世界に爪痕を残せる才能{/netabare}が欲しい女子高生・あんず。
二人が願望の代償として世界を捨てるに等しいウラシマ効果をもたらすトンネルを前に、
“共同戦線”を張る内に、距離が縮まる同名ライトノベル(未読)の映画化作品({netabare}83{/netabare}分){/netabare}

【物語 4.0点】
監督・田口 智久氏。

実写「デートムービー」も意識して、主人公の少年少女二人に焦点を絞り原作を再構築。
ヒロイン視点補強を試みて、二人の出会いなどの節目を詳述するため、
三度にわたる駅のシーンをアニメオリジナルで追加し、ボーイ・ミーツ・ガール成分増量。

「ウラシマトンネル」になかなか飛び込めずに事前調査を重ねる二人。
浦島太郎が予め竜宮城に行った後の顛末を知ってしまったら、
亀に乗るのにメッチャ逡巡して物語が停滞するでしょうがw
これが青春を生きる高校生二人なら、人生経験の少なさもあって不安定なアイデンティティや居場所のなさ。
“共同戦線”に下心や恋心はないのか?など整理できない自分の気持ち。
モヤモヤが些細な衝撃で暴発しかねない危なっかしさ。
若さは逡巡すらメインストーリーとして魅力十分な甘ずっぱいドラマに昇華させます。

トンネルの先を描いた終盤も、既視感は覚えるものの見応え十分。
何を言ってもネタバレになりますが敢えて一言だけ叫ぶと、
{netabare}気づくのおせーよ{/netabare}ってことでしょうか。


ガラケーがスマホに駆逐される前の時代が舞台とあって携帯メールが活躍するシナリオ。
連絡事項に改行スペースを重ねてスクロールさせ末尾に{netabare}「塔野くんてちょっとエッチだよね」{/netabare}と本音を仕込む技もベタですがあざといです。
ケータイ共々爆発して下さいw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CLAP

草薙(KUSANAGI)提供の細密な背景に押し負けない映像作りで、夏を始めとした季節感を好表現。
同スタジオの前作『ポンポさん』でも多用した、
色トレス(近景等の色彩に人物の主線の色を合わせる)も駆使して、
世界と登場人物の一体感をアップ。

小物に“演技”をさせる演出も上々で、
特に上記アニオリシーンで“助演俳優賞”級の活躍をしたビニール傘については、
描き込みが面倒な透明色にもめげずに二人の仲を橋渡し。
終盤の{netabare}錆{/netabare}の描写も良い仕事してました。

ただ私としては“助演俳優賞”は笑顔を彩ったヒマワリに授与したい心境です。

ケータイ画面やビニール傘が濡れる心情演出も文学的。
CGで構築された水面もまた波紋で揺れる男女の言動を反映する“役者”ぶり。


【キャラ 4.0点】
主人公の高校生男子・塔野カオル。
携帯プレイヤーは音楽鑑賞じゃなく外界の音を遮断するために使う系。
家庭に安寧の場所はなく、斜に構え、田舎で朽ち果てつつある典型的な疎外感を抱えた主人公少年。
世界から外れかかっている彼のメンタルこそが「ウラシマトンネル」を招き寄せた
という作中での考察、一理あります。

ヒロインの女子高生・花城あんず
東京から田舎に転校して来た、これまた典型的な孤高の黒髪ロングJK。
寄らば斬る(むしろ{netabare}殴り倒すw{/netabare})
そんなテンプレでツンツン、デレデレされたって俺は萌えないぞ。
……と頑なになっていた私ですが、彼女が{netabare}カオルに初めて自作漫画を読まれ論評{/netabare}されるシーンの足芸で、
あっさり萌えて陥落しましたw

それ以上にあんずにグッと来たのは世界に爪痕を刻むと決意する強さ。
特に{netabare}絵で物語る漫画がなくなるはずがない{/netabare}と熱弁する件。
「特別」を目指すヒロインのカッコ良さには異性としてではなく人として惚れ込みます。


【声優 3.5点】
実写とアニメの中間領域を志向し、メインキャストは俳優をオーディションで選出。

主人公・カオル役の鈴鹿 央士さんは声優初挑戦。
スタッフ陣はナチュラルなボイスがハマり役と好評していますが、
私は走って息切れるシーンの演技にしても、自然さより経験不足を感じてシックリ来ませんでした。

声に人生が滲み出る演技だなとも感じはしましたが、
哀しみ故に荒れた生活を送るカオルの父役の小山 力也さんにはまだまだ及ばない印象。

その点、ヒロイン・あんず役の飯豊 まりえさんは、声優経験もありまだ安定感がありました。

それでも、脇に回った畠中 祐さん&小宮 有紗さんじゃ駄目なんでしょうか?
という私の疑問をかき消すほどの演技ではなかったかなと。

ただし、カオルの妹・塔野カレン役の小林 星蘭さんは子役時代のスキルも生かした幼女ボイスで上々。
塔野家の天使に免じて評点は基準点+0.5点で。


【音楽 4.0点】
劇伴は富貴 晴美氏のフィルムスコアリング。
氏のBGMは管弦楽の迫力でねじ伏せるよりも、ピアノを中心に心情にそっと寄り添う方が味わい深いです。
本作でも遅効性の恋に繊細な音色がマッチしていました。

主題歌、挿入歌はeill。
アップテンポな劇伴ソング「プレロマンス」では二人の恋愛未満を的確に射抜き、
主題歌バラード「フィナーレ。」では濡れるリスクが増える相合傘の利点を恋愛面から力説。
一番刺さったのは既存曲のアコースティックアレンジとなった「方っぽ」
世界から外れそうな位の喪失感が痛切で抉って来ます。


【付記】
イケメン俳優&朝ドラヒロインをキャスティングして、
実写恋愛映画の如く、カップル集客も目論んでいるという本作。
ですが初週鑑賞時、まばらな観客は私も含めてアニメ&ラノベファンと思しきソロの男性ばかりで、
デート中のカップルなんて一組も見当たりませんでしたw

プロデュースが滑っている以上、上映期間も長くはないと思われるので、
興味がある方は、夏が消え去る前に、お早めに劇場に行くことをオススメします。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメタイトルに少々納得がいかない

特に「さよならの出口」が腑に落ちません。
個人的には「トンネルの先には」くらいがフィットします。
ジャンルでいうとガッツリSF、若干恋愛と言ったところ。
主にウラシマトンネルという謎の空間をめぐるお話です。

メインは高校生の男女のふたり。
出会いの印象は悪いけどってパターン。
しかし、恋愛よりもSF要素にワクワクする感じ。
結構、私の好きな物語でした。

恋愛の方は描き方が少々足りなかったような。
たぶん、尺の関係かなあ。
早足な分だけ消化不良でした。

キャラデザは良い方。
性格も互いにドライ。
そのせいか妙にあっさりして、癖はなかったです。

ただ、男の子の方の声優さんのセリフが淡泊で違和感があました。
最終的には、{netabare}過去の出来事による感情の喪失{/netabare}を表現したと考えれば良かったかも。
一方、女の子の声優さんは上手い方、そして性格は強気で私好みでした。
まあ、現実に居たらとても話しかけられる雰囲気じゃありませんが。

トンネル内がケバイとか、ガラ携メールが効果的に使われているとか。
全体にSF演出に趣向が凝らされていました。
だから、1時間22分の映画の割には短く感じたのかな。
なかなかの良作と思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 9

59.7 22 ファンタジーで恋愛なアニメランキング22位
結婚指輪物語(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (90)
270人が棚に入れました
月刊「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて大好評連載中のめいびいによる漫画『結婚指輪物語』。累計部数130万部(電子書籍含む)の人気作がいよいよアニメ化! どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。 告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと突然の別れを告げられてしまう。 恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。 ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。 サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。 さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!? 5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる――!

声優・キャラクター
サトウ:佐藤元
ヒメ:鬼頭明里
ネフリティス:島袋美由利
グラナート:上田瞳
サフィール:加隈亜衣
アンバル:小松未可子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

俺は5人の姫と結婚する。世界を、そして好きな人を守るために。

この作品の原作は未読ですが、あかりんが出演すると知り視聴を決めた作品です。
この作品も後にくまちゃんやみかこしが出演するという嬉しいさぷらいずあありましたけれど^^


どこにでもいる普通の学生サトウは、幼馴染のヒメへ密かに想いを寄せていた。
告白を決意したある日、サトウはヒメから遠いところへ引っ越さなくてはならないと
突然の別れを告げられてしまう。

恋心を諦められないサトウがヒメを追って辿り着いたのは、なんと異世界だった。

ヒメは、異世界に5人存在する「指輪の姫君」のひとりだったのだ。
サトウはヒメからいきなり結婚を求められ、勇者「指輪王」として世界の脅威に立ち向かうことに。
さらに、指輪の真の力を引き出すには、残り4人の姫たちとも結婚する必要があり……!?

5人の姫との異世界新婚ファンタジーが、ここに始まる ― !


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回は声優さんの起用方法に新鮮さを感じた気がします。
まずくまちゃん。
くまちゃんが演じたのは5人の姫の一人である竜人族のサフィール。
結構飄々とした感じのキャラなんですよね。

くまちゃんといえば、同じく2024年冬アニメで放送されていた「異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。」のネフェルティマみたいなほんわかした感じのキャラが声質ともマッチしていて似合うと個人的には思っています。
そんな感じのキャラがすっかり私の中で定着していたのでこんな風に感じたんだと思います。

そしてみかこし。
今回みかこしが演じたのは「アンバル」という表情の読みにくい女の子です。
みかこしも気持ちを前面に出しているキャラを演じる機会が多いオメージがあったから…
まぁ、私個人がこう思っても、皆さん役にはしっかりハマっているんですけどね^^;

さて、この作品は公式サイトのトップページで堂々と「ハーレム宣言」していましたよね。
しかも各国のお姫様ばかりを5人も…

ハーレムなんて羨ましい展開…と思いましたが、よく考えてみると日本にも昔「側室制度」があったので、所謂ハーレム状態というのは日本でも昔から存在していたんですよね。
しかも、昔は天皇にも側室制度があったそうです。
だったら現代の様な継承問題も起こらない訳です。

現代の日本では法律で規制されていますが、それでも妾の風習は残りました。
さて、今でも妾の方は現存するんでしょうか…

この作品の主人公であるサトウ…は結局苗字しか分かりませんでしたが、大好きな女の子を追って異世界に行き、そこで指輪王となりました。

ですが、不思議な点が幾つかあります。
まずサトウが指輪王となったのは指輪をお姫さまから指輪を受け取ったからですが、他の4人の姫の誰かが別な男性に指輪を先に渡していたら、サトウは指輪王になれなかったのでしょうか。
となると、渡す順番で決まってしまうことになりますが、そんな簡単で良いのでしょうか。

それとも、指輪王としてもっと資質の高い人が後から現れたら、指輪王の権利はそちらに委譲されたりするのかな。
だて、深淵王とかいうとんでも無い相手を倒さなきゃなんですよ。
指輪だって少しでも条件の良い人になって貰いたいと思ってもおかしくはないと思うんですけどね。

指輪の力をもっと引き出すには姫たちとの絆が不可欠だと言っていました。
そんなに指輪王候補をコロコロ変えたんじゃ、姫たちとの絆も深まらないか…
そう、指輪王が何でサトウ…?
という点に疑問を持たなければ割と普通に視聴できる作品だと思います。

そして、後はどの姫を推して視聴するか…ですよね。
個人的にはエルフ族のネフリティスかなぁ…と思って視聴していましたが、姫の中で一番最後に登場したアンバルが気になる存在っぽいと思いました。
まだ少ししか出てきていないので確信は持てませんけれど。

そう、ラスボス的なタイミングで登場したのは、とみたんですたね。
この展開を見た瞬間、続編無きゃ嘘でしょ…って思いましたよ^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Sizukさんによる「Lover’s Eye」
エンディングテーマは、AliAさんによる「ココロノナカ」

1クール全12話の物語でした。
この作品も既に第2期の制作が発表されました。
今期って続編制作される作品が多くありませんか?
他の作品も是非チェックしてみようと思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

うーん、ハーレムが好きで見たのですが… ハーレム物として失格。ハズレです

1話感想 3.3 うーん、ハーレムを作る主人公は嫌いじゃないのですが…

何でしょうね?
基本的には悪くないんですよ。
異世界転移してハーレムで、というのはまあ全然普通ですし、そういう話は大好きです。

ヒロインはなかなか可愛いと思いました。
では申し分ないはずなのですが… うーん?
主人公がいまいち気に入らなかったかなぁ。

なんとなく煮えきらないというか…。
何でしょうね。いや本当に悪い、という程でもないのですが。

調子に乗っている、という程でもないですし…。
うーん、主人公の見た目かな? あまり格好良くは無いですが。
何だろう。まあ幼馴染でずっと好きで、そこはガツンといけよ、というところで煮えきらない、という感じがやっぱり何だこいつ、感があったのかな。
そういう部分で主人公を一発で好きにはなれませんでした。

主人公に都合の良い話しは主人公を好きになれないと残念になるんですよね。

作画はそこまで綺麗ではないですね。ただちょっとエッチな所は良かったです。
そこまで気に入ったわけでは無いですが好きなタイプの話しなので見たいとは思っています。
本数次第で諦めます。

全話感想 
まあ「ちょっとエッチ」と「ハーレム」を目当てに最後まで見ました。
結論としては… 残念ですね。おすすめできるハーレムものではありません。
良いハーレムものとは何か。
それはヒロイン全員を愛することです。
この主人公、5人の嫁と結婚しなきゃならん設定なのに、一人の本命が居るんですよ。
ちょっとないですね。
ハーレム主人公たる者、ハーレムメンバー全員を愛することは必要最低限です。
残念ながら良いハーレムモノではありません。失格です。

ハーレムものの良いところは、ヒロインを不幸にしない点にあるのです。
ヒロインを1人だけ選ぶと、選ばれなかった他のヒロインは不幸になってしまいます。
じゃあ選ばれなかったヒロインには別の男をあてがえば良いかというと、オタクってのはそういうのが大嫌いでしてね…。じゃあヒロイン全員を幸せにしようと思ったら、ハーレムしか無いじゃん、となるわけです。
皆愛して皆幸せ。めでたしめでたしです。

しかし本作では本命ヒロインがはっきりしていて、全員幸せにできないんだったらハーレムものにするんじゃねぇって話ですよ。
なんだかなぁ。わかってねぇなあ。

ストーリーもきっちり一期で締めずに続くような作りで… いや続きは原作で、と言いたいのでしょうが、微妙にしか思えません。

まあハーレムが好きだからと、わざわざ見たけれどいまいち報われなかった感じですね。残念です。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ポルノとしての価値しか無いモノを地上波で放映する意味は?

 最終話(12話)まで観ました。2024.03.27

 深淵王倒せないのか…。で、2期に続くと…。ハーレム完成しているのに次は何をするのかな?

 ハーレムものと、世界を救う勇者の物語は、相性が悪いですね。男と女のイチャイチャ話は構造的に世間から隔離されているため、外界の情勢と連携できません。

 恋愛において、外部の都合は雑音でしか無いので、ハラハラする冒険譚を上手く作るには相当な技量が必要な様です。結局、セカイ系になって、物語が破綻します。

 本作品も、主人公達だけ撤退していますが、命懸けで深淵王と戦っていた味方の戦士達はどうなったの?置き去りで全滅かな?

 ハーレム外の敵味方の動静を描かけていませんし、描く気も無い様です。

 1期を観る限り、ポルノ的なハーレム物語と、異世界冒険ファンタジーの良いとこ取りをしようとして、上手く消化出来ていない失敗作としか評価出来ません。

 2期で挽回出来るか期待しています。今期のHIGH CARD、ノアールと、1期が駄目なら2期も駄目な感じだったので、ジンクスを破って欲しいです。
……………………………………………………………………… 

 6話まで観ました。2024.02.11

 異世界ハーレムものですが、地上波では規制が厳しいので、中途半端です。

 この手の話は、色んな種族の女とヤリまくりたいというポルノ的な価値しか無いので、湯気や謎の光の邪魔があってはいけません。

 スマホ太郎もそうですが、ハーレム要員を連れ回る話は、女性達を人格のある存在として描き難いので、物語としても面白くありません。

 無理なくハーレムを成立させるには、大奥や後宮の様に女性達を社会から切り離す、もしくは源氏物語の様に妻のもとへ男が通うスタイルで、女性達の横のつながりや社会との関係を生じさせない様にしないといけません。

 珍ポは一本しか無く、無限発射出来ない以上、取り合いもしないで強制や規制もないのに男の都合のよい時に股を開いて待っている女性達など、非現実の妄想ポルノでしかありません。

 ワザワザアニメ化しなくても、原作をポルノとして楽しんでいれば良かったんじゃね?としか思えません。もしくはOVAや18禁ネット配信専用とかで公開するとか、やりようは色々ありそうです。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 3

90.5 23 ファンタジーで恋愛なアニメランキング23位
凪のあすから(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (6458)
25556人が棚に入れました
海と地上、そのどちらにも人が暮らす世界。中学が廃校になり、幼なじみと共に地上の学校へ通うことになった海村の少年・先島光が転校初日目撃したのは、大切に守ってきた少女まなかが、地上の少年と特別な出会いをした瞬間だった。

声優・キャラクター
花江夏樹、花澤香菜、茅野愛衣、逢坂良太、石川界人、小松未可子、石原夏織、名塚佳織、天田益男、間島淳司、清川元夢、鳥海浩輔
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

溢れ出る感情の波に幾度も心をかき乱されてしまう、感銘も感動も大きいが視聴に難儀する《名作》

(2019年3月) 制作情報等を追記

◆感情描写の濃度が桁外れに高い作品

私は、恋愛などの感情描写系アニメを視聴するときは、作品中に不意に差し込まれる微妙な心情変化を見逃さないようになるべく集中して視聴するようにしているのですが、本作の場合、多数の登場キャラたちのどんな目線の動きにも手足の仕草にも確りと意味が込められていて、そうした一つひとつの挙動に暗示される各キャラの感情推移を読み取るのに視聴中ずっと頭をフル回転させている状態が続きました。
そのため1話視聴する毎に物凄く疲れて、暫く頭を休ませてから次の話に行く、ということの繰り返しで、これまで本作を余裕を持って視聴できていなかったのですが、3周目を終えた時点で漸(ようや)く、そうした感情を読み取る作業を自分が納得いく程度に終えることができた感じを持てました。
そして念を入れて行った4周目の視聴で、やっと余裕をもって本作全体を楽しめ、かつ自然な感じで感動もできたように思ったので、それに合わせて本作の評価を ★ 4.3 → ★★ 4.7に大幅に引き上げました。
(※1~3周目も視聴中に感動はしていましたが、果たしてその自分の感動が辻褄の合った納得のいくものなのか確証がもてずに警戒しており、本作の総合評価を ★ 4.1~4.3と低めに据え置いていました)
だいぶ苦戦しましたが、頑張って繰り返し視聴して良かったと思いました。

◆起/承/転/結のはっきりしたシナリオ構成

本作は、純粋な日常系の恋愛作品ではなく、①ファンタジー設定と②セカイ系設定を上手く組み込んだ変則的な恋愛感情描写系作品ですが、よく見るとシナリオ構成の基本に忠実に、全26話を以下のように、【起】【承】【転】【結】に上手に振り分けていることが見て取れます(※詳しくは◆各話タイトル&評価へ)。

【起】第1~7話(計7話) {netabare}海村とウロコ様の存在というファンタジー設定が示される{/netabare}
【承】第8~13話(計6話){netabare}地上の異変と海村の冬眠・人の滅びの予告というセカイ系設定が示される{/netabare}
【転】第14~20話(計7話){netabare}5年後の世界に切り替わり海村の3人の冬眠からの目覚めが描かれる{/netabare}
【結】第21~26話(計6話){netabare}登場人物たちの錯綜した恋愛状況が世界の命運と連動しつつ収束していく{/netabare}

◆作品テーマ

ひとことでいえば、{netabare}恋愛感情をもつがゆえの苦悩とその最終的な肯定{/netabare}、を描き尽くすことにあると思います。
この作品テーマは、第5話(あのねウミウシ)での美海と光の会話によく現われます。
{netabare}
美海「もう、あんな悲しいお腹になるのは嫌だ。大好きにならなければ、あんなに苦しくならない。だから、だから美海・・・」
光「大好きにならなければ、好きにならなければ、辛くならない。確かに、そうかも知れねぇな。」
美海「え?」
光「なんか俺も人のこと言えねぇ。好きとか、なんないほうが、やっぱ楽なのかも知れねぇと、思う。だけどよ、誰かを好きになるの駄目だって、無駄だって思いたくねぇ。」{/netabare}

→この会話は最終話で見事に回収されます。

※なお、本作で最終的に肯定される「恋愛感情」とは具体的にどのようなものか?をさらに一歩踏み込んで考察すると本作を一層深く楽しめるようになるのではないか、と思います(※その点、◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理へ)。


◆制作情報
{netabare}
原作         Project-118
監督         篠原俊哉
シリーズ構成     岡田麿里
脚本         岡田麿里(12)、横手美智子(4)、吉野弘幸(4)、和場明子(3)、根元歳三(2)、西村ジュンジ(1)
キャラクターデザイン ブリキ(原案)、石井百合子
音楽         出羽良彰
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

======================= 凪のあすから(2013年10月-2014年3月) ====================

~~~~~~~~~~~~~~ OP「lull〜そして僕らは〜」、ED「アクアテラリウム」 ~~~~~~~~~~~~~~
     ※ まなか・ちさき・光・要・紡(中学2年)、美海・さゆ(小学3年)
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 【起】 第1~7話は、{netabare}海村の4人が陸村の中学に転入したことを切っ掛けとして、彼ら内部や彼らと陸村の人たちとの間に発生する心の揺れ動きを描出{/netabare}
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{netabare}第1話 海と大地のまんなかに ★ 海村の4人の転校初日、まなか・紡の出逢い
第2話 ひやっこい薄膜 ☆ 美海・光、さゆ・要の出逢い、あかりの恋愛事情
第3話 海のいいつたえ ☆ 海村の掟、あかりの男の事情、紡と海村の4人が打解ける
第4話 友達なんだから ★ お女子様の破損事件、さゆの要への思慕の始まり
第5話 あのねウミウシ ★★ ちさきの想いを知ってしまう紡・まなか、美海家出・光への思慕の始まり
第6話 巴日のむこう ★ 光・紡の水泳競争、ちさき・まなかの喧嘩~仲直り
第7話 おふねひきゆれて ☆ 海村と陸村の対立、あかり海村から離れ地上へ{/netabare}
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 【承】 第8~13話は、{netabare}地上の異変~海村の冬眠決定を契機とした海村の4人や陸村の人たちの決断・行動を描出{/netabare}
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{netabare}第8話 たゆたう想いのさき ☆ 美海・光・紡・まなか・ちさき町へ(プレゼント探し)
第9話 知らないぬくもり ★ 地上の異変、紡→ちさき「今のあんた嫌いじゃない」、廃校でハグ(光→まなか)
第10話 ぬくみ雪ふるふる ★★ 冬眠の準備、まなかの想いはウミウシへ、要の告白
第11話 変わりゆくとき ☆ お船引き決定~準備、あかりの決断(結婚・お女子様に)、ちさきの決断(光へ)
第12話 優しくなりたい ★★★ 廃校での告白(光→まなか、ちさき→光)、第1話のリフレイン(まなか・紡)
第13話 届かぬゆびさき ★★ 冬眠、お船引き、お女子様(あかり→まなか){/netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「ebb and flow」、ED「三つ葉の結びめ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ※ まなか・光・要・美海・さゆ(中学2年)、ちさき(看護学校1年)、紡(大学1年)
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 【転】 第14~20話は、{netabare}5年後の海村の3人の目覚め、彼らと地上に残された人たちの戸惑いを描出{/netabare}
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{netabare}第14話 約束の日 ★ 5年後の世界(主にちさき・美海の視点から)、光の目覚め
第15話 笑顔の守り人 ★ 光・ちさき再会、美海の光への思慕、紡→ちさきへの希望表明
第16話 遠い波のささやき ★★ 光とのデート(美海・さゆ喧嘩)、美海にエナ、要の目覚め
第17話 ビョーキなふたり ☆ 要・ちさと再会、さゆ・要再会、海村へ(美海・光・要) 
第18話 シオシシオ ☆ 冬眠中の海村の様子、まなか発見~救出
第19話 まいごの迷子の… ★ 大人になった事に気付くちさきと、紡・要の彼女への想い
第20話 ねむりひめ ★ まなかの目覚め(必死に手を尽くす光と揺れる美海の心){/netabare}
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 【結】 第21~26話は、{netabare}海神様とお女子様の伝承をリンクさせつつ、登場人物たちのそれぞれの想いの着地点を描出{/netabare}
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{netabare}第21話 水底よりの使い ☆ OP映像マイナー変更。まなかの異変、ちさきと光たちとの距離・紡との距離
第22話 失くしたもの ★ ウロコ様探し、まなかの失ったもの(人を好きになる心)
第23話 この気持ちは誰のもの ☆ ウミウシの石、紡・光の殴り合い、紡の想いがちさきに伝わる(紡にエナ、海村へ)
第24話 デトリタス ★★★ お船引き再び、ちさきの本心(要へ)、さゆ→要へ告白・完結
第25話 好きは、海と似ている。 ★★ まなかの本心(美海・紡へ)、紡・ちさき完結、美海失恋、お船ひき
第26話 海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~ ★ 美海の心を知る光・お女子様の心を知る海神様、光・まなか完結、ぬくみ雪やむ{/netabare}
----------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)10、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7


※このように本作は前半のラスト2話(第12-13話)・後半のラスト3話(第24-26話)にそれぞれクライマックスが来るように巧みに構成されていますが、その他の回も万遍なく楽しめる平均点の高い作品となっています。
(前半が詰らなくて後半がグンと面白くなく『とらドラ!』とは好対照)


◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理

私たちがラブストーリーを批評する場合、「きゅんきゅんする」「甘酸っぱい」「純情」というのは常套句ですが、そうした感覚的で曖昧な表現だけでは、恋心(恋愛心理)の分類としては舌足らずであり不明確だと思うし、また本作に描かれた恋を「青臭い」の一言で切り捨てるのはいかにも粗雑な感想だと思います(※もし「青臭い」と断言するならば、どこがどう青臭くて、それとの対比で「青臭くない」恋とはどんなものなのか?が具体的に示されないと説得力に欠けます)。

そこで、ここでは本作に描かれた恋愛模様をより具体的に考察するために、以下の分類を用います。

{netabare}<1> 出逢い方による分類

①幼馴染型 → 海村の4人の場合(光・要×まなか・ちさきの関係)
②ボーイ・ミーツ・ガール型 → 陸村と海村の出身者の間の場合(紡とまなか・ちさきの関係)
③年上への憧れ型 → 陸村の小学生と海村出身の中学生の場合(美海・さゆ×光・要の関係)

<2> 恋の回数による分類

①初恋 → この作品の大部分の恋
②2回目以降の恋 → 無意識のうちに進行してしまうちさきの紡への恋
③その他(既婚者との恋など) → あかりの美海の父への恋

<3> 恋愛感情の内容による分類

①趣味的恋愛感情(※相手の好意の獲得を目的とした駆引き的な恋であり、恋に恋して恋を自覚的に楽しんでいる状態)
②虚栄的恋愛感情(※ブランド品を見せびらかすように恋人を持ちたがること、また人の恋路に嫉妬して燃え上がる恋)
③肉体的恋愛感情
④情熱的恋愛感情(※説明が難しいが、本作で描かれるほぼ全ての恋愛感情はこれに当てはまる){/netabare}

このように本作は、都会から遠いファンタジックな小村(海村も陸村も)で生まれ育ち、世の波風にまだ汚されていない中学2年(13~14歳)の少年少女の初恋という設定に基づき、全26話を通して、①~③の要素をほぼ排除して、④情熱的恋愛感情の描出一本槍で突っ走るという、ラブストーリーとしては些(いささ)か稀な作品となっています。

また、本作で描かれる心理関係のほとんどが、幼馴染の間か、さもなくば年上への憧れとして発生していることも、彼らの④情熱的な恋愛感情に説得力を持たせています。

《一般的な恋愛作品との違い》

これがもし高校生以上の関係で、かつボーイ・ミーツ・ガール型の出逢いだったなら、いきなりの④情熱的恋愛感情の発生には余り説得力がなかったことでしょう。
例えば、あにこれでも高評価の恋愛アニメの代表格『とらドラ!』は、
{netabare}
(1)序盤から中盤にかけて、ヒロイン大河の北村君への恋のときめきや躊躇いを繰り返し描き出していますが、そうした大河の恋心は、実は「駆引きを通して相手の好意を獲得することを目的とする恋」つまり①趣味的な恋愛感情であって、
(2)第16話(すみれさん乱闘事件)を機に大河は自分の恋心の浅はかさを悟らざるを得ず、そして、
(3)第19話で、大河はとうとう自分の本当の恋心は北村君ではなく竜児にあることを自覚するに至り、なおかつ、この自らの恋の成就を目指すのではなく、これを秘匿し押し殺して竜児の恋の成就を密かに支援する側に廻ることを決意する、
{/netabare}
・・・という流れになっていますが、このように大河の恋心が、①趣味的な恋愛感情から、④情熱的な恋愛感情に移行してしまうストーリー展開の巧みさに『とらドラ!』の凄みがあって、それがこの作品が高評価を取っている本当の理由と私は考えています。

この『とらドラ!』の例のように、優れた恋愛作品というのは、アニメ・実写あるいは小説といった表現媒体に関係なく、

(1)①趣味的な恋愛感情、②虚栄的な恋愛感情、あるいは、専ら④肉体的な恋愛感情からスタートした心理的関係が、
(2)いつの間にか、④情熱的な恋愛感情に転換してしまい、本人の意思では簡単に逃れられなくなっている様

・・・を説得力をもって描き出している作品であるのが一般的だと思います。

※因みに、そのような説得力を持ったアニメ作品は、実は結構少ないと私は思っており、例えば、あにこれで「恋愛タグ」に高いポイントがついている作品であっても、その内容をよく見ると、①趣味的恋愛や②虚栄的恋愛の範囲内で終始していて、④情熱恋愛への転換を描くに至っていないものが幾つもあると思います(例えば、『CLANNAD』、『初恋限定』)。

《本作視聴の難儀さの理由と魅力》

そうした一般的な恋愛作品との比較から、本作はやはり、
{netabare}
(1)海村という閉鎖的な環境で自然に芽生えた幼馴染同士の恋という設定、また、
(2)小学3年生の少女の5歳年上の少年への憧れと、少年の5年間の冬眠状態~解除により、本来は恋愛が成立しないはずの関係が“成立し得る関係”に転換してしまう、という現実世界では在り得ない特殊設定
{/netabare}
を巧みに用いて、序盤から終盤まで一貫して、④情熱的な恋愛感情の進行過程の描出だけでストーリーを展開している点で、恋愛作品として特殊であって、

(1)その④情熱恋愛一本槍という特徴から、本作に独特の息詰まるようなナーバスさが発生し(※注釈)、
(2)その結果、私たちは毎話のように視聴に難儀してしまう羽目に陥るのですが、
(3)そのナーバスさ・難儀さは私たちにとって、懐かしくまた切ない感覚を伴ったものでもあって、
(4)結局のところ本作の最大の魅力は、そうした感覚を私たちに思いがけず(かつ繰り返し)惹起させてしまう点にある、

・・・と私は結論づけたいと思います。

(※注釈)もし本作に、①趣味的・②虚栄的・③肉体的な恋愛感情が一定量混在していれば、他作品によくあるように、それらが適度に陽気な冗談や下ネタやおふざけを作品中に呼び込んでいたはずです。

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◆(参考)過去に書いた感想・レビュー

※前述のとおり、私は3周目までは「自分が安易に感動させられてしまうこと」への警戒から本作に対して相当に身構えていて、本作から自分が受ける感動の性質を慎重に見究めようという批判先行の視聴姿勢を取っていました。
以下はその当時の感想・レビューの一部です。

2015.3.10 三回目視聴を完了。
各話評価を追記。総合評価を4.1→4.3に改訂。
1クールに上手く圧縮されていたなら私も本作を名作(総合評価4.5以上)と評価していたと思います。
ですが、2クールはちょっとやり過ぎ感あり(稀に見る美酒も味わい過ぎると食傷気味になってしまう感じ)。
そういう意味では、かなり残念な作品でした。

2014.7.19 二回目視聴を完了。
全体に遊びとかギャグ要素が非常に少なく、重く沈鬱な印象。
この作品は毎話毎話、ほんの一瞬のカットに感情の微妙な変化や発露を盛り込んでくるので、安直な気分で流し見するわけにはいかず、全26話を通しで視聴するのに今回もかなり時間がかかってしまいました。

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※以下は第1回目視聴直後の感想・レビューです。

《岡田シナリオのメタ分析》

{netabare}★岡田シナリオの基本パターン

このアニメのシナリオ構成・脚本を担当した岡田磨理という方のシナリオは、表面的には色々ヴァリエーションを取りながらも、大雑把にいえば、

==========
A子はB男が心底好きだ。
だがB男は、A子の親友のC子の方に恋をしており、A子にはそのことがよくわかる。
A子も親友のC子が大好きで、彼女の美点を沢山知っている。



A子は、自分がB男に恋しているのと同じように、B男もC子に恋をする権利があると考える。
A子は、B男の恋心を捕らえている親友のC子を羨ましく思い、そしてそのようにC子に嫉妬している自分の心に気づいて、自分を浅ましく醜いと思う。
A子は、B男のC子への恋が実ることが、自分が恋をしているB男にとって一番幸福なことだと思い込む。
こうしてA子は、自分の恋心を押し殺して、B男のC子への恋を実らせるために密かに行動を始める。



ところがC子は、ずっと以前から親友のA子がB男に激しく恋していることを知っており、A子のB男への恋を実らせるために、B男に対して無関心を装うどころか、B男ではなく全然関係ないD男に恋している振りまでして、B男の自分への恋心を挫こうとしている。
実はC子も本当はB男を恋しているのだが、親友A子の恋心を犠牲にしてB男の恋心を受け入れようと時折考える自分の心を醜く浅ましく思い、許せないでいる。



一方、B男は・・・
また、D男は・・・
==========

という複数の男女の恋心が錯綜しループして、それぞれの善意と誤解から軋みと混乱と和解とが繰り返され、こうしたカオス的状況の中から次第に着地点が現われてくる、というパターンを、凡そ踏襲しているように見える。

この「凪のあすから」という作品も、これでもかと畳み掛けるような感じで、こうしたパターンが集積して出来上がっているように見える。

さすがにここまでくると、ちょっと食傷気味で、私の個人的評価は低くしてしまいましたが、でも、やっぱり実際視聴してみたら、相変わらず面白いんだよね、これが。

逆に言うと、なぜ岡田磨理さん以外のシナリオライターが、こうしたワンパターンながら安定的に私たちの心を揺さぶるようなシナリオ・脚本を書けないのか?ということの方が疑問なくらいです。

★岡田シナリオとその他の人のシナリオの違いとは何か?

一言でいえば、登場人物たちが、根本的な部分で、自分の恋心の成就を望むか否か、の違いではないか。

上にも書いたとおり、岡田シナリオの登場人物たちは、

①自分は誰かに激しく恋しながらも、
②自分の恋の対象者は、自分と同じくらいの強さで別の誰かを恋する権利を持っており、あるいは、
③自分とは別の誰かも、自分と同じくらい自分の恋の対象者に強く恋する権利を持っている、

ということに何時も気づいて、結局

④自分の恋心を押し殺して、自分の恋の対象者の恋を成就させることが正しい、という結論に達し、
⑤そのために密かな行動に出て、かつその行動を決して誰かに悟られまいとする、

という行動パターンを踏襲する(しかも一方ではなくほぼ全員が)。

要するに、岡田シナリオの登場人物たちは、他の、言ってみれば趣味的な恋愛感情のやり取りをしている作品の登場人物とは全然違って、アニメ作品でありながら、かなりリアルな情熱恋愛的な行動パターンを取っている、ということになり、そこから岡田シナリオの独特の迫力が生まれるのではないかと考えます。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 161
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えました!心の底から感動した作品に

物語は海の人と地上の人がいる世界
ある日、海の中学校が廃校になり、光、まなか、ちさき、要の海村の幼馴染4人が地上の学校へと転校する...
海の人、地上の人。いがみあっていた別世界の人たちが出会いそこから物語が生まれていきます。

制作がP.A.WORKSということで映像が素晴らしい。風景、顔の表情、瞳の中に映る心の揺れに至るまで繊細に描いています。
映像を豊かに彩るサウンドを聴いてください、歌詞がまるで情景からあふれでたようです。音楽が醸し出す幻想的な世界に心惹かれます。

海はこの世界の美しさを強く表現しています。圧倒的な存在感で私の心を掴む。
沖へいくにつれて海の色は透明、水色、青、深い青…神秘的な程美しく、波の動きにあわせて太陽の反射した光がきらきら揺らめく、多彩に変化する光や波の表情を見てください。

出会い、友情や恋愛が生まれ、人の数だけ かけがえのない物語がありました。
{netabare}
自分の想う人は違う人を見つめている…
それに気づいていても諦めきれない
ちょっとした言葉に一喜一憂している自分がいて
気付いているからこそ何気ない自分への優しさが辛かったり
それぞれに想いをよせ、交差する気持ち

例えば好きな人が違う子を想っていたら・・
自分が身をひいて応援できますか?
私は、そんな風に思えないかもしれない
頭では分かっていても、きっと心が追いついてこない
心の中で何度「切ないね」って叫んだことでしょう...


一番感動したドラマティックな場面

踏み切りのシーン

さゆから要への告白

「あんたがいない間も、あんたはここにいた!ちゃんと、この真ん中にいた!」

電車が目の前を通り過ぎ、遮断機がゆっくりと上がる

踏切を挟んで、さゆと要

想いを全てぶつけた、さゆがそこにいた。

そして、あの要が涙をながす...
「そうか、僕は、さゆちゃんの中にいたんだね、本当は淋しかった・・・」

5年ごしの気持ちをストレートな言葉で伝え、それを受けとめた要。
心の底から感動しました。

切ないのも、苦しいのも、楽しいのも、全部大切な気持ち…恋なんですよね
{/netabare}
それぞれが想いを抱く恋する気持ち、葛藤、繊細な表現はどこまでも美しく、最後まで泣いたり笑顔になったり、感情を揺さぶられ続けました。
ストーリー、作画、デザイン、音楽、本当に素晴らしい。
この作品に出会えたことに感謝します。ありがとうございました。

最後に、またいつか皆に会えることを願っています!!

投稿 : 2024/06/29
♥ : 145
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

青い海のお伽話

陸と海、どちらにも人が暮らす世界を舞台に、
少年少女の揺れ動く、心情を描く恋愛模様。
壮大な物語と風景の美しさに圧倒されます。
語り継がれるであろう、美しい世界がここに。

交錯する一途で複雑な思い、
思春期の面倒くささが丁寧に描かれる。
{netabare}誰かを想えば誰かが泣く、
好きにならなければ苦しくはならない。
向き合わない恋のベクトル。{/netabare}

そして恋愛と並行して描かれる、
違う価値観を持った人々の諍いと交流。
{netabare}ここをメインテーマに語る選択肢もあった。
ファンタジー色の強い恋愛が苦手な私には、
こちらの選択肢もありでしたね。{/netabare}
名作の名に恥じない見応えのある作品ですが、
長所も短所も同じ場所にあるのではと感じます。

太陽が輝く地上への憧れ、
伝統と風習に敬意を払いつつも、
それに縛られない生き方をしてほしい。

「人を想うこと」
泣いたり笑ったり出来るのも、
誰かを想い、慕う気持ちあってのもの。

世界にはたくさんの想いが輝いている。
そんなメッセージが込められた青い海のお伽話。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 106

70.5 24 ファンタジーで恋愛なアニメランキング24位
彩雲国物語(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (401)
2294人が棚に入れました
架空の国、彩雲国を舞台に筆頭名門紅家直系長姫ながら貧乏生活を送っているヒロイン紅秀麗があるきっかけで「官吏になりたい」という一度諦めた夢を追い求め叶えようとする物語。

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

縁は異なもの味なもの

1期最終回のタイトルがすべて表していると思えました

主人公、紅 秀麗の苦労と夢、成長していく姿が1期のすべてでしたね
恋愛模様もあるけどスパイス程度で作風にあったものと思ってます
ただ、血の口づけは引きました ^^;

十二国記と違ってファンタジー要素が少ないのと内政だけで彩雲国以外の国はまったく出てきません
原作を知らないので2期でどうなるか、国王 劉輝の関係は進むのか気になります

39話と長めですが一気に見れる作品でした。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 22

……keniee…… さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

心洗われる作品です 是非みなさんに観ていただきたい秀作

まだ あにこれ さんにお世話になってないころ
逆ハーレムという言葉を知り
検索して出てきた作品です

ハーレムという言葉で敬遠しないでください

イケメン男性が主人公のまわりにたくさんいる

という解釈で 敬遠せずに観ていただきたい
ストーリーは まったくハーレム系ではないです(^.^)


架空の国(古代中国)彩雲国で
つきすすんでいく女性(17歳)が成長していく物語です
ほっこりする場面なども もちろんありますし
難しいお話ではありません

一言でいうなれば 心洗われる
自身はそんな印象をもちました

そして
突き進んでいく主人公を
影で支える強き(力の面でも心の面でも)
人たち(性別問わず)

    素敵です

この 一期 では
主人公の女性と
関わる男性の心の動き
なども興味深いところです


主役を囲む男性たちは 
みな不自然なほどイケメンです
何度も申しあげちゃいますが
決して逆ハーレム的な内容ではないです (#^.^#)

ラブコメではなく 純粋な・・・

ご覧いただけたら 後悔はしないと思います


ストーリーは長いです

2期もあります 
1期 39話、2期 39話

1期でいちど完結いたします
1期のみでも問題ありません

きっとのめりこんで 2期も続けて観たくなります (*^_^*)

お時間のない方には大変かもしれませんが
決して 長いストーリーが苦痛にならない
そんな作品です

もっと続いてほしいです

本日2期が観終わってしまい
とても寂しく思っています

大人から子供まで
みなさんに観ていただきたい


年齢問わず観て頂きたい
素敵な素敵な作品です

投稿 : 2024/06/29
♥ : 18

めじな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感想

全39話。恋愛・架空歴史・ファンタジー・逆ハーレムもの。

この作品のキャラなんですが、逆ハーレム設定ということもあり、
主人公の秀麗の周りにはイケメンばかり登場しますw
これがまた優しくて性格の良いキャラばかり。
そして個性派揃いでもあります。

主人公の秀麗もそれなりに可愛いですし、性格も良く誰にでも好かれる感じで好感が持てます。

あらすじ
架空の国、彩雲国を舞台に名門紅家の長姫ながら貧乏生活を送っている
主人公の紅 秀麗を中心に一度諦めた夢をあるきっかけで再び追い求め夢を叶える物語。

前半からキャラ中心の伏線も多くあり、それなりに先が気になる展開が続きます。
主人公の秀麗が次第に自分のやりたいことに目覚めて成長していくのですが、
その前向きな姿勢や行動力に魅力を感じます。

最初は無邪気なだけでしたが、
様々な経験を重ねるにつれて次第に意志と責任感を持つよう
になります。

逆ハーレムものなので沢山のイケメンキャラが出てきますが、
秀麗を暖かく見守りながらときには手助けしたり。

恋愛描写もそれなりに上手く描かれていたので良いのですが、中々じれったいですね。
特に二人の心が移ろいでゆく様を細かく描かれていたのは中々でした。

またギャグとシリアスのバランスが良く、コメディもキャラが生きていて良いですね。

全体的にいえますが、終始ほのぼのとした感じで物語は進んでいきます。
中盤からは新キャラ登場で恋愛模様にも変化が生まれ楽しめる。
後半は少しファンタジー要素がありました。

OP、ED曲とも中々良い曲でした。

ツッコミ所は結構ありましたが、それなりに面白い作品だったと思います。
それにどちらかというと女性向けの作品でしょうか。
2期があるので、また観てみたいと思います。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 17

73.5 25 ファンタジーで恋愛なアニメランキング25位
プリンセスチュチュ(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (197)
1045人が棚に入れました
金冠町という町の金冠学園バレエ科の落ちこぼれ生徒・あひるは、憧れのみゅうと先輩といっしょにパ・ド・ドゥ(男女がペアを組んで踊ること)を踊るのが夢。
人の心を持たず、いつもさみしげなみゅうとの役に立てればと願うあひるに、謎の老人ドロッセルマイヤーが力を授け、あひるはプリンセスチュチュに変身して、みゅうとに失った心のかけらを返してあげることができるようになった。

声優・キャラクター
加藤奈々絵、矢薙直樹、櫻井孝宏、水樹奈々、松本さち、白鳥由里、松本保典、岸田今日子

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

大人も子供も楽しめるファンタジーな物語

バレエ学校に通う少女が魔法少女になってバレエダンスを踊り人々を助ける物語です。一見、子供向けに見えますが蓋を開ければ謎が謎を呼ぶダークストーリーでもあります。実は彼女の正体は・・・本編を観てからのお楽しみです。第一は内容がぶっ飛んでいますが徐々になれてきますので、足切りせずに3話までは見てくださ。徐々にプリンセスチュチュの世界にハマっていくと思います。個人的にまどマギを視聴した方に全力で進めたい作品です。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 63
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

バレエ

おジャ魔女どれみと作画や絵風は似てるのに
内容が大人向け・・いえ、大人でも楽しめる内容でした。

以前からずっと観たかったので、
通勤時間を利用してタブレットで加入してるアニメパスで視聴しました。

よく、宣伝のためか有名アーティストを使用するアニメが多いですが
このアニメはOPで世界観を壊すことなく、むしろ引き立てているので毎回飛ばせませんでした。
フルバのOPを歌った岡崎律子さんの優しい歌声が心に染みます。
間奏で「くるみ割り人形」の曲のフレーズが聞こえるので懐かしい気持ちになりました。
世界観もキャラクターも個性的で大好きです。

<気になったことや色々> ネタバレです
{netabare}あひるのお友達があひるの失敗を見る事が大好きで彼女の成功は好まない所とか
凄いドSで本当に友達なのか・・と思いましたが、仲は良さげでした。
猫先生は女の子たちを喜ばせるために言ってるのか本気で言ってるのかよくわからないです。
他のエピソードで猫先生が好きな子とデートしてお断りする描写から
現実でも「誰でも良い」という人程「理想が高い」と思いました。

そして、エデルさん・・・泣
自分の身体を焚き火にするなんて粋な計らいと優しさを忘れられません。
彼女を見ているとバレエの「コッペリア」を思い出します。
エデルが燃えた後の残り木から生まれたうずらがエデルの記憶を取り戻すシーンが鳥肌でした。

ドロッセルマイヤーがなんとなく不気味で、
一話一話のあらすじのナレーションさんも「昔々、一人の男が・・」(あーもう怖くて口にしたくないw)
と、初めから物騒で私がもしも小さい頃に観たら大泣きレベルです。
ふぁきあが物語を本当にする能力に目覚めた辺りから出てくる斧を持った人たちがめちゃ怖いし、
るぅちゃんの何とも言えない色気と後半のみゅうとの変貌はちょっとお子様には早い気がします(笑)

お気に入りキャラはふぁきあ。
彼、最初はすごーい感じ悪いんですよ。
でも、みゅうとを守りたい気持ちが強くて実は不器用で心優しい一面を見たらすごく、ふぁきあに惹かれました。
あひるに対して最初はよそ者のように思ってたのがいつしか友情に変わりそれが恋心に変わっていく過程が良いです。
あひるが人間に戻った後、服を着ていなくて素っ裸の姿を見て
赤面して目をそらすところに萌えてしまいました(笑)

前半ではあひる×みゅうとのEDでしたが、
後半の最後、あひるが語るはずの「愛」をるぅが語って王子がるぅを選んだ時は驚きました。
てっきりあひると結ばれるかと思っていたら20話からの怒涛の展開に「その線」はいつしか感じなくなってしまい、
独特の世界観とストーリーに酔いしれて後半は一気観しました。{/netabare}

<バレエエピソード>
ほんの少しの経験談なので飛ばして構いません。
{netabare}私は生まれつき右足の骨が多少曲がっていたので(バレエを習い治った)
母が治るようにと親心でバレエを3歳の時に習い始めました。

オープンしたてのバレエ教室は、
宝塚娘役の元トップスターの先生が開いた所で初めは私ともう一人の生徒でしたが、
後に各教室が勢揃いして大ホールで発表会を開けるほどに生徒が増え、
レッスンはとても厳しく、周りについて行けず挫折を味わいました。
作中のあひるの気持ちがなんだか凄くよくわかります。

5歳の時に自分から一度辞めて、バレエで歩き方を覚えたためか
辞めて暫くたったある日、父に手を引かれて歩いてたら突然立ち止まり
「歩き方が・・・わからないの・・」と泣き出したことがあり、結局習いに戻りました。

小学生1年生からはバスを2つ乗り継いで隣町まで一人で習いに行って
夜遅くに帰ってきたのも記憶に懐かしいです。

クラシックの基礎を覚えて周りがトウシューズを履く中
私だけトウシューズを履くことを許されず、何度も先生に怒られ
足先でポーズを直され、神経が、筋肉がプチプチ切れるような音と痛みを忘れられません。

周りの同期や友達が履いているトウシューズが羨ましく思う半面、
外反母趾になり血豆が出来て「爪の色が変になったから、ペディキュア塗ったんだ」
と、見せてくる友達の姿は胸が痛かったです。
彼女のトウシューズはうっすらと血が滲んで染み付いていました。

今、大人になって思いますが、トウシューズを履くということは、
バランス感覚と基礎がしっかり出来てないと捻挫や怪我の元となることと
先生の配慮だった気がします。

それから10歳でバレエを辞めることになりますが、
その後たくさん色んな習い事を経験した結果、今のベリーダンスと出会いました。
(書きたいけど長くなるのでまたいつか・・) {/netabare}

プリンセスチュチュとなったあひるの一人のパ・ド・ドゥの足の震え具合
(あのバランス感覚と痛みはどれくらいだろう)
OPのアヒルの姿、作中のマイム。
アラベスク、グラン・フェッテ。どれも懐かしいです。

プリンセスチュチュを見た後、つい昔みたいに踊りたくなって
自室でピルエット(片足軸で回転する技)してしまいました。
一つ後悔は、柔軟性を保つために辞めた後もストレッチをサボらなければ良かったということだけ。
もう今は体が硬い・・(震え声)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 46
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

埋もれさせとくには勿体ない傑作

いやー、これは面白かったです。
内容自体もそうですが、他作品にはない斬新な試みが凄く面白いですね。

総監督を務めるのは「ARIA」「カレイドスター」などの監督でもある佐藤順一。

一応、魔法少女モノと言える作品で
主人公の少女・あひるはプリンセスチュチュに変身して
バレエを踊ることで相手と対話し、改心させることにより
王子の失われれた心のカケラを取り戻していく、というお話。

キャラデザや主要キャラの性格など、少女向けでメルヘ~ンな世界観だし
バレエシーンのミュージカル風の演出なども合わない人はダメかもしれません。

自分もちょっと抵抗あったんですが、物語の壮大な仕掛けもあって徐々に引き込まれましたね。

{netabare}本作は所謂メタアニメというやつで、作り物の世界であることを否応無しに思い知らされます。
何しろ、物語の作者であるドロッセルマイヤーが頻繁に介入してきますからねw
この構造のせいで、キャラへの感情移入が阻害されるという意見もあるようですが
個人的には割と感情移入しながら観られました。
「ふぁきあ」とか、最初は何だこのいけ好かないホモ野郎とか思ってたけど
印象が全く変わりましたからね。ある意味作中最萌キャラと言っていいw

それに終盤になると、主要キャラ達が物語の世界の住人であることを自覚して
自らの物語の中での立ち位置に対する葛藤が描かれるのが良かった。
「避けられない悲劇からハッピーエンドへ」「私の物語は私が創る!」
本作がメタ構造であることにきちんと意味を持たせている点を高評価。
メタ構造だからこそ、熱く心に響く展開です。{/netabare}

それにしてもBGMが素晴らしい。有名なクラシック曲が使用されているのですが
これがバレエシーンと絶妙にマッチしているだけでなく
物語やキャラのモチーフとしても活用されており
クラシックの音楽的な意味を知っていると、より楽しめるとのこと。

物語の結末含め、この独特な世界観を貫き通したことが何より素晴らしい。
これ程一切の妥協なく、丁寧に作り込まれた作品もそうそうないと思うので
もっと多くの方に観て欲しいですね。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 41
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