ファンタジーで変身なアニメ映画ランキング 10

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーで変身な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番のファンタジーで変身なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.7 1 ファンタジーで変身なアニメランキング1位
千と千尋の神隠し(アニメ映画)

2001年7月20日
★★★★☆ 4.0 (1805)
12244人が棚に入れました
10歳の少女、荻野千尋(おぎの ちひろ)はごく普通の女の子。夏のある日、両親と千尋は引越し先の町に向かう途中で森の中に迷い込み、そこで奇妙なトンネルを見つける。嫌な予感がした千尋は両親に「帰ろう」と縋るが、両親は好奇心からトンネルの中へと足を進めてしまう。仕方なく後を追いかける千尋。

出口の先に広がっていたのは、広大な草原の丘だった。地平線の向こうには冷たい青空が広がり、地面には古い家が埋まっていて瓦屋根が並んでいる。先へ進むと、誰もいないひっそりとした町があり、そこには食欲をそそる匂いが漂っていた。匂いをたどった両親は店を見つけ、断りもなしに勝手にそこに並ぶ見たこともない料理を食べ始めてしまう。それらの料理は神々の食物であったために両親は呪いを掛けられ、豚になってしまう。一人残された千尋はこの世界で出会った謎の少年ハクの助けで、両親を助けようと決心する。

声優・キャラクター
柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、上條恒彦、小野武彦、我修院達也、はやし・こば、神木隆之介、菅原文太、玉井夕海、大泉洋
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

日本だからこそ!

ジブリ作品。

小学5年生の少女、千尋(ちひろ)と、その両親は、神々の住まう土地に迷い込む。
そこで両親のとった行動により神々の怒りを買ってしまう。
千尋は名前を奪われ、両親を人質に「油屋」という旅館で働かされることになる。
そんな千尋の成長物語。


正直言うと、ジブリの中ではあまり好きなアニメではありません。
{netabare}
すべてを奪われてしまった千尋が、自分の力で元の自分を取り戻し、さらに成長する。
それを追うように数々の主要キャラが再び走り出す。
{/netabare}
再出発への意識。
逆境から抜け出す力強さ。

そんなテーマ性は感じるものの、ちょっと物足りないんです。
また、ノスタルジーを感じるには年齢層が合わない気がしました。
少女の冒険記として見るには初期のジブリ作品のほうがはっきりしています。
どのように見ても中途半端な印象を受けちゃったんですよね。

しかし、ここまでは、個人的に合うか合わないかという問題です。


このアニメを見て、強く感じたことがひとつあります。
それは「舞台が日本だからこそ違和感も持たずに見られること」です。

西洋が舞台ならドラゴンやエルフが出てきても違和感がないように、日本では八百万の神々に違和感をいだきません。
数々の奇妙なキャラクターが出てきますが、自然に受け入れられます。

特にきわ立っていたのは、
{netabare}
ハクが名前を取り戻す場面。
千尋は「琥珀川(こはくがわ)」としか言ってないんですよね。
それなのに、ハクは自分の名前である「ニギハヤミコハクヌシ」という名前を取り戻しています。
その間には、おぼれたときのわずかな回想が入るだけです(→パッケージイラスト)。
{/netabare}
たったそれだけで「自然が人格を持っている」と視聴者は判断します。
そして、すんなり受け入れてしまいます。

日本人のアニミズムに対する意識は、こうも自然に根付いているモノなのかと、再認識させられるアニメでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 95

JBさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

見た事ない食べ物だけど・・・めっさ美味しそぅ・・・@q@ジュル

やはりジブリ作品は、世界観が素敵なのが多い。
「知ってる感じはするけど、どこかおかしい」という
ともて摩訶不思議な気分にさせてくれるのが、このアニメ映画。
モデルとなったのは台湾や明治から昭和初期の別府温泉らしいのだけど
同じアジアとは言え、違う国なのにこんなにもマッチするなんて
なんて素晴らしいのでしょう(´∀`*)
登場する八百万の神達も独創的なデザインもあり、とても面白いです。
物語は健気で素直な千尋が両親を助けようと必死で頑張って
元の世界へ帰ろうと奮闘するハートフルストーリーです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

思い出の作品ではないけれど、思い入れのある作品

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 2時間くらい。3回か4回くらいは見ていると思います。

 先日トトロを視聴して、その流れでポニョも見て、で、ポニョのレビューを書こうと思っていたのですが、上手くまとまらなかったのでこちらに逃げてきました。千と千尋は有名な作品ですから、重箱の隅をつつくようなレビューを書くつもりはありません。むしろ書きたいのは重箱について、ですかね。

 千と千尋は少女の冒険譚ですから、魔女宅に近い作品と言えます。魔女宅は、魔女という異質な少女が普通の都会へ行く話。千と千尋は、普通の少女が異質な世界へ行く話。アプローチは逆で、テーマは同じというやつですね。


異世界のモチーフ:{netabare}
 千と千尋では異世界が描かれていますが、ここまで露骨に描かれているジブリ作品は珍しい気がします。

 千尋は「トンネル」を通って異世界に行き、「川」を渡って物語の舞台へと到達します。で、帰りも「トンネル」を通って帰ってくる。その帰り際に、ハクから「振り向いちゃいけないよ」と言われます。

 これと同じ構造の物語があります。ギリシャ神話のオルフェウスの話です。千と千尋とオルフェウスの類似性に関しては、あまり異論のないところだと思われます。
 オルフェウスは、亡くなってしまった妻を取り戻しに冥界へと赴きます。「洞窟」を通って、「三途の川」を渡り、冥王ハーデスの元へたどり着きます。そこでハーデスから妻を連れ帰ることを許されますが、その際に元の世界へ帰るまでは「振り返ってはいけない」と言われます。そしてまた、「洞窟」を通って元の世界を目指します。

 異世界の往路と復路に加え、禁止のルールまでが一緒です。経緯は違いますが、連れ帰るという目的も一緒。日本神話のイザナギの話も同じような流れを持っていますが、「川」の存在を踏まえるとギリシャ神話の方が近そうですね。トンネルを抜け川を越えた先は、冥界に等しいものだったと言えます。

 なお、宮崎駿作品でギリシャ神話の引用がされるのはこれが初めてではありません。漫画版ナウシカの第1巻で、「ナウシカは、ギリシヤの叙事詩オデュッセイアに登場するパイアキアの王女の名前である」と監督自身が述べています。ナウシカもギリシャ神話の出身でした。
{/netabare}

神隠し:{netabare}
 千尋は、冥界、実質的には死の世界に行っていたことになります。千尋は死んじゃったの?という問いについての回答がこのレビューの主題なんですが、それについては後々述べることとして、まずは死の世界と現世の距離感について確認しておきます。

 宗教的には、死生観を含めて、死を考えることが非常に重要な要素になります。そのため、死の世界を現世とは隔離されたものとみるのが一般的です。私たちが死の世界と言うときは、このような隔離された世界の感覚で話していることが多いのではないでしょうか。

 ただ、神話の世界においては、死の世界はもっと近くにあるものです。オルフェウスやイザナギのように、洞窟を通れば冥界や黄泉の国へ行けてしまう。さすがに「ちょっとそこまで」という気分で行けるものではないのでしょうが、隔離された世界ではなく、つながった世界なんです。死の世界なんて言うよりも「あっちの世界」くらいが丁度いい。

 すぐそこにある世界、でもこことは異なる世界。そんな微妙な距離感を持つ「あっちの世界」での冒険を、宮崎駿監督は「神隠し」と表現したんだと思います。
{/netabare}

特別ルール:{netabare}
 こんなに近い「あっちの世界」。「こっちの世界」と一体どこが違うのか。それが特別ルールですね。

 最も重要なのが禁忌(タブー)です。「振り返ってはならない」と言われたオルフェウス、「見てはいけない」と言われたイザナギ、浦島太郎を「あっちの世界」の話とするなら「開けてはならない」になります。千と千尋では、前述の通りに、唐突な「振り向いちゃいけないよ」がありました。理由の不要なルールなんです。

 千と千尋には、他にもたくさんのルールがありました。ハクやリン、カマジイ辺りはいろいろと千尋に教えてくれていました。千尋が両親と帰るためにも、ルールに従う必要がありましたし、こればかりはユバーバでもどうにもなりませんでした。ユバーバは「こんな誓いを立てるんじゃなかった」と言ってましたから、ユバーバが誓いを立てる先、上位の存在がいることも窺えます。
{/netabare}

食事①:{netabare}
 次に重要そうなのは食べ物に関するルールでしょうか。「あっちの世界」の食べ物を食べると「あっちの世界」の住人になってしまいます。ギリシャ神話ならザクロの実ですね。

 千尋が食事をするシーンは全部で3回あります。ハクからもらった赤い何かと、ハクからもらったおにぎりと、リンから分けられた大きな饅頭のようなものです。千尋は「あっちの世界」の住人になってしまったのか、という仔細を述べる前に、引用元のギリシャ神話を確認しておきます。
 
 ギリシャ神話でザクロの実を食べたのはペルセポネという女神様です。彼女は冥界に連れ去られてしまいました。そこで、ハーデスに差し出されたザクロの実の中身12粒のうち、4粒を食べてしまうんですね。そのせいで1年(12ヶ月)のうちの4ヶ月を冥界で過ごさなければならなくなってしまいました。残りの8ヶ月は「こっちの世界」に帰って来れていますけどね。

 ちなみに、これに激怒したのがペルセポネのお母さんであるデメテル。豊穣の女神様なんですけど、ペルセポネのいない4カ月の間は地上に実りをもたらすのを止めました。これが冬の起源。ペルセポネが帰ってくると春が始まるわけですから、ペルセポネは春の女神様です。冥王ハーデスの妻なのに春の女神様。私にはすごく違和感があるのですが、やはり神話においては「あっちの世界」は近いもののようです。
{/netabare}

食事②:{netabare}
 千尋は「あっちの世界」の食べ物を食べて、「あっちの世界」の住人になってしまったのでしょうか。帰って来るのはペルセポネと同様に問題なさそうですけどね。では、千尋が食べた3つの食べ物を確認してみます。

 まずは、ハクからもらった赤い何か。これがいきなりの大問題です。
 この赤い何かが何であるのかは明らかにされていませんが、おそらくザクロの実の中身を暗示したものだと思います。気になる方は作中の赤い何かとザクロの実の中身を比べて、その類似性を確認してみるといいかもしれません。すごく良く似ています。ハクは、千尋が消えかけているときにこれを食べさせています。千尋が消えてしまわないように、つまり、「あっちの世界」に馴染むために食べさせていますから、千尋は「あっちの世界」の食べ物を口にしてしまったのです。

 神話を前提にするなら、ザクロの実の中身を1粒食べた千尋は、毎年1ヶ月は「あっちの世界」ツアーに行かなければならなくなってしまいます。さすがにこれは大問題ですから、何かしらこれを解決する方法が採られていたはずです。
 おそらく、「12粒のうちの1粒」ではなく、「ただの1粒」だったから問題なかったのではないかと思われます。ここが神話と違うところですし、これなら毎年ではなく、1回だけ「あっちの世界」に1ヶ月間滞在すれば問題なし、という結論でも許されそうですね。
 千尋がどのくらいの期間「あっちの世界」に居たかは明らかにされていませんが、作中の月の満ち欠け(※)が一巡してそうなので、少なくとも1ヶ月はいたようです。もちろん「こっちの世界」の時間は別問題。

(※)千と千尋の月の描写
 月は作中で3回出てきます。①オクサレ様が帰る時の満月、②沼の底駅の上限の月、③ハクに乗って帰る時の大きめの上限の月。②から③は満月に向かっています。①のもう少し前から物語が始まるので、満月手前から満月を経由して満月手前までが滞在期間。これで1ヶ月ですね。

 次に、ハクから貰ったおにぎり。
 おにぎりは、事情を知っているハクが「まじないをかけた」ものだと言っています。「あっちの世界」の住人にならないためのまじないでしょうから、おそらく問題ないのでしょう。赤い何かにもまじないがかけられていたと考えたくもなるのですが、その可能性はないでしょうね。千尋が消えてしまいますから。

 最後に、リンから貰った大きな饅頭のようなもの。
 リンは事情をある程度は知っているものの、まじないの類は使えそうにないので際どい感じがあります。ただ、千尋は直前に苦団子を口に含んでいました。苦団子の効果は吐き出させるというものでしたから、実質的には食べていなかったといったところでしょう。こちらも問題はなさそうです。

 お父さんとお母さんの食事が原因でもありますし、千尋の食事のシーンにはかなり気を使っていたのが窺えます。
{/netabare}

死んだ??:{netabare}
 では、千尋は死んでいたのかについて。
 「あっちの世界」が描かれると、条件反射のように「死んだ!」と考えたくなってしまうのですが、もちろん死んでいません。以上で述べてきたように、日本っぽさのあふれる千と千尋の世界は、ギリシャ神話が大きく影響しているのが分かると思います。どちらも神様がたくさんいますから、その関連性の高さに目を付けたのかもしれません。で、千尋の生死もこれらの影響を受けていると見ていいはずです。

 オルフェウスは、生きたまま冥府に辿りつき、生きたまま帰ってきます。千尋も生きたまま行って、生きたまま帰ってきた。これで良いんだと思います。死の世界を描くことと、実際に死ぬことは、やっぱり違うんです。
{/netabare}

エンディング:{netabare}
 千尋が無事に生きていたことが分かったところで、この物語のトンネルを抜けた後について言及しておきます。

 オルフェウスは「振り返ってはいけない」と言われたのに振り返ってしまった。禁忌を犯した彼は、無事に「こっちの世界」に帰って来れたものの、妻を連れて帰ることは出来ませんでした。禁忌を犯すと何かを失ってしまうのです。

 千尋は成長できたのか、というと、残念ながら出来ませんでした。正確に言うのなら、「あっちの世界」では成長できたものの、「こっちの世界」への影響はなかったんです。行きと帰りの両方で描かれるお母さんにすがる様とお母さんの同じセリフは、千尋が成長できなかったことを描いていていました。
 ですが、千尋は無事に禁忌を犯すことなく、帰ってくることが出来ました。つまり、オルフェウスと違って何かを得ることが出来たのです。それが最後に光るゼニーバからもらった髪留め。

 ゼニーバは「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」と言っていました。これはハクの名前を思い出せることを述べたものですが、それだけではなく、この千と千尋の世界全体に係る言葉、テーマを象徴する言葉だったんだと思います。千尋にも思い出せなくとも忘れない何かが残ったのでしょうね。
 子供は忘れてしまうかもしれないけど、思い出作りは大切だよってメッセージですかね。
{/netabare}

おまけ:{netabare}
 おまけその①。ハクに対して「八つ裂き」という言葉がぶつけられます。これもギリシャ神話がらみだと思います。オルフェウスの末路が八つ裂きですから。
 とはいえ、ハクの末路が八つ裂きだとは思いませんけどね。件のセリフは、覚悟を問うたものであるというのが理由の一つ。もう一つの理由は、千と千尋がオルフェウスのifストーリーだからです。千尋が神話を覆したのと同様に、ハクも覆す側だったという方がしっくり来ます。そもそもオルフェウス役は千尋ですしね。

 おまけその②。今度は風俗がらみの話。
 千尋の腹痛が描かれていますよね。これは生理を象徴したものだと思います。千尋は腹痛の後に、オクサレ様のお世話をしています。床掃除をしていた見習いの千尋が、腹痛を契機として一人前になったということです。
 「宮崎駿監督は、性を隠し過ぎる!」なんて指摘もありますよね。まぁ、おっしゃる通りで(笑)
{/netabare}

 神話の引用が多かったし、外観にしか触れなかったため、文章量の割には薄っぺらな内容になってしまいましたね。千と千尋のレビューでは全く違う内容を書こうと思っていたんですが、以前トトロのレビューで書いた「死を描くことと実際に死ぬことは違う」ってことの具体化で使ってしまった、というオチです。ご勘弁を。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

72.7 2 ファンタジーで変身なアニメランキング2位
泣きたい私は猫をかぶる(アニメ映画)

2020年6月5日
★★★★☆ 3.7 (140)
663人が棚に入れました
見つけた、君に会える魔法――自由奔放、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代(ささき・みよ)。クラスメイトから「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれ、学校でも家でもいつも明るく元気いっぱい。ムゲ熱烈に想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)に毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。大好きな日之出のそばにいられる唯一の方法、それは猫になって会いにいくこと。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには日之出に近づける日々。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになっていく。このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――「猫」の世界を通して繰り広げられる、私をみつける青春ファンタジー。

声優・キャラクター
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、小木博明、山寺宏一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やっぱり猫が好き

佐藤順一監督、脚本岡田磨里。
スタジオコロリド制作。

夏の縁日、少女夜行、
新しい家庭環境に折り合いを付け生きる少女。
夜の祭りで迷い込んだ不思議な猫の世界、
{netabare}少女は猫の世界から好きな少年を見つめる。{/netabare}
少年もまた現実に折り合いを付け生きていた。

決して不幸せではない。
かといって幸せでもない。

どこにでもいる少年少女の日常。
{netabare}きっと2人は人から愛されることの、
イメージが持てないでいるのだ。
些細な日常の中で気付かない些細なこと、
愛することより愛されていること、{/netabare}
とても共感の持てる小さな物語である。

表現したい想いがある。
でも表現の仕方がわからない。

私が私でいられる時間は必要で、
ビタミンやミネラルはそこで補給され、
私と私が歩む人生との整合性が保たれる。
子供だってそうやって生きている。

高度に複雑化した関係性の中で、
私を支え導く大切な人々への、
眼差しが優しい素敵な心象風景である。

きっと、永遠は見つかる。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

既視感がある猫物語

絵柄が幼いので、あまり期待せずに観ました。
しかし、巧みな物語構成に徐々に夢中に。
それは各キャラの背景が描かれていたからかな。
人猫関係が有機的に結合し、クライマックスへなだれ込む。
見応えがありました。

恋愛ファンタジーストーリー。
破天荒な女の子ムゲはちょっとクールな日之出が好き。
でも、日之出はムゲのアタックをむげに断る。
だから、ムゲは猫に変身し、日之出に会いに行く。
しかし、ムゲはデブ猫の陰謀にハマり・・・という感じの物語。

私のもっとも好きなのは{netabare}エンドロールの映像です。
暖かい余韻に浸れて清々しい。
日之出のお姉ちゃんが可愛そうとか。
ヨリちゃんの照れ顔が可愛いとか。
本筋と関係ないところが楽しいです。{/netabare}

ムゲの声は志田未来さん。
本業ではないけど、役に合っていたと思います。
並みいる声優陣に引けを取りません。
こっちの世界でも十分やっていけるでしょう。

背景は常滑に似ているなあと思ったら本当に常滑でした。
遠い昔に同級生の実家へ遊びに行った街。
狭い路地を上った先は・・・「猫の森?」
谷山浩子好きの同級生のことを思い出しました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見つけた、君に会える魔法…

サトジュンと岡田麿里さんがタッグを組んだオリジナルアニメ…
と聞けば気になりますよね。

ですが、私にとって結果的にラッキーでしたが、劇場での視聴を楽しみにしていた方には残念だったのではないでしょうか。
コロナウィルスの影響により、前売券の発売延期、公開日の延期…
そして劇場公開せずNETFLIXでの配信に変更されたからです。
私はNETFLIXに入会しているので視聴できましたが、多くの方々が入会している訳では無いと思うので…


私はあなたの力になりたい。好きって言われたい…

笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。
空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」という
あだ名で呼ばれている。
しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ
毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。
めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。

それは、猫の姿になって 大好きな日之出に会いにいくこと。

実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という
不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、
いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。
ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。

猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、
≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる・・・

このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

始まって直ぐ、サトジュンワールドにジブリ感がプラスされた感じがしました。
ネコと摩訶不思議な空間との組み合わせは、まさにARIAそのものです。
それに「千と千尋の神隠し」の世界観が雰囲気を助長してくれている感じ…
もう期待感が右肩上がりです。

気になるあの人は今、何をしているんだろうか…?
誰でも一度は気にしたことのあるシチュエーションだと思います。
勿論、自分では会いに行けないし、仮に会ったとしても教えて貰えないかもしれません。
そもそも、会いに行くための口実がなかったり、嫌われたくないからあと一歩が踏み出せず躊躇してしまう…

青春のど真ん中って感じが羨ましくもありますけれど…

でも、それが「自分とは全く違う何か」でなら、見せて貰えるかもしれない…
見てどうするか…それはきっと実際に見てみなきゃ分からないと思いますが、この作品の根底にはそんな「もしもワールド」が息づいていました。

この作品で秀逸だと思ったのは人との関わり方です。
最初は、ムゲが日之出の力になりたいと思い動き出しますが、人との関係性ってそんな一方的じゃないんですよね。

お互いが支え、支えられている…
何かをしてあげたいという気持ちは交錯する…
そんな心情が巧みに描かれているんです。

そして物語を彩る主題歌 ヨルシカさんの「花に亡霊」も抜群だったと思います。

作画も綺麗、キャラはしっかり動くし背景も繊細且つ緻密で申し分無しでした。
日本のアニメーションの素晴らしさが感じられる作品だったのではないでしょうか。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

67.3 3 ファンタジーで変身なアニメランキング3位
メアリと魔女の花(アニメ映画)

2017年7月1日
★★★★☆ 3.5 (148)
665人が棚に入れました
「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌による新作アニメーション映画。

イギリスの女流作家メアリー・スチュアートによる1971年の児童文学「The Little Broomstick」を原作に、11歳の平凡な少女メアリの奇想天外な冒険を描き出す。

声優・キャラクター
杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶ
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

GHIBLI NO OWARI

【概要】
 2017年夏公開の劇場長編。イギリスの児童文学が原作の魔法ファンタジー。監督は「思い出のマーニー」「借りぐらしのアリエッティ」などジブリ作品でお馴染みの米林宏昌。制作したスタジオポノックはジブリの元スタッフが多く、本作も「ジブリっぽさ」があちこちに感じられるものになっています。

【感想】
 映画評論家の小野寺さんがRealSoundの記事で「絶望的なまでにつまらない」とケチョンケチョンに貶していたので一体どんだけヤバいんだ・・・と身構えてしまいましたが、案外普通に見れてしまいました。

 いや、確かに宮崎駿作品と比べると厳しいものがありますよ!でも深夜アニメにはこの数段しょうもないものがゴマンとあるし、劇場アニメに限定しても少なくとも僕は「ひるね姫」「打ち上げ花火」「未来のミライ」より楽しめたのでこのくらいの点数は付けておきたいかな。キモかわいいキャラが色々と出てきて、視覚的には面白い。こういうキッチュな感じはわりと好みだったりするのです。本作に関しては金曜ロードショーでタダ見させていただいた身分なので、劇場で見た人よりやや評価が甘くなってしまうのかもしれません。

 ただまぁ、世間の評判が芳しくないように、確かに色々と問題点はあるように思います。細かな欠点を書き出すとキリがないので2点だけ言及しておきますね。

{netabare}
■1つ目はメアリちゃん独り言多すぎ!問題。

 メアリちゃんは独り言がすんごく多い。おまけに動物やら、植物やら、鏡やら、天井やら、人以外のものにやたらと話かけるもんだから、いくら幼いとはいえちょっとイタイ子のように見えてしまう。そもそもこの映画、会話シーンが少なくないですか?あっても一方的に話して終わることが多いように感じました。この作品で一番面白いのは終盤、魔力を使い切って地面に落ちたほうきを拾いあげる場面なんじゃないかと思う。

メアリ「ほうき君、ほうき君!ねぇ返事をして!!」

 ここまで笑いを取ろうとして滑っているシーンが多かったように思うけどさすがにこのシーンでは笑った。おいおい、ほうきはここまで一度もしゃべってねーだろwwwwwwwww

 でもこれは笑い話で片づけられることではなく、脚本の問題であり、いくら子供向けのアニメであっても全てを台詞で説明してしまうのは好ましくないように思います。


■2つ目はジブリのパロディ多すぎ!問題。

 元々題材からして否が応でも「魔女の宅急便」を連想してしまうのだけれども、実際に鑑賞すると・・・

 猫を追いかけていく導入部は「耳すま」とかぶるし、魔女大学の校長とドクターは「千と千尋」のキャラと似たような雰囲気があるし、ヘラジカに乗るシーンは「もののけ姫」チック。

 と、どこかで見たような感覚にたびたび見舞われる。極めつけはクライマックス。なぜか「ラピュタ」のような舞台が用意されていて、例の「バルス」のような展開で話を〆るという節操のなさ。

 これらの演出に関しては意図的だという見方もあります。というのは、本作の一夜限りで魔法を捨てるというプロットは、「ジブリの威光」という魔法を利用して映画を作るのはこれが最初で最後だよというスタジオポノックの表明になっているという解釈です。なるほどそれなら理解でき・・・ません。なぜなら、本作からはこれから先、魔法なしで勝負していくために必要な、監督の個性や作家性を感じることができないからです。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 34

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

魔女ふたたび

スタジオポノック制作、米林宏昌監督作品。

英国の児童文学をベースに、
赤毛の少女が巻き込まれる幻想的なお伽話。
森に密かに咲く魔女の花「夜間飛行」を見つけ、
そのことがきっかけで急転直下物語は動き出す。
空を翔ける箒にまたがり、
積乱雲の中にある魔法大学へと。

「ラピュタ」「魔女宅」の流れを組む、
良くも悪くも愛弟子らしいジブリ直系の作品。
本人が言う通り大きな主張も主義もありません。
敢えて言えば科学盲信への風刺でしょうが、
同時に魔法なき世界も肯定しているようです。
魔法=宮崎監督!?考えすぎでしょう。
美しい作画と音楽も印象的でした。

児童文学が教えてくれることはこれでいいのです。
少しだけ「生き方」を教わる。
少しだけ「ものの見かた」が変わる。
あまり多くを求める作品ではないのでしょう。

冒険の末に日常へと帰還する。
とてもお行儀が良い作品ですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

魔女の花とメアリ。運命的な出会いがもたらした、数日間の冒険。

スタジオジブリを退社した米林宏昌監督による、
スタジオポノックの第一作目。

雰囲気は非常にジブリに近いです。
というか、ジブリ作品と言われても全く違和感ないです。笑

スタッフの方の8割は
ジブリに関わったことがある人たちだそうですしね。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
11歳のメアリ・スミスは
赤い館に住む大叔母のところへ引っ越してきた。

何もない館に退屈していたが、
野原で見つけた猫たちに導かれ、「夜間飛行」という名の花に出会う。

さらに導かれた先にはほうきがあり、
メアリはほうきに連れられて、

魔女の国にある魔法世界最大学府「エンドア大学」に
たどり着いた。


ストーリーは無駄がないように思いましたが、
一度見れば十分かな。

魔法の世界の不思議な展開には惹かれましたが、
見どころもまた、そこだけという感じ。

この作品だけの魔法の世界を見せながら、
淡々と展開が進んでいく印象でした。

山場の展開は
やっつけな印象もありましたしw


今回の“魔法”というテーマには、
ジブリの演出がよく合っていた気がします^^

正確にはジブリ作品じゃないんだけど、
ジブリを意識せずにはいられないところがたくさん。笑

作画や演出は楽しめた部分が多かったです♪

ほうきでびゅんびゅん飛ぶところも、
スピード感があってよかった♪


● キャラクター
自分の赤いくせ毛が大嫌い。

何かをしたいと思いながら、
何をしてもうまくいかない。

メアリは、そんな自分から
“変わりたい”と願っている女の子。

全体的にキャラに特別な魅力は感じられませんでしたが、
メアリのキャラは嫌いじゃなかった^^

くるくる動く表情も可愛かったし、
なんだかんだ調子が良いところも憎めない♪

くせっ毛ツインテにも動きがあって、
上手に活かされていました^^


でもキャラに関して特筆したいのは、メアリだけかな。

他のキャラに関しては、
必要ではあるけれど、特別魅力は感じられませんでした^^;

主要人物であるピーターも、
私の中では最後まで脇役感が抜けませんでしたw


● 音楽
【 主題歌「RAIN」/ SEKAI NO OWARI 】

この作品を観る前から好きな曲でした♪

だけど、エピローグからイントロへの流れには、
一体感があまり感じられず…。

いい雰囲気な曲であることは確かだけれど、
この作品とマッチしているとは言えないかな。

だからなのか、アニメの映像で作られているPVを見ても、
あまり作品の興奮は蘇ってこない…。

曲自体はとっても好きなんだけどなー。


● まとめ
メアリ役の杉咲花さん、
ピーター役の神木隆之介さん。

二人の演技に引っかかることもなかったし、
メアリの声はかわいかったと思います^^

ジブリの作風が好きならば、
一度見てみると良い作品だと思います♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

72.5 4 ファンタジーで変身なアニメランキング4位
映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(アニメ映画)

2018年10月27日
★★★★☆ 3.9 (22)
87人が棚に入れました
な・な・なんと! プリキュアオールスターズがちっちゃくなっちゃった!それは【プリキュアの想い出】をねらうミデンのしわざ!想い出をうばわれると、これまでのことをぜ~んぶわすれちゃうみたい! ?しかも残ったプリキュアは『HUGっと! プリキュア』と『ふたりはプリキュア』だけで……大ピンチ! !こうしちゃいられない! みんなで力を合わせて、キラキラ大切な想い出を取り返しにいこう! !

声優・キャラクター
引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、本名陽子、ゆかな、宮野真守、山本美月

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オールスターエンタメと革新的CGと悪人正機説の三位一体。「痛みを知らぬ者に真の祈りは生まれません」。

 私が何故プリキュアおじさんになったか?。結論から申し上げるなら、人生最高のアニメ映画が本作だからなのです。人生最高の作品、となると単に優れた作品というわけじゃなく個人的に重要なサムシングがあるもの。本作が私にとって特別なのは、その予期せぬ出会いの驚きという面が大きいのです。油断していたボンクラな私にキュアエールことハナの愛は深く深く私の心を洗い清め、見事にプリキュアおじさんに入信することとなったのです。


 本作の飛び抜けている点を列挙すると沢山あります。


 75分しかないのに3つくらいクライマックスがある上に、応援演出を単なるお約束じゃない使い方で見せてくれる脚本の妙とか。オールスターのバトルをゴチャゴチャさせずに美しくかつ格好良く表現し、後半のほぼを全編手描きの最高峰にも匹敵しているクオリティーで表現しているCGの驚異的なレベルとか。林さんが担当された音楽が最高すぎる(特にオールスターメドレーの部分)等々。



 そんな中でも私が一番痺れたのは、そのテーマ性でした。エンタメとして面白いだけでは良い歳こいた男を号泣はさせられないもの。この物語は、前半まではキュアエールことハナの成長が主眼ですが、後半は本作の敵キャラである宮野さん演じるミデンの救済が主眼になります。


 敵キャラが単なる悪いやつではなく、現実の苦しみを象徴しているキャラではないと深味は出ない。本作のミデンほどにその痛みが痛切に私に刺さり、同時に現代に普遍性を感じさせられるキャラはそういない!。ミデン。それは誰からも省みられない孤独で、幸福な記憶なんて一つもない存在。だから、他人の幸せな記憶を収集して現実逃避しているが決して満たされない空虚…。


 これはオタクの、いや現代に生きる疎外と孤独に震える人々そのものではないか!、っとその正体がわかった瞬間に目を開かれ、もはや本作は私にとって単なる「お話」ではなくなったのです。これは私に、いや私達に向けられている物語だ!。ミデンの姿がてるてる坊主を思わせるのも、大きく見えるが中身は空っぽというメタファーになっているし、クライマックスの世界と対比になっているのも凄い。


 そして、最初から割りと恵まれていて痛切な痛みを知らないプリキュア達には彼を倒そうとするが、ハナだけは彼の孤独と痛みに共感して救おうとする。


 何故なら彼女は、小学校時代に無茶苦茶いじめられて不登校になった過去がある、中学生デビュープリキュアだからなのだ。言うなれば「おジャ魔女どれみ」の長門さんがプリキュアに変身した姿なのである(長門さんを知らない方はドおジャ魔女の3期と4期をご覧ください)。


 彼女だけがミデンの痛みと孤独に共感できる。何故なら彼女もそれを心から共感できるから。彼女のエールは傷ついた事のない人間の呑気な応援ではない。傷ついても前に進んだ者の真の応援なのだ。「悲観主義は気分の問題、楽観主義は意志の問題」という言葉があるが、彼女は困難な現実を知っていても、それでも信じる、それでも願い続ける。それ故に彼女の勇姿は私の胸を打つものだあったのです。


「なんでもできる、なんでもなれる」


 エールのいつも決め台詞が、ここでは全く違った響きに感じられる。声のトーンもいつもと違い、ここでは単なるお約束の決め台詞ではなく、絞り出すような祈りと願いの言葉になっている。


 プリキュアにおじさんになるということは、単に彼女らの物語を観客として眺めてるだけではない。彼女らの体現している理想や生き様を心に固く懐いて共に生きていくこと、正にプリキュアという神と共にあるように生きていくこと!と本作で私は開眼したのです。



 更に後半はほぼCG、決めカットだけ手描きという表現になるのですが、これが日本CG界では「宝石の国」以外では達成できていない高みに至っているのも凄い!。元々プリキュアは回を重ねる毎に宝石のような綺羅綺羅な色彩を多用するようになっていたし、edでCGダンスシーンをやるのが恒例になっていたから題材として非常に向いていたというのもあるででしょう。


 しかし、本作のCGは柔らかい表情の表現まで驚異的なレベルに至っている。なんでこんな凄い技術があるんだ?と不思議なレベルで、このCG表現の革新だけでも見る価値充分です。あと、「ハイキュー」などで最高の仕事をされている林さんの音楽が至高なのも素晴らしい。


 総合すると、本作はビジュアル◎、音楽◎、脚本◎、テーマ性◎、と私には完璧という域を超えた究極的な一本と言えます。しかも、これだけのことを75分くらしかないプログラムピクチャーの中でやっているという奇跡!。今後優れた作品は出るでしょうが、この完成度に思わぬ出会いをするのをリアルタイムで体験できることはそうないように思える。プリキュアシリーズ全体は今後どうなるかわかりませんが、本作を見ちゃうとまだまだ期待せざるをえません!(幾原監督に一層やらせてくれないかなぁ)。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンになって日は浅いですが

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

完走:Yes!プリキュア5
半分:フレッシュプリキュア!
完走:スイートプリキュア♪
完走:スマイルプリキュア!
8割:ドキドキ!プリキュア
序盤:ハピネスチャージプリキュア!
序盤:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!

他は未視聴





ついに劇場にプリキュアを見に行ってしまいました。
でも「土日に行って、席が子供たちでいっぱいだったら肩身が狭いだろう」と思ってわざわざ平日に行きました。

幸いにも(?)客席は数家族でした。
しかし、誰もミラクルライトを振らない(^▽^;)
これが結構さみしくて、次回プリキュアの映画を見に行くときは、
恥を忍んででも子供たちがたくさんいる日に行こうかなという気持ちになりました(笑)



作品のクオリティですが、素晴らしかったです。セルルックCGが。
物語の後半から多分フルCGになるのですが、なぜ"多分"と書いたかというと、たまに手書きのカットがあったような気がしたのです。でも、それくらいセルルックCGのクオリティが向上していることは間違いありません!
「HUGっと!プリキュア」のエンディングを見ていても度肝を抜かれましたが、近い将来テレビシリーズのプリキュアが全編(あるいは変身後のみ)フルCGになっても違和感ないかもしれません(異論は認めます)。

中盤やけに重苦しい展開だったり、観客に歴代の好きなプリキュアの名前を言わせようとしたりと「完全におっさん向けやんけ(笑)!」な展開は少し複雑な気持ちでしたが、まあ泣きましたよね。

ほんの少しだとしても、全てのプリキュアにセリフがある!
プリキュアたちが、シリーズごとに必殺技を繰り出すシーンのカタルシスは半端なかったです。
今作のテーマは、プリキュア15周年ということもあって『思い出』なのですが、クライマックスにプリキュアたちが思い出について各々述べるシーンは、卒業式の訓示っぽくて涙ちょちょぎれました。

上映時間の関係上、難しかったのでしょうが、ベビープリキュアの可愛さはもっと押し出してもよかった気がします。
何とももったいない。アムールだけ異常におとなしいのは最高でしたが(笑)。

宮野真守さんの演技も安定の素晴らしさでしたし、エンディングのダンスは永久保存ものだったりと、
劇場に足を運んだかいのある作品でした。他の劇場作品も、随時見ていきたいです。




P.S.あとモフルンが最高でした(^_^)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

プリキュア・メモリ

貴方の好きなプリキュアは誰ですか?
2タイトル以上好きなプリキュアがある人におすすめしたい映画でした。
総勢55人のプリキュアすべてにセリフがあり、活躍してくれます。

もっとも、尺の都合上キャラによってはセリフがわずかしかないということもあるのですが、「あなたの好きなプリキュアは?」と問われ、「キュアハニー!!あっでも、トゥインクルも好きだし、ムーンライトも…選べないよお!」と思い巡らす記憶、このキャラはこんな可愛さがある、そしてこのキャラは・・・と考えるうちに、画面で活躍している以上の頭に蓄積された活躍が重なって、シリーズ終了から5年以上経っているのに、しゃべって、活躍していることがとても貴重なことに思えてきて、胸が熱くなりました。

大きなお友達は心の中で絶叫できる、静かな体験型の映画が私の中で構築されました。

ああ、ミラクルライトを振り回して好きなプリキュアの名前を大きな声で叫べたら、さぞかし気持ちが良いだろうな・・・
いっそ20歳くらい若返りたい。

まあ、今までの思い出を奪われるミデンの能力はご遠慮願いたいですけどね。

この映画の為に全キャラ起こしたと言われるちびキャラたち。折角なのでもうちょっと見ていたかったかも。

ドラマパートでは幼児化したルールーちゃんが一番かわいかったです。
幼児化したさあやとほまれ、えみるに翻弄されるはなのドタバタはちょっと面白かったけど、コメディだけでは終わらないのがはぐプリでしたね。
途中で心が折れて泣き出しちゃうはなをなぎさは擁護して「だってまだ中学生なんだよ。」と発言しましたね。でも大人でも泣きたいときはいくらでもありますよ。辛いとき助けてくれる人はいない様に思えるかもしれないけど、役場や病院の先生に相談してみましょう。すぐ解決にはならないかもしれませんが、出来るだけいろんな人に相談を聞いてもらうと、解決の糸口が見つかりやすくなりますよ。
なぎさは初代の重圧から、達観した思考をもってしまったのかもしれないけれど、もっと子供っぽさを持っていてもいいのかなと思います。
なぎさが子供らしさを得られる社会に、これからのプリキュアはなっていってほしいですね。

見せ方において、やや不満が残ったのは、説明過剰でテンポが崩れてしまっていたことです。
本作は、かなり映像の情報量が多かったので、省略してもいけた気がします。その分見せ場に多く時間をとってもらえると私は嬉しかったです。

そんな本作の映像ですが、前半ドラマ多めパートは手書き作画で、後半オールスターズはCGでという住み分けになっています。
お互いの質感を合わせるために、なんと手書き作画の処理をCGに似せるという試みを行っていました。

すごいよ!流石スーパーモデラー出身の宮本さんだ!

そして、大量のキャラを生成し、動かす、先鋭の東映デジタル部の技術力の高さ。いつも驚かされます。
いや、ほんと、日本で一番すごいCGアニメを見たかったら、プリキュアを見ろっていつも思います。

さて、そんな本作ですが、ターゲット層である幼児に受けるかは疑問です。
年齢的に過去のプリキュアはそんなに知らないでしょうし、ママ目線でのプリキュアって需要あるのでしょうか。フィルムカメラとかってちっちゃい子分かります?
敵が怖くないのは一応意識してるのかなと思いますが、ちびキャラで結構楽しめたりするのかな。高校生くらいまではちっちゃい子の気持ちがまだわかってたような気もしますが、いつの間にか忘れちゃうものですね。
大好きだったアニメとか、大切なことを忘れていることがあり、時々情けなくなるのですが、そんな状況の中で、過去を思い出させるきっかけになった本作はとても有り難い存在でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

62.8 5 ファンタジーで変身なアニメランキング5位
ポッピンQ(アニメ映画)

2016年12月23日
★★★★☆ 3.6 (81)
574人が棚に入れました
通過点でしか無いと思っていた卒業式を目前に控え、中学3年製の伊純は前に進めずにいた。
そんな時、海で、美しく輝く"時のカケラ"を拾った伊純は、不思議な世界"時の谷"へと迷い込む。
そこで、同い年の、蒼、小夏、あさひ、"時の谷"に住み、"世界の時間"運営を司るポッピン族と出会う。
"時の谷"と"世界の時間"が今まさに崩壊の危機に瀕していた。
危機を脱するには、伊純たちの持つ"時のカケラ"を集め、心技体を一致させたダンスを踊るしかないという。
迫り来る危機と、ポッピン族の厳しいダンス指導に戸惑う伊純たち。
そんな中、ダンス経験者の沙紀が現れるが…。
"時のカケラ"に導かれた5人はダンスで世界を救えるのか?
そして、無事に卒業できるのか?

声優・キャラクター
瀬戸麻沙美、井澤詩織、種﨑敦美、小澤亜李、黒沢ともよ、田上真里奈、石原夏織、本渡楓、M・A・O、新井里美、石塚運昇、山崎エリイ、田所あずさ、戸田めぐみ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

実は卒業後も時を進め生き長らえていた東映アニメ60周年記念映画

あらすじ

{netabare}卒業を間近に控えた中三少女5人。
各々、葛藤を抱え、前向きに時を進められずにいる。

そんな折、異世界「時の谷」に召喚された5人。
時間がつつがなく流れるよう管理する役割を担っていた「ポッピン族」が暮らす「時の谷」は、
時を進めたくない邪悪な意志に脅かされていた。

彼女たちは「時のカケラ」を集め、「ダンス」を踊ることで、
世界と時間の危機を救おうと、ポッピン族のダンスレッスンを受け始めるが……。{/netabare}


【物語 2.5点】
欲張り過ぎ。

映画一本に中三少女5人の青春の一頁を描くだけでも忙しいのに、
本作はさらに異世界トラベル物でもあり、
変身バトルヒロイン物でもあり、美少女ダンスアニメでもあり……。

到底、収まり切るはずもなく、説明不足、掘り下げ不足が多発。

極め付けは、最後、{netabare}この中三編はプロローグに過ぎない!高校生編こそが本編!
と言わんばかりに予告編風の映像で締めくくったこと。
中学卒業で締めくくれば、まだ割と綺麗にまとまったものを……。
俺たちの戦いはこれからだENDも華麗に決まり困惑が拡大。{/netabare}

ただ、5人の中で主人公格であるヒロインについては、
女の子が異世界の旅を経て、青春の時を前に進める勇気を獲得し、
いつの間にか急成長する。
などジュブナイルとして要点は押さえており、筋は通っている。


【作画 4.0点】
キャラクター原案・黒星紅白氏といえば大抵、
可愛い顔して、嘘つきはスパイの始まりとか、
眠たそうな瞳で、無慈悲に狙撃とか、ギャップを狙った起用が印象的。

その点、本作の世界観とそれに合わせた作画構成は
可愛らしい氏のキャラデザにベストマッチ。
(但し、そこに必ずしも需要があるとは限らない)


本作監督は劇場版『プリキュア』シリーズ等でCGを担当して来た宮原 直樹氏。
本作のダンスシーンには、東映CG作画の成果が体現。

特にヒロインたちの変身前のダンスレッスン衣装は、
露出もない着ぐるみ同然のフワフワ、モフモフであり、
ダブダブズボンがダンシングして揺らめくCG動画はかなりのハイレベル。
(但し、そこに必ずしも需要があるとは限らない)


【キャラ 3.5点】
良質な素材を提供するも、料理は生煮え。

ただ、5人のヒロインは主人公格の陸上短距離走を始め、特技により性格付けがされており、
そのキャラクター性は歴代のプリキュア等と比較しても遜色がなく、可能性は十分。

各ヒロインのエピソードをもっと掘り下げれば、
彼女たちのその後を描けば、『ポッピンQ』は化けるはず。
と願望する鑑賞者も少数ながら獲得。

そのことが後のコンテンツ展開へ繋がっていく。


【声優 4.0点】
豪華。例えばヒロイン役の5人だけ見ても、
瀬戸麻 沙美さん、井澤 詩織さん、種﨑 敦美さん、小澤 亜季さん、黒沢ともよさん。
各々のマスコットポジションのポッピン族の「同位体」役にも、
実力派や若手のホープを起用。

さらに、ラスボス役には{netabare}斎藤千和さん。
時間の法則という世界の理の改変を企むには打って付けの配役。{/netabare}

いきなり感情を振り切る無茶振りも散見された本作だが、
この布陣なら対応した上、見所のあるシーンも演出可能。


【音楽 4.0点】
上記の豪華声優陣が二次元ダンスユニットをやる!
これだけでも注目に値したはずだが、5人のヒロイン役が歌ったのはEDだけ。

ダンスシーンでは他のユニットの歌に合わせて踊るだけ。
どうせならヒロインにも中の人にも歌ってもらって、2.5次元ライブまでやってよ~。
(ここでも需要と供給のミスマッチ要素がw)

楽曲や劇伴自体は良好。EDも{netabare}卒業ソング{/netabare}として優良。


【感想】
もしも、日本で深夜アニメが発展せず、萌えもエログロもなく、
『プリキュア』のような女児向けテイストのアニメが発達して、
ティーン以上の年齢層向けでも主流になったら、
こういう作品が数多く生み出されたのかも?との感想がまず残りました。

そういう点からも、本作は本来、
東映CG作画の『プリキュア』以外での活用模索も含めて、
トレンドからは外れた所で、実験的なことを色々やってみる映画。
理解のある方だけに口コミで語り継がれる類の作品だったのだと思います。


だから、2016年末。『君の名は。』などアニメ作品が映画界を席巻した伝説の年を、
『ポッピンQ』が締めくくる!とばかりに、東映アニメ―ションが60周年記念と銘打って
本作を年末年始興行の目玉に祭り上げ、
ミスマッチな宣伝、大規模上映を繰り広げた挙げ句、大コケした件は、
作品云々以上に、プロデュースの失敗だったのだと思います。

(大体、『ポッピンQ』という作品名の映画が興行収入・ウン億円の大ヒット!とか、
普通は想像すらできませんってw)


年末公開の本作でしたが、作中設定は中学卒業式前とのことで、
私も冬休みシーズンが終わって、卒業ムードも漂い始めた頃に、
骨でも拾いにいってみるか……とか思っていましたが、
近所の映画館では三週間で上映終了したため劇場鑑賞は叶いませんでしたw


そのまま私は本作の存在自体を忘れていたのですが、
昨年暮れ、『ポッピンQ』が続編小説制作のためのクラウドファンディング“project19"
を目標金額の五倍を集めて成功させたというニュースで
『ポッピンQ』未だ健在を知り驚愕し、レンタル鑑賞するに至りました。

次のプロジェクト“project20”では映像作品も含めた計画も検討されているとか……。
内容次第で、私もクラウドファンディング出資してみようかな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

興行的には散々みたいだけど思いのほか悪くなかった

新春!開運!ポッピンの集いに行ってきました
2017年初アニメ映画
2017年初声優イベントになりました

黒星紅白原案のキャラをプリキュアチームが動かすと聞いたら
これは見ないわけにはいかないな
という気ではいたのですが
封切り初日舞台挨拶が金曜日だったため見に行けず
今回のイベント付き上映に行く運びとなりました

しかしなんだかずいぶんと興行が芳しくないようで・・・
でも駄作だとかつまらないという話が聞こえてくるわけではない様子
そもそも誰も見に行ってないから口コミが少なく
見た人の感想も絶賛も酷評もしていない感じですね

ストーリー全体としてはそんなに悪くなかったと思うのですが
全体的に詰め込み過ぎて展開が急すぎたり
いろいろ説明が足りなかったり
まるで見たことのない作品の総集編映画を見に来たかのような
はっきり言うと雑な印象を受けました

いろいろな要素をぎゅっと詰め込んで
ジェットコースターのように勢いだけで押し切るのも
映像制作においては一つの手法ではあるのですが
メインテーマが思春期の心理的葛藤なので
急ぎ足の展開とは素材の相性が悪かったように思います

主人公の伊澄だけはある程度尺を取って描写されてたわけですが
他のメンバーに関しては大した描写もなく
いつの間にか問題が解決していたような印象
TVシリーズか何かでもっと丁寧に時間をかけてやった方が
もっと面白くなったように思います

ED後のアニメーションに関しては
まさに予告編といったような感じで
全編通して一番ワクワクする映像でした
続編があるならぜひ見たいと思わされた反面
そこが一番魅力的っていうのは
一本の映画としてどうなんだ?という気もします

映像面は十分に満足のいくものだったと思います
キノの頃からの黒星紅白ファンとしては
郵便屋さんや秘密結社のアニメより
ずっと黒星紅白の魅力を引き出せていたと思いますし
ダンスシーンもなかなかよくできていました
もともとその方面には定評のあるプリキュアチームですから
そこがダメならどこを見るんだ?って感じではありますが

音楽もなかなか悪くなかったです
先週までSHOWBYROCKとコラボしてて
アプリ内でED以外の3つのヴォーカル曲が叩けました
その時は特に思い入れもなかったのですが
映画を見て楽曲に親しみを覚えたときには
もうコラボが終わってて叩けない悲しみ・・・

声優は若手の有望株を中心に
かなりいいチョイスだったと思います
ポコン役の田上真里奈だけは聞いたことがありませんでしたが
チェンクロのイメージソング歌ってたTrefleの一人だったようです
割と聞きやすい少年役だったので
今後要注目かもしれません

さて、この映画はいったいどこに問題があったのでしょうか?
ファミリー向けをベースにして
そこに大友向けの要素をいろいろぶち込んだ結果
どちらの層に対しても訴求力が足りなくなってしまった印象
そしてどんな層に対して発信しているのか
いまいちわかりにくいタイトルやCM等
マーケティング面での失敗が大きいように思います

ハリウッド映画などでは予告編の試写会のようなものを設けて
何通りかの予告編を作ってどういう層にどういう広告が受けるのか
実際にテストして流す広告を決めるそうです
予告編だけでなく本編も試写会の評価を見て
ラストを作り直すことさえあると聞きます

それに対して日本の試写会はただの先行上映会です
様々なメディアが双方向化し
発信者と受信者の境界があいまいになっている現代社会において
旧態依然としたプロデューサーの直感に頼った広告戦略というのは
もはや限界に達しているということに気が付くのはいつなんでしょうか?
作品自体のクオリティはそこまで低くないのに
興行がまったく振るわないのは
作り手ではなく売り手に責任があるように思います

映画館がガラガラみたいな情報ばかりはいってきますが
決して駄作ではないと思いますので
ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います
ED後が本編なんて言われている程に
可能性を感じる予告編だったので
あれが企画倒れになるのだけは阻止したいところです

おまけ(終演後トークイベントでの監督質疑応答)
{netabare}

Q:ポッピン族は楽器とかを使わないの?
  ダンスシーンでかかってる音楽とかはどうなってるの?

A:楽器はちゃんとあって設定とかもあったんですけど・・・
  襲撃されて移動中だから持ってこれなかったんですよ

(プロデューサーから補足があって、時間と予算の関係で入れられなかったそうですw)

Q:ポッピン族には年齢とかあるのですか?

A:年齢のようなものはありますが
  見た目の変化とかはありません

Q:でも長老とかは・・・

A:あれは衣装です
  そういう服に入ってるだけです

Q:レミィには同位体はいないの?

A:もちろんいます

Q:それは作中に出てきていますか?

A:それはまだお答えできません

Q:ED後映像の金髪少女はだれ?新キャラ?

(濁そうとしたところをキャストから質問攻めにあった結果白状)

A:はい・・・レミィです

Q:ED後映像の舞台は原宿ですよね?ロケハンとかいったんですか?
  行列のできる人気店っぽいものが映ってましたが並んだんですか?

A:はい、原宿です
  原宿らしいおしゃれな感じを出そうとして
  某有名店に行きついてたんですが
  自分は行列を遠巻きに眺めるしかできませんでした
  結局、開店前に女性スタッフに撮影してきてもらいました

こういうのをいろいろ聞けるのがトークイベント付き上映の醍醐味ですw{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26

kenji さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

流行らなかったのが惜しい作品

神作画の神アニメだと思います

卒業前に違う学校の5人それぞれの気持ちが揺らぎます。
そんな5人がダンスを通じて成長していく映画です。

物語は自分が中学3年で、とても主人公との気持ちの面での共通点があったのかもしれませんが、とても感情移入できて号泣しました。ただ、個人的にあの膨大なストーリーを2時間弱で納めてしまうのは、もったいない気がしました。2クールのアニメしてもよいくらいだと思います。

そして、3Dのダンスアニメーションがとても気に入りました。
冒頭の20分弱公式youtubeで見られるので、そちらを見てもらえればわかると思います。
 
とてもお金がかかっているぶん、とても面白い作品でした。
ただ、当方のほうの宣伝不足だったのかなと思います。



(ネタバレ?注意
映画最後のシーンで次回作と思われるシーンがありました。
ストーリー途中で出てくる謎の少年もいまだ不明なままです。
次回作があるのかはわかりませんが、楽しみにしています。
(わからない理由はry

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

61.5 6 ファンタジーで変身なアニメランキング6位
センコロール(アニメ映画)

2009年8月22日
★★★★☆ 3.6 (143)
733人が棚に入れました
奇妙な生物「センコ」を飼う少年・テツと、同じような生物を飼う少年・シュウとの間でモンスター同士の戦いが起こる。テツの秘密を知った同級生の少女・ユキはその戦いに巻き込まれる。

声優・キャラクター
花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

非日常とのコネクト

宇木敦哉監督作品、才能溢れる傑作短編。

平凡な街に突如出現した巨大怪獣。
街中が騒然とし話題になる中、
少女はとある少年の秘密を知ってしまう。

少女A「見た?テレビ、また怪獣だよ」
少女B「見に行こうか、ちょっとだけ」
冒頭そんな会話で始まる日常の中の非日常。
ここに躍動感と神秘が宿り、
短いながらも冴えた演出に魅了されます。

得体の知れない奇妙な生物に愛着が沸き、
{netabare}物語は不思議な印象だけを残し終幕する。
漠然と世界の不思議に思いを馳せる。
何とも心地良い実感でしょうか。{/netabare}

初々しい花澤香菜も見れてお得感あり。

やはり私は日常の外部にある、
言葉では掴み切れないその領域に、
いつまでも魅了されることでしょう。
そこに何かがあると信じているのです。

劇場公開された続編も楽しみです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 36

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ビッグバジェットとも自主制作とも違う、もうひとつのアニメ制作のカタチか否か

色々と思い出深い映画です^q^


当時、今は無き池袋のテアトルダイヤにてコイツを観るためのチケットを買おうとその日に初めて顔合わせをしたそうたんと一緒に早朝6時から入り口に張り込んだのも今は昔(笑)
あんな必死の想いで映画館に行ったのはコイツと『らっきょの5章』ぐらいですよw










事の始まりは『動画革命東京』という個人制作のアニメ作品を専用ウェブチャンネルで公開、その中から商業利用価値のありそうな作品やクリエーターを発掘するという東京都支援のプロジェクトからです


最近では『つり球』のキャラクター原案などでもお馴染みの漫画家、宇木敦哉さんが作画はモチロンのこと、背景や仕上げまで全て一人で手掛けた作品でして、今作の原点となるトレイラーが例のウェブチャンネルで公開されるやいなや、アニメーションの面白さの原点回帰ともいえる【変身(メタモルフォーゼ)】をする怪獣とソレを見つめる少女の表情など、キメ細やかな作画描写が多くの視聴者やオイラの心にワクワク感をもたらしてくれました


その後、アニプレックスが本格的に短編映画として公開する権利を買い取り、実に2年に渡る宇木さんの孤独な制作作業が始まった・・・










で、完成した内容は【ポケモン世代の怪獣映画】とも呼ぶべきモノになったとさw


たぶん怪獣好きなら誰しもが一度は考えるであろう、
「我が街にもし怪獣が現れたらきっと、目の前の高層ビルなんて軽く粉砕して、自動車なんかオモチャのように投げ飛ばすんだぜ。しかも怪獣はオイラの思いのままさ!」
って妄想の具現化ですよw
(この場合、舞台となるのは宇木さんが在住する北海道の札幌)


肝心の作画の方も先述のトレイラー版からは明らかにクオリティダウンしており、正直に言えば肩透かし感を食らいました^^;
(この2年の間に宇木さん自身の絵柄が、線や影の少ないシンプルなモノに変化したことも理由にはある)


ただ本格的な商業作品化に当たってキャストには花澤香菜、下野紘、木村良平といった豪華な面々を起用
(当時のこの三人はまだまだ駆け出しのイメージが離れていませんでしたけどね)


エンドロールの主題歌にはちょうどメジャーデビューしたばかりだったsupercellが担当し、劇中BGMやメインテーマもryoPことryoさんが手掛けるというのも大きな話題となりました










結局のところ【大して面白くないしそんなに作画も良くない!】というのを言い忘れてはいけない作品なんですよw


だけど興行収入やDVDの売り上げなど、商業的には成功を収めたわけですし、ウェブ発のアニメのもうひとつ新たな試みとして歓迎出来る歴史的な作品になったわけです
(こういった試みの裏にはいつも、アニプレックスの南成江Pがいることも忘れたくないですね)


東京在住のryoさんと北海道在住の宇木さんが、特に顔合わせ等することは無い代わりに、「skypeで制作現場から直接打ち合わせをした」というお話も新しい時代の到来を感じさせました










それとなんか色々酷ぇこと言いましたが、オイラは宇木さんの大ファンやからな!w

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

CountZero さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

絶妙なキモかわ具合がセンスいいんです。

宇木敦哉さんの個人制作作品です。

私は宇木さんのイラストが大好きなので(ミクのイラストもかわいいのでサムネイルに使わせていただいてます)それだけで満足なんですけど、それではレヴューにならないので少しおすすめポイントをご紹介します。

まず短編なので、最初から最後まで多くの情報は与えれませんが、いかにも日本人クリエイターらしい感性で、キモかわいい怪獣が出てきます。
その怪獣を使って他の怪獣とバトルというのが、ざっくりとした流れですが、そんな非常識かつ非日常な世界観も、宇木さんによるちょっと緩めなラインの作画で描かれると、なんか自然です。
展開のテンポは小気味よく、それに合わせて分かってくるストーリーの全体像の様子もすごく自然で、若き監督の素晴らしい手腕が見え隠れします。

そして、何と言っても主題歌をボカロコンポーザーとして超有名な、あにこれ的には化物語のED曲で有名なsupercellのryoさんが担当しています。
この最高なコラボはお勧めです。
センコロールのED曲の「LOVE&ROLL」は化物語の「君の知らない物語」のカップリング曲となっていますが、この曲はとてもキャッチーでカッコかわいいです。

ジャパニーズクリエイターのレベルの高さを感じるこの作品は、短編好きにはもちろんですが、センスの良い作品を探している方にもお勧めです。

そう言えば「センコロール2」の予定もあるみたいなんですけど、いつになるのかなあ?
のんびり楽しみにしたいと思います。


【2014.4.1 追記!】

来たよ!来たよ!
センコロール2の公開予告が!
続編を待つ事何年?
宇木監督焦らしすぎ〜。
ようやく今年の夏に公開するようです。
公式サイトで予告PVを観ましたが、新キャラいろいろ出てましたね。
もちろん音楽も引き続きsupercellのryoさん!
サイト観るだけでも相変わらずのセンスの良さがびしびしです。
あ〜もうっっ楽しみすぎです(笑)

まだセンコ1観てないなら、すぐ観ましょ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22

70.8 7 ファンタジーで変身なアニメランキング7位
パンドラとアクビ(アニメ映画)

2019年4月5日
★★★★☆ 3.8 (14)
62人が棚に入れました
【前編】 「荒野の銃撃戦」「ねぇ、本当にこの世界にあるの?」灼熱の太陽が照りつける荒野を進む《パンドラ》と《アクビ》。2人はあちこちに飛び散ってしまった、世界を滅ぼす力を持つといわれる“災いの欠片"を探すため、この世界に降り立った。一方、ギャングがはびこるスリーホークスタウンの保安官《三船 剛》は、日々、街の平和を守り続けている。子供の頃に抱いていたレーサーになる夢を捨てて働く彼だったが、そんな姿が、なじみの店のウェイトレスである《ルイーズ》には少し気がかりなようで…荒野を歩き疲れたパンドラはアクビに“お願い"し、魔法の力でスリーホークスタウンへひとっ飛び!そこで偶然出会った剛とルイーズに“災いの欠片" 探しの手伝いを依頼するのだった。【後編】 「精霊と怪獣の街」世界を滅ぼす力を持つといわれる“災いの欠片"を求め、新たな目的地を目指す《パンドラ》と《アクビ》。太陽が降り注ぐ荒野から一転、今度は吹雪が吹き荒れる極寒の大地をひた進む。だが、《ぜつぼうくん》はカチコチに凍り、アクビは寒さと疲労のあまり眠りに落ちてしまった。必死に彼らを起こそうとするパンドラも次第に睡魔に抗えなくなってきて、ウトウトとその場に倒れこんでしまう。そこに奇妙な影が近づいてきて…「か、怪獣ドラぁ!」ヘンテコな寝言とともに飛び起きたパンドラは、自分が見慣れない部屋にいることに気づく。そこは村一番のハンターである《カンタ》が住む山小屋であった。終わることのない冬に閉ざされてしまった世界を舞台に、再び“災いの欠片" 探しの旅が始まる。

声優・キャラクター
小倉唯、天城サリー、甲斐田裕子、吉野裕行、天田益男、田村睦心、江原正士、津田健次郎

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

3世代で楽しめる冒険ファンタジーロードムービーか?めちゃくちゃ可愛い『Infini-T Force』か?否、その両方だ!

『ハクション大魔王』の誕生から今年でちょうど50年
半世紀に渡って愛されるタツノコ作品を代表するキャラの一人であるアクビちゃんと『モンスターストライク』シリーズのパンドラをクロスオーバーさせた短篇2本立ての劇場版


開けてはならないと言われていた「災いの欠片」が詰まった禁断の箱を開けてしまった少女、パンドラ
災いの欠片集めに手を貸してくれたのは、あくびと共に壷から現れる気ままな魔人のアクビちゃん
災いの欠片が飛び散っていった幾多もの並行世界を旅していく二人
その行く先々で待っているのは数多のタツノコ作品の登場人物たちが混在する世界だった
災いの欠片が引き起こす事件にも巻き込まれながらも、ひたむきな姿勢のパンドラとアクビちゃんの魔法の力で旅は今日も続く…


今作、2019年最大のダークホースです;
プロジェクトが公式発表されたの2019年2月の中頃っすよ!?
こんなん始まるってもっと早く言って欲しかったですよ!
だってめちゃくちゃ面白そうで、結果としてやっぱ面白かった!
一言で言ってしまえば“超オシャレでめちゃくちゃ作画の良い『Infini-T Force』”


まずいきなりShiggy Jr.のポップでキャッチーなテーマソングと共にパステルカラーで彩られたオープニングアニメから始まるのが最高


そして陰影やハイライトを廃した、いわゆる“カゲなし絵”を貴重としたキャラデザも往年のタツノコっぽさを残した世界観構築に一役買っています
さらにそのキャラデザを逆手に取った作画クオリティも高い
何気ない芝居のシークエンスでも遠慮なく動くこと動くことw


ロードムービーらしく衣装が度々変わるのも可愛い


お話自体は小さいお子様も含めて老若男女の誰もが楽しめる心温まる内容
ですが、登場人物ののほどは歴代タツノコ作品のキャラが元ネタで、ヲタクであればあるほど画面の隅っこにいるキャラの存在に笑ってしまうこと間違いなし


さらにアクションシークエンスではアクビちゃんの魔法で『モンスト』モンスターを召喚…ではなく、歴代タツノコヒーローのコスチュームと能力を自分に憑依させて戦う、というアイデアも面白かったw
アクビちゃん万能過ぎでしょ


なによりパンドラちゃんとアクビちゃんの仲の良いこと良いことw
可愛い女の子二人が抱きしめ合っているカットが好きなヲタクは絶対に観た方が良いw
損はさせません!w


正直これほどハイクオリティな作品、さぞベテランのスタッフが手掛けているのかと思いきや正直聞いたことの無い名前ばかり…
著名アニメタの仮名なのか新人さんなのか、とにかく謎に包まれたスタッフ陣なのですがオイラはとにかく彼等を褒め称えたい!


そしてキャスト
パンドラ役はゲームシリーズや『モンストアニメ』から引き続き続いて小倉唯
アクビちゃん役は『22/7』の一員として活動してるアメリカ出身の天城サリーでこれが実質初主演作
新人ということで突出して芝居が上手い訳ではありませんが声は可愛いし、演技の基礎は出来てるし、なによりアクビちゃんのあっけらかんとした感じにはぴったり
いわゆるヘタウマ声優です、つまりオイラが好きなタイプですw
役幅次第では今後大きく伸びるやもしれない期待株ですね
脇を固めるのは吉野裕行、甲斐田裕子、天田益男、田村睦心、江原正士、津田健次郎…っていくらなんでも豪華過ぎでしょw
ツダケンに至っては同日公開された『某テニスのアニメ』よりも“自由な芝居”してて余計に笑いましたw


天下のX FLAG様のおかげでこんなにも“アニメの面白さの原初的体験”の確認が出来る作品が出来上がったことには感謝しかありませんw
こう、しみじみと「絵が動くことの面白さ」というものを再認識させられましたね
出来ることなら是非このクオリティでシリーズ化して欲しいと願っています

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

どこか和む感じ

 限られた劇場における、タツノコプロのイベント劇場上映アニメだったです。

 災いのカケラを求めて旅をするパンドラとアクビの物語だったです。昭和のタツノコ作品のキャラが、織り交ぜて出てくる展開で、悪役が盗賊だったり、悪の精霊だったりするです。よくあるタツノコ展開でしたです。

 パンドラとアクビが、お馴染みの正義のタツノコキャラのコスプレをして似た能力を披露したりするのが、可愛らしかったりもするです。

 目的が終わったとしても、パンドラとアクビは離れることはないという事を描いていた劇場というより、OVA向きに感じたアニメだったです。

 後半に出てきた、怪獣というのが懐かしすぎるキャラだったのが、印象的です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

凸凸コンビが繰り広げるドタバタロードムービー、ここに誕生!

そういえば、モンスターストライクの3期が中々あにこれの棚に登録されていなかったので視聴から少し遠ざかっていましたが、こんな面白い企画が進行していたんですね^^


「モンスターストライク」から誕生した、好奇心旺盛で
ちょっとおっちょこちょいな女の子≪パンドラ≫と、
タツノコプロ制作による今年で放送50周年を迎える
TVアニメーション「ハクション大魔王」に登場する、
いたずら好きな大魔王の娘≪アクビ≫が夢のタッグを結成!

各地に散らばってしまった、世界を滅ぼす力を持つといわれる
"災いの欠片"を回収すべく、次元を飛び越え大活躍!!

この春2人の少女が暖かな希望を届けます。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この物語は、前編の「荒野の銃撃戦」と後編の「精霊と怪獣の街」に分かれています。

前半「荒野の銃撃戦」のStoryがこちら…


「ねぇ、本当にこの世界にあるの?」

灼熱の太陽が照りつける荒野を進む《パンドラ》と《アクビ》。
2人はあちこちに飛び散ってしまった、世界を滅ぼす力を持つといわれる
“災いの欠片”を探すため、この世界に降り立った。

一方、ギャングがはびこるスリーホークスタウンの
保安官《三船 剛》は、日々、街の平和を守り続けている。

子供の頃に抱いていたレーサーになる夢を捨てて働く彼だったが、
そんな姿が、なじみの店のウェイトレスである《ルイーズ》には少し気がかりなようで……
荒野を歩き疲れたパンドラは、アクビに“お願い”し、魔法の力でスリーホークスタウンへひとっ飛び!
そこで偶然出会った剛とルイーズに“災いの欠片”探しの手伝いを依頼するのだった。


そして後編の「精霊と怪獣の街」のStoryがこちら…


「か、怪獣ドラぁ!」

世界を滅ぼす力を持つといわれる“災いの欠片”を求め、 新たな目的地を目指す《パンドラ》と《アクビ》。
太陽が降り注ぐ荒野から一転、今度は吹雪が吹き荒れる極寒の大地をひた進む。

だが、《ぜつぼうくん》はカチコチに凍り、アクビは寒さと疲労のあまり眠りに落ちてしまった。
必死に彼らを起こそうとするパンドラも次第に睡魔に抗えなくなってきて、 ウトウトとその場に倒れこんでしまう。
そこに奇妙な影が近づいてきて・・・

「か、怪獣ドラぁ!」
ヘンテコな寝言とともに飛び起きたパンドラは、自分が見慣れない部屋にいることに気づく。
そこは村一番のハンターである《カンタ》が住む山小屋であった。
終わることのない冬に閉ざされてしまった世界を舞台に、再び“災いの欠片”探しの旅が始まる。


「XFLAG」と「タツノコプロ」がタッグを組んだこの作品…侮ると痛い目を見ることになると思います。

まず主要キャストですが、パンドラ役はモンスト本編から引き続き唯ちゃんが演じています。
そしてアクビちゃんを演じているのが、22/7(ナナニジ)で藤間桜を担当している天城サリーさんなんです。
途中からアクビちゃんが藤間桜にしか見えなくなりましたが、声質がアクビちゃんのイメージにピッタリ…

唯ちゃんとサリーさんのペアで視聴意欲が俄然盛り上がるのですが、この作品はそれだけじゃありません。
タツノコプロ往年の名キャラが、絶妙なタイミングで物語に絡んでくるんです。

そしてアクビちゃんの魔法で二人は変身するのですが、変身したキャラがまた渋い…
「すたこらさっさー」が遠くから聞こえてたような気がしたのは、きっと気のせいでしょうけれど^^;
もう唸ることしかできませんでしたよ。
幼いころ、テレビにかじりついて見ていたあの作品のキャラが…時を経て再び降臨するんです。
思わず年甲斐もなく興奮しちゃいましたよ^^;

視聴者の欲求をしっかり把握し、しっかり還元した夢のある作品だと思います。
きっと作り手の皆さんも、この作品を制作するのは楽しかったのではないでしょうか。

主題歌は「D.A.Y.S.」
エンディングは「B.U.R.N.」
どちらもShiggy Jr.さんが歌っています。

こんなワクワクが止まらない映画を見たのは久々かもしれません。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

66.6 8 ファンタジーで変身なアニメランキング8位
劇場版FAIRY TAIL ‐DRAGON CRY‐(アニメ映画)

2017年5月6日
★★★★☆ 3.6 (41)
230人が棚に入れました
フィオーレ王国の神殿に祀られた魔法の杖・ドラゴンクライ。世界を滅ぼすほどの力を秘めるというこの杖が、王国の反逆者・ザッシュによって奪われ、ステラ王国の国王・アニムスの手に渡ってしまう。ドラゴンクライ奪還の依頼を受けた魔導士ギルド・フェアリーテイルのナツ、ルーシィ、ハッピー、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルルは、ザッシュを追ってステラ王国へと潜入する。そしてドラゴンクライを巡る攻防の中で、彼らはアニムスに仕える魔術師・ソーニャと出会うが…。ドラゴンクライを我が物にしようとするアニムスの狙いとは!? 国を救いたいと願うソーニャの秘密とは!? 様々な思惑が交錯する中、フェアリーテイルは世界の危機に立ち向かう!! そして、壮絶な闘いの中で、ナツの本能が目を覚ます――!?

声優・キャラクター
柿原徹也、平野綾、釘宮理恵、中村悠一、大原さやか、佐藤聡美、堀江由衣

rFXEy91979 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

「1.0」のさらに下の「0.5」を加えてほしい。

まずキャラが見てられない。ドラマもないし魅力もない。ソーニャの秘密、ザッシュのキャラ、アニムスの謎等々…どれも真面目にディレクションをしていたのか怪しくなる。1作目から5年ぶりで、十分時間はあるはずなのに、よくこれだけ良さの欠片もない話が書けるもんだ。はっきり言って客寄せ映画の役割すらも成していない。

あんだけ予告で変貌したナツの姿を見せてたのに、いざ映画に映るシーンはほんのちょっとで、伏線もナシ。昨今ここまで起承転結、破綻しまくり映画見たの、ホントない。それぐらいファン以外はただ苦痛の拷問映画。

観に行った俺も悪いのは認めるけど、これはない。さすがに映画を見に来た客をバカにしてるしか思えない。大した覚悟もないくせに劇場版を作るのは止めてほしい。泣きたくなる。

あと今回の三悪人、一欠けらもセンスないね。作画ぐらいはまだマシか。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「その力は、希望か破壊か-」

「劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」に引き続いての視聴となります。


人間たちに葬られたドラゴンたちの怒りが宿る杖・竜の涙ドラゴンクライ…。
妖精の尻尾フェアリーテイルは、奪われた杖を取り戻し、
世界を守ることが出来るのか――!?

フィオーレ王国の神殿に祀られた魔法の杖・ドラゴンクライ。
世界を滅ぼすほどの力を秘めるというこの杖が、王国の反逆者・ザッシュによって奪われ、
ステラ王国の国王・アニムスの手に渡ってしまう。
ドラゴンクライ奪還の依頼を受けた魔導士ギルド・フェアリーテイルの
ナツ、ルーシィ、 ハッピー、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルルは、
ザッシュを追ってステラ王国へと潜入する。

そしてドラゴンクライを巡る攻防の中で、彼らはアニムスに仕える魔術師・ソーニャと出会うが…。
ドラゴンクライを我が物にしようとするアニムスの狙いとは!?
国を救いたいと願うソーニャの秘密とは!?
様々な思惑が交錯する中、フェアリーテイルは世界の危機に立ち向かう!!

そして、壮絶な闘いの中で、ナツの本能が目を覚ます――!?


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

この作品が公開されたのが2017年5月なので、ちょうどTVアニメ版第2期と第3期の狭間になります。
TVアニメ版では「FAIRY TAIL ZERØ」の放送により、フェアリーテイルの初代マスターであるメイビス(CV:能登麻美子さん)の生い立ちとギルド創設までが描かれたことで、フェアリーテイルの全容が明らかになり、いよいよ最終決戦に向けて始動するという節目のタイミングでの上映になったようです。

第1話の放送が2009年の10月なので、この作品の上映までに費やした時間は7年と半年になります。
実際にTVアニメ版第2期は2016年の3月で終わっているので若干のタイムラグはあるものの、視聴していて感じるのがそれぞれのキャラの安定感です。
何せ上映まで277話もの物語を紡いできたのですから…
ナツ、ルーシー、ハッピー、エルザ、グレイ、ウェンディにシャルル…
この安定感半端無いキャラが縦横無尽に動き回るんです。
これが面白くない訳…ありませんよね。

物語の展開には特徴があって、引き金の引き方は色々ですが、強大な敵に一度は完膚無きまでに叩きのめされ大切なモノを奪われる…
或いはギルドの仲間が傷付いたりするのをきっかけに、一度は敗れた敵に再び果敢に挑み、そして勝利する…
物語の顛末は必ずしもハッピーなことばかりではありません。

「劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」のラストは道の一つしかない選択肢を突き付けられた結果、どれだけルーシーが叫んでもその声は届きませんでしたし…
それでも根底に脈々と息づく絶対的不変は「ギルドは仲間で家族」であること…
この1点に尽きると思います。

またこの頃になると、キャラの相関関係も落ち着くべきところに落ち着いてきた感があります。
特に以下の3組はカップル…にはなっていないものの、周囲を寄せ付けないオーラを感じますし…
・ナツとルーシー
・グレイとジュビア
・ガジルとレヴィ

でも、3組ものペアが生まれるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
ナツには幼馴染のリサーナがいましたし、ジュビアとガジルは敵同士からのスタートでしたから、この関係になるまで相応の時間が必要でした。
普通の1クールアニメでは決して描けない展開だと思いますが、それが出来ちゃうのがこの作品の魅力でもあり、面白いところだと思っています。

思いきり本作品から脱線してしまいました^^;
と言っても、公式HPのSTORYを見れば大体のことは分かるので詳細は割愛しますが、碧ちゃん演じるソーニャがキーパーソンで、序盤と終盤でチラッと登場したリアナのCVはくまちゃんでした。

上映時間85分の作品でした。
こちらは、完全オリジナルストーリーとのことですが、これからの最終決戦に向けてしっかりと本編に帰結したのが「劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」との違いだったと思います。
本作品も十分堪能させて貰いましたが、物語的には「劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」の方が好みだったかもしれません。
泣きどころの展開が多かったからだと思いますけど…
これで、本シリーズの作品で未視聴なのは、原作特装版に封入されているOAD全9作になります。

dアニメで「お探しのアニメがなければリクエスト!!」というのがありますが、原作特装版のアニメも配信して貰えるか試してみようかな…^^;?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

latte さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

なんだかよく分からないままに…

劇場版です。ドラゴンクライという杖が裏切り者の手で盗まれ、他国に渡ってしまったのを取り戻すお話。

話の流れは勢いがあるけど、あれよあれよという間に話が進んでしまって、たぶん本当はもう少し深い設定とかありそう
だけど表面だけみて終わってしまった感がありました。

劇場版のいい所は戦闘がテレビアニメより激しく、かっこいいところですね。戦闘シーンはなかなか好きでした。


んー。個人的には少し物足りないなーと思ってしまいました。2時間で内容まとめなきゃだから難しいのかな??

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

53.3 9 ファンタジーで変身なアニメランキング9位
鬼神伝(アニメ映画)

2011年4月29日
★★★☆☆ 3.0 (61)
228人が棚に入れました
京都に住む中学生の天童純はある日、謎の魔物に追いかけられ、僧侶の源雲に助けられる。そして、そのまま時空を超えて1200年前の平安時代にタイムスリップさせられてしまう。彼はそこで、貴族から“鬼”と呼ばれる者たちの話を聞く。彼らは妖術を使い、人々の生活を脅かしていた。そして純こそが、封印された幻のオロチを目覚めさせ、戦いを終結させることのできる“救いの御子”だというのだった。ところが、鬼族の少女・水葉と出会った純は、彼女が語る衝撃の事実に、果たして貴族の側に正義があるのか分からなくなってしまう。 高田崇史の同名ノベルスを「劇場版 NARUTO-ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ」の川崎博嗣監督で長編アニメ化した伝奇ファンタジー・アクション。ひょんなことから平安時代にタイムスリップした中学生の少年が、そこで繰り広げられる鬼と人との対立に巻き込まれていく中で、歴史の裏に秘められた意外な真実を目の当たりにしていく姿を描く。

声優・キャラクター
小野賢章、石原さとみ、中村獅童、近藤隆、森久保祥太郎、伊藤健太郎、加瀬康之、小森創介、咲野俊介、東條加那子、相ヶ瀬龍史、野島昭生、塚田正昭

横浜ゆう さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

そんなに昔のアニメじゃなかったのね~

初めは80年代くらいの作品化と思いきや・・・
2011年の劇場版だったですね~

作品は平安時代へタイムスリップした主人公。
そこは鬼と人が戦う時代だった。

主人公は鬼と戦うよう僧侶源雲に言われるが
鬼と戦うことに疑問を持ち始める主人公純は葛藤する。

キャラデザや映像等が古臭く感じたので数年前とはつゆ知らずwww
キャラデザは攻機とかNARUTOの人ね~
髪の毛の表現とかそれっぽいでしょ?www

出来は悪くなかったですよ。設定とかも悪くない。
レンタルしてまで見るかと言われれば悩むなぁ~
再放送してたら録画して暇なとき見てもいいんじゃね?的なwww

荒削りだけど不思議に引き込む作品でしたね~

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

そあら さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

なんかすごい

う~ん世界観は僕好みで大好きなんですが残念なところが多々あります。
まず物語は駆け足過ぎていまいちわからないまま淡々と進んでいくところが残念ですね、二倍くらいの時間があれば丁寧に描ける気がします。

次に声優がたぶん俳優さんを何人か起用してると思うのですが気にならないと言ったらウソになってしまいますね(・_・;)
駆け足の物語と声優のことが気になって世界観に浸れないのが痛いところです。


説明不足や掘り下げがないのでなんかわからんがすげーというのが正直な感想です。世界観が好みなだけにおしいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

ひらめ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

アクションが良い

アクションが凄かったですね。
とくに水辺の戦いの水しぶきが迫力ありました。
かっこよかったです。


シナリオはいまひとつといったところですかね。
世界観がよく分からなかったです。


あと主人公がいまいちぱっとしなかった印象です。
「勇気」がひとつのテーマだったと思うけれど、
主人公がホントに勇気をふりしぼったのかは少々微妙なところです。
ただ叫んだだけで解決してしまったので。


総合的には、まずまず。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

65.3 10 ファンタジーで変身なアニメランキング10位
ガラスの花と壊す世界(アニメ映画)

2016年1月9日
★★★★☆ 3.6 (205)
1035人が棚に入れました
原案は、新進気鋭の創作ユニット「Physics Point(フィジクスポイント)」によるシナリオ&イラストレーション作品『D.backup(ディー・ドット・バックアップ) 』。2013年に募集された「アニメ化大賞 powered by ポニーキャニオン」の大賞作品。

声優・キャラクター
花守ゆみり、種田梨沙、佐倉綾音
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

擬人化美少女プログラムもの・・・という新たな萌えジャンルを創出?

今年1月の公開映画で、未だ上映中の劇場もあるのに、早くもバンチャで販売されていたので視聴してみました。
(本作は正味67分。TV放送アニメの3話分の長さしかなくサクっと視聴できました)

◆総評

設定はなかなか凝っていて興味深かったのですが、ストーリーは今ひとつ盛り上がりに欠けてしまった印象。
それでも、あれこれ考察しながら結局3回も見てしまったので、個人的には好きな部類の作品だったのでしょう。

※これから視聴する方への提言

何も考えずに1回目視聴

公式サイトのIntroductionのページの人物相関図とChronology(年代記)を確認する(※必須)。

2回目視聴

wikipediaその他の説明サイトや考察サイトを色々チェックしてみる。

3回目視聴

※これが一番楽しめる視聴方法かも。


◆考察

(1)本作終盤で、{netabare}以下の3世代の女性の姿をしたプログラムたちが、謎空間で会話していることに注意

①スミレ(祖母) ← O/SのViOSは、スミレの少女時代の姿で擬人化
②ダイアナ(母) ← 主要APP(アプリケーション・プログラム)だったmother.exeは、ダイアナの姿で擬人化
③リモーヌ(娘) ← mother.exeのバックアップ・プログラムのリモは、リモーヌの姿で擬人化{/netabare}


(2)終盤の謎会話シーンの考察

{netabare}※ウィルス駆除プログラムの片割れ(デュアル)が、終盤に何度も「スミレ」と呼びかけてるのは、実はスミレに擬人化されたViOSというプログラムに話しかけている、ということ。

※デュアルは、「自分たちアンチウィルス・プログラムは決められたアルゴリズム(論理演算手続き)に従うだけの存在であり、自由意志を持たない」とずっと思っていたが、スミレ(=ViOSの擬人化)から「貴方も自分で決められる」ことを教えられ、mother.exeに書き換えられる以前のオリジナルの姿に戻ることを選択する。

※リモは、mother.exeのバックアップ・プログラムだが、少女時代の姿の祖母スミレ(=ViOSの擬人化)のアドヴァイスを受けて、母ダイアナ(=mother.exeの擬人化)の「デュアルやドロシーがエラーを返したら(=mother.exeの命令に反する行動を起こしたら)、“知恵の箱”という仮想空間を強制フォーマット(初期化)する」という命令が完全に遂行される前に自らが消滅する、という選択をする。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

お話以外は大変素晴らしかったのですがお話が最悪・・・;

ポニーキャニオンのアニメ化大賞を受賞した2人組創作ユニット、Physics Pointの『D.backup』を原案にしたオリジナル映画
2015年冬の時点で企画が発表され、2015年10月の東京国際映画祭の時点で試写会は開かれていたので結構制作に余裕はあった模様
上映時間は67分
既にアメリカでの公開も決まっています


キャラデ原案はカントク、脚本は志茂文彦、そして監督ははましーこと石浜真史
総作監は瀬川真矢、平野絵美、川村敏江(女神)
メインキャストは花守ゆみり、種田梨紗、佐倉綾音のぽにきゃんお抱えの3人


人類の歴史を様々な時代や地域別に記録した人類と地球のバックアップデータを保存する「知識の箱」という装置の中でアンチウィルスプログラムとして存在するデュアルとドロシーという名の二人の少女
彼女達の日々は知識の箱を監視し、保存されたデータを一つ一つ解凍してはウィルススキャンをし、必要であればウィルスに汚染されたデータを圧縮、削除する
そんな彼女たちの前に、ウィルスに襲われ記憶喪失となった少女、リモが現れた・・・


ざっくり言って【プログラム擬人化SF】です
ぽにきゃんやはましーとしては、ターゲットを男性客に絞りたい、という思惑から登場人物は美少女オンリーになったそうです
キャラソンに合わせて料理や洗濯をしたり、お菓子を食べたりするシークエンスは日常系深夜アニメのような描写でした


プログラムの世界の、擬人化されたプログラムの話、なので会話の中では「トロイ」「デッドロック」「ヒューリスティックエンジン」等のIT用語が平然と飛び交います
さらに今作のキーワードとなる「Violet Operating System(ViOS)」「mother.exe」といったオリジナルの専門用語が唐突に出てきたりもします


また、‟バックアップデータを解凍して復元された仮想の世界”と‟その上層にあるデュアル達の日常がある世界”が場面転換と共に突然切り替わったりもします
(こーゆーのは映画『インセプション』かTVアニメ『アルペジオ』の最終回が個人的には思い浮かびますね)
このような構成には頭が着いていかないよ!って方にはまずオススメできません


で、ぶっちゃけ露骨に肌色多めのあざといキャラ描写だろーと、IT用語のキャッチボールで素人置き去りだろーと、その辺一切を目ぇ瞑ってもこの作品、オイラとしては全然評価出来ないんですわ;


リモが終盤に言う「綺麗なもの」が結局なんだったのか提示されてないんですよね
「ガラスの花」という外観と「意思決定しない人間」というワードでしか提示されてない
具体的にどんな人間がガラスの花たるのか、それを明示した方が良かったでしょう


それにデュアルやドロシーはウィルス扱いされた人間こそが=綺麗なものだとリモを否定しにいかならなければならないはず
スミレやドロシーの家族こそが=綺麗なものだと反論すべきだったがそれをしなかった
(二人の最後のセリフが視聴者に回答を委ねるという暗喩にはなっていましたが)デュアルとドロシーは、本来見つけ出すべき回答に辿り着けてはいないので、テーマに対して未完結であると取れます


それにダイアナが「mother.exe」を作った理由が「娘のような存在を増やさぬため」とか言っちゃてるけど、娘に何があったのかは示唆されてない
まあ娘には不幸があったんだという暗喩がこのセリフ一つに込められてるんだろうけど、ダイアナ博士を擁護する描写が何も無いから結局「mother.exe」を作ったダイアナこそがトンデモサイコ博士だったという結論になってしまう
「mother.exe」が勝手に暴走しただけで人類滅亡はダイアナの予想の範囲外だった、とか一言付け足せばダイアナは救われるのにね


そんなこんなであのバットエンド?です
こんなに救われないアニメは中々無いw
なんでもセリフで説明すればいいってものではありませんが、流石にあの観終えた後の胸糞悪さは何なんだホント;


そう、お話がダメダメなだけでその他の点、特に画作りは申し分ないんですよ
髪や瞳にハイライト入れまくってカントクさんのキャラデを再現しようとするスタッフの努力は凄い
女神こと川村敏江さん降臨しまくってる
キノコ雲を伴った爆発のエフェクトやべぇ
バックアップデータを3人でチェックしていく世界旅行のようなシークエンスでは唐山大地震やハリケーンカトリーナの被災地を出したり、アルプスやエアーズロックなどの大自然を背景画、音楽などと共に世界の残酷さや美しさとして魅せてくれる
この辺りは素直に魅入った


でも事前の期待も大きかっただけに、これはちょっといただけないってのがオイラの率直な感想です
本来ならば「短いなりによくまとめた」という言葉を掛けたいのですが【なんせまとまってない】
泣いてください!というラストなんだけど泣けるとこまで持ってけてない
男に媚びたキャラ作りやキャラ描写が余計にシリアスなシークエンスへの感情移入をさせづらくしてる
脇がいちいち露出するポージングとレイアウトを選んでるのはあまりに露骨過ぎて正直退く
ドロシー(あやねる)がウザイ・・・のはまあ逆に魅力か(笑)
原作の「d.backup」はいくらでもアレンジ出来そうな感じなのでもう一度作り直してみてはどうだろうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美少女ウイルス駆除ソフトが駆け抜ける美しき世界

2016年公開の劇場版アニメ 67分

原案 Physics Point 監督 石浜真史 脚本 志茂文彦 音楽 横山克
制作 A-1 Pictures

仮想空間内でコンピューターウイルスと戦うソフトを擬人化した物語。

一般人が感動したアニメベストなんとかで見つけて視聴してみました。

人類滅亡後であるとか、知識の箱として人類文化をコンピューター内に保存しているとか、
恐ろしくありがちな設定で去年公開としてはSF性よりレトロ感覚が強いです。
科学的発想としては80年代レベルですが。

そのコンピューターソフトに人格が与えられ、ウイルスと戦うのですが、
はっきり言って「美少女アニメ」にしか見えませんでした。

リモ CV花守ゆみり 魔法少女育成計画のねむりん 鷲尾須美は勇者であるの三ノ輪銀
デュアル CV種田梨沙 新世界よりの渡辺早季 四月は君の噓の宮園かをり
ドロシー CV佐倉綾音 サイコパスの霜月美佳 ごちうさのココア

なかなかマニア受けする声優陣で好みなんですが、単なる美少女役に徹してるだけのような気もします。

仮想現実はいくつかの層に分かれていて、サイバーバンク系や不思議の国のアリス系、
またはゼーガペイン系などありますが、物語に対しては効果的ではないような気がします。
ひねりがないところが一般人向けなのでしょうか?

ともかく、美少女アニメとしては一級品で作画も素晴らしい。
なんとなく流すにはこれ以上ない可愛い雰囲気アニメでした。

泣ける? えっ!
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24
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