ファンタジーで図書館なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーで図書館な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月24日の時点で一番のファンタジーで図書館なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.3 1 ファンタジーで図書館なアニメランキング1位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (639)
4223人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

地震・雷・火事・親父の感動作品☆

■評価
テーマ性    :★★★★ 4.0
父性愛度    :★★★★☆ 4.5
脚本&構成巧み度:★★★☆ 3.5
感動度     :★★★★  4.0
おススメ度 :★★★★ 4.0

■ストーリー
親を失った孤独な少年・九太(蓮)は親戚にもなじめず家出する。
しかし帰る場所もない九太は渋谷で異世界のバケモノの熊鉄という
親父に出会う事となる。九太は熊鉄の弟子となり格闘術を学ぶ事になるが
熊鉄はとんでもないランボー&不精なクソ親父だった。
はてさて九太と熊鉄はどうなってしまうのか?

■感想
本作は最近では滅多にお目にかかれなくなったちゃぶ台返しの雷親父と
生意気なクソガキとの父子の絆を描いた作品であり、個人的には一見凡庸に
みえるけれど色々なメッセージを詰め込んだ感動作品でした。

テーマとして『父と子の絆』と『子供の心の闇』になる。
本作で好きな点が、『父親として子供に何を伝えれば良いのか?』
『子供として親をどの様に理解していけば良いのか?』という父と子の
それぞれの視点で描かれる葛藤と、実は父子が互いに互いを恐れている事が
描かれているのはすごく面白い。私の十代の頃の気持ちを言い当てていた。
そして父子関係で描いて欲しかった『笑い』があるのは良い。
男の親(父)だから伝わるちょっとした下品さや馬鹿さ加減を交えた
笑いが、『母性』とはちょっと違う『父性』を感じ取れる。
劇場にいた子供達がケタケタ笑っていたのでやり過ぎではないだろう。

本作で描かれる父子はお互いに欠点があり、お互いに不満があり、
お互いに卑下しあい喧嘩も耐えない。けれど日々の生活の中で
『互いに必要な存在』と認めるまでの成長過程は実際の父子関係でも
ありえる事で、ここに共感できるかできないかで本作の面白さは
左右されると思う。特に父親視点を描いた事で子供むけだけではなく、
大人向け作品としても成立させているのは細田監督の手腕による
ものだろうと予測しています。

悪い点も書いておくと、色々と伝えたい事を詰め込みすぎだと思う。
特にもう一つのテーマである『子供の心の闇』は語りつくされておらず
今一飲み込みずらい部分であった。これを中だるみと捕らえる方も
いるだろうし、お子さんがこれを理解できるか少し疑問です。

だからここで描かれる心の闇について少しだけ私なりの補足を追記します。
(以下、ネタバレではないですが偏見を持ちたくない人は避けて下さい)
{netabare}
本作で描かれる『子供の心の闇』とは『親への不信感』や『世間からの
疎外感』だと思う。子供は子供ながらに理想の家庭像や父親像や母親像
なんてものを持っている。けれど現実はその理想とは反し、親も人であり
未熟な部分もあるから子供の想い通りにはいかない。
だから『世間』と自分を比較した時に他人の親が自分の理想像にみえるし、
それを世間からの疎外と感じて嫉妬したり妬んだりする。これが本作で
描かれる『子供の心の闇』だと思う。

だけどこの心の闇に対して本作は結構良いメッセージを伝えてくれている。
これは作中で直接語られたものではなく、私の言葉で表現させてもらうと
世の中には色々と腐った親達がいる。だから口に出して"直接"親に対して
怒りや憎しみをぶつけても良いし、バカにだってしてもよい。
だけどその気持ちを親以外にぶつけるのは辞めた方が良い。
なぜならその親への気持ちは自分の子供に伝染するからだ。
良くも悪くも親から子、子から親に人の意思は以心伝心するのだろう
…という様な事が感じ取れたのは儲けもんだった。
{/netabare}

総じて色々と細田監督が伝えたい父親像というのに共感できる作品でした。
どちらかといえば大人よりな作品と感じますが、夏休み開始の狼煙として
ちょうど良い作品です。

ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

drts さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

素直に見れば楽しめる

相変わらずの細田守作品といった感じで、今作も今までと違わずストレートな作品で、私自身はいい意味で気楽に見れて面白かったです。子どもから大人まで楽しめる作品になっていると思います。

しかし、今までの作品もそうでしたが、細田守監督の作品は世界観や細かな設定、物語に緻密さを求めると途端に張りぼてと化します。ですので、そういった点が気になる方は少し評価がマイナスになるのかもしれません。

声優の評価として、声を当てられている方々は本職では無い方がほとんどですが、それでも役所広司さんや大泉洋さんなどの演技は上手いなと思えるものでした。本職の声優さんと比べたらそれは劣るものはあると思いますが、作品そっちのけで声が気になるような下手な方はいませんでした。

作画などもCGを上手く使い良く出来ていたと思います。戦闘シーンの動きは素晴らしいものでした。

今作は親子愛をテーマにしているのかなと私自身感じたので、お子さんを持つ方などは家族一緒に楽しめる、そういった作品になっていると思います。

私的には細田守監督の作品は、「どこどこがこうなってて面白いよね」とか考えるものではなく、「あー面白かった」で済まして素直に見れば楽しめると思っているので、今作もそんな風に見ることが出来ました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

心の中・・・

人とバケモノの世界が交錯する渋谷渋天街。
みなしご九太とあらくれ熊徹の躍動感あふれる物語です。

九太と熊徹の師弟とは思えぬ言い争いが楽しい。
こんな師弟いないだろうと思いつつ・・・
心のままの本音トークが好きなんです、私。
こんな関係、お互い成長せざるを得ませんね。

心の闇とは何かが基本テーマ。
人は誰しも闇を抱えているもの。
その闇を深くするのも人だし、癒すのも人。
また、心の闇に何を宿すかで全く異なった結果となる。
そして、闇によって成長するのも人なんだ。
心の中に灯を・・・そんなことを感じた作品でした。

細田作品ということでなめてました。
申し訳ありません。
まず、絵の美しさと生き生きした動きに感心。
声優さんの素人感も気になりません。
それに何よりも伝えたいことが真っすぐ感じられました。
まさか、こんなに感動するなんて・・・
次回作に期待です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 29

68.2 2 ファンタジーで図書館なアニメランキング2位
魔法使いの嫁 星待つひと 中篇(アニメ映画)

2017年2月4日
★★★★☆ 3.5 (115)
548人が棚に入れました
倫敦(ロンドン)から届いた思わぬ贈り物によって、チセは奥底に沈めた記憶を思い出す――。幼き頃、ひとに見えざるものとひとの無理解に怯えた日々を。それらから逃げた先に存在していた不思議な図書館と、管理者たる森の魔法使いを。『君が気にいる本が、何かあればいいんだけど』何も訊かず、そう言って優しく受け容れてくれた彼や書物との交わりの中、チセはある時、カウンターに於かれた1冊の本に目を留める。それは、森の魔法使いにとって特別なものであり、そしてチセにとっても 特別なものとなる本であった……。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、櫻井孝宏

デュフフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ようこそ 森の図書館へ!

幼いころの森の魔法使いとのお話

辛い現実世界と、
逃げ込んだ先のメルヘンファンタジーの世界の対比の様相になっているように感じるが
そのファンタジー世界のちょっと怖い話で、後篇へつながる
続きがいやすごい気になる

前編がイメージビデオ的表現で美しい世界観を見せていたのに対して
中編は本筋ストーリーが中心となっています。
またここも対比になっているのでしょうか

ストーリーが原作本編のような例の如く児童文学的残酷シチュエーションだったりでひきつけられますね

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

これ見たら後編も見ずにいられないなぁ

 初日早朝一番上映で、見てきたです。約半年後の上映だけれど、一年も待ったような感じがした中編上映、楽しみだったです。前回のような後半に製作者、声優さん登場の特番みたいな上映が無かったです。本編は上映の後半30くらいだったけど丸ごとアニメ上映だったので、良かったです。

 初めは{netabare}「まほうつかいのよめ」というチセ、特にルツが、主役みたいな2頭身キャラショートアニメがあって、楽しかったです。いじられるルツ、高級はちみつだったかに酔ったチセが可愛かったです。

 で、本編上映かなぁと思ったです。明からさまに前編の最初そのものだったので、間違えているのかと思ったけど簡単なダイジェストだったので、ホッとしたです。

 前回登場、森の図書館の森の魔法使いは、三浦理一というお兄さん。誠実で優しい感じのする青年だったです。この出会いが、チセにこの頃の居場所を作ったです。
 それでもチセが、この頃の家族と分かり合えない状況は、やるせないものがあったです。表面的なチセしか見なく理解できいでいた養父母が、分れてしまうことがチセのせいにされるのだから・・・・です。他の人には見えない物を見えてしまい脅えるチセをわかったくれたのは、三浦さんだけだったし・・・。

 森の図書館に通ううち、前編から登場している本に出合うことになるです。三浦さんも自分のことにどこか苦しんでいるみたいだったです。三浦さん、秘密を持っているみたいです。
 知られたくないようなことに触れられたのか?なぜか三浦さんは、チセを図書館に入れない細工を施すけど、その次の日、チセは裏口?から入れたです。でも、戸をあけっぱなしにしたことでとんでもないことに・・・・・!。

 前編最後にも登場したネズミの合体したバケモノ、丈太郎だったら「オラオラ」で一瞬で倒せたのになぁです。
 チセを庇った三浦さんどうなちったのかなぁ?とあることを託して、息絶えたの???です。{/netabare}

 話として全体が見えた事は、前編から登場している本にまつわるチセの過去のお話のようだったです。森の図書館や、公園、団地といった背景、前編に引き続き、キャラデザなど洗練されてて非常に良かったです。また、短いながらも後編も見なくてはと思うような、目の離せない展開と終わり方と謎めいた次回予告だったです。{netabare}8月19日公開予定の{/netabare}後編も絶対見るぞ!です。 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ようこそ羽鳥さん、森の図書館へ…

居場所を失ったチセが逃げ込んだのは、森にある不思議な図書館。
管理人の青年・三浦と交流を深める中、チセはカウンターに置かれた本に
目を留める。

NETFLIXのエピソードを引用させて頂きました。
人ならざるモノに追いかけられたチセが辿り着いたのは森の中にある図書館でした。

図書館はチセに出来た唯一の居場所と言っても過言ではありません。
親戚中をたらい回しにされる度、居場所を失ってきたチセ…
このチセの境遇を見ていると、夏目友人帳の夏目貴志のことが頭をよぎります。

幼いころの夏目も散々でしたが、藤原さんとの暮らしが彼の居場所であると共に、救いにもなりました。
ですが、チセにはそんな居場所なんて一つも無いんです。

2つの約束事を守れば何度でも好きな時に訪れて良い居心地の良い場所…
自分を罵倒する声が無く、心が落ち着ける場所…
たったそれだけでもチセにとってはこの上ないプレゼントだったに違いありません。

森の中にある図書館…
これだけなら不思議は無いんですが、気になるシーンがちょいちょい入ってくるのは少し気になりました。
三浦さんの言動も時折不可思議でしたし…

でも、物語の終盤…
2つの約束事のうち、少なくても1つの理由が明らかになります。
ほんの一瞬の出来事でした…
あまりにも衝撃的な出来事にビックリすることしかできませんでした。

でも誰も責めることはできないと思います。
直接的にはチセの行動がきっかけになったかもしれませんが、もしチセにちゃんと理由を話しておけば…それより正面の扉が閉ざされていなかったら、これまでの何ら変わらない時間が過ごせたのではないでしょうか。

森の図書館…物語が進むについて、解明されるどころか謎が深まるばかりです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

OVAの主題歌は、Julia Shortreedさんの「CLOCKWORK QUICK AND LIGHTNING SLOW」

1話24分の物語でした。
謎は深まりましたが、次の後篇で綺麗に物語が纏まるのを期待しています。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

68.4 3 ファンタジーで図書館なアニメランキング3位
魔法使いの嫁 星待つひと 後篇 (アニメ映画)

2017年8月19日
★★★★☆ 3.6 (102)
510人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

TVアニメ期待大な気がするです。

 約半年、待ちに待った「まほ嫁 星待つ後篇」初日早朝、見てきたです。

 自分としては、中編からどうなるのかなぁ?と後編を見てみたですが、三浦さんの願いなどが、あっさり叶ったように見えてしまい、あっけない気がしたです。

 この後編では、三浦さんと森の図書館は何なのか?、叶えられなかった三浦さんの願いの内容、託した後の三浦さんの運命、時を越えて叶えられた三浦さんの願い、託された願いを達成したときのチセの心境とその後、三浦さんから貰った「ひとりぼっちのほしのこ」は、あの時どうなったか?を描いていたです。で、前編からのエリアスの部屋に戻るってとこだったです。

 あっさりとという場面は、三浦さんの願いの目的地が、森の図書館の近くにあったにせよ、三浦の記憶を見ただけで場所をチセが正確に特定できた点が、こんなに早くという感じがしたです。場所を教えられたわけでもなく、手がかりは三浦さんの記憶だけで、すぐにという感じで森の図書館から行けたところは、何でかなぁ?と思ったです。

 短いながらも、作画など良いところもあったアニメで、星空に囲まれた部屋で、三浦さんの「ひとりぼっちのほしのこ」をチセに読む場面が、印象に残ったです。

 場面は最初に戻りエリアスから、三浦さんと森の図書館の正体、森の図書館から持ち帰ったものにもたらされる希望を聞いたときのチセの笑みも良かったです。どこか悲しいような辛いような思い出だったかもしれないけど、この今のチセは、幸せなんだなぁです。


 このレビュから一か月半後、放送予定の第一話も先行上映され、チセがなぜエリアスの所に住んでいるのか?なぜ、このタイトルなのか?もわかる内容だったです。
{netabare} エリアスに会う前のチセは、ワンピースに例えるとシャボンディ諸島で、奴隷オークションのエイミィやレイリィを思い起こしたけど、相手が天竜人でなく{/netabare}エリアスで、チセにとっては良かったなぁです。 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして物語は、始まる。

三浦から受け取った一冊の本。
それは彼に遺された悔恨の記憶であり、寄す処でもあった。 本を託されたチセは三浦の想いを伝えるために奔走する。

『その夜僕には、果たさなければならない約束があった』

彼が果たせなかった約束、森の図書室の秘密が今明かされる……。

たとえ雲厚く見えずとも。
星はいつか、待ち侘びるひとの元へ。

語られなかった前日譚、三部作がここに完結——。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
なんて濃厚な24分だったんだろう、これに尽きます。

物語は綺麗に纏まっていました。
この物語に必要なエキスも全て注入されていたと思います。

何故、森の奥に図書館ができたのか…
そしてその図書館の正体は一体何だったのか…
そして二つの約束の真実とは…
三浦さんから手渡された本が一体何だったのか…

これらの謎が一気に明るみに出るのですから濃厚感が半端無いのは想像するに易しいと思います。

でもそれだけじゃありませんでした。
人ならざるモノが見えるチセだからこそ辿り着いた場所であり、チセが図書館を使用するのは運命だったんだと思います。

実際にチセが借りたのは本でした。
しかも1さつずつ…
でも言い伝えでは別なモノにも置き換えることができるとエリアスが言っていました。
その別なモノというのが心底あったかいんです。
この作品ならではの優しさなのだと思います。

3部作を完走して思うこと…
元々はコミック同梱作品ですが、期間限定で劇場公開もされたんだそうです。
愛おしくて切ない珠玉の物語…
何故この作品に触れられる機会を狭めるんだろう…と率直な疑問を感じます。
確かにプレミア感は出るのかもしれません。
ですが、もっと沢山の人が視聴して、共感できる作品だと思いますのに…
そういう意味では勿体ないと思いますし、NETFLIXで視聴できたのは素直に嬉しいと思います。

コロナウイルスの影響でNETFLIXの加入数が伸びていると聞いています。
この作品に触れる人が増えてくれるのを期待しています。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

星が放つ光は全て過去からのものである。

だからこそ、目を凝らして見るならば、現在の自分を照らす光の在り処に気付くことができる。

自分の本を見つけること、それは自身の過去、すなわち星の光と向き合うということだ。
それが哀しみや苦しみ、あるいは憎しみを映すものであったとしても、それらを感じた自分自身との対話を通じて、残りの人生に向き合う力を与えてくれるのである。

チセは旅立つのである。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

64.7 4 ファンタジーで図書館なアニメランキング4位
魔法使いの嫁 星待つひと 前篇(アニメ映画)

2016年8月13日
★★★★☆ 3.6 (135)
573人が棚に入れました
羽鳥チセ15歳。身寄りも、希望も、生きる術も、何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは、悠久の時と寄添うヒト為らざる魔法使いだった――。彼に『弟子』として、そして『花嫁』として招き入れられた時、少女の中で停まっていた針がゆっくりと動き始めてゆく……。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾
ネタバレ

デュフフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ベーコンon the パンケーキおいしそう

原作既刊済7巻まで既読
本作はコミックス6巻特装版に同梱のオリジナルストーリー(本編の前日譚?)
中編は7巻特装版に、後篇は8巻特装版に付属
劇場公開もされてたせいかクオリティーが高い
画質もめっちゃ良かった


今作の内容は中編、後篇に続く為のプロローグ
正直、前編はストーリー云々はほとんどないのですが
作品の世界観、雰囲気を楽しめました。
「星待つひと」は本編前日譚?で主人公の幼い時の話でほぼ中編から始まる

このクオリティであれば10月からの本編アニメ化にすごい期待です
ベーコンon the パンケーキがすごくおいしそうに見えるくらいのクオリティ




原作は『ファンタジー』+『人外×人のほのぼの恋愛』
児童文学的な割と残酷なシーンもありますが
世界観、雰囲気、ストーリ、出てくる妖精等の人外、
ドラゴンたちが住む国なんかのファンタジー感がやばいです
そして主人公たちの心の機微の表現がとってもよい作品です

舞台はイギリスはイングランドの田舎
魔法使いっていうとイギリスの田舎が合いますね
この作品でも表現される自然の美しさや季節の移ろい
ファンタージー感を盛り上げててぴったりです。




原作本編は
{netabare}悪魔やバケモノといった人ならざる人外の姿が見えたり、声が聞こえてしまう少女が、
そのことによって周囲から疎まれ、傷つき、生きることに希望をなくし、
オークションで人身売買に出品されるところから始まります。

落札したのは頭骨の頭を備えた人間ならざる異形の魔法使い
でも性格は英国紳士なんですよ

生きることに希望をなくしているが、人のことを思いやれる心優しい主人公が
「生きる」ことのリハビリ中の不器用さと
人間ならざる異形の魔法使いが「人」というものを知っていこうとする不器用さが
繊細に表現されてて
イギリスの田舎の背景や自然、妖精や人外のものの美しさと相まって
すごく良いです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

茨の魔法使いと出会う以前…チセに訪れた一片の前日譚。

たまたまボーっとNETFLIXの画面をスクロールしていた時、「魔法使いの嫁」のタイトルが目に入りました。
何気なく開いてみると、アニメ本編の他に「星待つひと(OVA)」と書かれているではありませんか。
あれ、この作品にOVAがあったんだ…と思い公式サイトをググって分かりました。

このOVAは、コミック第6巻・7巻・8巻に同梱された作品だったんです。
それで思い出しました。
アニメ本編を視聴した際にこのOVAの存在を知りましたが、特装版に手を出す勇気が無くて視聴を断念していた作品だったんです。
もう絶対視聴できないと思っていたのに、まさかこんな形で出会えるなんて…
NETFLIXに加入していた旨味を感じた瞬間でもありました。


羽鳥チセ 15歳。
身寄りも、生きる術も、希望も何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは
ヒト為らざる魔法使い・エリアスだった。
彼に「弟子」兼「花嫁」として招き入れられたチセは戸惑いつつも、
停まっていた時を動かし始めてゆく……。

そんなゆっくりと、しかし着実に時を育む、穏やかな或る日…。
ロンドンのアンジェリカより届いた書籍を整理しようとするチセが見つけたのは、
日本語で描かれたひとつの本。


チセとこの本との出会いから紡がれるのは、チセがまだ幼く独りぼっちだった頃の物語でした。

チセは生まれつき「人ならざるモノ」が見える特別な能力を持っていました。
アニメ本編でも人ならざるモノは沢山でてきましたが、エリアスとチセの暮らす家で見かける妖精などに悪意は感じられませんでした。

ですが、チセの幼いころ、彼女の周りには醜悪なヤツばかりで、チセに嫌がらせばかりしてくるのですから堪りません。
彼女はみんなと同じ様に生きていくことを望んでいますが、人ならざるモノがチセの行く手を阻むのです。
この悪循環…チセは相当苦しかったと思います。

話をしても信じて貰えなくて、疎まれて、嫌われて…

今とは大違いですが、あの頃を乗り越えてきたから、今の暮らしがより大切に思えるのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

OVAの主題歌は、Julia Shortreedさんの「CLOCKWORK QUICK AND LIGHTNING SLOW」

1話23分の物語でした。
懐かしさを感じながら引き続き「中篇」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良心と野心と、

知らない作品であった。

TVシリーズに先駆けて、“星まつひと”が、前・中・後編に別れて発表されているという体裁に興味を持った。
いわゆるOAD、コミック限定版のDVDだそうである。
これが原作の前日譚というのが、また気が利いている。

映画館でも限定上映され、原作ファンの圧倒的な支持を受けて、本編がTVシリーズ化されたということだ。

前編を観終わって、なんと美しく丁寧な作りであろうか、というのが先ずもっての感想である。
しかし同時に、大いなる闇を内包したストーリーのようにも感じ、不安と期待が膨らむばかりである。

何と言っても“バフォメット”である、悪魔である。
そして、えらく言葉が丁寧だ。
大丈夫か、チセちゃん。
心配である。

少し興味が出て、マッグガーデン設立の経緯を知った。
Production I.G からスピンアウトした WIT STUDIO の熱意も知った。

二律背反、制作者の良心と野心が同居した、誠に面白い作品だ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11
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