ファンタジーで任務なTVアニメ動画ランキング 11

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のファンタジーで任務な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番のファンタジーで任務なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.8 1 ファンタジーで任務なアニメランキング1位
ブラッククローバー(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (252)
1204人が棚に入れました
かつて世界が魔神とよばれる存在によって滅ぼされようとした時、1人の魔導士が現れて魔神を打倒し、世界を救った。後にその魔導士は伝説となり、魔法帝と呼ばれた。

それから時は過ぎ、クローバー王国は代々の魔法帝とその下に存在する9つの魔導士集団「魔法騎士団」によって、平和を謳歌していた。そこに住む貧民の孤児の少年・アスタは、同じ孤児である少年・ユノと共に、魔法帝を目指して日夜鍛錬を続けていたが、魔法の才能溢れるユノとは正反対に、アスタは全く魔法を使えずにいた。

やがて15歳になり、魔導書(グリモワール)が授与される日、ユノをはじめとする周囲の者達へ魔導書が与えられるが、アスタだけには与えられなかった。その後、ユノの魔導書を狙う盗賊によって、アスタは自分が生まれながらに魔力を一切持たない人間であることを知る。アスタは絶望して夢を諦めかけるが、ユノの「アスタは俺のライバルだ」という言葉に闘志を再び滾らせ、魔法を無効化する力を宿した「五つ葉の魔導書」を手に入れ、盗賊を撃退する。

改めて魔法帝を目指すことを決意したアスタは、半年後、最低最悪の魔法騎士団と言われる「黒の暴牛」に、ユノは最強の魔法騎士団「金色の夜明け」にそれぞれ入団する。2人の魔法帝を目指すための一歩が、ここから始まる。

声優・キャラクター
梶原岳人、島﨑信長、諏訪部順一、優木かな、福山潤、室元気、村瀬歩、日野聡、水樹奈々、安野希世乃、松田健一郎、森川智之、鳥海浩輔、小西克幸、小林ゆう、浪川大輔、小野大輔、寺島拓篤、西明日香、逢坂良太、中尾一貴、久保田未夢

さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

盗作はいかんでしょ

評価が随分低いけど実際にはもっとつまらないです
物凄く程度が低い駄作で、
ナルトが中学生向けならブラクロは小学生、幼稚園児向けくらいまで品質を落とした感じ

話が薄っぺらい上にスカスカ過ぎる
設定もキャラもストーリーも全てがパクリパクリパクリ
1つもオリジナリティがない
子供向けにしたって、ここまで子供騙しな駄作、中々ないですよ


ナルトとかマギとか流行った漫画の便乗、劣化パクリ版って感じです
色々駄目なアニメも多いけど、ここまで酷いパターンは
見たことがないかも・・・

1話で切りました

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

1話感想
{netabare}第一話は恐ろしいくらい世界観の説明をしてくれて、親切というよりしつこいと思うくらい。
特に「この世界では魔法が全て~」って台詞が連呼され、まるで「別の世界」があるかのような錯覚さえ覚える。
けど…そんなことは無いんだよね?
とてもその世界で暮らしてるキャラクターの言葉ではなく、作者や制作に喋らされてる感がバリバリだったが…仕方ないのかなぁ?

で、話としては主人公がデルフィングの代わりに5つ葉のクロニクルを手にして物語スタート、のための設定紹介ってところでしょうか、1話は。
優秀な幼馴染が居たり目標は魔法帝になることだったり、物凄く分かりやすいというかシンプル。
ここから複雑になっていくのか、キャラメインで行くのか、原作知らんので展開サッパリ知らないけど入りとしては悪くないんじゃないかな?

ところで自分は何故か“牙”が頭をよぎったのだけど(多分幼馴染のせい?)、あんな展開になったら神アニメだけど、そんなことは無いよねぇ?{/netabare}

3話までの感想
{netabare}2話は殆ど回想シーン。
この作品全何話か知らないけど、ひょっとして長くやる予定?
話数多いんだったらこのくらいのペースは気にしない。
が、次の3話。
1・2話で出た“追放されて悪さしてた魔法騎士”の暴れっぷりを見て村の騎士志願者が尻込みしてしまい、結果的に村からはアスタとユノの2人だけしか王都へは向かわない。
ってのは余計なキャラ出さずに絞り込む手段として上手く追放騎士ネタを落とし込んだなぁと思ってたのだけど、肝心の2人の王都までの旅路が…なーーーんもこれといったイベント無し。
あっれー?
山賊に襲われるとか魔物(居るのか?)に遭遇するとかナシ。
とはいえ、出立を出送る教会の人達とかのシーンもあることだし、これ以上イベント挿入したら3話はかなり詰め込まなきゃいけないことになってた?
一方で何もアクシデント無しで旅が終わってしまうのはこれはこれで物足りないというか…なんか帯に短し襷に長し状態。
とりあえず、ここまでがプロローグですかね。{/netabare}

6話までの感想
{netabare}↑で「ここまでがプロローグかな?」と書いたが、まだまだでした。
6話まで進んだのに未だ王都が何と戦ってるか分からない、騎士団の業務内容が分からない。
それが分からないから騎士団入団試験も意味が分からない(戦力だけが重要なのか?等)。
これまた↑で書いた感想にかかってくるけど、最果ての村から王都までの道中トラブルも無かったし治安も良いみたいだし…。
凶作に見舞われて貧困にあえぐ村から年貢の取り立てをするとか、貴族と平民を天秤にかける事態に陥って貴族救うために平民見殺しにするとか…まさかそんなのはあるまい。
ハテ、他国にでも侵略してんのかね?
騎士団の志願者を募るのも、魔法が使えなきゃ価値が無いってのも、何かを想定してのことだと思うのだが…まぁ今後明かされるんだろうけど、そこまでやってくれないとプロローグまで至ってない気分。
えらくスローペースだなぁ、1年以上放送する予定なのかな?
こうなったら、むしろ暫くは王都が何と戦ってるかは見せずに、雑用をこなしつつ段々と世間が見えてくるって方向のが面白そうな気がする。
折角国の裏側・汚い部分の処理担当と思われる暴牛団入ったんだし雑用シーン描かないのは勿体無い気がするが…ジャンプマンガでそれを期待していいものかどうか。

ところで主人公の声だけど、個人的にはボンバーマンジェッターズのガング(アメリカザリガニの柳原哲也)みたいに感じる。
そこまで不快には感じないが、変っちゃあ変よね。{/netabare}

82話までの感想{netabare}
自分は大抵こういうの(ジャンプ系の話数の多いアニメ)って途中で脱落するのだけど、ブラッククローバーは未だ何故かずっと見続けてます。
といっても凄く面白いワケでもなし、新章開始の頃は何度も脱落しかけてるんですけどね、海底都市編の始まりの頃はかなりヤバかった。
で、感想も「いつものジャンプアニメだな」ってだけで特段語ることもないのですが、ひとつ気になってることがあって。

チャーミーウゼェ

王都襲撃編では他の連中が大わらわだった中コイツだけ余裕ぶっこいて暴食の限りを尽くすわ、海底都市編でも食っちゃ寝で大して苦労してないわ、それでいて「どう、カワイイでしょ?」ってな振る舞い(アニメ上での扱い)はなかなかにイラっと来ます。
「モッチャリモッチャリ」とか聞く度に殺意が沸く。
死ねとまでは言わんけど(本音としては死んで欲しい)、ちょっとはギャフンなりトホホと言うような描写が無いとヘイトばかりが溜まります(※)。
とはいえこれってなーんか既視感があって、原作未読なので原作ではどういう扱いなのかは知りませんが、ひょっとしてこれって…尺稼ぎでアニオリのキャラ付けがされてる?
キン肉マンの与作や五部刈りの小芝居って当時スゲー嫌いでした、当時見てたガキは誰も不満に感じてなかったと思ったら大間違いでっせ。
もうちょい新しいのでいえばドラゴンボールZの「一方そのころ──」とナレが入ってカメハウスで始まるど~~~でもいい茶番、あれでガクっと来た経験のある方は多いんじゃない?多くない??
ブラクロのチャーミーってそれに相当するポジなのかな?とは思ってて。
アニメが原作に追いついちゃうのは仕方のないことで、尺稼ぎの苦肉の策としてチャーミーの要らない活躍を挟んでるとするならウザがるのも悪いかなぁ、と(とはいってももうちょいヘイト貯めない描写できんのか?とは思うが)。
数話に渡ってまるまるアニオリ展開されるのとどっちがマシなんでしょうね?
因みにブリーチやナルトはアニオリ展開(多分)で脱落しました。

恐らく「フッハ」も似たようなものだと思うのだけど、こっちは※印で書いたようなギャフンやトホホがあるんですよね。
なぜチャーミーで同じことができない?と不思議に思えたり…ここら辺が「どう、カワイイでしょ?と扱ってる」と感じる部分なのかな。

なーんてことを思ってたら、82話がチャーミースペシャル。
ひえええと身構えてたら実際はプチットクローバースペシャル…見覚えのあるものだったり無いものだったりの混在で1話まるまるプチクロ。
「それ本編のずっと前のネタじゃん」と突っ込み入れたくなるのもあったけど、それ以前にプチクロって人気あるのか?たまに笑えるのもあるけど。
で、結局そこでも「どう?チャーミーカワイイでしょ?」推しされててアニメスタッフの認識がよーく分かった。
扱いが下手だと推せば推すほどヘイトが溜まるだけだと思うのだが…。{/netabare}

85話までの感想{netabare}
あしまった、すっかり忘れてた。
ナルトが有名だけどこの系統って作画は基本イマイチで、だけどたまーに凄い回があって。
で、凄い回だけでも話数メモっておこうと始まった頃思ってたのに、すっかり忘れてたー!

ということで84話は作画良いです。
但しキャラの描き込みを極力抑えてアクションを派手にした系ね、方向性としてはガイキングの13話的な。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm60536
瓦礫が立方体だと自分はどうしてもコレ思い浮かべちゃうのよねー。
最近キャラの描き込み省略してると「作画がヘボい」と言う人が居るらしいので一応。

当然現在までに他でも作画良かった回あったのだけど、何話だか忘れちゃったなぁ。
とりあえず今からでもメモ残すようにしときます。

内容は、主人公のアスタ戦じゃなくてユノ戦でコレなのには笑った。
82話でプチクロ回挟んだのはこれの布石だったか。
制作が同じぴえろ製の“パズドラ”では毎回驚くくらい安定して作画(キャラの絵)が良くて、だけどあんまり動かない。
果たしてブラクロ方式とパズドラ方式、どっちが良いんだろうか。{/netabare}

95話までの感想{netabare}
一時期…といっても結構長い期間作画が酷かったけど、実は最近良くなってます。
おや?どうした?と思って調べてみたらどうやら砂川貴哉と赤坂俊士って方がこのアニメのメインアニメーターらしい。
で、酷かった時期はこのお二方が抜けてる時期で──かといって他の作品に借り出されてたとかでもなくスコンと抜けてる時期があって…具体的には53話~71話の間──長期休暇してたのかずっと先の担当を決めてそっちに注力してたのかちょっと分からない。
まぁ抜けるなら抜けるで代わりのちゃんとした人付けろよって話で、作画が酷いという評価には文句無いけど72話超えてからは随分マシになります。
そこまで耐えろって言う気も無いし、またいつ長期離れるか分かったもんでもないけどねー。
最近のにしても、トーナメントの決勝と魔法帝vsリヒトが続いたので注力しただけで、次からは再び低カロリーモードに移るかも知れない。
関わってる時期であっても所詮飛び飛びなのでどうしても回によってのバラつきはあります。
ということで魔法帝vsリヒト戦の93話は作画良いです。
94話も上記のお二方居ないっぽいのだけどソコソコ。
但し最新の95話は…う~ん。

作画ばかりの話をしても何なので内容について。
結構序盤の頃から引っ張ってた「魔石」の謎、もっと具体的には「魔石集めたらどうなるのん?」が遂に明かされる…っぽい。
またこれまで殆どスルーで触れられずに居たアスタとユノの出生にも迫りそう。
原作読んでないけどクライマックスなのかな?
ってかこっちでも転生ネタやってるのはクスっと来た。
元々色んな作品の寄せ集め臭い作品ではあったけど転生まで取り入れるかぁ。
そうそう、最新の95話は9割以上が回想シーンです、そりゃあもうドーンと回想。
ぶっちゃけ作画よりも回想の多さが「うわぁ」ってなります。
しかもここで回想入れちゃうと「アスタ含め知らない人間に事情を知らせる」シーンで繰り返しになりそうでナンとも嫌な予感…。{/netabare}

100話までの感想{netabare}
100話、キーアニメーター参加の作画良い回。
但し担当してないと思われる「戦闘以外の部分」の作画は平均値で、同じ回の中で落差が激しいw
記念すべき第100回ってことでこだわりとかあったのかな?
非常に懐かしい初代のOPが流れたり本編がエンディングに食い込んでたりプチクロが無かったり。

初代OPが流れたのが一番そう思わせるんだろうけど、「いい最終回だった」と言いたくなってしまう…が、イヤ待て待て、気になることが山積みでここで終わられても困るw
「原作読めば良いじゃん」って言われそうだけど、他の国…ダイヤモンド王国や魔女の国は今回の騒動でどうなってるの?転生魔法の範囲なの?が一番気になるかな。
転生を解除する方法はファナの件がヒントになりそう。
また、フエゴレオンにサラマンダーが宿ったことといい、ファナの件に意識が向くように仕掛けてる気がする。
で、そうなるとダイヤモンド王国も絡んでこない?マルスは現在スパイとして潜入してるんだよね?
エルフが強く恨んでるのは王族で、そいつらを血祭りに上げるために転生は王族を避けてる気がするのだけど、魔女王はどういう扱い?
100話で影響受けてないバネッサが登場したが関係あるのかなぁ?{/netabare}

113話までの感想{netabare}
あはは、誉めたと思ったらこれだもんなぁwまぁいいけど。
101話以降、キーアニメーターの砂川&赤坂が再びスコンと居なくなっちゃって…ずっと先の回に取り掛かってるのだろうか?
別にこの2人以外でもちゃんと描ける人が居てもおかしくないと思うのだけど、なんでこうもクオリティが低くなるのか不思議なレベル。
話数の多い長い作品なので「この回は見せ場」ってのが隔離分布してて、それの繋ぎの回が正直しんどいワケだけど、101話以降ずっとそれが続いてる。
ってか本当にチャーミーが出るとガクっとつまらなくなるねぇ、いい加減コイツに痛い目見させようよ。
MP無限回復ってのもど-なん?緊張感が一気に削がれた気がするのだが。

で、文句ばっかりも何なので一応内容的に興味ある部分を。
↑でクローバー王国以外は今回の騒動どうなってるのか気になる旨を書いたけど、それっぽい情報はチョロチョロ出てきてる、のか?
エルフの記憶には魔女の国は存在してるみたい、バネッサは人間に与してるから粛清対象ではあるけど魔女の国そのものには攻め入るつもりは無い?
ダイヤモンド王国についてもファナクローンで僅かに触れたようなそうでないような。{/netabare}

139話までの感想{netabare}
久々の途中感想。
砂川&赤坂の担当回が来たら書こうと思ってたら、101話からずっと…無い!
あれー?もう後進の指導役にでも回っちゃってる?

そして内容。
とりたてて面白いってワケでもなくダラダラ見てるのだけど、じゃあ何で見続けられてるのかといったら一応気になる部分があるから。
前の感想でも書いた様に、他の国はどうなってる?というのが個人的な興味ポイントでして。
エルフの一件は世界を揺るがす大騒動じゃん?その後の悪魔やスペードの侵攻とかも。
クローバー王国に攻め込むチャンスとか人間同士で諍い合ってる場合じゃないとか、政治的な思惑が交錯するのを期待したのだけど…。
サクっとダイヤモンド王国は崩壊(崩壊度合いは不明)って明かされた時は正直ガックリした、アスタもマルスやファナクローンのこともっと心配してやれよ。
と思ったらハート王国に赴いて多少「おおっ?」とはなったり。
付かず離れずというか生かさず殺さずというか、ギリギリのラインで興味の糸を繋いでる感じ。

そして最新話、どの勢力にも属さない永世中立的な魔女の国が舞台とあって、魔女王は政治的にどう動くつもりなのか前回予告された段階から期待してたら──。
あれ?これアニオリ??
シナリオ的にやりたいことは分かるのだけど妙にお粗末、二種類の魔法が紹介された瞬間に組み合わせるオチはモロバレ。
キッズ向けと思えばそれ自体は構わない、とはいえ人形ショーを子供に見せて感動話みたいにするパートは、要る?
魔獣との戦闘最中に閃くって展開だとアクションシーンが大変なので、ローコスト化するために無理やり捏ねくり出したのかなぁ?
まぁなによりも、折角他の国のトップを登場させといて、もっとネタを仕込めるところをこんな話で消費しちゃっていいの?
どうなってるんだろう、本気で我関せずでお終いなのかな。
意図的に政治的な話は避けてるのかなー、けどだったら魔法帝と王様で最高権力を二分するような設定は要らないような…。

また、アスタの師匠夫妻は無事だった模様。
えっマリエラも?
ダイヤモンド王国、実は結構平和だったりして。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

内容は悪くないが主人公の叫び声がきつい

ジャンプ原作+夕方枠ということでターゲットは小、中学生なのかな。

1話目感想
{netabare}
アスタ(主人公)の声優がきついなー。熱血で終始叫んでるキャラだったけど声質なのかこの声優さんは叫ぶ演技に向いてないんじゃないのかと聞いてて感じました。

内容に関しては、才能のない主人公が周りからバカにされるけどピンチになって覚醒。

ほんとに王道というか、良くも悪くも分かりやすい。THE夕方アニメって感じ。

悪魔のグリモワールと契約したけど魔力が制御できなく暴走したりみたいな展開はありそうだなぁ。

物語の1話の印象としてはベタではあるけどそれでも次回は観てみたいと思える内容だったと思う。

声優さんの演技さえ良くなれば...。
{/netabare}

2話も見る予定でしたが今期は視聴本数が非常に多くなっているので切ります。

声優さんの成長を耳にしたらまた視聴するかもしれません。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

66.8 2 ファンタジーで任務なアニメランキング2位
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (295)
1035人が棚に入れました
科学技術が高度に発達した機械仕掛けの理想郷「帝国」。超常の力を駆使し、“魔女の国"と恐れられる「ネビュリス皇庁」。百年にわたる戦争を続けてきた両国には、二人の英雄がいた。最年少にして帝国の最高戦力となったイスカ。ネビュリス皇庁の王女にして“氷禍の魔女"の異名を持つアリスリーゼ。戦場でめぐり逢った二人は、命を賭して戦う宿敵となった。国を、家族を、仲間を守るため、決して譲れない矜持と矜持をぶつけ合う。しかし、激闘の中で互いの素顔に触れた二人は、その生き方に、その理想に惹かれてしまう。ともに歩むことはできず、残酷な運命に翻弄されるとわかっていても。……そんな二人を嘲笑うかのように、世界の緊張はなおも高まり、大国の謀略が交錯しようとしていた。分断された世界、それでも少年と少女は想いを募らせていく―― 。

声優・キャラクター
小林裕介、雨宮天、石原夏織、白城なお、土岐隼一、花守ゆみり、和氣あず未、久川綾、笠間淳
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

絶妙に微妙。でも結構楽しかったんだ。

原作知らず。

「あー。またいつものよくある感じのやつだねぇ・・・」と思いながら、最後まで観てしまったし、結構楽しめた。。。気がします。

物語:
{netabare}それなり以上の科学技術立国と魔法(精霊)立国とが対立するファンタジー世界を舞台とした「(たぶん)どちらも死なないロミオとジュリエット」。ただし、主人公のみ「剣と魔法」の二刀流。ってな感じか。

よくある微妙なラノベ原作ものっぽい、思わせぶり・曰くありげ・裏ありげな雰囲気をほのめかす形で開幕し、最終話は諸々の「曰くや裏」を何一つ明かすことのないまま「俺たちの闘いとハーレムはこれからだEND」。なんだそれ。セリフも、なんて言うか、、、てんぷれ?

いろいろと「え?なんで?」な展開が続くが、なぜだか結構楽しかった?
自分に明確な理由はありません。強いて言うなら、「ハーレムはこれから」で物語が展開したこと(途中まで)、あまりに強引な二人の出会い、再会や展開が却って新鮮に感じたのかもしれません。いやほんと、なんでそうなる?{/netabare}

作画:
{netabare}静止画として上の下~中の上、動画として中の上という印象です。キャラデザインは、女性キャラに関しては好きな類いです。でも、主たる男性陣の線の細さが気になりました。別にマッチョ信仰ではありませんが「兵士」としては厳しい気がしました。虹彩があの形なのはなんでなんだろう。{/netabare}

声優:
{netabare}声優陣は豪華。声優さんに対してネガティブな印象はありません(お一人について、ちょっと思うところがありますが、それは後述)。発声の「あわせ」、さぞ大変だったろうと思います。どんなに実力のある声優さんでも、物語・本に書かれていないものを紡ぎ出すのは至難の業だと思います。{/netabare}

音楽:
{netabare}OP、ED、そして劇伴いずれもあまり印象に残っていません。戦闘シーンにおける勇壮というよりも壮麗な劇伴は、良かったかも?{/netabare}

キャラ:
{netabare}
ダブル主人公の男側、イスカがNeutral過ぎて物足りない感じがしました。ここまで無味無臭な主人公って珍しい気がします。

かたや、女側のアリスはというと、The Templateというに相応しい「ポンコツの令嬢」っぷりでした。キャストが雨宮さんという時点で想像できるポンコツっぷりをそのまま流した、という印象です。嫌いじゃないんですけどね、こういうポンコツ。アリスのお付き、燐も、その性格や言動に驚きを感じるようなことはありませんでした。テンプレに忠実、という感じでしょうか。

アリスの妹、シスベルは、、、第一話でイスカに脱獄させてもらった後、ちょっとのお金とスナックだけで、どうやって自国に帰れたのでしょうね。あんな、パジャマみたいな服装で監獄施設の外に出ても、その先どうにもならなさそうなのに(能力も含めて)。

部隊メンバー(音々とジン)は、僕個人としては完全な空気でした。

さて、主要な面子としては「ミスミス隊長」が残っているわけなのですが。。。
{netabare}作品での描かれ方があまりにテンプレ通りというがっかり感と同時に、ちょっとした驚きを感じました。キャストの白城さんは「球詠」の#10の方だと認識しています。ものすごく特徴のある、他にありそうで実はあまり聴かないタイプの声をお持ちの方、と思っています。正直に言って球詠でのこの方の演技は、おそらくは演出・編集の下手さも手伝ってかなりネガティブな印象を受けていました(一言で言って邪魔だった)。一方、今作での演技は、正直少々邪魔だなと思った場面もあるにはありましたが、それ以上に「嵌まった感」を感じました。

初登場時の第一声で、「がんばるけどダメな子」、「無能な子」であることを理解させてくれ、ほどよく苛つかせてくれました。その意味で、実にマッチしたキャスティングだったと思います。ものすごくネガティブなことを書いているように思われるかもしれませんが、そうではありません。雨宮さんがポンコツ美女に嵌まるのと同じように、白城さんの居所がみえた様に思いました。

それはそれとして、そこまで無能で「隊長」ってどういうことなんだろう。あとその名前、どうして?{/netabare}
{/netabare}

[2021/01/17 v1]

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ヒロインが恋愛小学生なのに、ラブコメとして成立していない謎展開

原作未読。

【とりあえず褒める】
序盤の説明的なセリフが多いのは、この際、目を瞑るべきでしょう。
世界観をセリフで説明しちゃうのは、ラノベにはありがちですからね。

バトルかと思いきやラブコメ的な展開?
うん、これもイイでしょう。
コメディ要素が極端に弱いので、ラブコメとしては少々違和感がありますけど・・・。
物語の序盤はこの展開が見どころですからね。
ここが最重要ポイントというか・・・(笑)。

【帝国軍の隊長が?】
帝国軍の隊長が小学生なのが意味不明。
禁書目録の小萌先生でも意識しているのか?
ただ、だとすればあまりにもお粗末・・・。
禁書目録の小萌先生は優秀な教師。
こっちの隊長は落第スレスレ、優秀とは程遠い。
小萌先生は、実は黄泉川より年上とか、ヘビースモーカーとか、見かけとのギャップが物凄い。
こっちの隊長のギャップは隠れ巨乳くらい。
いやいや、これだけでは笑えんわ・・・。

【もはや呆れるしかない・・・。第5話】
第5話。
{netabare}主人公のイスカと使徒聖のネームレス以外、帝国軍は子供の学芸会レベル。
ネビュリス皇庁も一部を除いて無能揃いのようだ。

”いとも簡単に”捕まる帝国軍の隊長。
イスカは”いとも簡単に”皇庁の陣地に潜入。
同じ頃、イスカを探すため、アリスは”いとも簡単に”帝国軍の陣地へ・・・。
いやいや、戦闘中にお互いの陣地がザルって・・・(笑)。{/netabare}

【痛々しいヒロイン】
アリス・・・。
終始一貫、徹頭徹尾、ずっと痛々しかったですね。
彼女がラブコメパートの「コメ」担当なんでしょうけど、1mmも笑えない・・・。
ひたすら痛々しいだけで、興が削がれる。

彼女の軽率な言動が、次々と問題を大きくしていく展開が続くので、見ていてイライラする。

戦闘力も微妙なんですよね。
第1話ではイスカと互角っぽかったけど、それ以降は、イスカと比べてかなり見劣りする。
いや、これでは駄目でしょう?
物語の根幹が崩れっちゃっている。
少なくとも、アリスとイスカは互角じゃないと・・・。

第9話。
{netabare}アリス、まさかの傍観って・・・。
サリンジャーを、イスカとアリスの合わせ技で抹殺するくらいじゃないと・・・。
結局、サリンジャーを逃がしちゃってるし・・・。
{/netabare}

【そして、物語は一気に畳まれる】
第12話。
突如、覚醒したかのように強さを発揮する音音とジン。
ここまで、存在空気だったイスカの仲間たちが、最終話で突如覚醒とか(笑)。

アリス。
{netabare}対サリンジャー戦では傍観していたのに、最終話は共闘するのね。
理由は?
妹を攫われたから?
側近メイドの燐が傷つけられたくらいでは、戦う理由にならないの?{/netabare}

まさかの打ち切りなのか?ってくらい一気に物語は畳まれます。
風呂敷を広げるだけ広げておいて、謎は謎のまま。
最終話。
さらに謎が追加されるという、謎展開。

まさか!!!!!!!
こんなレベルの作品で第2期とか劇場版とか考えているとか?
いやいや、まさかまさか・・・・・・・・・。
さすがにそれはありえない・・・・(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ロミジュリ? ……と思ったけど、意外と面白かった(主にコント・コメディ的な意味で)。本当はストーリーも面白いのかもしれません?

対立するに陣営の男女によるラブストーリーと思われます。
特筆すべきことが見当たらないです。

…と冒頭数話を観てそういう感想を持ったのですが、最終話まで付き合って観てみるとそんなに悪くなかったです。

特にポンコツ王女のアリス(アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世)とドジっ子隊長のミスミス・クラス、そしてツンデレメイドのリン(燐・ヴィスポーズ)の三名の女性陣の頑張りが、この話を結構観られるものにしてくれたと思います。

対してイスカはこの三人を動かすきっかけとしてはとても良く機能していたと思いますが、個人的な意見としてはキャラクターの魅力は薄かったと思います。

ストーリー的には、帝国とネビュリス皇庁との長期に渡る対立には始祖様絡みの一般には知られていない因縁がありそうだとか、璃洒・イン・エンパイアさんが見た目以上に只者ではなさそうとか、皇帝陛下があからさまに怪しいとか、皇庁側の女王選定にまつわるあれこれとかいろいろ面白くなりそうなところでブチ切られた感じがするのでそこには不満感が残ってしまいました。

もうちょっと先を見せてくれたらもう少し高い評価を付けられたかもしれないのですが、残念です。


ところでわりとどうでも良いところで引っかかったのですが、アリスの姉妹はみな「△△・××・ネビュリス9世」と名乗っています。ネビュリス皇庁での「○世」の使い方は、我々が一般的に知る「同一王朝で同名の一族が出たら、それが何人目かによって○世と名乗る」というそれとは違って始祖様からの世代を表すものなのでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

93.9 3 ファンタジーで任務なアニメランキング3位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2197)
10577人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

神と子供と会社員

【追記に蛇足追加  再読には及びません】


一見かわいらしい見せかけの幼女が、圧倒的な魔力で戦場を蹂躙する異世界の戦争。

タイトルに挿入された「the Evil」そのままに、まさしく邪悪の権化として死を振りまく主人公が「幼女」の姿をしているのは、ひょっとすると「妖女」の含意であるのかもしれない。

この無情な戦場に、殊更に非情に君臨する「幼女」とはいったい何なのだろう。



{netabare}といった緊迫感は、早々に「幼女」の中身が現代日本から転生したサラリーマンであることが暴露され、霧散する。

主人公に寄り添って物語を追えば、転生したサラリーマンの異世界でのサバイバルであり、「幼女」であることにほとんど意味は無い。

無常な「世界」の意味を問うような緊迫感の消失は、物語の焦点が主人公に「罰」あるいは「挑戦」を仕掛ける〈神〉と主人公の抗争にあって、「世界」自体が興味の対象から外されていることによる。

この視点の「矮小化」は、世界観の設定と主人公の設定の、二方面から生じているようだ。


神に逆らうというテーマはアニメやラノベでしばしば見受けられるが、何故かキリスト教の神を特権化して「神なるもの」全般を代理させることが多い。

「神なるもの」に運命や制度や抑圧を象徴させて「敵」として描こうとする意気込みに対して、日本社会に根付いているとは言えないキリスト教的な神をわざわざモデル化することで、たいていの場合、実体的な超越者ではなく、顔に「神」と書いた案山子を相手にシャドーボクシングを仕掛けているような、空回りした空想性が目立つことになる傾向があるようだ。

本作においても、罰や試練を与える抑圧者として〈神〉が一面化されているのは、主人公あるいは製作者が、自分の身の丈に合わせて「神なるもの」を切り縮めている結果だろう。

主人公が神を「存在X」と呼ぶのは、ある程度この空想性に自覚的であるのかもしれないが、この「世界」が超越者の創作であるという世界観の意味に迫ることなく、ただ「試練」との格闘だけに物語のスケールは切り縮められてゆく。

そして、このスケール感は、この「世界」に投げ出される主人公の、視野の狭さの反映でもある。


転生前の自分を有能な人材であったと自己認識する主人公は、転生先の異世界においても、現代日本で有効であったノウハウで「有能な」人間に相応しいエリートコースに乗ろうとする。

が、「生前」のエリート性の実態が、有能な「サラリーマン」=株主でも経営者でも無い「使用人」であったことに自覚的ではない。
主人公の考える有能な「エリート」性とは、「ご主人様」に命じられた課題と「ルール」をいかに忠実になぞるかという一点に焦点化されていて、自らがルールを創造して「ご主人様」になるような「有能」性は、視野の外に追いやられている。

劇中の描写からは、どうやら、自分の「死」は「ルール」に記載されていない「敬虔」や「慈悲」という無価値な美徳を欠いた結果、「存在X」に与えられた「罰」であると、主人公は捉えているらしい。
ルールに忠実な「意識の高い」自分が、インチキな基準で断罪されるのは不当であると。

が、普通に観ている視聴者には、「殺される」という事態を招いたこと自体が、適切に職務を遂行できていなかった「無能」の結果としか見えないのだが、自分の姿を相対化できない視野狭窄としか思えない。

この視野狭窄の一面性が、戦争状態の異世界へ放り込まれても平然と「出世コース」を探るという「牧歌的」な主人公の精神状態と、抑圧者として一面的に描かれる〈神〉との抗争という物語の基礎となっている。


極めて人工的な恣意性を感じさせる「異世界」が、それでも不思議に空想的な印象が希薄なのは、この視野の狭い主人公の設定が奇妙な整合性を感じさせるからだ。
「不思議」と感じるのは、どうも、この「整合性」が作者や製作者の計算によるものとは思えない印象が強いせいだろう。


会社員として身に着けた世間知と異常な魔力を元手に「出世街道」を上ろうとする主人公だが、これほどの「武器」があれば既存の秩序(の少なくとも一部)を自分の都合よくひっくり返して、造り変えることも可能だ。
しかし、既存体制での「出世」以外の選択肢は、主人公にはない。

あくまで「ルール」の「外」を発想しない思考様式は、「生前」に執心であったシカゴ学派のネオリベ理論と奇妙に符合する。
「ルール」がすべて=ルールに載っていないことは何でも「許される」というネオリベの世界把握は、ある意味では子供の理屈だ。

人間の行動を律するものは、法律や明文化された「ルール」のほかにも、社会倫理や自己倫理、単なる因習や気まぐれなど多様にある。

が、子供の世界には「ルール」しかない。
定義として、自己の核としての内的倫理や、共同体の社会倫理を獲得するという成長過程の途上にある者こそが「子供」であるからだ。

子供の行動を定めるものは、「ルール」という与えられた枠と、そこからはみ出せば「怒られる」という他律的な基準しかない。
「廊下を走ってはいけません」「上履きで校庭に出てはいけません」といったルールに過剰に敏感で、一歩でも「校庭に踏み出した」生徒を学級会でルール違反者として吊し上げる下らない規範意識は、「子供じみた」態度の典型例として定番だ。
一方で、「座って読んでいるから立ち読みではない」と「ルール」の言葉じりをとらえて「違反」から逃がれたつもりになる猿知恵もまた。

「怒られない」限り何でもしてもいいのだ、という子供の行動原理が、主人公と重なる。
「いい年をして」子供じみている主人公の行動原理は、単一のルールブックに反していない限りどのような競争も正当であるというネオリベ理論「しか」行動律のない反映でもある。
あるいは、「幼女」の外見は、子供じみた内面の表現であるのか。

多様な基準を貫いて自身の行動を決定する「自己」を持つものが「大人」であるならば、単一の基準しか知らないのが「子供」であるとはいえるが、「この基準が絶対で、それ以外は守る必要などない」と強制するのがネオリベ理論であって、この「強制」にさらされていた主人公の視野の狭さには、確かに整合性がある。

実質的な軍事体制下にある「異世界」が、ソビエト連邦を連想させるくせに殆んど抑圧性を感じさせることなく主人公になじんでいるのは、主人公ご執心のネオリベ理論が、ある意味で(ニワトリと卵のように)平時の日常世界に戦時の非常事態性を持ち込んで固定化する原因でもあり/結果でもあるものだからだろうか。
ここでも、現代日本と同じ方法論で異世界を「世渡り」する主人公の描写は、やはり整合性があり、現代日本が一種の戦争状態であると表現されている、かのように見える。


だが、〈神〉のスケールの小ささが、やはりこの整合性が計算の結果であるのかを怪しくさせる。

「死」の瞬間、「敬虔」や「慈悲」の欠如を指摘された主人公だが、本来、それらは人の行動律として異常なものではない。

時には矛盾も衝突もする多様な規範の中から、その時「自分が」どう行動するか判断できるのが一般的な普通の大人であり、大人としての能力だが、シカゴ学派のネオリベ理論とやらの唯一の「ルール」しか所有していないことが、主人公の過剰な反発の根源だ。

「敬虔」や「慈悲」が数千年にわたって人類社会に「生存戦略」として機能してきたことに対して、崩壊が目前に迫っているネオリベ理論は余りにも貧弱で勝負にはなりそうもない。

が、〈神〉は「存在X」に切り縮められる。

「敬虔」を象徴するイコンであるはずの〈神〉は、単に自分の教えに拝跪することを強制し、従わないものに「罰」を与える、「存在X」という抑圧者に一面化されてしまう。

「生存戦略」の人格化であった〈神〉は、信仰心と「引き換え」に恩寵を与える「契約者」のごときものとして、契約を拒むものに脅迫で契約を迫る悪徳リフォーム業者のごときものとして、「存在X」に変貌してしまう。

主人公を超越するものとして登場したはずの〈神〉が、まさしく主人公の子供の世界観に適合してしまう展開は、果たして作中で何が争われているのかを曖昧化してしまう。
自分に従わなければ「罰」を与えると迫る超越者は、外観上は主人公の価値観と差異が無い。
主人公の「罪」を鳴らして「罰」を与える根拠は、互いの力関係の大小というだけで、両者が争うことに説得的な理由を見出すことが出来なくなる。

一見して整合性が生じているように見える「世界」は、整合性と引き換えに、そもそもの「世界」の意味が混濁していくかのようだ。

一体、主人公は何と戦っているのだろうか。


劇中の「戦場」で、敵も味方も区別せずに死を振りまく主人公が、情実に惑わされずに状況に応じた冷徹な決断を下している、と見える視聴者がもしも居るならば、おそらく「社畜」の素質があるだろう。

そうでないなら、他者に死を与えるたびに主人公が振りかざす「祖国の為」といった理屈を、主人公自身は全く「信じてはいない」事をどう捉えているのか。
それらの理屈は、自分が他者に君臨するための「いいわけ」でしかなく、理屈の実践のために他者を支配するのではなく、生殺与奪という究極的な他者の支配を正当化するために持ち出されている「口実」に過ぎない。
全く信じていない大義名分を持ち出すのは、自分の生存のためですらなく、安楽を手に入れる「出世」のために他者を殺す口実に「使える」からだ。
もっともらしい「大義名分」の下に殺される敵・味方の兵士は、主人公の出世のための犠牲でしかない。

反道徳的な言動で他者を踏みにじる姿は、ニーチェを誤読した中二病患者の妄想する「超人」をモデル化したかのようだが、ルサンチマンを超越する意思もなく、既存の支配的規範の「威を借りて」恣意的な暴力を行使する主人公は、いわばウルトラ化したルサンチマンの権化であり、こんなものを超人と同一視すれば墓の中でニーチェが激怒することだろう。

言ってみれば、ブラック企業の中間管理職が「会社の為」と称して精神や健康を破壊する過剰労働を強制しているのと同じ姑息さに過ぎない。

戦場に君臨する幼女の皮をかぶった「化け物」というよりも、タイトル通りEvil=「邪悪」が相応しく思えるのは、ブラック企業の管理職のように、「信じてもいない」タテマエを持ち出して、自分の安泰のために他者を踏みつけることを正当化している薄汚さのためだ。
ブラック企業においてすら、「会社が絶対」というタテマエを本気で信じているようなら「管理職」にはなれないだろう。


戦時下の「異世界」では、死にたくなければ戦時下の規範を受け入れる他ない。
自分の「死を避ける」ためには、他者に死を「押し付ける」しかない。

主人公の主観では、このように自分の行動は「現実的」なだけだと自己了解されているようだ。
戦争を終わらせ、死なずに済む「平和」をもたらす為には、戦闘で大勝利することが「現実的」な手段であるのだと。

この主人公の自己了解を真に受けて「冷徹な決断」者だと肯定的に見てしまう感性は、「会社の為」というタテマエを真に受けて奴隷労働を受け入れる社畜根性と同型的に見える。

平和を望むのは、自身が「勝者」として生きるために過ぎない。
戦争が終結しなければ=勝敗が決定しなければ「勝者」になりようがないからで、他者の「平和」に関心はない。
「冷徹な決断」は、ようするに自己保身の理論化だ。

押し付けられた規範に嫌々「妥協」しているのではなく、進んで「同化」する態度は、「現実」の日本社会から引きずられて持ち込まれたものだ。
その意味で、この異世界は現代日本を表現するために創作されたかのような整合性は、確かに感じられるとは言えるだろう。

ネオリベ理論を内面化して抑圧的な権力に同化しようとする「生前」の態度は、ミシェル・フーコーが言及した、遍在する微小な権力が統合されて大きな抑圧権力を構成する「生権力」の姿に過不足なく適合する。

抑圧的な権力に支配されることを承認すれば、自分がより弱いものを抑圧して踏みつける行為もまた、許される。
「ルール」に支配される子供が、「学級会の吊るし上げ」リンチを内心で楽しむように。
そのような微細な「権力」を吸い上げて統合するものとして利用されるのが、一つにはネオリベ理論だ。

従って、視野狭窄の主人公の、〈神〉の存在を否定する動機が「合理性」の有無であるという言葉は、鵜呑みにすることはできない。

主人公にとって身体化されている「生権力」の体系を脅かすものであるから、〈神〉は否定されなければならない。
抑圧の根拠たる生権力が揺らぐことは、自身が微小な「権力」を行使する根拠の消滅を招くことになるからだ。
いや、意思的に否定を「決断」しているのではない。
拒絶の根拠は、〈神〉という属性がどうこうという問題ではなく、「身体化」が必然とする思考以前の「脊髄反射」だ。

ネオリベを基礎づける市場原理主義が「世界」を支配出来るのは、「(生存のためのあらゆる必需品を含め)全ての」モノやサービスは「貨幣を媒介とした」交換によって入手しなければ「ならない」、というドグマを確立したからだ。
生存のための手段は、したがって「金銭を稼ぐ」というただ一つの行為に制約され、金儲けの「ルール」が世界を支配するルールにすり替わる。

このようなドグマは、別に自然法則に根拠づけられているわけではない。
もしも金銭以外の価値や、生存を超える価値が承認されたとしたなら、「ルール」の支配性は崩れるだろう。
市場原理ベースの「生権力」の体系は混乱し、これに迎合することで他者を抑圧支配させていた主人公の微小な「権力」もまた、消滅してしまう。
単一の「ルール」しか持たない空虚な人格であるがゆえに、代替えの基準を持たない主人公は、「ルール」の否定性に過剰に反発せざるを得ない。


だが、ネオリベ/市場原理主義の否定性を〈神〉として導入した安易さが、このような主題化を不可能にしているようだ。
いや、「存在X」が、真の意味で〈神〉であったなら、違っていたのかもしれない。

自身が他者の上に立つ「権力」性の確保を目的として支配的な規範/権力にすり寄る、という意味で、主人公の態度は現代日本でも「異世界」でも変らずに一貫している。

「生きたい」を「金銭を稼ぐ」に一面化する市場原理の生権力と、「死にたくない」から軍政に従わせる「異世界」の抑圧性は、外見的には双子のように似ている。
異世界の「戦争」が、拝跪を強制する理不尽な「契約者」に矮小化された〈神〉=「存在X」によって一方的に押し付けられた「試練」であると設定することで、一方の「生権力」もまた、超越的に「押し付けられた」ものであるかのように見せかけてしまう。

両者が曖昧に混濁して見えてしまう結果、主人公の行動原理の深層も曖昧化したままだ。
主人公の、他者を踏みつける「権力」を欲する欲望が、自身をも踏みつける「ルール」に接近させるという倒錯した深層も。

「ルールには従わなければならない」という行動原理は、いささかも変化していない。
主人公の「敵意」は、実行に伴う「苦労」の多さに向けられるだけで、「従う」という行動原理自体への懐疑は全く生じない。
それゆえに、主人公に「罰」を加える理由も、この「異世界」が果たして「罰」として機能しているのかも全く意味不明にする。

そうして、「生前」も「転生」後も他者を踏みにじり続ける主人公の、「生前」も「転生」後も強圧的な「ルール」に翻弄されているかのような「被害者面」を不自然に感じない視聴者も出てくるのだろう。

このように単純な抑圧者「存在X」が、主人公との対立軸をも単調化する。
いや、現代社会の抑圧に対抗するものを、〈神〉という名の別種の抑圧者の形でしか発想できなかった限界性なのだろうか。


主人公の「本音」が見えない作中の兵士たちはともかく、視聴者の立場で、主人公が冷徹な現場指揮官のように見えてしまう屈折した視聴は、この「世界」が「物語」の舞台として緻密に構築されたものではなく、「マジック・ワード」に依存した一種のゲーム空間に過ぎない印象しか視聴者に与えることが出来ていない事を示しているようだ。

アニメを視聴するとき(フィクションを鑑賞するとき)、たいていの視聴者は、何処か虚空に自立して「実在」している別「世界」に入り込んでいるように看做していることが殆どだろう。
作り手は、なんとか「実在」感を生み出し、視聴者の現実感に接続しようとあの手この手で四苦八苦する。
一方で、ゲームにおいては、プレーヤーを引き込む「実在」感は問題にされず、何処までも恣意的に制作される仮想空間として了解されるようだ。

その意味で、存在X=〈神〉という創造主兼管理者のいる「世界」は、架空の時空間に「自生した」固有の歴史性を持つ異世界ではなく、「運営」が恣意的に作るオンラインゲームのステージと同質と言える。
もっともらしい「戦争」は、創造主に「創造」されたゲーム世界の「設定」に過ぎず、死んでいく兵士や市民も、「創造主」に創造されコントロールされているという意味でNPCと同質であると言えるかもしれない。
本作内の戦争について、その是非や悲惨について考慮するのは、この「ゲーム」空間の恣意的な「設定」に合わせてあちこちから引用してきた「背景」に過ぎない以上、あまり意味がないだろうと感じさせる。
主人公の殺戮は、異「世界」での殺人ではなく、ゲーム空間の「無双」ではないかと。


キリスト教的な、世界の「造物主」としての唯一の〈神〉は、絶対的に「世界」の「外部」に在る、「世界-内」存在である人間にとって絶対的な不可知の存在だ。
何であれ不可知のものは、人間が認識できた瞬間に〈世界-内〉に取り込まれる。
どこまでも〈内〉化できない非・認識の絶対性が、神を定義する。
日本の〈カミ〉のように、お供えやお祈りによってご利益を与える、人間と同次元にいる交渉可能な〈世界-内〉に存在する〈神〉とは異なる絶対性が、造物主としての唯一神だ。

決して〈世界―内〉に降りてこない不在としての神、絶対的な「外部」の存在との契約の不可能性と可能性、このような不条理と信仰の絶対性、などなどの難問は、西欧では数百年にわたって考え抜かれている。
日本においても、遠藤周作が『沈黙』を書いたのは50年以上も前だ。

人間の眼前にある案山子に『神』と書き込んであれば〈神〉扱いして疑問を持たない、というのはラノベ/アニメ周辺のローカル・ルールに過ぎない。
〈世界-内〉に入り込んで「世界」に自由に干渉する「造物主」は、ラノベ/アニメの外では存在矛盾として成立できないだろう。
案山子の〈神〉は、「全能の」神という一種の「マジック・ワード」として、製作者の代理として「世界」の創造や改変を容易化してくれるものとして導入される。

しかし、容易化は安易化として、創造された作品「世界」を、人為的なゲーム空間に矮小化してしまう。
「存在X」と呼称する、〈神〉性を引きずった、「世界」内に立ち入って自在に干渉する「造物主」を導入することで、「運営」が作り自在にコントロールする人工的な「ゲーム空間」に、異「世界」は同質化することになる。

主人公の利己的な行動が爽快に見えてしまうのは、主人公が「物語」の登場「人物」ではなく、単なるゲームのキャラとして、「ゲーム空間」で都合よく無双をしているに過ぎないと無意識で解釈されている結果ではないか。
主人公が現代日本から「異世界」に転生したという設定も、単に、初めて絶滅戦争という異様な形態の戦争を経験しようとしている「異世界」にやってきた、すでに絶滅戦争の世界大戦を経験している現代日本人という、一種のチート的な優位性で「無双」をするネタに過ぎないものに、これまた矮小化されている。


【追記】
敗者が抵抗をあきらめずに「復讐」する不合理な感情が、「戦争」を終わらせようとする「合理的な」行動を無駄にすると語る主人公だが、勝者の立場に立ち、他者の反抗を認めない傲慢からくる事実誤認に過ぎない。

敗者の抵抗が続くのは、この「戦争」が現実の世界大戦同様に「絶滅戦争」=どちらかの国家が絶滅するまで終わらない異様な性質のものであるからだ。
作中での、後方の民間人の殺戮も、この性質から余儀なく生じている。

相手が絶滅するまで、あるいは国体が完全崩壊する=敵「国家」が「死滅」するまで戦闘が継続されるということは、死滅しない限り敵への反撃を止めては「ならない」ということでもある。
感情的に「もう戦争は嫌だ」と思っていても、息がある限り「理論上」反抗を止めることが出来ない。

敵の執拗な抵抗は、感情に駆られているのではなく、主人公が敵国家の完全壊滅を完遂しようとするのと正に同じ「論理」の裏返しとして、選択の余地なく発生してくる。
自分が優秀な「合理主義者」で、馬鹿な敵が感情に任せて抵抗してくるという主人公の自己認識は、全くの的外れで、視野の狭さからくる「合理性」の不徹底さを露呈しているに過ぎない。
視聴者までが、この自己認識を真に受けて、優秀な合理主義者だと看做してやるいわれはないだろう。

そもそも転生の原因となった「死」も、一方的な逆恨みの被害であると疑われていないが、普通の企業であれば、職務の遂行において「殺される」ほどのトラブルを発生させることは、直ちに「無能」とみなされる。

逆恨みされて転生した「エリート」が「優秀な合理主義者」として戦争を生き抜こうとしているという主人公の自己認識は妄想的で、「認知のゆがみ」を引き起こしているのではないのか、と疑ってみるほうが自然な気がする。



労を惜しまずに設定を積み重ねれば、「存在X」という案山子の〈神〉など導入しなくても、このような「異世界」とサラリーマンの「転生」を創造することは可能だったろう。
世界を支配するルールと人間の対決を描く為には、〈神〉は必要条件ではない。

設定の土台を、案山子の〈神〉=作者の傀儡に過ぎない造物主に置いてしまった安易さが、「異世界」につづられる「物語」なのか、ゲーム空間での妄想的な無双であるのか、分裂して中途半端に揺れる視聴感になって現れてくる。

一見、現代日本を批判的に再現したような「世界」と「物語」は、結局、オンラインゲームに閉じ込められたトッチャン坊やのクエストと同型だという印象しか与えることが出来ていないようだ。

これだけの道具立てをそろえながら、幼女の外見とサラリーマンの内面のギャップの笑いと、「無双」で破壊されるビジュアルの派手さだけが見どころであるというのは、なんとも勿体ない気がする。{/netabare}



それにしても、アニメ作品の評価に「声優」を独立した項目として入れるのは妥当なのだろうか。

確かに、声優はキャラクターに生命感を与える重要なパートではある。
しかし、世界観の破綻や、脚本上の不備を修正できる立場にいるわけではない。
そのような作品でキャラに生命を吹き込んでも、「不条理な世界にも関わらず『生きいきと』生活する狂人」が生まれるだけだろう。

そんな立場である声優に評価の一端を背負わせるのは、余りに気の毒な気がする。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見た目は少女、中身は・・・おっさん!?

原作未読。最終話まで視聴。

【物語】
1話を視聴し終わった時には、単なる「主人公最強系」かと・・・。
それにしては、主人公が『幼女』っていうのが意味が分からなくて・・・。

2話を視聴して初めて物語の世界観が分かった。

一見、現実の世界とリンクしているようで、でも『魔導師』なんて現実には存在しない存在がいるという不思議な異世界。
現実世界と異世界が入り混じった世界観が好きでした。

【作画】
背景や登場人物はとても綺麗に描かれていたと思います。
主人公の目は、主人公のひととなりを表しているというか何というか・・・。
セレブリャコーフ少尉は、もう少し可愛く描いてあげれば良かったのに・・・(笑)。

【声優】
何と言っても、主演の悠木碧さん。最高でした。

【音楽】
OP・EDとも作品の雰囲気に合っていて良かったと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 114

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦闘シーンが生々しい。1、2話のエピソード順はこれで正解じゃないかな…。

[2017年冬作品1クール視聴終了時ランキング] コメントより
==
1月末から順位は落としましたが、面白かったです。ただ、原作はもっと面白いと思いました。
==

小説投稿サイト「理想郷(アルカディア)」発らしい。原作があるはずですが、未読です。

ドイツ帝国っぽい「帝国」と周辺諸国(協商連合、共和国、連合王国、連邦)が、第一次世界大戦レベルの武器+魔法で戦争をしている状況らしい。普通の魔道士が観測兵として迫撃砲の命中精度を上げたり、飛行兵として空中から銃器で歩兵を攻撃するのがせいぜいっぽい世界で、「幼女の皮を被った化物」と呼ばれるターニャ・デグレチャフ少尉は戦術級の強大な魔法攻撃で無双している感じです。

このターニャと、その部下であるヴィーシャ伍長が中心人物のようですね。

協商連合のモデルは良くわかりません(ベルギーとか?)が、共和国はフランス、連合王国はイギリス、連邦はロシアがモデルでしょうか。

1話ではライン戦線の現状が、2話では時間を遡ってターニャが何も任官するまでの経緯が語られました。

魔法が普通に軍事技術化しているのは中々面白そうです。しばらく注目して観てゆきたいですね。

2017.1.23追記:
→アニメの第2話まで観て面白かったので、原作を読み始めました。2巻目まで読み終わりましたが面白いです!
戦記としての面白さとギャグ要素のバランスが良いですね。

2017.3.2追記:
協商連合は、帝国との国境位置的にフィンランドですね。

2017.4.1追記:
アニメ化部分よりも先に原作を読み進んで、既刊分7巻まで読了後にアニメを観終わりました。

原作のグランドストーリーに大きな影響のある改変は無いものの、ちょこちょこと改変はあります。私は原作原理主義者ではないので、現状レベルの改変ならOKです。でも、これだけ高い点数を付けたアニメよりも、原作の方が面白いと思います。

私は原作に出会わせてくれたことを本作品に感謝します。でも、そうさせてくれたのは「存在X」ではないと思っています(笑)。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 81

75.9 4 ファンタジーで任務なアニメランキング4位
赤髪の白雪姫 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (644)
3512人が棚に入れました
分割2クールの後半クールにあたる。

赤い髪を持つ少女・白雪は、タンバルン王国のラジ王子に見初められ、愛妾にされかかり、国を出る。たどり着いた森で、隣国の第二王子・ゼンに助けられた白雪は、彼の国・クラリネス王国の宮廷薬剤師として働き始める。やがて想いを通い合わせていく白雪とゼン。王子と薬剤師という二人だが、たくさんの出会いや出来事を経て更に絆を深め、二人を認める人物は少しずつ増えていく。

声優・キャラクター
早見沙織、逢坂良太、梅原裕一郎、名塚佳織、岡本信彦、三瓶由布子、甲斐田裕子、福山潤、小西克幸、豊永利行、國立幸、浅沼晋太郎、水瀬いのり、小松未可子、石田彰

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1期の雰囲気が(ブレてなくて)よいですね

2期を楽しみにしてました。
1期同様ゆっくりとした時間の流れがあって良い雰囲気です。
どんな物語になるのかな

2期は皆がお互いに対して強い心を持っていることが印象的です。
恋愛 片思い 主従 感謝
観ていて楽しいです。 私、オヤジですけど。。。 

最後まで観て
最後にまたこちらが照れちゃうような恋のシーンがありにやけてしまいます。

もし次期があったらラブラブだけで物語にならないと思います(笑)
でも、ひょっとして3期以降不幸が始まるのでしょうか?心配だ~。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 46

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

願うならこの道の先も自分で描けるよう・・・願うならこの物語を彩るのは運命の色であるよう・・・

大好きなはやみんが主演する赤髪の白雪・・・思い返すと1期では色んな事がありました。
幼い頃から薬学を学んでいた彼女は薬剤師の道を進むのですが、タンバルン王国のラジ王子に目を付けられて国を飛び出し・・・森の中でクラリネス王国のゼン王子と出会いました。
まだあどけなさの残る笑顔が印象的なゼンですが、王宮の中では笑ってばかりもいられない立場である事・・・書かれたカルテを見た白雪が大粒の涙をポロポロ流していたのが印象的です。
そのカルテを見た以降、白雪はゼンの客人として王宮に居るのではなく、自分の居場所を作るため宮廷薬剤師になる事を決意・・・難しい試験を見事突破しました。

ゼンと親しくする白雪を見て快く思わない一部からの嫌がらせもありましたが、意思を貫き通す心の強さ・・・大切な人の尊厳を守ろうとする態度・・・強大な力に彼女全部で立ち向かう勇気を持つ白雪です。
例え相手が誰であっても筋の通らない事には凛とした態度で立ち向かうところは、彼女の大きな魅力だと思います。
そしてゼンとの仲もしっかり深まったところで1期は終幕しました。

こうして思い返してみると、1期は「成長」というキーワードがしっくりくるように思います。
1期が成長なら2期のキーワードは植物で例えると「根付く」の様に感じました。
2期では1期よりスケールの大きな出来事が次々と襲いかかる中、白雪とゼンは例え別々になってしまったとしてもお互いを信じ合うんです。
大きな信頼って難しいです・・・でもそれが出来るという事は、今まで以上に相手の心に色濃く住まう事ができている証だと思うんです。
お互いの距離が離れれば離れるほど・・・そして危険度が上がれば上がるほどパニックになるのではなく相手を信頼する・・・これってなかなかできる事じゃ無いと思います。

これまで白雪とゼンに焦点を当ててレビューを書いてきましたが、2期ではいつも二人を気遣っている側近の株も相当上がったのではないでしょうか。

キキ・・・普段は物静かな女性ですが、彼女の勇猛果敢な行動には感動しました。
爵位も持った綺麗な人なのに・・・大切な人のためなら顔色一つ変えず何事も顧みない行動を平然としてのける彼女・・・その言動には迷いも躊躇いもありません。
この人も目的のためなら厭わないんだ・・・そう思うと彼女の魅力が倍増した気がしました^^;

でもキキ以上に私の中で株を上げたのがオビでした・・・
彼の心中が複雑なのは分かります。でも与えられた任務は確実にこなすので、ゼンからも高い信頼を得ていた彼は白雪の護衛を務めることに・・・
ゼンから護衛を任された時・・・すごく嬉しかったと思います。
だから任務にも相当気合が入っていたようにも見受けられました・・・
物事に集中している時に想定外の事態が起きたり、強制的に異なる情報が流れ込んでくると咄嗟の判断はどうしても鈍ってしまいます。
人間として普通の摂理だと思います。
そしてそれはオビも同じ・・・
決して油断していた訳じゃありませんが、彼は仕事上でミスを犯してしまうのです。
オビを案じる周囲には変わらぬ態度と言動・・・
でも腹わたは煮えくり返っていたと思います。
相手にも・・・そして自分にも・・・
動き出したオビの眼光はどこまでも鋭く、見ていて恐怖すら感じるほどです。
でもそれはオビが必死である事の表れ・・・
ミスを自分で何とかしようとする姿勢は頼もしく思いました。

波乱万丈の2期・・・気になる方は本編でご確認下さい。
紆余曲折ありますが、白雪とゼンの仲はこれまで以上に深まったと思います。
二人のシーンなんて・・・もうキュンキュンしっ放しでした^^
そしてこれがはやみんボイスというのが堪らないご褒美・・・
はやみんファンは必見の作品・・・なのではないでしょうか^^

オープニングテーマは、はやみんの「その声が地図になる」
エンディングテーマは、eyelisさんの「ページ〜君と綴る物語〜」
1期,2期共に歌い手さんは一緒でしたね^^
印象的なのがオープニングです。初めて曲の情報を知った時、はやみんが作詞と作曲も担当されている事にちょっとビックリしました。
後から知ったのですが「その声が地図になる」の曲は、これまではやみんの
頭の中にあったメロディを曲にしたんだそうです。
はやみんがずっと温めてきた曲と思うと、ファン冥利に尽きる・・・という気持ちです^^

分割2クール作品の後半で第13話から第24話までの計12話の作品でした。
物語がホント綺麗に纏まっていたと思いますし、主演のはやみんも抜群にハマッていたと思います。
こういうキュンキュンする作品・・・大好きです。
ラストまでしっかり堪能させて貰きありがとうございましたm(_ _)m

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

キュルルンアニメ

分割2クールの後半戦。
今クールはちょっとだけ障害が発生。
{netabare}でも、障害なんて単なる酒の肴。
当たり前のように二人は絆を深めちゃいます。{/netabare}

二人の熱気にあてられてお腹いっぱいだった前クール。
追い打ちをかけるように、さらに一杯に。
腹具合が悪く、キュンキュンというより最早キュルルンです。
胃薬を処方して、怒涛のラストに備えましょう。

ところで、このアニメ、脇キャラが魅力的です。
今回株を上げたのが、ラジ王子。
へたれは相変わらずですが、王子としての自覚が芽生えたようです。
ラジ王子を支えるサカキさんは超良識。
落ち着いた立ち振る舞いが大人の魅力でした。

{netabare}側近関係では、ミツヒデと木々の関係が気になるところ。
互いの気持ちを隠しながら(?)の軽快なやり取りが気持ちいい。
そして、オビ。
白雪への気持ちは封印し、ゼンに忠誠を尽くす。
その態度がすがすがしくてかっこいい。
オビの一挙手一投足が私のお気に入りです。{/netabare}

完璧なまでの王道少女漫画原作アニメ。
3期も観たいけど、お腹がもたないのでこの辺でお開きとしましょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 47

75.8 5 ファンタジーで任務なアニメランキング5位
魔法科高校の劣等生 来訪者編(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (485)
2267人が棚に入れました
2095年10月31日。未観測の戦略級魔法によって、朝鮮半島南端の軍事都市と艦隊が消滅した。《灼熱のハロウィン》と呼ばれたこの日から、世界は新たな戦略級魔法師の登場に震撼することになる。中でも「世界最強の魔法部隊」であるスターズを擁する北アメリカ合衆国(USNA)は危機感を募らせ、秘密裏に未観測の戦略級魔法と、その魔法を使用した魔法師の正体を暴こうと躍起になっていた。それから約二ヶ月後の12月24日。街がクリスマスの飾りとイルミネーションで賑わっているなか、達也たちは交換留学でアメリカに行くという雫の送別会のために、アイネ・ブリーゼに集まっていた。雫がアメリカに行く期間は三ヶ月。雫によると、彼女に代わって第一高校に来るのは、同い歳の女の子だという。同い歳の女の子だという。同じ頃、USNAのスターズ基地では、一人の少女が第一高校への潜入調査に赴く準備を進めていた。彼女の名はアンジェリーナ・クドウ・シールズ。スターズ歴代最年少の総隊長にして、戦略級魔法ヘヴィ・メタル・バーストを操るUSNA最強の魔法師だった――。

声優・キャラクター
中村悠一、早見沙織、日笠陽子、内山夕実、寺島拓篤、佐藤聡美、田丸篤志、雨宮天、巽悠衣子、花澤香菜、井上麻里奈、諏訪部順一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

USNA(北アメリカ大陸合衆国)スターズ総隊長はポンコツ金髪美少女…。

[総評]
魔法が技術としてある程度確立した世界観の中で、第三次世界大戦後の世界を描いたSFファンタジー作品。本作は2期目に相当します。

1期目のレビューにも書いた通り本作中の世界情勢はわりと殺伐としたもので、第一を含む各魔法科高校についても国の将来を担う士官学校的な空気感が若干感じられます。

そんな世界での「交換留学生」というのが只者であるはずもなく、アクション面に限らない本作原作の特徴が出ていると思います。

そんな原作3巻(上・中・下)に渡る来訪者編を、それなりに尺を取ってアニメしか観ていない層にも楽しめるように上手くアニメ化できていたという印象です。

第11話以降の構成には、来訪者編以降の展望を踏まえたものを感じるので具体的にアナウンスのあった『魔法科高校の優等生』アニメ化以外に、何か未発表の第3期制作スケジュールがあるのかもしれません。

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
電撃文庫から刊行されている人気ライトノベル『魔法科高校の劣等生』のアニメ化第2期目作品です。

原作の『魔法科高校の劣等生』は短編集を含む全33巻にて2020年9月に無事完結を迎えていますが、本作でアニメ化される<来訪者編>は以降のシリーズ終盤まで活躍するキャラクターや設定の結構な部分が軒並み明かされるエピソードなので、今後のアニメ化作品視聴の可能性や原作購入の判断の上でもぜひ観ておくと良いんじゃないかと思います。

アニメ作品中での時系列的には:

1. 魔法科高校の劣等生(1期目)
2. 魔法科高校の劣等生 来訪者編(2期目: 本作品)
3. 劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

となっていて、1.でアニメ化が割愛された<追憶編>は3.で一部フォローされる感じになっております。3.に出てくるキャラのほとんどは1.もしくは本作品2.中でみんな出てくる感じです。

アニメとしては上記3.で初見だったリーナ(アンジェリーナ・クドウ・シールズ)がシリーズ中のエピソードで初登場となる作品となっています。

本作品を視聴するにあたって3.を観ている必要はまったくないはずですが、1.は観ておくかもしくは1.相当の原作部分を読んでおかないと話にはついていけなくなりそうな気がします。ということで、まだの方はひとまずここでさようなら。




本作では、前作で出てきた外国である大亜連合(大亜細亜連合: 中華人民共和国が母体)に続いて、第二の外国としてUSNA(北アメリカ大陸連合: アメリカ合衆国が母体)が登場します。

作中では第三次世界大戦終結後35年ほど経っていて日本と表立った戦争状態にある外国はありませんが、わりと一触即発的な殺伐とした国際情勢になっていて、主人公の司波達也(しば たつや)や妹の深雪(みゆき)をはじめとする魔法師はいずれの国でも実戦力として海外渡航制限を受けるような世相において、達也や深雪の同級生である北山雫(きたやま しずく)と交換留学という形でリーナがある任務を帯びて入国してくるという第1話でした。

来訪者編が原作で<上・中・下>の3巻構成だったので、1クールの放送であればこの3巻分のエピソードのみがきっちりアニメ化されることになると思います。

第2話以降も楽しみです。
== [第1話視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.11.19追記:
第7話まで視聴終了。主にリーナが出てくる場面で使用される呑気な曲調のBGMが、彼女のポンコツぶりに天才的にマッチしていてとても気に入っています。

さて、第6話で<来訪者編>では初お目見えしたピクシー(メイドロボ)ですが、こいつは1期目の<横浜騒乱編>で出てきていた奴ですね。当時何を考えて東山奈央をキャスティングしたのかは謎ですが、現在獲得している人気を考えると2014年当時のキャスティングとしては大当たりだったかもしれませんね。

2020.12.29追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。

原作本来の意味での「来訪者編」は第11話Aパートまででした。

第11話Bパート以降は次の「ダブルセブン編」のエピソード、あるいはタワー関連の話はアニメオリジナル要素です。

ただ、第12、13話も原作者脚本回なのでオリジナルとはいえ、原作は無視したものにはなっておらず数字落ち(エクストラ)の説明は本編中での説明としては原作よりも詳しかったといえるかもしれません。

原作既読でしたが、面白く観ることができました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

大晦日とおにいさま

※注 本レビューは大晦日にUPしたややネタ色が濃いものとなります。予めご承知おきください。

 48年ぶり2回め {netabare}帝京第五高校(愛媛県/2017春){/netabare}
 24年ぶり2回め {netabare}玉置浩二(ソロ/2020紅白){/netabare}
 12年ぶり2回め {netabare}Mr.Children(2020紅白){/netabare}
  6年ぶり2期め {netabare}魔法科高校の劣等生 来訪者編 うぃーっす{/netabare}

魔法科高校と帝京系列の高校は互いに9校ずつあるようです。名盤『深海』にクレジットされてる「Mirror」と同名曲は1期後半のEDでした。作曲はTAMAI KENJI(ちと苦しい)。今回2期EDタイトルはこれまた「名もない花」となんかしら邪推してしまいそうです。
オカルトの一種?魔法といったファンタジーの産物に科学の持つ合理性を持ち込んだ意欲作。のっけから高校物理か生物かで習ったおなじみ半減期を意識したリリース時期や年末に一区切りつける秋クールでの放送にプロモーションの合理性を感じます。きっと大晦日紅白で大物アーティスト久々ご登場の裏にはおにいさまの暗躍があったのかもね。

そんな「言われてみればそんな気もするけどまぁ荒唐無稽だよね」な2020秋クールの注目作品です。


原作未読 全32巻

2クール費やした1期のおさらいは以下

#1-#7  入学編(1-2巻)
#8-#18  九校戦編(3-4巻)
#19-#26 横浜騒乱編(6-7巻)

この長編小説。司波達也(CV中村悠一)が高校を入学するところから卒業するまでの『高校生編』がアニメ2期放送と機を同じくして無事完結との朗報です。
このアニメ2期『来訪者編』は1期からの地続きで達也が高校1年生時代の最後を飾るエピソードとのこと。途中に劇場版を挟んでいますが1期放送から6年越しのアニメ新作に該当します。

2期
#1-#13 来校者編(9-11巻)

歯抜けになってる巻はすっとばしてるかOADとかでやってるんでしょう。2期完走してみて話の繋がりで齟齬を起こしてるようには見えなかったです。
これまで小説2巻分のエピソードで刻んでたのを上中下巻の3巻分を1クール全13話での放送です。1巻あたり3.5話~5.5話のペース配分を踏襲して2期も1巻あたり4.4話と無理もなさそうな構成、といったところでしょうか。


 さすおに

「さすがはお兄様です」の強烈な印象で語られる本作の2期を前に私の観点をおさらいしときます。

1.のめりこむでも揶揄するでも“さすおに”な兄妹を楽しめるか?
2.科学する魔法の論理構築っぷりに唸れるか?
3.特殊部隊や外国の軍事勢力とタメを張れる高校生を許容できるか?

基本的に立ち位置はネガティブ。1.3.はあくまで「我慢できそうか」が判断基準なのです。真顔で言うなら度の過ぎたフェチシズムは気持ち悪いし「なわけねーだろ」な最強ぶり。それなりに話題になってるわりに弾かれた方は似たような理由で撤退してるかと存じます。
そんなわけで少なくとも私にとって引力足り得るのは2.です。ここは2期もきちんとやりつつ新しい風を吹かしてました。だがしかし…

{netabare}「CADを必要としないからキャストジャマーは意味が無い」{/netabare}

私なんて直近の再放送だからまだしも6年ぶり2回めの視聴者の皆さん大丈夫でした?
キャストジャマ―、CADを必要としない、サイオン波パターン、プリズスキャルブ、エシェロン等々。
3日休むと勘を戻すために時間を要すのと同様に、専門用語が多い作風に対しては一気に観るか原作を読んどいたほうが良さそうでした。
なお食い気味に観てなかったからかところどころ理解できておりません。


魔法がひとつの技術みたいな位置づけとなってる世界ですからその源泉であるCAD(シーエーディー)を必要とせずに魔法チックなものを発動できる展開で物語上大きい波風を立ててる2期。
いわゆるとってつけたような安直な作品の一つに見えがちですがなかなかどうして。さはさりながら荒唐無稽なことを大真面目に丁寧にやってるだけが取り柄といった私の評価です。

 結局、司波達也おにいさまがキリッとしちゃえば万事OK!

そんなおにいさまを笑ってはいけないのが本作のルールなんでしょう。
笑っていいおにぃはコ○リコの小っちゃいほうだけです。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ

-----


2020.12.31 初稿
2021.10.09 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 42
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法師の平穏を目指す達也の大計は続いていく……

【物語 4.0点】
第一高校へ交換留学生としてリーナがUSNA(北アメリカ大陸合衆国)より来日(勿論、真の目的あり)
街で多発する魔法師襲撃すなわち“吸血鬼事件”の解決と真相究明。
などがシナリオの軸だが、
根幹はやはり魔法師が兵器や道具として使い潰される
不遇の改善のため活動する主人公・司波達也らの奮闘。

能力を持たない人間たちに差別される犯人たちから魔法師を同族視される。
魔法師こそが進化した人類であると主張する過激派。
など魔法師が一般社会に溶け込んで穏やかに暮らすためのハードルの高さが、
精緻な21世紀末の社会描写により、改めて浮き彫りになる。

現状に対して達也はラストも{netabare}「分解」より「再成」(※人間には許されない位のスケールw){/netabare}
を誇示することで、再三再四、大志を示す。


科学により観測され、管理された魔法という基礎設定もいっそう洗練。
特にエネルギー保存の法則を超越する魔法の源が、
{netabare}異次元から供給されるとした余剰次元理論の仮説{/netabare}
には興奮しました♪

並の中二病設定では満足できない重症患者の私にとっては、
このシリーズはある意味、究極の中二病作品なのかもしれませんw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・エイトビット

バトルシーン描写もエフェクト等のド派手な演出よりも、
管理された魔法のリアリティを探求した説明重視。
日常シーンでは作画カロリーはさらに低減される。

episode7での達也の活躍が象徴的。
伝家の宝刀“マテリアル・バースト”以外のスキルをフル活用した立ち回り。
この最強お兄様の本質は、「精霊の目(エレメンタル・サイト)」により、
捕捉した敵の能力を丸裸にする能力と、
得られた情報を対象の出自や政治・社会的背景も含めて、
分析、判断できるだけの知識にある。
地味ながら、さすがとしか言い様がない状況を、
サーモグラフィー風も交えたの透視映像で演出する等の渋い仕事で魅せる。


【キャラ 4.5点】
TVアニメでも本格的に登場となったリーナ。
劇場版『~星を呼ぶ少女』でも描かれていた
実はエリート軍人なのに、意外と抜けている部分はそのままに、
不可解な日本趣味なども掘り下げられる。
達也だけでなく、正ヒロイン・深雪との対決も色々な意味でヒートアップ。

彼女もまた軍人らしからぬ部分を無自覚に押し殺して任務に当たる無理を、
達也に指摘される形で作品テーマに合致する。


能力だけでなく、宿命や家を背負って
肉体&精神年齢いずれも高そうな高校生たち。
と思いきや秘められた意外な属性も発掘されたりする。
という他の魔法師キャラ設定も相変わらず。

21世紀末のSF設定ならではの萌えの探求もマニアック。
例えば、{netabare}光井ほのかの達也への想いなどが投影されたロボット(愛称・ピクシー)を通じて、
ダダ漏れになる乙女心{/netabare}とかw
いや……そんなパターンで赤面されても、20世紀生まれの私は反応に困りますってw


【声優 4.5点】
主人公・司波達也役の中村 悠一さん。
そもそも、人工的な精神改造により、
脳内に仮想魔法演算領域を組み込んだため、感情希薄になっている達也。
そんな中でも微かに滲み出た怒りや喜びといった機微が読み取れる好演が、
達也のキャラクター性を高める。

達也役として引き続きナレーションおよびナビゲート役も兼ねる中村さん。
世界情勢等への精通もまた、魔法師の幸福という達也の大願成就のため。
一本筋が通った部分も演技で捉えているから伝わって来ます。


妹・司波深雪役の早見 沙織さんも熟成。
お兄様の微かな感情の揺れ動きを捉える包容力を表現。
ここまで兄の気持ちを理解していても、
兄妹以上の関係になりたい気持ちを胸に秘めたままなので、
距離を詰め切れない、いじらしさとか。


そんな兄妹の感情が静かに火照る、
自動運転車内の二人の掛け合いが私は堪らなく好きなんだ。


正ヒロイン・深雪を再認識させられた末の、
スピンオフコミック『魔法科高校の優等生』のアニメ化決定♪さすがですw


【音楽 4.0点】
劇伴は岩崎 琢氏の続投。バトルシーンではオーケストラ風あり、テクノ風あり、
Lotus Juiceの参加曲ありの豊富なバリエーションでSF魔法戦を盛り上げる。

日常コメディパートでは「謎BGM」と称される老獪(ろうかい)なサウンドが炸裂w
リーナがポンコツを発揮するシーン等で多用されたレゲエ風に、
七草(さえぐさ)先輩による{netabare}暗黒のバレンタインチョコ{/netabare}のシーンではアフリカ民族音楽風と、
国籍に囚われないフリーダムな楽曲が宛がわれ混迷に拍車をかけるw


OPはASCA「Howling」
サビの“Wow wow”がライブで最高にブチ上がりそうな快作♪
が……今は大観衆を集めた公演は中々できない状況。
そこで敢えて咆哮する辺りに情熱を感じます。

EDは佐藤ミキさんの「名もなき花」
良作バラードをシットリと歌い上げる。
この落ち着いたボーカルは私が未知のベテラン歌手だろうか?
と思いきや、これが彼女のメジャーデビューシングル。恐れ入りました。

歌詞は、OPがリーナの、EDは深雪の心情を描写。
主題歌でも両ヒロインの場外戦が勃発!?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

66.2 6 ファンタジーで任務なアニメランキング6位
アサシンズプライド(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (272)
1170人が棚に入れました
マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負いー。能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが…。「オレに命を預けてみませんか」暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の 矜持にかけて、少女の価値を世界に示せ!

声優・キャラクター
小野友樹、楠木ともり、石川由依、薮内満里奈、佐倉綾音、内田真礼、和氣あず未、鈴木達央、森川智之、徳井青空、瀬戸麻沙美
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

アニメでも楽しい寄せ鍋パーティーが実現するかどうか→超高速しゃぶしゃぶパーティーでしたw

貴族が“マナ”で戦う責務を負った、人類最後の都市国家“フランドール”にて、
マナが発現せず“無能才女”と蔑まれた少女が、新任の男性家庭教師と共に逆境に立ち向かう、
同名ライトノベル(11巻+短編集1巻まで購読済)のアニメ化作品。


【物語 3.0点】
飛ばし気味。単純に原作3巻分で1クールを消化、
ヒロイン1年生編完結なら、まだ妥当なペースだったが、
中盤以降に短編集のエピソードやヒロイン2年生時の5巻の内容までねじ込みハイペース化。
概ね要点は抑えるも、じっくり物語やテーマを咀嚼したい方にとっては粗く映る懸念。


【作画 2.5点】
作画カロリー不足(特に中盤以降)
シナリオ高速化により多彩となったロケーション、シーンへ対応し切るには兵力不足。

特に残念だったのは最終話の“裁判”のシーン。
{netabare} あの場面はメリダが自身を“無能才女”と蔑む風評に決然と立ち向かう重要な場面。
作画も一丸となって盛り上げるべきクライマックスだったのですが人物、背景共に低調……。{/netabare}

一方で、闇に覆われた世界にシャンデリアのように灯った都市国家
という世界観の再現映像は、原作既読組が見ても新鮮な背景作画。
スタッフの作品愛は確かにある。ただ、愛はあっても、兵力がなくては……。


【声優 4.0点】
奮戦。説明不足のまま感情を振り切ってシナリオを打開する
声優頼みの無茶振りも相当あったが、
ヒロイン・メリダ役の楠木 ともりさんを始めとしたキャスト陣が折れずに熱演。
声優陣にも漲った作品愛により、茶番転落のピンチ脱出を幾度も演出。


【音楽 3.5点】
劇伴はクリエイター集団・MONACAが引き出しの多さを生かし様々なシーンにそつなく対応。
OPはRun Girls, Run!「Share the light」がミステリアスに、
EDはヒロイン・メリダのキャラソン「異人たちの時間」がバラードでシットリと、
どこか寂れた作品世界を表現。

クセのあるOP曲を歌い上げたランガの3人は、
声優アイドルとしてだけでなくアーティストとしても今後、注目していきたい存在です。


【キャラ 3.5点】
正真正銘の“無能才女”から健気に努力を積み重ねるヒロイン・メリダと
彼女を教え守る“暗殺教師”
“三大騎士公爵家令嬢”のJCヒロインズを始めとした顔ぶれのビジュアル再現は華麗。
ただ、やはり高速シナリオにより個々の掘り下げは不十分。

サブキャラに至っては、生徒会長や学院長など見せ場が削られた面々も多数おり、
原作既読組にとっては歯がゆい内容。


【感想】
これ……果たして原作未読組の方は付いて来られたのでしょうか?
とにかくハイペース&乱ペースに目が回ったアニメ化作品でした。

それでも、月並みですが追い掛けてきたラノベ作品のキャラが
アニメで躍動する姿は観ていてやっぱり嬉しかったです♪
(やっぱりJCは良い物ですね♪はいw)


原作既読の私にとって、改めて考えさせられた場面は、メリダとミュールとの関係。

ミュール=ラ・モールについてはアニメ放送期間中に刊行された
原作11巻にて重大な事実が判明していて……
(※かなり核心的なネタバレなので見ても構わない方だけ開いて下さい)
{netabare} ミュールはラ=モール家の本当の娘ではなく、“古代人”の血を受け継ぐ存在。
魔騎士(ディアボロス)の上位位階(クラス)も
義母アルメディア=ラ・モールからの移植により継承された物。
即ちマナに関してはメリダと似た境遇にある。{/netabare}

それを踏まえた上で、
ミュールは“無能才女”に何故、興味を引かれたのか?
という視点で二人のやり取りを再見すると、また違った味わいがありました。


また、これは原作未読の方も薄々感じておられるでしょうが、
本作の世界は、太古の昔、科学が魔法を解析、コントロールし、
“十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない”レベルにまで高度化した古代文明が、
遺産を残して崩壊したのか、それともなにがしかの実験世界を作ったのか。

世界の真相にSFを感じる面が多々あり、
その解明が原作メインストーリーの牽引力にもなっていて、
現状解禁された情報を元にアニメで初期を振り返り考察するのも、私にとっては一興でした。


アニメは余程のことがない限り1期で終わりでしょうが、
私はこの世界が暴かれるまで、引き続き原作者の掌の上で踊らされようと思います♪




以下、放送前の勇み足長文。長いので折りたたみw
{netabare}
あらすじ

{netabare} 青い空に太陽と月が存在していた時代は、今や遠い昔の話……。

世界は《夜会》と呼ばれる生物を蝕み、
《ランカンスロープ》と呼ばれる化け物に変える闇に覆われていた。
最後に残った人類は夜に輝くシャンデリアをひっくり返したような世界《フランドール》
街を収めた《キャンベル》と言う巨大なガラス容器群の中で、
《太陽の血(ネクタル)》を灯して辛うじて生き長らえていた。

物理攻撃が通じない《夜会》の《ランカンスロープ》を倒せる唯一の力《マナ》
《マナ》を宿した《貴族階級》は人類を守るため戦う責務を負っていた。

その中でも《上位位階》の《マナ》を継承する《三大騎士公爵家》に生まれた
《聖フリーデスウィーデ女学院》一年のメリダ=アンジェルは
未だ《マナ》を発現できず、級友からも《無能才女》と蔑まれていた。

彼女の元に家庭教師として派遣されたクーファ・ヴァンピールは、
メリダの育成と同時に、彼女に才能なしと判断した場合は、始末されるよう依頼されていた暗殺者。
いつもの汚れ仕事。淡々と任務をこなそうとするクーファだったが、
メリダの健気な姿に徐々に心を動かされて行き……。

《暗殺教師》と《無能才女》……禁断と秘密に塗れた運命を生き抜くための、
二人のレッスンが今、始まる……。{/netabare}


深夜アニメで斬新さを求める方には、あまりオススメできない作品になるのでしょうか?

定番の剣と魔法、養成学校という舞台設定に加え、
壁に囲まれた人類の風前の灯って、もう何個目なのか?
ラノベで黒衣の最強剣士の主人公って、もう何体目なのか?
尊氏が金髪ヒロインに飛び付くのは、もう何回目なのかw

といった感じで、見知った設定でごった返していますし、

他に私が気に入っている設定は、
このファンタジー風世界は蒸気機関に列車と結構、文明レベルが高く、
ついでにマスメディアも近代並に発達。
敵は《夜会》の化け物だけじゃない。
むしろヒロインの出自等のスキャンダルを嗅ぎ回る
人類のマスコミも厄介な存在。

といった部分ですが、主人公、ヒロインがゴシップにも立ち向かうファンタジーも
本作が初見でもありませんし……。

決め台詞にしたかったと思われる“暗殺者の慈悲(アサシンズプライド)だ”
も歴代ラノベの名台詞に比べれば、決定力は今ひとつな印象……。


では何故、私がここまで原作にのめり込んでいるのかと言うと、
送り手の作者が執筆を楽しみ、受け手の読者も物語を楽しむ。
と言う創作活動の原点を私が感じているから。

原作者の天城ケイさんは本作で富士見書房ファンタジア大賞を獲って
作家デビューして本シリーズを書き続けておられるわけですが、
本作からは、自分が作家デビューしたら、こういう設定や展開を描いて
読者に披露してみたかったんだ。
こうした迸る創作の喜びが、本文やあとがきから伝わってきて、
読んでいて私もとても嬉しくなるのです。
(実際には裏では締め切りに追われたりして修羅場なのかもしれませんがw)

展開を投げ込むテンポも、
バトル入りました~♪萌え入りま~す♪イケメン入りま~す♪
微百合入りま~す♪ラッキースケベ入りま~す♪
って感じで実に軽妙な“鍋奉行”ぶり♪
天城さんは本作完結したら、《太陽の血(ネクタル)》もネタも
全て枯渇してしまうのではないか?
って位、どんどん投げ込んできてキモチイイです。


テンポと言えば、作品内時間が流れる速度もラノベ学園物としてはハイペース。
10巻にして既に三年目に突入しています。

そして、メリダちゃんたちヒロインズはラノベに多い女子高生相当ではなく、
中等部相当の一年生。中学生、JCですよ!(←おっと……コーフンを抑えないとw)

暗殺者として灰色の青春を送ってきたクーファくんも、
最初はメリダに誘惑?されても、子供のお遊びと能面でスルーできますが、
どんどん流れる月日、彼女がレディーに育っていく中で、
色気を交し続けられるかどうかも秘かな見所です。


この秋からのアニメ化。
制作のEMTスクエアードも、それほど元請け経験が豊富でもないのでしょうか。

私としては、出来れば分割でも良いから2クールで、
4巻以降、学院外の様々なロケーションを盛り込んで来るのを映像としては観たいのですが、
この陣容だと、1クールで、比較的、舞台が学院内に限られる3巻程度まで、
無事にアニメ化できれば御の字なのでしょうね。

それでも、ヒロインズの色々な衣装やら格好やらも含めて、
どんどん投入してくる“鍋奉行”は、宴の序盤でも具材が多彩で、
作画要求も決して低くはなく、楽しい“寄せ鍋”パーティーが、
近ごろ多発しているらしい、ラノベ原作アニメの作画崩壊と言う
“闇鍋”狂宴に転落するリスクは常にあると思われますw


私が本作のアニメ化で期待することは
アニメスタッフの方々にも物語を作り伝える
楽しさの原点を忘れず制作して欲しいということ。

私もいち視聴者の分際で、プロを相手に生意気が過ぎますが、
本作に関しては、楽しみにしていた同人誌の新刊でも読むような心境で、
物語のキャッチボールを楽しむ初心を大事にして、
温かく見守って行きたいと思っています。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

3話までの感想{netabare}
原作未読。
メリダはマナの才能が無いけど、合わなかったら死ぬかもしれん薬でもって「あたかもあるかのように偽装して」、それがバレてはマズい、って話じゃないのん?
(更には与けられたマナには属性があるみたいで、それが違ってるのもバレてはマズいらしい)
なんか才能を目覚めさせたと解釈してる方が居て「え、そうなん?」と困惑、目覚めたんじゃなくて仮初めなんじゃないの?
と思ったら2話でちゃんと「分け与えた」と言ってるし、更には試合で尽きた描写まであるじゃない…あれー、自分なにか見落としてるかなぁ…。
尽きたと言った後に再びマナ使ってるので「仮初めだと思わせといて実は…」って展開かも知れないけど、それにしても内容の解釈が分かれるのはちと怖い(自分が間違ってるんじゃないか?という意味で)。
で、じゃあなんで主人公はそうしたかというと、普通に考えりゃ主人公自身も元はマナの才能が無かったとか、あったけど生まれ(家系)のせいで今の職にしか就けなかったとかで社会に不満を持ってるとか、そんなんじゃないのん?

と不思議に思いつつの3話。
ああ、どっちかというと“一人之下”の異人みたいな感じなのか、先天性と後天性がある、みたいな。
先天性であれば不倫の子ではないと証明できるけど、後天性では疑われる。
更に属性がパラディンでないと後天性(もしくは不実の子)なのは確実で、強引に書き換えようとウィリアムが仕掛けた、って感じか。
書き換えの技術、それと後天的にマナを授ける技術の存在がどれだけ周知されてるかが今後のカギになる…のか?
ランカンスロープって欄干のスロープとライカンスロープの駄洒落だと思ったら普通にライカンスロープ※のことなのね。
また主人公の名前がヴァンピールでまさかそんなハハハと思ったら普通にダンピールだった、ネタバレでもなんでもないだろこんなのw引っ張る意味が分からない。
ハッカ石って発火石?最初薄荷石だと思ったw
カウンターストップはここではどっちかというと自動ジャスガ(ジャストガード)的な意味だと思う、リミットブレイクはジャスガ無効、と(だいぼうぎょ貫通、みたいな)。
でもって獣人系に特効持ちじゃないとダメージを与えられない、と。

と、ここまでは設定の確認みたいなモン。
感想としては…女性キャラがみんな貧乳なのは素晴らしいのだけど、どうにもダイジェスト感が否めない。
2話で実は大技を鍛錬してたというのも「え、いつの間に?」と唐突だし、発想のベースに“ブラッククローバー”があるせいかも知れないけど「マナに頼らず肉体の鍛錬を積んでたからイザという時底力を発揮する」ということも無いみたいで「あれ?」って感じ。
3話なんてマナ無い時代の修行の成果を見せる恰好の機会だったと思うのだが…。
なにか放つ技も“閃乱カグラ東京ナントカ”みたいに雑だなーと思ってたら本当にセンランカグラ出やがったw(しかも2話の作監にごとうじゅんじの名前アリ)

また、1話にしたって、もしメリダが男キャラだったらクーファに会うまでは修行と「プレッシャー」によって生傷の絶えない姿だったんじゃないかな?
実際は膝小僧に傷一つ無いキレーなお人形さんみたいな身なりで違和感。
ぶっちゃけ全身青アザだらけで「こいつどんな虐待受けてるんだ?」と思わせた方のが、置かれた境遇の厳しさやクーファの心変わりにも説得力を持たせられたのでは?
ってかすぐに傷を治せるマナでもあって実はそれ持ちなんじゃね?と疑ったくらいで…紛らわしいっちゃあ紛らわしい。

一応メリダにはなにか秘めたる才覚があるみたいで、それをウィリアムは感じ取ったっぽいけど、それが何なのかが今後の話になるのかな?
単に後天性であろうともクーファの師事を受ければ脅威になりえるってことではなかろう…まさかねハハハ。
どれだけクライアントを欺き続けられるかが見所だとは思うのだけど、逆に切り込むようなことにはなる…のかね?
とりあえず貧乳素晴らしい。



ライカンスロープの語源は人狼(ワーウルフ)のみを指したのかも知れないけど、ゲームじゃあワーラットもワーバットもワーパンサーも、どれも「獣人系」とひとまとめでライカンスロープ呼び。
少なくとも初代wizの頃からそうで、今はもう狼男以外もライカンスロープでいいと思う(ヴァンパイア≒ワーバット)。
あれだ、“かつて神だった獣たちへ”に出てきたギシン兵、あれ全部ライカンスロープ。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず5話まで。
原作未読でもアニメがすごいはしょってるのが分かる出来、そんなに急ぐ内容なのかなぁ?
エリーゼと対決だ、と思った次の瞬間にエリーゼが逃走してる体になってて戸惑う。
激しい戦いの末体が傷だらけで~って表現、なんだこの作品でもやるんじゃん、↑で書いた様に1話で主人公に出会う前からその表現しとくべきだったんんじゃないかなぁ?
マディアはFEのチェイニーみたいな能力持ちで、とはいっても下位クラスしかコピーできないそうで、これにより下位クラスは7種あることが判明、多いな。
目的はあくまでクライアントからの指示の完遂なだけなので肝心のクライアントを説得できれば手を引く、考えが分かり易いっちゃあ分かり易い。
一方のミュールは大会出場者偽装をしてたみたいで…こっちはどういう思惑だったのかは次回以降に続く~。

と思ったところで6話、箸休めみたいな回。
裏後夜祭が裏高野(孔雀王ネタ)祭に聞こえて仕方無いwもうちょっと横文字的な呼称は無かったん?
ミュールが妙に親し気で、出場者偽装はちょっとしたいたずら心で…ってワケじゃないよね?まるでそうだったかのよう。
スライム降ってサラシャへ嫉妬を燃やすネタ、前もって胸のことに触れてないと分かりにくくない?
最後「実は本当だったんだ」と思わせるような片鱗は見せて欲しかったかも?「じゃあ○○をやったのも先生だったんですね」「いやそれは知らん」「え」「え」みたいなの。

どうにも「カットされてるっぽい」と思わせる部分が多く、ゲームやアニメ慣れしてる人向けな気がする。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
人死に出しまくりな人体実験やってて、首謀者クラスで教祖めいた振る舞いの役(レッドヘリングかも知れんけど)がホーチューって…ああもう、“フェアリーゴーン”と被っちゃったよw
ホーチューも「またこんな役か」と苦笑いしてそう。
なーんてことを思ってたらロゼッティが片目に炎灯してワイルドブラスト(ゾイドワイルドネタ)しちゃったよw
赤尾でこ繋がりかよwww
もし原作からこうだったとしたら赤尾でこも苦笑いしてそう。{/netabare}

9話感想{netabare}
え、自分がヴァンパイアの眷属であるという記憶を封じれば吸血衝動が抑えられるって?

自覚しなくても本能で発生するものじゃないのか?衝動って。
いわゆる小脳や脳幹の領分で、記憶を司る大脳とは全然別モノだと思うのだが。
むしろ抑えるための記憶を取り払っちゃアカン気が…それこそ無意識に・寝てる間とかに人を襲いそうじゃね?
まるで「性教育をしなければ性欲は発生しない」と言ってるみたいで、この発想は承服しかねる。
というか「記憶や意思とは別の抑えられないナニかが内から沸き出る」ってネタはアニメではよくあるじゃん?
それをこんな手段で回避しちゃうのはどうなんかなぁ…。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
肝心の第一話、暗殺者として登場した主人公のクーファは、ターゲットのメリダを見て“どういうワケか心変わりをして先生を買って出る”。
そこで私が抱いた解釈としては、クーファ一人では実現不可能で諦めてた「何か」があって、メリダにそれを叶える「何か」を見出して師事することにした──だと思ったんだよねー。
ってことでその「何か」が明かされるんじゃない?という好意的解釈の元ダラダラと見続けたのだけど、無いのかい!w
明かされる明かされない以前にあるのかどうかも不明…最終回でもかすかに触れたけど結局1話の段階で匂わせた「高尚な精神に心打たれた」ってことみたい。
うーん、だったらもうちょっと見せ方があったんじゃないかなぁ?
これじゃあ早い段階で「なんで暗殺を取りやめたのか理解できない」として視聴切った方の見込みが正しかったということに。
私が勝手に好意的解釈しただけだし最後まで見て後悔したとは言わないけど、こういうのやられちゃうと「1話の段階で1から10まで説明してないとダメ」って気運が蔓延しそうでなんかヤダ。
アニメスタッフも自分の首を絞めることにならない?

そして途中も何か話の流れに違和感を覚えて。
それもそもハズ、どうやらアニメは原作とは巻数の順番が入れ替わってるんだそうな。
本来は裏後夜祭の話はもっと後なんだって。
その前のエピでミューラが「ふふふ、マナ種別判定装置にメリダのデータ取りできましたわ」って終わり方だったのに、次の登場でマブダチめいた展開になってておかしいと思ったよ。
順番通りにやるとクライマックスを最終回に持って来れないので入れ替えたのだろうけど、もうちょっと辻褄合わせをしようよ…。

そして最終回は作画が…うぎゃああ。
全体的に作画はアレだったけど最終回はホントにもう…落とさないだけマシだったと考えるべきなのか?
なんか最近自分の評価基準がグラつく出来事が多いのだけど、もうどうなってるんだ…。

とツッコミばかりではあれだし良かった点。
作品によっては「戦闘力の高さ=政治的地位の高さ」の設定に全く説得力が無くて参っちゃうのがあるけど、こちらはしっかりと納得のできる設定でした。
ランカンスロープを倒せることが貴族の証、ほうほうナルホド。
じゃあメリダパパは化け物みたいに強いんじゃないか?と睨んでて、クーファと一戦交えるかな?と期待もしたけど残念ながらそれは無し、まぁ仕方ない。
最終回メリダが人を避難させる際、それまで散々嫌がらせをしてた人間も分け隔てることなく避難させてました。
「人間を守る」というヒーロー物なら入れて当然の描写なのだけど、これもやらない作品が目立ってのう…こういう描写はちゃんとやるんだなぁ。
そしてこれ重要、一人を除いて女性キャラはみんな貧乳wハヤテのことくかな?

ということで総評としては、原作未読だけどひょっとしたら原作はマトモなんじゃね?と思わせるような内容でした。
悪い部分がことごとくアニメスタッフのせいじゃんって感じで…実際どうなのかは読んでみないことにはハッキリしませんが、なんか原作者可愛そう…。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういうの、好きです♥

凄腕の暗殺者。
与えられた使命は、貴族の娘の、
超能力の発現指導。
出来なかったら、
その時は「殺せ!」

こういう命運のもとで出会った、
アサシンと貴族令嬢。

普通なら、
「見込み無し」って、簡単に殺されておわり。

そんな話なのに、
何故だか暗殺者は、貴族令嬢を気にかけてしまい、
パレたらマズイ裏ワザで、
貴族令嬢を能力者に…

こういうの、好きです♥

理屈じゃないんです!

何の縁(エニシ)もない女の子を、
理屈抜きで、
命をかけて守ってしまう!

もうそれだけで、ロマンチック!!

・・・最後まで観終えました。
ラストは、ファンタジーっていうより、メルヘン?おとぎ話?って感じだったけど、
メリダの心がしっかりと強く育っていたのと、
鍛えてくれたクーファが最後まで騎士だったのが、
素敵でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

69.4 7 ファンタジーで任務なアニメランキング7位
勇者、辞めます(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (295)
983人が棚に入れました
魔王軍の侵攻から世界を救った勇者レオ。 しかしその強さは平和な世を迎えた人間にとっても脅威となり、ついには聖都から追放されてしまった。 地位も名誉も居場所も失い、彷徨う勇者が行き着いた先は――ボロボロの魔王軍!? 人への恨みか自暴自棄か、魔王に正体を隠しつつ、四天王と共に軍の立て直しに挑むレオ。 引退勇者の大仕事、その先に待つものは......?
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

いつもの、よくある、異世界ものではありませんでした^^

原作未読 全12話

勇者を辞めて、魔王軍幹部をサポートしながら魔王軍に入隊するために頑張っているお話です。

序盤から中盤までは、コミカルなお話が多くいつものよくある異世界ものと思って観ていました。

終盤になって序盤や中盤に撒いた伏線を回収しつつ次第にシリアスな展開になってきます。

あれ〜こんな作品でしたけwと実は観ていて急にシリアス展開になったので戸惑いましました。

何故勇者を辞めたのか、そして魔王軍に入ろうとするのか、そして主人公は何を望んでいるのか、結構深いお話でした。
{netabare}
3000年、ほぼ1人で生きるというのは、想像もできませんね。
{/netabare}
もし、観る機会がありましたら最後まで観て欲しい作品です。

OPは鈴木みのりさん、EDは東山奈央さんが歌っています。

最後に、展開がガラリと変わる異世界ものというので印象的だったのは慎重勇者以来のような感じがします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

挑戦的な取り組みで、完結するのも良いです。エンタメが弱いかなあ。

 まず、完結する物語だったのは大変良かったです。こんなことで喜ぶのも何ですが、完結している物語は読み取れるものが多い気がします。だからこそ記憶に残ります。

 本作は加えて、SF的な発想と異世界を組み合わせて面白い話にしたてました。演出やエピソードが必ずしも優れているとはいいません。実際、単なる異世界ものとして見たときには「つまんなさそう」と2話切りしました。構成あるいは惹きつける何かが初期にあれば、もっと評価が変わっていた気がします。
 ただ、一方で意外性という点ではいい意味で騙されたということですね。冒頭のシーンの意味とか見返すと、なるほど…結構伏線もあるしがんばってたんだ…と分かりますが、ちょっとこの異世界ものが氾濫している中で誤解を受けやすいというか、私が実際見誤りました。

 ライトノベル等なら表紙や帯の情報で、おそらく読み進めるだろう話も、アニメになると1~3話でがまんできなくなりますから、その点では過小評価されやすいでしょう。もうちょっとアニメ化に際して工夫がなかったのかなあと思います。

 結果的にストーリーは面白かったと思います…知的には。あるいは、感心するとか興味深いという意味ですね。「人魚」「バンパイヤ」等の不老不死の退屈、AI的な使命の問題、火の鳥のような「文明」の栄枯盛衰など沢山の要素が盛り込まれていました。それが上手くマッチしていい話になっていたと思います。

 感覚的…つまりエンタメ的には若干弱いと思います。ギャグが弱い、演出が弱いので面白さ、バトルのワクワク、ピンチのドキドキがないですね。仕掛けのせいでダブル主役の2人の内面描写が弱くて、感情移入の相手先がブレブレだったので、没入感がなかったせいかもしれません。

 で、結末ですね。{netabare} 本作はバッドエンドをいかにうまく昇華して勇者と魔王の生きざまの集大成として死を選択するか、が作品の意味かなと思っていました。寂しいけど死をハッピーエンドとして処理する流れがどうなるのかが楽しみでしたが、違っていましたね。必死の魔王のワザが「命と引き換えじゃないんかい」という突っ込みをしたくなります。
 結果的にわかりやすい方のハッピーエンドにしました。これはこれでマイルドで楽しいですが、勇者や魔王のキャラと人生に込めた意味性が希薄になった気もします。その点で肩透かしでしたが、死を選ぶのも安易と言えば安易ですので、{/netabare}ここは原作者の選択を尊重すればいいと思います。

 ということで、想像以上に話は良かったと思います。エンタメが弱いのと、昨今の異世界モノの御多分に漏れず、アニメはちょっと安っぽかったのが残念でしたが、こういう挑戦的でしかも1クールで完結させる作品は嫌いじゃないです。

 このサイト基準の評価は低いですが、話の内容は80点くらいあげてもいいかも。


以下 視聴時のレビュー

{netabare} 1話 ストーリーというか設定を見る限りでは、面白くなるかもしれないと思いました。歴史ものでは強者に対する支配者の疑心暗鬼はよくある話ですし、魔王と勇者の組み合わせは「まおゆう魔王勇者」という例もあります。ギャグに振るなら「はたらく魔王さま」的な構造もあり得ます。

 ただ、実際作品を見ると、不思議なくらい作品の雰囲気に面白くなる可能性を感じません。演出なのか設定なのかキャラなのかストーリーなのか…全部?うーん。なんか違う感じが…感覚的で申し訳ないです。
 あんまり語ってもしょうがないですが、肝心の「強さ」と人間VS魔王の設定に関して世界感の作り込みが甘い気がします。あるいは主人公の造形なのかキャラ作りなのか。

 ぜひぜひこの感覚を裏切って欲しいところです。 

 作画から言ってさほど手抜きというわけでもなさそうなので、チェックはすると思います。


11話 あれ、SFだった?ちょっと再検討中です。 

 2話切りしてましたが、なんか皆さんのレビューが不穏なコメントが多いので興味でて10話、11話チェックしました。結構面白そう?SF?しかも、結構、テーマ性がある?ちょっとチェックします。


11話 なるほど…アイデンティティの問題かあ。

 つまり仕事の話をしていたのは、有用性の話ですね。一見、勇者の持つ宿命の話と乖離したお気楽な話で進行します。が、これって、自分が常に何かの役に立っていなければという勇者の行動原理の表れだったということでしょう。

 昔の話で出てきた悪魔とのやり取りがなかなかいいシーンで、10話につながります。
 不老不死の退屈、強すぎる故の孤独、やりがい、自己肯定…いろんなことが入っていますし、AIアンドロイド的な面白さが感じ取れます。
 善悪の相対化はちょっと陳腐な面もありますが、魔王がなかなか可愛いいし、四天王のキャラが立っているので、ちゃんと成立しています。

 ストーリーも設定もテーマも入り込めればかなり良作だと思いますが、エンタメの部分が置き去りだったというか、伏線の工夫が足りなくて、せっかくのいい話、いい設定が活かしきれなかったか…うまくいけば「慎重勇者」のようなカタルシスがある作品になりそうですが、どうでしょう?最終回、結構楽しみです。

 多分次回で最終回ですよね。見終えたらレビューします。{/netabare}

 

 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

定年退職 次いで再雇用

原作未読

勇者を辞めて魔王側に鞍替え職替えするお話。ちょっと何言ってるかわかんないです。

 ハイスキルのフリーランスが競合で似たような仕事請け負うみたいな
 スクエニが任天堂でなくプレステでFF出すような

モラルやら商習慣的にどうよ?って疑義が残るのと、引き抜きではなく求職側の売り込みであることに現実味がなく「掴みはOK!」とはいきません。
それでも挽回したのかどうにか潜り込んでやってたことが

 日系大手からスタートアップベンチャーに転職しました
 バリバリ外資からレガシー企業に転職しました

けっこう面白い転職奮闘記でした。整った企業から未整備の企業へ。
DRIVE共有当たり前の時代に紙帳簿で頑張ってる姿を目の前にして、抵抗するリテラシー低めのおっさんを説き伏せたり、せめてEXCELぐらいはできるようになろっか、と段階に合わせ環境を整えていきます。
環境だけではなく仕事の進め方もですね。マネジメントが上手くできてない中間管理職の改善指導なんてのもありました。中身そのものは第二新卒くらいまでが対象の分かりやすさです。

転職の成功例なんだと思います。
未整備なところへ行くと、これまで当たり前に出来てたり環境が整ってたり用意されてたりしたものが無くなるわけでして「○○(前職)ではこうだったのに~」いわゆる“ではの神”と化して周囲と溝が出来ることもあるそうです。
ハードな環境に嫌気がさして年収を下げる転職してしまうと楽できると勘違いしたり、なんて失敗例を念頭に置いとくと、元勇者レオ・デモンハート/オニキス(CV小野賢章)が根っこでは真摯に立ち振る舞っているのがわかり好印象です。
そしてまた彼が失敗しない理由は良くも悪くも超ベテランサラリーマンだったという後半のネタ明かしと合致します。いろんなモデルケース見てきたはずの彼ならではの納得感でした。

やや強引な設定を嫌味なく消化して落ち着かせてからの後半での転回というのもあっての全12話。
1クールアニメの起承転結はおおむね2/3経過第8話くらいにあることが多いのですが、本作は前倒し{netabare}(第6話){/netabare}してます。ロングスパートが吉が出るか凶と出るかは観てのお楽しみ。
きちんと一定の結論は出してるし、全12話の中でも起伏があったりと好印象の佳作でした。



※ネタバレ所感

■ロングスパートの結果
凶と出ました。

{netabare}端的に勇者レオの自殺願望からのバトルと生き直しの意味を見出すまでのロングスパートでした。意外性があったこと、一定の結末を得てること、凶と出たと言っても酷評するほどではありません。
こりゃイマイチだなぁと思った点2つ↓

1.クライマックスのバトルが茶番
 {netabare}賢者の石のある土地に出向くつもりが…実は仕込みでした、はい。ここに至るまで託せる相手の見極めをしていた伏線回収はお見事です。
ただし不死3000年を倒してもらうにしてもレオが抵抗しなくてもなかなか倒せない設定であったはず。だからなおのこと、前半の日常パートがお仕事アニメ以上でも以下でもなかったのがもったいない。
レオの指導で戦闘力上がった具体的なネタをあらかじめ見せといて最終バトルで再現するなりしたら、ベタでも深みが出たのに。せっかくの『最終試験は俺を斃せ!』が茶番に見えた。{/netabare}

2.ピーク前倒し
 {netabare}6話で現代日本的な時代に魔物が溢れてきて…っちゅう時間軸が出しちゃった後がね。
7話。機械文明の遺物マシンゴーレム出す都合上6話以降である必然性あるんだけど、せっかく変化あった後に巻き戻しちゃった感ある。
8話。レオの成り立ちとインプとの交流は機械文明崩壊の流れを汲んでるので必然。
そして9話。「勇者、辞めたい」サブタイでタイトル回収重要回かつ本作のピーク。で続くバトル。

せっかく6話で変えた流れを戻す7話。ただし最後は外の変化球で打ち取りたいからいったんインハイ投げとくかの目線ずらしと見れなくもない。問題は10話以降のバトルですね。中身については前述してます。そんなのが尺も十二分にとるもんだからダレてました。{/netabare}{/netabare}


似たようなこと繰り返し言ってますがそういうことです。嫌なんじゃなくて惜しいなぁという感覚。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

65.9 8 ファンタジーで任務なアニメランキング8位
Fairy gone フェアリーゴーン(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (254)
953人が棚に入れました
かつて妖精は、"兵器"だった――。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに。それぞれの生きる道を選択する。戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こす。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語――。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正、諏訪彩花、中島ヨシキ、園崎未恵、子安武人、大塚芳忠、津田英三、種﨑敦美、沖野晃司、小松未可子、間宮康弘、津田健次郎、麦人、川田紳司、寿美菜子、井口裕香、興津和幸、江川央生、伊藤静、土師孝也、東地宏樹、乃村健次
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

体裁だけは名作風

ベテランのラノベ作家が原案・脚本でぱっと見作画はとても綺麗、声優も惜しみなくベテランを起用して音楽にもこだわってる…と概要だけなら名作としか思えない雰囲気

……なんだけど、実際に見ると疑問とツッコミしか湧き上がらない出来
やりたいことは分かるし、設定も膨大でキャラの背景まで作り込まれてるのにそれを脚本にも演出にも反映しようとしてないから上滑り感が漂う
作家が好きなのでHPは確認して、放映分(3話まで)は設定やあらすじ、伏線を一通り読み取れるように最低でも各3回ずつは視聴しているけど、正直見る度ツッコミどころが増えている状態

1~3話視聴時点
{netabare}まずよく言われるけど固有名詞の羅列について
これ自体は別に気にならないし、ファンタジーなんだから独自の世界観を感じられる良い要素のはず
ただ、語るべき部分と不要な部分の取捨選択がズレ続けているから何を言われても耳に残らない
そもそも主人公たちが所属するドロテアは何を目的に動くのか?主要な任務はなんなのか?という基本すらアニメ3話時点で曖昧なまま
そしてヒロインがドロテアに所属する経緯も、マスコット役の小動物が押収物として回収されずにヒロインと一緒にいる理由も、それどころか仕事先の省庁に動物を連れて行く理由も一切語られない
1話で争点になって3話で一部情報が開示された「黒の妖精書」は確かに重要だけど、キャラを取り巻く環境が不明なまま話が進むから行動原理が全体的に不明瞭なままになる
そういう基本情報はおざなりなのに、妖精書の著者名ばかり羅列されてもそりゃあ意味不明としか言いようがなくなってしまう

そしてキャラの行動原理について
1話でオークション警護の任務に就いていたマーリヤは探していた幼なじみを庇うために(立場上)先輩にあたるフリーに対して威嚇射撃を行う。
それ自体は「芯の通ったキャラクター」のような振る舞いだけど、全体を通すとツッコミどころしかない

①任務をサボってオークションの出展物を弄る
②幼なじみ(ヴェロニカ)がオークションを襲撃し、複数名を殺害する
③ヴェロニカを止めるため戦闘を開始したフリーに対して威嚇射撃を行う

つまり、物語冒頭から一切仕事をしないばかりか邪魔だけを行ったことになる
マーリヤの理屈としては、「故郷を同じくするたった一人の生き残り」であるヴェロニカを探すため、敢えてオークション警護を受けたというものがある
そのためフリーを止める理由は一応あるわけだが、それにしても殺人強盗を犯した相手を一切諫めず庇い立てするのは行動に正当性が無さ過ぎる
しかもこの行動が人物背景が曖昧な1話時点でのものだから、マーリヤに共感も同情も感じられずただ不快な行動に映ってしまう

そしてこの1話ラスト、フリーはマーリヤを自分が本来所属する組織、「ドロテア」にスカウトするわけだが、普通に考えて有り得ないだろうと
いくらヴェロニカに繋がる人間とは言え、仕事を放棄して自分に銃を向けた人間を引き入れるなんてリスクのほうが大きすぎる
ともに仕事をする中で「感情にまかせて背後から狙撃される可能性」というのを考えないのか?
しかも各話アバンにてフリーは大戦を生き抜いた元兵士だと明かされている
なら余計に裏切りのリスクは理解しているべきだし、キャラの背景を理解するほど行動の矛盾が大きくなってしまっている

ちなみに1話でこんな暴走をしたマーリヤ、2話3話にて「仕事でしょ?やります」「仕事だから撃ちます」と決め台詞のように「仕事」を連呼する
初登場から仕事を無視し続けた人間なだけにすさまじい説得力があると思う

そして何より気になった演出、作画について
基本的にこのアニメは作画がとても良いと評判だけど、正確には「止め絵がとても良い」だと思う
やはりツッコミどころになっている1話アバンのフリーが剣を投げるシーン
「上」の決定への不満から剣を投げるが、何故か下手投げ。しかも叩きつけられたかのように勢いよく地面に突き刺さる
そもそも怒りで当たり散らすなら上手投げだし、剣は刺さらず地面を転がるだけでは?
そして2話アバンで戦友がフリーを庇って刺されるシーン
右手に剣を握り、フリーから見て左手側から真横に走ってきてフリーの前に立ちはだかるが、敵に刺された衝撃で握った剣を左前方に投げ飛ばしている
横から来たなら剣は慣性に従ってフリーの右手側に飛ぶはずでは?そもそも歴戦の兵士(HPによると英雄とも呼ばれる人物)が覚悟して刺されに行ったのに剣を手放すか?
そして3話のビター・スウィートが走るシーン
カットごとに剣の持ち方が順手、逆手でコロコロ入れ替わる
走るとき、人混みの中だけ逆手なのかな?と思いきや相手を攻撃するときは常に逆手のため、順手で持つ理由がそもそもない
また、ビター・スウィートに対してマーリヤが発砲する際、ビターの足元に撃った跳弾がビターの正面にいるフリーに向かって飛んでくる
どこから撃ったかというとビターの背後…ではなくビターの正面側、つまりフリーの後ろの建物の屋根から撃っていた
ビターに撃った弾がピンポイントに地面の角に当たってフリー側に跳ね返った?

こんな感じで、「格好いい止め絵」を描くために前後の動きの整合性を無視したシーンがあまりにも多い
そりゃ突き刺さった剣越しにキャラが映ってる画がお洒落なのは分かるけど、そのために動きに違和感持たせちゃ駄目だろうと
ついでに2話のバイクは全体的に手抜きがバレバレ過ぎた
バイクが横転する場面は横転させた原因も理由も分からないような引きの画だし、
横転したバイクを立て直して相手を追う際にはバイクを拾いに駆ける様子どころかバイクを立て直す動きすらカット、追いかけた相手がいきなり急停止したさいにバイクを降りて強襲する動きもカットしていきなり敵の尋問を始める
見ていて「バイクの乗り降りを描くのが面倒くさいから手を抜いたんだなあ…」ってのがはっきり伝わってくる

脚本面でも触れたけど、全体的にカットの取捨選択があまりにも適当すぎる
「ここは物語に重要じゃないから省略しよう」じゃなくて、「ここを描くのは好きじゃないからカットしよう」で制作してるんだな、と


最後に脚本の構成と設定開示について
このアニメ、公式HPやTwitterを閲覧することが前提の構成になっているのが何より大きな問題
2話にてマーリヤがウルフランの撹乱に気付くシーンがあるが、何故気づけたのかはTwitterでしか明かされない
ついでにマーリヤが愛用しているのが何故猟銃なのかもTwitterでの開示
国家や街、各組織の特徴はHPでのみ開示されている
要するに、オリジナルアニメでありながら視聴者に「予習」を求めた作りになっている
これが漫画・小説原作ならファン向け作品と言うことである程度納得もいくけど、オリジナルで展開しながらアニメ内で世界観を完結させられないのは脚本としてどうなの?としか言えない
前クールでオリジナルアニメの「荒野のコトブキ飛行隊」は、突飛な設定だけど設定自体はそこまで重要じゃなく、シンプルなシナリオと分かりやすい空戦の迫力をウリにしていた
その上で裏設定を推測できる情報を散りばめて世界観を広げていたけど、本作はその真逆
「妖精」にまつわる様々な設定がシナリオの中核にあって、2クールかけてそれを丁寧に紐解いていく難解なシナリオがウリ…のはず
なのに設定はアニメ内では明かされず、アニメ単体では世界観があまりにも狭いものになってしまっている
取っ付きにくい独自設定を、そもそもアニメ内で理解させることをすでに諦めている時点でオリジナルアニメとしては失敗なんじゃないかとすら思う

これですら全体のツッコミどころのうち半分にも満たないレベルの粗まみれ
今後も視聴はするけど、そろそろ無難に楽しめるレベルの話を見せてほしいかな{/netabare}


4話視聴
{netabare}フリーやっぱり無能すぎないか?
ビターの妖精の能力をやられただけやり返すカウンタータイプと見抜いたのは流石に戦い慣れてる
けどそこから、なんで攻め倦ねる?
カウンタータイプの弱点は受けたダメージをビター自身も無視できないって点だろうに
だからここでフリーがとるべき行動は、マーリヤにフォローを任せて相討ち狙いで攻撃に専念すること
なのに妖精の痛みにビビって拳銃にもビビって動けなくなる始末……
ついでに言えばビターは戦闘前にルパンもどきに一発、戦闘中に4発近く発砲している
リボルバータイプなら残る弾数は1発か2発、戦闘中のリロードは実質できない
予備の拳銃を取り出すだろうと想定しても、その隙を狙えば十分すぎるくらい勝機はある
発砲の予兆から避けるくらいの技量があるのにそんな簡単な計算もしないのか?
そしてマーリヤまさかの特攻
ここは近接用にナイフを持っていたりと好きなシーン、だけどフリーあまりにも情けない
そりゃビターにも煽られるよなぁってだけじゃなく、戦争で庇われた頃から成長してないかよ、と思ってしまう
2話でウルフランが「お前は俺に追いつけない」って言ったのに納得してしまった

そっから一旦場面が切り替わって回想
アバンの回想地獄から解放されたと思ったらこれか…
まあ最後まで見ると必要な演出だったと分かるけど、それにしても後半でも回想挟むしちょっとクドすぎかなあ
というか何より時系列の歪みがエグすぎる
なんで回想の途中でさらに2年前の回想を入れようと思ったんだ…
最初見たときは『2年前』って表記が何時の時点からの2年前か分からず本気で困惑した
回想くらい順番に進めてくれよ…

そして場所を移してドロテアによる査察
妖精兵器による反乱を起こさないかを調査してるんだろう、というのは分かる
フリーの上官と、その女性のかっての上官が立場を変えて領主と査察官になっているのは時代の流れを思わせて好きなシーン
だけどやっぱりドロテアの活動が不明瞭すぎるし、査察を受けた領地が統一ゼスキアにどういう立場で従っているのかも不明瞭なまま
いずれ明かされる伏線として意図的に隠す部分も有るだろうけど、単純な描写不足で必要なところまで隠れているから意味深なようで意味深にも見えない微妙な展開
そしてこの領主に匿われる形でウルフランが登場するけど、全員の立場が何も見えてないから
「何故ウルフランがこんな所に!?」の驚きよりも「そりゃウルフランくらい出てこないとこのシーン不要すぎるしなぁ…」と変な納得をしてしまう

あとはフリーの無能パート
置き引きにまんまとやられる…のはまあお約束だから最早ツッコまないけど、
そっから誘導されてると分かっていながら分断に引っかかるのはさすがに駄目でしょう…
というかツーマンセルで相手が動いてるのはわかっているんだし、近接戦闘が苦手で本調子でもないマーリヤを一人暗い場所に置く時点でおかしい
そもそも妖精書を入れた鞄を自分が持つこと自体おかしい
妖精書を狙うビターの足取りが掴めず、ルパンもどきを連れ去る人間もいる
となると自分達と妖精書が狙われる危険は割と高いわけで、そんな状態で二刀流かつ近接特化の自分が妖精書を持つのは戦闘で邪魔だろうと
鞄自体妖精書くらいしか入ってない小さなものだし、本調子でなく戦闘に参加できないマーリヤに持たせるべきだろうと
要らんフェミニストぶりを発揮して自分が鞄を保持した挙げ句目を離して置き引き食らうって最悪すぎる

ちなみに良いと思ったシーンも今回はあった
さっきのマーリヤのナイフもそうだけど、フリーが地下墓所への通路で拳銃を取り出したシーン
狭い場所では剣を振れないために拳銃を握るって言う判断は合理的だし装備としても違和感がない
……まあフリー自身も拳銃持ってるならなおのことビターの拳銃の装填数は考えているべきだけど
ただ、惜しむらくはやはり演出
ただでさえ暗い地下墓所で、しかも黒い拳銃を握るなんてシーン何やってるか見えるわけ無いだろうと
何を装備したのか通路を降りる段階で手元をアップにしてくれよと
結局通路を降りきるまで何持ってるかよく分からないのは単純にもったいない
ついでにマーリヤ腹を刺されても悶えないって超人すぎない?
妖精がダメージを食らうと痛みで何もできなくなるのに、いくら小さなピックと言えども自分が刺されればもっとルパンもどきくらい苦しむだろに
もしかして妖精のダメージフィードバックのが本体のダメージより痛い?んなアホな…

粗筋については今までと変わらず、1話の話を少し振り返ったことで多少伏線を回収しようとしたのは今までより良かったかな?くらい
まあそれに倍する勢いでキャラと勢力を増やしていったから意味ないけど

ヴェロニカお前もしかしてステンドグラス越しにストーキングしてたのか?とか監視対象が地下に潜ったなら屋内で待機しとけよ、とかツッコミは追いつかないけどそれはそれ
次回はもっと面白ければいいなあ…
{/netabare}


5話視聴
{netabare}アバンで怒濤の回想
分かるよ?やりたいことは
でもこれ4話の戦闘の続きな訳で、なんで盛り上がりをぶった切って回想詰め込むの?
内容そのものはマーリヤとヴェロニカの過去と、そこから連なる現在を対比的に見せているので面白い…というか今までで一番好きな内容だった
でもタイミングはそこじゃないよね?多分Aパートのマーリヤとヴェロニカの会話に関する情報を開示するためにこの回想を用意したんだろうけど、
作中のドラマに落とし込むことができず、場当たり的に必要なシーンをアバンに突っ込んだ印象が強くなってしまってる
陳腐ではあるけど、マーリヤとヴェロニカが決別に至る前にレイ・ドーン襲撃や一人村を旅立った様子などを語り合う形でいいのでは?

そして相変わらず無能のフリーさん
パティに苦戦する中スイッチが入って一転敵を打ち負かす、ありがちだけどハマると格好いい演出
ただ、動きや戦法が変わったわけでもなく、スイッチが入った結果やったのは「力押しで敵の剣を折る」…は?ただの火事場の馬鹿力?
そして本気になったはずなのに敵に武器を構える時間を与えたり、それどころか武器の詰まった鞄をわざわざ敵に蹴って返す始末
敵の方はというと、戦力差を見極めて受け取った鞄をもってさっさと撤退、盗んだ黒の妖精書をフリーに投げることで追走を躊躇わせる潔い判断力を見せる
そしてBパートの歓迎会では敵を捕まえられず機嫌の悪そうな様子を見せるフリー
逃げられた理由は「舐めプして武器を与えて棒立ちしてたから」なのに不機嫌になるって……マジでセルジュに介護してもらえば?

4話から続く黒の妖精書騒動に一区切りついたところでフリーの行動を列挙すると…

①ビターの拳銃の装填数に気付かず、さらに妖精の能力にビビって近づけなくなる
②ドロテア以外に最低2つの勢力が狙っている黒の妖精書から目を離して置き引きにあう
③ツーマンセルを組む相手を追跡中、敵に誘いをかけられていると気付きながら相方と分かれて行動……ちなみに相方は本調子でなく後衛のため自衛手段なし
④敵が思ったより強いため油断を捨てる……かと思いきや力押しが酷くなっただけで舐めプはさらに悪化、自分の慢心から敵を逃がす

これはちょっともう駄目すぎだろうと
結果的に敵が逃げを優先して妖精書を返してきたから結果オーライだったものの、持ったまま逃げられたらどうするつもりだったのか
そもそもビターの手に途中で妖精書が渡っていたら、フリーは妖精書を奪われた挙げ句襲撃犯を逃がす大失態を犯していたところだった
1話時点ではマーリヤのが酷いと思ってたけど、蓋を開けてみればフリーがそれに輪をかけて無能だったというオチ
感情を優先するマーリヤをスカウトするなんて謎采配だと思ったけど、本人が感情優先の舐めプ野郎なんだからそれも当然だったのかも

残るシーン、マーリヤとヴェロニカについてはいい感じ
殺しを平然と行うヴェロニカに対して動揺を見せてくれたし、マーリヤが今後どう向き合うかは純粋に気になる
ただまああヴェロニカの身体能力はリアル調のアニメでやって良い演出ではないだろうと思う
みんな多少アニメめいた動きはするけど、中でもヴェロニカはやりすぎて白けるくらいある
キャラの好みと「意味もなくカッコつけたシーンにしたい病」で相変わらず考えなしのカット作ってるな、と

公領関連は今後の事件の焦点になるだろうから現時点ではノーコメント

ドロテアの歓迎会は…いらなくないか?
未だに組織の様子はほぼ見えてないのに、歓迎会でキャラだけ増やされても何とも思えない
というか愛着のない新キャラが半数以上を占める日常パートって純粋に退屈
歓迎会やるならそもそも入隊時の描写を細かく見せないと説得力がない、くらいの感想しかない

総評としては今まででは一番面白かった回
ただ、それも本筋と独立した回想の描写だけで、いざ本筋になると「シナリオ進行のためのシナリオ」みたいな行動の不可解さ、意味のなさばかり目立つ脚本と作画は相変わらず
マーリヤについては今回で多少好感度もあがったので、次回以降フリーが有能さを見せてくれるといいなあ…無理だろうけど
{/netabare}


6話視聴
{netabare}妖精を出さず、ドロテアの仕事の様子をメインにしているのは割と好き
ただ、人工妖精の暴走と黒の妖精書発見を同時に扱うのはどうなん?って思う
錯綜する事件や情報が、最終的に一つの点を結ぶってのは展開的に予想できる
ただ、錯綜するものを同じ話数で等分して描写するからどっちも半端になって内容的にはスカスカな印象になってしまってる
暴走原因の調査を今回のメインにして、Bパートラストで黒の妖精書発見のニュースを仕入れて7話でそっちにシフト、じゃ駄目なのか?
フリーの無能を示しただけのパティ戦とか無駄話だけで掘り下げにならない歓迎会とかやってる割に本筋の尺がカツカツなら明らかにペース配分がおかしい

しかも黒の妖精書追跡にマーリヤとクラーラが出動するのがおかしい
二人とも役割は後衛なわけで戦闘になれば勝ち目はないだろうと
今回はただのゴロツキだから良かったものの、黒の妖精書なんて結構な勢力が探し求めてるのは3話のアレで分かってるだろうに
というか酒場に行かせたりバイクで尾行したりって、どう考えても女二人じゃ目立ちすぎると思うんだが
私服で素性を隠しているはずが逆に目立つ結果になって、オークション代理人にバレて危うく逃がすところだった
ネイン局長は人選についてドヤ顔だったけど、対象者確保に成功したのはほぼ結果オーライ
フリーだけじゃなくその上まで無能なのか…?

というわけで話はスカスカなのにツッコミどころは減らない感じ
予告とかあらすじを調べた時点では、話が大きく動くと思ってワクワクしてたのに、あまりにも内容が無さ過ぎてガッカリしてる
ついでに言えば、クラーラの回想とかまっっっったく要らない
5話の歓迎会でネイン局長との出会いを語っているわけで、その時点で入隊の動機は察せられるやろと
それをわざわざ回想を挟んでまで改めて描写するなんて正直時間の無駄だし、そもそもタイムリミットのある中で対象者を探すって状況でやる話じゃない
尺稼ぎみたいなシーンは多いのに肝心の本筋は描写不足ってのが本当に多すぎる
7話はもうちょっと本筋に主眼を置いた展開になってほしい
{/netabare}


7話視聴
{netabare}今までの中ではハッキリと面白かったので物語の評価を0.5引き上げ
やっぱアクションシーンが無いほうがこの作品面白いんじゃないか?と思う
これまでは半端にアクションを挿入することで設定がただ記号的に語られる上滑り感があったけど、
ドラマをメインにしたことで設定に意味が出てきた印象
逆に、妖精を使ったスタンドバトルを期待してた人にとっては6話に引き続き退屈な回だっただろうな、と

ビターが絡んできて、グイ・カーリンの幹部から妖精書を回収しようと奔走する流れは結構気に入っている
正攻法では黒の四を見ることができないなら、ドロテアに押収させてでも目的を達成しようって考え方も面白い
互いにやり過ぎなければ政府機関もマフィアも遺恨を脇に置いて協調するって流れは世界観にマッチした雰囲気を感じる

人工妖精の暴走についての捜査も面白そうな雰囲気ではあるんだけど、やはり妖精書と構成を二分したために微妙な感じになってる
元公安のチェイスが伝手や過去の捜査から真相に迫ろうとする様子や、
妖精省と軍部の軋轢、その間に入るドロテアって図式は政治ドラマとして普通に面白い
ただ、6話から一つの筋として辿っていくならともかく、
話が妖精書と行ったり来たりしつつ更に他の陣営の様子を交えつつ、大量の人名を整理していくのは面白さを理解した上でもやや面倒くさい

物語の展開的に現時点で重要なのは黒の妖精書探索よりも人工妖精の暴走事件
ただし、黒の妖精はマーリヤがメインなのに対して人工妖精はチェイスがメインでフリーは脇を支える役割
「話的に人工妖精を追いたいけど主人公を見せるには妖精書を追わないと…」
みたいな状態になってしまって主軸を定めきれない脚本になったのかな、と

こっからはツッコミ
いよいよ人物名が処理しきれなくなってきた…
群像劇の要素が強いから人物が多いのはわかるけど、会話パートでいきなり第三者の名前が出てきても誰のことだかわからなくなる事がある
特に人工妖精の暴走原因を調べる技師たち
6話で数分しか出ない上に名前を呼びあうのは仲間内だけ、みたいなキャラが7話ではチェイスのセリフ中にポンポン出てくる
おまけに未登場のキャラも会話上で登場するようになるので整理がかなり大変
台詞の途中で名前を出す際に顔を映すとかしてくれればいいのに
こういうときはお得意の回想を挟まないから、理解をこっちの記憶力に依存し過ぎな演出になってる

というか回想、今回は珍しくアバンにも本編にも登場しなかった…んだけどCにぶち込みやがった
しかもビターの回想、かつ現在の時系列で扱う事件に関わってくるかどうかも一切不明な内容
いい加減に、「脚本にうまく織り込めないから適当にぶち込んだろ!」みたいな回想の入れ方はやめろよ…
ただでさえ今回はEDの入りが演出的に最悪だったのに、Cパートまで意味不明って有り得ない

序盤から続く固有名詞の羅列がいよいよ問題化してきたな、という以外は割と問題なく見れた回だった
回想の不要さは最早お約束レベルだし、そろそろ(呆れるという意味で)慣れてきた
ついでにバトルなどアクションシーンがないおかげでコンテの違和感も最小限ですんだのも高評価
こんな調子で8話も期待したいけど、そろそろバトルが出てきそうだし、そうなるとまた酷い演出を見せられるのかな…という不安が残る
{/netabare}


8話視聴
{netabare}6話7話と積み重ねた話を雑に流す内容……Aパートは好きだったがBパートが洒落にならないレベルで酷い
ギルバートの屋敷に乗り込んだあと、支援型妖精を扱うクラーラが突入の合図を示す流れはかなり好き
支援型ってやっぱりこういう市街地では無類の汎用性を示すよなって感じ
とは言え屋敷周辺を他の隊員が固めるってのは7話の時点で見せていてほしかった描写
普段から小出しにしている回想とかじゃなく、こういう緊迫感ある展開こそ伏線があればよりワクワクしたのに、というくらい
で、タイミングを見てビターを取り押さえようと目論むドロテアと、それを察して出し抜くビターの構図も面白い
必要となれば裏切りもするけど、一応の義理立てとして妖精書を放置してドロテアに回収させるのも「憎めない悪役」という雰囲気
……まあビターを確保するってのも8話でいきなり出てきたから、辻褄合わせのぽっと出なフレーズに聞こえてしまって上滑りするのは相変わらず
設定を開示することには余念がない割に人物や組織の目的・行動に対する描写が全然ないから、
「やっていることはわかるけどもっと見せようがあるだろ?」みたいなモヤモヤ感が付き纏う

そして妖精書確保が終わったら本格的に人工妖精暴走事件
こっからが本当にひどかった
内部犯行の可能性と、アーケイムに匿われた元技術者のエディ・ロイドが関与している可能性、この2つからハンスの取り調べを行う
そしてチェイスの独自調査からエディ・ロイドに息子がいたという事実が判明する流れ
このあたりの展開は文句なしに好き
新型の暴走は操りやすい旧型を復帰させて首相を暗殺するためだった、というのも展開的に盛り上がる
なのになんで事件が尻すぼみのまま解決されるかなあ…
いや、チェイスは本当に優秀な雰囲気だったし、その後のドロテアの動きで事件が解決されたのも理解できる
でもアーケイムだのダミアン・ヴェロニカだの各勢力が結集している中で、結果的に「ただの様子見でしたー」で終わるってどうなんだ?
2話かけて記念式典を焦点にずっと話を盛り上げてきたのに、結局何事もなく事件解決、よかったね!で終わってしまうなんて…
アーケイムがまだ何か狙ってるのも、ハイブランツ公が暗躍しようとしているのも描写されてるし理解できるよ?
できるけど、こんなあからさまに話が盛り上がるポイントすら空振りさせる必要がどこにあるの?
というか式典でアーケイムもハイブランツ公も殆ど動きがないわけで、なら前2話で彼らの暗躍をあんな時間割いて描く必要あったか?って話になる
だったら上記に挙げた、妖精書関連でのドロテアの動きをもっと丁寧に見せる時間くらいあっただろうに

で、今回何より酷いと感じたのは挿入歌
何考えてるの?チェイスがバイクに乗りながら取り調べを回想してるシーンでバラードってなんかもうドン引きだったんだけど
確かに話の全体を見れば、結局式典も何も盛り上がらないちゃちなイベントで、犯人の心情描写が大事だってことはわかる
ただ、あの場面自体は「首相暗殺の時が迫る中、犯人確保に向けてバイクを走らせる」って緊迫感のあるシーンなわけで、
そんなシーンにあのバラード流されても「いやそんな場面じゃなくね?」みたいな気分になって笑ってしまった
というか挿入歌を入れるなら犯人確保後、搬送前のやり取りのシーンにすれば違和感もなかったのに
「EDをカットしたくない、でもイントロが本編にかぶさる形だから挿入歌を入れるとおかしくなる……せや、適当なシーンに歌流したろ!」みたいな感じ
今回だけ特殊EDとして歌を変えて本編にクレジットを載せる形にして、あの最後の場面のやり取りを掘り下げたほうが良かったんじゃないの?
なんかちょっと前に、「挿入歌は映像作成後に作られている!」みたいな記事があったけど、
あの映像を見てあんな挿入歌をぶち込んだなら音楽集団としてあまりにもセンスが無いと思うので嘘であってほしいくらい

あ、この回は本編に無関係な時間軸の回想はなかったので、その点は最高だった
まあその分前回のビターの回想が意味不明すぎるままなんだけど
次回は話が大きく動きそうな予告映像だった……けど、同じく話の動きそうだった今回がこの出来なので期待薄かな
{/netabare}


9話視聴
{netabare}いよいよ話が大きく動く回
ハイブランツ公が首相を庇った報奨として妖精武器を求め、それに応じてドロテアが搬送を行う…という展開
妖精武器を扱う戦争請負人、ビーヴィーによる襲撃という今までにない規模の戦闘が描かれていた

ハイブランツ公の思惑や暗躍を続けるウルフランの真意など今後の展開に係る描写も多い回
ただ、一番の見せ場である戦闘が相変わらず真っ暗なのが本当に酷い
襲撃に向いた地点を選んで夜間に戦闘を行うってのは合理的だしそれ自体はかなり好みなんだけど、本当に真っ暗にするアホがどこにいるのかと……
オマケにドロテアの制服は黒だし襲撃側も暗色系の服装、出てくる妖精も暗色で唯一分かりやすいのはビーヴィーの妖精武器のみ
オズの二丁拳銃にナックルガード状の刃がある…なんてこんな暗い戦闘じゃ分かりづらすぎる
せめて襲撃前に打ち合わせを行って、各々の武装を確認するシーンを用意するとかしてくれよと

あと、妖精武器が具体的にどう強力なのか全くわからないのはどうなの?
オズの妖精をスパッと斬っていたのは果たして能力なのか単純な切れ味なのかも不明
フリーが「こっちも妖精武器でないと対抗できない」と言っているが、能力不明なまま言われても説得力がなさすぎる
というかフリーは護送中の妖精武器を使って戦闘をするけど、ものすごくアッサリ負けてるわけで……
最終的に負けるのは分かるよ?普段と勝手の違う武器だし慣れない間合いでは勝ち目が薄いのも理解できるし
でも、武器を変えて挑んだ結果、互いに変わった力を使うというわけでもなく普通に戦闘し敗北
あんな簡単に負けるなら普段の双剣で戦ったほうが良かったんじゃないのか?という疑問が残ってしまう

マーリヤに関しては特に違和感も無いけど、やっぱ妖精デリケート過ぎない?
敵兵を貫通して威力の落ちた銃弾一発、しかも本人じゃなく妖精に当たったもので気絶するって何なんだろう
そんなに妖精がデリケートなものなら、敵の妖精に銃弾浴びせれば勝てたんじゃないの?

総評すると、「予定調和の敗北を見せられた回」といった感じ
というか、「突然の襲撃に味方が壊滅的打撃」って普通に考えればかなり盛り上がる展開なのに、
これまでにドロテアが活躍したシーンがなさすぎて「そりゃそうやろ」としか思えなくなってるのは脚本に問題がありすぎる
また、この襲撃でオズが犠牲になったけど正直何も思わないというか…
歓迎会で実質初登場(一応訓練や査察で出てるけど)したあと特に絡みもなく、8話Cパートで軽く言葉をかわした程度
ぶっちゃけ8話時点で名前忘れてた程度には存在感なさすぎなキャラだから、犠牲になろうが「はぁ、そっスか」くらいにしか思い入れが…
エガオノダイカのがまだお涙頂戴の準備をしていただけ若干マシだったとすら思えてしまう
思い入れが強いキャラを殺すと反発が来る、みたいな狙いからかもしれないけど1クールラストに向けた展開としては弱すぎるだろうと
これがセルジュ・クラーラ・チェイスのいずれかなら驚きや衝撃も強い分感情も揺さぶられたと思う
「マーリヤのトラウマを刺激するために適当なキャラを殺しとくか」、みたいな作業感が強くてむしろ萎えてしまった
お得意の回想でオズの掘り下げでもするのかな?したらいよいよギャグアニメとして笑うことにする
{/netabare}


10話視聴
{netabare}オズの死に責任を感じたマーリヤが迷い、仲間の説得を受けてドロテアの活動を続ける決意をする回
主人公が過去のトラウマを乗り越えるって展開はよくあるものだし、目新しさはないけどきちんとまとまった話だったと思う
ここにシュヴァルツ・ディーゼ、妖精省、チェイスらアーケイム捜索組の描写が挟まれることで、1クールラストに向けた助走の回となっている

ただ、面白いと感じた点とおかしな点が同時に展開されるのが惜しい
それがオズの死体の扱いとマーリヤの進退について

妖精器官は本来違法なもので、首相直轄のドロテアに所属していることで例外的に妖精兵の存在が許されているという点
オズの死亡をもって体内の妖精器官が妖精省の管轄となり、死体ごと持ち去られてしまうというシビアさは世界観にマッチした好みの展開だった
妖精器官の再利用などあるのか?や器官の摘出だけで済ませる事ができない理由はあるのか?など想像すると面白い

それだけに、進退を迷うマーリヤの扱いが気になってしまう
マーリヤは(確認される限り)唯一の妖精憑きであり、局長が情報を握りつぶしたとは言え希少価値は非常に高い
そうでなくても妖精兵としての登録を受けている以上、ドロテアを離れると即座に拘束される対象となる
となると「親しい人が死ぬのは嫌だからドロテアを抜ける」なんて呑気なことを言える立場には無い
もちろんマーリヤにとってはそんな組織の論理なんて関係なく、自身の葛藤に気を取られて周囲が見えないのも当然と言える
ただ、フリーの立場としては説得に感情や目的、仲間との絆を語り聞かせるのは大事だけど、
組織としての考えも描写してくれないとただの「お友達ごっこ」みたいな甘っちょろさばかり目についてしまう
せめてフリーが酒を飲んでいるときに局長とのそういった会話を回想してみせるとかあれば……

ハードな世界観なのに、やけにヒロインには甘い展開ばかりなのはどうなんだろう?と
未だに「災いの子」と呼ばれた経緯や村で爪弾きにされたような描写も無いのもファッショントラウマみたいな上っ面感が漂ってしまう
回想が多い割に村での境遇が描かれないせいで、災いの子ってのもヴェロニカに執着するのもどことなく上滑りしてる
「世界はマーリヤに厳しいけど、仲間の優しさが守ってくれる」みたいなのを表現するにはマーリヤ自身の苦境の描写が薄いな、と

今後の伏線については素直に楽しみ
列車襲撃によって、自身に向いていた反乱の疑いを逸しつつフラタニルを入手したディーゼと、戦争準備を進めるビーヴィーの動きはワクワクする
恐らくそれを阻止するためだろう親書を託すレイ・ドーンや動きが活発になったウルフランらアーケイムも次で何かしてくれそう

あとは純粋に悪い点
以前にも言ったけど挿入歌が本当に要らない
普段は使い回しのインストなのに突然挿入歌が入ってこられても笑うしかない
戦闘中のハードな曲はまだ問題ないんだけど、今回みたいなしっとりした展開にボーカル曲をいきなり出されても困惑してしまう
「一話につき一曲音楽を売りつけるノルマでもあるの?」みたいなやっつけ感すらある
挿入歌は、全編ボーカルのアニメでも無い限りは「物語の大きな山場」を演出するためのものでないと効果が薄い
それを、本作みたいに「大事なシーンはとりあえず全部ボーカル入れる」みたいなことをされると
「あ、ここで泣けってこと?はいはい泣く泣くー」みたいに受け取ってしまうし、白けてくる
こう言っては悪いが、最近はボーカルが流れるたびに失笑してしまい、画面のストーリーが頭に入らなくなってきている
BGMが邪魔で何度も見直すのはいい加減不毛すぎる
音楽集団を名乗るくせに音楽を効果的に使う方法を理解してないの?という感じ
曲単体でいくら良くても、やってることはあくまでもアニメの演出の一環なわけで、雰囲気を崩すような曲を流すくらいなら全編BGM無しでいい
だんだん不快になってきたので音楽の評価を更に下げておいた

次回は戦争が始まりそうで結構楽しみ
シナリオはどうせ1クール時点では尻すぼみで終わるだろうし、
せめて画面で市街地戦を行って、派手で分かりやすいバトルをしてくれると良いかな
{/netabare}


11話視聴
{netabare}いよいよハイブランツ公の反乱が始まり、ビーヴィー・ネイン局長・フリーが妖精武器を持ち戦争に突入、と盛り上がりのピーク…のはず
なのにその実態は、描写の大半が陽動で戦闘も散発的なために状況から読み取れる緊迫感が画面から感じられないガッカリ感のほうが強かった
オマケに「カッコつけたいだけのシーン」のために局長が人外じみた動きをするために、リアル調の雰囲気が逆に損なわれてしまっている

これまでの事件がハイブランツ公の思惑によるもので、暴走事件により戦力となる人工妖精を削ぎ、
妖精武器フラタニルを襲撃によって所在不明にしつつ奪うという計画的な動きがこの回で明言される
この辺は今まで見ていた視聴者への答え合わせでしかないからとくに言うことはないかな、くらい
そこから局長がアリアドラを持ち出し戦場に向かうまでは普通にワクワクした

ただ、これ以降の展開があまりにも酷くて正直視聴を止めるか迷ったレベル

ハイブランツ側はアーケイムから供与された人工妖精を防衛戦力に公都ハプシュタットに立て籠もっている
そこに局長が参戦し、妖精武器を手に敵を薙ぎ払っていく…とそれ自体は構わない
ただ、局長の動きがあまりにもあんまりじゃないかと
七騎士とも呼ばれるだけあって人工妖精がいくらいようが障害にならない、というのは分かる
妖精の天敵である妖精武器であれば(なんで装甲を切れるかは謎だが)人工妖精を簡単に切り裂ける、というのも妖精武器の強さを端的に示していて面白い
ただ、それと銃撃の中を単騎突撃できることは別だろうと
「単騎であることを活かして敵陣地に潜入、撹乱して同士討ちを誘って銃を封じる」、とかなら分かる
でも「単騎で突撃して銃弾は一切当たらず敵をとにかく薙ぎ払う」なんてどこの無双ゲーかと
ここまで散々陰謀だの動員戦力数だの地に足ついた会話をしておいて、戦闘になったら途端に作品が変わったように無双されるとむしろ白ける
しかも敵のど真ん中で一人きりなのに、人工妖精の操縦者一人潰しただけで
「投降しろ!→全員投降」はあまりにもお粗末すぎないか?なんで銃を全員捨てるんだと
「局長カッコイー!デキる女ー!」やりたいだけで展開を考える力が無さすぎじゃないかと

そこから場面が変わり首都防衛戦
市街地を進行するビーヴィー一行は各所に陽動部隊を配置して宮殿を目指す
ドロテアは局長ら不在のため、実働隊員が査察から帰還した4名しかいないなか防衛戦に参戦することになる
ここで何より気になったのがフリーの持つベロスティール
局長と同じく人工妖精に覿面のためバッサバッサと薙ぎ倒す…んだけど、やっぱなんかこう舐めプ感がある動きをするなあ、と
というか敵が陽動部隊の人工妖精少数のため、イマイチ妖精武器を持ち出したことへのインパクトが無いというか
腰に帯びたベロスティールを見た瞬間は「どんな見せ場が待ってるんだろう…?」とワクワクしたのに、やったことは雑魚処理一戦だけ
そんな一回ぽっちの前哨戦で早々と披露した挙げ句、「ベロスティールだ!すごい!」って適当に持ち上げられても肩透かしにしかならない
結局ベロスティールに関しては見せ場なし、ビーヴィーに関してはただの口笛おじさんにジョブチェンジして11話終了という消化不良

というかこの脚本、執拗なまでに盛り上がりを外すことばかりに力を注いでいるんだけどなにを考えているんだろう……
レイ・ドーンの親書が間に合わず反乱を許してしまう、という展開自体に不満があるわけではない
ただ、その流れと以降の展開に対して1ミリも親書が役に立たない死に設定同然になっているのが問題
「レイ・ドーンはじつはいい人なんだよ~」をやりたいんだろうけど、これじゃあまりにも遅きに失した感が強くて無能にしか思えない
加えて今回の反乱全体
ハイブランツ公領の独立→鎮圧戦(陽動)
首都市街地襲撃(陽動)
宮殿東門・西門襲撃(陽動)
宮殿大天門襲撃(本命、12話に続く)
と起こった戦闘の大半が陽動で、規模も散発的なレベルで練度が低い
戦略的な意味で言えば防衛戦力を段階的に削ぎつつ本命への攻撃を確実にする、と面白いし理解できる行動をとっている
ただ、アニメ的な意味で言えば今回は1クール最終話直前の一番の盛り上がりなわけで、そんななかで地味な陽動ばかり描写してどうするんだ?と
これが6話くらいで、ここから盛り上がりをかけていくならワクワク感があるけど、最終回直前でしかも前回が溜め回となるとガッカリ感のほうが強い
2クール目は10月からなのに、1クールをとことん地味なまま盛り上がりを作ろうとしないのは見ていてあまりにもしんどかった

あと、あの口笛おじさん本当にどうにかならないのかな…?
またもや挿入歌に失笑することになるとは思わなかった
ビーヴィーが口笛を吹くシーンを印象的に見せようとしたんだろうけど、そもそも口笛吹くキャラじゃないじゃん?っていう
吹くにしても列車襲撃前の静かなシーンとか、もっとそれらしい場面はあっただろうと
そういう場面的な問題を別にしたとしても、今回の挿入歌が口笛を前提にメロディを作られているせいで、メロディが単調すぎて盛り上がりに欠けている
これはさすがにあんまりだろうと……
そもそも演出として口笛がキャラとも場面とも合わない上に、口笛合わせの音楽のせいで挿入歌まで陳腐になるなんて絶望しか無い
前回はハードな曲は問題ないと評したけど、今回のせいでその評価すら覆ってしまいそう

というわけで今回は前回望んでいた戦闘面のインパクトすら感じられず完全に肩透かしの回だった
次回が恐らく最終話だけど、きっとゼスキア崩壊の雑な鬱エンドを狙ってるんだろうな、と
当初抱いていた期待は完全に地に落ちたので、エガオスイッチを導入して驚きのハッピーエンドを迎える超展開を期待してる
{/netabare}


12話視聴
{netabare}ドロテア組vsビーヴィーの戦闘シーンはこのアニメ通しても最高に面白かった回
一人の強敵を相手に仲間と協力して戦う様子や、あくまで戦乱にこだわるビーヴィーと鎮圧任務に徹するフリーの立場も明確になっていた
正直このくらいの戦闘が中盤にあったならば手放しで褒められる作品になったんじゃないかってくらい見せ場としてよくできていた
11話の口笛おじさんも口笛止めてくれたり、武器を盾にして銃弾を防いだり多少はマシな演出になってくれたのも高評価

ただ、それらを除けばあとはツッコミどころまみれの投げっぱなしエンドという印象
ビーヴィーに殺されたオズを思い、仇を取る思いからも奮起するドロテア一行…という一見熱い展開
ただ、以前も触れたけどオズってアニメ中じゃ無言で酒飲み続けたシーンと、マーリヤの帰り際に挨拶を交わしたシーンしか交流が描かれて無い
そんな人物の仇討ち云々言われても、気持ちはわかるけどなんとなく上滑りしてる感じがしてしまう
言っては悪いがお涙頂戴の安易な舞台装置にすらならないただの踏み台と言った印象で、死んだオズは良いように利用されてるなとすら思う

次いで戦闘シーンでのジェットとの回想
一言で言うと「知らんわ!」
ジェットが大事な戦友なのは2話の回想の時点でわかっているし、そいつから託されたのも分かっている
でも、「前に進め」とかなんとか、作中で描かれていない過去をさも名シーンかのようにフラッシュバックされても唐突な感すらある
描かれていない過去を唐突に戦闘中に振り返って、描かれていない人物との絆がさも力を与えてくれるようなシーンを作るなんて何を考えているのかと
これが中盤なら、この戦闘を経てジェットとの過去を描くなりして掘り下げもできるけど、今回最終話だろうと
掘り下げができないタイミングでよく知らない人物との過去の絆を持ち出されても、見てる側は「いや、そんなシーン知らんし」としか言えない
過去がキチンと描かれているなら間違いなく名シーンになったと確信できる場面なのに、これまでの積み上げが足りなすぎて半端な演出になっている

あとはやはりレイ・ドーンとシュヴァルツ・ディーゼ
レイ・ドーンが妖精武器を持ち出していた事からこの二人が戦うのは予想がついていた
ただ、時系列的にレイ・ドーンがあの場にいるのはかなり無理があるし、そもそも戦闘をアッサリ片付ける意味はあるのか?と
というかせっかく奪ったフラタニルに活躍の機会を与えないのはどう考えても演出として意味がなさすぎるだろうと
「簒奪者を自認するからこそ、皇帝を我がものとしたサイダルの騎士ガーランバトルの所持した武器を使う」みたいな意味合いだろうけど、
そんなオサレ感だすんじゃなく実際的な意味を見せるべきだろうと

あとはなんと言ってもマーリヤ
「戦うのは怖い~」とか独白したかと思えば敵を見れば豹変して「かたきを討たないと~」って……
ビャクレー行って自分を見つめ直した意味あるか?ってくらい情緒不安定にも程がある
あそこで感情に揺さぶられながらも自制心を持つような葛藤を見せれば成長が見えるのに、なぜか1話の頃の感情重視の自分に逆戻り
正直オズが死ぬ前の仕事連呼してた頃のほうがマシだったし、オズの死は成長要素にもならず無駄でしか無い
というか2話で自分が危険なのにウルフランを撃つのを躊躇う性格だったのが、怒りに任せてヘッドショット狙いに行くって滅茶苦茶すぎるだろうと
ヴェロニカに対すること以外成長しないってことですかそうですか……

挿入歌に関しては今回は(目立たないので)言うことなし
口笛おじさんにジョブチェンジすることも無かったので大満足
というか口笛を吹かないなら最初から吹かない方向で統一しろよ、と改めて感じた程度

総評としては「戦闘以外は最終話として落第点」といったところ
3話でアクセルと接触した理由が明かされていないからビーヴィーは生存
ヴェロニカ関連が2クールに回されたのでシュヴァルツ・ディーゼは話の整理のため1クールのうちに死亡
妖精武器の封印が解かれていたのでレイ・ドーンがシュヴァルツ・ディーゼを討ちにいく
戦場が分断していてドラマを作りづらいのでドロテア陣営は全員生存
こういった予想がことごとくそのまま当たってしまう平凡なシナリオだったな、という感じ
とは言え「全部レイ・ドーンがなんとかしてくれました!」みたいなヤケっぱちなエガオノダイカパターンに入るとは思わなかった
ここで皇帝が殺害されてディーゼが倒れて、ゼスキアがさらなる動乱期を迎えるようなハッキリとした「引き」があるとばかり思っていた
まさか2クール目への引きも作らず、無理矢理ハッピーエンドからの朝日を拝んで終了!なんてB級映画みたいなオチになるとは…
展開的には予想を超えず、オチはざっくり纏まるような小ぶりにすぎる最終回だったなあ
{/netabare}


疑問・違和感まとめ
{netabare}とりあえず1クール終了時点で積み上がった疑問等について
シナリオ上に残った今後の謎ではなく、現時点の描写における疑問

妖精兵の身体能力
作中ヴェロニカやネイン局長、ビーヴィーなど人間離れした動きをするキャラが多かった
もちろんアニメだから大げさな動きで魅せるのは大事だけど、「お前もはや妖精いらんやろ!」みたいな動きが多い
連携に特化したヴェロニカはともかく、妖精を出していないネイン局長、別々に戦うビーヴィーに関しては妖精の特異性を霞ませるだけになっているんだが…
「本物の妖精兵は一騎当千と思え」というフリーの台詞は練度のことを指しているのか、この人間離れした動きを指しているのか
仮に妖精兵になると身体能力が上がるならそれはそれで説明が入るべきだろうし、やはり違和感がある

妖精兵のダメージフィードバック
マーリヤはアホほど痛みを感じて、ともすると自分の肉体以上に妖精の痛みに引きずられてしまっている
フリーは気絶こそしないものの、割と敏感に痛みを感じている様子がある
ところが敵になるとマーリヤの妖精が直接体を燃やすような大きな損傷を受けないと痛みを見せない
我慢してるだけ?キャラによってそのあたりにバラツキがありすぎる
マーリヤに関しては妖精憑きのため、直接人間に取り憑いた分敏感なのかな?とも思うが、他については説明がつかない
演出面で戦闘バランスをとって勝敗を決めるためのファッション要素かな?

兵器運用
大戦時代のレドラット王国では大砲を使っていたにもかかわらず、統一後はハプシュタット鎮圧でも首都防衛でも大砲は使われなかった
それどころか爆弾も敵専用の兵器となっており、いくら平和とはいえ兵器運用のノウハウが10年足らずで衰え過ぎかな、と
新型人工妖精を開発する程度には兵器開発にも力を注いでいるはずなのに、その様子が見えず傭兵団にも劣るのはどうなんだろう
兵士の質は(ありえないレベルとはいえ)練度の差と思えば見ないふりもできるけど、兵器については明らかにおかしい

その他技術
車が蒸気を上げていたところを見るに、電気技術は発達していないと思われる
ではこの時代の通信技術は何が用いられているのか?
フリーらがカルオーの査察を行っているタイミングとシュヴァルツ・ディーゼがハプシュタットにいるタイミングがほぼ同時期
その後レイ・ドーンから親書を預かり帰還、というタイミングでハイブランツの反乱が発生する
いつ、どうやって首都ロンダキアはそれを察知した?
統一ゼスキアはもともと小国をまとめて出来上がった
もとがいかに小国とはいえ、各公都と帝国首都との距離は日本の尺度で県を跨ぐような距離では済まないはず
まして技術の拙い時代の移動手段では情報伝達にかなりの時間がかかる
そういう諸々を説明できる要素がないまま反乱~鎮圧までが終了してしまった
レイ・ドーンについても、フリーらが帰途についたあとに妖精武器を持ち出し、列車に乗り首都に向かうなど時間的に可能なのか?
反乱を起こす日時が予めウルフランから伝わっていたとしても、あのタイミングで首都に到着するには障害が多すぎる気がする

各回想について
各話に回想を入れることで過去に起こった出来事が断片的に分かるようになっている
実際、フリーとウルフランについては「現在所属する組織に入った動機」はともかく、「どのような事件を経て今に至るのか」は分かってきた
ただ、マーリヤとヴェロニカについては正直分からないことしかない
もちろん2クール目にて描かれるはずだけど、それにしても不足する描写は多い
災いの子とはなにか?どのような扱いを受けたのか?ヴェロニカはそれをどうして受け入れたのか?
逃げ延びたあとのマーリヤはどこでビャクレーとの伝手を得たのか?
ビャクレーは違法行為をしないと自認しながらなぜグイ・カーリンにコネがあるのか?
逃げ延びたあとのヴェロニカはどこで服を揃え、どこで銃を調達し、どうして釈放されたのか?
わからないまま「私は災の子」だの「全部奪われた」だの言われても……と思っていたら、そのまま1クール終わって呆然としてる
ヴェロニカについては2クールにて明かされるだろうけど、マーリヤは説明した気になって放置されそう
そしてなによりビター・スウィート
黒の妖精書を集める理由なんだろうけど、なんで意味もなく過去の父親との会話を回想した?
あれについては全話数のどこにもつながらないまま宙に浮いているんだけど、どうしてCパートに入れた?
あのシーンをドロテアの突入準備を描く時間に当ててくれればと未だに思わずにはいられない

フラタニルの存在価値
結局活躍しないまま終わったフラタニルは、(シュヴァルツ・ディーゼの作戦はともかく)アニメ的にはどうしたかったのか?
12話視聴の感想にてその考察はしたものの、やはり意味は薄い…というか最終話の演出として不十分すぎる
「レイ・ドーンすげえ!」をやるためにフラタニルを出したのかもだけど、その場合列車襲撃にてフリーがボロ負けしたため効果が小さい
というかあの列車襲撃時点でフラタニルを使った理由全く無かったのはどういうこと?
最終話にてフリーがヴェロスティールを持ってビーヴィーと渡り合っていたけど、ならやはり普段の双剣で良かったんじゃないの?
ヴェロスティールと妖精が対峙したのは上に駆け上がってひと刺ししたところだけ
しかもビーヴィーには痛痒すら感じさせられていないまま、あとはビーヴィー相手に切り合いをしただけ
フラタニルは負け戦専用兵器ってこと?完全に存在価値が無いんだけど…
オズを殺すために事件を用意したい、で適当にフラタニルを表に出したものの、結局脚本で扱いきれず持て余した感が大きい
あるいはこれも(最後ブツ切りだったから)2クール目にてレイ・ドーンが持ち出したりするのか?
一応そのパターンでも色々想像はできるけど、その場合フラタニルに見せ場がないままキーアイテムになるのは半端すぎるかなと
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

気長にいきまっしょい

オリジナルアニメ。分割2クールの前半12話分。


24年前勃発の“統一戦争”が終結し10年後の世界。リアルでも新兵器が戦術の発展に寄与してきた歴史がありますが、こちらの世界でそれに該当するのが「妖精の力を宿した妖精兵」なる人体兵器とのことです。
戦争が終わればコストのかかる兵器は適切な量を維持したまま徹底した保管管理が求められます。ご多分に漏れず平和な世界での妖精兵はいろいろストッパーがかけられてました。人が兵器であるということからも帰還兵のPTSDやら退役軍人の再就職などの問題も絡んできそう。ここらへんを期待しての視聴開始です。
ざっくり感想でいえば、ファンタジー世界ながらある程度、“大戦後10年経過した世界”に相応の説得力は感じられる仕様にはなっておりました。


そして世界観と設定。これは作りこまれてるのではないかと思います。
妖精は意思を持つとかスタンドアローンで何かするという描写が今のところはなく、宿主のスキルといった扱い。個々に名前や性能の違いもある模様。
このテの戦記ものはキャラが無限増殖する傾向にあって覚えきれないものです。地勢や諸国間の力関係であったり、登場人物の相関などは12話終わった時点では残念ながらふわっとしています。

P.A.WORKS製作とあって作画は期待通りで、音楽もかっこいい。
が、実は序盤の戦闘シーンの劇伴が自分にはしっくりきませんでした。エッジ利かせたギターのリフなんてめちゃくちゃ好みなんですけどね。これってどういうことかというと、実写映画『ワイルド・スピード』のカーバトルやってる時のノリの音なんです。本作に於いては、場を固定した剣でのつばぜり合いをやってる画と時速○○km/hの疾走感を強調したい音とが喧嘩している感じ。
しっくりこないのは劇伴だけではなく、後半の戦闘シーンでもなんかへんなところがありました。{netabare}例えば第11話の無能な衛兵隊。いくらなんでもゆっくり歩いてる相手には一発くらいあてなさいよ。{/netabare}
バトル作画は自分的にはOKです。そしてこの作品はおそらく人間ドラマで魅せたい作品なんだろうな、今後そんな展開してくんだろうなと思ってます。


分割2クールという形を取っており、あにこれではいったん区切るルールのようですので暫定でも『観終わった』にせざるを得ないのですが、まだ評価する段階ではないでしょう。今言えることは後半も観るつもりだということでしょうか。まだ途中ながら、完結してから一気に鑑賞するのに適しているかもしれません。前半が冗長気味です。
というのも12話終了時点で、何が起こっているかの説明はあります。しかし誰が何をしようとしているのかの説明が薄い。行動原理が不明なため人名や組織名・国名が覚えられません。だいたい理由や背景と相関づけて覚えますからね。
このへんはベテランラノベ作家ながらシリーズ構成・脚本は初という十文字青氏の経験不足によるものかもしれません。3か月期間をおいての巻き返しに期待します。


ここまで苦言めいたことを述べてきましたが全体の印象は真逆で、はっきりいって世界観は好物ですし、シリアスではNGと思われるご都合過ぎる展開も抑えめです。萌え抜きキャラデザインも見てて安心感があり、OPEDも作品世界にマッチし、しかもかっこいいです。
繰り返しになりますが、行動原理の説明がないことが致命的なだけです(笑) 
妖精兵は一騎当千の設定ですのであまり場面はないのですがモブをなぎ倒す“妖精兵”“七騎士”の無双ぶりなど、横山光輝『三国志』の橋の上の趙雲が好きな人とかには合ってそう。

とりあえず様子見。あとは後半に向けての自分用メモ



■いろいろ整理する時
登場人物多めの作品でメモること二点
・時系列おさえとく
 →統歴○○年と出てたのは親切でした
・人は所属組織と国で覚えとく
 →ドロテアの人は最低限覚えられるはず
・あわよくば国の位置関係
 →これはちょっとわからんかった
※あとはフリーとウルフの元同僚組、マーリヤとヴェロニカの幼馴染組を注視しとく


■登場人物一覧

{netabare}マーリヤ・ノエル(CV市ノ瀬加那)妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に配属されたばかりの新入隊員。所有する妖精は、「アッシュクラッド」
フリー・アンダーバー(CV前野智昭)「ドロテア」第一部隊隊長代理。所有する妖精は、「レッドフッド」
ヴェロニカ・ソーン(CV福原綾香)マーリヤと同郷の暗殺者。所有する妖精は、「ブラッドドーター」
ウルフラン・ロウ(CV細谷佳正)フリーの元同僚のテロリスト。所有する妖精は、「フィッチャー」
[ドロテア]
クラーラ・キセナリア(CV諏訪彩花)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「トメリーズ」
セルジュ・トーヴァ(CV中島ヨシキ)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「ブリンツテイル」
ネイン・アウラー(CV園崎未恵)「ドロテア」局長 兼 第一部隊隊長。所有する妖精は、「モルズニーク」
リリー・ハイネマン(CV種﨑敦美)「ドロテア」第三部隊隊長。
ロバート・チェイス(CV沖野晃司)
オズ・メア(CV間宮康弘)所有する妖精は、「エアレー」
[妖精学者]
ダミアン・カルメ(CV子安武人)
カイン・ディスタロル(CV麦人)
[マフィア]
アクセル・ラブー(CV川田紳司)所有する妖精は、「ピリーウィギン」
“スウィーティー”ビター・スウィート(CV寿美菜子)所有する妖精は、「スクライカー」
[統一ゼスキア]
マルコ・ベルウッド(CV大塚芳忠)
グリフ・マーサー(CV津田健次郎)
レイ・ドーン(CV津田英三)所有する妖精は、「スローンテイカー」
[その他]
エレノア・ニード(CV小松未可子)
パトリシア・パール(CV井口裕香)
ジョナサン・パスピエール(CV興津和幸)
ビーヴィー・リスカー(CV江川央生)
ソフィー(CV伊藤静)
シュヴァルツ・ディーゼ(CV土師孝也)
ジェット・グレイヴ(CV東地宏樹)
ユアン・ブリーズ(CV乃村健次)所有する妖精は、「ノルカ」{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.05 追記

2クール完走後追記。3か月空くと全く分からなくなる恐れあり。


2019.06.29 初稿
2020.02.05 追記
2020.07.27 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 50

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

かつて妖精は兵器だった

序盤 あれどっかで

中盤 なんかなぁ

終盤 おお

この話は妖精を兵器として使った戦争の後の話
ジャンルは戦争・バトル・妖精・ファンタジー
妖精らしい妖精はあまり出てきません。サブタイトルがかっこよすぎです。「かつて妖精は兵器だった」これは私の好きな展開になるのでは?と思ったら...
まぁ期待外れもいいとこですよ。確かに妖精は出てきますが、基本は「終戦後の微妙な緊張感やまだ終わらない闘い」をメインに描いたものでした。荒廃した都市で何を考えるのか、とかではなく現時点で起こっている問題を解決する、いわば警察みたいなことをしている主人公たちです。そして肝心な妖精がどっかで見たことあるような感じです。そのうち「ザ・ワールド!」とか叫びそうですねw
しかし、この作品だって褒めるとこはあります。世界背景(設定)は好きです。荒廃した都市は出てきませんが、戦争の残骸は出てきます。それを見て何を感じるのか、何を思い出すのか。
そして主人公たちの考え方が面白いです。ある少女は周りがどんどん死ぬことを「私が不幸な人間のせいで」、と捉えた。ある男は自分だけが助かって生き残ることを「自分が幸運のおかげ」と捉えた。同じことのはずなのに、こんなにも見方が変えれるのはかなり面白いですよね。男のほうは冷酷な奴なのか、と言われればそれは違いますね。彼は彼なりに言い訳を作って逃れてるだけなのです。その受け入れがたい、直視できない現実から目を背け、理由をつくり自分を保とうとしてるだけなのです。これは人間模様がでますよね。そういうとこも確認しながら視聴を。

監督は鈴木健一さん。はたらく細胞の監督をされた方ですね
シリーズ構成は十文字青さん。テレビアニメのシリーズ構成は初だそうです
キャラデザは清水貴子さん。ジョジョや創聖のアクエリオンEVOLのキャラデザをされた方ですね
劇伴は(K)NoW_NAMEさん。灰と幻想のグリムガルの劇伴やopedを担当した方たちですね
アニメ制作はP.A.WORKSさん。安心安全の会社ですね

作画は普通。妖精は3DCGでしたがその他は丁寧でしたし、妖精のモデルも丁寧な印象でした。戦闘シーンも細かく良かったです
opは(K)NoW_NAMEさんの「KNOCK on the CORE」結構好きです
edもおなじく(K)NoW_NAMEさんの「STILL STANDING」
声優さんは市ノ瀬加那さんをはじめとする前野智昭さんや細谷佳正さんなどの演技が良かったです。役にあっているなと感じました

総合評価 まぁテーマ負けかな。でも面白くないわけではない

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

72.1 9 ファンタジーで任務なアニメランキング9位
BRIGADOON[ブリガドーン] まりんとメラン(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (161)
819人が棚に入れました
時は1970年。大阪万博の開催まで一年をきったある日、東京下町の長屋に住む平凡な少女浅葱まりんは突如空に現われた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の生体兵器(モノマキア)に襲われる。その時、根津神社に御神体として祭られていたアンプルの中から別のモノマキアが現れ、まりんを救う。彼の名はメラン・ブルー。まりんを守るのが任務だという。二つの世界の運命をかけた戦いが始まる。

duke さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最近のアニメにはない傑作です!!!!

まず、言えることはこの作品は最後まで見ないとなかなかこの作品の良さが分からないと思います。
なので、是非ちょっとでも観ようかなと思った方は26話まで全部見て欲しいです!!!

そしてこのアニメの最大のポイントは、生体兵器メランとみなしごのまりんの絆と真っすぐ透き通った愛だと思います^^
もちろん、その2人だけでなく、この2人に関わる色々な人や生物兵器も注目ポイントです。

涙あり、笑いありとにかく現在のアニメではなかなか見られないものがこの作品にはあると思います。

作画は、時代を感じますが、戦闘シーンや音楽は最高です!!!

付け加えると、生体兵器であるメランがちょっとずつ変わっていく様子は、心和みます^^

私がこの作品に出会えたきっかけは、ロボットと少女の組み合わせが好きということでしたが、別にそういうのが好きでない方もたくさんのことを考えさせられる作品です。

知名度はあまりなく10年以上前の作品ですが、私は胸を張ってこの作品をお勧めします^^!!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢の中の熱き純情。9話から観ちゃイカン。

原作監督・米たにヨシトモ、構成脚本・倉田英之

オープニングのフォルクローレな民族調歌声、すごく物語にあっていて伝承性が増して気持ちが惹きつけられますね。何度も飽きずに聴けてしまった。

ある日空からの謎の落下物とともに、頭上にはブリガドーンなる空中都市が浮かぶようになっていた。地上の下町に住むまりんは、神社の祠でロボットのような生き物を目覚めさせる。「生体兵器メランブルー」と名乗る彼が付き従うようになり、まりんは二つの世界のひずみに巻き込まれてゆく…。

ぐりんぐりんの目玉、13才には見えない眼鏡っ娘まりんのあんまりありがたくないパンチラネタ、設定の1960年代風味な駄洒落、アハーン?って口癖に閉口しつつも、何だか気になる勢いで始まりました。
メランブルーは全身タイツ姿の肢体の端々にメカがくっついたようなデザインで、ハイヒールのような脚の耽美さに反してストイックな堅い奴です。(´・_・`)お腹と尻は出しといていいのか。

まりんを囲む長屋の憎めない面々のキャラクターも、芸が細かく和ませられます。その手厚さに、てっきりまりんはこの世界における愛されキャラなのかと思いきや、次第に「みなしご+謎の武器用心棒持ちの貧乏少女」として学校で迫害を受け始める。
しかし登校拒否になったまりんに、まっすぐな優しい言葉を向ける長屋の婆さんのセリフ、ちょい百合入ってそうだったモエちゃんとの熱い友情、かっこいい先輩のセリフ…4話にて、これは善いアニメだ!!と断定しました。なんていうか…それぞれのキャラクター、脇役に底力を感じます。


しかし、9話のヤーラシサってばどう〜なんですか。
この回から見たら絶対、違う目的のアニメだと思われるでしょう…~_~;
{netabare}
( 銭湯でまっ裸 + 泡と縛りの攻撃 + 味方メカ「ポイクン」の運転方法…。
乗り物になる亀型生体兵器ポイ君、内部に生えてる
弾力のありそうな有機的突起ブツをギュッて握って運転するんすよ。子供が考えそうなデザインでしょ?って見た目で、ああいうことする…。意味わかる方がやらしいとでも言いたいんかーオイッ!){/netabare}


そして10話以降の不幸の連鎖には、すべての中心点にまりんがいるのは物語だから仕方ないのか?、虚構が時に冗談のように束になって襲ってくる、ユメウツツ。

それでも先が気になるのは、主人公たちの主張や心情が吐露される時の、本気の純情さにグッとさせられるからです。ここは冗談にしないで頂きたい、と見守るしかない。もっとも、一話ごとに展開が早いのでひとつの苦しみが解決されるのも手早く、次への引きも上手いのですが。宵越しの銭はもたねェぜ( ´Д`)y━・~~的な感じで、話をまたぐ鬱はもたねェぜ(T ^ T)という甲斐性(解消)ありです。

{netabare} そして16話での、メランの理性的な説得の中に想いが滲んでいる様子にはジワジワ泣かされましたよ…。またメラン、いい声なんす。定められたと思われた絆を一旦不確定なものとして揺さぶるところがシビアなドラマでした。

そんでもって17話以降のさらに怒涛の、世界の崩壊の連鎖と逆恨みにあてこすられるまりん。やりすぎなような、ここまでやらないとみなしご様式美として意味ないのか。
救っては落とし救っては落とし救っては落としの夜店の金魚状態。生き抜くのに必死な昭和の時代の苦労ドラマ成分を目一杯盛り込んであるのか?、避難した人達の生活や群像心理など、いやに生々しく執拗な描写もあるし。
けれど、まりんを助けた先輩はカッコ良く善い人だったし、逆恨みしたり差別した人の後の扱いもきちんと考えてあったと納得。あと、崩壊後の世界だからこそ自分のあり方に立ち返ったキャラもチラホラいて、悪くなるばかりじゃないな、とも。
先に書いたように、苦難にぶつかってもまりんは脱出する糸口に恵まれていたと思います。だからやっぱり夢のあるお話。{/netabare}

面白いのがトリックスターのように現れる、猫のようなブリガドーンの奴ら。全てを知って誘導しているかのようで、翻弄されつつ、どこか憎めない。こいつらのおかしみで、重い展開もどこか安心して観られました。


20話を越えると、まりんは顔身体つきは変わってないちんちくりんなのに、妙に女性っぽく見えるのが不思議です。苦労は女を磨くんでしょうか。
メランの同期で女性型のエリュンにも「あの女のために強くなったのか」って、あのオンナ呼ばわりされてましたが。全体的に飛ぶ戦闘の切れ味がよく、とくにエリュンとメランの戦闘シーンがカッコ良かったです。

最終話まで行って特別意外な結末でもなかったのですか、壮大のちに全てを大事にして終わった、熱く優しい話でした。
まりんとメランのラブストーリーがロマンチックに締められるなか、私が感動していたのは、登場人物たちのその後を描く中で、子供を失って逆恨みした人を最後まで忘れずに一瞬ですが描いていたところ…。(;_;)こういうところがとても響きます。



物語の舞台となっている1969年(昭和44年)はどんな年か
{netabare} テレビでは「サインはV」「8時だョ!全員集合」「ひみつのアッコちゃん」「サザエさん」放映開始、リストに「海底少年マリン」なんてタイトルもありましたがまりんとマリン?
漫画はドラえもん連載開始。
学生運動で安田講堂でブイブイ、アポロ11号で初月面着陸、高度経済成長の盛りで地方の過疎化と公害問題がいろいろ。そろそろカラーテレビが一般に出回る時代、作中に出てきたテレビはまだ白黒でしたね。
原作者の方は、人情味溢れるまりんたちの暮らしの時代から先を分岐点と表現したのでしょうか。 {/netabare}


この作品を知り観てみたいと思っていたきっかけは、 {netabare} ちょっと古いアニメ好きな人なら結構名作扱いしていることと、以前「ノエイン」感想サイトさんで地味に推されていたからなのです。

そう言われれば、異世界から来た訓練された大人型の守護者と、世界の鍵を握る子供の組み合わせってところ、共通ですね。守護者が感情表現が下手なところも。エリュンとコサギ姐さん似てるし。あと真面目な顔で全身タイツなところも。


端々のデザインの冗談みたいなぬくぬくした垢抜けない感じや、まりんの目玉のデカさのおかげで、オススメされていなかったら観なかったと思います。観て良かったよ、もちろん。観返すと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

さと さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心温まるお話!

最初は絵が好みではなく、日曜日朝一に放送している
アニメと同じなんだろうと勝手に思い込んで
見てなかったのですが。

たまたまやってた時に見てみたら
想像と全然違う!
家族愛、友情、…感動と鬱と、ちょっとしたエロ

見事にはまりました!

監督が人気がなければ打ち切りというど根性で作った作品

その心意気がこんな素晴らしい作品を生み出してくれました。

本当に神作ですo(^▽^)o

追記
朗報です!!
スカパー、csチャンネルの映画チャンネルNECOで2015年8月7日から放送されます
録画保存されたい方必見!
私も録画保存します。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

63.0 10 ファンタジーで任務なアニメランキング10位
エガオノダイカ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (203)
704人が棚に入れました
地球より遥かかなたの星にある、笑顔に溢れた王国。王女のユウキは十二歳、そろそろ多感なお年頃。毎日泣き、笑い、時にはときめいたり…?しながら、王宮で楽しく暮らしている。日々を彩るのは、忠実な家臣たち。教育役のレイラ、政治を補佐するイザナ、騎士団長ハロルド、そして……幼馴染の側近、ヨシュア。「ユウキ!気合と根性さえあれば、何だってできる!」「……もうっ。またそれ~!?ヨシュア、もっと貴族らしくしてっ!」ステラは十七歳、有能かつクールな軍人。けれど微笑みはいつも絶やさない……笑顔は生きるためには、欠かせないから。これは、遠い星に生まれた、二人の少女の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、早見沙織、松岡禎丞、佐藤利奈、神奈延年、置鮎龍太郎、小市眞琴、榎木淳弥、松山鷹志、長久友紀、増田俊樹、石谷春貴、白石稔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

笑った私は素敵でしょう・・・ね?どう?どや!素敵でしょ?

タツノコプロ創立55周年企画オリジナルアニメーション、とのこと。


そのまんま『笑顔の代価』となるのでしょう。好物である不穏な展開が待ち受けてそうなタイトルが視聴の決めてでした。鬱展開カモン(^^)

王国と帝国。二つの勢力に別れての戦争もので主力兵器はロボットという世界が舞台です。キービジュアルからは想像つかないですけどね。王国側の王女ユウキ(CV花守ゆみり)と帝国側の一兵卒ステラ(CV早見沙織)のWヒロインになります。
戦争の原因は資源エネルギーに絡んでと妥当な理由でした。
タイトルから“笑顔は何と引き換えなのか?”
OP映像から“ユウキとステラはどう絡むのかなぁ?”
そんなところが気になる序盤です。


観終わって、、、そこそこ期待した通りの“不穏さ”ではありました。
エガオにまつわるオチのつけ方やたぶん監督が描きたいであろうテーマも伝わってきます。ただわかりづらい。

戦争もののくくりで本作を捉えるとして、陣営の違う二人を主人公に据える場合、まずはお互いの関係を決めてくれると楽だったのです。
 ・一番手っ取り早いのは二人をライバルにしちゃうことでしょう。
 ・次に考えられるのは敵味方を超えた友情物語にしちゃうことでしょう。
これがどちらでもなく関係性は不明のまま。
ただそれ自体は悪くないことです。後半に結びついてこればいいだけの話。

次に早い段階で二人が会うなり相手を認識すること。接点を作ってあげないと一つの作品のなかで別個の物語を追うハメになるからです。これもないため、視聴者は二つを追いながらの集約待ち状態が続きました。これもそれほど悪くないことです。
代わりかどうかは知りませんが、同じ事柄を王国視点で次は帝国視点でと交互に見せる演出が何回かあって理解を促してました。
おもしろい演出でしたが、《話の進行速度》を代価として払った感じですね。終盤近づいてももやもやが依然として残ります。
{netabare}9話以降、クラルスとは何ぞや?が解明されたあたりから物語は加速していきますが、{/netabare}どうしても終盤慌てて畳んだような印象です。

 尺不足ではなくこれは脚本が悪いです。

並行で物語を進行させる場合、興味を引き付ける要素を要所で挿れないと置いてけぼりになります。その悪い見本。
最終盤はいろいろ繋がって作品のメッセージも受け取りましたが、それまでの組み立てのしょっぱさから{netabare}ラストカットのユウキとステラの二人に{/netabare}感情移入できた方がどれほどいたでしょうか?私は2週めでやっとおぼろげながら見えてきた感じでした。

 『その笑顔のためにどんな代償を二人は払ったのだろうか?』

ここに注視する必要がありそうです。鬱展開は好物です。ただしそれは人間の根っこ部分を摑まえてこそ。メッセージ性があるものの根っこが弱い、もったいない作品でした。
テロップ挿入ありのOP。「笑った私は素敵でしょう」とストレートなED。OPはムービーがネタバレやんと思いつつ、両曲とも作品世界に合っており肝いりだったことがわかります。


※以下ネタバレ所感
■笑顔の意味
ヒロイン二人の笑顔には別々の意味がありました。
{netabare}ユウキ:幼くして両親を失う不幸に見舞われながら周りの助けもあり、愛情を注がれて育った娘の笑顔。
王女らしく笑顔の対象は自国民だったり『公』に向いている。しかし次々と愛する人(家臣含む)を失っていき、笑顔は消えていく。愛する人を失わずに済む日が訪れた時に笑顔は取り戻せるのだろう。{/netabare}

{netabare}ステラ:幼くして両親を失う不幸に見舞われ里子に出されても厄介者扱いで、愛情を注がれずに育った娘の笑顔。
自己防衛ありきで笑顔の対象は自分『私』に向いている。仮の居場所(軍)を見つけ必要がなくなり、笑顔は消えていく。在りし日のかすかに残る記憶。人と人との繋がりを取り戻せた時に心から笑える日が訪れるのだろう。{/netabare}

{netabare}ユウキは民を統べる者としての自覚が芽生え、その責任を全うしようとすることで。
ステラは戦災孤児や隊の仲間の温もりに触れ、居場所を見つけようともがくことで。
クライマックスに向けて両者の心の変化みたいなものが集積していき、ラストピースをレイラさんが埋める。そして繋ぐ。ここはちゃんと筋が通っているんですよね。{/netabare}


■メッセージ
非戦反戦であることは明確です。王国にも帝国にもそれぞれ兵士たちには愛する者がいて、と。両陣営の視点で描かれているので狙いはある意味分かり易い。戦争なんてろくなもんじゃない。その通り!
なんだけど、物語の収束のさせ方が自分には刺さらない刺さらない。受け取ったメッセージに共感するまでには至りませんでした。

{netabare}作中でも再三指摘されてましたが、動力源(クラルス)を失えば、新たな争い生まれないわけないでしょうに。自覚あるだけマシと言えなくもないが、クラルス停止の正当性の根拠に持ってきたのが住環境の維持、すなわち環境破壊の阻止です。しかも1000年後。
これは問答無用でグレートリセットすればなんとかなる、のテロリストの発想ですよ。クラルス停止してもいいようにエコ手法を周知徹底するロードマップを敷くとか代替エネルギー研究するとかまじめな議論すっ飛ばすやり方はどうも性に合いません。そんな真っ当なツッコミに対しての反論が{/netabare}

{netabare}『気合と根性さえあれば、なんだって出来る…』
ヨシュアの伏線回収です。 ダメだこりゃ (*´▽`*){/netabare}

賢明な皆さんならもうお気づきでしょう。既視感のあるプロパガンダ臭がプンプンで胡散臭いったらありゃしないのです。
エンタメはエンタメで楽しみたいのでこういうのいらんかなぁ。リアリティの欠如した作品は今の時代ウケませんよ、タツノコプロさん。
GO!GO!がコンセプトの55周年企画なそうですが、これが非難轟々にならないことを切に願います。


■オマケ
1.CV花守ゆみり
ユウキが野営のキャンプで食事にありついてるシーン。もうすぐ冬ですね。
※出典:寒い季節にキャンプを楽しむアニメ
2.役名リリィ
仲間が戦死する度にこのフレーズが耳から離れない
「さよならはやってくるけれど ずっと先だって思ってた」
※出典:ゾンビがアイドルするアニメ

お粗末さまでした。



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2019.08.25追記

視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴

ED『この世界に花束を』のフレーズ。「笑った私は素敵でしょう」
これ放送中は気にならなかったのですが、最終話を観終わって、

 「素敵って言えや、ゴルァ!」

と迫られてるかのように感じました。作中のメッセージが押しつけがましかったのが理由です。お姫様は自分は良いことしてる!って信じて疑ってないですよね。だいたいこの手の方って人の話聞かないんですよ。



2019.03.29 初稿

投稿 : 2024/12/21
♥ : 46

pikotan さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

残念

ネットの評価が散々なので、逆に気になりdアニメで視聴。
なるほど叩かれるだけのことはある作品だなと納得。
たぶんクラルスは原発をイメージしていますよね。
これに戦争も絡めて現実世界へ問題提起しているのだとは思いますが、ストーリー展開が悪過ぎます。
10話目まで観たときは「これ2クールだったかな?」と思ってしまうほど遅々とした展開の後、11~12話で一気にまとめましたね。よくあるけど。
ラストでは敵だった人間同士が何事も無かったかのように仲良くなってるし…。
そんなに簡単に気持ちを切り替えられますか?
観ているこちらの気持ちが追いつきませんでした。

キャラクターで何よりイライラさせられたのは、王女であるユウキです。
子供だからと言えばそれまでかも知れないけれど、腐っても王女ですよ。
普通は王女就任の前に、内政や外交の状況についてレクチャーを受けるのでは?
国の状況を隠していた周りの大人に問題ありです。
状況を知ってからも変わらない言動が、更にストレス溜まりましたけど。

意外だったのはヨシュアの早期退場です。
てっきりヨシュアは近衛兵的役回りで、最後までユウキのそばにいると思っていたので、まさか第2話であんなことになるとは、ここだけ展開早かったですね。

これがタツノコさんの55周年記念作品とは、何とも残念です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

驚きの雑さ

【良い点】
・ロボのバトルシーンが綺麗
・OPが良い
・一応物語が終わる。

【悪い点】
・稀に見る雑さ
・キャラがうざい
・不明部分多すぎ

主人公はwikiによると、王国の王女、帝国のステラ、この2名らしい。
王国vs帝国の戦争もの。ロボを使ってのバトルアニメ。
OPの曲と歌はいいですし、最終話にはちゃんと物語としてきちんと終わります。
そんな良い部分をあっさり潰してしまう程の雑さ、そしてコロコロ手の平返しをするような主張や言動と感情面。後々浮彫になってくる設定内容の為、アニメ全体の半分まで見ないとほとんどが分からない内容。

具体的にどういう事かというと、以下の内容です。
{netabare}
【雑なところ】
・人間が移動する際、移動の仕方がスケートのようにスィ~。
・ロボに乗ると周りの大きさが人間サイズ基準のものに変化。
・死なせ方が雑で、フラグ立てて「取り合えず死んで感動して貰おう」という感じ。
・重要施設、一般人でも簡単に入れる程の何もない。捕虜部屋は見張り1名で鍵も無く外にあっさり出れる。
・王女がロボ内のモニターに顔出し命令。戦争中、前が見えないっ!!邪魔っ!!ありえんっ!!
・「300m先で我が軍の部隊が敵に囲まれてる」ロボ目線で300m!?目と鼻の先じゃないかよ!!

【キャラがうざい】
・王女の主張が『味方だけでなく敵にも犠牲を出したくない』。結果、味方だけ犠牲が増え続ける。それを見かねた偉い人が、反論するも「私はこういうやり方しかできないのぉー!」無能!!
・側近眼鏡女「争いを止めたいとおっしゃられましたね。ならば懸命にお考え、それが出来ないのであればあなたは無力のままです」王女に戦争中である事を隠してたお前が言うのかよ!!


【不明部分】
・戦争している理由が分からない。
・ロボの性能、強さ、武器等が全く分からない為、王国と帝国の戦力差等が不明。
・新型が出ても、どれが新型か分からない上、性能差も全く分からない。
・新兵器の威力を見せるが、比較対象が無い為、凄さが分からない。
・主人公が誰か分からない。
・地図が何度か出て来るけど、それがどこなのかが全く分からない。
{/netabare}

このアニメは、ロボでの戦闘シーンが見どころだと思います。
ストーリーは一応ありますが、どうでもいい死亡フラグの会話と、女王の心情を表す会話が多々あり、ストーリーが全く頭に入って来ません。
しかも、6話の終盤までは不明部分が多すぎて「彼ら彼女らは一体何を言ってるんだ?」という状態に陥ります。
これを楽しむ為には、この作品の基礎知識が必要みたいな気がしまくります。
かといって、2周目を見る気にはなれませんでした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

67.3 11 ファンタジーで任務なアニメランキング11位
処刑少女の生きる道 バージンロード(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (260)
695人が棚に入れました
かつて日本から訪れ世界に大災害をもたらした≪迷い人≫。彼らは過去に世界を滅ぼすほどの厄災をもたらしたことから「禁忌指定」となり、人知れず処刑する必要があった。≪迷い人≫の処刑を生業とする≪処刑人≫のメノウは、ある日、日本人の少女・アカリと出会う。いつものように任務を遂行しようとしたメノウだが、アカリの“とある能力"により失敗に終わってしまう。アカリを確実に処刑するため、彼女を連れて、いかなる異世界人をも討滅可能な儀式場があるというガルムの大聖堂を目指すメノウ。殺されるために旅をしているとは知らず純粋に楽しむアカリの姿に、メノウのなかで何かが変わり始めていた。――これは、彼女が彼女を殺すための物語。
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い具合の厨二病。そして・・・

<2022/4/28 初投稿>
3話まで見ました。
原作(ラノベ)は未読です。
見始めなので評価はデフォルトの3.0。

1話冒頭見た時は「またいつものなろうかぁ。さよならかな」とか思ってたけど。
進んでいくと意外な感じ。

3話までいくと
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!(以下略)」
そう、ジョジョのあれです
あんな感じ(いや違うか笑)

まあでも「そうきたか!」という捻りだけなら物足りないところ。
本作はエピソード一つ一つがしっくり腑に落ちる。
もしかしたら演出ってやつが良いのかも。
セリフとかも存外に良いっす。

厨二病にはしっかり罹患してますが、良性の方のようだし。
風俗なんかも異世界と現世界の折衷なとこもあって、変ではあるけどいい味にもなってる。

ただ最近ありがちな可愛い無難なキャラデザで損してる気もする。
無理を言えば、例えば天野喜孝キャラのような重厚さで描かれてたら、この作品物凄いことになってたかも。
つっても天野キャラをアニメ化ってほぼ無理なんですけどね。
もしくは安彦良和キャラデザだったら、と妄想してみたり。

なんてバカなこと空想しながら
今期のダークホースかも、と期待してみます。

<2022/5/1 追記>
4、5話見ました。
そうなるのかぁ。
{netabare}「自分が若返りたいから仕組みました」って大司教オーウェルの予想外の動機にびっくり。このばあちゃん、最初から変な空気感出してはいたけどここまで自己中とは{/netabare}

あと4話の後半からアカリがメノウに百合な感じで甘えるのはなんだろう?
なんか、そこまで親愛の情を感じてしまう何かがあるのかな?

<2022/7/20 追記>
リアタイで最終回見ました。
物語は面白かった。
でもお話で見せるタイプなので途中で終わる感じなのはもったいない。
続編が出て初めて真価が発揮される作品だと思うんだけど2期あるのかなぁ。

あとキャラのデザイン。
今風の可愛らしい絵がストーリーの重さと合ってないというか
絵の見せ方も迫力がないというか。

最近の作品なら例えばシャドーハウスとか薔薇王の葬列のような重厚さがあるとかなり違うと思うんだけど

なんかもったいない

<2022/7/24 追記>
そういえばアンナミラーズの最後の一店舗、高輪店が今年8月末で閉店なのだそうです。
初めてアンミラ行ったのは十代の頃、ウェイトレスのお姉さんに目が釘付けになったのは良い思い出です笑。

このアンミラ閉店のニュース知って、本作のアカリ思い出しました。
アカリの服、どっかで見たことあるなーとは思ってましたが、アンミラのあの制服でした。
ほんと、なんであんな絞り出すようなデザインなんだろ?
われわれ男子には有難いことですが。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

先制追加点ダメ…押せよ

原作未読


生きる道と書いてヴァージンロードと読む。『“処”刑少“女”』とおっさんの言葉遊びみたいなノリは大歓迎。もぎたての果実のいいところを拝めるのでしょうか。
耳目をひく物騒なタイトルそのままに物騒な第一話には予想外とも予想範囲内とも違って巷に溢れる異世界転生モノとはちょっと毛並みが違うことを感じるでしょう。細かいところ目を瞑ればけっこう楽しめた私です。

 彼女が彼女を殺すための物語

公式キャッチコピーがこちら。全12話終わって意味はきちんと見えてくるので良心的。…と褒めてからの俺たたEND。なんとも評価しづらいです。


なぜか転送(転生!?)されてくるのは日本人ばかりという異世界が舞台。このふざけた設定みればわりといつものやつらをおちょくってるのがわかります。アンチなろうの系譜。日本人は文字や文化を持ち込んだり強大な力をもって多大なる益を異世界にもたらす一方というか反動で災いをもたらすとも言われております。
そんな“災い”をリスク認定する至極当たり前の考えに則して転生者を闇に葬っていく主人公の“生きる道”とはなんぞや?ってお話でした。鎖国って言葉習ったと思いますがそりゃあ交易もメリットだけならわざわざそんなことしません。こいつら無理!って段階にきてシャットアウトする気持ちわかります。よって突拍子もない設定でもなかったと思われます。というかむしろ優れているかと。
全12話終えてみて第1話でぼんやり描いてた展開とは良い意味で違っているのもアリですね。くどいようですが細かいところに目を瞑ればって条件付きでです。

ネタバレ無しだとここまで。第1話の引きの強さに引っかからなければ撤退可。そこから2段階くらいの転機が1クールの中で起こりますのでそこは面白がれるんじゃないかと思われます。



※ネタバレ所感

■オマージュ系?
さわやか鬱系ってジャンルがあるのか知りませんが、暗いトーンで終始進む物語のわりには絶望感が足らないのは、へっぽこな作画だったり、キャラの違和感ある行動だったりで安っぽく見えることに起因してると思われます。シリアスになり切れてません。

{netabare}ただ能天気主人公アカリ(CV佳原萌枝)が実は何度も繰り返してますよ…な種明かしからの不穏な展開には好感。相方の処刑少女メノウ(CV佐伯伊織)も長らく信じてきた使命感に揺らぎが生じるのも良きです。
笑っちゃったのがメノウの後輩こちらも主要キャラのモモ(CV金元寿子)でしょうか。なんとなく不穏系タイムリープものという作品の全容が見えてきてから、ツインテのピンク髪、そして拡がるスカートに白い衣装な後輩モモちゃんが一世を風靡した某魔法少女みたいに見えちゃいました。あくまで見た目。{/netabare}


■備忘的な総評
続きあった時の備忘。

{netabare}たしかに転生者は災厄をもたらすらしい。よってメノウはアカリを殺めることに筋は通っている気もするが、果たして災厄の除去で万事OKなのかは不透明。
一方アカリはどうせ殺されるならメノウの手で!となってるが動機付け弱い。自身が災いもたらす決定的な未来図が見えてるわけでもないのにメノア師匠フレア(CV甲斐田裕子)の手にかかりたくないからメノアちゃんよろ!ってなるのかしら。
・大司教様が宣っていた触媒としてオンリーワン存在のメノウ
・サイコパスなマノン(CV石見舞菜香)が絡む元世界に戻れる可能性
・繰り返しルールを知ってそうなフレアの思惑とは?
このへんが明かされていい感じで絡んでくると良い作品に慣れそうが気がする。未知数です。{/netabare}


化けたらいいなぁ。アカリとメノウが結ばれてヴァージンロードを歩く斜め上展開でタイトル回収!みたいなのだけやめてくれたらいいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

設定だけは良かった。

{netabare}
1話の出だしは、いかにもこの作品は他のなろうとは違いますよと言わんばかりに皮肉を入れたり、異世界ながら現代風な世界観だったり、そして、無能なナナのようなどんでん返し展開でかなり期待してた。続きの2話も結構百合要素も強めな感じで、序盤の印象はクール内でもトップクラスだったのだが、そこからは落ちる一方。

まず一番のガッカリポイントとして処刑少女要素が全然ないこと。
処刑したのが一話のモブだけという...。
あかりは特別な存在だから保留するにして、同時並行で別のターゲットを殺していくという風に、あくまで処刑少女としての仕事を描くべきだったと思う。
なぜか訳の分からない敵とばかり戦っておて、見たいものから逸れている感もあるし、グダグダやっている感も否めない。

急に「異世界人を殺す羽目になってたのは実はあのおばさんのせいなんだ!!」とか言われて喧嘩をし始めても、異世界人を殺す処刑少女としての場面が一話しかないもんだから共感しがたい。
てかそもそもおばさん自体存在感が薄いからそんな意外性のある展開というわけでもなく、唐突な印象を受けた。
おばさんの動機も死ぬほどしょうもないし、あの回でこのアニメはダメだと確信した。

実際おばさんとの戦闘後は良くも悪くも、普通のなろうになったなと言う印象。
この世界が異世界人から影響を受け近代化しているという設定に関しても大して活かされず、目の前に現れた敵を倒すだけという可もなく不可もない展開。
もう灯を殺すとかそんな話はどこか遠くへ行ってしまってるのでグダグダ感が否めなかった。戦闘自体も特段面白いということもなく、本当に普通。
中盤から後半になってくると百合もかなりごり押し感があって、百合好きの自分からしても正直きつかった。

あと、あの金髪のキャラは何がしたかったのか。電車の上で急に戦闘を始めたかと思ったらいつの間にかVSおばさんの回で共闘展開になっているし、その回だけかと思えば最後の敵との戦いでも共闘してるし、本当に何がしたかったのか。こんな共闘した後に対立されても茶番感しか。

まあただ、実は目的が一致しているという、灯やメノウの設定に関しては面白かったというか惹かれるものはあった。
タイムリープキャラをサブ主人公に据えた話と言うのも目新しさがあって良かったかな。
最終目標やラスボスが明瞭になったというのもあってどちらかというと最終回後の話の方が、グダグダ感がなくなって面白くなりそうではある(?)
フレアがラスボスで、自分の弟子を始末している"処刑少女"という設定も面白そう。一期の範囲だと本領が発揮できていない感は少しあった。

序盤は結構面白くて、中盤は微妙、終盤は普通と言った感じの作品ですかね。
キャラの作画に関してはずっと安定していたけど、作画は普通だった。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
結構よさそう。あっ...。出だしは良かったのに、異世界転生の流れと「異世界転生!?」って驚く主人公のせいで台無し。
異世界転生の流れ雑すぎない?
いや、けど転生後にネガティブなのは結構いいか?
おい、主人公寒い会話やめろ。なろう特有のマヨネーズ推し。
知ってて草。これは...逆張りなろう作品?
おお、世界観がちゃんとしてる異世界っぽいな。
日本人街が出来てるって言う設定も面白い。ノブレス難民救済。
独自の世界観がある異世界久しぶり。どういうことだってばよ。
無能なナナ? 面白い説。葛藤を残しつつ殺すのがいい。
光学迷彩? 異世界人はノブレスVSファウストの戦争の道具?
予想以上に面白かった。ダークホース枠? かわいい。死なないで。
OPなんて? OP微妙だな...。

2話 ☆8
キャラデザほんと可愛いよな。鬼頭あかり? 焦りすぎ。
自分の傷もいやせるよな。追い打ちはよ。顔芸。これ百合アニメ?
列車あるのか。修羅場。なんか好きだわこのアニメ。

3話 ☆6
やっぱり百合枠だったかw 謎の化け物
ちょっと話それすぎじゃない? 作画頑張って。
異世界人を殺す話だけやってればいいのに。
あかり守るの草。よくある列車が止まらない展開。
エッッッ ??? このもし失敗したらの回想いる?
失敗したけどやり直したのでは?ってこと。

4話 ☆8
今回で結局話面白いアニメか面白くないアニメかはっきりしそう。
怖い。露骨な百合豚向け路線。

5話 ☆2
百合が露骨すぎる。なんでこいつと仲良くなってんの?
心読まれてる?w 何が起こってるんだ?
主人公に殺し依頼してた側がおかしかったってこと?
処刑少女全否定だしなんかなぁ。
いや、けど目的が若返りぐらいなら異世界人殺せるしそれでもいいんじゃないの? 純粋概念受け継がれるの?

6話 ☆6
ちょっとマシなたんもし枠って感じだな。ループものだった? 何があった? 誰の話がしたいのか絞ってくれ。
モモとババアとあかりの話同時にやられても。
いや、フレアに変装できたからといってなんで出し抜けた?
変装する意味あった? 結局これでもう処刑少女()やめるの?
全くやってなかったけど。
まああかりがメノウを信じてた理由は整合性あって良かったかな。
これでまたループなの? サクガンみたいな回想

7話 ☆6
OP好きになった。百合のごり押し。
この子がちゃんと異世界人始末してるとこ一話のあのモブ分しか見てないんだが。最終的にモモが敵対してフレア連れてくるオチありそうだな。
まだ薬飲ませたりしてるんかよw
アイアンメイデンって言うほど苦しまずに死ねそう。

8話 ☆4
この世界の総意として異世界人は始末しないといけないのね。
ちゃんとした理由が必要だよな
下品すぎるわ。麻薬(魔薬) あんまり魔物化に意味なさそうだが。
あかりが少しきつくなってきた。序盤は推してたアニメなんだけどなぁ。

9話 ☆3
なんかもうこのアニメきつい。
もう今更こいつと敵対しても茶番なんだよな。女には優しい。
何がトリガーになって未来が変わった?
何が面白くないんだろうなこれ。処刑少女要素がないにしても展開を結構工夫してるのはわかるんだが。

10話 ☆7
いや、復讐する気満々だったじゃんw なるほど?
フレアが禁忌でないと見逃したことが誤りであったということにしたいのか? 
捻くれてんな。生まれた マトリョーシカかな?
しょうもない会話やってないではよ進めろw
そういやこの世界近代化進んでて映画もあるんだったな。
その割には町は前近代風なのね。

11話 ☆4
敵が寒いわ。この金髪は何がしたいんだよ。
話は悪くないけど敵が生理的に無理。霧ってなんなんだ?

12話 ☆5
エンドロールまで見ろ。これはいいリョナ。
腕ちぎられるとこまでやってくれたら最高だった。
そこであの回想の場面になるのか。
これ結局ダラダラしてるだけで面白くないアニメだったな。設定だけ。

曲評価(好み)
OP「Paper Bouquet」☆8
ED「灯火セレナード」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11
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