2024年度のピックアップおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度のピックアップ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の2024年度のピックアップおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.2 1 2024年度のピックアップアニメランキング1位
この素晴らしい世界に祝福を!3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (291)
984人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。 「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。 そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。 その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の冒険譚を聞きたいというもの。護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや――― 「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」 王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!? カズマが目を開けると、そこはなんと王都! アイリスに乞われて滞在するうちに、王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。 しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?

声優・キャラクター
カズマ:福島潤
アクア:雨宮天
めぐみん:高橋李依
ダクネス:茅野愛衣
ルナ:原紗友里
荒くれ者:稲田徹
クリス:諏訪彩花
ウィズ:堀江由衣
バニル:西田雅一
ゆんゆん:豊崎愛生
ミツルギ:江口拓也
アイリス:高尾奏音
クレア:矢作紗友里
レイン:上田麗奈
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

このあざとらしい世界に満腹を!

ちなみに『あざとらしい』という日本語はありません。
わかって書いておりますので、
つっこみはナシでお願いいたします。ほんとお願い、やめて。ごめんて。

さて、本作は大人気異世界ギャグアニメの第三期にあたります。
途中にスピンオフ作品『この素晴らしい世界に爆炎を』があったので、
シリ-ズとしては4作目になるのかしら。

原作は暁なつめさんのライトノベル(拙は未読)。
制作は、二期まではスタジオディーンさんだったのですが、
前作にあたる『爆炎』からドライブさんへ変更になっております。
その変更に合わせて監督も、
金崎貴臣さんから安部祐二郎さんにバトンタッチ。
(金崎さんは総カントクですね)

前作の『爆炎』はめぐみんしか出てこなかったため、
主役パ-ティの四人(カズマ・アクア・めぐみん・ダクネス)がTVで揃うのは、
二期の放送終了以来、なんと7年ぶり。

ちなみに劇場版から見ても4年半ぶりということでして、
ファンの方々は待ち焦がれていた、
前作を知らない方々は「なんですか、これ?」的な新シリーズになります。

拙は一期から見ておりまして、
劇場版ぐらいまではけっこう好き・お気に入りだったのですが、
その視点から本作の評価を申し上げますと
  なんか思ってたのとチガウ
というのが偽らざるホンネといったところです。

見ていて面白いっちゃ面白いんですが、
拙が勝手に期待していた『おハナシの核心的な魅力』みたいなものが、
どうにも薄まっちゃった感が否めないんですよね。

仲間をココロから大切にし、実はけっこうもてもてのカズマさん、
なんていうのは、
なんかこう『裏切られた感』があると言いますか……。

  もちろん、何をどう描こうが、
  それは100%、原作者や制作陣の自由であります。

  いやほんと自由っちゃ自由なんですが、
  けどさ、でもね、
  ・「それってあなたの感想ですよね」とか言ってジャイアンを論破するのび太くん
  ・お笑い番組を見て、テーブルをばんばん叩いて笑い転げるゴルゴ13
  ・裏アカでアスカをディスりまくってクックッと笑う綾波レイ
  ・「おまえさ、いいかげん『長いものに巻かれる』ってこと覚えろよ」
   とかなんとか飲み屋で後輩にセッキョ-するエレン・イエーガ-
  ・「SOS団はズッ友だよ」なんて言う涼宮ハルヒ
  みたいなのって、あんまり見たくないじゃありませんか。

  もちろんパロディならぜんぜんアリなのですが、
  本編でそういうのって、
  なんかちょっとアレじゃないかと思うんですわたし。


で、拙が勝手に思っている『本シリ-ズの核心的な魅力』はなにかと言いますと、
  あえてきれいにまとめない『逸脱感』
という点に尽きると思うんです。笑いのとれるグダグダ感、とも言えるかしら。

イッパン論として申し上げますと、
巷にあふれてる異世界転生ファンタジーものって、
なぜか『きれいにまとめよう』とし過ぎちゃってると思うんですよね。

  ゲンジツ世界ではぼっち、あるいは引きニートだった主人公が、
  異世界でステキで愉快な仲間に恵まれ、
  最初はちょいちょい苦労っぽいことはするものの、
  ゲンダイ知識やチ-ト能力を生かし、
  モテモテで楽しい異世界ライフを満喫するのでした。めでたしおひたし。

なんかね、もうね、
そういう『ゲンジツ逃避型ユメ物語』は、ほんとおなかいっぱいなんです。
そんなジブン全肯定の妄想にひたる前に、
  ちゃんと本読めベンキョ-しろ、そして働け
とかなんとか言いたくなっちゃいます。


その点、1~2期の頃の『このすば』は、
いい感じに『とんがっていた・逸脱していた』と拙は思うんです。

転生しようがなにしようがクズマはクズマ。
世のため人のために働こうなんて気もちはまるっきりありませんし、
パ-ティメンバーとの友情だの相互信頼だのは、ほぼゼロ。なんならマイナス。

タチの悪いお調子者かつストレートでお下品なスケベさんなので、
モテることもありません。
たまに成り行きでがんばって皆から喜ばれたりしてみても、
セケンによくある女性の評価、
  あ~~悪いヒトじゃないと思うんだけど、
  そっち系の相手としてはふつうにナシかな、ごめんね。
的なポジションが不動のもの。

二期でダクネスにお見合いのハナシが持ち上がった時だって、
今期とは全然違いましたしね。
{netabare}
  ダクネスはダクネスで
    あんな下卑たところのない清廉なオトコはいやだ
  なんて理由で話をぶち壊そうとします。

  カズマはカズマで
    ポンコツクルセイダーとおさらばするチャンス
  という理由で、話をぶち壊そうとするダクネスの邪魔に潜入します。

  これはもう、よしあし以前の、
  作品としての『個性』かつ、れっきとした『差別化』なんですよね。
  視聴者の斜め上を行く枠外思考、
  ファンタジー作品におけるパ-ティもののセオリーを逸脱し、
  ブレないポンコツっぷり、外道っぷりがたまりませぬ。

  ところが今期の結婚話は、みんなそろってウジウジめそめそ。
  いやいや、こんなハナシならそのへんになんぼでも転がってますやん。

  教会からダクネスを略奪するシーンなんかは、
  制作陣はカンド-して欲しかったのだろうと思うのですが、
    なにを見せられてるんだ僕は
  としか思いようがないぐらいありきたり、チープそのものでした。{/netabare}


こういう傾向というか『ふつう化・セオリー化』は、
劇場版のラストあたりから見え隠れし、
前作の『爆炎』から顕著になってきていたと思います。

あの『爆炎』って、あにこれの評価もけっこう低めだと思うのですが、
その要因は『他の三人がでていなかった』からではなく、
まるっきり『エッジが効いていなかった』からではあるまいかと。
{netabare}
  めぐみんは『アタマのおかしい魔法使い』なんかじゃなく、
  爆裂魔法にこだわるのにはちゃんと理由があり、
  周囲の声に惑わされず夢に向かってまっすぐ突き進む元気な女の子。

  ゆんゆんとめぐみんは、
  堅い信頼と友情で結ばれている真の同期生。

  クラスメイトも二人のキャラに戸惑っているだけで、
  いじめもないし、
  どこまでいっても『まあ、ふつう』。

  個々のプロット以前の問題として、
  基礎構成自体があまりにも『ふつう』過ぎて、だらだらの緩斜面。
  エッジを利かせるところがひとつもありません。
    ネット上でシロートが書きちらかしている魔法学校物語
  と、どこがちゃうねん、というハナシです。
  ちゃうちゃう、こんなん『このすば』ちゃうんちゃう?
{/netabare}


というわけで、
本作において久々に四人が揃ったわけですから、
むかしのキレが戻ることを期待していたファンが多かったと思うんです。

で、確かにギャグ要素は、四人そろったからよくなっています。
だけど核心的な部分で、
なんかこう……『このすば』らしい逸脱感が失われちゃってるんですよね。
{netabare}
  王女アイリスの話のオチだって、え゛、そういうハナシなん? て感じですし。
    カズマは失意。だけどアイリスは実はホの字だった。
  なんて、そのへんに転がってるコミカルラノベそのまんまじゃないですか。

  拙の期待するオチというのは、
    指輪のルール(魔王を倒したら王女と結婚できる)を知ったカズマは、
    いずれオレは王族の仲間入り、おまえらいまから跪け、と有頂天。
    その勢いで魔王討伐の旅へ出かけようとします。
    だけどアイリスはけっこうしたたか。
    最初からカズマのことを『面白いペット』ぐらいしか思っておらず、
    まさかの事態にそなえ、
    指輪のル-ルを廃止することを決定、街中におふれを出します。
    それを見てガックリし引きこもるカズマ、
    爆笑するアクア、
    よくも散々威張ってくれましたねと怒るめぐみん、
    いいから魔王討伐に行ってやられよう、とカズマを引きずり出すダクネス
  みたいなグダグダ、ぜんぜん『ココロ暖まらない』ものなのであります。

  最終話の締め方も、なんだかな。

  カズマが支払ったお金は領主から没収した財産から補填されることになり、
  なにもかもが元通り。
  カズマが知的財産権を失いダクネスに×がついただけで、
  これからも楽しいわちゃわちゃした暮らしが続くのでしたって……
  あんたは文科省推奨作品か。

    めぐみんの爆裂魔法で破壊された教会・町の修復費で、
    パ-ティは元の極貧生活に逆戻り。
    カネのぶんはそのカラダで払え、と迫るカズマにたいし、
      それは正当な取引であり、悪辣さも下劣さもないではないか
    と反論するダクネス。
    そこにダスティネス家の使いが来て、
    貴族社会のルールとして結婚した女性は、
    夫が承認するか死亡・失踪後三年経過するまで離婚が認められず、
    貴族と不倫をした平民の男はナニがちょん切られる、ということが判明。
      ほほう、ならば相手をしてやろう
    とニヤリと笑い、逃げるカズマを追いかけまわすダクネス。
    アクアとめぐみんは「切~れっ、切~れっ」の大合唱。

  ぐらいの『美しくない』締めの方が、
  逆に『らしさ』があって爽やかじゃとぬしは思わんかや?
  と賢狼さまも申しております。ウソですが。 {/netabare}



いろいろぐちゃぐちゃ書いてきましたが、
拙的な作品全体のおすすめ度は、B+といったところです。
決して『駄作』というわけではありません。

ほかの異世界転生ものよりはキレがありますし、
バカバカしいギャグそのものは健在でもありますので、
お気軽な時間つぶしとして好適かと。

ただまあ、拙みたく一期二期に引っ張られてるムカシの方には、
やっぱ薄味感は否めないんじゃないのかしらと愚考します。
  ・もてもてカズマ
  ・パーティの美しくも熱い信頼と絆
  ・勧善懲悪・エブリバデハッピーな世界観
ってのはやっぱちょっとな……。

  スケベで矛盾だらけでお調子者でちゃらんぽらんだけれど、
  やるときはやる、そして仲間をダイジにする。
  そんな主人公に、最初は毛嫌いしていた美女たちもメロメロ。

    そういう物語のスタイルって、
    申し訳ないけれど『古い』と感じちゃうんですよね。
  {netabare}
  二期みたく
  バスタオルがはらりと落ち、
  カズマのエクスカリバーを見てアクアが『フッ』と笑う。
  ああいうグダグダで『美しくない』のが、
  本シリ-ズの魅力ではなかったのかと思ってみたりみなかったり。 {/netabare}


映像は、はっきり言って『しょぼい』です。
キャラデもなんかジュニア作品っぽくなってますし、
9話で「いっそこのまま……」とカズマにせまるダクネスなんか、
  いや、別にいらんけど
とかふつうに言えちゃいそう(←悪しきルッキズム)。

  役者さんとOP・EDが安定しているだけに、
  映像のやすっぽさが、
  世界観の『ありきたり化』をブーストさせている感は否めません。


そうは言っても、
主役パ-ティ四人がそろうのはやっぱ懐かしいし楽しいです。
ファンの方なら『けっこう』楽しめる仕様ではないかと愚考いたします。
少なくとも、
  なんでこんなんアニメ化したの?
みたいな異世界転生ものよりは、見どころ・笑いどころが盛りだくさんかと。

ある意味、こういう逸脱感の消失、テイストの変遷というのは、
  カドが取れて丸くなった、オトナになった
という前向きな評価をすることもできると思います。
コンテンツ制作業界ではこういうキャラの変遷を『振り幅』といって、
ドラマ系ではマストな要素のひとつですしね。

ただ、それって『このすば』に要るのかしらん。

そこのところはもう、
まるっきりの主観、好き嫌いレベルのお話でして、
正解なんてどこにもありません。

  クズマさんはあくまでも、どこまでもクズマさんであって欲しい、
  カドがとれたりオトナになったりしないで欲しい、
  そういうのはファンの勝手なノスタルジーの『押しつけ』です。

  ただまあ実社会においては、
  望む望まないにかかわらず誰もが荒波にもまれてカドを削られていく、
  というのは『みんなわかっていること』であります。

    だからこそせめてギャグアニメのキャラぐらいには、
    変わらない・成長しないことを求めたい。

  そういうキモチってわからなくもないというか、
  むしろ共感できちゃうんですよね。
  少なくとも本作品に対する拙のスタンスはそうであります。

  いや、決してゲンジツトーヒのためにアニメを見ているわけではなく、
  作品のコンセプチュアルな部分に対し、
  マ-ケットのニ-ズの観点からあ~だこ~だ……って、

                 言いわけ聞き苦しいぞ、僕。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ララティーーーナ!

原作未読 全11話

この素晴らしい世界に祝福を!の3期です。関係性から1・2期、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』を事前に観ることをオススメします。

本編は約7年ぶり劇場版からでも5年ぶりの3期となります。

ただ、2023年にスピンオフ作品の『この素晴らしい世界に爆焔を!』がありましたのでそこまで懐かしさはありませんでしたね。

でも、この作品はカズマ・アクア・めぐみん・ダグネスの4人が揃わないと面白くないですね。

今回は、大きく前半後半と分かれていますが、両方ともダクネス(ダスティネス・フォード・ララティーナ) が物語のキーとなっております。

ダクネス役の茅野愛衣さんになんてことを言わせるんだ!というシーンがこれまで以上にありますw

お調子者のカズマ、普段は駄女神ですが結構凄い事をしているアクア、猪突猛進のめぐみんw、肝心な時にドMな本性が出てしまうダグネスと相変わらずのメンバーです。

楽しく観させてもらいました。最後はスッキリした終わり方をしていますね。

また、続きがあるといいですね。

OPはMachicoさん、EDはアクア役の雨宮天さん・めぐみん役の高橋李依さん・ダクネス役の茅野愛衣さんが歌っています。

最後に、「安楽少女」というモンスターが出てきますが、CVは小清水亜美さんでオーデションの時にあるアドリブをいれて受かったそうです。
本編を観ると確かにアドリブ{netabare}(舌打ち){/netabare}は見事なものでしたw(何回もさせられたそうですw)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

4期あるなら詰めてやって欲しい

冒頭のカズマの回想シーンが、前回2019年の劇場版であり、リアタイ派だと5年前、劇場版って案外観てない方いてそうで、ちょっと不親切かなと思いました。
私なんかすぐ忘れるんで、レビュー書いてないこともあり1期から全て視聴しました。やはりもうアニメは配信で観るべきだと思いますね。月額も観れるアニメ数考えたら安いし、観返すこともできますし。

いきなり脱線しましたが、今回もスピンオフ爆焔をと同じく制作会社がドライブ、キャラが少し可愛く感じます、ただ怪しいキャラ絵はあり、特にEDのカズマ達の画像が怪しく、うーんこのすばの事分かってるねってなります(^^)

あまりストーリー性がなくギャグと下ネタで押し切るこのすばですが、3期は大きく2つのエピソードがあり良い話なんですよ、もちろんギャグと下ネタで笑かしてくるんですが、その辺が今までと違うと感じる方が多く少し評価が下がったのかもしれません。
私は良かったと思いました、もう3期だし話を進めることもしないとさすがに飽きられて来るのではて感じたので。

あと後付けっぽい伏線みたいなのがあります、これが良い話で私は楽しめたんですが、1期か2期と繋がります、7.8年前ですよね。
やっぱりアニメは配信で(しつこい)

今までのこのすばと同じく楽しめましたので
ぜひお勧めです。

2024年8月15日

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

74.0 2 2024年度のピックアップアニメランキング2位
鬼滅の刃 柱稽古編(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (204)
746人が棚に入れました
「柱稽古編」は、鬼舞辻無惨との最終決戦に備えた鬼殺隊の強化にスポットを当てたストーリー。柱による直接指導を受けながら、隊員たちが戦闘能力を高める様子が描かれる一方で、柱たちは「痣」の発現を目指して修行を重ねる。また、第1話は1時間スペシャルとして放送されることが決まっている。

声優・キャラクター
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門襧豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
冨岡義勇:櫻井孝宏
宇髄天元:小西克幸
時透無一郎:河西健吾
胡蝶しのぶ:早見沙織
甘露寺蜜璃:花澤香菜
伊黒小芭内:鈴村健一
不死川実弥:関智一
悲鳴嶼行冥:杉田智和
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ブラック鬼殺隊・特濃

【物語 4.0点】
引き続き原作未読で視聴中の私でも、
タイトルからして、クライマックス前のつなぎのエピソードなんだなと察する内容。

ですが、私は『柱稽古編』とても楽しみでしたし、楽しめました。
思えば私が『鬼滅の刃』シリーズに惹かれたのは、
修行、リハビリを丹念に描いている所。

なので今回も、一体どんなハチャメチャな荒行が飛び出すのだろうと毎回ワクワクでした。
{netabare} 理不尽な理由で隊士を打ち合い稽古の障害物にした{/netabare} 蛇柱・伊黒しかり。
直球で暴力的で{netabare} 炭治郎にも隊士にも弟にも、{/netabare} ずっとご乱心だった風柱・不死川しかり。
トリで{netabare} 滝壺荒行や大岩を押し歩く{/netabare} 王道稽古を付けた岩柱・悲鳴嶼しかり。
初回、鍛錬のあまりの激しさに、のびて川を流れる若手隊士たちの“死屍累々”ぶりを眺めて、
鬼殺隊って超絶ブラックだな。
地獄に行くのはお前たち鬼狩りだ、いや無惨の方だなどと騒いでおりますが、
修行の場で既に十分地獄じゃんwと乾笑が止まりませんでしたw

それでも、命がけの修行は、鬼との戦いで生き残るため必須。
怪我の治りが遅い人間が、傷がすぐに再生する鬼と対峙する鬼殺隊の激務。
鬼狩りは9勝1敗でも命を落とす難行。
霞柱・時透の厳しいですが的確なしごきが脳裏に焼き付いています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ufotable

上半身裸の青少年隊士たちの肉体が踊る祭りの様相を呈した柱稽古模様w
動くはずがない巨石を動かそうと汗を吹き出しながら呻く炭治郎の大胸筋や上腕二頭筋。
良い筋肉してましたw


最終回。{netabare} 鬼殺隊首魁を狩りに襲撃してきた無惨と産屋敷との間で交わされた、{/netabare}
鬼の無惨が重ねた罪と罰に関する対話。
{netabare} あれだけ人を食い殺しても罪に問われなかったと自負する無惨に対して、
人の想いこそが不滅だと説諭する産屋敷に続き{/netabare}
無惨許すまじと勢揃いする柱ほか鬼殺隊の面々。
このシリーズは人を食らう鬼を狩る。図式としては勧善懲悪なのですが、
復讐心に燃え鬼を狩る人間も、まさに鬼の形相。
安直に正義の鬼退治と片付けられない迫力があります。

大切な人を鬼に食われる悲劇さえ無ければ穏やかな青春時代を送っていたであろう剣士(こども)たち。
それが、仇敵・無惨を前に、ここまでの描写を見るに相当な代償を伴うと思われる“痣(あざ)”を浮かべながら殺意を剥き出しにする。
これだけの怒髪衝天の数々を差し向けられたら無惨の罪もただでは済まされない。

その後、展開される{netabare} 産屋敷邸自爆から無限城へ続く{/netabare} 圧巻のバトル描写と合わせて、
“鬼滅”というタイトルに込められた真意を言葉以上に思案させられる、
心が揺れるアニメーションでした。


【キャラ 4.5点】
修行がブラックな鬼殺隊。
加えて、かねがね私の心に引っかかっていた、青少年たちを使い潰す隊のあり方への違和感。
鬼殺隊当主の産屋敷耀哉の描写を通じて、その違和感の正体に目星が付いたのも収穫でした。

産屋敷家が鬼の無惨の滅殺に執念を燃やす理由が、世のため人のためという無償の奉仕の心ではなく、
{netabare} 無惨という忌み子を出してしまったが故の家の呪いからの解放という、{/netabare}
家のエゴが発端となっているというのが意外でもあり。
この動機ならばカラスらを通じてブラック司令で隊士たちをコマとして動かす、
容赦ない采配にも納得です。

穏やかな当主・耀哉の表情の裏に周到に隠された強烈な殺意。
珠世さんが産屋敷を警戒したのも、
あの無惨様が戦慄したのも腑に落ちます。

鬼への怒りから人の道を外れてしまった剣士(こども)たちを、
優しい言葉で肯定し戦力にして産屋敷家の想いを繋いでいく。
当主を慕う鉄の結束が形作られる熱い展開と、
その裏で外れ者の心を巧みに掴む冷徹な産屋敷家の処世術。

清濁併せ呑むような当主と鬼殺隊の関係性。
それを特に感じたのが{netabare} 激憤のあまり鬼を撲殺して誤認逮捕されてしまった{/netabare}
岩柱・悲鳴嶼と手を差し伸べる当主のやり取り。


違和感と言えば、竈門炭治郎。
ポジティブ過ぎてちょっと頭オカシイんじゃないか?との疑心が、
柱稽古で確信に変わったのも収穫と言えば収穫w
一般人にとっては、無茶な稽古を乗り越える連中の方がオカシイと代弁してくれる善逸だけが心の拠り所ですw

かと言って、炭治郎は上司に命令された事を何でも前向きにこなすイエスマンというわけでもなく。
柱である不死川の兄貴に、ハッキリと、禰豆子を否定したあなたは嫌いですと言明しちゃう。
炭治郎は眩しすぎて取り扱いに困る期待の星ですw

一番大事なのは当主でも鬼殺隊でもなく、あくまで妹・禰豆子。
この炭治郎の隊との微妙な距離感。
次作『無限城編』劇場版三部作での運命の分かれ目を見極める際にも意識して行きたいです。


【声優 4.0点】
イケボならばハラスメントも許容される?
そう言わんばかりに無惨様役・関 俊彦さん決死のパワハラ会議などが名物化?してきた『鬼滅の刃』w
ですが今回はCV.関 俊彦さんは刹那の怯えが感じられる演技。
不滅の想いは確実に鬼を滅殺まで追い詰めます。

代わりに?ハラスメント演技が花開いたのが柱役の面々。
風柱・不死川 実弥役の関 智一さんの罵詈雑言は激しかったですが、
直情的な分だけ怒りの矛先がまだ分かりやすい。
厄介なのはしごきの裏に恋柱への恋慕と、甘露寺と親しげにする炭治郎への嫉妬が入り混じっているw
蛇柱・伊黒 小芭内役・鈴村 健一さんのネットリしごきボイス。

でも、やはりこの点でも一番恐ろしいのは産屋敷 耀哉役の森川 智之さんが表現する、
静かな口調の中に秘めた怒り。

その観点から珠世役の坂本 真綾さん。
淡々と鬼の血の研究に励んで来た、
鬼にされた女の怨念をぶつけた{netabare} 対無惨戦の{/netabare} 熱演。
執念が恐ろしかったです。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はMY FIRST STORY ×HYDE「夢幻」
ED主題歌はHYDE × MY FIRST STORY「永久-トコシエ-」
“攻守”を入れ替えてのコラボ企画。
両曲とも永遠なのは鬼か、紡がれる人の想いかという論点に誘う良質なアニメソング。

HYDEさんのボーカル。個人的にはOPで炸裂する高音だけでなく、
EDで披露した低音の方にも魅力を感じていまして。
そのHYDEさんの低音と作詞作曲・梶浦 由記氏の化学反応は甘美でした。

劇伴は椎名 豪氏✕梶浦 由記氏の共作が継続。
最終回ラスト、窮地に陥りながらも無惨滅殺への誓いを新たにする。
火力抜群のBGMから「夢幻」へとつなぐEDは熱かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

2人の柱の過去とお館様の本音

原作未読 全8話(1話と8話は1時間)

鬼舞辻󠄀 無惨含め上弦の鬼たちとの最終決戦前に各柱たちが鬼殺隊の隊士に稽古を付けていくお話。

柱の稽古をクリアしたら次の柱の稽古と順番に稽古をこなしていきますが、尋常じゃない基礎訓練ですね。

隊士たちが少しでも生き残るために柱たちが考えた精一杯の訓練なのかもしれません。

宇髄 天元 時透 無一郎 甘露寺 蜜璃 伊黒 小芭内 不死川 実弥 悲鳴嶼 行冥 の6人の柱と稽古を行います。

稽古の内容と今回は、冨岡 義勇・悲鳴嶼 行冥の2人の過去が描かれています。

また、今回は胡蝶 しのぶはある目的のためにほぼ出てきませんでした。

竈門 炭治郎を中心に稽古を模様と柱の過去が語られています。コミカルな要素もあって、力が入るシーンはありましたが、鬼との戦いではないので緊張感があまりなかったですね。

しかし、7話の終盤から8話では、空気が凍りついたような展開が待ち受けていて、ここから最終決戦の無限城編へ突入するところまでが描かれていました。
{netabare}
無惨の霧の中から登場するシーン、かなりの時間を割いていましたね。緊張感が半端なかったです。

そして、無惨と耀哉との会話のシーン、耀哉のそして産屋敷家の1000年の魂を込めた会話だったと思います。

最後は子供たちに未来を託して妻・子供と一緒に爆死するとは、無惨を油断させるためといえ、とても悲しいシーンでした。

無惨が爆発だけでは倒せないことは分かっていたと思いますが、柱が集結するための時間稼ぎをするためだったのでしょうか。

珠世さんも出てきて最終決戦という感じがしましたね。
{/netabare}
次回は劇場アニメとなるようです。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』三部作ということで、これで終わりなのか、またテレビに帰ってくるのか分かりませんが数年先までかかりますねw 気長に待っています!

OP/EDはMY FIRST STORY × HYDEさんが歌っています。

最後に、プレミアム試写会(7話・8話)の模様がyoutubeでありました。
{netabare}そしてサプライズでゲストの産屋敷 耀哉(うぶやしき かがや)役の 森川智之さんと鬼舞辻󠄀 無惨(きぶつじ むざん)役の関俊彦さんが8話でのやりとりの朗読劇がありました。朗読だけでもゾワゾワしましたね。流石です!{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

繋ぎであっても手は抜かない

相変わらず驚愕の作画と、デフォルメしたギャグを織り交ぜた展開。
今回は繋ぎのストーリーといった感じで、
上弦の鬼との決戦準備といった意味合い。
それでも手抜きの無い絵作りはさすがである。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

59.0 3 2024年度のピックアップアニメランキング3位
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (79)
237人が棚に入れました
「なんで誰も、本当の世界を覚えていないんだ …………!」 地上の覇権を争う五種族の大戦が、人類の勝利に終わった時代。だがその世界は、少年カイの目の前で突如として「上書き」された。 パラレルワールドのような世界でカイが見たのは、歴史が改ざんされ、人類が大戦に敗れた光景── ここでは竜や悪魔が地上を支配し、さらにカイは全ての人間から忘れられた存在になっていた。 だが神秘の少女リンネと出会い、カイは英雄なき世界で、英雄の剣を継承し、君臨する強大な敵種族に戦いを挑む。 世界から忘れられた少年が「真の世界を取り戻す」 王道ファンタジーバトル、開幕!

レオン博士 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

半年後には誰も覚えていなさそう

何か特別ダメなところはないけど、単純につまらない作品

設定はちょっと面白そうだったけど、ずっと淡々としていて熱を感じないし中身が詰まってない感じ
アニメ的な演出とか、見せ場とか特にこだわりもなく淡々とタスクを終わらせたような
原作には全然興味ないけど、仕事だし作るか・・・みたいな作品愛のなさを感じる
面白いものを作ろう、よく見せよう、バズらせようっていう熱意がなさそう
制作が原作を面白いと思って作らないと、面白いものになるわけないんです

OPテーマは世界観にも合っていていい感じ、さすがアーティストさんはしっかり魅せますね

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

物語が駆け足で進みます。うざくは無いけど、何これ感が強いです。

 最終話(12話)まで観ました。2024.09.30

 主人公のカイは、ある日人類が他の5種族に勝利した世界から敗北して滅亡しそうな世界に転移します。

 うわぁ~…。元の世界チート知識で無双するのか…。ウザそう…。と、1話切りした方も多いと思いますが、1話で多少その素振りも見せますが、薄い世界観の中、サクサク物語が進みます。

 最初の悪魔との戦いは戦争感がありましたが、結局他の種族の英雄を倒せば良いとのことで、悪魔の英雄戦後、一挙に物語が小規模化します。

 やっている事は、謎の美少女リンネ、男装?の美少女ジャンヌ達を引き連れて美男美女の敵対種族の英雄と戦い、異種族美少女もゲットして行くハーレム戦記でした。

 精霊族なんて、美少女英雄だけで雑魚も出て来ないし、獣人も雑魚一匹とこれまたケモミミ美少女英雄のみしか登場しません。キャラクター出すのが面倒になったんかな?後半ものすごい雑に物語が進みます。

 世界を上書きしたラスタライザとか言うマネキンみたいのが元凶らしいですが、説明も無く退場しました。

 俺達の戦いはこれからエンドでしたが、後は何と戦うのか?スカスカの世界での冒険が続いてもねぇ…。2期は無さそうです。

 風呂敷を畳めない、いつもの奴だったと、笑って許すしか無いですね。考察とか時間の無駄無駄ムダ〜!と心の中のディオさんが叫んでいるのが聞こえました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

60.4 4 2024年度のピックアップアニメランキング4位
嘆きの亡霊は引退したい(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (30)
163人が棚に入れました
トレジャーハンターになろうぜ 目指すはただひとつ、世界最強の英雄だ かつてそんな誓いを交わした六人の中でひとりだけ圧倒的に才能がなかった少年がいた。 ある日挫折を口にした彼に、幼馴染は言った。「クライ、お前、特に役割ないんだからリーダーやれよ」 才能があり過ぎる怪物達(=幼馴染達)で結成されたパーティ《嘆きの亡霊(ストレンジ・グリーフ)》は数年にしてその名を帝都中に轟かせ、そのてっぺんに据えられた彼はあれよあれよという間に最強パーティのリーダーとして祭り上げられた。 跳ね上がる周囲からの期待により彼の言動はいつだって勘違いされ、事態は予想もしない展開に…。 これは、最強パーティのリーダーにして最強のクランマスターとして名を馳せるクライ・アンドリヒの栄光と苦悩に満ちた英雄譚である!
ページの先頭へ