パイロットおすすめアニメランキング 104

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのパイロット成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番のパイロットおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.9 1 パイロットアニメランキング1位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1889)
9817人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰

IraIra さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アンインストール

鬱アニメ作品で検索すると殆どのQ&Aに名がでる鬱作品。
途中で諦めないで最後まで見て欲しい作品です。
私はこの作品をすべて見終わった後、2,3ヶ月はこの作品が頭から離れませんでした。しかし1話からの戦いが最終的に無かったことになるようなアニメだったら頭からすぐ離れていったでしょう。そこが鬱アニメ好きにはたまらないのですが…
鬱アニメが好きな傾向の方は平気かと…、見る人によっては結構重いかと思いますので、あまりお奨めできないです。
勝手にジャンル付けするならばロボットものですが、ストーリー自体が独特の世界観に重点しているので、バトルものの様なアクション性は少ないです。OPだけ見るのもありかと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

解釈することが、できないことのこわさ

■意図的な「雑な死」の表現

 「死」の表現が雑な話には二種類ある。
 単に「人が死ねば悲しいだろう」と思ってあざとい感動エピソードとセットにされて、どかどかと人が死ぬ話と、そもそも「死の瞬間」というのが雑な形でしか到来しないという無意味さを描こうとする話だ。
 「あざとい死」がただの泣かせの安っぽい方法論であるのに対して、「乱暴でちゅうぶらりんな死」というのは死そのものを描くことが話の目的になる。死の表現の雑さ、という点においては両者は同様なのだけれども、「死」に対して物語上の意味が与えられていれば前者のような表現になるし、物語上の意味が意図的に放棄されていれば後者のような表現になる。
 この表現は、決してわかりやすいものではない。
 正確にいうと「わかること」ができない。
 人が死ぬ瞬間、というのは、だいたい、たいした理由はない、というそれ自体を描こうとしているわけだから。

■ちゅうぶらりんな死

 いろいろな思いをかかえていた人間があっけなく、なんの理由もなく、理不尽に、ランダムに死んでしまう。そういうかたちで、多くの場合、死は突然にやってくる。「世界をすくうための崇高な犠牲として死を自覚的に選択できる」などというようなことはまず、ない。「ループする世界のはてから脱出するために死を選択する」とか、そういうことも、およそ幸福で稀な事態であると言ってよいだろう。

 鬼頭 莫宏という漫画家は、そういう、理不尽で偶発的な事件が、突如として悲劇としてあらわれてくるような。そういう事態を繰り返し、繰り返し描いている。そこには、巨大な情熱も、巨大な失望も、抱く間が無い。間抜けな形で到来する。


 鬼頭作品は、そもそもそういうタイプの世界の乱暴さを描く話だった。そういう世界の乱暴さばかりを描いてきた作家の仕事としては、『ぼくらの』はやや丁寧に属する部類の仕事だ。設定がこっていて、「死」を迎えるまでの時間が、ほんの短い時間ではあるけれども、ゆるされている。
 だけれども、やはり、その時間は「ほんの少し」だ。しかも、人生で何かをなしとげた人間の時間ではなくて、まだ何もなしとげていない少年少女たちの時間だ。
 死の前の少しの時間の暮らし方は、やはりどう転んでもぶざまだ。ぶざまで、感情移入をするまでには、時間が足らない。時間が足らない、その時間の足らなさ、こそが不気味な表現になっている。
 彼ら/彼女らのなかにある十分な物語を知る時間もあたえられず、ちゅうぶらりんなまま、人がぼろぼろと死んでいく、そういう乱暴な風景こそが、『ぼくらの』の醸し出す物語の怖さだろう。

 エンターテインメントとしてみてみれば、なるほど、描写は不十分ともいえるかもしれない。映画でいえば、絶対にアカデミー賞はとれないだろう。エンターテインメントとしては、ぎりぎりのバランスで成り立っている。わかりやすくないから。
 だけれども、わかりにくいもの、ばかりが世界にはたくさんごろがっていて、そのわかりにくさの、違和感のようなものを、ごろっと露呈させてみせる、その違和感があらわれる瞬間。そこに何かを感じ取ることが可能かどうか、ということが、鬼頭の書く物語を良いと思うか、悪いと思うかということの評価へと直結するだろう。ある人は、その違和感にたじろぎ、ある人は単に雑なものだと感じるかもしれない。


■セカイの生き死に自体がちゅうぶらりん

 ただ、こうした死の乱暴さそのものは、は実は決して知られていなかったものではない。世界の名作文学でも映画でもいい。あるいは、高名な哲学者の議論でもいい。戦争にいったことがない我々でも、そういう乱暴な死が世界中によこたえていることは知っていた。

{netabare} 『ぼくらの』の特殊性は「個人の死」が乱暴で、いいかげんで、ちゅうぶらりんに訪れるというだけでなく、「セカイの死」自体も、いいかげんで、乱暴で、ちゅうぶらりんな形でしか訪れない、ということだろう。
 この話は、「凡庸なぼくたち」が、セカイを救う物語であると同時に、セカイを滅ぼす話でもある。セカイを滅ぼす理由も、救う理由も、これといって明確な理由はない。サイコロを転がして決めているのといっしょだ。ただ、その過程に、たたかいを挟むから、じゃっかん本人たちの努力が可能なだけで、たたかいをする巨大ロボットが強いかどうか、ということはサイコロを転がすのと何もかわりはない。

 「セカイの成立」自体が乱暴で適当だという想像力は、「生命」自体が乱暴で、適当だという想像力の、さらに先にある、おそろしさをもっている。

■セカイ系作品としての異質性

 いわゆる「セカイ系」作品は、少年少女の憂鬱や、情熱の程度によって世界が救われたり滅びたりする。ハルヒしかり、エヴァしかり、エウレカしかり。
 「ぼくらの」もセカイ系の一種だと考えることはできる。滅びるべき世界/救われるべき世界は、「頑張らなければ世界がほろびる」。だが、そうは言っても、異世界の少年/少女たちもまったく同じ状況におかれているという点で、ロシアンルーレットの弾をこめるような意味においてしか、少年少女の憂鬱や情熱には意味がない。

 「セカイ系」においては、世界の救済や滅亡と、少年少女の情熱が、ダイレクトにつながる、ということが少年少女の「わたしには価値がある」という承認欲求を満たすものとして機能していた。
 しかしながら、『ぼくらの』はそういった構造を完全に逆転している。「わたし」ががんばろうが、がんばるまいが、どこかでセカイは滅び、どこかでセカイは残る。わたしの努力は「このセカイ」に対してこそ、一定の有効性はもつが、努力や情熱はごくむなしいものとしてしか、与えられない。少年少女は、みなロシアンルーレットの弾丸、としてしか役割を与えられていない。

 セカイ系の設定をかりながら、<「わたし」の承認欲求を否定するセカイ系>というごく、無残でみじめな世界を示すことを、あえて提示してみせる。
 鬼頭的な、世界の乱暴さをつきつけるという仕業、セカイ系という少年少女の逃げ場を否定することで、どうしようもなく、成立している。
 おまえらに、逃げ場なんてねぇんだぞ、と。
{/netabare}

■作品比較:『イキガミ』『バトルロワイヤル』

 なお、本作とある程度ちかい設定をもった作品としては、『イキガミ』『バトルロワイヤル』などがあるだろうが、いずれも世界の乱暴さを描くという点においては、『ぼくらの』の足元にも及んでいない。

 たとえば、『イキガミ』は、死にいたるまでの、当人たちの「物語」があまりにもきっちりと完結しすぎており、世界はあまりにも残酷ではなさすぎる。死にはきっちりとした意味があたえられ、物語世界はあまりにも簡単に解釈をゆるしてしまう、安易な「いい話」以上のものにはなりえていない。(そもそも心理描写の水準のだめさや、人間観のバラエティがステレオタイプに満ち満ちていて、論外なあたまのわるさ……ということはあるが、それをさておいても、そうだ。)

 また、『ぼくらの』がもし、失敗しているとすれば、やはりエンターテイメントとして作品をみる、という作法以外に作品を見る方法を知らない読者や視聴者層を大量に相手にするマーケットで作品をリリースしているということだろう。そういう視聴者層には、この表現は単に物足りない表現としてしか届かないケースが多い。つまり、『ぼくらの』は失敗している。作品の内容において、ではなく、売り出し方において失敗している。
 その意味では、エンターテイメントとして暴力表現を前面に押し出した『バトルロワイヤル』のほうが、大勢の人への伝わりやすさという点では、『ぼくらの』よりも世間的なインパクトは獲得できている
 しかし、『ぼくらの』の描く死はどうしようもなく中途半端であるゆえに、『バトルロワイヤル』などよりもはるかに残酷な風景を描いている。我々は、恍惚のうちに死ぬことができない。


■漫画版と比較して

 漫画のほうは、まだ全部はよみおわっていないのだけれども、おおむねアニメ版のほうが、見やすかった印象がある。一話完結である程度、はなしの起伏をつけているので。アニメの方がエンタテインメントとしては優れているだろう。
 エンターテインメントとしてではない、評価としては漫画のほうがすぐれているという人も多いかもしれない。
 わたしは、アニメのほうがやや気に入った。単純に映像もきれいだったのいうのもある。

■関連推奨作品:『パルプ・フィクション』『いのちの食べかた』

 なお、アニメでも漫画でもないが、本作が好きな人にすすめたい作品としては、
 まず映画ではもはや、古典ともいえる地位を獲得しているタランティーノの『パルプ・フィクション』は高い確率でハマるだろう。人が乱暴にしんでいく作品としては、まず多くの人が挙げるものだろうと思う。
 また、私個人のおすすめとしては、ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』をぜひおすすめしたい。『ぼくらの』に続けて、このドキュメンタリーをみたひとは、確実にゾッとする体験をあじわえるのではないか、と思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鬱と言うより泣かせメインの作品。昭和の戦争映画的かも。

点数上方修正します。
いい作品だと思ったし不満もそれほどないので、平均4.0では低すぎかなと思いまして。
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観終えましたので追記

 どうも後半のアニメとしてのアレンジが評判悪いみたいですが、私はそれほど気にはならなかったですね。
私が観たのが休日だったのも有りますが、飽きずに一気に観れましたです。
原作未読の私なんぞは、こういうお話なんですと言われれば素直に受け入れられましたです。原作に比べるとかなりソフトにアレンジされてるとの事ですが、充分救いの無い世界ですね(汗)
もう基本シチュエーションだけで残酷な上に、個々の子供たちの身の上まで不幸な訳でちょっとツラい作品なのは間違いないです。
私的には特にダイチの回とマキの回は泣いちゃいましたね。これは私が親だからってのもあるでしょう。赤ん坊・幼児が絡むとオッサンとしては涙腺がユルユルになってしまうもんで(汗)
 確かに重い話ではありますけど僅かながらも光明射す終わり方する作品でもありますので、それほど鬱だ鬱だと臆することなく観てもイイんではないかと。客引きのネタとして子供たちの死を利用した悪趣味な作品とは私は感じなかったですね。
 但し、個人的には女の子持つ男親は観ない方がいいかなと。
チズの件がちと、ね。
うちは息子だからまだ良かったです(汗)

 ただ、やはり契約してしまった子供達の姿には私は若干の違和感感じましたです。
{netabare}
 勝っても負けても死しかないと言う状況下で、あそこまで狼狽しないなんて達観しすぎじゃないかなと(汗)
ワクとコダマは自らの置かれた状況を把握することなく死んでますから別として、どうも皆13歳らしくない腹の括り方に見えるというか・・・。
ここら辺は個々のシーンをどう観たかと言う個人的な差異はあると思いますけども。
個々の心情描写にムラがあるというか、バックボーンは丁寧に見せる割には戦闘前後の姿の見せ方がアッサリ目な気がします。
13歳の子供が我を失って醜い姿を晒すなんてシーンばかりでは、流石にTV的絵面では無いと言う判断だったんでしょうか?
ここ最近はそういう心理面の描写が巧み且つ生臭いアニメも多い気がするので、今コレをアニメ化したら違ったイメージの作品になるのかもですね。
裏を返せば2007年制作のこの作品には、チズのエピソード以降に関しては散り際の潔さと儚さによる美談として概ね纏めようとしてる作り手側の意図が感じられる気がします。
世間で言われるほど鬱な作品では無いとの感想抱く方居るのも納得です。
私も視聴前は、死を前に泣いてわめいて命乞いをして自暴自棄になる子供達の生き地獄を延々と見せられる強烈な作品と思ってました。
完全に勘違いでしたw
まぁそんなドSな世界にカナちゃん放り込まれた姿は見たくないので、アニメ版位で良かったんだと思います。私的には彼女とダイチの妹が成長した姿だけがこの世界の救いのビジュアルでした(汗)
{/netabare}

人物の細かい描写の不満点とか時系列で?なところが僅かに気になりましたが、アニメ版も単独の作品としての話の収め方も悪くは無いと思います。
子供達主体の中盤までとタモツさんが出てくる辺りの終盤ではなんか別作品みたいな印象も受けるけど、チグハグな印象は無いです。
因みにこの作品も主人公たちの物語は完結するけど、世界の謎の全容は明かされないタイプの奴なので、そういうのがお嫌いな方はスルーした方が良いかも。

どうやら死に対するスタンスが随分と違う様子ですので、機会が有れば原作も読んでみたいですね。

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 以前から観たいと思いつつも、期待していた故に出来に失望したら嫌だなという事で手を付けず。盆の連休だから鬱々するのもいいかなと観始めてみました。
話の骨子は知っているつもりなので、もうしょっぱなから心が苦しいですね。こんな良く言えば悲しい、悪く言えば悪趣味な作品よくも考えたと思います。うちの子はまだ小学校にも上がってませんが、自分の子が・・・と思うとちと抵抗はあるんですよね。
だったら観なけりゃいいじゃんとも思いますが、残酷でも素晴らしい作品なのか否かは自分で感じたいなと思いまして。

 まだ2話しか見てませんが、確かに感情に纏わる描写に違和感有るかもですね。子供でも判るであろう異常なシチュエーションでも異常な程の感情の昂りが有る訳でも無く、ワクの転落に対する狼狽の無さも然り。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

69.8 2 パイロットアニメランキング2位
荒野のコトブキ飛行隊(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (321)
1050人が棚に入れました
一面に広がる荒れ果てた大地で、人々は物流・交易を行い、助け合いながら生きていた。雇われ用心棒の“コトブキ飛行隊"は、厳しいが美しい女社長、頼りない現場の指揮官、職人気質の整備班長など個性的な仲間とともに、空賊相手に大立ち回り!今日も“コトブキ飛行隊"は隼のエンジン音を響かせて、大空へと翔けてゆく――。

声優・キャラクター
鈴代紗弓、幸村恵理、仲谷明香、瀬戸麻沙美、山村響、富田美憂、矢島晶子、藤原啓治、吉岡美咲、岡咲美保、島袋美由利、古賀葵、川井田夏海
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

キャラ分布にみられるドーナツ化現象

ゲームちょっと興味出てきた


「競馬の騎手とレイバー乗りは、ちっこい奴に限るってね」
そんな後藤隊長の至言から早30年余。戦闘機乗りにも女性進出でびっくらこいた私。他のは知らん。

視聴理由はレシプロ機(プロペラ機)の響きに惹かれて。
プロペラ機は零戦が有名ですが作中の隼、紫電改も心躍る機体名です。第二次大戦時の主力で、ソ連がジェット機を開発するまで戦闘機の主役でした。
つくづく硫黄島陥落前に橘花が実戦投入されていれば・・・と脱線が止まりませんのでこれくらいで。。。はい。


女性ばかりのコトブキ飛行隊6名がいわゆる主役級。全員が“隼一型 一式戦闘機”に搭乗してます。EDクレジットには“隼”の継承会社であろう立飛ホールディングス㈱の文字。本格的ですね。
砂漠を背景に口笛から始まるOP。これでウェスタンハットでも被って馬に跨れば立派な西部劇の出来上がりですがそうならないのは上記の通り。
海もないし、隼は陸軍機でもあるし、発艦するのは空母からではなく飛行船からという斬新さ。既視感はあまりございません。
もう一つ、水島努監督が手掛ける空戦ものということですが、ガルパン未視聴の私にとってはそのへんの事情は不案内なので語らず。いつか観よう!ガルパン!


全12話。フルCGで毎話空戦が繰り広げられます。
物語らしきものもありますが本格化するのは少し先で、基本的には各話のイベントをこなしていくスタイル。
この空戦、ドッグファイトってやつですね。音なり回旋具合なりカメラワークなり雰囲気が良いのです。本作でなにか挙げろと言われれば外すことは出来ない見どころでしょう。

毎度繰り広げられる空戦もそればかりでは賞味期限を早々に迎えてしまいます。
別の魅力。物語なりキャラなりで引っ張ってほしかったところですが、このコトブキ飛行隊の構成メンバー6人の魅力ってほぼ皆無?顔と名前が一致しない。
一番印象に残ったのがキリエ役のCV鈴代紗弓さんが「おー喋ってるー!」という ww
 ※声優さんが声出してるのに驚くとはこれ如何に?(『ハイスコアガール』参照)

ますます空戦を面白く感じないと厳しい作品であるとの思いを強くします。
むしろお姉さま方、コトブキの元締めマダム・ルゥルゥとその幼馴染みの議員ユーリアのほうがインパクトありました。
逃げられジョニーや雇われ副船長サネアツはもとよりイサオ市長も強烈な個性を発揮。キャラ分布図で言えば中心部、主役たちよりも周辺のキャラがとてつもなく魅力的というドーナツ化現象が起きてます。
これ作品としてどうなんでしょうね?好意的に捉えると “主役を食う勢いの脇役が勢ぞろい” ってとこでしょうか。


物語はわりと早め{netabare}(第6話のキリエ回想回){/netabare}に、ん?と感じるところから徐々に動き出し、{netabare}私たちの現実世界との相関も匂わせながら、{/netabare}綺麗に収めてくれました。
空戦に気を取られながら軸の物語も陰で進行し集約させる着地のさせ方が好感の佳作です。空戦もラストバウトは{netabare}これまでの味気ない砂漠ではなく舞台を市街に移して{/netabare}見ための迫力もスケールアップしてました。ぜひここは観ていただきたいところです。



■エンマ様かっけーっす
{netabare}イサオのラスボス感が堪らない本作において、エンマ(CV幸村恵理)のイサオらに向けた一言がシビれました。

{netabare}「世界のためにみんなのために自由のために って言葉わたくし信用しませんの!」{/netabare}
よくぞ言った!もう充分です(*´▽`*){/netabare}


■声優矢島晶子のお仕事
昨年(2018年)惜しまれつつも27年間演じられてきた“のはらしんのすけ”の役を降板されたのは一般ニュースになるくらい大きな出来事でした。
降板にあたってのメッセージの一部 ↓

 「しんのすけ」というキャラクターとは離れますが、声の仕事には関わっていきます。
  また別の機会に他のキャラクターでの私の演技を受け取って頂けましたら幸いです。」

本作で久々の再会です。
マダム・ルゥルゥ(CV矢島晶子)とやり手の女社長役での出演でした。ダメダメな羽衣丸の雇われ副船長サネアツ(CV藤原啓治)との掛け合いも笑わせてもらいました。

 ん? 藤原さん?

そうです。奇しくもかつての野原家面々の軽妙なやりとりを見てニヤッとできるのもポイントです(^^)



リアタイとしては同クールの『ガーリーエアフォース』と同カテゴリーの比較対象がありましたね。
ハイレベルのライバル対決とは言い切れず、どんぐりの背比べという印象ではあるものの、アプローチの仕方が両作品とも違っていてわりと楽しめましたよ。


{netabare}サブジーって坂井三郎爺さん? 技術者って触れ込みだけど・・・{/netabare}



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2019.09.10追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2018年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.04 初稿
2019.09.10 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

西部劇+戦闘機+少女+[?]=!?(第11話: うお~、震電!)

== [下記は第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話を観たら、面白かった(少数意見)……ではなくて(笑)。

オリジナルTVアニメ作品ですね。放送前から西部劇・戦闘機・少女の要素についてはPVや各種メディアなどでも明らかでしたが、第1話終了時点でもまだ明確でない[?]な要素がありそうです。

作中世界は現代の我々の知る歴史とは過去的にも未来的にも何かしらの断絶がありそうです。

そういう意味での「世界観」は謎なのですが、とりあえずアメリカ西部開拓時代みたいな空気感で、でも飛行船やレシプロ機はあって、空賊=無法者・味方の飛行隊=用心棒といった役割でいわゆる「西部劇」的な筋立てのストーリーが進んでいくようです。

飛行機に関しては第二次世界大戦当時の実在機体がベースであるらしく、味方の飛行隊に関しては日本の陸軍機体である隼、紫電などに搭乗していました。

本作のウリの一つであろうドッグファイト(空戦)の描写に関しては、空中カメラ視点の他パイロット視点の映像がなかなかダイナミックな感じで良かったです。

[?]要素はさておき他の3つは水島監督他、制作スタッフの趣味が色濃く反映されているような気がします。特に問題になりそうなのが西部劇要素で、これは現在の主な深夜アニメ視聴者層には馴染みがないしウケないんじゃないでしょうか?

まあ、戦争映画要素が上手く活きたガルパンの例もあるので断言はできませんが、明らかに不安要素ですよね…(笑)。

余談: 撃墜数ですが、気になって『大空のサムライ』の著作で知られる坂井三郎氏について調べてみたところ敵方のアメリカ側での公式認定が28機だそうです。本作とは直接比較は難しいですし本作では自己申告や僚機の認定なので数は大目になっているでしょうが、それでも40機台は相当な数だろうと思われます。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.2.18追記:
第6話を視聴終了。ほぼ、クロエ回想回。第1話に出てた墓碑っぽい石の主が判明。…何、「ユーハング」だと!?

きっと我々の良く知る場所のことですよね。我々の現実世界との繋がりを仄めかし、ようやく作品世界の核心が少しずつ見えてきました…。

2019.2.25追記:
第7話まで視聴終了。陰謀の臭いとスパイの影が見えてきましたね。キリエとケイトのコンビでの活躍は見ものでした!

2019.3.25追記:
第10話の富嶽に続いて、第11話で震電キター(笑)!
さすがにジェットエンジン搭載モデルではなかったけど…。

そしてサブじいが何者かが、ついに語られましたね。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。全体を通して、とても面白かったです。この最終回だと続編は作れなくもないですが、とりあえずは4月からアプリおよびYouTubeでの公開がアナウンスされたスピンオフ作品が気になっています。

第12話個別の話では、F-86Dセイバードッグ(F-86セイバーの改良機体)が出てきてビックリしました。機銃はなく、ロケット弾しか武装がないトンデモ機体(笑)。レシプロ機同士での機銃でのドッグファイトしか想定していない中で、ジェット機で近接信管付きロケット弾を撃ってくるのはかなりのチートですよね。

出撃前にコトブキ飛行隊の面々がいろいろなものを食べていましたが、キリエが食べていたミニパンケーキの缶詰みたいなのはキリエのパンケーキ好きのブレなさを感じさせて良かったです。

ところで「死の間際に記憶が走馬灯のようによぎる」というのが良く出てきますが、あれは生存の危機にあるときに、過去の経験の中から生き残りへのヒントをさがしているのだという説があるそうです。今回キリエが見聞きしたのはそういう物だったのかもしれませんね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 47
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

パリ、テキサス

水島努監督×構成横手美智子。

荒野を舞台にレシプロ戦闘機を駆る、
用心棒集団「コトブキ飛行隊」女子の活躍。

20世紀初頭の時代設定でしょう。
街は空路による交易で賑わっている。
そこに現れる空賊との戦闘の数々、
空戦の近景は臨場感があり合格点でしょうが、
空戦の遠景はどこかぎこちない印象です。
音楽と音響効果はさすがの素晴らしさです。

少し気になる点としては、
{netabare}ここまで物語が同じ構造になっていること。
納品依頼→空襲・戦闘→撃退(敗北)です。{/netabare}
ここから先、どれぐらい物語を、
この構造から上手く逸脱できるのか期待しています。

7話視聴追記。
世界設定は砂漠の交易都市のようで、
パルミラやシバーム城塞都市のような雰囲気。
{netabare}物語のグランドデザインが語られ、
少しづつ目的が、見え始め楽しくなる。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}うーん…あまり強く印象に残らない物語でした。
この制作チームを考慮すれば、
大きな企画前の助走なのかと勘ぐったり。{/netabare}
世界観は秀逸だと思います。

お時間ある方はぜひ挑戦して下さい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 63

75.6 3 パイロットアニメランキング3位
シドニアの騎士 第九惑星戦役(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (848)
4528人が棚に入れました
太陽系滅亡から千年、地下から現れた少年に、人類の希望が託された。
対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系を破壊されて千年。脱出した人類の一部は、巨大な宇宙船シドニアで、繁殖しながら宇宙を旅していた。生まれてから地下でひっそりと暮らしていた少年・谷風長道は、衛人(モリト)と呼ばれる大型兵器の訓練生となり、歴史的名機・継衛(ツグモリ)の操縦士となる。長未知が初めて異性を意識した少女、星白閑。初めて友達となった男でも女でもない人間、科戸瀬イザナ。長道の能力に嫉妬を覚える岐神海苔夫。寮を取り仕切るクマ型の寮母、ヒ山ララァ。宇宙船シドニアにおける”日常”の生活―恋、喧嘩、仲間との会話は明日も続くはずだった。再び奇居子(ガウナ)が現れるまでは…。
100年ぶりとなる脅威との遭遇に、人類は、長道は、何を選択するのか?
人類の存亡をかけた戦いが今、始まる―。

声優・キャラクター
逢坂良太、洲崎綾、豊崎愛生、櫻井孝宏、佐倉綾音、金元寿子、喜多村英梨、大原さやか、坪井智浩、子安武人、新井里美、田中敦子、本田貴子、鳥海浩輔、阪脩
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

触手ちゃん♪

シドニアの騎士ってより最近は、あっ、触手の時間だ~♪って感じで、
毎週楽しみに観ております、
物語的には一期引き続きけっこう過酷な戦闘も続いてますが、
今期の興味はいきなり登場の触手、
イルカみたいなオバQみたいな、けど声は妙に可愛い(孫も大喜び)、
主人公谷風中心に人間娘と性別無しと触手?のラブコメもあるよみたいなw
この触手がいい子で人気上昇中らしく、でもこれって、、、、

なに萌えナンダロナ?

2015春期放送中 原作 弐瓶勉(月刊モーニング) 監督 瀬下寛之 制作 ポリゴン・ピクチュアズ
原作未読 一期視聴済、

一期観たけど光合成やら性別無し人やら尿管やら未来人設定或いは、
宇宙移民船設定もけっこうリアルで、マクロス重たくした感じだったよね、
戦闘場面端折ったりコマッタ君(岐神 )いたりってのもあったけど、
概ね楽しく観てた、って事で二期も視聴開始、
{netabare}
登場人物(一部触手)船やら敵やらも一応紹介

ガウナ  太陽系(地球含む)破壊した謎の生命体、集合体になって粒子砲打ってきたり厄介な敵
シドニア 巨大宇宙移民船、

谷風長道♂   
本作の主人公シドニアの撃墜エースパイロット、
星白閑♀    
一期でガウナに殺された?ヒロイン、ガウナコピー能力で再生中だった、んだけどな、、
白羽衣つむぎ♀?
二期のキーヒロイン?ガウナと人間の融合体、本体デカいけど触手で人と会話、この触手けっこう伸びてシドニアの配管伝いお出かけ可能、趣味は読書・入浴・トランプゲームww
科戸瀬イザナ? 
男でも女でもない中性だったけど谷風に惚れて女に偏り中
緑川纈♀    
作戦指揮官 一期から谷風にアプローチ中 プラモ好き

サマリイッタン♀
ガウナ攻撃部隊の女班長
仄シリーズ♀♀♀♀♀♀、、、
ガウナ攻撃隊員、クローンで同じようなのが沢山居る
ヒ山ララァ♀  
食堂の熊のおばさん
小林♀     
移民船シドニアの仮面被った謎の不死体女艦長、評議会長老連中殺して実権把握画策中、一期では変装したり可愛げもあったけど、、、
科戸瀬ユレ♀  
イザナのお婆ちゃん、不死体なので観かけは若い、科学者であり「外生研」の所長
落合♂     
昔のガウナ研究者で色々危ない研究してたらしい人、優秀だけど危ないので隔離されてた。
岐神♂     
一期で谷風の能力に嫉妬して意地悪してたコマッタ君

1話感想{netabare}
今回のOP騎士行進曲?knaights knaights knaights of sidonia♪いい感じ♪
落合研究室探索してた岐神シドニア血線虫(落合製造の脳コントロール虫)に感染?意識のっとられて落合になっちゃったって事なんだろね、この落合星白 閑のガウナ再現体いきなり強奪?再現体二期でどうなるんだろうって興味あったし可愛かったからちょと残念、谷風も星白居なくなって寂しそう、そうこうしてるうち新たな巨大ガウナの襲撃、苦戦中いきなりもう一体のガウナ出現?と思いきや、「始めまして皆さん、私の名前は(白羽衣 つむぎ)宜しくお願いいたします♪」この娘??はナンダロね~?{/netabare}

2話感想{netabare}
声は星白だけど?中に人岐神(落合)乗ってるし、「私本気出します」って体当たり大型ガウナ貫通~一撃かよ、岐神(落合)の説明「今ガウナを殲滅してみせたのはガウナではありません、我々と同じ意識持つ融合体です」と言われてもつむぎデカいしガウナ皮だし疑心暗鬼なシドニア住民、でもこのつむぎ礼儀正しく声が可愛い、谷風だけはそんなつむぎの事心配してて、やさしい主人公だね(←んでも早くも星白の事忘れてね~か)、つむぎ嬉しいと尻尾?振るみたいwwでもデカいから尻尾振るだけで大迷惑みたいな、つむぎに興味深々な谷風君つむぎ居住区へ通いだした、つむぎ触手登場♪イルカみたいなオバQみたいな、触手から触手も出るよ~(ヤヤコシ)キュっキュっ♪なんかコイツ、、、可愛いかも♪「また来てくださいね~♪」って。今回オモシロかったのは、一期から居た冬眠不死議会長老みたいな偉そな連中、最高評議会決定にて現艦長小林更迭じゃ~っとか、、言った途端逆に皆殺されて即ご退場~、一期からずっと思わせぶり存在だった割にはあっけない(伏線にもなれず不必要になったんだろねww){/netabare}

3話飛ばして4話感想{netabare}  
ガウナ襲来~、つむぎも出撃だけど暴走してイザナ誤打、つむぎ我に返り負傷イザナ庇いシドニア帰還中ガウナの超粒子砲がシドニアに放たれる、シドニアピンチ!なれどここでつむぎ身を挺し粒子光線起動を曲げた、シドニア助かった、けどつむぎはボロボロ、大丈夫かいな??あ、谷風も活躍してました(←既に興味はつむぎちゃんな訳ね)私も酷い目に遭ってるんですけど(←イザナ談){/netabare}

5話感想{netabare}
ガウナ辛くも退け谷風帰還、つむぎは?体組織90パー損失、ヤバくね?つむぎ培養液カプセルみたいな中で修復中、私も右手左足損失なんですけど(イザナ談)つむぎのおかげでシドニア救われたっての住民解ったみたいでパッシングもなり潜め、お見舞い献花とかしてある、谷風元気なかったけどつむぎ快方聞いていきなり元気になってつむぎ居に見舞い直行、星白完全に忘れやがったかな、想ったけど星白夢に出てきたね、つむぎ声似てたからかな?(←因み声優さんは同じ)目覚めるとつむぎ触手だった、治って良かった~つむぎ触手に抱き着く、イザナも猫持ってお見舞い(触手の餌じゃなくつむぎ触手は猫好き)、「(猫ちゃん)触ってもいいですか?」イマイチ妙な声で鳴く猫(触手になでられてもね)、シドニア配管の中ごそごそし始めた谷風とイザナ、配管通しつむぎ触手にお外観せたいんだね、{/netabare}

6話感想 {netabare}
風呂中祖母のユレ(不死なので若い)と会話なイザナ、祖母「貴女遅れてるから心配してた」、中性イザナどうやら女の道で決定したらしい、そこへ宿舎追い出された谷風が「泊めてくれ」、ハレムテンプレ鈍感♂主人公再起動か?イザナ「ちょうどよかったさっきから変な音してて不気味だったし」ポルタガイスト?の正体は?寂しくて配管伝って遊びにきたつむぎ触手でありました♪谷風「早く戦争終わらせないと」(←でも戦争終了=物語も終わるしってより対ガウナ位置のつむぎの居所の方が気になるし、つむぎバトエンは勘弁だね)新居探し始めた谷風は不動産屋に、場所やら配管やら配管やらが条件(つむぎ触手用だね)、新居整いつむぎ触手ちゃんご招待、つむぎ触手「一緒に寝てもいいですか♪」(寝るのかよ、まあ触手じゃ何にもできんわな、、)落合サイドが何か妙な新兵器開発中、{/netabare}

7話感想{netabare}
落合開発のあやしい武器?重力子放射線砲テスト~失敗暴走ガウナ化、谷風とつむぎに出動命令~、配管ピョコピョコなつむぎ触手が可愛い、なんとか鎮静も犠牲者出たね、でも真実は公表せずか、一期から谷風誤解中だった仄シリーズ♀谷風におにぎり持って仲直り画策も、谷風は部隊女隊長サマリに飲み屋同伴後光合成誘われ(光合成ってのは基本裸でやるので一般デートより意味深らしい)けど谷風は酔いつぶれ(オヤクソク)、にしても新居に一期から谷風に気アリの緑川纈もやってくるし、いよいよハレムになってきたね、纈とイザナとつむぎ触手3♀でお風呂で乳談義(って触手風呂にも入るんだw)イザナ巨乳化完全♀路線、{/netabare}

8話感想 {netabare}
緑川纈までコタツ持参で谷風宅へ、コタツ潜ってはしゃぐつむぎ触手♪か、、かあいいじゃね~かっ、けどハレム混沌化現象加速中、女性化著しいイザナ気遣うイザナのお婆ちゃんのユレ(←ひつこい様だが不死体だから若い)、谷風に出頭命令、重要文化財調査なるもの無理やり命じる、「イザナを連れて行きなさい!失敗したら以前あなたの頸椎内に仕掛けた爆弾起爆させてやる!」(なんか無茶苦茶だね~)、最近つむぎ寄り?な谷風にふてくされ気味のイザナを頸椎爆弾かかってるwから真剣に誘う谷風でありました、、{/netabare}

{/netabare}
さてさて後半やたらラブコメってきたけど、
これって一期と同じワンクールなのかな~、
星白どうなったのかも気になるけど、
やっぱつむぎ触手だよね、けっこう人気出ちゃってるし、
毎回DLして孫にも見せてるんだけど、
孫もけっこう喜んでるんだよね触手、
触手鬱ラストだけは勘弁してほしいな~。。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9話~最終話
{netabare}
何とかイザナを桃源郷、、じゃなく千秋郷に誘う事に成功したハレムテンプレ型鈍感谷風、一泊付デート浮かれるイザナなれど谷風は頸椎無事目的、結局お婆策略込みイザナにバレて「ボクの事なんてどうでもいいんでしょ!」つむぎ派の私はうなずくも谷風そうもいかず~、、、何かあったのかなかったのか結局朝迎えコソコソ帰宅のお二人、そうこうしてるとイザナに偵察任務、惑星9に向かうイザナを心配する谷風とつむぎ、案の定かオヤクソクか結局ガウナ出現~、良い娘のつむぎイザナ助けに行きたい思い同じなれど命令待ち軍人谷風もつむぎに引きずられつつ結局惑星9へ、そろそろ回も押し迫るし過酷な戦闘になるんだろな~なってもいいけどつむぎだけは孫心配してるし無事で返してね(←もはや主人公もストーリーもどうでもいい痛い孫想いな一視聴者爺)
以降12最終話まで色々アリつつも流石の主人公つむぎ助けてなんとか帰還、ボクも大変だったんだけど~(←イザナ談)、谷風勲章もらったりワケワカラン敵はそのままとりあえずシドニアの航海はつづくのでありました~(終)、
{/netabare}
よかったよかったとりあえずつむぎ鬱ではなかった、
今週号ダウンロードして孫に見せよう、、、

孫「ちゅむぎは~?」ん?谷風君助けたっしょ?
「ちゅむぎ居ないよ」、、、

イルカオバQ触手状態でないとダメなのね、
ハハハ、、わかるわかる。。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 39
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さよならシドニア

弐瓶勉×ポリゴンピクチュアズ。

2期では日常パートを増やし、
キャラの感情や背景に焦点を当てた。
ラブコメ要素が増え、
物語に感情移入がし易くなった。
シリアスな作品だけに、
シュールな笑いが余計に笑える。
音響効果は変わらず凄い。

白羽衣つむぎの登場。
{netabare}人類とエナの融合個体。{/netabare}
旧約聖書の怪物、まるでリヴァイアサンだ。
獅子奮迅の活躍でしょう。
デザインがいい、声もいい。
まさかピンク色の胞手に萌えるなんて。
不思議な体験、やはり愛嬌なのかな。

狂科学者落合の登場。
シドニアを蝕む悪意。
種という概念からの解放。

原作では大シュガフ船(ガウナの母船)との、
激しい戦闘で幕を下ろしましたが、
{netabare}アニメでは因縁ある「紅天蛾」との、
最後を盛り上げる迫真の戦闘がクライマックス。{/netabare}
11話は驚愕、驚くほど動く動く。
{netabare}そしてエナ星白との邂逅。{/netabare}

傑作SFアニメの称号は揺るぎません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 81

08261216 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

3期ないの?

3DCGにもすっかり慣れ
サブキャラの区別もつくようになりました。

小つむぎ?
可愛かったのです(*^。^*)

ネットで調べると3期制作の発表はまだないとのことですが・・・

全ての伏線の回収は終わってはいません。
新たな問題も気になります。


原作は15巻までありますからね・・・

原作読めというこということでしょうか(@_@;)

OP、EDは本当まぁ酷いです。
いつの時代の音楽だよ、趣味が悪すぎる・・・

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

69.8 4 パイロットアニメランキング4位
革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (818)
4356人が棚に入れました
人類が宇宙に進出した時代、中立平和国家ジオールは突然ドルシアからの攻撃を受ける。政府が無条件降伏する中、学園や友人たちの危機を救うため、時縞ハルトは人型兵器ヴァルヴレイヴに乗り込み、ドルシア軍を撃退。学園のあるモジュール77はジオールから分離し、新生ジオールとして独立する。

声優・キャラクター
逢坂良太、木村良平、瀬戸麻沙美、戸松遥、小野友樹、中村悠一、悠木碧、福圓美里、吉野裕行、浪川大輔、寿美菜子、羽多野渉、堀江由衣、福山潤、宮野真守、細谷佳正、梶裕貴、小野大輔、水樹奈々、豊崎愛生、茅野愛衣、代永翼

うっきー星人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

今だかつてここまで酷い脚本見たことない

【総評Eランク】
S:特別好きなアニメ A:かなり良い B:なかなか良い C:普通 D:微妙 E:くそ

とにかくまずひとこと言いたいのは、ショーコの存在が破綻を招いているという事
この糞女を製作者の都合で無理やり「みんなを説得させられるキャラ」としたせいで、
ストーリーが大惨事になってしまった
こういう意味不明なのに大物的キャラは意味不明な行動がちゃんと伏線になっていて、
後々利益をしっかり回収しているようにしなければならないが、それが全くなく勢いのみ

例「アルスとドルシア両方に脅しかけるの!」→「ショーコSUGEEE!」→視聴者「(´・ω・`;)...誰でも思いつくやろ」
例2「身の潔白を!」(制服ヌギヌギ)→「わかったってば!」→「ショーコSUGEEE!」→視聴者「(´・ω・`;)イミガワカラナイ」
ショーコは実はハイパーDQNビッチで総理の娘という立場を乱用していた!?とかそんな解釈でいいかなめんどいし

とにかく、いろいろな場面で製作者の都合で生徒や世間などのモブ共をアホにしすぎw
無理やりストーリーを進めていくためなんだろうが簡単に流されすぎだっての

とりあえず素材だけはコードギアスに近いレベルになれる素質があったアニメ
ですが、ストーリーのせいで伝説級のクソアニメに成り果てましたw

売上も、歌効果で並アニメ程度売れただけで、
本来なら円盤2万枚以上クラスのアニメに仕上げる予定だったんだろうというチカラの入れようですが、
大赤字の粗大ゴミ、巨大なウンコみたいな作品です

前半→キチガイアニメ
中盤→普通の特に面白くも無いロボアニメ
21話以降→ストーリー完全に壊れました、やっぱりキチガイだらけのクソ脚本
つか脚本家バカすぎこんな酷いアニメ観た事無いw脳みそ腐ってんだろwww

公開処刑のとこもあんなんただのマジックショーやん、編集すればなんとでもなる
世界中があんな胡散臭い動画信じるかよ、ユーチューバーより酷いだろw
化け物を掃除すると言う→普通にみんな銃で死んでる、人間じゃんw
普通ここでみんなが普通の人間だったって分かるからwww
誰がどう見てもアルスとドルシアの演出だと分かるはずだがモブ共は目ん玉付いてないのけ?

もうとにかくストーリーとか全部グチャグチャ、矛盾とか破綻とかしまくり
色々すっ飛ばして不可能な事まで無理矢理可能になってたりおかしなこと多すぎて観てて原因と結果に納得ができない
今後、他のアニメはこのショーコみたいな無理やりキャラを反面教師にしてもらいたいです
つかほんとショーコは1話目で死んでてくれよ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

uncover the world

(2013.10/16 13話)
{netabare}マギウスなる存在と邂逅を果たしたドルシア、アルス両名の長。

ジオールに住む皆の希望であるヴァルヴレイヴの原動力であるルーン、それが人を犠牲にする事で成り立っているとしたら?
ハルトは過ちを犯してしまったが為に実験体になる事を選んだのかも。
だからカイン大佐がヴァルヴレイヴを2体、もしくは2機ではなく2人と言ったもの頷けますね。

いやしかし、ハルトの回想シーンでサキが最初でショーコが後に出てくるって1話の時のショーコへの想いはニンゲンヤメタから無くなった?

マギウスの呪いを受けたハルトとマギウスであるカインの教育を受けたエルエルフとの呪いの絆が世界を変革するのか?{/netabare}

(2013.10/23 14話)
{netabare}親代わりであるサトミを、ある一件のせいで拒んでいるアキラ。 タイトル(大気圏の兄妹)からして連坊小路兄妹の兄妹愛がメインとなる?

以心伝心とまではいかなくても、互いに分かり合っていると思っていた。あの一件が起こるまでは…
失って初めて分かったありがたみをサトミは彼なりの方法で返そうとしている。


さすがアードライ、王子様なだけあって乗馬も様になってますね^^ アードライが王子様なのは前半(1クール)から、でている伏線の内の1つですが回収できるんでしょうか?回収するとしたらリーゼロッテも関わってきそう。

今までエルエルフをハルトしか信用していなかったようですが、ようやくハルト以外のクルー(サトミやタカヒ、マリエetc…)にも信用されたようで何よりです。
って、サトミの聖徳太子っぷりも空しく予定ルートから外れてしまったハルト達が行き着いたのは敵地であるドルシア領内。

と言う事はエルエルフとリーゼロッテの再会もある?{/netabare}

(2013.10/30 15話)
{netabare}人類初の「カミツキ」なので第1世代、ハルトやカインよりも先に呪いを受けた者がいる。それにしても彼女ってリーゼロッテの事?

ん~、偽装のヴァルヴレイヴの足のラインがスタドラに出てくるタウバーンっぽいですね。
あと、脚立の作画おかしくないですかね? 片方からしか登れないなんて^^;

幼い日のエルエルフを含むカルルスタイン出身の5人の姿は、ある意味仲睦まじいですwww

ヴァルヴレイヴ1号機のOSであるピノがマリエの事を知っていて、そのマリエの記憶が5年前から無いという事は5年前にVVV計画が始まった?
推測ですが、ピノとプルー(カインが奪った2号機に搭載されたOS)は元人間orマギウス?それかマリエ自身、人間ではなくOSとして造られた存在だったりして… もしくは人類初の「カミツキ」とか? それだとピノの言った「ルーンを食べちゃったから?」と矛盾する。

まぁ、兎にも角にも新しい伏線がでてきましたけど回収できるんでしょうか? 何か、最後は急展開・超展開でうやむやにされそうな気もしないでもないです^^;{/netabare}

(2013.11/7 16話)
{netabare}やはり、マリエはカミツキ(マギウス)だったんですね。それにしても、マリエの記憶(ルーン)を起動力として機能しているヴァルヴレイヴ(覚醒ver.)。と言う事はハルトもいずれは、自身の記憶や噛みつく事で得られた情報をヴァルヴレイヴに吸い取られていく?

呪いと呼ばれているカミツキが200年後には祝福へと呼び名が変わっている。その事とヴァルヴレイヴの覚醒に意味があると思いたいです。
またリーゼロッテ登場したのはいいんですけど、サウナみたいな装置に入ってましたね^^;

エルエルフ達、カルルスタイン機関の過去の回想で登場した友達が貴生川先生がメガネをはずして幼くした姿に見えてしょうがない^^;

いやはや、マリエのヴァルヴレイヴ1号機登場シーンでのBGMが「そばにいるよ」だなんて…・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.11/16 17話)
{netabare}ヴァルヴレイヴ1号機(火人)のOS・ピノは、ヴァルヴレイヴ本体とは別の意志(情報原子・ルーンを食べるという意味では同じ性質だけど)を持っている?
そのルーンによって得たエネルギーがヴァルヴレイヴ以外のものを巻き込んで革命が完遂する?

マギウスたるハルト達が「ニンゲンヤメマスカ? YES NO」でYESを選択した時点で人でなくなり、最初は悪魔の呪いのようなものでしかなかったマギウスの副作用が何らかの形で200年後には神の祝福へと変わっている事もヴァルヴレイヴ本体が関わっているんでしょうかね?

カインの命令で、洋館に招かれたイクスアインはマギウス側である101人評議会の生け贄でしかなかったなんて…

またヴァルヴレイヴという力を持ちながら、それ故の苦悩に悩まされるハルトと、ヴァルヴレイヴという力さえあればリーゼロッテを自身の手で救う事ができるのにそれさえも叶わないエルエルフの苦悩、それぞれが「半分こ」になる事で革命へと漸進していく。

次回、ついにヴァルヴレイヴの開発者でありハルトの父親である時縞博士が登場!?{/netabare}

(2013.11/21 18話)
{netabare}過去のリーゼロッテとエルエルフがアバンで登場してましたが、ついにリーゼロッテとの再会がみられるんでしょうか!?

地球にいるジオールの人々をドルシアから解放する為に行動するハルト達。そんな事よりハーノインは、どうなったのか?
ヴァルヴレイヴラジオ(第22回)でも話題になってましたがホント、どなまで(どなたかハーノインを見つけた方はこちらまで)ですね。
もしかして、それが分かっているからイクスアインは一言も喋らなかった?
それにしてもキャラの作画が崩れているのが今回は目立つような^^;…

彼女の世界を守りたい、例え彼女以外を犠牲にしてまでも… それがエルエルフ、基ミハエルの変革・革命。
ヴァルヴレイヴとハルト達、ジオールの学生(パイロット候補生)は人類そのものに対する革命の手段でしかない。

「リーゼロッテ、俺に浚われてくれ。」とかキザな台詞ですけど何か格好よく見えてしまいますね。
18話を一言で表すと、決別と再会とですね。{/netabare}

(2013.11/30 19話)
{netabare}愛する人を守る為、ドルシアを裏切り敵国(正確には中立国であるジオール)に亡命し建国を促したエルエルフの目的はドルシアの革命ではなくリーゼロッテを救う事だったなんて…・゚・(ノД`;)・゚・

カーツベルフ(サキがジャックして乗り移ったカルルスタインの少年)の異常にアードライ実は気づいてるんじゃないのか?って思うくらい順調にきてるな、なんて思ったら(゚д゚;)!アードライに見つかったサキだけど、この場をどう切り抜けるのか?

クーフィアはカイン大佐に忠誠を誓っているというよりは、こっちに居た方が楽しそうだからなんていう理由だろうな^^;
ハーノインの末路?を悟った今のイクスアインはジャックされていない限り、怒りそうではあるけど…

OSのピノもまたリーゼロッテと同じ肉体を持たないマギウス(第1世代?)でリーゼロッテは人の身体を移し替えながら生き、ピノはOSという機械の器へ乗り移った事でヴァルヴレイヴが情報原子であるルーンを燃料とするキッカケとなった?

ん?「私たちは人間の体を次々と乗り換えて生きながらえてきました。」と言ったリーゼロッテの言葉が真実ならエルエルフが愛した彼女は既にマギウスに乗っ取られたリーゼロッテだったという事?

いやいや、「速い!」じゃなくて自分の射撃の腕を疑ったらどうなんだよクーフィア?だからナイフでの戦闘が得意なんだろ!

リーゼロッテを助ける目的をうしなったエルエルフは、この後どうなるのか?また少しずつ暴かれつつある世界(マギウスの秘密やヴァルヴレイヴが人為的なマギウス・人間を凌駕した次世代の霊長類の筆頭の為に必要な存在)は、どう収束していくのか?見物ですね!!!{/netabare}

(2013.12/7 20話)
{netabare}リーゼロッテという光を失ったエルエルフ(ミハエル)は再起する事はできるのか?また101人評議会なる存在はマギウスの生存本能の表れであり共存できる未来はないのではないか?

等々、疑問はありますがエルエルフの知力を使えないハルト達にドルシアと対抗できる手段があるとも思えない。やはり彼の力が無いと何もできない学生のまま…という訳でもなさそう。ショーコ達はショーコ達で物資の支援を受け持ってくれる所を探していたみたいだし、とてもカップ麺をラリアットで倒しまくっていた人と同一人物とは思えないくらいに成長してますね。

絶対的な力でもない限りドルシアには勝てない。その力の1つが知略だとしたら、もう1つは武力(ヴァルヴレイヴの覚醒)?

ハーノインのピアスに隠された仕掛け、イクスアインは気づいていたみたいですがカイン大佐に関する情報だったりして。
それと何とかアルスの協力を得る事ができたが、それはヴァルヴレイヴの技術をアルス側にも提供する条件付きなんじゃないかと考えてしまう^^;

ついにカミツキの秘密が全世界に暴かれましたが、まさかこれが「世界を暴くシステム」の結果じゃないですよね(゚д゚;)!?{/netabare}

(2013.12/14 21話)
{netabare}アルスとドルシアが裏で取引をしていたから起こった茶番劇と言うにはあまりにも不謹慎すぎる殺人劇。
自分達が101人評議会に利用されていると分かっていても自国の利益・ヴァルヴレイヴの破壊、もしくは強奪を未だに計画していて中立国であるジオールを攻撃する正当な理由付けの為だとでも?
だとしても、いきなり武力で制圧するのは正当防衛でもないしおかしいだろヾ( ̄o ̄;)オイオイ

それにしても、ショーコだけはあの動乱の最中終始みんなの命を気づかっていたのは一国を背負う総理としての立場上やむを得ない事なのか・はたまた父親の死を間近で見てしまった事によって同じ悲劇を繰り返させたくないという思いからなのか。

おいおい、このままじゃ「世界を暴く」どころか本当に暴きたい事を暴く前に人類から見放されて死を待つだけになってしまうぞ?

こんな裏切られ方ないよ(-_-;)今まで、みんなの為に頑張ってきたのに…自身が追いつめられればすぐに他人を切り捨てるなんて。(1人の命と多数の命どちらかしか助けられないとしたらどちらを犠牲にするか?)

犬塚先輩はアイナに嘘をついていた、好きと言えなかった自分自身と引き換えに守ったものは…ハルトの気持ちとみんなの命だった・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.12/19 22話)
{netabare}200年後の世界にも咲森学園が保存されているという事はモジュール77をそのまま取り込んだ形の国家なの?
それにしても200年後の世界の王子と呼ばれている少年、外見はエルエルフですが瞳の大きさ・色はハルトそっくりですね。まさか、ハルトは意識だけの存在になってエルエルフ(クローン)の中で生き続けているとか?

戦争互助組織から国家へと変わったドルシア。その頃から101人評議会(マギウス)がドルシアのバックに居たとしたら、人類vsマギウスの対決は起こるべくして起こったとしか…
それに立ち向かうヴァルヴレイヴのパイロットであるハルト達は人類とマギウスのハーフとして造られた呪いを受けた存在であると同時に共存関係という祝福を手に入れる為にヴァルヴレイヴが必要だった。

「はんぶんこ」、何もかもそう容易く分け合う事はできない。だけどそれを願い、行動に移す事で変わるかもしれない
。ハルトのように半分、人間でもう半分はマギウスとなった身体で平和を願い、エルエルフはあの時終わるはずだった命をリーゼロッテに救ってもらった(髪を切る事で命を半分わけ与えてもらった)一件でリーゼロッテを救い出す事で彼なりの恩返しをしたかった。

男は拳でしか語り合えない?とはよく言ったものですが、今回の件で人間であるエルエルフとマギウスであるハルトが分かり合えた事は世界を対立の構造から協調の構造へと変えるキッカケとなるのでしょう。{/netabare}

(2013.12/28 23話)
{netabare}かつては共に革命を誓った仲間だったエルエルフ。だからアードライは一緒にその誓いを成し遂げたかった。だが、その革命へと続く互いの道はヴァルヴレイヴの出現によって別れてしまった。しかし、アードライの道は友を失ったイクスアインの協力を得て再び光が差しはじめる。

てっきりアードライ組む事は、もう無いと思ってましたがまさかの展開デーゲン!?(゚д゚;)
それにエルエルフの「言ったら信じてくれたのか?」の問いにアードライが僅かなためらいを見せたのは許す気があったんだろうな^^;

ヴァルヴレイヴOS・ピノの兄であるブルーに101人評議会の面々が一目を置いているという事は、黒幕はカイン大佐ではなくプルー?

何気にエルエルフがドルシアの軍服に袖を通すシーン、2期のPVでもありましたがここまで待たされるとは…

クリムヒルトは、ハルト達がモジュールを奪還する事に少なからず希望を持っている。彼女もまた王統派の1人であり今の反王党派が統べるドルシアを快く思っていないから。それにしてもドルシアはマギウスの後ろ盾が無かったら今頃クーデターで情勢が安定しないまま最悪、崩壊してそう^^;

次回、最終回なのでジオールとドルシアの決着は着きそうですが色々と消化不良な幕引きとなりそう。{/netabare}

(2014.1/2 24話)
{netabare}ドルシア総統もマギウスで合った事が世界へと暴かれてしまった中、カインが強奪したヴァルヴレイヴ2号機(ダーインスレイヴ)で出撃する。そのドルシアはマギウスの謎を秘める為にジオールと戦い、そのジオールはマギウス・世界を暴く為にドルシアと対峙する!

ダーインスレイヴの装備が3~6号機の寄せ集めみたいになっているのは残念です^^;唯一、槍の装備はダーンスレイヴ独自の物ですがイデアールの頭が付いてるってwww
このダーインスレイヴ、wikipediaによると北欧神話に登場する魔剣で鞘から一度引き抜かれ生き血を浴びると完全に血を吸い尽くすまでは鞘に戻らないという代物なんだとか。
まさに、マギウスらしい兵器のネーミングですね。

最終決戦なのにハルトが戦闘にほとんど参加しないのは、エルエルフとカインとの関係に終止符を打つ為だったと思いたいです。にしても深刻な状況に陥り、エルエルフをジャックする時のハルトの焦りにも似た表情がなぜか笑えるww

ハルトたちが守った世界は、第3銀河帝国の礎となりカミツキ(疑似マギウス)を呪いの象徴から祝福の象徴へと変えるキッカケとなった。{/netabare}


1st.seasonも含めてあっという間の2クールでしたが、200年後の世界に住む人々は人類と共存できたのでしょうか?
それに王子と呼ばれていたあの少年の正体や、ドルシア・ジオールのその後など描かれていない部分が多いので終わり方には納得がいかないです。
キャラに関してもクーフィア以外は個性があって好感が持てました。
もちろん、クーフィアにも強すぎる個性がありますがただの戦闘狂です^^;パーフェクツォン・アミーとしてはエルエルフの次に優秀でしょうけど人間性の面ではちょっと…(゚д゚;)

前述したように納得のいかない部分が多い、期待していただけに残念ではありますがコミックスや小説などのメディアミックス作品でもあるので、アニメでは描かれなかった所を描いていってもらえると個人的には嬉しいです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

終盤面白くなってきます!

サンライズ制作のオリジナルアニメ

分割2クール 
1st 12話
2st 12話  
全24話

2ndシーズン目

ジャンル:SFロボットもの

分割2クールなので、1stが終わってから期間が開いてしまってるので、正直記憶が曖昧になってしまった。

観ていくうちに、ああ~そうだったな~って思い出す始末 ^^;
できれば分割しないで欲しかったです。

20話くらいから怒涛の展開で、いくつかの複線回収もあり、面白くなりました。

学生達の手の平返しにはすっごいムカついたし、
味方の死には泣けました。

ラスボスとの一騎打ちは、力入った映像も凄かったし、
命燃やし削っていく戦闘なので、胸にグっと来る物がありました。
ウルウルです。(TдT)

ラストは、予想通り 
「やっぱりそうなるよね~」だったので、なんだか残念な気持ちに。。。
(自分的には、ハルトがTV版 Zのカミーユより可哀想でした)

あとは、終結後の話を、もっと詳しく丁寧に見せて欲しかったです。

いや~見応えありました
時間に余裕があれば、もう一度最初から一気に観たいですね。

ちょっと説明不足な所もあるけど、なかなか楽しませてもらえました。

1stシーズンのレビューは酷評気味でしたが、
2stシーズン見終わってみれば・・・
面白かったです!!!




2ndシーズン
OP:「革命デュアリズム」(第14話 - 第24話) 歌 - 水樹奈々×T.M.Revolution

ED:「REALISM」(第14話 - 第18話)歌 - ELISA
「赤いメモリーズをあなたに」(第19話 - 第23話)歌 - かなでももこ


1nd&2ndシーズンの全てのOP&ED曲 良かったです!
全部CD購入。(僕じゃないは、CD出ていないのでアルバムをレンタル)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

75.3 5 パイロットアニメランキング5位
機動戦士ガンダム 水星の魔女(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (408)
1318人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ガンダムを忘れてスレッタに注目すると話の良さがわかります。

 23年の振り返りをしつつ、今年NO1候補の本作を23年12月に再視聴再評価です。本作自体は22年ですが2クール目を合わせて23年アニメと定義します。

 ガンダムシリーズって考えてたらモビルスーツカッコイイとか設定がどうとか余り思った事がないです。人間が描けている作品が面白いです。その点で本作は素晴らしいと思います。

 本作の良さは何といってもスレッタマーキュリーというヒロインを丁寧に描いたことにつきるでしょう。本作のスレッタとエアリアルの関係の違和感が良くて、それはスレッタが強いという表現が全くない事です。

 スレッタは毒親であるプロスペラに、歪んだ育てられ方をしました。母子癒着ですね。それが学校に行くことで居場所と友達を得ました。でもそれはエアリアルという存在がスレッタの居場所を作っているかのように見えます。

 ニカなどを見ると必ずしもそうじゃないのですが、対人関係においてコンプレックが強く、自己承認が低いスレッタは母とエアリアルに庇護されないと自分が持てない存在でした。この時点でミオリネは母の代替であり依存の対象のように見えます。

 後半の株式会社ガンダムのところでは、分かりやすくミオリネからの信頼を受け取れないスレッタと歪みと例のトマト事件で明らかになる毒親の結果主義あるいは非人道的な刷り込みが感じられました。もちろん、これは現代の家庭と学校のアナロジーです。人の命ではなく母親の望む結果。競争社会そのものです。現時点ではスレッタはプロスペラの道具として育てられたようにワザと誘導されます。
 なぜエラン4号と共感できたのか、強化人間=歪んだ教育と重なることでしょう。

 一方でグエルとミオリネの父親2人の父性を1期最終回で描かれます。この肉親による本当の愛情というのも同時に描いているのがこの作品の分厚さでしょう。

 次の点。分断の問題がでてきます。地球と宇宙の関係性ですね。で、特徴的なのは学校運営に企業の力=親の力が学校に持ち込まれています。これはいわゆる「親ガチャ」の概念そのものです。もちろん人生なんて「親ガチャの運だよね」という話ではなく、地球寮の活躍やグエルの行動などで必ずしもそれがすべてではないことが分かります。

 更にもう1点。過去のガンダムはほとんど=自己拡張でしたが、従来の作品では自分の暴力的な力の拡張でした。ですが、本作はガンビットによって守られる。バリアのような表現、取り囲む表現が多用されます。そしてまるで自動的に戦ってくれているように見えます。

 プロローグで見せてくれたガンダムの危険性ってなんなんでしょう?これは2期で明らかになると思いますが、パーメット粒子ですね。つまり本作のガンダムとは保護者とコミュニケーションの問題だと思います。

 ニュータイプのようなコミュニケーションをオカルトにするのではなく、パーメット粒子というSNSやネットワークと地続きの設定にした意味です。女子・ヒロインが主役の意味がこの辺で出てくるのではないかと思います。
 ガンダムの身体拡張性を医療という問題とつなげることで、ガンダム=兵器という従来のガンダムとは違う視点を与えました。

 1クール目は全体で言えば、あえてエアリアルというガンダムに個性・存在感を与えなかった理由。学校と言う場で生徒たちにとって生死の伴わない戦いを描いた理由。親たちの戦いと子供たちの戦いを重層化させたのか。復讐譚なのは?医療をクローズアップしたのか。そういういろんなメッセージを緻密に織り込んだ素晴らしい導入だったと思います。

 4話くらいまでをドタバタ劇にして引きを作りつつ設定を説明したのは2クールという制約を逆手にとってテンポがいい導入になっていました。
 それとあえて企業について丁寧な説明がないのは、どうでもいいからでしょう。そこに注目すると見方を間違えるからという点も考えられます。ガンダム以外のモビルスーツのデザインが結構適当なのも同じでしょう。要するにキャラを見るアニメだということです。

 じゃあガンダムという名を冠するな、という意見もあるでしょうが、本作は旧来のガンダムのアンチテーゼであり40年以上経った古い考えをアップデートする作品です。その意味でガンダムでなければならない作品でした。


 さて、本作の一番ゾクッとしたポイントです。5話で地球寮で父親のいないことを占いで当てられます。その後の質問で姉妹(兄弟)はいるという占いの結果にスレッタはいないと答えます。
 という話の後に、エレンのクローン・強化人間問題が出てきます。強化人間じゃないと制御できないガンドフォーマットがリスクなしで操縦できる、そしてスレッタにとってガンダムは家族というとでした。
 つまり、ガンダムは恐らくクローンの姉妹で操縦者に変わって生体がエアリアルに組み込まれているということがこの時点でわかります。この瞬間ゾクリとしました。
 この占いのシーンが軽くオカルトを入れながらも最高にSFしてたな、と思います。
 
 OPの夜遊びは素晴らしいのはもういいでしょう。
 EDですね。冒頭がブラックロックシューターじゃんと思ったらSUPERCELL、RYOさんでしたね。そう考えるとEDのクリスタルに閉じ込められる表現のアニメですけど、初音ミク「Chaining Intention」という曲のMVにそっくりなんですよね。ニコニコ世代のクリエータが作ったのかなあ?あるいは「意図を変える」という意味があるんでしょうか。

 オール5でいいかなあ。ガンダムという期待値から厳しい採点にならざる得ませんが、しかし、本当に面白かったし深さがあった。毎週見ているより2度目、一気見が圧倒的に面白かったです。いや、脚本の素晴らしさは本当に良かったと思います。2クール目よりも現状1クール目の方が面白いかも。











PROLOGUE 脱ガンダムはAI・サイバネティクス

{netabare}  ガンダムシリーズは少年の力の獲得・拡張と成長の物語でした。その中でニュータイプという重要だけど説明がつかない訳の分からないオカルトを入れてしまいました。

 さて、本作1話(PROLOGUEの誤りでした)の情報量がかなりありましたが、普通に見ていれば拾うべき情報はちゃんと散りばめられていますし、想像で補える部分がほとんどでした。スタートとしてはガンダムシリーズでは珍しいくらい丁寧な世界観の設定でした。もちろん不明点は今後明らかになるのでしょう。

 本作は力の発露が少女どころか童女でしたね。これはいいですね。この後の葛藤が想像できます。物語の始まりがいつも唐突なガンダムですが、本作については母親がいましたからどういう理屈かは想像できます。今後少女が何と戦うのか、あるいは乗り越えるのかが描かれるのでしょう。
 いままでの宇宙世紀ものでは、親は常に子供を裏切るか捨てる側でしたが、本作は親の愛から描かれていましたね。これも非常に新しいですね。たんなる復讐劇の伏線でなければ、次世代に継いでゆく…ガンダムの新しい子供が育ってゆくという感じもあります。

 そして、ニュータイプでは描き切れなかった、人類の力の拡張に機械とのリンクを入れてきましたね。多分に設定はエヴァ的ではありますが、エヴァもSF的には説明不足でした。本作はエヴァとは違い丁寧に設定することで、人間の可能性の機械とAIとの融合という主体的な拡張の話になるのではないか、と思います。

 なんとなくですが、このニュータイプというガンダムシリーズのトラウマを本作は覆すためのリスタートの気がします。そして親との断絶ですね。ここを変えてきました。男の子だと親離れがありますので、少女というのはいいかもしれません。
 少女というのは、メタ的にいえばその方が数字が取れるというのはあるかもしれませんが、テーマ的になんとなく面白い視点が生まれるのでは?と期待します。

 非常に期待感がもてるスタートでした。少女ヒロインで、ガンダムそして「機動戦士」を冠する必要があるかという疑問がありましたが、スタートを見る限り、何かテーマ性がありそうですね。非常に良い1話でした。想像の1000倍面白かったし、SF的にも良かったです。

 それと作画…絵作りが非常に見やすかったです。ハサウエイよりもガンダム感がありましたし。それと背景美術が丁寧なのはさすがサンライズですね。高クオリティのアニメの画面にワクワクしてしまいます。{/netabare}

第1話 モロにガンダムウテナでしたね。

{netabare} ウテナのアンシーってトロフィワイフとして受け身でちょっとお姫様感がある印象ですけど、実際は結構主体性もあったし気が強かったですもんね。結局ウテナをたぶらかしたのはアンシーでした。

 本作はデュエルで姫を奪いあう話で、トロフィってもろに言ってましたから、ウテナ要素が入るのは考察するまでもなく隠す気はないですよね。そもそも脚本家の人ってウテナの小説版やってますし。

 ただ、ウテナは王子=姫という男女の構造を崩す。お城の虚構性つまり資本主義・拝金主義を暴く。つまり男性社会あるいは資本主義という女性を保護する社会構造から脱し、着飾ることを止める=ルッキズムの脱却という選択をしろということだったと思います。  
 つまり、今の社会は男性優位に見えて、実は女性はその中で自ら着飾ることで安穏としているんだぞ、という事です。

 女性は自分で苦しみを背負うという選択をせよ、つまり、女性は裸になって男の庇護から荒野に出よという話でした。だから、ウテナカーは女性であり、運転手のアンシーも女性だったのでしょう。
 もしウテナをやるなら、2人のヒロインがガンダムを駆って、すべてを捨てて、新しい秩序へ。学園社会、エリート、セレブ社会、あるいは地球圏から飛び出せるかどうかだと思います。

 敷かれたレールの上の社会、価値観を決められた社会を「女性」が壊せということです。性の解放という浅いレベルにとどまらない、ポスト構造主義的な本当の意味でのフェミニズムを自ら実践せよ、という話になれるか?

 ウテナは決して権利の話などではなく主体性の話だったと思います。そこを忘れて今風にウテナの真似をするとポリコレ的な性の自由と権利の話、つまり社会よ理解しろ、変わるべきだという話になります。
 そうではなく、あの2人が「変える」話あるいは既存の社会を「捨てる」話になれるのか?

 そこをどう描かれるのかがものすごく楽しみな点です。

 更に、その先に何が描かれるか。母の作ったトマトとガンダムという共通点もあるので想いをつなぐような話もあるでしょうし、企業間の陰謀がどうなるか、水星VS地球になるのか、LGBTの深掘り、そして機械と人間の関係など、どんな展開になるのか楽しみです。

 演出と展開はSFレベルを少し落としてみることにしています。冒頭のハッチが空くタイミングとか、決闘がいきなり生徒が沢山いるところで始まるなど、不自然なところはありましたが、ガンダムだから気にしてもしょうがないと割り切って見ることにします。

追記 公式の小説「ゆりかごの星」読みました。
 ハードSFでジェイムスPホーガンに「揺籃の星」というのがあります。揺籃「ようらん」は「ゆりかご」とも読みます。まったくの同じ題名ですね。不気味です。非常に日本人に人気がある作家なので、SFの脚本家なら当然おさえていると思います。

 水星と土星は違いますがちょっと設定は似ているので不気味といえば不気味です。「揺籃の星」は3部作で最後が「断絶の航海」です。ガンダム初の他恒星系の話になるんでしょうか?(注意として、一応ハードSF作家ですが、揺籃の星はかなりのトンデモ作品でSF慣れしてないと読んでてポッカーンなのでお勧めはしません)

 今回は考察するのは、キャラのみにしてSF的な部分は見たままを受け入れる気なのでこれ以上の考察はしませんが、ちょっとドキッとしました。{/netabare}


2話 いや、面白過ぎるでしょ?

{netabare} 評議会でしたっけ?もろにルルーシュっぽかったですね。「お前に力はない」でした。毎話なにかいれてくるんでしょうか。

 それにしてもトマトへのこだわりなあ。母かあ…母なあ…やっぱりガンダムエヴァでもあるんでしょうか?{/netabare}


3話 逆ハーレム…なんでしょうか?しかも性別関係なくみたいな。{netabare} つまり、決闘委員会が全員落ちる?真面目な設定が隠れていそうなので、いつ暗い展開になるか気を抜けませんが、今のところ頭を空っぽにして楽しめるところは、Gガンダムっぽいですね。チボデーみたいな髪の色だし。

 ただ、モビルスーツより人間ドラマに興味が行くのはいいですね。面白いです。

 母が義母なんでしょうか?プロローグで見た母親と腕の取り外しは一緒で髪と眉と目の形が違います。鼻筋は一緒かなあ。まあ、身分変えてるなら整形しないほうが不自然かあ。別人なのか、本当に事故にあって未来技術で顔を作ったか、ですかね。
 それともなんかあるのかな?設定を深読みしてもガンダムは材料が後付けが多いので解答は出ない気がします。まずは楽しめるのでよしとしましょう。{/netabare}


5話 不穏すぎる。ガンダムは家族って…86展開?考察する気はなかったですけど…生体兵器だよなあ、やっぱり?

{netabare}  姉妹(兄弟)はいる?という話の後に、強化人間じゃないと制御できないガンドフォーマットがリスクなしで操縦できる、そしてガンダムは家族というとでした。
 つまり、ガンダムは母かクローンの姉妹で操縦者に変わって生体がAIに組み込まれているということかな。エヴァであり86ということですね。プロローグのあの子供がエアリアルだったりして。

 AIと人間の融合が多分ニュータイプに変わるテーマだろうなあと思っていたので、意外ではありませんけど。温い転嫁が闇墜ちするのはいつでしょうか。 {/netabare}


6話 ガンダムとエヴァの融合。スレッタのしゃべりに成長を感じる。ウテナ設定は忘れないようにしないと。

{netabare} どう見ても綾波でしたね。これは模倣ではなく、部屋の描写、コクピットから手をつないで出てきたところから言って意図的だった気がします。この悲劇は当然エアリアルも、ということでしょうね。

 ガンダムとエヴァの融合。そのほかいろんな未来が見えます。機械と人間の融合はどういう形でなされるのか。
 大人の思惑があるから学園の設定が無邪気なだけにちょっともどかしいです。ウテナ設定。つまり、2人で地球=企業の力学で動く資本主義、戦いでほしいものが手に入る弱肉強食の世界から脱出できるのでしょうか。

 スレッタのしゃべり方は意識的にしっかりしてきています。彼女の成長の演出でしょう。いいですね。最後の切ない演出も良かったです。 {/netabare}



11話 もともと面白かったですが、7話から別物みたいに面白い。子供向けフォーマットに考察できる含意、深みを入れている気がします。

{netabare} これは初代ガンダムが子供向け作品に戦争のリアルを含ませたマインドを想起します。本作は、かなり子供っぽい展開のガンダムですが、そこに含まれた過去のガンダムの理念とその一方で生まれ変わるためのアンチテーゼとして読み取っていきたいです。


 企業設立の投資家を募るところは茶番でした。ですが、ガンダムは大人向けであってはいけない。日曜夕方という放映時間から言って、その理念に立ち返った気がします。つまり茶番ではなく分かりやすくしているだけだと思います。

 そして、子供だましであってはいけない。子供も大人も楽しめる作品でなければ。あるいは子供が見て何かを感じる、大人が見れば考察できる深さがある作品でなければいけない。本作のチューニングは素晴らしいと思います。特に感心したのは株式会社ガンダムの話です。

 企業を守る、適材適所の運営。そして人を頼る、ステークホルダーに説明する。企業設立・経営の要素が日常パートに潜ませて描けていました。法改正=規則改正は頭の痛い話ですが、良くあることです。

 そして、企業経営の一番大事なのは「誰も正解を知らない」ことでしょう。便所飯が痛かったですが、これは自分以外の誰もが正解を知っている、自分と違って役立っている、と思ってしまう、真面目で優秀な子が陥るわなですね。一つの失敗で昔の事を全部ネガティブにとらえる。

 ミオリネのような経営者はいると思いますが、死に物狂いになっているだけです。放っておいても信頼できるパートナーは得難いです。そこの誤解が面白かったですね。企業の経営と人の心理を丁寧に描けていたパートだと思います。

 で、医療技術という企業理念はいいですけど、技術は軍事転用可能ということですね。そこは一つのテーマになりえると思います。それは0話のPROLOGUEで言っていた話だと思います。あえてここの対立を見せたのは、この辺りが描きたいからでしょうか?

 あるいは、表ではルール通りの紳士的な経営者でも、個人としては普通の良心を持っている人間でも、企業経営になるとなりふり構わないと言う部分もいいと思います。

 ガンダムとしての設定は、やはり、人間のテクノロジーとの融合でしょう。あるいは機械に人間を融合させるというダークサイドも見えてきそうです。

 そして地球VS宇宙VS水星は、貧困VS富裕層VS障碍者?学園と株式会社ガンダムがこれを融合させるのか、新しい世界を作るのか。展開が楽しみです。

 ニュータイプはAI・サイバネティクスの融合になる。
 戦争がリアルでは無い世代に対し、分断と学園内の居場所の無さでテーマを作る。そういう作品になると思います。


 そうそう、サンライズが無くなり、コンテンツ管理の会社に成り下がるか、これからも新しい価値を生み続けられるかの正念場でしょう。本作の企業設立のリアリティはそういう実体験もあるんでしょうか?{/netabare}


11話追記 ロボットアニメって基本的には男の主人公です。パートナーやサブキャラで女性がやることはあっても、なぜ男性か。それは、ロボットとは自己拡張だからです。自動車、時計、スーツ、靴などの趣味と重なります。

{netabare}  一方で女性の主人公は何になるか?魔法使いです。魔法使いも自己拡張ではありますが、この自己拡張は「魅了」だと思います。つまり、化粧であり、ドレスであり、アクセサリーです。
 本作で、なぜ女性が主人公で魔女なのか?本作のヒロインが、人たらしで周囲の人間を魅了してゆくという意味が一つ考えられます。

 ヒロインだけあって、ガンダムは自己拡張ではなくて、本作ではパートナーであり庇護者の様に描かれています。となると、この先の展開ですが、ガンダムという庇護から抜け出す展開になるのか、ガンダムとの対等になることではないか。
 庇護から抜け出す=ガンダムからの卒業、そして、ガンダムという機械と人間の融合、つまりそれが新しいニュータイプであると、そんな感じになるのでは? {/netabare}


12話 人助けなら何をしてもいいという「ガンダム大地に立つ」へのアンチテーゼか、あるいは人間の定義はどうなってゆくのか問題か?

{netabare}  ネットで話題になったので、最後のシーンは知っていました。ネットのマナーは何とかしてほしいものです。

 今回の話はいるんな発展の可能性があると思います。もちろん母と名乗るプロスぺラ・マーキュリーの思惑ではあるんでしょう。

 ミオリネは、スレッタがガンダムで駆け付け、助けられました。そしてスレッタのいい笑顔です。演出から言って狂気性をはらんでいるように見えましたが、歴代のガンダムがみんなやっていることです。仲間のピンチをガンダムで助ける。ファーストガンダムから見て見ぬふりをしていた違和感です。「ガンダム大地に立つ」の異常性を表現するためにわざわざ学校にしたのでしょうか。ちょっと「ククルスドアンの島」にも通じる部分です。

 あるいはガンダムは人を殺す作品である。だけど、それを見て喜んでいる視聴者は?というメタ視点でのアンチテーゼにも感じられます。

 前半のシーンで実弾が条約で禁止というセリフがあえて入ってました。これがこの最後のシーンにつながるのでしょう。武器や殺し方で何かが変わるのだろうか?ということです。そしてそれは我々実社会にも関連してきます。

「ノーマルスーツをなぜ着ていない?」って最高の愛情の言葉だと思うのですが、そこの演出が親子が分かり合えない感じがいい演出でした。で、命の選択という言葉です。ここもこの後どうなってゆくかです。さっきの敵を殺さないと味方が助けられない問題と合わせて、テーマになるのでしょうか。

 人の定義ですね。人の死の概念というものがスレッタから欠落している可能性です。ガンダムは故障しても治る。水星の身の回りの人は機械として生まれ変わっている。つまり、人の概念が普通の人とズレていたという可能性です。ガンダムを家族扱いする意味ですね。ガンダム=医療と言う部分の完全に逆手に取っている可能性がある気がします。

 ガンダムがなんらかの形で人の脳や精神データを受け継いでいると考えていましたが、スレッタにとって人間の定義はガンダムと同じという可能性です。

 そういういろんな可能性が考えられます。2クール目が楽しみです。

 一応途中ですがキリがいいので評価します。今のところかなりいいですね。こんなにテーマとか話の行先にドキドキするガンダムは初めてかも。 {/netabare}


総評 2クール目を前に。学校である意味、身体医療要素、起業、親子、老人など

 ストーリーの設定考察は沢山あるので、テーマに絞ります。この原作というか脚本者は本当にすごいと思います。ルルーシュの人ですかね?エンタメとテーマ性の両立が最高です。

 まず、学校が舞台です。そこでは兵器を使っての戦闘について教えています。ですので、いざ戦闘となれば、人を殺すことになります。で、最終話ですね。「そのためのガンダム」である、ということをミオリネは忘れていた…わけではないと思います。ですが、現実を見たらあんなことになりました。学校は役立たない、学校でちゃんと教えているのに、現実に立ち向かえないということでしょうか。
 学校内の成績、カーストの位置など関係ない。校内での孤立や派閥などもありました。

 身体医療の要素は、機械と身体の融合による新時代のニュータイプでしょう。AIだけでなく人間の定義の問題が入ってきそうな気がします。クローン設定などのバイオ技術も含めて様々な要素が散りばめられています。

 学校問題と絡んできますが、虐げられている差別されている人たちも、固まって拗ねているだけでなく起業してみたら?ということもあるかもしれません。ただ、上手くいかない雰囲気もありましたので、子供の遊びとして描いていたのかもしれません。いずれにせよ、これも分断の下層の被害者意識だけでなく、何かやってみろ、ということかも。

 親子関係がクローズアップされていました。ミオリネ、スレッタ、グエルなどが代表ですが、毒親問題と親の愛情です。子供がどう育つのか。厳しい父を持つミオリネが一番まともで、グエルの父はリベラリストで拝金主義者。そしてスレッタは…?ですね。母のトマトをずっとクローズアップしてきたのもきついですね。つまり潰れると…グチャですね。

 老人はまだ見えてきていませんが、彼らの残した遺産が子供に暗い影を落としています。水星という魔境…そこでどんな事が行われているのか?2クール目が楽しみです。

 なお、OPです。夜系は苦手だったんですけど、慣れるといいですね。不思議な感覚になります。未来的でもありますし。歌詞もいいです。

 そうそう、やっぱりプロローグの「ゆりかごの星」が気になります。やっぱり地球を捨てろっていう結論になるんでしょうか?ホーガンの小説「揺籃の星」との関連がやっぱり気になります。
 ウテナがミスディレクションだという感じもありますが、最後はやっぱりウテナカー=スレッタガンダム?






 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

当社が……ガンダムだ!

分割放送の1クール目(全12話)

【物語 4.0点】
『ガンダム』としてどう転ぶか予測できない戸惑いが大きい。
だがそれが興味持続の原動力でもある。
また違和感を散らかったままにせず、適宜、伏線回収してくれそうな手応えはある。


主要な舞台を学園に設定。
これまで多くの『ガンダム』では初回で主人公少年が戦場に放り出されて、学業は何処へやら……という出だしがテンプレート。
ですが社会の縮図たる学園でやれる『ガンダム』は多いはず。
そんな欲求もあった私にとっては学園設定もマイナスにはなりませんでした。
モビルスーツ(MS)事業やガンダムを巡る企業間競争を背景にした学園内の“決闘”などは期待通りの縮図でした。

また学園設定はMSやガンダム、戦争の暴力性から子供たちを保護するフィルターでもありました。
ラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 戦場でスレッタの本性が明らかになる展開が見事で、狂気でしたw
スレッタを青春劇でカモフラージュした一点だけでも学園物にした価値はあったと思います。{/netabare}


ガンダムは単なるロボット名ではなく、作品内外の時代を左右する概念である。
ガンダムを信奉するファン心理をくすぐる新解釈は“アナザーガンダム”ならでは。
人体機能を拡張する医療技術としての「GUND-ARM(ガンドアーム)」は、宇宙に適応する人類の革新云々を説くニュータイプ理論のバリエーションとしても興味深いです。

そして後半まさかの{netabare} 株式会社ガンダム設立w
決してお遊びの学生企業ではなく、投資に値する事業、経営が求められるシビアな一面も。
子供じみた夢に大人社会の現実を突きつける舞台装置としても重宝しそうです。
個人的には“死の商人”さえ消せば戦争は無くなるとの安直な平和思想への反証材料としても期待しています。
今後、軍需としてのガンダムを求められるミオリネたちの葛藤にも注目したいですが……。{/netabare}

春からの2シーズン目以降も、こうあって欲しいと決めつけるよりも、予想外のガンダム解釈、展開を許容する柔軟姿勢で挑んだ方が折り合いは付きそうです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・サンライズ

キャラクター原案に採用されたイラストレーターのモグモ氏。
ケモノアバターのアートワーク集を出したりするケモナーである同氏。
なるほど、たぬきっぽい主人公スレッタを始め、どうりで学園が動物園っぽくなるわけですw
それにしてもチュチュの頭の巨大なお団子2つがヘルメットに収納される設定画。押し込み方が強引過ぎますw

集団デザイン体制のメカニック。
先に頭部ブレードアンテナを折った者が勝者という学園内の決闘(デュエル)ルール。
それも反映してかMSのフォルムも全体的に甲虫じみています。

ここまでモビルアーマーも可変型モビルスーツも登場していないのが意味深。
巨大人型で徹底したラインナップ。
近年の『ガンダム』の中では親しみやすそうな目をしたエアリアル。
人体拡張の一環としてのモビルスーツ。人類の家族、お友達としてのガンダム。
MSの自我がテーマを深化するかにも注目です。

エアリアルが初回から全開でオールレンジ攻撃を繰り出すなどバトルシーンの作画はド派手に動く。
ただ分割クールで、週を飛ばしながらの放送。
今後も燃料切れに注意しながら完走して頂きたいです。


【キャラ 4.0点】
スレッタ・マーキュリーは『ガンダム』テレビシリーズ初の女性主人公。
『ガンダム』は当初から、社会進出する女性が、限界に達した男性社会を変える可能性と現実がサブテーマだったシリーズ。
よって私は、えっ!?女性主役なの?という驚きよりも、女性主人公は初めてだっけ?との意外性の方が上回りました。

相棒の“花嫁”ミオリネさん。
伝統のマスクキャラを継承したのもスレッタの“お母さん”と女性活躍『ガンダム』ですね。
その上で女性ガンダムパイロットを「魔女」と呼称するに至った経緯。気になります。

大企業の御曹司、関係者でもあり、学内決闘の好敵手でもある「御三家」の少年たち。
ミオリネさんという“花嫁”がありながら、スレッタに次々と求婚&デートでアタックしていくのが壮観w
勝ち組の家系は恋愛面でも肉食系なのでしょうかw


反抗期のミオリネを受け止める父でベネリットグループ総裁のデリング・レンブラン。
娘にすら冷徹なその姿勢は、社内、経済界の伏魔殿ぶりや、ガンダムの闇の深さを知っているからこそ。
今後も、のぼせた子供たちに、容赦なく現実の冷水を浴びせて欲しいので、
(※核心的ネタバレ){netabare} このままくたばったら私も許しません。{/netabare}


【声優 4.0点】
スレッタ役の市ノ瀬 加那さん。
歴代少年ガンダムパイロット同様、コミュ力が乏しくコメディ要員としては使えない?と高をくくっていると、
おどおどボイスで{netabare} 「スレッタ忘れった」{/netabare} 、{netabare} 「飛べる!踊れる!エアリアルー!」{/netabare} などとゆる~く腹筋を攻撃してくるので油断できませんw

「御三家」少年役ではグエル・ジェターク役の阿座上 洋平さん。
{netabare} スレッタに尻を叩かれるわ、オヤジには2度もぶたれるわ。連敗街道驀進するわ。{/netabare}
憎めない人なんだけどポンコツなキャラを表現し、コメディ面では、まさにエース級の活躍w

“お母さん”プロスペラ役の能登 麻美子さん。
棘のある優しい声色を聞くと、毎度、背筋が凍ります。


放送中にはニカ・ナナウラ役の宮本 侑芽さんが体調不良により、白石 晴香さんが緊急リリーフ。
しかも割と普通の娘だと思われたニカが実は……という難しい場面でしたが好救援。

ABEMA TIMESがまとめている本作キャスト一覧は現在なんと109人。
『ガンダム』はアニメ界の大河ドラマですね。
2クール目から復帰する宮本さんを始め、声優陣には健康にも気をつけて役を全うして頂きたいです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は大間々 昂氏。
メインテーマ「The Witch From Mercury」は『ガンダム』らしい金管とストリングスの一斉砲撃に、女性ボーカルを乗せ新機軸も打ち出した大作BGM。
その一方でシンセ和音もアレンジし、SF設定を詰めてきている作風もアシストする楽曲構成。

OP主題歌はYOASOBI「祝福」
エアリアル視点でスレッタを見守る“原作小説”を元に綴った一曲。
本編中では思考を窺えないエアリアルさんですが、主題歌からは豊潤な“人格”を感じます。

ED主題歌はシユイさんのメジャーデビューシングル「君よ 気高くあれ」
葛藤を肯定し激励する青春ソング。卒業シーズンなんかにもチョイスしたい一曲。

「逃げたら一つ、進めば二つ」両主題歌ともに座右の銘をも歌詞に織り込みシンクロ率も上々。


作中では「ハッピーバースデートゥユー」が鬱陶しく、そして痛切でした。
{netabare} 強化人間の悲哀。{/netabare} これは『ガンダム』なんだなと思った一場面でした。

鬱々してきた所で株式会社ガンダム社歌を唱和してレビューを締めたいと思います♪
“ガンダム~♪ガンダム~♪希望の光~♪ ガンダム~♪ガンダム~♪未来を目指す~♪”

スレッタたちの未来に幸あらんことを。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

「アホ毛」は目ほどにものを謂う

●【禁断の果実】が暗示する「ブラッディ・マーキュリー」と
●「C78」ハンガー

第1話で水星ちゃんはミオリネから貰った「トマト」{netabare} にかぶりつき
口の周りが「ジューシートマト塗れ」・・・になりましたが
このシーンは実は「裏設定」的な意味合いがあるシーンなのであります。

もちろん最後のあの「トマト塗れ」シーンの伏線であったとも言えるわけですが、
第1話のミオリネの「果実園」のシーンと見事にリンクしていたわけであります。

母親との絆を表す「果実園」をグエルに荒らされことに対する、原状回復と謝罪を求め
ミオリネを守ろうと水星ちゃんが決闘を申し込んだあのシーンは
逃げれば「1つ」、進めば「2つ」、という決断を表したものであります。

「2つ」のうちの「1つ」はミオリネのための勝利を
もう「1つ」はミオリネの婚約者の地位を得るという意味合いがあったわけですが
水星ちゃんの「婚約の意思表示」はどこで示されたかと言うと果実園を荒らした
グエルと対峙した時がそれに該当するということになります。

もちろん水星ちゃん本人はグエルに「決闘を申し込むこと」=「婚約を申し込むこと」とは
理解していませんでしたが、解釈上は婚約の申し込みと見なされてしまうのであります。

果実「園」の「果実」を食べるという行為は裏設定的には契約の成立となります。
女性同士の婚約でありますから禁断の契約というようにも考えられます。

【禁断の果実】の元ネタとは【エデンの園】で「蛇」から与えられた果実を
アダムとエヴァが食べたという逸話から示されるものであります。

この「蛇」のことを【サタン】と呼んだりしますが、サタンとの契約の印は
【666】と表現したりします。

「地球の魔女」の奇襲からミオリネを守り「契約」を果たすために水星ちゃんは
エアリアルが待つ「C78」ハンガーに向かうわけですが、「C78」を数字変換すると
「C」はアルファベット3番目なので3となり→378
この数字を全部足すと→3+7+8=18
18=6+6+6 即ち【666】となります。

【666】は【禁断の果実】という意味合いがありますが、
「禁断のテクノロジー」とも解釈できます。

「【ガンド】アーム」とは「禁断のテクノロジー」であるわけです。

また【666】には土星という意味合いもありまして、【土星】は【サターン】とも言います。
蛇の【サタン】と【土星】の【サターン】とは厳密に言うと別の意味合いをもつ言葉で
ありますが、アナグラム的に解釈するならば同じものと言うこともできるわけであります。

更に言うと学園の制服の左胸辺りに刻印されている紋章は【翼】でありまして
【天使の翼】を表していますが、誰の【翼】かと言いますと【堕天使ルシファー】であります。
この【光の天使】は性別不詳であり、女性のような美しい美貌持っておりまして
見た目は女性のようにも見えてしまうわけであります。

婚約相手が女性と言うのも元ネタは【光の天使】様にあるというオチであります。

そして最後の「トマト塗れ」のシーンが意味するのは「禁断の契約の履行」であるからこそ
果実園での「契約成立のシーン」のジューシー {/netabare}トマトとリンクさせたわけであります。

●「黒歴史」を塗り替える「再生の魔女」
「初代ガンダム」にしても「Z」にしても純粋に物語の面白さという観点から
考えたらクオリティーはかなり高いものであったように思います。

本作が完成度という点で過去作品を圧倒してるかと言えばむしろ劣勢であるというのが
実際のところでありますが、{netabare} それでも旧作のガンダムは本当のガンダムではなく、
どちらが真のガンダムなのかと言えば間違いなく本作こそが本来あるべき「ガンダム」を
描いているという結論になります。

何故今更「ククルスドアンの島」なのか?というのも同じように
旧作品の修正を目指して制作されたように思います。

本作主人公の「褐色の少女」スレッタ・マーキュリーはララァ・スンのやり直しであり、
これによりニュータイプの定義の微妙さに修正を加えることを意図していたのでありましょう。

そもそもララァ・スン自体が摩訶不思議な霊媒師のような能力者でしたが
「スターウォーズ」の「フォース」をモビルアーマー操縦技術に単純に転換したのが
間違いだったように思います。

まるでロボット兵器みたいなモビルスーツとは操縦するものであると先入観を与えてしまった
結果、ニュータイプという「別人種」が凄腕操縦者や天才プロゲーマーと大した違いが無い
普通の人間種の延長線上で考えられてしまい、一騎当千の大量殺戮兵器
「【ガンド】・アーム」の特殊性が説明できてないというのが最大の失敗だったように思います。

「ガンダム」とは「呪いのモビルスーツ」であり「呪われたモビルスーツ」である
というのが真相であります。

「逃げれば1つ」「進めば2つ」という言葉通りに、
水星の魔女は「2つの命」、ミオリネ親子を救うために足を踏み出しましたが
主人公の意志、願いに応え力を分け与えたのはエアリアルであります。

問題の「人間ハエ叩き」のシーンでありますがあれは「【ガンド】・アーム」
の「【願い】を叶える力の強さ」を表現したものであると個人的には解釈しています。

11話の夫婦喧嘩シーンで、ミオリネは主人公を14回叩き
主人公に対して【お願い】事を12+1=【13】回ほど唱えていました。
14は1+4=【5】そして【13】どちらも【願い】関係する数字であります。

「任せてくださいって私に言ってよ」というミオリネの言葉を鵜呑みにした
主人公はすべてを任されたと理解して、ミオリネ親子を救出に向かいます。

「2つ」を得るため、ミオリネを助けるために迷うことなくエアリアルと共に突進
見事願いは成就したところで物語は幕を閉じます。

水星ちゃんとミオリネの願いが「【ガンド】・アーム{/netabare}」によって叶えられたのが
あの最後のシーンでありました。


本作を見たガンダムファンならこう思うでしょう。
「本作がガンダム作品である必然性が無い」と

確かにそのご指摘は十分に理解できるところでありますが、
本作の画期的なところはガンダムファンが決して知り得ないガンダムの秘密を
赤裸々に大暴露している点であります。

●「呪われた」経営手法、その名は「転換社債」(←これ死亡フラグです)
学園のカリスマCEOことヒロインのミオリネは「転換社債」 {netabare} を用いて会社の資金調達を図ろうと
考えますが、その手法については経営経験豊富な父親により諫められます。

転換社債は株主にとっての「死亡フラグ」でありますが、
それに反対した父親の「死亡フラグ」は何でしょう?

それはやはり主人公の母親や地球の【魔女】に「ロックオン」され
「狙い撃つぜ!」となったことであるように思います。

「ガンドフォーマット」の技術は介護に役立つという表向きの理由を前提に物語は進行しますが
「呪われた」モビルスーツと【魔女】{/netabare}が関わる物語である以上は
裏テーマが当然の如くリンクするのは避けられないことでありましょう。

●ガンダムを全否定する「ガンド・アーム」
ガンダム作品のプロトタイプと言えば「機動戦士ガンダム」であります。
ガンダムファンと言えばまず間違いなく初代ガンダムの影響を受けていると考えてよいでしょう。

初代は確かにファンが絶賛するように物語として良くできていたのはその通りであると思いますが
最も本質的な要素である「ガンダム」について描き損ねていたために、結果的に
ミスリードを誘発し、理解できてないそんな大人は修正してやると言わんばかりに登場した
新参の「水星の魔女」により全否定されるわけですから、なんとも皮肉なお話であります。

「ガンダム」と言えばSFファンも楽しめるという特色を持ち合わせておりますが {netabare}
SFファンがガンダムを楽しめるからと言って、「ガンダム」を理解していたかについては
別の話ということになります。

「ガンダム」とは実はどちらかと言うと「大魔神」や「マジンガーZ」に近い存在で
「科学忍法火の鳥だ!」みたいなチート全開のトンデモ兵器であり
この謎の人工生命体はララァ・スンのようなテレパス能力保持者じゃないと巧く操縦できないため
例えば「強化人間研究機関」みたいなものが必要だったというお話であります・・・

地球連邦は「V作戦」により量産型モビルスーツの開発・増産に成功したため、
モビルスーツの性能では圧倒的に劣っていたジオンに勝利できたというそんな理屈が
初代においてはまかり通ってしまいましたが、しかしガンダムとガンダム作品全体を
冷静に分析いたしますとどうも辻褄が合わないところが多々あるわけでございます。

エルメス、アッザム、ビグザムにとどまらずサイコガンダムにνガンダム…
「V作戦」とは量産型MSの物量作戦とは何だったのかと言わんばかりに
MS性能のインフレには歯止めはかからず、チート全開の「トランザム」に
世界を滅ぼす「月光蝶」であります。要するに「科学忍法火の鳥だ!」という
初代ファンがドン引きする流れこそが「ガンダム」の本質に迫るものであり、
サンダーボルトの「リビングデッド師団」が意味するところは、要するに
「気合」なのであります。

ニュータイプや強化人士というチートがガンダムには必要不可欠だからこそ
本作の主人公=褐色の少女が「物理的妨害装置のテクノロジー」を余裕ではねのける
チート能力を発揮するという覚醒シーンはガンダム作品の必然的お約束なのであります。

それが面白いと感じるかどうかは別の話になりますが、
これが「本物のガンダム」であります。

「00」の主人公=刹那・F・セイエイの明言に「俺がガンダムだ!」というのがありますが
それはララァ・スンやスレッダ・マーキュリーに繋がる発想であり
シンクロ率100%という表現であったのだと解釈することもできます。

ガンダムと言えば実は「人種」についてかなり大胆に踏み込んでいるふしが感じられまして
本作の花嫁と褐色の少女の対比とかも、色々と計算しているようなところが窺えます。

褐色少女というのは恐らくララァ・スンよりも、太陽の牙ダグラムの「デロイア人」を
意識しているものと推測いたしますが、この人種の{/netabare}要素もガンダムには必要不可欠な
構成要素であると確信するものでございます。


●死亡フラグについて
{netabare}エランを死に至らしめた死亡フラグに次のものがあったように思います。

パーメットスコア4
誕生日
強化人士4号{/netabare}

しかしそれ以上に強力な {netabare}死亡フラグ、こちらの方が重要かもしれません。

【ベル】という名の魔女の存在。
「呪われたモビルスーツ」に関わり、しかも乗ってしまったこと。

【ベル】については別の機会に説明しますが、
「呪われたモビルスーツ」ガンダムに関わるとろくなことにならないというのは
初代「機動戦士ガンダム」の時から何度も繰り返されてきた事象でありますが
それに気づいていない人は意外に多いかもしれません。

テム・レイ、カミーユの両親、ウッソの母親、ランバ・ラルなど挙げたらきりがありませんが
特に重要な描写があったのはソロモンの攻防戦、そしてエマ・シーンの証言であります。{/netabare}

「水星の魔女」で明らかになったことから歴代のガンダムを振り返ると
今まで気づかなかったことが見えてくるものと確信いたします。

●「ガンドアーム」こそが「本物のガンダム」
少しづつ明らかになる真実、結論から言えば最初の作品「機動戦士ガンダム」は
解釈を間違っているとこがあり、本作こそが最もガンダムの本質をとらえている
本物のガンダム作品であると確信いたします。

故に「宇宙世紀シリーズ」等を信奉してる過去の人たちは本物ではない
似非ガンダムを見て本質を見誤っているという残念な結論に至るわけであります。

ガンダムとは本来 {netabare}「スターシップトゥルーパーズ」のようなパワードスーツであり
ロボットとは意味合いが違うものでしたが、当時の時代背景や時代の常識が
ガンダムという「特殊兵器」の特異性を理解できるだけの水準になかったため
ロボットものに作風をスライドさせてしまったのがミスリードの大きな要因であったと
推測いたしますが、ガンダムと搭乗者とはもっと一体感があるそれこそ義手であり
義体であると考えるのが適当であると考えます。

そういう意味でエヴァンゲリオンのシンクロ率という概念はある意味ガンダムの
欠損個所を補う意味でも、搭乗者の立ち位置的なものを表すという意味でも
とても参考になるものであったような気がいたします。

Zガンダムにしても∀にしても初期作で描き切れていないものを多数ちりばめて
補完しようという試みは常に繰り返され、それでも足りないので00、オルフェンズに
ナラティブ、そして意味深な「リビングデッド師団」が出てくるサンダーボルトが登場し
総仕上げとして本作に至ったものであると思われます。

そして満を持して登場した母親のライバル?もう一人の魔女の名が
【ベル】というのには完全なる狙いの意図を感じずにはいられません。
【魔女】の{/netabare}名が【ベル】。これにはかなり重要な意味が込められています。

ガンダム史上最大の究極のネタバレ、それは
ガンダムとは{netabare} 「ガンド・アーム」を示す言葉ということでございます。

「アーム」とは武器や兵器を意味し、「アーミー」と言えば軍隊を示します。
「ガンドアーム」=ガンダムとは「ガンドフォーマット」を使用した兵器
というのが結論でありますが、このネタばらしを知れば
ララァ・スンやニュータイプなどの理解がより一層深まり、ガンダム関する謎の数々も
完全攻略可能と確信するものにございます。

もちろん厳密に言うならば旧作品と本作の設定には全くズレがないとは言えないかもしれませんが
より理論的にガンダムという存在を明確に説明できているという意味においては
本作こそが最も先鋭的なポジションにあると言えましょう。

例えば水星という過酷な環境下では人間の人体には悪影響が出ることもあり
「ガンドフォーマット」という技術が不可欠であり、当然「パーメットリンクシステム」という
「文明の火」にスポットが当たるというのも当然の話になるということでしょう。

擬体化や電脳化、ドローン操作技術の向上を目指し研究開発は推進されてきました。
そしてついに人類の英知の結晶が生まれますが、その結晶でもあり
人類の英知を示すシンボルともいうべきものが「ガンダム」だという結論でございます。

ニュータイプのララァ・スンのように褐色の少女が「ガンドアーム」に乗りガンビッドを操る様は
魔法を使う「魔女」さながらでありますが、「奇跡も魔法もあるんだよ」との言葉通りのことを
テクノロジーの発展によってそれが成し遂げられのだと明確に示せたのは
ガンダム史上とても画期的なことのように思われます。 {/netabare}

トランザムのようなあれも、それを稼働させるセオリーがありまして
それの具体的な説明など今後注目していきたいところでありますが、
「学校に来たら{netabare}やりたいことリスト」や「学籍番号」、結婚年齢「17歳」
「花嫁の菜園」と「果実」など裏設定を匂わせる意味深な描写にも目が離せないところであります。

ちなみに「パーメットスコア4」とは「フォウ・ムラサメ」が由来のような気がしますが
単なる勘違いでしょうか?
というのも「4歳の誕生日」{/netabare}が死亡フラグのように思えたのがあります。




ガンダム史上「最強のアホ毛」を誇る本作でありますが
その上に「百合」の要素をふんだんに振りかけて・・・
そしてMS乗りが「【水星】の【魔女】」と言うのならカオスが極限なまでの高みを目指すことは
必然というものであります。

ガンダム主人公が明らかな「アホ毛」状態であったのは「鉄血のオルフェンズ」が
最初ではなかったかと記憶しておりますが、明らかな「アホ毛」ではないにしても
寝ぐせみたいな頭髪トップの状況は刹那・F・セイエイやウッソ・エヴィンにもあると言えば
あるようにも見えてくるので厳密な意味での「アホ毛」判定は難しいところがあります。

それでも一つ確実に言えることは、本作主人公の「アホ毛」は最強であるということです。

そもそもニュータイプとは、{netabare} 感受性なり認識能力が若干強いスペースノイドや
あるいは人類全体にも普通に起こり得る可能性を秘めたようなタイプの人間を
指す言葉だったと認識しておりましたが、いつの間にか超能力をもったエスパーみたいな
存在に意味が変遷し、よって某機関などにより軍事的に開発されてきたというのが{/netabare}黒歴史であります。

「強化人間」の類は、ある時は某「東の国」の計画に見られるように「動物実験」や「幼い少女」を
対象にした研究開発等の事例を挙げればきりがないわけでありますが、ニュータイプにより
サイコフレームという究極兵器の潜在能力を最大限に引き出すことが可能となるなら
戦術的優位性は圧倒的であるということになり得るでしょう。

サイコフレームを使いこなすニュータイプとは、{netabare}MPマイナス状態にもかかわらず
「極滅の業火×10」を平然と撃ちまくるチートのような存在ですが
そのような反則攻撃を当たり前のようににかましてくるガンドアーム・ハンドラーが
【魔女】と呼ばれるとしても何ら不思議はないということになるでしょう。{/netabare}

【魔女】の「アホ毛」はサイコフレームと同等であり、
{netabare}あの「アホ毛」でガンドアームと交信しているのだと推測いたします。
あの「アホ毛」は「リコリコ」における「延空木」みたいなもので
電波送受信機のような働きをもつものなのでございましょう。{/netabare}

まさに【魔女】と「アホ毛」は使いようなのであります。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

71.9 6 パイロットアニメランキング6位
マクロスΔ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (665)
3050人が棚に入れました
西暦2067年、人間が我を失い凶暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威をふるう銀牙辺境の地。
対抗手段として結成された戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、「ヴァールシンドローム」の症状を歌で鎮めるため、星星を駆けめぐり、ライブ活動を展開していた。
一方、時を同じくして「空中騎士団」と呼ばれる「風の王国」バルキリー部隊がうごきはじめ…。
プロトカルチャーの遺産の謎が絡み合い、星系を超える熱きチームワークと恋の物語が幕をあげる。

声優・キャラクター
内田雄馬、鈴木みのり、瀬戸麻沙美、小清水亜美、安野希世乃、東山奈央、西田望見、森川智之、内山昂輝、川田紳司、石塚運昇、石川界人、木村良平、KENN、遠藤大智、拝真之介、峰岸佳、てらそままさき、寺崎裕香
ネタバレ

カリウム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

マクロスシリーズで最も賛否が分かれる作品

私は『超時空要塞マクロス』のテレビ版、映画版『マクロス7』『マクロスプラス』『マクロスゼロ』『マクロスF』を一気に視聴し、そのままの流れで『マクロスΔ』も視聴しました。

私はこの作品を見た時、何とも言えない違和感を持ちました。見ながらも見終わった後もモヤモヤが残り、自分なりにその理由を調べ、なんとか答えらしきものを見つけることができました。しかし、この私の意見が必ず正しいわけではありません。私の意見は数ある意見の1つとして、軽く考えてください。
それでは以下に<良い点>と<気になった点>を書いていきます。



<良い点>
・戦闘シーンがとてもよく、シリーズを重ねるに連れてどんどん進化していっており、今回のデルタでも前作よりも圧倒的に進化しています。変形ロボットの戦闘シーンはとても疾走感があり見どころの1つです。

・これはネタバレになるのですが、{netabare}今回の作品のラスボス的位置にあるロイドの動機がよいと感じました。見方によれば、正義vs正義の構造になっている点が良いように感じます。{/netabare}



<気になった所>
・マクロスシリーズに必ず登場する歌姫ですが、今回は今回は5人のアイドルグループになっています。1つ目の賛否の点はここだと思います。数人のアイドルグループにしたことで、それぞれのキャラの背景が薄く魅力を感じませんでした。
加えて、ワルキューレがほぼ生身で戦場で歌いながら立ち向かってる所が個人的には受け入れられませんでした。せめてバルキリーに乗って歌っていてほしかったです。今までの作品との差別化を図ったのは分かりますが、ちょっと離れすぎてついていけませんでした。
音楽に関しては良いと思いましたが、個人的な好みとして過去作の曲をワルキューレがカバーするのを少し楽しみにしていたのですが、ほとんど無く少し残念でした。

・2つ目は世界観についてです。初代から見ているからこそ最もこの作品を見ていて気になった点なのですが、今までゼントラーディ(メルトランディ)・地球人・プロトカルチャーという大きな関係軸で物語が進められてきたのに、この作品の1話から人間型異星人が当たり前のように登場しているためとても違和感を感じました。もちろんプロトカルチャーが創造したという説明もありましたが、マクロスFの8年後にこのような地球人型異星人が発見され、ある程度交流が進んでいるのはかなり不自然です。これについての作品を作ってもいいレベルです。

他にも細かい点があるのですが、この大きな2つの点で引っ掛ったり、冷めてしまい純粋に楽しめなかった人が一定数いるのではないでしょうか。


以上のように、独立した作品としては悪くはないのですが、マクロスシリーズの作品としては決して手放しでは喜べない作品だと感じました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは私が求めているマクロスではないようです

マクロスシリーズのテーマは「歌で戦争を終わらせることができる。歌は人を幸せにできる」ですが
この作品はそれと違うようです。

物語は、なんでも中途半端で仕事をクビになったハヤテと歌手を目指して密入国して来たフレイアとが、ひょんなことから出会います。
ハヤテはやがてΔ小隊の隊員となり、フレイアは歌声ユニット・ワルキューレのメンバーとなり、お互いに助け合って活躍します。

物語の最初では、人々が自我を失い凶暴化する謎の奇病「ヴァールシンドローム」を鎮静化するために、ワルキューレの歌の力が使われていました。
それはそれでよいのですが…、
しかし、
途中からヒロインであるフレイアの歌の力で主人公ハヤテの戦闘機操縦能力が飛躍的に向上したり、ハインツ王子の歌の力で惑星の人たちを洗脳してヴァール化させたりと、歌の力を戦争に利用しているのは、今までのマクロスシリーズのテーマからずれているようです。


こんな状況を仮にマクロス7のバサラが知ったら、おそらく…
「ふざけんな。歌の力を人を殺すために使うんじゃねえ!」と、言うでしょう。

それに、懸命に歌うことでウィンダミア星人であるフレイアやハインツ王子が老化していくのは、またしてもマクロスシリーズのテーマに反しています。
これだと心がひいてしまいます。自分の体をいたわってほしい。頼むから歌わないでほしい。と、思わず叫んでしまいたくなります。

唄うことでエネルギーが満ちてくるとか、心が活性化されて若返るとかであればマクロスシリーズのテーマに沿っているのですが…


物語としては、それなりに楽しめました。
主人公ハヤテのひたむきにまっすぐなところとか…
ヒロインのフレイアの無邪気な笑顔とか…
もう一人のヒロイン ミラージュの清い心とか…

でも、これは私が求めているマクロスではないようです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

うっきー星人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

2016年一番のがっかりアニメ(泣)

【総評Dランク】
S:特別好きなアニメ A:かなり良い B:なかなか良い C:普通 D:微妙 E:くそ

期待のマクロスシリーズということでとりあえず完走しましたが、
結論から言うと、めっちゃクソアニメで期待してた分の落差から絶望しました

ストーリーは例えると、北朝鮮の密入国者が敵国のトップアイドルになって始まる話なのだが、
国民もさらっと歓迎ムードでもうそこから違和感がある、国民バカ設定にしすぎw
そんなこんなで段々アイドル軍団vsホモ軍団という見栄えの汚いお話になっていきます
アイドルが嫌いなタイプの人間にはめっちゃくそ合わないアニメです

なんか鼻くそほじりながら日常アニメかアイドルアニメ観てるノリで全く盛り上がらず、戦争<アイドルな雰囲気
アイドル軍側のノリが軽すぎて戦争ごっこ風なので、人が死んだりしてもまあ当然全く感情移入できない
戦闘シーンも少なく、終始タラタラと何どうでもいい話やっとんじゃ・・・って感じでした

あと10年したらハゲそうな主人公、いなかっぺごりごりキラリン☆娘も両方とも頭パーすぎて嫌い
つかキャラが全体的に薄い、ヒロインがアイドルだけでも5人いるし、その分一人当たりの存在価値が薄まってる

作画も空中戦だけは良かったですが、他がマクロスの名を冠してる割りにしょっぱい
やっぱりアイドルがやたら強すぎて違和感がある、戦闘機とタイマン張れるとことか笑える、アイドルアニメ色も強すぎる
手でW作るのもいちいちキモイ、草生やしてんじゃねーよ

アイドルアニメ観たくてマクロス観てるんじゃねーんだよなあ、とにかくもっと戦闘と話に重みが欲しかった

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

65.6 7 パイロットアニメランキング7位
ガーリー・エアフォース(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (208)
806人が棚に入れました
突如出現した謎の飛翔体、ザイ。それは、人類の航空戦力を圧倒した。彼らに対抗すべく開発されたのが、既存の機体に改造を施した「ドーター」と呼ばれる兵器。操るのは、「アニマ」という操縦機構。それは——少女の姿をしていた。鳴谷慧が出会ったのは真紅に輝く戦闘機、そしてそれを駆るアニマ・グリペンだった。人類の切り札の少女と、空に焦がれる少年の物語が始まる。

声優・キャラクター
逢坂良太、森嶋優花、大和田仁美、井澤詩織、白石涼子、Lynn

Dave さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

中途半端でちっとも面白くない

完走はしましたが、やっぱり最後まで面白くなかったですね。何をテーマにしているかわからないし、未回収の伏線・謎も多く(さりとて別に興味もわかなかったけど)、何もかもが中途半端。いろいろ欠けているものは多いのですが、致命的だったのは「アツさ」が全くないこと。日常系ではなく、まがりなりにも戦闘を描くわけですから、胸が熱くなるシーンがないと、じゃあ何のために命張ってるの?という冷ややかな気持ちになります。

1. 不必要・不十分なキャラ
そもそも、その登場人物必要だった?という登場人物が多い印象です。中国人の幼馴染とか、ギャグなの?って感じのウィークリーすっぽかされキャラだし、F-2も無理矢理登場させる必要はなかった。F-4の嫌な奴キャラが払しょくされたとはいいがたいし、F-15はパッパラパーのまま。F-18もなんだか未消化のまま散ってしまうし、ずいぶんと扱いが雑だなあという印象です。

2. 結局、なんやねん
謎の敵が謎のまま終わる…かつて幼稚園の頃に見た戦隊モノの敵のようですね。その出自も、正体も、目的も、能力もよくわからないけど、とにかく「敵」なんだ、と。ここらへんはせめてもう少し明らかになっていくのかと思っていたら、まさかの最後までほったらかし。

3. 残念ドッグファイト
同時期にやっていた【荒野のコトブキ飛行隊】、こちらも似たような感じで雑なストーリー×ドッグファイトでしたが、あちらはせめて実機への愛着とか、空中戦を描くこだわりとかがありましたが、本作は子供向けのどきゅーん!ちゅばーん!な感じの繰り返しで、リアリティもないし、わざわざ変な塗装と「それっぽい」だけのデザイン改変をしてるので、手抜きな感じ。別に空中戦を見せたかったわけじゃないのかな…じゃあ、見所はゼロじゃん。

4. やはり中国推しが気持ち悪い
もともと中国に住んでいて、中国人のガールフレンド(モブ)がいて、上海奪還とか言っちゃって、一体どうして中国をそんなに推すのか…。ここまでリアリティ放棄したんだからもう架空の国でも何でもよかったはずだし、やはり嘘でも自衛隊機を扱う以上、その相性の悪さはまるで牛乳と納豆のように喉元にまとわりつきました。

5. 作画は最後まで耐えきった
作画(キャラ)だけは、際立って良いとは言えないものの、最後までギリギリの線で踏ん張った感があります。結構危うい感じだったけど、そこは沢山のスタッフさんの努力で崩壊を免れた。もしそこを投げてしまっていたら、正真正銘のクソアニメになっていたところ、耐え抜いたプロ根性には敬意を表します。

---以下は5話時点での中間感想---

なぜグリペン…なぜ中国…
まだ5話までしか見てないので、メモ程度に。
●なぜグリペン…いや、好きだけど…好きっていえばビゲンが…じゃなくて、どうして航空自衛隊でいきなりグリペンなのさ!?(そういえばF-Xの出来レースで当て馬にはされてたっけ)さすがにF2なりF35なりにすべきだろ。
●百歩譲ってドラケンにするなら、せめて中身もスウェーデン人美女にしてくれ。
●実機の特性を活かした擬人化かと思えばそうでもない…では必然性がない。
●人物画は今のところギリギリ大丈夫だけど、常に崩壊しそうな危うさを感じる作画。このまま頑張ってくれ!
●ドッグファイトや航空機の機動に関しては全くリアルじゃない。「これは特殊なアニマという機体だから」という言い訳をしたいんだろうが、苦しい言い訳だ。特に番組にACE COMBAT 7のCMなんか挟まれた日には、本編のショボさが引き立つ。
●特にこういう軍事(自衛隊)モノで中国(人)という名前すら聞きたくない。反吐が出る。仮想的国だぜ?そこは最低限のマナーじゃない?必要性や必然性も今のところ認められず、中国の金が入ってるの?非常に違和感があって邪推したくもなる。
●せっかく実在の戦闘機だすのに、どうしてこんな手抜き塗装なんだ…戦闘機としての良さが台無しじゃないか。幼児向けの玩具かよ…。
●DTホイホイのキモイ展開、どうか勘弁してほしい。裸とかキスとか、鳥肌が立つ。
●まったく自衛隊感がない。だったらいっそ、全て架空の設定にすればいいのに。
●空自といえばやはり「まそたん」。陸自ならGATE。ああいうガチ自衛隊モノが欲しい。

※現時点では評価はせずにおきますが、低評価を付けたくてうずうずするw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

されど気になる軍事合理性

原作未読


エアフォースカテゴリー。未知なる異能の敵(ザイ)への対抗手段として開発されたのが美少女でしたよ、っと。
どれくらい異能か。対抗馬の美少女については本編かどこかのあらすじをご参照ください。

空戦ものと触れ込みの本作。それとは別に次のお楽しみが待ってます。

 1.快活幼馴染み娘との日常を愛でる
 2.ポンコツ萌え娘を愛でる

少し影のあるグリペンちゃんが正妻枠だと思うのですが、二兎を追って空中分解した印象です。グリペン(CV森嶋優花)でもミンホア(CV Lynn)でもそれ以外の子でも引っ掛かりがあればキャラ萌えで押し切れるかも。なお、私は墜落です。
フォローするとしたら、けっこう雑な作りがむしろ安心材料となり気楽に鑑賞できることくらい。
このヒロインもそうですが主人公の鳴谷慧(CV逢坂良太)も幼馴染みのミンホアちゃんもけっこう重たいものを抱えてます。そしてその重たい設定を全く活かせない展開が続きますので、物語なし!萌えなし!されどキャラ特化型の作品として楽しめるかどうか。
この二人の女の子たち以外の子も順次投入されていきますのでその色は強まっていきます。繰り返しますが、“安心で雑な作り”です。気楽に観れちゃうのです。


■いっそファンタジーオンリーならよかったのに
現実との中途半端なリンクのさせ方をします。

{netabare}・中国は内戦中なのか“東シナ海上海脱出船団”のテロップから始まるアバン
・自衛隊小松基地、第七艦隊など実在する名称が登場
・大陸からの敵に対して「台湾と半島が健在だから」と地政学的な言及あり
・グリペン、イーグル、ファントムⅡ、そしてF-Ⅱと実在機は言わずもがな{/netabare}

中途半端と評したのはそこで描かれたあれやこれやが荒唐無稽なので。

{netabare}・そもそも敵国または政情不安定な国に長期間滞在、かつ同伴者ありで入国した人間を国籍を有しているからといって入隊(厳密にはゲストだが・・・)させる軍隊はありません。
・グリペンの所望でほいほい基地に入れるはいいとして(良くないが・・・)、内通の可能性を否定できないミンホアには監視付けるでしょ?
・グリペンってジャミング(妨害電波)に優位性のある機体だと思ってたが逆にやられてない?まあグリペン側は見破ってたので気にしなくてもいいか。
・人間せいぜい8Gが限界でF-Ⅱでもそれくらいでる。アニマの変態的機動なんて即死レベルでしょ、普通。
・ただし一点、アメリカ軍のお粗末さ。「馬鹿でヘタレでやるときはやる」の前二つ部分について的を得た描写になってるのは良い。{/netabare}

他にも突っ込みどころに事欠きませんが割愛します。それなりに説得力のある描写でした、とはいきませんでした。
本題としたいのはそこに見え隠れするラノベ原作のメリットデメリット。


 作者は取材を一切してないでしょ?


俺が脳内で考えた素敵なプロット・・・止まりなんですよね。あくまで自分がラノベを読まない人なので事実誤認あったらごめんなさい。
時に天才的な作家が現れ傑作を残すこともあるでしょう。その人の経験値が作品に反映されるのなら、読書を通じて咀嚼した疑似体験を筆に込めることだって多いはずなのは理解してます。
ただし、新作を練る時には作品に合わせて経験や知識を再構築/再構成しなければならず、それに合わせて不明点を埋める作業つまり取材をするものです。異世界やファンタジーものなら隠せるかもしれませんが、現実世界の成分多めの作品にするなら最低限の取材をすることは読者への礼儀でしょうね。
それで本作を捉えると、ネットからつまみ食いしたネタを切り貼りしてるかのような横着な印象を受けます。浅さが透けて見えると作品に没入するのは難しい。横着すると往々にして人物描写もたかが知れてくる。これはきっと原作が悪いのではないかと思われます。
下手に実在のオブジェクトを持ってこなかったほうが良かったのでは?


■そうは言っても完走しちゃうぜ
中途半端な現実とのリンクには閉口しましたが、いったんそれを横に置くと、迸るB級の波動を満喫することができます。
{netabare}・幼馴染の扱いがとことんひどかった。
・あのガラスがパキンパキンの最終回がめっちゃ唐突。
・ザイこの後どうすんねん?{/netabare}

「ははは、しょーがないなー」と「ダメだこりゃ」の二択であれば前者になります。
あまりにも変だと不思議と愛着が湧くものなのかもしれません。

リアタイとしては同クールの『コトブキ飛行隊』と女子の戦闘機乗りモノ系列の比較対象があるなど、リアタイ組ならではの楽しみもありました。
クールで誰しもが必ず一つは巡り合う?愛すべきポンコツ枠みたいなもんかしら。オススメはできませんし評点も低いですが、わりと自分が好きなダメさ加減でした。
ダメさを睥睨することに快感を覚える隠れSタイプの方にはお薦めです。



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2019.09.10追記


視聴時期:2018年1月~3月 リアタイ視聴


原作小説第1巻 - 第3巻と第8巻の一部を時系列順に再構成した内容となっている。(wiki引用)



2019.04.03 初稿
2019.09.10 追記

投稿 : 2024/11/16
♥ : 49
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

戦闘機を取り扱っているのに、空戦は見どころではない不思議な作品

原作未読。最終話まで視聴。

【中国押しが気持ち悪い】
{netabare}主人公の彼女をはじめ、終始中国押し。
本編最後のセリフも中国絡みと、とにかく中国押しが気味が悪い。
中華アニメでもあるまいし・・・。{/netabare}

別に中国が嫌いって訳じゃないんですけどね。

【ツッコミどころ満載のガバガバな設定】
{netabare}多くの人がレビューに書いているので、今更ですが・・・。
主人公の少年が国家機密レベルのメンバーに加わった経緯も大概。
”国家機密”が自由に基地を出入りできちゃう不思議・・・。
挙げればきりがない。

リアルとSFを中途半端にくっつけるから、色々と矛盾が生じるのでは?{/netabare}

細かいことを気にしなければ、とりあえず最後まで視聴出来るレベルの作品。
間違っても、他人様にお勧めできるレベルの作品ではありません(笑)。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

72.1 8 パイロットアニメランキング8位
超時空要塞マクロス(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (340)
1763人が棚に入れました
西暦1999年、突如宇宙より飛来し太平洋上の南アタリア島に墜落した巨大物体は、全長1,200m超もの宇宙戦艦だった。これにより異星人の実在と彼らの間の戦争の存在を知った人類社会は、宇宙からの脅威に対処すべく地球統合政府を樹立。世界規模の紛争(統合戦争)を経て、墜落艦を改修し「マクロス」と命名する。2009年のマクロス進宙式当日、地球付近に異星人の一方の陣営ゼントラーディ軍の艦隊が出現する。その存在を感知したマクロスの主砲システムが勝手に動作し、戦艦群を撃破してしまう。マクロスの正体はゼントラーディと敵対する陣営、監察軍が仕掛けたブービートラップであり、人類は否応なく宇宙戦争(第一次星間大戦)に巻き込まれることとなった。ゼントラーディ軍の包囲網から逃れるため、マクロスはフォールド航行により月の裏側への待避を図る。しかし制御に失敗し南アタリア島一帯を巻き込み、冥王星軌道付近に到着する。さらにフォールドシステム自体も消失し、通常のロケット推進のみでの地球への長い帰還の旅を強いられる事になる。その途上、南アタリア島住民5万8千人はマクロス艦内に街を再建し、戦争の傍らで普段の生活を営んでいた。アクロバットパイロットの一条輝は戦火の中で出会った少女リン・ミンメイを守るため軍に入隊し、可変戦闘機バルキリーのパイロットとなる。

声優・キャラクター
長谷有洋、飯島真理、羽佐間道夫、小原乃梨子、土井美加、神谷明、佐々木るん、鶴ひろみ、深雪さなえ、蟹江栄司、大林隆介

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメ歴史遺産認定(←個人的な評価です)→ ところで誰か、「監察軍」がどこへ行ったか教えてください…。

本作以降「マクロス」という文字がタイトルに入った作品は多数作られたが、本作と劇場版『超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~』以外はまったく別の作品と言っても過言ではない。

以下、本作の凄い点。

その1: 主人公が凡人(← 失礼(笑))
もちろん一条 輝は「そこそこ優秀なパイロット」ではあるが、特に天才的でもないし出自も普通。本作以後そういう作品はそこそこあるが、当時のロボットアニメでは珍しかった。

その2: まともなSF作品である
宇宙人と戦う多くのロボットアニメでの根本的な疑問「なぜ敵異星人の姿は地球人と似ているのか」について、作中で明確に回答を与えた。また人類にとって解決できない技術的課題は、全て宇宙から降ってきた宇宙船からもたらされた「オーバーテクノロジー」であるとして解決された。

その3: 音楽が凄い
音楽担当に巨匠、羽田健太郎を起用した。楽曲の出来がことごとく素晴らしく、個人的には初めて「サントラが欲しい」と思ったアニメ作品。

第27話『愛は流れる』以降の各話が蛇足という意見は散見されるが、これは一度打ち切りが検討された後の再延長という本作の特殊事情によるところもあり、ある意味仕方がないと思う。

ただ、個人的にはこのグダグダな期間のお話も実はけっこう好きだったりする(笑)。

2018.3.15追記:
あるあにこれユーザーの愛・おぼのレビューを読んでいてTVシリーズのことを思い出していてふと思ったのですが、誰かこの作品に出てきた「監察軍」(マクロスが地球に落ちてくる前の、元々の持ち主)がどうなったか、知っていたら教えてください。

2、7、F、⊿のどこにも出てきた気配がないので、私、気になります!
(あ、7で名前は出てきてたか…?)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 43
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦時下における“日常”の偉大さを描き尽くした《想定外の感動作》

今も続くマクロス・シリーズの第1作『超時空要塞マクロス』(1982-83年、全36話)は、その本来の最終回である第27話「愛は流れる」まで確り見続ければ、決して「思い出補正」などではない大きな感動と感銘を今でも与えてくれる名作中の名作と、今では私も思っていますが、とにかく初見者には、そこまでたどり着くまでのハードルが非常に高い作品である、とも考えています。

実際、私は、あにこれに来る以前に本作の名高さに惹かれて、おそらく4~5回ほどもその第1話からの視聴を始めたことがあり、一番頑張ったときは第10話くらいまで到達したこともあるのですが、結局は、①制作年代の古さからくる一部の作画の乱れ具合の酷さとか、②特に序盤に目立つ素人声優の起用からくる演技の下手くそさとか、③一部のシーンの演出の古臭さとか、④シナリオの進行テンポの遅さ、に参ってしまい、大抵は最初の数話で断念となりました。

それで、ある時期に“伝説の神回”として名高い第27話「愛は流れる」(※前記)を前後の脈絡を無視して取り敢えず視聴してみたのですが、やはり全然、感動も感銘も受けることができなくて、かなりガッカリした記憶さえあります。

そして、そのあと、今度は本作の劇場版アナザー・ストーリーであり、やはりアニメ・ファンの評価が非常に高い『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』に手を出してみたのですが、こちらの方は、

(1) 確かに作画や演出は、TVシリーズに比べると格段に良くなっている、と思ったものの、
(2) シナリオ自体は、特に感動する(be moved)、とか感銘を受ける(be impressed)といったものではなく、むしろ、
(3) その終盤に、{netabare}ヒロインが歌い出すと敵の大軍が一斉に混乱し無力化してしまう中を、マクロスとその同盟者の軍艦や機体が猛攻撃をかけて敵を一気に殲滅{/netabare}してしまう、という展開(※有名な「ミンメイ・アタック」のシーン)を見て、「何だ?この都合の良過ぎるシナリオは?」と、かえって同作に反感すら覚えてしまうほどでした。

・・・そうやって本作は、私の中では

「名作の名に値しない、古臭くて、いい加減な内容の作品」

というイメージのまま長らく放置してあったのですが、あにこれに参加してレビューを書き始めたことを切っ掛けに、自分がこれまで苦手としていた作品でも我慢して見続けると途中でそうした評価が180°ひっくり返ってしまうこともある、ということに気づき始め、丁度今から2年くらい前に集中的に、《メカ・ロボット系アニメ》の有名作を漁っていた時期に、本作にも改めて挑戦してみたところ、

第23話「ドロップ・アウト」の展開の意外さにのけぞってしまい、そしてその次の
第24話「グッバイ・ガール」まで来て、ようやく“本作の真価”を観た気持ちになりました。

・・・そして、本来の最終回である第27話「愛は流れる」を観終わった頃には、すっかり本作の出来の良さに胸を撃ち抜かれて、「確かにこれは“名作中の名作”だ」「放送当時のファンの感動ぶりが伝わってくるようで、これでは本作が急遽+9話の延長が決まってしまったのも当然の話だ」「本作をこんなにも長く誤解していたなんて、私としたことが何と浅はかだったのか・・・」などと考え込んでしまうほどでした。

実際のところ、私のアニメ視聴経験の中でも、視聴前後でここまで個人評価が180°ひっくり返ってしまった作品というのは珍しくて、例を挙げると・・・

(1) 『とらドラ!』 (2008年) ※恋愛・青春ジャンル ←第19話が転換点
(2) 『アイドルマスター』 (2011年) ※アイドル・ジャンル ←第23-24話が転換点
(3) 『魔法少女まどか☆マギカ』 (2011年) ※魔法少女ジャンル ←第10話が転換点
(4) 『ストライクウィッチーズ』 (2007-8年) ※戦闘美少女ジャンル ←第2期の第8話が転換点
(5) 『シュタインズ・ゲート』 (2011年) ※SFジャンル ←第23話が転換点
(6) 『氷菓』 (2012年) ※青春・ミステリージャンル ←第22話が転換点

・・・以上、いずれも各ジャンルを代表する名作ですが、制作時期はどれも西暦2000年代の終わり~2010年代の初めと新しく、そういう意味で、1982-83年制作と明らかに作画・演出にハンデを抱えるはずの本作の“破格さ”に個人的に改めて大きな感銘を受けました。

それから、本作が《メカ・ロボット》ジャンルだったこともショックで、私はそれまで同ジャンルの作品では、例外的に『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006年、2009年)だけは、序盤から非常に大きな“感銘”を受けて(be impressed)、個人評価も非常に高く付けている(※第1期 ★★ 4.9、第2期 ★★ 4.5)のですが、それは決して同作に“感動”されられ(be moved)たからではありません(※大きな感銘を受けたが感動は余りしていない、ということ)。

ところが、本作の場合は、第23話以降の展開を見ているうちに、どうにも押さえ難く自分の心が震えてしまう(be moved)のを否定できませんでした。
それは、きっと本作が、《メカ・ロボット》ジャンルに該当しながらも、本質的には、登場キャラたちの秀逸な《感情描写系》作品であった所為ではあるのですが、それにしても、同ジャンルの作品で、まさかこういうことがあるなんて・・・全く想定さえしていませんでした。

※以下、初見者の参考のために本作(全36話)をパート別に評価します。


◆パート別評価(1周目)

(1) 前半エピソード (計14話) (第1-14話)  ☆  3.6 ※第14話は前半の総集編
(2) 後半エピソード (計13話) (第15-27話) ★★ 4.8 
(3) 追加エピソード (計 9話) (第28-36話) ☆   3.8 ※人気沸騰により急遽追加された後日譚
-----------------------------------------------------
  総合 (全36話)                 ★   4.3 (→2周目★ 4.4→3週目★★ 4.5 に上昇)

※なお、劇場版「愛・おぼえていますか」    ☆   3.7

・・・このように本作は、
(1) 前半エピソードは並みの出来でしかありませんが、
(2) 後半エピソードの途中からそれまで散りばめられた伏線を回収し始めて猛烈に面白くなります。
すなわち、

<1> 第23話の展開に驚いて、本作を見始めて良かったと思い始める。
<2> 第24話で、ようやく本作が確りした《感情描写系》作品と判明、そして、
<3> 第27話(本来の最終話)まで来て、本作のことを、《放送当時の爆発的人気を実感できる、上げ底ではない本当の感動のある名作》である、と感じてしまう。

(3) そのあと追加エピソードまで見切って、
(4) さらに第1話~第27話までをもう一周すると、今度は、本作の一話一話が、その各話タイトルも含めて、シナリオが実に綿密に練られていて、その全ての回が、第27話「愛は流れる」に向けて収束していく様子を見て取れるようになり、本作への感嘆の気持ちが更に増します。

※なお、本作には作画が極端に悪い回がしばしばありますが、調べたら、そういう回は全て外国の制作会社に作画を発注した回のようです(第3・13・20・25・29・32・34話の計7回・・・7/36≒19.44%←このうち、第22・25話は脚本自体は優れているだけに非常に残念)
※そうした作画や演出の乱れをマイナスして本作の個人評点を ★★ 4.5 としました。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画乱れと声優(主人公の輝役)の棒読みっぷりはやはり気になる。
但し、可変戦闘機VF-1(通称“バルキリー”)は、今見てもなかなか格好良く、当時はこれだけでも斬新で評判になったんだろうな・・・と推測できる出来。
あとED実写は珍しい。
・第2話視聴終了時点
ヒロインのリン・ミンメイがやはり余り可愛くない(作画微妙なことに加えて、性格が実に俗っぽい。そのうえ声優が下手くそ)。
・第4話視聴終了時点
輝&ミンメイが二人っきりで艦内に閉じ込められる話で、本来なら視聴者の心をグッと作品に惹き付ける注目回のはずだが、肝心のミンメイの顔面アップ・シーンの作画崩れがとても残念。
・第8話視聴終了時点
のちの『マクロス7』の艦長&ミレーヌのパパ(マクシミリン・ジーナス)初登場回。
後からもう一度見ると、天才マックスと凡人一条輝の違いが早くも描き出されていて感慨深くなる良内容。
・第9話視聴終了時点
マクロス艦内放送が始まり、ミンメイがミス・マクロスに選出される回。
そして、ゼントラーディ側がこのマクロス艦内放送を傍受し、ブリタイ司令・エキセドル参謀のほか、コメディ担当の一般兵士3名がミスコン映像を見て困惑する様子が見られる注目回でもある。
・第12話視聴終了時点
ゼントラーディ軍(女部隊)エースパイロット・ミリア登場回←後の『マクロス7』のヒロイン(ミレーヌ)のママ。
・第13話視聴終了時点
マクロスが太平洋に無事着水して、最初の航海を終える。
この回のあと、それまでの総集編が入るので、一応ここで前半エピソードの終了と見なせると思う。
・第19話視聴終了時点
兄貴分と慕ってきた先輩パイロット(フォッカー少佐)に続いて、自分を慕っていた後輩(柿崎)をも戦闘で失っい傷心の輝のもとに、急にかかってきたミンメイの言葉が余りにも軽薄で、輝の心が初めて形となってミンメイから離れて行ってしまう様子が淡々と描かれる注目回(※初の ★★(優秀回))。
また、カイフンのTVインタビューを利用した独善的な反戦発言があり、多分ガンダム・ファン(というよりアムロ推しの人々)には嫌がられるシーンかも知れない。
・第21話視聴終了時点
この回と第12話は一条輝と早瀬未沙の二人が艦内に閉じ込められる展開で、第4話で輝とミンメイが閉じ込められる展開と対を成している。
なお、この回での輝とミンメイの心のすれ違い、そして輝と未沙の心の接近、それぞれの描出が見事なことにちょっと驚く。
「こんな生活、好きな人でもいなくちゃやってけないよ。」(輝の未沙への発言)
・第23話視聴終了時点
この回の展開に驚いて、本作を見始めて良かったと思い始める(2度目の★★回)。
・第24話視聴終了時点
ここまで見続けて、ようやく本作が確りした《感情描写系》作品という確信をもつ(前回に続き3度目の★★回)。
・第26話視聴終了時点
(4度目の★★回)。
・第27話視聴終了時点
とうとう本作初の★★★回(神回認定)。
この回のタイトルが初の日本語で「愛は流れる」←この回に向かってシナリオが収束していることがよく分かる出来。{/netabare}


◆制作情報(TVシリーズ)
{netabare}
原作・アニメーション制作 スタジオぬえ、アートランド(原作協力)
シリーズディレクター    石黒昇
シリーズ構成        松崎健一
脚本            石黒昇、富田祐弘、松崎健一、大野木寛、星山博之、河森正治
キャラクターデザイン   美樹本晴彦
メカニックデザイン     宮武一貴、河森正治
音楽            羽田健太郎{/netabare}


◆各話タイトル&評価(3周目時点)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 超時空要塞マクロス (1982年10月-1983年6月) =========
{netabare}
第1話 ブービー・トラップ ★ 西暦1999年(異星人巨大戦艦墜落)、統合戦争・統合政府発足、2009年(巨大戦艦修復完了)、進宙式、自動防衛システム作動、交戦状態突入、一条輝(ひかる)VF-1搭乗・発進
第2話 カウント・ダウン ★ 市街戦、輝のリン・ミンメイ救助、巨大異星人との遭遇、マクロス出航
第3話 スペース・フォールド ☆ 空間転移、冥王星軌道へ、フォールドシステム消滅
第4話 リン・ミンメイ ★ 5万人の避難民、輝とミンメイの艦内漂流(12日間)、結婚式と救助
第5話 トランス・フォーメーション ☆ 中華料理店「娘々」開業、敵襲、マクロス変形・主砲発射、輝の入隊決意
第6話 ダイダロス・アタック ☆ 艦内生活2ヶ月経過、決戦前夜、土星軌道の戦(一条軍曹初陣)、早瀬中尉の機転
第7話 バイバイ・マルス ★ 早瀬未沙の想い人、火星基地の伏兵(カムジン隊)、輝の早瀬救出
第8話 ロンゲスト・バースデー ★ 輝受勲・少尉昇進、部下(柿崎&マックス)の指揮、ミンメイへのプレゼント
第9話 ミス・マクロス ☆ ミンメイのミスコン出場、輝の敵偵察機遭遇戦、ゼントラーディ軍のマクロス艦内放送傍受、ミス・マクロス選出
第10話 ブラインド・ゲーム ☆ ゼントラーディ軍の困惑、早瀬中尉護衛任務、敵艦船内戦闘 ※演出の古さは×
第11話 ファースト・コンタクト ★ 輝・早瀬・柿崎囚われる、敵将ボドルザーの尋問、プロトカルチャー、ミンメイ歌手デビュー ※挿入歌「私の彼はパイロット」
第12話 ビッグ・エスケープ ★ マイクロン化スパイ志願者、輝・早瀬の敵艦脱出(※第4話に対応する展開あり)、ミリア(敵女エース)のスパイ配送、帰艦
第13話 ブルー・ウインド ★ 敵情報告、マクロス地球帰還 ※ゼントラーディ・スパイの異文化遭遇回として◎
第14話 グローバル・レポート × ※グローバル艦長視点の総集編(ラスト数分だけ新規シーン){/netabare}

 - - - - - - - ストーリーの小さな切れ目(マクロス地球帰還) - - - - - - -
{netabare}
第15話 チャイナ・タウン ☆ 艦長・早瀬の統合軍本部尋問(早瀬の父)、横浜中華街のミンメイの家族・従兄弟、避難民の離艦禁止命令
第16話 カンフー・ダンディ ☆ リン・カイフン来艦、カムジン隊来襲、早瀬の混乱、輝機墜落・負傷
第17話 ファンタズム ☆ 昏睡中の輝の見た夢 ※以前の映像の使いまわしが多い半総集編×、挿入歌「0-G Love」
第18話 パイン・サラダ ★ 早瀬大尉の輝見舞い、ミンメイの輝見舞い、ミリア機侵入・撃退(マックス活躍)、フォッカー少佐死亡
第19話 バースト・ポイント ★★ ミリアのマイクロン志願、カムジン隊来襲、全方位バリア爆発・柿崎戦死、カイフンの反戦発言、ミンメイとの心の距離 ※挿入歌「シルバームーン・レッドムーン」
第20話 パラダイス・ロスト ★ マクロス地球圏外出撃命令、スパイ3人組のブリタイ艦隊帰還 ※挿入歌「マイ・ビューティフル・プレイス」
第21話 ミクロ・コスモス ★ 映画『小白竜(シャオ・パイ・ロン)』公開、輝・早瀬閉じ込められ回 ※挿入歌「小白竜」
第22話 ラブ・コンサート ★ ゼントラーディ兵士への文化の影響、バトルポッド隊マクロス侵入、市街戦 ※挿入歌「愛は流れる」、作画の酷さは×
第23話 ドロップ・アウト ★★ 敵前逃亡、文化の力、亡命受容れ、戦争終結の糸口 
第24話 グッバイ・ガール ★★ 早瀬大尉地球降下、ミリアとマックスの出遭い、グランド・キャノン ※この回でようやく本作が確りした《感情描写系》作品と確信
第25話 バージン・ロード ★ ミリアとマックスの進展・結婚式、ブリタイ軍への総攻撃命令・艦内叛乱、ブリタイの決断 ※作画の酷さは残念、挿入歌「ランナー」
第26話 メッセンジャー ★★ 停戦交渉(エキセドル来艦)、マクロス&ブリタイ艦隊共闘決定、ボドルザー旗艦艦隊来襲
第27話 愛は流れる ★★★ ミンメイとの決別、地球壊滅、ミンメイ・アタック(ボドルザー旗艦強襲)、未沙救出 ※挿入歌「愛は流れる」他{/netabare}

 - - - - - - - - - - ストーリーの大きな切れ目(2年間経過) - - - - - - - -
{netabare}
第28話 マイ・アルバム ☆ 2年後の地球(進む復興)、不平ゼントラーディ人の暴動発生
第29話 ロンリー・ソング ☆ ミンメイの精神不安定・輝&未沙との鉢合わせ、極秘指令(工場衛生奪取任務)
第30話 ビバ・マリア ★ ブリタイ艦乗艦、マックス&ミリアの赤ちゃん、ゼントラーディ軍工場衛星制圧
第31話 サタン・ドール ☆ カムジンのマイクロン装置強奪、プロトカルチャーの歴史
第32話 ブロークン・ハート ☆ ミンメイ&カイフン拘束、人質救出作戦
第33話 レイニー・ナイト ★ 早瀬と輝の行き違い、クローディアとフォッカーの過去話、仲直り
第34話 プライベート・タイム ★ 輝とミンメイの2年ぶりの逢引き、早瀬の待ちぼうけ、歌えないミンメイ
第35話 ロマネスク ★ ミンメイ失踪・輝宅滞在、カムジンのオノギシティ襲撃・反応炉強奪、聖夜 ※もはやメロドラマ・・・
第36話 やさしさサヨナラ ★ 宇宙移民計画、カムジンのマクロスシティ襲撃、マクロス発進、三角関係の決着{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)18、☆(並回)12、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.5

OP 「マクロス」
ED 「ランナー」


◆制作情報(劇場版)
{netabare}
監督           石黒昇、河森正治
脚本           富田祐弘
ストーリー構成、脚色 河森正治
音楽           羽田健太郎{/netabare}

======== 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか (1984年4月) ======

全1話 ☆ 3.7 {netabare}TVシリーズとは同一キャラ・同一時間軸のアナザー・ストーリー{/netabare}、作画は良いがシナリオいまいち ※約115分

主題歌 「愛・おぼえていますか」


◆補足説明 : 本作の感動の本質について
{netabare}
レビュータイトルにも少し書きましたが、やはり、

戦時下における“日常”の偉大さ・尊さ(※そして、その尊さが敵の心をも動かしてしまうさま)

・・・を描き尽くしたこと、がその本質と推測します。
(※なお、作中では、敵側の心を動かしたのは“文化”である、と明示的に語られていますが、ここでは、我々の“日常”とは“感情生活”のことであり、それは即ち我々の“文化(=精神文化)”の塊である、と強引に解釈します)

私の同様の視聴体験(※戦時下においても淡々と営まれていく“日常”=“感情生活”を描き出す作風)としては、本作より暫(しばら)く前に見た『宇宙戦艦ヤマト2199』の例がありますが、本作の場合は、その感動の度合いが桁違いでした。

因みに、本作の監督を務めた石黒昇氏は、本作以前に『宇宙戦艦ヤマト』(1974年制作の旧作)のアニメーションディレクターとして松本零士氏(監督)を補佐する助監督的な経験を積まれた方で、本作の大ヒットの後に今度は本サイトでも非常に評価が高い大長編アニメ『銀河英雄伝説』(本伝1988-89年、外伝1990-92年)のシリーズ監督を長く務められたそうです。

そして、本作の劇場版アナザー・ストーリー『愛・おぼえていますか』で、石黒昇氏と共同監督を務め、それ以降のマクロス・シリーズの制作に携わっていくことになる河森正治氏も、本作の爆発的人気の源泉であるこの「戦場における“日常”の偉大さ・尊さ」の描き込みを、以降のマクロス・シリーズでも確り踏襲して、現在に至るまで同シリーズのヒット作を産み出し続けているのではないかと推測します。

より批判的に、あるいは現実的に考えれば、敵側にそうした「日常の偉大さ・尊さ」を感じ取り・汲み取るだけの“心”がなければ、こういう甘っちょろい話は成り立たない・・・ともいえるのですが、そこは最早、視聴者の側の“願望”として、「敵もまた、こうしたことの大切さが分かる存在であって欲しい」という“祈り”を織り込んだ作品、としか評価しようがないと思います。

現実は現実として、確り見据えながらも(※作中のマクロス・クルーも{netabare}「敵が本気をだせばマクロスや地球はたちまち滅亡する」{/netabare}とハッキリと覚悟しています)、本作に描かれたような“希望”を、やはり心のどこかに持ち合わせたい、という“祈り”にも似た気持ちを、私たちは否定できないし、また否定すべきでもない・・・ということなのかも知れませんね。

因みに、私の場合、本作の完走以前に、続編となる『マクロス7』(1994年)さらに『マクロスF』(2008年)を視聴してしまい、それぞれ ☆ 3.7 (マクロス7)、☆ 3.6 (マクロスF)という余り捗々(はかばか)しくない評価をしていましたが、本作の完走後に再視聴してみると、それぞれ ★ 4.2 (マクロス7)、★ 4.3 (マクロスF)と、評価が跳ね上がってしまいました。

そういう意味でも、やはりマクロス・シリーズ全体の感動の要(かなめ)は、その第1作である本作の視聴経験にこそあり、以降のシリーズで得られる感動は、その第1作での感動とオーバーラップしてこそ生じるものではないか?とすら感じたほどなので、以前の私のように、本作の序盤の展開の緩慢さ等についていけなくて断念された方にはとくに、なんとか第23話まで頑張って見続けて欲しいと思いました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

自分にとって一番衝撃的だったアニメ

レビューになっていないような気がしてきました。独り言だと思ってください(笑)


古くて、作画がひどくて、本格的なロボットアニメ・・・。
見る前のイメージだと大体こんな感じだったので、ちょっと躊躇してました。

でも一目見るとみるみるハマってしまい、古くて作画がダメでも面白いものは面白いんだ、ロボットアニメって面白いなと思えるようになりました。

ロボットの魅力とか歌の魅力とかそこらへんはもう語り尽くされていると思うので………
あれ!?あんまりレビューだと触れられてない…。

なんか勿体ないのでロボットとか歌についても書きます。


先ずバルキリーの三段変形。

戦闘機の形態はファイターと呼ばれ、空中戦闘もキチンと描かれているのがロボットアニメとは違った楽しさがあります。
回転しながら攻撃を仕掛けるなど決して地味に見えないように工夫されていました。
あり得ないような軌道のミサイルが画面狭しと飛び回る迫力は劇場版には劣るものの回によっては見応えあり。


ベタな戦闘機形態のファイターと比べてユニークなのがちょうど戦闘機と人型ロボットの中間形態のガウォークです。

戦闘機から手足が生えたような見た目がとても面白い。ガウォーク状態で地上を滑走して闘うシーンは印象的です。


完全に変形した人型ロボット状態のバトロイド、やっぱりこれが一番カッコいいです。

過剰に装飾や装備がないシンプルな造形美、バイファムのロボットなんかも同じく好きです。


戦闘の最中、状況に合わせてこの三形態を使い分けつつ変形するパターンの豊富さがバルキリーの魅力だと思います。


メカとして戦艦マクロスさえも変形するのが凄いところです。

巨大な戦艦が形を変えて人の形を模する姿はインパクト絶大で、そこから繰り出される‘ダイダロス・アタック’なる力業はそれ以上に圧巻でした。

与えるダメージは大きい代わりにリスクも大きく、反撃を喰らうシーンもあったりして。よく考えられたギミックだと思いました。


歌についてもマクロスはよく考えられています。

ヒロインのミンメイは昭和アイドルの松田聖子や中森明菜がモデルになっているとか?実写のアイドルを二次元化するに当たり、歌の雰囲気もそれに近くなってますね。

今見るとぶりっ子にも見える歌い方が新鮮でした。でも飯島真理さんが歌うとあざとさより爽やかさが上を行く感じです。

屈指の名曲『愛は流れる』を始め、『シルバームーン・レッドムーン』『やさしさSAYONARA 』もしんみりとした良いムードです。

個人的に『0-G LOVE』『小白竜』『私の彼はパイロット』も好きで、ずっと聴いています。

ラブソングとしては0-G LOVEが一番良いと思います。
恋に浮かれて体も宙に浮かび上がってしまいそう。そんな明るい恋心を歌った素敵な曲です。


OPの『マクロス』は羽田さんの音楽性が特に発揮されていると思います。
80年代のアニソンでもこの曲はちょっと独特な、硬派な雰囲気でマクロスのリアルロボット路線を強調しているようです。

ED『ランナー』も聴いていて悲しげなイメージがあります。本編のミンメイソングと巧くバランスが取れているかもしれません。


明と暗、両方の雰囲気を併せ持つ歌はマクロスの持つシリアスでコミカルなイメージに繋がっています。




次にどうして自分がマクロスに魅力を感じられたのか、理由をいくつか考えてみようと思います。

かいつまんで言えばマクロスが描いているのは異星人との邂逅と対立、そして相互理解までの闘いの記録。とでも言えばいいのでしょうか。とにかく一つの大きな戦争が軸となっています。

戦争をフィクションで取り上げる場合、その憎しみ合いの醜さや殺し合いの悲惨さが際立つことが多いと思われます。

でもマクロスでは、人々が平和の中で生きる姿・平和のために生きる姿が活き活きと表現されています。

歌です、愛です、文化です。これらはマクロスにおいて重要なキーワードとなります。

悲惨な場面も数あれど、それ以上に救われる場面(例えば恋愛とか)が印象的でした。

例{netabare}
4話「リン・ミンメイ」映画でも使われたミンメイとの出会いのシーン。艦内に閉じ込められた二人は恋人のように戯れ合う。

8話「ロンゲスト・バースデー」ミンメイの誕生日。突然の敵の奇襲でミンメイへのプレゼントを用意できなかった輝は、自分の勲章を渡す。

11話「ファースト・コンタクト」敵艦に居る中で輝と未沙のファースト・キス。ミンメイはアイドルデビューしてライブを披露。

13話「ブルー・ウィンド」マクロス艦内に侵入した三人のゼントラーディ。スパイ目的のはずが、地球の文化の虜になってしまう。
{/netabare}


戦争を解決する、その結末においても希望を感じさせてくれる解釈。
{netabare}
SF的な、いわばガンダム的な問いかけ『争いはどうすれば無くなるのか?』に対してのメッセージは、全ての生物は元は一つであったこと。そして歌は不滅の架け橋であること。それらを説いて戦争の無意味さを知らしめました。
{/netabare}
あらゆる戦記もので、マクロスの明快な結論以上に素晴らしいものはないです。

まず、その強いポジティブなメッセージ性が魅力の一つです。



キャラクターも、堅苦しいのは一部の人間だけで皆そこら辺にいそうな普通の人間だったのも魅かれた部分でしょう。
特殊能力があるとか、隠れた素質があるとかアニメらしいキャラクターよりも親近感を抱くことができます。

むしろそういった典型である、異常に堅苦しい男カイフンと隠れた才能で一躍スーパースターとなった女ミンメイを差別化する計らいもあったのかもしれません。

主人公の輝は確かに美女二人にモテるのは主人公補正かもしれないけど、それ以外では平凡な男です。
ヒロインの内の一人、未沙も美女である以外は至って平凡。アニメキャラにしては地味すぎるくらいです。

軍人であっても休みの日はショッピングやデートに出掛けるというのは、中々他の作品では見られない光景だと思います。

未沙やミンメイ、輝の心情を深く描いてあるので三人の関係は見応えがあります。恋愛としても、人間ドラマとしても。

その他のキャラも良いお話があるんです。

有名なのはフォッカー大尉とガールフレンドのクローディアの繊細な会話劇が光る18話「パイン・サラダ」。
少ない会話で二人の思い出や関係の深さを思わせる凄さ。
マクロスF17話「グッバイ・シスター」のやり取りの元ネタでもあります。。

マックスとミリアの出会いを描いた24話「グッバイ・ガール」。
シリアスな構図を軽快な、コミカルな雰囲気に変えてしまうキャラとシナリオの作りが見事です。

評判の悪い二部(実質的最終話の27話以降)も、派手さはない代わりに心に響いてくる名エピソードがたくさんありました。特に松崎健一、富田祐弘、星山博之ら三名の脚本には目を見張りました。

28話「マイ・アルバム」 - 星山博之
29話「ロンリー・ソング」 - 富田祐弘
33話「レイニー・ナイト」 - 星山博之
35話「ロマネスク」 - 富田祐弘


どれも素晴らしい、情緒あるシナリオです。




後はスタッフ自身の若々しい感性がこれでもかと発揮されていることです。

当時の若手が集まって新しいモノを作ろう!という気概が強く反映されているため、今見ても新鮮味があるという単純な見解もあります。

80年代の作品は特にそういう傾向が強いと思うんですが、とにかく流行りの要素や見せたい要素を惜しみなく詰め込んであります。

流行りだったアイドルをミンメイに重ねあわせ、只のロボットでは飽き足らず自在に三段変形するフォームを採用し、独自のSFストーリーを展開させる。


生まれた頃からアニメや漫画に溢れていた世代、つまりアニメは表現技法の一つではなくアニメはアニメとして存在していて、アニメを作りたいから業界に入ってきた世代。

伝えたいテーマの表現の手段としてのアニメから、アニメを描く上で最大限映えるためのテーマ作りへの変遷・・・みたいな。

ある意味‘新しい’時代のアニメ。

だから今の世代の人間でも特に違和感なく見られるんじゃないでしょうか。


この頃からアニメスタッフとアニメファンの距離が縮まっているというか、アニメを愛する同志みたいな雰囲気を感じます。

作り手という離れた立場から、一緒にアニメを楽しもうとする視聴者目線の立場まで降りてきた感じ。

正に作り手も受け手もアニメオタクで、そういうオタクシンパシー?に魅かれたということもあるかもしれません。



マクロスはあにこれの評価方式で見れば難もあり点数が低くなってしまいますが、間違いなく80年代を代表する傑作アニメです。

最近マクロスと言えばマクロスFの話ばかりですが、戦記ものであり・愉快痛快なロボットアニメであり・情緒豊かな人間模様があり、そういった要素の配分は初代マクロスが一番かと思います。


蛇足
{netabare}
実はマクロスシリーズの中ではマクロス7が一番好きで、初代はその次です。あとミンメイより未沙派です。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

73.3 9 パイロットアニメランキング9位
クロムクロ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (698)
3394人が棚に入れました
ダム建設時に偶然発見された謎の遺物、アーティファクトの研究を行うために設立された国際連合黒部研究所。
世界各国の頭脳が集う研究所員の子女が通う立山国際高校には、研究所の娘、白羽由希奈も通っていた。

時は2016年、夏。
ひとりのサムライが、ふたたび目を覚ます。

声優・キャラクター
阿座上洋平、M・A・O、上田麗奈、瀬戸麻沙美、石川界人、小林裕介、武内駿輔、杉平真奈美、麻倉もも、東條加那子、木村良平、植田ひかる、楠大典、小西克幸、Lynn、木村珠莉、巻島康一、手塚ヒロミチ、佐藤利奈、木内秀信、後藤哲夫
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

PAの15周年記念作品…お見事でした

ヒロインを見た瞬間にPAの作品と分かりますね。美海っぽいというか、どっかで見たキャラデザインですが、可愛いのは相変わらずなPAのヒロイン。

やっぱり舞台は北陸方面なんですね。記念作品だし、それはそうかと。でもやっぱりPAの作画は安定感あります。特に山の絵。キレイすぎて見とれました。どんなストーリーだったのか、それは懐かしいロボットアニメの雰囲気を醸しつつ、PA得意の青春群像っぽいところも交えて、面白かったです。

3話…おや?
{netabare}発掘?アーキなんとか?…自分の意思のように飛んでくる…2人乗り…どっかでそんな設定のアニメあったぞ…エウレカなんとか…。
ヒロインの家に居候ですか、やっとこさ物語が動き出すのかな?{/netabare}

4話…まだまだこれから
{netabare}日常パートがスタートしました。しばらくは伏線の話を挟みつつ進めていくのでしょうか。鬼の話、過去がちょっとずつ明らかになってきましたが、まだまだ謎だらけ。父親が後々鍵になりそうです。にしても、カレーの話は笑いましたが、あのカレーは美味しそうに見えなかった…(苦笑){/netabare}

6話…戦闘
{netabare}日常パート続くかと思ったら、1話丸々戦闘。PA、気合い入ってます。機械の動きはまずまずですが、背景は綺麗です。ダイナミックな感じ出てました。
とうとう敵の操縦士が登場しましたが、まだまだ謎だらけ…ゆっくり話は進んでます。{/netabare}

7話…やっぱり失踪は付き物
{netabare}前回の戦闘後の話でした。戦うことに戸惑い、悩み、親とのずれ違い、そして失踪…よくあるパターンですが、どう収拾させるのでしょうか。{/netabare}

8話…敵が現れた、動きだした
{netabare}失踪したヒロインが向かった先は城跡。そこに現れたアホな子の鬼に狙われ、さらにはヒロインを救う鬼が。
ようやく敵の本丸が出てきました。覆面して椅子に座って、なんだか昭和のロボットアニメみたいな敵の幹部だな…。チープだわさ。
でも、動きだした感じがして、おいらワクワクしてきぞ!!の回でした。
城は山城。中世の城ね。全体像見たいな。そう言えば、親友の部屋に掛かっていたタペストリー、凪あすの美海だったのような気が…つーか、PA作品を使ってたね{/netabare}

9話…「乗ってください」
{netabare}ヒロインを救ったのは誰か分からないまま。父親の変わり果てた姿か、意思を受け継いだものか…いずれにせよ、父親と関係しているのは間違いないでしょうね。
基地からの出動、パイロットスーツなどロボットものらしくなってきました。作画が綺麗で見やすいからなかなか迫力あります。それにしても、逃げたパイロットが再び乗るにおいて「乗ってください」を言わすのはけっこう衝撃的かも。普通なら

乗るのが嫌になる⇒上官にこっぴどくやられる(叱責される)⇒逃げる⇒葛藤(新たな出会いもある)⇒乗る理由を見つける⇒自らの意思で再び乗る

このパターンを無視どころか、「乗ってくだされ」と頭を下げさせるんですから。新たな発見です(笑{/netabare})

10話…過去が少しづつ明らかに
{netabare}1クールのクライマックスに近づき、シリアス展開が中心です。敵が捉えられ、尋問を受けながらも何かを企んでいる目、戦闘ものに有りがちな話です。主人公の過去と関わりがありそうな展開も有りがちな話です。でも、面白かった。
雪姫が生きているのは規定路線でしょう。消えたっていってるだけだし。450年前の真実、剣之介の素性は2クールに持ち越し。これは見ていかないと消化不良になります。1クールでは伏線張りまくりで終了かな?{/netabare}

11話…おにぎり、でかっ!!
{netabare}しかも中はカレーかよ!!中身が出てこない、その技術、知りたい。
宇宙人(?)は剣之介の回想に出てた侍でしたね。400年前の出来事、繋がり、鬼、クロムクロ、ユキナの父…すべての謎は2クール持ち越しのようです。見続けないと消化不良になりそう。でも、何となくこうなっていくかなという想像はできます。想像を越えたシナリオになっているか?
チャンバラシーンはいまいちかな。スピード感がないです。動きが重いです。ま、作画が安定しているのでいいのですが。{/netabare}

12話…特訓と日常
{netabare}体力向上等を目的とした特訓の回です。最後はユキナが逞しくなってました。ストーリーとは無縁な回ですが、始めと終わりに次回以降の流れをチラッと暗示する場面アリです。
敵(?)のピンク鉄仮面、姫か?
そういや、これまでクルーたちとの日常とかなかった。これはこれで面白かったです。2クールだからこそ、あってもいい回だったと思います。剣之助、姫が出てきたらユキナとどっち選ぶんだろう…{/netabare}

13話…この作品はラブコメだったっけ? そして彼女が現れた
{netabare}敵との交戦で始まって、そのままシリアス回かと思ったら、文化祭の回だった。青春のも全快、剣之介とユキナのいい雰囲気で進行する中、物語はラストに急展開。雪姫(?)が登場。なんと、剣之介を突き刺す…おぉ、このまま二期に突入みたい。
日常とシリアスのバランスは悪く感じないのは、作画良いのと、流れが良いからかもしれません。これで1クールが終わりだと思いますが、伏線張り巡らされすぎて、回収できるのでしょうか。今回は雪姫とユキナの関係もどうなっているのか謎できましたし。
それにしても、敵(?)の基地と装束は何度見ても昭和ロボットアニメそのもの。狙ってるとしか考えられない。{/netabare}

14話…二期開始、そういや、ロボットアニメだった!!
{netabare}剣之介が刺されたが、驚異的な回復でクロムクロに搭乗。剣之介はいったい何者なんだ!!そして刺されて瀕死の剣之介を守ったのは、なんと鬼!いったい鬼は何者なんだ! と、佳境に入って明かされるであろう謎をぶちこんで来ました。
いや、ロボットアニメだったんだよね、これ。けっこうわくわくしました。PAの絵が綺麗だからすごく見やすく、動きも良いです。
いろんな考察されているけど、やっぱり雪姫だと思うんだな。雪姫とユキナの関係もどう展開するのか。戦いの回でもシーンを邪魔することなく、女の子の心情をチラッと表現するのがPAの良いところ。ユキナの剣之介への複雑な表情するところがグッときます。
二期スタート、スゴくいい始まりです。最後まで面白いアニメでありますように祈ります。{/netabare}

15話…そんな薄い衣で成層圏突破出来ません!!
{netabare}んなもの、1stガンダム以来だぜ…
エフィドルグ襲来で、住民が次々疎開。学校も生徒が減っていく。ソフィも帰国かも…
剣之介はあれだけの重症なのにキズが治ってしまうという、もはや地球人とは思えない状況に。雪姫(と思える)エフィドルグが再び降下で来週へ。
どうも来週がひとつの山かもしれません。雪姫の事がはっきりするかも?{/netabare}

16話…自由とは何ぞや?
{netabare}剣之介とソフィの会話が良い回でした。ソフィは帰らない決断をします。剣之介を意識している描写はないけど、PAだからなぁ…どうなんでしょう。
雪姫(?)は剣之介を認識出来ず、最後に裏切られてダムへ落ちて行きました。一方で、同級生連中は撮影。とはいえ、壊れた街の風景が現実を突きつける感じです。
今回が山かと思ったら、全然です。姫が落ちて救われるのが来週っぽいので、そこからか?{/netabare}

17話…スクランダークロス!
{netabare}これ知ってるあなた、ふふふ…
刺されて落ちた媛は行方不明のまま。裏切ったヤツは味方からは軽い扱い。そんなもんだよね~
補強のために空輸してきた米軍がエフィドルグの空飛ぶタイプに襲われ、クロムクロが救います。そして通称ブルーバードとクロムクロの戦い。空中戦なんて想定外のクロムクロに助太刀したのは鬼(です)。鬼がクロムクロの翼となり、戦いが互角となったという話です。
地上対戦型ロボットに翼…ジェットスクランダー思い出します。レッドバロンもかっこよかったな…。あ、翼に人が乗っているとなると、最近(?)ではオーライザーかな? なんにせよ、ロボットに翼がドッキングは燃えるのです(世代的なものかな?)
謎、伏線がなかなか回収されませんが、最後に一気に来るのかな? 戦闘シーンだけで満足な回でした。{/netabare}

18話…日常回でした…と思わせておいて!!
{netabare}剣之介とユキナに給料が支払われ、何だかんだの流れでいつものメンバー+住職と妹で温泉に行くことに。住職と妹、後半初めて登場ですね。泊まりがけの小旅行で和気あいあい、剣之介のカレー作りに笑い、隠れ湯に行くという、日常回かなと思った矢先、隠れ湯には姫(仮)がいて、ユキナとバッタリ。姫(仮)が傷でふらふらのなか、剣之介が駆けつけたと。で、ユキナがエフィドルグに拐われるという、ラスト5分で一気に流れが変わりました。

もう物語も後半なのに日常回とは余裕だな…と思ったところで急展開。やりやがったなPA。確かに「湯けむりに消ゆ」だったけどさ。ユキナが拐われたと同時に姫(仮)が残ったんですよね。来週以降の展開が楽しみで仕方ありません。{/netabare}

19話…一気に佳境に入った!!
{netabare}これは面白い!!今までの伏線張りまくりを回収、終結へ向けて動きましたね。
ムエッタのDNAとユキナのDNAが一致で、血筋がはっきりし、ムエッタは姫であることが確定。変人科学者やるでないか。
アホの子はやはりアホの子。姫とユキナを間違えて連れていきました。まぁ、型で判断してるので仕方がないです。
鬼はソフィと接触。鬼は宇宙人であることがはっきりしました。ソフィは帰国させられるため待機命令出される展開。ソフィの離脱を引っ張ってきたのはここに繋ぐためだったとは…。
そして、剣之介はユキナを連れ戻すために姫をパートナーに宇宙へ。ユキナ母の導きに従って。

いや~一気に流れがシリアスな展開になりました。ご都合部分も結構あるけど、ここまでゆっくり伏線張っていたからこの急展開は面白いです。物語の作り方上手です。ここから最終回まで見逃せなくなりました。{/netabare}

20話…30分があっという間
{netabare}前回から一気に物語の中核に入り、今回はさらに伏線の回収+ラストに向けての流れ作りです。
捉えられたユキナはエフィドルグの母艦でエフィドルグのことをなにげに知り、メトロ星人と諸星ダンの対話状態だった鬼とソフィの会話でエフィドルグの目的がはっきりしました。そして、母艦に乗り込んだ剣之介と姫(やっぱり仮だった…)は母艦内で幹部と闘い、ユキナ奪還と姫(仮)の機体を奪って脱出。エフィドルグに邪魔されそうなところをジェットスクランダーの鬼に救われ…さらに母艦が地球に降下で次回へ…もっと細かいですが、これはぜひ見てもらいたいです。

もう怒濤な流れで見逃せないです。ただ、某key(嫌みではありません…)のように呆気に取られるような怒濤の流れではなく、これまでじっくり伏線張ってきたことへの回答みたいな感じなので、本当に面白く感じます。辻褄が合わなかったり、それはどうよ?という部分もありますが、話が面白くて、細けぇことはいいんだよ!!と思います。

それにしても、エフィドルグの話が壮大だった…
それと、姫の頭だけの部分。ムエッタは姫ではなく、姫のDNAだけを抽出してるということか?
あと、ユキナを救った場面、なぜかウルウルしてしまったんだが…。
とにかく、前回、今回は神回だと思います。{/netabare}

21話…セバスチャァァァァァン!!
{netabare}もはや過去の名作ロボアニメにも負けないくらいシリアス満点の流れ…もしかして名作か?

鬼がついにみんなの前に現れました。そして、姫の真実を語り、姫(仮)がクローンであることがはっきりしました。姫じゃなかった…そりゃそうだな…。

空から大軍が降下して、とうとう研究所は陥落…そりゃそうだ、大軍に対抗できるロボは指で数えるのみ。ガウスも必死に頑張るけど、無理…。そして、エフィドルグのアホの娘を道連れにセバスチャンが…自爆…。これでアホの娘が生きていたらセバスチャンが報われないよ…。そういや冒頭でフラグ立ててたもんな、セバスチャン…。

エフィドルグたちの支配は洗脳。洗脳のために何かを脳に埋め込む。研究所の職員も犠牲に。護送中の事故で瀕死のムエッタを救う赤城たち。初めて赤城がかっこいいところを見せた。で、ついにエフィドルグは石にたどり着きで次回へ。

いや~本当に面白いです。急展開ですが、前回も思った通り、伏線をゆっくり張っていたからこそ流れに乗れるし、キャラを見せてきたからこそ入れ込むことがでしたらできます。そしてPAの画。水から飛び出すシーン、紅葉の山、一切手抜きなし。見事です。{/netabare}

22話…白羽パパ~
{netabare}白羽パパは変わり者だった…。さすが白羽ママの夫であり、ユキナの父親である。でも、とても気さくで好い人。ゼルともすぐに心を通じ合う仲に。ゼルも真実を話し、結局白羽パパは亡き人…。
エフィドルグの目的は果たす寸前。エフィドルグのアホの娘が生きていた…セバスチャンの死は…。
ムエッタはもはやエフィドルグの考えには疑問を越え、信じられなくなっています。きっと仲間になるのでしょう。
話は進まなかったけど、伏線回収がまたなされたので30分があっという間。終結に向けてどんどん進んでいく感じです。あ、ゼルのフラグが立ったのが嫌だ…{/netabare}

23話…ムエッタが微笑んだぞ!!
{netabare}始まったと思って画面見たら、クロムクロじゃなかった…と勘違いてしまうくらい、ユルい始まり方。なんと、ここに来て日常回とは。
とはいえ、ここ数話、一気に進んだのでブレイクにはちょうど良いかもです。日常回と言っても実に中身のある話しでしたし。

学校に残った生徒はわずか…。そこにムエッタも転校生として入るという。周りはみんなムエッタが何者かを知っていて受け入れます。先生たちが実に先生らしい(初めてだと思う…)アドバイスを剣之介とムエッタに与えます。それでも悩むムエッタ。そして、映画作りをすることに。決戦前のひとときといった感じです。そして剣之介がムエッタに仲間になってほしいと告げ、ムエッタが心を開いて次回へ。やっぱりPAのヒロインは可愛くないと。

いよいよ次回から最終局面に向かうようです。どんな結末を迎える事やら…やっぱり剣之介はカレー職人になるのか?{/netabare}

24話…ボスロボは大きいのだ
{netabare}戦いは最終局面に突入。研究所の奪還と敵の阻止。そんな状況の中、剣ノ介がユキナに…キャーキャー!!そうか、そうきたか。良い良い。でもこれはフラグっぽくて嫌だ…。
作戦は決行、仲間たちを信じて突き進む。そして…セバスチャンが生きていた!おおぉ、敵はボスと片割れだけ。で、でかいのがキター!!それを打ち破り、本陣突入、ボスは意外な人物で…

と、かなり展開した回でした。ゼルの残したスティックの伏線回収、ボスがはっきりしたし、剣ノ介のユキナへの気持ちも分かったし、面白かったです。
それと、ボスのロボットはがとんでもなく大きいというところは懐かしい感覚でした。
あと2回か…なんかラストが嫌なフラグの言葉だった気が…剣ノ介、また冬眠しないよな…嫌だな…{/netabare}

25話…青春に別れはつきものだ
{netabare}エフィドルグを撃退した後の日常。高校生たちはそれぞれが先を見るようになりました。
ゼルによって450年前の出来事が明らかに。剣は奇跡的に生き残ったようです。そして、脳が死ななければ半永久的に生きられることも明らかに。
ムエッタは剣が最初に現れた時と同じ首に爆弾仕掛けられ…
剣はゼルの故郷に向かうことを決意して、ユキナと最後のデート…

PAの青春ものらしい、切ない展開を差し込むのね…
来週最終回なんだよね。幸せなラストになってほしいです。{/netabare}

最終回…大団円じゃないけど、なぜかすっきり
{netabare}主人公とヒロインが離ればなれになる最終回なのに、なんだかすっきりして柔らかい気持ちになる不思議な終わり方でした。
剣乃介はゼル、ムエッタとともにエフィドルグとの最後の対決に向かいます。ユキナは剣乃介と一緒に行くことを決意して、ソフィや仲間たちの助けを受けて、空へ向かいます。が、結局は離ればなれになり…
そして5年後、ゼルが残した情報から数百光年彼方へ向かうことも可能な技術を開発し、最初の飛行でユキナは剣乃介の元へ旅立って終わりでした。

最終回で驚きの話が…なんとユーチューバーがドクターと親子だった事が発覚!!これは伏線あったかな?考えてみたら二人とも何が起こってもぶれないのは血か?とも言えますけど…

なんだかこんな終わり方したロボットアニメあったような…でも、ピンク髪のオペさんが存命だったり!、それぞれが成長した姿見せたり、なにより剣乃助が生きている事が濃厚なまとめ方で気持ちよく終わった感じがしました。{/netabare}

全体的に面白かったです。二期、見事にまとめたと思います。前半は日常多くて話が進まず、どうかなと心配もしましたが、二期後半からの展開は見ごたえがありすぎて、毎週楽しみにしてました。
その前半も、いろんな伏線張っていて、綺麗に回収されていたので、見続けて良かったと思います。

キャラは徐々に掴めていったように思います。最後まで見て、高校生たちがどんな成長していったのかを知ることができます。剣乃介とユキナの恋模様もキャラに合わせた展開だったように思います。ほどよい両想いと切ない話。なにより、ぶれない二人の気持ちが見ていて良かったです。

PAが記念作品なのに青春ものでなく、ロボットものだったのが驚いたし、大丈夫かと思ったのですが、杞憂でした。内容的に、けっこう高い年齢層の人が見て楽しめるものだったように思います。敵は宇宙人、ロボットの乗組員は一癖も二癖もあり、基地があって、敵に好きな人が奪われ奪還しに行く等々、子どもの頃に見たアニメの感覚でした。ですので見やすく、溶け込みやすかったです。

作画はPAですのでもちろん問題なしです。山、雪景色、綺麗でした。また、クロムクロなどメカの動きも良かったです。

全巻揃ったらDVD一気見したいです。それと、特別編で良いので、剣乃介とユキナの再会、作ってくれないかな…続き見たいです。

とにかく二期全話、見て楽しめた作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 63

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

宇宙からの侵略者と富山県民が戦う 県立地球防衛SFロボアニメ

2016年放送のテレビアニメ 全26話 オリジナルアニメ

監督 岡村天斎 構成 檜垣亮 総作画監督 石井百合子 西畑あゆみ メカデザ 岡田有章
制作 P.A.WORKS

「P.A.WORKS 15周年記念アニメーション作品」

ロボットアニメではありますが、P.A.WORKSということで、あまり緊張感はありません。
Anotherや凪のあすからのキャラデザの石井百合子さんのキャラデザの印象が強く、
青春シリーズと考えてもよさそうな作風でした。

ただ、設定はかなり練りこんでいるようで科学的な破綻はあまり見当たらない、
本格SF作品の側面もあります。
過去のロボットアニメの研究の成果を出してはいますが、特徴はあまり感じられず、
ロボット、SF、青春、恋愛、富山、という総合で判断すべき作品のようです。

マジンガーZ、コンバトラーⅤ、トップをねらえ、エヴァンゲリオン、∀ガンダム、ゼーガペイン、
などの設定を取り入れ、バランスの良いSF青春劇になっています。
問題は全体を包むゆるさというか緊張感のなさですが、
これが女性向けロボットアニメとして非常に優れた作品となった理由だと思います。

まあ、とにかく次回予告に緊張感がない。
エヴァも無かっただろ、とか、それは分かっていませんよ。

舞台はほぼ富山県内だけ、たまに成層圏外という感じです。
総作画監督二人が女性ということで登場人物の作画はロボアニメとは思えないほど落ち着きがあります。
「花咲くいろは」や「TARI TARI」が好きだった女性ならロボットと避けずに観る価値があります。
SF設定だけではなく人間関係、人物描写も非常に優れた作品で、
物語も破綻はなく、P.Aにしてはわかりやすい流れでラストへ向かいます。

15周年記念にしては挑戦的な作風ではなく、こじんまりとした物語ですが、
わかりやすく、キャラに感情移入しやすい日常系ロボットアニメでした。

声優は若い人がほとんどで新しい時代を感じさせてくれます。

SFロボアニメとしては難しい単語も少なく、高校生活に重点を置いた、
ゼーガペインの前半を思い出させるような気楽な作品でした。
これは視点が主人公の女子高生であるからであって、おバカ作品というわけではないです。

ロボットアニメを敬遠していた方、特に女性におすすめするP.Aらしい繊細な作品です。
宇宙からの侵略者の謎も興味深く、最後まで楽しんで見れました。

侵略者の巨大宇宙船が常に富山県を狙っているというのは・・・
ギャグの一種として許してあげましょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「P.A.WORKS 15周年記念」2クール作品。すごく良かったです。← 個人の感想です

原作無しのオリジナルTVアニメ作品。

「P.A.WORKS 15周年記念」を看板に掲げるだけに、なかなか頑張っている印象。終盤までダレず、個人的には大変お気に入りの話になりました。(← たぶん少数派(笑))

で、気に入った要因を考えてみたのですが本作は「ロボットアニメ」というよりはSF作品として私は観ていた気がします。

本作のSF要素:
1)アーティファクトの発見
人知を超えた何かに遭遇するのは、古典SFの基本ですよね。

2)異星人との遭遇
本作では「侵略」という形をとりましたが、これも基本です。

3)オーバーテクノロジーの獲得
異星人の遺物から既存の技術では解決出来なかった課題(重力制御)を克服する。これも…。

4)異文化コミュニケーション
一部の異星人とは文化的な理解を深め合い、共闘したり和解したりする。

そしてこれはSF要素という訳ではありませんが本作では人間関係を描くためにいわゆる「日常パート」にかなりの尺を割いています。

…って、並べてて思ったのですがこれって初代マクロスから歌要素を除いたものですね。マクロスを「SF作品」として気に入っている私が本作を気に入るのはとても納得です。

物語: 敵であるエフィドルグの幹部の会議とかちょいちょい古臭い演出はあるものの、ストーリー的に大きな破綻はなく好印象。重力制御も含めてオーバーテクノロジー的なものは基本的に敵側の技術で、地球側は400年前の敵のものと思われる遺物や鹵獲機などから得ているっぽい設定も悪くないです。

由希奈と剣之介を中心とした日常パートはキャラの掘り下げになっていてすごく良いと思います。

中盤~後半に向けて明らかになってきた敵の正体や関連するエピソードもなかなか良いです。

作画: 人物は手描きでメカはCGという穏当な使い分け。基本的に人物作画は良いと言える。メカについても基本的には人型兵器であっても多腕だったり多脚だったり、関節の動きなどもスムーズでなかなか面白い。動きにも「重力制御」感があってよろしい。「あんなモッサリした動きの、どこが?」って思う方も多いかもしれませんが、個人的には「重力制御っぽさ」をとても感じました。グロングル、めっちゃカッコいい!

人物も年齢/性別による描き分けとかができているし、動くところはちゃんと動くしかなり満足しています。

声優: とりあえず全配役とも水準以上。「チェンジ!」って言いたくなるダメな配役は無いと思います。

音楽: OPがかのGLAY。普通にカッコ良い。EDも作品に合っていると思われ、特に問題なし。作中のBGMも気になるような変な使われ方はしていないと思うので、合格点。

キャラ: 少なくとも主人公(って由希奈だよね? 剣之介とダブル主人公?)サイドは学校の同級生も含めて好人物が多く、キャラも立っていると思う。エフィドルグ側で顔出ししてきた各キャラも個性があって良いです。ミラーサやムエッタは良いポンコツ具合で、本作を観ていた人にはそこそこ人気はあったみたいですね。

OVAとかで続編は作れる終わり方でしたがどうなんでしょう。個人的には観たい気もしますけど、人気的に難しいのかな…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57

72.8 10 パイロットアニメランキング10位
機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (294)
988人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

声優・キャラクター
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽・白石晴香
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉
サリウス・ゼネリ:斧アツシ
ヴィム・ジェターク:金尾哲夫
ニューゲン:勝生真沙子
カル:小宮和枝
ネボラ:沢海陽子
ゴルネリ:斉藤貴美子
ラジャン・ザヒ:花輪英司
ラウダ・ニール:大塚剛央
フェルシー・ロロ:高田憂希
ペトラ・イッタ:広瀬ゆうき
セセリア・ドート:山根綺
ロウジ・チャンテ:佐藤元
プロスペラ:能登麻美子
マルタン・アップモント:榎木淳弥
ヌーノ・カルガン:畠中祐
オジェロ・ギャベル:KENN
ティル・ネイス:天﨑滉平
リリッケ・カドカ・リパティ:稲垣好
アリヤ・マフヴァーシュ:島袋美由利
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

女性の男性社会への間違った復讐劇…だから魔女なのか?

 さて、23年を代表するアニメとして、通しで2回目の視聴をしました。リアルタイムで考察していたよりも素直に視られたかなあという気がします。
 その結果、非常に深く面白く感動できる話だということを再認識しました。

 ウテナを彷彿とされる設定から始まった本作ですが、最後はプロスペラマーキュリーの復讐譚となります。夫を失った妻と娘ですね。
 ウテナが女性が裸なって王子様幻想から脱して自立せよ、のような結末でした。一方本作はあえて言葉を飾らずに言うと、ウテナで提言した女性像に対して、女性たちの強くなり方、男社会への復讐のやり方は間違っている、という話に見えます。というのはやはりクワイエットゼロの形状はどう見ても女性器のアナロジーです。クワイエットゼロは個人の復讐であり、間違った復讐です。
 一方でそれを壊すべく発動した、送電器に偽装した兵器は男性器のアナロジーでした。要するに性によっていがみあうことで生じる分断の象徴ですね。

 魔女というのはガンダムを操るものでありガンダムを作るもの。パーメット粒子というものを操れるものです。パーメット粒子は情報の塊ですから、情報を操る女たちの復讐劇、つまりフェミニズムの誤った形の実行かなあと現時点では見えました。ここはまた考察したいところです。今回気が付いた部分なので。

 一方でグエルがなぜあんなに極端な古風なキャラだったのか?ですね。力こそ正義とか分厚い鎧をかぶったような性格、威圧と権威主義は古い男性性の象徴でした。彼のような生き方をしていると、女性=スレッタに婿の地位を奪われるところからスタートしました。

 つまり、彼は間違った男性性の否定をするためのキャラだったのかなと思います。
 親殺しはすなわち男にとっての成長です。彼は裏方というかサポート役に回ったのはなぜか?あのフェンシングの一騎打ちは本当に実力だったのか?

 シャディクはグエルと対照的な、スマートでクールなキャラです。現代的な男性性だと言える気がします。彼は自分の信じる正義を陰謀によって実現しようとします。つまり、目的の為なら手段を択ばないという現代的な生き方の象徴だったと思います。何を考えているかわからない、常に茶化したような態度なども非常に今風です。

 で、ミオリネですが、彼女は最高の地位の後継者であり、トロフィーワイフでもある…ように見えて、実は父親の愛情ともっと視座の高い理念を理解できない優等生少女の象徴でした。命のやり取りや差別による貧困や争いの現実を知り打ちのめされました。
 彼女の髪型の変化にも注目です。大人びた髪型にした後の落ち込み方。部屋に引きこもった後がなんともいえませんでした。

 母親の遺伝子コードにより彼女は目的を達成するわけですが、親の子を思う気持ちの象徴ですね。
 これはほぼすべての主要キャラに言えますが、単純な「大人なんて」という子供の視座の問題意識で、一段上の現実の世界で生きている人たちを馬鹿にする今の子どもたちのアナロジーも感じました。まあ、ユーチューブを見て世の中間違っていると学校で騒いでいる子供たちですね。 その証拠にこの3人の行動が学校で考えていた思惑が全員失敗に終わります。

 彼らはお前は一人で生まれて生きてきたのか?というくらい不遜です。自分の遺伝子がどこから来たのか、そして自分が遺伝子を残す役割を果たさなくていいのか。

 一方で、世界をメチャメチャにしているのも資本主義の理屈であり、その点において大人は間違っているのですが、それは文明の恩恵が得られる原因でもあるので非常に難しいことです。

 スレッタです。母親の目的のために型にはめられた教育を受けた娘。毒親問題ですね。と同時にエアリアルという、スレッタを庇護するものの象徴から、キャリバーンといういう自ら戦うガンダムに乗り換えるということの成長です。庇護されてきた家族を自らの手で暴走を止め守り救済しました。
 学校生活やミオリネなどとの交流や、挫折の果てに成長して行くところなどが丁寧に描かれました。

 他に秀逸なキャラは沢山いて、それぞれの生き方を追うだけで多様な生き方が見えてきて、しかも、どこにも正解の提示がない、というのが本作の特に優れてていたことろだと思います。

 それと終わり方ですけど、やはり資本主義体制というのは簡単に変わるものではないということです。そのために必要なのは何か?それが学校という事だと思います。つまり幾つもの世代を通じないと急に変革など起きない、今学校ですべき事があるんじゃないの?という風にも見えます。

 アーシアン、チュチュやニカとガンダムパイロット2人と比較するのもいいと思います。つまりアーシアン側の2人がなぜ魔女、つまり情報を操るものとして描かれたのか考えると、分断とか親ガチャで騒いで相手を攻撃するよりも、努力して生き方を見つけろと言うようにも見えます。

 ということで、ガンダムというメカや企業とか軍の設定にはほとんど興味がいかないでキャラが何を意味しているのかばかりを見てしまいました。

 まあ、メタ的な意味でガンダムが消えるところを見て、ちょっと思うところはあります。

 OPは1クール目の祝福に比べるとちょっと凡庸でしたね。EDはアニメが良かったです。絵も綺麗だし意味深でした。


 本作は兵器とか戦争のようなテーマとかニュータイプというコミュニケーション論が中心だった過去のガンダムより、現代的なテーマを的確に描けた名作だと思います。
 本作を見た後だと、富野ガンダムが古く見えてきます。もちろん、今でも名作と呼べる作品は沢山ありますが、時代性と言う点で本作は現時点ではテーマ性が既存のガンダムから脱してアップデートされていました。

 アニメも綺麗だし、2クールの中に密度濃く、いろんな視点を入れてかつ面白い話に仕上げたと思います。

 物語の展開に若干ご都合主義があるものの、20年代以降の作品はテーマとエンタメの融合を優先して、展開の不自然さは多少目を瞑ったほうが良いと思います。

 本作のターニングポイントというか視点がはっきりするのは、19話と21話でしょうか。

 評価はオール5に修正します。初回は分割2クールで2クール目は集中できてなかったですね。今回見て話の深さに感動しました。特に主要4人のキャラがとても良かった。
 もう2回くらいあとで見たいですね。本当に深くて面白かったです。


以下 視聴時およびその後の考察レビューです。


{netabare}this is the story concludes the witch from mercury って出た以上、これでお終いということでよろしいのでしょうか。
 やはりシェイクスピアの「テンペスト」オマージュでメインキャラは誰も死にませんでした。何を言っているのかは本編でご確認を。トマトの人は気の毒ですけどね。

 PROLOGUEからのつながりでいえば復讐は何も生まない。という結論であると同時に一つの事件では何も変わらないのか?という感じに見えます。1年戦争のアバオアクーの結論で何かが変わったような気がした初代ガンダムでしたが結局その後も延々と続いたガンダムを連想します.
 が、その変わらなさをあえて連想させる終わり方だった本作の方が、少しずつの変革に向かいだした、という希望につながるような気がします。

 というのは、ガンダムが消えていくシーンです。あれが象徴的でした。まさに消滅して行きました。と同時にガンダムの素材が維持できないということはパーメットリンク消えたのだと思います。つまり、オカルトにも似たニュータイプのようなものは残らないということでしょう。
 ガンダムとニュータイプ=パーメットリンクはもうないよ。つまり、水星の魔女はこれ以上作ると蛇足になるので続編はないよ、ということだと思います。

 エリーが小姑ということは、まあ、そこはハッピーエンドと言えるのでしょう。戦争と医療というテーマがなかなか面白い作品でしたが、思っていたよりもスケールの小さな終わり方でした。

 
 結末については少し咀嚼したいと思いますが、しかし、平穏な終わり方という最も意外なほうに持って行ったのは、ある意味上手い裏切りですよね。なかなかいいと思います。

 ウテナ的な終わり方が見たかったですけどね。それだと今の時代にそぐわないのかも。逃避や急な変革じゃなくて、意識改革こそ新時代には必要な事なのかもしれません。つまり、ガンダムという超兵器=1つの答えで何とかなるような処方箋はないし、単純な力では何も変わらないよ、と。

 なんとなく宇宙世紀もののガンダムを追っている視聴者およびステークホルダーに対する引導に見えなくはないです。これをやられるとシードはまだしも、ハサウェイが色あせてしまう気がするのですが、大丈夫でしょうか。

 前半と後半のバランスが悪い気もしますが、どうしてもトマトの部分。つまり学園の内と外というのを中間に持って来たかったのでしょう。それは我々のような成人ではなく、本来ティーンに見て欲しいという事なのかもしれません。
 音楽は1期の方が圧倒的に良かったです。最終回はズル過ぎ。

 やっぱり構成はちょっと減点したいかなあ…もう2話、26話で出来なかったんでしょうか。まあ、言いがかりですけどね。むしろ説明が足りないからこそ、自分の頭で考える楽しみがありました。
 そう…こんなに楽しんだアニメは久しぶりです。もう1回どこかで見て、総括したいですね。

 ということで、非常に良いガンダム、良いアニメでした。制作陣に感謝を。


追記 学校が舞台だったことをどう読み取ればいいのか。

 ガンダム史上初めて学校が舞台でした。1期終わりの時点ですと、戦いの形だけ教えて、実際人を殺すのに役立たないということで学校の無力さを歌っていたのかなと思っていました。

 ただ、最後ですよね。学校のつながりで仕事をしていました。習った事はあまり役に立たないけど、つながりが仕事になるということでしょうか?

 資本主義社会の矛盾…結局大企業が勝つという雰囲気の中でしたが、しかし、アーシアンやどの企業に属している子供たちも、一緒に働いてましたよね。垣根を超えるのは新しい世代だというのと共に、学校時代に一生懸命やったこととつながりが花になる、という意味かもしれません。

 現状肯定ではなく、現状否定の物語ではあると思いますが、やはりガンダムによる一発逆転はないよ。次世代は若い人たちが学校でしっかり勉強して作っていってね、という事かもしれませんし、結局は親の背中を見ながら子供は育つという風にも見えました。

 また、ガンダムの技術はちゃんと医療に役立っているという感じもありました。戦争の傷跡を見せると同時に科学が肉体を補っていました。あとミオリネが持っていたトランクも同じ技術?



再追記です。

 ウテナ設定ですね。関係ないじゃんとは思いません。なぜかといえば、やはりガンダム・スレッタ・キャリバーンはウテナカーの対比だったからです。
 ウテナは王子様幻想とか闘いに明け暮れる学校という制度から裸で脱却し、女性の生きざまについてもう一度考えろ、という投げかけで終わっていました。

 本作については、逃避だけでなく提案がありました。今の社会の枠組みの中でどう生きるのか?ということです。
 上にも書きましたが、ガンダムでの一発逆転はないし、ニュータイプのような科学技術では分かり合えないということに加え、ウテナのような逃避も何も生み出さない。復讐は虚しいだけ。それよりも自分で目標と居場所を見つけ、少しずつ社会を変えて行こうという風に見えました。

 つまり、脱ガンダムと同時に脱ウテナということでしょう。だから、ウテナとの対比として百合設定が活きてきました。






以下 視聴時のレビューです。


15話 考えながら見ると面白い。新旧世代の橋渡しとなるガンダムの再定義にふさわしい作品。

{netabare}  15話(2クール3話)までで本作については、設定を考察してどうこう言う話ではないことは分かります。というか隠す気が無いくらい結構基本的な設定の構造はヒントを意図的にばら撒いていました。

 学校という牧歌的な舞台を描きつつ、外の不穏な世界を徐々に読み取らせていった1クール目が活きてきています。

 全員が信念に基づいて動いている。そして単純な悪意だけで動いている人はおらず、正義のためにやっているということでしょう。地球と宇宙の分断もそうですし、企業の経営者の考え方もそうです。
 あるいは医療という人を救う技術と兵器という人を殺す技術というテクノロジーの2面性も入っています。核開発時のアナロジーは強く感じます。

 結果としての戦争と対立。それがまるで宿命のように描かれています。これを国家に置き換えればほとんど現代の世界の状況そのものです。

 また、進歩したテクノロジーのブラックボックス、医療の生命倫理などなども読み取れます。親と子の意見の違い、毒親。そういったものがストーリーに組み込まれていて、素晴らしい脚本だと思います。15話のいろんな親子の関係を描いたのは良かったですね。2クールという情報が本当なら、それがいい方に作用しているのでしょう。テンポがいいし飽きさせません。
 また、単話しかでてこないような登場人物にドラマを感じさせる演出は大したものです。

 富野監督の時代とは違う。宇宙時代ではなくテクノロジー時代の新しいガンダムです。「テクノロジー」「多様性」「世代」「経済」「両義性」が生み出す摩擦により生じる人類の混乱。非常にアップデートされたテーマを描いています。
 それがまた無理なく1期の種まきからの続きとして描けているのがいいですね。ちょっと説明しすぎな気もしますが、分かりやすくしないと振り落とされる人もでてくるのでしょう。

 当然人間ドラマが中心になるわけで、既にロボットアニメではなくなっています。
 本作の楽しみ方は、考えることでしょうね。今我々が生きている家庭から世界戦争までを本作を見ながら考えることでしょう。EDのフワフワした捉えどころがないアニメを見ると不穏ですけど、おそらくはそこにヒントを隠しているのでしょう。スレッタの髪と衣装の感じから「女」を強く感じます。そういうテーマもでてくるのでしょうか。

 エンタメとしても緩急があって、複雑だし面白くできています。ガンダムの再定義作品にふさわしい出来だと思います。 {/netabare}


17話 面白過ぎて草。過去のいろんな作品が思い浮かびます。

{netabare}  SF的な問題として、エリクトの精神あるいはゴースト(魂)はどこにあるか、ですね。どうもコピーしたような雰囲気でしたので、この問題をスルーされてしまうと、深さが半減する気がします。
 逆に鉄腕アトム問題にもなりますが、それは本当の家族なのか?人格とは?という問題に肉薄できれば素晴らしいと思います。

 その一方で、グエル、ミオリネ側の親の意思を自分の意思で継ぐ、スレッタ、エレン側の毒親にコントロールされているのか、という対比があります。これは分かりやすいですが、2つ。グエル、ミオリネ側の意思もどうも操られている感があります。それがクワイエットゼロにつながる感じです。
 クワイエット・ゼロ。静寂そして零。そこがコロニー落としになるのか人類補完計画みたいになるのか。一方で、過去の遺物を消し去るために、親世代が自らの滅びか新世代の旅立ちを計画しているのか。

 メタ的に見ると日韓関係やバブル崩壊後の失われた30年のような世代間の責任問題にもつながってきます。分断の責任。これを相手に押し付けるだけでニュータイプというオカルトに救いを求めるだけだった旧ガンダムシリーズの引導としての作品です。

 ここを見ると「すずめの戸締り」の評論が無力だったことを想起します。あれだけ新海誠氏に稼がせてもらったユーチューブのインフルエンサーが何一つ分解できませんでした。まるでなかったことのようになっています。
 当たりまえですね。宮崎駿監督を認めつつ、旧世代はもう捨てようよ。つまり50歳以上の世代は自分たちの体験や知識価値観で、もう現代をネガティブな意見ばっかりで引っ掻きまわさないでよ。過去は悼みつつも新しい世界を覚悟して生きて行くからという話ですから、自己否定を突きつけられました。

 となった時に、本作ですね。過去のガンダムの否定はもちろんですけど新しい世界と価値。SNSもネットワークも当然の価値観に組み込まれた「ユーレイデコ」的な他人の言葉による不自由。自分の欲望は誰の欲望なの?という話、つまり構造の奴隷の中でも主体的に生きて行くのはどういう意味なのか、と言う要素も感じました。
 グエルが地球で体験してきた意味とか、その辺は効いてくるのでしょうか。うーん。と考えるとちょっとミオリネの思想のバックグラウンドが弱い気もしますね。これからかなあ。

 で、その元凶となるプロスペラの思惑は?というところはこれからなのかなあ。単なる復讐劇だと浅い気がしますので、やっぱり逆シャアの思想になるのかなあ。クワイエットゼロは。ただ、そこに過去の世代の責任を後に引きずらないという考えが入ると新しくなりますね。

 ゼロ…ゼロかあ。「日本人を名乗るみなさーん、お願いがあります…」もちょっと思い出しますね。


追記 総集編なので残念。ですが、今回企業グループが地球も宇宙も牛耳ってました。ということは、GAFAMのことのような気がしてきました。今まで宇宙と地球の対立軸で語られて今回も今のところ地球が敵っぽく見えますがどこか敵の正体が見えてきません…というか、何のために何と戦っているストーリーなのかが見えてきません。

 この見えない敵というのがGAFAMのことの気がしました。だからガンダム=ガンドアーム=禁断の技術、技術開発、つまりデファクトスタンダードの奪い合いがメインになっているのかなあ、と思いました。{/netabare}



18話 最高過ぎる。面白い。来週「一番じゃないやり方」ですね。

{netabare} 不穏です。「一番じゃないやり方」もう言葉が不穏です。むしろ、SFの名作「たったひとつの冴えたやり方」の否定ならいいですけど。つまり、ミオリネかグエルの自己犠牲に焦点が当たるんでしょうか。とにかく不穏でドキドキします。主要キャラの死が少ないのが気になってるので、どうなるんでしょう?
 そして、やはり人類補完計画の下地になるような技術に焦点が当たり始めました。最後の最後でミオリネVSプロスペラの予感です。

 まあ、それはいいとして、本当にこの作品いいですね。最高です。毒親かと思ってたプロスペラがそうでるとは…ドローンのような追従するタイプのガンダムのサブ機(Xガンダム的なやつ?)もありましたが、つまり、子供が犠牲になるガンダム、そして、少年の自己拡張としてのガンダムを否定です。

 あなた方の望むガンダムじゃないんだよ。というメタ的な視聴者へのメッセージの意味だとしたら最高です。ガンダムの力ではなく自分の力で立て…きついメッセージですね。

 作画ですけど、今週は発色が綺麗だった気がするのですが…ミオリネ美人でしたし、他のキャラもすごくビビッドでした。特に髪が良かったです。
 それにしてもミオリネ…彼女の内面が早く見たい。そして、その選択は?
 あと婚約者…なんかスレッタだと子供の遊びだったのに生々しいこと。なんか微妙にエロくて良かったです。まあ、そうではなくて2人の思惑がなんかあるのかもしれませんが。

 この作品2クールが前提なんですよね?そのせいでしょうか。いつものガンダムみたいに遊び回もないし、本当に密度が濃くていいです。最高です。 {/netabare}


19話 盛り上がってきました。ここまで来たら一度ガンダムにピリオドを打てばいい。

{netabare}  佳境に入ってきました。どんどん面白くなって行きます。

 母と娘…そして娘たち。そして復讐劇からスレッタを解放したエリ―。分断に直面し無力を露呈するミオリネ。学園から離れて始まる生徒同士の本当の意味での戦い。

 いままでの学園パートで描かれていた、牧歌的な雰囲気が一気に収束してゆきます。が、こうなるのはプロローグあるいは1期の頭数話見ればわかったことだし、それを隠そうともしていません。

 では、その意味するところ、つまりどこに向かうか、です。こうなるとクワイエット・ゼロはつまりモビルスーツを全て破壊する…つまりガンダムの歴史を一回リセットしようという意味に見えます。
(クワイエット…黙れの意味があるので、ファースト厨の老害黙れという気もします)

 そうじゃない、平和利用しようよ、というのがミオリネですね。企業体はガンダムを兵器として利用する。

 そこでスレッタは?という展開になりそうです。スレッタは覚醒の予感です。家族への回帰…新しい家族の形…今回ガンダムの能力の使用方法のさらなる拡張の可能性が見えました。
 やはりガンダムを使った新しい人間のコミュニケーションに帰着するのでしょうか。

 あるいはですけど、皆騙されたと思っている「ウテナ」ですね。やっぱりスレッタ=ガンダムでミオリネと共に全裸で荒野=宇宙へ…だと最高です。
 もうここまで来たら、大河内脚本やらかしてほしい。そしてガンダムにピリオドを。

「一番じゃないやり方」の意味は自己犠牲ではなく、みんなが善かれと思ってやっていることがベストの選択になっていないということで、ゲーム理論の話みたいに見えました。つまり皆の戦略的選択を変更する要因がなく、しかしゲームの結果、つまりナッシュ均衡解がパレート効率、すなわち戦争ということですね。 {/netabare}


21話 髪型はスレッタの髪型はいつ変わるのでしょうか?

{netabare} エンジェルハイロウ+モビルドールシステム?サイコフレームかもしれません。大量破壊兵器としても機能するんでしょうか。ガンダムのラストは大量破壊兵器との戦いです。ソーラーシステム、コロニーレザー、ジェネシス…つまりガンダムマナーはしっかり受け継いでいます。

 プロスペラはエリーとともに復讐は果たすのでしょうが、スレッタをガンダムから下ろした意味を考えれば、当然スレッタのことも愛しているのでしょう。
 結果的にプロスペラは何かと刺し違えて、スレッタ(+ミオリネ)を守るために殉じる気がしますが、これは読みというより本作の意味を考えるとそうあって欲しいということです。

 やはり最後はウテナ的な二人の旅立ちで在って欲しいなあ。水星か他のところでやり直しかなあ。

 この第2クールですが、要するに本作は議会連合とかベネリットグループとグループの数社が学園の子供たちとの対応関係になっているので、設定がややこしいように見えますが、ここで重要なのは各子供たちの親との関係でしょう。エレクトもクローンでしょうがクローンとして生まれてきた意味を問われれます。

 ですので、敵対の図式はプロスペラの復讐と企業・議会の「大人たち」になるでしょう。では子供たちはどういう選択をするのかが、本作第2シーズンの意味です。

 で、第2クールで肝心なのはやはり髪型でしたね。髪型が変わる=大人の世界に入る。その途端実際の戦争と人の生き死に関わるということでした。そしてスレッタの髪型がまだかわってないですねえ。チュチュの髪型は変わって欲しくないですけど。


 今回のガンダムは過去SFのオマージュまではいきませんが、何か過去のSF的発想を感じます。で、マキャフリーという人のSF小説で「歌う船」シリーズというのがあります。
 この「歌う船」を知っていると、エリクトの設定そのものなのであまり悲壮な感じがしていないなあ。特に「旅立つ船」のヒュッパティアが可愛いので、SF好きな方は。{/netabare}


22話 アニメはたった1つのシーンの為だけに存在することもある。

{netabare}  前半話が猛スピードで過ぎて行き、ガンダムあるあるのフェンシング対決など一瞬で終わってしまいました。

 が、いいんです。いろいろ展開とかテーマを考察してきましたけど、要するにスレッタ覚醒、自力でガンダムを操縦する…そして母親と対決。そのシーンこそ私は見たかったということです。

 もちろん半年以上かけて見続けたせいもあるでしょうけど、本当に良かった。最高です。アニメ作りは、たった1つのシーンのために存在するということもあり得るでしょう。今回で私にとっては、1つのカタルシスでした。
 もし、後は自分で考えろと今回で最終回であったとしても、私はいいと思います。いや、嫌ですけどね。それくらいこのシーンを待ち望んでいました。

 スレッタは無茶をするなといわれても無茶はするでしょう。大河内脚本なので悲惨なのも覚悟しています。していますが、ハッピーエンドの一縷の望みをドキドキしながら待ちます。あとは結末を見守るだけです。{/netabare}


23話 もう少し肉親同士の結論をじっくり見せて欲しかったなあ。

{netabare}  データストームを停止するコードをプロスペラが変えたと言っていて、ミオリネの遺伝子に組み込んであった言葉で停止して「お母さん」と言っていたので、プロスペラがミオリネのお母さん???と一瞬混乱しました。良く良く画面を見ていると、停止コードの入力画面と管理者権限のエマージェンシー用の画面を切り替えてたんですね。
 つまり、デリングの妻への愛なのか、夫婦のミオリネへの想いなのか、母の残されたメッセージなのか知りませんが、そういうことなんですね。

 設定とか裏設定とか、そういうのはいくら分かりづらく組み込んでもらってもいいんですけど、ここはもうちょっと入力のインターフェイスを分かりやすくかえるとかしてほしかったです。

 その意味でいうと、戦闘シーンは削っても、もう少しミオリネとプロスペラの舌戦が欲しかったなあ。
 もちろん人間は気持ちが昂るとどんな議論でも相手を受け入れなくなるでしょうからなにかもう一つ、ミオリネ・スレッタ・デリング・エリー・プロスペラおよびミオリネの母親の遺志の関係で、何かエピソードが欲しかったです。

 その点では、グエルの兄弟は後始末としては意外性が何もないので、もっと短くしても良かった気がします。

 ということで、いよいよです。巷では本作はテンペスト(シェイクスピア)のオマージュ云々という話がでています。
 キャリバーン、エアリアル、プロスペラ、データストーム(嵐)ですので、まあ、そういう意図もあるのかもしれませんが、復讐譚で名前だけじゃん、と思ってましたが、ひょっとしたら「関係者が一人も死なない話」という意図もあるかもしれません。
 グエルとデリング等々を見るとそんな気も…と言う事は死んだと思っていた人が…???{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

Acacia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

単純に好みじゃない。

素材は良さそう。
いざ実食すると不味くはないけど好みじゃない
そんな感じ。

好みじゃない点。

①スレッタを女性にする意味が余り感じられない。
キャラクターの造形にナヨっとした男臭さを感じる。成長の過程も。
放送前のPVで振り向くスレッタを観た時は
ミステリアスな雰囲気。女性の持つ冷たさを期待してしまった。

②子供が動かす戦争。
今までのガンダムでは少年達はあくまで戦場でもがく1兵士であり、
世界を動かす程の力を持つのは大人たち。みたいな描写が多かったと思います
てか、それが当たり前です。しかし今作は、まぁ子供が暗躍するする。
会社を興したり、大人の社会に介入する少年少女を描いていましたが、
子供が戦争をコントロールなんて始めたらいよいよラグナロク。

③2クールで終わってしまうのも世界観が狭く、消化不良。
アーシアンはただただ虐げられている存在とて描かれるだけ
彼らの日常、息遣いは余り描かれない。

自分ならこの素材をこうは料理しないと思っただけなので、
単純に好みじゃないんだと思います。
最終回で一番テンションが上がったのは、
ガンダムSEEDフリーダムの予告でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

遠い宇宙の惑星で

【魅力的に思った点】
・比較的綺麗に終わっている
・ストーリーの大枠は悪くない

【残念に思った点】
・キャラの掘り下げが浅い
・MSに魅力がない
・山場が来たと思ったらすぐ終わるため、盛り上がりに欠ける
・特に意味を感じない部分に尺の大半が使われている

【総評】
・60点
  率直に言えば期待外れでした。
  物語が全体的に主線から外れてますし、盛り上がるかと思ったら一瞬で鎮まっての繰り返しなので見てて単純に面白くなかったです。
  そもそもなんでプロローグの内容を切り離してしまったのかが謎。この物語の核に値する部分なので、絶対本編で語るべき内容だと思うんですよね。前半母親視点で丁寧に描いておけば、あの親子にももっと共感できる物語になっていたはずですから。
  あとは曲がりなりにもガンダムならMSにはもっと力を入れて欲しかったですね。冗談抜きでエアリアルとファラクト以外印象に残ってないので、そういう意味でも地球と水星間ほどの隔たりを感じてしまう作品でした。

【こんな人におすすめ】
・終わり良ければ総て良しと思える人
・プロローグを見て予習ばっちりの人

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

75.0 11 パイロットアニメランキング11位
劇場版 マクロスF[フロンティア] 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~(アニメ映画)

2009年11月21日
★★★★★ 4.1 (747)
4456人が棚に入れました
西暦2059年、パイロットを目指す少年、早乙女アルトが、新天地に向かって進む銀河移民船団のマクロス・フロンティアにいた。ある日、銀河頂点の歌姫、シェリル・ノームのコンサートツアーが船団へやって来ることになり、アルトは彼女にあこがれるランカ・リーとともに会場に行くが、突如、重機甲生命体バジュラの奇襲を受ける。

声優・キャラクター
中村悠一、遠藤綾、中島愛、小西克幸、神谷浩史、福山潤、豊口めぐみ、保志総一朗、三宅健太、小林沙苗、井上喜久子、杉田智和

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私の歌を聞けぇ~!

劇場版2部作の1作目。

TV版とは大幅に設定が異なり、ただの再編集ではないためTV版を見た方でも楽しめます。

ただし序盤のほうは概ねTV版と同じような流れで進んでいくのでTV版を見た方はちょっと我慢して見て欲しい。

タイトルの『虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』の意味を考えながら見てみるといいかも。

この1作目はシェリルメインなのでしょうか。劇場版での新曲もかなりいいので是非聴いてみていただきたい^^

2作目『サヨナラノツバサ』のBD&DVDも発売されたので一気に見るなら今?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

マクロスFの濃縮版(前編)

マクロスフロンティアの劇場版です。
ストーリーはテレビ版とは異質。
愛・おぼえていますかと同様、マクロス正史ではないかも。

劇場版だけあって、圧倒的な映像美と歌。
シェリルの迫力ある歌唱力が群を抜いていました。
戦闘と歌が並走する長シーンは圧巻です。
鳥肌が立ちました。

ストーリーは直情的。
伏線をバラマキまくりです。
サヨナラノツバサで謎解きかな。

シェリルかランカかと問われれば、私はやっぱりシェリルですね。
自由奔放、ややツンデレ入りなんて、超私好みです。
彼女、歌にかける情熱がほとばしっています。
プロフェッショナルですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

kaz-zun さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

拉致

極度のロボット嫌いの為、
テレビアニメも7話目くらいで挫折したマクロスF。
当然この劇場版も見に行く気は全くなかった・・・


が、友人に半ば拉致気味に強引に連れていかれて見たのがこのイツワリノウタヒメ。
(オゴリだったから全然いいけどw)


うわっw
おもしれ~!!
相変わらず菅野よう子の歌は神掛ってるし。
背景や迫力の戦闘シーンも物凄く丁寧に描かれている。


あっと言う間に120分見終えてひたすら満足気な私。
その横で不満爆発な友人www


『TV版と変わらん』とグチってました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

72.9 12 パイロットアニメランキング12位
ひそねとまそたん(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (349)
1245人が棚に入れました
「私は、君とソラを飛ぶ。」

甘粕ひそねは、航空自衛隊の岐阜基地に勤務を始めた新人だ。

素直すぎて無意識で他人を傷つけるのに疲れ、任期限定の自衛官を選んだのだ。

だが、運命の出逢いが彼女の人生を根底から変える。

基地に秘匿された戦闘機に擬態するドラゴンがひそねを選び、大空高く舞いあがったのだ。

こうして「OTF(変態飛翔生体)」であるドラゴンに乗りこむ飛行要員が、 ひそねの仕事になった。

国家的な命運を左右するとも言われるドラゴンには、 はたしてどんな秘密が隠されているのだろうか……。



声優・キャラクター
久野美咲、黒沢ともよ、河瀬茉希、新井里美、名塚佳織、朴璐美、梶裕貴、徳本恭敏、釘宮理恵、諏訪部順一、中田譲治
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ENTER THE DRAGON

ボンズ制作、樋口真嗣×岡田磨里×伊藤嘉之。
航空自衛隊とリトアカの愉快な邂逅。

知名度も低く期待値も低く完成度は高い。
新人搭乗員たちとポップな空想上の生物。
ハートフルな現代のお伽話、
ジュリアンオピーが描くキャラクターのようだ。
まさに「省略の美」ですね。

{netabare}変態飛翔生体=自衛隊で秘匿されるドラゴン。
古くから人類との共存共栄を模索している。{/netabare}
現在も自衛隊によりその秘匿業務は続いている。
変態飛翔生体を所有する国家は富に栄えるという。

物語はどう展開されるのでしょう!?
異種族との心温まる交流でしょうか。
不思議な引力を持つアニメの登場です。

5話視聴追記。
背後にある大きな物語も何やらありそう。
甘粕ひそねの声優さん当たり役ですね、
適度な緩さの物語で良い仕事をしています。

最終話視聴追記。
アニメ慣れした通好みの作品で、
絵にも音楽にもセンスを感じたのですが、
{netabare}肝心の物語は後半やや失速かな、
あまり優れたものを読み取れませんでした。{/netabare}

少し求めすぎたかも知れない…反省です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 58

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「テレビまんが」的で良い感じ。樋口真嗣監督といえば……(第7話:『キングダム』(笑))

商業アニメ的な最初の実績としては『ふしぎの海のナディア』での演出でしょうか。

たぶん世の中的には主に特撮畑の人(平成ガメラ3部作、実写版『進撃の巨人』など)として知られており、あるいは映画『のぼうの城』や庵野総監督の下での『シン・ゴジラ』の監督としてご存知の方もいらっしゃるかも。

基本的にアニメ畑の人とは思われていない気もしますが、旧ガイナックスやスタジオκαρα制作作品には参加しているので、門外漢ではありません。

どんな作品になるか、今後も楽しみです。

== [観終わっての総評めいたもの] ==(2018.7.11)
「日本の伝統」を一見大事にしているようで、意外と批判的な作品かもしれません。でも何も知らない、調べないという態度ではなかったので、そこは高評価。でも変に「ジェンダーフリー」みたいな方向性に話がそれたりしませんでしたし、「人格否定」みたいなのはあんまりなかったのも良かったかも。
==

2018.5.18追記:
第6話: 零戦が三二型なのと、一〇〇式司令部偵察機がマニアック。
ああ、ナオさんヘッド……(泣)。

♪ジョア ヤクルトジョア 誰のもの~
ジョア ヤクルトジョア 君のもの~♪

2018.5.25追記:
第7話:『キングダム』推しがガチだった(笑)!
(コミックスの最新巻、まだ読んでないや…。)

マツリゴト、かなりお金かかるんですね…。

2018.6.30追記:
最終回まで観終わりました。世の中におもねらず、ちゃんと作りたいものを作っていると感じられて好印象。

政府が古来からの神事に関わるというのは、面白いテーマでしたね。そこに国民に知らされない形で旧軍や自衛隊の陰の活躍があるという…。

主人公はひそねなのは間違いないんですが、思っていた以上にナオさんが裏主人公的な感じでしたね。

そこに年若くして大ベテランな黒沢ともよ様を起用して作品を締めていたのは、納得のキャスティングでした。ナオさんヘッドのインパクトも、さすが(笑)!

あと、全体的に音楽は神楽も含めて地味に良かったです。まあでもたぶんそんなに人気は出ないよな、これ…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 49
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

「ぼくはもっとヤクルト、まじめにやれとのお言葉聞いております」

1話感想{netabare}
大昔から変態飛翔生体(ドラゴン)ってのが居て、それの居る国は豊かになるのだけど、それ巡って争いが起きないように国のトップは秘匿(偽装)し続けてた歴史アリ。
また、熱が篭るだかで定期的に空を飛ばないといけないらしく、戦闘機に偽装させてそれを行っていた→よって管轄は空自。
ドラゴンの操縦方法は飲み込まれて体内からのコントロール、操縦ってよりはそう指示すればそう動くって調教されてる感じかも?歴史はあるワケだし。
主人公は竜に気に入られたのか、または持ってたケータイがガラケーだっただけなのか、果たしてどっち?ってのは今後次第。

国家だったりどこかの怪しい組織が何か隠し事をしててそれを暴いてく内容の作品ってのは多いけど、これはその逆パターン?
自衛隊員の主人公が国家機密を秘匿してく話…でいいのかな。
「バラしたらどうするんですか?」みたいなこと言ってたが、普通に機密漏洩で罰せられるかと。
また世間に対しては「ただのデマだよ」っていうデマが流布されるかと、国ぐるみだし。

多分竜との心の交流(を経て主人公が成長していく)なーんてのがテーマになるんだろうけど、「秘密を隔し続ける」方向も続けて欲しいなぁ。
途中から秘密でもなんでもなくなって町中でバトルする展開になっちゃうのだけは止めて欲しい、そういうのは他の作品で事足りてるので。

一方、公式のHPがなかなかに興味深い。
本編のOPもそれっぽい感じで「お?」って思ったんだけど…文字がデカい、非常にデカい。
これ、舞台が自衛隊ってことで官製っぽくしてる?
民生の小洒落た感と違って、官製ってどこかヤボったいのが「らしい」と感じてしまう人間でして、雰囲気作りでワザとそうしてるのなら評価したい。
ってか今は多少緩和されたけどちょっと昔の地デジ化最中の頃とか、めっさ文字の小さいOP、EDって多かったですよね、読めなくはないけど読む気起きないっていう。
HPも妙にお洒落に作ってどこクリックすればいいのか分からないものとか(それ以前にめっさ重い)なら今でもちょくちょくあるけど。
1話OPは専用のものだと思うので、レギュラーOPはどうなるか興味津々。
あ、それとスポンサーのヤクルト推しは笑った、もっと強引に不自然にやっちゃってもいいぞ。{/netabare}

2話感想{netabare}
ん?「まそたん」って媽祖たんってこと?
そのうち千里眼や順風耳も登場するのかな?(モンストでの知識)

秘匿レベルはちゃんと厳重っぽいね、これはホっとした。
ひそねは「コイツ悪い奴だ」と思うとトコトン悪く考え、「良い奴だ」と思うととことん良い奴だと思っちゃうタイプなのかな?
これを一貫してると取るか、ブレてると取るかで2話の評価分かれそう。
まぁそんなことより…スーツエロいなおい。
きゃろ~んとした媚び媚びキャラより、イモねーちゃんに恥ずかしいカッコさせたほうがエロいって…ちょっとコア過ぎませんか、いい趣味だ。
公式HPでは名前見当たらないのだけどOPでコンセプトデザイナーにOKAMAの文字が…この人の趣味じゃなかろうか。
“ガラスの艦隊”ではあんなに頑張ってたのに(アニメが糞すぎて)災難だなぁって程度の情報しか知らなかったのだけど、改めて調べてみたら“龍の歯医者”でも関わってるっぽい。

そうそう、1話段階で期待したOP、文字の大きさは…普通、かな?
その分といっちゃ何だけどED結構イイ(ってかEDであのスーツがレギュラーだと確認した。マジでか!と思いつつ)
折角いい感じでスタートしたので絵が崩れないのを祈るばかりだが、このデザインなら崩れても結構気にならない?どうなんだろ?{/netabare}

4話までの感想{netabare}
前任者を飲み込まなくなったのはカレシが出来たから?
大昔、変態飛翔生体と人間との付き合い方は処女の生贄を捧げる形だった、とかだったりして。
飲み込むだけで吐き出すことは無かったとか。
処女といっても肉体的なだけでなくもっと重篤な、今まで一度も恋をしたことがないってレベルでないとダメ、みたいな。
また貝塚が補欠のままなのも幾嶋に恋心を抱いてるせい?
「白い恋人」は、精神形成において「恋の部分が空白」であることって意味かなーとか。
新たに合流したDパイ連中も、どいつもこいつも「ハナから恋を諦めてる系」で、なんかそんな気が…。
(といいつつ日登美は結構モテそうな気がする)
生贄とか処女かどうかとかそんなヘビーな話やるかな?と思わなくもないけど…岡田マリーだったらむしろ期待できそう?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
愛情表現でペロペロする。
うひょお、理屈は分かる、分かるが実際にそれをやってる描写って“おぼっちゃまくん”以来な気がする、自分の見たアニメの範囲では。
ってか「OTFが居なかったら自分は何の取柄も無いツマラナイ人間だ」って意識を強めてる?
洗脳が深化してるというか、依存度が高くなってるというか…そしてそれはOTFもしくは事務次官が仕向けてる。
F-2がヤバそうだったのも「そこまで私のために身を犠牲にしてたなんて」と思わせることで依存度を高めさせる身を張った演技に思える。
やっぱこれウラがあるんじゃないかな?

OTFにとって望ましいDパイの姿は、人間の価値観から見て真っ当な性格とは限らない

ってことかなーと思ってまして。
この視点が正解かどうかは不明ですが、これを失念して見たらそりゃあキャラクター達は頭オカシイ連中ばかりで不愉快になっても仕方ないかも。
「じゃあOTF自体がオカシイの?」って話に繋がるけど、うん、おかしいでしょー。
で、そこの謎に迫るのが本作のテーマなんじゃないの?って思ってます、外れるかも知れないけどねー。
元々、国がそこまでしてOTFを飼うメリットって具体的に何?も明かされてませんし、一話で漠然としたことを語っただけで。
その内明かされるんじゃないの?と緩く構えてますが、それが「Dパイがキチだらけな理由」と繋がったら良いですね。

因みにもっとゲスい見方をすると、処女厨に向けて「テメーらの好きな処女なんて、こんなんしか残ってねーから」と言ってる様にも思えたり。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
「日登美は結構モテそう」って書いたら本当にそういう扱いで吹いた。

そして9話感想、ほほうそういうことか。
↑で指摘した「国がそこまでしてOTFを飼うメリットって具体的に何?ってのはそのうち明かされるんじゃない?」って件、それっぽい説明は明かされました。
ミタツ様の移動先は新島として日本の領土扱いとなる?
もしそうだったら恩恵はトンでもない。
特に1話の紙芝居シーンの説明では戦後一時期OTFはアメリカの管理下だった頃もあったみたいだし、世間に公表されてないだけで国のトップは黙認してるのかも。
更にはレアメタルが主食みたいだし、もしかして移動先にはレアメタルの海底鉱脈があるとかもありえる?(ミタツ自身はちょっと食っただけで眠っちゃうとか)
ああ、こりゃ恩恵スゲーや、当たってるかどうか不明だけど。
また、もしそうだったとしてもボンヤリ仄めかす程度で明言はしないんじゃないかな、色々と面倒だから。
それ以外のもっと明確なメリットが今後明かされるのかも知れませんが、個人的には現段階なだけでも充分な説明がなされたと解釈します。

一方でOTFはああ見えて実はヤベー奴なんじゃないか?って雰囲気をずっと匂わせてたワケですが、いよいよヤバイ臭が佳境かな?
とはいえまそたんとノーマはあくまで「Dパイが恋をしてる」ってのに気付かず飲み込んでしまっただけで、拒否反応してるだけのように見える。
別に好んで襲ってくるってことではないだろう。
そっちよりも巫女の安否の方があぶない予感。
まさかミタツ様と反目するってことは無いと思うけど…それより事務次官やジョアおばさんの“見立て”が間違ってた、ないしそれ以外の解答を見つけるってオチになるとは思うのだが、果たして。

ところでよく言われてる絵柄だけど、設定的にはひどいブスなハズで、リアル寄りな絵柄だったら客が寄り付かないし、萌え絵で可愛く描こうものなら違和感が甚だしかったかと。
そういった乖離や違和感を起こさないための絵柄なんだろうなぁ、と解釈してます。
ってか、ねぇ…。
引き篭りキャラなのに妙に身綺麗な美少女とか、目つきが悪いって設定なのに絵では全然そう見えないとか、そういう作品に違和感覚えるのはいけないことなのか?と思ってた自分としては胸のすく思いだったり。
(絵柄が先にあってブス設定って流れかも知れないが)
なーんてことを考えてたら本編で巫女が「女捨ててるんですか」とひそねに突っ込んでて笑った。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
さすがマリー、やってくれたぜ。
途中まで良い感じに進んでたのに、最後放り投げちゃった。
ミタツ関係の云々は「実は〇〇でした」「実は××でした」の後付けの連続で、正直ついて行けない。
じゃあそれまで積み重ねてきてたのって何だったんだ?と思わずに居られず…なるほどねぇ、これがマリーのマリーたる所以か。
こうなるともはや「あれって○○だったんじゃないかな?」みたいな考察をする気も起きない。

因みにこの手の話──「途中までは良かったのに最後が糞」って話をすると、マンガ好きの友人なんかは浦沢直樹が言ったらしいある言葉を引け合いに出します。
「オチなんてどんなに酷くても途中楽しめたのならそれいいだろ!」みたいな…浦沢直樹もスゲーこと言うなぁって思うけど、まぁこの考えはマンガなら分かる。
いつ最終回を迎えるのかが分からず先の展開なんてそんな詳細に考えてられない、翻ってクライマックスから逆算して序盤に伏線を配置するなんてこともできない。
(そこら辺の事情を皮肉った傑作が「ソードマスターヤマト」だし)
けどねぇ、それが許されるのはマンガ(雑誌掲載)だけだと思うんだ、全何話か(最終回がいつか)分かってるアニメで同じようなノリをやられても自分は許容できない。

ってことでひそまそに話を戻すと、マンガ好きな方(バカにしてる訳ではない、自分が心が狭いだけ)なら楽しめるんじゃないかな?絵柄もそれ系だし。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

73.3 13 パイロットアニメランキング13位
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(OVA)

1991年5月23日
★★★★☆ 3.9 (508)
2474人が棚に入れました
『機動戦士ガンダム』の一年戦争から、『機動戦士Zガンダム』のグリスプ戦役までの空白の7年間を描く、ガンダムOVAシリーズの第2作。 1991~92年にかけて全13話が制作された。第1話を「機動戦士ガンダム 第08MS小隊ミラーズ・リポート」の加瀬充子、第8~13話を「機動戦士ガンダム MS IGLOO」の今西隆志が監督。第2~7話は二人が協同で担当している。後に、本作を再編集して新規カットを追加した劇場版『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』も製作された。一年戦争が終結して3年後。ジオン軍パイロット、アナベル・ガトーが、ガンダム試作2号機を強奪。連邦軍の新米パイロット、コウ・ウラキは、ガンダム試作1号機で追いかけるが、そのまま逃げられてしまう。

もどきゅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

トップガンガンダム

上官に恋をするエースパイロットを描く本作。
話のベースをトップガンでやろう、
という内容がミエミエですね。

本作は主人公へ感情移入しやすいように
アクが弱く作られています。
そこで作品を支えたのが名脇役たち。
脇役たちもスパロボに出ると目立ちますしね。

ナヨナヨしく戦場に出ると驚き続けるキース、
酔っ払いで女好きで、デコが目立つ小隊長モンシア。
分かりやすいぐらい渋いバニング隊長。

そして本作から、敵としてガンダムが
使われることになります。
悪習になったのが残念ですが、
本作では効果的に描かれています。

OVAシリーズのガンダムとしてはわかりやすい本作。
OVAシリーズのガンダムに手を出されたことのない
方でしたら、是非オススメします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Zガンダムへの布石(85点)

全13話。
ガンダムシリーズOVA作品。

個人的満足点:85点
アニメ系統:ガンダム宇宙世紀シリーズ

ファーストガンダムの3年後の話。
ガンダム開発計画のもと3機の試作機をめぐり物語は始まる。
「ソロモンの悪夢」と呼ばれたジオン軍エースパイロット、アナベル・ガトーと
連邦軍新米テストパイロット、コウ・ウラキとの間で物語が展開する。

物語の主軸はこの2人のやりとりではあるが、この0083はZガンダムへの布石も投じている。
それは連邦の腐敗である。
1年戦争に勝利した後の連邦の腐敗、そしてティターンズの台頭。
ガンダムならではの善悪の無い設定が特に顕著。
これはZガンダムファンであれば是非押さえておきたいポイントではないだろうか。

また、この作品の特徴としてニュータイプは一切出てこない。
これには超能力者タイプを安易に出したくないという思惑があったようだ。
それでも、コウやガトーが優秀なパイロットであることには変わりない。

ガンダムといえばMSだが、特にガンダム試作機の3機には違和感を覚える方もいるだろう。
それは明らかにZガンダムの初期機体より性能がよく見えてしまう。
この辺りは本作が製作された時期もあるだろう。
しかしながら、設定ではこの矛盾を解消するために、ガンダム開発計画自体が闇に葬られている。
歴史上、この3機の試作機は無かったかのようになっている。
そうしたちょっとした設定を頭に入れていただければ、まず納得していただけるのではないだろうか。

これには劇場版の「起動戦士ガンダム0083 ジオンの残光」
というのがあるが
ジオンの残光では話を端折りすぎで分かり辛いためOVAで見るのがお勧め。

ここからは個人的感想となるが、
コウが最後の戦闘に向うシーンやラストシーンはやるせなさがあり、お気に入りである。
デンドロビウムが高性能すぎだろと思ったのも事実だw
そして、なんと言ってもフルバーニアンはかっこいいよね。

兎にも角にもガンダムとZを見た方なら是非とも押さえていただきたい作品だ。


と、まあ色々書いてきたが
つまり何が言いたいかというと

ニナビッチ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

だんちょー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

OVAガンダムでは1・2を争う面白さ

OVA全13話。

まぁガンダム観てないとさっぱりわからん話ですが・・・

初代ガンダムとZガンダムの間を埋めるストーリー。

時代的には初代の3年後、Zの4年前です。

歴史から抹消された3機のガンダムを巡る話し。

かなり良作です。

宇宙世紀物のガンダムですが、ニュータイプと言われる特殊能力を持った人が出ない異端なもの… だったんですが、最近のOVA作品はほとんどニュータイプ出ないんだよね(^^;;

視聴に際には最低でも初代・Z・ZZ・逆襲のシャアを見てからを推奨します。

じゃないとティターンズとかアクシズとか言われてもわからないだろうしw

完全にガンダムファンのための作品でしょう。

劇場版もありますが、OVAのほうが理解しやすいのでこちらをお勧めします^^

そして今回のヒロインはビッチです(爆)お気をつけてくださいwww

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

66.6 14 パイロットアニメランキング14位
戦翼のシグルドリーヴァ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (263)
738人が棚に入れました
――突如、地球上に現れ、あらゆる生命の脅威となった『ピラー』。打つ手もなく追い込まれていく人類に手を差し伸べたのは、自らを『オーディン』と名乗る神の存在だった。 オーディンはピラーに対抗する術として、戦乙女『ワルキューレ』と、彼女たちの翼となる英霊機を人類に授け、反撃を宣言した。それから数年――人類とピラーとの戦いが続く空、戦翼を纏った戦乙女たちが、そんな戦乙女たちを支える男たちが、世界を救うために命懸けの空を翔けている。 ここ日本も例外ではない。霊峰富士にそびえし巨大なピラーと対峙する、 3人の戦乙女。いずれも腕は確かだが、揃いも揃って問題児ばかり。そこに、欧州から訳アリのエースパイロットがやって来ることになり……。「さあ、反撃の時だ、人類。来るべき決戦の日――ラグナロクの時は近い」シリーズ構成・脚本に『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平、キャラクター原案に『魔法少女リリカルなのはViVid』の藤真拓哉、世界観設定・設定考証に『ガールズ&パンツァー』の鈴木貴昭と、強力スタッフ陣で贈る新たなる空のミリタリー、開幕。

声優・キャラクター
山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、平田広明、堀江由衣、日高里菜、上坂すみれ、中村悠一、杉田智和、マフィア梶田、千葉繁、茅野愛衣、小松未可子、上田瞳

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

「聴いたことある単語を意味深に並べやがって・・・」

タイトルは作品中でとあるキャラクターが言った
「聴いたこともない単語を意味深に並べやがって・・・」のオマージュですw。

見始めた最初の感想は・・・、
「ダメだこれは、完走できんかもしれん・・・」でした。
状況説明はあるものの、根拠が不明確、というか元々荒唐無稽系なのでそこをとやかく言っても仕方がないのですが・・・。
どこかで観たような設定、どこかで観たようなキャラ、どこかで観たようなシチュエーション、どこかで観たような敵、どこかで観たような言い回し。
そして、その言い回しが・・・、なんともカッコよく見せようとしてダサいという(お子様にならウケるのだろうか?)。

てな感じでした。
それでも、まぁ、まぁ・・・観れたのはそこそこキャラの力ですかねぇ(おぃw)

結論から言うと、一応最終話までは観ました。
面白かったかというと、まぁまぁ・・・普通・・・。

自分的にはやはりキャラクターに魅力的な娘が何人かいたこと、
ポイントポイントで私の琴線に触れるような演出が何か所かあったこと、
好きなタイプの演出がいくつかあったこと(かぶってるかw)
が観続けられた理由でしょうか。

でも、やっぱり、
かわいらしい娘を何人か出しとけば・・・、
らしいセリフらしい演出を出しておけば・・・、
航空機と女の娘、いけるんじゃね・・・、
なんか、かっこいい神話系の用語とか話とか盛り込んどけばいいんじゃね・・・、
的な、いわゆる厨二が喜びそうなとこ盛り込んどけばいいやろ感が最後まで抜けませんでしたね。


それに、主人公?なんですかね。
クラウディアの歌う歌が肌に合わなかったなぁ・・・、残念。


ああ、ちなみに私の好きな演出っていうのは、
自己犠牲的な演出の事で、昨今はあまり流行りませんよね。
でも、私的には泣けるというか、究極の信頼関係というか好きなシチュエーションなんですよねぇ。
特に「残る仲間に未来を託して・・・」とか「お前のためなら命くらいくれてやる」とか「ジジイが若者の為に・・・」とかってのは特にやばいです。
この作品には、上記のような演出、シチュエーションが全種類?盛り込まれていて、それだけでポイント追加したいくらいです。
(あくまでもアニメ、映画、ドラマ≒フィクションの中で好きという事ですからね)

・・・これは、幼少期に観た「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の影響かなぁ、と自己分析をしています。


色々、書きましたが・・・、
悪くはないと思っているんですよ、良くもないと思っていますが。

そうですねぇ。
あえて・・・、あえて言ってしまうならば、
「・・・これなんてインディペンデンス・デイ?」って感じですか。
ああ、言ってしまった・・・苦笑。


私的には珍しく低めの評価かもしれませんが、何人かのキャラクターは活き活きとして観ていて楽しかったです。

機会とお暇があればぜひご覧くださいませ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

パパンがパン! ……いったい我々は何を見せられているのか(笑)?

[総評]
終盤で、作中でオーディンが言う「ラグナロク」の内容やそこまでの戦闘の背景が明かされるわけなのですが、聞いても「はい、そうですか」という感じであんまりインパクトはなかったです。

西部劇風の曲調をちょっと暢気にしたような「勝ち確BGM」は楽曲としては結構気に入っています。これがかかってドヤ顔しているときの宮古の頼もしさといったらなんとも…(笑)。

宮古のキャラに引っ張られてワルキューレ達のカワイさで最終話まで視聴はできたのですが、それほど「面白い」という感じでもなかったです。

まあ、なんだかんだでシールド隊の三馬鹿は今クールに爪痕は残しましたね。

== [下記は第4話視聴終了時のレビュー] ==
第4話まで見たところで、このレビューを書いています。

『Re:ゼロから始まる異世界生活』の作者、長月達平先生が脚本・シリーズ構成をやっているアニメ作品です。

読んでませんが、直接の原作ではなく「戦翼のシグルドリーヴァ」を冠するライトノベル作品が何作か出ているみたいです。

「ピラー」という人類の通常兵器では倒せない謎の敵と戦うために、オーディン(自称: 本当に北欧神話のオーディンなのか知らんけど)がワルキューレを遣わしその乗機である英霊機を授けたという説明が第1話でありました。

ワルキューレに関しては、作中で詳しくは描写されていませんが人間として生まれた上で力を授かっているようでうすね。

まあ、「謎の敵に対抗できるのは少女と特殊な武器だけ」というよくある奴です。「とりあえず女の子と戦闘機をウリにしておけ」という空気は感じます。もういいやって感じで観るのはやめちゃった人もいそうですね。

「英霊機」についてはなぜか外観的にはレシプロ戦闘機です。しかし対ピラーで現代のジェット戦闘機(シールド隊: ワルキューレをサポートする部隊)と一緒に戦っている様子を見る限りどう見てもジェット戦闘機よりも空戦性能は高いっぽいです。

作品全体のトーンはコメディ・タッチで明るめなのですが、ときどきシリアスや悲観的な状況がわかる描写が割り込んできます。

そんな中での第4話の「パパンがパン!」とか水着でウォータースライダーしたり戦闘機に乗ったりするのは完全にギャグに振り切った回でしたが、脚本担当も脚本担当なので、きっとどこかで暗い話が出てくるんだろうなあ…。

ウリのひとつといえる「女の子」に関しては、そこそこキャラも立ってるしカワイイのでそれで視聴は続けられるという面はあるかも。

たぶん、大ヒットはしません…。
== [第4話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

投稿 : 2024/11/16
♥ : 37
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

2話までの感想{netabare}
“ストライクウィッチーズ”が放送される期にコレってどうなんだ?もう何度も言ってるけどこれだけ作品数が多いとネタ被りは仕方ないにしろ、同期に同じようなのは避けるように協議したりって無いのかね。
とついつい思ってしまうのだけど、コロナでズレ込んだとか色々あるのかなぁと思うとそこまで突っ込むのも悪い気がしてしまう。
“ガーリーエアフォース”や“コトブキ”と被らなかっただけ良かったと思うべきなんだろうか。

なんてことを思ってたら、いやこれって“Z/X”の方が…ひいては“アサルトリリィ”の方が近い?
単に藤真拓哉のせいだろう、考えすぎだろうと気にしない様にしてたら…アサルトリリィの2話エンドカードが藤真拓哉で爆笑。

開き直ってる?

ただでさえ今期はシリ構ふでやす作品が4本(もっと増えるかも?)あったりで、一時期に集中して「どの作品見てもこの人の名前見るなぁ」ってよりも、長期に渡って分散した方のが良いと思うんだけどなぁ。
と考えると“アサルトリリィ”の方がズレ込んだのかな?こっちが先だとリゼロと被るし。
けどそうすると“アサルトリリィ”が“ラピスリライツ”と被る?…ああもう訳ワカラン。
別にアラ探しの如く似たトコ探ししてるんじゃなくて、数年後に思い出そうとした時にこんがらかってしまうことを危惧してまして、ええ。
今となっては“落第騎士”と“アスタリスク”がもうどっちがどっちだか記憶が混ざり合ってしまってます、こういうのって不幸じゃん?
あとこういうのはリアルタイム視聴ならではの感想だとも思うので…当時の印象ってのは重要だと“ひぐらし”を見て強く感じたこともあったり。


と前フリ長くなったけど本編感想。
レシプロなのは構わないが、神機でないとネウロイに対抗できないっていう説得力がイマイチ弱い気がする。
そのうち“ストライクウィッチーズ”でのウォーロック({netabare}ウィッチーズ(女性)しかネウロイに対抗できないのを男社会の軍上層部は快く思ってなくて、ウィッチ達を出し抜こうとして秘密裏に開発した対ネウロイ兵器。ある意味友軍が主人公達を裏切るという展開{/netabare})に該当する機体が出るんだったら面白くなるかもだけど果たしてどうだろう?
そういう意味ではオーディンが何を企んでるかがカギな気がするのだけど、単に思わせぶりなセリフ言ってるだけで最後まで有耶無耶のまま行ってしまいそうな雰囲気もあって安心できない。
ってかそこら辺期待して裏切られたことがもう多くて多くて…“Z/X”然り“戦×恋”然り“ガーリーエアフォース”然り。
それらは原作アリだから仕方ない?
であるならオリジナル作品のこれにはついつい期待してしまう、というか「ちゃんと完結するのかどうか」のことばっかり気になってしまう。
「人気が出たら続編出そう→続編出すことになっても問題ないように中途半端に終わらせよう」という作りに見飽きてることもあるかな?
頼んますよホント、完結してくれ~。

ところで、ひょっとして“ラピスリライツ”でやってたように各話なんらかのパロ入れるって縛りをやってたりするのかな?
1話「うおっまぶし」2話「大丈夫だ、問題ない」があった気が…“ラピスリライツ”と被るワケだけど、リゼロ繋がりで“グランベルム”の悪夢が蘇るのでこっちではあんまりやらん方が良いような…。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
4話本編の感想の前に戦闘シーンについて。
“コトブキ”が素晴らしかったかどうかは分からんけど、それよりも劣る気がする…というか結構テキトー?
2話の段階で「ん?」とは思いつつも様子見してたんだけど、同期に“ストライクウィッチーズ”があるせいってことだけではなさそう。
2話、トンネル内を飛行機で突っ切るシーン、現実的にできるかどうかは置いといてエンタメ的にもっとカッコ良く見せることができそうなのに妙にアッサリ。
また、敵が衝立状のバリア張ったら「スペシウム光線も八つ裂き光輪も効かない→すわ流星キックだ」という段取りがあるモンだと思うのだけど、アッサリと「上空から攻撃だ」で、じゃあそれに踏み切るまでに溜めがあるかというと、無い。
4話も不時着のシーンが妙にアッサリで…うーん?
演出になるのか?アクション得意な人がやってるのではない?なんかエンタメ性が薄い。
と思ってたら4話のアレですよ。

3話で仲間が危篤で寝不足なのを美談にしといて4話で寝不足を咎めるのってどうなん?と思わなくもないけどそれはまだいい。
おっさんギャグがとっても寒い。
いやでも待って、ストパンでも同じような話あったじゃん?そっちでは不快に思わなかったのにこっちと何が違うんだろう?と考えてみたら…。
ああ、あっちは悪フザケするのはあくまでルッキーニやハルトマンで「ハハ可愛いね」で済まされてるんだ。
大の大人のオッサンが悪フザケして少女の方が至って真面目だと寒いのかな?
または、当人は至って真面目だけどハタから見るとヘンって訳でもない、明らかにフザケてるよね?
ってか単純に戦乙女連中にトラブルメーカー的なキャラが居ないよね。
一応4話最後が新キャラ投入みたいな流れだったので、それに期待か?{/netabare}

総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
話についていけなかった。
特に「えっ?」となったのは4話…ではなく5話だか6話の富士ピラー。
突然沸いてきた設定にしか感じなくて、富士ってそんなことになってたの!?っていう違和感バリバリ。
だって館山ではのほほんとしてるし、そこから逆算して(前任の日本駐在ネームドが死んだとはいえ)1話で死線を越えたクラウに「ちっと休め」という意図、もしくは損耗率99.9%なので最前線から退けられた=“激戦区ではない”日本へ飛ばされたんだと思ったので…。
日本も激戦区だった?ってかそうであるなら廃墟化した山梨や静岡の街を映してくれよって話で…無いよね?そういったシーン。
また、そういうのを先に見せてくれれば大変な中気丈に明るく振舞ってるって好意的に解釈できそうなシーンも多々あったのに…特に4話なんてフザけてる場合かよと。
あくまで「激戦区ではない」って前提で気にしないでいたからなぁ。
更には富士ピラーの中は異空間で今まで撃墜されたワルキューレの機体が山積み&バイド化した深海棲艦が居るらしく、じゃあ世界各地のピラーは中で繋がってるのかな?と思ったがそうではないらしい(最終回、富士ピラーは滅ぼすことができたが他の地域は残ったままらしいので)。
ということは富士ピラーにオーディンやトールも居たの?ってことで、激戦区中の激戦区じゃんってことになって、益々館山ののほほんとした空気が意味不明に。
ぶっちゃけ、日本は人間が住めない土地になっててもいいくらいだと思う…「日本中のピラーが富士に集まってる」ってシーンがあったと思うのだが、あれで全滅でしょ。
それとフェイトの令呪みたいな3回だけ使える大技らしきものがあったハズなのだが、それを使うことなく一旦富士を敗走したのもよく分からん。
都合よく沖田指令だけ死ぬのも“ヤマト2202”で艦長席にだけ都合よくピンポイントでガレキが落ちてきたのを思い出す、あっちは昭和アニメのリメイクってことで「タライかよw」と指さして笑えたけどこっちは…呆れた。

ってかバイド化した元友軍との白熱した戦闘シーンってあったっけ?令呪をここぞという見せ場を用意した使い方ってしたっけ?
どうせ鳥の羽根を生やせるんだから飛行機の片翼くらい吹き飛ばしも構わんと思うのだが、これといった破損シーンも無いよね?「メインカメラがやられただけだ」みたいなの無いよね?
生身の人間じゃないんだから、ぶっ壊れても修理すればいいってのが「メカに乗る」ことの醍醐味だと思うのだが。
ピラーは生命エネルギーを狙って~で赤ん坊がどうこうっていうのも、だったらパイパー・ルウを囮に使ったり「いくらなんでも早すぎる」ってやつ、無いのん?
まぁ何が言いたいかというと、あれこれ設定盛り込んだ割にはそれが生かせてない、「死に設定」が多い。
設定を口で語れば視聴者は全て納得すると思ってるのかな?いやいや、描写が無いと無理だよー。
この世界は北欧神話が伝承されてないイフ世界ってのも、だから何?って感じで(※)…ってかレムが存在の力を食われたのとネタ被ってない?

で、繰り返しになるけど、個人的に一番描写が足りてないと感じたのは廃墟や破壊された街が描写されないことで、これのせいで緊迫感が無い、人類がどれだけ追い詰められてるのか分からない。
のほほんとした館山を映せば映すほど違和感が増した。
おっかしいなぁ、アニメーターには廃墟好きが沢山居るって印象なんだけどなぁ。
…。
まさか、館山とコラボしたせいで街を破壊するシーンにNGかかったとか?
そんなことあるのかな?けどそう穿って見てしまう。
けどよう、もしそうだったらよう、地方協賛のアニメはアカンね、戦争モノをする上では。
ってかソウル市を火の海にした(後で元に戻るが)韓国アニメの“ゴッドオブハイスクール”以下じゃないか。

※印の部分、目一杯の好意的解釈としては、ストパンのネウロイが終始目的不明で、それと差を出すためにどうにかして敵に動機を持たせようとした結果なのかも知れない。
どこかの感想で書いたけど「地球を襲う謎の侵略者」の目的が“モスピーダ”のインビットみたいなのだと果てしなくガッカリな訳で、それに比べればまだマシなのかなぁ?とも。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

76.5 15 パイロットアニメランキング15位
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 4.0 (181)
731人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府組織「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

声優・キャラクター
小野賢章、上田麗奈、諏訪部順一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

シャア・アズナブルの亡霊

サンライズ制作。

第二次ネオ・ジオン戦争より12年、
地球連邦政府の腐敗した政治に抵抗すべく、
ハサウェイは反地球連邦組織マフティーに参加。
アムロ、シャアの理想と理念を宿し道を切り拓く。

戦争ではなくテロとの抗争が描かれるようだ。
ブライトの息子、ハサウェイ・ノアは、
組織を率いるほどの青年に成長している。
反政府組織の急先鋒としてのマフティー、
マフティー殲滅を任務・遂行する連邦軍大佐、
そしてシャトルに乗り合わせた美女アンダルシア。

あまり難しく考える必要もないでしょう。
{netabare}物語の主要メンバーが搭乗便の襲撃を受け、
立ち位置を明確にし、それぞれが活躍する。{/netabare}
物語の導入部としては素晴らしいものがあります。

後半はMSによる、戦闘がありますが、
操縦室のモニター、造形、音響に感動するも、
{netabare}そもそも、ガンダムの外装に違和感がある。
そんな複雑な印象を受けつつも、{/netabare}
もしかすれば群像劇として「人」を描くのかなと、
それはそれで、期待しております。

好感が持てる、新劇の開幕でしょう。

ぜひ配信で観て下さい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モビルスーツの場違い感が醸す破滅の予兆

原作小説は未読。

【物語 4.0点】
三部作の一作目。

構成は序盤~中盤3分の2が人間ドラマ。派手なバトルシーンは終盤に集中。
だからと言って、終盤の見せ場にソースを集中すべく、前半を捨てているわけではない。

むしろ前半のハサウェイと出会う人々との濃密なやり取りの方が、
武装蜂起を前にした、ハサウェイ自身によるアイデンティティが不安定な現状を自己分析するパートとして重要なのではないか?
それくらい人物描写が繊細で惹き付けられます。

ハサウェイ率いる反地球政府運動「マフティー」
相次ぐ戦乱で疲弊した地球に特権階級だけを残すべく、
市民を拿捕して宇宙へ強制移住させる「マンハント」。こうした腐敗に鉄槌を下す。
大義としては申し分ないが、過去の武力行使を正当化する名分と比べるとかなり弱い動機。
戦乱で敗れ去っていった者へ思い入れるハサウェイの私心ありやなしや?

マンハント糾弾という点では、地球に残りたい市民とマフティーの利害は一致するが、
最終的に人類は全員宇宙に移住すべしとのマフティーの理想とは齟齬を来す。

何より今や、宇宙世紀(U.C.)0105年。
もはや武力だの、モビルスーツだの、ニュータイプ理論だので現状を変更する時代でもない。
マフティーが人々から“テロリスト”と揶揄されるのは時代の空気を読めていないからだ。

そんなことはハサウェイも百も承知。
その上で彼はシャアら先人たちが歩んだ破滅の未来を回避するには?或いは破滅を織り込むのか?
自己の立ち位置を再確認するために、ネクタイを締め市井に紛れ、自分を模索し続けるのだ。


この観点から心に刺さっているのが{netabare}タクシードライバーとの会話シーン。
その日暮らしの市民には1000年後の地球環境を憂うマフティーの理想になど構っていられない。
だって周りには結構、自然は残っているし。

この活動家が日常生活から乖離して孤立する状況。
世の浮いてる活動家の方々には、テロに手を染めないためにも、耳をかっぽじって傾聴して頂きたいと願います。{/netabare}


ハサウェイが思索の果に迎えるガンダム発進シーン。
綺麗に自己を総括できていますが、高揚感は少な目です。
曇天への発進は、地に足が付かない、五里霧中な行く末を暗示しているかのようです。


以上の通り、物語を愉しむには、
『逆シャア』までのサーガをテーマまで咀嚼することが必須な、マニアックな作品であることは言うまでもありません。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

背景美術と人物作画の一体感を出す昨今のトレンドに逆行する本作。
写実的な海面などの背景に割り込んでくるモビルスーツなど浮きまくっています。
戦闘シーンでよくある街中でモビルスーツが煙を巻き上げるカットはメカを魅せるための演出。
ですが、本作の場合は、何もそこまでスクリーンいっぱいに煙やら火花やら噴かなくてもいいじゃないか(笑)
ってくらいの迷惑行為として処理。

宇宙世紀を動かすのはモビルスーツに乗ったニュータイプなどではなく、
メンズスーツを着たオールドタイプである。
モビルスーツなんてお呼びじゃない。
メッセージ性が作画構成でも徹底しています。


とは言え、オールビューモニター搭載が標準化したモビルスーツ同士の戦闘は迫力満点。
私は一作目は通常のシアターで鑑賞しましたが、
次作は360°没入感を最大化できる巨大スクリーン等での鑑賞にこだわりたいです。

【キャラ 4.5点】
主人公ハサウェイ・ノア。
顔立ちや対人関係のぎこちなさはアムロ・レイ。
二つの名を使い分ける暗躍ぶりはシャア・アズナブル。
アムロかシャアか。ハサウェイ自身が葛藤する際の引き出しにもなる。

ハサウェイの秘密を見抜き絡んでくる謎の美少女ギギ・アンダルシア。
大人の色気で、ハサウェイのライバルともなるケネス大佐とのトライアングルを仕掛けたかと思えば、
戦場では幼女の如く動揺を露わにする情緒不安定ぶり。

ギギとの交流の中で、クェス・パラヤを破滅へと攫っていったシャアの一件が重なるハサウェイ。
大義より、過去のトラウマという感情で言動を左右されるハサウェイ自己分析の一助ともなる。

総じて各サブキャラとも、ハサウェイ自身が掴めていない自分探しにヒントを与える献身ぶり。

【声優 4.0点】
ハサウェイ役の小野 賢章さん。
幼さと凛々しさが混在する青年ボイスで、村瀬監督からの“感情と思想に引き裂かれたキャラクター”という難題に応える好演。
このハサウェイ危ないことするよ。

ギギ役の上田 麗奈さん。ボイスを高嶺にコントロールして正体を掴ませない妙演。
これは周りの男どもも取り扱い方法に困ります。


公開前、劇場版『逆シャア』の少年時代以来、
長らくハサウェイに声を当ててきた佐々木 望さんからの“声優交代”が物議を醸しました。
ただこれも『ガンダム』以外のコンテンツではよくあること。
アニメ化よりも先にゲーム等でキャスティングされた声優が、アニメでは変更になるのは割りと普通。
ただハサウェイの場合はアニメ映画化以前にゲーム等で活躍する期間があまりにも長すぎましたw

また、このキャスティングについては、アニメ映画化後もゲームのハサウェイは佐々木さんが担当していることなどから、
①小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』→『閃光のハサウェイ』原作小説のハサウェイは佐々木 望さん。
②劇場版『逆襲のシャア』→本劇場版三部作のハサウェイは小野 賢章さん。
①②はパラレルワールドの別系統作品であると示唆しているとの見方もあるそうですね。

劇場版三部作見ながら原作小説読んだら①②の異なる要素が混ざり合って困惑してしまうかも。
この辺りが、私が劇場三部作展開中は、小説購読は『~ベルトーチカ・チルドレン』までで止めておこうと決心している理由です。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は澤野 弘之氏。
エッジの効いたテクノ等をアレンジした戦闘曲及びボーカル曲で魅せる。
「TRACER」は特にぶち上がります♪

気になるのが『UC』の澤野氏が『ハサウェイ』でも音楽担当している事。
『UC』は原作『ハサウェイ』完結後に、『逆シャア』~U.C.0100の間に闇に葬られた史実があったと後付けされたエピソード。
よもや本シリーズで『UC』を絡めてくることもないとは思いますが、
パラレルだとしたら何でもありですし。
もしくは『UC』同様、『ハサウェイ』も戦乱の亡霊を退治する物語として同一視すれば良いのか。
考え出すと落ち着きません。


ED主題歌は[Alexandros]「閃光」
過去を振り払って未来へ驀進する快作ロック。
ですが、今のハサウェイにはちとまぶしすぎる感もw
Netflix海外配信に合わせて英語版もリリース。
MVは英語版の方がAMVになっており作品のシーンを振り返るのにも最適。


【付記】
分割2クールの『水星の魔女』の幕間に、本作のTV編集版が1/15~全4話で放送されるそうで。
制作中の第2部への予習復習としてハサウェイを分析してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

宇宙世紀ものとの決別か。(じっくり見られたので追記です)

配信サイトでじっくり見られましたので。追記です。

 宇宙世紀ものとの決別という第1印象は変りません。

 驚異的な映像すぎて、ガンダム感がないというのも初見と一緒でした。ハリウッドが作るゴジラが面白くない…と同じにならなければいいのですが。

 内容もガンダムのテーマとして兵器としての運用、兵站なにより禍々しさというリアリティが無くなっていました。その分、戦闘時の周囲への影響を描いたのでしょうか。3DCGとしてのロボット描写としてのリアリティはありました。ただ、画面が暗いのでガンダムの決めポーズが見られませんでした。2作目に向けての焦らしでしょうか。

 組織そして人の描写には力をいれてました。ハサウェイ、ケネス、ギギのキャラは良く描けていました。つまり、ヒューマンドラマになったということでしょう。
 そして、テロリズムに堕すことでパーソナルな個人の悩み…シャアのような確信犯ではなく、何かをやらなければならないという焦りからシャアをマネてという甘えをハサウェイからは感じます。

{netabare} シャトルがダバオに降りたのは偶然ではなく、自分がイニシアティブをとるためにケネスがそう段取りをしたということですね。で、ハサウェイは自分のホテルへの襲撃を自分で段取りしたんですね。
 で、ギギといっしょにいたので段取りが狂って危険な目にあったと。まあ、コントみたいに逃げる先逃げる先全部危険で、ちょっとやりすぎましたけど。

 逆襲のシャアの時点で思想に走りすぎて、訳の分からないストーリーになっていました。そして最後はアムロがツンばっかりでデレないのでシャアが切れたみたいな感じで、ギャグにも見えるような結末でした。
 物語でもシャアは思想になっていましたが、環境、特権、宇宙移民、ニュータイプ。本作はなにかテーマがあるようで、その思想に内容が伴わない滑稽さが感じられました。

 マフティの行動と民衆の期待にズレがあるのもそういうところでしょう。1000年先と暮らし。ハサウェイが何をしたいのかわからないので、今のところギギという少女にしか興味が向かいません。この描写がそのままハサウェイの迷いだとしたら、訳の分からない感じが脚本の意図通りということで、非常にうまいストーリーだと思います。
 
 ギギについてはニュータイプの娼婦という設定?はララァの再現なのは間違いないでしょう。ガンダムシリーズを通じてララァという少女が結局のところ消化しきれず、歴代の主人公周辺の女性ニュータイプ、強化人間を経て、クエスそしてギギにまで引きずっています。
 つまり、ハサウェイとケネスはシャアとアムロの関係の焼き直しでしょう。ただ、不思議なことにギギに悲劇の予感はしません。というか奇異に見えて非常にまともなキャラでした。この少女を起点に、シンエヴァのようにガンダムを卒業…という訳にもいかないでしょうけど(大人の事情的に)

 ギギは性的な匂いを漂わせていますが、道徳的にはピュアな雰囲気。自らを汚いと感じる感性。恋する少女になっていまいた。この少女の迷いというか、悩みというか難しい状況が示唆されますが、これからでしょう。
 ハサウェイがギギに手を出せないのも、ギギが結局ハサウェイを押し倒さないのも、こういった子供の部分なのかもしれません。

 ハサウェイは、ガウマンというパイロットの救出などにまったく頭が回っていなかった、ということはこの時点でマフティへの興味が薄れているということでしょうか。ハサウェイも自分の甘さを自覚していましたが。

 アムロまたはそれ以前から始まる壮大な宇宙世紀もののガンダムクロニクルは、最後は個人の…それも女への迷いで幕を閉じる?のでしょうか。

 最後、ハサウェイに気があるっぽい女が出てきて、一方でギギがハサウェイが残していった時計のおもちゃに電池を入れるのは上手い心理描写でした。時が動き出しましたし。{/netabare}

 あと、注目ポイントはホテルのエレベーターの内部の液晶パネルです。アニメーターが貧乏で「高級」「豪華」が苦手だといわれていた日本アニメで、感心するほど高級感がありました。

 すごいアニメなのは間違いありませんが、映像美だけでは歴史的なアニメにはなれません。さて、続きはどうでしょう。



以下 1回目の視聴時の感想です。良く見ていなかったのか話を追えていませんでした。

{netabare}
 宇宙世紀もの、ですが、問題のスケールはテロリストにまで落ちています。前作までで、ララァに対してクエスの存在感があまりにも薄く、ハサウェイの抱えている心の陰もあまり見えてきません。地球の特権階級を憎んでいるらしいですが、そこの動機が弱い感じがします。シャアを形だけまねているのでしょうか。(追記;シャアって、逆シャアで最期でどういう結論にしたのか映画ではわからなかったです。環境の問題だといいながらアムロへの執着だった気がするんですが。サイコフレームがどうのこうので終わってよくわかりませんでした)

 ハサウェイのパーソナルな問題をギギとの関係で解決してゆく物語なんでしょうか(追記;それとも本気で環境のことで悩んでいるんですかね?だとするとギギが登場する意味がちょっと分かりづらいですね。ヒロインが欲しかっただけ?どうも環境について人の意見を聞いたりして、環境問題は単なる言い訳に見えたんですけど)。彼がなぜ今の状態にあるのかは本作からはあまり深くは読み取れなかった気がします。しかも、続きものっぽいので消化不良で終わっています。
 まあ、3部作と明示してるんですかね。であれば次作が楽しみな終わり方でした。

 ギギというのは、ララァと同じく娼婦または愛人なんでしょうね。ガンダムにおけるこの女性の扱いというのに、どんな意味があるんだろう、といつも考えてしまいます。魔性ということなんですかね。男を理解できる母は優れた娼婦である?

 ストーリーは面白くはありますが、かなり都合のいい展開と言えるでしょう。
 ハサウェイがあの特別なシャトルに乗っていた必然性があまりなく、そこにハサウェイの組織の偽物のハイジャックが来てます。しかも航路を外れた緊急着陸したダバオには敵の親玉のケネスが赴任してきた基地があり、ハサウェイの組織の拠点もそこにある。
 ホテルに泊まっていたら、ハサウェイの組織に襲われる。要人がかたまっているからなんでしょうが、緊急着陸して偶然そこにいたはずなのに、襲撃の準備はいつできたんでしょうか(追記;ここ偽装工作ということなんですね。でも32Fから上を攻撃するんじゃなかったのでは?)。
 しかも、モビルスーツ戦がハサウェイの真上で始まってしまう。
 うーん、この部分をもう少し丁寧に必然にしてほしかったですね。またはギギによる不思議な力?のせいなんでしょうか。
 大人向けに作っている雰囲気の割にはストーリー展開が子供向けという感じでチグハグ感はあります。少年向け小説が原作みたいなので止むをえませんか。

 本作がガンダムか、といえば、もはやモビルスーツものですらなく、それは単なる戦いの象徴になっています。極端なことを言えば現代兵器でドンパチやっていても、物語に破綻は出ないでしょう。

 アニメは、金はかけたのでしょう。ものすごい出来でした。しかし、実写に近づきすぎたといえばいいのでしょうか。ガンダムらしい迫力が感じられません。ハリウッド特撮的な迫力になってしまっています。
 冒頭のシャトル内の人の動きが気持ち悪かったです。ある種不気味の谷を感じました。

 ギギの造形、キャラだけは素晴らしかったので、それだけでも見る価値はあります。

 あえて、スケールを小さくしてパーソナルな問題に置き換え、ガンダムが不要になってゆく。ニュータイプもあまり意味がなくなってゆく。宇宙世紀もののガンダムとの決別なんでしょうか。

追記;ちょっと集中して見れてなかったみたいですね。一回しかみてなかったのでいろいろ変なレビューでした。また、2作目があるときに見返します。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

78.0 16 パイロットアニメランキング16位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6615人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾

ニコフスキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

過大評価

なんか「もっと評価されるべき」みたいな位置づけされてるんですけど全然そんなことないよね

このアニメは2つの要素から構成されていて、1つはSFロボットもの。もう1つは人間ドラマみたいな面だと思うんですけど、まぁどっちつかずで中途半端

まずロボットアニメとしてはコレ酷いよね
魅力がないんですよね機体にも技にも。スパロボに出ても使いたくないもんww

恋愛要素もあるわけだけど、恋愛って分野は一本であるべきなんですよ。決してロボアニメの付属であってはならない。SFに恋愛を交えたって現実の恋愛をテーマにした学園モノに恋愛要素で勝てるわけがないんですよ。劇中のキャラ達にとってならともかく僕達にとってはあまりにもフィクションで現実味に欠けるから

いっそのことロボットバトルアクションをなくしてべつの形にできたなら他の描写が生きてこれたんじゃないかって思います。命の尊さとかを感じながら主人公の成長を描くことを軸にストーリーをっ持っていけたなら、もっといい
作品になったはず



誤解して欲しくないのは面白くないわけじゃないんです
ただ素材の使い方しだいでは・・・っておもってしまうんですよね。つまり「もっと評価されるべき」ではぜんぜんありませーーーんwwwwそこまでいいアニメじゃなかったぞと

あとこの頃の花澤香菜さん
演技下手すぎやろwwwwwwww酷いwww
逆を言えば花澤さんの成長がわかる作品でもあります。もしかして花澤ファンにはこれだけでも視聴の価値はあるかも

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

ガバ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

SFアニメとしては好みだが

16話で断念。断念した理由を主にレビューしていくことになる。

まず、良かった所はやはりその世界観である。6話以降世界観が開示されるところは面白かった。また、朴璐美さんなど脇を固める声優さんは上手かったと思う。

次に、視聴を断念した理由は主人公、ヒロインの声があってなかったためである。イマイチ二人の物語に入りきれなかった。序盤時間をかけて日常パートでキャラの掘り下げを行うのだが、その時間が丸ごと演技のひどさで無駄になってしまった気がする。そのため世界観の開示があらかた終わり二人の物語へと回帰していく16話で視聴を断念。
もちろん私個人の意見なので気にならない人もいると思うが、私には合わなかった。たぶん私好みに声を寄せすぎるとアニメアニメしてしまって、それもまた作品に合わないからここら辺の塩梅は難しい。

総評としては、SFアニメとしては良し。ロボットアニメとしては平凡。恋愛物(?)としてはイマイチという(個人的な)印象である。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

yosshi____ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最近見た中で1番鳥肌が立った作品。

ずっと見よう見ようと思ってたのですが、今更ながら視聴しました。
まず初めに6話までは頑張って見て下さい。

この作品は映画のマトリックスの世界と同じと言ってしまえば簡単ですが、そうではなく、もっと深く濃い内容となってます。

かなりスピリチュアルな話になりますが、ふとたまに、そもそも自分というのは、体という実態のことなのか、脳という意識のことなのかと考えたことがあります。自分の体に他人の意識が入って、他人の体に自分の意識が入った時、果たしてどっちが本当の自分なのかと。
誰でも一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。

ゼーガペインで伝えたいことはここにあると私は感じました。

意識さえあれば、実態などなくとも生きている。と考えるもの(ガルズオルム)と、実態がなければ生きているとはいえない。と考えるもの。(セレブレム)

これはその両者の戦いであり、26話を通して描かれました。

見終わって、説明不足なところは多々ありましたし、ラストのところも複雑にしすぎた感じはありましたが、それでも今まで見てきたアニメの中でもかなり素晴らしい作品だったと思います。
特にEDの入りは今まで見てきたどの作品よりも素晴らしかったです。

難しい内容が好きな方、考察しながら楽しみたい方におすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

69.3 17 パイロットアニメランキング17位
宇宙戦艦ティラミス(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (215)
789人が棚に入れました
人類が生活領域と欲望を宇宙まで拡大した時代、
自由を求めた人々が宇宙へ流れ住むようになり、彼らの叡智は文明を育み、
いつしか地球を脅かす存在へと変貌していった。

宇宙暦0156年、地球連邦政府が祖母星グランマースから
史上4度目のコンタクト(4th note)を受けたその年、
【メトゥスの民】との抗争は本格化していた。
終わらない戦い、増え続ける犠牲……。

そんな戦況を打開する為、颯爽と一人の青年が戦場に降り立った。
彼の名は、スバル・イチノセ。
宇宙戦艦【ティラミス】の眉目秀麗・成績優秀な若き天才エースパイロットである。

全人類の希望は、彼に託された。

――だが彼の真の姿は、ティラミス艦内の集団生活に馴染めず、
いつも専用機デュランダルのコックピットにひきこもってばかりいる青年で……。


声優・キャラクター
石川界人、櫻井孝宏、諏訪部順一、江口拓也、大塚明夫、新井里美、中田譲治、桃井はるこ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「パロディギャグ」とはこうあるべき

短編アニメながら発想勝ちだろう。

ロボットアニメのあるあるネタをここまで下らなく、アホ臭く、そして中学生並みの頭の悪さをギャグにできる素晴らしさ。

きちんと下ネタで通す辺りが筋が通っていて面白いです。

銀魂とおそ松さんあたりの流れだと思いますが、見ていて腹抱えるほどアニメで久々に笑いました。

あとナレーションの大塚明夫は「ガンダムオリジン」のパロディとしては面白い。ほかにもガンダムネタ満載。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

haiga さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

最高のスタッフによる最高のおふざけアニメ

今観終わりました。なんてお馬鹿なアニメなんでしょう('A`)

ノリッノリの石川界人さんの歌声から(良い意味で)イヤな予感がしていましたが、映像はリアルロボットとライバルぽいキャラのかっこいいバトルで動きまくるオープニングから~の冒頭から全裸頻発のぶっ飛んだ内容にズコー_(┐「ε:)_

キャラと声優に4.5付けましたが石川界人さんと中田譲治さんに捧げたいと思います。見事な演技に爆笑しました。準レギュラーが⚪毛ってスゴすぎるなw
脇役声優もめっちゃ豪華なんですね(^_^;)

特に盾の勇者の鬱回の合間に観るのをオススメします。尚文と同じ声(髪型も前髪がそっくり)でおバカな事ばっかしてるから癒されますw

残念イケメンが出まくりますが、どっちかと言うと男性にオススメです。あるあるネタで爆笑必死です。なんも考えずに気楽に観れるギャグアニメとしてオススメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クソ笑った超絶ギャグアニメ

原作:漫画/放送期間:2018年4月-6月/全13話/制作:GONZO

キービジュアルやタイトルからしてロボ系かと思い込んで敬遠していたけれど、ちょっと調べたらショートアニメ&ギャグ作品ということで視聴したところ、ロボ系苦手とかそんなもんまったく関係なしに楽しめる超絶ギャグアニメでした。

あらすじをちらっと見るには、宇宙戦争やロボ系かと思ってしまうので、私のように端から敬遠されている方も多いと思われますが、約7分ほどのショートアニメなので、とりあえずご覧になって頂きたい。(もちろんギャグには合う合わないがありますが)

視聴開始したらすぐさま毛色が違うことが解かります。正直、第1話は微妙だと思っていたけれど第2話からハマってしまいそのまま一気に観てしまい全13話があっという間に終了。寒いネタのハズレ回もあったけれど私としてはほとんどがツボってしまうアタリ回だらけでした。

ちなみに涙が出るほどクッソ笑ったのは {netabare}「すぐ絶対って言うな」のくだりw くだらなすぎるけど、{/netabare}こういう奴ホントいますわなw

登場するキャラクターも主人公のスバルをはじめ、イカしたキャラばかり。紅一点の爆乳美女・リージュ(声:遠藤綾)も捨てがたいけれど、{netabare}やはりスバルの兄・イスズ・イチノセの残念なイケメンキャラが最高すぎる。{/netabare}

声優さんもナレーションの大塚明夫さんなどそれぞれがいい味を出し作品を盛り上げており、なかでも中田譲治さんと能登麻美子さんがよくこんな役どころを引き受けたものと感服してしまった。

この第一期を逃していたことで先日放映を終えたばかりの続編となる『宇宙戦艦ティラミスⅡ』もノーマークだっただけに遅ればせながら面白い作品に出会えて嬉しい限り。続けて第二期も視聴したいと思っております。


▼キャスト
スバル・イチノセ:石川界人
イスズ・イチノセ:櫻井孝宏
ヴォルガー・ハマー:諏訪部順一
ヴェンチュリー・ルロワ:土師孝也
リージュ・ルロワ:遠藤綾
シゲルコ・ホンダ:新井里美
パッカー(PAC2-AR):桃井はるこ
ナレーション:大塚明夫

▼制作
原作:宮川サトシ/漫画:既刊7巻
作画:伊藤亰
監督:博史池畠
シリーズ構成・脚本:佐藤裕
キャラクターデザイン・総作画監督:横山愛
アニメーション制作:GONZO

▼主題歌
オープニングテーマ「Breakthrough」歌:スバル・イチノセ(石川界人)
エンディングテーマ「DURANDAL」歌:スバル・イチノセ(石川界人)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

63.0 18 パイロットアニメランキング18位
エガオノダイカ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (203)
702人が棚に入れました
地球より遥かかなたの星にある、笑顔に溢れた王国。王女のユウキは十二歳、そろそろ多感なお年頃。毎日泣き、笑い、時にはときめいたり…?しながら、王宮で楽しく暮らしている。日々を彩るのは、忠実な家臣たち。教育役のレイラ、政治を補佐するイザナ、騎士団長ハロルド、そして……幼馴染の側近、ヨシュア。「ユウキ!気合と根性さえあれば、何だってできる!」「……もうっ。またそれ~!?ヨシュア、もっと貴族らしくしてっ!」ステラは十七歳、有能かつクールな軍人。けれど微笑みはいつも絶やさない……笑顔は生きるためには、欠かせないから。これは、遠い星に生まれた、二人の少女の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、早見沙織、松岡禎丞、佐藤利奈、神奈延年、置鮎龍太郎、小市眞琴、榎木淳弥、松山鷹志、長久友紀、増田俊樹、石谷春貴、白石稔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

笑った私は素敵でしょう・・・ね?どう?どや!素敵でしょ?

タツノコプロ創立55周年企画オリジナルアニメーション、とのこと。


そのまんま『笑顔の代価』となるのでしょう。好物である不穏な展開が待ち受けてそうなタイトルが視聴の決めてでした。鬱展開カモン(^^)

王国と帝国。二つの勢力に別れての戦争もので主力兵器はロボットという世界が舞台です。キービジュアルからは想像つかないですけどね。王国側の王女ユウキ(CV花守ゆみり)と帝国側の一兵卒ステラ(CV早見沙織)のWヒロインになります。
戦争の原因は資源エネルギーに絡んでと妥当な理由でした。
タイトルから“笑顔は何と引き換えなのか?”
OP映像から“ユウキとステラはどう絡むのかなぁ?”
そんなところが気になる序盤です。


観終わって、、、そこそこ期待した通りの“不穏さ”ではありました。
エガオにまつわるオチのつけ方やたぶん監督が描きたいであろうテーマも伝わってきます。ただわかりづらい。

戦争もののくくりで本作を捉えるとして、陣営の違う二人を主人公に据える場合、まずはお互いの関係を決めてくれると楽だったのです。
 ・一番手っ取り早いのは二人をライバルにしちゃうことでしょう。
 ・次に考えられるのは敵味方を超えた友情物語にしちゃうことでしょう。
これがどちらでもなく関係性は不明のまま。
ただそれ自体は悪くないことです。後半に結びついてこればいいだけの話。

次に早い段階で二人が会うなり相手を認識すること。接点を作ってあげないと一つの作品のなかで別個の物語を追うハメになるからです。これもないため、視聴者は二つを追いながらの集約待ち状態が続きました。これもそれほど悪くないことです。
代わりかどうかは知りませんが、同じ事柄を王国視点で次は帝国視点でと交互に見せる演出が何回かあって理解を促してました。
おもしろい演出でしたが、《話の進行速度》を代価として払った感じですね。終盤近づいてももやもやが依然として残ります。
{netabare}9話以降、クラルスとは何ぞや?が解明されたあたりから物語は加速していきますが、{/netabare}どうしても終盤慌てて畳んだような印象です。

 尺不足ではなくこれは脚本が悪いです。

並行で物語を進行させる場合、興味を引き付ける要素を要所で挿れないと置いてけぼりになります。その悪い見本。
最終盤はいろいろ繋がって作品のメッセージも受け取りましたが、それまでの組み立てのしょっぱさから{netabare}ラストカットのユウキとステラの二人に{/netabare}感情移入できた方がどれほどいたでしょうか?私は2週めでやっとおぼろげながら見えてきた感じでした。

 『その笑顔のためにどんな代償を二人は払ったのだろうか?』

ここに注視する必要がありそうです。鬱展開は好物です。ただしそれは人間の根っこ部分を摑まえてこそ。メッセージ性があるものの根っこが弱い、もったいない作品でした。
テロップ挿入ありのOP。「笑った私は素敵でしょう」とストレートなED。OPはムービーがネタバレやんと思いつつ、両曲とも作品世界に合っており肝いりだったことがわかります。


※以下ネタバレ所感
■笑顔の意味
ヒロイン二人の笑顔には別々の意味がありました。
{netabare}ユウキ:幼くして両親を失う不幸に見舞われながら周りの助けもあり、愛情を注がれて育った娘の笑顔。
王女らしく笑顔の対象は自国民だったり『公』に向いている。しかし次々と愛する人(家臣含む)を失っていき、笑顔は消えていく。愛する人を失わずに済む日が訪れた時に笑顔は取り戻せるのだろう。{/netabare}

{netabare}ステラ:幼くして両親を失う不幸に見舞われ里子に出されても厄介者扱いで、愛情を注がれずに育った娘の笑顔。
自己防衛ありきで笑顔の対象は自分『私』に向いている。仮の居場所(軍)を見つけ必要がなくなり、笑顔は消えていく。在りし日のかすかに残る記憶。人と人との繋がりを取り戻せた時に心から笑える日が訪れるのだろう。{/netabare}

{netabare}ユウキは民を統べる者としての自覚が芽生え、その責任を全うしようとすることで。
ステラは戦災孤児や隊の仲間の温もりに触れ、居場所を見つけようともがくことで。
クライマックスに向けて両者の心の変化みたいなものが集積していき、ラストピースをレイラさんが埋める。そして繋ぐ。ここはちゃんと筋が通っているんですよね。{/netabare}


■メッセージ
非戦反戦であることは明確です。王国にも帝国にもそれぞれ兵士たちには愛する者がいて、と。両陣営の視点で描かれているので狙いはある意味分かり易い。戦争なんてろくなもんじゃない。その通り!
なんだけど、物語の収束のさせ方が自分には刺さらない刺さらない。受け取ったメッセージに共感するまでには至りませんでした。

{netabare}作中でも再三指摘されてましたが、動力源(クラルス)を失えば、新たな争い生まれないわけないでしょうに。自覚あるだけマシと言えなくもないが、クラルス停止の正当性の根拠に持ってきたのが住環境の維持、すなわち環境破壊の阻止です。しかも1000年後。
これは問答無用でグレートリセットすればなんとかなる、のテロリストの発想ですよ。クラルス停止してもいいようにエコ手法を周知徹底するロードマップを敷くとか代替エネルギー研究するとかまじめな議論すっ飛ばすやり方はどうも性に合いません。そんな真っ当なツッコミに対しての反論が{/netabare}

{netabare}『気合と根性さえあれば、なんだって出来る…』
ヨシュアの伏線回収です。 ダメだこりゃ (*´▽`*){/netabare}

賢明な皆さんならもうお気づきでしょう。既視感のあるプロパガンダ臭がプンプンで胡散臭いったらありゃしないのです。
エンタメはエンタメで楽しみたいのでこういうのいらんかなぁ。リアリティの欠如した作品は今の時代ウケませんよ、タツノコプロさん。
GO!GO!がコンセプトの55周年企画なそうですが、これが非難轟々にならないことを切に願います。


■オマケ
1.CV花守ゆみり
ユウキが野営のキャンプで食事にありついてるシーン。もうすぐ冬ですね。
※出典:寒い季節にキャンプを楽しむアニメ
2.役名リリィ
仲間が戦死する度にこのフレーズが耳から離れない
「さよならはやってくるけれど ずっと先だって思ってた」
※出典:ゾンビがアイドルするアニメ

お粗末さまでした。



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2019.08.25追記

視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴

ED『この世界に花束を』のフレーズ。「笑った私は素敵でしょう」
これ放送中は気にならなかったのですが、最終話を観終わって、

 「素敵って言えや、ゴルァ!」

と迫られてるかのように感じました。作中のメッセージが押しつけがましかったのが理由です。お姫様は自分は良いことしてる!って信じて疑ってないですよね。だいたいこの手の方って人の話聞かないんですよ。



2019.03.29 初稿

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46

pikotan さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

残念

ネットの評価が散々なので、逆に気になりdアニメで視聴。
なるほど叩かれるだけのことはある作品だなと納得。
たぶんクラルスは原発をイメージしていますよね。
これに戦争も絡めて現実世界へ問題提起しているのだとは思いますが、ストーリー展開が悪過ぎます。
10話目まで観たときは「これ2クールだったかな?」と思ってしまうほど遅々とした展開の後、11~12話で一気にまとめましたね。よくあるけど。
ラストでは敵だった人間同士が何事も無かったかのように仲良くなってるし…。
そんなに簡単に気持ちを切り替えられますか?
観ているこちらの気持ちが追いつきませんでした。

キャラクターで何よりイライラさせられたのは、王女であるユウキです。
子供だからと言えばそれまでかも知れないけれど、腐っても王女ですよ。
普通は王女就任の前に、内政や外交の状況についてレクチャーを受けるのでは?
国の状況を隠していた周りの大人に問題ありです。
状況を知ってからも変わらない言動が、更にストレス溜まりましたけど。

意外だったのはヨシュアの早期退場です。
てっきりヨシュアは近衛兵的役回りで、最後までユウキのそばにいると思っていたので、まさか第2話であんなことになるとは、ここだけ展開早かったですね。

これがタツノコさんの55周年記念作品とは、何とも残念です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

驚きの雑さ

【良い点】
・ロボのバトルシーンが綺麗
・OPが良い
・一応物語が終わる。

【悪い点】
・稀に見る雑さ
・キャラがうざい
・不明部分多すぎ

主人公はwikiによると、王国の王女、帝国のステラ、この2名らしい。
王国vs帝国の戦争もの。ロボを使ってのバトルアニメ。
OPの曲と歌はいいですし、最終話にはちゃんと物語としてきちんと終わります。
そんな良い部分をあっさり潰してしまう程の雑さ、そしてコロコロ手の平返しをするような主張や言動と感情面。後々浮彫になってくる設定内容の為、アニメ全体の半分まで見ないとほとんどが分からない内容。

具体的にどういう事かというと、以下の内容です。
{netabare}
【雑なところ】
・人間が移動する際、移動の仕方がスケートのようにスィ~。
・ロボに乗ると周りの大きさが人間サイズ基準のものに変化。
・死なせ方が雑で、フラグ立てて「取り合えず死んで感動して貰おう」という感じ。
・重要施設、一般人でも簡単に入れる程の何もない。捕虜部屋は見張り1名で鍵も無く外にあっさり出れる。
・王女がロボ内のモニターに顔出し命令。戦争中、前が見えないっ!!邪魔っ!!ありえんっ!!
・「300m先で我が軍の部隊が敵に囲まれてる」ロボ目線で300m!?目と鼻の先じゃないかよ!!

【キャラがうざい】
・王女の主張が『味方だけでなく敵にも犠牲を出したくない』。結果、味方だけ犠牲が増え続ける。それを見かねた偉い人が、反論するも「私はこういうやり方しかできないのぉー!」無能!!
・側近眼鏡女「争いを止めたいとおっしゃられましたね。ならば懸命にお考え、それが出来ないのであればあなたは無力のままです」王女に戦争中である事を隠してたお前が言うのかよ!!


【不明部分】
・戦争している理由が分からない。
・ロボの性能、強さ、武器等が全く分からない為、王国と帝国の戦力差等が不明。
・新型が出ても、どれが新型か分からない上、性能差も全く分からない。
・新兵器の威力を見せるが、比較対象が無い為、凄さが分からない。
・主人公が誰か分からない。
・地図が何度か出て来るけど、それがどこなのかが全く分からない。
{/netabare}

このアニメは、ロボでの戦闘シーンが見どころだと思います。
ストーリーは一応ありますが、どうでもいい死亡フラグの会話と、女王の心情を表す会話が多々あり、ストーリーが全く頭に入って来ません。
しかも、6話の終盤までは不明部分が多すぎて「彼ら彼女らは一体何を言ってるんだ?」という状態に陥ります。
これを楽しむ為には、この作品の基礎知識が必要みたいな気がしまくります。
かといって、2周目を見る気にはなれませんでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 28

62.8 19 パイロットアニメランキング19位
よみがえる空 RESCUE WINGS(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (149)
696人が棚に入れました
ジェット戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に入隊。だが自分の希望とは裏腹にパイロット養成の選考過程でヘリコプターの操縦士になってしまう。同期の小坂隆が希望通りイーグルドライバー(F-15戦闘機のパイロット)になるなか、それでも気持ちに折り合いをつけて配属先の小松基地にやってくる。そんな中、配属間もなく災害が発生し、現地に向かうこととなるのだが…。

声優・キャラクター
宮崎一成、能登麻美子、石塚運昇、星野充昭、飯塚昭三、笠原留美、伊井篤史、小野坂昌也、志村知幸、さとうあい、高村尚枝、ゆみ、大本眞基子、ふくまつ進紗

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

航空自衛隊が立ち向かう困難な現実

笑いナシ笑いナシの硬派作品。
航空自衛隊のリアルを描いたものです。
実に興味深い作品ではあったのですが、
イマイチ面白味に欠けていました。
リアリティに凝り過ぎて(?)、
事実の再現ビデオ、又はドキュメントドラマのように感じました。
ただ、現実性を追求した作品ならではの魅力が詰まった作品でもありました。


~あらすじっぽいもの~
戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に。
しかし、希望とは裏腹にヘリコプター操縦士に…。
ヘリコプターでの人命救助に追われる日々。
不満、悔しさ、葛藤…。
負の感情を胸に、反対に彼女(めぐみ)の支えを糧に、
内田はどのようなフライトを見せるのか…。

まぁ面白かったです。
土壇場での自衛隊たちの機転には驚かされます。
ただ、どうしてもアニメを観ている感覚に浸れませんでした。
個人的にはここが残念なんですよね。
私はアニメが観たいのであって、再現ビデオを観たいわけではないのです。


とは言っても、好印象な点も少なくありません。
例えば、内田の上司にあたる本郷さんの存在。
彼のようなリーダーシップ溢れる人材は現代の日本において数を減らしてきています。
反対に、名だけの上司が増えてきている状況。
"ただ居座ってるだけ"の上司の皆様、
本郷さんの姿を見て改心してくれることを心より願います。
っ!なんの話をしてるんだ私は…。
本作がアニメっぽくないせいで、
私までレビューとは逸脱したことを…。←は

もう1つ良かった点を挙げるとすれば、
それは航空自衛隊について知れたこと。
内部情勢や外部との提携など、とても参考になりました。
話がどうこうより、『航空自衛隊』という舞台設定に惹かれましたね。


OP「明日をとめないで」 歌ー美郷あき
ED「エンブレム~名も無き英雄達へ~」 歌ーJAM Project(影山ヒロノブ)

EDが凄く良かったです。
力強くも優しい、素敵な曲でした。



読み返してみると、些か否定的なレビューになってしまいましたが、
面白いか面白くないかと問われれば、迷わず面白いと答えます。
ヒューマンドラマとしても楽しめました。

ただ、この硬い物語にもう少し捻りがあれば、
もっと良くなったのかなと感じる今日この頃です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

空知 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

人命救助という仕事の難しさや苦悩を垣間見ることのできる秀作

放送当時、居住地では視聴することができなかったのですが、最近再放送があったので視聴しました。

非常に素晴らしい作品でした。

2話目からグイグイと引き込まれてしまい、全13話を3日間で一気に観てしまうほどでした。(放送当時は12話だったそうですが、レンタルなどでは未放送分も含めて全13話となっています。)


{netabare}

航空自衛隊による人命救助の作品です。正確に言うと、航空自衛隊航空救難団と言うそうです。

人名救助の作品と言えば、例えば映画「海猿」が有名です。「海猿」では実際にはあり得ない救助を行なっており、ドラマティックな脚色をし鑑賞者をハラハラさせます。

しかし、本作はあくまでもリアルに人名救助のプロ達を描いています。
餅は餅屋とは良く言ったものです。
プロフェッショナルとは何かを考えさせてくれる作品です。

救助のプロは、二次災害を避けることを第一とします。
自分の命を危険にさらして他者の命を救おうとすることは、傍目には立派に見えるでしょうが、二次災害が起きると隊員の士気が下がるため、救助のプロはそのような無謀なことはしないのです。

作中では、自衛隊員が亡くなる場面も出て来ており、その家族の悲しみも描いています。常に、死と隣り合わせの仕事ですから、家族は常に緊張しているはずです。

本作は航空自衛隊の協力を得て制作されており、内容はリアリティーに富んでいます。

どちらかというと、ドキュメンタリー的なアニメです。

それでも尚、心を打つ内容でした。


地震や災害時に、自衛隊の方々が私達国民の命を必死に救助する姿は誰でもテレビ等で見たことはあるでしょう。
私自身、自衛隊の方々には災害時にお世話になりましたので、国民の1人として感謝しています。

作中で、テレビで評論家が好き勝手言っている場面が出て来ますが、なかなかにしてマスコミの醜さを表現していました。
数年前に大雨の影響で河川が氾濫して多くの家屋が浸水してしまい、救助を待っているとき、マスコミのヘリコプターが何機も上空を飛んでおり、救助隊のヘリコプターが非常に迷惑したらしいですが、マスコミというのは、逆に邪魔もしてるんです。

そういう場面も本作には実際に出てきており、マスコミ批判がハッキリと打ち出されている点は同感しました。


第6話のOPと第7話のEDが「ひょっこりひょうたん島」の主題歌であったことは、素晴らしい演出。

元々はファイター(戦闘機のパイロット)を目指していた内田が成長する姿は描かれているのですが・・・

第12話で、元ファイターで上司の本郷が、

「自分が空から拒絶されているようで、飛ぶのが少しも楽しくなかった。
ところがあるとき分かった。空が俺を拒絶してるんじゃない。俺のほうが空を拒絶していたんだ。」

と内田に言う場面があります。

そして、本郷は内田に「お前にはまだ分からんだろう」と。

つまり、本作だけでは、主人公の内田には、「空がよみがえっていない」のです。2期があれば良かったのと思います。
この点だけが少し残念です。

{/netabare}

ヒロインが良かったです。
主人公が職業人として成長していく様子と、ヒロインも自分の仕事を通じて成長していく姿を描いた点も良い演出です。


絵に関しては、2006年ということを勘案した上での評価です。
OP『明日をとめないで』が良かったです。
6話OPと7話のED曲、これは素晴らしかった。


これは本当の「お仕事アニメ」。
こんな良い作品を今まで観ていなかったなんてもったいないことをしました。


秀作です。
名作に近い秀作の上です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

苦労が必ず報われるわけでもないという現実

淡々としてる、盛り上げない。たぶんワザとこういう風につくってあるんでしょうが、ホント地味~な印象。
アニメじゃなくって、テレビドラマに近い。
登場人物達は特別な存在ではありません。職務を真摯に遂行する自衛官です。
あえてジャンル名を付けて本作を呼ぶのなら「職業ものアニメ」とでも言いましょうか。


お話は若手のパイロットである主人公が、航空自衛隊の「救難隊」へ配属されるところから始まります。
戦闘機乗りになりたかった青臭い主人公が、ここでヘリのパイロットとして悩みながら成長していくものがたり。
数々の災害現場を経験し色々な事を学びとっていき、仲間との信頼を深めたり、ヘリパイとしての誇りを培っていきます。
設定としてはありがち。ですが自衛隊&救難隊というのがキモです。

主人公たちは災害現場や事故現場へ派遣されるわけですが、某テレビドラマのように消防や海上保安庁のレスキュー隊ではありません。
災害派遣要請に基づいて出動する自衛隊。レスキューの手に負えない現場は過酷を極めます。
卓越した技術や根性をみせたドラマチックな救出劇を演じて要救助者から感謝感激の嵐・・・なーんてことは殆どありません。
地道な訓練と冷静な判断で全力を尽くした結果、もたらされるものを受け入れていくしかない。そういう職業です。
そんな姿を淡々と、あまり飾らずに描いています。

しかし地味だけども泣けるんです、これが。
フィクションっぽさが無いからこそ、災害現場の悲喜交々に共感ができるのかもしれません。
主人公達の複雑な胸中を想像してか、あるいは要救助者の家族の痛みに共感してか
・・・ともかく、意外にウルッと来るところが多くて参りました(´д`)


作中、あるエピソードからエンデイングでひょっこりひょうたん島のテーマがながれます。
何をふざけてるんだ、と思うことなかれ。これがものすごく感慨深く、印象に残りました。

♪苦しい事もあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、
 だけど僕らは挫けない、泣くのはイヤだ笑っちゃお♪

この歌詞の意味と、登場人物達の職業の重み。
そういうのを想像してしみじみとする、そんな大人な一作です。

しかし、エンターテイメント性が、ホントうっすい。
そうゆーのは期待しないでみてください。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

66.8 20 パイロットアニメランキング20位
へヴィーオブジェクト(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (637)
3721人が棚に入れました
結局、戦争はなくならなかった。地球という惑星の隅々まで開発の手が及び、一部の権力者達が月面に別荘を建てるような時代になっても、人と人の心の隙間までは埋まらなかった。ただ変化はあった。くだらない殺し合いに夢中になる彼らにも、変化はあった。泥臭い兵隊達の運用は時代遅れとなり、各国の地球の支配権の奪い合いは、『クリーンな戦争』で決まる。そんな世界の、戦争の代名詞。それは――。

声優・キャラクター
花江夏樹、石川界人、鈴木絵理、伊藤静

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

なぜ面白いはずなのに面白くないか。

 このアニメ、ヘビーオブジェクトという兵器のSF設定といい、戦争のやり方が変わった世界観といい、ヒロインを初めとして登場キャラはなかなか魅力的で、結構ポテンシャルはあると思います。これだけ揃えられれば面白いはずなんです。

 実際1話1話のエピソードは面白いです。でも、全体として面白くないんですよね。なぜでしょうか。いくつか思い当たるポイントです。

 ワンパターン。日常場面、上官の無茶ぶりミッション、想定外の事象、戦闘、肉弾戦(たまに敵女性とのいろいろ)の繰り返しみたいな感じです。ゲストキャラはいますが、同じパターンです。

 エロさもまあ、ラノベ原作でうまいレベル感でギャグとして処理できる範囲なので良かったと思いますが、これもパターン化されてしまってます。パターン化が面白いこともあるんでしょうが、作画なのかキャラのせいなのかわかりませんが、エロさもギャグも中途半端で楽しみにするほどではなかったです。

 世界が進展しない。平和に向かうわけでもどこかと和平を結ぶわけでもない。解決すべき大きなテーマがない。主人公の成長とか人間関係の進展とかあれば、いいんですが、初めの話と最後以外はどの順番で見てもOKな感じです。

 バディものですが、2人の友情についてどうも感情移入できないというか共感がもてません。カッコつけすぎて上滑しているからでしょうか。エピソードで何の説明もないので、漫才コンビにしか見えません。

 ヒロインが人形。可愛くて主人公に惚れる戦闘人形です。都合のいい少女にしか見えません。愛情がストーリーの本題に絡まないということもあるでしょう。多少主人公が無茶をする動機にならなくはないですが、主人公は基本誰でも助けますので関係ありません。
 女上官も狂言回しなだけで、エロキャラ以外の役割がありません。

 初めの話は結構面白かったです。ヒロインの人間性の変化みたいなものがありました。これを継続したテーマにすればものすごく面白かったと思います。
 または本筋として進展する何かがあればなあと思います。解決すべき謎とか、最後は大きな敵を何か国かで叩きつぶすとか。または、ヘビーオブジェクトが否定される流れにしてもいいと思います。

 ラノベなら、数ヶ月に1度のお楽しみで進展しない話を読むのも楽しいでしょう。でもアニメでこのパターンだとちょっと辛いですね。おしい作品でした。
 
 前半のOPはなかなかカッコイイ映像でした。
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

サカゼルガ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

隠れた良作です

「とある魔術の禁書目録」の作者と同じ人の作品です。

内容はハリウッドさながら、
絶対に倒せないような強大な敵の巨大兵器を、
ほぼ知恵と機転のみ用いて、
基本的に2人の歩兵のみで打ち倒していきます。


「正直結構無理あるだろこれ」
みたいな、冷静に考えると結構無茶な設定もありますが、
そういう細かいところを気にするよりも、
基本的に出てくる敵の兵器がすべてラスボス級なので、
一見不可能にしか見えない敵を打ち倒していくのが、
見ていてマジで気持ちいいです。

しかも兵器なんで、基本的に倒したとき爆発します。
めっちゃスッキリします、
「すげーーー!!」って


そういう意味では、敵がほぼ無敵クラスばかりの
とある魔術1期に近いと思います。


感じとしては、「金色のガッシュベル」とか好きな人にオススメです!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ボール超かっけえ!

オブジェクトカッコイイですね!
予想以上に女の子が可愛かったのもポイント。
お話はこの原作者さんならジャイアントキリングな内容なのかな。

2話
{netabare}

オブジェクト同士の戦闘がポジション取り、武器の撃ち合いと少し面白味にかけたかなあ、来週はあの敵を倒す話だと思うので期待してます。

{/netabare}
3話
{netabare}
正攻法で倒すわけではないことは分かってはいる・・・のですが、あまり展開としては燃える展開かな?と思いました。ただ援軍が来たシーンは良かったと思います。
今の時代でもアメリカ等にはスパイ機関があるわけですから、破壊工作を想定した防御が何もないというのはちょっと頂けないかなと思いましたね。

{/netabare}


15話
戦闘良し、エロ良し、映像良し、話もそれなりに良しの良回でした。

意外と面白いんですよね。以前ジャイアントキリング系ロボットアニメがありましたが、私が見たかったのはこういうアニメです。あまりにストーリーにとらわれすぎると、武装や倒す方法が限られていくのだなあと、ヘヴィーオブジェクトの3話完結方式が良いのを見て、感心しました。

16話
戦闘シーンは多分今までで一番良かったですね、ヘイヴィアが敵が放棄したオブジェクトを見上げるシーンや、姫様の出撃シーンのオブジェクトのかっこよさも良い!
そして、謎歌を突っ込んできた今回の話は最高でした!

やっぱり2クール目に入ってから大分面白くなってるなあ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33

72.3 21 パイロットアニメランキング21位
機動戦士ガンダム F91(アニメ映画)

1991年3月16日
★★★★☆ 3.8 (463)
2550人が棚に入れました
宇宙世紀0123年、シャアの反乱から約30年が経った時代。大きな戦乱も無く平和な世界の中、人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。しかし、地球連邦政府の疲弊・腐敗から、秘密裏にコスモ貴族主義を掲げる軍事組織クロスボーン・バンガードが設立され、スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲する。その最中、民間人の少年 シーブック・アノーは襲撃から避難するために、友人達とともにコロニーを脱出するが、同行していた内の一人 セシリーが連れ去られてしまう。近隣のコロニー「フロンティアI」に辿り着いた一行は、地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護される。艦内にはF91と名付けられた整備中の新型MS(モビルスーツ)があった。混乱の中成り行きでF91で出撃することになったシーブックが戦場で対峙したのは、クロスボーン・バンガード軍のMSビギナ・ギナに搭乗していたセシリーだった…。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

是非ともリメイクされて欲しい不遇の名作

まず最初にお伝えしたいのは、この作品が「劇場版のガンダム作品」として屈指の名作でありながら、とにかく時勢に恵まれず、内容に見合った扱いを受けられずにきた不遇の名作であるという点です。
この作品の魅力については他のレビュワーの方々が語ってくれていますので、私はまず、この作品がなぜ不遇の名作となってしまっているかについて私見を交えて書かせてもらいたいと思います。

この「機動戦士ガンダムF91」という作品は、ガンダム劇場版10周年を記念する作品というふれこみで製作されたものですが、当時はガンダムシリーズの展開が行き詰まりを迎えつつある冬の時代だったようで、そういった状況の打開を図るべく、過去作の反省も踏まえて「分かりやすいTVガンダム」を作ろうという構想の基で企画が生まれ、現在でも第一線で活躍している名だたるクリエイター達が結集し、それまでのシリーズ作にはない挑戦的な作りこみがなされながら製作されてゆきました。(企画が生まれる要因となった過去作の反省については後述させてもらいます)

そのためこの作品は、初代ガンダムから始まった「宇宙世紀」と同じ時間軸の下で物語が描かれているにも関わらず、良くも悪くも他のガンダム作品とは一線を画した仕上がりになり、公開当時はシリーズファンの間でも評価が割れた作品となりました。

評価が割れた大きな要因として、それまでの歴代ガンダム作品の魅力の一つとなっていた「過去作の登場人粒や設定」が時を経て最新作品に登場してくるオマージュ的展開がこの作品では殆ど用いられておらず、それと同様にそれまでの歴代作品が膨大に積み上げてきていた敵勢力側のモビルスーツ(ロボット兵器)の系譜も排除され、全く新しいアーキテクチャーによるロボットデザインがいきなり導入されたりしている点が挙げられます。
故に熱烈なガンダムシリーズファンの方々にとってこの作品は、初代ガンダムに連なる歴代の「宇宙世紀系ガンダム作品群」の一つとして受け入れられ難い側面を持っており、色んな意味で一線を画した作品として捉えられることが多いようです。

この作品は元々、当時の歴代TVガンダムが描いてきていた「人類の戦争」という子供向けTVアニメで扱うには重く難解すぎるテーマを、それまでより分かり易く描くことを目標に1クール分のTVアニメ番組として企画されたものだったらしく、この企画が生まれた背景には、TV版第2作の「Zガンダム」が作品自体の出来は良かったものの「難解で複雑な内容」故に子供市場へのウケが良くなく、製作側とスポンサーが期待した程に商業成果をあげられなかったことと、連続して製作されたTV第3作「ガンダムZZ」がZガンダムの反省を踏まえすぎて迷走し、番組途中で路線変更を余儀なくされた上に、結局Zガンダムを下回る商業結果を残しそうだと判断され、そこから商業的巻き返しを図るために第3作「ガンダムZZ」の放送期間中に急遽物語ラストの核となるプロットを丸々抜き出して「逆襲のシャア」という劇場版作品を作る羽目に陥った製作側の苦い経験があったようです。(逆襲のシャアは大ヒットし名作となりました)

しかし子供市場にも受け入れてもらえる「分かりやすい新ガンダム」を実力派クリエイターを集めて作ろうとしたものの、戦争という「題材」を使って魅力的なアニメ作品を作ると、結局子供向け作品としてベビーすぎる内容になってしまい、当時のTV局の自主規制的縛りやTVスポンサーとの折り合いなどがつけられなかったのではないかと言われています。
逆にいえば、実力あるクリエイター達が作品を面白くしようとするこだわりが、「TV版F91」製作の足枷になってしまったといえなくも無いかもしれません。
様々な背景事情が入り乱れ製作状況を二転三転させる羽目になったサンライズは、最終的に「機動戦士ガンダムF91」という作品を劇場用の120分映画に濃縮する形で製作・公開することにせざるをえなかったようです。

そうした製作環境の変動は少なからず作品の品質にも弊害を与えていったようで、この作品では、本来なら時間をかけて描かれるべき繊細な場面が、尺の都合などで止むを得ず端折られたり削られたりしている所が幾つか存在しています。この点もまた、この作品についてファン達に物議を醸させ、作品への評価を割れさせる一因となったようです。

しかし尺の都合で削られてる所があって唐突に場面が飛んでしまうことがあるにしても、本作は全体的に話の流れがとてもスムーズでテンポも良いので、私個人としては観ていてどんどん惹きこまれ120分間があっという間に終わってしまった感じでした。そして「端折られた箇所への違和感」は私的にギリギリ許容できる範囲ではありました。(気になる人はとことん気になるかもしれません)
この作品に高い評価と共にレビューコメントをつけていらっしゃる方々の多くが、この作品のそういった部分を「展開を急ぎすぎている」「話が駆け足しすぎてて勿体無い」と仰っていて、劇場版でなくTVシリーズとして相応の話数と尺を使って描かれたこの作品を観てみたいという願望を持っていらっしゃるようですが、私も全くの同感です。

(ここからはこの作品の魅力について具体的に書かせていただきます。)


視聴して頂ければ納得していただけると思いますが、この作品にはガンダム世界のエッセンスが作品公開当時にサンライズが費やせる最高のクオリティで詰め込まれており、公開から25年余りが過ぎた現段階においても、その内容が殆ど色あせておらず、劇場用のガンダム作品としては屈指の名作であると言い切れる出来栄えになっています。

この作品の具体的な時代設定は宇宙世紀0123年で、これは初代ガンダムの一年戦争時代(宇宙世紀0080)から40年後、ZガンダムとガンダムZZのグリプス戦役と第一次ネオジオン戦争時代からは34年後、逆襲のシャアの第二次ネオジオン戦争からは30年後、ガンダムUCのラプラス戦争時代からは27年後にあたる設定になっています。
F91では、この時代に起こった紛争の中で必死に生き抜こうする人々の「出会い・裏切り・葛藤・成長・愛憎・決別・和合」といった様々な人間ドラマが、宇宙戦艦やモビルスーツ(ロボット兵器)を主兵器とした戦争を通じ繰り広げられてゆきます。

この作品のロボットアニメとしての戦闘シーンは、今の時代でもこの作品を凌げるものに中々お目にかかれない程に魅せ方を心得た好演出が多く、そういった観点からも時折無性に観たくなる程の魅力を備えています。
ただ、佳境を迎えたラストバトルの最後の最後のシーンはとても素晴らしい演出がなされているのですが、私は個人的にあともう一つ「決め手」となる演出が加えられていて欲しかったなとも感じました。(ここは人によって意見が分かれる部分だと思います。)
そしてそこからエンディングにゆくのですが、森口博子さんが歌っていらっしゃるEDテーマがこれまた非常に素晴らしく、ラストの感動を否がおうに盛り上げてくれます。私は初観直後にクライマックス~エンディングの流れを3回ほど観直して余韻に浸りまくっていました。そしてこの曲はガンダムのテーマソングとしては初の「NHK紅白歌合戦」出場を果たしたヒット曲でもあります。

この作品は当時の名だたる実力派クリエイター達が結集して作られたため、作品全体に凄まじいほどに秀逸な演出が惜しむことなく散りばめられており、物語の土台となる世界観を徹底して「肌で感じられる」描写で描きまくってあります。(昔の勘違い高品質アニメにありがちだった無駄に細かい描写などでは決してありません。作品の魅力をきっちり引き立てている好演出ばかりなのです。)

それによってこの作品は、主人公が活躍する戦闘シーンだけでなく「戦争によって人々の日常が破壊されてゆく」ガンダムシリーズでは通例となっている場面や、紛争の中で人々があがいてゆく「非日常の日常」の場面などがガンダムシリーズ中随一の出来となっており、そこは必見の価値があると思います。
物語中に流れる価値的描写も、様々な価値感を持った登場人物達がそれぞれの存在意義と生き方に根ざした行動をとってゆき、それらがきめ細やかに絡められてゆく形で描写がなされており、「戦争に絶対の正義無し」されど「人の道は如何や?」というガンダムの真髄ともいえるスピリッツがあますことなく表現されています。

少し穿った言い方をしてしまうと、通り一編のテンプレ的な行動しか登場人物達に許容できない子供的感性の人からみると、この作品のキャラクター達の行動は矛盾だらけで中途半端で意味不明なものに映ってしまうかもしれません。が、そこがこの作品の人間ドラマとして実に味わい深い部分だったりします。これは年齢を重ねないと見えてこない「大人の特権」的な味わいかもしれませんね。
この作品が企画されたきっかけは「子供にも分かりやすいTVガンダムを作ろう」でしたが、良くも悪くも随分と大人が愉しめる「味わい深い作品」になってくれたものだと思います。

しかしこの作品に更なる+@の魅力を与えている何より要因は、「命の儚さ」や「人間の厭らしさ」といった「戦争や人のネガティブな側面」を様々な人間の価値感を織り交ぜながらがっぷり描きつつ、その泥沼の先に「光明」を見出せる「人間の持つ可能性」をポジティブに描けている所なのではないでしょうか。



「機動戦士ガンダムF91」という作品は、時間と尺をかけてじっくり描かれた作品として世に出るはずが、当時の作品の受け手である市場が未成熟だったために、尺に限界のある劇場用作品として世に出ざるをえなかった「不遇の名作」だと思います。
もし可能であればこの作品をOVAやTVアニメとして、是非ともリメイクしていただきたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ブルーレイよりDVDがオススメです

どうも昔からガンダムにはあまりハマれなくて・・・
いやちゃんと見てはいましたけど・・・
ただこのF91では宇宙世紀という世界観だけは引き継がれつつも、登場キャラクターを一新することで新鮮な気持ちの作品に仕上がっていると思いました
要はアムロだのシャアだの言わんのですw
この辺は旧作にこだわりを持たない人の方が入り込みやすいと思います
そしてとにかくラストが感動的だった
今までの悲しみばかりが残るガンダムシリーズのイメージを全て吹き飛ばしてくれましたね
ガンダムが「人を殺すため」ではなく「人を救うため」に使われるのが素晴らしい
ちなみにブルーレイ版はマスターフィルムの状態が悪いらしく、無理矢理に鮮明さを出そうとした妙にコントラストの強い色彩になっています
フィルム上の傷やゴミなんかも逆に目立っていました

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

chanchan さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

平成ガンダムしか知らない人に特に見て欲しいガンダム!!

私も平成生まれですけど昔からスパロボやGジェネのユーザーなので、基本的にガンダムシリーズはほぼ全作の内容を知ってますし、ちょいちょいアニメも見てます。
だからこそ言いますけど、F91は半端なく面白いです!!ゼータとかも捨てがたいけれど、私はF91が一番面白いと思います。

劇場版なので尺が短く、多少話を詰め込み過ぎな点は認めますけど、ガンダムに必要な要素をしっかりと含んでいて、見応えがあります。

この作品の評価すべき点はまずストーリー!!ガンダムシリーズは大体主人公が一般人で戦争に巻き込まれていくものが多いですけど、このF91もそれらと同様に戦争に巻き込まれるパターンです。それ故に戦争の愚かさを恋愛要素も含みつつ短い尺で表現出来ている点が素晴らしいです。

後は音楽ですね。森口博子さんの曲が良すぎて…。EDなんて場面にもぴったりで号泣ものですwww

時間軸は逆シャアの30年後で、宇宙世紀を舞台とした話ですが、その割にはこれまでのガンダムシリーズとストーリーの関連性が無く(背景的にはありますが)、ガンダム初心者にもオススメ出来る作品です。

まぁ何が言いたいかと言うと、タイトルにもある様に平成ガンダムしか知らない人に見て欲しいって事です。別に平成ガンダムを否定してるわけではないですよ!?私だって種や00見ましたし、どっちも大好きです。
ただ少しでも興味を惹かれたなら見て欲しいな~って素直に思ってます。

ちなみに、漫画でしかありませんが続編の機動戦士クロスボーンガンダムも完結編まで全巻持ってます!!こっちもオススメです!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

68.3 22 パイロットアニメランキング22位
機動戦士ガンダムNT(アニメ映画)

2018年11月30日
★★★★☆ 3.6 (121)
486人が棚に入れました
2010~14年にかけてOVAと劇場上映で展開され、16年にはテレビシリーズとして放送もされた「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の続編となる劇場版アニメ。「ガンダムUC」のストーリーを担当した小説家の福井晴敏が脚本を手がけ、「ガンダムUC」から1年後となる宇宙世紀0097年を舞台に、ユニコーンガンダム3号機フェネクスをめぐる物語が描かれる。ニュータイプの存在と権利に言及した「宇宙世紀憲章」の存在が明らかにされた「ラプラス事変」から1年。争乱の中心にあった「ユニコーンガンダム」と呼ばれたフルサイコフレーム仕様の2機のモビルスーツは最後の戦闘で人知を超えた力を発揮し、それゆえに危険視され、封印された。しかし、2年前に消息を絶っていたユニコーンガンダム3号機が再び地球圏に姿を現し、同機をめぐる争奪戦が勃発。この戦いに、新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」が投入される。

声優・キャラクター
榎木淳弥、村中知、松浦愛弓、梅原裕一郎、藤村歩、古川慎、塩田朋子、てらそままさき、中井和哉、山路和弘、星野貴紀、佐藤せつじ、駒田航、荒井勇樹、島田岳洋、玉野井直樹、中村文徳、横溝菜帆

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

まさしく宇宙世紀の…新世代の『火の鳥伝説』…オイラは刻の涙を見た!【Narra-TALK&ノベライズ版&パッケージマスター版感想追記】

ファーストガンダムから始まる「宇宙世紀(UniversalCentury)」を舞台にしたガンダムシリーズのオリジナル長篇映画
『NT』は「ナラティブ」と読み、この単語自体は“物語”や“説話”という意味を持ってますが宇宙世紀を舞台にした作品ではお馴染みの要素である“ニュータイプ”と掛けてるダブルミーニングであり、今作では“神話”という意味に意訳できます
『機動戦士ガンダムUC』の1年後が舞台で実質的に『UC』の後日譚になっている為『UC』及び『UC』に至るまでの宇宙世紀シリーズを視聴者が把握してることを大前提として話が進みます
具体的には『ファースト』『Z』『ZZ』『逆襲のシャア』『UC』を把握していた方がすんなり話が入ってくると思います


宇宙世紀0097
ラプラス戦争から1年後、極秘裏に開発されていたユニコーンガンダム3号機「フェネクス」を追う地球連邦軍の特殊部隊シェザール隊
起動実験の最中で暴走し、行方不明となっていた幻の機体だったがルオ商会のミシェル・ルオから提供された試作兵器「ナラティブガンダム」とそのパイロットのヨナ・バシュタの協力もあり、あと一歩のところまでフェネクスを追い詰めるも逃げられてしまう
実はヨナとミシェル、そしてフェネクスの起動実験に参加していたリタ・ベルナルは一年戦争開戦当初、わずか7歳にして「コロニー落とし」を予知したというニュータイプ“奇蹟の子供”と呼ばれた三人組だった
そんな因縁浅からぬ関係のヨナとミシェルが、リタが乗っているはずのフェネクスを執拗に追う理由
それは解体されてしまったユニコーンとバンシィに代わるサイコフレームを手に入れ、ニュータイプの真実…を解き明かすことにあった
だが、同じくフェネクスを狙うネオジオン残党の過激派=袖付きとシェザール隊が偶発的に衝突してしまう


























わずか90分の単発長篇ですが、実はガンダムシリーズというのは来年で40年、そのほとんどがテレビシリーズを端に発している為に今作のように単発で完結する作品はあまり作られていません
宇宙世紀を舞台にした作品としては『逆襲のシャア』と『F91』ぐらいなもので、それから数えて実に27年ぶり
『劇場版00』から数えても8年ぶり、と長い歴史の中でも珍しい作品であるとわかります


『UC』を手掛けた福井晴敏が『UC』の外伝として発表した『不死鳥狩り』という短篇小説が原作となっていますが、当該小説とはだいぶ違う内容なのであまり気にしなくて良いです
というか、ちゃんと映画らしくなるように再構築されているので『UC』シリーズという括りにはなっていません
ですが『UC』までに“ニュータイプ”と呼ばれる存在とそれに反応する“サイコフレーム”という金属が何を起こしてきたのか…これが大前提になっている為、宇宙世紀シリーズのファン以外は相手にしていないのが実際のところでしょう


今作のキーポイントは何といっても、“ニュータイプ”という宇宙世紀シリーズに共通する要素にお茶を濁すことの無い回答を提示したこと、に尽きるのではないでしょうか?
コレに関しては賛否が別れてるようにも感じますが『UC』を観て面白いと感じれた方には今作もご納得いただけるはずです
ニュータイプとは結局なんだったのか…今まで薄々解っていても誰も声を大にして言わなかった真実を、今作は遂に取り上げてしまったのです
そりゃ賛否も別れますわなw


ツッコミ所、というか矛盾を感じるのはマウリ中将が「ルオ商会がグリプス戦役でエゥーゴ側に着いたのはミシェルの進言あって」と言ってましたが、ミシェルがルオ・ウーミンに引き取られたのはグリプス2陥落後の為、あの証言は都市伝説を口にしただけだったのかな?ってところです
あとラストシーンで10年前のシドニーでヨナ達と幼いゾルタンがすれ違っていた可能性に触れていますが、設定上ゾルタンの方が2歳年上なので現実描写としての信憑性は希薄です
ゾルタンの記憶が投影された、と割り切った方が良いでしょう


さて、そんなシナリオに対して今作はファーストをリアルタイムで視聴していた世代のスタッフが中心だった『UC』や『THE ORIGIN』と違って吉沢俊一を監督に配したり、金世俊(キム・セジュン)をキャラデザに配したりと、メインスタッフの多くが30歳代、とガンダムのスタッフとしては比較的若いことに注目したいです


吉沢監督は『Gのレコンギスタ』で御大・冨野由悠季と師弟関係を結んだ気鋭の若手で今作が初監督作
今作の、内容が詰め込まれたスピーディーな構成は冨野演出そのものを体現しており、他人のガンダムに口出ししない御大が珍しく吉沢監督を素直に褒めていたそうですw


キムさんをキャラデザに起用したのも、高齢化しつつあるガンダム関連アニメタを意図的に若返らせるためだそう
キャラの私服がやたらオシャレだったり、ゾルタンの印象的なツーブロックの髪型はまんまキムさんのアイデアだとか
新世代スタッフが伝統ある宇宙世紀ガンダムを手掛ける、という今作のモットーは実に有意義に感じます
伝統芸能の継承みたいな流れですね


ちなみに同じサンライズ制作の『シティハンター新宿プライベートアイズ』のスタッフは『UC』や『THE ORIGIN』のベテランで固められているようです


全篇で90分、という尺は映画としては決して長くは無いのですが、これでもかと詰め込まれた展開がとてもスピーディーに進んでいく様はそれだけでもとても気持ちが良いものです
さらに『UC』でオーケストラを用いたエピックな劇伴を手掛けた澤野弘之が、今作では打って変わってエレクトロを取り入れた重厚かつハイテンポな、ガンダムシリーズとは思えない挿入歌や劇伴を挟んでくる演出もキマっているのも今作の完成度を高めている一因でしょう


ナラティブガンダム出撃のテーマとして流れる「vigilaNTe」は男女ツインボーカルでありながら別々の歌詞が付いており、mpi氏歌唱の男声パートはヨナの心情を、Gemie氏歌唱の女声パートではミシェルの心情をそれぞれ歌っているので本編を観たあとに再注目していただくのも面白いです


あとお台場に立っている実物大ユニコーンで毎夜行われているライトアッププログラムに使われているテーマソング「cage」のアレンジ版がココぞ!という場面で流れたのも鳥肌モノです
思えば「cage」というタイトルからして、不死鳥を追いかけるという今作のテーマにぴったりだったのではないでしょうか
アレが流れるとお台場の人集りの中でも泣いちゃうんですわw


Narra-TALKで小形Pが最も拘ったポイントに挙げていたのはやはり音楽
『UC』、さらにはその後の『ハサウェイ』でも澤野氏が起用されることから本作は意図的に毛並みと変えてるとのこと
また、「cage」のレコーディングに立ち会った小形Pは「良い曲なので(等身大ユニコーン立像のテーマだけでなく)是非本編でも使いたい」と申し出て今作への起用に繋がったようです
「vigilaNTe」も「cage」も劇中で流れるタイミングは小形Pの拘りだそうです
グッジョブですね!


さて今作のフェネクスというモビルスーツ
よくわからん原理で飛んだり、約1年半も宇宙を彷徨い続けたり、とにかく物理の壁を叩き壊すMSなのですが、こういう何がなんだかわからないモノを追い続ける人々の悲喜交々を描く、というのは手塚治虫の『火の鳥』を思い出します
恐怖を通り越して、美しい
美しさを通り越して、気高い
気高さを通り越して、恐ろしい
ともかく追い詰められた人間ってのはこーゆーよくワカラナイものにすがりたくなる性分なのだな、と再認識するドラマでした


本編を観てこのフェネクスの中身を知ると【もしかしてコイツ、ガンダム史上最高の“ヒロイン”】なのでは?とすら思えてくるほど可愛く見えてくるのが不思議ですw


ところでリタ・ベルナル役を演じた松浦愛弓さんってどっかで聞いたような声…と思っていたら『うさぎドロップ』のりんちゃん役だったって…あの子役がこんなに立派になっていたとはオジサン感無量ですよ(;;)


そうそうオジサンといえば、イアゴ隊長とかダマスカスの艦長とか、オジサンキャラが格好良く描かれているのも宇宙世紀ファンのツボを突くのではないでしょうか?


あと竹内清人が手掛けたノベライズ版も読みました
小説家の福井晴敏が書いた脚本から、脚本家の竹内清人が小説を書く、というのも面白い話ですw
このノベライズ版では劇中では多く語られなかった部分がより掘り下げられています
特にヨナがイジメられていた理由やニュータイプ研究所を脱走できた理由や子供だったヨナ達がコロニー落としをシドニーの人々に知らせた方法…というのはこのノベライズ版のみで語られるショッキングな設定です;
この話を踏まえるとミシェルのヨナへの距離感がやたら近いことや側近にブリックが宛がわれた理由が読めてきます
竹内先生は過去に冨野監督が書いたガンダムのノベライズ版を意識して書いたそうです
より本作の理解を深めたい方には必読の一冊ですのでオススメします


そしてガンダムエースにて連載中の大森倖三先生のコミカライズ版ですが、こちらには福井夫人からのアイデアで、今作でも印象的な名脇役として機能しているブリックの過去にまつわるエピソードを、今後収録したいと冗談交じりに福井氏からは語られました


ラストシーンでミネバが意味深な言葉を残してますが今作を皮切りに今後の宇宙世紀ガンダムは年一ペースで長編映画を出していくそうで、とりあえず来年には『閃光のハサウェイ』が3部作形式で映画化するそう
その後は『UC』の続編も描かれる予定とのことで、個人的にはジオン共和国がなぜ衰退してしまうのか(ムーンクライシスのアレ、はちょっと納得いってないので)をハッキリさせて欲しいと感じてます

























…さて、ただいま1月の2週目時点でまだロングラン公開中ということで、実は既に5回も観に行ってます(笑)
正直言ってここまでハマるとは思ってませんでした;
ガンダム40年の歴史で一番好きになりそうです


5回中の3回は新宿ピカデリーの爆音映画祭で観賞してますのでその感想をば…
爆音映画祭は今は無き吉祥寺バウスシアターで始まった企画で映画用ではなく音楽ライブ用機材を用いて大音量で映画を上映するイベントです
現在は映画批評家の樋口泰人氏とboidというイベンター企業の手で全国各地を行脚するように運営されています
ライブ用巨大スピーカーが剥き出しでスクリーン下に鎮座し、配線やPA等も雑多に置かれる為に最前列は基本的に閉鎖されていて座れません


肝心の音感ですがやや音圧が高めかな、と思います
正直セリフ等が聴き取りにくくなる傾向にあり、初期の立川シネマシティの極上爆音上映に似てます
やはり機材の品質の差だと思います
低音に関しては極端に効いているわけではなく、この点は好みが分かれそうですが低音を効かせすぎると劇伴が別モノになってしまうので悪くないと思います
ちなみに立川シネマシティ、特に現bスタジオが知る限り一番低音が効いてます


一番音圧を感じるのは意外にも冒頭、コロニー落としの落着の瞬間でした
まさにこの世の終わり、といった破裂音を感じますw
次いでナラティブA装備の初撃、超長距離からのハイメガ砲が飛んでくるカット
それと計2回あるフェネクスのデストロイモードへの変型シークエンスのバスンッ!バスンッ!ってあの音がかなり勢いよく弾けてました


爆音映画祭は基本リバイバル上映にあてがわれるので、今回の様に新作で上映されたのは大変珍しいことなので貴重な体験だったと感じました
(この記事の後にNarra-TALKを含め計10回観ましたw今作は個人的にシリーズで一番好きなガンダムになったと思いますw)


先日のAnimeJapanでの展示で公表されて驚いたことがあったので追記します
80年代のサンライズ作品へのリスペクトを込めた作品にすべく、フェネクスの機動音には『レイズナー』のV-MAXの音が、Ⅱネオジオングの波動の音には『イデオン』のイデオンソードの音をあえて使っているそうですw
またcageからnarrativeへは、当初シームレスに繋がる予定だったそうですが、間に無音のパートを挟んだ方が良いということから尺を合わせる為にわざわざ幼少期のゾルタンとすれ違うカットを追加したそうです
音の演出に合わせて画を増やすって珍しいですね
制作期間も限られていた中で素晴らしい現場の連携だと思いました


11回目の劇場鑑賞をしたので少しだけ追記します
1週間限定で一部の劇場で公開された“パッケージマスター版”つまりブルーレイ用に多少修正が入ったバージョンの劇場公開です
結論から言うとカットが増えたり大幅に作画が修正されたりするわけではありません
一番大きい変化ですがコロニー(メーティス)の3DCGを作り直したそうです
残りは主に撮影のリテイクで画面の明るさ等、観え方に関する部分を直したそうです
音響のダビングやマスタリングも変わっているんじゃないでしょうか?、セリフ類が聴き取り易く感じました
作画の修正点ですが最後に素顔を見せるバナージの瞳にハイライトが入れられていたのは変更点なはずです

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

永遠の青二才

サイコフレームとニュータイプの考察。
或いはその再定義でしょうか。
ガンダムユニコーンからのスピンオフ作品。
{netabare}神出鬼没の3号機フェネクスを巡る攻防。{/netabare}

ガンダムシリーズを総括するほどの、
知識も技量もないのですが少し語りたい。

主人公の社会的成長が物語の軸にある。
初代では縦軸にアムロとシャア、
横軸にはララァとセイラがいる。
そして木馬の多彩な面々が円環状に配置され、
時としてメインキャラより雄弁に真理を語る。
ガンダムの魅力は単なる英雄譚ではなく、
この群像劇が紡ぐ、怒涛の物語だと思う。

{netabare}シリーズを継続するごとに、
そこにあった革新性は希薄化され、
物語は生産中心主義へと埋没していく。
ガンダムに似た何かが再生産されるだけだろうか。{/netabare}

時が経つにつれデザインも洗練され、
世界中に数多くのファンを獲得している。
アニメ史に残るその功績を称えつつも、
終わりなき物語に倦怠感を感じています。

願わくば「永遠の青二才」が見たい。
未完成でもいい、そこに美しさを感じるのだ。
時代を超えて、怒涛の快進撃を続ける、
そんなガンダムにまた打ち負かされたいと願う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ガンダムUCの焼き直し

この作品は、機動戦士ガンダムUCの後日談として制作された
アニメである。ガンダムUCを見ていることを前提に
作られているため、事前にガンダムUCを予習しておく必要がある。
UCの主要人物数人が、NTに直接関わっているからだ。
とはいってもwikiや公式サイト等で
把握すれば特に問題ないと私は考えている。

全体を通した感想としては、UCファンにターゲットを定めた作品
だという印象が強く、既視感満載の作風に仕上がっていた。
回想シーンも多く、退屈な気分にさせられたため気合を入れて
視聴することはせず、スマホゲームを片手間にやっている
ような気分で望むことにした。
私においては、その判断は正しかったようだ。

あらすじに関してだが、ガンダムUCと非常に似通った部分が多い上に
抜粋して書くほどだとは思えなかったので、他の方のレビューを
参考にして頂けると幸いだ。

先に良かった点を述べる。
戦闘シーンは目を見張るものがあり、臨場感を味わえた。
コロニー内における戦いは劇中の中でもお気に入りの部分に入る。
他にあるか自分なりに探してみたのだが、これ以上は
出てこなかったようだ。本当に申し訳ない。

ここからは気になった点を。
作画は思ったよりも不安定な所が多くムラがあった。
人によっては、見ているだけでひとり寂しくコロニー宙域を
彷徨っているような感覚に襲われていても不思議ではない。

魅力的なキャラクターは限られた者しかいない為、感情移入
するのが困難。思い返して、割と好みだったのが、
エリク・ユーコとルオ・ウーミン位。
二人とも劇中では空気扱いなのだが、NTの中に出てくる
キャラクターの中ではましな方ではないかと自らを納得
させることにした。

ぶっちゃけ、NTの主要人物が福井晴敏氏の人形にしか
見えず、途中から無心の状態で画面を眺めている自分がいた。
「撃っちゃうんだなァ、これが!!」でお馴染みの
ゾルタン・アッカネンだが、あほみたいにでかいMAを心の
拠り所にしたあたりから魅力を感じなくなってしまったので、
そこからは深い思い入れがない。
所詮はその程度の奴だったのかとため息が出ていたような気がする。

一番の足枷となっていたのは、ストーリー展開。
捻りが全くない上に、尺が短いためか急に情報を詰め込もうと
するため、それがかえってテンポを壊していると感じた。
これならOVAかTVアニメとして制作すれば多少は情報が整理されて
見やすくなっていたのではないかと思うのだが、製作スタッフは
その辺りどう考えているのだろうか。
機会があれば一度聞いてみたいものである。

最初から最後までつまらないという感情を自分の脳裏から消し去る
ことは不可能だった。まあ、別の見方をすれば生粋のガンダムUC
ファンには非常に好評だといった所か。
この調子では、今後の宇宙世紀作品に悪影響がでるのではないかと
危惧しているが、それを決めるのは私ではない為、
固唾を飲んで見守るしかなさそうだ。

戦闘シーンやBGMは素晴らしかったが、それ以外の部分が
足を引っ張っているため自分の脳裏に残らない作品だと
いう感想で終わってしまった。

宇宙世紀作品の入門としてはありかもしれないが、
過去作品への侮辱の域に達する
レベルなのでわたしはあまり勧めない。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

76.3 23 パイロットアニメランキング23位
機動戦艦ナデシコ(TVアニメ動画)

1996年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (789)
3778人が棚に入れました
22世紀末。突如として木星方面より現れた謎の兵器群木星蜥蜴(もくせいとかげ)は、圧倒的な戦闘力で火星、月の裏側を次々に制圧。今や、地球各地にもチューリップと呼ばれる母艦を多数降下させるに至っていた。2196年。そんな中、木星蜥蜴の支配下に置かれた火星に残された人々を救うべく、民間企業ネルガル重工は「スキャパレリプロジェクト」を計画し、その要となる実験戦艦 ND-001 ナデシコの艤装を終了させていた。クルーには「能力が一流なら性格は問わない」と言う方針の下、一癖も二癖もある人物ばかりが揃えられた。ナデシコ発進の日、火星生まれの青年テンカワ・アキトは、偶然再会した幼なじみミスマル・ユリカを追って出港直前のナデシコに乗り込む。アキトはコックとしてナデシコのクルーに採用されるが、IFS処理をしていたため、人型機動兵器「エステバリス」のパイロットとしても戦っていくことになる。

声優・キャラクター
うえだゆうじ、桑島法子、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、南央美、飛田展男、関智一、小杉十郎太、小野健一、真殿光昭、一城みゆ希、田中信夫

だんちょー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

SFロボット+ドタバタラブコメの融合?

全26話。

久々に見返してみたのでレビュー更新。

評価点を若干下方修正。

基本はギャグ多目のロボットアニメ。個人的にギャグ系はあまり得意ではないのですが、それなりに楽しく見れました。

かなりラブコメ要素が多いのだが、SF設定もしっかりしててロボット物好きな方も、ラブコメ好きな方でも楽しめる作品ではないかと思う。

若干思い出補正もあるかなっと思いましたが、今見ても良かったですね^^

作画等は当時としては良いほうだと思うのですが・・・

好きな声優、桑島法子さんの実質のデビュー作ですね。どちらかと言えば落ち着いた役が多い(?)桑島さんのハイテンションが見れますw

続編で劇場版があるのでそちらも是非♪劇場版はTV版と変わって結構鬱展開ですがね・・・

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

すごく楽しいSFアニメ

宇宙戦艦ヤマトとガンダムにラブコメ・熱血などの要素を強く取り入れたような作品です。
OP曲は元気がでる曲として有名。
シリアスなシーンも結構あるが、ラブコメ要素がかなり強い為、SFアニメの中でも最も明るいアニメのひとつです。
戦闘シーンは見ているこちらまで叫びたくなるような高テンションになりました。
ヒロインのユリカ役の声優は絶大な人気を誇る桑島法子、天然のかわいい女艦長を演じ航海を楽しませてくれます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ジョニー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これが自分の原点かなぁ。

放送時期的にはエヴァの方が早いけど、実際テレビ放送をみたのはナデシコが先で、ハマったのもナデシコが先なので、これが私の原点と言っていい作品です。

この作品の良さは、『キャラの個性』ですね!
とにかく一人ひとり個性ありまくりです。
個性の塊ですw
そんなキャラがホントに沢山います。
そんな作品が面白くないワケがない!!

とはいえ、SFロボットアニメとして、設定やストーリーは、以外と重厚でふざけて笑ってばかりいたら、いつの間にか人が死んでいたりします。

たぶん、こんな昔の作品なのにこれだけのファンが居るのは、エンターテイメントとして求められる要素の多くを備えているからなんでしょう。
逆に言えば、今の作品に無いモノも感じると思います
私は今後も絶対この作品は忘れる事はないです。

追記 祝!やっとBDBOXゲット!(←どーでもいいw)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

63.4 24 パイロットアニメランキング24位
とある飛空士への追憶(アニメ映画)

2011年11月1日
★★★★☆ 3.5 (331)
1538人が棚に入れました
たった二つの戦争中の大国しかない世界―――。『空の上では身分は関係ない』という自論を持つ「シャルル」だが、彼はまさに社会の底辺層であった。両国のハーフであるためにひどい差別を受ける彼は、飛空士としての腕の自信と、ある思い出だけを頼りに生きてきている。そんな彼に対して「ファナ」はシャルルが属する空軍を擁する大国の次期皇妃。天と地ほどの身分の差がある二人が主人公である。物語はシャルルがある作戦を告げられることから回り始める。それは「順調に進んでも五日はかかる広い中央海を、ファナを連れて二人で敵中翔破せよ」というものだった。接点がなかった二人に、つながりが生まれる。

声優・キャラクター
神木隆之介、竹富聖花、小野大輔、富澤たけし

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

端的に子供向け

オイラはよく言うのです、「厨二病」という言葉を使う以前に「子供向け」なラノベってかなり多いです
【良くも悪くも】です
これなら児童文学の方が良く出来てるよなー、何をもってしていい歳の大人にオススメしてるんだろう?
この出版社や書店は???って


誤解の無いように言っておきましょう
今作、『子供と一緒に見る映画としてはなかなかです』
今年のアニメ映画は子供向けに関してドラえもんとプリキュアを除けば正直に不作です
特にプリキュアの方は対象年齢が低めなのでより『子供と観る映画』の範囲が狭い
(余談ですがトランスフォーマーは完全に大人向け、SUPER8はスリラー好き向け、ハリポは・・・観てませぬ><)
そんな中ではこの作品が子供向けとしていい機能を果たしております
小学校高学年前後のお子様をお連れの方には是非にオススメしておいきたい


ちなみに“なぜか”PG12指定をくらってますので保護者同伴での視聴をオススメします
決していかがわしいシーンがあったりや残酷な描写が多いわけではないです
なぜレーティングの対象になったのかオイラには理解不能です┐(ーωー;)┌


お話は貧民街育ちで敵国とのハーフとして虐げられてきた生い立ちを持つ主人公が、いつしかエースパイロットに上り詰め、自国の命運を握る作戦を任せられるというものです
作戦の内容は敵の包囲網を潜り抜け、皇国の次期王妃となる令嬢を婚約者の皇子の下まで送り届けるというものであった
ただしそれをたった一人、たった一機の偵察機で行うのだ・・・


王道を感じる半面に脆弱な部分が目立ちまして、大きな体に細々とした足腰というアンバランスのようなものを感じる作品となってしまいました
オイラが感じた問題点は3つ


まず1つ目にキャラクターの弱さが目に付きます
次期王妃ファナは世間知らずで儚げで弱々しく、戦乱と権力者に振り回されるステレオタイプなお嬢様
実際の史実の上では、男社会が招いた戦乱に女性が巻き込まれてきたのは曲げようの無い事実であり、その反発としてせめてもの思いでフィクションの中の女性は強くあってほしいと願うことは、人類の歴史上当然のことなのです
強いヒロインというのは人々の願望と希望を叶える存在であり、ファナの様なキャラクターの魅力は特に王道フィクションにおいてはそこそこに留まる
(宮崎駿監督作品のヒロインが強くて凛々しいのはまさに具体例)
ですから人々がフィクションの中に強いヒロインを求めることはごく自然であります
恐らく原作者やスタッフは、このお嬢様なファナが旅路の末に成長する様を一番に見せたかったのでしょうが、それには少し演出が力不足という印象を拭い切れず、物語は終わりを迎えます
強いて言うなら「酔っ払う」シーンのところだけはファナが可愛く見えて良かったのですが、その後の二人がどうなるわけでもなしに、そんなところが「端的に子供向け」たる証拠でもあります


2つ目にファンタジーを史実っぽく描くのにはちょっと無理があるという点
公開前のプロモーション等でも『史実から隠匿された恋物語』という部分を押し出していましたが、そもそもに日本をモチーフにしたであろう敵国と連合国を髣髴とさせる自国の設定もやはり安っぽくしか見えず、ファンタジーなのか史実なのか・・・どっちつかずで中途半端な印象しか受けない
エピローグをあとがいちゃうところなんかモロです
宍戸監督の代表作といえばやはり彩雲国物語が挙げられますが、あれもハイファタジーをさも史実の様に描く演出をとっていました
どちらの作品にも【いかにも】な雰囲気しか漂っておらず、リアリティという面では物足りなさを感じてしまいます
(無論ですがドラマ性自体はまた別の話ですよ)


3つ目はチラホラと話題に挙がってはいますが、声優さんの点
まずオイラは神木隆之介くんの大ファンでして、特に彼が声優として主演したサマーウォーズや借りぐらしのアリエッティでの彼の演技は大変素晴らしいものだったと応援しています
しかし今作での彼の役どころはおしとやかなお嬢様のファナとは対比的で、よく喋ります
前2作の主演作とも比べてかなりの量の長ゼリフがあり、単純に演技力自体が進化した彼の実力とは反比例して『喋り疲れ』のような声の出し方が気になります
長旅で疲れ果てる主人公と同じく、(たぶん)喋り疲れているであろう神木くんのかすれていく声
もし演出の範囲内だというなれば、もっとしっかりとメリハリをつけるべきだったでしょう
後半はちょっと聞き取りにくいです
ちなみによく言われる『棒読み』とは全く違うのであしからず
注目していただきたいのはファナ役の竹富聖花さんでして、今作で本格的な演技初挑戦とは思えませぬ
素晴らしい


とまあ散々に言っては来ましたが、ラストシーンに関しては清々しくスッキリとした終わり方で大好きですね
そうそう子供向けなんだからひねりとかいらんのです
美しいラストこそが一番
ちゃんと「ダンス」の伏線も張ってましたし
チョコチョコと「オチがない」というご感想をお持ちの方もいらっしゃってはいるようですが、オイラとしてはあのラスト以外は考えられませんね
あの後、二人は逃避行の旅に、、、、なんてトンデモエンディングだったらオイラは納得しません^q^









ちなみに『空戦』が見所の作品でもありますが、CGによるドッグファイトシーンは割かし地味で、スペックで主人公達を圧倒する敵側の戦闘機のデザインも(やはり旧日本海軍の震電がモチーフなのでしょうが)航空力学などツマラネェ話をすれば「ちゃんと飛びそうにない」です(笑)
同じことが押井監督のスカイクロラでも散々言われましたが、戦闘自体はミニチュアっぽい等の批判に納得しつつも迫力を出さんとする演出であちらの方が圧倒しています;


空戦そのものよりも、むしろ架空の世界観であるが故に美しく切り取られて描かれる情景の数々の方が魅力的に感じましたね


さらに余談中の余談ですが、既存のスチームパンクとは一線を画する・・・内燃機関や外燃機関よりも先に燃料電池が発明されているという独特な世界観には、高校時代に燃料電池を研究していたオイラとしては燃えるポイントでした^q^









「ファナー!」って2回繰り返す必要ないですよね(回想はいらない)
あーゆー余分なことしちゃうのが宍戸監督の良いところというか悪いところというか・・・(´ω`;)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「恋」と「空戦」の物語。それは身分違いの恋…。

飛行機のアニメーションが好きで、ずっと気になっていた作品でした。

飛行機もののアニメーションってスピード感があってわくわくするんだよね^^

実際に飛行機に乗るのは、うきうきするのと地面から浮いている
ふわふわ感が不安なのと、半々な気持ちなのですが。笑

99分、PG12指定がついていました。


● ストーリー
神聖レヴァーム皇国の皇子と婚約することになった、ファナ。

ファナをレヴァーム皇国へ無事に連れていくための特別任務を任された
飛空士・狩乃シャルル(かりの シャルル)は、ファナと共に旅立つ。


設定や物語の背景のあれこれについての説明は、
ずいぶん簡略化されていたように思います。

ストーリーを理解する上では問題ありませんでしたが、

視聴後にwikiを読んでいると「あーそういうことだったのねー。」と
深まる部分もいくつかありました。

原作は読んでいませんが、原作の方がおもしろそう。笑

それを100分にまとめるのは、なかなか難しかったのかな。

でもきれいにまとまっていて、すっきりとした終わり方でした^^


ストーリーとしては、特に大きな特徴はなく。

ある程度先の読める展開をその通りに進んでいく感じでした。笑

こちらの予想を上回らず、かつ、こちらの期待を裏切らず。

無難におもしろかった、というのが率直な感想です。


当初一番楽しみにしていた飛行シーン。

やっぱりアニメの飛行シーン好きだなあ♪

この作品も、びゅんびゅん飛び回っていてよかった^^

あんな風に自由に空を飛べたらとても気持ちがいいだろうな…。

私も飛空士になりたくなりました♪笑


● キャラクター
もうっ、シャルルイケメン!!

見た目だけじゃなくて中身もイケメン(*´Д`)

緊迫したシーンでの目。

ああいう目、大好きです。

この場面を乗り切る、ファナを守る、飛行機の技術で負けたくない…

いろんな気持ちが読み取れますが、

譲れないものを胸に掲げている時の登場人物の目って大好きなんですよね。

シャルルの目からも強い意志が感じられて、好きだったなあ。


ヒロイン・ファナ。

ファナに関して言えば、「キャラブレすぎじゃない?」ということ。笑

初めは感情を一切出さない、まるで人形のような女の子でした。

見ていて若干イライラしてましたww

シャルルと旅をするうちに、感情が豊かになってきて…。

これは、シャルルと関わることでファナの感情が刺激されたからなのか、

これがそもそものファナの本性なのか…。

どちらにしても、ギャップがありすぎてまるで別人でしたww

王妃オーラをまとっているファナは好きだったのに、なんだか惜しい。

ファナの心の変化にもうちょっとスポットが当たってもよかったのにな。


そして2人の関係。

なんとなく予想ができるように、まあこの2人惹かれあうわけで。

シャルルがファナに惹かれるのはなんとなくわかるんだけど、

ファナがシャルルになぜ惹かれたのかがよくわからなかった。

2人で危機を乗り越えたから?いわゆるつり橋効果ってやつですか?

うーん、ファナが急にぐいぐい行く感じには、ちょっと感情移入できなかったです。
(でもシャルルにぎこちなさが残る感じには、にやにや。笑)


● まとめ
ストーリーは無難という印象でしたが、

作画や演出は好みで楽しめました^^

BGMも好きだったな♪

山場のBGMにはついつい耳を傾けてしまいました^^

とりあえずシャルルがイケメン、ごちそうさまでした(*´Д`)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひとりぼっちの追憶

小さい頃から人に目をつけられやすかった狩乃シャルル。
貧乏で気弱で何もできなかった彼は自由を求め「飛空士」になった。その技術だけは他の者を圧倒するほど抜群だった。
傭兵の身分であり、自分を目の敵にする奴も絶えなかったが、そこでは良い仲間もでき彼にとっては心地良い場所だった。
自分にぴったりの場所だった。(これってね、言葉にできるほど簡単に見つけられるものじゃないんだ。)
そんな彼の腕を見込んで上からある任務が言い渡された。
ある王国で次期皇妃となられるお姫様ファナ・デル・モラルをその王子の国へ引き渡したいとのことだった。
だが、傭兵の分際が運んだと知られればこれは末代の恥である。けれど戦争中であることもあり腕の立つ者が必要だった。
そこで狩乃の腕を借り強靭な警戒網を突破し安全な所で上の連中に引き渡す(引き渡すことで手柄はお偉いさんのもの)といった作戦だった。
狩乃はこれを引き受けた。これから始まります。”お姫様護送任務”


本作では、激しいドッグファイトがあれば、かたや静かな海の描写がある。
また、いますぐ駆け出したい恋を目の前にそれがどうしてもできないことで涙を呑む人間の繊細な描写もある。
人にとって一体何が「大事なもの」なのでしょう。忠義か、自分の意志か、愛するものなのか。
なんでもかんでも従えば良いことではない。かといって全部まとめて海に捨てることもできない。
それはあらゆる意味において危険でnaiveな行為だからだ。
揺れ動く自我に空も海も呆れるほどに綺麗で、人の間に起きていることなんて無関心に見える。
狩乃はどうすることもできず何重にも板挟みにされていく。最新型飛行機は好調に飛行を続けるのだ。

本作は日常的にTV放映されているアニメとは、一部そういう要素を含みながらも一味違ったテイストを持つ作品です。
目的は”お姫様の護送”、テーマはマクロな意味では”身分差の恋”。
大勢の敵と戦うところや、一度負けて一騎打ちでのリベンジなどかっこよく燃える「アニメ」的要素は確かにありました。
それは映像としても群を抜く出来でした。敵と遭遇する恐怖や死と隣り合わせにいることの閉塞感には身が縮むような思いをしました。
空中戦でのGもこちらにそのまま伝わってきます。まさに生死の境を縫うような緊張感です。

このように意図して作られた「バトル」もありましたが、もっとそれ以外のところこそがこの映画の醍醐味です。
たとえば、狩乃とファナの距離を詰めていく過程や、飛行機での長距離移動の描写、そして狩乃シャルルの視点での物語の推移は普通の「アニメ」とはいささか違ったものを感じさせます。
まだよそよそしい2人が海の真ん中で停泊したり、戦線をくぐり抜けたりする中で親密になっていく描き方は明示的過ぎなくて僕の好みでもありました。
それにストーリーの内容にも言えることですが偶然性の描き方も良かったです。
彼らはただ踊らされているわけではなく、物語の中でちゃんと生きていました。ひとつひとつの出来事が常に新鮮でした。
それらの中でも特筆すべきは狩乃シャルルの人生背景を含めた上での本作での描写が何よりも素晴らしいこと。
“上司たちからは最初から最後までドブネズミ扱いされ、不遇な運命の中でやっと見つけた幸せにも手を伸ばすことは許されない。
物語の中で目的達成に向けてひたすら真面目に取り組む姿は凛々しくもあるが、その背中からはわずかに悲しみが漂う。
達成したところで名前の残らない仕事。たくさんの犠牲を払っても自分らには一切目を向けない上の人間たち。
これが終わって自分に残るものはなんだろう。ああ、金だ。それもたくさんの金だ。”
この反動もあってかラストシーンは最高です。もの凄い感動がありました。


どうもあにこれ内での評判は良くありませんが、シャルルの背景やファナとの距離の絶妙な描写は心を震わせてくれます。
この作品にしかないものをそれぞれに見つけられるかどうかはその人のコミットの深さ次第です。
どこまでシャルルという人間を捉え辛い経験やその立場を理解しこちらから共感していくか、彼とファナとの関係にどれだけの想いの温かさとまたその儚さをみることができるか。
これは好みの問題でもあるけれど、少なくとも声優の良しあしや漠然としたファクターを繋げて鳥瞰する以前の問題です。
王道であるとか、無難であるとか、そういうところに留まらない、まぶしいくらいの輝きを秘めた作品です。
一見の価値は十分にあります。
とても良い作品なので観る際にはどうか斜に構えず、まっさらな気持ちで観て頂きたいです。ぜひ一度。そしてもう一度。

{netabare}


レビューのタイトルは原作のこの作品の漫画化を担当したのが小川麻衣子さん。
ただいま『ひとりぼっちの地球侵略』進行中の方です。
そんで、この漫画が大好きなのでタイトルを合体させたというどーでもいい話ですw

閑話休題

ラストは見事でした!
ファナを引き渡した後の金がホントにごみのように見えました。あのシーンはなかなかのインパクトがあります。
そしてなにより最後の飛行です。かっこよかったー!ホントかっこよかった!
最高の愛の表現です。素晴らしい!

物語としては愛の逃避行をしなかったことにより、共同体が阻む苦しみがひしひしと伝わってくる結果になりました。
でも悔しいですねー。んー、歯がゆい!脚本にしてやられましたな。

まあそんなわけでとっても好きなんですよ、この映画。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

64.0 25 パイロットアニメランキング25位
イリヤの空、UFOの夏(OVA)

2005年2月25日
★★★★☆ 3.5 (255)
1400人が棚に入れました
浅羽直之は園原中学校の二年生。
夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていたがUFOについては結局何の成果も得られなかったため、せめてもの思い出にと浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野と触れ合うが、すぐに伊里野の兄貴分と自称する謎の男が現れて、その夜はそれでお開きとなった。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出したのだった――。
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

気持ち悪い原作をアニメ化しても気持ち悪さは消えない。

原作は当時話題になっていたので読みましたが、
・ラノベ特有の自分に陶酔した文章およびタイトル。
・SF的背景をわざと説明不足にすることにより奥の深い感じを出そうとしているけど結構浅い(誰でも想像できる)設定
・主人公とヒロインの性格の気持ち悪さ
・表紙イラストで、イリヤの体のラインがくっきり出過ぎ。お尻の形が丸わかりのスカートとか、あり得ない。
など、どこを取っても中途半端かつ気持ち悪い作品でした。

まあそういう時代なので仕方がないのでしょうか。
この2年後に出た涼宮ハルヒは同じように謎設定のSFラノベなのに、浅さを感じさせないどころか作者のSFに対する造詣の深さがよく分かります。

で、アニメ。
原作のイメージをほぼ忠実に再現できていたので、原作が好きな人には満足できたのではないでしょうか。

イリヤの乗っている{netabare}戦闘機が動いているのを見て、普通の戦闘機とは違うからイリヤが特別なんだなと分かるようになったのは良かったと思います。しかし、学校で激しく動いただけで鼻血ブーのイリヤが、あの戦闘機の動きでかかる重力に耐えられるとは思えません。SFというつもりで作製したのであれば、体感重力を減じさせる方法とかの説明はして欲しかったです。{/netabare}


あと、この作品を著しく残念なものにしたと感じたところは、イリヤが{netabare}逃亡先の学校で襲われかけた後。

イリヤが「何にもされてない」と強調しますが、そもそもイリヤがその「何か」という行為を知っていたことに違和感がありました。性教育とか受けてなさそうで、男の子に会っただけで好きになったりするくらい無垢なのに、そういうことは知ってるんかい!とツッコミたくなりました。

そして浅羽の対応のクズっぷりが際立っており、後で謝って済むレベルでは絶対にないですね。それなのに後からイリヤがあっさり浅羽を受け入れているところも気持ち悪いし、浅羽が好きだと告白するのも、「あ、イリヤに許してもらえてる!こりゃワンチャンありやな」と体目当てに叫んでるっぽくて絶対に無理。{/netabare}
エピローグでも、 {netabare}イリヤが戻って来ないのに満ち足りた顔をしている浅羽が本当に気持ち悪いです。すぐにアキホと付き合いそう。{/netabare}

しかし、元々が中学生向けのちょっとエッチな淡い恋愛物語だと思うので、自分も中学生の時に読んでいたら名作と思ったでしょうね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世に言う【三大セカイ系作品】の一つ 良く言えば王道 悪く言えばアリガチ なSFラブストーリー

ゼロ年代が生み出した「セカイ系」と呼ばれるジャンルの一大ムーブメント

その代表作となる漫画「最終兵器彼女」、アニメ「ほしのこえ」
そしてラノベ代表がこの「イリヤの空、UFOの夏」


転校生の少女イリヤとUFOが目撃される空軍基地の謎を追う主人公


そしてイリヤとUFOに関わる秘密を知ってしまう主人公・・・


正直、なにか目新しいものを追ってこの作品を見るのであればオススメはしません
現代となっては原作の古さを隠しきれないし、特別に郡を抜いてクオリティが高いというわけでもない


その辺りを理解されたうえであくまで「セカイ系」の原点を追うという探究心を持った方だけ見ればいいと思います

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひと夏の切ない恋物語でした^^;

この作品を視聴する前情報として「最終兵器彼女」に近い世界観を持った作品だと教えて貰いました^^
「最終兵器彼女」は、お気に入りの棚に入れているとても感動的・・・というか、私にとって完全な涙腺崩壊作品だったので、この作品の視聴をとても楽しみにしていて・・・ようやく視聴する事ができました^^

物語の舞台は、UFO出現の噂で有名な空軍基地のある園原。
主人公は園原中学に通う2年生の浅羽 直之(あさば なおゆき)。
彼は夏休みを通してUFOの研究をしていましたが、思ったような成果が得られませんでした^^;
夏休み最後の夜、思い出作りにと学校のプールに忍び込んだところ、見知らぬ女の子・・・ヒロインの伊里野 加奈(いりや かな)に出会い、夏休み明けに彼女が主人公と同じクラスに転入してきて・・・物語が動き始めます。

OVA全6話なので、視聴はあっという間でした^^
そして、「最終兵器彼女」に近い世界観についても納得でした^^
でも、私の作品の印象として「最終兵器彼女」はとにかく「悲しい」でしたが、この作品は「切ない」という感じを受けました。

主人公とヒロインの距離が近づく度に、彼女のちょっと不可解な行動だったり、良く鼻血をだしたりする理由が少しずつ明らかになっていくのですが、ゆっくり・・・だけど確実に「終焉」に向かっているんです・・・^^;

二人が決して望んでいる訳じゃありません・・・
けれど、方法が一つしかないとしたら・・・?
「受け入れる勇気の大切さ」を感じさせてくれる作品でした。
私だったら同じ選択肢を選べるか、正直自信がありませんけど・・・^^;

でも、もっと違う形で出会えたら間違いなく違ったエンディングが迎えられるのに・・・と思うと、二人に対する切なさが倍増してしまいました。^^;

物語は、綺麗に伏線を回収して終幕します・・・
でも内容から考えると、6話では尺が短かったように思います。もう少し、丁寧な説明や登場人物の心理を掘り下げて描写すると、より一層感動できる作品になっていたと思えただけに、少し勿体無かったような気がします・・・^^;
でも、全体的には良く纏まっている作品だと思いました^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27
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