ハートフルでファンタジーなアニメ映画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のハートフルでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月28日の時点で一番のハートフルでファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.8 1 ハートフルでファンタジーなアニメランキング1位
planetarian ~星の人~(アニメ映画)

2016年9月3日
★★★★☆ 3.9 (377)
1907人が棚に入れました
始まりは、どこかの国が放った遺伝子細菌兵器であった。やがて、その報復として核弾頭が使われ終わりのない世界大戦がはじまった。地上では星すら見えなくなり、雨が降り続く世界へと変わっていった。滅びゆく世界の中、空から降り続ける雨は、気が付けば雪へと変わり人々の暮らしは地下へと移っていった。
かつて貴重物資を回収することを生業とし“屑屋”と名乗っていた男は、若いころあることがきっかけで、多くの人々に星の素晴らしさを伝えるようになり、訪れる集落で星の世界を語り継いでいった。いつしか人々は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そんな彼は、ただ一つの“心残り”を持ちながら、世界を旅していたが、志半ばにして行き倒れてしまう。
一方、地下集落に住むレビ、ヨブ、ルツは外の世界に興味津々。大人たちに隠れて、地下の集落から抜け出て外の世界を探索していた。降り積もる雪の世界の中で興奮冷めやらぬ中、三人は埋もれていた一人の老人を発見する。
彼は、三人に助けられて、無事一命をとりとめた。そして、村の長エズラと話をしていく中で、彼が星の人と分かり歓迎されることになる。
「あなたを歓迎します、星の人」

無邪気に話しかけてくる、レビ、ヨブ、ルツ。三人と話していくうちに、若いころ自身が訪れた【封印都市】のことを思いだしていった。そこは、世界大戦初期の遺伝子細菌兵器の影響で、人々から放棄された街。彼は、まだ見ぬお宝を求めて、探索していた最中、追跡していく戦闘機械(メンシェン・イェーガー)から逃れて、デパートのプラネタリウムに迷い込んだのだった。
そんな彼の前に、一人のロボットの少女が現れた―。

「プラネタリウムはいかがでしょう。どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。満天の星々がみなさまをお待ちしています」

星すら見えなくなった滅びゆく世界で、彼は何を見たのか。

一人の男が生涯を賭して旅する中で、出会ったものとは ― 。

声優・キャラクター
すずきけいこ、小野大輔、櫛田泰道、滝知史、佐藤利奈、篠塚勝、福沙奈恵、日笠陽子、津田美波、石上静香、桑原由気、竹口安芸子、大木民夫

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

星とAIと浜松と

<2018/11/18 初投稿>
原作はゲームらしいですね。

keyのアニメは根本的に自分と合わないようなのですが、本作は完走できました。
珍しい作品です。

keyが苦手な自分がなぜ見始め、なぜ完走できたか

・星やプラネタリウムが好きだから見始めました
・よく知ってる場所が出てきたので見続けられました
・シナリオが落ち着いてて良い感じだったので完走できました

核や細菌兵器かな、などが使用された戦争により荒廃した地球が舞台。

おかげさまで、常に空は分厚い雲で覆われ、
寒冷化が進み、
シェルターの外はマスクなしでは生きられない、
ナウシカの世界より住みにくそうな世界になってます。

当然、星空なんか見えない。
つまりそこに生きる人々は
「星空なんて見たことないから知らない」

そんな世界のお話です。


というわけで気になったポイントを二つほど

まずは「よく知ってる場所」のことからです。
予備知識無しにボーッと見てたら「封印都市」のシーン。

あれ?これ、アクトシティだよね。
これは松菱デパート?
市街戦もこれはどう見ても「浜松市」の駅そばだ!
テンション上がりましたよー。
だって私、浜松出身ですから。

浜松って特筆するようなもんが鰻と餃子くらいしかない地味な街なんで、まさか映像作品に使われるとわっ!

でもよくよく考えたら、枯れて寂れた「封印都市」にぴったりのロケーションかもしれません。
だって全く盛らずに現実のまんまでも十分に枯れて寂れてるし 笑。
人口は60万くらいいるはずなのに豪勢に再開発されたはずの浜松駅周辺の寂れっぷりはなかなかのもんですよ。

評点は浜松補正で少し高めです 笑


もう一つはAI

「自我を持つ一歩前のAI搭載ロボ」という今の時代にマッチしたテーマを扱ってます。

昨今のAIブームの前から様々な映像作品で「自我を獲得したAI」が描かれてます。
ですが、「その一歩手前のAI」を取り上げ上手く物語にした作品は意外と少ない。
そんなところが気に入ってしまいました。

ほしのゆめみというゆるキャラみたいな名前の自立型の案内ロボが出てきます。

お客さんの質問や要望に都度応える学習機能付きの人型チャットボット。
チャットボットとしては今実用化されてるものよりちょっと高性能な感じ。
なので明確な自我はありません。
ロボとしては人間そっくりの外観と挙動で、現在より格段に高いレベルにあります。
これが本作のヒロイン。

封印都市で半ば朽ち果てたプラネタリウムに配置されたままほったらかしにされてました。
何十年も放置されてたせいか壊れかけ。

主人公はこの壊れかけのRadioなゆめみさんと出逢います。

今、AI業界は機械学習の面で大幅な飛躍を遂げました。
データを与えると自分で考える機能のこと。
でも人間のような自我を獲得するにはまだまだ道のりは遠いようです。
そこで自我を持つAIの前に「意味を理解するAI」の開発が必要とか言われてるそうですが、これが猛烈に大変らしい。
10年や20年のスケールじゃ無理なんじゃないのという声もあるそうです。
(つか、「意味を理解できたら自我の獲得と殆ど同義なのでは?」と私なんかは思ってしまうのですが。)

ゆめみさんはまだ「物の意味を理解する」能力までは獲得していないようです。
ですがその一歩手前ぐらいまで行っている感じ。
主人公が求めるものを必死に理解しようとしてるようにも見えます。

そんなゆみめさんと触れ合ううちに主人公はゆめみさんに「自我」のようなものを感じてしまったようです。
チューリングテストのように。

そんな二人のやりとりが物語になっていくわけですが・・・



不満もあります。

正直言えばキャラデザイン苦手ですし。
シナリオも後半はちょっと冗長。
最後の方はしっくりとはきませんでした。

でも、
チャレンジングなテーマで、
上手くまとまっていて、
ちょっと心に残る。

そんな良作だと思います。

<2018/11/18 追記>
主人公の声を大木民夫さんが演じられてたのを思い出しました。
昨年他界された名優です。
それこそ数えきれない数の役を演じらた名バイプレイヤーでしたが、個人的には「灰羽連盟」の「話師(わし)」役が心に残ってます。
本作、大木さんの主役でしかも遺作というだけでも作品の価値が上がってると思います。
なので評価値を引き上げました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 50

ちょっちゅね~ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アニメ業界の闇商法の様なアニメ

まずは内容について、115分中の70分(60%)がWeb版のダイジェストです。
もしWeb版が未視聴の場合はストレスなく視聴が可能ですが、
Web版視聴済みの人は苦痛としか言いようが無い。


最初は「こいつは酷い…。こんな構成で金を取るな」と思っていましたが、
何処かの記事で新作部分が当初は10~15分程度予定だったと記載されており、
監督が苦労して45分もの新作シーンを確保したと思ったら涙がでますよ…。

総評:Web版は見るな。映画版だけで十分すぎる。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

消えることのない無窮のきらめき、満天の星々が皆様をお持ちしています

2016年の劇場版アニメ 117分

原作 Key 監督 津田尚克 脚本 中山勝一 津田尚克 制作 david production

制作会社は旧GONZO系で現在はフジテレビの子会社、小平市にある。
12年からのジョジョやサクラダリセットなど本家と同等以上の制作量。
もちろん、Key原作というところが目玉なんだけど、Key+GONZOとしても興味深い。

同様のスタッフで上映の直前に~ちいさなほしのゆめ~というwebアニメが配信されていて、
劇場版はその大部分を内包するという話を聞いて未視聴です。
たぶん、プラネタリウム宣伝アニメとしてはWeb版のほうが優れているのではと予測。
劇場版の新作部分は40分だと言うことだそうです。

世界大戦によって荒廃した未来を舞台に描かれる人とロボットの心の触れ合い。

ほしのゆめみCVすずきけいこ デパート屋上のプラネタリウムの解説ロボット
屑屋CV小野大輔=星の人CV大木民夫 廃墟となった都市を探る発掘屋

おそらく見せ場である二人の出会いのほとんどはweb公開して、
前後の荒廃世界での物語が新作でしょう。
とすればやはり劇場版だけ見るのが良いのではと思いますが。
「ほしのゆめみ」との出会いはすごくいい話でkey的なノリで泣けます。
そう、ノリが変なんです。keyなんです。でも素直に泣けました。
そして、大木民夫演ずる星の人のパートではさらに来ます。

これは前情報など無しでハードルを下げて真っ白で観たほうがいい作品だと思いました。
べつにkeyファンじゃなくても、普通に観たら普通に良い作品。
軽いストーリーですが観て損はないと思いました。

麻枝氏の斜め上の展開などは無く、80年代アニメ的ストレートSFで懐かしさも感じられました。
最近疲れ気味の方などにお勧めのヒーリング系アニメかな?

細かいことには突っ込まないほうが幸せなのは、いつものkeyです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 29

68.5 2 ハートフルでファンタジーなアニメランキング2位
魔法使いの嫁 星待つひと 後篇 (アニメ映画)

2017年8月19日
★★★★☆ 3.6 (104)
513人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

TVアニメ期待大な気がするです。

 約半年、待ちに待った「まほ嫁 星待つ後篇」初日早朝、見てきたです。

 自分としては、中編からどうなるのかなぁ?と後編を見てみたですが、三浦さんの願いなどが、あっさり叶ったように見えてしまい、あっけない気がしたです。

 この後編では、三浦さんと森の図書館は何なのか?、叶えられなかった三浦さんの願いの内容、託した後の三浦さんの運命、時を越えて叶えられた三浦さんの願い、託された願いを達成したときのチセの心境とその後、三浦さんから貰った「ひとりぼっちのほしのこ」は、あの時どうなったか?を描いていたです。で、前編からのエリアスの部屋に戻るってとこだったです。

 あっさりとという場面は、三浦さんの願いの目的地が、森の図書館の近くにあったにせよ、三浦の記憶を見ただけで場所をチセが正確に特定できた点が、こんなに早くという感じがしたです。場所を教えられたわけでもなく、手がかりは三浦さんの記憶だけで、すぐにという感じで森の図書館から行けたところは、何でかなぁ?と思ったです。

 短いながらも、作画など良いところもあったアニメで、星空に囲まれた部屋で、三浦さんの「ひとりぼっちのほしのこ」をチセに読む場面が、印象に残ったです。

 場面は最初に戻りエリアスから、三浦さんと森の図書館の正体、森の図書館から持ち帰ったものにもたらされる希望を聞いたときのチセの笑みも良かったです。どこか悲しいような辛いような思い出だったかもしれないけど、この今のチセは、幸せなんだなぁです。


 このレビュから一か月半後、放送予定の第一話も先行上映され、チセがなぜエリアスの所に住んでいるのか?なぜ、このタイトルなのか?もわかる内容だったです。
{netabare} エリアスに会う前のチセは、ワンピースに例えるとシャボンディ諸島で、奴隷オークションのエイミィやレイリィを思い起こしたけど、相手が天竜人でなく{/netabare}エリアスで、チセにとっては良かったなぁです。 

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして物語は、始まる。

三浦から受け取った一冊の本。
それは彼に遺された悔恨の記憶であり、寄す処でもあった。 本を託されたチセは三浦の想いを伝えるために奔走する。

『その夜僕には、果たさなければならない約束があった』

彼が果たせなかった約束、森の図書室の秘密が今明かされる……。

たとえ雲厚く見えずとも。
星はいつか、待ち侘びるひとの元へ。

語られなかった前日譚、三部作がここに完結——。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
なんて濃厚な24分だったんだろう、これに尽きます。

物語は綺麗に纏まっていました。
この物語に必要なエキスも全て注入されていたと思います。

何故、森の奥に図書館ができたのか…
そしてその図書館の正体は一体何だったのか…
そして二つの約束の真実とは…
三浦さんから手渡された本が一体何だったのか…

これらの謎が一気に明るみに出るのですから濃厚感が半端無いのは想像するに易しいと思います。

でもそれだけじゃありませんでした。
人ならざるモノが見えるチセだからこそ辿り着いた場所であり、チセが図書館を使用するのは運命だったんだと思います。

実際にチセが借りたのは本でした。
しかも1さつずつ…
でも言い伝えでは別なモノにも置き換えることができるとエリアスが言っていました。
その別なモノというのが心底あったかいんです。
この作品ならではの優しさなのだと思います。

3部作を完走して思うこと…
元々はコミック同梱作品ですが、期間限定で劇場公開もされたんだそうです。
愛おしくて切ない珠玉の物語…
何故この作品に触れられる機会を狭めるんだろう…と率直な疑問を感じます。
確かにプレミア感は出るのかもしれません。
ですが、もっと沢山の人が視聴して、共感できる作品だと思いますのに…
そういう意味では勿体ないと思いますし、NETFLIXで視聴できたのは素直に嬉しいと思います。

コロナウイルスの影響でNETFLIXの加入数が伸びていると聞いています。
この作品に触れる人が増えてくれるのを期待しています。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

星が放つ光は全て過去からのものである。

だからこそ、目を凝らして見るならば、現在の自分を照らす光の在り処に気付くことができる。

自分の本を見つけること、それは自身の過去、すなわち星の光と向き合うということだ。
それが哀しみや苦しみ、あるいは憎しみを映すものであったとしても、それらを感じた自分自身との対話を通じて、残りの人生に向き合う力を与えてくれるのである。

チセは旅立つのである。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

70.7 3 ハートフルでファンタジーなアニメランキング3位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (102)
386人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

彼女の素直な気持ちが伝わってきます

実写には表せないSF感はアニメの長所です。
そして、アニメに多い中学生、高校生ではなく、大学生と社会人(消防士)の恋愛にある意味新鮮さを感じてしまいました。
一緒に歌うおのろけソングはとても印象に残るシーンです。私的には羨ましく感じました。

幸せなシーン。悲しいシーンが随所にありますが、アニメとしての表現の仕方、アニメによって悲しいシーンも映像によってちょっとだけ優しい感じに。また逆も然りで表現できるのアニメの良さを充分に用いているように感じました。

結論としてはエンターテインメントとして非常に優れた作品です。
もっと宣伝しても良かったのではないでしょうか。

本日レンタルで久しぶり観ましたが、やはり楽しかったです。
パッケージは完全に夏ですが冬のシーンもあるので12月に観ても問題なしですよ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 41
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋愛とオムライスを食べたくなる良作

別の作品を見に劇場に足を運んだら
そっちが完売していて
仕方なく空いてたこちらを見ました。

結論から言うと見て良かったです!
かなり楽しめました~♪

タイトルからも予測がつくように海が舞台のアニメです。
消防士のヒーローと、もう一人のヒーローが出会い
触れ合って、愛し合って、
そして波に乗って旅立つラブストーリーです。

正直な話、序盤は「もうお前ら爆発しろ!」しか思いませんでしたw
まぁ花火は爆発しまくっててなんていうか
{netabare}こんな輩がいるなら花火なんて無くていい{/netabare}
と思った次第っす…なんていうかウェーイ系にしてもあれは酷い…

ただ、二人は{netabare}花火で出会い、花火で別れる{/netabare}ので
二人には必要だったのかも知れません。

絵柄は凄く優しくてストーリーに良く合ってます。すごく好きです。
波の表現も優しいタッチで、海に行きたくなります。
音楽はテーマ曲がしつこいぐらいに繰り返しですw
ただ二人で歌っている時はすごく幸せそうで、
時折、笑いながら歌う感じがとても自然で
ほんとうに素敵なカップルだなと思いました(早く爆発しろって思いましたw)
ミュージカル的な要素なのかな?港はあまり歌うまくない設定なのかも
声優も凄くよかったです。特にひなこ。
(あと妹も{netabare}引き籠り{/netabare}っぽい感じが良く出てて良かったです。)
歌が紡いでた。ずっと前から二人を紡いでた。すごく良い歌と歌声でした。

とにかくx100 オムライスが食べたくて仕方がなくなりました(え?)
コーヒーも飲みたくなったなぁ…久しぶりに旨いコーヒーでも飲みに行こうかなー

ただ、{netabare}フラグ乱立{/netabare}しすぎたんですよね…
物語は急展開を迎えます。いきなりのファンタジー要素追加ですw
(いきなりすてーきなファンタジー要素)
このファンタジー要素、結構好感もって見れました。
色々な苦悩と、逃避と、お互いの想いと…
だけど最後には立ち止まっているヒーローを波に乗せるためそっと背中を押す。
いきなりだったけど素敵なファンタジー要素です♪

確かに、恋しないなんて馬鹿のする事だなって思ったので
皆さん素敵な恋をしようじゃありませんか!



で、こっからはネタバレ全開なので、まだ見てない人はブラウザバック
{netabare}
まぁ序盤はほんとに爆発しろって思ってたんですけど、
港があんな事になって、「爆発しなくて良いから返して」って思いました。
それは港じゃなくて、ひなこを返してって思いました。
陽気でざっくばらんで天真爛漫で明るくてとても魅力的な女の子
それがあんなになっちゃうなんて…泣きそうでしたっす
だって{netabare}便器に向かって話しかけちゃう{/netabare}ようなのって
自分がはたから見てたら「大丈夫かこの子?」って思っちゃいますよ。

皆ひなこの事を心配していて、友達もバカップルとか言ってたのを謝ってた…
友達の異名が気になる所ですがそこは触れないでおいてあげましょうw

しかし、なんであんなにフラグ乱立するかなー
おいら鈍感な方だけど、あそこまで乱立されたら流石に分かるよ。
{netabare}「あ、これこっから急降下して鬱展開なるやつだ…」{/netabare}って

・自分の苗字になったらどうすんだよ
・ヒーローになった動機の説明
・じゃあ同棲でもする?
・おばあさんになってもずっと守るよ

うん。回避不能なぐらい立てまくったね。このフラグを折るのは難しいw
だけど、そっからファンタジー要素入れて
鬱な展開になりすぎないようにした構成は素晴らしかったです。

オムライスは終始うまそうだった。なんか無性に食いたくなった。皆逃げてー飯テロよー
最初の段ボールの所でずっとヒヤヒヤしてたけど、
結局おっぱいの下敷きになって「そうなると思った」って思いましたw
ライフセーバー合格で結局お祝いはオムライス
そして、妹の渾身の掌返しw セリフが逆になったのは本当に良い演出でした♪
でもまぁ、するのもバカだと思いますよーw 妹も立派なバカップルw

そして1年越しのメッセージ…さすがに泣きそうになったっす
狙ってるんだろうからってのと劇場だから必死に堪えました。
ひなこが歌おうとして、さらに追い打ちかけてくるんだもん。正直危なかったw
願わくばひなこに良い出会いと素敵な恋が待ってますように…
{/netabare}
次はきっといい波が来るはずです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 27

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マーメイドヒーロー

世界中の恋に焦がれる女性とリア充カップルに、この夏、絶賛オススメのファンタジック・ラブストーリー。

《物語》

海岸沿いの町に越して来たサーフィンの大好きな女子大生「向水ひな子」。
冒頭、彼女を遠目に眺めながら
「あのコ、僕のヒーローなんだ」
と語るイケメン消防士「雛罌粟港(ひなげしみなと)」。
彼が狙ったかの様な展開で二人は恋仲になります。
前半30分ほどは二人の仲睦まじくなるさまを見せつけられるんですが、二人の描写は嫌味がなくキラキラした爽快感にキュンキュンできます。
(注!女性と二人でカラオケに行ったことのない男性にはイラッとくるかもしれません~)
中盤、港に起こる悲劇から物語は一転します。
ここからがハートフルな脚本を書かせたらハズレ無し、吉田玲子さんの真骨頂。
悲しみにくれるひな子を、ファンタジーな仕掛けを使って優しさと可笑しみで包み込み、観客の心まで温めてくれます。
冒頭の港の言葉に隠されたひな子への想いが、彼女へは勇気を、観客には感動を与えてくれます。
ラスト、いつまでも変わらない愛にホロリとしながらジンワリと心地よい余韻に浸れることでしょう。

《作画&演出》

湯浅政明監督と言えば、私が観た過去作「ピンポン」「デビルマン・クライベイビー」などから、シンプルなキャラクターデザインを伸縮自在に操るアニメーションらしい大胆な演出が印象的なのですが、今作ではキャラのデフォルメは抑え気味。
その分、二人を繋ぐ「水」に魂を吹き込むかのような演出が巧妙になされています。
様々な形で描かれる水の表現は、時にコミカルに時に繊細にキャラの心情を盛り上げ、ここぞのシーンではダイナミックな動きでキャラのハイテンションぶりを際立たせます。
クライマックスのタイトルにちなんだアクションシーンは圧巻です!

また、背景作画は80年代のオールカラー漫画「ハートカクテル」を思い出す鮮やかさで、ラブストーリーに華やぎを添えてました。

《キャラクター》

主役二人は文句の付けようのないベストカップルでこれ以上言うことなし。
残る主要登場人物、港の後輩消防士「川村山葵(わさび)」、港の妹「雛罌粟洋子(ようこ)」も良キャラです。
山葵の頼りないながらも実直なところがどんどん好感が持てるし、なんと言っても洋子のツンデレっぷりが可愛い♪
彼女だけは、この非オタ向け作品の中で萌えブタ心を満たしてくれました(^^;

《声の演技》

主要登場人物は全員俳優さんが演じていて、このあたりも非オタ向けアニメ作品ではありますが、女性二人は本職声優さんと比べても遜色のない演技をされてたと思います。
特に松本穂花さんのツンデレハスキーボイスは好みでした♪
男性の主演お二人はイケボなんですが声質が被るのがまず残念。演技も平板に感じ、同じ俳優でも同監督の「夜は短し歩けよ乙女」の星野源さんは上手かったな~と改めて感じました。

《音楽》

水と共に二人を繋ぐ曲「Brand New Story」
爽やかな曲調の中に切ないトーンが混ざり、歌詞も作品にピッタリ!
元AKBでもあるひなこ役・川栄李奈さんが何度も口ずさむ冒頭のフレーズは、様々な感情が込められてて、クドくても飽きません。
声の演技では申し訳ないコメントをしましたが、EXILE系ユニットのボーカルを務める港役・片寄涼太さんの歌声も素晴らしくエンディングは聞き惚れました。

《最後に》

本作は私のように「君に届け」や「アオハライド」などの王道少女漫画もいけるクチなら男性でも大いに満足できるのですが、オッサン独りでは気恥ずかしくも・・
アニオタ男性の皆さまは、非オタ女性を誘ってのデートに本映画鑑賞を組み込み、アニメの伝導と貴殿のポイントアップにお役立てください~(^^

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21

69.5 4 ハートフルでファンタジーなアニメランキング4位
シュガー・ラッシュ(アニメ映画)

2013年3月23日
★★★★★ 4.1 (131)
846人が棚に入れました
アクション・ゲームの悪役キャラクターのラルフの願いは、みんなに愛されるヒーロー・キャラになること。ある日、ついにラルフは我慢ができなくなり、自分のゲームを飛び出してしまう。迷い込んだのは、お菓子の国のレース・ゲーム“シュガー・ラッシュ”。そこでラルフが出会ったのは、不良プログラムであるためにレースに出場できない少女ヴァネロペだった。嫌われ者のラルフと、仲間はずれのヴァネロペ──孤独な2人は次第に友情の絆で結ばれていく。だが、ラルフの脱走はゲームの掟に反し、このままではゲームの世界全体に災いをもたらすことになってしまうのだ。ゲーム・キャラクターたちがパニック状態に陥る中、ラルフは“シュガー・ラッシュ”とヴァネロペに隠された恐るべき秘密を知ってしまう。はたしてラルフはヴァネロペを救い、ゲーム界の運命を変えることができるのだろうか? そして彼は、“本当のヒーロー”になることができるのだろうか…?

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【美女と野獣】全米のロリコンが泣いて喜んだというコレ【幼女とおっさん】(つまりオイラも泣いたわけだが)

ゲームの世界を舞台にしたディズニー映画
任天堂、セガ、カプコン等、実在のゲームのキャラクターもカメオ出演しているのでそれ目当てで観ても十分おもしろいですb


レトロゲーム『Fix it Felix』の悪役、ラルフは30年という稼働時間の中で悪役として働くことに既に疲れ果てていました
他のゲームに介入することは「ターボする」という合言葉の元、ゲームの世界最大の禁忌であったが、ある日その掟を破ったラルフは他のゲームの世界を往来し悪役の自分でもヒーローになれる世界を探し始めました
彼が辿り着いた先、レースゲーム『Sugar Rush』ではゲームのバグとみなされ他のキャラクター達から爪弾きモノにされていた少女、ヴァネロペがそれでもレースで1位になりたいと孤軍奮闘していました
ヴァネロペとラルフは紆余曲折ありながらも友達として互いを支え合い、協力してレースで1位を取ることを誓い合う
しかし『Sugar Rush』の王、キャンディ大王からバグであるヴァネロペの勝利はゲームの世界の崩壊を示すことになると告げられたラルフはヴァネロペを裏切る形で別れてしまう
そんな矢先、ラルフが連れ込んでしまったFPSゲームのモンスター、サイ・バグが『Sugar Rush』で大暴走をしてしまい・・・


レースシーンやアクションシーンの迫力もさることながら、まず目に止まるのが前半でラルフが訪れる「悪役セラピー」
これが面白いですね
ザンギエフ、ベガ、クッパ、ドクターエッグマン・・・
ゲーム界の名立たる悪役達が輪のように並べた椅子に向かい合って座り、お互いの悩みを赤裸々に喋る・・・
あまりにもシュールすぎるw
流石のリッチ・ムーア監督、この時点で既にディズニー映画としてはアウトロー過ぎることをやってのける!そこにしびれるっ!!あこがれるぅぅぅ!!!


そしてなにより今作の魅力はカップリングですよw
男勝りなカルホーン軍曹に対する3頭身フェリックス、これはまだ序の口
極め付けはやはり乱暴者の大男ラルフに対する小悪魔的幼女ヴァネロペ
爪弾き者同士、肩身狭き者同士身を寄せ合う二人
やがて芽生える友情、それを超えた何か・・・
これは凄いw
ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』、或いはリュック・ベッソンの『レオン』を思い出す胸が締め付けられるような組み合わせw
おっさんと少女というこのフェティシズム溢れるカップリングをディズニーがおkしてくれるとは、よか時代になったもんすねぇw


ラルフの吹き替えは山寺宏一、ヴァネロペは諸星すみれちゃんということで、リアルおじさん、リアル幼女のベストキャスティングも素晴らしい
こんなにも満足のいった吹き替えキャスティングは初めてです、凄い


近年、ディズニーも少しアウトローな方に寄った作品が増えてきていますが、今作はかつてのセオリーを逸脱しています
まさにディズニー映画の最左翼
特に手放しのハッピーエンド、ではない独特の結末には拍手です


いやぁいい映画、ディズニーを見直した1作でしたb

投稿 : 2024/12/28
♥ : 29
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今年観た作品で一番でした。

結論を先に言っちゃいます
…めちゃくちゃ好みでした♡
うん。約2年ぶりにお気に入りの棚に収納しようと思える1作に出会えたので、この思いの丈を書き綴っておきたくてレビューを書きました。

※ストーリーには触れていますがネタバレしないように書いている紹介&感想レビューになります。

舞台はとあるゲームセンター 私たちの知らない裏側 感情があるゲームキャラクターたちの世界。
実はゲーム内のキャラクターは人間を楽しませるために自分の役を演じるというお仕事をしていたのです。

誰だって一度は憧れのヒーローやヒロインになりたいと思った時があるかと思います。

悪役だって皆に感謝されたいし!
悪役だって皆に愛されたいのです!!

ゲーム世界でずっと嫌われ者の悪役を演じてきた男が
『自分だって皆に愛されるヒーローになりたい!!』
という夢を叶えるために他のゲームへと冒険に旅立ちます。そんな男の運命…は?
また悪役がいなくなってしまったゲームに待っている運命…は?

ディズニーらしい愛と夢にあふれたファンタジーの中に現代に通じる悩みを抱えたキャラクター達がおりなすストーリー。
深みがあるシナリオは私の心に届きました。

カラフル、ゴージャス、ファンタジック等の言葉で表現されるディズニー映画の世界を象徴するような映像と多彩なキャラクターに思わず笑顔になるほど
色とりどりの世界 どこを見てもワクワクがいっぱいなんです。
とくにシュガーラッシュという お菓子の国のレースゲームでは「うわぁ♡」と嬉しい声をあげたくなるような驚きの甘くてかわいい(?)セカイが広がっていました。
ここで開催されるレースゲームがまるで任天堂のゲーム マリオカートみたいなんです。
カートのパーツがお菓子だなんてどうカスタマイズしたら速いカートになれるのかな?

私だったらクッキーのフレームにオレオのハンドル、オレンジを輪切りにしてチョコをディップしたタイヤを装備して、仕上げにはポップでカラフルなカラーのシュガーをたっぷり振りかけておめかし
はい、これで私のオリジナルカートの完成!
そしてシートクッションにはふわふわマシュマロを使いたいんだけど…美味しそうなカート。速いかな?♬*

ゲームキャラクターも可愛くて可愛くて、現実のゲーム世界のキャラクターに、そこらじゅうで出会えます
(お気に入りはスーパーマリオのクッパさん)
観ているうちにあの重要なマル秘キャラ{netabare}(アクションゲームの美人な大佐){/netabare}にゲームでお会いしたくなってしまいました。

音楽とセットになっている挿入歌も頭の中でずっと流れています
『Shut Up And Drive』はリアーナさんの中で好きな曲の一つだったのですがここで使われていたのですね。

冒険の中での心の苦しみや葛藤がとても丁寧に描かれていました。
言葉以上に物語るキャラの表情がとっても繊細で、ついついつられて画面の前で私も同じような表情になってしまっていたかも…
{netabare}
主人公を初めて見た時は好きになれそうもないゴリラさんみたいなキャラクター?(ゴメンナサイ!)と思っていたのですが
観終わった今は筋骨隆々な体型もビルを壊すためのショベルカーみたいな大きな手も、そして笑顔も本当に可愛くて仕方ないのです。

私の胸に響いた一番 大好きなセリフがあります。
『ヒーローになるのにメダルはいらなかった、あの子が俺を好きでいてくれるなら悪役も悪くない!』

大切な女の子のたった一人のヒーローになったことで悪役の居場所に戻っても今の自分を受け入れ毎日の時間を心豊かに過ごす様子には本当に心が温かくなりました。
気がついたらゲームをこえて皆を惹きつける存在になっているんですもの!
{/netabare}
こんなにも優しい気持ちになれる作品 なかなか出会えないかも…
お気に入りの棚へと収納しました。

12月になりどんどん寒くなってきましたが
是非シュガーラッシュを観て
…心を温めてください*❁*⋆ฺ。*

投稿 : 2024/12/28
♥ : 65

アイコン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ターボタスティック!

ディズニー製作の
オリジナルCGアニメーション。
好きな作品なので贔屓が入るかも(--;)

ディズニー映画は結構見てますが、
大人向けな作品も多い中、
これはかなり大人向けな作品。
というか、ネタが大人じゃなきゃ
分からなかったり(笑)

これ、かなり凄い作品だと思います。
繊細に作り込まれた世界観、
無駄のない話の進み、
予想以上の伏せんの多さ。
テンポは人によっては早すぎる方もいるかもですが、
自分はこれぐらいで大丈夫でした。

これだけネタを散りばめ、詰め込んだ作品で
話がごちゃごちゃにならないのも珍しい。
更に予想を上回るラスト。
正直、綺麗すぎて感動を覚えました(笑)
現代だから余計に良さが出るのかなと思います。
話の内容的にも。

話の進み方はどこにでもありそうな感じの
王道を貫いていて、でも少しシュールな
描写もあって。
この作品の伝えたいメッセージもよく伝わって
くるし、キャラの心理描写も本当に素晴らしい。
ちょっと残念だったのがフェリックスの
心理描写が足りなかったかなと。
あれじゃただの単純な奴です(笑)
モブのビックジーンももう少しどうにか
ならなかったのかな?と言う感じ。
あと、規制がひどい。
英語版と日本語版の言ってることが違いすぎる。
うんちとかオナラとかの程度なら別にいーだろ(笑)

でも本当にそれぐらいで、
これ、もっと評価されてもいいんじゃないんでしょうか?

無駄な描写がないし、
ゲームごとのBGMもなかなか良いです。
最後のドット映像も素晴らしい!

声優さんも豪華で、
皆さんとてもいい演技をしてくれていました。
特にキャンディー大王、うぜぇ(笑)

諸星すみれさんは何となく棒読みのイメージが
あったのですが、だいぶ演技上手くなってましたね。
山ちゃんは相変わらず安定してます。
そしてなぜか友近と森三中とハリセンボンの出演(笑)
まぁ、合ってたので良かったですけどね(^^;
なぜAKB?と思いましたが
シュガーラッシュの主題歌はとても
合ってたと思います。

そんな感じで、私は好きな作品でした。
他ゲーム作品のキャラがかなり登場していて、
ゲーム好きにはたまらないのでは?
分かりやすいところだと、ストリートファイターとか、
ダンレボとか、パックマンとか……。
これ以外にもマイナー作品のキャラやアイテムが
ところどころにいたりあったりします。
それを探すのも楽しいかも。
娯楽作品にはもってこいの作品です。
ディズニー作品が苦手な方にも、
是非おすすめします。

ヴァネロペも可愛かったけれど、
気になったのがスノワナ レインボーという
モブキャラ。一言もしゃべらないのですが
見た目がすごい好みでした(笑)

あと、悪役の会に出ていた青い髪の女性。
すごく気になりましたが、なんのキャラでしょうか?

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

71.5 5 ハートフルでファンタジーなアニメランキング5位
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(アニメ映画)

2019年11月8日
★★★★☆ 3.7 (61)
235人が棚に入れました
ある日の午後、お気に入りの喫茶店「喫茶すみっコ」へとやってきたすみっコたち。おなかをすかせて注文した料理を待っていると、突然、地下室から物音が。 「地下室のすみっこに誰かいる・・・?」 みんなで中に入って行くと、そこには一冊のとびだす絵本。ひどくボロボロで、ページの大事なところがなくなっている。桃太郎のお話のページには背景があるだけで、おじいさんもおばあさんもいない。すると突然、大きな影が現れて、えびふらいのしっぽが絵本にすいこまれてしまう! すみっコたちがおっこちた物語の世界にいたのは・・・新しいすみっコ?

声優・キャラクター
ナレーション:井ノ原快彦
ナレーション:本上まなみ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自分らしさの檻の中でもがいてるなら♪……おいでよ すみっコへ

「すみっコぐらし」というキャラクターコンテンツについては、
私は名前を知っている程度。

ただ、サンエックスが生み出す不可思議生物?については、
昔ちょっとハマっていた「たれぱんだ」等、
何だか大人の心にも引っ掛かる物を感じていて……。

本劇場版でサンエックスの最新成果&集大成の一端を確認したい。
という気持ちはありましたが、映画館までわざわざ足を運ぶ程では……
と部屋の片隅で躊躇していたわけですがw

本作の反響ホント凄いですね(驚)
せいぜい傍流で細々と語られる程度の映画かと高をくくっていたら、
いつの間にか、この秋冬のアニメ映画では、
『アナ雪2』に次ぐ位の勢いで、エンタメニュースのド真ん中で持て囃されている。

押し出されるように私もいつの間にか、お子様連れのママさんに混じって、
映画館のド真ん中に座っていましたよw


滑り出しの感触は簡素なキャラクターアニメ。
隅っこで落ち着いている、各種“すみっコ”にも声はなく、
セリフは、無言のキャラたち仕草等を補完する
井ノ原快彦さん&本上まなみさんのナレーションのみで、淡々と場面が進んで行きます。

序盤は部屋の隅に落ち着くまでの来歴等
“すみっコ”の生態紹介にゆる~く費やされ、
これは初心者にも優しい間口の広いお子様向け映画かな?

……と油断してたら、“すみっコ”たちが、
おとぎの国々の各登場人物に落とし込まれる“本番”以降、俄に高度化。

この“すみっコ”……そのキャラで、あんな役とか務まらないだろうw
というツッコミ待ち等、ハイレベルなキャラ芸も次々と繰り出されるので、
最初の方でしっかりとキャラを把握しておくことをオススメします。

いつの間にか、作画も音響も簡素な中に力強さがあることも分かり、
これは単純にアニメ映画としても侮れない出来と、
“すみっコ”ワールドに没入させられて行きます。


「号泣した!」、“すみっコ”好きの男性のための限定上映会開催!
との評やニュースも耳にしていた本作。

皆、各々、社会の役割を演じる中で、俺はちゃんとこなせていない、
こんな端役は俺の役割じゃない、自分らしさを見失ったなどと、
精神を磨り減らしている。

いや……もはや、自分らしくなければ幸せじゃない!
と自分を探すよう脅迫する言説にすらゲンナリしてしまっている。

本当の自分だろうが、偽物だろうが、
今、自分がここで落ち着けるなら、それで良いじゃない?

こんな感じで、“すみっコ”たちに世の大人たちの涙腺は
突き崩されて行くのでしょうか?


私は号泣!までは行かず、涙が氾濫しそうになる程度でしたが、
本作がブームになるなんて……世の中まだまだ荒んでるんだなぁ~と、
むしろ、そちらの方にも泣けてきますw

但し、終盤の{netabare}鬼の助太刀{/netabare}には、
ベタですが、私の涙腺も一部決壊しましたね……。あれはズルいw


自分の役割に囚われず手を差し伸べられる人間に私はなりたい。


心に養分を補給され、再び社会の隅っこに戻っていく私なのでした……。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 14

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゆるキャラが織り成す涙腺がうずく幼児向け物語

このアニメは幼児向けです。
ですが、学生が見ても大人が見ても大いに感動します。
私も思わずポロリと涙がこぼれ落ちました。

物語はすみっこをこよなく愛するゆるキャラたちが絵本の中に吸い込まれてしまい、そこから抜け出る内容です。

ゆるキャラたちは声を出しません。
声を出すのはナレーションの人だけですし、ときどき説明する程度です。
物語の大部分はゆるキャラたちのかわいらしい動作が中心です。
その動作に癒されます。
この動作がつまらないと思われる人は途中で寝られると思います。中盤まではいたって単調です。

しかし、ラスト七分、今までとはうって変わって、シリアスな展開となります。
あるキャラクターのとても可哀想な現実を見せつけられます。
アニメだから魔法とか奇跡とかで幸せにできるはずなのに、この映画ではそれをしません。
幼児向けアニメでここまで可哀想なことをする必要ないだろうと、私はつい思ってしまいました。
近くの席にいた幼稚園の男の子が、思わず「かわいそう」とつぶやいていました。そして後ろの席からは、すすり泣く観客の声が聞こえました。

でも安心してください。魔法も奇跡も起こりませんでしたが、最後はハッピーエンドで終わることができました。しかも、ハッピーエンドにする方法が、実に現実的で暖かみがあり感動します。
魔法や奇跡を起こさなくとも幸せにする方法があることを、私は教えられました。

例えば、地震や台風で家を失った人にとって、つらい現実は変えようがありません。でも私たちは義援金やボランティアをすることで、少しは被災者の方を癒すことができると思います。
決して無理をせず、自分たちができる方法で困っている人を助ける。
日本中の人がそのように行動してくれたら、未来は明るくなると思います。
この映画を見終わって、そう感じました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

寂しいからみんなで過ごそう

視聴前 さて

視聴後 ..

このお話はすみっこたちがとある絵本を見つける話
ジャンルはほのぼの・ファンタジー・童話

まだ見てない方へ
この作品がものすごく高評価だと聞いた方は期待しないでください。なめてかかりましょう

見た方へ
{netabare}正直舐めてました。私は友達(非オタ)から「私すみっこでないちゃった」と聞き、まさかwwと笑って流してましたが、本当に評判がいいので私も見に行きました(私も非オタですけどね)。
この際、はっきり言いましょう。私はなけませんでした。おそらく感動ポイントはみつけたのですが、ウルっときませんでした。
しかし、勘違いしないでいただきたいのはこの作品は良い作品である、ということです。すみっこぐらし、というものを耳にしたことはあるものの一体それが何なのかを当日まで知らなかった私が隅っこたちを理解できましたし、何よりも「やさしさ」を感じました。
さて内容です。序盤はキャラ説明と導入。ナレーションにまかせっきりなところもありますが、正直これが後で効きます。中盤は展開もありますがシリアスシーンも意味も少ないです。重要なのは終盤です。この終盤で感動する人は感動するでしょう。評判に期待しすぎた私には泣けませんでした。しかしとても素晴らしいラストではありました。序盤中盤を含めた今までを丁寧に着地させたものです。もともと勢いのある作品ではないのでゆっくりとした展開に更に慎重なラストとなり、かなりほんわかとした「やさしさ」を感じました。
この作品で伝えたかったのは「やさしさ」「思いやり」ではないかと思っています。みなさんは今も思いやりを持って生きていますか。もちろん非道の精神を貫いている人はいないでしょうが、いまも子供の頃の純粋な優しさや思いやりは今でも残っているでしょうか。無条件で人を助け可愛そうだと思ったらすぐ手を差し伸べる、今の私には正直できません。というか忘れてました。年を重ねるたびに幼い声ころの純粋な心を忘れてしまって「じぶんにのことは自分でなんとかする社会」というものを受け入れてしまっているような気がします。そんな忘れてしまった童心を思い出させてくれるのがこの作品です。なんの見返りもなく仲間を思って行動できる。そんな信念をわすれずにこれからの人生を生きていきたいと思います
〇〇さんのナレーションとすみっこたちの身振り手振りで表現されます。これはキャラがしゃべり自然とキャラ説明」してくれるより方法的にはかんたんですがその文話を面白くするのが難しかったりします(その後もナレーションをうまく使わないと手抜きとバレルからね)。しかしこの作品は丁寧なナレーションとわかりやすい動きで物語を早く理解することができました。素晴らしいですね
キャラはかなり好みです。初めて見たキャラですがかなり多くのこと(性格や大体の思考パターン)を理解できるキャラ説明は素晴らしいですね

原作はよこみぞゆりさん。
監督はまんきゅうさん。ガンダムさんや弱酸性ミリオンアーサーの監督をされた方ですね
シリーズ構成は角田貴志さん。
キャラデザは横溝友里さん。
劇判は羽深由理さん。
アニメ制作はファンワークスさん。やわらか戦車などを制作してるところですね

作画は悪くなく丁寧な動きがありびっくりしました
主題歌は高橋久美子さん作詞、伊藤ゴローさん作編曲、原田知世さん歌唱の「冬のこもりうた」
{/netabare}


総合評価 みるべき

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

67.9 6 ハートフルでファンタジーなアニメランキング6位
岬のマヨイガ(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.5 (40)
138人が棚に入れました
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ"だった。それは、“訪れた人をもてなす家"という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ"でいま始まる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心がざわつく優れた映画だと思います。青少年へのメッセージかな?

 他人が集まることで家族となる疑似家族ものの一種ではあります。東日本大震災の後の復興の一面を切り取ったような話でもあります。さらに、あらすじ通りではない部分もあるので、ネタバレとしておきますが、{netabare} 妖怪大戦争もの{/netabare}でもあります。

 これらがご都合主義的に組み合わさって、比較的派手な絵もなく音楽の無い場面も多く淡々と話が進みますので、退屈する人はするでしょう。

 ですが、この2人の少女が不幸を背負った原因を考えたときに、果たしてそんな単純な話なのか?と気が付きます。震災という大きな大きな不幸と、家族に起こった世間から見たら個人的な不幸。そのどちらも人々にとっては逃げ出したい現実になります。

 その中で自分は誰といたい、どうしたいという気持ちと向き合いましょうと。そして、誰を守りたい、どこで暮らしたいと言えるようになると、不幸から脱するきっかけと新しい何かがみえてくるよ、という風に見えました。

 この3人を助けてくれるのはなんといっても {netabare} 土着の妖怪 {/netabare}たちです。つまり、土地であり共同体です。これは人間も一緒でした。人間は弱いので、辛いもう離れたいと思う気持ちが出てきます。それが地域を滅ぼすことになるという事だと思います。

 本作については、見て欲しい対象年齢を少し低めにしていると思います。それは不幸な現実とどう向き合うか、ということを分かりやすく伝えたいからなのかなあ、と思います。
 震災の不幸も初めは少々デオドランドして、見やすくしすぎでは?と思いました。が、震災の不幸をクローズアップしすぎないように、そしてそこの嫌悪感恐怖感で映画が伝えたい「不幸」の本質を見失わないようにするためかなあと思いました。
 そして、なぜそうしたのかを考えると、逃げる=自殺とか考えてしまう少年青年に対する何かなのかなあ、という気がしました。

 とはいえ、大の大人が見ても、見ている途中で心がざわめく映画ですし、視聴後感はハッピーエンドではありますがこれからもいろんな不幸が起きるけど、戻るべき場所、共同体があるから頑張れるんだ、という風に見えました。

 なお、初めの狛犬のシーンはここでは述べませんが2つの見方ができますね。
 そして、飼われるのが三毛猫です。必ずメスですからあの家には女性しかいません。つまり巫女という風にも取れましたね。

 アニメーションとしての技術的なところは、超一流ではないかもしれません。評価点が平凡なのもそのせいです。が、作品としては、脚本とメッセージ、演出などで良くここまで仕上げたなあという印象でした。青少年向けという前提でいえば、100点中88点くらいつけてもいいかもしれません。

 ということで、隠れた名作だと思います。1回しか見ていないので、もうちょっといろいろあるかもしれませんが、1回集中して見たのでかなり疲労感があります。つまり、出来が良いということです。
 刺激とキャラ萌えを期待すると退屈かもしれませんが、視聴中そして見終わったあと、心が動く映画です。いい映画でした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8
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