ハッキングTVアニメ動画ランキング 22

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87.1 1 ハッキングアニメランキング1位
リコリス・リコイル(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (1032)
2900人が棚に入れました
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」 。 カフェが受ける注文は、おいしいコーヒーにあま~いスイーツ……だけじゃない!? ちょっとそこまでのお届け物から心細い夜道の送り迎え、ゾンビ退治から巨大怪獣…!? なんでもお悩み、相談ください! お客さまの「困った」をなんでも解決しちゃいます! 皆さまをお待ちするのは、いつもスマイル看板娘と、クールで真面目なド新人。働きたくないちびっ子に、結婚を焦るアラサー女子? そして店長は、日本かぶれのナイスガァイ!! どんなご注文(オーダー)も、おまかせあれ♪
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

楽しくも、切なく哀しい『Recoil(反動)』の物語

あなたの学校に、ものっそい美人、
しかもスタイルも性格も良くて、誰とでも気軽に接し、
おまけにスポーツや勉強まで充分以上にできる女子がいたとします。
そういう女の子って、
だいたい一割ぐらいの生徒から陰でディスられたりするんですよね。

 ・なんでもできますヅラが気に食わない、カンに障る。
 ・八方美人で、いい子ちゃんぶってヤな感じ。
 ・別世界の住民みたいで親しみがもてない。もっと庶民派の方が好き。

まあ、言いたくなる気持ちはわからなくもないですが、
そういうのって客観的に見ると『やっかみ』以外のなにものでもなく。
人間、素直がイチバン、などと思う拙なのであります。


本作『リコリス・リコイル』は、
そういう『学校イチの完璧美人』みたく考えていただければよろしいかと。
それが鼻につく方には鼻につくでしょうが、
僕ごときの浅学な身ではうまくイチャモンがつけられない、
全方位型のアクション・エンターテインメントなのであります。

ジブリや新海誠監督作品ぐらいしかアニメに接点がない方々にも、
ぜひに、とおススメしたい逸品であり、
2022年度のジャパニメーションを代表する一作ではあるまいかと。

ちなみに、物語の設定は明るくも楽しくもありません。

  政府の秘密治安維持部隊であるDA(Direct Attack)。
  そこは、犯罪者どころか『準備犯』までもを暗殺し続けることで、
  表面上の平和を維持する超法規部隊だった。

  DAは孤児を養成して殺人技術を身につけさせており、
  暗殺者として育成された女子たちは『リコリス』と呼ばれていた。

  そうした異様な治安維持に不審を抱いたテロリスト・真島は、
  その正体を暴いて白日のもとへ晒すべく、
  リコリスの抹殺、そしてさらに大きなテロを計画していく。

  そのリコリスのNo.1、『殺しの天才』と呼ばれる錦木千束(ちさと)は、
  ある事情から『不殺』を自らの信条とし、
  DAの支部扱いとなっている喫茶店『リコリコ』に身を置いて、
  暗殺ではなく『人助け』をして過ごしていた。

  その『リコリコ』に、井ノ上たきなというリコリスが、
  某事件の責任をかぶされた形で左遷されてくる。
  あくまでも『不殺』を貫き、明るく振舞う千束に反発を覚えるたきな。
  しかし、千束の事情や生きざまに接するうち、
  自分にも『人を殺す以外の生き方』があるのではと思い始める。

  しかし、そんな二人もリコリスと真島の抗争に巻き込まれていく。
  そしてついに大規模なテロが発生し、凄惨な現場に駆けつける二人。
  そこで千束に突きつけられる、生命の『選択』。

  そのとき、二人のとった行動とは……!?

とまあ、ハ-ドボイルド感満載な設定であり、
一つ間違うと『鬱アニメ』になっちゃってもおかしくないような、
あんまり『心暖まらない』ストーリーであるわけです。

ところが実際に作品を見てみると、
鬱になるどころか、爽快で、小気味よく、
わくわくしながら視聴し続けられる第一級のエンタメに仕上がっています。

これは、すでに見た方ならカンタンにわかると思うんですが、
単純に以下の三つの要素が作品を押し上げているからなんですよね。

  ① ビジュアルがめっちゃきれい。
    女の子が可愛く、活き活きしているし、
    アクションシーンもかっこよくて目が惹き付けられる。

  ② 演出・シリーズ構成が秀逸。
    パンツ回や喫茶リコリコのわちゃわちゃした日常など、
    楽しく見られるプロットが随所にあって悲壮さを引きずらない。

  ③ キャラ・役者の芝居がめちゃくちゃ楽しい。
    ヒロインである千束(Cv.安済知佳さん)を筆頭に、
    喫茶リコリコで働いている中原ミズキ(Cv.小清水亜美さん)
    同じくクルミ(Cv.久野美咲さん)たちの、
    カラッと陽気なお芝居が物語全体を明るくしている。
{netabare}
  第四話のパンツ回なんか、
  多数のリコリスが銃撃戦のうえ、無惨にも瓦礫の下敷きになって死亡。
  なのに、すぐ後のリコリコ店内のパンツ騒ぎで帳消しに。

  続く五話でも、リコリスが殺意をもった真島に車で轢かれ、
  そのあと、テロリストに囲まれハチの巣にされたのに、
  たきなが千束の心音を聴く『ちょい百合演出』で、これも帳消し。

  こういう『痛ましさを引きずらせない演出』が随所にあるんですよね。
{/netabare}
要するに、ハ-ドボイルド的な『苦味』のあるストーリーに、
美少女だのわちゃわちゃだのという『甘味成分』を大量トッピングし、
誰の口にも合うようマイルドに仕上げた作品なのであります。


ただし、単純にそれだけであれば、いわゆる
  絵がきれいで女の子がかわいいハ-ドボイルドアニメ
にしかなりません(そんなの、掃いて捨てるほどありますよね)。

  ハ-ドボイルド単体として見れば
   『政府が運営する秘密暗殺部隊』というのはやや古臭いし、
  その部隊が暗躍する理由が
   『外面上の治安の良さを維持するため』
  というのは、いささか無理筋な感じがしないでもなく。

僕が本作品を高く評価しているのは、
ハ-ドボイルド層+美少女層に加えてもう一つ、
第三の層とでも呼ぶべき重要なファクターが存在するからであります、

その三つ層のが分離不能なほど溶け合い、
融合して一つの世界を織りなしているからこそ、本作は『素晴らしい』、
近年まれに見る良作であると拙なりに愚考するわけです。

この層は作品タイトル『リコリス・リコイル』の意味に密着しているのですが、
未視聴の方は正直イミフになっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
{netabare}

本作のタイトル『Lycoris Recoil』は、
直訳すると『彼岸花の反動』で、
そのまんまだと、まるっきり意味がわかりません。

ですが、彼岸花の花言葉を調べていくと、その輪郭がはっきり見えてきます。

彼岸花は色によって花言葉が違うのですが、
千束に繰り返しかぶせて描かれている彼岸花の色は『赤』です。
そして、赤い彼岸花の花言葉というのは

  『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『悲しい思い出』
  『また会う日を楽しみに』『想うはあなた一人』

このうち、本作で千束に関係してくるのは、
通奏的なのが暗殺組織DAからの『独立』と、不殺の『情熱』の二つかと。
 (物語前半は吉さん(吉松)への『また会う日を楽しみに』、
  中盤以降は同じく吉さんとの『再会』という意味も兼ねています)

  ちなみにアイキャッチでクルミが来ているパーカ-の彼岸花は『黄色』で、
  花言葉は『深い思いやりの心・陽気・元気』。
  こちらも最終話近くの心臓探しあたりと密接につながっております。
  (いやあ、このあたり芸が細かい)

千束はアラン機関の吉松(吉さん)から人工心臓の提供を受け、
深く感謝すると同時に自分も他人の救世主になりたいと『情熱』をもち、
DAからの実質的な『独立』をはたします。
そして、憧れだった吉さんとの『再会』をすることに。
ここまでが、タイトルのうち『リコリス(彼岸花)』にかかっている部分ですね。

そして、千束の『情熱・独立』は、深刻な『反動』をもたらします。
ここからが『リコイル』の部分。

千束は『殺しの天才』としてアラン機関の援助を受けたわけですから、
いつまでも不殺を貫いているのは、その目的に反します。
そこで、エ-ジェントである吉松は、
その才能を発揮させる(人を殺させる)べく、
薬物中毒者を依頼人に仕立てて、千束と殺し屋と対決させます。

ですが、それでも千束は「私は人の命は奪いたくない」と言い切り、
その理由を「わたしを助けてくれた人みたいになりたいから」だと説明します。
それをニセ依頼者を操りながら聞いていた吉松は、
  「千束……それではアラン機関は君を……その命を……」
という言葉とともに、絶句し、交信を切ってしまいます。

  このセリフこそが、これ以降の物語の『トリガー』なんですね。

物語後半であきらかになりますが、
この段階で吉松はすでに、
千束を助けられる新しい人工心臓の存在を知っていました。
(それを手にしたのが延空木テロの一年前ですしね)
しかし、千束が期待された才能を発揮しない限り、
アラン機関の追加支援としてその心臓を提供することはできません。

  つまり、殺しをしない限り、千束の余命はあと数年が限界だ、
  ということがわかっていたわけです。

  だからこそ『リコリコ』に足を運んでミカの状況を確認し、
  進んで殺しをさせる意思がないと見るや、
  職権濫用で殺し屋を差し向けたりもしたわけで。

しかもこのときの会話で千束が殺しをしないのは、
人殺しはイケナイ、みたいな安っぽい人道的な理由ではなく
(千束はリコリスが人を殺すことを否定していません)
吉松を『人を助ける救世主』と思い、同じ道を歩みたいと願っていること、
つまり自分が誤解させてしまったことが原因だと知るわけです。

すぐに吉松は、バックグラウンドで走らせていた作戦、
アラン機関が千束とは関係なく『別枠』で支援していた真島を、
千束にぶつける作戦へ舵を切ります。

さらに、千束を時間的に追い詰めるため、
千束の体内にある人工心臓に細工をして余命を二か月にまで縮めます。

それは、表面的にはアラン機関の忠実なエ-ジェントとして、
千束の才能を世界に届けるためのものでした。
しかし、内心は違います。
吉松は、ただ『千束に生きていて欲しかった』こそ、
職権を最大限に濫用して、千束に『殺し』をさせたかったのです。

  そもそも、ミカに仕事ではなく『約束』として千束を託したのは吉松です。
  その際、吉松は「もう私たちの娘じゃないか」と言っており、
  その段階で『人殺しのための道具』だとはこれっぽちも思っていません。

  子どもを作ることができないゲイカップルの吉松にとっては、
  自分が生命を与えた千束は、
  ほんとうに自分の娘であるように思えたのかも知れません。
  (手術にも、本当の親のように、ミカと二人で立ち会っていますしね)

最後の仕上げとして吉松は自らの身体に細工をし、
自分が真島にわざと捕まるよう仕向けて、旧電波塔で千束を待ちます。
(クルミですら痕跡を追えなかった吉松が、
 ロボ太や真島に簡単に捕捉されるとは考えにくく、
 ここは『わざと』捕まったと思うのが自然です)

そして、真島を捕縛して対峙した千束に対し、
あらん限りの(心にもない)罵倒と挑発を繰り返して、
自分に抱く偶像を破壊し、罪悪感なく自分を殺せるように仕向けます。

  自分は憎まれても殺されてもいい、
  千束が夢破れて『人殺し』になってもいい、
  どんな代償を支払ってでも、千束には生きていて欲しいんだ。

  それは生物学的な親子を超えた、
  本物の親子愛と呼ぶべきものではないかと僕は愚考します。
  (もちろんそこには『ミカとの子ども』という付加要素も存在します)

かたや、ミカの方も心から千束のことを愛しています。

吉松に押しつけられた『親子ごっこ』は本物の親子愛に昇華し、
成人まで生きられないと言われている千束のために、
おそらく袖を通すことができないであろう晴れ着まで準備しているんです。
そのうえで、吉松を慕う思いを尊重して、
残り少ない人生を思うままに生きさせてやりたいと願っています。

  どんな形であったとしても生きていて欲しい、と願う吉松。
  死期を早めることになっても思うままに生きて欲しい、と願うミカ。
  そこに正誤だの優劣だのはありません。
  そこには、
  娘を心から愛する二人の父親がいるだけです。

最終話、傷ついた吉松とミカの会話が、二人の深い情愛を物語っています。
  ミカ「すべては千束のためだ……。そうだろう、シンジ」
  吉松「わたしは……わかってもらえなかったよ……」
    (中略)
  吉松「……狂わされたな。おまえも……あの子に」
  ミカ「……そうだな」
そこには、深い悲しみはあっても、後悔は一片も存在していません。
最後まで千束に真意を伝えられなかった吉松を、
(それを伝えたら千束は絶対に吉松を撃てなくなりますから)
ただ一人、理解して涙を流すミカ。
互いを愛し、そして娘を愛した二人の男の切なすぎる幕引きです。


つまるところ本作タイトル『リコリス・リコイル』は、
リコリスである千束の『情熱』『独立』、
つまりは『不殺』に対する『Recoil(反動)』の物語であるわけです。

もちろん、千束を中心に起こる全てのできごとがその範疇に入りますが、
とりわけ、愛する娘の『情熱・独立』によって人生を狂わされ、
それでもそれを甘んじて受け止める、二人の父親の物語が大きな要素となっています。

この二人の父親の深い愛情、
慈しみ抱擁するようなミカと、狂気じみた発露を見せる吉松の愛情が、
折り重なり合って物語のバックグラウンドを形成する構造こそが、
僕の言う『第三層』なのであります。

  わちゃわちゃと楽しい美少女たちの光景と、
  カッコいい、胸のすくようなハ-ドボイルド・ガンアクション。
  それらを下支えする切なく哀しいヒューマンドラマ。

  これらが密接に絡み合い、完璧に融合していることが、
  本作にものっそい深みとコクを生み出している、
  と、拙は拙なりに愚考している次第なのであります。
{/netabare}

僕的な評価は、ダントツのSランク。
おおよそ、エンタメに期待される要素をほぼ完全に網羅しております。
ハ-ドボイルドとしての世界観は若干『ぬるい』のですが、
それを補って余りあるアクション品質と、
ドラマ性のある濃密な『動機付け』が実によき。

同系統の作品は今後も出てくると思いますが、
それで本作を超えるのはちょっと難しいんじゃないかなあ、
と思わされるぐらいの完成度です。


唯一の欠点は、脚本がちょっと『わかりにくい』ことかと。
とりわけアニメ慣れしている方ほど、
その傾向が強くなるんじゃないかと危惧してしまう次第です。

  というのも、最近のアニメの傾向って、
  心情とか真意をセリフで語りすぎちゃっているんですよね。
  言葉と心情が乖離してるのって、
  わかりやすいツンデレ演出ぐらいのものでしかなく。

  その点、本作は心情解説的なセリフがほとんどないんですよね。
  映像や言葉の断片からそれを『推し量る』という、
  国語キョーイクみたいなスキルが視聴者に求められるわけであります。
  {netabare}
    最終話の日本リコリコ店内なんか、
    チビ千束の描いた『二人のお父さん』の絵がこれ見よがしに飾ってあって、
    いかにもメッセージを読み取って欲しそうにしていたり。
    その上からミズキが別の絵をかけて隠しちゃうところなんか、
    本作の作品構造をあらわすメタファーになってたりもするわけで。
  {/netabare}
  そういうのって正統的な映像作品の作り方っちゃ作り方なんですが、
  イマドキのアニメとは、正直、かなり違うわけでありまして。

  いわゆる『萌えアニメ』的な感覚で、
  オモテに出てくるセリフだけを追っかけていると、
    なんだコイツ、わけわっかんね~
  みたいなことになっちゃいそうなので、ご注意を。
  {netabare}(いやほんと、吉さんかわいそう) {/netabare}


作画は、ほんと言うことなし。ためらうことなく5点です。

かわいらしいカットはかわいらしく、
シリアスなカットは魂込めてシリアスに、
一枚絵として充分通用するレベルで繊細に描き分けられています。

  アクションシーンも、ガチでかっこいいですしね。
  他の方も指摘されてましたが、
  千束の独特な銃の構え方、きゅんです。
  {netabare}
  最終展開、ク-ルなたきなが感情むき出しにする作画は鳥肌もの。
  「心臓が逃げるっ!」と叫んだとき、
  ちょっとだけ楳図かずおが入っちゃったのはご愛嬌。
  {/netabare}
  あと、これはアニプレ系列作品の特徴でもあるんですが、
  女の子が『おしゃれ』。
  乃木坂46のデザイナーに依頼したというリコリスの制服もそうですが、
  千束とたきなをはじめとする女性陣の私服がステキ。
  ここんとこは、他の制作会社もぜひぜひ見習ってほしいところかと。


大評判になっている役者さんのお芝居も、文句なしの5点満点。

千束役の安済知佳さん、こんなはじけたお芝居ができたんですね。
いやすごい、楽しい、ほんとカワイイ。
さらに、これまでの役どころで培ってきた『気だるげ』なお芝居も健在で、
その温度差が千束のキャラをより際立たせています。
(個人的には最終話、真島との『中休み』グダグダ会話がイチバン好きかも)

  若山さん、小清水さん、久野さんも会心の一撃かと。
  とりわけ『感覚派』の天才児、小清水さんが、
  アドリブでめっちゃいい味だしていて、よきです。いンぬ。
  (久野さんも引っ張られて、新境地開眼ですね♪)

  ただ、女性陣ばっかに目がいって、
  youtubeはじめネット上もその声ばっかなんですが、
  男性陣(松岡禎丞さん、上田燿司さん、さかき孝輔さん)が、
  すごく渋くて味のあるお芝居をしているからこそ、
  女性陣がぐぐっと引き立っているのはわかってあげて欲しいかも。


音楽は、OP・EDともに、世界観と見事にシンクロしています。
劇伴もかなりいい出来なんだけど、
クライマックス、台詞に日本語のOP曲かぶせちゃったので満点ならず。

  OPにクラリスさん、EDにさユりさんと、
  さすがSME系列のアニプレ、持ち玉が豊富ですよね。
  ときどきヘンな外し方しますが、今作はきっちりと。

  OPの映像が、またよくできてるんだこれが。
  拙的には、サードリコリスが無言で歩いているカットが大好きです。
  (最初は通常、途中でスローにして爆炎をかぶせる演出がヤバい)
  最後をおしりの蹴り合いで楽しく締める演出も、
  まさに本作の制作コンセプトそのものですよね。まいった、降参。


監督は、これが初監督となる足立慎吾さん。
1996年に『機動戦艦ナデシコ』の動画マンとしてデビューして以来
作画・作画監督・キャラデで25年以上のキャリアのベテランさんですね。
SAOやWORKING!!のキャラデ・総作監として有名な方。

  これまで『画』は描けても『物語』には関われず、
  イマドキの流行りアニメに対して、
  かなりの想いを募らせてこられたのだろうと愚考いたします。

  アサウラさんの作成してきたプロットを『原案』にするまで修正、
  映像面の中間チェックを副監督にほぼ丸投げし、
  自身はシナリオと演出に集中するという力の入れよう。

  残念というか何というか、
  画と役者さんのお芝居が良すぎて視聴者の目と耳を奪ってしまい、
  シナリオの本質が十全に伝わっているとは言い難い状況かと思いますが、
  アニメの楽しみ方は人それぞれ。
  そこに良し悪しだの優劣だのつけるのはヤボというものですね。

     ただ、僕は好きです、こういうモノづくりの方向性。

  板がバカ売れしているとの由、必ず『次』がありますから、
  妥協して『わかりやすい安直アニメ』に寄せず、
  いまの信念を最後まで貫いて欲しいと心から願う次第であります。

  
とにもかくにも、実に緻密に織り上げられた物語です。

エラそうにこんなこと書いてる僕も、
一周目では、ばくっした全体像しか把握できず、
二周目で構造をようやく理解でき、
三週目でその緻密さに舌をまいた、というていたらくでありまして。

ほんと、見返すたびに新しい『発見』のある、素晴らしい作品です。
(僕がアタマ悪い、ぼんやり見てるだけかも知れませんが)

  未視聴の方はもちろんのこと、
  既に視聴を終えられた方にもヒマなときぜひ見返していただきたい、
  そんなふうに思ってしまう、

      エンタメアニメのハイエンドモデルなのでありますよ。


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ちなみに、最終話の読み方と、二期があったらの展開につきまして、
僕なりに書きたいことがあるのですが、
あくまでも個人的な推測に過ぎないわけですし、
そもそも、ここまででも充分に『長い』レビュ-になっちゃってるわけで、
まるっとネタバレで隠しておきます。

未視聴の方はまったく意味わからないので読むだけムダかと。
視聴済みの方で、おヒマであり、
なおかつ「ふん、読んでやらんこともない」というご奇特な方だけ、どうぞ。
{netabare}

まず吉さんの生死についてなのですが、
正直言って、いまの段階では『まるっきりわかりません』が正解かと。

人工心臓を自分の中にいれちゃうっていうの、
このヒトなら本当にやりかねないヤバさは確かにあるわけです。
ただ、そういうことになると
  ① いったん他人に移植した人工心臓を再利用できるのか
  ② 千束にネタバラシした後も、スーツケースを持って逃げたのはなぜか
という、ごくあたりまえの疑問が頭をもたげてくるわけで。 

それは千束の立場においても、まったく同じなわけです。
病院で目覚めたとき、自分が手術されていたことを知ったわけですが、
  それが『吉さんの体の中にあったモノ』なのか、
  それとも『ケースの中にあったモノ』なのか、
確信をもって判断できる材料はなにひとつないわけなのであります。

ケ-スの中にあったのなら全く問題ないのですが、
もしもそうじゃない場合には、

  誰かが吉松を殺し、奪った心臓を千束に移植した。

ということになるわけです。

もしも事実が後者だった場合、千束的に耐えられる話ではありません。
だから、仲間に会って真実を伝えられる前に、
誰にも見つからないところを求めて逃げ出した、というのがホントのところかと。

  少なくとも、千束が口に出したウソ、
    勝手に手術されていて『死ぬな』と思い、
    湿っぽくなるのがイヤで逃げ出した。
  なんてものよりは、よっぽど筋がとおる解釈ですよね。そもそも千束は
    古い心臓が修復不能で手術しても意味がない、
  ということを知っていたわけですから、自分が何をされたかは自明の理なわけで。

そして、たきなに見つかり、腹を括って話を聞くことにした。
たきなの口から伝えられたのは『前者』。
もちろん、それが真実かどうかなんて千束に知るすべはありません。

  ただ、冷静に考えてみれば、
  真実がどちらであったとしても
  たきなは『前者だ』としか言うはずがなく。

  そして、同じように、真実がどちらであったとしても、
  千束が『吉さんから再び生命を与えられた』という事実に変わりはなく、
  それを精一杯生きなきゃいけない、ということに気づくわけです。

  だもんで、真実は玉虫色のまま、ワイハへGO!!

という、まさに『どっちにでも転がせる』最終回だったわけですね。
本編にも吉さんが『死んだ』という映像はどこにもなく、
今後どんな展開になるのか、ちょっと想像がつかない感じであります。


あと、僕的に今後の展開で気になるのは
ずばり『ミカに対するアラン機関の扱い』です。

  だって、結局のところ千束は人殺しをしていないわけでありまして。
  つまり千束はアラン機関の追加支援を受けられない、
  そういう立場であったわけです。

  その千束を助けるために
    アラン機関のエ-ジェントである吉松を抹殺し、
    同じくアラン機関の成果物である人工心臓を強奪、
  ということであれば、ちょっと『ごめん』じゃすまないだろうなと。

  吉松が生きている場合でも、
    二人で共謀して心臓をだまし取った
  ということになりますから、やっぱ『ごめん』で済ますのはムリ。

  そしてその心臓を移植され、
  義務をはたさないまま生きている千束もまた、
  やっぱ『知らんかった』ではすまされないだろうなあ、と思われ。


というわけで、もし二期があるとすれば、
まだまだ『リコイル(反動)』の波が続いていくものと予想しています。

まるで正体の見えないアラン機関も姿を見せるだろうし、
リコリスの抹殺に使われようとした格上の『リリベル』も出るだろうし、
したっぱテロリストなんかより規模のデカい、
そして対人殺傷能力に長けた『敵』がおしよせてくるわけで。

  そんななか、千束が『不殺』を貫いて仲間を守り切れるのか、
  みたいなストーリー展開になったら、けっこうドキハラできるかも。


まあ、そういうのは『拙がライターならこう書く』という話で、
信頼性もなんも、あったもんじゃありません。
いきなり『萌えアニメ』になる可能性だってゼロじゃないわけで。

  常にスケジュールがパンパンのA-1 Picturesですから、
  いかに板が売れようとも、
  すぐに二期の制作にとりかかるのはキビしいかと思われます。

  朗報が届くのを首を長くして待つ間、
    自分ならこう書くなあ
  なんて想像するのも、アニメの楽しみ方の一つなんじゃないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメファンの感性を残酷なまでに問われる惨い作品

日本国の治安を守る秘密組織機関に属するエージェント=「リコリス」と呼ばれる少女たち
「千束と たきな」 2人のバディを描いた物語。

銃撃戦もありますが、最大の見せ場は何と言っても
千束と たきな のバディの関係性の描写にございます。

人気実力を兼ねそろえた完成度が非常に高い超話題作。

エンタメ性も高くキャラも魅力的で評判は上々、一見の価値ありと
自信を持ってより多くの方々にお奨めできるタイプの作品であります。

お気楽吞気で全身脱力系の 千束 と
生真面目で融通が利かない たきな の凸凹コンビが繰り広げる
化学反応の超展開(けつキック合戦の模様を含め)どうぞご期待ください。

●メサイヤ×スクランブル~最終話視聴後の総合評価~
{netabare}総合的に考えると相棒系の物語としてはかなり上質の完成度であったと評価できますが
最終話で、 たきな の活躍が期待していた程ではなかったこと、そして
「心臓」の件は個人的には千束もしくは たきな の決断により解決してほしかったのですが
二人の父親同士の決闘の末、先生の独断?(あるいはすべてを見越した吉松氏の計略?)により
あっさり解決されてしまったのが少しだけ残念でありました。

「彼岸花」が暗示する「死亡フラグ」も吉松氏が全部引き受けることで
一番危うい立ち位置にあった千束、仲間思いの念が強すぎて見境なくなる
という意味で何かやらかしそうだった たきな も事なきを得たようです。

千束の二人の父親、先生と吉松氏のBL関係のごり押しは{netabare}あまりに露骨で悪趣味なものを
感じたので減点の要素としました。

実はエリートと呼ばれる人たちにBL系の人が多いというのは事実であり、ある意味アラン機関の
吉松氏が同様であるのもリアリティがあると言えばその通りですが、主人公の父親がともに
BL系というのはかなり微妙過ぎるものがあるように感じました。{/netabare}

人気・評判・実力の総合評価では今期最高水準であることを証明したような本作でありますので
続編が期待されるのは当然の成り行きでありますし、だからこそ千束や たきな の手によって
命の問題を解決させようとする結末を描かなかったのには理解はできるところもあります。
というのも、原理上、命の代償は命であるのが必然だからであります。

12話の展開の過熱感は限界突破をするほどの熱を帯びているように思えましたが
最終話ではピークアウトを迎え少しだけトーンダウンしたような印象も受けました。

ただ続編への繋ぎということならば、若干ぬるめのハッピーエンドみたいな締めでも
ファンにとっては好印象であったのかもしれませんし
まだまだ物語が続くなら、それを待たずして激辛評価というのも早計でありかつ
期待が持てる終わり方というのも印象は悪くなかったように感じました。
結論は、概ね着地成功という話にございます。{/netabare}

ざっくりレビュー{netabare}
1話 たきな は待機の命令違反を犯しリコリスの仲間を救出
この命令違反を理由に本部から左遷されますが、救世主に憧れる千束には好印象
たきな は仲間思いの「熱い」性格であることが判明します。

2話 千束のマトリクスディフェンス炸裂
カラシニコフは反動が大きいのでかわし易いということなのでしょう。
異常に目がいい千束は射撃手の腕の筋肉の動きから弾丸の起動が読めるというチートであります。

3話 健康診断受診前に飴を食べようとする千束に たきな が注意勧告
甘いものは血糖値を上げるからと正論を放つも実は思いやりがあるというのが たきな であります。
模擬戦煽り合戦で千束吠える!千束も たきな のこととなると熱くなります。名コンビ覚醒回であります。

4話 たきな 用下着の買い出しシーン。ショップで二人の禅問答が始まり
千束の一人乗り突っ込みが冴えわたる。所詮は百合サービスデート回だろうと油断していたら
二人の会話は盛り上がり、思い出話の暴露から信頼関係が強化されていく様子が描かれます。

5話 千束の秘密が明らかになる重要回。
手作りの「旅のしおり」は千束の観光ガイドの依頼に対する本気度が窺えます。
アラン機関によりもたらされた人工心臓、そして千束の使命とは?物語は動き出します。

6話 リコリス襲撃犯テロリストとの対決。千束の弱点、目潰し攻撃で追い込まれるも
たきな のバックアップで難を逃れます。

7話 アラン機関に選ばれた千束と運命の人との再会。
しかし両者のそれぞれの思いにはズレがあるようであります。

8話 たきな 渾身のオリジナルパフェを考案。
絵の才能に加え たきな は決定的にセンスがないことが判明。
旧電波塔事件に関与していた男、真島の正体はアランチルドレンであり
千束との運命的再会は彼にとってはリベンジマッチ千載一遇のチャンスとなるのであります。

9話 人工心臓に細工され千束の余命は数か月に。
先天的心疾患の千束を救った救世主=吉松氏は憧れの人。
千束の生存につながる情報の手がかりを求め本部復帰を決意する たきな。
思い出作りのため たきな エスコートで千束とお出かけ。
たきな らしい生真面目過ぎるデートプランであるも、千束は大満足。
二人の別れのシーンで待望の雪が降るという演出がとても印象的な感動回でありました。

10話 自分のために人生を棒に振ってほしくない千束は喫茶店の閉店を決意。
そしてテロリスト真島覚醒!その本領を発揮します。 {/netabare}

以下長文レビュー{netabare}
●「メサイヤ・コンプレックス」~テロリスト真島について~
{netabare}真島というキャラが魅力的に見えるのは、本人が言うように真島が弱い者の味方であり
現状の腐った政治が蔓延する日本という社会においては過激な改革こそが庶民にとっては
正義であり救いであるというのが真実であるからであります。

テロリストというのはある意味「メサイヤ・コンプレックス」という精神病理に憑りつかれている
ような存在でありますが、この狂った世界に生きていれば誰しもが病みを抱え鬱積した感情の
どろどろのマグマがやがて臨界点を迎えるのも致し方ないことのように思われるわけであります。

本作に登場する都知事が(ノンフィクション作家の著作)「女帝」というタイトルの暴露本で
学歴詐称並び公職選挙法違反の疑念を抱かれる対象の某都知事と瓜二つなのは、偶然ではなく
必然であると考えられますが、その問題の某都知事はジョージ・ソロスという世界的大富豪の
お知り合いという話でございます。

都職員による実績評価は過去最悪級の某都知事でありますが、どういうわけか?選挙にはやたら強く
某独裁与党に所属していた時から大臣などの重要ポストを当たり前のように手に入れてきたという
経歴を持つというなんとも「狐」につままれたような奇妙な話でありますが、政治の世界、
いえ、この世のすべては人脈やコネこそが肝心要であり、
実力やら誠実さやら信頼などは二の次三の次のことなのでしょう。

某与党で重要ポストを得てきた女議員とは、よく見りゃみんなよく似てる
「女狐」であるという笑えないオチであります。

だからこそ真島というキャラの思想性に自分の憧れや理想を重ねてしまうわけですが
テロを起こそうが起こすまいが、ガチガチの完全性で固められている現世界システムは
強固なる鉄壁性を示すのみでありましょう。

ただし、その鉄壁性という性質は我々庶民に対してのものであり
もしも権限ある強者たちが世界を変えると決めた時は、逆に多くの庶民が抵抗したところで
いともあっけなく劇的に変わってしまうというのは何とも皮肉な話であります。{/netabare}

●すり替えのトリック
{netabare}「プリンセスプリンシパル」と「探偵はもう死んでいる」から導き出される
「心臓のすり替え」には、トリックが仕組まれていたことが最終話で判明します。

千束の「代替心臓」は実はケースの中にあったというのが真相ですが、
では吉松氏が人工心臓を自らに埋め込んだという話はただのブラフだったのでしょうか?
個人的推測では、計算高い吉松氏のことですから実際に装着して性能テストをする必要性を感じ
ただろうということと、ただのハッタリでは千束が信じないかもしれないという判断から、
自身に人工心臓を埋め込んだのは真実であると判断いたします。

目的のためには手段を択ばない狡猾なトップエリートであるのが吉松氏の本性でありますが
そんな彼でも、千束には父親としてなんとかして生きて欲しいという願いを抱いて
いたという話であります。

愛娘のような千束を欺き、親友のミカを欺いてでも自分の思いを貫く純粋なる狂信者吉松氏と、
片やそのような一方的で残酷な解決法を望まない千束とは、考え方が真っ向から対立しますが
誰かのために生き、誰かの命を救うために生きることとは、千束にとっては理想的な生き方で
ありそれこそが彼女にとっての「救世主」であったというわけです。

千束としては、吉松氏の一方的なプレゼントとメッセージについてはひどく受け入れ難いものの
ため「これ」を海に投げ捨てますが、そのシーンで彼女が断ち切ったもの、断ち切りたかった
ものとは過去であり、ある意味吉松氏によって与えられた未来には真っ向から向き合って生きて
行く決意を表したような意味合いが、そこには込められていたようにも思えます。

今の千束には救世主に対する憧れはもうありません。
等身大の自分が生きる道、未来につながる道をひたすら歩んで行くだけです。

例え与えられた命でも生きる権利があるのは本人であり、
どう生きるかも本人の専権事項であります。

親がなければ子は生まれませんが、親はなくとも子は育ち、やがて巣立ちます。
未来とは親のためではなく子どものためにあるものです。
そして親とは子どものために、子どもを思い生きる存在であります。
自分の理想を一方的に押し付けるようなことは本来親がやるべきことではなく
もしも吉松氏が本当に千束を自分の子と思い、自分は父親と自覚していたなら
それが間違いであることに当然気づくでしょう。

吉松氏はどちらだったでしょうか?{/netabare}

テロリストの真島もなかなかいいキャラでありますが、いかにもエリートらしい吉松氏の{netabare}
目的のためには手段を択ばない純粋なる狂気っぷり加減もなかなかによい塩梅であります。
自分の信念を純粋無垢に貫いてブレない千束との対比効果が鮮明で個人的には
かなり燃える因縁の対決シーンでありました。

そして仲間思い千束思いの たきな の鬼の形相、必死すぎる表情も上手いこと描かれており
熱量が凄いことになっておりました。

組織挙げてのオペレーションの失敗の責任をすべて部下に押し付けて何事もなかったかのように
トップの地位にのうのうと居座り始末書の処理だけは優秀な楠木司令
この世界で出世し勝ち残り優秀と言われるのはお役所仕事をそつなくこなす方なんですが、
しかしながら要するに、そういう人は無能で信頼もできないし
自己保身が最優先事項なので実は全く使えないというのが真相でしょう。

ハッカーや真島に何度もしてやられて自分の面子や上司からの評価がガタ落ちの状況を
何とか打開しようと功を焦り、真島検挙の手柄を独り占めしようと目論み
自ら現場にしゃしゃり出てきたDA司令官でしたが…取らぬ狸の皮算用の狸が逆に化かされて
失態の上に失態を重ねて、上司激ギレの結果、切り札の千束を使えという鶴の一声のオチであります。

組織人ならば組織の命令や上司の命令に従うのはある意味当然ですが、
しかし上司が無能で組織自体も形骸化しており機能不全起こしてるならば
訓練された無能力集団の命令に従うことほど間抜けなオチはないと言えましょう。

真島やハッカーはそれについて十分熟知しているので
某都知事含めてコケにされているという展開であります。

優秀なる官僚主義である楠木司令も最後の最後で上層部に一矢報い名誉挽回できたようです。
最後の切り札=千束を政治力を駆使して温存していたこともありますが
それ以上に最後の最後でものをいうのは人脈であるということなのかもしれません。{/netabare}

「えんくうぼく」という名の電波塔とは5Gが普及する近未来を端的に示しており、
劇的な変化を遂げ生まれる新世界秩序の誕生を示唆しているようにも思えます。{netabare}

新世界秩序を作り出すための重要な鍵となるプレイヤーは中国とも言われており、
中国が推し進める一帯一路構想と5G建設計画には密接な関係性があるようです。
世界秩序の劇的な変化の反動、反発としてテロが引き起こされるのは
必然であると言えるのはないでしょうか。

第1話における東京で「桜開花の情報」のテロップが「東京」ではなく「関東」に差し替えられていた問題に関して考えられる仮説の一つとして挙げられるのは
情報操作=「情報のすり替え」の暗示があったのだと推測いします。

東京は関東に属しますが、仮に東京の桜が開花したとしても
関東全体が桜の開花したというのは確かに論理の飛躍が惨過ぎますよね。

そういうことがちゃんとわかっている賢明な?視聴者の方々は当然テロップの違いに
突っ込んでますが、本作における東京及び関東に属するような愚民風情の我がニッポン国民とは、
そんな明らかな論理の飛躍=あからさまな情報のすり替えや情報改ざんの類にはまるで気が付かない
間抜けでお人好しな、救う余地がまるでないような程に絶望感が惨過ぎるからこそ、
例えテロリストになってでも真実を伝えようとするような真島の真摯的な
態度には共感以外に言葉はなく、
一方であまりに哀れ過ぎる我がニッポン国民の愚民性をこのような対比でまざまざと見せつけられたら
笑って誤魔化すしか手立てがないとかいうのは、とても皮肉な話であります。

1話に登場した電波塔とは(改ざん可能な)高度情報化社会を象徴するシンボルであった
可能性が濃厚だと感じました。{/netabare}

1話において某作戦の失敗の原因は{netabare} 某リコリスのスタンドプレーによるものとして
組織内部では処理されていますが、要するにただの責任転嫁のしっぽ切りのために
たきな は左遷されたという話であります。
情報操作と虚飾にまみれた組織とそれによって守られた治安のいい?国家=我がニッポン、
そこに住まう意識が高い?国民性を持つ小奇麗な我が家畜たちの間抜けな幻想、
そういうもの一切合切を痛烈に皮肉ってるようなメッセージが胸に突き刺さります。

某「緑の」都知事には思わず苦笑w皮肉が凄いですw{/netabare}

●個人的に気になった用語
{netabare}・リリベル
リリーベルとは和製英語で鈴蘭の花を意味するらしいですが、
より多くの人に頭に焼き付けて欲しいのは「リリベル」という言葉自体
表記自体に重要な意義があるという話です。

・延空木
天空に延びる木なので、世界樹=ユグドラシル(ゼロ活のクジラ回にもあった)のことを
指しているようにも思えますが
「伸びる」ではなく「延びる」の方は時間空間的なものを指して使われるということです。
電波塔は塔ですから「バベルの塔」みたいなものとも解釈できますが、
「バベル」には「混乱」という意味合いがあるらしいです。
「混乱」という言葉には情報(の錯誤)というものが含まれ
結局のところ「延空木」とは情報網の枝が次元に延長されていった結果
構築される世界樹のようにスケールが大きい巨大情報網のことを指すようです。

5Gが実現する世界こそがまさにその状況を示すのだということになりますが、
最も肝心なことは高度情報化社会は既に進行しており、その社会に暮らす一般庶民とは
絶えず押し寄せる情報の海に溺れ漂流し続ける儚い存在でしかないという真実です。
ハッカーによる情報操作に翻弄され無様に踊らされるという本作に登場する愚民たちとは
結局のところ我々無力な庶民の事を示しており、現時点で真実が何であるのか見えているのは
限りなく無に等しいという…非常に残念なお話でございます。{/netabare}{/netabare}

●アニメファンが知らない秘密結社【フリーメイ@ン】
{netabare}感のいい方のお察しの通り本作ではとある「秘密機関」が描写されています。

一つは 【烏】。一つは【梟】。
「SPY家族」の「オペレーション【ストリスク】」、「惑星のさみだれ」の「【梟】の騎士」
そして「後宮の烏」には「【烏】妃」と【梟】が登場します。
これはほんの一例に過ぎず、特に【梟】が(意味深に)登場する作品を探し出したら
きりがないくらいに【梟】は至る所に存在するのであります。

世界の基軸通貨「ドル」の1$札にはさり気なく【梟】がプリントされていますが
恐らくこれはFRB(連邦準備制度理事会)の株主、つまり世界標準として
ドル基軸通貨体制を構築した「陰の実力者」の所属を示す【刻印】
のようなものであると個人的には理解しております。

【梟】が暗示する【メイソン】の情報をネットで調べたらそれこそ腐る程出てまいりますが
所謂「都市伝説系」の人達が積極的に情報発信しているこの手のものは特にフェイクが多く
当方も迂闊にこれに食いついて騙された口でありますが、得られた情報の点と線を地道に
つなぎ合わせるという地味な作業を長年にわたって継続した結果、パズルのピースはかなり
揃ってきたと実感する位までには到達できたように思います。

【メイソン】の話は某アニメ評論家の岡田斗司夫氏もtubeで披露しており
【メイソン】と【錬金術】の関係性を見事に暴露しているのは、核心をついていて
十分評価すべきでありますが、その一方で【ローマカトリック教会】の理解も含め
【メイソン】の本質には今一つ届いていないように思いました。

【メイソン】に関する話が厄介なことになる原因は今の組織が2重構造、ないしは3重構造
になっているからだと個人的には理解していますが、岡田斗司夫氏ご指摘の通り
「近代メイソン」はただの社交クラブ化しているというのは、ある意味
正しい解釈であると思います。

近代になり立ち上がった【フリーメイソン】は「自由・平等・友愛」を掲げる
ただの「社交クラブ」であることは多くの証言からしても事実であると考えられます。
しかしそれは組織の8割9割の部分でしかなく、「ロッジ」によっては【33階級】まである
とのことですが、例えば【33階級】の頂点を極めた重鎮が一般会員と同じように
社交クラブごっこを目的に活動してるのかと言えば、
そんなわけがあり得ないという結論に至るわけでございます。

【メイソン】とは【石工職人】であります。
この【石工職人】は【錬金術】の系譜の末裔であるというのは岡田斗司夫氏ご指摘の通りであり
【石工職人】の影響力が薄れた近代メイソンが社交クラブ化したのも
ある意味事実であるようにも思えます。

「【海賊】王女」で描写された【オーパーツ】的な「不思議な石」はある種の
パワーストーンでありますが、それを鑑定した【石工職人】とは恐らく
【メイソン】を暗示するものだったのでありましょう。

石工職人の系譜と関連深いのは【古代メイソン】であります。
それに対してその影響力が薄れ近代化したメイソンが今の【フリーメイソン】であります。

【古代メイソン】を近代化したのは誰だったのでしょうか?

一説によればその改革者は【イルミナティ】という輩であるとのことであります。

彼らは近代合理主義の洗礼を受け、「自由・平等・友愛」のスローガンを掲げ
革命の旋風を巻き起こした【陰の実力者】であります。

フランス革命を引き起こし、あるいは裏で煽動していた秘密結社が存在していた
という説がありますが、ある説によればそれは【フリーメイソン】であると言われ
またある説では【イルミナティ】であると言われています。

「自由・平等・友愛」とはフランス革命のスローガンでありますが、そもそも
それを掲げたのは【フリーメイソン】の中に暗躍していた【イルミナティ】という勢力
であったというオチであります。

世界史の授業で習いました近代合理主義における「【啓蒙】思想」という聞きなれない
「ワード」、【啓蒙】とは「闇を【光】で照らす」的な意味合いがあります。

【イルミナティ】とは「【光】に照らされたもの」「【光】の洗礼を受けたもの」であります。

早い話が「【啓蒙】思想」というワードの語源は【イルミナティ】であり
「近代【合理主義】」を世に拡散したのも【イルミナティ】であります。

近代革命の旋風に乗って現れた「フランス人権宣言」や「【理性】の崇拝」という奇妙な宗教、
【ギロチン】という悪趣味な処刑装置、すべては彼らの思想と連動しておるわけでございます。

1$札の裏面には【ピラミッド】とその頂点に【光る眼】が描かれていますが
ピラミッドは【石工職人】=【古代メイソン】の仕事であり
頂点に輝く【光る眼】は【イルミナティ】を象徴しております。

【フリーメイソン】や【イルミナティ】と言えば都市伝説扱いの話とされていますが
フランス人権宣言や1$札だけでなくありとあらゆるところにその形跡が
確認出来てしまいます。

アニメの元ネタが「フリーメイソン」という事例も挙げればきりがないほどありますが
さて、アニメ制作者の方々は皆【オカルト】マニアとでもいうことでありましょうか?

秘密結社に関する謎は深まるばかりでございます。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これは本当に楽しめた作品

オリジナルアニメーション作品です。
オリジナルアニメーションといえば面白い作品が多く、リコリスリコイルもその作品の1つ。

1話の段階で面白さが解るレベルの面白さですね。
Twitterでもフォロワー20万越えの人気だしアニコレでも人気は高かった様に記憶しています。

普通にキャラも可愛いし、千束もタキナもしっかりキャラが立っていて内容も解りやすくアクションもスタイリッシュですね。
たまに作画がおかしいシーンもありますが余り気にならないレベルですね。

後は細かいやり取りも面白く日常シーンも楽しく描かれて居ます。
退屈しないで飽きない物語展開は何度みても面白いですw


悪人を消しさり平和な東京を維持する為の武装組織に所属するリコリス。
そんな少女達の物語。

作戦違反をした少女タキナは転属命令が下される。
彼女は東京で1番のリコリスである、千束の元で学べと言われたのですが……

【千束】

千束は賑やかな女の子です。
タキナが来た事に凄く喜んでいて、多分同年代の女の子で相棒が出来たのが嬉しかったのでしょうねw
少し悪ふざけが過ぎるのですが、実は私も普段から悪ふざけしてる人なので、その点は共感持てますw

2人の初仕事はボディーガードなんですが、千束が目を離した隙に{netabare} 人質を囮に犯人組織を誘き出すタキナw
悪人を潰す為には使える物は護衛対象を囮にする女タキナw {/netabare}

この辺り、タキナが千束の元にで学べと言われた理由のヒントになっています。

千束は、「命を大事に」と言います。
彼女は、平和と称して悪人を処刑して存在を消し去る組織ADのやり方に{netabare} 疑問 {/netabare}を持っています。
悪人を殺す事を許可されたリコリス……
{netabare} チサトが使う銃はゴム弾です。
人を殺さない為の武器であり、敵が負傷してもその場で治療をしたりします。 {/netabare}

それは悪人だからと言って命を奪っていい理由にならないって点と、彼女は、人の命は奪いたくない、誰かを助ける事をしたい。
{netabare}そして、彼女自身が命を救われたからです。 {/netabare}

実は、千束の身体は{netabare} 人工心臓 {/netabare}です。
それは命を引き換えに世界への使命を与えられた事を意味します。

彼女は人を捜していました。
理由は、自分を救ってくれたある人にお礼を言う為。
そのお礼を言いたい人と意外な場所で再開する事になる。
でも、上手くお礼を伝えられなかった。

彼女の恩人{netabare} ヨシさん。{/netabare}

彼女は{netabare} 健康診断中にある注射を打たれます。
それは彼女に埋められた人工心臓を充電不可にする為の彼女を死に近づけさせる注射。{/netabare}

そうして、彼女の余命は約2ヶ月
千束は元々{netabare} 余命は長くなかったからと明るく受け入れてしまう……何故、その運命を受け入れられたのか…………何故笑顔でいられたのか……1番不安だったのは彼女のハズです。{/netabare}
それでも、悲しい顔も涙も見せないで……

それは、彼女が今も奇跡の中にいるからです。

これはある漫画のセリフなんですが、「人にとって1番難しいのは健康に生きていく事」なんですよね。

昔の彼女は身体を動かしたら倒れてしまう。
{netabare} 病弱で、もう長くは生きられない……
でも、ヨシさんが救ってくれた。
先生が育ててくれた。

だから、今の自分があり、その救われた時間を過ごせただけでも彼女の中では今日までの時間が奇跡のような時間だった。 {/netabare}
健康に生きてこられた。

だって、そうではありませんか?
普通にしてたら死んでしまっていた時間……
{netabare} でも、寿命を引き伸ばして貰えて、その新たに得られた時間に沢山の楽しみや出会いがあって奇跡の様な時間だって思います。{/netabare}

それが短くなった。
きっと、辛かったし悲しかったと思う
でも、元々無かった時間を体験できて、それが短くなった。
それだけだったんだと、きっと割り切った。

{netabare} せっかく、ヨシさんがくれた時間だから悲しむ時間が勿体ない……だから悲しむより普通に楽しく残りの時間を生きようと……その気持ちが彼女の心を支えていたのかな?と思いました。 {/netabare}


それからも千束は普通に日常を過ごしてました。
でも、1番凄いと思ったのは自分の事より、リコリコの仲間のこれからを気にしていた事です。

リコリコは{netabare} 閉店{/netabare}
{netabare} 元々、リコリコは千束が居るから成立した支部でした。
だから、彼女が居なくなった後に突然彼女達が行き場を失わないようにとの配慮だったのかな?と思います。{/netabare}

それが1番凄いなぁ〜って、余命なんて宣告されたら多分、自分の事で手一杯だと思うのですが、それでもタキナをDAに帰れるようにしようとか、ミズキやクルミが何処に行くかとか気にしていて、多分見届けたかったんだろうなぁ〜

そんな中、千束は先生から全てを聞かされる。
ヨシさんが彼女を助けた本当の理由……
先生の謝罪…………

それを聞いても千束は笑顔だった。
感謝の気持ちは変わらないと。

そうだよね。
理由や真相はどうでありヨシさんは自分を救ってくれたし、先生が与えてくれたものって本物なんですよね。
裏はどうであり、その行為があるからこそ今の自分がある訳ですもんね。

そうして、{netabare} ヨシさんが捕まった事を知った千束は彼を救い出す為に {/netabare}戦場へ踏み出す。


【タキナ】

DAではタキナは仲間殺しとか追い出されたとか噂されています。
それでも、タキナはDAに戻りたいのですが、中々戻して貰えず……

{netabare} 千束はタキナの気持ちを優先してタキナをDAに戻してあげたいと交渉します。
それでも、DAはタキナを拒否する。{/netabare}
正直、こんな場所に私なら戻りたいとは思えません。

それでも、タキナは自分の居場所はここにないと思い込んでました。
その場所にしか居場所がないから戻るしかない……

千束は言います。

千束{netabare} 「それでも、自分の居場所はあるって」 {/netabare}

うん、居場所って簡単には見つからない物です。
それでも自分の居場所ってこの広い世界の何処かには必ずある。
だから、1つの場所に拘らなくていいのだと思います。
1つの場所に居たら他の居場所がないと思い込んでしまうけど……


千束{netabare} 「失う事で得られる事もある。」 {/netabare}

これは誰でも経験あると思います。
人は生きていると失う事が多いです。
失った時は消失感で涙があふれてくる。
それでも頑張って生きていく中で失ったから得られた出会いや失ったから獲られた物や、失ったから開けた道は必ずあったと思う。


千束{netabare} 「誰かの期待に答えるために悲しくなるなんて詰まらない。」{/netabare}

うん。
誰かの期待に答えられたら嬉しい!評価してもらえる!ご褒美を貰える!喜んで貰える!
誰かの期待に答える事は間違えじゃないよ。

でもさ、頑張って期待に答えても見向きして貰えなかったり、評価されないのに、誰かの期待に答えても悲しくなります。
それだと、疲れてしまう……自分が壊れちゃう……だから、見向きして貰えない人の期待に答えようとしなくていいんです。

自分を認めて評価してくれる人の期待に答えるのが1番いいのです。


千束{netabare} 「居場所はある。お店の皆との時間を試してみない?それでも此処が良ければ戻ってくればいい。」{/netabare}

うん、見ただけで自分が居て心地いい場所なんて解らないよね。
でも、新しい居場所は試さないと解らないものです。
自分の居場所なんて何個でも試せばいいのです。
皆、そうやって居場所を探していくものです。


それを聞いたタキナは、何を感じたのか。

最初は、DAに帰る事しか考えなかったタキナはそれ以降は、お店に打ち解けようとしたり、千束に興味を持ったり積極的になっていったように思います。


タキナにとって千束は……

作中では相棒とされています。
しかし、私には千束は理解者に見えます。

千束はタキナに出会えて嬉しいと言います。
それは本心です!
だから、タキナとの時間を大切にしたいし一緒にこれからも居たいと思う。

タキナがDAに帰るのはその時間を失う事を意味します。
{netabare} それでも、彼女はタキナがDAに帰れるように尽力してくれる!
それはタキナが本心でDAに帰りたいと思っていたからです。 {/netabare}

だから、優先される気持ちは……報われるべき気持ちは……タキナであるべきだからです。
他人の気持ちに向き合い全力で優先して考えてあげられる。

それでも、報われないのなら…… {netabare} 居場所になってあげられるかもしれない事を提案してくれる。 {/netabare}
それは、他人の気持ちに寄り添える理解者です。
千束が居たらタキナも安心かな?

千束の余命宣告後にタキナはDAから{netabare}復帰通知 {/netabare}を貰います。
彼女は{netabare} 断ろう {/netabare}としていたらしいです。
でも、千束が生きていられる{netabare}可能性があるならと可能性を探しにDAに戻る。 {/netabare}

そうして、{netabare} 帰る日に最後に2人はデートをします。
彼女はリコリコを去ります。
自分の為じゃなく、大切な人と大切な場所を守るために…… {/netabare}

そして2人は各々の理由を手に戦場に赴く事になります。
そして、千束の{netabare} 心臓のスペア{/netabare}を発見する!

【最後の戦い】

そんな中、タキナは{netabare} DAの任務を放棄 {/netabare}して千束の元へ向かう……
二度と{netabare} DAには戻れないと{/netabare}言われてもここでは、彼女は{netabare} と 千束を救えないからと任務 {/netabare}を抜け出します。

千束はヨシさんを{netabare} 救い{/netabare}に行きます。
真島って結構強かったんですね。
一応、小細工ありで千束対策もしてるけど意外と強くてビックリしました。

でも、途中で{netabare} 乱入してきたタキナ {/netabare}は何か安心感ありますね。
{netabare} 2人に {/netabare}なると安心感と安定感が増します。

そして、千束は最悪の敵と対峙する。
{netabare}ヨシさん…… {/netabare}
千束は最後まで信じようとするけど……

{netabare} ヨシさんは千束に殺しをさせようとする。
あらゆり手段で殺させようと……タキナをピンチに追い込んだり……自分に心臓のスペアを埋め込んだのも…… 千束に自分を殺させようと…… 千束の心臓を壊したのはこの為。 {/netabare}

タキナの{netabare} 「心臓が逃げる」{/netabare}って銃を打ちながら追いかけるシーンがありました。
タキナからすれば……やっぱり{netabare} 生きて欲しい {/netabare}と思いますよね。

例え、千束の{netabare} 恩人を殺してでも生きて欲しい!{/netabare}
{netabare} そもそもヨシさんは最低の人てす!
そんな人よりも千束に生きて欲しい。{/netabare}
そう考えたのかもしれません。


千束{netabare} 「ヨシさんを殺して生きても!それはもう私じゃない」 {/netabare}

誰かを殺して生きる……
そう、タキナは解ってる。
彼女が人を殺さない理由を…… {netabare} 殺して手に入れたとしても彼女はその心臓は使わないと言う事も…… {/netabare}

殺すと言う行為は……彼女の生き様を否定する事になる……それをさせちゃいけないのも解ってる……だから、自分がやらなきゃ……大好きな千束に生きて貰いたいから!

でも、このセリフを聞いたタキナは止まる事しか出来なかった。
それを言われたら……心臓を手にしたとしても……

そして、千束は真嶋がとの決着をつける。

【千束VS真嶋】

この2人ってなんか……会話のシーンを見て思ったのは……出会い方や立場が違えば友達になれてたような気がしてしまったんですよね。
お互いがお互いに守るべきもの為に戦っている。

千束の世界は素敵なものですね。
真島は小さいと言うけど、その中には世界なんかに収まらない大きな気持ちが詰まっている気がしました。

最後の千束の連射は……真島をタワーから落とすけど……
多分、彼女は解っていた。
{netabare} タワーから落ちても生きてる確信があったから躊躇わなかった。{/netabare}
現に彼は……

タキナは{netabare} いいタイミングで駆けつけてくれましたねw
彼女の判断が千束を救った。{/netabare}


【先生VSヨシさん】

先生は千束を娘の様に思ってました。
先生は凄く怒ってたなぁ……
でも、それは当然です。
もしも、自分の子供に辛い思いをさせる人や命を奪おうとする人を許せないって思う。
親とはそう言うものであって欲しいし、あるべき者であって欲しい。

ヨシさんもまた、娘を想ってたんだろなぁ。
やり方は最低だし親としては失格だと思う……
間違えた愛情だったけど、多分気持ちは……
{netabare}あんな手紙を残して…… {/netabare}先生があれを破棄したのは千束には見せられない……
だってあの{netabare} 手紙 {/netabare}を見たら彼女はきっと……


【千束のその後……】

{netabare} 彼女は生きていた。
ってターゲットは千束かいww
声を掛ける訓練してないからって銃を乱射してくるパートナー怖いよw

千束は気を失っていた時に人口心臓を移植されていました。
彼女は、ヨシさんを殺してまでは生きたいと考えてなかった。

しかし、目覚めたときには……
この意味は……世界の指名を果たす為に与えられた心臓は彼女の中には今はなくて……
今、彼女の左胸で刻んでる心音は、先生が千束に「自由に生きて欲しい」って思いで与えてくれたものなんだと思う。
なんの使命も据もない。{/netabare}

命を大事にしている千束は……
その命を否定はしない。
何故から、命の大切さを知っているから。
{netabare} 彼女は2つ目の命をきっと大切にしながら生きていくのだと思う。 {/netabare}

皆、平等に必ずくる別れの日……その時まできっと。

【見終わって】

今期の中で個人的には1番好きな作品です。
千束の生き方って素敵だと思うんですよね。
彼女は毎日を楽しく笑って生きています。
出会いを1つ1つ大切に……

現実問題、彼女の様に生きていくのは難しいです。
しかし、彼女もきっと辛い事や悲しい事も沢山経験しているそれでも楽しそうに生きている。
悩みながらも苦労しながらでも楽しく頑張って生きていく。

{netabare} 「私を必要としてくれる人に出来る事をしてあげたい」{/netabare}
この志しは素敵だなぁ〜って思いまました。

彼女の生き様ってなんか凄く理想的で素敵な生き様だと感じました。
難しいけど出来ない訳じゃなくて尊敬しちゃいますね(*^^*)


【最後に】

OPで千束がタキナのお尻を軽く蹴り、それにムキになったタキナが千束お尻に全力全開の蹴りを炸裂するシーン。

ジョークの通じない友達とのやり取りのようなこのシーンは凄く学生らしいやり取りで、彼女達がリコリスではなく普通の学生ならこんな日常だったのかな?と思わされた印象的なシーンでした。

後、EDが神ってた!
EDに入るBGMも作品にあってたし、曲もかなりいい!
このED凄く好きです!

そして次回からはワイハー編がスタートします!
楽しみですね!

え?最終回なんですか?
いゃいゃ、Twitterとか公式サイトや番組表では最終回の文字が出てますが、アレはアレだよ!ほら!

数ヶ月遅れのエイプリルフールネタですよ。
次回からはワイハー編ですよ!ワイハー編!

えぇ……最終回なんですか?(*꒪꒫꒪)
そうですか……最終回らしいです。
マジらしいです(´・ω・`)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 40

64.7 2 ハッキングアニメランキング2位
対魔導学園35試験小隊(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (696)
4151人が棚に入れました
魔力を持つ人間が滅びようとしている世界ーー武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。残存する魔力の脅威を取り締まる『異端査問間』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。そして、そんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ばれる、劣等生たちの寄せ集めだった。しかし、ある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが-ー。

声優・キャラクター
細谷佳正、上田麗奈、大久保瑠美、白石涼子、伊藤かな恵、野水伊織、遊佐浩二、山田奈都美、安済知佳、三木眞一郎、赤羽根健治、関根明良、津田健次郎、三咲麻里、三瓶由布子、小日向茜、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・・私と宿主は最強ですから」

この作品の原作は未読ですが、ラノベ原作の異能バトルラブコメ・・・このジャンルを認識した時点で視聴は決定なのですが、主人公に細谷さん、ヒロインに白石さん、伊藤さん、野水さんと強力なキャストが視聴を後押ししてくれた作品です。

物語の舞台は魔女を取り締まる「異端審問官」の育成機関である「魔導学園」
戦いのスタイルが剣から銃に移り変わる中、主人公である草薙タケルは刀しか使えず、周りからは半端物扱いを受けてきました。
この学園では小隊と称するチームで動き、任務に応じたポイントが与えられる事になっているのですが、タケルが率いる35試験小隊は、他の小隊に入れない劣等生で構成されており、ポイントもままならない状況でした。
そんなある日、この35試験小隊に何故か超エリートである鳳桜花が入隊してくるんです。
そしてエリートと劣等小隊の初の任務に赴き・・・物語が動いていきます。

まず、主人公のタケルが格好良すぎです^^
彼は家族や仲間をとても大切にしています。
「それを守るためなら世界中を敵に回してでも俺は守る・・・守らせて欲しい・・・」
そう有言する彼はそれを全力で実行しようとするんです。

彼の扱う刀は決して最新の武器ではありません・・・
きっと異端審問官としてこの道を極めていく上でのハンデになるのかもしれません・・・
でも、彼の情熱と気迫が・・・そんな事を微塵も感じさせないんです。

そして彼は強いだけではありません・・・
「俺にも半分背負わせてくれ・・・」
これまで誰にも言えなかったトラウマ・・・怒りで狂いそうになった出来事・・・覚えていないことに対する不安・・・
物語の進展に伴い明らかになるメンバーの苦しみを決して一人で背負わせようとはしないんです。

今まで35試験小隊は、周りから落ちこぼれの吹き溜まりのように思われてきました。
でもそれは全てを曝け出せなかったから・・・意地でも自分の考えを曲げなかったから本当に折り合う事ができなかった・・・
一人・・・そしてまた一人と心の内を明らかにして皆んなが本当の意味で繋がった時・・・きっとこの小隊は最強の小隊になるんだと思います。
・・・と思わせる位、主人公のタケルは格好良かったですね^^
細谷さんの声質も主人公に合っていると思いました。

そして小隊は主人公と以下の4人で構成されています。
鳳 桜花(CV:上田麗奈さん)
西園寺 うさぎ(CV:大久保瑠美さん)
杉波 斑鳩(CV:白石涼子さん)
二階堂 マリ(CV:伊藤かな恵さん)
タケルとヒロインの距離・・・物語の回を重ねるごとに確実に縮まっていきます。
劣等生の集まりといえど皆さん可愛い子揃いである上、容姿端麗、ロリ巨乳、すげー巨乳にちっぱいとどこにもスキがありません^^;
タケル・・・全く羨ましい限りです^^;

でもタケルが羨ましいのはこれだけじゃないんです・・・
表向きはタケルの妹とされているラピス(CV:野水伊織さん)の存在が半端ありませんでした^^
彼女の特性上、ヒロインの様に常に登場する訳ではないのですが、作品の中でタケルが格好よく見えたのは間違いなくラピスの功績だと思います。
「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・」
彼女のこの台詞を機に状況が一変します・・・ここから先は鳥肌モノの展開の連続です^^

オープニングテーマは、アフィリア・サーガさんの「Embrace Blade」
エンディングテーマは、いとうかなこさんの「Calling my Twilight」
いとうさんの曲、何て格好良いんでしょう・・・初めて耳にした時から完全にハマりました^^
今期のアニソンBEST10の上位に入る曲になると思います^^

1クール12話の作品でした。でも・・・伏線色々回収されていないですよね^^;
というか、謎を増やして終わったような・・・^^;
続編への布石なのでしょうか^^?
そうだと嬉しく思います♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

浩平 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アスタリスクのような王道展開でもなく、キャバルリィのように目を見張る戦闘描写もないが、派手さは無いものの安定したつくりで個人的には最も心惹かれました

第1話を見た感想としては、面白いと思いました。
継続して視聴しようと思います。


第3話ではアクションたっぷりで面白かったです。
それにしてもラピスちゃん可愛いなぁ
ずっとあの低めのテンションでしゃべるのが、たまらない(*´ω`*)
そして有能感が溢れ出てる!

ところで、なんか想像してたのと違う方向にアニメが進み始めました。
予想外だけどかっこよかったです!!

そういえば、タケルはあんなに強いのに、なんで皆から馬鹿にされてる35小隊にいるんだろ??
その辺の事もいつか分かるのかな?

新キャラも出てきてますます展開が楽しみになってきました!!


第5話では長らく廃止されていた「魔女狩り祭」が復活!
祭りで使われる特殊貨幣が現金と交換可能と聞いたタケルは俄然、やる気を出し始める。現金には弱いわけね(笑)

お風呂からの流れはお約束だったけど、やはりああいう流れはニヤニヤが止まらりませんね(笑)

さりげなく「私というものがありながら!!」 とか言っちゃって完全に彼女気取りのマリちゃんも可愛らしい。

4話5話と尻上がりに楽しくなってきました。 掛け合いも相変わらず面白い。


第7話では、ハーレム展開が進む中、闇が深い感じの子の当番回となり見るのが楽しみでした。

戦績表を見て、作中ではかなり功績上げてるように見えるのにこいつらまだビリなのかとTVにツッコミを入れてしまいました。

『私が何をしていたか教えてやってもいいが、お前に真実を知る覚悟があるか?』
重要なシーンみたいなセリフですね。
『半分背負う宣言したくらいで、そこの奴らみたいに私が容易く落ちると思うなよ!』
容易く落ちたちょろいヒロインズが猛抗議です(笑)

さて、しばらく学校を休学すると言い残し、学校をあとにする。
居場所をつきとめるも、銃撃を食らってしまう。
うんうん、シリアスな展開になってまいりました。
そして、隠れ家へと急ぐ男と女が1人づつ・・・
このシナリオでまたヒロインが1人落ちるというわけですね、と思っていたら・・・!?
なんですと、このシーンでEDですと(笑)
次週どんな感じで始まるんだよ!!と、ツッコミをいれつつ、次週を楽しみに待っていようと思います。


さて、第9話ではヒロイン全員を攻略したところから始まります。

今回は、シリアス路線が続いた後のコメディ回でした(笑)
30分の中に短編2話という構成でした。

シリアスな戦闘も面白いけど、魔導遺産をめぐってドタバタするコメディ回もありですね。
ヒロイン全員攻略後のハーレム状態になってからの海回とか最高のタイミングです!

来週も期待です!ちなみに私はマリ派です。


第10話を視聴して、妹の様子が、いや・・・かなりおかしいんだが・・・

ハーレムに妹属性キャラが加わった!!
妹のために稼いでいると言っていたが、妹は拘束されている。魔女か何か?

最後の言葉には震えあがりました。
「ねぇ、お兄ちゃん。お願いがあるんだけどいいかな・・・」
「おう、なんでも言え。」
「せっかく皆が作ってくれた時間なんだ。今日はなんでもいう事を聞いてやる!」
「じゃあ・・・キセキを〇してくれないかな」

え、今なんて・・・

また続きが気になる引きで終わらせてくれました。
正にクライマックスと言ったところです。次回も期待が高まります。


第12話を視聴して、
兄の死という強烈なイメージに直面し、その力を暴走させる妹。
妹を殺さなければ、世界が危うい。
妹を救うために自分を犠牲にする兄。
世界のために妹を殺すのか・・・それとも・・・兄妹の運命は?

サブタイトル「限りなき願い」、妹死亡フラグびんびんです。


伏線を残しつつ、終わりを迎えましたがはたして2期はあるのでしょうか・・・?

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

設定や物語の作り込みが浅い

原作は未読なので、原作が悪いのかアニメのスタッフが悪いのか
いまいちわからないが、視聴していてわくわくすることも無く
平坦なシナリオ構成で物語が盛り上がらないとても残念な作品。

物語の骨格となる題材やキャラ設定はそんなに悪くないと思えるのだが
世界観や設定もどちらかと言えばス学園部活物にハーレム要素を継ぎ接ぎ
したような、あまりにもテンプレの枠にはめ込みすぎてシナリオ進行が
やっつけで雑に物語の創作をしたよう感じるのは私だけだろうか?

命を落としかねない戦闘や高度な潜入操作を行う異端審問官を養成する
養成機関なのに授業の内容が普通の学校のような授業内容だったり
そもそも35小隊じたいが正式な異端審問官に任官していない学生の身分で
指導員なしで第一線の捜査活動を行っている事に違和感がある
またチームで捜査や戦闘を行っているのにそんな事を微塵も感じさせない
ストーリー展開はある意味すごいな(笑)
それに命を落とす可能性があるバトル物なのに、まるで部活をしているような
シナリオなので物語に緊迫感が無いのは原作者の責任かな
中二病設定の異能力バトルファンタジーを否定するつもりは無いが、創作の
基礎部分が学校部活物の土台では、緊迫感がまったくなくなってしまい
とてもしょぼい物語になってしまっている。
まぁバトルや軍、警察に詳しくない作家が軽率に手を出して失敗をしてしまう
典型だろう

作画は、バトルアクション物なのにいまいち力が入っていない印象だな
戦闘を行う時は必ずと言って良いほど夜間に行っている、これは背景を
暗くして残像を残し動きを滑らかに見せるのと、背景を書く労力を
省くためだろう。まぁ手抜きだな
女の子のキャラデザはかわいくデザインされていて異論は無いが、バストを
無駄に強調した衣装デザインはいまいちだったかな
まぁ乳袋デザインを小ばかにした風潮に対するキャラデザのひとつの回答なの
だろうけど、ダン町の例の紐と良い今回はガンホルスターねえ(笑)
制服と良い、ラピスの衣装などは個人的に好きなだけにちょっと残念だな

声優陣の演技は全体的に不満は無かった、まぁ配役が良かったこともあるけど
音響監督が亀山俊樹さんなので、演技に波がある上田麗奈、大久保瑠美、
野水伊織あたりもきっちり仕上げてある
それに脇役に三木眞一郎さんや遊佐浩二さんなどベテランがきっちり締めて
いたのも良かった。

結論として
時間的制約もあったので第一話から1.5倍でまわしてしまったが、物語的に
面白くなる事もなかったので最後まで時短でまわしてしまったのは残念だな
個人的にはラブコメやそれに伴うハーレム展開などは嫌いではないし、物語の
着想や舞台設定自体はそんなに悪くはなかった。
ただ、創作の時点での設定や物語の作り込みが浅くて、ラノベ特有のどこかで
見たことあるような設定や創作になってしまっていることは否定できないだろう
アクションシーンの作画も手抜きかなと思えるシーンが多かっただけに残念だけど
一話目と二話目にあったラッキースケベ以外は露骨なローアングルなどの演出が
無かった事は評価したい。
原作が終了していないので伏線も撒くだけ撒いて何の回収もしないまま最終話まで
いってしまい続編を匂わせて終了しだけど果たして2期はあるのかな。
おそらく2期があっても視聴はしないだろうけど

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

83.5 3 ハッキングアニメランキング3位
緋弾のアリア(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (4902)
23999人が棚に入れました
武力を行使する探偵、通称「武偵」を育成する東京武偵高校に通う遠山キンジは「あるきっかけ」で頭脳が活性化する特殊な体質を周囲から秘密にしつつ平穏な日々を送っていた。しかしある日、彼は通学途中で爆破事件に巻き込まれ目の前に現れた強襲科のエリート生、神崎・H・アリアによってキンジの日常は平穏とは程遠いものへと変わっていくのだった……。

声優・キャラクター
間島淳司、釘宮理恵、高橋美佳子、伊瀬茉莉也、石原夏織、近藤孝行、江口拓也、野島健児、中原麻衣

westkage。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメ「緋弾のアリア」をもっと楽しもう!!原作ファンとして応援するレビューです☆

今作は赤松中学のライトノベルを原作とした作品です。
今レビューでは「アニメでは残念ながら評価の低い緋弾のアリア」を原作のファンとして応援するため、頑張って記載していきたいと思います☆(2014年10月更新)
総合評価は原作を応援している人間として甘く評価していますが、アニメ単体の出来としては総合評価3.5といった所だと思っています。

緋弾アリアの魅力の1つとして、原作のライトノベルは勿論、各メディアミックス作品が多数存在するところです。(2014年4月シリーズ類計500万部突破)
1・ライトノベル(2008年08月刊行)現在18巻+番外編1冊発売中。
2・コミカライズ(2009年11月連載開始)現在10巻まで発売中。
3・スピンオフ緋弾のアリアAA(2010年11月連載開始)現在8巻まで発売中。
4・4コマ緋弾のアリアちゃん(2011年5月-2012年6月)1巻のみ。
5・テレビアニメ(2011年4月-7月)全12話+OVA1話。
6・パチンコCR緋弾のアリア(2014年3月)1/297ライトミドル+他2種。
7・緋弾のアリアAAライトノベル化予定(2014年冬予定)
この他、私は知らないですが「ドラマCD・モバイル・アーケードゲーム」でも展開されているようです。

あらすじ・・・「空から女の子が降ってくると思うか?」主人公‘遠山キンジ’のこんな一言から物語は幕を開けます。遠山キンジは普通の高校生活に憧れていた。遠山家は代々正義の味方の家系であり特殊な能力を受け継いできた。しかしその体質のせいで危険な目にあう事も多く危険と隣り合わせの生活であった。そして「ある事件」をきっかけにキンジは正義の味方を目指す道を捨てようと決心していたのだ。そんなある日、キンジは世にも珍しい「チャリジャック」に会う。登校中の彼の自転車に止まったり減速したりすると爆発する爆弾が仕掛けられていたのだ。犯人の指示に従い懸命に自転車を漕ぐキンジ、ふと空を見上げるとパラグライダーを操り急降下してくる女の子が居た。「ほらっ!そこの馬鹿!さっさと頭下げなさいよっ!」パラグライダーにぶら下がりながら両手に拳銃を構える女の子‘神埼・H・アリア’との初めての出会いである。2人は折り重なるようにぶつかり、爆弾の搭載された自転車から命からがら脱出する事に成功した。そして「自らの使命に背き逃げ出そうとする主人公・キンジ」と「自らの使命に果敢に立ち向かって行くヒロイン・アリア」2人の物語が幕を開ける・・・といった感じです。

テレビアニメの総評は「構成力・演出力に欠ける出来、原作ファンとしては納得出来ない仕上がり」です。まず会話や展開の「間」が悪い。変な会話の間があったかと思うと、今度は逆に間が無さ過ぎて落ち着きのない流れになってしまう部分もあります。また作画も満足のいくものとは言えずソコソコの出来です。総じて「作りの粗さ」が目立ちますね。
恐らく原作から入られている方にとっては元の話や雰囲気が解っている分まだ許せる範囲なのでは無いかと思いますが、アニメから見ている方には物語に惹きつけられる演出に欠ける出来だと思うのです。勿論アニメから入られている方が多いと思いますので、ここが大きく評価を落としているポイントになっているのではと感じます。
勿論、ただの文章の集合体である「ライトノベル」をアニメーション化することは大変労力の必要な作業であるとは思います。作画はアニメーターのレベルもあるでしょうから「もっと綺麗に書け」というのは無理難題かもしれません。しかし話の間の取り方や展開においては微調整のレベルであり、もう少し愛情と手間を掛ければ何とかなったレベルではないのかと私は考えてしまいます。良作なのに非常に惜しいですね。

ここまで酷評でしたが、原作のファンとしては「動いている・喋っているアリア」を見られるだけで至福のひとときを得られるので決して無下にはしておりません。釘宮さんの声もばっちりアリアのイメージに合っています。流石は天下のくぎゅう、ツンデレを演じさせたら右に出るものはいませんね。ただキンジの声はイメージと少し違ったので残念です。

今作の魅力は「各ヒロインの魅力」です。
ライトノベルでは個性あふれるヒロインたちが暴れ・笑い・時には悲しみ、魅力的に描かれています。
ハーレムものですので時にはあざとい演出もありますが、赤松中学先生の文章が上手なのでしょうか?そんな事もあまり気にならず、自然にキャラクターに感情移入してしまっている自分が居ます。何冊か他のハーレムもののラノベも見ているのですが「あざと過ぎて見れない」作品が意外と多くビックリしました。そう考えると「ハーレムものだから好き…と言う訳でもない」という事実がハッキリしますね。恐らくはシリアスな部分と爽快な部分、そしてあざとい部分のバランスが絶妙なのかもしれません。
また文章の表現力や演出力にも秀でており、原作後半は海外にキンジ達が遠征する場面もありますが、まるで自分が実際に小旅行に出かけているような気分にさせてくれます。脳裏にその場所の風景が思い浮かんでくるような丁寧な描写をされているのでいつも好感が持てます。
原作は4カ月に1回のペースで新刊が出ている状況です。現在18巻で「もうそろそろ物語も終焉に差し掛かっているのか?」と思えるような流れを見せていますが、赤松先生曰く「まだまだ話のネタは尽きることがありません」との事です。最近では緋弾のアリアプロジェクトなるものも始動し、まだまだアリアワールドは広がりを見せそうです。

どうでしょう。長々と語ってしまいましたが、少しは作品に興味を持って頂けそうでしょうか?
持って頂いたなら是非原作を読んで、その後もし原作が気に入ったなら改めて「アニメ・緋弾のアリア」を見てみませんか?きっと違った視点で楽しめると思います。

///////////////////以下余談です//////////////////

・コミック緋弾のアリア 作画:こよかよしの
原作のライトノベルを忠実に再現しているコミックシリーズです。こよかよしの先生の作画は可愛いキャラクターで好感がもてるんですが、バトルの描写がやや迫力不足ですので少し物足りなく感じてしまう所があります。またコミカライズ作品の例に漏れず話の進行が遅いので原作との差は広がるばかり…。忠実にやっているので仕方ないですよね。ちゃんと完結するのか心配です。
微妙に気になるのが巻末のお祝いコメント。緋弾のアリアAAでは原作イラストのこぶいち先生やこよかよしの先生のお祝いコメントが毎巻掲載されているのに、こちらの方にはこぶいち先生・橘書画子先生共に1巻ずつメッセージを送っているだけ…この扱いの差はなんですか?

・スピンオフコミック緋弾のアリアAA 作画:橘書画子
原作の話を背景にアリア達の後輩武偵「間宮あかり」を主人公に本編とは別視点で展開される作品。作画のレベルは高くキャラクターの動きなども自然です。見どころは本編のキャラクターなども登場して、時系列的に並行して進行しているところです。要所要所に本編のストーリーが絡ませてあったり、原作にもAAのキャラクターが登場したりする密かな楽しみもあります。

・パチンコCR緋弾のアリア 制作:藤商事
大当たり確率:1/297・1/199・1/99 の3タイプが存在する。
一番ホールに出回っているのは1/297のライトミドルタイプだと思います。それでも最近のMAX台に比べるととても当たりやすい仕様なので遊びやすいですね。演出も楽しくて、原作ファンなら楽しめる仕様だと思います。大当たり時には機体上部の「アリアフィギュア」が作動して「風穴開けるわよっ!」の一言とともにボーナス確定。至福のひと時です。パチンコをやったことの無い人は1/99の遊パチタイプが置いてあるホールを探して、パチンコを知っている友達などに教えてもらいながらやってみましょう。大きくは勝てませんが大きく負ける事も無い仕様です。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 36
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

風穴ホームズ♪

武力行使により犯罪取り締まりにあたる「武偵」を養成する高校を舞台にした
同名ライトノベル(未読)のアニメ化作品(1クール)

【物語 3.5点】
歴史&伝説上の偉人の異能を受け継いだ少年少女バトル。
ツンデレ、ヤンデレ、クーデレ、ハーレム状態でラブコメ。
2010年前後のラノベのトレンドを寄せ鍋。
くぎゅのツンデレに至っては、お弁当に玉子焼きくらいド定番なメニュー。
新味は乏しいが、ラノベらしいアニメを求めたい時には美味しく頂ける。

各話構成はツンデレが主成分のラブコメも展開しながら、
派手なアクションで事件解決→不可抗力なハプニング→ツンの制裁でオチ。
とのお約束をハイテンポで繰り返す。

ヒロインのデレ、美少女だらけの人物相関の形成等ラブコメは急激だが、
メインストーリーは、頻発する"武偵殺し”に主人公らが挑む中で、
能力遺伝にまつわる巨悪の一端が垣間見える序章で終わる“おれたたえんど”

武偵たちが血を巡る宿命の中で自分の価値を模索するテーマは重たく、
作中{netabare}女の子が顔面を踏みつけられる{/netabare}中々のリョナがあったりと、
軽快なラブコメからの振れ幅は意外と大きく、決して気軽に眺められるだけのアニメではない。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

『シャナ』、『とある』シリーズなども経て、
瞳の顔面占有率高めなキャラデザの扱い、
肌色率高めのラブコメ←→美少女ヒロインもズタボロになるアクションもお手の物。

爆弾テロあり、銃撃戦あり、カーアクション、ハイジャック。
それ以上に激しい?ヒロイン嫉妬の剣戟(笑)と、人物の動きはアグレッシブ。

主人公少年キンジの寮部屋などラブコメの暴風により毎度、事件現場以上の惨状w
家具など破壊可能オブジェクト多数で作画カロリーも上昇。
立地が川沿いというのも好条件。
これならとばっちりで窓から落ちても死ぬことはありませんw

が、当時既に2011年。アニメも16:9画面での制作が普及する中、
4:3の画面サイズでの制作は卒業をとの要望は残りました。


【キャラ 4.0点】
主人公少年・遠山キンジ。遠山金四郎の末裔で、
エロい状況で超人的な能力とイケメン過ぎる言動が発動する特異体質「HSS(ヒステリアモード)」を継承する。
この都合が良すぎる能力がシナリオ展開上は結構便利。
二重人格同然に普段はイケてない落ちこぼれが、いざという時は主人公最強。
美少女との一線も躊躇なく踏み越えることができる。
凡庸な鈍感主人公設定では無理がある各種アクション&ハプニングシーンも、
キンジなら強行突破できます。


メインヒロインの神崎・H・アリア。「双剣双銃(カドラ)」の異名を誇るSランク武偵。
低身長、ロングツインテール、貧乳(コンプレックス込)、ニーハイ絶対領域(太ももにガンホルスター装備)。
キンジは馬鹿を通り越してもはや奴隷呼ばわりw「風穴あけるわよ!」が決め台詞。
{netabare}キスで子供が出来ると思っている{/netabare}など性知識は幼児並wついでに{netabare}雷{/netabare}が苦手。
フィジカル&メンタル共に清々しいまでのツンデレ。

一応、シャーロック・ホームズの子孫でもあるアリアちゃん。
名探偵の勘は受け継ぐも、推理力は遺伝せず。
察知した事件の予感を論理的に伝えられないとキンジにツンツンと当たり散らす理不尽w
が、それすらもごちそうさまです♪と満足してしまった
私の“S型釘宮病”はもう手遅れなのでしょうねw


キンジがアリアとツンツン、デレデレといちゃついている間を割って、
ヤンデレ気味にキンジを慕う幼馴染の美少女剣士で巫女の星伽(ほしとぎ)白雪(※巨乳)が
「この泥棒ネコ~」「死んで償え~」と斬り込んで来るのが大体のパターン。

そこにキンジの心も盗みたい{netabare}リュパンの曾孫{/netabare}で金髪金眼ロリの峰 理子(※やはり巨乳)が
ちょっかいを出してややこしくなるのが基本構図。


【声優 4.0点】
アリア役の釘宮 理恵さん。
銃弾だけでなく「バカ!」「うるさい!」「変態!」「風穴!」ニャーニャー(奇声?)とツンデレの女王様セットを一式揃えて連呼連発し、釘宮病患者をおもてなし♪
患者以外は食傷気味かも?と放送中は思いました。
結果として本作辺りが、釘宮病蔓延の最末期だったのかなと。
最近のツンデレだけじゃない、多彩で円熟味が増した釘宮さんも良いですが
また、くぎゅのツンデレで悶絶したいと願ってしまうのは、釘宮病の発作ですね。スンマセンw

キンジ役の間島 淳司さん。手慣れたリアクションでくぎゅのツンをいなし、
無気力根暗→“ヒステリアモード”のイケボへの豹変にも好対応。

裏表と言えば、峰理子役の伊瀬 茉莉也さんも相当な落差。
ロリ巨乳な外面に騙されてはいけませんw


【音楽 3.5点】
劇伴担当は尾澤 拓実氏。
キーボードによる幅広いアレンジでラブコメ~アクションまでカバー。
運命を示唆するコーラスの挿入など、音楽も意外とシリアスな構成。
総じて良好でしたが、ここもそろそろ豪華にオーケストラ音源も取り入れる当時のトレンドに追従をとの要望も残りました。

OP主題歌はMay'n「Scarlet Ballet」
作曲・編曲・浅倉 大介氏によるエッジの効いたシンセサイザーとシャープに加工されたボーカルに、
銃声もアレンジして作品の的を射抜くラノベらしいOP。

ED主題歌は中野 愛子さんの「カメリアの瞳」
毎回、明快なギターのイントロによる引きもクールなエンディング。
とびばこ上で仰向けになったアリアから感じる美少女✕銃の背徳感。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アリアよりも白雪(星伽(ほとぎ)の巫女)の方がヒロインな件

2周目完走したので更新です。

◆視聴メモ

・ごく稀に白い光線が入るけど、いらないと思うな。
・最終回に出てくる「カナ」を何とかしてほしかったけど、無理だろうな・・・


◆制作情報

原作               赤松中学
監督               渡部高志
シリーズ構成          白根秀樹
脚本               白根秀樹 ヤスカワショウゴ 平林佐和子
キャラクターデザイン(原案) こぶいち
キャラクターデザイン     岩倉和憲
音楽               尾澤拓実
アニメーション制作      J.C.STAFF


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== 緋弾のアリア (2011年4-6月) ================
{netabare}
第1弾 La Bambina ★ 武偵殺しの襲撃、神崎.H.アリアの転入 ※星伽嬢・理子も登場
第2弾 双剣双銃(カドラ)のアリア ★ アリアの身上調査、キンジとアリアの約束
第3弾 ファースト・ミッション ★ バスジャック事件、スナイパー蕾姫(レキ)
第4弾 武偵殺し ★ アリアの個人事情(母の冤罪、パートナーの必要性、イ・ウー)、チャーター機ジャック事件、武偵殺しの正体
第5弾 武偵憲章1条 ★ 続き ※この回で超能力ありの世界と判明
第6弾 星伽の巫女 ★ 白雪護衛任務 ※超偵(超能力持ち武偵)の巫女の幼馴染←設定てんこ盛り
第7弾 かごのとり ★ 続き(アドシアード当日)
第8弾 魔剣(デュランダル) ★ 続き、ジャンヌvs.緋巫女(ひみこ)
第9弾 蜂蜜色の罠(ハニートラップ) ☆ 理子の武偵高復帰、理子の依頼
第10弾 特訓 ☆ 無原罪のブラド、保健室覗き見事件、レキの銃撃スキル
第11弾 潜入 ★ メイド・執事任務、小夜鳴研究室(ロザリオ回収)、理子の裏切り
第12弾 ブラド ☆ 対ブラド戦 ※人間じゃない敵は流石に微妙過ぎる・・・×
OVA 武偵が来たりて温泉研修 ☆{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)4、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1

OP 「Scarlet Ballet」
ED 「カメリアの瞳」


※以下、以前のレビュー
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スピンオフ作品『緋弾のアリアAA』の放送が始まったので、急いで本家の方も視聴してみました。

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========= 緋弾のアリア (2011年4-6月) =========

{netabare}第1弾 La Bambina ★ この強引な展開!しかしそこが良い
第2弾 双剣双銃(カドラ)のアリア ☆ SランクとEランク武偵
第3弾 ファースト・ミッション ☆ バス・ジャック事件、蕾姫(レキ)登場
第4弾 武偵殺し ★ ハイ・ジャック事件、理子(りこ)の誘惑
第5弾 武偵憲章1条 ★★ 続き、このシナリオの無謀さは◎
第6弾 星伽の巫女 ★ 超能力者で幼馴染で巫女(設定てんこ盛り)は○
第7弾 かごのとり ☆ 
第8弾 魔剣(デュランダル) ★ ジャンヌ・ダルクvs卑弥呼?無謀すぎて逆に○
第9弾 蜂蜜色の罠(ハニートラップ) ☆ 理子の依頼  
第10弾 特訓 ★ 理子の過去、蕾姫の銃撃スキル
第11弾 潜入 ☆ 理子の狙い、予告編「リュウジ」って・・・
第12弾 ブラド ★ 巨大くまっち登場
OVA 武偵が来たりて温泉研修 ☆ 紛うことなき温泉回{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)6、☆(並回)6、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1

OP 「Scarlet Ballet」
ED 「カメリアの瞳」


◆総評

さすがのJ.C.STAFF+ヒロイン釘宮理恵。
ちっこくてツンツン生意気で、でもドジで実はデレデレ・・・
重度の釘宮病患者が発生するわけですね、コレは。
第11話の予告編で「リュウジ」だか「ユウジ」だか叫んでたのは笑いました(そこは「キンジ」だって笑)

キャラデザが『これはゾンビですか』と同じ方で、キャラ設定やストーリー展開の強引さも『これゾン』と同じかもっと酷いくらいなので、ここまで出来れば逆に清々しくて高評価したくなります。

『AA』の方も第1話の掴みは上々だったので、期待したいです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 48

86.3 4 ハッキングアニメランキング4位
東のエデン(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (4758)
23306人が棚に入れました
2010年、日本各地に10発のミサイルが落下するテロが発生するが、奇跡的に1人の犠牲者も出なかった。
それから3ヵ月後、アメリカへ卒業旅行に出かけていた大学生・森美咲はワシントンD.C.を訪れホワイトハウスの前でトラブルに巻き込まれる。そこに記憶喪失となった日本人青年・滝沢朗が現れ、森美は難を逃れる。意気投合した2人は一緒に日本へ帰国することとなるが、その日東京へ11発目のミサイルが打ち込まれる。
その時、滝沢の携帯電話にジェイスと名乗る女性からの謎のメッセージが入る。

声優・キャラクター
木村良平、早見沙織、江口拓也、川原元幸、齋藤彩夏、斉藤貴美子、田谷隼、白熊寛嗣、五十嵐麗、小川真司、玉川砂記子
ネタバレ

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ノブレス・オブリージュの導き。

※1、以降の文は、TV版と続編映画二作を総じて書かれたものとなる。
※2、以降の文は、本作から見られる社会学的描写について思考する。
※3、対人関係の考察には触れない。
※4、危機を仰いでいるつもりではない。

目次。
〈書くにあたって、序説らしきもの〉
・社会風刺について。
・空気について、前述。
〈ノブレス・オブリージュの導き〉    目次を作る程でもないのだが、
・ノブレス・オブリージュの描かれ方。    思考の整理の為の試みだ。
・何がセレソンを生んだのか。
・独裁という手段と日本病の行方。   
・空気はやがてどこへ流れ着くか。
・ミサイル攻撃に依る国家骨抜き作戦。
・セレソンNO.の9「日本中ニート化案」。
・そして日本に志士はいない。
・ノブレス・オブリージュの導き。(了)
・台詞集。

〈書くにあたって、序説らしきもの〉
・社会風刺について。
 アニメでの社会風刺らしき描写を程よく見かける。しかし、アニメーションの概念と、大方全ての構想はフィクションであるので、その中で風刺されるものへの影響力はないに等しい。勿論、作り手は鑑賞者側への影響力を求めていない。求めているのなら、非現実及び創作物で描くのは馬鹿であるし、もっと風刺するものへ直接的に関わっていくだろう。
 しかし、そのような作品では、製作者がとにかく自分の作品を面白くしようという浮動した幼稚な思考を基盤として作られ、よってやはり何事も中途半端に物語の幕が降りるものが多い。時にそんな作品の中には、社会を批判した作品であれば鑑賞者側も内容を考察して勝手に売れ行きも伸びるだろうという媚びが感じられるものもある。

 本作がその「媚び」に標準するか見当は明確にはわからない。神山健治という人物像、おそらく違うのだろう。とにかく、下記の文がまったくの私見となるのか、作者の意図を察していたのかは知りえないし、確かめようもない事なので、この度の拝見については適当に受け流して、適度に受け止めてくれたらそれでいい。まあ、その結論なるものについては後述し、結論を朧から明かしたように思える事々について今から書いていくことにする―――。

 匿名の富豪権力者Mr.OUTSIDEから一般人12人に、それぞれ100億の電子マネーがチャージされた携帯電話(ノブレス携帯)が渡され、彼らはその額で自由な権力の行使が容認されるようになり、そして「さあ、これで日本経済を救済してくれ。」と命令される。そして「任務放棄及び逃亡、長期に渡る成果がない、100億を個人の欲望に使用し続ける、国の救済を果たせぬまま残金が尽きる場合は、的確な死が齎される」と。彼ら12人は時の権力者となり、水面下でセレソンと呼称される。12人のセレソン達は特選(国への志がある者をOUTSIDEが選抜)された主権者として、それぞれの意志のもとに行動を開始する。「東のエデン」ではこのようなことが展開される。財産とその自由行使の権利を受け取り、これで日本経済を救え、もし救えずに費用が底を尽きたら死んでもらうよ。そして十二の言動が先にはあるのだ。
 「東のエデン」に社会風刺として視点を置くと(風刺でなくとも、社会学的な視点を据えると)、それは意外性に富み、知見に生まれる物語のプロセスが見えてくる。そして、本作は先ほどのあらすじのような物語の断片の叙述だけでは展開は止まらない。しかも、ダイナミックな思考の展開でもある。

・空気について、前述。
 たとえばひとつ、本作の基盤とは「日本の空気」であるが、惹句(キャッチコピー)にはまさに惹かれるものが私にはあった。
 「この国の”空気”に戦いを挑んだひとりの男の子と、彼を見守った女の子のたった11日間の物語。」 空気に縛られる。この原因は現代人の弱さであり、現実を見据える勇気の欠如であり、歴史的精神性であり、空気に縛られるという事が一種の日本の国民性と言っても過言でない。日本史を見ても、国民の空気感によって状況が悪く転じたような事が幾度もある。現代社会に於いても、現代学校教育に於いても、空気による束縛は何かをつくづく虚ろにさせ、少年少女の自立と調和を刻々と蔑ろにさせて行っている。「非行」と「空気」は深く関係する。やがては幾つかの思想を壊していくだろう。そして最後には、おそらくみんなして後悔するのだ。「なぜこうなった!」と虚無的な混濁した空に言葉を吐きながら。辺りの空気に流されているものだから、その流れがやがてどこに辿り着くのかがわからないのだ。せめて一度は流れから外れて、岸に登って流れを見つめてみないことには、誰も自分の行動に責任も取れないのだ。
 このような台詞があった。「不確かな情報や、自分にとって都合の良い噂で、簡単に自分の意見を変えてしまう、無責任な大多数。」しごく命令形のメッセージではない。現実問題を伝えているだけだ。この問題を考える中で生まれる「今自分は何をしたらいいか」という考えは、他人から教わるものではなく、自分なりに考えて出すものだ。訳も分からず他人の色に自分の色を同化させてしまう事が、その勇気のなさから人間関係に縛られ、やがて空気に縛られるという事でもあるのだ。「空気」について詳しくは後述する。
 作品への論点の題が「ニート脱出」となっているのを多く見て取るが、本当に合っているのだろうか。本作の主題要点は「空気」であり、その「空気」が今まさに崩落させようとしている日本社会を”セレソン各位がどう救済するか”という「救済手段の掛け合い」がメインであり、主人公(セレソンNO.9)の日本救済手段案の一つである「ニートによるストライキ(日本中ニート化案)」は副題である。日本中ニート化案についてもまた後述する。―――。

 少しずつ本題に入っていこう。
 たとえばひとつ。「その携帯電話には100億円の電子マネーがチャージしてある。それで日本を救え。成果を出せずに金を使い果たせば、それは死を意味する。」と匿名富豪権力者(Mr.OUTSIDE)から強制的に命じられたセレソンたちは、我が国を考えるようになる。今、日本はどういう状況で、今、自分は何が出来るか。時の権力者となった個人が出す、その思考の果ての結論が、現代日本を脱却する手立てとなるかもしれない。
 勿論、私は卓見が出るのを期待した。作者が考える、日本に生きる立場の違う12人のセレソンたちが出すそれぞれの「日本を救済する手段」。結局、それは面白いものだった。とても現実的なセレソン12人の結論だったと言っていい(いや、やはり少し物語としては残念か)。思ったのだが、作者は洞察力もあり、人間観察をしてきたに違いない。作者は「見たくないものを”見た”」。12人分の結論が、その中の核心を突く結論が、或いは作者自身の持論が、あまりにも現実的だからだ。
 この話はレビュー本題の「ノブレス・オブリージュの導き」に繋がるので、後述する。

〈ノブレス・オブリージュの導き〉

「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige優者の責務)」。
 「東のエデン」に於いて、なぜJuiz(ジュイス)はセレソンとの通話の最後にいつもこの言葉を、あたかも戒めるかのように、口にするのだろうか。その作者の意図は何であろうか。本作に於ける、この言葉の本質とは何であろうか。その本質は、やがて何処に直結していくのだろうか。
 ここからは、ノブレス・オブリージュの言葉の真意に、その真意の導くところに迫って行きたい。作者の意図の深みに嵌って行きたい。

・・ノブレス・オブリージュの描かれ方。

 まず、この言葉の本編での登場を説明しないといけない。
セレソンは、100億円の電子マネーがチャージされた携帯電話端末で、自由に、たとえそれが横暴だとしても、権力をチャージ残額の有効範囲内で揮える。その権力を行使する為の方法とは、セレソンがその専用携帯電話で人工知能Juiz(ジュイス。1人のセレソンに1人ずつ付くコンシエルジュ) との通話の中で申請することができる。セレソンが電話を掛け、Juizが電話に出て、セレソンが望み事をJuizに告げて、「受理されました。」とJuizがその望みを承諾し、通話が切れ、やがて望み事が行使される、という工程を経る。言葉はこの一工程の中で必ず登場する。依頼が承諾され、セレソンとの通話を切る時に、Juizが必ず添える台詞だ。
 「(依頼は)受理されました。”ノブレス・オブリージュ”。今後とも貴方が日本の救世主たらんことを。」
 作中、幾度もセレソンたちはJuizに望みを依頼し、その度に幾度も決まってJuizはこう言うのだ。この言葉が作中で多用される自体が、あるところでの世間に向けた作者の言論とも取れるが、鑑賞者側の人間がとやかく作品からメッセージを求め過ぎるのはあまり気に入らないので、そう勝手に捉えてしまう事には触れないでおこう。唯、上記「東のエデン」あらすじの様な事がもし実際に起こったとしたら、そこから物事が派生し拡散して行ったとしたら、現実問題でどうなるのか、それについては推考された現実描写力であることを否定できない(ここで言う現実描写力とは、作中の大まかな設定を指すのであって、内容ではない。内容は、やはり商業作品でもあるのだから、多少大袈裟に描かれている事は否めないし、どうしようもない。そうでなければ、この作品を映画化するなんて出来なかっただろう)。本作品には社会学的視野が根強くも行き渡っていて、その分野で本当はもっと褒められて良いほど、あらすじの初期設定や、派生される物語、セレソンの精神性などは、深く色濃く考えられている。それは作者の人間観察と社会学分野への幾つかの知識の賜物なのだろう。
 その色濃い思考の末の本作の設定の、深い位置のある描写のあるひとつが、作中の先刻説明した状況(セレソンとJuizとの会話)に於ける「ノブレス・オブリージュ」という言語の使い方なのである。
 今日、私はここに注目するのだ。

 では抽象的な説明から、具体的な説明に入って行きたい。
「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige優者の責務)」の意味を、簡単に紹介しているレビュアーを幾人か見た。その紹介はこうだ。「ノブレス・オブリージュとは、フランス語で一般的に、財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴う、ということだ」。
 この文だけを見ると、おそらくこの言葉を今まで知らなかった多くの人は、たとえば会社組織や学校組織を通じて考えるのではないだろうか。企業、会社組織内には位があるから、考えればこれだけでも浅くは理解ができる。平社員より部長の方がもちろん位は高いが、遵って部長の社会的な責任は大きく、時に重くなる。たとえば、大企業の社長は何かしらの不祥事の際には公に謝罪をするし、責任によって辞任する。高い地位の獲得には同時に責任が付属するのか、と。
 しかし、この思考展開だけでは本筋を辿れない。説明不足という事であり、本質がまるでわからない。なぜこの言葉がわざわざセレソンとJuizの会話に引っ付いているのかまるで理解し難い。
 上の説きを、歴史観を交えて押し広げて言い直すと、
「ノブレス・オブリージュとは、天下の事を自らの任務だと自覚し、その為には自己の利益をも犠牲に出来ると言う強き意識であり、責任感とも言える、エリート意識である」。

 史観を含めて説明する。
 元々、この言葉は広く貴族や皇族などの特権階級に対し使われる。たとえば、貴族は、自らが貴族であり続ける為には、その特権による自己の利益を、特権を持たない人民に提供しなくてはならない、というものだ。この例は、階級社会や貴族制度の理念が現代に息づいている英国の、上流階級に浸透している道理だ。イギリス人(キリスト教、ユダヤ教文化圏)が契約を大事にするというのは、必ずこの理念と通じている。長きに渡る歴史、その中の数々の反省から導き出された幾つもの理念、法。特権階級は、その特権を濫用してはならない。特権は、それを持たない人々への義務によって釣り合いが保たれる。上に立つ者は、それだけ社会の模範となるべき態度を取らねばならないという精神であり、不文の法である。この精神は「ノブレス・オブリージュ」の派生的なものだ。
―――。

・・何がセレソン(特級主権者)を生んだのか。

 さて、匿名富豪権力者に選ばれた12人の日本人は、100億とその自由行使の義務を与えられ、日本社会の中でセレソンという名の特異な時の権力者となった。では、それはどのような特権を持った権力者であろうか。その特権とは、自国を救済する為に100億円分の望みが叶う、というものである。 では、どのような権力者なのか。セレソンは自国を救う為、自国を考える。それは国民主権という立ち位置であり、国民主権に忠実なのを指示し、彼らは「主権者」という名を高めた存在であり、日本の救済を義務とする水面下の権力者なのだ。「特級主権者」と言っていいだろう。
※ 国民主権とは、国民が国家権力の厳選であるということ。自らが国をつくる(自らが国家である)という強い意識のことであるとも言えます。日本人の条件とは日本国籍を保持している人という意味に限りません。本質的には、前提として上の意識があり「私は日本人である」と名乗ってしまえば日本人だと言っていいでしょう。
 日本に於ける主権者とは、日本の国民主権を体得した人間のことです。
 彼等はまっとうな主権者たる主権者となったのです。

 ところで、我々日本人の多くが主権者を思い浮かべたところ、誰が(或はどのような機関が)脳裏に映るでしょうか。教科書には「日本国は民主主義国家であり、主権は国民にある」と書かれていたけれど、しかし国民と国家の間に隔たりが感じられる。国は政府とか何とかかんとかが動かしている、と思っている。自分が主権者という意識に、えぇーマジ?となる。無意識に避けている雰囲気が漂っている。
 そう。我々日本人にはパブリック=公共の概念が根付いていない。公共とは、誰かがやってくれるもの、と認識されている。自ら社会の中で合理的自立を成し得ず、この日本社会とは生まれた時から本来備わっているもの、そこに川があって山があってと同じようになくなることはないし、自分から関わらずとも自然の摂理のように普段から何かが処理、整備してくれるのだろうと思っている。このような民度の低い感性で、社会を営んでいるつもりでいるのである。
 例えば、民主主義とは元々あるものだからなくなることはない、としている。しかし、まるで人間の感受性と同じように、守ろうとしなければ失われてしまうのです。民主主義とは特に怠慢すれば容易く崩れる。資本主義すら怪しい。「日本(近代国家)に生まれてよかった」で完結するのではなく「日本に生まれたからこそ、相応の責務がある」と普通は考えなくてはならないのだ。
 明治以降、日本には「近代」の概念が輸入された。戦前には、その「近代」を更に乗り越えようとせん動き(ムーブメント)まで起こる。そして戦後、民主主義が導入されて日本は真の近代化を果たし、己自ら考え自立する近代的個人となる筈だった。
 戦後、我々は近代への努力に怠慢して来た。その結果が現代日本に刻々と現れんとしている。ハイパーインフレーションは止められるとは思えない。税率3%上がるだけでどんだけ騒いだことか。税率30%でも良いのに(これで半世紀ちょっと払い続けるのだ)。アベノミクスは失敗した。その経済政策についても我々は「月給を上げて欲しい」「政治家の給料を減らせばいいんだ」等としか言えなかった。政府は我々の愚民ぶりにつけ込んでいるのに。
 作中の言う「…自分からは何も行動を起こさないで、事態が外から好転することを夢想し、恨めし気にルサンチマンをかき鳴らし、ひ弱で役立たずのくせして権利だけは主張している…」by滝沢朗に肉まんをあげた元ニート。…である。
 選挙投票が”人気投票”になるのも、この田吾作文化から来ている。
 その怠慢に於ける知識と人間性の無知の中から、個人性が未熟で、物事を尊重しないコミュニケーションが生まれる。その社会関係に於ける相互作用が「空気」である。
 我々が「空気」を生み出さなければ、国に正常な作動が効いていたかも知れない。設定として、セレソンの生みの親とはMr.OUTSUDEではなく、我々なのだ。
 そして作中には、姿を現した日本の救世主セレソンに「任せて自らが自らを決定しない」騒ぎ立てる一部庶民の光景が描かれる。何とも、現実的である。

・・独裁という手段と日本病の行方。

 これが日本という国家レベルの国の抱える、難点である。
 セレソン各位は、日本を変えるには、この「空気感」をどう変えるか、と直結していることに気が付くのだ。
 そこで「リアリスト」ことセレソンNO.1物部は、「国民というのは、一億人のエゴイスト集団だ。」として、国民が気づかない内に自由を奪い、内務省を復活させる、云わば独断場に踏み切ろうとした。
 「ロマンチスト」ことセレソンNO.9滝沢も、「この国の王様になる」として独裁に踏み切ろうとする。((要請は「国王になる」だが、JUIZ(ジュイス、ノブレス携帯に応答しセレソンの要請を、物理法則的に可能な範囲で受理する優秀なコンシェルジュ) は「国王」を「総理大臣」と認識してしまう)) 
 さて、
1・独裁という手段の是非とは。
 独裁者でも、独裁の道理と社会秩序の倫理道徳を弁えた賢人なら別に国を任せても問題はないのです。これは常識。たとえ、デモクラシーが完璧に機能していても、悪政に、人民の生活水準が低いのならば、それは民主主義万歳!とは言難い。独裁制であっても、依って人民の生活が向上していくのなら、独裁イコール悪ではないのです。
 では、
2・なぜ、独裁か。
第一に、間に合わないのである。
 多くの人は疑問を抱くと思うが、一体何が間に合わないのか。独裁でもしなけりゃ治せない日本病とは具体的にどのようなものなのか。
 民主主義国家では国民が国家の厳選である、というのは先刻述べた通り。国を保つ、社会を営むとは、厳選された国民の人間性、知性に問われることとなる。”考える個人”でなければならない。この”考える個人”の社会性が国を形成します。
 ここから多くへ派生するのです。
 では、”考える個人”が欠如した場合、国の基盤に歪みが生じ、悪くて底が抜けます。基盤が頑丈で精巧なものであると、つみきは高く積みあげられますが、基盤が歪めばつみきは低くまでしか積めず、悪くて崩壊します。
 民主主義と取っても取れない表裏一体関係の資本主義ですが、勿論のことダメージ食らいます。
 「財政赤字」ニュースでよく聞きますね。国の歳入が歳出の半額しかないとかかんとか。国の借金は1000兆円を越したとかかんとか(国民一人当たり約800万円の借金)(ギリシャは借金30兆円で国債の暴落、経済破綻)。
 多くの人が、感覚的に茫漠とした不安を感じているのではないだろうか。昨今の選挙で無力感を抱いて更なる不安を。でも、今日も全く変わらぬ陽が昇っているので、考えないようにしようとしてしまっているのでは。国の借金だから、私の借金ではないと。
 歳入が歳出の半額しかない国が、やっていける筈はない。借金を借金して返済しているのですから。
 やがて数年(5年~8年と見積もられている)で日本国債の発行総額が金融資産を上回り、国債の消化は銀行や証券会社などの金融機関だけでは済まないことになる(銀行や証券会社に金を支払っているのは国民である)。国債とは、税収の不足を補う用途で発行される政府の借金です。国債は市場に出回り、国内の金融機関などに買われます。借金なので返済期間と利子がついて、国債が満期になれば政府は額面通りの日本銀行券と交換します(国債償還)。この国債償還を政府が国債所有者に対して(手元にお金がなくて)行えない場合、債務不履行(デフォルト)となります。既にデフォルトしていて可笑しくないのですが、平気な素振りを見せているのは不自然です。どうやら戦後の貯えを使い潰している説が真実かと。切り崩して生きているのですから、すぐ無くなります。それが、新たな天災等の異常時がない場合、あと数年で尽きるとのことです。あと、日本国は通貨「円」を持ち、「円」を発行する機関を持っているので(日銀)、お金を刷ることで国債を埋め合わせることが可能です。けれど、日本は税収の不足分と国債の借り換えを補う為に毎年約160兆円の国債を新規に発行し、この全額を日銀の通貨発行が引き受ければ、たちまち超悪性のインフレに陥ります。
→日本国債の価値が危うくなり、マーケットは国債を手放すでしょうが、買い手はつくはずないので価格が暴落。同じ事情から、新規発行の国債の金利が上昇する。すると発行済み国債が大きく下落。ここまで来ると相当に財界は騒ぎ立て、予算案は圧迫され、売りに売るのスパイラルに陥ります。銀行も負債に依って幾つか倒産し、その頃やっと国民も「空気」に依って騒ぎ出し、銀行から一斉に預金を引き出そうとします。国債の暴落によって銀行は引き出しにストップをかけると考えられます。国民の資産はふっとび、銀行の株価は下がり、企業への融資を止めることで倒産が連鎖的に相次ぎます。失業者に溢れかえり、公共機関が機能不全となります。イギリスの経済情報誌「エコノミスト」に書かれた通り、「国際社会の中で最も苦境な少子高齢化」が、ここに組み合わさることになります。経済は混乱し、多数の死者が出て、「円」、日本株は暴落します。ここで銀行が潰れて行きます。この輸入大国日本で物価が上昇し、ハイパーインフレを招きます。札束を抱えて路頭に迷います。円は瞬く間に国際社会から見放されるでしょう。公務員は大量に解雇され(ギリシャでは三分の二が解雇)、税率を引き上げ、国家規模のダイエットを始めます(セレソンNO.1物部と予見)。混乱に依って前例のない規模の死者(自殺者含む)が出ると思われます。
 経済破綻の文字を通り越していましたが、このように日本は東南アジアレベル、新興国(タイ、インドネシア)などと同程度の国家レベルまで落ち込むと予想されています。戦後から私達はもう一度やり直すのです。あの固定レート1ドル=360円の時代から。

 全ての行動に、当事者の責任が伴う。免れた責任は、必ず時を経て同形のまま再来する。
 当事者を我々日本人とするならば、近代国家としての努力を怠って来たツケが、今回って来たように思えます。

 現代の政治体制では手遅れと思われる。時間が掛かりすぎる。今から急いで踏ん張るとしても、税率を35%に上げて50年間こつこつ借金の返済に充てなくてはならない。自民党が無理やり強行すれば叶わないこともない(?)。国民は当然反対するだろう。先刻言ったように、他人に任せて愚痴を吐露する社会なのだから。
 ここで、独裁というセレソンの結論の意味がわかる。「なるほど、手っ取り早い」と。
 財政だけの話しではない。地球環境の保全についても、様々と例えられるだろう。勿論、有能な人物が独裁権を握ってこその話しだ。セレソンNO.9は力不足と思われる。
 国家規模で変革を求めるなら、国民の空気が充満する辺り、独裁の手段が手っ取り早いとなったのだろう。非現実的かも知れないが、ヒトラーに同じく、国民が愚かであればつけ込むことが出来るのだ。安倍総理もどこかの団体にファシストに任命されたと言うではないか。―――。

・・空気はやがてどこに流れ着くか。

 現代人はインターネット上に個人、或は匿名で全世界に向けて情報、意見主張を発信できるようになった。残念なことに、知識と合理性に欠けたコミュニケーションで、自分の意見を作らず他者の意見を垂れ流す主張が目に見えるようになったということである。
 先日のイスラム国の人質事件にもインターネット上では「自己責任」という意見が強く飛び交った。そんなところに行く、そいつが悪い、というのだ。今、多くの人が社会を知らぬままにプライドの先走る意見をさらけ出しているのだ。顔が見えないという心理的原因もあるかも知れない。2chは典型例である。
 国家とは、人民の生命や財産を守るためにある。国は人質解放に全力を尽くす。今回、尽くせていないが。イギリスやアメリカの対応は俊敏に変わった。これも、残念ながら民度の違いである。
 このように、無作為にがたついたプライドの先走る意見が蔓延することで、やがて日本社会の一部は社会性、連帯感を喪失し、インターネット・アノミーへと陥るだろう。無法状態である。猿並と言えば、猿に申し訳ないぐらいである。ここ5年の内に明確化して来るかも知れない。
 然も、(主に都会で)隣の住民がわからないという社会状況に加え、今後の更なる日本の低迷化。戦後、国を立ち上げられたのは隣人との気さくな仲、「always三丁目の夕陽」のような社会性あってこそだが、これでは社会を立て直す、或いは社会性を取り戻すこともいかんせん難しい。
 空気はやがて、インターネット上でアノミーを生む。インターネット上での無連帯感は、やがて現実問題として姿を現すだろう。―――。

・・ミサイル攻撃に依る国家骨抜き作戦。

 セレソンNO.1物部は、まず国民の自由を奪い、戦前「官庁の中の官庁」と呼ばれた内務省を復活させて、国家規模ダイエットを行い、有能な人材を選抜し再配置し、グローバル社会に通用する部門だけを有効に機能させる「小さくて小回りの効く国」、そして意思決定をアメリカに委ねない国家の自立を目指している。「一億総他人任せ」の空気をも解放すると言う。
 その為にまず現行国家を骨抜きにする手段として「60発のミサイル」の発射に踏み切る。
 国家緊急権が日本にはないに等しい。緊急時の対応が遅れる懸念が心配されている。しかも、日本は東京に心臓と脳を置いている為、山手線の内側を破壊させる程の威力のある爆弾を投下されれば、日本は機能不全に陥るどころか、文字通り崩落するだろう。
 「60発のミサイル」でなくとも、骨抜きにすることぐらい簡単であろうか。この国は危機に脆い。
 実際、これから現実に起こりうる事態である。戦争は五日間で終結するとの意見もあり、腑に落ちる次第だ。―――。

・・セレソンNO.9「日本中ニート化案」の説明。

 題の通り、「日本中がニート化すれば、上の連中も頭下げるってもんよ」という主張である。端的に言って、社会活動をストライキする事によって反抗する、ということ。
 現在進行形のニートがニートしていてもどうにもこうにもならないし、返って日本病が悪性になるだけだが、全国でニート化すればどうだろう。鉄道会社がニート化すれば列車は動かないし、税金払わないでいるのも有効だ。
 ここで「迷惑だから止めてくれ」と文句を言う人こそ、「迷惑」ぐらいにしか認識出来ない、我ら愚民なのである。
「テロは止めてくれ」こんな事を言う人も何もわかっちゃいない。テロは、言論を主張、議論に最善を尽くした後にやっと見えて来る反抗手段だ。明確な殺傷行為である。抵抗権とは見極めなければならない。端に会社を休むだけじゃないか。何がテロだ。
 「反抗ならデモで良いじゃん」という意見が聞こえてきそうだ。
 “デモとは、無意味な抵抗手法である。”というのが私の意見だ。なぜなら、多くの人がデモに関心を示していないからである。
かつて、デモが左翼思想やマルクス主義思想と結びついていた頃、デモ隊には同心円状に共感者、同調者が取り囲んでいた。デモが全体性民意を体現していたのである。だから政治家もマスコミも理解し応答した。しかし、現代のデモはムーブメントとしての内実が変容して来た。同調者はなく、孤島化しているのだ。しかも、デモの参加者(多くは右傾化した若者世代)はそこに自らの居場所を求めてしまっている現状である。同じ価値観を持つ者同士だけで寄り集まり、自己満足感に浸る。しかも、旅費と時間を使って集合し、叫び、解散する、この一連の流れがデモ参加者に達成感を与え、「空気」の”熱”を消費させている面もあるとのことだ。当然、政府もマスコミも呼応しない。今では、デモはパレードと呼称されるらしい。もう開き直って楽しむことが前提らしい。それでは遊び仲間は集まるが、社会への関心は集まらない。
 しかし、実際ストライキをやる人はどこにいるのだろう。誰もが利己的に自分の事情を気にするからだ。
 その例に、作中、日本救済のシンボルとしてセレソンNO.9を盛り立てる大衆のごく一部(ニート諸君)が描かれているではないか。彼らは前述の通りにNO.9に全てを任せっきりで、それは周囲の"空気"に冷ややかな視線を送られ、明らかに孤島化していたではないか(空港のシーンとか)。その孤島の中身も、誰かを象徴化し自らがそれに従属し、居場所と安心を(楽を)求める人々の集合体ではないか。思えば日本の天皇制と同調する話しだ。「空気の海」の中で「空気の島」が孤立化する状態である。どうにもならん。セレソンNO.9の考え至らず、である。―――。

・・そして日本に志士はいない。

では、「もう散々だ!」と思うので、話しを纏めに掛かりましょう。
 女子力がどうとかプリクラでキャーとか、新しいデパートがどうとかパチンコが覚醒だとか、そんな今にも時代が変わろうとしている。私たちがアニメを見ている間にも、刻々と躊躇いも労いもなく現実が押し寄せる。そういえば、地震予期作用とか火山活動とかがまた活発になってきているらしいし(周期がまた回って来たのだ)、地球温暖化(気候変動)も相当に不味い過酷な状況だ。
 バブル期も同様だったらしいが、今が幸せであれば、その後の不幸なんて見る気もしない。そんなのデマだろ、とか。お前が他人の幸福にひがんでいるだけだろ、とか。
 私たちは不幸が現前に正体を現すまで一切判断しようとしないのだ。

 私達は、偶々、古き良き時代に生きているだけなのだ。その終焉に猶予はない。
 そして日本に志士はいない。第二の維新は不可能か。

 では、生き残る人間は、どのような者か。
 ノブレス・オブリージュという概念を体得した人間。
 「我らが国家、社会の中枢である。」という強き意志を抱く者達である。
 まるで幕末の志士のようだ。
 元々「ノブレス・オブリージュ」とは、国を動かせる高位の主権者に向けられた概念だった。しかし、高い位の人しかこの意識を持ってはいけない理由はないし、全ての国民に主権のある今、寧ろ意識持って然るべきものである。 

・・ノブレス・オブリージュの導き。

 他者は自己ではない。他人の人生を生きてはいけないのだ。
 我々は立ち向かわなければならない。そして、立ち向かうとは付き従うことではないのだ。他者に頼り切ることは不自由である。自らの弱さに諦めることは限りなく不自由である。不自由とは、或いは自己逃避とは、現時点で楽な生き方かも知れない。けれど、後で更なる苦境が待っているだけだ。借金を借金して返していることと何ら変わらない。
 壁とは常に自分である。壁を模造するのも自分自身だ。己自身の力で対闘するしか手立てはない。
 人生とは辛い。しかし、最善を尽くしていれば辛くない。全ては、己を知るところから始まる。全てのノブレス・オブリージュの人も、誰もが最初、ここから始めるのだ。1人1人気が付いていかなくてはならない。全員でせーので気が付いた時には全てがとうに遅すぎる。

 明確であるべき目標が曖昧なら、歩き方も曖昧になる。未来はある程度予期できる。予想が立てられる。社会とは大きく人に影響を齎すのだから、自己の問題として自身で対策、処理を出来る範囲で行うべきだ。予想する仕事は学者などの専門家に任せてもいいだろう。今こそ啓発に耳を傾け、考える個人であるべきだ。

 日本を変える手段は教育にある。民度の向上こそ最も良き解決の糸口である。まず、エリート意識の普及である。点と点から、やがて枝分かれして途切れなければ連鎖的に広がっていくだろう。その意識の根拠として、この理念が挙がるだろう。それが此の国の未知なる標である。いつの日か新たなるJapanese democracyの開化に向かう、ノブレス・オブリージュの導きである。


・台詞集
{netabare}「この国には頭の良い連中が一杯いんのに、損な役回るやる奴がいないんだ」
「この国は、どの道一旦は誰かがなんとかしなきゃならないほど、可笑しなことになってんだからさ」

「全共闘時代、当確連がセクトの支持で成田闘争に参加すべく、彼方東を目指して掘ったトンネルです。弾劾世代が闘争ごっこ繰り広げたトンネルにピンチを救われるとは。焚きすべき世代の産物を使って敵を出し抜く、痛快な気分です。じゃが、こういったもんを私も積極的に受け継いでいけんかったんかもわからん。」

「国民というのは、一億人のエゴイスト集団だ。今や総理大臣など、ただの生贄に過ぎない。自由を手に入れ、不自由になった国民のストレスのはけ口というだけだ。」
「国民とは飽く迄、国家を構成するパーツの集まりに過ぎない。個人的な感情を注ぐ対象ではない。「1人1人は皆、何者かになりたいと思っている個人な訳でしょう。」「それが厄介なのさ。全員が何者かになるなど、そもそもありえないことだからね。」
「この国の人間は呆れるほどシニカルだ。」

「新聞を一部、譲って貰えないかね。」「良いっすよ。金はいいよ。一部だけ欲しいって人は、ほんとに新聞読みたい人だから。」「一部とは言え、売り物だろ。」「読まないのに取ってる人から貰うから大丈夫。唯、そういう奴程中々払わないんだけどね。」「たしかにな。時に小僧、なぜ今時に新聞配りなんかやっておる。」「金貰う練習の為、かな。へへっ。人って面白いもんで、金の払い方は五歳からでも知ってんのに、貰い方は大人でも知らなかったりするんだよね。そら、金使うほうが頭下げて貰うより気分良いから。お客様は神様です、なんつって、つい消費者最強を振りかざすけど、あれって本来は売る側の気持ちの話でしょ。」「そうだな。」「だけど、みんなが金を払う側になっちゃったら、一体誰がサービスするんだって話だよね。俺は、金は払うより貰うのが楽しいって社会の方が健全な気がするんだけどな。」

「嘗て、我々はこの国の為に、何かを成そうとがむしゃらにやってきた。だが今になって、あれは過ちだったと歴史の汚点のように言われる。しかし、我々とてあの時代には右も左もわからぬ新人だった。我々の築き上げて来たものが誤りなら、正解はどこにあったのか。しかもようやく何事かを成したと思った頃に、今度は世界のルールが大きく変わってしまった。この国が深みを増す前に、新しい考えが優位性を持って対抗してきた。年寄にそのことを受け入れろというのは酷な話だが、それでも奴らに権限を委譲し、責任を負わせてみろという訳か。日本人が愛して止まない坂本龍馬も白洲次郎も、実際には綺麗な立ち回り方を選んだが故に、その一張羅に土が付かなかったに過ぎん。だがこの国の本当の救世主は、日々をこつこつと生きた名も無き者たちであり、結果一敗地に塗れこの世を去った歴史の敗者たちだ。その事実を無意識に嫌うものを善しとする趨勢(すうせい)の中、NO.9はスケープゴート(生贄、身代わり)となり火中の栗を拾うという。面白い。今回のゲーム、これにて一旦の幕としよう。勝者は決した。」

「ノブレス・オブリージュ。今後も君たちがこの国の潜在的な救世主たらんことを、切に願う。」  {/netabare}



2013/8/2「noblesse oblige今後も貴方がこの国の救世主たらんことを。」投稿。
2014/8/10「ノブレス・オブリージュの導き。」改正。
2015/1/29                 加筆。投稿。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14
ネタバレ

Pまん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

滝沢朗と名乗った男は、何故、自分の記憶を消したのか

視聴:2回(アニメ+映画×2)+総集編1回

皆のレビュー読んでたら、誰も書いてないんだもん。書いちゃった。

個人的な印象は、詰め込み過ぎ。
え、もちろん大好きですよ?
好きじゃなかったら、こんなレビュー書きませんって。

では、この物語のわりと本質的なトコロ、掘ってみますよー。

滝沢朗と名乗った男は、何故、自分の記憶を消したのか。
本編中に、登場人物の言葉で答えらしきものが提示されていますけど
まさか本気で信じたりは、してませんよね?

以下、アニメ+映画×2のネタバレを含みます。
ネタバレはアニメと映画で一応分けてますけど、鑑賞済の方のみどーぞ。


{netabare}
とはいえ、お楽しみは後の方にとっておきましょう。

まずは100億円。やっぱりみんな、コレ気になってるみたいですね。
ノブレス・オブリージュ。本作中では『持てる者の義務』ですね。
感覚的には、100億円=持てる者なんでしょう。
でも、この100億円、ホントはお金じゃないとボクは思うんだよね。
たぶん、ジュイスに働いてもらうためのポイント。ただの数字。
もちろんお金としても使えるんだけど。便利だからね、お金。

お金を使って何かするのではなく、目的のためにジュイスを使う。
コレが、アウトサイドが望んでいた本来の使い方じゃないかな。

次、ちょっとわかりにくいけど、ヒロインが牛丼かけられるトコ。
いらっとするシーンだけど、こんなことあるわけないと思ってる?
実際に社会に出ると、もっとひどい事を何度も目撃・経験できますよ。
それはさておき、ここで描いているのも、ノブレス・オブリージュ。
『位高ければ徳高きを要す』ですね。

せっかくなので、牛丼をかけさせた側の事も書いておきましょう。
たぶん、卒業旅行で面談を欠席したから嫌がらせしたのではありません。
重要なハズの面談を欠席する子がどんな子か、興味あったんですよね。
そして期待は裏切られた。2重の裏切り。描写が丁寧だなーと感じます。
牛丼をかけるよう指示する人、実行犯、『事件を期待する』女子社員。
まあ伏線のひとつですよね。こういう描き方は上手いなぁ。

次いきましょう。裸で登場。
まず、裸は持たざる者の象徴でしょう。ニート軍も裸ですからね。
『寒くないですか?』『寒いですよ』
思わず、ヒロインは帽子・マフラー・コートを貸します。

ココは推測ですが、冒頭、No9が裸で銃を構えたのはNo1の罠。
No9が自身の記憶を消した直後、罠情報を吹き込んだのでしょう。
お前はテロリストだったんだよ、ってね。
携帯で正気に戻ったのは、サポーターのおかげです。
正気に戻ったというより、もう一度記憶を消されたというのが真相かな。
ジュイスが『あのままフェードアウト』と言っていますから
自身の記憶消去から、しばらく時間が経過していると考えられます。
同じアパートの住人が、No9を見て気軽に挨拶をしているのも
テロリスト風に仕立てられたアジトに滞在していたことを示します。
『こりゃ絶対だれかにハメられてるな』とはNo9のセリフ。
丁寧な仕事、お疲れ様です。まー違ってるかもしれないけどね。

通行人がズボンを差し出すシーン。ココすごく好きです。
ヒロインはこう考えてます。『何でズボン貸すわけ?訳わかんないし』
当然です。たぶん日本では起きません。欧米だからじゃないかな。
欧米、おそらく富裕層におけるノブレス・オブリージュの意識の高さ
を感じさせるシーンなのだと思います。No9は頼む人を選んでますし。
咲さん、あなたがやった行為も、ノブレス・オブリージュですよ。

では、冒頭の記憶の消去について触れましょう。
No9は、何故、自分の記憶を消したのか。
作中では『助けた人と協力した人の双方から裏切られた』と語られます。

え、逃げたの?No9はそんな子じゃないよね。
落ち着いて考えてみましょう。何故、映画の記憶は消えてないのか。
映画の記憶が必要だったから?自分の記憶だけが不要だったから?
ボクは、こう考えます。
記憶を消す前のNo9は、客観的な感情を欲したのだと。
だから自身の感情は切り捨てた。記憶と共に。
自分の感情に惑わされないように。映画の記憶だけを頼りに。

アニメのラストで、王様になる時の決意。それと同じ動機です。
ループしてますよね。これが『上がり』なはずはありません。
{/netabare}


ここから先は、映画版を含むネタバレ。


{netabare}
さて、一気に飛んで、映画2の終盤。No1との会話シーン。
『愛が無い気がする』
コレ、字の通りに読んでもいいんだけど。
自身の感情を記憶と共に封じた事があるNo9の口から出た言葉です。
感情も、やっぱり必要だって意味ですよね。
誰かを生贄にしていたのでは楽園にたどり着けない。そういうことです。

次は、楽園についてです。
主人公は楽園へ行く方法を発見しました。
ここまでちゃんとついてきてたら、もうわかりますね。セリフを引用しましょう。
『上がりを決め込んでいるおっさんたちは、今すぐ、必死でためこんできた
ものを捨て、俺たちと一緒に、新たな楽園に旅立つ決意をしてほしい』
この言葉、あなたの胸には今、どんな風に響いていますか?
No1を否定したのですから、既得権益の再分配なんて話ではありませんよ。
残念ながら楽園は、1人の力では行けないんですよね。

映画のラスト。
アウトサイドは全員を勝者としたのに全員の記憶消去?明らかに変です。
騙されてはいけませんよ。記憶を消去されなかった者が勝者です。
え、2度目だから効かなかった?違いますよ。
アニメの冒頭とラスト+放送前、たぶん記憶は3回消えてますからね。

最後、シーンはちょっと戻るけど。
『払うより、もらう方が楽しい社会』
主人公のセリフですけど、うーん、わかりづらい表現ですよね。

『お前なんで働いてるの?』昔、会社の先輩が、ボクに聞いたんです。
当時はそんな事、真剣に考えたことなくて、親が借金抱えてたから
なんとなく『家を支えるため』って答えたんですけど
その先輩は『自分のため、お金のためだろ』って言うんですよ。
でも、ボクにはピンとこなかったんですよね。

コレ何年も考えてて、まだ答えは出てないけど、今ならこう答えます。
『誰かを幸せにするために働いている』ちょっと夢見すぎかな。
でもボクは、主人公のセリフって、そういうことだと思っています。


おまけ。
アウトサイドはサッカー好きだと作中で語られています。
各セレソンには番号が振ってありますよね。
12番のセレソンがサポーターなので選手ではありません。
では他のセレソンはどういうポジションになるんでしょう。
これだけで1本レビューが書けますね。本題から逸れるのでしないけど。

次は、そういう視点で見ると、また違った楽しさがあるかもしれませんね。

それでは。
皆様の心の奥に『ノブレス・オブリージュ』が根付く事を切に願います。
{/netabare}


ネタバレのネタバレ。やっぱり無粋かな。

{netabare}
何度も見たわけじゃないから確信はないけど、テーマは意識しました。
表テーマ『ノブレス・オブリージュ』
裏テーマ『ミスリード』
信じていいのは、登場人物自身の行動描写と、自身の発言だけ。
これを心がけると、ある程度わかりやすくなると思います。
こう考えたんじゃないかな?という発言は、裏があると思っていい。

No4の刺殺、No5の光が消える演出、No11のジョニー狩り
どれもミスリードを誘っています。

携帯の履歴は、必ずしも目的と一致しません。
たとえば『タンクローリー事故誘発』→『No9の足止め』など。

『豊洲をミサイル攻撃』→『飛行機撃墜』搭乗予定者を狙っていた。
このアニメでは、飛行機に偶然当たるなんてありえませんよ。必然です。
60発のミサイルの目的地が豊洲を含むのも、それを示唆しています。
No9さん、咲ちゃんと飛行機乗る前に携帯使わなくてよかったですね。

『記憶の消去』→携帯の履歴から、記憶の消去は咲に会う前日の昼。
アニメ冒頭の記憶消去シーンはNo9自身の依頼ではないという論拠。
また、迂闊な月曜日から日があるので絶望が直接の原因ではないと推測。
記憶を消した時点では、No9はこの日に帰国する予定だったハズ。
実際には帰国せず、翌朝、全裸でテロを実行しようとしていた。
自分から全裸になっているので、自分の意思でテロ行為に及んでいるが
履歴と行動の辻褄が合わないので、誰かの意思が働いた結果だと推測。
ジュイスを介さずに記憶を消せるのは、作中ではサポーターだけ。
No5の記憶消去は履歴に残ってませんからね。

それぞれのセレソンの行動原理もあわせて考えるとわかりやすいかな。
たとえば、No1は直接的・間接的問わず、他人にリタイヤを強いる。
ゲームを上がる方法は、1つではないからね。
目的が監視だけなら、わざわざアメリカまで足を運ばない。
No1は絶対何かしてる。ヒントは作中に描かれてるハズ。
ボクがココに目をつけたのは、No9が鉄砲を持つ必然性を考えたから。
伏線だらけなんだから、意味もなく鉄砲なんて持たせないよね。

あと作中の『ニート』は『幕末志士・浪人』をイメージしてるっぽい印象。
まー、あまり関係無いけど。
{/netabare}



更新履歴
2012/07/08 初期投稿
2012/07/09 ネタバレのネタバレ・更新履歴・視聴回数を追記

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

閉塞した国をそれぞれ別の方法で壊すため戦った2人の英雄

日本の社会問題に切り込んだメッセージ性の強い作品でいろいろ考えさせられる話です。
評価が分かれる作品ですが、それは仕方ないと思う。

この作品は視聴者がどういうスタンスで視聴するかによって評価が大きく変わるように思います。
何も考えずに雰囲気と勢いに流されて見れば雰囲気が良くて主人公の行動力とカリスマ性に突き動かされた勢いのあるとても面白い作品。
日本の社会問題を考えながら視聴すると、色々考えさせられるメッセージ性の強い作品。
でも純粋に物語を楽しむ視点でキャラクターの行動の妥当性やシナリオの整合性なんかを気にしだすと、荒唐無稽な雰囲気だけの駄作っていう評価になるのも無理はないかなと思います。

【日本の社会問題に切り込む本作品、空気と戦うとはどういうこと?】
{netabare}
「空気」と戦うとはどういうことなのか答えが明確に示されてなくて、作品を見て感じるよう委ねられているところは面白いと思う。

「世の中の悪を正す」「高齢者が安心して生活できるように」「性犯罪者を断罪する」それぞれ日本の問題を真剣に考えてなんとかしようと奔走しているのがわかります。
でもちょっと極端な考え方で、なんとかしないといけない問題点なんだけど、視点がとても狭くてそれだけを解決しても国は良くならないですよね。
これって、現実でも政治家でこういう主張する人がいるけど極端な主張はなかなか通らなくて実現しない。だからセレソンの力を使って実行しようとしているんだと思った。

この作品はまずそういった視野の狭い問題に向き合う人たちを描き、そういう問題もあるよねって思わせてから、後半でもっと視野が広い根源的な問題をなんとかしようとしてた滝沢や物部達をこの物語の中心人物として描いていました。

じゃあその根源的な問題ってなんなの?
これがこの作品のメインテーマ。

作中で咲ちゃんが就職先でいじめにあって、自分の悪いところは認めながらもその理不尽な出来事に涙を流す咲ちゃんを見て、無理しなくていい、耐えなくていい、俺がしょいこんでやる、と言って空気と戦うことを決意する滝沢。
なんとなく見ているとなんで?ってなる場面だけどとても重要なパーツだと私は思った。

これって、この国の腐っている部分をすごく端的に表現していると思ってて
私たちがこれが正しい、これは間違っているって思って行動を起こそうとしても、世の中がそれを許してくれなくてうまくいかないことってとても多いんですよね。
それは権力者による圧力だったり、周囲の人間の同調圧力だったり、社会全体からの「こうあるべき」の押しつけだったり、そこから外れることが悪とみなされる理不尽な世の中。出る杭が打たれる世の中。

そういった理不尽こそが戦うべき「空気」なんだと思う。

でもその空気と戦うことはとてもしんどくて、勝ち目のない戦いに挑んだ気骨のある若者はみんな挫折して気力を失ってしまう。
変えようとする意志、立ち上がる勇気を失っていく。そして漂う停滞感。

これこそが日本を蝕む不治の病であり、それなら壊してしまえと思ったのが物部で、壊すんじゃなくて一人一人が立ち上がる意思を持って戦わないといけないっていうのが滝沢だった。

ふたりは手段は違うけど、この閉塞した国をなんとかしないといけないと思ったのは一緒でした。
物部の出した答えは「少数のエリート官僚がすべて管理するコンパクトな国家」政治家や権力者が権益という名のパイを奪い合っている体制を壊さないとこの国はダメになると思ったんですね。

物部の仲間はエリート官僚うんぬんはともかく、日本を一度壊してリセットしないといけないっていう考え方は一緒で、だから協力していました。
その結果がミサイル発射事件、迂闊な月曜日事件でした。

物部たち強硬派チームはいちど日本を破壊して作り直すことを画策して、滝沢はそれを防ごうとした。
でも滝沢はただセレソンの力使って力づくで停めるんじゃなくて、ニート達を煽動して停めたんですね。
これが「空気と戦う」ということだと思う。
ニートって何もしない、役に立たないってイメージがあると思うんですが、そんな何もしない人代表であるニートを煽動して日本を救うために動かす。
一人一人が「日本を救いたい」という意思をもって考え、行動を起こす。

これが空気と戦うということだと思いました。

滝沢が全裸で逮捕されるという一見すると意味のない行動は、日本と同盟国なのにミサイルをなんとかしようともしなかったアメリカへの不満をストレートにぶつけようとした結果でした。
これは、日本国民が今現在アメリカに対して思っている漠然とした不安を代弁しているかのようで、「アメリカが守ってくれる」のは本当にそうなの?っていう疑問を滝沢を通じて投げかけているんだと思う。

実際アメリカは正義の味方ではなくて、アメリカのために日本を利用していて日本もアメリカを利用していて利害が一致するから同盟しているだけなのですが、アメリカの力のほうが強いから日本はいざというとき捨て駒にされてしまう危険がある。
でも私はそれを批難しているわけじゃなくて、どの国も自国が大事なのだからアメリカが日本を便利な道具としてみているのは当然だと思います。
ただ、日本人の中に「アメリカに任せれば大丈夫」と自国の生殺与奪権を他国にゆだねてしまっていることがいかに危険なのか、他人任せで立ち上がろうとしない、そんな無気力な国民を量産してしまった「この国の空気」に一石を投じることはとても意味のなることだと私は思うのです。

{/netabare}


【物語としてみると粗が目立つ微妙な作品に】
社会問題を取り上げた部分は良いけど、物語としてみると粗が多いんですよね。
特にセレソン関係の設定が、国を救うという壮大な目的に合致してなくて「国を救うのが目的」ということへの説得力が欲しい。
{netabare}
まずセレソンの人選がよくわからないこと。
一番おかしいのは、目的達成した人以外は消されるっていうこと。競わせるより協力させたほうがいいと思う。無能な人は始末される罰則はあっていいと思うけど。
この設定は国を救うという目的を掲げるなら、かなり不自然な懲罰だと思う。

実際、みんな自分のやり方で世の中のためになることをしようとはしていたけど、それは自分が感じる社会問題をなんとかしようとしているだけで、国を救うという視点に立っているセレソンはほとんどいなくて、主張が違う政治家の代理戦争をしているようにしかみえなかった。
対立させることで無駄なことに金を使うのは明らかで、誰かが達成すれば全員報酬があるけど一部私利私欲に走って奪う側に回るキャラがいるっていうくらいのほうが良かったかも。
この対立という構図は国を救うっていう目的がぼやけてバトルのほうに比重が傾いているのが、社会問題にメスを入れるっていうメッセージ性がストレートに伝わらない原因かなと思います。

それから、滝沢がアメリカで逮捕されようとしたり、記憶消したりするのはかなり疑問でした。彼が主張したいことはわかるけど、そんなことをしても意味はないと思う。

他にもキャラクターの行動には疑問に感じることも多くて、物語の完成度としては高いとは言えないと思います。
{/netabare}

そういう設定の問題はモヤモヤしましたけど、大金と権力を自由に使えるバトルというのはとても斬新で面白かったですね。

【キャラクター】
咲ちゃんがすごく可愛い。早見さんの声はやっぱりいいですね。
滝沢明は彼の活躍を通してメッセージを発信しているので当然ですが、主人公らしい主人公でとても良かったです。

【感想】
物語に引き込む力はすごくあると思う。すごく面白かった。
日本の社会問題に切り込んで、強い政治的なメッセージ性を持っているところは面白い部分で、見せ方が面白いと思った。

あとは物語としての精密さがあれば完璧で、この設定を生かすギミックをもう少し工夫すればもっといい作品になったのではないかと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24

83.7 5 ハッキングアニメランキング5位
神様のメモ帳(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2598)
14141人が棚に入れました
「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。 「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」 僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す! 情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。

声優・キャラクター
小倉唯、松岡禎丞、茅野愛衣、生天目仁美、松風雅也、宮田幸季、櫻井孝宏、小野大輔
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作の魅力を表現しきれていないのが残念(原作ファンによる補足付)

はじめに断っておくとこの作品は本格ミステリではありません
そのように書くと「本格的ではない子供騙し」
というような勘違いされる方が出てきそうですが
「本格」ミステリというのは黎明期のミステリのもつ
推理パズル的な要素を前面に押し出した作品のことです
そもそも「本格」という表現で幅を利かせているのは日本だけで
海外では「パズラー」あるいは「フーダニット」という
ミステリのジャンルの一つ程度でしかありません

ミステリの歴史として犯人あてゲームのフーダニットから
トリックの妙にフォーカスをあてたハウダニット
動機や背景に力をいれた社会派のワイダニットと流行が移っていき
最近「新本格」のように原点回帰した作品が評価されたりもしていますが
もはやミステリに疎い方がイメージするミステリ(=「本格」ミステリ)は
ミステリのジャンルの一つに過ぎないということをご理解ください
そしてはじめに述べたようにこれは「本格」ミステリではありません

また、アリスが部屋から動くことなく事件を推理することから
安楽椅子探偵ものと評されることもありますが
これもやや語弊があると思います
安楽椅子探偵はもともと前述の「本格」ミステリにおいて
ドラマ性などを廃し謎解き部分に特化させるための手法です
たしかにアリスが現代版安楽椅子探偵なのは間違いないでしょう
謎が解ければ事件が解決するのが「本格」ミステリですが
現実世界じゃこれっぽっちも謎なんてなくても
簡単に解決しない事件が山ほどあるわけです
この作品はそんな事件の解決のために奔走するナルミとニートたちの物語であり
安易に安楽椅子探偵ものという括りに入れてしまうのは乱暴すぎます

ついでにもう一つ誤解を解いておくと
ニートのもとになった英国におけるNEETの本来の意味は
Not in Education, Employment or Training
教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者というもの
それが捻くれて日本で変な意味で定着しているものですから
日本人がニートと呼んでいるものの大半は
年齢的に、本来NEETではないというのは確かです
そしてその定義を言葉通りにとれば
専業主婦や病気療養者、個人事業主なんかも立派にNEETです
そういう意味でニート探偵というものに何ら矛盾はありません
それでも年齢的に上限か下限を振り切っている作中のニートたちは
本来の意味でNEETを名乗る資格がないので
作中のニートの定義がおかしいと言われると
擁護しきれない部分は確かにありますね
ちなみに原作者の肩書きも「小説家・ニート」です

原作者杉井光は2005年に第12回電撃小説大賞において
デビュー作「火目の巫女」が「狼と香辛料」と並んで銀賞を受賞
その後トントン拍子に2008年のアニメ化までこぎつけた「わっち」とは対照的に
陰鬱で救いのないストーリー展開のデビュー作の続刊をぽつぽつ出すのみ
デビュー作以外でははじめての作品となる
2007年の初めに刊行された神メモ一巻も
間違ってもアニメ化の話が舞い込んでくるような内容ではありませんでした
しかし、その後の神メモ続刊や別シリーズで無駄に暗いだけの作風から脱却
シリアスからコメディまで書けるマルチな作家として
各社から引っ張りだこになりました

その原作者の談によると
アリスのキャラはもともとニートのおっさんだったそうです
それが担当との打ち合わせで読者層を考えて幼女に変わったわけですね
そしてそこに岸田メルが絵をつけた

この作品がアニメ化された最大の理由はおそらく
岸田メルがイラストを担当していたから
アニメやゲームで岸田メルがちょうどブレイク中なので
ブームに乗っかってのアニメ化を考えたのでしょう
だからアニメスタッフはメル絵の女の子を動かすことにしか興味がなかったわけです
原作ではアリスと同程度には活躍している男性陣
そこそこ優遇されていた四代目はともかく
テツ、ヒロ、少佐はそれぞれが主役を張っている3、6、7巻がアニメ化されず
ほかのエピソードでも活躍をいろいろ削られてしまっています
逆に彩夏の出番は原作のエピソードの順番をいじってまで増やしています
男性陣をもっと魅力的に描くことができれば
原作のファンに評価してもらえただけでなく
別の層にも人気が出たと思うのですが・・・
なんにせよ強引に改変した代償は大きく
物語のあちこちにひずみが現れています
ハテナ?とおもったら下記の補足を参考にしてみてください

1話補足
{netabare}
オリジナル回です
原作者が案を出していたようなのですが
ほとんどボツになったとかで
アニメが終盤に差し掛かったところで発売された
8巻に近いエピソードが収録されています

まず、最初に補足しておかなくてはならないのは平坂組について

一巻ヒロとナルミの会話から抜粋
「平坂組って知ってる?」
「暴走族でしたっけ?」
「違う違う。走ってないよ。ただこのへんの喧嘩っ早いのとか騒ぐのが好きな子供が大勢集まってやくざ気取ってるチーム。四代目はそれの頭なんだ」
「四代目の頭だから四代目って呼ばれてたんですね」
「いや、平坂組は初代だよ。あいつが作ったの。あいつ以外にあんな連中全員締められる奴いないよ」
「え、じゃぁなんで四代目なんですか?」
「それはね、関西の方に実家があって、逃げてきたらしいんだけど、そっちの四代目なんだってさ。そっちは本職のヤのつくお仕事」
しかしこれはただの噂話で誤情報
ヤクザではなく商家の四代目だったと
後になって本人の口から明かされます

つまり平坂組は渋谷にたむろしている不良組織の最大派閥で
四代目はそこの頭目というわけですね
アニメだけ見て本職のヤクザだと勘違いしている人がいそう
というか、確実に居ますよね・・・

そんな四代目が1巻でアリスのもとに依頼に来た際
部外者で高校生のナルミを追い出そうとするのを
アリスがそれはボクの助手であると口からでまかせを言って妨害します
そしてそのあとアニメ最終話の事件に巻き込まれたときに
ナルミは真実を知るためアリスに依頼し
その対価として正式にアリスの助手になりました

どちらのエピソードもアニメでは最後まで語られずに
視聴者ほったらかして進んでいきましたが
オリジナルにするならばその一話目の中に
必ず入れておかなければいけない部分だったとおもいます
{/netabare}
2話補足
{netabare}
「メ」の後に微妙な伸ばす音が続き、「オ」は奥に引っ込むような「ウ」に近い付属音で、日本語にはない響きだった。(原作より)
アニメ化されるので生の発音が聴けると期待してたんですが
普通に日本語っぽくメオって発音してるだけじゃないですか!
こういう活字では伝えきれない部分にこだわってこそのアニメだと思うのに

ストーリーも端折って意味わかんないところがありますね
原作ではナルミが地道に探偵しています
メオの住んでいたハローパレスに聞き込みに行って
張り込んでいたヤクザに追いかけられることに
さらに草壁の目撃情報をもとに張り込み開始
二日目にして草壁を発見し尾行潜伏場所を突き止める
そしてそこで草壁の電話を盗み聞きする
しかしそこに先ほどのヤクザが現れ・・・
そんな紆余曲折を経て出てきた推論が
「メオを置いて一人で逃げようとしている」
だったはずなのですが
アニメ版の働かないナルミはなんの裏付けもなく
思いつきだけでメオを傷つける心無い発言
あれじゃナルミはただのイタイ子ですね・・・
{/netabare}
3話補足
{netabare}
まずは兄弟杯について
四代目は一巻でナルミに借りを作ったので
困ったことがあったら助けてやるとナルミに言っています
そのためナルミはメオを匿って欲しいと頼みますが
助けるのは身内とそのダチまで、ヤクザともめてまでメオを助ける義理はない
とにべもなく断られます
そのために杯を交わして身内になってしまおうというのがナルミの作戦
ただし、高校生では親子杯は受けられないので兄弟杯という話になった訳です
ですが1巻の事件もない上に、今回の事件でも全く自分で働いていないナルミを
四代目が認める理由がどこにも無い以上
あの状態では兄弟杯なんて受けてもらえる訳がありません

ハローコーポについて
ハローコーポレーションは人材派遣会社という表向きの看板で
実際はアジアからの出稼ぎ女性に風俗業を高給で斡旋し
給料の海外送金の際に上乗せした分の給料を回収するという
マネーロンダリングのための組織です
草壁はそのマネージャーとして女性たちと
ハローパレスという社宅に住んでいました
しかし、その資金洗浄能力は億単位の金を処理できるほど高くなく
資金はだぶついていくばかり
草壁は資金洗浄が上手くいっていないのが露見し
ハローパレスの女性たちが行き場を失うのを防ぐため
2億を自分が着服した事にして事態の発覚を先延ばしにして
逃亡しながらも別の資金洗浄の方法を探るものの
そこから足がついてヤクザに捕まったというわけです

ラストは草壁を取り返して終わりでしたが
あれでは何も解決していません
ヤクザを襲撃して武力で解決!めでたしめでたし。
なんて、そんないい加減な話通るわけがないでしょう
お金だって結局草壁の講座に振り込んで戻しただけですし
お金を持ち出した経緯に付いても触れていませんから
草壁は一時的にやくざの手から逃げただけ
つまり草壁が逃げ出した作品冒頭の状態に戻っただけで
事件は何一つ解決していないのです
これでは草壁親娘(と出番のなかったハローパレスの女性たち)のお先は真っ暗ですね

原作では実際に草壁に振り込んだのは一千万だけで
アリスの指示した様々な名義の講座へ細かく分散して振り込まれています
それらはアリスがネットで拾い上げた岸和田会の講座
つまり草壁にできなかったマネーロンダリングそのものを
アリスが強引な方法でやってのけた訳ですね
「岸和田会も今頃は横領の真実を知っただろう。だからといって、草壁昌也が背負わされたものは消えない。美河がやったことの落とし前は、彼と会社がつけなきゃいけない。それがやくざの世界の絶対だ。それに、洗浄能力がもはや限界であることも変わりはない。ごくわずか、崩壊までの猶予が伸びただけだ。」
原作ではそんなアリスの科白で事件は締めくくられます

とまぁ真面目な話はここまで
3話で一番納得がいかないのは置き手紙ですね
2巻の冒頭でラーメンはなまるの暖簾が読めず
「ごめんなさい漢字あんまり読めないんです」
漢字は使ってないと告げると
「じゃぁこれはなんて読むんですか」
とナルトの絵を指さす
それはただのナルトの絵だと伝えると
「これでナルトって読むんですか。日本語って難しい」
そんなメオが漢字使った置き手紙なんてできるわけがないじゃないか!
{/netabare}
4話補足
{netabare}
4話は5巻の4話入りの短篇集の中から取られています
そのため今回はカットらしいカットがありません
つまり4分の1巻で30分がちょうどいい消化ペース
逆に言うとほかの話は4話使うべきボリュームを
2話で強引に終わらせているわけですね・・・

補足が必要な部分はほとんどありません
あえて言うなら話の一部は6巻への伏線になっていますが
それは6巻が発行される前に5巻を読んでもわからないわけですから
ここで補足を入れる必要はないでしょう
気になる方は小説版をどうぞ
{/netabare}
5~6話補足
{netabare}
5~8話は原作4巻を4話使って展開しています
無理のないペース配分なのでかなり原作に近い物語になっています
私が一番好きなエピソードもこの4巻なのでこれは嬉しいですね

しかしながら割と重要な人物が一人ざっくりやられています
ナルミを褒めていたデザイナーの女性「美嘉さん」
彼女にワカギ手芸店のヨシキさんを紹介して
バンドのTシャツを発注するシーンがカットされ
路地裏で偽平坂組に襲われたときも
原作では彩夏ではなく彼女が一緒でした
っていうか仕事になんで彩夏連れてくんだよ!
アニメはテツが助けに入るタイミングが早く彩夏は無事でしたが
原作では美嘉さんは一晩入院させられることになります

錬次とチンピラのときもそうですが
流血沙汰の描写がスパっと抜かれていたり
かなりおとなしくなっているのは
公共の電波に乗せる以上仕方ないのでしょうね

仕方ないと言えばもう一つ
カピバラの人形に文句をつけるアリスのシーンですが
原作で彼女が否定していたのは「カピバラさん」です
そのままでは到底使いようもないネタなのは分かりますが
変に歪めるならこういうところこそカットすればいいのに
{/netabare}
7~8話補足
{netabare}
毎回描写が足りなかった話ばかりでしたが
なんと今回は逆なのです
あえて描写しないでおいた部分が
アニメではうまく表現できなかったのですね

今回の主要キャラの一人ヒソン(喜善)は
事件の際にヨシキ(善喜)と名を変え
手切れ金で手芸店を構えたわけですが
ヒソン=ヨシキを匂わせる描写が露骨すぎて台無し
いや・・・そこでお腹を抑える描写はやりすぎだろう

そしてもう一つは終盤の神明裁判
すなわち「タイマンで勝ったほうが正しい」
という錬次が作った組の掟
その最中の錬次と四代目の会話です
アニメはどれが誰の人影かわかる中での殴り合いでしたが
原作ではもっと暗い中ナルミには二人の判別がつかない中での殴り合い
そしてどちらがどちらのセリフかも明示されずに
二人の会話が展開されていきます
勝ったのは関西弁の男、つまりは平坂錬次・・・ではなく
このとき二人はお互いの大切なもの(言葉)を返した状態で
勝ったのは関西弁を話している四代目でした
「お互いの大切なもの(言葉)を交換した」という伏線を
ある種の叙述トリックとして使ったのですね
小説を読んだ時はこのクライマックスの演出に唸らされましたが
まぁアニメで再現するのはちょっと難しかったですね

しかし一方ではいつもどおり足りていない描写もあります
まずは錬次の動機
アニメ版では単純に4代目への怨恨のようでしたが
原作では元々バンドのプロデュースは
柳原会の息のかかった芸能ゴロが請け負っていたものを
ロクに仕事をしなかったことにバンドのリーダーがキレて
柳原会に睨まれながらでも動ける平坂組のところにまわってきました
表立って平坂組とことを構えるのを避けた柳原会は
東京を離れている間に借金で首が回らなくなっていた錬次に目を付け
その債権を手に入れて、飴と鞭を使って錬次を平坂組にけしかけました
そのため、組を潰せなかった錬次は柳原会への負債が残ったままなので
東京にいることができなくなり高飛びすることになりました

また、風俗嬢だったヒソンに関して調べる際に
情報収集のためその道のプロのもとを訪ねています
アジア人女性が勤める水商売の店の元締め
そう、メオの父親である草壁昌也です
草壁昌也に会いに行ったハローパレスで
2話でカットされた風俗嬢の依林(イーリン)が
ヒソンと親しかったことが分かり
その口からヒソンの彼氏は後藤田組組長だと知らされます
このへんのくだりはまとめてカット
2話がアレじゃ仕方ないかなぁ
{/netabare}
9話の補足?
{netabare}
予想通りひどい出来でした

まずはパワレボの選手データに関しての解説から一部抜粋
「どうやらネットに蓄積された何らかのデータをいじくって生成しているらしい。」
「たとえばセナとかプロストとかシューマッハとか入れるとすさまじい俊足選手になる。」
「もちろん野球選手の名前を入れれば、それらしいデータが出てくる。」
「桑田がボールを投げる前にボールに向かってぶつぶつ言ったり、清原がデッドボールを喰らいまくったりするといった細かい癖まで反映されているのも評判を呼んだ」
今回の話で一番大きな伏線ですがえらくいい加減な処理のされ方でしたね

そして今回の話のメインキャラの西村さん
「おどおどした感じの眼鏡のお兄さん」(おい!眼鏡どこいったw)
店のオーナーの息子であり病気で入院中の父親にゲーセンの経営を任されています
「店の前を通るたびにガキどもの野球の知ったかを耳にするのは腹たつ」
というネモさんの最初の要求は「パワレボ」の撤去でしたが、
「パワレボ」を撤去したら店を続ける意味がないとそれを拒んだ西村さん
今回の250%(アニメ版は25%)の賃上げ要求には
何もできずオロオロするばかりでした。
野球で決着をつけると勝手に約束してしまった少佐が
バッティングセンターでゲーセン仲間を対象に入団テストを始めるも
ゲーセン浸りの連中は100km/hの球にキリキリ舞い
しかし、そこに現れた西村さんは140 km/hの球を軽々と打ち込んでいきます
実は彼もかつてはエースピッチャーとして都大会準決勝まで行った元高校球児だったのです
そして「やくざなんかと関わらないでいつもどおり遊んでいってほしい」とお客を解散させ
「やくざと揉めても大丈夫なメンバーだけを集めて欲しい」と少佐に頼むのでした
こうして甲子園勝利投手のネモさんと都大会準優勝の西村さん
二人の元高校球児による投手戦が展開されることに・・・はなりませんでした

「試合は正午からやけど会場は11時からとってあるから11時集合や。ちっとは球場で練習したいやろ」
そんなネモさんの計らいにメンバーたちは11時に到着するも西村さんの姿が見えません
そして西村さんから父の病院に向かっていると連絡が入ります
野球の試合と並行して契約書にハンコを押せと病院までやくざが押しかけていたのでした
試合開始までには戻ると言って電話を切る西村さん
しかし「この場所、昼の1時までしか借りてへんのや。さっさと始めんと時間内に終わらんで」と
12時開始のはずの試合は11時に始まってしまいます
急遽ピッチャーに抜擢される4代目とライトに入る彩夏
ナルミは西村さんを連れ戻すため自転車で疾走することに

病室に駆け込んだナルミの前にはベッドに横たわる老人と4人のヤクザ
そして反対側の椅子に座ってナルミの登場に驚く西村さん
もう試合が始まっていることを告げるとベッドの老人が口を開きます
「……ほんとに野球なんかで決めようとしてたのか。馬鹿かおめえは。あんな店、もうめんどくせえだけじゃねえか。放り出せっつってんだろ」
「親父、頼むよ。やらせてくれよ。俺、あの店続けたいんだよ」
「負けたらどうすんだ、一文ももらえず放りされたら踏んだり蹴ったりじゃねえか」
「親父!頼むよ、負けっぱなしは嫌なんだよ!野球で勝負なんだ、俺それ以外なんの取り柄もないんだ、親父も知ってんだろ。野球だけなんだよ!ど真ん中に絶好球が来たのにバットも振らずに見逃せってのかよ!」
やくざたちが引き剥がそうとする中で、必死に食い下がろうとする西村さん
「負けたらはっ倒すぞォッ」
その熱意が伝わり親父さんは契約書をビリビリに引き裂いてしまいます

二人が戻ると8回裏3-2で負けている中での1アウト1塁
彩夏がバッターボックスに入ろうとしているところに代打西村
そしてそれに呼応しての投手交代ピッチャー根本貴一です
しかしネモさんの剛球に西村さんもミンさんもあえなく三振に切って取られます
続く9回表は西村さんが緩急をつけた地味なピッチングながらきっちりと3人で抑えるものの
9回裏2番バッターから始まる好打順も2番3番と簡単に打ち取られてしまいます
4番の岩男がデッドボールで出塁するも退院明けで8回を投げ抜いてきた5番の4代目は限界
全員の視線がナルミに集まる中、ネモさんの剛速球に腰が引け縮こまって動けないナルミ
そこにアリスが一声
「審判、選手交代!代打、ぼくだ」
慌てて止めようとするナルミ
「なんだい、まさかきみが打席に立つとでも?今の君の萎えた心じゃ十中八九、三振でおしまいだ引っ込んでいたまえ。監督命令は絶対だ!」
そして、なんの冗談だ?と訝しむタコ坊主に
「冗談でもなんでもないよ。ぼくはプレイングマネージャーだ。きみは関西生まれの野球人だったのだから、当然ながら初代ミスタータイガース藤村富美男のこともよく知っているだろう。『代打わし』の恐怖に震えるがいい」
たとえ四球で1,2塁としても逆転は難しい場面が
アリスの機転、振り逃げ偽装で2、3塁と一打逆転のチャンスに
しかしそのまま正規の6番(=電柱)にまわせば敬遠されて満塁策で打ち取られる可能性が高いところ
「封殺の起きない絶好機でタコ坊主が勝負してくれるとしたら、このチームで誰よりも雑魚の僕しかいない」
自分を奮い立たせて打席に立つナルミ
諦めて歩かせる選択を取られないようにとフルカウントを避け
ボール球にも必死に喰い付きファールで望みを繋いでいく
それが実ったのは9球目、セットポジションのネモさんがチラリと2塁のメオを見たのです
「2塁にランナーを背負って決め球のフォークを投げるとき、握りを見られていないか一瞬確認する」
それこそがネモさん、そしてゲームの中の根本貴一が持っている癖でした

こうして辛くも勝利を収めたニート達でしたが
今回の助っ人たちには少佐がお金を払って仕事として依頼していました
そのため少佐が立て替えた分を西村さんに請求することに
ただしそれはお金ではなく現物支給
野球の面白さに目覚めたニートたちのため
西村さんには報酬がわりにコーチをしてもらうことになりました
めでたしめでたし

・・・というわけで、今回の話は
ネモさんの、西村さんの、そしてニートたちの
三者三様の野球への愛がこの話の根底にあるわけで
それを通じて見える著者の野球愛は
端々に散りばめられたプロ野球ネタからも一目瞭然
江夏の二十一球をもじった題名からもはっきり読み取れるでしょう
きっとアニメのスタッフは皆、野球に興味がなかったのでしょうね
まさかこの話から野球バカが一人削られているとは思ってもみませんでした
{/netabare}
10~12話補足
{netabare}
ほとんど補足する必要ありませんでした
ちょいちょい削ってあったり順番いじってありますが
重要な部分はほぼ原作1巻そのままですね
テツと四代目の神明裁判とか削られてたのはまぁ予想通り
アリス以外のニートは相変わらず冷遇されてます

ドラッグの売人つかまえるために
高校生がドラッグをキメるお話

どうも文壇やら芸能界やらは
良い作品を生み出すための必要悪として
薬物に関して寛容な傾向がありますが
ジュニア向けのレーベルで
主人公の高校生がトリップしちゃうのを
まるでそれが最善の選択肢であるかのように描く
というのはいくらなんでもどうなんだ?
と思っていたのですが
アニメの大トリにもってくるくらいのイイ話
というのがアニメ製作者たちの評価なんでしょうか?

アニメ全体としては
原作は良かったけどアニメは・・・
という部分が多かったですが
この話に関しては原作もアニメも問題外
というのが私の評価です

投稿 : 2025/02/01
♥ : 52
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

依存度鬼MAX。

※割と批判的内容が含まれています。

元々探偵が登場する物語が好きというのもあるし、キャラデザも比較的タイプ。あと、ニート×探偵という設定にも興味をそそられ視聴しました。

1番の興味はニート×探偵という設定をどう生かしてくるんだろ?っていう部分だったんだけど、何というか‥あまり設定が生かされているとは思えなかった。
もしかしたら自分が思い描くニートっぽさの基準が「N.H.Kにようこそ!」の主人公佐藤だから‥のせいな気がしないでもないけど、ニートならではの弱点を描いてもよかったんじゃないかと思う。

中心的存在のアリスはほぼ引きこもりでネット依存度MAXで、もっと言えばぬいぐるみ依存度鬼MAXではあるけど、そのアリスを含む主要人物は概ねコミュニケーション能力に問題があるわけでもなく、実家に寄生してるというような描写も特にない。ニートニート言ってる割にそこまでニート感がない。
なんなら自立してる感さえ漂ってる。
せいぜい自称ニートくらいの感じで、見始めるきっかけになった設定なだけになんとも肩すかしな気分になっってしまった。

結論を言うと、
君ら、ニート探偵っていうより分業探偵なんじゃね?
です。

分業、あるいは仲間探偵と言ってもいいと思うけど、

指揮、戦略、推理=アリス(NEET探偵事務所を運営している探偵‥ではなくニート探偵)

行動=鳴海(高校生兼助手?)

力、物量作戦=四代目(平坂組、NEET探偵事務所と協力関係?)外注。

その他=ヒロ(情報)、テツ(力)、少佐(諜報(有能))

といった、それぞれの特化した部分でそれぞれの足りない部分を補い合って依頼の核心に迫っていくという探偵チームだったと思う。

分業探偵!
仲間探偵♪♪

…いくら「!」や「♪」を付けてみたところでキーワードとしては「なにこれ?」なんで、こんなワードにすれば良かったのに‥などとは微塵も思わないけど、自分の印象としてはこっちの方がしっくりくる。

そしてもう1つ気になる部分がある。
それは仲間としての密度。
全部がそうだとは言わないけどあっさりと信頼関係が成立し、仲間化し、協力し合ってしまう。
そういう印象を受けてしまう部分が少なくない。

依頼に関すること、つまり物語の本線は概ねシリアスに、整合性のある話として描かれていると思うけど、各人の動機の足並みが揃ってないように見えてしまう。
むしろ金銭的動機で協力するんであれば別に気にするようなことでもないんだけど、仲間として協力するんであれば仲間としての描写を十分描く必要があるんではないかと思うのです。

主要人物3人はある程度関係性が描かれているんだけど、実質的な実働部隊のヒロ、テツ、少佐の動機や背景があまりに薄い。
アリスや4代目とはそれなりの時間を過ごしてきたというベースがあるだろうからそこまでは気にならないけど、新しく入ってきた主人公の鳴海との間の友情?みたいな関係にどうしても薄っぺらいものを感じてしまう。
そのせいもあって、ちょっとお遊び探偵ごっこに見えてしまう。
主役級の3人を取り巻く人達のガヤっぽい扱いがちょっともったいなかったかなと思う。
あと鳴海と4代目の関係にも「ん?」ってところがある。

そういう部分もあって前半で断念しそうだったんだけど、後半の錬次の回、彩夏の回は楽しめたので完走してよかったかなと思ってます。

それに、主人公の鳴海がなかなか行動的で、成長もみえて失敗もする。ところどころやたら高い能力を覗かせる。
振り回されることもあれば、引っ張ることもある。
なかなかいい主人公だったと思う。

このアニメは、1件の依頼で1つのストーリー。という構成になっています。アニメでは4つの依頼+ちょっとした話が描かれています。
その中でも最後の話は格別見応えがありました。
この話に関しては1話目の些細なシーンで暗示してる部分もあるので、例えば最終話を見るときに1話目も見れる状態だったら、より楽しめるかもしれません。

最後にアリスという生き物。
たぶん何歳か不明だったと思うけど彼女はなにげに興味深く核心をつく言葉を発します。文語調で。
まったく小憎たらしいやつです。

にやけ顔でこの生き物を見ていようものなら、

「もしキミのその締まりのない顔の原因が私に対するツンデレ認識に起因しているというのであれば、キミの"人を観る目の無さ"は絶望的だな。」
とか言われそう。文語調で。

まあ、他人の人生を覗き込む彼女はやっぱり、間違いなく探偵と言えるでしょう。
「神様のメモ帳」とは?というのもこの物語を観る楽しみの1つだと思うけど、もう1つ、そんな言葉を発する「アリスのメモ帳」も覗いてみたくなります。

因みに‥このレビューのタイトルが、ほぼ内容を表していないことを訂正せずお詫びいたします。(*´ω`*)


※以下はある解決の為に鳴海がとった行為と仲間の対応に関する話(ネタバレ)を少々。


{netabare}ある調査が行き詰まり、どうしても解決したい大切な理由がある鳴海は違法(脱法?)な選択をするわけだけど、正直その気持ちは解る。
ただ、それは自分が鳴海の立場だったらという話で、周りの仲間の立場だったとしたら話が180度変わってくる。
いくら鳴海が覚悟を決めてそういう選択をし、止めても言うことを聞かなかったとしても、周りは彼の覚悟を知った上で止めるべきだったんじゃないかと思う。
少なくともあっさり"他に方法がないなら仕方ない"というレベルの行為ではないし、アリスに全ての判断を預ける事柄ではなかったと思う。

実は自分、あるドラマで同じようなシチュエーションを見たことがあって、その話では、父親が娘の薬物依存を断ち切らせるために、いろいろやってみた末の最終手段として、あえて自ら薬物依存になり娘と同じ苦しみを味わい、娘と同じ状況から共に立ち直っていこうという壮絶な話だった。
誉められたら話ではないが、この父親は社会的にも家族の長としてもいろいろ失うものが多いという厳しい現実を考え抜いた末の決断だった。実際いくつかのものを失った。
それに比べて鳴海の覚悟の場合、感情的な勢い任せの覚悟にみえる。強い覚悟なのは伝わってくるがリスクより成果に目を向けすぎている。
高校生なので成果に囚われがちなのは当然といえば当然。それなら周りが助言して欲しい。それもないとすれば(みんな若いといえば若いので‥)こういう題材故のリスクを十分描いてもらいたい。
感動的な話だったけど、ほぼ無傷で成果を得るには、方法が間違いすぎている。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「I.W.G.P」5:「GOSICK」4:「シュタゲ」1=「NEET探偵」

【レビューNo.90】(初回登録:2023/10/14)
ラノベ原作で2011年作品。全12話。
夏アニメの後始末やら、今期分の立ち上げやらが終わったので、古いアニメの
掘り起しに戻りたいなと。
この辺はアニメに目覚めた頃に「タイトルが当たりっぽい」でガンガン過去の
アニメを観てたなあっと。
そして後に図書館に原作が置いてあるのを知り、感動してそちらにも趣味の輪
を広げていったとw

(ストーリー)
主人公藤島鳴海は、度重なる転校のせいでクラスメイトと距離を置く学生生活
が身についてしまっていた。しかし今度転校した東京の高校では、篠崎彩夏と
いう少女が積極的に話しかけてきて、彼女の強引な勧誘で園芸部を掛け持ちす
ることになる。(彼自身は部員のいないパソコン部に所属)
そんな鳴海の歓迎会として、彩夏はバイト先の「はなまるラーメン」に彼を連
れていく。
そこには2階に事務所を構え「NEET探偵」を自称するロリ系美少女のアリスと、
その探偵員のニート達がたむろしていたのだ。
できるだけ距離を置こうとした鳴海であったが、その思いと裏腹になし崩し的
に彼女たちの活動に巻き込まれていく。

(評 価)
・当時のラノベ全盛の息吹を感じる作品
 レビュータイトルの
 「I.W.G.P」5:「GOSICK」4:「シュタゲ」1=「NEET探偵」ですが
 ・「I.W.G.P」(池袋ウエストゲートパーク)
  原作者が大きな影響を受けたと公言しており、本作のような若者たちのド
  ライな絆を描くスタイリッシュな都市型ミステリーを目指し、題材も麻薬
  やギャングといったアングラ的なものを扱っています。
 ・「GOSICK」
  ・天才的な頭脳を持つロリ系美少女探偵のヒロイン
  ・そんな彼女に振り回される、平凡で特徴がない助手役・主人公
  このコンビは、本作を彷彿させますね。
 ・「シュタゲ」
  そんな彼女の最大の武器は、コンピュータネットワークからの情報収集で、
  そのために高いハッキング技術を有し、そして「大のドクペ好き」という
  これもどこかでみた設定ですねw

 そんな感じで「NEET探偵:アリス」が自らの情報収集と探偵員のニート達の
 「足」も活用しながら、「安楽椅子探偵」スタイルで事件解決や隠された真
 実を紐解いていくという、ミステリーをベースにした作品になります。
 ラノベ市場はここ10年で半減、「なろう系」の台頭もあり現状アニメ原作も
 こちらが席巻している感がありますが、本作は当時のラノベ全盛の息吹を感
 させる作風なのかなという印象ですね。

・ミステリー要素は面白い
 ・ミステリーといってもトリックを暴いて犯人捜しをするといった類でなく、
  「いなくなってしまった者の失われた言葉を代弁して明らかにし、そこに
   埋もれていた思いを汲み、事件の対する観点を変えていく」
  感じで「死者の代弁者」というのが、アリスの「探偵としての矜持」にな
  っているようです。
  彼女が推理を語るシーンは
  ・「死者の代弁者」を覚悟して、凛として真実を語る意志の強さの表れ
   (ロリキャラとのギャップも上手く映える)
  ・推理自体もよく考えられていて面白い
  個人的には、この作品の一番の見どころかなっと。
 ・そしてこの作品のもうひとつの見どころは、主人公・鳴海の大胆な突破作
  戦ですね。
  普段はナヨっとしてる鳴海ですが、ここ一番で魅せる突飛な発想や口八丁
  でかます大胆なブラフは、仲間から「詐欺師」と評される程。
  これでどうにか「主人公属性」を保っているって感じですねw

・尺的に厳しくいろいろと惜しい
 ・でも全体的にはストーリーを追うのに手いっぱいという感じで、いろいろ
  と掘り下げ不足という感じは否めないですね。
 ・人物も推理を語る以外のアリスは、ツンデレキャラもイマイチ魅力的に見
  えないし、「NEET探偵員」のテツ、ヒロ、少佐も原作では掘り下げ回があ
  るのですが、アニメではカットなので、ストーリーを進めるための駒要員
  っぽい扱いのため作品に深みが出ないって感じです。
 ・そういった描写が雑な中で、原作の名言を結構ぶっ込んでくるのですが、
  これも真意がしっかり伝わらず、上滑りしてる感がもったいない。
  なので「NEET探偵」という設定もイマイチ活きていない感が・・・
 ・よく言えば重いテーマ等を扱っている割に、ライトにサクサク観れる部分
  はあるのですが、ここのレビューでも「浅い、軽い、薄い」という評価さ
  れているのもやむを得ないのかなっとか感じる部分はありますね。
  原作も良くも悪くも「ザ・ラノベ」ってところがあり、更に1クールで収め
  るためにそこからいろいろと削られているので、仕上がりとしてはやはり
  薄味感は否めないですかね。

有体にいってしまえば「販促アニメ」レベルかなっというところはあるのです
が、ストーリー重視で視聴する分には、それなりにまとまった作品だと思いま
すし、「死者の代弁者」としての「探偵アリス」は十分魅力的かと思うので、
個人的には結構好きな作品ではあります。
アニメ版のラストもいい終わり方だったと思いますし。
原作もそこまでよくできた作品ともいえないので、そういう意味でもアニメ制
作陣は健闘している部類では。
(「櫻子さん」でも感じたことですが、ミステリーが主軸だとそちらにかなり
 尺がとられるので、他の要素も魅力的に魅せるのは、1クールで制作するには
 かなりハードルが高いのかなという印象ですね。)

OP「カワルミライ/ChouCho」もテクノが入ったアップチューンな感じが
「チョコ選」等2010年台前半を感じさせてくれるのがツボですね。

(追 記)
・本当に面白いのはアニメ化以降
 原作も一番面白いのは最終巻で、アリス(本名:紫苑寺有子)の「紫苑寺家」
 を巡る物語で、「アリス出生の秘密」や「IT技術の師匠:従兄弟との攻防」、
 そして物語の終わりもかなりいいんですよね。まあアニメ放送時は未発表だ
 ったんでどうにもならなかったんですが。その辺も惜しいところですね。
 あと「神様のメモ帳」という言葉もアニメでは2回程出てきますが、本当に
 回収されるのはラストなので、本作ではちょっと意味が分からないだろうし。
 そういう意味では2クールのリメイクで見直してみたい作品ではありますね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

84.8 6 ハッキングアニメランキング6位
PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2440)
13728人が棚に入れました
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──

人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO-PASS (サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。

犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。

「犯罪係数」が正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。

システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、藤原啓治、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき、浅野真澄、井上麻里奈、木村良平
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新生公安一係

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。
本作は1期から一年半後からのスタート。


今期のストーリー物の本命はコレ。
秋のラインナップを見る限り、他に奥深さを持つ対抗作品も無さそう…かな。
音楽も相変わらず良いし非常に楽しみな超期待作。

あれから一年半の歳月が過ぎ、朱は狡噛イズムを継承し更に成長しているようです。
凛然とし観察力&プロファイル力もUP。デコポン撃った後はかなり決まってました。
シビュラ頼りではなく自分で考えて行動する逞しさも持ち、今や公安のエースです。

王陵事件で親友を殺され涙した霜月ちゃんも立派な社会人。
あの後、色々と決意しここに至っている事が伺えます。
「先輩は間違っている!」
彼女なりの経験から導き出された正義が朱とぶつかっていきそうです。

他にも「訳」と「一癖」をもってそうな二人の新たな執行官が加わった
公安一係の活躍が楽しみです。


注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
「表」の事件は朱の判断もあり犯人確保で決着。
さり気なくドミネータの3形態を紹介していたり、
執行官を一係では人として扱い、二係では駒として扱い対比させたりして
導入としては上手い見せ方でした。
冒頭がクスリのCMでしたから今期は薬絡みなのかな?というのも予感させます。

そして成長した朱の裏の裏を突く新たな知能犯、鹿矛囲桐斗の登場で
物語に深みある期待感が漂っています。
どうやら数値以外も完全コピーするヘルメットの強化版の様なものを持っている様子。
うーん、強敵要素満載ですね。
公安一係との戦いを予想を交えながら観て行きたいと思います。
{/netabare}

【予想】メッセージ「VVC?」の第一印象{netabare}
パッと見てトイレ?とか思ったけどね。(笑)
反転や鏡面で見ても何も無さそうです。
最後の「私という色を問う私自身の戦い」
と言う台詞通り、色に関係してそうなんですけどね。
何色にも染まる白色「WhiteColor?」なのか、
WはどうもVが重なったような書き方なので「ViVid Color?」
お前の原色は何だ?と言う問いになってるとか、そういう感じかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
捜査を進める公安だが次第に深まる謎や違和感。
朧気に共犯者の影にも気付く朱達はホロに隠れた透明人間を見つけられるのか…?

しかし今回のトリックはヘルメット以上の難物ですね。
鹿矛囲はどうやって喜汰沢に近づきどうやって色相を戻したのか?
ホロコーティングで人やカメラの目を騙してよしんば侵入できたとしても
他人の色相変える能力は何だろう?催眠術くらいじゃ無理だろうし…。
またシビュラが欲しがりそうな人材ですね。

喜汰沢は折角前回助かったのに…いや助けてもらったのに結局エリミネーターの餌食。
鹿矛囲は必死に喜汰沢を逃がそうとして叶わず朱を恨んでたみたいだけど
逆恨みじゃん。
お前が余計な手を出さなきゃ少なくとも生きてたし
時間かかっても回復に向かっただろうに…。

今の所、鹿矛囲なりの正義の形が見えないのでこんな感想になってますが
1話の事件起こした時から既に色々あるんでしょうね。
彼の目的が見えてくればガラリと様相が変わりそうなので期待しています。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
悪魔の証明=『全く無い』事を証明するのは非常に困難の意。
朱たちは手掛かりを求め奔走するが未だ不明のまま鹿矛囲の存在だけが大きくなる。

鹿矛囲のマッドぶりが怖い。酒々井さんも可哀想に…。
青柳さんも含め今期序盤は二係にとっては試練ですね。
そのうち一係にも降ってきそうですが。

一期で逃亡した執行官は撃たれてたんですね。
公安の内情も知っているし、もう少し深く関わるかと予想してたんですが
意外とあっさり退場の様です。

雑賀さんは隠遁生活かと思ってたら変人施設に収容されてました。
でも意外と快適そうですが。
地味ですけど知的な言葉のやり取りは面白かっです。
自身への問いを敢えて投げかけ確かめている感じのする朱も
彼女らしくて聞き応えあるシーンでした。

鹿矛囲の目的が未だ判らず不気味さがじわじわと広がりを見せていて興味深い展開です。


予想の方は細かなヒントはあるもののまだ範囲が広く
『鹿矛囲は実は居ない(人じゃない)説』、『東金と繋がってる説』
等々、ぐるぐる巡っています。
『鹿矛囲=逃亡執行官説』もあったんですけど今回で可能性低くなりましたかね。
「WC?」=WhatColor?にも更に深い意味が隠されていそうな気もします。
もう少し整理がつき、絞れたらここにも書こうかなと思いますが
予断を許さぬ展開で隙がないんですよね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
「監視官をドミネーターで裁けるのか?」を意図とした鹿矛囲の実験が成功。
まるで犯罪計数養成ゲージと成ったメンタルケア施設での結末は見るも無惨。

前半のドローンどうのこうのってのは中に酒々井さん入れて運んだって事かな?
別の用途もあるのかな?

直接描かれてはいないけど青柳さんと会話していた薬剤師くんが鹿矛囲のホロでしょう。
青柳さんが撃たれるのをしっかりとその目で確認した鹿矛囲の思うがままの事件。
何れは朱や公安、その先のシビュラにも牙が向きそうです。

でも、シビュラの意志(ドミネーターの判断)を無視してまで
市民を守り正義を執行しようとした青柳さんの刑事魂は天晴れでした。
結果として何一つ叶わなかったのが哀れで悔し過ぎますが…。
シビュラの判断のままその市民にまで引き金を引いた三係の執行と対照的で
どちらが正義なのか印象に残る事件でした。

その構図は一係の朱と霜月にも投影されていて、
何れはコチラも交錯しそうな匂いが強くなってきました。
霜月の銃口の向く先にも注目しないといけなくなりそうです。

1話の冒頭が『ラクーゼ』という薬のCMだったので今期は薬が絡むなとは思いましたが、
『Uストレス欠乏症』と言うのが物語の底にある様です。
自分の色を抑えてまでシビュラの社会に合わせる必要があるのか?
1期と似たような命題が突きつけられています。

※小メモ:鹿矛囲ホロの区別は雛河クンor水場近くでのノイズ
{/netabare}

※5話感想{netabare}
またしても鹿矛囲による公安を狙った罠が仕掛けられ
朱達が埠頭に集まった時、無人の軍事ドローンが暴走を始める。

雑賀さんがいつの間にやら分析官に召集されていました。
優秀で向いていそうなので活躍して行きそう。
おじさん不足だったし好きなキャラでもあるので結構嬉しい人事。

若さ故もあるんだろうけど霜月さんは相変わらずとんがっていて痛い。
禾生さんの「あれは食われるな」には即同意してしまいました。
近々やらかすでしょうね…。
1期からの流れを見ると買える所もあったはずなんだけど
一人空回りしてどんどん株が下がってしまってます。
公安への志望動機も王稜事件の後、正義に目覚めたんじゃないかと想像してたけど
六合塚さんへの憧れの方が強いのかも。

鹿矛囲の方はどうやらシビュラと昔関わりがあった模様。
正確にはシビュラの内の一人との関わりかな?
今回禾生さんに降りてきた人物とは旧知の仲な雰囲気でした。
個人的に引っかかっているのは
【予想】{netabare}ホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の飛行機事故。{/netabare}
ここで関わったんじゃないかと思っています。
埠頭にあった皮膚や臓器、手足も気になります。
ホロだけでなく人を作ろうとでもしてたのかな?
増田議員は作品なのかな?謎が深まります。

そして東金さん…朱の事を良く見てるな…とは思ったけどここまでとは。
犯罪係数レコードホルダーだっただけの事はありますねやはり普通じゃない。
写真は東金少年と祖母? 
赤ペンチェックしてたけど朱と目元口元とか似てるのかな? 
こちらの謎も深まります。

祖母といえば気がかりはのが朱の祖母。
朱の色相を濁らすのに利用され巻き込まれやしないかハラハラしています。
まぁ次回は朱本人がピンチなのですけどね。
{/netabare}

5話時点で色々と【予想】{netabare}
3話感想で少し触れましたが、
ここまでで私の中で出ている説や疑問を書き留めると共に簡単に紹介しておきます。

『鹿矛囲はいない(人じゃ無い)説』
鹿矛囲自体がホロや機械人形で犯人は別の所にいるのではないか?
という疑念があったのですが、涙や血の描写も出てきたので
少なくとも「中の人」はいる模様。
酒々井さんの眼を奪ったり埠頭に生体標本があったりするので
色々な人間のパーツの継ぎ接ぎで構成された者なのかも。

『鹿矛囲=逃亡執行官説』
公安の内情に明るいですし1期で逃亡した執行官が犯人なのかと疑いましたが、
3話で撃たれた事が判明し可能性は低くなりました。
青柳さんも鹿矛囲とグルって事は無さそうですし、
情をかけて引き金を引かずに逃がしたとなれば色相濁るのでそれも無さそうです。
あるとすれば青柳さんや検死、シビュラの目を完全に欺いたという事になるけど
ハードル高すぎる。

『鹿矛囲は東金と繋がってる説』
元セラピスト、親族が薬品会社経営、過去最高の犯罪係数と怪しさの三拍子が揃い、
5話では朱のストーカーなのも判明。
鹿矛囲の協力者や寧ろこちらが本当の黒幕の可能性もあります。
4話まではこの線が一番怪しく思えていました…が、
5話があからさまだっので直感的にはミスリードっぽく見えていて、
東金の本意は朱を守ろうとしている様に思えて来ています。
祖母か狡噛の絡みで『朱と繋がってる説』が生まれつつあります。
ただ「朔夜」という名前ですし月と太陽が表裏一体…つまりは二重人格で
裏の顔が鹿矛囲と繋がっている可能性はあると思います。

『飛行機事故怨恨説』
最初の事件のホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の事故が絡んでいる説。
鹿矛囲は事故の生き残り(顔の傷はその事故のものかも)または遺族で
飛行機を落とした犯人が今のシビュラを担う一人になっているとか、
乗客の中にシビュラのめぼしい人物がいて飛行機を落として手に入れようとして巻き込まれ
それに対して復讐しようとしている。
鹿矛囲が作るホロの元は全員乗客だった者かも。
怨恨ではなくとも
この事故が鹿矛囲、東金、シビュラの接点や引き金、起点の様なものになってはいそうです。

『名前から予想』
1期も「常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない」
「槙島(maximum:最大の)『聖護』」等、名前遊びがあった様に思うのでその観点から。
「鹿矛囲」にはシビュラの目をかい潜る神の衣、
「朔夜」には光と闇の二面性の意があるような気がしていますが他にも
今回、鹿矛囲の周りで目に付くのが『水』に関わる名前。
監視官の酒々井水絵やホロ元の染水、爆弾魔の喜汰沢も。
増田議員は無理あるけど「水増」や「水田」でなんとなく連想…。(笑)
今後、二係の蓮池クンや一係では雛河クンが鹿矛囲に関係してくるやも!?
『WC?』もWater Cleanup(水を浄化)みたいな意味もかかっているのかも。
公園にも増田の講演会場にも噴水があり、
メンタルケア施設にも池があり、下水道も埠頭も水場なんですよね。
強引な気はするけど無色透明なこの『水』をちょっと気にかけています。

『鹿矛囲複数説』
「鹿矛囲とは個人名ではなく神の衣(カムイ)を纏った者達の総称」なのでは?という考え。
鹿矛囲とは飛行機事故の被害者や遺族達が作った組織で有能な者が知識を共有する集団。
シビュラシステムに対して言うならカムイシステム。
シビュラの実行隊長が禾生さんならカムイは桐斗。セラピストや東金もカムイの一員。
ホロや生体移植、ハッキング、心理療法等を駆使してシビュラに対抗しようとしている。

今の所考えつくのはこんな感じかな。
まだ色々な可能性があってコレだ!っていう太い線は掴めてないです。
ちょいちょい掠っているとは思うんですが…。
何れにしても東金がどちらに転ぶかによって風景が大きく変わりそうです。
後は六合塚の親友リナやレジスタンスの動向が絡む余地があるのかな?って事と
朧気ながら朱がもう一人出て来そうな気がしてるんですけどね。
6話以降もどうなるのか楽しみつつまた何かあれば予想していこうと思います。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
三係に大きな犠牲を出しつつもチームワークと朱の活躍で生き残った一係。
鹿矛囲との対面を果たすが捕らえられず、未だ主導権は鹿矛囲に。

また死者が出るだろうな…と思っていましたが案の定。
三係はほぼ全滅。(パラライザで撃たれた奴は生きてる?)
前回に続き無能過ぎて流石に何しに出てきてんだよ!っと言いたくなります。
まがりなりにもシビュラ判定くぐってきた筈なんですけどね。
サブキャラが屑だと物語が安っぽくなってしまいます。

一係は須郷も含めそれぞれ活躍。特に朱のアクションヒロインぶりはスゴかった。
暗黒面が見えてきた東金と
雛河クンの「おねえちゃん」発言はちょっと引っかかりますけどまぁ無事で何より。
あ、言うまでもなく霜月ちゃんは安定の無能ぶりでした。
嫌いじゃないキャラだけど流石に良い所なさ過ぎ…
みんなに当てられて覚醒する気配も今の所無いし不憫な子。

しかしながらどれもこれも鹿矛囲の想定内。
エリアストレスも折り込み済みとは恐れ入ります。
みたらし(見たら死)ラーメンはキツイ皮肉でニヤッとしてしまいました。
甘じょっぱそうですが美味しいんでしょうか?
眼は移植してた様ですし、眼帯が似合う水絵ちゃんも完全に支配下。
躊躇無く元部下を抹殺して清々しい気分になるとはね…。
『WC?』にはWorldCreate=世界の創造って意味もあるのかな。
着々とドミネータを我が物としシビュラへの一撃を企てている様で次回も気になります。
(奪われたドミネータはOFFに出来ないの?って疑問はあるのですけどね。)
{/netabare}

鹿矛囲をドミネータが認識しない理由【予想】{netabare}
①『居ない者説』
鹿矛囲は飛行機事故で死亡扱いになった人物の可能性があり、
実際は命を取り留めましたが記録上では居ない(データに無い)事になっている。

②『ツギハギ説』
酒々井の眼だけでなく多くの者(Uストレス患者含む)の部位を繋ぎ合わせているので
「個人」として認識できない。

他にもハッキングや機械人形とか禾生さんの様な複数の人物の器だとか考えられたけど
どれも穴があって没りました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
鹿矛囲の存在が確定しその正体に迫っていく一係。

朱のおばあちゃん登場…似てて可愛い。
ドローン暴走の報には流石の朱もやや取り乱し、大切な存在なのが伝わります。
『朱←→葵』補色の関係にもあるし色相を黒くするのに関係しそうでやはり気がかりです。
今期はキャラの扱い乱暴だけどおばあちゃんに関しては人質程度で死なないで欲しいな。

事件はやはり飛行機事故と大きく関わってきました。
シビュラも噛んでいそうですし、
東金も元執行官と判り15年前に犯罪計数跳ね上がった事とも関係していそう。
諸々の予想もなかなか良い所突いていて考察の甲斐が出てきて楽しめています。
ドミネータを集めた鹿矛囲の次の行動にも注目が集まります。
{/netabare}

[番外~2期の不満を少々]{netabare}
楽しみながらも1期に比べちゃうと色々と雑で安っぽく不満な所もある2期。
ここらで不満も纏めておきます。期待の裏返しでもありますが…。

・殺戮のインフレ
殺戮や暴力は衝撃的だけど要所要所で決めて欲しい。
折角1話では民間人を巻き込まない犯行だったのに段々と無差別に。
一歩譲ってストレスケア施設は仕方なかったとしても港は完全に無意味な民間人殺戮。
鹿矛囲の訴えの正当性も弱まってしまわないか?

・霜月ちゃん貶めすぎ
1期では学生ながら勘の良さと正義感を持ち、
そして軽率な言動で友達を失った後悔もある中で意を決して監視官の道を歩み始めた彼女。
良い返事&活きた眼をしていた彼女がこんな残念なキャラになるとは
信じられないし信じたくない。
そりゃ鼻っ柱は強かったけど良い娘だったんだよ!?
既に時遅しなんだけどそれでも覚醒して欲しいキャラです。

・二係、三係無能すぎ(青柳以外)
監視官も執行官もシビュラ判定で適正がないと成れない筈なんですが心身共に脆弱すぎる。
安物のアクション映画みたいになるので大概にして欲しい。
散るなら散るで気骨が見えないと意味がない。
1期はサブキャラも含め有能な者同士の凌ぎ合いでハラハラさせ
作品を高尚なものに引き上げてたのですけどね…。

・多くの臓器移植はサイコパス移植に等しい?
シビュラ判定は思考とその傾向から判定してる…つまり脳を見ているので
他の臓器は関係ない筈なんだけどね。
泉宮寺も全身機械に変わってたけど数値はちゃんと反映されていたし。
移植は一応自分でも予想してたけど、この辺の事は引っかかってて腑に落ちなかった点。
もう一押し説得力ある描写が欲しいです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
ついに鹿矛囲の透明人間化の謎に到達、そしてシビュラと東金の関係も…。

鹿矛囲のツギハギには注目してたけど
まさか脳7人分、体をを184人分とは恐れ入りました。
医療の進歩と言っても生きているのが不思議で怖い。
でも多脳移植以外では辻褄合わないなと思っていたのでその点はまぁ納得。
それにしても増田達の替え玉が密入国した者ってのは、もの凄い裏技。
でも宜野座の言う通りなぜなんだろう?
鹿矛囲に心酔する要素が無いし日本語も堪能ではない筈なのに…。
脳の部位を用途に合わせて組み合わせて移植しているのかな?

5話で禾生さんに降臨したのが東金ママでしたか。
老けてるから祖母とか言っちゃってましたが…。
これで一気に繋がって来ました。
交通分野で成果を上げていたパノプティコンに取って代わる為に
シビュラが干渉し飛行機の墜落も巻き起こしていたのでしょうね。

霜月ちゃんは今回、彼女なりにいい仕事してたんですがね。
脳移植技術はシビュラの種の一つですから…パンドラの箱開けちゃいましたね。
次回は彼女が墜落してしまう様です…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
シビュラの秘密を受け入れた霜月。
霜月をも取り込んだシビュラとその申し子東金は
朱を黒く染めようと動き出す、鹿矛囲を葬るために。
一方、鹿矛囲は「地獄の季節」を黙認した役人達を粛正し、いよいよ対決の時が近づく。

東金は完全に暗黒化。出自の謎も大分明らかになってきました。
東金ママとは血縁関係では無い感じかな?生みの親なのは確かですが…。

そして、やはり気がかりだったおばあちゃんが…。
無事…とは言え無くなってしまいましたが解放を願ってやまない気持ちです。
親友を目の前で殺されても色相が変わらなかった朱が
この件で変わるのか疑問もありますが興味も高まってきました。
今回の拉致、東金が鹿矛囲側に情報リークして起こさせたと思いましたが
「朱を試したい」東金と桑島の共謀の様です。
鹿矛囲と桑島では朱に対する考えが違うようですが
桑島と通して間接的には東金も鹿矛囲と繋がりがある事が判り、もう一波乱ありそうです。

霜月ちゃん、色相が濁るかと思ったけど
良いのか悪いのか全てを受け入れ抵抗せず流されてしまいました。
シビュラの元で育った世代ですからね、ゆとりならぬシビュラ世代と言うことでしょうか。
ここまで自分の意志・自我を捨てられたら大した者かも。
感情的で尖った性格の割には…っと、オカシくも感じましたが
全てに於いてシビュラ絶対主義者なら言いなりもありえるのかな。
(1期の彼女の印象とは違ってきていますが…)
それでも朱のおばあちゃんを助けられる可能性があるとすれば彼女なので
覚醒を期待してしまいます。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
東金の魔の手により黒く染まり掛かる朱だったが
彼女の経験や信念、心で息吹く狡噛の存在により回避。
思考を巡らせ辿り着いた結論へ向かい歩み出す。

懸念だったおばあちゃんが…ううっ。
何かのトリックであって欲しいけどそれは無理な様子。
2期の殺伐とした雰囲気の中、ここだけはホッとした展開になって欲しかったんだけどな…。

そんな状況でも自分を保ち己で考え動く朱がカッコ良く
悟りを開いた全能感すら感じてしまいます。もう狡噛さん越えてる!?
全てを見通し独りでシビュラに問いかける存在にまで成長するとは!
…まぁ、やりすぎな気もするけどね。

朱、鹿矛囲、東金と三つ巴の状況で気になる佳境へ向かっています。
あぁ霜月ちゃんが蚊帳の外すぎる。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
いよいよ審判の時。
シュビラは集合体である鹿矛囲、そして己自身の存在を認識する事となる。

自分自身が消える事も含め鹿矛囲の計画通りという感じの幕引き。
184人の生きた証・生き様を感じる事もできましたが、
無駄な血が多く流れ過ぎていて大義が薄く同情は出来ないです。
「地獄の季節」の役人の粛正と公安の数名の犠牲は仕方ないとしても
一般人をターゲットにした殺戮は過剰。
これだけの計画遂行能力があるなら被害を少なくする事も出来た筈。
人の命を大切にする努力の跡や描写があれば彼の死にも感動でき
余韻に浸れた気がするだけに勿体無く思います。
殺戮の衝撃を入れたいあまり、人の心の琴線に触れるのを放棄してしまった様です。
感激より刺激を優先したツケが最後に回ってきたという所でしょうか。

また、鹿矛囲が東金美沙子を撃った所も少し違和感がありました。
ココで引き金を引けたのはシビュラ自身が「集合的サイコパス」を認めたからで
東金美沙子個人を裁いた訳ではない(個人は免罪体質者)のだけど、
「これがお前の色か、東金美沙子」など台詞や言動が個人を裁いた様に見えました。

東金に関しては自身も暗黒に染まり
知的で有能な部下から愚直なマザコン殺人鬼への墜ちぶりが衝撃と共に描けていたと思います。
憎たらしさ満点で許しがたい存在という役割を十二分に果たしていました。

朱は後半から特にスーパーウーマンぶりに拍車が掛かり過ぎていて
(考えて行動できる)人間代表というキャラの位置を飛び越え全能なる審判者の様に。
最終話でも全てお見通しで体術でも東金を圧倒(2話でその体術に朱自身が驚いた相手)
狡噛が居ない分、全てを背負わされてしまっておかしな事に。
アクションなら宜野座や六合塚、知識なら唐之杜や雑賀など一係のメンバーで
負担し合うべきだったと思います。
朱だけが打って投げて守って大活躍で他メンバーが外野で見せ場も無いのでは不満も残ります。
(唯一雑賀はキャッチャーしてましたが)
一期では素晴らしかったチームワークが薄れていたのは残念です。

(考えない人間代表の)霜月さんへの不満の詳細は既出なので省略しますが
一期には確かにあった意志や個性が見る影もなく…
彼女はシビュラに流されて公安を選んだ訳ではなく、己の意志でこの道を選んだ筈なのに。
最後にフラグめいたものも立ち【予想】{netabare}いずれは大好きな六合塚さんに殺されそう{/netabare}な気がします。

邪魔者が全て消え、後腐れのない終わりでしたので改めて3期を楽しみにしようと思います。
{/netabare}

【総評】
内容的なものは毎話感想に書いてしまったので割愛。
鹿矛囲の正体を中心に予想を絡め1クールで観られるサスペンスとしては楽しめましたが、
サイコパスのファンである自分としては不満も残る内容でした。

映像作品に関しては「2」は「1」を越えないのは宿命なのでしょうけど
もう少しやれた様に思いますし、
前作のキャラを過分にイジってしまうと(朱は昇華させ過ぎ、霜月貶め過ぎ)
前作にもキズが付くのでもう少し初期設定を大切にして欲しかったです。
まぁ、過剰に期待しなければ楽しめる出来ではありますが
サイコパスが好きなら期待してしまいますよね…。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 59

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

BD『劇場版 サイコパス』初週で2万3千枚以上のセールス! 初登場オリコン総合BDランキングでの気になる順位は……

人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描く人気アニメーション作品『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ。

7月15日(水)に『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』Blu-ray&DVDが発売となり、7月27日付のオリコン総合Blu-rayランキングにて、Blu-ray Premium Editionが初登場1位を記録!

さらに、Blu-ray Standard Editionは総合Blu-rayランキングにて9位にランクイン! DVD Premium Editionは総合DVDランキングにて3位! また、DVD Standard Editionは10位と、それぞれがチャートの上位にランクインしました。

総合1位となったBlu-ray Premium Editionは、初週で23,000枚以上のセールスを突破し、大ヒットを記録。現在も好調な売上げを記録しています。

『PSYCHO-PASS サイコパス』は、『踊る大捜査線』シリーズを生み出した本広克行氏(総監督)が新たに挑む警察ドラマであり、『魔法少女まどか☆マギカ』を手掛けた虚淵玄氏(ニトロプラス)が緻密且つ大胆に書き上げたディストピアSF作品。TVシリーズ放送終了後も、劇場版の公開をはじめ、様々な展開を発表しています。

【アニメキャラの魅力】シビュラ的「理想的市民」!?新人監視官「霜月美佳」の魅力とは?
ノイタミナ枠で2期まで放送された『PSYCHO-PASS サイコパス』。「シビュラシステム」という統治機能に支配された近未来の日本を舞台に、支配下の平穏と精神の自由の拮抗が描かれたSFアニメです。この世界ではシビュラシステムによって人間の精神が「サイコパス」という数値として測定され、犯罪係数の基準値を超えると有無をいわさず「潜在犯」として逮捕、もしくは殺害されることで治安が維持されています。シビュラシステムの導入により警察と裁判システムがなくなったこの世界で、犯罪捜査から潜在犯に対する対処までを担うのが、シビュラシステムとリンクした銃「ドミネーター」を持つ監視官と、監視官の下で「犬」として働く潜在犯である執行官です。

今回ご紹介する「霜月美佳」は、主人公「常守朱」が所属する厚生省公安局刑事課一係に配属された新人監視官です。

■「六合塚弥生」への憧れ
霜月は本作1期で起こった女子校での「王陵璃華子」による猟奇殺人事件で初登場しました。当時は高校生で、幼なじみの「大久保葦歌」と「川原崎加賀美」を殺害されています。加賀美が殺されたのは、璃華子の危険性に気づいておきながら、加賀美が葦歌のことばかりを気にして自分の事を見てくれないことへの嫉妬から、璃華子を訪れることをすすめたためで、そのことに後悔の念を抱いた霜月は、事件の捜査に来ていた執行官の「六合塚弥生」に慰められ、その胸で泣いています。

その後公安局に配属された霜月は、他の執行官には尊大な態度を取りながらも、弥生だけは“さん付け”で呼び、プライベートでは仕事の相談をしたり弱音を吐いたり。弥生に対しては顔を赤らめるなど仄かな想いを抱きながらも、実は弥生が分析官の「唐之杜志恩」の恋人であることには気づいていない様子です。

■朱と鏡合わせのキャラクター
サイコパスはその状態が「色相」として表わされます。サイコパスの数値が正常であるほど色相はクリアになります。そして霜月は、自分の色相がクリアであることに異常な執着を持っています。

もともと高校生のころから、学校で「よくないこと」が起こっていることに気づきながらも「近づくと危ない」からと、事なかれ主義の性質がありました。それが監視官になってからは顕著になり、職務に対してはマニュアル通りであることを良しとし、色相が濁らないように“自分に責任がかかること”を極力避けています。

これは、自らの色相が濁ることなど気にせず、「狡噛慎也」の薫陶を受け事件の表層よりもその背後に隠れる真実を探ろうとする朱とは正反対で、そのためか後輩でありながら常に反抗的な態度をとります。

また、法は遵守すべきとしながらも、法はあくまで人間のためにあるべきであるという朱とは逆に、霜月は法に対して思考停止した盲従を見せます。潜在犯を毛嫌いし、同僚といえども潜在犯である執行官は監視官の盾になるべきと思っており、潜在犯であろうと極力命を守ろうとする朱の行動を理解しようとしません。

■理想的市民
シビュラシステムの正体は、「免罪体質者」と呼ばれる人間の脳の集合体で、将来的には市民にその正体を明かし、それでも市民がそれを了解した上で統制を享受する社会を実現しようとしています。それを知った朱は、治安を維持するためにシビュラの存在を容認しながらも、いずれシビュラを必要としない道を人間が見つけ出せるという希望を示し、シビュラには服従せず、利用するというスタンスをとっていました。

しかし、シビュラの正体を知らされた霜月はそのシステムを褒め称え、一切を忘れると宣言。その姿はシビュラをして「理想的市民」と言わしめました。そのような霜月の姿は、矛盾に気づきながらも目をそらし、他者を蔑むことで自らを高いところへ置こうとする現代日本人への皮肉のようでもありました。

シリーズを通して朱は主人公らしく人類の英知に期待を持っていますが、それはシビュラの言うように楽観的過ぎるともいえます。一方「霜月美佳」は、視聴者からのヘイトを集めるキャラではあっても、実際の大衆はシビュラが目論む通り、その支配に盲従してしまう事でしょう。理想に対する現実を見せる役割を持たされた「霜月美佳」。見方によっては“貧乏くじをひいたキャラ”といえるかもしれません・・・。せめて「弥生」が別の女性と恋人関係にある事を知り、彼女の色相が濁ることがありませんように・・・。

【アニメキャラの魅力】公安局の前に立ちはだかる最悪の犯罪者「槙島聖護」の魅力とは?
近未来の日本が舞台。「シビュラシステム」の導入により、人間のあらゆる心理状態や性格を数値化し、その値を「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と表現するようになりました。

厚生省管轄の警察組織「公安局刑事課」の監視官である「常守朱」や執行官である「狡噛慎也」を中心に、犯罪者との戦いや「監視官」と「執行官」の立場の違い、「シビュラシステム」のあり方に焦点をあてて物語は進んでいきますが、物語第1シーズンでは陰で暗躍する「槙島聖護」が物語の中心人物の1人となります。

■表、犯罪者として公安局に対峙する
年齢や過去、経歴等のデータは作品中において、謎に包まれています。「人間は自らの意志で選択・行動するからこそ価値があり、魂を輝かせることが出来る」という思想のもと、シビュラシステムの存在に疑問を投げかけており、数多くの事件の首謀者として陰で暗躍。公安局刑事課の前に立ちはだかるのです。

序盤は、槙島自身が手を下すことはあまりありませんが、話が進むにつれ徐々に槙島自身が直接事件にかかわるようになります。朱と同じく、サイコパスが悪化しにくいという特性から、シビュラシステムにより潜在犯として判定されず、朱や狡噛を苦戦させます。公安局の執行官である狡噛に興味を持っており、物語の中盤ではシビュラシステムの正体を自身の目で確かめるよりも、狡噛との戦いを優先したりも。

身長180cm、体重65kgで、身体能力は非常に高く、1対1の格闘戦では狡噛を戦闘不能に追い込んだほどの腕の持ち主。とはいえ、朱に不意をつかれるあたり、詰めが甘いところもあるようです。

あらゆる作品の「悪役」と違い、本作品では公安局の執行官が犯罪者に手を下すシーンも数多くあることや、シビュラシステムの正体から、槙島の存在自体もかなり主人公に近い位置にいるといえるでしょう。

■裏、意外にもオシャレに気を遣う?日常の姿
多くの他作品の悪役と違い、物語当初から槙島の登場するシーンは多く描かれています。槙島は読書家で、作品中で主流の電子書籍ではなく、紙の本を好んでいます。読む本のジャンルは純文学、ミステリー、戯曲、SF、怪奇小説、哲学書、政治書、ノンフィクション、聖典など多岐に渡り、また、犯罪協力者との語らいのひと時など、穏やかな日常(?)も描かれています。登場する度に服装が変わるあたり、オシャレにも気を配っていると思われます。

「槙島聖護」の存在なくして『PSYCHO-PASS サイコパス』は語れません。

【アニメキャラの魅力】公安局刑事課の新鋭!監視官「常守朱」の魅力とは?
近未来(2112年からスタート)の日本が舞台。「シビュラシステム」の導入により、人間のあらゆる心理状態や性格を数値化し、その値を『PSYCHO-PASS(サイコパス)』と表現するようになります。これがこの作品のタイトルにそのままなっており、厚生省管轄の警察組織「公安局刑事課」の監視官であるである「常守朱」を中心に、犯罪者との戦いや「監視官」と「執行官」の立場の違い、「シビュラシステム」のあり方に焦点をあてて物語は進んでいきます。

■監視官「常守朱」とはどのような人物?
2092年4月1日生まれの女性で、作品初期では20歳。血液型はA型で、身長163cmのスレンダー体型でショートボブのボーイッシュな女の子です。ちなみに千葉県出身。

公安局刑事課一係に所属し、物語開始時に刑事課に配属されたばかりの新任監視官。性格は「不器用だが天真爛漫で正義感が強い」と評され、作中でもこの性格がうまく表現されています。物語が進んでも独身・・・。今日も公安局は大忙しです。

■朱の監視官としての「顔」
学生時代、職業適性診断において、あらゆる官公庁の職業にトップレベルの適性を示しており、非常に優秀な成績です。その中で、同期生の中ではただ一人公安局監視官としての適性があると診断されたことから、監視官の職業を選択することになります。

正直、あらゆる選択肢から「楽ができる」方向へ流れていくのが人としての常であるように思えますが、朱があえて公安局という苦難の道を選択したのは、それだけ自分の中に強い信念があるから。朱の魅力はこの信念に基づいているといえます。

監視官という職業は、実際に犯罪者に手を下す「執行官」を監視する立場であり、常に犯罪に直面するストレスから、サイコパスの状態が悪くなると“監視官から執行官へ降格”という処分が下されます。実際、朱も親友が目の前で殺されたり、犯人を捜査するため、そのシーンを追体験することとなり、常人なら執行官への降格するほどサイコパスの状態が悪化するであろう事件を多く体験しながらも、降格のような著しいサイコパスの悪化はありません。作中ではお酒を飲みませんが、途中から喫煙するようになるのは、やはりプレッシャーやストレスがあったからかもしれません。

■朱の女の子としての「顔」
監視官の顔とは相反する、女の子としての顔は作品中ではあまり多くは描かれていません。それでも仲のいい親友である「ゆき」と「佳織」と進路や仕事の事を相談していたり、外出時の服装選びについ時間をかけてしまったりも。外出時の服装は、女の子らしさを追求したかわいらしい服装が多い一方で、家では下着姿でうろつくなど、監視官の時には見られない“生活感”を感じる場面もあり、彼女の女の子らしい魅力が随所に表現されています。

また、とてもおばあちゃんを大切にするおばあちゃん子であり、公安局入りについて両親に相談するなど家族との関係も良好のようです。ネット上では、レモネードキャンディという名前でチャットやネット上の仮想空間に出入りするなど、時代相応の若者「らしさ」が出ており、うまく物語にも生かされています。日常生活では、親友と遜色ない「女の子」の朱。公安局所属の朱を彼女にするなら、それこそ自分の命をかけるくらいの覚悟が必要です。

作品が進むにつれて女の子としての顔よりも監視官としての顔が前面に出て「表情がだんだん無表情になっている」との意見もあります・・・。これからも、彼女の公安局の第一線での活躍を期待したいところですが、一方で文部科学省の役人になった朱の姿を見てみたい気もしますね。

2014年素晴らしかったアニメって何?
■ 新編集版、2期と続いた『サイコパス』に支持集まる
2014年はアニメ本数の多さが話題になった年だった。本数の多さだけでなく、話題作、良作も次々に飛び出した。
そうしたなかで読者の支持を最も集めたのは『PSYCHO-PASSサイコパス』だった。2014年夏の新編集版、秋からの『PSYCHO-PASSサイコパス2』など多様な展開をした作品だが、無表記の票のみでも1位となったため、これらをまとめて『PSYCHO-PASSサイコパス』として集計した。
すでに記事で紹介した「2015年劇場上映アニメの関心度」ランキングでも、 『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』が1位になっている。作品への高い人気が窺える。

決定!2000年代以降のオススメアニメ
日夜放送されているTVアニメ作品。2000年以降に限っても、多くの名作が放送されているが、その中でオススメの作品はどの作品だろうか。教えて!gooにも、「2000年以降でオススメのアニメ作品を3つ挙げると」という質問があった。
「2000年以降の作品(TVアニメ・OVA・劇場版)であなたのオススメ3作品を教えていただきたいです」とのこと。どんな回答が寄せられたのだろうか。

■あなたのオススメ作品は?
回答の中で一番多かったものはなんだろうか。
一番多かったのが、「魔法少女まどか☆マギカ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「日常」の3作品。

魔法少女まどか☆マギカ
新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ×シャフトが描くオリジナル魔法少女物語
「化物語」「ひだまりスケッチ」シリーズなどヒット作を多数手がける新房昭之監督とシャフトがタッグを組んで送る初のオリジナル作品として注目される本作。
脚本をPCゲームメーカー「ニトロプラス」所属のシナリオライターとして、その重厚な作風でファンを魅了し、小説「Fate/Zero」でもその才能を如何なく発揮した虚淵玄、「まんがタイムキララCarat」(芳文社刊)連載中の「ひだまりスケッチ」原作者・蒼樹うめが、初のオリジナルアニメのキャラクター原案を担当する。

大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。
見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目まどかも、そんな日常の中で暮らす一人。
ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。
この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
それは、彼女の運命を変えてしまうような出会い―
それは、新たなる魔法少女物語の始まり―

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
アニプレックス、フジテレビ、A-1 Picturesが手がける完全オリジナルアニメーション企画「ANOHANA PROJECT」として2010年12月に始動した。

幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長といった内容を扱う、ドラマ性を重視した内容が志向されており、物語の展開に従って複雑化していく人間関係なども描かれる。死んだはずの幼馴染であるヒロインが幽霊として主人公の前に現れるというファンタジー的な題材が用いられてはいるが、作中では彼女をアニメ的な幽霊のように描写することは避けられており、生きた人間と変わらず振る舞う姿を描写しながらも、その姿が鏡に映らなかったり、主人公以外の人物たちにその姿が見えていないことを示すことで、彼女が霊的な存在であることを描写している。

「日常」はあらゐけいいち原作のギャグアニメ。NHKでは2012年1月から3月まで放送された。

これらの作品に次いで多かったのが、「psycho pass」「スクライド」「涼宮ハルヒの憂鬱」といった作品。

「psycho pass」は人間の心理状態や性格傾向の計測できるという「シビュラシステム」下の警察組織「公安局」の刑事たちの活躍を描く近未来SFアニメ。これまで第2期まで放送されており、2015年1月には劇場版が公開。「魔法少女まどか☆マギカ」に続いて虚淵玄脚本作品が登場。作品の根強い人気がうかがえる。

「スクライド」は2001年7月から同年12月にかけてテレビ東京系列で放送されたアニメ。日本本土から隔絶され、その後独立自治領として特殊な社会を形成してきたロストグラウンドを舞台に、アルターという特殊能力を持つカズマと対アルター能力者特殊部隊の隊員・龍鳳の友情と戦いを描いた作品。

他には「STEINS;GATE」は5pb.の同名のゲームソフトを原作としたアニメ作品。2011年4月から9月までテレビアニメが放送、2013年には映画化された人気作品。

「犯罪係数」を表示する広告が話題
東京メトロ丸ノ内線新宿駅メトロプロムナードに設置されている、アニメ映画『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(1月9日公開)の広告が話題となっている。

『サイコパス』は、人間の心理状態や性格などを計測する「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本を舞台とした近未来SFアニメ作品だ。この「シビュラシステム」は、犯罪者になる危険度を「犯罪係数」として計測。実際に罪を犯していなくても、犯罪係数が高いと“潜在犯”ということで、特殊拳銃「ドミネーター」による身柄の確保や排除が執行される。

今回、新宿駅に設置された「シビュラシステムゾーン」と名付けられた広告は、ゾーン内にあるディスプレイに通行人の姿が映し出され、その「犯罪係数」が表示されるというもの。高い犯罪係数をマークすると、『サイコパス』に登場する主要キャラの9人の公安局員が出現し、「ドミネーター」を疑似体験できる。

劇場版サイコパス、関智一は英語にカタカナを? 場面写真も大量公開
天野明がキャラクター原案を務めるアニメ「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の完成披露試写会が、本日12月19日に東京・お台場シネマメディアージュにて行われた。

イベントには常守朱役の花澤香菜、宜野座伸元役の野島健児、霜月美佳役の佐倉綾音、六合塚弥生役の伊藤静、雛河翔役の櫻井孝宏、唐之杜志恩役の沢城みゆき、そして塩谷直義監督、本広克行総監督が登壇。ドミネーターの声が、それぞれ演じるキャラクターの犯罪係数とともにキャストの名前を読み上げる。塩谷監督は犯罪係数999、本広総監督は犯罪係数0の免罪体質と紹介されると、会場からは笑いが沸き起こった。

さらにサプライズゲストとして、狡噛慎也役の関智一も登場。花澤が「作中で狡噛さんにやっと会えた!」とうれしさを噛みしめると、関は「大好きだもんね、狡噛のこと」と、朱が狡噛のタバコの煙を吸って思い出していいることに触れ「結構イタイところあるよね!」と冗談を言い、客席の笑いを誘った。

劇場版は海外が舞台であることから、英語を喋るシーンも多い花澤と関。司会の吉田尚記アナウンサーからそのことを問われると、すかさず関は「アーハン?」と返答。しかし関は英語のセリフにカタカナをふってアフレコに臨んでいたことを花澤から暴露されると、少しうろたえる様子を見せる。

また劇場版で宜野座の髪型がポニーテールになっていることを野島が「ポニチカ」と呼ぶと、会場からは拍手と笑いが。さらに野島は宜野座について「遅めに来た反抗期もあったけど、最後のシーンではやっと成長できたんだなと」と、親目線で感慨深げに語った。

なお本日「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の場面カットも大量に解禁。映画は2015年1月9日より、R-15指定で全国公開される。

刑事ドラマの定番も踏まえダークな世界観でひきつける「PSYCHO-PASS サイコパス」の魅力とは!?
「踊る大捜査線」シリーズの本広克行や『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄らトップクリエイターが手掛け、12年10月からフジテレビの“ノイタミナ”枠で放送されるやアニメファンから絶大な支持を受けたSFアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」。1月9日(金)からは待望の映画版『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』が公開となるが、多くのファンを引き付けてやまないその魅力をお教えしよう。

本作の魅力はそのディストピア的なダークな世界観にある。舞台は人間の心理状態や性格的傾向を数値化できるようになったいまから100年後。人々は犯罪者になる危険を表す“犯罪係数”によって管理され、実際に犯罪を起こさずとも潜在犯とみなされた場合は、監視官や執行官と呼ばれる刑事によって社会から排除される。

エリートである監視官に対し、犯罪者を捕まえる執行官は自らが高い犯罪係数を持っていて、犯罪者になる可能性を秘めている。犯罪者に近い心理状態を有するゆえに、一度は不適格者として社会から弾かれたゆえのトラウマを抱えた執行官がいかにして犯罪者と向き合うのか。近未来的な設定ではあるものの、リアリティあふれる描写やしっかりとした人間ドラマが描かれている。

テレビの第1期では、監視官の常守と元エリート監視官で執行官の狡噛との関係が描かれた刑事ドラマにはおなじみのバディものとしての面白さもあり、難解なテーマではありつつも、物語に引き込む分かりやすい導線が敷かれていた。近未来ものになくてはならないガジェットとして登場する、刑事たちがもつ、被疑者に銃口を向けるだけで相手の“犯罪係数”がわかるドミネーターと呼ばれる拳銃も本作ならではユニークなアイテムといえるだろう。

近年、原作ものが多く、物語の全貌を知りながら見ているような作品が多いなか、虚淵玄が手掛けるオリジナル脚本によって紡がれる物語は、まさに一瞬先も読めないようなミステリアスなものとなっており、その知名度もさながら、アニメファンから大きな話題を呼んだ。

第2期のその後を描く劇場版には第1期の後、失踪していた執行官の狡噛が再び登場し、常守らにどのように絡んでくるかにも注目。ある程度の予習は必要だろうが、その世界観にはまり込んでしまえばあっという間。年明けの公開が楽しみになってくるはずだ。

“犯罪係数”が正確に解析できない“免罪体質者”槙島聖護の事件を経て、刑事として成長した常守朱。彼女は、シビュラシステムの真実を知りつつも、システムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。そして、そんな彼女に新たな化物が迫っていた……。

オープニングテーマ
「Enigmatic Feeling」

エンディングテーマ
「Fallen」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 37
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

旧態依然から面目一新となるか!?

(2014.10/22)
まず、OP・ED1期と共に変わらず「凛として時雨」と「EGOIST」なので前作の延長線上として楽しめている感はあります。

OP映像の東金の怪しさと言ったら犯罪係数300オーバーですよ!
だって、公安局局長の後に東金が映りさらには狡噛と半身を共有するなんてねぇ。さらには狡噛と同じタバコの銘柄を嗜んでいるのも怪しさ極まりない。

事件の犯人である喜汰沢旭の名前聞いた時、「東のエデン」の滝沢明に聞こえたのは気のせいwww?

まぁ、新しく監視官と執行官を新たに迎えた朱たちですが、未成年である霜月に関してはシュビラシステム=絶対的なもの、と捉えている為に朱や宜野座たちと馴染めていない様子…
また新任の執行官、東金は前述しましたが雛河は何か東金とは別の危うさがありますね。声優も前作の槙島と同じ櫻井さんですし^^;


1期では社会を運営するsystemの姿を暴いた訳ですが、2期ではその社会に生きながら如何に自分らしさ・自分らしい色をだせるのかがミソになってくる!?


(2014.10/24 3話)
{netabare}犯罪係数を下げる一因となるのは悲しみなどの感情? 
だが、色層が濁っても犯罪者になるし、クリアカラーになっても人間らしい生き方とはかけ離れてしまう(クリア=透明という事はシュビラシステムの言いなりになっているに過ぎない。過度な耐ストレスケアやラクーゼがそうであるように…)

OP曲の「奪われ続けるなら、もう狂ってしまうよ」は、シュビラの傀儡になるのではなく、あくまで自分らしさを提示したように思えます。
また、その歌詞の後の朱の動作がしばらく変わらなかったのも傀儡として生かされるではなく自分の力で動く・生きる事の重要性を示しているのではないかと。{/netabare}


(2014.11/6 4話)
{netabare}OP映像の1~2話まであったFree Whiteの描写が再び戻ってますね。それと、その後に東金が映るのは朱の色相が今後濁っていく事を示唆している!?
また、4話タイトルの「ヨブの救済」はヨブ記が由来なのかな?(wiki参照)
「何も悪い事をしていないのに、苦しまなければならない」まるでシュビラに対する皮肉ですね。

なんか、殴りにいった人質と殴った犯人とのシーンが機械的というかどちらも感情が無い感じに見えたのは、シュビラシステムという社会の中にいる人々は生きている人間ではなく生きている人形なのだという隠喩?

霜月監視官は学識はあるかもしれませんが、仕事のできる人ではなさそう。自分の保身の事を最優先にしている時点で、キャリアって感じ。敢えて朱と対比するような性格なのでこれから何かありそうです。

鹿矛囲の正体は、1期で青柳監視官が執行した逃亡執行官かな?中の人が木村良平さんなのと、もみあげの所にある傷がまるで顔の皮を剥いでくっつけたような感じだったので…って安易すぎるかな?{/netabare}


(2014.11/13 5話)
{netabare}犯罪係数を下げ色相をクリアにする薬物「ラクーゼ」、一方シュビラシステム下での過度なストレスケアの弊害ともいえる「有ストレス欠乏症」。
共に人間が積み上げてきた人格、もしくは意思を奪う結果になったわけですがWCはweak character(意思が弱い)という意味!? 
そこに冒頭で鹿矛囲が言った「人には固有の処方がある。それを無視して、ただ強い薬を飲ませるのは暴力をふるっているのと同じだ」を合わせると!? 
何かの強い意思(シュビラシステム)によって人々は意思を弱くせざる負えなくなり、それを失ってしまったからシュビラを裁くと言った感じでしょうか?
あと鹿矛囲と東金、今回2人とも監視官にドミネーターを向けましたがどうみても東金の方が悪役にしかみえないww

調査先の現場である軍事ドローン施設で朱たちが見た人体の部分パーツと代議士の演説の変化、そこから導き出される結論は…かつての代議士は何らかの理由で殺され今の代議士は元「有ストレス欠乏症」患者かサイボーグ(1期の泉宮寺みたいな感じ)という事ぐらい。

あれ?東金さん実は陰湿なストーカー!?って言うぐらい朱の写真がありましたけど、幼い東金少年と一緒に写っているのは祖母かな。そういえば朱もおばあちゃんっ子だったような…もしかして2人は生き別れた兄弟!?んな訳ないかwww

まぁ、ともあれ犯罪係数が過去最高を記録している東金執行官の新たな一面が今後どういった見せ場を作るのか?また、それに鹿矛囲は絡んでくるのか?{/netabare}


(2014.11/20 6話)
{netabare}一般市民が犯罪を犯している自覚がないまま犯罪行為に加担する様子を鹿矛囲は、どんな表情で見つめているのだろう?
シュビラシステムに生かされている人たちへの憐みの表情か?
それとも、どんな色にでも染まる事ができてしまう人間そのものの力への期待からくる喜びの表情?

また前作の槙島は思想犯、今作の鹿矛囲はクラッキングを中心としている(国防省へのクラッキングやホログラムの偽装など)サイバー犯罪型、どちらも犯人として目星を付けている者の確かな関与が無いと逮捕できない。

さらに前作の槙島は複数の犯罪にも関与していた1期の“黒幕”的存在でした。というか実際に黒幕だったわけですが^^;
だとすると、鹿矛囲の裏で糸を引いている“黒幕”がいる!?いや、監視官の目そのものを奪ってまで行動を起こしているのだから可能性としては低いか。でも毎日、朱の犯罪係数をチェックしている東金なら適任じゃ…
シュビラシステムが記録した中で最高値の犯罪係数をたたき出した東金が、サイコパスをクリアにする事のできる鹿矛囲に手を貸している線もありえそう(東金・鹿矛囲共犯説)

霜月監視官の「濁っちゃえばいいのに」発言!これは、OPにもあった闇堕ち(執行官への降格もしくは、鹿矛囲の共犯となる)予兆!?

鹿矛囲がドミネーターに認識されないという事は、“鹿矛囲”自身が偽装ホロでホログラムを纏った者が居る事も考えられそう。そうなると、ホログラムに詳しい雛河執行官も怪しくなってくるが…{/netabare}


(2014.11/27 7話)
{netabare}“透明人間”鹿矛囲が存在し、シュビラにハッキングまで行った事件は未だ解決には至っていない。にも関わらずシュビラシステムに頼るしか方法はない。そんな中、唐之森と雑賀がシュビラシステムに疑念を抱き始めていた…

シュビラシステムは個人の管理する事で成り立っている。まぁ、槙島は免罪体質なので例外だが^^;
という事は、個人の管理から外れた人、つまりはシュビラシステムの監視下で死んだ人達はシュビラシステムが認識しなくなる(ドミネーターに反応しない)ので、鹿矛囲は偽装ホロか航空機事故で亡くなった子供たちの臓器を自身に移植しつづける事でサイコパスをクリアな状態に保っている“誰か”だろう。

その鹿矛囲だけが15年前の航空機事故でただ一人生き残った。
また、東金執行官が監視官を免職および閲覧履歴が秘匿とされた年は、ちょうど航空機事故が起こった年でもある。
それは、単なる偶然なのか? にしても東金の犯罪係数、769!? 異常なまでの数値だがだからこそ犯罪係数を白くクリアに保てる朱を監視し続けている? 769(“し”ち“ろ”く“く”=白く)なんてねwww


シュビラシステムの槙島と鹿矛囲の扱いの違いにも疑問が残る。槙島は思想犯であるのにシュビラは有能だと判断し生きて捉える事を命じた。しかし、鹿矛囲に対してはシュビラに取り込む訳でもなく殺処分すべきだと言った。その違いの理由こそがシュビラシステムを根幹から覆す“何か”なのだろう。

次回、公安1課にとって鹿矛囲の正体に近づく大きな一歩となるのか!? 楽しみにせずにはいられないです!{/netabare}


(2014.12/4 8話)
{netabare}鹿矛囲の正体は航空機事故で亡くなった184人の子ども達の肉体・臓器を移植された生き残りだった。
「7人の脳を含む184人の肉体と人格的存在」これって、シュビラシステムと似ているような…

また、臓器移植・脳の多体移植によってその人が持っていた記憶や物事の考え方はどうなってしまうんだろう?
鹿矛囲桐斗本人の脳で考えた事と他の6人の脳で考えた事がそれぞれ違うとしたら、“鹿矛囲”は皮肉ながらもシュビラシステムの本体(犯罪者の脳をいくつも用いて判定している)と同じという事になる。

さらに、前回(7話)のレビューでも書きましたが鹿矛囲のサイコパスが測定されない事をシュビラは槙島の時とは違って殺処分とキッパリ言い切った。
槙島の場合は、シュビラが自分達の都合の良い・または良くなる可能性が合ったから(免罪体質という特性をシステムの中に取り込む事で今後同じような事が起こった時に対処し易くする為)。
だが鹿矛囲の場合はシステムに取り込む事が出来ないイレギュラー、1期の何話か忘れましたが局長が「システムは絶対的なものでなくてはならない」みたいな事を言っていたのでその絶対性を示す為かと。

鹿矛囲のもう一つの特異性、サイコパスのクリア化ですが薬剤の調合技術とメンタルケアとしてセラピーにも精通している事。
その点で、執行官落ちした東金もかつてはセラピストだった。ん~、気になる木ぃ~ですけど考えても分からないので保留ww

その東金ですが、先天性特異体質(鹿矛囲のような多体移植者・AA)みたいだがその肉体や精神はシュビラシステム本体達の肉体?だったとしたらサイコパスが最高値の769をたたき出したのも納得ですね、霜月さん。
また、特定人物の入れ替わり(全体的な移植)について不法入国者というキーワードが出てきましたが今冬に公開予定の劇場版の舞台設定が海外なのと関係があるんでしょうか?

霜月監視官が朱と同様にシュビラシステムの事実を知って平気でいられるか?いられないでしょうね、どうみても^^;
そんな彼女は今後どうなっていくのでしょう!?{/netabare}


(2014.12/9 9話)
{netabare}東金朔夜は人工的に造られた免罪体質者だった。それは、鹿矛囲と雑賀の会話のシーンであったシュビラシステムに変わるシステムが頓挫した要因の一つなのか?朔夜はシュビラシステムに取り込まれる目的で生まれてきた存在!?(その頃にパノプティコンに欠陥が相次いだとしたらの話ですが…)
だが、人工的に造られた故に副作用が起こってしまった。それが犯罪係数769という異常なまでの数値に至った?

例えば、通常の免罪体質者を歩行者とすると、人気のない場所で信号待ちをしていた場合それが赤でも渡ってしまう。
人工的な免罪体質者を車に例えると、人のいない交差点での信号待ちはしなければならない。なのに、歩行者の信号無視は罰せられないのに乗り物だと罪になってしまう。
まぁ、東金朔夜はストレスを知らず知らずの内に感じてしまっていたのではないかと。
また、朔夜は朱に鹿矛囲を殺させる事でシュビラシステムの完全性・全能性を示そうとしている。

桑島といい、あの医者といい、鹿矛囲には何らかのカリスマ性があるのか?まぁ。桑島は友情の為って感じでしたけど、あそこまでヤルか普通!?

鹿矛囲と東金、互いの目的は違えど朱が必要なのは変わりはない。ただ、その為に祖母が利用されるのは、あまりにも可哀想だろ…

ついに鹿矛囲がシュビラとの因縁?とも言える決着に向けて本格的に動き出した。
ここで鹿矛囲が拉致した酒々井水絵監視官ですが、10月1日生まれと10月18日生まれだとする説があります。10月1日は法の日・18日は統計の日。
法の日はシュビラシステムと接点ありそう。また18を1+8=9とすると9日は、ウガンダやエクアドルの都市の独立記念日でもある。

以上の理由と鹿矛囲の目的から察するに拉致する監視官を予め決めていた事になる?
それにしても朱のサイコパスが曇らないかが気になります。最後は鹿矛囲と組みサイコパスをクリアにして東金朔夜と、あいまみえる展開になったりして!?{/netabare}


(2014.12/18 10話)
{netabare}今更ですが、2期OPの歌詞は“透明人間”鹿矛囲桐斗の事を唄っていてED歌詞の意味は東金執行官の事だと信じたいですww

禾生局長(今は東金美沙子)が鹿矛囲の事を「地獄の季節の再現だけで満足する程度なら、とっくに処分できているわ。」と言ったのは処分がドミネーターによるものではなく東金朔夜を使った、あくまで執行官が暴走して撲殺しましたという事にするとシュビラシステムの絶対性を誇示できると思っての発言だろう。

その絶対性とは?どんな状況においても平時の状態を維持する事だとするなら、ドローンがハッキングされた時点でそれは失われている。

鹿矛囲の目的は、シュビラシステムに対する報復・革命と言ってもいい。だが、朱はシュビラシステム下で今までよりも良い社会を築く事ができるかをシステム自体に問うた。

その朱の問いをシュビラはどう解くのか解き方次第で、良い最終回だったかどうかが決まる気がします。
また、シュビラシステムによる弊害=有ストレス欠乏症だとするなら鹿矛囲が行ってきたメンタルケア(サイコパスをクリアにする事)も最終的には欠乏症に繋がるんじゃ…
1期の槙島はシュビラシステムの正体を暴いた訳ですが、鹿矛囲はシュビラの存在意義を曝け出させる形になる!?

最後に東金の隠していた経歴が明らかになったとき榊原高校とありましたが、だいぶ前に神戸で起こった事件をモチーフにしているのでしょうかね^^;{/netabare}


(2014.12/28 11話)
「貴様は存在してはならない!!」それはシュビラシステムの総意ではなく、東金自身の母親を清らか(クリア)に保ち続けたいと言う思い。しかし、その言葉を鹿矛囲と同じ“集合体”であるシュビラに言えるのか?
確かに朔夜から見れば母親(美沙子)はクリアかもしれない。けれど鹿矛囲から見た東金美沙子はどうだろう?

所変わって、シュビラの目と自負する東金朔夜に因んで?ではないですが、朱・鹿矛囲・酒々井の瞳の色について調べてみました。
朱→橙色(深い洞察、ショック、依存) 鹿矛囲→紫色(浄化、神秘) 酒々井→水色(意志、慈愛)

まぁ調べたのはいいけれど、これと言って新しい発見はなかったです^^;


シュビラが鹿矛囲を認識した事は大きな一歩と思いたい。だが鹿矛囲も言っていたように“集合体”であるシュビラがドミネーターを向ける人によって色が変わると言う事は、ある人から見ればクリアでも違う人から見るとクリアではないという事。

それって部落差別、いや同和問題と似たようなものなのかも…

所で今回の事件の犯人は鹿矛囲と東金? それとも鹿矛囲の目的(シュビラの執行)の為に朱に目を付けた鹿矛囲が東金を利用した時点で真犯人は、やはり鹿矛囲か。

また、シュビラが集合的サイコパスを認識した“だけ”であって処理・執行すると決めた訳ではない。「全能者のパラドクス」回で朱が述べた「持ち上げられない岩を造り(ry」の事をシュビラは実行したに過ぎない。


さて、シュビラシステムの存在を揺るがしたこの事件を皮切りに劇場版ではどのような変化がシュビラに訪れているのか!?
来年もPSYCHO-PASS(サイコパス)に期待バハリMAXですww

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14

82.3 7 ハッキングアニメランキング7位
残響のテロル(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2162)
11425人が棚に入れました
ある夏の日──突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。

声優・キャラクター
石川界人、斉藤壮馬、種﨑敦美、咲野俊介、潘めぐみ
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テロルチョコ

二人の高校生がテロを起こし女子高生が一人巻き込まれていくお話。


1話目から早速テロを起こしたわけですが
今の所、悲しい過去とトラウマは持っていそうだが
彼等なりの正義が描かれていないので賛同しようもない。
テロという重罪を背負う覚悟や認識があるのかも不明。

新宿という実在の街で犯行し現実味のある雰囲気を作ろうとしているようだが
死傷者の描写が無い。だから衝撃や驚き、恐怖もなかった。
テロを正面から描くなら犠牲者も描くべきだと思う。

もし避難してみんな無事というのであれば余りにもヌルく
ご都合主義で嘘くさく感じてしまうし
女子高生に死か共犯かを迫るシーンも殺す気がないクセに…と説得力を失う。

どちら転んでも甘さが残る納得行かないスタートだった。

爆弾に関しても納得行かない。
ぬいぐるみが燃える描写があったが爆発力は感じなかった。
威力があったとしてぬいぐるみ爆弾を置くだけでは爆発の力が逃げ
コンクリぶち抜けやしないだろうし、ビルを綺麗に崩落させられる訳がない。

ぬいぐるみで火災を起こし人を避難させ
ビルに埋め込まれた爆薬で崩落させたのだとも考えられるが
そうすると女の子に渡したぬいぐるみ爆弾が説明が付かない。
電話で誘導した位置の壁に爆薬が仕掛けてあり誘爆したと解釈するしかないが
その様な描写も見られずやっぱり謎。

あの高さから舗装された地面へ怪我無く飛び降りる女子高生も忍者なのか?
そもそも死か共犯かって脅迫で選択肢じゃ無いじゃん…。
とか他にも色々あって、少々口うるさくなってしまった1話でしたが
作画やキャラ、音楽関連はなかなか良さそうですし
全体的なストーリーは楽しめそうではありますから視聴は続けます。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※2話感想{netabare}
爆弾が納得行かないと言っていたら解決編が来た。
3000℃だから溶ける&水蒸気爆発との事。
いやいや、爆弾自身が3000℃でも
柱内部までその熱を持続して伝えないと溶けないのでは?
とか言いたくなるけどここは深く追求せず、そういう事にしておこう。

新宿テロは軽傷者のみとやはり甘々な決着となった。
六本木のテロもモニターチェックしケガ人出ない様にタイミング計って爆破。
ドレもコレも計算尽くの「安全なテロ」らしい…
大分ご都合主義でツッコミたいけどコレも追求すると
作品自体アホらしくなりそうなので勘弁しておこうと思う。
(ただ現時点で緊張感も削がれている…だって核持っても人殺さないんでしょ?)
…でもオカモチごと置いて行く豪快な出前にはツッコんでいいよね!?

スピンクスの神話は聞いた事ある人も多いと思う。
アニメだと「絶対やれるギリシャ神話」で紹介されているので
気になる人は観てみるといいかも。
しかし、4-2-3と2-4-3間違えて行動しちゃうとは情けない…。

ストーリーとしては「VON」や「柴崎の過去」など、謎めいてきて面白くなってきた。
居場所のない女子高生もいつ爆発してしまうのか? テロの爆破よりも興味が出てきた。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
柴崎さんが一本返した回。

高いレベルの頭脳戦は好みだし楽しめるのでウェルカムなんだけど、
今回のなぞなぞはマニアック過ぎて全く分からなかった。
メガテンやペルソナかじった位の知識じゃ付いていけないらしい。
付いていける方が怖い気もするけども…。
故に柴崎さんはその過去や正義感も含め色々な意味で恐ろしい気がする。

今後の対決は楽しみではあるけど余り極端に神話の知識の比べ合いには
成らないで欲しいかな。
高いレベルの頭脳戦=マニアックな知識では無い訳だし。

今後の展開は…【予想】{netabare}
犯人を追う敏腕刑事が真相を突き止める『逃亡者』パターンに成りそうな感じ。
スピンクスは計算して「理解力のある優秀な刑事」が現れるように仕向けていそうで
いずれは間接的な協力関係に成るのではないでしょうか。
{/netabare}{/netabare}

VONについて【予想】{netabare}
床や爆弾に記されていて天地が判らないのがミソ。
多分、逆さで「NOΛ」=ナンバーラムダなのだろうと考えている。
Λ(ラムダ)はギリシャ文字の第11字なのでイレブンという意味かな?
ともかくΛは施設から逃げる時に亡くなった子(?)を表している様に思う。
今の段階では施設関係者だけに理解できる復讐や警告のメッセージだと解釈している。
{/netabare}

カラスについて【参考】※ネタバレ無し{netabare}
OP、EDでやけにカラスのイメージを押してくるので意味がありそうですよね。
ギリシャ神話でもカラスは登場しますので参考までに軽く触れて置きます。

元々姿は真っ白で美しい声を持ち言葉も話せアポロンの下僕として仕えていました。
アポロンにはコロニスと言う恋人がいましたがなかなか会えない為
このカラスを遣いとして交際していました。
そんなある日、コロニスは人間の男と親しく話をしていました。
それを目撃したカラスが「コロニスが浮気をしている」とアポロンに告げます。
怒ったアポロンはすぐさま弓矢でコロニスの胸を射ってしまいますが
死の直前にコロニスは妊娠していた事を告げ、変わらぬ愛を示しました。
勘違いだと知り後悔するアポロンはカラスを許せず
声を潰し、体を黒く染め喪に服させました。…とさ。

カラス気の毒な気もしますが…。(笑)
この作品ではどんなメッセージが込められているのでしょうか?
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回のなぞなぞは柴崎さんが解き明かすも警察の余計な動きにより防げませんでした。
戦闘で勝っても戦局で負けては意味がなく
スピンクスの掌の上で踊らされてしまいました。

今回爆発したのは警察の内部資料で「VON」と言うメッセージと共に世に拡散しました。
意味する所、計算尽くのスピンクスが本格的に『施設』に対し
宣戦布告したと捉えています。
「父親殺し」「なぞかけ」「寒い国の音楽」「爆弾」「プルトニウム」等々
ヒントも散らばって来ましたし、どう繋がるのか引き続き予想しながら楽しもうと思います。

また行き場の無くなったリサがとうとうスピンクスの元へ。
風を浴びる表現とか窮屈な日常から解放される描写が美しかったです。
スピンクスの綿密なテロ計画の中でイレギュラーな存在の彼女が何をもたらすのか
足引っ張りそうだけど救いにもなりそうで興味津々です。
白から黒へ変わるカラスのイメージは彼女を表しているのかな。
{/netabare}

寒い国の音楽について【予想】{netabare}
演歌だったら笑えるけどね…。
寒い国と聞いて太っちょ刑事さんは国内をイメージしてたけど
個人的には「ロシアや北欧諸国」と言った海外が思い浮かぶ。

神話をモチーフにするなら北欧かな? 
北欧神話で歌と言えば、英雄ジークフリートの死とその妻の復讐劇を描く物語
『ニーベルンゲンの歌』が思いつく。
…ってか他にもあるかも知れないけど知らない。
楽曲ではワーグナーの『ニーベルングの指環』という長い事で有名な
クラッシックオペラがあるので、それを聴いてたんじゃないかな?
イヤホンで聴くようなものでも無いし
ギリシャ神話から離れている時点でもう違う気もするけど、
根底には復讐が絡んでいそうなのでこういう推測にしておく。
無理矢理だけどね…。もうちょいヒント出ないかな。
{/netabare}

「タイムリミット」からの推察【予想】{netabare}
4話で「俺たちには時間がない」と言う発言があったので何故なのか推察。

普通に考えて二人の寿命がそろそろって可能性もあります。
優れた知能と引き替えに何かリスクがあってもおかしくないですが
元気そうなのでとりあえず次点。

本当にテロを計画しているのは『施設』で、
スピンクスはそれを止めようとして急いでいるのではないかとも考えられます。
その為に優秀な刑事(柴崎)を利用し暴こうという計画なのではないかと。

施設は子供たちに遺伝子操作や薬なども使った超能育成をし
その子供達を使ったクーデターの様な事を目論んでいたのではないでしょうか?

4話での爆破により施設に「VON」と言うメッセージを突きつけた事もあり
そろそろ施設が動く事を予想し「時間がない」と言ったのだと思います。
{/netabare}

「オイディプスと父親殺し」からの推察【予想】{netabare}
この作品のオイディプスは誰なのかと考えると「柴崎」なのだと思われます。
となると父親は「警察庁」。左遷は捨てられたと捉えられます。
スピンクスの二人がいた『施設』が「警察庁」と深く関わっていたなら
事件を追い解決していくうちに「父を殺す」ことに繋がっていくのかも知れません。
警察上層部の不透明性が引っかかるのであり得そうな気はします。

…うーん。そうすると、子供達は警察の犬として育成されていた可能性も出てきて
上記のタイムリミットの考え(施設がテロをする)が怪しくなるな…。(^_^;

今の所『施設が警察機関説』が本命、『施設がテロリスト説』が対抗って感じかな。
複合の可能性もあるけど、次回以降また推察して行こうと思います。

プルトニウムはコレと言ったものが思い当たらないので保留。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
リサの居場所探しとハイブ登場回。

居場所のないリサは何とかスピンクスの元に残ろうと苦闘中。
何をやっても鈍くさく仲間に入ってもスピンクスの弱点になりそうな訳だが、
何かの「鍵」となりそうで興味深く観察中。

一方警察側には「ハイブ」という少女が登場。
アメリカから来たと言うのが意味深げで『施設』とも関連があり能力も高い様子。
スピンクスの存在を確認する為に非人道的な解決策を取ったりと新たな強敵となりそう。
ナインが思い当たる人物なのか、はたまた…。人間関係や想いが複雑に絡んで来ました。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
ハイブの掌で踊らされるスピンクス、そして独自に動き出す柴崎。

ナインとハイブは仲の良い友達かと思いきや因縁もある様子。
今までの柴崎VSスピンクスの直接対決の構造から一転し
ハイブの土俵で互いにどう動くのかという構造に。

ただ『空港でチェス』は意味不明で置いてけぼりなのですがね…。
ヒントになってるって言っても序盤多くの最善手あるし、
座標は互いに伝えられても、どの駒なのかはどう伝えるのコレ!?
神話問答よりポカンとしそうなんですが。

柴崎は骨のある所を見せ渋カッコイイ。果たして意地が観られるかな?
リサは相変わらずドジだけど今回は切り札。
次週はこの二人に注目&応援!面白くなってきました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
どうやってチェス対決していたのか凡人には良く解らなかった。
走り回らず監視カメラに向かって筆談とかじゃダメなのかな?

ハイブ達の行動がテロリスト同然なのですが
何故ここまでしてしまうのか出来てしまうのか理由が気になります。

ともあれスピンクスが先勝。
盤外の駒を巧みに使ったことが勝因でしたが、リサは今後弱点になっていきそうです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
警察からは見放されつつもアテネ計画の真相に迫る柴崎。
後輩くんも衝突はあったモノの結構いい奴なのが判ってきたですが、
理解にいたる描写やエピソードがもう一押し欲しかったかなって気もします。
柴崎の若い頃、学生の反政府運動があった話が出ていたのでアテネ計画の首謀者は
これとも絡んでくるのかな。

リサは足手まといを察してスピンクスから離れようとしましたが捕まってしまいました。
どんくさいのもあるんだろうけど、この娘のやること裏目裏目に出て
ちょっと可哀想かなと同情してしまいます。
無事助かるといいのですが…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ついに、アテネ計画の全容が判明!…そしてスッキリ!ってなるかと思ったけど
「優秀な人材を作っる計画」ってのはここまで観た人ならもう判ってる事なので、
驚きはなかったです。
知りたいのは優秀な人間を「何に使うか」って事だったんだけどな…。
ちょっと微妙な回答でした。

まだまだスピンクスの活動の目的や動機、そして原子爆弾との関連も判らないし
ハイブの思惑も謎なので期待はしてますが、
予想を下回り尻すぼみになりそうな気もして来ました。どっちに転ぶかな?

ハイブ倒れちゃいましたが彼女にも残された時間が僅かって事なのでしょうか?
{/netabare}

※10話感想{netabare}
アテネ計画の内容が更に判明してこれで全容の様です。
前話で知りたかった「何に使うか」という疑問には答えてくれました。
具体的に何に使うかという事ではなく「力の保持」政治や軍事的な圧力強化目的で、
核保有と似た論理でした。
判らなくは無いけどここまで引っ張った割には意外性に欠ける気はします。

ついでに核も兵器として持っていた様ですがこちらも驚くには至らず。
アテネ計画の目的と被ってますしね…。
色々と想像膨らまし過ぎだったのかな?普通の人はこれで驚くのかな?

ハイブの方は愛憎劇がある様ですが何があったかコチラの想像任せ?
それとも最終回に判明するのかな?
急に「私の分まで生きて」と言われても
寿命を与えるとかそれなりの事象みせるか、ちゃんと心境ブツケてくれないので
現状では心は動かないないです…。
もう一週、最後の締めがあるので期待してますが、
このままだと描写不足で独りよがりな作品という評価になってしまうかも。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
甘いテロに始まり甘いテロで終わる事になりました。
電子機器イカレたら飛行機に限らず死者は出ます。
他の乗り物もあるし、入院・治療中患者なと電子機器で生きながらえてる人もいる。
更に二次的な事故や事件も考えられるし、放射能の影響だって全部宇宙へ
って訳ではないのに都合の悪い事は無視。

もうちょっとテロを正面から捉えて、それでも覚悟を決めて決行して
観ている側にも善悪を考えさせる内容であって欲しかったです。
こんなご都合主義のヒロイックなテロでは納得し切れません。
(ノイタミナ枠って事もあるけど)

他にもこの最終話は都合の良いことばかり起きてちょっと辟易でした。
「米軍はEMP対策で大丈夫」の一言で
通信や命令系統の混乱無く一介のヘリまで問題なく運用されているし
ヘリのモーター音関係なく会話しているし
ボタン持ってない方のツエルブ先に撃つしで、
うーん…ちょっとありえんなというシーンが矢継ぎ早。
普通にナイン撃たれて死ぬ間際に柴崎と会話で良くない?

あと、彼らの最期にはリサへのメッセージとなる描写が欲しかったかな。
言葉でなくとも彼らの生き様が伝わる描写があれば
彼らとの関わりが立ち直りの一助となったと納得できるし
感動のひとエピソードになったと思う。
彼女の『居場所』というのもこの作品で大事な部分なのに
何もないまま時間も彼女の思いも一年飛ばしてエンディングを迎えるのは勿体ないです。
前話のハイブの最期もそうだけど心に残るかどうかの所での描写不足で
結構勿体無い事しちゃってると思います。
{/netabare}

【総評】
個人的にはもう一段、深い謎が隠されていると読んでしまっていたので
観終わった時に意外とシンプルだったなと思ってしまいましたが
1クール物で締めるには丁度良い落とし所だったと思います。

ただ、謎解きに関しては視聴者が推理する隙のない作りで
一方的に見せられている感じを受けますし、
ハイブが何故あそこまで敵対心を燃やし憎むのかも描写不足でこちらの想像に丸投げ
だったりと不親切な点も目立ちました。
施設脱出やハイブがアメリカに行く事になった経緯とかはもう少し知りたい所。
他にも描写不足で損しているなと思う事の多い作品でした。

一話から感じていた都合の良すぎる「甘いテロ」への違和感も最後まで続きました。
(詳細はネタバレになるので11話感想他で)
被害者が居らず何だか良いテロみたいに表現されているけど、
やっぱり卑劣な行為だという事もちゃんと表現して欲しかった…。
この辺りは作品への不満として大きかったです。

スピンクスはあれだけの能力がありながらテロに頼らなければいけなかったのだろうか?
という思いが観終わって暫くしても残響しています。

作画についてはほぼ満点。
キャラはもう一つ掘り下げてくれれば好きになれたかな…って所です。

描写不足やヌルいなと思う所が多々あり、期待よりは下回って色々と書いちゃっていますが
1クールでまずまず楽しめる大人アニメにはなっています。
強くは勧める程の作品ではないですがお暇ならどうぞ!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 51
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

テロより恐ろしいもの

【総合評価:☆☆☆☆☆】
 「核テロ」というきわめて難しい題材に果敢に挑戦した、野心的な作品である。
 日本アニメには、テロリストに焦点を当てた傑作が多い。テレビアニメに限っても、本作をはじめ、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『RIDEBACK』『FLAG』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』『PSYCHO-PASSサイコパス』などがある。特徴的なのは、どの作品もテロリストを悪人として断罪するのではなく、「彼らはなぜテロに訴えるのか」「無差別テロを防ぐためなら何をやっても許されるのか」といった重い問いを投げかける点である。
 これは、かなり奇妙な現象と言える。『ダイ・ハード』シリーズに代表されるように、ハリウッド映画では、無差別テロリストはナチスと並ぶ絶対悪として容赦なく処断され、彼らを殺害する者が英雄視されることが多い(もちろん、そうでない作品もある)。日本でも、実写映画やテレビドラマならば、「テロリスト=悪」という図式の下に制作されるのが一般的である。ところが、アニメになると、なぜかテロリストに対する見方が一変する。
 その理由を解明するのは容易ではないが、一つの推測を述べるならば、90年代後半、テレビアニメが急激な変貌を遂げる時期に制作を任されたのが、子供の頃に学園紛争の終焉を目にした60年代生まれの世代だったからではないかと思われる。核テロがどのように表現されたかを中心に、この推測を跡づけてみよう。
 核兵器を利用して政府を脅迫し、いざとなればその使用をも辞さないという核テロが作品のテーマとして日本で本格的に取り上げられた最初の例は、長谷川和彦監督の実写映画『太陽を盗んだ男』(1979)だろう。1946年生まれの長谷川は、東大在学中に政治に関心のないノンポリ学生として学園紛争(1960~70年代半ば)を間近で体験した全共闘世代である。おそらく、多大な犠牲を伴った紛争が結局は何も生み出さなかったという暗澹たる思いがベースにあるのだろう、『太陽を盗んだ男』は、原爆の製造に成功し政府を脅迫できる立場にありながら、実のある要求を思いつかない中学教師の空虚さを描き出す。
(以下、OVA『機動警察パトレイバー』、劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のネタバレがあります)
{netabare} 全共闘世代後期になると、武力闘争のむなしさがより強烈に意識される。押井守(1951年生まれ)が監督したOVA『機動警察パトレイバー』第5~6話「二課の一番長い日(前後編)」(1989)では、核兵器を入手した組織がいかにクーデターを実行に移したかがリアルに描かれながら、クーデターが成功した暁に何をしたいのかという将来のビジョンは語られない。こうしたビジョンの欠如は、劇場版第2作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993)で、「クーデターを偽装したテロ」という象徴的なテーマとして改めて強調される。{/netabare}
 長谷川や押井ら全共闘世代が提示した「目的の曖昧なテロ」という問題は、90年代後半から00年代にかけてテレビアニメの革新を主導した60年代生まれのアニメーターに多大な影響を与えたと考えられる。
(以下、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』のネタバレがあります)
{netabare} 神山健治(1966年生まれ)が監督・シリーズ構成を務めた『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004)では、「難民が核テロを画策している」というフェイクニュースを流すことにより、強権的な立場を確保しようとする政権中枢の動きが取り上げられる。状況を演出するゴーダは、元官僚らしい緻密さで計画を立案しており、ニュースのリアリティを増すためには、核兵器の使用をもためらわない。
 この作品に代表されるように、00年代以降のテロリストアニメでは、テロ行為の持つ社会的機能に目が向けられ、社会がテロと対峙するあり方が考察される。
 浅香守生(1967年生まれ)が監督した『GUNSLINGER GIRL』(2003)は、テロリストを抹殺するために身寄りのない少女を殺人サイボーグに改造する寓話的ストーリーを通じて、テロ対策の許容限界を問題とした。反米的活動家を暗殺する任務を帯びた米軍秘密部隊を、恩人を殺された凄腕の元テロリストが血祭りに上げる『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』(2010)で、片渕須直(1960年生まれ)は「人殺しが許されるような正義はあるのか」と問いただす。オウム事件をベースにした『輪るピングドラム』(2011)で幾原邦彦(1964年生まれ )が取り上げたのは、無差別テロに対する憎悪が憎しみの連鎖を生み出し、新たなテロを引き起こす過程である。{/netabare}
 『残響のテロル』(2014)の原案・監督を担当した渡辺信一郎(1965年生まれ)は、これらの先行作品を参照しながら、核テロが社会に与える影響を改めて熟考したと思われる。目的の曖昧さに目を向けた長谷川・押井の作品に対する返答として、彼は、ほぼ同期の神山と同じく、テロへの恐怖が持つ影響力に目を向け、国家権力との関係性を物語の軸に据える。「テロこそが社会にとって最大の脅威であり、核物質はテロリストの手に渡らないように特定の国家が厳重に管理すべきだ」という国際的な常識にあえて異を唱え、「この世にはテロよりもずっと恐ろしいものがある」と訴える。

【物語の構図】
 『残響のテロル』は、テロリスト-市民-国家権力という3項対立の物語として、図式的に読み解くことができる。
(以下、本作のネタバレがあります)
{netabare} それぞれの対立項は、性格の異なる二人の人物によって代表される。ネットで予告しては爆弾テロを繰り返す二人組のテロリスト・スピンクスの正体は、怜悧なナインと子供っぽさの残るツエルブ。彼らを追跡するのが刑事の柴崎で、警視庁という国家組織に所属しながら、人々を守ることに徹する市民側の存在。逆に守られる立場の市民として登場するのが、学校にも家庭にも居場所のない女子高生のリサ。権力側には、NSAもかくやという監視網を駆使してナインとツエルブを追い詰めるエージェント・ハイブがいる。もう一人、国家権力の黒幕として間宮なる人物も登場するが、私が思うに、実は彼は手駒となる小者に過ぎず、真の黒幕は、それ自体が人格的存在となった国家理性ではないだろうか。{/netabare}
 ストーリーの前半は、テロリストと警察の頭脳合戦として娯楽色豊かに展開されるが、ハイブが強引な動きを見せる第7話辺りから、深刻な社会派ドラマの様相を呈する。人によっては、痛快さが失われるため後半はつまらないと感じるかもしれない。しかし、渡辺が最も言いたいことは、後半に集約されているので、この部分をしっかりと見つめてほしい。
 注目すべきは、柴崎とハイブの差違である。どちらもテロリストを捕まえる立場にありながら、柴崎の言動が常に豊かな人間性に溢れているのに対して、ハイブは、高い知性を持ちながら、いかにも酷薄で感情を見せない。市民と国家どちらの側にいるかが、象徴的に示される。
 ちなみに、柴崎が最も人間的な姿を見せるのは、大学で応用物理学を勉強中の娘に、一般人にプルトニウム原爆が作れるかと訊ねに行く第8話Aパートのシーンである。{netabare}体のラインがあらわな薄着姿の娘(一番上のボタンを留めていない)を前に、ずっと目を背けたまま会話し、後で奥さんに「子供ってのは、いつのまにか大人になるもんだな」としみじみ述懐する。お父さん、カワイイ!{/netabare}
 最初に視聴したときには、警察を手玉にとるナインとツエルブに惹かれたものの、二人の心情が充分に表出されておらず、やや物足りなさを感じた。しかし、二度三度と繰り返し見るうちに、二人の外面ばかりが描かれるのは、その行動を柴崎とリサに見せるために設定されたキャラだからだとわかってきた。ナインとツエルブ(あるいは、ハイブを加えた三人)は、対立的な構図を客観視させるための要員であり、それ故に内面が理解しがたい天才として描かれる。その一方で、柴崎とリサという感情移入しやすい普通人を、天才たちの行動を見る立場に配置することにより、事件の全体像が浮かび上がるようにしたのである。そう考えると、柴崎とリサこそ真の主人公であり、この二人の立場に身を置くことが、作品を深く理解する鍵だと言えよう。

【音楽について】
 『残響のテロル』の音楽は、これまで、『マクロスプラス』『カウボーイビバップ』『坂道のアポロン』などで渡辺監督と組み、優れた作品を生み出してきた菅野よう子が担当した。特にEDの「誰か、海を。」は、聞くたびに胸が締め付けられる名曲である。
 作中で重要な役割を果たすアイスランド音楽は、渡辺監督の方から事前に菅野に聴かせたものらしい(TVアニメ『残響のテロル』公式サイト「INTERVIEW 04:菅野よう子」より)。北の音楽を聴いて育ったことを手がかりに、主人公たちの「体感温度を表す音」として、「緊張感があり、研がれていて、冷たい響き」をイメージしたという。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7
ネタバレ

jcnEu08058 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

つまんねえ長文

つまんなかったなー
率直な感想です
俺がつまんないとおもった理由が知りたいなら以下を読んでください
長過ぎるのでタグで囲っておきました
偏見と差別意識に塗れたレビューなのでご注意ください
内容に関する苦情等はあにこれ宛にお願いします
既にこのテキストはあにこれのものですので

{netabare}
何がザンキョーのテロルじゃw
何で残響?意味わからん

無駄に頭いい連中の成れの果てがはた迷惑なクソ爆弾魔かよ

今回は、テロる(テロってるw)連中サイドの視点から物語を描いてみました
そんなスタンスなのかな?
従来の警察ドラマなんかの構図をとりあえず反転させてみたってわけか


スッピンのクズだっけか?
つーかお前らが死ねって感じ
クズどもがチョーシこいて真面目に働いてる人間の経済活動全般めちゃくちゃにしておきながら「僕たち被害者なんです〜、かわいそうなんでぷ〜」ってか?
いっぺん死んでこいよw

中二病もここまで拗らせれば歴史に名を残す大犯罪者になれるって話だろ?これ
脳や身体の機能にこれといったハンデもないクセして人並みのことすら満足にできねえ、やろうともしねえカスがニヒル気取って上から物言ってやりたい放題やってんじゃねえっての

甘ったれんな!w


【シナリオがクソ】
精神疾患っぽい症状を都合良く利用するシナリオが酷い
トラウマ持ち出せばデタラメやっても誰も文句は言えねえだろう、非難しにくいだろう、という便利な近代魔法に頼りすぎ
弱者()の目線導入して意義深い作品性とやらを演出してるつもりかw
それやるなら、いろいろあっても自分にできる範囲内でそれなりにやってる連中のことも併せて描いとけ
そんで両者をそれとなく作品内で比較せい
その方が視聴者も手応え得られるじゃろうが
トラウマって脳が物理的なダメージ負ってるってことでもあるんでしょ?
もっと慎重に扱うべきなんじゃないの?
ファッションでトラウマ扱うのとか流行ってんの?
それとも伝統なわけ?

そもそも都市部で無差別爆弾大爆発ゲリラパーティー決行って人々の暮らしに著しい実害と悪影響を及ぼす凶悪な犯罪行為じゃん
やってることだけ見たらあんな連中間違いなく死刑だろw
てめえらが街ぶっ壊してくれたおかげで一時的にでも仕事できなくなった人らの給料は誰が保証してくれんだよ
てめえらボンバーマンは誰のおかげで道路をバイクで疾走できると思ってんだ

いい加減にしなさいw
スピンクズには憤りしか湧いて来ないわ

自分「だけ」が特別、自分だけが犠牲者被害者とか思えちゃってる中2系ナルシストコンビの爆弾オナニーの被害者のこともちっとは丁寧に扱えっての
無論、あんだけのことやっといて「一般人は死んでませんのですぅ」なんて都合のいいことは言わせねえからなw
(事や経緯の真相はどうであれ)例のアメリカのビル倒壊では実際に人が死んでるわけだ
パロディやるならそこも踏んどけ
やるからには気概を見せてみろってんだよw
ネタ重視の姿勢もいいけど、少しは実害にも重きを置いたらどうなんだ
そういうとこしっかりやらねえからいつまで経ってもアニメは舐められ続けんじゃねえの?w
これじゃコミックに勝てないでしょー、ダサいよ、手応えナイヨ
勝つ気ないなら別にいいけどね
そもそも勝ち負けとかじゃねえし、ってか?w


【娯楽失格作品】
過去になんかあったことと現に起きてることは別の問題で後者の方が圧倒的に重要
捜査段階で犯行動機の解明を急ぐとかいう流れに違和感はない
でもやった奴の犯行動機と犯行の事実は直接的には関係ない事柄じゃん
それらの評価は別個になされなきゃ気持ち悪いんだわ
そこんとこをウヤムヤにして、個人的な問題を公の場に持ち込んだ挙句やってることに意味持たせようとする安易な発想には呆れる
そういうのは仇討ちストーリーかベタベタな復讐劇でやればいいんじゃない?
もしかしてこれ、復讐劇なの?
だとしたら「街壊して可哀想な僕らの心の叫びを聞いてくれ的アピール」なんてやらせてねえで、ストイックに目的遂げるためにキャラ動かせっての
その過程で障害となる倫理観をキャラに無視させると、娯楽として気持ちいいもんになったりもするわけじゃん
回りくどいことやってる奴らは「僕たち目的意識が希薄です」って周囲にアピールしてるようなもん
容疑者も刑事もこの点では同じ働きぶり
締まりが無い
こんなことじゃ話が盛り上がらんのも無理はない
つまんねえんだよ!w

シナリオがクソ、否、クソは新たな生命の糧にもなるからクソの方が上だな
よってシナリオがクソ以下に確定


【娯楽失格作品・とにかくシナリオがゴミ】
容疑者と公開謎解きゲーム合戦開始
これで見せ場、山場のつもりかよ
雑学自慢大会じゃん
しかも普段全く役に立たないタイプの雑学
一晩寝たら確実に忘れる内容
演出もショボいから面白味が全くない(ここが一番ダメ
喋りメインにすれば作画方面で労力軽減できるメリットがあんのかもしれないけど、ぶっちゃけ観てる人間にはそんな事情なんて知ったこっちゃない

それにあのキャラデザがありえねえ
ロン毛で髭面の小汚ねえ教祖みてえな公務員なんざ普通表舞台に出てこねえだろ
そういう場違いな奴をぱっと見シリアス風のドラマ内で表舞台に引きずり出して違和感醸して作中にアクセント付けようってやり方がガキ臭い、痛々しい、嘆かわしい
ジャリ向けのアニメかっての

なぞなぞ大会とか下らねえお遊びをメインに持ってこなくていいよ
そんな暇あったら動画投稿してちゃらけてる人殺しの爆弾魔なんざさっさと逆探してとっ捕まえて半裸にして拷問にかけろ(逆探できません!じゃねーっての、ケーサツを無能に描くなw
色男の服ひん剥いて適度にいたぶった方が女性ユーザーも喜ぶだろうがw
もっとサービス良くせんかい

本当に観てる人を楽しませようって気があんのか疑わしいわ
じゃなきゃ何のためにあんなキャラデザにしたんだよw


主人公が序盤でとっ捕まっても別に何の問題もない
誰かが救出すりゃ済むし、救出劇は絵になるし、それなりに盛り上がる
なんつっても
・スノーモービルでヒト轢き殺した主人公が逮捕されないシナリオ
・地上4階(だったか?)から飛び降りた小娘を華奢な青年が地上で素手で受け止めても双方怪我ひとつしないシナリオ
これほどのアメイジングな展開が作中で許容されるなら警察の手から仲間奪取するくらい余裕だろーが
要するに
・リアル路線気取ってるクセして端々でファンタスティックなことを躊躇なくやってるシナリオ
つまりは「なんでもアリ」の系統に分類しちゃっていいトンデモ作品なんだよな
個人的にはお世辞にも真面目な社会派作品なんて呼べる代物では無いww
もちろん、何をどう呼ぶかは個人の勝手だけどね


【ソウヒョウ】
甘えたカス共を意味ありげにのさばらせるシナリオで世間から注目浴びようって魂胆がキモい
いい大人がこんな寒いシナリオ書いて妄想膨らましてんのもかなりキモいわ(いい大人がアニメに的外れなマジレスすんのもキモいって言われりゃ返す言葉もねえけど、その指摘こそアニメが舐められてる証
でも体裁がネタアニメってんなら、アリです
ただし残響はネタアニメとして観てもつまんねえことに変わりはない
ほんと面白くない

ハッキリ言いましょう
視聴者に作品の魅力を引き出してもらおうって腹が見え見えです

甘えんなってw


絵や声、音方面はいい仕事してたから、そこは否定できないし、したくない
あくまでも悪いのはシナリオ、雑だし、楽しくねえし、笑えねえし、つまんねえ
キャラもダメ
主人公らの身勝手で甘えた態度には虫唾が走る
甘えた態度を肯定するだけの展開も気に食わん
連れの女も意志薄弱で無能なクズでしかなく秀逸なのはツラだけって、喧嘩売ってんのかw
虐められてる設定追加しとけば誰も文句言えねえだろってノリがウザい
小賢しいテクばっか使って何やってんだか
作品の顔でもあるキャラに何の魅力も感じねえ
思慮深い視聴者に同情してもらう主人公のあり方が昨今のトレンドなのか?w

為にも毒にもならんわ

とにかく話がつまんねえから俺は第4話で観るのやめたよ
正直このレビュー書いてる時の方が楽しかったね
そういう意味では本作のシナリオも高く評価できる
楽しい一時を提供してくれたことにかわりはないから

ケツマツ知らねえけど、どうしても観たいって気分にならない
結果にたどり着くまでの過程がつまらな過ぎる
とりあえず、凶悪な中二病の主人公らとその付属品でしかないクズ女が最後に死ねば及第点ってとこかな
因果応報ってことで一件落着
ネーとは思うけど、ラストでヒゲ刑事がヒゲ剃って短髪にすればなお良し
皆さんもご承知の通り、人の生き方は面構えや風体に滲み出るでしょ
アレは公務員のナリじゃねえよ
アーティストかオマエはw


{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 0

72.8 8 ハッキングアニメランキング8位
モーレツ宇宙海賊[パイレーツ](TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (954)
4597人が棚に入れました
どこかの宇宙・海明星(うみのあけほし)に住む高校一年生の加藤茉莉香。茉莉香はある日、故人である父親が実はつい最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸の船長であったことを知る。
弁天丸が海賊として活動を続けるのに必要な、私掠船免状の継承のためには直系の跡継である茉莉香が船長になるのが条件と告げられ、元・父親の船である弁天丸、そしてそのクルーとともに、女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送ることになる。痛快スペースオペラ、華麗に登場!
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

さぁ!オッサンホイホイの時間だ!!

個人的に1話でドツボにキた。
ハーロックネタw爆笑。まさか21世紀に聞けるとは。
中身は70、80年代から散々読んで、観てきたもの。
始祖たるヤマト、銀英のパロ、ナデシコ、タイラーで大輪となった,おちゃらけたスペースオペラの風格。
肌が合う合わないでいったら15年ぶりに幼馴染にであったような・・・。いちいち涙が出てくる演出。
エヴァとかの大月Pまでいるwナデシコメンバーなんですね。納得です。
オカエリナサト

キャラ原案が変態絵師、あきまん
お布施はよくしてる。
∀ガンダム以前、カプコンの頃から愛してる。ストゼロくらいが好きだったな。
ユーストでエロいマミさんだか描いてBANくらったとか。
昔たまに書いてたデリヘルの感想がおもしろかった。


今年はコイツだけやっぱりひとつ抜けてるかな・・
売れはしないだろうけど・・
オンナのコが主人公ってだけで恋愛、ハーレム的なものを感じない。おっさんだって登場するし。きょうびのテンプレアニメと違うけど、90sはこれがテンプレw
まさに黄金期のアニメ、世代にはたまらないよね・・。

ZEROのあとにあのアバン、ナレーション、シュールだなぁ・・・。

ゼーガの音響さんらしく花澤チアキちゃんががなぜかかわいいのも見所。
ざーさんがこんなにかわいいわけがない。


くだらない感想{netabare}
途中からちょっと雰囲気が変わってくるのですが、
あえて原作を追い抜いたとか。
やるからには作者と協議の上だろうけど。

それ以降、海賊→オタクっていう暗喩な気がしてきたよ。
ネット社会でなまじ光の速さを超えてしまった(超えてないけど)我々への提言なのか。オトナになって離散してしまったオタクたちのことなのか・・。
それについてのメッセージだとするのであれば・・。

どこぞで読んだらストロングスタイル?プロレスだぁ?ww
オタクにはかわらないな。あたらずしも遠からず・・・
茉莉香がレスラーの娘で、後ついで、親父がガチもやってみないかと?wくだらねえww
UFCバリならいいけどガチでも空気読む試合はイヤよ・・。
てことは映画は関係なくて、2期はガチとエンタメどっちがいいか、ファンが決めてくれってことだね?
ガチにしたら個性がかけるな。
見世物だけど、たまに頭に血がのぼっちゃってガチっぽくなるのががプロレスの真髄。あと技の美しさ。
どこぞのアメプロくさく、親父とのくだらない抗争劇とかでもいいよ。


作品概要
最初は部活の話、で海賊になって仕事をする話、部活と海賊を合わせた話、ガチンコの宇宙海賊としてマジでやりあうラスト。

実際には3種の構成なのか。
原作未読ですが、海賊なるまでにものすごーーくかかると聞いております。
さすがにそれはイカンので、2クールとはいえなかなかのハイペースで進みます。正確には一気に時間が飛ぶんです。

必然的に主人公の成長物語はほぼシカト。第一話から海賊になって仕事して、そこまでは比較的丁寧には描いてありますが、理解できません。
形式的にやってみました感が・・。

結局茉莉香が海賊になる資格を持っていて、英才教育、エリート娘。天性の宇宙海賊なだけじゃんかと。それに納得するかどうかってだけ。まぁそれでいいんですこんな話。

むしろ隙間がたくさんあるのでOVAででも補完話がたくさんでたらたのしいな。


この作品のすげえなってとこ

キャラクター
とにかくこれ。あきまんがたぶんヤバイんだと思う。もっといえばキャスティング。
大量に登場するヨット部員だが、クラスの(この場合部活だが)書き分けできてるのは名作とはよくいったもの。
ビジュアル、ちょっとしたしぐさで誰がどんなやつか分かる。逆にメインを食わないように添え物程度にしてあるのでほっといても問題ない。
その程度の扱いなのだが無駄に豪華なキャスト。
声優さんや外見の特徴のみでできるだけ表現。
そのサジ加減が秀逸。

SF考証も同じく、セリフを少なく、作画からどれだけの情報を視聴者にわからせるかといことに徹底してる。



オッサンじゃないとわからない舞台演出
みんないってることですが、古今SFのパロオマージュなどなどで構成。
本家作品でツッコミ入れられてたようなことに対してさりげなく修正、フォローをするというか・・
これならあの演出が成立するよねという。
電子戦は独特ですが、宇宙船モノではってめずらしいだけ。
レーダーのエフェクト、対艦戦のインターフェイスとか心当たりはいっぱいあるでしょう。ナデシコパロもあるのがニヤリ・・。そこいらがわからないと説明がほとんどないので会話の意味が不明になるかと。
物語はあまり関係ないのですが・・。この作品独自の楽しさがわかりません。

そんなこんなでここまでオタク、オヤジ知識を必要とする作品・・・よく出せたなと。。
{/netabare}













以下リアルタイムな覚書
{netabare}

3話まで、
ひたすら舞台説明、こちらも宇宙旅行を強制させるチュートリアル。海賊になる前にしっかり勉強しろてね。
どうやら日本語が常用なのか?習字してるし、船のあのシステム・・。
練習艦のデザインもOPにでるお約束の弁天丸ブリッジとは違い、トップなどのSFオタで言われてきた円卓、証券取引所タイプ。
お約束程度にお色気をいれてるが健康的なだけでエロも萌えもない。女子高生をガキあつかい。オトナとしてまったくもって正論。
船外でロープつけないのも絡まってあぶないからだろうな・・。ガスガン的なものがあるんでしょう。
セイリングじゃない、一般の通常エンジンなら半日で太陽回って往復できるってのもさりげない。あの世界は巡航でもすさまじい速度ってことですね。
プラネテス以来の本格宇宙SFだった。
リアリティと世界観にこだわってそのままおちゃらけだけどハードスペースオペラなのか・・基礎は知ってるんだぞと示しといて独自設定とかでぶっ壊すのか・・・楽しみ。

4話
もうこれこのまま部活作品でいいんじゃねえの。十分作品が成立してる。本格的に弁天丸に乗っちゃったら、おしまいな気がしてきた・・。みんなで乗り込むのか?二束のわらじか。
そんなことより小見川千明さんが恋しいのだが、またでるよね?・・・。電子戦とか地味だなぁwwこれは売れねえww楽しすぎるんだけどw

5話
エピソード1的な一区切り。
丁寧に説明を重ねてきた世界設定がついに明らかになる。
これ、かなり見せ方もお話もすごくうまいと思う。
あそこまで電子戦を見せといて、視聴者も登場人物もそんな航行システムっておかしくね?って思ったらコンピューターが無くても手動で操艦できるにきまってるじゃんって。ですよね。そもそもオデット2世は元々スタンドアローンのシステムだったわけだし。ちゃんと前フリしてる。
そして部長の通信が伝説の台詞『バカめ』wwwおまえがなw
あの攻撃方法とかあの作品のあれやしな。SF愛してるんですね。
視聴者の疑問に一気に回答をだし作品のノリも示してくれた。風呂敷たたむのがすごく綺麗。
ついでに宇宙空間で制服なのにパンツは絶対に見せないという製作の勇気!!。
普通なら着座の際に慣性の法則に逆らえないでスカートがめくれるはずなんだが・・・。仕掛けがあるんでしょう・・。

6話
やはり学園モノのほうがいいなぁ・・。まだまだ部活アニメのがよかった。海賊になったらエンディグでwざーさんが転校してしまったのが残念。たまに海賊って感じを期待。
そんなことより当OPを披露したはじめてみたももクロが斜め上のユニットすぎて衝撃的だった。。。

~10話
完全に銀英バリのスペースオペラになってきたYO。
作戦も銀英じゃねーかYO。
ポーズのかっこよさとか余分な台詞のなさとかすげえぞこの作品。
たまらんわぁ・・俺らはオタクであってヲタクではないというのを再認識させてくれる。
セレニティってアレか、セラムンからか。
戸松っちゃんヘタクソだなぁww。
ざーさんも好きじゃないけど、チアキちゃんいいな・・なんか似合ってるしかわいいわ。
マミとの絡みもなかなかでしたが、ノリノリで営業やってるのがなんともかわいらしい。

14話
こんなこともあろうかと・・なチアキチャン。
某作品でいう声優さんのギャラとか下世話なこと考えるとこ絶対やると思ったがなんか出すのが早いw〆にするべきネタじゃない?
日笠部長、レズらしいのにマジかっけえよ。
じつはこれがラストエピソードってことはないよね?かなりの長編にすんのかな・・。もうすこしタメがほしかった激アツいネタっすね・・。

~16
弁天丸にヨット部を乗せることでついでにSF考証というか説明もしてくれちゃう、普段のクルーがどれくらいすごい奴らなのか・・ってな。
うまいな・・
~17話
ブッ!!っていう衝撃のガチレズ展開。ドン引きするレベルのキスがすげごいっす。完全に入ってる音にわざとしているのは、ノリノリのアドリブか、いやがらせかw
ピンチになったらとにかくワープってもういつからだ・・古典的なお約束で燃えますね。

19
開幕から座右の銘が全否定されました。
なんか台詞の雰囲気もかわったな・・。


24
ド王道なクライマックス、ハーロックにツッコミをいれるセリフ。ガンダムだと演出見て察しろというだなw。かっこいいからは真理。
途中から感じていたがやはり海賊=おたく、オタクのような気がする。


海賊会議・・・あれですねヨーホーヨーホーのパクリっすね。
ハーロックの船外操縦→ホログラム、サイボーグ化で実現。
意味はない、かっこいいからだって・・wわかってるね。


クオリティは一定しないが絵の動かし方は要所要所でうまい。作画→本来アニメでは絵をうごかすこと。
セリフの使い方、テンポはすばらしい。説明的になりがちだが最小限。画面よく観とけってことかな。
アニメというよりは完全にガチなSF、


売り上げがまぁまぁすごいとの結果が・・世の中捨てたモンじゃねえな。


OPについて
モヒカンになったドラえもんが弾いているようなイントロからはじまり、どう考えてもロマサガイトケン節、ドラクエ風(というかクラシック)のごとく拍子が代わり、しょっちゅう変調、サビは90s王道のアニソンメロディー。泣き?っていうの?変にオサレぶらずにそのまま上がり続けて限界まで突破するという・・。で〆はFFのクリスタルのテーマってか。

ジャンル的にはシンフォニックメタルっていうの?。よく知らないけど。
マーティがあらぶってるのはわかった。
久しぶりに聞いたアニソンの珍曲なのは間違いない。
おもしろいけど、とにかく詰め込みすぎで疲れる。しかし中毒性が・・。
『ポゥ』じゃねーよ。マイケルネタかよ。

ももクロがヘタクソとかいわれるが、こんなすごいメロデイー誰もこのままは歌えないよ・・。きれいに歌うとたぶんダサいぞ。
あくまでタイアップじゃなくてアニソンだし、イメージってもんもある。
あえてアイドルのヘタクソボーカルなのがいいんだと思うよ。
ヒャダインさんもプロなんだから考慮してるんじゃないかな。
こういうヘンテコな曲を弾くとピアノを習っていたときのドラクエ4の気球のトラウマスイッチガ・・・・

{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 50

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ゆるゆる演劇部「パンチラレス」釣りアニメ

2012年1月から6月TV放送された。全26話。

「ミニスカ宇宙海賊」(ミニスカパイレーツ)を元にした作品。
※笹本祐一のSF小説・ライトノベル。イラストは松本規之。
2008年10月より朝日ノベルズから刊行されている。

放送中は3話程度で挫折。

あらすじ。

ミニスカートの船長服を纏った女子高校生が、免許を受けた
「合法的」な宇宙海賊の船長として舞台で活躍する物語。

海明星に住む高校1年生の加藤茉莉香は、ある日、死んだと
思っていた父親が最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸
の船長だったと知らされる。

さらに、弁天丸が海賊として活動を続けるうえで欠かせない
私掠船免状の継承の為には、直系の継嗣である茉莉香が船長
になるのが条件と告げられた。

茉莉香は女子高生兼宇宙海賊船演劇の船長役としての生活を
送る事になるが・・コスプレを極める事ができるか?

感想。

5話くらい迄淡々と丁寧に?海賊になるまでの経緯を展開。
台詞が淡々と進行して熱気の類は感じない・・名前だけを
見ると声優は相当に人気や実力のある人が多い筈?なのに
あまり得意としない役柄にローテーションされてお互いに
殺し合ってる感じ。

総合的に台本片手に舞台劇を演じている高校生という感じ。
主人公の演技に合わせて実力者も低レベル演技に徹した。

人気実力ともに出演声優の10指にも入らない主人公声優は
流石に無理があったのではないか・・6話~1クール終り迄
色々な交戦状態やトラブルの盛上がる部分で周囲の熱演に
完全に浮いてしまって、熱演側が滑稽な雰囲気になってる。

どのキャラも人格が完成された状態で成長する描写は無い。
その為キャラに感情移入し難く"お遊戯"を視ている感じ。

1クールクライマックスは無駄に丁寧な序盤~後半を完全に
否定する簡素な手抜き描写で「ポカーン」・・の大団円??
それで勲章貰える大活躍??尺の使い方が滑稽だった。

私にはキャラ・キャラデザ・メカデザ・演技・音楽が微妙
過ぎて演出も低年齢向けでハマれなかった。
OP/EDを聴いた雰囲気そのもののやや微妙な雰囲気が好きな
人用の作品で面白みは無い。


原作は本格的スペースオペラ?アニメはスペースオペラ?
その言葉は同じでも意味は全く違う。

何処が海賊?服装です。

バトル?ほとんどナンセンスな馴れ合い結末。

例え主人公が悪い事をしても「正義」だから無敵の意味不明。

兎に角軽い・・軽薄。

SF作品ではない。女子高生の日常を成長なく淡々と描いた。
制服での学園。メイド服でのバイト。海賊服での演劇。
この3点が軸で多忙な主人公が世界の中心。

一生懸命周囲が主人公を盛り上げるが・・個性がなく・・
蛋白で魅力が全くない主人公が決断する事は全て正しい!
流石血族! 本人の努力シーンは皆無。

血筋が良くカリスマのある主人公が何でも「流石!」という
中心に描かれるだけの低年齢向けアニメ。

劇場版ができるほど人気?何故?と思ったら殆どの評価が
女子校生が出てくるがパンチラがなく予想外に良かった?
不快なシーンや不快な悪人が出てこない等・・ゆとり??

「面白みは無いけど」という前置きの上で好評化する・・
全く意味不明の謎の評価が多かった・・不思議・・・

面白く無いものは面白く無い。それでいいだろうに・・

あと・・宇宙船が出たらSFなのだろうか?SF風とは想う。
抑揚がない描写が長い事を「丁寧な描写」と言えるのかな?
べらべらそれっぽい用語を羅列すればSF?中身が濃い?

ドラマ性などドキドキもワクワクも爽快感もない。
後半は前半よりは、それなりに面白いと聞いて視聴を・・
続けては視たものの・・・女子校ノリだった・・軽い。

面白くないがパンチラ等萌えやエロ描写がないので良く?
女子高生萌えパートが増える後半が高評価ってなんぞ??

単に近年の深夜枠アニメに苦言を呈した人の苦肉の評価?
その割にミニスカートの足フェチカットが多いが何なの?

私には中途半端な萌え路線でエログロ排除したものの・・
捨てきれずに不自然な雰囲気に確りしたSF設定が浮いて・・
更に方向性がふらふらした中途半端な作品に感じた。

確かに不快な描写はない。
だが・・午前中の女児用ヒロインアニメより緩い描写で・・
何処が濃い? どれも行動の切欠が無責任で稚拙・・
何れも問題を大きくした要因という非は描かずに結果だけ
取り上げて正義の味方風・・相手が酷い奴だったので正義。
何処が丁寧なんだろう?日常生活gdgdパートを丁寧に描く。

宇宙のステルヴィアと同じ監督作品とは思えない。



白凰女学院の生徒

加藤茉莉香:小松未可子
白凰女学院高等部1年生。
学業成績も宇宙機の操縦シミュレーション成績も優秀。
初等部から無遅刻・無欠席だった。可也ポジティブ思考。
父の後を継いで宇宙海賊船「弁天丸」の船長に就任した。

チアキ・クリハラ:花澤香菜
白凰海森星分校から転校生。色白に黒髪で鳶色の眼。
茉莉香と同学年。クールで冷徹だが、天然ツンデレ。
海賊船バルバルーサ船長ケンジョー・クリハラの娘。

遠藤 マミ:小見川千明
茉莉香の同級生で友人。喫茶店ランプ館でのバイト仲間。
手芸部員で、茉莉香の船長服のカスタマイズを手掛けた。

グリューエル・セレニティ:戸松遥
セレニティ連合王国星王家の第7正統皇女。初登場時12歳。
弁天丸との接触を取り繕う為に白凰女学院中等部へ留学。
かなり行動的な性格で、茉莉香いわく「密航好きのお姫様」
ゴンザエモン加藤芳郎とは知り合い。可成りの切れ者。

グリュンヒルデ・セレニティ:金元寿子
セレニティ連合王国星王家の第8正統皇女。愛称「ヒルデ」
グリューエルの妹。凰女学院へ入学しヨット部に所属。

ジェニー・ドリトル:佐藤利奈
ヨット部部長の三年生。同性愛者で、リンとは恋人関係。
星間輸送の大手「ヒュー&ドリトル星間運輸)社長の令嬢。

リン・ランブレッタ:日笠陽子
ヨット部副部長の二年生(のち部長)通信・電子戦が得意。
同性愛者でジェニーと恋人関係。悪巧みや悪知恵が得意。

弁天丸

ミーサ・グランドウッド:伊藤静
弁天丸の実質的な副長。女医で茉莉香の相談役兼参謀。
臨時の保健医として白凰女学院高等部に潜入していた。
セクシーな出で立ちが多い。実年齢は不明でタブー。

ケイン・マクドゥガル:松風雅也
操舵手。茉莉香のクラス担任兼ヨット部顧問として潜入。
優男。豪華客船襲撃アトラクションでは剣劇等を演じる。
「パラベラム号」操舵手のシェインという双子の弟がいる。

百眼:藤原啓治
ブリッジだけに限らず弁天丸の情報の収集・分析担当。
男性。アポロキャップをかぶっている。

クーリエ:堀江由衣
電子戦担当。金髪お団子髪に瓶底眼鏡でドテラ姿の女性。
銀河帝国情報部員のナッシュとは昔馴染。お菓子好き。

シュニッツァー:三宅健太
戦闘指揮担当。真空中でも宇宙服不要の戦闘サイボーグ。
頭部に2本の角を生やし、口許に鋭い牙をのぞかせる。

ルカ:水原薫
航法士。右目に眼帯で黒マント姿の女性。占いが得意。
水晶玉を模した立体ディスプレイを持っている。

三代目:松岡禎丞
機関担当。頭に鉢巻を結び、作業衣を着ている男性。
弁天丸の安否に神経を使い、些細な物事に大騒ぎする。

セレニティ連合王国

ヨートフ・シフ・シドー斧アツシ
セレニティ正統王家の枢密院侍従長。長命種の老人。

ヒュー&ドリトル星間運輸関係者

ロバート・ドリトル:津田英三
ジェニーの伯父。ヒュー&ドリトル代表取締役。元軍高官。
ジェニーとは彼女の父親の代からの犬猿の仲である。

ジュナイ・クールフ:内匠靖明
ジェニーの婚約者。ロバートと親しい政治家の息子。

その他の登場人物

加藤 梨理香:甲斐田裕子
茉莉香の母。新奥浜空港に管制官として務めている。
海明星の星系軍関係者にも顔が利く。男の様な言葉遣い。

ゴンザエモン加藤芳郎:小山力也
弁天丸の先代船長。梨理香の夫で茉莉香の父。
茉莉香には死んだようなものと説明していた。

ショウ:安元洋貴
ハロルド・ロイド保険組合のエージェントで弁天丸担当。
ハイテンションでファンキーアフロでグラサン姿の怪人。

銀九龍:松山鷹志
新奥浜空港で中華レストランを営むコック長。
海賊達の間で伝わる「伝説の料理人」の5人の息子の一人。

ナレーション 小山力也

イズミ・ユノモト:内田真礼:2年生
オデット二世の操帆を担当。

アスタ・アルハンコ:安野希世乃:2年生
オデット二世の操帆を担当。銀

小林丸翔子: 野村香菜子:2年生
オデット二世の索敵・レーダー系を担当。

エイプリル・ランバート:巽悠衣子:2年生
火器管制を担当。

ベリンダ・パーシー:三森すずこ:2年生
オデット二世の操帆を担当。

原田真希:赤崎千夏:1年生
白凰海賊団航法を担当。

サーシャ・ステイプル:高森奈津美:1年生
白凰海賊団動力を担当。

リリィ・ベル:佐藤聡美:1年生
オデット二世の通信を担当。

ウルスラ・アブラモフ:西明日香:1年生
白凰海賊団レーダーを担当。

新入生(第13話以降の1年生)
アイ・ホシミヤ 茅野愛衣
ヤヨイ・ヨシトミ 南條愛乃
ナタリア・グレンノース 伊瀬茉莉也

投稿 : 2025/02/01
♥ : 0

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

白凰海賊団に入団希望しますd(❀╹◡╹)っ

■モーレツ♡宇宙海賊ってタイトルで甘く見てたら大火傷よ♥
原作は『ミニスカ宇宙海賊』っていうライトノベルで、その著者の笹本祐一さんは自身で「現役最古のラノベ作家」と言ってるようですねw
アニメ化発表から2年の月日を経て『モーレツ♡宇宙海賊』と改名して放送開始にこぎつけたみたいです o(^ー^)o☆パチパチパチ

ストーリーはと言うと、主人公の加藤茉莉香[marika]はごくごく普通の女子高生で喫茶店でバイトしながら楽しい学園ライフをすごしていたのですけど、突然なにやら怪しげな人たちがバイト先にご登場w
なんと宇宙海賊船・弁天丸の乗組員でしかも茉莉花のママである梨理香[ririka]の知り合いっていうじゃないですか(;・∀・)ハッ?
先代船長のゴンザエモンって誰?Σ(- -ノ)ノ エェ!?パパなの…食中毒で死亡ってw
ママは何者Σ(- -ノ)ノ エェ!? 伝説の女海賊!?∑(゚◇゚;) ゲッ
突然カミングアウトされた茉莉花に驚くべき提案が…
海賊船・弁天丸に乗りなさい! 工エエェェ(´д`)ェェエエ工
茉莉花の青春の学園生活はどうなっちゃうのでしょうねw


■モーレツ♡宇宙海賊に出逢った日の日記 φ( ̄∇ ̄o)
1話観た瞬間、こっこれは…面白いって思っちゃいました♪
宇宙海賊と高生生活の両立という奇抜な設定とか、制服にいかにもっていう海賊服のコラボレーションといったギャップが新鮮で面白かったです♪
設定は斬新なのですけど、その中身はどうやら「まともな宇宙モノ」って事なのでシリアスなアクションシーンなんかも期待できそうです♪
作画の方もクオリティが高くって、艦隊戦なんかかなりの迫力があるんじゃないかなぁって楽しみにしてます!

キャストの方もかなり豪華なんですけど、ヒロインで主人公役の茉莉花役に大抜擢されたのが小松未可子さんでしたね!
引っ張りだこの人気声優さんたちを押しのけてのキャスティングだけに、彼女の演技力にも注目したいところです♪

茉莉花を中心に、学園生活と海賊の2つの視点からキャラの友情や成長をみれそうなので、今後の展開を((o(´∀`)o))ワクワクしながら楽しみたいと思っています♪


■総評
「決断は自分で選んだベスト!!」って茉莉花も言ってましたけど、「モーレツ♡宇宙海賊」ってタイトルで判断しないで本当に良かったなって思いました♪
作品のタイトルを初めて見た時は、品の無さそうなタイトルだなって思っちゃったんですよねwヾ(´ε`*;)ゝ
それが1話観た時に、あっ!面白そう♪って思って第一印象は良かったんです!
ただ2クール作品なので、最後までこの期待に応えてくれるのかな?ってちょっと不安も抱きつつ視聴だったんですけどね(^ー^* )フフ♪
そんな不安もどこ吹く風って感じで、観るたびにo(^O^*=*^O^)o ワクワクさせてくれてグイグイ作品の魅力に惹きこまれていくのでした( ̄▽ ̄)=3 プハァー

まずσ( ̄∇ ̄*)アタシの目を釘付けにしたのは、優雅で秀麗な「オデットⅡ世」でした♪
宇宙空間でありながら「帆船」という設定がとっても新鮮で、マストを広げソーラーセイルに太陽光を受けて静かに航行する船体はとっても美しく、白凰女学院ヨット部らしい船体だったと思います(゚∇^d) グッ!!
また映像としての見せ方もとっても良かったですね♪
宇宙空間に限らず、遠近を意識した見せ方が秀逸で、地上と宇宙空間など適材適所でCGの使い方にも工夫が観られました!
オデットⅡ世は磨き上げられた汚れ一つない美しい船体なんですけど、弁天丸やバルバロッサ等の現役の海賊船は使い古された感じに仕上げていて、そういった細かい所にまで配慮されているところも好印象でした(*^^*)

女子高生と海賊というアンバランスな設定を見事に融合してしまったこの作品の世界観をつくり上げるために、キメ細かい設定がなされているのですけど、それが観ている視聴者にわかり辛くならないように心配りされているシナリオ構成は、2クールを無駄なく安定した面白さを見せてくれていた印象です(⌒^⌒*)b
各話の冒頭のナレーションは「ガンダム」とかでもお馴染みですけど、細かい設定や世界観を少しでも理解しやすくするためには有効ですし、作中での説明臭くなる部分をここで解消する役目もあるんでしょうね♪
また、この時代では砲撃戦や白兵戦の前に「電子線」がとっても重要であることも、白凰女学院ヨット部の演習のシーンで取り入れることでさり気なく指南してくれてましたね♪
ただヨット部のメンバーと弁天丸を関連付けるのにちょっと強引だったかなって思いましたけど(感染症で隔離ってねw)、それ以外は茉莉花を中心に個々の個性を生かしつつバランスよくキャラを動かしていた印象です(*^^*)

声優さんでは茉莉花役の小松未可子さんは自信の一生懸命な感じが相まってなのか「海賊船見習い」と言う微妙な立場を上手く演じていてとっても良かったと思います♪
また、茉莉花の親友で役を演じた小見川千明さんも演技にも関心しました☆彡
「花咲くいろは」でミンチ役を演じていた小見川さんだったんですか∑('◇'*)エェッ!?って驚いちゃいました!声優さんって♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!

そういえば、1話でミーサさんがこんな事言ってましたけどρ( ̄∇ ̄o)
「ホントだったら加藤船長もこんなことはしたくはなかったんだろうけど・・・」
この本当の意味はなんだったのでしょうね♪
原作を読んだことないのでわからないですけど、故・・・ゴンザエモン船長wと、「ブラスターリリカ」こと梨理香さんの思惑が不透明なままなので続きがあるのかな?
茉莉香が正式に船長になった姿も観てみたいですし、まだまだ弁天丸の活躍を観たいので続編を強く希望します八(^□^*) オネガイ!!


■MUSIC♫
OP曲『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』
 【作詞・作曲・編曲】前山田健一 【歌】ももいろクローバーZ
 ヒャダインこと前山田健一さんとももクロとのコラボはドラゴンクライシスのED曲「ミライボウル」以来かな?
 ももクロの元気な部分を前面に押し出したモーレツなナンバーですw
 
ED曲『LOST CHILD』
 【作曲・編曲】NARASAKI【歌】ももいろクローバーZ
 こちらも「ミライボール」の編曲を担当したNARASAKIさんの楽曲です♪
 荒削りさが癖になるももクロの魅力を惹き立てる軽快なエレクトロニカなナンバーですd(-_^)good!!

ED曲『Black Holy』(第9話、第12話、第16話)
ED曲『透明な夜空 〜瞬く星に包まれて〜』
ED曲『未來航路』
 【歌】小松未可子
 ももクロのあとに聴くとなんだかC=(^◇^ ; ホッ!としちゃう憂いがある小松さんの歌声♪
 楽曲はオーソドックスでキャッチーな構成となってるのでとっても聴きやすいです。☆⌒d(*^ー゚)b グッ!!
 個人的には『Black Holy』のようなBメロからサビにかけて盛り上がるアップテンポな曲がお気に入りです♪


2012.01.21・第一の手記
2012.10.07・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 69

65.3 9 ハッキングアニメランキング9位
大図書館の羊飼い(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (649)
4002人が棚に入れました
学生数5万人、教職員8000人を数える国内有数の学校法人「汐美学園」。数多くの学生寮、各種スポーツ施設はもちろん、カフェレストランから路面電車まで備える充実ぶりで、特に「大図書館」は国立図書館に次ぐ規模と言われている。筧京太郎はここ大図書館で、幽霊部員だらけの「図書部」に所属し、一人ゆったりと本を読んでいた。

4月。どんな願いでも叶えてくれることで有名な謎の羊飼いから「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう」というメールをもらった筧は、白崎つぐみと知り合う。友人の桜庭玉藻とともに学園をもっと楽しくするための活動を始めていたつぐみは、玉藻や筧の友人・高峰一景とともに図書部へ入部する。

声優・キャラクター
間島淳司、米澤円、斉藤佑圭、山本希望、仙台エリ、種﨑敦美、森久保祥太郎、中島沙樹、佐藤利奈、柏木美優、瑞沢渓、大地葉、楠大典、鶴岡聡

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

修羅場ってみましょうか・・・^^

この作品の原作は18禁恋愛アドベンチャーゲームとの事です。結構ゲームを題材にしたアニメって多いんですね^^
アドベンチャーゲームを題材にしていると、どのルートが作品化されるかでアニメも・・・そしてややもするとゲームそのものの評価に繋がってしまうのが、難しいところなのだと思います^^;

私は原作は未プレイですが、事放送前特別番組「前夜祭」を視聴したので、作品のあらすじやそれぞれの役どころを知りながらの視聴となりました^^
個人的には米澤円さんの出演が嬉しい作品でしたけれど^^;

在籍学生が5万人という超マンモス学校である「汐見学園」の大図書館は、国内トップクラスの規模を誇っています。
この主人公である筧 京太郎(かけい きょうたろう)は、幽霊部員だらけの図書部の一員で、いつも図書館の一室で本ばかり読んでいました。

そんなある日、京太郎は羊飼いと呼ばれる謎の人物から「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう」というメールを受け取るのです。
そして白崎 つぐみ、桜庭 玉藻と出会い、学校を楽しくするためのハッピープロジェクトが動いていきます。

図書館と羊飼い・・・結びつきが全く無い両者ですが、この作品では羊飼いという存在が良いスパイスになっていたと思います。

ハッピープロジェクト・・・生徒からの相談に応えたり、校内美化活動に勤しんだりと、所謂何でも屋さんです。
ちょっと後回しにしたいなぁ・・・などと人が思うことを率先して引き受ける・・・
これって、中々できることじゃ無いと思うのですが・・・気の持ちようなんでしょうね^^
それらの活動中の皆んなはとても楽しそうですし、一つ一つの出来事を乗り越えることで仲間の結束も固まっていくのが見ていて分かります^^

最初は少人数での小さなさざ波でしかありませんでしたが、理解者も増え小さなさざ波はおおきなうねりへと変貌していきます。
そしてそのうねりは「ミナフェス」という独自のイベント形に姿を変えるのですが、皆んなの根底に流れていたのは「自分たちの力で何とか成功させたい」という強い思いでした。

でも、思いが強ければ願いが叶う・・・
残念ながら世の中はそんな順風満帆にはいきません^^;
願いが大きければ大きいほど立ちはだかる障害も大きくなるのが世の常です。

彼らの前に立ちはだかる障害とは・・・?
皆んなの思いの行方は・・・?
気になる方は是非本編をご覧下さい。

ここまで羊飼いという存在に殆ど触れてきませんでしたが、どう書いてもネタバレになりそうなのでレビューは割愛します。
ちょっと不思議な存在で、人々の受け止め方は千差万別・・・
嬉しいと思う人、悲しいと思う人と色々・・・それが羊飼いだったように思います^^

オープニングテーマ
「On my Sheep」歌 - 中恵光城さん
エンディングテーマ
「青空とグリーンベルト」歌 - 西沢はぐみさん
元気の良いオープニングとしっとりとしたエンディング・・・どちらも良かったと思います^^

1クール12話の作品でしたが、原作が18禁ゲームであることをあまり感じさせない作品だったと思いますし、無理に風呂敷を広げずしっかり纏め上げた感があり良かったと思います^^
最初は米澤さん演じる白崎つぐみちゃん推しで視聴していましたが、途中から小太刀 凪に色々と持っていかれてしまいました(//∇//)
私は総じて楽しめた作品だったと思います♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 30

totehi さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

元に戻ったAugust作品。

なんか久しぶりに暇で見た。
色々と感じることがあるからブログや日記のようなくっだらねえ感想になります。



原作を出したAugustと言えば5年以上前だったら代表作は「けよりな」だったと思う。
萌えゲーとして可愛いキャラが居てシナリオもそこそこ良くて、べっかんこうの絵と本当に会話してるかのようなテキストに定評のあった。
そんな立ち位置のブランドであった。

個人的に今までプレイしたゲームで一番といえばこの大図書館の前作にあたる作品なのでどれほどこの作品に期待していたか。発売一週間前なんかは夜も寝れる状態じゃないほど待ち焦がれました。
それは世間の反応も似た感じだったように思えた。

しかし、ユースティアのような凄さを味わっただけにイマイチのような感想しか持てなかった。Keyで言えばCLANNADプレイ後にリトバスやった感じと言えばいいのかな。兎に角、神作の中の神作をプレイ後に同じブランドから良作が出てもそれは凡作のようにしか感じない。
そんな感じでした。

「殻ノ少女」で言うならば「穢翼のユースティア」という作品のパラノイアに支配されていたのだろう。
だから個人的に評価も低かった。



で、今回何故見たかというと「千の刃濤、桃花染の皇姫」が今年発売なのかな楽しみだな。よし前作もう一回みたいな暇つぶしの感覚で見た。

キャラに関しては一々可愛い。どうもAugustはキャラを可愛く見せることに対しては上手だなと感心。
ここはラノベとか他のブランドでも滅多に見られないAugustらしい良さがある。
例えばNavelのライター王雀孫さんや「パルフェ」や「冴えない彼女の育てかた」で有名な丸戸さんみたいにキャラ同士の真理描写や関係が上手なのだけど、まさしくAugust作品もそれがある。しかも独特な感じなのでこれはこれで素晴らしい。

結果として「FORTUNE ARTERIAL」よりも全然面白かった。と断言してやりたい程、大図書館は面白かった。
エロゲアニメは失敗するって言われるけど、正直なところこの作品も失敗に近いかもしれない。
原作の良さの60%なところじゃないかなって思うけど、それでもアニメなんだから動くし可愛い。
作画もきゃべつのようにならなかったのだから…「けよりな」よりもましだろう。
それに、シナリオ的にちょっと無理も有るし思うところ有ったけど、いい感じにまとめてたし結果としては「ご都合主義でいいからハッピーENDが見たい」って思えるようなシナリオだったし、そんなこと感じれる作品ってのはすぐに見つけれるもんでもない。

だから世間から酷評されるのがちょっと辛い。
だっていい作品じゃないかって言いたい。
確かにくだらないと思うところもあったし見てるこっちが恥ずかしい部分もあった。でもいい所を見ようと思えばそれ以上に出てきた。

最近見たアニメだといい所と駄目だししたい部分を天秤にかけるといい所が少ないような作品だったと思う。


例え自分の好きな終わり方。喪失感、虚無感のような「辛いけど、でも辛いだけではなくどこか救われたような強いメッセージ性のあるEND」でもない。

久しぶりにハッピーENDも悪くないなって思えた。「SAO」もそうなんだけどハッピーENDには腑に落ちない終わり方と、これが見たかったみたいな終わり方があるんだけど後者の方だったなと自分は感じました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14

道明寺桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

1クールギャルゲアニメ歴代最高の作品

ヒロイン勢が全員可愛く個性的で、悪友キャラも良い味を出しています。
主人公も特別格好いいとまではいかないかもしれませんが不快さがなく、スムーズに視聴者の分身として受け入れやすいキャラとして描かれて好感が持てます。


ストーリーや設定においては、基本的に現実と大きく差があるようなファンタジー面や未来的要素は多くありませんが、現実に存在しない規模を誇る学校を舞台とする点、人々の人生を軽く手助けして導く羊飼いというファンタジーであるがファンタジーすぎない存在が良い具合に世界観の味を引き出しています。

また、サブヒロインやサブキャラも交えて織りなす学園の日常の描写がとても楽しく、萌えと笑いに富んでおり、シリアス面も含めてバランス良く楽しめるストーリー雰囲気が構成されています。


この作品のように、メイン格のヒロインが平均5人前後いる美少女恋愛ゲーム、いわゆるギャルゲーを原作とするアニメを、
1クール(10~14話)でそれぞれのヒロインの魅力を引き出しながらストーリーとしてもまとめるのはかなり難しいことだと思います。

そのため、1クールでギャルゲー原作をとするアニメを作ると中途半端な打ち切り的な終わり方になるか、中心的に描くヒロインを絞るかという形になりやすいのですが、

大図書館の羊飼いは玉藻ちゃんの描写は比較的少なくなったものの、上手い具合にメインヒロイン全員の魅力を表現しつつ、メイン格の中のメインであるつぐみちゃん&凪ちゃん2人の魅力と見せ場を多く用意し、ストーリーとしてもきっちりまとめられていて素晴らしいです。

特に最終話視聴後のなんともいえない心地良い余韻はギャルゲーアニメというジャンルの枠を外して見ても最高クラスのものでした。


各キャラの声優も非常に声質・演技力ともに魅力ある人を揃えていて作品の魅力を補強するのに大きく貢献しています。

音楽面でもOPテーマとEDテーマが当然のことながら作品に合っていますし、単体の曲としても良い曲だったと思います。


1クールギャルゲー原作アニメを作る時のお手本にするべき作品というぐらいの価値があります。各種スタッフには賞賛と感謝を捧げたいです。


余談となりますが、サブヒロインも含めて今作にて焦点が大きく当たらなかった中にも魅力的なキャラはまだまだ多くいるので、番外編などがあっても面白くなると思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

77.1 10 ハッキングアニメランキング10位
シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)

1998年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (884)
3922人が棚に入れました
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは? 「人は誰しも“繋がれて”いる」「私は遍在する」

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

観るものを究極に選ぶ作風の前衛カルト作品 

視聴後これは何か書かないといけないという使命感に駆られた本作ですが...
一体何から書けばいいんでしょうね。。
この作品に関して自分ができるネタバレ無しのレビューを書くという事は、
非常に表面的で浅い駄文になってしまうとは思いますが、
今更この作品に関しての新たな考察、など自身の見解を書くことに意味は無いだろうと感じるので、
本作を観たことが無い人、興味はあるが観てない人、にどんな作品かが伝わるように、
率直な感想を書いてみようかと。


色々なところで「難解アニメ」の代表ともいうべき扱いをされている本作ですが...
あにこれの成分タグでも「難解」ランキング1位。
確かに言われている通り難解だと思います。

自分は視聴前にある程度そういう情報を得て視聴に臨んだので、
講義を受ける要領でメモを取りながらの視聴となりましたが、
(視聴間隔が空くと難解なものはより訳が分からなくなるので)
正直一度目の視聴では物語のごく表面的な部分のあらすじをたどるくらいで、
本作の本質やメッセージには辿り着いておらず、なんとなく解った気になっていたつもり、で居ました。。

その後やっぱり気になって、本作に関する考察のサイトを読んだりして、
なんとなく解っていた、と思った部分も言葉で説明されることによって、
より具体的に頭を整理することができました。
(今思えば止めときゃ良かったなと思います。というのも、どうしても観る時に意識しなくても、
他人の考えや意見に左右される面があるので。この作品は特に自分で考え想像し、
頭を悩ませる事自体が醍醐味だと感じるので)

そして、2回目の視聴。
この時も1回目の視聴で足りなかったと思う部分のメモ書きを追加しながらの視聴となりましたが、
1回目の視聴では最終話観ても「ふ~ん」って感じであまり感じるものがなかったんですが、
2回目の視聴では全く異なった印象で、感慨深く観終えることが出来ました。
まぁそれでも最後までぶつ切りで観るものを感動させるようなベタな演出は一切無しなんですが笑
この辺りが本当にカルト的であり、万人受けなんか全く狙っていないというのが逆に清々しく思えます。


本作がなぜ難解なのか?と言うと、まぁ1話観ればすぐ解るとは思うんですが、
殆ど具体的な説明という説明がなく(後半に矢継ぎ早に唐突に説明されるものが一般人にはおよそ馴染みのない、
シューマン共鳴やら、ザナドゥ計画、ロズウェル事件などのカルト的なものだったりする)
設定自体もかなりマニアック、表現が抽象的であらゆる出来事が唐突に感じ、
現実なのか幻覚、幻想なのかさえも判らないような描写や台詞だったり...
場面場面の切り替わりや各話の引きも毎回ぶつ切り、
終始まぁそんな感じで展開するんですよね。。

なぜそんな描き方をするのか、作品をある程度理解すればそれなりには納得できるんですが、
普段放送されてるような作品とは全く異質なものと言えるでしょうし、
そりゃ1回観て理解しろ、という方が土台無理な話。。
今ならこんな作品を作ったら大目玉食らいそうですが、当時は今ほど円盤売上至上主義の風潮がなく、
ある程度自由な製作環境だからこそ作れたのかもしれません。
いやはや、こんな作品が世に出てきたというのはある意味奇跡的とも思えますね。


で、まだこれから観るという人へのアドバイスとしては...
本作を理解するためには、とにかくまずはシンプルに何が起こってどうなったのか、だけ、
細かい部分はあまり気にせずに観ていくのがいいでしょう。

もっと言うと、結局主人公レインとは一体どういう存在なのか?レインは何をやったのか?
もう一人の重要人物である英利政美はどういう存在で、何をやろうとしたのか?
この辺りだけに集中して観ていけば良いのでは、と思います。
それを踏まえたうえで、一体本作が何を言いたかったのか?ここを考えれば良いのではないでしょうか。
人によっては解釈が異なる事もあるかと思いますが、
本作の醍醐味はテーマ&メッセージの意味を自分なりに解釈することにあるんだと思います。

でもまぁ正直言うと、自分はこの作品を観るのはかなりしんどかったですね笑
混乱する頭を整理し、想像力で補いながら毎話観ていかないといけないし、
終始どんよりとして陰鬱な雰囲気に包まれているんですから。

ハッキリ言ってしまうと、観ていて全く楽しくはないですね笑
それでも、惹きつけられる魅力があり...また観たくなる。。
自分はこの作品の「物語」に関する評価としては、
今まで観たアニメの中でも最高評価に値する作品の一つであると思っています。

よく言われていることですが、やはり当時まだインターネットが今ほど普及していない90年台後半に、
(自分がパソコンを初めて購入してネットにダイヤルアップ回線で接続していた頃)
SNSが普及し世界中のあらゆる人同士が繋がり合うようになった現在のインターネット世界を見据えた、
先見性のある内容は特筆すべき点であり、またさらにその先をSFで描いた内容は、
時代を先取りしすぎている、とはまさにその通りかと思います。

恐らく放送当時観た人はなんのこっちゃ?という印象しか持たなかった人が多かっただろうと推測しますが、
時代が本作で描かれている内容に追い付いてくるにしたがって、
どんどん評価が高まってくる、こういった作品は本当に珍しいと言えるでしょうね。

昨今ではインターネットを題材にしたような作品も物珍しくはなく、
大抵はネットゲームの世界に入ってどうのこうの、といった内容ばかりで正直オリジナリティに欠ける印象を持ちますが、
本作はワイヤード(今で言うインターネット、ネットワーク)と現実世界、
2つの世界に於ける「情報」や「記憶」「存在」「繋がり」、
などといったある意味概念的な側面に焦点を当てて描かれており、
カルトな作風含め、唯一無二のオリジナリティを持った物語として、
観る者の好き嫌いは別にして高く評価されるべき作品だと思います。


☆声優☆

レインの声優さんに関しては客観的にみれば演技が上手いとは思いません。
というのも、演じている清水香里さんは当時現役中学生でこの作品がデビュー作なんですよね。
制作側が敢えて「不安定」な存在であるレインを演じさせるためにオーディションでかなりの人数の中から抜擢した、
というのを制作秘話として何かで読んだことが有ります。
収録はかなり大変だったようですが...制作側の意図が解ると納得できるキャスティングだと思います。

その他、速水奨さんや中田譲治さんのようなベテラン実力派も起用してバランスを取ってますが、
子役の演技には少々難があるように思います。


☆キャラ☆

この部分の客観的な評価は難しいですね。
キャラそのものが物語、と言っても過言ではないような気もしますし。。
極端な話、観方によっては1点か5点どちらでも間違いはないようにも思います。
レインに関しては、こんな登場人物の描かれ方をした作品は自分の知る限りは思いつかないので、
敢えてそこを評価して5点としたいと思います。


☆作画☆

セル画アニメの晩年期にあたる作品ですが、
自分の観たものは恐らくOPに関しては色彩が鮮やかで、後に?デジタル化されたものなんじゃないかなと思います。
作中は如何にもセル画な絵柄ではありますが、ところどころ実写映像を挟んだり、
ちょこちょこと実験的な試みがなされているように思います。 

人物の描き方(特に引きの画)などは、やはり現在のものと比べると劣ります。
背景に関しては独特の暗さ、陰鬱さをよく伝えるもので、
張り巡らされた電線など、個人的には好きですが、結構同じ場面を使い回したりもしてますね。
(OP後のシルエットと自動車の場面、たぶん敢えてやってるんでしょうけどね)
恐らく当時としても予算的にはたぶんそこまで掛けれなかったのかもしれません。


☆音楽☆

OPのインパクトは数あるアニメの中でも上位に来るものだと思います。
歌詞も抽象的でありながら、レインを歌ったものであるというのは、OPアニメーションからも明らか。
ていうか、あのPlesent Day,Plesent Time Hahahaha...ってのが頭から離れませんね笑

これに対するEDは、個人的にはなんで?と思う選曲。。
制作側の好みが濃く反映されてそうなブルース系の曲。
渋いけど歌詞含めてどうもあまり作品には合ってなさそうな気も...

作中BGMはハウリングのような電気的なノイズ、ギターのノイズなど、映像と相まって暗さと陰鬱さをより助長してますね。
まぁこの辺も低予算なんだろうな~と思いますが、如何にもなカルト臭がしますね。


純粋なクオリティー面は高い作品ではありませんが、
逆に言うとあまり綺麗でゴージャスに作っても、このカルト的でイッちゃってる作風には合わないような気もします。

オススメかと言われると、「すべての人にオススメ」とは到底言えません。。
今敏監督や幾原邦彦監督作品のような難解系のものが好物の人にオススメしたいですが、
有名な作品ですし、まぁそういう人は既に観ている人が殆どでしょう。。

色々な作品を観て、王道的なアニメは展開が読めるし飽きたなぁ、くらいに思ってる人が観た方が良いでしょうね笑
しかしながら、観るならある意味本気で理解しようと思って観ないと、ハッキリ言って時間の無駄です。
一切笑いもないし、楽しくもありません。終始暗く陰鬱です。
ギャグも萌えもありません。
大多数の人にとっては面白く無いでしょう。

でも、面白く無いからといって、つまらない作品であるとは思いません。
今まで観てきた作品の中でもただ単に「感動した」、とか「泣ける」、とかいう類のものじゃなく、
心から「これは凄い」と思える数少ない作品の中の一つですね。
(成分タグの最多が「鬱」となっていますが、観方によっては感動的な物語、とも受け取れると思います)
日本より海外のコアなアニメファンには非常に高く評価されている作品ですが、
人によっては人生最良の一作になりうる、そんな魅力が詰まっていると思います。

ある意味究極に観る者を選ぶ作風なので、名作とは言えませんが90年代を代表する傑作だと言えるでしょう。
因みに本作は「文化庁メディア芸術祭 優秀賞」(1998年度)を受賞しています。

※追記※

ずっとどっかで似たような雰囲気のものを味わったことがあるなぁ、と思ってましたが、ようやく思い出しました。
つげ義春の「ネジ式」「ゲンセンカン主人」辺りの前衛的な漫画ですね。
(絶対製作陣は影響受けてると思う笑)
たぶんつげ義春の世界観にハマれる人なら、本作を観て損はないでしょう。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

問題意識は、攻殻S.A.Cにほぼ引き継がれているのでは

 2004年ぐらいになってから、人から「見ておいたほうがいいよ」と言われて視聴。

 うーん。
 「難しい」っつーか、文脈の提示の仕方が全体にフリーダムだな、っていう印象。
 だから、まあぶっちゃけ、筋を解説されないとさっぱりよくわかんなかったんだけれども、まあ、この手法の問題はさておき。確かに、けっこうグネグネとした問題意識も背景にはありそうなんだけれども。…

(注:下記、読み手に対して、非常に不親切なテキストになっております。)

 ただ当時、思ったのは「うーん、ヘーゲルとサイバーパンクが好きな人とかがつくったのかな。ヘーゲル的世界観によって、サイバースペースの到来を、予見しなおすとこんな感じになるのかしら」みたいな感じ。あとから、小中 千昭さんは、クトゥルフ好きでもあるということ聞いて、なんか納得。そうですか、と。
 他の方も書いているように98年でこういう想像力をもちえていたのは、確かにすごいのだと思います。

---------------------------

 で、下記、作品の演出とかそういう問題はぜんぶすっとばして、単に思想的評価だけのはなしですけれども、
 わたしの見立て=「特殊なヘーゲル的世界観によるサイバースペースの未来予見」という感想をベースに強引に考えをすすめてしまうと、基本的には、この作品で描かれようとしていた問題設定は、『攻殻S.A.C』のほうで、ほぼ見事に発展的に描写されおえている、と言ってしまって問題ないんじゃないでしょうか。
 一言で言ってしまうと「ベースとなる概念がちょっと古いんじゃないの?それ」ということを思ったということです。サイバーパンクとか、SF的世界観は新しいところを衝いていたとは思うけど、仮にヘーゲルが下敷きだとすると、それはちょっとなぁ…みたいな。

 も少し、長く言うと「インターネットだとかの情報システムによって、社会の構成が変化する」とか「様々な人が、<なぜか>同一の行動をとりはじめる」ということを説明するためのモデルに、ヘーゲルの想像力をベースに使うか、複雑系とかの想像力をベースに使うか、というところで。
 lainは、(たぶん。たぶんだけれども)200年前のえらい哲学者であるヘーゲルあたりが下敷きで。
 攻殻S.A.Cは、(これも、たぶんだけど)比較的あたらしい複雑系とか、サイバーカスケードの議論とかを一定程度踏まえている感触。

 わたし、古典をきちんと読んでない人なので、古典をきちんと読んでるようなスーパー教養人だと、古いものをベースとすることの意味まで含めて味わったりできるのかもしれないけれど、わたしはそこまで舌が肥えてないので。
 えー、うーん、古くしか見えないわぁ…みたいな。

 まあ、あと、ヘーゲルっぽいけど、ヘーゲルそのものでもないだろうというのも、あって。そこらへんが、まあ、こういうもの評価するときに、こういう話もちだすとめんどくさいところもいろいろあるんだけれども…
 

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下記、もうちょっとだけ、詳しいコメント
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 たぶん、この作品の問題意識を「古い」と感じるかどうか、というのは、おそらくヘーゲル的歴史観を古いと感じるかどうか、みたいな論争と、おそらく一緒なんじゃないか、と思っています。
 わたしは、そこらへんの論争の非常に込み入った話は、正直ものすごく遠巻きにしかわかってないので、けっこう表層的な理解かもしれないけれど、わたしの理解の範囲で、キーワード散りばめる程度に、少し書いておきます。



 ヘーゲル大先生は、200年以上も前に「時代精神」とか「世界精神」って言っていたわけです。
(ここらへんは、興味ある人は、「ツァイトガイスト」とか「ヴェルトガイスト」とかでググッてみて、よくわからんと思ったら、ヘーゲルの入門書を図書館で手にとってください。わたしもあまりわかってませんので)

 で、ヘーゲルのそういう話って、ある種の歴史記述とか、巨大な「世界史」みたいな運動記述としては、確かに200年前の時点だと「イイわ、コレ」みたいなところがあったとは思うのですよ。今みても、さすが、ヘーゲル先生するどい!みたいなところは、あるとは思うんだけど。200年前は、資本主義経済とか、出版文化とか、その手のテクノロジーや制度の変化によって社会メカニズムが高速に変わっていくことを説明する概念がなかったので、その時はすごくよかったんだと思うんだけど…。
 でも、それって要するに現代の理論的にはいえば、進化ゲーム理論とか、生態論のメタファーあたりをコアにして議論されている、カスケード・メカニズムの話とか、文化の生態論的な発展プロセス記述とか、そういうもので代替可能な議論になっちゃっているんじゃないのかしら?素朴に。もう、ヘーゲル的な歴史記述とか、世界把握の仕方は限界含みな感じがありありと出てきてしまっているのでは?と、わたしは思っているわけです。…わたしは思っている…というよりか、まあ、別にそう思ってる人はわたしだけじゃなくて、ものすごくたくさんいるとは思うけど…。



 ただ、この手の議論の難しいのは、Вистерияさんが書いているリチャード・ドーキンスの「ミーム」みたいな話を持ちだされると、ミームの話って、ある種ヘーゲル的な発想を、現代の比較的新しい理論と接続しているような印象があるので、わたしが先述したような、「古い理論 vs 新しい理論」みたいな対立構造は難しくなっていて、すごく評価に困るんだけれども。
 まあ、ミームの話もわたしは話半分ぐらいしかよくわかってなくて、「ミーム」という説明形式を採用することによって見えてくるものもあるとは思うんだけど、なんか「ミーム」って概念としての使い方が、まだなんかちょっと難しいつーか、提唱してる人たちは細かいロジックを構築してるとは思うんだけど。なんか、細部の概念の彫琢の仕方がよくわかんないです。



 わたしも、この手の社会/文化生成プロセスの説明理論についてガチで興味あるわけでもないので、ヘーゲルと、アクセルロッドと、ドーキンスが全部好きです!(+サイバーパンクも好き)みたいな人がいたら…というか、それはもはや、何かの専門家みたいな人だと思うけど。そういう人にlain見せたら、なんか、面白いコメントしてくれたりするのかも?
 まあ、わたしも、これ書きながらヘーゲルとか、ひさびさに勉強しなおしてみようかな、みたいな気分にはなった。

 lain好きの人は、まあとにかくそこらへんの論争フォローしてみると、たぶん、面白いと思います。


追記:
・適当に、「serial experiments lain」「ヘーゲル」でググってみたところ
 あんま、ヘーゲルと絡めて書いてる人だれもいないのね…わたしの見方が偏ってたんだろうか…うーん

・「『攻殻機動隊 Ghost in the shell』の話のほうこそ、ヘーゲルのガイストの話じゃんか」と書いてらっしゃる方がいて、ああ、そういう見方もあるのね、と思った。
 まあ実際『攻殻機動隊 Ghost in the shell』のゴースト概念はけっこう適当なので、『lain』の批判対象として機能するのは『攻殻S.A.C』のほうだと思います。

・あと、lainの命名の由来は『引き裂かれた自己』のロナルド・デイヴィット・レインなのか…。じゃあ、何、基本的には精神分析系のメタファーでこれ作ってんのか?いや、でもサイバースペース全般の話かいてるんだから、やっぱり、精神分析=個体の話がベースなので、社会的なメカニズムの話にメタファーひろげると、それはやっぱりヘーゲルに見える…のはそんなに変じゃないと思うんだけどな…。

・あと、アンサイクロペディアの解説が一番おもしろかった。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

LAIN Complete Review: The meaning of existance

非常に難しい作品です。多分、満足いく理解など一生得られないのでしょう。
シーンが所々なんの因果関係も無くぶっ飛んだり、訳の分からんセリフを放ったりと、もうなんのこっちゃ。
またストーリー自体突然の神の出現で一気に世界観が歪みますし。

そんな難解な作品なんですが、メッセージ性は非常に強いです。
一番注目するべきはこの作品が面白いか、理解できるものかではなく自分なりに作品のメッセージを把握して実生活に生かすことだと思います。


☆物語
簡単な物語の説明をしましょう。
レイン(またはlain、玲音)は人間の自立進化を成し遂げる為に作られた実験用プログラムです。ワイヤード(現代でいうインターネット)上に完全なる自意識を具現化することができれば、我々は肉体という原始的障害を乗り越え全人類で共感という総合的意識で束ねることができるのではないか?というのが現代の自立進化です。

自立→肉体からの解放です。

レインは自我を持たないワイヤード上に存在する普遍的存在でした。それをどこかの科学者が肉体を構築し、そこに玲音という自我を入れた。

レインはワイヤード上の普遍的存在(作品上の定義では「神」となっていた)で、玲音はリアルワールド(現実世界)に存在する一個人です。

実験では玲音にワイヤードの接触させ、玲音がレインと同一化した時に起こる自我の形成という点を研究したかったのだと思われます。

しかし、本編で実際の起こったのは完全なる「神」の出現でした。

現実世界にある筈の自我の意識というものをワイヤード上に完璧に具現化できるようになると、情報操作どころか人間、歴史の改竄ができてしまうということでした。


これの理由はシューマン共鳴とミームにあります。シューマン共鳴(共振)とは地球の地表と電離層の間に存在する電磁波みたいなものです。
本編ではこの共振を電線が常に微量の音を発するということで表現していました。

ミームとは自己複製子の可能性としてかの有名なドーキンス氏が定義した一種の理論上だけで存在する総合意識のようなものです。遺伝子とは似て非なるものです。
ミームは人間の進化に関わってきたとされるもので、自然淘汰から生まれる遺伝子の適応性(ダーウィンの進化論)以外にも人間の総合的に左右する無意識下での伝達があるのではないか?という仮説から生まれました。

簡単な例を「ジーパンを履く」という風習を使って説明しましょう。有る時期に人がジーパンを履くようになった。これをミームを使って説明すると以下の様になります。

『1840年代後半のアメリカで「ジーパンを履く」というミームが突然変異により発生し、以後このミームは口コミ、商店でのディスプレイ、メディアなどを通して世界中の人々の脳あるいは心に数多くの自己「情報」の複製を送り込むことに成功した。』

この人間の無意識下で影響を及ぼすミームというものがシューマン共鳴によって引き起こされていると考えるとどうでしょうか。
そしてワイヤードというインターネットが己の自意識を具現化できるようになるというのはネット上にミームを展開できるということです。

そして、ミームはシューマン共鳴で繫がっている。つまり、自分の脳内でネットの接続できるということです。
レインが最終的に本編でしていたことは自我というものを全人類の中に偏在化させ、情報操作をするということです。
これが、レインは神だと言われる所以です。


この作品が理解しにくい理由として「世界観」というものが挙げられます。
レイン(主人公)が特別な存在であった為見る側にもその変な世界観がダイレクトに伝わってきます。

一つ簡単そうで簡単じゃない本編に関係する思考を提示してみましょう。
「あなたたちすべてが私の自己だ」
これはユングが彼の生徒に自己の概念の説明に使った言葉です。
己の自我というのは自分に服するものであり、それ以外の何ものでもないと考えるのが普通かも知れませんが、ユングは自己などという意識を超えた存在を仮定しました。

あなたは、自分の意識、意思を自分のものだとどう証明しますか?

自分が自分がここにいるなんて普段考えませんが、ちょっと考えてみると意外と面白いものです。一つの考え方として存在は「認識」によって生まれるという説があります。

例えばあなたの目の前に「机」があったとする。あなたはそれを「認識」して、机だと判断する訳なんですが、この机をもし透明にしたらあなたはそこに机が存在すると分かりませんよね?透明ってのは物理的には存在してるんですけど、人間に五感では感じられないという意味で言っています。

別の例を出しましょう。ある誰もいない森の中で松ぼっくりが落ちたとする。しかし、それを誰も見てもいなかったし、音も聞いていなかったとする。では、松ぼっくりが落ちたというのは事実なんでしょうか?「認識」されなければそれがたとえ本当に落ちたとしても「現実」という世界の中では表現されないんですね。

つまり、人間が「認識」したものが個人の世界である。そして、その「認識」されたものを人間の総合的な意志として集約させたものが「現実」です。

これは科学的には裏づけされている話でもあります。粒子力学の世界ではアトムより小さい単位を研究するにあたってある現象を観測しています。トンネル現象もその一つで、物理的に通るはずの壁をその極小の単位がすり抜けることです。他にもその単位が急に消えたり観測できなくなったりと、「認識」による観測だけでしか仮定できない現象が起こります。
有る意味「認識」によって物体の存在が肯定されるというのは間違いではないんですね。

で、このセオリーがどうこの作品と関連付けられるのかというと、色々あり過ぎてちょっと説明できないかもです・・・汗
神の存在は認識から肯定できるのか?だったり意識を具現化したときに「認識」の定義はどうなるのか?など、この作品自体オカ
ルトなので様々な方向に広げていくことができそうです。

そこら辺は視聴者の皆さんにお任せしますねw

難しくて理解出来ない作品ですが、私にとってアニメの可能性というものを教えて貰った作品でもあります。やはり、こういう実験作みたいなものを表現する媒体としてはアニメが一番優れていますね。

皆さんも一度、レインの世界に浸かっては如何でしょうか。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

62.8 11 ハッキングアニメランキング11位
電波教師(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (420)
2800人が棚に入れました
学園を舞台に「やりたいことしかできない」
自称YD病の天才オタク青年 鑑純一郎が、高校教師として個性あふれる生徒たちを独自の価値観と指導方法で成長させていくパワー全開の熱血アニメ。
天才オタク青年・鑑純一郎が繰り広げる学園改革とは…! !

声優・キャラクター
神谷浩史、松井玲奈、雨宮天、三森すずこ、大西沙織、日高里菜、田所あずさ、佐倉綾音、豊崎愛生、細谷佳正、続木友子、高垣彩陽、M・A・O、浪川大輔、花澤香菜、平野綾、松田利冴、松田颯水、種田梨沙、夏川椎菜
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

これは原作の方が100倍は面白いです。

<3話までの総評>
「ありきたり」「あざとい」ばっかりでつまりません。
そして特に、柊暦(ひいらぎこよみ)のキャラが原作のものからブレ始めてます。

個人的には『暗殺教室』と『電波教師』は近年稀にみる学園漫画の傑作と思ってます。しかしアニメ版となると話は別。
原作を丁寧にトレースしている暗殺教室は秀作でまとまりそうに対し、電波教師は凡作もしくは駄作で終わりそう。
原作改変がクオリティダウンの方向でがっかりしました。

<ゴールデンタイム、全国ネットの放映って曲者で、地雷が仕込まれてることが多いみたいですね>
深夜枠と違い視聴率確保のためなら何でもありみたいな戦略がありそう。
裏番組(境界のRINNE)に負けられませんから。
幅広い視聴者層の囲い込みのために無難でウケ狙いな原作改変があるのも至極ごもっとも。
改変の方向性から言って、少年誌を読まない年頃の男の子や女の子まで取り込もうとしてるのがバレバレ。
声優にアイドル起用も、彼女のファンを取り込む意図と彼女自身のプロモ-ションのためなのかとも勘ぐれます。

<カレーも銘柄や辛さ度合いで人の好みも様々>
原作の辛口の大人の味を選ぶのも、アニメの子供向けの甘口を選ぶのも個人の自由。
この作品が面白いと思う方を否定するつもりはさらさらありません。
私は、この味では頂けませんので次回、4話だけチラッと様子見したら、
ほぼ間違いなく視聴リタイアするでしょう。


原作の大まかな骨子について
{netabare}
<パターンは単純、プロセスは意外>
常に読者の予想の斜め上を行く展開があって、
先が全く読めないのがこの原作の最大の魅力なんです。

<様々な勝負(ゲーム)という形でいろんな人間を導く鑑純一郎>
結果は純一郎側が勝つだろうと大方予想はつく。
でもそのプロセスが面白く、勝ち方がギリギリまでわからないのが醍醐味。

<純一郎は自分勝手な理由で傍にいる自身の選んだキャラを振り回す>
選ばれた理由は、読者も登場人物も解せない。
しかし彼に選ばれチームメンバーとなるものは皆、彼と一緒にその勝負の試練を乗り越え、
一皮以上脱皮するか成長する、という結果オーライパターンがお約束。

<昨日の敵は今日の友>
純一郎たちが勝負を終えた後は対戦相手の長所を認め、彼のシンパが増えていく。
その中にはほんの5分前までは彼を忌み嫌う敵だったりすることも多い。
{/netabare}
以下は、原作とアニメの違いという観点からの感想です。

★2時限目「社会のルール」
{netabare}
<原作にリスペクトがない>
万引き犯はアニメでは担任のクラス委員の生徒で理由は単なる憂さ晴らし。
しかし原作では純一郎に目を付けた、まだ10代の女理事長柊暦。
偶然コンビニでの純一郎の生徒との一件を目撃して
彼に興味をもった彼女は、わざと万引きして彼の反応をテストしてみたくなったという次第。

原作の学校を辞める理由は、正規採用の海外の大学卒の先生が見つかったので
臨時採用枠の純一郎は必要無くなったため。
痴漢スキャンダルなどではない。
生徒を庇ったかのようにいい話っぽくしてありきたりな学園ドラマに改変されてしまった。
エリートを鼻にかける新任教師をギャフンとさせる原作通りの展開のほうがスカッとして面白いです。
おそらく、高学歴を皮肉ってますので教育上の配慮でしょう。

<大人の事情でしょうか?>
物語が進むほど存在感の増す重要なキャラにも関わらず
妹、鑑純音役に声優ど素人さんをキャスティングしてしまったことはこの作品の質を下げてしまう。

私は、1話はそれほど兄妹の絡みがなかったためか気にならなかったけど
2話以降、声優としてのプロとアマの差がはっきりでてしまい違和感あってドン引き。
喜怒哀楽の怒の演技はまあ許せるんですが、それ以外がどうにもだめ。
キャラになりきってなく他から浮いてしまってると思う。
{/netabare}

★3時限目「チェイス in 秋葉原」
{netabare}
<ここで柊暦と純一郎の対決シーンは原作ではあり得ない>
今回改変が酷過ぎて視聴後に評価を下げて更新しました。
どんどんアニメオリジナル菌が原作君の健康な体を蝕んでる感じ。
原作知らなかったら、まだそれなりに楽しめたかもだけど。
原作読んだことない視聴者にアニメ終了後、原作読んでもらってどっちが面白かったか聞いてみたい。
おそらく初期の内に、純一郎の有能さを派手な捕り物を通してアピールしておきたかったのかと思われます。

<原作の柊暦>
彼女が陰謀で動く姿は読者には一切明示されず周りにも一切気付かれないし、底の見えない謎がずーっと続く。
国家秘密級の情報の入手、頑丈なセキュリティを誇る場所にも自由に出入り可能、
個人情報すべてお見通し…コネは半端無いのはよく分かる。
多少の強引さあっても、老練の策士かと見紛うほどに手口が巧妙。
表で彼女が動くとき純一郎も理解不能なほどのイベントが用意される。
表面上は、取り巻きも少数。ほとんどが彼女の単独行動に見える。
銀杏学園スカウトも、穏やかでしたたかに純一郎が自発性を持って
やる気になるよう仕向けるのが超一流の策士たる彼女の魅力。

<アニメの柊暦>
既視感ありありの権力者キャラで新鮮味ゼロ。魅力半減以下になっちゃった。
自分の記憶の中での原作の彼女は、アニメみたいに大勢の部下を従えて登場、なんてことなかったように思う。
どっかから手配した大勢の某マニアとか、純一郎が戦いたくなる相手を差し向けることはありました。
そもそも、原作なら逃げた人間を執拗に追っかけるような真似しないでしょうね。
原作の彼女は電波系&ゆるふあキャラなので。
アニメ内で探索の手口を妹や視聴者に明かしちゃってますけど、これが地雷。
この時点で彼女のキャラはぶち壊れました。
ついでに言わせてもらうと、妹と捜索する状況作ったのは妹の出番増やしたかったのか、と勘ぐってしまう。

あと、アニメではこのタイミングで出すべき重要キャラを外してます。

だめだこりゃ^^;
{/netabare}

最終的には4話までは観ました。気のせいか純音、出番多い割に台詞あまりない。もしかしたら…。
残念ながらやはり面白くありませんのでリタイア決定です。

この作品、深夜枠で制作してれば、どうなったでしょうか。
少なくても既存にない主人公のキャラ像がもっと生き生きできたような気がします。

アニメはいまいちなんだけど、鑑純一郎に何か心惹かれた方は、原作を読んだら嵌れまると思います。

以上でレビューは終了します。
ファンの方は引き続きお楽しみ下さい。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

理事長って一体何者だったんでしょう^^;?

土曜の夕方枠のこの作品・・・正直結構な視聴数があったので視聴するか迷いました。
ですが主演が神谷さんだったので、「まず視聴してみよう」と思い視聴したら、これが結構面白い・・・結局完走しちゃいました^^

この作品の主人公は鑑 純一郎(かがみ じゅんいちろう)。彼は、「やりたいことしかできない(YD)病」を患っており、その病症を理由に漫画やアニメ、ゲームなどをこよなく愛するオタクです。
その体たらくな生活を見かねた妹の鑑 純音(かがみ すずね)が、純一郎を学校の先生にしてしまい・・・物語が動いていきます。

まず凄いのは、やはり主人公である純一郎です。YDのため、やりたい事以外には見向きもしませんが、一度やる気スイッチが入った時のポテンシャルは半端無いです。
もともと天才肌・・・17歳で「どこでもドア」の理論を提唱するだけのことはあります。
この高いポテンシャルが、学校が抱える様々な問題児の更生にピシャリとハマるんですよね^^
純一郎の妹が何故星の数ほどの職種がある中で教師を選んだのかは分かりませんが、結果的に抜群のセンスだったと思います。

純一郎は高校の先生になるのですが、高校生といってもまだ子供・・・精神的に脆く不安定な年頃です。
ここで踏みとどまらないと、きっと一生後悔する・・・
自分が間違った道を進んでいるのは分かってる・・・けれど、きっかけが掴めなくて戻れない・・・
様々な理由で自分自身の枷が外せない人ってリアルでもいると思います。
そういう時に誰かが手を差し伸べてくれたら・・・という時にサッと手を差し出す純一郎先生は格好良かったですね。

しかしこの作品・・・これでもか、という程たくさんの問題児が登場します。
不良仲間と手を切れずに困っている生徒や、自分の声にコンプレックスを持っている生徒、自分の趣味にトラウマを持っている生徒や、はたまた幽霊の生徒まで登場するのですが、先生の授業・・・結構感動するんです^^;
特に幽霊の生徒の物語・・・まさかの予想もしない展開に不意を突かれ、ラストは涙で前が見えなくなってしまいました(//∇//)
こういう不意打ちがあるから、視聴が止められないんですよね^^

こうして教師として彼なりの授業が行われていくわけですが、一方で純一郎は天才科学者でもあるのです。
彼の才能を欲しがる組織があっても何らおかしいことではありません。
そしてそういう組織からスカウトもされるのですが・・・純一郎は自分自身と向き合い答えを導き出します。
どんな答えかが、是非本編でご確認下さい。

「本当に自分がやりたい事」って、一体何なのでしょう・・・^^?
今その瞬間、本能的にやりたい事が本当のやりたい事というのも違いますし・・・
きっと「本当にやりたい事」って持続できる事なんでしょうね。
持続していく中で、時には苦痛や苦労を伴う事だってあると思います。
それらを全部ひっくるめて「好き」と思える事が大切な気がします。
そう考えると「石の上にも3年」の名言は、物事の本質を見極めるために必要な時間・・・と解釈できるのでしょうね^^

オープニングテーマは、TrySailさんの「Youthful Dreamer」と、スフィアさんの「vivid brilliant door!」
エンディングテーマは、東京パフォーマンスドールの「DREAMIN'」と、9nineさんの「MY ONLY ONE」
オープニングは2曲とも車で聞いています^^

2クール24話の作品でした。この作品に対する見解は色々あるようですが、個人的には楽しめた作品でした。
この作品・・・確かに主人公の純一郎は凄いのですが、それに目を付けた理事長がこの作品の影の立役者だと思います。
この理事長、色々と顔が広いみたいですが・・・一体何者なんでしょうね^^
同じタイミングで放送された「境界のRINNE」は続編の放送が決定しました。
こちらはどうなんでしょうか・・・もし続編があるなら視聴したいと思います♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

karinchaco さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

アバンのYDの説明がダサくて、背筋が寒くなるほど恥ずかしくなる

漫画原作のアニメ。

結局は、5話の録画をミスってから見なくなってしまいました。せめて、dアニメでの配信があれば継続したんですけどね。


4話まで視聴段階での感想です。

原作の評判がよく、同時間帯で同じ掲載紙出身の「境界のRINNE」との同門対決にも注文が集まっていたのですが、いざふたを開けてみたらビックリのクオリティ。

作画は序盤から不安定で見ていて心配になるレベル。20年前ならそれでもよかったのかもしれませんが、最近のアニメはレベルの高い作品も増えているうえに、出来の悪い作品でも作画が怪しくなるのは中盤以降に見られることが多いのですがこの作品は序盤ですからね。心配です。

声優に関しては、主人公の妹役にアイドルの松井玲奈さんが起用されていますね。芸能人のキャスティングについては政治的なキャスティングだとしても役柄にフィットしていればOK。というスタンス(ジブリアニメにはまた別意見がありますが)をとっている私ですが、今回の松井さんの起用はアウトです。ただ、彼女もアニメ好きを公言しているということもあるので、現場で共演陣に的確なアドバイスをもらって演技力を高めれば、作品が終わるまでにちょっとは巧くなっている可能性もあるとは思います。まあ、本職が忙しい方ですから難しいとは思いますが…。
最悪のパターンとしてはこの作品の出演で謎の自信を深めて対して技術が向上していないのに政治的なキャスティングで全日帯のアニメに出まくるという暴挙はなしにしてくださいね。

シナリオに関しては原作未読なので原作との比較はできませんが、ここまでの印象は「非常に古臭い」と感じました。なんか80年代のアニメを現在風にアレンジしているような感じといえばいいのでしょうか。特に、主人公の問題の解決方法が斬新なように見えてツッコミどころ満載。なんだか小さい頃に再放送で見た「大映ドラマ」(スチュワーデス物語とか、スクールウォーズとか)みたいな雰囲気といえば伝わるでしょうか。
このように見えるのは、シナリオの問題もあるかもしれませんが、演出の問題なのかもしれませんね。

ツッコミどころ満載のビックリクオリティですが、この作品の行く末が別な意味で気になります。忙しくて見ることを断念するか、飽きてしまわない限りは追いかけていきたいと思います。

ちなみに、毎回アバンでYDの説明をしてくれますが、ダサくて、背筋が寒くなるほど恥ずかしくなるのでやめてほしいです。神谷浩史さんのイケボの無駄遣いだと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

80.3 12 ハッキングアニメランキング12位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (555)
2507人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どうせみんなホモになる

自分には珍しい原作既読。{netabare}
とはいえ記憶は殆どなく、印象としては「どうせみんなホモになる」。
アッシュ捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げてーの繰り返しで、そうしてる間に「なんでそんなにアッシュ狙われるん?」って思ってたエイジが、狙ってるヤツらはみんなアッシュのケツ目当てで「ああ、そんなに良いものなのか!」と目覚めてエンドだった記憶。
出てくるキャラがみんなホモで原作読んでる最中結構笑った記憶がある。
自分は隠れホモが嫌いなだけで、最初から「ボクホモです」って言ってる分には気にしないので問題無く見れると予想。

って、アニメ見て「あーそうそう、こういう内容だったわ」と思い出せることを期待したけど全然思出せないw
どうせ捕まって逃げるだけだしw
まぁ出てくるヤツはみんなホモ(この世界はホモしか居ない)って思っとけば間違いないので気は楽なんだけど、ちょっと悔しい。

あ、それと原作の段階から大友克洋っぽい部分がちょくちょくあって、これってライブラリあったりするのん?とかちょっと思ったり。
もしあるならアニメ化は結構効率化できるような?{/netabare}

15話までの感想{netabare}
なんでも作中の銃がまるっきりモデルガンなんだそうな。
実銃には無くてモデルガンに施されてるディテールまで絵で再現しちゃってるらしい。
手元にある資料(モデルガン)をこれでもかと精巧に再現しちゃったんだろうね、当然ながら自分は全然気付かなかったけど。
で、一部では笑い者になってるらしいが…個人的には好感度アップ、実直でいいんじゃなーい?
銃がメインの話でもないしなぁ、これがガンスミスキャッツやガンスリンガーガールだったら「おいおい」ってなるけどさ。
そんなん気にしだしたら植物なんて結構アレだし、オタ友の電気屋は背景の建物の配線に「それはない」と突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めると言ってたし…バナナフィッシュに限ったことじゃなくてアニメ全般ね。

と、好意的ではあるとはいえ飛び抜けて面白いってこともなく、ダメってこともなく、だら~んと見続けてるのだけど…15話にしてツッコミどころキター。
色仕掛けで看守の隙を突いて脱獄って、おま…永井豪やすがやみつるの漫画で見た記憶があるが、今の時代にこれって…あるのか?
現代風にリファインした結果がこれ?まぁいいけど。
いや最近もあった気がするが…LOSTSONG…じゃないなぁ、何だっけ?
それよりも色気振りまくのがアッシュで全然嬉しくないw
これ、女性視聴者はキャーと喜ぶところ?それともギャグシーン?
ってか看守はホモだったのか、やっぱりこの世界にはホモしか居ないのか。
もういっそのことポリスアカデミーのブルーオイスターみたいなん出せばいいのに、あそこまでやれば自分もギャグとして楽しめるんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
原作読んだハズだけど殆ど記憶が無く、辛うじて残ってる印象は↑で書いた通り「捕まっては逃げ捕まっては逃げ~」。
んでアニメ見てみたら、うっひゃあ、自分の記憶以上に捕まっては逃げ~でした。
病院や刑務所も「捕まって」にカウントすると何回捕まった?数えとけば良かったなぁ。
いっつもアッシュを逃がすためーアッシュを逃がすためー(たまにエイジを逃がすためー)で周囲が右往左往する、いっつもコレで正直飽きる。
フォックスと初顔合わせの時ゲイバーだったけど、やっぱりブルーオイスターほどパンチはなくてう~ん。
またフォックスとの最終対決でお互い鉄パイプ持った時「お、ここでアッシュは棒高飛びのワザ使うか?」と思ったが無かった、まぁいいけど。
そしてラストは…あれ、こんなんだったっけ?全然覚えてないや、ジェットマンオチでした。
ジェットマンオチにしても元ネタあるのでべつにパクりがどうこう言うつもりは無いがなんかやっぱりどこか懐かしい。
あーそれとこれは…何の感想で書いたんだったかな?
その昔“風と木の歌”っていうBLモノの元祖になるのか?っていう少女マンガを読んだことがあって(アニメ化もされてるみたいだがそっちは見てない)、登場キャラが男の筈なんだけど中身がまるっきし女で「こんな男いねーよw」と思った事がありまして。
こっちでもユエルンがソレで、男として見るよりただのヒス女として見た方が理解しやすいと思う。
むしろ「ヒス女」としてはよく描けてて、普通に女性キャラで書けばいいのに…と思わなくもない。

大して面白くもなかったけどこういう系はこういう系で残って欲しいので(ホモは抜きで)、まぁ並ってことで。
とりあえずあれだ、ハードボイルドを謳うのであれば横一列になって滑走路を歩いてくれないとピンと来ないんだ、うん(スゲー偏ってるって自覚はある、あああ~ああああ~んんん~んんんん~※)。

面白くなかったといいつつ評価する点。
例えIQ高かろうが町のチンピラ上がりのアッシュとしては、本場モンのホンモノのフォックスや師匠には手を焼きました。
パワーバランスとしてはこれが正解だよなぁ。
殺し屋養成所出にも関わらず安く買い叩かれ、また実際大して強くなく昨日今日殺し屋になりましたって素人に苦戦する“豚骨ラーメンズ”のアホアホさが際立つ。
それとオチに繋がることだけど、やむを得なかったとはいえショータを殺したことで恨まれ続ける(事情を話そうにもヤバいネタで話せない)ってのは久々に見た気がする。
アンゴルモア?知らんなぁ。
最近は主人公格(作者が投影するキャラ)が悪し様(あしざま:相手を実際よりも悪く、また、いかにも悪いものとして扱うさま)に扱われるのって避けられてる気がするので。
そこら辺も「古い」に組み込まれてしまうのはちょっとイヤかも。

※参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=GfJSNWHuFhY


余談、園芸ネタ
バナナフィッシュの原料としてブルグマンシアが出たけど、原作でもそうだったっけ…覚えてないや。
元はダチュラの一種扱いだったけど近年ブルグマンシアは分けようって扱いを受けてる植物で、そこらで観賞用として園芸植物として普通に出回っている、流通名はエンゼルトランペット。
たまに蕾をオクラと誤食して死亡事故が発生する(ボケ老人がやらかす)けど、それは恐らくダチュラのほう…とはいえブルグマンシアも同等の毒性アリ(と言われてる)。
ブルグマンシアでフリー素材検索するとアニメそっくりな画像が出るのはナイショだ。
またアッシュがアタリをつけてニアピンだったペヨーテはサボテンの一種(ロフォフォラ)、メスカリンを含有してるとされてるけどとても幻覚作用を引き起こせるほど抽出できないので“日本では”栽培を規制されてない。
ってかオレ育ててるし…邪な目的は無いヨ。
草餅みたいなカワイイ植物です。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2025/02/01
♥ : 53

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

二人が紡ぐ絆

街の中に紛れ込んだ男。その男の名は誰も知らない。彼は殺しと仲間の為に生き、そして自分の為に戦う。だが、それだけではない。
復讐、償い、親友。これらは彼にとって大きな鍵となっている。特に親友...もう一人の少年は彼を慕っている。二人は互いに強い絆で結ばれた間柄なのだ。
もしその少年と別れてしまったら、彼はどうなると思う?怒りと悲しみ。あらゆる感情に左右され、成すべき事を見失ってしまう。その可能性がある。
出逢いは難しそうで簡単にできるが、別れはすぐにやってくる。死が二人を分かつまで、彼は足掻く。たとえどのような目に遭っても。
彼がその親友と仲間達を大事にする引き金となったのは、彼自身のモットーだ。同時に彼を取り巻く多くの陰謀と黒幕が関与している。
果たして彼は突き付けられた現実を輝かしい未来へと変えることができるのか?それとも、このまま堕ちていくのか...

舞台はアメリカ。本作の主人公であるアッシュ・リンクスはギャングのボス。彼は自らの手を汚してまで今の地位にのし上がってきました。
裏社会という名の犯罪行為は頻繁に起こり、その中でアッシュは生きています。頼れるのは自分の力と仲間達との協同です。特にショーターはアッシュにとってかけがえのない存在。
そして訳あって日本から来た奥村英二(おくむらえいじ)もアッシュの仲間の一人。彼らは次第にお互いを大切に思いやるようになります。
アッシュの本心はこの闘争を一刻も早く終結させ、英二達と一緒に平和で幸せな日々を過ごす事でしょう。それがアッシュにとって非常に望ましいと僕は思っています。
しかし、それを邪魔するのはゴルティネを始めとした極悪非道な連中。アッシュは何度も苦渋を味わい、拷問に近い罰を受け、そして時には利用されることになります。
それでもアッシュは諦めません。何故なら、彼には確固とした信念があります。目の前の敵を躊躇なく殺す。それが強き者の使命であり、宿命です。

本作の魅力は何と言っても非常に作り込まれた登場人物と世界観。MAPPAの美麗で安定的な作画も相まって、鮮明に描かれています。
アッシュは基本的にクールで頭脳明晰。自分が認めた人間を受け入れる寛容さも兼ね備えています。とにかく渋いですね。
英二は世話焼きで心優しい少年。アッシュを友人としても仲間としても意識していて、そこに好感が持てます。
他にも李月龍(リー・ユエルン)という後々のエピソードに登場するキャラもいますが、彼もまた魅力的です。
個人的にシン・スウ・リンも好きですね。声と容姿が僕のタイプだからでしょうか。良い意味で威勢のある好青年です。

僕は原作を読んでいませんが、吉田秋生(よしだあきみ)さんの類まれなエッセンスとストーリーテリングが本作を絶妙に味付けしています。
利口で筋の通った会話の数々、予想の斜め上を行く流れ、スリル満載の怒涛の展開。これでもかというぐらいバラエティに富んでいて、視聴者を飽きさせません。
少女漫画らしからぬハードボイルドな作風が本作の特徴ですが、随所に挟まれる意味深なシーンや柔らかな絵柄が実に優秀です。そこに少女漫画らしさを感じます。
台詞回しも海外ドラマのようなカッコよさですね。現代版ゴッドファーザーと言うべきでしょうか。マフィアものが好きな方はハマること間違いなしです。
比率としては男性キャラが圧倒的に多く、女性キャラは申し訳程度でしか出演しません。そこに好みは分かれるでしょうが、僕は気に入っています。

OPとEDは素晴らしいの一言です。1クール目のOPはこれから壮大な物語が始まる予感を匂わせ、EDはアッシュの葛藤が精巧に描かれています。2クール目も同様です。
Survive Said The Prophetの記念すべき初テレビアニメのタイアップでもあります。歌詞とメロディが本作に合いすぎです。そしてカッコよすぎる。
僕は本作がきっかけで、このバンドのファンになりました。僕の好きな音楽はロックとメタルなので、相性はバッチリですね。
King Gnuも本作のおかげで僕は彼らのファンになりました。ミクスチャーとは思えないほど本作に合った曲調に天晴れです。
声優陣の演技も完璧で、キャラにピッタリです。特にアッシュ!彼の魅力が更に増したのは言うまでもないでしょう。

生々しくて胸が痛くなるようなシーンが多い。これは話の展開上仕方がないかもしれませんが、確実に人を選びます。

人間は窮地に陥っても必ず救いはあります。それを改めて実感させられたアニメがBANANA FISHです。
本作は決して万人向けではありません。遥か彼方の程遠い位置です。それぐらいリアリティがあります。
ですが、僕はこの作品を多くの人々に推したい。理由は単に面白いだけでなく、身近にいる大切な人達のありがたみを再び知ってほしいからです。
僕はアッシュと英二が羨ましいです。二人の関係性は僕と実兄に似ています。それだけ本作に感情移入しています。
原作と同様に後世に語り継がれてほしい名作です。僕は明らかに過小評価だと思っています。もっと観られてもらいたいです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

76.3 13 ハッキングアニメランキング13位
ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2nd(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (508)
2363人が棚に入れました
「最終負荷実験」という名の、アンダーワールド全土を巻き込んだ「人界」軍と闇の軍勢の戦争。戦局は、「光の巫女」アリスの奪取をもくろむ「ダークテリトリー」軍ガブリエル一派と、アンダーワールドを守ろうとする「人界」軍アスナたちとの戦いへと様相を変えつつあった。未だキリトが精神世界の奥深くで眠り続ける中、「闇神ベクタ」ことガブリエルは、現実世界から幾万もの米国プレイヤーたちをログインさせ、「人界」軍の一挙殲滅を狙う。対するアスナたちは、アンダーワールド創世の神の名を冠する3つのスーパーアカウントで抗戦する。この大戦の行く末は、今は深く眠る一人の少年――「黒の剣士」が握っている。「アリシゼーション」編 、ここに完結!

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

眠り姫キリトは再び黒の剣士として剣を手に取る

さて、盛り上がりをみせる後半
キリトとアスナを助けて欲しいとユイが繋いでくれた希望で集まるキリト勢力がバンバン集まる総力戦が始まります。

クラインの「待たせたな」から始まる反撃への狼煙にアスナだけではなく視聴者も上がる⤴︎ ⤴︎
見せ場としてはやはり多い。

ベクターvsベルクーリ
この戦いはね……人界人のスーパーアカウントベクターに英雄ベルクーリは引き分けます。
正直、ここまで健闘するとは思いませんでした。
背負うものや護りたい人や助けたい人がいる人は強いですね。

シノンの説得も良かったですね。
アリスの気持ちも解るか……ユージオを失い、アドミニストレータに利用された事を知り、キリトが精神崩壊、戦場で失われる命、自分がこの戦争の1つの引金になっている。
沢山の気持ちを抱えて精一杯だった。
そして、師匠ベルクーリの死が彼女の気持ちを爆発させた。
ベルクーリは生き返らないのに、ベクターは再び舞い戻るなんてね……理不尽だよ。

けど、シノンの言う事はもっともだよね
ベルクーリの作ってくれた時間を無駄にしちゃいけないし、アリスは「茶番ではないですか」と言うけど、シノンの言うアスナを含めキリトが傷ついてまで守ろうとした世界、彼がそこまでする理由に「なんで?」って気持ちを持ってるのも解る。

例えばアスナはキリトを救い、アリスを目的地まで送り届けるだけが目的だった。
けど、相手が自分と同じでリアルワールドの世界の人間である事や、ここで生きようとする人の気持ちやキリトが守りたかったものが本物だと感じたから力を貸してくれたんじゃない?かな。
キリトの気持ちもアスナが感じた気持ちが本物だから沢山の人も駆けつけてくれた。

リーファをみた時に私は「まったくこの兄妹はw」と思いましたwww
そう言えばキリトもフェアリーダンスでログインしてきた時に着地に失敗してたなぁーってw

ただ、リーファだけ恥ずかしめられたり、グロい傷を追ったりと可哀想になるんだけどリーファの扱い可哀想じゃない?
この世界ってリズの想定では「痛覚はダイレクトに感知する」って話してませんでしたか?
眼が痛々しい( ᵕ̩̩ ᵕ )

ただ、リーファのこの世界の事情を解るまで、この世界の人を傷つけないって気持ちは優しいね。
キリトも優しいけどやっぱり似た者兄妹ですよ。


アスナはクラインを軽くディスってるw
アスナの「いつものクラインさんのくだらないギャグ」のセリフが笑ってしまうけど気を張っていたからこうしたクスッと笑えるシーンいいよね。

中韓国プレイヤーが意外に理解者で話が解る人達だった。
結構冷静だし偽動画や情報にも違和感を持ったり、しっかりシュウメイの声が届く人が居て良かったです。

プウが無抵抗なキリトを痛ぶるシーンは最低だね……何も出来ない無抵抗な人への暴力程反吐が出るものはないよね。


エイジ&ユナ登場
これは当時も私は気分が上がりました。
オーディナルスケールのオリジナルキャラクターの2人なんですが、劇場版を知っている人は敵だったエイジがあの戦いを得て何を感じ何を思ったのかその答えになっている気がします。

劇場版では関係ない人を自分勝手に傷つけていた彼が今作は守側につく。
前の垢はチートだから次は新しく作りレベルを上げた垢なんでしょうね。
次は守側として彼はだ立ち上がる。


アスナvsプウはアスナの演出は良かったですね。
戦闘の臨場や迫力よりも演出が素敵でユウキと共に戦う演出は良かったですね。
しっかりユウキの意思が証明としてアスナとの会話で演出されたりとかっこよかったですね。
このSAOの命を失われてもキリトとアスナの相棒のユウキやユージオが2人に寄り添う描写にキャラ愛を感じる


キリトの復活は、これは痛々しい。
自分の心臓抉っていくのはね…………
まぁ、キリトも沢山の事があったからね……
けど、最後は「俺が死ねば良かったんだ」って結論になるんだね。
結構、ネガティブだったキリト君。

私はこのエピソードを見て気付いた事がありました。
それはキリトは英雄なんて呼ばれたりするけれど本当は…英雄ではなく…本当は…

それはキリトの精神世界お話。
恐らく彼が一番悔やんで悲しんで永遠に忘れる事の出来ない少女「サチ」キリトがSAO時代に彼女を失ってクリスマスイベントのボスサンタを倒すまでに原作にひたすらレベルを上げると言う話がありました。
サチを救いたい一心で力を付けたキリト、彼の強さには誰かを救いたい気持ちやら罪悪感などが入り乱れている。

そして失われて行く命を思い出す、自分がしてきた戦いの中で奪われ奪った命
そんな中で彼は涙を流し苦しむ……
そして、自分が死ぬべきだと自分を傷付け始める…目の前にアスナ達が現れても先に進めないキリト…それだけに自分が許せなくて許されなくて…

このシーンを見て私はキリトは英雄なんて言われてるけど、ただの高校生の男の子なんだと感じました。
どれだけ強くても、どれだけ救えても彼は英雄である前に普通の少年なのです。
だから、誰かを失うたびに傷ついてそれでも必至に踏ん張って仲間に支えられてここまで歩いてきたんだと感じました。

でも、そこに彼の親友とも呼べるパートナー…ユージオ…彼がキリトを救い出してくれる。
思い出と気持ちは永遠に繋がり続けるから。
そして、彼は歩き出す。
次に進む為に…彼は目覚める。
キリトの原動力は周りの支えだと思います。
1人だと心が壊れてしまう。
それでも歩み出せたのはやっぱりユージオやアスナを始めとする仲間達。
そして彼は守る為に剣を取る。

ロニエがキリトの元に訪れる人達をみて「女の人ばかり……」ってセリフがありますが、ユージオ先輩もいるよ。って教えてあげたくなるシーンですw


キリトvsプー

これはね。
キリトの勝利と言うよりキリトとユージオですね。
キリトもユージオもホントにいい所だけ持っていくよねww
クラインにも言われてましたけどww
後、キリト君の垢ってスーパーアカウントじゃないのにめちゃくちゃ強いよねww

キリトvsガブリエル

コレはあまり盛り上がらなかった気がするww
思ったよりもかなりかなり呆気ない気がしましたね。
ゲームも最新作でボスとして登場するんだけど余裕で倒せちゃいました。
アニメでもアドミニストレータの方がまだいい戦いしてた気がしますww
あっ、アドミニストレータ……最後にキリトに力を貸したみたいな感じで居たけどさ……最後の最後までキリトと敵対してたのにwww

アンダーワールドで200年暮らすキリトとアスナですが、アスナが泣くキリトの前でサプライズで登場する。
誰も居ないと見せかけて隠れていたアスナは演出に拘ってますね。
物陰から泣くキリトを観察していたのかと妄想したらアスナさん策士www
キリトの好感度が限界突破しますね。

「君と一緒なら200年なんてあっという間にだよ」
ってセリフがあるけど何か解る。
時間って普通に早く進む気がします。
私は中二くらいまで1年間はすごく長いと感じていて中二の大晦日の日の「365日が1年間って事は365回寝たらまた年末がくるんだなぁ〜」って考え初めてから1年間が物凄く早く感じてしまって……
……この事実に気づいた事に後悔しましたね。

けど、普通に1年間も早いし、大切な人といる数時間って早いじゃないですか。
充実した時間ですね。
友達や恋人や家族とかだからアスナとキリトは更に早く感じる気がしますね。

で、やっぱり凄いなぁ〜と感じるのがアスナとキリトの愛ですよ。
200年……200年経っても変わらぬ愛ですよ!
200年も一緒にいたらマンネリ化してお互いに気持ちも落ち着いて下手したら覚めると思うけど冷めないのなら本物の愛ですよね。

キリト「アンダーワールドでの200年の記憶を消してくれ」にアスナと不仲になったとかリアルな事情があったら嫌だなぁwwww
この2人はずっと仲良くして欲しいよねw

アリス、リアルワールドに登場する話は2026年8月1日なんですよね。
つまり、私達の世界でも3年後にアリスが来ると思っていたのですが2022年の11月6日にナーヴギアが出来てるはずなのに私達の世界にナーヴギアすらないので無理ですねww

2023年はやっとPS5が店舗販売が当たり前になったレベルの私達の世界ではまだキリト達の世界に追いつけませんねww

昔、噂で二十二世紀までにドラえもんを作るのを目標にしてるとか聞いた気がします。
その話が生きているのか、そもそも本当なのか解らないけどww

なら、2026年までにアリス誕生も目指して欲しいですねww
Vivyならどうかな?2056年でしたっけ?

話がそれてきました……ごめんなさい

キリトの200年生きた人格のコピーは何か怖いなぁ……キリトだから悪いことにならないとは思うけど声のトーンが怖いし、アンダーワールドの為に生きる事を選んだキリトの決意が逆を言えばアンダーワールドの為なら何だってするって取り方も出来るから少し怖くも感じるんですよね。


キリトのユージオとの記憶を消してもらわなかった事を後悔してましたが、多分消さなくて良かったよね。
確かに、忘れるってのは便利だと思う。
嫌な事は忘れたいし、忘れたら悲しまなくていいとは思うけど、忘れるってのは自分の心の中から、その人の存在を消しちゃう事になるし、そんな事をしても死者の死はなくならない。
辛くても悲しくても……それを無かった事にしちゃいけないし、もしかしたら消した事を後悔する日がくるかもしれないから。

コレは生きてる側の勝手な気持ちの押し付けなんだけど、誰かの死を忘れたくて記憶を消してたら悲しいと思う。
だって、その人と過した時間も気持ちも忘れて無かった事にしちゃったらユージオが可哀想だよ。
その苦しみもきっと自分とその人が生きた証だと思う。
それが解っているからキリトは消さなかったんじゃないかな?と思います。

アリスがあるメールを受信しキリトがアリスを連れてアンダーワールドに戻る手がかりを掴みます。
キリトの「その時はアスナも一緒にいいかな?」と質問するとアリスは怪訝な顔をするも許可をします。

アスナに黙ってアンダーワールドに行くと後々アスナが怖いからねww
これ以上、アスナに心配掛けたら黒の剣士を一撃で貫くマザーズロザリオがクリティカルヒットする勢いですからね。
ユージオも助けてくれなさそうww

私がアスナの立場なら多分置いていったらブチ切れるし、キリトの立場なら怖くて黙っては行けないwww

再び戻ったアンダーワールドはSF世界です。
宇宙空間で飛行船が出てきてモンスターを撃破するよく解らない世界ww
若干、ゴッドイーターとかのイメージが浮かんだけど……SAOって元々こんなのよね。
対人戦が続いてたから忘れがちになりましたが……
……


さて、久々に見返したSAOは面白かったです。
SAOのラストの最後は最後の様な締め方をされて居ましたね。
でも、昔何かで書いてあったけどSAOは原作のラストまでアニメさせたいって監督が話してたって聞いたのですが、どうなのでしょうか?
割と、シャナ、とらドラ、ストブラ、俺妹、など電撃文庫作品ってラストまで描かれるくらい人気作品は多いし、SAOも電撃文庫が誇る人気作品ですからね。
SAO、86、禁書目録の3作品は私は電撃文庫では大好きな作品だから是非、続編をして欲しい。

SAOに関しては……ね?
こんな意味深な終わり方をしちゃって、まぁ〜
まぁ〜まぁ〜こんな視聴者を生殺しにさせちゃってww罪な終わり方ですよww

原作を読めよと思われるかもしれませんが、文字だけの本を読むのは苦手なんですww
え?www

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

Underworldの開発目的は何処へ?

 「てめぇらの血は何色だーーっ」 

今は亡き塩沢兼人さんの名演から早30年

 「魂の色は何色ですか?」

生まれたところや皮膚や目の色ではなく、はたまた人間か人工フラクトライトも関係なく、個々人の在り方が大事だろうよ!と普遍的なテーマを投げかける…はずだった名作になり損ねた大作。寸評だとそうなっちゃいますね。
放送開始前の期待はこういったところでした。↓

・あのSAOの集大成
・アリシゼーション壮大だぜ!の原作既読組の声
・4クールと力の入れようがすごいな
・むしろその尺で収まるのか?

『Ⅱ』も『GGO』も楽しんだ私は期待しかありませんでしたが、『アインクラッド』を頂点に下り坂と捉える一定数のファンですら軒並み期待をもって迎えられた『アリシゼーション』でした。
どうでもいい細かいこと言っとくと、今回のUW第2部期間のCMで新章「ユナイタルリング」の存在を知り「え!?アリシゼーション最後じゃなかったっけ?」とやや興ざめした情報弱者の私です。
“これが最後”のプレミアム感が消えた瞬間でした。

『アリシゼーション』24話と『Underworld』第1部12話を通じて大絶賛とはいかず、様子見でこの最終章全11話に突入した視聴者が多い情勢でもありました。

技術的なのはようわからんので他の方の読んでください。
自分の考えるSAOの魅力は以下2つ。その予実がどうだったかを残しときます。


【SAOの魅力①】様式美と化したキャラクター

“ハーレム”“俺TUEEE”の代名詞的なところがあって、純粋に楽しむファンはもちろんのこと、「またかよ」と苦笑しながら楽しんじゃう“文句言いながらワイドショー観てる”ようなニーズも相当数いる作品。私個人はあまり重きを置いてないですけど、この文脈で語られることが多いため“お約束”の出来が作品評価に直結するといっても過言ではありません。
脇役も脇役然としておらず、脇役で複数話回せるくらいの実力者揃いだったりもしますね。リーファちゃんをAパートの4分の1くらいだけ見せ場を作って次に移るみたいな贅沢な使い方ができてしまう。

⇒結果

やることやるってこと以上に大盤振る舞いしてたと思う。リソースを過剰投入していて、おかげで後述の“魅力②”に割く時間がなくなった。もしくは中途半端にせずにバッサリ切ってバトルに全フリしたとも考えられる。これは逆効果で途中から飽きちゃいました。

{netabare}スターバーストストリームは一回こっきり。譲れない線みたいなのはあるらしい。{/netabare}

困った時の○○を連発したら、ありがたみがなくなるよねって至極真っ当な感覚だと思われ、
キリト→{netabare}ピンチでユージオ。そして撃破の繰り返し。もはや正妻としての安定感すらあるほど。{/netabare}
アスナ→{netabare}2回以上ユウキ使うのはちょっと。しかも得意の連撃ではなく一撃必殺的な締めだったような…{/netabare}

集大成らしく過去キャラ絡ませる展開は劇場版のようでもありました。胸アツなやつも1つありましたよ。でもどうなんでしょうね。メインストーリーに絡むキャラじゃないとこういうのってカンフル剤以上の効果を期待できないものです。せいぜい離したところでスポット投入。どうしても本作は劇薬を複数回投与して本体が弱っちゃった感が否めません。

{netabare}それでも1か所。#17エイジとユナ降臨は胸アツでした。SAOサーバーからのアクセスだからこそできた共演。なによりチートな悪手だった『オーディナルスケール』の彼ではなく、しがない“血盟騎士団のノーチラス”として勇気を振り絞ったのがエライ。そこで想い人ユナからのパフ(バイキルトみたいなもの)サポートがかかっての生前果たせなかった共同作業。まさに魂の色はなにか?の問いに胸を張って答えられるだろう彼の立ち居振る舞いに心が震えました。{/netabare}


【SAOの魅力②】ありえそうな科学技術

後述の魅力②です。私にとっての本丸。
“VRMMO”って面白そうだしありえそう。そんな近未来を想像できるSF設定が良いです。『Ⅰ』『Ⅱ』そして『アリシゼーション』と都度かたちを変えながら、といいますか茅場晶彦の残した“種”をベースに毎回違ったテーマを我々に提供してくれることを楽しみにしてた感じです。茅場が大量殺人を犯した狂人というのも設定に深みをもたらしてますしね。

そしてこの『アリシゼーション』です。これまで以上に仮想と現実の垣根が取り払われてきたこと。そのことで現実国家の関係にも影響を及ぼしてきたこと。一気に風呂敷を拡げてきたことにワクワクしました。詳細は過去の『アリシ24話』『UW第1部12話』のレビューに書いてるので余力あればそちらまで。このシリーズを捉える基本的な考え方になるので迷子になった時はそこに立ち返ることにしてます。
そんな楽しみしていた風呂敷の畳み方についてほぼゼロ回答。うーん…正直しんどい。

⇒結果

↓一応回答らしきもの
{netabare}人間も人工フラクトライトも一緒だよ…です。{/netabare}

{netabare}米軍の特殊部隊?に急襲作戦すらさせておいて、軍事利用はおろか民生利用に関する未来予想図の回答がゼロ。私が先のレビューで危惧していた世界線“無かったことにエンド”でした。魂の色が濁らなければOKというのだけだと物足りなさが残ります。浅い。{/netabare}



とどのつまり、楽しみにしていた【魅力②】はゼロ回答。それほど重きを置いてない【魅力①】は過剰サービスだったということです。
尺が足りないって意見が出てきそうな締め方ではあったのですが自分はバランスの問題かなと捉えてます。シリーズものの強みは作品のなにがウケていたか強みをあらかじめ分かっていることが挙げられるでしょう。目の前に原作があって、予算やら製作側の供給能力その他を考慮しながら決められた尺で視聴者が喜びそうなポイントをおさえた取捨選択をしていく。それが下手くそでした。
パワプロのサクセスモードで広島菊池選手みたいな守備職人を作成しようとして守備にパラメータ全フリしたものの、肩が弱くてゲッツーできなかったり足が遅くてかえって守備範囲狭くなったりと

 結局何したかったんだろうね~

と突っ込み待ち作品と化しました。画や音は低水準ではないし、オールドファンが喜びそうな仕掛けもあるためポッと出の凡庸な作品よりはマシ。でもほんとそれだけ。誠に残念です。




※ネタバレ所感

■【魅力②】作品からの回答

ゼロ回答としたのは先述の通りです。

{netabare}作品用語“ボトムアップ型AI”すなわち“自身で考える意思を持った人工知能”は軍用/民生用問わず用途は無限です。一例で軍事だったら無人機に搭載するすることを真っ先に考えるでしょう。民生用だったら小規模なUnderworldを作ってテストマーケティングに代わるシミュレーション利用でしょうか。地域限定させ卸や流通に頭下げて試作品置いてもらうコストを考えれば時間/費用どちらも短縮できそうです。クラウド利用して各国の企業にSaaSでサービス提供すれば独占状態ぼろ儲けでしょう。

しかし物語ではこれらの可能性には触れず。最後は“Underworldを守る”と手段が目的化しちゃいます。たしかにUWに住まう者は人間と遜色ない存在として全編通して描かれてきました。そしてそこに生きる人たちの環境そのものが消されようとしている。それはUWの中で生きてる人工フラクトライト達の死を意味してます。そうはさせじと彼らを消す理由を取り除くために考案されたのが“人権を認める”ということでした。そうなると消去は非人道的行為になりますからね。

申し訳程度に抑止力への言及もあるにはありました。“ウォーポテンシャル”そのまんま戦争を遂行出来る能力の意味を指しますが、“世界で唯一AIを軍事転用できる可能性のある”国のポジションを得たとのこと。たしかに間違ってはいませんね。


 アリスも人間と変わらんからみんなで仲良く生きていこうよ


これで納得できるならOKってことです。{/netabare}
ただこれだと全俺からのツッコミ必至で

{netabare}軍事利用も産業利用もしないんだったらなんのために?
税金使ってまで維持運用する必要ある?
原発あるから核抑止力働いてると強弁するのに近いよ?{/netabare}

という至極真っ当なものから

{netabare}重村教授(劇場版)、茅場(アインクラッド)、須郷(フェアリーダンス)と問題ばかり起こしてる研究室の一員だった神代凛子で記者会見するのは逆効果じゃないか?
世間一般の人にとっては新手のバーチャルアイドルデビュー会見となんら変わらんと思われる。{/netabare}

いらぬ心配まで焼きたくなります。やや整合性なんぞ怪しくてもワクワクする未来が見たかった。


■別れた世界線

2012年~2016年。4年越しで原作は刊行されてるようですね。
時代背景の写し鏡みたいなところは強く感じました。

A儲かるし中国との関係大事。いざとなったらドル締めりゃいいので楽勝
B韓国もセットで考えればいいし浮上の芽なさそうな日本はスルーでよくね?
C厳罰ないからどんどん機密情報持ってきな
D沖縄は国内分断の震源として使えるし北海道もいい感じ
E日本人同士やりあわせときゃコントロールしやすい

主語は米国だったり中国だったり、今は違ったりそのままだったりしますがAtoEは当時の情勢です。
米国にとって日本は対中国の防波堤ぐらいになればいいやというのが特に第1期オバマ政権(2009年~2013年)の頃は顕著でした。

{netabare}米中韓3か国同盟で日本を攻撃(AとB)し、柳井がさくっと機密を米NSCに持っていき(C)、PoHヴァサゴが手を下さずとも同士討ちさせときゃいいや(DとE){/netabare}

冗談でもなくこんな世界でしたよ。ご存知2020年の日本を取り巻く環境は違います。AとBは劇的に変化したところかも。基軸通貨握ってるからと高をくくってたのが本格的にヤバいと気づいたのが2015年。あちらさんの基本政策が変わりました。日本も賛否はあれどCにメスいれたり、DとEはそのままだったりと変わるものは変わってきてます。

“今”だけをみると見落としますが、時系列での積み上げで見えてくる部分はあるのです。


作品自体の評価は低くしましたけど、たった10年もしない少し前の日本の置かれた情勢が色濃く出てたなぁと時代の切り取り加減のリアリティという意味では価値あるのかもしれません。
裏を返せばこうしている間も時代は変化してるわけですしね。


昭和日本の「血は何色だ?」と令和日本の「魂は何色ですか?」の本質の部分は一緒です。
それでも微妙に変化しているものがある。

{netabare}もしかすると、茅場憑依のニエモンが“我が人生に一片の悔いなし”ポーズで事切れてたのもそんなことが言いたかったのかもしれませんね(遠い目){/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 

-------

2020.09.20 初稿
2020.11.12 タイトル修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2025/02/01
♥ : 61
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

やっと復活キリト君

復活までが長かった~。
それまでキリト君のお友達が続々とゲームに入場して奮闘するも負けそうな状態が続く。

復活して早々にチート級の能力発揮とはさすがです。
あんなに苦戦してたのに、一気に解決しちゃって今までのは何だったんだ?という気持ちに。
正直、惰性で見ていた感は否めない。
{netabare}いきなり茅場晶彦の思考というか意識がインプットされたロボットが出るし、ゲーム内に侵略してきた相手がいつの間にか無残な死に方してるし、もう分からない。{/netabare}

ラスト2話に現実世界に戻るもアンダーワールドに戻っていきなり宇宙空間で繰り広げられる謎のバトルに参戦。
あれは記憶のコピーだから一応一段落ついているということだろうか。
正直、現実世界でもないし、隔絶されたアンダーワールドを守る必要ってあるのかなあ?
原作を読んでいないので、知らないです。アリスはもう出ないのかな?4クールかけた壮大な物語だっただけに少し切ない感じもする。


OP
ANIMA ReoNa
ED
I will... 藍井エイル
挿入歌
longing ユナ(神田沙也加)
ANIMAって魂って意味らしい。ReoNaさんの歌声って独特で凄みがある。
藍井エイルさんはSAOに欠かせない存在。今回も素敵な楽曲をありがとう。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ
#12.5 レミニセンス
最高司祭・アドミニストレータとの激戦の後、言葉と感情を失ったキリトを連れて故郷のルーリッド村に身を寄せるアリス。戦う目的を見失い、思い悩みながら暮らす日々の中で、彼女がなした決意とは……。そして、始まる《ダークテリトリー》軍との大戦。アスナはキリトを救うためスーパーアカウント《創世神ステイシア》としてログインし、《人界》軍と共に戦うことに。しかし、その戦いは熾烈を極め、身も心も消耗し絶体絶命のピンチに陥る。そんな彼女を救ったものとは……。

#13 アンダーワールド大戦
スーパーアカウント《太陽神ソルス》でログインしたシノン。彼女は、米国人プレイヤー軍に包囲されたアスナたちを間一髪で救援した。ソルス・アカウントの固有アビリティ《無制限飛行》を使い、ベクタにさらわれたアリスを追う。一方、《地神テラリア》のスーパーアカウントでログインしたリーファも《アンダーワールド》へと降り立つ。

#14 無限の果て
押し寄せる米国人プレイヤー軍に対し、少数ながらも勇猛に戦う《人界》軍とアスナ。だが絶望的な戦力差を覆すことは叶わず、《人界》軍の兵士たちは次々と倒れていく。満身創痍となったアスナもいつ倒れてもおかしくない状況だった。アスナが状況の打破を狙い、決死の覚悟をしたそのとき、《ALO》からの援軍を率いてログインしてくるリズベットの姿を目撃する。

#15 扇動
アリスを連れ去ったベクタを追うベルクーリ。そして長い死闘の末、ベルクーリは秘剣・裏斬を繰り出し、ついにベクタを討ち倒す。だが、深手を負っていたベルクーリもまた、アリスの胸の中で息絶えてしまう。アリスは彼の死に胸を痛めつつも、《果ての祭壇》へと向かうことを決意する。

#16 コード871
《ラース》の中の裏切り者は、柳井という研究員だった。かつて須郷伸幸の元で働いていた彼は《ラース》に潜入し、アメリカ国家安全保障局に情報を流していたのだった。柳井はキリト復活を試みる比嘉に銃を突きつけ、覚醒オペレーションを妨害しようとする。一方《アンダーワールド》では、《ソルス》シノンが、再ログインしたベクタことガブリエルと対峙していた……。

#17 悪魔の子
《ALO》増援軍による攻勢も息切れし、ついにアスナたちはヴァサゴと中国人・韓国人プレイヤー軍に敗北してしまう。廃人状態のキリトを見つけ出したヴァサゴは、車いすを蹴り倒して挑発するが、キリトの意識は戻らない。その状況に激怒したクラインはヴァサゴにつかみかかるが、敵プレイヤーに押さえつけられてしまう。クラインをせせら笑いながら《友切包丁》を振り下ろそうとするヴァサゴ。そのとき、思わぬ人物が現れる。

#18 記憶
かつてのキリトの仇敵だったエイジの善戦も虚しく、ヴァサゴに敗れる。《アンダーワールド》のはるか南では、シノンがガブリエルに重傷を負わせはしたものの、力尽きる。《アンダーワールド》中央部で死闘を繰り広げるリーファは、米国人プレイヤー軍を全滅させたあと倒れてしまう。そしてアスナは絶望的な状況下で、地面に横たわるキリトを見つめ……。誰もが彼に最後の望みを託す。しかし《黒の剣士》は、いまだ夢の中を彷徨い続けていた。

#19 覚醒
《アインクラッド》の悪夢から抜け出し、ついにキリトが意識を取り戻す。右手に《夜空の剣》、左手に折れた《青薔薇の剣》を握るキリトは、死者のリソースを吸収し巨大化した《友切包丁》を持つヴァサゴと対峙する。憎悪の心意を増幅させるヴァサゴの剣撃に、キリトはじりじりと押し込まれていく。そして《友切包丁》がキリトの身体を両断しようと迫ったそのとき、金色に輝く手が《夜空の剣》に添えられる。

#20 夜空の剣
アリスとともに、フラクトライトをイジェクトするためのコンソール《ワールド・エンド・オールター》--《果ての祭壇》へと向かうアスナ。キリトは2人がその場所へたどり着くまでの時間を稼ぐため、虚無と漆黒の化身となったガブリエルと対峙する。限界加速フェーズが始まるまでにガブリエルを倒し現実世界に戻らなければ、キリトはその後200年もの間を《アンダーワールド》で過ごすことになる。焦る気持ちを抑えながら、奇怪な姿へと変貌したガブリエルと剣を交える。

#21 時の彼方
ついに限界加速フェーズが始まった。アリスは《アンダーワールド》からのログアウトに成功する。しかし、キリトはガブリエルを倒したものの、ログアウトには間に合わず、《アンダーワールド》に取り残される。絶望するキリトの前に、自らの意思でここに残ることを選択したアスナが現れた。現実世界では比嘉と菊岡が緊急加速フェーズを解除するため、ケーブルダクト下層に赴きSTLをシャットダウンしようとするが……。

#22 アリス
アメリカ国家安全保障局が裏で糸を引く、《ラース襲撃事件》は終わりを告げた。新たに発足した海洋資源探査研究機構の代表に就任した凛子は、アリスを真正人工汎用知能として世間へ公表する。集まった記者たちの質問に答えていくアリス。そして、シノンやリーファたちはダイシーカフェでその映像を見ていたが、しかしそこにはキリトとアスナの姿はなかった……。

#23 ニューワールド
凛子から和人へ、アリスが失踪したと連絡が入る。焦る和人はラース六本木支部へと向かおうとするが、家を出ようとした矢先に玄関のインターホンが鳴る。慌ててドアを開けると、ひとつの大きな段ボールをもった配達員。段ボールの送り状には「海洋資源探査研究機構」と明朝体でタイプされ、宛先欄には和人の住所と氏名がぎこちない筆跡で記されていた。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

61.4 14 ハッキングアニメランキング14位
テラフォーマーズ リベンジ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (270)
1477人が棚に入れました
西暦2620年。火星生まれの致死率100%の病原体、エイリアンエンジンウィルスのワクチン製造のため、
異常な進化を遂げた人間大のゴキブリ、通称「テラフォーマー」のサンプルを確保するべく、膝丸燈らは火星へと降り立った。
想定外のアクシデント、テラフォーマー達の猛攻を受けながらも何とか生き延びた燈達であったが、任務遂行の裏で人類同士の争いが勃発する…。
火星を舞台にした極限のサバイバル、その第2ラウンドが今始まる!

声優・キャラクター
細谷佳正、木内秀信、伊藤静、石川界人、KENN、小野大輔、たかはし智秋、豊崎愛生、石塚運昇、赤羽根健治、奈良徹、小村哲生、大原さやか、小野友樹、高橋英則、藤原貴弘、ささきのぞみ、石田彰、杉田智和

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

火星での戦いは混沌の泥沼へと変貌・・・

この作品は「TERRA FORMARS」の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

地球上で猛威を奮い始めた致死率100%の「A・Eウィルス」は、先に火星に向かったバグズ2号が結果的に持ち込んでしまった予期せぬ事態が引き金になっていました。
治療薬を開発するには、たくさんのテラフォーマーの素体が必要・・・
これをきっかけにアレックス計画が立ち上がり、肉体強化手術が施された100名の乗組員が火星に赴く事になりました。
しかし、火星のテラフォーマーは人類の予想を遥かに超える数と能力で立ち向かってきたのです。
人類が取る道はただ一つ・・・生きて素体を地球に持って帰ること・・・
そんな人類とテラフォーマーとの熱い戦いの物語・・・第2弾です。

前期からテラフォーマーに相当苦戦を強いられている・・・という印象を強く持っていましたが、今期を完走して振り返ってみると、前期は小手調べに過ぎなかった・・・と言っても過言では無いと思います。
火星に送り込まれた人類の選択肢は一つしかない・・・その筈なのに、それ以上に人間ってしたたかで狡猾だったんです。
そしてそれはテラフォーマーも一緒でした。

圧倒的な数で迫り来るテラフォーマー・・・対する人類は100人いますが、全員が戦闘員ではありません。
数的不利を支えるのは、施された強化手術による個人能力アップ分以外は気合や使命感といった気持ちだけ・・・だから気持ちを一瞬でも切ったらテラフォーマーの手にかかって殺されてしまう・・・

前期でも沢山の仲間の尊い命が奪われてきました。
だから、もう誰ひとりとして絶対に失いたくない・・・
こんな時こそ一致団結して有事に臨む必要があると思うのですが、人間はどこまでも愚かでした・・・
戦場から遠く離れた地球で勃発した国家間利益の争奪に向け、水面下で様々な工作が施されてきましたが、その刃は火星にも向いていたのです・・・

結果的に火星で何が起こったか・・・それは裏切りによる訣別でした。
人類の敵はテラフォーマーの筈なのに、どうして火星に来てまで人類同士で喧嘩しなきゃいけないの・・・?
組織が分かれるという事は、個々人に対する脅威のリスクも跳ね上がるのに・・・
こんな事ばかり繰り返すから、地球から戦争が無くならないんだ・・・
確かに自国は大事です。でも、いつ何を優先させるべきかは、現場の第1線が判断しないと・・・
「事件は会議室で起きてるんじゃない・・・現場で起きているんだ!」
という声が飛び交うのをちょっとは期待しましたけれど・・・なんかとっても残念です。

そして事態は更に最悪に向けて転がり落ちていきます。
テラフォーマーが知恵を使い、組織間で連携しながら人類を襲ってくるだけでなく、バグズ2号で生還できなかった人類の人体改造手術を手に入れ、テラフォーマー自身を強化改造していたのです。

これまでも十分過ぎるくらい強い相手だったのに・・・
火星に送り込まれた人類はどれだけ苦しまなきゃいけないの・・・?

正直視聴していてちょっと辛かったです・・・
火星に来た人は、大なり小なりこれまで背負ってきた重荷に報いようと危険も顧みず真っ向から勝負を挑む勇敢な集団なんです。

ボロボロに傷ついても身体は戦う事を諦めません・・・
その瞳に映っているのは敵の姿ではなく、走馬灯のように駆け巡るこれまで大切にしてきた唯一無二・・・
「そうだよね・・・まだ諦めちゃ駄目だよね・・・」
人間のどこにそんなパワーが秘められているのか分かりませんが、次の瞬間、一矢報いるため渾身の一撃を放つ雄姿が目の前に広がるんです・・・
それを放った後どうなるか・・・そんな事を考えている人は、きっと誰もいません・・・
自分なりに約束を守り使命を全うする・・・そんな姿に何度も目頭が熱くなりました。

物語の展開としては今期の方が容赦がありませんでしたが、その分物語が秘める熱さも前期以上だったと思います。

オープニングテーマは、聖飢魔IIさんの「荒涼たる新世界」と「PLANET / THE HELL」
エンディングテーマは、Zweiさんの「Red Zone」、Fukiさんの「Strength」、そしてnaoさんの「Revolution」の3曲が使用されました。
閣下の歌を聞くのが久しぶりだったので、懐かしさを感じちゃいました。
エンディグはどれも格好良いですが、一番はnaoさんの「Revolution」です。
曲も然ることながらnaoさんの歌声が抜群に可愛いんです。

1クール全13話の作品でしたが、物語は完結していません。
膝丸 燈とミッシェルさんをちゃんと地球に生還させるまで、この物語は終われないでしょう・・・
原作のストックが無くなったのでしょうか・・・?
いずれにしても続編の情報を待ちたいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

バトル最中でENDだった一期からの続きです! 

前作が非常におもしろくて楽しみにしていました。
これが終わるまでコミックも読まずに我慢する予定。

火星由来の謎ウイルスにより、地球の人類が危機に瀕している未来。
病原体の謎解明のために火星に送り込まれた隊員たちと
二足歩行するゴギブリ軍団との戦い!

一期であらかた説明し終えてますし、あと謎らしい謎といえば
地球の誰が裏切り行為をしてゴキブリたちを操っているのか…ですね。

まぁ、この作品は怒涛のバトルシーンで魅せるアニメだと思うんで、
深く考えずにアドルフ級の熱いシーンがまた見られることに期待します!

てか、少しキャラが少しエロ要素はいってきましたか?
ミシェルさんとの絡みが少し楽しみになってきましたw

以下、ネタバレ

1話~ 気絶しながら手の平は…今度のテラフォはこれでいくのか?!
{netabare}
1期の終わり方が、ばりばり戦ってる最中だったんですが、
まさにその渦中で再スタートとなりました。
蘇る記憶! わくわくしますね~。

なにげに主人公とミシェルさんとの絡みが変わってますね。
sとmな関係だったはずが、深いところでつながりはじめてる?
説明によると、なにやらこの2人は特別種らしいんで、
火星のイブとアダムみたいになるのかな?という妄想をしつつ~

目的のサンプル集めも終わり、今度は火星から飛び立つ段階に。
しかし、生き残った隊がどれだけいるのか。
また、どれくらいの時間を待つのか。
連絡がとれないだけで見捨てていけるものだろうか。
{/netabare}

2話~ 近年ハリウッドは中国を悪者にしない方向らしいですが
{netabare}
ついにきました裏切り者解禁回。
もっと引っ張るのかと思っていたけど、これは早いですねw

ネタバレしますが、これがアジア系チームを率いる中国の隊長さんでした!
ランキングでは44位とふるわないけど、知力系なのかな?
やたらとトラップ使いそうだし。

そしてミシェルさんがファースト世代のDNAを継ぐ唯一の生き残りだとかあったんですが、
突然すぎてよくわからないままスルーしました。
最初のだと貴重なんですかね? よくわからんです。が、視聴続行します!

そういえば先日ニュースで、最近のハリウッド映画は中国資本の影響が強くて、
昔みたいに中国=悪の国家のイメージにはしていないってのを読んだんですが、
テラフォはやりますねw
{/netabare}

3話~ カニ対タコとかw まとめ記事の見出しだけで笑えますw
{netabare}
基本的に話しが進展しないんで、あんまり書く事もないんですがw
ロシア組VS中国組のバトルが続いております。

カニ対タコ! 某まとめ記事の見出しに書いてあって、すぐにぴんときたあなたはもう立派なテラフォーマー。
寺フォーエバーだと住職になっちゃいますがw

とりまロシアと中国が裏で手を組んでいたってことが判明。
え?ロシアもなの? 
どうして裏切ったのかよくわからないけど、まぁ、いいかw

いまだ決着つかずなところへゴキ集団が大挙して搭乗。
それが雲霞のごとき大集団で、日ごろ彼らは何を食べてるのか不思議に思うレベル。
だって火星に食料らしい食べ物みたことないし。

恐れるべきはゴキたちの学習能力で、リーダーが手ほどきしながら小さなゴキブリたちに
戦いを教えてるんですよね。
それが言葉にするとジョージジョージいってるだけなんですが理解できてるっぽい不思議。

中国がいろいろと情報を壁面に描いてゴキブリたちの教育をしたってことなんですが、
これもアウトブレイクカンパニーみたいに萌えアニメ書き残しておいたら軟弱なゴキブリになったのかな?
なんてつまらないことを思ったりして。。。
とりま来週はミシェルさんたちも合流しそうで、さらに話が進展しそうです。

てか、とかく映画版の酷評が話題になっててかわいそうですね。
映画批評でしたか? 100点満点中で5点だそうですからね。
5点とか!

{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

個人的には割と楽しめたものの…世間的に(一期の)リベンジ失敗なのかな?

 てかリベンジって一期の失敗からのリベンジって意味だよね?(たぶん違う)

 個人的には一期は、ただただ暗い(内容だけでなく画面も薄暗い)アニメって印象があって、慶次のエピソード以外何も惹かれなかったのですが…二期は良くも悪くも色々変わっていましたね!
 
 (個人的に変わってよかった点)
・画面が明るいから精神的に鬱になり過ぎず観れる。
 内容的には同じ原作なんだし、そこまで変わってないと思うんですが、だいぶコミカルに変化したように感じました。鬱っぽさが減ってだいぶ見やすくなった感。一期は終始画面が薄暗くて正直きつかった。

・聖飢魔IIによる使い分けられるOP
 ぶっちゃけ笑いました。Gが主人公みたいなバージョンのOPがあって…(笑)
 しかも凄く面白い曲で…癖になります。「今回はどっちのOPだろう」なんて楽しみになるレベル。一期よりOP好きでしたし、EDもいろんなバージョンがあって面白いです。OPは要チェックですよ。

・回想がやや少なくなった??
 気のせいかもしれませんが、テンポを悪くしていた回想が二期は比較的少なく感じ、しっかり物語に集中できた気がします。

 (悪化した点)
・作画の雑さ
 動きとか顔とか作画のレベルはかなり下がった感があります。明るくなったのは凄く評価するけど、基本的に作画に力は入っていないかと。

 全体的により大衆向けのチープな作品になった気がしますが、個人的にはむしろこっちの方が楽しめました。怒る方もいて仕方ない作品ですが…

以下項目別評価

キャラ:特に好きなキャラは一期に引き続き慶次君(Cv.小野大輔)ですね。
 彼がモテるのは必然かと。(殴られっぱなしのシーンはどうかと思ったが…)
 あと、一期でほとんど誰も好きなれなかったのと比較して、結構愛着の持てるキャラが増えた気がします。キャラが死にづらくなって、個性が立ったからかも知れません。中国チームを含め、案外好きなキャラがいました。

物語:キャラに興味を持てたからか、物語にもなかなか引き込まれました。
 普通に次週が気になる感じ…やっぱ一期より面白くね?

声優:私の好きな石田彰さんも出ましたし、豪華かつ演技も良い感じの作品でした。

作画:明るくなった点以外は評価できない…。

音楽:OPが特に好きでした。映像を含め。

 個人的には気になるし三期欲しいです。良い作品とは思いませんが、私的に嫌いじゃない作品でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6

66.3 15 ハッキングアニメランキング15位
BPS バトルプログラマーシラセ(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (251)
1346人が棚に入れました
白瀬慧、天才的頭脳で超人的な演算処理能力を持つ彼は、ハッカーの間で知らない者のいない天才ハッカーである。
東京物理大学戦略ネットワーク研究室に「研究生」として在籍しながら、小さなソフトウェア会社でバイトをして、ダラダラと毎日を過ごす白瀬には、美紗緒も知らない裏の顔が…。
金銭では動かない彼を満足させるマニアックな報酬次第では、クライアントから依頼を受けて、得意のハッキング能力で様々な事件を解決しているのだった。
アメリカ王の熾烈なサイバー攻撃を潜り抜け、様々な困難な直面に遭遇しながらも、依頼内容を達成していく。

声優・キャラクター
中井和哉、福圓美里、高戸靖広、家中宏、飯島肇、永島由子、鈴木千尋、高橋広樹、折笠富美子、土師孝也、瀬那歩美、松島可奈、J/R桜島液、林宏樹、田中敦子、横尾まり、くじら、氷青、中嶋聡彦、松山鷹志

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

超法規的措置!!

2003年10月から放送されたAIC制作のアニメ。全5話。
TV放送は1話を15分に分割し全15話として放送された。

天地無用!シリーズスピンオフ魔法少女プリティサミー
のスピンオフキャラクター、「天野美紗緒」が登場する。

これは・・超法規的措置!!のギャグアニメ。
ギャグは鮮度が命なので・・今笑えるかは視聴者の視て
きたアニメの傾向や本数や好みに大きく差が出るかも?

長台詞やナンセンスな設定を淡々と消化するセンスが・・
個人的には大好きで笑えた。簡潔なので見易いアニメ♪

古き良き時代のアキバ臭さ?とネットとパソコンの世界
は・・アキバボーイの夢だったのかも?2003年作という
のが・・なんとも微妙ですけどw

最終回は一部完という如何にも二部があるリップサービス。
良くあるパターンですね^^;残念ですが・・二部は無い。

特化したギャグは・・他作品に吸収されやすい・・
この作品も多くの過去作を活かして一部を特化させている
ので・・逆も当然ある・・後発のアニメの1個のエッセンス
として取り入れられ洗練されたセンスで描かれると・・
単体では勝負が難しいよね・・特化アニメの性かな・・


あらすじ。

普段は駅前の小さなソフトウェア会社でアルバイトをして、
ダラダラと自堕落で無気力な毎日を過ごす飄々とした青年。

だが・・彼には「美紗緒」も知らない裏の性癖ゲホッ・・
だが・・彼には「美紗緒」も知らない裏の顔があったのだ!


突然すみません!私○☓△の秋月郁(かおる)ともうします!

あぁ ・・あぁ~・・これは・・○☓△な☓△○の△○☓!
まさかまさか、重要な仕事を依頼しようとしている相手が
こっのような「異常性癖」の持ち主だったとは・・

こ、子供相手に信じられん!!

俺なら断然巨乳の女!

映画女優で言うとイザベル・アジャぁ~~~ニ♡

しかし しかし こ の男以外にこの難事件を頼める相手が
いないのも確かだ・・

事件解決の為俺は「敢えて」敢えて・・
社会道徳をかなぐり捨て、見て見ぬフリをしなければ!!

そう、これは・・超法規的措置!!

俺はこの非常事態のため・・一人の不幸な少女の人生を
敢えて・・敢えて・・見て見ぬフリをするのだ・・

あぁ、最低だ最低だ・・・俺はなんて最低な○☓△だ。

故郷の両親よ、別れた女房よ、再婚した巨乳美人妻よ・・

この秋月郁(かおる)の魂の選択を、笑わば笑えぇぇ!!




そうだ・・・見なかったことにしよう!

アハハハハ(オーディエンスの笑い声(※天の声「笑いver」)


国際的な大企業どころか政府・・国家レベルの依頼が来る
天才的頭脳で超人的な演算処理能力を持つ「白瀬慧」 ・・

「バトルプログラマーシラセ」
ハッカー界でその名を知らぬ者はいない天才ハカーである。

金銭では動かず! 超マニアックな報酬次第でどのような
クライアントの如何なる困難な依頼も引き受け・・
得意のハッキング能力で様々な難事件も解決してしまう。


白瀬慧(中井和哉)天野美紗緒の大叔父。
「バトルプログラマーシラセ(BPS)」超人的ハッカー。
室町時代から続く香川県の名門、白瀬家の長男。28歳。
美紗緒のスカートを覗く等幼女好きの行動傾向がある。
金では動かず、PCやオタク関係のレアアイテムを要求。

天野美紗緒(福圓美里)母の天野琴恵と二人暮し。
慧の姉の孫娘。大習志野学園初等部5年3組の生徒。11歳。
近くに住む慧に思いを寄せ、遊びに行くことが多い。
次週予告を担当する。締めのセリフは「来週もまうまう」。

秋月郁(家中宏、桜川朝恵(子供)
各話に登場する同姓同名同姿の別人クライアント。
バツイチ子持ち女性の好みはイザベル・アジャーニ!
毎回、タイミングの悪い時に依頼の為に慧のところへ訪れ、状況を勘違いして一人の不幸な少女の人生を仕事のために
あえて見て見ぬふりをする男。

柚木頼子(折笠富美子)慧に興味を持ち休暇で日本に来る。
アメリカ情報海軍所属の情報技術将校中佐。年齢は10歳。
大習志野学園初等部に転校して天野美紗緒の友達になる。
情報潜行艦B-2UNITキャプテンでネットの海を監視してる。

尾瀬倫太郎(高戸靖広)通称アメリカ王。年齢は27歳。
鋭敏電子アメリカ研究所のシステムエンジニアをしている。
非合法で危険なコンピュータ関係の仕事を請け負う闇会社
の最高責任者。慧との熾烈な電子情報戦をで毎回撃沈。

斎藤英樹(高橋広樹)キャラテック社の社員。
尾瀬倫太郎の腹心。頼りないように見えて有能な部下。

白瀬美津子(横尾まり)天野美紗緒の母方の祖母。
名門白瀬家の現当主で白瀬慧の異母姉。天野琴恵の母。

天野琴恵(田中敦子)白瀬美津子の娘で慧の姪。
美紗緒の母でパッチワーク教室の先生。
子育てに熱心で美紗緒に様々な習い事をさせている。

天野繁樹(あまの しげき)
美紗緒の父で、貿易関係の仕事で海外に単身赴任中。作品の中では名前が紹介されるだけで登場しない。

川原砂姫(横手久美子)弟の丈と一緒に暮らしている。
糸町駅周辺のK&Kビルのパブ・ねこみみにみみずくの店員。

本木紗英(永島由子)大習志野学園の体育教師。年齢は26歳。
高校時代に慧に出逢い交友関係を深める。見合い相手。

川原丈(鈴木千尋)誠実な性格の美男子。
大習志野学園中等部1年でサッカー部に所属。

美咲(くじら)パブ・ねこみみにみみずくの店員。
筋肉質のオカマ。MPSの工作員。慧を拉致する画策をした。

三浦亨(松山鷹志)日本国籍。年齢は自称48歳。
MPSの校長でアメリカ財界の名門ミュラー家の出身らしい。

林教授(土師孝也)電子情報戦の権威。
東京物理大学戦略ネットワーク研究室教授。

坂本悦子(桜川朝恵)大習志野学園初等部5年3組。
藤本店長(中嶋聡彦)秋葉原にある電気店の店長。
ウェイトレス - 桜川朝恵、松島可奈
同人誌即売会みみけっと売り子 - J/R桜島液
客 - J/R桜島液、林宏樹
警備員 - 飯島肇
本木紗英のおばさん - くじら

ナレーション - 土師孝也

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

制作意図が分からない、ロリとパソコン=秋葉原時代のアニメです。

 いろんな文脈から語れる作品だと思いますが、最大の要素はオタクでしょうね。パソコン×ロリ=秋葉原という公式。電車男の時代前夜の雰囲気で、この頃はオタクとパソコンは切っても切り離せない時代ですね。

 日本のパソコンと通信環境は性的なコンテンツによって発展した時代がありました。それを象徴するのが秋葉原でした。ラジオ等の基盤・電子パーツ→自作パソコン(ハードウエア)と性的なロリ文化(ゲーム)→アニメ・フィギュアと発展した歴史がありました。今の秋葉原は見る影もないですけど。

 本作の主人公シラセは、上記のような秋葉界隈のオタクの頂点のような存在です。プログラミングに秀でており、かつハードウエアマニアでもある。部屋を見ればロリータコンテンツの数々。これが当時のオタク像です。現代の深夜アニメを見ればオタクというレベルではない、いわゆる第3世代オタクです。

 今の時代、オタクの文脈を振り返る一つの貴重な資料になりそうな感じです。ただ、オタク研究者によると、オタクにとってのロリータというのは画面の中の2次元として消費することに意味があるのであって、本作のシラセのような具体的な小学生に対する性欲は現実にはないと言われています。ここはオタク像をアニメの中で見ている側に対して作品としてデフォルメして表現している感じでしょうね。
 まあ、第4世代どころか、アニメを見る=オタクという今の時代からは想像もできない古の話です。萌えも語りたいのですが長くなるのでこれくらいにします。

 さて、アニメそのものですが、奇麗ですね。2003年当時の目が大きな萌え絵ですが、若干違和感を感じる程度です。

 ストーリーは毎話同じ構造の話を反復しています。この反復が一つのオタク的なギャグなんだと思います。内容はいかにシラセがすごいかという話と、ヒロインのロリ少女とのやり取りが話の中心ですが、別に繰り返し見せられている感じではなく、いろんなシチュエーションを解決しつつ人間ドラマがあります。ちゃんと毎回工夫して面白いストーリーになっています。

 スーパーハッカーがネットワークを通じて無敵の力を発揮する話は攻殻機動隊が1995年、レインが1998年ですので珍しくはないですが、このギャグテイストの中で携帯電話を使ってハッキングする(iモード…懐かしい)は、結構斬新だったと思います。

 しかし、不思議なアニメですよね。30分5話…アダルトでもないし…かといってトップをねらえみたいな気合いが入ったOVAというわけでもないし…ジャンルは全然違いますが、撲殺天使ドクロちゃんに匹敵する作成されたコンセプトがわからない作品でした。


 なお、豆知識ですが、OPに出てくる穴の開いたテープは、穿孔テープといって、紙のテープに記録されたデータあるいはプログラムです。あの穴の有無で0、1を表していてます。
 あの穴を開ける作業なので、キーボードを打つことをパンチ=穿孔といいます。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

Seabream さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

あぁ まさかまさか、重要な仕事を依頼しようとしている相手がこのような異常性癖の持ち主だったとは こ、子供相手に信じられん!! 俺なら断然巨乳の女、映画女優で言うとイザベル=ア

思い立ってレビュー.

普段は冴えないオタク主人公がその天才的なハッキング能力を生かし依頼内容を解決していくお話.
内容はコメディです.
そしてBPSといえばロリ+シモネタとこのセリフ!


あぁ まさかまさか、重要な仕事を依頼しようとしている相手がこのような異常性癖の持ち主だったとは
こ、子供相手に信じられん!!
俺なら断然巨乳の女、映画女優で言うとイザベル=アッジャ~ニが良いのに
しかし この男以外にこの難事件を頼める相手が他にいないのも確かだ。
事件解決のため俺はあえてあえて社会道徳をかなぐり捨てて見て見ぬフリをしなければ!!
そう、これは超法規的措置!!
俺はこの非常事態のため一人の不幸な少女の人生を敢えて敢えて見て見ぬフリをするのだ。
あぁ、最低だ最低だ・・・、俺はなんて最低な(登場ごとに変わる職業名)だ。
ふるさとの両親よ、別れた女房よ、再婚した巨乳美人妻よ
この秋月郁(かおる)の魂の選択を、笑わば笑えぇぇ!!
・・・見なかったことにしよう!  '`,、'`,、'`,、('∀`) '`,、 '`,、'`,、

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6

63.0 16 ハッキングアニメランキング16位
MADLAX マドラックス(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (166)
1068人が棚に入れました
近代化を推し進める政府の国王派と、それに反発する反政府組織ガルザとの間で12年の長きに渡り内戦を続ける、ガザッソニカ王国。
そこでは、あるエージェントの存在が、政府軍兵士と反政府ゲリラ双方の間で知れ渡っていた。驚異的な戦闘能力を誇る美少女の名はマドラックス。
一方、先進国ナフレスに12年前の記憶をなくしたマーガレット・バートンという一人の美少女が、何不自由ない普通の生活を送っていた。
全く別々の場所で対照的な生活を送る、マドラックスとマーガレット。しかし、マーガレットが自宅で見つけた赤い本の秘密を探り始め、ヴァネッサが内戦の原因を探るためにガザッソニカに飛んだことで、隠されていた二人の接点が明らかになっていく…。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

意図せず生まれた純文学といえるかもしれません。

 本作は意図しないで出来上がった純文学なのかもしれません。純文学とは大衆に迎合しないことで、その意味では本作は文学ではありません。演出、構成、キャラ、音楽、そしてストーリー。どれをとっても計算して作ってあります。大衆向けのエンターテイメントです。

 ですが、見ている側からすると「どうしてそうなるの?」が語られません。ガンアクションなのか、ファンタジーなのか、サスペンスなのか。いろんなことに幻惑されうちに、いつの間にか人の内面について考えさせられます。
 エヴァ以降世界観だけを見せて「理由」を語らないアニメが増えましたが、その一つの到達点として意図しない純文学的なアニメになっていると感じました。

 ストーリーです。ストーリーは不思議な構成で、主要な登場人物の誰に感情移入しても、何かが見える、ということです。ここがこの物語の文学性を高めています。

{netabare} 一人の少女が父親を殺したことにより精神が分裂してしまいます。本質の世界にいたせいでしょうか。2人の少女を現実に生み出し、3人になってしまいます。一人はもともとの貴族の娘マーガレット。一人は殺し屋マドラックス、そして人形から生まれた真実を知る少女レティシアです。

 マドラックスが殺し屋としての活躍の話と思いきや、それはまったくの舞台装置です。ガンアクションはすごいのですが、マドラックスがなぜ殺しをするのかというのが物語の最後の結末につながります。そして、マーガレットとの不思議なシンクロ。赤い靴、雨、本、黄色い花、そしてパスタ。2人の間のつながりが暗示されます。孤独なマドラックスとバレッサとの不思議な友情と結末も胸にきます。

 また、3話に登場するグエンマクニコルという将軍との話が非常に良くて、このエピソードのマドラックスの感情を追うだけで一つの文学になっています。

 カロッスアという闇の組織のエージェント。3冊の本を集めるとその本質の世界への扉が開きます。アンファンという闇の組織が暗躍しますが、カロッスアという男が組織を裏切り独自に本を集めます。そして、3冊の本が集まり真実を知った結果、己が何者かを知ります。ここは「なぜ」を言ってはいけない部分です。少女革命ウテナのような結末でした。

 エレノア。マーガレットのメイドです。献身的な愛情をそそいで常にマーガレットのそばにいます。命がけでマーガレットを守ります。でも、祖父からマーガレットを託された時に恐らく自分の中で何かを殺したのでしょう。本質はマーガレットを疎ましく思っていたのだと思います。それが最後に明らかになる彼女の感情です。でも、それだけではありませんでした。

 怖い人。リメルダ。マドラックスへの興味が捩じれた愛情へと変化します。殺したいほど…という感じです。そしてマドラックスとの間に生まれた奇妙な友情。また、最後の場面。
 マドラックスと2人でいるとき赤い月と青い月がでていました。これは現実ではないということ、あるいは新しい世界が生まれたのだということでしょう。 {/netabare}

 と、書きだしたらきりがないくらいに多面的に人間の欲望や感情というものを見せてくれます。もっといえば存在の虚ろさみたいなものが随所に感じられます。

 物語は謎が多いしギミックや伏線が多いせいで複雑に見えますが、そこは最後まで見れば解決します。不思議なテンポというか間が美しい音楽とマッチして、普通のアニメではない独特の雰囲気を醸し出しています。

 ガンアクションだと思われがちですが、人の内面について考察できるアニメだと思います。製作意図は恐らくもう少し違ったものかもしれませんが、一度じっくり見ると純文学のように持て余した感情を後に引きずるでしょう。

 ヤンマー二でギャグみたいに思えるかもしれませんが、音楽のクオリティーの高さには驚きます。エンディングのモノ寂しい雰囲気が大好きでした。オープニングの歌詞がかなりストーリーの本質に迫っているかもしれません。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3
ネタバレ

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

イニシエーション

「ノワール」(ずっと「NOIR」だと思っていたのですが、カタカナ表記が正式なタイトルのようです)「エル・カザド」と並んで"美少女ガンアクション三部作"と言われている作品の第二弾です。

例によって真下耕一監督アンド"美少女×銃"大好き人間なので、果たして皆さんが参考にできるレビューと言えるかはわかりませんが(笑)、やっぱり面白かったです!

マドラックスを執拗に追いかけるイメルダ・ユルグからは「エル・カザド」のL・A(性別は違いますが)、ナハルからは服装を含めて「ノワール」のクロエを感じる(クアンジッタ・マリスンはもちろんアルテナ)
など、"三部作"と言われるのも納得の既視感があります(だが、それが良い!)。マーガレット・バートンに至っては声優からしてモロ「ノワール」の夕叢霧香・・・(笑)

放送時は911から間もないということも関連してか、"戦争"が作品全体を薄っすらと覆っています。エリックが劇中で語る自分と世界の距離感というものは完全に「機動警察パトレイバー 2 the Movie」で語られたアレです。ガザッソニカのアジア感はベトナム戦争っぽくもあり、「BLACK LAGOON」のロアナプラっぽくもあり・・・。

飛行機事故のくだりで「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」を思い出したり、カロッスア・ドーンやフライデー・マンデーからムスカ臭を嗅ぎとったりもしました(笑)。終盤にマーガレットと二人でいる感じはまさにラピュタ(?)

声優陣では、有名かつ真下監督作品でもお馴染みの面々が名を連ねる一方、エリノア・ベイカー役の内川藍維さんに注目しました。ヘタウマな感じ(失礼)が非常にクセになります
(出演作品の数を見ると、長所になっているわけではないみたいですが・・・(^-^;)。

金田朋子さんもめっちゃ良かったです、っていうかキャラクターの中ではレティシアが一番かわいかったです!特に目。

梶浦由記さんによる音楽が素晴らしいことは言うまでもありません。彼女が音楽を担当したアニメをもっと見たい・・・と思ったら、たまたま僕が見ていない作品を担当しているだけでした(;^ω^)

年齢的に難しいのかもしれませんが、真下耕一監督の新作を是非見てみたいと改めて思いました。"美少女×銃"でも、「無限の住人」や「へうげもの」に通じる時代劇でも、監督の集大成と言えるテレビシリーズを切望します。(調べてみると、ビィートレインがアレしてしまってるみたいで心配ですが・・・)


P.S.めっちゃネタバレになるのでやめたレビュータイトル候補→{netabare}「私たちに翼はない」、「複製された女」{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

nori さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

隠れた名作ハードボイルド系

2000年代の深夜アニメでは1番だと思ってます。当時リアルタイムでも観て
DVDでも見ました。
張り巡らされた伏線、世界観BGM 世界も国をまたいで2世界と異世界もあるし
マーガレット以外のキャラクターが狙いすぎの萌えみたいなのがないし
女キャラ多いけど、エロとか萌えとかで釣るような内容じゃなくキチンとリアル気味に描写されていてそれぞれ生きている感が伝わってくる感じ
内容自体は人を選ぶかなりハードな内容ですはっきり言って娯楽感は捨ててる内容です これぞ深夜って感じでした。
真下監督のEATMAN辺りが好きな人に完全にはまります。
リアル気味に描写されてるけど、戦闘自体はファンタジーっぽい感じもあります主人公の存在理由にかかわりますがあと戦闘はあっさりです、戦闘のアクション自体が見どころの作品ではない感じです。 イカにもガンアクションが好きな人にも向かないと思います ネットとかでキャラクター人気とかがいまいち出なかった理由もわかります、ハードすぎる話で見る視点によればつまらないと感じるでしょう、 人がいきる意味 自分探し的な要素 家族愛と戦争 憎しみ など テーマは重いですが見ごたえあります。マーガレットのキャラ絵で萌え系の軽い作品かなと思ってみるとなんじゃこりゃーとなりますのでご注意を。
EATMANもそうでしたが視聴後に考えさせられる作風です。鬱気味になるかもしれません。
 追記 今さらで古いですが BGMが相当良いので サントラ1と2
は聞いた方がいいです kalafinaになってからの梶浦より良いと思いました
MADLAXのサントラは定期的に番組とかで切り出されて使われてるようです。
マイナーな楽器チェンバロみたいな古楽器が使われてたりしてクオリティは高いです。 マスタリングは言うほどでもないので高給なオーディオで聞くと粗が見えますが、クラシック聞いてる人でも聞けます。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

60.5 17 ハッキングアニメランキング17位
東京24区(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (130)
368人が棚に入れました
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。 そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。 事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

企画とテーマ〇。SF設定ストーリー×。RGBの判断に筋がなくラストの納得感がない。

 話がつまらなくて一回切ろうかと思いましたが、SFはなるべく頑張ってみようと思い視聴。まあ、テーマとかやりたい事は浅くはないですので見られました。が、やってる事がちょっとなあ、という感じです。


 さて、未来予測がどこまでできるか、ですが、竜巻が地域的に発生する確率を計算することは出来ても、発生した結果誰が死ぬかの予想はできません。落雷も同様です。バックトゥザフューチャーのように未来の情報がないと不可能です。

 これはラプラスの悪魔であり、不確定性原理によりどんなに優れた量子コンピュータがあっても、それどころか神ですら絶対に不可能という結論が出ています。(つまり、ブタ野郎の古賀朋絵ちゃんということですね)

 ここがSFとしては厳しいです。既にSFのクリエータとしては常識ですので、私はVR内のシミュレートとか未来から見ているのでは?と予想しました。が、本作は結局そこの種明かしがありませんでした。つまり、言葉どおりコンピュータの計算で予想できるという結果です。これはいただけません。

 また、RGBその他の目が光る演出ですね。この非人間的な演出も同様です。特定の音楽などにより人間の思考が偏っていく、誘導される、精神状態に異常をきたす、肉体の枷が解放される、のはSFとしていいでしょう。でも、あの目の光り方は人間ではないサイン以外の何物でもありません。そして、主人公の非人間的な能力も同様です。あれが演出で絵の見せ方だということだとしたら、ちょっとミスリードもいいところです。

 そしてなぜシステムに脳を使わなければならないかの設定もあいまいです。

 という具合にSFとしてはガバガバだし、演出もおかしいところだらけでした。


 RGBは結局、法=ルールつまり客観に従う判断、善悪=個人の価値感つまり主観に従う判断、どちらでもない両方救う道の模索の3通りでした。
 この点はいいと思います。トロッコ問題の出題意図は、正解を出すことではありません。哲学ですから徹底的に考えることで、正義とは何かについて考えるプロセスです。アニメでそれを表現しようとした試みは面白いと思います。

 自動運転の車のプログラミングの問題もホットですね。事故が起きそうなときに搭乗者を助けるか歩行者を助けるか。もちろんメーカーとしては搭乗者優先になるんでしょうけど、こんなのは外部に公表できるわけがありません。人間だからこそ許される行為です。

 カルネアデスとは、緊急避難の問題で法律を勉強するときに議論されます。(難破したとき一人しか掴まれない板があったらと言う話)
 オープニングの扉のトリアージという言葉はストーリーには無かったですが、コロナ下で話題になりました。医療がひっ迫したときの治療の優先順位ですね。
 ソーシャルポイント…中国の信用ポイント問題ですね。個人の情報を監視することで人の信用度を図ることです。個人情報の侵害ではありますが、中国や場合によっては韓国でも実施されつつあります。
 日本ではソシャゲのポイントみたいに軽い使われ方をしています。日本でもポケモンゴなどは位置情報をオンにするための誘導ですし、そのスマホで決済すればどこでどんな時にどういう動機で何を買ったかなど簡単に解析されてしまいます。

 残留思念ということで人の生死の問題をクリアしていますが、あれは脳死問題を表現した?明確に語られてはいませんが。
 また、優れた研究者の命は重いか、というのも考えられると思います。

 こういう問題提起があったのは良いと思います。

 重ねていいますが、トロッコ問題は人の生死の問題ですから理屈で考え尽くすことが重要です。簡単に解答があるという人は疑ってかかるべきです。ただ、現実問題としてAIにプログラミングしなければなりません。もっと怖いのはAIが人の命に軽重を付けたら、それがブラックボックスだとしても受け入れるのか?どうするんだ?というのが本作のテーマです。
 なお、最近電車をドリフトさせて両方助けると言う動画が流行っているみたいですね。


 ただ、ストーリー全体ですよね。先ほど言った通りSFとしてはまったく適当です。そして、それぞれのRGBの判断ですね。これが組み合わさって何かを表現していましたでしょうか。いきなり冒頭の選択で第3の選択が成功してしまいます。
 その後、コンフリクトにより失敗とかいろいろありますけど、じゃあ、その個々の判断の判断基準がストーリーに沿って、RGBたちが徹底的に考える、つまりトロッコ問題の意味になっていたか。なんとなく頑なに自分を守っているだけに見えました。

 そして最後の結論。正義を個々人に任せるではポピュリズムになってつまり2022年の現状になってしまいます。せっかくの問題提起が堂々巡りしかできないという感じで、何が主張したかったのかがまったく見えず、お前等で考えろという丸投げな気がしました。


 総評です。生命倫理、個人情報と社会を主題にした企画は良かったと思います。設定ももうちょっとSF的に整合性をとれれば悪くはありませんでした。ただ、脚本、演出、構成、すべてが中途半端です。

 キャラデザ、作画がもうちょっと一般的な形におさまっていれば、まだ誤魔化せたかもしれませんが、特徴がありすぎましたね。

 それとアルドノアゼロとかサイコパスとかの焼き直し感がすごくて、ニトロプラスもいよいよ枯渇したかなあ、という感じでしたね。残念です。

 いいところ悪いところが極端なので全部3で評価しておきます。



以下 視聴時のレビューです(3話まで)。

1話 あー来ましたね。挑戦的なオリジナルアニメ。いいですね。これはSF的などんでん返しをねらったパタンでしょうね。前後編ありましたが面白かったです。

{netabare}  24区の設定が戦後から続くという話ですので、歴史のIFにも見えますが、おそらくはバーチャルリアリティー内の選択と可能性の問題…なんでしょう。若干火災事故の時の2020年5月10月というロゴの変化で3000という数字っぽい余韻がありました。1000年先のコンピュータの内部…なんでしょうか。

 AIが人類の可能性を確かめている感じ?未来における人類の選択…でしょうかね。3人の能力が高まることから考えて、3名が特殊な役割を与えられたプログラム…かなあ。墓地のテクノロジーとか、ドローンやAI関連が若干現在の技術を上回っている気がしますし。

 とはいえ1話ですから確信はないです。ぜひこの推理をいい意味で裏切って欲しいところ。

 マトリックス+サイコパスに「道徳問題」を絡めた感じな気がします。一番わかりやすいトロッコ問題が来ました。まあ、トロッコ問題の解決としては邪道でしたけど。
 その他、バンクシー(落書きアート)も、道徳と芸術の問題がありますし、パルクール(街を障害物に見立ててアクロバティックな動作で移動する)も同じく迷惑行為かスポーツかで意見が分かれます。

 作画がちょっとアレでしたが、演出でチャレンジングなところもあって不快では無かったです。

 というわけでストーリーというよりSF的設定が明かされるプロセスが楽しみです。ちょっと注目したいアニメですね。

追記 冒頭で赤いランドセルの少女が車に轢かれていました。そのそばにいた少年の髪の色が、主人公の気がします。これは何か関係あるでしょうか。少女は線路に挟まれた娘?

 あとRGBってサブタイトルは3人の男の髪の色ですね。三原色…意味があるんでしょうか。{/netabare}

2話 もんじゃの優勝が陰謀って…

{netabare} 陰謀のスケールが小さすぎて笑いますね。モールの店の構成を商店街と同じにしても魅力はでないと思いますし…価格とか品揃えの幅とか…まあ、分かりやすく表現したかったんでしょうけど、こういうところ、しっかり勉強したほうが脚本に説得力がでると思います。もんじゃがモールの看板で優勝したから地上げって…

 翠堂財閥が絡んでいるという事で、その辺でドラマがあるんでしょう。ところでグルフェスって2018年は12月にやってたのに今回は夏なんですね。それとも半年以上準備期間があるんでしょうか。どういう設定なんでしょう?とにかく時間経過でトリックがありそうなのでその辺気になります。

 やっぱり、あすみちゃんの吹っ飛んだ服装が気になるのと、桜木さん、年頃の女子が毎日黄色いTシャツって…もうちょっと頑張りましょう。5月はこの世界線だと真夏なんでしょうか?

 あと桜木さん、あの窓を飛び越えるのは危険すぎるだろうとか気になることがちょっと多いですね。
 RGBって、実際の髪の色?普通アニメの髪の色って心象風景なんだと思っていましたが…全員染めてるってこと?それともVR世界だから?

 あと落書きアートの彼、素性隠してるならスプレーを腰に付けてお好み焼き食ってるのはヤバいでしょう。

 ちょっとディテールの作り込みが甘いところが多くて、全部が仕掛けなのか単なるアニメの質の問題なのかわかりません。考察する意味があるのかないのかが不明です。SFやるならそういうところは気を付けて欲しいところです。

 さて、最後の場面で「観測」と「収束」という言葉がでまあしたね。シュタインズゲート感がたっぷりです。1話のパワーアップの設定と合わせると、マトリックス的なバーチャルな世界でタイムリープをする感じでしょうか。

 EDの曲名255.255.255の意味はサブネットマスクではなく、RGBのことですよね。つまり「白」っていうことでいいでしょうか。未来はわからないあるいは無限の可能性?{/netabare}

3話。ひょっとしてRGBはマギシステム?トロッコ問題の深層学習でしょうか。

{netabare}  もんじゃの陰謀とか作画とか演出とかストーリー展開とか枝葉の部分は置いておくとすると、要はトロッコ問題…つまり命の選択を徹底的に考えろ…と。となると最後は世界系?何かの選択で助かる側と助からない側がいる未来の話になるんでしょうね。それを3人が超進化して全員助けちゃおうぜ…みたいな。

 RGBの3人はどう考えても人間ではないので、マトリックス的なバーチャル世界の中で倫理をつかさどる投票システムAIという感じでしょうか。

 エヴァでいうところのマギシステム…つまりカスパール、メルキオール、バルタザールの3つのコンピュータがそれぞれのアルゴリズムで未来予測して合議制で決める…みたいな感じですね。

 RGBの3人は、シミュレートからの深層学習、つまり「危機」は学習機会だという事でよろしいでしょうか。いや、合ってるかわからないですけどね。

 うーん。話のテーマは面白いけど、そもそもアニメが面白くないなあ。いやストーリーのボディの部分はつまらなくないけど、エピソードの出来と演出が悪いなあ。もんじゃからのキャベツで、最後は竜巻で自己犠牲ですかあ…まあ…。

 興味があるので視聴は継続しますが、風呂敷広げて畳めなくならないようにしてほしいなあ。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

そうはならんやろの連続

{netabare}
見終わって一か月、間が開いてるのでうろ覚えですが。

序盤の方はアスミから出されたトロッコ問題をRPGが協力し合って解決していくというもの。
設定だけ聞くと面白そうだけど、トロッコ問題への持って行き方が強引。
猫が線路を走って引っかかって...とか、謎のハリケーン発生とかそうはならんやろっていう突っ込みどころが多くて真面目にやってるのにギャグみたいになってた。まだ不思議な力が引き起こしてるとかそんなんならわかるんだけど。
そもそもトロッコ問題になってなくね?普通に他の解決法あるくね?ってなるようなのも多くて微妙。微妙だけどこのあたりまではまだマシだった。

3人がバラバラになってからは単純につまらない。
本筋の話が微妙だったからかな。
AIによる犯罪予測のために管理社会のようなものを実現することへの賛否で対立するという展開自体は良かったと思うけど、最終的に論点が、そのシステムのためにアスミの脳を利用するのはどうなのかというものにすり替わってしまって、テーマから逃げている感があった。最終的にはシステムのために人体の利用は倫理的に反するか反しないかという陳腐な対立に。

最後はまた全員で協力してと言う展開になるけど喧嘩シーンは酷い。如何せん明らかな正論と的外れな意見でぶつかり合ってるからギャグにしかなってない。

変なタイミングで余計な話が挟まれたりで構成も酷かった。
良かった点は、引っ張ってたカルネアデスの目的や正体がなんだったのかが明かされて行くパートかな。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆5
スクライドか?w 初手チンピラ 残響のテロルで見た。
序盤地味だな。なんだよこの青い奴w
なんでみんな変なとこに行って電話に出るんだw
トロッコ問題 駅員に任せろや。何で線路の上に立つねん。
いや、そうはならんやろww 整備不良ってことね。
いや、何で停車しないんだよw いや足何で抜けたし

2話 ☆5
これ結局何アニメ。構成が非常に悪い。こいつの回想もういらないって。

3話 ☆3
謎のハリケーン。またトロッコかよ。落ち着いてんなぁ。
何でいうこと聞くんだよw そうはならんやろ
道ふさがったじゃん。これギャグアニメ?
てか竜巻てこれ東京舞台じゃないんですかね。
黒幕がすべての事件の諸悪の根源でそれをあすみが食い止めようとしてるってことかな。

4話 ☆6
今のとこギャグアニメだけど大丈夫か。管理社会? 中国かよ
今回はまあまあだな。黒幕は何がしたいの?
いや、今回は普通に犯人を止めるっていう選択にそこまで無理がないしトロッコ問題になってないだろ。

5話 ☆6
ぼむったとは ハッキングもすごいやろ。エスケーエイト?
いや何が目的でそんな電子ドラッグ流すんだ? 
いやそうはならんやろw まあクナイには感情移入できるよw
これあの船の奴ら殺してしまっていいやろ。 
船の奴らも犯罪者だがw あいつら放置かよ。 

6話 ☆5
ビデオで釈明するのかよw 普通過ぎてあまり面白くねえ。
鼎システムって結局何だよ。糞アニメあるある、脳を接続。

7話 ☆3
結局糞アニメなのか面白いのか。
あのラスボス的な奴現実でもちゃんと活躍してるのかよw
話進まねえ。なんだよこのおっさんw なんか見たかったのと違うよなぁ。

8話 ☆6
カルネアデスって人物なのね。
クレーンの落下地点に人いれなければいいだけやろ...w
ガバガバ警備 誰だよ!
まあカルネアデスの目的に関しては結構よかったと思う

9話 ☆8
誰だこいつら。なるほどね。
トロッコ問題をプログラムが勝手に説いたってことか。
開発者か。怪人開発部
かなえ裏切ってやるなよw 今回面白かったな。

9.5話
総集編? 1クールで総集編最近多いのホントによくない。
Cフォンってストーリーの根幹にかかわってくるのか。

10話 ☆8
聞こえてそう。Cフォン利用して意見を変えさせるという発想面白いな。
もう死ぬほどその説明聞いた。

11話 ☆2
今更過去の話蒸し返すなよw 小学校に何しに来てるんだ?
殺せ そんな真昼間にちょっと離席した間にネズミ沸くんかw
何喧嘩してるし。いや、赤髪正論だろw
苦しんでるから助け求めてんだろw 何が自分勝手なんだよw

12話 ☆3
最後の冬アニメ。草、何アニメだよこれ。変身するなw
何だよそのポール。いや主人公草。これギャグアニメ?
キャラデザ不安定? あっさり終わったw まあ、面白くなかったな。

曲評価(好み)
OP「Papersky」☆8.5
ED「255,255,255」☆6
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今後のオリアニに期待<55>

各話の配置とか構成はいいけど、各話ごとが細部まで詰まってない印象の序盤。後半は今までのお話をまとめてく流れから著しく微妙な回はなかったものの、一番デキが良かったのは過去編の9話で最終回は大オチ含めてやや微妙。
ニトロプラスの人のアニメ脚本構成初挑戦ということで、想定外もあったのかな。
ラストは、カナエちゃん寿命なら放置しててもカナエシステムなくなるよなぁ、ってのと住民にティーンの青春お涙を見せて理想的な方に進みましたってのがちょっと・・・。
物語を通して、選択を突きつけるってのがうまく機能してなかったので、最後に両取り成功しても、そらそうなるやろねぇってな感じ。
物語中に両取りは不可能という酷薄さと最後に両取り実現するものすごい奇跡の描写が両方不足気味だったかと。
それでも次に期待したくなるオリジナルアニメではありました。
同じ期に3本アニメ放映したCloverWorksのみそっかす扱いなわりには、オリアニ売りの某とか某を越えてるし。

間に合わずと総集編のせいで次の期にめり込んでたけど、放送枠とかやりくりできるのかなぁ。どうせアニメ放送するからという枠の抑え方なんでしょうか。

いっかいやすみ<55>
6話まで視聴。
初回だと超人能力で活躍する単純なヒーロー物って呆れ気味の印象だったけど、全然そういう方向ではないじゃない。なんであんな展開を初っ端1時間スペシャルでやっちゃったのかな。
単話ごとは微妙でもそれぞれバラエティのある展開なので、見飽き感は薄い。
RGBの対立でドラマ的に深まるかなってところで、開始前から囁かれてた作画不安が炸裂したのか7話は延期して再放送。
最終回がズレると面倒だなぁ……観続けるか微妙なライン上ではあるけど、同じ用に微妙な同期中では現状これがトップくらいの位置なのに。

のんきな進行<52>
3話まで視聴。
2話はひたすら過去の提示で能力使っての山場無し。
そりゃタメの回も必要なんだろうけど、それがただタメのみで終わってしまうのはどうなのか。
3話では選択の重み付け。初回であっさり両方助けたせいで。やたら軽くご都合に見えてしまってたけど、今回は両取りが失敗。
犠牲になったのがカバ先生で、関係を描写してたけど喪失感はイマイチ。
話をまたいだストーリー進行計画を練ったのかもしれないけど、各話単位での魅力が足りな下げ。
両取りの失敗は初回でやった方がよかったし、その上で選択しないと大切な人がどんどん失われていくみたいな示唆を入れとけば緊張感でたんじゃないかなぁ。
トータルな構成としても、1話はご都合ヒーローアニメっぽい話で動きで見せるぜ、2話は過去話ばっかやるぜ、3話目でようやく選択肢に重みをつけるぜって最重要の序盤にのんきだなぁ。

お話だけアレな気が<52>
1話視聴。
初回1時間枠ながらも1話ということらしい。
冒頭、女の子が車に跳ねられる事故映像で目をキャッチしてから能書き独白が始まって、ちゃんと工夫してるなぁとオリジナルアニメに対する甘々な良かった探し。
演出は優れてたのか、お話がチュートリアルな事件といった感じで普通だったのに退屈することなく1時間観れた。
パルクールな動きをする青とかアニメ用の動きのキャラですわね。
ラストが強引で、線路に挟んだってのがどうやって?だし、割と時間があって下はバラストがひいてあるんだから石を一つ一つ抜いていくのも難しくなさそうだし、それを超スピードで引っこ抜いたら足千切れそうだしと、無理無理でしたわ。
作ってる方も無理があると思ったのか、どうやって足を抜いたのかは画面の外というなんかお話と演出が分離してるような感じ。
トロッコ問題出したかったんだろうけど両方助けたらトロッコ問題にならないし、そもそも誰も葛藤してないという。

総作画監督が作画崩壊が起きそうとツイートしてるのが本作のことだとか囁かれてたり、なんか不穏な現場ですねぇ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

53.0 18 ハッキングアニメランキング18位
EX-ARM エクスアーム(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.3 (126)
331人が棚に入れました
2014年、機械嫌いの高校生・夏目アキラは自分を変えたいと思い一歩を踏み出す。が、突如とトラックにひかれてしまう──。そして2030年。東京港湾部、未知の兵器「EX-ARM」取引現場に潜入した警察・上園美波とアンドロイド・アルマのコンビを、「EX-ARM」No.08を装備した敵が襲う。彼女たちは起死回生を賭け、敵から奪った「EX-ARM」No.00を起動させるが……!?

声優・キャラクター
斉藤壮馬、小松未可子、鬼頭明里、浪川大輔、上坂すみれ、石川由依、八代拓、左座翔丸、小林ゆう、富田美憂、新井里美、遊佐浩二
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

みんな目が死んでる~

3話までの感想{netabare}
原作未読、前情報一切ナシ。
視聴した瞬間の第一印象は「お?忍者コレクションCG導入したんだ」。
うん、まぁ作画っていうか映像クオリティは酷い。
思い切ってフルCGなら“RWBY”みたいに「この世界はこういうもの」と、抵抗あるかどうかは別として没入できそうなところを中途半端に挟まれる手描きアニメがそれを阻止する、素に返る。
ってか手描き部分が標準レベルのアニメで、そこはCGに合わせて死んだ表情にすれば多少は違ったんじゃないかなー?
まぁRWBYに比べたらアクションもガッタガタでとても見てられない部分もあるんだけど…2話のヘリなんてもうなんだよと、劇場版ゴルゴ13かよと。

けど、あくまで個人的にはだけど、“ジビエート”よりは随分マシ。
ちゃんとした原作のあるなしの違いなのかな?ストーリーや台詞の掛け合いは普通に出来ている。
ジビエートなんて内容スカスカで30分もたないから会話の途中に妙な間が空いたり、カーナビやカレー等のお寒い尺稼ぎしたり、アップ多用で位置関係が謎だったりしたもんだけど、こっちではそういうことは…無い、多分。
先述の2話のヘリも、作画スタッフのアレ加減を見て急遽差し替えたような感じで、コンテ段階まではマトモだったんじゃないかな?と予感させる。
どのシーンを切り取るか、どのシーンに何秒取るか、そういった辺りは普通に出来てて、それに作画が追いついてないだけな気がする。
その…酷いこと言っちゃえば、画面見なければ楽しめるかも?
ジビエは画面見なくても不愉快だったからね、この差はデカいんじゃないかなー?(物凄い底辺の争いではあるけど)

一番残念なのは、アルマって“ビートレス”のレイシアや“プラメモ”のアイラみたいな役所ちゃうん?
もっと突っ込んで言えば“楽園追放”のアンジェラ的な、「なんでそういうキャラってレオタードなの?」「いいんだよ!好きなんだから!!」と押し通す熱意が画面からは微塵も感じない。
…って、これ中国スタッフが大きく係わってんの?意図的に扇情的な描写を避けてる?キスシーンが全然嬉しくないのもそれ??ま、まさかね…。


んでストーリー。
死んで目が覚めたら異世界に転生ではなく、脳だけになって未来に飛ばされてました。
エクスアームっていう異能を巡って犯罪が横行してるらしい。
んで主人公はハルモニエ使いで“ビッグオーダー”みたいな夢をちょいちょい見てるんだってさ。

ワザと投げやりな書き方したけど、実は結構好きな設定だったりw
3話なんてメイドロボがギュケスに乗って襲ってきたのでブリアレオスを駆って対抗だー!ってところでのヒキで、抑えるところはチキンと抑えてる…と思うんだよなぁ。
予想としては事故死した弟を蘇生させようと研究してたらエクスアームってのが開発できちゃって、封印してる間にアンドロイドの実用化まで技術が進んだ、とか?
果たして主人公は肉体を取り戻すことができるのでしょうかー、ってところが見所になると思うのだけど、果たしてアニメがそこまでやるかどうかは知らない。
ブリアレオスがメインボディで固定化しちゃったら面白さ半減するかも。{/netabare}

4話感想{netabare}
一度交わした約束を頑なに守るのが美徳とするなら、一度受けた指令を実行し続けるロボットはある意味人間なんかより尊い?
というテーマはありがちっちゃありがちだけど、やっぱり良いもんです。
今回のメイドロボがそれだったって話で、しかも元人間の主人公が暴走して人ならざるものになりかけたのを電脳世界?から連れ帰って来れたのが皮肉にもアンドロイドのアルマだったといのもエスプリが効いてる。
どこかで見た話とはいえ映像が他に類を見ないので独自性を感じる…ってのは好意的過ぎ?9割嫌味ッス。
いやホント映像は酷い。
そんなでも戦闘シーンにしっかり尺を取ってて、比較に上げるのは悪い気がするが戦闘シーンをカットするのをカッコいいと思ってそうだった“ノーガンズライフ”よりも好感が持てる。
ってか無理にでも戦闘シーンを入れるこのノリは…香港映画の流れ?なんかそれっぽさは感じる。
また、ただドッカンバッキンを続けるのではなく逆転送や衛星ズラしてGPSの座標を変える等、攻略の道を切り開く辺りも…これまた比較に上げるのはアレだけど、ほぼ1話戦闘に使っといて結局力押ししかしてない“蜘蛛ですが~”の4話よりも全然面白い。
やっぱコンテまではマシな作りなんじゃない?というか原作がよく出来てるのか??

で、上でも書いた様に原作未読なワケだけど、表紙を見てみた限りとっても士郎正宗wそれは構わない。
アップルシードのブリアレオスみたいなのはオーガって名前らしいが、いっそ開き直ってヘカトンケイレスで良かったんじゃ?とさえ思えるw
原作がマトモでお約束をしっかり守るのであれば…今度こそ多脚砲台を期待していいのかな?
やっぱクライマックスにデカブツは欲しいところで、映像はどうであれ話の方だけでもやって欲しいなぁ、と。

まぁその…原作者はスタジオ訴えていいんじゃね?{/netabare}

5話感想{netabare}
伝えたいことを文章だけで表すってのはホント難しい。
ってことで「文章だけ」は諦めて、「これ見てくれたら簡単に通じるかな」というのがあったのを思い出したので貼ってみる。
他にもっと参考になるモノが転がってそうな気もするけど、ここに貼っていいものかどうかワカランし、公式が上げてるヤツってことで──

モンストアニメができるまで-アーサー編-【モンストアニメTV】
https://www.youtube.com/watch?v=sIvCC8GtJow

全部手描き・CGと手描きの合成・フルCG作品とで工程違うし、現場や規模によってもまた違う(特にこういったのが公表されるのは劇場作品が多いと思うのだけど、劇場版はTVアニメへの参考としては…)のであくまで話のネタ程度に留めておいて欲しのだけど…。
エクスアームはここでいうレイアウトアニメーションを見させられてる気分。
ゲームの開発段階で「そこに村人が立ってる」って場所に、村人グラが完成してないので仮のオブジェクトを配置してる感じ(と言った方が通じるのかな?)。
当然「未完成品を見せるな」という主張は尤もだし否定はしないけど、「レイアウトアニメーションとしてはよくできてる」というのが個人的な感想。
何度も比較に上げてアレだけど“ジビエート”はコンテ撮の段階からおかしい、作画をどんなに頑張ってもどうにもならないクラス。
作画崩壊で有名な“いもいも”はコンテ撮まではマトモだったような気がする、指示がいい加減だったか上がった原画が指示通りじゃなかっただけのような?
同じく作画崩壊で有名な“はてなイリュージョン”はコンテ撮からおかしかった上に急遽差し替えが発生したかの様。
一方、作画は頑張ってるけどレイアウトがダメダメと感じる作品は枚挙に暇が無く…分かり易い例ではキャラがワープするとかカメラに映ってない間はフリーズしてそうとか。
──と、完成品の出来の良し悪しだけじゃなく、工程のどの段階からどうだったのかを想像するのもアニメの楽しみ方としてはアリでは?と思ったり思わなかったり。
まぁ事実は関係者しか分からないんだけどねー。

とはいうものの5話はちょっとフォローし切れんかも。
内容は悪くないのだけど、お色気シーンはやっぱ当局からストップがかかってるのかな?
アルマを轢きかけたトラックが画面外で処理というカメラアングルで、これはモデリングが間に合わなくて急遽変更した?(ロイヤルリムジン使えばいいのにw)
そしてなんといってもアクションシーン、もう、うん、もう…「画像は開発段階のものです」「お使いのテレビは正常に作動してます」と画面にテロップ出しておいて欲しい。
画面に映ってる絵がおかしいだけで間の取り方はマトモなのでMMDで作り直した方が完成度高いのが出来そう、誰かやってくれんか?モデリングからやり直しで。


それと…これは考えすぎだとは思ってるけど、それでもやっぱり言わずには居られない。
日本アニメの評判を落とすために中華が仕掛けてきたんじゃないか?
そこまでではないにしろ、原作潰しを狙ったんじゃないかと邪推したくなる、だってこれでちゃんとした“エクスアーム”のアニメ化は無くなったでしょ。
失礼なこと書くけど台無しにしても構わない程度の原作なんて他にもっとあるし、かといってスタジオ変えて作り直しするほどこの原作が超人気って訳でもなさそうだし。
指差して「クソだクソだ」と笑い飛ばして終わらせてしまうだけでいいのか?とちょ~~っと心のどこかに引っかかりを覚える。
更には“鬼滅”の大ヒットで、それまでアニメに係わったことのない企業が首突っ込んでくる可能性もあるワケで、なんともかんとも…。
考えすぎであって欲しいけどね。{/netabare}

総評{netabare}
アニメを作る工程の、どの段階でアレだとこうなってしまうのか。
それを探るには良い教材だったと思う。
要はコンテ撮?Vコン?そこまではしっかりと作られてた…ような気がする。
最終工程の「仕上げ」がキレイなだけでシナリオやコンテがヘンテコな作品よりは見れるんじゃないかなー?と。
言い方変えれば「画面は開発中のものです」として、完成品を想像しながら見る分にはそこまで変ではなかった。
…。
とはいえそれも中盤まで。
台本ではどう書かれてるか知らないけど「ハッ」だか「ウッ」だか、息を呑む・ハっとする時に出す声、これが中盤以降妙に増える。
場繋ぎのテクというか急場しのぎというか…作画が間に合わない影響がとうとうコンテ・台本にまで及んでしまった、そんな雰囲気が漂ってきてガックリ。

話ちょっとズレるけど、糞作画だった放送版を円盤で修正した例(最初から放送と円盤では違うってのとは別)っていくつか見たけど、基本直すのは作画だけでコンテ・レイアウトの段階から~ってのは私は知らない。
ましてや台本(セリフ)を修正ってのは無いんじゃないかな?私が知らないだけ?
で、大抵作画が糞な作品ってのはそれに合わせた「手間のかからないコンテ・レイアウト」になってるモンで、例えば──。
巨大な戦艦が登場してキャラクターが「なんて巨大な船なんだ」と呆気に取られるシーンがあったとして。
戦艦がどれだけ巨大か見せるシーン──町のビルと戦艦を同じ画面に入れて対比を見せるとか──を描く手間が無くて、ひたすら呆気に取られてるキャラの顔だけを映すことで誤魔化しました、と。
そこのキャラの顔が作画崩れてたってことで後で円盤で修正したところで「どれだけ戦艦が巨大か見せるシーン」が省かれたことには変わりが無かったり。

で、話を本作に戻すと、中盤以降は「想像上の完成品」も限度が知れた感じになってしまいました。
「ハッ」や「ウッ」の間の取り方だけでなく、ストーリーの方も…いやでもこれはどうなんだ?原作からこうなのか?
ユグとか登場しても一体何が出来るのかまだよく分かってない(キャラの掘り下げが浅い)状態で「もうよく知ってるでしょ?」って体で話が進んだり、アルマがプログラムを書き換えられて敵に寝返ってもそこまで思い入れが無いので「な、なんてこった」とは思えず「ふーん」としか感じなかったり。
一癖もふた癖もありそうだったオークション参加者(※)があっさり退場したり、イリヤ博士が目覚めた必要性や議事堂に突撃した課長の安否など、投げっ放しに感じるシーンもチラホラ。
話を複雑にしようとして複雑に出来なかった感。
なんか…週間連載漫画で「次回で打ち切り」ではなく「あと4回で打ち切り」ってなった時の畳み方を彷彿とさせる、この原作がどうかは知らないけど。
アニメは無理やり話を詰め込んだ?掘り下げが浅いというか必要なシーンがスッポ抜けてる気がする。

とはいえ、多脚砲台が出たりハッキング能力で〆たりとお約束はしっかり守ってて、エンタメとして軽く流して見る分には楽しめると思う。
少なくともノーガ…ノーガン…いや言うまい、あれよりは面白い、作画班入れ替えて欲しい、もしくはキャラがみんなニヤけてるから炎炎と…ゲフンゲフン。
但し軽く流して見るには作画がねぇ…「完成品を想像して」って集中力が要るワケで、ここで思い切り矛盾が発生w
いやぁ誰向けになるんだろう?



初登場時は手描きだったのにその後CGになるキャラが居て、「手描きのキャラはモデリングが間に合わなかった脇役だろう」という先入観を良い意味で裏切られました。
現場がゴタゴタしてたせいの偶然だろうけど、これは面白い副産物だったと思う。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

つまらない理由はCG(だけ)ではありません。元々の話が駄目です。

 アニメの研究としてあまりに酷評されるので本作を視聴しました。原作もチェックしました。

 脚本そのものは原作を端折って省略した感じですね。原作はエロシーン満載なので、まずその関係はバッサリいっています。また、肝心の犯人等を捕まえるためのプロセスに省略が多いので、原作が好きな人には不評になるかもしれません。
 ですが、私は原作そのものの出来がSFあるいは脳だけになった主人公の冒険譚としてはいかがなものかという出来でしたので、あんまり脚本に不満を抱きようがありませんでした。
 要はエピソードの一つ一つの作り込みがSFとして、あるいはストーリーとして原作の時点から甘いので、省略してくれたアニメ版もそう悪くはないかなあと。

 原作は要はエロイねーちゃんたちと、ドンパチやりながら最後はボスキャラと戦って…みたいな話でした。設定そのものもEXARMという「謎」と主人公の能力とかキャラ設定みたいのが全然しっくりこない感じで、ハッキング最強理論的なご都合主義に見えました。
 ですので、正直どっちもどっちという感じです。結局EXーARMという設定そのものが、まあ、未知の技術だったので、謎解きの深みがないです。


 CGですが、ひどいというのはわかります。プレステ2くらいの時代ならみんな喜んだかもね、という感じです。が、この物語の面白さがCGで台無しになったかといえば、先ほど申し上げたとおり、マンガ版も好みのストーリーではなかったので、そういう感じはありません。

 マンガ版の良いところは圧倒的な画力といいたいところですが、マンガ版の造形がCG的であまり堪能したいような個性を感じないので、そんなもんか、という感じです。

 絵柄に個性がないだけでなく、SF的な発想も画面からは感じられません。
 例えば黒い球体が出てきて街を飲み込む画って、どれだけ今まで描かれてきたでしょうか?脳だけ取り出してトランクに入っているって…あの多脚戦車的なものとか、どっから持って来たかは明らかです。ブラックジャックのシーンとか、機械を取り込んで大きな身体になるとか、ラストの宇宙空間で地球を見ながら終幕とか…まあ、オマージュと言っておきますが、出典をほぼ全部言えるような画面ばっかりです。
 つまり、原作の段階からオリジナリティが無いと言いますか、SFで大切なセンスオブワンダーを感じないと言うか、どこかで見た画、どこかで見た設定を組み合わせているだけでした。

 また人物もヌードばっかりですが、原作のヌードにはまったく色気がありません。ヌードのためのヌードで、100点満点で5点という感じです。その意味ではまだアニメCGのほうが100点満点で12点くらいの色気はあります。


「けものフレンズ」で分かると思いますが、CGが酷くても話が面白ければ面白いのです。それはアニメもマンガも一緒です。
 このアニメはSFとして流し見するにはそんなもんか、というレベルでは見られました。マンガ版を不当につまらなくしたのか、といえば、あまり違いを感じなかったという感想です。つまり、CGが酷いのではなく、話がもともと面白くないというのが本作の評価でしょうか。


 本作に関しては「CGひどい」という風評(とはいえ事実ですが)ありきで、批評されることが多いですが、つまらない原因はそこ(だけ)ではないと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

超常兵器犯罪バトル

この作品の原作は未読です。
みかこしや、あかりんが出演されると知り視聴を決めた作品でしたが、あかりんの演じているキャラがエンドロールを見るまで分からなかったのが唯一の心残りでした…^^;


2014年、機械嫌いの高校生・夏目アキラは自分を変えたいと思い
一歩を踏み出す。が、トラックに轢かれる──。

そして2030年東京港湾部、未知の兵器『EX-ARM』取引現場に
潜入した警察・上園美波とアンドロイド・アルマのコンビを
『EX-ARM』No.08を装備した敵が襲う。彼女たちは起死回生を賭け、
敵から奪った『EX-ARM』No.00を起動させるが…!?


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

完走後にwikiをチラ見して知りましたが、原作の連載は既に完結しており、全14巻全98話で構成されているそうです。
今回はその中から12話分をチョイスしてアニメが制作されたようですが…
何と贅沢な原作の使い方をするんだろうと思いました。
最初と最後と間の幾つかの物語を抽出し、後は全部バッサリと切り捨てているのですから…

まぁ、私は原作を知らないのでアニメを見ていて違和感はありませんでしたが、原作者や原作のファンの方は複雑な心境だったのではないでしょうか。

確かに視聴していて違和感はありませんでしたが、唐突感はあったように思います。
物語の脈絡…というか物語同士の繋がりが希薄というか…

それに、伏線は完全に回収されていなかったと思います。
例えば、主人公の夏目アキラですが、彼は交通事故に遭ったところまでは理解できるのですが、その後、どうしてああなってしまったのでしょう。
公式サイトのキャラ紹介欄では「自身の失った記憶と身体を取り戻す」ため色々行動すると記載されていますが最終的にこの本来の目的には遠く及ばなかったのではないでしょうか。

一方で、バトルシーンは迫力があったと思います。
3DCGを駆使した、さながらマトリックスを彷彿させてくれるような感じ…
個人的な好みの分かれるところだと思いますが、私的には全然OKでした。

オープニングテーマは、AIRFLIPさんの「Rise Again」
エンディングテーマは、Dizzy Sunfistさんの「Diamonds Shine」

1クール全12話の物語でした。
もう少し尺を取ってそれぞれの物語を補完し合えば、もっと評価の変わる作品だったのではないでしょうか。
個人的には総じて楽しませて貰いましたが、強いて言うなら物語の構成が少々残念だったように思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9

58.4 19 ハッキングアニメランキング19位
SCARLET NEXUS(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (108)
293人が棚に入れました
《その緋は解放か、断絶か》新暦(にうれき)2020年。人類は、成層圏より降下する異形の生命体・怪異に脅かされていた。怪異を討伐すべく組織されたのは怪伐軍。それは脳内ビジョンを具現化する『超脳力』を持つ者の集団。入隊を果たしたユイトとカサネは、抗えない運命と世界の真相に巻き込まれていく。

声優・キャラクター
榎木淳弥、瀬戸麻沙美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

ここはオレに任せてお前は逃げろ

4話までの感想{netabare}
なんか車の名前みたいなタイトルっすね。
展開が早いというか、原作ゲームを知ってる前提で話が組まれてる感じ。
原作未プレイな自分としてはまだ作品の概要が掴めてないのに早くも仲間割れエピソードが始まって頭が付いて行けないw
騙されて・洗脳されて・何も分からずに翻弄されて・全貌を知った上で信念を持って、と、キャラを把握する前にそれぞれの立場がゴチャゴチャしてて何がナンだか状態。
更にナオミがダークファルス化して失踪、ナギが洗脳されて失踪、カサネが“剣王朝”のアビに吸い込まれて失踪と、姿を消すエピが連続で続くのもどうなんだろう。

アラシが3代目クラリスクレイスに似てると感じたせいなのか、PSO2(オラクルの方)と被って見えてしまいついつい比較してしまう、あとワールドトリガー。
PSO2はキャラ紹介を兼ねたストーリー進行だったので覚え易かった(それでも20以上覚えるのはひと苦労だが)が、こっちは凄く不親切に感じる。
もっとこうキャラの特性分けを…怪異絶対殺すマンとかコロコロすることに快感を覚えるヤツとか、やり様があった気がするんだが。
ろくすっぽ怪異退治シーンを描かないで仲間割れエピを始めてしまったので無理か?
とりあえずセト・カレン・フブキ・カイト辺り、誰かを見た目ロボットにして「種族からして違う」と明確なキャラ分けをして欲しかった…かも。
いや、PSO2も不親切だった…かなぁ?じゃあこっちもこれはこれで良いの…かなぁ?

戦闘モードになると仮面状態になってCGになってアクションをするって方式だと思うのだが、仮面状態とそれ以外とでの戦闘力の違いがワカラン。
パワーアップするとドレッドヘアーみたいのが後ろに付いたり、作中の小物として遮光器土偶が出たりと…パクりとは言わんがデザインのベースがキングゲイナーと同じ?
…いやどっちもサンライズですやーん!
超能力はオーバースキルと解釈するとショボさが際立つ気がするんだが、いいのかこれで。
あ、それとアニメに於いてインビジビリティ能力はイヤ~な印象しか持ってない。
“異世界チート魔術師”では使い手は倒したもののインビジ能力を打ち破ってはいなくて拍子抜けだったり、なにより絵を描かなくていいので手抜き用の便利ツールにしてると感じてしまうと結構冷める。
(逆に“コップクラフト”は上手く扱ったと思うが、あれは作者の力だろう)
瞬間移動もそうだけど、扱いにはかなり注意しないと安っぽい印象に拍車をかけかねない。
作ってる側はちゃんとそこ気を配ってるかなー?という所に注目してみるのもいいかも?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
あっるぇ?アラシがPSO2のクラリスクレイスっぽいと思ってたら…ストーリーもそれに近いのか?
PSO2ネタバレ、{netabare}マトイ(ヒロイン)が将来深淵の闇(世界を滅ぼす存在)になるので未来のアッシュ(主人公)はダークファルスペルソナになって現在のアッシュにマトイ殺害を仄めかす。{/netabare}
キャラの配置を変えただけで物語の本筋は同じ様な…?
まぁよくある話ではあるんだけど、PSO2はあくまで作られたのが結構前ってことで古典として楽しめた。
その反面こっちは作られたの最近なんだよね?
「殺人現場で凶器を手に持ってたので犯人と疑われる」って、もう何十年前のネタ(大岡越前や江戸を斬るでよく見た気がする)?
暴力系ヒロインと同じで、最近見なくなって良かったと思える悪しき文化だよ。
バンナムが「あ、これじゃセガのアレになっちゃう」と思わなかったのか?が不思議。
原作のゲームは戦闘などのシステム面が売りでストーリーはそこら辺にあるものでいいって姿勢なのかな?
それはそれで構わないと思うんだ、ゲームなら。
ただ割を食っちゃうアニメが不憫で…「PSO2とはここが違う」みたいな独自性を見せてくれると良いんだけど、どうかなぁ~?

真実(本当にそれが真実かは不明だけど)を知ったカサネが凶行に走って、「この世界では洗脳処置がありうる」と思ってるユイトとしては「カサネは洗脳されてるに違いない」と勘違い?誤解?をして~って話が続くのかな?{/netabare}

9話までの感想{netabare}
何をすればいいのか分からないのでそのための足がかりを集めてる段階、つまり目的を見つけるのが目的というか、目的がボンヤリしててなかなか興味が乗らない。

7話、ユイトは記憶が飛ぶので脳外科(病院)へ行ったら「たまたま」ナギが搬送されるのを目撃し、後を追った先はロクショウ市の怪伐軍病院の旧館跡地の秘密施設だった。
一方カサネはセイラン市に従いつつ8話でナオミの居場所を突き止め、秘密施設へ。
ちゃんと見れば片方は更地の中にドンと、もう片方は周囲に森があって全く違うんだけど…ボケーっと見てたら最初この2つの施設は同じものだと勘違いしちゃったよw
もうちょっとこう、建物の外観をガラっと違うものにしてくれても良かったのでは?

ってかロクショウ市の方、侵入したユイト達を怪異が襲うのだけど、これって研究所所蔵の怪異だよね?
元は人間かどうかもさることながら、コントロール効くの?
しかも最後はユイトチームは怪異を倒せず逃走するんだけど、怪異置きっ放しでいいの?立場的に。
セイランの方もそう、カサネ達は侵入直後に警備用怪異?に襲われ反撃するのだが、攻撃していいの?
こっちは「怪異化した人間を研究してる」を知った上でのことなので、キャラが躊躇わないのが変というか、警備用に怪異が!?と驚かないのか。

キャラがどう認識してるのか分からないので視聴者もどう捉えていいのか分からない。
結果、何やってるのか分からない、話が頭に入ってこない。
セイランやニューヒムカの上の連中がどう考えてるのかも分からんし…全話見終わった後もう一度見返すと色々分かる作りなんだろうか?

そんな中での9話。
ユイト組はフブキの命により出兵した先でトゲツからの怪しい車を発見──フブキが意図的に仕向けた可能性があるのでこれは「たまたま」とは言い難いかな?
あ、その前にアンプルの中身がホニャララだった衝撃事実()が明かされるが、そうだと思ってたからまぁ別に。
それよりもアンプル飲む時ってペキっと折るんじゃないのか?それをやらなかった方のが気になったり。
未来容器なのかも知れんが、それにしちゃあ以前地面に落としたとき簡単にパリーンと割れた気が…。

でもってトゲツからの車を追ったらセイランの研究所へ到着…って、えっ?ユイト達はセイラン市内に簡単に入れるの?
これもフブキが裏で手を回してるのかなぁ?
でもってカサネ組と対峙して──ってこのシーンがまた酷い。
カサネがカレンからここがどんな施設だか聞かされる(人間由来怪異を人間に戻す研究を目指してるらしい)回想を挟むんだけど、これはユイトに伝えた訳じゃなくて胸に秘めてることなんだよね?
つまりユイトはカレンの意図(真偽は不明)は知らないんだよね?ついでに未来ユイトの頼みも知らないんだよ…ね?
回想入れるタイミングが悪いというか、意図的に分かりづらくしてる?
ついでに言えばカサネはカサネでロクショウの施設は知らないんだよね?

誰が何の情報を誰から聞いてどこまで知っててどこまで伝えるor隠してるか、が妙に紛らわしくて分かりにくい。
推理モノでもあるまいに…。{/netabare}

10話感想{netabare}
なんでこう分かり難い表現をするんだろう。
ユイト組はフブキから、ナギが人格矯正の時に抜かれた情報(ナオミの怪異化する瞬間)が『施設』に残ってるので、それを奪取してアラハバキ(ネットワーク=サイネットの中枢コンピュータ)を使って世界にバラす計画をふられる。
ということで施設に向かうのだけど、そこは7話で訪れたロクショウ市のあの施設。
…なのだけど、かなり注意深く見たが10話の中で「ロクショウ市」というワードは一回も出てこない。
前も指摘したが外観はそこまで特徴的ではないし具体的な施設の名称も無いし、ぱっとは分かりにくいって。
ユイト「それでナギの記憶データはどこに」と尋ねた後「キミ達がこの前訪れた所だ」とフブキがひと言言うだけじゃーん?
そもそも一度侵入したせいで「秘密施設がバレた」として証拠は全部引き払い、ナギも別の場所に移された可能性もあるワケで、「同じ施設にデータがある」って判断はすぐには出ないって。
あの特徴の無い建物を覚えとけって?あっはい。
一応見続けりゃ分かる様にはなってるけど、それに気付くまでの間にこれまた変なことが起きて…。

前回のナギとの別れ際は、怪異に囲まれて「ここはオレに任せてお前達は逃げろ」というよくあるパターン。
つまりナギは生死不明なハズで、なのに再訪したユイトは「助けなくちゃ、ナギを…」と言ってて、あれ?
生存を確認するシーンってあったっけ?見落としてる?
再会した時も「よかった、無事だったんだな」が第一声ちゃう?

でもってなんやかんやで反逆者となったユイトは、カレンにトゲツを仄めかされてそこへ向かうことに。
まんまと誘導に乗せられたんだと思うけど…いやその前にさ、ナオミの居る施設(スプリング製薬)へ脳を運んでた輸送車の出所がトゲツだって9話でハッキリ言ってたじゃないさ。
ユイト組は全員ワタルを通して聞いてた、そういやカゲロウがトゲツ出身だねぇと世間話をしてた。
それをすっかり忘れたのか「トゲツならニューヒムカ政府も手を出せない」と呑気に答えてるのはなんか変、怪しさプンプンの地方でしょうに。

イヤな予感がして来た。
各キャラが情報をどこまで知っててそれぞれどの様に捉えてるか、作ってる側も把握してない?
前回の感想では分かりにくいと書いたがもっと悪質かも、作ってる側が分かってないなら視聴者が分かるワケがないw


で、以上がキャラの捉えてる情報のアベコベさについてで、これに更に輪をかけて妙な演出を加えるから混乱具合が加速する。
フブキが包囲されて「あー捕まるのかなー」と思わせて、「あの施設」でユイト達が拘束されてピンチってところで何事も無かった様に駆けつける。
カイトと何か取り交わしたんだろうなと想像はつくけど、そういう捻った演出入れてる場合?
というか普通にハナビまで拘束されてるのは何だろう、あの施設にゆかりのある人間じゃないのか、ってかその設定いらなくね?
11年前ベルペッパー(無脳力者)開発実験の被験者だったとか、脳力を使うたびバカになるDボウイ状態だとか、新事実が明かされても情報の整理が手一杯で驚くヒマも無い。
こんなゴチャゴチャさせといて、結局はフブキ「ここはオレに任せてお前達は逃げろ」って…おい、そのネタ好きだな!

でもってセプテントリオンw
PSO2の六芒均衡みたいなやつね…ってやっぱりPSO2なのかよw
これは原作がゲームだから仕方無い?


一応…一応考察をしとくと──
フブキとカレンはこの世界を正すみたいなのは方便で、アリスを救うという共通の目的で、結託してユイトやカサネをまんまと踊らせてる(ナギの記憶データがあるというのも嘘かも)…だと思うんだけど、カイトがどこまで承知してるかは不明。
ユイト・カサネを踊らすことがアリス救出にどう繋がるのかもよくワカランけどね。
複数の脳力を集めると何か出来そうな感じなので、それの完成は未来でないと出来ないとかで、クナドゲートをどうこうして現代に持って来るつもり…とか?
「続きはゲームで」は困っちゃうんだけど、その可能性も上がってきた?{/netabare}

14話まで視聴して~
てっきり1クール作品だと思って、それを前提に「こんなに謎を散りばめても回収する前に放送終わっちゃうぞ?」としてあれこれ文句を書いてきたのだけど、2クールだったら問題無い…のかなぁ?
いやいや、描写が不親切過ぎて状況を理解するだけでも大変だって。
これは作った側が説明した気になって視聴者に伝わってないのか、意図的に配置した謎なのか、そこから分からない。
このまま「何が分からないのか分からない」状態で2クール目に突入するのもシャクなので、改めて1話から見返してどこがおかしいのか書いてみる。

6話までの感想・改 {netabare}
まずニューヒムカという国があって、そこに怪異を倒すために結成された「怪伐軍」ってのがあるワケだけど、まずここから分からない。
ニューヒムカ国内にはスオウ市とセイラン市があって(他にもあるが)怪伐軍はセイラン派とスオウ派で二分してるらしく、セイラン派は「セイラン方面軍」という呼称があるがスオウ側にはこれといって無い。
更にはスオウ側をニューヒムカと呼ぶことが多い(体制側ということでは間違い無いのだが)のも紛らわしい。
とりあえず主要キャラ達は最初はスオウ側という立場で、それぞれのシーンで「どっち側がやったことか」を把握しておかないと話が頭に入ってこない作りになっていて…なんだけど、これが非常に分かりにくい。

6話、オッサンユイトの証言では、2話でナオミを撃ったのは「セイランの兵士を怪異化しようとしたスオウ軍」だそうで…あれ?おかしいよね?
2話の出撃先「廃地下軌道スオウ9号線」に派遣されたセト隊キョウカ隊はこの段階では明らかにスオウ側で、セイランの兵ではない。
「A軍の兵隊がB軍をやっつけようとA軍を撃った」ってことになってないか?…あれ?
そもそもこの段階はクーデターの起きる前でスオウもセイランも同胞のハズ、ましてやクーデター起こす側じゃなくて起こされる側が先に手を出してるというのも謎。
そもそもそも、怪異化をさせるのに出撃先で兵を狙う理由が分からない、罪人や貧困者じゃダメなの?研究所で行うんじゃダメなの?
「廃地下軌道スオウ9号線」には“例のアンプル”が転がってたので、第一印象では「知ってはいけない秘密を知りそうになったので口封じされかけた?」と思ったのだが、違うのかな?
まさかとは思うけど、アンプルをライフルに装填して狙撃したなんてことは無いよね?
そもそもそもそも、狙われてたのはカサネだったのをナオミが庇ったワケで、撃った側としてはカサネでなくてはならない事情とか…あったんちゃうん?
また、撃ったのと怪異化したナオミを連れ去ったのは別の勢力ということになるが、2話段階では同じにしか見えない、紛らわしいったらありゃしない。
そもそもそもそもそも、ナオミが庇わずにカサネが撃たれてたらクナドゲート発生に至らなかったワケで、命令を下した奴はそこまで見越してたのか?

カレンが怪しいのでひょっとしたらタネ明かしがあるのかも知れないが、それ以前に「ここおかしいよね」と気付き難い。
大抵は「ここはおかしい」と思う前段階の「なにやってるか分からない」で流して、そのうち興味も薄れて視聴切られるんじゃないかなー?


話数が前後するけど3話終盤から4話にかけて。
ナギが豹変したのは「折角人格矯正を施してナオミの件を極秘にしてたのに、ユイトとカサネがベラベラ喋ってしまうので機密保持モードにスイッチが入った」だと思ったのだが、違うのか?
また、ゲンマが敵対したのは人格矯正を行う政府(スオウ)に不信を募らせてる中、それにセト(スオウ側の隊長)が係わってるとカレン(セイラン側)に吹きこまれたから。
まだ誰がどの勢力に所属してるかシックリ来てないのに、それぞれ別の理由で裏切るモンだから理解が追いつかない。
で、ゲンマの方はいざ対決したらセトが身を張って部下を守ったので「どうやら違ったらしい」と再び寝返るんだが…ハテ?ゲンマ以外のセイラン側の隊員はどうなの?
カレンを支持する派閥だとは思うのだけど、何を理由に襲撃したのか分からない。
他の作品なら「軍隊だから本人の思想なんて関係なく上の命令に従うモノ」で処理できるが、ゲンマの裏切り&その後クーデターのゴタゴタもあって仕方無いとはいえ処罰ナシだったことで「そういうのが緩い世界なんだろう」という印象に塗り替えられてるので、ホントもう釈然としづらい。
というかセトは死んだの?クナドゲートに飲まれても弾き出されるんじゃないの?

5話、カレン支持連中はセイラン側としてクーデターを起こす…のだけど、これがまた変ちくりん。
ネットワークの中枢アラハバキをダウンさせ、放送局?を占拠し、ニューヒムカのトップのジョウスメラギを殺害し、そこまでやっておいて…何故あっさり撤退する?
7話冒頭で「カレンとセイラン市によるニューヒムカへ対する宣戦布告だったようだ」と言葉だけで片付けてるが、それで納得…できるか?
ひょっとしてジョウ暗殺はセイランによるものではない?

そもそも不思議なのは、クーデターの際怪異もスオウ市を襲うのだけど、これはセイランが仕掛けたことなの?
禁断の帯から怪異が降ってくるタイミングに合わせてクーデターを仕掛けた?
要はセイラン軍(下っ端)は上層部のやってること=怪異の兵器化を知ってるの?
後の回(2つの研究所)での描写もそうなんだけど「そんな堂々と怪異を兵器として使ってるの見せちゃっていいの?」というのがど~~~~~にも引っかかる、釈然としない、理解を妨げる。
2つの市のやってることは「スオウ=人の怪異化実験をしてる」「セイラン=怪異を兵器化する研究をしてる(怪異の凶暴化を抑えるために人間の脳を原料とした薬品を使ってる)」で、どっちもロクでもないと後に明かされるのだけど、そうであるならセイラン軍は何を信念(正義)にクーデターを起こしたんだかよく分からない。
もし何も知らないのであれば、クーデター時に街が怪異に襲われてるのを見てクーデターを取り止めて怪異討伐に赴くセイラン兵が居てもおかしくないと思うんだ。
これもゲンマが気軽に裏切り&寝返りをしたせいで「下っ端も結構自由意志が尊重されてる」という印象を根付かせてるので余計な混乱を招いてる。
そもそもそも、5話でのカレンの放送の発言が中途半端というか漠然としてて、何でハッキリと「ニューヒムカは人格矯正を行ってる」or「ニューヒムカは人を怪異化する実験を行ってる」と言わないのか分からない。

既に怪異を兵器利用できてるのかできてないのか、もし出来てたとしてもそんなことが可能だと周知されてるのかしてないのか、このラインが見えない。
セイラン軍(下っ端)が何を信念としてカレンに従うのか、スオウに反旗を翻したのか分からない。
なんかいつの間にか都合のいいところで怪異が登場して戦闘する展開が当たり前になってる。

というかね、これはね、怪異が「人間とは無縁のオリジナル怪異」と「怪異化した人間」とで2種類居る様な扱いをしてるが、実は違いなんか無くてどっちも元人間なんじゃね?と思っちゃって余計気になるのかも知れない。
そこに注目して見始めると、ユイト達が後で「オレは人間を殺してたのか!」でショックを受ける連中なのかそうじゃないのかハッキリしてないのが気にかかる。
敵だったら人も平気で殺せるのか躊躇うのか、どっちでも構わんのだけどどっちだか分からんのはかなりモヤっとする。
ここら辺も理解を妨げる障壁になってるのでは?
ってか大抵は「ここはおかしい」と思う前段階の「なにやってるか分からない」で流して、そのうち興味も薄れて視聴切られるんじゃないかなー?(2回目)


7話~10話までの感想は上記の「9話までの感想」と「10話感想」で大体書いた通りなので割愛。{/netabare}

14話までの感想{netabare}
3000年前に地球人は月に移住し、2000年前に一部が箱舟隊として帰還(作中では移民団と呼称)、そこから間もなくして「断絶の帯」が発生して月との交信が出来なくなる。
トゲツの連中は2000年前の人間そのものだったりそこからのデザインチルドレンなんだそうな。
で、実は宇宙の果てからソレに触れると怪異化してしまう謎の物質「獣粒子」が飛来して、月の連中は月にそれが来ない様に断絶の帯を地球にこさえてそっちに押し付けたんだそうな。
月に帰りたいトゲツは2000年間を無かったことにしようとレッドストリングスを作り、それがユイトとカサネの出自に繋がる──と。

って、わざわざトゲツへ出向いときながら、ナオミの居る施設へ納品してた脳の出どころは追及せんの?
そもそもトゲツへ向かう際、輸送車の経路を辿ればいいのに敢えて雪道を歩んでるのが不思議だったんだ、ゲームとして敵に遭遇してくれないと困るので仕方なかった?
この世界の歴史を紹介されて理解するのに手一杯で失念するところだった。

それでも…相変わらずスオウとセイランの上の連中はどこまで知ってて何を目指してるのかワカランし、なぜスオウ教は2000年前の情報を秘匿してたのかも分からんが、10話までの流れに比べると飲み込みやすくなった…かな?
キョウカがトゲツの手先だった!、カゲロウが移民団の一員だった!!!と、裏切りと寝返りネタが相変わらずだけど、さすがにこれ以上はもう無くなって落ち着く…といいなぁ。
まぁ内容はぶっ飛んでて「彗星の振り撒く獣粒子」なんてワードが出た時は噴き出しそうになった…ぶっ、物質的なの?
断絶の帯の外側から遺伝子情報を撒いて地球に怪異を落としてるのは、宇宙に漂う獣粒子の数を減らすのが目的だと思うが、2000年間続けてまだ無くならないのか?
最初はそうだったけど別の目的に切り替わって怪異を落とし続けてるとかだと…あ~も~面倒臭ぇ!

「カレンがアリスを救うためクナドゲートでなんやかんやしようとしてて、ユイト達はそれにまんまと踊らされてる」
という話だと思うのだけど、いかんせん謎の引っ張り方が不親切だし、いつまで経ってもユイトは自発的にどうこうしようとしないし、見続けるにはなかなか根気が要る。
と思ったら次回まだナギが出るのか…もういいよコイツ。
スオウと研究所が一枚岩かどうか不明(10話でフブキがロクショウ研究所に助けに来なかったらユイトは解剖されてた、クナドゲートでなんかしたい連中は死なれちゃ困るのでは?)で、もうこれ以上「勢力」を増やして欲しくないこちらとしてはとっとと退場して欲しい。

で、セトは死んだの?{/netabare}

15話感想{netabare}
あーもう、前回の感想で「謎に思ったこと」「ここ変だよね?と思った部分」をあらかた書いたつもりだったが全然書き足りてなかった。
追加で書くと後出しジャンケンみたいでカッコ悪い気がするんだが…まぁ仕方無い。

今回の話にも係わる「あれ?」と思った部分に、命令したヤツもさることながら、ナオミを狙撃した実行犯(個人)を追求しようとしないのが結構不思議だったんだ。
こういうの流行ってるのか?
同期放送の“D_CIDE”もそうだし、ちょいと前にやった“プレイタの傷”も、仲間が狙撃されたのにその犯人(個人)を特定して締め上げてやろうと主要キャラが考えもしないのがどうにも共感できない。
個人的な恨みが無いというか…大局(おおまかなシナリオ)ばかり見てキャラクター個人の感情がおざなり。
「上の命令に従っただけで当人に罪は無い」と考えてるのかも知れないが、だったら作中にそういう素振りを入れてくれ。
というか、撃ったヤツも「うわ、怪異化しちゃった何だコレ」とビビったのか、怪異化して当たり前と承知してたのか、どっちなん?
前者だったら実行犯もその後人格矯正を受けた可能性高いし、後者だったらスオウの機密を深く知る存在なワケで、やっぱりとっ捕まえて吐かせようと動いて然るべきだと思うのだが…。

重箱の隅に聞こえるかも知れないが、作中でナギが「どうしてこんなことになっちまったんだろうなぁ」と言うため、「コトの発端はナオミが撃たれて怪異化したのを目撃して、その記憶を消去するため人格矯正を受けたせい」と、どうしてもそこの問題(実行犯を恨まないの?)に目が行くって。
さらに面倒臭いのは「ナオミを撃ったヤツ」と「人格矯正をしたヤツ」で犯人が分かれる、実行者と指令を下したヤツとでまた分かれる。
ってか怪異化したナオミを連れ去るセイラン側の手際が良すぎて、「実は撃ったのもセイラン側じゃね?」と疑ってるんだが…そうなるとオッサンユイトは嘘を吐いたか騙されてたかになる(※)。
もっと細かく言えば「他の目撃者も記憶を消される可能性があったが、フブキの機転で病院へ連れて行かれるのを阻止した」ということになってるけど、フブキ自体が何か企んでるっぽいので疑って見ないといけない(面倒臭い)。

前回の感想で「スオウとロクショウ研究所とで意見が分かれてたら(別勢力だったら)イヤだなぁ」と書いたが、幸いカイトもユイトを解剖したがってるみたいで意見は一致してるみたい。
(じゃあ今度はクナドゲートを研究してるヤツらはどうなる?という問題が発生するが)
けどそうなると…10話を思い返して欲しい。
フブキの提言によりユイトはロクショウ研究所に忍び込み、捕獲され、解剖されそうになった。
それを駆けつけて救ったのは言いだしっぺのフブキだけど(なんか自演臭いんだよなぁ)、その前に「フブキ連隊長、ご同行ください。スメラギ本部長(カイトのこと)がお呼びです」と連行されそうになるシーンがあるんだよね。
どの様にしてその場を切り抜けたかが謎、ホント謎。
後で明かすんだろうと思うようにはしてるけど、ボーっと見てたらフブキが研究所に助けに来たシーンは唐突過ぎて「何をやってるのか分からない」にしかならないんじゃないかな。
そして11話では病院で療養しててカレン(セイラン側)が見舞いに来てて、どうやらフブキは相変わらずスオウ怪伐軍連隊長のままでいるらしい。
その病院がセイラン側なのかスオウ側なのか不明だけど(これも厄介)、ユイトの解剖を邪魔したフブキは博士に当て身しただけで顔もバッチリ見られてるのに反逆者とされてないのも変。
アラハバキのハッキングコードキーを渡したのもフブキだし…。

以上のことからカイトはフブキと内通してるんじゃないか?と疑ってたワケで、そうであるなら15話のカイトの言葉はにわかに信じられない。
何か嘘を吐いてるんじゃないか?本心は語ってないんじゃないか?という疑惑が脳内を支配して、話が頭に入りづらい。
本当はユイトを解剖したいなんて思ってなくて、だけどニューヒムカの秘密をバラすためにワザと悪役を買って出たとか??
この先そういう展開があるかも知れないが…※印の件もそうだが、キャラの言動をそこまで疑って見るのってスッゲー疲れる。

でもって「カイトとの会話記録を公開してニューヒムカの真実を世界にバラ撒こう」ってところで15話が終わるのだが、実は知らなかったのはユイト達だけって展開は…無いかな?
これまでセイラン軍の下っ端はどこまで知った上で作戦(クナドでの襲撃やクーデターなど)に参加してたのか謎だったし、セイランは怪異を使ってスオウを襲ったと市民に知れ渡ってても何もおかしくない。
研究施設の警備に怪異を使ってるのもバレバレなんじゃないの?

ってかさ、セイランにあるナオミが収容されてた施設は「特異生命研究施設」って名称だったでゴザル、今までそう言ってたっけ?
施設の名称が分からなくて紛らわしいと指摘してたんだが、ナギが人格矯正された施設(作中では「旧怪伐軍病院」と呼んでるがそれだけではロクショウ市のを指すとは限らない)とは別の施設だと、ちゃんと視聴者に理解されてるかどうか、こっちが不安になるわw{/netabare}

16話感想{netabare}
『カレンの命令でセイランの「特異生命研究施設」に収容されてた元人間怪異が連れ出された、一体カレンは何をしようとしてるんだ!?』で前回終わったが、今回で、実はカイトの命でスオウ怪伐軍が成りすまして行った(カレンは知らない)ことだと明かされる。
…?
セイラン施設へ潜入して怪異を連れ出したスオウ軍の連中ってスゲー有能じゃね?
もしくはセイランの施設がザルなのか?または元は同じ国だしクーデターは見せ掛けだけで、セイラン内部にはスオウ派が多数潜入してる?
研究者も同行してたが、こいつらもスオウから寄越されたのか、セイラン内部に居た裏切り者なのか、どっちなんだ?
また、カイトはこの件でセイランが怪異の兵器利用の研究をしてたことを初めて知ったご様子。
はて?クーデター時に街を襲撃した怪異は何だと思ってるのか、認識を問いたい。
前回でもちょっと気になったんだけど、カイトはセイランの脳アンプル(材料はトゲツ)は把握してないのか?

一方、どこに匿われてたか分からなかったフブキは少なくともスオウから隠れて療養してたらしく、その場所が特定されてカイトの命で暗殺部隊を仕向けられる。
どこの施設だか知らんが乗り込んできた暗殺隊、優秀じゃね?
また、ユイトの時の様に大々的に反逆者と宣伝されず、連隊長を除名すらされずに居るのが不思議なんだが、これはウラがあるのかい?
「カイトとフブキは結託してるのでは?」と疑ってた私としては疑惑が一個消えてホっとした…どころか更に謎が深まってしまった。

でもって連れ出された怪異に追いついたカサネ達は、連れ出したスオウ軍人の操る怪異と戦うことに。
えっ?
この名も無きスオウ軍人は怪異の兵器化装置なんてついさっき知ったばかりのはずで、怪異の操縦は初実践なんだよね?
緊張感も何も無く、やり慣れた感じで違和感…やっぱスゲー優秀なんじゃないか?

とその時、カサネの脳の回収を企むトゲツの追っ手が現れてスオウ軍人と研究者を始末する。
そこまでは良いんだけど…それを見たアラシ「あいつ、仲間を使い捨てにして戦うのか」カゲロウ「敵も味方も関係なしかよ」と言ってて、これがとても紛らわしい。
初見ではてっきり「ここでいう仲間とはとても優秀なスオウ軍のこと」だと解釈してしまい、何を根拠にそう思ったんだか不思議で仕方なかった。
脳アンプル原料の取引先のセイランなら仲間だと認識するのも分かるが、殺した相手はセイランと敵対関係のスオウで…あ、ひょっとしてセイラン軍に扮してるのにってことか?とかね。
が、この突っ込み文章を書くために見直してみたら違ってた。
トゲツの追っ手グループがSASでリーダー格に脳力を提供してぶっ倒れることを指してたのね。

わっかりにくいって!

描写が不親切というか下手糞というか…常に「今画面に映ってるの、スオウ軍とセイラン軍、どっちがやってることか」に意識を向けてないとすぐに内容分からなくなるし、やっぱこの作品変じゃね?
私の理解力不足なのか不安になる時もあって、他の方の感想を聞いてみたいところだけど誰も見てないみたいだし…。
但しコレ、前回カイトが話した「国民の脳を生態パーツ扱いすれば云々」の具体的な実証例を見せた…とも解釈できるかも?
週を跨がずに一気見だったら違和感なく飲み込めたのかも知れない。

…と必死に好意的解釈しようとしたが、この後どうやってもフォローし切れないシーンがあるんだよねぇ…どう見ても作り手側が悪い、視聴者に伝わらないだろっていう。
元人間怪異達が協力してトゲツの追っ手と戦うことを決意し、カサネ達に対し「ここはオレに任せてお前は逃げろ」が炸裂。
このパターンもう3回目だぞ?
しかも今回は「とても追っ手には敵いそうもない」「圧倒的不利で逃がすのが精一杯」という描写が、無い。
無いんだよ!
全然ピンチだという演出が描けてない。
普通にカサネ達と協力して戦えば楽勝できたんじゃね?って印象で、結果的に、意味も無く覚悟を決めて意味も無く特攻したナオミが無駄死にしたとしか見えない。
更に戦闘後トコトコとカサネ戻ってくるしw
なんだこれ?
「同じネタ3度目なんだし細かい部分描かなくても分かるでしょ?」ってこと?
いや、やりたいことは分かるが必要な描写を省いちゃアカンって。

で、特攻自爆した元人間怪異の中にはアリスも居て、アリスを救うために視聴者にもよくワカラン暗躍を続けてたカレンが暴走、カサネの脳力をコピーして次はユイトの元へ。
一方ユイトはアラハバキに潜入して15話で手に入れたカイトとの会話記録を公開。
「脳だったら市民のを使わずともトゲツに沢山あるかも?」という情報は伏せといていいのか?
そして「さーて世界はどうなってるかな」と揚々と外に出ようとしたところでカレンが現れて次回に続く~~~。


結局この回って、カサネを追ってたトゲツの連中が追跡先でたまたま遭遇した「元人間怪異を連れ出したスオウ軍人」を殺したせいで、コントロールの効かなくなった・自由意志を得た元人間怪異に襲われ心中する羽目になった──。
という盛大な自滅劇を見せられただけで、カサネ達が自発的に何かやったというワケではない。
むしろカサネが安易に「連れ出された元人間怪異」と接触したせいでトゲツの追っ手もそこにやって来てしまったのであり、ゲーム的に言えばトレイン行為でナオミにトゲツをなすりつけたであり、カサネには猛省して欲しいトコロだけど…多分しないんだろうなぁ。
ユイトもそうで、主人公側は周囲で起こる出来事に無配慮に流されるばかりで応援する気が起きない。
運命に翻弄され~と書けば聞こえはいいが、自発的に動いてるカレン・フブキ・カイトが「次にやるべきクエストを準備してくださってる」感じでとてもゲーム的、作業的。
とりあえず連れ出したのはスオウ軍とはいえ、元人間怪異の所有(所属?)はセイランのはずで、それが脳アンプルの取引先であるトゲツの手の者に殺されたとなると、セイランは黙ってられるのか?

いやはや、毎回のことながらすっごい疲れる。
ダラダラ突っ込みを書いてるけど、そうしないとこっちも忘れそう・把握し切れなくなりそう…。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
カイトの「月への復讐のために市民を脳パーツとしか見てない発言」を公開したことで街は大混乱…と思いきや、あんまりそうじゃないっぽい。
というかどうなってるのかあんまり映してくれない。
そもそも脳アンプル材料を提供してるトゲツの件に触れないのは情報が偏ってないか?
ついでに「断絶の帯から降ってくる怪異は月の連中のせい」と公表すれば、カイトへの風当たりもまた違ったモンになるんじゃない?

で、市民はそんな恣意的な報道を見てどう動くか?を確認することなくユイト達は再びトゲツへ向かおうとする。
いやちっとは様子見しようよ…出来れば市民の代表みたいなヤツ登場させて意見交換してくれよ。
これまで感想をダラダラ書いて、この作品の一番アカン所はどこだろう?と考えると「ユイト達以外の下っ端兵士や学者が情報をどこまで知っててどう思ってるのかが全く見えない」に至ったんだが、市民も同様顔が見えなさ過ぎる。

と、そんなことを思ってたところでの最新話の19話。
カゲロウがクーデター時にジョーを殺したのはオレだと言い出し、そんなオレを仲間にして良いのか?みたいなことをユイトに迫る。

その問題(カゲロウの処遇)はトゲツ脱出の時にもう済ませた・腹をくくったんじゃないの?
一度解決した問題を再び引っ張り出して来たみたいでクドい。

というか…さぁ、そもそも…さぁ。
17話のアラハバキ内でユイトが記憶抜かれそうになったところを仲間の記憶で補完して難を逃れるってエピソードあったじゃん?
あの段階で「仲間の知らないユイトの過去」は失われてて、それが原因で今後なんやかんや起きるって展開を予想してた私としては「ジョーが父だとは分かるけど家族の情は何も無い」「殺したのお前なんだふーん」みたいな態度を取って欲しかった。
逆を言えば、そうでないならアラハバキ内の描写は何だったん?とさえ思える。
カゲロウの処遇を決断するシーンが繰り返されて余計に感じたのと重なって無駄なシーンが多い印象を強める、その一方で必要なシーンが無さ過ぎるしバランス悪いよ。

というか…さぁ…あのさぁ…ジョーを貫いたのは怪異の放った弾丸(?)じゃねーか!!!
カゲロウの落とした短刀とは傷口が明らかに合わないんじゃねーの?「あの世界」においてそんなことも調べないの!?
「6話までの感想」で「殺人現場で凶器を手に持ってたので犯人と疑われる」として時代劇を例に挙げたけど、時代劇だから成立するんであって(それでも刀と合口程度の違いは見分ける)現代劇だったら指紋なり科学捜査で一発だし、現代より科学が進歩してると思われる「あの世界」でコレ?
物凄く好意的に考えれば「怪異の兵器利用はニューヒムカのトップシークレットで、クーデター時にセイランが怪異を使ったことは秘密にしときたいのでジョー殺害の濡れ衣をカサネに着せた」という可能性もあり得るけど…。
そこまでしてスオウがセイランを庇う道理が今んトコ見えない、カイト次第?

事実に対する探索というか探求というか、情報収集の仕方が拙すぎるんだよね。
キャラクターが想像しない、考えを巡らせない。
本気で解決を図るなら思いついて然るべき発想に至らない→本気で取り組んでる様に見えない。
主人公のユイトからして、親友のナギの死因に繋がる怪異化弾の出ドコロを調べようとしない。
これって「手ごろな下っ端兵士や学者を締め上げればいいだけ」なところを、下っ端兵士や学者の事情を描きたくないので避けてきた弊害なんじゃないかなぁ。
そのせいで「実は親友だなんて思ってない、情なんてものは無いんじゃない?」という感想を抱いておりまして…。

で、そんな中「誰かの過去を無かったことにするなんて絶対に許しちゃいけないんだ」と熱弁振舞われましても、とても白々しい。
一応、今まで主人公は記憶障害で世界の隠された真実に翻弄されるという内容で、当人にはこれといった目的が無く、何を言われても鼻水垂らして口開けっ放しでボケっとしててうわの空なのは制作的にワザとだと思うのだけど──。
19話でようやく目的(意思)を持つが、その考えに至った理由もアラハバキで記憶を抜かれそうになった体験からなだけ。
「記憶を失う恐怖」ならユイトは脳力を使うだけでもそうなるハズ(10話より)なので、このためだけにアラハバキの一件を描いたのだとしたらホント無駄としか思えない。
せめて「ナギも同じ様な恐怖を味わったのか」みたいなことを一言くらい言わせりゃいいのに…そしてぶっこ抜かれた記憶はロクショウ施設にあるんちゃうん?


とりあえず「オレがアイツを殺した」と言って周囲を惑わしといて、後から「直接手を下したワケじゃないがオレがアイツを殺したのと一緒だ」とタネ明かしするネタ、止めよう。
最近他の作品でも見たけどアホ臭いったらありゃしない、キャラが陶酔してるだけにしか見えん、もしくは制作側のお手軽尺稼ぎ。
ってかそうであるならナオミを殺したのはカサネですやん、トゲツに追われてる身でありながらホイホイ接触なんかしたせいで…そっちの方をもっと気に病むべき。
実は姉妹だなんて思ってない、情なんてものは無いんじゃない?
あと、過去改変されても自覚できないと思うんだがどうなんだろう?
これも他の作品で「あれ?」と思ったことがあったんだが、何の作品だったか思い出せない。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ニューヒムカが「断絶の帯から怪異が降ってくるのは月の連中のせい、獣粒子のせい」という事実を市民に隠してる理由が分からない(※)。
なのでそれを暴くことが良いことなのか悪いことなのかも判然としない。
「政府が隠し事してるのは無条件で悪」ではなく「隠してるからにはそれ相応の理由があるんだろう、それは何?」に興味が向くのが自然じゃないかね?
主人公目線で「政府は酷いことをやっている」という印象を推してくるけど、本当にそうかな?という疑問が湧いてくる。
それよりなにより、主人公の方がよっぽど酷いことをしてないか?

トゲツのシステムコンピューターがダウンする訳だけど…ん?これって……コールドスリープ中の生命維持装置もストップした!?
何人居るか知らないけどトゲツには2000年前の人間が眠って居続けてるんだよね?
また、そこからデザインチルドレンを製造してる訳で、その製造ラインも止まった?
脳アンプルの材料の脳がどんな製造方法だか知らんけど、それも止まった?
…。

主人公、何気に大量殺戮しちゃってない?

“巨神ゴーグ”を知ってりゃ(知らんでも似たテーマはいくらでもあるだろう)普通に疑問に思う部分じゃね?
これ作ってるのサンライズなんだよね?あれぇ?
ゴーグでは{netabare}怒りに我を忘れてる間に同胞を大量死させてしまってマノンさんは大反省をする訳{/netabare}だけど、こっちの作品は…主人公は自分が何をしでかしたのか知って恐れ戦く展開とか無いのだろうか?
カゲロウがクッソしょうもない理由で「ジョウを殺したのはオレだ」と気に病んだのなら、ユイトもトゲツの件は気に病むべき。

そんでもって親子や兄弟の情をテーマとした展開、これもピンと来ない。
この作品世界内でヒトはどんな繁殖方法が“標準”なのかよく分からないんだもの。
親子や兄弟といっても「卵子(もしくはDNA)提供しただけ」と「人工子宮(腹を痛める)」と「育ての親」とで違うでしょう、と。
初代ガンダムの「人々は、そこで子を産み、育て、そして死んでいった」ってナレがどれだけ重要だったか思い知らされる。
この問題は「この作品と妙に似てる」と感じる“PSO2 epオラクル”でもあったことなんだけど、そこら辺に焦点を当てた作品…“地球へ”とか知ってる身としては、なんとも説明不足というかパンチが弱いというか…。
ユイトとカサネでその違いを描いたような気がしないでもないけど、なんか全然弱い。

更に22話はもはや恒例のアレ、ユイトとカイトが怪異に囲まれてカイトが「ここはオレに任せてお前は逃げろ」と言う展開…またかよ!
余りにもしつこい展開でもう2人とも死ねばいいのにとさえ思ったけど、いや、一生懸命好意的解釈をすれば…オッサンユイトがカサネに命を賭して願い事をしたのと同様「兄弟して似てるなぁ」と思わせる描写だった…のかも?
けどやっぱりしつこいよ、引き出し無さ過ぎじゃない?
それに怪異に襲われるって、セイランで研究してた怪異コントロール技術はどうした?
ユイトもまーた頭痛が痛いを発動して、脳アンプルはどうした?
「これはただのビタミン剤じゃ」とヤバい表情しながら脳アンプルをあおりまくって、それでも尚頭痛が痛いなら悲壮感もありそうなもんだが、全然余裕じゃねーか。
「研究を邪魔しないで完成させてればこんなことにはならなかったのに」「トゲツを壊滅させてなければ薬があったのに」と後悔して欲しいのだが…な~んかコイツら行いを省みるってことをしないよね。
死ねばいいのに。

23話はもはや流し見してる人は置き去り展開w
スメラギ陵で精神攻撃的なものを受け、真実か架空か知らんがゲンマがセトの死体(?)を見て心を痛めるシーンがあるのだが…セトって覚えてる?
また「何度も」アリスを失ったカレンの慟哭を追体験してカサネがナオミを失ったのと感情を被せるんだが…アリスとナオミって覚えてる?
「ここはオレに任せてお前は逃げろ」でトゲツの追っ手と相打ちで無駄死にした奴ね。
ってかカレンの慟哭自体ハイハイまどか死んだまゆしぃ死んだ佳織死んだって感じで、よくこんな使い潰された設定を使えるもんだと逆に感心。
むしろ死にパターンが一緒で、シュタゲやまどマギから劣化が激しいと感じつつも、ひょっとしたら伏線なのかも?と期待を持ったり…いやどうなんだろう?



実は地球は流刑地で市民はその末裔ってワケでもないみたいだし、政府が隠してた意味がホント分からん。
23話でシデンが「ボクはこの世界の醜さも理不尽さも知っている」と言うのだが、その憤懣をぶつける対象がズレてる気がして仕方無い。
一番悪い(この世界の理不尽)のは「獣粒子」であり、政府がその真実を隠してたのも悪いかもだが、獣粒子が飛来して来たのは政府のせいではない。
つまり政府が秘密裏に行ってた非人道的な研究──「人間の怪異化」「人格矯正」「怪異の兵器化(=怪異のコントロール)」──が大して悪いことに思えない。
(「デザインチルドレン(トゲツ)」と「非脳力者の脳力者化」に至っては秘密裏だったのか非人道的なのかすらよくワカラン。
「レッドストリングスの開発(トゲツ)」や「クナドゲートの研究」に至ってはそれが何なのか分かってる人自体が作中数える程度しか居ないレベル)
一応非人道的ではあるけど、それ以上に「断絶の帯から怪異が降ってくる」の方がよっぽど脅威であり、その対策のための研究であるのなら仕方無いんじゃねーの?
目的と研究が噛み合ってないのなら「何やってんだよ」ともなるが、幸か不幸か噛み合ってる(ように思える)ので研究に文句を言うのが変に感じてしまう。
ぶっちゃけ「怪異の脅威を取り除くためには必要な研究である」と説けば市民も納得しそうじゃない?カイトも失脚せずに済んだのでは?
もうこうなってくるとセイランとスオウの対立も意味が分からないし、和平を結んでも茶番にしか感じない。
問題の3話だって視聴者をいたずらに混乱させるだけの不必要な描写にしかなってないのでは?

要はこの作品は「獣粒子」の対策の手段を巡って抗争してるだけで、主要キャラは根本原因から遠く離れた部分でギャーギャー言ってるだけに過ぎない。
対案を出さずにヤダヤダと駄々を捏ねてるだけの悪質クレーマー、「じゃああんたら獣粒子はどうすんの?」と尋ねたくなる。
一応、一応ね、なんせ2000年もの間断絶の帯から怪異が降り続いてる世界なので、もうそれは自然災害的に「どうしようもないこと」で、怪異による被害を減らす努力はしても断絶の帯自体をどうにかしようという発想が無い…のかも知れない。
ってことも考えられなくもないけど、だったらもうちょいそういうシーンを描いてくれないとシックリ来ない。
これが、政府が獣粒子を利権に絡めてどうこうしてるって話ならまだ分かるんだが…そうだなぁ、例えば──

<例え話>怪異に対抗するために作られたのが怪伐軍であり、現在の体制(既得権)もそれありきになってて、断絶の帯(並びに怪異の脅威)が無くなるのは政府にとっては都合が悪い。
実はその気になればとっくに断絶の帯は取り払うことが出来るのだがワザと残してて、もっと自在に怪異を利用するための研究を秘密裏に行ってた。<例え話終わり>

──であるなら「政府は裏で酷いことをしている」という設定も頷けるんだけど…どうだろう、今後そういうカラクリを明かす展開は期待できそう…かなぁ?
一応カレンが過去に遡ってどうこうしてるので、政府が隠し事をすることと繋がるのなら…ここまで見た自分も多少は救われるかも。
ついでに2話の「どうして前線に赴いた現役兵士に怪異化弾を撃つ必要があったの?研究所の被験体や罪人じゃいけなかったの?」もすっっっっっっっごい謎なので、そこにも繋がってくれると有難いんだが…。
強引に考えればアリスの死因は施設でナオミと接触したせいとも解釈できるので、そこら辺でカレンの干渉があった、とか。
そうでなくても「レッドストリングスを阻止するためにカサネが狙われたがナオミが庇った」線も有り得るし、2話の謎が解明されるのを期待してるんだが…もしされなかったらどうしよう。{/netabare}

26話までの感想
(現在執筆中、先に総評の方が書きあがったのでそっちを先に投稿)

総評{netabare}
とにかく取っ付きが悪い。
そして「何でこんなに取っ付きが悪いのだろう?」というのに逆に興味が沸いて、かなり気合を入れて見ました。
どれくらい気合入れてたかは上記の各話感想を見ていただければ分かるかと──。

で、取っ付きの悪さの正体は、ナオミが何者かに狙撃されて怪異になるワケだけど、
・撃ったの誰?命令したの誰?目的は何?
・そもそも未来予知でカサネを庇って撃たれたので、本来のターゲットはカサネか?
・そもそもあの場所へ派兵を命令された自体が仕組まれてた?落ちてたアンプルは何?
・怪異化したナオミを連れ去ったのは誰?撃ったのと同じ勢力?
等、分からないことが多く現状を認識することすらままならないのに、その掘り下げをせず放ったらかしで次の展開へ突入。
まだ登場キャラの顔と名前も一致してない段階で仲間グループから2人が裏切りを働く。
しかも裏切る理由がそれぞれ別で、うっとおしいたらありゃしない。
その後も、ふた手に分かれて2つの施設を行ったり来たりするのだけど、今映ってるのはどっちの施設なんだか分かりにくい。

…これじゃあ何に関心を向けていいのか分からないって。
作り手が視聴者に疑問に思わせたい部分と、視聴者が疑問に思う部分が噛み合ってない。

噛み合ってない最たる部分としては、ナオミが狙撃された理由は最終回まで見ても明かされなかった。
クナドゲート内でのオッサンユイトの証言は支離滅裂だし、かといって嘘を吹き込まれてたのか?といえば他に情報が無い。
ひょっとしたらナオミの脳を欲しがってたトゲツの手の者だったり、アリスの死の遠因ではあるので時間遡行したカレンの仕業であることも期待したんだけど、全く触れない。
それ以前に怪異化弾は実用化されてたのかどうかすらよく分からない。
実験にしちゃあ前線に出た兵士を狙う意味が分からんし、ナオミを撃って以降怪異化弾は一切出てこないし。

一切出てこないといえば後半ユイトが無理を推して脳力を使うのだが、特効薬と思われる脳アンプルは途中から一切出なくなる。
“0083”のウラキのヒロポンみたいなこともしないで頭いて~頭いて~言うだけ。
芝居してるみたい。
10話で研究者が語った「被験者(ユイト)はベルペッパーだった頃の記憶も欠落している模様。超能力を使うたびに脳へダメージが蓄積していると考えられる。急に記憶が飛ぶといった症状も出ているハズである」という設定も忘却の彼方。
後半は記憶も飛ばなくなるし、最終回では脳力を使い果たした体なのに車椅子に乗るだけで脳(記憶)は健在。
なんだよこれ…カミーユ(TV版)なりDボウイなりチャイカなり“牙”のノアなり“ハッピーシュガーライフ”の神戸しおなり、廃人オチなんていくらでもあるんだしやっちゃダメってことはなかろうに。
あっ、ゲームが続かないって?うぅむ…。
欲を言えば廃人になったユイトを世話するカサネが、ボタンをかけようとしたら手が震えて上手くできず、「どうしたの?」と様子を見に来た仲間に対して「見るんじゃねー」と怒鳴るオチだったら途中どんなに酷くても個人的には称賛したんだけどなぁ。
最終回で台無しというか、最終回で逆転できませんでした。

と、やたらと込み入った設定を盛り込んだ割に、キャラがその設定に準じた行動をしない……ということに尽きるのかなぁ、全体としては。
「そういう設定の体」を演技してるだけ、例によって中身が無い、自我が無い。
政府が隠してた「この世界の真実」を段々と知ってくって話なので、どうしてもキャラが受け身体勢になってしまうのは仕方無いとはいえ、限度ってものがあるだろう。
上述の「ナオミを怪異にすることで、やった奴には何の得があったんだい?」に誰も気が向かないのはどうなんだ?
最終回1コ前の「クナドゲート消滅のついでに断絶の帯も消せる」も、他人から言われて(そそのかされて)乗っかっただけで自発的に思いついた訳ではない、そもそも断絶の帯をどうにかしたいとかそれまで一切考えてもいなかったじゃん。
そして致命的なのは、これだけ設定盛っておいて「起きる出来事」──演出ってことになるのか?──がワンパターン。

「ここはオレに任せてお前は逃げろ」

この展開が4回あります。
“精霊ナントカ~”が「悪者に間違われて襲われる」って話が数回続いて酷いなぁと思ったモンだけど、こっちはそれを優に超えてる。
過去改変による現代への影響の描写もなんか変だし…ひょっとしてこれ、設定の方はゲームスタッフが頑張ったんだけど、演出?ストーリー?を任されたアニメスタッフは、めっちゃ手を抜いた??
それとも逆?ゲームとの兼ね合いで色々とキツい縛りがあって、アニメスタッフは頑張ったんだけどこれが限界だった??


と辛口なことが続いたので、ここでちょいとフォローめいたことを。
この作品、考えれば考えるほどフブキが疑わしい。
最後に一番得したのは誰?を考えると、地位はそのままに婚約者のアリスが復活してくれたフブキじゃん?
色々と政府の裏事情を知っておきながら(というか脳アンプルを使ってたセイランの施設と繋がりがある、いわば実行犯)矢面に立たされ処罰を受けたのはカイトだけ。
もしかしてカイトをハメた?
25話でクナドゲート消滅作戦のついでに断絶の帯の消去を持ちかけたのもフブキと“改心したと思われた”カレン。
カレンをよく知るフブキとしては、アリス救出を実はまだ諦めていないと見越してた?
10話で「ナギの抜かれた記憶データ(本当にそんなのが存在するのかどうかは不明、作中では出ない)が施設に保管されてる」と言って施設に行く様に仕向けたのもフブキ。
同じ回、カイトに呼び出しを食らったのに次の瞬間には自由の身になってたのも、どうやって切り抜けたのか謎。
「ナオミが怪異化するのを目撃した記憶」を消すために病院(施設)で人格矯正を受けるところをフブキが阻止したが、ナギだけはそれが間に合わなかったとのことだが、これだって疑わしい。

ガルマを欺いたシャアの様に、フブキはカレンを欺いて自分に都合の良い様に誘導してた?ユイト達はそれに巻き込まれた?

──な~んてことを思ったり。
ってことで、最後の最後、フブキがそんなことを匂わす素振り・全てはフブキの思惑に踊らされてただけだったのでしたー、みたいなことを見せてくれたら大逆転できる芽が残ってたんだが…そんなことは起きませんでした。
実は心の奥底でベルペッパーを蔑視してたとかやれば最高だったのになぁ(ってかそうでないならベルペッパーの設定も要らないと思う)。
いやぁ惜しい、惜しいというよりかなんか外してるんだよね。
ひょっとしてゲームでは…?、と思わなくもないけど、そっちに手を出すまでの意欲は湧かなかったのが実情。

ってかこの発想──懇意にしてくれた仲間が実は黒幕──って前にもしたなぁ。
あっ、“シャチバト”のガイドさんか。
あっちもそういう風にすれば逆転(それまでのマイナス評価が最後でプラスに転ずる、視聴した自分も報われた気がする)が出来たと思うのだが、何でやらないんだろう?


総評としては、まぁゲームやればいいんじゃね?アニメは見ても見なくても…って感じ。
原作のゲームでは意味があるのかも知れないが、アニメでは意味の無い設定が多い、ゲンマの裏切りはホント要らなかったと思う(これが無ければ3話切りされる率はずっと下げられたんじゃないかな)。
スオウとセイランの対立も理由がよく分からんままだし、「人間が怪異化する」が起こりえる世界において、作中で政府の行ってた程度のことは非人道的だとは思えない、“ヤマト2202”のG計画より温い。
それでいて「何故ナオミは撃たれたのか」は明かされない、どういうこっちゃ?
よく似てると比較に挙げてた“PSO2 epオラクル”は登場するキャラが悉く「こう見えて実は…」という二面性を持っていて、それを把握すればキャラを覚えるのと同時に自ずとストーリーも頭に入る作りだったが、こっちはそうではなくキャラとストーリー別々に覚えないといけないのでかなり億劫。
七剣星(セプテントリオン)という称号がありながら六芒均衡の様なバランス配分も無いし、これも要らん設定かと。
とりあえず序盤3話まで(もしくは5話まで)の取っ付きの悪さは近年随一なので、それがどういうものなのか物見遊山で見る分には良いかも知れない。
あ、それと「ここはオレに任せてお前は逃げろ」って展開が4回あるので、それが何処なのか指折り数えながら見るのもいいかも。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

自分は楽しめました。

2クールのゲーム原作作品
正直前半の方あまり覚えてないので短い感想しか書けませんが...

{netabare}
最初の方は置いてけぼり感がきつく微妙だったけど、慣れてくると後半は楽しめた作品でした。
結構テンポは速かったけど後半はしっかりと話は理解できるぐらいの速さだし、次々と展開が動いていくので割と毎週楽しみに見れました。

展開が早いとはいえ、主要キャラはしっかりと掘り下げが出来ていたし、カレンの話とかは感情移入できてよかった。
主要キャラでも何人かは印象が薄いキャラいましたが...
それと、最終回はかなり良かったと思います。
それぞれのキャラの今後を描き、カサネが月を目指すことを決意する。
主人公もそれについていくのかと思ったら、ついていかない感じだったけど、離れ離れになっても思い合うことを誓うという、ベタだけどかなりいいエンドでした。

微妙だった点は場所の全体像があまりつかめなかったことかな。
トゲツとかなり距離あったはずなのにすぐに移動してたり、そういうのが多くて違和感があった。
あともう一つはナオミが結局死んだままだったこと。
結局死ぬなら怪異化とかやって引っ張る意味あった?ってなった。
それと、普通に怪異を倒す話が前半に3話ぐらいは欲しかった。
その後の展開の意外性が損なわれてた。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆4
よくある超能力モノか。ヒロインはかわいい。
キャラ多いなぁ。クソダサスーツいる?
戦闘シーン背景手抜いてない?独特な敵だな。
カサネ何歳なんだ。敵側が正義系かな?

2話 ☆3
特に面白みのない戦闘。
未来予知みたいな能力がある超能力モノで非対人って面白くなるのか?
結局超能力関係なしに物理で戦うという。
主人公めっちゃ強いじゃん。
え、この子退場かよ。一番かわいかったのに。

3話 ☆2
死ぬの?魔女化かな?w 
超能力が原因で異形化してるのか?
人間側が悪らしいし。もう王道路線からそれるのか。
展開が早すぎて置いてけぼり。
もうちょっと基盤を整えてからこういう展開をやってほしかった。
記憶改竄?ほんと急展開過ぎて、味方が裏切ったという意外性が一切ない。
滅茶苦茶な脚本。
口封じならこんな回りくどい方法でするなよ 

4話 ☆2
敵味方がまるでわからん。死んだキャラ誰だよ。
ほんとゲームってアニメ化するだけ無駄だわ。
一話でカレンがこの国は亡ぼすべきって言ってたけど、
あいつは味方なのか?
めっちゃ敵のような立ち振る舞いだけど。

5話 ☆1
○○に異常発生でクーデターが起きたとか言われても普通の状態が全然描かれてないから何が何だか全くわからん。
緊急事態に白か黒分からない奴仲間にするな。
一般人にはこう見えてるってどういう意味だよ。
もっとちゃんと説明してくれ。
???? 意味わからん。
言論統制してるだけかよ。
それが氾濫の理由なのはしょぼすぎ。
もっとなんかあるのかと思ったわ。
おまけに脳繋いでる設定とか初めて聞いたぞ。
てか怪異を都市内に入れてるやつに誰がついていくんだよ。
ああ、裏切りとかの予想外の展開(支離滅裂)をやりたいだけのゲームにありがちなゴミ作品か。

6話 ☆6
未来?スメラギユイトには見えないけど。
未来の主人公は衝撃を与えるためにカサネに嘘ついたとかそういう感じなのか?
それとも事実? 結局カレンは味方なの?

7話 ☆6
やっぱり父が敵ってことか。
カレン年取ってないってことはこいつも移動したんじゃ
凪って誰だっけ? 母が怪異にされてたってオチかな。

8話 ☆6
ナギに全く印象ないわ。
早くでていけや。何考えてるんだ。
結局カレンが実質主人公か?

9話 ☆6
カレンに任せても良くないか?
まあそんな展開だろうな。

10話 ☆4
今スメラギ、主人公ら、セイランで三つ巴状態?
洗脳いらないって、こういうのホント好きだなゲームって。
なんか最後急にわけわからんくなった。

11話 ☆5
どうせ元人ってオチでしょ怪異。
こいつらが黒幕で共闘展開かな?

12話 ☆7
かなり世界観が明かされたな。
アラハバキってなんなんだ? 怪しいのに触るなw 

13話 ☆6
この神OPも見納めか。
このおばさんあっさり元通りになるじゃんw 
いやここもっと掘り下げるべきだろ。
あっさりすぎて...。展開は気になる。

14話 ☆6
タイトル回収。ああ、渡月ってそういう
怪異が空気だな、人同士の争いばかりだし、怪異が出てきてもモブみたいなもんだから。
ここで2チームに分かれるのか。なんだこのED映像w

15話 ☆6
人格矯正を治す方法を考えようってその言葉が通じるなら人格矯正治す必要ないだろw
凪にあんまり印象がないんだよな。
この凪との特訓シーン原作にはあったんだろうか。
二重人格草。

16話 ☆7
ここどこや。ほんとに何がどうなってんだか。
トゲツは何がしたいんだっけ。
姉言ってもいっぱいいるのにずいぶん愛着あるんだな。
ああ、姉って怪異化した子のことか。
いや、どうせ怪異のまま死ぬならなんでナオミここまで引っ張ってたんだよw 
やっぱカレンがまどマギで言うほむらみたいな立ち位置なのかな?
町残ってなさそう。

17話 ☆5
なんでこいつらそうすぐに合流できる?
主人公ガイジになってるじゃん。

18話 ☆7
やっぱりカレンが実質主人公。
こいつ誰だっけ。寝てた人?

19話 ☆7
二重スパイみたいなもんじゃん。
どっちなんだよこいつw 死に際にあのセリフ言う?
いや直接手にかけてないんだし許したれや
カレンにコピーされたからもう主人公死んでもダメになったってことか? 

20話 ☆6
まるでゲームにありそうな橋だ
トゲツからいきなりクナドゲートまで瞬間移動するな。
距離感がわからん。理解力すごいな母
わっかりやすい死亡フラグ。

21話 ☆5
キャベツ検定合格。
何で夫婦みたいになってるねんこいつら。
玉ねぎかよ。

22話 ☆8
普通に話面白く感じてきた。
説得できるのか? 銃じゃ無理だろw

23話 ☆5
急に何起こってるかわからんくなった。
なんやねんこれ、うわあああああじゃねえよw
マモレナカッタ... ゲーム式の適当な回想の入れ方嫌い。
まあそうだわな。

24話 ☆8
執着が怖い。止まるんじゃねぇぞ。

25話 ☆7
カレンこそ死にそう。断絶の帯を消すのかよw
裏切る流れじゃなかったじゃん...。
知ってた。てかナオミは?

26話 ☆9
まあそりゃそうなるわな。
どういうことだ。死ぬほど見た展開。
キャラの未来を描く感じね。
離れ離れになっても...っていいエンドだ。
最終回良かったな。
アクアトープもこういう締め方で良かったのに。

曲評価(好み)
OP1「Red Criminal」☆8.5
ED1「Fire」☆7.5
OP「MACHINEGUN」☆9
ED「Stranger」☆7.5
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その緋(あか)は解放か、断絶か

この作品は、テレビ放送とほぼ同時にゲームが発売されたようですが、基本的にオリジナルアニメだったようですね。
視聴する前は、作画に気合の入った作品…程度の情報しか持ち合わせていませんでしたが、瀬戸さん、高野麻里佳さん、ほっちゃんが出演されているのを知って嬉しくなったのを覚えています。


新歴2020年。

人類の多くは、思考や意識を外界に作用させる力、「脳力」を生まれながらに備えていた。
その生活は一見便利で、平和にも見える。
しかし実際は、成層圏より降下する異形の生命体・怪異の存在が
彼らの命を脅かしていた。

怪異を討伐すべく、ニューヒムカ政府によって結成されたのは怪抜軍。
ひと際強い脳力の持ち主、「超脳力者」によって組織された軍隊だ。
超脳力は、発火、超高速、透明化など、個人により様々な発言の形をとる。

念力の超脳力を持つユイト・スメラギは、幼い頃、怪異の襲撃から怪抜軍に
よって救われた。
以来、志願兵として厳しい訓練に耐え、ついに入隊の日を迎える。

一方、スカウトで怪抜軍に入隊したカサネ・ランドールは以前より不可思議な
夢を頻繁に見ていた。

「赤い糸から手を離さないで」――

カサネが夢で告げられる言葉の意味とは?
怪異の正体、そして隠された世界の秘密とは…。

ユイトとカサネは、抗えない運慶に巻き込まれていく。


公式HPのINTRODUCTIONのうち、第1クール分を引用させて頂きました。

公式サイトはゲームと連動しており、簡単にゲームサイトに移動することができるのですが、ビックリしたのはゲームのお値段…
ゆうに1万円を超えてくる価格設定になっているんです。

最近ではスマホのソシャゲなど、基本無料でプレイできて後からコンテンツを楽しむために課金していくシステムが殆どだと思っていましたが、Xbox、PlayStationといったゲーム機を使うゲームは、これが定番なんでしょうね。
現時点で既に4万本以上売り上げているそうですが、もう少し売り上げが上がらないと厳しそうに見えるのは、私だけじゃないと思います。

でも、見方によっては廃課金することなくプレイできるのは、プレイヤーにとっては優しいかもですね^^

物語は壮大…だと序盤は思っていましたが、終盤まで来るとだいぶこじんまりした感が否めませんでした。
圧倒的な力の成し得る技なんでしょうけれど、周りを振り回しすぎ…と言われても仕方の無い展開だったと思います。

そして、物語の設定も少々難解だったような気がします。
例えば諜報…スパイだと思ったら簡単に寝返ってみたり、ゲーム的な要素としてなら面白いのかもしれませんが、一つのアニメ作品として捉えると、どうしても分かり辛さを感じてしまいました。
組織や舞台設定に対してもう少し詳しく説明して貰っていたら、もう少し理解が早かったと思います。

完走後に振り返って思うこと…
物語が集結したイメージが全くありませんでした^^;
やはり、TVアニメと同時にゲームが発売されている影響でしょうね。
物語の核心に迫ってしまうと、ゲームの打ち上げにも響くでしょうから…

それは理解できるんですけど、それならオニアリエンドで怪異や設定の顛末を描いても良かったのではないでしょうか。
物語として一応終わっているのですが、登場人物の行く末だけじゃこの物語は終われないと思うのですけれど…

オープニングテーマは、THE ORAL CIGARETTESさんによる「Red Criminal」と、「MACHINEGUN」
エンディングテーマは、Yamato(.S)さんによる「Fire」と、Ayumu Imazuさんによる「Stranger」

2クール全26話の物語でした。
26話もの尺を使っているのですから、物語をもう少し掘り下げられたような気がします。
作画は頑張っていましたが、終盤にもなると若干の崩れが目につきました。
アニメーション制作はサンライズなんですけどね…
グッとくる展開が無かった訳ではないので、それなりに堪能させて貰ったんだと思います。
これ以上の掘り下げが気になるならゲームをプレイするしかなさそうですね^^;

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

61.8 20 ハッキングアニメランキング20位
サイレントメビウス - SILENT MÖBIUS(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (28)
202人が棚に入れました
人口は増加の一途をたどり、環境破壊による酸性雨が降りしきる近未来のTOKYOでは、人知を越えた不可思議な事件が起きるようになっていた。3rd- AT(サード・アトラクション)と呼ばれ一般人に秘匿されていたそれらの事件は、妖魔(ルシファーホーク)と呼ばれる異世界(ネメシス)の住人たちが引き起こす事件であった。2023年、頻発する妖魔事件に対し、ラリー・シャイアンは Attacked Mystification Police Department(対妖魔用特殊警察、通称AMP―アンプ)を組織、これに対抗する。AMPは香津美・リキュール、キディ・フェニル、レビア・マーベリック、闇雲那魅、彩弧由貴の女性だけで構成されている。彼女たちはおのおのが持つ特殊な能力を駆使し、妖魔に対抗する。

声優・キャラクター
松井菜桜子、鶴ひろみ、本多知恵子、岡本麻弥、永堀美穂、藤田淑子、小山茉美、平松晶子

りじゅ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

サイレントメビウス

映画も2つとも見に行ったし、テレビのやつも新潟ではやってなかったからビデオを借りてき全部視聴しました。

一番最初にこの作品と出会ったのは、友人宅で信長の野望の武将風雲録を5人でやっていたときでした。
5人で信長っているとさ、序盤は順番がすぐ回ってくるんだけど中盤から後半は国の数が増えたり、戦争を頻繁にするから順番が回ってこなくなるのですよ。

そこで仲間は銘々の暇つぶしの漫画や小説を持ってくるんだけど、その中にあったのがサイレントメビウスの漫画だったのです。
当事としてはちょいと大きめのサイズで2巻くらいまでしか出ていなかったと記憶しています。

当時はジャンプくらいしか読んでいなかった私にはとても衝撃的。そして斬新な内容だったのです。



まあ、漫画の話ばかりじゃなくてアニメの話もしますが、じつはそれほどアニメに関しては覚えてないのです。
所々は覚えているのですが、最終回がどんな結末だったのかさえ忘れてしまいました。
たぶん漫画とは違う終わり方だったとはおもうのですが・・・。



アニメや漫画で本気で好きになったヒロイン第二号の闇雲那魅さんを擁するこの作品。ぜひ機会があったらもう一度見てみたいものです。
ってところで今回は〆たいと思います。


※第一号はエルピーさんちのプルさんですw

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

パケ絵劇場版だね。

劇場版は原作を忠実にアニメ化。原作と同時なのか?
当時は既読があたりまえなので舞台の説明はほとんどない。原作読んでないと置いてけぼり。

 
TV版はテレ東無双のはじまった後年年齢層をさげてリメイクしたが主題歌以外どうしようもない。

原作は麻宮騎亜のブレードランナーなどなどSF特撮のオマージュ作品。美少女アクションもの。超B級の人気作品。
アニメ喰霊から感じまくってた既知感はコイツだったwwwすっきりした・・。

登場人物に魔導士、怪力(サイボーグ)、ハッカー、巫女、超能力とテンプレ的な能力を与えた最初の人物といわれる。
グロスポリナーのデザインはすげえな。かっこいい。元ネタがわからない。喋る剣といえばいまだコイツが思い浮かぶ。

美(少)女モノにしてはグロ、ダーク、シリアスなのが時代っすな。 原作の展開とかいまだったら編集さんにキレられるな・・。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そこそこ魅せてはいるが、娯楽としていまいち。

角川アニメーション映画として、
「アルスラーン戦記」と同時上映だったと記憶している。

劇場公開作品だけにキャラもストーリーも
それなりに立ってはいるのだが、娯楽としてそこまで魅力性がない。
(一言で言えば、説明が無いので
原作を見ている人だけのメッセージのようにさえ感じた。)
伏線が伏線としていきてないのも大きかったかも。

また、戦闘シーン自体は綺麗で
大げさな描写で魅せてはいるが、
そこに暗示を含んだ過去回想など入るので間延びした
感が否めなかった。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

63.9 21 ハッキングアニメランキング21位
DTエイトロン(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (23)
141人が棚に入れました
2187年、強い紫外線が降り注ぎ荒廃した地上。ドーム都市データニアでは、子供達が感情を制御され巨大建造物「パイル」での作業に従事させられていた。そのうちの一人、主人公の少年シュウは海への憧れから脱走し、アンドロイド「エイトロン」をあやつる少年たちと出会う。彼らは、データニアの子供たちを解放しようとするレジスタンス、「リターナー」だった。シュウは彼らととも、にユートピアといわれるもうひとつのドーム都市「アモーロート」を探して旅発つ。一方、シュウ達が高い環境適応能力を持つ「DT(データトランスフォーム)保有者」である事を知ったデータニアは、捕獲のための部隊を送り出す。

声優・キャラクター
保志総一朗、夏樹リオ、矢島晶子、諏訪部順一、川澄綾子、山口勝平、神奈延年、辻谷耕史、遊佐浩二
ネタバレ

lZQnV50529 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

雰囲気を味わうアニメ

これを、SFの面白さを追求という観点から見たらつまらないでしょうね。これは完璧に雰囲気を味わうアニメ。たとえば、第15話のラブソング。 {netabare} 輸送手段を失って歩いて移動していた一行が、風力発電を見つけ、人が住んでいる村を見つけますが、この村は、世界の人々が歌を歌う習慣がなくなったので、歌を皆で歌って世界に歌を流している村だったというお話です。人々が練習のために歌う歌をBGMにして、お話が進んでいくところはさすがだと思いました。 {/netabare}
深夜放送時間帯で、ちょっと仕事に疲れてぱっとテレビをつけたらとてもよかったという感じのお話が多かったと思います。OPの歌はとても好きな歌詞で、お話の展開とも符合しています。幸せな時代に生まれたことを感謝して生きていきたい。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

miki0908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

視聴困難

現在では視聴困難なアニメのひとつ。
opがDragon Ash、EDがジャングルスマイルの同じ星。
どちらも名曲です。

近未来ディストピアとロボアクション。
この当時にしては画期的でした。
正直評価できるほど知りませんが、
いつか見たいアニメです。

DVDBOX買おうか迷います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

Chika さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

DTエイトロン

この時代の名作
素晴らしい作品です!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

65.2 22 ハッキングアニメランキング22位
遊☆戯☆王VRAINS(ヴレインズ)(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (32)
108人が棚に入れました
ネットワークシステムが発達した都市:
Den City。
そこでは大企業『SOLテクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、『LINK VRAINS』と呼ばれるVR空間が構築され、人々はそのVR空間での新たなデュエル体験に熱狂していた。
『LINK VRAINS』に、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団『ハノイの騎士』が現れる。彼らの狙いはネットワークのどこかに存在するという『AIたちの世界=サイバース』を滅亡させる事にあった。

しかしそんな『LINK VRAINS』の脅威に立ちはだかる1人のデュエリストがいた。
彼の名は“Playmaker”。

圧倒的なデュエルで『ハノイの騎士』を倒し、何も語らずに去っていく彼の名は、ネットワーク世界で一躍有名になる。
その“Playmaker”の正体である高校生『藤木遊作』は、過去に起きた事件の真相を探るため、 VRAINSに出没する『ハノイの騎士』を追っていたのだった。


ハノイの騎士との激闘に明け暮れる日々の中、遊作は『SOLテクノロジー社』と『ハノイの騎士』が追い求めている謎のAIプログラムの捕獲に成功する。
そしてこれをきっかけに、運命の歯車は大きく動き出す……。

謎のAIの正体。『サイバース』を狙う『ハノイの騎士』の真意。
そして遊作の過去に秘められた真実とは――

声優・キャラクター
石毛翔弥、櫻井孝宏、木村昴、武内駿輔、濱野大輝、中島由貴、山本匠馬、鎌倉有那、沢城千春
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々のリアルタイム・アニメ遊戯王〈一年目終了時点で追記〉

2017年5月放送開始のアニメ遊戯王シリーズ6作目。


【3話視聴時点の感想】{netabare}
長期作品になると思うので完走できるかどうかはわかりせんが、3話まで見た印象はいいので視聴続行です。

シリーズ初期しか観ていないので久しぶりのリアルタイム視聴になります。概要を調べた限り、子ども視聴者の入れ替わりを想定して3作区切りで作風が移り変わっている感じですね。
ゼアルから視聴を続けていたとして当時小学3年生の子なら今は高校生でしょうから、本作はハイティーンを主な視聴者に想定している(と思われる)のはそこら辺が理由かな?

主人公の遊作は高い能力を持つクール系ですが、他人に興味が薄く目的のために手段を選ばない面も。精神的な成長や、人間関係を構築していく中での変化を描ければ非常にいいキャラクターになりそうです。
Ai(イグニス)とのやり取りも軽妙で、Aiの命を握っているのは遊作ですがAiのほうが常に一枚上手というバランスが上手い。かけがえのない相棒になっていく過程がしっかり描かれれば大きな見所になるでしょう。
このあたりは遊戯王という作品でストーリー構成が吉田伸さんなら期待できると思います。

ストーリーの面ではミステリー要素はアニメ遊戯王では珍しく、長期シリーズで積極的に変化を付けているのがとても楽しみな点。
反面、長期放映を想定した遊戯王で矛盾なくストーリーを展開・伏線回収できるのかという危惧も。

今のところ、世界観説明や心理描写にしっかり尺を取り、1エピソード2話構成にしているのは私は好きですね。
デュエル自体がDM、GXの時代に比べ複雑化している印象もあり、新しい召喚法が売りになるよう演出にも尺を割かねばならないという理由もあるでしょう。

あとキャスティング凄く好き!声優さん調べるの楽しいです。
声優経験のない人を主人公にするのもとても好きなんですよね。これまでのシリーズでも主人公以外でも舞台俳優や歌手を起用してきていて、どのキャラクターも印象に残っています。
長期放送の中での変化が非常に楽しみです。

久しぶりのアニメ遊戯王、のんびり楽しみたいと思います。 {/netabare}(2017.5.29)


【20話視聴時点での感想】
このアニメ、色んな意味でハードルが上がりすぎてるw
{netabare}
ロスト事件にはまだまだ裏がありそうですし、遊作の日常も見たいし。デュエルなし回を見るとデュエルあり回が待ち遠しく、デュエルあり回が続くとデュエルなし回が恋しくなるという個人的にすごく悩ましい状況ですねw

遊作役の石毛翔弥さんの演技は素晴らしいの一言に尽きます。活舌も発音も良く聞き取りやすいですし声量も申し分なく、わざとらしく感じることもない、個人的には完璧な演技です。お見事というか、最終話を思うと末恐ろしいというかw

一番のショックは19話で明かされた遊作の復讐の動機です。まさか「監禁」ていう言葉をはっきり使うとは思わなかった。
普通ならもっと現実感を薄れさせるんでしょうけど、デュエルに直結している事以外は現実にありえない事件ではないので、その分描き方には誠実さが求められます。視聴者に子どもも大人も存在するアニメ遊戯王で、凄く難しく、挑戦的なことをしていると感じます。(テレビ東京系って一応地上波で全国ですよね?)
時にグダグダ(そういう所も好きだけどw)になることもあるアニメ遊戯王なので心配もありますが、ハッピーエンドは確約されているようなものなので非常に楽しみでもあります。

キャラクターの描写も全体的に気遣いがあってとても良いですね。
理論的な面ではAiの方が正しくそれを遊作もわかっているけれど、遊作が感情を優先するときにはAiの方が振り回されるという描写がとても良い。遊作の優しさやデュエルへの想いをきちんと描いてくれるのも好印象です。
財前兄妹良いですね。彼らの行動がプレイメーカーを破滅から救うかもしれないとかなったら胸熱。

それにしても監督交代はとても驚きました。
13話までの監督は細田雅弘さん。展開はゆっくりでしたがとても掴みの良い第1クールで素晴らしかったと思います。
14話からは浅野勝也さんが監督となり、監修としてベテランの佐藤竜雄さんが参加されています。
放送開始時がかなり大変そうでしたが、それでも段々と安定してきていますから監督の交代は最初から予定されていたのかな?
監督の個性がどの程度反映されているのかはわかりませんが、14話以降のデュエル演出はかなりスムーズになりました。13話までのリンク召喚演出も私はすごく好きだったので残念ではありますが。
本作は地味で渋い演出もあって見ていて楽しいです。

そしてデュエルが難しくて細かい所がついて行けない…;;
20話でファイアウォールドラゴンの効果をメッセージを伝えるために使ったのはすごく良かったです。
今後も注目していきたいと思います。 {/netabare}(2017.10.2)



【一年目終了時点の感想】{netabare}
主人公が「友達になってください」って伝えるまでに一年(46話)かけたアニメ。
だがそこがいい!

ストーリー含め穴は少なくないものの、総括すると堅実で良い一年目でした。
音楽は格好良く華があって質はいいと思いますが、使い方が大げさすぎるかな。
一年目前半は演出も良かったと思うんですが、後半はコンテ演出のスタッフが変わったためか不満に感じることが増えてしまいました。
ドラマパートではベテランの演出だと地味ながら引き込まれるシーンがありとても好きです。デュエルパートは作画は動きを付けて頑張っているんだけど、絵コンテ次第でもっと魅力的になるのではないかと思います。
作画は波があるものの盛り上げるべき所には力を入れ、凝った部分も多かったです。モンスターのCGはなかなか出来も良く、手描き部分ともマッチしていて浮いた印象もそれほど無くて好きですね。

OPはテーマを織り込んだ歌詞・渋い曲調に演出・作画がしっかり噛み合っていて、一年通して飽きることなく楽しめました。変わるのがむしろ寂しいくらい。EDは曲もアニメーションもひとつ目がすごく好きだったな。

本作は分かりやすく復讐という言葉を使ってはいますが、OPの歌詞から読み取れる通り、遊作が前向きに人生を歩めるようになることが一つのゴールでした。
デュエルの中で人間関係を結ぶ演出にリンク召喚が使われたのも良かったですね。デュエルに意味を持たせる努力が感じられました。
Aiとの関係性の変化は遊作があまり表情を変えない中でもよく描けていたと思います。46話ラストの別れのシーン渋くて大好き。

ハノイの塔を巡る騒動の中で遊作には色々な心境の変化があり、特にスペクターとの対峙は自身の想いを見つめ直す良い展開だったと思います。それまでは被害者の一人として復讐の使者という言葉を使っていたけれど、自分が前に進みたい、これから関係性を築いていくであろう人たちの願いも背負った上で現実世界を守らなければならないという決断に落ち着きました。
まあスペクターのキャラは遊戯王らしく狂ってるけどw

最後のリボルバーとのデュエルまで遊作が仲間や友人を持たずにいたことが(心情的に作れないという方が正しいですが)強いカタルシスを生みました。その前にAiとの関係を遊作自身が内心では受け入れていたのも、最後の展開への流れが自然になった要因だったと思います。遊作自身がなかなか幸せになる方向に行かないのはヤキモキしてもいましたが、一年間見てきて本当に良かったと思えました。

46話ラストのスターダスト・ロードの発生した海を見る遊作のシーン。
あれ本当に好きです。ひとつ目のEDラストに夜明けの海を眺め微笑む遊作と対になってるんですね。
仲間と認めたAiがいない寂しさとともに、了見が去ったことでまだ遊作は明るい未来に踏み出すには至らない寂寥感が良く出ています。それでもスターダスト・ロードは二人の新しい道への希望に見えます。42話でスターダスト・ロードが導いたのはリボルバーでしたが、46話ラストは過去も未来もひっくるめた二人の繋がりの象徴のようにも見えました。


キャラクターも印象が強く、特に男性キャラクターはバックボーンの持たせ方なども素晴らしかったと思います。遊作、了見は過去の重さや心理描写に気を遣っていて特に好きですし、今後の成長と変化がとても楽しみです。
逆に二年目にもう少し掘り下げて欲しいのが女性キャラクター。特に葵ちゃんは一年目は本筋に上手く組み込めなかった印象があるので、もう少しリアルでもアバターでも活躍が見たいですね。
あと、島君好きですね。本筋には関わってこないかもしれませんが、コメディリリーフとしても視聴者に近いキャラとしても今後も活躍や出番はあると思うし、島君の役回りは今後も楽しみです。


ここからは良くなかった所。
ストーリーで一番の欠点と感じたのは鴻上博士関係です。サイバースへの攻撃の理由が納得し難いこと、息子に全て背負わせて亡くなってしまったことがスッキリしませんし、少なくとも子どもを誘拐する必要性に関して説明は欲しかったですね。謎の解明を期待して視聴していたら結構きつかったと思う。SOLが真っ黒っぽいのでそれがどう関係してくるかは注目したい所です。

あとファイアウォールドラゴン好きなのでちゃんと活躍してほしい…;;


敵側ではなく主人公側に正直アウトな描写(クラッキングとか不法侵入とか…)もあり総集編の多さなども含め欠点は多いのですが、私が重視する要素は割と満足度が高かったです。
全体的に地味過ぎるくらい丁寧に抑えて展開した一年目でしたので、二年目は明るい展開も見られたらさらに楽しめるかなと思います。{/netabare}(2018.4.13)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7
ネタバレ

ミュンヘン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ARC-Vの悲劇は絶対繰り返してはいけません

あらすじ

{netabare} ネットワークシステムが発達した都市:
Den City。
そこでは大企業『SOLテクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、『LINK VRAINS』と呼ばれるVR空間が構築され、人々は そのVR空間での新たなデュエル体験に熱狂していた。
『LINK VRAINS』に、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団『ハノイの騎士』が現れる。彼らの狙いはネットワークのどこかに存在するという『AIたちの世界=サイバース』を滅亡させる事にあった。

しかしそんな『LINK VRAINS』の脅威に立ちはだかる1人のデュエリストがいた。
彼の名は“Playmaker”。

圧倒的なデュエルで『ハノイの騎士』を倒し、何も語らずに去っていく彼の名は、ネットワーク世界で一躍有名になる。
その“Playmaker”の正体である高校生『藤木遊作』は、過去に起きた事件の真相を探るため、 VRAINSに出没する『ハノイの騎士』を追っていたのだった。


ハノイの騎士との激闘に明け暮れる日々の中、遊作は『SOLテクノロジー社』と『ハノイの騎士』が追い求めている謎のAIプログラムの捕獲に成功する。
そしてこれをきっかけに、運命の歯車は大きく動き出す……。

謎のAIの正体。『サイバース』を狙う『ハノイの騎士』の真意。
そして遊作の過去に秘められた真実とは――(TVアニメ動画『遊☆戯☆王VRAINS(ヴレインズ)』のwikipedia・公式サイト等参照){/netabare}

遊戯王シリーズは初代デュエルモンスターズ時代から見てます、ZEXALまでは完走してましたが前シリーズ遊戯王ARC-Vは終盤で切ってしまいました、まぁしょうがなかったです。ARC-Vは遊戯王の汚点になったでしょう。なので、VRAINSには遊戯王シリーズの復権を期待したいですね。
毎回ルールや新しい召喚方法が出てくる遊戯王ですが今作はリンク召喚というのが出てきました、そしてアニメオリジナルデュエル方式スピードデュエルが登場、前作のアクションデュエルの50倍は素晴らしいデュエル方式でしょう。
ストーリーとしてはハノイの騎士という敵と戦うということしかまだ分かっていませんがこれまでのデュエルから期待はできますが、ARC-Vも最初はよかったので油断はできません。
これから恐らく3年ぐらいでしょうか、遊戯王やっぱりいいなと思える作品になってくれることを祈ります。

第1クール7話までの点数84点

投稿 : 2025/02/01
♥ : 0

マリン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

嫌いじゃないが色々惜しい

話の筋書き自体は手堅くて良いと思うのですが画面の華やかさや世界観設定等のアイデア部分がイマイチかなと。高橋先生の抜けた弊害なのでしょうか。

特に初年度のこれといったサービスも無く、薄暗くて治安の悪いリンクヴレインズは皆がこぞってアクセスするような人気スポットに見えませんでした。
最近リニューアルした姿が御披露目されましたが、今どきの娯楽施設にしてはクラシックな見た目だなと感じてしまって‥。せっかくのVR設定なんだから、現実じゃあり得ない形状の建物がガンガン建ってたり、野良モンスターが空飛んでても良かったと思います。フツーのビル街なのはちょっともったいない。
物語を盛り上げる都合上、遊作がハッキングする等して侵入するボス戦用空間はかっこ良いのですが、一般が入れないようなところのが派手ってどういうこっちゃ。

他にも、電脳空間では見た目変え放題なのにデュエルディスクをイジる人がいないのは妙だと感じました。なぜかスピードデュエルで誰もがサーフボードにしか乗らないのも変。レースでもないんだし、宙に浮くならなんでも良いはず。
この二つは皆持ってるアイテムな分、個性を主張したい人なら派手に差別化したがりそうだから余計に気になってしまいます。

パッと見ですら個性の強烈さが伝わった旧作に比べると大人しすぎて物足りないです。

放送二年目に突入してテコ入れ頑張ってるのは伝わるから、これからもひっそりと見守っていきたいです。新キャラのソウルバーナーくん格好良いですね。なにやら難儀な過去を持っているようで、どう話を進めるのか楽しみです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2
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