ノスタルジックで感動なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのノスタルジックで感動な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番のノスタルジックで感動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.7 1 ノスタルジックで感動なアニメランキング1位
かくしごと(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (772)
2961人が棚に入れました
ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。一人娘の小学4年生の姫。可久士は、何においても、愛娘・姫が最優先。親バカ・可久士が娘・姫に知られたくないこと。それは……自分の仕事が『漫画家』であること。自分の“かくしごと"が知られたら娘に嫌われるのでは!?“愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまる――"

声優・キャラクター
神谷浩史、高橋李依、花江夏樹、八代拓、安野希世乃、佐倉綾音、村瀬歩、内田真礼、加藤英美里、浪川大輔、小澤亜李、本渡楓、和氣あず未、逢田梨香子、古城門志帆、原由実、小山力也、沼倉愛美
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

親子愛っていいなあ

書く仕事と隠しごとをかけているのね。
絶望先生の原作者だけあって良い感じにひねくれているなあ。

ちょっと下ネタがあるくらいなのに、ひた隠しにする後藤可久士先生と母親を亡くしつつも健気で可愛いしっかり者の一人娘姫ちゃん、その他、アシスタント、編集者、姫ちゃんの同級生や担任などによるコメディ。
十丸院は常に無能で見ていてイライラするが、これもスパイス。自業自得なことも多いし、やっぱり面白いかも。
あと気になるのが可久士先生モテモテすぎること。羨ましい。

コミカルな内容かと思えば、話の最初や最後に成長した姫ちゃんやアシスタントだった人たちなどが後藤可久士がどうなっているのかを語り合ったり、感傷に浸ったりしている。

ちょっとした感想
{netabare}
11話の会議について相談してるのが、家族会議、編集会議、職員会議と三つどもえの勘違いでアンジャッシュのネタ風。しかも打ち切りか待遇改善要求か勘違い漫才。

最終回。可久士先生が歌舞伎の家の隠し子だったのかあ。衝撃の事実。
事故で意識を失い、7年間の記憶を失ったために、高校3年生となった姫を認識できないのは辛い。7年前の思考のまま働こうとするのに元アシスタントや姫まで協力してくれる。
{/netabare}
父親として常に娘を想い、娘もまたそんな父親のことを想い負担を感じさせまいとする親子愛に涙を流してしまった。


OP
ちいさな日々 flumpool
ED
君は天然色 大滝詠一
OPのメロディ好き。爽やか。
大滝詠一の世代じゃないんだよなあ。曲は好きだけど。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。 一人娘の小学4年生の姫。 可久士は、何においても、愛娘・姫が最優先。 親バカ・可久士が娘・姫に知られたくないこと。 それは…… 自分の仕事が『漫画家』であること。 自分の“かくしごと”が知られたら 娘に嫌われるのでは!? “愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまる--”

1. 「かくしごと」 「ねがいごと」
ちょっと下品な漫画を連載中の後藤可久士は、娘の後藤姫にバレるのを恐れ、「漫画家であること」を隠し続けていた。ある日、連載する「週刊少年マンガジン」の新しい担当編集者・十丸院五月から打ち合わせの連絡が入る。しかし、一向に十丸院は仕事場にあらわれない。なんと十丸院は間違えて自宅へ訪問していたのだった!?「姫が留守番している家に編集者が来たら、漫画家だとバレてしまう!」と、可久士は自宅めがけて飛び出していく。

2. 「ビーサンとB4」 「おかない かかない しあげない」
姫は小学校の臨海学校へ出かける。砂浜で遊ぶ姫の姿を、遠くのバルコニーから眺める男がいた……姫が海でのトラブルに巻き込まれるのではと心配しすぎた可久士が、知り合いの漫画家に別荘を借り、アシスタントを引き連れてやってきていたのだった。可久士は姫が臨海学校で良い思い出を作れるように、カブトムシを仕掛けたり、カレーの味付けを変えたりと、裏で手を回し始める。大型の台風が自分たちを襲い来るとも知らずに……。

3. 「やりくりサーカス」 「漫画の実情と筋肉」
ゴトープロのアシスタントたちがケガをしてしまい、可久士の原稿が危うい。十丸院は新アシスタント・阿藤勇馬を紹介してくるが、可久士は「あの十丸院がマトモな新人を紹介するとは思えない」といぶかしがる。一方、姫は小学校のクラスメイトであるシルビア、ひな、莉子を自宅に招き入れる。姫はみんなの反応から、とあることに気づく。「お父さん、うち……貧乏なんでしょ?」否定する可久士をよそに、姫は節約を始めようとする。

4. 「ノルマエ・ナマエ」 「コマ割りスケッチ」
ある日、仕事場に落ちていた美容室の会員カードを拾い上げた芥子駆は、書かれた「後藤和士」の文字に「へぇ、可久士はペンネームだったんですね」と尋ねる。すると、可久士は「世間では後藤和士で通っており、本名が可久士だ」と告げる。はてなマークが頭に浮かぶ駆に、可久士は「本名で漫画家デビューしてしまった者」の苦労を語り出す。さらに自宅では姫が『こども姓名判断』を開きながら、自分の名前を調べていて……?

5. 「それでも鉢は廻ってくる」 「泊めたねっ!」
十丸院から「他の先生も持ち回りでやっているので」と漫画新人賞の審査員を頼まれた可久士。「絶対に引き受けない」と断るが、自宅で姫から「嫌な当番も誰かがやらないと、社会が回っていかない」と先生に教わったことを説かれ、態度を一変させる。後日、可久士の自宅に運び込まれたのは大量のダンボール箱。表面には「新人賞応募原稿」の文字……そのせいで姫に仕事がバレたらどうすると、可久士はついにクレームを入れるのだが……。

6. 「スクールランドセル」
後藤家の玄関に『だてなおとより』というメモが添えられた新品のランドセルが置かれている。姫は2つのランドセルを背負い、可久士は写真を撮る。そして、『だてなおとより』のランドセルを押入れの中にしまったが、そこにはたくさんのランドセルが並んでいた……そんな、毎年のように新型のランドセルを贈ってくる『だてなおと』の話を、ゴトープロのアシスタントたちにつつかれるも、可久士の答えは歯切れが悪い。

7. 「いぬほしき」 「母子を継ぐ者」
ある日の後藤家。机のうえには一枚のチラシ。姫が「子犬の飼い主募集」のチラシを持ってきて、可久士にお願いをしているのだった。姫のお願いに悩む可久士は、公園で犬を連れた一子先生に出会う。「家で一人でいることが多かったから、この子には救われました」と目を細める一子先生は、老いた愛犬をやさしく撫でる。その夜、可久士は姫に犬を飼うことを許す。姫は大いに喜び、後藤家に新しい家族がやってくる。

8. 「おれたちの下描き」 「残念記念組」
後藤家の子犬の名前がまだ決まらない。ひとまず姫は「ゴル(仮)」とするが、いよいよ区役所で本名をつけることに。迷い続ける姫だったが、窓口係のある一言で子犬の名前を決める。笑顔で「最初から名前はついてた!」という姫に、可久士は首をかしげる。数日後、トラブルメーカーの十丸院が仕事場に飛び込んでくるなり、「週刊少年マンガジンの創刊38周年祝い」と声を張り上げるが、もっと大事な記念日を忘れていたことが発覚する

9. 「師走は君の嘘」
時は12月、漫画家にとって試練の「年末進行」がやってきた。編集部が年末年始を休むために締切が前倒しになる厳しい期間だ。ところが、ゴトープロの面々はやる気十分。豪華な出版社の年末パーティを思い切り楽しみたいからだった。後日、打ち合わせ中に可久士は、十丸院から衝撃の一言を告げられる。「経費削減で、今年はパーティが無くなりました」……浮足立つアシスタントたちを前に、可久士はその事実を伝えられないままで……。

10. 「I"S(伊豆)」
年末進行に立ち向かうゴトープロ。年内に年明け分まで描いておけば正月休みが取れると、さらに先の締切にまで進行しようと試みる。ところが、可久士は「描きだめが出来ない」と筆が揮わない。「そもそも漫画家に、長期旅行の申込みなんてできるわけないだろ!」と開き直る可久士だったが、そう宣言するのには最大の理由があった。なぜなら、漫画家は休みに必ず風邪を引くからだ。寝込む可久士のために、姫は「願掛け」をして回復を祈るのだった。

11. 「最終回平気彼女」
ある夜、姫から「家族会議したい」と告げられ、可久士はうろたえる。「うちには会議室がないから、会議室を作ってからにしよう」と可久士は返す。二人では「会議ではなくて会話にしかならない」と伝えれば、姫は落ち込むだろうと可久士は返答を悩む。明くる日、姫は学校で「会議室がなくても会議はできる」と聞き、莉子に井戸端会議を勧められる。かくして「めぐろ川たんていじむしょ」の面々は、井戸端会議をするための井戸を探し始める。

12. 「ひめごと」
「三人きりの誕生日会、毎年やっていこうな」と可久士は言った。11歳の姫はそれを「ずっと続く」と信じていた──時は流れ、姫は18歳になった。何者かから「鍵と地図」を手に入れた姫は、江ノ電に乗って鎌倉にある家を目指していた。父と、母と、姫が住むはずだったその家で、姫は可久士が漫画家であったことを知る。「……なんでお父さんは、かくしごとをやめちゃったのかな……」ひとりつぶやく姫を、見知らぬ少年が見つめていた。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

コミカルとシリアスが織りなす、心暖まる業界物語

押しも押されぬ大人気、
なかなかスケジュールが出ないと評判の神谷浩史さんですが、
みなさんもご存じの通り、バイク事故で死にかけちゃったことがあります。

僕も事故の詳細はぜんぜん知らないのですが、
そのときは某スタジオへ収録に向かっている途中だったようです。

で、そのスタジオの方からお聞きしたのですが、
事故の直後に本人から直接、
  すみません……事故を起こしてしまって、今日の収録、伺えません
という電話がかかってきたそうです。

怪我の状態など詳しい話は聞けなかったものの、
まあ、本人が電話してくるぐらいだから大丈夫だろう、と
心配しつつも、その時は安堵したらしいです。

ところが、その後どうなったかと言うと、
一か月近く意識が戻らず、一時は心肺停止になったとか。

よくもまあそんな状態で電話ができたものだと、
そのプロ意識と責任感に頭がさがる思いです。
トップ役者なら「あたりまえだ」と言われそうですが、それでも。


さて、本作『かくしごと』は、
そんな神谷さんの魅力が十全に味わえる逸品です。

原作は久米田康治さんですが、
『絶望先生』のようにぶっ飛んだところはありません。
よくできたハートフルコメディ、ぐらいのテイストです。

メインになるのは、アニメではわりと珍しい父子家庭の親娘です。

下ネタ漫画家である主人公が、
そのことを幼い娘(姫)に知られたくなくて会社員のふりをしており、
それにまつわる様々なドタバタが、
コミカルに、そしてまったりと、日常系のように描かれていきます。

ただし、すんなりと笑って見ていることはできません。
なぜなら、そのギャグパ-トを『過去』とする、
現在の重苦しいストーリーが並行して進み続けるからです。
{netabare}

毎回、高校生になった姫が少しずつ映し出されます。
そのモノローグを聞いているだけで、
主人公である父親に何か致命的なことが起こったこと、
コメディパ-トで描かれている子供のころの幸せな生活が
既に終わってしまったものであることがわかります。

つまりコメディパ-トは単なる『楽しかった思い出』ではなく、
切なくも『失われてしまった日々』であることが、
第一話からずっと、暗示させられ続けているんです。

だから、ただ笑って見ているだけでは納まらず、
続き・真相が気になってしょうがない。
これ、ずるいなあ、と思うぐらい見事な構成です。マジで。

コメディパ-トの途中でも、行方不明になった妻の父親から
  自分が結婚した相手も誰かの娘だった
と気づかされるシ-ンもあり、決してお笑い一辺倒ではありません。
{/netabare}

そして最終回で、伏線がすべて回収され、物語が見事に畳まれています。
{netabare}
予定調和と謗られようが何と言われようが、
ほとんどの方が「ああよかった」と胸をなでおろすであろう着地点です。
そして最後の最後、主人公と編集者十丸院とのメタっぽい会話や
姫のかわいらしい『かくしごと』など、
心地よいくすぐりを入れながらの大団円となります。
{/netabare}

この作品での神谷浩史さんは、まさに三面六臂の大活躍です。

時に大真面目に、時に振り切ったお芝居で笑いを取る、
  コミカルで喜怒哀楽豊かなマンガ家の顔。
やさしく姫の成長を見守っている、
  ハ-トフルで情愛豊かな父親の顔。
さまざまなしがらみや妻の死などに苦悩する、
  シリアスで一所懸命にもがき続ける男の顔。

それらを声質を変えることなく演技力だけで、完璧に、
そして瞬時に切り替えて、
ギャグとシリアスが織りなす物語をぐいぐい引っ張っていきます。

  それが、あまりに自然過ぎて『スゴいこと』に聴こえてこない。

レベルが高すぎて、逆にレベルを感じさせない、みたいな。


神谷さんに引っ張られて、
ほかの役者さんもギアが一つ二つあがった感があります。
特に姫役の高橋李依さんは、まさに好演でした。
{netabare}
実は本作を制作する前、
シャフトが作ったPVでは、姫役は安済知佳さんだったんです。

安済さんも、もちろん素晴らしい役者さんです。
ただ、発声のクセから、ほんの少し『気だるさ』が混じるんですね。
それは、発想を変えれば『リアリティがある』のですが、
村野監督は姫を『理想の娘』として描こうとしたのではないかと。

高橋さんにキャラ替えになったのは、
おそらくそのあたりが理由であるような気がします。

  ちなみに、PVやドラマCDなどから、
  あるいは一期・二期で特定のキャラの役者さんが変わることを、
  業界では『キャラ替え』と呼びます。

このキャラ替えによって姫の『無垢さ』が際立つようになりました。

純真無垢であるがゆえに守ってあげたくなる、というのは、
見方によっては『短絡的』『昭和的』『非現実的』ではあります。
ただ、ストーリーパ-トが重めである分、
監督はその軽重をはっきりつけたかったのではないか、と。

少なくとも僕の耳には、それが成功しているように聞こえます。
あ、いえ、
安済知佳さん大好きですし、あくまでもこの作品に限っては、の話です。

僕にもリアルで娘がおりますし、現実を知った身としては
  こんなんじゃね-よ
とか思わなくもないですが。正直、眩しくて目ェつぶれそうです。


このメイン二人に次ぐ功労賞は、
僕的には、おっとり癒し系の羅砂を演じた安野希世乃さんにあげたいなと。

ナレも含めた彼女のゆるいお芝居は、
作品全体の色調を決めるのに必要不可欠なものでした。
キレキレのツッコミを入れる佐倉綾音さんとの対比も絶妙でしたし。

その他、チョイ役に
大塚明夫さん、緑川光さん、浪川大輔さん、能登麻美子さんとか、
豪華すぎるだろ。音響費いくら積んでるんだ。
{/netabare}

僕的なおすすめ度としては、Sランクの作品です。

コメディパ-トを楽しく観ながらもストーリーの続きが気になり、
最後は納得の大団円。
コメディとストーリーものを両立させようとして失敗した作品は、
それこそ星の数ほどありますが、
この作品はそれに成功した例の一つだと思います。

物語の性質上『絶望先生』みたいな尖り方はしていませんが、
それでもマンガ家を対象にした自虐ギャグや黒ギャグは痛快そのもの。
{netabare}
  そもそも漫画家なんて全員ロリコンじゃねえかっ
{/netabare}
なんて台詞、ふつうはオンエアしませんて。


いや、オレはもっと久米田のキレキレのギャグが見たいんだ、とか、
親子愛だとか昭和の感性おしつけんじゃね-よ、
なんて言っちゃう方には、正直、おすすめはできません。

そうではない方、ほどほどの業界コメディを楽しく観て、
ときおり、そして最後に、
家族愛というものをじんわり感じたい方には、好適の逸品であります。


ちなみに、評判のいい大滝詠一さんのED曲『君は天然色』、
それにまつわる逸話を、
ほかの方のレビューではじめて知りました。

いやあ、あにこれって勉強になりますね。ほんと感謝です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高レベルギャグと高レベル感動の、フュージョン♪

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、シチュエーション・コメディ。でも、泣ける、ハートウォーミングなファミリードラマを内蔵している。

久米田康治さんは、勿論、名前は知ってるし、「さよなら絶望先生」「かってに改造」などの代表作があるのは知っていたけど、なぜか一切読んだことがなかった。

んで、本作を観て、「こんなにちゃんと力がある漫画家さんだったんだな」と感心し、これは過去作も読まなければいけないなという気持ちになった。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作は、全てにおいて非常にレベルが高い。

独特ながら美しい作画。OP、ED共に今期1、2争うクオリティの音楽。レベルの高い毒舌ギャグ。そのギャグすら前座になりかねないレベルの感動要素。

個人的に一番素敵だと思ったのは、2話の10歳箱の中身(浴衣)を見た後藤可久士が「驚いた」こと。「驚く」ということはつまり、中身を「知らない」ということで。まず、10歳箱という、「自らの死期を悟った母親が娘に残したプレゼント」がすでに充分に素敵すぎるのに、その中身を、旦那である後藤可久士が「知らない」。つまり、亡き妻への愛を貫き、中身を覗いてないってことでしょ? それって、あまりにも切なく、あまりにも素敵だなと。

久しぶりに、アニメで泣いたシーンでした。

で、じゃあなぜ「☆5」にしないの? と言われたら、それもまた、この「10歳箱」が関係していて。

まず1つ目に、最終話で、姫の母(後藤の妻)の死因が「海難事故」となったことで、「え? (そんな突発的な死に方なら)じゃあなんで10歳箱とか用意してるの?」「まさか、10歳箱とかも父親(後藤可久士)が用意してたの?」「まあ、姫に母親の愛情を感じさせるために、ウソついて用意してたなら、それはそれで良い話だけど、死にゆく母親が用意したのに比べれば落ちるよな」と思ってしまったこと。

これに関して、wikiでは「(後藤夫人)用意周到な性格で、娘と夫のためにその年齢に応じた物品を収めた箱(年齢表記付き)を押し入れに入れていた」とあるけど、その説明はちと苦しいんじゃないかと思う。海難事故は、「今でも妻を探し続けているという美談」につながり、漫画家をやめるきっかけにもなってるし、貯金がない理由付けにもなっているから良い設定だとは思うけど、ちょっとそれまでのシーンと喧嘩しちゃったなと。

個人的には、普通に病気で死んじゃったか、病気を治すために海外に渡航する時に事故に遭ったくらいのことが、さらっと話をするか、(説明まではしなくても)例えば記事の一部に書き込んでいるくらいあっても良かったんじゃないかと思う。

次に、2話でなんで泣いたかというと、「おバカコメディと思っていたのに、不意打ちをくらった」から。ああいう入れ方が、感動要素としてはベスト。

ところが、(これは、アニメ化に際してなのか、原作通りか分からないが)「毎回のように、最終盤に感動要素が挟み込まれる」ことによって、「泣かせるための技巧」のように感じてしまった。個人的には、「感動要素やシリアスの存在しない、ただのおバカコメディ回」があって、時折、不意打ちのように「感動」「シリアス」の要素を入れてくる構成の方が、より際立ったかな?と思う。

あと、最終回は怒濤の伏線回収が素晴らしかった。定番ながらも、感動的な展開。幸せを感じるラスト。

ただ、欲を言えば、やや駆け足かな?とは思った。本作の場合、「必要不可欠」な回は意外と少ないので、中盤の1話をカットして、11、12話を「姫18歳編」とした方が、より良かったと思う。もしくは、13話構成にするか。

1話にあれだけ詰め込まれると、翻弄される楽しさはあるものの、じっきり味わった故の余韻みたいなのは薄れる。なんなら、「同じく記憶喪失になっていた妻が見つかる」くらいのドベタなハッピーエンドでも、私は好きだな。

と、「重箱の隅をつつく」ような批評もしていますが、それはあくまで、この作品が素晴らしく、序盤のクオリティなら、☆5、お気に入り棚まで考えるくらい好きだったから。だからこそ、終盤のちょっとした粗が気になってしまった。

ただ、本作で私は、久米田さんのセンス、バランス感覚の良さは分かったので、総括にも書いたが、過去作を読んでみたいと思った。

良い、アニメでした♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
良い意味で、タイトル詐欺だな。「絵」が綺麗な作画。漫画を意識してるのかな? かくしごと、描く仕事(笑) OPイイね♪ あらら、アララギさんじゃないですか(笑) 無職は無色、何色にもなれる。素敵だな(笑) まあ確かに、無職とニートは、やる気の差があるからな、ニートは「職に就く気がない」から、何色にもなれんしな(笑) 藤田さん(笑) 落ち着いた感じ(笑) 描きたいものを描かせないのが仕事(笑) オシャP(笑) いや~面白い!

2話目 ☆5
先生、勘違い(笑) 悪意はないけど、しんどいよな。ぽけー(笑) ヒマだから漫画描く、まあ、もとは漫画好きな人達の集まりだしな。大量の白い粉(笑) 検索ワード(笑) どちらかといえば、非社会団体だけどな(笑) やばい、10歳箱、泣けるな。母親の想い。そして、その中身を後藤先生が知らなかったとこれが、また泣ける。つまり、妻への愛をずっと貫いているということ。16歳箱に、鍵が入ってたのかな。Bパートは特に良い。

3話目 ☆4


4話目 ☆3
古い物が、、、泣けるな。載る前、名前(笑) 可哀想な人(笑) 誌偉王(笑) モテるな~、後藤先生。先生、可哀想な人になってる(笑) 額縁(笑) 最後に少し、泣かせにくるのがズルい、が、毎回だと技巧的に感じてしまうな。不意打ちが良いのに。

5話目 ☆4
BLEACHへのディスりが的確なんだが(笑) 自分が当番にされてた(笑) ラストがな、技法になってきた。やっぱり、金が良いです(笑) 箱の続きが、で良かった。

6話目 ☆3
子供がいるから、親になれる。子供がいなければ、ただの年寄り。byみつを (笑) そんな謙虚な姿勢に、なれたら良いな~。

7話目 ☆4
パパだけで飼うもん(笑) 漫画の7割はアシスタントの絵(笑) ネットで知り合って、1回だけやった子(笑) 藍は青に寄せる(笑)

8話目 ☆


9話目 ☆4
年末は編集者が休むためのもの(笑) 先生は蔑称(笑)
パーティーくらい、やらんの? 言いきった(笑) 漫画家なんて、全員ロリコン(笑)

10話目 ☆4
家族会議がしたい(笑) 今回はアンジャッシュ風。案外そういうもの(笑)

11話目 ☆


12話目 ☆4
怒濤の真実。僕が担当だったから(笑) 綺麗におわったけど、やや駆け足かな?
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41

72.9 2 ノスタルジックで感動なアニメランキング2位
劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(アニメ映画)

2018年9月29日
★★★★☆ 3.8 (132)
777人が棚に入れました
小さい頃から、他の人には見えない妖(あやかし)を目に映すことができた夏目貴志。 亡き祖母レイコが勝負をしかけ、負かした妖に名前を書かせた契約書の束「友人帳」を継いで以来、 自称用心棒・ニャンコ先生とともに、妖たちに名を返す日々――。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、伊藤美紀、伊藤栄次、石田彰、堀江一眞、佐藤利奈、木村良平、菅沼久義、沢城みゆき、ゆきのさつき、岡村明美、黒田崇矢、チョー、松山鷹志、下崎紘史、知桐京子、高良健吾、島本須美、村瀬歩
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良くも悪くも平常どおりの夏目友人帳

映画館にて鑑賞。

劇場版だからといって、激しい戦闘があったり、劇的な展開があるわけでもなく、いつもどおりほっこりできる、優しい作品でした。
原作にあっても違和感のない、夏目らしい脚本で、原作をリスペクトした劇場版だったと言えそうです。

逆に、劇場版の”特別感”を期待してる人には、少し肩透かしな作品かもしれません。
何を隠そう、私自身もう少し”特別感”のある作品を期待しておりました…。

とはいえ、基本平常運転でも、そこは劇場版。
主要キャラは、ほぼ全員出てきました。{netabare}
(欲を言えば、的場さんや、的場一門の七瀬とかも出してほしかったところはあります…。)
{/netabare}

また、ニャンコ先生の可愛さが爆発してたところは、ある意味特別だったかも。これだけでも観た甲斐がありました。(タキに劣らぬニャンコ先生の大ファンなので!)

逆に悪かったのは、キャスト面。
劇場版あるあるのゲスト声優起用は完全に裏目に…。
お笑い芸人の2人(ネタは好きな人たちですが)も、イケメン俳優も違和感だらけの演技。
前知識なしで観たんですが、すぐに「声優じゃないな」と看破できるぐらいには下手です。
そもそも、この手の作品に、芸能人を起用したところで、宣伝になるのか甚だ疑問です…。なんのメリットがあるのやら…。
アニメ好きが観る映画なら、豪華声優がゲストで出てくれる方が、集客力ありそうですが…。

作画に関しても平常運転だったかなぁ…。崩れるところは、崩れていますし、テレビ版とそこまで差異を感じられませんでした。失礼ながら。

何はともあれ、夏目ファンなら観れば良いでしょう!肩透かし感はあるかもしれませんが、ニャンコ先生の可愛さの爆発や、優しい物語は、ファンが愛している夏目友人帳の姿そのものだったかと思います!!


最後に、ネタバレ付き、物語に関して思ったこと(単なるクレーム)(雑記){netabare}

●主の亡くなった、式の解放について
 主が死してなお命令に従い続けている式の解放。この劇場版の裏テーマの一つだと思います。それゆえに、式を解放するシーンで、名取の式たちの気持ちを匂わせる描写がもう少し欲しかった…。
 夏目組の妖達の魅力は言うまでもないですが、名取の式たちもまた、愛しいキャラです。
 瓜姫・笹後・柊(ひいらぎ)は、誰よりも名取を大事に思っています。
(アニメでも丁寧に式になる経緯が描かれた柊は勿論ですが、瓜姫・笹後も非常に魅力的です。名取の最初の式となった瓜姫については、とっっても美しい出会いの話が原作21巻にありますので、是非。以来瓜姫ファンでもあります。笹後についても後々語られるのでしょう。)
 ニャンコ先生が名取を小突いたときに一斉に反応するさまに、名取愛が感じられて、可愛いかったです。

 そんな名取命な彼女らにとって、主の死は無視できない問題です。夏目組もそうですが、妖にとって人間の死はあまりに短い。夏目と斑にも必ず別れが来ますし、名取が式を解放するときもきっとくるでしょう…。
 なので式の解放の場面では、感じるものがあったはずですが…演出が少し不足してたような気がします。
 わがままでしょうか…。

●的場が出なかったことについて
 出てほしかったのが本音ですが、出せなかった部分もあるかと思います。
 なにせ、彼はとても複雑な人物であり、強力な式を手に入れようとする悪役として単純に登場させるべき人物でもないからです。原作でもまだまだ謎の多い人物であり、下手なキャラ付けを避けるため、緑川先生に配慮しての判断だったろうと思います。(名取はある程度固まってきているキャラなので、幾分か自由に動かせるのでしょう。)

●夏目組・犬の会について
 先ず紅峰(べにお)がいないじゃんかぁ…(泣)
 あと、劇場版なんだから、子狐とか出てくれたら、なおよかった。(欲張り)
 斑と同格レベルと思われる三篠(みすず)の活躍シーンとかもたまには観たい!(ただのクレーム)
                    以上 雑記了
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

優しく、哀しい、嘘をついた

この作品は、2018年の9月29日に公開されたそうですが、2018年9月29日、30日の公開初週2日間で観客動員数、興行収入、満足度において国内ランキング第1位を獲得。10月21日までに観客動員50万人を突破した記念に、鏡開きが行われたんだそうです(wikiより)。

どれほどこの作品を…この作品の持つ世界観を楽しみにしていた人が居たのだろう…
数値が、結果を如実に表していると思います。
そして実際に作品を視聴してみて、数値に嘘は無いことを確信しました。

公式HPも作成されていますが、あらすじはネタバレ要素が満載なので、この作品をじっくり堪能したい方は、前情報無しでの視聴をお勧めします。


人と妖の間で忙しい毎日を送る夏目は、偶然昔の同級生・勇気と再会したことで、妖にまつわる苦い記憶を思い出す。
そんな頃、夏目は、名前を返した妖の記憶に出てきた女性・津村容莉枝と知り合う。
レイコのことを知る彼女は、いまは一人息子の椋雄とともに穏やかに暮らしていた。
彼らとの交流に心が和む夏目。
だが、親子の住む町には謎の妖が潜んでいるらしかった。


公式HPのあらすじの中からネタバレ要素以外を抜粋しました。
謎の妖を巡り物語が動いていくのですが、今回も夏目の視点は秀逸です。
夏目のこれまでの境遇は、皆さんご存知の通り決して幸せとは言えない時間を過ごしてきました。
祖母である夏目レイコから受け継いだ「妖を見る力」に翻弄されたこともありましたが、多くの理由は夏目自身には無かったと思います。

夏目は物事を推し量る際、自分の過去の体験とオーバーラップさせるんです。
そんな彼の出す答えが人に…妖にとって優しくない筈がありません。
それは夏目自身の魅力でもあるので、夏目の周りにはいつも友達がいっぱい…
しかも物珍しさなんかではなく、居心地が良いから一緒に居るのが感じられる…
夏目に変化に一番ビックリしたのは、偶然出会った同級生なのかもしれません。

この作品のタイトルである「うつせみに結ぶ」は、物語の完走により意味を理解することができます。
物語を何故「うつせみ」に帰結させる必要があったのか…
作り手の様々な思いを乗せた一言なのでしょう…しっかりと切なさが伝わってくる構成だったと思います。
でも、公式HPのトップページに記載された「優しく、哀しい、嘘をついた」を見たのは、本編完走後だったからでしょうか…やたら胸に刺さった一言でした。

「優しく、哀しい、嘘」って誰がどんな嘘をつくんでしょう…
「嘘」をつくのは良い事ではありません。
そんなのは幼稚園児でも知っている世の中の常識…

でも、世の中そんな簡単じゃないんですよね…
そう、世の中には「正しい嘘」が存在するんだと思います。
縋る術がそれしかなかったり、偶然の奇跡を現実にするための必然性からなど、きっかけや理由は色々あると思います。

でも根底にあるのは「目の前の人を悲しませたくないから」なのではないでしょうか。
正義の鉄槌を振りかざすだけが万能じゃない…
「1+1⁼2」以外の事態に直面しても対処するため人の心は揺れ動けるように出来ているのではないでしょうか。
そんな事をこの作品を視聴して感じました。

上映時間104分の作品です。
昔から馴染のキャラはちゃんと登場しますし、今回もニャンコ先生は大活躍です。
出来の良さは数値が示しているので、この作品の世界観が好きならお勧めできる作品だと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「出会いがもたらした変化は、小さなさざ波となって広がっていく。その小さなさざ波の端に、俺もいるんだ。」

2018年公開の劇場版。

時系列は重要でないので、夏目友人帳シリーズを全て視聴済みの方も、
まだ見ている途中だという方も、大丈夫。

また、設定等も丁寧に説明されているので、
まだ夏目友人帳シリーズを見たことがないという方も大丈夫だと思います。

今回も、人と人、人と妖との絆の温かさに癒されました(*´ω`*)

100分ほどの作品です。


● ストーリー
妖が見える少年・夏目貴志(なつめ たかし。)

祖母・夏目レイコの遺品の中にあった“友人帳(ゆうじんちょう)”には、
レイコが勝負で負かして子分にした妖の名が集められており、

名前を返してもらおうと訪れる妖、
友人帳の強い力を狙う妖、
そんな妖から夏目を守る用心棒・ニャンコ先生など、

友人帳をきっかけに、
夏目は様々な妖たちと関わることになる。


この劇場版にもちゃんと夏目友人帳らしさが詰まっています。

夏目(cv.神谷浩史)を聴くだけでスイッチ入ります。笑

1話完結の話が多いこの作品としては
100分は普段より長めの時間。

シリーズ初の長編オリジナルエピソードということで、
どんな感じになるのかなーとドキドキだったのですが、
観終わってみると、いつも通りの雰囲気に満足でした♪

寄り道に思える話もちゃんと伏線として取り込んでいて、
夏目に関わる主要なキャラはみんな登場してくれたのも嬉しい^^

妖にもいろんなやつらがいますが、
今回の主役となる妖は、人を想う優しいタイプの子。

その優しさや守ろうとした絆に、心がきゅっと切なく、温かく。
そんな夏目色に染まりました。

この作品の心地良さは、
夏目のそばにいる人たちの温かさが源。

一人じゃないから、
一緒に過ごす時間を大事にしたいと思える人たちだから、
夏目の物語はこんなにも温かい。


ちょいちょい声優が気になるのは、
ゲスト声優として芸人さんや俳優さんが演じられているからですね。

ぶち壊しと思うほど悪くはなかったけど、
微妙な違和感はありました^^;

容莉枝(よりえ)さんの声が素敵だなーと思ってたら、
しょくぱんまんの島本須美さんだったのですね。

全然わからなかったです( ゚Д゚)


主要のキャラクターたちは安定して大好きです。

今回の目玉はやはり、
分裂してしまったミニニャンコ先生ではないでしょうか?笑

うーん、でも私はやっぱり、
普段のぼてぼてのニャンコ先生の方が好きかな。

ものすごく体重ありそうだけど、
軽々と肩に乗せる夏目を見ていると、いつも不思議に思いますw


● 音楽
【 主題歌「remember」/ Uru 】

あーいい曲です。

感動的な主題歌がこれほど心地よく染みるのは、
良い作品&良い映画だという証拠だなと思います。

劇場版観てからずっと繰り返し聴いてます^^


● まとめ
大好きな夏目友人帳。

その印象も、ずっと味わっていたいと思う雰囲気も、
この劇場版で揺らぐことはありませんでした。

期待を裏切らない劇場版ですよ^^

そして!嬉しいことに!
2021年1月16日には劇場版2作目の上映も決定しています!!

この劇場版の余韻に浸りつつ、
新作公開を心待ちにしたいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
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