トレーナーアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のトレーナー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番のトレーナーアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.8 1 トレーナーアニメランキング1位
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(アニメ映画)

1998年7月18日
★★★★☆ 3.9 (494)
3336人が棚に入れました
幻のポケモン・ミュウのマツゲを元に、悪の組織により戦闘能力などを強化され人工的に作られたポケモン・ミュウツーは、人工的に造られたという不純な生立ちから自身の存在意義を見出せずに答えなき自問自答に苦しんでいた。やがてミュウツーは自分を造った組織を裏切ったことをきっかけに、ポケモンを統制するシステムへの反発や自分を利用するためだけに作り出した人間たちへの憎しみから人類に対する「逆襲」を企てる。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

歩き続けてどこまで行くの?

ポケモン映画第一作目です。

どんなものでも一作目というのは少し特別です。
作品にもよりますが案外その方が後続の作品より粗削りではあるけれど伝わってくる魅力が強いからです。

ミュウの細胞からより強く作られた最強のポケモン「ミュウツー」。
しかし、彼は自分がいったい何者かわからない。
「生きる」ことに価値が見い出せず思考することを止めて、彼は自分を生み出した人間に逆襲を決め込んだ。
「これは戦争でも攻撃でもない。逆襲だ。」

作品はこどもにとってはえらく重々しく暗い雰囲気を帯びたプロローグから始まります。
この辺は改めて観てみると一度観た作品なのにまったく覚えのない話でした。
小さい頃にここの部分を観てもまったく印象にさえ残らないことが分かります。
その後からの流れは薄っすらと記憶していましたが、
やはり改めて観てみるとその場での言動や立場、行動など「役割」としての意味が物語を鮮やかにし、ひとつの筋が紡がれていきます。
本作の持つ物語の性質はなにも小さい子に限ったことではなく、あらゆる人間に対しなにかを訴えるだけの力を持ったものだと思います。

映像だって今のものに劣っていません。
ポケモンたちはよく動きますし、そこに躊躇いはなくできる限りのリアルが追及されています。
肉迫した戦いの息遣いはすぐそこで聞こえます。
OPのバトルはもちろん良いですし、EDはさらに良いです。個人的にとても好き。
曲といいアニメーションといい最高です。残念ながらアニメ映画のEDでこれを越えるものはいまだにありません。

何度観たって面白さを感じられる少ない作品のひとつです。



{netabare}

こども向けのアニメ映画でよく自己定義について触れました。
僕は高校生2年になるまで考えたこともなかったですw
まあでもあえてテーマを探るならばそれはそこにはなく、
ではどこにあったのかというと、僕は「本物」と「コピー」の戦いが非情にも無意味だということにあると思います。

俯瞰的状況としては
まず初めにミュウツーはトレーナーを呼び込みコピーと対決させて負かすことで
人がポケモンを育てることを否定し、また人につくポケモンも否定しました。
この後ミュウが出てきて「コピーなんかに本物は負けない」なんてアホな啖呵切って大混戦。
もうどちらも後には引けません。
だが、なかなか決着のつかないミュウ、ミュウツーを前に他のポケモン達はだんだんと力尽きていく。
そして最後ミュウとミュウツーの戦いを止めたのがサトシの自己犠牲でした。
なんだかナウシカみたいでした。彼女もまたその体現者ですから。
石化したとはいえ、現実的な死です。死のメタファー。
ポケモンですからさすがに人が死ぬ描写はできません。だからこういうかたちを通してそれを表現したのだと思います。
ここでやっとミュウツーも彼なりの答えを見つけることができ物語は良い方向に導かれ幕を閉じました。

サトシたちは初めから本物もコピーも同じポケモンだと主張していました。
けれどミュウツーにはミュウツーなりの意志がある。
彼は自分の存在と生に悪くも執着してしまったことによりさらに、そのときに多くの人間の悪に触れたために、
出口のない迷路に入り込んでしまい、自分に「逆襲者」という答えしか出せませんでした。
人と人に寄り添うポケモンの全てを否定し、コピーという名の十字架を背負い強く生まれてきた我々こそが本当の存在であると。
だからミュウツーに従うコピー達も戦いました。
傷つき、疲れ果てようが、戦って勝つことでしか報われないから。
一番印象に残っているのはやはりピカチュウです。
泣きながらもビンタを続けるピカチュウ。傷つけることは嫌だとしてもこっちだってやめられない。
にっちもさっちもいかずにはたき続けるピカチュウと黙って受け続けるピカチュウ。観ていてやりきれません。

だってこの戦いはどこまでいっても「戦い」そのものでしかないのです。行き着く先なんてありません。
答えはすでにでています。彼らが今存在していること、そのままが答えなのですから。
それぞれが生きている一匹のポケモンであること。
ミュウツーたちコピーが本物に準じるものではないことに正しく意識を向けることが彼にはできなかった。
サトシのメタフォリカルな死がなければミュウツーはこれに気付くことはできず誰も救われなかったでしょう。

ここをこの映画が映像として表現したのだと僕は思います。
まあそんなものは得てしてあるはわけではありませんが。

最後の締め方はどうだったでしょうか。
「このことはなかった方がいいだろう」とミュウツーは反省しました。
いや反省というより、自分を認めることができたというべきか。
立つ鳥跡を濁さずといったスッキリとした終わり方。これは後々公開されたポケモン映画の大半がそうです。
本編の方に支障がでないようにしているのでしょうか。 少し作為的な臭いもしますw
しかし、やはり意味のある発言であったと認めることの方が意義があったと言えるでしょう。
この台詞は受け取り方によっては深みがありました。
自分がきっかけで起こってしまった今回の一連の出来事。「なかった方がいい」なんて簡単に言えるはずがない。
彼はこうは言いながらも裏ではこのことに関して、自分がすべての罪を背負うことの決意としてみることもできました。
死人が誰かの中で生き続けるように、経験に基づいた記憶は個人の中で反芻されていく。
文字通り何度も思い出すことでそこから大事な栄養得ている。
風化することのないそれは鮮やかなままひとりの人間の宝物として心の奥底でいつまでも火を灯し続ける。
今回の出来事をそれらと同じように人々の記憶に残せばそれは傷であり、苦しめるほか使い道のない記憶なのです。
けれどもひとりの人間の「死」を通してやっと知り得た教訓は決して忘れてはいけないもの。
だったらぜんぶまとめて私が背負おう。そういったミュウツーの決心がここで見られたと思います。

一番印象に残ったのはミュウツーにかけたサトシの最後の一言 「みんなどこに行くの?」
これ聞いた瞬間身震いしました。なんでだろう。
サトシなら「どこ行くんだよー!」とかなのにらしくないほどに優しく訊いていました。
すごく象徴的とも思える一言でした。(『われわれはどこから来たのか。われわれは何者なのか。われわれはどこへいくのか』)


読んで下さった方ありがとうございました。
あ、書き忘れてたけどボイジャーさんかっこよかったです!
「海を知りたきゃ波止場のかもめに訊いてみな。」って声も良いし、台詞もかっこよすぎる!w
この人すごく好きw

海を渡ってるときよくトゲピーは死なずに済んだよなー、なんてw
あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 20
ネタバレ

朝霧麻衣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

本物とコピー

久しぶりにニコ動で劇場版ポケモン主題歌メドレーを聴いて、映画がどんな内容だったかが気になり再視聴しました。1998年製作でしたから、15年以上経過してからの再視聴となりました。

【ストーリー】
一番珍しいポケモンと言われる「ミュウ」、DNAを元に科学者たちは「ミュウツー」を作り出した。しかしミュウツーは自分が何のために作り出されてきたのか分からず、そんな身勝手な人間に復讐をする。

【所感】
まずストーリーの冒頭約15分、小学生の時に見た自分がこの内容を理解していたとは思えませんでした。本物とコピー、どちらのポケモンが強いのか?そんな哲学っぽいテーマを抜きにして、お互い傷つけあうポケモン達を見ていてつらかったです。終盤のテーマに対する答えは至ってシンプルで、良くまとめられていたと思います。冒頭部分でサトシ一行は登場せず、徹底したテーマ作りをしていて、この作品に対する制作陣の熱意を感じます。
{netabare}ピカチュウがサトシに電撃を繰り返し浴びさせるシーンが一番の泣き所でした(T_T){/netabare}
EDで流れる小林幸子さんの歌がポケモンのテーマにマッチしていた上に、あの歌唱力で歌われてしまうとインパクトが大きいです。映画を見る前から「歌しか覚えてないんだけど?」って感じだったので、当時とても印象に残っていたのだと思います。

久しぶりに見ましたが、昔はちゃんと言えたポケモンの名前が結構出てこなくて、時間の流れを感じました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 16

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

感想。(+回想?)

ポケモンの劇場版第一作目。

幼い当時の記憶では、なんか感動した・・・

みたいなことを思っていたようでした。

当時の感情の成長状態からすれば

そんなとこが限界だろうと思います。

覚えている限りの内容から、今考えて

みると、結構大変な話だったんじゃ

ないかと思います。(子供目線から考えると)

人工的に改造したりとか・・・。

とまあそんなところです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

68.6 2 トレーナーアニメランキング2位
劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス(アニメ映画)

2002年7月13日
★★★★☆ 3.8 (186)
1288人が棚に入れました
「こころのしずく」が伝説のポケモンを呼びさます…。
世界で一番美しく歴史のある水の都 <アルトマーレ>。そこでサトシたちは、ポケモン水上レースに参加する。レースの最中にサトシに興味をもって近づく「ラティアス」。「カノン」に変身したラティアスに導かれ、サトシたちは秘密の庭へ。「ラティオス」や「ボンゴレ」、本物のカノンと出会い、この庭と秘宝こころのしずくの話を聞かされる。この秘宝を狙うおしゃれな怪盗「ザンナー」と「リオン」。怪盗姉妹はラティオスをとらえ、こころのしずくを奪ってしまう。アルトマーレに隠された封印は解かれ、町は封鎖され、水路は枯れはて、やがて大津波が押し寄せてくる。サトシとピカチュウは、ラティアスとラティオスは、この危機をどう乗り越えるのか!?

声優・キャラクター
松本梨香、大谷育江、飯塚雅弓、うえだゆうじ、こおろぎさとみ、折笠富美子、江原正士、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、山寺宏一、石塚運昇、広川太一郎、神田うの、釈由美子、グッチ裕三
ネタバレ

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ポケモンも水も侮れない。

ポケットモンスター略してポケモン。私、これでもポケモンマスターを目指しておりまして、(過去形)それはそれは熱い情熱を注いでいる時期がございました。通信対戦で数々の強敵手と対戦する数云百回。対戦レートは1900超えて、ポケモン大好き倶楽部主催の大会にも出場、正直サトシなんて1ターンで倒せる自信ありw

え、そんなの黒歴史?すみませんwつい夢中だった気持ちが。

とまぁ、そんなわけでポケモンにはそれなりの思い入れがあります。本作『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』はポケモン映画5作目。自分の中では、本作、「ミュウツーの逆襲」「劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI」が三種の神器だと勝手に思っております。


{netabare} ~舞台は水の都アルトマーレ。水の町のモチーフはお馴染みヴェネツィア。ARIAでも有名な景観。本作もポケモン風に彩られております。そこに登場するのが、ラティ兄妹。ドラゴンポケモンの中でもガブリアスを抜く素早さと、技のポテンシャルは凄まじく、ポケモン第6世代では、多くの人愛用。かくゆう私も結構使っていました。

このラティ兄妹は町を護る神のような存在であり、「こころのしずく」という秘宝を代々守ってもいた。そんな所にお決まりロケット団?みたいな奴らが盗もうとする流れ。本作で特筆すべきは、①景観を使った作画演出と、②ラストシーン。

①景観を使ったシーンにおいては
元々水上スキー大会に出場していたサトシ達が、追い詰めるシーンでもその活躍っぷりを披露すると共に、ラティ兄妹もサトシに協力するんだけど、その協力に至るまでの過程が丁寧で、ラティは人の姿にもなれる「ゆめうつし」という技を使います。その技で日常シーンにおいて、外から来たサトシ一向を信用に値する人物か、見極める。その時のラティアス(妹、人間の姿)が可愛いw

ラティ兄妹の「ゆめうつし」によって、水の都の内部をサトシ達に魅せてくれる。この「ゆめうつし」はラティ達が観てるものを、誰かに写し魅せることも出来る。その写しによる作画演出は正直、感服。劇中「こころのしずく」が盗まれ、さらに色々あって犠牲になるラティオス。

で、このしずくを悪しき者が使うと、大津波が起こり町が水没してしまうのですが、ここからが圧巻。3Dによる津波の演出は大迫力。なお、この大津波が街を襲うというシーンだが、やはり震災を連想させる可能性があるため、今作は地上波ではしばらく視聴できそうにない。ファンの間でも人気が高く、あの震災直後に勇気を与えた「絆」が描かれている今作が、またテレビで見られる日を望みたい。

②ラストシーンにおいては、
大津波に命を懸けて突っ込むラティオス。そのおかげで水の町は救われ、ラティオスが亡くなった事により、「こころのしずく」が頭上から降ってくるんだけど…このラストにおける特筆すべきは、「こころのしずく」の在り方。

悪しき者が使うと、というくだりもありますが、元々この水の町自体が、エネルギーとして利用していたりする。この点悪しき者を成敗するといった勧善懲悪を示すものでもないので、町も悪しき者であるのかもと言った含みが残された点が、深いい。

ラティ兄妹はポケモン図鑑で無限ポケモンという部類で、そういった押井作みたいな永遠性というテーマが根底にあるのも侮れないし、最後に人間の女の子がサトシにキスをしてくれる。これがラティアスだったのかは観る人の「ゆめうつし」(想像力)次第ですかね。最後にラティオスが亡くなった風ではあるが、これまた含みがある描写で、いつまでも水の護身である夢が写される、複数に至る余韻のあるラストはウツクスィ{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 22

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

背景が良い

ポケモン映画の中でも一際評価の高いラティアスとラティオス。
しかし、どんな話だったか思い出せない。
以前観たときは平凡なタイトルだったなという感想だだったが、これだけ評価されている作品なのだから、きっと気づいていない面白さがあるはず。
そんなこんなで、3か4回目の再視聴です。

背景のグラフィック◎
街並みを観ているだけで見ごたえのある映像になっています。残念なのは、舞台を見せる事にこだわるあまり、物語の密度が薄かったこと。スカスカ内容という事ではありません。心情面をきっと大切にしているのだと思います。
また、走っているシーンが多く、絵としての面白みがやや薄いように感じました。

キャラのインパクト△
魅力的な敵、絶対の悪、絶対的な主人公、守るべきヒロインが不在で、正直地味です。
主人公のサトシは基本ラティアスの後ろについて走っており、目立ったバトルシーンは無し。事件解決はラティアスとラティオスのみで解決してしまった為、影の薄い主人公になっています。
敵のザンナーとリオンはキャラがロケット団と丸被り。
今回のロケット団は水に濡らされているだけだったので、ロケット団がその役割でも良かったと思います。
カスミとタケシに限っては、短編のポケモンのトレーナー並の活躍頻度でした。
大人なら新鮮味もありますし、楽しめると思うのですが、子供はどう感じるのか…というところはありますね。

ラティアスのマスコット・ヒロイン性について△
ラティアスはマスコットとするには大きすぎますね。ヒロインとしても、子供向けのヒロインより年齢が高く共感を得にくいヒロインだったかなと思います。

ゲスト声優◯
釈由美子さんが最高でした。またやって欲しいです。

音楽◯
ポケモンの主題歌ランキングでも、ラティアスラティオスの「ひとりぼっちじゃない」は上ランクに挙げられます。割と好きな曲です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ラティアスなのかカノンなのか・・・そこが重要だ

無印シリーズの映画としては5作目にしてラスト

以降はAG~ダイパ~BWと続くわけですが、
今作で初めて海外の街並みをモチーフにする試みがされた作品でもある

湯山監督が海外に行きたいという理由だけでロケハンをしている気もするが(爆)
そのモチーフとは水の都ベネチア

劇中で水路を所狭しと駆け抜けるシーンは圧巻
音楽は東欧音楽を意識してかアコーディオニストのcobaさんが参加するなど過去作とは一線を画する雰囲気作りへの徹底振り

ゲストの一人、神田うのが何気に上手いw

そしてなによりラストシーンであるw
どう考えてもラティアスなのだがw
カノンちゃんであってほしいと願うオイラなのだったw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

65.4 3 トレーナーアニメランキング3位
劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI(アニメ映画)

2000年7月8日
★★★★☆ 3.6 (138)
983人が棚に入れました
美しい高原の街「グリーンフィールド」に父親のシュリーと共に暮らすミーという少女がいた。

ある日、父親が遺跡の調査中に行方不明となった。父親が残した奇妙なカードをミーが並び替えた時、謎のポケモン「アンノーン」と共にエンテイが現れた。

一方、サトシたちも旅の途中で「グリーンフィールド」を訪れていた。突如グリーンフィールドがクリスタルで囲まれたことに困惑するサトシ達の前にエンテイが現れ、偶然現場に居合わせたサトシの母親を連れ去ってしまう。

サトシは母親を救うため仲間と共にグリーンフィールドの中心に出来た結晶塔へ向かう。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

虹がうまれた日

あるお屋敷の女の子、ミイはお父さんが大好きなのだけれど仕事が忙しくなかなか遊んでもらえない。
お父さんは考古学者でアンノーンの研究をしていた。
その日も貴重な遺跡が見つかったとの情報が入って急遽、現地に行かなければならなくなった。
「なるべく早く帰るよ。」と約束を残して出て行ってしまったきり、戻ってはこなかった。
彼は遺跡調査中にアンノーンに取り込まれてしまったのだった。
アンノーンは独りになってしまったミイの寂しさにも反応した。
その力は凄まじかった。ほとばしる力は波状に広がっていく結晶により辺りは凍結してしまった。
結晶は部屋を覆い、扉を抜け、屋敷全体を覆ってしまった。
まさに花のようだった。
左右対称に造られた屋敷の両端の塔のように伸びた部分は2本のめしべであり、
それを中心に大きく広がる結晶は色も赤くとてつもなく大きい花弁のように見えた。
アンノーンの力は屋敷をミイだけのものにし、さらに父親としてエンテイを造った。
彼は言う。「ミイが望めば何でも手に入るよ。」ミイは母親を望んだ。
それにエンテイは応えなんとサトシのママを連れ去ってしまったのだ。
サトシたちははたしてママとミイを助けることができるのでしょうか。

話の骨子について{netabare}
このお話の題材が冨樫義博さんの漫画『レベルE』で用いられていた1920年代イギリスで起こったロバート一家の事件に似ていました。
この事件が本当にあったかはわかりませんが、まあ似ていましたw
ロバート一家は夫と妻、そして6歳の女の子のごく普通の三人家族。
ただ一つ異質なのは夫と妻の仲がすこぶる悪いということ。
ある日の夕食前にまた夫婦喧嘩勃発かと思ったら急に夫が消えてしまった。
あまりの出来事に驚きながらも妻は警察に届け出たがもちろんとりあってもらえず
数日がたち妻も少女も憔悴しきったところに突然夫が消えたときと同じ姿で現れ彼女らを抱きしめ号泣し始めた。
妻は夫をなだめながらどこに行っていたのか聞くと夫は「娘の心の中にいた」と答えた。
「娘の心の中で自分と妻がどれだけ恐ろしく醜くいがみあって見えていたのかを思い知らされた。」

極度のストレスによって引き起こされた超能力現象です。
6歳の少女が父親を潜在意識内に移動させたというお話です。
骨組みはほとんど同じですね。なにか元になっているものがあるのかな。{/netabare}


本作はポケモン映画第3作目です。
この映画は一つの分岐点だったと思います。
これ以降のポケモン映画の多くの伝説のポケモンは小さく可愛くなって、
さらになんだかよくわからないマシーンにやられてそれをサトシ達が助けるといったストーリーに変わります。
だからポケモンバトルがメインになっていて作品として見応えのある面白いものはミュウツーと本作だと思います。
それも今みたいにCGをばりばり使って技を綺麗に見えるようにするのではなくて
カメラワークなんかを工夫しながらポケモンをグッと動かしてよりイキイキとみせくれます。
そこがこの映画の醍醐味の一つです。

本作は雰囲気も非常に良いです。
雰囲気、空気感とでも言いましょうか、綺麗でありながら切ない印象を与える結晶を背景に繰り広げられていく物語、
ときにはアンノーンの力で空想を現実に持ち込んできてしまう、この入り組んだ世界観がなんとも心地良いです。
話の作りも決して雑ではないので飽きたり、辟易することはありませんでした。

op,ed共に良かった!
やっぱりopは主題歌をバックにバトルですね!ここは変えないで欲しい。
edは曲は少し悲しさ含んでいて、アニメーションはサトシ達の旅のゆったりとした情景です。これも変えないで欲しいw

ファンタジーに包まれた少女の苦悩の解放を描いた物語。
悪くない一作です。


{netabare}

独りよがりな考察

結晶に包まれた屋敷は花がモチーフになっていました。
2本のめしべはおそらくそれぞれ失ってしまった父親と母親を示しているでしょう。
屋敷内で父親としてエンテイを求めたことそして母親を求めたことから
話が進むにつれて閉じていく花弁がすでに屋敷内に欲望を満たすものが揃ったことを語っています。
構造だけ見れば「花」そして「人を寄せ付けない水晶」は『Sleeping Beauty』のような気もします。
水晶は満たされた屋敷内の時空間凍結のメタでもあると思います。永遠のひととき。
本作はこれまでのポケモン映画の中ではなかったほどに幻想的特色を帯びた作品でした。
ミイの服装もおそらく意図的でしょう。青と白のドレスと言えば、アリスです。
ディズニーがアニメーション化したことで広まったこのイメージ。
本作ではファンタジーの世界に入るということでこれを借りてきたのでしょう。意味もなくあの服装ではなかったということです。


話の方も構成はとても良かったです。
戦いばかりにならず、話し合いばかりにならず、しっかりと柱を建てつけたストーリーでした。
リザードンかっこよかったです!いや、ホントかっこよかった。
ちょっと涙が滲みましたw サトシのためにはるばる飛んでくるなんて。ヒトカゲの頃から知っているからグッときてしまいましたw
タケシやカスミの先に行け的なシーンも良かったです。僕は好きでした。
ミイの前に立ちはだかる2人が急に人が変わったように見えるほどかっこよかったです。ちょっとドキッとしました。
ぜんぜん関係ありませんがカスミは髪をおろした方が可愛いですよねw

アンノーンは一体何だったのでしょう。
ポケモンの謎には好奇心がくすぐられます。


{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 9
ネタバレ

セレナーデ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

全アニポケ映画短文感想

うっかり全部観てしまいましたので、まとめて評価したいと思います。1~5点で採点。以下常体。

{netabare}第1作 ミュウツーの逆襲 4.5点
追加シーンの入った完全版があるけど、作品としては通常版の方が好き。
やっぱりオープニングシークエンスは10分以上あるとダレる。

第2作 ルギア爆誕 3点
観光客に肉体労働させる理不尽な祭りの儀式に強制参加させられて文句ひとつ言わないサトシさんマジイケメン。
ヒールが後半空気だけど、サトシさんの行動の目的が「宝を集める」に一貫されてるのでカタルシスはある。

第3作 結晶塔の帝王 5点
芯が通った作品は面白い。

第4作 時空を越えた遭遇 2点
タイムスリップ要素の押しが弱い。ヒールも実は過去からやってきたくらいの設定はあってもいい。

第5作 水の都の守り神 3点
手堅い出来。「心の雫」なるキーアイテムが終始物語の動向を支配してたのは、キーアイテム然としててよろしかったかと。

第6作 七夜の願い星 4点
今年のアニポケ映画がこれくらい面白くなりますように。

第7作 烈空の訪問者 2点
キャラ多すぎ。欲張って面白みを増やそうとするからこうなる。作画もこれがシリーズ最低。
半ばにあった機能停止都市でのサバイバルはB級映画の雰囲気でワクワクした。

第8作 波動の勇者 2点
評判いいから期待してたけど全然フックにかからなかった。テーマは明確でも、話にメリハリが足りない。
具体的に言うと中盤に展開がない。アーロンさんがルカリオさんをかばってたことなんて冒頭ですぐ分かるのに、道中ルカリオさんは「アーロン様は裏切った、人間信じられない」とか言って同じフラグを立てまくる。終盤までずっと「アーロンは実はいい人」とだけ言い続けられてるようで、いい加減しんどくなってしまった。
あと「時間の花」なる便利アイテムで過去の出来事を発表していくのも機械的で面白みに欠ける。

第9作 蒼海の王子 4点
販促ハンデに負けずよく丁寧に作りあげた。
一見なんとかレンジャーの登場で低年齢層向け臭がキツいけど、心情表現は直截的なそれを避けており、キャラのリアクションに情緒ある余韻を生み出している。
これはこれで、考えて脚本書いたんだなという感じがした。全体の構成もよかったと思う。
ただし最後の舞空術はやりすぎ。

第10作 ディアルガvsパルキア 3点
お話はあれだけど、雰囲気がいい。控えめで、不気味で、厳かな音響演出にシリーズ異色の味わいがある。
それだけで、割と好きと言えてしまったりする。
キャラの掛け合いもけっこう好み。

第11作 氷空の花束 3点
お話はあれだけど、今度はシェイミさんのキャラがいい。生意気で、図々しくて、ツンデレな性格にシリーズ屈指の愛嬌がある。
しかし変身能力は正直要らない。見れば見るほどなんだあのデザイン。

第12作 超克の時空へ 2.5点
微妙に面白くない。なによりアルセウスさんが意外に非力で肩透かし。創造神たる存在が水銀で溺れ死にかけるとかどうなの。美輪さんだったら水銀くらいオーラで蒸発・無毒化させると思う。ていうかアレは水銀なのか。

第13作 幻影の覇者 2点
要素盛りすぎ。もっと添削できる。開幕のスポーツの件はいらない。スパイのねーちゃんもいらない。三犬は絶対いらない。
残るのはセレビィさんとゾロア親子だけど、なんならこれもどちらかひとつに絞れそう。
ゾロアのかわゆさだけが救い。

第14作 黒き英雄(白き英雄) 1点
ぶっち切りでつまらない。話はなかなか動き出さないわ、動機作りは突貫工事よろしくの粗雑さだわ、ヒールは若気の至りで世界を滅ぼしかけるただの迷惑な青二才だわ、なんでこんな箸にも棒にもかからない仕上がりになってしまったのか、現在事件事故の両面から調査中です。

第15作 キュレムvs聖剣士 3点
思ってたより悪くなかった。ポケモンの擬人化が濃厚で低年齢層向け臭は特にキツいし、もっと面白くできたとも思うけど、シリーズの中ではテーマがブレてない方。ケルディオさんが一人前になるまでの物語にひたすらプライオリティを置き続けてくれたので、カタルシスを得ることができた。
そういう意味で、サトシさんにクライマックスを任せなかったのはいい判断だったと思う。

第16作 神速のゲノセクト 2点
副題詐欺。
ビル街でのバトルはちょっとよかった。けど、それだけ。

第17作 破壊の繭 2点
なんちゃってもののけ姫。こっちのシシガミ様は考えなしに人をヒョイヒョイ助けるから困る。

順位
一位 結晶塔の帝王
二位 ミュウツーの逆襲
三位 蒼海の王子
四位 七夜の願い星
五位 ディアルガvsパルキア
六位 水の都の守り神
七位 氷空の花束
八位 ルギア爆誕
九位 キュレムvs聖剣士
十位 超克の時空へ
十一位 烈空の訪問者
十二位 時空を越えた遭遇
十三位 波動の勇者
十四位 幻影の覇者
十五位 神速のゲノセクト
十六位 破壊の繭
十七位 黒き英雄

■総評とか

なんて懐古厨の血にみなぎった採点。

けどやはり『結晶塔』と『逆襲』が頭ひとつ抜けてると思った。シナリオ・演出ともにハイクオリティで他とは格が違う。

中でも、シナリオが、私的面白作品の十分条件である「描きたいテーマの明確さ」を高い水準でクリアしてたことがポイント高い。『結晶塔』だと「ミイの”家族”への渇望」がドラマの中心となってた。脇役のバトルやリザードンさんの救援など様々な面白みがあるけど、それら全て「ミイの”家族”への渇望」のドラマの土台の上で展開されている。ミイが持つドラマの影響を受けずに役割を与えられてるキャラは一人もいない。全てが、家族を慕う余り作り上げた虚構にミイが気づくまでのドラマの一部であり、そのスタイルが徹頭徹尾貫かれている。そういう意味で、『結晶塔』と『逆襲』は芯が強い。だから面白かった。

あと、冒頭をナレーションに任せなかったところも地味に感心した。他の作品だと、運昇さんのナレーションだけで、サトシさん一行が目的地へ赴く動機や、登場人物のバックボーンをペラペラ説明して勝手にストーリーを進めることがある。だけどこの2作は、事件の発端はきちんと風景で表現して、かつナレーションは最低限に抑えており、ナレーションで不要にストーリーを進めることはない。この手法が「ツカミの巧さ」に繋がってると思ったし、作品の満足度自体にも少なくない影響を与えてるとも思った。

一方、不満で終わった作品は近年のものに集中した。やはり、テーマがブレてたり余計なドラマが多かったりと芯の軟弱さを感じたものが多い。結局何を言いたいのか分からない。明らかに主役ポケモン(伝説のポケモン)を無理に複数採用するスタイルが祟ってる。原作ゲームのイベントの一環とは言え、作品のクオリティが下がるのは恨めしい。

順位について。
四位と五位の間にはかなり開きがある。二位と三位の間にも開きがあるけど、それ以上。
五~九位は五十歩百歩。形だけでも『ディアパル』がTOP5入りしたのは自分でも意外。
十一位~十四位もどんぐりの背比べ。
「良」と「悪」のボーダーラインを設置するなら九位と十位の間。{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 5

SK-046(しろ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ポケモン映画 第3弾

アニメレビュー 懐かしシリーズ

この作品も小学生時代ポケモンにハマってた時期に公開された映画

個人的にはミュウツー>エンテイ>ルギアといったところ

エンテイ、アンノーン...名前見ただけでほんと懐かしいです

内容はほぼ覚えていませんがなかなかだったと思います

エンテイのぬいぐるみをお気に入りにしてたのは恥ずかしい思い出(笑)


ED「虹がうまれた日」個人的に良曲です^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 3

71.5 4 トレーナーアニメランキング4位
劇場版ポケットモンスター みんなの物語(アニメ映画)

2018年7月13日
★★★★☆ 3.9 (48)
262人が棚に入れました
人々が風と共に暮らす街・フウラシティでは、 1年に1度だけ開催される“風祭り”が行われていた。 祭りの最終日には伝説のポケモン・ルギアが現れて、 恵みの風をもたらすという古くからの言い伝えが残る中、 街に集まる人々はそれぞれの想いを抱きながら、祭りに参加していた……。 ポケモン初心者の女子高生、リサ。 嘘がやめられなくなってしまったホラ吹き男、カガチ。 自分に自信が持てない気弱な研究家、トリト。 ポケモンを毛嫌いする変わり者のおばあさん、ヒスイ。 森の中で一人佇む謎の少女、ラルゴ。 サトシとピカチュウが彼らと出会い、 みんなの物語が動き出す――。

声優・キャラクター
松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、石塚運昇

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

小さい事は良い事だ、群像劇の佳作。

本作は、アニメレビュアーの笠さんが誉めていたので気になって見てみたら、ポケモン殆ど通ってない私でも楽しめる佳作でした。


本作の特徴は、なんといってもサトシがショタ可愛…、もとい群像劇のキャラたちが良い。


本作ではわかりやすい悪役も出ないし、伝説ポケモンとかを軸にも置いていない。多くのキャラの思惑が絡みあっている内に事件が起こってしまう…というスタイルなのだ。


このスタイルは難易度が高い、アホな人がやったら御都合主義丸出しかつ地味な話になりそうだが、本作は多くのキャラを活かせているのが好印象。


ベタだが、それぞれ弱さを抱えてるキャラたちがその弱さを克服する事で前に向かうのを描けている。


特に、アメリカ映画のキャラか!ってツッコミたくなった、可愛い姪っ子に尊敬されたくて嘘ばかりついてきた駄目駄目な叔父さんはえがった(アメリカ映画なら離婚したお父さんだろうが)。


そして、本作のポケモンはみんな可愛いし、地に足がついているのが良い。本作では強力なポケモンは殆ど出ないでサイズ的にも能力的にも小さなポケモンである。


これまた下手にやったら地味だろうが、みんな健気に頑張っている場面が描かれているし、ポケモンとの共存というテーマがビジュアルでハッキリ示されている。


地に足がついてるポケモンバトルも、実写映画にも言えることだが、特殊効果ばっかりで派手なんだろうが空虚さがあるアクションよりずっと迫るものがある。


そして、単純にゼラオラが可愛い。露骨に可愛いでしょ~って媚びない可愛いさはレベル高い。


本作は、いつものポケモン映画を求めてる人にはどうかわからない。しかし、そんなポケモン見てない、子供向けでしょって思ってる人ほど見てほしい(あとは、ショタコンの人とか…)。


そして本作はオーキド博士のナレーションで締める。やった役のことは割りとすぐ忘れちゃうチャーミングな運昇ちゃん。そんな運昇ちゃんが永年やってきたオーキド博士の最期のナレーションは、今までとは全く違う感慨で心に迫る。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人々が風と共に暮らす街

最初PVを観た時、頬への朱の差し方が見覚えのある作画だな。
と思っていたら制作にWIT STUDIOが参加とのことで、
劇場鑑賞の意欲が高まっていた21作目の長編ポケモン映画。

WITと言えば、人々が暮らす街の描写にも主張が感じられて印象的。
なので今回はストーリーだけでなく、5作目『水の都~』以来の、
街並みの風情も期待しての鑑賞。

人間とポケモンたちの絆を認めた伝説のポケモン・ルギアによる、
「恵みの風」で成り立っている風車の都市。
私の観光欲求も満たされました。


シナリオはひとりの力ではできない事も皆とポケモンたちとならできる。
語り尽くされて来た王道テーマを、群像劇により再定義を試みる構成。


とある秘密を抱えて思い詰めた風の市長の娘。

怪我で陸上を諦めて、成人前にして既に挑戦心を無くし欠けているポケモン初心者の女子高生。

卓越したポケモン愛と知識を持ちながら上がり症ゆえ自分に自信を持てないポケモン研究家。

方々に虚勢を張って、嘘を付くのを止められなくなってしまったオッサン。

とある過去からポケモンを毛嫌いしている老婆。


同じ街で暮らしながら互いに無関係だった五人。
いずれも欠点や後ろめたさ等を抱えた不完全な人間たち。
それでも各々が心に持っている善意が、
来訪したサトシ&ピカチュウ、そして他の人々やポケモンたちとの絆を媒介にして、
互いに結び付き、集まって大きな力となり、
「風祭り」に一つの奇跡を起こすハートフルストーリー。

本作においてはサトシも個人では多くを成し遂げられない、
いちトレーナーに過ぎません。
『~みんなの物語』という凡庸なサブタイトルが、
鑑賞後はジンワリと心に染みて来ます。


子供よりはむしろ、社会の歯車として磨り減って
自信喪失気味な大人たちにこそ刺さる物語だと感じました。

逆に未就学児も含む低年齢層にとっては
単純な主人公少年のヒロイズム体現ドラマじゃない分、
大人にならないとチョット良さが分かり辛い群像劇かも?とも思います。

例えば、{netabare}嘘を付いてしまったり、悪事を働いてしまうのもまた人間。
そんな人間にも良さはあって……などと言う語り口。
教育的見地に立って観たら地味に衝撃的な開き直りw
嘘つきは何とかの……云々と語っていそうなお堅い道徳の教科書なんかにはきっと無いw{/netabare}
子供向けとしては、実践的過ぎる?
何度か間違えた大人の人生訓なのかもしれません。

五人の群像の掘り下げについても、やや尺不足を感じたりもしました。


けれど人々が補い合って世界が成り立っているかけがえの無さを、
改めて伝えてくれた本作には勇気を貰えました。

私にとっては『水の都~』と並ぶ観光ポケモン映画の双璧としてだけでなく、
心にも確かに灯をともしてくれた。
後々、思い返すことも多そうな良作ポケモン映画でした♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人とポケモンが織りなす奇跡の力

 これは、サトシとピカチュウが、風祭りの「ポケモンゲットレース」に参加したフウラシティでのお話だったです。

 事件に遭遇し、関わるうちにフウラシティに思わぬ大きな災害が降り注ぐです。サトシをはじめ町のみんなが、ポケモンと団結して平和を取り戻すというものです。

 最初の方から、登場するキャラたちが紹介の意味も込めて、さらっと出て来てという感じです。そのキャラ達とサトシが知り合いになって、友達になったり、又は競ったりといったところです。

 ポケモン初心者リサ、姪っ子を喜ばせたいこと一心で嘘をつきまくるカガチ、気弱なポケモン研究家トリト、オリバー市長とその娘ラルゴ、ポケモン嫌いの婆さんヒスイ、これらのキャラ達が大きくこのアニメに関わるのです。あとロケット団も絡むです。{netabare}(リサ、ラルゴの演技もっとうまかったらなぁでしたです。){/netabare}

 ポケモンゲットレース終了後、カガチの嘘から物語は、大きく進行するです。
 ラルゴが山でかくまう謎のポケモンは?、ゼラオラの呪いとは?、盗まれたフウラシティに大切な聖火はどこに?これらの真実が明かされたあと、街にとんでもないことが起こるのです。

 ここからが、このアニメの一番面白いところだと思うです。サトシ、ピカチュウ、リサ、カガチ、トリト、オリバー市長、ラルゴ、ヒスイたちと、ポケモンたち{netabare}の織りなす、ポケモンパワーが奇跡を起こす{/netabare}です。

{netabare}「一人でできないことも、ポケモンと一緒ならできる」{/netabare}サトシ、良いこと言うねぇ(^^♪です。 

投稿 : 2024/06/08
♥ : 5
ページの先頭へ