トラウマで泣けるなTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のトラウマで泣けるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月20日の時点で一番のトラウマで泣けるなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.7 1 トラウマで泣けるなアニメランキング1位
グリザイアの果実(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1864)
11126人が棚に入れました
──その学園は、少女達の果樹園だった。
外敵から隔離された学園にやってきたのは、生きる目的をなくした一人の少年。
守るべき物を見失い、後悔と贖罪のみに費やされる人生の中で、
その少年に残されたのは首に繋がれた太い鎖と、野良犬にも劣る安い命。
そして少年は、その学園で少女達と出会い、新たな希望を見つけ出す。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、田中涼子、田口宏子、水橋かおり、たみやすともえ、清水愛、やなせなつみ、鳴海エリカ
ネタバレ

uppo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

苦手はあっても不可能はない

2014/7/26果実、迷宮、楽園全て終了。
原作はエロゲで「グリザイアの果実」「グリザイアの迷宮」「グリザイアの楽園」の三部作で構成されている。
過去のトラウマ等により通常の学園での生活が困難な少女5人が在籍する美浜学園に主人公風見雄二がとある理由で転入してくる所から物語が始まる。
原作で果実は彼女等5人の過去を知り、風見雄二が救う話。
迷宮では風見雄二の過去を振り返る。
楽園は迷宮の世界観を引き継ぐとこうならざるを得なかったという終わり方だった。
ぶっちゃけ楽園の評価があまり高くないが故に、グリザイアを名作として推す人はほとんどいない。
自分も名作とまでは思ってないがちょっと反論したい。
{netabare} オスロとの戦いもあっさりし過ぎと言ってる人もいたが、あの局面で大事なのは勝負うんぬんでは無く、雄二が麻子の敵を討った後、どっちの楽園を選択するかという事が大事だと思う。麻子の待つあの世なのか、みんなが待つ楽園と言う名の島なのか。いくら意志が固まっていても揺らぐ事はある。それがいつ死ぬかも分からない体、もうすぐ爆発する爆弾で体が吹っ飛ばされるかもしれないならなおさら。俺にはそれでも生きたいという雄二のわずかな思いに麻子が刀を通じて雄二を生かしてくれたように思えたよ。
後、ご都合主義を挙げる人がいたがこの作品はそれで良いと思う。
皆辛い過去を何とか乗り越えて、生きる事を選択し平和な島でのんびりと暮らす。そんなhappy endがあっても良いと思う。
基本はご都合主義は好きではないけどね。
それと麻子が雄二にこの島を譲ったのは、5人救った後、人を殺し過ぎた罪に耐え切れず死ぬ事を予期していたからだろう。
だから雄二にとっての楽園を変える必要があった。
麻子が雄二に託した本当の願いは生きる事・・・ただそれだけだったと思う。
最後にダニー何故死んだと言いたい(泣){/netabare}
評価するとしたらこんな感じ。
迷宮>果実=楽園
大半の意見は果実>迷宮>楽園みたいだが。


3話で原作の共通ルート終了っぽいね。
原作だと数時間位は掛かったが、それを70分でやるのはちょっと無茶があったのかテンポが速い。それ故にキャラの個々の魅力を出し切れずに話だけ進んでる感は少しだけ感じた。化粧回の幸の顔が見たかったんだけどな。
EDは微妙にネタバレ入ってるな。

5話はかなりカットされてた感がある。
{netabare}親友が自殺した理由、心臓を提供した彼女自身の話、雄二が寮の全員にみちるの死を伝えていないetc・・・この辺はもう一話あれば十分やれたはずなんだがなぁ。{/netabare}テンポ速いよ。

6話も同じく展開が速い。
5人全員救うみたいだから他とつじつまが合う様に原作の果実の由美子ルートとは違う迷宮の前に由美子を救うとしたらこんな感じみたいなストーリーなのか・・・。
にしても飛ばし過ぎて訳わからないんじゃないか、これじゃあ・・・。
由美子や親父の急な心情の変化についていける人いないんじゃないかな。
近所のお世話してくれたおばあちゃんも出て来なかったし。
原作組もそろそろお手上げな人が出てきそうだな。

7話も速い。
速すぎてあんまり緊迫感が無かった。
幸が前の学校で放火したシーンでもあればもっと緊迫感が増した気がする。
{netabare}そう言えば幸が雨の中公園で待つシーンはうまい事カットしやがったな。{/netabare}

8、9話の蒔菜回は、蒔菜がパン屋でバイトした事はカット。
そして人を殺せないスナイパーが普通に人を殺した。
原作ならbad endなんだがね。
蒔菜の成長を見るなら話数が足りなかったかな。

10~12話のエンジェリック・ハゥルは評価出来ると思う。
カットもそんなに無くテンポも丁度良かったんじゃないかな。
それ故に他の回のテンポ速さが余計に気になる。
共通回は5話、みちる回は3話、由美子は無視して、幸回は2話、蒔菜回は3話欲しかった。
計17話。
アニメは話数が大体決まってるからたるいな・・・。
トータル的にはもうちょい作画の安定感がほしい所。
ヒース・オスロようやく登場。

迷宮と楽園もアニメ化するみたいだが、合わせて1クールで十分やれるかな。
出番は少ないが、彼女は何が何でも登場させてほしい。
{netabare}雄二がテロリスト養成学校で戦った彼女を・・・。(名前忘れた){/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

普通の高校生活を送るための超人的な努力

原作18禁美少女ゲームシリーズは未プレイ。

この手のゲーム原作アニメのレビューで書くのも野暮な話で申し訳ありませんが、
ギャルゲーの世界って、やっぱり嘘っぽいと思いますw

私の知っている女の子はほえぇ~とかふえぇ~とか鳴きませんし、
そう簡単に裸を見られてしまう程、脇が甘くもありません。

謎のマイブームにハマり怪電波を放つ女子にもまず巡り逢えないでしょう。
本作の“鮮魚超人マグロマン”や“サメさんポーチ”
私は意外とツボにハマりジワジワ来ましたがw
それらが流行る世の中はきっと訪れないのでしょう。

本作の主人公少年が転入して来た
高い塀に囲まれた全校生徒女子5名のみと言う学園設定には、
虚構、まがい物と言った印象だけでなく、
美少女ゲームにおいて攻略可能ヒロイン以外は無くても良い背景なのか?
と捻くれた私は何か皮肉めいた物すらも感じてしまいますw


けれど本作の場合、私は、こうした非日常的なギャルゲーの雰囲気以上に、
塀の中で青春を獲得しようとする
生徒たちの懸命さが序盤から伝わって来て、引き込まれました。

彼女たちと対峙する転入生は、
ギャルゲー主人公の中でも破格と思われるハイスペック少年。

私はギャルゲーでは何故モテるのか意味不明な優柔不断ナヨナヨ主人公より、
最強主人公の方が断然好みですが、
いくら訳あり過ぎな美女の運命を相手にするからと言っても、
裏社会で伝説となる程のウデマエ。
さらに続編では{netabare} ベッドの上でも金髪おねえさんを翻弄するテクニシャンと判明w{/netabare}
と言うのは流石に強キャラ過ぎないか?と戸惑ったりもしました。

ですが、この学園のヒロインたちは、それだけの罪や業を背負っていました。
彼くらいじゃなきゃ、この美少女たちと茨の道を掻き分けて
楽園に辿り着くことなど、できやしないのでしょう。

このゲーム原作アニメもまた、膨大なテキスト分量のほんの一部なのでしょうが、
ショッキングな過去の描写も交えて、
彼女たちが平凡な青春を渇望する気持ちは存分に伝わって来ました。


そして、誰よりも平穏な幸せを望んでいるのは、
きっと主人公・風見雄二なのだろうと私は感じました。
ヒロイン以上に彼に一番惹かれた私にとって、
1期で『グリザイアの果実』をアニメ化して、ヒロイン5人をややダイジェスト気味に“攻略”し、
特別編OVA/2期で『~迷宮/楽園』をアニメ化して、風見雄二の過去と、決着を描く。
と言う三部作展開は歓迎できるシリーズ構成でした。
続編ではアクションアニメとしてもド派手になって眼福です♪


楽園の真偽よりも、楽園を追い求める人間の意志の強さに胸を打たれる良作シリーズです♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

1作目としては及第点かな(・∀・)v

18禁ゲームが原作となる学園恋愛もの。
とりあえず主人公最強ですw
全13話。


それぞれが事情を抱え外界から隔絶された
学園に籍を置くわずか5名の女子。
唯一の男子生徒となる転校生・風見雄二を
主人公に展開されるハーレムストーリーが軸。

世界観や設定は現実離れしたゲーム世界。

各ヒロインに用意されたストーリーは
どれも悪くなかったと思います。
キャラそれぞれの魅力も伝わってきました。
ただ、使い古されたネタやツッコミ所が
多かったのも事実かなぁと(´∀`;)

作画、キャラデザがしっかりしてるので
キャラ重視の視聴でも良いかもですね。
声優陣はエロゲ原作作品でよくお見かけする
方々も多くツボを抑えている印象でしたw

多少エロゲ原作らしいシーンもありますが
見るに耐えない程ではなかったですw
あんなシーンやこんなシーンが(〃艸〃)
……やっぱりエロ注意かなw


少女たちの前に現れた1つの果実である主人公。
彼女たちにとって甘い果実となるのか
毒を持つ果実となるのか……。

せっかくの3部作。
ここからもっと盛り上げてくれるんですよね!
しっかりとした結末を期待しています!!
「迷宮」「楽園」と続く続編が楽しみです♪




《キャスト》

風見 雄二(CV.櫻井孝宏)
榊 由美子(CV.田中涼子)
周防 天音(CV.田口宏子)
松嶋 みちる(CV.水橋かおり)
入巣 蒔菜(CV.たみやすともえ)
小嶺 幸(CV.清水愛)
橘 千鶴(CV.やなせなつみ)
春寺 由梨亜(CV.鳴海エリカ)
風見 一姫(CV.友永朱音)



《主題歌》

OP
『楽園の翼』/黒崎真音
ED
『Eden's Song』/はな(第2話)
『あなたの愛した世界』/南條愛乃(第3、6-9話)
『SKIP』/茶太(第5話)
『Rainy veil』/やなぎなぎ(第10話-第12話)
『創世のタナトス』/飛蘭(第13話)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 66

82.8 2 トラウマで泣けるなアニメランキング2位
フルーツバスケット [スタジオディーン版](TVアニメ動画)

2001年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (885)
4972人が棚に入れました
わけあってテントで一人暮らしをしていた元気な女子高生・主人公「本田透」は、ひょんな事から同級生にして、全女子生徒のアイドル、草摩由希の家に住み込むことになる。
由希と保護者役の草摩紫呉が暮らす、一見なんの変哲も無い普通の家庭の草摩家。実はこの草摩家には隠された重大な秘密があった…。異性に抱きつかれると動物に変身してしまうという十二支の呪いにかかっているという秘密が!?由希は鼠に、紫呉は犬に、転がり込んできた、いとこの夾は猫に…。
一癖も二癖もある草摩の一族の人々に囲まれながら、透のちょっと不思議で刺激的な生活が始まる。次々と現れる十二支の物の怪に取り付かれた個性あふれる草摩家メンバーたちと、透とのふれあい、透のあるがままを受け入れる前向きな性格と、不器用だけど優しい眼差しは固く閉ざされた草摩家の人々の心を少しずつ変えていくのだった…。

声優・キャラクター
堀江由衣、久川綾、関智一、置鮎龍太郎、今井由香、安原麗子、三石琴乃、齋藤彩夏、井上和彦

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたを想ってくれている人が・・・きっといる  【ねこ's満足度:96pts】

名作中の名作☆
わたしにとっての「人生のバイブル」と言ってもいいくらいに大好きな、
ちょっと不思議でとってもステキなハートウォーミングな物語です。

ヒロインの透は心優しい天真爛漫な女子高生。
彼女は、ひょんなことからクラスメイト由希の住む草摩家に同居することになります。
ところがその草摩家には十二支の呪いという哀しい秘密が・・・。
彼らはその秘密により、幼い頃から同族にさえも差別をされ心を閉ざしてきました。
しかし透はそのすべてを知った上で、決して彼らを色眼鏡で見ようとせず、
それどころか彼らをもっと理解しようと積極的に草摩家の人達に接していきます。
果たして透は凍ってしまった彼らの心を溶かすことができるのでしょうか。
1話から涙腺ホロホロ。毎話感動的なお話の連続です。

この作品の最大の魅力は「言葉」。たかが言葉と馬鹿にしてはいけません。
人は欲しい時に欲しい言葉を投げ掛けてくれる人に心から癒されるものです。
草摩家の人達にとってそれをくれたのが透。
透にとってそれをくれたのは親友や草摩家の人達。
そして、透に生きる道筋を示してくれたのも、亡くなった母の言葉だったのです。
作中次々と発せられる言葉の温かさは、観てるわたしの心までも癒してくれました。

音楽はOPEDいずれも岡崎律子さんが担当。
心の琴線に触れるその優しい歌声は、聴けば聴くほど心に染み渡ります。
少女漫画アニメだと敬遠するにはあまりにもったいない。
幸せの価値観を考えさせてくれるとても素晴らしい作品だと、そう思います。

※オマケ※
ちなみに原作はもっとも~っと長く続きますよ~。
気になる方は漫画の方も是非チェックしてみてくださいね☆

投稿 : 2024/11/16
♥ : 71
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やさしくなりたい

制作はスタジオディーンで原作は少女漫画です。
ジャンルはラブコメ・ファンタジーです。


本田透は唯一の家族であった母親を亡くし、一人テントで生活していた。
彼女は土砂災害でテントを失い、それがきっかけで学校中の人気者である草摩由希が住む家に居候することになる。
居候してすぐ、透は草摩一族の秘密を知ることになる。
彼らは異性に抱きつかれると、取りつかれた十二支の獣になってしまうのだった。


「もっとも売れている少女漫画」として有名な作品。
草摩家一人一人のドラマに意外と深みがあり、一話あたりの内容がとても濃いですね。
ギャグ回かと思っていたら、後半で一気にシリアス回になったりするので油断ができないw
ギャグも一級品でそこまで作品の古さは感じませんでした。
でも演出とかはかなりベタだったりします。
男性の顔がキラキラするのは少女漫画仕様。

本作の一番の特徴は、主人公である透の凄まじい優しさ。
こんなに素晴らしい人格者がいるの?と疑問に思ったりもしましたが、終始聖人なので途中から全然気にならなくなりました。
とても魅力的な主人公です。
ニヤニヤが止まらない。

その他友人、草摩家の一族も濃いキャラ揃いです。
個人的には草摩綾女、草摩はとり、草摩紅葉あたりが好きでした。
はとりの回である8話、紅葉の回である15話は普通に泣いた。
綾女は{netabare}「この僕に欲情すればいい!!」{/netabare}のセリフで不覚にもツボってしまいましたw


当初は秘密の設定が大したことでもないなと思っていた自分がいました。
しかし話が進むうちに、秘密がどれほど重いものだったのかひしひしと感じました。

アニメではデフォルメされていてかわいいですけど、その人に近しい人たち(愛情を注ぐ人たち)はいったい秘密をどう思うか?
まあ、だいたいどうなるかは分かりますよねえ。
それに気づかずに見ていた私は大馬鹿野郎です。

「過去の記憶」も重要な要素として関わってきます。
正直、泣けた理由はここにありますね。
「思い出が残っている方がつらい」とはよく言ったものです。


本作の良いところは優しさの輪が広がっているところ。
透は母親・友人から救われ、草摩家を救っていく。
だんだんと広がっていく優しさで、誰もが救われていく。
心に響く名言揃いなのも良いですね。

難点はやはり作画でしょう。
ちょっと絵柄も古いし、少女漫画チックだし、あまり動きもないしで見始めは少々きついかも。
でも男性でも見れるはず。
ちょいちょいBL臭がするのを笑い飛ばせればねw


総括して、まさかここまで感動してしまうとは思いもしませんでした。
原作未完の割に、〆方も違和感なく良かったです。
むしろ感動したくらいです。
人の優しさを感じることができる素敵な作品だと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 66
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人に優しくなれる作品です。

異性に抱きつかれると「十二支」+「猫」の13種に変身してしまう草摩家の人達との、学園恋愛ファンタジー。

主人公で、ヒロインの本田透(ほんだ とおる)は女子高生で、両親を亡くし、ビル清掃のアルバイトで自活する直向きで逞しい少女。

明るく真面目で、演技でも誰かを怒ったり罵ったりする事が出来ない。
どんなものでもありのまま受け入れる事の出来る慈悲深さを持っていて、自分のことより他人のことを思う優しい性格で、天然ボケで少々ズレた所もある。

草摩 由希(そうま ゆき)透の同級生。
十二支の鼠(子)の物の怪が憑いている。
十二支の頂点にして神に一番近い特別な存在とされている。
優しげで容姿端麗・成績優秀な王子様タイプ。
他人と壁を作ってしまう所がある。
直ぐに誰とでも仲良くできる夾の事を羨ましく思っている。

草摩 夾(そうま きょう)透の同級生。
十二支に入れなかった猫の物の怪が憑いている。
それにより、十二支の頂点である鼠(子)の由希の事が羨ましく思っている。
性格は男らしくて行動的。
自然と周りに人が集まって来て、友達が出来るタイプ。典型的なツンデレ。
由希とは犬猿の仲で、いつも喧嘩が絶えない。

透ると3角関係に・・・

このTV作品では、原作途中で終わってしまうので、続きが気になって、速攻で原作読みました。
泣けて癒され感動でき、心が洗われました。
人に優しくなれる作品です。
{netabare}
漫画では、幾つか共感できる所があります。
私はですが・・・。
由希が言った言葉に、「人に優しくするのは、嫌われたくないから、自分が優しくされたいから・・・。だから偽善者なのかも・・・」(正確には違うかもでけど、みたいな感じだった)
これは自分と同じだと思い、気づかされました。
だから、自分って偽善者なのか・・・ちっちゃいやつだな・・・って。
由希が、夾の回りに自然と友達が集まるのを羨ましく思う所も自分と同じでした。
何かちょと切なくもなりました。
でも、自分も少しずつでも変われるよう、頑張りたいと思える作品でした。
{/netabare}

是非、原作の漫画も読んで欲しい作品です。

作者 高屋奈月
出版社 白泉社
掲載誌 花とゆめ
巻数 全23巻

オススメです。

参考になれば幸いです。m(_ _)m

投稿 : 2024/11/16
♥ : 64

80.3 3 トラウマで泣けるなアニメランキング3位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (981)
4881人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シャフトらしくないかも(主に作画が)。ちなみに良作です。

ヤングアニマル掲載マンガが原作で、まだ終わっていない作品のアニメ化。既刊分の原作単行本は全部持っています。

第1回目を視聴しましたが、けっこう原作の画の感じが残っていました。背景もシャフトらしくない柔らかい感じの原作に近いタッチの画で、どこが制作かなんて気にしてない原作ファンは安心したかもしれないです(笑)。

通して最終回まで観る予定なので、レビューはそのあとになる予定。あと、評価の星は暫定ですが良い意味で作画に裏切られたので、あえて5をつけておきました(笑)。

2017.4.25追記:
視聴を終わって更新しそびれていました。原作準拠で穏当なアニメ化でした。原作者の羽海野チカ先生も原作既読のファンも満足できたアニメ化だったのではないでしょうか。

「ぼっちスパイラル」に嵌る零くんを見ていると切なくなりますが、それ以上に川本家の人たちや林田先生の暖かさ、そして対局解説中なのに「桐山~!」と叫びだす二海堂くんの熱さなどが心地良い作品です。

二海堂くん開発「ニャー将棋」のネタは原作マンガにもあったのですが、歌まで作ってしまったのはさすがのNHKでした。最終話の最期に2017年10月からの2期目の放送もアナウンスされ、まずは順風満帆といったところ。

あー、写真加工した静止画での次回予告とかドラマ『傷だらけの天使』へのオマージュっぽいスミスの朝食シーンとかはシャフトっぽいです(笑)。
(でも、あれも一応原作にそれっぽいシーンはある…。)

2017.10.4追記:
原作最新巻(13巻)が出たのでさっそく読んだのですが、OP主題歌「ファイター」のメーキングというページがありました。そこに書いてあったのですが、あのOPアニメーションのコンテ切ったの羽海野先生ご本人だったんですね!

そして間もなく2期目が開始になります。楽しみです。

2017.11.5追記:
2期目が始まってだいぶん経っています。原作通りだと、2期目中盤はしばらく「高校生らしい」零くんが観られるはず。
(以後、レビュー更新は2期目の方でする予定。)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 70
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

緩急が凄い!

原作未読。最終話まで視聴。

人とのコミュニケーションが苦手で、ちょっぴり根暗な少年が主人公の物語。

1クール目は、主人公が川本家の3姉妹との出会い・交流を通して『人の温もり』を知る物語。
2クール目は、主人公が将棋を通して知り合った頼もしい仲間やライバルとの物語。
ざっくりというとこんな感じかな?

1話冒頭から、主人公があまりにも暗いし、物語のスピード感は無いし『どうしたものか・・・』と思っていましたが、川本家を訪ねたあたりから急にハイテンション!
物語の緩急って本当に大事だなぁ、と改めて痛感させられた作品です。

ハイテンションな表現があるから主人公の心の闇の深さがより強調される。
上手い演出だと思います。

あと『しゃべるネコ』と『ニャン将棋』には心が和みます。

2クール目については、将棋に詳しい人ならもう少し楽しめたかも・・・って感じでした。
駒の動かし方を辛うじて知っている程度の知識では、プロ棋士の凄さが伝わらない。

あと、主人公は嫌がるかも知れないけど、二階堂は本当に良い奴だ。主人公は嫌がるかも知れないけど・・・。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 83

88.6 4 トラウマで泣けるなアニメランキング4位
ゾンビランドサガ(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1222)
4570人が棚に入れました
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。
7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。
死して蠢く、ゾンビによって……

否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語サガ。


声優・キャラクター
宮野真守、本渡楓、田野アサミ、種田梨沙、河瀬茉希、衣川里佳、田中美海、吉野裕行、高戸靖広

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ゾンビ女子高生はトップアイドルの夢を見るか?。ゾンビでも腐らない物がある。

 2018年冬、「よりもい」に並ぶ軽みと熱さを両立させた傑作が現れた!。その名も「ゾンビランドサガ」(サガがまさか佐賀だとは誰が予想できたろうか)。


 アニメ大賞を受賞した本作については多くの人が既に書いているだろうから、私が本作のポイントだと思った点を。


 本作はゾンビ+アイドルものという冗談のような企画だが、ゾンビとアイドルという一見ありえない要素をちゃんと真剣に取り組んでいる。真面目に見えていい加減な作品が多い中、冗談のように見えて本気を隠している…。これが真の大人の仕事だろう。


 本作におけるゾンビは、「ブレードランナー」のレプリカントなどに連なる、人間と似ているが違う存在を出すことで人間とは?ということを問いかけるための象徴といえるだろう。


 彼等は肉体は死んでいるが、確かに生きてる。彼等ほどに生きている人がどれだけいようか?。

 
 人として生きているかどうか?それは人として産まれ落ちたかどうかでも、人という静止した状態でもない。それは価値と意味の象徴である目的に生を結びつけて、どれだけそれを燃え上がらせることができるか?、意志の力によってどれだけ人たる存在になることができるか?にかかっているのだ。人とは動的な状態であり、人たる存在にもそれ以下にもなりうるのである。



 本作がアイドル物としても素晴らしいのは、「アイドルマスター」と同じく主人公が極限まで追い詰め、なんで自分はアイドルになりたかったのか?、アイドルとは?という本質まで突き詰めている点にある。


 本作の重要な場面でかかる曲が所謂アイドルソングではなく、熱い応援歌である点もアイドルの本質まで突き詰めた結果だろう。アイドルは単にキラキラ可愛くして、みんなに喝采を浴びるだけの存在ではない。


 愛ちゃんの勇姿がさくらに勇気を与えたように、さくらが愛ちゃんたちに勇気を与えたように、熱い輝きを放つ人は勇気と意志の力を信じさせてくれる、「人」を信じたいと思わせてくる存在の象徴だ。



 本作は滅茶苦茶なギャグと、本質的なテーマ性を両立させるという稀有な事をしているだけでなくなによりキャラの魅力という甘み抜きには語れまい。



 個人的には、サキちゃんの他にはない男気と可愛さの両立の見事さ、そしてなにより史上最高のスーパープロデューサー巽光太郎を成立させている宮野さんの演技の素晴らしさが本作の白眉だったと言いたい。


 2期は夕霧姉さんの過去話、維新の志士みんなに関わってるみたいな嘘八百話だと思ったら本当は一番悲しい運命を背負っている〜的な話を是非やって欲しい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 54
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

佐賀が舞台の屍(かばね)のSAGAに 目尻下がるは人の性

2018.12.24記


よく言われる「3話まで待て!」の上位互換が「初回から神回」とすれば、本作の場合、

 {netabare}「開始1分30秒!括目して見よ!」{/netabare}

最短記録更新です。

ゾンビ×アイドル×佐賀県と斬新な組み合わせ。よくこれで佐賀県民は文句言わないなと思いきや、広報広聴課と県の支援も取り付けてたり、さすが“はなわ”の自虐を受け入れた佐賀県。度量の深さに敬意を表するものであります。
製作会社のMAPPAしかり、音楽会社母体のエイベックス・ピクチャーズの参画も気になります。実写はめ込みの実験的なED「魔法少女サイト」、湘南乃風起用と合わせて、え!?それEDに持ってくる?の「ぐらんぶる」と本作への関与度合いは与り知らぬものの、音楽表現にも期待です。

大筋のストーリーは、生没年もバラバラな7人(体?)のゾンビが集められて、謎のプロデューサー巽幸太郎の指揮下、ご当地アイドルとして佐賀県の窮状を救うぞ!・・・という話。まともに取り合うには躊躇する内容です。これ説明されて「よし!観よう!」ってなりますか?普通はならんでしょう。
・・・そんな期待値の低さを逆手にとって、冒頭の衝撃で視聴者を巻き込み、その後は予定調和を廃したネタを矢継ぎ早に投入し、とかく目の肥えたヲタ層をも唸らせる一品に仕上がっちゃいました。製作陣は作品のバランスを取るのも大変だったでしょうに。お疲れ様でした。

ある種、素材の化学変化が魅力の作品であるため、面白さに触れるとネタバレ必至のレビュアー泣かせの作品な気がします。冒頭の1分30秒超えて、できれば完走なり断念された方向け、以下の続きを見ていただければと。
ちなみに私は、数ある良作群の中のひとつ。傑作には届かないものの1クールで良くまとめた構成力も好印象なお奨めしやすい一品、と捉えてます。
未視聴の方は、ぜひ「組み合わせの妙」なり「作品全体のバランス」に着目してみると面白いかもしれません。



(1)素材の組み合わせの妙→予定調和でないものと王道のもの
■とことん佐賀?
広告費出したん?と思えるくらい佐賀ネタ満載です。
{netabare}通常ロケハンして風景絵に借用+αくらいで聖地化が可能なところ、・・・骨の髄まで佐賀でした。登場人物の佐賀弁、嬉野温泉含めた各スポットの利用、くらいまでならわかります。そこからさらに、アイキャッチでの観光アピール、TV通販ばりの久光製薬サロンシップ(作中は久中製薬サガンシップw)の効能アピール、ドライブイン鳥のローカルCMロケしたり店長さん出演させたり。ここで店長さんの棒読みを非難するのは無粋というものでしょう。{/netabare}

■キャラの配置
生没年バラバラで生じるギャップと関係性がコメディでもシリアスでも活きてきます。
{netabare}平成アイドル(水野愛)と昭和アイドル(紺野純子)との対比は6~7話の柱。アイドル変遷史をダイジェストで見ているかのようでした。
伝説の山田たえ(ロメロ含む)がいることで、後半のゾンビ臭が薄くなる展開の中でも、ゾンビ作品であることを視聴者に認識させてました。彼女なしではただのアイドルものに見えてたかもしれません。
この配置は絶妙だったと思います。
巽幸太郎は唯我独尊w 宮野真守さんさすがだなぁ、としか言いようない本作のMVP。山田たえ役の三石琴乃さんも助演女優賞でしょう。声なき声を使っての表現の幅の広さはさすがベテランです。{/netabare}

■アイドルらしからぬ楽曲
きゃっきゃうふふのキャラソンにずらしを加えて、作品の魅力に仕上げてます。
{netabare}ゾンビの呻き声とデスメタルの相性の良さは言われてみれば納得するがこれは気づかんかった。その昔、マーティン・フリードマンが演歌とメタルの親和性を説いて唸ったのに近い衝撃を覚えました。これ第1話でしたね。
続いてラップバトル。さくら(本渡楓さん)とサキ(田野アサミさん)きちんとそれらしく聴こえてました。お疲れ様です。そこにボイパを被せるのはHIPHOPの王道ではあるものの、アイドルものでは見たことないし、ゆうぎり姐さんが三味線でカットインする編曲も斬新。これが第2話。序盤この2曲で引き込まれたのは私だけではないはず。{/netabare}

■整合性のなさは勢いで不問にする
火葬文化の日本でなぜゾンビ?と誰もが感じる違和感は、きっちり作中で言及しつつ、「よくわからん、まぁいっか」でスルーする。下手に言い訳しない潔さで、ご都合展開のツッコミが入る余地がありませんでした。そもそもゾンビが架空だからね、っていうツッコミはあるかもしれません。


(2)作品全体のバランスの良さ
6話から趣きが少し変わりましたね。脱予定調和から王道への転換です。
{netabare}ゾンビコメディや佐賀推しの度合いを弱めアイドル成長物語にシフトしていきました。己への向き合い方が“死因”だったりするのが本作の特長です。結果、1クールの中で転調してもしっかり纏まめてきましたね。個人的には前半のノリで押し切ってほしかったのですが、好みの判れるところだと思います。
6~7話は純子と愛。8話はリリィ。9話はサキ、とキャラ掘り下げ回でした。本作ならではの死んだ理由と生前の想い(または未練)に向き合う良回が続きます。それに合わせてキャラソンをあててくるのは王道ですが安心できますね。いずれも良曲でした。
転調で違和感を感じることの無いように特別EDを除き、1話からのEDは継続してましたし、キャラ回終わってからED「光へ」が流れた10回はそのレクイエム調の曲が沁みいる感覚を覚えました。
同じく転調の繋ぎとして安定の山田たえ、巽の存在。そして完成度が徐々に上がってく「目覚めRETURNER」は7話が集大成でした。3話と7話を比べると歌の巧拙含めて違いが見えてきます。{/netabare}

成長物語の定番。“トラブル発生”もおさえてましたね。{netabare}さくらの生前記憶は、実際戻ってみたら、なんとも救いようがなく不憫な記憶でした。{/netabare}
ピンチを救うのはやはり仲間。水野愛(種田梨沙さん)が再浮上してきて種田さん好きにはたまらんかったでしょう。私がそうですから。

{netabare}「失敗とか後悔とかを、全然ダメなことだと思ってないからですかね!」
「それって絶対、次につながることですし」
「そういうの全部ふみこえた先に、誰にも負けない私がいると思ってるので!」{/netabare}

上手くコメディ→シリアスへと軸足を移しながら、ステージの山場を2回{netabare}(7話「目覚めRETERNER」エレクトリカルVerと最終話「FLAGをはためかせろ」){/netabare}盛り込むなど、アイドルものとしてもしっかり仕上げたてんこ盛りの全12話でした。

ゾンビ×アイドルの組み合わせに“はあっ?”となったのも今は昔。キャラ掘り下げ回の題材に『死』が絡まざるを得ないこの異色の取り合わせが結果的に効きまくっており、“ゾンビ×アイドル?ええじゃないか!”と完走する頃には考えを改めていることでしょう。



繰り返しになりますが、序盤のカオスさ加減を維持したまま突っ走って欲しかったので、その点は残念です。それでも失速とは感じさせなかったスタッフの力量には感謝!
どう考えても2期を期待させる終わり方で、続きがあるならぜひ観たいです。
ソンビ映画あるあるの“続きがあると見せかけてその後音沙汰なし”みたいなのは、今回に限っては要らないですよ。


{netabare}・幸太郎がさくらの同級生っぽいシーンのあれって何?
・ゆうぎり姐さんの首周りの傷やもちろん伝説の山田たえの掘り下げは壮絶なものになりそうとの期待
・ゾンビバレするのか?あの記者の立ち回りで話は大きく展開しそう。愛とアイアンフリルとの邂逅は想像するだけで切ない{/netabare}

謎の種明かしというより、話をもっと膨らませられるネタが豊富という意味で続編に期待です。



-----
2019.06.08追記

■どうやらアニメ『神撃のバハムート』の登場キャラ“リタ(CV沢城みゆき)”がモチーフになった、とその後風の噂で聞いた。

■キャラソンもキャッチーかつJPOPへのオマージュがみてとれて好感。
・リリィ曲{netabare}:さだまさし{/netabare}
・サキ曲{netabare}:気志團{/netabare}
さしずめ『目覚めRETURNER』は{netabare}Perfumeだってみんな思うよね。{/netabare}




視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ

-----


2018.12.24 初稿
2019.06.08 追記
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 97
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

多くの人の記憶に残った、異彩を放つアイドルアニメ

アニメーション制作:MAPPA、監督:境宗久、
シリーズ構成:村越繋、キャラクターデザイン:深川可純
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ

2018年の秋クールで、どのアニメを思い出すかと問われて、
いちばん多く名前が挙がるのがこの作品ではないだろうか。
はっきり言うと、私はアイドルを題材にした作品が苦手で、
今まで1本も、まともに観たことがない。
ただ、ゾンビファンではある。
『ゾンビ』のDVDはノーカット版を持っていて、
20回は観ているし、ロメロ監督(犬ではない)の
ほかのゾンビ映画もほとんど視聴している。
それで何も知らずに観始めた結果、アイドルアニメも
観られることに気づいてしまったのだった。

主役がゾンビということで、ゾンビ映画のオマージュが
あるかと思ったら、犬の名前以外は感じられず。
ただ、1話目のインパクトはこの作品がいちばん強烈だった。
主人公のさくらがいきなり車にはねられ、
デスメタルとともにOPへと突入。
さくらの体が青色に変化する始まり方は、
かなりショッキングだった。

2話以降のOPアニメーションも派手な色遣いで、
ひとつのストーリーとして構成されており、笑わせてくれる。
EDのコーラス曲は『翼をください』を想起させて、
懐かしい気分にさせてくれた。
{netabare} 話として特に面白かったのは、2話のライブ会場で、
やる気のないメンバーに切れたさくらが、
たえちゃんの取れた頭をぶっ叩いて、
サキとラップバトルを展開するところだった。 {/netabare}
宮野真守による東京喰種の月山習を想起させるような過剰な演技にも
次第に慣れていき、気が付いたときには、
ほぼリアルタイムで必ず観る1本となっていた。

話の展開としては、過去の記憶のないさくらが、
自分の朧げな思い出を手掛かりにしながら、
アイドル活動の素晴らしさ、感動をほかのメンバーにも
伝えて盛り上げながら、それぞれが過去と向き合い
佐賀県の有名なものと絡んでいく物語となっている。
ドライブイン鳥のCMやガタリンピックへの挑戦、
アイドルとしての価値観の違いなども絡めながら
チームとしての結束力を高めていく。

曲も上手く作っていて、全体的に良かったのだが、
上手くやれば、もっと面白くなったと思う。
ストーリーはかなり勢いに任せているように感じられ、
全体をしっかり構成していなかったのは残念だった。
{netabare} 思わせぶりな記者のシーンが頻繁に挟まれるが、
最終回まで何もなく、そのまま終わってしまう。
また、さくらの過去話を最初から最後まで引っ張り、
物語の核としたのに、その部分の話が全く練られておらず、
ただの運の悪い女という話にしたことも良くなかった。
特にさくらの過去話は、もっとしっかり作ってくれたら、
最終回でさらに盛り上がったと思うし、
感動できたのではないだろうか。 {/netabare}
そこには詰めの甘さを感じてしまった。

ただ、全体を見渡してみると、
ゾンビのアイドル話に佐賀県という、
まとめられないような異質なものを上手く組み合わせ、
多くの人の記憶に残る、面白いアニメを作った。

アイドルアニメの異端として、続編も制作。
今後も盛り上がっていきそうだ。
(2019年1月27日初投稿・2021年4月10日修正)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 101
ページの先頭へ